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Tokyo Metropolitan Assembly

公営企業委員会速記録第十六号

平成十五年十二月十二日(金曜日)
第十委員会室
   午後一時四分開議
 出席委員 十四名
委員長鈴木貫太郎君
副委員長田島 和明君
副委員長木村 陽治君
理事ともとし春久君
理事高島なおき君
理事尾崎 正一君
後藤 雄一君
林  知二君
串田 克巳君
大津 浩子君
中山 秀雄君
比留間敏夫君
立石 晴康君
小山 敏雄君

 欠席委員 なし

 出席説明員
交通局局長松尾  均君
次長谷川 健次君
総務部長木村 純一君
水道局局長飯嶋 宣雄君
次長甘利 鎭男君
総務部長中田 清己君
下水道局局長二村 保宏君
技監大矢 爽治君
総務部長今里伸一郎君

本日の会議に付した事件
 付託議案の審査(決定)
 ・第二百四十六号議案 東京都水道事業の事務の委託の廃止及び武蔵村山市公共下水道使用料徴収事務の受託について
 ・第二百四十七号議案 東京都水道事業の事務の委託の廃止及び多摩市公共下水道使用料徴収事務の受託について
 請願陳情の継続審査について
 特定事件の継続調査について

○鈴木委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
 きょうは、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査及び請願陳情並びに特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行ってまいります。
 これより付託議案の審査を行います。
 第二百四十六号議案及び第二百四十七号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○木村委員 武蔵村山市及び多摩市の東京都水道事業の委託の廃止とそれぞれの公共下水道料金徴収事務の受託についての議案について、我が党の意見を述べます。
 この議案は、一九七一年の多摩地区水道事業の都営一元化基本計画策定以来の長い経過を経た上で、さらに今後十年間かけて多摩地区自治体への事務委託を廃止する、多摩地区水道経営改善基本計画の具体化のスタートになるという、東京都水道行政の歴史上で一つの節目をつくるものといってもよい重要案件であります。
 この議案の内容の特徴は、一口でいえば、委託の廃止という名目で、基礎的自治体である多摩二十五市が水道行政をすべて手放す一方、都営一元化を進めるという名目で、多摩市町が担ってきた水道業務を民間委託にするというものであります。
 水は政の根幹とは本定例会本会議で知事が繰り返し述べたことですが、その政の根幹であり、住民の最も身近なライフラインである水道行政のすべてを基礎的自治体に放棄させるということが、多摩都民にとってどういう意味を持つものか、及び、給水人口三百四十九万人という巨大な水道事業体を民間委託するということが、公営企業として行われている東京都水道事業の公共性にどのような影響を与えるかは、深い都民的な検討が必要であります。
 ところが、昨日の本委員会の質疑で明らかになったように、各市町に水道業務を手放させた後の民間委託の範囲はどの程度なのか、どういう業務が民間委託となるのか、一千百名の各市町職員が水道業務から離れた後、どのぐらいの人員体制で進められるのか、各市役所にあった窓口にかわる新しい窓口はどこにできるのか、委託先企業はどこに予定されているのか、いずれも検討中で何一つ明らかにされませんでした。にもかかわらず、水道当局が、事務委託廃止による多摩地区水道の経営改善の効果として、お客様サービスの向上、給水安定性の向上、効率的な事業運営による経費削減額四十億円などと一方的に宣伝して計画を進めるのは、無責任のそしりを免れないといわざるを得ません。
 我が党は一律に水道事業の広域化を否定するものではありませんし、また、経営改善の必要性も重要なことと考えますが、あくまで水という人間生活の根幹にかかわる行政の公共性を担保し、地方分権の推進という立場から、広く住民に問題を周知し、住民の納得と合意の形成を前提として多摩地区水道基本計画を進めるべきと考えます。
 以下、その立場から改めて問題点を指摘します。
 第一、民間委託の範囲については、都は定型的業務のみ委託と答弁しましたけれども、多摩地区水道基本計画では、これまでのような単一業務のアウトソーシングを超えて業務運営を包括的に民間委託する、窓口や未納整理業務、多摩水道総合受付センターの運営、浄水所・給水所から給水装置に至る一連の施設管理業務を委託するとされています。計画に明記されている大幅なこの民間委託が、東京都水道事業の公共性にどのような影響を及ぼすのかの検討がまずなされなければならない。
 第二に、民間委託先について検討中といいますけれども、さきに発表された第二次都庁改革アクションプランには、既に、多摩地区二十五市町の水道施設の管理については、市町への事務委託の解消に伴い、一体的・効率的に管理していくために、東京水道サービス株式会社に順次委託しますと明記されています。東京水道サービス株式会社とは都が出資してつくった監理団体の一つであり、社長は前水道局長でもあります。もしこの企業が一元的に委託を受けるということになれば、三百四十九万人の給水人口を持つ水道事業にかかわる、営利を目的とした巨大な官民複合体が生まれることになります。その運営については、地方自治体や議会の関与のあり方も含めた、水道事業の公共性への影響を検討するということがどうしても必要です。
 第三に、住民サービスは向上するといい張っておりますが、二十五市町のそれぞれの役場に行けば開かれていた窓口が、多摩全体で十二カ所の窓口になり、半数以上の自治体には窓口がなくなることを見ても、サービス低下となることは明らかであります。基本計画は、サービス向上の第一にワンストップサービスの実現を挙げておりますけれども、水道以外の用件で市役所に行ったついでに水道についても用を足せるというのが本当のワンストップサービスではないでしょうか。やむを得ず滞納している家庭の給水停止とか停止解除などの判断は、民間に任せず行政が行うとのことでありますけれども、これまでは市役所の窓口で陳情あるいは折衝できたものができなくなり、さらに遠い窓口センターへ行き、そこはまた問題を取り次ぐだけということになれば、まさに身近な行政が遠くなる典型であります。
 このほかにも、小規模な補修工事などは地元の零細業者が請け負っていたものが、委託された企業が大手の配管業者と効率化の名のもとに一括して契約を結べば、各市町の零細業者は、これまでの仕事を失うか、大手業者の下請孫請人として働かざるを得なくなる問題。奈良俣ダムと浦山ダムの利水量を合計するよりも多い多摩の地下水、いわば地場水源が、民間企業の効率性、採算性の名のもとにくみ上げ運転経費を節約する対象になりはしないかと懸念される問題。さらに、いざ大震災が発生した際には、基礎的自治体に水担当の職員が一人もいなくなって、住民に身近なライフラインが守れるかどうか、地域防災計画や東京都水道局応急対策計画に明記されているように、応急給水は区市町が担当することになっているのに大丈夫なのかという問題など、懸念すべき問題点は多岐にわたっております。
 こうしたことを都民に広く問題提起して、議論を尽くし、都民合意を形成すべきであるにもかかわらず、こうした努力もなしに水道行政を基礎的自治体から切り離し、効率化、一元化の名で民間委託するという方向は、さらに水道事業の公共性をなくし、全面的な委託化への道に本格的に踏み出す第一歩となるものであります。
 これが、水は政の根幹と都みずから繰り返して強調している理念にも真っ向から相反するものであることは明らかであり、我が党は反対するものであります。
 以上。

○鈴木委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 第二百四十六号議案、第二百四十七号議案を一括して採決いたします。
 本案は起立により採決いたします。
 いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立を願います。
〔賛成者起立〕

○鈴木委員長 起立多数と認めます。よって、第二百四十六号議案及び第二百四十七号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○鈴木委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ておりません請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○鈴木委員長 この際、所管三局を代表いたしまして、飯嶋水道局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○飯嶋水道局長 公営企業三局を代表いたしまして、一言ごあいさつを申し上げます。
 まず初めに、今回ご審議を賜りました事件案二件につきまして、ただいまご決定をいただき、まことにありがとうございました。
 申し上げるまでもなく、私ども公営企業三局の事業は、都民生活や首都東京の都市活動にとりまして欠かすことのできない重要な事業でございます。これまでにちょうだいいたしました貴重なご意見やご指摘を今後の事業運営に十分反映させ、これからもそれぞれの担当分野におきまして、多様化する都民ニーズに的確にこたえるとともに、都民サービスの向上と不断の経営改善に取り組んでまいります。
 鈴木委員長初め委員の先生方には、今後とも、公営企業三局に対しまして一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、御礼の言葉にかえさせていただきます。まことにありがとうございました。

○鈴木委員長 飯嶋局長の発言は終わりました。
 以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時十五分散会

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