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Tokyo Metropolitan Assembly

公営企業委員会速記録第三号

平成十二年三月十七日(金曜日)
   午後一時五分開議
 出席委員 十三名
委員長大木田 守君
副委員長野田 和男君
副委員長前沢 延浩君
理事織田 拓郎君
理事田村 市郎君
理事清原錬太郎君
高島なおき君
藤田十四三君
大山とも子君
小山 敏雄君
嶋田  実君
東ひろたか君
中山 秀雄君

 欠席委員 なし

 出席説明員
交通局局長横溝 清俊君
次長寺内 廣壽君
技監堀内 俊夫君
総務部長橋本  勲君
経営企画室長久保田経三君
職員部長佐伯 憲彦君
電車部長加倉 忠彦君
自動車部長松尾  均君
車両電気部長水元亜紀雄君
建設工務部長佐藤  俊君
経理契約担当部長馬場 正明君
関連事業担当部長伊東 啓治君
関連事業担当部長佐々野良一君
技術管理担当部長大矢 爽治君

本日の会議に付した事件
 決議について
 交通局関係
  予算の調査(質疑)
  ・第二十六号議案 平成十二年度東京都交通事業会計予算
  ・第二十七号議案 平成十二年度東京都高速電車事業会計予算
  ・第二十八号議案 平成十二年度東京都電気事業会計予算
  報告事項(説明・質疑)
  ・地下鉄大江戸線(十二号線)車両台車枠ふぐあいについて

○大木田委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
 初めに、決議について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、決議を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大木田委員長 異議なしと認め、そのように決定いたします。

○大木田委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、交通局関係の平成十二年度予算の調査及び報告事項の聴取を行います。
 この際、予算の調査について申し上げます。
 平成十二年度予算については、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。
平成十二年三月十六日
      東京都議会議長 渋谷 守生
公営企業委員長 大木田 守殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、予算特別委員長から別添のとおり調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
  記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二十三日(木)午後五時

(別紙1)
公営企業委員会
 第二十六号議案 平成十二年度東京都交通事業会計予算
 第二十七号議案 平成十二年度東京都高速電車事業会計予算
 第二十八号議案 平成十二年度東京都電気事業会計予算
 第二十九号議案 平成十二年度東京都水道事業会計予算
 第三十号議案  平成十二年度東京都工業用水道事業会計予算
 第三十一号議案 平成十二年度東京都下水道事業会計予算

(別紙2省略)

平成十二年三月十六日
      予算特別委員長 清原錬太郎
東京都議会議長 渋谷 守生殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 本委員会は、付託された議案の審査に当たって各常任委員会の意見を参考とすることに決定したので、左記のとおり調査の依頼をお願いします。
  記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二十三日(木)午後五時

(別紙1、2省略)

○大木田委員長 これより交通局関係に入ります。
 予算の調査及び報告の聴取を行います。
 第二十六号議案、平成十二年度東京都交通事業会計予算、第二十七号議案、平成十二年度東京都高速電車事業会計予算、第二十八号議案、平成十二年度東京都電気事業会計予算及び報告事項を一括して議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 それでは、資料及び報告事項について理事者の説明を求めます。

○橋本総務部長 過日の委員会でご要求のございました資料につきまして、公営企業委員会要求資料として、別冊として取りまとめさせていただきました。
 その概要につきましてご説明申し上げます。
 ご要求のございました資料は、都営地下鉄大江戸線及び三田線と並行するバス路線など二点でございます。
 恐れ入りますが、資料の一ぺージをお開き願います。
 大江戸線及び三田線と並行するバス路線につきまして、系統、運行区間、競合距離別に記載してございます。大江戸線と競合する路線は十四系統、三田線と競合する路線は六系統でございます。
 次に、二ぺージをお開き願います。
 平成十年度末現在の都営地下鉄の路線別の距離、駅数及び職員数につきまして記載してございます。
 四線合計では、営業キロが七十七・二キロ、駅数が七十七駅、職員数は三千五百五十二名となっております。
 要求資料の説明は、以上でございます。
 続きまして、また別冊にございますように、地下鉄大江戸線(十二号線)の車両台車亀裂についてご報告させていただきます。
 初めに、恐れ入ります、四ぺージ目をお開きいただきたいと存じます。
 大江戸線の車両用台車の写真がございます。これが台車というものでございまして、一番下にリニアモーターがあり、また、台枠と、矢印が右側の方に書いてございます。また、溶接箇所というところがございまして、今回、ここに亀裂を生じたものでございます。これについて、ただいまからご説明申し上げます。
 一ぺージに戻らせていただきます。まず、1、事実経過と対応でございます。
 平成十年十月十二日に発生いたしました。
 まず、事実経過よりお話し申し上げます。
 該当列車、その台車は住友金属工業製、平成九年製造でございますが、その後続列車乗務員が、ちょうどレールの間にあるリニアモーターのリアクションプレートに線状の傷を発見するとともに、該当列車の乗客から、異音がするとの申し出がございました。
 光が丘駅引き上げ線にて、当該列車を、車両の検査に当たります検車係員が調査した結果、車両の高さを一定に保つ高さ調整弁からの漏気——空気の漏れでございますが——漏気を認めましたが、運行上は問題ないと判断いたしました。
 なお、安全確保のために、乗務助役二名及び検車係員一名が添乗点検——一緒に乗っているということでございます——添乗点検しながら、光が丘—新宿間を一往復営業運行した後、入庫させたものでございます。
 そして、光が丘検修場にて該当列車を詳細に調査いたしましたところ、台車の溶接部分、先ほどの写真の部分でございますが、そこに長さ約二十センチ、幅約二・八センチの亀裂があるのを発見いたしたわけでございます。
 〔2〕、対応措置でございます。
 上記該当車両の車体と台車を分離いたしまして、予備台車と交換したものでございます。
 その他の同型式の全台車、全部で二百六台ございますが、これにつきまして目視点検、さらに磁粉探傷検査を行った結果、微細なひび割れ四十四カ所を発見し、台車枠欠陥部を除去し、再溶接を住友金属工業に行わせたところでございます。
 二ぺージをお開きいただきたいと思います。
 次に、十一年五月十一日に発生したものでございますが、事実経過といたしましては、新宿駅にて、駅務助役が、この該当車両、台車は同じく住友金属工業株式会社製の平成九年製造でございますが、その連結部の渡り板、車両と車両の連結部の上に渡り板というのがございまして、それが若干、三センチ程度盛り上がりがあるのを発見いたしましたが、運行に支障なしと判断いたしまして、光が丘まで運行したわけでございます。
 光が丘引き上げ線におきまして、検車係員が点検しましたところ、台車の溶接部分に前回と同程度の亀裂があるのを発見したものでございます。
 対応措置でございますが、上記該当列車の車体と台車を分離いたしまして、予備台車と交換したものでございます。
 そこで、すべての台車、二百五十四台ございますが、これにつきまして磁粉探傷検査等の検査を実施いたしまして、その結果、微細なひび割れ三十三カ所を発見いたしました。そこで、傷の有無に関係なく同型式の全台車、すなわち二百六台でございますが、溶接部分についてすべて内側から鋼製の補強板を当てた完全溶け込みの溶接を住友金属工業に実施させたわけでございます。
 次に、2でございますが、この亀裂の原因でございます。いずれの場合も、台車製造メーカーの溶接不良ということが判明しております。
 3、車両の安全性についてでございます。この同型式の全台車二百六台の溶接部分につきまして、すべて内側から鋼製の補強板を当て、先ほど申し上げました完全溶け込み溶接というものを実施しました。その後、継続的に点検しておりまして、この磁粉探傷検査等でも異常は認められず、安全性に問題はないものと判断しております。
 三ぺージをお開き願います。今後の対応でございます。
 まず(1)、点検方法の強化でございます。ただいま申し上げましたとおり、今後とも定期的な磁粉探傷検査を実施してまいります。
 また(2)、二番目の運輸省への報告でございます。本件につきましては、鉄道事故等報告規則に定める報告事項に該当しなかったため、報告してございません。しかしながら、今後は、報告事項以外でありましても、安全にかかわる事項につきましては報告する、こういうふうに考えております。
 以上、簡単ではございますが、説明並びに報告を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大木田委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料とあわせて、本案及び報告に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○小山委員 去る三月八日、中目黒駅直近の営団日比谷線の事故によります、大変痛ましい事故がありました。負傷者三十四名、うち五名の方が亡くなったわけでありますが、冒頭に、亡くなられた五名の方々に哀悼の意を表したいと思っております。
 既に目黒区議会でも、営団に対して安全輸送の確保や負傷者に対する補償の確保等々、要請書を出されているところでありますが、この痛ましいきっかけとなった原因は、まだ調査中ということで不明でございますが、鉄道の安全に重大な疑問が投げかけられているのは事実だろうというふうに思います。
 そしてまた、利便性を求めて電車の相互乗り入れということが大変多くなっている現在、その安全性の基準というのが、JRだとか民間、都営、公共機関も同一の基準というふうにお聞きいたしておりますが、交通局としても、営団が起こした事故ということではなくて、この事故から何を学んだのか、そして、今後どのように対応していくのか、まだ事故間際でございますから、余り多くは答えられないと思いますが、当面これを反省しながら、ひとつ局長のご答弁をいただきたいと思います。

○横溝交通局長 営団地下鉄日比谷線の事故につきましては、東京の地下鉄ばかりでなく、全国の鉄道事業者にとりましても大変大きな事故でございまして、私どもといたしましても、重い課題として受けとめているところでございます。
 私も、知事からも指示をいただいておりまして、安全確保のために万全を期す所存でございますが、ただいま運輸省並びに事故調査検討会の検討状況も把握いたしまして、今後とも安全性の向上には万全の対策を講じてまいる所存でございます。

○小山委員 今、冒頭に橋本総務部長から、十二号線の車体台車の亀裂についての報告がございました。最近のマスコミ報道には、交通局として猛省をし、反省すべきことはしっかり反省をしていただきたいと思いますが、交通局として、より信頼ある公共交通機関となるべきというふうに私は思います。
 もちろん安全対策では、ソフト面だけではなくて、ハード面の改良も必要だろうというふうに思います。また、これらの対策には、料金の原価を上げるようなことにもちゅうちょすべきじゃない。私たちも料金の値上げのときには——値上げのご説明の中には、やはり安全性と、こういわれてまいりますが、私たちの反省にも、それが何か安全性という言葉一つだけにとらわれてしまって、料金の値上げ率や料金の金額だけをどうも気にしているような状況があって、こういった大きな事故があるときにこそ、安全性のための費用、コストというものが大変かかるんだろう、こんなことは私たちも反省をしながら、局としてもしっかりとした安全性の対策をするには、先ほど申し上げましたように、料金の原価に当然はね返ってくるんではないかなというようなことも含めて、今後対処していただきたいというふうに思います。
 また、石原知事も、予特でも安全対策にやり過ぎることはないとご答弁もされておりますし、現在、ガードレールの設置強化など効果的で比較的安易にというんでしょうか、手短にできるような対策があるんだと思いますが、鉄道事故調査検討会の結果を待ってからということではなくて、早急に取り組むべきだというふうに思っております。
 そしてまた、きょうの新聞報道でもございますように、半径二百メートル以下のカーブに脱線防止レールを早急に設置すべきと載っておりますが、私自身も先ほど申し上げましたように、やはりできるところから早急に手をつけるべきだ、このように思いますので、ご見解をお伺いしたいと思います。

○佐藤建設工務部長 脱線防止ガードレールの設置につきましては、このたびの運輸省鉄道事故調査検討会の中間報告を受けまして、半径二百メートル以下の曲線について設置するという運輸省の通達がきょう、あすにも出される予定でございます。都営地下鉄では、この通達に基づきまして、浅草線、三田線、新宿線については半径二百メートル以下の箇所、約四十二カ所ございますが、この箇所について実施する予定でございます。
 なお、これまで東京都は、半径百六十メートル以下の曲線について設置することと考えておりまして、これまでガードレールは設置しておりませんでした。
 また、大江戸線につきましては、リニアモーターカーという車両構造が特殊なために、比較的急なカーブでもスムーズに回れる構造となっております。これまで、半径百メートル以下の箇所につきまして脱線防止ガードレールをつける予定でおりましたので、これまでも設置実績はございませんでしたが、今後、半径百六十メートル以下、約四十八カ所について設置をしてまいりたいという考え方を持っております。このことにつきましては、今後運輸省と相談して決定したいと考えております。
 なお、この大江戸線の四十八カ所については、ことしの十二月に開業予定の環状部の部分も含まれております。

○小山委員 都民に安心して利用していただく交通機関として責任と役割を考えたときに、やれるべき安全対策は即実行すべきという前向きの施策こそ、今求められているんではないかなというふうに思います。こうした具体的な安全性のレベルアップが果たされなければ、日比谷線の事故の犠牲者の方々は浮かばれないんではないか、こんな気がしてなりません。そんなようなことを含めながら、局長の決意をお聞きして質問を終わりたいと思います。

○横溝交通局長 安全の確保につきましては、ただいまご意見ございましたとおり、そのとおりでございまして、多数のお客様にご利用いただいております公共交通機関といたしまして、最も重要な問題だというふうに認識をしております。
 交通局は、これまでも、保安設備の充実、トンネルや高架橋の補強などにつきましても、厳しい財政状況下ではありますが、安全対策に最重点を置きまして取り組んできたところでございます。今後とも、お客様に安心してご利用いただけますよう万全の対策をとってまいる所存でございます。

○東委員 それでは、私も、日比谷線事故から何を学ぶかという点で、事故の再発防止と安全の確保という点から幾つか質問をさせていただきたいと思いますが、今、小山議員もやられましたので、ダブらない形で質問をしたいと思います。
 その前に、五人の方々が亡くなられました。その方々とご遺族の方に、心から哀悼の意を表したいと思いますし、それからそのほかにも三十六名ですか、の方が重軽傷を負われたということを聞いております。心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 その上でなんですが、あの事故が起こったときに、交通局としては現場に行かれたのかどうか、まず、その点から質問をしたいと思います。

○佐藤建設工務部長 十五日に現場を視察いたしまして、営団地下鉄の職員から説明を受けております。

○東委員 十五日に行かれたということですけれども、あんな事故があったわけですから——その時点では、営団の日比谷線自身もたしかとまっていましたよね。しかし、渋谷から東横線で行けば、ちょうどその事故のところを通って現場へ行けるんですよね。なぜ行かなかったんですか。

○佐藤建設工務部長 私どもは、現場を見るときはやはり現地に、直接その場所まで行って見る必要があろうというふうに考えておりました。現場では、まだ事故点検もしておりますし、また復旧作業も行っていることから、即座に視察するわけにはまいりませんので、一週間ぐらい置いた後で、営団地下鉄の許可をいただきまして、視察をさせていただきました。

○東委員 今、部長がいわれたように、現場に行く必要があるわけですよね。営団での事故ですから、それは本当にてんてこ舞いしていると。そこに交通局の幹部が行っていいかどうかというような、ためらいがなかったともいえない、あるいは遠慮があったかもしれない。しかし、だけれども、あの事故を自分たちの都の交通局の教訓とするならば、やっぱり直ちに現場に行って、部長が何かの都合で行けなければ、ちゃんと担当者が現場に行って見るべきじゃないんですか。
 そのことと、十五日に行かれたそうですが、十五日に行って、どういう感想を持たれたか、それもあわせて答えてください。

○佐藤建設工務部長 直ちに行かなかったのは、先ほど申し上げましたように、警察あるいは事故調査検討会の事故調査もありましたし、また、営団地下鉄の復旧工事そのものが盛んに行われておりましたので、そんなときに行かれないという状況がありましたので、行きませんでした。
 また、行った感想でございますが、まず現場は、率直に申し上げますと、北側には傾斜地がありました。それも非常に高い傾斜地でございます。また、二つ目には、下り線は、トンネルのすぐ出口にあるということ、あれは曲線半径が半径百六十メートル程度と非常にきついと。それから急勾配約三・五%、三五パー・ミリといっていますけれども、パーセントに直しますと三・五%ですが、それとSカーブがあるということ。それから、その中に営団線が二本と東急線が二本、四線が並行して通行しているという場所であると。また、作業の車両が出入りする横取り装置があるということで、厳しい条件が重なっているなというふうに、つくづく思いました。
 その中での脱線事故でありまして、五人ものとうとい命が失われましたので、そこに立ちまして、非常に慄然とする思いで、そこに花が手向けてありましたので、亡くなった方の冥福を祈ったところでございます。
 今後、都営地下鉄においても同じような事故が起きないように、私どもも心してかからなければいけないということを痛感いたしました。

○東委員 直ちに現場に駆けつけなかったということで、いろいろいわれましたけれども、しかしやっぱり、さっき部長がいわれたように、直ちに現場に行くべきだったということを再度申し上げておきたいと思います。
 私は、現場に直ちに行きました。渋谷から乗っていって、事故があったところの中目黒駅でおりたんですけれども、本当に感じたことは、東横線の上下が日比谷線を挟んだ形であるわけですよね。四本、線が並行しているんです。それで、いい方は悪いですけれども、あれだけの事故でおさまったからまだよかったものの、もしあの車両が何らかの拍子にもう一本線路を突き抜けていたら、これは四線が、複合事故が起こりかねない、そういう事態だったと思うんです。
 しかも事故が起こった場所は、よく見ると、目黒川の鉄橋の上なんです。だから、もしそういうことになって、列車でなくても、何らかの形で乗客が転落するなんてことになったら、これ自身大事故ですよね。それからまた、その下には人も通っているし、民家もあるということで、本当にこれは大変なところだし、一歩誤ればまさに、営団というだけでなくて、おそらく東京史上大惨事になっていた可能性もあったところだという点を私は感じたし、それから、もう一つ感じたのは、その衝突を起こした、あるいは衝突をされた車両が押しつぶされて、だれか挟まったというような感じじゃなくて、ぺろっとはぎ取られたような形になっていると。だから、非常にもろい車両だなと。列車自身が外圧に対して抵抗したというような、何もそういうものがないんです、ぺろっと取られちゃっているという感じなんですよね。そういう車両のもろさという感じと、こういうことを都営に引き比べてみて、都営は本当に大丈夫かなと、そういうことを私は強く感じました。
 部長は十五日に行かれたということなんですけれども、その後、その事故調査団といいますか、あれだけの事故が起こったわけですから、しかも交通局には専門家もいるわけですから、何かそういうものをつくって、現地を見たり、あるいはその調査団で何らかの形をやるというようなことは、何かやっていますか。

○佐藤建設工務部長 今、直ちに調査団を出すということは考えておりませんけれども、局の中にある保安対策委員会の中で十分検討してまいりたいというふうに考えております。

○東委員 私は、その点でもやっぱり少し甘さというか、手抜かりがあったんじゃないかなという感じがしないでもありません。そのことを指摘しておきたいと思います。
 線路のカーブでのせり上がり事故ということに関係しては、今、小山委員が幾つか質問をされましたから、私はそれは省きますが、車両の問題
——車両が、さっき申し上げたように、本当にめくり取られたような、そういう形になっているとすれば、車両の構造上の問題があったんじゃないかと。そういう点で、都営の場合は、あの種類と同種の車両を使っているのかどうか、その辺のところはどうなのでしょうか。

○水元車両電気部長 車両は、車体重量、乗客重量等について構造計算を行い、さらに車体の骨組み完成時点で強度試験を行って確認をしておりますが、側面からの衝突は、私ども初め各鉄道事業者におきましては、考慮しておりません。このような痛ましい事故が起こったことに基づきまして、今後、運輸省の鉄道事故調査検討会の結論を待って検討していきたいというふうに思っております。

○東委員 私は、この事故が起こってから現場に、当日と、それからその後も見にいったし、営団で働いている乗務員の人やら保線の関係の人、あるいは車両の補修の関係の人やら尋ねていろいろ話を聞いてきたんですけれども、例えば、カーブに補助レールが設置していなかったという問題も、あれをつけると、やっぱり金がかかるんだそうですね。点検もしなきゃならぬ、油をやったりもしなきゃならぬというようなことでかかる。それを削減すると。車両についても、軽量にした方が省エネ化ということで、電気も少なくて済むし、レールの磨耗も少なくて済む。それから、最近は非常に技術が発展して、車両もだんだん軽量化してきたために、メンテナンスというんですか、いろんな検査やそういうものも少なくて済む。したがって、人が少なくて済むんだということで、現場の人たちは、まだ公には特にその人たちも声を上げているわけじゃありませんけれども、営団がずっと進めてきた省エネ化、それからコスト削減ということでの人員の削減、そして、結局利益優先で安全無視、人命無視ということの結果だと、厳しくいっておられました。
 私は、そういう話を聞きながら、読まれた方もあるかもしれませんけれども、「沈まぬ太陽」という小説が今有名ですが、山崎豊子の書いたあれがあります。あれは日本航空をモデルにしているようですけれども、私はあのことをすぐ連想しましたよ。あれと同じだなということを考えました。
 そういう点で、都営交通にあってはそういうことを本当に繰り返さないように、どうしてもやってほしいというふうに思いますが、その上に立って、この前、予算委員会でも取り上げられました十二号線問題について、もう少しお尋ねしたいと思います。
 十二号線の問題については、予算委員会で論議されたその翌日の新聞で、ほとんどすべての新聞が取り上げましたし、当日の夜は、NHKも取り上げました。これはやっぱり都民に大きなショックを与えたと思うんですね。これは、一、二なんですけれども、十五日の東京新聞によりますと、これなんですけれども、でっかい見出しで「台車亀裂放置し営業運転」と。台車の亀裂を放置して営業運転をやった、これが一つ。それからもう一つは、縦の見出しで「都営地下鉄十二号線、報告もせず」、そして小さな見出しで、「同型三十九台四十四カ所発見 補修後また異常も」という見出しを掲げて出しました。そして、その文章では「営団地下鉄日比谷線の脱線衝突事故に続き、都営地下鉄でも安全性への信頼を大きく揺るがす事態となった。」と。これは東京新聞です。
 それから朝日新聞、もう一つ、ちょっとあれしておきますが、朝日新聞は一面の、これはトップじゃありませんけれども、真ん中で、さっき出していただいたような台車の亀裂の場所の絵も入れて、「都営地下鉄・大江戸線 台車に亀裂七十七カ所」、「九八—九九年補修済み 溶接不良原因か」というのを出して、そして三面では、「『危険ない』報告せず 都交通局異常承知で運行も」という見出しを掲げて出しました。そのほか、挙げればいっぱいありますが、いいませんけれども、そうしてこの朝日新聞では、そのところで専門家の話を載せているんですね。NHKにも出られましたけれども、東京大学大学院工学系研究科教授で曽根悟さんという方が談話を出しておられますが、こういっていらっしゃいます。「台車の本体に下方向から亀裂が入っているということは、事故を起こす可能性が極めて高く、たちが悪い。」、たちが悪いといっているんですね。「乗客から異常の申告があった後も営業運転を続けたのは問題だ。」、こういうふうに、この方は専門家だと思いますが、指摘されております。
 それから、同じところで、交通評論家の角本良平さんという方ですが、この方もいろいろいっていますけれども、後のところで、「七十七カ所の亀裂があったということだが、いつ、それぞれどの程度の亀裂ができたのか、都は市民に対してもっと情報を公開すべきだ。」ということをいっていらっしゃるんですね。
 今読んできたところでの共通点は、とにかく放置したまま運行したということが一点と、それから情報を公開していないと。知事に対しても、運輸省に対しても、都民に対しても、何の情報も公開していない。この二点を主に問題にされているんですね。これはマスコミ全体がそういうような評価なんです。
 その上に立って、一、二質問したいと思うんです。最初に申し上げたように、とにかく都営交通にあっては絶対に事故を起こしちゃならないわけで、台車の事故の再発も含めてどう防止するかという点からなんですけれども、まず一つは、先ほど報告はありましたが、異常はわかっていたけれども、運行に差し支えないからと思って運行した、そして後で修理したとなっています。異常がわかっているのに営業運転したということは、これは間違いだったんじゃないですか。間違いだったということはどうなんでしょう、その点、答えてください。

○加倉電車部長 先ほども総務部長から、事実経過及び対応についてご報告申し上げましたが、当時は、運行上は問題ないという判断で営業運転をいたしたものでございます。そのために、安全確保のために、助役、乗務助役二人及び検車係員一名を添乗させながら、注意深く運転をいたしたところでございます。

○東委員 私も新宿線を時々利用しておりますし、それからこの話が明らかになった段階で、私は十二号線をもう一回使って、運転をしている人にも、ちょうど運転要員の交代のときに話を聞きました。こういう方式というのは初めてですけれども、どうですかといったら、おかげさんで、今のところ、特に運転がしにくいとかそういうことはないようですと、その運転手さん、答えておられました。
 しかし、さっき事実の報告があったように、お客さんが異常を発見して通知した、そうしたら、ちゃんと確かめてみたら、リアクションプレートですか、私はRPと書いてあるから、何だと思っていろいろ聞いてみたら、リアクションプレートのことなんだそうですね。つまり線路と線路の、レールとレールの間にあるリニアの板ですよね。そこに傷がついていた、それが一カ所や二カ所でなくて、ずっと新宿から光が丘まで、点々とだけれどもついていたということです。そして、この新聞、それから先ほど出していただいたもので見ましても、台車の軸受けのプレートというんですか、それが二十センチ、幅三センチにわたって破裂していたと。しかも、リアクションプレートに傷がついていたということは、破裂してそれが垂れ下がって、あそこは高さが一センチ二ミリと書いてありますよね、それに少なくとも触っていた、あるいはこすっていたということだと思うんです。
 そして、今の報告書を見ても、該当列車の乗客から異常があると、そして、特に問題はなかったというふうに書いてありますが、そういうことですよね。三センチも——三センチといったら相当な幅ですよ。そして、長さ二十センチにわたって亀裂がある。弾けていたということでしょうね。そして、一センチ二ミリしかないところに触りながら、いうなればこすりながら走っていたと。これはさっき申し上げた東大大学院の教授でなくても、素人が考えたって危ないということは、私はいえると思うんです。それを専門家が見て、これなら何とか大丈夫だろうと、それはいろんな乗客との関係なんかもあったかもしれませんが、しかしそういう場合は、やっぱり大事をとって、そして直ちに必要な措置をとって、乗客に対してはこういうことが発生した、だから時間はおくれるけれども、申しわけないけれども了解してくれという、私は、そういうような態度が必要じゃないかと思うんですが、その点どうですか。

○加倉電車部長 先ほどから、局長初め関係各部長が安全第一ということを申し上げております。私ども交通局といたしましては、お客様の安全確保を第一として運行に携わっているものでございます。たまたま今回の十年十月十二日の、この台車の亀裂につきましては、検車担当並びに乗務助役等も、車両の高さを一定に保つ高さ調整弁からの漏気を認めたわけでございますが、その段階では、台車の溶接部分に亀裂があるということを発見はいたしておりませんでした。漏気だけの問題だというようなことで、運行上は問題ないというふうに判断したわけでございます。
 これからも列車を運行するに当たりましては、十分車体異常等に気をつけまして、安全を第一として運行いたしたいと考えておるところでございます。

○東委員 ここに書いてあるように、漏気の傷かと、つまり何か空気か蒸気か油かが漏れていた、その傷ではなかろうかということで走ったということですけれども、そういうことはちょっとこすってみればわかるわけで、漏気の傷というのは、ちょっと専門家としてはどうかということを率直に私は感じます。申し上げておきたいと思います。
 それで、この車両については、今報告で見ましても、平成十年十月十二日に発生して、そのときに全部で二百六台について目視点検したところ、微細なひび割れ四十四カ所を発見したとありますよね。それから、その七カ月後の翌年十一年五月十一日に、またそういう事故がわかったと。これを全部点検したところ、微細なひび割れ三十三カ所を発見した、こういうふうになっています。ということは、同じ車両を、その七カ月前にそういう事故があったから調べてみたら四十四カ所出てきたと、補修をしたと。そしてまた、七カ月後にそういう事故を発見したから、やってみたら、また三十三カ所出てきたということになるが、それは全く別なところだったのか。
 私が聞いているところでは、特に問題になったこの三センチ程度の亀裂があったというところは、その前に、つまり平成十年の十月に発見された同じ箇所がこうなっていたという話を聞いているんです。しかも、この十年の十月に発生したときに、補修をした住友金属は、これをやっておけば三十年は大丈夫だよと、そのメーカーが保証したところだというんですね。三十年はおろか、一年もたたないうちに同じところにこういう亀裂ができたということを聞いているんですが、これは事実ですか。

○水元車両電気部長 今回の亀裂といいますか、傷でございますけれども、七十七カ所という形で、両方合わされていますが、先生のおっしゃるように同じ箇所で出ているということはございません。調査した結果、すべて違う箇所で出ているということでございます。

○東委員 なるほど、同じ箇所ではなかった、少しは違っていたと。しかし、新聞が書いているように、七十七カ所も、七カ月前に検査して四十四カ所、それを補修した。そしてまた七カ月たったら、またほかに三十三カ所出た。これは本当に大問題じゃないですか、このこと自身が。
 このことについて、この同種の機種といいますか、これは十二号線の話ですが、この住友金属がつくった車両というのは、ほかでも使っているんでしょうか。何も通告してありませんから、わからなければしようがないんですけれども、この住友金属の同種の、十二号線とは全く形は違うと思いますが、同メーカーがつくった車種が、どの線でどの程度運行されているか、これはひとつ後で資料をいただきたいというふうに思います。
 この問題については、もう一点だけ聞いておきたいと思いますが、いわゆる報告問題、情報公開問題ですね。知事も怒っておりましたし、それから運輸省への報告も、今のこれを見ますと、報告事項にないからということで、そして微小だし、大丈夫だと。それから、そういう程度のことは報告事項にないから報告しなかったと。だれも知らないんです。これは本当にごく一部の人しか知らなかったわけですね。そして、さっきいいましたように、どのマスコミも、そういうことをやっぱり大きな問題として取り上げているわけですよ。
 とすれば、やっぱりこれにこたえることが——もう一言申し上げておけば、都営の場合は、民間じゃないんですよね。都営の場合は民間じゃない。地方自治体の、まさに公共、ストレート東京そのもののやっている仕事でしょう。そうしたら、どんな欠陥があっても、そしてどんな問題があっても情報を明らかにして、まずかったところはまずかったからここを直すという、そういう安全に対する真摯な態度があってしかるべきだと思うんですね。この情報公開については、報告事項になかったからということなんですけれども、今後、そういう情報公開について何か考えていますか。その点、いってください。

○橋本総務部長 先ほど、私から運輸省への報告並びに情報公開についてご報告申し上げたところでございます。先ほども申し上げましたとおり、私どもこの件につきましても、もちろん反省を持っております。また、先生方よりご意見をいただいております。ここにございますように、今後は、報告事項以外であっても、安全に係る事項については報告する、こういうことでございます。よろしくお願いいたします。

○東委員 この事故問題についてはその辺にしますけれども、いよいよ十二号線がこの四月、新宿と国立競技場前が開通して、年末には環状部全部が開通するという状況になってきているわけなんですが、この十二号線のカーブの話は、さっきやりました。百二十何メーターしかないけれども、車輪がそれに対応して動くようになっているから大丈夫だという話がありましたから、それはちょっと置いて、人の問題なんです。
 十二号線が開通するということになるんですが、通常でいけば、十二号線が二十五・何キロですか、そしてたしか二十六駅ぐらいあったと思うんですけれども、それだけの駅とあれだけの長さの営業キロを持つ十二号線について、いわゆる環状部が開通するに当たって、乗務員とか駅務員とか、いろんな線路の補修、車両の補修、そういう人たちを含めて、どれぐらいの人数が必要なのかという点と、一緒に聞いてしまいますが、これは前にも質問したことですが、東京の営団に比べて、都営地下鉄の営業キロ当たりの人数は非常に少ないと聞いているんだけれども、その比較はどういうことなのか、その点、ちょっとあわせて伺います。

○久保田経営企画室長 十二号線、大江戸線の環状部の開業要員についてでございますけれども、先ほど先生からおっしゃられましたいろいろな業務について、全体で七百五十五名を計画してございます。
 それから、現在の営団と都営との職員の関係でございますけれども、平成十年度末で営業キロ一キロ当たりの人員は、私ども東京都交通局では四十七名、営団の場合には五十二名程度と聞いてございます。

○東委員 なぜ少ないのかといえば、営団は非常に古いところもあると、都営の場合はいろんな駅だとか、そういうものが非常に近代化されているから大丈夫だという答えが返ってくると思いますから、もういいませんけれども、さっき申し上げましたように、営団もそういう省エネ化、コスト削減ということの積み重ねの中でああいう事故が起こっているということは、これはもう紛れもない事実なんですね。
 そして、この十二号線についていえば、もう一つ私が心配するのは、ワンマンカーですよ。この前乗せて、見せていただきました。確かに立派なものですよ。全部コントロールは指令室でやって、運転手はちょっちょっとスイッチをやっていればいい、そして画面に駅の状態も全部わかるということです。今までにないものだと思うんですけれども、これがワンマンカーになるという点で、本当にそれでいいのかということが、いまだに私は心配なんです。この前も、さっきいいました十二号線の運転の人に聞いたら、大丈夫だといっていましたけれども、しかし、車掌が本当にいなくて、一番前と後ろで心配ないかといったら、それはやっぱり心配ですよと、こういっていました。
 ワンマンカーでなぜ問題かといえば、例えば、車内でいろんな事故が起こることだってあるわけですね。お客同士のいろんなトラブルだって起こることがある。それから、障害者の方がなかなか動きに対応できなくて、事故といっていいかどうか、トラブルが起こることもあり得るわけですね。それから、駅と駅の間でも電車が停車してしまったり、あるいは事故が起こることもあり得るわけですよ。そういうときに、いわゆるワンマンカーで対応できるのかどうか。そういえばできますというんでしょうけれども、その点どうなんですか、心配ないんですか。

○加倉電車部長 大江戸線の駅間及び車内で緊急事態が発生した際には、車内の三カ所に設置いたしました非常通報機のインターホン機能によりまして、車内のお客様から乗務員に対して連絡をとることができるようになっております。連絡を受けました乗務員は運輸指令に連絡するとともに、車内放送によりまして、お客様に対して避難ないし誘導等のご案内を行うことになっております。
 また、乗務員が運転席を離れた場合でも、運輸指令から直接非常通報機によるインターホン連絡によりまして、車内放送及びお客様と直接のお話ができるようになっております。こうした連絡通報設備を用いまして、運輸指令、乗務員、駅係員の連携によって対応しているところでございます。

○東委員 それでは最後に、局長にちょっとお聞きもしたいし、申し上げておきたいと思うんですが、とにかく十二号線、あれだけ大きな新しい線が開通するときに、全体の内部努力だ、コスト削減だということで、それこそ一人も人員がふえない、そして動く電車はワンマンカーという、この流れを見ると、営団で起こった、さっきもいいましたけれども、省エネ、人員削減、コスト削減、そしてああいう事故につながっていくという、その道を交通局よ、お前もかというぐらいに歩いているというふうに私は思うんです、率直なところ。
 そういう点から、まだ全面開通までもう少し時間もあるわけですから、そして営団の事故も、ああいうことも起こったわけですから、この際、既存の路線もそうですが、今度の十二号線についても、改めてこれでよいのかと、このままでいいのかと、いや、大丈夫だ、安全だ、そういう考え方じゃなくて、やっぱりこれでいいのかという立場から、再検討すべきだと。
 その点で、ただ内部だけじゃなくて、さっき挙げたような、こういう専門家も全国にはたくさんいらっしゃると思うんですね。そういう外部の専門家の人たちも参加してもらった特別な専門委員会をつくって、まず一つは、今現実に起こっているこの十二号線の列車の亀裂事故について、その原因を究明するということと、それから列車及びレールあるいは運行、そういう全面的な問題について、やっぱり今がチャンスだと思うんです。この時点で改めて、都営交通の絶対安全対策といわれるような検討委員会、専門委員会をつくるなりして、検討をする必要があるんじゃないかというふうに思うんですけれども、そのことを局長に尋ねて終わりにします。

○横溝交通局長 ただいま東委員からさまざまなご指摘もいただきました。私どもといたしましては、今回の大江戸線の開業に当たりまして、ワンマン運転を採用しておりますけれども、これも当初の経営調査会等々で十分ご議論をいただきながら、そういった機能を持った車両をもって運行するという、さまざまな外部学識経験者も入った検討委員会の中での結論を踏まえまして、一体的な今回の運行を図るという形で、結論に至っております。
 なお、やはり検討すべきものは検討していく所存でございますが、現在のところ、今の体制で安全を確保していくことはできるというふうに考えているところでございます。

○東委員 もう一つだけ。絶対安全だというその態度は、今の時点ではそうでしょう。だけれども、絶対安全という営団地下鉄の安全神話が崩れたといっているんですよ、この前のあの事故については。神話が崩れるわけなんですよ、これは。そういう点で、今どこどこが問題だと。問題だというのは、この十二号線の車両が問題だということは、もう既にはっきりわかっているわけだし、そのこともわかった、それから、現にああいう事故が起こった。やっぱりそういう時点に立って——いや、今までも十分検討してきたから、それでいいんだという、そういう態度はいただけない。
 局長、それ以上答えることができなければ、私は、ここであえて、もう一度今の時点に立って、営団事故、それから十二号線のこの亀裂事故、こういうことは現実に目の前に起こっているわけだから、この時点に立って、やっぱり新たな検討が必要だと、そのことを私は申し上げておきたいと思います。

○織田委員 鉄道事業者あるいは交通事業者等にとって、安全性への信頼というのは、本当に生命線だろうと思うんです。今も論議になっております日比谷線の事故に関しましても、あるいはまた都営線の大江戸線の台車の問題にいたしましても、安全性というものが検証をされ、それが利用者に発信をされていくということを積み重ねて、安全性への信頼というものが向上をしてくる、これは事実であろうと思います。
 そういった観点から、この都営地下鉄大江戸線の台車の問題についても、簡単にお伺いしておきたいと思います。
 このご報告によりますと、私は一番大事なのは、原因が何だったのかということ、そして、その原因が今後も起こり得るものなのかどうなのか。つまり構造上、設計上の問題であったのか。交通局等がご説明をされているように、単なる施工ミスという問題であったのか。これが言葉の上だけで説明されるのではなくて、事実といいますか、そういったものの納得のいく形で検証ができなければ、これはやはり不安は募ってくるわけであります。また起こるのではないかというようなことになるわけでありますから、そういう観点から、質問をしたいと思います。
 この報告書では、亀裂の原因について、溶接不良によると書かれております。溶接不良と判断をする、そう思料する根拠は、一体どういうものになっているんでしょうか。この亀裂の原因、これについて、まずお答えをいただきたいと思います。

○水元車両電気部長 亀裂の発生は、平成九年に製造した車両の台車に集中しており、平成十年十月の発生時には四十台車ございますが、それのすべて、平成十一年五月の発生には、二十六台中二十三台が該当しておりました。原因を追及したところ、当該台車の溶接部は、いわゆるロボット溶接——機械溶接でございますけれども、ロボット溶接と手溶接を併用しておりまして、この手溶接の不良が亀裂の原因であることが判明いたしました。したがいまして、設計上、構造上の欠陥ではなく、製作不良であると判断いたしました。

○織田委員 今のお話を伺っておりますと、手溶接のところがぐあいが悪くなったんだと、こういうお話です。
 それでは逆に聞きますけれども、亀裂が入った部分というのは、全例、これは手溶接の部分というふうに理解していいわけですか。

○水元車両電気部長 一応、手溶接のところが、すべてこういう状態になっておりました。

○織田委員 亀裂が起きたところは、全部手溶接のところであった、今、こういうお答えですね。ロボット溶接でやっているところがありますよ、手溶接でやっていますよ、直線部はロボットがやりますと、曲線部については手溶接でやっております、こういうご説明を伺ったわけですけれども、手溶接のところが、すべてクラックが入っている箇所はそこに限定をされておりますよと、今こういうお答えであったんだろうと思います。
 そうなりますと、ふぐあいの台車の、最初に発生をしました十年のときの台車の位置と、それから、その二回目に起きた形での、いわゆる台車の比較を資料としていただいたわけでありますけれども、その台車が構造上、設計上問題なしというようなことを補強するには——その台車がずっと使われてきて、それでその手溶接の部分だけがふぐあいになりました、こういうような今お答えだったんですが、それだけで果たして構造上の欠陥ではないといい切れるんでしょうか。こういう点があるから、構造上の欠陥あるいは施工上のミスであるといえるような根拠は、ほかにはありますか。例えば、製作年度別にずうっと並べていくと、ある一時期の、特定のところだけにふぐあいが生じているというような、そういう資料というのはあるんですか。

○水元車両電気部長 先ほどの報告の中にありましたように、一応平成九年製のものにすべて集中しております。一部ありますが、ほとんどが平成九年の台車でございます。

○織田委員 その点についてはよくわかりましたけれども、それでは、台車の亀裂の発生防止対策、この報告を見ますと、一回目に亀裂が起きて、それについて修理をして、修理をして数カ月たって、またさらに違うところではあるけれども、そういうクラック等がいっぱい見つかって、それで今度は、すべての台車について補強をしたというふうにいわれております。この台車の補強をした以降について、クラック等が発見されたことは今までにあるんでしょうか、ないんでしょうか。

○水元車両電気部長 補強後に、こういうクラックの発生はございません。

○織田委員 以上のようなことを聞いていると、やはり溶接部分のふぐあいが大きい要因かなというふうに理解をするわけですけれども、お話を伺ったときに、溶接の仕方自体、これは専門的なことなんで、私も聞いていてよくわからなかったんですけれども、溶接をするときに、片側だけ切り込みを入れて、そこの両方の部分を溶かして接着をすると。それを今度は両側の部分に切り込みを入れて、そこを溶かして両側から接着をする。その後ろに、今度は鋼板を当てて、それが下に漏れないようにするというようなことをやりました、こういうお答えでしたので、私もひとまず安心をしたわけでありますけれども、つい最近、大江戸線の新しい車両台車が納入をされましたというふうにお伺いしましたが、その新しい台車等には、これまでにあった、こういう経過を踏まえた形でおやりになっているんでしょうか。その点、どうなんでしょうか。

○水元車両電気部長 環状部の車両の台車でございますが、このような事故にかんがみまして、いわゆる当該箇所に内側から鋼板の補強板を当てまして、完全溶け込みの溶接という方法がございますが、それを実施しております。ですから現在のところは、新しい車両につきましては、すべて新しい方式での補強ということになっております。

○織田委員 もう一つ、念のために伺いますけれども、今回の住友金属にやり直しをさせた、修理をさせた、この費用負担は住友金属が持っているのか、東京都が持っているのか、いかがでしょうか。

○水元車両電気部長 すべて、このメーカーの方に負担をさせております。

○織田委員 今後の対応については、すべての台車について定期的な磁粉探傷検査を実施をしていくと、こういうふうに書かれておりますが、このインターバルは大体どの程度というふうにお考えになっていますでしょうか、おわかりになれば
……。

○水元車両電気部長 一応、三カ月程度の周期で点検したいというふうに思っております。

○織田委員 最後の今後の対応のところで、運輸省への報告ということが出てきております。先ほど来のお話あるいは報告等を伺っておりますと、運輸省の取り決めにないぐらいのそういう出来事であったと。したがって報告はしていない、知事にも報告をしなかった、こういうお話だったんだろうと思います。
 安全性の信頼確保というものにつきましては、例えば、自動車なんかでよくあるんですけれども、どこかの部品のふぐあいがありますよということになると、ぱあっと全世界に公示をして、その部品を取りかえますよというようなことをやっております。ああいうのを見ておりますと、相当大きなものから小さなものまで、すべてやはり製造者の責任で、あるいはまた事業者というんですか、その責任で、そのことを公表をし、措置をとり、そしてそのことが安全性への信頼をうんと高めていくという、そういう方式をとっているわけであります。
 したがって、今回のことが住友金属に属するのか、あるいは東京都交通局に属するのかわかりません。しかしながら、安全性への信頼性を高めるというには、お国に報告するかどうかというのは別の問題にして、利用者である都民や一般の方々に、こういうふうになっていますということで公開をし、そのことについてこういう措置をとりましたということが、実は安全性のきずなを最も強めるものになろうかと思うんです。
 そういう意味で、報告をするとか、決まりがあるとかないとかということは別にいたしまして、例えば、こういう事件、事故、状況というようなものが起こった場合に、これはお伺いをしましたら、同じようなリニアの関係は、大阪のニュートラムというところでやっておられるというようなことがあります。そちらの方でこういうことが起こっているのか、大阪も報告してないのか知らないですが、しかしながら、技術とか安全性の問題というのは、そういったところが互いに情報交換をし合って、悪いところは直していくというところの上で、信頼性の確保というのがだんだんできていくわけでありますから、特にリニアカーの場合はそんなに多くないわけですから、これはいろんなことが起きてくるんだろうというふうに思います。それは避けられないこともあると思うんです。そういったときに、こういうことがきちんと情報交換をされて、それが安全性確保、そして安全性の信頼へとつながるということが、私は大事なんだろうと思うんです、事業者としても。
 したがって、まず鉄道事業間の、どのようになっているかわかりませんけれども、そういう情報交換を行うようなシステムをぜひやっていただきたいし、また、東京都がそういう姿勢を示していくことが大事だろうと思います。この点、どういうふうにお考えになっているんでしょうか。

○横溝交通局長 ただいま先生からご指摘いただきましたこと、もっともでございまして、私どもといたしましても、従来の対応の仕方を踏襲したという結果となりました。確かに、この規則に定める報告事項に該当していなかったということでございましたけれども、いずれにしましても、お客様の命を預かる鉄道事業を営む者にとりまして、安全第一と言葉でいうことを実証するには、やはりそういった事実があったときには速やかに公表し、またその適切なる措置をして、後の万全を皆様にお示しし、そして安心して乗っていただくということに尽きるというふうに思います。やはりこれを公表することによって、同じ鉄道事業者もみずからチェックもできますでしょうし、そういうことによって、他のところでのそういった同様な事故の再発防止につながるものというふうに思っております。
 今後とも、そういった意味での情報公開という意味からいいましても、やはり隠す体制でなく、きちっと報告するべきもの、明らかにするべきものはしていく必要があるというふうに考えております。

○織田委員 ぜひお願いをして、その安全性の確保が図られるように取り組んでいただきたいというふうに思います。
 次に、今、規制緩和ということがずっと一つの流れになっております。中には規制緩和が行き過ぎて、規制強化の方に動いているような動きもあるわけですけれども、それはとりもなおさず、規制緩和がプラスの部分、マイナスの部分、両方含んでいるからだろうと思っております。航空業界なんかも相当規制緩和が進んで、スカイマークエアラインズみたいなものが入ってきて、利用者にとっては相当安い運賃が供給されるようになってきたというようなことがあるわけですが、この都営交通等につきましても、乗合バスについて、遅くとも十三年度までには需給調整規制が廃止をされるというようなことが、方針として決定をされております。規制緩和、自由化に向かってどんどん緩められていくということになっているわけですが、そこで、そういうことに関連をして、バス事業についてちょっとお伺いしたいと思うんです。
 今国会において、道路運送法の改正案が提出をされまして、恐らく通るんだろうと思うんですが、今回の改正案のポイントについて、まず簡単にお示しをいただきたいというふうに思います。

○久保田経営企画室長 道路運送法及びタクシー業務適正化臨時措置法の一部を改正する法律案、いわゆる道路運送法の改正案につきましては、去る二月二十九日に閣議了承されて、同日国会に提出されております。
 その改正案の主なポイントでございますが、第一には、参入規制についてですけれども、現行法では需給調整規制を前提とした路線ごとの免許制になってございますが、今後は、輸送の安全確保等に関し、一定の能力を有することなどを要件とする許可制へ変更することになっております。
 また、二点目として、退出規制については、現在は許可制でございますけれども、今後は、原則として六カ月前までの事前届け出制に変更する予定となっております。
 また、第三点目でございますけれども、運賃規制について、現行では認可制でございますけれども、この改正案によりますと、上限を認可した上で、その上限の範囲内での事前届け出制という変更が予定されてございます。

○織田委員 参入については免許制から許可制へと、退出については許可制から届け出制へと、運賃制度については上限の規制というような形で決まるだろう、こういわれているわけですね。そうなりますと、利用者や、またあるいは交通局のような事業者について、一体どういう影響が出てくるんだろうということになるわけですね、今後考えていく場合。その点はいかがでしょうか。

○久保田経営企画室長 利用者への影響ですけれども、一つは、例えば参入の自由の面で考えてみますと、参入のあった路線については、一時的には運行本数がふえたり、あるいはサービス競争によって、利用者にとっては利便性の向上が期待できます。一方、既存の事業者にとっては、そこの部分において乗車人員が減少するというようなことが予想されます。
 また、二点目として、上限運賃制が導入されますと、運賃競争によりまして、ご利用いただくお客様にとっては、今までより安い運賃で利用が可能になること等が期待されますが、一方、既存の事業者にとりましては、運賃競争を余儀なくされますから、この競争に勝てなければ、さらなる乗車人員の減少を招くというようなことも考えられます。
 以上のようなことから、一般的な話ではございますけれども、新規参入によって、既存事業者の収益が悪化したとしますと、それまで内部補助で支えていた赤字路線を支え切れなくなって、結果としてそこから退出し、その路線の利用者にとっては、公共の足がなくなってしまうというようなことも考えられます。

○織田委員 そういう事態になりますと、需給調整規制が廃止をされ、参入はやりやすくなる。それから、退出もしやすくなる。そして、そういうふうになりますと、例えば、都バスの既存のエリアがありますが、そこに他の業者が入ってくるというようなことも考えられる。あるいは他の業者といいましても、バス事業者ばかりじゃなくて、タクシーの業界から、例えばバスを運行させたいというようなことも、入り口が緩められればあり得るだろうというような形になってくると思うんです。
 そういう立場から見ると、新規参入をしたいということになれば、当然もうかるところへ入ってこざるを得ないということになるわけですね。そうすると、今までお客さんが一定であれば、既存の事業者というのは、随分お客を取られるという形になるのかなというふうに思うんです。そうなれば、既存の事業者の収支というのは必ず悪化をしてくる。
 昨年の十一月に、都庁の周辺をぐるっと回る新宿駅からの都バスであったところに、京王バスが参入をいたしました。共同の運行ということでありますけれども、その京王バスが参入後、この系統での収支あるいは状況というのは、一体どういうような変化をしたんでしょうか。わかる範囲で結構ですから、お答えください。

○松尾自動車部長 ただいまご指摘のございましたCHの01系統でございますけれども、平成十一年十一月一日から、運行回数の二分の一ずつを、京王バスと私ども都営バスでそれぞれ担当いたします共同運行を始めました。共同運行後の利用者数でございますけれども、共同運行前に比べまして、約五〇%の減少となっておりまして、一日当たりにいたしますと、約八百人という状況にございます。

○織田委員 半分ずつの共同運行にしたら五〇%客が減ったというんだけれども、考えてみたら当たり前の話なんですね。そこで、新規の需要が起きてきていないわけですね。確かにバス事業というのは難しいんだろうと思うんです。事業概要を、この委員会に入って初めて見たら、厳しい状況、厳しい状況というのが初めから終わりまで続いていて、今もそのトレンドが変わらないというような、大変ご苦労なさっている局だと思うんですが、そういう影響が出てくるということになると、どういう入り方になるのかというのは、非常に調整が難しいんだろうと思うんです。
 例えば、既存の事業者がこの路線は入ってきてもらいたくありませんというようなときに、それにストップをかけるということは、今後可能なんでしょうか、可能じゃないんでしょうか。どういうことなんですか、その辺のところは。

○久保田経営企画室長 今回の法律改正案のもとになりました運輸政策審議会の答申を見ますと、参入の際に、行政が一定の関与をすることはできる形になっております。例えば、既存の事業者がみずから整備したバスターミナル、あるいはバス停留所を新規の参入者が利用しようとするときに、その辺の調整がつかない場合には、行政が一定の関与をして調整していくというようなことは述べられておりますけれども、参入自体を阻止することは、制度的にはできない形になってございます。したがいまして、既存事業者は参入してきた事業者と、結果的には競争を余儀なくされる形になると思います。

○織田委員 そうすると、参入を拒否できない。許可制ですから、一定の要件を満たせばその事業者がここの路線を走るということについて、可能になるというようなことであろうと思うんですね。
 もう一つ、ついでにお伺いしておきますけれども、いろんなこと考えられるわけですね。例えばドル箱路線がありましたと。乗客の乗り方を見ると、朝夕に、当然のことながらラッシュ時に集中している。新たに参入するときは、時間のダイヤでも、朝と夜だけ集中的に組んで、昼間はほとんど走らせないというようなことで、真ん中の部分については、例えば他業種であれば、タクシー業者であれば、ほかのことをやっている。要するにおいしいところだけ参入をして、それで競争をしかけてくるというような、こういうことも考えられるわけですけれども、こういったことについても阻止できないというような、そういう法の体系に、今のところなっているんでしょうか。わかる範囲で——そこまで決まってないかもしれないな。

○久保田経営企画室長 現在の法律の改正案では、そこまで明確になってございませんけれども、先ほど申しました運輸政策審議会の答申の中では、今先生が例示されましたような特定の時間帯、お客様がたくさんいるときにだけ運行し、昼間は全く運行しないとか、そのような、いわばいいとこ取りのような形の参入の仕方については、一定のそれを排除する方策をこれから規則等で考えていくというようなことが、その必要性が答申の中で述べられております。

○織田委員 その辺については、今後の扱いですよというお答えだっただろうと思うんですが、それでは、今回、法改正で上限運賃という形で定められています。ということは、上限ですから、下もいいですよという話になる。ある程度のバウンドはあるんでしょうけれども、そうなった場合、都バスというのは、大体都心、山手線内側、一部外側でいいところを走っていますから、新規参入を受けやすい立場だろうというふうに思うわけです。そういうときに、上限運賃ということで、運賃にある程度幅ができたということで、例えば百六十円なり、あるいはもっといえば百円なりというような、そういう参入をされた場合、都バスとしてはどういう対応になっていくんでしょうか。これは想像で結構ですけれども、どういう形の対応になるのか、お伺いしておきたい。

○松尾自動車部長 いろいろな状況があろうかと思いまして、なかなか難しい面もございますけれども、一般的に申し上げますと、参入のありました路線につきましては、私ども競争していく以上、新規参入事業者と運賃が同額か、あるいはそれ以下の運賃に引き下げるということも考えていかなければならない、このように考えております。

○織田委員 そうすると、運賃の引き下げ競争を真正面から受けて立つと、そういうことですか。そうなりますと、今、ただでさえ収支じりを考えると相当大変なわけですが、これは悪化するような形ですよね。(発言する者あり)要するに、どういうことになるんでしょうか。

○松尾自動車部長 ただいまご指摘ございましたように、運賃を下げました場合、それに見合った形でお客様がふえていけばいいわけでございますけれども、それができないとなれば、ご指摘のとおり、収支面にかなり影響を与える、これは当然のことでございます。
 私ども事業者といたしましては、そういうことにならないように、運営の効率性、いろいろ方策を講じまして、そういった状況の中でも、自立的な経営ができるように努めていかなければいけない、このように考えております。

○織田委員 これは何も都営バスだけの問題ではありません。他のバス会社も同様の事情を同じ条件で受けることになると思うんですね。
 そうすると一方の、今は参入規制というものが若干緩まったよと、こういうことから出る影響だろうと思います。退出規制が届け出制ということになりますと、今度はさらに退出することが自由になるということは、参入を受けて収支じりが悪くなると、バス事業者って、大体ネットで全部計算をしていますから、赤字路線も抱えている、黒字路線も抱えている、トータルしてプラスになれば、何とか赤字路線も公共交通というような立場から維持をしていくということになっています。
 そういうことがよりシビアな形になってまいりますと、黒字の部分を食いつぶされていくという、結果として、都営交通も低価格競争を受けて立つというぐらいですから、ほかのところもやっぱりやりましょうというような話に、どんどん競争になる。今度は、赤字路線の切り捨てという形、赤字路線からの退出ということが非常に大きな問題になってくるんだろうと思うんですね。そうなると、生活路線なんかのバスについて、これは地元等で大いに問題になるんだろうと思うんです。
 そういったものに対して対応策、これは法の中で考えられているのかどうか、あるいは今後こういう想像力を働かせて、この辺について対策を立てていかなきゃならないというような面もあるだろうと思いますが、その辺については、どのようにお考えになっているんでしょうか。

○久保田経営企画室長 今回の法律の改正案では、先ほど申し上げましたように、退出する場合には、原則として六カ月前までの事前届け出制に変わりました。さらに、先ほど申しました運政審の答申の中では、そういった場合には地域協議会を設け、地方自治体や事業者間で、生活路線等の維持方策を協議することとしております。ここでの協議結果を示されて対応していくことになりますけれども、事業者が退出するという意思決定をした場合には、その経営判断を拘束すべきではない、このように答申されてございます。

○織田委員 協議会で論議をすると、しかし、退出の自由についてはその事業者の判断に任されるということは、うちは赤字だからどうしようもありませんよ、やめますといったら、それはとめようがないということですね。そういうふうになると、当然地元の方では住民の声もあり、地域の住民の足は守らなければならないという声が非常に強まってくるだろうと思うんです。
 そういう意味からいうと、武蔵野市がやっているようなムーバスみたいな、ああいうコミュニティバスというものの役割が、実はますます重要になるというふうになっているわけですが、交通局として、こうしたコミュニティバスについて、今後は直接的に運営をしていくということはお考えになっているんですか、どうなんでしょう。

○久保田経営企画室長 今、お話ありましたコミュニティバスにつきましては、比較的狭い地域内で運行するものでございまして、基本的には地域の実情を一番把握しております地元の自治体が、主体性を持って運営していくことが望ましいと考えております。しかしながら、地元自治体から運営委託の申し出等がありました場合には、いろいろ条件がございますが、私ども東京都交通局としましては、都バス事業をやってまいりましたノウハウを活用しながら協力してまいりたい、このように考えております。

○織田委員 直接的には運営はしないということでありますけれども、できる限りの協力はすると、こういうスタンスなのかなと思います。
 ただ、こういうような需給調整の規制が撤廃をされ、参入、退出の自由がより強まってくるということになりますと、いずれにしても大きな変動が起こらざるを得ないわけでありますし、特に都バスにつきましては、非常に厳しい状況にさらされることは間違いのないことだろうと思うんです。
 しかしながら、これに何の手も打たずにいると、都バス自体が市場から退場せざるを得なくなるというようなところまで追い込まれかねない、そういう大きな変動要因を抱えた今回の需給調整規制の緩和になるんだろうなというふうに私は思っておりまして、そうなると当然、交通局の皆さん、専門家でしょうから、相当危機感を持っていらっしゃると思います。その中で必要になってくるのは、一つは安全性を確保しながらも、さらなる工夫を重ねて、広告収入であるとか、さまざまなことであるとか、あるいは既定の路線というものを見直していくということも一方では必要でありましょうし、そういった経営の大改革に直面せざるを得ないというふうに思うわけであります。
 したがって、十三年度中にこのことが現実化をするということですから、動きはもう既に始まっているんだろうと思いますけれども、そうしたところについて、規制緩和に向けた交通局の対応策、それから、都民の足を確保するという都バスの責任というものを果たしつつ、この難局を乗り切っていく決意をあわせてお伺いして、質問を終わりたいと思います。

○横溝交通局長 これまで都バスは、効率化を図りながら、黒字路線の収益で赤字路線を支えてくるという、内部補助によって不採算路線を維持し、また都市活動、都市生活を支える基幹的な事業として、その使命を果たしてきたところでございます。
 しかし、今ご指摘のように、規制緩和は、こうした今までの事業運営を根幹から揺るがすものでございまして、交通局といたしましても、強い危機感を持っているところでございます。現状におきましては、どの路線にどのような新規参入があるかは、これはちょっと予想がつきませんけれども、新規参入は必ずあるという前提で、競争力の強化策を考えていかなければならないというふうに考えております。現在、都バスが維持すべき路線のあり方、また新しいバスサービス、それから、利用しやすい運賃制度等の検討を行っているところでございます。
 また一方で、規制緩和は究極のところ、事業者間のコスト競争という面を持っておりまして、我々都営交通も、コストダウンなくしてはその競争に勝ち残っていけないというふうにも認識しております。そういう意味からしましても、コストの縮減を図ると同時に、また収入面でも関連事業等々さまざまな手だてを講じながら、収入の面でもアップしていくと。そしてまた、再雇用職員等々の活用も図りながら、総支出をいかに抑えていくかという点についても工夫しながら、いかに生き残っていくかということを考えていかなくてはならないというふうに思っております。
 今後は、これまで以上の一層の経営効率化に取り組みまして、競争にたえ得る経営体質に強化していく考えでもございます。いずれにいたしましても、規制緩和は都バスの命運をかけた大変革というふうに受けとめておりまして、今後とも心を引き締めて対応していく覚悟でございます。

○嶋田委員 私は、平成十二年度の予算の中で、今話題になりました乗り合いバスの低公害化の諸点で質問をさせていただきたいと思います。
 東京都は低公害化の促進に向けて、これまでたくさんの努力をされていることについて、まず、心から敬意を申し上げたいと思います。平成三年からディーゼルの電気のハイブリッドバスを導入し、そして平成五年から蓄圧式ハイブリッドバスを導入し、そして平成六年度からCNG、圧縮天然ガスバスの導入、そして平成十一年では、このCNGのノンステップバス等の導入に尽力をされてきたわけであります。
 東京都では既に、石原知事になってから、ディーゼル車NO作戦を展開する中で、都営交通の乗り合いバスに対する低公害化の課題も大きく位置づけられているわけであります。そこで、交通局のこれまでの低公害バスの導入状況と、平成十二年度予算における低公害バスの導入計画について、まず伺っておきたいと思います。

○松尾自動車部長 交通局におきましては、環境対策の一環といたしまして、関係機関の協力もいただきながら、都バスの低公害化に努めてきたところでございます。
 具体的に申し上げますと、ただいま先生からもお話ございましたけれども、平成三年度を皮切りに、順次、ハイブリッドバス、それからCNGバス等の低公害バスに加えまして、DPF装置つきバスやアイドリングストップ装置つきバス等も試験的に導入してきております。平成十一年度におきましては、新たに窒素酸化物や粒子状物質の削減に効果のございます酸化触媒装置つきバスを導入したところでございます。平成十一年度末におきましては、ハイブリッドバスが百二十三両、CNGバスが百四両、酸化触媒装置つきバスが八両、DPF装置つきバスが十三両、アイドリングストップ装置つきバスが六百三十一両となる予定でございます。平成十二年度でございますけれども、酸化触媒装置つきの小型バス五両を購入いたしますとともに、既存の車両十五両にDPF装置を装着する予定でございます。

○嶋田委員 導入の経緯について、ただいまご説明がありましたとおり、ハイブリッドバスでは、電気と蓄圧式を合計して百二十三両、そして圧縮天然ガス、CNGが百四両、それからDPF、粒子状物資除去装置つきバスが十三両、酸化触媒つきバスが八両、アイドリングストップという形の装置が六百三十一両で、トータル八百二十八両の実績を持つわけであります。
 これは、私が低公害車を勉強する中でいろいろ考えてきたんですけれども、特にこのハイブリッドというところは、比較的いい機能を持っていると思いますけれども、いずれにしましても、電気であればバッテリーの問題があって、既に鉛公害等についても産業廃棄物の中で多大な問題になっているということもあり、それから性能との関係で、東京都の導入計画の中でも平成六年が二十二台で、その後、四台、五台、八台、四台ぐらいの形で、どういうわけか台数を減らしてきているわけであります。さらに、蓄圧式等については、平成十年度なんかあきらめて入れないというような感じもあるわけでありまして、試験的に導入しているんでしょうけれども、そういうことになっています。そういうようにすると、もう低公害車の概念の中で、本当に何が必要かということをしっかりと議論をしなきゃいけないときに来ているんじゃないかと私は思うんですよね。
 東京都の環境科学研究所の調査によって、これありますけれども、例えばハイブリッドバスについては、低減効果、NOxは一八%、黒煙も八〇%ぐらいしか減りませんというようなことですよね。それから、例えばアイドリング等については、NOxが一三%しか減りませんというようなことになっているわけでありまして、低公害を目指すという意味では、一つは窒素酸化物を除去する、もう一つは、今話題の浮遊粉じん物質をなくす、そういうようなことでディーゼル車NO作戦が出てきているわけであります。
 したがって、そういう中で、この東京都の環境科学研究所による調査の中でも、例えばCNG、天然ガス自動車については、NOxは六割から七割を削減する。そして黒煙、要は今の浮遊粉じん物質は出ないんだというんですよ。黒煙はゼロですよ。そうすると、両方低減できるというのは、CNG車しかないじゃないですか、今。そういうふうに考えるわけです。
 そういう中で東京都は、確かに百四台でありますけれども、ことし、東京都は三十二台入れようという計画を私は聞いていたんですけれども、入れたのは九台ですよ。何でこんなに落としてしまったのか、よくわかりませんけれども、先ほど織田委員の方から、今後のバスのいろんな問題等もあって、いろいろ考えたのかもわかりませんし、いろんな全体の中での配慮があったんでしょう。しかし、国の環境庁は、東京都の三十二台の分は、きちんとお金は用意してあったわけでしょう。東京都が九台しか入れないものだから、どうしたかといえば、他の県とか市に回したわけです。日本全体で見れば、空気がきれいになったんだから、それでいいと思っているんですけれども、私は、首都東京がもっと頑張る、努力をする——やはり東京がしっかり頑張るということが大変必要じゃないかと思うんですね。
 例えば、低公害車のトータルの台数は、今東京都はもう大阪市に負けているんですよ。今、京都市なんかもどんどんどんどんふやしている。それは何でかというと、確かに補助金のもらえる制度が厚いかもわからないけれども、だけど私は、首都東京がやっぱりもっと努力をすべきじゃないかというふうに考えるわけです。
 したがって、今、ご答弁があったとおり、平成十二年度はこの乗合バス、大型化は一台もやらないんでしょう、これ。ご答弁にあったとおり、平成十二年度は、酸化触媒装置つき小型バス五両を購入するということと、それから既存の車両十五両にDPF装置をつけるということなんですね。
 今、DPFというのが話題になっています。既に東京都もつけていますけれども、これは浮遊粉じん物質を集めて、燃焼させて、かわりばんこにサイクルを変えるわけだから、私は余りいいものじゃないと思うし、価格も高いわけでしょう。それで、新しいDPFを、今石油業界とか、あるいは自交連が中心になってつくろうといっているんですよ。だけれども、新しいDPFは軽油中の硫黄分を脱硫しなければ機能しないんですよ。石油業全体で五千億の投資をしなければ、軽油の脱硫はできないんですよ。そんなに早くできないですよ、このことは。そうすると、今までの実績を踏まえて、やはり交通局は、何が最もいいのかということを踏まえて努力すべきじゃないかというふうに考えるわけであります。
 ことし、九台大型バスを導入した。この内容をお聞きしたところ、環境に非常に優しくて、福祉にも優しいというノンステップバスを、高い価格のものですけれども、九台確保したという努力は評価したいと思います。ただ、十二年度予算において、酸化触媒つき小型バス五両というのは、いかがなものかというふうに私は考えるわけであります。試験的に使うということ、全体八両の中で考えるわけでしょうけれども、そういうふうに感じます。
 これまで、例えばCNG、圧縮天然ガス、平成七年度で約十八台、八年で二十台、九年で二十六台、それで十年が二十八台で、ことし九台にがくっと落っこってしまった。毎年こういうペースで落ちないで、三十台ぐらいの心持ちで、東京都が頑張ってほしかったと思いますよ。これはもう済んじゃったことだからしようがないんだけれども、そういうふうに強く考えるところであります。
 したがって、次の質問ですけれども、これまで、例えば圧縮天然ガス大型バス、これを三十台近く導入してきたわけです。なぜ平成十二年度に大型バスの車両の購入ができないのかという理由を明確にいってください。

○松尾自動車部長 私どもといたしましては、環境対策を進めてまいるということの基本姿勢につきましては、いささかも変わっておりません。しかしながら、十二年度におきますと、地下鉄大江戸線の開業に伴いまして、バス路線の再編整備が必要となってまいりまして、それに伴いまして、乗合バスの車両数も大きく変動するというふうに予想しております。
 こういった状況を踏まえますと、平成十二年度におきますと、既存車両の運用で事業運営がやっていけるということになりまして、そういったことから、平成十二年度におきます大型バスの購入を見合わせたものでございます。

○嶋田委員 確かに交通局は、十二号線の開業に伴って、その影響を受けるバスの系統、きょういただきました資料の中にもたくさんの影響を受ける系統がありますから、今、自動車部長がいったようなことは私もよくわかります。公営企業だから、効率的に公営事業としてのこともしっかり担いながら考えなければいけないと思いますけれども、ただ、お金の問題と、それから、この低公害を促進しようというのは、次元を同一に考えてしまうと、なかなかうまく低公害バスも導入できないんじゃないかと思います。
 環境保全局も福祉局も、交通局がバスをセットしなければ、低公害にかかわる、例えば福祉の問題、低床型の問題とか、あるいは環境行政の推進も、バスがないとできないんですよ。交通局は環境行政を担うという中で、一定の大きな役割を持っていると私は思うんです。そういう意味で、確かに十二号線が開業して、バス路線にいろんな形で再編整備のことが考えられるということはわかりますけれども、だけれども、そういうような公害への努力というものにやっぱり力を入れてほしいというのが、偽らざる気持ちであります。
 次の質問をさせてもらいますけれども、平成十二年度、確かにもうこういう形で考え方が決まったわけでありますから、平成十三年度以降、この低公害バスの導入について、積極的に取り組んでほしいというふうに考えるわけでありますけれども、いかがでしょうか。

○松尾自動車部長 平成十三年以降の取り組みについてでございますけれども、バス車両の買いかえ時期に合わせまして、CNGバス等の低公害バスを導入いたしますとともに、DPF装置の装着の拡大を図るなど関係機関の協力を得ながら、また自動車事業の財政状況も勘案しながら、都バスの低公害化に積極的に取り組んでまいりたいと考えます。

○嶋田委員 最後にいたしますけれども、今、圧縮天然ガスのバスは、例えばステーション、基地ですよね。燃料の補給基地があるのは、深川営業所、臨海営業所、北営業所という三カ所でもって百台以上のバスのことを考えてやってくれているわけでありますけれども、私は、十二号線の開業に伴うバスの再編整備の中で、もっとこの車両の充てん基地も積極的につくらなきゃいけないんだと思うんですよね。そういうことと、バスの再編整備の中で、今後の展望をしっかりした中で、これから交通局として、低公害車の、実質的に役立つ車種の導入をもう一回、新たなスタートでもって、何とか構築するということを十三年度から始めてほしいというふうに考えています。強く要望して、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

○大木田委員長 この際、議事の都合によりおおむね五分間休憩いたします。
   午後三時二分休憩

午後三時七分開議

○大木田委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○藤田委員 日比谷線の問題に関連して、地下鉄の安全問題、かなりしつこく聞く予定でおったんですが、二人に前にやられましたので、同じことを聞いても何ですから、ひとつしっかりやってもらいたい、人ごとじゃないぞということだけを申し上げて、次の質問に移ります。
 私は、大江戸線という名前は余り気に食わないんですが、十二号線の財政問題をずっと追跡をして取り上げてきたという経過がございますので、今回も十二号線の環状部建設費の改定に伴う収支見込みの観点に限定をして、幾つかお尋ねいたします。
 まず、損益収支の均衡が十七年目というのは、直近の委員会で交通局が明らかにした見通しでございます。この算定根拠にかかわり合わせて、まず伺いたいと思いますのは、新たな財政フレームに関する国との協議結果、これが十七年目に損益収支の均衡ができるということを、かなり確信を持って交通局が主張している根拠になっているんだろうと思うんですが、そこでこの際、改めて新たな財政フレームに関する国との協議結果、それが収支見込みへどういう内容で反映をしたのか、ここをきちっと押さえておきたいと思いますので、お答えをいただきます。

○橋本総務部長 このたび国との協議が、昨年の予算編成時に確定いたしまして、そして都においても予算の計上をお願いしているところでございます。この財政フレームの概要につきましてお話し申し上げます。
 まず、一点目でございますが、この財政フレームは、平成十二年度から十三年度間で分割買い取りをするというものでございまして、十二年度におきましては、三百十四億円余を計上させていただいております。また、補助制度の中身でございますが、いわゆる一括補助、公共事業補助と称しております平成四年度ルール、このルールを適用していただきました。また、三点目は、平成十年度、十一年度に、このたび、四月二十日に予定しております先行開業部分の買い取りにつきまして、五百億円、実は今回の補正でお願いしたわけでございますが、これを計上させていただきまして、収支見込みに算入させていただいたところでございます。

○藤田委員 幾つかの観点はわかりました。特にお世辞をいっても始まらぬのですけれども、平成十一年度に十二年四月開業後の先行買い取りを認めさせた、これは収支見込みへの算入の九億が大だというふうに僕は見ていますから、このご苦労は多といたしておきます。
 ただ、気がかりは、開業時には現行運賃を維持する、こういう方針なんですね。開業時に現行運賃を維持するということ、それ自体は悪いとは私は申し上げませんけれども、しかし、もろ手を挙げて賛成ということになるかならないかは、そのときの状況でございますが、運賃改定の問題と収支見込みの問題というのは密接不可分の関係に、実は実態的にはある、その是非はともかく。ということからしますと、開業時には現行運賃を維持するというこの方針と収支の試算上、平成十七年度以降、五年ごとに改定するという方針も、あるいは腹づもりもどこかで聞いたように思うんですが、この関係で、一体運賃問題はどうするのか、このことについて伺っておきます。

○橋本総務部長 新たな財政フレーム、まさに長期の収支計画でございますが、この中で料金改定が大変重要な位置を占める、今ご指摘のとおりでございます。私どもの国との協議をしました収支試算で申し上げますと、開業時には現行運賃を維持する、こういう方針でおりますし、収支試算上で申し上げますと、平成十七年度に一度上げ、また、それ以降五年ごと改定を、収支試算上計上させていただいたわけでございます。また、その後は、収支試算にかかわりませず、社会経済情勢の動向を見ながら、料金改定には収支試算とは別に、これは試算の問題でございますので、料金改定そのものについては、適切に対処しなければならない、こういうふうに考えております。

○藤田委員 さっき織田さんとのやりとりで、規制緩和で競り合ったらどうするんだといったら、場合によったら運賃下げるみたいなことをいったから、そんなことをやったら、交通局もちませんよと不規則発言でやったんですが、いずれにしましても、社会経済情勢の動向を見ながら適切に対処というところがみそですが、しかし、かなり運賃改定が困難な経済状況下で、まず走るという状況認識だけは押さえておく必要があるだろうと思うんです。
 その場合に、今の最後の含みのあるニュアンスはともあれ、運賃改定が困難な経済状況ということを前提に押さえたときに、汐留連絡線とか残工事等見込める要素は計画建設費の中ですべて算入済みだというふうに推定をしますから、あるいは建設費の増加を今論議をすることは、余り実際的ではないんだろうと思うんですが、それでも心配ですからお尋ねしますけれども、さらなる建設費の増加、それから乗客数の減少、これは地下鉄十二号線をやるというときに、当時の局長は百万乗客を確保するんだ、こういうふうに豪語したから、地上で百万走らせて、地下で百万走らせるなんて、そんな器用なことができるか、と僕は嫌みで質問したことを覚えているんですが、さすがにこの百万体制というのは、後方修正をされた。
 しかし、後方修正にもかかわらず、乗客数の減少の懸念というのは、依然としてつきまとう。そうすると料金はしばらくだめ、建設費の増加は一体どうなんだということは不透明、それから乗客数の減少は懸念されるという状況の中で、環状部買い取り後の地下鉄経営について、一体どういうふうに考えていらっしゃるのか、これはきょうは聞いておきたい。

○橋本総務部長 まず、建設費についてでございます。過日の委員会で計画建設費の改定をご理解いただいたわけでございますが、この中には、私どものこれから工事にかかります汐留連絡線、さらには残工事、見込める要素はすべて算入しまして、増額はないもの、こういうふうに認識しております。また、今後とも、現在最後の開業に向けて工事の全盛期にあるわけでございますけれども、この建設費の抑制に努めていきたい、こういうふうに考えております。
 また、二点目の乗客数でございます。確かに当初計画におきましては、百万人ということで、その後、年々の増加を見込んでおりました。しかしながら、最近の社会経済情勢を踏まえまして、開業後の乗客数を八十二万四千人、そして、その後はふえないものというふうに算定しておりまして、私どもは何とかこの乗客数を確保し、そして、都民の大変重要なネットワーク、交通手段であるこの大江戸線環状部の利便性を発揮しまして、私ども大いに乗客サービスを提供し、便利で、そして使いやすく安全な、先ほどもご指摘いただきました安全な地下鉄をつくる、これに全力を挙げまして、この八十二万人を少しでも多くして、収支の状況も早く好転させる、こういった努力をしたいと思っているわけでございます。

○藤田委員 私は、冒頭に十二号線環状部建設費の改定に伴う収支見込みといういい方をしましたけれども、それは十二号線をほかの要素からぱさっと抜いて、十二号線の問題だけを単純に収支計算したらどうかという質問でもありますが、しかし、同時にそれを今度抱えた場合に、トータルとしての交通局財政はどうなるんだという二つの面があるんです。だから、さっき織田さんがネットといういい方をしましたけれども、これはあなたがいうように、例えばこの十二号線の環状部というのは、大拍手歓迎されていますから、お客は当初から過大に見込んではいかぬが、しかし、ちょっとずつちょっとずつふえていくという見通しは間違いではないですよ、どこまで続くかはともかく。だけれども、そのあおりでバスの方が減っちゃったんじゃ、言葉は悪いですけれども、バスの収入を食っちゃって、その分十二号線で稼いだということで、トータルでは全然変化がないどころか、ますますじり貧になっちゃうんだという事態も心配しないわけじゃないんでありまして、しかし、きょうそのことをやみくもに聞かなきゃならないという事柄じゃありませんから、環状部買い取り後の地下鉄経営ということに限定して、特定してお尋ねしていますから、今の答弁は一応頭の中に入れておきますが、この問題は引き続きお聞きしますので、ちゃんとインプットしておいてください。
 そこで、同じく環状部買い取り後の地下鉄経営ということに関連して、分割買い取りに伴う金利負担、ここがやっぱり気になる点なんですよ。したがって、この分割買い取りに伴う金利負担について、その考え方やあるいは中身について、この際ご説明をいただきたい。

○橋本総務部長 地下鉄大江戸線の分割買い取りに伴う金利負担について申し上げますと、この収支試算上では、四%ということで試算いたしますと、総額一千三百二十八億円、こういうふうに見込んでいるわけでございます。ただし、現行の金利水準、おおむね二%内外でございますけれども、そうすれば相当に軽減される、こういうふうに考えております。

○藤田委員 それは、それで聞いておきます。
 ただ、余計なことを申し上げて恐縮なんですけれども、石原知事の財政再建プランを見ますと、全部歳出の抑制だけで賄うことはできないだろうということで、何とか歳入をふやさなければならないというんで、国との権限移譲あるいは財政改革を実現させて、千五百億円入れるんだ、こういっているんです。ところが、短期日間でそんなことはできないものだから、今度は銀行収入を引っ張り出した。こういうことをなぜいったかといいますと、私は、将来の懸念材料をすべて明確にした上で、公共助成の拡大ということが、やっぱりついて回るからなんです。その場合に、交通局の主体的願望だけをああでもない、こうでもないと述べられたところで、そんなものはへのかっぱなんです。なんの足しにもならないんです。
 そこで、幾つかありますけれども、私が頭の中にあることを二つだけ申し上げて、それは大丈夫かということで畳み込んでお聞きしますけれども、一つは、地下鉄建設費補助制度の問題として、国庫補助金の一割圧縮の撤廃、もう一つは、金利負担の支援、これは財務当局にその気になってもらわなければ困るわけなんですけれども、少なくとも、この二つについては、主体的願望なんてことから出て、具体的に何か成果が上がる、勘定できるというふうにしなければいかぬと思いますが、この点はどうですか。

○橋本総務部長 今、二点のご質問があったわけでございますが、公共助成の拡大、この新しいフレームで課題といたしますと、今先生からご指摘がありました二点があるわけでございます。
 まず、一点目の問題といいますのは、地下鉄補助制度、平成四年度ルールでも、国と地方、すなわち東京都が協調で補助する、五〇対五〇でございますが、それが現行の補助ルールによりますと、国庫補助が一割圧縮される、残念ながら、こういう仕組みになっておりまして、これは既に先生からも、昨年の九月の委員会でこの撤廃に取り組めというご指摘をいただいているわけでございます。私どもは、東京都の予算要望の非常に大きな柱の中に、全国の公営地下鉄経営者が望んでおりますこの圧縮を一つの大きな柱として、昨年来、あるいは平成十二年度も取り組んでまいって、何とかこの撤廃をお願いしたい、こういうふうに思っております。
 また、先ほどお話し申し上げました分割買い取りに伴う金利負担、これも相当の負担でございます。現状では、東京都の一般会計はなかなか厳しい——なかなかどころかこれ以上ないぐらい厳しい、こういうふうに理解しておりますけれども、今後、財務当局とその辺につきましても協議してまいりたい、こういうふうに思います。

○藤田委員 きょうの段階は、不退転の決意で頑張れというふうに申し上げることにとどめます。
 次に、交通局事業の再構築、特に規制緩和の中で自立的経営と公共交通としての役割を果たすための交通局事業の再構築についてお聞きしようと思って幾つか用意したんですが、織田さんの質問でかなりの部分が出た。私は、別におごれるわけじゃありませんけれども、織田さんのお聞きした観点というのは、まさにそうだなと、問題意識も全部というふうにお世辞はいわないが、かなりの部分重なるんです。しかし、やっぱり心配ですので、私からもお尋ねしておきたいと思うんですけれども、一番心配な点は、端的に申し上げますと、まず、二つのサンドイッチにある、二つの面から。一つは地下鉄開業がバス事業に大変な影響を与えることは避けられない。人様が要求して出た資料ですから、これは使いませんけれども、これを見ましても、あるいは東西線ができたときに、交通局北営業所のバスがどの程度減らされたのかということを例に挙げるまでもなく、地下鉄開業がバス事業に与える影響というのは、はかり知れない。
 もう一つは、さっき織田さんがおっしゃっておったが、規制緩和なんです。これは赤字路線を最終的には切り捨てるなんていうようなことにはならぬのでしょうなと、プラス志向で考えるという、そういう激励の意味も込めて、問題点を織田さんが指摘をされたというふうに受けとめておりますけれども、一言でいえば、コスト競争ということですから、向こうはビルもやれば、ホテルもやれば、それから百貨店もやればということで多角経営なんです。ひところ公営企業委員会で、交通局もまんじゅうを売ったらどうだなんていう話が、笑い話でなくて真剣に、共産党の大長老の委員からこんな質問が出たことあるんですよ。
 しかし、そうはいっても、赤字路線をそう簡単に、公営企業であるがゆえに、住民の要求がある限り、そう簡単に引き払っちゃうわけにいかないという点では、民間のようなそろばん勘定ですぱっと割り切れないつらさがある。それから、コスト競争といったって、そんなに簡単に何でもかんでも下げちゃえというわけにいかないでしょう。賃金なんか下げられますか、そんな簡単に人減らしなんかできますかという問題を考えると、これは、しかし避けては通れないという事態の中で、こういうことをいっちゃ申しわけありませんが、交通事業の再構築なんていったって、恐らく今の段階では抽象的なご答弁しか返ってこないのかなというふうには思いますが、やっぱり交通局事業の再構築が迫られているということは、かなりの強烈な問題意識を持って考えてもらわぬと、交通規制と十二号線環状線、大江戸八百八町の大江戸線で買いました、銭形平次万々歳なんていっている間に、大変なことになっちゃうという心配が実はあるんですよ。
 だから、この交通局事業の再構築ということについて、地下鉄事業が新たにスタートするということも踏まえて、今の時点でどういう考えを持っているのか、率直にいってください。

○橋本総務部長 ただいま先生の方から、規制緩和並びに地下鉄開業という非常に大きな波、この中で今後の事業の再構築を進める、その方向といいますか、その辺のご示唆をいただきました。確かに、大江戸線並びにことしは三田線も延伸開業いたしますけれども、この開業によって、大きく交通ネットワークの利便性が向上する一方、バスへの事業の影響が、先ほどの委員会資料によりましても、非常に大きく、私どももバス事業への影響を懸念しているところでございます。
 しかしながら、私どもは、鉄道とバス、これが相まって東京の新しい、そして利便性の向上になるネットワークを拡充していく、こういうような道をあくまでも探っていく、そして、地下鉄とバス、都電それぞれが、有機的に事業を展開することによって、手を携えて全体が利便を向上し、お客様に乗っていただける、こういった方向を考えざるを得ないわけでございます。非常に抽象的ないい方でまことに恐縮でございますけれども、何よりもこの鉄道とバスが連携を今まで以上にとることによって再構築を考えていく、これが一方の柱でございます。
 また、それと同時に、平成十三年度からは、先ほど来質疑がございました規制緩和がございまして、これは私どもの事業展開並びにコストに、大変大きな課題を突きつけるわけでございます。これにつきましても、先ほど各部長も答弁いたしましたが、何より財政基盤を一歩ずつ確立いたしまして、また競争力を強化し、そしてお客様の安全、サービスを提供できる事業者になっていかなければいけない、こういうふうに思っているわけでございます。

○藤田委員 公共交通の公共性を持つ有意な点は、銭勘定では、おくれをとるとはいいませんが、かなり苦労するにしても、民間の発想というのは、環境とか福祉とかという発想は出てこないんです。まさにそれは、今度名前が変わるが環境局や、福祉局や高齢者施策推進室、衛生局も全部トータルでシフトできる、それを東京都という枠組みがきちっと後押しできるというのが、まさしく公共性の強みなんです。その強みの観点からすれば、ネットワークの拡充による都営交通の役割の強化という観点は、極めて重要だと思うんです。
 だから、平板に、単純に福祉と環境にシフトしちゃえなんていうふうにいおうとは思いませんけれども、しかし、さっき嶋田さんから、環境問題についての提起がありましたね。嶋田さんは台数問題で交通局を叱咤激励したけれども、やっぱり福祉と環境にシフトをするという、民間との競争において絶対に負けない、公営交通事業として公共性を持つ自治体としての公共性があるがゆえにシフトできる強みというのは大変あるだろう、そこを真剣に考えていく必要があるだろうということで、ささやかな私見ですけれども、提案をしておきたい。
 これからいうことを、余りいいますと労働組合に怒られそうなんですが、まあいいでしょう。そういうことをやっぱりいわなければだめなんだから。事業の再編ということ、あるいは交通局事業の再構築ということを考える場合に、その当否はいずれにしても、実態として、一部であるか、かなりの数になるかはともあれ、職員の職種転換や配置転換は不可避的になる。これも、言葉が過ぎるぞと怒られることを覚悟の上でいえば、それぐらいの覚悟を持って職員だって臨まなければ、この難局は乗り越えることはできないぞというふうに僕は思っているんです。
 そうすると、そのことは、職員の一人一人が将来に希望を持って安心して働けるような対処ということは、裏表であると同時に、避けられないのは、職員の意識改革ということが一つ、それから、職員団体の理解を得るための最大限の当局側の努力ということが、相またなければならぬと思うんですけれども、今、私が指摘したような観点について、どういうふうに思っていらっしゃいますか。

○橋本総務部長 地下鉄の大規模開業とバスにおける路線の再編成、そしてネットワークの再構築というのを、局内といいましょうか、交通局の組織の中で見ますと、今先生ご指摘ございましたように、私どもの職員の職種転換あるいは配置転換等がどうしても不可避でございます。
 私どもの局の事業が大きくこういうふうに転換する、この際に、一方で都民の皆様、地域の皆様と十分協議をし、ご理解を得て事業の展開を方向づけると同時に、一方、局内におきましては、一人一人の職員、将来をかけて勤務しているわけでございます。そこで、将来にも安心して、そして一生懸命働けるような、そういう職場づくりをしていかなければいけないと、先ほどの先生のお話でございまして、私どもも組合の理解を十分得ながら、円滑な職員の職種転換あるいは職場の変更等々しなければならない、こういうふうに思っているわけでございます。
 そして、先ほど来ご質問にございましたように、私どもの都営交通が、今後都民にとってなくてはならない都営交通ということからいたしますと、何よりも安心して安全とサービスを徹底させる、こういうことに職員の意識改革を一層進めまして、労使ともども万全の今後の展開を一歩ずつ進めていきたい、こういうふうに思っているわけでございます。

○藤田委員 最後に局長に聞くなんてというところが締めくくりというのも、何となく気乗りはしないんですけれども、正直な話。これから申し上げますような丸め方で抽象的に聞くのも、なお気乗りはしないんですけれども、しかし、質問というのは、やっぱり締めくくりが必要ですから、あえて聞きますけれども、今、ずっと私がお尋ねしたようなことのやりとりをきちんと踏まえた上で、その上でですけれども、将来に希望が持てる戦略的、具体的な経営構想の確立ということに丸めていえば尽きるんでしょうが、この点について局長の考えをどうぞ。

○横溝交通局長 ただいま大江戸線の買い取りをスタートといたしまして、種々ご指摘をいただきました。トータルの中でどうしても、私ども都営交通として経営しております鉄道とバスの関係が密接不可分の関係にありまして、なおかつ、それが相反するような関係にございます。それをいかに都営交通としてともに将来を見据えて、きちっとした経営をしていくかということが求められているというふうに感じております。大江戸線の開業によりまして、都営交通ネットワークが飛躍的に充実することは事実だというふうに思っております。
 また、利便性が増加するとともに、都営交通といたしましては、経費面もかかるわけですけれども、やはり環境問題にも積極的な役割を果たしていくことが交通局の使命だというふうに思っています。先ほど先生のご指摘にもありましたように、都営交通ならばこそ、今までも先導的に環境問題への取り組み、また、福祉のまちづくりへの取り組みとしまして、低公害バス、また低床バス等々の導入も図ってきたところでございます。
 このバス事業におきましても、やはり今東京都各局ともども検討しておりますTDM等にも連携いたしまして、私どもとしましても、あらゆる面でご協力もできますし、また参画していかなくちゃいけないというふうにも思っています。また、関係機関の協力も得ながら、例えば、循環バスの運行などを考えながら、バスの復権に向けた取り組みを積極的に推進していかなければならないと思っております。そして、地下鉄ともども連携しながら路線を再編し、お客様にとって、生活路線の確保に努めていくことがどうしても必要だというふうに思っています。
 一方、コスト面のことは、当然実施していくわけですけれども、逆に収入面につきましても、先ほど民バスの方ではいろんな関連事業で収入を上げているというお話もございましたけれども、私どもといたしましても、たまたま今回の都議会で提案されております屋外広告物条例の改正条例が通過いたしますと、バス車体広告で、それによりましてまた一定の収入も上げることができます。そういったことをもろもろ活用いたしながら、収入面でもさまざまな努力を図っていかなくてはならないというふうに考えております。
 公営交通事業といたしまして、求められる役割を果たしながら存続していくためには、やはり先ほどご指摘ございましたように、職員みずからが意識改革をし、そして我々がやっている事業がサービス業であるということを一人一人が自覚し、それに徹していくことが必要だと思いますし、職員一丸となって知恵を絞って生き残り、そして、勝ち残っていくために、より戦略的な経営構想、今現在持っておりますプラン’97に引き続く戦略的経営構想を確立していくために、現在、検討に着手しているところでございますので、今後ともさまざまなご支援をいただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

○藤田委員 実はこれからする質問は、しようかしまいかと思って迷ったんですが、まず横溝交通局長に、こういう質問をする非礼をおわびしておきます。
 継続は力なりという言葉がありますし、率直に申し上げまして、私は一人会派ですので、いつまで公営企業委員会にいられるかという保障もないという意味では担保を取っておくことが必要でございますので、大変恐縮ですが、同じ質問をあえて寺内次長にいたします。

○寺内次長 ただいま、ご質問に対して局長からも答弁がございました。これからの交通事業といいますのは、先ほどお話もありましたように、交通事業、バス、地下鉄あるいはあと一つ申し上げれば、軌道事業、こういった交通事業のネットワークを構築していくことがまず大切な、基本的なことであろうというふうに認識しております。もちろんそのためには、私ども都営交通事業といえども、一方では企業でございます。
 したがいまして、その基本は、コスト面のとらえ方も十分考えていかなければならないというふうには思っておりますが、一方では、これも先ほど来お話がありましたとおり、福祉面あるいは環境面、こういった両面のことももちろん考えていかなければなりませんが、やはりこれからの競争に打ち勝ちつつ、私どもの交通事業を生き残らせていくためには、コストとそれから収入面、両面からいろいろな知恵、工夫、こういったものをとらえ、そして、これを実現していくということが、まず基本的に大切なことであろうというふうに思っております。
 もちろんそのためには、藤田先生からお話がありましたとおり、単なる行き当たりのことではなく、戦略的な構想、こういったものを十分に練って、三年目指し、あるいは五年、こういった年次の実施計画といいますか、そういったことを踏まえていかなければ、実現もなかなか難しいということになろうかと思います。これから先、先ほど来ございましたけれども、新たな経営計画というものも策定していくつもりでございます。

○大山委員 本日は、十二号線の開通と乗合バスの関係を中心に、都民の移動する権利を保障するという観点で質問をしたいというふうに思っています。
 私たちの住んでいるところは、資料をいただきました、先ほどから出ている資料ですけれども、この大江戸線に並行する四番目に書いてあります秋76、五番目の宿74、そして十三番目の高71の三路線が通っているところです。一台、バスにすうっとお客さんが乗っていっても、すぐに数人はバス停に集まってくるというようなところです。次のバス停のところも、百メートルも離れていないんですけれども、そこのバス停にも必ずといっていいほどお客さんが待っているようなところです。
 都庁に来るとき、そこから西口まで乗って来るわけですけれども、バス停ごとに乗りおりするお客さんがいらっしゃるし、高齢者も乗っているし、赤ちゃんを連れたお母さんも乗っているしということでは、非常に使われている路線といえると思うんです。そんなことですから、まちの人たちにとっては、この十二号線が開通すると、これらの路線がどうなってしまうのかということが、大変心配されていることなわけです。
 いただいた資料で見ますと、並行して走るバス路線は、大江戸線で十四系統ということで、数はかなり多いんですね。競合距離を見ますと、先ほどの秋76が五キロということ、それから門33が並んで五キロ以上ということでは長い方ですが、ほかのところを見てみますと、地下鉄の駅でいうと一区間ぐらいの一キロ前後というところも結構あるということですけれども、これが状況なわけですね。
 去年の九月に、都営交通におけるネットワークのあり方という報告書を出されましたけれども、この検討委員会の報告の位置づけと、施策にどう具体化していくのかということをまず知らせてください。

○久保田経営企画室長 大江戸線の環状部が開業しますと、従来の鉄道と連携し合いまして、飛躍的に公共交通ネットワークが拡充するということを私ども考えまして、平成十年に都営交通ネットワーク及び運賃制度検討委員会というものを設けまして、その報告書が昨年九月に出たところでございます。
 その意義でございますけれども、そういった鉄道網の充実に合わせて、一つは公共交通ネットワークにおける都営交通の役割をいかにして高めていくか、それから、お客様にとって利用しやすい都営交通ネットワーク並びに運賃制度をどのように実現していくか、そのための方策等について、都民の代表の方々等十五名から成る委員会を設けて検討いただいたものを、昨年九月に取りまとめたものでございます。
 交通局では、バス路線のあり方を初め、いろいろ提言された諸施策がございますけれども、当面は大江戸線環状部の開業に合わせまして、実施できるものはできる限りそこで実施していくという考え方で、それらの具体化についていろいろ検討しているところでございます。

○大山委員 総合的に検討してもらったけれども、当面は、大江戸線環状部の開業に合わせて実施できるものは可能な限り実施するというふうなお答えでした。そうしますと、今年度と来年度のバス事業の職員定数はどうなっていますか。

○久保田経営企画室長 平成十二年度、来年度の自動車事業の職員定数は三千九百三十六名で、今年度、十一年度の職員定数四千二百五十四名に比べて、三百十八名の減となっております。

○大山委員 三百十八人の減、ことしに比べて、そんなに減っちゃうわけですけれども、約一割に近いような数ですが、この人数が減ると、事業量へはどのような影響が出るんでしょうか。

○久保田経営企画室長 平成十二年度の自動車事業の職員定数三千九百三十六名につきましては、大江戸線環状部開業等に伴う事業量の減少などいろいろ見込みまして設定したものでありまして、十二年度における自動車事業の職員数を管理するための人員数でございます。

○大山委員 いろいろ検討委員会で総合的には検討してもらったけれども、来年度の職員数は、大江戸線の環状部の開業に伴って事業量を減少するということを見込んで職員も減らしたと。結局、バス事業再編整備といっても、バス路線の縮小ということが前提であるといわざるを得ないというふうに思っています。
 どのように再編するのかということをこの間も話していましたけれども、OD調査をして、現在分析中ということですが、地下鉄とバスは役割も機能も違うということは既に確認済みのように、地下鉄が通ったからといって、その上を走るバスが不必要になるわけではないことは明らかです。
 例えば、先ほど申し上げました宿74というのは、新宿駅西口と東京女子医大を結ぶ総延長が三キロという短い路線ですけれども、そのうち二・七キロが競合しているとこの表にはあります。しかし、かなりの部分が競合しているからといって、不必要になるかといえば、そうではないというふうに思っています。例えば地下鉄では、これは二区間だけです。しかし、バス停は九つあります。そのバス停の中には、近くには区役所があり、そして文化センターがあり、さらには東口、デパートなどにつながるバス停があるということですから、住民の方は二駅分の地下鉄の方ですうっと行ってしまっても、途中が抜けてしまうということですから、日常的に使っているところばかりといえるわけです。
 平成十年度版の運輸白書というのがあるんですけれども、第三章、交通運輸のバリアフリー化に向けてという項目がありまして、本格的な高齢社会の到来を述べまして、今後高齢者数の一層の増加に伴い、公共交通を利用する高齢者は急増していくと予想されるとしています。その中でも、高齢者の外出手段でバス、電車、タクシーというふうに調査をしているんですが、七十歳から七十四歳では三〇・七%の方がバスを利用しています。七十五歳から七十九歳では三〇・一%ということになっています。電車は、七十歳から七十四歳は一六・八%、七十五歳から七十九歳は一四・九%、タクシーは一けた台というふうになっています。高齢者にとって、バスは重要な移動手段というふうにいえると思いますけれども、いかがですか。

○松尾自動車部長 バスでございますけれども、垂直移動を必要としない、高齢者を初めだれもが利用しやすい平面交通機関というふうに考えております。

○大山委員 だれもが利用しやすい平面の交通機関だということですけれども、高齢者の移動を保障するということは、今後ますます重要になってくるというふうに思っています。
 私、昨年の予算特別委員会で、武蔵野市がムーバスを導入するときの調査を紹介しましたが、これは高齢者に的を絞って、高齢者にとって何が壁になっているかということをつかむために、グループインタビューや家族も含めたアンケート、高齢者の路上行動調査もしています。この調査で、お年寄りは決して家で静かにしているという存在ではなくて、よく動くということがわかり、しかし、特に病気でなくても、大体の人がほぼ百メートル歩くと一休みするという行動様式も明らかになったわけです。
 こういう調査があったからこそ、住民の要求に合ったバスをつくることができたのではないかと思っています。平面で移動できる、バス停の間隔が狭いということは、高齢者にとっての移動する権利を保障するためにはなくてはならないものだというふうに思っています。しかもこれは、そうすることによって需要を積極的に掘り起こしたというケースではないでしょうか。
 一方、十二号線の放射部の開業で、大泉学園から新宿駅まで走っていた路線が、新江古田で途切れてしまいました。バス路線沿いの方たちが新宿に行こうと思ったら、わざわざ新江古田までバスで来て、十二号線の駅に深く潜って乗りかえなければならない。幾らエレベーターがあるとかエスカレーターがあるといっても、高齢者にとっての垂直移動は、先ほど認められたように大変なことなんですね。しかも、例えば中井の方は、バス一本で東京医大病院に通っていたんです。路線がなくなってしまって、地下鉄の駅までも遠いし、また一番近い都庁前でおりたとしても歩かなきゃいけないということで、今は結局タクシーで通っているという状況になっているんです。都としても、移動制約者の移動の権利を保障するという観点で、高齢者や障害者の行動様式に注目した調査をするべきではないかと考えますけれども、どうですか。

○松尾自動車部長 高齢者や障害者の方を含みますバス利用者の調査についてのお尋ねでございますが、私どもは五年ごとに行っております大都市交通センサスの中で実施しておりまして、この調査結果を、私ども事業にとりまして、必要に応じて参考にしてきております。

○大山委員 大都市交通センサスというのは、特に高齢者に注目してとか、障害者に的を絞ってというような調査ではないんですね。例えば、ヨーロッパだとかアメリカなどでも、三十キロから四十キロのマクロという単位と、それ以下から十キロというセミマクロでの移動制約者がどのように移動するかというパーソントリップ調査などが行われています。どの程度不快な移動が強いられているのか、また、移動できないかなどの実態を把握すること、これがやられているということなんですね。都という自治体だからこそできることであり、やらなければならないことだというふうに思っています。交通局だけでできないというんでしたら、他局と相談をして、専門家も含めたプロジェクトチームなどもつくって、本気で取り組んでほしいというふうに思っています。
 今年度、多摩都市モノレールが開通しましたけれども、それと並行して走っている立川バスがあります。このバス路線をどうするかということは、モノレールが開通してから、それ以後OD調査をして、現在分析中だということなんですね。どうしてそうしたんですかと担当の課長さんに尋ねましたら、並行して走るから、すぐにどうこうというようなことではなくて、様子を見てから判断したいんだというふうにおっしゃっていました。
 都バスという自治体が行っている公共交通だからこそ、路線の見直しは開通と同時に行うというんじゃなくて、せめて十二号線が開通しても、しばらくは様子を見たり、調査をして、それから検討するということにするべきだと思うんですけれども、どうですか。

○松尾自動車部長 私どもといたしましては、大江戸線環状部の開業によりまして、バス利用のお客様が地下鉄へ移乗されまして、バス路線が大きな影響を受けるというふうに考えております。したがいまして、実施時期でございますけれども、地下鉄の開業時が適切と考えております。

○大山委員 民間のバス事業者でさえも、開通して様子を見て、それから調査をして判断しようという観点を持っているわけです。十二号線の放射部の開通のときもそうだったんですけれども、バス路線を廃止にしたときでさえ、十日前ぐらいにバス停にお知らせが出ただけなんですね。利用者の方の意見だとか都民の皆さんの意見というのは、全く聞く耳がないんじゃないかというふうにいわれても仕方がない状況だったんです。
 例えば、バスを利用する方が多い老人クラブだとか、町会などの集まりを通してでも、今からでも遅くないわけですから、せめて住民の皆さんの声を聞くというようなこともできないんでしょうか。

○松尾自動車部長 バス路線の再編整備が地元の方々等々に大きな影響を与えることは十分承知しております。そういうことで関係区とも協議しながら理解を得ますとともに、地元の方々や利用者のご理解も得ながら、実施してまいりたいと考えております。

○大山委員 利用者のご理解を得ながら実施していくというときは、大体押しつけているときなんですよね。関係区との協議というふうにおっしゃっていますけれども、例えば新宿区などは区長からも、区議会からも、十二号線が開通したとしても、路線については存続してほしいという意見書が上がっているはずなんですね。ですから、今後のバスのあり方も含めて、押しつけにならないようにきちんと協議してほしいですし、それから住民の皆さんの、利用者の皆さんの意見もきちんと聞いてほしいというふうに要望しておきます。
 先ほどのネットワークのあり方の報告書ですけれども、九ぺージですが、走行上の優先権をバスに確実に与えるという考え方を関係行政機関の協力により確立することが必要であるというふうに書かれています。これは大変重要なことだというふうに思っているんですが、バスの専用レーンと優先レーンがあるというふうに聞いていますが、それぞれの役割をお願いします。

○松尾自動車部長 まず、バスの専用レーンでございますけれども、これは路線バス及び指定車両のみが専用できるレーンでございます。また、優先レーンでございますが、これはバスが後方から接近してきた場合、一般車はレーンの外に出なければならないとされておりまして、バスが優先走行できるレーンでございます。いずれもバスにとりましては、定時運行に効果があるものでございます。

○大山委員 定時運行を確保するということは大切なわけで、先ほどの報告書の中にも、二八ぺージに、都バス利用をしない理由ということで、時間がかかるとかダイヤどおりに来ないということに比較的多い回答を寄せられているわけですから、きちんとダイヤどおりに来ることが、バス利用をふやす大変重要な要素の一つだというふうに思っています。
 時間がかからないで目的地に着けたり、ラッシュ時でもバスがすいすい走れるということは、利用者もふやすということだと思うんですが、バス専用レーンの距離の五年間の推移をお知らせください。

○松尾自動車部長 平成七年度におきますバス専用レーンのキロでございますが、百三十五・五二キロメートル、優先レーンは七十二・四一キロメートルでございました。平成九年度におきまして、優先レーンが臨海部で十キロメートル増加いたしましたこともありまして、平成十一年度現在におきまして、バス専用レーンは百三十五・五二キロメートル、これは変わっておりませんが、優先レーンは八十二・四一キロメートルとなっております。

○大山委員 バスの専用レーンというのが比較的いいというか、バスが専用に通れるわけで、これをふやすということが重要なわけですけれども、平成七年度も百三十五・五二キロ、十一年度も百三十五・五二キロということでふえていないんですね。どうしてこれ、ふえていないんでしょうか。

○松尾自動車部長 私ども事業者といたしまして、先ほど申し上げましたように、バスの定時運行に非常に効果があるということで、機会あるごとにお願いをしてきているところでございます。けれども、バスレーンの設置に一定の条件がございます。例えば、片側の二車線以上の広い道路であること、あるいは所定のバス運行回数が多い道路、そういったものが一つの条件になっておりまして、そういったことが加味された中で、関係当局で判断をいただいているということでございます。

○大山委員 TDMとの関連もありますし、それから公共交通に人が移乗していくということは、自動車の総量を減らすということでも、今の東京都の方針とも大変合致することだというふうに思っています。これは都としても、全庁的な取り組みをしてもらった方がいいと思うんですけれども、どうでしょうか。

○松尾自動車部長 先ほども申し上げましたけれども、バスの定時運行に効果があることでございます。今後とも、私ども事業者といたしまして、最大限レーンの拡大につきまして、関係機関に要請していきたい、このように考えております。

○大山委員 積極的にふやしていってほしいというふうに思っています。
 もう一つ、CNG車のことを質疑しようと思っていたんですけれども、嶋田委員が先ほども質疑されましたので、質疑はしませんけれども、大気汚染の問題がこれだけ大きな問題になって、健康にも非常に深刻な影響があるということでは、大気汚染の窒素酸化物と浮遊粒子状物資に問題があるということは、この間の公害訴訟の結果でも、とりわけ尼崎の訴訟では、浮遊粒子状物資の基準、非常に高い基準ですけれども、差しとめを認めるというふうにいわれて、しかも、DEPはディーゼル車からしか出ないわけですから、ディーゼル車自体を減らしていくということでは、CNG車が非常に有効だと思っています。でも、このふやせない理由の中にバス事業の縮小ということがネックになっているということでは、これは縮小というか、ふやしていってもらわなければいけないというふうに思っています。
 既存のディーゼル車についても、DPFをつけるということ自体、研究を続けてきたこと自体は評価しますけれども、一番健康に被害がある微小のPM二・五とか二・〇とかといわれているものは捕捉できないということもありますし、硫黄分を下げていく、それはヨーロッパやアメリカではずっと低い硫黄分の基準なわけですから、技術的にできないということはないはずです。
 関係機関にもきちんと働きかけていっていただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。

○大木田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大木田委員長 異議なしと認め、本案及び報告に対する質疑は終了いたしました。
 以上で交通局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時十一分散会

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