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Tokyo Metropolitan Assembly

公営企業委員会速記録第十一号

平成二十一年十月二十二日(木曜日)
第十委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十四名
委員長神林  茂君
副委員長くまき美奈子君
副委員長木内 良明君
理事山内れい子君
理事たきぐち学君
理事樺山たかし君
桜井 浩之君
鈴木 章浩君
田の上いくこ君
松葉多美子君
高橋 信博君
泉谷つよし君
花輪ともふみ君
相川  博君

 欠席委員 なし

 出席説明員
水道局局長尾崎  勝君
次長小山  隆君
総務部長森 祐二郎君
職員部長坂内 顕宏君
経理部長猪熊 純子君
サービス推進部長内海 正彰君
浄水部長吉田  永君
給水部長酒井  晃君
建設部長今井 茂樹君
企画担当部長高原 俊幸君
設備担当部長吉田  進君
参事松丸 俊之君
多摩水道改革推進本部本部長増子  敦君
調整部長大平 晃司君
施設部長野口 芳男君
参事木村 康則君

本日の会議に付した事件
 陳情の取り下げについて
 水道局関係
事務事業について(質疑)

○神林委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
 初めに、陳情の取り下げについて申し上げます。
 お手元配布のとおり、二一第二六号、こう配による排水困難解消のための下水道工事実施に関する陳情は、議長から取り下げを許可した旨、通知がありましたので、ご了承願います。

○神林委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、水道局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより水道局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○たきぐち委員 たきぐち学でございます。初めて質問させていただきます。
 私からは、水道施設の耐震化について伺いたいと思います。
 今後三十年以内にマグニチュード七クラスの首都直下型の大地震が発生する可能性が七〇%と指摘されているわけでございます。私の地元の荒川区でも、毎年、総合震災訓練を実施しており、また、各町会でもそれぞれ独自の防災訓練を行い、いつ起きるかわからない大地震に備えているところでございます。
 私も、地元では、消防団の一員としてさまざまな訓練に参加をいたしております。そんな中で、ライフラインの確保という観点が極めて重要であると、私は認識をいたしております。近年の地震の状況を見ても、長時間の断水が生じて、給水車に水を求めて列をなしている模様がニュースで報じられるなど、水道機能がストップした場合の影響が甚大であるということがわかるところでございます。
 先日の事務事業説明でいただきました東京水道経営プラン二〇〇七におきましては、危機管理対策の一層の推進ということで、各種水道施設の耐震化が盛り込まれております。
 そこで、水道局ではどのような考え方で施設の耐震化に取り組んでおられるのか、まず伺いたいと思います。

○高原企画担当部長 当局では、震災対策を最重要課題の一つとして掲げ、東京都水道局震災対策事業計画を定め、これに基づき施設の耐震化を進めております。
 この計画は、地震による水道施設の被害を最小限にとどめ、都民への安定給水をできる限り確保することを目的として、水道施設の耐震強化とバックアップ機能の強化の二つの柱から構成され、これに基づき耐震化を図っているところでございます。

○たきぐち委員 水道施設の耐震化は、地震時には、給水の確保だけではなく、人命にかかわる重要なものであると思います。そういう中で、耐震化を行うに当たりまして何かしらの統一した基準があるかと思いますが、こうした水道局の施設についてはどのような根拠法令に基づいて耐震化が進められているのか伺います。

○今井建設部長 水道施設の耐震化は、水道法第五条の施設基準や、同条に基づき定められた水道施設の技術的基準を定める省令がその根拠法令です。
 なお、このうち、水道施設の技術的基準を定める省令は、水道施設の備えるべき性能基準をより明確化するため、平成二十年三月に大幅に改正されております。

○たきぐち委員 ただいまの答弁によりますと、省令等でそうした基準が定まっているということがわかりました。そして平成二十年、つまり昨年の三月に具体的な耐震性能等が規定されたというご答弁でございました。
 率直にいって、随分遅いなあというふうにも感じるわけでございますが、なぜ、この時期に大幅な省令の改正があったのか伺いたいと思います。

○今井建設部長 平成十六年十月に新潟県中越地震、平成十九年三月に能登半島地震、平成十九年七月に新潟県中越沖地震など、ここ数年の短い期間の間に震度六強を超える大規模な地震が発生していたこと、また、全国的に水道施設の耐震化の備えが十分でないことなどから、こうした大規模な地震による被害が拡大いたしました。
 このような状況を受け、耐震化を円滑に推進するため、早急に水道施設の備えるべき耐震性能をより明確なものとすることが求められている、それが理由でございます。

○たきぐち委員 ここ近年の大きな地震を受けて、また、そのときの地震による甚大な水道施設の被害状況を受けて、省令が改正されたということでございました。
 ここで、この改正された省令について、もう少し具体的内容について、わかりやすく伺いたいと思います。

○今井建設部長 改正前の省令は、断水や給水への影響を抑え速やかな復旧を可能とするための規定が定められているのみで、その具体的な取り組みについては各水道事業体の判断に任されておりました。
 これに対し、改正後の省令では、水道施設を重要度に応じて二つに区分し、地震により施設の機能を失わないことや、生ずる損害、損傷が機能に重大な影響を及ぼさないことなど、それぞれに備えるべき耐震性能の要件を規定しております。
 その結果、阪神・淡路大震災クラスの地震にも対応できる耐震化の基準が明確にされました。

○たきぐち委員 阪神・淡路大震災、そしてまた近年の新潟県の中越地震、あるいは十九年三月、能登半島地震、そして七月の新潟県の中越沖地震と、水道施設に被害が生じ、多くの住民の方々が断水による不便な生活を強いられていたということが大きく報道されたところでございます。こうした教訓を得て、最新の知見を省令に反映し、そして今後の水道施設の耐震化のあり方を示すことは、重要であると思っております。
 こうした水道施設の中でも重要な施設である、例えば浄水場や給水所といった施設は、今ご答弁がありました改正省令の中ではどのような区分になっているのか、教えていただきたいと思います。

○今井建設部長 改正されました省令では、阪神・淡路大震災クラスの地震が発生した際にも耐えられるよう、浄水場や給水所などの施設については、先ほど申し上げた二つの区分のうち、重要度が高い施設に区分しております。重要度が高い区分は、水道局ではランクAとしており、阪神・淡路大震災クラスの地震であっても生ずる損傷が軽微であって、その施設の機能に重大な影響を及ぼさないことが備えるべき要件となっております。

○たきぐち委員 浄水場や給水所といった重要施設についてはランクAに区分されている、高い重要度に位置づけられているというお話でございました。
 こうした浄水場などの施設のほか、管路についても、この延長が膨大であることから、重要度に基づいて、どこからその耐震化を行っていくのか、優先順位を決めて工事を進めていくことが大切になってくるんだろうと思います。
 荒川区におきましても、都電荒川線の道路で水道管の耐震工事を行っております。工事区間が都電の一駅分、大体四百メートル強ぐらいだと思いますけれども、そこを一年かけて工事を行っているわけであります。
 こうした工事というのは、夜間工事とはいえ、当然、近隣住民の方々の協力が不可欠になってくるかと思います。管路工事では、当然、道路交通への影響が発生いたしますし、また、浄水場あるいは給水所においても、工事用の車両が出入りする等々、近隣住民の協力があって、こうした工事が進められるんだろうと思います。
 少なからず、こうした工事にかかわるトラブルを私も耳にすることはあります。こうした工事を円滑に進めていくためには、水道施設の耐震化に関する住民の方々、都民の理解が欠かせないというふうに思います。そのために、住民への工事の告知、お知らせはもとより、水道施設の耐震化について説明責任を広く果たしていくことも重要であるというふうに考えておりますが、その辺の所見を伺いたいと思います。

○今井建設部長 水道局ではこれまでも、工事の実施に先立ち近隣住民へのリーフレットの配布や、工事説明会において、当該工事内容とともに耐震化の必要性についても説明してまいりました。また、耐震化工事の必要性については、局のホームページやパンフレットなどの活用により、都民に広くPRしております。
 今後とも、引き続き、水道施設の耐震化の必要性を都民により浸透させていくためのPRを実施してまいります。

○たきぐち委員 公共工事に対する区民、都民の目が厳しくなっております。必要ある工事は行う、そして必要ない工事は行わない、それが我が党のスタンスでもありますけれども、必要な工事については、しっかりと住民の方々に説明責任を果たしていくということが重要だと思います。
 私も区議会議員時代に、こうした、いざ震災が起きた際の取り組みについて、さまざまな議論をしてまいりましたけれども、私が住んでおります木造密集地域が多い地域においては、例えば木造家屋に対する耐震助成、耐震補強の助成などを行っておりますけれども、なかなか区民の方々の意識が高まらない。こうした、いざ地震が起きた際にどういう対応をするのかということについて、私が感じているのは、すべてを行政任せにするのでなくて、区民、都民の意識の向上、あるいは備えも必要だというふうに考えております。
 そういう観点からいいますと、こうした水道の耐震工事を実施する際に周辺住民への説明責任をしっかりと果たしていくことが、これがひいては区民あるいは都民への啓発活動にもつながってくるのではないかというふうに考えておりますので、ぜひ、こうした重要な工事に対してはしっかりと理解を得ながらも、その必要性について周知徹底、告知をしていただきたいとお願いしたいと思います。
 また一方で、こうした施設の耐震化は重要ではありますけれども、東京の水道施設は膨大でありますから、時間も費用もかかってくるかと思います。冒頭、今後三十年以内に云々というお話をさせていただきましたけれども、それがいつ来るのか、あしたなのか、あるいは来年なのか、三年後なのか、これは予測がつかないわけでございます。いつ、こうした震災が起きても、被害を最小限に抑えていく、ライフラインをしっかりと確保していくために、明確な基準に基づいて、適切な工事を適切な予算で、そして優先順位の高いところから実施していくということが重要で、水道局の責任は大きいと思っております。
 救命ライフラインとしての水道システムの構築に今後も鋭意取り組んでいただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

○桜井委員 都議会自由民主党の桜井浩之でございます。私の方からは、八ッ場ダムの件に関しまして、利水の観点から質問をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 私ども都議会自由民主党では、先週でありますが、群馬県八ッ場ダムの現場視察を行ったところであります。私も同行しまして現地を視察してまいりましたが、マスコミ等でも報じられているように、つけかえ道路や鉄道は既に大部分が完成、そして、仮排水トンネルなどダム本体関連工事も進んでおり、あとはダム本体をつくるだけの状況でありました。
 引き続いて地元住民の皆さんとの意見交換をさせていただきましたが、このような中、国の一方的な政策転換に翻弄される住民の方々から、身につまされるような悲痛な声を聞かされたところであります。
 この住民の皆様から、全国から誹謗中傷が届いている、私たちは安心した暮らしをしたいだけ、自分の父兄はカスリーン台風の被害を受け借金で苦労した、私も、この地に嫁いできて、人の命にはかえられないと思い賛成したとの声。また、五十七年の苦労を多くの人に知ってほしい、中止になったら、何のために移り住んだのかわからないという声。そして、特に、私たちは治水、利水のために犠牲になってきた、その受益者である下流都県がもっと声を上げてほしいとの声には、地元の方々に対する我々の責任の重さを痛感させられたところであります。
 私は、八ッ場ダムは、国、関係都県及び地元が長い歳月をかけて協議を積み重ね、法に基づき、民主的な手続のもと進めてきたということを認識しております。また、過去に東京都はこのダム建設における訴訟を起こされており、結果、平成二十一年五月十一日の東京地裁判決で、都の全面勝訴で終わっている。
 このような経緯があるにもかかわらず、現国土交通大臣は、マニフェストに掲げたからの一言で一方的に中止を叫び、その上、いまだに明確な理由すら明らかにしていないことについては、憤りを感じざるを得ません。本当に必要がないという正当な理由があるならば、しっかりとその根拠を、一都五県はもとより国民全体に早急に説明すべきであると、大臣に申し上げたい。
 そこで最初に、我が国、日本の首都である東京都にとって八ッ場ダムの利水上の必要性について伺います。明快なご答弁をお願いします。

○高原企画担当部長 まず、都の水源の約八割を占めます利根川・荒川水系の水資源開発は、五年に一回発生する規模の渇水に対応することを目標に計画をされており、十年に一回発生する規模の渇水に対応するよう計画されている全国の主要水系に比べて、渇水に対する安全度が低い計画となっております。
 その上、この計画に基づく都の水源量は、現在、日量六百三十万立方メートルですが、この中には、神奈川県等から毎年の協定で分水を受けており、相手方の水事情によっては分水を受けられなくなる相模分水など、取水の安定性が低い課題を抱える水源が日量八十二万立方メートル、率にして一三%含まれております。
 さらに、利根川・荒川水系では、近年の少雨化傾向により、ダム等の供給能力が当初計画より既に約二割減少しており、実際の供給能力は、課題を抱える水源を含めても、現在の日量六百三十万立方メートルが五百五十二万立方メートルにまで低下しております。
 このようなことから、今後、気候変動による水資源への深刻な影響も懸念される中、首都東京の安定給水を将来にわたって確保していくためには、八ッ場ダムは必要不可欠でございます。

○桜井委員 今のご答弁で、八ッ場ダムの利水上の必要性については理解をいたしました。
 では、建設反対派は、八ッ場ダムの有効貯水量九千万トンのうち、夏場は洪水対策でダムの水位を下げるため、洪水期の利水容量は二千五百万トンにすぎず、渇水への効果はわずかと主張するが、これは本当なのか伺います。

○高原企画担当部長 八ッ場ダムは、利水、治水の目的をあわせ持つ多目的ダムであり、非洪水期の利水容量九千万立方メートルに対し、夏場の洪水期は、各利水者が別途、農業用水の合理化事業等により水源を確保していることから、利水容量は二千五百万立方メートルとなっております。
 このダムは、非洪水期に九千万立方メートルの容量を生かして貯水に努め、河川からの取水量が増加する夏場に向けて放流を行うことで、最も水利用の多くなる五月以降の水需要期にも安定的な水供給を図ることができるものであります。
 また、八ッ場ダムは、集水面積が約七百八平方キロメートルと広いことから、いわば回転率が高く、小さな利水容量で大きな開発水量を生み出すことができるものであります。
 したがって、八ッ場ダムの利水上の効果は十分に期待できるものと考えております。

○桜井委員 今の答弁で、反対派の、首都圏は水余りに加え、渇水ヘの効果がわずかで、利水上の必要性がないという主張に根拠がないことが明らかになった。
 次に、中止した場合の方が少ないと反対派が主張する事業費について伺いますが、東京都の利水負担金の総額をお示しいただきたい。

○高原企画担当部長 八ッ場ダムに係る当局の負担金総額は、国庫補助金を含めて七百八億円でございます。そのうち、平成二十年度までに支出した額は五百三億円でございます。

○桜井委員 八ッ場ダムの総事業費は、再三、報道されているとおり四千六百億円であり、このうち執行済みは三千二百十億円、未執行は千三百九十億円と聞いております。執行済額のうち利水者負担分は、今、答弁がありました都の五百三億円を初め千四百六十億円と聞いております。今後も、必要な生活再建事業七百七十億円を加えれば、二千二百億円超となります。さらに、関係都県は、治水分の五百二十億円も国に返還請求するとしている。したがって、建設継続の場合の千三百九十億円に比べ明らかに中止の方が負担額は多くなる。これは、国庫補助金を除いても同様のはずであります。
 現政権が公共事業の見直しを掲げるのは、国の財源捻出のためであったはずである。その象徴とした八ッ場ダム中止は、逆に財政負担を招く結果となる。
 以上、建設反対派の主な主張である、利水上の必要性や渇水への効果、事業費について伺いましたが、いずれも根拠がないことがわかりました。それは、国土交通大臣が主張する八ッ場ダム建設中止に根拠がないことを証明するものであります。関係一都五県は、これら建設中止についての誤解、幻想を解き、八ッ場ダムの正当な必要性を強力に訴えていかなければなりません。
 冒頭にも話をさせていただきました、下流都県は八ッ場ダムについてもっと声を上げてほしいという地元の声にこたえ、東京都は、その必要性について都民に事実を知ってもらう努力をすることと同時に、関係自治体とともに、断固中止撤回を国に求めていくべきと考えるが、建設継続に向けた水道局長の決意を伺い、質問を終わらせていただきます。

○尾崎水道局長 東京の水道は、一千三百万の都民生活と東京の首都機能を支える上で欠くことのできないライフラインであり、平常時はもとより、渇水時にも可能な限り給水を確保することは、水道事業者の重要な責務であります。このため、水源の確保は極めて重要であり、水源が脆弱な首都東京にとって、八ッ場ダムは必要不可欠であります。
 水源確保の重要性につきましては、これまでも「水道ニュース」やホームページ、群馬県との上下流交流事業の実施、気候変動の影響に関する報告書の作成などを通じ、都民の皆様に認識していただいてまいりました。
 今回の国の一方的な中止表明に対し、今後も、あらゆる機会をとらえ、都民の皆様にダムの必要性を強く訴えていくとともに、関係自治体と協力して国に事業継続を要請していくなど、建設促進に全力を挙げて取り組んでまいります。

○木内委員 さきに都議選がありまして、十八期の議会構成が行われて、きょうは初めての局別事務事業質疑ということでありますので、誠実また真摯な議論を深めてまいりたい、こう思うわけでございます。
 特に、それぞれ意見の異なる会派が一つのテーマに対してしっかりと議論を行って、そうした質疑と答弁の中から具体的な成果というものを結実させていく、そういう意味合いもこの事務事業質疑にあるわけでございます。執行機関の皆様においてもぜひしっかりと受けとめて、また、誠実な答弁もお願いをしたい、こう思うわけでございます。
 先ほど来、議論がありますけれども、利水、治水ということであります。これは、人類の歴史の中で、二つのテーマというものは、常に基本的な前提になってきているわけでございます。
 前置きが長くなって大変恐縮でございますが、紀元前六世紀のころでございますけれども、中国の春秋時代、当時の黄河の沿岸諸国の中で、楚という国がいよいよ覇権を目指して勢力を伸長しつつあったこのとき、黄河の沿岸諸国が群雄割拠して殺りくと侵略を繰り返していた。このときに、葵丘の会盟という会議が行われまして、お互いに攻撃し合う国同士であるけれども、幾つかのルールをつくろうじゃないかということで、いろいろな取り決めを行ったけれども、これらはことごとく実は破られてしまった。こういう実態の中で、一つだけ、実は破られなかったルールがある。それは、防を曲げずということであった。防というのは、いわば黄河の堤防であります。これは、お互い、どんな状況にあっても他国の堤防を決壊させてはならない、こういう取り決めがあって、これだけは終始守られたという故実があるのでございます。私はよく目にいたしますけれども、陳舜臣さんという方の論文の中にこういうのが出てまいりまして、有名な葵丘の会盟というエピソードであります。
 それほど、この治水というのは侵してはならない、いわば極めて重要な、息遣いがたゆまない人類の歴史の中で必要な前提であり、基本的な課題であった、こういうことでございます。
 それから、もう一点だけ事例を引用させていただければ、一九七〇年代でしたでしょうか、イザヤ・ベンダサンが著した「日本人とユダヤ人」という本がありました。この中で、有名な言葉でありますけれども、この両民族の比較の中で、日本人はユダヤ人に対してどこが違うかといえば、水と安全がただで得られるという錯覚を日本人はしているところであると。山紫水明の国、水清く、常に飲料に適する水がそばにあった。あるいは、島国でありましたから、長い間、他国の侵略というものがない歴史の経過をたどっている。ユダヤ人は全く、常に危機意識を持っていた。
 これはまさに、二つのエピソードとも、現代に対する警鐘を乱打する、現代に対する大きな教訓だと私は思うのでございます。
 そこで、国家百年の大計ということを考えますと、今回のこの治水、利水というとらえ方からする八ッ場ダムの問題も、冷静に議論をしていく必要があるだろう、感情であったり、あるいは政局の変動の中で、この本質を見失ってはならないということを強く感じるわけでございます。
 さて、中央の政権がかわりました。この結果、都政のいろいろな分野においても影響が出ているわけでございます。中でも、この八ッ場ダムの問題は、新しい政権の特徴ある象徴とされておりまして、マスコミも大きく報道しているところであります。
 国は、この八ッ場ダムについて、これまで三回、基本計画の変更を実施してまいりました。その都度、国からの意見照会に対して、都議会で私どもは、真摯に同じく議論を行って、その上で、国、地方はともに、その必要性を認めて、国と自治体である東京都、治水者、利水者である東京都は、一体になって建設を推進してきた経過があるわけであります。
 特定多目的ダム法では、国は事前に地方と協議するように定められているわけでありますけれども、まず最初にお尋ねをするのは、特定多目的ダム法では、基本計画を決定、変更または廃止する手続についての具体的な規定がどうなっているのか、お尋ねします。

○高原企画担当部長 特定多目的ダム法第四条第四項では、国土交通大臣は、基本計画を作成し、変更し、または廃止しようとするときは、あらかじめ関係都道府県知事及びダム使用権の設定予定者の意見を聞かなければならないとされており、この場合において関係都道府県知事は、意見を述べようとするときは当該都道府県の議会の議決を経なければならないと規定しております。

○木内委員 今回の国の方針について、東京都に対して国から、これを中止する理由について、法に基づく事前の協議や、あるいは相談があったのかどうか。これはまさに今答弁にあったように、法律事項でございますし、治水者、利水者である東京都知事に対して法律に基づいたこうした作業が行われていると思うんですが、どうなっていますか。

○高原企画担当部長 当局は、先ほどご答弁申し上げました国が協議すべきダム使用権の設定予定者に該当するわけでございますけれども、本日現在まで、国からは法に基づく正式な意見照会はなく、事務レベルにおきましても、通知等、連絡等はもらってございません。

○木内委員 申し上げたように、政局であったり政権の交代があっても、こうした国民の生活に著しく関連する、五十年、百年の大計に基づいた施策の展開に当たっては、行政の継続性というのは、民心の安定の意味からも、また行政のいよいよの充実拡大の意味からも、欠くことのできない要件であると私は思っているわけでございますけれども、特に、今答弁があったように、法律に基づくそうした事前の協議あるいは相談がなかったということについては、また議論を他日に譲るとして、法律事項における欠格の要件がここに一つあるのではないかということを、私はここであえて申し上げておきたいと思います。
 さて、最近、都内でもゲリラ豪雨が頻発しておりましたり、あるいは、さらに−−きょうの質疑で触れられたわけで、委員長いわれるように重複を避けながら質疑を進めさせていただきますけれども、頻繁に渇水が発生するなど、全国的な異常気象の影響が顕在化しているわけでありまして、気候変動の影響が今後一層大きくなることが実は懸念されている。さらに、首都圏で大規模な渇水が発生する危険性というものが大変に、実は確実視されている残念な状況にあるわけであります。こうした異常気象が水源に大きな影響を及ぼすことも考えられるわけであります。
 例えば、利根川流域の年の降水量、この長期的な傾向、あるいは、近年の少雨化傾向によって水源の供給能力が、利根川水系あるいは荒川水系で、実はどのような変遷を見ているのか。したがって、現在保有する水源量、都の関係においても重大な問題が発生してこざるを得ない。さらに、これを、何度も申し上げるように、五十年、百年というタームで考えますと、やはり地球温暖化の影響、あるいは、この生活する地域だけではない、地球環境的、他律的要因によって、この中期、長期におけるさまざまな変動というものが残念ながら予測されているわけでございます。
 こうした長期、例えば百年というスパンに立って物を考えた場合に、この利根川上流八ダムにおけるダムの枯渇の見通し等について、都民の代表として、私どもはきょう議論に臨んでいるわけでありますので、明快にお答えを願いたい。

○高原企画担当部長 長期的な傾向並びに、その後の予測といったようなお尋ねでございますけれども、利根川流域の過去百年間の降雨状況を見ますと、降水量は長期的に減少傾向にあり、また、雨の多いときと少ないときの変動幅が拡大する傾向にございます。このため、現時点でも、利根川水系のダム等による供給能力は、当初計画よりも既に二割減少を見ております。
 また、国等の予測によりますと、地球温暖化の影響により、利根川上流の積雪量は現在の三分の一に減少するとともに、雪解けの時期が早まるとし、この結果、利根川上流八ダムでは将来、ダムの枯渇が二十年間当たり五回もの頻度で起き、その期間は延べ七十六日間に達すると予測してございます。

○木内委員 お尋ねをした個別の具体例についての見通しを述べていただいたわけであります。今いかに新しい施策の展開、あるいは工事の推進というものが必要であるかということが如実に理解されるわけであります。
 こうした異常気象、気候変動の影響というものは同時に極めて深刻でもございまして、水資源の確保というものは、単に東京に限定するまでもなく、首都圏全体に対する安定給水のために不可欠の要件である、問題である、こう思うわけでありまして、八ッ場についても、こうした長期的視点のもと建設を進めるべきである、こう思うわけであります。
 そこで、この八ッ場ダムが完成した場合に渇水の危険性が低くなるのは、先ほど来の質疑答弁で明らかでありますけれども、具体的に、この渇水の危険性がどう軽減されるのか。さきに国交省からもシミュレーションが出ているわけでありますけれども、こうした例も引用して答弁願いたいと思います。

○高原企画担当部長 利根川水系では、平成になってから夏冬合わせて延べ六回、渇水による取水制限を余儀なくされております。特に平成八年の渇水では、延べ百十七日間にわたる取水制限が実施され、噴水の停止、プール等の中止、ビール工場での生産ラインの一部停止など、都民生活に大きな影響を生じているわけでございます。
 国土交通省によりますと、八ッ場ダムが完成した場合の過去の渇水への効果を試算した場合に、過去六回のうち三回の取水制限は回避され、平成八年の場合に、取水制限日数は百十七日から十七日間へと百日間減少できるというふうにしてございます。

○木内委員 今答弁にありましたように、国交大臣のもとでの国交省が、実はこれまでシミュレーションを策定している。この中で、取水制限日数が百十七日から十七日間となって、百日間も実は減少が可能である、こういう内容であります。
 私は、今回、新任の国交大臣が、こうしたデータを検証した上で中止を表明するなり、これまでのさまざまな角度からの分析あるいは今後の見通しを精査して、その上での判断を下されたのかどうか、実は疑問に思うわけでございます。これは恐らく、きょうの委員会で、この後、同じテーマで委員の方で質疑されるということを仄聞しておりますので、反論もあろうかと思いますけれども、ぜひ、この議論の場でこうした点も明確にしてもらえればありがたいというふうに思うわけでございます。
 一方、ダム事業というものは、建設事業だけではできないわけであります。その事業費には生活再建分も含まれておりますけれども、地元の生活再建あるいは地域振興のためには、これを補完する水源地域対策特別措置法による事業、すなわち、利根川・荒川水源地域対策基金による事業が極めて重要であります。
 そこで、こういう−−実は仮定の議論はしたくないのでありますけれども、万が一、事業中止になった場合、東京都は、水特法あるいは基金に基づく両事業に対する具体的な対応、これをどういう作業として進めるのか、お尋ねをします。

○高原企画担当部長 都といたしましては、建設を推進すべきというふうに考えてございますので、先生ご指摘のとおり、あくまで仮定ということでお答えをさせていただきます。
 都では、建設事業だけではなく、関係県とともに、地元の生活再建や地域振興を図るという観点から、水源地域対策特別措置法並びに利根川・荒川水源地域対策基金による事業として、公共事業や老人福祉センターの整備、移転用地等を取得するための借入金の利子補給などを実施してまいったところでございます。
 しかし、建設事業そのものが仮に中止ということになるとなれば、都が両事業に支出する根拠がなくなってしまいますとともに、これまでの支出額については、国に返還を求める検討を行うこととなります。

○木内委員 先ほどの桜井議員の質疑にもございました。自民党さんが現地に足を運んで、つぶさに生の声をお聞きになってきた。私どもも何度も現地には足を運んでまいりました。今回もまた行ってまいりました。都議会公明党として、現場第一主義を貫き、そこで生活をし、そうして、これまで行政にご協力をいただいた皆様、関係者のご意見をしっかりと承りながら、これを政治の場に反映しなければならない、こういう思いだったわけでございます。
 生活再建や地域振興のために下流都県が支出してきた水特法、基金の両事業がとまることは、地元住民に大変深刻な影響を及ぼすということがいえるわけであります。よく、この本体の事業費ばかりが注目されるわけでありますけれども、地元の再建のためには、この両事業が担ってきた役割というのが極めて大きいということを、まず私どもは真摯に認識すべきであるということを一つ思います。
 それから、中止というなら、国は責任を持って事業を遂行していく義務がある。この問題は実は単純ではありません。本当に行政に協力し、協議の中で、みずからの生活を犠牲にし、国のため、子孫のために苦渋の判断をされた方々の思いというものも反映しなければならないと思うわけであります。あらゆる機会を通じて、また、現場の生の声を政治に反映する努力を、今後もしっかりと続けていかなくてはならないと思うわけでございます。
 その一環といって決して過言ではないと思うんですけれども、去る十月十九日、石原知事を含め、関係都県の知事が一堂に会して現地を訪れたわけであります。この内容については新聞報道がありますけれども、局として、この知事団の訪問をどういうふうに認識しておられるのか、お答えを願います。

○高原企画担当部長 先般、一都五県の関係知事は、湖面二号橋やダムサイト建設予定地、あるいは既に住民の方々が生活を始めております川原湯地区の代替地などを視察するとともに、地元町長や住民の方々との意見交換を行ったものでございます。
 その上で、八ッ場ダムは、治水、利水上、必要不可欠であり、国が一方的な建設中止を表明したことは極めて遺憾であるとし、さらに、中止の方針を一たん白紙とした上で、地元や関係都県の意見を十分に聞くとともに、中止撤回を強く求める旨の共同声明を発表してございます。
 また、あわせて、地元住民の生活再建の青写真を本年十二月二十八日までに示すことも求めております。
 局といたしましては、まさしく私どもも、この共同声明と思いを同じにするところでありまして、関係都県とともに協力し、建設推進を強く求めてまいりたいというふうに、かように受けとめてございます。

○木内委員 地元の方々は、いずれもが、一日も早いダムの完成とダム湖を前提とした、その上での生活再建、これを強く希望されているわけであります。
 建設中止、これを白紙に戻さなくてはいけない。建設中止をはね返すためには、何よりも、ダムを必要とする一都五県が強い決意で臨む必要があると思いますし、私ども都議会のそれぞれの立場でも、しっかりと皆様の期待にこたえていかなくてはいけない、こう思うわけであります。
 何度も申し上げますけれども、冒頭、引用しました事例に基づくまでもなく、葵丘の会盟あるいは水と安全に対する考え方、こうした点を考えますと、人間が生きていく上での最低限のライフラインが実は水でありまして、この前、発生しましたインドネシアのスマトラ沖地震においても、ライフラインの中でも、いろいろな要素があったけれども、水の供給というものが実は大変な問題であったというわけでございました。
 その意味では、きょう、執行機関の皆さんが、こうして委員会に出席をいただいているわけでありますが、水道局長を先頭にした皆さんの役目、また役割というもの、使命というものは極めて重大でありますので、今後の奮闘もお願いをしたいわけでありますけれども、都の安定給水を預かる水道局長として、水源確保に、特にこの八ッ場に対して強い決意をお持ちだと思いますので、お答えを願います。

○尾崎水道局長 先ほども答弁させていただきましたが、東京の水道は、一千三百万都民の都民生活や首都東京の都市活動を支える上で欠かすことのできない重要なライフラインであり、平常時はもとより、渇水時にも可能な限り給水を確保することは、水道事業者の重要な責務であります。
 このため、水源確保はとりわけ重要であり、不安定取水や渇水に対する安全度が極めて低いなど、水源が脆弱な首都東京にとって、八ッ場ダムは必要不可決であります。
 八ッ場ダムにつきましては、都議会並びに都民の皆さんのご理解を得て、国や関係自治体、地元とも連携して建設を進めてきたところであります。今回の一方的な中止表明に対し、関係自治体と協力して、国に、事業の継続と一日も早い八ッ場ダムの完成を強く求めてまいります。

○木内委員 局長の強い決意でありますので、ひとつ力を合わせて、議会と執行機関というのは車の両輪でありますので、きょう、新しいスタートにしていきたいと思います。うなずいてくだされば結構であります。答弁は要りません。
 さて、次に水道水の水質の問題、伺います。
 東京都の水道局においては、水質の悪い利根川水系の浄水場に高度浄水処理を順次導入してまいりました。平成二十五年には一〇〇%達成ということで、先がしっかりと見えてきている。高度浄水により水が非常にレベルが高くなって、都民にも非常に評判がいい。
 実は、そうしたことを知らない都民も大勢いるわけであります。こうしたいわゆるPRの必要性等について伺いますけれども、認知度が、こうした経過に対して低いようでありまして、ファッションもあるんでしょうか、ボトルウオーターを持ち歩く若者も多い。そうした若い世代に標的を絞って、おいしい水への認識や、水道事業への理解を得るための工夫が必要だと思うわけでありますけれども、仄聞するところ、新しい時代からの使者といわれております若い世代、特に高校生を中心にボランティア活動等を試行的にこれまで行ってきて、大きな成果が上がりつつあるということでありますが、この点についてご報告を願いたいと思います。

○松丸参事 先生ご指摘の新しい試みといたしましては、多摩地区の都立高校で、高校の中で奉仕という時間が設定されています。奉仕の授業の一環といたしまして、震災時の応急給水活動の体験学習を実施したような例が出ております。

○大平調整部長 平成十九年度から、都立高校では奉仕の授業が必修化されまして、奉仕活動の範囲として災害援助活動が例示されております。
 こうしたことから、本年七月に、都立瑞穂農芸高校の奉仕の授業を活用いたしまして、水道局が応急給水活動の意義について講義を行いますとともに、生徒には、給水袋に充水して、約一キロメートル離れた高齢者福祉センターまで運ぶ応急給水活動を実際に体験してもらいました。この実習には、生徒、先生を合わせて約百五十名が参加いたしました。

○木内委員 いいですか。もういいの、答弁は。
 複数の部にわたっている場合は連携が難しいから、うまくやってください。
 今の答弁にあった、高校生に震災対策を直接体験してもらう試みというのは、私は非常に重要な意義があるというふうに思うわけでありまして、これをさらに拡大をしていく。さらに、教育庁とも連携をとる中で、こうした波動というものを若い世代全体に広げていく、インセンティブを与えていくということが大事だと思うんですね。
 大勢の生徒が参加したということですけれども、いろんな反応が、実は功罪相半ばしてというのかな、あったかもしれませんけれども、私が聞くところ、大変に実は評価がいい。この授業というのが好感を持って迎えられたというふうに聞いているわけでありますが、この取り組みのねらいと成果についてもご報告を願いたいと思います。

○大平調整部長 給水拠点での応急給水活動は、東京都地域防災計画におきまして区市町の役割と定められております。きめ細かな支援活動を行うためには、災害時にボランティアを活用することは有効であります。このため、高校生に応急給水活動の重要性を啓発することを目的に、学校と共同で実施をいたしました。
 この実習に参加をした生徒からは、この経験を生かして、いろいろな人と協力して人を助けることができることを学んだといった、ボランティア活動に参加意欲を示す感想が多数寄せられました。

○木内委員 また、これまで、私ども都議会公明党は、いろんな議論の場を通じて、震災時の応急体制ということの充実についても指摘、要請をしてきたところでありまして、今後、やはり震災、発災時におけるこうした対応というもの、水道局マターにおいても重要な課題になるだろう、こう思っているわけであります。
 応急給水を行うのは区市町の役割でありますけれども、これらが確実に実施されることは、地域住民にとっても実は大きな意味があることであります。発災時に、都や区市町の職員も被災し、速やかな対応にはマンパワーの不足というものも懸念されるわけであります。そうしたケースを考えますと、過去の震災の事例からも、ボランティアの活用というものは極めて有効である。
 そういう点からいいますと、ボランティア以外にも、町会や自治会などの地域住民と連携した取り組みも有効であると考えるわけであります。震災時の応急体制の充実のために、局、区市町だけでなく、日ごろから、ボランティアも含めた地域住民との連携作業というものが重要だと考えるわけでありまして、私自身、この施策の展開、これを強く求めるものでありますが、どうでしょうか。

○森総務部長 震災時の応急給水につきましては、おおむね半径二キロメートルの距離内に一カ所設けている給水拠点におきまして、区市町と局が連携して実施することになっております。しかし、一度に多くの方が給水拠点に押し寄せた場合など、震災時には想定を超えた事態もあり得ることから、先生ご指摘のとおり、円滑な応急給水を行うためには地域住民の方々のご協力が必要不可欠であると考えております。
 これまで局では、給水拠点などにおきまして、区市町の職員と連携して応急給水訓練などを実施してまいりましたが、今後、都立高校での奉仕の授業を活用する取り組みとあわせ、町会や自治会の応急給水訓練への参加を区市町に働きかけるなど、局、区市町、地域が連携した震災時の応急体制づくりに向けまして取り組みを強化してまいります。

○木内委員 きょうの私の質疑は三つの分野なんですが、一つのテーマというのは八ッ場ダムの必要性、今後への対応ということの議論の成果を得ること。これは終わりました。それから、今お聞きした点について申し上げれば、都立高校での奉仕の授業の活用の展開。もう一つは、各地域単位の、いわゆる町会組織等への働きかけを行って、いわゆる地域連携の震災時の応急体制づくりということでありました。これについては明快な答弁がありましたので、今後、継続して、他日の機会に、さらに、その検討結果がどのように具体的に行われていくかということを、また質疑の中で確認をしていきたいと思います。この議会の議論の意味というのは、まさにそういうところにあるわけであります。
 次に進んでまいりたいと思うんですけれども、水道事業について都道府県横断的、いいかえれば全国的な共通課題というものも多いと思うのであります。
 例えば、水道水を蛇口からそのまま飲むということは、東京だけでなく我が国の誇るべき文化であって、蛇口回帰というのは、これは重要な取り組みであります。私は、そうした取り組みは、都だけで行うのではなくて、隣接する首都圏の水道事業体が手を携えて、広くこれを結実させていくことが重要であると。
 後で触れるわけでありますけれども、都道府県でいけば、私どもの党では、町田選挙区でお世話になっている小磯さんが、よおく、しつこく議会で議論を行って、川崎と東京都の連絡形態をしっかり成就させたというようなこともあるわけでありますけれども、こうしたいわゆる複眼的な立場に立っての議論も今後していかなくてはいけない、こう思うわけであります。
 まず、利用者への情報提供ですけれども、現在の広報における広域的な取り組み状況についてご報告願います。

○松丸参事 当局では現在、安全でおいしい水プロジェクトに取り組んでおります。この中で、お客様の水道水に対する不安や不満などを解消し、安心して蛇口から水道水を飲んでいただくように努めておるところでございます。
 このような取り組みは、先生ご指摘のとおり、東京都に限らず都市部に共通した課題であると認識しております。そのため、都の声かけによりまして、ことし二月、横浜市や千葉県などの首都圏の水道事業体と連絡会を設置いたしました。この中で、蛇口回帰に向けた広報に関する情報交換や意見交換などを継続的に行っており、広報施策の連携についても協議しているところでございます。

○木内委員 近隣の事業体と連携をしているという現今の状況、よくわかります。意見交換も大事でありますけれども、目的を共有する首都圏の水道事業体が足並みをそろえて効果的なPR、理解を得る努力をすることも大事だと思うんです、何度もいうように。
 東京都は、単一の自治体でありながらなお、一千二百六十万という都民がいるけれども、広域的な首都圏という生活圏のいわゆる中核中の中核、コアであるという考え方が必要なわけでありまして、例えばPR展開一つにしても、東京都がイニシアチブをとって展開していくこと、これを求めるわけですが、どうでしょうか。

○松丸参事 先ほども若干お答えさせていただきましたとおり、水道水のイメージ向上を図るための取り組みにつきましては、近隣の水道事業体と連携して広域的に行っていくことで、より大きな効果を発揮させることができます。そのため、連絡会を活用し、近隣水道事業体に、連携しての広域的な広報を行うメリットや、当局の実施している広報の実例を紹介することによりまして、積極的に連携を呼びかけてまいります。
 近隣の水道事業体におきましては、その規模や広報経費が異なり、連携した取り組みを行うには困難がございますが、その必要性についての認識の共有化を図るなど、連携した広報の展開の実現について前向きに取り組んでまいりたいと考えます。

○木内委員 そうした具体的内容を伴った事業の展開について前向きに取り組んでいくということでありますので、今後の検討結果と具体的な実施を待望したい、こう思います。次の質疑までに一定の成果を出していただくように、よろしくお願いしたいと思います。積極的な対応をぜひ−−随分うれしそうですけれどもね、仕事がどんどんふえていくということはいいことなんですよ。
 次に、技術面での広域的な連携ということについて伺います。
 水道は、浄水場、給水所、水道管網、ポンプ類、さらには、これらを運転し監視するための各種設備計器等から構成される、非常に高度かつ複雑なシステムであると考えているわけであります。こうした水道のシステムを円滑に機能させるためには、いろいろな課題を克服する、いわゆる熟達した技術力が必要である。
 私は、東京都の水道局の技術は世界のトップレベルである、こう考えているわけであります。森総務部長、そうですね。別にそれはここで聞くことじゃない。いつもいっておられるように、私は思っているわけであります。
 そして、問題はですね、この人材の問題なんです。というのは、熟達した技術を持つ人材が年々少なくなってきている。さまざまな技術的課題に的確に対応できる技術力を維持するためには、水道事業体が複数重なる中で連携していくことが極めて重要でありまして、そうすることでより一層技術力の維持向上が可能になる、こう考えているわけであります。特に、震災対策あるいは水源水質事故のときなどの非常時における水道事業体間の技術的なハード面、ソフト面での連携というものは、相互応援の観点からも効果的である、私はこう考えるわけであります。
 よく私は以前、原発の事故等も含めて、公的機関の機能についていろんな質疑をいろんな機会にやったときに、一つの私なりの結論に達した。やはりハードの部分というのはかなり熟成され、システムとしてもブラッシュアップされてきているんだけれども、実は、事故や失敗の原因のほとんどがヒューマンパワー、ソフトの面に帰着することが多い、こういう点でありました。
 で、ハードとソフトの両面でお尋ねするわけでありますけれども、まず、ハード面における広域連携の取り組み状況をこれからさらに進める必要があるわけでございますが、これまでの経過も含めてご報告を願います。

○吉田浄水部長 まずハード面での取り組み状況でございますが、震災や大規模な漏水事故などが発生した場合には、一つの事業体内の配水系統では給水の確保が困難な場合も想定されます。このような場合に備えまして、都県域を越えた近隣の水道事業体間における広域的な水の相互機能、融通が望まれております。
 こうしたことから、当局では、他県市との間で、非常時に水道水を相互に融通する連絡管を、近隣の水道事業者と共同で整備してきております。
 具体的には、平成十七年九月に埼玉県との間で東京・埼玉朝霞連絡管を整備するとともに、平成十九年二月には川崎市との間で東京・川崎登戸連絡管を、また、先ほど副委員長ご指摘の東京・川崎町田連絡管につきましても同時に整備いたしました。
 これら連絡管の整備によりまして、非常時における給水の安定性が確実に向上したところでございます。

○木内委員 よくスピードアップして、東京・川崎町田連絡管整備にこぎつけてもらったと思っている。町田の小磯さんという人、執念深い議員でね、もう質問、質疑に立つたびにこれをいっていまして、結局、皆さんと力を合わせて予算措置を行って、実現をさせた。議会の議論というのは大事だって、こういうふうに思うわけであります。
 一事業体の中だけで同様な効果を得るためには、例えば水道管を二重に布設するなど、非効率な対策を講ずることになるわけでありますが、今の答弁のように広域的な連携を行うことで、お互いにとって効果的な対策を講じることができた、こういう事例だというふうに思うわけであります。答弁にもあった町田連絡管も同じことであります。
 こうした連絡管が事故の際に効果的に機能を発揮するため、水道局では定期的に近隣事業体と訓練をしているというふうに聞いているわけでありまして、ぜひともそうした広域的な訓練、これを充実した内容でさらに拡大、推進してもらいたいと思うわけであります。
 さて、聞くところによると、水源水質事故が平成二十年一年間だけで二百五件あったのであります。こうした事故の際はもとより、日ごろからの水源水質の監視面では、さっき申し上げたハード的な取り組みというよりは、むしろソフトの面における連携、つまり情報面での連携が重要になる、こう考えるわけでありまして、こうしたソフト面での事業体間での連絡の取り組みをさらに進めていくべきであると思いますが、どうでしょうか。

○吉田浄水部長 ソフト面での取り組み状況でございます。
 これまでに、東京都の働きかけによりまして、利根川及び荒川水系の一都五県、四十三の水道事業体で構成いたします利根川・荒川水系水道事業者連絡協議会を設置してございます。
 この協議会では、広域的な水質事故に備えまして、事故の発生時刻、原因、汚染状況などに関します情報を水道事業体間で共有するため、あらかじめ情報連絡体制を定めているところでございます。
 さらに、利根川・荒川水系に水源を求めております東京都を初めといたします五つの水道事業体間におきまして、今年度から定期的な水質検査日程を調整するとともに、水質異常が確認されました場合の汚染源調査についても、事業体間で役割分担し、対応するなど、効果的な事故対応体制を構築しております。
 これらの取り組みによりまして、水質異常時などへのより迅速な対応が可能となったところでございます。

○木内委員 今具体的に、定期的な水質検査日程の調整、あるいは水質異常が確認された場合の汚染源調査、あるいは事故対応体制の構築、進んでいるわけでありますが、さらに強力にこれを進めていただきたい、このことを強く求めておきたいと思います。
 これまでの質疑で明らかになったように、東京都が抱えるこの課題への対応には、都県域を越えた取り組みが極めて有効であって、また、そのことは近隣水道事業体にとっても効果的、なお、さらに効率的な取り組みでもあるということであります。こうした点から、広域的な連携を推進するということは、今後極めて重要になってくると思います。
 そこで、たびたび局長、恐縮ですけれども、今後の取り組みと広域連携のあり方について所見を承ります。

○尾崎水道局長 広域的な連携につきましては、近隣事業体それぞれが保有するノウハウや技術、施設を利用でき、より安全でおいしい水の安定給水や効率的な事業推進の面で意義ある手法の一つであると認識しております。
 このため、これまでも、近隣事業体等との間で、共通する課題に関する情報交換はもとより、都県域を越えた水の相互融通管の整備や、水源水質事故体制の確立などに主体的かつ積極的に取り組んでまいりました。
 今後とも、広域的な連携の意義、効果を踏まえ、我が国最大の水道事業体として先導的役割を果たしてまいります。

○木内委員 以上で終わります。

○山内委員 まず初めに、安全でおいしい水の取り組みについて伺います。
 近年、水道水のおいしさへのニーズが高まり、おいしさを追求するための施策が全国の水道事業体で広がっているようです。東京都では、平成十六年からスタートした安全でおいしい水プロジェクトにより、おいしさをより高めるための取り組みを行い、ペットボトル「東京水」も好評だったと聞いております。
 その取り組みの中で、国が定めた水質基準などよりも厳しい、おいしさに関する水質目標を都独自に設定しているとのことですが、この水質目標を達成するための対策がどのように進展しているか、幾つかお伺いします。
 まず、安全でおいしい水プロジェクトで掲げている、おいしさに関する水質目標の平成二十年度の達成率はどのような状況になっていますか。

○吉田浄水部長 おいしさに関する水質目標は、におい、味、外観の三つの区分に分けて水質項目を設定しております。
 まず、においの区分のうちカルキ臭に関する項目といたしましては、残留塩素とトリクロラミンがあり、このうち、残留塩素の達成率は平成二十年度において約六二%、また、トリクロラミンの達成率は約八五%となっております。
 なお、においの区分には、このほかに、臭気強度と二種類のカビ臭原因物質の項目がございます。
 また、二つ目の味の区分には有機物が、三つ目の外観の区分には色度及び濁度の項目がございます。
 さきに述べましたカルキ臭に関する項目以外の残りの六項目については、平成二十年度までにほぼ一〇〇%を達している状況にございます。

○山内委員 八項目のうち六項目で目標をほぼ一〇〇%達成されているということですね。確かに、昔に比べれば水道は随分おいしくなったという印象を受けます。その一方で、水道水といえば従来からカルキ臭が気になるものでしたが、水質目標のうち、このカルキ臭に関する二つの項目の平成二十年度の達成率が、他の項目がほぼ一〇〇%というのに比べて低いように思います。
 そもそもこのカルキ臭に関する二つの項目である残留塩素とトリクロラミンとは、それぞれどういうものなのでしょうか。

○吉田浄水部長 まず残留塩素でございます。これは、消毒用の塩素が水道水中にわずかに残っているもので、衛生上の観点から、蛇口におきまして一定濃度以上を保持することが法律で義務づけられているものでございます。
 また、トリクロラミンにつきましては、原水中に含まれるアンモニア態窒素が消毒用の塩素と反応いたしまして生成される物質で、ごくわずかな濃度でも多くの方がカルキ臭を感じるものでございます。

○山内委員 カルキ臭に関するこの二つの項目、特に達成率が六〇%台の残留塩素の達成率向上が望まれるところです。
 残留塩素の達成率を向上させるためには、浄水場で注入している塩素の量をできるだけ減らす必要があると思いますが、注入量の状況はどのようになっていらっしゃいますか。

○吉田浄水部長 先ほど申し上げましたとおり、残留塩素は、蛇口におきまして一リットル当たり〇・一ミリグラム以上を保持することが義務づけられておりますので、これを下回らないように留意しながら残留塩素の低減化を進めているところでございます。
 この結果、浄水場におけます塩素の注入量は、水源によって違いはあるものの、十年前と比較いたしますと減少傾向にあり、その割合は約二割から五割程度となってございます。特に高度浄水処理を導入した場合には、送配水系統での残留塩素の消費を抑えることが可能となるため、浄水場での塩素注入率が減少するということになってございます。

○山内委員 浄水場に対する取り組みとして、高度浄水処理を導入したことなどにより、塩素注入量は減少していますが、さらなる達成率向上のためには、これ以外の取り組みも必要であると考えます。
 東京都では、残留塩素低減化のための対策として、高度浄水処理導入のほかに、水道水を各家庭に届ける段階で追加塩素注入を行っていると聞いています。そこで改めて伺いますが、東京都が取り組んでいる追加塩素注入設備導入の目的と、それによる効果について伺います。

○吉田浄水部長 朝霞浄水場や金町浄水場といった大規模浄水場の場合ですと、配水区域がかなり広くなるため、浄水場から遠い場所での残留塩素を、先ほど申し上げましたように法律で定められた濃度以上に保持しようとしますと、どうしても浄水場に近い場所での残留塩素が高くなるという傾向にございます。このため、残留塩素を全体的に低目な値で平準化させることを目的といたしまして、送配水過程の途中の給水所で塩素を追加注入する設備を、現在、整備しているところでございます。
 平成二十年度には、三園浄水場の配水区域にございます第二板橋給水所の追加塩素注入設備が稼働いたしました。その効果でございますが、三園浄水場から直接配水する区域の残留塩素を、水道水の安全性を保ちつつ大幅に低下させることができたところでございます。

○山内委員 おいしさに関する水質目標は、平成二十五年度末までに、すべての項目で達成することを目指していると聞いていますが、二十五年度はもうすぐそこに迫っております。今後、おいしさに関する水質目標の達成に向けてさらにどのように取り組みを進めていくのか、お聞きいたします。

○吉田浄水部長 今後の取り組みといたしましては、平成二十五年度までを目途に、利根川水系の浄水場に全量高度浄水処理を導入してまいります。また、残留塩素低減化のため、今年度末までに合計八カ所の給水所へ追加塩素注入設備を導入する予定であり、平成二十二年度以降につきましても引き続き順次導入を進めてまいります。
 こうした取り組みにより、蛇口での残留塩素濃度を一リットル当たり〇・一ミリグラム以上に保持して安全性を確保しながら、おいしさに関する水道水質目標の達成を目指してまいります。

○山内委員 今後も、おいしさに関する水質目標の達成に向けて施策を引き続き行っていただき、おいしさの向上に努めてもらいたいということを要望して、次の質問に移ります。
 次に、震災時における市町との連携について伺います。
 水道局では、多摩地区二十五市町を都営一元化してきていますが、多摩地区水道の経営改善ということで、これまで、地方自治法に基づき、それぞれの市町に事務委託してきたものを順次解消して、都が直接実施する方式に転換しています。
 そこでまず初めに、事務委託を解消して都が直接業務を行うことは、住民にとってどのようなメリットがあるのか、改めてお伺いします。

○大平調整部長 事務委託解消のメリットといたしましては、第一に、お客様サービスの向上が挙げられます。例えば、水道料金の支払い窓口となる金融機関の大幅な拡大や、お客様からの要望の多かったクレジットカード払いの導入など、支払い機関を多様化しております。また、水道使用の中止、開始の手続を一度の電話で済ませられるワンストップサービスを実現いたしております。
 第二に、給水安定性の向上が挙げられます。市町域にとらわれない広域的な施設整備を推進することによりまして、平常時の効率的な水運用はもとより、非常時におけるバックアップ機能の強化を図ることができます。

○山内委員 事務委託解消というのは、住民にとってもメリットがあるようですが、それでは、この事務委託の解消は現時点でどの程度進捗しているのか伺います。

○大平調整部長 多摩地区の二十五市町への事務委託の解消についてですが、昨年度末までの段階で既に二十三市町との間で事務委託を解消いたしました。残りの二市につきましては、二十四年度までに解消する予定でございます。
 実際の業務の移管は、徴収系、給水装置系、施設管理系の三つの業務に分けて順次実施をしております。
 現在、すべての業務が業務移管を完了いたしましたのは十一市町となっております。

○山内委員 事務委託は二十四年度までにはすべて解消されるということです。水道は、市民生活に欠かせない重要なライフラインですので、遺漏のない解消を進められることを望みます。
 ところで、事務委託が解消し、すべての業務が水道局に移管されると、市町の水道部署がなくなりますが、市町との連携は引き続き必要であると考えます。特に震災時対策では、市町では水道部署から防災部署に担当がかわることもあり、水道局との円滑な連携がとても重要です。
 震災時における市町との水道局の役割分担についてはどうなっているのか、改めて、事務委託解消の前後で市町と水道局の役割はどのように変わるのか伺います。

○大平調整部長 まず、応急給水についてですが、事務委託中は市町が実施しています。これに対しまして解消後は、震災対策用に設置された応急給水槽では市町が給水活動を実施いたしますが、浄水場、給水所等の給水拠点では、応急給水資器材の設営を水道局が行い、住民への給水活動は市町が実施することとなります。
 次に、水道施設の応急復旧についてでございますが、事務委託中は、水道局が管理する水道施設は水道局が、市町が管理する水道施設は市町が実施します。これに対して、解消後はすべて水道局で実施いたします。

○山内委員 事務委託解消に伴う水道局と市町の役割分担の変更についてはわかりましたが、応急給水などの震災時の対応を円滑に行うためには、それらの変更点を市町に周知することが不可欠です。
 しかし、多摩地区の多くの市では、今まで震災対策に積極的に取り組んできたこともあって、役割の変更や今後の連携、協力について不安があるとも聞いております。
 そこで、事務委託解消により震災時の役割が変わることについて、これまでどのように市町に説明しているのか伺います。

○大平調整部長 市町との役割分担が変わることについての説明でございますが、都内市町村の防災担当課長で構成される東京都市町村防災事務連絡協議会や、事務委託市町と水道局との間で定期的に開催しております都営水道連絡会の場などを活用いたしまして説明をいたしております。また、事務委託が解消となる市町には、個別に訪問するなどして丁寧に説明をいたしております。

○山内委員 水道局が周知のためにさまざまな機会を設けているとのことですが、市としてはやはり不安な面がなかなか消えないと思うので、丁寧な説明を今後とも心がけていただきたいと思います。
 ところで、業務移行を段階的に行っているとのことですが、完全に業務を移管した市町が増加しています。都と市町というように組織が異なることになるので、震災時における連携がこれまで以上に不可欠です。いずれは水道事業の経験者も市町の中にいなくなるので、しっかりした連携体制を構築していく必要があります。水道局ではどのように対応していくのか伺います。

○大平調整部長 各市町では、災害対策基本法に基づきまして防災会議を設置しておりますが、事務委託の解消後は、市町に要請して、この会議へ水道局も参加することといたしております。
 また、市町では地域防災計画を策定していますが、この計画の中に震災時の応急給水の役割分担について明記するよう、調整をいたしております。
 こうした調整とあわせまして、各市町の防災主管課と連携いたしまして、給水拠点での応急給水訓練を実施いたしております。
 今後とも、震災時における市町との連携体制の構築に努めてまいります。

○山内委員 大震災が発生し、水道が断水するような事態になれば、復旧の見込みや応急給水の実施場所などについても、市町と水道局が連携して市民へ情報提供していかなければなりません。これまで市の管轄であった浄水場に置いてある市所有の給水タンクや給水車を、浄水場から市の土地へ移動するようにいわれているとも聞いております。緊急時には素早く対応できるよう、置き場所としての提供を再検討していただけるように要望いたします。
 事務委託は解消しても、業務の移行は段階的に行われます。業務が移行している期間においても、震災はいつ襲ってくるかわかりません。震災時に市町と水道局がうまく連携できるよう、平時から連絡、情報交換を密にして、一体となって被災住民に対して水の供給を行えるよう、その対策に取り組んでいただきたいということを要望して、質問を終わります。

○田の上委員 民主党の田の上いくこでございます。
 本日は、八ッ場ダムに関連する水利権を中心に、幾つか質問させていただきたいと思います。
 まず、東京都水道は、昭和六十二年五月一日に、毎秒〇・五五九立方メートルで暫定豊水水利権を許可されていることと思います。これに関して、今現在使用されているのか、許可期間はどうなっているのか、また、この事業概要にございます東京都の保有水源内訳の中に入っているのかどうかをお聞かせください。

○高原企画担当部長 ご質問の八ッ場ダムの暫定水利権の許可期間でございますけれども、冬場の十月一日から四月十五日までの間を暫定許可期間というふうにされてございます。
 あと、都の保有水源量、現在日量六百三十万トンでございますけれども、この中に含まれているかというお尋ねでございます。
 私どもが現在保有しております六百三十万トン、これ日量ですけれども、この中には、非かんがい期の水を八ッ場ダムの暫定水利権で手当てをしております農業用水合理化事業の埼玉合口二期事業というのがございますけれども、その五万トンとして含まれてございます。

○田の上委員 今、許可期間については冬場の時期、十月から四月とおっしゃっていらっしゃったんですけれども、年数として、例えば十年間であるとか、そういった期間というのはあるのかどうか、再度伺わせていただきたいと思います。

○高原企画担当部長 八年間でございます。

○田の上委員 八年間ということは、その後はまた何度か再申請をして、継続ということで使用されているという認識でよろしいのでしょうか。

○高原企画担当部長 更新を続けるということになっています。

○田の上委員 八ッ場ダムの事業はもう既に半世紀以上がたっています。そしてこの暫定豊水水利権に関しましても、もう二十数年、許可されてからたっているということで、非常に見えにくくなっております。
 先ほど、埼玉合口二期事業の中で、冬場の不足分という形で、この暫定豊水水利権が使われているというお話でございました。東京都の水源内訳の中で、安定水源の中でも、幾つか羅列していただいたんですけれども、その中でもやはり埼玉合口二期事業という名称はありますけれども、八ッ場ダムの暫定豊水水利権という名称になっておりません。大変わかりにくくなっておりますので、これ、書き方といいますか、水源としての書き方は検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○高原企画担当部長 私ども、八ッ場ダムで暫定水利権、冬場の暫定水利権を得ておるということも、これまでもご説明もしてきましたし、また、八ッ場ダムが仮に中止になった場合には、その分が失われるという意味でもお話をさせていただいてきたところでございます。
 今のご質問ですけども、現在六百三十万トンというふうに私どもが申し上げている日量の保有水源量の中でございますけれども、基本的に水源というのは、水源開発をするべくその施設が完成することによって生み出されるということでございますので、この八ッ場の冬水手当て分として整理されている分の本体は、あくまでこの埼玉の合口二期事業が完成したことによって生み出されたというふうに整理をされてございますし、私どもが六百三十万トンの内訳としてお示ししているのは、そうやって施設整備が終わって水源が確保されたものの内訳というふうに示してございますので、その整理の仕方としては、あくまで完成した施設の名称をもって整理をさせていただいているところでございます。

○田の上委員 今ご答弁いただきましたけれども、私の単純な解釈でいいますと、暫定豊水水利権、暫定水利権であるのに安定水源の中に入っているという、非常にわかりにくい仕組みにもなっております。
 そして先日も、この八ッ場ダムが中止されることでどれぐらいの影響があるかということでマスコミ報道がされまして、この暫定水利権で水道水を使う人が、東京だと八万人ぐらい影響が出るのではないかという報道もされました。これ聞いてみると、あくまでも報道の、マスコミの概算だということなんですが、非常にわかりにくく、こういった誤解も生まれてしまうと思います。
 また、この事業概要の保有水源内訳の中に入っていない水源、多摩の地下水というのもあると思います。こういったものもきちんと明記していただき、東京は一体どれぐらい水源があるのか、水量に余裕があるのかという判断をしていきたいと思っています。その正確な判断をするためにも、これからまた検討していただきたいと思っております。
 そして、確認なんですけれども、これは安定水源の中に入っているわけなんですが、先ほどもちょっとお話の中に出ましたけれども、東京都は、八ッ場ダムにおいて開発水量といいますか、見込みの水量を四十三万トンというふうにいっているかと思いますが、この中に、先ほどの暫定豊水水利権の分というのは含まれないということでよろしいでしょうか。

○高原企画担当部長 含まれないということの整理でよろしいかと思います。

○田の上委員 わかりました。それでは、違う質問をさせていただきます。
 東京都は、安定水利権、安定水源というものもたくさんあると思います。これまで、過去、申請するわけでございますが−−取水量というのはあくまでも申請者ベースだと聞いております。この申請が許可されなかったことは今まであるのかどうか、お答えいただきたいと思います。

○高原企画担当部長 過去に申請をしたものにおいて、許可されていないというようなものはございません。

○田の上委員 例えば、東京都、これから水需要がふえてくるということでございましたら、水需要が大きいのでしたら、既存の水源に対して申請する取水量をふやす、再申請して取水量をふやすというようなことは要望できるのでしょうか。

○高原企画担当部長 質問の趣旨が、よく理解していないので、的確なお答えかどうかわかりませんけれども、水源というもの自体は、どこかにあって突然生まれるというものではありませんし、水源開発をして初めてそこから生み出される水をもって、それで私ども水利権を得てきておるわけです。かつて大渇水があった時代から、先人がさまざまな努力を加え、水源をそういう形で施設整備を図ってくることによって、水源というのはやっとこの位置まで来たということでございますので、どこかにお願いをして、今持っているダムの中の東京都部分だけをくださいといったようなことで簡単に得られるというようなものではございません。

○田の上委員 水利権というものは、申請をして、その取水量が大丈夫であれば認められるということなんですけれども、私が申し上げているのは、例えば、これから新たな水源を探していくという前に、まず既存の水源の中から、今持っている安定水利権の中で、新たにもう一回再申請して、今ある取水量よりふやして再申請をすることができるかどうかということを伺っております、余裕があればの話ですが。

○高原企画担当部長 ダムの容量というのは、基本的には利水容量というのは決まっておりますから、それを、私どもの持っている量、例えば八ッ場でいえば四十三万トン、こちらの方を申しわけないが八十万トンにしてくださいねというふうなことをいうとすれば、いわばその部分というのは、検定されたその開発利水容量の中の他の部分からいただくということになりますので、いってみれば他県分を分けていただかないと、ということになりますから、基本的には、その限られた利水容量の中で容量をふやすべく申請をして、その分純粋にふえるということはあり得ません。

○田の上委員 つまり、水源の部分、利水容量というのはもともと決まっているものであって、川の流量がふえた減ったということではなく、もともとある権利としてそれ以上ふえることはないという認識でよろしいでしょうか。

○高原企画担当部長 これも八ッ場の例で申し上げますけれども、八ッ場の場合については有効貯水容量は九千万トン、これは夏季においては治水の目的のために利水容量二千五百万トンになりますから、これは定められた容量で、それに基づいて各県が得られる利水分を応分に負担をしているわけです。ですので、これに追加して上乗せしてくださいと、例えば二千五百万トンの利水容量を五千万トンにふやして、その分を東京都に利水としてくださいといったようなことは、逆にいえばそれは治水の機能を失わせるわけですから、それはできることではありません。

○田の上委員 つまり、八ッ場ダムでも何でもいいんですけれども、ダムに対して、水源に対しての負担分に応じた分の水量しか認められないというような形でとらえていいのかなというふうに思っています。
 これから先に、どれぐらい流量が余裕があるのかということをはかることはすごく難しいのではないかと思います。これはもちろん東京都だけではなく、ダム事業そのものに関して考えていかなければいけないと思うんですが、水利権というものがあって、分担金の分がその取水量になるという考え方ではなくて、これからは、どれぐらい流量に余裕があるかということも含めながら考えて、新たな水源が本当に必要かどうかということを考えるべきなのかなというふうに思っております。
 それから、次の質問なんですけれども、そもそもこの保有水源内訳の外に多摩の地下水というのがあるわけなので、きちんとした計算が成り立たないんですけれども、今ある水源量六百三十ということに対して、一日最大配水量で換算しても、使っていない分二二%ということになっています。
 東京都の水需要は、平成二十五年度における一日最大配水量は六百万トンということでございますが、再検討するお考えがありますでしょうか。

○高原企画担当部長 今のお尋ねは、私ども現時点で持ってございます需要の予測六百万トンの取り扱いということかと認識をしてございますけれども、お話の中であった、例えば、直近でいえば一日最大配水量は四百九十二万トンですけれども、それがいってみれば予測との間で−−日最大というのはピークだけですから、その差が使っていない分という認識は多分違っているのかなというふうに思います。要するに、私どもの水源の給水量の安定性を、ピークの部分で、どのぐらいピークが出るかということで推しはかっているわけで、それが昨年度はたまたま五百万トンであったというときの予測との差は、それは、使っていないといういい方ではちょっと認識が若干異なるかなというふうに思ってございます。
 ご質問の方ですけれども、都の方ではこれまでも適宜適切に予測自体については見直しをしてきておりますし、今後についても同様であります。
 都の需要予測というのは、過去の水使用実績に基づいて、人口経済と関連する社会経済指標との重回帰分析によって合理的に予測をしているものでございまして、日々最大というものにつきましては、いわば一日平均的に出る配水量とピークで出る配水量のその差の分、その率を、過去の一定期間の中で最大であったときのものをもってして、私どもの予測の値、計画の値というふうに見ております。
 これは、いわば一千三百万人が暮らすこの首都東京において、安定給水を確保するために、最大限安全サイドに見た上で給水確保しようという、そういう考え方のものであるということをご理解いただきたいと思います。
 で、その予測の基礎となるのは、あくまで使用水量の見込みなのでございますけれども、この見込み自体は、平成二十年度においてもの実績との間に大きな乖離は見られておりません。
 また、先般、ことしの五月に出されました東京地裁の判決でも引用いたしますが、本件全証拠によっても、平成二十五年度における計画一日最大配水量を六百万トンと推計した都の水道需要予測に不合理な点はあるとは認められないというふうに結論されているところでございます。

○田の上委員 この水需要の予測については、以前からいろんな方が質問されているところでございますが、東京都でも平成十五年十二月に、給水人口二十五年度一千二百三十九万人という形で予測を変更されております。先月の人口でも、一千二百九十万人を超える人口を東京都は有しているわけでございます。また、都民の生活スタイルというのも変わってまいりますし、少子高齢化という要素もございます。そんな中で、また再度この水需要予測を改めて見直していただきたいと要望させていただき、終わらせていただきます。

○神林委員長 それでは、この際、議事の都合により、おおむね十分程度休憩いたしたいと思います。
   午後二時四十五分休憩

   午後二時五十六分開議

○神林委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○高橋委員 それでは、私の方からは、玉川上水の保存整備について伺いたいと思います。
 ご承知のとおり、玉川上水というのは、沿川、羽村市からずっと四谷まで続いているわけでございまして、上流、中流、下流部とあるわけでございます。私の質問は中流部でございまして、おおむね十八キロにわたる部分なんですが、市でいいますと武蔵野市、そして西東京市、小金井市、小平市と、そこが中心なんでございますが、その保存整備について、これから伺いたいと思います。
 ご承知のとおり、玉川上水は江戸時代初期の承応三年に開通し、江戸市中へ給水を行った、日本有数の歴史的な遺構であります。その後、明治三十一年に淀橋の浄水場が通水した後も導水路として利用され、延々三百五十年もの間、都心部に給水するための重要なライフライン、水道施設であります。
 私の地元であります小平監視所から下流が導水路としての役目を終えた後も、玉川上水は、宅地化され緑の少なくなった武蔵野台地にあって、身近な水と緑の空間として地域の人々に親しみを持たれております。また、文豪国木田独歩の名作「武蔵野」を初めとする文学史、郷土史等の歴史的背景からも特別な愛着を持たれております。
 私も、年に何回か玉川上水を散策する機会がありますが、この豊かな緑に心が洗われる、本当に人間としてやっぱり緑というのは大変重要でございますし、この貴重な緑を残していかなければいけない、次世代につなげていかなければいけないと思っております。
 このように、玉川上水は東京水道の礎であるとともに、地域住民に親しまれる貴重な歴史的な遺産であると、私は本会議の一般質問や予算特別委員会で、玉川上水を何度も取り上げてまいりました。
 この間、東京都では平成十九年三月に、保存管理の長期的指針であります史跡玉川上水保存管理計画を策定し、これに基づき、学識経験者等から成る外部委員会を設置し、平成二十一年三月、ことしの三月でございます、提言を受けました。そして本年八月、保全が急務となっている中流部を対象として、史跡玉川上水整備活用計画が策定されたと聞いております。(資料を示す)このようなものが八月に出されたところでございます。
 そこで、この史跡玉川上水整備活用計画ではどのような施策に取り組んでいくこととしているのか、まず第一点目として伺いたいと思います。

○猪熊経理部長 この計画は、史跡玉川上水について、所有者である水道局が関係機関などと連携しながら、今後十年間に取り組むべき施策を取りまとめたものでございます。
 保存整備につきましては、のり面の保護や巨木の伐採などによる水路の保全及び桜を覆う樹木の伐採などによる名勝小金井桜の保存を実施してまいります。
 また、活用整備といたしましては、橋や緑道からの眺望の確保、散策路の改善による安全快適な通行の確保、また、PR活動の強化などを通じまして史跡を積極的に公開していくということにしております。

○高橋委員 これからの将来に向けて玉川上水の整備を継続的に進め、江戸・東京の発展を支えた歴史的な遺産であります土木施設遺構、そして名勝小金井桜、武蔵野の面影を今に伝える雑木林を含めた、水と緑の自然豊かな憩いの空間を多くの都民に伝えていくことは、大変重要なことだと思っております。
 ただいま答弁をいただいた中にもありましたが、特に私の地元であります小平市や小金井市の区間は、史跡とあわせて小金井桜の並木が名勝に指定され、古くから都民に親しまれております。
 この名勝小金井桜は、八代将軍吉宗の時代より代々、玉川上水近隣住民の皆様の努力で植え継がれてまいりました。このように先人が守ってきました桜並木を今後も保存していくことが大変重要であると考えておりますが、今回の整備活用計画においてどのような施策を取り上げているのか伺います。

○猪熊経理部長 桜並木の保存につきましては、桜を覆う樹木を伐採し生育環境を改善するとともに、桜の苗木を植える場所を地元に提供することによって、後継樹の育成を図ってまいります。実施に当たっては、名勝の復活を印象づけることのできる箇所をモデル区間として設置し、先行して整備を進め、樹木の伐採や補植の方法などについての効果を検証しながら、名勝区間全体の取り組みにつなげてまいります。

○高橋委員 桜並木保存に向けた水道局の取り組みについてはよくわかりましたけれども、桜並木も六キロあって、昔は、行幸だとかいろんな形で、いろんな人が多くの−−桜の名所であったわけでございますが、今の状況を見ますと、ケヤキが乱立したり、いろんなごちゃごちゃになっちゃってる。桜というのはお日様が大好きでございますし、お日様がないともういじけちゃって全然だめになっちゃうわけですね。その辺、ぜひとも強力に取り組みをお願いしたいと思います。
 ところで、地元には、玉川上水や名勝小金井桜の保存に熱心な方がたくさんいらっしゃいます。ただいま答弁をいただいた桜並木の保存に関しましては、この地元の人々を含む官民一体となった協力体制が、大正十三年の名勝指定につながったと聞いておりますが、今後も、こうした熱心な地域住民の方々に自主的に活発な活動をしてもらうことが大変重要だと私は考えております。
 桜並木の保存については、水道局では、地元自治体や住民と協働して補植を進めるということでありますが、地元との連携はどのように位置づけているのか伺います。

○猪熊経理部長 この計画においては、地元自治体などが桜を補植する場合の基本ルールを定め、円滑かつ効果的に後継樹の育成が図れるようにしております。
 また、水道局が実施する桜を覆う樹木の伐採や補植場所の提供に当たりましては、地元の自治体を窓口にして、地元の団体などと連携して進めることとしております。こうした取り組みを通じて、名勝区間の桜の良好な保存を図ってまいります。

○高橋委員 地元と連携して取り組んでいくという水道局の答弁をいただき、大変力づけられる思いでございますが、また、それとあわせて、多くの都民が玉川上水を訪れ、緑豊かな憩いの空間として親しんでいただくには、利用者が安全快適に利用できる環境整備も不可欠と考えております。
 私なんかも歩いてみますと、一たん歩いた後、一たん道路に出たり、歩道に出たり、また戻ったり、いろんな顔をしているわけでございます。どこの施設もそうなんですけれども、やってみるとなかなか改善は、ここはこうした方がいい、ここはああした方がいいというのがたくさんあるわけでございます。
 また、この玉川上水に関しましては、水道局は管理とかいろいろなあれでフェンスをやっているわけでしょうけれども、一部区間で、フェンスにより散策路が途中で途切れてしまっている区間があったり、一部、道路というか、そういうような橋がいろいろあるわけなんですけれども、なかなか快適といっても、そんなような、ここをちょっと直したらいいんじゃないかというところがあると思いますけれども、快適な散策を中断されてしまうわけで、本当に残念な思いでございます。
 そこで、新たに作成いたしました整備活用計画ではこのような課題についてどう解決していくのか伺います。

○吉田浄水部長 整備活用計画の対象区間でございます中流域で、小平市内にある小川水衛所跡及び武蔵野市内にございます境水衛所跡付近では、今ご指摘のとおり、私どもの管理用フェンスが道路側に張り出しておりまして、散策路が途切れている状態となってございます。
 このため、この整備活用計画におきましては、このフェンスの位置を水路側に後退させ、通路幅を確保した新たな散策路の整備を平成二十四年度までに実施する予定でございます。
 都民や来訪者の方が史跡をより身近に感じ、歴史的価値と保全への理解を深めていただけるよう、散策路の改善に努めてまいります。

○高橋委員 今、答弁いただきましたが、大変しっかりした計画のようで、本当に安心をいたしました。ぜひこの計画が着実かつ円滑に実施され、都民に安らぎを与える桜並木を復活するとともに、だれもが親しめる憩いの場として玉川上水の整備がなされるよう、東京都と関係市、地元住民が一体となって計画的に進めていただきたいと思います。
 最後に、玉川上水の整備活用に向けた尾崎局長の決意をお願いしたいと思います。

○尾崎水道局長 玉川上水は、首都東京の誇る貴重な文化遺産であり、緑に囲まれた土木遺構を良好に保全するとともに、その歴史的価値を広く伝えることが重要であります。
 今回の整備活用計画は、この実現に向けた具体的施策を取りまとめたものであり、地元の期待が大きい水路の保全や桜並木の保存などの取り組みを計画に沿って着実に実施してまいります。
 施策の推進に当たりましては、地元自治体や関係局と十分連携することにより、整備、活用を効果的に進め、都民に親しまれる水と緑の空間として玉川上水を次世代に確実に継承してまいります。

○高橋委員 小金井桜並木の保存、そして、都民に親しまれる水と緑の空間として次世代に確実に継承していくというような強い決意をいただきました。
 最後に、要望なんですけれども、来年度、平成二十二年から十年間、平成三十一年度にわたりまして、いよいよ計画が具体的に始まるわけでございます。そして、これが始まると、都民の人も目に見えて動いてくるわけでございますし、周知とか徹底が、やはりホームページだとか広報だとかでお知らせはするんですけれども、なかなか全員が見ているわけじゃないんですよね。
 そして、一番簡単なのは、費用が少なくて効果があるのは、現場に−−お知らせするという人は、玉川上水を通行している人が見て、ああ、いよいよ始まるんだなというか、来年度から始まると。例えば高速道路でも、いつごろ始まる、首都圏がどうのこうのって、それと同じように、現場に、いよいよ十年間かけてその整備が始まるんだと。
 というのは、これをやらないと、大きな木を伐採したりするわけで、なぜ切るんだということになるわけですよ。今のままがいいんじゃないかという人がいるわけですよ。だけど、五十年、百年のこと、そして、玉川史跡を守っていくためにはこういうことが必要なんですよということをお知らせする周知徹底というものがこれから大変重要でございますので、その点を特に要望いたしまして、質疑を終わります。
 ありがとうございました。

○花輪委員 それでは、私からは環境問題についてお尋ねをしたいと思います。
 鳩山さんが総理大臣になりまして、せんだっての国連の開会式で演説をして、二〇二〇年までにCO2を二五%削減しようという、そんな日本の新たな中期目標を表明しました。鳩山イニシアチブという、そんなふうに今いわれておりますが、そのために総理大臣もあらゆる政策を総動員して、その実現をしたいというふうにいっております。私たちもその思いに同感であり、多くの皆さんの共感を呼んでいるというふうに思います。
 また、先日は経済産業省の副大臣が金町の浄水場も視察して、太陽光発電、この仕組みについても勉強させていただいたようです。
 水道局も、日ごろからこの環境対策については熱心に取り組んでいると思いますが、まずお伺いします。
 ここにもあるんですけれども、これは局が出している環境報告書ですが、この報告書では、水道局が一年間にどのくらいの量、環境負荷を与えて、逆にいえば、水道局がどのくらい環境対策を行ってきたのかということが書いてあります。
 水道局の年間のCO2の排出量は三十万トン、そんなふうに書いてありました。これは恐らく、下水道局、水道局、また昔でいえば清掃局ですか、そういうところがたくさんCO2を出しているというふうに聞きますが、水道局の場合は、三十万トンのうち九三%が電気の使用というふうに書いてありました。
 そこでまずお伺いしますが、じゃあ、水道局は一体どのくらい電気を使っているのか、そのボリュームを教えていただければと思います。またそれと同時に、どんなことにこの電気は使っているのでしょうか。

○吉田設備担当部長 電気の使用量は、平成二十年度の実績で七億六千万キロワットアワーであり、主に浄水場や給水所におけるポンプの動力用として使用しております。

○花輪委員 今、主にポンプ運転のためという、そんなご答弁があったわけですが、水道局が一日に都民に配る水の量というのは、先ほども最大配水量が六百何十とかいろいろありましたが、今平均が大体四百三十三万というような、そんなことも出ていますが、これは大体東京ドームで三・五杯分ぐらいに匹敵するというような、そんなことも聞いたことがあります。それを電気で、ポンプで押し上げているわけですから、相当かかるというふうに思いますし、東京電力の使っている、東京電力の数字を見てみますと、全都で八百二十億キロワットアワー、このぐらい東京都は電気を使っているんで、さっきの七億六千万という量は一%、東京都で使われる電気の一%を水道局が使っているということだと思います。
 これだけ使っている水道局ですから、環境負荷の低減、この努力は一生懸命やっていただかなければいけないと思いますが、今まで、まずどのような取り組みをされてきたか、お尋ねいたします。

○高原企画担当部長 当局では、水源林の保全管理を初め、省エネルギー型ポンプへの取りかえ、コジェネレーションシステムの導入などを図り、環境負荷の低減に努めてきたところでございます。
 さらに、二酸化炭素の削減が一層求められる今日、自然エネルギー等の積極活用を図ることを目的として、浄水場、給水所のうち設置可能なところから順次、太陽光発電設備や小水力発電設備を導入してございます。
 その結果、平成二十年度末現在で延べ十三カ所、総発電能力は約七千キロワットというふうになってございます。

○花輪委員 一生懸命やられているというご答弁でした。
 太陽エネルギーの導入は、私たちもどんどん進めてほしいなと、そんなふうに思っておりますが、じゃあ、今のこの努力でCO2そのものはどのくらい減らすことができたのでしょうか。

○吉田設備担当部長 平成二十年度の実績によりますと、太陽光発電では三百八十万キロワットアワー、小水力発電では九十万キロワットアワーで、合わせて四百七十万キロワットアワーとなっております。これをCO2の排出削減量で見ますと千八百トンでございます。

○花輪委員 千八百トンというお話でした。三十万トン出している水道局が千八百トンだと、〇・六%ぐらいですね。
 自然エネルギーとか小水力発電、そういうようなことでご努力はされているようですが、割合でいくと、なかなかまだまだ足らないなあという気がするんです。確かに国のいろんな規制なんかがあって、小水力発電をしようと思うと許可が要るとか、いろいろと要るというふうに、まだ厳しい規制があるようですが、そういうところも何とかクリアしていきながら、ぜひ自然エネルギーの導入をもっともっと進めていきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○吉田設備担当部長 当局施設の中には、水道管路の圧力を利用しました水力発電や、広大な配水池上部を利用しました太陽光発電の導入可能な箇所が多数存在いたします。
 先ほど委員から指摘がありましたように、導入に当たりましては、コスト自体が高いことや制度上の制約がありますことから、現時点では大幅な拡大を図ることが困難な状況にございます。このため、導入の拡大に当たりましては、国における補助制度の充実や各種制度における手続等の簡素化が図られることが必要です。しかしながら、現状の制度下においても、設置可能なところから順次導入しているところでございます。

○花輪委員 自然エネルギーで削減できる、この努力はやっぱり必要かなとは思うんですが、今お話があったように、なかなか一%減らすのも大変だということもよくわかります。
 その中で、東京都が、この水道局が今、電力を使っている、さっきもあったようにポンプで水を押し上げる、これに相当なエネルギーをかけているようですが、ちょっと数字を出していただきたいんです。例えば金町とか三郷とか境とか朝霞とかさまざまな浄水場がありますが、そういう浄水場で一トン当たりの水にかかる電力、何かそれぞれ違うというふうに伺っておりますが、どのぐらい違うのか、ご答弁いただけますか。

○吉田設備担当部長 平成二十年度の実績によりますと、浄水場の処理量一立方メートル当たりの電力量は、江戸川から取水します金町浄水場、三郷浄水場でそれぞれ二百九十一ワットアワー、三百七十一ワットアワーとなっております。また、荒川から取水します朝霞浄水場では三百三十七ワットアワーとなっております。一方、多摩川系の境浄水場におきましては百四ワットアワーとなっております。

○花輪委員 今の荒川水系、利根川、そこにある浄水場というのは低いところにあるから、ポンプで各家庭に水を押し上げるのに電気の量がかかる。境は大体三分の一ですね。境は多摩川水系です。多摩川水系境の浄水場というのは高い位置にあるから、エネルギーを使わなくても、高いところから低いところに水は流れますから、まさに自然のエネルギーによって水が各家庭にどんどんと流れていくわけです。
 私、思うのですけれども、まず利根川水系というのは随分とコスト、CO2がまたかかる、そういう水系だということをもっともっとアピールしていくべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

○高原企画担当部長 委員ご指摘のとおり、東京は、水源の約八割を占めております利根川・荒川水系の最下流部に位置しております。このために、上流部での取水が可能な多摩川とは異なり、これらの河川から取水をしております金町、三郷などの大規模浄水場は、地理的な制約からエネルギー効率は低くならざるを得ない状況にございます。
 当局では、これまでも都民に対して、ご紹介のあった環境報告書等で環境負荷の現状を明らかにしてきたところではありますけれども、今申し上げたようなことの背景にはまた国の水利使用上の諸規制などもあることなどから、水道システム全体でのエネルギー効率というような観点から、その実態をよりわかりやすい方法で示していくことも検討してみたいというふうに思います。

○花輪委員 今、部長から、わかりやすい方法で説明することを一層検討していきたいというご答弁もありました。
 きょうはダムの話もありましたし、これから後で少しだけさせてもらおうと思うんですが、やっぱり低いところから無理やり水を送り出す、そういう水の使い方じゃなくて、高いところから水を自然エネルギーによって落としていくという、そういう浄水場のあり方というか、水の使い方、とり方をしていくべきだというふうに、私、考えています。
 聞くところによると、境の浄水場なんかも随分と古くなってきていて、その能力がフル回転でできるような状況でもないというようなお話も聞いています。なるべく低いところから水をとらないで、高いところから水をとっていく、そういうような方針に変えていっていただきたい、そういう方針を進めていっていただきたいと思いますが、これについて、局長、いかがでしょうか。部長が答えることになっていますが、局長、いかがですか。

○尾崎水道局長 水道局ではこれまでも、環境施策として、太陽光発電や水力発電の導入を初めさまざまな取り組みを行ってまいりました。今後さらに推進していくためには、補助制度の充実が必要であります。また、位置エネルギーを重視した取り組みについても、取水地点や水利権上の制約など解決すべき課題が多くあります。
 こうした状況においても環境施策を一層推進することは、水道事業運営上、重要な課題の一つと認識はしております。

○花輪委員 局長からも、利根川水系からよりも多摩川水系の方をなるべく進めていきたいというような、そんな意思を感じたわけです。
 本当はきょうは八ッ場ダムのことは余りお尋ねするのはやめようかなと思っていたんです。今までさんざんやってきましたし、同じことの数字の繰り返しになってしまうのかなと思ったんで、きょうは余り聞くのはやめようかと思っていたんですが、さっきのいろんな方からの質問、また答弁を聞いていて思ったんですが、まず四千六百億円というこの数字、やめたらばもっとかかるじゃないかというようなお話がありますが、私、そもそも四千六百億円で終わるのかなと思うんですよ。だって、何年か前に一度工事期間が延びて、それで、その後、二千百億円だった予算が四千六百億円に上がっているわけですよね。それからまた今度、工事期間が延びている。だれが考えたって、次に来るのは、またこの予算の上乗せだというふうに思いますし、この間、今まで予定をしていなかった地すべりの地帯が発見されたりとか、そういう話も聞きます。
 だから、そもそも、四千六百億円と今数字が出ているだけであって、やめたらばもっとお金がかかるんだという、そういうような主張に局の皆さんも余り軽々しく乗らない方がいいというふうに、私はまず思いますよ。
 あと、びっくりしたのは、利根川水系、これ、二割減というお話ですよね。フルプランにも前、書いてありました、去年だか出たやつにね。ということは、気候変動っていうのはどうなんでしょう、利根川水系だけに起きているんですかね、私、そうは思わないんですけど。全国的に気候変動が起きているとしたらば、全国すべて、やっぱり今まで予定していた水の需要予測、水の保有水量、これが二割減と、カットされちゃうということですか。
 だとすると、全国各地、何かダムだらけになっちゃうような気がするんですよ。全部ひっくり返してもう一回ダムをつくろうかと。だから、やはりこういう数字というのは、まさにつくりたい側の意思が働いている、そういう数字だというふうに思うんですね。
 ですから、まさにそういう意味でいうと、こういうつくりたい側の意思の働いた数字を一方的に並べてダムが必要なんだというのではなくて、逆に、私たちがいつも主張している−−きょうも田の上さんからありましたけれども、水の需要予測を出してくれといったって出さないじゃないですか。何度お願いしても出してこないじゃないですか。古いデータに基づいたものを使っていて、さっきもありましたけれども、乖離がないといって、その水の需要予測を出してこない。やっぱり都合のいい数字だけ出して、都合の悪い数字は隠しておく。こういうのをやめて、あからさまに数字を出して、そしてみんなでちゃんと議論をしましょうよと、ダムの必要性について。そういうことをやっぱりこれからやっていかなきゃいけないと思うのですよ。
 まず国民に参加をしてもらう。そのためには、数字をちゃんと出していかなきゃいけないと思う。自分たちの都合のいい数字だけじゃ、やっぱりいけないと思いますよ。
 きょうの新聞にあったんですけれども、私は木内先生ほど言葉が達者じゃないんで、前原大臣の発言をちょっと読ませていただきますが、ダムをつくれば砂がたまる。砂が下流に流れなければ、海岸の浸食が進んで護岸工事が必要になる。コンクリートで国土を次々と固めていく政治はリセットしよう。社会資本より社会保障にお金を使おう。私の仕事は、いかに国土交通省の予算を縮減し、税金の使い道を変えるかなのです。こんなふうに前原さんはいっています。
 まさに少子高齢社会、そして人口減少社会、この国の借金、そういう目前の課題の中で、私たちがこの政治、そのあり方をどう変えていくか、この国のつくり方をどう変えていくかという、今はそういう転換点だと私は思うんですね。だから、前に一度決めてしまったことだからと、そういうことで粛々と都合のいい数字を並べて、それでダム事業を無理やり推し進めようとするんじゃなくて、やっぱり一度立ちどまって考えましょうよ。
 お尋ねしますけれども、こういう前原大臣の理念に私は賛同して、そして新しい政府に協力をして、この八ッ場ダム事業を見直すべきだと思います。それと同時に、地域住民の方々の今までの苦労にしっかりとこの思いを寄せて、そして、その生活再建に東京都も挙げて協力をしていく、そういう姿勢が必要だと思いますが、ご答弁をお願いします。

○高原企画担当部長 数字が出ていない、議論にならないというお話でございましたけれども、私ども、この中止をするに当たって、いかなる理由であるのかということについては、お話をいただいておりません。
 今のお話ですけれども、少子高齢社会を迎えるに当たって、公共事業、社会資本の整備のあり方を見直すという、この大臣のお言葉に対して、またその理念に対して、東京都水道局としてコメントする立場にはないというふうには考えます。
 ただし、かつてオリンピック渇水など、厳しい渇水を経験したこの東京、その水需要を満たし今日の発展を支えてきたのもダム等の水源開発であることも、これは事実であろうかというふうには思います。そして、いかに今後、少子化社会に向かうとしても、必要な社会資本整備というものを行わなければ持続的な発展というのはないのではないか、難しいのではないかというふうにも考えるところであります。
 したがって、先ほど来答弁申し上げていたとおり、水源が脆弱なこの東京並びに首都圏にあって、将来、次世代または次の世代にわたって、その安定した都民生活あるいは首都機能を維持していくためには、この必要な八ッ場ダムの建設を進めることが大事かというふうに考えます。

○花輪委員 まさに、これ以上やっても水かけ論だから、これで終わりにしますけれども、とにかく必要な社会資本整備だとするならば、その必要性を、まず水の需要予測を出すところから始めていただきたいと思います。
 以上です。終わります。

○鈴木委員 エキサイトした議論の後に、少し東京のよさもお話をさせていただこうという思いの中で、しかしながら簡潔に質問させていただきたいと思っております。
 初めに、我が党が第三回都議会定例会の代表質問において、公立小学校の水飲み栓の直結給水化に関して質問をしたところでありますけれども、少し改めて何点かまた質問させていただきます。
 水道局においては、水道水をおいしくするためにさまざまな努力をしていただいているというふうに思っておりますし、東京のおいしいお水と銘打って広く普及していっていただいているというふうにも思っております。また、蛇口の水を直接飲むことができるという、私は本当に世界的にも驚くべきことであるというふうに思っておりますし、日本が誇るべき本当にすばらしい文化を確固たるものとしているのが、水道局の皆様のご努力であるというふうに思っております。
 私は、こうした文化をしっかりと子どもたちへ伝えていくというこの事業は、非常に大切な有意義なことと考えておりますけれども、この事業が平成十九年度から二十二年度までの四年間で四百校を実施するというふうに聞いておりますが、まず、現在までの取り組み状況についてお伺いいたします。

○酒井給水部長 お尋ねのありました公立小学校水飲み栓直結給水化モデル事業の実績につきましては、平成十九年度は三十一校、平成二十年度は九十八校となっております。また、今年度の予定といたしましては六十四校、合わせまして三年間で百九十三校が見込まれております。
 本モデル事業も三年目となりまして、事業目的は理解されてきておりますが、区市町は校舎の耐震化などを優先する、そういったこともございまして、実施校にばらつきが出ております。
 一方、モデル事業を実施した小学校では、冷たくておいしい水を蛇口から直接飲むことができるようになり、アンケート結果でも、多くの児童、教職員の方々から好評をいただいております。

○鈴木委員 児童や教職員の方々にも好評というふうに答弁がありましたけれども、私も、区市町にとっても本当に魅力ある事業であるというふうに思っております。
 東京のおいしいお水を推進しながら、今現在、学校へ水筒を持っていかれる子どもたちを見ますと、大変寂しい思いがいたします。これは東京都では、東京のおいしいお水をうたいながら、一部では、また特に子どもたちにはそのように受けとめられていないというものであると私は思っております。だからこそ、直結給水化を少しでも早く、早期に取り組んで、少しでもそうした状況を改善していただきたいというふうに思っております。
 ただいまの答弁がありましたように、三年間で百九十三校しか実施されていないというのは、そうしたことを考えると大変残念なことであるというふうに私は思うわけです。
 第三回定例会の代表質問の答弁においても、水道局は、事業期間の延長とか中学校への対象拡大を検討していくとの答弁があったわけですけれども、これらの点については、ぜひ実現に向けてそういう検討を進めていただきたいなというふうに思っております。
 このモデル事業は、水道局が費用の一部を助成することで直結給水化を誘導するものでありますが、そもそも直結給水化は、学校の設置者である区市町が事業主体であるものでありますので、水道局としても、事業の実施促進に向けては、今まで以上に区市町に対する積極的なアプローチを行う必要があると考えておりますが、その点についてはどのようにお考えか、ご所見をお伺いいたします。

○酒井給水部長 本モデル事業の実施促進につきましては、これまでも区市町個別に訪問し、意見、要望の収集や相談に対応するとともに、施設主管課長会などで説明を行ってきたところでございます。
 また、区市町はそれぞれ校舎の改築や耐震化などの計画を抱えていることから、各学校の工事に合わせた施工を提案するなど、区市町の実情に合わせた対応もしてまいりました。
 今後は、これまでの取り組みを強化するとともに、さまざまな機会をとらえて積極的なPR活動を実施してまいります。さらに、区市町の設計施工担当者向けの説明会などを開催し、これまでの施工事例を紹介した上で、実情に応じた施工方法をより丁寧に助言するなど、きめ細かな対応を図ってまいります。

○鈴木委員 小学校の施設を管理する区市町の各組織にPR活動を積極的に推進するということは、本当に極めて重要なことであるというふうに思うわけですけれども、現実的にそれでは実績を伸ばしていくことにはまだまだならないというふうに私は思うわけであります。つまり、区市町における財政上の課題も、実績が伸びない理由の一つではないかなというふうに思っております。
 そこでお伺いいたしますが、水道局が助成する費用と直結給水化の事業主体である区市町の費用はどのくらいになるのか、お伺いいたします。

○酒井給水部長 本モデル事業の費用負担割合につきましては、配管設備等が学校の財産となることから、区市町は材料費を負担していただき、それ以外の費用を水道局が負担することを基本的な考え方としております。
 この考え方に基づく負担割合は、水道管の圧力で直接給水する直圧直結給水方式の場合は、区市町が二割、水道局が八割となっております。また、増圧ポンプを使用する増圧直結給水方式の場合は、区市町が四割、水道局が六割の負担となっております。
 標準的な例として、直圧直結給水方式の工事費を七百万円、増圧直結給水方式の工事費を一千万円として試算いたしますと、区市町の負担額は、直圧直結給水方式では百四十万円、増圧直結給水方式では四百万円となります。

○鈴木委員 確かに水道局が材料費を負担することができないというのは理解できるわけですけれども、今まだ耐震化もなかなか進んでいないという実態がある中で、一校当たり百四十万円とか、また四百万円というような、そうした予算というのは、一、二校ならともかくも、何十校となる区市町においては財政上厳しいというのが実態ではないかなというふうに思うわけです。
 これまでの質疑を通じて、水道局の努力、また区市町における実情、私は本当によく理解させていただいたわけですけれども、区市町への支援という点で、区に対しては財政調整交付金や、市町に対しては市町村総合交付金を活用することも一つの方策ではないかと私は思うわけであります。しかし、全体のパイがふえないと、区市町からの要望として上げにくいということも私は区側から聞いております。財政上の支援のあり方については、さまざまな角度からの検討が必要なのは私も十分認識しておりますが、区市町の意向をさらに確認して、この事業をともに積極的に推進していただきたいなというふうに思っております。
 この事業は、先ほども申しましたけれども、次の世代を担う子どもたちに東京の水道水のおいしさを実感してもらうという重要な取り組みであるというふうに思っております。事業期間の延長とか、また対象拡大とあわせて、これまで以上に区市町と連携して事業に取り組んでいただきたいと要望して、次の質問に移ります。
 次に、私道内の給水管の整備事業についてお伺いいたします。
 この事業は、私道に何本もある給水管を一本にまとめることで、出水不良の解消とか漏水防止、耐震性向上につながる大変有意義な事業であります。さらに、平成二十一年度より、我が党からの提言により、事業対象を緩和しているとも聞いております。この事業は、水道局の事業運営上だけでなく、都民にとっても給水の安定性向上などの点でメリットがありますし、私は、この事業を一層推進して、出水不良などの課題を早急に解決してもらいたいと考えておりますし、この私道の整備、さらに狭隘道路の解消にも結びついていくものと考えております。
 このようにメリットの大きな事業にもかかわらず、工事着手までに期間を必要とするケースも多いと聞いておりますが、どのような理由によるものなのか、お伺いいたします。

○酒井給水部長 工事着手までに期間を必要とする主な理由といたしましては、本工事を実施するためには、私道地権者全員の承諾や近隣住民の理解を得ることが必要であります。このため、事業内容の説明や工事時期などの調整に時間がかかることが挙げられます。
 また、私道地権者が遠方に住んでいる、あるいは所在地がすぐに判明しないケースなどもあり、さらに承諾を得るまでに期間を必要とする要因にもなっております。

○鈴木委員 私は、工事実施までに当然さまざまな課題があるということを本当に承知しておりますけれども、解決策というのはあるんだというふうに思うわけです。特にこういった事業だからこそ、役所と住民に密接な事業を幅広く実施しているわけですので、連携をしっかりととりながら取り組んでいくことが、この事業を推進していくことに対して一番大事な要素ではないかと思っております。
 区が行う私道の舗装工事などに合わせて私道内の給水管の整備を行えば、地権者の承諾もとりやすくなるのではないかというふうにも思うわけであります。また、地域の住民にとっても、工事が一回で済むというメリットもあります。水道局にとっても工事費の削減となり、一石二鳥のものと私は考えるわけですけれども、区の事業と連携を図ることで事業の一層の進捗が図れると考えられるこうした取り組みについて、実際にどのように考えていらっしゃるのか、見解をお伺いいたします。

○酒井給水部長 私道内給水管整備を一層促進するためには、区役所との連携をこれまで以上に強化することが重要と考えております。このため、事業の目的、趣旨について区役所の担当部署へ丁寧に説明するなど、当該事業への理解、協力を求めてまいります。
 また、区役所で実施している私道の舗装工事などと、お互いの工事情報の共有化を図り、工事の実施時期を調整することにより、一層の事業推進に努めてまいります。

○鈴木委員 私は、皆様方が本当に一生懸命取り組まれているということは敬意を表するわけですけれども、こうした事業は、必要に応じて区市町と連携をとってやっていっていただくことが、事業の一層の効率化に資するものであると思っておりますので、ぜひ今後ともそういった心がけをして取り組んでいただきたいというふうに要望しておきます。
 次に、耐震性向上の観点から何点かお伺いいたします。
 近年、新潟の中越沖地震、岩手・宮城内陸地震など、震度六強の地震が頻発しております。南関東において今後三十年以内にマグニチュード七程度の地震が発生する確率は七〇%ともいわれております。
 そうした中、特に東京の中でも私の住む大田区は、埋立地も多く液状化が指摘されており、ライフラインの確保は極めて重要な課題であります。また、当然のことでありますけれども、一千三百万都民の生活と首都機能の維持のために、震災対策は非常に重要であります。
 そこで、首都東京における大規模な地震が発生した場合の、都の上水道の被害想定と大田区における被害想定についてお伺いいたします。

○高原企画担当部長 東京都防災会議が平成十八年に公表いたしました首都直下地震による東京の被害想定では、東京湾北部を震源とするマグニチュード七・三の地震が発生した場合の被害想定を行っておりますが、これによりますと、水道の断水率は東京都全体で三四・八%、また、大田区では五二・五%というふうに想定されてございます。

○鈴木委員 答弁にありましたように、都全体で断水率が三四・八%は本当に大きな数字で、相当な被害が想定されるわけで、一千三百万人もの都民の暮らし、そしてまた中枢機能が高度に集積する東京において一たび大規模な断水が発生すれば、その影響ははかり知れず、我が国全体に及ぶものと考えております。また、私の住む大田区は、それ以上に断水率が五〇%以上と、大変大きな被害が予想されるわけであります。
 そこで、地震による断水被害を未然に防止し、都民生活と首都機能の安全を確保するためには、水道施設、特に管路の耐震化を進めていくことが重要であるということは、私も本当にそのように思っております。これまでの管路の耐震化への取り組みについて改めてお伺いいたします。

○高原企画担当部長 現在水道局が管理しております管路の総延長は、地球半周以上に相当いたします二万六千六百十一キロメートルに及んでございます。このため当局では、震災時における断水被害を最小限にとどめることを目的として、東京都水道局震災対策事業計画に基づき、経年管などの管路の取りかえを計画的に進めてまいりました。
 さらに、平成七年に発生いたしました阪神・淡路大震災において、管路の継ぎ手部分の抜け出しによる断水被害というものが非常に多発したことから、これを教訓といたしまして、平成十年度からは、抜け出し防止機能を有する耐震継ぎ手管と申すわけですけれども、これへの全面的な取りかえを図っておりまして、現在、管路の耐震継ぎ手率というのは、平成二十年度末現在で二四%となってございます。

○鈴木委員 これまで耐震化に計画的に取り組んで、また過去の震災を教訓としてきたことは本当に評価いたしますが、二四%という現在の管路の耐震継ぎ手率は本当に低いといわざるを得ません。しかし、今答弁にありましたように、管路の延長が二万キロ以上と膨大であるために、すべてを取りかえるまでには長期間を要することから、特にプライオリティーを考えて取りかえを行う必要があるというふうに私は考えます。
 そこで、どのような考え方で現在取りかえを行っているのか、また年間の取りかえの延長はどのくらいになるのか、お伺いいたします。

○酒井給水部長 管路の取りかえは、管自体の強度の低い、昭和四十年代までに布設した鋳鉄管、いわゆる経年管や導入初期のダクタイル管について優先的に取りかえを行っております。
 また、震災時に首都中枢機関や医療機関などの果たす役割の重要性を踏まえ、これらの重要施設への供給ルートを優先して耐震継ぎ手管への取りかえを行っております。
 年間の取りかえ延長につきましては、これらの計画的な取りかえに加え、道路工事に伴う移設、他企業工事に合わせた取りかえなど、年間約三百キロメートルを取りかえております。

○鈴木委員 重要施設への供給ルートを優先して取りかえるということでありますけれども、私の地元である大田区は、東邦大学医療センター大森病院が三次救急医療機関に、保健医療公社荏原病院が災害拠点病院に指定されております。また、その他多くの二次救急医療機関が立地しているという状況の中で、大田区における救急医療機関への供給ルートの耐震化事業の進捗状況をお伺いいたします。

○酒井給水部長 大田区における重要施設につきましては、三次救急医療機関及び災害拠点病院がおのおの一施設、二次救急医療機関十四施設、区役所の合計十七施設がございます。そのうち、三次救急医療機関につきましては耐震化を既に完了しております。災害拠点病院につきましても今年度中に耐震化する予定でございます。また、その他の二次救急医療機関、区役所につきましては、目標年次の平成二十八年度末までに耐震化を完了する予定としております。

○鈴木委員 これまで、大田区を例にしながら管路の耐震強化の取り組みについて伺ってまいりましたけれども、東京の水道施設は膨大でありますし、耐震化は一朝一夕には進まないというふうに思っております。地震の切迫性や被災した場合の影響の大きさを考えると、本当に一日も早く一層の推進が重要であるというふうに思っておりますけれども、最後に、耐震化に向けた局長の決意をお伺いいたします。

○尾崎水道局長 水道は首都東京を支える重要なライフラインであり、震災時における給水機能の停止は、都民生活や政治経済活動にはかり知れない影響を与えます。このため、水道施設の耐震化は、震災時の影響をできる限り少なくすることを目的に、東京都水道局震災対策事業計画に位置づけ、当局の重要施策の一つとして取り組んでおります。
 とりわけ管路につきましては、約二万六千キロメートルと膨大な延長を有し、震災時に継ぎ手部の抜け出し等による広範囲な被害が予測されますことから、耐震化に当たりましては、優先順位を定め、計画的に抜け出し防止機能を備えた管への取りかえを実施しております。
 水道事業者の使命は、震災時においても都民生活と首都機能を支え、可能な限りの給水を確保することであり、今後とも、水道施設の耐震化に積極的に取り組んでまいります。

○鈴木委員 ここにおられる委員の方々も、局長の決意を伺えて、よし応援していこうという気持ちになるんじゃないかなというふうに思うわけですけれども−−そうですね、先生。
 水道事業は、ライフライン中でも命にかかわる重要な事業であるわけです。日本においては、蛇口をひねればいつでもおいしい水が出るということから、これは本当に先ほどもいいましたように、世界では希有なことであるわけですけれども、危機意識というのが薄れやすいというふうにも私は思います。ぜひとも、大震災がいつ起きてもおかしくない、そうした震災において、本当にしっかりとした危機管理を持ってこれからも取り組んでいただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。

○神林委員長 そのほか発言はございませんね。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○神林委員長 それでは、お諮りさせていただきます。
 事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○神林委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 重複を避け、密度の濃い質疑を本当にありがとうございました。
 以上で水道局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時五十一分散会

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