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Tokyo Metropolitan Assembly

令和三年東京都議会会議録第三号

令和三年二月二十五日(木曜日)
 出席議員 百二十五名
一番古城まさお君
二番けいの信一君
三番平  慶翔君
四番龍円あいり君
五番栗下 善行君
六番石毛しげる君
七番西郷あゆ美君
八番森澤 恭子君
九番上田 令子君
十番山内れい子君
十一番やまだ加奈子君
十二番西野 正人君
十三番林あきひろ君
十四番藤井とものり君
十五番原田あきら君
十六番細田いさむ君
十七番うすい浩一君
十八番小林 健二君
十九番加藤 雅之君
二十番保坂まさひろ君
二十一番関野たかなり君
二十二番福島りえこ君
二十三番米川大二郎君
二十四番菅原 直志君
二十五番清水やすこ君
二十六番斉藤れいな君
二十七番伊藤しょうこう君
二十八番田村 利光君
二十九番柴崎 幹男君
三十番舟坂ちかお君
三十一番清水 孝治君
三十二番宮瀬 英治君
三十三番米倉 春奈君
三十四番斉藤まりこ君
三十五番藤田りょうこ君
三十六番斉藤やすひろ君
三十七番栗林のり子君
三十八番伊藤こういち君
三十九番大松あきら君
四十番白戸 太朗君
四十一番木下ふみこ君
四十二番増田 一郎君
四十三番本橋ひろたか君
四十四番馬場 信男君
四十五番佐野いくお君
四十六番細谷しょうこ君
四十七番中山ひろゆき君
四十八番奥澤 高広君
四十九番大場やすのぶ君
五十番小宮あんり君
五十一番神林  茂君
五十二番早坂 義弘君
五十三番高橋 信博君
五十四番西沢けいた君
五十五番河野ゆりえ君
五十六番原 のり子君
五十七番星見てい子君
五十八番とくとめ道信君
六十番上野 和彦君
六十一番のがみ純子君
六十二番まつば多美子君
六十三番たきぐち学君
六十四番田の上いくこ君
六十五番両角みのる君
六十六番森口つかさ君
六十七番村松 一希君
六十九番鳥居こうすけ君
七十番つじの栄作君
七十一番後藤 なみ君
七十二番岡本こうき君
七十三番石川 良一君
七十四番川松真一朗君
七十五番小松 大祐君
七十六番中屋 文孝君
七十七番鈴木あきまさ君
七十八番山口  拓君
七十九番曽根はじめ君
八十番清水ひで子君
八十一番とや英津子君
八十二番池川 友一君
八十三番中山 信行君
八十四番谷村 孝彦君
八十五番長橋 桂一君
八十六番小磯 善彦君
八十七番藤井  一君
八十八番桐山ひとみ君
八十九番おじま紘平君
九十番あかねがくぼかよ子君
九十一番もり  愛君
九十二番内山 真吾君
九十三番成清梨沙子君
九十四番藤井あきら君
九十五番鈴木 邦和君
九十六番滝田やすひこ君
九十七番森村 隆行君
九十八番菅野 弘一君
九十九番鈴木 章浩君
百番宇田川聡史君
百一番吉原  修君
百二番中村ひろし君
百三番里吉 ゆみ君
百四番尾崎あや子君
百五番あぜ上三和子君
百六番橘  正剛君
百七番高倉 良生君
百八番東村 邦浩君
百九番中嶋 義雄君
百十番山内  晃君
百十一番入江のぶこ君
百十二番山田ひろし君
百十三番伊藤 ゆう君
百十四番木村 基成君
百十五番荒木ちはる君
百十六番小山くにひこ君
百十七番増子ひろき君
百十八番大津ひろ子君
百十九番尾崎 大介君
百二十番秋田 一郎君
百二十一番三宅 正彦君
百二十二番山崎 一輝君
百二十三番三宅しげき君
百二十四番高島なおき君
百二十五番白石たみお君
百二十六番大山とも子君
百二十七番和泉なおみ君

 欠席議員 一名
  五十九番 遠藤  守君
 欠員
    六十八番

 出席説明員
知事小池百合子君
副知事多羅尾光睦君
副知事梶原  洋君
副知事武市  敬君
副知事宮坂  学君
教育長藤田 裕司君
東京都技監都市整備局長兼務上野 雄一君
政策企画局長中嶋 正宏君
総務局長山手  斉君
財務局長潮田  勉君
警視総監斉藤  実君
主税局長砥出 欣典君
生活文化局長野間 達也君
オリンピック・パラリンピック準備局長中村 倫治君
環境局長栗岡 祥一君
福祉保健局長吉村 憲彦君
福祉保健局健康危機管理担当局長初宿 和夫君
産業労働局長村松 明典君
建設局長中島 高志君
港湾局長古谷ひろみ君
消防総監安藤 俊雄君
会計管理局長佐藤  敦君
交通局長内藤  淳君
水道局長浜 佳葉子君
下水道局長和賀井克夫君
都民安全推進本部長國枝 治男君
戦略政策情報推進本部長寺崎 久明君
住宅政策本部長榎本 雅人君
病院経営本部長堤  雅史君
中央卸売市場長黒沼  靖君
選挙管理委員会事務局長桃原慎一郎君
人事委員会事務局長武市 玲子君
監査事務局長河内  豊君
労働委員会事務局長松山 英幸君
収用委員会事務局長斎藤 真人君

二月二十五日議事日程第三号
第一 第一号議案
令和三年度東京都一般会計予算
第二 第二号議案
令和三年度東京都特別区財政調整会計予算
第三 第三号議案
令和三年度東京都地方消費税清算会計予算
第四 第四号議案
令和三年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計予算
第五 第五号議案
令和三年度東京都国民健康保険事業会計予算
第六 第六号議案
令和三年度東京都母子父子福祉貸付資金会計予算
第七 第七号議案
令和三年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
第八 第八号議案
令和三年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
第九 第九号議案
令和三年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
第十 第十号議案
令和三年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
第十一 第十一号議案
令和三年度東京都と場会計予算
第十二 第十二号議案
令和三年度東京都都営住宅等事業会計予算
第十三 第十三号議案
令和三年度東京都都営住宅等保証金会計予算
第十四 第十四号議案
令和三年度東京都都市開発資金会計予算
第十五 第十五号議案
令和三年度東京都用地会計予算
第十六 第十六号議案
令和三年度東京都公債費会計予算
第十七 第十七号議案
令和三年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
第十八 第十八号議案
令和三年度東京都病院会計予算
第十九 第十九号議案
令和三年度東京都中央卸売市場会計予算
第二十 第二十号議案
令和三年度東京都都市再開発事業会計予算
第二十一 第二十一号議案
令和三年度東京都臨海地域開発事業会計予算
第二十二 第二十二号議案
令和三年度東京都港湾事業会計予算
第二十三 第二十三号議案
令和三年度東京都交通事業会計予算
第二十四 第二十四号議案
令和三年度東京都高速電車事業会計予算
第二十五 第二十五号議案
令和三年度東京都電気事業会計予算
第二十六 第二十六号議案
令和三年度東京都水道事業会計予算
第二十七 第二十七号議案
令和三年度東京都工業用水道事業会計予算
第二十八 第二十八号議案
令和三年度東京都下水道事業会計予算
第二十九 第百一号議案
令和三年度東京都一般会計補正予算(第一号)
第三十 第百二号議案
令和三年度東京都病院会計補正予算(第一号)
第三十一 第二十九号議案
職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
第三十二 第三十号議案
東京都組織条例の一部を改正する条例
第三十三 第三十一号議案
東京都職員定数条例の一部を改正する条例
第三十四 第三十二号議案
特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三十五 第三十三号議案
市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三十六 第三十四号議案
都及び特別区並びに特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例
第三十七 第三十五号議案
東京都区市町村振興基金条例の一部を改正する条例
第三十八 第三十六号議案
東京都都税条例の一部を改正する条例
第三十九 第三十七号議案
特定非営利活動促進法施行条例の一部を改正する条例
第四十 第三十八号議案
東京都学校経営支援センター設置条例の一部を改正する条例
第四十一 第三十九号議案
学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例
第四十二 第四十号議案
都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例
第四十三 第四十一号議案
東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
第四十四 第四十二号議案
東京都立学校の授業料等徴収条例の一部を改正する条例
第四十五 第四十三号議案
東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
第四十六 第四十四号議案
高齢者、障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例の一部を改正する条例
第四十七 第四十五号議案
東京都市計画事業新宿駅直近地区土地区画整理事業施行規程
第四十八 第四十六号議案
東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
第四十九 第四十七号議案
東京都福祉・健康安心基金条例を廃止する条例
第五十 第四十八号議案
東京都養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第五十一 第四十九号議案
東京都特別養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第五十二 第五十号議案
東京都軽費老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第五十三 第五十一号議案
東京都指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第五十四 第五十二号議案
東京都指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準に関する条例の一部を改正する条例
第五十五 第五十三号議案
東京都指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第五十六 第五十四号議案
東京都介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第五十七 第五十五号議案
東京都指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第五十八 第五十六号議案
東京都介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第五十九 第五十七号議案
東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第六十 第五十八号議案
東京都児童相談所条例の一部を改正する条例
第六十一 第五十九号議案
東京都安心こども基金条例の一部を改正する条例
第六十二 第六十号議案
東京都指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第六十三 第六十一号議案
東京都指定障害児入所施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例及び東京都指定障害児入所施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
第六十四 第六十二号議案
東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第六十五 第六十三号議案
東京都障害福祉サービス事業の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第六十六 第六十四号議案
東京都指定障害者支援施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例及び東京都指定障害者支援施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
第六十七 第六十五号議案
東京都障害者支援施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第六十八 第六十六号議案
東京都地域活動支援センターの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第六十九 第六十七号議案
東京都福祉ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第七十 第六十八号議案
東京都立職業能力開発センター条例の一部を改正する条例
第七十一 第六十九号議案
東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例
第七十二 第七十号議案
東京都海上公園条例の一部を改正する条例
第七十三 第七十一号議案
東京都営空港条例の一部を改正する条例
第七十四 第七十二号議案
東京都自然公園条例の一部を改正する条例
第七十五 第七十三号議案
東京都立公園条例の一部を改正する条例
第七十六 第七十四号議案
東京都霊園条例の一部を改正する条例
第七十七 第七十五号議案
東京消防庁職員定数条例の一部を改正する条例
第七十八 第七十六号議案
特別区の消防団員の定員、任免、給与、服務等に関する条例の一部を改正する条例
第七十九 第七十七号議案
都立日野高等学校(二)改築工事請負契約
第八十 第七十八号議案
都立町田の丘学園(二)西校舎棟ほか改築工事請負契約
第八十一 第七十九号議案
都営住宅二H─一一九西(世田谷区八幡山三丁目第二)工事請負契約
第八十二 第八十号議案
都営住宅二H─一〇八西(村山)工事請負契約
第八十三 第八十一号議案
都営住宅二H─一一八西(世田谷区八幡山三丁目第二)工事請負契約
第八十四 第八十二号議案
都営住宅二H─一〇二東(墨田区堤通一丁目第二)工事請負契約
第八十五 第八十三号議案
都営住宅二H─一三一東(豊島区西巣鴨二丁目)工事請負契約
第八十六 第八十四号議案
東京都島しょ農林水産総合センター大島事業所(二)改築工事請負契約
第八十七 第八十五号議案
東京消防庁赤羽消防署志茂出張所庁舎(仮称)(二)改築工事請負契約
第八十八 第八十六号議案
東京都足立児童相談所(二)改築工事請負契約
第八十九 第八十七号議案
野伏漁港船客待合所(二)新築工事その二請負契約
第九十 第八十八号議案
包括外部監査契約の締結について
第九十一 第八十九号議案
有明アリーナの公共施設等運営権の設定について
第九十二 第九十号議案
港区の児童自立支援施設に係る事務の受託について
第九十三 第九十一号議案
令和三年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について
第九十四 第九十二号議案
令和二年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区の負担の変更について
第九十五 第九十三号議案
多摩川流域下水道野川処理区、北多摩一号処理区、北多摩二号処理区、多摩川上流処理区、南多摩処理区、浅川処理区及び秋川処理区並びに荒川右岸東京流域下水道荒川右岸処理区の改良に要する費用の関係市町村の負担について
第九十六 第九十四号議案
令和二年度東京都一般会計補正予算(第十七号)
第九十七 第九十五号議案
令和二年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第二号)
第九十八 第九十六号議案
令和二年度東京都地方消費税清算会計補正予算(第一号)
第九十九 第九十七号議案
令和二年度東京都病院会計補正予算(第五号)
第百 第九十八号議案
神田川整備工事(その二百七)の施行に伴う家屋等の損傷事故に係る損害賠償の額の決定について
第百一 第九十九号議案
令和二年度東京都一般会計補正予算(第十八号)
第百二 第百号議案
令和二年度東京都病院会計補正予算(第六号)
第百三 第百三号議案
東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第百四 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和二年度東京都一般会計補正予算(第十五号)の報告及び承認について
第百五 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和二年度東京都一般会計補正予算(第十六号)の報告及び承認について

   午後一時開議
○議長(石川良一君) これより本日の会議を開きます。

○議長(石川良一君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(石川良一君) 昨日に引き続き質問を行います。
 百十八番大津ひろ子さん
〔百十八番大津ひろ子君登壇〕

○百十八番(大津ひろ子君) 青梅市で発生しました大規模林野火災、昨日夕方、無事鎮火をされ、東京消防庁の精強なる救助、消火に深甚なる敬意を表したいと存じます。
 初めに、火災について質問します。
 テレワークやステイホームなど、感染防止のため、新しい生活様式により生活環境にも変化が見られます。着目したのが住宅火災における電子レンジ火災です。
 地元渋谷区に東京消防庁の技術安全所があり、この科学研究機関で、電子レンジで肉まんを七百ワットの温度で約六分で急速な燃焼を引き起こし、爆発するという検証実験を見たことがありました。電子レンジの扉が噴き開き、意外と知られていない身近な電子火災に愕然としました。
 火災の発生要因についても、例年と異なる傾向があると考えられます。コロナ禍における火災の傾向とその対策について、消防総監にお伺いします。
 昨年発生した火災全体の約四割を住宅火災が占め、全火災による死者数の約八割が住宅火災でした。主な出火原因はガスこんろやたばこで、火災により昨年亡くなられた方は八十八名で、一昨年と比較して二十名減少しました。
 引き続き、住宅火災の被害軽減に向けた消防庁の取り組みについてお伺いします。
 次に、ソーシャルネットワーキングサービス、SNSを介した少年少女に対する性犯罪防止対策について伺います。
 昨年以来、新型コロナウイルス感染症の蔓延により緊急事態宣言が発令され、外出自粛や営業時間短縮など、長引く感染症対策による生活様式の変化に伴い、都内における治安状況にも変化が生じています。
 児童虐待通告件数の増加や薬物事犯の検挙件数の増加などは、その生活変化のあらわれでもあります。この根底には、失業者が七万人を超え、昨年十月末の自殺された方の統計では、前年比一・四倍増に上るという厳しい社会の現状があります。
 特に少年少女は、精神的なよりどころや人もなく、孤独や生きづらさを感じています。居場所を求めてSNS上に書き込んだ不安や悩みなどに、誘引者が救いの手を差し伸べるかのごとくだます書き込みを行い、少年少女に接近して性犯罪に及ぶ事案が若者の聖地でもある渋谷、新宿、池袋の繁華街を中心に多発している状態は、看過することはできません。
 そこで、SNSなどを介した福祉犯や性犯罪から少年少女を守るため、どのように有害環境を浄化する対策を講じているのか、警視総監の見解を伺います。
 かねてから本会議でアスベストの健康被害と飛散防止について取り上げてきましたが、ようやく一歩踏み出しました。
 昨年六月、大気汚染防止法が改正され、建物の解体時に規制対象となるアスベストを含む建材として新たにスレート材が加わるほか、解体業者等が実施するアスベストの調査の結果を、その有無にかかわらず、都知事に報告することが本年四月から義務づけられるなど、大きな規制強化が予定されています。
 アスベスト含有建築物の解体が二〇二八年にピークを迎えます。現場でアスベストの適正な処理方法をアドバイスする都の専門職員、いわばアスベストGメンの大幅増員や、現場で迅速にアスベストを測定できる機械の導入、そのほか、都や区市が抜き打ち検査を含めた立入検査体制を強靱化し、調査のくいを打ち込み、アスベスト健康被害の徹底防止が必要です。建設現場で働く方たちの命と安全を守ってこそ、初めて技術立国日本と誇れる国になるのです。
 一方で、迅速な災害復旧のため、災害時に崩れた建築物からアスベストが飛散をします。防止するためには、日ごろからアスベストを含有する建築物等について事前の調査を着実に進めて、実態を的確に把握しておくことが肝心です。
 そこで、一層のアスベスト飛散防止対策を強化するため、都内のアスベストを使用した建築物の把握に向けた取り組み及び工事現場への立入調査における都の今後の取り組みについて、それぞれお伺いします。
 自然災害と地球温暖化の関連が指摘されて久しいところです。アメリカのバイデン政権がパリ協定に正式復帰したことは一筋の光のようにも思えますが、中国の動向や、直近では感染防止対策による運輸需要の落ち込みにより、世界のCO2排出量は一時的に低下との報告もありますが、予断を許すものではありません。
 その中で、東京都は二〇三〇年までに、一七年比でプラスチックごみ焼却量四割削減という積極果敢な目標を掲げています。
 中国によるプラスチックごみ輸入禁止を受け、国内処理が課題となっておりますが、ごみの焼却から得られるエネルギー回収は、リサイクルの観点や温暖化防止の観点から議論があるところです。
 今後、二〇五〇年カーボンニュートラルに向け、焼却量の削減を図り、廃プラスチックをより高度にリサイクルする資源循環の流れをさらに加速すべきと考えますが、都における施策の進捗状況と目標達成に向けた見通しについて伺います。
 食品及び容器包装の安全対策について伺います。
 コロナの災禍の中、食品の持ち帰りなどに使われている簡易な容器は利便性の高いものです。一方で、プラスチック類には、着色や製品の劣化を防ぐために酸化防止剤など多様な添加剤が使われています。
 そこで、食品用器具、容器包装について、安全性を評価した物質のみを使用可能とするポジティブリスト制度を導入する食品衛生法等の改正が行われ、プラスチック製のコップ、鍋、スプーン、ペットボトルなどの器具、容器包装がその対象となっています。
 また、食品衛生上の危害の発生を防止するための工程管理、HACCPを規定した食品衛生法も、ことし六月一日から原則として全事業所を対象として施行されます。
 容器包装のポジティブリスト制度が昨年六月から施行され、HACCP制度も本年六月から完全施行されることに対して、食品及び容器包装の安全対策等については、事業者はもとより、都民にもわかりやすく伝えるべきと考えますが、見解を伺います。
 東京の経済は戦後最大の打撃を受けています。渋谷区も商業、サービス業が全産業の大半を占め、無念ながら、廃業に追い込まれた事業者や倒産したホテルもあります。
 ある日、東京百五十年表彰はありますかとのお問い合わせがございました。美濃部知事の昭和四十三年、百年以上続く優良商店へ東京都四団体が百年記念表彰を行いました。表彰された地元の老舗企業からでした。六代目となり、表彰状は社宝として今も飾られ、評価されたことで社員の志気も高まります。経済的支援のほかに、表彰制度など今後検討されてもいいのではないでしょうか。東京百五十年、東京二百年と、日本は世界一の老舗企業数です。
 東京の企業の九八・八%を占める屋台骨である中小企業が存続するためには、先進的なデジタル技術の活用が効果的であり、都は、デジタルにより新しい日常に対応するべく、チャレンジする創業者や事業者に必要な資金が速やかに行き渡るように支援すべきでありますが、見解を伺います。
 あわせて、中小企業が事業継続の流れへ乗るサポートも重要で、物心両面のさらなる支援の拡充、ポストコロナに向け東京の経済を再生させるべく、見解を伺います。
 旧児童会館跡地は、渋谷駅数分の宮下の上に位置し、世界に発信し得る普遍的価値のある都有地です。梨本宮家が、子供の教育にいいと京都から移り、御殿を敷いた場所。広大な邸宅の名残として、都心では極めて貴重な緑と湧水を残し、多種類の昆虫、野鳥が集まる環境です。
 児童会館は、上皇上皇后両陛下のご成婚を記念し、昭和三十四年、東京都が子供の健全な育成を目的として建設されました。
 旧児童会館は、子供の考える力や才能を伸ばす参加型だと地元からも評判で、こどもの城と児童会館で年間百五十万人もの来場者がおられました。
 地元からは、児童会館跡地を利活用するに当たり、特別な土地の歴史と自然や文化を尊重し、子供を最重要理念とした魂を開発のハード、ソフトのかなめにすること、幅広い全世代の全ての人たちが交流し、人生のそれぞれの時期を充実できる理念とすることを要望してきました。子供を慈しみ大切にする、その時々の都政の政策、都民のための政策実現に資する可能性を有した都有地です。
 このような地域特性や地元の意見も踏まえた都市の未来像を検討すべきと考えますが、見解を伺います。
 結びに、未来の東京について伺います。
 新型コロナウイルスの災禍が今なお世界を覆っています。感染拡大防止には、個人、家庭、組織、社会における感染対策の実施が大きな力になります。
 東京iCDCの今後の成果、都市間連携なども生かし、地域社会における飲食業、宿泊、娯楽施設、理美容事業者など、安心して身近なところで営業できるよう、東京都が主導し、平時から人材育成や保健所等との連携体制をしっかりと構築し、地域での強靱な公衆衛生力を高めることで、世界一の公衆衛生都市東京を目指すべきと考えます。
 都が公表した未来の東京戦略案に挙げる環境関連産業、デジタル技術、それら革新的な技術開発が進展し社会実装化されていく、強靱な首都東京の実現を進めていくことが大切です。
 千年の昔の日記文学や説話文学にも、世の中心地、伝染病のこと、ひたやごもり、ステイホーム、家に閉じこもること、そういった言葉で記されておりまして、疫病などで大切な人を失い、心が折れそうな心、教訓を残しております。先人たちも支え、乗り切ってきたメッセージを知ることができ、現在でも共感できる面も多々あります。
 未来の東京戦略を策定するに当たり、今を生きる都民一人一人に、そして未来の都民に届く都知事の思いをお伺いします。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 大津ひろ子議員の一般質問にお答えいたします。
 児童会館跡地についてのご質問がございました。
 都が策定した渋谷地区ステップアップ・ガイドラインでは、児童会館跡地を含めました周辺のまちづくりを起爆剤として、活力と魅力ある東京の実現に向けた都市再生の推進を図ることといたしておりまして、これまで地元の意見も聞きながら、具体的な検討を進めております。
 事業内容につきましては、ガイドラインでお示しをした地域の歴史や特性などを踏まえ、子供たちの健やかな成長に寄与するような、親子で楽しみながら学べる施設や幅広い世代の人々が集まる憩いの場、災害時の対応に配慮した施設など、隣接する区有地を含めまして、都有地を効果的に活用する観点からの検討を行っております。
 引き続き地域の魅力を高めるまちづくりが先導できますよう、事業内容などの検討を深め、実施方針の策定につなげてまいります。
 次に、未来の東京戦略についてのご質問です。
 私たちは今、百年に一度ともいわれる厳しい闘いのただ中にあって、この未曽有の危機を、都民、事業者、そして医療従事者の皆さんとともに、力を合わせて乗り越えていかなくてはなりません。
 同時に、困難が立ちはだかる今だからこそ、我々が目指すべき未来の東京の姿を展望していく必要がございます。
 渋沢栄一や後藤新平を初めとする偉大な先人たちも、危機に直面しながらも未来を見据えたさまざまな事業を推進して、東京、日本の礎を築いてきました。
 こうした先人たちの精神を受け継いで持続可能な東京をつくり上げたいという思いから、未来の東京戦略を策定いたしました。
 まず、今回新たに戦略ゼロといたしまして、感染症に打ちかつ戦略を立ち上げております。新型コロナとの闘いの中で得た教訓を踏まえ、東京iCDCを核に、公衆衛生人材の育成や保健所の機能強化、医療提供体制の充実など、組織の縦割りではなく、関係機関を有機的に結びつけた総力を挙げた対策を講じ、感染症に強い都市をつくり上げてまいります。
 さらに、未来を見据えた取り組みとして、サステーナブルリカバリーの視点に立ったゼロエミッション東京戦略の加速、DXによる防災対策のさらなる強化など、強靱で持続可能な都市に向けた政策を盛り込んでおります。
 新たな都政の羅針盤となる未来の東京戦略を都民の皆さんと共有して、危機を乗り越えて、今を生きる都民と未来の都民が輝く東京を切り開いてまいります。
 その他のご質問につきましては、警視総監、東京都技監及び関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔警視総監斉藤実君登壇〕

○警視総監(斉藤実君) 少年少女を取り巻く有害環境を浄化するための対策についてであります。
 警視庁では、SNS等を介した福祉犯や性犯罪から少年少女を守るため、各種法令を適用した取り締まりはもとより、サイバーパトロールを行う中で、被害につながるおそれのあるSNS上の書き込みを発見した場合、個別に注意喚起文を送信するなどの取り組みを行っております。
 そのほか、学校において、生徒や教員等を対象とした情報モラル教育を事業者と協働で行うなどの各種被害防止対策も推進をしております。
 引き続き関係機関と連携し、有害環境を浄化する対策を推進してまいります。
〔東京都技監上野雄一君登壇〕

○東京都技監(上野雄一君) アスベストを使用した建築物の把握についてのご質問にお答えをいたします。
 平時から建築物におけるアスベスト使用の実態を把握し、被災した場合にも、解体などを安全に進められるよう備えていくことは重要でございます。これまでも、飛散性の高い吹きつけアスベストを使用した建物に係る台帳を整備し、環境行政部署に提供してまいりました。
 加えて、昨年六月の大気汚染防止法改正を踏まえ、同法によるアスベスト調査の届け出内容の検証に資するよう、アスベスト含有建材の使用が全面的に禁止されました平成十八年以前の建築物の情報を、東京消防庁との密接な連携により、来年度から新たに提供してまいります。
 さらに、建設リサイクル法による届け出情報につきましても提供するなど、関係部署と一体となりましてアスベストの飛散防止対策に適切に取り組み、都民の安全・安心を確保してまいります。
〔消防総監安藤俊雄君登壇〕

○消防総監(安藤俊雄君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、コロナ禍における火災の傾向等についてでございますが、昨年の火災件数は三千六百九十四件で、一昨年と比較して約四百件減少しておりますが、住宅火災の割合が増加しております。
 このうち、コロナ禍による暮らしや働き方の変化が要因と思われるガスこんろに起因する火災が最も多く、緊急事態宣言発令中の四月及び五月は、前年同期と比べ二十件増加いたしました。
 このため、東京消防庁では、ステイホーム中の方にも伝わるよう、火災を再現した実験動画を作成し、マスコミを通じて注意喚起を図っております。
 また、最近では、電子レンジの誤った使用による火災が若年層を中心に増加傾向にあるため、これまでの広報に加え、ユーチューブやデジタルサイネージなどを活用し、電子レンジで食品を長時間加熱すると爆発的な燃焼を起こす動画により注意喚起を図っております。
 今後とも、火災の傾向を捉え、訴求力の高い広報により火災予防を推進してまいります。
 次に、住宅火災の被害軽減に向けた取り組みについてでございますが、火災を早期に発見し、被害を最小限に抑えるためには、住宅用火災警報器の設置が極めて有効であり、全ての住宅に設置を義務化する前の平成二十一年の住宅火災は二千九十九件でございましたが、令和元年には一千五百四十三件へと大幅に減少いたしました。
 さらに、住宅用火災警報器が設置されていなかった火災と比較して、焼損床面積は四分の一に抑えられております。
 一方で、設置義務化から十年以上が経過し、機器の機能低下が危惧されますことから、定期的な点検や本体交換の必要性について、プロモーションビデオ等を活用し、広く都民に周知しております。
 また、今月からは、都民による点検時の写真をSNSで募集し、ポスターを制作する、都民参加型のプロジェクトを新たに開始いたしました。
 今後も効果的な火災予防対策を推進し、住宅火災による被害の極限防止に努めてまいります。
〔環境局長栗岡祥一君登壇〕

○環境局長(栗岡祥一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、アスベスト対策に係る立入調査についてでございますが、昨年の大気汚染防止法の改正によりまして、建物の解体工事等におけるアスベストの規制が強化される中、その飛散防止対策を徹底するためには、現場の監視業務を行う都や区市の職員による監視体制の強化が不可欠でございます。
 このため、都は、現場指導のレベルアップを図るため、来年度、新たにアスベスト総合対策事業を開始いたします。
 具体的には、建材中のアスベストの有無を現場で迅速に測定できる機器を区市が購入する際の費用の全額負担や、最新の規制、技術情報等を記載した監視マニュアルの作成など、ハード、ソフト両面で区市を支援してまいります。
 また、都みずからも、アスベストの専門職員、いわゆるアスベストGメンを昨年度の二名から九名に増員いたしまして、都と区市が連携した現場の監視指導を一層進めてまいります。
 次に、温暖化対策とプラスチックごみ削減についてでございますが、気候変動や各国の輸入規制強化を踏まえ、廃プラの回収、リサイクルの拡大と高度化を促すことは重要でございます。
 都は今年度、家庭のプラ製容器包装について、分別収集やリサイクルの高度化を行う自治体への支援制度を開始し、七団体が再資源化の拡大に取り組んでございます。
 また、区市と連携して、業務ビル等に専門家を派遣し、現場に即した分別方法等を助言する試行事業を開始したほか、産廃事業者八社の参加を得て、廃プラを都外のセメント工場で有効利用する実証事業を進めてございます。
 今後、都民や事業者、自治体等との連携をさらに強め、改正バーゼル条約発効後の廃プラ輸出動向や国の法制化の動きも注視しながら、脱炭素社会に貢献するプラスチック資源循環の実現に向けた実効性の高い施策を展開してまいります。
〔福祉保健局健康危機管理担当局長初宿和夫君登壇〕

○福祉保健局健康危機管理担当局長(初宿和夫君) 食品衛生法改正に関する都民、事業者への周知に関するご質問にお答えをいたします。
 今般の法改正では、食のニーズの多様化や食の国際化などに対応し、食品の安全をより一層確保するため、事業者によるHACCPに沿った衛生管理や、器具、容器包装の安全性を高めるための仕組みが導入されることとなります。
 これらの仕組みが機能するには、事業者の法定基準遵守が前提となることから、都は、一昨年度から講習会やリーフレット等により周知、支援をしてまいりました。
 さらに今年度は、受講者が参加しやすいよう、動画配信による講習会を実施いたしました。
 今後、都民の安全・安心な食生活に資するよう、食品や容器包装の安全性確保の取り組みについて、講習会の開催や、よくある問い合わせをホームページに掲載することなど、都民にわかりやすい情報提供を行ってまいります。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、金融支援についてですが、デジタル技術の活用は、ポストコロナ時代に向けた中小企業の新たな発展や経営改革、働き方改革などを促進するものでございまして、こうした事業者の取り組みを資金面から支えていくことが重要でございます。
 このため、来年度の制度融資におきましては、先端的な情報通信技術を活用して事業や経営改善に取り組む中小企業を支援する新たなメニューを創設するほか、テレワークを推進する事業者に向けた融資を実施してまいります。
 さらに、デジタル技術による革新的イノベーションを生み出すスタートアップを支援するため、新たなファンドを設立いたします。
 これらの取り組みによりまして、中小企業によるデジタル技術の活用を促進し、都内経済の回復と発展につなげてまいります。
 次に、ポストコロナに向けた中小企業支援についてですが、中小企業が時代の変化に対応して持続的に成長するためには、経営基盤の下支えとともに、社会変革への的確な対応を促すことが重要と考えております。
 都は、中小企業に対し、さまざまな事業展開に必要となる経営や技術、資金繰りなど多面的な支援を提供しているところでございます。
 今後は、コロナ禍における新しい日常への対応に向け、人々の行動や思考の変化を捉えた新製品や新サービスの創出を重点的に支援してまいります。
 また、デジタル技術の導入による生産性の向上や、オンラインを活用した販売チャネルの構築など、中小企業による積極的な取り組みを一層促進し、その成果を広く普及させてまいります。
 中小企業がみずからの魅力をいかんなく発揮し、未来を切り開くことができますよう、強力に後押ししてまいります。

○議長(石川良一君) 九十八番菅野弘一君
〔九十八番菅野弘一君登壇〕

○九十八番(菅野弘一君) 初めに、新型コロナウイルスなどの感染症対策と震災への対応について伺います。
 間もなく東日本大震災から十年を迎えます。被災地では、インフラの復旧や災害に強いまちづくりなど、復興に向けて懸命に取り組みが進んでいます。
 しかし、先日も福島県沖を震源とする震度六強の地震が発生しました。政府の地震調査委員会は、少なくとも今後も十年程度はこうした状況が続くだろうと予想しており、いまだ地震の脅威は去っていません。
 一方、東京では、いつ発生してもおかしくない首都直下地震に対する対策を進めていく必要があります。特に人口が密集する都心部では、マンションに居住する住民も多く、地震によってエレベーターが使えず階段での上りおりが必要となった場合、高層階の住民などは食料や飲料水の確保が困難となり、避難所への避難を余儀なくされます。
 特にコロナ禍においては、避難所における感染症対策なども十分に講じておく必要があります。
 こうしたコロナ禍における大規模な地震に対し、都として早急な対応が必要であると思いますが、見解を伺います。
 次に、災害時の避難状況等の情報発信体制の強化について伺います。
 一昨年の台風第十九号では、地域によっては避難所の収容人数を超える避難者が殺到し、ほかの避難所に移っていただくなどの事態が発生しました。
 台風が接近し、風雨が強まる中、夜間ともなれば、子供連れや高齢の避難者が避難所を転々とし、避難できる避難所を探すことは容易ではありません。
 特に新型コロナウイルスの感染が続く状況下では、避難所でのソーシャルディスタンスの確保などにより避難所の収容人数が減少し、これまで以上にこうした事態が多く発生することが想定されます。
 そこで、都は、区市町村と連携し、災害時に刻々と変化する避難所の開設情報や混雑状況を迅速に収集し、情報発信する体制を強化すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、特定整備路線の整備について伺います。
 都が令和二年三月に公表した防災都市づくり推進計画の基本方針の記載によると、首都直下地震の被害想定については、都内は最大震度七の揺れに見舞われ、約三十万四千棟の建物が全壊または焼失し、火災などにより約九千七百人の死者が発生するとされています。
 中でも、特に甚大な被害が想定される木造住宅密集地域における防災対策は喫緊の課題であることから、このような被害を最小限に抑えるため、防災に資する都市基盤の整備を早急に進めることが重要であります。
 我が党は、令和三年度の予算要望に際し、防災上、整備効果の高い都市計画道路である特定整備路線二十八区間、三十八カ所について事業推進の提言を行ってきましたが、知事は、本定例会の施政方針において、特定整備路線として初めて、補助第一三六号線足立区関原・梅田地区の三月の開通を表明されました。
 この開通を一つの契機に、さらに特定整備路線の整備を加速させ、災害に対して脆弱な木密地域の防災性を向上させていくことが非常に重要であります。
 そこで、特定整備路線の取り組み状況と、補助第一三六号線の関原・梅田地区が整備されることによる整備効果について伺います。
 次に、環状第四号線白金台区間の整備について伺います。
 環状第四号線は、人や物の流れを円滑にするとともに、生活道路へ流入する通過交通の抑制や地域の防災性の向上など、地域にとっても重要な路線であります。
 先行する環状第四号線の高輪区間では、地域との話し合いを持ちながら、衆議院宿舎跡地を利活用した沿道のまちづくりの検討とあわせての事業を進めています。
 一方、環状第四号線白金台区間では、起伏のある地形において道路整備が進められることから、以前、私が環境・建設委員会の質疑で取り上げたように、これまで周辺の生活道路との段差処理等について心配の声がありましたが、都がさまざまな検討を重ねることで、おおむね起伏に沿った道路整備を進めることが可能となりました。
 地元からは、地元説明会などを繰り返してきたことにより、地域の方々の不安が徐々に解消してきているとも聞いています。引き続き、地域の課題や要望に丁寧な対応で進めていただくことをお願いしておきます。
 また、白金台区間でも、この地域に住み続けたいという希望が多いことから、隣接する高輪区間の衆議院議員宿舎跡地の一部を代替地として提供する計画があるとも伺っています。
 こうした状況を踏まえ、今後、整備に向けた具体的な作業を進めていくわけですが、環状第四号線白金台区間の整備促進に向けた現状と今後の都の取り組みについて伺います。
 次に、都営住宅の建て替えに伴う周辺まちづくりについて伺います。
 我が党はかねてより、老朽化した都営住宅の建て替えに伴い創出される用地をまちづくりに活用し、地域の活性化、さらには東京全体の活力や魅力の向上を図っていくべきと主張してきました。
 先日公表された未来の東京戦略案では、都営住宅の建て替えをてこにした、まちの再生の初めてのケースとして、西早稲田駅周辺地区が取り上げられています。この地域は、早稲田大学もあり、活気に満ちた地域で、平成二十年に副都心線が開通し西早稲田駅ができたことにより、地域の魅力はさらに向上しました。
 このようなポテンシャルの高いエリアでは、周辺建築物の更新とあわせて都営住宅の建て替えを行うことで、都市機能の更新や魅力的な都市空間の創出など、まちの再生に寄与する施策の展開が必要です。
 そこで、区部中心部に立地する都営住宅の建て替えを契機とした、周辺のまちづくりに貢献する新たな取り組みを地元区等とともに進めていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 昨年六月に、老朽マンションの売却や建て替えを促進する制度を盛り込んだ改正マンション建替え円滑化法が成立しました。従来の耐震化不足のマンションに加え、外壁の剥離等で周囲に危害を及ぼすおそれのあるマンションなども敷地の売却や容積率特例の対象となるほか、団地型マンションの再生円滑化のための制度が創設されました。
 都内には築四十年を超えるマンション戸数が約二十五万戸あります。建て替えが進まなければ、二十年後には約三・五倍の八十七万戸に急増すると見られています。
 都は、平成三十一年三月に東京におけるマンションの適正な管理の促進に関する条例を制定し、幅広い施策を展開していますが、良質なマンションストックを形成するためには、老朽マンションの円滑な再生を推し進めていくことが重要であり、今回の法の拡充はこれを後押しするものと期待をしています。
 そこで、改正マンション建替え円滑化法の令和四年度の全面施行を契機として、都は老朽マンションの再生に向けてどのように取り組むのか、見解を伺います。
 次に、ZEVの普及に向けた集合住宅対策について伺います。
 都は、二〇三〇年までに、都内で新車販売される乗用車について、一〇〇%非ガソリン化することを目指しています。非ガソリン車のうち、EV、PHVについては、近年輸入車の車種が増えており、国産車においても徐々に増えつつある状況ではあります。
 しかし、こうしたEVシフトには大きなネックがあります。それは第一に、充電インフラの不足です。
 都ではこれまでも、充電器設置には取り組んできました。しかし、ほとんどが一戸建てなど敷地にスペースがある平地への設置に限られています。
 一方、非ガソリン化で先行する欧米各国に比べ、東京はマンションなどの集合住宅が多く、こうした住宅では充電器の設置が進みにくいため、EVなどを購入しようと考えても充電に制約があるという問題があります。
 特に、都心のマンションでは土地が限られていることから、立体駐車場が設置されている場合も多く見受けられます。立体駐車場への充電設備の導入については、現在、メーカー各社で開発が進められてはいるものの、一部のタイプを除き、現時点では技術的に難しいこと、既存設備の改修には高額の費用がかかることなどが課題であるとも聞いています。
 こうしたコスト面かつ技術的な制約があるとともに、マンションへの充電設備導入に当たっては、共用スペースの活用や電気配線の状況などを具体的に検討する必要がある一方で、管理組合では専門的なことがよくわからないという声もあります。
 都が、自動車のZEV化を本気で進めていく上では、こうした課題にも目を向けてしっかりと取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、若年に対する雇用対策について伺います。
 新型コロナウイルス感染症の影響により、雇用情勢は予断を許さない緊迫した状況が続いています。雇用調整助成金の特例措置の延長など、国においても雇用の維持に向けた支援を強化していますが、解雇や雇いどめにより職を失う方は増え続けています。
 特に若者の失業率は、十五歳から二十四歳までの年齢では五・一%と、全体平均の二・九%を大きく上回っています。また、その雇用形態は、非正規雇用が約六割を占めており、コロナ禍の長期化により、若者の失業率のさらなる悪化が懸念されています。
 都は、来年度予算案において、二万人を超える雇用を創出する東京版ニューディールを打ち出しましたが、とりわけ、若者が将来に不安を抱え続けることなく、安定した仕事につくための支援を強化すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 最後に、商店街のさまざまなデジタル化支援について伺います。
 新型コロナウイルス感染の拡大により、地域の消費生活を支える商店街では、レジでの接触をなくすキャッシュレス化のニーズが高まっています。
 また、私の地元港区の商店街では、今年度、街路灯に併設されているカメラなどを活用して、エリアの混雑状況や人の流れなどを可視化する実証実験を行い、混雑マップの配信を行ったところ、約八割の来街者が役に立ったと答えています。こうしたデジタル化の取り組みは、来街者が安心して商店街を訪れる環境につながり、商店街の活性化に大いに役立つと考えます。
 知識やノウハウといった資源が乏しい商店街のデジタル化を進めていくためにも、まず、こうしたモデルとなる商店街の事例を数多く創出し、他の商店街への普及拡大を促進していくべきと考えますが、都の見解を伺い、質問を終わります。(拍手)
〔総務局長山手斉君登壇〕

○総務局長(山手斉君) 菅野弘一議員の一般質問にお答えをいたします。
 初めに、コロナ禍における首都直下地震への対応についてでございますが、コロナ禍において大規模地震が発生した際には、住民の安全確保に加え、感染防止対策の徹底が重要でございます。
 このため、都は、避難所の三密を避けるため、在宅避難など分散避難の推進や、ホテル、旅館団体との協定の締結等によりまして、新たな避難先確保に取り組んでございます。
 また、マンション等での在宅避難に必要となる日常備蓄の取り組みを促進するため、新たに購買サイトと連携した防災備蓄ウエブサイトを来月公開する予定でございます。
 さらに、避難所の感染防止対策を強化するため、マスクや消毒液などの感染症対策物資を購入する区市町村に対する補助制度を実施いたします。
 こうした取り組みを通じて、大規模地震と感染症との複合災害への備えを強化してまいります。
 次に、避難状況等の情報発信体制の強化についてでございますが、災害時に住民が安全かつ確実に避難できるよう、避難所の開設情報や混雑状況を迅速に発信できる体制を整備していくことが重要でございます。
 都はこれまで、住民が最寄りの避難所等の場所を地図上で確認できますよう、東京都防災マップを作成し、防災ホームページや防災アプリ等で周知を図ってまいりました。
 また、区市町村等の庁舎に東京都災害情報システムの専用端末を配備いたしまして、関係者間における災害時の被害状況や避難状況等の情報共有に活用してございます。
 今後は、避難所においてスマートフォン、タブレット端末から混雑状況等を直接入力いたしまして、ホームページ等で迅速に発信できるようにするなど、区市町村と連携をいたしまして、災害時の情報発信の強化に取り組んでまいります。
〔建設局長中島高志君登壇〕

○建設局長(中島高志君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、特定整備路線の取り組みと整備効果についてでございますが、特定整備路線は、市街地の延焼を遮断し、避難路や緊急車両の通行路となるなど、防災上重要な道路でございます。
 これまで都は、関係権利者に丁寧に対応するとともに、用地を確保した箇所から順次工事を進めておりまして、現時点で五六%の用地を取得し、十七区間二十カ所で工事に着手するなど、着実に事業を推進しております。
 このうち、補助第一三六号線関原・梅田地区、延長約一・一キロメートルの区間につきまして、本年三月、交通開放し、これにより、延焼遮断機能などによる地域の防災性向上に加え、日光街道から尾竹橋通りを結ぶ東西方向の交通の円滑化が図られます。
 今後とも、燃え広がらないまちの実現に向け、特定整備路線の整備に全力で取り組んでまいります。
 次に、環状第四号線についてでございますが、本路線は、都市の骨格を形成する区部環状方向の幹線道路の一つとして、都心に集中する交通を分散するとともに、地域の防災性の向上にも資する重要な路線でございます。
 このうち、放射第一号線から放射第三号線までの延長約八百メートルの白金台区間は、現道のない未整備区間となっておりまして、高低差がある地形に計画されております。
 昨年九月には、個別相談会を五日間にわたり開催し、擁壁の設置が必要となる箇所や周辺道路との接続方法の説明、用地補償に関する相談など、きめ細やかに対応し、十二月に事業に着手いたしました。
 引き続き、代替地への移転希望者説明会の開催や広報紙の発行など、地域の理解と協力が得られるよう丁寧に対応し、着実に事業を推進してまいります。
〔住宅政策本部長榎本雅人君登壇〕

○住宅政策本部長(榎本雅人君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、まちづくりに貢献する都営住宅の建て替えについてでございますが、都営住宅は都民共有の貴重な財産であり、これまで建て替えによる創出用地を活用し、地域の課題解決に貢献してまいりました。
 今後、区部中心部においては、地元におけるまちづくりの機運を踏まえまして、都営住宅の建て替えをてこに、老朽化した周辺建築物の更新とあわせ、まちの再生を推進していくこととしております。
 現在、都営西大久保アパートを含む西早稲田駅周辺地区では、地元新宿区等と連携し、駅周辺の都市機能の更新とあわせ、安全で快適な歩行空間やオープンスペース、緑の確保等に向け課題の抽出に努めており、来年度を目途に、まちづくり検討組織を立ち上げる予定でございます。
 他の地区におきましても、地元区等と連携しながら調査検討を行ってまいります。
 次に、老朽マンションの再生に向けた取り組みについてでございますが、都は昨年三月、東京マンション管理・再生促進計画を策定し、マンション再生まちづくり制度の活用など、まちづくりと連携した建て替えや耐震化の施策等を総合的かつ計画的に推進してまいりました。
 今年度から、マンションの管理不全を予防し適正な管理を促進するよう、管理状況届け出制度を開始し、個々のマンションの管理や耐震化の状況等の把握を進め、具体的な対策に向けた分析を行っております。
 今後、分析の結果を再生支援の取り組み等に生かすとともに、改正マンション建替え円滑化法の全面施行を見据え、新たな建て替え支援の方策を検討し、マンションの円滑な再生を促進してまいります。
〔環境局長栗岡祥一君登壇〕

○環境局長(栗岡祥一君) 集合住宅における充電設備の普及についてでございますが、ZEVの普及拡大に向けて、都内で多くを占める集合住宅における充電インフラの整備促進が重要でございます。
 このため、都は、集合住宅における充電設備の導入への補助とともに、マンションにおいて必要となる居住者の合意形成を後押しするため、専門知識を有するアドバイザーの派遣を実施してございます。
 アドバイザーは、共用スペースで充電設備を設置できる最適な箇所や、既存の電源を活用した効率的な施工方法等、技術的情報を提供するとともに、管理組合の総会議決に向けた調整の進め方などの助言を行ってございます。
 都は、これらの取り組みを通じて、集合住宅における充電インフラの導入をきめ細かく支援することで、さらなる普及を促進してまいります。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、若者に対する就業支援の強化についてですが、コロナ禍において解雇や雇いどめとなり、職についていない若者等に対し、安定した雇用の場を確保することは、次代の東京を担う人材を育成する上で重要な取り組みでございます。
 このため、都は来年度、東京版ニューディールの施策等において、若者の正規雇用に向けた就業支援の充実を図ってまいります。
 具体的には、職場実習から採用後の定着まで一貫した支援を行うプログラムを拡充するほか、担当アドバイザーによるサポートをオンラインで随時行うなど、きめ細かな支援を実施してまいります。
 また、グループワークにより、就職活動の技法や基本的な職務スキル等を習得する支援を強化するなど、若者の安定した就労を後押ししてまいります。
 次に、商店街のデジタル化の推進についてですが、商店街がコロナ禍においても安心して買い物ができる環境を提供するためには、人と人との接触を減らすキャッシュレスを初め、デジタル化を推進していくことが効果的でございます。
 都は今年度、商店街におけるキャッシュレスの導入モデルを創出するため、機器の導入やコーディネーターの活用等に必要な経費の助成を行っているところでございます。
 来年度は、キャッシュレスに加え、クーポンの発行やセール情報の発信ができる商店街アプリの開発などの取り組みを支援し、他の商店街の参考となるモデル事例の普及を図ってまいります。
 今後とも意欲ある商店街の取り組みを後押しすることによりまして、商店街の活性化につなげてまいります。

○議長(石川良一君) 六十四番田の上いくこさん
〔六十四番田の上いくこ君登壇〕

○六十四番(田の上いくこ君) まず、新型コロナウイルス感染症について伺います。
 昨年七月の補正予算において発表された区市町村との共同による感染拡大防止対策推進事業では、さまざまな取り組みの補助があり、自治体で有効活用されています。
 しかし、高齢者、障害者などコロナのハイリスクグループのPCR検査等に要する経費補助事業では、訪問系の介護サービス事業はPCR検査の補助対象から除外されています。
 PCR検査等に要する経費補助事業の対象を、高齢者の訪問介護や障害者の居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護等、訪問系のサービスにも拡大し、利用者に直接接するヘルパー等がPCR検査の補助を受けられるようにすべきと考えますが、見解を伺います。
 社会経済活動を行うに当たって、全額自己負担で実施するPCR検査が多く行われています。これは陽性かどうかを確認する検査ではなく、陰性であることを確認することが主な目的で、結果が陽性であっても、医療機関を受診せず、保健所への届け出や必要な対応がとられないケースがあります。
 検査を拡大さえすればよいというものではなく、陽性者への対応をしっかりしなければ新型コロナウイルス感染症の拡大につながりかねません。変異株の陽性者も増えていますが、こうした検査ではスクリーニングもできません。
 自費検査等で陽性となった場合、医師による診察と保健所への発生届につながる規定を都から国へ要望しましたが、自費検査で陽性となった方が速やかに医療機関を受診するよう、都としても対策をすべきと考えます。見解を伺います。
 陽性者の移動はもちろん、PCR検査を受けた方は公共交通機関を避ける旨が厚生労働省作成のリーフレット等で示されています。
 しかし、タクシーが公共交通機関に含まれることが認識されず、PCR検査会場に向かう際にもタクシーが利用される場合があります。また、自宅待機者などの容体急変に伴い、タクシーが利用される例も聞いています。
 タクシーでは、マスク着用、ビニールカーテン、車内の消毒など、感染症防止対策を施していると聞いていますが、乗務員だけでなく、次に利用する乗客のためにも、徹底した管理が必要です。
 陽性者や濃厚接触者の移動においては、細心の注意が必要であり、病状等を踏まえた移動の方針を明確に伝え、体制を整備する必要があると考えますが、見解を伺います。
 介護事業者では、無症状であっても希望者はPCR検査を受けられますが、誰か一人陽性者が出てしまうと、周囲の職員までも濃厚接触者として二週間自宅待機となってしまうため、一斉のPCR検査を希望しない事業所もあると聞いています。
 厚生労働省は、昨年六月に、都道府県等に対して、新型コロナウイルス感染症の感染等により社会福祉施設等で働く介護職員等の出勤が困難となった場合、ほかの社会福祉施設等から応援職員を派遣し、サービス提供を継続するための補正予算を組み、活用を促しています。
 介護事業所の職員が感染した場合、その業務を補う緊急的なシステムが必要です。また、同時に、根本的な介護人材不足への対応が急務です。
 そこで、コロナ禍での介護人材の確保を含め、不足するヘルパーやケアマネジャーなど介護人材対策について、都の見解を伺います。
 一年前にも質問をしましたが、せっかくケアマネジャーの資格を取っても、更新のための研修受講にかなりの時間がとられるため、更新しない方が多くいます。ケアマネジャーの資格は五年の更新制ですが、更新研修は実務経験対象者で八十時間を超え、主任になるとさらに七十時間の研修などが必要になり、時間を大きくとられ、仕事になりません。新型コロナの影響でケアマネジャーの業務負担が増大している一方、人材不足の課題は深刻です。
 定着を図るためにも、ケアマネジャーの資格更新に必要な研修受講の負担軽減を図るべきと考えますが、改めて見解を伺います。
 透析患者は増えており、高齢で介護が必要な透析患者もいますが、透析患者が入所できる高齢者施設は少なく、私の地元の江戸川区でも二施設しかありません。そして、透析治療はコロナ禍においても課題です。
 透析患者がコロナに感染した場合、原則入院することになっています。本年一月二十日に、日本透析医会・日本透析医学会・日本腎臓学会新型コロナウイルス感染対策合同委員会が発表した新型コロナウイルス感染症透析患者の透析医療の確保についての提言によると、透析患者の陽性者数が増えており、特に東京での増加が著しいとのことです。
 昨年十二月末現在で透析が可能な新型コロナ対応施設は十数施設しかなく、なおかつ一施設の受け入れ可能人数は一、二名とのことです。
 また、入院調整ができるまでの自宅待機を余儀なくされるケースがあり、透析治療を外来の透析施設で行わなければならず、公共交通機関が利用できないため、移動の手段の確保も課題となっています。
 都において、透析患者の陽性者を受け入れる透析医療機関を確保することが急務と考えますが、見解を伺います。
 透析治療が行える医療機関が限定されているため、重症から軽症へ、軽症から重症へと症状が変化した場合の転院も課題です。
 さらに、症状が改善して退院基準を満たした場合は、コロナ病棟から退院して維持透析施設に移送することができるよう、地域の医療機関と連携した入院調整が必要ですが、都の見解を伺います。
 重症心身障害児者の介護者がコロナに罹患した場合、子供が陰性であっても預かり先がないとの声を聞いております。
 昨年五月の厚生労働省の事務連絡では、家庭の状況などにより、親類宅や、同居者が入院した医療機関、障害者病棟がある医療機関、医療的ケア児の主治医である医療機関への入院を検討することとされていますが、医療機関ではあきがない場合や困難な場合が想定されます。
 介護者が新型コロナウイルスに感染した場合の重症心身障害を有する子供等の受け入れ体制を構築するべきと考えますが、都の見解を伺います。
 人材不足は福祉分野全般にほぼ共通していえることであり、保育業界も同様です。東京都の待機児童数は昨年七月の発表で二千三百四十三人、小池都知事就任前と比較すると約七割の減少となり、大きな成果であると評価しております。
 しかし、各自治体では、保育の受け皿を確保するために、従来とは異なる形態の認可園が増え、さまざまな課題もあります。人材難の中とはいえ、保育そのものの質を確保することも重要な課題です。
 従前の保育施設は、教育施設とは一線を画していたものの、保育や保育者としての仕事に誇りを持ち、乳幼児にけがをさせてはいけないという強い責任感がありました。私の知っている歴史のある保育園では、数年に一回しか病院に連れていく事例はないとのことです。また、保護者との対話が希薄です。
 こうした保育の質を確保するためには、待機児童対策を強化し、選ぶことができない、我慢するしかないという状況を解消し、自浄作用を働かせることです。
 また、都の人材確保策は、保育士資格取得特例制度や貸付制度、次世代のための確保、潜在保育士等の復帰支援等、さまざまな施策がありますが、さらに保育士という職業の魅力向上を図る必要があります。
 また、民間の研修、セミナーなどにも活用できる保育士等キャリアアップ研修がありますが、保育士の知識や経験を高めていくために、さらなる研修受講が必要です。
 保育の質の低下は、利用者である乳幼児を危険にさらします。子供は保護者から長時間離れて、一日の大半を保育施設で過ごします。子供が安心して過ごせること、保護者が安心して預けられることが何よりも肝要です。
 待機児童対策が進み、保育施設が増えた今、保育の質の向上について、都知事の見解を伺います。
 交通事故等による負傷動物を発見した場合、善意の方がそのまま動物病院に連れていくと、治療費などの補助はなく、保健所などを通して動物愛護センターに連絡した場合に、センター専属の獣医師によって診察を受けられます。しかし、その仕組みを知っている方はどれぐらいいるのでしょうか。
 先日、虐待と思われる、両耳を深く切られ、頭に穴をあけられた子猫を通りすがりの方が病院に連れていきました。警察署に連絡しましたが、結果としては、本来連絡すべきところはもう一カ所ありました。入院費、手術費など、治療費はその方が全額負担することになりました。
 現在、都には、世田谷区八幡山、大田区城南島、日野市石田の三カ所のセンターがありますが、当方からはとても遠くて、片道一時間以上、センターまで到着するのに二、三時間は経過してしまいます。動物であれ、時間は命にかかわる問題です。
 負傷動物を発見した場合の連絡方法を周知徹底し、善意の方が急いで病院に連れていった場合も対応できるよう検討するべきと考えますが、都の見解を伺います。
 交通局では、地下鉄のエレベーター設置において、各駅でワンルートが完了しています。現在は、乗りかえ駅のバリアフリーについて、優先順位をつけて取り組んでいると認識しています。
 地元江戸川区の都営新宿線一之江駅では、環状七号線を挟んで駅舎と出入り口が離れており、一方にしかエレベーターなどがないため、環七口を利用する体の不自由な方等は、大回りをして道路を渡っていくか、ベビーカーを持ち上げて長い階段をおりていくなど、大変な苦労がありました。しかし、現在は、新たなエレベーター設置により、大変便利になりました。
 一方、瑞江駅では、区が設置した自転車置き場を経由するエレベーターしかないため、エレベーターには、自転車と歩行者、車椅子利用者等が一緒になって乗降し、大変危険です。また、一度にエレベーターに乗ることができる人数が少なくなることから、エレベーターしか使えない人は、混雑時にはしばらく待たなくてはなりません。
 大みそかの終夜運転の際、区管理の自転車置き場が先に閉まってしまい、車椅子の方がエレベーターで地上に出ることができず、一つ先の駅まで乗車し、最寄りでない駅のエレベーターを利用するしかなかったという事例もありました。
 瑞江駅を初めとし、さまざまな課題がある駅に新たにエレベーター設置をしていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 これで私の一般質問を終了いたします。
 ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 田の上いくこ議員の一般質問にお答えいたします。
 保育の質についてのお尋ねがございました。
 子供の健やかな育ちを支え、質の高い保育の機会を保障するためには、保育の受け皿整備と人材確保を進めることはもとより、保育の基本でございます子供の健康や安全を確保できるよう、職員の資質や専門性の向上が必要でございます。
 都は、保育人材を確保するため、保育の魅力をアピールするイベントの開催や、都内の高校生を対象とした保育の仕事の意義を伝える職場体験を実施しております。
 また、保育士の専門性の向上を図るため、キャリアアップ研修の受講機会の確保や、施設間の交流などを通じまして、マネジメントの向上などに取り組む区市町村を支援いたしております。
 来年度は、子供の主体性や想像力、思考力などの生きる力を育むため、保育の実践に役立つ研修等を開始いたします。
 今後とも、区市町村と連携しながら、待機児童の解消とともに、保育を支える人材の確保と、その資質向上に向けまして、しっかりと取り組んでまいります。
 その他のご質問については、関係局長からご答弁いたします。
〔福祉保健局健康危機管理担当局長初宿和夫君登壇〕

○福祉保健局健康危機管理担当局長(初宿和夫君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、訪問介護事業所等における検査の支援についてでございます。
 都はこれまで、高齢者や障害者等は、新型コロナウイルス感染症に感染した場合に重症化しやすいことから、広域的に利用される特別養護老人ホームや障害者入所施設などの利用者や職員の検査を支援するほか、区市町村との共同による感染拡大防止対策推進事業により、ショートステイや通所施設などの検査の実施を支援してまいりました。
 来年度は、感染拡大防止に向けた対策を強化するため、区市町村などからの要望も踏まえ、区市町村との共同事業の補助対象を拡大し、高齢者や障害者を対象とした訪問系のサービス事業所の職員の検査についても支援してまいります。
 次に、自費検査で陽性となった方への対応についてでございます。
 検査において医師が関与している場合には、保健所に発生届が提出され、陽性となった方への療養を案内するほか、積極的疫学調査や変異株が疑われる場合の分析など、蔓延防止のための対策が行われております。
 一方、医師の関与がない場合は、保健所が感染者の発生を把握できないため、都は、民間検査機関などに対し、検査陽性時には受診を推奨すべきとの国の通知を周知いたしましたほか、都が作成したポスターを送付し、注意喚起を行いました。
 また、国に対し、一都三県の知事が共同して受診につながる規定整備を要望し、先般の感染症法の改正により、都道府県知事等が民間検査機関等に対し、利用者から受診に係る誓約書を求めるなどの協力要請が可能となってまいりました。
 都は、これを踏まえ、適切に対応してまいります。
 次に、検査で陽性となった方などの移動についてでございます。
 検査で陽性となった方や濃厚接触者は、国の通知において公共交通機関の利用を避けることとされております。
 保健所では、これに基づき、陽性者等に対して、感染を広げないための適切な移動方法などを説明しており、都でも、公共交通機関の利用を避けるよう、ホームページを通じて広く周知しております。
 また、陽性者等に症状があらわれるなど受診が必要となった場合には、保健所の庁用車や陰圧車両、民間救急搬送業者の救急車両等により医療機関に搬送しております。
 都は、保健所が必要なときに速やかに搬送できるよう、民間救急搬送業者を案内しており、今後とも、陽性者や濃厚接触者の移動が適切に行われるよう、都民等への周知及び搬送体制の整備に取り組んでまいります。
 最後に、負傷動物への対応についてでございます。
 動物愛護相談センターは、道路などの公共の場所で負傷しまたは病気にかかり、動けなくなっている犬、猫などを発見した都民からの通報に基づいて、保護した上で治療しております。
 飼い主への返還や新たな飼い主への譲渡につなげるためにも、負傷動物についての通報をいち早くいただき、センターで迅速に保護し、適切に治療することは重要でございます。
 今後、センターが虐待を含めた負傷動物に、より速やかに対応できますよう、負傷動物を発見した場合の通報先を都民に広く周知いたしますとともに、動物病院等の関係機関との連携方策のあり方についても検討してまいります。
〔福祉保健局長吉村憲彦君登壇〕

○福祉保健局長(吉村憲彦君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、介護人材対策についてでございますが、都はこれまで、介護人材の確保、定着、育成のため、職場体験や資格取得支援、職員宿舎借り上げ支援など、さまざまな取り組みを実施するほか、地域の実情に応じた区市町村の取り組みを支援しております。
 来年度は、介護の仕事への理解促進に向けた介護事業者による学校訪問や、身近な地域での就職説明会なども支援するほか、単独では人材育成等の取り組みが困難な小規模事業者と地域の中核的な事業者が合同で職員研修を行うなど、事業者間の連携体制を構築する取り組みも新たに支援いたします。
 また、職員に新型コロナウイルス感染症の感染者が発生し、人員不足が生じた施設には、他の施設から応援職員を派遣する仕組みも構築しており、今後とも介護人材対策の充実を図ってまいります。
 次に、介護支援専門員研修についてでございますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえて、都は、令和二年二月から令和五年三月までに介護支援専門員の資格が満了する方については、三年以内の研修受講を要件に、資格を有効とする取り扱いといたしました。
 また、資格更新に必要な研修を受講できるよう、従来の集合研修にかえ、都独自に作成したDVDによる自宅学習を一部可能とするなど、受講者の負担に配慮した取り組みを行っております。
 現在、国は、研修のオンライン化に向け、教材の作成やeラーニングの環境の整備等を進めております。
 都は、国の動向も踏まえまして、有識者を含めた検討会を開催し、集合研修と同等の受講効果が得られるよう、実施方法や講義内容等の詳細について検討する予定でございまして、今後も、介護支援専門員研修受講者の負担軽減を図ってまいります。
 次に、新型コロナ陽性の透析患者への医療についてでございますが、都は、国の通知に基づき、透析患者は、新型コロナウイルス感染症に罹患すると重症化する可能性があることを踏まえ、原則として入院治療で対応することとしており、保健所、都調整本部及び透析医療の専門家である東京都透析医会と連携して入院調整を実施しております。
 本年一月には、新型コロナ患者の急増を受け、やむを得ず自宅待機となっている患者の透析をかかりつけの透析医療機関で継続するよう要請いたしました。
 また、受け入れ病床の拡大に向け、透析医療機関を対象に、新型コロナに罹患した透析患者の入院受け入れ意向を調査しており、引き続き、新型コロナ患者の透析医療の確保に努めてまいります。
 次に、新型コロナ陽性の透析患者の地域での受け入れについてでございますが、都は、新型コロナウイルス感染症の退院基準は満たしているが、入院継続が必要な透析患者の受け入れが可能な都内の透析医療機関の情報を保健所及び東京都透析医会と共有することにより、地域の関係機関が連携した転院調整が円滑に行われるよう支援しております。
 また、今月からは、新型コロナウイルス感染症回復後も持病の治療やリハビリなど、引き続き入院が必要な患者を受け入れる病院への助成も開始しております。
 今後とも、こうした取り組みにより、新型コロナウイルス感染症から回復した後に入院が必要な場合も、地域で安心して透析医療が受けられる体制を確保してまいります。
 最後に、重症心身障害児者の受け入れ体制についてでございますが、介護者が新型コロナウイルス感染症に感染し、ほかに支援者がいないなどの場合、重症心身障害児者本人の受け入れ先等を確保する必要がございます。
 国は、このような場合、主治医がいる医療機関や介護者が入院した医療機関等への入院などを検討することとしてございます。
 医療機関での受け入れが困難な場合には、保健所がかかりつけ医や相談支援事業所、区市町村などの関係機関と連携し、重症心身障害児者の体調や必要なケアの内容等を踏まえまして、受け入れ先の調整を図ってございます。
 今後も、新型コロナウイルスに感染した介護者が安心して療養できるよう対応してまいります。
〔交通局長内藤淳君登壇〕

○交通局長(内藤淳君) 地下鉄駅への新たなエレベーターの設置に関するご質問にお答えいたします。
 都営地下鉄では、いわゆるワンルート整備につきましては、全駅で完了してございます。
 現在は、さらなる利便性向上を図るため、東京メトロ等、他の事業者とも連携して、乗りかえ駅等でのエレベーター整備を進めており、現行の経営計画で予定していた九駅のうち、既に八駅で供用開始してございます。
 さらに、バリアフリー法に基づく移動等円滑化基準の改正等を受けまして、駅周辺の公共施設の立地状況などを踏まえながら、瑞江駅を含めまして、バリアフリールートの複数化につきましても検討を進めてまいります。
 引き続き、各駅の利用実態や駅施設の構造上の課題等を勘案しながら、エレベーター設置の可能性につきまして検討を深め、バリアフリールートの充実に取り組んでまいります。

○議長(石川良一君) 三十八番伊藤こういち君
〔三十八番伊藤こういち君登壇〕
〔議長退席、副議長着席〕

○三十八番(伊藤こういち君) 初めに、防災対策の強化について質問します。
 東日本大震災から間もなく十年を迎えます。改めて、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、いまだ避難生活を余儀なくされている方々に心からお見舞いを申し上げます。
 近年、全国各地で大きな被害をもたらせてきた自然災害は、今後も、いつ、どこで発生するかわからず、私たちは被害を最小限に抑え、人命を守る取り組みを間断なく強化していかなければなりません。その要諦の一つが正確で迅速な情報の提供と周知です。
 私は、阪神・淡路大震災の発生直後に現地に入った経験から、緊急地震速報システムの配備と改善の必要性について、二〇〇五年の初当選以来、一貫して主張してきました。
 また、都議会公明党は、二〇一一年の東日本大震災のときには、チームに分かれて被災各地を調査し、東京から被災地へのさまざまな支援と東京の防災力強化を具体的に求めてきました。
 さらに、全国各地で発生している豪雨、土砂災害などに対し、行政が事前に発信しているハザードマップなどの防災情報や発災時に発信する臨時情報が住民の避難行動に十分結びついていないという課題も指摘してきました。
 そして、二〇一八年第三回定例会代表質問で、私は、都民の自主的な避難行動につながるマイタイムラインの作成や、複数の情報を重ね合わせて水害リスクを肌で実感できる映像、さらにVRを活用して災害を疑似体験できる取り組みを提案してきました。
 そこでまず、都議会公明党のこうした指摘や提案に応え、都が実施した取り組みを明らかにしていただきたいと思います。見解を求めます。
 また、情報が多くの都民に活用されるよう周知を徹底するとともに、わかりやすさについても改善を重ね、さらに機能の拡充も図るべきです。見解を求めます。
 一方、東京消防庁が実施しているVRを活用した災害の疑似体験について、その実績や効果を伺うとともに、今後さらに防災教育や訓練の充実に活用すべきと考えます。消防総監の見解を伺います。
 次に、見守りと安否確認について質問します。
 都は、DXを活用し、スマート東京の実現に向けた取り組みを大胆かつスピーディーに展開していくとしています。
 そこでまず、未来の東京戦略を具現化していく中で、最先端技術の活用については、利便性の向上のみならず、まずは都民の命を守る、安全・安心のために使っていくことが重要と考えますが、スマート東京の実現に向けた知事の所見を伺います。
 以前、一人で暮らしていた私の父は、就寝中に突然腹膜炎を起こして、そのまま全く身動きがとれなくなり、助けも呼べず、そのまま孤立死になるところでした。
 しかし、集合住宅に設置されていた人の動きを感知するセンサーの異常に気づいた世話人の方が玄関をあけ、救急隊を呼んでくださったことで、父は一命を取りとめました。
 都は、昨年三月、水道スマートメータトライアルプロジェクトを公表しました。そのプランには、お客様サービスの向上の一環として、スマートメーターから得られたデータを無線でセンターへ送信し、それを活用して見守りサービスなどの実現に向けて検証するとし、その導入場所として建て替えの都営、公社住宅が想定されています。
 都営住宅では、単身者で居室内で亡くなった方は、毎年、参考値として約五百人に上り、この中には、みとられることなく、お一人で亡くなった方、いわゆる孤立死の方もおり、見守りの気づきが早ければ助かった命があった可能性もあります。
 コロナ禍で社会的孤立、孤独が一層深刻化する中で、見守りとしても期待されるこのプロジェクトは、建て替えだけでなく、既存の都営、公社住宅でもトライアルを行うなど、着実に導入を進め、取り組みを加速すべきであります。そして、その検証結果を生かし、将来的には一般家屋も含め、全戸展開を実現すべきです。都の見解を求めます。
 また、トライアルプロジェクトの中でも、スマートメーターから得られるデータを見守りサービスにつなげる方策について検討すべきです。都の見解を求めます。
 次いで、東京こどもホスピスについて質問します。
 私は、都議会議員になる以前、品川区の児童センターで指導員を務めておりました。そのときの経験の一つに、二〇〇二年にアジア地域で初めて開かれたFIFAワールドカップ日韓共同開催の試合を児童たちが大型スクリーンでテレビ観戦し、盛り上がった気持ちのまま、ミニサッカー大会を開催し、連日多くの子供たちが交流しました。
 そして、優勝チームには、サッカーワールドカップに似せた器に、指導員手づくりのメロンソーダパフェが贈られ、子供たちは顔を寄せ合って頬張っていました。
 それから数カ月後、優勝チームにいたK君のご家族が児童センターに立ち寄ってくださり、K君が脳腫瘍で亡くなったこと、最期まで家族や友達と一緒に過ごせたこと、そしてミニサッカー大会で優勝して食べたパフェがおいしかったといい残したことなどを伝えてくれました。
 私はK君の病気のことは全く知りませんでしたが、命の限界まで生き生きと、伸び伸びと、子供らしく、一緒にいたい人と普通に過ごしたとのことでした。
 私は昨年、自分の子供さんを小児がんで亡くされたNPO法人東京こどもホスピスプロジェクトの佐藤良絵代表理事とお会いし、以来、さまざまに意見交換を重ねてきました。未来に向かって、まだまだたくさんの時間があるはずの子供に余命が宣告され、子供を亡くす親の悲しみは筆舌に尽くせません。
 しかし、佐藤さんはそのことをばねに、この悲しみの全てを力に変えて、がんと闘う子供たちとその家族を支えていこうと立ち上がり、東京こどもホスピスの設立に向け奔走しています。
 一般的に、成人のホスピスといえば、余命宣告を受けた患者が終末期医療を受けながら病院で静かに過ごし、みとられながら最期を迎える施設です。
 しかし、増加傾向にある小児がんや難病等を患う子供の場合は、治療方法がなくなってしまうと、ほとんどの時間を自宅で静かに過ごすことしか選択肢がありません。
 一方、海外や大阪、横浜において先行する子供ホスピスは、決してみとる場所ではなく、子供たちやその家族が孤立することなく、また、医療、教育などと連携しながら、安心して学んだり、遊んだり、楽しく過ごすことができる大事な居場所です。
 NPO法人東京こどもホスピスプロジェクトの皆様は、こうした子供らしい時間を過ごす機会を提供できる施設が東京にできることや、活動への支援を切望しています。
 都は、東京こどもホスピスの実現へ向けて、まずは都としての施策の位置づけを検討すべきです。見解を求めます。
 その上で、財政支援、人的支援に加えて、例えば、多摩メディカルキャンパスの敷地の一部を提供するなど、都が率先して支援策を講じるべきです。都の見解を求めます。
 次に、都立高校一人一台端末について質問します。
 昨日の本会議代表質問において、都議会公明党は、高校段階における一人一台端末の整備について、保護者負担や世帯の所得状況による差異がないよう求めました。
 また、今年度から始まった小中学校における一人一台端末、いわゆるGIGAスクール構想が高校段階で途切れることなく、学ぶ環境が円滑に接続できるよう、来年度に検証を行うことを求め、都は、モデル事業を実施することを表明しました。
 そこで、令和三年度に実施する都立学校における一人一台端末による学習のモデル事業について、その具体的方法と内容を伺います。
 次に、羽田空港に関連して質問します。
 羽田空港の機能強化のため設定された新飛行ルートの本格運用から間もなく一年になります。新飛行ルートは、私の地元品川区の人口密集地域の上空を旅客機が高度三百メーター前後の低空で、一時間に四十四便が通過します。
 しかし、騒音や、先日アメリカで発生した飛行機のエンジン部品の落下のように、落下物が大変に危惧されていることから、私は繰り返し、新飛行ルートの固定化は断じて避けるべきと求めてきました。
 また、世界中が新型コロナウイルスの影響を受け、国際線、国内線ともに大幅に減便されていることから、私は昨年の緊急事態宣言に入る前の三月に、国交省航空局長に直接、新飛行ルートは避けてほしいと要望しました。
 さらに、昨年五月二十八日には、赤羽国交大臣に直接会い、新飛行ルートの再考及び固定化を避ける取り組みを早急かつ具体的に検討するよう強く求めました。
 こうした動きに連動して、公明党の岡本三成衆議院議員が、国土交通委員会で品川の要望を取り上げ、国交大臣からは、新経路の固定化を回避するための方策を早急に検討するため、有識者及び専門家による検討会を立ち上げるとの表明があり、既に二回の検討会が開かれました。
 そこで、この検討状況について、都が国から受けている報告内容を明らかにしていただきたい。また、この検討会について、都の認識を伺います。
 次に、羽田空港アクセス線について質問します。
 本年一月二十日、国交省は、羽田空港アクセス線のうち、羽田空港新駅と東京貨物ターミナルを結ぶ約五キロのアクセス新線について、鉄道事業許可を出しました。
 これによりJR東日本は、既存の貨物線を改良することにより、東京駅と羽田空港を結ぶ東山手ルートについて、二〇二九年度の運行開始を目指します。
 他方、新宿駅と羽田空港を結ぶ西山手ルートについては、JRの大井町、大崎駅と東京貨物ターミナルを、りんかい線のトンネルを経由して結ばなければならず、そのため、トンネル内の工事を必要とし、東京臨海高速鉄道株式会社の協力なしには前に進めることができません。この会社の株主のうち九一・三二%の株を保有するのは東京都であります。
 そこで、西山手ルートについても、東京都が全面的に協力をし、二〇二九年度運行予定の東山手ルートとあわせて運行ができるように、JR東日本と協議を行っていくべきと考えますが、都の見解を求め、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 伊藤こういち議員の一般質問にお答えいたします。
 スマート東京の実現についてのお尋ねがございました。
 先般公表いたしました未来の東京戦略では、全体を貫く基本戦略の一つにデジタルトランスフォーメーションを掲げておりまして、最先端技術の積極的な活用によって都市全体がスマート化して、全ての人が快適に暮らし、働くことができる社会の構築を目指しております。
 とりわけ安全・安心につきましては、都民の希望と活力の大前提でありますことから、最先端技術を都民の命を守るために駆使することは重要な視点でございます。
 そこで、未来の東京戦略におきまして、都営住宅におけるAI等の最先端技術を活用した単身高齢者の見守りや、AI水位の予測によります水門の開閉操作支援、島しょ地域における5Gを活用した遠隔医療など、都民の安全・安心を実現していくためのさまざまな取り組みを盛り込んでおります。
 新型コロナが世界中で猛威を振るう中で、最先端技術の実装はさらにスピードを増しております。世界からの遅れを取り戻すべく、未来の東京戦略をスピーディーに展開して、安全で安心で、そして人間らしい幸せな暮らしができるスマート東京を実現してまいります。
 その他のご質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長からの答弁といたします。
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 高校段階の一人一台環境のモデル実施についてでございますが、都教育委員会は、高校の一人一台端末について、各校の推奨する端末を生徒の所有とするCYOD方式により、令和四年度入学生から整備をいたします。
 来年度は、これに先行いたしまして、都教育委員会所有の同一性能端末により、一人一台環境で学習を進めるモデル校を都立高校及び都立特別支援学校から十校程度指定いたします。
 モデル校では、生徒の興味、関心に応じた探究活動や、生徒同士の共同学習等における端末の活用とともに、生徒一人一人に応じた指導への効果的な活用などを検証いたします。また、使用ルールや接続上のトラブル等への対処方法などについても策定してまいります。
 こうしたモデル校における検証の成果を全都立学校に普及させ、CYOD方式による一人一台体制が円滑にできるよう、着実に準備を進めてまいります。
〔東京都技監上野雄一君登壇〕

○東京都技監(上野雄一君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、羽田空港の新飛行経路についてでございます。
 将来にわたって東京が国際競争力を持って持続的な発展を続けていくためには、国内外に豊富なネットワークを有する羽田空港の機能強化を図ることが不可欠でございます。
 国は、地元区の意見等を踏まえ、昨年、羽田新経路の固定化回避に係る技術的な方策につきまして、現在の滑走路の使い方を前提として、多角的に検討する会を設置いたしました。
 昨年末に技術的選択肢として十二通りの飛行方式を洗い出し、今年度中に複数に絞り込み、羽田空港で運用可能かどうかの観点を含め、メリット、デメリットを整理するとしております。
 都といたしましては、騒音軽減や技術的な観点から、羽田新経路の固定化を回避するための方策につきまして、適切に検討が進められるものと受けとめております。
 引き続き国に対し、都民の理解がさらに深まるよう、丁寧な情報提供と騒音、安全対策の着実な実施を求めてまいります。
 次に、羽田空港アクセス線についてでございます。
 本路線は、国の答申におきまして、東山手ルート、西山手ルートなど三ルートが示されております。このうち東山手ルートにつきましては、JR東日本が本年一月に新設区間の鉄道事業許可を受けるなど、工事着手に向けた手続が進んでおります。
 お話の西山手ルートにつきましては、りんかい線やJR埼京線など既存路線と接続することで、多摩方面も含めた広範囲にわたる空港アクセス利便性の向上が期待されます。
 先日公表いたしました未来の東京戦略の案では、西山手ルートを含めて、都としての取り組みの方向性をお示ししたところでございまして、東山手ルートの進捗状況等を勘案しながら、事業スキームの構築に向けた国やJR東日本等との協議、調整を積極的に進めてまいります。
〔総務局長山手斉君登壇〕

○総務局長(山手斉君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 初めに、風水害に備えた都民への普及啓発についてでございますが、災害から命を守るためには、都民一人一人がリスクを正しく理解し、備えを万全にすることが重要でございます。
 都はこれまで、東京マイ・タイムラインを制作し、学校や区市町村等に配布するとともに、その作成方法などを学習できるセミナーの開催や動画の配信など、都民によるマイタイムラインの作成を支援する取り組みを実施してまいりました。
 また、東京都防災アプリに水害リスクマップの機能を搭載し、水害時における地域の危険性をよりわかりやすく確認できるようにするとともに、早期避難の重要性について理解を深めてもらうために、風水害の脅威を疑似体験できるVR動画を配信してございます。
 今後もこれらのツールを効果的に活用し、さまざまな機会を捉えて普及啓発に取り組んでまいります。
 次に、防災情報の発信についてでございますが、都民の防災意識を向上させるためには、防災情報を充実させ、広く周知することが重要でございます。
 都は、「東京くらし防災」など、防災情報を集約した防災アプリにつきまして、防災の日など、さまざまな機会を捉えて周知を行ってございます。
 今後は、より簡単な操作で情報を入手できるよう、アプリのメニュー画面の改善を図りますとともに、避難所の開設状況やバリアフリー情報、マイタイムラインの作成機能を追加し、情報の充実を図ってまいります。
 また、台風の接近など、風水害時の早目の避難行動を促すため、主要駅周辺にあるデジタルサイネージを活用いたしまして、注意喚起のメッセージを新たに配信いたします。
 こうした取り組みを継続していくことにより、都民へ向けた情報発信を強化し、適切な防災行動につなげてまいります。
〔消防総監安藤俊雄君登壇〕

○消防総監(安藤俊雄君) VRの活用についてでございますが、東京消防庁では、首都直下地震の発生に備え、リアルな災害体験により学習効果を高め、防災に関心のない方々にも参加してもらえる魅力ある訓練の提供を目的に、VR防災体験車を導入いたしました。
 平成三十年四月の運用開始からこれまでに、約十一万人が体験し、家具類の転倒、落下、移動防止対策を初め、火災や風水害に対する都民の防災意識の向上に大きな効果を上げております。
 さらに、今年度は、本所、池袋、立川の各防災館に、新たにVR防災体験コーナーを設置し、より多くの方が体験できる環境を整備いたしております。
 今後とも、都民の防災行動力を高めるため、バーチャルリアリティー技術等を活用し、より学習効果の高い魅力ある防災訓練を提供してまいります。
〔水道局長浜佳葉子君登壇〕

○水道局長(浜佳葉子君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、スマートメーターの導入についてでございますが、水道局では、昨年三月に策定した水道スマートメータトライアルプロジェクト実施プランに基づき、検針業務の効率化やお客様サービスの向上等を目的に、令和四年度から六年度までの三年間にスマートメーターの先行導入を行うこととしております。
 現在、同プラン策定時より三万個多い約十三万個を導入することとしており、都営住宅等についても建て替え時に導入してまいります。
 今後、導入効果を検証するとともに、見える化、見守りサービスの具体的な内容を検討し、二〇三〇年代までに、水道メーターの交換時期に合わせて、既存の都営住宅や公社住宅、民間マンション等の集合住宅や一般家屋、さらには事業所等を含めた全戸導入につなげてまいります。
 次に、スマートメーターのデータ活用についてでございますが、スマートメーターの導入により、一時間ごとの使用水量を毎日把握することが可能となります。
 また、一定時間の連続使用等を感知した場合には、その都度把握できるようにすることも検討しております。
 これらのデータを利用し、長時間の水の不使用や連続使用など、使用水量の変化を離れて暮らしているご家族などの連絡先に通知することにより、高齢者や子供の安否確認に活用できる可能性があると考えております。
 このため、今後実施するトライアルプロジェクトの中で、お客様のニーズや技術的な課題等について検証を行っていくとともに、見守りサービス提供事業者等との連携の方策についても検討してまいります。
〔福祉保健局長吉村憲彦君登壇〕

○福祉保健局長(吉村憲彦君) 小児がんや難病の子供等への支援に関するご質問にお答えいたします。
 完治が難しい小児がんや難病等を抱えながら在宅で療養する子供やそのご家族が、孤独にならず暮らすことができる環境づくりは重要でございます。
 お話の子供ホスピスの事例は、在宅で療養している子供やご家族に居場所を提供する施設でございますが、病院や療養施設等と異なり、法令等に基づく施設としての位置づけがございません。都は現在、都内で施設を運営する意向のある事業者から、コンセプトや構想を進める際の課題などについてお話を伺っております。
 今後、提供を検討しているサービス内容等を伺い、計画が具体化した段階で、施策の位置づけなど対応を検討してまいります。

○副議長(橘正剛君) 三十三番米倉春奈さん
〔三十三番米倉春奈君登壇〕
〔副議長退席、議長着席〕

○三十三番(米倉春奈君) 初めに、事業者支援についてです。
 たび重なるコロナの感染拡大に伴う営業時間短縮要請や都民への外出自粛要請により、多くの事業者が経営困難に陥っています。豊島区内の飲食店をメインに扱うクリーニング店は、毎月二百五十万円の売り上げが緊急事態宣言のもと数万円に落ち込んでいます。国の一時支援金だけでどうやって生きていくのかと怒りの声を上げています。
 コロナの影響で困窮する事業者の声を知事はどう受けとめますか。生きていけない状況を知事はどう認識していますか。
 確定申告を控えた事業者からは、営業を継続するための給付金や協力金に課税することは納得できない、課税対象外にすべきだとの声が出されています。協力金などは課税対象外にするよう国に要望すべきです。いかがですか。
 次に、痴漢をなくすことについてです。具体的な被害事例を紹介しながら質問します。
 痴漢は性暴力であり、性犯罪です。にもかかわらず、日本社会での扱いは軽く、日々加害が繰り返されています。
 そこで、日本共産党東京都委員会のジェンダー平等委員会は実態調査を行いました。千三百九十四人が被害の状況を寄せてくださいました。その被害、心身への影響は余りにも深刻でした。アンケートには、体験した被害の実態がびっしりと書かれていました。
 小学校一年生は、図書館で男性に髪の毛を引っ張られて性器を押しつけられた。声を上げても誰も助けてくれなかった。
 高校生は、電車内で性器をさわられ、抵抗したら相手のものをさわらされた、誰も声をかけてくれなかった。ほぼ毎日、通学時に痴漢被害に遭った。同級生でも被害に遭っている子が多く、自分だけじゃないのだと、ただ黙って耐えた。
 大学生は、通学時、電車の中でズボンに精液をかけられた。悔しさから涙があふれた。
 会社員は、夜の駅構内で走ってきたサラリーマンに、すれ違いざまに胸をわしづかみされた。
 被害は、生活範囲全てで、何度も何度も何度もあったという声のように、電車の中、路上、駅構内、図書館など公共施設、バス、プール、映画館など、公共空間のあらゆる場所に及んでいます。
 痴漢された後、腕をつかまれトイレに引きずり込まれそうになった、腹部にカッターを当てられ抵抗できなかったなど、刑法に抵触するもの、その未遂と見られるものも多数起きています。
 怖かった、気持ち悪かった、悔しい、自信を失った、尊厳を踏みにじられた、屈辱だと感じたという気持ちもたくさん寄せられました。
 知事、このように痴漢は女性たちにとって深刻な性暴力です。そして、被害がその後の人生の打撃ともなっています。
 鬱やPTSD、不眠や自傷行為、過食嘔吐など、深刻な後遺症に苦しむ声が多く寄せられ、被害に遭ってしまった自分を責め、死にたいと寄せた方もいます。
 電車が怖く途中下車してしまうため不登校に、電車に乗ろうとすると過呼吸になり仕事をやめた、十五年以上一人で外出したことがありませんなど、生きる空間が狭められています。
 男性が隣に座ると怖くて動けない、父親を含め男性と話せなくなったなど、男性への嫌悪、不信感を答える方も多く、人間関係にも重大な影響を及ぼしています。
 知事、痴漢被害が長期にわたり、心にも体にも暮らしにも重大な打撃となっている実態をどう認識していますか。
 私たちの調査でも、これまで明らかにならなかった深刻な被害状況が明らかになりました。都としても被害を把握する調査をすべきです。いかがですか。
 多くの被害者が声を上げられていません。私たちの調査でも、誰かに話したかったができなかったという人が二割、話そうと思わなかった人が三割もいます。
 誰かに話せた人も、私のかわりにたくさん怒ってくれて救われたなどと、話してよかったという人は少数で、さわられるうちが花、その程度で騒ぐなといわれたり、すきがあるからと逆に責められたケースが多数寄せられました。
 知事、こうした被害を軽視し、被害者を責める社会認識を変え、また、支援があると伝えるために、積極的にメッセージを発信する必要があります。いかがですか。
 どこに相談していいかもわからない、通報をとはポスターがあったり、問い合わせてもそういわれたりするが、どこに連絡をして、自分はどこにいて、犯人はどうしておけばよいのかという声も出されました。どこに相談したらいいか、相談後にどういう対応が行われるのか、具体的な情報を積極的に提供すべきではありませんか。
 ポスターだけでなく、車内の動画広告や駅トイレにステッカーを張るなどの積極的な情報発信が必要です。痴漢など、女性への暴力に対する相談窓口や支援策などについての情報発信が必要ではありませんか。
 性暴力被害者を支援するワンストップセンターは痴漢被害も支援しますが、そのことはほとんど知られていません。痴漢被害でも支援があり、医療費、カウンセリング費用の公費支援も受けられることを周知すべきですが、いかがですか。
 都が運営に責任を持つ都営交通は、どう痴漢をなくすか、真剣な取り組みが求められています。どう認識し、取り組んでいくのですか。
 女性専用車両は、被害者にとってはシェルターで、被害経験者の中には女性専用車両しか乗れない方もいます。ところが、都営交通にはほとんどありません。計画的に導入すべきです。
 特に、八両編成で被害の多い大江戸線、再来年度に車両を六両から八両に増やす三田線は、早期に導入すべきです。いかがですか。
 JR東日本は、周りに助けを求めるのが難しいことを踏まえ、アプリで被害を乗務員に知らせ、車内で痴漢被害をアナウンスし、駅職員とも連携する実証実験をすると発表しています。都としても、こうした取り組みを参考に、アプリを活用した支援を検討すべきではありませんか。
 あわせて、痴漢被害が多い路線や時間帯には、ホームの駅員を増配置するなど、対応を強化すべきではありませんか。
 被害の多い鉄道会社などと連携し、性暴力をなくすための取り組みを進める連絡協議会を設置すべきではありませんか。
 痴漢被害は、子供、若者の被害が多いといわれています。私たちの調査でも、被害を受けた年齢は十八歳以下が七二%、十二歳以下が三五%です。知事は、子供の被害状況が深刻であることをどう認識していますか。
 加害者も被害者も生まない教育が必要です。昨年、政府が発表した性犯罪・性暴力対策の強化の方針では、文科省が、子供を性暴力の当事者にしないための命の安全教育を具体化し、今後、教育現場に取り入れるとしています。
 都教委は、どういうスケジュールで命の安全教育を導入するのですか。
 ユネスコの国際セクシュアリティ教育ガイダンスは、被害者を生まない、また、加害者にならないよう、性暴力の捉え方や背景を学ぶことを重視します。こうした到達点を参考にし、広く専門家の意見を聞き、進めるべきではありませんか。痴漢を性暴力の一つとして、命の安全教育の課題に盛り込むべきではありませんか。
 痴漢は海外でもチカンといわれ、イギリス政府やカナダ政府が出す日本への渡航情報で電車内の痴漢への注意喚起が書かれるなど、日本の重大な問題です。
 痴漢などの性犯罪の加害者治療に長年取り組む斉藤章佳さんは、加害者は、女性が痴漢をされたがっている、ちょっとぐらいさわられたからといって女性も何かが減るわけじゃないと考えるなど、痴漢を続けるために都合のよい認知のゆがみを持っていると指摘し、それは社会に根づいてしまっている女性観のゆがみによって強化されている、日本社会から男尊女卑の概念がなくならない限り、性暴力加害者は再生産され続けると強調しています。
 また、元法務省矯正局の法務専門官で、痴漢など性暴力の加害者治療にかかわる原田隆之さんも、日本の社会、文化的な背景などが影響して、日本では痴漢事件が大量に発生していると述べ、その根本には、我が国に根強い男性優位社会の影響がある、女性を被害者とする性犯罪の背景には、女性を物や記号のように見る心理があると指摘しています。
 知事は、女性への暴力の背景をどう認識していますか。対策を検討するために男女平等参画審議会で議論し、次の男女平等参画推進の計画に痴漢対策を位置づけるべきではありませんか。
 性犯罪、性暴力をなくすために、ジェンダー平等社会へ向けた取り組みを知事は抜本的に強化すべきではありませんか。
 斉藤章佳さんは、痴漢行為を繰り返す人は、逮捕されるとわかっているのに痴漢するまで衝動をとめられない状態になっている、行為はエスカレートしていく、毎日のように犯行に及ぶケースも少なくない、罪を犯さないための専門治療が必要だと指摘しています。
 被害者を生まないため、加害者を専門治療につなげることが必要です。専門家と連携し、都として、性犯罪、性暴力加害者への治療を位置づけ、治療について周知すべきです。いかがですか。あわせて、都の再犯防止計画に再犯防止プログラムを位置づけることも求めます。
 知事を初め議場の皆さん、都民の皆さん、この社会は、長く痴漢の被害実態に正面から向き合わずに来ました。
 東京を誰にとっても安全な都市にするため、痴漢ゼロの東京を実現しようではありませんか。政治の役割を発揮するとともに、力を合わせて社会的な取り組みにしていくことを呼びかけて、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 米倉春奈議員の一般質問にお答えいたします。
 事業者への感染症の影響についてのお尋ねがございました。
 感染症との闘いが長期化している中、我が国の経済は大きな打撃を受けており、都内中小企業の経営環境にも深刻な影響が及んでおります。
 こうした状況を踏まえまして、都として実質無利子融資による資金繰り支援や、家賃等の固定費負担の軽減などによって、経営の下支えを行っております。
 さらには、コロナ禍におきましても事業継続が図れるよう、感染防止対策や業態転換など、事業者の取り組みを支援してまいりました。
 今後とも、感染症の影響によりまして、厳しい状況にある中小企業への支援に着実に取り組んでまいります。
 痴漢被害者の実態についてでございます。
 痴漢等の性暴力被害に遭うと、強い不安感などの症状があらわれ、精神的なダメージを受けるにもかかわらず、被害を受けたことを声に出しづらいことが多いものであります。
 そうした深刻な実態を踏まえまして、都は、性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センターにおきまして、被害者等に寄り添った幅広い取り組みを行っております。
 ジェンダー平等の社会に向けた取り組みについてであります。
 全ての都民が性別にかかわりなく個人として尊重され、その個性と能力を十分に発揮できる社会づくりは重要でございます。
 男女間の暴力は、犯罪となる行為をも含む重大な人権侵害であり、男女平等参画社会の実現を阻害する要因であります。
 そのため、区市町村などの関係機関と連携いたしまして、相談や普及啓発、被害者支援等に幅広く取り組んでまいります。
 なお、その他のご質問につきましては、警視総監、教育長及び関係局長からの答弁といたします。
〔警視総監斉藤実君登壇〕

○警視総監(斉藤実君) 痴漢の被害に遭われた方が被害を申告しやすい環境を構築するための取り組みについてであります。
 警視庁では、犯罪被害に遭った場合は一一〇番通報をお願いしておりますが、一一〇番通報以外の被害申告の窓口として、痴漢の被害に遭われた方向けの相談窓口案内をホームページに掲載しているほか、学校や事業所向けの性犯罪被害防止教室で配布しているリーフレットに窓口を記載するなどにより、周知を図っております。
 また、痴漢の被害に遭われた方の精神的負担を軽減するため、事情聴取をする際は、希望する性別の警察官が対応しているほか、被害に遭われた方の心情を正しく理解し、適切な対応ができるよう、職員を対象とした教養を実施しております。
 今後とも、痴漢の被害に遭われた方の心情を踏まえた対策を推進してまいります。
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、命の安全教育についてでございますが、性犯罪等の加害者、被害者、傍観者のいずれにもならないようにするためには、子供のうちから危険を予測し回避する能力、生命を尊重する態度、互いを思いやる心などを身につける教育を充実させることが重要でございます。
 そのため、都教育委員会は、毎年度作成して都内公立学校の全ての教員に配布をしております安全教育プログラムに、子供が性暴力を含む犯罪被害に遭わないようにする指導事例を掲載し、安全教育の徹底を図ってまいりました。また、道徳の副教材の作成等を通して、各学校における規範意識や思いやりの心等を育む教育を推進してまいりました。
 今後とも、こうした取り組みの充実を図りますとともに、現在、国の有識者会議で行っております性犯罪等の対策強化に向けた学校での指導に関する検討の結果を踏まえ、適切に対応してまいります。
 次に、子供への性暴力等の被害の防止についてでございますが、性犯罪や性暴力は、被害に遭った子供の心と体に長期にわたり重大な影響を及ぼすことから、子供が性犯罪等の被害者にならないようにするため、学校において適切に指導や支援を行うことが必要でございます。
 そのため、都教育委員会は、独自に開発した教材の学校での活用を通して、性犯罪の発生しやすい場所を避けること、安易に個人情報や自分の画像を送信しないこと、交友関係に悩みや不安を抱えているときに信頼する大人に相談することなどについて、子供への理解を促す教育の充実を図ってまいりました。
 今後とも、区市町村教育委員会とも連携し、子供たちが性犯罪等の被害に遭わないようにするための教育が確実に行われるよう、学校に対し指導助言を行ってまいります。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 感染防止協力金の課税措置についてですが、これまで都は、国に対して非課税の扱いとするよう要望してまいりました。しかしながら、国において、法令に定められた非課税事由に該当しないため、協力金は非課税とはならないと判断されているところでございます。
〔総務局長山手斉君登壇〕

○総務局長(山手斉君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 初めに、痴漢被害者の実態の把握についてでございますが、都は、犯罪被害者等のニーズに合ったきめ細かな支援を行うため、被害者や民間支援団体等を対象に、性暴力を含む被害の実態調査を実施してございます。
 引き続き、被害者等の生の声を聞き、寄り添った支援を進めてまいります。
 次に、痴漢被害者に係るメッセージの発信についてでございますが、犯罪被害者等の多くが直接的な被害に加え、周囲の無理解や心ない言動に苦しめられてございます。中でも性犯罪等は、被害者にも落ち度があるといった誤った認識もあり深刻でございます。
 都は、講演会や電車広告等、被害者に対する都民の理解を求める取り組みを実施してございます。
 次に、性犯罪等被害者支援の周知についてでございますが、都はこれまで、痴漢を初めとした性暴力被害についても、ワンストップ支援センターにおきまして、相談対応、警察等への付き添い支援、精神的ケアなどを実施していることをホームページやSNS、性暴力被害者支援ガイド等により情報提供してまいりました。
 最後に、子供の痴漢被害等についてでございますが、子供が性犯罪等の被害を受けると、それが性被害だと気づかないまま時間が経過し、学業や就労などに深刻な影響を与える場合がございます。
 都は、ワンストップ支援センターにおきまして、子供や保護者等の相談や支援を行うとともに、周囲の大人が適切に対処するための支援ガイドを学校や地域の団体等、多様な機関に配布してございます。
〔生活文化局長野間達也君登壇〕

○生活文化局長(野間達也君) 四点のご質問にお答えいたします。
 女性への暴力等に対する相談窓口等の情報発信についてでございますが、性犯罪や性暴力に関する相談窓口や支援策を集約し発信していくことは重要でございますことから、ホームページやガイドブックに掲載するなど、関係局と連携して取り組んでございます。
 次に、連絡協議会の設置についてでございます。
 性犯罪、性暴力は、男女平等参画社会の実現を阻害する要因でございます。会議体といたしましては、総合的な男女平等参画施策の推進等を目的とした男女平等参画推進会議がございます。
 次に、女性に対する暴力の背景についてでございますが、国の第五次男女共同参画基本計画において、暴力の背景には、社会における男女が置かれた状況の違いや根深い偏見等が存在しており、女性に対する暴力根絶には、社会における男女間の格差是正及び意識改革が欠かせないと記されてございます。
 最後に、次期東京都男女平等参画推進総合計画についてでございますが、現在の計画は、男女平等参画審議会の答申を受け、都が平成二十九年三月に策定してございます。令和三年度は、次期計画の基本的考え方につきまして、男女平等参画審議会により議論を行うこととしてございます。
〔交通局長内藤淳君登壇〕

○交通局長(内藤淳君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、都営交通における痴漢対策についてでございますが、交通局では、誰もが安全に安心して都営交通を利用できる環境を整備することが重要と考えてございます。
 このため、現在、車内カメラ設置を進め、防犯カメラ作動中と記載したステッカーを張るとともに、鉄道事業者や警察と連携し痴漢撲滅キャンペーンを実施するなど、犯罪や迷惑行為の未然防止を図ってございます。
 また、迷惑行為等に対応するマニュアルを作成し、職員の対応力の向上を図っており、引き続きこうした取り組みを進めてまいります。
 次に、都営地下鉄における女性専用車両の導入についてでございますが、既に新宿線では平成十七年から導入してございます。
 浅草線及び三田線につきましては、相互直通運転を行っている事業者におきまして女性専用車両を導入していない路線もあるなど、対応が異なっていること、また、大江戸線につきましては、小型車両のため定員が少なく、女性専用車両の導入によりまして他の車両がさらに混雑することなど、課題が多いものと考えてございます。
 次に、アプリを活用した痴漢被害者の支援についてでございますが、お客様が列車内で痴漢行為を受けた際、アプリにより乗務員等に通報するシステムは、いまだ開発、検証の途上にあると聞いてございます。
 都営地下鉄では、駅構内や車内で痴漢などの被害の訴えがあった場合には、駅係員や警備員が初期対応に当たるとともに、速やかに警察に通報して適切に対応してございます。
 最後に、痴漢被害への駅での対応についてでございますが、都営地下鉄では、朝夕のラッシュ時間帯には全ての駅で係員によるホーム監視を行っており、加えまして、乗降客の多い駅などには警備員も配置してございます。
 引き続き、お客様に安心して都営地下鉄をご利用いただけるよう努めてまいります。
〔福祉保健局長吉村憲彦君登壇〕

○福祉保健局長(吉村憲彦君) 性犯罪等の加害者への治療に関するご質問にお答えいたします。
 性犯罪者の中には、再犯防止のための指導や支援の一環として、精神科での治療が必要な場合もあると指摘されております。この場合には、医師の判断により、対人関係スキルの向上や病気に対する理解を深めることなどを目的とした治療が行われるものと聞いてございます。

○議長(石川良一君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時六分休憩

   午後三時三十分開議
○議長(石川良一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 六十三番たきぐち学君
〔六十三番たきぐち学君登壇〕

○六十三番(たきぐち学君) 新型コロナの感染拡大を受け、都は昨年六月に従前の東京ルールとは別に、新型コロナ疑い患者の東京ルールの運用を開始しました。以降、コロナ疑いの救急搬送困難事案についても合算値として日々公表され、一昨年の一日当たりの東京ルール件数が平均約二十五件であったのに対して、ことし一月十二日には百六十件に達するなど、緊迫した医療環境が続いています。改めて、この間、全力で救急患者の対応に当たられてきた救急隊員及び医療関係者の皆様に感謝申し上げます。
 東京ルールでは、救急患者の円滑な受け入れ体制の強化と同時に、救急車など限られた医療資源を適正に利用するため、救急相談センター、シャープ七一一九の推奨など、都民への理解を促していますが、昨年の速報値では、シャープ七一一九の認知率は低下、受け付け件数も減少しています。
 コロナ禍における外出抑制や医療機関への受診控えなどが救急の現場にどのような影響を及ぼしているのか。
 都民の行動変容が医療資源を共有財産として捉える継続的な意識変容に結びついていくことが重要です。
 まずは、数値にあらわれる実態を共有、分析し、適正利用や新たな感染症対策など、次なる施策につなげていくべきと考えますが、昨年の救急活動の現状と対応について、消防総監に伺います。
 東京ルール事案の発生件数は、平成二十三年の約一万四千件から二十九年には約六千件に半減するなど、効果があらわれています。しかし、再び増加基調に転じており、その要因の一つとして、高齢者の救急搬送の増加が背景にあると考えられます。
 このため、東京都保健医療計画に基づく進捗状況評価では、東京ルール事案の救急搬送の割合、二次保健医療圏の圏域内の受け入れ率とも、目標に対する達成評価は低いのが現状です。
 圏域ごとに地域特性があり、各地域救急会議で検討していく必要性については従前から指摘されており、二次保健医療圏をベースとしながらも、医療圏にとらわれず、都全体で捉えていくべきとする議論もあると認識していますが、これまでの議論を踏まえ、今後の救急医療体制を確保していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 日本医師会は、今月五日に、緊急事態宣言下の心血管病診療に関する緊急声明を発表しました。
 例年、気温が下がる十二月から二月は心血管疾患による救急搬送が増加しますが、新型コロナの第三波下において、緊急心血管疾患による救急搬送困難事例が続出、また、著名なお笑い芸人は脳血管疾患で救急搬送されましたが、受け入れ先決定までに時間を要したと報じられました。私ごとですが、私の妻も、昨年十一月に同様の事態に直面いたしました。
 各医療機関において、医療従事者の配置転換や病床転換など厳しい対応が求められる中で、都民の命を守るためには、こうした循環器医療の逼迫による救命率の低下は何としてでも防がなければなりません。知事の見解を伺います。
 昨年の犯罪情勢統計では、刑法犯の認知件数は六十一万四千二百三十一件と、戦後最少を更新しました。一方、児童虐待やDVの通報、相談は増加、また、薬物事犯についても、八月以降、前年を上回り、増加件数も拡大する傾向を示しています。
 私自身、保護司として、覚醒剤、危険ドラッグ、大麻などの動向について関係者からお話を伺う機会がありますが、ゲートウエードラッグともいわれる大麻の摘発件数は近年増加傾向にあり、特に若年層への対策が大きな課題となっています。
 さらに、近年は、せきどめ薬など市販薬や処方薬への依存も指摘されており、ネット上で隠語が使用されながら、さまざまな情報が出回り、不正販売への対策も求められています。
 大麻取締法に使用罪の導入が検討されている一方で、コロナ禍でステイホームを強いられる中、大学に行けない、収入が減った、ストレスがたまる、そのはけ口として大麻に手を出す事例が増えていることが推測されます。大麻、さらに市販薬の不正使用へと手を染めないための方策を強化すべきと考えますが、見解を伺います。
 覚醒剤の使用歴がある受刑者を対象にした法務省の実態調査で、女性の約七割が交際相手や配偶者などからDV被害を受けたことがあるとの結果が明らかになりました。再犯防止には、薬物依存だけではなく、その背景まで捉まえた多角的な支援が求められます。
 コロナ禍におけるDV相談件数は、内閣府の調査で、昨年四月から十二月で十四万七千件を超え、前年同期比約一・五倍と急増しています。支援団体の関係者からは、諸外国と比較した日本のDVに対する認識の遅れやDV防止法で定義された保護要件が実態と合わなくなっている現状などに対して、ワンストップ窓口の設置や相談員の専門性向上を求めるなど、強い危機感が伝わってきます。
 DV被害者支援においては、身体的、性的暴力だけではなく、精神的暴力に対しても、相談から一時保護、自立支援など、官民一体となったさまざまな専門的な機関が連携することが重要です。
 都は、我が会派の要望を受け、一カ月間のLINE相談を試行し、多くの相談が寄せられましたが、こうした状況を踏まえ、相談体制を強化するとともに、民間団体とも連携した着実な支援につなげる体制のもと施策を展開すべきと考えますが、見解を伺います。
 目黒区、野田市での児童虐待事件は、ともに配偶者によるDVが背景にあったことが明らかになっています。昨年四月の改正児童虐待防止法では、児童相談所、女性相談センターの連携強化が明記されましたが、両機関における連携、情報共有が進んでいない実態が指摘されており、介入や対応などの考え方やアプローチの仕方が異なることもその一因といわれています。
 江戸川区では、児相に民間団体のDV相談員が週三回配置され、虐待と女性相談との情報共有を図る取り組みが始まっています。コロナ禍で、児童虐待、DVの通告、相談がともに過去最多となっている実態を踏まえ、子供側、親側、双方からのアプローチによる取り組みが極めて重要です。
 都において、DVと虐待が両方疑われるケースについて、関係機関が連携し対応を強化すべきと考えますが、見解を伺います。
 長引くコロナ禍において、家庭内での虐待、ネグレクト、家族へのモラハラなどが顕在化しつつあるとの声が教育現場からも届きます。児童生徒の自殺が過去最多、高校生の三割に鬱症状が見られるなどの調査結果が明らかになる中で、児童生徒の年齢層に応じたメンタルヘルスの実態把握と対策が急務です。
 都は、スクールカウンセラーを全公立学校に派遣しており、二十六区市では独自での配置も実施しています。現場からは、派遣回数の増加を望む声がある一方、カウンセラーの能力に差があり、区市派遣と比較して処遇に恵まれたスクールカウンセラーの資質の課題を指摘する声を以前より耳にします。
 臨床心理士や精神科医などの資格を有するスクールカウンセラーが、専門家としての知見を生かしながら、教員との意思疎通が図られ、個々の児童生徒に的確に対応した指導助言を行うことができる人材の質を確保していくべきと考えます。見解を伺います。
 宮坂副知事の発案で、都庁内に自転車部が創設されたと聞きました。私の地元荒川区は、かつて、西の堺、東の荒川と称されたほど自転車関連企業が集積したまちであり、かくいう私も隠れサイクリストで、定期的に荒川河川敷のサイクリングロードを走り、自転車で登庁したことも複数回あり、都庁舎の駐輪場整備の必要性を感じている一人です。
 コロナ禍で自転車利用が拡大する中、都が進めている自転車活用推進計画の改定に当たっては、自転車の安全性や回遊性を高めるため、一層の通行空間の整備を推進するとともに、地区ごとの特性に応じて集中的に先行整備するなど、都として自転車の活用をさらに後押しすべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 全国的に広がりを見せるシェアサイクル事業は、都内二十区九市で実施されています。自転車シェアリングの利便性を高めるためにはポートを拡充することが必要ですが、現在、公共用地への設置は、事業者が自治体と連携している場合以外は認められていません。
 国は、令和三年度税制改正でシェアサイクルポート設備への税の軽減を打ち出すなど、全国的に機運は高まりつつあります。
 新しい生活様式の実現に向けたMaaSへの移行を促進するためにも、都バスや地下鉄、JRなど、公共交通機関の拠点からのラストワンマイルの移動を担保する環境づくりが重要です。
 一方、広域利用の観点からは、ドコモ系十二区、ソフトバンク系八区七市を初め、多くの事業者がサービスを提供しており、台数はロンドンやニューヨークと肩を並べる規模となっているものの、運営会社が異なることから、利便性に課題があります。利用者の利便性向上を図るためにも、事業者間の連携を強化し、さらなる広域利用を推進すべきと考えますが、見解を伺います。
 最後に、地元の生活と社会経済を支える水道、下水道について伺います。
 荒川区では昭和五十年代まで区部北東部地域の給水所が不足しており、金町浄水場から直接広大な配水区域に給水を行っていたため、事故などが発生した場合には、その影響が広範囲に及ぶ状態が続いていました。
 このため、水道局は、四つの給水所整備を進め、配水区域の再編を行ってきており、荒川区においても給水の安定性は向上してきていますが、給水所整備はいまだ道半ばであります。
 現在、水道施設整備マスタープランを策定中ですが、人口減少時代を見据えた水需要予測に基づく施策の推進と、災害を初めとするさまざまなリスクに備えた施設整備を進めていくことが求められます。
 こうした観点を踏まえ、荒川区の給水安定性の一層の向上に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 荒川区には、国内最初の近代的な下水処理施設である三河島汚水処分場として運転を開始した現在の三河島水再生センターがありますが、抜本的な再構築が必要となる時期を見据え、稼働させながら、台東、文京、豊島の下水を集める三河島処理区における下水道機能を安定的に確保しなければなりません。
 策定中の経営計画二〇二一で東尾久浄化センターの整備着手が示されましたが、三河島水再生センターの上部が荒川自然公園として区民に親しまれているように、東尾久浄化センターの整備に当たっても、隣接する都立尾久の原公園や隅田川のスーパー堤防と一体感のある公園利用を図るなど、地域住民の理解を得ながら進めていくことが必要です。
 東尾久浄化センターの水処理施設について、その整備効果を伺い、私の質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) たきぐち学議員の一般質問にお答えいたします。
 救急医療についてのお尋ねがございました。
 脳卒中や心臓病は、突然発症いたしまして、数分から数時間の単位で生命にかかわる重大な事態に陥り、最悪の場合は死に至ることもあることから、迅速に専門的な医療につなげることが極めて重要でございます。
 このため、都は、脳卒中発症後の患者を速やかに救急搬送する仕組みとして、都独自に脳卒中急性期医療機関を認定をいたしまして、救急搬送体制を整備いたしているところでございます。
 また、心疾患患者を迅速に専門医療施設へ搬送できますよう、心臓血管系の疾患専用の集中治療室を持つ医療機関等から成るCCUネットワークを運用しております。
 さらに、来月には脳卒中や心臓病その他の循環器病対策を総合的かつ計画的に進めるために、循環器病対策推進協議会を設置いたします。
 今後、この協議会で、デジタル技術の活用や、より広域の連携体制の構築など、循環器病患者を救急現場から迅速かつ適切に搬送できる体制について検討してまいります。
 次に、自転車活用推進計画についてでございます。
 自転車は、環境負荷低減や健康増進にも資する身近な交通手段の一つでございます。コロナ禍における利用の増加など直近の動向も踏まえつつ、誰もが快適に安心して自転車を利用できる環境の一層の充実を図ってまいります。
 自転車活用推進重点地区を新たに設定をいたしまして、地区特性を踏まえながら、この重点地区を中心に、今後設置する協議会も活用しつつ、国や区市町村などとも連携して、さまざまな施策を集中的に実施をしてまいります。
 都道におきましては、二〇三〇年度に向けて年間の整備ペースを大幅に増加させます。新たに約六百キロメートルの通行空間の整備に取り組んでまいります。あわせて、自転車シェアリングの広域利用の促進、ニーズに応じた駐輪場の整備、交通安全対策の強化など取り組みを進めてまいります。
 これらの内容を盛り込んだ自転車活用推進計画につきまして、都民の皆様からのご意見も踏まえて、来年度早期に改定をいたし、自転車の活用をさらに推進、人中心のまちづくりを進めてまいります。
 その他のご質問につきましては、教育長及び関係局長からの答弁といたします。
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) スクールカウンセラー活用に向けた取り組みについてでございますが、子供の不安や悩みを解消に導くためには、スクールカウンセラーと教員が緊密に連携する体制を確立することとともに、スクールカウンセラー個々の資質を向上させることが重要でございます。
 そのため、都教育委員会は、気になる様子が見られる子供についてのスクールカウンセラーと学級担任の情報交換の持ち方や、いじめの解決に向けた教員との役割分担など、組織的な対応例を学校に周知してまいりました。
 また、スクールカウンセラー対象の連絡会の中で精神科医による講演を行い、例えば感情のコントロールが難しい子供への対応や、関係機関との連携のあり方等について理解を深められるようにいたしました。
 今後、校長やスクールカウンセラー対象のそれぞれの連絡会で、解決困難な事例へのチームとしての対応について協議する場を設けるなど、学校の相談体制の一層の充実を図ってまいります。
〔消防総監安藤俊雄君登壇〕

○消防総監(安藤俊雄君) コロナ禍における救急活動の現状等についてでございますが、東京消防庁管内における令和元年中の救急出場件数は八十二万五千九百二十九件でございましたが、令和二年中の速報値は七十二万一千二十件と、約十万五千件減少いたしました。
 その一方で、救急隊の出場から病院到着までの平均活動時間は、令和元年中の三十八分二秒に対して、令和二年中の速報値三十九分四十六秒と、一分四十四秒延伸しており、特に発熱等を伴う傷病者の医療機関選定には時間を要する状況でございました。また、救急搬送人員の軽症割合は、令和元年中の五四・二%に対して、令和二年中の速報値五二・七%と、一・五ポイント低下しております。
 今後、早期の医療機関への搬送に向け、さらに関係機関と情報共有を図るなど緊密に連携するとともに、救急隊員等の感染防止対策を徹底し、コロナ禍における救急活動に全力で取り組んでまいります。
〔福祉保健局長吉村憲彦君登壇〕

○福祉保健局長(吉村憲彦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、救急医療についてでございますが、都は、救急患者を迅速に医療機関に搬送するため、救急医療の東京ルールを定め、地域の救急医療機関が相互に連携協力して救急患者を受け入れる体制を確保しております。
 また、二次保健医療圏ごとに設置した地域救急会議で、各圏域が抱える課題の対応策を検討し、地域の実情に応じた体制づくりを進めるとともに、圏域内では受け入れが困難な場合に、都内全域を対象として受け入れ先の調整を行う救急患者受け入れコーディネーターを配置しております。
 地域救急会議で指摘された課題や広域的な連携については、救急医療対策協議会で検討を重ねており、今後とも、救急患者を迅速かつ確実に受け入れる救急医療体制の充実を図ってまいります。
 次に、DVと児童虐待に関する相談対応についてでございますが、女性相談センターでは、DV相談の中で虐待が疑われるケースがあった場合、今年度配置した連携コーディネーターが児童相談所の面接に同席するなど、母子の状況を丁寧に把握しながら相談に対応しております。
 また、児童相談所では、虐待相談の中でDVが疑われるケースがあった場合には、福祉事務所と連携し、一人一人の状況に応じて、母子生活支援施設への入所や生活保護の受給などの支援を行うほか、緊急時には女性相談センターなどで一時保護を行い、安全を確保しております。
 今後、連携コーディネーターの活動や地域で対応した好事例などについて、要保護児童対策地域協議会等で共有しながら、DVと児童虐待に係る関係機関の連携を強化してまいります。
〔福祉保健局健康危機管理担当局長初宿和夫君登壇〕

○福祉保健局健康危機管理担当局長(初宿和夫君) 青少年の薬物乱用防止対策に関するご質問にお答えをいたします。
 都は、平成三十年度に改定いたしました薬物乱用対策推進計画で、青少年に薬物を乱用させないための取り組みの強化をプラン一として、青少年を対象といたしました啓発活動を強化してございます。
 これまで薬物乱用の危険性に関する正確な知識を普及啓発するためのポスターやリーフレットを作成するとともに、大麻の有害性や市販薬の適正使用にも言及いたしました動画をSNSやユーチューブで配信するなど、重点的に啓発を行っております。
 また、違法薬物の購入や使用を踏みとどまらせるため、キーワード連動広告を用いて危険ドラッグに関する啓発用サイトに誘導する取り組みを実施しており、来年度はこのサイトに大麻の有害性や危険性を訴える内容を追加するなど、さまざまな手法を用いて啓発活動を強化してまいります。
〔生活文化局長野間達也君登壇〕

○生活文化局長(野間達也君) DV被害者支援についてでございますが、コロナ禍では社会制度や慣習等もあり、特に女性に対する配偶者暴力被害の増加、深刻化が懸念されております。
 東京ウィメンズプラザでは、電話や面接相談に加え、若年層や電話では相談しづらい被害者が一人で悩まず相談できますよう、来年度からLINEを活用した相談事業を本格的に開始いたします。
 さらに、相談員を増員するなど、相談体制の拡充を図ってまいります。
 また、相談や一時保護、自立支援など、被害者の状況に応じて柔軟に対応するため、都、区市町村、警視庁、民間団体等の幅広い関係機関が緊密な連携を図ってございます。
 今後、より相談しやすい環境を整備するとともに、関係機関が連携することにより、一人でも多くの相談者に対してきめ細かな支援を行ってまいります。
〔環境局長栗岡祥一君登壇〕

○環境局長(栗岡祥一君) 自転車シェアリングの広域利用推進についてでございますが、都は、環境に優しい交通手段である自転車の利用を促進するため、自転車シェアリングの普及に努めてございます。
 これまで、事業の実施主体である十一区と相互利用に関する連絡会議を設置し、行政区域を超えた利用の推進に取り組んでまいりました。
 しかし、都内では、複数の自転車シェアリング事業者がおのおの単独で運営を行ってございまして、利用者の利便性の観点から、事業者間の相互利用が課題となってございます。
 そこで、都は来年度、関係自治体や運営事業者等で構成される、仮称になりますが、広域利用推進協議会を新たに設置し、複数の事業者によるサイクルポートの共同利用の実証等、広域利用の推進に向けた施策の検討を行い、利便性の向上とさらなる普及を図ってまいります。
〔水道局長浜佳葉子君登壇〕

○水道局長(浜佳葉子君) 荒川区を含む配水区域の給水安定性の向上についてでございますが、荒川区を含む区部北東部は、昭和五十年代前半まで金町浄水場から一系統による給水を行っていたため、事故等による断水や濁水の影響が広範囲に及ぶ状況でございました。
 このため、給水所を整備し、配水区域を再編するとともに、他の浄水場からの送水の二系統化などの広域的な整備を進めてまいりました。
 このうち、荒川区を含む配水区域においては、平成十三年度に南千住給水所が完成し、現在は、北区、荒川区及び足立区の一部に給水する王子給水所を令和十四年度の完成に向けて整備中でございます。
 こうした給水所の整備に加えて、管路の耐震継ぎ手化を計画的に推進し、給水安定性を一層向上させてまいります。
〔下水道局長和賀井克夫君登壇〕

○下水道局長(和賀井克夫君) 東尾久浄化センターの水処理施設の整備効果についてでございますが、三河島水再生センターは敷地が狭くセンター内での再構築が困難であることから、東尾久浄化センターを整備し、三河島処理区の下水の一部を流入させることで、三河島水再生センターの再構築を可能といたします。
 また、再構築に当たりましては、高度処理を導入することで、隅田川や東京湾の水質改善に寄与いたします。
 さらに、東尾久浄化センターの上部は都市計画公園に位置づけられており、完成後は地域の皆さんに親しんでいただけるよう公園として開放する予定でございます。
 今後、安定した下水道機能を確保するため、経営計画二〇二一に掲げた東尾久浄化センターの整備に向け、関係機関との協議を進めてまいります。

○議長(石川良一君) 三十一番清水孝治君
〔三十一番清水孝治君登壇〕

○三十一番(清水孝治君) 初めに、東京二〇二〇大会の実施について伺います。
 先日、オーストラリアで開催された全豪オープンテニスで、大坂なおみ選手が見事優勝されました。
 本大会は、日本だけでなく、世界各地で緊急事態宣言などが発出される中、まさにコロナ禍での大会でありました。
 大会当初は陽性者や濃厚接触者の発生に伴い、一部選手や関係者が隔離されるなどの事態もありましたが、大会成功に向けてさまざまな安全対策を講じるとともに、選手、関係者、観客、全ての大会にかかわる方々がルールを守り、適切に対応したことで大会を成功させることができたものと考えます。関係された方々に深く敬意を表します。
 東京大会まであと半年となりました。その前には、競技ごとのテストイベントも多く控えております。この全豪オープンや世界各地で行われているさまざまな国際大会で得られたコロナ対策の知見をテストイベントや大会本番に生かすべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、都内植木生産について伺います。
 全国有数の産地である都内植木生産は、昨今の公共工事やゴルフ場建設など、民間土木工事の減少などによりその需要は低迷が続き、経営の厳しさが増しております。
 これまでも、都内植木の利用拡大に向けて、都発注工事における都内産の緑化植物の活用促進といった庁内連携の推進や、生産者と受注者のマッチングに資する植木在庫状況調査の実施が重要と訴え、取り組んでまいりました。
 この間、国が二〇五〇年カーボンニュートラルを掲げ、グリーン成長戦略を指し示す傍らで、都も策定中の長期計画である未来の東京戦略案で、緑あふれる東京プロジェクトを掲げ、さらなる緑化推進を目標としております。
 しかし、成長に時間がかかる樹木は、一朝一夕に成木にならない性質があることに加え、落ち葉問題への対応など多様な課題を抱えていることも事実であります。
 現在、東京都農林総合研究センターでは、生産、流通、消費の現場を踏まえた研究開発をミッションとし、新たな街路樹の樹種や管理方法の研究を進めると聞いております。
 そこで、売れるであろうと見込み生産を行っている都内植木生産者に対して、できるだけ早くこの研究成果を還元するなど植木生産の振興につなげていくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、多摩・島しょ地域における消防団活動の充実強化について伺います。
 近年、地震や台風等の大規模災害により各地で甚大な被害が発生している中、地域防災のかなめである消防団員は全国的に減少し続けており、地域防災力の低下が懸念されております。
 その中で、消防団の運営は、特別区では東京消防庁が、多摩・島しょ地域では各市町村が担っているため、その支援内容は、特別区は一律でございますが、多摩・島しょ地域は財政力の違いなどもあり、ばらつきがございます。
 他方、多摩・島しょ地域の消防団においては、新規団員の確保はもとより、道路交通法改正に伴い新設された準中型運転免許の取得の必要性や、大規模災害時の市町村間の相互連携体制の確保など、消防団活動の充実強化を図る上で検討すべき課題が数多くございます。
 そこで、今後、都は、多摩・島しょ地域における消防団活動に係る課題等を分析し、支援のあり方を検討していくべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、多摩地域における産業振興について伺います。
 多摩地域には、約八万の中小企業が立地しており、地域の経済や雇用を支えております。これら多摩地域の産業や雇用を支えるための都の機関として、私の地元立川市周辺には、今年度開設された創業ステーションTAMAを初め、産業サポートスクエア・TAMAや、女性しごと応援テラス多摩ブランチなどが集積しています。加えて、国の事業引継ぎ支援センターが立川商工会議所内に設置されており、立川市周辺には、中小企業のさまざまな課題解決をサポートする体制が整っております。
 こうした官民の支援機関が集積メリットを生かし、有機的に連携を図ることにより相乗効果を発揮することができれば、多摩地域の産業振興にも一層寄与することになると考えます。名ばかりの連携ではいけません。
 そこで、立川市周辺に所在する中小企業支援機関の相互連携を強化し、多摩の産業振興を具体的かつ効果的に図っていく必要があると考えますが、見解を伺います。
 次に、多摩地域における今後の送水管整備について伺います。
 水道局は、高度経済成長期以降、人口の増加や都市活動の進展に合わせて、浄水場や給水所、送配水管路の整備拡充を進めてまいりました。
 浄水場から給水所に送水する送水管は、現在、区部ではバックアップ機能を確保した広域の送水管ネットワークが構築されております。
 しかし、多摩地区においては、昭和四十年代から都営一元化に合わせて整備を進め、広域的な送水管ネットワークの構築を進めてまいりましたが、いまだ道半ばの状態であります。多摩地区の送水管ネットワークの構築は、区部と同様の給水安定性を確保する上で重要で、かつ多摩格差解消には欠かせないものであります。
 現在、東村山浄水場から拝島給水所までを結ぶ多摩南北幹線の整備を進めており、この完成により、多摩地区の送水管ネットワークが概成すると認識しておりますが、受注者の倒産などもあり、完成が遅れているようであります。
 また、都営一元化から五十年近く経過し、初期に整備した送水管は更新時期を迎えることとなり、今後の多摩地区の施設整備の大きな課題となってまいりました。
 そこで、この安定給水のかなめとなる送水管を将来にわたり適切に管理していくことが重要と考えますが、今後の多摩地区の送水管の整備について伺います。
 次に、英語学習機会の充実について伺います。
 都は、未来の東京戦略案の子供の応援戦略として、グローバル・スチューデント・プロジェクトを掲げ、具体的な取り組みを提示しております。
 平成三十年には、江東区青海に外国人スタッフによる体験型英語学習施設であるTOKYO GLOBAL GATEWAYを開設し、利用者から高い評価を受けておりますが、このたび、多摩地域に同様の機能を備えた施設を整備する運びとなりました。
 他方、一人一台端末が進む中、授業や家庭での最適な英語学習環境をウエブ上で実現するため、オンラインでの英語学習空間、東京イングリッシュチャンネルを創設する運びとなり、既存施設とあわせ、あらゆる場面で英語を学ぶ環境が整ってまいりました。
 そこで、都は、これらの英語教育施策をどのように組み合わせ、拡充することにより、グローバル人材の育成に取り組んでいかれるのか、所見を伺います。
 また、都内二カ所目となる多摩地域の体験型英語学習施設につきましては、このたび整備方針が示されました。その中で、同施設の整備については、多摩地域の特色等を生かした内容が推奨されておりますが、まずは、すぐれた学習プログラムや質の高いイングリッシュスピーカーの確保が重要であることはいうまでもございません。
 そこで、青海TGGの経験を踏まえた多摩地域における体験型英語学習施設の整備について見解をお聞かせください。
 最後に、都営住宅におけるさらなる利便性の向上について伺います。
 都議会自民党はこれまでも、都営住宅の居住者の利便性向上のため、さまざまな場面を通じて具体的な提案をしてまいりました。
 都は、令和二年度より、都営住宅敷地を活用したオープン型宅配ボックス設置のモデル事業を二つの団地で開始しましたが、宅配事業のニーズは、コロナ禍における巣ごもり需要や、非対面、非接触型の新しい日常の浸透など、日増しに大きくなり、モデル事業は、さらなる展開を求められております。
 そこで、都は、より宅配ニーズが高いと思われるファミリー世帯の多い都施行型都民住宅などでモデル事業を拡充実施するなど、今後も予想される宅配ニーズに応え、引き続き、住民の利便性向上に努めるべきと考えますが、見解をお伺いしまして、私の質問を終わります。(拍手)
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 清水孝治議員の一般質問にお答えします。
 教育施策に関する二点のご質問にお答えを申し上げます。
 初めに、英語教育の拡充についてでございますが、英語で臆せずコミュニケーションできる力を育成するには、学校での授業の充実に加え、学校外でも生きた英語に触れ、使う機会を増やすことが重要でございます。
 そのため、都教育委員会は、子供たちが英語を使う楽しさや必要性を体感できる体験型英語学習施設、TOKYO GLOBAL GATEWAYを江東区青海に開設をいたしております。
 今後、より多くの子供たちが身近で利用しやすいよう、同様の施設を多摩地域に整備いたします。
 また、小学生から高校生まで、一人一人の興味、関心や習熟の程度等に応じた動画などをいつでもどこでも利用できるオンラインの英語学習空間を構築いたします。
 こうした取り組みを通じ、小中高等学校における一貫した切れ目のない英語教育を推進し、世界に通用する英語力を備えたグローバル人材を育成してまいります。
 次に、多摩地域での体験型英語学習施設の整備についてでございますが、主体的に自分の考えや気持ちを伝え合うことができる英語力を伸長するには、子供たちが話す必然性や達成感を感じられる活動が行えるよう、英語を使用する目的や場面、状況等を適切に設定する必要がございます。
 TOKYO GLOBAL GATEWAYでは、海外での生活や実社会を体感できる空間の中で、発達段階や習熟の程度に応じた課題解決型のプログラムを提供し、英語を話す必然性を生み出しております。また、子供の発話を引き出すスキルにたけた外国人スタッフ等の指導により、子供たちに自分の英語が通じたという成功体験を生み、意欲を向上させる工夫をしております。
 こうしたTOKYO GLOBAL GATEWAYの実績を踏まえ、多摩地域の体験型英語学習施設の整備に当たりましても、民間事業者と連携し、質の高い学習体験を提供できるよう取り組んでまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長中村倫治君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(中村倫治君) 東京二〇二〇大会のコロナ対策についてですが、新型コロナ感染症による制約のもとにあっても、国内外のさまざまな国際大会やプロスポーツが行われております。
 コロナ対策調整会議では、このことも踏まえまして、対策を検討してまいりました。また、これらの対策については、組織委員会等が取りまとめたプレーブックを通じて、各国選手団や競技団体など大会関係者に周知徹底を図っております。
 全豪オープンテニスにおいても、出国前の検査、用務先の限定等が行われており、引き続き、さまざまな国際大会等における知見も生かしながら、プレーブックの実効性を高めてまいります。
 さらに、テストイベントにおいて、組織委員会等とともに検証し、その結果を踏まえ、対策の改善につなげてまいります。
 今後とも、安全・安心な大会に向け、関係者と連携し、準備を着実に進めてまいります。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、都内の植木生産の振興についてですが、東京の植木生産を活性化していくためには、街路樹や公園の植栽などに広く利用していくことが重要でございます。
 都は現在、東京産の植木を街路樹や都関連施設に活用する苗木の生産供給事業によりまして、利用促進を図っているところでございます。
 加えて、東京都農林総合研究センターにおきまして、植栽する街路の状況に応じた樹種の選択や枝の剪定等の管理方法の確立など、街路樹の技術開発に取り組んでいるところでございます。
 研究において得られた知見は、随時生産者に還元していくとともに、利用者側へも情報提供を行うなど、普及を図ってまいります。
 こうした取り組みにより、東京産植木の利用拡大につなげてまいります。
 次に、多摩地域の産業振興についてですが、さまざまな経営課題を抱える中小企業に対して、地域の支援機関の連携によるサポートを行うことは効果的でございます。
 都は、多摩地域の中小企業支援拠点として産業サポートスクエア・TAMAを設置し、経営と技術の両面から切れ目のない支援を提供しているところでございます。また、国の支援機関と連携した事業承継支援にも取り組んでおります。
 今後は、今年度開設しました創業支援拠点と各支援機関の連携を強化し、承継先を探している中小企業と創業希望者とのマッチングや、創業後の企業への訪問による経営や技術相談等のフォローアップなど、支援を充実いたします。
 多摩地域の支援機関の有機的な連携により、産業の活性化を図ってまいります。
〔総務局長山手斉君登壇〕

○総務局長(山手斉君) 市町村の消防団活動の充実強化についてでございますが、地域における消防防災体制の中核的存在でございます消防団の活動は、地域住民の安心・安全を確保していく上で、ますます重要となってございます。
 多摩・島しょ地域の消防団運営は、消防組織法の規定によりまして、各市町村の役割となってございます。
 都では、都内全域を対象に団員確保のための広報を実施するなど、市町村の取り組みを支援してございますが、団員数は減少傾向にあり、若手団員や訓練場所の確保に苦慮するほか、大規模災害時の広域的な連携などの共通の課題を抱えてございます。
 都といたしましては、多摩・島しょ地域の消防団活動の充実強化が図られますよう、市町村との役割分担も踏まえながら、地域ごとの実態や活動上の課題等につきまして詳細な把握、分析を行ってまいります。
〔水道局長浜佳葉子君登壇〕

○水道局長(浜佳葉子君) 多摩地区における送水管の整備についてでございますが、水道局では、多摩地区における広域的な送水管ネットワークを強化するため、多摩南北幹線の整備を推進しており、当初の予定より遅れているものの、令和四年度の完成、運用開始に向け、配管工事はおおむね完了し、現在、東村山浄水場から送水するための美住ポンプ所の整備工事を着実に進めております。
 この多摩南北幹線の完成により、送水管ネットワークが概成し、多摩西南部地域の給水安定性が向上するとともに、代替ルートが確保されることで、老朽化した既設送水管の更新が可能となります。
 今後、昭和四十年代に布設した町田線や立川線等の既設送水管を、健全度を調査した上で計画的に更新し、将来にわたる多摩地区全体の安定給水を確保してまいります。
〔住宅政策本部長榎本雅人君登壇〕

○住宅政策本部長(榎本雅人君) 都営住宅における宅配ボックスについてでございますが、宅配ボックスの設置は、昼間不在にしている共働き世帯やファミリー世帯を初め、居住者の利便性の向上に資するため、昨年四月、都営住宅二団地の敷地内におきまして、配送事業者各社から荷物を受け取ることが可能なオープン型宅配ボックスを設置いたしました。
 現在、三年間のモデル事業を実施しており、その中で利用実績を把握するとともに、居住者アンケートを行い、利用状況を分析、検証しております。
 今後、モデル事業の実施状況を見ながら、オープン型宅配ボックスの利用拡大に向けて検討してまいります。

○議長(石川良一君) 十八番小林健二君
〔十八番小林健二君登壇〕
〔議長退席、副議長着席〕

○十八番(小林健二君) 初めに、新型コロナウイルスワクチン接種について質問します。
 二月十七日より、日本において医療従事者へのコロナワクチン先行接種が開始されました。
 私の地元練馬区では、住民接種担当課を設置し、接種体制の構築に取り組んでまいりましたが、練馬区がつくり上げた接種体制は、厚生労働省も注目し、練馬区モデルとして全国に情報提供されました。
 練馬区モデルは、早くて近くて安心ですとのコンセプトのもと、個別接種と集団接種のベストミックスにより短期間で接種を完了し、診療所での個別接種をメインに、集団接種会場を設けてカバーするという取り組みであります。
 数々のマスコミでも練馬区モデルが紹介される中、都民の方々からさまざまなご質問、ご意見もいただいており、以下二点について質問します。
 一点目は、ワクチン接種への情報提供です。
 ワクチンへの期待感がある一方、ワクチンへの安全性や副反応、また、有効性について心配される声も多くいただいております。
 このたびの接種は、希望する方への接種でありますが、ワクチンの情報をわかりやすく丁寧に都民に伝え、ご理解をいただく必要があります。
 また、懸念される副反応に対する対応も重要です。
 医療関係者の方より、海外では、アナフィラキシーショックに似た症状が出た例も報告されており、万が一の事態に対応するため、万全の体制を準備する必要があるとのご意見をいただきました。
 安全・安心な接種を行っていくために、接種を行う医療関係者への情報提供などを積極的に行っていく必要があると考えます。あわせて見解を求めます。
 二点目は、障害者に配慮した接種の取り組みです。
 聴覚障害者の方より、話している相手がマスクをしていると声がよく聞き取れないため、ワクチン接種に当たっては、障害者に配慮した対策をお願いしたいとのご要望をいただきました。
 具体的な接種体制の取り組みは区市町村の役割でありますが、障害者への合理的配慮を推進するよう、都も取り組んでいくべきであります。見解を求めます。
 次に、文化芸術振興について質問します。
 二〇一五年に策定された東京文化ビジョンは、東京五輪の文化プログラムを経て、二〇二五年までの十年間をターゲットに策定されました。
 十年間の文化ビジョンの折り返しとなった中、八つの文化戦略が掲げられた文化ビジョンの取り組みを改めて精査していく必要があると考えます。
 現在、新型コロナウイルス感染拡大の中、文化芸術に携わっておられる方々は、文化芸術の灯を消すまいと懸命に闘っておられます。
 私は、かつて一般質問において、一九三〇年代、世界恐慌下にあったアメリカ、また、第二次世界大戦で疲弊したイギリスで、いずれもその復興に文化芸術の力があった史実に言及いたしました。
 また、フランス文学者であった辻昶氏は、文化芸術の持つ力について、事業に失敗して自殺を思い詰めた友人が、ベートーベンを聞いて、もう一踏ん張りやってみようかと思いとどまった、これこそ本物の芸術の力ではないかと語っています。まさに文化芸術は、人間を蘇生させ、希望と勇気を与える原動力ともなります。
 都は、コロナ禍にあって、アートにエールを!東京プロジェクトを実施し、支援に努めておりますが、コロナ禍での経験を生かし、困難な状況下だからこそ、文化芸術の力で都民に希望を送る新たな文化政策を今後検討していくべきと考えます。知事の所見を求めます。
 次に、豪雨、浸水対策について質問します。
 一昨年十月の台風十九号の際は、東京においても、各地で大きな被害が発生しました。
 かつて、地元を流れる石神井川が溢水した際は、周辺地域に浸水し、私も現場に急行いたしましたが、台風十九号の際も、石神井川の水位状況の確認に幾度となく現場に赴きました。
 平成十七年に溢水し、特に水害リスクの高い曙橋周辺地域への対策は極めて重要であり、安全確保の整備を急ぐ必要があると考えます。練馬区内における石神井川の整備について見解を求めます。
 また、白子川については、下流側に埼玉県が整備を行う区間がありますが、埼玉県側の整備が進まないことが大きな課題となっております。
 埼玉県に早期の整備を働きかけつつ、都として治水安全の確保に向けて一層の取り組みを進めていくべきであります。白子川の整備について見解を求めます。
 さらに、地域住民が現在の河川の状況を確認できるよう、河川監視カメラの取り組みも重要です。
 都議会公明党は、昨年第三回定例会の一般質問で、河川監視カメラの拡充の必要性とともに、水防災総合情報システムにおいて、動画での映像公開や多摩川など国の管理する河川の状況も確認できるよう提案し、都からは、検討していく旨の答弁がありました。
 水防災情報の充実に向けたその後の取り組みについて見解を求めます。
 加えて、下水道局が取り組む浸水対策も着実に進めていくことが不可欠であります。
 地元練馬区で浸水被害が懸念されている大泉町地区においては、以前、私も被害に遭った直後のお宅に伺い、浸水被害の実態を目の当たりにしました。
 下水道局ではこれまで、浸水の危険性が高い地区など五十四地区を重点化し、下水道幹線や貯留施設を整備するなど、浸水被害の軽減に取り組んできましたが、このうち、練馬区内においては、大泉町地区を含む四地区が重点化されています。
 地域住民の不安を払拭するため、浸水対策を急ぎ推進していくべきであります。練馬区四地区における取り組み状況について見解を求めます。
 次に、都営地下鉄における視覚障害者への安全対策について質問します。
 視覚障害者がホームから転落する痛ましい事故が相次いでおります。昨日の都議会公明党の代表質問において、ホームドアの整備促進に向けた取り組みをただしましたが、視覚障害者の安全確保に向けて、都営地下鉄でも、全駅へのホームドアの設置を加速度的に進めていくとともに、ホームドアが設置されるまでの安全対策を講じていくことが重要であると考えます。
 また、以前、私は、コードつき点字ブロックを活用して音声案内を行う視覚障害者向けの歩行支援ツールを開発されている方からお話を伺う機会がありました。
 東京メトロにおいても、駅構内における視覚障害者の移動支援のために、点字ブロック上のQRコードをスマートフォンで読み取り、目的地まで音声で案内するシステムの実証実験が行われています。
 今後、都営地下鉄においても、ICT技術を活用し、視覚障害者が安心して移動できるような取り組みを検討していくべきと考えます。あわせて見解を求めます。
 最後に、都市計画練馬城址公園について質問します。
 小池知事は、さきの施政方針表明で、都民の憩いの場である都立公園の整備について言及されました。
 私は、以前、予算特別委員会で、関東大震災の復興計画に当たって、震災復興三大公園といわれる隅田公園、浜町公園、錦糸公園の整備を指揮した内務省復興局公園課長の折下吉延氏の都市防災に寄与する公園整備について触れ、都立公園の防災機能について質問しました。
 また、こうした公園は、都市の緑として環境面からも重要であり、都立公園に対する都民の期待は高いものがあります。
 そこで、都立公園の持つ意義と役割について知事の所見を求めます。
 私は、昨年二月の一般質問の際、練馬城址公園の整備計画を早急に示していくべきと求め、現在、整備計画の中間のまとめが公表されました。
 中間のまとめによれば、緑と水、広域防災拠点、にぎわいという計画コンセプトが設定されていますが、この三つの視点について、以下質問します。
 まず、緑と水ですが、緑は練馬区を語る上で欠くことのできない要素であります。緑をいかに生かし、充実させていくかが大変重要であり、練馬らしい緑の公園としていくためにも、地元練馬区を初め都民の意見を丁寧に聞き、最大限に尊重していくべきと考えます。見解を求めます。
 次に、広域防災拠点についてですが、公園の計画区域内にハリー・ポッターのスタジオツアー施設の整備が計画されていることもあり、防災公園としての機能性に不安を抱く意見も散見されています。公園整備に当たっては、地域住民に安心感を与える堅実な防災機能の強化をなし遂げていくべきと考えます。
 また、にぎわいについては、老若男女、誰もが利用できる憩いの場としてのにぎわいを創出していかねばなりません。
 以前、私は、小さいお子さんをお持ちの保護者の方より、都立光が丘公園には幼児が遊べる遊具がないので、幼児用のブランコを設置してもらいたいとの要望をいただきました。都もこの要望に真摯に応えていただき、幼児も乗れるバケットシート型のブランコが設置され、現在、お子さんの歓声でにぎわっております。
 小池知事は、施政方針表明で、身近な憩いの場として、その重要性が再認識されている都立公園の魅力をさらに引き出しますと述べられました。
 練馬城址公園整備にあっては、高齢者、幼児、障害者など誰もが楽しめる魅力ある公園を検討するとともに、令和五年のスタジオツアー施設の開業も見据え、早期に公園整備を進めていくべきと考えます。あわせて見解を求め、私の質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 小林健二議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、コロナ禍での経験を生かした文化政策についてでございます。
 芸術文化は、人々の日々の暮らしに安らぎや潤いをもたらす極めて重要なものでございます。
 都は、コロナ禍におきまして、アートにエールを!東京プロジェクトを実施するとともに、在宅でもオンラインで楽しめる芸術文化コンテンツの提供などを行いました。
 具体的には、六本木アートナイトや東京芸術祭におきまして、オンラインでの開催やVRを活用した鑑賞の提案などを行ったところでございます。
 公演の中止などにより、都民がじかに芸術文化を鑑賞する機会が失われたわけでありますが、一方で、テクノロジーを活用した新たな芸術文化の可能性が生まれ、楽しみ方も広がっております。
 今後、文化施策の検討に当たりましては、コロナ禍で得られたこうした経験や知見を生かしてまいります。
 次に、都立公園の持つ意義と役割についてであります。
 都立公園は、都民に安らぎとレクリエーションの場を提供いたし、都市に潤いや風格をもたらすとともに、環境の改善や防災空間の確保など、都市の暮らしに重要な役割を果たしております。
 また、現在、社会の成熟化に伴いまして、都民の価値観やライフスタイルが多様化しており、都民ニーズへの柔軟な対応が求められております。
 こうしたことを踏まえまして、都内の大規模な公園整備を着実に推進して、貴重な緑を増やすとともに、都民や地域との連携を強化し、民間の発想も取り入れることで、地域に根差した個性ある公園をつくり上げてまいります。
 今後とも、豊かな水と緑にあふれる、良質で魅力ある都市空間の形成を進めまして、ゆとりと潤いのある都市東京を実現してまいります。
 その他の質問につきましては、関係局長からご答弁いたします。
〔福祉保健局健康危機管理担当局長初宿和夫君登壇〕

○福祉保健局健康危機管理担当局長(初宿和夫君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、新型コロナワクチンの接種に向けた情報提供でございます。
 接種を円滑に進めるためには、接種を受ける方々や接種を行う医療関係者への正確な情報発信が重要でございます。
 国から提供されることになっておりますワクチンの有効性や安全性、副反応に関する注意事項などにつきましては、今後、都におきましても、東京iCDCの専門家のご意見も踏まえながら、ワクチンに関するポータルサイトなどさまざまなチャンネルを通じて、適切に発信をしてまいります。あわせて、接種を受けた方からの副反応に関する問い合わせに応じる電話相談センターを早期に開設いたします。
 こうした取り組みにより、都民や医療関係者に対し、ワクチンに関する情報提供をきめ細かく丁寧に行ってまいります。
 次に、ワクチン接種に当たっての障害者への配慮でございます。
 今回の新型コロナウイルスワクチンの接種では、障害者も含め、希望する全ての対象者が円滑に接種を受けられる体制を整備しなくてはなりません。
 住民接種の実施主体であります区市町村においては、障害者差別解消法等に基づき、障害者から意思の表示があった場合には、合理的な配慮を行う必要がございます。
 都は、接種会場等において、例えば、聴覚障害者に対して、医師や現場スタッフが筆談でコミュニケーションをとるなど、障害特性に合わせた対応を行うよう周知を図りますとともに、東京都障害者差別解消法ハンドブックや国の医療機関における障害者への合理的配慮事例集等を提供するなど、住民接種におきまして、障害者への合理的配慮に取り組む区市町村を後押ししてまいります。
〔建設局長中島高志君登壇〕

○建設局長(中島高志君) 五点の質問にお答えいたします。
 初めに、練馬区内における石神井川の整備についてでございますが、水害から都民の命と暮らしを守るためには、護岸や調節池等の整備を効率的、効果的に進めることが重要でございます。
 令和三年度は、早期に安全性を確保するため、都営上石神井アパート付近などの二カ所、合わせて約二百五十メートルで、新たに護岸整備に着手いたします。また、その上流に位置し、ボトルネックとなっておりました曙橋のかけかえに向けまして、橋梁の下部工事などを実施いたします。
 さらに、練馬区内においても効果を発揮する上流の西東京市内の新たな調節池につきまして、基本設計を進めるとともに、関係機関との調整を行ってまいります。
 今後とも、石神井川の安全性向上に向けまして、護岸や調節池の整備を着実に推進してまいります。
 次に、白子川の整備についてでございますが、白子川では、比丘尼橋下流調節池などにより、下流の安全性を確保した上で、上流に向け、順次護岸整備を進めておりまして、令和三年度は、東西橋下流で工事を実施いたします。
 加えて、白子川地下調節池と環七地下調節池を連結し、調節池容量の相互融通が可能となる環七地下広域調節池の整備を令和七年度の取水開始に向けて進めてまいります。
 下流の埼玉県施行区間につきましては、都市河川の整備促進に関する一都三県連絡協議会や都県河川調整会議におきまして、早期の整備について継続して働きかけていきます。
 引き続き、護岸や調節池の整備を進めるとともに、埼玉県とも連携を強化し、水害に強い都市を実現してまいります。
 次に、水防災情報の充実についてでございますが、水害から都民の命を守るためには、迅速な避難行動につながる河川の情報をわかりやすく提供することが重要でございます。
 このため、令和三年度は、河川監視カメラにつきまして、新河岸川など約二十カ所で出水期前に追加するなど、合計で約四十カ所を新たに公開いたします。
 加えて、現在、静止画で配信している河川の画像をリアルタイムに提供するため、水防災総合情報システムのリニューアルに合わせて、動画による配信も開始いたします。
 また、国及び区市町村の保有する河川監視カメラの画像や水位などの情報についても、都のシステム上で容易に確認できるようリンクさせてまいります。
 今後とも、適切な避難判断の一助となる水防災情報のさらなる充実に取り組んでまいります。
 次に、練馬城址公園の整備と都民等の意見についてでございますが、整備計画の策定に当たりまして、利用者の視点や公園の周辺環境などに配慮するため、都民や地元区の意見を踏まえていくことは重要でございます。
 都は現在、昨年六月に地元区などと締結した覚書を踏まえ、都民委員も参加する公園審議会におきまして、本公園の整備計画について検討を進めております。
 先月には、中間のまとめを公表し、現在、パブリックコメントに加え、地元区と連携してオープンハウスを開催するなど、きめ細やかに意見を聴取するとともに、地元区への意見照会を行っております。
 今後、これらの意見も踏まえながら、本年五月に審議会からの答申を受けた後、速やかに整備計画を策定してまいります。
 最後に、練馬城址公園の整備についてでございますが、中間のまとめでは、新たな公園のテーマとして、都民に親しまれてきた土地の歴史、風土、緑豊かな自然を生かし、多様な主体と連携して、社会の変化に応えながらつくり上げる公園を掲げまして、防災機能の向上、多様な人々の交流空間の創出などを図ることとしております。
 令和三年度は、整備計画を策定し、事業認可の取得を目指すとともに、土地所有者と連携して、既存施設の撤去及び公園施設の設計に着手する予定でございます。
 今後、民間事業者等と連携し、整備の途中段階においても、周辺からの避難を円滑に受け入れる出入り口や避難空間を確保し、防災機能を強化するとともに、豊かな緑の中で、お話の多様な世代の人々が、障害の有無にかかわらず安心して楽しむことのできる公園となるよう取り組んでまいります。
〔下水道局長和賀井克夫君登壇〕

○下水道局長(和賀井克夫君) 練馬区内の四地区の浸水対策についてでございますが、下水道局では、早期に浸水被害を軽減するため、くぼ地や坂下など浸水の危険性が高い地区などに重点化し、施設整備を推進しております。
 中村地区、南大泉地区の二地区では、貯留管を整備し、それぞれ平成二十三年度と二十九年度から取水を開始し、浸水被害を軽減しております。
 田柄地区では、延長約四・二キロメートル、直径約三・五メートルの第二田柄川幹線を平成二十六年度から整備しており、令和三年度の完了を目指しております。
 さらに、大泉町地区では、経営計画二〇二一の期間内である令和七年度までに着手する予定であり、既設の下水道幹線の雨水排除能力を増強する施設の整備に向けて取り組んでまいります。
〔交通局長内藤淳君登壇〕

○交通局長(内藤淳君) 駅構内の視覚障害者への安全・安心対策に関するご質問にお答えいたします。
 都営地下鉄では、お客様のホームからの転落事故ゼロを実現するため、ホームドア整備に率先して取り組んでおり、令和五年度末までに全駅での整備完了を目指してございます。
 ホームドア整備中の駅では、係員による積極的な声かけに加え、警備員の増員や自動音声装置による注意喚起を行うなど、転落事故防止に万全を期してまいります。
 また、現在、視覚障害者の方が安心して駅構内を移動できる環境整備に向けて、スマートフォンを活用した移動支援やAIによるカメラ画像の解析など、さまざまな技術が開発途上にあることから、引き続きそれらの技術動向を注視してまいります。
 今後とも、誰もが安全に安心して都営地下鉄を利用できるよう、ハード、ソフト両面から取り組みを進めてまいります。

○副議長(橘正剛君) 四十二番増田一郎君
〔四十二番増田一郎君登壇〕
〔副議長退席、議長着席〕

○四十二番(増田一郎君) まず、国際金融都市東京構想について伺います。
 構想推進の中核的役割を果たす目的で設立されたプロモーション組織、フィンシティー・トーキョーが、昨年度から本格的に活動を開始し、施策の展開が一気に加速している感があります。この半年だけを見ても、昨年十月には外国企業誘致のためのTeam Invest Tokyoをキックオフ。昨年十一月には四年ぶりに新たな構想策定に向け、メンバーを一新した有識者懇談会も立ち上げられました。
 さらに、ことしに入り、Tokyo Green Finance Market創設に向けての検討がスタート。そして、今月に入ってからは、国内外の金融関係者をオンラインでつないで、フィンシティー・グローバル・フォーラムと東京・サステナブル・ファイナンス・フォーラムも相次いで開催されました。
 これらの取り組みと情報発信によって、新時代のグローバル金融センターを目指す東京の本気度が、世界の金融関係者の間で着実に認識され始めています。
 加えて、昨日の我が会派の代表質問に対して、知事から検討の表明をいただいた条例化が実現化すれば、東京の決意と取り組みがより一層明確に国内外に対して発信されることになると期待するものです。
 私は、三十年以上、国際金融の実務に携わってきましたが、5Gなど通信速度の飛躍的な進化、AIを用いた投資判断や高速トレーディング、フィンテックとスマホの融合による個人向け金融商品の急速な広がり、香港、ロンドンにおける歴史的な地政学上の変化、そして新型コロナウイルスの発生による人と情報の流れの劇的変化など、昨今の変化は、これまでに経験したことがないほど激しくかつ早いものであり、私も正直なところ、それらの変化についていくのがやっとというのが実感であります。
 そのような大きな時代の節目にあって、新たな視点と知見を集め、進むべき方向を見出そうとするさまざまな努力と取り組みは極めて重要であり、その間一貫して、みずからこれらの取り組みを牽引されている知事の強いリーダーシップを高く評価したいと思います。
 今から三年半前の二〇一七年に取りまとめられた現行の国際金融都市東京構想は、今日までに、そこで打ち出された数々の施策が実行され、アジアにおける金融センターとしての東京の評価を着実に引き上げてきました。
 その流れを生かし、アジアトップの金融センターとしての地位をより確かなものにするために、一層積極果敢に、一層創造的にこの激流に臨んでいく覚悟が必要です。金融と経済の発展は、常に表裏一体であり、国際金融都市東京構想は、コロナを越えた東京の将来を左右する極めて重要な成長戦略そのものであるということを改めて強調しておきたいと思います。
 そこでまず、三年半が経過した現行の国際金融都市東京構想の成果をどう総括し、新たな有識者懇談会が始まった新構想において、近時の変化をどう捉え、そしてどのような方向感に導くのか、知事の所見を伺います。
 本構想を進めていく上で忘れてはならないのは、その主役があくまでも都民であるということです。世界の都市間競争が激化する中で、都市ランキング等の指標はもちろん重要ですが、最終的な目的は、都民一人一人にその利益がきちんと還元されるということであります。
 そこで、国際金融都市東京構想を進めることで、都民がその利益を実感できるよう、どのような工夫を凝らしていくのか、知事の見解を伺います。
 東京について長く指摘されている問題として、行政手続の英語化の問題があります。これまでも、翻訳や通訳など日本語化のための支援制度は幾つかありましたが、最終的に提出する書類は、いまだに日本語にする以外なく、世界のライバル都市と比べて、東京の大きな弱点となっております。金融系外国企業の誘致を進めるために不可欠な行政手続の英語化は、デジタル化を進める今こそ、最大にして最後のチャンスではないかと思います。
 そこで、行政手続の英語化対応について伺います。
 国際金融取引の参加者にとって、取引市場システムの安定性はいうまでもなく極めて重要な要素です。その点、昨年十月に発生した東京証券取引所のシステムダウンは、日本の金融システムにとって懸念材料となり得る大変残念な出来事でありました。
 証券取引所の運営は、東京都が直接所管するものではありませんが、今後、東京を世界に冠たる国際金融市場とするために、東京証券取引所は極めて重要なパートナーであり、都としても新たな国際金融都市東京構想の実現に向け、東証及びその親会社である日本取引所グループ、通称JPXとも、今後しっかり連携していくべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、ソーシャルボンドの発行について伺います。
 近時の金融市場で起こっている一つの大きな流れが、ESG金融あるいはサステーナブルファイナンスの急速な拡大です。環境問題や社会的問題解決のためであれば、進んでお金を出そうという新たな投資の動きは世界中で拡大しており、そのような新たな民間資金を生かすことの重要性を私もこれまで繰り返し訴えてまいりました。
 ESG債の一形態であるグリーンボンドについては、東京都も他の自治体に先駆けて発行し、既に市場のリーダー的立場にありますが、国際金融都市東京の戦略を考えたときに、何か一つ、この都市といえばこの市場という象徴的な市場をつくることは重要です。
 例えば、シカゴといえば先物市場、香港といえば中国投資へのゲートウエー、シンガポールといえば貿易金融などといったものがありますが、今の世界の潮流と日本に期待される役割を考えたときに、今こそ、東京といえばグリーンファイナンス、あるいは東京といえばサステーナブルファイナンス、そういう地位を確立する絶好のチャンスであり、それを目指すことを強く提唱したいと思います。
 そのようなESG債の取り組みの一環として、来年度新たにグリーンボンドに加え、自治体初のソーシャルボンドを発行するとのことですが、発行に至った考えや狙いについて伺います。
 次に、実践的金融教育の充実について伺います。
 日本の経済を活性化させるために、その大半が預貯金に眠るといわれている千九百兆円もの個人資産を貯蓄から投資へと活用していくことは重要です。
 昨年、通信制高校であるN高校の課外活動で、かつて村上ファンドを率いていた村上世彰氏が講師となり、実際に生徒に少額の資金を株式に投資させ、投資の実地指導をしたことが報道番組でも取り上げられ、話題になりました。
 また、昨今では、スマホアプリを利用した少額株式投資が若者の間でも急速に広まっており、それ自体は悪いことではないものの、正しくリスクを理解することなく、余りに無防備な状態で投資の世界に入れば、新たな社会問題を引き起こすことも懸念されます。
 渋沢栄一の著書、「論語と算盤」に例えるなら、投資の倫理面と実務面の両面を正しく教育し、理解させることが重要です。しかし、日本においては、そのような実践教育はほとんどなく、社会に出てからの経験に任されているのが実情です。
 そこで、都立高校においても、生徒が株式などの投資の実際について学ぶなど、実践的な金融教育の導入が急務と考えますが、教育長の見解を伺います。
 次に、制度融資による中小企業支援について伺います。
 新型コロナ感染症による経済への影響は、業種間格差を拡大し、弱者に対してより厳しいという様相を呈しています。日経平均やニューヨーク・ダウなど、株式市場は歴史的高値に沸いていますが、これらは金融緩和の結果、あり余る資金が実体経済と別の次元で循環している結果であると思われ、経済の本当の体温を示す指標ではもはやないように思われます。
 倒産件数も、これまでのところ増加件数は限定的ですが、本当に窮状に瀕しているのは、倒産にすらカウントされない廃業や閉店あるいは無期限の休業に追い込まれている多くの小規模事業者であることを見誤ってはなりません。
 昨年三月に開始した都の制度融資である新型コロナ対応融資は、これまでの融資実績が約五兆円に及んでおり、リーマンショック時に実施した緊急融資をはるかに超える規模だと聞いております。今のところ、飲食店や宿泊業などが最も影響を受けているといわれていますが、今後さまざまな経済対策を考えるに際しては、業種分類コードを用いて業種ごとのコロナの影響度をランク分けするなど、よりきめ細かく経済の実相を見ていく必要があると思います。
 その上で、厳しい経営状況にある中小零細企業に対しては、融資による資金提供にとどまらず、それぞれの企業の経営状況に合わせて、都や金融機関がきめ細かで的確な支援を行っていくことが重要と考えますが、都の見解を伺います。
 次に、ビルの屋上スペースの活用について伺います。
 新型コロナは、都市やオフィスビルのあり方を大きく変える可能性があります。実際、リモートワークの普及により、オフィスを都心から郊外に移す動きは現実のものになりつつあり、私の地元立川も、サテライトオフィスの拠点として大きなチャンスを迎えているといえます。
 これからのオフィスビルは、都心から何分ということよりも、空調性能や通信環境がより重視されるようになるといわれており、同様に、空調を気にしなくてもよい屋上スペースの活用は、今後、さまざまな分野でムーブメントになる可能性があります。例えば、観光でいえば夜景スポットとして活用されていますし、密を回避して食事を楽しむ場としての活用も考えられます。
 旅行者の激減により非常に厳しい状況にある飲食店など観光業者にとっては、屋上の活用は、新たな集客手法として有用な選択肢の一つとなるのではないでしょうか。こうした観点から、都は、例えば観光という切り口から、屋上活用をどのように推進していくのか伺います。
 次に、立川防災基地の機能強化について伺います。
 私の地元立川には、多摩地域の防災拠点として立川地域防災センターがあり、災害対策室や生活必要物資等の備蓄、輸送など重要な機能を有しています。
 しかし、同センターは、開設から三十年が経過しており、施設の老朽化が著しいことが課題であると私も現地で認識したところです。近年激甚化する災害の実情に鑑み、立川地域防災センターの改修の機を捉え、時代の変化に対応しつつ、防災機能を強化すべきと考えますが、見解を伺います。
 これまで私は、一般質問や委員会質問を通じて、立川広域防災基地に通じるアクセス道路の脆弱性を指摘し、地元からの強い要望も受け、そこに至る周辺都市計画道路の早期整備の必要性について繰り返し訴えてまいりました。
 特に、改修になった立川防災倉庫が災害発生時にその機能をフルに発揮するためには、中央高速方面から立川広域防災基地周辺に至る立川三・三・三〇号線と立川三・一・三四号線の早期整備は極めて重要です。
 そこで、立川広域防災基地の周辺道路整備の今後の取り組みについて改めて伺い、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 増田一郎議員の一般質問にお答えいたします。
 国際金融都市東京構想についてであります。
 東京を再びニューヨーク、ロンドンと並ぶ国際金融都市として復活させたい、こうした強い思いのもと、三年前に国際金融都市東京構想を策定いたしました。
 構想に掲げた取り組みとして、例えば金融系外国企業の誘致につきましては、今年度までの誘致目標を四十社から五十社に引き上げまして、これを達成できる見込みであることなど、世界、アジアの金融ハブの構築に向けて、着実に成果を上げてまいりました。
 一方で、国際金融をめぐる環境は、アジア情勢、SDGsへの世界的な関心の高まり、デジタルシフトの流れなど、目まぐるしく変動しております。こうした変化に的確かつ迅速に対応していくことが求められているところであります。
 そこで、都におきましては現在、構想改定に着手をいたしまして、有識者懇談会での検討を精力的に進めており、ことしの夏までに素案を取りまとめてまいります。
 ポストコロナでの持続可能な経済社会を実現していくサステーナブルリカバリーの推進のためには、金融の力を最大限に活用することが鍵となります。このため、未来に向けた投資であるグリーンファイナンスを初めとするサステーナブルファイナンスの活性化に注力をしてまいります。
 そして、秋には新たな構想を策定いたしまして、さらに、条例化の検討を含め、さまざまな施策を積極的に展開することで、国際金融都市東京の実現に向けて、戦略的かつ積極果敢にチャレンジをしてまいります。
 次に、構想推進による都民の利益についてのお尋ねがございました。
 国際金融都市東京の実現は、金融業の活性化を通じて、成長分野への潤沢な資金供給による企業の発展、雇用創出や所得の増加、フィンテックを活用した新たな金融サービスによる都民の利便性の向上など、経済の発展や都民の豊かな生活の実現に貢献をいたします。
 これまでも、都が発掘、誘致した金融系外国企業や東京金融賞で表彰したフィンテック企業の技術を活用し、保険や資産運用などの分野における新たな金融サービスの提供が始まっております。
 これらの取り組みの成果を都民に実感していただくためには、具体的なメリットをわかりやすく情報発信することが重要です。
 今後、都民のご理解をいただけるよう、さまざまな機会を捉えて、SNSやマスメディアなど多様な媒体を通じた都民への情報発信に向けまして、積極的に取り組んでまいります。
 その他のご質問は、教育長及び関係局長から答弁をいたします。
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 都立高校における金融教育についてでございますが、これからの社会を生きていく生徒は、情報技術の進歩やグローバル経済の進展に伴い複雑化する金融の仕組みや役割に関する知識を身につけていく必要がございます。
 現在、都教育委員会は、生徒が実生活に即してより主体的に学ぶことができるよう、金融を通した社会貢献のあり方など公民科で学ぶ金融経済の制度と、家庭科で学ぶ経済生活の管理や計画などを関連づけた指導事例を紹介する資料を作成しているところでございます。
 今後、この資料の授業での活用を促すとともに、都独自の教科、人間と社会において、資産運用や投資のリスクと利益について、生徒が議論し考える教材を開発し、全ての都立高校等の担当教員を対象とした連絡会で周知するなど、金融教育の一層の充実を図ってまいります。
〔戦略政策情報推進本部長寺崎久明君登壇〕

○戦略政策情報推進本部長(寺崎久明君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、行政手続の英語化についてでございますが、国際金融都市東京の実現に向けて、海外金融系企業や人材の誘致を進める上で、行政手続の英語化は重要でございます。
 このため、都では、金融ライセンスの登録手続に係る英語解説書を作成し、ホームページへの掲載や大使館への配布をするなど、広く活用しております。
 また、ビジネスコンシェルジュ東京を創設し、外国企業に対して、行政手続に関する英語での相談に対応するなど、きめ細やかな対応を実施しているところでございます。
 一方、国におきましても、海外資産運用会社の事前相談、登録審査等を英語で対応する窓口を設置するなど、英語化対応の動きを進めております。
 今後、国内外の海外企業誘致窓口におきまして、東京進出に当たってのニーズを積極的に掘り起こし、関係機関と連携の上、行政手続の一層の英語化を進めてまいります。
 次に、東証、東京証券取引所及びJPX、日本取引所グループとの連携についてでございますが、国際金融都市東京の実現に向けて、国内外の企業の資金調達を担い、金融系外国企業の進出のインセンティブにもなり得る大規模な金融市場の存在は不可欠でございます。世界有数の証券取引所を運営する東証は、JPXとともに、都にとって重要なパートナーでございます。
 JPXはこれまでも、フィンシティー・トーキョーの会員として、金融プロモーション活動に積極的にかかわってきていただいております。
 また、仮称Tokyo Green Finance Marketの創設に向けた検討にも参加いただくなど、都とJPXは緊密な関係を構築してございます。
 国際金融都市東京の実現に向け、今後も日本最大の取引所である東証及びJPXと緊密に連携をしてまいります。
〔財務局長潮田勉君登壇〕

○財務局長(潮田勉君) ソーシャルボンドの発行についてでございます。
 ソーシャルボンドは、社会的課題の解決に資する事業の資金調達のために発行する債券であり、ESG債の一つとして、世界的に発行が増加しております。
 都は、コロナ禍からの復興に際し、人々の持続可能な生活を実現するサステーナブルリカバリーを進めていく中で、支援が必要な都民や事業者を社会全体で支えるため、令和三年度、国内自治体で初めてとなるソーシャルボンドを発行いたします。
 発行に際しましては、資金使途や事業効果等について、第三者機関からの評価を取得することなどを通じまして、適格性と透明性を確保いたします。これにより、投資家への訴求力を高め、効果的に資金調達を行うとともに、国内におけるESG投資をさらに促進してまいります。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、制度融資による中小企業支援についてですが、都はこれまで、新型コロナ感染症の拡大に伴って資金繰りに苦慮する中小企業に向けて新たな融資メニューを立ち上げ、信用保証料の補助、利子負担の軽減、据置期間を最長五年に設定するなど、事業者の負担に配慮してきたところでございます。さらに、金融機関に対しましては、融資先の企業の状況をきめ細かく把握し、返済猶予や融資条件の緩和など柔軟な対応を行うよう要請してまいりました。
 さらに、来年度の新型コロナウイルス感染症対応融資におきましては、融資の際に、企業から経営改善計画の提出を受け、これを踏まえて金融機関が返済まで中小企業の経営をサポートしていくこととしております。
 こうした取り組みによりまして、中小企業の経営状況に寄り添った資金繰りの支援を進めてまいります。
 次に、観光における屋上空間の活用についてですが、旅行者に東京を訪れてもらうためには、感染症対策の徹底など安心して旅行ができる環境の確保は不可欠でございます。
 このため、都は、飲食店や宿泊施設、観光施設等が行う感染防止に向けた取り組みのうち、他の事業者の参考となる事例を専用のウエブサイトで紹介しているところでございます。
 屋上空間は、感染防止に資する開放的な場所であるとともに、眺望にすぐれており、観光の面からも一層の活用の可能性がございます。
 今後は、観光事業者が屋上を有効に活用する事例などを収集、紹介し、その活用を後押しするとともに、新しい日常に対応した東京の過ごし方を国内外に発信してまいります。
〔総務局長山手斉君登壇〕

○総務局長(山手斉君) 立川地域防災センターの機能強化についてでございますが、多摩地域での大規模災害の発生等に備えるため、防災センターの老朽化に関する調査結果を踏まえまして、来年度、大規模改修に向けた基本計画の作成に着手をいたします。
 計画の作成に際しましては、建築設備の更新に加え、自家発電設備の浸水対策などを盛り込みますとともに、指令室をオープンフロアにいたしまして、関係機関が一堂に会した活動を可能とするなど、災害対応時の機能性向上を図ってまいります。
 また、さまざまな災害事象にも対応できるよう、多摩直下地震を想定した訓練などを実施し、防災センターの機能性の検証を行うことによりまして、実際の災害の状況に即応できるセンターへと機能更新を進めてまいります。
 こうした取り組みを通じて、多摩地域はもとより、東京全体の災害対応力を向上させてまいります。
〔建設局長中島高志君登壇〕

○建設局長(中島高志君) 立川広域防災基地周辺の道路整備についてでございますが、災害応急対策活動の中枢拠点となる立川広域防災基地の機能を十分に発揮させるためには、周辺の道路を整備し、本基地へのアクセス性を確保することが重要でございます。
 このため、立川三・三・三〇号線の泉体育館駅付近から都道一四五号線までの区間におきまして、来年度の事業着手に向け、現況測量を実施しており、今後、用地測量等を進めてまいります。
 また、立川三・一・三四号線では、地形的な条件のほか、JR青梅線や複数の都市計画道路と交差することを踏まえ、道路構造や周辺道路との接続方法などについて検討を重ねるとともに、関係機関との協議を進めていきます。
 これらの都市計画道路の整備に積極的に取り組み、立川広域防災基地へのアクセス性を強化してまいります。

○議長(石川良一君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後五時八分休憩

   午後五時三十分開議
○議長(石川良一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 四十番白戸太朗君
〔四十番白戸太朗君登壇〕

○四十番(白戸太朗君) コロナ禍を機会に、東京都の広報は、ただ発信するだけの広報から、誰に何を伝えるのか、それはどこで何をすべきかという基本を踏まえた伝わる広報へと進歩してきました。
 その要因として、民間からの人材活用や組織の変更などが考えられますが、一番は関係する方々の意識変革です。コロナ広報チームが立ち上がり、わかりやすい対策サイトができ、デジタルから既存メディアまでの統合的な広報ができ始めています。
 さらに、これまでは発表するだけ、出しっ放しの広報になりがちでしたが、昨年、私がこの一般質問でも指摘したとおり、広報したことに対し効果測定を行い、次のアクションにつなげるPDCAサイクルが機能し始めています。
 コロナ広報においては、PV数や動画の再生回数等の広報効果のみだけではなく、行動変容にどう結びつくのかという観点で効果測定を行うことが重要ですが、都の見解を伺います。
 都の感染防止で最も重要視されたのは、若年層に対する広報、政府も苦心しているところですが、都庁広報ではユーチューバーなど、ターゲットに近い著名人や発信力のある方を巻き込んで発信する、いわゆるサードパーティーに協力いただくことにより、ターゲットへの訴求を図っています。
 コロナ広報においては、キャスティングなど、過去にない斬新な手法で進め、ターゲットに近づくマーケティングができ始めていると思いますが、今後も若年層に情報を届けるためにどのような情報発信を行っていくのか伺います。
 デジタル広報の中でかなめといわれるホームページについても変化が見られます。
 今までは、ホームページで探している項目を見つけても、PDFの資料にたどり着くのみでしたが、現在はそこからランディングページに飛び、資料が大変見やすくなりました。一般的な企業のサイトでは当然のことなんですが、残念ながら、これが今までは全くできていなかったのが都庁のホームページです。今は、このランディングページができたため、視聴者がコンバージョン、つまり、その後の行動に結びつきやすくなったといえます。
 また、都庁は、デジタル、そしてオウンドメディアの活用に際し、PDCAを標榜しながらも、実際には数値的なKPIが設定されておらず、PDCAになっていませんでしたが、ホームページ分析では、一般的によく使われますグーグルアナリティクスを導入することによって、訪問者数、訪問先、使用デバイスなどのデータを計測し、改善する仕組みを取り入れるようになりました。
 生活文化局において、このたび導入されたというグーグルアナリティクスの経過報告、さらに、今後の具体的なPDCAの導入について伺います。
 新型コロナウイルス感染拡大予防における新しい広報の取り組みや、今年度から開始したホームページの分析などは、まだ一部のコンテンツのみで、全体に使われているとはいえません。ぜひこれらのノウハウを使い、新しい広報、新しい発信を全庁でも行い、東京都の発信をさらに進化させていくべきだと考えますが、知事の所見を伺います。
 さて、オリンピック・パラリンピックを開催する意義を改めて問いたいと思います。
 一体、オリンピック・パラリンピックとは何なのか、何のために開催するのか。コロナ禍の中で開催される大会の意義を、都民目線、国民目線で明確にしなければなりません。
 報道機関によるさまざまな世論調査を見る限りでは、残念ながら、オリンピック開催に厳しい意見が見られており、また、コロナ禍で医療が逼迫し、事業者の経営も人々の生活も苦しくなり、国や都の税収も減り、財政支出が増加している中で、なぜオリンピックに多額の予算をかけ、医療スタッフを割いてまで行う必要があるのかという切実な意見があることも事実です。
 これまでも、オリンピックについては、オリンピックはもうかるとか、国威発揚に役立つとかという論調や、IOCの意向一つでマラソン、競歩が冬季オリンピック招致活動をしている札幌に移転するなど、開催都市としては看過できないこともありました。
 そして、今月の森前組織委員会会長の発言は、オリンピック・パラリンピックの精神にもとる不適切なものでした。
 だからこそ、いま一度、オリンピック憲章で挙げる人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、政治的またはその他の意見、国、あらゆる社会的な出身、財産、出自、その他身分など、いかなる理由による差別を受けることなく、確実に享受されなければいけないという根本原則や大会が掲げる多様性と調和という理念を再徹底し、国際社会の理解を得ていく必要があります。
 私たちは、東京二〇二〇大会に向けられた都民、世界の人々の声に耳を傾け、直面している課題に真摯に向き合い、今、改めてオリンピック・パラリンピックの原点に立ち返り、コロナ禍で大会を開催することの意義を考える必要があります。コロナ禍での開催は、コロナに打ちかった大会であるとともに、コロナ禍の中で開催する特別な工夫を凝らした大会でなければいけません。
 東京二〇二〇大会のボランティアについては、組織委員会前会長の発言により、辞退された方がいらっしゃいますが、ボランティアは、大会の成功のために既に研修を受けていただき、大会の一翼を担っていただく大切な存在です。小池都知事も、そして橋本新会長も、もう一度ボランティアとして参加していただきたいとおっしゃっています。辞退された方が戻れるよう、準備を進めるべきと考えますが、知事の見解を求めます。
 また、コロナ禍の中の開催で、世界中からウイルスが東京に広まり、それが東京から全国に、そして世界に拡散していくのではないかという懸念を持たれている方もいらっしゃいます。選手を初め、大会関係者に対しても、大会における安全対策やルールを示し、それに必要な医療スタッフも確保しなければなりません。
 コロナ禍という史上初の状況下において開催される東京二〇二〇大会において、世界から集まる選手や大会関係者、それを受け入れる都民や国民に対して、検疫での検査、入国後の追跡、入国後発症した場合の医療措置などに関する情報を適切に提供し、理解を得る必要があると考えますが、取り組みを伺います。
 国内の医療スタッフが逼迫している中で、どのように医療スタッフを確保できるのかについても伺います。
 スポーツの世界では、競技の現場ではなく、合宿所でのクラスター発生事例がありますが、選手村でのコロナ対策についても伺います。
 コロナの世界的蔓延の状況の中では、世界中の選手が集まることができない、集まれたとしても、イコールコンディションではないから、大会開催にふさわしくないという声も聞かれます。
 一九二〇年のアントワープ大会は、スペイン風邪と第一次大戦からの復興でした。古代オリンピックは約二千八百年前、疫病と戦争から逃れたい、復興したいという意図から始まったと記録に残っています。
 また、東西冷戦のもとのボイコットの応酬で、モスクワとロサンゼルスのオリンピックに出場できなかった選手も少なくありません。それでも、オリンピックは開催し、世界の平和と融合を図ろうとしているのです。
 そもそもスポーツにイコールコンディションなどありません。条件はその人の生活する環境などに大きく左右されます。自身でコントロールできないことは受け入れつつ、環境をつくり出すのも選手の実力であると私は選手時代に学びました。
 また、自然の中のスポーツは、いつも不確実です。刻々と条件が変化しますが、それを受け入れ、対応していくこともスキルの一つです。
 全世界から出られないなら開催に意味はないと思っていた。でも、延期になった時点で今までのオリンピックとは違う意味があると思う。これは既に代表に選考されている選手のコメントです。
 また、無観客試合は嫌だなと思います。応援されると選手はパワーを出せる。でも、どのような状況でも、私たちはオリンピックが開催されることで多くの方々を元気づけたり、たくさんのパワーを与えることができる。世界を、日本を元気にできます。しかし、今こうした発言をすることで非難を浴びることが多く、私たちが発言することができないのが実情ですともおっしゃっていました。
 アスリートは不安を抱えながら、また周囲を気にして、大会の期待を声にできない状態で自分自身と闘いながら、大会に向けた準備に黙々と取り組んでいます。
 スポーツや芸術、芸能はコロナ禍にあっても不要不急でしょうか。その中でオリンピックだけが特別なのでしょうか。私は、スポーツや芸術、芸能は、そのスポーツの力、音楽の力、舞台や映画の力で人々を勇気づける力があると考えます。先日の大坂選手や池江選手のパフォーマンスに日本中が活気づいたのは、記憶に新しいところです。
 それに加えて、オリンピックは、オリンピズムの目的は、人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指すために、人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てることであるという崇高な理念を掲げており、単にスポーツ競技のトップを決める大会であることを超えた強いメッセージがあるからこそ、東京都は大会を招致し、政府も支援し、協賛各社も応援してくれ、さらに東京に変革をもたらすからこそ、この大会を開催する意義があるのではないでしょうか。
 そこで、東京二〇二〇大会に対して正しい意義を理解していただくためにも、東京都として、なぜオリンピック・パラリンピックを開催するのかいま一度そしゃくし、この時代の転換点となるコロナ禍のオリンピック開催の意義をしっかりと発信していく必要があると思いますが、知事の見解を求めます。
 臨海部では、旺盛な住宅需要による開発の進展に伴い、その周囲において魅力的な公園緑地が整備されるなど、都民にとって貴重な水辺空間が形成されています。
 近年では、豊洲市場の開場に合わせて、豊洲地区の半島を取り囲むようにぐるり公園が完成しており、朝はランナーの聖地、昼は空と海を眺めながらゆったりと散策できる場所になって、ちなみに私も、朝のランニングコースとなっております。
 また、二〇二〇大会の選手村が配置され、三方を海で囲まれている晴海地区においても、水際沿いに緑道が整備されています。そんな再開発された新しいまち並みと、それに隣接した造船ドック跡の入り江やオブジェのクレーンなど、港の歴史を感じさせる観光資源が相まって、さらなる水辺のにぎわいを創出していると思います。
 豊洲地区と晴海地区の間は春海橋で結ばれていて、その横に旧晴海鉄道橋と呼ばれる橋が今でも存在しています。今では江東区と中央区を結ぶ橋も、かつては港と都心を結び、戦後日本の復興と高度経済成長を支えた臨港鉄道の一部であり、歴史的価値が高く、遊歩道として利用できないかという話もあります。
 銀座、日本橋だけでなく、豊洲・晴海地区にも、自動車や鉄道用の橋を遊歩道として活用し、ニューヨークのハイラインのように、観光資源として積極的にPRし、水辺空間をより積極的に高めていくべきと考えますが、都は今後、旧晴海鉄道橋をどのように活用していくのか見解を伺い、私の質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 白戸太朗議員の一般質問にお答えいたします。
 初めに、情報発信のさらなる進化についてであります。
 さまざまな施策や取り組みは、必要な情報が必要な人に届いてこそ意味があります。コロナ禍におきましては、感染状況に応じて正確な情報を迅速に都民、事業者の皆様にお届けするため、ターゲットを意識して、戦略的な広報を行うことが極めて重要でございます。
 そのため、デジタルメディアを積極的に活用し、あらゆる媒体を通じて発信の強化を図っておりまして、私自身も都民、事業者の皆様に動画でメッセージや最新の情報をお届けしてまいりました。
 特に若年層に向けましては、ユーチューバーとのコラボレーションによる発信や、ウエブ広告と連動した特設ページの開設など、訴求効果の高い取り組みを工夫してまいりました。
 加えて、ホームページにアクセス解析ツールを導入し、デジタルを活用した広報効果の見える化を図っております。
 こうした新しい広報のノウハウを全庁で共有しまして、わかりやすい情報発信に取り組んでいくとともに、DXの推進をてことし、双方向コミュニケーション型広報への転換を図り、都民ニーズを的確に捉えた、伝わる広報を実現してまいります。
 次に、東京二〇二〇大会のボランティアについてであります。
 ボランティアは、大会や開催都市の顔として、年齢、性別、障害の有無などにかかわらず、大会を支え、盛り上げる、大会の成功になくてはならない存在であります。
 ボランティアの方々には、ボランティアとしての基礎知識に加え、大会の理念や意義について、これまで研修やメールマガジンを通じて共有してまいりました。
 さらに、先日、都と組織委員会は、ボランティアの方々に対しまして、大会が掲げる多様性と調和の実現に向けて、改めてしっかりと取り組んでいくことをお伝えをいたしました。
 辞退のご連絡があった方々にも再度参加のご意向をお伺いするなど、ボランティア活動への参加のご理解をいただけるよう呼びかけてまいります。
 今後とも多くのボランティアの皆様にご活躍いただいて、すばらしい大会となりますよう、組織委員会とともにしっかりと取り組んでまいります。
 最後に、大会開催の意義でございます。
 東京二〇二〇大会は、世界が一丸となって、コロナ禍という難局を乗り越え、人類がその絆をさらに強めた象徴となって、人々にとって希望の明かりとなるものでございます。
 そして、原点である復興オリンピック・パラリンピックとして、スポーツの力で被災地に元気を届け、復興に向けて力強く歩む被災地の姿を世界に発信し、支援への感謝を伝える大会でございます。
 さらに、世界で初めて二回目の夏季パラリンピックを開催する都市として、大会ビジョンであります多様性と調和のもとで、オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例の制定や、バリアフリーのまちづくりなど、ハード、ソフトの両面からレガシーを見据えた取り組みを展開してまいりました。
 このたび公表した未来の東京戦略案では、こうした大会の意義や、大会における新型コロナ対策、5Gの活用などDX推進の取り組みなど、大会後のレガシーとして発展させるための具体的な取り組みを盛り込んでおります。
 オリンピック・アントワープ大会は、危機の後の連帯と復興の象徴でありました。それから百年余りを経まして、東京二〇二〇大会をサステーナブルリカバリーを目指すオリンピック・パラリンピックの新たなモデルとして成功させ、持続可能で豊かな都民生活に結びつけるよう、準備に邁進をしてまいります。
 その他のご質問につきましては、関係局長からご答弁いたします。
〔政策企画局長中嶋正宏君登壇〕

○政策企画局長(中嶋正宏君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、コロナ広報における効果測定についてでございますが、新型コロナウイルス感染症に関する必要な情報を着実に都民に届け、一人一人の行動変容を促していくためには、実施しました広報の効果を分析し、次の広報展開に生かしていくことが重要でございます。
 このため、今般、コロナ広報に係る主な動画やポスターにつきまして、その認知の状況や経路、感染予防行動への意向などにつきまして調査を実施いたしました。
 本調査の中間報告では、対象の動画のいずれにおきましても、約七割の方が、動画で呼びかけた対策などを実践したいと回答しており、行動変容に向けた効果が見られたものと認識しております。
 来年度は、コロナ対策のほか、都の重要施策におきましても、動画再生回数など数値的な広報効果に加えまして、行動変容や施策への効果を分析し、その結果に基づき効果的な広報を展開してまいります。
 次に、若年層に向けた情報発信についてでございますが、感染状況や感染拡大防止に向けた取り組みなどの情報を周知する上では、ターゲットとなる年齢層に応じた広報手法や媒体により情報を発信していくことが重要でございます。
 そこで、都におきましては、特に若年層に向けた広報について、SNS上で多くのフォロワーを有するユーチューバーとのコラボレーションによる動画を制作するとともに、主に十代、二十代向けの感染拡大防止に関する最新情報をツイッター、インスタグラムで毎日発信するなど、多様な手法による広報を実践してまいりました。
 今後も、こうした取り組みの成果や効果測定における年代別の分析などを踏まえながら、若年層に響くコンテンツの制作や発信の工夫などにより、伝わる広報の実現に向けまして戦略的に展開してまいります。
〔生活文化局長野間達也君登壇〕

○生活文化局長(野間達也君) ホームページへのアクセス解析ツールの導入状況と今後の取り組みについてでございますが、都民一人一人に必要な情報を効果的に届けるためには、ホームページへのアクセス状況を解析し、その結果を踏まえて改善を重ねていくことが重要でございます。
 今年度は、都庁総合ホームページを初め、二十のサイトに共通のアクセス解析ツールを導入いたしまして、解析データをもとに、専門家からの助言を受け、ターゲット層の設定や流入経路の拡大など、具体的な改善を実施しております。
 さらに、データ解析を日々継続的に行い、広報効果を可視化することで、PDCAサイクルを確立してまいります。
 来年度は、各局の主要な三十のサイトのアクセス解析の導入を予定してございまして、引き続き、伝わる広報の実現のため、ホームページの改善に取り組んでまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長中村倫治君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(中村倫治君) 三点のご質問にお答えします。
 まず、二〇二〇大会に向けたコロナ対策についてであります。
 選手を初め全ての方にとって安全・安心な大会が実現できるよう、コロナ対策調整会議の中間整理に基づき、現在、水際対策、入国後の移動、行動ルール、健康管理の徹底、発症時の対応など、対策の具体化を進めているところであります。
 これらの対策については、組織委員会等がまとめたプレーブックを通じて競技団体や大会関係者に周知徹底を図ったところであり、今後、さまざまな知見も踏まえ、より実効性を高めるよう更新していくこととしております。
 また、こうした対応について、都民、国民の理解を得られるよう、国、組織委員会等と連携し、ホームページ、SNS等さまざまな媒体を活用するなど、わかりやすい情報を広く発信し、都民、国民の安心につなげてまいります。
 次に、大会に必要な医療スタッフについてでありますが、大会時の医療スタッフの確保と地域の医療の両立を図ることが重要であります。
 医療スタッフの確保に当たっては、感染状況や地域医療への影響等を踏まえ、組織委員会と連携し、東京都医師会、救急、感染症医療の専門家等からのご意見を伺いながら、関係機関と丁寧に調整を進めております。
 選手村、競技会場、ラストマイル等における医療体制につきましては、医療スタッフの安全対策や勤務の負担軽減など、円滑に大会に参加できる環境を確保できるよう検討、精査を進めております。
 今後とも、地域や関係機関の協力と理解を得ながら、医療体制の確保を図り、安全・安心な大会に向けた準備を着実に進めてまいります。
 最後に、選手村における新型コロナ対策についてでありますが、選手村は、多くの選手が共同で生活する場であることから、感染防止対策を徹底することが重要であります。
 まず、施設面での対応といたしましては、換気設備やアクリル板の設置に加え、きめ細かな清掃や消毒、食堂での座席数削減など、基本的な対策を着実に実施いたします。
 また、選手に対しましては、選手村での滞在期間の短縮や検査を含む健康管理、フィジカルディスタンスの確保等の行動ルールなどを徹底いたします。
 さらに、感染者等が発生した場合に備え、選手村内の発熱外来に隔離スペースを併設するなど、感染拡大を防ぐための適切な体制を構築することとしております。
 こうした対策により、選手村における安全・安心の確立に取り組んでまいります。
〔港湾局長古谷ひろみ君登壇〕

○港湾局長(古谷ひろみ君) 旧晴海鉄道橋の活用についてでございますが、開発が進展する臨海部におきまして、水辺の魅力を高め、誰もが憩い楽しめる空間を創出することは重要でございます。
 旧晴海鉄道橋は平成元年から利用を停止しておりますが、東京、日本の高度成長期を支えるエネルギー基地であった豊洲地区の歴史的シンボルとして、建設当時の面影を残す遊歩道に生まれ変わらせることを計画しており、できる限り早期の供用開始を目指してまいります。
 この遊歩道の整備により、エリアの新たなランドマークとなるとともに、豊洲から晴海地区に至る連続した水辺のネットワークが形成され、これまで以上のにぎわいが創出されることが期待できます。
 今後も、臨海部の歴史や景観を踏まえた水辺空間の整備を積極的に進め、臨海部の魅力をさらに高めてまいります。

○議長(石川良一君) 八十二番池川友一君
〔八十二番池川友一君登壇〕

○八十二番(池川友一君) 新型コロナ危機は、都民の暮らしを直撃しています。
 とりわけ非正規雇用の人たちが、コロナ危機をきっかけに仕事も住まいも失い、食事をとることも困難になるなど、深刻な状態に追い込まれています。
 生活に困窮する方々を支援する相談支援活動が、市民団体やボランティアによって各地で取り組まれていますが、私もこれらの活動に参加してきました。
 年が明け、二度目の緊急事態宣言が出された影響もあり、相談支援活動を利用する方々は、減るどころか増え続けています。女性や若い世代の割合が増加しているのも特徴です。
 先週も現場に行きましたが、仕事がなくなり先週からネットカフェ生活になった、三日前から野宿になった、所持金が数百円しかないなど、深刻かつ切実です。
 知事は、こうした現状についてどう認識していますか。都としてさらなる支援が必要ではありませんか。
 日本共産党都議団は、生活保護の利用が国民の権利だと呼びかけるよう、強く都に求めてきました。こうした中で、東京都が、昨日ホームページを書きかえて、生活保護を受けることは国民の権利ですと広報を始めたことは重要です。
 憲法二十五条の生存権を保障し、最後のセーフティーネットとなっているのが生活保護制度です。
 知事は、生活保護を受けることが国民の権利だという認識をはっきり持っていますか。ホームページ以外の手段も含め、あらゆる機会を活用して、積極的に権利であることを周知し、申請をためらうことがないようにすべきですが、いかがですか。
 仕事を失い、貯金が底をつき、貧困状態にあっても、生活保護だけは受けたくないという方は少なくありません。支援活動を行っている、つくろい東京ファンドが行ったアンケートによると、生活保護を利用していない理由で最も多かったのは、家族に知られるのが嫌だからというものでした。
 生活保護を利用する際に、家族や親戚などに対して扶養ができるか問い合わせる扶養照会が、生活保護の申請の障壁となっています。困窮者を生活保護制度から遠ざける、不要で有害な扶養照会をやめてくださいというネット署名は、五万六千人を超えています。抜本的な改善が必要です。
 我が党の小池晃参議院議員の質問に、田村厚労大臣は、扶養照会が義務ではございませんと、法律上の義務ではないことを国会で答弁しました。都は、国が扶養照会の見直しを検討していることを把握していますか。
 ことし一月に、二十代の方から私のところに相談がありました。その方は、子供のころに親からの虐待で施設に保護された経験があり、中学校卒業後に家を出て、必死に働いてきました。
 資格を取り、技術を身につけ、仕事をしてきましたが、昨年秋にコロナによる休業で仕事を失います。その後何とか見つけた仕事先も、突然退職を強要され、社宅も追い出されたことで、貯金は底をつきます。
 ストレスから睡眠もとれず、急性胃炎と診断され、自分には生きる資格がないと、数度にわたり自殺未遂をするほど追い詰められていました。それでも、虐待した親に連絡されることを考えたら、生活保護の利用だけはしたくないと、かたくなでした。
 長い時間の相談を経て、親などに問い合わせをする扶養照会は行わないことを福祉事務所に約束させ、生活保護の申請を行うことができましたが、申請をためらわす大きな理由になっていることは明らかです。
 同時に、扶養照会をしても、ほとんど扶養につながっていないことも指摘されています。
 都内の福祉事務所で、扶養調査の対象者のうち、経済的な扶養につながったのはどれくらいありますか。
 申請をためらわせる扶養照会はやめるべきです。少なくとも本人が拒否している場合は、扶養照会をやめる対応をすべきです。いかがですか。
 コロナ危機は、安定した住まいのない方々の実態が深刻であることを改めて明らかにしました。
 都は、昨年四月の緊急事態宣言でネットカフェなどに休業要請を行いましたが、滞在している人たちを支援するために、ビジネスホテルを活用した一時宿泊場所の提供をしています。これまでに何人が利用したのですか。
 ビジネスホテルを確保する際に重要な資料となったのが、都内でネットカフェなどに滞在している住居喪失者は四千人いると推計した、いわゆるネットカフェ難民調査です。
 さらに実態が深刻化しているときだからこそ、都として改めてネットカフェ難民調査を行うことが求められていますが、どのように取り組むのですか。
 現在、TOKYOチャレンジネットは、コロナ対応で要件を見直し、都内在住要件の緩和、一時利用住宅の期間延長と無償化、ビジネスホテルを活用した一時宿泊場所の提供などを行っていることは重要です。これらは平時の対応とすべきですが、いかがですか。
 次に、子供の権利と校則について質問します。
 校則は子供の権利に大きくかかわる問題です。知事もぜひお聞きいただきたいと思います。
 私は、理不尽な校則に苦しみ、変えたいという子供たちの声を届け、各学校で、子供が参加をして議論し、見直すべきだと求めてきました。
 子供はあらゆる場面で権利の主体として尊重される必要がある、意見を尊重するとともに、子供の最善の利益を実現すると知事は答弁してきましたが、都教委も同じ認識ですか。学校でも、子供を権利の主体として尊重することが重要ですが、いかがですか。
 昨年の予算特別委員会で、私は、社会で広く受け入れられている髪型であるツーブロックがなぜだめなのかと質問し、教育長が、事件、事故に遭う可能性があるからだと答弁したことに驚きの声が上がり、校則はどうあるべきかの議論が広がっています。
 教育長は、ツーブロックなどの髪型への指導について、過度な髪型ではないこととする趣旨だと答弁されましたが、現実は違います。
 私が確認した学校では、少しでも髪型に段差があった場合は指導し、段差のないなだらかなものにさせるということでした。とても合理的だとはいえません。こうした事例について把握していますか。
 熊本市教委は、子供、教職員、保護者などが参加しながら、よりよい学校づくりを進めるために、学校での校則の見直しの手順や観点を示すガイドラインの作成を進めています。その中では、ツーブロックなどは不可などの校則を例示し、禁止の理由に客観的な根拠はあるかなどを学校で協議し、見直すことを求めています。
 東京でも、合理性、必要性の乏しい校則は見直す必要があると思いますが、いかがですか。
 人権上課題のある校則の見直しも重要です。
 その一つが、黒髪ストレートを学校の普通とし、生まれつき髪の色が明るかったり、くせ毛であるなどの場合に提出させる地毛証明書です。
 都教委が出した通知では、地毛証明書の届け出は任意であることを生徒及び保護者に明確に伝えることとしています。しかし、私たちの調査では、全日制の都立高校百七十七校のうち、地毛証明書のある学校は七十九校で、うち任意と明記していたのはわずか五校にすぎませんでした。
 任意と書いてある学校であっても、入学式に地毛証明書を提出するか、黒染めをしてくるかを迫るなど、実態はそうなっていません。即刻改善が必要ではありませんか。
 任意であるということは、提出しない場合でも不利益にならないということだと考えますが、いかがですか。
 地毛証明書の中には、例えば、生徒指導部に届け出て、登録、許可を得るためのものですと、生来の髪でいることが許可制になっているもの。一度でも染色や脱色をしたら地毛証明書は無効とし、元の色に戻すのではなく、黒染めをしてもらうとしているもの。幼少時と中学三年時の写真を添付させるもの。さらに、カラースケールで髪の色を根元、表面、毛先と細かくはかり、地毛証明書に記入、登録させる学校までありました。
 人権とは、マイノリティーの権利を保障するものであるはずです。ところが、これらの地毛証明書は、生まれつき黒髪ストレートでない生徒の人権を侵害し、従わせるものになっているといわざるを得ません。
 愛知県ではこれまで、地毛証明書の提出を求めている学校がありましたが、愛知県教委が校長会で、人権に配慮したものにしてくださいと依頼を行い、その結果、多くの学校で地毛証明書の提出がなくなりました。
 熊本市も、人権の制限にかかわる規定についての見直しで、生まれ持った性質に対して許可が必要な規定は設けないことを示しています。
 こうした改善を求めますが、いかがですか。
 ほかにも、化粧を落とさない生徒は教員が化粧を落とす、髪を染めた生徒に教員が黒染めスプレーをかけるなどの事例があります。ある都立高校では、学年集会のときに、髪を染めた生徒に対して黒染めスプレーをかけたといいます。それを見た生徒は、見せしめ的でおかしいと声を届けてくれました。
 都教委は、このような実態について把握していますか。こうした対応は人権尊重とはいえないのではありませんか。
 校則を含めた学校のルールを、子供の権利を保障する角度から根本的に見直すべきです。そのためにも、校則の策定過程に子供が直接参加をすることが不可欠です。子供たちがみずからに権利があることを知り、校則の変え方がわかるように明記すべきです。
 同時に、こうした取り組みは学校だけではできません。保護者や地域など、社会の問題として捉える必要があります。子供が権利の主体として尊重されるため、私たち一人一人が問われていると思います。
 東京都が子供の権利を重視し、先駆的な取り組みを行うことを強く求め、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 池川友一議員の一般質問にお答えいたします。
 生活に困窮する方への支援についてであります。
 新型コロナウイルス感染症の影響による経済状況の悪化に伴いまして、生活に困窮する方に対して個々の状況に応じた支援を行うことは重要であります。
 さまざまなセーフティーネットの仕組みをつくることは行政の役割であり、また、生活保護は、国民の生存権を保障する最後のセーフティーネットであることはいうまでもありません。
 都はこれまでも、仕事や住まいを失った方への一時的な宿泊場所の提供や、女性の相談体制の充実など、きめ細かな支援を行っております。
 その他のご質問につきましては、教育長及び福祉保健局長からの答弁といたします。
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 校則等に関する七点のご質問にお答えを申し上げます。
 初めに、子供の権利についてでございますが、子供は、あらゆる場面で権利の主体として尊重される必要があり、子供の年齢及び発達の程度に応じてその意見を尊重するとともに、子供の最善の利益を実現することは、学校教育においても同様に重要でございます。各学校においては、こうした視点に立って日々の教育活動を行っているところでございます。
 次に、頭髪に関する指導についてでございますが、校則は、生徒が健全な学校生活を営み、よりよく成長していくことができるよう、必要かつ合理的な範囲で順守すべき学習上、生活上の規律として、校長の権限と責任において定められているものでございます。
 各学校では、教員が生徒の実態等を踏まえて一人一人と真剣に向き合い、日々尽力しております。
 今後とも、都教育委員会は、各学校に対し、校則に基づく生徒への指導に当たって、教員が生徒から理解や納得が得られるよう、丁寧に指導することについて助言してまいります。
 なお、ご指摘の点につきましては、過度な髪型を禁止する規定の中で例示した図の中に、過度なツーブロックが掲げられている事例を申し上げたものでございます。
 次に、校則の見直しについてでございますが、昨年の予算特別委員会においてもお答えをしておりますとおり、校則は、生徒の意見や保護者の意識、社会の状況等を踏まえ、適宜見直しを行うことが必要であると考えております。
 都教育委員会は、各学校がこうした視点や校則を定めている目的等を踏まえ、適宜見直しを行うなど、校則に関する説明責任を果たせるよう指導助言を行ってまいります。
 次に、頭髪に関する届け出についてでございますが、これまでも都教育委員会は、各学校に対して、生徒の髪が生来のものであることを書面により届け出ることの目的が、事実誤認による指導を未然に防止するためであること、その提出は任意であることを、生徒及び保護者に明確に伝えるよう通知するとともに、校長連絡会等で指導してきたところでございます。
 学校では、個々の生徒の状況によっては、教員が根気強く指導しなければならない場合もございます。
 引き続き、生徒及び保護者に対して十分に説明するよう、各学校に指導助言を行ってまいります。
 なお、これまでも入学予定者に対し、高校生活を送るに当たって特に必要な内容を説明し、その中で、守るべき生活指導の内容についても具体的に説明をしているところでございます。
 次に、頭髪に関する届け出を提出しない場合の扱いについてでございますが、学校が保護者から生徒の髪が生来のものであることを書面により届け出を求めている、そういう場合には、事実の誤認による指導を未然に防ぐ趣旨と、届け出の提出は任意であることを生徒及び保護者に明確に伝えるよう、都教育委員会として通知しており、届け出を提出しないことをもって生徒が不利益をこうむることはございません。
 次に、頭髪に関する届け出のあり方についてでございますが、校則は、生徒の意見や保護者の意識、社会の状況等を踏まえ、適宜見直しを行うことが必要であると考えております。
 生徒の髪が生来のものであることを書面により届け出ることとしている学校につきましては、先ほども申し述べたとおりですが、事実誤認による指導を未然に防止することが目的でございまして、その提出は任意であることを生徒、保護者に明確に伝え、理解を得るよう、都教育委員会は各学校に対して通知してまいりました。
 なお、都立高校等で行われている頭髪に関する届け出については、許可制ではございません。
 最後に、生徒への指導の事案についてでございますが、ご指摘の事案につきましては把握をしておりませんため、見解を述べることはできません。
 なお、都教育委員会は、学校における指導上の課題についての情報を得た場合には、内容を確認し、学校に対して指導を行っております。ご指摘のような事実があったとすれば、これを断じて放置することはできませんため、お知らせをいただければ適切に対応してまいります。
〔福祉保健局長吉村憲彦君登壇〕

○福祉保健局長(吉村憲彦君) 六点のご質問にお答えいたします。
 まず、扶養照会についてでございますが、現在、国において扶養照会の運用の弾力化が検討されていると承知しております。
 次に、経済的な扶養についてでございますが、都が実施した調査では、平成二十八年七月に保護を開始した世帯の扶養義務者六千四十一人のうち、実際に扶養照会した人数は二千四百八十七人であり、そのうち経済的な援助が可能であると回答した方は三十一人でございました。
 次に、扶養照会を拒否した場合についてでございますが、都は福祉事務所に対し、要保護者が扶養照会を強く拒否する場合には、理由を確認した上で、照会を一旦保留し、理解を得るよう通知しております。
 次に、一時的な宿泊場所の提供についてでございますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により仕事や住まいを失った方に対し、都が区市と連携して、一時的な宿泊場所としてビジネスホテルを提供した人数は、昨年四月十一日から本年二月二十一日までの間で、延べ二千二百三十三人でございます。
 次に、ネットカフェ利用者の調査についてでございますが、都は、平成二十八年度に住居喪失不安定就労者等の実態調査を行い、その結果や新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響等も踏まえ、TOKYOチャレンジネットにおける一時利用住宅の規模を拡大するなど、施策の充実を図ってまいりました。
 引き続き、関係機関と連携し、仕事や住まいを失った方への必要な支援を行ってまいります。
 最後に、チャレンジネットの取り組みについてでございますが、都は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、仕事や住まいを失った方に対する一時的な宿泊場所としてのビジネスホテルの提供や、一時利用住宅の規模拡大などの対策を実施しております。
 引き続き、利用実績や感染状況等を踏まえて対応してまいります。
〔八十二番池川友一君登壇〕

○八十二番(池川友一君) 知事に再質問します。
 生活保護を受けることは国民の権利だということは、菅首相もいっており、福祉保健局のホームページにも書いてあることです。しかし、知事は、そのことに全く答弁されませんでした。驚くべきことです。知事が権利だとメッセージを発することは、ためらわず申請することにつながります。
 改めて伺います。
 知事は、生活保護を受けることは国民の権利だという認識はありますか。明確にお答えください。(拍手)
〔福祉保健局長吉村憲彦君登壇〕

○福祉保健局長(吉村憲彦君) 再質問にお答えいたします。
 先ほど知事が答弁したとおり、生活保護は、国民の生存権を保障する最後のセーフティーネットでございます。
 都は、生活保護を受けることが国民の権利であることをホームページで広く周知しているところでございます。

○議長(石川良一君) 十二番西野正人君
〔十二番西野正人君登壇〕

○十二番(西野正人君) 初めに、有事における多摩地域の保健所と市町村の協力についてお聞きいたします。
 新型コロナウイルス感染症の第三波で感染者が急増していた年末年始に、日野市が南多摩保健所からの打診に応えて、研修派遣として市の保健師四名を派遣したと聞きました。保健所の業務が増大し、大変なときに、保健所の職員と市の職員が協力して感染症に対応したことは、双方にとって有意義なことだと考えます。
 一方、市からは、都知事の要請があれば、より動きやすかったという声もありました。また、研修派遣では、派遣にかかわる経費が派遣元の市町村の負担になるということです。
 今回は、緊急対応でやむを得ない事情もあったかもしれませんが、今後、都が市町村に対し保健所への応援を要請する場合には、市町村が応援派遣しやすいように、実態に即した形で要請すべきと考えます。
 市町村と保健所は、地域保健サービスの担い手として、日ごろから会議や研修、防災訓練など、さまざまな機会を通して密接な関係にあり、今回のような有事の際にも、市町村と保健所が協力して対応していくことが重要と考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、商店街振興についてお聞きします。
 新型コロナウイルス感染症により、都内の商店街ではこの一年間、イベントはもちろん、セールなどの売り出し事業も中止が相次ぎ、人を集められない苦しい経営環境が続いています。
 商店街では、安心して買い物やサービスが受けられるよう、感染症対策を徹底しながら、生活インフラとして地域の人々の暮らしを支えていけるように懸命な努力を継続していますが、毎年恒例のイベントで人を集めてきたこれまでの成功体験がそのまま活用できず、どうにもならないとの声が上がっています。
 商店街では、三密対策を徹底したイベントやオンラインを併用したり、基礎自治体の取り組みによるキャッシュレス決済でのポイント付与の割合を増やしたりして、地域とのつながりを何とか維持できるように、新たな動きも出始めていますが、まだこうした取り組みは少数にとどまっている状況にあります。
 終息時期が見通せない感染対策の継続的な支援はもとより、コロナ禍でも取り組める商店街活動を促すことで、地域コミュニティの中核たる商店街を盛り立てていくべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、地域観光振興についてお伺いします。
 都内各地では、自治体を初め、観光協会やさまざまな団体が力を合わせて、地域の特色を生かした祭りや観光イベントに取り組んできましたが、コロナウイルス感染症の拡大で、こうした行事も延期や中止が続いています。
 私の地元の多摩動物公園には、多くの家族連れなどが訪れていますが、感染拡大の影響で残念ながら休園となっています。また、多摩地域最大規模といわれる高幡不動尊の菊まつりでは、毎年多くの観光客の皆様に菊を楽しんでいただいていますが、こちらも昨年は中止となりました。
 こうしたイベントなどに訪れた方々は、食事や土産物を求めて商店街にも足を延ばすため、観光は地域経済の活性化にもつながります。これまでも観光協会は、地元の事業者などとも連携したイベントに取り組んでいましたが、感染終息後の誘客に向けて、情報発信など、地域の観光振興をリードする観光協会の取り組みは、今後ますます重要となると考えます。
 感染終息が見えない中で、都内各地の観光振興を図るためには、こうした地域の観光協会の活動に対する都の支援の充実が必要と考えますが、所見を伺います。
 次に、都市農業についてお伺いします。
 東京の農業は長年、後継者、担い手の減少や、これに伴う農地の減少という課題に直面しており、これらを少しでも食い止めるために、農業者が安心して農業を続けていけるようにしなければなりません。現在のコロナ禍においても、経営の安定を図らなくてはならないことは当然です。
 私の地元日野市におきましては、梨、ブドウ、ブルーベリーの栽培が盛んで、特にトマトは、日野ファーストトマトとしてブランド化して販売されています。つい最近も新規に就農した方が、都の支援を受けてトマトの栽培施設を整備し、高品質なトマトの生産を始めた事例も聞いています。
 今後は、生産者支援において、小規模でも収益の上げられる東京型スマート農業を進めるとともに、さらに付加価値を高めるための加工品開発、販路拡大の支援も重要です。
 都は、農業者の収益力を高める、稼げる農業を支援すべきと考えますが、所見をお伺いします。
 次に、橋梁整備についてお伺いします。
 一昨年、台風十九号の襲来において日野橋橋脚部が洗掘され、陥没し、通行どめとなったことは記憶に新しいと思います。地域の生活や産業を支え、渋滞緩和や災害時のネットワーク機能拡充などの観点から、道路ネットワークの整備は必要不可欠であり、とりわけ、交通上のボトルネックを解消し、道路ネットワークの強化を図る橋梁整備は重要です。
 橋梁が通行止めとなると、大きく迂回が必要となり、渋滞も起こり、経済活動や人命を守る緊急車両にも影響が及びます。先ほど述べました日野橋は、日野市と立川市を結ぶ重要路線です。台風十九号で約七カ月間通行どめとなり、重要性が改めて認識されましたが、短期間で復旧開通がなされたことに、関係者の皆様に改めて感謝を申し上げます。
 復旧された日野橋は、多摩川の水位を常時監視し、基準値を超えた際には通行どめとすると聞いています。今後も大雨や洪水に対する日野橋の管理をしっかりお願いします。
 現在、日野橋かけかえに向けて仮橋設置工事も行われていますが、地元の皆さんにおいては大変関心が高く、期待も大きいところです。また、日野橋の上流には仮称富士見四ツ谷橋の計画があり、災害発生時において防災道路としての重要性は大きいところです。
 つきましては、日野市と立川市を結ぶ日野橋かけかえ工事と、仮称富士見四ツ谷橋の今後の取り組みについて伺います。
 次に、多摩都市モノレール事業についてお聞きします。
 世界で一番の都市東京を実現するためには、将来を見据えて多摩地域を活性化していくことが重要と考えます。多摩地域では、圏央道などの高速道路や多摩南北道路の整備により、道路交通ネットワークが充実されるとともに、リニア中央新幹線の整備により、他の都市圏との交流も期待されます。
 そのような中、多摩地域の公共交通の利便性にはまだまだ不十分な面があり、南北方向の交通機能の強化に資する多摩都市モノレール、箱根ケ崎方面及び町田方面への延伸の重要性は高まっています。
 多摩地域の二十六市三町一村から成る多摩地域都市モノレール等建設促進協議会では、昭和五十七年から毎年、延伸に関する要請を行っており、多摩地域にとってモノレールの延伸は悲願であります。また、沿線地域において、モノレール開通を見越したまちづくりも進められています。
 多摩都市モノレール箱根ケ崎方面及び町田方面への延伸に当たっては、沿線の市町と密接に連携していくことが重要であると思いますが、都の見解を伺います。
 次に、希少野生生物の保全についてお伺いします。
 東京は、約千四百万人の人口を抱える世界有数の大都市でありながら、奥多摩などの山地、丘陵地の里山、市街地の屋敷林、島しょ部の原生林と、非常に多様な自然環境を有しています。
 私の地元日野市は、東京のほぼ中心に位置する都市ですが、多摩丘陵の湧水、多摩川や浅川沿いに残る水田や用水など、さまざまな地形や自然に富んだ、緑と清流のまちであります。
 こうした自然環境に恵まれた日野市も開発の波に飲み込まれ、生き物の生育、生育空間である緑地、水田や畑は住宅地などに転換され、子供のころによく見かけたアマガエルやカタツムリ、また、シオカラトンボなどの身近な生き物は、最近は見かけなくなったように感じます。
 植物においては、日野市の花、菊の原形となったカワラノギクは、かつて多摩川の河川敷で当たり前に見られましたが、都が作成したレッドリストでは、ごく近い将来に野生での絶滅の危険性が高い、絶滅危惧ⅠA類と評価されていることに大変驚いています。
 こうした希少な動植物に関するデータが整理され、在来種の動植物の絶滅を防ぐ取り組みにしっかり生かされることが重要と考えます。現行のレッドリストは、作成から既に十年が経過し、希少野生生物を取り巻く環境は日々変化していることから、早期に最新の生育、生息情報等をレッドリストに反映させるための取り組みを行うべきと考えますが、所見をお伺いし、私の一般質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 西野正人議員の一般質問にお答えいたします。
 都の保健所と市町村の協力についてのご質問でございました。
 この年末年始の新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が急増する中で、日野市は、南多摩保健所からの要請に応えて、積極的疫学調査を中心に、都の保健所の業務支援のため四名の保健師を派遣いただき、心から感謝申し上げます。
 また、派遣された職員からは、市の今後の感染症対策に生かせる、平時からの地域の取り組みの重要性を再認識したといったような声も寄せられたところでございます。
 有事の際にも保健所と管内の市町村が迅速に対応するためには、平時からの現場に即した協力関係が重要でございます。
 今後とも、保健所と市町村とで緊密に意見交換を行うなど、一層の連携を図ってまいります。
 この後の質問は、東京都技監、そして関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔東京都技監上野雄一君登壇〕

○東京都技監(上野雄一君) 多摩都市モノレールの箱根ケ崎方面及び町田方面への延伸につきまして、ご質問にお答えをいたします。
 延伸の実現によりまして、開業区間と一体となって南北方向の拠点が結ばれ、多摩地域の活力や魅力がさらに向上いたします。
 事業化に向けましては、沿線の市町との連携が不可欠でございまして、現在、収支採算性の確保等につきまして、沿線の市町、運営会社とともに、連絡調整会議等において検討を進めておるところでございます。
 また、箱根ケ崎方面につきましては、沿線の市と町が策定いたしましたまちづくり構想の具体化に向けまして、技術的な支援を行っております。一方、町田方面につきましては、導入空間となり得る道路整備の課題があるため、学識経験者や沿線市等で構成する委員会を設置いたしまして、検討を進めております。
 引き続き、沿線の市町等との協議、調整を進めまして、多摩地域における交通インフラの充実強化に取り組んでまいります。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、商店街の活性化についてですが、感染症の影響が続く中、商店街で安心して買い物やサービスが提供できる環境整備に加え、地域コミュニティの中核である商店街活動を支援することは重要でございます。
 都では、緊急対策として、感染症防止ガイドラインに基づく物品購入や、感染拡大防止の呼びかけに要する費用を支援するとともに、区市町村等と連携いたしまして専門家を派遣するなど、商店街の実情に応じた支援を実施してまいりました。
 来年度は、こうした支援に加え、商店街が取り組むオンラインの強みを生かした情報発信や、密を分散化したイベント手法等を、事例集やセミナーを通じて幅広く周知してまいります。商店街の自主的な取り組みを数多く引き出し、活性化につなげてまいります。
 次に、地域の観光振興についてですが、東京の観光振興を図る上では、地域の観光の担い手である観光協会が発信力や経営力を一層高め、効果的に事業を展開することが不可欠でございます。
 このため、都は今年度、観光協会に対し、感染防止のマナーを盛り込んだ観光PR動画の制作や発信を支援するとともに、収入確保等経営面の課題に対応する専門家を派遣しております。また、事前に送られた特産品を楽しみつつ、地元の史跡等をめぐるオンラインツアーの実施を支援し、各地の魅力の周知を図っているところでございます。
 今後も、こうしたオンラインの併用など、新しい日常にも対応した都内各地の観光協会等の誘客に向けた取り組みを後押しし、地域の活性化につなげてまいります。
 最後に、農業者の収益力向上に向けた支援についてですが、東京農業の持続的な発展には、農業者の生産性や販売力を高め、高収益な農業を実現することが重要でございます。
 これまで都は、パイプハウス等の生産施設や直売所等の販売施設などの整備に対しまして、支援を実施してまいりました。
 来年度は、デジタル技術を活用した生産施設や、加工から流通、販売までの一体的な施設の整備など、さらなる経営力の向上に向けた支援を充実してまいります。
 また、バイヤーなどの経験を持つ販路開拓ナビゲーターを派遣いたしまして、飲食店や百貨店などの新たな販売先とのマッチングをサポートし、販路拡大を支援することとしております。
 こうした取り組みによりまして、東京農業のさらなる振興を図ってまいります。
〔建設局長中島高志君登壇〕

○建設局長(中島高志君) 日野市と立川市を結ぶ橋梁整備についてでございますが、橋梁は、河川などで隔てられた地域を結ぶとともに、災害発生時の避難、輸送ルートの安全を確保する上でも、極めて重要な都市基盤施設でございます。
 日野橋は、大正十五年の架橋から九十四年が経過し、老朽化が進んでいることからかけかえることといたしまして、工事中の交通機能の確保に必要な仮橋の橋脚工事に昨年十一月に着手いたしました。来年度からは、橋桁の架設工事に取り組んでまいります。
 仮称富士見四ツ谷橋では、航空測量の成果をもとに、引き続き道路構造等について検討を重ねるとともに、関係機関との協議を進めていきます。
 今後とも、交通の円滑化や防災機能の向上に寄与する橋梁整備を着実に推進してまいります。
〔環境局長栗岡祥一君登壇〕

○環境局長(栗岡祥一君) 希少野生生物の保全についてでございますが、希少野生生物に関する最新の情報を把握し、継続的に更新することは、生物多様性保全において非常に重要でございます。
 都はこれまで、東京都の保護上、重要な野生生物種をリスト化した、いわゆるレッドリストや、その解説版であるレッドデータブックを十年ごとに見直してまいりました。
 現在、平成二十二年度に公表いたしました本土部のレッドリストを、令和三年度公表に向け、見直し作業中でございます。また、平成二十五年度公表のレッドデータブックにつきましても、今年度から見直し作業に着手してございます。
 今後こうした取り組みを進め、希少野生生物に関する啓発を行うとともに、それらの生育、生息空間である保全地域の指定、環境アセスメントなどに活用してまいります。

○議長(石川良一君) 二十五番清水やすこさん
〔二十五番清水やすこ君登壇〕

○二十五番(清水やすこ君) 私からは、子供ホスピスから質問させていただきます。
 昨年九月、都民ファーストの会、内山真吾議員とともに、小児がんや難病などの子供と家族が安心、快適な環境で過ごすことができる子供ホスピスを東京に設置するために活動されているNPOの代表を小池知事にご紹介し、設置に向けた強い思いを伺いました。
 その後、令和二年第三回定例会での内山議員の、子供ホスピスの設置に向け支援すべきとの質問に対し、知事より、在宅において療養生活を送る子供やその家族が安心して暮らせるよう、必要な環境の整備を進めてまいりたいと考えておりますとの力強いご答弁をいただきました。その後の進捗状況について、改めて知事にお尋ねいたします。
 次に、水道事業について伺います。
 私の地元である羽村市を流れる多摩川の上流域には、広大な森林が広がっています。私は、森林や樹木に大きな関心を持ち、先日、チェーンソーの資格を取り、作業に参加しましたが、森を維持管理していくということの大変さ、危険さを実感いたしました。
 多摩川上流域の森林の約半分は、水道局が保全管理する水道水源林です。私も水道水源林に足を運びましたが、水道局が培ってきた長年の経験と最新の技術を駆使し、適正に管理されていると感じました。
 一方で、水道局の管理を外れる民有林の中には、手入れ不足による荒廃が見られる場所もあり、良好な森林に再生していく取り組みが求められていると感じます。水道局では、従来から行っている計画的な森林管理に加えて、平成二十九年から都民や企業の参加による森づくりを進めてきています。
 これまでの実績と今後の取り組みについての都の見解をお伺いいたします。
 また、多摩川上流域の森林を将来にわたり守り育てていくためには、水源地の魅力に触れ合える場の充実や、さまざまなシチュエーションでの水源林により親しみを持ってもらえる取り組みを進めていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 一昨年の台風十九号災害のその後について質問します。
 一昨年の台風十九号の際には、西多摩地域も甚大な被害を受けました。都は、小池知事を先頭に迅速な対応をとり、復旧は進みましたが、今なお作業中のところもございます。
 そこで、一昨年の台風を踏まえたその後の点検、護岸強化、土砂管理等、多摩地域の河川における強化策についてお伺いいたします。
 また、道路の崩落などにより孤立する地域対応のため、都ではドローンを活用した物資搬送の実証実験を行っており、これまで奥多摩町、檜原村で行われ、今後は日の出町でも行われると聞いています。
 都は、西多摩地域の山間部など、孤立地域に対するドローンを活用した取り組みをさらに推進すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、農林水産業について質問します。
 東京の農林水産業は、景観の創出や災害を防止するグリーンインフラとしての機能など、多面的な機能を有していることから、持続的に維持していくことが非常に重要です。
 しかしながら、この十年において、都内の農家戸数と島しょ地域の漁業従事者は、それぞれ約二割減少しています。
 そのような中で、昨年、八王子市内に東京農業アカデミー八王子研修農場設立、また、林業では、若手人材が高度な技術を習得できるようトレーニングフォレストの事業を計画しています。新規就業者の育成や人材の高度化に焦点を当てた支援を充実していくべきですが、都の見解を伺います。
 獣害対策について質問いたします。
 一昨年の台風十九号以降、ツキノワグマの被害などの目撃例が多数寄せられ、最近では、イノシシや鹿、猿によって畑が荒らされてしまう被害も増加し、西多摩地域の昨年度の被害額が約一千七百万円に上ります。こうした獣害に対し、都はどのように取り組んでいくのか伺います。
 林業に関して質問します。
 昨年度から森林環境譲与税が都や区市町村に交付されており、この財源を活用して多摩産材の利用拡大を進め、東京の森林整備に結びつけることが重要です。
 譲与税は人口割のため、区部に多く配分されることから、東京都がさまざまなラインナップを示すなど、各区市町村のマッチングを促すことが最重要課題と考えますが、譲与税の活用に関する都の取り組みを伺います。
 次に、共同受注窓口について質問いたします。
 都は、平成三十年度から大口の案件を複数の事業所で共同受注するための窓口を設置しています。現在参加している二十七区市のうち、市町村は十自治体にとどまっております。ネットワークのない自治体が希望しても、受注できないということです。ネットワークがない自治体において、その構築が進むよう支援すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、下水道普及率について伺います。
 西多摩地域では、いまだに下水道未整備地域が点在しています。下水道を普及させるために国費や都費の活用が有用ですが、会計検査対応などに高い専門性や多くの書類作成上の手間がかかることがわかりました。つまり、下水道職員の数は、多摩地域の全市町村の平均の約二十人に対して、西多摩地域の平均は五人となっており、十分な対応が困難であることが、未普及地域解消を阻む一因となっています。
 東京の下水道普及率を限りなく一〇〇%に近づけるため、市町村への支援についての都の見解を伺います。
 次に、多摩地域の観光振興について伺います。
 東京都は、世界まれに見る首都に森林を有する誇るべき都市です。こうした豊かな自然から生まれた観光資源に恵まれ、西多摩地域では観光をなりわいとしていらっしゃる方が多く見られますが、新型コロナウイルス感染症の影響により、苦しい生活を強いられております。
 観光産業に従事していらっしゃる方は、二十三区内にも多くいらっしゃるかとは存じますが、西多摩地域の場合は、基礎自治体も二十三区に比べ財政基盤が脆弱であることから、体力がないということが挙げられます。コロナ後に多摩の観光振興を図っていくためには、都の積極的な支援が必要と考えます。
 そこで、コロナ後を見据えた多摩地域の観光振興について、知事の見解をお伺いいたします。
 次に、自然公園のトイレについて質問いたします。
 環境局所管のトイレは、多摩地域に六十カ所あります。私の地元である、あきる野市養沢のハイキングコースにも、ハイカーや登山客向けのトイレがあります。しかし、築五十年を超え老朽化しており、環境にそぐわないばかりか、緊急時にも安心して利用できない状況です。
 地元からは、緊急時の活用も含め、古いまま残すのではなく、新しいトイレの設置を熱望されていますが、こうした老朽化したトイレの改修について、環境局の見解を伺います。
 多摩都市モノレールについて質問します。
 多摩都市モノレールは、現在、箱根ケ崎への延伸に向け、基本設計が行われていると聞いております。隣接する地域でも、多摩都市モノレールのさらなる延伸を期待する声が大きくなっており、地元あきる野市においては、市民による準備会が発足したところであります。
 箱根ケ崎の延伸に倣い、羽村市、あきる野市、八王子市へと続く今後の多摩都市モノレールの事業展開についてお伺いします。
 飲食店に対する営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金について申し上げます。
 この協力金は、東京都が行う営業時間の短縮要請に応じた飲食店などに支給されるものですが、農事組合法人が経営する飲食店は、支給対象を定める都の要綱から除外されています。農家レストランなど、都内の件数も増えており、今後、農事組合法人への救済措置を要望いたします。
 高齢化と交通事情について伺います。
 現在、西多摩地域など交通不便地域では、コミュニティバスなど、さまざまな交通手段を総動員した取り組みが行われていますが、将来の高齢者の足として大きな期待が寄せられている自動運転移動サービスの実現についても支援していくべきと考えます。知事の見解を伺います。
 最後です。不登校の子供への多様な教育の場の確保について質問いたします。
 香りの害と書いて香害という言葉がございますが、登校を前提としながらも、においなどに敏感なため、学校に行くことができない子供たちなどに対して、ズームやオンデマンドなど、ICTを活用した多様な学習の機会を保障するための取り組みについて、都の見解を伺うことを最後に、私の一般質問を終わりにします。
 どうもありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 清水やすこ議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、子供ホスピスについてでございます。
 私は昨年、東京こどもホスピスプロジェクトの方々と直接お会いする機会をいただきまして、懸命に病気と闘う子供たちや、その看護に当たるご家族を支えたいという強い思いを伺うとともに、国内外の子供ホスピスの取り組みをお聞かせいただいたわけであります。
 小児がんや難病などによって、在宅で療養生活を送る子供やその家族が安心して暮らせるように、必要な環境整備を進めることは重要です。
 都におきましては、がんを患う子供たちに適切に医療を提供できますよう、東京都小児がん診療病院の認定や、医療連携体制の構築に取り組んでおります。また、難病の子供たちが地域で安心して療養生活を送れますよう、難病相談・支援センターにおいて、療養相談や患者、家族交流会への支援等も行っております。
 子供ホスピスは、病院や療育施設などと異なりまして、法令等に基づく施設としての位置づけがございません。都としましては、東京こどもホスピスプロジェクトの方々と引き続き意見交換を重ねてまいりたいと考えております。
 次に、多摩の観光振興についてであります。
 コロナ禍におきまして、安全・安心への関心が高まる中で、豊かな自然に恵まれた多摩地域は、観光振興におきましても一層重要となっております。
 都はこれまで、多摩の自治体等に対しまして、観光関連施設の整備や自然と文化を満喫できるツアーの開発など、ハード、ソフトの両面から支援を行ってまいりました。
 また、檜原村などの地元の木材を使ったツリーハウスやモバイルホテルなどに宿泊し、屋外の自然等に触れる観光事業を行う民間事業者に対しまして、設備の導入や広報面での支援も行っております。
 来年度は、こうした支援に加えまして、富裕層の自然志向を踏まえ、感染終息後、より上質で特別感のある体験型事業などを展開してまいります。さらに、働きながら観光も楽しめるワーケーションを促進してまいります。
 多くの旅行者を引きつける新しい観光を振興して、一層魅力ある多摩地域を築いてまいります。
 次に、自動運転移動サービスの実現についてであります。
 人生百年時代におきまして、技術革新が目覚ましいデジタルテクノロジーを最大限活用して、高齢者を初めとした地域の方々が、住みなれた場所で、幾つになっても元気で心豊かに暮らしていくことができる環境を実現することは重要であります。
 西多摩地域におきましても、人口減少や路線バス、タクシーの運転者不足によって移動サービスの低下が懸念される中、次世代の交通サービスとして注目される自動運転システムを積極的に活用し、交通不便地域において新たなサービスを創出していくことが求められております。
 都では、これまでの都内各地での自動運転技術の実証成果を踏まえまして、来年度から西新宿エリア等において、自動運転システム事業者や交通事業者などによる、実際のサービス展開を見据えたプロジェクトを後押ししてまいります。
 今後、これらの成果を西多摩地域の市町村及び関係する交通事業者等に広く発信をするとともに、東京自動走行ワンストップセンターで個別相談に応じるなどきめ細かな対応を行って、交通不便地域におきまして、車を持たない高齢者などでも自由に外出、生活できる社会を目指してまいります。
 残余のご質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長からのご答弁といたします。
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) さまざまな事情によって不登校の状況にある子供へのICTを活用した教育についてでございますが、学校に通えなくても子供が継続的に学べるようにするためには、ICT等を効果的に活用して学校とつながり、学習に取り組める環境を整えることが重要でございます。
 そのため、都教育委員会は、希望する区市町村に対し、教育支援センターに通う子供が使用するタブレット端末や学習ソフトの購入経費を補助しております。この取り組みにより、子供が学校の教員ともオンラインでつながり、学習内容を担任に相談したり、学習の成果を教員が確認したりする事例等が報告されているところでございます。
 今後、不登校の状況にある子供が一人一台端末を有効に活用して、主体的にドリル学習を行うことや、自宅等から授業に参加し、他の子供と交流することができるよう、学びの充実に向け、すぐれた取り組み事例を学校等に周知してまいります。
〔東京都技監上野雄一君登壇〕

○東京都技監(上野雄一君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、市町村下水道への支援についてでございます。
 多摩地域全体の下水道普及率は、昨年度末現在、約九九%でございます。一〇〇%の普及に向けましては、国の補助制度で交付対象とされておりません管径の小さい枝線の整備等の費用負担が重いことから、都は国に対しまして、交付要件の緩和や国費率の拡充を求めるとともに、都独自の補助を行っております。
 また、改築、更新等による事務量の増加が見込まれる中、限られた職員による効率的な事業の実施が課題でございまして、都市づくり公社の受託整備等、技術支援を行っております。
 今後、都と市町村とが共同で実施しております水質検査に加えまして、宅地から下水を流すために設置される排水設備の審査の共同化に向けまして、工夫を加えつつ調整を進め、負担軽減につなげるなど、一〇〇%の普及に向け市町村の取り組みが進むよう、必要な財源確保や技術的支援に努めてまいります。
 次に、多摩都市モノレールのあきる野方面への延伸についてでございます。
 東京圏における鉄道ネットワークにつきましては、基本的に国の交通政策審議会の答申に基づきまして整備などが進められておりますことから、まず答申に反映されることが重要であると考えております。
 本路線につきましては、移動時間の短縮等の効果が見込まれる一方、収支採算性や費用対効果など、検討すべきさまざまな課題があると認識をしております。
 こうした課題を解決するためには、地元の市町におきまして、需要の確保につながる沿線地域のまちづくりなどの検討を進めていくことが必要でございます。
 都といたしましては、地元の市町の取り組み等を見極めながら、適切に対応してまいります。
〔水道局長浜佳葉子君登壇〕

○水道局長(浜佳葉子君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、水源地における森づくりについてでございますが、水道局では、多摩川上流域における民有林の機能回復のため、平成二十九年以降、荒廃が懸念される民有林八百二十二ヘクタールを購入し、良好な森林に再生するための整備を行ってまいりました。
 また、都民や企業等との連携を推進するため、ネーミングライツに参画した民間企業九社と連携した水源林の保全活動などを実施してまいりました。
 このたび、都民の皆様の理解を促進する取り組みを新たに盛り込んだ、みんなでつくる水源の森実施計画二〇二一を策定いたしました。
 今後、この計画に基づき幅広い取り組みを進め、水源林の機能向上を図るとともに、水源の森づくりへの参加者拡大を目指してまいります。
 次に、水源地の魅力を向上させる取り組みについてでございますが、水道局ではこれまで、水源地におけるPR施設や散策路の整備を図るとともに、都民が水源林を体験するイベントなどを実施してまいりました。今年度はコロナ禍を踏まえ、水源林を動画で紹介する、おうちで水源林ツアーを公開し、自宅にいながら水源林を体験できる取り組みを行いました。
 今後は、PR施設の展示内容をデジタル技術を活用して充実させるとともに、散策路の桜の植えかえや地域に生息するヤマツツジなどの植栽を行い、現地の魅力を一層高めてまいります。
 また、局ホームページへの特設サイト開設や、水源林を紹介する動画の充実などにより、時間や場所の制約なく水源地に親しめる機会を提供してまいります。
〔建設局長中島高志君登壇〕

○建設局長(中島高志君) 多摩地域の河川の強化策についてでございますが、多摩地域の河川については、それぞれの河川の特性を踏まえ、安全性の早期向上を図ることが重要でございます。
 令和元年東日本台風で護岸崩壊が発生した秋川などにつきましては、昨年の出水期までに護岸機能を確保しております。また、洪水時の川の流れに支障がないよう堆積土砂のしゅんせつや河道内樹木の伐採につきましても、定期的な点検や地元要請を踏まえ適切に実施しております。
 さらに、台風の被害を受けて実施いたしました護岸や河道等の詳細な点検や対策の検討を踏まえ、令和三年度は、平井川を初め四河川十一カ所におきまして、道路等の公共施設が近接する護岸の強化などを実施いたします。
 これらの取り組みにより、多摩地域を流れる河川の豪雨に対する安全性を高めてまいります。
〔総務局長山手斉君登壇〕

○総務局長(山手斉君) 災害時のドローンによる物資搬送についてでございますが、災害時にドローンを活用して迅速に物資を搬送するためには、安全な飛行に必要な諸条件を事前に検証しておくことが重要でございます。
 都はこれまで、檜原村や奥多摩町と連携をいたしまして、災害時に孤立する可能性のある二地域で、ドローンの飛行に必要な電波状況の確認、離発着地点や飛行ルートの調査を行い、目視外飛行による物資搬送の実証実験を実施いたしました。この実験結果により確立した飛行ルート等につきましては、発災時の物資輸送に活用する予定でございます。
 さらに、来月には日の出町で同様の検証を行いますとともに、来年度は新たに西多摩地域などで三地域を選定し、地元自治体と連携した実証実験を実施し、災害時のドローンによる物資輸送体制の強化につなげてまいります。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、農林水産業の担い手の確保、育成についてですが、東京の農林水産業の持続的な発展に向けては、新規就業者を確保し、経営力を高められるよう支援することが重要となっております。
 このため、都は来年度、島しょ地域での漁業者の定着促進と技術力向上を総合的にサポートする組織を新たに設置し、町村や漁協など地域と連携した支援体制を構築いたします。また、林業技術者の研修施設を新たに日の出町に開設し、伐採、搬出に関する専門的かつ高度な技術の習得を支援いたします。
 さらに、八王子研修農場の研修生が着実に就農できますよう、農地の確保への支援や、就農に必要な農業機械等に要する経費の助成を行ってまいります。
 こうした支援の充実によりまして、農林水産業の一層の振興を図ってまいります。
 次に、獣害対策についてですが、都は、イノシシなどの野生動物による農作物の被害の軽減を図り、農業経営を維持することを目的に、獣害対策を実施しているところでございます。
 具体的には、区市町村に対して、野生動物の侵入を防ぐ電気柵の整備や捕獲等に要する経費の補助を行うとともに、追い払いなどにおける新たな技術の活用にも取り組んでまいりました。
 来年度は新たに、より効果の高い獣害対策の構築に向けて、農家、地域住民、専門家などが連携いたしまして、地域における野生動物ごとの行動を把握した上で、適切な防止対策を実証するモデル地区を設定いたします。
 こうした取り組みによりまして、野生動物による農作物被害を防ぐことで、安定した農業生産の確保を図ってまいります。
 最後に、森林環境譲与税の活用についてですが、区市町村が森林環境譲与税を都内の森林整備や多摩産材の利用拡大に活用することは、森林循環の促進と東京の豊かな森づくりにとって重要でございます。
 このため、都は、区市町村に対し譲与税の活用事例を紹介するほか、専門のアドバイザーを派遣し、木材利用に係る情報交換を行っているところでございます。
 加えて、森林を有する市町村と連携いたしまして、多摩の森林、林業に関する現地研修会を実施するなど、譲与税を活用した森林整備や多摩産材利用を働きかけているところでございます。
 来年度は、自治体間のマッチングのさらなる促進に向け、対象自治体を増やすなど現地研修会を充実させてまいります。
 今後とも、区市町村間の連携を強化し、多摩産材の利用拡大を通じて、東京の森林循環を促進してまいります。
〔福祉保健局長吉村憲彦君登壇〕

○福祉保健局長(吉村憲彦君) 東京都共同受注窓口についてのご質問にお答えいたします。
 都は、障害者の福祉的就労の場である就労継続支援B型事業所の受注拡大や工賃向上を目的として、区市町村ごとに複数事業者がネットワークを組み、共同受注を行うための事業を実施しております。
 本事業で区市町村がネットワークの構築を取り組む際には、参考事例の紹介や共同受注の試行実施などにより支援をしております。
 今後は、本事業に参加していない区市町村に対し、個別のヒアリングを行うとともに、地域で開催される事業所の連絡会等の機会も捉えて、事業への参加を積極的に呼びかけるなど、区市町村におけるネットワークの構築を目指して取り組みを進めてまいります。
〔環境局長栗岡祥一君登壇〕

○環境局長(栗岡祥一君) 自然公園のトイレの整備についてでございますが、自然公園の日常的な利用や、災害が発生し園内に長くとどまる場合でも支障なくトイレを利用できるよう、計画的にトイレを改修していくことが重要でございます。
 都は、老朽化した自然公園のトイレを、水や電気、敷地の確保など、立地条件に合わせて水洗化や洋式化といった工夫も凝らしながら順次改築してまいりました。
 こうした考えに基づき、来年度、青梅市御岳地区で下水道管敷設に伴い水洗化に向けた実施設計を行うほか、あきる野市養沢地区で改築に向けた基本設計を行うなど、西多摩地区において改修を進める予定でございます。
 今後とも、自然公園を安心かつ快適にご利用いただけるよう、計画的にトイレの整備を進めてまいります。

○六十七番(村松一希君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。

○議長(石川良一君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(石川良一君) ご異議なしと認め、さよう決定いたします。
 明日は、午後一時より会議を開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後七時十分散会

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