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Tokyo Metropolitan Assembly

公営企業委員会速記録第十三号

平成二十年十一月十八日(火曜日)
第十委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長鈴木 隆道君
副委員長たぞえ民夫君
副委員長林田  武君
理事松葉多美子君
理事田中たけし君
理事花輪ともふみ君
福士 敬子君
そなえ邦彦君
尾崎 大介君
泉谷つよし君
くまき美奈子君
鈴木貫太郎君
樺山たかし君
高島なおき君

 欠席委員 なし

 出席説明員
水道局局長東岡 創示君
技監尾崎  勝君
総務部長小山  隆君
職員部長森 祐二郎君
経理部長山本 憲一君
サービス推進部長内海 正彰君
浄水部長増子  敦君
給水部長吉田  永君
建設部長今井 茂樹君
設備担当部長吉田  進君
参事高原 俊幸君
参事坂内 顕宏君
多摩水道改革推進本部本部長鈴木 孝三君
調整部長大平 晃司君
施設部長佐竹 哲夫君
参事酒井  晃君
下水道局局長今里伸一郎君
技監中村 益美君
総務部長細野 友希君
職員部長阿部 義博君
経理部長佐藤 仁貞君
計画調整部長小川 健一君
技術開発担当部長東郷  展君
施設管理部長宇田川孝之君
建設部長黒住 光浩君
参事小山 哲司君
流域下水道本部本部長新田 洋平君
管理部長梶原  明君
技術部長高相 恒人君

本日の会議に付した事件
 水道局関係
事務事業について(質疑)
 下水道局関係
事務事業について(質疑)

○鈴木(隆)委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
 初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせをいたしましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、水道局及び下水道局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより水道局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布をしてあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○小山総務部長 さきの委員会におきまして資料要求のございました事項を項目別に取りまとめ、お手元に配布してございます。
 その概要につきましてご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。将来需要量及び配水量の推移でございます。
 将来需要量と平成元年度以降の一日最大配水量及び一日平均配水量の推移をお示ししてございます。
 二ページをお開き願います。八ッ場ダム基本計画の概要でございます。
 事業の目的、ダム概要、費用、取水量と負担割合及び工期につきまして、当初計画の主な内容とこれまでに実施された計画変更の概要をお示ししてございます。
 三ページをお開き願います。八ッ場ダム建設事業費に係る東京都の負担でございます。
 平成十五年度から十九年度までの八ッ場ダムの事業費、都の負担額、そのうち水道局の負担額及びその他の負担額をお示ししてございます。
 四ページをお開き願います。公立小学校の水飲み栓直結給水化モデル事業の計画と実績でございます。
 公立小学校の水飲み栓直結給水化モデル事業につきまして、平成十九年度及び二十年度の計画と実績の実施校数をお示ししてございます。
 五ページをお開き願います。監理団体への委託料及び主な委託内容でございます。
 水道局が所管しております東京水道サービス株式会社及び株式会社PUCの二つの監理団体につきまして、平成十年度から十九年度までの委託料と主な委託内容につきましてお示ししてございます。
 六ページをお開き願います。他企業工事立会業務の委託実績でございます。
 平成十六年度から十九年度までの他企業工事立会業務につきまして、現場立会費と立会件数をお示ししてございます。
 七ページをお開き願います。口径群別給水件数の推移及び主な使用者層でございます。
 口径群別に、平成十年度から十九年度までの給水件数と主な使用者層をお示ししてございます。
 八ページをお開き願います。未納カード発行枚数及び給水停止件数の推移でございます。
 平成十年度から十九年度までの十年間につきまして、未納カードの発行枚数と給水停止件数をお示ししてございます。
 九ページをお開き願います。政令指定都市の水道料金及び減免制度でございます。
 各都市の料金体系、基本水量、一カ月に口径二〇ミリで五立方メートル、二十四立方メートルを使用した場合の水道料金と料金の適用年月日、減免制度の有無をお示ししてございます。
 一〇ページをお開き願います。水道局におけるオリンピック招致活動への協力でございます。
 水道局では、オリンピック・パラリンピック招致活動への協力として、庁舎、イベント及び印刷物等を利用したPRを行っております。
 以上をもちまして、大変簡単ではございますが、要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。
 どうぞよろしくお願いいたします。

○鈴木(隆)委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより事務事業に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○田中委員 これまで水道局では、我が党がさまざまな機会をとらえて提案してきたことを実現していただいており、そのことは高く評価をしたいと思います。東京水道経営プラン二〇〇七や平成二十年度予算でも、将来を見据えたさまざまな施策が確実に具体化されているものと思っております。
 そこで、本日は、事務事業質疑でありますので、水道事業全般にわたりましての二点に絞った問題についてお伺いをしたいと思います。
 過日、水道局主催で、「はじめよう、からだとくらしにいい習慣。東京水」と題したシンポジウムが開催されましたが、その中で、元シンクロナイズドスイミング日本代表選手の武田美保さんが、オリンピックで海外に遠征したときの体験として、食べ物や飲み物など口にするものはとにかく細心の注意を払います。ずっとオリンピックに向けて練習してきたのに、ほんのちょっとの風邪でも体調に影響してしまいます。そんなことを考えると、飲み水は本当に日本は安全だなと思います、という発言があったと伺っております。殊さら体調管理に気を使うアスリートの言葉だけに、この言葉は非常に重みがあるものと私も受けとめております。このことも、水道局が水道水の安全性確保に細心の注意を払い、一つ一つ都民の信頼を築き上げてきた成果であろうと思っております。
 このほかにも、例えば、高度浄水施設の建設や漏水防止対策を積極的に進めてきた成果として、漏水率三・三%という世界が驚嘆する高いレベルに到達したこと、また、直結給水方式を普及させる施策の一環として実施しております小学校の水飲み栓直結給水化モデル事業を事業化したことなどは、都民から幅広い支持を得ているのではないかと思っております。
 そこで、改めまして、経営プラン二〇〇七では何を実現しようとしているのか、お伺いをいたします。

○小山総務部長 水道局では、現在及び将来にわたる安定給水を最大の使命としてさまざまな対策を行ってまいりましたが、水道事業全般を見渡しますと、保有する水源が渇水に対する安全度が低いなどの課題を抱えていることや、水道施設の中には老朽化による機能低下やバックアップ機能が不足するものがあり、施設水準のさらなる向上が求められていること、また、お客様の蛇口離れが進行するなど、水道水に対してより一層の安全・安心が求められていることなど、多くの課題を抱えております。
 こうした課題に対応するため、平成十九年度から二十一年度までを計画期間とする東京水道経営プラン二〇〇七を策定いたしました。プラン二〇〇七は、目標管理と成果重視の視点に立って、都民の皆様への説明責任を果たしていくことを目的に、計画期間の三年間に取り組んでいく施策の事業計画と財政計画を明らかにしております。
 現在、このプランに基づきまして、八ッ場ダムなどの新規水源開発、高度浄水施設の建設、漏水防止対策の推進、貯水槽水道対策、直結給水の普及促進など、安全でおいしい水の安定的な供給、それに、利便性の一層の向上など、お客様サービスの積極的な展開や一体的な事業運営体制の構築を初めとした経営基盤の強化など、五つの主要施策を中心にさまざまな事業に積極的に取り組んでいるところでございます。

○田中委員 今のご答弁のとおり、水道局では、平成十九年度から二十一年度までの三カ年計画であります経営プラン二〇〇七に基づいて、さまざまな課題の解決に向けて努力されております。このことは率直に評価したいと思いますが、より長期的な課題についても確実に対応していかなければならないものと思っております。
 例えば、水道施設の大量更新については、都の浄水施設の七割が昭和三十年代から四十年代にかけて整備されたもので、今後、平成三十年代以降、一斉に更新期を迎え、その更新費用は総額一兆円にも及ぶと伺っております。こうした水道施設の更新に当たっては、古い施設を新しいものに置きかえるということだけにとどまらず、水道施設全体のあり方についても、これからまた新しい水道をつくっていくという発想を持って取り組んでいくことが大切なのではないかと思っております。
 このほかにも、気候変動の影響による降雨状況の変化への対応、あるいは、水が豊富にあるようにいわれている日本においても、農産物や工業製品の輸入を通じて大量のいわゆるバーチャルウオーターを輸入しているといわれておりまして、世界の水問題と決して無縁ではないと思っております。さらには、水道技術の革新などについて、将来を見据えて一つ一つの課題の解決をしていくことが求められていると思っております。こうした問題については、長期的な課題であっても、その時々に適切な対応をしなければ、将来に大きな影響を及ぼすだろうと思っております。
 そこで、長期的な視点に立って、今後の水道事業運営に向けた局長の率直なお考えをお伺いしたいと思います。

○東岡水道局長 長期的な視点に立った水道事業の運営についてでありますが、今後、水道事業には解決しなければならない多くの課題があります。
 例えば、都の浄水施設の七割は昭和三十年代から四十年代にかけて整備されたもので、今後、平成三十年代以降、一斉に更新時期を迎えることになりますが、その更新に当たりましては、単に古いものを新しいものに置きかえるということにとどまらず、水道施設全体のあり方を踏まえ、将来に向けて新しい水道をつくっていくという姿勢で取り組んでいくことが重要であると考えております。
 また、現在、既に気候変動が始まっているといわれており、水道事業としての二酸化炭素排出量削減対策や、将来を見据えての水不足の可能性や原水水質汚濁への対応も真剣に考えていく必要がございます。
 さらに、水問題についても、これを東京だけのローカルな問題としてとらえるのではなく、世界の水問題としてより広い視野から考えることも重要であります。
 こうしたさまざまな問題に対して、長期的な視点に立って適切な対応を行うことは、現在の水道事業に携わる私ども職員の重要な責務であります。今後とも、職員一丸となって、安定給水をより確かなものにしていくとともに、水道事業の運営に最大限の努力をしてまいります。

○田中委員 ただいま局長からもご答弁いただきましたように、将来をも見据えたさまざまな取り組みに対しても、なお一層のご尽力を期待いたしまして、私の質問を終わります。

○尾崎委員 私は、多摩地区の水道事業について何点かお伺いをしたいと思います。
 多摩地区の水道事業については、東京都が多摩地区の二十五の市町について事業を一元化した上で、これまでは各市町に事業を事務委託していたわけであります。多摩地区水道の一層のサービス向上などを図る目的から、水道局では、平成十五年六月に多摩地区水道経営改善基本計画を策定し、平成二十四年度までに市町への事務委託の解消を柱とする経営改善を進めていると聞いております。
 既に計画期間の半ばに差しかかっており、市町への事務委託の解消も進んでいると思われるわけでありますが、この事務委託解消の状況について、まずお伺いをいたします。

○大平調整部長 多摩地区の二十五市町への事務委託解消につきましては、昨年度末までの段階で、既に二十市町との間の事務委託を解消しています。また、今年度末には、青梅市、調布市、国立市の三市への事務委託を解消することを予定しています。
 業務の都への移行につきましては、これまで市町に委託していた業務を、職員配置など各市町の個別事情を勘案いたしまして、徴収系、給水装置系、施設管理系の三つの業務に分けて段階的に進めておりまして、既に、徴収系では二十市町、給水装置系では十七市町の業務が移行しています。施設管理系業務につきましては、これまでに五市町の業務を移行しております。

○尾崎委員 段階的に移行をしていくということなわけでありますけれども、私の地元は調布市と狛江市というところでありまして、ここも、三多摩地域のこの事務委託解消の一つに挙げられているわけでありますけれども、その調布市と狛江市を例に具体的に説明をしていただきたいと思います。

○大平調整部長 平成十八年度末で事務委託の解消を行いました狛江市につきましては、徴収系業務が平成十九年四月から、施設管理系業務が平成二十年四月から都に移行しています。残る給水装置系業務は平成二十二年四月に移行する予定です。
 また、調布市につきましては、今年度末で事務委託の解消を行いまして、平成二十一年四月に徴収系業務及び給水装置系業務を移行し、施設管理系業務は平成二十二年四月に移行することで市との調整を行っております。

○尾崎委員 お客様に直接かかわるこの徴収系業務は、既に大半が東京都に移行をされたとのことであります。これまで各市町が地元で行っていた窓口サービスが東京都に移ったことで、サービスがどのようになったか気になるところであります。
 経営改善計画では、市町に委託していたときよりもサービスを向上させるとのことでありますけれども、このお客様サービスの現状についてお伺いをいたします。

○大平調整部長 当局では、平成十八年十一月に、多摩地区の水道使用の中止、開始や各種問い合わせを一括して受け付ける多摩お客さまセンターを開設し、ワンストップサービスを実現しています。既に、水道使用の中止届け出の約七割を多摩お客さまセンターで受け付けております。地域サービスの拠点としては、現在、十二カ所のサービスステーションを開設して、徴収や検針などお客様にかかわる業務を実施いたしております。
 水道料金のお支払いができる金融機関につきましては、十から三十程度だった各市町の指定金融機関から、百六十を超える都の指定金融機関になりまして、ほとんどすべての金融機関を利用できるようになっております。さらに、今年度、お客様からご要望の多かったクレジットカード支払いを新たに導入するなど、都民サービス向上の効果は着実に上がっているものと認識しております。

○尾崎委員 届け出や料金支払いが事務委託解消後にむしろ便利になっているということはわかりましたけれども、それ以外にも、例えば検針や水道工事、事故対応等、こういうのは、地元の例えば管工事組合であるとか、こういうところが今までやってきたわけでありますけれども、このサービスも非常に重要だと認識をいたしております。
 地元に密着したサービスの体制が整っていることが必要であり、そこで、この各地域における局の体制についてどのようになっているか、お伺いをいたします。

○大平調整部長 当局では、広域的な管理を行うため、多摩地区を四つのエリアに分けて、それぞれに拠点として給水管理事務所、給水事務所を置きまして、地域の水道施設の管理、浄水場等の運転管理、サービスステーションの管理などを実施することとしています。
 こうした体制整備につきましては、市町からの業務移行にあわせて計画的に行っておりまして、今年度は給水管理事務所二カ所と給水事務所一カ所を設置したところでございます。

○尾崎委員 水道局として体制整備を進めていることは理解をいたしましたが、水道事業は水道局だけで行っているものではなく、これまでは、地元の市町が地元の事業者と連携をして、地域の水道施設の管理などを行ってきた経緯があるわけであります。こうした地元の水道事業者の役割は極めて重要だと考えております。東京都への業務移行後においても、これまで市町の水道事業を支えてきた地元事業者を引き続き活用していくことが望まれると思います。
 そこで、水道局では、市町から水道業務を受託していた地元の事業者をどのように活用していくのか、お伺いをいたします。

○大平調整部長 事務委託解消後は、多摩地区の水道について、広域的な管理を行うことで効率性を高めていくこととしていますが、地元の事業者は地域事情に精通している上、現地にも近いというメリットがございまして、また、これまでの市町からの請負により業務を熟知しており、局としても、地元の事業者を活用していくことは重要なことと認識しております。このため、今後の工事請負などの契約のあり方については、こうしたことなどを踏まえながら検討しているところでございます。

○尾崎委員 ぜひ、そうしたことを踏まえて検討をしていただきたいと思います。
 東京水道サービスですか、事務委託解消後に東京都が事業を委託して、そこがやっていくんだろうと思いますけれども、やっぱり水道事業というのは地元としてもライフラインであるわけでありまして、こうした事業は、これまで地域事情等をより把握している、そうした地元の人たちの必要性は非常に高いわけであります。
 ぜひ、局と事業者が力を合わせて、今後とも安定した水道事業を多摩地区で実施をしていただけるよう期待をいたしまして、次の質問に移りたいと思います。
 次に、地下水源についてお伺いをいたします。
 私の地元の調布市を含めて、三多摩地域では地下水を使用している頻度が非常に高いわけであります。地元で寄せられる声でも、引き続き地下水を使い続けたいという声は多いけれども、東京都は、地下水源は地盤沈下を引き起こす、地下水汚染の危険性がある等々の理由を挙げて、保有水源に位置づけないということにしているわけであります。
 八ッ場ダムに新規水利権を求めている一都五県の中で、五県は、八ッ場ダム完成後も地下水源の八割程度を使い続けることを明らかにしているわけでありますが、東京都は、認可水源としながらも、地下水源は安定水源に位置づけられないとして保有水源に含めていないわけであります。これは、全国的に見ても極めて異端的な地下水源の取り扱いであると思うわけでありますけれども、なぜこのような扱いをしているのか、お伺いをいたします。

○高原参事 東京都土木技術センターが毎年公表しております平成十九年地盤沈下報告書によれば、揚水規制の効果は頭打ちの状況にあり、地域によっては地盤沈下の進行が予測されるとしております。
 また、水質につきましても、有機溶剤であるトリクロロエチレン、一・四−ジオキサン等が検出されたことから、一部の井戸の使用を休止してきた経緯がございます。
 したがって、多摩地区の地下水は、地盤沈下や水質の面から、将来にわたる安定的な水源として位置づけるべきではないというふうに考えてございます。
 なお、多摩地区の地下水については、身近に利用できる貴重な水源であることから、今後とも、地盤沈下や水質の動向に十分に配慮しつつ、可能な限りの活用を図っていく考えでございます。

○尾崎委員 地盤沈下が原因だということを挙げられているわけでありますけれども、多摩地区の年間最大地盤沈下量は、揚水規制によりまして一九七〇年代後半に激減をし、一九八四年以降は、九四年を除いて二センチ以下となっているわけであります。この程度の地盤沈下は、かつての大幅な地下水位低下による後遺症で、粘土質からの水分の絞り出しによる残留沈下であり、心配はないと考える、こうした声もあるわけであります。
 二〇〇六年五月に東京都環境局が発表した東京都の地盤沈下と地下水の現況検証についてという報告書では、今後の地下水対策について、現時点においては、現行の揚水規制を緩和すれば地盤沈下が再発するおそれがあるので、揚水規制を継続し、現状の地下水揚水量を超える揚水を行わないことが必要と記載をされているわけでありますけれども、これは現状の地下水揚水量の継続を認めたものであり、水道水源としての地下水切り捨てを求めたものではないと推測をされるわけであります。
 以上を踏まえた上で、現状程度の地下水を利用することで新たな地盤沈下を誘発するおそれがあるということであれば、ぜひその根拠をお伺いいたしたいと思います。

○高原参事 冒頭申し上げますけれども、私ども、多摩の地下水につきましては、安定水源へ位置づけることの困難性を申し上げておるわけでございまして、委員ご指摘のように、多摩の地下水を切り捨てるというような方針を持っているわけではございません。
 その上で、委員の方からは、揚水規制のもと、現状までなら水源に位置づけられるのではないかというご質問でございますけれども、先ほども例示いたしましたけれども、土木技術センターが毎年公表しております平成十九年地盤沈下報告書によりますと、多摩地域の地下水は主要用途が水道水源であるため、地下水位は毎年の水需給の影響を受けやすい状況にあるとし、ここ数年の地下水位の変動状況を見ると、一部に低下傾向を示すものもあるなど、揚水規制の効果は頭打ちの状況にあることが明らかであり、平成六年を初め、過去の渇水年の沈下状況が示すように、地域によっては地盤沈下の進行が予想されるというふうにしてございます。
 また、委員の方で例示されました東京都の地盤沈下と地下水の現況検証についてでは、平成十一年度の地下水管理ガイドライン策定調査において試算しました地盤沈下を起こさないために維持することが望ましい地下水位について検証を行っておりますが、その結果、設定水位を維持しても地盤沈下は全く起こらないとはいい切れないことが明らかになったというふうにしてございます。これは、多摩の地下水源の揚水量を現状程度に維持しても、地盤沈下が起こらないとはいい切れないということを意味するものでございます。
 一般的に、地盤沈下は、他の公害現象とは異なり、一度沈下が起こると、もとの地盤に回復することは不可能であり、長期的に見れば、累積的に沈下が進行するという特徴を持っていることは明らかでございます。したがいまして、これら地盤沈下や水質の面から、将来にわたる安定的な水源と位置づけるべきではないというふうに考えているものでございます。

○尾崎委員 それでは、地下水を東京都の水源の試算基盤としておいて、足りない部分を河川水で補うという考えにはならないということなんですか。

○高原参事 水源につきましては、将来にわたって長期的かつ安定的に確保できるかどうかという観点で考えるべきものであろうかというふうに考えております。
 多摩地区の地下水につきましては、平常時はもとより、非常時にも活用できる貴重な水源として可能な範囲で活用してまいりますが、さきにご答弁申し上げましたとおり、地盤沈下や水質の面で安定的な水源と位置づけることは困難であることから、今後、安定給水を確保するため、必要な水源開発につきましては着実に行っていく考えでございます。

○尾崎委員 水源に必要不可欠な井戸でありますけれども、どうもちょっと、今お話を伺っていると、最初から、地下水は安定的な水源にはならないというような形でお話が進められているように感じるんですが、例えば、努力をしていくという方向で、今、多摩地区の水道水源用井戸というのがありますけれども、この施設能力によりますと、多摩地区水道水源用井戸は総合市町全体で二百九十本、施設能力は一日三十八万二千二百立方メートル、そのうち、二十九本の井戸が休止をしているわけであります。休止井戸の施設能力合計は二万八千六百立方メートルに達し、この数値は、東京の一人一日使用水量が約三百三十リットルでありますから、八・七万人程度の人口規模を養うことのできる水量である、こうした計算ができるわけであります。
 この水源の井戸、今休止をしているわけでありますけれども、具体的な休止理由についてお伺いをいたします。

○酒井参事 お尋ねの二十九本の休止理由につきましてでございますが、トリクロロエチレンや一・四−ジオキサンなどの検出など、水質悪化により休止している井戸が九本、水位低下などによる揚水量の減少や老朽化に伴うケーシングパイプの破損などにより休止している井戸が十五本、そのほか、地盤沈下防止のために休止している井戸が五本となっております。

○尾崎委員 先ほども述べましたけれども、今、この休止井戸を復活させれば八・七万人程度の人口規模を養うことができるわけであります。汚染井戸については、除去装置をつけて揚水を継続して、汚染質を除去することなどの措置で対応できると考えるわけでありますけれども、東京都水道局は、汚染井戸については揚水そのものを停止し、ほかから水道水を切り回すことで対応をしているわけであります。
 東京都は、地下水汚染をもって地下水を正規の地下水とみなしておりませんけれども、汚染井戸は二百九十本分の九本でしかないわけであります。これらは、除去装置を設置することによって揚水再稼働が可能になるものと考えますが、東京都がその姿勢を示していないのは、水余りの象徴であると同時に、地下水源を水源転換の理由として利用しているにすぎないと思わざるを得ないわけであります。
 そこで、聞きますけれども、休止井戸の中の一本に、これは私の地元なんですけれども、狛江市西野川に休止井戸が今、一本あります。これは、理由として、老朽化によるケーシングの破損ということになっておりますが、水質汚染などとは違い、井戸の破損を改善して使用することなどは考えられないんでしょうか。
 また、二〇〇五年にこの井戸につながる水道管の耐震工事というものを行っておりますけれども、この耐震工事は、将来的にこの井戸を復活させることを見据えた工事ではなかったのか、見解をお伺いいたします。

○酒井参事 お尋ねのありました西野川一号水源につきましては、井戸のケーシングパイプの破損により休止しております。ケーシングパイプの破損を補修することは困難であることから、井戸の掘りかえなどについて検討しているところでございます。
 なお、お話のありました平成十七年度の工事につきましては、石綿管を解消するために行ったものでございます。

○尾崎委員 これは非常に、私、素人的な考えで申しわけないかもしれないんですけれども、例えば、水質改善を理由とした井戸の復旧工事よりは、ケーシング等によるこうした破損等の工事の方が比較的難易度は低いのではないかなと思うわけであります。
 今回の狛江市の西野川の休止井戸の理由というものは、まさしくケーシングの破損というものであり、破損箇所を改善すればいいことではないのかなと思うわけでありますけれども、ぜひ早急に掘りかえ作業を進めていただいて、また、先ほどから質問しておりますけれども、やっぱり三多摩の地下水、これは非常に重要な水源であると認識をしているわけであります。それに加えて、やはり市民からの要望も、三多摩の飲み水はおいしいよと、こういう要望も非常に高いわけであります。
 今後、さまざまな分析は必要であるとは思うんですけれども、最初から地下水を安定的な水源ではないと決めつけるのではなくて、ぜひ、地下水を安定水源として前向きに検討していただくよう強く要望して、私の質問を終わります。

○松葉委員 初めに、東京水道技術エキスパート制度について質問をいたします。
 ベテラン職員の方々が大量退職をする時代を迎えまして、水道局におかれましても、これまで培われてきた世界に誇る水道技術の継承をどう進めていくのか、そういったことが喫緊の課題となっていると思います。ベテランの職員の技術は、これまで水道事業に携わってこられた職員の方々の努力のたまものでありますけれども、それがまた貴重な財産であることから、確実に引き継いでいく必要があると考えます。
 水道局では、技術情報の蓄積、活用を目的として、平成十九年度にナレッジバンクの運用を開始し、さらに、平成二十年度には東京水道技術エキスパート制度を立ち上げたと聞いております。
 そこで、東京水道技術エキスパート制度の概要について、まず初めに伺います。

○今井建設部長 これまでは、日常業務において、各職場のベテラン職員が新人職員などを指導していく中で技術を継承することができました。しかし、ベテラン職員の大量退職時代を迎え、各職場ではそうした技術継承が困難な状況になっております。そこで、高い技術を持つ経験豊富な職員を東京水道技術エキスパートとして認定し、幅広く活用することによって、効果的に技術の継承を進める制度を創設いたしました。
 エキスパートは、自身が持つ経験、ノウハウを文章や映像等の形にしてナレッジバンクに残すとともに、職場を超えて全職員に対する指導や助言を行い、局内の各種検討会にもアドバイザーとして参加いたします。
 平成二十年七月に、三十名の職員をエキスパートとして認定し、本制度の運用を開始しております。

○松葉委員 ベテラン職員の方々をエキスパートとして認定し、職場を超えて広く力を発揮していただくことで技術継承を図ろうとする試みは非常に意義があると考えます。三十名の方がエキスパートとして認定をされて、本格的に運用を開始しているとのことでございますが、現在の取り組み状況について伺います。

○今井建設部長 この制度によってベテラン職員の技術を確実に継承するためには、まず、エキスパートの経験、ノウハウについて、可能な限り文章や映像等の形にすることが重要であります。しかし、認定されたエキスパートの多くが五十代後半の職員であり、退職することによってそうした職員が持つ高度な技術が失われてしまうおそれがあることから、今年度は、エキスパートの経験、ノウハウをデータベース化する作業を重点的に実施しております。
 また、職員に対する指導や助言、各種検討会への参加といったその他の活動についても、当局のネットワークシステム上でエキスパートの専門分野を紹介し、職員に対してエキスパートを積極的に活用するよう促しております。

○松葉委員 水道局が技術の継承に対して積極的に取り組まれていることは理解をいたしました。
 ところで、この技術の継承につきましては、東京だけではなくて、我が国全体の水道界の課題であることから、こうした取り組みを充実させて、ほかの水道事業体にも役立ててもらえるような方策を検討していく必要があると考えます。
 そこで、今後の展開についてどのように考えているのか伺います。

○今井建設部長 東京水道には、世界トップレベルの水道水を支えてきた技術を次世代に確実に引き継ぐ責務があり、日本の水道を牽引していくことも期待されております。
 今後は、東京水道技術エキスパート制度とナレッジバンクを有機的に連携させ、個々の職員や組織が保有する知識やノウハウを局全体で共有し、日々の業務に活用することで技術継承を進めてまいります。さらに、こうした当局の技術継承に関する新たな取り組みを他の水道事業体にも積極的に発信し、支援を行ってまいりたいと思います。

○松葉委員 東京水道技術エキスパート制度は、我が国の水道界で初めての取り組みと聞いております。ぜひとも、他の水道事業体の模範となるような、ベテラン職員の方々の力を大いに発揮していただく本格的な制度として発展することを期待しております。
 次に、震災対策について伺います。
 近年、新潟県中越地震や、昨年発生いたしました新潟県中越沖地震などの大地震によりまして、水道施設が大きな被害を受け、断水が続いたと聞いております。東京でも、首都直下型地震発生の切迫性が指摘されており、大地震に対する備えが非常に重要になっております。このため、水道局では、これまでも施設や管路の耐震化を推進するなど、予防対策に積極的に取り組んできたことは承知をしております。
 こうした予防対策とともに重要なのが、大地震が発生した際の応急対策であるといえます。我が党はこれまでもこの応急対策の重要性を指摘してまいりましたが、本日は、この応急対策の状況につきまして何点か質問をいたします。
 発災初期に、より一層迅速に対応するための組織として、本年四月に、新たに水道緊急隊を設置したと聞いております。
 そこで、まず、水道緊急隊の概要について伺います。

○吉田給水部長 発災初期の応急対策をより一層迅速に行うことを目的といたしまして、本年四月、水道緊急隊を発足いたしました。
 水道緊急隊では、情報通信機器などを備えました特別緊急車やバルブ開閉車及び応急給水車などを配備し、二十四時間三百六十五日の即応体制を整えております。発災時には、迅速に水圧の調査や管路の弁操作を行い、首都中枢機関などへの水道水の供給ルートの確保や、都の災害対策本部から要請のあった災害拠点病院など、人命に係る施設への応急給水を実施することといたしております。また、突発的な管路事故におきましても、断水作業や情報連絡支援並びに応急給水などの活動を担うこととしております。

○松葉委員 震災時はもとより、突発的な管路事故時にも迅速に対応するための体制がとられていることがわかりました。
 その上で大切なことは、いつ何どき大地震や事故が発生したとしても、水道緊急隊がその機能を最大限に発揮できるように準備をしておくことだと思います。そのためには、平常時の訓練も含めまして、日ごろの活動が非常に重要であるといえます。
 そこで、水道緊急隊のこれまでの活動状況について伺います。

○吉田給水部長 突発事故などによります情報連絡支援や応急給水などのため、水道緊急隊発足後、十月までの七カ月の間に十六件の緊急出動を行ってございます。
 一方、平常時には、震災や突発事故に備えましてさまざまな訓練などを日常的に行っております。これまでに、震災時などにおける首都中枢機関などへの供給ルートの調査、また、災害拠点病院への応急給水訓練などを三百六件、さらに、漏水防止作業の技術支援や漏水防止関連機器の点検、修理などの技術支援を七十八件実施しております。さらに、都区合同の防災訓練にも積極的に参加するなど、いかなる場合においても水道緊急隊がその機能を最大限発揮できるよう努めております。

○松葉委員 ただいまのご答弁で、緊急出動や、また、さまざまな訓練への参画でご活躍をされているというお話がございました。引き続き、万全の体制を維持していただきたいと思います。
 さて、応急復旧を迅速に行うためには、そのための材料を十分に確保することとともに、その材料の保管場所も重要であります。昨年の新潟県中越沖地震におきましても、発災直後の材料の確保が困難であったと聞いております。
 本年三月の委員会における我が党の伊藤議員からの質問に対しまして、都内全域の応急復旧に対応するために、復旧材料の備蓄場所の整備を始めたとのご答弁がありました。
 そこで、現在の進捗状況について伺います。

○山本経理部長 水道施設の応急復旧活動に必要な材料を確保するためには、被災想定、発災後の交通事情なども考慮して、適切な場所に保管することが重要でございます。このため、都内を東部、中央部、西部の三つのエリアに区分し、全体で八カ所程度の一定の規模の材料置き場をバランスよく配置することとし、順次、整備を進めております。
 現在、和田堀給水所隣接地において材料倉庫の建設を進めており、これにあわせて材料の備蓄を開始しております。また、上井草給水所隣接地への材料置き場の新設及び既存の材料置き場二カ所の拡充につきましても着手しており、今年度中に完了する予定でございます。

○松葉委員 応急復旧を行うための体制が着々と整備されているとのことでございますが、今後も万全を期していただきたいと思います。
 その上で、備えの上の備えが大事でございます。実際に地震が起きた場合には大きな被害が出ることも考えられます。そのような事態に備えて、十七大都市水道局災害相互応援の協定が結ばれ、発災時に迅速に他都市との間で相互に応援することができる体制が整っていると聞いております。そして、この十月には、横浜市及び仙台市を交えて、震災時の相互応援に関する情報交換会を実施したとの記事を拝見いたしました。
 そこで、その情報交換会の内容について伺います。

○小山総務部長 震災時の相互応援を目的といたしまして、大都市の間で十七大都市水道局災害相互応援に関する覚書を締結しております。その覚書では、各都市間の相互応援が円滑に実施できるよう、被害状況の把握と、他の都市からの応援に関する調整作業を担当する応援幹事都市を定めておりまして、東京都、横浜市、仙台市は、それぞれが被災したときの応援幹事都市となっております。
 ご質問の情報交換会は、この三都市の事務担当者レベルが初めて一堂に会したもので、各都市の被害想定、施設の耐震化状況及び発災時の応急対策などについて意見交換を行うとともに、発災時に最初に必要となる連絡窓口や応援受け入れ施設などについて確認を行ったものであります。
 実務担当者がじかに会ってこうした情報交換会を行うことで、消火栓の開閉方向が違うなど、都市ごとの施設の操作方法の特徴や図面の表記方法の相違など、応急復旧や給水に必要な現場情報の共有化を図ることができ、こうした情報を互いに蓄積していくことが、発災時における迅速かつ効果的な応援活動につながるものと認識しております。
 今後も、情報交換会を定期的に積み重ねていくことで、実効性のある相互応援体制を確立してまいります。

○松葉委員 発災時に初めての場所に来られて、迅速に応援を実施していただくためには、事前にお互いの情報を共有化することが重要であると考えます。この拝見いたしました記事の中には、東岡局長の、今後は合同訓練を開くことも考えたいとのコメントが載っておりました。こういった取り組みや情報交換会とともに行っていただきまして、さらなる連携強化を図っていただきたいと思います。
 最後に、今後の震災対策を進めていく上での東岡局長のお考えを伺わせていただきまして、質問を終わります。

○東岡水道局長 今後の震災対策への取り組みについてでございますが、新潟県中越地震や新潟県中越沖地震など、各地で頻発している大規模な地震では、水道施設も大きな被害を受け、住民の皆様が大変不便な生活を強いられるなど、ライフラインの根幹として水道の重要性が改めて浮き彫りにされました。
 東京は我が国の政治経済の中心であり、一たび震災が発生した場合には、その影響ははかり知れないものがございます。当局ではこれまでも、地震に強い水道を目指して施設の整備強化に努めるとともに、ソフト面においても、災害時における各区市町との連携や大都市間の相互応援協定を締結するなど、ハード、ソフト両面にわたって鋭意対策に取り組んでまいりました。
 今後とも、首都機能を支える首都中枢機関や、重篤な救急患者に対し高度な救急救命医療を行う三次救急医療機関等への水の供給ルートの確保や、水道施設の甚大な被害が想定される東部地域への重点的な取り組みなど、地震に強い水道の構築に向けた施設の整備強化を進めてまいります。
 また、応急復旧に必要な資材の保管場所の再整備や備蓄の拡充、震災時の他都市との相互応援をより実効性の高いものとするための情報交換会や、さらに進んで、実動要員による共同訓練の実施など、さまざまな対策を講じ、震災対策に万全を期してまいります。

○たぞえ委員 私は、水資源のあり方について伺いたいと思います。
 東京都は、利根川系と荒川系から合わせて七八%を取水し、多摩川水系では一九%を取水しています。これらの水は下流で取水するため、利根川、荒川系では五カ所、多摩川水系では六カ所で浄水場を設けています。東京都はなぜ上流から流れてくる水を高度処理しなければならないのか、その高度処理とは一体何なのか、まず理由を伺いたいと思います。

○増子浄水部長 利根川水系の浄水場の原水の水質は依然として良好とはいえず、今後も改善は期待できない見通しでございます。一方、お客様の水道水の水質に対する関心の高まりにより、より安全でおいしい水の供給が強く求められております。これらのことから高度浄水処理の導入を進めてございます。
 高度浄水処理とは、通常の浄水処理では十分に除去できない臭気物質、有機物、アンモニアなどを処理するための方法でございます。当局では、通常の沈殿と砂ろ過の処理に加えまして、オゾンと生物活性炭を組み合わせた処理方法を採用してございます。

○たぞえ委員 後半は難しい言葉だったのでよくわかりませんが、前半は、要するに、おいしい水をつくるということだと思います。
 なぜ高度処理なのか。これはもう明快です。国の利根川流域別下水道整備総合計画によりますと、利根川の上流地域では、生活系や営業系に加えて、産業系や下水道処理系が加わって下流に流れてくるだけではなく、環境基準達成は五三%という状況だからこそ処理をしなきゃならない、こういうことだと思うんです。さらに深刻なのは、上流地域で、九四%が家畜から出る畜産系の排水と下水処理を施していない区域の工場排水などが相当量ある、こういうふうに指摘されています。
 そこで、江戸川系の河川別の下水道普及率はどういう状況か、ご説明いただきたいと思います。

○増子浄水部長 各水系の流域全体の下水道普及率でございますけれども、平成十九年度末現在、利根川系は五四%、江戸川系と荒川系はともに七九%でございます。

○たぞえ委員 東京都はこうした水質の水を前提として取水をしているということですか。

○増子浄水部長 まだ下水道普及率は一〇〇%にはなっておりませんけれども、下水道普及が完全にされても、現在の水質と、大幅な改善はできないという見通しでございます。

○たぞえ委員 それでは、利根大堰や秋ヶ瀬取水堰などの取り口、いわば水の入り口ですけれども、水質の負荷対策はどう対応されているんでしょうか。

○増子浄水部長 取水地点、利根大堰、利根川の中流にありますが、秋ヶ瀬取水堰は荒川の中流でございますけれども、そこの時点で取水したものに何らかの処理をするというのは非常に困難なものでございまして、私どもは、浄水場における高度浄水処理の実施が最良の方法であると考えております。

○たぞえ委員 汚濁している水をそのまま取水しているため、その処理は結局、浄水場で行わなければなりません。
 一方、多摩川は、都が下水道処理をほぼ一〇〇%完了しているため、多摩川流域では、高度処理を行わなくても水質が利根川に比べていいからです。そういう行政の努力の結果、高度処理をしなくても生活水として多摩川は使えるようになっています。
 水道局は国に対して、利根川流域での水質改善、どのような改善のための要請を行っているんでしょうか。

○増子浄水部長 今お話のありました多摩川は、多摩川の上流から取水しているために高度浄水処理が不要だということでございます。
 お話の国に対する要望ということでございますが、国への要望としましては、下水道整備の推進、窒素、燐対策の推進、化学物質等の安全性に関する調査研究等の充実などでございます。国はこれまでに、下水道の整備推進のほか、家畜排せつ物の管理の適正化に関する法律の制定、内分泌攪乱作用に関する研究の促進などを行ってございます。

○たぞえ委員 それは大変結構なことだと思います。
 しかし、群馬県太田市の利根川河川敷に東京から不法に持ち込まれた大量の産業廃棄物が投棄されて、廃液が河川に流れ込んでいると指摘されています。我が党は都議会で再三にわたって、河川の水質に重大な悪影響を与えているこうした産廃物を撤去せよと要求をしてきました。明らかに環境に重大な負荷を与えているこれらの産廃を取り除くための行政の努力が水道局として必要だと思いますが、見解を伺いたいと思います。

○増子浄水部長 上流の対策につきましては、利根川及び荒川水系の四十三の水道事業体で組織いたします利根川・荒川水系水道事業者連絡協議会というものがございまして、これを通じまして、下水道整備やその産廃の不法投棄などについて、国や上流の県に対して要望を行っております。
 先生お話しの利根川水系における不法投棄は、マスコミで報じられ問題となった平成十二年でございますが、当局で現場調査を実施して、水源河川で問題ないことを確認しております。また、先ほどの連絡協議会を通じて、不法投棄の現場である太田市の水道局とも情報交換を行いまして、水源井戸でも問題ないことを確認してございます。

○たぞえ委員 河川の上と下の真ん中、ここの水源をどう良好なものにするかというのは、これは行政の大事な仕事だと思うんです。不法に投棄されるようなものに対しては、これは厳重に対処するべきであるし、同時に、下水の処理がまだ半分程度、こういう状況を解決する手だて、これも行政の仕事だと思います。ここがしっかり行われれば、東京の取水をした浄水場での浄化また高度処理も、現在のような膨大なお金を投じなくても多摩川水系のように私はできると確信をしています。
 今、国と東京都などが推進している、群馬県の川原湯温泉を水没させ吾妻渓谷をなくす、さらに、長野原の人々の集団移転まで行わせる八ッ場ダム計画に四千六百億円もの途方もない税金を投入する計画が進められています。
 都は、二十一年度の政府予算要望で、工期延長がないようにとか、事業費の増額がないようにとか、コスト削減とか、いろいろ要望を出しておりますが、本音は建設促進そのものです。一方で、金町などの四つの浄水場で、水道水がカビ臭いという都民の声に対して、高度処理を行うために二千三百億円もの財政投資が行われてきました。肝心な川中の水質をいかに改良するかという対策はまだまだこれからです。さらなる川上のダム開発には投資を続ける財政投資というのは、順番が違うんじゃないでしょうか。
 東京での一日水源確保量は六百三十万トンです。計画一日最大配水量は六百万トンで、確保量は既に超えています。これによる一日最大配水量は四百九十七万トン、一日平均配水量は四百四十八万トンで、その差は最大で百三十三万トン、平均で百八十二万トンという余裕という状況にあります。
 莫大な財政投資を行わないでも十分水源を、水質を確保していくという手だてを講じれば、こうした豊かな水を都民にしっかり供給できるんじゃないでしょうか。そういうためにこそ、都民の税金やまた契約者の料金を充てていく、このことが私は大変大事になっているというふうに痛感をしています。
 水源開発というところだけに目を配られるのではなくて、ぜひ、川上から川下まで、すべてにわたる水の水質の管理と保全のために力を尽くしていただきたい、こういうことを申し上げて、質問を終わります。

○福士委員 それでは、私からも八ッ場ダムについてお伺いをいたします。
 八ッ場ダムについては機会あるごとに質問しておりますし、また、裁判の方も、時間の許す限り傍聴してまいりました。その裁判でも都側の水源確保の理由がはっきり示されないので、確認をさせていただく意味も含めて質問をさせていただきます。
 まず、今までも、給水人口は十年前に比べて百万人近く増加していますけれども、一日の最大配水量は年々下がっています。昨年は最大配水量が約四百九十七万立方メートル、ことしは四百八十八万立方メートルと、二年続けて五百万立方メートルを切っております。
 二〇〇七年度を基準に話を進めますが、十年前の九七年では、一日最大配水量、約五百六十万立方メートルでした。給水人口は千百七十八万人でした。これは事業概要に載っている数字です。それ以前はもっと高い数値として挙がっております。昨年、二〇〇七年では、給水人口は千二百八十万人と増加していますけれども、一日の最大配水量、四百九十七万立方メートルですから、かなり減ってきているわけでございます。
 このように、十年前に比べ給水人口が百二万増加しているにもかかわらず、一日最大配水量は六十二万立方メートル低下しています。漏水防止対策の成果、これは一因だと思いますし、世界に冠たる漏水防止対策が進んでいるのが大きな理由であろうかというふうに思いますし、私は、この漏水防止対策の技術はもう既に敬服し称賛しておりますので、ここではそのことは外しておいて、その漏水防止対策の成果以外の要因として何があるのか、お伺いをいたします。

○高原参事 ご指摘の過去十カ年で見た場合でございますけれども、実際にお客様が使われました使用水量のその大半を占めますところの生活用水、こちらの方は人口増加とも相まって着実に増加をしてございます。したがって、近年の配水量の減少でございますが、今お褒めいただきました漏水防止対策の効果もありまして、主にその漏水量の減少が原因かというふうに考えております。
 また、一日最大配水量の方でございますけれども、こちらは、曜日あるいは気象条件あるいは渇水の影響など、さまざまな要因で変動する性質のものでございます。

○福士委員 事業概要の一六ページにグラフが出ております。たとえ生活用水が上がったにしても、総体でお水は計算するわけですから、それが下がっている事実というのは、これはもう外せないわけですよね。
 九七年ごろから二〇〇七年までの十年間は、人口増にもかかわらず、最大配水量は、これ、引き算してみたんですけれども、十万から十七万立方メートルぐらい年々減少しています。年によって、二〇〇一年と二〇〇四年、ぴょんとこうはね上がっている年もあります。今おっしゃるように、気象状況の変化とか曜日とか何か、いろいろあるのかもしれません。でも、そのはね上がった数字というのは十六万ないし二十万立方メートルです。
 したがって、余裕もこの範囲ですべておさめなさいというつもりはありませんけれども、これ以上大きくはね上げなきゃいけない、この余裕の数字ですね、これはなぜ大きくするのかということに対してお伺いをしたいのですが、二〇一三年予測では、将来需要が六百万立方メートルです。昨年の一日最大配水量が四百九十七万立方メートルに対して、現時点では百万立方メートル以上の差が生じています。これだけの差をなぜ必要とするのか、見解をお伺いいたします。

○高原参事 お話の計画一日最大配水量でございますが、こちらの方は、最大配水量に対する平均配水量の割合を示す計画負荷率で一日平均配水量を割り返すことにより算出しております。この負荷率は、先ほども答弁申し上げましたが、気象条件、曜日あるいは渇水の影響など、さまざまな要因により変動し、また、年度によっての変動も大きいものでございます。
 こうしたことから、当局では、安定給水確保の観点から、過去十五年間で最小の値を負荷率として採用し、平成二十五年度の計画一日最大配水量を算出したものでございます。このため、計画一日最大配水量は、短期間の実績と比較を行う性質のものではないというふうに考えてございます。
 一方、予測そのものでございますが、予測の基礎となる一日平均使用水量につきましては、予測と実績との間に現時点で大きな差は生じておらず、現行の需要予測は妥当だというふうに考えてございます。

○福士委員 短期間というのはどのくらいの期間を指しているのか、後でちょっと教えてください。
 大阪や横浜市では、二〇〇四年に、節水型機器の普及と、それから、水道の漏水防止対策の向上を考慮した予測式で水需要予測を行っていると聞いております。
 都の需要予測ではこの節水の効果をどのように見込んでいるのか、お伺いをしておきます。

○高原参事 当局では、使用水量について、過去の実績及び関連する社会経済指標を用いて重回帰分析により予測を行ってございます。予測に用いる使用水量実績には、既に節水型機器の普及などの効果が反映されていることから、それをもとに推計した将来の使用水量にも節水の効果は反映されているというふうに考えてございます。

○福士委員 短期間というのはどのくらいのことをいうんですか。

○高原参事 先ほど、計画一日最大配水量の設定の仕方については、負荷率でもって割り返して算定をしているというふうに申し上げました。その負荷率については、予測時点における直近の十五年間の中での最小の値を用いて、それでもって安定給水を確保するという観点から、計画一日最大配水量、平成二十五年値を算定したものでございます。
 したがいまして、その期間というのも、今、予測の前提とした過去十五年間というスパンで考えているということでございますけれども、これは、必ずしも十五年間の間で起きるとかそういうことではなくて、安定給水の確保というのをどの程度見るかということの中で、実績値の中で十五年間の中の最小の値を用いることが安定給水確保のためには最低限必要であろうと、そのような考え方で計画一日最大配水量を算定したものでございます。

○福士委員 それじゃ、私が今十年間で比べたのはまずかったんですかね。もう一度、十五年間でやり返してみますけれども、多分、余り変わらないと思いますよ。そんなに大きく差が出ている年はないと思います。ここは、昭和の六十一年から平成の十九年までこの長い長いデータがあるわけですから、これでもう一度、私は私で計算させていただきますけれど。
 それはそれで結構ですけれども、使用水量の実績には、今、節水の効果が見込まれているというふうにおっしゃいました。現行計画における直近の値で、予測と実際にどれほどの誤差が生じているのかお伺いいたします。

○高原参事 需要予測の基礎となります一日平均使用水量につきましては、平成十九年度における予測値と実績値との誤差は、約四%でございます。

○福士委員 四%といっても、これは分母が大きいですから、一日平均使用水量というと、最終年度の昨年では四百四十八万立方メートル、約四百五十万として、四を掛けると十八万立方メートル、結構な数字になるんじゃないですかね。小さいダムの利水権ぐらいになるんじゃないですか。それはそのうちにまた考えてみますので、質問を次に移ります。
 多摩地域の地下水関係は、大体、今までに質問が出ておりまして、尾崎委員の中とダブるものがありますので、一応捨てさせていただきますが、一点、クリプトスポリジウム対策として、これは膜ろ過方式を採用している事例を都は持っていますね。これは日の出町の方ですが、施設能力としては三千百立方メートル。ところが、他地域でも何カ所か、三本ぐらい井戸が放置されています。特に南沢二号井戸は五千立方メートルなのに、これは膜ろ過方式を行わないというような形になっています。他の、舌をかみそうですが、クリプトスポリジウムの汚染が心配される井戸へのこの膜ろ過方式の導入の考え方について、お伺いをしておきます。

○酒井参事 膜ろ過施設の導入につきましては、他の施設からの補給の可能性や最適な処理方法とその費用対効果、水質の動向などを総合的に検討する必要があると考えております。

○福士委員 渇水対策として休止井戸の再開も検討すべきだと思いますので、このことは申し述べておきます。ぜひやっていただきたいと思いますし、手法としては幾らでも技術がおありになる水道局さんですから、お考えいただければというふうに思います。今後の再開を目指していただきたいということを、これは申し述べておくことにいたします。
 次に、滝沢ダムについてお伺いしますが、この滝沢ダムももう本当はできていて、取水をできていなきゃいけないんですかね。斜面の亀裂とか崩落が続いております。これについてお伺いします。
 滝沢ダムは、前にも質問いたしましたが、二〇〇四年九月に本体コンクリート打設を完了して、二〇〇五年十月に試験湛水を開始いたしました。しかし、試験湛水開始直後の十一月、斜面に亀裂が発生し、押さえ盛り土工法による対策工事を行っております。
 これは私も翌年に視察を行っております。対策工の様子も見てまいりました。これで大丈夫というお話を伺って安心して帰ってまいりました。しかし、その翌年、二〇〇七年五月に、今度は斜面崩落が発生しております。
 この斜面崩落に対しては、アンカーピンによって対策工を行っているのも、これも見てまいりましたし、質問もさせていただきました。この対策工についても十月に視察に行ったわけですが、そのときも、もう大丈夫ですよというような現場の方のお話でございました。
 このように、試験湛水開始以降、二度も異常が発生して、そのたびに大丈夫、大丈夫といわれているにもかかわらず、ことし四月から五月にかけて、道路に亀裂や沈下などの異常が広い範囲で発生しております。
 このように、異常発生に対する対策工の繰り返しが続けば、ダムの正常な運用というのは困難じゃないかと思うのですが、地すべり対策と今後の見通しについてお伺いしておきます。

○高原参事 滝沢ダム建設の事業主体でございます水資源機構は、事前の調査検討に基づき、地すべり等が想定される十八カ所に事前に対策工事を実施してございます。
 試験湛水開始後本年度に入り、地盤の変状を確認いたしましたけれども、すべてが貯水池周辺の斜面で発生したものであり、ダム堤体への支障は当然ございません。
 本来、試験湛水というものは、本格的なダム運用に先立ち、事前に想定した対策工事の安全性と予測し得ない斜面の変状等を確認するために行うものでございます。今回確認された変状につきましては、水資源機構は、学識経験者から成る滝沢ダム貯水池斜面対策検討会を設置し、適切な指導助言を得ながら有効な対策工事を実施するとしております。対策工事の完了後、試験湛水を再開し、確実に安全性を確認した上で本格運用を開始する予定でございます。

○福士委員 事前に地すべりを想定して対策工事を実施しているにもかかわらず、今回また滝沢ダム貯水池斜面対策検討会なるものを設置しなきゃいけないということについて、どうなのかなというふうに素人では思ってしまいます。
 試験湛水というのは、確かにかなりの水の圧力というのがかかってくるわけですから、だからこそ試験湛水なんだというのはわかっておりますけれども、先ほど申し上げたように、何回か亀裂があったり、それから崩落が起こったりするたびに、私は現場に行って、押さえ盛り土工法で大丈夫なんですかということも伺い、それからアンカーピンでも行ったところに寄って、それでもうこれで大丈夫なんでしょうねと聞いてきた後にまだ起こっているわけですから、やはり予測というのは真摯にやっていただきたいということを申し述べておきます。
 亀裂や崩落が次々と起こるのは、ダム周辺の地盤にそもそも問題があるんじゃないかというふうに私は思っております。これは、前にも大滝ダムの例も申し上げましたように、素人考えだから違うよといってしまった後で、素人考えの方が正しかった地域というのが、各地のダムでは次々とあるわけです。滝沢ダムの事例を踏まえて、地盤に問題がある場所でのダム建設は避けるべきではないかというふうに私は考えますが、先ほど触れた八ッ場ダムにおいても、地盤のもろさというものが指摘されています。
 しかも、八ッ場ダムでは、予算に合わせて堤体体積を小さくする設計変更を行っているんじゃないか。八ッ場ダムも滝沢ダムと同じようなことになるのではないかと思いますけれども、見解をお伺いします。

○高原参事 先生の方でご指摘のありました八ッ場ダムの堤体体積の縮小でございますが、これは、追加の詳細な地質調査の結果、堤体部分はより強い岩盤であり、基礎部分の掘削深さを当初計画より浅くできることが判明したために行うもので、決して予算に合わせて行うものではございません。
 八ツ場ダムの貯水池周辺の地すべりや地質については、事業者である国土交通省が専門委員会を設け、専門家の意見を聞きながら調査検討を行ってございます。その結果に基づき、地すべり対策が必要と判断された箇所については、事前に対策工事を実施することとしており、八ツ場ダムの安全性は万全であると認識してございます。

○福士委員 この夏、八ツ場ダムを見てまいりました。つけかえ道路工事の途中で山側の崩落があって、土どめもしているわけですけれども、その端っこのところはもうどうしようもなくて手がつけられずに、工事がストップしておりました。こういう状況の中で、ダム湖となる地域の工事が進んでいるわけです。どこまでの対策工事が可能なのか、安全性はそれで本当に確保されるのか。今申し上げたように、滝沢ダムのような、そんなに巨大なダムじゃないところでも、次から次へと工事を追加しなければならないことが起こっているわけです。
 堤体体積を小さくしたのは予算に合わせてではないというふうにおっしゃいましたけれども、これはまた、私ももうちょっと勉強させていただいて、ちょっと疑問がありますので、改めて質問させていただきます。そして、このダムの建設については、地盤についてもそうですし、その工事のあり方についても非常に疑問が多いんだということを申し述べておきたいと思います。
 最後ですが、今、全国に目を向けますと、ダム建設に巨額の投資を行うことは、将来的に水道事業全体の収支の面から大きな問題となるといった意識が出ております。過大なインフラ投資を行うことで、全国の水道事業全体の財政が厳しくなる。そういうことの結果として、税金が投入されることになります。国としても長期ビジョンを持つ必要があると私は考えておりますし、また、今や、国もダム建設を含む公共事業の見直しを行うように、遅ればせながら方向転換をしつつあるところです。
 そこで伺いますけれども、東京都の水道事業においても、過大なインフラ投資とならないように、例えば、事業が中止された戸倉ダムと同様に、八ツ場ダムなどもきちんと見直すというスタンスで水道事業を進めていただきたいと考えますが、ご所見を伺っておきます。

○高原参事 一千二百万人の都民が暮らし、首都中枢機能が集積する東京において、将来にわたり安定給水を行うためには、水源の確保、とりわけ八ツ場ダムは必要不可欠と考えております。

○福士委員 そうおっしゃりたいでしょうね。それ以外のお答えというのをやったら、八ツ場ダムやめますといわなきゃいけないんですから。でも、本当に、人口の山は二〇一五年でしたっけ、それで右肩下がり。東京一極集中というのはずっと緩やかに続くみたいですが、だからといって、東京が二倍になるということはあり得ないわけですし、それから、その人口も東京に集中させればいいよねというふうには私は思いませんし、水道局が全国の地方格差みたいなのまで考えろと、どこまでいえるのか私もよくわかりませんが、国に対して申し入れぐらいは、私、してもいいんじゃないかなと思うんですよ。
 水道事業にお金をかけることよりも、もっと地方に、人口も含めて、地域の活性化を図るためにお金を使うべきだと思いますし、八ツ場ダムも、毎回申し上げておりますように、あそこの川原湯温泉の方々は今までそれで生活できたものが、今後、移転をされて生活ができるようになるのかどうかすら危うくて、だんだんあそこの方々は、どこかよそに引っ越しておしまいになっている。
 つくった小学校も、本当にぴかぴかの学校ですが、子どもたちの減少のために本当に廃止をするとかという話があって、さすがに、つくったばかりで廃止といわれて、大もめにもめて、今も継続はされていますけれども、つくった時点でそういうことが、数年先のことなのにわからないという、そのためにむだなお金を使うというようなことも含めて、やはり予測というのがすごくおかしいというふうに考えていただきたいと思います。
 これは水道局の事業じゃないよといわれてしまいそうで、都市整備局に振らなきゃいけないんだろうと思いますけれども、全体として連携をよくとりながら、環境破壊も含めて、こっちは環境破壊に関しては環境局よ、何か物をつくるのは都市整備の話よ、で、水道は利水のことだけ考えていればいいよというような状況ではないと思いますので、税金を使われるのは私たち一般の市民の税金ですので、全体をよく連携をとりながらやっていただきたいということを申し述べて終わります。

○鈴木(隆)委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木(隆)委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で水道局関係を終わります。

○鈴木(隆)委員長 これより下水道局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してございます。
 資料について理事者の説明を求めます。

○細野総務部長 さきの委員会で要求のございました資料六項目につきまして、お手元に公営企業委員会要求資料として配布させていただいております。その概要についてご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。政令指定都市との下水道料金比較及び料金減免の実施状況でございます。
 平成二十年九月末現在の東京都と各政令指定都市の料金体系、基本水量、下水道料金、適用年月日及び料金減免実施状況をお示ししてございます。
 二ページをお開き願います。主な浸水被害状況でございます。
 特別区における平成十五年度から平成十九年度までの浸水棟数をお示ししてございます。
 三ページをお開き願います。工事請負契約件数と当初契約金額の推移でございます。
 議会報告案件、議会報告以外の案件につきまして、過去五年間の件数と金額をお示ししてございます。
 四ページをお開き願います。監理団体への委託内容、委託料でございます。
 当局が所管しております監理団体、東京都下水道サービス株式会社への主な委託内容と過去十年間の委託料をお示ししてございます。
 五ページをお開き願います。入札不調件数の推移でございます。
 過去五年間の入札不調件数につきましてお示ししてございます。
 六ページをお開き願います。下水道局におけるオリンピック招致活動への協力についてでございます。
 項目ごとに内容をお示ししてございます。
 簡単でございますが、以上で要求資料についての説明を終了させていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○鈴木(隆)委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより事務事業に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○林田委員 多摩地域の水環境の改善に向けた取り組みについて、そのためには下水道整備促進が必要であるとの視点に立ち、質問させていただきます。
 私の地元西多摩地域は、秩父多摩甲斐国立公園の一部である豊かな森や緑、日本名水百選に選ばれた御岳渓谷を初めとする多摩川や秋川の清流など、自然の魅力にあふれる、都会にはない観光資源の宝庫であり、自然のいやしを求めて数多くの都民が四季を通じて訪れる観光地であります。
 多摩川の清らかな流れを生かした織物や酒づくりなど、古くからの地場産業に加えて、農産物や水産物にいろいろな工夫を凝らした特産物もふえております。例えば、檜原村特産のユズやジャガイモを使ったワインやしょうちゅう、奥多摩では東京都が開発した大型の奥多摩やまめなどがあります。
 このように豊かな自然環境に恵まれている一方で、奥多摩町と檜原村は過疎地域であり、各種都市基盤や生活環境の整備が喫緊の課題となっていることは、ご承知のとおりであります。
 その中で特に下水道については、多摩地域全体の普及率が九七%に達している中、同じ東京都の奥多摩町や檜原村では、まだまだ多くの町村民が下水道のない不便な生活を強いられているというのが現状であります。この対策について、平成十七年の第一回定例会において私が行った一般質問で、下水道局では、これらの過疎地域では市町村が単独で下水を処理するよりも、市町村の行政区域を越えて都が広域的に処理する流域下水道方式がより経済的であるとの見解が示され、その後、東京都では、檜原村に続いて奥多摩町も流域下水道で処理を行うよう計画を変更し、流域下水道幹線の整備を進めてきております。
 そこで、まず、檜原村や奥多摩町の現在の下水道の整備状況についてお伺いいたします。

○高相技術部長 副委員長のお話にございましたように、当初は単独で下水道を整備する計画でございました檜原村と奥多摩町は、それぞれ流域下水道に編入して整備を進めております。
 流域下水道のあきる野幹線が平成十八年三月に完成したことによりまして、檜原村では同年七月に下水道の供用を開始いたしました。その後、急速に下水道の整備が進み、現在では普及率は四七%に達しております。
 奥多摩町は平成十七年五月に計画を変更し、流域下水道に編入いたしました。町の下水を受け入れるために必要な流域下水道の多摩川上流幹線は、現在、山間部の延伸区間を施工しております。

○林田委員 都民全体の共有財産であるこの地域の豊かな森林や清流を守ることは、東京都全体の問題といっても過言ではありません。そのためにも、下水道の早期整備を進めていただきたいと思います。多摩川上流幹線の工事箇所も、山間部ということで工事にはさまざまな困難が伴うことも承知の上でお願いをいたしております。
 また、自然と共存しているこれらの過疎地域の町村は、必要な各種都市基盤の整備を進めなければなりませんが、それが財政に大きな負担となっております。財政面においても非常に厳しいことを考えますと、コスト削減を考慮した下水道整備を進めていただきたいと考えますが、施工困難な多摩川上流幹線工事の現在の状況と、過疎地域の下水道整備をより経済的に進めるための方策について、お伺いいたします。

○高相技術部長 多摩川上流幹線の工事は、直径四十センチメートル以上の大きな岩石が出るなど、想定以上の厳しい施工条件であったために、一時、工事が中断いたしましたが、詳細な地質調査を行い、施工方法を再検討して、現場に適した工法で工事を再開しました。これにより、現在は、全延長二・九キロメートルの工事の九割以上が完了しております。
 整備に当たっては、奥多摩町の下流に当たる青梅市の管渠やポンプ所を引き継いで活用することといたしました。それに加え、山間部においては、下水を自然流下させる通常の方法では、地形の起伏のために建設費がかさむため、マンホールに設置する小型のポンプを活用し、管渠の敷設を浅くする工夫などによりまして、コスト縮減や工期の短縮を図るなど、効率的な事業実施に努め、今年度中の完成を目指しております。
 こうした取り組みにより、奥多摩町や檜原村を含め多摩地域では、平成二十年代後半までに未普及地域がほぼ解消される見込みであります。

○林田委員 檜原村では、村民の念願だった下水道が急速に普及し、現在では、およそ半分の村民が下水道サービスを受けるようになりました。奥多摩町においても、一日も早く多摩川上流幹線を供用開始し、生活環境の飛躍的な向上と同時に、多摩川や秋川という東京の貴重な清流を守るために必要不可欠な都市基盤である下水道の整備が完成することを強く要望いたします。
 そして、改めて多摩全体に目を向けますと、下水道普及に伴い、多摩川を初めとする多摩地域の水環境は大幅に改善されてきたと思います。東京湾から多摩川をさかのぼるアユは、三年連続で百万匹を超えたと伺っております。この春も百三十九万匹のアユが遡上しており、これも下水道整備の目に見える効果の一つであることは間違いありません。
 多摩川は年間二千万人もの人々が訪れる都民の憩いの水辺空間であり、羽村市から大田区に至る約五十キロメートルが、たまリバー50キロと名づけられ、親しまれております。
 しかし、「十年後の東京」でも示された水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京の復活の実現のためには、人々が安心して水に親しめるよう、一層の水環境の改善が求められております。そのためには、多摩川の水量の約五割を占めている下水道処理水質の一層の向上が不可欠だと思います。流域下水道では、さらなる放流水質の改善に向けてどのような取り組みを行っているのかお伺いいたします。

○高相技術部長 流域下水道では、一層の水環境の改善を実現するため、窒素や燐を除去する高度処理施設の導入を進めております。
 平成十九年度は八王子水再生センターと多摩川上流水再生センターで、合わせて日量四万六千立方メートルの高度処理施設の能力を増強したことに続き、今年度は清瀬水再生センターで日量四万立方メートルの施設を導入いたします。これにより、今年度は約百三十万人分の生活排水の量に相当する日量三十二万立方メートルの下水を高度処理することになります。この結果、高度処理した水量の割合は前年度に比べて三ポイントアップし、三四%に向上する見込みであります。
 今後も引き続き、高度処理の導入を推進し、多摩地域の水環境向上に一層貢献してまいります。

○林田委員 一〇〇%普及や高度処理の推進など、下水道整備を着実に進めなければ、潤いのある都市東京を将来世代にわたって引き継ぐことはできないと思います。その意味で、多摩三十市町村すべて下水道サービスが行き渡るのは大きな節目となるし、下水道局のこれまでの努力に改めて感謝申し上げます。
 市町村は今後も、公共下水道の整備や維持管理に取り組んでいくことになります。豊富な事業運営の経験を持つ東京都のノウハウを提供するなど、技術的支援を引き続きお願いしなければなりません。
 最後になりますが、多摩地域の水環境の向上に向けて、流域下水道本部長の決意をお伺いし、質問を終えたいと思います。

○新田流域下水道本部長 流域下水道本部におきましては、未普及地域の解消に向けた整備や高度処理の推進を初め、合流式下水道の改善、地球温暖化対策など、主要課題への取り組みを着実に進めてまいります。
 こうした事業の実施に当たりましては、連絡管を活用して二つの水再生センターの施設を有効利用するなど、事業の効率化や安定的な施設運営の推進に引き続き努めてまいる考えでございます。
 また、これまでも水質検査や下水道台帳の電子化など、関係市町村との共同の取り組みや支援を行ってきたところでございますが、引き続き、建設から維持管理に至るまでの事業運営のノウハウを提供したり、あるいは計画策定に対する指導助言を行うなど、さらに積極的に技術支援をしてまいりたいと考えております。
 今後とも、市町村との共同を基本に計画的に下水道整備を進め、多摩地域の水環境の向上に貢献してまいります。

○松葉委員 下水道の浸水対策について伺います。
 杉並区では、平成十七年九月四日に、一時間に最大一一二ミリ、総雨量二六三ミリの集中豪雨によりまして、浸水棟数千八百七十三棟という甚大な被害がございました。
 私も、その夜でございましたが、現場の一カ所に向かわせていただきましたが、道が川のようになって流れておりまして、それはそれは大変な被害でございました。それから約一週間にわたりまして、被災されたご家庭をお見舞いに歩かせていただきました。
 ご家庭の中では、泥だらけになった家具や使えない家電製品や水を吸い込んだ畳の取りかえや、そういった大量のごみの処理、そして消毒といった復旧作業が大変な状況でございまして、どこに怒りをぶつけていいかわからない怒りを私も全身で受けとめさせていただきながら、もう二度とこのような水害が起きないこと、そのような対策ができないかと、心からそのときに私自身も誓いました。
 早速、下水道につきましては、西部第一下水道事務所に伺いました。そのときに、所長さん初め皆様が、杉並区の大きな地図を出してくださいまして、そこに一つ一つ、たしか赤だったと思いますけれども、浸水被害があった赤い印をつけていただいておりまして、本当に丁寧に一つ一つ掌握をし、何かあれば対応し、そのようにやっていただいているお姿に、私は深く感謝申し上げました。
 そのときにクイックプランのお話もいただきまして、何とかこの杉並区の浸水対策が進むことを、このときにまた意見交換もさせていただきました。その後、事あるごとに対策の重要性を訴えたり、関係する方々と意見交換をさせていただいてまいりました。
 この間、神田川、善福寺川沿いの浸水被害軽減のため、下水道局が長年整備に取り組み、昨年完成されました和田弥生幹線の和田ポンプ施設の見学会にも、地元の方々とご一緒に参加をさせていただきました。当日は、地下五十メートルの和田弥生幹線までおり、内部を見学させていただきましたが、住宅地の下にあると思えないほどの大規模な施設でございまして、浸水被害の軽減に大きな効果を発揮するものであろうと、その施設ができたことに対して非常によかったとそのときに感じました。見学会に参加された地元の方々からも、大雨が降るたびに浸水に悩まされてきましたが、こうした施設が整備されて本当によかったです等々といった感想がございまして、この施設の完成が本当にありがたいと思っております。
 しかしながら、この和田弥生幹線の整備には約十五年もの歳月を要しておりまして、大規模な施設は、建設に着手してから完成し効果を発揮するまでに長い年月を要します。下水道局では、そのため、くぼ地や坂下など繰り返し浸水被害が発生している地域を重点化し、できるところからできるだけの対策を行い、浸水被害を軽減させるという整備方針で、貯留施設の整備など緊急的な対応を図る雨水整備クイックプランを策定し、被害の軽減に努めてこられております。
 まず最初に、この雨水整備クイックプランの実施状況について伺います。

○黒住建設部長 雨水整備クイックプランのうち、雨水ますの増設などを行う小規模対応箇所につきましては、杉並区内の十一カ所を含め、平成十九年度までに百四十八カ所すべてが完了しております。
 また、繰り返し浸水被害が発生している四十二地区を重点地区に位置づけ、幹線管渠の一部などを先行整備し、貯留管として利用するなど、効果的な対策を実施しております。
 重点地区につきましては、平成十九年度までに、中野区江古田・沼袋地区など二十九地区での対策が完了しております。残る地区につきましても、早期完成を目指し、引き続き整備を進めております。

○松葉委員 多くの地区で対策が完了してきたことがわかりました。そこで、このクイックプランによる対策を行ったことでどのような効果が上がっているのか伺います。

○宇田川施設管理部長 一例といたしまして、重点地区として選定いたしました大田区上池台地区におきましては、上池台三丁目公園に雨水調整池を整備することといたしまして、平成十七年一月に完了いたしました。
 その効果でございますけれども、対策前の平成十一年八月には、一時間当たり五二ミリの雨で、床下、床上合わせて百八十一棟の浸水被害が発生していましたが、対策完了後の平成十九年九月には、一時間当たり五三ミリの雨でも浸水被害は発生いたしませんでした。

○松葉委員 今のご答弁で、浸水被害が五三ミリの雨でも発生をしていないということでございまして、こういったクイックプランがさらに完了していくことを強く期待しております。
 近年は大変に異常ともいえる、ゲリラ豪雨と表現される場合もありますが、そういった集中豪雨が頻発をしております。こうした集中豪雨に対して、東京都では昨年度、東京都豪雨対策基本方針を策定し、河川、下水道の整備や家づくり、まちづくり対策、流域対策などにより豪雨対策を進めることとしています。方針では、浸水被害や降雨特性などを踏まえ、対策促進エリアを下水道局として選定をしているということでございますけれども、改めて、下水道で対応する対策促進地区にはどのような地区が選定されているのか、私の地元杉並区の選定地区も含めて伺います。

○小川計画調整部長 東京都豪雨対策基本方針では、浸水予想区域図などをもとに、浸水の危険性の高い地域や繰り返し浸水が発生している地区など、全部で二十地区を対策促進地区として選定しております。
 対策促進地区では、幹線やポンプ所などの基幹施設の重点的な整備や、管渠内の水位上昇による下水の流れにくさや、地盤の高低差などの地域特性をきめ細かに考慮した施設整備を行うなどして、浸水被害を軽減させていくこととしております。
 杉並区では、阿佐谷南地区を対策促進地区として選定しております。

○松葉委員 ただいまご答弁がございました阿佐谷南地区につきましても、平成十七年の集中豪雨の際にも大変な浸水被害がございまして、JRの阿佐ケ谷駅周辺を含めまして大変な浸水被害がございました。
 そこで、この阿佐谷南地区の事業の概要について改めて伺いたいと思います。

○黒住建設部長 対策促進地区の一つである阿佐谷南地区では、これまでも繰り返し浸水被害が発生しています。特に、平成十七年九月の集中豪雨では、床上浸水を含む大きな被害が発生しております。このため、この地域がくぼ地であることなどの地域特性を考慮した効果的な対策を実施することといたしました。
 具体的には、周辺の道路状況などを勘案し、都道中杉通りの道路下に口径二・八メートル、延長約四百五十メートル、貯留量約二千四百立方メートルの雨水の貯留管を新たに整備することといたしました。
 中杉通りの道路交通量や整備する貯留管の口径などを考慮し、シールド工法により施工することといたしました。シールド工法で施工するためには、立て坑や資材置き場などの作業用地が必要でございます。このため、必要な規模が確保できる用地を検討した結果、阿佐ケ谷駅南口の駅前広場の一部を借用して作業用地を確保し、そこから貯留管を整備することといたしました。

○松葉委員 まずはこの浸水対策、大変に期待をしておりますので、ぜひともよろしくお願いいたします。
 その上で、このJR阿佐ケ谷駅は一日当たり約九万人の乗降客の方があるという、そういう駅前でございまして、そこの広場を使っての施工ということでございますので、こういった乗降客の往来や周辺環境への影響が非常に気がかりであるということも一面ではございます。そこで、工事への理解促進や周辺環境への配慮について、どのような取り組みを行っているのか伺います。

○黒住建設部長 阿佐谷南地区での浸水対策の実施に当たりましては、これまでも杉並区と連携して、町会や商店会などの理解が得られるよう努めてまいりました。昨年十月には、阿佐ケ谷駅南口周辺及び中杉通りの沿道の住民などを対象として、設計段階での説明会を実施いたしました。その際の主な意見といたしましては、駅前広場を利用したイベントとの調整を綿密に実施してほしい、作業用地をできるだけ小さくしてほしいなどでございました。
 これらの意見に対応するとともに、作業用地を駅前広場に設置することを踏まえ、特に環境対策の検討を行ってまいりました。具体的には、作業スペースや資材置き場を二階建て構造とすることで、作業用地をできるだけ小さくしました。その上で、作業用地を防音ハウスで覆い、工事に伴う騒音や振動の影響を軽減することといたしました。
 さらに、景観に配慮するため、防音ハウスの壁面緑化などにつきましても、区や地元住民と調整を行っております。
 また、毎年夏には、駅前広場を利用した七夕祭りが実施されていることから、このイベントの主催者とも調整を図ってきたところでございます。

○松葉委員 今ご答弁いただきまして、説明会のときに出た意見としまして、駅前広場を利用したイベントとの調整を綿密に実施してほしい、また、作業用地をできるだけ小さくしてほしい等さまざまな要望にこたえていただくような事業の計画であると、心から感謝申し上げます。
 ただいま防音ハウスの壁面緑化についてもお話がございました。これもどのような形になるか、さまざま地元の意見も聞いていただきながら進めていただければと思っております。
 また、イベントでございますが、ただいま七夕祭りのお話ございました。そのほかに、阿佐ケ谷の駅前広場を使いまして、九月、十月には神明宮のお祭りがございましたり、また、十月にはジャズストリートがございます。また、十二月にはイルミネーションといったイベントも、地元の方々が地域の発展のためにと長年やってきたものでございますので、そういったことについても地元の意見を聞いていただきながら、その調整を図っていただきながらお願いをできればと思っております。
 最後に、現在の取り組み状況と今後の予定について伺いたいと思います。

○黒住建設部長 計画、設計段階から地元住民などと調整を重ねてきました結果、おおむねの了解が得られたため、本年三月には工事を発注し、七月には工事説明会を実施したところでございます。引き続き、交通管理者である警視庁や作業用地を借用するJR東日本、バス停留所の移設にかかわるバス会社などとの最終的な調整を行っているところであり、年度内には着工できる見通しでございます。
 今後とも、環境対策や駅利用者の安全対策などにきめ細かに対応するとともに、工事着手後の地元住民からの要望にも迅速に対応するなど、工事への理解と協力が得られるよう努め、平成二十四年度末の完成を目途に、鋭意工事を進めてまいります。

○松葉委員 雨が降るたびに浸水するんじゃないかと、そういった不安に思っていらっしゃる方々のためにも、今後も、地元の方々の理解と協力を得ながら基幹施設の整備を図るなどして、浸水被害の早期軽減に努めていただくことを要望いたしまして、質問を終わります。

○鈴木(隆)委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩をいたします。
   午後二時五十七分休憩

   午後三時十分開議

○鈴木(隆)委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続けます。
 発言を願います。

○たぞえ委員 私は、エネルギー活用について伺います。
 日本が議長国として七月に開催された洞爺湖サミットでは、世界が注目していた先進国の地球温暖化対策としての中長期削減目標について何の決定もされず、温暖化の影響を危惧する多くの人々の失望を買いました。
 日本の二酸化炭素の排出量の九割がエネルギーに由来をしております。エネルギー対策は温暖化抑制のかなめになっていると思うんです。この温暖化対策には、総合的な戦略と政策がまずもって必要です。
 そこで、下水道局として、水再生センターからのCO2排出の削減目標達成に向けての取り組みはどのように進めているか伺います。

○小川計画調整部長 下水道局では、地球温暖化防止対策を積極的に推進するため、平成十六年度にアースプラン二〇〇四を作成し、当局の事業活動から発生する温室効果ガスの排出量を、二〇〇九年度までに一九九〇年度比で京都議定書の目標値である六%以上を削減することといたしております。
 このアースプラン二〇〇四に基づき、下水処理により発生する温室効果ガスの削減や、温室効果ガスの排出が少ない資源、エネルギーへの転換を進めているところでございます。具体的には、汚泥の高温焼却や省電力型の水処理設備の導入などにより、下水処理により発生する温室効果ガスの削減に努めてきております。こうした対策により、平成十九年度末の排出量は、アースプランの目標排出量である九十五・六万トンを下回る八十五万トン程度の見込みであり、目標達成に向け着実に取り組んでいるところでございます。

○たぞえ委員 せんだっての都議会では環境確保条例の改正が行われ、我が党からも、自動車から排出されるCO2の削減対策の強化を提案しました。それは自動車からの排出量が都内全域の二六%を占めている状況だからです。下水道局で保有する水再生センター内での自動車全体をターゲットにする必要があるのではないでしょうか。環境に配慮した低公害と低燃費の車の導入を図る必要があると思いますが、どうこれを促進していくのか伺います。

○佐藤経理部長 下水道局では、これまで八都県市低公害車指定制度の基本的事項について定めた指針に基づき東京都が指定した低公害車を導入しておりまして、平成二十年四月一日現在、局が保有する自動車の約四〇%が低公害車となっております。
 今後とも、買いかえに当たり、これまでと同様、東京都指定の低公害車を導入してまいります。

○たぞえ委員 買いかえに当たってでは、数年先になってしまうと思うんですね。大変遅くなると思います。年次計画を立てて、加速するよう要望しておきたいと思います。
 下水道局は、都内の電気消費量の一%を占める膨大な電力を消費していますが、また、東京都の事業活動から排出される温室効果ガスの四三%を占める、最大の排出者になっていることは周知の事実です。
 そこで、アースプランでは、下水道処理量は、二〇〇三年度と比較して二〇〇九年度では横ばいですが、合流改善事業の推進や高度処理の推進によって、今後、センター内での電気使用量はウナギ登りになるといわれています。高度処理などの推進がもたらす電気使用量をどう抑制していくのか、それに対してどう対応していくのか、見解を伺いたいと思います。

○小川計画調整部長 これまでも、省エネルギー型水処理機器の導入や、再生可能エネルギーの活用として、バイオマス発電や小水力発電などの事業に着実に取り組んできており、年間で約二千二百万キロワットアワーの電力を削減しております。しかしながら、公共用水域の水質保全や浸水対策などに積極的に取り組んできたことから、雨水貯留施設や高度処理施設、ポンプ所などの施設が新たに稼働しており、二〇〇七年度の電力使用量は、二〇〇三年度に比べ約三%増加しております。
 今後も、水処理や汚泥処理における省エネルギー型機器の開発、導入を積極的に推進し、電力使用量の削減と温室効果ガスの排出抑制に取り組んでまいります。

○たぞえ委員 私、先日、下水道局の森ヶ崎水再生センターを視察しまして、広大な敷地をまず見てびっくりしました。また、センター内での電力量の費用は年間十億円かかっていると説明を受け、さらにびっくりしました。センター内では、放流落差を利用して発電機による発電を行っているとの説明も受けましたが、しかし、処理施設の規模から見て、センター内の電力消費は、到底補えないなということも実感をしました。
 こうしたとき、東京湾北部地震と既に命名されている大地震が発生した場合に、場内で停電をすることも十分予想されます。こうした事態のとき、都内の処理量の四分の一を請け負っているこの森ヶ崎水再生センターでの処理能力が一気に低下して、日量百万トンの処理ができない事態が十分予測されるのではないでしょうか。そうならないための電力供給はどう確保していこうと考えているんでしょうか。

○宇田川施設管理部長 水再生センターにおきましては、地震などによる送電系統の事故に対応するため、本線以外に予備線からも受電できる電源の二系統化とともに、非常用自家発電設備の設置によりまして、電力の安定確保に努めているところでございます。

○たぞえ委員 二系統で確保しているから大丈夫だというお話ですが、震災というのは予想を超えるものである。そして、蓄えている電力がいつまでもつか、これも想像を絶する数字になると思うんです。
 下水を処理する水再生センターでは、この視察をしたときに説明を受けましたが、微生物の入った泥を加えて空気を送り、かきまぜることで汚れを分解する反応槽という、広大な敷地の中にふたをしてにおいを防いでいる施設も見せてもらいました。
 そこで提案したいと思いますが、反応槽のふたに太陽光発電のパネルを置く、そして電気を生み出し、災害で停電しても、こうすれば、自家発電で一定レベルの下水処理ができ、消毒をしないまま汚水を海や川に流す必要がなくなるメリットがあると思うんです。
 柏崎原発が、二〇〇七年の新潟県中越沖地震で被災し停止中のため、東京での火力発電所依存が強まり、火力による発電量は七一%を占めているというのが今の実態です。こうした状況を考えると、自然エネルギーによる発電が急がれていると思います。
 国は来年度、補助率を五五%を上限にして、太陽光パネル設置を来年度から自治体に求めると、このように方針を明らかにしました。地方の小さな処理場では、一処理施設当たり約二千万円から数億円ですが、全面的に敷き詰めれば、下水道処理に必要な電力の二、三割を自家発電で賄え、二十年で約六割から八割の財源は取り戻せる、このように国も踏んでいます。
 下水道局でも、すべての水再生センターでの太陽光パネルを活用したエネルギー対策を講ずるべきだと思いますが、見解を伺いたいと思います。

○小川計画調整部長 太陽光発電は、地球温暖化防止に寄与する重要な施策の一つと認識しております。しかしながら、太陽光発電を水再生センターに導入するには、採算性はもとより、発電効率や天候により出力が大きく変動するなど、電力としての安定性、あるいは水処理施設の上部に設置した場合の維持管理上の問題など、現時点では解決すべき課題も多くございます。
 下水道局では、バイオマス発電や小水力発電などの事業に取り組んできましたが、今後も再生可能エネルギーの活用についてさらに検討を進めていくとともに、省エネルギー機器の開発、導入など、これまでの取り組みを一層拡充していくことにより、地球温暖化防止に努めてまいります。

○たぞえ委員 今の答弁では重要な対策の一つだと認識していると、そうお答えになっておりますけれども、しかし、従来型のエネルギー政策に頼らずに、やはり発想の転換が大事だと思うんです。
 来年度の環境局の予算要望を伺いましたら、太陽エネルギーの飛躍的な利用拡大に向けた環境を整備するとして、東京で四万世帯に太陽光パネルの設置促進を図る、こういう方針を局は掲げています。都庁全体がこういう方向に動こうとしているときに、採算性や発電効率の問題があって現時点では課題が多いと、これで立ちどまっちゃいけない、こういうことを私は強く申し上げたいと思います。
 次に、下水道局の技術力をどう継承するかということで伺いたいと思います。
 十九年度比で、二十年度の職員定数の増減は二百人減と聞いていますが、土木、機械、電気などの技術系職種と事務系のそれぞれについて、十六年度と二十年度の五年間の対比の推移を伺いたいと思います。

○阿部職員部長 職員数の推移ですが、平成十六年度は三千五百五十五人、平成二十年度は三千十二人となっております。このうち、事務系は五百六十四人から五百一人、技術系は二千九百九十一人から二千五百十一人となっております。

○たぞえ委員 下水道局では、都の行財政改革実行プログラムに沿って、経営計画二〇〇七で下水道事業の基幹業務の委託拡大や六百人もの定数削減が行われてきました。この計画により、建設事務所と管理事務所の再編整備やポンプ所の遠制化、さらに落合、中野水再生センター保全係の委託が実施され、業務の委託どころか、業務の移転という状態が続いています。
 職員の減少というもとで、現在五十歳から五十九歳までの職員についての今後の退職の時期と職員数、また、その職種の内訳はどう把握しているんでしょうか。

○阿部職員部長 現在、五十歳代の職員は約一千四百人おります。平成二十一年度から順次、定年を迎えることになります。このうち、事務系は約二百人、技術系は約一千二百人となっております。

○たぞえ委員 五十歳代の年齢層が局に占める率は四八%、二人に一人が五十歳代の方々です。私も五十ですが、先日、局からいろいろお話を聞いたときに、お話を聞いた方も私と同年齢だということで、もう定年だというお話でびっくりしました。私はできるだけ定年しないようにしたいと思っていますが、いずれにしても、千四百人の職員の方が今後、定年を迎えていくわけです。その年度が、二十一年度から十年間で下水道局の職員の皆さんの半分が退職されてしまう。こうなりますと、効率的な事業運営だといって、一方で委託で減少する、同時に五十歳代の方が自然減少で減っていく。こうなると、下水道局の蓄積した技術力がどう継承されていくのか、これは、私ども素人でも大変心配します。こうしたときに、それにふさわしい技術の職員を確保するということは大変厳しいと思いますが、これはどういう対策や方針を掲げているんでしょうか。

○阿部職員部長 この十年間で、事業の中核を担ってまいりました職員の半数近くが退職することとなりますが、労働人口の減少が進む中で、これまでどおりお客様へ安定したサービスを提供していくためには、より少ない人数で業務運営を行う体制を構築していかなければなりません。そのためには、経営計画二〇〇七でもお示ししたとおり、経営方針の策定、施設の建設、重要な維持管理などのコア業務は局が行い、専門的技術を生かしつつ、局と密接に連携して行う必要のある準コア業務は監理団体が行います。また、定型業務を初め、可能なものは民間事業者を活用することとし、この三者が共同して下水道事業を担っていくことにより、将来にわたってお客様に安定したサービスを提供してまいります。

○たぞえ委員 少ない人数で業務運営を行えば、慢性的に仕事が忙しくなるというのは当然のことです。しかも、都庁職員への採用の希望が今減っている中で、入都が少なくなっているといわれています。必要な技術者を確保しようにも、今答弁のあった労働市場の大きな変化で、下水道事業という巨大な、技術を必要とする公営企業の衰退があってはならないというふうに思います。
 定年という自然減と、効率的だといっている政策的な削減のもとで、都民にとって必要な下水道の技術が継承できる、こういうふうに部長は確信されているんでしょうか。

○阿部職員部長 これからの下水道事業は、先ほども答弁いたしましたとおり、下水道局と監理団体、民間事業者の三者が共同して担っていくことになります。したがいまして、技術の継承も、下水道事業に携わる三者全体で着実に継承していくことが必要です。そのため、これまでに下水道局に蓄積されました知識や技術のマニュアル化やデータベースの構築に取り組んでいるところです。
 また、監理団体や民間事業者が有する実務知識や技術も含めて、必要なノウハウ、ドゥハウが三者の間で横断的に共有できるような研修体制なども今後、検討してまいります。
 このようなことで確実に継承できると信じております。

○たぞえ委員 下水道局の事業というのは、どんな大きな規模の工事でも、どんな小さな工事でも、技術の積み重ねだと思うんです。肝心なのは、これまでの技術者が積み上げてきた技術、そして現役技術者が今持っている技術をどう継承するか。
 今答弁の中でいわれた監理団体ですけれども、東京都下水道サービス株式会社、これはあくまでも下水道事業の補完、代行であって、下水道局をかわりに代表する組織ではありません。聞くところによれば、今年度百十八人の監理団体への現役職員の派遣を行っていますが、私はそれは必要な支援もあると思うんです。しかし、局が持っているこの蓄積された技術力を分散するということは、将来の退職職員の動向を見ても、これはちょっとやり過ぎだというふうな声を聞くことがあります。
 下水道事業に見合う人員の確保などについて、ぜひこれを財産化していくという、そういう方向での着手に努力をしてほしいし、半分の方が入れかわる、「十年後の東京」、そういう冊子も出ていますが、まさに下水道局にとってみれば、大変大きな過渡期を迎えるわけですから、そういう十年後の都民に一体どういう技術を、蓄積した技術をしっかりと下水道事業として見据えて提案できるか、ぜひそういう点での努力をしていただきたいし、安易な職員定数の削減ということに突っ走らないように要望をしておきたいと思います。
 以上です。

○田中委員 私からは、下水道事業を推進するに当たりましての新技術の開発、導入に関して何点かお伺いをしてまいります。
 我が党はこれまでも、都民生活や都市活動を地下で支える重要な都市インフラである下水道の再構築の推進を強く要望してまいりました。また、都市型水害が繰り返し発生していることに加え、近年、ヒートアイランドの影響ともいわれている局所的な集中豪雨がふえているため、下水道の浸水対策の強化も求めてまいりました。
 下水道局では、明治以来、営々として整備してきました施設の老朽化に対応していくため、現在、下水道の再構築事業を計画的に推進しております。浸水対策についても、都市化の進展による雨水流出量の増加に対応するため、基幹施設の能力増強を図るとともに、雨水整備クイックプランをあわせて実施し、スピードと事業効果の両面を考えた対策を講じてきたことは評価をしております。
 下水道局では、経営計画二〇〇七においても、老朽化施設の再構築として、既設幹線の下水を切りかえるための新たな幹線の整備や、浸水対策として、雨水ポンプ所や幹線の増強などを計画されております。
 しかしながら、高度に土地利用が進んだ東京でこれらの事業を進めるには、相当な困難が伴うものと思われます。道路の下には地下街や地下鉄、首都高速道路、共同溝などの施設が新たに深く建設されており、これから整備する下水道はそれを避けて、そのさらに下へと深くならざるを得ず、施工の困難性はますます増してくると思われます。
 そこで、まず、再構築や浸水対策などにおける幹線などの工事を施行する上での課題とこれまでの取り組みについてお伺いをいたします。

○黒住建設部長 幹線などの大規模な管渠を開削工法で施工することは、道路交通への影響や都民生活への影響などが大きく、困難でございます。再構築工事は、老朽化対策に加え、能力増強などの機能アップをあわせて行うため、整備する幹線などの口径は大きなものになります。
 また、幹線などでは、道路下の埋設物を避けて整備しなければならないため、埋設深さも深くなり、技術的にも開削工法では施工が困難でございます。このため、シールド工法や推進工法などのトンネル工法を適切に採用し、これらの課題に対応しているところでございます。

○田中委員 ただいまご説明いただきましたように、トンネル工法は、都市部における地下構造物の整備には不可欠な工法になっていることは理解できますが、一方で課題もあるのではないかと思われます。
 私の地元の品川区では、浸水被害が過去に多発していたことから、浸水対策事業を積極的に実施していただいており、地元住民は大変感謝をしております。しかし、その過程では、シールド工法で計画していた現場で、騒音、震動など環境面への影響を心配する声が上がり、ルートなどを含めた施工方法の見直しが必要になった例もあると伺っております。
 そこで、このようなトンネル工法を計画、施工するに当たっての課題についてお伺いをいたします。

○黒住建設部長 シールド工法などを施工するためには、立て坑を含む作業用地が必要ですが、高度に土地利用が進んだ東京では、その確保は極めて困難でございます。
 また、ご指摘のように、特に作業用地周辺などにおきまして、住民の理解と協力を得ることが困難な例も多くございます。
 幅員の狭い道路や急曲線の道路内に整備しなければならないケースもあり、これらに対応できる高度な施工技術も必要でございます。
 さらに加えまして、最近では、道路下にやむを得ず残された鋼矢板等が支障となり、シールド機が掘り進むことが困難な事例も多くなっております。

○田中委員 品川区の東品川地区の再構築工事でも、山手通りの下で、電力会社のケーブルを敷設したときの鋼材が支障となり、工事がとまっていたという話も伺っております。道路内には、地下鉄や共同溝などの地下構造物が新たにつくられていることを考えますと、これからの下水道管渠の再構築などを進めていくためには、ただいま答弁にあったような支障物への対応が重要な課題になってくるものと思われます。
 先般、下水道局が公表いたしました技術開発推進計画では、再構築に関する技術として、その支障物を非開削で撤去する技術を技術開発のテーマに掲げており、DO−Jet工法を主な開発事例として挙げておりますが、この工法の特徴、導入事例、適用条件などについてお伺いをいたします。

○黒住建設部長 一般的に、トンネル工事で支障物を除去するに当たっては、地上から地盤改良を行った上で、シールド機の先端部から人が出て除去する工法などを採用しております。
 しかし、地上からの地盤改良が施工できない現場などでは、シールド機の中から地盤改良も支障物の除去も可能な工法を採用しております。DO−Jet工法はこうした工法の一つであり、シールド機から直接、超高圧のジェット水を噴射し、支障物を切断したり地盤改良を施工できる工法でございます。
 下水道局でのこの工法の施工事例といたしましては、再構築工事などで七件、施工事例がございます。
 今後とも、地盤改良後に人が支障物を除去する工法や、特殊なカッターを装備したシールド機でゆっくり切断する工法などを含め、地上からの地盤改良の可能性などの施工条件や土質条件、費用対効果などを勘案し、適切な工法を採用し、円滑に工事を実施することで、再構築事業などを着実に推進してまいります。

○田中委員 ご答弁にありましたように、それぞれの現場の施工条件を適切に判断し、最適な工法を採用し、安全、確実な工法を適宜選定していっていただきたいと思います。それによりまして、一日も早く安全に工事を完成させ、浸水被害の軽減など、地域住民の切なる要望にこたえていただくことを強く望みます。
 下水道局では、ただいまのDO−Jet工法のほか、これまでも事業を先導するさまざまな新技術を積極的に開発し、導入してまいりました。最近では、既設管を非開削で再構築する更生工法や、管渠とマンホールの接続部を耐震化する技術、マンホールの浮上を抑制するフロートレス工法などの例を聞いております。その時々の時代の要請に対して常に一歩先取りした技術開発を推進してこられたこれまでの取り組みを評価しております。
 そこで、これからの下水道事業の推進に必要な技術の開発に下水道局がどのように取り組んでいこうとしているのか、ぜひ局長にお伺いしたいと思います。

○今里下水道局長 これからの下水道事業に求められる技術といたしましては、再構築などを円滑に施工する技術、地球温暖化防止に貢献する技術、汚泥の資源化技術などに積極的に取り組むこととしております。
 下水道局だけでなく、大学や民間企業と緊密に連携いたしまして、先進的な技術や新しい発想による画期的な技術の研究開発を進めてまいります。このため、産学と連携した研究開発を強化する拠点といたしまして、本年、下水道技術研究開発センターを砂町水再生センターに設置し、技術開発を推進する体制を強化いたしました。
 今後とも、大学や民間企業との共同のもとで技術開発の推進に努めるとともに、開発した技術の当局事業への積極的な導入を進めることで、「十年後の東京」が目指します水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京の復活や、世界で最も環境の負荷の少ない都市、災害に強い都市の実現に貢献してまいります。

○田中委員 積極的な技術開発を進めると同時に、開発された技術が速やかに実用化され、事業に導入されることで、民間のやる気や活力もますます増してくると思います。せっかく技術を開発しても、なかなか事業に使ってもらえないという声も民間からはよく聞きますが、下水道局では、最近でも汚泥ガス化技術などを見ても、開発直後に実用化された例も多いと思います。こうした姿勢を貫いていくことで、中小企業の育成など、東京の産業振興にもつながるものと考えております。
 今後も、民間の参加意欲を生み出しつつ、双方が連携して下水道事業の推進に不可欠な新技術の開発、導入を進めることで、下水道事業を着実に推進することを要望して、質問を終わります。

○鈴木(隆)委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議」なしと呼ぶ者あり〕

○鈴木(隆)委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で下水道局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会といたします。
   午後三時四十二分散会

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