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Tokyo Metropolitan Assembly

令和二年東京都議会会議録第三号

令和二年二月二十七日(木曜日)
 出席議員 百二十三名
一番古城まさお君
二番けいの信一君
三番成清梨沙子君
四番平  慶翔君
五番後藤 なみ君
六番藤井あきら君
七番内山 真吾君
九番上田 令子君
十番山内れい子君
十一番伊藤しょうこう君
十二番田村 利光君
十三番菅野 弘一君
十四番藤井とものり君
十六番細田いさむ君
十七番うすい浩一君
十八番小林 健二君
十九番加藤 雅之君
二十番龍円あいり君
二十一番あかねがくぼかよ子君
二十二番保坂まさひろ君
二十三番鳥居こうすけ君
二十四番菅原 直志君
二十五番清水やすこ君
二十六番森澤 恭子君
二十七番斉藤れいな君
二十八番川松真一朗君
二十九番小松 大祐君
三十番舟坂ちかお君
三十一番三宅 正彦君
三十二番宮瀬 英治君
三十三番原田あきら君
三十四番斉藤まりこ君
三十五番藤田りょうこ君
三十六番斉藤やすひろ君
三十七番栗林のり子君
三十八番伊藤こういち君
三十九番大松あきら君
四十番白戸 太朗君
四十一番本橋ひろたか君
四十二番馬場 信男君
四十三番佐野いくお君
四十四番細谷しょうこ君
四十五番栗下 善行君
四十六番中山ひろゆき君
四十七番たきぐち学君
四十八番奥澤 高広君
五十番山崎 一輝君
五十一番神林  茂君
五十二番早坂 義弘君
五十三番高橋 信博君
五十四番西沢けいた君
五十五番米倉 春奈君
五十六番原 のり子君
五十七番星見てい子君
五十八番とくとめ道信君
六十番上野 和彦君
六十一番のがみ純子君
六十二番まつば多美子君
六十三番田の上いくこ君
六十四番両角みのる君
六十五番西郷あゆ美君
六十六番もり  愛君
六十七番岡本こうき君
六十八番米川大二郎君
六十九番森口つかさ君
七十番つじの栄作君
七十一番関野たかなり君
七十二番桐山ひとみ君
七十三番石川 良一君
七十四番中屋 文孝君
七十五番古賀 俊昭君
七十六番秋田 一郎君
七十七番吉原  修君
七十八番山口  拓君
七十九番河野ゆりえ君
八十番清水ひで子君
八十一番とや英津子君
八十二番池川 友一君
八十三番中山 信行君
八十四番谷村 孝彦君
八十五番長橋 桂一君
八十六番小磯 善彦君
八十七番藤井  一君
八十八番増田 一郎君
八十九番滝田やすひこ君
九十番おじま紘平君
九十一番木下ふみこ君
九十二番村松 一希君
九十三番福島りえこ君
九十四番ひぐちたかあき君
九十五番鈴木 邦和君
九十六番森村 隆行君
九十七番入江のぶこ君
九十八番柴崎 幹男君
九十九番清水 孝治君
百番大場やすのぶ君
百一番三宅しげき君
百二番中村ひろし君
百三番里吉 ゆみ君
百四番尾崎あや子君
百五番曽根はじめ君
百六番橘  正剛君
百七番高倉 良生君
百八番東村 邦浩君
百九番中嶋 義雄君
百十番山内  晃君
百十一番山田ひろし君
百十二番伊藤 ゆう君
百十三番木村 基成君
百十四番荒木ちはる君
百十五番小山くにひこ君
百十六番増子ひろき君
百十七番石毛しげる君
百十八番大津ひろ子君
百十九番尾崎 大介君
百二十番宇田川聡史君
百二十一番小宮あんり君
百二十二番鈴木 章浩君
百二十三番高島なおき君
百二十四番あぜ上三和子君
百二十五番白石たみお君
百二十六番大山とも子君
百二十七番和泉なおみ君

 欠席議員 一名
五十九番  遠藤  守君
 欠員
    八番 十五番 四十九番

 出席説明員
知事小池百合子君
副知事長谷川 明君
副知事多羅尾光睦君
副知事梶原  洋君
副知事宮坂  学君
教育長藤田 裕司君
東京都技監都市整備局長兼務佐藤 伸朗君
政策企画局長山手  斉君
総務局長遠藤 雅彦君
財務局長武市  敬君
警視総監斉藤  実君
主税局長塩見 清仁君
生活文化局長浜 佳葉子君
オリンピック・パラリンピック準備局長潮田  勉君
環境局長吉村 憲彦君
福祉保健局長内藤  淳君
産業労働局長村松 明典君
建設局長三浦  隆君
港湾局長古谷ひろみ君
会計管理局長佐藤  敦君
消防総監安藤 俊雄君
交通局長土渕  裕君
水道局長中嶋 正宏君
下水道局長和賀井克夫君
都民安全推進本部長國枝 治男君
戦略政策情報推進本部長松下 隆弘君
住宅政策本部長榎本 雅人君
病院経営本部長堤  雅史君
中央卸売市場長黒沼  靖君
選挙管理委員会事務局長黒田 祥之君
人事委員会事務局長小泉  健君
監査事務局長岡崎 義隆君
労働委員会事務局長松山 英幸君
収用委員会事務局長斎藤 真人君

二月二十七日議事日程第三号
第一 第一号議案
令和二年度東京都一般会計予算
第二 第二号議案
令和二年度東京都特別区財政調整会計予算
第三 第三号議案
令和二年度東京都地方消費税清算会計予算
第四 第四号議案
令和二年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計予算
第五 第五号議案
令和二年度東京都国民健康保険事業会計予算
第六 第六号議案
令和二年度東京都母子父子福祉貸付資金会計予算
第七 第七号議案
令和二年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
第八 第八号議案
令和二年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
第九 第九号議案
令和二年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
第十 第十号議案
令和二年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
第十一 第十一号議案
令和二年度東京都と場会計予算
第十二 第十二号議案
令和二年度東京都都営住宅等事業会計予算
第十三 第十三号議案
令和二年度東京都都営住宅等保証金会計予算
第十四 第十四号議案
令和二年度東京都都市開発資金会計予算
第十五 第十五号議案
令和二年度東京都用地会計予算
第十六 第十六号議案
令和二年度東京都公債費会計予算
第十七 第十七号議案
令和二年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
第十八 第十八号議案
令和二年度東京都病院会計予算
第十九 第十九号議案
令和二年度東京都中央卸売市場会計予算
第二十 第二十号議案
令和二年度東京都都市再開発事業会計予算
第二十一 第二十一号議案
令和二年度東京都臨海地域開発事業会計予算
第二十二 第二十二号議案
令和二年度東京都港湾事業会計予算
第二十三 第二十三号議案
令和二年度東京都交通事業会計予算
第二十四 第二十四号議案
令和二年度東京都高速電車事業会計予算
第二十五 第二十五号議案
令和二年度東京都電気事業会計予算
第二十六 第二十六号議案
令和二年度東京都水道事業会計予算
第二十七 第二十七号議案
令和二年度東京都工業用水道事業会計予算
第二十八 第二十八号議案
令和二年度東京都下水道事業会計予算
第二十九 第百三号議案
令和二年度東京都一般会計補正予算(第一号)
第三十 第百四号議案
令和二年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
第三十一 第百七号議案
令和二年度東京都一般会計補正予算(第二号)
第三十二 第百八号議案
令和二年度東京都病院会計補正予算(第一号)
第三十三 第二十九号議案
スマート東京推進基金条例
第三十四 第三十号議案
公立大学法人首都大学東京に係る地方独立行政法人法に規定する重要な財産を定める条例の一部を改正する条例
第三十五 第三十一号議案
東京都が設立する地方独立行政法人に係る地方独立行政法人法第十九条の二第四項に規定する条例で定める額を定める条例
第三十六 第三十二号議案
東京都知事等の損害賠償責任の一部免責に関する条例
第三十七 第三十三号議案
職員の服務の宣誓に関する条例の一部を改正する条例
第三十八 第三十四号議案
東京都職員定数条例の一部を改正する条例
第三十九 第三十五号議案
特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第四十 第三十六号議案
市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第四十一 第三十七号議案
都及び特別区並びに特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例
第四十二 第三十八号議案
令和元年度分の都と特別区及び特別区相互間の財政調整の特例に関する条例
第四十三 第三十九号議案
東京都区市町村振興基金条例の一部を改正する条例
第四十四 第四十号議案
東京都犯罪被害者等支援条例
第四十五 第四十一号議案
東京都監査委員条例の一部を改正する条例
第四十六 第四十二号議案
東京都都税条例の一部を改正する条例
第四十七 第四十三号議案
東京都庭園美術館条例
第四十八 第四十四号議案
学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例
第四十九 第四十五号議案
学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
第五十 第四十六号議案
学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第五十一 第四十七号議案
東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
第五十二 第四十八号議案
東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
第五十三 第四十九号議案
東京都屋外広告物条例の一部を改正する条例
第五十四 第五十号議案
緑あふれる東京基金条例
第五十五 第五十一号議案
東京都営住宅条例の一部を改正する条例
第五十六 第五十二号議案
東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
第五十七 第五十三号議案
東京都看護師等修学資金貸与条例の一部を改正する条例
第五十八 第五十四号議案
東京都安心こども基金条例の一部を改正する条例
第五十九 第五十五号議案
東京都立療育医療センター条例の一部を改正する条例
第六十 第五十六号議案
東京都立重症重度心身障害児者施設条例の一部を改正する条例
第六十一 第五十七号議案
食品衛生法施行条例の一部を改正する条例
第六十二 第五十八号議案
東京都薬物の濫用防止に関する条例の一部を改正する条例
第六十三 第五十九号議案
東京都イノベーション創出基金条例を廃止する条例
第六十四 第六十号議案
東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例
第六十五 第六十一号議案
東京都家畜保健衛生所条例の一部を改正する条例
第六十六 第六十二号議案
東京都港湾管理条例の一部を改正する条例
第六十七 第六十三号議案
東京都海上公園条例の一部を改正する条例
第六十八 第六十四号議案
都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
第六十九 第六十五号議案
ゼロエミッション東京推進基金条例
第七十 第六十六号議案
東京都水素社会・スマートエネルギー都市づくり推進基金条例を廃止する条例
第七十一 第六十七号議案
高圧ガス保安法関係手数料条例の一部を改正する条例
第七十二 第六十八号議案
東京都浄化槽保守点検業者の登録に関する条例の一部を改正する条例
第七十三 第六十九号議案
東京都道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例
第七十四 第七十号議案
東京都河川流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例
第七十五 第七十一号議案
東京都霊園条例の一部を改正する条例
第七十六 第七十二号議案
東京都葬儀所条例の一部を改正する条例
第七十七 第七十三号議案
警視庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第七十八 第七十四号議案
警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例
第七十九 第七十五号議案
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例の一部を改正する条例
第八十 第七十六号議案
東京消防庁職員定数条例の一部を改正する条例
第八十一 第七十七号議案
東京消防庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第八十二 第七十八号議案
都営住宅三十一H─一一四東(大田区東糀谷六丁目)工事請負契約
第八十三 第七十九号議案
都営住宅三十一H─一二八東(板橋区双葉町)工事請負契約
第八十四 第八十号議案
都営住宅三十一H─一二二東(足立区江北七丁目)工事請負契約
第八十五 第八十一号議案
都立神代高等学校(三十一)体育館ほか改築及び改修工事請負契約
第八十六 第八十二号議案
東京都八重洲駐車場(三十一)改修工事請負契約
第八十七 第八十三号議案
警視庁本部庁舎(三十一)大規模改修空調設備工事その二請負契約
第八十八 第八十四号議案
環二築地虎ノ門トンネル(三十一)換気設備工事その二請負契約
第八十九 第八十五号議案
中川護岸耐震補強工事(その四十六)請負契約
第九十 第八十六号議案
妙正寺川整備工事(その十六)請負契約
第九十一 第八十七号議案
綾瀬川護岸耐震補強工事(その二百五十六)請負契約
第九十二 第八十八号議案
小名木川護岸耐震補強工事(その五)請負契約
第九十三 第八十九号議案
綾瀬川護岸耐震補強工事(その二百六)請負契約
第九十四 第九十号議案
包括外部監査契約の締結について
第九十五 第九十一号議案
東京都と神奈川県との境界にわたる町田市と相模原市との境界変更について
第九十六 第九十二号議案
境界変更に伴う財産処分に関する協議について
第九十七 第九十三号議案
世田谷区の児童自立支援施設に係る事務の受託について
第九十八 第九十四号議案
荒川区の児童自立支援施設に係る事務の受託について
第九十九 第九十五号議案
江戸川区の児童自立支援施設に係る事務の受託について
第百 第九十六号議案
東京国際クルーズふ頭桟橋外一施設の指定管理者の指定について
第百一 第九十七号議案
首都高速道路株式会社が行う高速道路事業の変更に対する同意について
第百二 第九十八号議案
令和二年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について
第百三 第九十九号議案
令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)
第百四 第百号議案
令和元年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
第百五 第百一号議案
令和元年度東京都地方消費税清算会計補正予算(第一号)
第百六 第百二号議案
令和元年度東京都用地会計補正予算(第一号)
第百七 第百五号議案
令和元年度東京都一般会計補正予算(第三号)
第百八 第百六号議案
令和元年度東京都病院会計補正予算(第二号)
第百九 諮問第一号
地方自治法第二百二十九条の規定に基づく審査請求に関する諮問について

   午後一時開議

○議長(石川良一君) これより本日の会議を開きます。

○議長(石川良一君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(石川良一君) 昨日に引き続き質問を行います。
 百二十七番和泉なおみさん
〔百二十七番和泉なおみ君登壇〕

○百二十七番(和泉なおみ君) 日本共産党都議団を代表して質問します。
 まず、新型コロナ肺炎への対応です。
 病院、救急隊、検査機関など、昼夜を問わず献身的な活動をされている関係者の皆様に心から敬意を表します。また、感染された方々の早期の回復を願い、亡くなられた方々に心からのお悔やみを申し上げます。
 知事は施政方針表明で、事態は新たな局面を迎えていると述べました。感染経路のわからない人から人への感染が都内、国内で広がり始めている今、感染拡大の防止と都民の命を守る上で、まさに重大な局面であることについて、知事の認識を伺います。
 先日、都内介護施設職員の感染が報告されました。利用している高齢者や家族、職員に感染が広がらない万全の対策、都内全ての介護施設の感染防止対策の現状の把握と対策強化、都としてマスクや消毒液を確保して提供することが必要です。何よりも都民、関係者の不安と要望に応えるよう、全力を挙げる必要があります。いかがですか。
 さらに、都内の学校の生徒、教職員から感染者が出た場合、どう対応するのですか。また学校における感染予防対策にはどう取り組んでいますか。
 新型コロナ肺炎について、都は昨日、国に要望を行いましたが、政府の対応が極めて不十分な中、最前線で対応している都として、局面に応じて国に働きかけ、国を動かすことが必要です。知事、いかがですか。
 中でもウイルス検査を広く、早く実施できるようにすることは急務です。感染の不安を持つ多くの人が速やかにウイルス検査を受けることができるよう、PCR検査体制を抜本的に拡充、強化することを国に強く要請すべきです。見解を伺います。
 知事は、検査機器をふやす補正予算を提出しましたが、職員体制の拡充、強化も必要です。高い専門性を備えた臨床検査技師をふやす取り組みを直ちに具体化すべきです。いかがですか。
 開業医を含め、専門外の医師に対する新型コロナ肺炎の正確な知識、対応策の普及啓発、情報提供も重要です。都はどう取り組むのですか。
 観光業や中小企業への影響について、相談を待つだけでなく、都として実態把握をする必要があります。いかがですか。
 検査、相談、医療、産業支援を含め、今後の事態の推移に対応し、状況に応じて、今回の補正予算にとどまらず、さらなる追加対策に迅速に取り組むことも必要です。知事の認識と対応を伺います。
 さて、小池知事は、就任当初は反自民の改革者として振る舞い、都民の人気を得ました。しかし、希望の党を立ち上げ、国政に出ようとして失敗して以降、流れは変わりました。
 結局、都民の期待に応える都政の改革は実現されていません。中でも、石原都政が切り捨てた高齢者福祉の立て直しや、貧困と格差対策は極めて不十分です。
 知事は戦略ビジョンで長寿を掲げました。ところが、新年度予算案では、特別養護老人ホームも介護老人保健施設、認知症高齢者グループホーム、地域密着型サービスも、整備費補助が大幅減額となっています。局要求で減額だったのを、知事査定でさらに切り込みました。
 知事は、特養ホームなどの介護基盤整備の重要性をどう認識しているのですか。これまで一般的重要性の認識は答弁していますが、行動が伴っていないのではありませんか。
 これらの介護施設の高齢者人口一人当たりの定員数は、いずれも全国最低水準です。特養ホームの待機者は約三万人で高どまりしており、都の整備目標に対する進捗も立ちおくれています。
 都の厳しい条件でも、入所の必要性が高いとされた待機者でさえ、三年間で三千九百五十六人から三千八百二十人に、わずか三%、百三十六人減少しただけです。これでは、入所の必要性が高い人でさえ、全員入所できるまで何十年もかかります。知事、それでよいのですか。少なくとも、入所の必要性が高い人がすぐに入れる緊急整備に取り組むべきです。いかがですか。
 介護基盤整備は、高齢者だけでなく、介護をする家族にとって切実な課題です。介護離職ゼロは知事の中心公約です。介護基盤整備なしに介護離職ゼロはあり得ません。知事の認識を伺います。
 介護人材不足対策も急務です。介護職員に対し、保育士と同様の都独自の人件費補助を行い、賃金の底上げを図るべきです。いかがですか。
 多くの都民を苦しめている国民健康保険料、保険税の重い負担への対策は、予算案に盛り込まれていません。
 二十三区では、値上げがまた提案され、低所得世帯は軒並み値上げとなります。赤ちゃんも含め、全ての加入者に課される均等割は、一人当たり五万二千八百円にもなります。
 知事は、国保の制度設計は国の責任だと繰り返していますが、子供の均等割を軽減する自治体は、全国で少なくとも二十五市五町に広がっています。都内でも五つの市が実施しており、武蔵野市は新年度から始める予定です。子供が多いほど重くのしかかる均等割は、子育て支援や子供の貧困対策に逆行するからです。
 知事は、都内や全国の自治体のこうした動きをどう受けとめていますか。子供の均等割軽減の重要性をどう認識していますか。都も踏み出すときではありませんか。
 内閣府が発表した昨年十月から十二月期の国内総生産速報値は、年率換算で六・三%減と大幅に落ち込みました。GDPの約六割を占める個人消費が前期に比べ二・九%のマイナスになり、消費税増税の影響などにより、消費の冷え込みが深刻化しています。
 アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルは、日本の消費税の大失態と題する社説を掲げ、イギリスの雑誌エコノミスト電子版は、最大の経済的愚策を繰り返したと書きました。知事は、消費冷え込みの深刻な現状と、消費税増税の影響をどう認識していますか。
 知事は、第四回定例会の我が党の質問に、中小企業の現場の声に耳を傾けて、その実態を的確に把握すると答弁しました。そうであるなら、中小企業の消費税増税の影響調査を継続し、調査対象を拡大して行うべきです。いかがですか。
 賃金の引き上げ、国や自治体による経済的支援などにより、国民、都民の家計を温める経済政策への転換が急務です。認識を伺います。
 都が発注する契約において、賃金の支払いが適切に行われているのかが問われています。
 知事は第四回定例会で、労働者の適切な処遇の確保は重要であり、今後はフォローアップ調査を行い、実効性を高めていくと答弁しました。どのくらいの規模で、どのように取り組むのですか。労働者の処遇改善のためにも、公契約条例の必要性があると考えますが、いかがですか。
 知事は、戦略ビジョンのトップに子供への支援を掲げています。これまで認可保育園の増設は前進しました。しかし、今回の施政方針表明に待機児童ゼロの言葉がありませんでした。しかも、認可保育園などの保育サービス整備目標を、これまでの年間二万一千人分から、次期計画案では一万四千人分に引き下げています。
 我が党の調査では、二月二十六日現在、都内十二区十七市四町村だけでも、認可保育園入園の一次選考不承諾の子供は約一万四千六百人もいます。
 知事は、ことし三月までに待機児童ゼロを実現すると約束していました。この約束を棚上げするのですか。待機児童ゼロをいつまでに、どのようにして実現するのですか。
 そもそも知事のいう待機児童ゼロは、本当のゼロではありません。いわゆる隠れ待機児童を含めたゼロを実現し、保育を必要とする人誰もが、いつでも認可保育園に入れるようにすることが必要です。知事の認識と対応を伺います。
 子供食堂は全国に広がり、約四千カ所ともいわれています。都内でも大きく広がりました。我が党の提案に応えて、都が子供食堂への補助を実施したことは、都内の取り組みを支える力となりました。子供食堂の取り組みをどう評価していますか。
 都が全額補助するのは新年度までの予定です。子供食堂に取り組む方々から、全額補助を継続してほしいとの声が上がっています。都の補助が後退すると、区市町村の財政力の違いが事業に大きく影響します。
 子供の貧困対策の役割とともに、全ての子供に開かれた居場所であり、地域の交流の拠点になっている子供食堂への補助を継続し、拡充することが必要です。見解を求めます。
 学校給食は、学校給食摂取基準が定める栄養価を満たすことが必要です。そのためには、食材費高騰への対応が大きな課題です。ある区の調査では、十年間で野菜の価格は三四%、魚は一四%も高騰しています。
 そのため、給食のリンゴを四分の一から八分の一にする、もやしをふやすなどの対応が余儀なくされています。一方、給食の質をよりよいものにしようとしたら、保護者負担をふやさざるを得ないという問題に直面します。
 知事は、学校給食がよりよい食習慣を形成する上でも重要だとの認識を示してきましたが、食材費高騰が必要な栄養確保や食育を進める上で障壁となっているという認識はありますか。
 知事は、学校給食は重要な学校教育活動である、義務教育は無償が憲法の原則だという答弁をしています。であれば、学校給食費の無償化に踏み出すべきです。
 私立高校の学費負担軽減も重要です。都の子供の生活実態調査によれば、私立高校に通う低所得層の七四%は家計が赤字です。
 私立高校で学費の相談に乗っている方の話では、都の入学支度金貸付制度だけでなく、社会福祉協議会の融資制度などを紹介することも多く、皆さん必死に費用を工面しているといいます。不登校経験などがある場合、たとえ経済的に苦しくても、子供に合った私立に行かせたいという家庭も少なくありません。
 来年度予算案に、私立高校生の授業料無償化の年収九百十万円までの拡大が盛り込まれたことは重要です。同時に、入学金や施設費については補助がなく、低所得家庭でも全額を自己負担しなければなりません。
 知事は、私立高校の授業料負担軽減の意義をどのように認識していますか。入学金も学費の一部として、同様の意義があるのではありませんか。知事、入学金減免に踏み出すべきではありませんか。
 知事は施政方針表明で、子供を大切にする社会をつくりたいと述べました。そのためには、子供の意見表明権を大事にすることが必要です。知事の認識と対応を伺います。また、子供の権利条例の検討を求めるものです。いかがですか。
 知事が戦略ビジョンで、二〇三〇年に向けた教育の目標として、区市町村立小中学校の全国学力テストの全教科、全設問で全国水準を上回ることを掲げたのは見過ごせません。悉皆の全国学力テストは、序列化や過度な競争、画一的な教育などの弊害を生むと国会でも国民にも批判をされ、国も十分配慮するとしていたものです。
 曲がりなりにも都教委は、これまで全国学力テストの点数を教育の目標としたことはありません。教育長に伺います。そもそも学力テストの目的とは何でしょうか。
 また、知事が区市町村立小中学校の教育の目標を決めることは、区市町村の教育への介入に当たるのではありませんか。
 国連子どもの権利委員会は、子供にとって余りにも競争的な日本の教育環境を改善するよう日本政府に勧告しています。全国的には、学力テストをやめる県もふえています。教育現場にゆがんだ競争を持ち込む政策目標は撤回すべきです。知事、お答えください。
 教育の充実のために今急ぐべきは、少人数学級を広げることです。
 東京都は二〇一〇年度に小学校一、二年生と中学校一年生を三十五人学級にしました。しかし、その後、一歩も前進していません。その間に多くの県が実施を拡大し、全国の七割以上の県が小学校の三年生以上も少人数学級にしています。
 東京と同じ学年のみの実施だった佐賀県も、今年度から小中学校全学年で三十五人学級を可能にしました。山梨県は昨年から五回の検討会を経て、より質の高い教育を実現するために、二十五人学級の推進を決めています。
 経済格差の拡大やいじめ、不登校、特別な支援が必要な子供の増加など、学校を取り巻く状況が複雑化する中で、少人数学級は効果を発揮しているからこそ、全国で広がっているのです。知事は、こうした事実をご存じですか。東京でも小中学校全学年で三十五人以下学級を実施すべきです。知事、お答えください。
 次に、小池知事が進める三つの大問題の中止を求めて質問します。
 第一に、知事が昨年の第四回定例会で突然表明した都立病院、公社病院の独立行政法人化です。
 知事は施政方針表明で、独立行政法人化が都民の安全・安心を確保する取り組みであるかのように述べました。事実を真逆に描くものです。
 また、東京都は、独立行政法人化しても、今までの医療と変わらないと宣伝しています。これも都民を欺くものです。
 都立病院は、感染症医療や災害医療、周産期医療など、他の医療機関だけでは対応困難な行政的医療に取り組んでおり、その中核的な役割を果たしています。その役割を果たし、採算の確保が困難な行政的医療を提供するためには、東京都の一般会計からの繰り入れが不可欠です。知事はどう認識していますか。
 独立行政法人化の狙いは、都立直営から、より民間に近い経営形態に変えて、効率化や採算性を優先し、都の一般会計からの繰り入れを減らして、都民の命を守るための医療への支出を減らすことにあります。そうなれば、不採算などの行政的医療の後退や、患者負担増、医師、看護師の労働環境の悪化などを招くことは明白です。
 独立行政法人化を推進してきた都立病院経営委員会の委員長は、同じような税の投入が継続するのでは、何のための独法化かと発言しています。
 また、昨年末に都が示した新たな病院運営改革ビジョン(素案)では、都立病院に都民の税金が投入されていると書き、費用を削減しなければならないとしています。公社病院についても、さらなるコスト削減を図ることで、都の財政負担を軽減させると書いています。
 知事、独立行政法人化の目的が、都立病院、公社病院への都の財政支出を減らすことにあることは明白ではありませんか。
 日本共産党都議団は、都が独立行政法人化の成功例として評価している大阪府の現地調査を行いました。
 大阪府立病院機構に独法化のメリットを聞くと、機動的に新しい料金設定や改定、見直しができるようになったと説明します。しかし、機動的に見直されたのは、患者負担を大幅にふやす料金改定です。
 例えば、母子医療センターの分娩料は、直営時から約二倍値上げされ、十八万四千円、セカンドオピニオン料は約三倍の二万二千円、差額ベッド代も最大六万円まで値上げされています。知事はこの事実を知っていますか。
 知事による意思決定の不透明さも浮き彫りになっています。独立行政法人化の方針は、決裁の手続が行われていません。知事、都立病院、公社病院の独法化という極めて大きな方針の決定について、なぜ決裁手続をしなかったのですか。
 都立駒込病院は百二十年の歴史があります。精神科医療の松沢病院は百四十年の歴史を重ねています。明治の東京府、東京市の時代から、長い歴史の中、一貫して公立直営病院として役割を果たしてきました。直営であることが必要だったからにほかなりません。
 独立行政法人化は、都立病院のかけがえのない役割を大きく後退させ、深く傷つけるものであり、きっぱり中止することを厳しく求めるものです。
 国による公立病院、公的病院の再編統合計画も重大です。
 国は昨年、再編や統合の議論が特に必要とする四百二十四病院を突然名指しして、公表しました。これに全国知事会、全国市長会、全国町村会は、三会長連名で、国民の命と健康を守る最後のとりでである自治体病院が機械的に再編統合されることにつながりかねず、極めて遺憾と抗議の声を上げました。
 都内でも、難病医療で全国的に非常に高い実績を持つ都立神経病院、そして区立台東病院や奥多摩病院、町立八丈病院など、地域でかけがえのない役割を果たしている病院を再編統合の対象としたことは、断じて許されません。
 しかし都は、国に抗議も、撤回を求めることも一度もしていません。国に抗議するとともに、再編統合計画の撤回を求めるべきです。いかがですか。
 第二に、羽田新飛行ルートの中止です。
 都民の安全を顧みず、羽田新飛行ルートを推進している国の責任は重大です。同時に、都民の命と健康を守ることを使命とする小池知事が、国際競争力の向上や東京五輪に資するとして国の決定を歓迎し、国と一体となって進めていることに多くの都民が驚き、あきれ、怒っています。小池知事の責任も極めて重大です。
 羽田新飛行ルートは、騒音や航空機からの落下物など、命や健康に重大な危険性があることが指摘されているにもかかわらず、国は一月末から実際に乗客を乗せた試験飛行を強行しました。
 直下の地域住民からは、ボールを投げたら当たりそうなほど飛行機が低くて恐怖感を覚えた、次から次へと飛行機が真上を通過して、これが毎日続くと思うと耐えられない、子供の健康に影響が出ないか不安、音楽関係の仕事をしているが、騒音がうるさくて仕事にならないなど、試験飛行の段階から、既に住民の暮らしに大きな影響を与えています。知事は、こうした実態と都民の声をどう受けとめているのですか。
 国は、騒音を減らすために、着陸の降下角度をより急角度にするとしています。都は、この降下角度変更の理由をどのように認識しているのですか。
 パイロットや専門家などは、これによりジェットコースターのような着陸となり、非常に危険だと指摘しています。また、急角度での着陸は、尻もち事故やオーバーランなど事故の危険性が高まり、世界で最も難しい空港になると警鐘を鳴らしています。
 実際に、アメリカのデルタ航空やカナダのエア・カナダは、安全性などの観点から、羽田新ルートでの着陸を見送ったり、成田空港に着陸を変更しました。これでも知事は、羽田新飛行ルートの危険性についての認識を持っていないのですか。
 航空機からの部品欠落は、国の調査でも二年間で九百七十四件となり、年間で平均すれば毎日のように発生しています。また、直近一年間の方が増加しているという衝撃的な事実が明らかになりました。航空機からの落下物は避けることはできません。
 知事、重大事故が起こってからでは遅いのです。国に羽田新飛行ルートを撤回することを強く求めるべきです。知事の答弁を求めます。
 第三に、カジノ誘致の検討をやめることです。
 カジノ担当の元副大臣で、東京選出の現職の国会議員が、カジノ事業者から賄賂をもらった疑いで逮捕されました。知事は記者会見で、デメリットの部分がこのような形で出たことはとても残念と述べました。知事、その認識は今も変わっていませんか。
 また、記者に問われて知事は、都としてメリット、デメリットについては今後も検討を重ねていくと答えました。都は、カジノの調査を二〇一四年度以降、延々と続けていますが、カジノのメリット、デメリットとは何ですか。知事、それぞれ具体的に答えてください。知事選の争点になるのを恐れて、いつまでもメリット、デメリットの検討を続けるとしかいわない態度は、都民を欺くものです。
 知事は今年度、IR、特定複合施設等に関するみずほ総合研究所への委託調査を予算化しています。新年度予算案にもカジノの調査費用一千万円を計上しています。誘致する気がないなら、こんな調査に多額の税金を使うはずがありません。知事、誘致する気があるからお金をかけて調べているのではありませんか。
 カジノ問題で現職国会議員が逮捕されたのをきっかけに、北海道はカジノ誘致の申請を断念し、千葉市もカジノ誘致申請を見送りました。横浜市でもカジノの誘致は反対の運動と世論が広がり、東京都内にも「カジノいらない!東京連絡会」ができました。
 共同通信社の世論調査によると、カジノを含む統合型リゾート施設、IR整備を見直すべきだとの回答は七七・五%に達しています。世論は、カジノは見直し、凍結で明確です。知事、こうした住民の運動と世論をどう受けとめているのですか。
 厚労省の推計によれば、ギャンブル依存症の疑いの人は全国で既に三百二十万人、今でも深刻な事態です。完治できないといわれているギャンブル依存症をさらにふやすカジノ誘致の検討は、きっぱりやめるべきです。知事の答弁を求めます。
 小池都政による東京のまち壊しも深刻です。
 大手ディベロッパーが進める神宮外苑の再開発は、長い歴史でつくられた景観、環境、文化、貴重な緑を破壊し、文化的価値もないがしろにするものです。中でもイチョウ並木は、都民はもちろん、観光名所として世界中から多くの人が訪れる憩いの場所です。
 ところが、今回の計画では、ホテル併設の野球場がイチョウ並木のぎりぎりまで迫って建設され、景観を圧迫します。八十メートル、百八十五メートル、百九十メートルの超高層ビルが建ち並び、神宮の森は高層ビルの森に変わってしまうといわれています。
 知事、こんなことをしてよいのですか。現在の神宮外苑の持っている景観的価値、文化的価値をどう認識しているのですか。
 環境アセスで示された計画案に対し、緑豊かな風格ある都市計画を保全するとうたうのであれば即刻計画を見直してほしい、並木が死んでしまう、現在でも少しでも風の強いときはまともに歩けないのに、超高層ビルが建つと安心して歩ける場所ではなくなってしまうなどの都民の意見書が殺到し、事業者は批判の強さに計画案の一部を修正せざるを得なくなりました。
 その修正案に対しても、地域での説明会では、地球温暖化による問題が世界で起きているのに、高層ビルばかりの公園は時代に逆行している、自然豊かな外苑地区がどんどん変わってしまうなど、計画の見直しを求める声が相次ぎました。
 知事は、環境アセスの調査計画書や説明会で、都民から計画への厳しい批判が寄せられていることをご存じですか。住民の声を尊重すべきではありませんか。
 都は、外苑地区を世界に誇れるスポーツクラスターにすると位置づけています。ところが、この開発によって、外苑地区にある六面もの軟式野球場、フットサルコート、一部のテニスコートなどが軒並み廃止されます。軟式野球場は、抽せんに当たるのは宝くじに当たるようなものといわれるくらい、都心の貴重な施設です。
 スポーツクラスター、すなわちスポーツの集積地をつくるといいながら、超高層ビルは建てる一方、都民が親しめるスポーツ施設を減らすのはおかしいのではありませんか。知事、いかがですか。
 首都高の日本橋の地下化も大問題です。
 大手ディベロッパーが地下化のための用地と資金を提供する見返りとして、容積率の大幅緩和をしてもらい、日本橋川沿いには超高層ビルが建ち並ぶことになります。江戸時代から続いてきた老舗などから、景観と環境を壊すことに強い疑問の声が上がっています。
 その上、さらなる首都高地下化に伴う大型車の迂回ルートについて、国や都を中心に検討されていますが、これに合わせて周辺地域の再開発も行われます。これを実施すれば、事業費はさらに膨らみ、首都高株式会社や都の財政を圧迫します。費用とその分担を曖昧にしたまま突き進むことは許されません。知事、いかがですか。
 ほかにも渋谷、虎ノ門、池袋、新宿、大手町など、都内各地で都市再生特別地区などによる容積緩和を受けて、超高層ビルを林立させる計画が進んでいます。
 知事は、成長と成熟が両立した東京をつくるといいますが、ロンドンやパリなど、欧米の成熟した都市は、超高層ビルの開発は一部の地域に限定し、古くからのまち並みを保存しており、東京のようなやり方はしていません。
 ディベロッパーファーストのまち壊しはもうやめて、歴史的な景観、文化、環境との調和を大事にし、住民が住み続けられる、住民参加のまちづくりへの転換が必要です。知事の見解を伺います。
 日本橋再開発で計画されている五つの超高層ビルのうち、八重洲一丁目北地区、日本橋室町一丁目地区の二つをつくるだけで、建設後、建築物から年間一万七千五百七十トンのCO2が排出されることになります。それによりふえるCO2を吸収するためには、中央区の面積の一・六倍もの森林が必要です。知事は、そのことを認識しているのですか。
 ゼロエミッション東京戦略で、都がその目標として、二〇五〇年に温室効果ガスの排出量ゼロを実現し、産業革命前からの平均気温の上昇を一・五度に抑えると据えたことは重要です。
 しかし、そのためには、これからの十年間に大幅に排出量を減らすことが必要です。国連事務総長も、二〇三〇年までに四五%削減する必要があるとしています。都がゼロエミッション戦略で掲げた二〇三〇年までの削減目標は、これに全く足りていません。知事、その自覚はありますか。
 しかも都は、太陽光パネルをふやす、乗用車の新車販売の半分をゼロエミ車にするなどの一つ一つの対策で、どれだけの温室効果ガスが削減できるのかという数値を示していません。これでは施策を進めても、二〇三〇年までの不十分な削減目標でさえ実現できるのか見通しが持てません。知事、根拠や数値を示してください。
 専門家や環境団体は、気候非常事態の打開に必要な二〇三〇年までの目標についても、そのために必要な方策についても提案しています。知事が目標を本気で実現しようとするなら、専門家や環境団体を集めて、目標の設定、達成手段から練り上げること、その内容を都民や企業に伝え、行動を呼びかけ、力を発揮してもらうことが欠かせません。知事の認識と対応を伺います。
 地球温暖化に伴い、台風や豪雨による災害がふえ、被害が大きくなっています。昨年の台風十九号では、京成本線の葛飾区側は、鉄橋の橋桁の下一・二メートルのところまで荒川の水位が上がりました。
 半世紀前、死亡者数千百人、三十万世帯を超える浸水被害を生んだカスリーン台風によって、私の地元葛飾区は、ほぼ全域が浸水しました。水が桜土手を越えるのを江戸川の土手から見て慌てて家に戻り、家族と一緒に避難をした、あのときの恐怖は忘れないなどと当時の記憶は古くから住む方々の胸に深く刻まれています。それだけに、台風十九号がもたらした状況は記憶を呼び戻し、水害への不安が高まっています。
 葛飾、足立、江戸川、江東、墨田の区東部低地帯は、多くが海抜ゼロメートル以下で、浸水が想定される地域は人口二百五十万人に及びます。近年の異常気象のもとで、この住民の命、財産を水害から守るため、避難を中心としたソフト対策はもちろん、さまざまなハード対策の強化が求められていると思いますが、知事の認識を伺います。
 急がれているのは、京成本線の荒川橋梁の早期かけかえです。
 荒川の堤防は、高度成長期の地下水のくみ上げによる地盤沈下で低くなりました。その後、国は堤防のかさ上げをしましたが、荒川橋梁部分の堤防は、周辺の高さより三・七メートル低いまま取り残されています。
 増水時には水が堤防を乗り越え、堤防を掘り崩し、決壊させる恐れがあり、江東五区を含む七つの区の区長も先月、国に対して要請を行っています。都としても、かけかえの速やかな実施を国に求めるべきです。知事、いかがですか。
 洪水が最も大きな被害をもたらすのは、堤防を越えた水が堤防決壊を引き起こす越水破堤であると、水防関係の専門家が共通して指摘しています。莫大なエネルギーの水が一気に流れ込むため、避難や救助もままならず、人家も流されるからです。
 しかし現在、国が越水対策として進めているのは、いわゆるスーパー堤防です。スーパー堤防は、地域で開発が行われるときに整備される仕組みであるため、開発の計画がなければ整備されず、完成までには何百年という歳月を要し、最近の異常気象に対する水害対策としては間尺に合いません。
 堤防強化が緊急課題であり、有効な強化策は、堤防の頂上部、のり面、のり尻の三点を補強することです。かつては国土交通省も研究を進め、実際に全国九つの河川で実施された経験があります。その後も幾つかの工法が提案されています。
 国に、必要な検証や研究も行いつつ、堤防強化を急速に進めるよう求めるべきです。いかがですか。
 中でも、さきに挙げた荒川橋梁は、かけかえに着手しても、完成までに一定の時間を要します。それまでの間、現在の荒川橋梁部の堤防の強化をしてほしいというのは、地域の切なる願いです。知事はこの要望をどう受けとめ、対応するのですか。
 避難対策も重要です。私たちが各地で行った聞き取りから、正確な情報提供、地域の力を引き出すことや、避難所の多数を占めている学校側の協力の重要性が浮かび上がりました。
 事前の準備を積み重ねて、これらを的確に進めたのが足立区の第十八地区町会自治会連絡協議会です。強力な台風が来ると判断した時点で、地域の役員、専門家、学校の校長、副校長を集めて、洪水が発生した場合にどのような危険があるか情報共有し、台風上陸の二日前には、要支援者への具体的行動を呼びかけるチラシ配布と訪問を行い、前日に避難を開始しました。学校も前日に生徒らと机を運び出し、三階の教室を避難所にできるようにし、夕方には開設しました。
 これらが可能になったのは、同協議会が専門家も入れて繰り返し議論とシミュレーションを重ね、コミュニティタイムラインという形で、いつ、誰が、どんな対応をすればよいか、わかりやすくまとめていたからです。
 足立区第十八地区町会自治会連絡協議会の取り組みは、消防庁の第十六回地域の防火防災功労賞で、消防総監賞である最優秀賞を得ました。消防総監は、どういう点を評価して最優秀賞に選んだのですか。
 知事は、戦略ビジョンで、コミュニティ重視を掲げ、施政方針表明では、共助のかなめは地域のコミュニティだと述べました。水害などの防災対策にとって、同協議会によるコミュニティタイムラインなど、先行的な取り組みを進める地域のコミュニティの役割は重要です。認識と対応を伺います。
 いつ来てもおかしくない首都直下地震に備えるため、住宅の耐震化は急務です。阪神・淡路大震災の犠牲者の大半は、建物の倒壊による圧死でした。
 ところが知事は、住宅耐震改修助成の予算を二年連続で大幅に削減し、九億六千万円から二億五千八百万円に、何と四分の一に減らしました。近年の助成の実績も、わずか三百件程度にすぎません。施政方針表明でも、住宅耐震化への言及が一言もありませんでした。
 知事は都知事選挙で、住宅の耐震化、不燃化を二〇二〇年までに加速すると公約したことを覚えているのですか。この公約をどうやって実現するのですか。
 東京オリ・パラ大会について、都民が心から歓迎できる大会として成功させる立場から質問します。
 まず、巨額の費用負担の問題です。
 大会経費の都負担は、立候補ファイルのときの千五百三十八億円が今では五千九百七十五億円に、四倍近くになっています。これに関連経費を合わせると、都負担だけで一兆三千七百億円に上ります。組織委員会と国の大会経費も合わせると、実に二兆一千億円を超えています。その上、さらに国の関連経費が加わりますが、その全容は明らかになっていません。会計検査院は、都と組織委員会、国を合わせた費用負担の総額は三兆円に及ぶと試算しています。
 大会にかかわる経費の縮減と透明化は、知事の中心公約です。知事、公約をまともに実行したとは到底いえない現状だと思いませんか。
 知事は施政方針表明で、大会経費について一層の効率化を進めると述べました。これはどういう意味ですか、最後まで縮減と透明化を追求すべきです。知事の答弁を求めます。
 知事は、組織委員会の文書公開を公文書と同程度の扱いにしたいといっていました。しかし、組織委員会にはいまだ情報公開制度がありません。理事会の議事録も、共同実施事業の競争入札の入札経過も非公開です。知事、これで透明化の努力を尽くしたといえるのですか。
 大会後の文書管理と保存も重要です。IOCに提出する公的報告書は永久保存となっていますが、大会にかかわる会議の議事録や会計簿などの保存期間は、公益法人法を根拠に十年間とされています。
 東京大会の招致不正疑惑をめぐり、招致委員会の会計書類がなくなっていることが大問題となっています。過去、長野五輪招致では、会計帳簿を廃棄したというあしき前例もあります。こんなことにならないよう、都民、国民の共有財産として、きちんと検証できるようにすることが必要です。
 五輪大会は関係者が多く、利害関係も複雑です。しかも、巨額の公費を使っているのですから、法的に定めのない文書も含め、後々まで検証できる状態にしておくことは、開催都市としての責務です。知事の認識と対応を伺います。
 公益法人協会などは、政策的判断により、議事録など法を超える長期保存、永久保存をしています。知事は、都民、国民の共有財産として永久保存することを組織委員会と協議すべきではありませんか。
 組織委員会の解散後、清算人が引き継ぐ保存文書は、開催都市の責任で複製して公文書として保存し、閲覧できるようにすることを求めておきます。
 また、組織委員会の副会長である副知事が清算人になることを提案します。知事、いかがですか。
 東京五輪大会を平和の祭典として成功させることも重要です。ところが知事は、施政方針表明でそのことに一言も触れませんでした。民族や国境を越えた平和の祭典として次世代に引き継ぐ、その具体化が問われています。知事はどう取り組むのですか。
 夢の島のアーチェリー会場のすぐ近くには、第五福竜丸展示館があります。ところが、オリ・パラ期間は、セキュリティーの関係で休館になると聞いています。核の悲劇を国内外に伝える絶好の機会であり、競技会場の近くだからこそ開館すべきではありませんか。展示物など、国内外の多くの方々に見ていただくことは大事だと思いませんか。知事の答弁を求めます。
 最後に、横田基地周辺の環境汚染問題です。
 横田基地で有機フッ素化合物、PFOS、PFOAを含む泡消火剤が大量に流出したという報道を受け、都が基地周辺の井戸で水質検査を行っていたことが明らかになりました。
 立川市、武蔵村山市の井戸から、アメリカが飲料水準として定める目標値を超える高濃度のPFOS、PFOAが検出をされています。これらの井戸は、飲用には使用されていませんが、災害時などには、やむを得ず飲料水や農業用水としての使用が想定されています。
 PFOS、PFOAは、沖縄の米軍基地周辺でも検出されています。自然界ではほとんど分解されず、作物や人体に摂取されると蓄積されやすい有害物質です。国連のストックホルム条約会議で製造、使用が原則禁止されています。
 横田基地及び基地周辺の深刻な環境汚染を知事はどう認識し、対応するのですか。答弁を求め、再質問を留保して質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 和泉なおみ議員の代表質問にお答えをいたします。
 新型コロナウイルス感染症の現状についてのお尋ねでございます。
 中国武漢市での感染拡大に端を発しました新型コロナウイルス感染症は、全国的に感染経路が明らかでない患者が多く発生している状況にありまして、この一、二週間が感染拡大か収束かの瀬戸際であり、重要な局面であると認識をいたしております。
 都といたしましては、こうした状況に鑑み、医療体制の充実、感染拡大の防止、広報の強化・徹底の三つの視点を踏まえ、さらなる感染の広がりを防ぐために、短期間に集中的な取り組みを進めてまいります。
 次に、国への働きかけについてでございます。
 都はこれまで、二度にわたりまして、国に対して緊急要望を行うとともに、国もこれに応えて検査対象を拡大するなど、現状に即した体制を整えてまいりました。
 現在、国内の感染拡大を防ぐための重要な局面となっておりますことから、きのうも緊急要望を行ったところでありまして、今後も、国に対しましては、必要なときに必要な事項を働きかけてまいります。
 新型コロナウイルスに関連いたしました肺炎への対応についてでございます。
 新型コロナウイルス感染症をめぐりましては、都はこれまでも、総力を結集して、今ある予算を活用しながら、やるべきことに対して全力で取り組んでまいりました。
 これにとどまらず、今、都がなすべきことは、都民の生命と健康を守り、首都東京の安全・安心確保の実現に向けまして、さらなる手だてを講じることでございます。
 このような考え方のもとで、新型コロナウイルスを初めとした感染症対策を強化するとともに、経済活動への影響を最小限に抑えるという観点から、補正予算案を編成いたしまして、十三カ月予算として、三月から来年度にかけて切れ目なく対策を行うことといたしました。
 今後とも、変化する状況を的確に把握いたしまして、国や区市町村、近隣自治体、関係機関とも連携をいたしながら、機動的かつ迅速かつ広範な取り組みを進めてまいります。
 次に、介護基盤整備についてのお尋ねでございます。
 高齢者が、介護が必要となりましても住みなれた地域で暮らし続けていけるよう、施設サービスだけではなく、在宅サービスやケアつき住まいなどの介護基盤をバランスよく整備することが重要でございます。
 都は、区市町村のサービス見込み量等を踏まえまして、特別養護老人ホーム等の整備目標を定めており、都独自の整備費の補助や都有地の減額貸し付け、土地賃借料の負担軽減などの支援を行っております。
 そして、介護と仕事の両立についてのお尋ねでございます。
 超高齢化が進む中で、家族形態の変化も背景として、働きながら介護を担う人がふえており、介護と仕事を両立できる環境を早急に整備していかなければなりません。
 そのため、都は、さまざまな独自の支援策を講じまして、介護サービス基盤の整備促進を図っているところでございます。
 国民健康保険におけます子供の均等割保険料についてでございます。
 法令におきましては、災害等の特別な理由や事情がある場合、区市町村の条例の定めるところによりまして、保険料、保険税を減免することができるとされております。
 子供の均等割の減免の必要性につきましても、各区市町村が、条例に基づいて、個々の世帯の状況を踏まえて判断するものと認識をいたしております。
 国民健康保険は全国統一の制度でございまして、子供に係る均等割保険料の軽減措置を含め、その制度上の課題につきましては、国が責任を持って対応すべきものでございます。
 都は、子育て世帯の経済的負担を軽減するため、子供に係る均等割保険料を軽減する措置を講じるように、国に対しまして提案要求をいたしております。
 経済情勢についてのお尋ねでございます。
 消費税増税の影響は、前回の増税時ほどではございませんが、個人消費は、駆け込み需要の反動減に加えまして、台風、暖冬の影響により減少いたしております。
 こうした中におきまして、中小企業への支援を、経営や技術、資金繰りなど、さまざまな面から後押しをしてまいります。
 保育サービスの拡充についてでございます。
 都はこれまで、保育所の整備促進、人材の確保・定着の支援、利用者支援の充実の三つを柱として、保育サービスの充実を進めてまいりました。
 今年度末までの待機児童解消に向け、保育の実施主体でございます区市町村が、多様な保育サービスの拡充に取り組めますよう支援をしてまいります。
 私立高校生の保護者負担軽減についてでございます。
 家庭の経済状況に左右されることなく、誰もが希望する教育を受けることができる環境を整備する、そのことは重要でございます。
 そのため、都はこれまでも、私立高校等に在学する生徒の授業料や入学金等の保護者の経済的負担軽減に取り組んでまいりました。
 授業料につきましては、国の就学支援金とあわせて、特別奨学金によって負担軽減を図っており、来年度からは、特別奨学金の対象を年収約九百十万円未満の世帯まで拡大することといたしております。
 また、育英資金や入学支度金によります無利子貸付、低所得世帯を対象とした奨学給付金などによって、入学金等の負担軽減に努めております。さらに、私立高校に対します経常費補助によりまして、学校納付金を抑制いたしております。
 今後も、こうした幅広い施策を総合的に活用しまして、保護者負担の軽減に努めまして、子供たちの学びたいという気持ちに応えてまいります。
 子供の意見表明権についてのご質問でございます。
 子供は、大いなる可能性を秘めたかけがえのない存在であり、あらゆる場面におきまして権利の主体として尊重される必要がございます。また、子供の年齢及び発達の程度に応じまして、その意見を尊重するとともに、子供の最善の利益が最優先されなければなりません。
 このことは、昨年四月に施行いたしました東京都子供への虐待の防止等に関する条例で規定をしたところでございます。
 私は、社会の宝である子供の笑顔であふれるまちを実現したい。未来の東京戦略ビジョンでこのように示しましたように、子供を大切にする視点から、子供目線に立った政策を率先して実施して、子供、子育て政策を総合的に推進してまいります。
 次に、都立病院への一般会計からの繰り入れについてのご質問がございました。
 都立病院は、感染症医療や救急医療、周産期医療など、不採算性の高い行政的医療の提供を基本的な役割といたしております。
 その提供に当たりましては、一般会計の負担は必要なものでございまして、地方独立行政法人化後も同様であると認識をいたしております。
 羽田の新飛行経路についてのご質問でございます。
 我が国の国際競争力の向上や東京二〇二〇大会の円滑な実施のため、羽田空港の機能強化は極めて重要でございます。
 国が実施をいたしました実機飛行確認の期間中に、都民の方から、飛行機の圧迫感や騒音などに関しますさまざまなご意見がありましたことは承知をいたしております。
 これまで都は、国に対しまして丁寧な情報提供、騒音影響の軽減、安全管理の徹底を求めてまいりました。
 それを踏まえまして国は、六期にわたる住民説明会の実施や、低騒音機の導入促進を図るための着陸料の見直し、航空機のチェック体制の強化、航空会社への世界的に類を見ない落下物防止対策の義務づけなど、さまざまな対策を実施してまいりました。
 都といたしましては、引き続き国に対しまして、今回の実機飛行確認の結果も踏まえまして、都民の理解がさらに深まりますように、丁寧な情報提供や、騒音、安全対策の着実な実施を求めてまいります。
 次に、IRについてでございます。
 IRは、世界水準のエンターテインメントとして、日本の経済成長や観光振興を後押しすることが期待されている。
 また一方で、ギャンブル等依存症や青少年への影響、マネーロンダリングなどの懸念の声があるという認識に今も変わりはございません。
 IRの検討につきましてでございますが、都はこれまで、海外事例や都に立地した場合の影響につきまして調査を行っており、今年度も依存症対策などについての調査を実施いたしております。
 国は、IRの整備法に基づいて、今後、基本方針を公表することといたしておりまして、都といたしましては、これまでも申し上げておりますように、国の動向を注視しつつ、引き続き、メリット、デメリットの両面について総合的に検討してまいります。
 神宮外苑の景観的価値、文化的価値についてでございます。
 神宮外苑には、イチョウ並木から聖徳記念絵画館を正面に臨みます首都東京の象徴となる景観が形成されていると認識をいたしております。
 その景観を保全するとともに、東京の顔となる地区にふさわしい風格と活力が共存する魅力あるまちを目指してまいります。
 ゼロエミッション東京戦略についてでございます。
 ゼロエミッション東京の実現に向けましては、二〇三〇年までの取り組みが極めて重要でございます。
 そのため、戦略では、二〇三〇年に向けまして十七の主要目標を設けるとともに、さらにそれを上回るために進化、加速する具体的な取り組みを二〇三〇年目標プラスアクションとして示しております。
 今後も、省エネ、再エネ等によりますCO2排出量の最小化、省資源、再生資源の活用、ZEVの普及、さらには革新的なイノベーションの誘導など、多様な取り組みを気候変動対策として進化させてまいります。
 河川の水害対策についてのご質問がございました。
 近年、気候変動の影響などによりまして、日本各地で水害が頻発、激甚化しております。
 また、首都直下地震は、三十年以内に七〇%の確率で起こる可能性がございまして、平常時から、備えよ常にの精神で準備しておくことは重要でございます。
 東部低地帯は、地盤高が満潮位より低いゼロメートル地帯が広く分布しておりまして、高潮や地震により一たび水害が発生いたしますと、広範囲での浸水被害が想定されております。
 このため、都は、東部低地帯に暮らす人々の避難等に資するソフト対策とともに、国内最大の被害をもたらしました伊勢湾台風級の高潮に対する防潮堤等の整備や、想定されます最大級の地震に対しましての水門等の耐震、耐水化などのハード対策を進めてまいりました。
 今後とも、こうした取り組みを着実に進めまして、東京の安全・安心を万全なものとしてまいります。
 京成本線の荒川橋梁かけかえについてでございます。
 本橋梁は、明治の末期から高度成長期にかけましての地盤沈下や堤防のかさ上げによりまして、周辺の堤防より低くなっていることから、現在、国がかけかえ事業を行っております。
 都におきましては、本橋梁のかけかえなど、大河川の氾濫を防止する治水対策の着実な推進を国へ要望いたしております。
 引き続き、東部低地帯の江東五区からの要望も踏まえまして、事業の着実な推進を国に求めてまいります。
 平和の祭典に向けた取り組みについてでございます。
 オリンピック憲章では、平和な社会の推進がうたわれておりまして、大会を成功させ、民族や国境を越えた平和の祭典として、次世代に引き継ぐことが重要だと認識をいたしております。
 開閉会式につきましては、平和を含め、共生、復興、未来等の八つの基本コンセプトを掲げまして、具体的な演出の検討が進められており、これらの項目はいずれも重要かつしっかり取り組んでいただきたい旨、組織委員会に伝達をしているところでございます。
 東京二〇二〇大会をしっかりと成功に導くことが、東京から世界に対して発信する最大の平和のメッセージになると、このように考えております。
 残余のご質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長からのご答弁とさせていただきます。
 以上です。
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 七点のご質問にお答えいたします。
 初めに、新型コロナウイルスに児童生徒や教職員が感染した場合における学校の対応についてでございますが、保健所、学校及び設置者の間で情報を共有するとともに、児童生徒には治癒するまでの出席停止の措置をとり、教職員も同様に出勤を抑制することとしております。
 また、感染予防策として、児童生徒及び教職員は、手洗いやせきエチケットなどを励行しているところでございます。
 さらに、都立学校におきましては、始業時間の繰り下げ、春季休業の前倒しや卒業式の時間短縮を図るなどの対応を行ってまいります。
 今後、都は、感染の拡大防止に努めるとともに、発生した場合には、学校の一部または全部、感染者がいない学校の臨時休業等を含め、速やかに対応し、児童生徒の安全・安心を守ってまいります。
 次に、学校給食における必要な栄養確保や食育についてでございますが、学校給食における栄養の確保につきましては、文部科学省が定める学校給食摂取基準に基づき、各区市町村教育委員会の責任と判断により行うこととされております。
 各区市町村におきましては、区市町村が食材の価格動向等を考慮して決定した食材費の範囲内で、学校栄養職員等の創意工夫と努力により、学校給食における必要な栄養量を確保しているものと考えております。
 また、学校給食における食育につきましても、各区市町村教育委員会が地域の実情や特性を考慮し、適切に実施しているものと認識しております。
 次に、学力テストの目的についてでございますが、国が実施している全国学力・学習状況調査の目的は、義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握、分析し、学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てることでございます。
 次に、未来の東京戦略ビジョンにおける政策目標についてでございますが、戦略ビジョンは、今後の東京のあるべき姿を示したものであり、その中には東京都の教育施策も含まれております。
 都教育委員会は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四十八条に基づき、都内区市町村の教育に関する事務の適正な処理を図るため、必要な援助を行っております。
 本政策目標は、区市町村に対する都教育委員会の施策の効果を検証するための一つの指標として設定をしておりまして、区市町村立小中学校の教育目標を設定しているものではございません。
 学力調査に関する政策目標についてでございますが、全国学力・学習状況調査は、義務教育の機会均等とその水準の維持向上を目的としております。
 都教育委員会は、区市町村教育委員会と連携を図り、小中学校が全国学力調査を活用して、個々の児童生徒の学習状況の把握や授業改善等に取り組むことができるよう支援しております。
 本政策目標は、都教育委員会の施策の効果を検証するための一つの指標として設定したものでございます。
 次に、小中学校の三十五人学級の状況についてでございますが、義務教育における一学級の児童生徒数の標準は、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律により定められており、各道府県は、この法律の規定にのっとり、それぞれの地域の実情を考慮して学級編制基準を定めているものと考えております。
 文部科学省の調査におきまして、公立小中学校における一部の学年などで、国の標準を下回る学級編制基準の弾力的運用を実施している自治体があることは承知しております。
 最後に、小中学校全学年での三十五人学級の実施についてでございますが、義務教育における学級編制は、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律により、児童生徒数の標準が定められ、教育の機会均等や全国的な教育水準の維持の観点から、国の責任において行われるべきものと考えておりまして、引き続き国の動向を注視してまいります。
〔東京都技監佐藤伸朗君登壇〕

○東京都技監(佐藤伸朗君) 十点のご質問にお答えいたします。
 まず、羽田新飛行経路における着陸時の進入角度の引き上げについてでございます。
 国からは、騒音対策の一つとして、着陸時の進入角度を三度から三・五度に引き上げ、騒音影響の軽減を図ることとしたと聞いております。
 また、国は、この進入角度の引き上げについて、国際民間航空機関が定める国際的な安全基準にのっとったものであり、安全性は確保されるものとしております。
 次に、羽田新飛行経路の運航についてでございますが、今回の実機飛行確認時において、パイロットに対する周知など、新飛行経路の運用に向けた事前準備が整っていなかった外国航空会社があったと国から聞いております。
 このため、国は、来月下旬からの新飛行経路の確実な運用を行うために、羽田空港に乗り入れる全ての外国航空会社に対し、新飛行経路の運航に関する準備状況について確認を行うとともに、運航上の留意点について改めて周知徹底して安全を図っていくとしております。
 都としては、引き続き、国に対し安全管理の徹底を求めてまいります。
 次に、羽田新飛行経路の実施についてでございますが、東京の国際競争力の向上や東京二〇二〇大会の円滑な実施のため、羽田空港の機能強化は極めて重要でございます。その実現に向けて、もとより都民の安全の確保は重要であり、都は、国に対して丁寧な情報提供や騒音影響の軽減とあわせて、安全管理の徹底を求めてまいりました。
 これを受けて国は、航空機のチェック体制の強化、航空会社への世界的に類を見ない落下物防止対策の義務づけなどの対策を実施してまいりました。加えて、来月下旬からの新飛行経路の運用開始に当たり、羽田空港に乗り入れる全ての外国航空会社に対して、運航上の留意点について改めて周知徹底し、安全を図っていくとしております。
 都としては、引き続き、国に対して安全対策の着実な実施を求めてまいります。
 次に、神宮外苑のまちづくりへの意見等についてでございますが、神宮球場などの一帯の地区のまちづくりについて、これまで環境アセスの調査計画書の縦覧や事業者による地元説明会が実施されているところでございまして、住民からさまざまな意見などがあったと聞いております。こうした意見などを踏まえ、事業者において計画案の一部を変更したと聞いております。
 次に、神宮外苑地区のスポーツクラスターについてでございます。
 都は、神宮外苑地区をスポーツクラスターとして位置づけ、大規模スポーツ施設を中心としたさまざまな施設の集積地区として、集客力が高く、にぎわいあふれるスポーツ、文化、交流のまちを形成することとしております。
 平成三十年十一月に都が策定したまちづくり指針において、開かれたスポーツ環境の整備の方針を示しております。
 例えば、競技等の継続に配慮して大規模スポーツ施設を連鎖的に建てかえ、世界に誇れる水準にある施設として更新するとともに、憩いや交流、イベントなど、多目的に利用可能な、誰もがスポーツに親しめる広場空間を整備するなどとしております。
 こうした方針を踏まえ、計画の内容について事業者により具体化することになります。
 次に、首都高日本橋地下化に伴う大型車の交通機能確保策についてでございます。
 昨年十月に都市計画決定した首都高の地下化は、民間プロジェクトと連携することで、地下化ルートの導入空間の確保などに係るコストの縮減が図られました。
 地下化に伴い必要となる大型車の八重洲線方面の代替ルートにつきましては、現在、国などとともに、実現可能性の観点から二案に絞って検討を進めております。
 その具体化に向けて、日本橋周辺の首都高地下化と同様、国や首都高速道路株式会社などと共同で、周辺のまちづくりと連携を図りつつ、コストを精査しながら事業費や事業スキームなどを検討してまいります。
 次に、都市再生についてでございます。
 都は、都市再生特別地区などを活用し、国際競争力の強化に加え、都市の多様な魅力向上につながる優良な民間プロジェクトを促進しております。
 例えば、大手町エリアでは、生物多様性を促す大手町の森を整備するなど、質の高いまとまった緑の創出を図っております。また、日本橋エリアでは、歴史性を踏まえた福徳神社の再建や、にぎわいを継承する歩行者空間の整備など、歴史、文化の形成や、まち並みとの調和に配慮した良好な景観形成を誘導しております。その際、地区内の合意形成を図るなど、住民の意見を聞きながらプロジェクトが進められております。
 引き続き、都市再生特別地区などを効果的に活用して、成長と成熟が両立した東京をつくってまいります。
 次に、日本橋周辺の再開発についてでございますが、お話のCO2に関する数値は、両地区の建設後の排出量の想定であり、建設前からの増加量ではございません。都市再生特別地区の活用に当たっては、最先端の環境技術を導入して、建物の熱負荷に対する性能などを最高水準にすることを制度適用の条件としております。
 加えまして、両地区では地域冷暖房施設を導入し、周辺地区を含めた熱の効率的な利用を促進し、環境負荷低減を図ることとしております。
 さらに今後、再生可能エネルギーの利用拡大についても検討し、さらなるCO2削減を図ることとしております。
 次に、住宅の耐震化についてでございます。
 地震による住宅の倒壊を防ぐことは、居住者の生命と財産を守ることだけでなく、都市の防災力の向上にもつながります。耐震化を促進するためには、所有者がみずからの問題として認識し、備えることが不可欠であり、所有者の主体的な取り組みを促すよう、区市町村への支援を強化することが重要でございます。
 都は、整備地域内での区の取り組みを後押しするため、改修への助成の拡充などを行ってまいりました。昨年度からは、さらに積極的な働きかけを行う区市町村を対象に、整備地域外にも助成を拡大しております。
 今後も、区市町村と連携しながら、こうした取り組みを通じ、さらに住宅の耐震化を促進してまいります。
 最後に、横田基地周辺におけるPFOSなど有機フッ素化合物の検出についてでございますが、都では、ご指摘の報道を受け、泡消火剤の流出や使用状況などについて国に確認いたしましたが、泡消火剤が流出したとの情報は承知していない、また、横田基地では平成二十八年以降、訓練時にはPFOSを含む泡消火剤を使用していないとのことでございました。
 PFOS等は泡消火剤以外にもさまざまな用途で使用されており、発生源は特定されておりません。PFOS等については、国において、今年度内に地下水等の全国調査を行うとともに、本年四月を目途に水道水質の暫定目標値を設定すると聞いております。
 今後、これらの動向を注視するとともに、引き続き、国や米軍に対して情報提供を求めてまいります。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 十一点のご質問にお答えいたします。
 まず、高齢者施設での感染対策についてでありますが、各施設では感染対策委員会を設置するなどして、日ごろから感染症の予防や拡大防止に努めております。
 都では、毎年、施設の看護師等を対象に感染症対策に関する研修を実施しており、今回の新型コロナウイルス発生後は、国の通知等に基づき、都内全ての施設に対し、手洗い等の励行や入所者の健康状態の把握など、施設内感染対策の徹底について注意喚起を行っております。
 マスクや消毒薬等の衛生資材の安定的な流通につきましては、国に緊急要望を行っており、今後とも施設の現状把握を進めてまいります。
 次に、新型コロナウイルス感染症の検査体制についてでありますが、都は国に対し、今後の感染拡大に的確に対応するため、国としてPCR検査体制を強化するとともに、民間検査機関でも検査が可能な体制を構築するよう、重ねて要望しております。
 次に、検査を行う職員の専門性確保についてでありますが、東京都健康安全研究センターで実施する検査は、その結果が入院勧告など法に基づく対応につながることから、高い精度が求められ、それを行う職員にも高い専門性が必要でございます。
 同センターでは、実施する各種検査の精度を保つため、平常時から検査業務を通じて職員の専門性の向上を図っており、今般の新型コロナウイルス感染症の検査も、専門性を有する職員により対応しております。
 次に、医師向けの情報提供についてでありますが、都は、医療機関が新型コロナウイルス感染症に適切に対応できるよう、東京都感染症情報センターのホームページに、医療機関向けの専用ページを作成しております。
 この専用ページには、診療や院内感染の防止に関すること、患者説明用の資料など、医療機関で役立てていただける情報を集めて掲載しており、今後も必要に応じて随時更新してまいります。
 また、国に対しまして、昨日、一般医療機関での診療を可能にするため、早期に診断、治療アルゴリズムを提示するよう緊急要望を行ったところです。
 次に、特別養護老人ホームの整備についてでありますが、都は、令和七年度末までに特別養護老人ホームの定員を六万二千人分までふやす目標を掲げ、独自の整備費補助や土地賃借料の負担軽減などにより整備を進めているところでございます。
 来年度は、第八期の高齢者保健福祉計画の策定を予定しており、整備目標についても、今年度実施した入所申し込み等に関する調査の結果や高齢者人口の将来推計、区市町村のサービス見込み量を踏まえて設定することとしております。
 次に、介護職員の処遇改善についてでありますが、介護サービス事業は、サービス提供の対価として事業者に支払われる介護報酬等により運営されることが基本でございます。
 都は国に対し、事業者が介護人材の確保、定着を図り、健全な事業運営を行うことができる介護報酬とするよう繰り返し提案要求しており、国は昨年十月の報酬改定において、介護職員のさらなる処遇改善を図ったところでございます。
 また、都は独自に介護人材の確保、定着を図るため、国のキャリア段位制度を活用したキャリアパスの導入や、介護職員の宿舎借り上げに取り組む事業者を支援しております。
 次に、待機児童対策についてでありますが、都は昨年七月、待機児童が多い自治体を中心にヒアリングを実施し、その結果を踏まえ、今年度のさらなる取り組みとして、短期間で整備可能な小規模保育事業等の整備の後押しや、認可保育所の空き定員を有効活用して、待機児童の多い一歳児の受け入れを促進する仕組みを充実いたしました。
 さらに、本年一月に開催した東京都待機児童対策協議会において、空き定員の有効活用や、自治体間の広域利用の促進等を区市町村に働きかけるなど、今年度末までの待機児童解消に向けた取り組みを進めてまいります。
 次に、子供食堂についてでありますが、子供が健やかに育つためには、栄養面でバランスのとれた食事や安心して過ごせる居場所があることが重要であり、子供食堂は、食を通じて子供と地域とのつながりをつくる場となっております。
 次に、子供食堂への支援についてでありますが、都は、地域の子供たちに食事や交流の場を提供する民間団体等の取り組みを支援するため、昨年度から、区市町村を通じて運営費の一部を補助しており、来年度も地域での子供食堂の取り組みが進むよう支援してまいります。
 次に、子供の権利についてでありますが、都は、子供が健やかに成長できる社会の形成を目指し、子供・子育て支援総合計画に基づき、本人から直接相談を受ける子供の権利擁護専門相談事業など、子供の権利擁護に関するさまざまな施策を実施しております。
 昨年四月施行の東京都子供への虐待の防止等に関する条例では、子供の権利利益の擁護と健やかな成長を図ることを目的に、子供の年齢及び発達の程度に応じて意見を尊重することや、子供の最善の利益を最優先することを基本理念としております。
 最後に、国の公立、公的医療機関等に関する分析結果についてでありますが、国が公立、公的医療機関等を対象として行った診療実績の分析方法は、全国一律の基準を機械的に適用したものであり、僻地や島しょ医療を担う病院、特殊な疾病に対応する病院なども対象となっております。
 都は、地域医療構想調整会議において、国の分析だけでは判断し得ない地域の実情に関する意見を補いながら、当該医療機関の役割や医療機能を確認し、理解を深めた上で、地域に必要な医療提供体制について議論を進めております。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、新型コロナウイルス感染症の経済への影響についてですが、感染拡大による都内経済への影響を把握するため、知事による商工団体や観光関連団体の代表者からの聞き取りに加えまして、月例の景況調査や金融機関等へのヒアリングにより実情の把握に努めております。
 次に、消費税率の引き上げに伴う中小企業への調査ですが、都ではこれまでも、都内中小企業の状況などについて定期的に調査を実施しているところでございます。昨年十一月には、消費税の影響に関する調査をあわせて行いました。また、一月には、消費税の企業業績に与える影響について調査を実施したところでございます。
 最後に、経済政策についてですが、都は、数多くの従業者が働き、都内産業を支えている中小企業の活性化を図るため、これまでも生産性向上や働き方改革など必要な対策を講じてまいりました。
 今後とも、こうした取り組みにより東京の経済の成長を確かなものにしてまいります。
〔財務局長武市敬君登壇〕

○財務局長(武市敬君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、労働者の処遇に関する調査についてでございますが、労働者の適切な処遇の確保は重要でありまして、例えば、担い手不足が指摘される建設業界におきましては、発注者による適正な予定価格の設定はもとより、現場での下請契約が適正に行われることが必要でございます。
 そのため、都はこれまでも、工事契約に係る元請企業に対しまして下請契約の適正化を要請してまいりましたが、今後、そのフォローアップ調査を行い、適正な下請代金の支払いなど実態の把握に努めることによりまして、実効性を高めることとしております。
 具体的な調査方法などにつきましては、今後検討を進めてまいります。
 次いで、公契約条例の必要性についてでありますが、公契約条例につきましては、整理、検討すべき課題があると認識をしております。
 賃金等は、労働関係法令のもとで、労働者個人の経験、能力などを踏まえました対等な労使での協議によることが前提であると考えております。
〔病院経営本部長堤雅史君登壇〕

○病院経営本部長(堤雅史君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、地方独立行政法人化の目的についてでございますが、超高齢社会の本格化や医療の担い手不足など、医療課題がさらに深刻化していく中でも、都民の医療ニーズに迅速かつ柔軟に対応することで質の高い医療を提供し、患者サービスを向上させること、このことが地方独立行政法人化の目的でございます。
 最少の経費で最大のサービスを提供することは、現在の経営形態であっても当然でございまして、これまでも不断の経営改善努力を行ってまいりました。
 独法化後は、そのメリットを生かしまして、人材の機動的な確保による新たな医療ニーズへの対応や、柔軟な契約手法の導入などによるさらなるコスト削減を行うことにより、行政的医療等を一層充実させることができると考えております。
 なお、一般会計からの繰入金につきましては、毎年度の収入と支出の状況によって増減するものでございまして、現行制度においても独法化後も同様でございます。
 次に、地方独立行政法人での料金設定等についてでございますが、お話の事例は、人件費や材料費などをもとにした分娩料やセカンドオピニオン料、充実させた設備コストを反映した個室料などを算出して料金を決定したものでございまして、地方独立行政法人への移行を理由としたものではございません。
 なお、自治体病院等におきましては、健康保険が適用されない自由診療部分などについて、受益者負担の原則に基づき、使用料を定めております。その設定に当たっては、どのような経営形態であっても、人件費や光熱水費、減価償却費などの原価計算等をもとに算定するのが基本でございます。
 最後に、地方独立行政法人化の意思決定についてでございますが、これまで他団体のさまざまな先行事例調査、都民ニーズを踏まえた医療機能強化に係る各都立病院との意見交換、都立病院と公社病院との連携強化のあり方等に係る東京都保健医療公社との検討、地域医療の充実等に係る東京都医師会等との意見交換など、さまざまな検討を行ってまいりました。
 こうした検討内容も踏まえ、都立、公社病院の経営形態に関する今後の進め方を決定し、十二月三日の都立病院及び東京都保健医療公社の病院合わせ十四病院を一体的に地方独立行政法人へ移行すべく準備を開始する旨の所信表明に至ったものでございます。
 十二月二十五日には、独法への移行準備を開始するに至った考え方や、独法化により充実する医療などを示した新たな病院運営改革ビジョン(素案)を公表し、パブリックコメントを実施いたしました。
 今後、本定例会などのご議論などを経て、年度末までに独法化の方針として新たな病院運営改革ビジョンを確定したいと考えております。
〔港湾局長古谷ひろみ君登壇〕

○港湾局長(古谷ひろみ君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、IRの委託調査についてでございますが、都としては、IRのメリット、デメリットについて総合的に検討するため、平成二十六年度以来、IRを導入した海外の事例や、都に立地した場合の影響について調査を行っており、今年度も依存症対策などについて引き続き調査を実施しております。
 次に、IRに関する世論についてでございますが、IRは、日本の経済成長や国際競争力を高める観光拠点として期待される一方で、ギャンブル依存症等の懸念の声があることは認識しております。
 都といたしましては、メリット、デメリットについて引き続き総合的に検討してまいります。
〔環境局長吉村憲彦君登壇〕

○環境局長(吉村憲彦君) 二点のご質問にお答えします。
 二〇三〇年に向けた温室効果ガスの排出削減目標についてでございますが、都は、環境基本計画において二〇三〇年までに温室効果ガス排出量を二〇〇〇年比で三〇%削減するという目標を定めております。
 また、部門別には、産業、業務部門二〇%程度、家庭部門二〇%程度、運輸部門六〇%程度と設定しております。
 今後、これまで取り組みを進めてきた分野に加えまして、あらゆる分野の広範な取り組みを気候変動対策として位置づけ、目標の着実な達成を目指すとともに、目標を上回るために、進化、加速する具体的な取り組みを実行してまいります。
 次に、二〇三〇年目標の実現に向けた取り組みについてでございますが、都は、今後も環境審議会等の専門家の意見も聞きながら、目標や施策の進捗状況等を多角的に分析、検証し、継続的な見直しを図るとともに、都民の皆様に共感と協働を呼びかけ、力を合わせてこの一大プロジェクトに取り組み、ゼロエミッション東京を実現してまいります。
〔建設局長三浦隆君登壇〕

○建設局長(三浦隆君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 初めに、京成本線の荒川橋梁部周辺における堤防強化に対する都の対応についてでございますが、国は、台風第十九号において日本各地で堤防の決壊により甚大な被害が発生したことを踏まえ、今月、有識者から成る河川堤防に関する技術検討会を設置いたしました。
 その検討会の中で、堤防決壊等の要因を分析し、今後の危機管理として堤防強化の方向性が検討されております。
 引き続き、検討会の動きを注視していくとともに、荒川橋梁のかけかえの着実な推進を国に求めてまいります。
 次に、東京二〇二〇大会期間中の第五福竜丸展示館についてでございますが、第五福竜丸展示館は、都立夢の島公園内に昭和五十一年に設置され、これまで約五百六十万人が来館し、実物の「第五福竜丸」を通じて被爆の状況を学んでいます。また、展示資料の貸し出しにより広く普及に努めてまいりました。
 東京二〇二〇大会期間中は、公園内が競技会場となり公園利用が大きく制約されることから休館となりますが、その間も、国内の多数のイベントや展示会へ資料を貸し出し、学芸員による出張講演を行うとともに、ホームページで館外での展示情報を提供してまいります。
 引き続き、「第五福竜丸」の展示の意義を広く伝えていくよう努めてまいります。
〔消防総監安藤俊雄君登壇〕

○消防総監(安藤俊雄君) 地域の防火防災功労賞についてでございますが、東京消防庁では、都民の防災行動力の向上や防災にかかわる地域連携の強化を図ることを目的に、防火防災に関する自助、共助の効果的な取り組みを、地域の防火防災功労賞制度により表彰しております。
 今回最優秀賞を受賞した足立区第十八地区町会自治会連絡協議会は、水害時に活用できるボートや救命胴衣を整備し、消防署や消防団の指導を受けて積極的に訓練を行うとともに、中川の氾濫時における水害行動計画である水害コミュニティ・タイムラインを作成し、実際に台風の接近に合わせて試行や検証を重ねております。
 このような実践的な取り組みを継続していることが高く評価されて、受賞したものでございます。
〔総務局長遠藤雅彦君登壇〕

○総務局長(遠藤雅彦君) 防災対策における地域コミュニティの役割についてでございますが、災害時に一人でも多くの命を救うためには、地域住民による共助の取り組みは重要でございます。
 このため、都はこれまで、地域の防災訓練等の支援を初め、町会、自治会等を対象としたセミナーの開催や、自主防災組織のリーダーを育成する研修等の取り組みを進めてきております。
 引き続き、地域における先行事例等も踏まえ、セミナーの規模を拡大するなど取り組みの強化を図り、都内の地域防災力を向上させてまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長潮田勉君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君) 六点のご質問にお答えいたします。
 まず、大会に関する経費の縮減と透明化についてでございますが、これまでも、都立新規恒久施設の整備費用の削減や、組織委員会と連携してIOCに対し要件緩和を求めるなど、経費の縮減に取り組んできており、大会経費V4は一兆三千五百億円となっております。これについては、昨年十二月にその内訳を公表しているところであります。
 また、大会を契機に都が取り組む大会関連経費については、平成二十九年度から令和二年度までの合計額を七千七百六十六億円に縮減しており、令和二年度予算案の公表時にその内訳を示しております。
 次に、大会経費についてでございます。
 今後、大会本番の運営などさまざまな業務が具体化し、新たな経費が必要となることが見込まれる中においても、引き続き、効率化に向けた精査を組織委員会とともに行ってまいります。
 今後とも、こうした取り組みを都民の皆様にわかりやすくお伝えし、ご理解を得ながら、大会の準備を着実に進めてまいります。
 次に、組織委員会の情報公開についてでありますが、組織委員会が作成した文書については、IOCとの開催都市契約に基づく保存管理のルールや、関係法に基づく保管義務などがございます。
 その上で、都民、国民に丁寧な説明を行う必要があることから、組織委員会に情報公開の推進を働きかけてまいりました。
 組織委員会としても、事業計画書、予算書、事業報告書、決算書のほか、過去の契約について件名や相手方等を公表するなど、関係法令で求めるレベルを超えて情報公開に取り組んでいるところでございます。
 引き続き、情報公開の推進について働きかけてまいります。
 次に、大会後の組織委員会の文書の検証についてでありますが、東京二〇二〇大会の成功とともに、その成果を後世に引き継ぎ、大会後の経費検証を可能なものとするなど、レガシーを将来にわたって残していくためには、組織委員会の文書保管、承継は大変重要であります。
 そのため、これまでも、大会後を見据えた文書の適切な保存、管理について働きかけてまいりました。大会後においても、経費に係る書類や活動記録などの重要な資産が適切に保存、管理されるよう、積極的に関与してまいります。
 次に、組織委員会の文書の保存期間についてでございます。
 大会後も、これらの文書をその性質や必要性などに応じて適切に保管されるよう、引き続き働きかけてまいります。
 最後に、清算人についてでございますが、組織委員会の理事会及び評議員会で決められることとなると聞いております。
〔百二十七番和泉なおみ君登壇〕

○百二十七番(和泉なおみ君) 再質問します。
 まず、都立病院、公社病院の独立行政法人化について病院経営本部長に質問します。
 大阪府立病院の独立行政法人化後、分娩料や差額ベッド代が大幅値上げしていることについて、独立行政法人化への移行を理由としたものではないという答弁でした。
 しかし、各種の料金、患者負担を機動的に変更できるのが地方独立行政法人のメリットだというのは、大阪府立病院機構自身が説明したことです。
 大阪府立病院機構のこの説明は間違いだというのですか。お答えください。
 二問目です。これも病院経営本部長にお聞きします。
 都立病院、公社病院の独立行政法人化の準備を始めるという方針は決裁手続がされていません。
 一方、我が党は、昨年の第四回定例会に出した文書質問で、独立行政法人化への移行に向けた準備を開始するというのは都として決定した方針かと質問しました。これに、都として決定したものですという明快な答弁が返ってきています。
 決裁なしに決定できるのですか。そんなことができるという根拠規定を示してください。
 三問目は、羽田空港新ルート問題です。これは知事への再質問です。知事がきちんと答えてください。
 知事は、羽田新飛行ルートの危険性についての認識を持っていないのですかと質問しましたが、知事は答弁しませんでした。
 知事、危険性の認識があるかないかということについて、なぜ知事が自分で答弁できないのですか。知事、お答えください。
 最後に、住宅耐震化について知事に再質問します。
 知事は都知事選挙で、住宅の耐震化、不燃化を二〇二〇年までに加速すると公約しました。私は、知事、この公約を覚えていないのですかと聞きました。覚えているのか覚えていないのかだけで結構ですから、知事が直接お答えください。
 以上で再質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 再質問にお答えをいたします。
 まず、羽田空港の機能強化に係ります進入角度や落下物対策についてでございますけれども、こちらは先ほど都技監がお答えしたとおりでございます。
 なお、都といたしまして、先ほどお答えしたとおり、引き続き国に対しましては丁寧な情報提供、騒音、安全対策の着実な実施を求めているということであります。
 次に、住宅の耐震化につきまして、こちらも先ほど既に技監からお答えしたとおりでございます。
 都は……(発言する者あり)お静かに願います。(発言する者あり)お静かに願います。議長、よろしくお願いします。

○議長(石川良一君) はい。静粛に。

○知事(小池百合子君) 都は……(発言する者あり)今ご答弁させていただいておりますので、よろしくお願いいたします。
 都は、整備地域内での区の取り組みを後押しするために、改修への助成の拡充などを行ってまいりました。特に昨年度から、さらに積極的な働きを行います区市町村を対象にして、整備地域外にも助成を拡大したところでございます。
 今後も、区市町村と連携しながら、こうした取り組みを通じまして、住宅の耐震化を促進してセーフシティーを目指してまいります。
〔病院経営本部長堤雅史君登壇〕

○病院経営本部長(堤雅史君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、料金設定についてでございますけれども、先ほども申し上げましたが、自治体病院等では、健康保険が適用されない自由診療部分などにつきまして、受益者負担の原則に基づき使用料を定めております。その設定に当たっては、どのような経営形態であっても、人件費や光熱水費、減価償却費などの原価計算等をもとに算定することが基本でございます。
 次に、決裁手続についてでございますが、先ほどもご答弁申し上げたとおり、これまで行ってきたさまざまな検討内容を踏まえて、都立、公社病院の経営形態に関する今後の進め方を決定し、十二月三日の所信表明に至ったものでございます。
 その後、十二月二十五日には、新たな病院運営改革ビジョン素案を公表し、パブリックコメントを実施いたしました。
 今後、本定例会での議論などを経て、年度末までに独法化の方針として新たな病院運営改革ビジョンを確定したいというふうに考えております。

○議長(石川良一君) 百二番、中村ひろし君
〔百二番中村ひろし君登壇〕

○百二番(中村ひろし君) 私は、都議会立憲民主党・民主クラブを代表して、都政の諸課題について質問します。
 初めに、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。
 国の対応が後手に回っているといわれる中、都民に身近な地方自治体のトップとして、これ以上の感染拡大を防ぎ、かつ過度な不安を取り除くための明確なメッセージが求められています。感染症対策はもちろん、社会的混乱、経済的損失、いずれに対しても迅速かつ的確な対処が必要です。
 都知事として、都民生活全体を考えるならば、当面の感染拡大防止に本当に必要な都民の協力や、長期戦も見据え、医療、福祉の現場はもちろん、交通、物流、生産、小売など、都民生活に欠かせない対人サービスや労働集約型産業において、その機能をどう維持していくのかなど、必要でありながら言及のなかった項目が多々あります。
 事態は予断を許しません。三月末の予算案議決までの間にも、本予算、補正予算には想定されていない事態が起こるおそれも十分あり、感染者がふえれば重症者もふえてしまうことに疑いはなく、指定医療機関以外の受け入れ体制、院内感染予防の徹底といった対策はもちろん、都民の命を守るために必要な受け入れ施設の確保や今後の整備も含め、果敢に行動することが必要と考えますが、知事の見解を伺います。
 企業、経済活動への影響も深刻です。新型コロナウイルス感染症により、日に日に都内経済への影響が大きくなっています。
 都内には、春節休暇から帰国した中国人などの従業員を自宅待機とする措置を余儀なくされている企業も数多くあります。こうした企業に対しては、負担の一部軽減を図る補助金のような仕組みが効果的であり、先々には検討する必要が出てくることも考えられます。
 しかし、事態は待ったなしの状況でもあり、今実行できる支援を早期に打ち出すことも重要です。
 感染症による事業活動への影響は多様であり、今後どこまでその影響が長引くか不透明な中、さまざまな影響が広がることが懸念されています。今回の感染症は一種の災害と同様の重大事案であり、早急に対策を講じるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、非常時における働く人の安全確保についてです。
 私たちは、二〇一八年の台風時に、知事による非常事態宣言など社会的混乱を抑制するための取り組みを求めましたが、二〇一九年の台風時にも、鉄道会社などの計画運休に伴い通勤通学に大きな混乱を生じました。
 また、事業者によっては、各店舗での判断や自己判断に委ねる指示が出されたり、暴風雨の中、荷主の意向で配達をした運送会社もあったと聞きます。
 鉄道の計画運休については、都や経営者団体、労働団体などで協議が始まっていると聞きますが、台風に加え、今回の新型コロナウイルス感染症のような未知の感染症流行時も含めた、非常時における働く人たちの安全確保を第一に考えたルールやガイドラインが求められておりますが、都の見解を伺います。
 知事の所信表明では言及がありませんでしたが、新型コロナウイルスへの感染に際して、多くの都民が心配しているオリンピックの開催について知事の見解を伺います。
 国は、昨日、多数の人が集まる全国的なイベントの中止、延期等を要請、都は、みずからが主催する屋内の大規模イベントを原則として中止、延期することを明らかにしています。
 来月の聖火リレーやセレブレーションのリハーサルが始まっていますが、オリンピックを盛り上げようと企画されたものを初め、ほかにもたくさんのイベントが準備されており、参加人数の目安や十分な対策の具体例がないため、関係者は大変頭を悩ませています。
 こうしたイベントについても都が一定の指針を示すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 加えて、東京マラソンの一般参加中止について、知事は参加料の返金に関して、二〇一八年大会の事業費や経費割合を示すなどして理解を求めましたが、私は、大会終了後、より詳細な形でその収支を公表するとともに、ランナーの意向を踏まえた対応策を速やかに示すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、都政運営について伺います。
 私は、戦略ビジョンをソサエティー五・〇やAIといった、今、真新しい言葉で語るだけではなく、その恩恵からこぼれる人にこそ目を向けて、二〇四〇年の東京を考えるべきと考えます。都民の暮らしと人に着目をし、貧困や格差などの将来不安を解消してこそ、希望の持てる社会となると強く申し上げ、以下伺います。
 とりわけ、これまで置き去りにされてきた就職氷河期世代、ロスジェネ対策についてです。
 私たちの少年時代には明るい未来として描かれた二〇二〇年を迎えました。しかし、現実は、日本の雇用が崩壊し、平均所得百七十九万円の非正規雇用四割の時代であり、ロスジェネは戦後初めて親より貧しくなった世代です。二〇四〇年問題といわれ、このままでは無年金、低年金で家賃を払えず、生活保護が激増する未来がやってきます。
 知事は、戦略ビジョンで長寿プロジェクトなるものを展開、人生百年を謳歌する絵を描きました。頑張れば豊かになれた年金、退職金がある私の親の世代や知事の世代にはこの認識かもしれません。
 SDGs、誰ひとり取り残さないといいますが、一人一人に焦点を当て、明るい未来に向けて一歩踏み出す予算としては到底足りません。バックキャスティングを標語にせず、ロスジェネ生活安定化計画といったプロジェクトを緊急に実施し、官民挙げて集中的な就労支援等の取り組みを行うべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 都は、私たちの求めに応じて、ようやく財政の長期推計を行いました。この推計を使って将来に対する見通しを持ち、毎年の予算の大枠はどうあるべきか、消費増税による景気の腰折れや新型コロナの影響なども出てきていますが、歳出を膨張させて本当によいのか、常に将来を考え、検証を続けていかなければなりません。その上で、堅実かつ機動的な財政運営を行うことが必要です。
 長期推計を長期ビジョンにどう生かしたのか、また、今後策定される長期戦略の実行に向け、長期推計をどのように活用していくのか、知事の見解を伺います。
 次に、高齢者施策について伺います。
 まず、知事の選挙公約である介護離職ゼロの実現について伺います。
 介護離職をなくすためには、介護サービス基盤の充実に加えて、平日の手続や病院の付き添い、月一回のケアマネジャーの訪問など、頻繁に短時間の休みが必要で、長期にわたる特性に応じた施策の充実が必要です。
 法改正により、介護休業、休暇制度のある会社はふえたものの、九割はその制度を利用しておらず、依然として使い勝手、企業や働く人の負担という課題は解決されていません。都の調査でも、介護と仕事の両立は、八割の企業が重要な経営課題と認識しており、喫緊の課題です。介護有給への助成など、即効性の高い政策が必要と考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、介護人材確保について伺います。
 東京都においては、介護人材の募集から就労、資格取得、宿舎借り上げや奨学金返済など、メニューは充実をしましたが、賃金は全産業より低いままで、人手不足は改善されず、ホームヘルパーの高齢化など、今後、介護の各分野で人手不足が深刻化するおそれも指摘をされています。
 このことは、介護される側だけではなく、施設経営者や介護現場で働く人の悩みでもあります。現場の人手不足は、サービスやモチベーションの低下、休みのとりづらさなど労働環境の悪化に直結をし、他産業と比べても突出をして高い離職率の背景ともいわれています。
 改めて、介護現場の人材確保、離職防止に向けたベンチマークの設定と、一番いいやり方の実践に必要な施策構築に一層の取り組みを求めるものですが、知事の見解を伺います。
 次に、シルバーパスについて伺います。
 二年度予算案には、多摩都市モノレールの延伸に向けた予算が計上されましたが、かつて多摩都市モノレールの開業時、地域のバス路線が廃止をされ、パスが利用できなくなったことがありました。都営地下鉄のない多摩地域では、多摩都市モノレールを含め、パス利用の対象路線拡大が強く求められています。
 また、東京都は、パスの利用者実態調査をことし二月に公表しています。
 そこで、私は、利用対象路線を拡大するとともに、調査結果を受け、新たに収入に応じた段階的な利用者負担額を設定するなど、早急にシルバーパスの改善に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、知事の政治姿勢についてです。
 知事は施政方針において、私利を追わず公益を図ると渋沢栄一が語ったとされる言葉を引用しましたが、知事自身、本当に私利を追っていないといい切れるのでしょうか。
 この間、私たちは、東京都の予算編成権者であり、執行権者である小池知事が主催する政治資金パーティーを行った際、自粛すべきだと申し上げてきましたが、知事は私たちの提案を無視する形で、昨年十一月二十八日、各種団体からの予算要望ヒアリングの真っただ中の日程でパーティーを開催しました。
 私は、公金の私物化、公私混同という都民の疑念を招かないためにも、知事自身による政治資金パーティーの開催を自粛すべきと考えますが、見解を伺います。
 あわせて、パーティー券の購入団体のうち、予算要望ヒアリングを行った団体は何団体で、購入額はそれぞれ幾らなのか情報公開を求めますが、その見解を伺います。
 次に、IR、いわゆるカジノの誘致について伺います。
 小池知事は、カジノに関して、メリット、デメリットの両面があり、総合的に検討していくと繰り返すばかりです。横浜市長のように、選挙後に突然態度を豹変するようなやり方は決して許されるものではなく、私は、東京都の知事としてカジノの誘致はしないと明言すべきと考えます。来年七月までとされる申請期限を控え、いつまでに明確にするのかも含め、知事の見解を伺います。
 また、今回の国会議員の逮捕はカジノ関連企業からの贈収賄容疑だといわれていますが、小池知事自身、カジノ関連企業から献金やパーティー券の購入など、支援を受けたことはあるのか、カジノ関連企業との関係の有無などについて見解を伺います。
 最後に、平和について申し上げます。
 これまでも何度も申し上げてきましたが、平和の祭典であるオリンピック期間中、私たちは、七十五回目となる広島、長崎の原爆犠牲者慰霊の日を迎えます。
 昨年十一月、三十八年ぶりに来日したローマ教皇は、核兵器のない世界は可能であり、必要不可欠であると述べ、政治をつかさどる指導者に対して、核兵器は安全保障への脅威から私たちを守ってくれるものではないと心に刻んでくださいと語りました。
 今、イランの核合意問題や北朝鮮の核開発を含め、大国間の対抗意識や敵意の高まりなど、核を取り巻く環境は急速に増しています。このような状況下だからこそ、私たち一人一人が勇気を持って一歩踏み出し、核兵器の廃絶に向け声を上げ、行動していくことが極めて重要であると考えます。
 都として非核都市を宣言し、核兵器のない社会の実現に積極的に行動すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 以上で都議会立憲民主党・民主クラブを代表しての質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 中村ひろし議員の代表質問にお答えをいたします。
 まず、新型コロナウイルス感染症の医療体制等につきましてのご質問がございました。
 都におきましては、これまで、感染の可能性のある方から二十四時間体制で相談を受け付けます帰国者・接触者電話相談センターを設置いたしまして、相談を受けた中で感染が疑われる場合には、受け入れ体制が整備をされました帰国者、接触者外来の受診を案内する体制を整えております。
 また、検査体制につきましては、東京都健康安全研究センターで実施をいたしておりますPCR検査を一日に百二十件まで実施可能な体制に増強いたしまして、都内の医療機関から報告されます疑いのある患者の検査を迅速に実施をいたしております。
 検査の結果、陽性となられた方につきましては、感染症指定医療機関等で治療等を行うことといたしておりまして、これらの医療機関には、都から防護服を提供いたしております。
 今後、感染が拡大していく可能性を見据えまして、都は先般、東京都医師会や感染症指定医療機関の医師などの有識者から、今後の対策につきまして、速やかに都内の医療体制の強化に取り組むべく、ご意見をいただいたところでございます。
 また、国は、新型コロナウイルス対策本部で、今後の対策に係る基本方針を決定しました。
 都としましては、これらを踏まえながら、国や多くの医療関係者と緊密に連携をいたしまして、検査体制、医療体制の強化を迅速に進めて、新型コロナウイルス感染症対策に取り組んでまいります。
 さらに、武漢からの帰国者への対応に係る課題を踏まえまして、感染の疑いのある方の経過観察を行うための一時滞在施設の機能等に関する調査検討を行ってまいります。
 次に、新型コロナウイルス感染症に係る中小企業への支援でございます。
 新型コロナウイルスの流行が経済活動に与えます影響を最小限に抑える、その観点から、中小企業への支援を迅速かつ切れ目なく展開することが重要でございます。
 今回の補正予算におきましては、感染症による事業活動への影響を受けまして、一定の売り上げ減少などがある幅広い中小企業に対しまして、融資目標額を一千億円とする緊急融資制度を創設いたしまして、信用保証料の全額を都が補助するなど、円滑な資金調達を支援することといたしました。
 また、厳しい状況に直面をしている中小企業に対しましては、経営や法律の専門家を無料で派遣するとともに、国内外への販路の開拓支援も強化してまいります。
 こうしたセーフティーネットの取り組みを総合的に進めることによりまして、東京の経済の活力維持に万全を期してまいります。
 大会の開催に向けた取り組みについてのご質問でございます。
 大会の成功に向けまして、選手、大会関係者、観客の安全・安心を確保することは重要でございます。
 都はこれまで、感染症を含め、さまざまなリスクに対応するための対処要領を策定するなど、組織委員会を初め関係機関とも連携して準備を重ねてまいりました。
 さらに、先月国内で発生をいたしました新型コロナウイルス感染症に対応するために、速やかに対策本部を立ち上げまして、全庁を挙げましての迅速かつ幅広い対応に当たってきたところでございます。
 IOCからは、今月開催されましたプロジェクトレビューにおきましても、こうした都と組織委員会、国などがとっているさまざまな措置に信頼を抱いているとのご評価をいただいておりまして、現在も大会に向けての準備が計画どおりと伺っております。
 新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐためには、今がまさに正念場でございます。集中的な取り組みをしっかりと実施する。その上で、大会準備の総仕上げに引き続き全力を尽くしてまいります。
 次に、都内で実施されますイベントの取り扱いについてのご質問でございます。
 新型コロナウイルス感染症をめぐる状況は日々変わっていく中で、都としましては、これまでも総力を結集して、やるべきことはちゅうちょなく全力で取り組んでまいりました。
 現在は、都内における新型コロナウイルス感染症の拡大を最小限に抑える上で、極めて重要な時期でございます。
 そこで、東京都といたしまして、首都東京の安全・安心確保の実現に向けまして、二月二十二日からの三週間を拡大防止の重要な期間と位置づけて、都が開催いたしますイベントの取り扱いについて対応方針を公表したところでございます。
 具体的に申し上げますと、特にリスクが高いとされる、おおむね五百人以上の大規模な屋内イベントであるとか、食事を提供するイベントを原則延期または中止とすることといたしております。
 その他のイベントにつきましても、リスク評価の考慮事項や手洗いの励行など、実施する場合の注意事項を具体的に例示いたしまして、イベントごとにリスク評価を行った上で実施の可否等を判断することとして、開催する場合には感染リスクが極力生じないように取り組むことといたしました。
 区市町村や民間事業者が主催するイベントの取り扱いつきましては、都の取り組みを参考にしていただきたいと存じます。
 昨日、国からも大規模なイベントにつきまして中止、延期等の要請が出されたところでございますが、都におきましても引き続き、都内の感染状況を注視しながら、都が開催するイベントの取り扱いにつきましては適宜見直しを行って、感染症の拡大防止に向けて万全の対策を講じてまいります。
 次に、就職氷河期世代に対する就労支援についてのご質問がございました。
 就職氷河期世代の方の中には、新卒時に、不本意ながら非正規で働くことを余儀なくされて、不安定な就労が続いている方、就労を希望しながらも、さまざまな要因によって職につけていない方など、将来に不安を抱える方が数多くおられます。
 このため、都は、しごとセンターにおきまして、氷河期世代の方が基本的な職務スキルを身につけて正規雇用を目指すプログラムを実施するなど、安定した就労に向けた支援を行っているところでございます。
 来年度は、これに加えまして、氷河期世代の方が派遣社員としてスキルを磨いて、派遣先企業で正規雇用として就職できますように支援をしてまいります。
 また、長期間就職できていない方が就職活動へ踏み出せるように、国や区市町村と連携して対応してまいります。
 これらの取り組みによりまして、氷河期世代の方の安定した就労を促進して、誰もが活躍できます東京の実現を目指してまいります。
 次に、財政収支の長期推計についてでございます。
 昨年末に公表いたしました長期推計でございますが、未来の東京戦略ビジョンで描く政策を実行するに当たりまして、財政面から考察するものであって、いわば現在の都財政の実力を明らかにしたものでございます。
 本推計におけます経済成長率の中位シナリオにおきましては、将来にわたって膨大な財政需要が控える中で、今後二十年程度は基金の活用により対応可能ではございますが、その後は、基金の活用に加え、そのほかの財政的対応が不可避となるなど、長期的に見た都財政は決して楽観はできない見通しとなっております。
 そのため、今後具体化されます長期戦略を着実に実行するためにも、この推計から得られました中長期的な都財政の見通しを踏まえまして、事業評価の取り組みをさらに深化させて、無駄の排除を徹底するとともに、都債と基金の活用を図るなど、計画的かつ戦略的な財政運営を行っていく必要がございます。
 その上で、未来への投資を行うことで、成長が財源を生み、さらなる政策へとつながる好循環を生み出していくことが重要でございます。
 これらの取り組みを推進していくことによりまして、二〇二〇年の先を見据えて、さらに強固で弾力的な財政基盤の構築へとつなげてまいります。
 次に、介護と仕事の両立についてのお尋ねでございます。
 人手不足が深刻化する中で、介護離職によって働き盛りの社員など経営の中核を担う貴重な人材を喪失することは、企業にとって大きな問題でございます。
 団塊の世代の方々が七十五歳を超える今後、介護と仕事の両立に直面する方はさらに増加していくものと予想されております。
 企業の持続的な成長を図る観点から、介護離職を防止するための職場環境の整備は極めて重要。
 このため、都は、介護休暇制度の充実などに取り組む中小企業等に対しまして奨励金を支給し、介護と仕事の両立に向けました職場環境づくりを支援しております。
 また、経営者向けのシンポジウムを開催して、介護離職防止に関する企業の先進的な取り組み事例の紹介なども行っております。
 今後も、これらの取り組みを通じまして、企業におけます介護離職を防止するための職場環境づくりを後押ししてまいります。
 同じく、介護に関しての人材対策でございます。
 今後、高齢化が進展をして介護ニーズの増大が見込まれる中で、サービスを担う人材の確保、定着、育成は大きな課題でございます。
 都は、第七期高齢者保健福祉計画におきまして、令和七年度の介護職員の不足数を約三万五千人と見込みました上で、介護人材対策の推進を重点分野の一つに位置づけて、さまざまな施策を展開いたしております。
 来年度でございますが、第八期計画を策定する予定でございまして、今年度実施をいたしました都内の介護人材を取り巻く状況や課題に関します調査に基づく地域ごとの特性や施策の効果の分析も踏まえながら、効果的な介護人材対策について検討してまいります。
 昨年十一月の昼食勉強会についてのご質問がございました。
 これは、ご支援をいただいている皆様に対しまして都政のご報告をさせていただいたものでございます。
 また、昼食勉強会の参加団体についてのご質問でございますが、こちらは法に基づいて政治資金収支報告書に掲載をいたしてまいります。
 IRについてのご質問でございます。
 IRは、日本の経済成長や国際競争力を高める観光拠点として期待をされる一方で、ギャンブル依存症等の懸念の声もあると認識をいたしております。
 都はこれまで、海外事例、都に立地した場合の影響、また、依存症対策などについて調査を実施しております。
 国は、IR整備法に基づいて、今後、基本方針を公表することといたしておりまして、都といたしましては、今後の国の動向を注視しながら、引き続き総合的に検討していく必要があると考えております。
 企業との関係につきましては、私は都知事として、どのような相手ともしがらみのない建設的な関係を築きながら、東京大改革を推し進めているところでございます。
 非核都市宣言についてでございます。
 核廃絶に向けた取り組みは国の安全保障にかかわる問題でございまして、都として非核都市宣言を行う考えは持ち合わせておりません。
 核の脅威に対します都民、国民の不安を踏まえまして、国にしっかりと対応していただきたいと考えております。
 なお、その他のご質問につきましては、関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔総務局長遠藤雅彦君登壇〕

○総務局長(遠藤雅彦君) 非常時における働き手の安全確保についてでございますが、計画運休時における出退勤のあり方につきましては、昨年、公労使による実務者会議を立ち上げ、次の出水期を目途として一定の取りまとめを行うこととしております。
 取りまとめに当たっては、テレワークや時差出勤を初めとするスムーズビズの取り組みを基本として現在検討を進めているところでございます。
 こうした取り組みは、新型コロナウイルス感染症から都民を守るためにも有効であり、都民や企業に対してスムーズビズに積極的に取り組むよう、都のホームページやツイッターで呼びかけを行っていくこととしております。
 働く人の安全確保に向け、各企業がその実情に合わせてスムーズビズ等の取り組みをより一層進めていくよう働きかけてまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長潮田勉君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君) 東京マラソン二〇二〇の対応についてでございますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を未然に防止するため、今回大会においては一般ランナーの参加を中止する措置を講じることといたしました。
 主催者の東京マラソン財団では、今大会に参加できない全ての一般ランナーを対象に、来年の二〇二一大会に出走可能となる特別措置を行ったところであります。
 また、ランナーローブなど二〇二〇大会の各種記念品も配布することとしております。
 今後、財団において大会終了後に収支を精査すると聞いており、収支状況を踏まえた上で、ランナーの皆様に対してどのようなことができるのか、公表方法を含め財団とよく相談しながら実務的に検討してまいります。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) シルバーパス制度に関するご質問にお答えいたします。
 都が幅広い年代の都民とパスの利用者を対象に行ったシルバーパス制度に関する二つの調査では、制度に対する都民の考え方などや利用状況について概要を把握することができました。
 また、今回の調査への回答の背景にある高齢者を取り巻く環境や地域の状況などについて、さらに把握する必要があることも明らかになったところでございます。
 今後、区市町村における高齢者の社会参加促進のための取り組みや課題、将来の利用者となる世代の意識や意向などについて把握を進めてまいります。

○議長(石川良一君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時十二分休憩

   午後三時三十五分開議

○議長(石川良一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 六十三番田の上いくこさん
〔六十三番田の上いくこ君登壇〕

○六十三番(田の上いくこ君) 一昔前は、車椅子利用者に介助者がついているのが当たり前でした。今は障害があっても一人で外出できる、まさに誰もが生き生きと活躍できる都市を目指し、環境整備をしていかなくてはなりません。
 まず、バリアフリーについてです。
 私は、都営大江戸線を初めとする都営地下鉄のホームの段差とすき間の課題に十年来取り組んできました。かさ上げによって、車椅子やベビーカーを利用する方々が人の手をかりずして乗車することができるものです。
 都営新宿線は、全面かさ上げと、くし状ゴムの設置をし、利用者への情報提供のため、各駅の段差とすき間を再計測していただきました。
 都営三田線では、平成十二年のホームドアの設置時に、二両目と五両目の車椅子スペースに合わせてホームのかさ上げをしました。しかし、目黒方面に向かうときにはかさ上げがありますが、西高島平方面に向かうときにはかさ上げがない箇所があるなど、車椅子利用者からは利用しにくいとの声があります。ホームの形状により難しい要素もありますが、どちら方向でも同じ場所にかさ上げを施すべき、またはホームを全面かさ上げするべきと考えます。
 また、かねてから提案してきた可動式ステップが三田駅の四番線ホーム、最後尾車両後ろから二番目のドアの位置に試験設置されました。可動式ステップは、すき間の縮小だけでなく、車両に合わせたかさ上げをすることで段差の縮小にもなり、今後、ホームの形状によりすき間の縮小が難しい場合には、積極的に設置していくべきと考えます。
 さらに、障害者の方が安心して都営地下鉄を初めとする公共機関を利用するためには、適切な情報発信が必要です。
 そこで、都営地下鉄における段差、すき間対策のハード、ソフトの両面にわたっての今後の取り組みについて伺います。
 昨年の建築物バリアフリー条例改正では、宿泊施設の一般客室の規定において、ユニットバスへの間口の規定を七十センチ、努力義務規定を七十五センチとし、三年後の見直し検討の附則がつけられました。
 また、福祉のまちづくり施設整備マニュアルを改定し、バリアフリー水準のより望ましい整備を記載するとともに、宿泊施設バリアフリー化支援補助金も拡充しました。
 情報発信について、都では、昨年十一月に宿泊施設等の情報のオープン化に向けて協定の締結についてを発表しました。車椅子利用の障害者の方々は宿泊情報を心待ちにしています。
 今後、どのように宿泊施設等のバリアフリーを初めとする情報を発信していくのか伺います。
 同僚の後藤議員やたきぐち議員も委員会等で質問をしてきた重症心身障害児者の入所施設、通所施設の不足について伺います。
 重度の医療的ケア児は全国的に見ても東京に集中しています。このたび、府中療育センターと多摩療育園が一体となった新センターが整備され、六月に開所します。長年老朽化が課題であったことを鑑みると、すばらしい成果です。
 一方、東部療育センターは希望者が集中し、入所はもちろん短期入所や通所もままならない状況にあります。
 特別支援学校を卒業する重症心身障害児者が増加し、通所希望者を受け入れるため、これまで週四回通っていた方は週三回に、週三回通っていた方は週二回にと日数を減らしている例もあります。しかし、子供も親も年を重ねて、在宅における介護も限界となっています。
 例えば、東部療育センターを拡充する、または都の中心部や東部に新規入所施設を計画するなど、将来的な展望を見据えた方向性を示していく必要があると考えます。
 今後、短期入所を含めた入所施設や通所施設の拡充など、重症心身障害児者施策を充実していくことが必要と考えますが、小池知事の見解を伺います。
 地域にある医療型と地域施設活用型の通所施設は、令和二年二月一日現在、都内で六十五施設あります。都は、看護職員の配置など都の基準を満たした通所施設に運営費補助をしていますが、人工呼吸器装着者などの医療的ケアが必要な方の受け入れが思うように進んでいない状況です。
 さらに、通所施設に受け入れられた場合も、施設によっては施設のバス送迎に看護師を添乗させることができず、毎日家族が施設への送迎をしなければならないという話も聞いています。
 重度の医療的ケアが必要な方を受け入れるため、送迎における課題も含めたこれらの通所施設への支援体制を強化すべきと考えますが、見解を伺います。
 都では、認知症対策を含め、高齢者政策にも力を入れています。
 高齢者対策では、三年ごとに改正している介護保険の限界も見据えながら、人材不足への対応、ICTや外国人人材の活用、そして介護、医療分野が今後日本の産業の大きな割合を占めることを念頭に置いて、高齢社会の行く末を考えていかなければなりません。
 エレベーターがない古い都営住宅では、訪問入浴や介護タクシーなどの事業者がなかなか上階の利用者さんを一階まで運ぶことができないという課題もあります。高齢者対策は二〇二五年問題を待たずとも喫緊の課題であるとともに、中長期的な視野も必要です。
 そこで、都知事に高齢者施策への展望を伺います。
 書類の手続が多く、研修も多いのが介護支援専門員、ケアマネジャーです。
 介護保険法施行当時は、資格を取得すると給与もふえ、社会的地位も上がると、多くのホームヘルパー資格保持者がケアマネジャーの受講試験を受けました。しかし、平成三十年十月に実施された介護支援専門員実務研修受講試験の受験者数は、前回の十三万一千五百六十人から六割以上減少した四万九千三百三十二人、合格者数も四千九百九十人と、過去最も低かった一万六千二百八十一人を大きく下回りました。
 最近では資格を更新せずに事務員になる方がいたりと、現場ではケアマネジャーの不足が目立ち始めました。人材が不足している職種においての免許更新の煩雑さは、さらに人材不足を加速させます。
 ケアマネジャーの資格は、平成十八年から五年の更新制となりました。更新研修は、実務未経験者で五十四時間、実務経験対象者でも実務経験者更新研修課程Ⅰを五十六時間、課程Ⅱを三十二時間など、また主任になるとさらに七十時間の研修などが必要になり、多忙化を助長します。
 ケアマネジャーを確保するため、研修受講に係る負担を軽減すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 ケアマネジャーの報酬では、同じように時間がかかるにもかかわらず、重度の方のケアプラン作成の方が高く、入所施設も重度の方を受け入れた方が費用面でプラスです。しかし、それでは、重度化防止のために頑張った事業所が評価されません。
 国では、自立支援、重度化防止を評価する観点から、平成三十年度より報酬加算を充実するとともに、指標による評価とインセンティブの付与が制度化されました。
 今後、都でも高齢者の自立支援、重度化防止に向けて取り組みを進めるべきと考えますが、見解を伺います。
 介護保険施設等のICT活用促進事業は今年度から始まり、特養、老健、グループホームの合計百七事業所で活用されていると聞いています。今後は、ケアハウスなどの小規模な施設も含め、補助対象施設の範囲を検討していただきたいと要望します。
 一方、ICT機器による負担軽減支援事業を活用する訪問介護事業所は、二十二事業所にとどまっています。導入すれば、サービス提供責任者からの情報伝達や訪問ヘルパーからの報告は効率的になります。
 しかし、端末操作になれず、かえって時間がかかる、利用者さんの前では入力しにくいなどさまざまな要因があり、訪問記録は現場での手書きから進歩しません。また、ICT導入したところで、事業所に加算が入ってくるわけでもなく、中小の訪問介護事業所ではなかなか導入が進みません。
 そこで、全ての訪問事業所にスマホ用の訪問アプリを無料提供する、ヘルパーは必ず研修を受けて支給するスマホに対応できるようにする、スマホ管理は事業所、利用料金は事業所負担にするというようなモデル事業を一つの自治体で一年間かけて実施してはいかがでしょうか。ICT活用によるデータ集積により、介護の予防や介護度の軽減、事業所や施設の評価などができるようになり、業務改善も進みます。
 このように、ICTの活用を含め介護事業者が業務の効率化と介護の質の向上に取り組めるよう支援をするべきと考えますが、都の見解を伺います。
 最後に、教員の働き方改革についてです。
 働き過ぎ、ブラックだともやゆされる教育現場ですが、在校時間や残業時間が何時間なのか実際に把握できていない学校が少なくありません。一九七一年の特別措置法で、教員の給与は働いた時間の長さに関係なく基本給の四%を教職調整額として上乗せし、残業代は支払われない仕組みとなりました。そのため、時間外労働の管理が曖昧になった経緯があります。
 私は、在校時間の客観的かつ適切な把握のために、一昨年より出退勤管理システムの積極的な導入と地域格差をなくすための支援を訴えてきました。ICTの活用やタイムカードなどの支援事業により勤務時間を客観的に把握している自治体はふえてきましたが、まだ環境整備ができない自治体もあります。
 国の指針においても、月当たりの時間外労働は四十五時間を超えないことが明確化され、今後この方針を目指していく上でも勤務時間を客観的に把握することが必須と考えます。この間の取り組みの成果として、改めて都内小中学校の状況を伺います。
 教員免許更新では、研修時間がかなり多く、軽減を望む声がよく聞かれます。
 教育公務員特例法の一部を改正する法律案に対する附帯決議は、中堅教諭等資質向上研修の実施に当たっては、十年経験者研修と免許状更新講習の時期等が重複する教員の負担を軽減する観点から、科目の整理合理化や相互認定の促進を図るとしています。
 福井県では、平成二十九年度から、通常十一年目に受講する十年経験者研修を免許状更新講習と同時期に受講できるようにし、対象者の免許状更新に必要な三十時間のうち十八時間を重ねることにしました。
 私は、教員の負担軽減のため、更新講習受講料や手数料の本人負担軽減、同時受講などの措置を講じるべきと考えます。
 都教育委員会においても、中堅教諭等資質向上研修の整理合理化を行う等、免許更新に当たり負担軽減の施策が必要だと考えますが、都の見解を伺います。
 以上で私の質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 田の上いくこ議員の一般質問にお答えいたします。
 重症心身障害児者施策についてでございます。
 都はこれまで、重症心身障害児者やその家族を支援するために通所施設などの整備に取り組むとともに、病院や入所施設等に短期入所の病床を確保するなど、さまざまな施策を展開してまいりました。
 来年度には、六月に開所予定の新たな府中療育センターにおきまして病床数を十床ふやします。そのほか、東部療育センターの介護体制を充実いたしまして、より多くの短期入所利用者を受け入れるところでございます。
 さらに、大規模改修が完了いたします東大和療育センターにおきましては、人工呼吸器を装着している方など、特に医療ニーズが高い方を受け入れるための設備を充実するなど、療養施設の改善向上を図っております。
 重症心身障害児者が、必要とするサービスを利用しながら、安心して暮らせるように施策の充実に努めてまいります。
 次に、高齢者施策についてのご質問でございます。
 都は、先般公表いたしました未来の東京戦略ビジョンにおきまして、長寿を戦略の核の一つと定めまして、人生百年時代において、誰もが幾つになっても安心して生き生きと輝ける社会の実現を目指すことといたしております。
 その実現に向けましては、今後増加が見込まれます認知症高齢者とその家族への対応、介護ニーズの増大を踏まえました人材の確保などへの取り組みを強化していかなければなりません。
 都はこれまで、認知症疾患医療センターの整備を進めてまいりましたが、来年度からは、AI等の先端技術を駆使いたしました早期の診断に向けた研究など、共生と予防の両面の対策を推進してまいります。
 また、介護人材の確保、定着、育成に向けましては、介護施設へのICT機器の導入支援や職員の宿舎借り上げ支援を拡充するほか、介護サービス事業者の生産性向上への取り組みを支援してまいります。
 今後、住みなれた地域で誰もが安心して暮らし続けられる東京の実現に向けまして、大都市東京の特性を踏まえた高齢者施策を展開し、世界に誇ります長寿社会を実現してまいります。
 その他のご質問につきましては、教育長、関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 初めに、教員の働き方改革への対応についてでございますが、小中学校の教員の勤務時間管理は、校長や服務監督権者である区市町村教育委員会の責務であり、教員の長時間労働の改善に取り組む上でも教員の在校時間を客観的に把握することが不可欠でございます。
 都はこれまでも、出退勤管理システムの導入経費を補助するなど区市町村の取り組みを支援しており、今回、取り組みの進捗状況について調査をいたしましたところ、今年度末で約六割、来年度末の段階では約九割の区市町村教育委員会におきまして、システム等による在校時間の客観的な把握が可能となる見込みでございます。
 今後、都教育委員会は、働き方改革を進める区市町村教育委員会に対し、さらなる支援を行ってまいります。
 次に、都における中堅教員を対象とした研修についての負担軽減策でございますが、都教育委員会はこれまで、在職十年を超える中堅教員対象の研修の受講につきまして柔軟な対応を進めてきております。
 具体的には、この研修の時期が教員免許の更新時期と重なる場合には、研修受講の延期を可能としてございます。また、主幹教諭等の職層によりましては研修を免除いたしております。さらに、内容が重複する他の研修を修了した教員の一部につきましては、この中堅教員対象の研修の受講回数を減らしているところでございます。
 今後、中央教育審議会における教員免許更新制も含めた研修のあり方に関する議論を注視いたしますとともに、教員一人一人の研究等の実績に応じまして中堅教員対象の研修の受講回数につきまして、さらなる軽減を図ってまいります。
〔交通局長土渕裕君登壇〕

○交通局長(土渕裕君) 都営地下鉄のホームと車両の段差及びすき間対策についてでございますが、昨年十月に改定された国のバリアフリー整備ガイドラインにおきまして、車椅子使用者が単独で乗降しやすい段差、すき間の具体的な目安が示されたことから、これまでの段差やすき間対策を一層充実させることといたしました。
 まずは、この条件を満たす乗降口を来月からホームページなどでお知らせいたします。
 また、比較的すき間が大きい三田線のホームでは、くし状ゴムの設置やかさ上げを行うための補強方法等を検討し、令和四年度以降、順次工事を実施いたします。
 さらに、ホームがカーブしている三田駅には、すき間を狭めるための可動式ステップを試験設置しておりまして、今後、お客様の乗降や列車の運行への影響等を検証してまいります。
 誰もが安全に安心して都営地下鉄を利用できるよう、段差及びすき間対策に取り組んでまいります。
〔戦略政策情報推進本部長松下隆弘君登壇〕

○戦略政策情報推進本部長(松下隆弘君) 宿泊施設等の情報の発信についてでございますが、都民や東京を訪れる外国人、高齢者、障害のある方など、あらゆる人が快適に過ごせるようにするためには宿泊施設などのきめ細かい情報発信が必要と考えております。
 このため、都では、客室の入り口幅あるいは出入り口の段差などの詳細情報に加えまして、旅行者に人気の高い飲食店やレジャー施設なども対象に施設情報の調査を行っているところでございます。
 収集した情報につきましては、スマートフォンでも利用可能なポータルサイトをこの三月末に提供する予定でございます。これによりまして、車椅子のサイズに合った客室や最寄りの誰でもトイレの位置等、利用者のニーズに合った検索が可能となってまいります。
 加えて、都が運営するオープンデータカタログサイトでデータを広く発信いたしまして、民間事業者等のアプリ開発や新たなサービスの創出を促してまいります。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、重症心身障害児者の通所施設についてでありますが、都は平成三十年三月に障害者・障害児地域生活支援三か年プランを策定し、重症心身障害児者の通所施設の定員を平成三十年度からの三年間で百五十人ふやすことを目標に掲げており、整備費の事業者負担を軽減する特別助成を行うなど、整備を促進しております。
 また、看護師等の増配置やリフトつきバス等の通所手段の確保など、都が求める水準を通所施設が確保できるよう独自の基準単価を定め、国の報酬額に上乗せして補助しているところでございます。
 さらに、看護師を受け入れ促進員として配置し、特に医療ニーズの高い超重症児者等を一定数以上受け入れる医療型の通所施設を支援するなど、重症心身障害児者の通所施設への支援を充実してまいります。
 次に、介護支援専門員研修の負担軽減についてでありますが、国は平成二十八年度、介護支援専門員実務研修を初めとする法定研修について、自立支援に資するケアマネジメントの推進などの観点から見直しを行い、研修時間をふやしてカリキュラムを拡充いたしました。
 都は、独自に通信制を導入し、例えばケアマネジメントに係る法令等の理解など複数の科目について受講生が自宅で学習することができるDVDを作成、配布することで受講料を抑制するとともに、集合研修の日数を減らすなど、受講者の負担軽減に配慮しているところでございます。
 なお、国の審議会では、研修の充実や受講者の負担軽減等が重要との意見を取りまとめており、都は、次期制度改正に向けた国の動向を注視するとともに、介護支援専門員を取り巻く状況を踏まえた措置を講じるよう求めてまいります。
 次に、高齢者の自立支援、重度化防止の取り組みについてでありますが、都は、介護支援専門員が高齢者の自立支援と重度化防止の推進役として活躍できるよう、医療等、多様な視点からのアセスメントやサービス提供を展開するための実践的な知識、技術を習得する研修を実施しております。
 また、区市町村が介護保険の保険者として、高齢者の自立支援、重度化防止に向けて、データに基づく地域分析や課題把握、地域の実情に応じた取り組みができるよう、技術的助言や職員向けの研修を実施しているところでございます。
 さらに、今年度は、学識経験者、医療、福祉関係者、区市町村職員などで構成する検討会において、区市町村の取り組み状況と課題、必要な都の支援を把握、分析しており、今後、より効果的な支援策を検討してまいります。
 最後に、介護サービスの効率化と質の向上についてでありますが、高齢化が進む中、今後一層の増加が見込まれる介護ニーズに適切に対応していくためには、介護業務の効率化とサービスの質の向上を図ることが必要であり、都は平成二十九年度から、介護記録の作成に要するタブレット端末等を導入する訪問介護事業所を支援しております。
 来年度は、新たに介護事業者向けに生産性向上セミナーを開催し、業務改善の手法を普及するとともに、ICTの活用も含めた情報共有の効率化、業務手順や役割分担の見直しなど、先進的な取り組み事例を紹介することとしております。
 今後とも、より多くの事業者が生産性向上に取り組み、質の高い介護サービスを提供できるよう支援してまいります。

○議長(石川良一君) 四十三番佐野いくお君
〔四十三番佐野いくお君登壇〕

○四十三番(佐野いくお君) 小池知事は、常々、我が会派の議員に対し、専門性を生かし政策にこだわった議員活動が重要だとおっしゃっております。
 私は、大学で緑地計画を学び、カリフォルニアの大学院では、環境デザイン学部で自然環境やエネルギーなど生態系を生かしたまちづくり、エコシステマティックデザインという計画手法を学び、ランドスケープアーキテクチャーの修士号を取得しました。修士論文では、トイレの歴史の研究と自然環境を生かした汚水個別処理を研究し、卒業プロジェクトは、ロサンゼルス郊外のまちの中心市街地再整備計画を実際に受注して手がけ、造園学会のデザイン賞を受賞しました。
 帰国後は、施工会社で、都立水元公園や多摩ニュータウンなど数多くの工事現場を経験し、その後、技術士を持つコンサルタントとして、また、独立し会社経営者として、国営昭和記念公園や都立井の頭恩賜公園など、国や地方自治体の公園緑地の調査、計画、設計などに携わりました。
 議長を含む十四年間の市議会議員時代も、これらの専門性を生かし、緑のまちづくりにこだわった活動をしてまいりました。これらのこだわりとあわせ、二人の子を育てた親として、昨年六月、九十三歳の父を、十二月に九十歳の母をみとった息子として、重い内臓障害で生まれた孫のいることし六十四歳になるおじいちゃんとして、保護司として、あるいは胃の一部切除手術を経験したり、さまざまな人生の経験者として、小平市の商店街に生まれ育ち、郷土小平を愛する都議として、教育、福祉、医療、介護、経済、財政など、都政の重要課題にも取り組みつつ、以下、九点に絞って質問をいたします。
 初めに、再犯防止についてです。
 平成三十年第一回定例会で、私は、第三回世界保護観察会議における小池知事の挨拶を引用し、セーフシティー、ダイバーシティー東京に欠かせない再犯防止対策などについて質問しました。国が法で地方自治体の責務と定めた再犯防止について、私は、財政支援を含めた国の措置は十分ではないと考えていますが、そのような中でも、知事からは、再犯防止の取り組みは不可欠で、計画策定のための検討会を立ち上げるとの答弁があり、昨年七月に、大変なご苦労の末、再犯防止推進計画が策定されました。
 また、都民安全推進本部には再犯防止を進める担当も置かれており、着実に取り組みが進んでいるものと評価しています。
 取り組みの一つとして、先般、新たに東京都再犯防止推進協議会が設置されております。この協議会を通じて再犯防止施策を進めていくことは非常に重要だと考えていますが、協議会の役割と今後の取り組みについて伺います。
 次に、学校校庭芝生化についてです。
 同じく、おととし、校庭芝生化について、本来ならば国が学校施設の標準とすべきだが、スマートシティーを目指す都として先駆的に取り組んでもよい施策ではないか、さらに、遊びや運動用芝生という欧米では当たり前の芝生文化の醸成、産業育成をも見据えた芝生化事業に踏み出す考えがないのか問いました。
 そもそもスポーツを行う芝生のグラウンドが少ないという問題があります。昨年のラグビーワールドカップ以降、ラグビーの人気が高まり、思い切りラグビーのできる芝生のグラウンドが足らないとの声が上がっています。
 ことしはオリンピック・パラリンピックがあり、レガシーとしても、誰もがスポーツに親しめる芝生のグラウンドを最も生活に身近な小中学校に整備すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、心の教育についてです。
 冒頭申し上げたように、私は二人の子供を育てた親です。子供たちは小学生のとき、親元を離れ栃木で農村留学をしています。一年生から六年生まで約五十人が寮生活を送り、あぜ道を三十分歩いて地元の小学校に通っていました。
 当時、我が家の養育方針は、平成十年の中央教育審議会答申に大きく影響されました。答申のタイトルは、新しい時代を開く心を育てるためにで、今読み返しても大変示唆に富んだ意義深い内容となっていると思います。特に、親の過干渉の弊害、思い切り遊ぶ重要性、異年齢集団の中で豊かで多彩な体験の必要性、長期の自然体験活動の必要性、親と離れて集団生活を営む必要性などに納得し、農村留学という形で実践したのです。
 私は、変化を予測しづらい社会に生きていく子供たちには、生きる力の中でも、特に豊かな心を自然体験等の実体験を通して育んでいくことがますます重要になってくると考えます。
 そこで、小中学校における豊かな心の育成に向けた都教育委員会の取り組みと、学校における体験活動の現状について伺います。
 次に、自然環境調査についてです。
 環境・建設委員会の事務事業質疑や自然環境保全審議会で、私は、子供のころ、五十年ほど前の記憶にある身近な植物、昆虫、鳥類、爬虫類、哺乳類など具体的な種名を挙げて、現在見られる種類と比較しての違いや変化、問題点について意見を述べました。東京ではこれまで多くの自然が失われてきました。逆にふえた自然もありますが、外来種の増加など、本来の生態とは異なってきており、大変危惧しています。
 東京は大都市として発展してきた歴史と小笠原から奥多摩までダイバーシティーに富んだ環境を持つ都市であるという特徴を持っています。この東京の発展に伴う自然の変化について、過去のデータを時間軸、地域のデータを空間軸として捉え、体系的に、総合的に把握していくことが、未来の東京を描いたり予測する上で不可欠ではないでしょうか。
 IT技術を活用したデータに基づく都市における豊かで多様性のある自然の先進的評価モデルの形成を目指し、都市ランキングで最も低い環境評価を高める上でも、まずは、自然環境の調査とデータの活用が必要と考えますが、見解を伺います。
 次に、鉄道連続立体交差化についてです。
 これもおととし質問しましたが、小平市内を含む田無から花小金井駅付近には、都道小金井街道や青梅街道が交差し、交通量の非常に多い踏切があり、昨年九月に行われた小池知事と小平市長との意見交換会にも、この区間の鉄道立体化について話題に上がっています。
 これらの踏切は、踏切対策基本方針において重点踏切とされており、抜本的対策としては、方針の中で、鉄道立体化の検討対象区間として位置づけたこの区間の事業化の推進が必要と考えますが、今後の取り組みについて見解を伺います。
 次に、駅前再開発についてです。
 小平市では、小川駅西口地区と小平駅北口地区の二カ所において、市街地再開発準備組合による再開発事業の検討が進められてきました。これらの再開発の実現には、予定地区内に都道が含まれることから、東京都の横断的な協力を得ながら、都市計画法や道路法等関係法令に基づく手続が必要です。
 また、昨今、都が進めるサテライトオフィス支援など、就業環境の分散化など、まちづくりの幅広い視点も重要です。
 市は、駅前広場などの都市計画道路が未整備なことや、防災面の配慮が必要なことから、事業の早期実現に向け準備組合を支援していますが、再開発を経験した職員がおらず、数多くの再開発に関与してきた都のノウハウは不可欠です。
 そこで、小川駅西口再開発事業に対してどのように支援をしていくのか見解を伺います。
 次に、都市計画公園の整備についてです。
 平成三十一年四月現在、東京の都市計画決定している公園緑地の整備率は四九%です。半分にも満たない状況です。また、東京区部では一人当たりの公園面積が四・三平米なのに対し、ニューヨークは十八・六、ロンドンは二十六・九、パリは十一・六四平米であり、東京は比較にならないほど少ない数値です。これでは、都市ランキングで東京の環境面の評価が低いのは当たり前とさえ思われます。
 昨年十二月に策定された未来の東京戦略ビジョンには、国際競争力の観点からも、公園などの良質なオープンスペースの形成を進めていく方向性が示されています。
 まずは、防災上も極めて重要な都市計画法で定めた都市計画公園の整備を最優先に進めるべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、水の都、美しい東京の実現についてです。
 昨年、小池知事は、新聞社の取材に対し、二〇年大会を契機に玉川上水を復活させて東京に江戸の情緒を取り戻したい、長い事業となるが、よみがえった玉川上水によって東京のシンボルでもあるお堀がきれいになっていく、夢のあるものだ、すばらしい遺産になると語り、事業の意義を強調しました。
 私の地元小平には、この玉川上水が流れ、そこから取水して用水路が総延長で約五十二キロもあります。今後、都が進める外堀浄化プロジェクトにより、さらに玉川上水の環境の向上につながるのであれば非常に意義深いことであります。
 そこで、環境先進都市実現や、さらなる観光振興にもつながるこのプロジェクトを早期に具体化すべきと考えますが、見解を伺います。
 最後に、東京のシンボル建築物についてです。
 最近刊行された漫画、江戸城再建では、再建の意義について、一、日本の価値ある歴史、伝統、文化の再発見、再評価、二、世界に誇る美しく荘厳な木造建築技術の将来に向けた継承、三、観光立国のシンボルとして経済の成長戦略につながる、四、税金でなく企業や国民の参加のもとで実現する新時代の公共事業となり得るの四点を挙げており、共感いたしました。
 私は、大学院卒業後、欧米を八十日間旅行したりなどさまざまな都市を見てまいりましたが、多くの都市にはシンボルとなる歴史的建造物があり、日本の各都市のお城もそれぞれのまちのシンボルとして輝いているように思います。
 昨年、残念ながら火災で焼失した沖縄の首里城は、戦災で失われた後、さまざまな難題を乗り越えて、一九九二年に再建、復元されました。この再建に尽力されたのが私の義理のおじに当たる元沖縄開発庁長官、参議院議員だった植木光教さんです。沖縄の復興に並々ならぬ情熱を注ぎ、二つの地区による国営公園化という、いわゆる植木構想で実現に至ったと語られています。
 私は、この江戸城再建についても、江戸東京の文化伝統を愛し、東京の発展に全力を注いでいる力のある政治家の力が必要ではないかと思っています。
 江戸東京を代表する政治家として、江戸城再建について知事の見解を伺い、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 佐野いくお議員の一般質問にお答えをいたします。
 江戸城再建についてのお尋ねでございました。
 先日、施政方針表明におきましても、大いなる夢を掲げなくては明るい未来はつかめないと述べたところでございまして、そういう意味でも、大変夢のあるご質問をいただいたものと考えております。
 江戸城は、東京の歴史、文化の象徴として伝統と革新が交差する東京の姿を世界へ発信するという上で魅力的な存在となり得るものだと、このように考えております。
 一方で、実現に向けましては、文化財としてのあり方や皇室用財産の扱い、事業費や事業主体の問題、バリアフリーの考え方など、さまざまな課題もございます。
 まずは、国民的な議論や盛り上がりの中でのテーマだと考えております。
 なお、残余のご質問につきましては教育長、東京都技監及び関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 初めに、公立小中学校における校庭の芝生化についてでございますが、公立小中学校の学校施設等の整備につきましては、設置者である区市町村がその役割を担っており、それぞれの判断で取り組むものでございます。
 都教育委員会は、校庭の芝生化が教育環境整備にとって有効な取り組みの一つであり、東京二〇二〇大会のレガシーとして、子供たちが運動に親しむ習慣を育むことにも資することから、区市町村教育委員会の計画的な校庭芝生の整備に対して、工事費や芝生化後の維持管理費の補助、専門家派遣による技術支援などを行っているところでございます。
 子供たちにとっての良好な教育環境の確保に向け、区市町村教育委員会の校庭芝生化の取り組みを支援してまいります。
 次に、小中学校における豊かな心の育成についてでございますが、思いやりや公共の精神、生命を尊重し自然を愛する心など、自立した人間として他者とともによりよく生きるために必要な豊かな心を子供たちに育むためには、道徳教育や体験活動の充実を図ることが大切でございます。
 そのため、都教育委員会は、独自の道徳教材を開発し、学校での活用を促すなど、子供たちの道徳性を養う教育を推進してまいりました。
 また、各学校では、福祉施設との交流や地域清掃等の日常的な活動に加え、宿泊行事等での自然体験や文化交流等、多様な体験活動を実施しているところでございます。
 今後とも、都教育委員会は、学校、家庭、地域社会の連携による道徳教育の推進や、特色ある体験活動の事例の紹介等を通して小中学校の取り組みを支援し、子供たちの豊かな心を育む教育の一層の充実を図ってまいります。
〔東京都技監佐藤伸朗君登壇〕

○東京都技監(佐藤伸朗君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、西武新宿線の田無駅から花小金井駅付近の鉄道立体化の今後の取り組みについてでございます。
 本区間は、都が平成十六年に策定した踏切対策基本方針におきまして、鉄道立体化の検討対象区間である二十区間の一つに位置づけております。
 鉄道の立体化については、地域におけるまちづくりと大きく連動することから、地元市が主体となり、地域の将来像や鉄道立体化を契機としたまちづくりの方針などを検討することが必要でございます。
 また、本区間は、未整備の都市計画道路と二カ所で交差しており、道路整備計画との整合を図る必要もございます。
 都としては、小平市や西東京市が行うまちづくりの取り組みを支援しつつ、その状況や道路整備計画の具体化などを踏まえ、適切に対応してまいります。
 次に、小平市小川駅西口地区の再開発計画についてでございます。
 当地区は、交通広場が未整備で、防災面でも老朽化した住宅や商店が密集するなど、課題を抱えております。
 再開発事業の実施によって、商業の活性化とともに、交通広場など基盤整備を進め、にぎわいや交流が育まれる災害に強い市街地の形成を図る必要がございます。
 市内で初めての再開発事業であるため、都は、人事交流などを通じて市へのノウハウ提供を実施しております。昨年度には、基本設計等に対しての財政的支援も実施いたしました。
 現在、都において、再開発組合の設立認可に向けた手続を進めており、組合設立後においても、引き続き、事業の推進に向けて、市及び組合の取り組みに対し、支援を行ってまいります。
 次に、都市計画公園の整備についてでございます。
 公園などの緑は、都民の快適な暮らしや都市の魅力を高めるほか、防災の面からも大きな役割を果たすことから、都市計画公園の整備による緑の創出は重要でございます。
 このため、都と区市町は、都市計画公園・緑地の整備方針を策定し、豊かな自然の保全や災害時の避難場所の確保などに資する公園について、優先して整備を進める区域を定め、重点的かつ計画的に整備に取り組んでおります。
 現在公表中の整備方針の改定案では、骨格となる緑の保全や防災性のさらなる向上に向け、新たな優先整備区域を五百二十九ヘクタール設定しております。来年度早期に本方針を改定し、都は、これに基づき、区市町との連携をさらに深めながら、公園緑地の整備を加速させ、ゆとりと潤いのある東京の実現を図ってまいります。
 最後に、外堀浄化プロジェクトについてでございます。
 水辺空間を生かした魅力ある都市の顔づくりを進め、水と緑を一層豊かにし、ゆとりと潤いのある東京を実現するため、未来の東京戦略ビジョンに外堀浄化プロジェクトを位置づけました。
 これまでも都は、関係局が連携し、外堀のより効果的な水質改善方策について、想定される対策内容に応じたシミュレーションに基づいて検討を行うとともに、方策を実施する場合の課題整理などを行ってまいりました。
 今後は、外堀に導水するための水源、水量の確保や導水路の整備方法などについて検討を進めるなど、外堀浄化プロジェクトを着実に進め、水の都にふさわしい、まちに潤いを与える東京を実現してまいります。
〔都民安全推進本部長國枝治男君登壇〕

○都民安全推進本部長(國枝治男君) 再犯防止に関し、東京都再犯防止推進協議会の役割と今後の取り組みについてでございますが、都は、国の関係機関や区市町村、民間団体等と当面する課題への対応等について包括的に協議するため、東京都再犯防止推進協議会を設置し、先月開催した第一回会議では、委員相互の情報交換等を行ったところであります。
 来年度は、協議会のもとに設置した保護司会や社会福祉協議会を初めとする関係団体などを含む実務者会議において、東京都再犯防止推進計画の重点課題ごとに各分野の実務経験を踏まえた議論をしていただくこととしております。
 それらの議論も踏まえ、関係機関や団体の協力を得ながら、再犯防止施策を推進し、セーフシティー、ダイバーシティーの実現に取り組んでまいります。
〔環境局長吉村憲彦君登壇〕

○環境局長(吉村憲彦君) 東京の自然環境調査についてでございますが、東京の自然に関するデータを継続的に把握することは、豊かな自然環境の保全につなげる上で重要でございます。
 都は現在、東京における保護上重要な野生生物種を選定するレッドリストの十年ごとの改定に向け、東京の希少動植物の分布状況等の情報について収集、整理を進めております。
 また、区市町村による動植物の情報把握を後押しするため、自然環境保全の計画に基づき行う生物調査等も新たに補助対象に追加してまいります。
 こうして得られた情報を都と区市町村で共有し、保全のための計画策定や活動に活用することで、自然豊かで多様な生き物と共生できる都市環境の実現を目指してまいります。

○議長(石川良一君) 二十九番小松大祐君
〔二十九番小松大祐君登壇〕

○二十九番(小松大祐君) 先ほど、私たちのところに入った情報では、IOCのコーツ委員長が、東京オリンピックの開催について、三カ月以内に決めなければならないと述べたと地元オーストラリアのメディアが報じたようであります。
 コロナ問題が起きた後、小池知事は信頼関係があるとされてきたコーツ氏と当然やりとりがあったものと思いますが、やりとりがあったのか確認をいたします。
 続きまして、システムについて伺います。
 先日発表されたスマート東京実施戦略には、東京版ソサエティー五・〇の実現に向けた政策が並んでいますが、この実現に向けた予算は、例えるなら攻めの投資に当たります。
 一方で、現在運用しているシステムを維持するための運用、保守にも費用がかかります。こちらは守りの投資といえます。
 戦略政策情報推進本部に過去三カ年にわたる事務事業評価の対象となったシステムに係る経費の推移を伺ったところ、平成三十一年度に至っては、一年で約三百六十八億円ということがわかりました。三百六十八億円であります。ちなみに、この大きな都庁舎の維持管理コストは年間約三十二億円です。
 このように、ほぼ全ての部局に大小さまざまなシステムがあり、それぞれの事業運営や業務管理になくてはならないものであり、多額の投資を必要とするシステムがこの都庁内にあります。
 以前より、経産省が日本経済を揺るがす大問題と警鐘を鳴らしてきた二〇二五年の崖、これはシステムの老朽化のことを指しますが、この問題は、多数のシステムを運用する都庁にもいえます。今後のこうしたリスクを評価していくために、二十一年以上稼働しているシステムが都庁内にも存在しているのかどうか伺います。
 また、地方自治体はITベンダーから、おいしいクライアントとやゆされることもあるようです。都がそうならないためにも、今後発生する改修費用などについて、その予測に努めていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 スマート東京実施戦略の中には、デジタル都庁を実現していくといった内容も盛り込まれていますが、その実現に向けては、都内区市町村とのシステム連携が大きな課題であります。
 公開されている区市町村の幹部職員名簿から自治体の組織図を洗ってみましたが、ICTを専門につかさどる部署はほとんどなく、ここが戦略実現のボトルネックになりかねません。
 区市町村との連携に向けて、区長会等へ宮坂副知事はみずから戦略の説明に回られたと伺っております。デジタル都庁の実現に向け、区市町村の底上げをどのように支援していくのか、見解を伺います。
 都は、今回新たな都政改革ビジョンを策定しましたが、二〇二〇改革プランは計画期間の途中であります。特別顧問という外部の方の意見を据えながら作成した二〇二〇改革プランについて、その結果責任についても明確にしておく必要があります。
 どのような成果が出たのか、今後、どのように展開していくのかなど、新たな都政改革に移行するのであれば、二〇二〇改革の総括をしっかりと行うべきと考えますが、いつ、どのように行われるのか伺います。
 二〇二〇改革プランにおける改革の三原則では、都民ファースト、情報公開、ワイズスペンディングを掲げてきました。ここ数年の財政規模は増加の一途でありましたが、今後の財政状況は厳しくなっていくことも予測される中、小池知事のもと、財政規模を膨らまし続ける一方であることに危機感を覚えています。
 新たな都政改革においては、財政構造や行政機構のあり方など、いわゆる行政改革の観点が弱いのではないかと考えます。都の見解を伺います。
 都政改革ビジョンには、都民の幸せ実現を改革ミッションとして掲げています。そのために、都民の満足と都職員の働きがいとの相乗的な向上により、輝く東京の実現を目指すとしています。これは、都民とともに都政改革を実行していく都職員こそが改革の主役なのだという小池知事のメッセージと受け取りました。
 しかし、先日の新聞報道によれば、その主役たる都職員からは、百点満点で四十六点など、知事に大変厳しい評価もあるようです。
 都政の最高経営責任者として、知事はそれをどのように受けとめ、今後の都政改革に取り組まれるのか伺います。
 知事就任後、次から次へと新しい青写真が繰り広げられてきました。その一方で、長年寝かされ続けてきた課題もあります。これらの課題は、いつ、どのように解消されるのでしょうか。
 今回、都政の根幹にかかわる都区財調において突然の変更が行われました。思えば、就任以来、こうした特別区制度や都区財調、再編も踏まえた区域の変更といった都政の根幹となる重要テーマについて、知事のお考えを丁寧に伺った記憶がございません。この機会だからこそ、あえて確認をしておきたいと思います。
 未来の東京戦略ビジョンやスマート東京実施戦略と次々と打ち出すだけではなく、都政の基本である都区制度や区域の再編については、これまでの経緯を踏まえ、どのようにお考えなのか、知事の見解を伺います。
 ICT化への移行、働き方改革、英語やプログラミングといった新たな科目の導入など、近年の教育現場は大きな変化の過渡期にあります。保護者との距離感や地域とのコミュニケーションなど、校長の経営能力がこれまで以上に厳しく問われています。
 昨日の我が党の代表質問で、働き方改革やICT活用において、校長のリーダーシップが不可欠であるとの教育長の見解を確認することができました。都の子供たちが良質な教育環境のもとで大いに学び成長する機会を提供するためには、その責任者である校長の資質、能力の向上は不可欠です。
 民間企業などであれば、管理職の人事考課は業績評価のみならず、三百六十度評価など、多角的、多面的な視点で、同僚や部下からも評価され、フィードバックされる機会があります。また、そうすることで、自分の足らざる点にも気づき、改善に向けて自助努力につながる機会にもなります。このことが大事だと考えます。
 より良質な学校経営者たる校長を育成するために、校長に対する評価制度を有効に活用するとともに、適切に実施するようブラッシュアップを図り、資質と能力の向上に取り組むべきと考えますが、教育長の所見を伺います。
 都は、小池知事のもと、LEDの普及を推進してまいりました。これに伴い、蛍光灯の廃棄量は増加傾向にあり、今後も膨大な量が一般廃棄物として排出をされます。
 国内外を問わず、廃棄物の処理はできる限りその排出地域に近いところで行うという自区内処理の原則は社会的合意となっています。しかし、都内には廃蛍光管を安全に処理できる中間処理施設がないため、今も北海道や神奈川県などの都外に廃蛍光管が搬出され、破砕、選別などの処理を行っています。約二十億円をかけてLEDの普及推進をしておきながら、廃蛍光管は都外に搬出しているという現状は早く改善すべきだと思います。
 蛍光灯など水銀含有廃棄物の廃棄についても、リサイクルによるCO2の削減とともに都内での処理を促し、その適正処理を進めるべきと考えますが、都の見解を伺います。
 台風十五号の際、千葉県において、建設業の人手不足のため復旧がおくれたとの報道がありました。国交省の資料によれば、この二十年で建設業の就業者は約三〇%減少し、高齢化は進み、現在では三分の一以上が五十五歳以上であり、今後十年で大半の方が引退されることが懸念されております。また、技術の承継も危惧されています。
 このほか、建設業における長時間労働や賃金水準については、近年、改善が見られるものの、年間賃金総支給額は平均四百六十八万円の製造業に比べて四百六万円と、その差は顕著であります。
 首都直下地震への備えは都の最重要課題の一つです。災害時の復旧、復興の担い手でもある都内建設業の人手不足や高齢化の解消なしには、都が掲げる災害に強い都市は実現できません。
 東京都は、災害時には実動部隊となる建設産業従事者の実態把握に取り組む必要があるのではないでしょうか。また、こうした点を踏まえ、都は、担い手の確保と産業育成にどのように取り組むのか伺います。
 都議会に議席をいただきましてからこれまで、再三にわたり都市農地保全を訴えてまいりました。中でも農地という土地をどう残すのかという点に焦点を当て、税制や法改正なども踏まえながら、議論をしてまいりました。
 こうした過程を経て、都市計画公園内の生産緑地を区市が購入しやすくするための生産緑地公園補助制度ができ上がるなど、都として施策を拡充してきたことは大変感慨深いものであります。
 農地の保全には、土地同様に生産者である農業者も不可欠です。土地があるだけでは農地にはなりません。都市農業は、会社勤めをされた後に、ご両親の引退を機に帰農されるといった方も多くいます。こうした農業者がスムーズに営農できるように経営指導を行うのが普及指導員です。
 都は、農地保全や農業者の収益向上を掲げておりますが、そのためには普及指導員の確保とともに、その資質の向上が不可欠です。農業改良普及センターの普及指導員の資質向上に向けた都の取り組みについて伺います。
 乳幼児期に食物アレルギーを持った子供の割合は五%から一〇%といわれております。こうした子供たちはアレルギーの原因となる食材を除去する必要がありますが、飲食店のメニューにはアレルギー情報が記載されていない場合も多く、その確認には手間がかかると聞いています。
 福祉保健局では、飲食店でのアレルギー対策を啓発するパンフレットを作成し、この中には、アレルギーコミュニケーションシートがあります。このシートは、アレルギー患者が食事を選ぶ際に補助することができるものです。
 しかも、このシートは、日本語以外の記載もあり、さまざまな国の方でも利用が可能となっています。近年、外国から多くの観光客が東京を訪れていますが、中には、ご本人や家族が食物アレルギーを持った方も多くいます。アレルギーを持った家族も一緒に安心して食事ができるよう、都内の飲食店でこのシートの普及を図るべきです。まずは、都有施設で率先して導入すべきではないでしょうか。
 そこで、アレルギーコミュニケーションシートの普及に関するこれまでの取り組み、観光客が多く訪れることが予想される都が保有する公園や動物園に設置された飲食店に普及するための取り組みについて伺います。
 最後に、認知症とご家族が、安心してなれ親しんだ地域で暮らし続けるためには、徘回等で行方がわからなくなっても早期に見つけられるなどの見守り体制の充実や、事件、事故に巻き込まれた際の支援も必要です。都の見解を伺い、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 小松大祐議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、都政改革についてお答えしたいと思います。
 新たな都政改革でございますが、職員の働きがいやモチベーションを高めながら、都民の皆様の満足の向上を追求することを理念といたしております。
 そのため、都政改革ビジョンの策定におきましては、職員の声を広く募ったほか、今後、改革を進めるに当たりましては、若手職員からの提案、意見なども取り入れてまいります。
 引き続き、職員の声を受けとめながら、職員とともに都民ファーストの視点に立って、東京大改革を推し進めることで、東京の明るい未来を切り開いてまいります。
 都区制度と特別区の区域のあり方についてのご質問がございました。
 平成十八年に、都区の事務配分、特別区の区域のあり方、税財政制度につきましての議論を行う都区のあり方検討委員会を設置いたしましたが、特別区の区域のあり方につきましては、都と特別区の意見に大きな隔たりがあって、平成二十三年十二月以降、都区のあり方検討委員会が中断していることは承知をいたしております。
 現在の都区制度のもとにおきましては、都は、特別区を抱合する広域の自治体として、消防や上下水道の運営などのほか、東京全体の活力を維持向上させる役割を担っております。
 また、特別区は、より住民に身近な基礎的な自治体といたしまして、地域の行政サービスを提供する役割を担っております。
 このため、特別区の区域のあり方等につきましては、検討するに当たりましては、大都市としての一体性、統一性の確保を前提といたしまして、東京全体の活力の向上、住民自治の観点、行政運営の効率性、財政基盤などにつきまして複合的に考えていくことが重要であると、このように認識をいたしております。
 なお、冒頭のご質問につきましては、これまでも、コーツ委員長からは直接ご連絡をいただいているところであり、先日の報道につきましては、あり得ないという、このようなメッセージも頂戴をし、そして、準備をお互いに進めていこうといった趣旨のメールも受け取っております。
 ただいまご指摘のありましたジ・オーストラリアンという新聞に答えた、メディアに対しましてコーツ委員長が答えられました件については、今、精読をしているところでございますが、東京大会の実施のためには、だからこそ、政府の基本方針のもとにおきまして、まず、感染症の拡大の防止、そして、徹底した広報体制を整備すること、そして、都民の皆様方に正しい情報をお伝えしていき、かつ都民の皆様方には健康維持のためのご協力を、それぞれの協力をお願いすると、これまでの方針と、そしてまた政府とともに、この感染症に対しましての全国的な闘いを進めていく必要がある、このように考えております。
 しっかりとこれからも取り組んでいきたいと存じますので、どうぞ皆様方もよろしくお願い申し上げます。
〔副知事宮坂学君登壇〕

○副知事(宮坂学君) デジタル都庁の実現に向けた区市町村支援についてでございますが、デジタル都庁を初め、スマート東京の実現に向けて、区市町村との連携協力は不可欠なものでございます。
 このため、昨年九月の副知事就任直後、私自身が全ての区市町村のICTの担当の職員の方とお会いさせていただき、ICTの利活用に向けた説明や、そして意見交換を行わせてもらいました。
 そして、直近では、スマート東京の実施戦略の公表後、町村会、区長会、市長会の場をお借りいたしまして、そのポイント等についても、私が直接訪問させていただき、説明をさせてもらいました。
 いずれの場でも、ICT人材の確保に関する意見がたくさん寄せられました。これは、都と区市町村の共通の課題であると認識しております。
 今後も、人材確保とチームづくりに全力を尽くすとともに、引き続き、区市町村との連携強化に向けて取り組んでまいりたいと思います。
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 校長の資質、能力の向上についてでございますが、学校が社会情勢の変化に伴い複雑多様化する課題に適切に対応していくためには、校長の果たす役割が重要でございます。
 都教育委員会では、教育者としての高い見識を有し、経営力、折衝力等にすぐれた者を選考等により校長に任用をしているところでございます。その上で、任用後は研修や会議等を開催し、最新の教育課題への理解を深めさせるとともに、学校経営力の向上を図っております。
 さらに、人事考課制度を通じまして、各教育委員会の部長級職である評価者が、校長の取り組みや成果に関し面接等を行い、育成しているところでございます。
 今後は、評価者訓練の一環として、より効果的な助言方法等を新たに示すことで評価の精度を高め、校長の資質、能力の一層の向上に努めてまいります。
〔戦略政策情報推進本部長松下隆弘君登壇〕

○戦略政策情報推進本部長(松下隆弘君) 都のシステム改修についてでございますが、都のシステムは、一般的に機器のリース契約の期限でございます五年を目途に改修を行いまして、おおむね十年を目途にその時点の最新の技術を活用して再構築を行っているものでございます。
 このため、長期間一度も見直しをしていないシステムは、把握できる範囲内では存在しないものと考えております。
 将来のシステムの改修費用につきましては、個々のシステムの規模や内容によって異なるものでございます。
 また、再構築等の時点での最新技術の導入によりまして、改修費用の変動も大きいため、現時点では、将来の費用を予測することは非常に難しいものと考えております。
 今後は、お話のありました二〇二五年の崖問題など最新のICTの動向などにも留意しながら、再構築時点での最少の経費で最適なシステムの構築に向けて努めてまいります。
〔総務局長遠藤雅彦君登壇〕

○総務局長(遠藤雅彦君) 二点のご質問についてお答えいたします。
 まず、二〇二〇改革の総括についてでございますが、都ではこれまで、各局や職員が主体となって仕事改革、見える化改革、仕組み改革から成る二〇二〇改革を推進してまいりました。
 この改革では、情報公開の徹底を図り、判こレス、ペーパーレス、キャッシュレスの三つのレスでは、達成目標を定めて取り組みを進めるなど、職員に改革マインドが浸透してまいりました。
 新たな都政改革では、東京の明るい未来を支える都庁へと一段の飛躍を遂げるため、二〇二〇改革の成果を土台にさらに発展させ、改革を次なるステージへ進めてまいります。
 来年度早期に策定する実行方針におきまして、二〇二〇改革の進捗、成果を取りまとめ、新たな都政改革のもとで進行管理すべき事項を整理いたします。
 次に、新たな都政改革の視点についてでございますが、都では、一律の量的削減を転換し、職員主体の改革により、都庁の生産性向上や機能強化に取り組む二〇二〇改革を実施し、この改革を進化させていくことといたしました。
 このため、二〇二〇改革で培った成果をベースに、都民の幸せの実現というミッションを果たすため、新たな都政改革を推進してまいります。
 新たな都政改革ビジョンでは、職員が民間企業と協働して課題解決に取り組んでいることや強固な財政基盤を維持しつつ行政サービスの充実を図っている等を二〇四〇年代に目指す都庁の姿といたしまして、その実現に向けた二〇三〇年までの方向性を示し、現在の制度や枠組みにとらわれない抜本的な改革に取り組んでいくことといたしました。
〔環境局長吉村憲彦君登壇〕

○環境局長(吉村憲彦君) 水銀含有廃棄物の処理についてでございますが、水銀は、環境中で分解されず毒性が強いことから、水銀を含む廃棄物の処理には十分な配慮が必要でございます。
 お話の廃蛍光管については、区市町村が収集した蛍光管を中間処理施設で破砕し、ガラス、金属、水銀などに分離、回収し、それぞれを適正にリサイクルすることで、安全な廃棄物処理が可能となります。
 一方、都内には、廃蛍光管などの水銀含有廃棄物の中間処理施設が存在しないため、都外の事業者に依存せざるを得ない状況にございます。
 今後、地域の実情に応じた廃蛍光管の回収に取り組む区市町村を支援するとともに、都内で中間処理施設の運営に意欲のある事業者に、計画段階から必要な助言等を行い、水銀含有廃棄物の適正処理を後押ししてまいります。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、建設人材の確保、育成についてですが、建設業は、都市基盤の整備を通じて、社会経済活動を支える重要な役割を担っており、建設需要の増加や高齢化等を背景に、人材の確保と育成が急務となっております。
 このため、都は、職業能力開発センターにおいて、建設現場でニーズが高い鉄筋施工や型枠施工などの職業訓練を実施し、即戦力となる若手の技能者を育成しているところでございます。
 また、現場の責任者となります中堅人材も不足していることから、建築や電気、管工事の施工管理の資格取得に向けた訓練も実施しております。
 こうした取り組みにより、建設業における人材の確保や育成を図ってまいります。
 次に、農業における普及指導員の資質向上についてですが、農業技術や経営に関する農業者へのきめ細かな指導を通じ、都内農業者の経営力強化を図るためには、普及指導員の資質の向上が重要でございます。
 都は、普及指導員の育成に向け、現場における実践的な指導力を習得させるためのOJTに加え、先駆的な農業に意欲的に取り組む農業者のニーズに応えるため、研究機関や民間企業への派遣研修を実施し、専門技術や経営知識を習得させております。
 また、国が全国の普及指導員に対して実施しているテーマ別の専門研修等を定期的に受講させることにより、指導力のさらなるレベルアップを図っているところでございます。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、アレルギーコミュニケーションシートの活用でありますが、食物アレルギーのある方が安心して飲食店を利用するためには、利用客がアレルギーの原因となる食物について店舗側に確実に伝え、店舗側は実施可能な対応を利用客にお伝えし、相互に確認できることが必要でございます。
 このため、都は、外国人の方にもわかりやすいピクトグラム等を活用して、利用客と店舗側が意思疎通を図るコミュニケーションシートを約十万部作成し、都内の保健所窓口で配布するとともに、都のホームページにも掲載しております。また、飲食店向けの講習会において、シートの使用方法等を説明し、その活用を促しているところでございます。
 お話の都立の公園や動物園についても、今後、園内の店舗にシートの活用を働きかけるなど、アレルギーコミュニケーションシートの活用を進めてまいります。
 次に、認知症の方の見守り体制についてでありますが、都は、認知症の方やご家族が住みなれた地域で安心して暮らし続けられるよう、見守りや声かけ等を行う認知症サポーターの養成や、行方不明になった方を早期に発見するためのネットワークの構築に取り組む区市町村を包括補助で支援しております。
 来年度は、このネットワークに登録した認知症の方が、外出時の事故により第三者に損害を与えた場合等に円滑に補償が行えるよう、個人賠償責任保険への加入を支援する区市町村の取り組みを包括補助の対象に追加することとしております。
 こうした取り組みを通じて、認知症の方やご家族を地域で見守り、支える体制づくりを推進してまいります。

○議長(石川良一君) 八十六番小磯善彦君
〔八十六番小磯善彦君登壇〕
〔議長退席、副議長着席〕

○八十六番(小磯善彦君) 初めに、フロン対策について質問します。
 フロンは、冷凍冷蔵空調機器の冷媒として広く利用されていますが、オゾン層破壊の原因から、近年は気候変動に与える影響が甚大であることがわかり、大きな課題となっています。
 フロンは、二酸化炭素の数十倍から一万四千八百倍の温室効果があります。例えば、ビル用パッケージエアコン一台分のフロンが、二十キログラムでCO2換算では約五十トン。これは何とガソリン乗用車で日本を四十周分にもなります。フロンは、都内温室効果ガス排出量の約八%相当を占めています。運輸部門が一五%であることからも、その影響は甚大です。
 フロンの排出を抑制するため、モントリオール議定書の改正が行われ、昨年一月からフロンの段階的な削減に向けた国際的な枠組みが発動しました。
 我が国においても、フロン排出抑制法を改正し、フロンの回収引き渡し義務違反の規制を強化しました。しかし、現状は、商業施設などの空調設備、ショーケースなどの冷凍冷蔵設備に多く使用されており、配管の腐食や機器の老朽化、不十分な点検整備により、使用段階においてフロンが多く漏えいしています。また、冷凍空調機器等を廃棄するときに回収されるフロンも約四割にとどまっています。
 都内の排出量も近年増加しています。都では、昨年十二月に策定したゼロエミッション東京戦略において、二〇五〇年までにフロン排出量ゼロを目指す目標を掲げています。
 まず、都庁みずから二〇一七年度CO2換算で四千四百六十五トンものフロンを漏えいしている現状の打破、そして、都内事業者のノンフロンへの転換の促進、フロン使用時の漏えい防止と機器廃棄時の指導強化、また、業界団体と連携した中小企業者へのアドバイス、意識啓発などに早急に取り組むべきであります。都の見解を求めます。
 次に、都庁電力プランについて質問します。
 CO2を排出しない再生可能エネルギーの利用拡大は大変重要です。我が党は、十年間の国の固定価格買い取り制度が終了する、いわゆる卒FITを迎える家庭が、買い取り価格の低下により発電をやめてしまわないようにする仕組みが必要であると主張してきました。
 こうした我が党の主張に対し、都は、令和元年第四回定例会において、都内産卒FIT電力が今後加速度的にふえてくる、この電力を都のイニシアチブで活用する方策などを検討し、都民の身近にある都有施設での再エネ電力一〇〇%化を目指していくと答弁し、さらに、令和二年度予算において、都庁電力プランを盛り込んでいる点は評価できます。
 都庁電力プランを実施するに当たっては、多くの都民の参加を得て進めることが重要です。知事の決意と具体的な取り組みについて見解を求めます。
 次に、東京グリーンボンドの活用について質問します。
 昨日、都議会公明党の代表質問で、外堀の水質浄化のために、多摩川などからの河川水を玉川上水を活用して外堀に導水することを訴えました。小池知事は、外堀の水質浄化に向けては、河川水などの導水の有効性などを確認した、今後は、外堀に導水するための水源、水量の確保や、導水路の整備方法等について検討を進めると答弁しました。
 私は、この答弁を高く評価するとともに、水源、水量の確保と導水の整備など、その事業推進のために、相当のコストが必要であると考えます。
 そこで、東京グリーンボンドによる資金調達を提案するものであります。このグリーンボンドは、都民や企業の投資を通じた後押しを受け、環境施策を強力に推進することなどが発行の目的であります。
 そして、東京グリーンボンドの特徴の一つに、投資表明が挙げられます。表明行為により、投資家は、社会的課題への意識が高い優良投資家であることを対外的に示すことが可能となるため、社会的評価の向上が図られます。近年、その投資表明件数がふえてきております。
 本来の玉川上水の姿をよみがえらせ、その通水で外堀が浄化されるという環境ビッグプロジェクトは、まさに環境への貢献を標榜する都民、企業の環境行動を促し、大きなムーブメントを巻き起こす取り組みであります。都知事の見解を求めます。
 次に、河川の豪雨対策について質問します。
 都は、今般の台風被害などを踏まえ、東京都豪雨対策基本方針に基づく二〇二〇年以降の取り組みを取りまとめ、おおむね五年間の行動計画として、豪雨対策アクションプランを策定しました。
 昨年の台風第十九号では、河川の調節池や下水道の雨水貯留管など、これまで整備してきた施設が浸水被害の軽減に一定の効果を発揮しましたが、その一方で、多摩地域を中心に長時間の記録的な降雨となり、多摩川流域では甚大な被害が発生しました。
 こうした豪雨災害から都民の命と暮らしを守る豪雨対策を推進していくには、多摩川のような大河川に流れ込む、都が管理する中小河川の流域全体で取り組みを強化する必要があります。
 とりわけ河川や下水道への雨水の流出を抑える貯留浸透施設の設置による流域対策を積極的に進めるべきであります。都の見解を求めます。
 東京都と神奈川県の境を流れる境川は、上流は神奈川県の管理、東京都町田市のほぼ中間の忠生から南の市境までは都の管理、そこから下流は神奈川県が管理しています。河川は、上流域だけ整備しても、下流の未整備箇所で川が氾濫してしまうため、下流からの整備が原則となっています。現状、神奈川県の整備が進まないことから、境川の都管理区間は、河川整備しても、川底を深く掘り下げられません。
 私は、都議会本会議を初め、繰り返しこの問題を取り上げ、都は現在、町田市有地を活用し、二カ所で合わせて約二十万立方メートルの洪水を貯留できる調節池の整備を進めています。
 河川整備計画では、総容量約七十六万立方メートルの調節池が必要とされており、早期の治水安全度向上のためには、さらなる整備の加速が必要です。河川沿いの公共用地を活用して、効率的に整備を進めていくべきであります。都の見解を求めます。
 さらに、神奈川県が管理する上流域の町田市小山相原方面は、二〇〇八年の豪雨で氾濫しました。いまだにそのときの応急措置の土のうが積んであります。また、昨年の台風第十九号においても、小山町の昭和橋で水位が上昇し、県が氾濫危険情報を発表するなど、非常に危険な状況にありました。
 東京都は、この区間の河川整備について、より一層、神奈川県との連携を強化するとともに、国が県への財政援助を拡大するよう強く要請し、整備を前に進めるべきであります。都の見解を求めます。
 次に、多摩の消防団員の惨事ストレス対策について質問します。
 近年、日本各地で地震や大規模風水害が頻発し、昨年も台風十九号の際には、建物被害の発生、道路の崩落により孤立した地域も発生、多くの消防団員が応急対策に尽力しました。
 過去の大規模災害では、消防団員が被災現場で凄惨な状況を目撃し、心身に不調を来す事例、いわゆる惨事ストレスが確認されています。惨事ストレスに対しては、適切に対応することでPTSD等の発症を予防することが期待できるなど、惨事ストレス対策は重要な課題です。
 そこで、今後も発生が想定される大規模災害に備え、東京都が市町村消防団員の惨事ストレス対策の充実を図るべきと考えますが、都の見解を求めます。
 次に、多摩都市モノレールの町田延伸について質問します。
 多摩地域は、四百万人もの人口を抱えながら、鉄軌道の整備がおくれている地域で、多摩都市モノレールは、多摩地域の発展に大きな役割を果たしています。このたび、二〇二〇年度予算で、多摩都市モノレールの箱根ヶ崎方面への延伸が事業化に向けて、現況調査及び基本設計等に着手することになりました。多摩地域の都民は、これを大変うれしく思っておりますと同時に、町田市民は、多摩センターから町田方面への延伸は、事業着手が遅くなってしまうのかと心配しています。
 二〇一五年七月、都は、多摩都市モノレールの町田延伸について、目標への寄与度、収支採算性、費用便益比を全てAと分析し、今後優先的に検討すべき路線として決定しました。
 二〇一六年四月に、国土交通省交通政策審議会は、事業化に向けて具体的な調整を進めるべきと示しました。
 これを受けて、東京都は、鉄道新線建設等準備基金を創設し、その路線の中に町田方面延伸が位置づけられました。これまでの国、都の答申の前提となっていた町田方面延伸の経路の中で、市境の小山田緑地から桜台通りまでの経路は、道路の都市計画が未決定の状況です。一日も早く都市計画決定すべきであります。
 町田市は、モノレールの予定道路用地について先行買収するなど積極的に取り組んでおり、私も地元の町内会自治会連合会とともに、二〇一八年に一万筆を超す署名を小池都知事に渡し、事業化の早期実現の要望を行っています。
 今年度、学識経験者で構成するルート検討委員会が客観的、合理的なルートを検討していますが、一刻も早い結論を出すべきであります。事業化への進捗状況と今後の進め方について都の見解を求めます。
 最後に、補正予算に関連し、新型コロナウイルス対策について質問します。
 国内での感染報告が相次いでいる中、感染拡大を防ぐためには、感染をいち早く見つけるための検査体制を十分なものとしておく必要があります。
 都は、健康安全研究センターでの検査体制を強化し、国の対策にも協力していると伺っています。感染防止対策を進めるためには、検査体制の拡充を急ぐ必要がありますが、都の取り組みについて知事の見解を求め、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 小磯善彦議員の一般質問にお答えをいたします。
 再生可能エネルギーの利用拡大を図る都庁電力プランについてのお尋ねでございます。
 ゼロエミッション東京の実現に向けまして、再エネの利用拡大は大きな柱の一つでございます。固定価格による買い取り期間が終了した、いわゆる卒FITを迎える家庭の太陽光発電を継続して、地域の大切な再エネ電力として活用することは、電力の地産地消とともに、災害時等のレジリエンス強化の面で重要でございます。
 また、都が都民の身近にある都有施設で再エネ一〇〇%化を率先的に進めていくことは、民間企業が一〇〇%再エネ電力での事業運営を目指すRE一〇〇の取り組みの後押しにもなります。
 こうした一石三鳥の取り組みといたしまして、都は、都内産の卒FIT電力等を利用した再エネ一〇〇%電力を都有施設で導入する都庁電力プランを実施いたします。
 プランにおきましては、卒FIT電力を都へ優先供給する家庭へのインセンティブといたしまして、家庭で自家消費される電気の環境価値相当分、一キロワットアワー当たり一・五円を上乗せした買い取り価格で、小売電気事業者が卒FIT電力を購入いたします。その電力を来年度、都内に五十七校あります特別支援学校の全てと複数の環境局施設で利用することを予定いたしております。
 こうした取り組みによりまして、家庭の太陽光発電の継続とさまざまな都有施設におけます再エネ利用の拡大を進めてまいります。
 東京グリーンボンドの活用についてのお尋ねでございました。
 東京グリーンボンドは、平成二十九年度に、都は全国自治体に先駆けて発行をいたしました。それ以降、企業等によるグリーンボンド発行額が大幅に増加するなど、国内におけますグリーンボンド市場の成熟、拡大に貢献をしてまいりました。
 また、東京グリーンボンドは、都の環境施策の強力な推進や、環境施策に対しましての都民や企業のオーナーシップ意識の喚起など、重要な役割を果たしております。
 このグリーンボンドは、都が実施をいたします環境施策に活用するものであり、充当事業の決定につきましては、その事業が国際的なグリーンボンド原則に適合しているか第三者機関が確認をするなど、適格性と透明性を確保しているものでございます。
 こうした考えのもとで調達した資金は、CO2やエネルギー使用量の削減に資する事業のほか、公園の整備や水辺の空間におけます緑化の推進など自然環境の保全にも活用しております。環境への効果につきましては、都のホームページ上で、定量的かつ具体的に公表をいたしております。
 来年度は、発行額を増額いたしまして三百億円にするなど、国内グリーンボンド市場のさらなる活性化と金融分野からのSDGsの実現を後押ししてまいります。
 そして、お尋ねの外堀の水質浄化の取り組みでございますが、事業内容等を踏まえまして、第三者機関との調整を行いながら、充当対象の追加に向けて検討をしてまいります。
 新型コロナウイルスの検査体制の拡充についてのお尋ねでございます。
 新型コロナウイルスへの感染の有無を確認いたしますPCR検査につきましては、現在、東京都健康安全研究センターにおきまして、一日最大百二十件の検査が実施可能な体制を整備いたしております。都内で報告されました疑いのある患者の検査を迅速に実施するとともに、この間、国からの要請を受けまして、クルーズ船の乗客等の検査、約六百件につきましても、積極的に協力をしてまいりました。
 現在は、新型コロナウイルスの感染の拡大を防ぐための重要な局面を迎えております。都は、短期間に集中的な取り組みを進める一環といたしまして、検査体制をさらに強化することといたしまして、健康安全研究センターでの検査体制に加えて、新たに民間の検査機関を活用し、一日約百件のPCR検査を追加実施可能な体制をあすにも整えてまいります。
 さらに、健康安全研究センターでの検査につきましては、検査に用います機器等を追加整備いたしまして、一日最大二百四十件まで対応が可能となりますよう、体制を整備するものでございます。
 引き続き、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けましては、都として全力を挙げて取り組んでまいります。
 残余のご質問は、東京都技監及び関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔東京都技監佐藤伸朗君登壇〕

○東京都技監(佐藤伸朗君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、流域対策についてでございます。
 水害に対する安全を確保するためには、河川や下水道の整備に加え、貯留や浸透により、これらへの雨水の流出を抑制する流域対策を行うことが効果的でございます。
 都はこれまで、公共施設に設置する貯留浸透施設の工事費を補助するなどの支援を行っており、来年度からは、対策を促進するため、百立方メートル以上としていた規模要件を撤廃することといたしました。
 また、流域対策の認知度向上を図り、より実効性のある取り組みを促すため、地元自治体における対策の実績や十年後の目標値を今年度内に見える化し、その達成に向けた技術的支援などを実施してまいります。
 今後とも、都が先導的な役割を果たし、地元自治体と連携しながら流域対策を促進してまいります。
 次に、多摩都市モノレールの町田方面への延伸についてでございますが、本路線の実現により、開業区間と一体となり、南北方向の拠点が結ばれ、多摩地域の活力や魅力がさらに向上いたします。
 一方、事業化に向けては、収支採算性の確保に向けたコスト縮減策や収入確保策などの検討を行う必要があり、導入空間となり得る道路整備の課題もございます。
 このため、都は、沿線市、多摩都市モノレール株式会社とともに、連絡調整会議などの場を活用し、これらの課題について検討するとともに、昨年十月に学識経験者などで構成するルート検討委員会を設置し、地形など地域の状況を考慮するとともに、駅位置などの前提条件も想定しながら検討を進めております。
 引き続き、関係者との協議、調整を加速し、多摩地域における交通インフラの充実強化に取り組んでまいります。
〔環境局長吉村憲彦君登壇〕

○環境局長(吉村憲彦君) フロン排出抑制に向けた取り組みについてでございますが、フロンの排出抑制のためには、排出量の約七割を占める業務用の削減が重要でございます。使用時の漏えいについては、都有施設の排出削減に率先して取り組むとともに、事業者へのアドバイザー派遣や講習会の開催により、法改正の普及啓発を図ってまいります。
 加えて、国に報告義務のある漏えい量の多い事業者に対し、来年度から、都として独自に全件立入検査を実施し、点検整備の指導を行います。また、報告義務のない事業者については、実態把握の調査を実施いたします。
 さらに、法改正による立ち入り権限強化の機を捉えて、都としては、建設解体現場への全件調査を行い、フロン回収の確認や指導を実施いたします。そのため、専門職員を増員し、フロンGメンとして総合的に対策を行い、さらなる排出量の削減に努めてまいります。
〔建設局長三浦隆君登壇〕

○建設局長(三浦隆君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 初めに、境川の調節池整備についてでございますが、境川の安全性を早期に向上させていくためには、河川沿いの公共用地などを活用し、調節池の整備を推進することが重要でございます。
 令和二年度は、事業中の金森調節池におきまして、地中連続壁の構築を完了させ、掘削を開始するとともに、木曽東調節池では本体工事に着手いたします。
 加えて、中里橋上流右岸の旧河川敷におきまして、貯留量約五万立方メートルの地下箱式の新たな調節池を事業化いたします。具体的には、基本設計を実施し、施設の構造や配置に加え、上部利用などを地元市などとも協議しながら検討してまいります。
 今後とも、水害に強い都市東京の実現に向け、境川の整備を着実に推進してまいります。
 次に、境川上流部の神奈川県管理区間の整備促進についてでございますが、境川の鶴瀬橋上流につきましては、協定により区間を定め、整備、管理を行っており、豪雨に対する安全性を早期に向上させていくためには、県と連携して取り組んでいくことが重要でございます。上流の県管理区間では、根岸橋から馬場橋間及び最上流部におきまして、県が護岸や遊水地の整備を進めております。
 都は、各都県の副知事などから構成される都市河川の整備促進に関する一都三県連絡協議会や都県河川調整会議などの場におきまして、県管理区間のさらなる整備の促進について継続して働きかけております。
 境川の安全性の早期向上に向け、国へ都市河川の整備に関する一層の財源の確保を求めるほか、地元市などとも連携して県へ働きかけるなど、取り組みを強化してまいります。
〔総務局長遠藤雅彦君登壇〕

○総務局長(遠藤雅彦君) 市町村消防団員の惨事ストレス対策についてでございますが、災害時に救助等の活動に従事する消防団員の方々は、災害現場での悲惨な体験等により強い精神的ショック等を受け、心身にさまざまな障害が発生するおそれがあり、団員の惨事ストレス対策は極めて重要でございます。
 都はこれまでも、災害時に国のメンタルサポートチームを活用する等、団員の惨事ストレス対策に努めてまいりました。ご指摘の趣旨も踏まえ、今後は、市町村消防団員に配布する冊子に、惨事ストレス対策に係る情報を新たに追加するとともに、惨事ストレスの状況を早期に確認し、必要なケアに結びつけることができる団員を育成するため、消防訓練所を活用した講座の設置を検討してまいります。
 こうした取り組みを通じて、市町村消防団に対する惨事ストレス対策の充実強化を図ってまいります。

○副議長(橘正剛君) 三十四番斉藤まりこさん
〔三十四番斉藤まりこ君登壇〕
〔副議長退席、議長着席〕

○三十四番(斉藤まりこ君) 就職氷河期世代に対する支援は喫緊の課題です。私が大学を卒業した一九九八年は、前年の山一證券に続き、日本長期信用銀行が破綻しました。内定取り消しが相次ぎ、同期の友人たちがいきなり職を失ったことは今でも鮮明に覚えています。社会への第一歩ではしごが外され、その後に非正規雇用が広がったもとで、就職も転職も厳しい中を生きてきました。
 失われた二十年が、就職やキャリア形成だけでなく、結婚や子育てなどのライフステージと重なったこの世代が失ったものは余りにも大きなものです。非正規雇用から抜け出せない中で、経済的な理由から結婚や子供を持つことを諦めた人、何十社も面接をしても落とされたり、ブラックな働き方の中で心身ともに傷つき、長期間の無業状態やひきこもりになった人、これは決して自己責任の問題ではありません。
 労働者の非正規雇用への置きかえを求めた財界いいなりの雇用の規制緩和、消費税の引き上げや社会保障の負担増など、国の政策によって生み出された構造的な問題です。
 就職氷河期世代への対策が重要だと思いますが、知事の認識を伺います。
 三十代半ばから四十代後半の就職氷河期世代で、正規雇用を希望しながら非正規雇用として働く方や、就業を希望しながらさまざまな事情により無職である方々について、政府は少なくとも全国で百万人、東京都では十万人に上るとしていますが、あくまでも推計値です。
 現実に即した対策を行うためにも、都として実態調査を行うべきですが、いかがですか。
 政府は、この世代の正規雇用者を三年間で三十万人ふやすことを目指しています。都としても、実態に基づいた目標を定めて、正規雇用につなげる取り組みを強化することが求められますが、いかがですか。
 昨年十一月に就職氷河期世代の正規採用を行った宝塚市では、三人の募集枠に全国から千八百人以上が応募し、注目を集めました。
 同市では、この世代が就職活動では書類選考で落とされ、試験も受けられない経験を繰り返してきたことに配慮し、書類選考を行わず、全ての応募者が試験を受けられるようにしたということです。面接では、就職氷河期世代としての体験や苦労、自身の思いについて話してもらったといいます。この世代としての経験を生かして、困っている市民に寄り添う窓口業務や政策立案に役立ててほしいという担当者のお話が印象的でした。
 東京都もこうした先行事例に学びながら、その事業規模にふさわしく多くの採用枠を設けるべきですが、いかがですか。
 就職氷河期世代の困難を解決していくためには、多面的な支援が必要です。一つは住宅の確保です。仕事とともに住まいを失い、ネットカフェ難民や路上生活になる人もいます。住まいがなければ就職できません。また、非正規雇用では毎月の手取りが十数万円という中で、六万から七万の家賃が重く、貯蓄もできず、家族形成も困難です。
 昨年の都営住宅における管理制度等のあり方に関する住宅政策審議会は、就職氷河期世代について、生活の基盤づくりや家族形成に資する観点から、都の住宅政策においても対応が求められると答申しました。重要な指摘だと思います。
 就職氷河期世代の住まいの困難と都営住宅における住宅支援の必要性について知事の認識を伺います。
 都営住宅は、低廉な家賃で一定の水準の住居に保証人なしで住めるという点でも、東京都の意向次第ですぐに施策を実行に移せるという点でも、大きな役割が果たせる存在です。都営住宅の新規増設で住宅数を確保することが重要です。そして、単身の就職氷河期世代にも、都営住宅入居に道を開くことが必要だと思いますが、いかがですか。
 四十代後半に差しかかっているこの世代は、今部屋を借りることにも苦労をしています。高齢となった親が年金生活となり、賃貸の連帯保証人として認められず、誰にも頼めない場合は、民間の保証人代行サービスを利用するしかありません。このサービスには、月々の支払いのほかに賃料相当の初回料や更新料がかかることもあり、生活費を圧迫しています。
 こうした世代の置かれた状況もあわせて都の認識を伺います。
 就職氷河期世代は、新卒のときに厳しい雇用環境に置かれ、その後に求人倍率が改善しても、中途採用は厳しい中で、面接のたびに否定され傷ついてきました。就職できてもブラック企業や非正規雇用で疲れ果て、鬱病などの精神疾患で働けなくなった同世代が私の周りにも多くいます。一旦社会とのつながりが途絶えてしまった方々にとっては、すぐに就労するのは困難な状況があり、一人で悩んでいる方が少なくありません。
 そうした方々に求められているのが居場所の支援です。支援活動を行っているNPOの方々のお話では、就労を条件とした支援では過度なストレスを感じ、逆に支援から離れてしまうケースが多い、みんなで集まって信頼できる人間関係をつくりながら、ボランティアやワークショップを行う中で、少しずつ自信を取り戻して、結果的に就労につながる好循環が生まれているということでした。
 知事は、未来の東京戦略ビジョンの中で、みんなの居場所創出プロジェクトを掲げています。
 悩みを抱えた就職氷河期世代の方々が孤立せず、つながりながら自分らしくいられる居場所があることが重要だと思いますが、知事の認識を伺います。
 国は、昨年末に、就職氷河期世代支援に関する行動計画を発表し、取り組みを推進するために都道府県ごとのプラットホームを設置することを求め、当事者やそのご家族の声を聞きながら取り組みを促進していくことが不可欠であるとしています。
 都のプラットホームに、居場所の支援や就労支援に長年取り組み経験と知見を積み重ねているNPOなどの団体や、就労の受け入れをしている中小企業、そして就職氷河期世代の当事者を入れるべきという声が上がっています。見解を伺います。
 あわせて、国の地域就職氷河期世代支援加速化交付金を活用し、就職氷河期世代への総合的な支援を拡充していくことを求めます。
 次に、就活セクハラについてです。
 ビジネスニュースサイトが昨年二月に実施した就活セクハラ緊急アンケートによると、約五割の学生が就職活動中にセクシュアルハラスメント被害に遭っており、そのうち約七割が誰にも相談できずにいることが明らかになっています。
 就活セクハラは、人生の選択を狂わせ、時に治療を要するほどの心身の大きなダメージとなることもあります。企業と学生、求職者という対等でない力関係のもとで行われ、立場の弱い学生や求職者が泣き寝入りするということがほとんどです。
 こうした就活セクハラは絶対にあってはならないと思いますが、知事の認識を伺います。
 私は、結婚後の転職のときに、面接でお子さんのご予定はと聞かれました。周りでも同様の質問をされて、面接で通らなかったという女性の友人がたくさんいます。
 国際労働機関、ILOは昨年、労働の世界における暴力とハラスメントを禁止する条約を圧倒的多数で採択しました。保護すべき対象を労働者だけでなく、インターンや見習い、求職者なども含める包括的な内容です。
 しかし、日本の法律では禁止条項がなく、特に就活生や求職者など労使関係にない人のハラスメント被害に対しては、対策がおくれているのが現状です。昨年十一月には、都内の大学生有志が実効性ある就活セクハラ対策を求める緊急声明を出しました。
 東京都では労働相談情報センターを設置していますが、就活生や求職者からの相談は受け付けておらず、実態をつかめていない状況です。
 就活生や求職者も相談の対象とし、実態をつかんでいくべきだと思います。見解を伺います。
 学生たちへの就活セクハラへの相談に寄り添い、実態を明らかにして対策につなげるためにも、都立大学に相談窓口を設置することを求めますが、いかがですか。
 足立区立の新田学園について伺います。
 同校は、小中学校を統廃合する形で、中学校だった敷地に一貫校として開校されましたが、児童生徒の数が一千八百人を超えるまで急増し、日本一のマンモス校、過大規模校になっています。開校からわずか四年で、百五十メートル離れた土地に第二校舎を建設し、来年度からはさらに遠い小学校跡地に第二校庭を設置予定で、校舎と校庭が三つに分かれる事態になっています。
 第二校舎には校庭がなく、体育の時間は、小学一年生から四年生の児童が第一校舎まで車が通る道を歩いて移動しなければなりません。移動時間のために標準授業時間が確保できていない実態や、中庭が狭く、災害時に全児童が外に避難できない状況について、足立区も課題があることを認めています。こうした学校をそのままにしておいてよいのですか。
 保護者たちは、数年でピークが過ぎるといっても、過大規模校であるのは変わらない、今の子供たちを見過ごさないでほしいと訴え、もう一つ学校をつくることを含めて検討することを求めています。
 一刻も早く改善することが必要ですが、都として、こうした実態にある学校をどう考えますか。
 学校設置基準は、子供たちの学習環境として必要な最低限の基準であり、設置時にこれを上回っていることはもちろん、その後も基準以上の学習環境を確保していくことが当然だと思いますが、いかがですか。
 学校施設に用地取得や改築など重要な変更がある場合などには、法により都への届け出が必要です。
 都は、学校設置基準を満たしているか確認し、指導する責任があると思いますが、いかがですか。
 新田学園は、学校の分離、新設が必要な状況です。東京の子供たちのよりよい教育環境の確保に、都としても心を砕いていただくことを強く求めて、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 斉藤まりこ議員の一般質問にお答えをいたします。
 就職氷河期世代の方への就労支援についてのご質問でございます。
 就職氷河期世代の方には、新卒時に不本意ながら非正規で働くことを余儀なくされ、不安定な就労が続いている方、また、就労を希望しながらも、さまざまな要因で職につけていない方がたくさんいらっしゃいます。こうした方々に対して、安定した就労に向けました支援が重要であるということは論をまたないと存じます。
 このため、都といたしまして、氷河期世代の方の正規雇用を進める就労支援を行っておりまして、引き続き実施をしてまいります。
 都営住宅における就職氷河期世代への支援についてのご質問でございます。
 いわゆる就職氷河期世代の方々のように、思うようにキャリアアップできずに収入がふえない単身者が増加をいたしております。
 働く意欲のある誰もが安心して活躍できますように、都民の居住の安定を確保することは重要であって、今後とも、東京都住宅政策審議会答申の趣旨を踏まえまして、都営住宅を活用した居住支援を行ってまいります。
 次に、地域の居場所づくりについてのご質問でございます。
 私は、知事就任以来、一貫して人に焦点を当て、誰もが安心して暮らせる社会の実現に邁進をしてまいりました。定職につけず生活に困窮する人など、さまざまな理由で不安や孤独感を抱える人に対しましても、相談対応や就労、生活面での支援を講じてきているところでございます。
 未来の東京戦略ビジョンにおきましても、誰もが集い支え合う居場所、コミュニティが至るところに存在するまちを、目指します東京の姿として示しておりまして、各局が連携して、その姿の実現に向けましたプロジェクトを推進してまいります。
 最後に、就職活動中のセクハラについてのご質問でございます。
 セクハラは、働く方の個人としての尊厳を傷つける社会的に許されない行為であります。労働者はもとより、就職活動中の学生等に対しましても、あってはならないものと強く認識をいたしております。
 残余のご質問は教育長、関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 初めに、児童生徒の急増に伴う対応についてでございますが、学校教育法第三条に基づく公立学校の施設整備は、学校設置者でございます区市町村の権限と責任において行うものとなってございます。
 一般的に、児童生徒が急激に増加したことに起因して生じる課題の解消には、新たな学校の建設があるほか、必要に応じて学習の支援に当たる職員の配置や、保護者、地域の理解を得ながら通学区域の見直しをするなど、区市町村がさまざまな対策を講じて対応すべきものであるというふうに考えてございます。
 次に、学校設置基準についてでございますが、公立学校の施設整備は、文部科学省令である小学校設置基準などに定められておりまして、学校設置者は、学校の編制、施設、設備等が学校種別ごとの設置基準より低下した状態にならないようにすることはもとより、これらの水準の向上を図ることに努めなければならないこととされております。
 最後に、学校施設に関する指導についてでございますが、一般的に、学校教育法によって学校の設置義務を負う区市町村から、学校教育法施行令及び施行規則等に基づく各種の届け出があった場合には、都教育委員会において届け出の事由や関係書類の確認を行っており、その内容に不備などがあった場合には、指導助言等を行うことができることとされております。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、就職氷河期世代の方の実態調査についてですが、国は、就業構造基本統計調査等に基づき、都における支援対象者の人数を示しております。都は、こうした調査の数値や、これまで実施してきた支援の状況なども踏まえまして、氷河期世代の方々の実態に即した就労支援を展開してまいります。
 次に、就職氷河期世代の方の支援の目標についてですが、今後、東京労働局が中心となり、東京都、経済団体、労働団体などが参画し、組織するプラットホームにおいて設定することとしております。
 次に、就労支援のプラットホームについてですが、就職氷河期世代の方への就労支援を連携して行うために設置するプラットホームの構成員につきましては、東京労働局において現在検討しているところでございます。
 最後に、就職活動中のセクハラへの対応についてですが、都は、就職活動中のセクハラに関して、学生などが相談しやすい仕組みをつくり、事業主に対し助言指導を行う国とも連携して対応してまいります。
〔総務局長遠藤雅彦君登壇〕

○総務局長(遠藤雅彦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、就職氷河期世代の都職員への採用についてでございますが、都ではこれまでも、幅広い年齢層を対象に経験者採用を実施しておりますが、国や他の自治体の状況も踏まえ、氷河期世代を主な対象とした採用試験の実施を来年度に予定しております。
 採用予定者数につきましては、職員の退職動向や職員定数の状況等を勘案し、適切に設定してまいります。
 次に、首都大学東京における就活セクハラの相談窓口の設置についてでございますが、首都大学では、学生向けのガイドブックにより、就職活動における各種のハラスメントについて周知するとともに、学生の進路、就職の相談を受ける学生サポートセンターにおいて、就活セクハラなどの問題が発生した場合の対応を行うこととなっております。
〔住宅政策本部長榎本雅人君登壇〕

○住宅政策本部長(榎本雅人君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、就職氷河期世代の都営住宅への入居についてでございますが、昨年五月の東京都住宅政策審議会答申では、いわゆる就職氷河期世代の方々などについて、既存の応募有資格者の入居機会を減らすことのないよう配慮しつつ入居の拡大を図る必要があるとの提言がなされました。
 都は、TOKYOチャレンジネット事業において、平成二十一年度から都営住宅の住戸を提供してきており、今後とも審議会答申を踏まえ、就労支援事業等と連携して、低収入で住宅に困窮する若年単身者に住戸を提供するなど都営住宅の有効活用を図ってまいります。
 次に、家賃債務保証等の状況についてでございますが、国が家賃債務保証の利用状況や保証料等の調査を実施しており、その調査結果によれば、家賃債務保証について、近年、高齢単身世帯の増加や人間関係の希薄化等を背景とし、利用が増加しているものと承知しております。
 また、いわゆる就職氷河期世代の方々のように、思うようにキャリアアップできず、収入がふえない単身者が増加していると認識しております。

○議長(石川良一君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後五時三十六分休憩

   午後六時開議

○議長(石川良一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 九十七番入江のぶこさん
〔九十七番入江のぶこ君登壇〕

○九十七番(入江のぶこ君) 世界二百を超える国と地域から選手、観客、メディアが集まる東京二〇二〇大会を開催するに当たり、違いを認め合い、助け合い、ともに生きるという精神が改めて問われています。
 オリンピック憲章の定める権利及び自由は、いかなる種類の差別も受けることなく、確実に享受されなくてはなりません。
 私はかつて、イスラエルのエルサレムで息子を出産しました。いまだにイスラエルとパレスチナの中東和平は実現することなく、抗争が繰り返されていますが、当時のエルサレムの病院では、ユダヤ人もパレスチナ人も一緒の病室で、思想や生活習慣は大きく違っても、子供の誕生をともに祝っていました。
 その後しばらくして、ジャーナリストの夫が取材中の事故で命を落とし、私は、イスラエル、パレスチナ、エジプト、ケニア、イギリス、そして日本など、さまざまな国の方々のチームに助けていただいたことを思い出します。
 多様性が尊重され、温かく、優しさがあふれ、誰もが救われ、希望を持てるように、さらなる人権尊重都市へと東京が発展するべきだと考えます。知事のお考えを伺います。
 東京二〇二〇大会では、都内二十四会場の施設内の運営は組織委員会、最寄り駅から会場までのラストマイル運営は東京都と分担されています。
 ラストマイルは、チケットホルダーのみならず、近隣にお住まいの方なども通行します。また、ボランティア、警備、清掃、暑さ対策グッズ配布、誘導、救護など、多くのスタッフが働きます。さまざまな人で混み合うラストマイルの現場の責任者は都の職員となりますが、迅速で的確な判断をして、不測の事態にも対応することが求められます。
 そのため、いつ、どのような混雑状況が予測されるのか、競技スケジュールについて入念な分析と現地でのシミュレーションが必要です。
 また、大会時には組織委員会のメーンオペレーションセンターとも連携し、ラストマイルを初め、大会に関するさまざまな情報を収集する都市オペレーションセンターが都庁内に設置されます。ラストマイルの現場と、この都市オペレーションセンターとの速やかで綿密な連絡体制の構築は大変重要です。
 安全・安心なラストマイル運営を実現するために、一層の取り組みを行っていくべきだと考えます。見解を伺います。
 東京二〇二〇大会期間中は、国内外から多くのメディアが東京を取材するために来訪し、東京の魅力を発信するには絶好の機会となります。
 東京都は、組織委員会設置のメーンプレスセンターとは別に、東京都メディアセンターを有楽町に設置します。このメディアセンターでは、メーンプレスセンターを利用できないメディアやデジタルメディアなども広く受け入れると聞いています。一方で、これらのメディアには、東京を取材すること自体が初めてとなる方も多いと思われます。
 東京に関するさまざまな情報を提供し、取材場所なども推奨し、あらゆるメディアをサポートすることは、東京の魅力やすぐれた点を世界に発信するために大変重要です。丁寧に対応し、支援すべきと考えます。見解を伺います。
 IoT、AI、ロボティクスなど、デジタルテクノロジーで経済発展と社会的課題の解決を両立させるソサエティー五・〇は、東京の持続的な成長に不可欠です。
 ソサエティー五・〇の早期実現には、企業や人々が集積するエリア、つまり富の源泉となるデータが集積するエリアにターゲットを絞ってスマートシティーを実現し、早期に成功例をつくるという視点も重要だと考えます。
 先日、トヨタ自動車が、ラスベガスでの世界最大デジタル技術見本市、CESの開幕に先立って、コネクテッドカー、つながる車や、自動運転の電気自動車、EVを中心に、あらゆるものやサービスをネットでつなげるスマートシティーを静岡県裾野市に建設すると発表したことは、大変大きな話題となりました。
 世界の潮流となったスマートシティーは、エネルギー効率を軸にしたモデルからモビリティー、健康、医療、防災など、都市における人々の活動のほぼ全ての領域を最適化していくというモデルに進化しています。このため、多種多様な企業の参画が必要です。
 都心部では、エリアの価値向上を目的としたエリアマネジメント団体などが中心となって、スマートシティーを構築しようという機運が高まっています。民間の創意工夫を都が応援していくことで、持続的で発展的な取り組みにしていくべきだと考えます。見解を伺います。
 先日、東京ユアコインの実証実験を丸の内のランチタイムに体験しました。エコ弁当を買い、外のベンチで食べ、空になったプラスチックの弁当容器をしばらく歩いて回収場所まで持っていき、そこで東京ユアコインをスマホのアプリで獲得しました。
 オフィスワーカーのランチタイムに、歩くという健康によいこと、プラスチックの回収への協力という環境によいこと、そして、東京ユアコインというポイントをもらうという三つのお得なことが詰まっていました。
 キャッシュレスの推進に向けて、都民のSDGs活動をポイントで後押しするという取り組みは、これまでにはない着眼点で画期的です。
 今年度の取り組みは、オフピーク通勤やプラスチックごみ削減に焦点を当てて行われていますが、今後は、例えば子供や高齢者の見守り、防災訓練への参加、保育園や介護施設でのちょっとしたお手伝いなど、対象を広げていくことがよいのではと考えます。
 社会的な活動に興味があっても、行動するきっかけがない方々への働きかけを、キャッシュレスとアクションを結びつけることによって進めていくべきだと考えます。知事のお考えを伺います。
 小池知事は、デジタルテクノロジーによる都民生活の質の向上に向け、令和二年度をデジタルトランスフォーメーションに挑戦するスマート東京元年とするとおっしゃっています。まさに、デジタルトランスフォーメーションによる新たな経済発展や、生活の利便性向上の実現が期待されます。
 これまで私は、都民一人一人にデジタルテクノロジーの進化を体験してもらい、そのメリットを広く理解していただくことは大切だと訴えてきました。
 昨年の総務委員会では、来年度西新宿において、5Gを活用したサービスをより多くの都民が体験する機会を提供することや、先端テクノロジーショーケーシング事業で、さまざまな場面でロボットが人々に寄り添い、役立つ姿を発信することなどの答弁がありました。
 都民がデジタルテクノロジーに対する理解を深め、活用することができれば、新たな喜びや可能性が広がります。都民への普及啓発をさらに進めるべきと考えます。見解を伺います。
 臨海副都心は、東京二〇二〇大会期間中、東京ウオーターフロントシティーと呼ばれ、大会の中心エリアとなります。レインボーブリッジや東京港の美しい景色は、ベイゾーンケーブルカメラで世界に発信されます。
 青海アーバンスポーツパークやパートナーショーケーシングエリアがある青海地区と、有明テニスの森や有明アリーナなどがある有明地区をつなぐ夢の大橋は、オリンピックプロムナードとなり、水素の炎が燃える聖火台を中心とし、スポーツやアートのライブパフォーマンスが展開されます。
 大会後は、有明地区はレガシーエリアとして、オリンピック・パラリンピックパークの名称が付与される候補となりました。東京国際クルーズターミナルに隣接する青海地区も同様に、大会後のさらなるにぎわいが期待されます。
 これまで、民間企業やまちづくり協議会によって、さまざまな集客力のある最新のエンターテインメントが発信されてきました。
 この臨海副都心を、東京二〇二〇大会後は、テクノロジーと芸術やエンターテインメントを融合させて華やぐ場所とし、民間企業と強力に連携しながらイベントを開催するなど、観光都市東京の牽引力となるような地域とすることが重要だと考えます。見解を伺います。
 私の地元虎ノ門では、虎ノ門ヒルズビジネスタワーが竣工し、ことし六月には、日比谷線虎ノ門ヒルズ駅が新たに開業予定で、交通インフラを含む一体的なビジネスの拠点となるまちづくりが進められています。
 この複合ビルの一階部には、バス高速輸送システム、東京BRTなどが発着予定のバスターミナルが整備され、ベイエリア方面から乗りかえなしで虎ノ門まで直結することから、交通の利便性が大幅に高まり、人々の回遊性や経済効果の向上が期待されます。
 この五月二十四日からプレ運行を開始する東京BRTは、輸送力、環境両面で最新の技術を取り入れた東京の新しい公共交通となります。
 今後は、ほかの停留施設などにおいても、虎ノ門ヒルズのように民間開発を上手に取り入れながら、まちづくりと一体的に整備するとともに、鉄道駅や他の交通機関との結節機能の強化や乗りかえの利便性を高めていくことが重要だと考えます。見解を伺います。
 都は、起業支援を強化するために、スタートアップエコシステムの共同体、東京コンソーシアムを設立したところですが、東京都の支援で生まれた起業家は、必ずふるさと東京を愛し、さまざまな面で将来東京に貢献してくれると私は信じています。特に十代の若者、高校生は、柔軟で斬新で大胆な発想ができ、経営の知識やスキルなどを提供すれば起業できる素養が十分にあります。
 生まれたときからIT機器に囲まれているデジタルネーティブ世代は、企画を描き、プログラミングコードを書き、世界中の人々に向けてアプリやウエブサービスを立ち上げることができます。また、世代を問わず、障害のあるなしも問わず、多くの人材を動かす熱意もあります。
 東京都が、こうした未知なる可能性を秘めた高校生を数多く起業へ導き、その中から東京、日本のリーダーとなる起業家を生み出し、育てる後押しをするべきと考えます。見解を伺います。
 新型コロナウイルス感染症の対策として、テレワーク活用促進緊急支援の補正予算が速やかに措置されたことを評価いたします。感染症拡大時や災害発生時でも、社員の健康や安全を守りながら、事業を継続できるテレワークの有効性が改めて評価されています。
 東京二〇二〇大会期間中の交通混雑緩和対策として、都が進めているスムーズビズの取り組みの中でも、テレワークは大きな柱です。ロンドン二〇一二大会では、八割の企業が実施し、その効果が実証されています。
 ICTを活用し、好きな場所で好きな時間に柔軟に働くことができるテレワークは、子育てや介護で忙しい方や、がんなどの病後の方でも、会社をやめることなく働き続けることができ、ライフワークバランスを実現させます。同時に、企業の効率化と生産性向上、そして危機管理など、複合的な効果が期待できます。
 東京二〇二〇大会のレガシーとしても、さらなるテレワークの推進が重要だと考えます。知事のお考えを伺います。
 東京に暮らし働くどなたもが、さまざまな困難を乗り越え、笑顔となって、さらに前に進んでいただけるように、全身全霊をもって努めてまいります。質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 入江のぶこ議員の一般質問にお答えをいたします。
 さらなる人権尊重都市としての東京の実現についてのご質問でございます。
 人権尊重都市東京の実現のためには、性別、障害、国籍などにかかわりなく、一人一人の多様性が尊重されるダイバーシティーの実現が重要でございます。
 都はこれまで、人権尊重意識の高揚に向けまして、大型人権啓発イベント、ヒューマンライツ・フェスタ東京や人権週間行事、東京都人権プラザでの啓発など、さまざまな施策を展開してまいりました。
 さらに、オリンピック憲章にうたわれます人権尊重の理念を広く都民に浸透させるために、一昨年十月、いわゆる人権尊重条例を制定いたしまして、人権施策をより一層充実をしてきたところでございます。
 去る二月一日に開催いたしました、オリンピック・パラリンピックと人権東京都シンポジウムにおきましては、パラ卓球や、ラグビー日本代表選手から直接お話を伺いまして、スポーツの持つ力を実感いたしました。東京二〇二〇大会におきまして、選手たちが活躍する姿を通じて多様な人々への理解が深まり、ダイバーシティーの実現につながっていくとの思いを新たにしたところでございます。
 東京二〇二〇大会を契機に、さらにその先も見据えまして、一人一人が自分らしく生き生きと活躍できる多様性に富んだ真のダイバーシティー東京の実現を目指しまして、人権施策を積極的に展開をしてまいります。
 キャッシュレスの推進に向けました取り組みでございますが、現在、民間企業を中心といたしまして、キャッシュレスに向けてポイント還元などの活発な取り組みが行われており、都といたしましても、スマート東京の実現に向けましてキャッシュレス化を推進する必要がございます。
 このため、都独自の切り口による推進策といたしまして、誰ひとり取り残されない社会をつくり上げるという、人々のSDGsに向けた意識や行動を活用いたしまして、SDGs推進に貢献された方々に、東京ユアコインというキャッシュレスの経済インセンティブを付与する実証実験に、今年度初めて取り組んだところでございます。
 今年度の取り組みには多くの方々にご参加いただきまして、例えば、ご質問にありましたオフィス地域の大・丸・有地区では、東京ユアコインの獲得、利用に必要なスマートフォンのアプリのダウンロード数が、実験を開始しましてから一カ月以内で一万件を超えております。
 まずは、こうした実証実験の効果検証を通じまして、今後の取り組みの拡充につなげてまいります。
 SDGs活動の対象は、今年度の実証実験では、主にオフピーク通勤とプラスチックゴミの削減といたしましたが、ご指摘のような社会福祉活動へのボランティア参加や防災活動への参加なども、より広がりがあると考えられますことから、来年度、引き続き実証実験を行う際は、対象の拡大も含めまして、今後、検討してまいりたいと存じます。
 このように、SDGs活動を促進しながら、キャッシュレスを推進することを通じまして、スマート東京と都民の生活の質の向上を実現してまいりたいと考えております。
 次に、テレワークの推進についてのご質問がございました。
 時間や場所にとらわれずに、柔軟に仕事ができるテレワークでございます。東京二〇二〇大会の交通混雑の緩和に効果を発揮するだけでなく、現在の感染症等の拡大を防ぐ、事業継続を図るための危機管理対策としても有効でございます。
 このため、今般の新型コロナウイルスによります感染症への対応の機会を捉まえまして、テレワークの導入を一気に加速させていきたいと考えております。
 今回提案しております補正予算におきましては、ウイルス感染症への対策といたしまして、テレワークの導入拡大を図る企業に対しましては、ハード、ソフトの両面から強力に支援をすることといたしておりまして、業界団体や企業等を訪問、そして直接要請するなど、積極的な活用を働きかけてまいります。
 さらに、来年度でございますが、都内全域でのテレワークのさらなる普及を図るために、多摩地区におきまして、サテライトオフィスのモデル的な整備を進めるとともに、観光、レジャーの傍らテレワークを行いますワーケーションを、島しょ地域を含めまして展開をしてまいります。
 こうした取り組みを積極的、精力的に進めまして、社会全体にテレワークを浸透させてまいります。
 残余のご質問は、東京都技監、関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔東京都技監佐藤伸朗君登壇〕

○東京都技監(佐藤伸朗君) 東京BRTの停留施設の整備についてのご質問にお答えいたします。
 人や物の流れを円滑にするために、まちづくりと一体的にさまざまな交通需要に対応したターミナル整備をいたしまして、交通結節機能や乗りかえ利便性を高めることは重要でございます。
 BRTの都心側の起点となる虎ノ門ヒルズでは、市街地再開発事業により地下鉄駅と連絡するバスターミナルが整備されており、BRTの乗り入れを行うことで、天候に左右されず、スムーズな乗りかえを実現いたします。
 また、大会後の選手村地区や豊洲六丁目地区で、大規模開発とあわせて整備される交通ターミナル内にBRT停留施設を設置し、他の交通機関との円滑な乗りかえを確保する予定でございます。
 こうした取り組みにより、東京BRTを利用しやすく魅力ある交通機関としてまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長潮田勉君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君) ラストマイル運営の取り組みについてでございますが、大会期間中、観客利用想定駅から競技会場までのラストマイルにおきまして、国内外から訪れる観客や近隣の方の安全・安心を確保することは、大変重要でございます。
 そのため、都は、都市オペレーションセンターを設置するとともに、ラストマイルには、現地対応を総括するため、実地研修等を受けた都職員を配置いたしまして、会場周辺対応を行ってまいります。
 さらに、事故等の発生事案を登録、分析するICTツールや、無線、ラストマイルカメラを活用し、迅速に画像や位置等の情報を共有することで、現地とセンター本部との緊密な連携体制を構築いたします。
 また、混雑状況の予測に基づき、警備員等の配置や観客への注意喚起を適切に行いまして、事故の未然防止などに取り組み、安全・安心な大会運営に向け万全を期してまいります。
〔政策企画局長山手斉君登壇〕

○政策企画局長(山手斉君) 東京都メディアセンターについてでございますが、センターでは、東京二〇二〇大会を機に来訪する国内外のメディアにつきまして、デジタルメディアを含め、過去大会より幅広く受け入れ、その活動を支援してまいります。
 具体的には、快適な取材環境を提供するとともに、コンシェルジュデスクを設置し、メディアからの問い合わせへの一元的な相談窓口として的確に対応してまいります。
 また、東京を代表するエリアに、通常よりも簡易な手続で撮影できるスポットを複数設置いたしますとともに、積極的に撮影にご協力いただける施設等をご紹介してまいります。
 さらに、センター内に都市情報コーナーを設置し、各局と連携をいたしまして、伝統文化や先端技術などの施策をPRいたします。
 こうしたメディアへのさまざまな支援を通じて、開催都市東京の魅力を世界に発信してまいります。
〔戦略政策情報推進本部長松下隆弘君登壇〕

○戦略政策情報推進本部長(松下隆弘君) 二点の質問がございました。
 まず、スマートシティー構築に向けた支援についてでございますが、東京には、車の動き、人々の活動、店舗の売り上げなど、大量のデータが絶えず発生しておりまして、これらのデータを有効に活用していくことが、今後の東京の成長に不可欠であると考えております。
 一方、データを地域に蓄積させるためのルール、あるいはユースケース等が確立されておらず、現在、国内外の都市がモデル構築に今、知恵を絞っている、そういった段階でございます。
 このため、都は来年度から、データの蓄積、先端企業の集積等に競争力を有しますエリアを区域指定いたしまして、エリアマネジメント団体等が、リアルタイムデータ等を活用したさまざまなサービスを展開することを支援してまいります。
 本事業によりまして、東京版ソサエティー五・〇であるスマート東京の社会実装モデルを早期に構築いたしまして、他地域への水平展開を図っていくものでございます。
 次に、都民への普及啓発についてでございますが、スマート東京の実現には、まずは、広く都民に対して、日進月歩で進化しておりますデジタルテクノロジーを知ってもらう、そうした機会を設けることが重要であると考えております。
 そこで、都は、今年度は品川駅や竹芝等で、サービスロボットを活用した実証実験を行ってまいりました。次年度も、東京二〇二〇大会に向けまして、こうした事業を幅広く展開するとともに、西新宿におきましては、5G等を活用したエンターテインメントや、都民の暮らしに着目した体験機会を創出してまいります。
 また、特に障害者の社会参画への活用も期待されておりますソーシャルロボット産業、これにつきまして新たな体験機会を設けまして、提供してまいりたいと考えております。
 こうした取り組みを通じて、デジタルテクノロジーの体験機会を創出いたしまして、都民一人一人にとってテクノロジーが身近なものになるよう、普及啓発を促進してまいります。
〔港湾局長古谷ひろみ君登壇〕

○港湾局長(古谷ひろみ君) 臨海副都心の大会後のにぎわいについてでございますが、競技会場や聖火台が置かれるこの地域は、東京二〇二〇大会の象徴的なエリアとして、国内外から多くの観戦者やアスリートが訪れることから、大会開催で盛り上がったにぎわいの灯を絶やさないことが重要でございます。
 これまで都は、臨海副都心の強みである広大なオープンスペースを活用いたしまして、音楽イベントやフードフェスティバルなど、多種多様なにぎわいを創出してまいりました。
 大会後につきましても、民間事業者や進出企業等で構成するまちづくり協議会との連携を深めながら、地域の新たなにぎわいを創出するアートイベントや、インバウンドを強力に誘引するエンターテインメントを展開するなど、このエリアの魅力を発信し、大会後のまちづくりの再始動につなげてまいります。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 高校生起業家の育成についてですが、起業を志す高校生がふえる中、社会的に評価される高校生起業家を輩出していくためには、模範となるモデルを示していくことが重要でございます。
 都は来年度から、高校生起業家の成功モデルを生み出すため、事業計画の作成から会社設立、その後の事業展開まで一貫して支援する事業を新たに開始いたします。
 本事業では、起業に必要なビジョンや知識、リスクを学ぶプログラムに加えまして、登記手続や資金調達等を支援するほか、起業後も専門家によるきめ細かな相談等を行うことで、一層の成長を支えていくこととしております。さらに、本事業の成功事例を広く発信し、起業家の裾野を広げてまいります。
 こうした取り組みにより、創業の新たな担い手を次々と創出し、東京の産業の発展に結びつけてまいります。

○議長(石川良一君) 四十番白戸太朗君
〔四十番白戸太朗君登壇〕

○四十番(白戸太朗君) 知られていなければ存在していないのと同じ、これはマーケティングの世界で必ず出てくる言葉です。これだけ情報があふれる世の中で、そのものの存在を知ってもらえなければ、その人にとっては存在しないと同じである、まさにそのとおりだと思います。
 そういった意味では、東京都が行っているさまざまな事業やサービスも同じことがいえます。どんなにいいサービスや施策を行っても、都民に伝わっていなければ意味の薄いものになってしまいます。だからこそ、都庁においても広報活動をこれまで行ってこられましたが、それは十分に足りているのでしょうか。
 特に昨今は、テレビ、新聞、雑誌、ラジオという既存の四大メディアだけではなく、デジタルメディアが存在感を増し、SNSなども重要になってきました。二〇一九年には、東京都のスマホ所有率が八〇%を超え、都民の大多数がスマホで情報を獲得する時代になったといっても過言ではないでしょう。
 このようにデジタルメディアが存在感を増す中で、東京都としてどのように広報を考えているのか、知事の見解を伺います。
 広報に関しましては、昨年、同僚の木下都議からも指摘がありました。ただ告知するだけではなく、現状を認識し、その足りない部分に対してどのようなアプローチをしていくのかを考えていくことが重要です。
 また、都民がどのようなメディアで情報をとっているのかをはかっていくことも大切。いわゆるマーケティングの視点に立って、さまざまな媒体に、必要に応じて適宜組み合わせながら、効果的に展開していくべきと考えます。
 全庁的な広報を担う生活文化局ではどのように取り組んでいるのか伺います。
 さらに、最も広報予算をかけている東京都提供テレビ番組については、どのようなマーケティング、ターゲット設定を行っているのか伺います。
 都民に伝わる広報の推進に向けては、効果測定など、広報のPDCAを組み込んで実施していく必要があります。
 これまでも東京都は、施策についてもPDCAの実行を掲げていますが、施策も広報も、都民の意識をはかることや認知率などをはかるということは、実際にはなかなかできていないのが実情です。
 政策企画局においては、民間から広報実務の専門人材を採用されたようですが、今後、庁内各局のマーケティングマインドを高め、スピード感を持って、伝わる広報を実現すべきと考えますが、方針や取り組みを伺います。
 行政の役割の中で最も重要な広報は、防災であると考えます。
 災害が起きそうなとき、起きたときに、どれだけ即時性のある正しい情報を提供していけるかどうか、これこそが行政の役目です。しかし、人間は使いなれたメディアで情報の獲得や発信を行う習性があります。高齢者においてはテレビやラジオ、若年層にはSNSとなるでしょう。つまり、多くの都民に情報を届けるには、多くのメディアから発信する必要があると考えます。
 この状況の中で、東京都は防災情報の発信についてどのように取り組んでいくのか伺います。
 東京都は、一月末よりLINEによる発信を始められました。まだ友達も多くはありませんが、プッシュ型のメディアとして情報収集も情報拡散もしやすく、今後に可能性を感じさせてくれるところです。
 東京都にとって重要な広報のもう一つは、オリンピック・パラリンピック。中でもパラリンピックは、パラリンピックの成功なくして東京大会の成功はなしと東京都が特に力を入れているところでもあります。
 しかし、ここまでの広報を見ていると、それぞれの局面、それぞれの担当局事業では取り組まれていますが、やや統一感に欠けるようにも思います。また、各界の著名人を集めたパラ応援大使が四十七名もいるのに、有効に活用されているとはいえない状況ではないでしょうか。
 これは、オリンピック・パラリンピック局、そして政策企画局と担当局がまたがっているという煩雑さもあるとは思いますが、大会まであと百八十日と迫った中で、しっかりと連携を持って進めるべきです。また、その方向性も、都民の認知度など意識を図りながら、的確にアプローチすべきと考えます。
 今後、大会本番の会場を満員の観客で埋め尽くすためには、広報は、チケット販売や大会直前などのフェーズに応じて効果的に実施する必要があると考えますが、今後どのように取り組んでいくか伺います。
 また、パラリンピックに向けて、パラ応援大使の発信力をどのように活用し、機運醸成につなげていくのか伺います。
 一千三百万人の人々の生活を預かる東京都庁が丁寧に進めているこの五千以上の事業の中には、都民に知っていただくべきこと、理解していただきたいことがたくさんあります。この情報が飛び交う社会で、いかに都民に都庁の思いを伝えていくのか、しっかりと取り組んでいくことを要望しておきます。
 続いては、二〇二〇大会後の東京について伺います。
 いよいよ大会の本番をこの夏に控え、その成功に向けて着々と準備が進んでいます。都は、暑さ対策やスマートビズなど、大会を契機としてさまざまな取り組みを推進してきているところですが、東京は世界で初めて二度目の夏季パラリンピックを開催する都市であり、障害のある人もない人も互いに尊重し、支え合う社会の実現など、大会で確かなレガシーを残していかなければいけません。
 これまで、都は、九百名近くの職員を組織委員会に派遣しており、この四月にはさらに増員し、千名もの職員が派遣されるということです。今後、大会が終了した際には、職員が順次都庁に戻ってくるということになりますが、その際には、大規模な人員配置がなされます。
 オリンピック・パラリンピックという世界的なスポーツの祭典の開催に携わった職員が戻ってくるこの機を捉えて、大会後に、都がどのようなことに力を入れていくのかが極めて重要であります。
 そこで、組織委員会に派遣した職員をどのように配置し、派遣職員が培った知識、経験などをどのように活用していくのか、知事の見解を伺います。
 まちにも都庁にも、大会で培われた熱が引き継がれていく。その際に、今大会で養われたパラスポーツの明かりを消さないことも大切です。この大会が果たす役割が大きいからこそ、そこが大切だと考えます。
 きのうの代表質問で、東京都は、パラスポーツの振興、さらに障害者スポーツ環境の整備を進めていくことを表明されました。これは大変すばらしいことだと思いますが、障害者スポーツはパラリンピックだけではなく、聴覚障害者が対象のデフリンピック、知的障害者が対象のスペシャルオリンピックもあります。障害者スポーツを幅広く振興していくためには、これまでに光の当たってこなかった競技を含め、広く普及していく必要があります。
 そのために、さまざまな障害者スポーツの国際大会を東京で開催することが重要であると考えますが、見解を伺います。
 東京大会から始まった、クライミングやスケートボードなどのアーバンスポーツの競技会場が集まる臨海副都心エリア。大会期間中、有明アーバンスポーツパークなどの会場がある運河沿いでは、アーバンスポーツならではの楽しみ方が味わえるアーバンスポーツフェスティバルが展開されます。
 有明地区には、ほかにも有明アリーナ、有明体操競技場といった競技会場が設けられ、大会期間中、大変なにぎわいを見せることでしょう。
 大会後にも、この有明地区が熱戦の舞台となった記憶と、アーバンスポーツが新種目となった東京二〇二〇大会のレガシーを、都民、地元の方々が感じ、活用していけるような取り組みが求められますが、そのために現在の検討状況を伺います。
 東京港周辺には、東京二〇二〇大会の競技会場が集中しており、開催時には外国の方を含め、多くの来訪者が見込まれることから、防災機能の強化はもとより、景観等の観点からも、大会開催までに競技会場周辺の無電柱化を完了することが望ましいでしょう。
 さらに、東京港は首都圏四千万人の生活や我が国の産業活動を支える極めて重要な役割を担っており、災害時の電柱倒壊に伴う大規模停電や、通行どめによる緊急物資輸送や国際コンテナ物流などが停滞することは、回避しなければいけません。
 このように、東京二〇二〇大会に向けてはもちろん、大会後に向けても東京港周辺の無電柱化整備を速やかに進めていくべきと考えるが、見解を伺います。
 昨年、意見させていただいた都内公道における二輪タンデム自転車の走行についてお伺いします。
 二輪タンデム自転車は、前席に健常者が運転者として乗ることで、視覚障害者や体力差のある高齢者から子供まで利用できる乗り物です。よって、外出や運動機会をつくり出し、体力面、精神面のリフレッシュ、フレイル予防、さらにはコミュニケーション手段の創出などにも効果が見られます。
 もちろん、競技としても、この夏開催される東京パラリンピックにおいて、視覚障害者がタンデム車に乗り、競技する姿を見ることができるでしょう。
 ところが、現状、東京都ではタンデム車の一般公道走行は許可されていません。一方、平成三十一年三月には二十五道府県では解放されており、現状、否定的な意見は出ていません。
 このような状況の中で、昨年、国内十四の自転車関係団体や福祉団体から警視庁に、タンデム車の一般走行を求める要望書が提出されたことは記憶に新しいところです。パラリンピックを開催する東京都が、視覚障害者や高齢者のスポーツ参加のハードルを下げ、運動機会を提供していくべきと考えます。
 東京都におけるタンデム自転車の一般公道走行に向けての検討の可能性について伺います。
 自転車活用で大切なのは、どんな自転車に乗るかより、どこでどのように乗るかということです。
 イギリスにおいては、ロンドン・オリンピックの前後二十年で急速に自転車道を普及させ、自転車人口を急増させたことはよく知られております。ゼロエミッションを目指す東京都として、新しい観光資産をつくり出す必要のある東京として、魅力ある道の創設は急務であると考えます。
 東京の河川にはサイクリング道路があるところも少なくありませんが、断片的であるところがほとんどです。これをつなげていくことこそが、東京の魅力を再構築していくことと考えます。
 自転車や歩行者だけで東京を回遊できる東京回遊道路、奥多摩から河川をたどり、海まで到達するその途中で東京の魅力を感じていただく、こんな道ができると、観光資産としてはもちろん、都民の健康施策としても活用されることと思います。ぜひこんな大きなビジョンを検討していただくことを要望し、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 白戸太朗議員の一般質問にお答えをいたします。
 広報に対する考え方についてのご質問がございました。
 さまざまな施策や取り組みは、必要とする都民に届いて初めて意味がある。このため、都政に関する発信を、伝える広報から伝わる広報へと改善、改革していくことは重要でございます。
 スマートフォンから情報を得る都民が増加するなど、情報収集の手段が多様化する中で、伝わる広報を実現していくためには、これまでの広報媒体の発信力強化とともに、デジタル媒体の積極的な活用が不可欠でございます。
 先月からは、ツイッターや東京動画などに加えまして、新たにLINEやティックトックによります情報発信を順次開始いたしております。今後、さらに内容の充実を図ってまいります。
 来年度は、デジタルメディアを活用いたしました効果的な発信に向けまして、専門家の知見も得ながらコンテンツの充実などに取り組むほか、双方向コミュニケーション型広報への転換を目指しまして、アクセス解析を踏まえたホームページの見直しなどを行います。
 これまで都民に親しまれてまいりました広報紙やテレビによる広報に加えまして、今後はさらに、5Gを基盤とするスマート東京実施戦略を進める中で、デジタル広報も充実させて、都民ファーストの視点に立って、都民の皆様の理解と共感を得られますよう、わかりやすく都政の情報を発信してまいります。
 組織委員会派遣者の今後の活用についてでございます。
 組織委員会に派遣している都の職員は、民間企業や国、他の自治体など、この都庁とは異なるバックグラウンドを持つ人材とともに働くことで、民間の視点や発想など、さまざまな刺激を受けていることでございます。また、IOCや各種競技団体など、国内外の多様なステークホルダーとの調整など、幅広い経験を積んでおります。
 派遣職員が、そうした職務を通じて培った国や民間企業等との人的ネットワークや調整力、国際感覚を大会終了後に都の業務に還元することは、重要であると認識をいたしております。
 今後、真の共生社会の実現や世界をリードする環境先進都市の構築、デジタルトランスフォーメーションの推進などによります社会全体の生産性の向上などの都政が抱える重要課題に対しまして、派遣職員を適切に配置することによって、その貴重な知識、経験の活用を図ってまいります。
 人材活用の観点からも、東京二〇二〇大会のレガシーを確実に都政の運営の中に継承してまいります。
 残余のご質問は、警視総監及び関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔警視総監斉藤実君登壇〕

○警視総監(斉藤実君) タンデム自転車の公道走行に向けた検討についてであります。
 公道走行につきましては、タンデム自転車の特性や安全性、他の交通への影響等のほか、関係機関との調整や要望団体等からのご意見も踏まえつつ、より安全が確保できる通行空間を選定する必要がございます。
 警視庁では、こうした点に鑑み、本年夏を目途として、一部の道路についてタンデム自転車の通行を可能とするよう検討をしているところでございます。
〔生活文化局長浜佳葉子君登壇〕

○生活文化局長(浜佳葉子君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、マーケティングの視点に基づく広報展開についてでございますが、広報においては、対象者の年代や性別などターゲットを意識し、さまざまな媒体を効果的に活用していくことが重要でございます。
 都政全般にわたる広報を所管する生活文化局では、「広報東京都」、提供テレビ、ラジオ番組、都庁総合ホームページのほか、SNSなど、さまざまな媒体を活用しております。
 広報展開に当たっては、都民の利用状況の実態調査の結果やSNSのアクセス状況を分析し、発信内容や方法の改善につなげております。
 このほか、例えば「広報東京都」の掲載写真からインスタグラムに誘導するなど、異なる媒体を効果的に組み合わせることにより、より多くの都民に情報を届ける工夫を行っております。
 次に、東京都提供テレビ番組についてでございますが、テレビは、多くの視聴者に同時に情報を発信できる効果的な媒体でありまして、現在四番組を提供しております。
 各番組の内容につきましては、例えば平日の昼間の時間帯に放送している番組では、主に中高年齢者層を対象に、生活に関連する都政情報を伝えるなど、放送時間帯や前後の番組なども勘案しながら、ターゲットとなる視聴者層に応じた工夫を行っております。
 また、提供番組のうち三番組につきましては、放送時期、放送内容に合わせて、都の施策等に関するテレビコマーシャルを放送しております。
〔政策企画局長山手斉君登壇〕

○政策企画局長(山手斉君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 初めに、伝わる広報についてでございますが、施策が都民に伝わるためには、実施した広報の効果を測定するなど、PDCAサイクルの実行が重要だと考えております。
 今年度は、民間から採用した専門人材の知識やノウハウを生かし、重要施策における広報の認知度等をはかるウエブアンケート等を行うとともに、各局広報担当者を対象に、広報計画や効果測定に関する講習会を新たに開催をしております。
 さらに、来年度の広報展開において、各局が広報の目標設定や効果測定など、PDCAサイクルを着実に実行できるよう、政策企画局として方針を示すとともに、各局からの広報についての相談に対応しております。
 今後は、重要施策の広報において、KPIの設定を専門人材がハンズオンでサポートするなど、一層きめ細かく各局を支援し、伝わる広報の実現に取り組んでまいります。
 次いで、パラ応援大使の発信力の活用についてでございますが、各界でご活躍のパラ応援大使にはこれまで、懇談会での意見交換等に加えまして、テレビ出演、新聞記事の連載、楽曲の提供など、お一人お一人の活動を通じまして、パラスポーツの魅力や大会準備状況の発信にご協力をいただいております。
 今後は、それぞれの活動に応じて、競技の見どころの情報や最新のパンフレット、映像等のPRツールを提供するなど、パラ応援大使による発信を一層ご支援してまいります。
 また、関係各局との連携を強化いたしまして、雑誌やデジタルメディアなど、あらゆる媒体を活用して、パラ応援大使のメッセージや活動が都民に幅広く伝わるよう発信してまいります。
 パラリンピックまで半年を切った今、パラ応援大使の発信力や訴求力をより一層活用しまして、パラリンピックの魅力の浸透を図り、機運を一気に盛り上げてまいります。
〔総務局長遠藤雅彦君登壇〕

○総務局長(遠藤雅彦君) 防災情報の発信についてでございますが、大規模災害発生時に情報不足による混乱等を防止するため、住民等へさまざまな媒体を通じて的確な情報を発信していくことが重要でございます。
 そのため、都においては、防災ホームページ、防災アプリ、SNSなどを活用し、平常時から災害時の携行品やマイタイムラインなど、事前の備えや行動に関する情報とともに、大規模地震や風水害時に必要となる避難所の位置や浸水エリアの情報などの発信を行っております。
 また、発災時には、これらの情報に加え、気象に関する警報や避難情報、避難所の開設状況など、都民が避難行動を起こすために必要な情報をマスコミも通じて提供を行っております。
 引き続き、高齢者や若者等さまざまな都民に対し、多様な手段を活用して災害情報の発信に取り組んでまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長潮田勉君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、パラリンピックの効果的な広報についてでございますが、パラリンピック本番の会場を満員にして盛り上げていくためには、競技の認知度向上や観戦意欲の増大などに向けて、戦略的に広報を展開することが重要でございます。
 そのため、都はこれまで、競技体験や観戦会の実施など、広く機運醸成の取り組みを行うほか、節目の時期やチケット抽せん申し込みの時期などを捉えまして、タイムリーに広報を実施してまいりました。
 今後は、競技や観戦に関する都民の意識調査等を踏まえまして、関係各局などとも連携し、認知度の低い競技等を重点的にPRをいたします。あわせて、チケットの窓口販売時期やオリンピックからの移行期間等に、テレビやSNS等の多様な媒体を戦略的に活用し、訴求対象を考慮しながら、より積極的な広報を行ってまいります。
 こうした取り組みなどを通じまして、大会会場を満員の観客で盛り上げてまいります。
 次に、障害者スポーツの国際大会についてでございます。
 障害者スポーツの振興において、身近なスポーツの機会の確保や環境整備に加え、国際大会の開催で、多くの方に障害者スポーツに触れていただくことも重要でございます。
 都は今年度、東京二〇二〇大会後を見据え、デフリンピックを初めとしたさまざまな国際的な障害者スポーツ大会について、基礎資料の整備のための調査を実施しておりまして、結果の取りまとめを行っているところでございます。
 また、現在は、パラリンピックの競技について、大会の共催や観戦会の実施など、さまざまな取り組みを行っておりますが、調査の結果等も踏まえ、今後対象の拡大について検討してまいります。
 こうした取り組みを通じて、東京二〇二〇大会後もさまざまな障害者スポーツの国際大会が開催されますよう、都としても、競技団体等を支援してまいります。
 最後に、有明地区における大会のレガシーについてでございますが、この地区は、有明アーバンスポーツパークや有明アリーナ、有明体操競技場といった競技会場が集積し、大会時には象徴的なにぎわいの場となります。
 大会後も、オリンピック・パラリンピックの名称を残すことに加えまして、この地区内へのオリンピック・パラリンピックシンボルの再設置や、競技会場となった施設等への銘板の設置により、大会の感動と記憶を伝えられるよう、IOC等と調整をしているところでございます。
 さらに、アーバンスポーツパークの仮設競技施設の一部を大会後も活用することなどにより、この地区が有明レガシーエリアとして、大会のレガシーを生かし、新たなにぎわいが創出されますよう、具体的な検討を進めてまいります。
〔港湾局長古谷ひろみ君登壇〕

○港湾局長(古谷ひろみ君) 東京港の無電柱化についてでございますが、魅力ある都市景観を創出するとともに、災害発生時における円滑な緊急物資輸送や国際コンテナ物流などを確保するため、臨海部の全ての緊急輸送道路を対象とし、無電柱化することとしております。
 これまで都は、東京二〇二〇大会開催までに会場周辺の無電柱化を完了するよう優先的に整備を進めてきましたが、大会後も見据え、臨海部全域において無電柱化を加速化してまいります。
 具体的には、大井外貿コンテナふ頭の背後道路など、物流機能確保に重要な路線の一部について、今年度事業着手するとともに、来年度以降についても、青海縦貫線等において事業を前倒しで実施するなど、スピード感を持って取り組みを進めてまいります。

○議長(石川良一君) 九十八番柴崎幹男君
〔九十八番柴崎幹男君登壇〕

○九十八番(柴崎幹男君) 昨日、東京で新型コロナウイルスの感染からお一人亡くなられました。衷心よりご冥福をお祈り申し上げます。そして、罹患された方々には心よりお見舞い申し上げます。
 初めに、練馬城址公園について伺います。
 本年二月十三日に、都市計画公園・緑地の整備方針改定案が公表されました。令和二年度から十一年度に事業化する優先整備区域として、約二十二ヘクタールを設定する計画が示され、練馬城址公園の整備に着手し、避難場所として確保することとされています。
 この地域は、大正十五年以来としまえんがあり、多くの人々が行楽で楽しむなど、地域ににぎわいをもたらしてきました。
 練馬城址公園整備については、平成二十三年三月の東日本大震災を踏まえ、平成三十二年度までに都が事業化するという方向性が打ち出されています。今回の方針案でも、引き続き優先整備区域に設定し、整備に着手するとのことです。
 こうした中で、ハリー・ポッターのテーマパークがオープンするという報道がありました。練馬区やとしまえんを経営する西武鉄道グループと協議を進め、練馬城址公園を事業化していく必要があると考えますが、所見を求めます。
 また、避難場所となる練馬城址公園を防災公園としての機能を最大限発揮し、防災性の向上を図るためにも、これに接続する補助第一三三号線の整備は必要不可欠です。この道路は、平成二十八年三月に策定された東京における都市計画道路の整備方針において、令和七年度までに優先的に整備すべき路線に位置づけられています。
 公園の事業化に合わせて、一三三号線の整備を早急に進めるべきと考えますが、取り組み状況を伺います。
 また、都が昨年十二月に策定した未来の東京戦略ビジョンでは、水と緑あふれる東京の実現に向けて整備方針を改定し、都市計画公園等の事業化に集中して取り組むとあります。
 石神井川が流れるとしまえん周辺を整備していく上で、周辺のまちづくりの中において、公園、河川、道路、全てが建設局の事業となります。それぞれがばらばらではなく、調和のとれた統一的なコンセプトのもとで整備が進められることを要望しておきます。
 次に、西武新宿線の鉄道立体化について伺います。
 都内では、いまだに千カ所以上の踏切が残されています。こうした踏切の存在は、交通渋滞や事故の原因になるなど、都民生活や経済活動に大きな影響を与えているほか、地震などの災害時には、救急活動の妨げになるおそれもあります。スムーズで安全な道路交通を実現していくためには、踏切による課題を抜本的に解決する連続立体交差事業が重要になってくると考えます。
 特に西武新宿線は、都内の鉄道の中でもあかずの踏切が数多く残されている路線で、一昨日も踏切内で電車と車の事故が発生したところです。練馬区内だけでも十三カ所の踏切があり、地域の方からも一日も早い鉄道立体化を望む声があります。また、区においてもまちづくりを積極的に行っているところです。
 こうした中、昨年二月には、西武新宿線の井荻駅から西武柳沢駅間の都市計画素案説明会が開催されています。
 そこで、西武新宿線の井荻駅から西武柳沢駅間の鉄道立体化の現状の状況及び今後の取り組みについて伺います。
 次に、都市農業の振興について伺います。
 平成二十七年に都市農業基本法が成立し、都と連携して、都市農地保全推進自治体協議会が、生産緑地の面積要件の緩和、貸借に関する条件緩和、直売所や農業用施設の適用の拡大等について国に要望し、実現をしてきたところであります。
 これらの制度改正を都市農地の保全に十分に活用し、農業の生産基盤を強固にすることが重要です。そして、こうした基盤の上で、それぞれの農家の経営力を高めていくことが大きなテーマとなります。
 その意味で、我が党の代表質問でも触れさせていただいた東京都GAPの取得に加え、団体認証によりJGAPを取得した団体も出ており、今後、GAPの取得を契機に、収益力向上につながることが期待されます。
 今後、個々の農業者の収益力を高め、東京農業の一層の振興を図っていくことが重要と考えますが、都の取り組みについて所見を伺います。
 次に、伝統文化事業について伺います。
 従来から、東京大茶会を初めとした事業は、日本の伝統文化に触れることができるとともに、日本人の精神に触れることができる貴重な体験として、国内外でも話題となっております。
 そして、本年開催となる東京二〇二〇大会では、スポーツの祭典であるとともに文化の祭典でもあります。中でも都は、日本の伝統文化を多くの方に伝えるため準備を進めており、日本の伝統文化に取り組んでいる各団体の皆様方にも、本大会の精神を深く浸透させるべく協力を呼びかけてきました。
 こうした取り組みが、東京二〇二〇大会を文化の面から盛り上げるだけでなく、伝統文化を次世代に継承していくためにも重要であると考えます。都の見解を伺います。
 次に、教育について伺います。
 初めに、都立高校に関して伺います。
 先日、都立高校の入学選抜試験が行われました。ことしの一般入試の最終倍率は一・四〇倍で昨年と同じでした。生徒数が減少している中ではあるものの、応募人員は減少しています。つまり、都立高校離れともいわれる傾向はことしも続いているわけです。
 現在の都立高校は、都民からの大きな期待、信頼を受けていますが、それは累次にわたる都立高校改革により築き上げてきたものであります。したがって、その地位は、将来にわたって守り通していくため、都立高校の魅力をさらに高める必要があります。
 今後どのように対応していくのか、都教育委員会の所見を伺います。
 次に、修学旅行を通じた学習について伺います。
 修学旅行の行き先は、平成三十年度では、ほぼ半数の高校が沖縄を選択しています。沖縄県を選んだ場合、歴史や文化、そして自然環境等を学ぶことはもちろん重要です。そして、米軍基地については、普天間基地を辺野古へ移設する必要性について、日米安全保障条約等とあわせて学習することが必要になってきます。
 修学旅行に選択した地域の歴史や文化等、生徒に事実を忠実に伝える学習が求められています。そのことは、修学旅行が高校生にとって人生に豊かな影響を与える大切な学習の場と考えるからです。
 そこで、都教育委員会として修学旅行の意義と、修学旅行を通した学習について伺います。
 次に、島しょ在住の特別支援学校の児童生徒について伺います。
 島しょに在住する特別な支援が必要な子供たちが特別支援学校で学ぶ場合、帰省する際の本土と島の間の送迎にかかる経費の一部は保護者が負担しており、経済的負担の軽減を求める声が出ていました。我が党からの求めに応じ、都教育委員会はこれまでも、保護者の経済的負担の軽減に取り組んできています。
 さらに、我が党はこうした声を受けとめ、今年度十一月の文教委員会において、大島に帰省する際の航空便の利用が認められていないこと、そして、宿泊費の支給額の上限を超えた部分の持ち出しが生じてしまうことについて、一層の保護者の負担軽減を求めてきました。都教育委員会の見解を求めます。
 最後に、社会的養育推進計画について伺います。
 国は、新しい社会的養育ビジョンで、里親委託率について就学前の児童で七五%、学童期以降五〇%という目標を示しました。現在策定中の都の推進計画案では、令和十一年度までに里親等委託率三七・四%を実現するとのことであります。国の目標より低いのですが、現状の一四・三%と比較すると相当開きがあります。
 こうした中、国は、児童養護施設や乳児院においても家庭に近い環境を実現するものとして、原則、グループホームへ移行するとしています。そのため、施設を建てかえる場合は現状より小規模なものにしないと、国からの施設整備費について交付されないと聞いています。
 グループホームへの移行が実現できないと、建てかえ時に小規模化だけが進み、ひいては、手厚い支援が必要な児童の受け皿としての施設の定員は大幅に減少します。
 そこで、新しい養護推進計画のもとでも社会的養護需要に応えられるよう、都として児童養護施設に対して支援すべきと考えます。都の見解を伺います。
 以上で私の一般質問を終了いたします。(拍手)
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 柴崎幹男議員の一般質問にお答えいたします。
 三点のご質問をいただきました。
 初めに、都立高校のさらなる魅力向上についてでございますが、都教育委員会では、難関国立大学等への進学を目指す進学指導重点校を指定し、生徒の進路希望の実現を図るなど、都立高校の魅力化、活性化の取り組みを進めてまいりました。さらにその取り組みを加速させるため、都立高校改革推進計画・新実施計画(第二次)に基づきまして、本年度から、高大連携を積極的に推進しているところでございます。
 具体的には、各大学の教育力、研究力を生かして、高校教育の改善充実を図るとともに、それらを通じて習得した学びを大学での学びにつなげることで、大学進学やその後の社会や職業を見通した教育を充実してまいります。
 来年度以降、高校から大学まで連続した教育プログラムの開発を進める予定としております。その成果を普及、展開していくことで、都立高校の魅力のさらなる向上を図ってまいります。
 次に、修学旅行の意義と修学旅行を通した学習についてでございますが、修学旅行は、日常と異なる生活環境で、集団生活を通して人間関係を深めるとともに、自然や文化、歴史などについて実体験を通して学ぶ有意義な機会でございます。
 平成三十年度の都立高校等の修学旅行先は沖縄県が最も多く、生徒は事前学習を行った上で史跡や基地周辺等をめぐり、沖縄の歴史や現状を学ぶほか、自然や伝統芸能等のさまざまな体験活動を行っております。
 今後とも、都教育委員会は、各学校において生徒が旅行先についてさまざまな見方や考え方ができるよう、事前事後学習で多面的、多角的な考察を促す指導を行うとともに、修学旅行の実体験が各教科や総合的な探求の時間等の学びと関連づけられるよう、指導助言をしてまいります。
 最後に、特別支援学校に通う島しょ地区の児童生徒の保護者の負担軽減についてでございますが、島しょ地区の児童生徒が、島外の特別支援学校において安心して学習できる条件を整えることは大切であります。
 このため、都教育委員会は、国の基準では船便の利用しか認められていなかった大島への帰省にかかる交通費について、令和二年度から都の単独事業として、航空便の利用を認めることといたしました。
 また、やむを得ず宿泊する場合の本人と付添人の宿泊費につきましても、令和二年度から上限額を引き上げることとしたところでございます。
 こうした取り組みによりまして、保護者の負担軽減を図ってまいります。
〔東京都技監佐藤伸朗君登壇〕

○東京都技監(佐藤伸朗君) 西武新宿線の井荻駅から西武柳沢駅間の鉄道立体化についてでございますが、本区間にはあかずの踏切が十二カ所あり、外環ノ2など、都市計画道路が五カ所で交差することとなり、連続立体交差化による踏切の解消が必要でございます。
 都は、都市計画決定に向けた手続を進めておりまして、昨年二月に都市計画素案の説明会を開催し、今後、都市計画案及び環境影響評価書案の説明会を開催予定でございます。
 引き続き、駅前広場計画など、地元区市が行うまちづくりとも連携しながら、鉄道立体化を着実に進めてまいります。
〔建設局長三浦隆君登壇〕

○建設局長(三浦隆君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 初めに、練馬城址公園の事業化についてでございますが、本公園は、練馬区の中央部に位置する都市計画公園であり、このうち二十一・九ヘクタールを、令和二年度までに事業に着手する優先整備区域に設定しております。
 これまで、公園の整備計画の策定に向けて、計画区域の地形等の調査分析を進めるとともに、地元の練馬区と、水と緑、防災、にぎわいなどの公園の目指すべき姿について意見交換を進めております。
 また、土地を所有する西武鉄道とも、公園の事業化につきまして協議を進めております。
 現在実施している意見募集を踏まえて策定される都市計画公園・緑地の整備方針に基づき、練馬城址公園の事業化に取り組んでまいります。
 次に、練馬区内の都市計画道路補助第一三三号線についてでございますが、本路線のうち、放射第七号線から補助第一七二号線までの区間は、第四次事業化計画の優先整備路線に位置づけられております。
 本区間の整備により、生活道路への通過交通の流入を抑制するとともに、避難場所となっている練馬城址公園の予定地へアクセスするなど、防災性の向上にも寄与いたします。
 本区間は、石神井川と交差し、高低差もあることから、現在、地形状況を踏まえ、道路の概略設計を実施しております。
 今後とも、地域の安全性向上に資する道路整備に着実に取り組んでまいります。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 農業者の収益力向上に向けた支援についてですが、東京の農業の持続的な発展には、農業者の生産性を高め、高収益な農業を実現することが重要でございます。
 このため、都は、本年四月に開設する東京農業アカデミーにおいて、さらなる経営のレベルアップを目指す意欲の高い農業者に対し、高度な栽培技術や経営力強化に向けた研修を実施してまいります。
 加えまして、ICTなど先進技術を活用した栽培施設の導入や六次産業化に向けた加工施設等の整備、農産物等の販路開拓などを引き続き支援していくことで、農業者の生産性向上を後押ししてまいります。
 こうした取り組みにより、東京農業のさらなる振興につなげてまいります。
〔生活文化局長浜佳葉子君登壇〕

○生活文化局長(浜佳葉子君) 伝統文化を次世代に継承することについてでございますが、都はこれまでも、都内の無形文化財を活用した地域の文化活動への助成や、東京大茶会などでの体験機会の提供など、伝統文化の維持発展を支援してまいりました。
 東京二〇二〇大会前にも、神楽坂や八王子などにおいて、地元の自治体や団体と連携し、まち中で和楽器の演奏や講談などを気軽に楽しめる事業を展開いたします。
 また、大会期間中は、ライブサイトなどにおいて華道、茶道を初めとした伝統文化の魅力を親しみやすく発信する場を設定いたします。
 こうした取り組みを通じて、多くの人に伝統文化、伝統芸能の魅力を伝え、理解してもらうことで、古くから引き継がれた江戸東京の奥深い文化を次世代に継承してまいります。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 児童養護施設等への支援に関するご質問にお答えいたします。
 児童養護施設等には、虐待などを受けた児童や発達障害などの課題を抱えるケアニーズが高い児童が多く入所しており、その養育や自立を支援するに当たって、施設は大きな役割を果たしております。
 都は、望ましいサービス水準を確保するため、国基準を上回る職員配置や知的障害等の個別的な援助が必要な児童のケアなどを行う施設を支援しております。
 さらに、児童への専門的なケアを充実するため、精神科医と心理職員を配置する専門機能強化型児童養護施設に対する支援も行っております。
 今後とも、施設等で養育が必要な児童を確実に受け入れられるよう定員数を確保するとともに、児童に対する治療的、専門的ケアが実施できるよう支援してまいります。

○議長(石川良一君) 八十四番谷村孝彦君
〔八十四番谷村孝彦君登壇〕
〔議長退席、副議長着席〕

○八十四番(谷村孝彦君) 初めに、多摩都市モノレールの延伸について質問します。
 このたび、小池百合子都知事から、多摩都市モノレールの上北台から箱根ヶ崎への延伸に向けた事業をいよいよ着手することが表明されました。小池知事の大英断を高く高く評価するものであります。
 私はこれまで、四百万都民を抱える多摩地域は、二十三区の経済圏に過度に依存しない自立した多摩の発展を目指し、多摩の南北交通の整備推進を幾度となく主張してまいりました。
 このモノレール構想は、私の前任で八期三十二年間務められた萩谷勝彦元都議が推進され、全長九十三キロメートルにも及ぶ多摩地域を循環するものであります。私は、これを多摩地域の山手線、すなわち多摩手線としての早期整備を訴えてまいりました。
 一九九八年に立川北駅から上北台駅まで、続いて二〇〇〇年に立川北駅から多摩センター駅まで開業したことをもって、当時は全線開通と表現しておりました。しかし、全長九十三キロメートルの構想から見れば、わずか一七%の開通でしかありません。
 私は、その翌年の二〇〇一年に萩谷元都議からバトンを受け継ぎ、都議会で何度も上北台から箱根ヶ崎への延伸を主張し、幾度となく武蔵村山、東大和、瑞穂の三市町長とご一緒に関係副知事、都技監、局長等に要請してまいりました。
 二〇一二年、渋滞解消の名目で、軌道空間となる新青梅街道の拡幅へ用地買収がスタート。国の交通政策審議会の新たな答申に向けて、都が策定した広域交通ネットワーク計画の策定直前に当たる二〇一四年十二月には、米原義春会長を初めとするモノレールを呼ぼう市民の会の皆様の請願が、私が紹介議員となって、市民一万名の皆様の署名とともに都議会に提出され、採択されました。
 こうした取り組みを受けて、二〇一六年四月の交通政策審議会答申では、箱根ヶ崎への延伸は、導入空間となり得る道路整備が進んでおり、事業化に向けて関係地方公共団体、鉄道事業者等において具体的な調整を進めるべき路線と位置づけられました。
 その直後に誕生した小池知事が、二〇一八年二月、歴代都知事の中で初めて、米原会長など市民の会の代表と会っていただくことなどを通して、箱根ヶ崎への延伸など六路線の基金が創設されました。
 昨年の知事の施政方針表明では、計画の熟度を上げる、ことしはついに事業化に向けた調査に着手すると表明され、来年度予算案にも調査費が計上されております。
 そこで、改めて多摩都市モノレールの上北台から箱根ヶ崎への延伸に対する知事の見解を求めます。
 また、総事業費八百億円、報道では開業まで十二年とされていますが、長年、モノレールの延伸を待ち望んでこられたご高齢の方々からは、そんなに長くは待てないとのお声が数多く寄せられております。一日も早い事業化に向けて、都の今後の取り組みについて、佐藤都技監の見解を求めます。
 次に、都政情報のオープンデータ化について質問します。
 都が直面するさまざまな行政課題の解決には、広く都民の皆様の衆知を募る必要があります。その意味で、都庁各局のホームページなどに参考として掲載されているグラフや図表などの基礎数値を、そのままエクセルなどの数値管理ソフトで援用可能なCSVデータとして提供することが求められております。
 民間企業や研究機関のホームページでは、利用者の利便性を上げるための工夫を凝らしている事例も多く見受けられます。都民お一人お一人を都政に欠かすことのできない重要なパートナーとして捉える視点からも大変に重要であります。今後の取り組みについて見解を求めます。
 次に、都立高校の魅力発信について質問します。
 三年前、都議会公明党の推進で私立高校授業料の実質無償化が実現し、その結果として、都立高校離れが少なからず起こっております。事実、二〇二〇年度選抜の応募倍率は、前年度と同じく過去最低となっております。
 これまで、都立高校は、都議会公明党の要請を受け、進学重点校からチャレンジスクールまで、その時代のニーズを的確に判断し、設立してきた経緯があります。今後、都立高校の魅力に磨きをかけるためには、特に工業、商業、農業高校などの改善に力を入れていくべきであります。
 例えば、ソサエティー五・〇の実現に必要なIoT、AI、ビッグデータの活用などを支えるIT人材の不足が社会的課題にもなっております。こうした人材輩出を求められているのが工業高校であります。ホワイトハッカーを初め、新たな産業分野で活躍できるIT技術者を育成するための新しい教育プログラムを開発する必要があります。見解を求めます。
 また、ものづくりの熟練技術者の育成も一朝一夕には達成できません。熟練技術者から高度な技術を学ぶための現場訪問や、基礎的な制作体験も必要であります。将来の伝統工芸や、たくみといわれるわざを継承し得る人材を育成すべきと考えます。見解を求めます。
 次に、西武線東村山駅周辺の連続立体交差事業について質問します。
 東村山市には九つの鉄道駅があり、数多くの踏切による東西南北の分断を解消することが、市の大きな課題となっております。
 私が二〇〇八年三月の予算特別委員会で取り上げ、当時の道家孝行建設局長に早期の対応を求めた結果、早速、都建設局と国交省との協議が開始。翌二〇〇九年四月、国交省から新規着工準備採択を得て、二〇一二年十月都市計画決定、二〇一三年十二月事業認可、二〇一五年一月工事着手となり、完成まであと五年となる折り返し点を迎えております。現在の進捗状況について見解を求めます。
 次に、村山貯水池、いわゆる多摩湖の堤体強化工事に合わせた車道拡幅と歩道設置について質問します。
 都が、二〇一三年に村山上貯水池堤体の耐震診断を行った結果、首都直下地震等を想定した場合、村山上貯水池管理用道路、いわゆる多摩湖中央の堤体道路が約二メートル下に沈むことが判明し、耐震補強工事を実施することが決まりました。
 二〇一五年一月に補強工事の素案が内示された際には、湖面近くまでおりなければ通れない歩道を上に上げるというだけの案で、車道幅はそれまでの六メートルのままというものでありました。
 多摩湖堤体道路は、東大和市と所沢市の都県境をまたぐもので、近くには西武ドームもあるため交通量も多く、大型バスが通過するための離合も難しく、物損事故も多く発生しております。
 私は、五十年に一度の工事になるので、この際、あわせて車道も拡幅していただきたいと粘り強く要請した結果、水道局では半年かけて技術的検討を重ねていただき、車道を現在の六メートルから九メートルへ一・五倍に拡幅、歩道は六メートル幅で設置できることとなりました。これを高く評価するものであります。
 これまでに、準備工事として貯水池の一部を締め切る工事が進められ、村山上貯水池の堤体強化工事は、二〇一九年七月に着工しました。堤体強化工事及び周辺整備工事に合わせた車道拡幅、歩道設置工事について、現在の進捗状況の説明を求めます。
 また、都の都市計画道路の整備方針、第四次事業化計画では、優先整備路線として、この多摩湖堤体道路と都道芋窪街道を接続していくことが決定しております。改めて着実な推進を求めるものであります。
 最後に、空堀川流域における雨水流域下水道の整備について質問します。
 東大和、武蔵村山、立川の三市の空堀川流域南部地域では、浸水被害がたびたび発生しております。
 私は、この三市にまたがる雨水流域下水道の整備を、都の責任で推進すべきと繰り返し要請してまいりました。
 その結果、都が広域雨水幹線を、三市がそれぞれ幹線に接続する枝線の整備を担うことが決定されるとともに、約十五年という長い事業期間が示されました。
 都は、この新たな事業化に取り組むことを、二〇一八年九月の都議会公明党代表質問に対する答弁で表明しております。現在の取り組み状況と、最初に着手される東大和市において事業効果を早期に発現するための検討内容について、改めて明らかにしていただくことを求め、私の質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 谷村孝彦議員の一般質問にお答えをいたします。
 多摩都市モノレールの箱根ヶ崎方面への延伸についてのご質問でございます。
 多摩地域は、東京の三分の一に相当する四百万人もの人口を擁しておりまして、豊かな自然や良好な住環境に恵まれている、そしてまた、多くの大学や研究機関が集積するなど、その発展は活力ある東京に欠かすことができません。
 箱根ヶ崎方面への延伸を実現することで、開業区間と一体となりまして、南北方向の拠点を結び、多摩地域の活力や魅力をさらに向上させることができるものでございます。
 来年度、箱根ヶ崎方面の延伸に関する予算を新たに計上いたしまして、基本設計を行うなど、事業化に向けまして一歩踏み出すことといたしました。
 地元の期待も大きく、沿線の二市一町におきましては、延伸に向けたまちづくりに着実に取り組んでいます。
 引き続き関係者との協議、調整を進めまして、多摩地域におけます公共交通ネットワークのさらなる充実に向けて取り組んでまいります。
 残余のご質問は、教育長、東京都技監、関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、都立専門高校におけるIT技術者を育成するための新しい教育プログラムの開発についてでございますが、都教育委員会は、今後のIT人材の育成に向け、昨年二月に策定をいたしました都立高校改革推進計画・新実施計画(第二次)に基づきまして、都立町田工業高校における企業や専門学校等と連携した新たな教育プログラムの開発に着手をしております。
 今年度は、学識経験者、日本IBM株式会社、日本工学院八王子専門学校等から成る検討委員会におきまして、教育の理念や育成すべき能力などについて議論を行っているところでございます。
 これらの検討結果を踏まえつつ、IT人材として必要となる専門性や、企業人としての素養の育成を目的とした、全国初となる工業高校から専門学校まで一貫した五年間の教育カリキュラムを開発してまいります。
 次に、伝統工芸などを継承し得る人材の育成についてでございますが、江戸東京の歴史や文化に根差したさまざまな伝統工芸や、たくみのわざといった東京の宝物について生徒の興味、関心を高めていくためには、直接、専門家等から指導を受け、そのよさや魅力を味わうことが重要でございます。
 都教育委員会では、地域の多様な産業界と連携し、生産から流通、消費までの過程を総合的に学ぶことを特徴とする産業学科である都立橘高校を設置しております。
 今後は、都立橘高校におきまして、伝統工芸やたくみのわざへの卓越した技術を持つ外部人材を活用した新しい系列を設置し、東京の伝統ある産品づくりや新たな価値の創造を担う、将来、ものづくりマイスターとなり得る人材を育成してまいります。
〔東京都技監佐藤伸朗君登壇〕

○東京都技監(佐藤伸朗君) 多摩都市モノレールの箱根ヶ崎方面への延伸についてでございますが、本区間の実現によりまして、開業区間と一体となって南北方向の拠点が結ばれることによって、多摩地域の活力や魅力がさらに向上いたします。
 事業化に向けまして、都は、多摩都市モノレール株式会社の経営状況を踏まえるとともに、収支採算性の確保に向けたコスト縮減策や収入確保策などの検討を進めてまいりました。
 また、沿線の二市一町におきましては、一昨年、モノレール沿線まちづくり構想を策定いたしまして、着実にまちづくりに取り組んでおります。
 こうした状況を踏まえまして、都は、来年度予算において、現況調査及び基本設計等に着手することといたしました。
 引き続き、関係者との協議、調整を精力的に進めまして、多摩地域における交通インフラのさらなる充実強化に取り組んでまいります。
〔戦略政策情報推進本部長松下隆弘君登壇〕

○戦略政策情報推進本部長(松下隆弘君) 利便性の高いデータの提供についてでございますが、都では、東京都オープンデータ推進庁内ガイドライン、これを策定いたしまして、各局が保有するデータ等のオープンデータ化と、その利活用促進に向けた取り組みを推進しているところでございます。
 都の調査報告書などでは、近年、図表等を使うことが多くなっております。それらの内容の理解を深めていくためには、公表された図表等のもととなるデータだけではなく、さまざまな視点からの関連するデータも、掛け合わせて見ることが必要であると認識しております。
 このため、図表等の基礎となる数値等のオープンデータ化を進めるとともに、リンク設定やQRコードの活用など、新たな取り組みも含めまして、お話にありましたような、利用者が簡便にデータを取得できるような仕組みを検討の上、ガイドラインの改正等を行いまして、各局とも連携し、都庁全体に広げてまいります。
〔建設局長三浦隆君登壇〕

○建設局長(三浦隆君) 西武新宿線東村山駅付近の連続立体交差事業についてでございますが、本事業は、鉄道を高架化することにより、府中街道など五カ所の踏切を除却することで、道路ネットワークの形成を促進し、交通渋滞や地域分断を解消するとともに、地域の活性化に資する極めて効果の高い事業でございます。
 現在、用地につきましては、取得率が全体の九割を超えており、取得完了に向け積極的に取り組んでおります。
 工事につきましては、駅部を中心に高架橋の構築などを実施してきており、来月には府中街道との交差部を含む区間におきまして仮線路への切りかえを行うなど、全線にわたり、さらなる進捗を図ってまいります。
 今後とも、地元市や鉄道事業者と連携し、地域の理解と協力を得ながら、本事業を着実に推進してまいります。
〔水道局長中嶋正宏君登壇〕

○水道局長(中嶋正宏君) 村山上貯水池堤体強化事業の進捗についてでございますが、本事業は、令和五年度の完成を目指し、現在、盛り土に必要な土を堤体周辺の局有地から現地調達するなどの準備工事を進めており、本年十月に盛り土工事による堤体の強化に着手する予定でございます。
 また、現在、同時に堤体上部に設置いたします車道の拡幅と歩道の整備につきまして、道路管理者等と調整を進めており、盛り土工事後に行う周辺整備工事の設計に反映をいたします。
 車道につきましては、拡幅して整備することによる対面交通の安全性向上とともに、北側交差点への右折レーン設置による渋滞の解消が期待されます。
 また、これまで湖面近くに設置されておりました歩道を車道と並行して整備するとともに、防護柵を設置することにより、安全で安心な通行が可能となるよう整備を着実に進めてまいります。
〔下水道局長和賀井克夫君登壇〕

○下水道局長(和賀井克夫君) 空堀川流域における雨水流域下水道の整備についてでございますが、都は、東大和市、武蔵村山市、立川市と連携して、流域下水道雨水幹線の早期工事着手に向け現在基本設計を進めており、来年度、実施設計に着手をいたします。
 雨水幹線が機能を発揮するためには、関係市が枝線を整備し、雨水幹線へ接続することが不可欠でございまして、お話のように、事業完了まで長い期間を必要といたします。
 そのため、都は、関係市と協力して、下流域である東大和市から上流に向かって雨水幹線を整備するに当たりまして、関係市が施行する枝線の整備状況に応じまして、一部完成した施設を暫定的に稼働させるなど、事業効果の早期発現に向けた検討も進めてまいります。
 今後とも、関係市と密接に連携し、浸水被害の早期軽減に向けて取り組んでまいります。

○六十七番(岡本こうき君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。

○副議長(橘正剛君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○副議長(橘正剛君) ご異議なしと認め、さよう決定いたします。
 明日は、午後一時より会議を開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後七時三十八分散会

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