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Tokyo Metropolitan Assembly

令和元年東京都議会会議録第十九号

令和元年十二月十日(火曜日)
 出席議員 百二十三名
一番古城まさお君
二番けいの信一君
三番成清梨沙子君
四番平  慶翔君
五番後藤 なみ君
六番藤井あきら君
七番内山 真吾君
九番上田 令子君
十番山内れい子君
十一番伊藤しょうこう君
十二番田村 利光君
十三番菅野 弘一君
十四番藤井とものり君
十五番池川 友一君
十六番細田いさむ君
十七番うすい浩一君
十八番小林 健二君
十九番加藤 雅之君
二十番龍円あいり君
二十一番あかねがくぼかよ子君
二十二番保坂まさひろ君
二十三番鳥居こうすけ君
二十四番菅原 直志君
二十五番清水やすこ君
二十七番斉藤れいな君
二十八番川松真一朗君
二十九番小松 大祐君
三十番舟坂ちかお君
三十一番三宅 正彦君
三十二番宮瀬 英治君
三十三番原田あきら君
三十四番斉藤まりこ君
三十五番藤田りょうこ君
三十六番斉藤やすひろ君
三十七番栗林のり子君
三十八番伊藤こういち君
三十九番大松あきら君
四十番白戸 太朗君
四十一番本橋ひろたか君
四十二番馬場 信男君
四十三番佐野いくお君
四十四番細谷しょうこ君
四十五番栗下 善行君
四十六番中山ひろゆき君
四十七番たきぐち学君
四十八番奥澤 高広君
五十番山崎 一輝君
五十一番神林  茂君
五十二番早坂 義弘君
五十三番高橋 信博君
五十四番西沢けいた君
五十六番原 のり子君
五十七番星見てい子君
五十八番とや英津子君
五十九番遠藤  守君
六十番上野 和彦君
六十一番のがみ純子君
六十二番まつば多美子君
六十三番田の上いくこ君
六十四番両角みのる君
六十五番西郷あゆ美君
六十六番もり  愛君
六十七番岡本こうき君
六十八番米川大二郎君
六十九番森口つかさ君
七十番つじの栄作君
七十一番関野たかなり君
七十二番桐山ひとみ君
七十三番石川 良一君
七十四番中屋 文孝君
七十五番古賀 俊昭君
七十六番秋田 一郎君
七十七番吉原  修君
七十八番山口  拓君
七十九番河野ゆりえ君
八十番米倉 春奈君
八十一番白石たみお君
八十二番里吉 ゆみ君
八十三番中山 信行君
八十四番谷村 孝彦君
八十五番長橋 桂一君
八十六番小磯 善彦君
八十七番藤井  一君
八十八番増田 一郎君
八十九番滝田やすひこ君
九十番おじま紘平君
九十一番木下ふみこ君
九十二番村松 一希君
九十三番福島りえこ君
九十四番ひぐちたかあき君
九十五番鈴木 邦和君
九十六番森村 隆行君
九十七番入江のぶこ君
九十八番柴崎 幹男君
九十九番清水 孝治君
百番大場やすのぶ君
百一番三宅 茂樹君
百二番中村ひろし君
百三番とくとめ道信君
百四番尾崎あや子君
百五番和泉なおみ君
百六番橘  正剛君
百七番高倉 良生君
百八番東村 邦浩君
百九番中嶋 義雄君
百十番山内  晃君
百十一番山田ひろし君
百十二番伊藤 ゆう君
百十三番木村 基成君
百十四番荒木ちはる君
百十五番小山くにひこ君
百十六番増子ひろき君
百十七番石毛しげる君
百十八番大津ひろ子君
百十九番尾崎 大介君
百二十番宇田川聡史君
百二十一番小宮あんり君
百二十二番鈴木 章浩君
百二十三番高島なおき君
百二十四番あぜ上三和子君
百二十五番清水ひで子君
百二十六番大山とも子君
百二十七番曽根はじめ君

 欠席議員 一名
二十六番  森澤 恭子君
 欠員
    八番 四十九番 五十五番

 出席説明員
知事小池百合子君
副知事長谷川 明君
副知事多羅尾光睦君
副知事梶原  洋君
副知事宮坂  学君
教育長藤田 裕司君
東京都技監都市整備局長兼務佐藤 伸朗君
政策企画局長山手  斉君
総務局長遠藤 雅彦君
財務局長武市  敬君
警視総監三浦 正充君
主税局長塩見 清仁君
生活文化局長浜 佳葉子君
オリンピック・パラリンピック準備局長潮田  勉君
環境局長吉村 憲彦君
福祉保健局長内藤  淳君
産業労働局長村松 明典君
建設局長三浦  隆君
港湾局長古谷ひろみ君
会計管理局長佐藤  敦君
消防総監安藤 俊雄君
交通局長土渕  裕君
水道局長中嶋 正宏君
下水道局長和賀井克夫君
都民安全推進本部長國枝 治男君
戦略政策情報推進本部長松下 隆弘君
住宅政策本部長榎本 雅人君
病院経営本部長堤  雅史君
中央卸売市場長黒沼  靖君
選挙管理委員会事務局長黒田 祥之君
人事委員会事務局長小泉  健君
監査事務局長岡崎 義隆君
労働委員会事務局長松山 英幸君
収用委員会事務局長斎藤 真人君

十二月十日議事日程第二号
第一 第百八十四号議案
令和元年度東京都一般会計補正予算(第一号)
第二 第百八十五号議案
令和元年度東京都病院会計補正予算(第一号)
第三 第百八十六号議案
職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第四 第百八十七号議案
東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
第五 第百八十八号議案
東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
第六 第百八十九号議案
東京都人事行政の運営等の状況の公表に関する条例の一部を改正する条例
第七 第百九十号議案
外国の地方公共団体の機関等に派遣される職員の処遇等に関する条例の一部を改正する条例
第八 第百九十一号議案
特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第九 第百九十二号議案
市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第十 第百九十三号議案
東京都事務手数料条例の一部を改正する条例
第十一 第百九十四号議案
法人事業税国税化対策特別基金条例を廃止する条例
第十二 第百九十五号議案
学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第十三 第百九十六号議案
東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
第十四 第百九十七号議案
東京都市計画事業亀戸・大島・小松川第二地区第一種市街地再開発事業施行規程の一部を改正する条例
第十五 第百九十八号議案
東京都市計画事業亀戸・大島・小松川第三地区第二種市街地再開発事業施行規程の一部を改正する条例
第十六 第百九十九号議案
東京都市計画事業亀戸・大島・小松川第四地区第二種市街地再開発事業施行規程の一部を改正する条例
第十七 第二百号議案
東京都市計画事業六町四丁目付近土地区画整理事業施行規程の一部を改正する条例
第十八 第二百一号議案
東京都市計画事業環状第二号線新橋・虎ノ門地区第二種市街地再開発事業施行規程の一部を改正する条例
第十九 第二百二号議案
東京都市計画事業大橋地区第二種市街地再開発事業施行規程の一部を改正する条例
第二十 第二百三号議案
東京都市計画事業泉岳寺駅地区第二種市街地再開発事業施行規程の一部を改正する条例
第二十一 第二百四号議案
東京都建築安全条例の一部を改正する条例
第二十二 第二百五号議案
東京都無料低額宿泊所の設備及び運営の基準に関する条例
第二十三 第二百六号議案
東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第二十四 第二百七号議案
東京都認定こども園の認定要件に関する条例の一部を改正する条例
第二十五 第二百八号議案
東京都幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第二十六 第二百九号議案
東京都児童相談所条例の一部を改正する条例
第二十七 第二百十号議案
東京都指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第二十八 第二百十一号議案
東京都指定障害児入所施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第二十九 第二百十二号議案
東京都心身障害者扶養共済制度条例の一部を改正する条例
第三十 第二百十三号議案
東京都ふぐの取扱い規制条例の一部を改正する条例
第三十一 第二百十四号議案
東京都動物の愛護及び管理に関する条例の一部を改正する条例
第三十二 第二百十五号議案
都民の就労の支援に係る施策の推進とソーシャルファームの創設の促進に関する条例
第三十三 第二百十六号議案
東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例
第三十四 第二百十七号議案
東京都地方卸売市場条例の一部を改正する条例
第三十五 第二百十八号議案
都道における道路構造の技術的基準に関する条例の一部を改正する条例
第三十六 第二百十九号議案
東京都公営企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例
第三十七 第二百二十号議案
東京都下水道条例の一部を改正する条例
第三十八 第二百二十一号議案
警視庁本部庁舎(三十一)大規模改修工事請負契約
第三十九 第二百二十二号議案
都営住宅三十一H─一〇五東(足立区竹の塚七丁目)工事請負契約
第四十 第二百二十三号議案
中川護岸耐震補強工事(その二百四)請負契約
第四十一 第二百二十四号議案
綾瀬川護岸耐震補強工事(その三十)請負契約
第四十二 第二百二十五号議案
当せん金付証票の発売について
第四十三 第二百二十六号議案
若洲海浜公園ヨット訓練所の指定管理者の指定について
第四十四 第二百二十七号議案
東京都石神井学園の指定管理者の指定について
第四十五 第二百二十八号議案
東京都小山児童学園の指定管理者の指定について
第四十六 第二百二十九号議案
東京都立東部療育センターの指定管理者の指定について
第四十七 第二百三十号議案
東京都立若洲海浜公園の指定管理者の指定について
第四十八 第二百三十一号議案
東京都奥多摩ビジターセンターの指定管理者の指定について
第四十九 第二百三十二号議案
首都高速道路株式会社が行う高速道路事業の変更に対する同意について
第五十 第二百三十三号議案
東京都立東京臨海広域防災公園の指定管理者の指定について
第五十一 第二百三十四号議案
東京都立高井戸公園の指定管理者の指定について
第五十二 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
第五十三 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例の報告及び承認について

   午後一時開議

○議長(石川良一君) これより本日の会議を開きます。

○議長(石川良一君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(石川良一君) これより質問に入ります。
 百十五番小山くにひこ君
〔百十五番小山くにひこ君登壇〕

○百十五番(小山くにひこ君) 東京都議会第四回定例会に当たり、都民ファーストの会東京都議団を代表して、小池知事及び教育長、関係局長に質問いたします。
 質問に先立ち、台風第十五号、第十九号を初めとする災害において亡くなられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
 また、本年十月二十二日に、名誉都民である緒方貞子さん、同二十四日に、同じく名誉都民である八千草薫さんが逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表し、心よりご冥福をお祈りいたします。
 女性活躍について伺います。
 先日、我が会派の女性議員一同は、小池知事に対し、東京に暮らす女性の多様な生き方の実現に向けた要望を提出しました。逝去された名誉都民のお二人は、それぞれの分野で大いにご活躍され、まさに女性の多様な生き方を体現された女性活躍の象徴ともいえる存在でありました。
 お二人のご功績を踏まえ、自身も女性初の防衛大臣や都知事を務められるなど、女性活躍を体現してこられた知事に、改めて女性活躍推進に向けた見解を伺います。
 補正予算案について伺います。
 本年、台風第十五号、第十九号を初め日本列島を多くの水害が襲いました。都内でも多くの地域に被害の爪跡が残り、一刻も早い復旧が望まれます。
 発災後、小池知事は速やかに現場を視察され、我が会派も被災地の現場に足を運び、被災された方々の切実なお声をいただきました。今般、我が会派の緊急要望を受け、被災地支援を含む防災対策が盛り込まれました補正予算案が提出をされましたが、知事の迅速な対応を高く評価いたします。
 本補正予算案には、防災対策に加え、暑さ対策や交通混雑緩和の取り組み、5Gのショーケーシングなど、東京二〇二〇大会の成功に向けた追加対策や、町会、自治会、商店街等の皆様のご尽力により、通学路、公園を初め地域に必要不可欠な公的インフラの一つとなりました防犯カメラの設置支援など、私たちがこれまで求めてきた内容が多く盛り込まれており、非常に意義あるものと考えております。
 そこで、本補正予算案を編成、提出された趣旨について知事の見解を伺います。
 防災対策について伺います。
 都は先日、令和元年台風第十五号及び第十九号等に伴う防災対策の検証を取りまとめました。一連の台風の災害対応に追われる中、短期間で検証結果を取りまとめ、初動体制の整備や、我が会派がかねてよりその重要性を訴えてまいりました電源確保対策など、多岐にわたる視点から課題を抽出し、さまざまな対策の方向性を整理した点を高く評価いたします。
 検証作業は実施して終わりではありません。直ちに実施できるものは速やかに実現をし、今後に備えて必要な対策を着実に講じていく必要があります。
 今回の検証結果を踏まえ、都はどのように今後の防災対策の強化につなげていくのか、知事の見解を伺います。
 日ごろの備えに関し、小池都政では、女性目線の「東京くらし防災」、子育て世代向けの防災絵本、さらに、知事がかねてよりその重要性を指摘されてまいりました乳児用液体ミルクも広がりを見せるなど、新たな視点での対策が進められています。
 加えて、今年度から新たに実施されておりますパパママ東京ぼうさい出前教室は、子育て世代のライフスタイルに合わせて身近な場所に専門家を派遣するものでありますが、大変人気が高く、今年度は募集枠の拡充に取り組まれたと聞いております。
 たび重なる台風、水害の発生により、都民の災害に対する意識も高まっており、この機を捉え、地域の防災活動に参加が困難な層を含め、積極的にアプローチする取り組みをさらに強化すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 小池知事は、台風第十九号の接近に伴い、都立高校の一部を避難先として開設し、避難者の受け入れを行いました。都立高校百九十施設のうち、避難所に指定されているのは百六十施設程度ですが、小中学校に比べて資機材が整っておらず、避難時に、毛布、水、食料等が不足するおそれもあります。都立高校を新たに避難所指定するに当たっては、地元自治体との協議が必要でありますが、可能な限り多くの都立高校を避難所として活用できる体制を整備すべきであります。
 一方で、都はこれまで、帰宅困難者対策として、都立高校などの都立施設を一時滞在施設として指定し、水や食料などの備蓄品の配備をしております。そのため、住民向けの避難先が不足する中、避難所に近い機能を有しているこれらの施設を弾力的に活用していくことも重要であります。
 そこで、都立一時滞在施設の指定をより一層進めるとともに、住民向けの避難先としても活用していくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 台風十五号により、島しょ地域では、多数の家屋被害や停電、断水などのライフライン被害が生じました。被害状況の把握に時間を要したほか、初動の応急対策に必要となる物資について、本土からの搬送に時間を要すなど、一時的な不足が発生をしました。
 災害時における被害状況を迅速に把握するために、災害ドローンが近年注目をされており、例えば、昨年の北海道地震では、土砂崩れの現場映像を撮影するなど迅速な情報収集に貢献をしております。また、先日の西多摩地域の道路崩壊に当たり、避難物資の輸送にドローンが活用をされました。
 今後、島しょ地域の情報収集体制をさらに強化するために、ドローンを活用するとともに、発災後の初動対応に必要となる物資についても迅速な調達手段を検討すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 小池知事就任後、無電柱化の取り組みは大きく前進してきました。
 二〇一七年には都道における電柱新設を禁じる都道府県初の東京都無電柱化推進条例を制定し、その後も、都道での事業強化や基礎自治体への支援拡大に取り組んでいることを評価します。
 先般の台風十五号では、島しょや千葉県にて多数の電柱が倒壊をし、長期の停電に陥るなど、災害時の電柱のもろさが改めて露呈をいたしました。島しょや多摩地域を含む都内全域での無電柱化の一層の加速が必要であります。
 台風第十五号の被害を踏まえ、防災機能の強化を目指す無電柱化をより一層進めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 都道においては、都の条例により電柱の新設を禁じることができていますが、区市町村道あるいは土地区画整理事業や新規の宅地開発においては、電柱が新設されてしまうことも大きな課題であります。
 東京都内の土地区画整理事業や宅地開発において、電柱が新設されない取り組みを推進すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 東日本の広い範囲で記録的な大雨をもたらした台風第十九号では、浸水面積や住宅の浸水被害が、平成最悪の水害といわれた昨年の西日本豪雨を上回っているとも報じられております。
 都内においては、区部の河川では、これまでの調節池など整備効果が大いに発揮され、幸いにも大きな被害には至りませんでしたが、総雨量六百ミリを超えた多摩の河川では、河川の氾濫や護岸崩壊などが発生をいたしました。
 今回の台風被害を踏まえ、特に多摩地域を流れる河川における豪雨への対応力を強化すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 台風、水害対策の大きな柱は、河川の整備、調節池の整備です。これまで私たちも繰り返し水害対策の強化を訴えてまいりました。
 都は、第三回定例会における我が会派の代表質問に対し、豪雨対策基本方針に定めた神田川などの対策強化流域において、事業中の約百十万立方メートルを含め、今後、合計約五百六十万立方メートルを貯留する調節池の整備が必要であるとの方針を示しました。
 昨年七月の西日本を中心とした豪雨や、今般の台風第十九号における被害を踏まえると、調節池の整備をさらに加速すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 災害時において、自治体のホームページは、住民にとって情報収集の重要な手段となっています。しかし、本年の台風十九号通過時に幾つかの自治体でホームページへのアクセスが困難な状況が発生したと聞いています。
 災害時のホームページによる情報提供の体制の強化に向けて早急に対応策を講ずるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 外国人への適切な災害情報の提供は、東京二〇二〇大会を控えた都において大きな課題であります。
 例えば、空港において防災情報を集約、発信する都のアプリのダウンロードを促す等、訪都外国人に対する防災情報の提供を強化すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 台風第十九号の影響のため、首都圏の鉄道各社により計画運休が実施されました。
 計画運休とそれに伴う休業体制等のあり方の検討は、子育て、介護、病気などを抱える都民の働き方やTDMにも通じるものであり、先日、知事から今後の計画運休時のあり方を検討する方針が示されたことは非常に意義深いと考えます。
 今回の計画運休の実施で得られた成果と課題、例えば、運休した翌日の運転再開に関する情報提供や都内企業の休業体制、従業員への周知のあり方などについて、労働団体、経済団体などと連携し、今後の定着に向けて計画運休時のあり方を整理すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 消防団は、地域の防火、防災のかなめであり、東京二〇二〇大会、そして、その後の地域の安全を確保するためにも、都から一層の支援が必要であります。
 我が会派の要望を受け、区部におきましては、東京二〇二〇大会に向けて、消防団の活動における暑さ対策の強化として新しい被服の導入が行われました。多摩地域においては、市町村総合交付金の政策連携枠の活用などにより、消防団の装備の充実が図られておりますが、消防団の暑さ対策などを推進する自治体への支援をさらに強化すべきであり、その観点からも、市町村総合交付金の一層の拡充を求めておきます。
 長期戦略について伺います。
 先日、我が会派は、東京都の長期戦略への提言を知事に提出をいたしました。
 我が会派は、かねてより、多様性こそが都市の成長の源泉と訴えておりまして、都民一人一人の人の多様な生き方の実現を支援し、それを都市の成長につなげる取り組みこそ長期戦略において重視されるべきと考えております。あわせて、都市のデジタル化、自然との融合も同時に進めながら、EBPMを活用して戦略を絶えず見直す視点も重要であります。
 また、現在の日本の地方自治制度は、都が世界の都市間競争に勝ち抜くため、戦略的、自律的な自治体運営に必要となる国から自治体への権限、財源の移譲が十分ではありません。都の長期戦略は、都の成長に加えて、日本全体を沈没させかねない現在の日本の統治機構の改革にもつなげていく必要があります。
 長期戦略に対する我が会派の提言を踏まえ、東京、そして日本全体の改革につなげる長期戦略の策定を進めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 我が会派は、かねてより、知事初め都庁が海外諸都市と積極的に交流することの重要性を指摘してまいりました。現行の都市外交基本戦略は二〇一四年に策定され、東京二〇二〇大会の成功を大きなテーマとしておりますが、東京二〇二〇大会が目前に迫った今、現行の基本戦略の成果を検証し、その先を見据えるべきであります。
 見直しに当たっては、海外の他都市の制度、政策を研究した上で積極的に活用する視点や、二都市間等での外交のみならず、国際会議に積極的に参加することや、国際会議における人脈、コネクション構築のため、担当者が継続して参加できるような体制づくりも検討課題であります。
 そこで、海外事例を積極的に都の政策に反映させることや、国際会議への継続的な参加を可能とすることに加えて、国際的な都市間競争の激化、気候変動や災害などの地球規模の課題が顕在化している状況の中、今後、新たな長期戦略の策定に合わせて、都市外交の基本戦略についても見直すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 現在、都は、職員の海外派遣を実施しておりますが、デジタル化等を中心に各局で新たな発想の提案が出るなど、その成果が出てきていると聞いております。現在の短期間のものに加え、長期間にわたる海外派遣は、職員の能力開発に加え、都市外交の観点からも重要であります。
 今後は、海外都市との協定の締結など、より長期間にわたる都庁職員の海外派遣も念頭に検討することを求めておきます。
 都市のデジタル化について伺います。
 東京、そして日本の持続的成長のために、ソサエティー五・〇の社会実装を含めたデジタル技術の活用は不可欠であります。しかし、ソサエティー五・〇を担う人材不足は深刻であります。
 今後、税務総合支援システムの抜本的な再構築を初め、都庁内においてもデジタル化の取り組みを加速度的に進めなければなりませんが、そのためには、都庁内外を含め、海外留学、派遣の支援や海外人材の東京への積極的誘致など、ICT人材の厚みを増すための行政計画の策定や戦略政策情報推進本部のさらなる強化なども検討すべきであります。
 そこで、都としてソサエティー五・〇を担う都庁内外の人材不足をどのように認識をしているのか、宮坂副知事の見解を伺います。
 5Gは、現行の4Gに比べ多くの基地局が必要になるため、各キャリア事業者が効率的かつ迅速にネットワークを構築するためには、基地局のアンテナなど設備の共用が不可欠となります。現状では、5Gの共用アンテナは製品化されておりませんが、水道スマートメーターのように都として実証実験を行うことによって、共用アンテナの製品化、低コスト化を後押しできる可能性があり、こうした先例を東京モデルとして全国展開することも視野に入れた取り組みを行うべきであります。
 今後、有識者やキャリア事業者が参加するTOKYO Data Highwayサミットでは、共用アンテナの活用や実証実験などについても検討すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 5Gの社会実装を進め、都内産業の支援につなげるためには、通信事業者以外にも利用可能なローカル5Gの利活用を進めることが重要です。ローカル5Gは、事業者がみずからの用途のために基地局を設置できるため、例えば、生産現場でAIやロボットと5Gを組み合わせ、自動化や遠隔操作による劇的な生産性向上の可能性を秘めております。
 一方で、まだ活用事例が少ないため、専門人材の不足や、中小企業の自社での活用イメージが困難であるなど、さまざまな課題があり、このような課題を乗り越えて産業分野における5Gの利活用をいち早く進めていかなければなりません。
 ローカル5Gの活用など、製造業や農林水産業など都内産業全般に5Gの利活用を推進すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 学校のICT環境の整備には非常に多くの意義がございます。
 生徒にとっては、これからの時代における鉛筆やノートと同等の文具といえるものであり、教師や行政にとっては、校務の効率化と教育におけるEBPM推進の基盤となります。
 加えて、学校は災害時の避難場所になるなど、地域コミュニティと行政の身近な接点です。学校のICT環境の整備は災害時の対応を初め、今後、地域コミュニティと行政の関係強化にもつながり得るものであり、これまで我が会派は、学校におけるICT環境整備の充実を強く求めてまいりました。
 まずは、都立学校において、基盤となる通信環境を早急に整備すべきと考えますが、教育長の見解を伺います。
 学校のICT環境整備に関しては、国からもさまざまな方針が打ち出されております。BYODモデル事業等の検証結果を踏まえ、国の動向を見据えながら、都立高校、都内公立小中学校における一人一台環境の整備に向けても検討すべきことを求めておきます。
 現在、都は、島しょ地域の診療所及び病院の機能を充実するため、高度専門医療機能を有する本土の医療機関との間で遠隔医療の取り組みを行っております。今後、5Gの社会実装が進むにつれて、遠隔医療は大きく広がる可能性があり、特に、医療資源が区部と比較して乏しい多摩地域においては、都民生活の大きな向上が期待をされます。
 特に、多摩地域において、高度専門医療機能を有する医療機関との連携など、遠隔医療の取り組みを実施すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 民間の事業者間取引の手段として、近年急速に電子契約の普及が進んでおります。電子契約は印紙税が課税されないなど、コスト削減効果や契約業務の効率化などの利点から、今後も利用が増加すると見込まれております。
 国においても、本年八月から、一部の契約案件について電子契約システムの運用が始まるなど、段階的に電子契約を導入しておりますが、地方自治体では導入事例がないと聞いております。
 都が電子契約を導入することは、都の契約業務の効率化だけではなく、受注者のコスト削減効果など、多くの都内事業者にとっても大きなメリットが期待でき、都は電子契約の導入を進めるべきと考えますが、都の見解を伺います。
 我が会派はかねてより、東京二〇二〇大会をその後の東京の発展につなげることの重要性を訴えてまいりました。パラリンピック東京大会の大きな目標であるソーシャルインクルージョンを大会後の東京の発展につなげるには、近時世界で議論をされております社会経済的な属性等にかかわらず、経済成長の機会と成果を全ての人々に届けるという包摂的な成長の視点が極めて重要であります。
 そこで、就労支援について伺います。
 昨年の第二回定例会よりさまざまな議論を経てきました、就労に困難を抱える方が生き生きと働くことのできる場であるソーシャルファームの創設を大きな柱とする条例案が本定例会に提出をされました。
 我が会派はこの間、専門性を有する議員によるプロジェクトチームを創設し研究を重ね、都への要望を行ってまいりましたが、改めて先月五日、知事に条例制定に関する要望書を提出いたしました。
 ソーシャルファームについて、国に先駆けて条例化を検討してきた都の取り組みに対し、全国から注目と期待が集まっております。
 海外では数多くのソーシャルファームが社会の中で活躍をしておりますが、日本では新規性が高いものであり、条例に規定さえすれば円滑に創設や普及が進むというわけではありません。そのため、都は、民間企業やNPOなどの参加も得て、ソーシャルファームの社会的機運の醸成に積極的に取り組むべきであります。
 新しい施策であるからこそ、我が会派が要望しておりますソーシャルファームへの財政支援や相談体制の構築、都が発注する契約における優先的取り扱いなど、さまざまな支援施策を強力に推し進めるとともに、しっかりとPDCAサイクルを回しながら施策をブラッシュアップし、ソーシャルファームの普及を進めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 我が会派はかねてより、障害、子育て、介護、シニア、ひきこもり、シングルマザー、病気など、仕事以外の事情により就労に困難を抱えている方々が、その人らしく働くことを可能にする就労支援の実現は、都の今後の成長のためにも極めて重要と訴えてまいりました。条例案では、ソーシャルインクルージョンの考え方に立って、就労支援を行うことが明記されており、都の成長につなげる視点から施策をブラッシュアップする必要があります。
 条例案では、都民への支援として、都立施設や民間の教育機関等を活用した職業能力の開発、向上がうたわれております。
 就労支援を都市の成長につなげる観点からは、こうした事情を抱えている方々を東京の多様な産業を支えるための人材育成プログラムへの支援へつなげるなど、専門的で高度なスキル向上支援を行っていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 二人に一人はがんになり、三人に一人はがんで死ぬといわれる現在、がんを初めとする病気と仕事を両立できる就労支援、そして、がん教育、がん検診を初めとする予防的アプローチは極めて重要であります。
 がんと診断されたときに就労していた方の約四人に一人が退職をされており、がんに罹患しても、治療を受けながら仕事を継続できるよう、治療と仕事の両立が可能な環境整備が必要であります。
 都では、本年度から、働きながら治療を受けやすい医療提供体制の構築等に向けて、平日夜間や土日における外来薬物療法等を試行実施しております。
 そこで、試行実施の利用状況を踏まえながら、がん患者の治療と仕事の両立支援を一層進めるべきと考えますが、都の見解を伺います。
 事業承継について伺います。
 都内中小企業が競争力を強化し成長していくことも、包摂的な成長には必要不可欠であります。経営者が交代した承継企業は利益率が高い傾向にあり、早期の事業承継を促すことは中小企業の成長にもつながります。単に今あるものを承継するだけではなく、時代の変化に合わせて事業の多角化、経営改革の実施、統合によるスケールメリットなど、発展的な形での事業承継が求められております。そのため、MアンドAも事業承継の有力な選択肢であり、今や親族外承継の割合は三割を超えております。
 他方、MアンドAに取り組む民間のファンドでは収益性を重視する余り、成長可能性を有しながらも、その事業規模などから投資対象になりにくい中小企業も存在をしておりまして、成功事例の創出や、都がみずから出資し民間資金を呼び込むことは効果的であります。
 そこで、発展的事業承継に必要となるMアンドAに対する支援を強化すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 犯罪被害者支援について伺います。
 都はこれまで、犯罪被害者等に係る支援計画を策定して支援を実施してまいりましたが、我が会派の提案を受け、犯罪被害者条例の検討を進めております。
 先般、都は条例案の概要を公表しましたが、我が会派の主張を受け、被害者の方々が多数に上る事件等が発生した場合における緊急支援の実施が新たに盛り込まれた点を評価いたします。引き続き、被害者に対する経済的支援等についても積極的な検討を求めておきます。
 条例の検討を進めるに当たって、被害者支援団体等からは、司法の経験がない被害者が被害後、刑事、民事の手続を行うに当たって必要となる法律相談に係る費用が経済的な負担になっていることや、性犯罪の場面など、被害者自身が自覚していない等で受診がおくれると、精神的被害からの回復のおくれにつながるケースがある等の指摘も出ております。
 我が会派が繰り返し求めてきたとおり、被害者の置かれている状況を踏まえ、一刻も早く具体的な支援策を実施することが必要であります。
 今後、こうした課題を解決するため、令和三年度を始期といたします第四期支援計画の改定を待たず、条例の制定に合わせて支援策を充実強化していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 子育て、教育について伺います。
 厚生労働省によれば、本年九月までの出生数は約六十七万人と、前年同期比で五・六%減少しております。このまま推移すれば、一八九九年の調査開始以来、初めて年間出生数が九十万人を下回る見込みであり、少子化に歯どめがかかっていないどころか、加速している状況すら見られます。
 この背景には、価値観の多様化、経済的負担に加え、出産や子育てにまつわる負担感も大きな要因でございます。
 核家族等により、周囲のサポートなしで子育てに向き合わなくてはならない場面がふえ、育児の悩みを一人で抱え込み、精神的にも追い詰められる場面が多いという切実な声が私たちのもとにも届いております。経済的負担への対応、さまざまな行政サービスの充実に加え、地域社会で子育て家庭を支えていく、こういった社会全体の機運を生み出していかなければなりません。
 我が会派が実施をいたしました子育てをしている二十代から五十代の都民アンケートでは、実際の子供の数は約五割が一人だったのに対して、欲しい子供の数は一人と答えたのはわずか五%で、二人と三人が合計で七五%と、二人目、三人目が欲しいと思っている都民が多い実態がわかりました。
 また、子育てしやすい東京とするために、さらに必要な支援として、妊娠、出産の費用の助成が五割以上でトップ、産前産後のケアの充実、多子世帯への財政支援についても、それぞれ三割が必要と回答をしております。
 我が会派は、先日知事に提出をいたしました長期戦略への提言の中で、二〇四〇年に向けて、合計特殊出生率二・〇七を目標に掲げ、世界一子育てしやすい都市東京宣言の実現に向けて、関連施策を総動員することを求めました。
 こうした観点に立って、長期戦略ビジョンにおいては、少子化からの脱却に向けて、大胆な方針を打ち出すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 出産、子育て支援について伺います。
 子供を安心して産み育てられる子育て環境の整備に当たっては、妊娠期から子育て期にわたって切れ目ない支援を行うことが重要であります。
 都がこれまで実施してまいりました、ゆりかご・とうきょう事業は、私たちのもとにも利用者から高い評価の声が届いており、我が会派は、次年度以降の継続、強化を強く求めてまいりました。
 第三回定例会の代表質問において、知事からも、本事業の重要性の認識に関する答弁がありました。
 次年度以降は、産前に比べると区市町村の取り組みにばらつきが多い産後ケアの充実や、特に子育ての負担が大きい多胎児を初め、多子世帯への配慮が重要であります。
 都は、児童虐待防止のため、都内保育所などを通じて、体罰などによらない子育てハンドブックを配布しており、評価する声が私たちにも届いておりますが、産後ケアは虐待の防止にも意義があるものといえます。
 今後、特に産後ケア、そして、多胎児を含め多子世帯の側面にも一層力を入れ、ゆりかご・とうきょう事業を継続し、区市町村の取り組みを手厚く支援していくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 母親は出産直後に生活が激変するため、その負担を軽減し、出産、子育てのハードルを低くすることが重要ですが、仕事や家事に加え、育児まで母親一人で行うのは余りにも苛酷であります。母親の負担軽減に当たっては、ショートステイや一時保育の利用、家事代行やベビーシッター、時短家電の導入などさまざまな手法がありますが、母親は、特に出産直後、仕事をしていない状況があり、その利用に対する経済的なハードルは高く、家事、育児の負担を一人で抱え込んでしまうことが多いのが実情であります。
 出産直後に生活が激変する母親に対する経済的支援を実施すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 出産直後の母親の生活の激変は、既に小さい子供がいる多子世帯や多胎児に関しては、一層厳しいものがあります。
 多胎児を含め多子世帯に関し、出産直後に生活が激変する母親に対する経済的支援を実施すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 子供の権利擁護について伺います。
 里親制度について、都は、年齢要件の緩和など、その対象を拡大し、施設から家庭への流れを促進してまいりました。児童相談所の担い手不足が深刻化する中で、子供に新たな家庭をもたらし、愛情を注ぐ里親の拡充は、今後の児童養護施策において不可欠であります。
 一方で、里親からは、里子を親権者に戻される際に十分な説明が受けられなかった、里親を続けたい立場としては、都や児童相談所に異議を唱えることができないなどの声も上がっており、里親を推進するためにも、こうした里親の声を真摯に受けとめる必要があります。
 また、子供を里親から親権者に移管する場合において、十分な子供の意思確認がされず、子供の権利擁護の観点からも検証を必要とするケースがあるとも聞いており、独立した子供意見表明支援員の配置なども提唱をされております。
 里親へ委託された子供を含め、子供の最善の利益のために、子供の意見表明を尊重し、児童相談所の対応を検証できるようにするほか、里親制度は、里親が親権を持たない制度とはいえ、里親の不服などの申し出に対して、丁寧かつ慎重に対応できる制度を設けるべきと考えますが、都の見解をお伺いいたします。
 新たな学力向上策について伺います。
 ソサエティー五・〇の到来により、未来を担う子供たちには、全ての学びの基礎、基本に加え、みずから新たな価値を創造する能力が求められております。
 英語力はソサエティー五・〇の時代、必須の能力でありますが、先般の決算総括質疑でも伺いましたとおり、TOKYO GLOBAL GATEWAYの実績を踏まえ、多摩の子供たちを含め、より多くの都民が、TOKYO GLOBAL GATEWAYと同じような環境で学ぶことができる英語教育環境の整備を改めて求めておきます。
 令和二年度から小学校において、令和三年度から中学校において、新学習指導要領が全面実施をされます。これからは、子供たちには、基礎、基本はもとより、何のために学ぶのか、どのように学ぶかをみずから考え、生涯にわたって、みずから学び続けることのできる力を養成することが必要であります。
 これまで都では、全国に先駆けて都独自の学力調査を実施するなど、さまざまな学力向上策に取り組んでまいりました。
 適切な課題を設定し、みずから学び続ける力など、これからの時代を生きる子供たちに求められる資質、能力を育成するため、義務教育段階における新たな取り組みが必要と考えますが、教育長の見解を伺います。
 専門高校における人材育成について伺います。
 本年、都立農業高校は、創立百十周年、定時制課程七十周年を迎えました。その記念式典では、生徒代表の挨拶において、新規に就農したいという強い思いと決意が語られました。
 これまで、農業や工業を初めとした都立専門高校においては、生徒に職業への意欲や専門知識と豊かな技術を育成してまいりました。農業系高校においては、安心・安全な農作物を社会に提供するための工程を学ぶGAP認証の取得を促進するとともに、学校で生産した農産物を東京二〇二〇大会で提供することを目指しております。
 また、工業高校においても、地元の企業や熟練技術者等との連携により、実践的な技術、技能を習得させるなど、都立専門高校の卒業生が東京の生産、産業基盤を支えてきたといっても過言ではありません。
 一方で、ソサエティー五・〇、AIやIoTといった技術革新が急速に進み、近い将来、社会の大きな変革が進むことになります。
 そのような新たな社会において活躍できる人材を都立の専門高校においてこそ育成していくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 芸術文化について伺います。
 東京二〇二〇大会を契機に、文化の魅力あふれる都市、東京を実現するためには、大会後の芸術文化を支える裾野を広げることが重要であります。
 都立文化施設ではこれまでも、美術館、博物館の学生観覧料を無料、減額するなどの支援を行ってきたと理解しておりますが、都は、東京二〇二〇大会に向けて、東京の多彩な芸術文化の魅力を国内外に発信するさまざまな文化イベントをTokyo Tokyo FESTIVALとして実施をしており、東京二〇二〇大会は、より多くの若者が文化に親しむ絶好の機会といえます。
 これからの東京を担う若い世代が芸術文化に触れる機会をふやすための取り組みを実施すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 受動喫煙対策について伺います。
 来年四月一日から、東京都受動喫煙防止条例及び改正健康増進法が全面施行となります。IOCは、たばこのない五輪を掲げており、東京二〇二〇大会の競技会場は大会期間中の敷地内全面禁煙が決定をしております。
 開催都市東京は、世界の潮流であるスモークフリーの実現のため、都条例の全面施行に当たって万全の体制をとるべきであり、我が会派は、指導や罰則の適用に当たる保健所の人員体制の拡充や、その他啓発、指導助言に当たる人員体制の創設についても、これまで繰り返し求めてまいりました。
 単純な比較ができるものではありませんが、例えば、路上喫煙禁止条例のための普及啓発員を配置しているある区は、そのための経費として三億円の経費を要しているとのことでありました。さらにWHOは、都の大きな政策課題の一つである認知症と喫煙の関係性も指摘しており、超高齢社会への対応としても、受動喫煙対策に対する都の強い姿勢が求められております。
 都条例の実効性確保のため、受動喫煙防止条例対策を強力に推進すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 認知症について伺います。
 我が会派は、認知症とともに生きる共生社会の実現に向け、認知症を福祉の中で語るだけではなく、認知症に優しいデザインの導入など、交通、金融や住宅、行政サービスなど、全庁横断で施策をアップデートする必要性を指摘してまいりました。
 来年度の予算要求の中で、高齢者の特性を踏まえた顧客サービスの推進の検討が盛り込まれていることは、我が会派の主張が取り入れられたものであり、極めて重要と考えております。
 認知症の予防について、我が会派は、認知症疾患医療センターの機能強化により家族支援を充実するよう求めてまいりました。今後は、認知症の早期発見を早期絶望にしないため、診断の先の社会的支援を重視し、初期段階での集中的かつ伴走型の支援の強化が重要であります。
 また、認知症の方や家族を地域で応援する認知症サポーターの養成も都内各地で進んできておりますが、こうした方々に地域の中で活躍していただくことも重要であります。
 そこで、今後は、認知症への早期対応を図るため、認知症疾患医療センターによる支援や認知症サポーター等の地域資源につながる取り組みを一層強化し、認知症の方及びその家族への支援につなげるべきと考えますが、都の見解をお伺いいたします。
 都立病院改革について伺います。
 知事より所信表明におきまして、都立病院の独立行政法人化を進める方針が示されました。
 現在の経営形態では、患者のニーズに応じた柔軟な人員配置に時間を要することや医師の兼業が原則禁止されており、都立病院の医師が民間病院からの技術支援要請に応えられない、予算の単年度主義の縛りにより経済合理性を十分発揮できないなどのさまざまな課題が存在をしており、地域医療の担い手としての経営基盤の強化が必要であります。
 公社病院については、都立病院との連携強化により、スケールメリットのほか、医療資源の少ない二十三区東部や多摩地域全体の医療の一層の充実につなげる取り組みも期待されております。
 現状約四百億円という一般会計から病院会計への繰入金が、高齢化の進展とともに増加することが想定をされております。都立病院経営委員会から、独法化を含めて経営形態の変更を検討すべきとの提言が出されてから約二年間、都では丁寧な検討が行われてきたものと理解をしておりますが、地域医療の今後のあり方を含めた都の長期戦略が検討されている今こそ、都立病院、公社病院の一体的な改革により、地域医療の一層の充実につなげるべきであります。
 他方、災害時の医療や、採算性の観点から民間医療機関だけでは十分な医療が提供されない周産期医療や救急医療といった行政的医療等について、都立病院に課せられる役割は極めて重要であります。
 都立病院には、将来にわたり行政的医療に率先的に取り組むことが求められ、独法化の検討に当たっては、医師、看護師等など医療現場で働く職員の理解を得ながら、行政的医療を安定的に提供し続けることを前提としたスケジュール感も持ちながら検討を進めていくことが重要であります。
 都立病院の独法化に当たっては、行政的医療の確保や現場の理解といった点に配慮しながら進めていくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 気候変動対策について伺います。
 今月二日から、気候変動枠組条約締約国会議、COP25が開幕されており、国連事務総長は、人類は文明を脅かす気候危機に対し、希望か降伏のいずれかを選択しなければならないと述べておられます。
 来年一月からパリ協定による取り組みが開始され、国における対策の強化が求められておりますが、大都市の責務として、都の取り組みも極めて重要です。
 都は本年五月、二〇五〇年までに世界のCO2排出実質ゼロに貢献する、ゼロエミッション東京の実現を宣言されました。これは政府から十分な目標、対策が示されない中で、日本をリードする大変意欲的な表明であり、年内に発表予定のゼロエミッション東京戦略では、その具体化が求められております。
 現在の気候非常事態ともいうべき状況において、いかに対応していくのか、知事の認識と今後の対応をお伺いいたします。
 インクルーシブ公園について伺います。
 障害がある子供も含め、全ての子供たちがともに楽しむことができる遊具等が設置をされたインクルーシブ公園、例えば、体を支える力が弱い子供が揺れる感覚を楽しめる遊具やスロープがついた大型遊具などが設置される公園が、砧公園と府中の森公園で整備が進められております。
 先日、インクルーシブ公園の実現に主導的役割を果たしました我が会派の龍円都議がその取り組みを評価され、マニフェスト大賞を受賞しました。インクルーシブ公園の一層の広がりが期待をされております。
 インクルーシブ公園の整備に関し、都立公園のほか、渋谷区や豊島区でも前向きな検討が進んでいると聞いており、都としては、区市町村立公園における広がりの支援を検討していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 駐車場の附置義務について伺います。
 都は、約六十年前に駐車場の附置義務条例を制定しましたが、都内の自動車台数の減少傾向やコインパーキングの整備等により、駐車場の需給バランスは転換点を迎えたといえます。
 まちづくりの観点からも、適温管理にすぐれ、防音性が高い地下空間は、映画館やホール機能として活用されるようになり、地下空間の有効活用が求められるようになりました。
 都はこうした動向を踏まえ、駐車場の附置義務について見直しを繰り返してきましたが、附置義務の緩和措置を受けるためのハードルが高いのが現状であります。
 我が会派は、今後ますます高まる地下空間の有効利用のために、都内の駐車場の需給予測を立て、駐車場の附置義務を抜本的に見直すべきと、これまで申し上げてまいりました。改めて、都の見解をお伺いいたします。
 中央卸売市場条例改正について伺います。
 卸売市場法の改正を踏まえて、取引に関するさまざまな規制を緩和し、中央卸売市場の活性化を目指す条例改正案が提案をされております。
 市場を取り巻く環境が大きく変化し、また厳しさも増している中で、卸売市場のあり方そのものが問われており、将来の市場を見据えれば、今回の条例改正はあくまでスタートにすぎません。
 これを契機に、市場業者による創意工夫ある取り組みや持続可能な市場経営に向けた取り組みを加速させていく必要があります。
 条例改正を一つのきっかけとして、新しい時代にふさわしい市場をつくり、市場の未来を切り開いていくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 市場を取り巻く環境変化にしっかりと対応していく必要があるのは、取引の主役となる市場業者でもあります。条例改正によって取引ルールが大きく変わる中、今回の制度改正の趣旨や具体的な内容について、まずは市場業者にしっかり理解してもらうことが重要であり、市場業者に寄り添いながら施行までの準備を丁寧に進めていく必要があります。
 また、今後の人口減少や高齢化のさらなる進展など、社会環境の変化も見据えて、市場業者が新たな取り組みを進めなければ、今後の展望は開かれないともいえます。
 都は、制度改正への準備や時代の変化に即した創意工夫など、市場業者による取り組みを促していく必要があると考えますが、都の見解を伺います。
 東京二〇二〇大会について伺います。
 大会をその後の東京の成長につなげるには、大会の成功が大前提であり、そのための万全の準備が必要です。
 先般、IOC調整委員会及び四者協議において、東京都の合意なく、東京オリンピックのマラソン及び競歩競技を札幌で行うことが決定されました。
 私たちは、トップアスリートが東京での開催を目指してきた準備などを踏まえ、アスリートファーストなら、マラソン、競歩競技は東京で開催すべきと考え、あらゆる場面で訴えてまいりました。この確信は、現在でもいささかも揺るぐことはありません。
 都民の期待を裏切り、合理的検証も不十分なまま、東京都の合意なしに札幌移転を決定したIOC、組織委員会の対応は極めて残念であり、激しい憤りを感じます。
 今後も我が会派は、都民の代表である都議会議員として、東京二〇二〇大会の成功のため、全力で取り組んでまいります。
 改めて、今回のマラソン、競歩の札幌移転決定と今後の大会の成功に向けた取り組みに関する知事の見解を伺います。
 マラソン、競歩が東京で開催されなくなったために意気消沈していらっしゃるチケット保有者、沿道で応援予定だった都民の皆様も多くいらっしゃいます。大会開催期間中に、その都民のため、大会の記憶を刻むことのできる取り組みを、新国立競技場及びコース付近などを利用し、実施されることを強く要望しておきます。
 九月二十日に開幕し、南アフリカの優勝によって幕を閉じたラグビーワールドカップ二〇一九日本大会は、日本チームの活躍もあり、大きな成功をおさめました。我が会派が繰り返し指摘してまいりましたとおり、ラグビーワールドカップで構築したノウハウを磨き上げ、反省点の改善を行い、来年の東京二〇二〇大会に生かしていく必要があります。
 ごみの対応、スタジアム近隣との関係性、会場周辺における輸送の円滑化、会場のインターネット環境、台風を含め、対応が必要となる気象条件時のオペレーションなど、経験したからこそわかった多くの課題があると理解をしております。
 ラグビーワールドカップで得られたさまざまな知見を来年の東京二〇二〇大会の成功へとつなげるべきと考えますが、都の見解を伺います。
 都は、オリンピック・パラリンピック教育の集大成として、観戦を希望する都内の全公立、私立学校、幼稚園、そして我が会派の求めを受け、保育園児等の未就学児に対しても、子供たちの大会観戦機会の確保を進めてまいりました。
 あわせて、私たちは、オリ・パラ教育の一環として、あらかじめ学校の授業等で観戦に行く競技の詳細を教えておくことに加えて、観戦チケットの手配のみならず、子供の年齢、車椅子対応、暑さ対策など、子供たちの個別の事情に十分配慮しながら、観戦の機会が子供たちにとってすばらしい記憶として残るよう、さまざまな対応を進めるべきと求めてまいりました。この関連施策が補正予算案に盛り込まれたことを高く評価いたします。
 オリ・パラ教育におけるこれまでの取り組みの成果を踏まえ、大会後もレガシーとして継続していくよう取り組みを進めるべきと考えますが、教育長の見解を伺います。
 また、ことしに入って行われた最終意向調査では、暑さや引率の困難さ等の理由から、小学校低学年において辞退する自治体が出てまいりました。
 遠方や低年齢といった理由のために観戦を諦めた子供たちも、会場での大会観戦にできるだけ近い体験ができるよう、区市町村が実施するコミュニティライブサイトや、パブリックビューイングにおける観戦機会の充実に向け、都として区市町村の支援に取り組むべきと考えますが、都の見解を伺います。
 交通混雑緩和策について、都から示されましたロードプライシングの最終案では、物流関係や福祉関係の車両が対象外とされており、これは、大会の成功と都民生活の両立を求めてまいりました我が会派の主張を取り入れたものと評価をさせていただきます。
 ロードプライシングは都民生活に大きな影響を与えるものですが、東京二〇二〇大会を機に、スムーズビズが定着すれば、慢性的な都心の混雑を緩和するレガシーにもなり得るものであります。
 我が会派は、ロードプライシングや会場周辺の交通対策に関して、都民、事業者に対する積極的な情報提供と丁寧な説明を求めてまいりました。その観点から、補正予算に含まれているエリアごとの混雑情報のデジタル媒体を含めた発信、その後の中小企業の個別相談の取り組みを含めて、極めて重要と考えます。
 交通混雑緩和の一連の取り組みに関し、今後も、都民、事業者の求めや状況の変化に応じ、丁寧な対応を行うとともに、大会後のレガシーにもつなげるべきと考えますが、都の見解を伺います。
 我が会派は、都の発注工事において、東京二〇二〇大会開催中の交通対策によって、工事の一時中止等を余儀なくされる場合には、事前にしっかりと広報、周知活動を行うとともに、費用負担を含む対応を求めてまいりました。
 今般、都庁発注工事の基本的な考え方が示され、工事発注の平準化、必要な経費の例を示しながらの工事調整等に関する経費、工期設定の考え方など、工事関係事業者の実情に配慮した対応方針が示されましたことを評価いたします。
 今後は、この基本的な考え方を原則としながら、工事関係事業者の声を聞きながら、工事の実態に即し、工事関係事業者へ十分配慮した工事の発注を行うべきと考えますが、都の見解を伺います。
 建設労働者の賃金について、設計労務単価に比べ低い現場があるという声が、我が会派にも届いております。今後の公共工事の担い手を確保するためには、労働者の適切な賃金水準を確保されることが重要であります。
 これを実現するための方策として、公契約条例などもその一つの考えとして考えられ、適切な賃金水準の確保に向けた取り組みを強化すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 我が会派では、モビリティー政策研究会が中心となり、都内の河川や東京湾などで、船による現場視察や調査を幾度となく実施をしており、新たな交通手段や観光資源としての舟運の確立に向け、東京二〇二〇大会時にも活用すべきと提案をしてまいりました。
 本年六月に公表されました輸送運営計画V2(案)では、海の森水上競技場等について、舟運による観客輸送の検討が記載されており、大会時における既存交通機関の混雑緩和や効率的な輸送を考えた場合、交通結節点とつなぐことは重要と考えます。具体的には、JR浜松町駅、都営地下鉄大門駅やゆりかもめ日の出駅と近い、日の出桟橋を活用すべきであります。
 大会時の舟運の活用は大変重要な施策であり、大会時において、舟運による観客輸送を積極的に活用すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 若洲海浜公園の指定管理について伺います。
 本定例会では、同公園の指定管理者に関する議案が提出をされています。その対象として、ゴルフ場等のほか、あわせて隣接するヨット訓練所についても、指定管理者候補者が選定をされております。今回の選定では、東京二〇二〇大会の円滑な運営のため、現行の指定管理者の特命による延長は理解できます。しかし、指定管理者制度の目的は、民間のノウハウを生かして、よりよいサービスや管理手法を追求していくことであり、延長期間においては、今まで以上に都民向けサービスの向上や効率的な運営が必要であります。
 さらに、若洲海浜公園のゴルフ場とヨット訓練所は、求められるサービスと専門性が大きく異なっていることから、次期指定管理期間においては、ゴルフ場とヨット訓練所を分離して指定管理していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 先日、パラリンピックの聖火リレーのルートが発表されました。私たちはかねてより、パラリンピックの聖火リレーにおいて、多くの都民の参加を促すとともに、障害者も健常者もともに輝くダイバーシティー東京の姿を世界に示す絶好の機会だと考えております。
 その実現のためには、聖火が通過する自治体、通過しない自治体の双方ともに、聖火リレーを体感できる仕掛けが必要と考えますが、都の見解を伺います。
 パラリンピックのマラソンの機運醸成について伺います。
 私たちは以前より、知事も常々おっしゃられているとおり、パラリンピックの成功こそが東京二〇二〇大会の成功と捉えて準備を進めてまいりました。
 先日、IOCの一方的決定により、オリンピックのマラソン、競歩の札幌開催が決定をされましたが、今回、東京の魅力を世界に発信する一大契機として、パラリンピックのマラソンを位置づけることが極めて重要です。
 パラリンピックのマラソンを東京の魅力、ダイバーシティー、インクルージョンを体現する都市東京を世界に発信する機会とする取り組みが必要と考えますが、知事の見解を伺います。
 東京二〇二〇大会が成功し、都民の祝福を得るためには、大会そのものの盛り上がりに加えて、しっかりとした経費管理や透明性の高い運営が必要であります。
 我が会派は、大会に都民の多額の税金が投入されている以上、組織委員会が責任を有する大会の準備と運営に対して、都民の利益に基づく民主的ガバナンスを強化する必要があると指摘をしてまいりました。この点の重要性は、今回のマラソン、競歩の札幌移転の件で、改めて確認されたといえます。
 都は組織委員会に対し、マラソン、競歩の件を含め、都への報告時期の妥当性や組織委員会内部での情報共有体制、適切な意思決定のあり方など、組織委員会の組織上、ガバナンス上の問題点に関し、改めて正式な報告を受けるべきであります。
 さらに、オリンピック・パラリンピック招致委員会については、先日、一部報道もありましたが、不透明な点もあり、特に文書管理に課題が多いといえます。組織委員会が、同じ轍を繰り返してはなりません。そのためには、大会が終了する前に、ルールをしっかりと定めておくことが重要です。そのことによって、大会の歴史的価値が維持をされ、大会に向けての道筋もわかり、国際的な大会開催の参考にも、後からの経費の検証に資することにもなります。
 そのためにはまず、現在の組織委員会の文書作成や保管のルールをしっかり定めるとともに、大会後の文書の承継する組織や仕組みについて、都がしっかりと関与し、組織委員会の解散前に定めていくことが必要不可欠であります。
 IOCとの関係や他の団体、関係する法令等との調整も不可欠でありますが、組織委員会の文書の保管や承継のルールづくりにおいて、都として積極的に働きかけていくべきと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。
 以上で都民ファーストの会東京都議団を代表しての代表質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 小山くにひこ議員の代表質問にお答えをいたします。
 まず、女性活躍の推進についてのお尋ねがございました。
 東京が成長と成熟の両立をなし、都市としてさらなる進化を果たしていくためには、これまで以上に多くの女性が活躍できる環境を整えることが肝要であります。そうした確信のもとで、知事就任以来、約五千人減少いたしました待機児童への取り組みを初め、都として初となる女性活躍推進計画の策定、女性ベンチャーの成長促進、さまざまな分野で輝く女性の姿を発信する懇話会など、女性活躍の推進に向けて積極的に取り組んでまいりました。
 女性活躍を進める上では、お話のように、十月に逝去された名誉都民緒方貞子さん、八千草薫さんの多大なる功績を忘れてはいけません。
 緒方貞子さんは、女性初の国連難民高等弁務官を務められるなど、グローバルに活躍する日本人女性の先駆けでいらっしゃいました。常に理路整然、果敢な行動力と抜群の英語力、そして深い包容力をもって、みずからの使命を果たされた方であり、世界からこれほど信頼された日本人はおられないと私は思います。私も多くのことを学ばせていただきました。
 八千草薫さんは、舞台、映画、ドラマと幅広く活躍され、日本を代表する女優として多くの世代に親しまれました。ことしの五月まで公の場に姿を見せられるなど、生涯現役を貫かれた姿勢に、大きな感銘を受けたところであります。
 改めて、お二人に謹んで哀悼の意を表し、安らかな眠りにつかれますよう心よりお祈りを申し上げます。
 お二人が精力的に活躍された姿を胸に、引き続き、幅広い分野において女性の活躍を後押ししていく、その先に、女性が輝くことで男性も輝き、未来が輝く、そのようなダイバーシティー東京を築いていく決意でございます。
 また、グローバルに活躍された日本人として忘れてならないのが、長年、アフガニスタンの復興に携わってこられました医師中村哲さんでいらっしゃいます。中村医師は、アフガニスタンという危険な地で、弱い立場にある現地の人々に寄り添い、医療やかんがい事業などに力を尽くされました。国際社会におきまして、平和に向けた行動とはどういうものなのか、身をもって示された方であり、心から哀悼の意を表し、ご冥福をお祈りいたします。
 補正予算についてのお尋ねでございます。
 本年九月から十月におけます台風被害につきましては、私自身も被災現場をこの目で確かめ、被災された方々の切実なお話を伺う中で、一日も早い復旧に向けた取り組みや緊急に進めるべき防災事業を時期を逸することなく講じていかなければならない、その思いを強くしたところであります。
 また、東京二〇二〇大会の成功に向けましては、これまで実施してまいりましたテストイベントなどにおきまして、浮かび上がってきた課題に的確に対応するため、さらなる暑さ対策や交通混雑緩和などの追加対策に取り組むことは重要であります。
 加えまして、地域における都民の安全・安心を確保するためには、町会や自治会などへの防犯カメラの設置支援を着実に進めていく必要がございます。
 こうした考えのもとで、台風被害の復旧、復興や今後の災害への備えを進めるとともに、東京二〇二〇大会の確実な成功、地域における安全・安心の確保などの課題に対応するため、補正予算を編成して、前倒しでの実施が必要な施策に速やかに着手することといたしました。
 今回編成いたしました補正予算をてこに、都民の生命と財産を守り抜くための都市力を強化するとともに、大会後のレガシーも見据え、大会成功に向けた準備の総仕上げにしっかりと取り組んでまいります。
 風水害対策の検証結果を踏まえました防災対策の強化についてのご質問であります。
 近年、地球温暖化によります気候変動の影響を受けまして、日本各地で大規模な風水害が毎年のように発生しております。
 昨年は、西日本で豪雨災害によります大きな被害が発生し、都におきましては、防災事業の緊急総点検を実施、これに基づき、マイタイムラインの普及拡大や新たな調節池の整備、土砂災害警戒区域の指定の加速化など、十二の項目について取り組んでまいりました。
 こうした中、ことしは強力な台風が東京を矢継ぎ早に襲い、さらに新たな課題が浮き彫りとなりました。
 そこで、全庁を挙げまして風水害対策の検証を行って、多くの区市町村が参加するリアリティーの高い図上訓練の実施、立川地域防災センターの機能強化と多摩方面を主に担任する危機管理副監の設置によります体制整備など、風水害への備えを一層強化するための三十五の対策を先月明らかにしたところであります。
 これらの対策につきましては、現在改定作業を行っております地域防災計画風水害編に反映させるとともに、具体的な事業として取りまとめをいたしまして、区市町村等との調整などを行った上で、可能な限り早期に実施を図ってまいります。
 備えよ常にの精神で、一層の防災事業のグレードアップを行いまして、セーフシティー東京の実現に全力で取り組んでまいります。
 都民の防災意識の向上についてのお尋ねでございます。
 発災時に被害を軽減するためには、都民一人一人が自分や家族の命を守るとともに、地域住民による共助の取り組みが欠かせません。
 そこで、都は「東京防災」や「東京くらし防災」を活用したセミナーなどを開催し、さまざまな普及啓発活動を行っております。
 このうち、今年度から開始いたしましたパパママ東京ぼうさい出前教室では、子供と一緒に学べることやグループの日ごろの活動場所で実施するなど、子育て世代が参加しやすい工夫を行ったところ、三十グループの募集に対しまして七十グループの応募がございました。このため、応募した全てのグループが参加できますよう、急遽実施枠を拡大して対応したところでございます。
 また、マンションの管理組合や町会、商店街などを対象といたしました東京防災学習セミナーにつきましても、マンション防災や避難生活、地域防災コンサルティングなど十種類のコースからテーマを自由に選択できることが注目され、募集枠を超える多数の応募がございました。
 このため、来年度は、より多くの方に参加していただけますように、これら二つの事業について、募集規模の大幅な拡大を検討してまいります。
 都民ニーズにきめ細かく対応いたしました普及啓発に向けた創意工夫を行いまして、都民の防災意識の向上を図るとともに、地域の防災力を強化してまいります。
 都立一時滞在施設の避難先としての活用についてのお尋ねでございます。
 今回の台風十九号では、都内全域で約十八万六千人の方々が避難を行われ、一部の地域におきましては、区市町村の想定を超える避難者があり、避難先が不足する状況が生じました。
 そのため、都は、地元自治体の求めに応じまして、都立高校や東京武道館などの都立一時滞在施設を風水害時の避難先として開放いたしまして、避難される方々を受け入れたところでございます。
 都立一時滞在施設は、震災時に行き場のない帰宅困難者を滞在させる場所として、三日間程度の滞在が可能となっております。このため、今回の教訓を踏まえて、浸水などのおそれがない場所に立地する都立一時滞在施設をあらかじめ避難先として位置づけまして、活用を図ってまいります。
 今後は、改めまして都立施設の精査を行って、一時滞在施設への新たな指定を進めるとともに、既存施設の避難先としての活用に向けまして、地元自治体と協議の上で、順次協定を締結し、発災時におけます避難先の拡大を進めてまいります。
 無電柱化の推進についてのご質問がございました。
 東京の防災力を高めて、都民が安全・安心に暮らせるセーフシティーを実現していくために、無電柱化は重要でございます。
 私は、平成七年の阪神・淡路大震災で、倒壊した電柱が避難や救助の妨げになったことをみずから経験をし、防災の観点から無電柱化の必要性をこれまでも強く訴えてまいりました。知事に就任してからは、都道府県では初めてとなります無電柱化推進条例を制定、都道全線において電柱新設を禁止いたしましたほか、区市町村の取り組みの支援やコスト縮減のための技術開発の促進など、スピード感を持って対策を進めてまいりました。
 先般の台風第十五号では、記録的な暴風による倒木や電柱倒壊で、伊豆諸島や千葉県などで大規模な停電が長期間発生をし、日常生活に支障を来しました。
 私自身、被災地を視察いたしまして、頻発する自然災害から都民の命、そして暮らしを守るため、島しょ地域を含めまして、都内全域で無電柱化の取り組みを加速していくことが重要だと改めて痛感したところでございます。
 島しょ地域におきましては、これまで整備手法の検討や調査を進めてきたことに加えまして、今回の被害を踏まえ、島しょ地域の調査エリアを拡大するとともに、甚大な被害を受けた大島海洋国際高校付近におきまして、早期の工事着手に向けて取り組んでいるところでございます。
 引き続きまして、電線管理者と連携をいたしまして、地上機器や特殊部のコンパクト化、低コスト化等の技術開発に取り組むなど、さらなるコストの縮減、工期短縮を図ることで、都内全域の無電柱化を全力で推進をしてまいります。
 災害時のホームページによる情報提供体制の強化についてのご質問でございます。
 災害時の情報提供手段の一つとして、自治体のホームページは住民にとって不可欠なものであり、安定的に災害情報を提供できる体制は重要でございます。
 お話のとおり、台風十九号通過時におきましては、幾つかの区市町村のホームページにおきまして、閲覧に時間がかかる、もしくは閲覧ができないというような事象が発生をしたところでございます。
 そこで、早急に対応を図ることといたしまして、こうした事柄も含めて、台風第十五号及び第十九号等に伴います防災対策を検証するように指示をいたしまして、先月その検証結果を公表したところでございます。
 その中で、ダウンしないホームページの構築を掲げまして、都といたしまして、アクセス集中時の改善ガイドライン等を作成し、区市町村に提供することといたしました。
 現在、各自治体のシステム構成や導入している対策及び当日の対応につきましては詳細な調査を行っておりまして、その結果をもとに、アクセス集中対策としてのCDNの活用や災害時の発信コンテンツの軽量化などの実効性のある対応策を検討いたしまして、ガイドラインに盛り込んでまいります。
 ガイドラインの作成に当たりましては、今月中にその骨子をお示しをし、区市町村と意見交換を行った上で、二月には提供してまいりたいと考えております。
 今後、アクセス集中時にもダウンしないホームページの構築など、区市町村とより一層連携いたしまして、災害時の情報発信体制を強化して、災害に強い、誰もが安心して暮らせるセーフシティーの実現に向けて取り組みを進めてまいります。
 鉄道の計画運休時のあり方についてでございます。
 都は、台風第十九号が首都圏に接近した際には、計画運休に関する情報を鉄道事業者から速やかに入手しまして、防災ホームページやツイッターを用いまして都民に対して情報発信を行いました。また、記者会見を通じまして、私から直接、都民や企業の皆様に向けまして早期の帰宅や出勤抑制などを呼びかけるメッセージの発信も行いました。
 今後も、台風が首都圏に接近する場合は、鉄道事業者によります計画運休の実施が見込まれますことから、テレワークを活用する業務の拡大や運休を想定したBCPの策定など、災害発生を見込みました対応をより一層進めていくことが重要でございます。
 そのため、計画運休時の出勤のあり方につきましては、経営者団体、労働者団体と連携をいたしまして、実務者会議を今月中に立ち上げまして、新たなルール化に関する検討を開始いたします。来年度の出水期を目途に、一定の取りまとめを行って、計画運休時の混乱防止を図ることで、都民の安全確保の実現に取り組んでまいります。
 長期戦略についてのお尋ねでございます。
 第四次産業革命など、デジタル化の新潮流がすさまじい速さで世界を変えていく中、残念ながら我が国は、競争力や生産性の国際比較で、ずるずると後退をしつつあります。こうした状況に強い危機感を持ちまして、激化する都市間競争を勝ち抜くための羅針盤となりますのがこの長期戦略でございます。
 変化の激しい時代におきまして、従来の延長線上の発想では、明るい未来は望めません。変化を先読みし、未来への投資を果敢に推し進めていく必要がございます。
 先日ご提言をいただきました未来の東京の人と都市に関する提言では、都民の多様な生き方を実現して、それを都市としての包摂的な成長につなげる考え方や都市のデジタル化、自然との融合といった目指す姿が示されております。それは、私が掲げる三つのシティーがさらに進化をして、成長と成熟が両立した新たな都市像に通ずるものでございます。
 この都市像の実現に向けまして、誰もが自分らしく生き生きと活躍できる環境の整備やAIやIoTなど、デジタル技術を最大限に活用しまして、超スマート社会の実現に向けた取り組みを果敢に進めていく。また、可能な限り客観的なデータなどに基づいて、常に政策を検証して、新たな展開を図っていくとともに、効果的な政策遂行に必要な関係法令の改正や規制緩和などを国に求めてまいります。
 まず、年内に策定いたします長期戦略ビジョンでは、こうした目指すべき将来の姿やその実現に向けました政策の柱をお示ししてまいります。その上で、東京二〇二〇大会のレガシーを反映するとともに、都民の皆様や有識者など、さまざまな方からさらにご意見を伺いまして、多様性や包摂性に富みました明るい未来を切り開く長期戦略を策定いたしてまいります。
 次に、都市外交基本戦略の見直しについてでございます。
 東京の国際競争力を高め、成長を続けていくためには、都みずからが激動する世界の潮流を捉え、世界基準のベストプラクティスを学び、新たな発想を施策に取り入れることは必要でございます。
 また、SDGsなどの世界共通の目標達成や環境問題、防災などの大都市共通の課題解決に向けまして、大気汚染対策、自然災害への対応といった都が擁します先進的な施策やノウハウを世界の都市に提供して貢献していくことも求められております。
 これまでも、昨年十月のロンドン出張におきましては、私みずから参加いたしまして、国際金融都市東京の実現に向けまして、官民一体となった金融プロモーション活動を実施したところであります。また、ことし五月に都が主催をいたしました都市の防災フォーラムTokyoにおきましては、東京の防災の取り組みを紹介するとともに、参加都市間での相互支援について合意、国境を越えた連携を財産とすることができました。さらに、ことし八月の北京出張につきましては、中関村や雄安新区におけますイノベーションの創出や先端技術の活用のための取り組みを視察いたしまして、その成果を今後の都の政策に役立ててまいります。
 このように、海外の先進事例を学び、都民生活の向上につなげていくとともに、東京の多様な魅力や先進的な取り組みを世界に発信して、プレゼンスを一層高めてまいります。
 こうした考えに立ちまして、現行の東京都都市外交基本戦略の成果を検証して、都の国際的な活動をソフト、ハード両面にわたるさまざまな分野で戦略的、効果的に展開するために、来年度策定予定の長期戦略を踏まえまして、新たな指針を策定してまいります。
 次に、ソーシャルファームについてのご質問でございます。
 ソーシャルファームは就労に困難を抱える方に働く場を提供する役割を担いながら、自律的な経済活動を行う社会的企業を指します。
 日本では新しい枠組みでありますソーシャルファームを東京に誕生させ根づかせていく、そのためにはソーシャルファームの創設や活動への支援とともに、人材の育成や社会的機運の醸成などを一体的に進めていく必要がございます。
 まず、ソーシャルファームの創設や活動に向けましては、立ち上げ時におけます財政支援に加えまして、経営などの相談にワンストップで対応する支援拠点の設置、都が発注する契約における優先的取り扱いについて検討いたします。
 人材面におきましては、ソーシャルファームの担い手となる社会的起業家の育成に取り組むほか、機運の醸成に向けまして、イベントの開催やメディアを活用した広報など、都民への普及啓発を進めてまいります。
 あわせまして、お話のPDCAサイクルによりまして、こうした支援事業のブラッシュアップも進めてまいります。
 これらの取り組みによりまして、ソーシャルファームの創設を促進し、誰もが生き生きと働き活躍できるダイバーシティーの実現につなげてまいります。
 長期戦略ビジョンにおけます子育て政策についてでございます。
 東京が持続的な発展を続けていくために、未来を担う子供への投資に本気で取り組むことが、今、我々に課せられた大きな使命でございます。私は、こうした強い決意を持ちまして、人口置換水準であります二・〇七を将来に向けて目指す姿と掲げております。
 子供は未来を担う社会の宝であり、その宝を大切に育てていくという意識を社会全体で共有していくことが何より重要でございます。
 子供の笑顔は家族を笑顔にし、周りの人々をも笑顔にする力がある。まず子供自身が笑顔になれるような環境をつくっていくため、子供の目線に立って、まちづくりやさまざまな子育て政策を進めていく視点が求められております。
 また、子育て世帯が、孤独や不安を感じることなく育児ができるよう、区市町村とも連携いたしまして、行政サービスや地域のサポートの充実を図るなど、子育て世帯の負担を徹底的に取り除くことで、安心して子供を産み育てられる環境を整えていく必要がございます。
 年末に策定いたします長期戦略ビジョンにおきましては、みんなで子育てを応援していくという社会全体のマインドチェンジを促して、子供が笑顔で子育てが楽しいと思える社会の実現に向けました大きな方向性を打ち出してまいります。
 ゆりかご・とうきょう事業についてのご質問でございます。
 私は、この東京を子供を産み育てたいという人があふれるまちにしたいと考えております。そのため、知事就任以来、保育サービスの拡充や児童虐待の防止など、子供と子育て家庭を支援するさまざまな施策を展開してきたところであります。
 安心して子供を産み育てられる環境を整備するためには、お話のように、妊娠期から子育て期まで切れ目のない支援を行うことが重要であります。
 こうしたことから、都は、ゆりかご・とうきょう事業を通じまして区市町村を支援しておりまして、その取り組みは、当初の十三区市町村から今年度は四十六まで広がりまして、産後ケアを実施する自治体も大幅にふえております。
 子育て家庭では、不安や悩みを抱えながら日々懸命に育児をされておられる。今後、各家庭のさまざまな状況にもしっかりと対応しながら、妊娠から出産、子育て期にかけました切れ目のない支援をさらに充実しまして、区市町村と連携し、子育て家庭を全力で応援してまいります。
 産後支援についてでございます。
 出産は女性にとって非常に大きな出来事であり、その直後は心身や環境の大きな変化に不安を覚える方も多く、場合によっては産後鬱に陥ってしまうこともあると聞きます。
 また、地域のつながりが薄れ、核家族が多い現代社会では、さまざまな要因から身近に頼ることができる人がいない、そのため、今後の育児や家事、仕事などに関する不安を相談できずに、悩みを抱え込んで孤独を感じている方もいらっしゃいます。
 そうした方々に対しましては、心身のケアや育児のサポート、家事支援など、産後の生活全般にわたった支援をトータルに行うことが重要であります。また、こうした取り組みは、支援の必要な家庭を把握しまして、必要なサービスにつなげる機会ともなります。
 都といたしましては、出産後に家族などから十分な支援、十分な援助を受けることができない場合でも、安心して子育てができるように産後の支援体制の整備を進めてまいります。
 多胎児、多子世帯への支援についてでございます。
 多胎児の家庭では、同時に二人以上の妊娠、出産、育児をすることに伴う負担が大きい。
 また、既に小さいお子さんがいらっしゃる多子世帯についても、育児負担もさることながら、乳児にかかり切りになって、上のお子さんの世話を十分にできなくなるなど、特有の悩みがあることと存じます。
 一人目の出産や育児の負担が大きかったがために、理想とする子供数を持つことは諦めたという声も聞きます。また、夫婦が理想とする子供の数に、実際に持つつもりの子供の数が届いていないという現実もございます。
 こうした現実を受けとめて、先ほど申し上げましたように、ゆりかご・とうきょう事業の一層の充実を図って、さまざまな子育て家庭をしっかりと支えてまいります。
 次に、専門高校におけます人材育成についてのご質問であります。
 グローバル化の進展など、社会や経済の大きな変化に伴って、専門高校には地域産業を担う人材の育成とともに、専門的職業人として将来にわたって活躍できる人材の育成が求められております。
 私はこれまで、何度か農業高校も訪問いたしまして、食に関する特色ある実践や研究を視察してまいりました。
 本年一月には、第一回の東京都GAP認証証書授与式におきまして、農業高校の代表生徒に対して直接、証書を授与いたしまして、将来の東京の農業を支える生徒たちの姿には頼もしさを感じたところであります。
 また、工業高校におきましては、ソサエティー五・〇の到来を見据えまして、民間企業や専門学校との連携によってIT人材の育成に取り組んでいる。さらに、将来の工業高校の姿について幅広い見地から検討を行うため、教育委員会におきましては、大学や企業関係者などから成る有識者会議を立ち上げたところでございます。
 社会の変化がさらに激しさを増す中、教育委員会と力を合わせまして、農業や工業、商業を初めとした専門高校で、その魅力をさらに高めるとともに、都民や産業界のニーズに呼応しまして、先端的なものづくりで社会的課題を解決する人材の育成を目指してまいります。
 若い世代が芸術文化に触れる機会をふやすための取り組みについてでございます。
 若い世代がさまざまな芸術文化を体感し、そのすばらしさに触れる、そのことは自国の文化はもとより、多様な文化の価値を理解するとともに、豊かな感性や創造力を育むことにつながって、心豊かな人生の支えとなるものでございます。
 都立の文化施設では、これまで小学生や中学生の常設展の観覧料を無料とするほか、芸術家を学校などに派遣しましてコンサートやワークショップを実施するなど、児童生徒向けのプログラムに取り組んでまいりました。
 今後は、若い世代が興味を持って美術館、博物館に足を運びたくなるような魅力的な企画、イベントを展開してまいります。
 あわせまして、春休み期間には、高校生など十八歳以下の方まで常設展、企画展ともに無料で観覧できるようにするなどの取り組みを拡充してまいります。
 こうした取り組みを通じまして、これからの東京を担う若い世代が芸術文化に気楽に触れる機会を拡大して、東京の芸術文化を支える裾野を広げてまいります。
 受動喫煙防止対策につきましてであります。
 来年四月の受動喫煙防止条例の全面施行まで残すところ三カ月余り。この条例を実効性あるものとするためには、都民、事業者の皆様の一層のご理解、ご協力が不可欠でございます。
 さらに、実務を担っていただく保健所設置区市を初めとする区市町村の取り組みも重要であります。
 このため、都は、事業者への指導方法などの業務手順などについて保健所設置区市と協議を重ねております。
 区市町村では、公衆喫煙所の整備や専用の相談窓口の設置、事業者への専門アドバイザーの派遣、公衆喫煙所マップの作成など、地域の実情に応じた取り組みが進められておりまして、都はこれらを支援しているところであります。
 また、都民の意識や飲食店の取り組み状況を把握するため、現在、実態調査を行っております。
 こうした結果も踏まえまして、都民、事業者へのさらなる周知徹底を図るため、区市町村と連携協力しながら街頭でのPRキャンペーン、飲食店への個別周知を実施するなど、条例の全面施行に向けまして受動喫煙防止対策を強力に推進してまいります。
 都立、公社病院の地方独立行政法人化についてのご質問でございます。
 都民が生き生きと暮らすために医療は不可欠であり、都立、公社病院はそのための重要な役割を担っております。
 特に、災害医療や救急医療など、民間医療機関だけでは対応困難な行政的医療を提供することは、都民の安心を医療で支える都立、公社病院の使命であります。
 二〇四〇年代に向けまして、医療が取り巻く環境がますます厳しくなっていくことは想定されます。そうした中で都立、公社病院は、行政的医療を将来にわたり確実に提供するとともに、民間医療機関との連携のもとで地域医療の充実に貢献していくことによりまして、都民の生命と健康を守り続けていかなければなりません。
 このため、さまざまな環境の変化に対応することが可能となって、医療人材の確保などの面におきまして、柔軟で機動的な運営ができる地方独立行政法人へ都立、公社病院を一体的に移行することが東京の医療の一層の充実に最善と判断をいたしまして、そのための準備を開始いたしました。
 病院事業は、医師や看護師など多様な医療人材に支えられております。今後、地方独立行政法人化に当たりましては、職員の声を十分聞くとともに、都民や地域の医療機関、医師会といった方々への理解も得ながら着実に準備を進めてまいります。そのために、まずは新たな病院の改革のビジョンを年末までにお示しする考えであります。
 次に、気候変動対策であります。
 都はこれまでも、気候変動対策の重要性を早くから認識をいたしまして、世界初の都市型キャップ・アンド・トレード制度などを展開いたしております。
 近年、巨大な台風や山火事が世界各地を襲いまして、日本でも経験したことのない豪雨による土砂災害や先般の台風でも甚大な被害が発生するなど、自然災害による脅威が高まっております。気候変動の影響は、今や遠い世界、将来のものではございません。既に私たちの身近な生活に及んでいるところであります。
 加えまして、昨年のIPCC特別報告書におきましては、気温上昇をよりリスクの低い一・五度C未満に抑えるためには、二〇五〇年ごろにCO2排出量を実質ゼロにする必要が示されました。気候変動の影響の甚大さと対策の緊急性が改めて浮き彫りとなった今、世界はかつてない変革が求められるパラダイムシフトを迎えております。
 本年五月のU20メイヤーズ・サミットにおきまして、都は、二〇五〇年までにCO2排出実質ゼロに貢献するゼロエミッション東京の実現を宣言いたしております。
 今月末には、ゼロエミッション東京戦略を取りまとめまして、この中で気候変動の危機的な状況についての認識とあわせまして、気候変動の危機に立ち向かうための具体的な取り組みとロードマップを明らかにしてまいります。
 今後、この戦略の策定を契機といたしまして、都民や事業者の皆様に気候変動の危機的な状況等を訴えていくとともに、理解を得まして、実効性のある対策を進めてまいります。
 中央卸売市場についてのご質問であります。
 少子高齢化の進展等を背景に、物流や商取引の多様化が加速度的に進んでいる今日、卸売市場もまた大きな変革を求められております。
 都の中央卸売市場は、都民の多様で豊かな消費生活を支える重要な役割を担っており、こうした環境の変化に的確に対応できる新たな市場をつくり上げていくことが開設者である私の責務であります。
 このため、今回の条例改正におきましては、公正な取引や食の安全・安心を確保する一方で、多くの市場業者、産地や実需者がより活発に取引を行えますよう規制を緩和することといたしております。
 あわせまして、海外輸出や国内での販路の拡大、ICTを活用した業務改革を初め、さまざまな事業展開を図ろうとする市場業者に対しまして、その意欲的な取り組みを力強く後押しをして、市場の活性化を図ってまいります。
 さらに、将来にわたって産地や実需者に支持される持続可能な市場の実現に向けまして、従来の既成概念にとらわれない斬新なアイデア、自由なご意見を有識者の方々からいただきながら、長期的視点に立ちまして実効性のある計画を策定してまいります。
 市場のあす、あさって、その先を見据えまして、豊かな東京の食文化を支え、都民に信頼される活気あふれた中央卸売市場を実現してまいります。
 マラソン、競歩の札幌移転についてのご質問でございます。
 都はこれまで、一貫して東京での開催が最善であると主張してまいりました。IOCによる移転の決定は、これまでさまざまな準備に尽力をしてこられました沿道の自治会や商店街等の皆様、観戦を楽しみにしてきた都民の皆様の思いに鑑みますと非常に残念でならず、合意なき決定と申し上げたところでございます。
 しかし、大会を成功させたいという思いにいささかの変わりはございません。
 大会開催まであと八ケ月を切る中で、都といたしましては、引き続き前を向いて、皆様とともに大会準備や機運醸成に全力で取り組んでまいります。
 そして、組織委員会や国、IOCやIPCを初めといたします関係団体と一丸となって大会を成功に導いてまいります。
 建設労働者の適切な処遇の確保についてのお尋ねでございます。
 担い手不足が顕著な建設業界におきまして、新規入職者をふやし、健全な発展を促すためには、そこで働く労働者の適切な処遇の確保は重要であると認識をいたしております。
 公契約条例は、一般的に自治体が発注する案件におきまして、相当程度以上の賃金を労働者に支払うよう事業者に義務づけるものでございますが、賃金は、労働関係法令の下支えのもと、労働者個人の経験、能力などを踏まえました対等な労使での協議によることが前提と考えております。
 一方、適切な賃金水準の確保に向けましては、発注者が適正な予定価格を設定することはもとより、建設現場での適正な下請契約が不可欠でございます。
 そのため、都はこれまでも、元請企業に対しまして、下請契約の適正化を要請しております。
 今後は、さらにそのフォローアップ調査を行いまして、適正な下請代金の支払いなど実態の把握に努めることによりまして実効性を高めてまいります。
 パラリンピックマラソンについてでございます。
 パラリンピックマラソンは、東京二〇二〇大会全体の最終日を飾ります非常に重要で注目を集める種目でございます。
 新しい国立競技場を発着地といたしまして、浅草雷門、日本橋、銀座、東京タワー、皇居外苑などをめぐる日本の文化と歴史を象徴するコースでありまして、東京の魅力を世界に発信する絶好の機会でもございます。
 車椅子レースの迫力あるスピードと駆け引き、視覚に障害のあるランナーがガイドランナーと息を合わせて疾走する姿、そして上肢の切断など腕に障害のある選手が東京のまちを駆け抜ける白熱のレースなど、見どころや魅力がたっぷり詰まった競技であり、私自身、観戦、非常に楽しみにしております。沿道からも熱い声援をたくさん送っていただきたいと思います。
 パラリンピックマラソンの魅力を一層広く伝えていくために、「広報東京都」でコースの周知をするほか、リーフレットを新たに作成いたしまして、コースのポイントや見どころをわかりやすく案内し、区市町村とも連携してPRを推進してまいります。
 また、観戦、応援イベントで、アスリートによりますマラソンに関するトークショーを実施するほか、NO LIMITS SPECIALを初めとする機運醸成のイベントなどでも積極的に取り上げて紹介していくとともに、さらなる取り組みについても検討してまいります。
 加えまして、マラソンのパラリンピアンを初め、各界で活躍されておられるパラ応援大使の方々にも、それぞれの発信力を生かして、私とともに大いに盛り上げていただきます。
 東京二〇二〇大会の最終日に行われますパラリンピックマラソンを都民とともに盛り上げまして、障害の有無や性別、国籍などにかかわらず、東京に集う全ての人が一つになってアスリートを応援している成熟都市東京の姿を世界へ発信してまいりたいと考えております。
 東京二〇二〇大会後の組織委員会におけます文書の保管、承継についてのご質問がございました。
 組織委員会が大会準備のため作成した文書等につきましては、IOCとの開催都市契約に基づきます保存管理のルールや、関係法に基づく保管義務などがございます。
 都といたしましても、東京二〇二〇大会の成功とともに、その成果を後世に引き継いで、レガシーを将来にわたって残していくことは極めて重要なことと認識をいたしております。
 そのため、これまでも組織委員会には、大会後を見据えた文書の適切な保存管理について働きかけてまいりました。その上で、現在、組織委員会では大会前から、大会後の組織委員会の解散を見据えまして、取り組むべき手続を定める指針を作成しており、その中で、文書等の資産について、都における公文書管理のあり方も参考に、解散後に適切に保存管理できるように検討しています。
 開催都市であります都といたしましては、こうした取り組みに対しまして、大会後においても、組織委員会の文書を初めとした活動記録などの重要な資産が適切に保存管理され、貴重なレガシーとなりますよう、今後ともルールのあり方などにつきましても積極的に関与して、その責任を果たしてまいる所存でございます。
 なお、その他のご質問につきましては、副知事、教育長、東京都技監及び関係局長よりの答弁とさせていただきます。
〔副知事宮坂学君登壇〕

○副知事(宮坂学君) ソサエティー五・〇を担う都庁内外の人材不足に対する認識についてでございますが、私は、二十一世紀においては、デジタルテクノロジーの力こそがソサエティー五・〇の社会を実現し、人々を幸せにすると確信しております。こうしたデジタルトランスフォーメーションを進めていく上での一番の問題、それは人材です。
 まずは、都庁でデジタルに詳しい人を質的、量的にふやすことが肝心です。
 この間、専門職であるICT職種が設置され、新卒採用やキャリア活用採用が打ち出されました。これは都庁に専門性のあるICT人材チームをつくる大きな一歩であります。すばらしいICTチームをつくろうという取り組みは、都庁の長い歴史の中でも初めてのことで、後世のレガシーになり得ると考えております。
 もとより、世界の主要都市のICT人材は、多くが千人規模、それも専門職で固めた陣容であります。
 東京でICT人材が大幅に不足している現状には、率直に申し上げて危機感を持っております。
 このため、未来を担う若い世代に対して、情報技術やデータを正しく利活用できる能力を育むリテラシー教育を行う必要があります。
 また、社会人の方へは、ICTに関する基礎的な力を向上させるリカレント教育、さらに国内外の優秀な人材の発掘といった取り組みを進めることが不可欠であります。
 こうした取り組みを通じて、都におきましては、さまざまなICT人材を多く確保することにより、激化する都市間競争の中、テクノロジーの力で課題を解決し、都民一人一人が豊かさを享受できる、そんな社会の実現に向けて取り組んでまいります。
 私は、この課題の解決に向けて、スピード感を持って全庁をサポートし、全組織にデジタルテクノロジーの横串を刺す取り組みに少しでも貢献したいと思っております。
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 三点のご質問にお答えいたします。
 初めに、都立学校の通信環境についてでございますが、都教育委員会は、校内の無線LAN環境等を整備し、生徒一人一人が所有するスマートフォン等の端末を活用するBYOD研究校の取り組みを行っております。
 研究校では、教員がクラウドを通じて生徒の回答を瞬時に集計し、課題を早期に発見して指導に生かし、また、生徒は自宅でクラウド上の教材を予習し、授業では予習をもとに協働して課題に取り組んでおります。
 こうした取り組みにより、個々の生徒の習熟状況に応じた学習や双方向型の学習を行い、知識習得型から価値創造課題解決型へ学びの転換を進めてきたところでございます。
 今後、都教育委員会は、校内で同時に多数の生徒がインターネットに接続できるよう、全都立学校、全教室への無線LAN環境の計画的な整備を検討してまいります。
 次に、今後の学力向上施策についてでございますが、都教育委員会は、これまで都独自の学力調査等により子供たちの学習の定着状況を把握し、東京ベーシック・ドリルの開発や少人数、習熟度別指導の推進などを通して、区市町村教育委員会と連携を図りながら、一人一人の課題や習熟度に応じたきめ細かな指導を実施し、確かな学力の定着を図ってまいりました。
 教育には、いつの時代にあっても、社会や世界の動きを見通し、次代を支えるために必要な力を子供たちに育んでいくことが求められております。
 今後は、各学校が未来を担う子供たちに、未知の状況にも対応できる思考力や判断力などを育成することができるよう、子供たちの学ぶ意欲や学び方に焦点を当てた学力向上施策について検討してまいります。
 最後に、東京二〇二〇大会後のレガシーについてでございますが、東京二〇二〇大会を通した子供たちの体験が一人一人の心にかけがえのない記憶として刻まれ、さまざまな実践の中で生かされていくようにしていくことが重要でございます。
 これまで学校では、パラスポーツについての学習や競技観戦を通じ、多様性を尊重する態度の育成を図ってまいりました。また、国際大会のボランティア等の経験を通して、社会に貢献しようとする意欲等を醸成してきたところでございます。
 今後、競技観戦に係る事前学習の促進や、シティキャストとともに活動する中高生ボランティア体験の機会の提供などにより、子供たちが学んだことをみずから実感し、人への思いやりや努力の大切さなどに気づく感動体験を積み重ね、将来、人生の糧となる心のレガシーを育むことができるよう、取り組みを一層推進してまいります。
〔東京都技監佐藤伸朗君登壇〕

○東京都技監(佐藤伸朗君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、電柱が新設されない取り組みについてでございます。
 大規模災害の際に、電柱の倒壊による道路の閉塞や長期間の停電などから都民を守るためには、無電柱化の取り組みを一層推進していく必要がございます。
 土地区画整理事業などのまちづくりにおいては、まち全体の無電柱化を道路整備に合わせて低コストで効率的に進めることができます。
 このため、土地区画整理事業において、平成三十年度から無電柱化の補助対象を区域内全ての道路に拡充するとともに、民間の開発行為においても、まずは年明けに技術的指針を取りまとめ、開発事業者等の意識啓発を図るなど、電柱が新設されない取り組みを推進いたします。
 今後も、まちづくりにおいて災害から都民の生命と生活を守る無電柱化の取り組みを積極的に進めてまいります。
 次に、駐車場条例の見直しについてでございます。
 昭和三十三年の条例制定以降、社会経済情勢の変化を踏まえ、自動車保有台数の増加などによる駐車需要の変動に応じ、附置義務基準の見直しを数回にわたり行ってまいりました。
 平成十四年からは、一律の附置義務基準によらず、一定の区域を対象に、地域の特性に応じた駐車場整備を可能とする地域ルール制度も導入しております。
 社会の成熟化が進展する中で、近年の情報通信技術の高度化やニーズの多様化などに伴い、輸送の小口化、多頻度化、カーシェアリング市場の拡大なども見られます。また、より地域の実情に即した駐車場整備への対応もさらに求められております。
 こうした状況も踏まえて、駐車場条例の見直しについて検討を行ってまいります。
〔総務局長遠藤雅彦君登壇〕

○総務局長(遠藤雅彦君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、島しょ地域の災害対応力の強化についてでございますが、島しょ地域は、本土から離れているという地域特有の災害リスクがあり、その特性を踏まえた対策を講じることは重要でございます。
 このため、被災情報の面的な把握や、立入困難地区の情報収集等を速やかに行うため、今年度末までにカメラつきドローンを有人島全てに配備するとともに、操作技能を有する職員の養成を進めてまいります。
 また、被災者に対して速やかに必要な物資を提供するため、養生シートや土のう袋等を島内にあらかじめ備蓄するとともに、東京消防庁等の関係機関と連携し、迅速な搬送体制の確保を進めてまいります。
 さらに、大型台風接近時におけるリエゾン派遣のルール化など、島しょ地域へのきめ細かな支援に引き続き取り組んでまいります。
 次に、訪都外国人への防災情報の提供についてでございますが、大規模災害の発生に備え、訪都外国人の安全・安心を確保することは重要でございます。
 そのため、防災ホームページでは、災害時の避難先などが記載された防災マップを英中韓三カ国語で表記するとともに、災害時には必要な情報を八カ国語で防災ツイッターでも発信を行うこととしております。
 また、防災アプリでは、国の訪都外国人向けアプリとリンクを張るなど利便性を高めるとともに、羽田空港を初め都内五カ所の観光情報センターでチラシによる周知を行っております。
 今後、東京二〇二〇大会で都を訪れる外国人を対象といたしまして、防災アプリのダウンロードを促す効果的なPRを新たに検討するなど、さまざまな方策を用いてわかりやすく訪都外国人への防災情報の提供の強化に努めてまいります。
 最後に、犯罪被害者等支援策の充実強化についてでございますが、都はこれまでも、三期にわたる支援計画に基づき、東京都総合相談窓口の機能強化や、性犯罪被害者等のためのワンストップ支援事業を初め、犯罪被害者及びそのご家族に寄り添った支援に幅広く取り組んでまいりました。
 一方、被害者のご遺族も委員として参加している有識者懇談会や、今回の条例制定に向けて実施したパブリックコメント等においては、条例に関するご意見に加えまして、弁護士会等と連携した無料の法律相談や、専門家によるカウンセリングなど性犯罪被害者への精神的ケアの実施など、支援策のさらなる充実についての要望も寄せられたところでございます。
 これらの要望も踏まえ、今後、犯罪被害者等支援策の充実強化に向けまして、支援策の内容や実施時期について、具体的に検討を進めてまいります。
〔建設局長三浦隆君登壇〕

○建設局長(三浦隆君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 初めに、多摩地域を流れる河川の強化についてでございますが、台風第十九号で被災した多摩の河川につきましては、各河川の特性を踏まえ、再度の災害の防止に向け、流下能力の向上を図っていくことが重要でございます。
 谷地川や奈良橋川などにおきまして、河道断面を広げる護岸整備を着実に推進するとともに、台風第十九号の被害を受け、多摩の河川の特性を踏まえて狭あい箇所などについて詳細な調査を実施し、局所改良によりボトルネックを解消してまいります。
 さらに、近年の浸水被害の発生状況等を踏まえ、時間最大六十五ミリの降雨に対応した対策を優先的に実施をする対策強化流域の拡大に向けた検討を実施いたします。
 水害から都民の命と暮らしを守るため、多摩地域の河川の豪雨への対応力を強化してまいります。
 次に、調節池の整備についてでございますが、激甚化、頻発化する豪雨から都民の命と暮らしを守るためには、護岸の整備とあわせて、豪雨に対して大きな効果を発揮する調節池の整備を推進することが重要でございます。現在七カ所で事業を実施しており、野川大沢調節池では、本体掘削を今月中に完了させるなど、着実に進めております。
 さらに、昨年実施いたしました防災事業の緊急総点検を受け、神田川など八河川において、新たな調節池の事業化に向けた検討を進めております。現在、調節池の候補地となる場所や構造形式の選定を行っており、来年度事業化予定の石神井川などでは、計画の具体化に向け、今後、地元自治体など関係機関との協議等をさらに進めてまいります。
 水害に強いセーフシティーの実現に向け、調節池等の河川施設整備を一層推進してまいります。
 最後に、区市町村のインクルーシブ公園整備への支援についてでございますが、障害の有無や年齢、性別、国籍にかかわらず、全ての方々が楽しむことができる公園づくりの取り組みを広げていくことは重要でございます。
 都立公園におきましては、平成三十年度に、砧公園と府中の森公園をモデルとして、調査設計を実施いたしました。現在、砧公園では整備に着手をし、今年度中の完成を目指すとともに、府中の森公園では土壌調査を行っております。
 区市町村立公園に取り組みを広げていくため、本年十月に職員向けの研修を実施し、都のノウハウを共有いたしました。
 今後は、都立公園での整備を進めるとともに、区市町村と連携を図りながら、さまざまな要望や意見を踏まえ、積極的な支援に取り組んでまいります。
〔戦略政策情報推進本部長松下隆弘君登壇〕

○戦略政策情報推進本部長(松下隆弘君) TOKYO Data Highway、いわゆるTDHサミットにおける共用アンテナ活用の検討についてでございますが、5Gは、使用する電波の特性から、今までの4GあるいはLTEよりも多くのアンテナ基地局が必要でございます。
 こうした多くのアンテナ基地局を効率的に設置するためには、ご指摘のアンテナの共用化、これは一つの有効な方策でございまして、TDH基本戦略でもそのイメージを示しているところでございます。
 既に、4G、LTEでは、地下街、あるいは地下鉄、あるいは屋内共用アンテナなど実用化されておりまして、5Gにおきましても、通信事業者において可能な限りアンテナ基地局を共用化していくことが望ましいと考えております。
 先般、都と通信キャリア等のトップが一堂に会し、サミットを開催したところでございます。今後、このサミットのもとに設置する協議会や分科会におきまして、共用アンテナの実用化に向けて議論を進めてまいります。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、産業全般における5Gの利活用の推進についてですが、今後活用が可能となるローカル5G環境のもとで、先駆的な企業と連携し、生産性向上や技術開発などのモデルを創出して、その成果を普及することが重要でございます。
 このため、スマート工場化に必要なアンテナ等の機器の導入支援に加え、産業技術研究センターで技術開発をサポートする仕組みを検討してまいります。
 また、農林総合研究センターでは、専門家による遠隔での農業指導やAIによる農作業支援の実現に向け、高精細画像を活用する技術の導入を検討してまいります。
 さらに、こうした取り組みで得られた5G活用のノウハウやメリットを、セミナーなどで多くの中小企業等にわかりやすく発信いたします。
 これらにより、都内産業での5Gの利活用を推進し、東京の稼ぐ力を高めてまいります。
 次に、就労支援における産業人材の育成についてですが、さまざまな要因から就労に困難を抱える方々に対し、職業訓練を通じて就労に必要なスキルの習得を支援し、産業を支える人材として育成することは、東京の成長を図る上で重要な取り組みでございます。
 都はこれまでも、就労に困難を抱える方々を職業能力開発センターにおける訓練や、民間の専修学校等を活用した委託訓練につなげることにより、ものづくりや建設業、福祉、介護サービス業など、東京の多様な産業を担う人材として育成してまいりました。
 今後は、情報通信技術や環境バイオテクノロジー、健康スポーツなど、東京で成長が見込まれる分野における人材の育成を強化するため、職業訓練のさらなる充実を検討してまいります。
 最後に、MアンドAによる事業承継支援の強化についてですが、中小企業の円滑な事業承継は、東京の産業の持続的な成長にとって必要不可欠であり、後継者の確保できない中小企業にとってMアンドAの手法は効果的でございます。
 都はこれまでも、MアンドAによる事業承継を手がけるファンドの組成や仲介会社への着手金助成などの支援に取り組んでまいりました。
 しかしながら、中小企業のMアンドAを担う事業者は依然として少なく、事業承継のさらなる推進のためには、こうした担い手の確保が急務となっております。
 このため、民間事業者による複数年にわたる機動的な事業承継ファンドの創設に向けた新たな支援や、譲り受け企業の掘り起こしと円滑なマッチングを支援するための体制強化等を検討いたします。
 こうした取り組みにより、事業承継を契機とした中小企業のさらなる成長を着実に後押ししてまいります。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、遠隔医療の取り組みについてでありますが、遠隔医療は、限られた医療資源を有効に活用し、患者に質の高い医療を提供するための重要な手段でございます。高精細映像等のやりとりが高速で可能となる5Gを用いて遠隔医療を行うためには、まずは高度医療を担う病院や地域の医療機関、在宅医療の現場がICTを活用して診療情報等を共有し、連携する環境を整備する必要がございます。
 こうしたことから、都は、ICTを活用した地域医療連携ネットワークの構築に取り組む医療機関を支援するとともに、地域のネットワークを接続し都全域のネットワーク構築に取り組む東京都医師会と連携して、多摩地域も含む広域的な医療連携を促進しているところでございます。
 今後、都におけるICTを活用した医療連携の充実を一層図り、遠隔医療の拡大に対応してまいります。
 次に、がん患者の治療と仕事の両立支援についてでありますが、平成二十八年度に都が実施した調査によりますと、がんと診断されたときに就労していた人の約二五%が退職しており、治療と仕事を両立できる環境を整備していくことが大きな課題であると認識しております。
 このため、都は、働きながら治療を受けやすい医療提供体制の構築等に向け、平日の夜間や土日に外来薬物療法を行うモデル事業を、都立駒込病院及び共済立川病院で本年七月に開始いたしました。
 本事業を通じ、患者の利用しやすい曜日や時間帯、病院の勤務体制や経営への影響等を把握し、今後、平日夜間及び土日の外来薬物療法の実施に向けた環境整備や就労支援のための普及啓発のあり方などを検討し、がん患者の治療と仕事の両立支援を充実してまいります。
 次に、子供や里親の意見を聞く仕組みについてでありますが、都では、弁護士等の専門員が、いじめや体罰などについて子供から直接相談等を受け、児童相談所を含む関係機関への調査、助言を行っており、必要と認めるときは児童福祉審議会に事案を付議することとしております。
 また、里親を支援するため、各児童相談所に担当の児童福祉司を配置しているほか、民間機関がカウンセリングや電話相談等に対応しております。
 しかしながら、里親からは、児童相談所の支援が十分に行き届いていない、児童相談所に悩みを相談しにくいといった意見も聞かれているところでございます。
 こうしたことを踏まえ、都は、より深い信頼関係に基づいた支援を行えるよう、一貫した体制のもとで継続的に里親にかかわるフォスタリング機関の設置などを検討してまいります。
 さらに、子供の最善の利益を守るため、第三者があらかじめ子供や里親などから意見を聞き、調査や助言等を行う新たな仕組みの構築について、専門家等の意見を伺いながら検討してまいります。
 最後に、認知症の人と家族への支援についてでありますが、都は今年度から、認知症の人への対応方法がわからず、不安を抱える家族等の負担の軽減を図るため、区市町村ごとに設置を進めている五十二カ所の認知症疾患医療センターで、医師や精神保健福祉士等の専門職による認知症の症状に応じた治療、対応等に関する講座や相談会等を開催しております。
 また、認知症サポーターが認知症の人への声かけや見守り、家族会の運営支援などの活動に参加できるよう、フォローアップ講座の開催等に取り組む区市町村を包括補助で支援しております。
 今後、専門職や認知症サポーター等の支援を受けながら、認知症の人と家族が地域の中で安心して暮らし続けられるよう、医療相談への対応力向上などセンターの取り組みの強化を図るとともに、連携を一層深めてまいります。
〔財務局長武市敬君登壇〕

○財務局長(武市敬君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、電子契約の導入についてでございますが、電子契約は、コスト削減や業務の効率化、書類改ざん防止などのコンプライアンス強化が期待され、主に民間事業者間の取引で利用が広がっております。
 一方、地方自治体における電子契約の導入に当たりましては、電子契約の円滑な実施に必要な法令整備が整っていないという課題の解決に加えまして、新たなシステム開発や既存の業務システムとの連携など、技術的、制度的な対応を独自に行う必要がございます。
 また、利用事業者、特に中小零細事業者の負担が少なく、より利便性が高まる仕組みとすることも重要でございます。
 今後、事業者からご意見を伺うなど情報収集に努めまして、電子契約の導入についてスピード感を持って検討してまいります。
 次いで、東京二〇二〇大会時の都発注工事についてでございますが、大会期間中の交通混雑緩和を図るためには、工事関係事業者のご理解とご協力をいただいた上で工事の調整を進めることが重要でございます。
 本年十月、これまで業界団体などからいただいたご意見や、この夏の試行結果などを踏まえまして、都庁発注工事に関する取り組み方針を更新いたしました。
 その中では、必要な工事を着実に実施することを前提とした工事発注の平準化、大会に起因した工事調整に係る経費や工期の適切な見積もり、発注時に工事の夜間振りかえなどの調整手法を明示することなどを記載しております。
 今後、工事関係事業者にさらなる丁寧な説明とわかりやすい情報提供を行うとともに、取り組み方針の考え方を原則として、工事の実情に応じた柔軟な調整を行ってまいります。
〔中央卸売市場長黒沼靖君登壇〕

○中央卸売市場長(黒沼靖君) 中央卸売市場条例の改正を見据えた都の取り組みについてでございますが、今回の条例改正を契機に取引の活性化を図るためには、新たな制度への市場業者の正確な理解のもと、創意工夫ある積極的な取り組みを促進する必要がございます。
 都は、これまでの検討過程におきまして、全ての市場で業界との意見交換を重ねてきており、今後、改正後の制度内容を全市場で周知するほか、卸、仲卸等の業態ごとの説明会を行うとともに、各市場の取引委員会の活用に係る協議を始めるなど、業界に寄り添って丁寧に準備を進めてまいります。
 さらに、国内外の販路拡大、集荷力、販売力の強化等を目指す市場業者の先駆的な取り組みに対する支援を、さらなる運用改善を図りつつ、積極的に行ってまいります。
 こうした取り組みを業界と密接に連携しながら進めることにより、市場の活性化を実現してまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長潮田勉君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、ラグビーワールドカップで得られた知見の活用についてでございます。
 ラグビーワールドカップでは、東京スタジアムや都内二カ所のファンゾーンに多くの外国人を含む観客が訪れ、多数の方々でにぎわい大変盛り上がりました。大会期間中は、東京二〇二〇大会準備に携わる職員も業務運営に加わり、経験を共有したところでございます。
 各現場におきましては、国内外の観客の安全、円滑な移動のための対応や、ボランティアを初めとしたおもてなし、Wi-Fi環境の整備、台風時の緊急対応など、さまざまな経験を蓄積することができたところでございます。
 今大会で得られた知見を今後しっかりと検証の上、東京二〇二〇大会における観客案内やライブサイト運営、多言語対応などの大会準備に生かし、成功につなげてまいります。
 次に、地域での東京二〇二〇大会の観戦機会充実に向けた支援についてでありますが、競技会場だけでなく、子供やファミリー層など、幅広い都民が地域の身近な場所で競技中継を楽しめるよう、市区町村が実施する地域のコミュニティライブサイト等の取り組みを推進することは重要であります。
 市区町村は、現在、地域住民が集まりやすい会場の選定や暑さ対策等、実施内容の検討を進めているところであります。
 都といたしましては、子供たちも気軽に立ち寄れる安全で快適なコミュニティライブサイトの実現に向けた取り組みを支援するため、自治体の希望を踏まえてきめ細かく相談に対応しているほか、今年度から二カ年にわたり活用できる補助制度を設けております。
 市区町村の取り組みを積極的に後押しいたしまして、誰もが身近な会場で大会の興奮と感動を体感できるよう取り組んでまいります。
 次に、交通混雑緩和対策についてでありますが、都は、円滑な大会輸送と経済活動の維持との両立を図るため、交通需要マネジメント、いわゆるTDMを進めるとともに、快適な通勤環境や企業の生産性向上等を図る取り組みをスムーズビズとして一体的に推進しております。
 これまで、経済団体等とも連携いたしまして、企業に取り組んでいただきたいことなどについて、三百八十回ほどの説明会を行うほか、個別相談などを通じまして丁寧に対応をしてまいりました。
 今後、サプライチェーン全体に係る物流の効率化につきましても、国や業界団体等と連携し、協議会を発足させます。
 さらに、SNS等のデジタル媒体も活用した広報の展開や中小企業への個別相談を充実させるなど、企業や都民の意見を聞きながら、スムーズビズの取り組みを広く浸透させ、大会後にもつながる取り組みとしてまいります。
 次に、大会時の舟運による観客輸送についてでありますが、舟運は、道路や鉄道の混雑緩和に資するとともに、東京臨海部の魅力を発信する交通手段にもなり得ることから、大会時の観客輸送での活用について検討を進めております。
 現在、徒歩圏内に鉄道駅のない海の森水上競技場などを対象に、鉄道アクセスにすぐれた既存の船着き場から、魅力的な水辺空間を体感しながら、海の森公園で整備が進められている船着き場に至るルートについて調整を行っているとこでございます。
 今後、組織委員会や舟運事業者等と連携しながら、魅力ある大会時の舟運の実現に向け、運航方法などについて検討を深めてまいります。
 最後に、パラリンピックの聖火リレーについてでありますが、パラリンピック聖火リレーは、オリンピックの熱気と興奮を持続させるとともに、東京二〇二〇大会を契機に共生社会を実現することを目指して行われるものでございます。
 そのため、ランナーが走行する聖火リレーに加えまして、希望する市区町村がパラリンピック聖火のもとになる火を起こす採火ができるよう検討してまいります。
 また、スポーツ施設や障害者福祉施設など、パラリンピックと親和性のある施設や、多様な人々が集い交流する場所などをランタンに入れた聖火が訪問する、いわゆる聖火ビジットも行えるよう取り組んでまいります。
 今後、これらさまざまな方法につきまして、市区町村と調整を進め、都内全体でパラリンピック聖火リレーを盛り上げ、東京二〇二〇大会の成功につなげてまいります。
〔港湾局長古谷ひろみ君登壇〕

○港湾局長(古谷ひろみ君) 若洲海浜公園の指定管理についてでございますが、今回の指定管理者候補者の選定に当たりましては、同公園の施設や隣接するヨット訓練所が東京二〇二〇大会の練習会場などとなりますことから、大会への確実な協力を行ってもらうため、引き続き一体的に管理運営をすることといたしました。
 その際、指定管理者候補者に対しては、サービス向上のための工夫や利用者の裾野拡大のためのさらなる取り組みを求め、その結果、ゴルフ場におけるウエブ予約の拡大や都民向け割引デーの設定、ヨット訓練所での障害者体験乗船会を拡充する予定でございます。
 一方で、ゴルフ場とヨット訓練所は、利用形態や必要とされるノウハウなど異なる面も多いことから、さらなるサービス向上の観点から、将来的には分離を含めた管理運営のあり方について幅広く検討してまいります。

○議長(石川良一君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時十三分休憩

   午後三時三十分開議

○副議長(橘正剛君) 休憩前に続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 百七番高倉良生君
〔百七番高倉良生君登壇〕

○百七番(高倉良生君) 都議会公明党を代表して質問します。
 十月二十二日、名誉都民である緒方貞子さんが逝去されました。また、十月二十四日、名誉都民である八千草薫さんが逝去されました。謹んで哀悼の意を表し、心よりご冥福をお祈りいたします。
 初めに、台風十五号、十九号への対応と今後の対策について質問します。
 このたびの災害で亡くなられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、被災者の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
 台風十五号で、都議会公明党は、被災した島しょ地域を調査し、損壊した住宅への支援など、さまざまな要望を受けました。
 台風十九号では、多摩川沿いで浸水の原因解明や被災住宅への支援などについて住民から要望を聞くとともに、都道の崩落で孤立地区が発生した日の出町や奥多摩町、都道崩壊や土砂崩れが発生した檜原村、さらに、家屋が傾く被害などが発生した多摩地域の河川の氾濫現場などをつぶさに調査しました。
 まち全域で断水した奥多摩町では、生活水の不足に直面した特別養護老人ホームも訪問し、現場から都に対し給水車を増車するよう要請し、都は、他県からの支援も受けて奥多摩町への給水車を拡充するなど、必要な対応が進められました。
 こうした活動をもとに、都議会公明党は、知事に繰り返し要望を行い、補正予算による被害の復旧、復興への対応を求めたほか、決算特別委員会や常任委員会での質疑を通じて、迅速な取り組みを求めてきました。
 それらを受け、今定例会に補正予算が提出され、台風に伴う防災対策の検証結果も示されました。
 補正予算では、市町村への特別交付金や電源確保策など、さまざまな取り組みが示されました。特に、都議会公明党が要望した住宅一部損壊に対する都独自の対策が盛り込まれたことは、高く評価したいと考えます。
 一方、防災対策の検証結果では、市区町村が参加する図上訓練、立川地域防災センターの機能強化や仮称危機管理副監の設置、アクセス集中に対するサーバー強化、多摩地域を初め、都内河川の蛇行、狭あい箇所の詳細調査、広域避難、避難所のペット対策など、幅広い取り組みが示されました。
 都議会公明党は、現場調査をもとに台風災害に関する提案を重ねてきましたが、今回の取り組みと今後の対応について、知事の見解を求めます。
 都議会公明党の要望を踏まえ、補正予算に盛り込んだ災害救助法の対象になっていない住宅一部損壊への都独自の支援については、既に修理費用を支払った場合も対象にすべきです。また、災害救助法に基づく住宅一部損壊支援では、修理費用支払い済みは対象となっていませんが、これについても都として支援すべきです。あわせて知事の見解を求めます。
 特に、多摩・島しょの市町村では、一部損壊の住宅が多数に上り、対応に要する各市町村の財政負担は多大です。
 そこで、市町村の財政負担の緩和を図るため、今回の補正予算に計上した特別交付金を活用し、積極的に支援をすべきと考えます。都の見解を求めます。
 今回の台風は、避難所運営や情報伝達が課題になりました。十九号の際、避難所に住民が押し寄せたため、都の施設を急遽あけた地域もありました。現在の避難所の体制は、震災に主眼が置かれており、水害に備えた体制になっていません。浸水の危険がある地域の避難所もあります。都施設や市区町村において、地震や風水害など、災害の種類に応じた避難先が確保されていることが必要と考えますが、見解を求めます。
 また、避難所における的確な対応も重要です。他の自治体では、常勤職員だけでは避難所開設などの対応に限界があるとして、防災計画の見直しを進めているところもあります。全国的に非常勤職員がふえている中、災害時に避難者への対応を誰が担うのか。
 都は、災害時の人員確保のあり方を点検し、対策を強化すべきです。見解を求めます。
 検証結果で都は、垂直避難できる建物のデータベース化を挙げています。東部低地帯には都営住宅が多くあり、空き住戸が多い団地もあります。浸水が想定される一階や二階などには、災害時要援護者や車椅子の障害者、寝たきりや移動が困難な住民が居住しています。
 こうした居住者や地域住民のための避難場所として、上層階の空き住戸を活用すべきと考えますが、都の見解を求めます。
 多くの都民が迅速に避難するためには、タイムラインの活用が重要です。荒川下流域では、関係機関が台風接近や上陸時など、その時々に何を行うのかを事前に決めておき、住民の逃げおくれをなくすタイムラインが策定されています。台風十九号の際も、タイムラインにのっとり、適時的確に行動しました。
 一方、多摩川の流域では、警察、消防なども加わったタイムラインが策定されていません。
 多摩川流域においても、新たなタイムラインの策定に向け、都は、事業主体である国に働きかけ、取り組むべきです。都の見解を求めます。
 多摩川には、河川から宅地側への逆流による被害を防ぐため、下水道局が樋門等を設置しています。今回の台風では、樋門の操作盤に近づくことができず、二カ所の樋門を閉鎖できませんでした。住民からは、閉鎖できなかった樋門から多摩川の水が逆流したことが、浸水被害の要因ではないかといった声が上がっています。
 このような被害を再び起こさないために、悪天候においても確実に樋門の操作が行えるよう、遠隔操作や操作盤の増設などの対策を早期に講じるべきです。見解を求めます。
 また、樋門閉鎖により、内水氾濫が発生する場合もあります。樋門の開閉操作と維持管理は、都が自治体に委託しているものもあり、多摩川など複数の自治体に沿って流れる河川では、地元区市相互で樋門に関する情報共有を行うことが重要です。
 そこで、地域住民に対し、樋門の役割を日常的に周知するとともに、樋門操作等の広域的な情報共有に関して取り組みを急ぐべきです。知事の見解を求めます。
 今回の台風被害では、都内や他県で飲料水の供給が停止し、千葉県では、送電線の断絶によって断水が長期化しました。
 水道局では、灯油や軽油、都市ガスを活用し、長期間稼働できる非常時の電力確保策を計画的に進めていますが、前倒しを図るべきであります。加えて、LPガスの活用策も検討すべきです。あわせて見解を求めます。
 都営地下鉄では、水没時の電力喪失への対応力を強化すべきです。地下鉄の変電施設が水没した場合には、機械が故障し、長期の運行停止となるおそれがあります。都営地下鉄の早期の運行再開は、大規模水害後の都市機能の回復、日常生活の再開に欠かせません。
 都営地下鉄としてのBCPやBCMを考える上で、プライオリティーを明確にし、水没から守らねばならない施設の特定や、対策を構築することが重要と考えますが、大規模水害時の早期復旧について見解を求めます。
 都立病院、公社病院については、非常用の発電装置の整備などを求めてまいりました。その上で、水没を防ぐべき設備への対策や水没の危険性が高い地域での診療の代替など、対応策の進みぐあいについて見解を求めます。
 また、都内の中央卸売市場においては、電力の喪失や電気設備の故障などに備えた対策が急務です。非常用電源の確保、故障した機器の迅速な機能回復、施設の使用停止などの機能不全に陥らないための方策などについて見解を求めます。
 次に、幼児教育、保育について質問します。
 我が党の長年の取り組みにより、国の幼児教育、保育無償化の動きが本格化する中、都が都議会公明党の要望に応え、国の補助対象から外れている多子世帯への独自補助を開始したことを高く評価します。その上で、幼児教育、保育の質の確保も重要であります。
 公明党東京都本部では、幼児教育、保育の無償化に関する視察や勉強会を重ねてきました。さらに、現在は、無償化に関するアンケート調査を、三百四十四名の都本部所属の議員が進めています。
 先日は、新宿せいがこども園園長の藤森平司氏を招き、勉強会を開催したところであります。
 同氏が提唱する見守る保育は、最新の脳科学と同氏の実践で得られた知見に基づくもので、AI時代に必要とされる非認知能力、例えば、他者と共感し、協力的な人間関係を築いて、問題解決を図るために必要な自分の感情をコントロールする力などを育むものとして、国内外から大きく注目されています。ポイントは、乳幼児期からの集団保育によって、子供たち同士の刺激に基づく健全な発育を導く保育技術にあります。
 二〇四〇年の東京を担い立つのは、今の、そして、これからの子供たちです。AIでは代替できない社会的役割を担い立てる人材に育ってもらう必要があります。
 幼児教育や保育の無償化が進むこの機に、都は、関係者間の自主的な相互啓発の活発化に向けた工夫を積極的に講じていくべきです。見解を求めます。
 これまで我が国では、保育といえば、保護者の就労支援策としての側面だけが強調されてきました。
 しかし、本来の保育とは、親子の関係だけでは得られない集団保育の効果を、子供たちの健全な発育のために保障する役割があり、乳幼児教育の先進国はそうした見地に立っています。
 長期戦略が描く二〇四〇年の東京は、保護者の就労の有無や長短にかかわらず、望めば全ての家庭で一日に数時間程度の集団保育の効果が享受できる社会としていくべきです。
 長期的な視点に立って、幼児教育、保育のあり方について検討を進めていくべきと考えますが、知事の見解を求めます。
 次に、多胎児支援について質問します。
 双子、三つ子など多胎児を育てることは、精神的にも身体的にも負担が大きく、虐待リスクも高いという指摘もあります。
 都議会公明党は都に対し、多胎育児支援の必要性を要望してきました。さきの決算特別委員会においても質問し、知事からは、切実な問題と向き合っている家庭への支援は極めて重要、との答弁があったところです。
 乳児期は、授乳やおむつがえ、沐浴など、首がまだ座らない赤ちゃんを母親一人で育てるのは容易ではなく、特に支援が必要であり、また、外出の際、多胎児用ベビーカーでの公共交通機関での移動の困難さ、その後の教育費負担など、子供の成長に伴った支援策を検討すべきと思います。
 局横断的に連携を図り、支援策を講じるべきと考えますが、知事の見解を求めます。
 二〇一四年九月、都議会公明党の少子社会対策プロジェクトチームは、都に対し、フィンランド発祥のネウボラを参考にした制度を構築するよう提言しました。
 都は、翌二〇一五年から、妊娠、出産、子育てと切れ目のない支援を担う東京版ネウボラとして、ゆりかご・とうきょう事業がスタートし、今年度は四十六市区町村が取り組んでおり、成果を上げてきました。実施期間は今年度までの五年間となっていますが、多胎児への支援を初め、内容の充実を図りながら、来年度以降も継続すべきと考えます。
 また、多胎育児のサポートを考える会のアンケート調査では、家事援助や訪問型ベビーシッターを利用したいとの声が多くありました。
 そこで、ベビーシッター利用支援事業は、現在、待機児童対策として活用されていますが、在宅子育て家庭も利用できるようにすべきであります。多胎育児家庭についての支援策として有効な取り組みになると考えます。
 こうしたことも踏まえ、総合的に多胎児を育てる家庭への支援策を講じるべきと考えますが、知事の見解を求めます。
 孤立しがちな多胎育児家庭の環境を変えるためには、公共交通機関を気兼ねなく利用できるようにすることが重要です。
 都は、都営地下鉄や都バスなどを運営していますが、まずは交通局が、双子のベビーカーを折り畳まずに都バスに乗ることができるよう、検討を進めることを要望いたします。
 特に今、早急に対応が求められているのが、都営大江戸線の若松河田駅であります。明年一月より、耐震工事のためエレベーターが使えません。多くの多胎児が通院する医療機関の最寄り駅であり、代替公共交通は都バスしかありません。移動支援について、速やかに都は対策を講じるよう求めておきます。
 次に、環境施策について質問します。
 災害の激甚化をもたらす気候変動対策について、知事が、二〇五〇年、CO2排出量実質ゼロに貢献するゼロエミッション東京戦略の年内発表と、気候変動適応方針を策定する考えを示したことを高く評価いたします。
 都議会公明党は、この戦略の内容に注目しています。今後、気候変動に取り組む都の姿勢を内外に明確にアピールすべきであります。
 CO2を排出しない具体策として、再生可能エネルギーの利用拡大は重要です。都庁第一本庁舎への供給電力は、この八月から再生可能エネルギー一〇〇%に切りかえられました。このような都の率先行動は、大変意義のあるものと考えます。
 また、太陽光発電の固定価格買い取り制度による買い取り期間が満了する、いわゆる卒FITを迎える家庭が、買い取り価格の低下により発電をやめないようにする仕組みも必要であり、卒FITの電力を都有施設の再エネ電力に活用すべきであります。知事の見解を求めます。
 東京オリ・パラ大会では、競技会場や国際放送センター、メーンプレスセンター、選手村で使用する電力は、再生可能エネルギー電力一〇〇%使用を目指すとしています。大会後もレガシーとして、一〇〇%を目指すべきと申し述べておきます。
 次に、外堀の水質改善について質問します。
 八月に公表された長期戦略ビジョンの論点整理の中に、玉川上水や河川の清流復活、外堀の水質浄化が明記されたことは、第一歩を踏み出したと評価いたします。
 今後、東京を訪れる国内外からの観光客も一層増加します。多くの方たちに東京の魅力を感じてもらうためにも、外堀の水質改善に取り組み、水の都にふさわしいまちを実現することが重要と考えますが、知事の見解を求めます。
 都議会公明党はこれまで、都に対し、検討組織の立ち上げや有識者からの意見聴取など、さまざまな提言を行ってきました。また、玉川上水などを活用した河川水の導水についても提言をしたところです。
 都は昨年、工業用水道の廃止を決めましたが、この有効活用について検討すべきであります。
 また、これまで外堀の水質改善対策が進まなかった背景には、外堀が法定外公共物であり、水質管理の主体が曖昧であったこともありました。今後、水質改善方策の具体化には、国や地元区との連携を図るべきと考えますが、あわせて都の見解を求めます。
 次に、ソーシャルファームが柱の一つに据えられた、都民の就労支援に関する条例案について質問します。
 ソーシャルファームは、事業からの収入を主たる財源として運営しながら、就労に困難を抱える方を相当数雇用すること等が要件となっており、当然、最低賃金以上の給与も求められます。多くの福祉作業所では、別の枠組みとはいえ、割り返せば最低賃金に満たない工賃でしか仕事を請け負えない現状にあり、その打開に苦労しています。したがって、ソーシャルファームの創設、運営はかなり難易度が高いものになると考えられます。
 類似の事業からの移行や、新たに事業創設に取り組む事例をふやしていくために、創設に意欲を持つ事業者がふえるような、都内の経済活動の実態に合った認証基準とすることが重要です。加えて、事業立ち上げ前後の複数年にわたり支援し、経営の自立を見届けてから支援を終えるという責任ある態度で臨むべきです。
 新たなソーシャルファームが次々と創設され、自立していく取り組みの構築に向け、知事の見解を求めます。
 法定雇用率の引き上げが予定されている中で、障害者を雇用した経験のない企業に対する支援の強化を急ぐ必要があります。また、女性の再就職では、飯田橋の東京しごとセンターで支援を実施していますが、多摩地域に住む都民には利用しにくい距離感があります。
 都がこれまで実施してきた就労支援施策についても、条例制定をきっかけに課題を整理し、支援内容を拡充するべきと考えますが、都の見解を求めます。
 また、就労に困難を抱える方への支援にあっては、相談、就労、定着までを一連の流れと捉えて検証し、PDCAのサイクルの中で、絶えず支援内容のブラッシュアップを図る体制を構築すべきと考えます。見解を求めます。
 さらに、社宅などに住む都民は、離職すると住まいも失うことになります。出所者や児童養護施設の退所者などにそうした事例が多く、支援が必要です。
 住宅政策本部は、福祉保健局とともに取り組むチャレンジネット事業で、都営住宅を活用し、介護職の資格取得に要する講座などを受講中に住まいを提供していますが、対象を介護職以外にも広げ、数も拡大していくべきです。見解を求めます。
 次に、都発注工事における働き方改革について質問します。
 我が党は、第三回定例会の代表質問で、工事契約に係る提出書類の削減と工事現場での女性活躍の推進を求め、前向きな答弁を得ていたところです。
 今後、具体的な改善が進むよう、受注業界に対して十分に周知し、意見交換を行って臨むよう求めるものです。都の見解を求めます。
 また、書類の削減は、資料項目数の削減だけでなく、書類レス、提出や保管の電子化という、ICTを活用した負担軽減策を同時に進めていくべきです。
 建設土木人材の不足は急速に進行しており、対応のおくれは、人材の枯渇など取り返しのつかない事態につながりかねません。受注業界と協議し、着手可能な点から改善を進めていくべきと考えます。見解を求めます。
 さらに、工事現場での女性活躍の推進には、モデル工事の拡大が急務です。都営住宅の建てかえ工事で実施している女性活躍モデル工事は、基本単価への加算が大きく評価できますが、現状は、発注者が工事件名を特定する発注者指定型に限られています。
 今後は、受注者側の努力で現場に女性の働き手を配置できる場合には、同じような加算が付加される受注者希望型も選択可能としていくべきと考えます。見解を求めます。
 宅配ボックスの設置促進は、運送業での働き方改革の推進に役立ちます。
 我が党は、国土交通省の取り組みを通じて、敷地内や建物内での宅配ボックスの増築を容積率換算で優遇する政令改正を推進し、増設への道を開きました。
 都議会でも、平成三十年十一月一日の都市整備委員会で、設置促進を都に求めたところです。
 駅ナカ、駅前などの人通りの多いオープン空間で利用できる宅配ボックスの設置について、その後、都市整備局での検討はどう進んでいるのか、まず見解を伺います。
 既に公社住宅では整備が開始されていますが、今後は都営住宅でも、複数の配送業者が使えるオープン利用の観点も含めて設置を検討していくべきです。高齢の居住者からも、ドアベルに気づかない場合があるとして、設置を待ち望む要望が寄せられています。見解を求めます。
 さらに、通勤通学時での利用を進める観点では、都営地下鉄などでの取り組みが効果的です。今後、さらなる展開を図るべきです。交通局の見解を求めます。
 次に、東京都中央卸売市場条例の改正について質問します。
 場外取引の拡大や、人口減少と高齢化の進行による食の先細り感が強まるなど、市場経営の先行き不安は誰の目にも明らかであります。
 国は、場内取引量や取引金額の拡大を図るべく法改正を断行しており、都においても、取引規制の緩和や卸売市場の活性化の方針を定める必要性が生じているのが今回の条例改正であります。
 しかし、そうした大目的に立つものとはいえ、市場取引の変更を伴う改正であり、国会での審議も結果的に詳細な附帯決議を行うなど、慎重な配慮を講じています。したがって、今後、市場での取引量や取引高に改善が見られなければ、長年の取引慣習を変更してまで、何のための改正であったのかと関係者の期待を損ね、不信を招く結果になりかねません。
 都は、今回の条例改正を契機に、市場業者への支援策をどう強化して、取引量や取引高の改善を実現するのか、その道筋を具体的に打ち出すべきであります。知事の見解を求めます。
 都の卸売市場は、市場を構成するさまざまな事業者の活動によって支えられています。事業者は、規制緩和に伴う取引ルールの変更によって、経営が悪化するのではといった不安や戸惑いを感じています。とりわけ中小零細の企業が多い仲卸業者の不安は一層深刻といえます。
 開設者である都は、中小零細の仲卸業者の不安や戸惑いの声に応え、その経営の安定化に向け、丁寧にサポートしていくべきと考えます。都の見解を求めます。
 次に、知事が今定例会の所信で表明した、都立病院と東京都保健医療公社病院の地方独立行政法人化について質問します。
 都立病院等の医療体制は、都民の命と健康に直接かかわるだけに、大きな改革である独法化の目的や課題等を明確にし、都民の理解と納得を得る必要があります。
 都立病院は、感染症医療、災害医療、島しょ医療などの行政的医療や高度専門医療を、公社病院は地域医療との連携を主に担ってきました。
 都立病院の改革については、平成十三年の都立病院改革マスタープランに基づき、小児三病院の統合による小児医療の充実や、地域医療を担う都立病院を東京都保健医療公社に移管するなど、再編を進めてきました。
 所信表明では、公社病院を含め、都立病院と一体的に地方独立行政法人に移行させる方針が示されましたが、これまで進めてきた改革の上に、なぜ今、地方独法化を進める必要があるのか、知事の明快な見解を求めます。
 地方独法化した場合でも、必要な予算を都が投入することで、採算の確保が難しい行政的医療を堅持することはもちろん、時代に応じて生じる新たな医療課題にも積極的に取り組み、都民が安心できる医療体制を整備すべきです。
 都民が必要とする行政的医療が将来にわたって十分に担保されるのか、知事の見解を求めます。
 一体的に地方独法化するとしている公社病院の今後の方向性を検討する必要もあります。
 公社病院は、地域の診療所との役割を明確にした上で、緊密な医療連携体制を構築し、都が進める地域医療システム化のリード役を目的に設立されました。
 都立病院から公社病院に移行させた検証結果も踏まえ、公社病院の今後の位置づけを明確にすべきと考えます。知事の見解を求めます。
 既に地方独法化を実施している病院では、病院経営の自由度が増し、人材の機動的な確保による効率的、効果的な病院運営ができるようになったとの共通点があるといわれています。一方では、病院が自治体の行政組織から外れることで、議会の関与が弱まっているとの話もあります。独法化の前提として、都議会が関与することを通し、都民の意見が反映されることは大事な視点です。
 地方独立行政法人には、自治体の運営費負担金や中期的な計画の議決などの仕組みが法律に規定されていますが、さらに議会の意見を聞く場を設けるなど、しっかり議会がかかわっていくことが、よりよい医療体制につながるものと考えます。独法化病院に対する議会の関与について、知事の見解を求めます。
 次に、ドクターヘリについて質問します。
 公明党は、これまで党を挙げてドクターヘリの全国配備を推進し、現在、四十三道府県で五十三機の導入が実現しています。
 都議会公明党は、本年第一回定例会で、全国的に展開されているドクターヘリの活用を提案いたしました。
 これに対し都は、東京オリ・パラ大会の開催を見据え、災害発生時及び平時においても限りある医療資源を有効に活用できるよう、近隣県とのドクターヘリの受け入れを含めた具体的な連携について検討し、救急災害医療体制の強化を図っていくと答弁されました。
 そこで、近隣県との連携に向けた検討状況と、今後の取り組みについて見解を求めます。
 東京は、現在の東京型ドクターヘリ、ドクターカー、救急車の体制と連携したドクターヘリの活用によって、救急医療体制を重層的にすることができると考えます。
 東京には多くの要人が訪れます。オリンピック・パラリンピックも開催されます。そして、首都直下地震、大規模水害が危惧されます。今こそ都は、我が党が推進してきた東京型ドクターヘリに加え、全国的に展開されているドクターヘリの導入に向け、本腰を入れた検討に着手すべきであります。知事の見解を求めます。
 次に、東京オリ・パラ大会について質問します。
 初めに、交通渋滞対策であります。
 大会本番時の交通渋滞対策は、交通需要マネジメント、いわゆるTDMと、交通流入量を調整するTSMが確実に実施されることが重要となります。この対策の中で、都民の皆様の協力をいただかなければならないのがTDMであり、特に企業の皆様に、スムーズビズやテレワーク、計画的な休業をお願いしなければなりません。
 大会一年前に当たる本年七月には、大会本番並みの目標を掲げ、交通混雑緩和に向けた取り組みを総合的にテストしました。しかし、結果は、大会本番並みの目標にはほど遠いものとなりました。そのため、追加対策として、高速道路のロードプライシングを実施することを発表しました。これはあくまで追加対策であり、まずはTDMを着実に進めていくことが何より重要です。
 しかし、総合テストにおいても、積極的に参加したのは大企業であり、中小企業はほとんど参加していませんでした。
 そこで、せめて大会本番期間中だけでも、スムーズビズやテレワーク、計画的な休業に企業が取り組めるように財政的な支援を実施すべきであると、第三回定例会で提案いたしました。
 都は具体策を検討すると答弁しましたが、検討結果について明らかにしていただきたいと思います。
 次に、復興五輪という観点から、都議会公明党の提案によって継続して実施されている、被災地応援ツアーについて質問します。
 福島県では、会津や中通りで観光客数が回復していますが、浜通りは依然厳しい状況にあります。二〇二〇年は、政府が策定した復興創生期間の最終年度になるとともに、いよいよ復興五輪の位置づけのもと、国内外から多くの注目が集まる機会です。
 これまでの応援ツアーの実績の確認とともに、福島県内の経済と住民生活回復の足がかりをしっかりと築くためにも、令和二年度も福島県に対する被災地応援ツアーを実施すべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、競技観戦についてであります。
 マラソンと競歩が札幌での開催となったことは大変残念ではありますが、東京大会として盛り上げていくことは重要であります。マラソンのチケット購入者の中には、新国立競技場の中に入れること自体を楽しみにしていたという方もおられます。
 そこで都は、チケットを購入した方や観戦予定だった子供たちの観戦機会の損失を補うために、新国立競技場に入場していただき、パブリックビューイングや催し物を開催するなど、組織委員会に提案していくべきと考えますが、都の見解を求めます。
 マラソン競技に関連し、東京マラソンについて質問します。
 東京マラソンは、年々人気が高まり、最近では参加申し込み倍率も十二倍になっています。特別枠のチャリティーエントリーでは、ことしは、個人チャリティーが募集開始後わずか四時間半で定員に達しました。
 そのような状況の中、申し込みをしても毎年落選し、走りたくても走れない方が多数おります。都民の参加機会をふやし、また、連続落選者に配慮した仕組みを講じるべきであります。見解を求めます。
 次に、ラグビーワールドカップのレガシーについて質問します。
 アジア初のラグビーワールドカップ日本大会において、都は、子供たちに世界最高レベルの本場の試合を体験してもらうため、千人を超えるジュニアラガーを東京スタジアムに観戦招待しました。
 また、我が党の提案により、被災地の宮城、福島から小中学生ラガーを観戦に招待するとともに、都内のラグビースクールの協力のもと、都内の小中学生ラガーとの合同練習などを行い、交流を深めました。
 一方、都内のラグビースクールでは、子供たちの入会希望が増加していますが、開催する場の確保に苦労しています。
 そこで都は、このようなラグビー人気を一過性のものとせず、今回のワールドカップのレガシーとしてラグビー文化を定着させるため、積極的に場の確保に取り組むべきと考えます。知事の見解を求めます。
 また、都は、ラグビー文化を東京に定着させるため、子供たちがラグビーに関心を持ち、継続してプレーに取り組む機会を提供すべきと考えます。都の見解を求めます。
 次に、日本語指導が必要な児童生徒への支援について質問します。
 文科省の調査では、都内の公立学校に在籍する日本語指導が必要な児童生徒数は、平成二十六年から比較して、小中学校では約一・三倍、高校では約一・七倍に増加しています。今後、入管法の一部改正に伴い、ますます外国人の児童生徒が増加します。
 都議会公明党は、そうした児童生徒へのきめ細かな支援の充実が必要と一貫して訴えてきましたが、公立小中学校における今後の支援の取り組みについて、都の見解を求めます。
 都立高校でも、都議会公明党の提案で在京入学枠を順次拡大してきましたが、一般の入試倍率より依然高く、さらなる拡充が必要です。また、定員の関係で、対象となる生徒の多くが定時制高校に入学するものの、日本語が障壁となって、中退や不登校の割合もふえていると聞いています。
 一方、指導側も、共通の日本語指導プログラムがなく、各学校、教員の努力やボランティアの支援に頼らざるを得ず、日本語指導に取り組んでいるNPOや大学等との連携が有効です。ことしの予算特別委員会での都議会公明党の質問に対し、都は、NPOや大学などとの連携による学習支援の効果的な指導方法などについて検討すると答えました。
 そこで、都立高校でも日本語指導のハンドブックを作成するとともに、日本語指導が必要な生徒への支援の充実に取り組むべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、不登校対策について質問します。
 児童生徒の不登校は、小中学校合わせて約一万四千人に及び、昨年同時期より二千人も増加しています。この状況は、都も、全国的にも過去最高を更新し続けています。苦しんでいるのは子供本人であり、保護者であります。
 公明党はこの実態を看過できないとして、先頭に立って二〇一六年、議員立法において教育機会確保法を成立させました。
 それにより、学校への復帰を大前提とした従前の不登校対策の方針を改め、民間のフリースクール、公立の教育支援センター、不登校特例校などの多様で適切な学習活動による対応を公式に評価するよう転換が図られました。
 都議会公明党は、これを踏まえ、民間のフリースクールの定義を明確にした都独自のガイドラインを策定するよう求めました。
 不登校であっても、民間のフリースクールを含む多様な学びの場を選択でき、児童生徒が将来、精神的にも経済的にも自立して豊かな人生を歩めるよう、支援強化を加速していくべきです。都の見解を求めます。
 次に、小笠原振興について質問します。
 我が党は、本年九月に小笠原調査団を派遣し、関係者から小笠原の課題等について種々聴取してきました。
 小笠原航空路は、昨年度から、洲崎地区活用案に絞って集中的に検討されていると聞いています。今年度の調査費は、前年度予算額一億二千万円に対して四億九千万円と四倍に増加しています。
 今年度の小笠原航空路における調査の実施状況を踏まえ、取り組みをさらに前へ進めていく必要があります。今後の航空路開設に向けた知事の決意を伺います。
 また、昭和四十年代から都は、小笠原へ帰島を希望する旧島民の定住促進のため、都営住宅を建設しました。これらが建てかえの時期を迎えています。
 都は、建てかえた住宅は将来的に小笠原村に移管すると地元に説明してきました。しかし、村には、移管後の都営住宅を維持管理、修理する人材も財政力もありません。
 そこで都は、今後、老朽化した都営小笠原住宅の建てかえを早期に実施するとともに、建てかえ後は、村への移管を見据え、維持管理にも配慮が必要になると考えますが、見解を求めます。
 さらに、小笠原の農業振興策についてでありますが、小笠原、特に母島では、パッションフルーツやミニトマト、島レモンなどの栽培が盛んであり、大変に人気があります。こうしたすばらしい農作物の供給をふやす農地の確保が重要と考えます。
 都は、村と連携し、農地の安定確保などを支援する農業団地を整備していますが、今後さらに農地を拡大すべきと考えます。見解を求めます。
 次に、都営住宅について質問します。
 都営住宅は、入居抽せんが高どまりしている現状があり、他方で、都内の民間の空き賃貸住宅が約五十八万戸あり、応募のミスマッチが続いています。都営住宅が主に家族向けに整備されてきた経緯があり、単身世帯の増加に追いついていません。
 過日の住宅政策審議会答申でも、社会情勢の変化に応じた新たな課題の実例として、単身者向け住戸の応募倍率が高いことと、地域によってはファミリー世帯向け住戸の応募割れなどが指摘されています。
 そこで、応募割れしている住戸のある地域では、あっせん基準を緩和して、家族向け募集住戸について単身者の応募の道を開くべきであります。加えて、応募がない住戸などの募集では、公社住宅では既に実施されているように、抽せんではなく、いつでも応募できるよう工夫すべきと考えます。見解を求めます。
 最後に、SNS相談について質問します。
 SNSを活用した相談は、公明党が旗振り役となり、都においても、ネットトラブルや自殺防止の相談とともに、教育に関する悩みにも対応するため、通年で相談できる体制が整備されたことを評価いたします。今後は、相談対象の拡大や相談時間の延長など、ニーズ把握に努めることが必要です。
 さらに、我が党の推進により、平成二十九年、都の若者総合相談が若ナビαにリニューアルされました。相談を寄せる年齢層は主に二十歳から三十歳代で、メンタル面や体調のような自分自身の悩みに関する相談内容が約半数で、仕事、対人関係、家族の悩みと続きます。若ナビαにおいてもSNSによる相談を実施すべきと考えますが、見解を求め、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 高倉良生議員の代表質問にお答えをいたします。
 今回の風水害に対する検証についてのご質問が冒頭にございました。
 この秋、首都圏に相次いで襲来した台風によりまして、都におきましても、近年経験したことのない暴風による家屋破壊や豪雨による浸水など、大きな被害が発生をいたしました。
 また、最前線で災害対応に当たる区市町村におきましては、被害状況の把握や住民の避難対応などでさまざまな困難が生じたと聞いております。
 こうした状況を踏まえまして、これまでの風水害対策をより一層強化する必要性が高まりましたことから、副知事をトップとした全庁横断的な検証会議を立ち上げたところであります。
 検証に当たりましては、区市町村に対するヒアリングや都民からのアンケートを行いまして、全庁的に課題の抽出を行いました。
 その結果、連絡要員の派遣を初めとした区市町村に対しますさまざまな支援策や、災害で損傷した河川施設の来年の出水期前までの復旧、護岸の強化など、都議会公明党を初めとする各会派からの要望も反映をいたしまして、三十五項目にわたります対策を取りまとめたところであります。
 今後も、ソフト、ハード両面にわたりますきめ細かな施策に取り組むとともに、区市町村等の関係機関との連携を一層強化し、セーフシティー東京を実現してまいります。
 一部損壊住宅への支援についてでございます。
 今回の台風は、都内の広い範囲で住宅に大きな被害をもたらしました。このため、被災した都民の住宅の安全と生活の再建を図ることができますよう、国の支援の対象とならない被災住宅につきまして、新たな補助制度を創設いたしました。
 災害救助法に基づく国の応急修理制度におきましては、補修工事が終了いたしまして、支払い済みのものは対象外としておりますが、今回の都の制度におきましては、比較的被害が小規模で、既に代金を支払い済みの工事もあると想定されることなどから、こうした場合も支援の対象とするよう、区市町村からの要望が出ているところであります。
 そこで、本事業は、国の応急修理制度を準用しつつも、区市町村の意向も踏まえまして柔軟に対応すべく、支払い済みのものも対象といたします。
 これに加えまして、お話の支払い済みであったがために、国の応急修理の支援を受けることができなかった工事についても対象といたします。
 このたびの台風によりまして住宅被害に遭われました都民の皆様方に広く支援が行き渡りますよう、区市町村と協力しながら取り組んでまいります。
 次に、樋門操作等の広域的な情報の共有についてであります。
 今回の台風第十九号におきましては、都内で初めて大雨特別警報が発表されまして、一部の地域では内水氾濫や川からの溢水による床下、床上浸水などによりまして、住宅にも大きな被害をもたらしました。
 樋門は、増水した河川から下水道施設等への逆流を防ぎ、水害から地域を守るための重要な施設であることから、その役割を住民の方々に広く周知していくことは重要であります。
 そのため、平常時から都民の皆様が浸水のリスクなどを理解し、水害に備えていただけますように、樋門の役割や開閉によります浸水の危険性等につきまして、区市等と連携して、ホームページなどによります情報発信を早期に実施をいたします。
 また、大雨の際におけます樋門の開閉操作でございますが、隣接する区市などにも影響を及ぼす可能性がございますことから、都と区市等の実務者による協議を開始し、樋門の操作情報を関係区市等で迅速に共有する新たな仕組みを構築いたします。
 こうした取り組みによりまして、適切な樋門操作と住民への情報提供を行って、大雨によります地域の浸水被害対策に万全を期してまいります。
 次に、将来の幼児期の教育のあり方についてのご質問でございました。
 将来の東京を担う子供たちは、無限の可能性を秘めたかけがえのない存在であります。子供一人一人に着目をして、社会全体で育てていくことが我々に課せられた責務であります。
 とりわけ、お話の集団保育のように、幼児期から子供同士が自然に交わることで、人間としての力を身につけていくことは、生涯にわたる人格形成の基礎を築く上で重要であります。
 今後は、AI化の進展などによりまして仕事の内容も大きく変化を遂げる中で、非認知能力をいかに育成していくかが重要となってまいります。
 時代の変化はますます激しく、不確実性が増す中で、既存の価値観やロールモデルに頼るのではなく、一人一人が共感する力やコミュニケーション能力を高めて、みずから人生を切り開いていくことが求められてまいります。
 こうした観点から、二〇四〇年に向けまして、子供が個性や能力を存分に生かしてみずから伸び、育つ東京が実現できますよう、幼少期を含めました教育のあり方について幅広く検討を進めてまいります。
 次に、多胎児支援に関する局間の連携についてのご質問でございます。
 双子や三つ子などの多胎児を育てる家庭というのは、同時に二人以上の妊娠、出産、育児をすることに伴います身体的、精神的負担や経済的な問題など、多胎児ならではの困難に直面する場合も少なくございません。
 これらの課題に対しまして多胎児家庭の保護者からは、家事、育児の負担軽減や経済的な援助、子供を預ける場所の確保など、ライフステージに応じました多岐にわたるニーズの声が届いております。
 こうしたニーズは、都政の幅広い分野に及ぶものでございまして、いわゆる福祉の分野のみならず、都庁横断的に横串を刺して支援策を講じることが重要でございます。
 今後、関連する各部門が強固に連携しながら支援策を検討しまして、着手できるものから迅速に事業化を図ってまいります。
 多胎児を育てる家庭への支援でございますが、かねてより都議会公明党の皆様方から、多胎児を育てているご家庭のご苦労についてのお話を伺っております。
 先日も、御党のご紹介で、現在子育て中の保護者の方々が都庁を訪問されました。そして、子供の世話や家事にとにかく人手が足りないんだ、双子が交互に寝たり起きたりして眠れない、食事やトイレ、入浴の時間もままならないなどなど、切実なお話をされたことも伺いました。
 都といたしまして、今年度から、子供を在宅で育てる方々の育児や家事に関する不安や負担感を軽減できますよう、ベビーシッターや家事支援サービスの利用に関する支援を開始いたしました。こうしたサービスが、育児の負担の大きい多胎児を育てる家庭にもっと届くようにしていかなければなりません。
 今後、多胎児を育てる家庭をしっかりと支援できますように、訪問型のサービスをさらに充実させまして、子育て家庭を支援する環境の整備を全力で進めてまいります。
 都有施設の再生可能エネルギー電力の利用についてのご質問がございました。
 ゼロエミッション東京の実現に向けまして、再エネの利用拡大は大きな柱の一つでございます。
 そのため、隗より始めよといたしまして、今年度は、都庁舎版RE一〇〇に取り組んだところでありまして、引き続き、さまざまな都有施設において再エネ電力の利用を進めていくことは重要であります。
 現在、家庭の太陽光発電につきまして、国の固定価格買い取り制度による十年間の買い取り期間が満了して、いわゆる卒FITを迎えた家庭が都内におきましても生じ始めておりまして、今後加速度的にふえてまいります。
 都内卒FIT家庭の太陽光発電は、地域の重要な再エネ電力といたしまして、固定価格買い取り制度による買い取りが終了した後も発電が継続されますように、しっかり役立てていかなければなりません。
 このため、都内産卒FIT電力を都のイニシアチブで活用するとともに、再エネ電力の供給量を高めていく方策などを検討し、都民の身近にある都有施設での再エネ電力一〇〇%化を目指してまいります。
 次に、水の都にふさわしいまちの実現についてのご指摘がございました。
 多くの魅力にあふれた美しい東京の実現に向けましては、水と緑を一層豊かにして、ゆとりと潤いのあるまちをつくることは重要であります。
 八月に公表いたしました未来の東京への論点におきましては、こうした考えのもとで、玉川上水や河川の清流復活、水辺に顔を向けたまち並みの形成、潤いやにぎわいのある水と緑の空間の創出などとあわせまして、外堀の水質浄化を課題の一つとして提示をしたところでございます。
 外堀につきましては、現在、関係局が連携をいたしまして、効果的な水質改善方策について幅広く検討を進めております。
 また、東京の都市としての魅力をさらに高めていくため、引き続き、外堀の水質改善に向けましては関係団体と連携しながら取り組むとともに、品格ある都市景観の形成や歴史、文化、水辺を生かしました都市の顔づくりなどを進めることで、水の都にふさわしい、美しい東京を実現してまいります。
 次に、ソーシャルファームについてのご質問でございます。
 今回提案した条例でございますが、就労に困難を抱える方の新たな活躍の場といたしまして、ソーシャルファームをこの東京に誕生させて、根づかせることを目標の一つとしております。
 そのためには、ソーシャルファームを創設しようとする方に向けて、都がソーシャルファームを認証する明確な基準を示すとともに、実効性のある支援策を用意することは重要であります。
 ソーシャルファームの創設に向けました設備導入支援や、事業を軌道に乗せるための一定期間の運営費の助成、加えまして、事業の発展を後押しする経営上のアドバイスの実施など、支援の仕組みづくりに取り組んでまいります。
 今後、速やかに企業経営等の専門家などによります検討会を新たに設置いたしまして、具体的な認証基準や支援策の詳細につきまして、検討を進めてまいります。
 これらの取り組みによりまして、ソーシャルファームの創設を促進し、就労に困難を抱えるさまざまな方が広く活躍する社会の実現を目指してまいります。
 次に、市場の活性化についてでございます。
 活気にあふれて、生産者や取引参加者に支持される中央卸売市場の実現は、永遠の市場のテーマでもあり、開設者の責務でもございます。
 今回の条例改正は、市場を取り巻く環境が変化する中で、より活発な取引を可能とする環境を整えるものでありまして、市場の活性化を図るための土台づくりにほかなりません。
 この改正を契機といたしまして、取扱量の増加につなげるためには、新たな制度への理解を深めるとともに、環境変化に即しました工夫ある取り組みの促進に向けまして、市場業者を後押ししていくことが重要でございます。
 このため、改正内容をきめ細かく周知をして、新たな取引ルールに関する理解を深めていく。あわせまして、海外も含めた販路の拡大など、集荷力、販売力の強化などを目指した意欲的な取り組みを力強く後押しをするとともに、その内容を広く共有することで、より多くの市場業者によります環境の変化に即した事業展開へとつなげてまいります。
 こうした取り組みを積み重ねることで、産地や実需者との取引の拡大を図りまして、卸売市場のさらなる活性化を目指してまいります。
 次に、都立、公社病院の地方独立行政法人化の推進についてでございます。
 都民が生き生きと豊かに暮らすために、医療は欠かせない基盤であり、都立、公社病院は大きな役割を担っております。
 今後、超高齢社会の本格化によりまして、医療、介護需要がさらに増加することが見込まれる中で、都は、東京都地域医療構想を策定して、団塊の世代が後期高齢者となる二〇二五年に向けまして、住みなれた地域で医療から介護まで提供できる体制の構築に向けて取り組んでおります。
 地域医療構想の実現に向けまして、都立、公社病院は、公的な病院として、民間医療機関などとの連携のもと、地域の医療水準を向上させるための取り組みや不足する医療の提供が求められております。
 こうした取り組みを先導的、補完的に行っていくことは喫緊の課題でありまして、速やかに取り組まなければなりません。
 また、二〇四〇年代も見据えますと、医師や看護師等の担い手不足など、医療を取り巻く課題はより深刻化していくことが想定をされます。このような時代を迎えましても、都民の医療ニーズにしっかりと対応することが必要であり、確実に医療が提供できる体制づくりは待ったなしでございます。
 こうしたことから、さらなる都立、公社病院の改革として、一体的に地方独立行政法人に移行いたしまして、十四病院のスケールメリットを生かしながら運営できるよう、準備を開始することといたしました。
 この地方独立行政法人には、柔軟な勤務制度の構築などにより、医療ニーズに応じた機動的な人材確保が可能になるなどの特徴がございます。
 このような特徴を最大限に生かしまして、超高齢社会におけます多様な医療課題にも的確に対応することで、都の医療政策を力強く推し進めてまいります。
 このことで、将来にわたって都民の誰もが質の高い医療を受けられて、安心して暮らせる東京を実現してまいりたいと存じます。
 行政的医療の将来にわたる担保についてであります。
 災害医療や感染症医療など、民間の医療機関だけでは対応が困難な行政的医療の提供は、東京の医療のセーフティーネットである都立病院が果たさなければならない重要な役割でございまして、都としての責務でございます。
 地方独立行政法人化した後は、法の定めによりまして、都知事は、行政的医療を確実に提供するため、都議会の議決を経て策定する中期目標を通して明確な指示を行います。
 また、都は、採算の確保が困難となる行政的医療などの経費につきまして、現在と同様に負担をいたします。
 こうした仕組みのもとで、柔軟な人材確保など、法人ならではの機動的な運営を行うことで、行政的医療を将来にわたりまして都民に確実に提供をしてまいります。
 公社病院の今後の位置づけについてでございますが、これまで公社病院は、地域の医療機関との連携と役割分担のもとで、都民が身近な地域で適切な医療を受けられる効率的な地域医療システムの構築を先導してきておりまして、東京における地域医療支援のモデルとなったと、このように評価をいたしております。
 また、救急医療やがん医療など、地域が必要とする医療を提供しておりまして、まさに地域に根差した病院として歩んでまいりました。
 さらに、病院の特性に応じまして、精神科医療、感染症医療などの行政的医療を都立病院と連携しながら提供しておりまして、都民のために不可欠な病院でございます。
 その一方で、公社に移管した病院におきましても、看護師の定着、事務職員の育成といった人材面や、医薬品、診療材料の費用削減など、経営面で依然として課題が残っていることも事実でございます。
 今後は、都立病院と一体的に地方独立行政法人化することで、こうした人材面や経営面の課題の解決も図りまして、これまで培ってきたノウハウを共有するとともに、十四病院のスケールメリットやそれぞれの強みも生かしながら、相乗効果によって運営体制を強化してまいります。
 このことで、これまで以上に都民の期待に応えられる病院を目指してまいります。
 地方独立行政法人化した病院に対する議会の関与については、地方独立行政法人は、法人が担うべき医療や業務改善等に関する中期目標の策定のほか、収支計画などを含みます中期計画の認可、行政的医療などの経費について都が行います財源措置などにつきましても、議会の議決が法定されております。
 こうした点も踏まえながら、都民ニーズを的確に反映できますよう、お話の法人に対する議会の関与のあり方についても、今後検討してまいります。
 ドクターヘリの導入に向けた検討についてのご質問でございます。
 現在、東京消防庁と連携をいたしまして、遠距離運航や夜間飛行が可能な東京型ドクターヘリを多摩や島しょ地域の救急搬送におきまして運用しております。
 一方で、お話の小型ヘリを活用したドクターヘリでございますが、短時間での離陸など機動力が高く、効率的な救急医療体制の確保に寄与するものと考えております。
 こうしたことから、都の救急医療体制の機能強化に向けまして、小型ドクターヘリや東京型ドクターヘリ、救急車、東京DMAT、それぞれの有用性が高い地域などについて調査を進めております。
 今後、救急災害医療分野の専門家や東京都医師会等の関係団体の代表から成る会議で議論を進めながら、東京型ドクターヘリと連携いたしましたドクターヘリの導入に向けました検討を進めてまいります。
 ラグビー文化を定着させるための場の確保についてのご質問でございます。
 ラグビーワールドカップ二〇一九の盛り上がりを一過性のものとせずに、ラグビーの楽しさやノーサイドの精神などを文化として定着、継承していくことは重要でございます。
 そのためには、ジュニア世代を含めて、ラグビーに関心を持つ人々が身近な地域で気軽に体験をし、継続的に活動できる場を確保していく必要がございます。
 現在、ラグビーができる都立施設は十一カ所、今後、都立公園の整備等の機会を捉まえまして、ラグビーができる場の整備について検討してまいります。
 あわせて、都内の公立スポーツ施設のうち、ラグビーで活用可能な施設につきましては、情報を集約して都民に提供いたします。
 さらに、民間企業や大学、都立高校を初めとする教育機関が所有している施設を、都民が気軽にラグビーに取り組める場所といたしまして活用できるように、区市町村とも連携をして取り組んでまいります。
 ラグビーワールドカップを開催した都市として、東京にラグビー文化が定着しますように継続的に取り組んでいける場の確保に努めて、スポーツ都市東京を実現してまいります。
 最後に、小笠原航空路でございますが、航空路の開設は、島民生活の安定と国境離島である小笠原諸島の自立的発展を図る上で極めて重要でございます。
 本年九月、小笠原村長と直接意見交換を行いました際も、まず最初にご要望がございましたのが航空路の必要性についてでございました。村民の安心・安全を守るという観点からも、航空路の開設が村民の皆様の切なる願いであることを改めて強く感じたところでございます。
 都は現在、これまで検討してまいりました案の中から、より実現性の高い洲崎地区の活用案に絞って、集中的に検討を行っているところでございます。
 本年度におきましては、航空機の開発動向や技術開発の進展に関する調査に加えまして、現地の地質や気象等につきまして、新たに、より詳細な調査に着手をいたしております。
 世界自然遺産であります小笠原におきまして、貴重な自然環境と調和した実現可能な航空路案が取りまとめられますように、あらゆる可能性を追求して、国や小笠原村とも緊密に連携を図りながら、検討をさらに進めてまいりたいと考えております。
 なお、その他のご質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 初めに、日本語指導が必要な小中学生への支援についてでございますが、都内公立小中学校では、数十カ国語に及ぶ外国語を母語とする子供たちが学んでおりまして、学校生活に必要な日本語の習得には、一人一人に応じた支援が必要でございます。
 そのため、都教育委員会は、日本語指導の資料や教材を作成するとともに、日本語学級設置校や日本語指導が必要な子供が多く在籍をする学校に教員を加配するなど、指導の充実を図ってまいりました。
 これらに加え、本年度は、家庭等との円滑な会話のために、学校向け多言語翻訳システムを活用する区市町村に補助を行っているところでございます。
 今後は、日本語学習教材の改訂や区市町村が行う外部人材の派遣、ICTの活用等への支援について検討するなど、子供たちの学校における学びの充実に向けた取り組みを推進してまいります。
 次に、都立高校における日本語指導が必要な生徒への支援についてでございますが、都教育委員会はこれまで、日本語指導が必要な生徒の状況に応じて、授業中や放課後等に、学習上必要な日本語や授業内容の理解を促進するため、外部人材を活用した個別の支援等を実施してまいりました。
 また、在京外国人生徒を対象とした募集枠を順次拡大し、令和二年度入学者選抜からは、新たに都立杉並総合高校に募集枠を設置いたします。
 今後、NPOや大学等の外部機関と連携し、生徒の習熟の程度に応じた日本語指導のための教員用テキストの開発や、日本語学習の指導者の確保策、また、言語、文化の違い等から生じる外国人生徒個々の課題解決に向けた取り組み等について検討し、生徒への支援の充実に取り組んでまいります。
 最後に、フリースクール等の民間施設との連携についてでございますが、不登校の状況にある子供には、学校復帰のみを目標とせず、社会的に自立した生活を送ることができるよう、個々に応じた多様な学びの場での支援が必要でございます。
 そのため、都教育委員会は、区市町村教育委員会や不登校の相談、学習指導を行うフリースクール等と実施してきました意見交換会を、今年度、連携検討委員会へと発展させ、効果的な支援のあり方等について協議をしているところでございます。
 今後、この協議を踏まえ、フリースクール等に通う子供に関する情報の共有や、出席の取り扱いのあり方等を示した資料を作成し、学校や家庭に配布するとともに、区市町村教育委員会が設置する教育支援センターがフリースクール等と連携して行う取り組みを支援するなど、子供が豊かな将来を築くことができるよう取り組みを進めてまいります。
〔東京都技監佐藤伸朗君登壇〕

○東京都技監(佐藤伸朗君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、外堀の水質改善についてでございます。
 都は現在、外堀の水質等の詳しい調査を行うとともに、関係局が連携し、効果的な水質改善方策について幅広く検討を進めております。河川水などの導水については、方策の一つですが、水利権や導水ルートの確保、その際の経費など、さまざまな課題があります。
 今後、工業用水道事業廃止後の施設の活用可能性も含め、これらの課題への対応策について検討してまいります。
 また、外堀は法定外公共物であることから、国はもとより、日常的な維持管理を行う地元区との連携が不可欠でございます。都は、本年九月に国との連絡会議を立ち上げ、水利権の確保等の課題について検討を行っております。今後、地元区の連絡会議への参加を得て連携強化を図り、外堀の水質改善に向けた方策をしっかりと検討してまいります。
 次に、宅配ボックスの設置についてでございます。
 宅配便の取扱件数が急増する中、労働力不足に対応するとともに、二酸化炭素排出量を抑制するため、再配達の削減などによる物流の効率化を推進する必要がございます。
 宅配ボックスの普及は、国の検討会においても、再配達の削減に向けた具体策の一つとして示されております。駅などの公共スペースに設置されるオープン型宅配ボックスは、誰でも荷物の受け取りができ、利用者の選択肢がふえることにより、利便性向上に資するものでございます。
 現在、オープン型宅配ボックスに関して、設置状況や事業者等の意向、技術開発の動向などについて幅広く調査を実施しており、今後、その結果を踏まえ、都としての対応を検討してまいります。
〔総務局長遠藤雅彦君登壇〕

○総務局長(遠藤雅彦君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、市町村災害復旧・復興特別交付金を活用した支援についてでございますが、本年九月以降に発生した一連の台風により、多摩・島しょ地域においても、強風による住宅の損壊や河川の氾濫による住宅の浸水など、多くの被害が発生をいたしました。
 こうした台風被害からの復旧、復興に係る市町村財政への影響は大きいことから、市町村の取り組みを財政的に支援するため、今回提案している補正予算案に災害復旧・復興特別交付金として二十五億円を計上しております。
 この特別交付金は、補助金や特別交付税等を除いた市町村の一般財源による負担分を補完するものであり、一部損壊住宅の補修に要する経費にも活用できるようにすることで、市町村の復旧、復興の取り組みを強力に後押ししてまいります。
 次に、災害の種類に応じた避難先の確保についてでございますが、地震や風水害から命を守るには、住民が火災や浸水等の危険から身を守るため、緊急的に避難できる指定緊急避難場所が確保されていることが重要でございまして、この指定手続は、地震や津波、内水氾濫などの種類ごとに行うこととされております。
 これまで都は、区市町村に対し、制度の趣旨についての周知と早期の指定を促してまいりましたが、災害の種類に応じた指定緊急避難場所の指定手続が進んでいるのは、約半数の区市町村にとどまっております。
 今後、未指定の区市町村に対し、指定の考え方や手順等について、防災担当職員に向けた新たな研修を行うなど、早期に災害の種別に応じた避難先の確保がなされるよう支援を行ってまいります。
 次に、災害時の人員確保のあり方についてでございますが、都民の安全・安心を守るため、災害の発生時には、都に働く全ての職員の力を結集して、迅速かつ的確な災害対応を行うことが重要でございます。
 ご指摘の非常勤職員は、期間が定められた職務に従事し、行政運営を補完する役割を担うものであり、常勤職員とは職務内容や役割、責任の程度などは異なっておりますが、災害時において、全体の奉仕者たる公務員として一定の役割を果たすことが求められております。
 今後、都の非常勤職員につきましても、それぞれの実態を踏まえ、あらかじめ災害時における業務内容を検討し、職の設置要綱に反映するとともに、その結果を区市町村にも情報提供するなどにより、都と各区市町村における災害時の人員確保の強化につなげてまいります。
 最後に、多摩川のタイムラインの策定についてでございますが、都を初めとする防災関係機関が災害時に発生する状況をあらかじめ想定し、事前に行うべき防災行動を時系列に沿って取りまとめるタイムラインは、災害時の的確な行動を確保する上で重要でございます。
 国は、本年二月、新たなタイムラインの策定に向け、都や神奈川県及び多摩川沿いの区市等と検討会を設置し、災害時の防災関係機関の連携や情報共有の確保などについて検討を進めておりまして、来年の出水期前をめどに取りまとめることとしております。
 都といたしましては、今回の検証で明らかになった住民への情報提供や避難情報発信のタイミングなどにつきまして本検討会に反映させるなど、より実効性のある多摩川のタイムラインの策定に向けて積極的に取り組んでまいります。
〔住宅政策本部長榎本雅人君登壇〕

○住宅政策本部長(榎本雅人君) 六点のご質問にお答えいたします。
 まず、避難場所としての都営住宅の活用についてでございますが、水害のおそれのある地域において都営住宅を緊急避難先として活用することは、災害時における都民の安心確保に資するものと考えます。
 空き住戸の活用につきましては、電気、水道などが利用できない環境下での避難生活、室内の修繕、清掃の手配、入退去により空き住戸が随時変更する中での鍵の管理などのさまざまな課題がございます。
 今後、避難所を確保し、運営する役割を担う地元区の意向も踏まえ、こうした諸課題を慎重に整理するとともに、上層階にある集会室の活用や、建てかえ時における上層階への集会室の設置も含め、地元区からの相談に応じてまいります。
 次に、都営住宅の就労支援への活用についてでございますが、福祉や就労など、都のさまざまな就労困難者への施策と連携して、都営住宅ストックを有効活用することは重要でございます。
 介護人材の育成確保に協力するため、介護職場での就労を目指す離職者を対象に、平成二十一年度からチャレンジネット事業に都営住宅の住戸を活用しており、平成二十八年度以降、二十戸を提供しております。
 今後、提供戸数を拡大するとともに、対象を介護職以外での就労を目指すチャレンジネット利用者にも広げ、低収入で住宅に困窮する就労困難者への住宅支援を推進してまいります。
 次に、女性活躍モデル工事についてでございますが、建設業における女性活躍を推進するためには、現場で働きやすい環境整備を進めることが重要でございます。都営住宅建てかえ工事では、女性技術者の配置等を条件に更衣室などの整備を行うモデル工事を平成二十八年度に試行し、二人の若手女性技術者が活躍しております。
 一方で、建てかえ工事の大半を担う中小建設業の団体からは、女性技術者の配置が入札条件となると、応札しにくいという意見をいただいております。
 そのため、受注者が女性技術者を配置できる場合には、契約後であっても、受注者からの希望によりモデル工事を選択できる仕組みを導入してまいります。
 来年度から、一定規模以上の建築工事において試行の上、拡大を図り、女性の活躍を推進してまいります。
 次に、都営住宅での宅配ボックスの設置についてでございますが、集合住宅における宅配ボックスの設置は、居住者の利便性の向上はもとより、物流における再配達の削減、ひいては仕事と生活の両立を目指す上で、働き方改革の推進に資するものと考えられます。
 都営住宅におきましては、そのストックを有効活用して、居住者だけでなく、周辺住民も配送事業者各社から荷物を受け取ることの可能な、オープン型の宅配ボックスを設置することが有効でございます。
 今後、複数の団地での試行的な設置について、具体的な場所の選定や公有財産上に設置するための手続に係る検討を進めてまいります。
 次に、小笠原住宅の建てかえについてでございますが、都営小笠原住宅は、通常の公営住宅とは異なり、東京都小笠原住宅条例に基づき、帰島を希望する旧島民の帰島促進などを目的に、都が国の補助を受け、これまで三百九十三戸を建設してまいりました。
 このうち、老朽化が進んだ父島清瀬アパートの一部及び母島沖村アパートにつきましては、居住環境の向上及び自然環境に配慮した住まいづくりを目指し、建てかえに向けて、今年度、基本設計や自然環境調査を実施しております。
 また、住宅の維持管理につきましては、現在、都が行っておりますが、建てかえ後の維持管理のあり方については、村の意向も踏まえながら、今後検討してまいります。
 引き続き、村と十分に調整しながら、老朽化した小笠原住宅の建てかえの早期着工に鋭意努めてまいります。
 最後に、都営住宅の募集改善についてでございますが、都営住宅は住宅困窮者に対して、社会情勢の変化に応じて的確に供給することが必要でございます。
 都営住宅の応募状況を見ますと、利便性の高い都心区などでは応募倍率が高い一方、多摩部の三人用以上の住戸では応募割れしているものが多くあり、そのうち一部では、応募なしが継続しております。
 今後、こうした住戸において、世帯人数に応じて提供する住戸の広さと間取りの基準を弾力的に運用し、単身者など少人数世帯向けに募集する戸数を増加させる方策を講じてまいります。
 また、定期募集や毎月募集で応募のなかった住戸について、都民が住宅を必要とするときに速やかに入居できるよう、募集方法を改善してまいります。
〔下水道局長和賀井克夫君登壇〕

○下水道局長(和賀井克夫君) 樋門の操作を確実に行うための対策についてでございますが、樋門は閉鎖することにより内水氾濫のおそれがあり、操作に当たりましては、河川水位のみならず、宅地側のマンホールの水位等、さまざまな状況を的確に把握しながら行うため、樋門の操作は、現地に設置してあります操作盤などで行う構造が基本となっております。
 今般の台風十九号では、河川の水位が上昇した際に、暴風雨などのため、作業員の安全確保の観点から、閉鎖作業を実施できない樋門が二カ所ありましたことから、大規模風水害検証会議において、樋門の安全対策について検証した結果、堤防の宅地側からでも樋門の操作を行えるよう遠隔化の検討に着手しており、今後、速やかに遠隔化設備の設置位置等の調査を実施いたします。
 加えまして、樋門操作時におけます作業員の安全を確保するため、河川側にある操作盤につながる通路の改良につきましても、早急に実施をしてまいります。
〔水道局長中嶋正宏君登壇〕

○水道局長(中嶋正宏君) 水道事業における非常時の電力確保についてでございますが、水道局では、大規模停電時におきましても可能な限り給水を確保できるよう、自家用発電設備の整備を進めており、今年度は、金町浄水場外六カ所で整備中でございます。
 一方、整備する用地の取得に時間を要する箇所もあるため、進捗管理を徹底するべく、地権者との粘り強い交渉などを行い、早期の整備完了を目指してまいります。
 また、自家用発電設備の燃料を、都市ガスや軽油などに加え、LPガスを使用し、多様化を図ることは、災害時の給水を継続するためにも重要であると認識しております。
 LPガスを使用した自家用発電設備は、燃料運搬が容易なことや低騒音などの特性がございます。そのため、こうしたメリットを生かせる多摩地区の小規模な施設等への導入に向け、検討を進めてまいります。
〔交通局長土渕裕君登壇〕

○交通局長(土渕裕君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、大規模水害時の都営地下鉄の早期復旧についてでございますが、交通局では、局版BCPである危機管理対策計画に基づきまして、水害時の早期復旧に向け、車両の避難や駅、トンネルへの止水措置などによりまして被害の軽減を図るとともに、施設の被災状況等を踏まえ、迅速に復旧活動に取り組むこととしております。
 さらに、近年の豪雨災害の激甚化、頻発化を踏まえまして、荒川氾濫のような大規模水害に対しても減災を図るため、局内にPTを設置し、現在、変電設備など運行に不可欠な重要設備ごとに、被害想定を改めて精査しております。
 今後、先般の台風への対応等も踏まえまして、施設の浸水対策を強化するとともに、車両避難のタイミングなどにつきましても改めて検証するなど、早期復旧のため、より実効性の高い対策を検討してまいります。
 次に、都営地下鉄などにおける宅配ボックスの設置についてでございますが、交通局では、お客様の利便性向上や収益確保はもとより、宅配便の再配達削減による環境負荷の低減等にも資するよう、平成二十八年度から、駅構内に宅配ボックスの設置を開始しており、現在、十四駅に設置しております。
 加えまして、コインロッカーを活用した宅配受け取りサービスにつきましても、平成二十九年度から展開しており、現在、十二駅で実施しております。
 今年度は、宅配ボックスを三田線白山駅や大江戸線牛込神楽坂駅など五駅に新たに設置する予定でございます。
 引き続き、設置事業者の要望を踏まえながら、駅構内のスペースを有効に活用し、宅配ボックス等の設置拡大を図ってまいります。
〔病院経営本部長堤雅史君登壇〕

○病院経営本部長(堤雅史君) 都立、公社病院の水害への備えについてでございますが、昨年度の緊急総点検及び今般の防災対策の検証を通じまして、建物への浸水被害のおそれのある病院の対策を進めております。
 墨東病院は全ての開口部に止水壁を設け、東部地域病院は非常用発電機を屋上に設置することとし、設計を行っております。加えまして、広尾、大塚、豊島の各病院は、地下スロープからの浸水防止を重視した対策に取り組んでまいります。
 また、病院機能に障害が出るような災害時に、医療人材の配分や患者受け入れの調整等を中心となって行う災害医療コーディネーターに、広尾、墨東、多摩総合の三病院の医師が指定をされております。これらの病院では、事前に被害想定を明かさず、臨機応変に対応するなどの実践的な訓練を行ってまいりました。
 今後とも、全ての病院でハード、ソフト両面の水害対策を着実に進めまして、より万全なものとしてまいります。
〔中央卸売市場長黒沼靖君登壇〕

○中央卸売市場長(黒沼靖君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、中央卸売市場における水害対策についてでございます。
 中央卸売市場は、東京都地域防災計画により、発災時の生鮮食料品調達や輸送などの役割を担っております。
 こうした役割を果たすため、都は、全十一市場の施設の防水工事や非常用発電機の設置を行うとともに、市場業者との食品確保に関する協定締結などを進めてきましたが、先般の台風では、一部の施設で漏水等が確認されており、改めて水害への備えを強固にする必要がございます。
 このため、計画的に施設の整備や改修を進めるとともに、今後、浸水ハザードマップや敷地の利用状況等を踏まえまして、電気設備への影響などを検証してまいります。
 あわせて、応急復旧体制の整備や必要な資器材の確保などの取り組みを着実に進め、発災時に市場に求められる機能の確保に努めてまいります。
 次に、仲卸業者の経営の安定化についてでございます。
 仲卸業者は、市場機能の中核を形成する事業者の一つでございまして、その多くが中小事業者でございますことから、経営を安定化することは非常に重要であると認識しております。
 このため、都では、仲卸業者の経営状況を把握し、助言するとともに、販路開拓など経営全般に関しまして、公認会計士等の専門家の知見を活用した相談事業を実施することで、より適切な事業展開を図れるよう支援をしております。
 また、卸売市場を取り巻く環境の変化に即した対応を促すため、仲卸業者を含めた市場業者の創意工夫ある先駆的な取り組みを後押ししてございます。
 条例改正を契機といたしまして、こうした取り組みについて運用上の改善を図りつつ、積極的に推進することで、仲卸業者の経営の安定化に向けて適切に対応してまいります。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、幼児教育、保育の質の向上についてでありますが、子供が遊びを通じて環境から学び、生きる力を身につけるためには、個々の発達過程を踏まえ、保育士が相互に協力して子供の自発的な発育に適した環境を整え、応答的なやりとりを重ねながら援助することが大切でございます。
 保育所の職員には、こうした専門性が求められるため、都は今年度、職員の気づきや成長を促す職場環境づくりについて、園長同士が情報共有を図るとともに、若手職員が相互交流を通じて保育実践を学び合うなど、施設間交流の促進等に取り組む区市町村への支援を開始いたしました。
 これまで取り組んでいる四区市では、園外活動や障害児保育に関する意見交換等が行われており、今後、こうした実践事例の紹介を通じて事業の活用を促進し、幼児教育、保育の質の向上につながる取り組みを支援してまいります。
 次に、ドクターヘリに係る近隣県との連携についてでありますが、都はこれまで、ドクターヘリを導入している近隣県に赴き、基地病院や緊急離着陸場の選定方法、要請方法について意見交換するとともに、基地病院にも直接訪問し、現場の医師、看護師、さらには機長、整備士等と面会し、出動の多い地域や対象となる症例、維持管理に必要な条件などについて確認を行ってまいりました。
 本年九月には、国と地方公共団体等が連携して実施した大規模地震時医療活動訓練において、他県のドクターヘリを活用した患者搬送訓練を行ったところでございます。
 今後、東京二〇二〇大会の開催も見据えながら、近隣県との連携に係る具体的な方策について調整を進めてまいります。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、就労支援施策の強化についてですが、今般提案した就労支援に関する条例は、就労を希望する全ての方が、その個性や能力に応じて働けるようにすることを目標としております。そのためには、これまで実施してきた、障害者や再就職を目指す女性などに対する就労支援をさらに強化していく必要がございます。
 具体的には、障害者雇用を促進するため、障害者を初めて雇用する中小企業に対して、採用から定着まで一貫した伴走型の支援を行う施策の検討を進めてまいります。
 また、再就職を目指す女性に対しては、より身近な地域で就労の支援が受けられるように、多摩地域における新たなサポート体制の構築について検討してまいります。
 こうした取り組みにより、就労を希望する方々の実情に応じたきめ細かな就労支援を進めてまいります。
 次に、就労に困難を抱える方への支援についてですが、こうした方々に対して、実情に配慮した効果的な就労支援を行うためには、事業の実施と検証を通じて、経験やノウハウを蓄積しながら、支援手法の改善や支援スキルの向上に、不断に取り組んでいく必要がございます。
 このため都は、今後、しごとセンターにおける困難を抱える方への相談支援の充実に向けて、支援スタッフや関係機関等による検討会議を定期的に開催するなど、事業効果を検証し、改善策につなげる仕組みを構築してまいります。また、こうした検証の積み重ねにより得られたノウハウ等を、実践的な支援マニュアルにまとめることも検討いたします。
 これらの取り組みを通じて、就労に困難を抱える方に対する支援の強化を図ってまいります。
 次に、TDMの推進に向けた中小企業への支援についてですが、大会の成功に向けては、TDMなどによる円滑な大会輸送の実現と経済活動の維持との両立を図ることが重要であり、都内事業所の九九%を占める中小企業の協力を得ていくことが不可欠でございます。
 このため、中小企業のテレワークの導入を引き続き支援するとともに、ご指摘を踏まえ、TDMに協力する中小企業の物流体制の見直し等に伴う負担軽減策を新たに検討してまいります。
 とりわけ、物流体制の見直しにつきましては、自社への影響調査や物流システムの改修等を先行的に取り組む必要があることから、早急に着手できるよう、必要な経費の助成を行うなどの措置を講ずることといたしました。
 こうした支援を着実に展開し、大会時におけるTDMの推進につなげてまいります。
 次に、被災地応援ツアーの実施についてでございます。
 東日本大震災による被災地復興支援のため、緊急対策の一環として、平成二十三年九月から実施しております。
 被災地応援ツアーでは、事業開始から平成三十年度までの累計で、宿泊約十九万七千泊、日帰り約六万五千人分、教育旅行百十七件に対する助成を行ってまいりました。被災地応援ツアーの実施により、都民による被災地への旅行を促進し、現地での消費を喚起するなど、観光振興により復興を後押ししてきたところでございます。
 今後、福島県の観光を取り巻く状況や現地の要望を十分に踏まえ、支援を検討してまいります。
 最後に、小笠原の農業振興に向けた取り組みについてですが、パッションフルーツなど小笠原の特性を生かした農産物の生産を拡大するためには、都と村が連携し、農業生産基盤の整備や農地の利活用を進めることが重要でございます。
 都は、小笠原村における農地の安定確保や農業者の経営規模拡大等に向け、昨年度から、都が所有する土地を農地として整備した上で、村に貸し付けているところでございます。
 村は、その土地を活用して農業団地を運営しておりまして、これまでに延べ約九千二百平方メートルの農地を就農者に提供しております。
 同敷地には、一万三千平方メートルを超える耕地に適した未利用地が存在することから、今後も、農業者の需要を踏まえ、本敷地を活用したさらなる農地の整備を検討してまいります。
〔財務局長武市敬君登壇〕

○財務局長(武市敬君) 工事関係書類に関する二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、工事関係書類の削減についてでございますが、工事関係書類につきましては、公共工事の品質確保や施工管理等の観点から必要なものでございます。その中で、重複した情報が含まれた書類などにつきましては、関係局が連携し、削減、簡素化の検討を進めてまいりました。
 その結果、本年十一月、各局が共通して使用する統一様式三十二様式のうち、削減等が可能な書類の候補といたしまして、十一様式を抽出するとともに、各局が独自に定めている様式につきましても候補を抽出いたしました。
 今後は、年度内に、土木、建築、電気、機械の四業種を対象に、削減等を行うモデル工事を選定してまいります。
 その上で、来年度、モデル工事の試行を通じて受注者のご意見も聞きながら、削減等の効果や品質確保などにおける課題を検証し、削減、簡素化の取り組みをさらに進めてまいります。
 次いで、ICTを活用した負担軽減の取り組みについてでございますが、公共工事において受注者の負担軽減を図るためには、ICTを活用するなどの生産性向上の取り組みが重要でございます。
 このため、工事関係書類の削減等を行うモデル工事の試行では、書類の一部を電子メールによる提出とするなど、受注者の省力化を進めてまいります。
 また、財務局では、受注者からの提案を採用いたしまして、ネットワークカメラから夜間、休日等の現場の映像を受信することによりまして、警備の省力化につなげた事例もございます。
 今後も、ご指摘の課題を含めまして、受注者など関係者との意見交換を行いながら、生産性向上に向け、適切に対応してまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長潮田勉君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、マラソンチケット購入者への対応についてでありますが、競技会場で観戦することを楽しみにしていた方々から納得の得られる対応を行うことは重要であります。
 これまで都は、組織委員会に対しまして、マラソンチケットを購入した方に配慮し、チケットの取り扱いについて早期に考えを示すよう求めてまいりました。
 組織委員会は、現在、チケットの払い戻しを行う方針を示しておりますが、具体的な内容について検討を行っているところであるというふうに聞いております。
 都としましては、ご提案の趣旨も踏まえ、組織委員会に対し、引き続き働きかけてまいります。
 次に、東京マラソンのランナー募集についてでありますが、東京マラソンは、エリートランナー及び市民ランナーが三万八千人参加をいたします世界有数のマラソンであり、毎年多数のご応募をいただいていることから、高い抽せん倍率となっております。
 このため、より多くの方にご参加いただける仕組みを講ずることは重要であり、東京マラソン財団では、これまで関係機関と協議をしながら、段階的に定員をふやしてまいりました。
 また、二〇二〇大会からは、都民の参加機会をふやすため、都内居住者を対象とする定員千人の都民エントリー枠を新たに創設いたしました。さらに、三年連続で落選した方に配慮し、二〇二三大会から、特別抽せんを実施する予定でございます。
 今後も、東京マラソンを通じて、より多くの方々に走る楽しみを提供し、広くスポーツ振興を図ってまいります。
 最後に、ラグビーワールドカップのソフト面でのレガシーについてでありますが、大会をきっかけとして、子供たちがラグビーに取り組める環境を整えていくことは重要でございます。
 この間、都は、さまざまなイベントの機会を捉えたラグビー体験のほか、大会期間中に、被災地と都内の子供たちの観戦招待事業や交流事業を東京都ラグビーフットボール協会や各地のラグビースクールと協力して実施してまいりました。
 今後は、これまでの事業で培ってきた競技団体等との協力関係を生かしつつ、子供たちがラグビーを楽しみながら、技術力の向上にもつながる取り組みを検討してまいります。
 こうした取り組みを通じて、都としてもラグビーに関心を持った子供たちが競技に取り組める機会を提供し、大会のレガシーにつなげてまいります。
〔都民安全推進本部長國枝治男君登壇〕

○都民安全推進本部長(國枝治男君) 若者総合相談センター、若ナビαについてでありますが、一人でも多くの若者の不安や悩みを受けとめ、これを支えていくためには、ウエブやSNS等、若者にとってなじみのあるツールを活用するなど、さまざまな工夫により、相談利用を促す取り組みが重要と認識しております。
 このため、区市町村窓口や大学、専門学校の相談室等へのポスターの配布などの手法に加え、ワンクリックで若ナビαのホームページを閲覧できる、検索連動型のウエブ広告を展開するとともに、ツイッター等による情報発信をこれまで実施してきており、相談件数も増加してきております。
 今後、これまでの取り組みを踏まえ、不安や悩みを抱えた若者に若ナビαをより一層活用いただけるよう、SNSを活用した相談について検討を進めてまいります。

○副議長(橘正剛君) 百二十一番小宮あんりさん
〔百二十一番小宮あんり君登壇〕
〔副議長退席、議長着席〕

○百二十一番(小宮あんり君) 令和元年第四回東京都議会定例会に当たり、都議会自由民主党を代表して質問します。
 名誉都民緒方貞子様におかれましては、去る十月二十二日ご逝去されました。また、同じく名誉都民八千草薫様が去る十月二十四日ご逝去されました。
 お二方のご生前のご功績に対し、謹んで哀悼の意を表し、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
 また、九月の台風十五号、十月の台風十九号により家屋の損壊や河川の氾濫による浸水被害など、各地で大きな被害に見舞われました。改めて、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
 東京を初めとする首都圏にも大きな影響と被害をもたらした台風十五号及び十九号について、過日、各局からの検証結果がまとめられました。既に今回提案されている補正予算に反映されているものもあれば、長期的かつ新たに取り組んでいかなければならない課題も明らかとなりました。
 また、都庁全体の危機管理体制について、問題はなかったのか、他県の知事ではありませんが、小池知事はどこにいて、どのような指示をし、今回の災害を受けてどのような課題を認識されたのか、率直な知事の見解を伺います。
 知事の公約にある多摩格差ゼロの格差という表現には違和感を覚えます。多摩には二十三区と違う多摩の地域性や特色がある中で、防災対策も観光振興も産業政策も、多摩地域の状況に合わせた取り組みを図ることで、多摩の安全や魅力を向上させなければなりません。
 今回の台風災害時には、立川にある地域防災センターを拠点として、多摩の市町村への連絡要員を派遣したり、区市町村に対する物資支援の活動拠点とするなど、その機能が大いに発揮されました。
 災害はいつ、どの地域に起こるか予測できない中で、今後は、新宿庁舎の補完機能を有するこの立川地域防災センターについて、大規模改修の機会を捉え、体制の整備も含めたさらなる機能強化を図り、東京全体の災害対応力の向上を図るべきと考えます。都の見解を伺います。
 また、台風十九号による記録的な大雨は、多摩川流域で一千五百件を超える床上、床下浸水の被害を発生させました。ぬれた家具や家電、畳など大量の災害廃棄物が排出され、多摩地域においては、各自治体でその処理に当たりましたが、瑞穂町では、泥まじりの廃棄物を、遠く臨海部にある産業廃棄物処理施設、スーパーエコタウンまで運搬し、中間処理を行いました。災害時の長期にわたる道路の寸断などを考えると、多摩地域にも同様の処理施設が必要です。
 今回のような台風被害の発生に備えて、多摩地域の市町村が協力して災害廃棄物処理に取り組む仕組みの構築や、産業廃棄物処理業者とも連携した処理体制の整備をまず図るべきと考えます。都の見解を伺います。
 防災の基本は、自助と共助と公助のバランスであり、特に私たち政治や行政は、災害に強いまちをつくるという公助の役割を発揮しなければなりません。
 まちづくりには長い年月と莫大な費用がかかりますが、五年先、十年先、誰かの命と財産を守るかもしれない、こうしたインフラの整備は、地域住民の理解を得ながら着実に進める必要があります。
 今回の台風被害では、河川のあふれた水を蓄える環七地下調節池などがその効果を発揮しました。
 知事も早速、会見などを通じて調節池整備のスピードアップを図ると発言されておりますが、調節池を整備するには、これまで主に河川に面した公共施設の地下などを基本として整備地を検討されてきましたが、今後、知事のいうスピードアップを図るには、民地等の活用も検討すべきと考えます。
 調節池の具体的なストック効果とあわせて、都の見解を伺います。
 また、調節池に比べて注目されませんでしたが、下水の浸水被害を軽減する貯留管もその機能を発揮しています。
 一例として、杉並区から中野区にかけて、地下二・二キロにわたり整備されている下水の和田弥生幹線は、平成十九年に整備されて以降、その地域で浸水被害もなく、今回の台風十九号では初めて満水になり、周辺地域の浸水被害の軽減に大きく貢献しました。
 環七地下調節池については、見学用の施設なども充実し、都民にも広く知られているところですが、こうした下水の貯留管についても積極的にPRを図れる環境を整備し、都民の理解を深めるべきと考えます。見解を伺います。
 今回の台風による水害で、東京から遠く離れた利根川水系では、竣工間近となった八ッ場ダムが大きな貯水機能を発揮し、都民の命を守ってくれました。
 旧民主党など、大衆迎合で目先のことしか考えない政党は、こういう事業をすぐ無駄だといいます。これまで、私たち自民党が歯を食いしばって継続してきたからこそ、今日の東京の安全があるのです。
 昭和二十六年のダム建設の検証以来、七十年近くが経過しましたが、この八ッ場ダムが、五年に一度という渇水危機の回避、近年頻発している大規模水害対応など、区部東部低地帯を中心に、今後も都民の命を守るために大きな力を発揮すると期待しています。
 この多目的ダムである八ッ場ダム、特に、治水、利水における役割の重要性の認識を知事にお尋ねします。
 都民の命を守るために、みずからのふるさとが水没するという苦渋の決断をしていただいた住民の思いを忘れてはなりません。代替地での生活再建がなされてきましたが、ダムの完成により、国による生活再建支援は終了し、将来に向けて住民の不安は募っていると伺いました。
 都民の命と財産を守るために決断していただいた現地住民の思いに引き続き寄り添うためにも、都として実効性ある生活再建の一助をなすべきと考えます。都の見解を伺います。
 台風十五号では、これまでの想定を超えた暴風に見舞われ、東京の大島を初め島しょ地域、また、千葉などでは送電用の鉄塔や電柱が倒壊し、長期にわたる停電に見舞われました。
 これを受けて、知事は、島しょを初めとする都全体での防災面での無電柱化を加速しなければならないと会見で述べておられます。
 既に東京都は、防災上の優先順位をつけて、都道の無電柱化に取り組んできました。
 区市町村道の無電柱化についても、財政面や技術面での支援事業を現在実施中です。知事のおっしゃる防災面での無電柱化をどう加速するのか。知事の公約には都道の電柱ゼロとありますが、予算をつけるだけでは無電柱化は進みません。これは、知事も三年前、就任当初の職員への訓示でそう述べられております。
 本気で無電柱化を加速するなら、技術開発の一層の推進やコスト縮減、工期の短縮はもとより、事業を担う人材の確保など、体制の強化をしっかり打ち出してほしいと要望しておきます。
 これまでも都は、無電柱化の推進のために、新たな技術開発支援や施工に当たっての民間との連携を進めてきました。そうしたこれまでの地道な取り組みが、都道の無電柱化に今どう生かされているのか、現在検討を進めている路線における具体的な取り組み状況について伺います。
 また、大規模災害時における医療体制の確立は非常に重要です。
 医療団体ごとに研修制度を設けたり、登録制度をつくったりと、さまざまな専門職が努力を重ね、有事に備えています。そうした医療従事者などが、災害発生時にそれぞれの専門分野の力を存分に発揮してもらい、災害対応力を高めるには、各専門職種の役割を明確にし、活躍しやすい環境を整え、きめ細かな体制づくりを推進すべきと考えます。都の見解を伺います。
 また、いざ発災したときに、医療従事者等の所在はさまざまです。例えば、勤務地であったり、居住地であったり、時間帯によって変わります。勤務先の自治体と防災協定等を締結し、災害に備えてくださっている人が、その自治体から離れた場所にいた場合には、地域外という理由で救護活動等に参加しにくい状況があると伺っています。
 貴重な専門職種の医療人材が、そうしたエリアを超えて活躍できる仕組みを都としてしっかり考えるべきと思います。見解を伺います。
 都民だけでなく、国民全体が盛り上がる来年の東京五輪パラリンピック大会まで、あと二百二十六日となりました。直近では、都民の思いや都議会の総意もかなわず、残念ながら、マラソン、競歩の会場は札幌に変更となりました。
 マラソン、競歩はなぜ変更されたのか。暑さ対策はこれまで十分に議論を重ねて進めてきたはずでした。IOCのいうとおりにやるだけなら、東京都は要りません。
 知事は、IOCに対して、都民の思いをしっかりと伝えたのか、都民の納得を得られたと思っているのか、改めて、IOCとの連携がしっかりと図れているのか、知事に伺います。
 今回の会場変更の理由となった暑さ対策については、過日の決算特別委員会において、知事に対し、これまでの都の取り組みを確認しました。
 知事は、暑さ対策推進会議の設置、遮熱性舗装の整備、街路樹の剪定、競技時間の前倒し、休憩所の設置、グッズの配布などを行い、IOCからさまざまな場面で評価されてきたと答弁されていますが、マラソン、競歩の札幌移転から明らかなように、都としてさらなる取り組みが必要です。
 知事の思いつきのかぶる傘のような中途半端な暑さ対策ではなく、選手はもちろんのこと、ラストマイルにおける関係者やボランティア、観客に対して効果的な対策を講じる必要があります。テストイベントでの検証を踏まえ、さらなる実効性のある暑さ対策についてどのように臨むのか伺います。
 また、暑さ対策のための補正予算については、特にラストマイルや混雑が見込まれる手荷物検査場等において強化していくとしていますが、大会本番に向けて具体的にどう取り組むのか伺います。
 また、これまでさまざまな競技大会に合わせて行われたテストイベントにおいては、大会運営を確認するだけでなく、車椅子や視覚障害者、聴覚障害者の協力も得て、競技会場そばの駅から会場に至るラストマイルのバリアフリーについて検証が行われましたが、競技そのものの観戦保障については、いまだ検討の途上であると伺っています。
 障害のある人も、会場に行きやすいだけではなく、観戦がよりわかりやすく、楽しめる、そういう環境を整備することは重要なレガシーの一つとなります。現在、どのような工夫を検討しているのか伺います。
 次に、大会の成功を左右する輸送対策について伺います。
 大会開催に合わせて開通していたはずの選手村と競技場をつなぐ環状二号線本線が利用できたならば、輸送量が今よりも拡大していたことは明らかです。
 知事の政治判断によって、環状二号線本線が大会に間に合いませんでした。首都高速道路の一部値上げ、いわゆるロードプライシングだけでは、輸送対策は万全といえません。物流事業者等に交通需要マネジメントをよく理解していただき、都民生活や東京の経済活動を維持しながら、大会の成功を目指していかなければなりません。
 これまで都議会自民党は、さまざまな事業者団体との意見交換会の場を設け、都の取り組みを支援してきました。その中で、競技会場周辺の事業者からは、自身の会社がいつからどのような対策を図ったらいいのかという質問が多くありました。
 そうした事業者に対し、具体的に交通需要マネジメントへの協力を求めるに当たり、どのように取り組んでいくのか、都の見解を伺います。
 また、特に中小企業に対しては、物流対策への協力について、荷主への働きかけなど、さらにきめ細かい周知や支援が必要と考えます。都の見解を伺います。
 都は、大会期間中の混雑緩和のため、大会開催時における都庁発注工事の調整に関する取組方針を四月に策定し、十月には対象地域や取り組みをきめ細かく示した改定版を公表しましたが、場所や時間帯など、示された工事調整内容は複雑であり、調整により生じる経費や工期の取り扱いについて不安の声が上がっています。
 都庁発注工事の調整に際し、困難が生じないよう問い合わせ窓口をまとめるなど、わかりやすい整理と周知が必要です。都の見解を伺います。
 また、都内で行われる工事の大部分を占めるのは民間の発注工事であり、大会期間中の交通混雑緩和に向けて、民間事業者の協力が極めて重要です。民間工事業者にはどのように働きかけていくのか、都の見解を伺います。
 このように、大会期間中の輸送が円滑に行われるよう、これまでもさまざまな対策を講じてきていますが、市場移転を、安全でも安心ではないとして二年もおくらせた知事の判断が、結果として、市場業者への補償費用や両市場の維持管理費など、二百億円の費用負担を生じさせた上、来年の東京大会に必要だった環状二号線本線が開通しなかったのです。
 小池知事の、法にも科学にも基づかない政治判断や無意味なパフォーマンスの結果、期間中の東京は大渋滞が懸念されます。経済的損失はどうなるのか。都民に迷惑をかけることになるかもしれません。
 改めて、都民に対して謝罪し、期間中の物流対策について理解を求めるべきと考えます。知事の見解を伺います。
 市場移転問題については、失われたこの二百億以外にも新たな不安が生じています。小池知事就任後一年となる二〇一七年七月、都議会議員選挙がありましたが、その際、知事は、築地は守る、豊洲は生かすと発信し、あたかも築地にも市場機能を残すかのような期待を都民に抱かせましたが、その後、築地は市場ではなく、食のテーマパークみたいなものへと変わり、さらに、最近では、食文化というフレーズが、築地まちづくり方針の中にわずかに漂うだけとなりました。
 知事が築地を守るといったことを守るために、今、築地のまちづくりを進める中で、将来の新たな都民負担が生じかねない懸念があります。
 都が都民の税金を投じて五千億で買った築地の土地を、食文化などの制約を課して、七十年以上にわたり民間に貸し付け、公益性も収益性も上げよというのです。幾らポテンシャルがいいからといって、七十年先の東京の姿は描けません。しかも、二十三ヘクタールというこれまで都が経験したことのない規模の事業に対し、不信を覚えます。
 小池知事になってから、築地のまちづくり五千億にしても、旧こどもの城購入五百億にしても、場所がいいからといって、明確な行政目的のないまま土地を買い、目的は漠然とした内容を後づけで示すといったことが続いています。小池知事になり、東京大改革どころか、東京は不必要な肥大化を続けています。
 築地のまちづくりについて、二十三ヘクタールという広大な土地を長期にわたり都が持ち続けることのリスクをどう負うのか、考えるのか、見解を伺います。
 今定例会には、卸売市場条例の改正についても提案されていますが、豊洲市場の開場から一年を迎えた本年十月十一日、豊洲市場協会の伊藤会長は、地元に愛される、都民に信頼される、そして世界に羽ばたいていく市場という三つのビジョンを掲げ、今後の豊洲市場が目指す姿を明らかにしました。
 これは、市場関係者がみずから考え、行動を起こして進んでいく意思にあふれた、これまでにない主体的なものと私たちは強く評価し、その実現に向けて、都としても応援すべきと考えます。
 知事は、このビジョンについてどのように受けとめているのか、見解を伺います。
 また、市場のあり方について、知事は、物流そのものが大きく変わっている中でも、市場は値決めなどで公正な役割を果たしている、そこをどう確保していくかだと発言しています。ただ、一方で、市場の活性化ということを繰り返し強調しています。
 知事のいう活性化の内容と方向性の考え方が重要なのですが、知事は、今回の卸売市場条例の改正について、都議会での丁寧な審議と市場の皆さんの声を聞くことが必要だと発言していますが、これまでの市場の移転延期にまつわる知事や旧顧問団らの姿勢から、関係者は懐疑と警戒感を抱いています。
 知事のいう活性化とは、市場を通じて都民の食生活をより豊かに、かつ安定させていくことを意味するのか、それとも、稼ぐインフラとしてその資産を活用していくことを意味するのか、見解を伺います。
 今定例会に知事は、都民の就労の支援に係る施策の推進とソーシャルファームの創設の促進に関する条例案を提案されています。
 就労に困難を抱える方への支援は重要ですが、ソーシャルファームについては、日本ではなじみが薄い上、定義や基準が定まっておりません。有識者会議においても、日本国内での認識が不足していることなどが疑問視されています。
 そのような不確実なソーシャルファームの創設の促進よりも、都は、本来の目的である就労支援にこそしっかりと力を入れるべきと考えます。
 知事提案により、これまで制定されてきた条例の中には、現実的でない、実効性に乏しいなど、厳しい批判があります。予算も条例も実効的であってこそ意味があります。
 今回の条例案について、その実効性をどのように担保するのか、知事に見解を伺います。
 就労に困難を抱える方の中には、障害者や難病患者、がん患者などの方々が考えられますが、障害や疾病の内容によって、その支援のあり方はさまざまです。
 ハローワーク等の窓口において、法や労務の専門家に加え、同様の障害を有する、また疾病の状態に応じた支援ができる専門職等を配置し、きめ細かな相談体制をつくるなど、一人一人に合わせたオーダーメードの就労支援を行うべきと考えます。都の見解を伺います。
 また、現在、障害者を雇用する事業者については、入札の際、総合評価方式などで一定のインセンティブが与えられています。
 そこで、難病患者やがん患者等を雇用する事業者に対しても同様のインセンティブが与えられるべきと考えますが、見解を伺います。
 我が党はこれまで、特別支援学校の生徒が卒業後に自立し、積極的に社会参加できるよう、職業教育の充実を強く求めてきました。
 都では、知的障害特別支援学校の在籍者数の増加や障害者雇用の促進を図る中で、生徒全員の企業就労を目指す就業技術科や職能開発科を設置し、これらの学科では九割を超える企業就労を達成しています。
 一方、社会においては、情報通信技術が進展する中、障害のある就業者を取り巻く就労環境も変化していることから、都立知的障害特別支援学校においてもICTの活用能力を伸長させ、より専門的かつ多様な職能開発や就労支援を一層充実すべきと考えます。見解を伺います。
 また、就職した後も、企業の人材ニーズ等の変化に伴い、新たな技能の習得や就業訓練が必要となる方もいます。障害者の職業能力の開発の充実が必要と考えますが、都の見解を伺います。
 また、今回の就労を支援する条例の検討に当たり、困難を有する対象の一つとして検討された児童養護施設の退所者についても支援が必要です。
 過日、私は保護司会の一員として杉並区の児童養護施設を視察しましたが、施設長からは、幼児期からの教育の重要性について伺いました。将来の進学や就職の選択肢をふやすために、幼児教材を充実させたり、塾に通いたい子供には、さらなる支援が必要であるとのことでした。
 児童養護施設に入所している子供への学習支援や将来の就労に向けた支援について、都の見解を伺います。
 5Gの活用による経済波及効果は、国全体で四十七兆円ともいわれています。政府は昨日、補正予算として、人工知能、AIや次世代通信規格、5Gの導入を進め、経済成長を目指す関連予算、一兆円を計上する方針を固めました。さまざまな産業分野において、AIや5Gの活用による生産性の向上や新たな事業展開、サービスの創出が期待されています。
 こうした期待を中小企業において実現するためには、5Gの活用のイメージや導入に向けた課題の整理がまず必要です。
 多くの中小企業が、将来、5Gを活用し、生産性を高めていく以前に、ものづくりの現場へのIoTの導入やICTの活用など、都は、中小企業の特徴やニーズを踏まえて、段階に応じた支援が必要と考えます。見解を伺います。
 次に、中小企業を支援する入札契約制度について伺います。
 国は、平成二十六年、公共工事品確法と建設業法、入札契約法、いわゆる担い手三法を一体的に改正し、ダンピング防止、適正価格と適正利潤、人材の育成確保等を規定しました。本年六月には、働き方改革の推進、生産性の向上、災害時の緊急対応強化といった新たな視点を主眼として、新担い手三法の改正を実施しています。
 このことを踏まえ、地方公共団体や業界団体の意見を聞き、年内を目途に発注関係事務の運用指針の策定をすると聞いています。
 また、来年度より、この運用指針に基づく発注事務の運用を開始するとしていますが、都は、この運用指針をどのように現行制度に反映させ、現場に即した制度として運用するのか伺います。
 加えて、週休二日を前提とした工事発注については、適正な工期設定や経費の計上などを行うとともに、契約上の工夫が必要と考えます。どう実施するのか伺います。
 また、各業界から声が上がっている発注の平準化について、中長期的な工事発注見通しを作成、公表すべきとの提言がありますが、都としてどう取り組んでいくのか、対応していくのか伺います。
 改正品確法の経緯についてはさきに述べたとおりですが、ことしの法改正及び策定された運用指針は、公共工事についての取り組みにすぎません。
 しかし、法改正や指針策定の基本的な理念は、公共工事にとどまらず、業務委託契約や物品調達についても同様です。現在、印刷の委託契約において最低制限価格制度の試行を行っていますが、印刷以外の業界においてもこの制度の導入が望まれています。
 この最低制限価格制度においても、品質確保のために導入されている総合評価方式においても、委託契約の業務履行に必要な経費について、一定の基準を設けることは非常に重要です。
 現在、積算に使用されている単価は裏づけのない参考単価であり、品質確保のためにも、都として国に先駆けて基準を設定すべきと考えます。見解を伺います。
 環境施策の基本は、3R、リユース、リデュース、リサイクルです。今さらいうまでもなく、処理の仕方を議論するより、ごみとして出さないことを、どうしたらごみを減らせるかを真剣に考える時代となりました。
 都民は意識が高いので、海洋プラスチックの話を聞いて心を痛めています。プラスチックのごみを出さないように、より少なくなるようにしたいと感じています。
 そうした思いを行政として受けとめて、現実的なリデュース、ごみを減らすための取り組みを示す必要があります。そのための施策について、見解を伺います。
 現在、都内における都市の更新が進みつつあり、今後、大量のコンクリート塊があふれる懸念があります。こうした中、資源循環やSDGsといった観点からも、再生砕石の活用を進めるべきであり、そのためには、質と量を確保することが重要です。
 都においては、平成二十九年度から基準認証を行い、東京ブランドとして品質を確保し、再生砕石の利用拡大に向けて支援を行ってきました。しかし、東京ブランドのいわゆるエコ石は、まだ広く認知されておらず、利用拡大には至っていません。
 現在、都の発注工事において、路盤材や裏込め材といった土木工事の標準仕様書への記載はありますが、建築工事には記載がありません。建築工事においても、施工可能な箇所については、建築資材として設計に盛り込むべきと考えます。都の所見を伺います。
 公営住宅の供給は、戦後の住宅不足への対応として始まった制度ですが、時代は変わり、民間の供給が進んで、数としての住宅は既に充足しています。七十年前の所期の目的は達成し、今後は、人口減少、高齢社会を見据えて、民間にはできない住宅供給の課題を都として明らかにし、取り組まなければなりません。
 知事は、本年、突如として住宅政策本部という独立した組織を新たにつくりましたが、組織を立ち上げるだけでは意味がありません。都営住宅が、これからの時代の中で都民に果たす役割をどう考えるのか、知事の見解を伺います。
 都営住宅は、現状でも単身者向けの応募倍率が五十倍近くになっており、今後、単身高齢者の割合がますます増加する二〇四〇年代を見据えて、都営住宅の供給に関して現状の課題をどう捉え、民間賃貸住宅を含めて今後どのように対応しようとしているのか、都の見解を伺います。
 住まいの課題だけでなく、交通インフラの異なるまちにあっても、都民が快適に移動できる都市をつくることが重要です。人々の移動手段については、複数の交通手段や行き先でのサービス予約などをスマートフォンで一括して手配し、キャッシュレスで、無駄な待ち時間なくスムーズに移動できるサービス、いわゆるMaaS、モビリティー・アズ・ア・サービスが世界的な潮流となっています。
 東京は、交通渋滞や満員電車、遅延等の事態が日常的に発生しており、また、交通網が発達しているがゆえに、外国人等の観光客にとっては複雑でわかりにくくなっています。
 一方で、人口の増加に比べて交通サービスが脆弱な臨海部といった地域や、人口減少、高齢化により移動に制約が生じている多摩のような地域もあります。
 MaaSは、このようなさまざまな交通課題を解決できる可能性を有しており、国とも連携を図りながら、都内での普及を図る必要があります。
 都では今年度から、MaaSの実証実験を開始するとのことですが、今後どのように普及拡大を図るのか、知事に見解を伺います。
 さて、便利なまちをつくるだけでなく、日ごろから人に優しく、安全なまちづくりに努めるべき時代となりました。子供にも、高齢者にも、障害者にも、安全で歩きやすいまちづくりが必要です。
 ことし五月八日、滋賀県大津市で保育園児二名の死亡を含む、子供が犠牲となる交通事故が発生しました。その後、子供を交通事故から守るための緊急的な取り組みとして、警視庁や道路管理者、幼稚園、保育園の関係者等で、散歩などの移動経路の安全性について緊急合同点検が行われてきました。
 地域の中で、日ごろから子供たちの安全に気を配る方々からも、危険箇所の指摘など安全対策の向上が求められていますが、それを早急に実現するには、道路を取り巻く関係機関、警視庁、建設局、区市町村などの連携が欠かせません。車の流れ中心の社会から、人の安全に配慮したまちへと変わらなければなりません。
 点検の進捗状況と対策状況、また、今後の取り組みについては警視総監に、道路管理者として対策箇所数と今後の交通安全対策の取り組みについて建設局長に伺います。
 子供にとって安全で歩きやすいまちは、高齢者にとっても安心して外出しやすいまちとなります。歩きやすいまちが高齢者を健康にするという民間研究機関の調査によれば、高齢者の健康状態がいい自治体は、歩道の十分な確保など歩きやすい環境が整っているそうです。
 防災に寄与する無電柱化が防災性向上だけでなく、歩道の快適性を確保することはいうまでもありませんが、あわせて、高齢者だけでなく障害者も、妊婦も、子供連れの皆さんも移動しやすいバリアフリーのまちづくりを面的に推進することが重要です。
 国は、本年七月に、主要な駅とその周辺の福祉施設等を結ぶ道路を新たに特定道路として追加指定しました。都内における特定道路のバリアフリー化を積極的に進めるべきと考えます。今後の取り組みについて伺います。
 また、歩きやすいまちをつくるだけでなく、高齢者の外出を促し、健康の保持に寄与するシルバーパス制度。その制度の持続可能性について、東京都は調査を行ってきたところですが、調査内容と結果、今後の考え方について伺います。
 民法改正により、令和四年四月から成年年齢が十八歳に引き下げられます。成年年齢の引き下げは、十八歳、十九歳の自己決定権を尊重し、積極的な社会参加を促すものですが、一方で、成人になると、保護者の同意なく高額な契約をしても取り消すことができないなど、悪徳商法などによる消費者被害を受けないよう、若者自身が契約の知識や金銭感覚をしっかりと身につけることが重要であり、学校等において、早い時期から実践的な消費者教育を行っていく必要があります。
 改正民法の施行が迫る中、都教育委員会では、消費者教育推進校を新たに指定し、指導内容や方法の開発などに取り組んでいると聞いています。
 消費生活行政においても、学校教育への支援を初め、若者への消費者教育を強化していくべきと考えます。今後の取り組みについて伺います。
 知事の公約には、待機児童ゼロがあります。待機児童数はことしの四月一日現在、三千六百九十人と減少しましたが、これは都の取り組みだけでなく、保育事業の実施主体である区市町村や民間事業者の協力のたまものです。また、地域の理解があってこそのことです。基礎自治体等の取り組みによって、今も待機児童を減らすべく、並々ならぬ努力が各地域で実施されていることを忘れてはなりません。
 知事就任以来、この待機児童対策には莫大な予算をつけてきました。中には、知事の思いつきで五十億ものベビーシッター利用支援事業など、執行はわずか〇・八%と実態に即さず、使われなかった予算もありますが、小池知事就任以前から都として取り組んできた保育士を確保するためのキャリアアップ補助事業や家賃補助事業には、基礎自治体からも、民間の事業者からも高い評価を得ています。
 待機児童対策として、とにかく保育所の数をふやすことが先行していますが、一番重要なのは、大切な子供たちを育てる保育士の確保策や保育の安全、質の向上です。昨今、保育士の大量退職が問題になるなど、保育の質への不安は拭えません。
 そこで、保育士の仕事の負担軽減を図るため、地域の高齢者を初めとする活力ある人材を保育の現場において活用し、保育士の確保、定着に向けた取り組みを一層進めるべきと考えます。見解を伺います。
 また、都が平成十三年に待機児童対策として独自の基準で設けた認証保育所も、創設以来、約二十年がたちました。当時と比較すると、今日では、認可保育所を初めさまざまな保育サービスが増加する中で、認証保育所に求める役割にも変化が生じています。
 創設当初のように、受け皿の一つという視点だけでなく、一歳児が多くを占めている現在の待機児童の状況を踏まえて、都民ニーズに応えるべく、認証保育所を活用した新たな支援策が必要と考えます。見解を伺います。
 保育士の確保だけでなく、これからの高齢社会において、介護人材の確保策も重要です。小池知事になってから、都の高齢者施策が事業内容も予算も大きく低下しているという指摘があります。
 病気や介護状態になった後の施策だけでなく、介護状態にならないための予防の取り組みが重視されるとともに、人生百年時代を迎えた今、いかに元気で長生きするかといった前向きな視点も重要です。経験豊富で元気な高齢者に社会の中で積極的に活躍していただくことが、介護人材分野にも求められています。
 都はこれまで、介護人材の確保策について、広域的な観点からさまざまな対策を講じてきましたが、今後は、地域の実情に応じた区市町村の取り組みへの支援も含め、より効果的な介護人材対策を講ずるべきと考えます。今後の取り組みについて伺います。
 ことし四月に東京都児童虐待防止条例が制定されました。児童虐待から子供の命を守るために、児童相談所と区市町村や警察との連携が日々図られていますが、社会的な関心も高まり、児童相談所への虐待相談件数は年々増加し、都においては、一万六千九百六十七件と前年度から大幅に増加する中、一時保護を必要とする子供たちがふえています。
 先日の児童福祉審議会専門部会においても、都内の一時保護所は定員を上回る入所状況が常態化しているとの報告がありました。
 都は、一時保護所の入所定員を増改築などで少しずつふやし、保護需要に何とか対応しているところですが、児童の権利擁護を図り、安心して生活できる保障を図るためには、都の一時保護所での支援だけでなく、民間も含めた児童養護施設等における一時保護委託も有効に活用すべきと考えます。都の見解を伺います。
 また、都が現在、新宿の乳児院でモデル事業として実施している新生児委託推進事業は、これまで実績がゼロであったところ、現在はこの三カ年で十一名の赤ちゃんの委託が実施をされ、大きな成果を上げていると伺いました。
 今後、家庭的養育の推進を図るためにも、新生児委託推進事業について、多摩地域など、実施箇所数をふやして、本格実施に向けて取り組んでほしいと思います。現状と今後の取り組みを伺います。
 都立八病院の経営形態の見直しについては、これまで二年にわたり、議会においても議論を深めてきたところですが、今回の知事の所信表明で、独立行政法人への移行に向けた準備を開始する旨、発言がありました。
 しかし、そこには、今まで都として示してこなかった公社六病院も含まれるとしています。都立八病院について、スケールメリットを生かすことが人材の育成や費用の削減に資するという見解は過日の厚生委員会でも確認していますが、公社病院も含めてという点については、これまで都から何の説明もありませんし、議会での議論もありません。
 将来にわたり都民に対して本当に必要な、民間にはできない行政的医療を提供し続けるためには、今よりもより柔軟に、人、物、予算を運営できる経営形態に移行することは重要ですが、今後、都立、公社十四病院をどう一体的に移行するのか、民間病院も含めた地域医療の中で、一つ一つの病院が果たすべき機能というものをしっかりと検討することが必要です。
 公社を含む新たな都立病院は、今後どういう役割を担っていくと考えているのか、まずは見解を伺います。
 ことし、アジアで初めての開催となったラグビーワールドカップは、日本チームを初め各国選手団の活躍により、大いに盛り上がる大会となりました。六週間にわたる大会が最後まで息を切らすことなく、多くの人に感動と喜びを与えました。結果として、子供たちのやりたいスポーツにはラグビーが加わり、各地のラグビースクールも大盛況です。この勢いを絶やすことなく、ラグビーワールドカップのレガシーを、今後、都は、ハード、ソフト両面で支援するべきです。
 私は、ことしの予算特別委員会において、都立公園の整備に当たっては、ラグビーができる場所を設けることを検討するよう要望したところです。
 都立公園には、野球場やテニスコート、サッカー場はありますが、ラグビーができる場所は少ない中で、高井戸公園のように新たに整備する都立公園において、積極的にラグビーができる施設の整備を進めるべきと考えます。都の見解を伺います。
 また、場の確保だけでなく、将来のラグビー界を担う子供たちに向けた裾野の拡大も重要です。今後、子供たちにどのような機会を提供していくのか伺います。
 東京都受動喫煙防止条例の中に、国の法を上回る形で九月一日から義務化をされた飲食店の店頭表示義務があります。
 我が会派としては、条例をつくるだけでなく、先ほども申し上げてまいりました実効性があり、国の法律とも整合性のとれた、わかりやすい条例にすべきと訴えてきたところですが、都内十六万店ある飲食店への店頭表示の義務化については、多くの飲食店の理解や実施が進んでいないという声を聞きます。都として、あえて義務化している飲食店の店頭表示義務をどのように履行するのか、伺います。
 小池知事のこの三年間を振り返れば、何の成果もありません。何を目標にして、どこに向かって進んでいるのか、何も見えません。この三年間で何に一番力を入れたのか。現在、第一の目標とは何なのか。どこに都民を導いていくのか。空疎で曖昧な言葉ではなく、具体的で達成可能なビジョンを明確にし、それを達成するための工程を示していただきたいと切に願い、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 小宮あんり議員の代表質問にお答えをいたします。
 都の危機管理体制についてのご質問が冒頭ございました。
 都におきましては、災害発生時の迅速な対応に備えまして、総務局職員が都庁の防災センターに、三百六十五日二十四時間待機をいたし、そして情報収集を行っているのはご存じのとおりでございます。これによって、緊急時には、いつでも私と連絡をとり、必要に応じ、私みずからも速やかに登庁、対応を指示できる体制を構築しているところでございます。
 台風第十九号が接近いたしました十月十二日には、三宅島の噴火災害への対応以来、十九年ぶりとなります東京都災害対策本部を設置したところでございます。私は、本部長といたしまして、各局及び各関係機関に必要な対応を指示するとともに、臨時の記者会見を開きまして、都民に対する命を守る行動を呼びかけたところではございます。
 また、被災後は、私自身が直ちに被災現場を訪れまして、被害の状況を直接自分の目で確認しております。
 その後、全庁を挙げまして、都の風水害対策全般につきまして、課題の検証を行って、三十五の対策として取りまとめたところでございます。
 今後も、備えよ常にの精神で、防災対策を一層推進いたしまして、セーフシティー東京の実現に取り組んでまいります。
 八ッ場ダムにつきましては、将来にわたり、東京のみならず首都圏の安定給水を確保して、洪水被害の危険性を低減する上で必要不可欠な施設でございます。
 台風や集中豪雨、一方で、利根川流域では平均して三年に一回は渇水が発生など、気候変動に伴う影響が顕在化してきているといわれる今日、ますますその必要性は高まってきております。
 今回の台風十九号でも、本格稼働前ではございましたが約七千五百万立方メートルの水量を貯留、八ッ場ダムの本体工事は、地元を初め多くの方々のご協力で、令和二年の三月に竣工を迎える予定となっております。
 引き続き、安全管理に努めながら、一日も早く供用されますように国に求めてまいります。
 IOCとの連携についてのご質問でございます。
 都は、IOC調整委員会やプロジェクトレビューを通じまして、大会の準備状況を定期的に報告するなど、IOCと緊密に連携をとってまいりました。
 また、IOCとの調整に一義的な役割を担われる組織委員会には、日ごろより速やかな情報共有を求めてきております。
 さらに、私も必要に応じまして、バッハ会長、そしてコーツ委員長を初めとするIOC委員とは直接連絡をとり、また調整を行っておりまして、マラソン及び競歩の会場移転に際しましても、四者協議の場などで、東京での開催が最善であると主張をしてまいりました。
 来月は、いよいよ二〇二〇年を迎えるわけでございますが、都といたしまして、引き続き、IOC、そして、きのういらしたIPC、組織委員会、国などの関係団体と連携いたしまして、大会準備に万全を期してまいる所存でございます。
 物流対策でございます。
 東京圏に広がる競技会場、選手村、関係者のホテルなど、さまざまな施設を結ぶ大会輸送には、環状二号線の整備状況にかかわらず、既存の道路ネットワーク全体を活用することはいうまでもありません。
 このため、交通の円滑化に向けまして、多くの企業や都民に協力を求めて、交通需要マネジメント、いわゆるTDMを積極的に進めてきたところでございます。
 これまでも、東京商工会議所を初めとした経済団体を通じた説明会などにおきまして、テレワークや納品時間の変更を初め、具体的な取り組みを依頼してまいりました。
 さらに、今回、物流対策といたしまして、サプライチェーン全体での効率化を図るため、国や業界団体などと連携をいたしまして協議会を発足させるとともに、企業向けの個別相談、戦略的な広報など、一層充実させることといたしております。
 引き続きまして、企業や都民の皆様とともに、物流を含めた交通対策に取り組んで、大会を成功に導いてまいります。
 今後の豊洲市場についてであります。
 開場一周年の式典におきまして、豊洲市場協会の伊藤会長がお話しされた内容につきましても、私もその場で直接伺い、共感できるものと受けとめたところでございます。
 卸売市場を取り巻く環境が大きく変わりつつある中で、地元の方々のご理解のもと、豊洲市場が広く国内外の各地とも結ばれた首都圏の基幹市場としての役割を発揮していくことが重要でございます。
 そのためには、地元の方々に対する市場見学会や料理教室などを着実に進めるとともに、生鮮食料品を安定的に供給するための取引環境を確実に整えまして、輸出などの先進的な取り組みをしっかり後押しをしてまいります。
 引き続き、市場業界とも密接に連携しながら、地元や都民の方々に親しみを持っていただきつつ、豊洲市場を日本の中核市場、そして世界を見据えました食文化の新たな発信拠点へと育ててまいります。
 中央卸売市場の活性化についてのお尋ねでございます。
 中央卸売市場が基幹的なインフラとして、生鮮食料品等を安定的に供給をして、多様で豊かな消費生活を支える公共的な役割を今後も果たすためには、市場の活性化が重要でございます。
 そのため、今回の条例改正を契機といたしまして、物流や商取引の変化に対応して、市場業者の集荷力や販売力を高めてまいります。
 また、持続可能な市場運営を実現していくために、遊休資産を有効に活用するなど、さまざまな手だても講じまして、強固な財務基盤を確保してまいります。
 これらの取り組みを戦略的に進めるためにも、従来の既成概念にとらわれない、斬新で自由なご意見を有識者からいただきながら、長期的な視点に立ちまして、実効性ある経営計画の策定に取り組んでおります。
 引き続き、都と業界が連携をいたしまして、市場の活性化を図り、都民や国内外の方々に信頼され、支持される中央卸売市場を実現してまいります。
 次に、就労支援に関する条例についてのご質問でございました。
 社会全体でともに支え合うソーシャルインクルージョンの考え方のもとで、希望する全ての都民の就労支援を行って、一人一人が個性と能力に応じて活躍できる社会を実現するために、この条例を提案しているところでございます。
 条例では、これまでも実施してまいりました就労支援の充実を図ることはもとより、自律的な経営のもとで、就労に困難を抱える方々が生き生きと働くソーシャルファームを認証し、その支援を進めることといたしております。
 今後、この条例をてこといたしまして、国や区市町村と連携して、都民の就労を力強く後押しするとともに、ソーシャルファームの創設や活動に向けまして、具体的な施策を展開してまいります。
 条例におきましては、就労支援に係ります施策を事業計画として取りまとめ、その実施状況について公表、検証することとしておりまして、こうした取り組みを通じ、施策の実効性を確保してまいります。
 都営住宅の役割についてのご質問でございます。
 住宅は生活の基盤であり、住宅に困窮する低額所得者や高齢者など、都民の居住の安定を確保するためには、公共住宅に加えて、民間住宅を含めました重層的な住宅セーフティーネットの構築は重要でございます。
 都営住宅は、こうした住宅セーフティーネット機能の中心的役割を担っておりまして、これまでも社会経済情勢の変化に応じまして、子育て世帯向けの期限つき入居制度を期限延長するなど、都営住宅の管理、供給のあり方を見直してまいりました。
 今後とも、少子高齢化の急速な進展などを見据えまして、既存ストックの有効活用を図りながら、都営住宅の役割を的確に果たせるように取り組んでまいります。
 MaaSの普及拡大についてのご質問でございます。
 交通網の発達した地域では、人の流れが最適化されまして、無駄な待ち時間なく移動できて、交通が不便な地域におきましては、車を持たない高齢者などでも、自由に外出、生活できる社会は、都が描きますソサエティー五・〇の姿の一つでございます。
 また、モビリティーの所有から利用へのシフト、膨大な移動ビッグデータをめぐるプラットホーム競争など、世界的なゲームチェンジの流れを捉え、新たなサービスを創出するということは、東京の成長戦略としても大きな意義がございます。
 このため、都は今年度、都心部、臨海部、多摩地域と特性の異なる三つのエリアで、社会実装に向けました実証実験を行います。いずれも五社以上の交通事業者等が連携した大規模なプロジェクトとなっておりまして、鉄道とバスのリアルタイムの運行データを連携させた全国初となる経路案内など、新たなチャレンジを支援いたします。
 国とも緊密に連携して実証実験を積み重ねて、交通サービスと商業、観光等の周辺サービスとの組み合わせや、データ連携等を推進していくことによりまして、公共性、広域性、事業性の三つを兼ね備えた社会実装モデルを構築いたしまして、MaaSの普及拡大を図っていく所存でございます。
 飲食店の店頭表示についてでございますが、東京都受動喫煙防止条例におきましては、都内の飲食店に対しまして、喫煙の可否に関する店頭表示を独自に義務づけまして、ことし九月一日から施行いたしております。
 この条例を実効性あるものとするために、都内各地で説明会を開催、また都内全ての店舗に行き渡りますように、飲食店向けのリーフレットを作成して配布するほか、保健所が実施する歳末一斉監視指導の機会を活用いたしまして、個別に働きかけております。
 今後とも、区市町村や関係団体の方々にご協力いただきながら、さまざまな機会を捉えたさらなる啓発に取り組むなど、受動喫煙防止対策を推進してまいります。
 なお、その他のご質問につきましては、警視総監、教育長、東京都技監及び関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔警視総監三浦正充君登壇〕

○警視総監(三浦正充君) 保育所等周辺の安全点検についてでありますが、都内七千を超える施設の未就学児が日常的に移動する経路を対象として、幼稚園、保育所等の施設管理者、都及び区市町村の保育部署、道路管理者並びに警察署の関係者で緊急的に実施をし、点検は全て完了をいたしました。
 この結果、警視庁が対策すべき箇所は七百十四カ所あり、十一月末現在、そのうちの二百九十カ所で既に対策を終えております。
 主な対策といたしましては、横断歩道の新設及び補修、歩行者用灯器の青時間の延長等がございます。
 引き続き、関係機関と連携し、対策の早期実現を図ってまいります。
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 都立知的障害特別支援学校における職能開発及び就労支援についてでございますが、生徒が自立し、社会参加していくためには、学校で力を確実に身につけ、その力を就労先で発揮していくことが必要でございます。
 都教育委員会はこれまで、知的障害特別支援学校において、ICT機器等を活用した情報処理実習やビジネスマナー講座など、実務スキル習得の機会を拡充してまいりました。
 また、障害特性への理解啓発を図る企業向けセミナー等を開催するとともに、就労支援員が地域の企業を訪問し、生徒一人一人に応じた就労先を開拓するなど、生徒の適性を生かした就労につなげております。
 今後も、技術の発達に伴う企業ニーズの変化を捉えた実践的な教育や、きめ細かな就労支援に取り組み、就労を望む全ての生徒がそれぞれの適性に応じて働けるよう支援してまいります。
〔東京都技監佐藤伸朗君登壇〕

○東京都技監(佐藤伸朗君) 築地地区のまちづくりについてでございますが、都はこれまで、将来ニーズへの対応の余地も残しながら都有地を有効活用できる、長期の定期借地権による民間活用プロジェクトを実施しており、長期間にわたって事業を確実に遂行し、事業目的を実現できるよう、一定の要件を満たす優良な事業者を選定してまいりました。
 具体的には、都有地において必要な施設等を整備し、運営する期間中、安定して事業を実施できる企画力、技術力及び経営能力等を有する者を、公募型プロポーザル方式により選定しております。その際に考慮される事業実施に係るリスク、責任等については、基本的に、都が原因者となる事項を除き、事業者が負うことを条件としております。
 築地におきましても、こうした要件を満たす優良な事業者を選定し、公益性にも配慮しつつ、中長期的に都民にとっての価値を向上させるまちづくりを進めることを想定しております。
〔総務局長遠藤雅彦君登壇〕

○総務局長(遠藤雅彦君) 立川地域防災センターの機能強化についてでございますが、同センターは、隣接する多摩広域防災倉庫とともに、発災時には、新宿庁舎と連携し、国や市町村等との情報連絡や応急対策活動を行う多摩地域の防災拠点でございます。
 台風第十九号の際にも、同センターを拠点として、多摩の市町村に対するリエゾン派遣、養生シートや土のう袋などの物資支援を行うとともに、隣接する陸上自衛隊と連携してヘリコプターを活用し、奥多摩町の孤立地域に水や食料等の支援を行ったところでございます。
 今回の検証に基づき、同センターの機能強化に向けた必要な改修や、仮称でございますが、危機管理副監の設置を含む体制整備に向けた検討を進め、多摩地域における防災対策を充実するとともに、都における危機管理体制の強化に取り組んでまいります。
〔環境局長吉村憲彦君登壇〕

○環境局長(吉村憲彦君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、多摩地域の災害廃棄物処理についてでございますが、大規模災害により大量に発生する廃棄物を、迅速かつ適正に処理するためには、近隣の自治体間での相互支援や、産業廃棄物処理業者等との緊密な連携が極めて重要でございます。
 都はこれまで、業界団体と都内全域における災害廃棄物処理協定を締結し、大規模災害に備えてまいりました。
 また、特別区の検討会に参加するなど、区部における自治体間連携の取り組みを支援しており、今後は、多摩地域でも同様のスキームの構築に向け、市長会に働きかけてまいります。
 加えて、多摩地域にも、産業廃棄物処理施設の活用も見据えた業界団体との協力体制の整備を後押しし、多摩地域における災害廃棄物の対応力向上に取り組んでまいります。
 次に、補正予算を活用した暑さ対策の強化についてでございますが、来年の夏も厳しい暑さが予想されることから、体温調整が難しいお子様や高齢者を含めた観客向けの暑さ対策を強化することが重要でございます。
 このため、この夏のテストイベントにおいて、専門家などの意見も含めましてさまざまな検証を行った結果、観客から好評でございました、効果が明らかになった対策を最大限に活用することとし、テントや日よけの追加設置、ネッククーラーの配布規模の拡大のほか、新たに飲料等を配布するなど、対策の強化を図ってまいります。
 引き続き、組織委員会を初めとする関係機関と連携し、大会本番の暑さ対策に万全を期してまいります。
 最後に、ごみの減量化についてでございますが、都民の日々の暮らしの中で発生するごみを減らすためには、ライフスタイルの転換を促し、ごみを減量する具体的な方策を提示することが重要でございます。
 都は今年度、企業と連携し、繰り返し充填が可能な容器を活用して日用品を提供するビジネスモデルを支援するほか、教育機関と連携し、大学内でレジ袋の使用を控えるキャンペーンや、小学生向けの海ごみ学習教材の配布など、ごみの減量に向けた新たな取り組みを行っております。
 今後、こうした取り組みとともに、区市町村などと連携した取り組みを一層加速させ、ごみの減量に向けた理解と協力の輪を広げてまいります。
〔建設局長三浦隆君登壇〕

○建設局長(三浦隆君) 五点のご質問にお答えをいたします。
 初めに、調節池の整備のスピードアップに向けた取り組みとストック効果についてでございますが、台風や集中豪雨による水害から都民の命と暮らしを守るためには、護岸や調節池等の河川施設の整備を効率的、効果的に推進していくことが重要でございます。
 台風第十九号の際には、神田川・環状七号線地下調節池では、下流の中野区内において、推定で最大約一・五メートル水位を低下させるなど、溢水の未然防止に大きな効果を発揮いたしました。
 今後、新規調節池の早期事業化に向け、候補地の選定に当たっては、公共用地を基本に適地を幅広く検討してまいります。水害に強い都市東京の実現に向け、豪雨に効果を発揮する河川施設の整備を推進してまいります。
 次に、無電柱化を進めるための課題への取り組み状況についてでございますが、都は、東京電力やNTTなどと技術検討会を設置し、電線等を浅く埋設する手法の導入や電線共同溝の材料の見直しなど、技術的な検討を進めまして、平成三十年四月に、技術基準である東京都電線共同溝整備マニュアルを改定いたしました。
 現在、このマニュアルに基づき、今後事業着手する目白通りや新奥多摩街道などにおきまして、浅く埋設する手法や新材料などを採用した予備設計等を進めております。
 さらに、電線管理者と連携いたしまして、地上機器や特殊部のコンパクト化、低コスト化等の技術開発に取り組むとともに、コスト縮減や工期短縮を図ってまいります。
 引き続き、東京の無電柱化を強力に推進してまいります。
 次に、道路における交通安全対策の取り組みについてでございますが、子供が日常的に移動する経路において交通安全対策を進めることは極めて重要でございます。
 区市町村等と合同で実施いたしました緊急安全点検の結果、道路管理者として対策が必要な箇所は、都内において二千二百十七カ所であり、そのうち都道は百八十一カ所でございます。
 主な交通安全対策といたしまして、歩行者の通行の安全性を確保する防護柵の設置や、歩行空間を確保するため路側帯のカラー舗装化等を実施してまいります。
 また、子供の移動経路は、都道や区市町村道等が連続しているため、交通安全対策の実施に当たりましては、対策箇所の大半を占める区市町村等と連携を図ってまいります。
 引き続き、子供が安全で安心して利用できる歩行空間の確保に取り組んでまいります。
 次に、道路のバリアフリー化についてでございますが、都はこれまで、東京都道路バリアフリー推進計画に基づき都道のバリアフリー化を進めるとともに、道路の新設や拡幅、無電柱化等の他事業との一体的な整備を行ってまいりました。
 加えて、東京二〇二〇大会に向けまして、競技会場や観光施設周辺において、国や区市等と連携をし、道路の面的なバリアフリー化を推進しております。
 本年七月に、バリアフリー法に基づく特定道路として、赤羽駅や町田駅等の主要な駅周辺の都道や区市道など、都内において新たに約五百キロメートルが指定されました。
 これを踏まえまして、都道における特定道路のバリアフリー化を進めるとともに、区市等と連携して区市道などの特定道路のバリアフリー化を進めることで、道路の面的なバリアフリー化をさらに推進してまいります。
 最後に、都立公園におけるラグビーができる施設の整備についてでございますが、都立公園の整備に当たりましては、公園の個性や特性等を踏まえ、自然環境の保全や防災、レクリエーション等の機能を最大限に発揮させることが重要でございます。
 都立公園に設ける運動施設につきましては、都民の多様なレクリエーション活動や健康増進を支える場となるよう、子供から大人まで多くの都民が気軽にスポーツに親しめる身近な施設であることを基本としてきました。
 今後、都立公園の地域特性を考慮しつつ、地元自治体等の意見も聞きながら、都民がラグビーもできる場について検討してまいります。
〔下水道局長和賀井克夫君登壇〕

○下水道局長(和賀井克夫君) 下水道に対する都民の理解を深める取り組みについてでございますが、下水道が普及し、トイレの水洗化が進んだ現在、下水道は都民の暮らしにあって当たり前となり、都民の関心や認知度は必ずしも高いとはいえません。
 そこで、下水道局では、東京下水道見せる化アクションプラン二〇一八に基づき、ふだん見ることができない地下の貯留管などをVR技術により映像化することで、手軽に施設見学を疑似体験できる取り組みや、浸水対策工事現場等のインフラ見学ツアーなどを実施し、戦略的なPRに努めております。
 引き続き、都民に下水道への理解を深めていただけるよう、見学環境の整備等に取り組んでまいります。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、日本各地との連携策についてですが、東京と日本各地が連携して、それぞれの観光資源を活用し、多様な魅力を発信することは、東京と各地の双方の旅行者の誘致に効果的でございます。
 お話の八ッ場ダムのある地元自治体では、地域の豊かな環境を生かした自然体験など、アウトドアレジャーの取り組みを進め、旅行者の増加を図ることで、生活再建につながる観光振興に取り組んでおられます。
 都としても、例えば都庁舎内にある全国観光PRコーナーにおいて、日本各地の魅力を各自治体の創意工夫で発信するなど、双方の誘客につなげているところでございます。
 今後も、地元自治体との連携に取り組んでまいります。
 次に、障害者や難病患者等に対する就労支援についてですが、これまで都は、障害者や難病患者等を雇用する企業に奨励金を支給するなど、さまざまな就労支援を実施してまいりました。
 近年、治療技術等の進歩などにより、障害や疾病を抱えていても就労が可能になるなど、こうした方々の就労環境が大きく変化していることから、一人一人の実情を的確に把握し、希望や個性に応じた就労支援を行うことが一層重要となっております。
 こうした状況を踏まえまして、障害者や難病患者等に対するきめ細かな就労支援が行えますよう、しごとセンターの相談窓口等に医療、福祉等の専門スタッフを配置することに加え、国、区市町村と連携して、適切な支援へとつなげる仕組みを構築してまいります。
 次に、障害者の職業能力開発についてでございますが、障害者雇用の促進に向けては、疾病や不慮の事故により障害者となられた方などに対し、実情を踏まえたきめ細かな職業訓練を行うとともに、企業等の多様な人材ニーズに対応した訓練機会を確保する必要がございます。
 このため、都は、東京障害者職業能力開発校において、人材ニーズに即した実践的な技能を習得する訓練指導に加え、専門スタッフを配置した生活指導をあわせて実施するなど、障害者が安定的に訓練を受けられるよう支援を行っているところでございます。
 さらに、ニーズの変化等に的確に対応するため、民間の教育機関等を活用した委託訓練を実施し、訓練機会の拡充を図っているところでございます。
 これらの訓練等を通じて、障害者雇用を推進してまいります。
 最後に、中小企業におけるICTの利活用の推進についてですが、中小企業の生産性を向上させていくためには、IoTや5Gを初めとするICT技術の活用を企業のニーズに応じて促進することが必要でございます。
 都は、都内中小企業に対して、ICTの活用に向けた相談窓口の設置や専門家によるシステム導入の提案などを行っております。こうした取り組みとあわせて、将来5Gの実用化が見込まれる中、スマート工場化に必要な機器等の導入を目指す中小企業への支援や、5G活用のノウハウやメリットを発信するセミナー等の開催を検討してまいります。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 九点のご質問にお答えいたします。
 まず、大規模災害時の医療救護体制についてでありますが、都は、災害時に医療関係の多職種が連携して医療救護活動を行えるよう、ガイドラインに各職種の活動内容を明記し、区市町村との合同総合防災訓練で、実践的な訓練を実施しております。
 また、二次保健医療圏ごとに実施した図上訓練では、職種間の情報共有が重要との意見もあり、現在、全ての圏域で訓練の検証を踏まえた活動方針を検討しており、今後とも、災害時に多職種が緊密に連携し、役割を発揮できるよう、区市町村や関係機関と協力しながら、地域の実情に即した災害医療体制の整備を進めてまいります。
 次に、災害時の医療人材の活用についてでありますが、災害時に医療救護活動を円滑に実施するためには、医療人材の確保が重要であり、都は本年度、医療救護所における看護師の確保状況に関し、区市町村に対してアンケート調査を実施いたしました。
 調査では、区市町村の多くは、医療救護所の看護師確保が課題としておりますが、域内や近隣に在住する看護師を登録し、研修を行うなど、先進的な取り組みを実施している自治体もございました。
 今後とも、都は、こうした事例を紹介し、包括補助で支援するとともに、災害時の医療人材の活用について検討してまいります。
 次に、児童養護施設における自立支援についてでありますが、施設では、入所児童の自立を支援するため、自習室の設置など学習環境を整えるほか、ボランティアを活用し、児童の状況に合わせた学習支援や進学支援を行っております。
 都は、中学生以上の学習塾や大学進学等に要する経費の一部を補助するとともに、入所児童の自立支援や進学準備から退所後の継続的な相談援助を行う、専任の自立支援コーディネーターを配置した五十四施設を支援しているところでございます。
 今後も、一人一人の状況にきめ細かく対応しながら、施設に入所している児童の自立をしっかりと支援してまいります。
 次に、シルバーパス制度についてでありますが、都は、シルバーパスの利用者だけでなく、広く都民の意見を把握するため、利用者実態調査と制度のあり方調査を実施し、現在、報告書の取りまとめを進めているところでございます。
 高齢化が進む中で、利用者はさらに増加することが見込まれており、今後、制度を持続可能なものとするため、調査の結果も踏まえ、さまざまな観点から検討する必要があると考えております。
 次に、保育士の負担軽減についてでありますが、都は現在、保育士が保育に専念できる環境を整備し、その離職防止、職場定着を図るため、地域の多様な人材を清掃や給食の配膳などの補助的業務に活用する経費を補助する区市町村を支援しております。
 平成三十年度は十二区市が実施しており、より多くの保育所でこうした人材の活用が進むよう、待機児童対策協議会等を通じて区市町村に働きかけているところです。
 区市町村からは、補助的業務を担う人材の確保や継続的な雇用に苦慮しているなどの意見があることから、地域の人材を活用した保育士の負担軽減を引き続き検討してまいります。
 次に、認証保育所の活用についてでありますが、都は、待機児童の解消に向けて、認可保育所、認証保育所など、多様な保育サービスを整備する区市町村を支援してまいりました。
 その結果、本年四月の待機児童数は大幅に減少しましたが、その大半を占めている一歳児への対応が課題となっております。そのため、今年度、認可保育所の空き定員を利用して、一歳児の受け入れを促進する仕組みの充実を図っているところでございます。
 引き続き、地域の保育ニーズの変化に対応できるよう、都の保育施策の重要な柱の一つである認証保育所についても、この仕組みの活用を検討してまいります。
 次に、介護人材対策についてでありますが、都は、介護人材の確保、定着、育成のため、職場体験や資格取得支援のほか、奨学金返済相当額の手当支給を行う事業者を支援するなど、さまざまな取り組みを実施しております。
 昨年度からは、介護未経験者に対する入門的な研修や中堅職員のキャリアアップなど、地域の特色を踏まえた区市町村の取り組みを支援しております。
 今年度は、職員の採用経路や離職の理由、確保、定着に効果があった取り組みなどについて、地域ごとの分析を進めており、その結果も踏まえながら、効果的な介護人材対策を検討していく必要があると考えております。
 次に、一時保護委託についてでありますが、児童養護施設等への一時保護委託は、通学の保障等、児童の地域における生活の連続性の確保や、それぞれの施設が持つ専門性の活用などの面で有効なものと考えております。
 平成三十年度の都内の一時保護の新規保護人数は前年度から五百二十二人増加しており、そのうち一時保護委託は四百二十五人を占め、その需要は高まっております。
 都は現在、児童福祉審議会で、一時保護委託も含め、施設機能について検討しており、この議論も踏まえ、児童個々の状況に応じて一時保護委託の活用について適切に対応してまいります。
 最後に、新生児委託推進事業についてでありますが、都は平成二十九年度から、特別養子縁組を前提として新生児等を委託するモデル事業に新たに取り組み、本年十一月末までに十一人を里親に委託しております。
 このモデル事業では、一カ所の乳児院に専用の受け入れ枠を一床確保し、児童相談所と乳児院のそれぞれに専任の職員を配置しておりますが、同時期に複数の新生児が候補となったため、新生児のうちに委託につながらなかったケースも生じております。
 養子縁組が最善と判断した場合、できる限り新生児のうちに委託を進められるよう、本事業の本格実施については、こうしたことも踏まえ検討してまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長潮田勉君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君) 七点のご質問にお答えいたします。
 まず、東京二〇二〇大会の暑さ対策についてでありますが、選手やボランティア、観客等の暑さ対策は大会成功に向け重要であります。
 このため、都では、組織委員会や関係機関と連携し、ことしの夏に実施したテストイベントでの試行、検証を踏まえ、日陰の創出や暑さ対策グッズの配布拡充のほか、救護所の設置等、適切な救護体制の構築に向けた検討を進めるなど、さらなる対策の強化を図ることとしたところでございます。
 また、シティキャストに対しては、連続する活動時間に上限を設け、小まめな休憩時間の確保や水分補給の徹底なども検討しております。さらに、観客等への丁寧な情報提供を含め、引き続き、実効性ある対策に着実に取り組んでまいります。
 次に、障害のある方に対する情報保障についてでありますが、障害の有無にかかわらず、誰もが必要な情報を得られるよう配慮や工夫を行うことは重要であります。
 現在、組織委員会では、障害のある方も含め、誰もが競技を楽しめるよう、会場内で競技状況の大型ビジョンへの表示や、競技の特性に応じ、会場全体へのアナウンスや実況解説の実施を検討しております。
 また、都は組織委員会と連携し、聴覚に障害のある方などに向けて、スマートフォンを用いた文字情報の提供について、テストイベントを通じた検証を実施しております。
 引き続き、障害のある方が競技の観戦を楽しんでいただけるよう、アクセシビリティ・ガイドラインを踏まえ、競技や会場の特性に応じた対応策について、組織委員会と連携し検討してまいります。
 次に、会場周辺企業へのTDMの協力依頼についてでありますが、大会輸送は大会成功の鍵の一つであり、企業の皆様に交通需要マネジメント、いわゆるTDMに取り組んでいただくことが重要であります。
 そのため、業界団体や企業への説明会に加え、エリアを分けた説明会や個別コンサルティングなどを実施し、会場周辺の交通対策や混雑状況を丁寧に説明し、TDMの協力を依頼してまいりました。また、ポスターや動画を初め、テレビなどの媒体も活用し、広く取り組みの浸透を図っていきます。
 加えて、競技会場周辺や、特に交通混雑が見込まれる十六の重点取り組み地区の企業向けに、デジタル広告やSNSを活用した広報を展開し、より一層、都民や企業の皆様のご協力が得られるよう、今後とも積極的に取り組んでまいります。
 次に、中小企業向けの物流対策についてでありますが、大会時の物流対策を検討する上では、中小企業を含めたサプライチェーン全体で連携した取り組みが重要であります。
 これまで都は、中小企業も対象に、東京商工会議所を初めとした経済団体等を通じた説明会で情報提供などを行ってまいりました。
 今回、物流の効率化に向け、国や荷主、配送事業者などの業界団体等と連携して協議会を発足させるとともに、個別相談やチラシ配布等を行い、広く周知に取り組んでまいります。
 あわせて、企業の意向を把握し、段階に応じ複数回のコンサルタント派遣を行い、企業の取り組みを支援し、円滑な大会輸送の実現と経済活動の維持との両立を図ってまいります。
 次に、大会時の都発注工事の調整についてでありますが、大会期間中の交通混雑緩和に向けて工事調整を進めるためには、工事関係者の理解と協力が必要であります。
 本年十月には、この夏の試行結果や会場周辺の交通対策の取りまとめ等を踏まえ、都庁発注工事の調整に関する取組方針を更新し、業界団体等を通じ広く協力依頼を行っております。
 今後、大会に近づくにつれ、都発注工事について事業者等からの問い合わせがふえることも想定されますことから、迅速に対応できるよう問い合わせ窓口体制を整理し、周知するなど適切に対応してまいります。
 次に、民間工事事業者への働きかけについてでありますが、都内で行われる工事の約八割が民間工事であり、大会時の交通混雑緩和に向けては、民間工事の発注者、受注者それぞれに工事調整への取り組みに協力をいただくことが重要であります。
 そのため、発注者、受注者双方に対し、大会期間中に取り組んでいただきたい工事調整のチラシを作成し、都などの工事関係の窓口などで配布をしております。加えて、建設業や不動産、建設資材などの団体や個別企業に直接協力を依頼しております。
 引き続き、工事関係者の理解と協力をいただきながら、大会輸送と経済活動の両立に努めてまいります。
 最後に、ワールドカップを契機としたラグビーの裾野拡大についてでありますが、大会で高まったジュニア世代のラグビーへの興味、関心を将来に引き継いでいくためには、実際に体験し魅力を感じる場をふやすことが重要であります。
 そのため、都は、大会期間中ファンゾーンにおいて、ラグビー相談や各地のスクールの情報を紹介するブースを設置するとともに、パス回しやタックル体験などラグビーに直接触れられる機会を提供いたしました。
 今後も、競技団体等と連携して、子供たちが気軽にラグビーに触れられる機会を創出するなど、裾野拡大につながる取り組みを検討してまいります。
 こうした取り組みにより、大会を契機に高まったラグビーへの関心をレガシーとして定着させてまいります。
〔財務局長武市敬君登壇〕

○財務局長(武市敬君) 六点のご質問にお答えいたします。
 まず、契約制度におけるインセンティブについてでございますが、現在、障害者雇用を積極的に推進している事業者に対しましては、入札における総合評価方式での加点措置や事業者の資格登録の審査において、障害者雇用率に応じた加点などの評価を実施しております。
 今後、契約制度において、難病患者やがん患者などを雇用する事業者への対応を検討するに当たりましては、その前提として、支援対象とする事業者の定義や範囲などが明確であることが必要でありまして、事業所管局での検討を踏まえて対応してまいります。
 次いで、発注関係事務の運用に関する指針についてでございますが、都はこれまでも、運用指針を踏まえ、工事の品質確保や建設業の担い手を確保するため、適切な工期の設定や施工時期等の平準化などを進めてまいりました。
 国において運用指針が改定される見込みでございますが、都におきましては、改正運用指針の趣旨にもかなう設計等委託業務の平準化や工事関係書類の削減、簡素化などの取り組みを始めているところでありまして、これからも運用指針をもとに必要な制度等の見直しを図り、働き方改革に向けた取り組みを行ってまいります。
 また、受注者の声も踏まえつつ、発注から設計、工事に至る各段階におきまして、発注関係事務が着実に実施されるよう、庁内連絡会などの機会を捉えて、法の理念や運用について共有し浸透を図ってまいります。
 次いで、週休二日を前提とした工事発注についてでありますが、都は現在、建設業における働き方改革の一環として、週休二日モデル工事を試行しております。
 その中では、工期の設定に当たって直接必要な日数のほか、施工条件や休日等を考慮した日数を加え必要な期間を確保するとともに、工事費の算出において週休二日に必要な経費として、実態に合わせて労務費の補正を行っております。
 今後とも、モデル工事において、現場管理上の課題や労務費補正の効果などを把握した上で、業界の意見も聞きながら、引き続き適切な工期の設定や経費の計上などに努めてまいります。
 次いで、発注の平準化についてでありますが、債務負担の活用や適切な工期設定などに加えまして、中長期的な工事発注見通しの公表も、平準化の取り組みを進めることに寄与する可能性があるものと認識をしております。
 一方で、関係機関との協議や地元調整などにより、事業スケジュールが変更される場合も多く、数年先や複数年度の範囲での発注見通しの公表により、入札参加者に混乱を招くことも懸念されております。
 今後、国などと連携し、課題や公表する範囲の検討を行ってまいります。
 次いで、業務委託契約についてでありますが、品質確保のためには、業務の履行を担保する適切な予定価格の設定が重要であると認識をしております。
 しかしながら、業務委託の種類や内容は多岐にわたっているため、公定の参考労務単価などを活用するものや主に複数の参考見積もりをもとに設定するものなど、各案件の性質により、さまざまな積算手法が必要となっており、全ての業務に統一的な基準を設定するには課題がございます。
 品質確保やダンピング抑止の観点からは、一定の基準の設定は重要でありまして、今後とも、反復継続する案件など業務の種類ごとに積算の実態の把握に努め、適切な予定価格の設定に取り組んでまいります。
 最後に、再生骨材コンクリートについてでありますが、解体工事などによって発生するコンクリートの瓦れきを再生骨材として活用することは、持続可能な社会を構築していく上で重要であり、東京都環境物品等調達方針などによりまして、再生骨材を用いたコンクリートの使用を推進しております。
 具体的には、簡易な擁壁を初め、高い構造性能を必要としない部材などに使用することとしておりまして、工事標準仕様書において位置づけ、活用を図ってまいります。
〔住宅政策本部長榎本雅人君登壇〕

○住宅政策本部長(榎本雅人君) 都営住宅の供給についてでございますが、都営住宅におきましては、ストックの適切な維持更新を図るため、地域の特性や住宅の老朽化の度合い等を勘案して、計画的に建てかえを進めていく必要がございます。
 建てかえに当たりましては、多世代共生に配慮するとともに、従前居住者の世帯構成に応じた住宅を確保する観点に立ち、それぞれに対応する間取り及び規模の住宅を供給しており、平成三十年度には、建てかえに着手した住宅の約半数を単身者用の住戸としております。
 こうした都営住宅の建てかえ事業による供給に適切に取り組みますとともに、高齢者等の入居を拒まないセーフティーネット住宅の登録を促進するなど、引き続き、住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への入居の円滑化を図ってまいります。
〔生活文化局長浜佳葉子君登壇〕

○生活文化局長(浜佳葉子君) 成年年齢引き下げに向けた若者向けの消費者教育についてでございますが、改正民法の施行により、高校在学中に生徒が成人を迎えることとなるため、都では、学校における消費者教育への支援の強化に取り組んでいます。
 具体的には、成年年齢引き下げをテーマに教員向け講座を実施するほか、生徒を対象とした出前講座や消費者教育教材につきましては、契約の仕組みやクーリングオフなど、消費者保護に関する内容を充実いたしました。
 今後は、東京都消費生活対策審議会の提言を踏まえ、保護者等に向けた出前講座の拡充や学校教育と消費生活行政をつなぐコーディネーターの設置に向けた調整を進めてまいります。これに加えまして、若者に身近なSNSを活用した情報発信についても強化するなど若者への消費者教育を一層推進してまいります。
〔病院経営本部長堤雅史君登壇〕

○病院経営本部長(堤雅史君) 都立、公社病院が今後担う役割についてでございますが、現在、公社病院は、地域医療のシステム化を先導してきた実績を生かしながら、地域包括ケア病棟における在宅復帰支援等の取り組みを通じて、地域に必要とされる医療を提供しております。
 また、都立病院は、都立病院新改革実行プラン二〇一八におきまして、これまでの基本的役割である行政的医療の提供に加え、地域医療の充実への貢献を新たな役割として位置づけ、地域の医療機関等に対する支援に取り組んでおります。
 今後とも地域医療構想で示した東京の医療の姿を実現するため、地域医療構想調整会議の場などの議論も踏まえながら、都立、公社、計十四病院がスケールメリットを生かしつつ、相乗効果を発揮することで、地域医療の充実に向けた役割を担ってまいります。

○議長(石川良一君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後六時四十八分休憩

   午後七時十分開議

○議長(石川良一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 三十三番原田あきら君
〔三十三番原田あきら君登壇〕

○三十三番(原田あきら君) 日本共産党都議団を代表して質問します。
 初めに、防災対策です。
 この秋の台風、豪雨災害により亡くなられた方々、被災された皆様に心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 小池知事が、防災対策の補正予算を提出し、国制度の対象となっていない一部損壊住宅に対する都独自補助などを盛り込んだことは重要です。しかし、防災対策の補正予算の規模は百三十四億円にすぎません。
 都独自の住宅修繕支援は、一件当たりの補助上限額が都と区市町村それぞれ十五万円、修繕費の半額は自己負担で、予算額二億五千万円です。
 一方、昨年度の決算剰余金だけ見ても、約七百億円まで補正予算に充てることができたはずです。
 今もなお被害に苦しまれている多くの方への支援を初め、災害対策のさらなる拡充が必要です。知事の認識と対応を伺います。
 内閣府の調査によると、鳥取県を初め、全国で多くの道府県が住宅再建など被災者生活支援の恒久的な独自制度を持っています。しかし、東京都にはありません。災害発生直後から支援できるよう、恒久的な都独自制度が必要ですが、いかがですか。
 農業被害も深刻です。奥多摩町ではワサビ田が大規模に崩壊。大島、利島、式根島、三宅島などはパイプハウスの倒壊やツバキの大量倒木、塩害などが発生しています。都内の農業被害額は二十七億円と試算されています。ところが、農業復旧の補正予算はわずか五億円です。農業被害への支援を作物被害にも広げるなど、抜本的に拡充すべきです。答弁を求めます。
 台風十九号では、都内でも、河川の氾濫、道路の崩落、ライフラインの寸断など、深刻な被害がありました。広範囲に避難勧告、避難指示が出され、都内で約十八万六千人が避難しました。避難所が満杯で入り切れなかったなどの事態が相次ぎ、避難所の数が余りにも足りないことが浮き彫りとなりました。
 今回明らかになった避難所が少な過ぎる問題について知事はどう受けとめていますか。区市町村とも連携して水害対応の避難先の数をふやすことが急務ですが、いかがですか。
 災害の避難所と避難生活を研究している避難所・避難生活学会は、我が国の避難所は海外と比較して条件が悪いと指摘しています。そして、二十人に一個以上の洋式トイレ、温かい食事の提供、簡易ベッドの設置を提言しています。イタリアでは既にこれが常識になっています。
 また、避難所の国際基準とされているスフィア基準は、尊厳のある生活を営む権利が保障される避難所の設置基準を示しています。内閣府も、避難所の質の向上を考えるとき参考にすべき国際基準だとしています。
 知事は、我が国の避難所の質に大きな課題があることを認識していますか。
 避難所に行くのをためらうことなく、早期の避難を進めるためにも、車中泊などによる災害関連死をなくすためにも、避難所の質の向上は重要かつ緊急の課題です。認識と対応を伺います。
 人工呼吸器をつけている方が、自宅一階に医療器具があるため、二階に避難できなかった事例がありました。土砂災害警戒区域に住む高齢者が、一番近い避難所でも歩いて三十分かかるので避難できなかった事例もありました。福祉避難所が開設されず、体育館に避難した車椅子の方はトイレなどバリアだらけだったと訴えています。
 障害者や高齢者など、災害要配慮者の避難のあり方について、今回の対応の検証とそれを踏まえた対策の強化が必要です。認識と対応を伺います。
 台風などのときは、雨風の音が激しく、窓を閉め切るため、防災行政無線が聞こえません。タワーマンションも防災無線はほぼ聞こえません。
 こうした問題に対応するため、防災行政無線を室内で聞くことができ、文字パネルで見ることもできる緊急告知ラジオなどの普及に取り組む区市町村が広がりつつあります。その重要性をどう認識していますか。災害要配慮者を初め、住民への普及に取り組む区市町村への支援を求めるものです。いかがですか。
 豪雨水害対策は、貯留管や貯水池の建設だけでなく、道路の透水性舗装や浸透トレンチ管など、雨水を土に浸透させる対策も重要です。河川や下水に流れ込む水の量を減らすと同時に、地下水をふやす効果があり、ヒートアイランド現象の緩和にも有効です。
 豪雨対策と環境施策を兼ね備えた雨水浸透対策の抜本的拡充について見解を伺います。
 練馬区などが重視して進めている小規模な雨水浸透対策は、都の補助制度の対象外です。しかし、小規模でも数をふやせば、大きな役割を発揮します。
 都が貯留浸透施設の助成対象を三百立米から百立米に引き下げたのは重要ですが、さらに補助要件を緩和すべきです。いかがですか。
 イタリア政府は、防災復興省を設置して成果を上げています。東京都も防災局の設置や各局横断の組織体制強化が必要です。いかがでしょうか。
 直下型地震を含め、防災対策は多岐にわたり、総合的な議論や調査を行うことが必要です。都議会に防災対策特別委員会を設置するよう、心から呼びかけるものであります。
 激甚化する台風、豪雨災害を防ぐためにも、気候変動への対策は待ったなしです。昨年十月、国連気候変動に関する政府間パネル、IPCCが発表した特別報告書に衝撃が走りました。気温上昇を産業革命以前より一・五度に抑えるためには、あと十年で二〇一〇年比四五%前後の温暖化ガスの削減が必要だと指摘したのです。
 ことし九月には、スウェーデンの高校生グレタ・トゥンベリさんが、気候行動サミットで各国政府代表にこう訴えました。あなた方は事実から目を背け続け、必要な政策や解決策が見えてすらいないのに、この場所に来て、十分にやってきたといえるのでしょうか。知事はこの言葉をどう受けとめていますか。
 グレタさんが始めた行動は全世界に広がり、日本でも、グローバル気候マーチの取り組みが数千人を集める規模になりました。
 東京でこの運動に取り組む若者たちは、小池知事が、二〇五〇年までにCO2排出量を実質ゼロにする目標を掲げたことは歓迎するが、実際の政策に乖離があると指摘し、都として気候変動非常事態を宣言することを求めています。
 知事、この要望に正面から応えるべきです。ニューヨーク、ロンドン、パリなど世界の大都市は宣言しています。長野県も気候変動非常事態宣言を出しました。知事、いかがですか。
 知事が所信表明で、全ての都立病院について、地方独立行政法人化を表明したことについて質問します。
 国や全国の自治体で独立行政法人化された病院は、経営の効率化や採算性などが強調され、公的に担うべき医療の重大な切り下げが相次いでいます。
 例えば、滋賀県の大津市民病院は、経済的困難を抱える人でも、経済的負担なく子供を産める入院助産制度が利用できる市内で唯一の病院でしたが、独立行政法人化後に分娩を休止しました。また、宮城県では、循環器・呼吸器病センターが廃止されました。神奈川県では、医師が次々と退職し、その責任をめぐり、県と法人の当時の理事長が対立しています。
 独立行政法人化が公的医療の切り下げなどにつながった全国各地の事例を知事は知らないのですか。
 知事は、独立行政法人化により安定的な人材確保を可能にするといいました。しかし、小池知事のもと、都立病院の医師の定数はわずか二人しかふえず、この二年間は一人もふえていません。舛添都知事は毎年十人以上ふやしました。看護師の定数は、小池都政のもとでむしろ減っています。
 一方、同じ直営でも、さいたま市立病院では、十一年間で医師は約一・三倍、看護師は一・五倍にふやしています。
 知事、医療人材の確保というなら、医師や看護師の定数を抑えてきたみずからの姿勢を変えることこそ求められているのでありませんか。
 知事は、東京の医療のセーフティーネットである都立病院は、これまで以上に安定的な経営基盤を確立し、引き続き、行政的医療の提供や地域医療の充実をなしていかなければなりませんと述べました。
 セーフティーネットである都立病院は、東京都が直接責任を持って運営すべきなのではないですか。都立直営こそが、最も安定的な経営基盤なのではないですか。知事の明確な答弁を求めます。
 都立病院は、小児、周産期、障害者、難病、災害医療など、不採算であっても都民に必要な医療の提供を使命としています。一般会計からの繰り入れは、そのために不可欠なものであり、赤字の穴埋めなどではありません。知事はどう認識していますか。
 今回、独立行政法人化の方針は、知事の所信表明で唐突に表明されました。東京都として、いつ、どこで意思決定をしたのですか。知事、明らかにしてください。
 今回の方針の出発点は、都が設置した都立病院経営委員会が、昨年一月、独立行政法人化の検討を提言したことにあります。この委員会で、独立行政法人化が一番ふさわしいと発言したのが独立行政法人化の支援を業務としている監査法人トーマツの委員です。そして、経営委員会の提言に基づく委託調査を受注して、独立行政法人化が望ましいという報告書をまとめたのも監査法人トーマツです。
 知事、これで公平性、中立性を確保して検討したといえるんですか。
 都立病院は、石原知事のときに十六カ所の病院を半減させて、清瀬や八王子の小児病院などを廃止する計画が強行されました。その総括も反省もないまま、独立行政法人化こそ柔軟で効果的だなどといって進めることは許されません。
 都立病院を守る都民の運動も営々と続いています。知事が所信表明で、都民の皆様の生命と健康を守る使命を着実に果たしていく、そのために都立病院を独立行政法人化すると述べたことは、都民を欺くものです。
 都民の生命と健康を守るためにこそ、独立行政法人化方針は撤回し、都立病院は都立直営を堅持して拡充することを強く求めるものです。
 知事は、長期戦略ビジョンを今月末に発表すると表明しました。しかし、既に示されている論点整理に対し、有識者から、貧困対策が入っていない、東京に住む人の生活の質を上げるのが東京の第一の戦略であるべきだ、日本をリードする貧困対策を打ち出してほしいと厳しく指摘する声が上がっています。この声を知事はどう受けとめますか。
 論点整理には、多くの都民が困っている国民健康保険料、保険税の重い負担への言及もありません。
 都の国民健康保険運営協議会に示された試算では、来年度の一人当たりの保険料は約十五万五千円となり、今年度と比較して約四千六百円もの値上げになります。実際の保険料は区市町村で決めますが、国保加入者の負担はもはや限界です。
 国連が採択した持続可能な開発目標、SDGsは、二〇三〇年までに、あらゆる形態の貧困に終止符を打つことを目標としています。その実現に向け、国保料、国保税の負担軽減を長期戦略ビジョンに位置づけるべきです。知事、いかがですか。
 今回の所信表明に、またしても福祉という言葉はありませんでした。
 知事は、地方自治法第一条で、住民の福祉の増進を図ることが地方自治体の役割だとされていることをどう認識していますか。長期戦略ビジョンは、住民の福祉の増進を図ることを中心に据えたものとすべきです。知事、いかがですか。
 所信表明で知事は、長寿の時代に、高齢者が安心して暮らせる社会を築くと述べました。しかし、この重い課題にふさわしい具体的中身は示されませんでした。
 知事は昨年八月、任期の折り返しのときに、今度は高齢者に的を絞って進めたいといいました。しかし、見るべき変化は生まれていません。
 来年度予算に向けた福祉保健局の予算要求では、高齢福祉費は減額要求です。特別養護老人ホームの整備費補助も、認知症高齢者グループホーム、老人保健施設の整備、小規模多機能型施設など地域密着型サービスの整備も軒並み減額要求です。今後の知事の対応が注目されます。
 知事は、来年度予算編成で、高齢者福祉の拡充及び介護基盤整備にどう取り組むのですか。
 知事はこれまで、特別養護老人ホームなどの介護基盤整備を進めると答弁してきました。施設建設工事費の高騰に対応する補助の拡充、都有地、国有地の活用促進、民有地の用地費補助の実施など、新たな取り組みが必要です。答弁を求めます。
 認知症高齢者グループホームは、高齢化が進み介護度も高くなっています。ところが、夜間の介護職員はほとんどが一人体制です。とても対応し切れず、いつか事故が起きるのではないか、そういう声が寄せられています。
 高齢者が安心して暮らせて、介護職員が安心して働けるよう、夜間をせめて二人体制にできるようにするなど、認知症高齢者グループホームの職員体制を充実することが重要です。いかがですか。
 十月一日から消費税増税が強行され、都民、中小業者に不安と怒りの声が広がっています。
 日本共産党都議団は、杉並区内の商店街で消費税増税による影響調査を行いました。キャッシュレス決済に対応できていないというお店がかなりある、カードで買い物ができるようにしているがポイント還元はやっていない、手数料がふえ負担がふえているなどの声も寄せられました。商売に影響が出ているのかの質問には、多くの店が影響があると答えています。
 経済産業省が発表した十月の小売販売額は、前年同月比七・一%減となり、消費税が八%に増税されたときの減少率四・三%を大きく上回る落ち込みです。消費税増税を契機に、廃業したというお店、事業者も少なくありません。知事はこの事態をどう受けとめていますか。
 知事は都民、中小業者の不安と怒りに応えるべきです。
 我が党が行った商店街での調査では、消費税は廃止してほしい、五%に戻してほしいという声も多く寄せられました。消費税は、所得の低い人に重くのしかかります。消費税が導入されて三十一年、貧困と格差を広げ、暮らしも商売も壊してきました。
 我が党は、消費税をまずは五%に戻すよう全力を尽くすものであります。
 教育費の負担軽減について質問します。まず、私立高校の保護者負担軽減です。
 親の経済状況にかかわらず、希望する子供が私立高校で学べるよう、支援を拡充することは重要です。
 文部科学省が私立高校生への就学支援金の支給額を引き上げる概算要求を行いました。この拡充に合わせて、都の授業料無償化の対象を年収九百十万円まで拡大すべきです。知事、いかがですか。
 全国ほとんどの県では、入学金への補助があります。しかし、都では貸し付けしかありません。入学金は平均二十五万円です。低所得世帯の私立高校入学への障壁となっています。
 SDGsは、全ての子供が無償で高校まで教育を修了できるようにする目標を掲げています。その実現に向け、入学金などへの補助制度の創設を求めるものです。見解を伺います。
 次に、首都大学の学費軽減です。
 国は大学無償化だといいながら、国立大学で学費値上げが相次いでいます。これまで授業料減免を受けていた学生の半数以上の二万四千人が、無償化どころか、逆に支援を受けられなくなるか、減額されるという事態が生まれています。
 知事は、大学の学費無償化の重要性をどう認識していますか。
 首都大学東京の学費の値上げはすべきでありません。値下げを検討すべきです。また、入学料、授業料の減免制度は、少なくとも現状維持することを学生や受験生に表明することが必要ですが、いかがですか。
 次に、教員の働き方改革についてです。
 今国会で、多くの反対と疑問の声を押し切って、教員に一年単位の変形労働時間制を導入できるようにする法改定が成立しました。断固抗議するものです。
 現場の教員から、変形労働時間制が導入されれば、今でさえ長い労働時間が固定化される、職員会議などが今より遅い時間に設定されたら、子育てや介護との両立が難しくなると反対の声が上がり、署名は約二カ月で九万筆を超えました。この現場の教員の声をどう受けとめていますか。
 国会では、法改定を提案した文部科学大臣が、変形労働時間制の導入自体が、教員の業務や勤務時間を縮減するものではないと答弁しています。
 平日の時間外労働を減らす効果はなく、むしろ個々の教員に意に沿わない長時間労働を押しつける変形労働時間制は、導入すべきではありません。
 小池知事は第二回定例会で、いわゆる過労死ライン相当にある教員が多数存在しているという認識を示しました。改善するためには、教員をふやすことが何よりも重要です。予算編成権を持つ知事の決断で教員をふやすべきです。答弁を求めます。
 教員定数が国基準を下回っている、大規模小中高等学校の副校長や養護教諭は、都教委が毎年のように増員要求をしているのに、知事の予算発表段階では認められないということが続いています。今回こそは認めるべきです。財務局長、いかがですか。
 教員の仕事量を減らす取り組みも急務です。都教委が学校に依頼する各種の調査は現場の負担になっており、都教委も縮減を図るとしています。思い切って減らすべきですが、見解を伺います。
 都教委から学校に依頼する調査は、年間幾つあり、これまで幾つ減らしたんですか。お答えください。
 知事が提出した二つの条例案について伺います。
 まずは、就労支援とソーシャルファームの条例です。
 就労を希望する全ての都民、中でもさまざまな理由で困難を抱える方の就労を支援し、総合的施策を実施するという条例の理念や目的は重要であり、賛成です。
 一方、条例の最大の柱はソーシャルファームへの支援です。この点では幾つもの問題点があります。
 我が党は、ソーシャルファームそのものを否定するものではありません。福祉作業所と一般企業の中間的な社会的企業とされるソーシャルファームは、諸外国では定着し、効果を上げています。
 しかし、都内はもとより日本にはまだありません。条例をつくって支援するといわれても、ソーシャルファームとはどういうものかわかる都民は余りいません。条例を検討した有識者会議も、国内においてソーシャルファームの認知度はまだまだ低いと認めています。
 知事はソーシャルファームについて、都民の共通認識が形成されていると考えているのですか。
 条例の検討過程で、日本にはまだないソーシャルファームの定義を明確にした条例をつくるのは難しいという意見が多く出されました。
 実際に、条例の定義を定める第二条に、肝心のソーシャルファームとは何かという定義がありません。第十条に曖昧な規定があるだけです。知事、法令の一部である条例には、明確な定義が必要ではありませんか。
 条例では今後、認証基準を定めて、財政支援をするとしています。しかし、定義がないのに明確な認証基準はつくれません。
 知事、定義がなく、認証基準も不明確なものに、都民の税金を投入してよいのですか。
 有識者会議の委員に知事が指名した炭谷茂氏は知事の二十年来の友人です。そして、ソーシャルファームの普及を進める団体の理事長です。条例化を強く主張したのも炭谷氏です。
 知事、炭谷氏がかかわるソーシャルファームの事業所に、都が財政支援をしたり、炭谷氏が理事長の団体に相談窓口を委託することはないといえますか。
 また、これからつくる認証基準などを炭谷氏が入った有識者会議で検討するようなことはないといえますか。知事の答弁を求めます。
 今回の条例は、本来は障害者、生活困窮者、ひとり親、ひきこもりの方などへの支援を目的としています。しかし、その中身は抽象的で、ソーシャルファームの創設と活動への支援が突出しています。
 来年度予算に向けた産業労働局の予算要求でも、ソーシャルファーム支援事業が新規事業として二十二億円も要求されています。一方、同じく新規事業の就労困難者特別支援事業はわずか四千万円です。
 知事、さまざまな就労に困難を抱える方への支援は、具体的にどう充実させるのですか。
 ソーシャルファームについては、条例化を急ぐのではなく、日本でなぜ進まないのかという原因の分析、効果的な支援策の検討など、地に足のついた施策から着実に取り組むことを求めるものです。
 次に、中央卸売市場条例です。
 卸売市場法は、民営化促進のために、これまでの取引ルールが大幅に規制緩和され、八十三条あった条文が、わずか十九条になりました。今回の条例改定はそれに伴うものです。
 しかし、各自治体の条例はそれぞれの判断に任されており、ほぼ従来どおりの取引ルールを明記した条例改正を予定しているところもあります。
 都の条例が、引き続き公営を維持していることは重要です。また、知事への報告制度が実施されます。しかし、基本的には国の卸売市場法と同様の規制緩和がそのまま盛り込まれています。
 卸は生産者を守り、仲卸は消費者を守る。そんな卸と仲卸の競り合いの中で、公平、公正な価格形成を行うことが卸売市場の公共的役割であり、消費者は適正な価格で品質のよいものを買うことができるのです。
 今回の条例改定により、取引ルールの緩和を行えば、卸と仲卸の役割、中央卸売市場の本来の役割が果たせなくなりかねません。知事はどう認識していますか。
 都は今後、卸や仲卸の取引について、知事に報告し、各市場の取引委員会で議論するとしています。どういう基準で知事に報告するのか、知事は報告を受けてどう対応するのか、取引委員会でどういう議論がされるのかが重要ですが、その中身は明らかにされていません。この制度で、これまでと同様の公平、公正な取引を保障できるといえるのですか。
 中央卸売市場の公平、公正な価格形成機能を守るための必要な取引ルールが、卸売市場法で廃止された条文であっても、都の条例で従来どおり継続することを我が党は強く求めるものです。
 オリ・パラ大会に向けた課題について伺います。
 小池知事はかつて、五輪経費が膨らんでいることに対し、二兆、三兆って豆腐屋じゃあるまいしと、皮肉を込めて批判しました。ところがその後、三年がたち、五輪経費は国と都、組織委員会を合わせて三兆円を超える見通しだと報道されています。
 結局、巨額の経費となっていることを知事はどう考えていますか。五輪経費の縮減、透明化という知事の公約に照らして、今後どう取り組むのですか。
 オリ・パラ大会をSDGsが掲げる雇用、労働環境改善の契機にするために、公契約条例などを制定することは重要です。知事の認識と対応を伺います。
 人権尊重の社会への契機にすることも重要です。国際的なスポーツ大会に合わせて、期間限定でLGBTとスポーツに関する情報発信や、交流に取り組むプライドハウスの取り組みが、ニューヨークやパリを初め、世界の主要都市に広がっています。
 東京でも、プライドハウス東京がラグビーワールドカップ期間中に開設されました。個人はもちろん、パナソニックやソニーなど約十五社がパートナーとして参加し、オランダ大使館やラグビーフットボール協会など、多くの団体が後援しました。
 オリ・パラ大会でも予定されており、運営計画では、大会にかかわる全ての人々の人権を尊重するため、ダイバーシティーとインクルージョンを可能な限り最大限確保するとしています。
 オリ・パラ大会を、こうした取り組みが広がる契機にすることが重要です。認識を伺います。
 場所の提供や後援団体になるなど、都としてプライドハウス東京の取り組みを支援することを求めますが、いかがですか。
 次に、羽田新飛行ルートの問題です。
 実施されれば、住宅を初め、学校、保育施設、病院などが集積する都心のど真ん中を二分に一回以上の頻度で、巨大旅客機が超低空で飛行することになります。
 騒音は健康被害を及ぼすレベルとなり、航空機からの落下物、墜落事故への懸念など、都民の生命、財産にかかわる大問題です。知事はどう認識していますか。
 撤回や見直しを求める決議、意見書が、品川、渋谷、港区議会などから上がり、都民の運動も広がっています。にもかかわらず、小池都知事は、来年三月から運用を開始するという国の方針に賛成し、感謝の表明さえしています。知事は、撤回や見直しを求める都民の声をどう考えているのですか。
 多くの都民の反対があり、地元の理解が得られていないことを承知の上で、小池知事は、国の方針に賛成し、そのことをもって国は、地元の理解が得られたとして羽田新飛行ルートの運用開始を決定しました。
 国交省がお決めになったことだと国にだけ責任を押しつけるのはやめて、国の新飛行ルート方針に賛成した小池知事自身の責任を政治家として明確にすべきです。知事の答弁を求めます。
 日本共産党都議団は、広範な都民と力を合わせて、羽田新飛行ルートの白紙撤回に向け、全力を挙げるものです。
 最後に、横田基地について伺います。
 横田基地周辺では、オスプレイが機関銃を住宅地に向けながら低空飛行訓練を繰り返しています。しかも、それについて米軍が、銃口を出しての飛行はオスプレイの標準的訓練だと説明したことが周辺住民の強い怒りを呼んでいます。こんな話がまかり通るなら、まるで植民地です。
 敵地侵入を想定して、銃口を住宅地に向けて行う訓練が都内で繰り返されていることを知事はどう考えますか。中止するよう厳しく求めるべきです。知事の答弁を求めます。
 このような訓練を標準的訓練としているCV22オスプレイの横田基地配備はやめさせるしかありません。知事、いかがですか。
 横田基地で、残留性有機フッ素化合物であるPFOSを含む泡消火剤が三千リットル以上も流出し、基地内の井戸調査でも高濃度で検出されていたと報道されました。
 PFOSは、国内では監視化学物質に指定されており、米国を初め、国際的に有毒性が確認されています。横田基地では、有毒性物質、燃料や油漏れが百回以上起きていながら、ほとんど公表されていません。
 知事はこうしたことを把握していますか。有毒物質の使用中止と事故の再発防止、都の立入調査を厳重に申し入れるべきですが、答弁を求めます。
 日米地位協定を改定して、自治体による立入調査権を初め米軍基地への国内法を適用させることは急務です。
 全国知事会と連携するのは当然ですが、それにとどまらず、沖縄県などと力を合わせて、首都の知事として、先頭に立って取り組むべきです。
 知事の答弁を求め、再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 原田あきら議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、被災した都民への支援や災害対策のさらなる拡充についてのご質問でございました。
 今回の台風では、都内でも暴風による家屋の損壊、豪雨による浸水など大きな被害が発生をいたしました。
 被災後、私自身、直ちに被災現場を訪れまして、被害の状況を確認し、地元の要望も聞き、一部損壊住宅に対する都独自の支援、そして市町村に対する財政支援など、緊急に対応すべき事業につきまして補正予算を編成いたしまして、今定例会に提案をいたしたところでございます。
 さらに、こうした状況を踏まえまして、副知事をトップに、都の風水害対策全般について検証を行い、風水害時の都有施設の活用を初めとする三十五の対策を取りまとめております。
 今後、これらの対策を着実に進めまして、引き続き、防災対策の強化に取り組んでまいります。
 気候変動対策についてでございますが、先般の台風十五号、十九号でも甚大な被害が発生するなど、気候変動の影響は既に私たちの身近な生活に及んでおります。
 都は、気候変動対策の重要性を早くから認識をして、世界初の都市型キャップ・アンド・トレード制度など、さまざまな施策を展開いたしております。
 また、本年五月、U20メイヤーズ・サミットにおきまして、二〇五〇年までにCO2排出実質ゼロに貢献するゼロエミッション東京の実現を宣言をいたしまして、気候変動の危機的な状況、対策の緊急性等を都民に訴えてきたところであります。
 気候変動対策に関する今後の取り組みでございますが、先ほどご答弁いたしましたとおり、今月末にはゼロエミッション東京戦略を取りまとめて、この中で、気候変動の危機的な状況についての都の認識、そして気候変動の危機に立ち向かうための具体的な取り組みとロードマップを明らかにすることといたしております。
 都立病院の経営の基盤についてのご質問でございます。所信表明でも申し上げましたとおり、東京の医療のセーフティーネットであります都立病院は、将来にわたりまして行政的医療の提供や、地域医療の充実をなしていかなければなりません。
 地方独立行政法人は、都が設立する法人でありまして、柔軟な医療人材の確保や機動的な運営を期待することができる、そのため、最もふさわしい経営形態であると考えまして、移行に向けた準備を開始することといたしたものでございます。
 今回の表明でございますが、これまで都は、都立病院が担うべき役割を将来にわたって確実に果たしていくための効率的、効果的な運営のあり方について、丁寧に調査検討を重ねてまいりました。
 先日の本会議におきましては、こうしたことを踏まえまして、地方独立行政法人へ移行する準備を開始することを表明したものでございます。
 長期戦略ビジョンに係る三点のお尋ねでございます。
 私は知事就任以来、一貫して人に焦点を当てまして、東京で暮らす誰もが自分らしく輝ける社会の実現に向けまして、生活困窮者への支援など、さまざまな政策を展開してまいりました。
 八月にお示しをいたしました論点整理におきましても、低所得者、離職者等の生活の安定に向けました支援、正規雇用に向けました多面的な支援といった具体的な課題を提示したところでございます。
 また、国民健康保険でございますが、相互扶助の考えに立った社会保険制度であることはご存じのとおりであり、その財源は、保険料が二分の一、公費が二分の一を基本とし、その賦課方式や料率は、各区市町村がみずから定めるものでございます。
 制度の安定化に向けましては、制度設計者の国が必要な措置を講じるべきでありまして、都は、国に持続可能な制度となるように要望をいたしております。
 さらに、住民の福祉につきましては、これまで二〇二〇年に向けました実行プランに基づいて、さまざまな政策を展開してきておりまして、その一つ一つが住民福祉の向上のためにほかならないものでございます。
 長期戦略ビジョンにつきましては、論点整理をもとにいたしまして、さまざまな方々から幅広く意見を伺いながら、年末の策定に向け、検討を進めているところでございまして、誰もが安心して豊かに暮らせる東京の姿を描いてまいります。
 高齢者福祉についてでございます。
 まず、都は、高齢者が地域で安心して生活できますように、医療、介護、住まいなどが一体的に提供されます地域包括ケアシステムの構築に向けまして、第七期東京都高齢者保健福祉計画におきまして七つの重点分野を定めて、総合的に施策を進めております。
 特別養護老人ホーム等の介護サービス基盤の整備につきましても、重点分野に位置づけまして、都独自の支援策を講じておりまして、今後とも、さまざまな高齢者施策を推進してまいります。
 消費税率の引き上げについてでございますが、我が国の経済は緩やかな回復基調が続いておりますが、海外経済の変動などによりまして、予断を許さない状況にございます。消費税率引き上げ後の消費動向にも留意する必要があると考えております。
 こうしたことから、都といたしまして中小企業の現場の声に耳を傾けて、その実態を的確に把握をするとともに、経営や資金繰りの面から中小企業に寄り添った支援を行ってまいります。
 ソーシャルファームについてのご質問でございます。
 ソーシャルファームは、就労に困難を抱える方に活躍の場を提供する新たな枠組みでございまして、これを東京に根づかせてまいります。
 条例の検討に当たりましては、有識者会議において公開で議論を行いました。ソーシャルファームの創設や普及に向けた提言をいただいたところでございます。また、パブリックコメントにおきましても、ソーシャルファームに期待する意見が多数寄せられたところでございます。こうした議論や意見を踏まえまして、今回条例を提案いたしております。
 中央卸売市場条例の改正につきましてのご質問でございます。
 卸売市場が今後とも基幹的インフラとしての役割を果たしていくためには、物流や商取引の多様化など、卸売市場を取り巻く環境の変化に的確に対応していくことが重要でございます。
 このため、今回の条例の改正におきましては、多くの市場業者、産地や実需者がより活発に取引を行えるよう規制を緩和する一方で、公正な取引環境を守っていくことといたしております。
 公正な取引の確保に当たりましては、日
々、その結果を公表して透明性を確保するほか、市場業者に対しまして実績報告などを義務づけまして、取引状況を詳細に把握、適切に指導監督してまいります。
 また、各市場の取引委員会で、都と市場関係者によりまして情報共有を図り、具体的な課題について協議をしてまいります。
 こうした取り組みによりまして、引き続き公正な取引環境を確保、都民の豊かな消費生活を実現してまいります。
 公契約条例の制定についてのお尋ねでございます。
 公契約条例につきましては、整理、検討すべき課題があると認識をいたしておりまして、賃金などは、労働関係法令のもとで、労働者個人の経験、能力等を踏まえました対等な労使での協議によることが前提でございます。
 一方、労働者の適切な処遇の確保は重要であり、都はこれまでも、元請企業に対しまして、下請契約の適正化を要請してまいりましたが、今後はそのフォローアップ調査を行いまして、実効性を高めてまいります。
 羽田新飛行経路の決定についてのご質問でございます。
 我が国の国際競争力の向上や東京二〇二〇大会の円滑な実施のため、羽田空港の機能強化は極めて重要でございます。
 羽田空港におけます新飛行経路の導入につきまして、国はみずからの判断、責任で決定をしたものでございます。
 都といたしましては、引き続き丁寧な情報提供や騒音、安全対策の着実な実施を求めながら、国と協力をして、羽田空港の機能強化実現に向けまして積極的に取り組んでまいります。
 オスプレイの飛行訓練についてのご質問でございます。
 安全保障に関することは国の専管事項でございます。オスプレイの訓練を含む米軍の運用に当たりましては、周辺住民の皆様に不安を与えることがないよう、最大限の配慮が払われなくてはなりません。
 このため、都といたしまして、オスプレイの配備に当たりましては、安全対策の徹底、生活環境への配慮などにつきまして、繰り返し国や米軍に要請をしてきたところでございます。
 ご指摘の訓練につきましては、米軍に確認したところ、銃は標準的な装備で、銃弾は込められていない、ハッチを開けた状態での飛行も訓練時における標準飛行の一つだ、横田基地のオスプレイを含む全ての航空機は、日米両政府の合意に従って運用されているとのことでございました。
 今後も、都民の生命と安全・安心を守る立場から、地元自治体とともに、国や米軍に対しまして必要なことを申し入れてまいります。
 残余のご質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 初めに、変形労働時間制の導入についてでございますが、今般、臨時国会において、一年単位の変形労働時間制の導入を含む、いわゆる給特法の一部を改正する法案が成立をいたしました。法案審議におきまして、制度導入についてさまざまな意見があったことは承知してございます。
 次に、教員の働き方改革に向けた取り組みについてでございますが、教員の働き方改革を進めるに当たっては、国、都、区市町村及び学校が連携し、多様な施策を重層的に展開していくことが重要でございます。
 このため、都教育委員会では、教員の働き方改革の推進と教育の質の向上を目的として、小学校の英語専科指導教員の増員を図っております。また、スクールサポートスタッフなどの外部人材の活用を推進するとともに、一般財団法人東京学校支援機構において、こうした外部人材の確保が的確になされるよう準備を進めるなど、区市町村や学校への支援に取り組んでおります。
 教員の定数につきましては、いわゆる標準法に基づく都の配置基準により適切に配置をしており、引き続き国に充実を求めてまいります。
 次に、学校等に依頼する調査の縮減についてでございますが、都教育委員会では、児童生徒の実態把握や的確な教育施策に資するための調査を実施しておりますが、教員の負担感の軽減を図るため、内容の見直しや縮減等を行っているところでございます。
 具体的には、昨年度、調査縮減に向けたプロジェクトチームを立ち上げ、調査内容の分類、整理等を行い、調査の隔年化や回答の省力化、廃止等の効率化を目指した教育庁調査ルールを本年三月末に取りまとめ、平成二十九年度の調査件数を基準として、当面三年間、毎年一〇%ずつ見直すことといたしました。
 現在、このルールに基づいた調査の見直しを着実に進めているところでございます。
 最後に、学校等に依頼する年間の調査件数についてでございますが、都教育委員会が都立学校や区市町村教育委員会を対象として実施している調査は、平成二十九年度末時点で九百四十九件でございました。昨年度、これを基礎数値といたしまして検討を行った結果、縮減対象外としている国の依頼や法令等に基づく調査、これらを除いた五百十件を見直しの対象としたところでございます。
 見直しの初年度でございます今年度の実績につきましては、年度末に取りまとめを行いますが、一〇%の縮減目標は達成する見通しでございます。
 なお、昨年度において、見直し対象の五百十件とは別に、先行して調査手法の効率化等を行った件数は十一件でございます。
〔東京都技監佐藤伸朗君登壇〕

○東京都技監(佐藤伸朗君) 七点のご質問にお答えいたします。
 まず、雨水浸透対策についてでございます。
 都は、東京都豪雨対策基本方針に基づき、河川や下水道の整備を着実に推進するとともに、公共施設や個人の住宅における貯留浸透施設の設置を促進する流域対策に取り組んでおります。
 こうした対策を推進するため、関係区市とともに協議会を設けており、引き続き連携して取り組んでまいります。
 次に、雨水貯留浸透対策の補助要件の緩和についてでございます。
 都はこれまで、公共施設に設置する貯留浸透施設の工事費を補助するなど、地元自治体の取り組みを支援しており、昨年度は、補助対象施設の規模要件を緩和しております。
 また、地元自治体への補助制度の説明会において、取り組み事例を紹介することにより、理解を深めてもらうとともに、施設の設置促進を働きかけております。
 こうした取り組みを積み重ねながら、引き続き制度の充実に努めてまいります。
 次に、羽田新飛行経路についてでございます。
 都はこれまで、国に対して、騒音影響の軽減、安全管理の徹底を求めてまいりました。
 国は、騒音影響の軽減策として、飛行高度の引き上げや、低騒音機の導入促進、学校、病院等の防音工事に対する助成制度の拡充などの取り組みを実施することとしております。
 落下物対策については、航空機のチェック体制の強化などに加え、世界的に類を見ない落下物防止対策の基準を定め、国内外の航空会社に対して順次対策の義務づけを行うなど、総合的に対策を充実してきております。
 都は、引き続き、対策の着実な実施を求めてまいります。
 次に、新飛行経路に関する都民の意見についてでございます。
 国が決定した新飛行経路については、区議会の意見書等を含め、さまざまな意見があることは承知しております。
 国は、先月から六期目の住民説明会を開催するなど、引き続き丁寧な情報提供に努めるとともに、航空会社へ落下物防止対策を義務づけるなど、総合的な対策に取り組んできております。
 都としては、引き続き、都民の理解がさらに深まるよう、丁寧な情報提供や騒音、安全対策の着実な実施に取り組むよう国に求めてまいります。
 次に、オスプレイの横田基地配備についてでございます。
 安全保障に関することは国の専管事項ですが、都は、オスプレイの横田基地への配備に当たっては、地元自治体とともに複数回にわたって安全対策の徹底や生活環境への配慮等について、国や米軍に要請してまいりました。
 今後も引き続き、地元自治体と連携しながら、必要なことを申し入れてまいります。
 次に、横田基地における有機フッ素化合物を含む泡消火剤についてでございます。
 都は、従来より、事故等の発生時には、迅速かつ正確に情報提供するよう、国や米軍に対して要請しております。
 お尋ねの報道についても国に事実確認したところ、有機フッ素化合物の一つであるPFOSを含む泡消火剤が流出したとの情報は承知していない、また、横田基地では、平成二十八年以降、訓練時には、PFOSを含む泡消火剤を使用していないとのことでございました。
 また、基地への立入調査については、有機フッ素化合物に関する国やWHOの基準が定められていないことなどから、現時点では立ち入りは困難と考えております。
 今後も引き続き、情報提供を求めるとともに、国や米軍に対し、基地周辺環境への配慮を働きかけてまいります。
 最後に、日米地位協定の改定についてでございます。
 日米地位協定は、締結以来一度も改定されておらず、補足協定等により運用改善が図られているものの、国内法の適用がないなど、我が国にとって依然として十分とはいえない状況でございます。
 このため、都は、国への提案要求において、外務省に直接出向いて日米地位協定の見直しを求めているほか、全国知事会や米軍基地所在の都道府県で構成する渉外知事会の要望等を通じて、国に対して見直しを要請してまいりました。
 今後も、他の自治体とも連携し、日米地位協定の見直しを国に求めてまいります。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 六点のご質問にお答えいたします。
 まず、被災者支援についてでありますが、都はこれまでも、被災者生活再建支援法が適用された際に国の支給対象とならない半壊世帯に対象を拡大するなど、それぞれの被災の状況に応じて独自の支援を行ってきております。
 このほか、全壊や半壊の被害はありますが、その世帯数が法の適用要件に満たない区市町村も対象とし、同様に支援しているところでございます。
 次に、避難所についてでありますが、都は、避難所において良好な生活環境が確保されるよう、災害想定を考慮した避難所の指定、女性や子供への配慮やトイレの確保等について記載した管理運営の指針を適宜改定し、区市町村に対しても、避難所管理運営マニュアルの作成や改定を行うよう働きかけているところでございます。
 次に、避難所の質の向上についてでありますが、避難所において、避難者一人一人の尊厳、健康を守り、安全・安心を確保することは重要であり、良好な生活環境が確保されるよう、管理運営の指針を区市町村向けに作成しております。
 次に、災害時要配慮者の避難についてでありますが、都は、高齢者や障害者などの要配慮者が災害時に福祉避難所に円滑に避難し、適切な支援を受けられるよう、個別避難計画の策定や福祉避難所の運営マニュアル作成などに取り組む区市町村を包括補助で支援しているところでございます。
 また、各区市町村の担当者を対象とした研修会を毎年開催し、福祉避難所の開設手順などの好事例を紹介しており、本年十一月に実施した研修会では、今般の一連の風水害を踏まえた意見交換も実施したところでございます。
 引き続き、災害時に要配慮者への支援が適切に行われるよう、こうした取り組みを進めてまいります。
 次に、介護基盤の整備についてでありますが、都は、特別養護老人ホーム等の整備促進を図るため、都有地の減額貸し付けや国有地、民有地の借地料補助、建築価格の高騰に対応した加算など、さまざまな独自の支援策を講じております。
 今年度からは、区市町村の整備用地の確保に向けた支援を開始しており、今後とも区市町村のニーズを踏まえながら介護基盤の整備を進めてまいります。
 最後に、認知症高齢者グループホームの職員体制についてでありますが、認知症高齢者グループホームの人員等の基準は、厚生労働省令に基づき指定権限を持つ区市町村が条例で定めております。
 省令では、夜間及び深夜については、一ユニット当たり一名以上の介護従事者を置くこととされており、基準を上回る職員配置は、介護報酬の加算により評価する仕組みとなっているところでございます。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 六点のご質問にお答えいたします。
 まず、農業被害への支援についてですが、ワサビ田を初めとした農地の復旧やパイプハウスなど生産施設の再建等につきましては、区市町村からの要望を踏まえ、必要な措置を講ずることとしております。
 農作物被害につきましては、全国一律の農業共済制度などによる補償に加え、都においても、農業者に資金を無利子で貸し付ける特別融資を実施しているところでございます。
 次に、ソーシャルファームの定義についてですが、条例案では、事業からの収入を主たる財源として運営しながら、就労困難者と認められる者を相当数雇用し、その職場において、就労困難者と認められる者が他の従業員とともに働いている社会的企業をソーシャルファームとしております。
 次に、ソーシャルファームの認証基準等についてですが、今後策定する指針等において、支援対象となるソーシャルファームの具体的な認証基準を定め、これに基づき支援を行ってまいります。
 次に、ソーシャルファームへの支援についてでございますが、ただいま申し上げたとおり、今後策定する指針等において、支援対象となるソーシャルファームの具体的な認証基準を定め、これに基づき支援を行っていくこととしております。
 なお、相談窓口等の支援の実施に当たっては、適正な手続のもとで進めてまいります。
 次に、ソーシャルファームの認証基準等の検討についてですが、今後、企業経営等の専門家などによる会議を設置し、具体的に検討を進めていくこととしております。
 最後に、就労に困難を抱える方への支援についてですが、今後、ソーシャルファームの創設や活動の促進に加えて、医療、福祉等の専門スタッフの配置による相談体制の整備や、障害者を初めて雇用する中小企業への支援などに取り組んでまいります。
〔総務局長遠藤雅彦君登壇〕

○総務局長(遠藤雅彦君) 八点のご質問にお答えいたします。
 まず、区市町村と連携した水害対応の避難先の確保についてでございますが、今回の台風十九号では、一部の地域で区市町村の想定を超える避難者があり、避難先が不足する事態が生じたため、都は、地元自治体の求めに応じ、都立高校など都立一時滞在施設を風水害時の避難先として開放いたしました。
 今回の検証結果に基づき、浸水等のおそれがない場所に立地する都立一時滞在施設を避難先として活用していくとともに、区市町村による指定緊急避難場所の指定手続が進むよう、支援を実施してまいります。
 今後とも、区市町村と連携を図りつつ、都民の水害時の避難先確保を推進してまいります。
 次に、災害発生時の住民への情報発信についてでございますが、災害時には区市町村において、防災行政無線のほか、ツイッター、コミュニティFM、防災行政無線を受信できる防災ラジオや室内で聞ける戸別受信機など、それぞれの自治体が工夫を凝らし、さまざまな手段で住民への情報発信を行っていると認識しております。
 また、都においても、都民等に対し、防災ホームページやツイッター、防災アプリ等により、迅速に情報の提供や注意喚起を行っております。
 引き続き、災害発生時の被害の抑制に向けて区市町村と連携し、都民等に対し積極的に情報発信に取り組んでまいります。
 次に、防災情報発信についての区市町村への支援についてでございますが、都は、災害情報システム専用の端末を区市町村に配置し、Lアラートを通じ、マスコミ各社へ避難所開設情報を迅速に提供する体制を構築しております。
 さらに、区市町村を支援するため、災害時における要配慮者の個別避難計画の作成等に対する補助を行うとともに、東京都防災ホームページでは、音声読み上げ機能により、区市町村の避難情報等を提供するなどの取り組みを行っております。
 今後とも、こうしたさまざまな手段を通じ、区市町村の情報発信を支援してまいります。
 次に、防災の組織体制強化についてでございますが、首都直下地震等の大規模な災害が発生し、または発生するおそれがある場合においては、直ちに知事を本部長とする災害対策本部を設置し、全庁を挙げて災害対策を行う体制を整備しております。
 台風第十九号や第二十一号についても、東京都災害対策本部を設置、運営し、各局が連携して迅速に応急対策を行ったところでございます。
 また、平時から、地震や風水害、火山などの災害種別ごとに地域防災計画を策定し、全庁横断的に防災事業を実施しております。
 引き続き、総務局を中心に各局連携のもと、防災事業に取り組んでまいります。
 次に、大学の学費無償化についてでございますが、国は、高等教育の無償化について、財政や進学率など、その時々の状況を総合的に判断しながら、無償教育の漸進的導入に努めるとしており、国において適切に対応すべきものと認識しております。
 次に、首都大学東京の授業料等についてでございますが、公立大学法人の授業料は、地方独立行政法人法の規定により、議会の議決を経た上で都が上限額を認可し、その範囲内で法人が自主的に決定する仕組みとなっております。
 また、入学料及び授業料の減免については、経済的困窮者等に対し、法人みずから定める基準に基づき行っております。
 都としては、首都大学東京により、引き続き、授業料等について適切な制度運用がなされるものと認識しております。
 次に、人権尊重の取り組みについてでございますが、都は、東京二〇二〇大会の開催を契機として、いかなる種類の差別も許されないというオリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念が広く都民に浸透した都市としていくため、昨年十月に人権尊重条例を制定いたしました。
 条例の制定により、さまざまな人権に関する不当な差別を許さないとの姿勢を国内外に改めて明確にし、啓発、教育等の施策を総合的に実施しているところでございます。
 今後とも、東京に集う多様な人々の人権が誰ひとり取り残されることなく尊重されるよう、必要な取り組みを実施し、誰もが認め合う共生社会を実現してまいります。
 最後に、民間団体の取り組みへの支援についてでございますが、東京二〇二〇大会の開催は、東京都、都民及び事業者が一体となった理解、協力のもと、人権尊重の理念の浸透の取り組みを進める機会でもあると認識しております。
 都はこれまでも、さまざまな民間団体等と協力して、人権施策の推進に取り組んでまいりました。引き続き、二〇二〇大会における民間団体等による普及啓発などの動向を注視いたしまして、連携のあり方について検討してまいります。
〔病院経営本部長堤雅史君登壇〕

○病院経営本部長(堤雅史君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、地方独立行政法人化した事例についてでございますが、平成三十年一月の都立病院経営委員会からの提言を受け、都ではこの間、さまざまな調査を行ってまいりました。
 地方独立行政法人に移行した病院におきましては、機動的な人員確保等により、住民ニーズに応え、救急や周産期などそれぞれの地域で必要とされる医療が充実している事例が多数ございます。
 個々の事例全てについて知事に報告しているわけではございませんが、お話の事例につきましては、地方独立行政法人への移行自体を理由としたものでないというふうに認識をしております。
 次に、医師、看護師の定数についてでございますが、都立病院では、定数は適切に設定されておりますが、医師につきましては、さまざまな手段を通じて充足に努めてきたにもかかわらず、欠員の状況が続いております。全国的に人材が不足する中、患者サービスを向上させるには医師の確保が必須でございまして、今後そのための柔軟な勤務制度を構築していくことなどが不可欠となると実感をしております。
 また、看護師定数が減少している理由は、利用状況に応じて病棟の休止を行った病院があるためでございます。
 次に、一般会計からの繰り入れについてでございますが、都立病院は、災害医療や周産期医療、救急医療など、他の医療機関だけでは対応困難な行政的医療に取り組んでおり、その中核的な役割を果たしております。
 一般会計からの繰り入れは、都立病院の基本的な役割であり、採算の確保が困難な行政的医療を提供するための不可欠な経費として、地方公営企業法などに基づき一定のルールを定め算定を行っており、いわゆる赤字補填というものではないと認識しております。
 最後に、委託調査の経緯でございますが、都立病院経営委員会からの提言は、十二人の委員で構成する合議体の結論として、平成三十年一月に報告を受けたものでございます。
 この報告を踏まえ、都が平成三十年三月に策定をいたしました都立病院新改革実行プラン二〇一八では、さまざまな経営形態を対象として、そのあり方を検討することとしたものでございます。
 お話の委託調査についてでございますが、平成三十年三月に都が策定したプランに掲げる方向性を具体化するために実施したものでございまして、委託の契約に当たっては、総合評価方式を採用し、財務局が定める業務委託等総合評価方式事務処理要綱に基づき、公平、公正な手続を経て、適切に受託者を決定したものでございます。
〔生活文化局長浜佳葉子君登壇〕

○生活文化局長(浜佳葉子君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、私立高校生の授業料の負担軽減についてでございますが、さきの定例会で知事からご答弁申し上げましたとおり、都は、平成二十九年度に授業料負担を軽減する特別奨学金を拡充するなど、私立高校等に在学する生徒の保護者の経済的負担軽減に取り組んできております。
 現在、国において行われている私立高校授業料の実質無償化の検討状況を注視しながら、都としての今後の対応を検討してまいります。
 次に、私立高校生の入学金負担軽減についてでございますが、都は、授業料以外の教育費負担を軽減するため、低所得世帯を対象に奨学給付金を支給しております。
 また、育英資金制度や入学支度金制度により、入学金等の学資金について無利子で貸し付けを行っております。
 さらに、私立高校に対し、経常費補助を行うことにより、学校納付金を抑制することで、保護者の教育費負担を軽減しております。
 今後もこうした施策により、誰もが希望する教育を受けられる環境を整えてまいります。
〔財務局長武市敬君登壇〕

○財務局長(武市敬君) 教員定数につきましてのご質問を私にいただきました。
 教員定数、教育施策につきましては教育庁の所管でございますが、ご指名をいただきましたので、ご答弁を申し上げます。
 教員定数を含みます各局からの予算要求につきましては、予算編成過程において適切に対応しております。
〔中央卸売市場長黒沼靖君登壇〕

○中央卸売市場長(黒沼靖君) 中央卸売市場における公正な取引の確保についてでございますが、今回の条例改正では、産地や実需者の多様なニーズに応えるため規制を緩和する一方、公正な取引環境を確保するための仕組みを設けることとしてございます。
 具体的には、取引数量や価格の公表、第三者販売、商物分離取引等の実績報告、決済条件に関する契約の届け出などを義務づけております。
 都は、これらにより、取引状況を詳細に把握するとともに、卸売業者に対する検査等を行い、適切に指導監督をしてまいります。
 また、各市場の取引委員会で、第三者販売等の状況を共有するほか、競り取引の運用など個別課題についても協議をしてまいります。
 こうした取り組みにより、引き続き公正な取引環境を確保してまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長潮田勉君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、大会経費についてでありますが、これまでも都立新規恒久施設の整備費用の削減や、組織委員会と連携してIOCに対し、放送用回線の二重地下化などの要件緩和を求めるなど、縮減に取り組んできております。
 また、大会経費はバージョンスリーで一兆三千五百億円であります。
 なお、大会を契機に都が取り組む大会関連経費につきましては、その大枠を八千百億円としており、毎年度の予算案公表時に大会経費とあわせてお示しをしているところでございます。
 続いて、経費の縮減、透明化についてでありますが、大会本番の運営など、さまざまな業務が具体化していく中で、新たな需要が発生する可能性はありますが、引き続き効率化に向けた精査を組織委員会とともに行ってまいります。
 今後とも、こうした取り組みを都民の皆様にわかりやすくお伝えし、ご理解を得ながら、大会の成功とレガシーの創出に向け、着実に準備を進めてまいります。
〔三十三番原田あきら君登壇〕

○三十三番(原田あきら君) 都立病院について知事に再質問します。
 病院経営本部長は、一般会計からの病院会計への繰入金は赤字補填ではないと答弁しました。重要な答弁です。
 ところが、都民ファーストの会の政調会長代理の議員は、開会日にツイッターで、都立病院について、毎年四百億円の赤字を計上してきた、そう書いています。副政調会長の議員も、毎年四百億円の赤字を出して都税を拠出していると書いています。
 小池知事も、このお二人と同様、都立病院への一般会計からの繰り入れは、赤字補填だと考えているんですか、それとも、病院経営本部長と同様、赤字補填ではないと考えていますか。知事、大事な認識ですからお答えください。
 二問目です。
 都民ファーストの会の政調会長代理の議員は、同じツイッターで、都立病院の独立行政法人化について、東京大改革の象徴と書いています。
 小池知事も同じ認識ですか。知事、お答えください。
 三問目です。
 私は、独立行政法人化が公的医療の切り下げなどにつながった全国各地の事例を知事は知らないのですかと質問しました。
 ところが、知事は答弁せず、病院経営本部長が、個々の事例全てについて知事に報告しているわけではないと答弁しました。
 要するに、知事は、全国各地で起きている独立行政法人化による公的医療の切り下げの実態を詳しく報告を受けていない、全国各地の事例をよく知らないということですね。知事、いかがですか。答弁を求めます。
 四問目です。
 全ての都立病院、公社病院の地方独立行政法人への移行準備を開始するという方針について、私は、東京都として、いつ、どこで意思決定したのか質問したのです。
 ところが、知事は聞いたことに答えず、先日の本会議で準備開始を表明したと答弁しました。ごまかさないで聞いたことに答えてください。
 準備開始の方針は、東京都として、いつ、どこで意思決定したのですか。知事、はっきり答えてください。
 都立病院の最後に、病院経営本部長にお聞きします。
 本部長が、全ての都立病院、公社病院の地方独立行政法人への移行準備を開始するという方針を初めて知ったのは、開会日前日の十二月二日だったと聞いています。それは事実ですか。病院経営本部長が同席して、この方針を都として意思決定したことがあるとすれば、じゃあそれはいつですか。これについては、本部長の答弁を求めます。
 以上で再質問を終わります。(拍手)
〔病院経営本部長堤雅史君登壇〕

○病院経営本部長(堤雅史君) 五点の再質問にお答えを申し上げます。
 まず、繰入金についてでございますが、先ほどご答弁申し上げましたとおり、いわゆる赤字補填ではないというふうに認識をしております。
 それから、第二点目のご質問でございますが、都立病院改革を不断に進めているところでございます。
 第三の、事例を知らないのかどうかということでございますが、先ほど申し上げましたとおり、地方独立行政法人に移行した先行事例については、機動的な人員確保等により、医療が充実していると認識をしております。
 先ほどお話のあった事例のうち、例えば、宮城県立循環器・呼吸器病センターの廃止につきましては、有識者等から成る県北地域基幹病院連携会議において検討されておりますが、ここでは、医療環境の変化に伴い患者の減少や医師不足が顕著になったため、圏域の総合病院の役割分担や連携により、地域の実情に応じた適切な医療連携の再構築が進められたものでございまして、地方独立行政法人への移行自体を理由とした廃止されたものという例は当たらないというふうに考えております。
 それから、独法の開始についての四点目のお尋ねでございますが、先ほど知事がお答えしたとおり、知事として、地方独立行政法人に移行する準備を開始する旨を議会の場で表明したものでございます。
 それから、最後の五点目、私へのお尋ねでございますけれども、私が、知事がご発言された内容を知りましたのは、先週の本会議の場でお聞きをしたところでございます。

○議長(石川良一君) 七十八番山口拓君
〔七十八番山口拓君登壇〕

○七十八番(山口拓君) 私は、都議会立憲民主党・民主クラブを代表して、都政の諸課題について質問いたします。
 質問に先立ち、さきの台風十五号及び台風十九号によってお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、被災された全ての方々に心よりお見舞い申し上げます。
 初めに、災害対策について伺います。
 このたびの台風被害を受け、長野県知事は十月三十一日に百二十六億円、福島県知事は十一月十五日に七十六億円規模の補正予算を専決し、既に被災者支援に取り組んでいるところです。
 被災世帯の生活再建は、住宅再建への支援をいかに迅速に行うかにかかっています。受けられる支援内容が定まらず、都の補正予算の成立を待たなければならないのでは、不安に寄り添っているとはいえません。
 ことし七月、議会の議決を経ることなく、予備費を使って、高齢者安全運転支援装置設置促進事業を創設した知事が、なぜこのたび、定例の都議会まで二カ月以上も待って補正予算案を提出したのか不思議でなりません。
 住民生活や経済活動を一日も早く回復ができるよう、区市町村は、被災住民に寄り添って、昼夜を問わず支援を行っており、都としても緊急の対応が必要です。
 私は、専決処分は決して好ましいとは考えませんが、被災者に寄り添うのであれば、臨時議会を招集し、早期に対応すべきであったと考えますが、知事の見解を伺います。
 知事提案の補正予算には、電源等の確保として、都立一時滞在施設にスマートフォン等が充電できる充電用機器を配備することなどが計上されています。
 しかし、このたびの台風被害の大きな教訓は、想定を大きく超える長期停電であったと考えます。
 災害対応力を上げるには、災害の検証が重要です。千葉の災害を真正面から受けとめれば、導き出される教訓は、これまで三日とされていた非常用電源確保の期間延長、避難所等の自立電源確保です。
 昨年の第四回定例会での補正予算審議の際にも、喫緊の課題は避難所の自立電源確保だと全く同じ指摘をいたしました。
 避難所における自立電源確保は、再エネ、蓄エネ、停電時始動の熱電併給などをまとめて支援することで、平常時には温室効果ガス削減に役立ち、停電時にも機能を維持できます。
 避難所等における自立電源確保を強力に推進すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 これまで私たちは、気象災害時などにおける知事の非常事態宣言や公的機関の休止により、被害や社会的混乱を最小限にするための取り組みを求めてきました。
 特に保育所は、小中学校のような休校や学級閉鎖の根拠法令がなく、園の判断による休園が困難です。今般の台風襲来時には、前日から保育士が泊まり込み、開園に備えた保育所がありました。しかし、避難する必要が生じた場合、暴風雨の中の乳幼児の移動は大変危険であり、事故発生のリスクもあります。
 また、園内で感染症が流行しても、同じ理由で休園できず、感染拡大につながっています。
 このような、一定程度予測できる気象災害のときや、感染症の拡大防止のための臨時休園については、統一的な基準を定める必要があり、国がやるからではなく、都として早急に対応すべきと考えますが、見解を伺います。
 各区ホームページや国交省のライブカメラにアクセス集中でつながらない事象が多数発生し、都のホームページもつながりにくい時間があったとのことです。
 災害時のよりどころとなるインターネットでの情報提供を継続するためには、巨額の予算をかけなくとも、アクセスの集中を想定し、非常用モードに切りかえる、ミラーリングで分散させるなど、さまざまな対応が考えられます。
 災害時の情報提供継続に向けて、とりわけ区市町村のホームページにおける対応策を早急に講ずるべきと考えますが、見解を伺います。
 また、アクセスを待つ受け身だけではなく、プッシュ通知機能を持つ防災アプリも数多く存在しますが、事前登録を必要とします。危険が迫っている地域にそのときいる人に対して、一斉にお知らせするような情報発信機能の飛躍的強化が必要と考えますが、見解を伺います。
 ここまで災害対応での緊急課題について伺ってきましたが、観測史上経験のない台風や豪雨をたびたび経験した現在、過去の災害から導き出された教訓による対策だけで果たして十分でしょうか。気候変動予測の科学的な知見に基づき、変化を見越して調整池などの整備水準や避難警戒体制を見直すなど、激甚化する自然災害の後手に回らないよう、ハード、ソフト両面から着手することが急務です。
 気温の上昇、豪雨の頻発、熱中症救急搬送患者の増加など、東京においても気候変動の影響で多くの犠牲者を出し、都民の生活、社会経済活動にも多大な被害を与えており、今後も拡大すると指摘されています。
 気候変動に対処し、都民の生命、財産を守り、経済社会活動の持続可能な発展を図るためには、緩和策に全力で取り組むことはもちろんのこと、予測される被害の回避、軽減を図る対応策に都庁を挙げて全力で取り組むことが必要であると考えます。
 今後避けることのできない気候変動による影響への対応策を計画的に進めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、貧困対策について伺います。
 まず、ゆりかご・とうきょう事業について伺います。
 東京都は、この事業について、五年間の時限、令和元年度までで終了するとしています。
 私たちは当初から、本事業は、子育て支援、中でも要支援家庭の早期発見、早期支援に重要な役割を果たすことから、全区市町村での実施を目指して取り組むよう求めてきました。
 出産、育児に関する課題は多様化しておりますが、中でもサービス利用や相談に消極的とされる貧困などの課題を抱えた世帯も含め、全ての子供たち、お母さん一人一人と専門職が面談して、妊娠中から切れ目のない支援を行うことは非常に効果的な事業です。
 東京において誰ひとり孤立させず、産後鬱の状態に取り残されず、必要な支援を届けるためには、このゆりかご・とうきょう事業は終了させるどころか、さらに充実発展させて継続すべきです。見解を伺います。
 学校給食について、世田谷区は、ことし十月一日から、就学援助制度の拡充により、学校給食の無償化の範囲が拡大しました。現在、学校給食の完全無償化は、都内四自治体で実施されており、世田谷区など四自治体で一部無償化、その他多くの自治体で食材費の補助などを実施しています。
 私は、学校給食の無償化に向け、東京都として各自治体の取り組みを支援すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 あわせて、学校給食費等の公会計化については、教職員の負担軽減に大いに資することから、積極的に推進すべきと考えますが、現在の区市町村の実情も含め、見解を伺います。
 身の丈に合わせてという文部科学大臣の発言が問題になりましたが、私も、この発言は、所得の低い方を身の丈の中に追い込む過度な自己責任論にほかならないと大きな憤りを感じます。
 特に私は、貧困率が高い母子家庭に対する対策は急務であると考えていますが、昨今、貧困の原因ともなっている養育費の不払いへの対応が注目されています。
 例えば、明石市では、家庭裁判所で示された養育費が支払われない場合、それを立てかえる制度を始めると聞いています。
 私は、都としても、これまでの取り組みをさらに進め、都内自治体と連携するなどして養育費の立てかえ制度を創設するなど、支援策の充実強化を図るべきと考えますが、見解を伺います。
 また、私は、受験生チャレンジ支援貸付事業の拡充などが必要であると考えます。この制度は、一定の所得基準以下の人たちに対して、塾代の貸し付けや高校、大学等の受験費用を貸し付け、入学した場合等には償還を免除するもので、困難の連鎖を断ち切るためにも極めて効果的な事業です。
 しかし、私は、現状を鑑みるに、貸付対象や限度額の拡充など、受験生チャレンジ支援貸付事業をさらに拡充すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、公契約条例について伺います。
 自治体発注の仕事によって、ワーキングプアや貧困を生じさせてはなりません。公契約条例は、ことし十月にも新宿で制定をされ、既に都内十の自治体が制定をしています。
 また、昨今制定された条例の中には、公契約にかかわる従業員の賃金規定だけではなく、環境保全や人権などの社会的価値の向上を基本理念に盛り込んだものも見られます。
 そこで、私は、ポスト東京二〇二〇大会を見据えた上で、都として公契約条例を制定すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、都民の就労を応援する条例について伺います。
 私たちは、障害者やひとり親、ひきこもりなど、働く意欲がありながらも就職できない人たちを応援していこうという条例の基本理念については、大いに賛同するものです。
 施策を大きく前進させ、一人でも多くの就労に困難を抱える都民が、自分らしく働き、活躍できることを期待するものですが、条文からは、そのための制度、仕組みや都の取り組みなどの具体性は読み取れません。現行の障害者雇用促進策を上回り、かつ対象を広げた取り組みの実行こそが、就労に困難を抱える都民の希望であると考えますが、この条例を根拠としてどのような施策を推進しようとしているのか、知事の見解を伺います。
 ところで、そもそも東京都自身の取り組みはどうなっているのでしょうか。とりわけ東京都教育委員会は、障害者雇用について法定雇用率に達していないことが何度も議会で指摘をされてきました。
 平成三十年六月一日現在、教育委員会の障害者雇用率は二・一%と、平成三十年以前の法定雇用率二・二%にさえ達しておらず、ことしの数字は二・〇%を切るのではないかともいわれています。
 現在の法定雇用率二・四%を早期に実現すべきと考えますが、ことし六月一日現在の障害者雇用率の現状も含め、見解を伺います。
 就労に困難を抱える人たちへの支援として、情報提供及び相談、職業能力の開発、職場定着への支援等が列挙されています。しかし、彼らの自立につなげていくためには、住まいの確保という視点を初め、日常生活または社会生活上の支援などにも配慮して、就労支援を実施すべきと考えますが、見解を伺います。
 就労に困難を抱える人の中には、ブラック企業で働いたことで働く意欲を奪われてしまった人や、就職活動で不採用が続いたことでひきこもりになってしまった人などもおり、抱える困難はさまざまです。
 私は、こうした人たち一人一人に寄り添い、就労に向けて一歩踏み出すための支援策が必要であると考えますが、見解を伺います。
 以上で都議会立憲民主党・民主クラブを代表しての質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 山口拓議員の代表質問にお答えいたします。
 台風被害への早期対応についてのご質問がございました。
 都内においても深い爪跡を残した今般の台風により被災された方々が、一日も早く日常生活を取り戻していただけるよう支援することが、都民の生命と財産を守るべき知事としての使命であると認識をいたしております。
 こうした観点から、私自身も現場の状況をこの目で確かめ、生活必需品や応急対策用の物資の提供、道路の復旧など被災された方々の生活に直結する緊急性の高い課題につきまして、補正予算の編成を待つことなく、直ちに取り組むよう関係各局に指示をいたしまして、スピード感を持って対応したところでございます。
 加えまして、本定例会に提出をいたしております補正予算案につきまして、被害を受けた市町村に対する特別交付金による財政支援など、早期の復旧を後押しするとともに、頻発する災害から都民の皆様をしっかりと守るための予算を時期を逸することなく計上したところでございます。
 引き続き、被災された方々の声に耳を傾けまして、寄り添いながら、効果的に施策を講じてまいります。
 避難所等におけます自立電源の確保についてのお尋ねでございます。
 近年、大型台風や地震により各地で大規模な停電が発生をしており、被災者が集まる避難所や一時滞在施設などにおきましても、非常用電源が確保されることは重要であります。
 これまで都は、区市町村が避難所等におきまして非常用電源となる太陽光発電設備などの設置を行う場合の経費を支援する補助制度を設けてまいりました。
 また、今回の補正予算では、平時は都や区市町村の庁有車として配備しております電気自動車や燃料電池車などを災害時、避難所等の非常用電源としても活用できる外部給電器の配備や、都立一時滞在施設におけます蓄電池や充電器の整備を提案したところでございます。
 こうした取り組みを通じまして、引き続き、都内の避難所等におけます非常時の電源確保を図って、セーフシティー東京を実現してまいります。
 災害時のホームページによります情報提供継続策でございますが、台風十九号の通過時に幾つかの区市町村のホームページにおきまして、閲覧に時間がかかる、もしくは閲覧ができないという事態が発生をいたしました。
 そこで、早急に対応を図ることといたしまして、こうした事柄も含めまして、台風第十五号及び第十九号等に伴います防災対策を検証するように指示をしたところでございます。
 先月、その検証結果を公表しまして、都としてアクセス集中時の改善ガイドライン等を作成の上で、区市町村に提供することといたした次第でございます。
 現在、各自治体のシステム構成や導入している対策及び当日の対応につきましての詳細を調査中でございます。その結果をもとにしまして、ガイドラインを作成し、二月には区市町村に提供していきたいと考えております。
 今後とも、アクセス集中時にもダウンしないホームページの構築など、区市町村と連携をいたしまして、災害時の情報発信体制を強化して、災害に強い、誰もが安心して暮らせるセーフシティーの実現に向け、取り組みを進めてまいります。
 気候変動適応策の計画的な推進についてのお尋ねでございます。
 近年の猛暑や豪雨を通じまして、私たちは改めて地球温暖化の影響の甚大さを実感して、気候変動への対策は待ったなしと考えております。
 こうした状況を踏まえまして、CO2の排出を厳しく抑制をする緩和策を進めましても、なお残る気候変動の影響を回避、軽減するための適応策についても、あわせて着実に取り組んでいくことが重要であります。
 気候変動への適応は、災害、健康、農業など庁内各局の施策に幅広くかかわりますため、現在、全庁的な会議を設置して、検討を進めているところでございます。
 都内におけます気候変動の影響を踏まえまして、多岐にわたる分野での適応の考え方を示します気候変動適応方針を年内に策定をいたします。
 今後も、気候変動の緩和と適応、この両面から総合的に施策を展開いたしまして、極端な気象変化から都民を守る強靭な都市を築いてまいります。
 公立小中学校におけます学校給食費の無償化についてのお尋ねがございました。
 学校給食法におきましては、学校給食は学校の設置者が実施をして、食材費などの学校給食費につきましては児童または生徒の保護者が負担することとされております。
 公立小中学校におけます学校給食費は、学校設置者である区市町村が地域の実情や特性を考慮して決定をしておりまして、就学援助を含む保護者負担の軽減策等につきましても、区市町村の判断により行われているものと認識をいたしております。
 公契約条例の制定についてのお尋ねでございます。
 公契約条例は、一般的に、自治体が発注する案件におきまして、相当程度以上の賃金を労働者に支払うよう事業者に義務づけるものでございますが、賃金は、労働関係法令の下支えのもとで、労働者個人の経験、能力等を踏まえた対等な労使での協議によることが前提と考えております。
 一方で、労働者それぞれの適切な処遇の確保でございますが、これは重要な課題でございまして、例えば、担い手不足が指摘されます建設業界におきましては、発注者によります適正な予定価格の設定はもとより、現場での下請契約が適正に行われることが必要でございます。
 そのため、都はこれまでも、工事契約に係る元請企業に対しまして、下請契約の適正化を要請してまいりましたが、今後はそのフォローアップ調査を行いまして、適正な下請代金の支払いなどの実態の把握に努めてまいります。
 条例に基づきます就労支援施策の展開についてでございます。
 今回、提案いたしました条例でございますが、社会全体でともに支え合うという基本理念のもとで、都民の就労を支援し、誰もが生き生きと働き活躍できる社会の実現を目指すものでございます。
 今後、この条例をてこといたしまして、都民の就労を力強く後押しするため、特に就労に困難を抱える方に対します支援の充実に向けまして、取り組みを進めてまいります。
 まず、就労に困難を抱える方の新たな活躍の場となりますソーシャルファームをこの東京に根づかせるため、その創設と活動を促進してまいります。
 これに加えまして、就労に困難を抱える方々に対して、ワンストップの相談体制を整備するとともに、障害者を初めて雇用する中小企業に対しましては、採用から定着まで一貫した支援を行うなど、新たな取り組みも進めてまいります。
 こうした実効性ある支援施策を強力に展開いたしまして、一人一人が誇りと自信を持って輝く社会を実現してまいります。
 なお、残余のご質問につきましては、教育長、関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 初めに、学校給食費等の公会計化についてでございますが、学校給食費の公会計化とは、学校給食費を学校単位で処理する会計から地方公共団体の会計に組み入れ、保護者からの学校給食費の徴収、管理を地方公共団体がみずからの業務として行うものでございます。
 平成二十九年度時点で、都内では九つの区市町村が公会計化を行っております。
 文部科学省は、学校給食費等の公会計化を推進するための学校給食費徴収・管理に関するガイドラインを本年七月に策定をいたしまして、都教育委員会は、これを区市町村に周知したところでございます。
 本制度は、学校の負担軽減に資するものである一方、システム構築等の体制整備などの対応が必要となりますことから、その導入につきましては、区市町村が実情を踏まえ、独自に判断するものと考えてございます。
 次に、都教育委員会の障害者雇用の状況についてでございますが、本年六月一日現在の雇用率は、国による算定方法の見直し等もあり、昨年を下回る見込みでございます。こうした現状につきましては、私自身も大変重く受けとめているところでございます。
 これまで都教育委員会では、障害に配慮した教員採用選考を実施しておりますが、教員免許状取得者のうち、障害者の方々は全国的にも極めて少ない状況にございまして、採用が進まない実態がございます。
 そのため、チャレンジ雇用の実施に加え、昨年十月からさらなる雇用の場を独自に設け、障害者の積極的な採用に努めているところでございます。
 今後とも、区市町村教育委員会と協力し、対象職員を適切に把握していくとともに、障害者の就労支援機関と連携した採用活動をより一層推進するなど、法定雇用率達成に向けて取り組んでまいります。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、災害時等における保育所等の休園についてでありますが、幼稚園型認定こども園等につきましては、学校教育法施行規則や学校保健安全法に、非常変災時や感染症の予防上必要があるときの臨時休園に関する規定がございますが、保育所等につきましては、臨時休園を定めた法令はございません。
 現在、国では、保育施設等の臨時休園の実施基準の設定に関する課題や考え方の整理を行っており、今年度中に結論が示される予定と聞いております。
 今後、都といたしましては、それを踏まえ、区市町村や事業者が乳幼児の安全確保のため、非常時に迅速かつ的確な判断ができるよう、適切に対応してまいります。
 次に、ゆりかご・とうきょう事業についてでありますが、子供の健やかな育ちと母親の心身の健康を支える上で、妊娠期から専門職が支援を行うことは重要でございます。
 そのため、都は、全ての子育て家庭の状況を妊娠期から把握して、継続的な支援を行うため、保健師等による全ての妊婦との面接を行う区市町村を、平成二十七年度からゆりかご・とうきょう事業で支援しております。
 この取り組みは、区市町村に有効に活用され、事業開始以来、着実に広まっており、妊婦との面接実施率も事業開始前である平成二十六年度の一九・一%から平成三十年度は八三・五%にまで上昇いたしました。
 今後、区市町村の取り組みを一層推進していくため、妊娠から出産、子育て期にかけた切れ目のない支援をさらに充実してまいります。
 次に、ひとり親家庭への支援についてでありますが、都は、ひとり親家庭自立支援計画に基づき、相談体制の整備、就労支援、子育て支援や生活の場の整備、経済的支援の四つを柱に総合的な支援を実施しております。
 養育費につきましては、ひとり親家庭支援センターで相談事業を実施しており、適切に支払われるよう、金額の取り決めや支払い履行、強制執行などの相談に応じているところでございます。
 現在、令和二年度からの次期計画の検討を進めており、有識者や当事者からは、養育費等の専門相談につながりやすくすることが重要であるなどのご意見をいただいております。
 こうした議論を踏まえ、ひとり親家庭が安定した就労や生活のもと、子供を健全に育むことができるよう、相談体制等の充実について検討してまいります。
 最後に、受験生チャレンジ支援貸付事業についてでありますが、都は、一定所得以下の世帯の中学三年生、高校三年生等の受験を支援するため、高校受験料二万七千四百円及び大学等の受験料八万円と学習塾受講料二十万円を上限に、無利子貸付を行っております。
 本事業の平成三十年度の実績は、受験料及び学習塾受講料の貸付件数が合計八千二百六十件、貸付金額が約九億七百五十五万円となっております。
 また、志望校へ入学した場合などには、貸付金の償還を免除しており、償還免除率は九九・一%となっております。
 今後とも、事業の周知をさらに図り、子供が生まれ育った環境にかかわらず自立に向けて進路を選択できるよう、低所得世帯の子供を支援してまいります。
〔総務局長遠藤雅彦君登壇〕

○総務局長(遠藤雅彦君) 防災情報発信の強化についてでございますが、災害発生時には、都民に対し必要な情報を提供し、情報不足による混乱の防止を図ることは重要でございます。
 そのため、避難指示等の発令主体である区市町村では、防災行政無線やツイッター等を活用した住民向けの情報発信、Lアラートによるテレビ等を通じた避難情報の提供を行っております。
 また、今回の台風では、大雨等により浸水被害の発生した世田谷区や大田区等において、緊急速報メールを活用し、住民に対し避難情報の一斉配信を行ったところでございます。
 都においても、区市町村と連携し、検証結果で明らかにしたラインやチャットボットの活用など多様な手段を用いた住民への適切な情報発信に努めてまいります。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、就労に困難を抱える方に対する支援についてですが、こうした方々が抱えるさまざまな事情に配慮しながら、就労支援の効果を高め自立につなげていくためには、住宅や福祉、医療などの施策と雇用就業施策を連携させ、ニーズに対応した適切な支援を実施していく必要がございます。
 このため、都は、就労支援に関する施策を庁内各局と連携して推進するとともに、ハローワークや区市町村の福祉部門を初めとした関係機関と緊密な連携を図りながら、就労に困難を抱える方に対して、その実情に応じた就労支援を実施してまいります。
 次に、就労に向けた後押しについてですが、都はこれまでも、離職期間が長期にわたるひきこもりの方などに対して、しごとセンターにおいて、グループワークや職場体験により就労への意欲を高め、就職活動につなげるプログラムを実施してまいりました。
 また、就労意欲がありながらも職務経験が十分でなく、就労に踏み出さない方などに対して基本的な職務スキルの習得を図り、専任のトレーナーが就職から定着まで支援するプログラムを提供するなど、きめ細かい支援を実施しているところでございます。
 今後も引き続き、一人一人の実情に応じた就労支援を着実に進めてまいります。

○六十七番(岡本こうき君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。

○議長(石川良一君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(石川良一君) ご異議なしと認め、そのように決定いたします。
 明日は、午後一時より会議を開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後八時五十九分散会

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