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Tokyo Metropolitan Assembly

令和三年東京都議会会議録第十八号

令和三年十月五日(火曜日)
 出席議員 百二十五名
一番北口つよし君
二番かまた悦子君
三番石島 秀起君
四番吉住はるお君
五番森澤 恭子君
六番松田りゅうすけ君
八番上田 令子君
九番漢人あきこ君
十番岩永やす代君
十一番成清梨沙子君
十二番おじま紘平君
十三番もり  愛君
十四番関口健太郎君
十五番清水とし子君
十六番玉川ひでとし君
十七番竹平ちはる君
十八番かつまたさとし君
十九番たかく則男君
二十番鈴木  純君
二十一番土屋 みわ君
二十二番平田みつよし君
二十三番西山  賢君
二十四番星  大輔君
二十五番磯山  亮君
二十六番龍円あいり君
二十七番あかねがくぼかよ子君
二十八番保坂まさひろ君
二十九番米川大二郎君
三十一番中田たかし君
三十二番斉藤 りえ君
三十三番アオヤギ有希子君
三十四番原  純子君
三十五番福手ゆう子君
三十六番古城まさお君
三十七番慶野 信一君
三十八番細田いさむ君
三十九番うすい浩一君
四十番浜中のりかた君
四十一番本橋たくみ君
四十二番渋谷のぶゆき君
四十三番林あきひろ君
四十四番伊藤しょうこう君
四十五番田村 利光君
四十六番菅野 弘一君
四十七番白戸 太朗君
四十八番たきぐち学君
四十九番田の上いくこ君
五十番関野たかなり君
五十一番後藤 なみ君
五十二番五十嵐えり君
五十三番西崎つばさ君
五十四番須山たかし君
五十五番原 のり子君
五十六番斉藤まりこ君
五十七番藤田りょうこ君
五十八番原田あきら君
五十九番小林 健二君
六十番加藤 雅之君
六十一番斉藤やすひろ君
六十二番大松あきら君
六十三番伊藤こういち君
六十四番川松真一朗君
六十五番清水 孝治君
六十六番三宅 正彦君
六十七番やまだ加奈子君
六十八番早坂 義弘君
六十九番山加 朱美君
七十番菅原 直志君
七十一番平けいしょう君
七十二番内山 真吾君
七十三番森口つかさ君
七十四番福島りえこ君
七十五番藤井あきら君
七十六番風間ゆたか君
七十七番竹井ようこ君
七十八番阿部祐美子君
七十九番曽根はじめ君
八十番とくとめ道信君
八十一番池川 友一君
八十二番米倉 春奈君
八十三番まつば多美子君
八十四番中山 信行君
八十五番谷村 孝彦君
八十六番長橋 桂一君
八十七番鈴木あきまさ君
八十八番こいそ 明君
八十九番鈴木 錦治君
九十番ほっち易隆君
九十一番松田 康将君
九十二番山崎 一輝君
九十三番森村 隆行君
九十四番村松 一希君
九十五番入江のぶこ君
九十六番桐山ひとみ君
九十七番本橋ひろたか君
九十八番石川 良一君
九十九番宮瀬 英治君
百番藤井とものり君
百一番山口  拓君
百二番とや英津子君
百三番尾崎あや子君
百四番里吉 ゆみ君
百五番あぜ上三和子君
百六番小磯 善彦君
百七番高倉 良生君
百八番東村 邦浩君
百九番中嶋 義雄君
百十番宇田川聡史君
百十一番柴崎 幹男君
百十二番小松 大祐君
百十三番小宮あんり君
百十四番三宅しげき君
百十五番高島なおき君
百十六番山田ひろし君
百十七番伊藤 ゆう君
百十八番荒木ちはる君
百十九番小山くにひこ君
百二十番増子ひろき君
百二十一番尾崎 大介君
百二十二番酒井 大史君
百二十三番西沢けいた君
百二十四番中村ひろし君
百二十五番白石たみお君
百二十六番大山とも子君
百二十七番和泉なおみ君

 欠席議員 二名
七番  木下ふみこ君
三十番 清水やすこ君

 出席説明員
知事小池百合子君
副知事多羅尾光睦君
副知事梶原  洋君
副知事武市  敬君
副知事宮坂  学君
教育長藤田 裕司君
東京都技監都市整備局長兼務上野 雄一君
政策企画局長中嶋 正宏君
総務局長黒沼  靖君
財務局長潮田  勉君
警視総監大石 吉彦君
政策企画局国際金融都市戦略担当局長児玉英一郎君
デジタルサービス局長寺崎 久明君
主税局長砥出 欣典君
生活文化局長野間 達也君
オリンピック・パラリンピック準備局長中村 倫治君
環境局長栗岡 祥一君
福祉保健局長吉村 憲彦君
福祉保健局健康危機管理担当局長初宿 和夫君
産業労働局長村松 明典君
消防総監清水 洋文君
建設局長中島 高志君
港湾局長古谷ひろみ君
会計管理局長堤  雅史君
交通局長内藤  淳君
水道局長浜 佳葉子君
下水道局長神山  守君
都民安全推進本部長國枝 治男君
住宅政策本部長榎本 雅人君
病院経営本部長西山 智之君
中央卸売市場長河内  豊君
選挙管理委員会事務局長桃原慎一郎君
人事委員会事務局長武市 玲子君
監査事務局長岡安 雅人君
労働委員会事務局長鈴木  勝君
収用委員会事務局長後藤 啓志君

十月五日議事日程第四号
第一 第百五十八号議案
令和三年度東京都一般会計補正予算(第十五号)
第二 第百五十九号議案
令和三年度東京都病院会計補正予算(第三号)
第三 第百六十号議案
東京都地方独立行政法人評価委員会条例の一部を改正する条例
第四 第百六十一号議案
職員の服務の宣誓に関する条例の一部を改正する条例
第五 第百六十二号議案
東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第六 第百六十三号議案
東京都情報公開条例の一部を改正する条例
第七 第百六十四号議案
東京都個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例
第八 第百六十五号議案
東京都特定個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例
第九 第百六十六号議案
東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
第十 第百六十七号議案
東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
第十一 第百六十八号議案
東京都雨水貯留浸透施設及び保全調整池の標識の設置の基準に関する条例の一部を改正する条例
第十二 第百六十九号議案
東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例の一部を改正する条例
第十三 第百七十号議案
都道における移動等円滑化の基準に関する条例の一部を改正する条例
第十四 第百七十一号議案
東京都公共下水道及び流域下水道の構造並びに終末処理場の維持管理の基準に関する条例の一部を改正する条例
第十五 第百七十二号議案
東京都公安委員会委員の服務の宣誓に関する条例の一部を改正する条例
第十六 第百七十三号議案
警視庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第十七 第百七十四号議案
東京都高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に係る信号機等の基準に関する条例の一部を改正する条例
第十八 第百七十五号議案
東京都水上安全条例の一部を改正する条例
第十九 第百七十六号議案
公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例
第二十 第百七十七号議案
東京消防庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第二十一 第百七十八号議案
東京都しごとセンター(三)改修工事請負契約
第二十二 第百七十九号議案
東京消防庁本所消防署緑出張所庁舎(仮称)(三)改築工事請負契約
第二十三 第百八十号議案
東京消防庁福生消防署庁舎(三)改築工事請負契約
第二十四 第百八十一号議案
都立南多摩地区特別支援学校(仮称)(三)新築工事請負契約
第二十五 第百八十二号議案
東京アクアティクスセンター(三)改修工事その二請負契約
第二十六 第百八十三号議案
都営住宅三H─一〇二西(村山)工事請負契約
第二十七 第百八十四号議案
都営住宅三H─一二〇東(江戸川区西瑞江四丁目第四)工事請負契約
第二十八 第百八十五号議案
都営住宅三H─一〇三東(板橋区板橋富士見町)工事請負契約
第二十九 第百八十六号議案
都営住宅三H─一二七東(江東区亀戸七丁目)工事その二請負契約
第三十 第百八十七号議案
東京都しごとセンター(三)改修電気設備工事請負契約
第三十一 第百八十八号議案
東京都しごとセンター(三)改修空調設備工事請負契約
第三十二 第百八十九号議案
中川護岸耐震補強工事(その五十)請負契約
第三十三 第百九十号議案
新中川護岸耐震補強工事(その十二)請負契約
第三十四 第百九十一号議案
備蓄用抗インフルエンザウイルス薬の売払いについて
第三十五 第百九十二号議案
地方独立行政法人東京都立病院機構定款について
第三十六 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和三年度東京都一般会計補正予算(第十三号)の報告及び承認について
第三十七 令和二年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
第三十八 令和二年度東京都公営企業各会計決算の認定について
議事日程第四号追加の一
第一 第百九十四号議案
令和三年度東京都一般会計補正予算(第十六号)

   午後一時開議
○議長(三宅しげき君) これより本日の会議を開きます。

○議長(三宅しげき君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(三宅しげき君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

○議事部長(広瀬健二君) 令和三年十月五日付で、知事より、本定例会に提出するため、議案一件の送付がありました。
(別冊参照)

○議長(三宅しげき君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 知事より、第百九十四号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十六号)が提出されました。
 これを本日の日程に追加いたします。

○議長(三宅しげき君) これより質問に入ります。
 百十三番小宮あんりさん
〔百十三番小宮あんり君登壇〕

○百十三番(小宮あんり君) 質問に入る前に、東京都名誉都民さいとう・たかを氏のご逝去に際し、故人の多大なご功績に敬意を表するとともに、ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
 令和三年第三回定例会に当たり、東京都議会自由民主党を代表して質問します。
 昨日、成長と分配による新しい日本型資本主義を掲げる岸田新内閣が発足しました。岸田新総理は、国民の声を丁寧に聞く中で、ゼロにはできないコロナへの対策として、臨時の医療施設の備えや自宅療養者を地域の医師に積極的につなぐなど、実態を踏まえた医療体制の整備を推進するとしています。
 また、自粛により不利益や影響を受けている国民に対して、十分な経済対策を今後数十兆円規模で実施するとしています。
 本日、都においても、国に合わせて、急遽十月分の月次支援金が提案をされたところです。
 コロナの終息や経済回復の行方が見えず、日々の生活や将来に対する都民の不安が広がる中、今後、国において策定される経済対策に対して、都も連携をし、低所得者から、また中間層を支えていくことが重要です。知事の見解を伺います。
 昨日、東京の新型コロナ感染者は十一か月ぶりに百人を切りました。都民の皆さんの様々な理解と協力に改めて感謝するとともに、私たちは気を許すことなく、次への備えを進めていかなければなりません。
 去る八月、知事は初めて厚労大臣と連名で、都内の全医療機関に対して、感染症法十六条の二第一項に基づき、都内一万四千の病院や診療所、また医師や看護師の養成機関に対して、病床確保や人材の派遣を要請しました。
 この要請に対して、病床確保にはかなり限界があるということがうかがえる中、第六波に備えて臨時の医療施設の確保を進めておくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 人材派遣の要請に応えた医療人材を、今後の第六波に備えて、病床運営やワクチン接種、酸素・医療提供ステーションや在宅医療、相談業務など、役割分担をし、限られた人材を効果的に活用する仕組みの検討が欠かせません。今回の協力要請の結果を最大限生かすべきと考えますが、今後の都の取組を伺います。
 また、第五波の大きな課題となった自宅療養者への対応として、基本的な往診体制の強化と併せて、自宅療養する妊産婦への支援や、往診を夜間帯に受けた方が速やかに処方薬の交付を受けられるなど、自宅療養者への医療支援体制を整備すべきと考えます。
 あわせて、自宅療養者への都の配食サービスについて、昨年、都と災害協定を結んだ栄養士会からは、長期にわたる療養期間の中で、療養者にふさわしい内容を検討すべきという指摘もあります。外出できず、困難な状態の療養者に対してきめ細かな配慮が必要と考えますが、都の見解を伺います。
 多摩地区におきましては、都の保健所と市町村との間で、患者情報の共有が課題となっていました。さきの新型コロナウイルス感染症対策特別委員会での我が会派の質問に対し、自宅療養者の情報を市町村に早急に共有していくとの答弁がありました。
 この市町村への情報提供の進捗状況について伺うとともに、地域での支援を充実させるため、現在、自宅療養者に限定している情報について対象の拡充も含め検討すべきと考えます。見解を伺います。
 提供された情報を活用し、自宅療養者に対する的確で迅速な支援がなされるよう、市町村とのさらなる連携を図るよう求めておきます。
 現在、国は、コロナワクチンの三回目接種の実施に向けて、対象者や実施時期等を検討しており、現在のところ、二回目接種が終了しておおむね八か月以上経過した方を対象に、同じワクチンによる追加接種を行うという方向性を示しています。
 都内においては、これまで医療従事者への接種をはじめ、高齢者や基礎疾患を有する方、六十四歳以下の住民接種のほか、モデルナ社ワクチンを活用した国や都の大規模接種会場での接種、民間企業等による職域接種など、様々な方法でワクチン接種が進められてきました。
 今後、三回目接種を円滑に実施していくために、都は、区市町村と連携して、医療従事者や高齢者などの接種を進めていくとともに、一、二回目接種をモデルナ社ワクチンで受けられた方への対応、これは、規模的にも、またファイザー中心の区市町村の住民接種では対応できないですから、都が大規模接種会場を設置して対応する必要があると考えます。見解を伺います。
 また、国の令和三年九月十日付通知によれば、今冬のインフルエンザワクチンの供給量は昨年を下回り、供給ペースも昨年より遅くなるとされています。昨年、インフルエンザは流行しなかったとはいえ、今なお続くコロナ禍の中で、高齢者の方からはやはり接種をしておいた方がいいのかといった不安の声も届いております。引き続き都としてインフルエンザ対策にも取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 今回、都立、公社病院の独立行政法人化に向けて定款が示されました。これまで都立、公社病院は、感染症医療や災害医療など、民間だけでは担うことが厳しい行政的医療を提供し、都民の命と健康を守ってきました。現下のコロナ禍においても、率先した患者の受入れなど、大きな役割を果たしています。
 もともと都立、公社病院の独法化は、人、物、予算の面で、今よりもより柔軟な運営が一体的にできるよう検討されてきたものですが、このコロナ禍で経営形態を変えるということについて心配する都民の声もあります。
 災害など緊急の事態に当たっては、知事の求めに応じて、その業務を実施することが定款にも明記されましたが、コロナ禍の今この時期にあえて独法化を進める、その意義について伺います。
 コロナ禍の長期化は、多くの都民生活に多大なる影響を与え続けています。中小零細企業は大変厳しい経営状況に苦しみ、サービス業を中心とした業種を中心に、解雇や雇い止めが続き、離職を余儀なくされた方々は、再就職もままならず、生活に困窮しています。一刻も早くコロナが終息に向かい、経済の再生、回復に向けて力を尽くしてまいりますが、目の前の現状を乗り越えるためには、都が積極的に雇用支援を行う必要があります。
 東京の経済を支える中小、小規模事業者の発展のためには、多様な人材ニーズに応えられる人材の確保が不可欠であり、雇用側への支援も重要です。雇用支援を加速させる必要があると考えますが、都の見解を伺います。
 また、緊急事態が発生したときに、企業が損害を最小限に抑えるのが、事業の継続や復旧を図るための事業継続計画、BCPです。
 従来は、地震や風水害といった自然災害への対応を主としてきましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、自然災害のみならず、企業へのあらゆる脅威に対応するための計画策定が求められ、改めてBCPの重要さが認識されています。
 災害や感染症以外にも個々のニーズに見合ったBCPの策定支援、BCPに実効性を持たせるための実行支援を行うためには、一層の支援の充実強化を図る必要があります。都の見解を伺います。
 コロナ対策の長期化に伴い、今まさに正念場にある都財政には、この先も多くの対処すべき課題が待ち受けています。
 コロナ対策だけでなく、首都直下地震や風水害など災害への備え、高齢者や子育て施策の充実強化、身近な行政サービスを預かる区市町村への支援など、都政の重要課題に対する積極的な施策展開も必要不可欠です。
 税収動向が不透明な中、こうした財政需要への対応と健全財政の両立を図るためには、前例にとらわれることなく、効果的に財源確保を進めるべきです。優先順位の低いものや成果の乏しい事業、しっかりと見直すことが、こうしたことにおいて必要であります。
 当面は厳しい財政運営が続く中、山積する都政の課題に対応するため、今後どう具体的に取り組んでいくのか、都の見解を伺います。
 次に、東京オリンピック・パラリンピック大会について伺います。
 この東京二〇二〇大会では、コロナ禍という困難な状況にもかかわらず、世界中から感染対策への協力と理解を得て、アスリートが集まり、多くの感動を与えてくれました。
 知事は、昨年九月の第三回定例会で、人類が一丸となって見えざる敵に打ちかち、スポーツを通じて絆をさらに強め、人々に希望と自信を与える極めて意義の高い大会であり、大会後のレガシーも見据えながら、安全・安心な大会の実現に向けて着実に準備を進めるとおっしゃっておられました。
 コロナ禍で大会を開催できたことへの所見と、今後どのようなレガシーにつなげていくのか、知事の見解を伺います。
 また、大会経費については、一年の延期やコロナ対策への対応を反映し、大会経費V5を昨年末に公表していますが、その後、無観客開催など、様々な状況の変化がありました。これらを踏まえ、最終的な大会経費をどのように整理していくのか伺います。
 平成二十八年から全ての小中高等学校や特別支援学校において実施してきたオリ・パラ教育の中には、子供たちに身につけてもらいたい資質や能力の一つとして、スポーツ志向があります。
 心と体を大きく育てるスポーツの力や魅力を、今回、二〇二〇大会で国内外の多くのアスリートの姿を見て、再認識しました。大会後も、オリ・パラ教育を継続し、開催都市のレガシーとして、子供たちがスポーツの意義や価値について学べるよう取り組むべきと考えます。都の見解を伺います。
 パラリンピックも連日様々な競技が放映され、注目が集まりました。体を目いっぱいに使い、動きに工夫を凝らして、自らの可能性の限界に挑むパラリンピアンの活躍は、それを見た方々に感動を与えました。大会を通じて、パラスポーツの認知度や理解も進みましたが、大会後もパラアスリートの育成や練習できる環境の整備など、支援が不可欠です。
 障害者がそれぞれの個性に応じてパラスポーツに挑戦し、アスリートを目指せるよう、選手や競技団体を支援すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 また、都はこれまで、パラリンピックを契機に、障害者が身近な地域でスポーツに親しめる環境整備に取り組んできました。その成果もあって、障害者のスポーツ実施率も、コロナ禍の影響を受ける前までは上昇の兆しを見せています。
 しかし、場の整備と同時に重要なのは、障害者と健常者がスポーツを共に楽しむことでお互いの理解が深まるということです。それこそが、パラリンピックのレガシーであり、共生社会の実現に向けた一歩だと考えます。
 そこで、身近な地域で障害者がスポーツに取り組めるよう環境を整備するとともに、障害者と健常者がパラスポーツを通じて交流する機会を提供するなど、場の充実に取り組む必要があると考えますが、都の取組について伺います。
 また、今大会では、多くの日本人選手の活躍とともに、新競技も注目を集めました。例えば、スケートボードでは、堀米雄斗選手、西矢椛選手、四十住さくら選手の金メダルをはじめ、五人がメダリストとなり、若者を中心にアーバンスポーツへの関心が高まっています。
 東京大会のスケートボード施設は仮設で設置されたものでしたが、新競技への期待と盛り上がりを将来につなげていくため、競技施設が集積する有明レガシーエリアにおいて、今後も活用すべきと考えます。都の見解を伺います。
 都は、二〇二〇大会をビジネスチャンスに結びつけるため、ロンドン大会において有効だったポータルサイトの東京版として、ビジネスチャンス・ナビを新設し、東京のみならず全国の中小企業の取引機会の拡大を支援する取組を始めました。
 新たなビジネスマッチングが行われ、一定の成果を得ることはできましたが、大会終了後も一層の拡大を図り、多くの中小企業の販路拡大、マッチングによる成果を生むために、さらなる取組の強化が必要と考えますが、都の見解を伺います。
 東京二〇二〇大会は、知事も以前から発言されているとおり、スポーツだけでなく、文化の祭典でもあると私たちも認識をしています。
 東京都では、二〇二〇大会へ向けて、平成二十八年からの事業として、東京文化プログラムを展開し、東京、日本の多彩で奥深い芸術文化の魅力を国内外に発信してきました。
 東京二〇二〇大会は、残念ながらコロナ禍での開催となり、Tokyo Tokyo FESTIVALも、大会期間中に予定されていた様々な文化プログラムの中止や縮小を余儀なくされましたが、その中でもどのように東京の文化を発信できたかが重要だと考えます。二〇二〇大会へ向けた文化プログラムの成果と課題をどのように捉えているのか、そして、今後どう生かして文化政策を進めていくのか、都の所見を伺います。
 次に、災害対策について伺います。
 近年、東京をはじめ、広く被害が発生した令和元年東日本台風や、本年七月に九州南部などを襲った記録的な豪雨により、全国各地で大規模な水害が発生しています。
 都は、三月に策定した未来の東京戦略において、環状七号線地下広域調節池の延伸に関する検討を位置づけましたが、気候変動による台風の大型化や、近年、全国各地に被害を及ぼしている線状降水帯などへの対応も見据えた検討を進めていくことが重要です。
 そこで、環状七号線地下広域調節池の延伸について伺います。
 また、災害による電柱倒壊や断線により、避難や救急活動への支障、停電や通信障害が生じており、無電柱化による防災機能の強化が必要です。
 都は、無電柱化について、防災上重要な歩道幅員が二・五メートル以上の第一次緊急輸送道路の整備を推進していますが、一方で、地域の中で防災上重要な道路であっても、幅員の狭い都道では無電柱化が進んでいません。こうした道路においても無電柱化を進めるべきと考えますが、都の見解を伺います。
 知事がさきの所信表明で触れたとおり、近年、気候変動の影響により、風水害が頻発化、激甚化しており、都内でも東部低地帯における大規模風水害がいつ発生してもおかしくなく、行政区域を越える避難、いわゆる広域避難の取組が急がれます。
 こうした中、都は先月、国立青少年教育振興機構と広域避難先の提供に関する協定を締結しました。約七十四万人と想定される広域避難者に対し、まだまだ対策が足りないのは間違いありませんが、今後、実際の避難先を想定して、関係区と具体的な議論ができるという意味においては、ようやく一歩前進したといえます。
 一方で、高齢者、障害者等の要支援者など、避難に支援が必要な方にも配慮した避難手段の確保や避難情報の伝達方法などについて、タイムライン、時系列に整理した防災計画に沿った具体的な検討が行われていなければ、いざというときに円滑な避難はできません。
 この広域避難は、複数の区に関わる課題であるため、広域自治体である東京都が中心となって検討を行い、あらかじめ実効性を確保しておくことが極めて重要です。東部低地帯における大規模風水害の発生を見据え、都が先導して、広域避難体制を構築すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 同時に、地下鉄の浸水対策も大きな課題です。あらかじめ、浸水被害を想定し、ハード面、ソフト面の備えを具体的に講じるため、私たち都議会自民党の提言を受け、整備計画を策定すると仄聞しており、都市としての防災力を高めていくことが期待されます。
 万一被災した場合には、早期に都市機能を回復させる上で、人々の移動を支える地下鉄の早期復旧は重要な課題です。都営地下鉄の浸水対策にどのように取り組むのか、所見を伺います。
 また、災害に強いまちは、こうした行政が支援するハード整備だけでなく、民間の力を生かすことが必要です。地域に密着した消防団は、地域防災力の要として、極めて重要な役割を担ってくれています。全国的に消防団員の成り手が少なく、どの消防団も定員割れとなるなど、危機的な状況にあります。
 消防団員の成り手を増やすためには、社会環境の変化に合わせ、若い方や働く方でも消防団に参加しやすいものとする必要があります。
 また先般、総務省消防庁の消防団員の処遇等に関する検討会では、消防団員の災害時の報酬について、処遇改善に関する方針も示されました。消防庁の今後の対応について見解を伺います。
 また、今、国も進めている行政のデジタル化は、いざというときに備えるための災害対策等にも活用すべきと考えます。
 都が構築を目指しているデジタルツインによって、これまでの平面の地図上だけでなく、三次元空間の中で、まちや経済活動、人の流れを捉えることにより、災害に強い都市整備や、地下埋設物の維持更新の迅速化も図れるなど、都政の効率化、高度化を可能にするものと期待されますが、こうした取組が都民生活にどう活用されるのか、分かりやすく伝えることが重要です。
 いわゆるデジタルツインの実現に向けた現在の取組と今後の方向性について、宮坂副知事の見解を伺います。
 また、デジタル化が進む中で、都民や行政の重要なデータを守る整備も欠かせません。
 二〇一二年ロンドン大会において、大規模のサイバー関連事案が発生したことを受け、警視庁は、二〇二〇大会におけるサイバー攻撃に対応するために、取組の強化を行ってきました。
 二〇二〇大会期間中には目立ったサイバー関連事案は発生しなかったと聞いておりますが、新たな犯罪が危惧されています。現在までのサイバー関連事案の発生状況と、今後ますます増加のおそれがあるサイバー関連事案に対して、警視庁はどのように対応していくのか伺います。
 次に、環境先進都市を目指す東京の取組について伺います。
 国は、二〇五〇年の地球温暖化対策のための脱炭素社会実現に向け、エネルギー基本計画案を取りまとめました。この中で、二〇三〇年までの温室効果ガスの削減目標とともに、部門別の削減目標や施策による削減量の積み上げが、併せて公表されています。
 都も、二〇五〇年の脱炭素社会実現を目指し、二〇三〇年の温室効果ガス五〇%削減を掲げていますが、国と違い、具体的にどのような施策により、どの程度の削減を行って、目標を達成するのか、その道筋が明らかになっていません。
 知事は、本定例会の所信表明の中で、新築建築物への太陽光発電設備の導入義務化を検討することを表明しました。
 今後、都民、事業者に協力を求めるのであれば、早急に対策の全体像を明らかにした上で、施策の必要性や効果について分かりやすく説明し、理解を得た上で取組を推進していかなければなりません。見解を伺います。
 都は、一昨年度から、省エネ性能の高い家電等への買換え支援を行っていますが、この事業で対象となるエアコンは、対象外のものと比べて価格が二倍近くする、そもそも高額の商品で、広く都民に行き渡るものとなっていません。実際この二年間の実績は、都内約七百三十万世帯中約七万五千件にとどまっています。
 都が行う環境施策、とりわけ助成制度などは、様々な都民に広く届きやすいものであるべきと考えますが、都の認識を伺います。
 また、都内の産業、業務部門のCO2排出量の約六割が中小、小規模事業所によるものですが、脱炭素社会実現のためには、これらの事業所による省エネの取組の強化が重要です。長引くコロナ禍によって、中小企業等は厳しい経営環境下に置かれており、対策を行う意思があっても、資金的な余力が乏しく、古くて環境性能の低い設備を使い続けざるを得ない状況があります。
 さらに、感染防止対策として事業所での換気の確保が必要になるなど、事業を継続するための新たな対応が必要になってきています。
 そこで、コロナ禍で打撃を受けた中小企業が積極的に省エネ対策を実行していくための支援が必要と考えますが、都の見解を伺います。
 令和三年六月二十八日、千葉県八街市において、下校中の児童にトラックが衝突し、五人が死傷する痛ましい事故が発生し、現在、学校や道路管理者、交通管理者が連携して、全国において合同点検が行われています。
 これまでも、平成二十四年に京都の亀岡市、令和元年五月には滋賀大津市での事故により、児童や園児の尊い命が失われました。
 そうした中、我が会派は繰り返し、子供たちの安全を確保するための取組を強く要望してきました。
 警視庁は関係機関と連携して、通学路における合同点検を実施し、今後、子供らの安全のために様々な道路交通環境整備を進めていくべきと考えますが、警視庁の安全対策について警視総監に伺います。
 また、令和元年の第二回定例会の我が会派の代表質問で、歩行者の安全がしっかりと確保できる強度の防護柵への取替えを進めるべきと提案したことに対して、事故のおそれのある箇所などにおいて強度の高い防護柵への交換等を着実に行っていくと答弁がありました。
 そこで、子供を含めた歩行者の安全を確保するための防護柵の交換状況について伺います。
 また、視覚に障害がある方にとって、音響式信号機の整備は重要ですが、夜間や早朝など、地域住民の理解が必要なことから、誘導音が停止されている時間帯があり、早朝出勤中の視覚障害者が事故に遭い、亡くなられるといった痛ましい事故がありました。
 コロナ禍の外出自粛や時差出勤で、障害者に配慮するべき周囲の人の流れや状況も変化しています。
 警視庁では、こうした交通弱者への対策を今後どのように講じていくのか、見解を伺います。
 また、東京は世界で初めて二回目の夏季パラリンピック大会を開催した都市として、今後さらにバリアフリーのまちづくりを進めていかなければなりません。そのためには、ハードからソフトまで、多岐にわたる分野での施策の実施が必要です。
 ホームからの転落防止など、デジタルの力も活用しながら、バリアフリーを促進し、障害者だけでなく、高齢者やベビーカーを押す子育て中の方など、支援が必要な方々が地域で安心して暮らせる環境整備が重要であると考えますが、知事の見解を伺います。
 本年六月の都議会第二回定例会において、パートナーシップ制度の導入の請願を趣旨採択しました。多様な価値観を受け入れる共生社会の実現という理念は重要であり、我が会派もその実現を目指し取り組んでいます。
 都は、さきの定例会において、同性パートナーシップ制度の検討を進めるとの答弁を行いましたが、制度の在り方については、都民や当事者においても考え方が多岐にわたっている実態があります。
 都は、制度の検討に当たって、当事者への調査や有識者へのヒアリングをできるだけ早く実施した上で、検討を深めていくことが必要ですが、都の見解を伺います。
 都立高校では、来年度から、保護者購入方式による生徒一人一台端末の教育環境を整備するために、全世帯を対象に保護者負担の軽減策も実施するとのことが、先日の知事所信表明で示されました。
 都内在住の高校生のうち、六割が私立高校に通学しておりまして、喫緊の課題であるデジタル教育環境整備については、公私間の格差なく進めていく必要があります。
 私立高校においても生徒一人一台端末の環境整備が進むよう、都として支援していくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 我が会派では、特別支援学校PTAの皆さんと意見交換を続けていますが、近年、特にICT教育に対する期待の声は根強く、これまでにも着実な推進を強く要望してきたところです。
 先日の知事所信表明でも、特別支援教育の充実、推進の方針を知事自らが示されました。
 特別支援学校に通う児童生徒へのデジタル化対応は幾つかのハードルが存在します。例えば、全盲の生徒には、点字ディスプレーが必要となるなど、それぞれの障害特性に応じた附属機器が必要となりますが、いずれの機器も高額です。ところが、子供の介助が必要な家庭では共働きが難しく、経済的にも負担が大きいのが現状です。
 知事の目指す、誰一人取り残さない教育の展開には、こうした生徒、家庭にこそ経済的な支援が必要と考えますが、知事の見解を伺います。
 さて、全国高等学校総合文化祭は、文化部のインターハイともいわれ、演劇や吹奏楽などの文化部活動の発表を行う大会であり、来年七月、初めて東京都を開催地として、第四十六回目の大会が行われる予定です。コロナ禍の中にあり、高校生の部活動や学校行事が制限されている状況にありますが、東京大会ならではの特徴ある大会を期待するところです。
 そこで、令和四年度開催の全国高等学校総合文化祭東京大会に向けて、コロナ禍においても開催に向けた準備を着実に進めるべきと考えますが、都教育委員会の取組について伺います。
 東京の経済活動を支えているのは、都内の中小企業です。
 一昨年に改正された担い手三法が位置づけた基本的な責務の一つが、災害時の緊急対応強化であり、災害対応の担い手の育成、確保も基本理念としてうたわれています。
 いざ災害が発生した際に迅速に対応が可能なのは、いうまでもなく、地元を熟知した中小の事業者であり、都も発注者として地域の事業者を確保、育成する責務を負っています。
 中小事業者の育成のために発注者としての東京都がなすべきことは、受注機会の確保であり、具体的には分離分割発注やJV結成による技術力の向上、でき得る限り優先的に都内業者を活用する取組です。
 公共調達を通じて都内中小事業者をさらに支援するために、入札契約制度からも確保、育成の取組を図るべきと考えます。都の見解を伺います。
 令和元年の品確法改正において、設計等委託についても公共工事同様、ダンピング受注の防止措置を講ずることが発注者の責務として位置づけられました。
 都では、我が会派からの要請を受け、印刷請負契約において最低制限価格制度を導入し、試行から、はや六年目を迎えています。また、設計、測量、地質調査といった委託契約においても、昨年、最低制限価格制度の試行が開始されました。
 制度の導入は、いうまでもなく業務の品質確保やダンピング防止に資することであり、試行にとどまることなく、本格実施に向けた検討を行うべきときが来ていると考えます。
 本格実施に当たっては、試行によって都が積み上げてきた実績を丁寧に検証した上で、改正すべき点は改正するとともに、受注者からの意見も踏まえて改正に反映すべきと考えます。今後の取組について伺います。
 さて、今年三月、障害者の法定雇用率が二・二%から二・三%へ引き上げられ、障害者を雇用しなければならない対象企業の範囲が広がりました。
 東京の障害者雇用率は全国最下位であり、法定雇用率を達成している大企業と違い、中小企業には障害者雇用のためのサポートが不可欠です。障害のある方が担う仕事は業種によっても異なるため、各業界の実態を踏まえて、都として絞り込んだ効果的な支援策が求められます。
 中小企業における障害者雇用のさらなる促進に向けた見解を伺います。
 平成十三年の創設以来、二十年が経過した認証保育所は、大都市東京の課題であった待機児童対策の先駆けとしてその役割を担ってきましたが、近年、認可保育園を中心に多様な保育サービスの整備が進む中で、認証保育所に求められる保育ニーズが変化しています。
 認証保育所事業者が、今後も都民のニーズに合ったサービスを提供できるよう、制度の見直しが必要と考えますが、都の見解を伺います。
 また、保育園の先、小学生の放課後の居場所づくりが、地域社会の中でますます必要な時代となりました。都は、学童クラブ事業をはじめとして、放課後の子供の居場所づくりのため様々な取組を行っていますが、地域によっては、学童クラブで待機児が発生しているなど、十分とはいえません。
 放課後、子供を地域で孤立化させないためにも、安全で安心して過ごせる環境をさらに確保していくことが重要です。都の見解を伺います。
 また、障害のある子供の居場所である放課後等デイサービスは、事業者が急激に増加する中、支援の質に問題がある事業者が指摘され、国は報酬の見直しを行いましたが、それによって質の確保に努めているにもかかわらず、大幅な減収といった影響の出ている事業者からの切実な声が届いています。その求めに応じて、都は報酬改定後の実態把握を行っていますが、今後どのように対応するのか伺います。
 子供や障害者を守り、支援するだけでなく、これからの超高齢社会をどう支えていくのか、区市町村への支援だけでなく、国の介護保険制度だけでなく、都として担わなければならない課題に集中しなければなりません。
 東京の高齢者数は三百万人を超え、今後も増加する中で、介護サービスを支える人材を確保するため、対策の充実を図るべきと考えます。知事の見解を伺います。
 東京は、我が国経済の中心であり、世界に冠たる国際金融都市の地位を取り戻すため、国や民間等と連携しながら、金融の活性化に向けた取組を推進してきました。
 都が力を注いできた海外金融系企業の誘致に向けては、ビジネスや生活環境の整備が欠かせないことから、我が会派はこれまで、税制や規制の権限を有する国との連携の重要性を訴えてきたところです。
 また、少子高齢化による潜在成長率の低下という構造的な課題に加え、コロナで大きなダメージを受けた経済をいかに回復させていくか、東京の新たな成長戦略をどう描いていくのかが問われており、成長分野に資金を円滑に供給する金融の果たすべき役割は大きいと考えます。
 国際金融都市の実現に向け、都は、七月に構想の改訂案を公表しましたが、今回の改訂案で何を目指し、その実現のためにどのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。
 高機能で安全な都市づくりを進め、東京の活力を向上させていくには、人と物が円滑、活発に行き交うための鉄道の機能強化が重要です。
 これまで、我が会派の働きかけにより設置された国と東京都の実務者協議会の中でも、首都圏鉄道網の拡充は最重要のテーマの一つとして、課題解決に向けた積極的な協議がなされてきました。
 加えて、我が会派は、東京都と国のかけ橋として、国の様々な機関と独自に協議を進めてきたところです。
 そのような中、本年七月にまとめられた国の交通政策審議会の答申では、地下鉄新線の事業化に向けて、乗り越えるべき課題について、その解決の方向性が踏み込んで示されました。これらのことは、まさにこれまでの国との協議の成果にほかなりません。
 この答申で、事業化に向けた道筋が示された地下鉄八号線の延伸及び品川地下鉄については、この機を逃さず、事業化に向けた取組を早急に進めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 また、国の審議会からは、併せてメトロ株の売却についても答申されました。
 答申では、完全売却が法律で規定されているメトロ株について、地下鉄八号線の延伸や品川地下鉄の整備を確実なものとする観点から、段階的に売却をしていくべきという新たな方針が示されました。その観点からも、都と国が保有するメトロ株の売却は、地下鉄ネットワークの拡充と両輪で、国と連携しながら対応していくことが必要と考えます。
 都が保有するメトロ株の取扱いについて、今後どのように対応するのか知事の見解を伺います。
 東京港は、国内トップクラスの外貿コンテナ航路数を誇る国際貿易港であり、首都圏四千万人の生活と産業を支えています。
 現在、世界の海運市場においては、コンテナ船が大型化し、国際航路の再編が進むなど、海上物流を取り巻く状況が変化しつつあり、東京港もこうした世界の潮流から取り残されるわけにはいきません。
 現在の東京港における課題は、諸外国の港に比べてバックヤードが狭小であり、ふ頭内の荷役作業が非効率であることや、車両の集中によりふ頭付近の道路が混雑していることなどが挙げられます。
 こうした状況を踏まえ、都では、昨年より長期構想を検討中と聞いておりますが、我が会派が重ねて主張してきたように、新たなふ頭整備も含めた抜本的、戦略的なふ頭の再編により、東京港全体の機能強化を行っていくべきと考えます。都の見解を伺います。
 二〇〇九年、国連環境計画、UNEPがブルーカーボンの報告書を発表し、CO2吸収源としての海の可能性を提示しました。
 アマモなどの海草、ワカメなどの海藻、植物プランクトンなど、海の生物によって海中に取り込まれる炭素を、陸上のグリーンカーボンに対しブルーカーボンと呼んでいますが、ブルーカーボンによって年間総排出量の約〇・五%を吸収、隔離できるとのIPCC、気候変動に関する政府間パネルの報告にもあったように、海に囲まれた我が国においては大きな役割が期待できると考えます。
 既に横浜市においては、ブルーカーボンを対象としたクレジット認証制度を立ち上げ、福岡市においては、オフセット制度がスタートしています。
 東京湾のみならず、多くの離島を有する東京都においても、新たな吸収源であるブルーカーボンの重要性を認識し、今後は取組の推進を検討すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 都議会自民党は、多摩地域の発展は東京の発展に欠かせないものと考え、これまで、現場に根差した政策提言を行い、多摩地域の振興に長く取り組んできました。
 こうした中、都においては、様々な施策や事業を進めてきましたが、人口減少や少子高齢化の進展、道路交通インフラのさらなる充実など、引き続き対応が求められる地域の課題は、いまだ多く残されています。
 さらに、令和元年東日本台風など自然災害の激甚化や、デジタルシフトの加速によるデジタルデバイドへの対策、そして何よりも現下のコロナ禍への対応など、解決が困難な新たな課題も相次いでおり、多摩地域を取り巻く環境は厳しさを増しています。
 こうした状況を踏まえ、魅力ある多摩地域を創り上げるために、今まで以上に現場に寄り添い、様々な事業を推進していくべきです。
 今般、新しい多摩の振興プランが策定されたところですが、今後の多摩振興に向けた知事の基本姿勢について伺います。
 プランは策定して終わりではなく、プランの内容を現場の声を聞きながら着実に実施し、そして実現することが極めて重要です。
 本プランで掲げられている安全・安心な暮らしを守るまちや道路交通ネットワークの充実等の施策は、多摩地域の市町村にとって、いずれも優先順位が高いものであり、その確実な実現が期待されています。
 コロナ禍という厳しい現実があるものの、様々な手だてを講じつつ、各局が連携して進めていくべきです。
 そこで、都は、本プランを実現するため、どのように取組を進めていくのか伺います。
 国においては、総選挙の日程が決まりました。どういう結果であっても、コロナ対策や災害対策、子育て支援や高齢社会を支える介護人材の確保など、都は引き続き国との連携や協調をもって、様々な課題を解決していかなければなりません。
 都議会自民党は、常に都民のために、そうした視点に立って全力で働いてまいることを最後にお誓い申し上げ、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 答弁に先立ちまして、一言弔意を申し上げます。
 九月二十四日、名誉都民であるさいとう・たかをさんが逝去されました。ここに謹んで追悼の意を表し、心よりご冥福をお祈りいたします。
 小宮あんり議員の代表質問にお答えをいたします。
 低所得層から中間層への支援についてのお尋ねがございました。
 東京の活力の源泉は、一人一人の人であることは論をまちません。年齢や性別、障害の有無などにかかわらず、誰もが自分らしく生き生きと活躍できる社会こそ、私が目指す人が輝く東京の姿であります。
 こうした考えの下、私はこれまで、人に焦点を当てた政策に力を注いでまいりました。
 現下のコロナ禍におきましても、様々な不安を抱える方に寄り添って、その生活を支えるため、セーフティーネットの強化充実を進めております。
 そして今、喫緊の課題であるコロナ対策につきまして、量と質の両面から盤石な備えを固めていくとともに、人々が希望を持って生活を営むことができますよう、経済の立て直しを進め、サステーナブルリカバリーを実現していかなければなりません。
 岸田新総理には、都民、国民生活の向上を図り、東京、そして我が国のさらなる活性化につなげるため、スピード感のある政策展開を期待いたしております。
 国とも緊密な連携を図りながら、人に寄り添い、誰もが幸せを実感して暮らすことができる東京を創り上げるべく、全力で取り組んでまいります。
 次に、独法化を進める意義についてでございます。
 現在、都立、公社病院は、コロナ患者に医療を提供するため、重点医療機関化や専用医療施設の開設などによって、都内の感染状況に合わせ、確保病床を二千床まで順次拡大をし、十四病院が連携しながら、患者の受入れに率先して取り組んでいるところでございます。
 一方、地方公務員法など現行制度の下では、兼業や給与設定等に制約があり、迅速、柔軟な人材の確保、活用や、地域医療機関等への人材の派遣などにおきまして、課題が改めて明らかになったところです。
 独法化は、こうした現在の制度を改革し、人、物、予算の面から柔軟な病院運営を可能とするための取組であり、今後、コロナ感染症への対応や新たな感染症の発生に備えるために、感染症医療提供体制を一層強化することを目指しております。
 具体的に申し上げますと、独法化により、病院現場のニーズに合った柔軟な勤務制度や、より働きがいのある人事給与制度等を構築いたしまして、人材の迅速、柔軟な確保、活用が実現できる。また、十四病院のスケールメリットをさらに生かして、人材等の医療資源を集約化することで法人全体の対応能力を高め、より効果的な医療の展開が可能となります。
 感染症をはじめとする行政的医療の提供は、都民のセーフティーネットである。この都立病院の使命を果たすため、独法化の準備を着実に進め、都民の安全・安心、これを医療から支えてまいります。
 東京二〇二〇大会についてのご質問がございました。
 史上初の一年延期、そしてコロナ禍という状況の中で、安全・安心な大会を実現するため、国、組織委員会と一体となって水際対策、入国後の移動、行動管理、健康管理など、感染防止対策を徹底いたしました。
 こうした取組の結果、大会関係者の陽性率は、空港検疫、スクリーニング検査とも当初の想定を下回りまして、訪日大会関係者の都内の入院数につきましては、ピーク時で二人と低く抑えられたところであります。専門家からも大会は安全に行われた、対策がうまく機能したとの評価をいただいております。
 また、都民の皆様には、テレワークやステイホームの呼びかけに協力をいただいて、交通量や人流の減少、抑制を図りました。
 なお、感染状況の動向を示す指標であります実効再生産数でありますが、厚生労働省のアドバイザリーボードによりますと、推定感染日ベースで、七月二十一日をピークに下落傾向に転じまして、九月九日には〇・六三まで減少いたしました。
 こうした様々な対策の下で、世界中から多くのアスリートにお越しをいただいて、コロナによって分断された世界をスポーツの力で一つにして、世界中の人々に勇気と感動を届けることができました。
 このように大会を安全に開催できましたことは、関係者全てのご協力のたまものであり、感謝申し上げます。
 今後、大会における感染防止対策の様々な取組を、コロナ禍における社会経済活動のレガシーとして発展させてまいります。
 大会経費についてでありますが、大会の開催に当たりましては、組織委員会、国、東京都の三者は、平成二十九年五月の大枠の合意による役割分担に基づいて連携協力して大会準備を進めてまいりました。
 大会の延期後も、延期に伴う追加経費や新型コロナウイルス感染症対策が必要となる中、それぞれの役割を果たしながら、一体となって取り組んでまいりました。
 一方で、コロナの影響によって、オリンピックとパラリンピックにおける観客は大部分が無観客となり、これに伴うチケット収入の減収が見込まれております。現在、組織委員会におきまして収入及び支出の両面における精査を進めているところであって、今後とも、都民、国民の理解が得られるよう取り組んでまいります。
 次に、広域避難体制の構築についてのご質問であります。
 本年七月の熱海の土砂災害や八月の西日本を中心とした浸水被害など、全国各地で毎年のように大規模な風水害が発生しております。
 東京の東部低地帯におきまして、このような大規模風水害が発生した場合、約七十四万人に及ぶ都民の広域避難が必要とされておりまして、広域避難体制の構築は喫緊の課題でございます。
 こうした認識の下、都は先月、国立のオリンピックセンターを広域避難先として活用する協定を締結いたしました。
 今後、都立施設の活用はもとより、国や民間施設のさらなる避難先の確保に加えまして、避難先への移動手段や誘導、施設運営の方法等につきまして具体的な検討を進めてまいります。
 この検討結果等を踏まえまして、今年度末までにガイドラインとして取りまとめ、その後の都と関係区それぞれの広域避難計画の策定につなげてまいります。
 こうした取組を通じまして、都が避難先確保に向けた主体的な役割を果たすとともに、計画策定に係ります総合調整機能を積極的に発揮し、実効性ある広域避難体制を構築してまいります。
 次に、バリアフリー環境の整備についてのお尋ねであります。
 東京二〇二〇大会が成功に終わり、今後、都政はその成果を都市のレガシーとして発展させていかなければなりません。中でも、我々の社会に色濃く残る数々のバリアを取り除き、障害者をはじめ、誰もが不自由を感じることなく生活できる環境を東京全体に定着させていく必要があります。
 未来の東京戦略では、ダイバーシティ・共生社会戦略を掲げておりまして、バリアフリー推進のプロジェクトに取り組んでおります。
 具体的には、これまで競技会場周辺などを中心に進めてまいりました道路の段差解消や勾配改善、主要駅でのホームドアやエレベーター設置などの取組を、区市町村とも連携しながら都内各地に広げてまいります。
 さらに、DXの力も活用いたしまして、様々な障害特性に配慮した情報バリアフリーや遠隔ロボットによる障害者の社会参画など、ソフト面の取組も進めまして、成熟都市にふさわしい環境を整えてまいります。
 ハード、ソフト両面から様々な施策を展開することで、優しさと思いやりにあふれた東京を創り上げてまいります。
 次に、私立高校における一人一台端末の整備についてのお尋ねに関しましてでございます。
 ソサエティー五・〇時代に生きる子供たちは、ICTを活用し、膨大な情報から何が重要か判断する力、自ら問いを立てて課題解決を目指す力、他者と協働して新たな価値を創造する力などを身につけていく必要がございます。
 そのためには、双方向での学習や多面的、多角的な考察を行う学習が可能となるデジタル教育環境の確保が大変重要でありまして、公私の区別なく、私立高校においても、一人一台端末の整備を推進していく必要がございます。
 私立高校は、学校ごとの教育方針に基づいて、これまでも様々な手法で教育環境の整備に取り組んでこられました。生徒の端末整備につきましても、学校がまとめて整備する方法や保護者が学校の指定する端末を購入する方法など、各学校によって異なっております。
 このため、各学校の整備方法に応じまして、保護者の負担軽減にも配慮しながら、生徒一人一台端末の整備が確実に進みますよう、具体的な手法について検討を進めてまいります。
 特別支援学校でのデジタルを活用した教育についてであります。
 障害のある子供たちが、デジタルを存分に活用して学習していくためには、タブレット等の端末と併せ、学習上の困難さを軽減する支援機器を効果的に組み合わせて活用することが有効でございます。
 特別支援学校の小学部、中学部におきましては、昨年度、一人一台の学習用端末を学校に配備するとともに、音声読み上げソフトや視線による入力を可能とする支援機器等の整備を行いました。
 学校では、体の動きに制約がある子供がタブレット端末の描画アプリを活用して絵画を創作することや、視覚に障害のある子供が、音声読み上げソフトを活用して、入力した文字を音声で確認しながら文章を作成するなどのデジタルを活用した学びの実践が始まっています。
 今後、高等部におきまして、障害の特性に合わせた生徒所有の一人一台端末に加えまして、支援機器等を整備してまいります。こうした機器の整備に当たりましては、保護者負担の在り方を検討してまいります。
 特別支援学校のデジタル環境を一層充実させて、子供たちの能力や可能性を伸ばして、私が目指しております、誰一人取り残さず、全ての子供が自ら伸び、育つ教育を実現してまいります。
 次に、介護人材対策であります。
 世界に類を見ない急速なスピードで高齢化が進んでいる我が国におきましては、介護ニーズが今後も一層増大し、令和七年には、都内で約三万一千人の介護人材の不足が見込まれております。高齢者が住み慣れた地域で、必要なサービスを利用しながら安心して暮らし続けられるためには、介護サービスの担い手の確保が重要な課題であります。
 都は、職場体験や資格取得支援のほか、介護職員の宿舎の借上げや奨学金返済相当額の手当支給に取り組む事業者への支援など、様々な施策に取り組んでおります。
 本年三月に策定いたしました第八期高齢者保健福祉計画におきましても、介護人材対策の推進を重点分野の一つに位置づけております。そして、介護現場の業務改革や働きやすい職場の環境づくり、地域の実情に応じました支援の拡充など、計画に盛り込みました新たな視点も踏まえながら、総合的に施策を推進してまいります。
 国際金融都市東京構想についてでございます。
 世界では、脱炭素化とデジタル化の新たな潮流が生まれていて、経済、金融の世界にも大きなインパクトが及んでおります。
 今回の構想改定におきましては、こうしたグリーンとデジタルを基軸としたグローバルな変化を踏まえた上で、金融の活性化を通じましてイノベーションや産業構造の変革を促す、そして東京の持続的成長につなげていくことを目指しております。
 具体的には、地域金融機関と連携しまして、中小企業の脱炭素化を後押しするグリーンファイナンスを推進するとともに、都民の利便性向上に資する革新的なサービスを提供するフィンテック企業の育成に取り組んでまいります。
 また、国との緊密な連携を図りながら、金融系外国企業の誘致における重要な課題でありますビジネスや生活環境の整備を進めてまいります。
 構想の推進に当たりましては、今回新たに都内GDPの押し上げ効果などの意欲的な数値目標を設定いたしまして、事業効果を検証しながら、さらなる施策の展開を図ってまいります。
 新たな構想を基に、激しく変化する世界の情勢に的確に対応して、実効性の高い取組を強力に進めることで、国際金融都市をめぐる競争を勝ち抜き、東京のさらなる成長につなげてまいります。
 次に、地下鉄八号線及び品川地下鉄についてのお尋ねでございます。
 東京の地下鉄ネットワークは、中枢広域拠点におきまして首都機能や経済活動を支える重要な基盤であり、国際的な都市間競争を勝ち抜き、持続可能な東京を実現するためには、そのさらなる充実が不可欠であります。
 実現に向けましては、国や東京メトロをはじめ、多くの関係者の協力が必要でございますが、皆様の働きかけもあって、その第一弾となる地下鉄八号線の延伸及び品川地下鉄につきましては、このたび事業化に向けた課題の解決が図られたところであります。
 今後、関係者との協議、調整をさらに加速し、早期の事業化を図り、地下鉄ネットワークのさらなる充実に向けて取り組んでまいります。
 次に、メトロ株の取扱いについてですが、東京の地下鉄は、都心部を中心に高密なネットワークを形成して、都民をはじめとする利用者の快適で自由自在な移動を可能とすることで、東京の発展や都民生活を支える重要な交通インフラであります。東京メトロはその一翼を担っています。
 本年七月、国の審議会から、東京メトロが果たすべき役割を踏まえまして、国と都は、その保有する株式を段階的に売却していくべきと答申されました。
 この答申を踏まえまして、地下鉄ネットワークのさらなる充実や利用者サービスの向上を図る観点から、保有割合を都と国で二分の一まで売却するよう準備していくことを国と合意いたしました。
 メトロ株の取扱いにつきましては、今後、新線整備の進捗状況等を踏まえながら、国と連携して売却の準備を進めてまいります。
 次に、海域でのCO2の吸収などについてのお尋ねであります。
 二〇五〇年のCO2排出実質ゼロの実現に向け、省エネルギー対策、再生可能エネルギーの基幹エネルギー化を通じて、排出量を最小化した上で、なお残る部分につきましては、植林などによる森林吸収や革新的技術開発などによって相殺していく必要がございます。
 海洋生態系に取り込まれた炭素、いわゆるブルーカーボンにつきましては、現在、国が定める算定方法におきまして、その温室効果ガスの排出、吸収量が一部を除き確定していないものの、クレジット取引の試行など、トライアルですね、様々な検討が行われていると認識をしております。
 都は、島しょ部を含め広い海域を有しております。沿岸部の藻場などは、そこに生息、生育する水生生物による水質浄化作用に加えまして、CO2の新たな吸収源としての可能性を秘めております。
 今後、都は、生物多様性保全の観点から、東京の海洋生態系にとりまして良好な水環境の創出に貢献していくとともに、国による吸収源対策としてのブルーカーボン活用の試行や算定方法についての検討を注視してまいります。
 次に、今後の多摩振興でございますが、多摩地域は、東京の人口の三分の一に相当する四百万人もの人口を擁しています。緑豊かな自然に恵まれ、企業や大学が集積するなど、多面的な魅力、そしてポテンシャルに満ちた、東京の持続的な発展に欠かせないエリアでございます。
 一方で、人口減少、少子高齢化への対応をはじめ、道路、交通インフラの整備、防災対策、産業振興など、地域ごとに様々な課題を抱えております。
 さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大は、多摩地域にも社会経済活動の制限など、大きな影響を与えております。
 こうしたコロナ禍の下におきましても、新しい働き方や暮らし方、デジタル化の進展など、社会の新たな動きも生まれており、このような社会の変化、変革を的確に捉え、多摩地域が一層発展するチャンスにしていく必要がございます。
 今般策定いたしました新しい多摩の振興プランでは、サテライトオフィスの充実や先端技術を活用したイノベーションの創出など、多摩地域だからこそ輝く取組を戦略的に掲げました。
 さらに、多摩南北方向の道路や多摩都市モノレールなどの交通インフラの充実、豪雨災害から地域の暮らしを守る防災力の強化など、地域それぞれの課題に応じた取組を推進してまいります。
 私は、知事就任以来、多摩三十市町村長と毎年意見交換を行うなど、地域の実情のきめ細かな把握に努めてまいりました。
 今後も市町村の意見をしっかりと受け止め、一つ一つの課題に丁寧に向き合い、にぎわいと活力に満ちあふれた、よりよい多摩を市町村の皆様方と共に創り上げてまいります。
 その他のご質問につきましては、副知事、警視総監、教育長及び関係局長からの答弁といたします。
〔副知事宮坂学君登壇〕

○副知事(宮坂学君) デジタルツイン活用の取組についてお答えします。
 現実空間で収集したデータを仮想空間に3Dで再現し、様々な分析、シミュレーションが可能となるデジタルツインは、英国やシンガポールなど、世界の先進都市で都市計画や交通政策などの分野への活用が進んでいます。一方、国内でも、さきの熱海の土砂災害において、3D地図データの有効性が改めて注目されたところです。
 都におきましても、本年六月、有識者による検討会を新たに設置し、活用が特に期待される防災をはじめ、まちづくりなど九つの分野で、目指すべき姿等の議論を開始しております。検討会には、民間事業者など延べ七百名を超える方々にオンラインでご参加いただくなど、大きな関心が寄せられています。
 今後、特定エリアにおいて、災害時の安全な避難経路を3Dで案内する実証や、地下埋設物の維持管理業務のスマート化に向けた検証を行い、技術的、法的課題を整理するとともに、これらの検証結果を踏まえ、庁内データの連携方法や運用ルール等を定めたロードマップの初版を年度内に策定いたします。さらに、策定後も、区市町村や民間事業者などと連携を図り、改定を重ねてまいります。
 また、都民の皆様の理解を促進するため、各局のデータを重ね合わせ、3Dビューアーで実際に見て体感できるサイトを立ち上げました。今後も掲載するデータを拡充するなど、より一層のサイトの充実を図り、都民の皆様に向け、分かりやすく情報発信してまいります。
 こうした取組を通じて、国が3D都市モデルとして整備しているプラトーとも連携しながら、二〇三〇年までにデジタルツインを構築し、東京を世界で最も便利で生活満足度の高い都市へと進化させてまいります。
〔警視総監大石吉彦君登壇〕

○警視総監(大石吉彦君) 三点のご質問にお答えいたします。
 初めに、サイバー空間の情勢と脅威への対策でございます。
 まず、先般終了いたしました二〇二〇大会におきましては、各種対策を推進したところ、期間中、大会運営に影響を及ぼすサイバー攻撃は確認されませんでした。
 次に、令和三年上半期におけるサイバー空間の脅威情勢につきましては、ランサムウエアによる被害件数が増加しただけでなく、その手口も巧妙化が認められました。データの暗号化と窃取がなされた上、当該データの復旧と非公開を口実に身の代金を要求される、いわゆる二重恐喝事案が確認されるなど、サイバー空間における脅威は極めて深刻な情勢であるというふうに認識をしております。
 このような情勢を受け、警視庁では、サイバー関連事案に対処するための人的、物的基盤の強化を図り、積極的な事件化を図るとともに、中小企業者に対する実践型セミナーの開催やスマートフォンの利用に不慣れな高齢者への注意喚起など、最新の脅威情勢を反映した各種対策を推進しております。
 今後もサイバー空間における安全・安心の確保に向けた諸対策に取り組んでまいります。
 次に、通学路における合同点検を踏まえた安全対策についてであります。
 警視庁においては、交通安全対策に関する関係閣僚会議決定を受け、現在、関係機関と連携しながら合同点検を実施した上で、対策が必要な箇所を抽出しているところであります。
 警視庁といたしましては、通学路の安全を確保するためには、関係機関と連携した道路交通環境の整備を進めることが重要と考えております。必要箇所に対する横断歩道や道路標識等の設置を実施可能なものから速やかに進めることとしております。
 また、こうした取組に加え、速度違反取締りなどの交通街頭活動や歩行者の安全確保に資する交通安全教育をより一層推進するなど、今後とも通学路等における交通安全の確保に向けた取組を推進してまいります。
 最後に、視覚に障害を有する方に対する交通安全を確保するための対策についてであります。
 議員ご指摘のとおり、警視庁では、視覚に障害を有する方の歩行を支援するため、音響式信号機の整備を推進しているところでありますが、音響式は、夜間や早朝に誘導音を鳴らすことに対して、地域住民の理解を得ながら整備していく必要があります。
 このため、誘導音を鳴らすことが困難な時間帯に、音声で歩行者用信号の状態をお知らせするタッチ式スイッチの整備を順次進めております。
 また、歩行者用信号の状態をスマートフォンを通じてお知らせする高度化PICSが開発されたところでありまして、現在、都内二か所において試験運用を行い、利用される方のご意見を伺っているところであります。
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、オリ・パラ教育の今後の展開についてでございますが、本教育では、スポーツ志向を育成すべき資質の一つとし、スポーツ体験を通じて子供たちがフェアプレーの精神を学び、体力向上などに自ら取り組む態度を養い、心身ともに健全な人間へと成長することを目指しております。
 各学校では、アスリートを招聘して競技体験や交流活動をしたり、体育の授業や運動会等の学校行事において、オリ・パラの競技種目を実体験したりするなど、子供たちが東京二〇二〇大会を身近に感じ、スポーツに親しむことができるよう、様々な取組を行ってきております。
 今後、こうした取組を各学校がレガシーとして継続できるよう、都教育委員会は、先導的な取組を表彰するとともに、全公立学校に対して普及啓発し、学校でのスポーツに関する多様な体験や活動の充実を図ってまいります。
 次に、全国高等学校総合文化祭東京大会についてでございますが、本大会は、全国の高校生が一堂に会し、日頃の文化部活動の成果を発表する国内最大の芸術文化の祭典でございます。また、開催地の高校生自らが企画、運営を担うことに特色があり、相互交流を深める貴重な機会でもございます。
 現在、大会運営に意欲を持つ都内国公私立学校の生徒七百三十三名が中心となり、コロナ禍にあってもリモートによる会議を重ね、来年の開催に向けた活発な議論を行っております。
 具体的には、開会式での発表内容のほか、海外の高校生との交流会や特別支援学校と高等学校の生徒との合同演奏、展示会等の実施について協議をしているところでございます。
 都教育委員会は、生徒の主体的な活動を支援し、これからの共生社会に必要な協働性や創造性等の資質を育むとともに、大会成功に向けて着実に準備を進めてまいります。
〔福祉保健局長吉村憲彦君登壇〕

○福祉保健局長(吉村憲彦君) 九点のご質問にお答えいたします。
 まず、臨時の医療施設についてでございますが、病床の確保だけでなく、感染状況を踏まえ、患者の症状等に応じたきめ細かな医療を提供できる体制を構築することが重要でございます。
 具体的には、酸素・医療提供ステーションについては、感染が抑えられている間は救急搬送に対応しつつ、抗体カクテル療法を積極的に実施するとともに、再拡大時には療養者の急変時対応や軽症者の経過観察など、医療機関を補完する施設として活用してまいります。
 また、様々な症状の患者に対応するための機能等を勘案し、病床の空床や既存施設などを活用した臨時の医療施設等の整備へ向け調整を進めております。
 引き続き、必要な施設を整備し、第六波を見据えた即応体制を構築してまいります。
 次に、医療人材の確保についてでございますが、本年八月、全国で初めて国との連名による感染症法第十六条の二第一項に基づく協力要請を実施した結果、多くの医療機関及び医師、看護師養成機関から、医師、看護師の派遣やワクチン接種等への協力の意向が示されました。
 都は現在、病床運営、ワクチン接種、相談業務などの目的に応じて、人材を速やかに派遣するため、あらかじめ医療人材を登録し、従事につなげる仕組みを検討しております。
 この実施に向け、医療機関や医師会、看護協会、区市町村などの関係機関と意見交換を進めており、今後の感染拡大に備え、総力戦で臨む体制を構築してまいります。
 次に、自宅療養者への支援についてでございますが、都は、本年四月から東京都医師会等と連携した往診等を実施しており、八月からは東京都訪問看護ステーション協会とも連携するなど、医療支援を強化しております。
 また、先月から多摩地域で開始したオンライン診療を、今後、都内全域での実施に向け調整していくとともに、平日夜間及び土曜、休日に調剤等を行う薬局に対し、配送に係る経費を新たに支援いたします。
 さらに、自宅療養中の妊産婦に対し、東京都助産師会と連携し、地域の助産師による健康観察を実施してまいります。加えて、自宅療養者に配送している食料品を、体調などに応じて食材の組合せと味付けを簡単にアレンジできるレシピの作成等を東京都栄養士会の協力を得ながら進めております。
 これらの取組により、安心して療養できる環境を整備してまいります。
 次に、市町村への自宅療養者の情報提供についてでございますが、自宅療養者にきめ細かな支援を行うには、地域に密着した支援が可能な市町村と連携して取り組んでいくことが重要でございます。
 都は先月から、急増した自宅療養者への支援を強化するため、都保健所管内で申請のあった十三自治体に情報提供を開始いたしました。個人情報保護に留意する観点から、市町村の利用目的を明確にした上で、必要な範囲で情報提供しております。
 今後、市町村と協定締結に向け協議を進めていくほか、療養中の方の家族へのサポートなど、地域の実情に応じた多様な支援が可能となるよう、情報提供の対象範囲の拡大について、情報公開・個人情報保護審議会の意見を聴きながら検討してまいります。
 次に、三回目のワクチン接種についてでございますが、国は、本年十二月の開始に向け、区市町村は住所地で接種できるよう体制を確保し、都道府県は区市町村を支援しながら進捗管理を行うとの分担案を示しております。
 医療従事者等は、都内に大学病院等が集積することなどにより、住所地以外で接種する方が多数存在するなどの課題があるため、区市町村と協働して接種を推進する体制の構築を念頭に、具体的な役割分担や実施方法等について、区市町村と調整してまいります。
 また、都内の企業などで二回接種する都民は約百五十万人と見込んでおり、こうした方々の三回目の接種機会を確保することは重要な課題であるため、国の動向を踏まえ、職域接種の継続を要望するとともに、都の大規模接種会場での実施についても併せて検討してまいります。
 次に、インフルエンザ対策についてでございますが、インフルエンザの予防には、基本的な感染予防策の徹底とともに、ワクチン接種を受けることも重要でございます。
 インフルエンザワクチンの供給量は、昨年比で二割程度下回るものの、例年並みの量は確保される見込みであり、都は、罹患した場合に重症化するリスクが高い高齢者などには、「広報東京都」やホームページ等を通じ、積極的な呼びかけを行っていきます。
 また、新型コロナウイルス感染症が疑われる場合も含め、発熱した患者が速やかに医療機関を受診できるよう、公表の同意を得た診療・検査医療機関のリストを公開しており、東京都医師会と連携し、掲載する医療機関をさらに増やすなど、円滑に受診できる環境を整備してまいります。
 次に、認証保育所についてでございますが、都は、事業者の創意工夫を生かし、大都市特有の保育ニーズに的確に対応するため、ゼロ歳児保育と十三時間開所を義務づけた認証保育所を平成十三年度に創設いたしました。
 その後、子ども・子育て支援新制度の開始に伴う小規模保育や居宅訪問型保育の導入、認可保育所の充実など、保育サービスは多様化しております。
 また、育児休業制度が充実してきたほか、テレワークや短時間勤務の導入により働き方が変化するなど、子供と家庭を取り巻く状況も変容しております。
 こうした都民の保育ニーズも変化している中で、制度の見直しを検討し、今後も認証保育所がニーズに対応したサービスを提供できるよう取り組んでまいります。
 次に、子供の放課後の居場所づくりについてでございますが、都は、子供が放課後に安全・安心に過ごせるよう、保護者が働いている子供の遊びや生活の場である学童クラブ、学習やスポーツなどを行う放課後子供教室、地域における活動拠点の一つである児童館等を整備する区市町村を支援しております。
 また、民間団体等と連携して、学習支援や食事の提供、保護者からの相談対応を一体的に行う場を整備する取組等も支援しております。
 現在、都内では、民間団体による居場所づくりが活発になっております。今後、区市町村がこうした団体のノウハウを活用しながら、地域のニーズに応じて、子供たちが放課後に安心して過ごせる居場所を整備できるよう、積極的に支援してまいります。
 最後に、放課後等デイサービスについてでございますが、令和三年度の報酬改定では、放課後等デイサービスの経営状況などを踏まえ、基本報酬や加算の見直しが行われました。
 放課後等デイサービスの支援内容は、事業所により様々であることから、都は、専門職の配置状況やサービス提供の実態のほか、今回の報酬改定が収支に与える影響について調査し、都内約千か所の事業所のうち約七割から回答を得ました。
 あわせて、経営やサービスの向上に向けた取組について、個別の事業者や関係団体と意見交換し、実態把握に取り組んでまいりました。
 今後、その結果も踏まえながら、放課後等デイサービスのさらなる質の向上に向けた取組を検討してまいります。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、経済の再生、回復に向けた雇用対策についてですが、コロナ禍で職を失った方々を地域経済の担い手である中小企業への再就職につなげ、必要な人材の確保を進めることは、企業活動を推進する力となり、経済の再生、回復を図る上で重要な取組でございます。
 このため、都は、離職した方々に対して、コロナ禍でも採用意欲の高い企業の求人を重点的に開拓し、トライアルでの派遣就労を経て、正社員就職を進める支援を実施しているところでございます。また、就職活動のノウハウの提供から就職面接会までを一日で集中的に行う事業を実施するなど、再就職支援を強化してまいりました。
 今後も、求職者の希望や適性に応じたきめ細かな支援と、業界団体やハローワークとのネットワークを生かした企業の人材ニーズに応えるマッチング支援により、効果的な雇用対策を進めてまいります。
 次に、中小企業の事業継続に向けた支援についてですが、中小企業が事業活動を継続するため、感染症も含めた様々なリスクを想定して、企業実態に合わせたBCPの策定や実行に向けた準備を行っていくことは重要でございます。
 都では、今年度より、普及啓発セミナーや感染症にも対応したBCP策定支援講座に加え、業界や地域の団体の会合に専門家が直接出向き、現場の実態に合わせたサポートを行う出張版の講座を開始しているところでございます。
 あわせて、BCPの実施に必要となる経費の助成も行っており、コロナ禍において、感染症も踏まえた対策を進める企業からの申請も増えてきているところでございます。
 こうした状況を踏まえ、より多くの中小企業がBCPの策定のみならず、計画の実行支援も行えるよう、事業継続に向けた支援に取り組んでまいります。
 次に、ビジネスチャンス・ナビ二〇二〇についてですが、東京二〇二〇大会を契機としたビジネスマッチングの仕組みをレガシーとして活用し、中小企業の受注機会の拡大に向けて発展させていく必要がございます。
 ビジネスチャンス・ナビは、二十九の政策連携団体等の電子入札や民間企業の連携先企業の発掘にも活用されておりまして、約三万八千の企業にご利用いただいているところでございます。
 また、システムの高度化を図るため、デジタルサービス局と連携し、ユーザーテストの実施やオンライン商談の導入を進めるほか、都の電子調達システムの入札情報の活用など、大幅な機能拡充に向けた取組を行っており、利便性を高めた上で、改めて道府県や商工団体などに対してPRを行ってまいります。
 今後とも、利用企業の増加や発注案件の掘り起こしにも努め、一層の利用拡大につなげてまいります。
 最後に、障害者雇用の促進についてですが、中小企業における障害者雇用の促進を図るためには、業種の特性を踏まえつつ、職場の実情に応じたきめ細やかな支援を行うことが重要でございます。
 このため、都は、障害者を初めて雇用する中小企業に対して、障害者が担う業務の選定など採用の準備から職場体験実習の受入れ、採用後の職場定着まで、専門アドバイザーによる伴走型の支援を実施しているところでございます。
 今後は、業界団体や関係機関とも連携し、障害者雇用に精通した支援員が、業種ごとの業務内容に即した仕事の切り出しや、同じ業界の企業における取組事例を具体的に紹介するなど、各企業に対するサポートを行ってまいります。
 これらの支援により、障害者雇用の一層の促進を図ってまいります。
〔財務局長潮田勉君登壇〕

○財務局長(潮田勉君) 三点のご質問にお答え申し上げます。
 初めに、財政運営についてでございますが、限りある財源の中、コロナ対策をはじめ、都政の諸課題に積極的に対応するためには、見直すべきものは見直すとともに、無駄をなくす取組を強化し、施策の実効性、効率性を一層高めることが不可欠でございます。
 そのため、来年度予算では、客観的な指標等に基づき見直しが必要な事業に対し、マイナスシーリングを導入するとともに、新たに政策評価と事業評価を一体的に行い、評価の取組を充実することで、より成果重視の見直しを行ってまいります。
 さらに、今年度予算の執行についても、事業環境の変化等を踏まえつつ、経費節減に努めてまいります。
 こうした取組を行った上で、基金や都債なども活用し、都がなすべき施策を財政面から支える持続可能な財政運営を図ってまいります。
 次に、公共調達を通じた中小事業者の支援についてでございますが、都内に本拠地のある中小事業者は、地域社会の活力や雇用の創出とともに、災害発生時には機動的に応急復旧を行う地域の守り手として、地元に根差し、都民生活の基盤を支える大切な役割を担っていると認識しております。
 特に、現下のコロナ禍における厳しい環境を踏まえると、分離分割発注の徹底や都内の事業者に対する地域性等を考慮した優先指名、総合評価における災害協定や緊急工事の実績への加点措置などにより、受注機会を確保し、地域を支える中小事業者の育成を図ることが重要でございます。
 こうした取組を通じ、東京の持続的な成長に欠かすことができない都内中小事業者の発展に向け、入札契約制度面からもしっかりと支援をしてまいります。
 最後に、最低制限価格制度についてでございますが、改正品確法では、調査、設計へのダンピング対策が発注者の責務と位置づけられており、都においても適切な履行の実現に向け、過度な低価格での契約を防止し、品質確保に取り組むことは重要であると認識しております。
 そのため、設計等委託では、昨年、財務局発注の案件に最低制限価格制度を導入し、本年十月からは、各局等が発注する案件に試行範囲を広げたところでございます。
 また、印刷請負においては、平成二十八年度から試行を開始し、その間、積算手法の利便性を高めながら、案件を拡大してまいりました。
 こうした創意工夫を積み上げ、ノウハウの定着を図りつつ、事業者の様々な声にしっかり配慮しながら、試行を踏まえ、本格実施に向けた取組を着実に進めてまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長中村倫治君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(中村倫治君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、パラアスリートを目指す方への支援についてでありますが、都は、国際大会を目指すアスリートを発掘、育成するため、平成二十七年度から、本人のご希望と体力測定結果に基づき、専門家からの助言や競技スポーツの体験機会を提供してまいりました。
 本事業はこれまで十八回開催し、延べ千二百十二名が参加しておりまして、この事業をきっかけに競技活動を始めた方の中から、東京二〇二〇パラリンピック大会に四名の代表選手を初めて輩出したところでございます。
 また、競技団体に対しましては、練習会や合宿等の活動経費を助成するほか、ガバナンス講習会や専門家による相談会等により体制強化を支援しております。
 今後は、これに加えまして、パラアスリート等が継続的に競技力向上に取り組めるよう、味の素スタジアム内の施設を練習拠点として整備してまいります。
 次に、障害者スポーツの場の充実についてであります。
 都は、身近な地域におけるスポーツの場が広がるよう、区市町村スポーツ施設のバリアフリー化等の補助を行うとともに、民間施設等における障害者の利用促進に向けたマニュアルの周知を図っております。
 また、二十七校の都立特別支援学校の体育施設における体験教室や、参加体験型イベント、チャレスポTOKYOを実施し、障害の有無にかかわらず交流できる場を提供しております。
 さらに、今後、東京都障害者スポーツ大会において、障害のある方とない方が一緒に参加し、競い合うオープン競技を新たに実施することとしております。
 引き続き、こうした取組を通じまして、ハード、ソフト両面から、誰もがスポーツを楽しめる環境づくりを進めてまいります。
 最後に、東京二〇二〇大会の仮設施設の活用についてであります。
 日本人選手の活躍もありまして、スケートボードをはじめ、アーバンスポーツという新しいジャンルの競技が大いに注目を集め、東京大会の一つのレガシーとなりました。
 こうしたレガシーを大会後に引き継いでいくため、今年三月に発表した未来の東京戦略においても、有明地区に、大会時の仮設施設を活用して、若者に人気のある都市型スポーツの場を整備することとしております。
 現在、スケートボード施設をはじめとした仮設施設の活用方法や効率的な運営について、総合的に検討を進めておりまして、今後、具体的な方針を取りまとめてまいります。
〔生活文化局長野間達也君登壇〕

○生活文化局長(野間達也君) 文化プログラムの成果と文化政策についてでございますが、都はこれまで、伝統から最新鋭のものまで、様々な文化プログラムを多くの芸術文化団体の協力を得て実施し、大会期間中も選手村等で伝統文化を体感できる空間を提供するなど、東京の芸術文化の魅力を広く発信してまいりました。
 コロナ禍でも、茶道などを疑似体験できる動画を作成し、選手村で放映する等の取組の中で、文化発信の新たな可能性を見いだすことができましたが、一部のプログラムにおいては、都民等に十分な参加の機会を提供できませんでした。
 こうした成果や課題を踏まえ、東京の芸術文化をさらに発信し、都民により親しんでもらえるよう、担い手との連携による新しい体験型事業や、最新の映像技術の活用などの取組の方向性を今年度中に策定する文化戦略において示し、今後の文化政策に反映してまいります。
〔建設局長中島高志君登壇〕

○建設局長(中島高志君) 三点のご質問にお答えいたします。
 初めに、環状七号線地下広域調節池の延伸についてでございますが、激甚化、頻発化する豪雨から都民の命と暮らしを守るためには、河川施設の整備を今後の気候変動への対応も見据えながら進めていくことが重要でございます。
 現在、都は、時間最大七十五ミリの降雨に対応するため、環状七号線地下広域調節池を整備しておりまして、完成いたしますと、調節池容量の相互融通により、時間百ミリの局地的短時間の豪雨にも効果を発揮いたします。
 さらに、広域調節池を延伸し、目黒川流域の新たな調節池として機能させることを検討しております。これにより、相互融通機能を拡充し、より広範囲の豪雨への対応も可能となります。
 あわせて、長時間の豪雨への対応力を一層強化いたします、将来の地下河川化を見据えた施設となるよう検討してまいります。
 こうした取組により、豪雨に対する安全性を高めてまいります。
 次に、幅員の狭い都道の無電柱化についてでございますが、地震や台風などの自然災害に備えるため、緊急輸送道路などの都道の無電柱化を推進することは重要でございます。
 都は、本年六月に東京都無電柱化計画を改定し、歩道幅員が二・五メートル以上の都道におきまして、年間の整備規模を倍増させ、スピードアップを図ることといたしました。
 この計画の中で、緊急輸送道路につきましては、歩道幅員が部分的に二・五メートル未満の箇所を含む路線でも、地上機器を周辺の公共用地や幅員が広い区間に集約させる工夫などによりまして、新たに整備に取り組むことといたしました。
 さらに、道幅や歩道幅員の狭い都道につきましては、変圧器と一体となった街路灯など、引き続き、電線管理者と連携して技術開発を進めてまいります。
 こうした取組により、無電柱化を一層推進してまいります。
 最後に、子供を含めた歩行者の安全の確保についてでございますが、子供が日常的に移動する経路におきまして、交通安全対策を進めることは極めて重要でございます。
 都は、令和元年の大津市での交通事故を受けまして、未就学児の移動経路を対象に緊急安全点検を実施し、対策を行っております。令和二年度には、対象を広げまして、信号機のある都道の交差点について、防護柵の設置状況を調査いたしました。
 その結果、約千五百か所の交差点内に歩行者等の横断を抑止する柵が設置されていることが確認されました。
 このうち、今年度は約千か所を対象に、より強度の高い車両用防護柵に交換してまいります。残る箇所につきましても、路面補修などの工事に合わせまして、早期に交換いたします。
 引き続き、子供を含め、誰もが安全で、安心して利用できる歩行空間の確保に取り組んでまいります。
〔交通局長内藤淳君登壇〕

○交通局長(内藤淳君) 都営地下鉄の浸水対策に関するご質問にお答えいたします。
 交通局では、最新の浸水想定を踏まえたシミュレーションを重ね、地下鉄の出入口やトンネル等を通じて、浸水被害が順次拡大する状況を把握したところでございます。これを踏まえ、東京メトロ等と連携を図りながら、駅出入口の止水板のかさ上げや通風口の浸水防止機の増強等のほか、防水ゲートなどによる地下部の浸水拡大防止策につきまして検討を進めてございます。
 今後は、優先して対策を講じる施設や対策の手法、その工程等を定め、来年度策定予定の整備計画に盛り込むこととしております。
 あわせて、タイムラインに基づきまして、お客様の命を守るための訓練を継続して実施するほか、被災した際にも早期の運行再開が図れるよう、車両の避難や、施設の復旧に関する手順を整理し、検証等を通じて随時実効性を高めていくなど、浸水対策を着実に進めてまいります。
〔消防総監清水洋文君登壇〕

○消防総監(清水洋文君) 消防団の活動環境と処遇改善についてですが、特別区消防団では、消防団員がより活動しやすい環境を整えるため、特定の任務に限定した機能別団員や震災時等に限定して活動する大規模災害団員の制度を創設し、入団の門戸を広げるなど、多様な人材の確保に努めております。
 また、消防団員に支給する報酬等は、国の基準、都の地域特性や社会情勢等を加味し、改善を図ってまいりました。
 さらに、全国的に消防団員が減少傾向にある中、団員確保を目的に国が示した処遇改善の方針を参考とし、特別区の消防団員が災害に従事した場合の処遇等について検討を進めております。
 今後とも、消防団員の士気高揚と消防団活動に対する家族や地域等の理解を促進し、活動を継続しやすい環境の整備に努めてまいります。
〔環境局長栗岡祥一君登壇〕

○環境局長(栗岡祥一君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、ゼロエミッション東京に向けた取組についてございますが、都は、環境基本計画改定に向け、業務、家庭等各部門のCO2削減策の在り方等を審議会で検討してございます。
 都内CO2排出量の約七割が建物に由来し、今後建てられる建築物が二〇五〇年を左右することから、都は、住宅等の一定の新築建築物への太陽光発電設備設置義務化に向けた検討を開始いたします。
 審議会では、若者世代等へのヒアリングも実施しており、引き続き、国の検討状況も踏まえ、関係団体等からの意見を聞きつつ、議論を深めてまいります。
 あわせて、速やかに強化すべき支援策等につきましては、計画策定を待たず、実効性ある施策を構築してまいります。
 今後、部門別の具体的施策の方向性を明示し、広く共感と協働を得ながら、あらゆる主体の抜本的な取組強化策を結集し、ゼロエミッション東京を実現してまいります。
 次に、ゼロエミッション東京の実現に向けた都民の行動を促す取組についてでございますが、気候変動対策は全ての都民と共に進めていく必要があり、そのための支援策につきましても、多様なニーズに対応するとともに、広く周知を図りながら活用につなげていくことが重要でございます。実際に都民一人一人に取組の裾野を広げていく過程において、より身近できめ細やかな対応が可能な区市町村とも連携することが効果的でございます。
 このため、都は今年度から、使用年数の浅いリユースの省エネ家電への買換え支援や、集合住宅において比較的簡便に暑さを緩和できる遮熱塗装への費用助成を区市町村と連携し、実施してございます。
 今後、さらに広く支援が活用されますよう、区市町村との連携を強化し、ゼロエミッションに向けた施策を、より多くの都民に浸透させてまいります。
 最後に、中小企業の省エネ対策についてございますが、気候変動への対応を進めていくためには、全ての事業者が省エネ対策の徹底により、CO2排出量を抑えていくことが必要でございます。
 一方、コロナ禍にあって、事業所等においては、感染症対策として、より多くの換気が求められ、空調に必要なエネルギー消費量の増加が見込まれるところでございます。
 このため、都は今年度、中小企業等が都内の中小規模事業所に省エネ性能の高い換気設備や空調設備を導入するに当たりまして、その経費を助成する事業を七月から開始いたしたところでございます。現在までに、飲食業や製造業等、幅広い業種の事業者から利用の問合せを多数受けてございます。
 今後、積極的な事業周知によりまして利用の促進を図るとともに、さらなる中小企業の省エネ対策と経営との両立を後押しする方策について検討してまいります。
〔総務局長黒沼靖君登壇〕

○総務局長(黒沼靖君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、同性パートナーシップ制度の検討についてでございます。
 性的マイノリティーをはじめとする全ての都民が個人として尊重されることが重要であり、都はこれまで、人権尊重条例等に基づき、啓発等の推進や相談支援体制の充実などを実施してまいりました。
 同性パートナーシップ制度の導入は、性的マイノリティー当事者の人権尊重とともに、多様な性に関する都民理解の促進につながることから、現在、都は、他自治体の導入事例等を参考に、制度の在り方を検討しております。
 今後は、都民や当事者の意見を把握するための実態調査を速やかに行うとともに、様々な立場の学識経験者等に対し、制度設計の内容や現行法制との整合性等について幅広く意見聴取を行うなど、多角的に検討を進めてまいります。
 次に、新しい多摩の振興プランの実現でございます。
 都では、本プランの取組を着実に進めるため、多摩島しょ振興担当の副知事を本部長とする多摩島しょ振興推進本部を、庁内連携の推進力として活用してまいります。
 具体的には、関係各局で多摩振興に係る認識を共有するとともに、各種事業の進捗状況を毎年度調査、把握し、これを取りまとめ公表するなど、本プランで導入した工程表に基づき、的確に進行管理を行ってまいります。
 さらに、市町村が地域それぞれの課題を自ら解決できるよう、各種交付金、補助金等の効果的な活用、技術職も含めた職員派遣、DX推進の技術面からのサポートやまちづくりに関する相談などの支援を行ってまいります。
 こうした取組により、本プランに掲げた施策を着実に推進し、多摩地域のさらなる発展につなげてまいります。
〔港湾局長古谷ひろみ君登壇〕

○港湾局長(古谷ひろみ君) 東京港の機能強化についてでございますが、近年、中国をはじめとするアジア諸港が貨物取扱量を急拡大させている状況の中、東京港の国際競争力を向上させていくことは喫緊の課題でございます。
 都はこれまでも、計画的にふ頭整備を進めてまいりましたが、今後予想される船舶の大型化や貨物量の増加も視野に入れ、二〇四〇年代に向けた長期構想を検討しております。
 この構想の下、中央防波堤外側地区に加え、隣接する新海面処分場地区において、大型船にも対応できる高規格ターミナルを整備するとともに、既存ふ頭の再編整備を着実に進め、東京港全体の施設能力を向上させてまいります。
 あわせて、デジタルトランスフォーメーションを活用した物流効率化にも取り組んでまいります。
 今後とも、都は、利用者から選ばれ続ける港となるよう、将来を見据えて戦略的に東京港の機能強化を進めてまいります。

○議長(三宅しげき君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後二時五十一分休憩

   午後三時十分開議
○副議長(本橋ひろたか君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 百二十番増子ひろき君
〔百二十番増子ひろき君登壇〕

○百二十番(増子ひろき君) 質問に先立ち申し上げます。
 過日、名誉都民であるさいとう・たかをさんがご逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表し、心よりご冥福をお祈りいたします。
 また、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に対しまして、心よりご冥福をお祈りいたしますとともに、今なお療養中の方々におかれましては、一日も早いご回復を祈念申し上げます。あわせて、医療従事者をはじめ、エッセンシャルワーカーの皆様には、心から敬意を表します。
 それでは、令和三年第三回定例会に当たり、都民ファーストの会東京都議団を代表し、小池知事及び副知事、警視総監、教育長、関係局長に質問いたします。
 東京オリンピック・パラリンピック競技大会が閉会いたしました。世界的なコロナ禍において開催が危ぶまれていましたけれども、私たちが強く訴えた無観客での開催をはじめとして、選手、アスリート、大会関係者、ボランティアの皆様をはじめとして、多くの皆様のご協力により感染症対策を徹底したことで、東京だからこそ開催できたと世界から評価されています。
 他方、大会の準備過程では、女性蔑視や多様性への理解の欠如、大会運営や経費の透明性など、様々な日本の課題が明らかになったのも事実です。東京は世界初となる二度目の夏季パラリンピック開催都市となりました。そのレガシーを生かし、大会コンセプトである多様性と調和、ダイバーシティ・アンド・インクルージョンを社会全体に推し進めて、東京の成熟と成長につなげていかなければなりません。
 また、国はデジタル庁を発足させましたが、東京都は先んじてデジタルサービス局を中心にデジタル化を強く推進してきました。脱炭素社会の実現に向けても、都は国より早く二〇五〇年までのCO2排出実質ゼロを目標として掲げ、施策を強化してきました。
 日本はもはや先進国ではないという不都合な真実から目を背けるのではなく、また、批判ばかりに明け暮れるのでもなく、東京が日本全体をリードしなければ日本全体が沈没してしまうという強い危機感を持って、都政を進めていかなければなりません。
 新たな任期を迎え、私たちは、まずは新型コロナウイルス感染症の克服に全力で取り組んでいくとともに、一人一人の人を中心に、デジタル、グリーン、そしてダイバーシティ・アンド・インクルージョンを軸として、東京、そして日本が世界と伍していくための課題解決を実現していく決意を申し上げ、質問に入ります。
 まず、コロナ対策について伺ってまいります。
 新型コロナウイルスの第五波は収まりつつありますけれども、今年の冬には再び第六波が来るとも予想されています。第六波を迎えるに当たっては、やはり病床の確保が最重要になりますが、既存の医療機関での受入れには限界があります。
 私たちは、かねてより、医療従事者の人的資源が限られていることが病床確保のボトルネックであることから、患者を一定規模で受け入れ、医師、看護師が効率的に診て回ることができる仮設病院の設置を求めてきました。
 今後、東京二〇二〇大会で使用した施設を医療資源として有効活用するなど、軽症者から中等症までを受け入れて治療できる臨時の医療施設の整備を進めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 一方、さきの第五波においては、医療体制が逼迫する中で、コロナ用の病床確保料を受け取っているにもかかわらず、一部では患者を受け入れていない病院があることも指摘されてきました。今後も民間の医療機関に協力を要請するに当たって、病院間で不公平が生じないような制度設計が重要です。
 そこで、正当な理由なく入院受入れの要請に応じず、入院の受入れを行っていない医療機関に対しては、病床確保料の返還を求めていくべきと考えますが、見解を伺います。
 早期投与により重症化を防ぐ効果が高いとされる抗体カクテル療法は、命を救うという面のみならず、病床負荷の軽減という観点でも重要な武器となります。さきの臨時議会での私たちの求めに応じて、都の設置した酸素ステーションにおいても、抗体カクテル療法を利用できるようにしたことは評価します。
 今後、さらに、自宅療養者の重症化を防ぐ取組として、外来や訪問診療において抗体カクテル療法を利用できるよう、国と共に運用体制を整え、治療薬のさらなる確保や適切な在庫管理を行うべきですが、見解を伺います。
 自宅療養者へのフォローという観点では、特に重症化や出産へのリスクがある妊産婦への支援は重要です。
 妊婦の感染件数が一時急増し、八月には都内で二百八十五件の陽性者登録がありましたが、そのうちの九七%が自宅療養を余儀なくされました。現在、都では、自宅療養中のコロナ陽性妊産婦の健康観察をかかりつけ医が行うことになっていますが、保健所からコロナ陽性妊産婦への初回の連絡がなされるのに数日を要するなど、自宅療養の妊産婦の健康観察にはいまだ課題があります。
 これまで私たちは、新型コロナウイルス感染症に関する妊産婦の窓口相談の開設や、妊婦とその家族、パートナーなどへのワクチン優先接種の実施、保健所との情報連携の強化などを知事に要望、提案し、妊産婦への支援策を実現してきました。
 今後は、新型コロナウイルス感染症に感染し自宅療養を余儀なくされている妊産婦などに対して、地域の助産師などを活用して、より一層支援を行うべきと考えますが、見解を伺います。
 ワクチン接種率は、昨日十月四日現在で全国民の七一・三%が一回接種し、六〇・一%が二回目までの接種を完了しています。
 国内でワクチンを二回接種した人の割合が六割に達する一方で、先行する海外の事例などから、二回接種後にも十分な抗体を得られないことや、接種から半年程度の期間を経ることで抗体量が減少することへの懸念が強まっています。既に医療従事者や高齢者などは二回目の接種から半年経過しており、三回目のワクチン接種、いわゆるブースター接種の備えを進めなければいけません。
 政府は、ブースター接種を目的として、来年分のワクチン供給契約がなされていることを強調していますが、年内あるいは年初の早い段階から十分な量の供給が必要です。
 そこで、これまでのワクチン供給の反省から、感染拡大リスクのより高い東京、大阪などの大都市部に対して優先的に配分されるよう国に強く求めた上で、都内接種体制を構築すべきですが、見解を伺います。
 一方で、国内ではワクチンを一回も接種していない人がいまだ三割いるのが現状です。ワクチン接種には、感染率を低下させるとともに、感染した場合にも重症化率や死亡率を低下させるといった効果もあります。
 そこで、こうしたワクチン接種の効果について正確な統計情報や医科学的情報を適切に発信することで、今後の政策に対する都民理解を醸成するとともに、接種を迷っている方への判断材料とすべきですが、ワクチン接種の効果について見解を伺うとともに、今後の情報発信について見解を伺います。
 政府は、社会経済活動の回復に向けて、ワクチンの接種済証や、いわゆるワクチンパスポートの国内での利用の在り方を検討しています。特に、現在海外への渡航者に限定して発行されているワクチンパスポートについて、年内にはスマートフォンにQRコードを表示する形でデジタル化し、国内での活用を進める方針です。
 既にワクチンパスポートを先行して導入しているヨーロッパ各国では、パスポートを提示することで各種割引や移動の制限緩和、イベント会場への優先入場などが認められています。
 一方、都は国に先行してワクチンの接種記録を取り込むアプリを開発し、店舗での割引クーポンの取得などに活用する予定です。
 そこで、国が今後進めるワクチンパスポートと機能や役割が重複しないよう、国と協議しながら、都が開発するアプリの活用方法を設計すべきと考えますが、見解を伺います。
 また、ワクチン未接種の方に対しては、PCR検査等の陰性証明を利用して、その代用とする仕組みが国においても考えられていますが、検査方法に関して都で認証するなど、適切な検査精度が担保される仕組みとすべきですが、見解を伺います。
 国は陰性証明を取得するための検査は自己負担とする方針とのことですが、例えば体質の問題など、事情により接種できない方が差別的な対応を受けないようにするために、一定の条件の下で助成をすることは必要であり、国の対応が十分でない場合には、都独自の支援をするよう求めておきます。
 新型コロナウイルスへの対応により業務が逼迫する保健所に対して、都はこれまでも人的支援を行ってきましたが、保健所の現場からは、公衆衛生医師の不足が深刻との声が上がっています。
 公衆衛生医師とは、医師の資格を持った上で保健所の所長や区の感染症対策課長などを務める方々で、いわば感染症対策の現場の指揮官です。しかし、東京都では、定員約百七十名の公衆衛生医師に対し、約六十名の欠員が生じているのが現状です。
 こうした状況を踏まえ、私たちは先般の東京都新型コロナウイルス感染症対策条例の改正において、公衆衛生医師の確保を都に求める条文を提案し、実現しています。
 今後は、本条例に基づいて、公衆衛生医師の待遇改善などを通じて、その確保を進めるべきと考えますが、見解を伺います。
 また一方で、東京都薬剤師会に所属する薬剤師は七千人を超えており、高い専門性を発揮しながら、病院、薬局、製薬会社、医薬品卸などで広範な仕事を担っています。
 都の大規模接種会場では、ワクチンの全体的な管理が重要な業務の一つとなっており、東京都薬剤師会の薬剤師の知見を生かす取組を進めるべきですが、見解を伺います。
 世界でワクチン接種を最も速いペースで進めているイスラエルでは、新型コロナウイルスに感染して症状が出た子供のうち、約一一%に味覚の異常などの後遺症が見られたとの調査結果が公表をされました。国内でも、新型コロナの後遺症に苦しむ方々は多いことから、私たちは都に対して専用の相談窓口を設置するよう求め、今年四月より都立病院における相談対応が実施されています。
 今後は、都民が地域の医療機関で十分な治療が受けられるように、都民と医療従事者に必要な情報を提供するとともに、都立病院に設置された後遺症相談窓口や都立病院での臨床結果も交えて、後遺症の経過分析を行うべきと考えますが、見解を伺います。
 長期化する新型コロナウイルスへの対応において、都立病院は率先してコロナ患者の受入れを行い、感染の拡大に応じて積極的に体制を強化してきました。
 しかし、都立病院は地方公務員法により、国、他の地方公共団体等との均衡が求められるため、病院現場に即した多様な勤務形態、柔軟な給与体系の設定が困難であり、医療人材の確保や育成に課題があります。
 今回、都立病院の独法化によって、例えば育児、介護と両立できる短時間勤務など、働き手のニーズに合わせた柔軟な勤務制度や専門性を考慮した給与制度を構築し、医療人材を確保、育成することが期待されます。
 一方、都立病院は、独法化後も感染症対応などをはじめとした行政的医療を担うことが求められます。
 そこで、今後の都立病院の独立行政法人化に際して、適切な財源措置の下で行政的医療を提供する中で、特に感染症や災害などの危機発生時においては、都民の命と健康を守るため、知事のガバナンスの下で都立病院が機動的に対応できるようにしていくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 新型コロナ対応を契機に、人、世帯ごとに異なる家計の状況や、一人一人の実情に沿ったセーフティーネットを構築することの重要性がますます認識されるようになりました。
 しかし、今後こうしたセーフティーネットを一層きめ細かく展開していく上では、権限と財源をセットにした地方分権の推進とこれまでの都税収奪の撤回について、改めて強く国に求めていく必要があります。
 私たちは七月の都議会議員選挙において、国に奪われている年間約七千六百億円の都税を取り戻すことができれば、世帯年収に応じた給付を行う東京コロナケアが実現できると訴えてまいりました。
 そこで、コロナ禍に苦しむ都民生活を強力に下支えするため、国が収奪してきた年間約七千六百億円の都税について改めて返還を求め、また、それを基に世帯年収に応じた給付を実現すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 また、未来を担う学生にとって、今やスマートフォンなどの携帯電話は必要不可欠なライフラインとなっていますが、コロナ禍によりアルバイトの機会の喪失など、経済的に厳しい状況に追い込まれている学生も多くいます。
 そこで、一定の所得以下の学生に対し月額三千円程度の支援を行い、携帯電話料金の実質無料化を推進すべきと考えますが、見解を伺います。
 今後の最大の経済支援策は、新型コロナウイルスの第六波をできる限り生じさせない、あるいは波を小さく、かつ遅らせることで、緊急事態宣言や蔓延防止措置が実施されていない期間を長くすることにほかなりません。
 昨年の国のGO TOキャンペーンのようなインセンティブは、感染を急激に再拡大させる可能性があり、同じ失敗を繰り返さない取組が必要です。
 私たちはかねてより、近隣県と連携し地域資源を磨き、都内、首都圏内でのマイクロツーリズムを進めていくべきと提言してきました。また、飲食店に関しても、テークアウトや宅配、テラス営業などの感染リスクの低い業態の拡充や、接種証明や陰性証明を活用した取組を求めてきました。
 今後は、感染者が大きく減った現下の状況を踏まえ、感染の再拡大を抑えながら、飲食、観光も含めた経済活動を再生し、両立していくために、近隣県と連携した域内観光の需要創出の取組や、飲食店のさらなる業態転換や接種証明、陰性証明を活用した取組について、新たな支援を実施していくべきと考えますが、見解を伺います。
 国において月次支援金が十月まで延長されたことに伴い、私たちが求めて実現をした都で独自に加算、拡充を行っている月次支援給付金についても、期間を延長するとしたことを評価します。今後も経済回復には時間がかかる中で、影響の大きな事業者や都民について、しっかりと支援を継続していくよう求めます。
 次に、都政改革、ダイバーシティ、教育、まちづくりについて順に伺います。
 昨年の都知事選挙で、小池知事は東京大改革二・〇、そして都民ファーストの視点での行財政改革、構造改革を掲げ、そこでは聖域なき事業の見直し、組織再編、外郭団体の統廃合などが掲げられています。特に都は国に先駆けてデジタルトランスフォーメーションを推進し、本年四月にデジタルサービス局を設置するなど、時代の変化に対応した組織再編に取り組んできました。
 そして、先般、東京二〇二〇大会を終えたことで、オリ・パラ局と組織委員会の組織や人員についても大きく見直すことになります。今後は、少子高齢化や感染症対応をはじめとした様々な都政課題に、より機動的に対応できるよう、組織の再編を検討しなければなりません。
 例えば、福祉保健局を分割して新たに子ども局を設置することや、福祉と医療に分割し機動性を高めること、オリ・パラ局の後継組織の在り方など、これからの時代を見据えた都庁組織の再編を進めていくべきだと考えますが、知事の見解を伺います。
 長期化するコロナの影響は、都財政にも大きな影響を及ぼしています。経済環境の悪化による法人二税を中心に税収が減少し、また、国による不合理な税収奪も税収の減少に追い打ちをかけています。こうした中で、東京二〇二〇大会を終えた今、限られた都財源を有効に活用するために、予算や事業の見直しを一層進めていく必要があります。
 特に今年度予算の執行に関しては、昨年秋から冬にかけての編成段階における事業環境の見直しと現在の状況で大きく異なっており、状況が想定と変われば、年度途中であっても機動的に見直しを図らなければなりません。
 そこで、来年度予算の編成などの都合から、現場が当初どおりの予算執行を追いかけてしまうということにならないよう検証し、現場が執行の見直しをできるよう柔軟に対応すべきと考えますが、見解を伺います。
 今後、都政の構造改革を進める上で鍵となるのはデジタル技術の活用です。しかし、都民に対して質の高いデジタルサービスを提供していくためには、各局が現在個々に運用しているシステムを標準化するなど、全庁的にデジタルインフラを見直していく必要があります。加えて、民間のクラウドサービスをはじめとしたデジタル技術は日々進化しており、各局がこうした最先端の技術を有効に活用し、都政のクオリティー・オブ・サービス向上に努めていくべきです。
 都は、今回デジタル技術に関する行動指針を策定するとのことですが、行動指針等の策定に当たっては、民間の知見を生かしながら、新たな技術を積極的に取り込むべきと考えますが、宮坂副知事の見解を伺います。
 長引くコロナ禍の影響を踏まえて、私たちの要望を基に実現したアートにエールを!東京プロジェクトでは、様々なアーティストや演劇、コンサート等の関係者の皆様に活動の場を提供することができました。
 また、東京二〇二〇大会は文化の祭典とも位置づけられ、Tokyo Tokyo FESTIVALスペシャル13など、東京の都市としての魅力を高めるため、各種の事業も実施されました。
 今後は、無観客公演、映像配信事業等のオンライン型やアーティストによる社会的課題の解決につながる活動など、新たな活動への支援も重要です。また、海外の都市のように、アートと食と音楽が融合した新たな空間を都内にも創出できるような支援や、文化芸術、ライブエンターテインメントに関する特区の設置も検討すべきと考えます。
 都は、これまでの取組の蓄積を踏まえ、新しい文化政策の方向性を打ち出し、今後も文化芸術、ライブエンターテインメントの担い手の方々と共に、継続的に文化振興に取り組んでいく必要がありますが、知事の見解を伺います。
 さきの第二回定例会において、同性パートナーシップ制度の創設を求める請願が全会一致で趣旨採択され、都として同性パートナーシップ制度の検討を進めていく方針が知事からも示されました。都におけるパートナーシップ制度の導入は、性的マイノリティー当事者の皆様の悲願でもあり、インクルーシブシティ東京の実現のためには必要不可欠な取組です。
 また、これまで私たちが求めてきた性自認、性的指向に関する大規模実態調査が今年度実施される予定であり、当事者の声に寄り添った実効性のある制度が求められます。
 制度をこれから利用する可能性のある人のみならず、既に利用している人たちから丁寧な調査やヒアリングを実施して、利用者のニーズを正確に把握して、制度設計に反映するよう求めます。
 そこで、今年度実施する大規模実態調査の結果に基づき、パートナーシップ制度の制度構築を早急に進めるとともに、都営住宅への入居をはじめ、都庁各局が提供する様々な都民サービスについて、同性パートナーに対象を広げることを検討すべきと考えますが、見解を伺います。
 最近は、性的マイノリティーのカップルで子育てをする家庭も増えつつありますが、保育所や病院等で説明に困ることなどから、お子さんも含めたファミリーシップ証明へのニーズも高まっています。有識者や当事者団体など、なるべく多くの人からヒアリングをして、ファミリーシップ証明も可能となるような制度設計を求めておきます。
 社会全体で子供を見守り、育てる社会にしていくためには、子供や子連れの方が安心・安全、かつ楽しく移動できる環境を整備していくことが必要です。
 私たちが提案し実現した都営大江戸線の子育て応援スペースについては、ユニバーサルデザインの観点から、ベビーカーに配慮したスペースを確保するとともに、きかんしゃトーマスの装飾を施すなど親子で楽しめるよう工夫したもので、令和元年七月の導入以降、子育て世代を中心とする多くの乗客に好評をいただいています。
 そうした中で、さきの第一回定例会で都営交通の他路線への拡大を求めた私たちの代表質問に対して、都営地下鉄の全路線に展開する準備を進めており、本年夏以降、順次拡大する旨の答弁がなされました。
 今後は、都営交通と相互直通運転をしている他の鉄道事業者の路線にも乗り入れるなど、子育て応援スペースの一層の拡大や、さらなる機運醸成に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 本年九月に施行された医療的ケア児支援法では、支援体制の構築が自治体の責務として明記されています。私たちは法律が制定されるより前から、医療的ケア児など障害のある児童への支援強化や子供の生活を支えるための保護者の就労継続への支援の必要性などを強く訴えてまいりました。
 今後は、医療的ケア児支援の制定も受け、医療的ケア児やその家族への支援強化へさらに踏み込むべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 人と人のつながりを希薄化するコロナの影響により、新たな福祉課題への対応の必要性はこれまで以上に高まっています。特に子供が幼い兄弟、親などの家族の介護等を行うヤングケアラーについては、私たちが新たな課題として早くから取り上げ、都では庁内の関係各局による連絡会等の場で検討が進められてきました。
 今年初めて公表された国の実態調査においても、中学二年生の五・七%、全日制高校二年生の四・一%の子供がヤングケアラーに該当することが明らかになっています。
 ヤングケアラーは家庭の外に問題が表面化しづらいなど、対応が容易ではない課題ではあるものの、連絡会での検討を進め、当事者への支援を早期に行うべきと考えますが、見解を伺います。
 ひきこもりの方々への支援もこれまで光が十分に当たってこなかった課題の一つであり、人と人との関わりが希薄化したコロナ禍において、さらなる深刻化が懸念されます。
 令和三年八月に当事者、家族の方々も交えた協議会によるひきこもりに係る支援の充実に向けてという提言が公表をされました。そこでは、ひきこもりに対する社会からの偏見、相談したくてもできない状況など、就労、社会的自立に至る前段階から、当事者や家族の方々が抱える多くの悩みが明らかにされました。
 そこで、ひきこもりへの偏見の解消、意識改革に向けた取組とともに、区市町村によるひきこもり支援への強化を後押しする必要がありますが、都の見解を伺います。
 令和二年における全国の小中高生の自殺者数は過去最多の四百九十九人となりました。文部科学省の有識者会議では、コロナ禍に伴い在宅時間が長くなったことで、家族間の衝突が多くなるなど家庭内の緊張が高まり、もともと家庭内に居場所を実感できないでいた子供にとっては、一層居場所がないとの思いを強くした可能性があると指摘しています。
 また、こうした子供たちにとって学校は時に癒やしの場や避難場所となる場合がありますが、休校や修学旅行、各種イベントの中止などで息抜きの場所を失ったとも指摘し、多くの児童生徒が困難を強いられています。
 児童生徒の精神的な負担を軽減するためには、自殺防止対策として都が展開している電話、LINE相談窓口の存在をこれまで以上に広く児童生徒の皆さんに展開する必要があると考えますが、見解を伺います。
 新型コロナウイルスの影響により部活動や修学旅行、体育祭など学校の課外活動について、各地で中止や延期が余儀なくされています。しかし、子供たちにとって修学旅行をはじめとした行事は一生に一度の思い出であり、かけがえのない体験です。文科大臣も安易に中止を考えるのではなく、まずは延期を考えるなど、可能性を模索してもらいたいと述べており、各自治体や教育現場における工夫が求められています。
 そうした中で、例えば他の自治体では、修学旅行の出発前に参加する生徒と教職員を対象にPCR検査を実施し、陰性が確認された人が参加する形で修学旅行を実施しています。
 そこで、都としても部活動や宿泊を伴う修学旅行などの教育活動を展開するに当たり、PCR検査を活用した安全確保対策を検討すべきと考えますが、見解を伺います。
 都立高校において男女別定員制度を採用していることにより、男女の合格最低点に差が開き、女子の方が高くなる傾向が続いています。男女平等参画及び女性活躍を推進する東京都において、性別によって教育を受ける機会の保障に不平等があってはならず、私たちは制度の見直しを教育長に要望し求めてきました。
 全ての受験生が性別にかかわらず平等に評価され、合否が判定されていると実感できるよう、男女別定員制度は是正すべきです。受験生と学校側の準備期間も考慮した上で、都立高校の男女別定員制度を段階的に緩和し、性別による不平等を撤廃すべきですが、見解を伺います。
 来年度より、都立高校でも一人一台のデジタル端末を活用した情報教育が始まります。しかし、今回都が提示した端末は、一台当たり上限八万円から十一万円という比較的高額なものとなっており、端末を購入する保護者の負担は大きな課題です。
 そこで、都立高校において一人一台のデジタル端末を整備するに当たっては、保護者負担をできるだけ軽減できるよう都として支援すべきと考えますが、見解を伺います。
 あわせて、スマート・スクール・プロジェクトを推進する上で必要になる事業の発注については、生徒の学びの質の向上に資する仕様を追求するとともに、競争性、透明性の確保された形で実施されるよう強く求めておきます。
 教員が生徒一人一人に向き合う時間や授業内容の改善に取り組む時間を確保することは、公教育の質の改善につながる極めて重要な取組です。特に中学校段階では生徒の精神的な成長、進路に伴う生活指導や授業内容の高度化など、教員が取り組むべき多くの課題が存在しています。
 都教育委員会はこれまで、中学校において負担の大きい校務を担っている教員の時数軽減に取り組み、さらに進路指導主任、学年主任などの新たな時数軽減のモデル事業も実施していますが、モデル事業の成果を踏まえ、都内全中学校に展開すべきと考えますが、見解を伺います。
 無限の可能性を秘め、東京の未来そのものである子供たちが、貧困によって自らの可能性を閉ざされるようなことは決してあってはなりません。これまで私たちが訴え、強化されてきた子供食堂、配食等への支援に加え、子供の貧困対策を強化していく必要があります。
 今後は、都立学校における生理の貧困対策の強化等も必要と考えますが、見解を伺います。
 COP26を控え、各国がCO2削減に向けた動きを加速させており、脱炭素化に向けた資金需要に対するファイナンスの重要性は今後一層高まるものと見込まれます。東京がこうした分野で主導権を取っていくためには、東京という都市が脱炭素に向けた行動を起こしていることや、企業の優れた取組などを世界に向けて発信していくことが極めて重要です。
 今回の国際金融都市構想の改定において、世界の脱炭素マネーを呼び込み、民間企業等の行動を加速するために、サステーナブルファイナンスの取組を推進すべきですが、知事の見解を伺います。
 都が実施した東京都太陽光発電設備現況調査では、ソーラー設置に適している、プラス、条件つき適しているとされた東京都全体の建物のうち、設置率は四・二四%にとどまっています。都はこれまでも、新築住宅、既存住宅の双方への導入支援を進めてきましたが、住宅に太陽光発電設備を導入すれば、売電も含めれば年間十万円近く家計負担の軽減につながることや、災害時の非常用電源として活用できることなど、都民生活に密着した形で理解を浸透させることが今後の拡大に必要です。
 そこで、住宅等の一定の新築建築物への太陽光発電の導入義務化に当たっては、都民、事業者の意見を丁寧に聞くとともに、こうした意義やメリットを分かりやすく説明しながら検討を進めていくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 また、先般の調査では、太陽光発電設備の設置率は官公庁施設でも四・八三%、教育施設でも五・九一%であり、都が都立施設、都立学校、区市町村立学校など率先して太陽光発電設備の設置を推進すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 一昨年の台風十九号では、東部低地帯においても大規模風水害となる一歩手前まで河川の水位が上昇しており、早期の対応が必要です。
 先般、都が国立オリンピック記念青少年総合センターと広域避難先としての協定を初めて結んだことを評価しますが、広域避難先として約七十四万人分を確保しなければならないともいわれており、都有施設をはじめ、国や民間の施設や隣接県の施設についても協力を得て、活用を図るべきです。
 そこで、東部低地帯における大規模風水害への備えとして、垂直避難の取組強化に加えて、約七十四万人分にも及ぶ広域避難先の確保に向けて、都有施設をはじめ、国や民間の施設についても協力を得て活用を図るべきですが、知事の見解を伺います。
 また、浸水リスクのある地域において、建築物の電気室が浸水した際の住民被害を防ぐために、電気室を地上階に設けるよう事業者に対してインセンティブを付与するなどの施策を検討すべきと考えますが、見解を伺います。
 近年、地震や台風等の大規模災害が頻発する中、地域防災力の要である消防団員の確保は重要ですが、全国的には減少傾向が続いています。
 都でも平成二十二年度以降、消防団員数の減少が続いてきましたが、機能別団員制度の導入など、消防署と消防団が一体となって取組を進めてきた結果、今年度は十年ぶりに人員の増加に転じたところであり、その取組について高く評価します。
 一方で、特別区消防団運営委員会は、大規模災害に対応した新たな制度導入を促す答申を出すなど、いまだ団員数の充足、向上は必要不可欠な状況です。
 そこで、地域の消防防災活動を担う消防団員を確保するために、特別区消防団員の報酬などを一層拡充すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 超高齢社会を迎える東京が向き合うべき課題の一つが、個人の財産の適切な管理、承継を促すことです。本年改正した民法、不動産登記法は、相続登記などの罰則付義務化など、国民生活に重大な影響を及ぼす内容があることから、広報誌や地域の回覧板なども活用して、都民に対する周知徹底に努めていくことが必要です。特に個人の不動産の適正管理の促進、財産の生前からの整理、遺産分割の促進など、専門家と連携した相談支援なども重要だと考えます。
 そこで、民法、不動産登記法の法改正を契機に広く都民に周知し、登記義務化の普及啓発を進めるべきと考えますが、見解を伺います。
 新たなモビリティーの手段として海外で既に普及している電動キックボードの利用が徐々に国内でも広がってきています。国と事業者等との連携により、安全性を確保しながら利用を推進するための規制緩和に向けた実証実験などが進められています。
 しかしながら、現時点では、電動キックボードは原付バイクと同等とみなされており、公道を走る際には運転免許、ナンバープレート、ミラーなどが必要であり、車道を走らねばなりません。
 こうしたルールが十分に周知されていない中で、利用者が誤った乗り方をしてしまうことなどから、電動キックボードによる事故が都内では今年八月までに三十九件発生しているほか、交通ルール違反が増加している状況にあります。
 事業者による管理が届きやすいシェアリングの利用者ではなく、特に通信販売等により、ルールの注意などが十分に得られずに購入した利用者による事故や違反が多くを占めていると聞いています。
 新たなモビリティーの推進をしながら、安全を確保していくために、電動キックボードの活用のルールや、そのリスクについての周知や安全講習を実施するなど、事業者とも連携して取組を進めるべきと考えますが、見解を伺います。
 最後に、開催を終えた二〇二〇大会について伺ってまいりたいと思います。
 東京二〇二〇大会の組織委員会の収支は、コロナ禍による開催時期の延期や無観客での実施により赤字となることが懸念されています。
 しかし、コロナ禍という世界的規模での課題への対策で費用が生じた以上、東京という一都市で補填することは困難であり、国やIOCに対しても追加の財政負担を強く求めていくべきです。特に、ようやく最近追いついてきましたが、世界と比較した場合のワクチン接種の遅れや水際対策の不備などが大会直前期の感染拡大の主たる理由と考えられる以上、政府が一切の財政的負担を都に押しつけるような事態は決して許されるものではありません。
 これまで私たちは、大会経費の事後検証が可能となるよう、五輪文書保管条例の制定を推進し、都議会で可決、成立しました。
 今後とも、大会経費の精査を進めるとともに、事後検証が必要となった際にも対応できるよう、本条例に基づき文書の保存を徹底すべきと考えますが、見解を伺います。
 あわせて、大会収支の赤字が見込まれる以上、共同実施事業以外の全ての事業についても、組織委員会の調達、収支の透明性の向上が必要不可欠です。調達方式の決定プロセス、全体の三割以上を占めている特命随意契約の内容の妥当性について、都として専門家も起用して検証すべきです。
 また、都は、約千四百億円を投じて六つの新規恒久施設を整備してきましたが、年間収支の黒字が見込まれるのは有明アリーナのみであり、六施設の赤字見込みの合計額は、年間七・三億円となっています。さらに、この試算はコロナ前のものであり、さらに厳しくなる可能性もあり、施設の在り方のさらなる検討も必要です。
 公共施設の価値は年間収支だけにとどまるものでないことはいうまでもありませんが、東京二〇二〇大会のレガシーとして、新たな活用策を検討し、有効に活用していくべきと考えますが、見解を伺います。
 一九六四年大会では、米軍施設のワシントンハイツが返還され、その後、代々木公園、国立代々木競技場、国立オリンピック記念青少年総合センター等が整備され、多くの都民、国民に利用され、また東京の都市計画にも大きく寄与しました。二〇二〇大会においても、大会を契機に米軍施設の返還を私たちは求めてまいりましたが、このたび府中通信施設が返還されることになりました。
 これまで東京都は、都内米軍施設の返還に向けた取組を進めてまいりましたが、二〇二〇大会後においても都内米軍施設の返還や横田基地の共用化に向けた取組を一層進めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 東京大会の組織委員会は来年六月に解散する予定となっており、組織委員会に代わり、都が社会への影響を長期的にモニタリングしていく方針が公表されています。今後、都が主体となって様々な形でのレガシーの構築に取り組むことが求められます。
 今回のオリ・パラ大会で生み出されたトーチやメダル、表彰台などのアーカイブ資産を散逸させることなく集積し、例えば都有施設などで展示することやアーカイブ資産が区市町村をリレー形式で巡回することなど、レガシーの継承に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 また、継続的なオリ・パラ教育として、オリンピアン、パラリンピアンをはじめ、これまで都が支援してきた都内各自治体ゆかりのアスリートとの交流など、オリンピック・パラリンピック教育をレガシーとする取組を進めるべきと考えますが、見解を伺います。
 一方、東京は世界初となる二度目の夏季パラリンピックの開催都市となりました。そのレガシーを生かし、ダイバーシティ、インクルージョンを社会全体で進め、大会の理念である多様性と調和を東京の成長にもつなげていかなければなりません。
 今後は、例えばパラスポーツの日の制定、多様性、復興、平和、バリアフリー、文化芸術など、東京大会のレガシーを社会に浸透させていく活動を長期的に行う必要があります。
 そこで、パラスポーツの活動場所の確保支援やパラスポーツの機会の提供、ユニバーサルな競技であるボッチャ大会の開催など、パラリンピックを契機にパラスポーツ活動をさらに推進し、パラリンピックの理念を広く社会に浸透させていく取組が必要と考えますが、知事の見解を伺います。
 東京二〇二〇大会の理念として多様性と調和が掲げられている中で、NHKによるオリンピック開会式の放送に手話通訳が付されませんでした。閉会式やパラリンピックの開閉会式においては改善が図られましたが、東京大会の理念である多様性と調和を広く社会に浸透させていくためには、テレビ放送等の様々な場面における手話通訳による情報保障が広く徹底されていく必要があります。
 こうした反省点を踏まえることもレガシーであり、今後、国民的行事を含め、広く社会全般において手話を必要とする人に情報が確実に伝わる形で手話通訳が付されるよう、手話言語条例を制定すべきと指摘をしておきます。
 以上、私たちは、今後も新型コロナウイルス感染症対策に全力で取り組むとともに、次の時代の東京と日本を牽引すべく、常に都民ファーストの視点で闘い続けますことを改めてお誓いを申し上げまして、質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 増子ひろき議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、臨時の医療施設についてのお尋ねがございました。
 対策の手を緩めることなく、第六波を見据えた即応体制を構築するためには、患者を受け入れる病床の確保に加え、これを補完する臨時の医療施設についても着実に整備することが重要でございます。
 都は現在、入院重点医療機関を指定するほか、緊急対応といたしまして、入院待機ステーションや軽症、中等症患者を受け入れる酸素・医療提供ステーションを設置いたしまして、それぞれの機能を生かしつつ、地域バランスも考慮しながら適切に医療を提供する体制を整備いたしております。
 さらに、軽症患者等の重症化を未然に防ぐため、酸素・医療提供ステーションや一部の宿泊療養施設におきまして抗体カクテル療法を積極的に実施いたしております。加えまして、様々な症状の患者に対応するための機能等を勘案いたして、既存の施設などを活用した臨時の医療施設等を整備いたします。
 こうした取組によって、今後の感染拡大に対する備えを盤石なものとし、都民の皆様が安心して療養できる環境を整えてまいります。
 都立、公社病院の独法化についてでございます。
 感染症や地震などの災害など、緊急時に率先して多くの患者を受け入れ、都民の生命と健康を守ることは都立病院の使命でございます。その役割は独法後も変わるものではありません。
 このため、本定例会でご審議いただいております法人の定款には、法人自らの役割として、災害や公衆衛生上の緊急事態等への対応を定めるとともに、緊急時等には都の指示の下、必要な業務を行うことを定めております。
 また、今後策定する都が法人に指示する中期目標には、緊急時の対応に加えて平時からの備えも盛り込み、有事の際にこれまで以上に機動的に対応できるようにする考えであります。
 独法化の目的は、感染症医療をはじめといたしました行政的医療の安定的、継続的な提供や、都の医療政策への貢献などの役割を将来にわたって果たすことであります。こうした役割を確実に果たすため、行政的医療の提供に必要な経費は都が確実に措置するとともに、緊急時には都のガバナンスの下で新たな都立病院が機動的に対応できる体制を整備してまいります。
 いわゆる偏在是正措置と都民生活を下支えする取組についてのご質問であります。
 コロナ禍を通じまして、都が東京の実情に即したきめ細かな対策を行っていくことの重要性が改めて浮き彫りとなる中、不合理な措置によって都税収入が奪われることの影響は極めて大きいものと存じます。
 この間、都は国に対し、都市の財源を狙い打ちするのではなく、地方税財政制度の抜本的な改革を要望するとともに、コロナ対策に当たりましては、地域の実情に即した取組を行うことができますよう、国の交付金の充実など、一都三県で連携し要望してまいりました。
 コロナ禍の影響が長引く中、皆様のご提言は厳しい状況に置かれた都民の方々が希望を持って生活を営むことができるようにすることが重要であるとのご認識に立ったものだと理解をいたしております。
 今後とも、建設的な議論を積み重ねながら、都民生活を支える施策など、なすべき取組を推し進めていくとともに、国に対して地方の役割に見合った財源の確保と地方税財政制度のあるべき姿の実現に向けまして、国への提案要求や九都県市首脳会議などを通じてしっかりと主張してまいります。
 次に、時代の変化に対応した組織の在り方についてのお尋ねでございます。
 東京二〇二〇大会は、未曽有のコロナ禍に見舞われる中、多くの方々のご協力をいただきながら安全が確保された大会を実現することができました。
 開催都市東京にもたらされました有形無形のレガシーを、いかにして豊かな都民生活につなげていくのか、このことが都政を担う私たちに課せられた命題でございます。
 また、今なお続くコロナとの闘いに打ちかち、その対応を教訓として感染症対策や地震、風水害への備えを万全とし、いかなる災害からも都民の命を確実に守るため、全庁的な危機管理体制を強化していかなければなりません。
 さらには、本年三月に策定いたしました未来の東京戦略に掲げました政策のバージョンアップを進め、子供の笑顔があふれる東京の実現、ダイバーシティ、共生社会の推進など、東京の未来を切り開くための戦略の具現化を加速させていく必要がございます。
 東京二〇二〇大会を終え、都政が次なるステージを迎える今、こうした様々な課題に機動的に対応できる組織の在り方を来年度に向けて検討を進め、戦略的な政策の実行を担う執行体制を構築してまいります。
 次に、二〇二〇大会後の文化政策の推進についてでございます。
 文化の祭典でもありました東京二〇二〇大会では、Tokyo Tokyo FESTIVALとして多彩な文化プログラムを展開し、コロナ禍の困難な状況下でも文化のともしびを絶やさず、東京の芸術文化の魅力を発信いたしました。
 その中では、スケールが大きく先進的なアートプロジェクトに加え、赤ちゃんから参加できる音楽祭や背景や習慣の違いを超えて交流するプロジェクトなど、多様な人々が芸術文化に参加できる機会を創出し、交流や対話を通じまして人々の心のつながりを深めることができました。
 一方で、コロナ禍では、公演の中止や延期など、芸術文化活動の多くに制約が生じました。このため、アートにエールを!東京プロジェクトを実施しまして支援をしてまいりましたが、再開された公演に多くの方々が集う姿を目の当たりにして、改めて、芸術文化は困難な状況にある人々の心を支え豊かにする、生活の基盤ともいえるものだと確信をいたしました。
 今後は、東京を多くのアーティストの活動や交流が活発に行われ、そこから生まれた芸術文化を都民誰もが身近に触れられるまちへとさらに進化させる、そのために若手アーティストへの支援、発表機会の創出、最先端のテクノロジーを活用したプロジェクトなど、多様な施策を進めていく必要がございます。
 そのため、文化プログラムのレガシー、コロナを乗り越えたその先を見据えた施策を盛り込んだ文化戦略を今年度策定いたしまして、芸術文化の力が、新たな時代の都市東京の成長と、そこに生きる人々に喜びをもたらす文化政策を力強く推進してまいります。
 次に、医療的ケア児とその家族への支援についてでございます。
 我が国では、医療技術の進歩によって、多くの医療的ケア児が家族に支えられながら在宅で生活を送っています。
 都はこれまで、医療的ケア児とその家族を支援するため、訪問看護師による支援の充実や保育所における受入れ体制の整備、特別支援学校での専用通学車両の運行など、様々な取組を進めてまいりました。
 また、医療的ケア児が放課後の時間を安全・安心に過ごせるよう、今年度から送迎サービスや看護師の配置を行う放課後等デイサービスなどへの支援を開始いたしました。
 近年、医療的ケア児は増加しております。今後、医療的ケア児支援法の成立も踏まえまして、医療的ケア児とその家族が個々の心身の状況や生活の実態に応じて必要な支援を受けられますよう、さらなる支援の在り方などについて検討を進めてまいります。
 次に、サステーナブルファイナンスの推進についてでございます。
 コロナ禍からの持続可能な回復を目指すサステーナブルリカバリーの推進。金融にはその動きを大きく加速させる役割が期待されております。
 また、脱炭素マネーの呼び込みに向けましたグローバルな競争が激化しておりまして、国際金融都市としてのプレゼンスを高めていくためにも、サステーナブルファイナンスの活性化が重要な課題となっております。
 このため、今回の改訂案におきましては、Tokyo Green Finance Initiativeを構想の中核に据えまして、戦略的に施策を展開することとしております。
 具体的には、グリーンボンドの発行により、都自ら市場の発展を牽引するとともに、発行体の裾野の拡大に向けまして、近日中に外部認証等に係る費用の支援事業を開始いたします。また、都の先進的な環境施策を発信するほか、新たに優れた環境技術を有する企業などの英語による情報開示を支援することなどによって、ESGに関わる人材、企業、資金の集積につなげてまいります。
 構想に掲げました施策の実践を通じて環境と経済の好循環を生み出す、そして世界から選ばれる強靭で持続可能な都市を創り上げてまいります。
 続いて、住宅等の一定の新築建築物への太陽光発電設備の導入義務化の検討についてでございます。
 今年も世界各地で熱波や豪雨など、異常気象が数多く発生をしております。気候危機への対処は、もはや一刻の猶予も許されません。
 持続可能な社会経済を実現し、将来世代に引き継いでいくためにも、今こそ、東京から行動を加速するときであります。
 都内CO2排出量の約七割は建物由来。ゼロエミッション東京の実現に向けましては、省エネ対策のさらなる推進と合わせて、使用するエネルギーを再生可能エネルギーに転換していくことが必要です。
 また、建物は数十年にわたって使用されますため、今後新たに建てられる建築物が二〇五〇年の東京を形づくることになります。
 とりわけ、都内で一年間に新築される五万弱の建物のうち、九八%を占める住宅等の中小建築物の環境性能が重要となります。
 特に、住宅等への太陽光発電設備の設置は、停電時に電気を使用でき、電気代削減、売電収入が得られるというメリットがあります。
 加えまして、設備費用が年々低下するなど、太陽光発電設備の導入の機は熟していると考えております。
 このため、都は新たに、住宅等の一定の新築建築物に太陽光発電設備の設置を義務づける都独自の制度の導入に向けた検討を開始いたします。
 今後、環境審議会の下に制度検討のための分科会を設置いたしまして、専門家等による審議を重ねてまいります。
 また、関係団体等、様々な立場の方々からの意見を聞きながら、義務の対象や内容、支援の在り方などについて議論を深化してまいります。
 これらを通じまして、都民、事業者の理解醸成を図りながら、建物の脱炭素化を加速、ゼロエミッション東京の実現を目指してまいります。
 太陽光発電設備の率先導入等についてであります。
 二〇三〇年カーボンハーフの実現に向けまして、大量のエネルギーを消費する都自身が、隗より始めよの意識の下、再生可能エネルギー導入等の取組を一層強化していくことは重要です。
 これまで都は、太陽光発電設備につきましては、施設の新築、改築時の原則設置など導入を進めてきておりまして、今後既存の施設への設置も加速していくため、設置する施設の選定や設置方法等に関する指針を新たに策定をいたしまして、全庁的に取組を進めてまいります。
 なお、都立学校につきましては、令和二年四月に開校した八王子西特別支援学校など、百キロワットを超える整備も行われておりまして、今後の新築、改築時には、敷地条件などに応じまして最大規模の設備を設けてまいります。
 また、区市町村立学校に対しましては、今般都が策定する指針を提示するとともに、都と国の補助制度を組み合わせて活用することを関係機関に働きかけるなど、設備の設置を積極的に後押しをしてまいります。
 こうした都の率先活動を強力に進めることで、都内の太陽光発電設備の導入を牽引してまいります。
 分散避難の取組の推進についてのお尋ねでございます。
 大規模風水害時に多くの地域が浸水するおそれのある東部低地帯におきましては、親戚、知人宅等への自主避難や、安全が確保されている上層階への垂直避難などに加えまして、広域避難先を確保することなどによって、分散避難の取組を総合的に進めることが重要です。
 このため、都は、適切な分散避難を促すための留意点を区市町村に周知をいたしまして、住民への普及啓発の支援を行っております。
 また、先月には、広域避難先確保の取組として、渋谷区にあるオリンピックセンターを避難先として活用する協定を締結いたしました。
 今後、さらに、避難に要する時間などを勘案し、区部にある国や民間の大規模施設を中心に調整を図りまして、年度内に新たな協定を締結できるよう、精力的に取組を進めてまいります。
 あわせまして、都民一人一人のリスクに応じて適切に垂直避難や自主避難へと誘導が行われますように、区市町村と連携を図ってまいります。
 こうした分散避難の総合的な取組を着実に進めることによって、大規模風水害への対応力を強化してまいります。
 消防団員の確保に向けました処遇の改善についてでございます。
 今後発生が危惧されます首都直下地震や近年の自然災害の激甚化などに伴い、地域防災力の要である消防団員の確保は重要な課題であると認識しております。
 このため、特別区の消防団員の募集に際しましては、ホームページをはじめ、様々な媒体を活用した広報や、女性や学生などに重点を置いた入団促進に取り組んでおります。その結果、この数年は消防団員数が増加傾向にあるなど、一定の成果を上げています。
 一方で、全国的には消防団員数が減少傾向にあるため、今般、国におきまして消防団員の処遇改善に関する方針が示されたところであります。
 これを踏まえまして、東京消防庁では、特別区の消防団員が災害に従事した場合に支給する金額等の妥当性について検討を進めております。
 今後、地域防災力の中核を担う消防団員を確保するため、処遇について検討を深め、消防団活動への理解と周知を図ってまいります。
 都内の米軍基地の返還や横田基地の共用化についてのご質問でございます。
 日米地位協定では、米軍基地につきまして、必要でなくなった場合は我が国に返還しなければならず、その必要性を絶えず検討する旨が定められております。
 このため、都は、都民の生活環境を改善し、地域のまちづくりを推進する観点から、米軍基地の返還の可能性が検討され、整理、縮小、返還が促進されますよう、国に要請してまいりました。
 こうした中、特に早期返還を求めてきた府中通信施設が本年九月三十日に返還されました。今後、都内米軍基地のさらなる整理、縮小、返還に向けて取り組んでまいります。
 同時に、都は、首都圏西部地域の航空利便性の向上や多摩地域の活性化などに向けまして、横田基地の軍民共用化に取り組んでおります。
 この問題は、外交、安全保障に関わりますことから、国と連携していくことが不可欠であります。今後も、将来の航空需要などを見据え、地域からの声も聞きながら、国に日米協議の進展を働きかけるなど、横田基地の軍民共用化の実現に取り組んでまいります。
 パラリンピックについてであります。
 東京二〇二〇パラリンピック大会は、多様性、ダイバーシティを認め合い、あらゆる違いを超えて輝くことのすばらしさを私たちに示してくれました。
 パラリンピックの価値はダイバーシティへの変革をもたらすところにあり、都は、世界で初めて二度目の夏季パラリンピックを開催した都市として、その価値をしっかりと社会に根づかせていく。
 そのため、大会後も引き続き、様々なパラスポーツの体験やボッチャ大会など対戦ができるイベントの実施、競技大会の観戦機会の提供など、パラスポーツの魅力や迫力を広く発信してまいります。また、障害の有無を問わず、誰もがスポーツに親しめる環境を整備してまいります。
 さらに、大会を通じて推進してまいりましたハード面のバリアフリーはもとより、情報や心のバリアフリーなど、ソフト面の取組を一層推進してまいります。
 パラリンピックのレガシーとして、障害の有無や年齢、性別に関わらず、全ての人が互いに尊重し、誰もが生き生きと生活し、能力を発揮しながら活躍できる共生社会をつくり上げてまいります。
 残余のご質問については、副知事、警視総監、教育長、東京都技監及び関係局長から答弁をいたします。
〔副知事宮坂学君登壇〕

○副知事(宮坂学君) 行動指針等の策定についてお答えいたします。
 新型コロナウイルスとの闘いの中で日本が抱える構造的な課題が改めて浮き彫りとなり、社会全体がデジタルの力を最大限に活用し、サービス提供方法などを抜本的に変えていくべき局面を迎えています。
 現在、都が進めている行政手続のデジタル化については、ロンドンなどの海外諸都市と比較して必ずしも利用者満足度が高いものとなってはおらず、その改善は待ったなしの状況です。
 そこで、今般、新しい技術を活用した質の高いサービスの提供に向けて、システム開発、運用に関わる全ての職員などが共有、遵守すべき行動指針や技術ガイドラインを策定することといたしました。
 行動指針の策定に当たりましては、企業等においてデジタルトランスフォーメーション推進の経験がある有識者で構成する検討会議を立ち上げ、民間の知見も取り込みながら年度内にまとめを行います。
 また、技術ガイドラインについては、検討会議の下にワーキンググループを設置し、民間の最前線で活躍されている若手のデジタル技術者の参画の下、幅広くご意見をいただきながら策定、更新してまいります。
 具体的には、開発からサービス提供までの各開発プロセスにおいて遵守すべき技術標準を定め、これを各局の個別プロジェクトに適用し、その効果を検証します。そして、最新の技術動向等を反映しつつ改定を繰り返し行うことで内容の充実を図り、都民サービスへの新しい技術の導入を推進してまいります。
 さらに、行動指針等の守るべき基準を都民の皆様に公表し、ユーザー目線からのチェックを受けることで実効性を高めていきます。
 こうした取組を通じて、各局の様々なデジタルサービスの持続的な品質の維持向上を図り、都民の皆様が利便性を実感できる社会を実現してまいります。
〔警視総監大石吉彦君登壇〕

○警視総監(大石吉彦君) 電動キックボード利用時における交通ルールの周知等に向けた取組についてでありますが、現在、電動キックボードは、原動機付自転車と同様の要件を満たすことにより、公道における利用が可能であるところ、都内におきまして実施区域等を定め、特例で利用時の要件を緩和した実証実験が行われております。
 しかしながら、一部の利用者による悪質、危険な交通違反が見られ、これに起因した重大交通事故も発生していることから、警視庁におきましては、当庁ホームページなど、各種広報媒体を活用した利用者の交通ルール、マナーの遵守に向けた広報啓発のほか、現在都内で行われております実証実験の実施事業者や販売店に対しまして、電動キックボードに関する交通ルール、マナーを利用者に説明するよう協力をお願いしているところであります。
 警視庁といたしましては、利用者が正しく電動キックボードを利用できるよう、こうした取組をさらに強化してまいります。
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 六点のご質問にお答えいたします。
 初めに、感染リスクの高い教育活動の安全確保についてでございますが、今回のリバウンド防止措置期間中は、都立学校では、感染対策を講じてもなお飛沫感染の可能性が高い活動は自粛し、また集団で旅行することに伴う感染リスク等を踏まえ、修学旅行等は期間終了まで延期することといたしました。
 都教育委員会は、リバウンド防止措置期間終了後に、こうした教育活動を安全に実施できるよう、基本的な感染症対策の徹底や本人及び同居家族の健康観察のほか、宿泊を伴う場合に密とならないための人数に配慮した部屋割や入浴、食事の際の黙食、訪問先での有症状者への対応など、特に配慮する点などを整理しているところでございます。
 さらに、近距離での実施や日程短縮等の実施方法の工夫に加え、国において議論されているPCR検査などの検査活用を含めた様々な方策について検討してまいります。
 次に、都立高校の男女合同選抜への移行についてでございますが、都教育委員会は、先月、男女別定員制から男女合同定員制による入学者選抜に移行することを決定し、移行に当たっては、中学校の進路指導に与える影響等を考慮し、段階的、計画的に進めることといたしました。
 今年度は、募集人員の一割について男女合同の総合成績により合格者を決定する緩和策を、昨年度の四十二校から百九校全校に拡大をいたします。この入学者選抜の結果について分析、検証を行い、関係者との協議を精力的に進め、男女合同選抜の早期実施に向け取り組んでまいります。
 また、受験生には、進路選択に必要な情報を適切に提供し、安心して都立高校を目指すことができるようにしてまいります。
 次に、都立高校の一人一台端末の整備についてでございますが、中学校の一人一台端末環境で学んだ生徒が、高校進学後もより一層デジタルを活用して学ぶことができるよう、令和四年度新入生から一人一台端末を整備いたします。
 整備に当たっては、学校ごとに統一した端末を生徒が学習で自在に活用できるよう、自己の持ち物として保護者負担により購入していただくことといたしました。
 購入に当たっては、生徒全員が所有できるよう、給付型奨学金の活用に加え、全世帯を対象に、端末購入に係る保護者負担額が一定となるよう、都が購入費用を補助する支援策を検討しているところでございます。
 今後、都教育委員会は、支援策の具体化に向けた検討を行うとともに、生徒、保護者に対し、学校説明会において概要を周知できるよう準備を進めてまいります。
 次に、中学校教員の授業持ち時数の軽減についてでございますが、教員は、授業のほか学校運営に必要な業務を分担しており、その中核的な業務を担う教員に対して、担当する授業の時間数の一部を軽減し時間講師を充てる取組を、全公立学校を対象に実施してまいりました。
 令和元年度からは、働き方改革の推進と教育活動の質の向上を図るため、中学校の進路指導を担当する教員等についても同様に授業の時間を軽減するモデル事業を開始し、令和三年度からは、各学校の特色ある教育活動を担当する教員も対象に加えたところでございます。
 実施校では教員の労働時間が短縮されたほか、アンケート調査では生徒と丁寧に向き合う時間が増えたなどの声が寄せられております。
 今後、こうした取組の成果や効果検証を踏まえ、教員が一層力を発揮できる環境を整えてまいります。
 次に、都立学校における生理用品の配布についてでございますが、これまで学校の保健室では、児童生徒の必要に応じて養護教諭から生理用品を提供し、その際、思春期における心や体の悩みについても相談を受けるなど、必要な支援を行っております。
 今般のコロナ禍により、経済的な理由等で生理用品の入手が難しい子供たちがいることが浮き彫りになり、都教育委員会は都立学校において、いつでも入手できる環境を整えることといたしました。このため、本年五月から都立学校七校の女性用トイレに先行配備を行い、設置場所等の管理上の課題の把握を行いました。その状況を踏まえ、各学校では配備方法等を検討し、九月から全校で配布を開始しております。
 引き続き、児童生徒が安心して学校生活を過ごせるよう支援してまいります。
 最後に、オリ・パラ教育のレガシーとしてのアスリート派遣についてでございますが、オリ・パラ教育では、スポーツなどの体験等を通じて子供たちの自己実現に向けて努力しようとする態度を育成するとともに、障害のある方への理解を促進することで共生社会の実現に必要となる資質、能力を育んでまいりました。
 都教育委員会は、これまで延べ一千三百三十校において、オリンピアン、パラリンピアン等による講演や競技体験などの交流機会を提供してまいりました。子供たちは、これらを通してスポーツに親しむとともに、他者への思いやりや支え合うことの大切さを学んでおります。
 今月からは、東京二〇二〇大会出場のアスリートにも各学校が取り組む教育活動に参画していただくこととしており、オリ・パラ教育のレガシーとしての取組を一層充実させてまいります。
〔東京都技監上野雄一君登壇〕

○東京都技監(上野雄一君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、建築物の浸水対策についてでございます。
 近年の気候変動の影響により、水災害の頻発化、激甚化が懸念される中、災害時に住宅等での居住継続を確保ができるように浸水対策を推進することは重要でございます。
 令和元年東日本台風による被害を受けて作成されました国のガイドラインを踏まえ、都はこれまで、浸水リスクのある地域におきまして、高層マンション等を計画する事業者に対しまして電気設備等の浸水対策を講じるよう指導してまいりました。
 今後は、さらに、住宅や老人ホーム等の浸水対策を一層推進するため、国の技術的助言を踏まえ、浸水リスクの低い一定の高さ以上の地上階への電気室の設置が図られるよう、今月中にも特定行政庁の容積率制限の許可基準を改定の上、区市町村とも連携し、水災害時の都民の安全・安心を確保してまいります。
 次に、不動産登記義務化についてでございます。
 人口減少、超高齢社会、相続多発時代を迎えようとする中、社会全体の生産性を向上させるためにも、所有者不明土地等の問題の解決は喫緊の課題となっております。
 このため、国は、本年四月の法改正により、相続人に対し、不動産の相続を知ってから三年以内の相続登記の申請を義務づけることといたしました。
 改正法の施行は令和六年四月までの予定でございまして、相続登記義務化が都民生活に与える影響が大きいことに鑑み、施行までの間に十分な周知を図ることが重要であるため、都のホームページにバナーを掲載し、情報提供を開始いたしました。
 今後、改正法の具体的な施行日の決定など、国の動向も踏まえ、関係局と連携し、広報東京都への掲載等を行うとともに、関係団体の協力も得ながら周知に努めてまいります。
〔福祉保健局長吉村憲彦君登壇〕

○福祉保健局長(吉村憲彦君) 十三点のご質問にお答えいたします。
 まず、病床確保料についてでございますが、都は新型コロナ患者を受け入れる体制を確保するため、入院患者を受け入れる病院に病床確保料を補助しております。
 まず、各病院からの申請内容の審査において、受入れ実績や病床使用率が低い医療機関には個別にヒアリングし、小児病院などでは受入れ対象が限られているなどの事情を確認の上、九月末に概算払いを行いました。
 今後、感染が拡大した八月から九月の実績報告について、確保病床数と入院患者数の差や医師、看護師の体制を精査し、受入れ実績や病床使用率が低い医療機関には書面で理由を確認してまいります。
 こうした精査を踏まえ、二回目の概算払い時や確定払い時に必要に応じて医療機関に補助金の返還による精算を求めるなど、補助金に係る業務を適切に執行してまいります。
 次に、抗体カクテル療法についてでございますが、抗体カクテル療法は重症化リスクがある軽症患者に中和抗体薬を投与するものであり、都のモニタリング会議で、他の要素も含まれるが、投与から十四日以上経過した方の約九五%が軽快したと報告されました。
 この治療薬は早期の投与が望ましいため、都は保健所と連携し、入院や外来で投与する医療機関との受入れ調整や患者搬送体制の整備を進めております。一部の医療機関で往診時に投与を行い、効率性や安全性を検証しております。
 国は、対象患者へ速やかに投与するため、都道府県が選定した医療機関に中和抗体薬の在庫を認めており、都は随時、希望する医療機関への配分を国に依頼しております。
 こうした取組により、早期かつ確実に重症化リスクのある患者を抗体カクテル療法に結びつけてまいります。
 次に、新型コロナウイルスに感染した妊産婦への支援についてでございますが、感染が判明した後、家庭の事情など様々な理由で自宅療養される妊産婦がより安心して過ごしていただけるよう、フォロー体制をさらに強化していく必要がございます。
 都は東京都助産師会と連携し、地域の助産師が自宅療養中の妊産婦に対して電話や訪問等による健康観察を新たに実施してまいります。
 また、保健所設置区市に対し、助産師を配置するための経費を支援するほか、都保健所で新たにトレーサーとして助産師を募集するなど、保健所における妊産婦への積極的疫学調査や健康観察の体制強化を図ってまいります。
 次に、三回目のワクチン接種についてでございますが、国は、追加接種の対象者は二回目の接種終了後おおむね八か月以上経過した方との考えを示しており、本年十二月の接種開始に向け様々な準備を進めていく必要がございます。
 接種を円滑に進めるためには、滞りないワクチン供給が不可欠であり、都はこれまで国に対し、感染拡大リスクが高い地域に重点的、効率的にワクチンを配分するよう要請してまいりました。
 三回目の接種に当たっても、各自治体の接種計画を踏まえた安定的なワクチン供給を国に強く求めていくとともに、迅速に接種が進められるよう、体制の整備や具体的な役割分担について区市町村や関係機関と調整してまいります。
 次に、新型コロナワクチンの効果と情報発信についてでございますが、ワクチン接種の普及を図るには、その効果についてエビデンスに基づき的確に分析し、その結果を広く発信することが重要であり、都はこれまで、有効性や安全性、副反応等について啓発に努めてまいりました。
 九月二十四日のモニタリング会議では、東京iCDCから、接種歴の有無が判明している八月一日から九月二十日までの死亡者四百十二名のうち、約八割の三百二十五名が未接種者であったことから、ワクチン接種には死亡を抑える効果が見られるとの分析結果の発表がございました。
 引き続き、ワクチン接種の効果に関して専門家による分析を行い、モニタリング会議等で公表していくとともに、ワクチン接種ポータルサイトやSNSなどの様々な媒体を活用して、迅速かつ分かりやすく発信してまいります。
 次に、ワクチン接種促進キャンペーン事業についてでございますが、国は社会経済活動の正常化に向けた取組として、ワクチン接種証明書をイベント参加の要件緩和などに活用することとしており、年内を目途にワクチン接種記録システムとマイナンバーカードの情報をひもづけ、証明書のデジタル化を目指すとしております。
 一方、都は、接種をためらっている若年層の接種を後押しすることを目的に、ワクチンに関する正しい知識の広報や接種の呼びかけを行うほか、既に広く普及しているアプリに接種記録を登録、表示する機能を追加し、キャンペーンの趣旨に賛同いただける事業者等が接種者に特典を付与することなどに活用する予定でございます。
 国や関係局と十分に意見交換しながら、若年層のワクチン接種が進むように取り組んでまいります。
 次に、陰性証明に係る検査の精度管理についてでございますが、国は精度管理を行っている検査機関の検査結果をもって陰性証明を可能とする方向で検討しており、都は検査精度等の質の担保とともに、これらの情報を利用者に的確に提供することが重要であると認識しております。
 PCR検査等を実施する検査機関は内部精度管理等を行うとされており、都は昨年度、これらの機関に精度管理の状況を調査し、今年度は調査に参加していない機関にもヒアリングして取組状況等を確認しております。また、自費検査提供者には適切な精度管理等の協力を要請し、保健所を通じた実態把握に努めております。
 今後、国の議論を注視し、適宜意見交換しながら、検査機関の精度管理の取組等の情報提供により、都民が質の担保された検査を利用できるよう取り組んでまいります。
 次に、公衆衛生医師の確保についてでございますが、都内の公衆衛生医師の配置数は、本年九月一日現在、都の定数に保健所設置区市の配置希望数を合わせた百七十四名に対し、六十二名少ない百十二名となっております。
 保健所が健康危機に迅速かつ機動的に対応するためには、公衆衛生医師の安定的な確保は必要不可欠でございます。
 都は、SNSや医師求人情報サイトへの広告掲載のほか、医科大学での公衆衛生医師業務に関する講義や保健所業務説明会の開催など、様々な媒体や機会を活用し、公衆衛生医師の確保に向けたPRに取り組んでおります。さらなる確保促進策を検討するため、今月、全国の医学生等を対象に、公衆衛生医師業務の認知度や就職意識等に関する調査を実施いたします。この結果も踏まえ、お話のコロナ対策条例に基づき、一層の人材確保に取り組んでまいります。
 次に、大規模接種会場における薬剤師会との連携についてでございますが、現在、都の大規模接種会場では、業務委託先の薬剤師及び看護師が、ワクチンの管理や接種前の確認作業、使用済み注射針等の廃棄物管理などを行っております。
 お話の東京都薬剤師会に所属する薬剤師については、病院や薬局をはじめ、幅広い職域で業務を担っており、調剤などでも高度の専門性を備えていると認識してございます。
 都は、御会派のご提案を踏まえ、ワクチンの管理等の精度をより向上させることを目的に、専門性の高い薬剤師から技術的な指導や助言を得るため、大規模接種会場に都薬剤師会から巡回指導のための薬剤師を派遣いただいております。
 今後、巡回回数を増加させるとともに、都薬剤師会に所属する薬剤師を新たに運営する接種会場に配置し、専門的な知識や経験をより一層生かしてまいります。
 次に、新型コロナウイルス感染症の後遺症についてでございますが、後遺症の実態は、現段階では明確になっておらず、確立された治療法もございません。
 都は、都立、公社病院にコロナ後遺症相談窓口を設置して相談に応じるとともに、必要な方には診療を行うほか、東京iCDC専門家ボードで後遺症に関するリーフレットを作成し、幅広く都民に周知しております。
 今後は、コロナ後遺症に対応している医療機関の情報を収集し、相談窓口で活用するなど、後遺症に悩む都民が身近な医療機関でより適切な医療を受けられるよう取り組んでまいります。また、東京iCDCにおいて、医療従事者にも後遺症に関する情報提供を行うとともに、都立、公社病院と連携し、後遺症相談窓口等で蓄積したデータや症例を分析し、実態把握を進めてまいります。
 次に、ヤングケアラーへの支援についてでございますが、都は関係各局で構成する連絡会を六月に立ち上げ、ヤングケアラーへの支援策について検討を進めております。
 これまでに二回開催しており、第一回目は、国が実施したヤングケアラーに関する実態調査の東京都分の集計結果を共有するとともに、有識者や元当事者から、海外の事例やアセスメント手法、家庭の状況に応じた様々な支援の必要性等についてお話を伺いました。第二回目は、在宅サービスや相談窓口など、現在の都の支援策を共有するほか、支援者団体から、ピアサポートの活動や他自治体の事例等を説明いただいた後、意見交換を行いました。
 今後、こうした意見も踏まえながら、区市町村への的確な情報提供をはじめとする様々な方策を早期に検討してまいります。
 次に、ひきこもりの方への支援についてでございますが、都は令和元年度に東京都ひきこもりに係る支援協議会を設置し、支援の在り方について検討を進めており、昨年度の中間の取りまとめを受け、ひきこもりは誰にでも起こり得ることなどを都民に対し効果的に広報するなど、理解促進に取り組むこととしております。
 本年八月、本協議会から、当事者や家族への偏見や差別を防ぐための都民に対する普及啓発や、身近な地域での相談支援の充実などを図るべきとの提言をいただき、今後、都と区市町村によるひきこもりに係る支援推進会議を新たに設置し、施策や好事例を共有することなどにより、身近な地域での相談体制の充実を図ってまいります。
 また、提言を踏まえた支援策を検討し、区市町村等とも連携して、ひきこもりに係る支援を推進してまいります。
 最後に、小中高生への自殺相談窓口の周知についてでございますが、都内の小中高生の自殺者数は平成二十九年以降増加しており、悩みを抱える児童生徒を早期に適切な支援につなげるため、相談窓口を周知することが重要でございます。
 都は、本年七月から、SNS自殺相談時間の延長や自殺相談ダイヤル回線の拡充を行うとともに、これまで小学五年生、中学一年生、高校一年生に配布していた相談窓口等の情報を掲載したポケットメモを、本年度は、小学五年生から高校三年生までの全学年に拡大し、夏休み前に配布いたしました。さらに、従来、期間限定で実施しておりました、インターネットの検索連動広告を用いて若年層を相談窓口等の情報に誘導する取組を八月から通年で実施することといたしました。
 引き続き、学校や関係機関と連携し、小中高生への相談窓口の周知を図ってまいります。
〔政策企画局長中嶋正宏君登壇〕

○政策企画局長(中嶋正宏君) コロナ禍で困難を抱える方への支援についてでございますが、新型コロナウイルス感染症は、学生にとって、対面学習や課外活動、留学の機会が奪われるだけではなく、アルバイトによる収入が途絶え、生活に必要な支出にも苦労するケースも出るなど、大きな影響を及ぼしております。
 こうした学生に対しまして、都は緊急雇用対策として、アルバイトの機会を提供する取組などを実施してまいりました。
 また、生活困窮や仕事の喪失等により、悩みや不安を抱える方々に寄り添うため、各種相談対応や生活資金面でのサポートなど、様々な対策を講じております。
 都は、厳しい状況に置かれております学生を支援するセーフティーネット対策に全庁挙げて取り組んでまいります。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 観光業や飲食業への支援についてですが、事業活動の回復に向けた支援においても、感染症の拡大防止と両立していくことが必要でございます。
 このため、まずは身近な旅行の需要回復を目的に、宿泊施設による周辺の観光施設等を活用したマイクロツーリズムのプランづくりを支援するとともに、域内観光ルートの開発に近隣県と共同で取り組んでまいります。
 また、飲食事業者に向けては、テークアウト、デリバリー等の業態転換支援の申請期限を十二月末まで延長するとともに、空きスペースなどを活用したテークアウト専門店を出店する際の経費の助成を開始し、事業再開を後押しいたします。
 接種証明等の活用は、実務面の運用や効果に関する議論が国などにおいてなされており、その動向を踏まえながら、活用方法なども検討してまいります。
〔財務局長潮田勉君登壇〕

○財務局長(潮田勉君) 予算執行の見直しについてでございますが、感染状況など情勢が刻々と変化する中、コロナ対策など都政が直面する課題の解決に向けた取組を進める上では、柔軟かつ機動的に対応していくことが重要であります。
 また、財政環境の先行きが見通し難い中にあっても、継続的に有効な施策を展開していくためには、賢い支出を徹底することが不可欠でございます。
 このため、予算の執行に当たりましては、施策効果の早期発現に向けて速やかな執行を図ることはもとより、効率的、効果的な執行に向けて創意工夫を凝らすとともに、年度途中の環境変化等に即した執行となるよう、各事業について必要な見直しを行うこととしております。
 今後とも、各局と議論を重ねつつ、都政を取り巻く情勢変化に的確に対応してまいります。
〔総務局長黒沼靖君登壇〕

○総務局長(黒沼靖君) 同性パートナーシップ制度の検討についてでございますが、制度の導入によりまして、性的マイノリティー当事者の困り事の解消につながるなど人権の尊重が図られるとともに、多様な性に関する都民の理解も進むという効果が期待できます。
 都はこれまで、制度の在り方について他自治体の導入事例等を参考に検討を行ってきており、今月からは、広く都民や当事者を対象とした実態調査とともに、支援団体や学識経験者へのヒアリングを実施いたします。
 また、制度導入により、当事者が利用可能となる都民サービス等については、住宅や医療分野など全庁の事業を対象に洗い出しを行っており、幅広い分野で活用できるよう、各局と調整を行ってまいります。こうした取組により、制度構築に向けた検討を進めてまいります。
〔交通局長内藤淳君登壇〕

○交通局長(内藤淳君) 子育て応援スペースの拡大に関するご質問にお答えいたします。
 都営地下鉄では、小さなお子様連れのお客様に安心して気兼ねなく電車をご利用いただけるよう、令和元年七月から大江戸線の車両に子育て応援スペースを設置してございます。先月末には、きかんしゃトーマスとなかまたちの装飾デザインに加えまして、多くの方々に長く親しまれている絵本、ぐるんぱのようちえんを採用した車両を新たに二編成導入し、現在九編成で運行してございます。
 今後は、年度末までに新宿線六編成、浅草線八編成に子育て応援スペースを導入し、相互乗り入れしている他社の路線内でも運行する予定でございます。
 また、コロナ終息後を見据え、このスペースのさらなる周知を目的としたイベントの実施を検討してまいります。
 こうした取組を通じまして、社会全体で子育てを応援する機運の醸成に寄与してまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長中村倫治君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(中村倫治君) 三点のご質問にお答えします。
 まず、大会経費と文書の保存についてです。
 大会経費につきましては、現在、組織委員会において、収入及び支出両面における精査を進めているところでありまして、今後とも、都民、国民の理解が得られるよう取り組んでまいります。
 また、組織委員会が作成いたしました文書につきましては、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に係る文書等の保管及び承継に関する条例の趣旨も踏まえまして、全ての契約稟議書や評議員会及び理事会の資料、議事録などについて、散逸しないよう段階的に集約、取りまとめを行っているところであります。
 都におきましても、条例に定められた文書について適切な保管、管理を行うよう、今後とも積極的に働きかけてまいります。
 次に、大会後の施設の活用についてでございますが、新規恒久施設を大会のレガシーとして、多くの都民に利用され、親しまれる施設としていくことは重要でございます。
 そのため、都は、大会前から施設の後利用につきまして、有識者等によるアドバイザリー会議において議論を重ね、平成二十九年に新規恒久施設の施設運営計画を策定いたしました。その上で、早期に指定管理者等を決定し、大会後の利用に円滑に移行できる体制を整えてまいりました。
 現在行っております競技団体やイベント事業者等へのヒアリングに加えまして、今後さらに各方面の専門家のご意見も伺いながら、幅広い活用方策の検討を深めるとともに、効率的な施設運営を実現し、新規恒久施設が都民の貴重なレガシーとなるよう取り組んでまいります。
 最後に、アーカイブ資産の活用についてでございます。
 聖火リレーのトーチやメダル、表彰台などのアーカイブ資産等を、大会の記憶を伝えるため、後世に引き継いでいくことは重要でございます。
 そのため、IOC、IPC、東京都、組織委員会、JOC、JPCの六者で大会後もアーカイブ資産の管理を確実に行い、長期的に保存、活用できるよう、連携協力して取り組んでおります。
 今後、開催都市といたしまして、大会の感動を速やかに多くの都民に伝えていくため、都庁などの都有施設においてアーカイブ資産等の展示を行ってまいります。
 さらに、大会の成果や様々なレガシーを効果的に発信するための展示や適切な保管方法について、外部有識者等の意見も参考にしながら、検討を進めてまいります。

○副議長(本橋ひろたか君) 百八番東村邦浩君
〔百八番東村邦浩君登壇〕
〔副議長退席、議長着席〕

○百八番(東村邦浩君) 今回は、都議選後初めての定例会代表質問となります。都議選において、都議会公明党は、八回連続で全員当選をさせていただきました。都民の皆様の熱きご期待にお応えするため、この四年間、二十三名一丸となって、都政前進のため全力を尽くすことをお誓いし、質問に入ります。
 多くの人々に勇気と感動を与え、世論調査で七〇%の方が開催してよかったと答えていただいた東京パラリンピック競技大会が九月五日閉会いたしました。都議会公明党はこれまで、パラリンピックの成功なくしてオリンピックの成功はないと、大会誘致から様々な主張をしてまいりました。
 本大会では、百六十二の国、地域及び難民選手団から、史上最高の四千四百五人のアスリートが参加し、自らの可能性に挑み、力と技を競い合いました。圧倒的な迫力と、選手一人一人の障害に向き合う力強い姿、生きざまに多くの感動、感激の声が寄せられています。
 このようなことから、オリンピックが平和の祭典であるならば、パラリンピックはまさに人間の可能性の祭典ともいえます。この感動を一過性のものとせず、今後の障害者スポーツの発展につなげていくべきです。
 そこで、パラリンピック大会のレガシーの具現化について、何点か質問します。
 第一に、バリアフリーによるまちづくりの推進です。
 パラリンピックの閉会式では、聖火台の炎が最後にオレンジ色から紫色に変わりました。これは、IPCが大会に合わせて行った、世界人口の一五%に当たる障害者の人権を考えるキャンペーン、WeThe15によるものです。十二億の障害者が差別されることなく、パラリンピックを契機に障害者全体への理解が広がり、多様性と調和の理念定着が重要です。
 大会を契機に、心やまちのバリアフリーやユニバーサルデザインなどの取組を一層進め、誰にでも優しいまちづくりを推進していくべきと考えますが、都の見解を求めます。
 第二に、選手を強化していくための練習環境等のさらなる充実です。
 IPCの関係者と話をしたところ、一番の懸念は、パラリンピックが終了した翌年からアスリートへの支援が激減するということでありました。今回の大会でも、海外選手のレベルアップが著しいため、五年前であればメダルが取れた種目が今回は取れなかったそうです。海外選手のレベルアップの要因として、練習環境や国際大会への参加、競技用具の技術革新などが挙げられています。
 二度目のパラリンピックを実現した東京から、アスリートのさらなる練習環境の充実や国際大会への参加、使用する競技用具の技術革新を徹底して支援していくべきと考えますが、都の見解を求めます。
 第三に、大会終了後のパラリンピック教育の継続です。
 専門家がパラスポーツ競技に関する意識調査を行ったところ、パラスポーツを実際にやったことがある人、または観戦や学んだことがある人は、そうでない人に比べて、障害のある人に対して肯定的な意識を持つという結果が出ました。
 パラリンピック教育は、人間の多様性を認め、社会の課題を解決することが目的であり、日本が共生社会を目指していく上でも継続していくべきであります。都の見解を求めます。
 第四に、体育教員の養成課程における障害者スポーツ科目の必修化です。
 障害者スポーツを体系的に学ぶ機会がなかった体育教員の中には、子供たちの可能性の芽を摘んでしまっている場合があります。体育教員が子供たちの可能性を早い段階から見いだしていけば、障害者スポーツ人口はさらに増え、裾野が広がっていきます。
 そこで、都としても、国に対して体育教員の養成課程における障害者スポーツ科目の必修化を強く求めていくべきと考えますが、見解を求めます。
 さて、史上初めて一年延期となった東京二〇二〇大会は、世界的にコロナの感染が蔓延する中、世界中からアスリートを迎え、歴史に残る大会として成功を収めました。
 大会では、海外から一万五千人の選手を迎えることなどから、都民、国民に安全・安心を提供するため、コロナ対策は、水際対策、入国後検査と健康管理、選手等が一般都民と接触を回避するための行動管理、陽性者発生時の感染対策について厳格に進められました。
 東京二〇二〇大会開催が東京、そして国内の感染拡大につながったかのように主張するメディアもあります。実際に対策の結果はどうだったのか、そのエビデンスを示して明らかにすべきです。都の見解を求めます。
 コロナ禍での開催となった本大会では、多くの苦渋の決断をしました。三月に海外観客の受入れ中止を決定し、その後、最終的には国内観客も多くの会場で無観客開催となりました。これらは昨年末の大会経費の報告後に決まったものであり、今後、最終的な大会経費や負担について、都民、国民に丁寧に説明し、理解を得ていく必要があると考えます。
 また、コロナ禍という非常時での開催であるため、赤字が出た場合には国に応分の負担を求めるべきです。併せて知事に見解を求めます。
 東京二〇二〇大会は、くしくも東日本大震災から十年という節目の開催となりました。
 都議会公明党は、一貫して復興五輪としての開催を求め、その取組を推進してきました。
 今回、被災地での競技開催や福島県での聖火リレーのスタートなどを通して、大会の原点を見詰め直すとともに、改めて被災地に思いを寄せ、今後も共に歩んでいくことを決意する大きな契機となりました。同時に、震災のときに手を差し伸べてくださった世界中の方々に、大会を通じて感謝の気持ちとして伝えることができたと思います。
 大会の大きな意義の一つである復興オリンピック・パラリンピックとしての取組とその成果について、知事の見解を求めます。
 東京大会は文化の祭典でもありました。都議会公明党はこれまでも、文化プログラムの推進に力を入れ、コロナ禍で外出自粛や休業要請などによる心の疲労が広まる中で、心を豊かにする文化活動を盛り上げるべきと主張してきました。
 また、今年の第一回定例会では、コロナ禍での経験を生かした新たな文化政策の検討を提案しました。
 そこで、大会の重要な一翼を担う文化プログラムの成果と、コロナ禍での経験を生かした今後の文化政策について、都の見解を求めます。
 今回の東京大会では、性的マイノリティーを公表しているアスリートが過去最多、前回大会の三倍以上参加し、活躍しました。
 本年の第二回定例会で、我が党議員が紹介議員となった同性パートナーシップ制度の創設を求める請願が全会一致で趣旨採択され、知事も導入を進める方針を示しました。
 制度設計に当たっては、学識経験者や当事者から意見や要望を聞く取組が望まれます。それらを十分に反映させた上で、来年度にも制度をスタートさせるべきと考えます。制度創設に向けた都の取組について、見解を求めます。
 次に、新型コロナ対策について質問します。
 この一年八か月余り、東京においては三十七万六千六十人の方が感染をし、二千九百六十人の方がお亡くなりになりました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。また、現在治療中の方の一日も早いご回復をお祈り申し上げます。
 昨日、ようやく新規感染者数も二桁の八十七人、重症者も七十七人になりました。この間の医療従事者の方々のご奮闘に心より感謝を申し上げます。
 そこでまず、今後の出口戦略について質問します。
 初めに、飲食店等の営業規制緩和についてです。
 先般、都は都議会公明党の提案を受け、新宿区内において商店街の協力の下、繁華街の入り口でPCR検査を行うモデル事業を実施しました。私も九月十五日に視察をしましたが、予想をはるかに超える多くの方がPCR検査を受けていました。
 片や都は、都の基準による感染防止対策を行っている飲食店に対して、感染防止認証済みのステッカーを発行しています。
 そこで、繁華街の飲食店の出口戦略として、感染防止認証済みのステッカーを貼っている飲食店等については、まず、経営者、従業員が定期的にスクリーニング検査を実施し、お客さんについても、ワクチン接種済証を提示していただくか、接種をしていない方に対しては、都のPCR検査のモデル事業を参考に繁華街の入り口で短時間で結果が出る検査を行い、陰性であれば入店を認め、営業時間も元に戻すという新たなスキームによる事業を、繁華街の商店街で実施すべきです。都の見解を求めます。
 次いで、宿泊施設や観光バスを含む旅行業者に対する新たな支援策についてです。
 都内の中小宿泊施設、旅行業者にヒアリングをしたところ、都民の多くがGO TOキャンペーンを利用して地方の観光地に出かけたため、都内の宿泊施設や旅行業者には、あまりメリットがなかったということであります。
 このような事業者からは、都が都民以外の方たちを都内に誘致するためのインセンティブを与える施策を検討してもらいたいという強い要望がありました。
 そこで、現在実施している東京をもっと楽しもうキャンペーンを都内在住者に絞らず、東京に来る人に対してもインセンティブを与える新たな展開を検討していくべきです。
 また、今後の海外からの訪日客を見据えて、東京の新たな魅力を発信する事業についてもスタートさせるべきと考えます。併せて都の見解を求めます。
 八月の感染第五波では、新規感染者数や重症者数が過去最多となり、医療受入れ体制が間に合わず、自宅療養や宿泊療養の患者が死亡する事態も発生しました。
 その後、都民、国民の皆様や多くの事業者の方々、医療従事者の皆様のご尽力によって、新規感染者数や重症者数、入院患者数も減少傾向になりました。しかし、再びの感染爆発も想定した対策に取り組む必要があります。
 今後、新たな変異株も危惧される中、今、都がやるべきことは、これまでの様々な取組の総点検と体制の再構築、強化を図っていくことです。知事の見解を求めます。
 次の感染拡大への備えとしては、何よりも重症化を防ぐ治療体制を充実させなければなりません。都議会公明党は、九月十六日の知事への緊急要望では、抗体カクテル療法ができる機会や場所を増やすべきだと訴えました。
 そこで、抗体カクテル療法について、短期入院のほかに外来診療や自宅療養者にも積極的に実施できるよう、体制整備を急ぐべきです。さらに、患者の搬送についても必要な体制を整備すべきです。見解を求めます。
 次いで、保育所のPCR検査についてです。
 都は、子供の感染拡大を防ぐため、保育所において陽性者が発生した場合、濃厚接触の疑いのある人へのPCR検査を積極的に実施すべきです。また、既に自主的にPCR検査を実施した保育所については、遡って支援すべきと考えます。また、放課後等デイサービス等も対象にすべきと考えますが、見解を求めます。
 また、知事への緊急要望では、自宅、宿泊療養者へのきめ細やかな支援も求めました。品川区は、自宅療養者の不安解消と保健所業務の負担軽減につながるよう、保健所と医師会、薬剤師会が連携し、軽症者を円滑にオンラインで診療し、処方薬がその日のうちに配達される仕組み、いわゆる品川モデルを構築しました。
 都は、こうした品川モデルを参考に、自宅療養者のために酸素濃縮装置の確保を進めるとともに、薬の確保や妊産婦への支援など必要な体制を整備し、オンライン診療システムの活用を都内全域で進めるべきです。併せて見解を求めます。
 第五波の教訓を踏まえると、何よりも自宅療養者と宿泊療養者の容体急変への対応が重要です。
 都は、療養者が容体急変した場合に備えて、医療相談窓口の体制を強化するとともに、自分で連絡することが困難な人のために、酸素飽和度、心拍数、血圧などの計測と、関係部署への送信を自動で行うシステムや機器の活用を進めるべきです。見解を求めます。
 今回の補正予算案には、酸素・医療ステーションの増床、また、新たな臨時の医療施設の確保が計上されています。今後の感染再拡大の折には、速やかに対応できるよう準備を進めるべきと考えますが、見解を求めます。
 次いで、ワクチン接種体制についてです。
 都はこれまで、都議会公明党の求めに応じ、大規模接種の実施や区市町村へのワクチン配分調整などに努めてきました。
 また、いまだ接種率の低い若者世代への優先接種の継続や、まだ接種を受けられないあらゆる世代の接種を進めていくため、都は、我が党の要望に基づき、年齢や職業に関わりなく接種を希望する人が受けられる体制も整えました。それでもなお、仕事の都合などで時間が取れず、受けられない方もいます。
 そこで、都の大規模接種において夜間帯の接種時間延長など、きめ細やかな環境整備を行うべきです。都の見解を求めます。
 国では、三回目の接種、いわゆるブースター接種の検討が始まり、十二月にも医療従事者からスタートするとの動きがあります。
 これまで、医療従事者の先行接種や職域接種などで接種済情報が把握できず、区市町村へのワクチン供給に混乱が生じました。ブースター接種を円滑に実施していくには、まず、接種を希望する都民全てが十一月中に接種を完了できるよう、都が区市町村と積極的に広域調整を行うことが必要です。
 国は、公明党の求めに応じて、三回目もワクチンを無償化しました。今後は、自治体が発送する接種券を先行接種でも利用するなど、情報共有が必要です。
 そこで、接種対象者を把握するためのVRSへの接種実績の入力を積極的に進め、接種体制の整備やワクチン供給を確保していけるよう、都は、国や区市町村と積極的に調整を図り、課題に対応していくべきと考えますが、見解を求めます。
 次いで、新型コロナの後遺症についてです。
 都は四月より、都立、公社病院の八か所でコロナ後遺症相談窓口を設置し、電話での相談対応等を行っています。九月中旬までに二千四百七十六件の相談に応じてきており、今後、相談者も増加していくことが想定されます。また、後遺症で病院にかかっても、十分な診療を受けられなかったという話も聞いています。
 そこで、都立、公社病院の相談窓口において、後遺症に悩む都民がお住まいの地域で診療を受けられるようにすべきと考えます。また、これまで蓄積されてきたデータを活用して、後遺症の実態を調べるとともに、医療機関に向けて後遺症に関する正しい情報を周知すべきです。併せて都の見解を求めます。
 次いで、コロナ対策での空気清浄機への補助についてであります。
 都は、我が党の提唱を受け、業界団体のガイドラインに基づく室内感染防止を図る中小企業に対して補助を実施しています。
 しかし、業界団体が有効な先進技術の知見を自力で収集し、ガイドラインの改定を適宜実施していくことは、極めて困難であります。ガイドラインでの空気清浄機の取扱いにばらつきがあるため、業界や機種によっては助成対象にならないケースが生じています。
 こうした点の改善を求めた昨年の第四回定例会の我が党の代表質問に対し、都は、東京iCDCが有効性を認めた設備等の導入に対する支援についても検討すると答弁しました。
 そこで、検討に当たっては、コロナ対策として有効な空気清浄機への補助を業界団体のガイドラインに記載されていなくても、有効であれば認めるべきであります。
 加えて、既に対象外とされたケースや所属する団体のガイドラインに記載がないことから、補助を断念して機器を購入したケースへも適用すべきであります。
 東京iCDCの議論を踏まえたコロナ対策における空気清浄機の取扱いについて、都の見解を求めます。
 次に、奨学金の返済負担軽減を行い、中小企業の人材を確保する新たな施策について質問をします。
 大学を卒業し、就職をした若い世代の人たちの大きな負担が奨学金の返済です。片や、中小企業はコロナ禍においても人材が不足している業種があり、特に技術系の人材が足りないという声があります。
 介護職や看護師、保育士についても、人材が足りないという声がありますが、こういった職種に対しては、国や都による奨学金の返済負担軽減の制度などがあります。
 このような実態を踏まえ、都議会公明党は、第二回定例会において、若者の奨学金の負担軽減を行うことによる中小企業の人材を確保する事業を提案いたしました。知事は、実施に向けて検討を行う旨、答弁をいたしました。
 都は、今定例会において、若者の奨学金の負担軽減を行うことによる中小企業の人材を確保する事業の補正予算を計上しましたが、本事業を今定例会でスピード感を持って対応する意義について、知事の見解を求めます。
 また、この事業の具体的なスキームについて、都の見解を求めます。
 都議会公明党は、今回の都議選で全世代の都民の安全・安心を目指し、東京の未来を開く政策チャレンジエイトを強く主張し、多くの都民から期待と賛同をいただきました。
 八つの内容は、子育て家庭の経済的な負担を軽減する第二子の保育料無償化、高校三年生までの医療費無償化、高齢者の命を守るための肺炎球菌ワクチン無償化、働きながらがん治療ができる重粒子線治療の導入、障害がある方の命を守る駅ホームドアの整備の推進、渋滞を解消するための高速道路上の料金所の撤廃、人と動物の共生社会を目指すための保護シェルターつき動物愛護センターの設置、豪雨に備えるための地下調節池の設置推進であります。
 中でも、高校三年生までの医療費については、厚生労働省の調査によれば、既に区市町村の四割が通院費を助成しており、高校三年生までの医療費無償化は時代の流れであります。第二子の保育料や肺炎球菌ワクチン接種を含めた三つの無償化、がん重粒子線治療の導入など、子育て支援や都民の健康を守る取組は、都民の期待も大きくなっています。
 都議会公明党は、前の任期四年間に、私立高校の授業料実質無償化などを実現してきました。今回の任期四年間では、総力を挙げて三つの無償化をはじめ、チャレンジエイトの実現に取り組んでいく決意であります。都議会公明党が訴えるチャレンジエイトの認識について、知事の答弁を求めます。
 次いで、チャレンジエイトのうち、都立病院への重粒子線治療設備の導入についてです。
 がん治療には、手術療法、化学療法、放射線治療法がありますが、日本は主要先進国の中で放射線治療が極端に少ない状況です。
 中でも、放射線治療の一つである重粒子線治療は、がん病巣に重粒子線、すなわち炭素の原子核を照射するもので、大きな治療効果があります。
 エックス線などの光子線を照射する一般的な放射線治療よりも、がん病巣にピンポイントで照射できるので、周囲の正常組織への影響が少なく、治療期間が短縮できます。体内深部にも大きな治療効果が期待でき、一般的な放射線治療の半分の照射回数で治療が済みます。
 課題は、重粒子線治療は民間保険の先進医療の枠組みで給付金や特約が適用されますが、公的保険は、骨軟部腫瘍、前立腺がん等の一部にしか適用されません。また、設備導入においては高額な初期費用や、ある程度の広さの敷地の確保が必要なことです。
 現在、山形、群馬、千葉、神奈川、大阪、兵庫、佐賀の七県の施設にあるだけです。最も人口が多い東京都にも導入が必要と考えます。都は、独法化の議論の中でも検討を開始すべきです。都の見解を求めます。
 次に、教育支援について質問します。
 コロナ禍において、昨年には学校が一斉臨時休業となり、その後、長期休業に伴う学習の遅れや家庭における通信環境の差異などが浮き彫りとなりました。これを踏まえ、国は、全ての小中学校で一人一台の端末と校内の通信環境を整備するGIGAスクール構想を前倒しし、実施しました。そして、オンライン授業やICT教育などが展開されてきました。
 一方で、報道によれば、その端末を使ったいじめによって、都内の小学六年生の女子児童が遺書を残して亡くなるという、あってはならない事件が発生しました。こうしたことを二度と繰り返さないために、都は、まず児童生徒たちが正しくICTを活用するための情報モラル教育を一層強化するとともに、自分の端末から相談することができるよう工夫すべきです。さらに、教員の取組も一層強化すべきです。都の見解を求めます。
 都議会公明党は、小中学校におけるGIGAスクール構想の推進とともに、一貫して高校段階における一人一台端末の整備を求めてきました。これを受け、都は今年度、高校段階で途切れることなく学ぶ環境が円滑に接続できるよう、モデル事業を行っています。
 来年度からは、いよいよ本格実施となりますが、長期化するコロナ禍で多子世帯も含め、保護者の経済的負担にならないよう、十分に配慮すべきです。都教育委員会の見解を求めます。
 また、私立高校においても、生徒一人一台端末の整備に向けた取組と支援が必要です。都の見解を求めます。
 次いで、特別支援教室についてです。
 発達障害支援については、都民の声を受け止めて、いち早く都議会で取り上げたのが公明党です。その結果、都教育委員会は、自閉症、情緒障害、学習障害、注意欠陥多動性障害のある児童生徒に対する支援の充実を図るため、これまでは通級指導学級で行っていた指導を、在籍校で受けられる特別支援教室を平成二十八年度から順次導入してきました。
 こうした中で、例えば特別支援教室での指導の開始や終了に関する検討や決定の方法が、区市町村によって異なっているという実態などが明らかになりました。
 そこで、都教育委員会は、本年四月に全ての都内公立小中学校で特別支援教室の導入が完了することを踏まえ、本年三月に特別支援教室の運営ガイドラインを策定しました。
 その中で、特別支援教室での指導開始後は、十分な評価がなされないまま指導が継続されることのないように、在籍学級での適応状況を把握する機会を設けるなど、その取組が強化されています。
 しかし、特別支援教室での原則指導期間が一年間と設定されたことについて、教育現場からは指導が必要な児童生徒も一年で終了させられてしまうのではないかという不安の声が寄せられています。
 また、都議会公明党には、発達障害は一年と期間を決められて改善するものではありませんといった心配する声も多く寄せられています。
 本ガイドラインの新たな取組により、障害による学習上または生活上の困難の改善をさらに進めていくためには、区市町村に対し、特別支援教室での原則の指導期間を設定した趣旨とその運用について、より丁寧に説明を尽くすべきです。見解を求めます。
 次に、土砂災害について質問します。
 七月の記録的な大雨により発生した静岡県熱海市の土石流については、開発による盛土の崩落が原因で、被害が拡大した可能性が指摘されています。
 都は、この土砂災害を受け、許可を受けていない盛土や安全対策が不十分な盛土など、同様の災害を引き起こすおそれのある盛土が都内に存在していないか、その状況を速やかに把握し、必要な対策を取るべきです。都の見解を求めます。
 都には、盛土の崩落を防ぐ規制条例がありません。都議会公明党は、七月上旬の大雨で盛土が崩落した都内の現場を調査し、規制の必要性を実感しました。
 多摩地域の八王子市や町田市など、六市町は独自に規制条例を設けています。特に、八王子市は、土砂等の埋立事業を許可する各法令を補完するために、現金預託制度を導入しています。保証金は三百万円及び土砂一立米当たり四百円を乗じた額の合計額となっています。また、関東六県は全て条例を定めています。
 条例のない自治体や条例の規制の緩やかな自治体に建設残土が持ち込まれやすい現状もあり、法規制の必要性が求められています。環境局が自然保護条例の規制を強化していますが、これはあくまで自然保護のためです。
 都は、東京の土砂災害を未然に防ぐために、国の検討を待つことなく、現行の法制度で十分対応できない事柄について検討すべきであります。都の見解を求めます。
 都は九月三日、大規模風水害に備えた広域避難先として、渋谷区にある国立オリンピック記念青少年総合センターと初めての協定を結びました。洪水や高潮による氾濫に備えたものであり、コロナ禍においても約三千人まで受入れ可能であり、江東五区などで七十四万人分の避難先を確保するものであります。
 都議会公明党は、公明党国会議員とも連携して、一年以上前から都に情報提供を行い、青少年総合センターなどを活用するよう提案し、本年六月にも現地を調査しました。
 今回の協定を実効性あるものとするために、都は、関係区とともに運用や活用の詳細を具体的に詰めていくべきです。また、民間も含めた広域避難先のさらなる確保を進めるべきであります。知事の見解を求めます。
 次に、外堀の浄化について質問します。
 パラリンピックのマラソンコース沿道となった外堀は、毎年五月から九月頃に発生するアオコが水面を覆い、悪臭を放つなどの課題を抱えています。
 都議会公明党は、玉川上水の上流から隅田川まで河川水の導水で清流を復活させ、多摩地域から外堀、日本橋周辺まで水辺を楽しめる空間を創出する、水と緑あふれる豊かな都市東京の実現を提言しています。
 都はこれを受け、外濠浄化プロジェクトを未来の東京戦略に掲げ、外堀への導水に向けて取組を開始しました。
 そこで、大会に向けて実施した暫定対策の取組とともに、これまでの調査検討の進捗状況と今後の取組について、都の説明を求めます。
 次いで、再生可能エネルギーについてです。
 知事はさきの所信表明で、ゼロエミ東京の実現に向け、一定の新築建築物に太陽光発電の設備設置を義務づける制度の検討を開始すると述べました。自然エネルギーには太陽光に限らず、太陽熱や地熱などもあります。
 制度の検討では、一般の戸建て住宅も対象になると聞いており、都民に設備費用の負担を義務化することは、私権の制限にも踏み込むことであり、慎重な検討が必要です。
 都は、ゼロエミ東京を目指すため、乗用車の新車販売を二〇三〇年までに一〇〇%非ガソリン化するという画期的な施策を打ち出しましたが、こちらは義務化となっておらず、整合性がありません。
 そこで、太陽光発電設備の設置だけをなぜ義務化するのか、知事の見解を求めます。
 次に、都立、公社病院とがん検診センターの地方独立行政法人化について質問します。
 都議会公明党は、都立、公社病院に対し、今回の災害級の感染拡大に際し、行政医療の真価を発揮すべきと求めてきました。その結果、期待に応える重要な役割を果たしているものと評価をいたします。
 都立、公社病院は都民の命と健康を支える重要な医療基盤であり、独法化による今後の病院改革は、都民の安全・安心をより一層高めるために必要と認識する観点から、以下、質問します。
 今定例会には、定款の議案が提出されていますが、都民の理解を得ながら進めることが重要であります。まず、コロナ禍の中、なぜ今、独法化を進める必要があるのか、都民に分かりやすく説明すべきであります。都の見解を求めます。
 独法化により、都立病院と公社病院との壁がなくなり、より一体化した新しい都立の十四病院となり、スケールメリットとネットワーク力を生かした活躍が期待されます。その中で特に重要な行政的医療の役割を担い続けていくためには、不採算となる行政的医療の都による財政的裏づけが必要です。
 一部に、独法化すると経営効率優先となって、これまでの財源措置が縮小され、不採算な医療が後退するのではと懸念する声も聞かれますが、我が党は、独法化後も都が必要な財源を措置し続けることで、行政的医療が確実に都民に提供されるよう担保すべきと考えます。知事の見解を求めます。
 独法化により、医師や看護師等の職員の方々が公務員ではなくなることから、一部に人員確保を不安視する声も聞かれます。独法化を通し、職員の方々の使命感に応えられるよう、より働きがいのある環境を整え、その労働意欲をさらに高めるとともに、独法化がもたらす人材確保の効果を都民に分かりやすく説明すべきであります。
 加えて、独法化による中長期的に人材の確保が図りやすくなるだけではなく、独法化以降、直後の人員確保も重要な課題です。長期的な視点で見た退職金や年金制度などの方針を明らかにするなどして人材の確保を図り、独法化直後の医療サービスの点でも、都民の安全・安心につなげるべきと考えます。併せて都の見解を求めます。
 独法化後の議会の関与は、病院法人を管理監督する都庁内の部局を通じて関与する間接的なものに移行します。
 これまでも我が党は、地域や患者の様々なニーズも議会での議論を通して、よりよい病院運営につなげてきました。独法化後も、都民ニーズを確実に反映した病院運営が求められます。
 加えて、災害時などには、都庁と一体となった取組が求められます。そのためには、地方独立行政法人法が求める法人運営の独立性に配慮しながらも、医療の専門家集団である法人本部に対し、効果的に折衝し、成果を上げられるだけの能力を備えた組織を都庁内のカウンターパートナーとして育成し、強化することが不可欠であります。
 議会をはじめ、都民の意見を法人運営に反映したサービスを提供し続けられる体制を構築すべきと考えますが、知事の見解を求めます。
 次いで、住宅セーフティーネットについて質問します。
 今後の東京の住宅政策を進めていくに当たって、住まいと地域を大切にする新たな住宅戦略の強力な展開が重要です。
 我が党は、高齢者やひとり親世帯、障害者などのような住宅確保に配慮が必要な方々への支援、さらには地域の資源として捉えた空き家対策について提言を重ねてきました。
 それを受けて都は、平成二十九年から住宅要配慮者向け賃貸住宅の登録を促す住宅セーフティーネット制度をスタートしました。
 しかし、民間の空き家、空き室を活用して、要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録は四万戸に達しているのに対し、改修費補助や家賃軽減の補助がある要配慮者のみ入居可能な専用住宅の登録状況は六百戸にとどまっています。
 都は、要配慮者が安心して入居できる住まいをさらに増やしていくべきと考えますが、セーフティーネット住宅である東京ささエール住宅の登録状況についての認識と、専用住宅の登録戸数の増加に向けた今後の取組について都の見解を求めます。
 空き家を共同居住型住宅、いわゆるシェアハウスとして、地域コミュニティ活性化にも資していく先進的な取組を行っている居住支援法人もあり、そのような民間の取組と連携していくことが重要です。
 こうした民間の取組を生かしながら、既存の民間賃貸住宅ストックを活用して、要配慮者が入居できる住宅を増やし、安心して生活できる居住環境の実現を目指すべきと考えますが、都の見解を求めます。
 最後に、都の組織改編について質問します。
 先ほど述べたとおり、居住の安定が全ての行政サービスの前提です。かつて都庁には住宅局が存在し、都営住宅の建設をはじめ、住宅政策で国をリードしてまいりました。その後、石原知事の時代に、住宅の供給量が需要量を上回り、これからはまちづくりと連動して住宅政策を展開すべきとの理由で、住宅局は都市整備局に吸収されました。
 しかし、その後も住宅確保に困難を抱えた人たちは後を絶たず、国がセーフティーネット法を策定し、住宅確保要配慮者支援に乗り出しても、まだその効果が十分に現れたとはいえません。したがって、今後は、大都市東京の状況に即した住宅政策の再構築が不可欠であります。
 まして、現在のコロナ禍においては、職を失い、住むところさえ不安定になっている人たちが世代を超えて広がっています。生活再建への支援、社会の活力の再生のためにも、安くて良質な住宅供給の拡大が不可欠です。そのために、局編成の変更のタイミングに合わせて、住宅政策本部をさらに発展させ、住宅局の復活を実現することが重要であります。知事の見解を求めます。
 昨年から、新型コロナウイルス感染症の対応への課題が浮き彫りになる中、現在の福祉保健局では、組織母体があまりにも大きく、迅速かつ柔軟な対応が難しい状況となっています。
 コロナ対策などの感染症対策、子供、高齢者、障害者支援、医療、福祉の多分野にわたる施策を展開する福祉保健局を分割し、実行性ある組織体制に再編成すべきであります。また、その際には、子供施策を総合的に推進する専管組織も必要であると考えます。
 第一回定例会において、都議会公明党が原案を作成し、審議では答弁に立ち、全会一致で可決、成立した東京都こども基本条例は、四月一日に施行され、子どもの権利条約の精神にのっとり、子供施策を総合的に推進することを都の責務と定めています。総合的な推進体制、こども局をつくることを提案するものであります。
 新しい都政をつくるため、局編成を検討し、機能する都政へと転換すべきと考えます。知事の見解を求め、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 東村邦浩議員の代表質問にお答えいたします。
 大会経費についてのご質問であります。
 大会の開催に当たり、組織委員会、国、東京都の三者は、平成二十九年五月の大枠の合意による役割、経費分担に基づき、連携協力して大会準備を進めてまいりました。
 大会の延期後も、延期に伴う追加経費や新型コロナウイルス感染症対策が必要となる中、これらの経費について明らかにし、それぞれの役割を果たしながら、組織委員会、国とも一体となって取り組んできたところであります。
 一方で、コロナの影響により、オリンピックとパラリンピックにおける観客は大部分が無観客となり、これに伴うチケット収入の減少が見込まれております。
 現在、組織委員会において、収入及び支出両面における精査を進めているところで、今後とも、都民、国民の理解が得られるよう取り組んでまいります。
 復興オリンピック・パラリンピックについてでございますが、私は一貫して、東京二〇二〇大会の原点は、復興オリンピック・パラリンピックであると申し上げてまいりました。
 都はこれまでも、スポーツを通じて被災地に元気を届けられるよう、青森から東京までをつなぐ千キロ縦断リレーや被災地と東京の子供たちとの交流、全国に先駆けた被災地でのフラッグツアーなど様々な事業を展開してまいりました。
 そして、東日本大震災から十年の節目に当たる今年三月、被災地復興の象徴として、福島県のJヴィレッジからオリンピック聖火リレーがスタートするとともに、大会におきましては、宮城県でサッカー競技が、福島県で野球・ソフトボール競技が実施されました。
 さらに、福島県で製造された水素が聖火をともし、被災地の花で彩られたブーケが選手の栄冠をたたえました。被災地の食材が選手村等で提供され、好評もいただいたところです。
 こうした取組をはじめとして、メインプレスセンターにおけます復興ブースなど様々な機会を通じまして、世界中の皆様にこれまでいただいた支援への感謝を伝えるとともに、復興に向けて力強く歩む被災地の姿を発信することができました。
 今後、オリンピックスタジアム横に設置をしておりました復興のモニュメントを被災地へ移設する予定でございまして、引き続き、被災県をはじめ、関係者と連携して復興の後押しとなる取組を進め、被災地との絆を次の世代へと引き継いでまいります。
 次に、新型コロナウイルス感染症に係る医療提供体制についてのご質問であります。
 新型コロナウイルス感染症は、中長期的に感染拡大の反復が見込まれることから、第五波の中で顕在化した課題や重症化予防効果のある治療薬の使用などの環境変化も踏まえまして、万全の備えを講じていくことが必要であります。
 重症、中等症の患者等を受け入れるため、症状に応じた病床を確保してまいります。
 比較的軽症な患者を受け入れる酸素・医療提供ステーションを増床するとともに、抗体カクテル療法等の実施により、重症化を予防し、医療への負荷を軽減いたします。
 また、宿泊療養施設におきましては、医師の往診による継続的な酸素投与や抗体カクテル療法の実施など、医療機能の向上を図ってまいります。
 さらに、自宅療養者には、フォローアップセンターの体制強化や酸素濃縮装置の拡充など支援体制を強化するほか、市町村との患者情報の共有による支援の充実、東京都医師会と連携したオンライン診療や助産師による妊産婦への健康観察の実施など、よりきめ細かに支援をしてまいります。
 今後、こうした対策をスピード感を持ちまして複合的に講じていくとともに、これまでの様々な取組の総点検と体制の再構築、強化を図り、都民の生命と健康を守ることに全力を尽くしてまいります。
 中小企業の人材確保等についてでございます。
 建設やITなどの業界におきまして、人手不足は深刻であり、専門性を有する技術者の確保が大きな課題となっております。
 一方、これから就職先を探す学生の中には、奨学金を受給している方も多く、コロナ禍におきまして、就職後の奨学金返還に不安を感じている方が多数存在されます。
 こうした学生の方々が、中小企業に技術者として就職した際の奨学金返済の負担軽減支援は、中小企業にとりましても、将来的に中核を担う優秀な人材の確保につながる効果的な取組です。
 いまだ予断を許さないコロナ禍におきまして、早急なサポートが必要との考え方に立って、来年度の採用活動に当たり、こうした支援が利用できますよう、今年度中に対応を開始することといたしました。
 この取組を通じまして、東京の持続的な発展を支える中小企業の人材確保を支援してまいります。
 次に、東京の未来を切り開く政策についてであります。
 都は目指すべき東京の姿とその実現のための幅広い戦略を盛り込みました未来の東京戦略に基づき、成長と成熟が両立した明るい未来の東京を創り上げる取組に日々邁進をしております。
 この戦略では、人が輝く東京を実現していくことを政策の基軸としております。いつの時代も、未来を切り開くのは人であり、誰もが安全・安心に包まれ、一人一人が生き生きと輝く社会を実現しなければ、明るい未来をつかみ取ることはできません。
 御党の今回の政策は、全世代の安全・安心を目指す都の理念の下、多岐にわたる分野におきまして、子供から高齢者まで、一人一人の暮らしをきめ細かく支えるための、人を大切にする視点に立ったものと理解をいたしております。
 今後とも、建設的な議論を積み重ねながら、人が輝く東京を創り上げてまいります。
 次に、広域避難先の確保についてでございます。
 近年、大規模風水害が頻発する中で、江東五区を中心とする東部低地帯におきましては、多くの都民の命を守るため、行政区域を越える広域避難先の確保が急務となっております。
 このため、都は、受入れ可能な都立施設を広域避難先として活用することはもとより、国、民間施設にも積極的に協力を求めていくことといたしました。
 その第一弾として、都は広域避難先に活用する施設として、渋谷区にあるオリンピックセンターとの包括協定を先月締結いたしました。
 今後は、この施設で広域避難者を円滑に受け入れられますよう、施設管理者や関係区などと具体的な検討を進めてまいります。
 また、広域避難先のさらなる確保に向け、避難誘導に要する都民負担等を考慮して、区部にある国、民間施設を中心に調整を図って、年度内の新たな協定締結に向けて取組を進めてまいります。
 いつ起こるとも知れない大規模風水害から都民の命を守るため、国や関係区などと緊密に連携し、広域避難対策に万全を期してまいります。
 次に、住宅等の一定の新築建築物への太陽光発電設備の導入義務化の検討についてのお尋ねでございます。
 ゼロエミッション東京の実現に向けましては、二〇三〇年までの十年間の取組が極めて重要でありまして、今こそ行動を加速するときであります。
 都内CO2排出量の約七割は事業所や住宅などの建物を利用する際に消費するエネルギーに由来しておりまして、今後、新たに建てられる建築物は、その後何十年にもわたり使用されることから、二〇五〇年の東京の姿を形づくることとなります。
 とりわけ、新築される建物の九割超を占めます住宅等の中小建築物の対策が重要でして、省エネ性能の向上に加え、利用するエネルギーを再生可能エネルギーへと転換していくことが不可欠であります。
 都はこれまで、太陽光発電や太陽熱、地中熱などの設備への支援を実施することで、住宅などへの再エネ設備の導入を推進してまいりました。
 この間、太陽光発電設備の設置費用は年々低下するとともに、住宅などへ設置することで電気代削減や売電収入が得られ、停電時にも電気を使用できるメリットがあるなど、導入の機は熟しております。
 こうした状況を踏まえまして、住宅等の一定の新築建築物に太陽光発電設備の設置を義務づける都独自の制度の導入に向けた検討を開始いたします。
 今後、環境審議会の下に設置する分科会におきまして、法的な観点、太陽光発電以外も含め、効果的な再エネ設備の導入方法など、専門家等による審議を重ねてまいります。
 また、関係団体など、多様な立場の方々からのご意見なども伺いながら、円滑な導入に向けた支援等の在り方など、様々な課題も含めまして、幅広く議論を進めてまいります。
 こうした取組を通じて、広く都民、事業者の理解、共感を得た上で、住宅等の新築建築物への太陽光発電等を標準化していくための制度を構築するとともに、あらゆる主体の抜本的な取組強化策を結集、そしてゼロエミッション東京を実現してまいります。
 独法化後の財源措置についてのお尋ねです。
 感染症医療や周産期医療など、民間医療機関だけでは対応困難な行政的医療の提供は、都立病院が果たすべき重要な役割であります。
 超高齢社会が本格化し、医療環境が大きく変わる中でも、また、コロナのような緊急事態におきましても、行政的医療を確実に提供する役割を担い続けるために、地方独立行政法人東京都立病院機構を設立することといたしました。
 法人設立後は、医療ニーズに応じまして、柔軟で機動的な運営ができる独法化のメリットと都立病院と公社病院が一体となるスケールメリットを最大限活用することで、行政的医療を充実強化してまいります。
 また、行政的医療に必要な経費は、採算の確保が困難であることから、将来にわたりまして、都民に必要な医療を安定的、継続的に提供できますよう、法人設立後もこれまでと同様に、都が確実に財源を措置してまいります。
 次に、独法化後の都の組織についてのお尋ねでございました。
 法人を所管する都の組織は、行政的医療の安定的な提供など、都の医療政策と連携をしまして、法人がその役割を確実に果たせますよう、法人との調整を行って、運営を支援する役割を担うこととなります。
 また、医療環境が大きく変化していく中で、都に寄せられます都民や地域のニーズ、議会からの意見を法人の病院運営に的確に反映させることも都の役割でございます。
 こうした役割を踏まえながら、新たな法人が都民の医療ニーズに迅速かつ柔軟に対応し、質の高い医療を提供できますよう、都の組織体制について検討してまいります。
 次に、住宅部門を担う局の設置についてのお尋ねがございました。
 これまで都は、直面する課題に応じて、組織の在り方を戦略的に見直してまいりました。
 住宅部門につきましても、平成十六年度にまちづくりと一体となった住宅政策を推進するため、関係部署を再編統合しまして、都市整備局を設置したところであります。
 平成三十一年度には、東京の住宅を取り巻く環境変化に対応するために、都市整備局に住宅政策を専管する本部を設置して、まちづくりとの一体性を確保しながら、迅速に対応する執行体制を強化いたしました。
 これによりまして、都市づくり政策との連携の下で、都営住宅の建て替えによる創出用地を活用したまちづくりを進めるとともに、喫緊の課題であります老朽マンションや空き家への対策、セーフティーネットの構築など、住宅施策を機動的に推進をしております。
 今後は住宅確保要配慮者への居住支援の強化も図りつつ、都市づくり政策と住宅政策の連携の下、重層的な住宅セーフティーネット機能の強化など、未来の東京戦略に掲げます住宅戦略の展開に向けました新たな組織の在り方を検討し、執行体制を構築してまいります。
 次に、都庁の組織の在り方についてお尋ねがございました。
 新型コロナという未曽有の危機に直面しながら、皆様のご支援、ご協力によりまして、東京二〇二〇大会を成し遂げることができました。都政はこの経験を跳躍台として、東京の明るい未来を切り開く取組を加速させてまいります。
 そのために、まずは危機管理の徹底であります。新型コロナウイルスをはじめとした感染症、頻発化、激甚化する風水害や大規模地震など、いかなる災害からも都民の命を守るべく、万全の体制を構築しなければなりません。
 また、本年三月、議員提案により、東京都こども基本条例が成立をいたしました。未来を担う子供をあらゆる場面におきまして、権利の主体として尊重する、この条例の理念を踏まえまして、子供目線に立った総合的な政策を力強く進めていかなければなりません。
 東京二〇二〇大会を終えて、都政が次なるステージを迎える今、万全の危機管理、大会レガシーの発展を礎としまして、あらゆる政策のバージョンアップを図るとともに、様々な課題にも機動的に対応できる組織の在り方を来年度に向け検討を進め、戦略の実行を支える執行体制を構築してまいります。
 なお、その他の質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長からの答弁といたします。
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 五点のご質問にお答えいたします。
 初めに、大会後のパラリンピック教育の実施についてでございますが、平成二十八年度から都内全公立学校で実施してきたオリ・パラ教育では、子供たちが多様性を尊重する態度を身につけることができるよう、知識の習得だけでなく、実際の体験や活動を重視した学びに取り組んでまいりました。
 これまで都教育委員会は、パラスポーツ競技応援校の指定やパラリンピアン等の派遣を通じて、スポーツ体験や選手との交流を推進してまいりました。各学校では、これらを契機として、特別支援学校や地域とのスポーツ交流等に取り組み、互いを認め合い、思いやる心を育んでおります。
 今後、都教育委員会は、子供たちのパラスポーツ体験を増やしていくため、競技団体と連携した教員向け講習会等を実施し、学校や地域での様々な体験を通じて、共生社会を担う子供たちに必要な資質、能力を育んでまいります。
 次に、教員の障害者スポーツに関する体系的な学びについてでございますが、障害者スポーツの裾野を広げていくためには、学校において、子供が障害者スポーツに親しむ機会を充実させ、教員が子供の興味や能力を引き出すことが重要でございます。
 都教育委員会では、東京二〇二〇大会の開催決定を受け、子供たちの障害者スポーツを通じた体験や交流をさらに促進してまいりました。また、競技団体と連携して講習会を開催し、延べ一千十三人の教員に、競技の魅力や安全な指導方法等を伝えるなど、教員の学ぶ機会を増やしてまいりました。
 今後、子供たちの発達段階に応じた可能性を見いだし、その能力を一層伸ばしていくためには、体育等の教員が大学の教員養成課程の段階から障害者スポーツの基礎的理論等を学ぶことが有効でありますことから、国に対して、障害者スポーツ科目の必修化について要望してまいります。
 次に、一人一台端末の適切な利用についてでございますが、子供たちが学習者用端末を用いて、安心・安全な学びを進めていくためには、学校における情報モラル教育の充実と適切な端末の管理が不可欠であります。
 都教育委員会は、発達段階に応じた情報モラル教育の教材、SNS東京ノートを全ての児童生徒に配布し、各学校では、SNS等を利用する際に、他者を傷つけないよう配慮することなど、指導を繰り返し行ってまいりました。
 また、今般、改めまして、各学校において、教員が端末上の書き込みを適切に把握するとともに、他者から容易に推測されないパスワードを設定することや、他者に知られないよう管理することなどの指導を行うよう徹底をいたしました。
 今後、情報モラルの意識を高めるため、SNS東京ノートをデジタル化し、端末上で活用して、日常的に指導を行えるようにしてまいります。
 また、子供が日頃抱える不安や悩みについて、端末を通じて相談できる仕組みについても検討いたします。こうした取組により、子供たちが端末を適切に活用して学習できるよう学校を支援してまいります。
 次に、高校段階の一人一台端末の整備についてでございますが、都教育委員会は、これまでの研究成果を踏まえ、今年度、都立学校十二校をモデルとして、既存の端末を活用し、教科学習や探求活動等での効果的な学習方法の開発を行っております。
 また、同一機種端末の使用により、生徒同士の学び合い、教員からの統一的な操作指示などにおいて、有用性が確認できております。
 令和四年度からの保護者負担による一人一台端末の整備に当たりましては、こうした成果を全校に普及させていくこととしております。
 また、端末の購入に当たっては、家庭の経済状況にかかわらず、全員が購入できるよう、給付型奨学金の活用に加え、全世帯を対象に負担額が一定となる補助制度の創設について詳細の検討を進めてまいります。
 最後に、特別支援教室における指導期間についてでございますが、特別支援教室での指導は、発達障害のある子供たちの学習上や生活上の困難等を改善し、より多くの時間を在籍学級で過ごせるようになることを目的に実施しております。
 子供たちが抱えているそれぞれの学習上等の困難さに応じて目標を設定し、指導を行い、学校生活の一年間のサイクルが終了する時点で必ず振り返りを行うという趣旨で、指導期間を原則一年間と定めたものでございます。
 必要な場合は、一年間指導を延長し、延長終了時には改めて支援策を検討し、特別支援教室での指導の継続を含め、子供の状況に応じた適切な支援を行うことといたしております。
 この内容を本年三月に策定したガイドラインに記載し、区市町村教育委員会に示しているところですが、今後、この趣旨を分かりやすく説明した資料を作成し、特別支援教室の適切な運営と指導の充実を支援してまいります。
〔東京都技監上野雄一君登壇〕

○東京都技監(上野雄一君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、土砂災害の未然防止についてでございます。
 熱海市における土石流災害を受け、国は、例えば宅地造成等規制法による盛土がある一方、法律の網にかかっていない盛土にどのように対応していくのかという問題があり、各省のはざまになっている部分の総点検も必要としております。
 そのため、国におきましては、盛土による災害防止のための関係府省連絡会議を設け、災害防止の対応方策などに関しまして推進することといたしました。
 都といたしましては、現在進めている盛土総点検により現況の把握に努めるとともに、今後、関係局から成る会議体を早期に設置し、国の検討状況を見ながら、国や区市町村との役割分担も勘案しつつ、課題整理の上、対応の在り方などについて検討してまいります。
 次に、外堀浄化についてでございます。
 水と緑を一層豊かにし、ゆとりと潤いのある東京を実現するには、水辺空間を生かした魅力ある都市の顔づくりを進めることが重要でございます。
 外堀の水質改善に向けては、東京二〇二〇大会に合わせ、暫定対策として、水質改善処理剤の散布等を行い、アオコの発生を抑制いたしました。また、外堀への導水に向け、関係局が役割分担し、新たな導水路整備等に関する詳細調査を実施しておりまして、年度内に基本計画の検討を進め、取りまとめてまいります。
 あわせて、多摩川からの通水の可能性も展望し、玉川上水中流域におきまして、のり面における樹木の成長が進んでいることなどから、水量が増えた場合ののり面への影響調査に着手しております。
 引き続き、国や地元区とも連携しながら、水質改善を着実に進め、人が憩う外堀の水辺を再生してまいります。
〔福祉保健局長吉村憲彦君登壇〕

○福祉保健局長(吉村憲彦君) 九点のご質問にお答えいたします。
 まず、バリアフリーの推進等についてでございますが、都は、東京二〇二〇大会の開催に当たり、競技会場周辺のバリアフリー整備を重点的に進め、都内のバリアフリー情報をまとめたポータルサイト、とうきょうユニバーサルデザインナビで広く周知いたしました。
 また、心のバリアフリーを推進するため、児童生徒向けのポスターコンクールの実施や、従業員の意識啓発等に取り組む企業等を登録、公表することなどに取り組んでおります。
 東京二〇二〇大会を契機に、障害者を含む当事者等の意見も聞きながら、利用者の視点に立って、バリアフリーのハード、ソフト両面の取組を進め、誰もが安全・安心、快適に暮らし、訪れることのできるユニバーサルデザインのまちづくりをより一層推進してまいります。
 次に、抗体カクテル療法についてでございますが、抗体カクテル療法は、重症化リスクがある軽症患者に中和抗体薬を投与するものであり、都のモニタリング会議で、他の要素も含まれるが、投与から十四日以上経過した方の約九五%が軽快したと報告されました。
 この治療薬は、発症後早期の投与が望ましいため、都は、保健所からの情報を基に、酸素・医療提供ステーションや医療機関との受入れ調整を行い、自宅と投与を行う施設との搬送体制の整備も進めております。
 また、宿泊療養施設に入所している基礎疾患を有する方にも、抗体カクテル療法の効果等を丁寧に説明し、酸素・医療提供ステーションで積極的に受け入れ、投与しております。
 こうした取組により、早期かつ確実に重症化リスクのある患者を抗体カクテル療法に結びつけてまいります。
 次に、保育所等でのPCR検査に対する支援についてでございますが、都は、保育所等において新型コロナウイルス感染症の陽性者が発生した場合に、施設内での感染拡大を防止するため、児童や保育従事者に対し速やかにPCR検査を実施できる仕組みを整備いたしました。
 具体的には、都が購入した検査キットを、区市町村を通じて保育所等に送付し、濃厚接触の可能性のある方の検体を検査機関に返送していただくものであり、先週、その旨を区市町村に通知いたしました。現在、各自治体での意向を確認しており、必要数が確定次第、順次検査キットを送付いたします。
 今後、今回の取組以前に、陽性者の発生に伴い検査を行った保育所等への支援のほか、放課後等デイサービス等への支援についても検討してまいります。
 次に、自宅療養者への医療支援についてでございますが、都は現在、自宅療養者が緊急時に自宅で酸素投与を受けられるよう、酸素濃縮装置を七百六十台確保しており、今後の感染拡大に備え、千台を目途に確保してまいります。
 また、東京都助産師会と連携し、地域の助産師が自宅療養中の妊産婦に対し、電話や訪問等により行う健康観察を新たに実施してまいります。
 さらに、東京都医師会や東京都薬剤師会と連携し、品川区での取組を参考に、先月多摩地域で開始したオンライン診療を、今後、都内全域での実施に向けて調整してまいります。
 加えて、平日夜間及び土曜休日に電話、オンライン診療等を受診し、薬を処方された自宅療養者に調剤や薬剤の配送、服薬指導を行う薬局に対し、配送に係る経費を新たに支援するなど、地域における自宅療養者の医療支援体制を強化してまいります。
 次に、療養者の容体急変への対応についてでございますが、都は、自宅療養者からの緊急の医療相談に対応するため、自宅療養者フォローアップセンターの電話回線数を増強し相談体制の拡充を図っております。
 また、パルスオキシメーターを確保し、保健所設置区市に配布するほか、地域のかかりつけ医が自宅療養者の健康観察で活用できるよう、東京都医師会へ貸与を開始するなど、フォローアップ体制を強化しております。
 さらに、宿泊療養施設では、療養者の体調急変を迅速に把握できるよう、さらなる安全管理体制の充実に向け、お話の機器の導入も含め検討を進めております。
 今後、検討結果等を踏まえ、自宅、宿泊療養者の容体急変に適切に対応する仕組みの強化を図ってまいります。
 次に、臨時の医療施設についてでございますが、現在、都内の新規陽性者数は減少しておりますが、今後、増加に転じた場合にも速やかに対応できるよう、患者を受け入れる病床の確保に加え、これを補完する臨時の医療施設を整備していくことが重要でございます。
 都は、入院待機ステーションや軽症、中等症患者を受け入れる酸素・医療提供ステーションの設置などに取り組んでおります。
 今後、感染の再拡大に備え、酸素・医療提供ステーションを増床するとともに、様々な症状の患者に対応するための機能等を勘案して、既存施設等を活用した臨時の医療施設等を整備し、医療提供体制を確保してまいります。
 次に、都の大規模接種会場の運営についてでございますが、希望する全ての方が、より早期に二回の接種を終えるには、区市町村と連携しながら、地域の実情を踏まえて接種体制の拡充を図ることが重要でございます。
 都は、区市町村と調整しながら、地域性や利便性を考慮して大規模接種会場を設置しており、その中でも利便性の高い行幸地下、立川北及び本日開設いたしましたNHK渋谷会場では、土曜日、日曜日も含め、夜八時まで接種しております。
 さらに、都内の区市町村が実施している夜間帯の接種実績なども参考にして、行幸地下会場の接種終了時刻を現行の夜八時から一時間延長することを検討してまいります。
 引き続き、区市町村と連携しながら、接種機会の拡大に努めてまいります。
 次に、三回目のワクチン接種についてでございますが、国は三回目の接種対象者は、二回目の接種終了後、おおむね八か月以上経過した方との考えを示しており、本年十二月から接種開始ができるよう、都道府県は区市町村を支援するとともに、進捗管理をすることとしております。
 対象者は、ワクチン接種記録システムⅤRSに二回目までの接種記録が登録されていることが前提となるため、区市町村等に早期の登録を改めて依頼してまいります。
 また、医療従事者等については、二回目までの接種と同様に、住所地以外の勤務先での接種も可能となっており、都は、区市町村と協働した接種体制を念頭に、具体的な役割分担や、ワクチンの安定的な供給等について、区市町村や国、関係機関等と調整してまいります。
 最後に、新型コロナウイルス感染症の後遺症についてでございますが、後遺症の実態は現段階では明確になっておらず、確立された治療法もございません。
 都は、都立、公社病院にコロナ後遺症相談窓口を設置して相談に応じるとともに、必要な方には診療を行うほか、東京iCDC専門家ボードで後遺症に関するリーフレットを作成し、幅広く都民に周知しております。
 今後は、コロナ後遺症に対応している医療機関の情報を収集し、相談窓口で活用するなど、後遺症に悩む都民が身近な医療機関で、より適切な医療を受けられるよう取り組んでまいります。
 また、東京iCDCにおいて、都立、公社病院と連携し、後遺症相談窓口等で蓄積したデータや症例を分析し、実態把握を進めるとともに、医療従事者にも後遺症に関する情報を提供するなど、後遺症に関する理解促進を図ってまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長中村倫治君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(中村倫治君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、パラアスリートの競技力向上の支援についてでございます。
 都では、障害者スポーツ競技団体の練習の場の確保にも資するよう、特別支援学校活用促進事業を実施するとともに、身近な区市町村のスポーツ施設のバリアフリー化等を支援してまいりました。また、国際大会に出場する東京ゆかりの選手に対しまして、海外遠征費等を支援しております。
 さらに、障害者スポーツに供する優れた技術、製品の開発に取り組む中小企業や地域を支援しており、東京二〇二〇大会では、新たに開発した競技用車椅子等を使用したパラアスリートがメダルを獲得いたしました。
 引き続き、技術的なアドバイスや開発費の助成等により、用具等の開発に取り組む中小企業を支援いたします。
 また、今後、味の素スタジアム内の施設を練習拠点として整備するほか、引き続き、海外遠征など競技活動の支援も検討してまいります。
 次に、大会における感染防止対策についてであります。
 徹底した水際対策や定期的な検査等の結果、空港検疫の陽性率は〇・一%、スクリーニング検査で〇・〇三%と低く抑えられました。また、訪日大会関係者の都内の入院者数はピーク時で二人となっております。専門家からも、大会は安全に行われたと評価されております。
 また、ステイホームやテレワーク等の呼びかけを行い、道路、鉄道等の混雑が予想された重点取組地区において、昼間時間帯の滞在人口が大会前より約一割減少するなど、人流は減少、抑制されております。
 なお、感染状況の動向を示す指標であります実効再生産数は、七月二十一日の一・四をピークに下落傾向に転じ、九月九日には〇・六三まで減少しております。大会におけるこれらの対策は、専門家を含むラウンドテーブルにおいても有効に機能したと評価されております。
〔生活文化局長野間達也君登壇〕

○生活文化局長(野間達也君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、文化プログラムについてでございますが、都は、リオ大会以降、多彩な文化プログラムを展開し、伝統と革新が融合した東京の文化の魅力を力強く発信することを目指してまいりました。
 国内外からアイデアを広く募集し、伝統と最先端技術が融合した展示、公演など、東京のまち中を舞台に実施したアートプロジェクト等、人々の記憶に残る企画を展開してまいりました。
 コロナ禍での制約もありましたが、様々な工夫をしながら、障害や年代を問わず、参加できる事業、海外アーティストや自治体と連携した公演など、多様な人々の力を合わせて築き上げた事業を都内全域で実施いたしました。
 今年度策定する文化戦略では、さきの定例会での御党のご提案も踏まえ、文化プログラムの成果とコロナ禍で得た経験等から、文化への参加機運が都民や地域に根づくための施策を盛り込み、芸術文化都市東京の実現に取り組んでまいります。
 次に、私立高校の一人一台端末の整備についてでございますが、教育におけるデジタル環境の整備は、動画や音声を用いた学習、海外等との生徒同士の交流など、これまでにない多様で充実した授業を提供する上で大変重要でございます。
 私立高校ではこれまでも、それぞれ独自の教育方針に基づき、電子黒板や無線LANなどのデジタル環境整備を行ってまいりました。
 生徒の端末整備においても、学校がまとめて整備する方法や、保護者が学校の指示する端末を購入する方法など、各学校で様々な手法を用いております。
 そのため、都として、各学校の整備方法に応じて、保護者の負担軽減に配慮しながら、生徒一人一台端末の整備が確実に進むよう、具体的な手法の検討を進めてまいります。
〔総務局長黒沼靖君登壇〕

○総務局長(黒沼靖君) 同性パートナーシップ制度創設に向けた取組でございます。
 制度の検討を進めるに当たりましては、性的マイノリティー当事者や有識者等から幅広い意見を適切に反映させていくことが重要であります。
 このため、都は今月から、学識経験者や当事者支援団体に対し、制度の設計や現行法制との整合性、当事者の立場に立った手続の在り方、活用が想定されるサービス分野等についてヒアリングを実施いたします。
 また、性的マイノリティー当事者等を対象とする実態調査を実施いたしまして、性的指向や性自認など多様な性に関する都民の認識のほか、当事者が直面する生活上の困り事や行政に求める支援策、他自治体の制度利用者の声などを幅広く把握をしてまいります。
 こうした有識者や当事者の意見等を早期に取りまとめ、制度の検討を着実に進めてまいります。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、感染症対策に取り組む商店街への支援についてですが、リバウンド防止措置期間の中にあって、感染症対策を行いながら経済活動の再開に向けた準備を進めていくことは重要でございます。
 先月、新宿区の商店街が来街者や近隣店舗の従業員等に対してPCR検査を行う取組を都が支援いたしました。三日間で約五百名の方が参加し、検査を受けながら商店街を利用できるという事例をつくることができたものと考えております。
 今後は、感染拡大の防止に向け、商店街が様々なガイドラインに基づいて実施する取組に加え、PCR検査やワクチンの接種済証を活用した商店街の主体的な取組の支援を検討してまいります。
 こうした取組により、地域での感染拡大の防止と商業活動の回復を着実に後押ししてまいります。
 次に、宿泊施設や旅行事業者に対する支援についてですが、都では、十月よりリバウンド防止措置期間となり、感染拡大を抑制しながら、観光需要の回復を図っていく必要がございます。
 昨年のGO TOトラベル事業は、お話のように、他道府県から都内への観光客の多くが大手の宿泊施設に泊まり、中小の宿泊事業者からは、期待したほど利用されなかったという声も聞いております。
 このため、都は、観光需要回復を見据えた準備といたしまして、中小のホテル、旅館が旅行者をより一層引きつけられますよう、魅力向上に資する取組への支援を開始いたします。
 具体的には、専門家を派遣するとともに、新たな宿泊プランづくりや、その広報経費などを助成いたします。
 また、海外に向けて、東京二〇二〇大会のレガシーや最新の観光情報等を、アニメなど東京の優れたコンテンツと組み合わせて効果的に発信してまいります。
 次に、中小企業の感染防止対策への支援についてですが、感染防止対策の助成事業において、業界ガイドラインに記載のない取組については、東京iCDCの意見を踏まえて、支援の適否を判断することとしております。
 このため、都は、本助成事業における空気清浄機の取扱いについて、東京iCDCの専門家による換気の補完に有効との意見を踏まえて、これまで対象外とされたものも含めて見直しを行ったところでございます。
 具体的には、ガイドラインの記載内容によらず、全ての業界に対して幅広く助成対象とするとともに、事業を開始いたしました本年一月四日以降に購入したものを適用することといたしました。また、冬場の感染症対策を徹底するため、申請受付期間を二か月間延長いたします。
 本助成制度のさらなる利便性の向上を図ることによりまして、中小企業の感染防止対策を着実に支援してまいります。
 最後に、奨学金返還の負担軽減を通じた中小企業の人材確保についてですが、都は、建設、IT、ものづくりの三分野の中小企業を対象に、これらの企業が奨学金を利用した学生等を技術者として採用した場合に、その返還をサポートする事業を新たに開始いたします。
 具体的には、奨学金の返還に必要な経費の一部について、都と中小企業がそれぞれ同額を負担し、一人当たり合計で百五十万円を上限として助成する方向で検討を進めているところでございます。
 今年度から、事業に参加する企業の募集を開始し、採用された方が一年間、その企業に勤務したことを見極めた上で、三年間にわたり支援を行ってまいります。
 こうした奨学金負担の軽減を通じて、コロナ禍において、中小企業における人材の確保と定着を図ってまいります。
〔病院経営本部長西山智之君登壇〕

○病院経営本部長(西山智之君) 三点のご質問にお答えいたします。
 初めに、重粒子線治療についてでございますが、重粒子線治療は、放射線治療の一つで、照射回数が少ないため、日常生活との両立が可能な体への負担が少ない低侵襲な治療でございます。
 一方、施設の整備や運営には多大なコストを要するものであり、より多くの患者に治療を行うことが必要でございますが、現在、保険適用となる疾患が前立腺がんや骨軟部腫瘍など一部に限定されてございます。
 国では、重粒子線治療の実績や効果を基に、保険適用外の疾患に対する治療の有効性、安全性等について、秋以降に議論が行われる予定です。
 都としては、こうした国の議論も十分注視しつつ、施設を導入した他府県の状況等を調査し、検討してまいります。
 次に、独法化の必要性についてでございますが、都立、公社病院は、コロナ対応において、専用医療施設の開設など、二千床を確保し、他の医療機関で対応が困難な妊婦や小児、精神疾患等の合併症患者を積極的に受け入れてきました。
 一方、採用予定の医師が、他の医療機関での兼業ができないために直前で辞退する事例や、定数管理により専門看護師など必要な人材が採用しづらい状況があるなど、現在の経営形態では、法令等の制約の下での迅速、柔軟な人材の確保が改めて課題になりました。
 独法化のメリットは、法人独自の勤務制度や、より働きがいのある人事給与制度により、柔軟な人材確保等が可能となり、対応力を機動的に強化できることにございます。
 今後も、感染状況に応じて、さらなるコロナ対応が必要であり、新たな感染症の発生にも備えていかなければなりません。また、超高齢社会が本格化する中、医療環境の変化に迅速に対応できる体制を早期に整備する必要もございます。
 このため、独法化の準備を進め、感染症対応をはじめ、都民に必要な医療を確実に提供してまいります。
 最後に、独法化後の人材確保に向けた取組についてでございますが、質の高い医療の提供には、職員が高い意欲を持ちながらその能力を最大限に発揮し、安心して働き続けられる環境づくりが重要でございます。
 このため、地方公務員法等にとらわれない、働きやすい勤務時間制度や働きがいと能力、スキルの向上につながる人事給与制度等を構築いたします。
 具体的には、専門性に着目した手当やライフスタイルに応じた勤務時間の設定など職員のニーズに合わせた制度のほか、退職手当は、都と同制度とすることを検討してございます。
 また、社会保険は、引き続き東京都職員共済組合の組合員となるので、年金等の給付は都職員と同様でございます。
 新たな都立病院として、職員の意欲と能力をさらに引き出す制度を構築し、安定的な人材確保を図ってまいります。
〔建設局長中島高志君登壇〕

○建設局長(中島高志君) 既存の盛土の状況把握とその対策についてでございますが、盛土に起因する土砂災害を防止するためには、その状況を把握し、必要な対策を実施することが重要でございます。
 七月の熱海市における土石流災害を踏まえまして、都は土地利用の規制等に関する法律や条例を所管する四局が連携して、盛土による災害防止に向けた総点検を実施しているところでございます。
 具体的には、土砂災害警戒区域や山地災害危険地区の上流域、大規模盛土造成地等にある盛土約千六百か所を対象としまして、必要な措置の実施状況などについて、目視等により点検を行っております。今後、年内を目途に点検結果の暫定的な取りまとめを実施する予定でございます。
 なお、点検の過程で災害をもたらすおそれがある盛土の存在が判明した際には、法令に基づき、速やかに対応策を検討してまいります。
〔住宅政策本部長榎本雅人君登壇〕

○住宅政策本部長(榎本雅人君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、東京ささエール住宅の今後の取組についてでございますが、住宅確保要配慮者の居住の安定のためには、民間賃貸住宅に円滑に入居できるよう、ささエール住宅の登録を着実に進めることが重要でございまして、都は計画を策定して登録促進に努め、現在、約四万戸が登録されております。
 しかし、要配慮者のみが入居できる専用住宅につきましては、ささエール住宅の登録事業者に対するアンケートによりますと、入居中の事故やトラブルの発生など、様々な不安があることから、積極的な登録がなされていないものと考えられます。
 今後は、家賃低廉化や改修費への補助等に加えまして、見守りサービスや単身高齢者等の死亡に伴う残置物処理等に関するモデル契約条項の普及促進などにより、貸主の不安軽減を図り、専用住宅への登録を促進してまいります。
 次に、民間住宅を活用した安心して生活できる居住環境の実現についてでございますが、民間住宅を含めた重層的な住宅セーフティーネットの構築に向け、既存住宅を東京ささエール住宅に登録するよう促すことは、空き家対策としても重要でございます。
 都は今年度、モデル事業といたしまして、空き家を改修して、ひとり親世帯向けのささエール住宅として登録する取組を採択し、防音性の向上など、子育てしやすい住宅への改修費の一部を民間事業者に補助する事業を実施しております。
 今後、居住支援法人等が行う、既存住宅の共同居住型のささエール住宅への改修や要配慮者の状況に応じたきめ細かい支援サービスなど、多様な取組との連携を強化することで、ささエール住宅への登録を促進し、要配慮者が安心して生活できる居住環境の実現を図ってまいります。

○議長(三宅しげき君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後六時二十六分休憩

   午後六時五十分開議
○議長(三宅しげき君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 百二十七番和泉なおみさん
〔百二十七番和泉なおみ君登壇〕

○百二十七番(和泉なおみ君) 日本共産党都議団を代表して質問します。
 初めに、都立、公社病院の独立行政法人化問題です。
 知事は、コロナ禍の下で、都立、公社病院の充実強化どころか、正反対に大後退させる独法化に向けた定款を多くの強い反対の声に背を向けて提出しました。しかも、来年七月に法人を設立すると表明したことは重大です。
 そもそも知事は、なぜコロナ禍の下、独法化なのか、まともな説明ができません。行政的医療を確実に提供し、医療を取り巻く環境変化に迅速に対応するためという意味不明の説明を繰り返すだけです。
 都立、公社病院は、全国の病院の中で最も積極的、迅速にコロナ患者を受け入れてきました。都内のコロナ病床の実に三割、二千床のコロナ病床を確保し、透析患者、妊婦、障害者などを受け入れています。都立病院が都直営で、公社病院も都立に準じて運営しているからこそ、こうした機動的な対応ができるのです。
 知事、都立、公社病院のコロナ対応に、独法化しなければ解決できない重大な不都合が何かあったのですか。
 定款に、災害や感染症の発生時に知事の要求で行政的医療を担う規定が入りました。しかし、独立法人の国立病院機構にも法律に同様の規定がありますが、都内四病院で確保しているコロナ病床は二百九床にとどまります。
 知事、同様の規定を持つ独法病院より、都立、公社病院の方がはるかに積極的で迅速な役割を果たしているのではありませんか。
 都が独法化した健康長寿医療センターにも同じ規定がありますが、知事がこの規定を発動したことは一度もありません。
 コロナ禍は、公立病院が担う緊急時などの役割を軽視し、相次いで縮小、削減してきた新自由主義的な医療政策が根本的に間違っていたことを浮き彫りにしました。医療に対する行政の役割を強化し、都立、公社病院を抜本的に充実強化することこそ今必要ではありませんか。
 知事は、今年二月の定例会に定款を提出する計画でしたが、コロナ対応を優先するため見送りました。
 にもかかわらず、なぜ今回提出したのですか。第五波の感染拡大のさなかに定款の準備をしていたのですか。昼夜を分かたず、コロナ対応をしている都立、公社病院の職員の同意は得たのですか。
 今は独法化の議論をしているときではありません。第六波への備えを最優先にすべきではないのですか。疑問にきちんとお答えください。
 都立病院で働く看護師は、都が独法化の定款を出すことを知り、コロナの中で着々と進めていることに驚いた、職員が自分の身分のことや独法化について考える余裕など全くないと話しています。知事、どう受け止めますか。
 高い使命感を持って都職員として働いている都立病院の医療従事者は、独法化によって公務員の身分を失います。コロナ禍の下で、人生を左右する選択を迫るのは余りに酷ではありませんか。
 知事が独法化の実績として上げている都の健康長寿医療センターは、独法化後に病床は百六十一床も減らされ、患者負担の重い差額ベッドが大幅に増やされました。宮城県の独法病院は、コロナ禍の下で統廃合の方針が出されています。独法化された東大病院には、差額ベッド料が一日最高二十三万円の超高級特別病棟が造られ、海外の富裕層向けの医療ツーリズムも行っています。
 行政的医療を切り捨て、稼ぐ医療を優先するのが独法化です。独法化を検討した病院経営委員会の委員長は、独法化後の都からの財政支援について、従前のままでは何のための独法化かと発言しました。都の本当の狙いは、財政支出の削減にほかなりません。
 感染症医療や災害医療、小児、周産期医療、難病、障害者医療、島しょ医療などの不採算であっても都民のために必要な医療が大後退することは明らかです。
 独法化への都民の理解は得られていません。連日、都庁前や都内各地で都立、公社病院の独法化中止を求める行動が行われ、二十万筆を超える署名が提出されています。
 知事、都民の声にきちんと耳を傾け、定款を撤回し、独法化を中止すべきです。答弁を求めます。
 独法化に伴い、公務員の身分を奪う法律はありますが、直営に戻そうとしたとき、公務員に戻す法律はありません。
 全ての会派の皆さん、独法化は、失敗しても後戻りできない片道切符です。後世に悔いを残さない決断を私は強く求めるものです。
 次に、コロナ対策について質問します。
 緊急事態宣言が解除された今、大切なことは第六波を起こさない対策と同時に、第六波が起きたときの対策を行うことです。
 第一に、ワクチン接種と一体に、今こそ大規模検査が必要です。
 知事は所信表明で、感染終息に向け、ワクチンと並び検査の充実が鍵となると述べ、感染拡大を未然に防止するために検査体制を整備すると述べました。
 しかし、都内の検査数は、八月第三週には一日当たり約三万四千件、これも少な過ぎますが、九月第四週は約二万二千件に減っています。
 これまで、陽性者が減った時期に感染を抑え込み切れず、何度も感染拡大を繰り返してきました。
 知事、その反省に立ち、陽性者が減った今こそ検査を大規模に行い、感染を徹底して抑えるべきではありませんか。
 国の新型コロナ対策分科会の提言も、変異株に対応するためには、濃厚接触者の範囲のみならず、陽性者の周囲を幅広く、かつ迅速に検査し、感染拡大を封じ込めることが求められるとしています。この提言に沿う検査を行うことが必要です。いかがですか。
 都は、学校や保育園で陽性者が出た場合に検査を行うための支援を始めました。学童クラブも対象ですが、放課後等デイサービスなどの障害児通所が対象外なのは道理がありません。対象に加えるべきです。
 また、私立学校への支援では、学級や部活動単位などでの検査を認めています。これは、文科省が示したガイドラインの考え方にも沿うものです。
 ところが、公立学校への支援では、対象者を濃厚接触者の候補に限定しています。公立学校も私立と同様に、学級単位などでの広い検査も対象とすべきです。見解を伺います。
 学校や保育園での生活を継続するには、陽性者が発生したときの検査だけでは不十分です。早期に感染者を発見し、クラスター発生を防止するため、高齢者施設で行っているような定期的な検査を学校や保育園などでも行うことが必要です。いかがですか。
 都の新型コロナ対策審議会で、大曲医師は、職域でも定期的なスクリーニング検査の導入を都として支援することを提言しています。
 知事は、この提言をどう受け止めていますか。直ちに具体化すべきです。答弁を求めます。
 第二に、医療体制の抜本的強化です。
 八月の新規陽性者数は十二万人を超え、自宅療養者と入院等調整中を合わせた人数は最大四万人近くに上りました。八月以降、自宅療養中に亡くなった方は四十八人に及びます。
 必要な方が入院できず、自宅で亡くなる事態はあってはならないことだと思いますが、知事、いかがですか。
 症状に応じて、全ての患者が必要な医療を受けられることを大原則に据え、入院か宿泊療養を原則とすべきです。知事の認識を伺います。
 都が新たな臨時の医療施設を整備する予算をつけたことは重要ですが、具体的内容は決まっていません。
 都が整備してきた臨時の医療施設は、呼吸不全のある中等症Ⅱの患者は対象外です。酸素の配管などが必要であり、整備に一定の時間がかかる中等症Ⅱに対応する臨時医療施設を第六波に備えて今から整備すべきです。いかがですか。
 第三に、事業者への十分な補償と都民の暮らしを守る支援です。
 緊急事態宣言は解除されましたが、事業者への支援を継続、拡充することが必要です。負債一千万円を超えるコロナ関連の経営破綻は高い水準が続き、全国で累計二千八十二件に及びます。
 東京は四百六十五件で、全国の二割を超えています。業種別で一番多いのは飲食ですが、建設、アパレルなどが続いています。町工場も深刻です。衣料品店の経営者の方は、明け方にアルバイトをして何とかお店を維持していると話しておられました。
 幅広い業種の多くの事業者が、年末に向け瀬戸際に立たされていることを知事はどう認識していますか。
 新型コロナの影響を受けて、困難に直面している全ての中小、小規模事業者に対して十分な補償、支援の手を差し伸べることが必要ではありませんか。
 持続化給付金や家賃支援給付金が求められています。
 今定例会に提出された事業者支援などの補正予算の財源は九六%が国庫支出です。
 東京の経済を支える中小、小規模事業者を守り抜くため、都独自の給付など、財政措置が必要です。答弁を求めます。
 東京商工リサーチは、コロナ禍における中小業者をめぐる経済動向と消費税減税の必要性と題するレポートをまとめています。その中では、消費税一〇%への引上げによって、二〇一九年十月から十二月期のGDPは年率換算七・五%もの大幅マイナスとなり、休廃業や解散が過去最多になったこと、そこにコロナ禍が重なり、さらに深刻な事態に追い込まれたことが示されています。
 世界では、六十二の国と地域が消費税を減税し、大企業や富裕層に応分の負担を求める動きが広がっています。
 知事は、こうした動きをどう考えていますか。消費税減税と所得に応じた応分の負担の税制に切り替えることを国に求めるべきです。いかがですか。
 文化芸術関係者も苦境に追い込まれています。文化芸術推進フォーラムの調査では、演劇、古典芸能、音楽、映画など、各分野とも二〇二〇年の事業収入は一九年に比べ約五〇%から八〇%マイナスと、ほかの業種より大きな影響を受けています。
 知事は、この実態をどう認識していますか。
 今回のリバウンド防止措置でも、劇場などの営業時間短縮や業種別ガイドラインの遵守が要請されていますが、協力金のような支援はありません。要請に応じたら支援すべきです。いかがですか。
 また、アートにエールをステージ型の募集は九月までが対象です。十月以降の公演に対する募集も行うことを求めておきます。
 知事の所信表明は、コロナ禍で深刻の度を深めている都民の暮らしの実態を直視するものではありませんでした。
 地方自治体の役割は、住民福祉の増進です。コロナ禍で支援や配慮を必要としている人に都政が寄り添い、支援の手を差し伸べることが求められています。知事の認識を伺います。
 中でも、ひとり親家庭の暮らしは逼迫しています。少ない貯蓄も底をついた、冷蔵庫の中に何もない、子供に申し訳ないなどの声が寄せられています。
 当事者団体の調査では、仕事や収入が減ったと答えた方は七割に上ります。節約方法として、おやつをなくす、ご飯はおかゆで量を増やすなど深刻な回答が寄せられています。
 知事は、この切実な声、ひとり親家庭の暮らしの実態をどう受け止めていますか。
 この二十五年間、支給額が一円も上がっていない児童育成手当の増額、昨年度、一度は実施した食料支援の実施などの支援が急務です。見解を求めます。
 コロナ禍で仕事を失い住まいを追われた人、家賃が払えず住まいを失いかねない人も増えています。深刻な問題です。
 住まいは、生きていく上で欠かせない生活の基盤です。誰一人取り残さない、住まいは人権の立場を住宅政策の基本に据えて取り組む必要があります。知事の認識を伺います。
 都がコロナ禍の対策として、都営住宅入居者の毎月募集を拡充したことは重要です。一月から六月までは一回七十戸を募集し、七月から一回百戸に増やしたことも貴重な前進です。
 十月以降も継続し、区部をはじめ、募集戸数をさらに大幅に増やすとともに、広く都民に知らせるべきです。いかがですか。
 学生団体FREEが今年前期に行った調査では、回答した約半数が、昨年から経済状況が引き続き悪いか悪化したと答え、退学を検討している人は六人に一人に上ります。オンライン授業による孤立など、精神的ストレスも加わり、追い詰められているのも特徴です。
 学生への支援は、国の責任だというだけでは打開できません。
 コロナ禍での学生の困難をどう把握していますか。学生が最も多い都市として、実態を踏まえた支援を検討すべきではありませんか。
 京都府は、府内の大学と連携会議を持ち、学生への食材、生理用品の配布やオンライン授業の環境整備の補助を行っています。大学についての専管組織を持ち、大学や学生の実態を把握しているからこその取組です。
 大事な取組だと思いますが、こうした取組を都は把握していますか。学生への緊急給付など、都の支援を求めるものです。
 知事は、あらゆる政策の進化を図るため、都の組織の強化について検討すると述べました。都として、学生、若者を専管する組織の設置が必要です。答弁を求めます。
 子供のコロナ感染が広がり、密を避けた教育環境の確保は急務です。ある小学校の副校長は、四十人がぎゅうぎゅう詰めの教室風景の写真を持参し、体が大きい高学年も早く少人数にしてほしいと訴えました。
 知事は第一回定例会で、少人数などによるきめ細かな学びが大切と答弁しました。だとするなら、小中学校全学年の少人数学級を国より先に実施するべきではありませんか。知事、お答えください。
 知事は所信表明で、特別支援教育の充実に取り組む、発達障害のある児童生徒への多様な学びの場を確保するといいました。
 しかし、都教委は、発達障害のある児童生徒の学びの場である小中学校の特別支援教室の重大な改悪を進めようとしています。
 これまで、一人一人の状態に合わせて入退室を決めていたやり方から、原則一年、延長しても二年で退室するようにガイドラインを変更しました。また、教員配置基準を、これまでの十対一から十二対一に削減する方針も打ち出しています。
 特別支援教室では、校内の連携や経験ある教員の努力などによって、子供の特性に合わせた指導実践が行われてきました。それが後退してしまいます。
 校長会や副校長会、教員、保護者から、納得できないという声が上がっていることを知事はどう考えていますか。この声にどう応えるのですか。教員や保護者の意見を早急に聞いて撤回すべきです。答弁を求めます。
 パラリンピックの学校連携観戦をめぐり、教育委員会の出席委員四人全員が、報告に対し、繰り返し反対の意見を述べたにもかかわらず、教育長は実施を押し切りました。
 第五波のコロナ感染が急拡大し、デルタ株による子供の陽性者も増える中、学校連携観戦中止の世論が広がりました。だからこそ、教育委員から強い反対の意見があったのです。教育長はそれを尊重すべきでした。
 教育委員会制度において、広く地域住民の意向を反映した教育行政を行うために、多様な属性を持った委員を置き、住民が事務方を指揮監督する、いわゆるレイマンコントロールの重要性についてどのように認識しているのですか。
 コロナ禍という大きな状況変化の下、学校連携観戦は、報告事項でなく議決事項とすべきだったのではありませんか。今回の事態への反省を明確にすることを厳しく求めておきます。
 保育園の待機児童解消は引き続き切実な課題ですが、新型コロナの影響もあり、子供の年齢や地域によって、定員に空きが生じています。
 児童福祉法に照らせば、保育園は、いつでも必要なときに必要な子供が入園できるようにしておかねばなりません。年度途中でも定員に空きがあることが必要です。どう認識していますか。
 ところが、保育園の運営費や人件費は、在籍児童数によって支給されるため、定員が空いていると運営費が減額されます。
 ゼロ歳児五名分の空きがある保育園の園長は、一か月だけでも百万円以上の減額ですが、在籍児童の増減に合わせて職員を増やしたり減らしたりできるものではないと訴えています。
 知事はどう考えますか。年度当初から年間通して定員に合わせた職員配置が不可欠です。認識を伺います。
 東京都市長会は、在籍児童数が利用定員に満たない場合は、差額を補填するよう都に求めています。東京都社会福祉協議会も、定員定額制など新たな補助制度の検討を求めています。知事はどう受け止めていますか。直ちに検討すべきです。答弁を求めます。
 ジェンダー平等や気候危機打開も緊急課題です。日本社会は、ジェンダーギャップ指数が百五十六か国中百二十位とG7で最下位です。明らかな男女不平等を東京から変えていくことが必要です。知事、いかがですか。
 SDGsの目標には、ジェンダー平等を実現しようと掲げられています。男女平等参画推進総合計画に、ジェンダー平等の実現を明確に位置づけることを求めます。見解を伺います。
 あらゆる性暴力の根絶とハラスメントをなくす取組が必要です。高校生を中心にノー・モア・チカン署名に取り組み、二万八千人が賛同しています。
 都の男女平等参画審議会でも、委員の方から痴漢被害の実態調査を行う必要があると指摘されました。計画の中で、痴漢ゼロに向けた対策を位置づけるべきではありませんか。
 生理の貧困をめぐる運動は、経済的支援にとどまらず、女性の性に関わる健康と権利、リプロダクティブ・ヘルス・アンド・ライツの尊重を求めるムーブメントとして大きな意義を持つと考えます。
 都は、リプロダクティブ・ヘルス・アンド・ライツの重要性をどう認識していますか。男女平等参画推進総合計画に位置づけ、推進することを求めるものです。
 都立学校全校への生理用品の配備が二学期から開始されました。さらに、駅のトイレや公共施設、私立学校にも生理用品を置くことが必要です。いかがですか。
 パートナーシップ制度は、五つの府県が開始するなど、日本の総人口の四割を超える自治体に広がっており、ファミリーシップ制度も足立区などで始まりました。
 パートナーシップ制度については、当事者や運動団体の方々から、来年度開始など、一刻も早い具体化を求める声が上がっています。この声を受け止め、速やかに実施すべきです。答弁を求めます。
 子供の権利を保障するためにも、併せてファミリーシップ制度も実施するよう求めます。
 気候危機は、あと十年足らずで、温暖化ガスを半減できるかどうかに人類の未来がかかっています。
 都が二〇三〇年までに温暖化ガスを二〇〇〇年比五〇%削減し、エネルギー消費量五〇%削減などの目標を示したことは重要です。しかし、その目標を実現するプロセスが示されていません。
 長野県は、気候危機突破方針の中で、二〇五〇年までにエネルギー消費量を七割削減し、再生可能エネルギーを三倍以上に拡大する目標を達成するために、それに見合う量の太陽光や水力など、電源別の二〇五〇年の姿を明示しています。また、条例で実施状況の議会への報告、公表を義務づけています。
 知事は、環境基本計画の改定を表明しました。その中で、二〇〇〇年比五〇%削減目標の達成を具体的に裏づける省エネ、再エネの目標と計画を持ち、厳格に進行管理し、進捗状況を公表すべきです。知事の答弁を求めます。
 目標実現のためには、専門家や環境団体、市民などの力を結集することが重要です。どう認識していますか。そのために気候変動に特化した審議会や分科会を設置すべきです。見解を伺います。
 先進国では、CO2を大量に排出する石炭火力発電からの撤退年限を決めています。石炭火力発電から決別する重要性をどう考えていますか。また、原発ゼロを進めることを求めておきます。
 建築物や住宅の対策では、太陽光パネルだけでなく断熱も、また、新築だけでなく既存住宅も、助成や義務化による省エネと再エネを思い切って促進することが重要です。いかがですか。
 都有施設こそ、真っ先に省エネ、再エネ化を五〇%目標にふさわしく強化すべきです。また、都営住宅の対策が重要です。見解を伺います。
 都内各地で巨大ビル建設が続いています。十月末に開催される都市計画審議会に付議された計画だけで、CO2排出量は元の建物から十万トンも増えます。知事、これでよいのですか。ゼロエミ東京戦略に逆行するのではありませんか。大型開発で利益を得る大企業に対する都独自の炭素税を検討すべきです。いかがですか。
 気候変動により、社会的弱者が最も深刻な影響を受けることをどう認識していますか。
 気候変動とコロナ禍に対応した防災対策の強化が必要です。福祉避難所について伺います。
 東京都社会福祉協議会は、感染症や水害対策を踏まえた福祉避難所の設置、運営に向けた提言を出しました。
 災害時要配慮者の視点で緻密な調査を行い、都内全区市町村が回答し、対面の聞き取りも実施しています。その結果、福祉避難所を増やせない、マンパワー不足などの課題が示されました。提言は、これらを踏まえて対策の充実を求めています。この提言を重く受け止め、具体化すべきです。いかがですか。
 大雨の中、車椅子で行った避難所が段差だらけで帰らざるを得なかった、直接、福祉避難所に行ける仕組みが欲しいなどの声が障害者から寄せられています。提言では、従来の二次避難だけでなく、柔軟な対応の検討を求めています。
 国は、福祉避難所の確保・運営ガイドラインを五月に改定し、福祉避難所への直接避難を促進するとしており、重要です。認識と対応を伺います。
 国際競争力や稼ぐ東京の名で都と国が進める三つの大問題の是正も重要です。
 まず、都心上空を大型旅客機が超低空飛行する羽田新ルート問題です。
 都議選前にNHKが行ったアンケートでは、当選した都議百二十七人のうち、過半数の六十八人が見直すべきと回答しています。見直す必要はない、三十人、回答しない、二十九人を大きく上回りました。
 知事は、都議選で示された羽田新ルート見直しを求める都民の意思を、どう受け止めていますか。
 国は、羽田新ルートの固定化回避検討会を設置し、最近、二つの新たな飛行方式を選定しました。その中身は重大です。現在の羽田新ルートは、引き続き使用されます。知事はそのことを認識していますか。
 しかも、それに加えて、新たな二つの都心上空の飛行ルートが増設されるのです。そのことを認識していますか。
 我が党が批判してきたとおり、固定化回避はまさに名ばかりです。羽田新ルートは廃止するしかないことを厳しく申し上げておきます。
 第二に、外環道工事です。
 調布市内で陥没事故が起きてから、間もなく一年がたちます。地盤改良対象地域の住民は、土地を売るか、地盤改良した二年後に戻ってくるか、選択を迫られ苦悩しています。
 ある方は、ついの住みかと思って暮らしてきた。地盤改良後、元の暮らしに戻れるのか不安だと涙をこらえて語っています。新築直後だった方もいます。その苦しみは想像を超えるものです。
 ところが、小池知事は、いまだ現地を訪れることさえせず、住民に謝罪していません。悪いことをしたら謝るのが当たり前ではないかと住民は怒っています。知事は、現地を訪れ、住民に謝罪し、その声に耳を傾けるべきではありませんか。
 一方、補償対象地域から外れた住民は、事故後、何の連絡もなく住民説明会にも参加できません。二〇一七年、環境・建設委員会の質疑で、都は、事前の家屋調査等が実施されていない地域でも、変動の訴えがあれば、因果関係を判断し、国など事業者が適切に対応すると答弁しています。
 今回、補償対象地域外からの補償や修繕、地盤調査の依頼などがあれば、誠実に応じるよう、都から国と事業者に要求すべきです。いかがですか。
 国と事業者はこれまで、原因究明や補償が行われなければ、工事は再開しないといっていました。ところが、七月に大泉ジャンクションのシールドマシンを、保全措置と称して住民にまともな説明もなく、百四十メートル以上掘進させました。
 知事は、今年三月、事業期間の十年延長を認可しています。しかし、まともな補償も調査も行わず、約束も守らない国と事業者に、この工事を進める能力も資格もありません。今からでも事業認可を取り消すべきです。知事の答弁を求めます。
 第三に、カジノ誘致の問題です。
 知事は、八月末の記者会見で、IR、カジノについて見解を問われ、全庁的なコロナ対応の下、IRの検討作業は休止していると述べる一方、基本的にはIRのメリット、デメリットを総合的に判断するという考え方に変わりはないと答えました。見過ごすことはできません。
 横浜市では、カジノ反対の市長が誕生し、誘致計画を撤回しました。また、カジノ担当の内閣副大臣だった秋元司衆院議員に、カジノ汚職事件で懲役四年の実刑判決が下りました。知事は、この二つの新たな事態をどう受け止めていますか。
 横浜が頓挫したことで、東京への誘致の動きが強まることも懸念されています。カジノ誘致はきっぱり断念するべきです。知事の答弁を求めます。
 次に、米軍基地の問題です。
 私は、三月の予算特別委員会で、横田基地がオスプレイ配備により特殊作戦部隊の拠点に変貌しつつある問題や、米軍ヘリの都心低空飛行問題をただしました。
 ところが、その後、六機目のオスプレイ配備が強行される一方、六月に山形空港、先月は仙台空港に、横田基地所属のオスプレイがエンジンなどのトラブルで緊急着陸しました。横田基地のオスプレイが全国各地に危険を広げていることをどう認識していますか。
 さらに十機まで増やすことなど認めるべきではありません。現在配備されている全てのオスプレイの撤去を国と米軍に強く求めるべきです。答弁を求めます。
 米軍ヘリが都心上空で、航空法に反する危険な低空飛行を繰り返している問題は、都が直接調査を行い、米軍に厳重に抗議し、やめさせるべきです。知事、いかがですか。
 沖縄県は、知事が米軍と直接交渉を行っています。住民の安全を守るべき自治体として当然のことです。知事、安全保障は国の専管事項という国任せの態度を改めるべきです。答弁を求めます。
 最後に、オリ・パラ大会について質問します。
 知事は所信表明で、五輪大会を成功一色に描きました。しかし、開催都市の過大な財政負担、五輪施設や選手村の整備の経過や後利用の課題、商業主義によるゆがみ、猛暑の開催時期、IOCとの不平等な関係、五輪憲章に反する女性蔑視発言など、検証すべき多くの課題や問題点があることを知事はどう認識しているのですか。負のレガシーを含めて、全面的に検証すべきです。知事の答弁を求めます。
 五輪大会開催期間にコロナ感染が急拡大した事実は否定しようがありません。この問題についても検証することを厳しく求めておきます。
 関連経費を除く大会経費の都負担は、立候補ファイル時の千五百三十八億円から七千百七十億円に膨れ上がりました。関連経費を入れると、実に一兆四千五百十九億円、都民一人当たり十万円以上になります。これらの経費が適切であったかどうか検証し、都民に明らかにすべきです。いかがですか。
 また、無観客によるチケット収入の減収約九百億円を誰が負担するのか、大きな課題です。
 開催都市契約では、最終的な赤字は都の負担とされていますが、都民に負担を押しつけることがあってはなりません。どう対応するのですか。
 我が党は、徹底した検証と情報公開を厳しく求めることを表明し、再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 和泉なおみ議員の代表質問にお答えいたします。
 都立、公社病院の独法化についてご質問がございました。
 都立、公社病院の使命は、感染症医療をはじめとした行政的医療の提供などの役割を将来にわたって果たすことであります。その役割は独法化後も変わるものではありません。
 独法化は現在の制度を改革し、迅速、柔軟な人材の確保、活用など、柔軟な病院運営を可能とするための取組であり、その準備を着実に進めてまいります。
 独法化の準備についてですが、様々な意見があることは承知をいたしておりますが、独法化の目的は、超高齢社会の本格化など、医療課題がさらに深刻化していく中でも、行政的医療の安定的な提供などの役割を将来にわたって果たし続けることでございます。
 今後とも、都民、関係団体など様々な関係者に独法化の意義や目的を説明しながら、その準備を着実に進めてまいります。
 新型コロナウイルスの検査体制についてのご質問であります。
 感染拡大を防ぐには、無症状の方を含めた濃厚接触者や重症化リスクの高い方などが、地域で迅速に検査を受けられる体制の整備が重要でございます。
 そのため、都は、検査体制整備計画に基づいて、行政検査に加え、独自に高齢者施設などでの定期的な検査や大学等でのモニタリング検査などを実施しております。
 今後とも、検査が必要な方が適切に受けられるように取り組んでまいります。
 コロナの陽性者の自宅療養についてでございます。
 都は、自宅で療養される方に安心してお過ごしいただけるよう、保健所の取組に加えまして、自宅療養者フォローアップセンターを設置し、健康観察を実施するほか、酸素飽和度を測定するパルスオキシメーターを配布しております。
 また、東京都医師会や各地区医師会、東京都訪問看護ステーション協会などと連携して、自宅療養者に往診等を実施するほか、緊急時に患者宅で酸素を投与できるよう、酸素濃縮装置を確保しております。
 今後も、自宅療養されている方の命を守り、死者を出さないことを最優先に、こうした取組を着実に実施してまいります。
 中小、小規模事業者への支援についてであります。
 緊急事態宣言の解除によって、経済回復への期待が高まっているものの、経済活動の再開には感染の再拡大防止の徹底が必要であります。飲食事業者への営業時間の短縮等も要請しております。
 こうしたリバウンド防止措置に伴って影響を受ける中小企業等に対しまして、都は、引き続き、資金繰りなど、経営安定に向けた支援策に加え、感染症防止対策の取組などを後押しをしてまいります。
 消費税減税と所得に応じました応分負担の税制についてのお尋ねがありました。
 諸外国におきまして、新型コロナウイルス感染症の影響等を踏まえ、税制を見直す動きがあることは承知をいたしております。
 消費税を含む税負担の在り方については、経済や国民生活に与える影響をはじめ、消費税が社会保障財源となっている点など様々な観点を踏まえながら、国において議論がなされるべき問題である、このように認識をいたしております。
 次に、コロナ禍における支援についてであります。
 コロナ禍におきまして、失業に伴う経済的な困窮や心理的な不安の増大など、多くの方々が様々な影響を受けており、きめ細かな支援が必要でございます。
 都は、こうした悩みや不安を抱える方々に寄り添った政策を幅広く展開しておりまして、引き続き、誰一人取り残さない社会の実現を目指してまいります。
 ひとり親家庭についてであります。
 ひとり親家庭の親は、子育てと生計の担い手の二つの役割を一人で担っており、負担が大きいものがございます。
 また、新型コロナウイルス感染症の影響により、収入が大きく減少したひとり親家庭もあると認識しています。
 次に、住宅政策についてです。
 住宅は生活の基盤であると同時に、都市を形づくる基本的な要素です。
 こうした認識の下、都は、都民一人一人が安心して暮らしていけるよう、住宅を必要とする子育て世帯への入居支援や高齢者の居住の安定、空き家の活用、老朽化したマンションや団地の再生などの取組を展開しております。
 小中学校における少人数学級についてであります。
 義務教育における学級の在り方は法により定められており、教育の機会均等や全国的な水準の維持の観点から、国の責任において行われるべきと考えております。
 国は、小学校について、今年度から、学級編制を五年かけて学年進行で三十五人に引き下げています。
 子供たちの意欲を引き出す少人数などによる学びを着実に進め、東京の教育の充実を図ってまいります。
 特別支援教室についてであります。
 発達障害のある全ての子供たちが、自分らしい生き方を見つけ、将来の夢や希望を実現していくためには、障害の状態等に応じた多様な教育の場の創出が重要です。
 このため、全ての公立小中学校に特別支援教室を設置し、一人一人の状態に応じた支援を行い、発達障害のある子供たちの学習上や生活上の困難さの軽減を図っております。
 また、通常の学級で障害のない子供たちとより多くの時間を一緒に過ごせるよう、通常の学級におけますサポート職員の配置などの支援も強化してまいりました。
 今後も、現場や保護者の声を踏まえながら、発達障害のある子供たちに寄り添った支援を行うことで、誰一人取り残さない教育を実現してまいります。
 次に、男女平等参画に向けた取組についてでございます。
 強靭で持続可能な社会を創っていくためにも、男女が共に能力を十分に発揮でき、多様な生き方を選択できる男女平等参画社会を実現することは重要であります。
 国際社会では、企画、立案など意思決定過程への女性の参画は当然のことであるが、日本は女性の力を生かし切れていない。
 都は、女性活躍の推進を重要課題の一つとして位置づけておりまして、今後とも幅広く様々な施策に取り組んでまいります。
 環境基本計画の目標と進行管理についてであります。
 二〇五〇年ゼロエミッション東京の実現に向けて、二〇三〇年に温室効果ガスを二〇〇〇年比で五〇%削減する目標を掲げて、エネルギー消費量を二〇〇〇年比五〇%削減、再生可能エネルギーの電力利用割合を五〇%程度に高めることといたしております。
 現在、この実現に向けまして、環境基本計画の改定に着手しているところでありまして、施策の抜本的強化を図ってまいります。
 また、これまでも、目標や施策の進捗状況などを多角的に分析、検証し、継続的な見直しを図るとともに、その内容を公開、周知しておりまして、今後も、PDCAサイクルの持続的な取組により、実効性の高い施策を展開してまいります。
 羽田空港の新飛行経路についてであります。
 国が決定した新飛行経路について、都民の皆様などから、着実な実施やルートの再考など様々なご意見があることは承知をいたしております。
 将来にわたって、東京が国際競争力を持って持続的な発展を続けていくためには、国内外に豊富なネットワークを有する羽田空港の機能強化を図ることは不可欠であります。
 都としては、引き続き国に対し、都民の理解がさらに深まるよう、丁寧な情報提供や騒音、安全対策の着実な実施を求めてまいります。
 IRについてであります。
 他の自治体の動向について申し上げることはございません。
 また、秋元議員については、収賄罪の罪に問われ、東京地裁において有罪の判決が出されたものと承知しております。
 また、IRの誘致についてでありますが、都はこれまで、IRについてメリット、デメリットの両面から総合的に検討してきたところであり、このスタンスに変わりはございません。
 米軍との交渉についてであります。
 日米安全保障は、我が国のみならず、地域の平和、安定のために重要な役割を果たしております。
 安全保障に関することは国の専管事項でありますが、米軍の運用に当たりましては、周辺住民に不安を与えることがないよう、最大限の配慮が払われなくてはなりません。
 このため、都は、米軍の運用に当たりましては、基地周辺住民の安全確保を優先しまして、細心の配慮と安全対策を徹底するとともに、生活環境への配慮などについて繰り返し国や米軍に要請してきたところであります。
 今後も、都民の生命と安全・安心を守る立場から、地元自治体と共に、国や米軍に対しまして、必要なことを申し入れてまいります。
 東京二〇二〇大会についてのご質問がございました。
 史上初の一年延期、そしてコロナ禍という状況の中、徹底した感染防止対策の下、スポーツの力で人々に勇気と感動を届けることができました。
 大会につきましては、都と組織委員会が相互に協力しつつ、大会運営などの取組や成果を報告書として取りまとめ、公表することといたしております。
 残余のご質問は、教育長、東京都技監及び関係局長から答弁をいたします。
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 四点のご質問にお答えいたします。
 初めに、公立学校におけるPCR検査の実施についてでございますが、文部科学省のガイドラインは、保健所に協力するために、学校が濃厚接触者等のリストを作成する際の考え方を示したものでございます。その際のPCR検査の実施の判断は、保健所が行うこととされております。
 都内公立学校におけるPCR検査は、児童生徒等の感染が判明した際、文部科学省のガイドラインの濃厚接触候補者を基本としつつ、設置者が定めた基準に基づき、各学校が、感染者と接触した者等に検査を実施できる都独自の仕組みでございます。
 各学校は、本人等へ聞き取りを行い、必要な者を検査対象者に選定しております。生徒間の距離が把握できない等、対象者の選定が困難な場合や判断に迷う場合は、クラス単位や部活動の単位など幅広く検査対象としているところでございます。
 次に、特別支援教室における指導期間等についてでございますが、都教育委員会が行った区市町村への聞き取り等から、特別支援教室の指導目標の設定や評価が難しいという意見があり、指導期間に大きな違いがあることが判明をいたしました。
 そのため、ガイドラインにおいて目標設定の考え方を示しつつ、指導期間は、学校の一年間のサイクルに合わせ、必ず振り返りを行う趣旨で、原則一年間としたものでございます。必要な場合は一年間延長し、終了時には特別支援教室での指導継続を含め検討し、適切に支援することといたしました。
 また、特別支援教室の教員について、都教育委員会では、都独自の制度導入を円滑に進めるため、平成二十八年度から暫定的な基準を適用し、特別支援教室の導入完了後に見直すこととしてきたところでございます。
 今後は、指導の質を維持しつつ、新たな基準を適用してまいります。
 次に、いわゆるレイマンコントロールについてでございますが、住民による意思決定は、首長からの独立性、合議制とともに、教育委員会制度の重要な特性の一つと認識しております。
 今般の学校連携観戦事業につきましては、共生社会の実現に向けた教育的要素が大きいこと等に鑑み、安全対策を講じた上で、希望する自治体が参加できるよう実施することといたしたものでございます。
 出席の委員から厳しい意見やご指摘を多くいただきましたが、同時に実施に向けた助言も得て、貸切バスの利用や観客席の間隔など、追加対策を講じるなど、意見を踏まえた改善も図ったところでございます。
 引き続き、教育委員との議論を深め、教育委員会を適切に運営し、教育行政を推し進めてまいります。
 最後に、学校連携観戦事業の教育委員会での取扱いについてでございますが、パラリンピック学校連携観戦は、四者協議において、共生社会の実現に向けた教育的要素が大きいことに鑑み、保護者等の意向を踏まえて、自治体や学校設置者が希望する場合には、安全対策を講じた上で実施できるとされたものでございます。
 都教育委員会は、これを受け臨時会を開催し、パラリンピック学校連携観戦事業の実施について報告を行ったものでございます。
 なお、本件は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律や、東京都教育委員会事案決定規程などに基づき、議決事項に該当しないと判断し、報告事項としたものでございます。
〔東京都技監上野雄一君登壇〕

○東京都技監(上野雄一君) 七点のご質問にお答えをいたします。
 まず、大規模な都市開発についてでございます。
 東京が高度に成熟した都市として持続的に発展していくためには、国際競争力の向上に資するとともに、環境負荷低減の面でも優良な都市再生プロジェクトを推進していく必要がございます。
 効率的なコージェネレーションシステムの導入など、環境面でのトップランナーの取組により、目標につきましては、一定の仮定条件の下でのCO2排出量原単位以下とすることを義務付けておりまして、それに加え、最先端技術の活用や、地区、街区単位でのエネルギー有効利用の促進、さらには、再生可能エネルギー由来の電力利用を積極的に図ることとしております。
 今後、様々な主体による再生可能エネルギー供給の拡大なども進められる中で、民間の創意工夫ある都市開発を推進し、ゼロエミッション東京の実現を目指してまいります。
 次に、羽田空港の新たな飛行方式の選定についてでございます。
 国におきましては、地元区の意見等を踏まえ、新経路の固定化回避に係る技術的方策につきまして、現在の滑走路の使い方を前提として検討が進められております。
 先般開催された検討会では、騒音軽減や技術的な観点から、好天時におきまして運用可能な飛行方式が二案選定され、この二案につきまして、引き続き安全性評価、基準策定などの検証を実施していくことが公表されております。
 都といたしましては、引き続き国に対し、都民の理解が深まるよう、丁寧な情報提供、騒音、安全対策の着実な実施を求めてまいります。
 次に、新飛行経路についての最後のご質問についてでございます。
 先ほど申し上げたとおり、先般開催された国の検討会では、騒音軽減や技術的な観点から飛行方式が二案に絞り込まれていることが公表されており、今後、国は、具体的な飛行ルート案につきまして、安全性の評価や運航ルールの策定などを行った上で、さらに検討していくこととしております。
 次に、外環の事業認可についてでございます。
 昨年度末、事業者から事業計画の変更に関する申請があり、都では、高速道路会社に対して、都市計画法に定める基準に基づき事業認可を行いました。
 なお、事業者におきましては、陥没事故を受け、再発防止対策の具体化を進めるとともに、住民説明会の開催や現地での常設の相談窓口の設置、補償に関する個別の相談、家屋の調査や補修などを行っていると聞いております。
 また、大泉本線及びランプシールドにつきましては、周辺の地表面へ影響が生じる懸念があり、安全確保のため、事業用地内におきまして必要最小限の保全措置を行っていると聞いております。
 引き続き、都といたしましては、事業者に対し、丁寧な説明やきめ細やかな対応、再発防止対策を確実に実施するなど、安全・安心な事業を実施するよう求めてまいります。
 次に、横田基地のオスプレイの危険性についてでございます。
 安全保障に関することは国の専管事項であり、オスプレイを含む米軍機の安全確保は、国が責任を持って行うべきことでございます。
 米軍機につきましては、事故や予防着陸が発生しており、安全対策の徹底は必要と考えております。
 都は、地元自治体と共に、米軍機の運用につきましては、安全対策の徹底を国と米軍に対して要請してきておりまして、お話のありました予防着陸に対しましても、国及び米軍に要請を行っております。
 今後も、都民の命、安全・安心を守る立場から、国や米軍に対して必要なことを申し入れてまいります。
 次に、横田基地のオスプレイ撤去についてでございます。
 安全保障に関することは国の専管事項でございます。
 横田基地に配備されておりますオスプレイにつきましては、地元自治体と共に、毎年度、安全対策の徹底や生活環境への配慮等について国や米軍に要請してきておりまして、引き続き地元自治体と連携しながら要請してまいります。
 最後に、米軍ヘリの都心上空での低空飛行についてでございます。
 安全保障に関することは国の専管事項でございまして、米軍機による低空飛行につきましても、国において対応されるべきものでございます。
 国からは、国際民間航空機関、ICAOのルールや、日本の航空法と整合的な米軍の規則に違反する飛行があったことは確認されていない等の説明が米側からあった、また、米軍の運用に際しては、安全性が最大限確保されることは極めて重要であり、米国にあらゆるレベルで累次にわたり申し入れているなどと聞いております。
 都といたしましては、事実関係の確認結果を踏まえ、必要に応じ適切に対応してまいります。
〔病院経営本部長西山智之君登壇〕

○病院経営本部長(西山智之君) 四点の質問にお答えをいたします。
 都立、公社病院の役割についてでございますが、他の独法病院や公立病院は、担っている医療機能や地域の状況が異なり、単純に比較できるものではございません。
 都立、公社病院の使命は、感染症医療をはじめとした行政的医療を将来にわたって提供し続けることでございます。このため、今回のコロナ対応において積極的に患者を受け入れてまいりました。
 独法化後もこの役割は変わるものではないことから、法人の定款には、法人自らの役割として、災害や公衆衛生上の緊急事態等への対応や、都の指示の下、必要な業務を行うことを定めてございます。
 次に、都立、公社病院の充実強化についてでございますが、独法化の目的は、超高齢社会の本格化など、医療課題がさらに深刻化していく中でも、行政的医療の安定的な提供や、都の医療政策への貢献などの役割を将来にわたって果たし続けることでございます。
 医療環境の変化に即応できる機動的な病院運営を実現するため、独法化の準備を着実に進め、感染症医療をはじめとした行政的医療を充実強化してまいります。
 次に、独法化の定款についてでございますが、コロナ感染症への対応や、新たな感染症の発生に備えるために、医療環境の変化に迅速に対応できる体制を早期に整備する必要があり、定款や運営体制の検討、職員への説明などの準備を進めてまいりました。
 こうした準備状況を踏まえ、本定例会に定款を提出することといたしました。
 引き続き、独法化の準備を着実に進めていくとともに、コロナ対応については、専用医療施設を開設するなど、積極的に患者を受け入れており、今後とも全力で取り組んでまいります。
 最後に、都立病院の職員についてでございますが、地方独立行政法人法の定めにより、都立病院の職員は、一部を除き法人の職員となります。
 独法化後は、そのメリットを生かし、より働きがいにつながる人事給与制度や柔軟な勤務制度など、職員にとってさらに働きやすく、安心して働ける環境を整備する予定でございます。
 職員に対しては、引き続き、行政的医療の提供など、都立病院の役割を果たし続けるための独法化であることや、移行後の処遇等について丁寧に説明してまいります。
〔福祉保健局長吉村憲彦君登壇〕

○福祉保健局長(吉村憲彦君) 十四点のご質問にお答えいたします。
 まず、新型コロナウイルス感染症の検査についてでございますが、国の通知では、特定の地域や集団、組織等において、関連性が明らかでない患者が少なくとも複数発生し、クラスター連鎖が生じやすいと考えられる状況にあると認められる場合は、濃厚接触者に当たらない場合であっても行政検査の対象にすることができるとしております。
 また、地域における感染状況を踏まえ、感染拡大を防止する必要がある場合、現に感染が発生した施設等に限らず、地域の関係者に幅広く検査することが可能としております。
 次に、PCR検査に対する支援についてでございますが、放課後等デイサービス等への支援については、今後検討してまいります。
 次に、保育所等での検査についてでございますが、高齢者や障害者は、新型コロナウイルスに感染した場合に重症化リスクが高いことから、都は、特別養護老人ホームや障害者支援施設等を対象に、スクリーニング検査等の費用を支援しております。
 保育所等については、職員等に発熱やせきがある場合、早期に陽性者を発見し、感染拡大を防止できるよう、国が配布する抗原簡易キットの活用等を周知しております。
 次に、スクリーニング検査についてでございますが、都は、無症状者に対するスクリーニング検査については有効と認識しており、重症化リスクの高い高齢者や障害者が利用する施設などの職員に対して集中的、定期的に検査を実施するほか、大学や企業等、様々な場所においてモニタリング検査を実施しております。
 さらに、発熱等の症状を有する方に迅速に対応するため、国と連携して抗原簡易キットを配布しております。
 引き続き、感染の早期発見、拡大防止につなげてまいります。
 次に、新型コロナ陽性者の入院、宿泊療養についてでございますが、都は、専門家の意見を踏まえた療養、入院判断フローにより、患者の症状等に応じて入院や宿泊療養の判定や調整を行っており、重症化リスクの高い方は原則入院とし、無症状、軽症の方で入院を要しないと専門家が判断した方は宿泊療養を原則としております。
 なお、宿泊療養中に症状が悪化した場合には、オンライン診療や往診を実施するとともに、必要に応じて速やかに入院できるよう、医療提供体制を整えております。
 次に、医療提供体制についてでございますが、今後の感染再拡大への備えを万全なものとするためには、病床の確保に加え、これを補完する機能についても着実に確保していくことが重要でございます。
 都はこれまで、中等症Ⅱを含む患者に酸素投与等を行う病院型の酸素・医療提供ステーション等を整備してまいりました。
 今後とも、都民が安心して療養できるよう、第五波の経験も踏まえて適切な医療提供体制を確保してまいります。
 次に、ひとり親家庭への支援についてでございますが、都は、母子及び父子福祉資金の返済を猶予しているほか、生活資金の緊急貸付や納税猶予など、様々な制度や相談先をまとめたサイトを運営しております。
 さらに、今年度は、児童扶養手当を受給するひとり親家庭等を対象に、生活支援特別給付金を支給しております。
 次に、保育所への入所についてでございますが、保育所の定員は、年齢構成や地域の状況により一定程度空きが生じることもあり、区市町村は、こうした空き定員も活用して定期的に入所調整し、年度途中にも保育が必要な児童を受け入れているものと認識しております。
 次に、保育所の空き定員についてでございますが、都は、定員まで児童を受け入れられるよう、定員に基づく職員配置を求めております。
 また、定員にかかわらず、地域の子育て家庭等を支援する取組や、空き定員を活用した一時預かりなどの取組を支援しております。
 次に、保育所の補助制度についてでございますが、子ども・子育て支援新制度における施設型給付費は、児童一人当たりの単価を設定し、在籍児童数等の実績に応じて支払うものとされております。
 児童一人当たりの単価については、定期的に見直されております。
 次に、リプロダクティブ・ヘルス・ライツについてでございますが、リプロダクティブ・ヘルスは、人間の生殖システム及びその機能と活動過程の全ての側面において、単に疾病、障害がないというばかりでなく、身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態にあることを指します。
 また、リプロダクティブ・ライツは、自分たちの子供の数や出産間隔、出産する時期を責任を持って自由に決定でき、そのための情報と手段を得ることができるという基本的権利等とされております。
 子供を産み育てたいと望む方が安心して出産、育児ができる環境の整備は重要であり、都は、若い世代への普及啓発や、妊娠、出産に関する相談支援、不妊治療費の助成や産後ケアなど、様々な施策を展開しております。
 次に、生理用品の配備についてでございますが、都は、生理の貧困への支援として、備蓄している災害用救助物品の生理用品を買い換える際に自治体へ提供しているほか、都立学校では生理用品をトイレに配備しております。
 なお、駅のトイレは、不特定多数の方が利用する施設であり、生理用品の配備については、提供方法やいたずら防止など、様々な課題があると聞いております。
 また、私立学校については、各学校設置者が判断するものでございます。
 次に、福祉避難所についてでございますが、東京都社会福祉協議会の提言では、感染症対策を踏まえた避難所運営や災害時の福祉避難所等におけるマンパワー不足などが課題とされております。
 都は、東京都避難所管理運営の指針を作成し、区市町村における感染症対策を含めた避難所運営マニュアルの作成などを支援しております。
 また、東京都社会福祉協議会や職能団体等と災害福祉広域支援ネットワークを構築し、災害時には福祉専門職の派遣に関する調整などを実施しております。
 最後に、福祉避難所への直接避難についてでございますが、国は、本年五月に災害対策基本法を改正し、自ら避難することが困難な高齢者や障害者など、避難行動要支援者の個別避難計画作成について区市町村の努力義務といたしました。
 また、福祉避難所の確保、運営のガイドラインを改定し、個別避難計画の作成等を通じて、福祉避難所への直接の避難を促進することが適当であるといたしました。
 都は、区市町村の担当者を対象に毎年開催している研修会で、ガイドライン改定を踏まえた取組事例を紹介するなど、区市町村の取組を支援してまいります。
〔財務局長潮田勉君登壇〕

○財務局長(潮田勉君) 都独自の経済対策についてでございますが、これまで都は、新型コロナ対策として、現在提案中の補正予算も含め、総額六兆四千億円を超える対策を切れ目なく講じてまいりました。
 このうち、都の財源として、財政調整基金や都債など合計一兆七千億円を活用しており、経済活動を支えるセーフティーネット対策として、中小企業制度融資をはじめ、都独自の様々な施策を積極的に実施しております。
 今後とも、都民生活と経済活動を守るため、事業者支援など必要な対策に取り組んでまいります。
〔生活文化局長野間達也君登壇〕

○生活文化局長(野間達也君) 六点のご質問にお答えいたします。
 まず、芸術文化の担い手の実態についてでございますが、昨年四月の最初の緊急事態宣言から一年半が経過し、都や国などの各種支援制度の活用やオンライン配信の導入、感染防止策の徹底等、この間の芸術文化の担い手の皆様による様々な工夫や努力により、芸術文化活動が継続されている状況にございます。
 今般、緊急事態宣言が解除され、一部イベントの開催制限が緩和されましたが、芸術文化の担い手の皆様が依然として厳しい状況に置かれていることは認識しております。
 次に、芸術文化への支援についてでございますが、コロナ禍において、芸術文化の担い手に対しては、その創作活動が継続できますように支援することが重要でございます。
 そこで、都では、厳しい状況に置かれているアーティストやスタッフを支援するため、今回、アートにエールを!東京プロジェクト(ステージ型)の三回目を募集いたしました。
 また、多くのアーティスト等が参加できる文化事業や、芸術文化活動に対する様々な助成事業を実施しております。
 こうした取組により、引き続き芸術文化活動を支援してまいります。
 次に、大学生等への支援についてでございますが、新型コロナウイルス感染症により、大学や専門学校等の学生にも影響が生じていることは承知してございます。
 大学生等、高等教育機関に通う学生への支援は、本来、国の責任において行うべきものでございます。
 国は、いわゆる高等教育の無償化の制度において、家計が急変した学生も対象として授業料等の負担軽減を図っており、そのうち都内私立専門学校等については、都も財政負担を行うとともに、学校が制度利用の申請をした場合の審査や負担金の交付等を行っております。また、生活に困窮する学生等に、生活福祉資金の特例貸付なども行っております。
 次に、大学生等への支援の取組についてでございますが、京都府の取組については承知しておりますが、大学生等、高等教育機関の学生への支援は、本来、国の責任において行うべきものでございまして、国は、学生の実態を踏まえ、修学や生活に係る支援を具体的に行っております。
 その中でも、特に国は、いわゆる高等教育の無償化の制度において、授業料等の負担軽減を図っております。
 そのうち都内私立専門学校等につきましては、都も財政負担や交付事務等を行うとともに、これから大学等への進学を予定している高校生に対し、支援の条件や対象校などをホームページ等により周知してございます。
 次に、男女平等参画推進総合計画におけるジェンダー平等の実現についてでございますが、全ての都民が性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮できる社会づくりは重要でございます。
 今般、働く場における男女平等、家事、育児などの役割分担、男女間の暴力などの課題解決に向け、東京都男女平等参画推進総合計画改定に当たっての基本的考え方につきまして、東京都男女平等参画審議会に諮問してございます。
 現在、審議会において、中間のまとめに向けて議論をしていただいているところでございます。
 最後に、男女平等参画推進総合計画における痴漢対策についてでございますが、性犯罪、性暴力は重大な人権侵害でございまして、男女平等参画社会の実現を阻害する要因でございます。
 都では、東京都男女平等参画審議会を設置し、東京都男女平等参画推進総合計画改定に当たっての基本的考え方について諮問しているところでございます。
 現在、審議会において中間のまとめについての議論をしていただいているところでございます。
〔住宅政策本部長榎本雅人君登壇〕

○住宅政策本部長(榎本雅人君) 都営住宅入居者の毎月募集についてでございますが、都は、コロナ禍を踏まえ、既に令和三年一月から、対象世帯や募集戸数の拡充を図っております。
 募集に当たりましては、ホームページやSNSなどを活用するほか、広報用チラシを区市町の窓口等に備え付けるなど、周知を行っております。
〔総務局長黒沼靖君登壇〕

○総務局長(黒沼靖君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、学生、若者施策の推進体制についてでございます。
 都は、若者等からの仕事や生活支援等の相談に対しまして、各所管局がそれぞれきめ細かく対応しております。また、必要に応じて都内にある専門の窓口や支援機関等につなぐなど、国や関係機関と緊密に連携を図り対応しております。
 今後とも、適切な執行体制の下、学生、若者施策に取り組んでまいります。
 次に、同性パートナーシップ制度の検討についてでございます。
 都は現在、他自治体の導入事例について情報収集するなどして、制度の在り方について検討を行っております。
 今月からは、性的マイノリティー当事者等を対象とする実態調査とともに、当事者支援団体等の有識者に対するヒアリングを実施し、これらの意見等を踏まえ、制度の検討を進めてまいります。
〔環境局長栗岡祥一君登壇〕

○環境局長(栗岡祥一君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、気候変動に関する審議会についてでございますが、都は現在、二〇三〇年カーボンハーフの実現に向けた目標や施策の在り方について、学識経験者や国の機関、経済界や環境NGOなど、第一線で活躍する専門家等で構成される環境審議会で議論を重ねているところでございます。
 審議会では、未来を担う若者等、多様な立場からのヒアリングも実施してございまして、今後も議論を重ね、多くの主体の参画を得て、カーボンハーフを実現してまいります。
 次に、石炭火力発電についてでございますが、全国の電源構成などのエネルギー政策の在り方については、国レベルで議論、検討がなされるべきものであります。
 都は、ゼロエミッション東京の実現に向けて、引き続き脱炭素エネルギーである再生可能エネルギーの基幹エネルギー化を図ってまいります。
 次に、住宅におけるCO2削減の取組についてでございますが、ゼロエミッション東京の実現に向けては、CO2の削減が進みにくい家庭部門の対策が重要でございます。
 このため、都は、太陽光発電や蓄電池等の設置支援に加え、新築住宅に対する都独自の省エネ基準である東京ゼロエミ住宅への助成や、既存住宅における断熱改修への助成など、住宅に対する対策を幅広く進めてございます。
 加えて、省エネ性能の高い家電等への買換えや、よりお得に再エネ電力への切替えができる電気のグループ購入など、都民のゼロエミッション行動を後押ししてございます。
 今後、環境審議会において、新築住宅等に対する太陽光発電の設置義務化も含め、様々な施策の強化に向けた検討を行うこととしてございまして、住宅におけるCO2削減を着実に進めてまいります。
 次に、都有施設の省エネ、再エネ対策についてでございますが、都は、二〇三〇年カーボンハーフの実現に向けて、二〇二四年度までに、都有施設における温室効果ガス排出量を二〇〇〇年度比で四〇%削減することなどを定めてございまして、再エネ電力の利用促進、省エネ、再エネ設備等のさらなる導入など、率先的な取組を強化してございます。
 建て替えを行う都営住宅においては、断熱性の向上や高効率な設備機器の設置により省エネ化を図るとともに、原則全ての住棟に太陽光発電設備を設置してございます。
 最後に、気候変動の社会的弱者への影響についてでございますが、IPCC、気候変動に関する政府間パネル報告書では、気候変動の影響は、生態系への不可逆的な変化のほか、健康、水資源や食料生産など幅広い分野に及び、恵まれない境遇にある人々やコミュニティに対して、よりリスクが大きくなるとされてございます。
 このため、CO2排出を削減する緩和策に加えまして、影響を回避、軽減する適応策にも取り組むことが重要であると認識してございます。
〔主税局長砥出欣典君登壇〕

○主税局長(砥出欣典君) 大企業に対する炭素税の導入についてでございますが、炭素税は、CO2を排出した企業や家庭に負担を求めるカーボンプライシングの一手法であり、我が国においては、石油石炭税に税率を上乗せする地球温暖化対策のための税が国税として導入されております。
 炭素税や排出量取引などを含むカーボンプライシングの在り方につきましては、現在、国において議論が進められているところであり、都としては、引き続き国の動向を注視してまいります。
〔建設局長中島高志君登壇〕

○建設局長(中島高志君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、陥没事故に伴う地元への対応についてでございますが、外環事業は、国及び高速道路会社により事業が進められております。
 昨年十月に発生した陥没事故は、有識者委員会により、外環道のシールドトンネルの施工が原因とされました。これを受け、事業者は、家屋補償など必要な補償を誠意を持って対応しつつ、工事により影響を受けた地盤の補修などを行っていくこととしております。
 これまで事業者は、陥没箇所周辺の約千軒に対する戸別訪問などにより、個々の事情を聴きながら、家屋の調査や補修を進めております。また、地盤補修が必要な範囲を特定し、土地所有者等に仮移転等のお願いをしております。
 都は、国など事業者に対し、住民の不安払拭に向け、引き続き丁寧な説明やきめ細やかな対応を行うよう求めてまいります。
 次に、陥没事故に伴う補償等への対応についてでございますが、事業者が示した補償の方針においては、補償対象地域が示されておりますが、その範囲外についても、損害等の申出があった場合、因果関係等を確認の上、個別に対応を検討していくこととしております。こうした方針について、事業者は、住民説明会や説明会資料の戸別配布、ホームページへの掲載により周知しております。
 また、事業者は、現場の近くに常設の相談窓口を設置いたしますとともに、専用フリーダイヤルを設け、地元からの相談にも対応しております。
 都は、国など事業者に対し、住民の不安払拭に向け、引き続き丁寧な説明やきめ細やかな対応を行うよう求めてまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長中村倫治君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(中村倫治君) 大会経費及び大会関連経費についてでありますが、大会経費につきましては、その総額や内訳を毎年度公表するとともに、大会に密接に関わる事業などの大会関連経費につきましても、毎年度の予算、決算を通じて明らかにしております。
 また、大会経費につきましては、現在、組織委員会において収入及び支出両面における精査を進めているところでありまして、今後とも、都民、国民の理解が得られるよう取り組んでまいります。
〔百二十七番和泉なおみ君登壇〕

○百二十七番(和泉なおみ君) 本定例会の最大の焦点である都立病院、公社病院の独立行政法人化について再質問します。都民の命に関わる重大な問題であり、きちんと正面から答えてください。
 私は知事に対し、都立、公社病院のコロナ対応に、独法化しなければ解決できない重大な不都合があったのかを聞きましたが、知事はこのシンプルな質問に答えず、意味不明な答弁をしました。
 私が聞いたのは、重大な不都合があったかなかったかという単純なことです。答えられないということは、つまり、不都合なことはなかったということです。
 知事にお聞きします。知事は、独法化は柔軟な病院運営を可能とするためだと答弁しました。しかし、都立、公社病院は、みんなが認めているように、既に十分柔軟で機動的なコロナ対応をしています。
 緊急の予算が必要なら、補正予算を組んで、臨時議会を開いて議決すればよいのです。人員を増やす必要があれば、職員定数を増やしたり、年度途中採用をすればよいのです。
 しかし、知事は正反対に、今年度都立病院の看護職員の定数を減らしたではありませんか。
 私たちが、大阪府立病院機構で独法化のメリットについて話を聞いたとき、新しい料金設定や改定、見直しが機動的にできると説明していました。
 知事、独法化による柔軟な病院運営とは、差額ベッドなどの患者負担を柔軟に引き上げることができる、議会の議決を経ることなく、職員の給与や手当を柔軟に削減できるということなのではありませんか。知事がお答えください。
 今、何より求められているのは、コロナ感染の第六波への備えです。この冬にも起きるとされている第六波に備える上で、今、独法化を進めることは、マイナスになることばかりで、プラスになることは何一つありません。
 都民の理解も、職員の同意も得られていない都立病院、公社病院の独立行政法人化はきっぱり中止することを強く求めて、質問を終わります。(拍手)
〔病院経営本部長西山智之君登壇〕

○病院経営本部長(西山智之君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 独法化に関する課題についてのお話がございましたが、都立、公社病院は、十四病院が連携しながら、現在、コロナ患者の受入れに率先して取り組んでまいりました。
 こうした中で、採用の予定の医師が他の医療機関での兼業ができないため、直前で辞退するなど、現在の経営形態では、法令等の制約の下で柔軟、迅速な人材確保が改めて課題となりました。
 独法化はこうした課題を解決し、さらに柔軟な病院運営を可能とするものでございまして、着実に進めてまいります。
 二点目のご質問、柔軟な運営のご質問でございましたけれども、柔軟な運営というのは、料金設定を柔軟にするということではなくて、人、物、金の部分で今までよりも柔軟な運営をして、それによりまして、よりサービスの向上、それから、行政的医療を将来にわたって提供していく、そういうものでございます。

○議長(三宅しげき君) 百二十三番西沢けいた君
〔百二十三番西沢けいた君登壇〕

○百二十三番(西沢けいた君) 私は、東京都議会立憲民主党を代表して、都政の諸課題について質問いたします。
 初めに、知事の基本姿勢について伺います。
 十月三日、知事が特別顧問を務める都民ファーストの会が国政新党の設立を発表し、党名は小池百合子特別顧問と共に決めたとの発言もありました。一方で、知事は、都民ファーストの会の皆さんが何やら動いておられることについて、関与、関知しておりませんと述べていました。
 立場のあるお二人の発言が食い違っているようにも聞こえ、都政を進める上でも好ましくありません。
 そこで、新党設立について事前に協議した事実は本当にないのか、知事に伺います。
 また、国政進出については、さきの第二回都議会臨時会において私たちが、この秋に任期途中で都政を投げ出す可能性はないのかと質問したのに対して、知事は、なすべき対策に全力で取り組んでいくと答えるにとどまりました。
 この間、記者団に対しても、知事自身が立候補することはない旨は述べていますが、改めて、今月公示される予定の総選挙に出馬する意思も意図もないのか、知事に見解を伺います。
 さて、前期最後の定例会の討論において、私は、無駄をなくし、命、暮らしに直接関わる人の分野を手厚くする都政の実現に取り組んでいきたいとの決意を述べました。
 コロナ禍においても、富める人はますます富む一方で、非正規やひとり親など、苦しい人はますます苦しくなっています。
 知事は、この間、一貫して人に焦点を当てた施策を展開してきたと胸を張っていますが、その言葉に説得力はありません。
 コロナ禍において、ますます拡大する格差などの問題こそが人に焦点を当てた施策にほかならないと考えますが、知事の見解を伺います。
 岸田文雄新総理は総裁選前に、医療や介護、保育などの分野で働く人の賃金を引き上げるため、公的価格の抜本的な見直しを行う検討委員会の設置などを主張していましたが、それが現実のものになるのか疑問です。
 医療や介護、保育などの現場では、以前から処遇改善が課題となっていましたが、コロナ禍を踏まえ、その対応は急務です。私も、命、暮らしに直接関わる人の分野を手厚くすることは当然のことだと考えています。
 医療や介護、保育などの現場の人たちの処遇改善に向けて、知事の見解を伺います。
 九月二十二日、都の年次財務報告書が公表されました。都の財政調整基金残高を大きく減らし、都債を増やす中、都の黒字はほとんどなくなりました。
 知事就任以来、予算規模は膨張を続けていましたが、ここに来て、一転して厳しいかじ取りが必要とされる環境になっています。
 第六波への備えが急がれる中、都には俊敏な対応力、中でも財政出動を伴う対策を迅速に実行することが求められておりますが、国からの支出は遅く、不十分です。
 私たちは、外部の目を入れたチェック、不急事業の早期洗い出しを提案してきました。
 今年度予算の不急事業の中止、来年度に向けてのゼロベースでの事業検証など、人に手厚く、コロナ対策など危機に即応できる財政力確保に取り組むべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 私たちは、さきの臨時会において、接種機会が十分に確保されていない状況での若者ワクチン接種キャンペーンの予算を減額する修正案を提案しましたが、都政における不要不急の最たる事業は、いわゆるカジノ誘致、IRです。
 八月二十七日の定例会見で小池知事は、IRの検討作業は依命通達に基づいて休止をしている状況と述べました。しかし、この依命通達は、医療非常事態の間、停止、延期するというものです。
 既にIR整備計画の政府への申請が十月一日より始まり、その期限は二〇二二年四月二十八日までとなっていますが、私は、この際、申請は断念すべきと考えています。知事の見解を伺います。
 次に、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。
 緊急事態措置も解除され、リバウンド防止措置へと移行しました。昨年初めて緊急事態宣言が発出されて以降、約一年半にわたって感染防止の努力が続けられてきており、ワクチン接種も様々な混乱はあったものの、ようやく先進諸国並みに行き渡りつつあります。
 このようなタイミングでこそ、私はこれまでの検証が必要であると考えます。そのことで、この間繰り返されてきた混乱を回避し、失われなくてもいい命が助かるよう、万全の対策を講じていくべきと考えます。
 これまでの検証を行うこと、そして第六波への備えを行うべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 八月の第五波においては、病床確保に際しての想定を、新規陽性者三千七百二十二人、療養者二万三千四百六人としていましたが、いずれも大きく超えてしまいました。
 今回、これらの想定をどのように考えていたのか。知事は想定外との言葉を使っていましたが、一方で、危機管理の要諦は、初めに大きく構えることだとも述べています。
 これから来るであろう第六波に備えて、最悪の想定をすべきと考えますが、知事の所見を伺います。
 次に、医療提供体制の確保について伺います。
 第五波ピーク時のような医療崩壊を二度と起こしてはならず、第六波に備えた医療体制の確保は喫緊の課題です。
 都は今回、医療提供体制の数字を九千二百床と大幅に引き上げました。しかし、この中には回復期病床や施設型のステーションなど、必ずしも重症のコロナ患者を受け入れるわけではない病床等の数も含まれています。
 これらを一括した数字で公表することは、八月末時点で五千九百六十七床であった入院病床を大幅に上積み確保できたかのような誤解を与えかねません。ただでさえ医療が逼迫していたピーク時の病床稼働率が最大でも約七割であったことが様々な議論を呼んだところであり、今回のような情報提供の方法は改善し、都民に正しい情報を伝えるべきです。
 今後のことを想定するならば、酸素ステーションの増強でなく、いわゆる野戦病院の設置など、医療設備の整った病床を確保すべきと考えますが、併せて知事の所見を伺います。
 保健所ごとに家族以外の濃厚接触者等への対応が異なっている現状があります。こうした現状を改善し、それぞれの保健所の対応力を向上させていくことで、市中感染を防止、抑制していくことが必要です。
 私たちは、濃厚接触者等の積極的疫学調査を再び積極的に行うよう、各保健所に再度通知することを求めてきましたが、昨日通知したと聞いています。
 そこで、各保健所体制の強化と併せて、積極的疫学調査の実施について見解を伺います。
 国からは、行動緩和のためのワクチン・検査パッケージの活用等の指針が出ていますが、検査費用などは自己負担となっています。これは体質的にワクチン接種ができない人などにとっては不公平です。ワクチン接種の有無で行動制限されるのであれば、社会の分断にもなりかねません。
 都としてどのように行動緩和に対応していき、格差や分断を生まない方策を取るのか、知事の見解を伺います。
 次に、オリンピック・パラリンピックについて伺います。
 東京二〇二〇大会は、史上初めての延期、そしてコロナ禍という困難な状況での開催となりました。大会が終わった今、まずは開催に尽力された関係者の皆様の労を心から多としたいと思います。
 一方で、大会では、コロナへの不安や多様性への不十分な理解、経費の無駄遣い、弁当やマスクの廃棄など様々な問題も指摘されました。都民、国民の関心の高い事項も含め、将来に向けて明らかにしていくことが必要です。
 東京大会に対する知事の評価と、大会を今後どのように総括し公表していくのか、見解を伺います。
 とりわけ大会経費については、無観客開催に伴い、九百億円のチケット収入が見込めなくなるなど、組織委員会の赤字が懸念されています。この赤字によって、都民に負担が押しつけられるようなことはあってはなりません。
 また、大会経費については、都庁の直接的な経費であっても、大会経費に含まれていないものもあるなど、全体像が分かりにくくなっています。そのため、私たちは、都民、国民への説明責任を果たすためにも、丁寧な説明と情報公開を求めてきました。
 大会経費について徹底して赤字幅を圧縮するとともに、その全体像や詳細を明らかにすべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、子供施策について伺います。
 今年五月三十一日、立憲民主党は、子どもの権利条約に基づき、子ども子育て予算を大幅に増やすことなどを盛り込んだ子ども総合基本法案を提出しました。かねてより立憲民主党が提案していた子ども家庭省に対して、自民党でもこども庁創設の動きを見せるなど、子供施策の重要性が改めて認識されています。
 私たちは都議選において、学校給食の無償化や給付型奨学金の拡充など、子育て世帯の家計を支えることを選挙公約として掲げており、子育て世帯への経済的な支援策の拡充についても粘り強く取り組んでいく覚悟です。
 都議会では、子供の最善の利益などを盛り込んだ議員提案の東京都こども基本条例が今年三月に可決成立しており、都としても、より積極的に子供施策を展開していくことが求められています。知事の見解を伺います。
 次に、高校生の一人一端末について伺います。
 教育のICT化は、授業や課題をデジタルに置き換えるだけでなく、ICTを活用した指導や学習の最適化、ビッグデータの活用など、子供の学習環境を向上させる上で非常に重要かつ喫緊の課題です。そのため、一人一端末への支援を行っていく上では、家庭の経済状況にかかわらず、東京の高校生全てに平等な支援を行う必要があると考えます。
 知事の所信表明では、都立高校の生徒全員が所有できるよう、保護者負担軽減の補助制度を創設する旨の発言がありました。
 私は、全ての保護者に対して負担軽減を行うとともに、低所得世帯などに対して、より手厚く補助を行うべきと考えますが、見解を伺います。
 また、都内の高校生の六割は私立高校に通っており、私立高校生への支援も必要です。
 私立高校の端末整備方法は都立高校とは異なり、様々な方法があるようですが、私立高校についても支援に向けて取り組むべきと考えます。見解を伺います。
 こうした子供、子育てに関わる政策を一元的、総合的に推進するためには、組織体制の抜本的強化が必要です。
 オリンピック・パラリンピック大会が終了したことで、組織委員会から多くの優秀な東京都職員が戻ってきています。オリンピック・パラリンピック準備局も既に大きな役割を終えました。
 そこで、私は東京都に子ども家庭局を創設すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、多様性の尊重について伺います。
 立憲民主党は東京都議会議員選挙において、多様性を尊重する社会の推進を掲げました。その一つはジェンダー平等です。まず、東京都が自ら行うべきことは、都政におけるジェンダー不平等をなくすことです。
 私たちは、審議会などの女性比率はもちろん、東京都予算の全てをジェンダー平等の視点から総点検するジェンダー予算への取組を提案しています。全事業の一斉点検に向けて、まずは、分野を絞って試験的に実施したり、事業評価の視点に含めるなどして取り入れ、今後の施策に生かすべきと思います。見解を伺います。
 また、生理の貧困や緊急避妊薬の認可などの問題に象徴されるように、日本では、SRHR、すなわち性と生殖に関わる健康と権利が十分に守られていない現実があります。
 生理、妊娠、出産、避妊、性暴力、性的搾取等に関わる幅広い施策の充実とともに、誰もが性に関する自己決定と性的同意に関する意識と行動を育むためには、ユネスコによる国際セクシュアリティ教育ガイダンスにのっとった包括的な教育が不可欠です。
 これを全ての子供たちに必要なものであるという観点から、まずは各学校段階において着実に性教育を進めていくために、養護教諭のみならず、産婦人科医や助産師など外部の専門家と連携し、教科等横断的な取組をより積極的に進めるべきと考えますが、東京都教育委員会の見解を伺います。
 知事の所信表明で、同性パートナーシップ制度に関して触れられていたことを評価します。
 今、当事者の抱えている困り事の一つに、手術の同意が挙げられます。都立病院では、患者の権利章典で同性パートナーが認められていますが、民間の病院では個別の対応となっています。
 また、都営住宅への入居、事実婚や夫婦別姓などのパートナー同士、さらに子供たちも含めた家族としてのファミリーシップ制度など様々なニーズがあり、具体的な課題が山積しています。
 さらに、自治労の行った調査では、LGBTQプラスはジェンダーハラスメント、セクシュアルハラスメント、SOGIハラスメントを経験している割合が、そうでない人に比べて圧倒的に高いという結果になっています。ハラスメントや差別をなくしていく必要があります。
 当事者の皆さんの抱える課題を迅速に解決し、また、これらのハラスメントをなくすために必要な都民の理解を深めるためにも、当事者も参加した検討会を早期に設置し、権利、義務を明記した条例化を進め、東京都として現状の差別的な扱いを解消していく必要があると考えますが、知事の見解を伺います。
 知事は所信表明で、十月から実態調査を開始すると述べましたが、今後どのように進めていくのか、ロードマップを迅速に示すべきだと考えます。調査の具体的な内容、また調査結果をどのように制度化に生かしていくのか、知事の見解を伺います。
 次に、環境施策について伺います。
 気候変動は危機的状況にあり、脱炭素、そしてCO2などの温室効果ガスゼロの東京に向けては、一刻の猶予も残されていません。中でも東京の排出量の三割を占める家庭部門の省エネ、低炭素化を推進するためには、知事の所信表明でも触れていた、新築住宅における太陽光発電の導入義務化などの促進策だけでは到底足りません。
 知事はバックキャスティングの手法を導入するとしていますが、この手法を用いた二〇五〇年のゼロエミッション実現への本気度はどうでしょうか。
 環境基本計画の改定に向けては、断熱性能のアップも含めた環境性能レベルの高いZEH、既存住宅の断熱リフォーム助成、またソフト対策として、ゼロエミッション行動の推進など、総合的な取組を抜本的に強化すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 気候変動対策は、持続可能な社会にすること、目標や政策決定に際して、関係当事者と積極的な対話を行うなど、丁寧に合意形成を図ること、さらには、新しい産業をつくるとともに、急激な変革で働く人にしわ寄せが起きないよう、公平な移行を実現することが必要です。
 そこで、気候変動対策を都民と協働で推進するため、ICTなども活用して、仮称気候変動都民会議を開催するなど、広く都民が参加する場を設けるべきだと考えますが、見解を伺います。
 次に、羽田空港新ルートの見直しについて伺います。
 羽田空港で昨年三月から運用されている新ルートは、ルート直下の住民に騒音被害や落下物への懸念などをもたらし、地元自治体、区議会からも、固定化回避、ルート見直しを求める要望、意見書が多数提出されています。
 こうした状況を踏まえ、国は、新ルートの固定化回避検討会を設けていますが、現在検討中の方策では、状況は改善しないのではないかという懸念も地元には根強くあります。
 私は、東京都の目指す安全で快適な都市づくりのためにも、羽田空港の都心ルートの見直しを国に強く求めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 最後に、都立、公社病院の地方独立行政法人化について伺います。
 都立、公社病院の独立行政法人化は、経営の効率化という観点からは大きな意義があるとは考えますが、コロナ患者の多くを担っている都立、公社病院で働く医療従事者は、まさに都民の命を守るために、身を粉にして懸命の努力を続けています。
 このような中、働く人たちの身分や賃金にも影響を与えかねない独立行政法人化の提案は、現場に不要な不安と混乱を招き、ひいては都民サービスの低下につながりかねないと懸念するものであります。
 このような観点から、私は、現時点での独立行政法人化の定款の提案は見送るべきであったと考えますが、なぜ、あえてコロナ禍での提案なのか、知事の見解を伺います。
 今大事なことは、都立、公社病院においても、この年内にも到来が予想される第六波への対応に万全を期すことであると考えます。独立行政法人化を推し進める予算、マンパワーがあるのであれば、その資源は新型コロナウイルス感染症対策に徹底して振り向けるべきだと考えますが、見解を伺います。
 以上で東京都議会立憲民主党を代表しての質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 西沢けいた議員の代表質問にお答えする前に一言お祝いを申し上げたいと思います。
 先ほど、ノーベル物理学賞に、東京大学大学院で学ばれ、現在、プリンストン大学の上席研究員でいらっしゃいます真鍋淑郎さんが選ばれたとのニュースが伝えられました。誠におめでとうございます。(拍手)
 まず冒頭、国政に関するご質問がありました。
 これまで国政に関する勉強会の設立についてや、国政についての熱い思いについては伺っておりますが、私自身が出馬をするということはございません。
 次に、人に焦点を当てた政策についてのお尋ねがございました。
 東京の持続的な発展を支えるのは人であります。私はこれまでも、人が輝く東京の実現を目指した施策の推進に邁進をしてまいりました。
 本年三月に策定した未来の東京戦略では、子供の貧困対策や、ひとり親家庭への支援、離職者向けの雇用対策、人が集う居場所づくりなど、悩みや不安を抱える人に対する政策を幅広く展開し、誰もが安心して暮らせる東京の実現を目指して取り組んでおります。
 新型コロナウイルスとの闘いの中での人々の暮らしや働き方への影響を踏まえ、八月に策定した重点政策方針におきまして、望まない孤独、孤立や女性をめぐる課題など、困難を抱える方への政策強化の方向性を提示しております。
 今後、人に寄り添った政策をバージョンアップし、誰一人取り残さず、自分らしく活躍できる環境整備を進めてまいります。
 次に、医療、福祉分野の人材についてのお尋ねであります。
 これまでコロナ禍においても、医療、介護、保育などの現場で日々、人を支える業務に従事されている皆様に敬意を表するとともに、心からの感謝を申し上げます。
 こうした方々に安心して働いていただけますよう、都はこれまで独自に、宿舎の借り上げに取り組む事業者の支援や、キャリアアップの仕組みの導入、就職から定着までの相談支援など、様々な施策に取り組んでまいりました。
 また、国に対し、事業者が人材の確保、定着を図り、健全な事業運営ができる報酬とするよう繰り返し提案要求をしておりまして、引き続き国の動向を注視してまいります。
 財政対応力の確保についてであります。
 コロナ禍におきまして、都財政は、企業収益の悪化などに伴う税収減に直面したものの、この難局を乗り越えるべく、財源としての国の交付金や、これまで培ってまいりました基金と都債の発行余力を最大限に活用することで、コロナ対策を積極的に講じてまいりました。
 財政環境の先行きを見通すことが困難な中でも、都がコロナ対策などの喫緊の課題に対応しつつ、東京の持続的成長につながる施策を推進していくためには、財政対応力を堅持していくことが不可欠であります。
 そのため、令和四年度予算編成では、見直しが必要な事業に対しマイナスシーリングを導入するとともに、政策評価と事業評価を一体的に実施するなど、施策の新陳代謝を促進し、一層効率的で実効性の高い施策を構築してまいります。
 また、今年度予算の執行に当たりましても、都政が直面する課題に対し、柔軟かつ機動的に対処しつつ、賢い支出を徹底すべく、年度の途中でありましても、必要な事業の見直しを図ってまいります。
 こうした取組を通じまして、必要な施策の展開を支える財政基盤の構築に努めてまいります。
 IRについてであります。
 IRにつきましては、日本の経済成長や国際競争力を高める観光拠点として期待される一方で、ギャンブル依存症等の懸念の声もあると認識しております。
 都はこれまで、IRにつきまして、メリット、デメリットの両面から総合的に検討してきたところであり、このスタンスに変わりはございません。
 今後のコロナ対策についてのお尋ねであります。
 一年半の長きにわたるコロナとの闘いの中で、都はこれまで、総力を挙げまして感染拡大の防止対策や医療提供体制の充実に取り組み、そこで得られた知見や経験を次の対策に生かしてまいりました。
 今般、緊急事態宣言が解除されましたが、ここで気を緩めますと、リバウンドによる再度の感染拡大を招きかねません。
 そのため、都は、リバウンド防止措置期間を設定いたしまして、近隣三県ともワンボイスで連携しながら、都民、事業者に対しまして、基本的感染対策の徹底や、営業時間の短縮などの要請を行っております。
 また、医療提供体制の改善傾向が見られる今こそ、この間の医療非常事態での取組を踏まえまして、症状に応じた病床の確保や、酸素・医療提供ステーションの増床など、次の感染再拡大への備えを増強しなければなりません。
 引き続き、これまでの対策の課題を検証し、次の取組に生かしていくことで、実効性のある感染拡大防止対策に万全を期してまいります。
 東京二〇二〇大会についてであります。
 史上初の一年延期、そしてコロナ禍という状況の中、安全・安心な大会に向け、感染防止対策を徹底しました。その結果、訪日関係者の陽性率や入院者数も低く抑えられ、コロナ対策の専門家からも大会は安全に行われたとの評価をいただきました。
 そして、世界中から多くのアスリートにお越しいただき、コロナによって分断された世界をスポーツの力で一つにして、世界中の人々に勇気と感動を届けることができました。
 大会につきましては、都と組織委員会が相互に協力しつつ、大会運営などの様々な取組や成果を報告書として取りまとめ、公表することといたしております。
 次に、子供政策についてであります。
 子供は、無限の可能性を秘めたかけがえのない存在であり、まさに社会の宝であります。その宝を社会全体で大切に育み、子供の笑顔であふれる東京を実現したい。
 こうした思いから、未来の東京戦略では、子供政策を戦略の中核に位置づけまして、妊娠、出産、子育ての切れ目のない支援など、多様な取組を展開しております。本年三月には東京都こども基本条例が成立をし、子供政策を総合的に推進することなどが規定されました。
 来年度に向けました重点政策方針におきましては、基本条例やコロナ禍の影響などを踏まえ、子供が抱える課題を改めて整理、分析し、政策をバージョンアップすることを提示いたしました。
 今後、ハードとソフトの様々な分野において、子供目線に立った政策を練り上げ、全ての子供が学び、健やかに成長できる環境を整えてまいります。
 家庭部門におけるCO2の削減対策についてであります。
 ゼロエミッション東京の実現に向けましては、都内エネルギー消費量の約三割を占め、CO2の削減が進みにくい家庭部門の対策が非常に重要です。
 そのため、都は現在、新築住宅に対しまして、都独自の省エネ住宅の基準であります東京ゼロエミ住宅の普及拡大を図るための助成を行っております。
 また、既存住宅に対する窓などの断熱改修のための助成のほか、太陽光パネルや蓄電池などの設置に向けた支援など、住宅におけるCO2削減の取組を幅広く進めております。
 加えまして、省エネ性能の高い家電等への買換えや、よりお得に再エネ電力への切替えができる電気のグループ購入など、ゼロエミッションに向けました都民の行動を後押ししております。
 今後、環境審議会におきまして、太陽光発電の設置義務化など様々な施策の強化に向けた検討を行うことといたしておりまして、家庭部門のCO2削減を着実に進めてまいります。
 羽田空港の新飛行経路についてであります。
 将来にわたりまして、東京が国際競争力を持って持続的な発展を続けていくためには、国内外に豊富なネットワークを有する羽田空港の機能強化を図ることが不可欠であります。
 新飛行経路につきましては、国において、地元区の意見等を踏まえ、新経路の固定化回避に係る技術的方策について、現在の滑走路の使い方を前提として検討が進められております。
 先般開催されました検討会の結果といたしまして、騒音軽減や技術的な観点から、飛行方式が二案に絞り込まれたことが公表されております。
 都といたしまして、引き続き国に対し、都民の理解がさらに深まるよう丁寧な情報提供や騒音、安全対策の着実な実施を求めてまいります。
 都立、公社病院の独法化についてのお尋ねでございます。
 都立、公社病院は、専用医療施設の開設などによりまして二千床のコロナ病床を確保し、他の医療機関で対応が困難な患者等の受入れに率先して取り組んでおります。
 一方、地方公務員法など現行制度の下では、迅速、柔軟な人材確保や、地域医療機関等への人材の派遣などにおいて課題が改めて明らかになりました。
 独法化は、こうした現在の制度を改革し、柔軟な病院運営を可能とするための取組であり、法人独自の勤務制度や、より働きがいのある人事給与制度を構築することで、機動的な人材の確保、活用を進めることができます。
 今後、コロナ感染症への対応や、新たな感染症の発生に備えるために、感染症医療提供体制を一層強化することを目指しております。
 感染症医療をはじめ、都民に必要な医療を確実に提供するため、独法化の準備を着実に進めてまいります。
 残余のご質問は、教育長及び関係局長からご答弁とさせていただきます。
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、都立高校の一人一台端末の整備についてでございますが、高校では、義務教育段階より学習内容が高度かつ複雑となり、進路実現に向けた資格取得など、生徒の興味、関心に応じた多様な学びを可能とする必要がございます。
 そのため、端末にはマルチタスクに対応できる性能とともに、自在に活用できる使い勝手のよさが求められるところでございます。これらのことから、生徒の持ち物として保護者負担により購入してもらうこととし、令和四年度新入生から整備を行ってまいります。
 端末の購入に当たりましては、生徒全員が端末を所有できるよう、給付型奨学金の活用に加え、全世帯を対象に負担額が一定となる補助制度の創設について検討を進めてまいります。
 次に、学校における性教育についてでございますが、性教育は、児童生徒の人格の完成を目指す教育の一環であり、人間尊重の精神に基づいて進める必要がございます。
 都教育委員会は、平成三十年度に学習指導要領の内容を踏まえ、性情報の氾濫等の現代的な課題に対応できるよう、性教育の手引を改定し、全ての学校に配布いたしました。
 手引には、保健の授業はもとより、道徳などの各教科等で相互に関連づけながら、養護教諭の専門性も生かし、教育活動全体を通じて指導することの重要性を示しております。
 また、生命の尊さについて、発達段階に応じた指導事例や、産婦人科医等と連携した授業の進め方を掲載しております。
 今後とも、学習指導要領や手引に基づく性教育を通して、児童生徒が性に関する正しい知識を身につけ、相手を尊重し、適切な行動を選択できるよう、学校の取組を支援してまいります。
〔福祉保健局長吉村憲彦君登壇〕

○福祉保健局長(吉村憲彦君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、医療提供体制の確保についてでございますが、国は本年三月、都道府県に対し、第三波の一日当たり最大新規陽性者数の二倍程度になった場合などを例として想定し、今後の感染拡大に備えた医療提供体制を整備するように求めており、都は、最大新規陽性者三千七百二十二人、最大療養者二万三千四百六人を前提に医療提供体制を整備いたしました。
 八月には変異株の影響など、災害レベルの感染状況となり、今般、国は、都道府県に対し、今後も中長期的に感染拡大が反復する可能性があることを念頭に、体制構築することが必要であるとの考えを示しました。
 こうした動きを踏まえ、都として、必要な病床や人材の確保を含め、感染拡大時における総合的な医療提供体制について検討してまいります。
 次に、都の医療提供体制についてでございますが、今後の感染拡大へ備えるためには、患者を受け入れる病床の確保に加え、これを補完する臨時の医療施設についても着実に整備し、都民が安心して療養できる環境を整えることが重要でございます。
 都は、入院重点医療機関を指定するほか、緊急対応として、入院待機ステーションや、軽症、中等症患者を受け入れる酸素・医療提供ステーションを設置するなど、医療を提供する体制を整備しております。
 今後も、感染の再拡大に備え、医療提供体制を構築してまいります。
 最後に、保健所の体制についてでございますが、都は、各保健所に都職員を派遣して業務支援を行うほか、東京都発熱相談センターや夜間に入院先の調整を行う窓口の設置などにより、保健所と連携して新型コロナ感染症対策に当たる体制強化に取り組んでまいりました。
 また、積極的疫学調査等を担う保健師や看護師等をトレーサーとして採用し、都保健所に配置するほか、保健所設置区市に対しては、保健師、看護師等の雇い上げや業務委託の経費等を支援しております。
 今後も、こうした様々な取組を実施し、保健所の一層の体制強化を図るとともに、昨日、都内全保健所に対し、感染再拡大の防止に向け、クラスター等の早期探知を目的とした効果的かつ効率的な積極的疫学調査を実施するよう通知しております。
〔総務局長黒沼靖君登壇〕

○総務局長(黒沼靖君) 四点のご質問にお答えいたします。
 初めに、今後の行動制限の在り方についてでございます。
 ワクチン接種が進捗し、医療提供体制が強化される中、感染が再拡大した場合に備え、感染対策と社会経済活動の両立に向けて検討していくことは重要でございます。
 今般、国は、ワクチン・検査パッケージ等を活用した行動制限の緩和の方策を示したところでございます。
 一方、ワクチン接種証明の本人確認や検査の実施方法、当事者負担など、このパッケージの活用や定着には様々な課題がございます。また、東京には飲食店等が多数集積し、大小様々なイベントが開催されるなど、大都市ならではの特性もございます。
 今後、こうした課題等を踏まえ、現場実態に即した実効性のある方策について、国等と意見交換を行ってまいります。
 次に、子供政策を実行できる体制についてでございます。
 現在、都は、未来の東京戦略に掲げた感染症に打ちかつ戦略や、子供の笑顔があふれる東京の実現、オリンピック・パラリンピックレガシー戦略などについて、政策のバージョンアップを図っております。
 子供政策につきましては、東京都こども基本条例に掲げられた、未来を担う子供をあらゆる場面において権利の主体として尊重するという理念を踏まえ、子供目線に立ったまちづくりや、子供の安全・安心などの施策を総合的に進めていかなければなりません。
 今後は、都が直面する様々な課題に対応できる組織の在り方の検討を進め、なすべき取組を実施する体制を構築してまいります。
 次に、同性パートナーシップ制度の検討でございます。
 制度の導入により、性的マイノリティー当事者の困り事の解消につながるなど、人権の尊重が図られ、多様な性に関する都民の理解も進むことが期待できます。
 都はこれまで、他自治体における制度の導入事例について情報収集するなど、制度の検討を行ってきております。
 今月からは、性的マイノリティー当事者の方も参画している支援団体や学識経験者を対象としまして、忌憚のない意見を聴取するため、個別にヒアリングを実施いたします。こうした様々な意見等を踏まえまして、制度の在り方の検討を進めてまいります。
 最後に、都民や当事者に対する実態調査についてでございます。
 今月から実施する実態調査では、二十歳以上の都内在住者等を対象に、インターネットを利用した無記名式のアンケートを実施し、性的指向や性自認といった多様な性に関する認識等について把握をしてまいります。
 また、回答者のうち、性的マイノリティー当事者に対しては、生活上の困り事や行政に求める支援策、他自治体の制度に関する意見等についても聞いてまいります。
 この調査を通じて、都民の意識や当事者のニーズ等を幅広く把握し、制度の検討に生かしてまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長中村倫治君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(中村倫治君) 大会に係る経費についてでございますが、大会経費につきましては、現在、組織委員会において、収入及び支出両面における精査を進めているところでありまして、今後とも、都民、国民の理解が得られるよう取り組んでまいります。
 なお、大会経費につきましては、その総額や経費負担の内訳を毎年度公表しております。
 また、大会に密接に関わります事業などの大会関連経費につきましても、毎年度の予算、決算を通じて、その内容や実績を明らかにしているところであります。
〔生活文化局長野間達也君登壇〕

○生活文化局長(野間達也君) 私立高校の一人一台端末の整備についてでございますが、学校現場におけるデジタル教育環境の整備は、これからの時代に求められる多様な学びを提供する上で重要でございます。
 私立高校では、独自の教育方針に基づき、それぞれの方法で教育環境の整備を行ってきており、教育用端末の整備についても、各学校で様々に取り組んでいるところでございます。
 そのため、都として、各学校の整備方法に応じて、保護者負担の軽減に配慮しながら、生徒一人一台端末の整備が確実に進むよう、検討を進めてまいります。
〔財務局長潮田勉君登壇〕

○財務局長(潮田勉君) お話のジェンダーに関わる予算についてでございますが、様々な人が共に暮らし、多様性に富んだ東京を築き上げていくためには、誰もが自分らしい生き方を選択し、生き生きと活躍できる社会を実現していくことが重要であり、これまでも都は、例えば女性の活躍推進や、男性の家事、育児参画の推進などに取り組んでまいりました。
 令和四年度予算の見積りに当たりましては、女性をはじめ、誰もが輝ける社会を築くための施策を推進することとしており、実効性の高い事業の構築に向け、各局とも議論を重ねてまいります。
 今後とも、ジェンダー平等の視点も踏まえながら、性別にかかわらず、誰もが活躍できる東京の実現に向けて取り組んでまいります。
〔環境局長栗岡祥一君登壇〕

○環境局長(栗岡祥一君) 気候変動対策への都民の参加、協働についてでございますが、気候変動対策の推進には、都民一人一人の行動が不可欠であり、都はこれまでも、自治体や環境団体等が実施する市民参加型のシンポジウムや勉強会等に参加することで、都民の生の声を聞きながら、都の取組についても発信し、共感と協働を呼びかけてまいりました。
 また、都が立ち上げたチームもったいないには、約千百の都民や企業が参加してございまして、その取組や声をウェブ上で配信するとともに、協働してシンポジウムの開催や、先進事例の共有等を行ってございます。
 環境審議会での議論におきましても、未来を担う若者等からのヒアリングなども実施してございまして、様々な場での多くの主体の参画を得て、カーボンハーフを実現してまいります。
〔病院経営本部長西山智之君登壇〕

○病院経営本部長(西山智之君) 都立、公社病院の独法化についてでございますが、独法化の目的は、超高齢社会の本格化や医療の担い手不足など、医療課題がさらに深刻化していく中でも、感染症医療をはじめとする行政的医療の安定的な提供や、都の医療政策への貢献などの役割を将来にわたって果たし続けることであり、独法化の準備を着実に進めてまいります。
 コロナ対応については、専用医療施設の開設等により、二千床を確保して積極的に患者を受け入れており、今後とも全力で取り組んでまいります。

○六十七番(やまだ加奈子君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。

○議長(三宅しげき君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(三宅しげき君) ご異議なしと認め、さよう決定いたします。
 明日は、午後一時より会議を開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後九時六分散会

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