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Tokyo Metropolitan Assembly

令和二年東京都議会会議録第一号

令和二年二月十九日(水曜日)
 出席議員 百二十四名
一番古城まさお君
二番けいの信一君
三番成清梨沙子君
四番平  慶翔君
五番後藤 なみ君
六番藤井あきら君
七番内山 真吾君
九番上田 令子君
十番山内れい子君
十一番伊藤しょうこう君
十二番田村 利光君
十三番菅野 弘一君
十四番藤井とものり君
十六番細田いさむ君
十七番うすい浩一君
十八番小林 健二君
十九番加藤 雅之君
二十番龍円あいり君
二十一番あかねがくぼかよ子君
二十二番保坂まさひろ君
二十三番鳥居こうすけ君
二十四番菅原 直志君
二十五番清水やすこ君
二十六番森澤 恭子君
二十七番斉藤れいな君
二十八番川松真一朗君
二十九番小松 大祐君
三十番舟坂ちかお君
三十一番三宅 正彦君
三十二番宮瀬 英治君
三十三番原田あきら君
三十四番斉藤まりこ君
三十五番藤田りょうこ君
三十六番斉藤やすひろ君
三十七番栗林のり子君
三十八番伊藤こういち君
三十九番大松あきら君
四十番白戸 太朗君
四十一番本橋ひろたか君
四十二番馬場 信男君
四十三番佐野いくお君
四十四番細谷しょうこ君
四十五番栗下 善行君
四十六番中山ひろゆき君
四十七番たきぐち学君
四十八番奥澤 高広君
五十番山崎 一輝君
五十一番神林  茂君
五十二番早坂 義弘君
五十三番高橋 信博君
五十四番西沢けいた君
五十五番米倉 春奈君
五十六番原 のり子君
五十七番星見てい子君
五十八番とくとめ道信君
五十九番遠藤  守君
六十番上野 和彦君
六十一番のがみ純子君
六十二番まつば多美子君
六十三番田の上いくこ君
六十四番両角みのる君
六十五番西郷あゆ美君
六十六番もり  愛君
六十七番岡本こうき君
六十八番米川大二郎君
六十九番森口つかさ君
七十番つじの栄作君
七十一番関野たかなり君
七十二番桐山ひとみ君
七十三番石川 良一君
七十四番中屋 文孝君
七十五番古賀 俊昭君
七十六番秋田 一郎君
七十七番吉原  修君
七十八番山口  拓君
七十九番河野ゆりえ君
八十番清水ひで子君
八十一番とや英津子君
八十二番池川 友一君
八十三番中山 信行君
八十四番谷村 孝彦君
八十五番長橋 桂一君
八十六番小磯 善彦君
八十七番藤井  一君
八十八番増田 一郎君
八十九番滝田やすひこ君
九十番おじま紘平君
九十一番木下ふみこ君
九十二番村松 一希君
九十三番福島りえこ君
九十四番ひぐちたかあき君
九十五番鈴木 邦和君
九十六番森村 隆行君
九十七番入江のぶこ君
九十八番柴崎 幹男君
九十九番清水 孝治君
百番大場やすのぶ君
百一番三宅しげき君
百二番中村ひろし君
百三番里吉 ゆみ君
百四番尾崎あや子君
百五番曽根はじめ君
百六番橘  正剛君
百七番高倉 良生君
百八番東村 邦浩君
百九番中嶋 義雄君
百十番山内  晃君
百十一番山田ひろし君
百十二番伊藤 ゆう君
百十三番木村 基成君
百十四番荒木ちはる君
百十五番小山くにひこ君
百十六番増子ひろき君
百十七番石毛しげる君
百十八番大津ひろ子君
百十九番尾崎 大介君
百二十番宇田川聡史君
百二十一番小宮あんり君
百二十二番鈴木 章浩君
百二十三番高島なおき君
百二十四番あぜ上三和子君
百二十五番白石たみお君
百二十六番大山とも子君
百二十七番和泉なおみ君

 欠席議員 なし
 欠員
    八番 十五番 四十九番

 出席説明員
知事小池百合子君
副知事長谷川 明君
副知事多羅尾光睦君
副知事梶原  洋君
副知事宮坂  学君
教育長藤田 裕司君
東京都技監都市整備局長兼務佐藤 伸朗君
政策企画局長山手  斉君
総務局長遠藤 雅彦君
財務局長武市  敬君
警視総監斉藤  実君
主税局長塩見 清仁君
生活文化局長浜 佳葉子君
オリンピック・パラリンピック準備局長潮田  勉君
環境局長吉村 憲彦君
福祉保健局長内藤  淳君
産業労働局長村松 明典君
建設局長三浦  隆君
港湾局長古谷ひろみ君
会計管理局長佐藤  敦君
消防総監安藤 俊雄君
交通局長土渕  裕君
水道局長中嶋 正宏君
下水道局長和賀井克夫君
都民安全推進本部長國枝 治男君
戦略政策情報推進本部長松下 隆弘君
住宅政策本部長榎本 雅人君
病院経営本部長堤  雅史君
中央卸売市場長黒沼  靖君
選挙管理委員会事務局長黒田 祥之君
人事委員会事務局長小泉  健君
監査事務局長岡崎 義隆君
労働委員会事務局長松山 英幸君
収用委員会事務局長斎藤 真人君
包括外部監査人久保 直生君

二月十九日議事日程第一号
第一 第一号議案
令和二年度東京都一般会計予算
第二 第二号議案
令和二年度東京都特別区財政調整会計予算
第三 第三号議案
令和二年度東京都地方消費税清算会計予算
第四 第四号議案
令和二年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計予算
第五 第五号議案
令和二年度東京都国民健康保険事業会計予算
第六 第六号議案
令和二年度東京都母子父子福祉貸付資金会計予算
第七 第七号議案
令和二年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
第八 第八号議案
令和二年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
第九 第九号議案
令和二年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
第十 第十号議案
令和二年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
第十一 第十一号議案
令和二年度東京都と場会計予算
第十二 第十二号議案
令和二年度東京都都営住宅等事業会計予算
第十三 第十三号議案
令和二年度東京都都営住宅等保証金会計予算
第十四 第十四号議案
令和二年度東京都都市開発資金会計予算
第十五 第十五号議案
令和二年度東京都用地会計予算
第十六 第十六号議案
令和二年度東京都公債費会計予算
第十七 第十七号議案
令和二年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
第十八 第十八号議案
令和二年度東京都病院会計予算
第十九 第十九号議案
令和二年度東京都中央卸売市場会計予算
第二十 第二十号議案
令和二年度東京都都市再開発事業会計予算
第二十一 第二十一号議案
令和二年度東京都臨海地域開発事業会計予算
第二十二 第二十二号議案
令和二年度東京都港湾事業会計予算
第二十三 第二十三号議案
令和二年度東京都交通事業会計予算
第二十四 第二十四号議案
令和二年度東京都高速電車事業会計予算
第二十五 第二十五号議案
令和二年度東京都電気事業会計予算
第二十六 第二十六号議案
令和二年度東京都水道事業会計予算
第二十七 第二十七号議案
令和二年度東京都工業用水道事業会計予算
第二十八 第二十八号議案
令和二年度東京都下水道事業会計予算
第二十九 第二十九号議案
スマート東京推進基金条例
第三十 第三十号議案
公立大学法人首都大学東京に係る地方独立行政法人法に規定する重要な財産を定める条例の一部を改正する条例
第三十一 第三十一号議案
東京都が設立する地方独立行政法人に係る地方独立行政法人法第十九条の二第四項に規定する条例で定める額を定める条例
第三十二 第三十二号議案
東京都知事等の損害賠償責任の一部免責に関する条例
第三十三 第三十三号議案
職員の服務の宣誓に関する条例の一部を改正する条例
第三十四 第三十四号議案
東京都職員定数条例の一部を改正する条例
第三十五 第三十五号議案
特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三十六 第三十六号議案
市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三十七 第三十七号議案
都及び特別区並びに特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例
第三十八 第三十八号議案
令和元年度分の都と特別区及び特別区相互間の財政調整の特例に関する条例
第三十九 第三十九号議案
東京都区市町村振興基金条例の一部を改正する条例
第四十 第四十号議案
東京都犯罪被害者等支援条例
第四十一 第四十一号議案
東京都監査委員条例の一部を改正する条例
第四十二 第四十二号議案
東京都都税条例の一部を改正する条例
第四十三 第四十三号議案
東京都庭園美術館条例
第四十四 第四十四号議案
学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例
第四十五 第四十五号議案
学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
第四十六 第四十六号議案
学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第四十七 第四十七号議案
東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
第四十八 第四十八号議案
東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
第四十九 第四十九号議案
東京都屋外広告物条例の一部を改正する条例
第五十 第五十号議案
緑あふれる東京基金条例
第五十一 第五十一号議案
東京都営住宅条例の一部を改正する条例
第五十二 第五十二号議案
東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
第五十三 第五十三号議案
東京都看護師等修学資金貸与条例の一部を改正する条例
第五十四 第五十四号議案
東京都安心こども基金条例の一部を改正する条例
第五十五 第五十五号議案
東京都立療育医療センター条例の一部を改正する条例
第五十六 第五十六号議案
東京都立重症重度心身障害児者施設条例の一部を改正する条例
第五十七 第五十七号議案
食品衛生法施行条例の一部を改正する条例
第五十八 第五十八号議案
東京都薬物の濫用防止に関する条例の一部を改正する条例
第五十九 第五十九号議案
東京都イノベーション創出基金条例を廃止する条例
第六十 第六十号議案
東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例
第六十一 第六十一号議案
東京都家畜保健衛生所条例の一部を改正する条例
第六十二 第六十二号議案
東京都港湾管理条例の一部を改正する条例
第六十三 第六十三号議案
東京都海上公園条例の一部を改正する条例
第六十四 第六十四号議案
都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
第六十五 第六十五号議案
ゼロエミッション東京推進基金条例
第六十六 第六十六号議案
東京都水素社会・スマートエネルギー都市づくり推進基金条例を廃止する条例
第六十七 第六十七号議案
高圧ガス保安法関係手数料条例の一部を改正する条例
第六十八 第六十八号議案
東京都浄化槽保守点検業者の登録に関する条例の一部を改正する条例
第六十九 第六十九号議案
東京都道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例
第七十 第七十号議案
東京都河川流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例
第七十一 第七十一号議案
東京都霊園条例の一部を改正する条例
第七十二 第七十二号議案
東京都葬儀所条例の一部を改正する条例
第七十三 第七十三号議案
警視庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第七十四 第七十四号議案
警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例
第七十五 第七十五号議案
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例の一部を改正する条例
第七十六 第七十六号議案
東京消防庁職員定数条例の一部を改正する条例
第七十七 第七十七号議案
東京消防庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第七十八 第七十八号議案
都営住宅三十一H─一一四東(大田区東糀谷六丁目)工事請負契約
第七十九 第七十九号議案
都営住宅三十一H─一二八東(板橋区双葉町)工事請負契約
第八十 第八十号議案
都営住宅三十一H─一二二東(足立区江北七丁目)工事請負契約
第八十一 第八十一号議案
都立神代高等学校(三十一)体育館ほか改築及び改修工事請負契約
第八十二 第八十二号議案
東京都八重洲駐車場(三十一)改修工事請負契約
第八十三 第八十三号議案
警視庁本部庁舎(三十一)大規模改修空調設備工事その二請負契約
第八十四 第八十四号議案
環二築地虎ノ門トンネル(三十一)換気設備工事その二請負契約
第八十五 第八十五号議案
中川護岸耐震補強工事(その四十六)請負契約
第八十六 第八十六号議案
妙正寺川整備工事(その十六)請負契約
第八十七 第八十七号議案
綾瀬川護岸耐震補強工事(その二百五十六)請負契約
第八十八 第八十八号議案
小名木川護岸耐震補強工事(その五)請負契約
第八十九 第八十九号議案
綾瀬川護岸耐震補強工事(その二百六)請負契約
第九十 第九十号議案
包括外部監査契約の締結について
第九十一 第九十一号議案
東京都と神奈川県との境界にわたる町田市と相模原市との境界変更について
第九十二 第九十二号議案
境界変更に伴う財産処分に関する協議について
第九十三 第九十三号議案
世田谷区の児童自立支援施設に係る事務の受託について
第九十四 第九十四号議案
荒川区の児童自立支援施設に係る事務の受託について
第九十五 第九十五号議案
江戸川区の児童自立支援施設に係る事務の受託について
第九十六 第九十六号議案
東京国際クルーズふ頭桟橋外一施設の指定管理者の指定について
第九十七 第九十七号議案
首都高速道路株式会社が行う高速道路事業の変更に対する同意について
第九十八 第九十八号議案
令和二年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について
第九十九 第九十九号議案
令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)
第百 第百号議案
令和元年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
第百一 第百一号議案
令和元年度東京都地方消費税清算会計補正予算(第一号)
第百二 第百二号議案
令和元年度東京都用地会計補正予算(第一号)
第百三 第百三号議案
令和二年度東京都一般会計補正予算(第一号)
第百四 第百四号議案
令和二年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
第百五 第百五号議案
令和元年度東京都一般会計補正予算(第三号)
第百六 第百六号議案
令和元年度東京都病院会計補正予算(第二号)
第百七 第百七号議案
令和二年度東京都一般会計補正予算(第二号)
第百八 第百八号議案
令和二年度東京都病院会計補正予算(第一号)
第百九 諮問第一号 地方自治法第二百二十九条の規定に基づく審査請求に関する諮問について
二月十九日議事日程第一号追加の一
第一 議員提出議案第一号
東京都議会議員の議員報酬等の特例に関する条例の一部を改正する条例

   午後一時開会・開議

○議長(石川良一君) ただいまから令和二年第一回東京都議会定例会を開会いたします。
 これより本日の会議を開きます。

○議長(石川良一君) まず、議席の変更を行います。
 議席変更の申し出がありますので、会議規則第二条第三項の規定により、お手元配布の議席変更表のとおり、議席の一部を変更いたします。
(別冊参照)

○議長(石川良一君) 次に、会議録署名議員の指名を行います。
 会議録署名議員は、会議規則第百二十四条の規定により、議長において
   十一番  伊藤しょうこう君 及び
   六十八番 米川大二郎君
を指名いたします。

○議長(石川良一君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

○議事部長(櫻井和博君) 令和二年二月十二日付東京都告示第百四十六号をもって、知事より、本定例会を招集したとの通知がありました。
 また、本定例会に提出するため、議案百九件の送付がありました。
 次に、知事及び教育委員会教育長並びに監査委員外五行政委員会より、令和二年中における東京都議会説明員及び説明員の委任について、地方自治法第百二十一条及び会議規則第四十二条の規定に基づき、それぞれ通知がありました。
 次に、選挙管理委員会委員長より、令和元年第四回定例会の会議において選挙された選挙管理委員は、令和元年十二月二十三日をもって就任したとの通知がありました。
 次に、知事より、令和元年第四回定例会の会議において同意を得た教育委員会委員及び監査委員の任命について、発令したとの通知がありました。
 次に、公安委員会委員長より、先般の人事異動に伴う東京都議会説明員の委任変更について、地方自治法第百二十一条及び会議規則第四十二条の規定に基づき通知がありました。
 次に、包括外部監査人より、令和二年二月十二日付で、令和元年度包括外部監査報告書の提出がありました。
 次に、知事より、地方自治法第百八十条第一項の規定による議会の指定議決に基づく専決処分について、報告が二件ありました。
 内容は、訴えの提起、損害賠償額の決定及び和解に関する報告について並びに東京都高等学校・大学等進学奨励事業に係る貸付金の償還免除に関する報告についてであります。
 次に、監査委員より、例月出納検査の結果について報告がありました。
 また、令和元年工事監査、令和元年財政援助団体等監査及び令和元年行政監査の結果について、それぞれ報告がありました。
 次に、包括外部監査の結果に基づき知事が講じた措置の通知内容について、提出がありました。
 次に、住民監査請求について、地方自治法等の一部を改正する法律附則第二条第三項の規定により通知がありました。
(別冊参照)

○議長(石川良一君) 次に、文書質問に対する答弁書について申し上げます。
 令和元年第四回定例会に提出されました文書質問に対する答弁書は、質問趣意書とともに送付いたしておきました。ご了承願います。
文書質問趣意書及び答弁書は本号末尾(一八ページ)に掲載〕

○議長(石川良一君) 次に、警視総監三浦正充君の退任に伴い、新たに斉藤実君が警視総監に就任いたしましたので、ご紹介いたします。
 警視総監斉藤実君。
〔警視総監斉藤実君登壇〕

○警視総監(斉藤実君) 去る一月十七日付で警視総監に就任をいたしました斉藤でございます。
 東京都議会の皆様方には、平素から警視庁の運営につきまして格別のご理解、ご高配を賜っており、厚く御礼を申し上げます。
 さて、都内の治安情勢でありますが、目前に迫る東京二〇二〇大会に向けた諸対策が正念場を迎えていることに加え、手口が多様化する特殊詐欺への対策、児童虐待を含む人身安全関連事案への対応のほか、子供の安全を守るための取り組み、サイバー空間の脅威への対処など、取り組むべき重要課題が山積をしております。
 警視庁といたしましては、こうしたさまざまな課題に的確に対応をし、関係機関との連携を図りながら、世界一安全な都市東京の実現に向けて、各種対策を力強く推進をしてまいります。
 東京都議会の皆様方におかれましては、今後とも一層のご指導、ご支援を賜りますようお願いを申し上げ、私のご挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○議長(石川良一君) 以上をもって紹介は終わりました。

○議長(石川良一君) 次に、閉会中の常任委員の所属変更について申し上げます。
 お手元配布の名簿のとおり、各委員よりそれぞれ常任委員の所属変更の申し出がありましたので、委員会条例第五条第三項ただし書きの規定により、議長において、それぞれこれを許可いたしました。
〔常任委員所属変更名簿は本号末尾(一二七ページ)に掲載〕

○議長(石川良一君) 次に、閉会中の議会運営委員の辞任及び選任について申し上げます。
 去る一月二十二日付をもって、清水ひで子さん及び大山とも子さんより、それぞれ辞任願が提出されましたので、委員会条例第十一条第一項ただし書きの規定により、議長において、それぞれ同日付をもってこれを許可いたしました。
 なお、委員の欠員を補充するため、委員会条例第五条第四項の規定により、議長において、同日付をもって里吉ゆみさん及びあぜ上三和子さんを指名いたしました。

○議長(石川良一君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 議員より、議員提出議案第一号、東京都議会議員の議員報酬等の特例に関する条例の一部を改正する条例が提出されました。
 これを本日の日程に追加いたします。

○議長(石川良一君) 会期についてお諮りいたします。
 今回の定例会の会期は、本日から三月二十七日までの三十八日間といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(石川良一君) ご異議なしと認めます。よって、会期は三十八日間と決定いたしました。

○六十七番(岡本こうき君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 令和元年度包括外部監査結果の報告について、地方自治法第二百五十二条の三十四第一項の規定に基づき、包括外部監査人の説明を求めることを望みます。

○議長(石川良一君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(石川良一君) ご異議なしと認めます。よって、令和元年度包括外部監査結果の報告について、包括外部監査人の説明を求めることに決定いたしました。
 ここで、久保直生包括外部監査人の出席を求めます。
〔包括外部監査人久保直生君入場、着席〕

○議長(石川良一君) ただいまご出席いただきました包括外部監査人をご紹介いたします。
 久保直生さんでございます。
〔包括外部監査人挨拶〕

○議長(石川良一君) 本日は、ご多忙のところ、監査結果報告の説明のためご出席をいただきまして、まことにありがとうございます。

○議長(石川良一君) この際、知事より、令和二年度施政方針について発言の申し出がありますので、これを許します。
 知事小池百合子さん。
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 令和二年第一回都議会定例会の開会に当たりまして、都政の施政方針を述べさせていただきます。
 初めに、新型コロナウイルス感染症への対応についてであります。
 都はこの間、危機管理対策会議の開催や対策本部の立ち上げなどを通じまして、各局及び関係機関と緊密に連携をし、迅速な対応に当たってまいりました。武漢市からの帰国者の一部を都立病院、公社病院へ受け入れるとともに、都民の皆様に向けた相談窓口や医療提供体制をいち早く整えたほか、国内に住居のない帰国者への都営住宅の一時提供、中小企業者等特別相談窓口の開設など、対策を幅広く講じております。
 加えまして、国に対しましても、検査体制の強化やマスクなど必要な資材の安定供給等について緊急要望を行いましたほか、現地での対策を支援すべく、中国各機関からの要請を踏まえまして、医療用防護服を提供いたしました。
 そして、本定例会には、感染症対策を強化するとともに、経済活動への影響を最小限に抑える観点から、さらなる取り組みを推進するための補正予算案を提案したところでございます。本予算案を三月から来年度にかけて切れ目なく対策を行うための十三カ月予算とし、検査体制の強化、患者受け入れ体制の確保、感染防護具の追加備蓄、中小企業や観光産業へのきめ細かな支援など、迅速かつ広範に取り組みを進めたいと考えております。ご審議のほどよろしくお願いを申し上げます。
 また、東京二〇二〇大会に向けたテレワーク及び時差ビズの取り組みでありますが、ここは感染拡大の防止のためにも、大幅に前倒しをして進めてまいります。都におきましては、本庁職員の全員がテレワークまたはオフピーク通勤を実施し、隗より始めよで徹底していくとともに、企業等の皆様におかれましても、これを契機にさらに本格的に推進していただきますよう強くお願いを申し上げます。
 事態は新たな局面を迎え、予断を許さないものとなっております。今後とも、国や区市町村、近隣自治体、関係機関と連携をいたしまして、都議会の皆様と力を合わせて、都民の皆様の安全・安心を守る対策に全力を挙げて取り組んでまいります。
 さて、今から六十年前となります一九六〇年、リハビリテーションの研究のため、一人の若き日本人医師がロンドン郊外の病院を訪れました。彼がそこで目にしたのは、車椅子を使用する患者がバスケットボールに汗を流す姿でありました。その光景に感銘を受けて、我が国における障害者スポーツの普及に力を尽くしたのが、日本のパラリンピックの父といわれる医師、中村裕博士であります。
 障害者は療養すべきとの考え方が主流であった当時の社会におきまして、障害者とスポーツを結びつける取り組みは大いなる挑戦でございました。国内初の障害者スポーツ大会を開催し、国際大会にも日本人選手を初めて参加させた博士の情熱により、一九六四年、パラリンピックの名称が初めて使われた東京パラリンピックの開催が実現いたします。
 さらに博士は、この大会を機に障害者の社会進出を促進するべく、就労施設の設立や企業との連携等に取り組みました。経済成長へと突き進む時代のただ中にあって、障害の有無にかかわらず、誰もが個性や意欲に応じて生き生きと活躍し、心豊かに暮らせる社会へとつながる取り組みも、着実に進められていたのであります。
 東京二〇二〇大会を跳躍台とし、成長と成熟が両立した都市へと東京のさらなる進化を目指す私たちは、当時のこうした果敢な挑戦を改めて胸に刻まなければなりません。
 一九六四年のパラリンピックが、障害のある方々が輝く社会への第一歩であったとすれば、今回のパラリンピックは、ハード、ソフトの両面におけるバリアフリーの徹底や、誰もが支え合うソーシャルインクルージョンの推進など、共生社会に向けた取り組みを一層前進させるべき大会であります。
 さらに、先月開催をいたしましたパラリンピックの成功とバリアフリー推進に向けた懇談会におきまして、谷垣禎一名誉顧問は、どういう社会をつくっていくのか、大会が終わったらおしまいということにさせてはいけないと述べておられました。大会後も、よりよい社会を目指した取り組みを不断に続けていかなければ、真の成熟社会を実現することはかないません。
 そしてまた、今回の大会は、パラリンピックの価値をさらに高めるべき大会でもあります。パラリンピックは、一九六四年の東京大会からしばらくオリンピックと同じ都市で開催されることはありませんでした。再びオリンピックと同都市で開催され、世界の注目がより高まることとなったのは、わずか三十二年前、一九八八年のソウル大会以降のことであります。
 だからこそ、二度目の夏季パラリンピックを開催する初の都市である東京は、万全の準備を整え、アスリートと観客が一体となってかつてない興奮と感動を呼び起こす、世界に語り継がれるパラリンピックを実現しなければならない。そのような強い思いを抱いております。
 二〇二〇年、いよいよオリンピック・パラリンピックイヤーの到来であります。オリンピックはもとより、パラリンピックを大いなる成功へと導き、東京二〇二〇大会を真に世界に誇る大会とする。二〇一三年の招致決定以降、約七年にわたり、都は総力を挙げてそのための取り組みに邁進してまいりました。大会準備はまさに大詰めを迎えております。
 今月末、東京アクアティクスセンターの竣工によりまして、都が新たに整備する恒久施設は全て整うこととなります。大会経費の最終的な枠組みも公表されまして、都の負担額は、新たに百億円の緊急対応費を計上する一方で、競歩会場の変更やさらなる精査によりまして五千九百七十五億円とし、大会関連経費につきましても七千七百六十六億円に縮減をいたしました。引き続き、組織委員会及び関係機関と連携しながら、一層の効率化を進めてまいります。
 大会の安全・安心の確保に向けましては、先般、有明体操競技場などを会場として、災害対応訓練を実施いたしました。今後も、テロへの対応など、治安対策を加えました各種訓練を継続的に行って、検証を重ねてまいります。感染症対策やサイバーセキュリティーを含め、それぞれの分野における具体の対応を明確にした対処要領に基づいて、誰もが安心して楽しめる大会の実現に万全を期してまいります。
 大会期間中の交通混雑の緩和につきましては、物流における交通需要マネジメントを加速するため、関係機関や業界団体とともに、先月、実行協議会を立ち上げました。現場の実情に即した中小企業等への呼びかけや相談対応を通じまして、荷主から配送業者まで一体となった取り組みを促進いたします。先月、都民や企業等の皆様のご協力をいただいた冬のスムーズビズ実践期間の検証も踏まえまして、引き続き、混雑の緩和に着実に取り組んでまいります。
 大会を文化の面から盛り上げるべく、Tokyo Tokyo FESTIVALの取り組みも加速いたします。国内外の二千を超える応募の中から選び抜かれた十三の特別企画を中核に、都立文化施設におけます展覧会や公演、東京都メディアセンター及びライブサイトにおけます伝統文化の体験など、人々の記憶に残る多彩なプログラムを展開してまいります。
 パラリンピックの成功と共生社会の実現に向けましては、これまで百三十万人を超える方々にご登録いただいているチームビヨンドを初めとしたパラスポーツの普及、専門家の知見を踏まえたバリアフリーの推進、ソーシャルファームの創設を促進する条例の制定など、幅広い取り組みを重ねてまいりました。パラスポーツを間近で体感できるイベントには、毎回多くの参加をいただいておりまして、引き続き競技の魅力を広く発信してまいります。
 また、大会への関心を高めるパンフレットや、東京二〇二〇大会の最終日を飾るパラリンピックマラソンを東京を挙げて盛り上げるためのリーフレットを広く配布しております。チケット販売では、ロンドン大会の三倍以上となる三十九万人が申し込まれた第一次抽せんに続きまして、第二次抽せんにも二十四万人を超える申し込みがあり、確かな手応えを感じたところであります。
 ぜひとも満員の観客で沸くパラリンピックを実現し、そしてその盛り上がりを一時のもので終わらせることなく、成熟都市東京をさらなる高みへと導く取り組みを推し進めてまいります。
 来月にはいよいよ、オリンピックの聖火がギリシャで採火され、宮城県、岩手県、福島県におきまして、復興の火として展示された後、昨年、全面再開されました福島のJヴィレッジから全国をめぐるリレーへと出発いたします。オリンピックまで百五十六日、パラリンピックまで百八十八日。世界が待ちわびる開幕に向けまして、一日一日、大会準備の総仕上げに全力を尽くしてまいります。
 そして、二〇二〇年の東京が人々の記憶にいつまでも残り続ける史上最高の大会を、都議会の皆様、都民の皆様とともに、必ずや実現したいと思います。何とぞ皆様の一層のお力添えをお願い申し上げます。
 オリンピック・パラリンピックを成功へと導き、二〇二〇年のその先の明るい未来をつかみとる。そのための羅針盤として、昨年十二月、未来の東京戦略ビジョンを策定いたしました。時代を切り開く人が大いに輝ける社会を確立することこそが、東京が未来へと発展を続ける鍵であります。そうした確信のもと、人が輝く東京を初め、安全・安心、世界をリードする、美しい、楽しい、そしてオールジャパンで進む東京をつくり上げるため、目指すべき二〇四〇年代の二十の姿を描きました。
 誰もが自分らしく、生き生きと活躍する。世界一の高い生産性で世界経済を牽引する。全国各地との連携を深め、真の共存共栄を実現する。こうした目指すべき姿に向けまして、区市町村や民間企業、NPO等と積極的に連携、協働し、約百二十の推進プロジェクトを迅速かつ強力に展開をいたします。
 加えまして、東京二〇二〇大会のレガシーにつきましても、未来へと着実に結びつけていかなければなりません。これらの取り組みを来年度に策定する長期戦略へと結実させて、成長と成熟が両立した東京、日本の輝かしい未来を果敢に切り開いてまいります。
 都はこれまで、職員主体の二〇二〇改革を推し進め、情報公開の一層の進展や主要事業の分析、見直しなど、多くの成果を上げてまいりました。四月には、二つの政策連携団体を統合いたしまして、持続可能な東京水道の実現に向けました取り組みを加速するなど、引き続き、手を緩めることなく改革に邁進してまいります。
 この二〇二〇改革をさらに発展させ、明るい未来を支える都庁へと一段の飛躍を遂げるべく、先般、新たな都政改革ビジョンを公表いたしました。次なる改革で徹底していくのは、都政を取り巻く環境やニーズの変化に迅速かつ柔軟に対応するアジャイルと、都民目線で課題を深く掘り下げ、政策やサービスを不断に練り上げるデザイン思考であります。今後、都民の皆様のご意見を踏まえまして、改革の具体策を実行方針として取りまとめてまいります。
 東京二〇二〇大会を確実な成功へと導き、次世代に継承するレガシーをつくり上げるとともに、戦略ビジョンで描きました未来への力強い一歩を踏み出す。そのための令和二年度当初予算案は、過去最大となった今年度に次ぐ七兆三千五百四十億円の規模で編成をいたしました。
 未来の東京をつくる取り組みに重点的に予算を配分する一方、徹底した事業評価によりまして一千三十億円の財源確保へつなげるなど、引き続き、めり張りのきいた予算編成を行ったところであります。
 今後、人口減少によります経済の縮小や超高齢化に伴います歳出増が見込まれる中にありましては、戦略ビジョンに基づく投資により持続的に成長を生み出すとともに、改革ビジョンを踏まえた事業評価の深化などによって、健全な財政運営を進めることが欠かせません。長期的な視点から、より強固で弾力的な財政基盤を確立して、明るい未来の実現を確かなものとしてまいります。
 これより主要な政策について申し述べてまいります。
 子供からお年寄りまで、また障害のある方も外国人の方も、誰もがみずからの意思で未来を切り開く、人が輝く東京。その実現に向け、三つのCを軸に、力強く施策を推進してまいります。
 まずは、次代を担う子供たちを育み、明るい未来をつないでいくChildrenの取り組みについてであります。
 戦略ビジョンにおきましては、目指すべき未来の姿の一つとして、合計特殊出生率二・〇七を掲げました。少子化が進み社会の活力が低下すれば、明るい未来を展望することはできません。子供を持ちたいという個々人の願いをかなえるとともに、人口減少に歯どめをかけるとの強い決意を胸に、子供たちの笑顔と希望にあふれるまちの実現に邁進してまいります。
 新たに始めますとうきょうママパパ応援事業では、ベビーシッター等の派遣によります産後の負担軽減や、一歳児のいる家庭への訪問などを通じました育児不安の解消を図ってまいります。あわせまして、双子や三つ子等を持つ家庭について、外出時の支援や移動経費の補助を行うなど、多胎児家庭ならではの困難を取り除いてまいります。
 就任時より精力的に取り組んでまいりました待機児童対策につきましては、空き定員を活用して一歳児を受け入れる保育所への支援を認証保育所にも拡大するほか、自然環境を生かした保育を促進するなど、量の確保と質の向上の両面から推進してまいります。
 昨年夏に導入いたしました都営大江戸線の子育て応援スペースにつきましては、今月より運行を七編成に拡大いたしまして、その一部を毎日同じ時刻に運行することで利便性を向上させました。引き続き、子育てのしやすい環境づくりを率先して進めるとともに、区市町村や企業、大学等と連携したチーム二・〇七ムーブメントを推進し、子供を大切にする社会をつくり上げていきたいと思います。
 子供たちの主体性を伸ばして、一人一人の個性や能力に向き合う新たな教育モデルの確立を目指してまいります。その鍵となる教育現場のICT化に向けまして、モバイル端末や高速通信網の整備などを進めるTOKYOスマート・スクール・プロジェクトを開始いたします。将来的には、AIやビッグデータといった先端技術を活用して、生徒一人一人に最適化された学びの提供など、誰ひとり取り残さない学校教育の実現を目指してまいります。
 私立高校授業料のいわゆる実質無償化につきましては、来年度より、年収約九百十万円未満の世帯にまで対象を拡大いたします。また、多子世帯に対しましても、高校授業料の負担軽減を図るべく新たな補助を行うなど、子供たち一人一人が安心して学び、大きく育つことができる環境を整えてまいります。
 次に、二つ目のCでありますChojuの取り組みについてであります。
 人生百年時代におきましても、誰もが幾つになっても安心して生き生きと輝ける長寿社会を実現し、Chojuの言葉を東京を象徴する世界の共通語としていきたいと思います。
 高齢者の就業を一層後押しするべく、労働者派遣制度を活用したマッチングや普及啓発イベントを初め、総合的な支援を展開するシニア就業応援プロジェクトを拡充いたします。セカンドキャリアに踏み出そうとするシニア予備軍を対象に新たな支援を開始するなど、意欲ある方々がみずからの希望や適性に応じて活躍できる社会を実現してまいります。
 生涯現役で学びを深める都立大学のプレミアム・カレッジには、来年度の受講生募集に対しましても、定員を大きく上回る応募をいただきました。この四月には、今年度受講された方々の二年目の学びとなる専攻科を開設するなど、一人一人の大いなる学習意欲に応え、充実した学生生活を後押ししてまいります。
 超高齢社会におきまして、認知症といかに向き合うかは極めて重要な課題であります。新たな取り組みとして、認知症サポーターが地域で活動するための仕組みの創設を進め、誰もが暮らしやすい共生社会づくりを推進してまいります。また、健康長寿医療センターが保有する膨大なビッグデータを活用し、AIによる画像診断システムを構築するなど、先端技術を駆使した認知症の早期診断を目指してまいります。
 誰もが住みなれた地域で快適に暮らせる社会を築くためには、移動支援も欠かせません。運行ダイヤや発着地を柔軟に運用するデマンド交通の導入につきまして、区市町村によります実証実験等への支援を開始いたします。地域におけます公共交通の今後のあり方を見据え、利便性の高いネットワークの形成を推進してまいります。
 三つ目のCは、Communityであります。
 人の活力は、人とつながることでより一層高まります。人に寄り添い、多様性や包摂性に富んだ活気あふれる成熟社会を実現してまいります。
 近年、急増かつ多国籍化している在住外国人との相互理解の促進や、大会のレガシーとしてのボランティア文化の定着など、東京のコミュニティの活性化を担う新たな財団を十月に設立をいたします。多言語によるワンストップ相談ナビや、易しい日本語の活用促進、ボランティアの希望者と受け入れ団体をつなぐネットワークの構築など、新財団を軸といたしまして、多様な文化が共生をし、誰もが助け合う社会づくりを加速してまいります。
 人が輝く東京をつくる観点から、日常生活の基盤であります住宅につきましても、新たな政策を進めます。都営住宅は、住宅のセーフティーネットであるとともに、地域がつながる拠点でもあります。ここに、居住者や近隣の方々が食事をしながら交流する、そんな居場所となる東京みんなでサロンを開設し、コミュニティの活性化や緩やかな見守りの実現につなげてまいります。
 また、四月には、老朽マンションの適正管理を図るため、都道府県初となります管理状況の届け出制度を開始するほか、新年度早々、これからの住宅政策のあり方につきまして、住宅政策審議会に諮問して、来年末を目途に新たな住宅マスタープランの策定を目指してまいります。
 三つのCに加えまして、誰もがみずからの個性や能力を発揮し、自分らしく輝ける社会に向けた取り組みを進めてまいります。
 出産や子育て等で離職した女性が、その持てる力を再び社会で発揮できるよう、現在、東京しごとセンターに設置しております女性しごと応援テラスを多摩地域にも拡大いたします。
 また、女性の多様な働き方の選択肢を提示し、みずからの可能性を発見していただく大規模なイベントを開催するなど、社会で輝きたいと思う女性をしっかりとサポートしてまいります。
 一方で、企業で働く女性管理職がさらに羽ばたくことができるよう、そのキャリア形成を支援するプログラムを実施いたします。修了者にはリーダーとして活躍することの魅力を広く発信してもらって、多くの女性のキャリアアップにつなげるなど、女性管理職を支えるとともに、新たに生み出すサイクルを確立してまいります。
 さきに可決いただきました条例に基づくソーシャルファームの創設の促進につきましては、現在、認証基準や支援策の具体化を進めております。就労に困難を抱える方々が活躍できるソーシャルファームの早期の認証に向けまして、スピード感を持って取り組んでまいります。
 ソーシャルインクルージョンの実現は、就労の世界にとどまりません。先週、総合教育会議におきまして、これからの特別支援教育のあり方をテーマに議論を交わしました。障害の有無にかかわらず、誰もが個々のニーズに応じた教育を受けられるよう検討を深めてまいります。
 また、都立公園では、全ての子供が楽しめるインクルーシブ公園の整備を進めておりまして、来月にはその第一号となる砧公園の遊具広場が完成をいたします。今後、区市町村と連携をしまして、身近な公園にも取り組みを拡大してまいります。
 これまで検討を重ねてまいりました犯罪被害者等支援条例につきましては、都民の皆様のご意見を丁寧に伺って、本定例会に条例案を提案いたしました。これを契機に、見舞金の給付や都道府県初となる転居費用の助成といった経済的支援を初め、外国人被害者への支援の拡充など、幅広く取り組みを展開いたします。被害に遭われた方やそのご家族が安心して生活できますよう、寄り添った支援を進めてまいります。
 次に、人が輝く大前提となります安全・安心を確保する取り組みについてであります。
 年々激甚化する豪雨災害に鑑み、安全・安心の取り組みを一層推進するべく、先月新たに豪雨対策アクションプランを策定いたしました。これに基づき、現在進めている環状七号線地下広域調節池等の整備を着実に推進するほか、河川への監視カメラ設置の拡大や樋門等の施設改良など、昨年の台風を踏まえました対応を図ってまいります。加えて、新たな調節池につきましても、二〇三〇年度までに約百五十万立米の容量の事業化を図るべく、来年度は石神井川と境川で事業に着手してまいります。
 また、東京消防庁におきましては、水害時に浸水地域に先行して迅速な救助活動を行う即応対処部隊の運用を開始いたします。陸上滑走が可能なエアボートを日本の消防機関として初めて導入するなど、毎年のように起こり得る豪雨災害に対しまして、着実に備えを固めてまいります。
 防災対策のさらなる進化に向けましては、停電時の電源確保が重要な課題であります。共助のかなめとなる地域コミュニティ拠点に対しまして、発電機などの配備を後押しするとともに、災害対策本部が設置される区市町村庁舎におけます非常用電源設置のため、経費の補助や専門家の派遣による支援を実施いたします。また、家庭の防災備蓄の促進に向けました新たなウエブサイトを立ち上げるなど、自助、共助、公助の観点から取り組みを幅広く進めてまいります。
 阪神・淡路大震災から二十五年。倒壊した電柱や建物が避難や救援、復旧の妨げとなり、火災が瞬く間に広がった光景を今も忘れることはできません。昨年の台風におきましても、災害対策としての重要性が改めて浮き彫りとなりました無電柱化につきまして、いわゆるセンター・コア・エリア内の都道における整備は、おおむね完了する見込みとなりました。島しょ地域におけます取り組みにも着手をいたしまして、区市町村道につきましても、防災に寄与する道路への補助の拡充等によりまして、施策の拡大を図っております。
 来年度は、新たに無電柱化加速化戦略を策定して、区市町村や民間との一層の連携や、整備コストの縮減に向けました技術開発の促進を図りながら、まちの無電柱化を面的に加速してまいります。
 燃え広がらないまちづくりをさらに推進すべく、来年度末を目途に、防災都市づくり推進計画を改定いたします。先月には、不燃化が進まない無接道建物につきましての柔軟な対応や、木密地域の魅力的なまち並みへの再生など、一歩踏み込んだ方向性を掲げた基本方針案をお示しいたしました。今後、地元自治体と連携をいたしまして、具体的な事業の検討を進めてまいります。
 また、震災時の救援、復旧を円滑に進めるためには、その生命線となる緊急輸送道路につきまして、沿道建築物の耐震性をさらに高めて、通行機能を確実に確保しなければなりません。特に倒壊の危険性が高い建築物の段階的な改修や、テナントビルの耐震化に向けた支援を拡充するなど、取り組みをより一層前進させてまいります。
 そして、防災まちづくりを強力に推進していくためには、国との連携も欠かせません。先月には、災害に強い都市の形成に向けまして、国と都の実務者会議を新たに設置いたしました。高台をふやすまちづくりや、木密地域の改善に向けましたさらなる展開など、民間を含めて知見や情報を幅広く共有し、実効性ある対策を講じてまいります。
 誰もが安心して質の高い医療を受けられる東京を実現するべく、新たな病院運営改革ビジョンを策定いたします。先般、その素案におきまして、都立病院及び公社病院につきまして、地方独立行政法人化の準備を開始するに至った考え方などをお示しいたしました。引き続き、都民及び関係者の皆様のご意見や都議会におけるご議論を踏まえまして、年度末には、病院の今後の運営の道筋を示す本ビジョンを公表いたします。将来にわたりまして都民の安全・安心を支える効率的かつ効果的な医療提供体制の構築に向けて、全力で取り組んでまいります。
 人の安全かつ自由な移動を支えて、東京の活力を引き出す交通ネットワークの充実に向けまして、さらなる取り組みを進めてまいります。
 快適通勤の実現や多摩地域の魅力向上などにつながる鉄道網の構築につきましては、今般、多摩都市モノレールの箱根ヶ崎方面への延伸につきまして、事業化に向けた調査に着手することといたしました。また、地下鉄八号線などの各路線につきましても、戦略ビジョンにおいて取り組みの方向性を示したところでありまして、引き続き、国や地元自治体、鉄道事業者等との協議、調整を加速してまいります。
 道路ネットワークの充実に向けましては、東京二〇二〇大会におきまして、築地の車両基地と晴海の選手村を結ぶ環状第二号線の地上部道路が来月二十八日に開通することとなりました。
 さらに五月には、臨海部の交通需要の増加に対応する東京BRTが、虎ノ門から環状第二号線を経て晴海へと至るルートにおきまして、先行的に運行を開始いたします。引き続き、二〇二二年度の本線トンネル開通を目指しまして取り組みを進め、臨海部と都心部を結ぶ新たな道路ネットワークを形成するとともに、円滑な地域交通を確保してまいります。
 また、築地のまちづくりにつきましては、本格的な推進に先立って、船着き場周辺エリアを先行的に整備いたします。舟運の活性化を図り、築地場外市場とのつながりにも配慮しながら、具体の実施方針を年度内に公表いたしまして、民間の創意工夫を生かすことで、新たなにぎわいを早期に創出してまいります。
 東京、日本の国際競争力の向上や東京二〇二〇大会の円滑な実施に資するべく、国は来月下旬より、羽田空港におけます国際線の発着を年間約三万九千回増加をいたします。
 都といたしましては、運用開始後における関係自治体との情報連絡体制を新たに整備しまして、引き続き、国に対して丁寧な情報提供や騒音、安全対策の着実な実施を求めてまいります。東京の未来にとりまして重要な羽田空港の機能強化に向けまして、都民の皆様の理解がさらに深まるよう取り組んでまいります。
 世界中から人、物、金、情報が集まり、次々と新たな産業が生まれる一方で、快適な環境や豊かな緑が人々にゆとりと潤いをもたらす。そのような世界に誇れる都市東京をつくり上げてまいります。
 新たな基幹インフラとなる電波の道、TOKYO Data Highwayを基盤に、デジタルの力で東京のポテンシャルを最大限に引き出すスマート東京。先般、その実現に向けました実施戦略を公表したところでありまして、今後、五つの先行実施エリアにおいて、5Gを初めとする高速モバイルネットワーク及び先端技術を活用したサービスを展開いたします。さらに、教育、防災、産業など幅広い分野におきまして、都市のデジタルシフトに向けた施策を推進し、テクノロジーによる都民生活の質の向上を図ってまいります。
 スマート東京を実現するためには、旗振り役である都庁自身もデジタル化を進めなければなりません。先端技術によりまして、業務の生産性、効率性を高めるとともに、都民目線に立った行政サービスを提供してまいります。
 その一環として、AIを活用し、納税者からの相談に二十四時間三百六十五日対応するサービスを実施するほか、恩賜上野動物園で実証実験中のQRコード決済を初め、多様なキャッシュレス決済について、多くの方々が来場する都有施設での導入を加速してまいります。
 世界経済を牽引する東京を目指し、引き続き、稼ぐ力を高める取り組みを進めます。
 スタートアップ企業が生み出す製品やサービスは、時代のニーズを機敏に捉え、社会的課題の克服にも寄与します。その力を最大限に生かすことで、企業の成長にもつなげるべく、都とスタートアップの交流拠点を開設し、都政課題の解決に向けた官民によるプロジェクトを促進してまいります。
 また、世界へ羽ばたくネクストユニコーンを東京から輩出するべく、シリコンバレーや深圳といった世界有数のエコシステムで開催される商談会や、海外企業を招いた交流会への参加を促して、スタートアップの海外進出を力強く後押ししてまいります。
 我が国の経済は、最新のGDP速報値におきまして、年率換算六・三%という大幅な落ち込みを示しました。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響による景気の停滞も懸念されるところであります。加えまして、人口減少やICT技術の進展など、経営環境の急速な変化にも直面する中小企業につきましては、資金面での支えはもとより、その支援のあり方を大胆に見直すことも必要であります。
 来年度から新たに、明日にチャレンジ中小企業基盤強化事業及び中小企業新戦略支援事業を展開いたしまして、技術、サービスの高度化により受注拡大を目指す企業や、市場開拓、ICT化などに取り組む業界への支援の充実を図ってまいります。さらに、円滑な事業承継の実現に向けまして、MアンドAを活用した第三者承継等を手がけるファンドを育成するほか、新たなイノベーションを創出する発展的な事業承継を促進するなど、中小企業の持続可能な発展のため、多様な支援を展開してまいります。
 また、地域の商業活動の拠点であり、コミュニティの核としても重要な商店街の魅力を広く発信するべく、秋ごろを目途に大東京商店街まつりを開催するなど、地域産業の活性化に向けました取り組みを幅広く進めてまいります。
 昨年九月以降、オーストラリアにおきまして発生した過去最大級の森林火災は、地球温暖化が一因とも指摘をされています。都といたしまして、甚大な被害が発生したことを踏まえて、姉妹友好都市であるニューサウスウェールズ州に対しまして、災害見舞金を贈呈することとしております。
 また、我が国におきましても、記録的な猛暑や豪雨に見舞われるなど、気候変動の影響は私たちの身近な生活領域まで及んで、今、地球環境を取り巻く問題は歴史的な転換点を迎えているといわざるを得ません。
 都民の生命と財産を守り、美しい水、緑、空気を将来へと引き継ぎながら、東京がさらなる発展を遂げていく。そのためのロードマップをまとめましたゼロエミッション東京戦略におきまして、私は、実効性のある対策を講じて、都民の皆様とともに気候危機に正面から立ち向かう行動を起こすことを宣言いたしました。気候変動の緩和策と適応策の総合的な展開を図って、都外におけますCO2削減への貢献や、省エネ、再エネの拡大など、あらゆる分野の取り組みを進化、加速させ、脱炭素社会を実現してまいります。
 国際的な輸入規制を受けまして、廃プラスチックの処理は喫緊に対処すべき課題であります。国内の新たな資源循環のルートの構築に向けました実証事業を行いますほか、産廃処理業者によります破砕設備等の導入を支援いたしまして、廃プラスチックの適正な処理を促進してまいります。
 緑豊かで美しい都市環境を形成する取り組みも進めてまいります。
 先週、緑施策の基本方針となります緑確保の総合的な方針及び都市計画公園・緑地の整備方針の改定案を公表いたしました。都民の皆様のご意見を踏まえまして、新年度早々に新たな方針を取りまとめまして、区市町村や民間との連携のもとで、あらゆる機会を通じて東京全体の緑の確保に取り組んでまいります。
 とりわけ、生産緑地の多くが指定期限を迎えます、いわゆる二〇二二年問題への対応は重要な課題でございます。生産緑地を買い取り、福祉農園等として活用する区市の取り組みを新たに支援しまして、緑の減少を食いとめてまいります。また、四月には、東京農業アカデミーを開設し、東京農業をしょって立つ人材の育成を通じまして農地の活用を促進するなど、緑の保全に向けまして幅広く取り組んでまいります。
 東京の夜に新たな楽しさとにぎわいをもたらすプロジェクションマッピングの活用を促進すべく、本定例会に屋外広告物条例の改正案を提案いたしました。地域ルールに基づく柔軟な実施方法の新設や、公益的なイベントにおけます手続の緩和等を柱といたしております。
 都みずからもプロジェクションマッピングを活用したイベントを開催いたしまして、その裾野の拡大につなげるとともに、ナイトライフイベントを初め新たな観光資源の開発を促進するなど、国内外の旅行者を引きつける、魅力あふれる東京をつくり上げてまいります。
 市町村との緊密な連携によりまして、各地の特色を生かしながら、多摩・島しょ地域のにぎわいと活力を創出してまいります。
 大学や研究機関、ハイテク企業等が集積する多摩地域の強みをさらに引き出すべく、六月を目途に、立川に新たな創業支援拠点を開設いたします。今後、昭島にある産業サポートスクエア・TAMAや、二〇二二年に八王子に開設予定となっております産業交流拠点との連携など、産学官の力を結集しながら、世界有数のイノベーション先進エリアの確立に向けた取り組みを進めてまいります。
 多摩地域におきまして、職住近接で働くことのできる環境を整備するため、都が民間施設を借り上げて、サテライトオフィスとして提供する新たな取り組みを進めてまいります。また、多摩・島しょ地域への観光、レジャーの傍ら、テレワークを行うワーケーションの普及に向けましたモデル事業を行うなど、多様な形でテレワークの一層の拡大を図るとともに、地域のさらなる活性化にもつなげてまいります。
 島しょ地域の魅力向上に向けましては、引き続き、十一の島の個性を磨き上げ、そのブランド化を図る東京宝島事業を展開いたします。また、東京二〇二〇大会を機に東京を訪れる旅行者が、気軽に島しょ地域を訪問できますよう、旅行事業者のツアー販売を支援するなど、東京の島々に多くのにぎわいをもたらしていきたいと思います。
 その他、臨海部におきまして好評を博しておりますTOKYO GLOBAL GATEWAYと同様の体験型英語学習施設を多摩地域に整備することを検討するなど、住む人にも訪れる人にも魅力的な地域の実現に向けまして、幅広く取り組みを推進してまいります。
 激化する国際競争に加えまして、このたびの新型コロナウイルス感染症の影響により、世界経済の先行きが不透明さを増す中で、我が国が確実な歩みを続けていくためには、オールジャパンでの連携が欠かせません。全国各地との関係をさらに進化させ、強固な信頼関係のもと、東京と各地、そして日本全体の成長、発展をなしていきたいと存じます。
 例えば、多くの道府県とともに進めております国産木材の活用に向けましては、引き続き、都が保有する建物への木材活用の検討や、木塀の設置等に取り組んでまいります。加えまして、民間の大規模な建物の木造化に対する助成や、多摩産材及び全国の地域材をPRする拠点の整備などを進めてまいります。
 また、海外からのインバウンド需要を着実に取り込むため、東京二〇二〇大会の期間におきまして、全国の特産品を集めた物産展を開催いたしまして、世界から訪れる旅行者に日本の多様な魅力を伝えてまいります。東京と日本各地を結んで、相互の周遊につながる観光ルートの開発も強化するなど、全国と連携しながら、多くの旅行者を魅了し続ける取り組みを推し進めてまいります。
 私利を追わず公益を図るとの信念のもと、旧東京市養育院の初代院長を務めるなど、約六百もの社会貢献活動に尽力し、ことし生誕百八十年を迎えました渋沢栄一翁はこう語ったといわれております。
 夢なき者は理想なし、理想なき者は信念なし、信念なき者は計画なし、計画なき者は実行なし、実行なき者は成果なし、成果なき者は幸福なし、ゆえに幸福を求むる者は夢なかるべからず。
 夢がなくては幸福をつかむことはできないと説く夢七訓であります。
 我が国の経済の地位の低下や第四次産業革命のうねり、気候変動、人口減少など、東京、日本が歴史的な転換点にある今こそ、この言葉が示すとおり、大いなる夢や理想を掲げ、その実現に向けて英知を結集しなければ、明るい未来をつかむことはできません。
 約百二十年前、二十世紀の豫言として新聞に掲載されました未来の予測記事には、電話による海外との通話の実現や、暑さ寒さを調節する機械の発明など、当時としてはまさに夢物語であった姿が描かれました。しかし、それらの多くは先人たちの知恵と努力により、今日実現をしております。現実がやがて夢を超え得ることは、まさしく歴史が証明をしているのであります。
 戦略ビジョンに掲げました目指すべき未来の実現に向けまして、壁は高くとも、揺るぎない信念を持って、とるべき戦略を練り上げて、一つ一つ成果を上げていく。これまでの延長線にとらわれることなく、果敢な挑戦を積み重ねることこそ、私が掲げた東京大改革であり、なすべき改革に力強く邁進をしてまいります。
 なお、本定例会には、これまで申し上げましたものを含めまして、予算案三十八件、条例案四十九件など、合わせまして百九件の議案を提案いたしております。どうぞよろしくご審議をお願い申し上げます。
 最後に、いま一度申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症につきましては、先週、都内在住の患者が初めて確認されるなど、感染症拡大防止のための重要な局面を迎えております。都民の皆様の不安を受けとめ、正確な情報を発信しながら、積極果敢な対策をとることこそが、一人一人の安全・安心につながってまいります。より一層の危機感を持って、機動的かつ効果的に具体策を講じてまいります。
 また、感染の拡大を防ぐためには、都民の皆様一人一人の行動も極めて重要でございます。皆様方には、手洗いの励行やせきエチケットなど、基本的な感染症対策に努めていただくことを改めてお願いしたいと存じます。
 都議会の皆様、都民の皆様と一丸となって、何としても感染の拡大を食いとめるとの決意をここに改めて申し上げまして、私の施政方針表明を終わらせていただきます。
 ご清聴まことにありがとうございました。

○議長(石川良一君) 以上をもって知事の発言は終わりました。

○議長(石川良一君) 次に、警視総監より、都内の治安状況について発言の申し出がありますので、これを許します。
 警視総監斉藤実君。
〔警視総監斉藤実君登壇〕

○警視総監(斉藤実君) 都内の治安状況についてご報告をいたします。
 警視庁では、昨年、犯罪抑止総合対策や重大交通事故防止対策などの治安課題に加え、皇位継承の儀式を初めとする皇室関連行事や、アメリカ合衆国大統領来日、さらにはラグビーワールドカップなど重要行事に伴う警備に組織の総力を挙げて取り組み、首都東京の治安維持に努めてまいりました。
 以下、昨今の状況と対策、今後の取り組みについてご説明をいたします。
 第一は、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた諸対策の完遂についてであります。
 東京二〇二〇大会の開催がいよいよ目前に迫っております。当庁ではこれまで、本大会の安全かつ円滑な運営の確保に向けた各種対策に取り組んでまいりました。
 テロ対策については、選手村や競技会場が集中する臨海部における警戒力を強化するため、昨年五月に臨海部初動対応部隊を新設したほか、大会関連施設等の警戒も既に強化をいたしております。
 また、民間事業者や地域住民と連携した取り組みとして、テロ対策東京パートナーシップ活動を推進し、研修会や合同訓練のほか、鉄道事業者と連携した非常時映像伝送システムの拡充など、官民連携の取り組みを推進しております。
 交通対策については、昨年、都民、国民の皆様にご協力をいただき、大会本番を想定して実施した交通規制の試行において、一部、渋滞発生等の課題も確認されたことから、関係機関と連携して交通規制計画の見直しを行うとともに、交通総量抑制に関するさらなる情報発信にも努めてまいります。
 さらに、サイバーセキュリティー対策については、昨年の重要警備の際に試運用したサイバー事案対処センターを大会期間中に設置し、万全を期することとしております。
 このほか、多くの外国人や観光客が訪れることが予想される盛り場を中心に、悪質な客引きや違法風俗店等の取り締まりを徹底するとともに、自治体や地域住民と連携した環境浄化対策を推進しております。
 当庁では、東京二〇二〇大会の成功と、東京を訪れる全ての方々に世界一安全な都市東京を体感、実感していただけるよう、諸対策の完遂に向け、組織の総力を挙げて取り組んでまいります。
 第二は、犯罪抑止総合対策の推進状況についてであります。
 昨年の都内における刑法犯認知件数は十万四千六百六十四件で、本対策を開始した平成十五年以降、十七年連続で減少し、戦後最少を更新いたしました。
 しかしながら、特殊詐欺などはいまだ深刻な状況が続いており、これら喫緊に取り組むべき三点を申し上げます。
 その一は、特殊詐欺対策の推進状況についてであります。
 昨年の特殊詐欺の被害は、認知件数が三千八百十五件、被害額が約七十五億八千六百万円で、一昨年に比べ、それぞれ減少はしているものの、いまだ莫大な被害が発生をしております。
 特に昨年は、医療費の還付を装った詐欺のほか、被害者のすきを見てキャッシュカードを別のカードにすりかえて窃取する手口が大幅に増加したことから、今後も新たな手口による被害の発生が懸念をされます。
 当庁では、一昨年に設置した特殊詐欺対策プロジェクトを中心に、検挙対策を強力に推進した結果、昨年は、統計をとり始めて以降最多となる二千百二十三件の特殊詐欺事件を検挙いたしました。中でも、犯行グループ上層部への徹底した突き上げ捜査により、六代目山口組傘下組織の幹部や組員らを検挙するとともに、兵庫県下に所在する六代目山口組総本部事務所を捜索するなど、犯行グループを裏で操る暴力団の上層部まで捜査が及ぶことを明確に示したところであります。
 今後も、徹底した突き上げ捜査等により、犯行グループの壊滅を図るほか、背後にうごめく暴力団や準暴力団の実態を解明し、あらゆる法令を駆使した取り締まりを徹底してまいります。
 一方、被害防止対策については、いわゆるアポ電強盗事件の発生を受けて取り組みを一層強化した犯人からの電話に出ないための対策を初め、無人ATM対策、コンビニ対策の抑止三対策を重点に、関係機関と連携した各種被害防止活動に取り組んでおります。
 また、被害に遭いやすい高齢者の子や孫世代の方々に対しても、SNSや防犯アプリ、Digi Policeを活用し、幅広い広報啓発活動を推進しているところであります。
 当庁では、今後も、特殊詐欺対策は治安対策上の最重要課題と位置づけ、検挙と防犯の両面から各種対策に全力を尽くしてまいります。
 その二は、重要特異事件の検挙状況についてであります。
 昨年、特別捜査本部を開設したのは、青梅市成木四丁目一般住宅内強盗殺人事件など五つの事件で、それら全ての事件について被疑者を検挙いたしました。
 このほか、足立区教育委員会事務局主事らによる公共工事発注をめぐる贈収賄事件や、タイ王国内アジトを拠点とした有料サイト利用料金名下の架空請求詐欺事件など、社会的反響の大きい事件についても検挙、解決をしております。
 しかしながら、平成十二年に発生した上祖師谷三丁目一家四人強盗殺人事件を初めとする長期未解決事件については、いまだ犯人検挙に至っていないことから、被害者の無念を晴らし、地域社会の不安を取り除くため、引き続き、事件の解決に向けた捜査を尽くしてまいります。
 その三は、少年少女を犯罪被害から守るための取り組みの推進状況についてであります。
 近年、少年少女が、インターネットを介して、児童買春や児童ポルノ事犯などの福祉犯被害やJKビジネスに関連して性的被害に遭う事案が後を絶ちません。
 当庁では、少年少女をこうした犯罪被害から守るため、SNS等を活用した広報啓発活動や事業者との協働による情報モラル教育等を推進しているほか、JKビジネス店舗への立ち入りや各種法令を適用した取り締まりを実施しているところであります。
 引き続き、学校を初めとする関係機関と連携し、少年少女の犯罪被害防止に努めてまいります。
 第三は、人身安全関連事案総合対策の推進状況についてであります。
 ストーカー、DV等の人身安全関連事案に係る相談件数、児童虐待事案における児童相談所への通告人数はともに増加しており、人身安全関連事案を取り巻く情勢は依然として厳しい状況にあります。
 ストーカー、DV事案については、事態が急展開し、殺人などの重大事件に発展するおそれがあることを踏まえ、当庁では、前兆となる事案の段階からあらゆる法令を適用した事件化を図っており、昨年は九百八十五件を検挙いたしました。
 また、児童虐待については、常にその可能性を念頭に置いた各種警察活動を行うとともに、虐待が疑われる全ての事案について児童相談所に情報提供するなど、関係機関と情報共有の範囲を拡大し、緊密な連携を図っております。
 今後とも、相談者や児童等の安全確保を最優先とした、迅速かつ的確な人身安全関連事案への対応を図ってまいります。
 第四は、子供の安全を確保するための取り組み状況についてであります。
 昨年は、全国で登下校中の児童等が襲われる事件や、信号待ちをしていた園児等が犠牲となる交通事故が発生したほか、都内においても、散歩中の園児等が交通事故に巻き込まれるなど、子供の安全をいかにして確保するかが改めて地域社会の課題としてクローズアップをされました。
 当庁では、通学路等において、制服警察官によるパトロールを強化するなど、見せる警戒活動を継続的に実施しているほか、地域住民等と一体となった見守り活動や学校等との情報共有を徹底するなど、地域社会と連携した取り組みを推進しております。
 また、園児の散歩経路等の安全性を確認するため、道路管理者等と合同で約七千四百施設の幼稚園、保育所等を対象とした緊急点検を実施し、その結果に基づいて、横断歩道の補修や歩行者用信号機の時間延長等の必要な対策を進めてまいりました。
 引き続き、子供の安全を確保するため、関係機関や保護者等と一層の連携を図りながら諸対策を推進してまいります。
 第五は、交通事故防止対策の推進状況についてであります。
 昨年は、世界一の交通安全都市東京を目指してのスローガンのもと、歩行者対策を重点に掲げ、横断方法に関する交通安全教育や歩行者保護意識の周知徹底に努めたほか、いわゆる、あおり運転対策や悪質、危険な交通違反の指導取り締まり、高齢運転者対策、生活道路における交通環境の整備、官民一体となった広報啓発活動を行うなど、交通事故防止対策を推進いたしました。
 その結果、交通事故発生件数、死者数、負傷者数のいずれもが前年より減少し、とりわけ死者数については百三十三人と戦後最少になりました。
 本年は、第十次東京都交通安全計画の最終年度であり、その目標達成に向け、引き続き、歩行者対策や交通違反の指導取り締まり等を強力に推進するとともに、関係機関やボランティアの方々と連携した地域ぐるみの活動を展開するなど、総合的な交通事故防止対策を推進してまいります。
 第六は、テロ等不法事案の防圧検挙状況についてであります。
 昨年は、天皇陛下の御即位に伴う儀式等を初め、世界的にも注目を集めた多くの重要行事を滞りなく終えることができましたが、我が国におけるテロの情勢は依然として厳しく、世界各地において発生しているテロと同様の事案が国内でも発生する可能性があることを念頭に、対策を講じる必要があります。
 当庁では、車両突入や違法なドローンの飛行に対応する資器材の整備を図っているほか、関係機関と連携し、テロ対処訓練や研修会等を通じた事態対処能力の向上に努めております。
 このほか、テロ、ゲリラの実行部隊を有しながら暴力性を隠して組織の拡大をもくろむ極左暴力集団や、領土問題等に関して関係国や日本政府等に対する抗議活動を行う右翼などの危険性も見過ごすことはできません。
 こうした情勢の中、当庁では、昨年、革労協反主流派の非公然アジトを摘発するなど、極左暴力集団の活動家四人を検挙したほか、右翼団体構成員等を七十六人、さらには、インターネットを通じて爆薬の原料と製造方法を入手し、殺傷能力の高い爆薬を製造した者についても検挙をいたしました。
 本年も、東京二〇二〇大会の開催など、昨年同様に厳しい警備情勢が予想されることから、引き続き、的確な警戒警備等の実施により、テロ等不法事案の防圧検挙に万全を期してまいります。
 第七は、サイバー空間の脅威に対する総合対策の推進状況についてであります。
 昨年は、政府機関や企業から機密情報等を窃取するサイバーインテリジェンスやサイバーテロ等が世界的規模で発生したほか、クレジットカード情報等の不正利用や多額の暗号資産、いわゆる仮想通貨の流出事案が発生するなど、サイバー空間の脅威は深刻化をしております。
 当庁では、こうした脅威に対処するため、海外や国内企業における研修等を通じた人材育成に力を注ぐとともに、サイバー犯罪の取り締まりを強化し、昨年は、インターネット上において不正な手段により暗号資産を入手するなどした被疑者を検挙いたしました。
 また、官民連携による被害防止対策として、都内の重要インフラ事業者や東京二〇二〇大会関連事業者等を交えたサイバー攻撃対処訓練を実施しているほか、都内全ての区市町村及び商工会議所などとのサイバーセキュリティー協定を締結し、それぞれが連携してセミナー等の啓発活動を実施しております。
 今後も、人的基盤の強化、官民連携、広報啓発活動を推進し、サイバー空間の安全・安心の確保に万全を期してまいります。
 第八は、総合的な組織犯罪対策の推進状況についてであります。
 暴力団情勢については、分裂した山口組の対立と見られる銃器や刃物を使用した襲撃事件が全国で相次ぎ、六代目山口組と神戸山口組を両組織の拠点がある六府県の各公安委員会が特定抗争指定暴力団に指定したほか、都内においても、暴力団同士のトラブルに起因すると見られる建造物損壊事件が発生するなど、極めて緊迫した状況下にあります。
 また、暴力団は、みかじめ料の徴収や違法薬物の密売、特殊詐欺への関与など、時代の変化に応じて多種多様な資金獲得犯罪を敢行しております。当庁では、それら資金獲得犯罪の取り締まりのほか、東京都暴力団排除条例を改正し、用心棒料等の授受に係る規制を強化して、事業者との関係遮断を促進するなど、取り締まりと排除の両面から対策を推進することにより、昨年は、暴力団構成員等二千二百二十五人を検挙いたしました。
 外国人犯罪情勢については、不法残留や在留カードの偽造事犯が増加しているほか、一部の在留外国人らが既存の犯罪組織に影響され、不良集団化する事例も把握されております。当庁では、各種犯罪インフラ事犯や外国人が関与する特殊詐欺事件の検挙対策などを強力に推進し、昨年は、外国人被疑者四千二百四十一人を検挙いたしました。
 また、薬物情勢については、覚醒剤等薬物事犯の検挙人員が依然として高どまりしているほか、大麻事犯が若年層を中心として増加傾向にあるなど、深刻な状況が続いております。当庁では、末端乱用者の検挙はもとより、違法薬物の供給網を壊滅するための取り組みを推進し、昨年は、被疑者二千四百三十八人を検挙するとともに、違法薬物約九百十三キログラムを押収いたしました。
 今後も、関係機関と連携し、総合的な組織犯罪対策を推進してまいります。
 第九は、災害警備諸対策の推進状況についてであります。
 昨年は、台風十五号と十九号が相次いで上陸し、暴風や大雨により、各地に甚大な被害をもたらしました。
 都内においても、住宅浸水や道路崩落による集落孤立等の被害が発生したことから、管轄する警察署に加え、当庁の特殊救助隊や機動隊が救出救助、避難誘導等の活動に当たりました。
 また、大規模な浸水被害が発生した福島県には、当庁航空隊のヘリコプター二機を派遣して、救助活動や行方不明者の捜索に従事し、二十名の方を救助することができました。
 当庁では、風水害や首都直下地震を初めとする各種災害に対応するため、これまでに発生した災害の特性を踏まえた多種多様な訓練を実施しているほか、行方不明者の捜索にも活用できるドローンなど、各種装備資器材の整備にも努めております。
 今後も、災害対応力の向上と関係機関との連携を一層強化するとともに、災害対策に有用な情報発信を行うなど、災害に対する備えに万全を期してまいります。
 以上、都内の治安状況について申し上げましたが、警視庁では、複雑化するあらゆる事案に対処できる警察力を確保し、都民、国民の安全・安心を揺るぎないものとして確立するため、引き続き、警察基盤の強化を図り、世界一安全な都市東京の実現に努めてまいります。
 東京都議会の皆様には、今後とも一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げまして、治安状況報告を終わらせていただきます。

○議長(石川良一君) 以上をもって警視総監の発言は終わりました。

○議長(石川良一君) 次に、監査委員より、監査結果の報告について発言の申し出がありますので、これを許します。
 監査委員大津ひろ子さん。
〔百十八番大津ひろ子君登壇〕

○百十八番(大津ひろ子君) 監査委員を代表し、平成三十一年一月から令和元年十二月までの一年間に実施をした監査の結果についてご報告申し上げます。
 監査委員の責務は、都の行財政が公正かつ効率的に運営されるよう、各局の事務事業を監査し、都民の信頼を確保していくことです。
 令和元年は、リスクの重要度を踏まえ監査の重点化を図り、合規性はもとより、経済性、効率性及び有効性の観点から、本庁や事業所等の六百五十三カ所で監査を実施いたしました。
 その結果、百八十件の指摘及び意見、要望を行い、総指摘金額は約三億四千四百九十万円でした。
 第一に、定例監査について申し上げます。
 定例監査は、都の行財政全般を対象とした最も基本的な監査です。令和元年は、都における一般歳出予算の約三割を占める補助金を全庁重点監査事項として、交付事務の適正性だけでなく、補助事業が政策目的に沿って設計されているかについて、各局を横断的に検証しました。
 その結果、要綱や協定に補助要件などの重要な事項が記載されていなかったものなどがあり、是正、改善を求めました。
 補助金は、一旦制度を創設すると容易に廃止することができず、既得権化するおそれがあることから、適切な成果指標を設定した上で、成果が得られなかった場合には、廃止や縮小を含めた見直しを検討する必要もあります。
 執行率が低い補助金についても、安易に補助要件の緩和や補助率の改定を行うのではなく、制度周知の取り組みは十分か、政策目的を達成するための手段として本当に必要かを検討することも重要です。
 また、局別重点監査事項として、局ごとにリスクを捉え、重要と考えられるテーマを設定し、監査をいたしました。
 その結果、都立病院において、受託者による診療材料の在庫管理が適切に行われていない状況を病院が把握していなかった事業がありました。浸水被害を防止するための雨水の排水施設において、設備更新の時期や内容が定まっていなかった事業もありました。是正、改善を求めました。
 第二に、工事監査について申し上げます。
 工事監査は、都が実施した工事等について、技術面から検証する監査です。令和元年は、一昨年の大阪府北部の地震に伴うブロック塀の倒壊事故などを踏まえ、性能確保を重点監査事項として、監査を行いました。
 また、大規模工事については、最新の土木技術に精通する専門家を監査専門委員として活用し、監査の高度化を図りました。
 その結果、排水機場において、新たに設置した給気ファンが建物の基礎に固定されておらず、地震発生時に転倒し破損するおそれがあったもの、また、下水道工事において、設計時に関係者と調整を行わなかった結果、工期が延長となり、不必要な経費を要したものなどがあったため、是正、改善を求めました。
 各局におかれては、安全性の確保はもとより、効率的かつ効果的な事業の実施に向けて、主体的、体系的なチェック機能の充実強化、各職場における組織的な技術支援の拡充などの取り組みを求めます。
 第三に、財政援助団体等監査について申し上げます。
 財政援助団体等監査は、都が出資や補助金の交付等を行っている団体や公の施設の指定管理者を対象とする監査です。
 監査の結果、社会福祉法人などに交付している補助金について、算定の根拠となる人数の誤りなどが原因で過大に交付されていた事業、また、政策連携団体である会社が締結をした複数の委託契約について、履行確認に不備があるにもかかわらず支払いを行っており、契約事務にかかわる内部統制が不十分であった事業などが認められましたため、是正、改善を求めました。
 都は、特に都政との関連性が高く、全庁的に指導監督を行う必要がある団体を東京都政策連携団体と位置づけておりますが、先般、一部の政策連携団体において、受注者との不適切な関係や書類の改ざんなどが発覚をし、団体の内部統制に対する意識の低さと所管局の団体に対するガバナンスが不十分だったことが明らかとなりました。また、大半の業務が都からの受託事業であるにもかかわらず、多額の利益剰余金を計上している例も見られます。
 都は、団体に対するガバナンス強化の取り組みを一層推進するとともに、より低廉な価格水準で委託できるよう、政策連携団体の効率的な事業運営の確保を求めます。
 第四に、行政監査について申し上げます。
 行政監査は、特定の事務や事業を対象として行う監査です。令和元年は、三カ年のシステム監査の総仕上げとして、都の現状に対する監査にとどまらず、国や民間企業等の先駆的な事例を踏まえ、将来に向けて都が目指すべきシステム統制のあり方について検証しました。
 都においては、ICTに係る施策を機動的に遂行するため、強力な統制力を持つトップマネジメント直轄の組織を整え、高度な知見とキャリアを有する専門家を各局に派遣するなど、システム統制に向けた体制を整備することが有効と考えます。
 また、都民サービスのさらなる向上に向けては、局の垣根を超えた共通プラットホームを構築し、ワンストップで行政サービスを提供するとともに、最新の技術に対して積極的に投資が可能となる機動的な事業の進め方も有効であると考えます。
 そこで、都のICT中央管理部門が各局と連携して、ICTを活用した業務改革及び都民サービス向上に資する取り組みをより一層推進するよう意見、要望を行いました。
 第五に、決算審査等について申し上げます。
 平成三十年度の決算について、数値の正確性や予算執行の適正性、効率性などを審査した結果、会計処理及び財産に関する調書の計数の一部誤りについて指摘を行いました。
 また、地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づいて算定、公表が義務づけられています健全化判断比率及び公営企業など、十二会計の資金不足比率の審査も行いました。
 その結果、実質赤字比率等は良好であり、資金不足も生じていないことが認められました。
 次に、監査結果に対する措置状況について申し上げます。
 監査は、指摘した問題点が改善されて初めて効果を発揮します。そこで、監査の実効性を担保するため、年二回、各局に指摘や意見、要望の改善状況の報告を求め、その内容を確認しています。
 主な改善事例ですが、劇場施設において、アクセスマップの作成や点字ブロックの追加設置が行われ、施設のバリアフリー化がより一層推進された事例や、動物園の擁壁の設置工事において、設計の誤りにより転倒のおそれがあったため、工事施工前に速やかに地盤改良等を行うことで安全性が確保された事例がありました。
 過去三年間の案件については速やかに対応がなされ、九〇%以上が改善済みとなりました。残りの案件についても早期の改善を促してまいります。
 このほかに、都民から二十九件の住民監査請求があり、審査を行いました。
 以上、この一年間に実施した監査について述べてまいりましたが、財産管理の不備、積算や補助金の算定誤りといった不適切事例の多くは、複数の局で毎年繰り返し発生しております。
 各局長及び管理者におかれましては、組織の責任者として先頭に立ち、誤りの根本原因の解消や仕事の進め方の見直しなど再発防止に取り組み、都民サービスのさらなる向上に努められるよう求めます。加えて、ICTの活用により、事務のチェック体制を万全にすることを望みます。
 私ども監査委員は、電子データを積極的に活用し、各局職員の事務負担の軽減と監査の効率化に取り組むとともに、データを多角的に分析して新たなリスクを識別し、監査品質を向上させてまいります。
 また、情報発信については、監査結果の庁内フィードバックを充実させ、再発防止の徹底や事務事業の改善を後押しするとともに、多様な媒体を通じて、社会動向や都民ニーズに応える効果的な発信に努めてまいります。
 この四月には、いよいよ改正地方自治法が施行となり、内部統制体制の整備、運用及び評価が義務づけられます。私ども五人の監査委員は、内部統制を推進する知事と認識の共有を図り、効果的な内部統制の整備、運用に寄与してまいります。内部統制が機能していることを前提に監査を行いますので、都の事務事業の本質的な改善に、より一層重点的に取り組んでまいります。
 今後とも、都政の公正かつ効率的な運営のため、監査委員の使命を全力で果たし、都民の信頼と期待に応えていく決意であることを申し上げ、報告を終わりにさせていただきます。

○議長(石川良一君) 以上をもって監査委員の発言は終わりました。

○議長(石川良一君) 次に、包括外部監査人より、令和元年度包括外部監査結果の報告について説明を求めます。
 包括外部監査人久保直生さん。
〔包括外部監査人久保直生君登壇〕

○包括外部監査人(久保直生君) 令和元年度包括外部監査人の久保直生でございます。
 今年度の監査は、産業労働局における中小企業対策事業及び観光産業対策事業に関する事務の執行並びに公益財団法人東京都中小企業振興公社及び地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターの経営管理についてを監査テーマとして実施しております。
 東京都は、経営、技術支援、創業支援など、さまざまな商工施策を通して、中小企業の育成、発展を図るとともに、制度融資などの多様な金融支援により、中小企業の資金調達の円滑化を図っており、平成三十年一月に公表した三つのシティーの実現に向けた政策の強化、平成三十年度、二〇二〇年に向けた実行プランにおいても、本格的な少子高齢、人口減少社会の到来が見込まれる中、東京が持続的に成長していくために、中小企業の生産性向上に向けた取り組みを支援するとともに、都内中小企業等の事業承継、再生等に対する支援を二〇二〇年に向けた政策目標として掲げています。
 平成三十年度一般会計予算における中小企業支援対策予算は、金融支援を含め三千八百四億円と、産業労働局予算の八四%を占めており、都における重要な施策の一つであります。
 また、東京都は、旅行者にとって世界最高の観光都市となることを目指して、世界最高のPRIME観光都市・東京の実現に向け、消費拡大に向けた観光経営など六つの戦略に基づく観光施策を戦略的に展開しており、実行プランにおいても、世界に開かれた国際観光都市を目指し、東京二〇二〇大会に向け、従前からの政策目標を強化しています。
 平成三十年度予算は百六十六億円であり、特に外国人旅行者誘致のための新たな展開に対しては、前年度比二三・五%増の予算措置をするなど、東京都の重点施策の一つとして挙げられます。
 これらの事業は、東京の成長性に関連する事業として都民の関心も非常に高く、監査を合規性のみならず、経済性、効率性、有効性の観点から総合的に検証することは意義があるものと判断するとともに、実行プランにおける二〇二〇年に向けた目標に対する進捗状況を確認するという意味で、監査を行う時宜にもかなうと考えたことから、対象事件として選定しています。
 加えて、産業労働局の政策連携団体である公益財団法人東京都中小企業振興公社は、東京都における中小企業の総合的、中核的な支援機関として各種支援事業を提供し、産業労働局と一体として中小企業支援を行っており、また、地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターについても、中小企業の技術力向上支援において重要な役割を果たしていることから、監査対象としています。
 監査は、補助者十一名とともに実施し、指摘事項九件、意見八十二件の計九十一件について監査報告書に記載しております。
 この指摘、意見を大きく区分しますと、産業労働局における中小企業対策事業に関する事務の執行についての意見は二十二件、観光産業対策事業に関する事務の執行についての意見は二十九件、両団体の経営管理についての指摘、意見は四十件となります。
 本日は、この指摘、意見のうち、七件についてご説明申し上げます。
 まず一点目は、中小企業対策事業に関する事務の執行について、都では、中小企業サイバーセキュリティー対策の普及促進のため、相談窓口の設置やポータルサイトの運用、サイバーセキュリティーガイドブックの配布や公開を行っており、専門的な知識を持たない人にもわかりやすく、サイバーセキュリティーについて伝えています。
 令和元年度においては、出張相談の回数をふやした結果、相談件数は増加傾向にあり、需要はあると推察されるため、今後、出張相談をふやすなど、サイバーセキュリティーに関する相談を受け付けていることを広く周知して、中小企業のニーズに適切に対応されたいとの意見を記載しております。
 また、相談窓口の設置、ポータルサイトの運用については、事業を実施する上で、どのような支援をどの程度行うか明確にし、目標に対する達成度合いをはかって事業の効果を検証し、その後の事業に生かされたいという意見を記載しております。
 二点目は、商店街空き店舗活用事業の活用について、都では、商店街の空き店舗の活用を促進するため、先進的な取り組みにより地域課題の解決やにぎわい創出を行う商店街を支援し、空き店舗活用のモデル的事例として広く波及させるため、補助率四分の三、補助限度額三千万円の補助事業を行っています。
 補助要件として、他の商店街のモデルとなり得る先進的な取り組みとして、事業の具体性や発展性、継続性等が求められることから、平成三十年度においては、申請件数が二件にとどまり、予算額一億六千二百万円に対して、決算額は一千六百万円、執行率九・九%と非常に低い状況にあります。
 商店街の空き店舗が長期化すると、商店街全体の雰囲気に悪影響を及ぼす可能性があるため、将来的な事業の発展、継続に結びつけられるようなアイデアの創出と具体化に寄与するための研修を活用するなど、有効な対応を実施の上、商店街空き店舗活用事業を広く活用されたいという意見を記載しております。
 三点目は、ファンドに係る情報提供について、都は、都内の中小企業振興に向けた多様な金融手法の一つとして、民間の事業者が運営するファンドを活用して中小企業に対する投資と経営支援を実施し、また、都の出資が民間からの出資を誘引して、都内の産業活動の活性化につながることも目指しています。
 産業労働局のホームページでは、ファンドの総額や運営事業者、ファンドの存続期間といった情報は公開していますが、都以外の出資者やその数といった情報は公開されていません。ファンドへの出資額の源泉は税金である以上、都民に対しての説明責任が生じることから、投資事業有限責任組合契約に基づく守秘義務を遵守する範囲内で、都民に対して積極的な情報開示を検討されたいとの意見を記載しております。
 また、投資の成功事例についても、中小企業の事業運営上の支障とならないよう配慮しつつ、積極的に情報提供することを検討されたいとの意見を記載しております。
 四点目として、観光産業対策事業に関する事務の執行について、東京都観光産業振興実行プランでは、二〇二〇年の訪都外国人旅行者数二千五百万人、訪都外国人消費額二兆七千億円などの目標を掲げていますが、この目標は、都内の観光産業の成長を踏まえながら、国が設定した訪日外国人旅行者数や訪日外国人旅行消費額の目標も念頭に置いて設定したものです。
 そもそも産業労働局の観光産業対策事業の役割を考えると、観光産業の振興であり、観光産業を活性化させるためには、外国人旅行者数の増大だけを目標にするのではなく、それを受け入れるために必要な観光産業自体の規模も検討し、旅行者の増大とともに成長させる必要があります。
 したがって、目標設定に当たり、まず、都が目指すべき観光産業の規模等を想定し、そのために必要な訪都外国人旅行者数、訪都外国人消費額を見積もり、一方で、その受け皿として、観光産業を担う旅行業、宿泊業、飲食業、運輸業、レジャー産業、会議施設、通訳、翻訳業等の振興に向けた取り組みを進められたいという意見を記載しております。
 五点目は、東京二〇二〇大会後の観光ボランティアの活用について、東京都観光産業振興実行プランでは、東京二〇二〇大会後の観光ボランティアについて、社会全体のボランティア文化の定着状況や地域の実情等を踏まえながら、今後のあり方について検討していくとの記載がされています。
 この点、産業労働局では、ボランティアへの参加機運が高まった令和二年度にどのような取り組みを行っていくかについて既に検討しており、現在はボランティア登録者を定期に入れかえる制度を整えて実施しています。
 東京二〇二〇大会において、三万人が都市ボランティアとして参加することが想定されており、最も活動意思が強いと考えられる大会終了直後にスムーズに活動を続けていくことが、ボランティア活動を定着させていくに当たり肝要と考えられます。
 希望する都市ボランティアを観光ボランティアとして受け入れられるよう、東京二〇二〇大会終了までに運営体制を整え、募集方法や募集時期を適時に都市ボランティアに対し告知するよう検討されたいとの意見を記載しております。
 六点目は、公益財団法人東京都中小企業振興公社の経営管理について、公社では、革新的サービスの事業化支援事業において、中小企業に対して経費の一部を助成しています。
 同事業は、公社から中小企業に対して助成金を直接支給するものであり、助成金の検査、確定に当たっては、助成対象事業の執行状況について十分に検証する必要があることから、事業の実績に関する帳票の現物確認が求められています。
 助成金の検査、確定については、革新的サービスの事業化支援事業助成金交付要綱に基づき実施されており、具体的には、完了検査マニュアルに基づき検査が実施されていますが、同検査マニュアルでは、提出された帳票類について一枚ずつ原本照合を行い、照合を行ったものについては、写しに原本照合印を押印する取り扱いとなっています。しかし、原本確認の証跡について、サンプルを選定し帳票類を閲覧したところ、一部の書類について原本確認の照合印が残されていないものが見られました。
 実質的な照合を行うことはもちろんのこと、照合証跡を残すことについても、適正に完了検査が実施されていることを検証するために重要であり、助成事業の適正な執行を行うため、助成事業ごとの検査方法について、検査マニュアルに従った運用を行われたいとの指摘を記載しております。
 最後に、地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターの経営管理について、センターにおいては、中小企業が利用可能なさまざまな試験機器を用意し、有料で機器の利用提供及び依頼試験を実施していますが、機器利用及び依頼試験の料金算定方法を見ると、その積算の根拠である減価償却費の計算方法について、取得価格に〇・九を乗じた金額を利用者から回収すべく計算されています。
 これは、平成十九年度の税制改正前の定額法による計算方法であり、改正後の計算方法は、〇・九を乗じることなく、取得価格に償却率を乗じて計算することから、現在の計算方法によると過少に計算されている金額分、機器の投資金額が回収されないことになっているといえます。
 また、光熱水費については、前年度の実績単価に各機器の利用時想定使用量を乗じて計算しているところ、当該実績単価を算定するに当たって、一部の支所の光熱水費が含まれていないことがわかりました。機器利用及び依頼試験の料金算定方法について、あるべき金額の算定方法を見直し、適切に算定されたいとの意見を記載しております。
 以上をもちまして、令和元年度の包括外部監査結果のご説明といたします。

○議長(石川良一君) 以上をもって包括外部監査人の説明は終わりました。

○六十七番(岡本こうき君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日は、質問に先立ち議事に入り、日程の順序を変更し、追加日程第一を先議されることを望みます。

○議長(石川良一君) お諮りをいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(石川良一君) ご異議なしと認めます。よって、質問に先立ち議事に入り、日程の順序を変更し、追加日程第一を先議することに決定いたしました。

○議長(石川良一君) 追加日程第一、議員提出議案第一号、東京都議会議員の議員報酬等の特例に関する条例の一部を改正する条例を議題といたします。
 案文は、お手元に配布いたしてあります。
(議案の部参照)

○六十七番(岡本こうき君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第一号については、趣旨説明並びに委員会付託を省略し、原案のとおり決定されることを望みます。

○議長(石川良一君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(石川良一君) ご異議なしと認めます。よって、議員提出議案第一号は、原案のとおり可決されました。

○六十七番(岡本こうき君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会し、明二十日から二十五日まで六日間、議案調査のため休会されることを望みます。

○議長(石川良一君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(石川良一君) ご異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれをもって散会し、明二十日から二十五日まで六日間、議案調査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、二月二十六日午後一時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後二時四十四分散会

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