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Tokyo Metropolitan Assembly

令和元年東京都議会会議録第十一号

令和元年六月十二日(水曜日)
 出席議員 百二十三名
一番古城まさお君
二番けいの信一君
三番成清梨沙子君
四番鈴木 邦和君
五番西郷あゆ美君
六番滝田やすひこ君
七番藤井あきら君
九番上田 令子君
十番山内れい子君
十一番伊藤しょうこう君
十二番田村 利光君
十三番菅野 弘一君
十四番藤井とものり君
十五番池川 友一君
十六番細田いさむ君
十七番うすい浩一君
十八番小林 健二君
十九番加藤 雅之君
二十番森口つかさ君
二十一番内山 真吾君
二十二番もり  愛君
二十三番龍円あいり君
二十四番あかねがくぼかよ子君
二十五番保坂まさひろ君
二十六番森澤 恭子君
二十七番斉藤れいな君
二十八番川松真一朗君
二十九番小松 大祐君
三十番柴崎 幹男君
三十一番舟坂ちかお君
三十二番宮瀬 英治君
三十三番原田あきら君
三十四番斉藤まりこ君
三十五番藤田りょうこ君
三十六番斉藤やすひろ君
三十七番栗林のり子君
三十八番伊藤こういち君
三十九番大松あきら君
四十番関野たかなり君
四十一番福島りえこ君
四十二番つじの栄作君
四十三番米川大二郎君
四十四番清水やすこ君
四十五番白戸 太朗君
四十六番増田 一郎君
四十七番佐野いくお君
四十八番奥澤 高広君
五十番清水 孝治君
五十一番大場やすのぶ君
五十二番小宮あんり君
五十三番鈴木 章浩君
五十四番西沢けいた君
五十六番原 のり子君
五十七番星見てい子君
五十八番とや英津子君
六十番まつば多美子君
六十一番高倉 良生君
六十二番上野 和彦君
六十三番細谷しょうこ君
六十四番両角みのる君
六十五番石川 良一君
六十六番後藤 なみ君
六十七番平  慶翔君
六十八番鳥居こうすけ君
六十九番菅原 直志君
七十番木下ふみこ君
七十一番ひぐちたかあき君
七十二番入江のぶこ君
七十三番森村 隆行君
七十四番早坂 義弘君
七十五番高橋 信博君
七十六番古賀 俊昭君
七十七番秋田 一郎君
七十八番山口  拓君
七十九番河野ゆりえ君
八十番米倉 春奈君
八十一番白石たみお君
八十二番里吉 ゆみ君
八十三番のがみ純子君
八十四番中山 信行君
八十五番谷村 孝彦君
八十六番小磯 善彦君
八十七番藤井  一君
八十八番村松 一希君
八十九番栗下 善行君
九十番中山ひろゆき君
九十一番桐山ひとみ君
九十二番本橋ひろたか君
九十三番田の上いくこ君
九十四番おじま紘平君
九十五番馬場 信男君
九十六番山田ひろし君
九十七番岡本こうき君
九十八番中屋 文孝君
九十九番宇田川聡史君
百番神林  茂君
百一番三宅 茂樹君
百二番中村ひろし君
百三番とくとめ道信君
百四番尾崎あや子君
百五番和泉なおみ君
百六番長橋 桂一君
百七番橘  正剛君
百八番東村 邦浩君
百九番中嶋 義雄君
百十番山内  晃君
百十一番たきぐち学君
百十二番伊藤 ゆう君
百十三番木村 基成君
百十四番荒木ちはる君
百十五番小山くにひこ君
百十六番増子ひろき君
百十七番石毛しげる君
百十八番大津ひろ子君
百十九番尾崎 大介君
百二十番三宅 正彦君
百二十一番山崎 一輝君
百二十二番吉原  修君
百二十三番高島なおき君
百二十四番あぜ上三和子君
百二十五番清水ひで子君
百二十六番大山とも子君
百二十七番曽根はじめ君
 欠席議員 一名
五十九番  遠藤  守君
 欠員
    八番  四十九番  五十五番

 出席説明員

知事小池百合子君
副知事長谷川 明君
副知事猪熊 純子君
副知事多羅尾光睦君
教育長中井 敬三君
東京都技監都市整備局長兼務佐藤 伸朗君
政策企画局長梶原  洋君
総務局長遠藤 雅彦君
財務局長武市  敬君
主税局長塩見 清仁君
警視総監三浦 正充君
生活文化局長浜 佳葉子君
オリンピック・パラリンピック準備局長潮田  勉君
環境局長吉村 憲彦君
福祉保健局長内藤  淳君
産業労働局長藤田 裕司君
建設局長三浦  隆君
港湾局長斎藤 真人君
会計管理局長土渕  裕君
交通局長山手  斉君
消防総監安藤 俊雄君
水道局長中嶋 正宏君
下水道局長和賀井克夫君
都民安全推進本部長大澤 裕之君
戦略政策情報推進本部長松下 隆弘君
住宅政策本部長榎本 雅人君
病院経営本部長堤  雅史君
中央卸売市場長村松 明典君
選挙管理委員会事務局長黒田 祥之君
人事委員会事務局長小泉  健君
監査事務局長岡崎 義隆君
労働委員会事務局長松山 英幸君
収用委員会事務局長佐藤  敦君

六月十二日議事日程第三号
第一 第百一号議案
東京都知事の給料等の特例に関する条例の一部を改正する条例
第二 第百二号議案
特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三 第百三号議案
都と特別区及び特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例
第四 第百四号議案
東京都都税条例等の一部を改正する条例
第五 第百五号議案
東京都都税総合事務センター設置条例の一部を改正する条例
第六 第百六号議案
東京都都税証紙代金収納計器条例の一部を改正する条例
第七 第百七号議案
都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
第八 第百八号議案
東京都駐車場条例の一部を改正する条例
第九 第百九号議案
東京都受動喫煙防止条例の一部を改正する条例
第十 第百十号議案
東京都母子及び父子福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
第十一 第百十一号議案
東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
第十二 第百十二号議案
東京都指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第十三 第百十三号議案
東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例
第十四 第百十四号議案
東京都立芝浦屠場条例の一部を改正する条例
第十五 第百十五号議案
東京都港湾管理条例の一部を改正する条例
第十六 第百十六号議案
東京都暴力団排除条例の一部を改正する条例
第十七 第百十七号議案
東京消防庁の設置等に関する条例の一部を改正する条例
第十八 第百十八号議案
警視庁丸の内警察署庁舎(三十一)改築工事請負契約
第十九 第百十九号議案
東京都渋谷合同庁舎(三十一)新築工事請負契約
第二十 第百二十号議案
都立豊島高等学校(三十一)改築工事請負契約
第二十一 第百二十一号議案
都立光明学園(三十一)北棟改築工事請負契約
第二十二 第百二十二号議案
都営住宅三十一H─一〇九東(江東区辰巳一丁目)工事請負契約
第二十三 第百二十三号議案
警視庁単身者待機寮王子警察署王子寮(三十一)改築工事請負契約
第二十四 第百二十四号議案
青梅畜産センター(三十一)改築工事請負契約
第二十五 第百二十五号議案
有明アリーナの公共施設等運営権の設定について
第二十六 第百二十六号議案
土地の買入れについて
第二十七 第百二十七号議案
特種用途自動車(普通ポンプ車)の買入れ(その一)について
第二十八 第百二十八号議案
特種用途自動車(普通ポンプ車)の買入れ(その二)について
第二十九 第百二十九号議案
特種用途自動車(普通ポンプ車)の買入れ(その三)について
第三十 第百三十号議案
特種用途自動車(水槽付ポンプ車)の買入れについて
第三十一 第百三十一号議案
特種用途自動車(小型ポンプ車)の買入れについて
第三十二 第百三十二号議案
特種用途自動車(化学車)の買入れについて
第三十三 第百三十三号議案
特種用途自動車(はしご車)の買入れ(その一)について
第三十四 第百三十四号議案
特種用途自動車(はしご車)の買入れ(その二)について
第三十五 第百三十五号議案
特種用途自動車(救急車)の買入れ(その二)について
第三十六 第百三十六号議案
特種用途自動車(救急車)の買入れ(その三)について
第三十七 第百三十七号議案
特種用途自動車(救急車)の買入れ(その四)について
第三十八 第百三十八号議案
自動追尾装置外六点の買入れについて
第三十九 諮問第三号
地方自治法第二百三十八条の七の規定に基づく審査請求に関する諮問について
第四十 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
議事日程第三号追加の一
第一 東京都人事委員会委員の選任の同意について(三一財主議第一三七号)
第二 東京都収用委員会委員の任命の同意について(三一財主議第一三八号)
第三 東京都収用委員会委員の任命の同意について(三一財主議第一三九号)
第四 東京都収用委員会予備委員の任命の同意について(三一財主議第一四〇号)
第五 東京都収用委員会予備委員の任命の同意について(三一財主議第一四一号)

   午後一時開議

○議長(尾崎大介君) これより本日の会議を開きます。

○議長(尾崎大介君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(尾崎大介君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 知事より、東京都人事委員会委員の選任の同意について外人事案件四件が提出をされました。
 これらを本日の日程に追加をいたします。

○議長(尾崎大介君) 昨日に引き続き質問を行います。
 六十三番細谷しょうこさん
〔六十三番細谷しょうこ君登壇〕

○六十三番(細谷しょうこ君) 新しい令和の時代の幕あけとなり、いよいよ迫ってまいりました東京二〇二〇大会開催へ都民の関心はますます高まっております。
 六月一日には東京二〇二〇オリンピック聖火リレーのルート概要が発表され、全ての市区町村をめぐるとのことです。
 オリンピック・パラリンピックの理念は、心の復興、平和への願いであり、オリンピック聖火リレーはそうした思いをつなぐという意味があります。
 また、東京二〇二〇大会は復興大会であり、オリンピックの聖火リレーのトーチデザインである桜の花のモチーフは、被災地の子供たちとともに支え合い、認め合い、高め合うという意味が込められており、そうした理念のもとに福島県を出発すると聞いております。
 希望の道を照らし出すオリンピック聖火リレー、そのコースについては、昨年の定例会で、競技数のわずかな多摩地域にも、聖火リレーを巡回すべきとお尋ねしましたが、都内全六十二市区町村で、聖火リレーを実施するとの決定を聞き、とても喜んでおります。
 さて、いよいよこの夏にはパラリンピックのチケットの抽せん申し込み受け付けが開始されるとのことですが、パラリンピックに触れるチャンスがなかった方々は、なかなかなじみがないと思います。
 パラリンピックの意義は、多様性を認め、誰もが個性や能力を発揮し、活躍できる公正な機会が与えられていることにあります。
 こうした意義を都民にもご理解いただき、参加していただくことが大切です。そして、パラリンピック終了後も、その精神を受け継いで、誰もが分け隔てなく交流できる、そんな社会の実現にも導いていただきたいと考えております。知事ご自身もパラリンピックの競技を体験されたと伺っております。
 今後、さらに認知度を広げることや機運醸成の取り組みが一層重要になってまいりますが、知事の見解をお伺いいたします。
 次に、多摩地域の振興について伺います。
 二〇一七年九月、東京都では多摩振興の道筋を示す多摩の振興プランを策定し、都市づくりのグランドデザインの内容も踏まえ、先を見据えた多摩の目指すべき地域像や実現に向けた施策の方向性を示しました。
 令和元年度の予算には、産業の振興として、多摩・島しょに五十七億円の予算が計上され、市町村とも連携しながら、多摩の魅力発信など、多摩地域の振興に取り組んでいくと示されております。
 私の地元東久留米市には、東京都で唯一、平成の名水百選に選ばれた水と緑豊かな南沢湧水群や落合川、竹林公園などがあり、農産物として、江戸東京野菜の柳久保小麦など数々の品目がございます。
 また、清瀬市では、近年、多くの人でにぎわうヒマワリ畑があり、先日、金山緑地公園では、子供たちが初めて見る蛍の舞う姿に目を輝かせておりました。
 農業では摘み取り体験のできるファームや果樹園、酪農などに加え、市役所屋上で職員みずからが、ミツバチを世話し、蜂蜜を製造する養蜂に取り組むなど、興味深い試みがさまざま展開されております。
 市町村は、地域のさらなる発展、活性化を図るため、多摩地域ならではの魅力に磨きをかけるとともに、それぞれの地域の魅力発信にも取り組んでいます。
 多摩地域の一層の発展を図っていくために、都は、多摩の魅力発信について、市町村との連携を強化し、取り組んでいく必要があると考えますが、所見を伺います。
 次に、都立公園の環境整備について伺います。都立公園は水と緑のネットワークの拠点として、また、災害時には避難場所や救出救助活動等の拠点として機能する重要な施設です。さらに最近では、地域ににぎわいをもたらす場として注目されています。
 東京都は平成二十三年、都市計画公園・緑地の整備方針を改定し、計画的な整備促進と整備効果の早期実現に向け取り組むと示しております。その中で、都が事業を行う優先整備区域として、重点公園、緑地四十二カ所が発表されています。その公園の一つに、東久留米市の六仙公園がございます。
 当公園は隣接する水と緑の空間を生かし、市民の憩いの場として利用されています。コンセプトに、水の森の創造、湧水を守り、緑を歩くとされ、芝生や広場を子供から大人まで楽しめる空間とするとともに、レクリエーションの場となるように整備されています。
 東久留米市の防災計画の中においても、避難場所として位置づけられ、将来的には、重要な防災拠点となるとされています。
 現在、一部開園され、四季折々、見事な花が咲き誇り、多くの方々に楽しまれています。この花の植栽には、地元のボランティアの方々が熱心な活動をしておられます。六仙公園への地元の方々の思いは大変強いと感じております。
 東久留米市の六仙公園の整備を一層推進してほしいと考えますが、都の所見を伺います。
 昨今、少子高齢化の社会を迎え、核家族化が進むに当たり、都民の墓地に対する意識、ニーズは変化を遂げていることから、都立霊園八園を運営する東京都として今後どのように取り組んでいくかが、都民にとって大きな関心事です。
 墓地に対する民間の相談業務の内容を伺うと、かつては墓地を備えるための費用の工面についての相談が主だったそうです。現在は、墓地を支え切れない方のお悩みや墓じまいの相談が寄せられるようになったとのことです。
 千葉のある自治体では、既存の墓地の一角に共同埋蔵式の樹林墓地を計画、登録には一定の条件がありますが、契約した後は、一切負担のない永代供養の形をとっており、利用者からは、安心しましたと好評だそうです。
 都立霊園の中にも、小平霊園のように樹林墓地が設置されたケースもあり、話題となりました。
 墓地の問題は、高齢化の進む中、避けては通れないもので、今後、需要は増加することはあっても、減少するものではないでしょう。また、利用されているご家族も、環境の変化により、多くの相談が寄せられていくことと思います。
 今後、そうしたさまざまなニーズに、都としてどのように応えていかれるのかを伺います。
 最後に、東京都の空き家対策について伺います。
 空き家対策は、区部よりも人口減少や高齢化が進む多摩地域にとって、その取り組みが不可欠であり、成熟したまちづくりを進める上で大きな課題と捉えております。
 平成三十年の総務省住宅・土地統計調査概数集計結果、いわゆる速報値によりますと、全国では、空き家数は八百四十六万戸、空き家率は一三・六%と、ともに過去最高となりましたが、都内では、空き家数は八十一万戸、空き家率は一〇・六%と、ともに五年前の前回調査と比べて、わずかながら減少しました。とはいえ、今後、人口や世帯数の減少、高齢化、単身化が見込まれる中、空き家対策の重要性はますます高まっていくものと考えられます。
 こうした状況のもと、東京都は、市区町村の空き家対策を支援する事業などとして、令和元年度の予算で新規施策を含め、二億八千万円を計上、中には、補助率十分の十という、都として強力に支援しようという事業も設けております。
 財政の厳しい市町村にとって、空き家対策の推進につながること、将来のまちの活性化にも道を開くきっかけになると考えられるところから、取り組みを高く評価したいと思います。
 また、一般の都民向けには、本年、平成三十一年三月、東京都空き家ガイドブックを刊行。内容は、お一人お一人が身近なお困り事を対応できるよう、わかりやすいQアンドA方式でつくられています。
 一方、市区町村の空き家対策に関する状況はさまざまで、実施体制にも違いがあります。東京都には、それぞれの特性を踏まえ、対応をしていただきたいと考えます。
 こうした状況を踏まえ、都は今後、空き家対策について、市区町村とどのように取り組み、進めていくかを伺います。
 質問は以上でございます。よろしくお願いいたします。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 細谷しょうこ議員の一般質問にお答えをいたします。
 パラリンピックの機運醸成についてのお尋ね、ありがとうございます。私は、パラリンピックの成功なくして大会の成功はないと常々申し上げてきております。パラリンピックの会場を満員の観客で盛り上げる、そのことこそ、アスリートへの最高のおもてなしであり、大会成功の鍵だと考えております。
 今よりももっと多くの方々に競技や選手の魅力を知っていただいて、競技会場に足を運んでもらう、そして、力の限り熱い声援を送っていただきたい。そして、大会後の障害者スポーツの振興や共生社会の実現につなげていきたいと考えております。
 これまで都といたしまして、チームビヨンドなどを通じて障害者スポーツの魅力を発信をする、そして、競技体験、アスリートとの交流ができるNO LIMITS CHALLENGE、こちらは市区町村などと連携をしての実施でございます。
 また、本年三月に作成いたしました競技の魅力やポイントなどが学べて、大会の観戦をより楽しめるパラリンピックハンドブックも広く配布しております。
 これらの取り組みに加えて、今年度は、国際大会などの観戦会を十七大会にふやします。そして、都民の観戦機会を拡大してまいります。あわせまして、まだまだ知られていない認知度の低い競技の戦略的かつ積極的なPRに取り組んでまいります。
 大会まであと一年余りとなりました。おととい発足いたしました学識経験者、パラアスリート、そして各界の著名な方々から成ります東京二〇二〇パラリンピックの成功とバリアフリー推進に向けた懇談会のメンバーのご協力もいただきながら、あらゆる機会を捉えまして、パラリンピックの魅力を多くの方々へ伝えてまいりたいと思います。
 また、その他のご質問につきましては関係局長よりの答弁とさせていただきます。
〔総務局長遠藤雅彦君登壇〕

○総務局長(遠藤雅彦君) 多摩の魅力発信についてでございますが、多摩地域は豊かな自然や歴史文化、特産物などの地域資源を有しており、それらの魅力を多くの人に知っていただくためには、地元の事情に精通した市町村と連携した取り組みを進めることが効果的と考えております。
 そのため、都は今年度、地元自治体が推薦する地域の見どころを親子向けの雑誌などを通じて紹介するとともに、より多くの人々に多摩地域を訪れていただく契機とするため、市町村とともに、多摩の自然を感じられる参加型のプログラムや、地域の農産物を用いた特産品、ご当地グルメの紹介などを行う魅力発信イベントを実施いたします。
 今後とも、多摩の持つ多様な魅力を積極的に発信することで、多摩振興を一層推進してまいります。
〔建設局長三浦隆君登壇〕

○建設局長(三浦隆君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 初めに、六仙公園の整備についてでございますが、本公園は北多摩北部に位置し、環境省が平成の名水百選に選定した落合川と南沢湧水群に隣接しておりまして、水源を涵養する緑の拠点として重要な公園でございます。
 これまで計画的に事業区域を拡張いたしまして、都市計画決定面積の八割を超える約十二・二ヘクタールにつきまして事業認可を取得し、用地取得と園地整備を進めております。
 このうち、開園した約五ヘクタールは、芝生広場などとして、近隣住民の散策等に提供するとともに、震災時の避難場所として活用し、整備したマンホールトイレ等を使用したイベントで防災意識の普及啓発に取り組んでおります。
 引き続き、地元市と連携をし、関係権利者の理解と協力を得ながら用地取得を進めまして、六仙公園の整備を推進してまいります。
 次に、都立霊園における多様化する都民ニーズへの対応についてでございますが、都は、社会状況や墓所に対する都民の価値観の変化に応じまして、霊園の限られた敷地を有効活用しながら、墓所の供給に努めております。
 例えば、承継者のいない都民には、貸し付け時に使用料のみを負担するだけで、みずから管理することなく永代にわたり使用できる合葬式墓地や樹林墓地などを整備し、公募により提供をしております。
 また、都立霊園の使用者の中で承継者がいない方に対しましては、希望により、墓所の返還にあわせて合葬式墓地を提供し、墓じまいの需要に対応しております。
 今後とも、墓所に対する多様なニーズに応えながら、着実な墓所の供給を進めてまいります。
〔住宅政策本部長榎本雅人君登壇〕

○住宅政策本部長(榎本雅人君) 空き家対策の取り組みについてでございますが、空き家対策を効果的に進めていくためには、地域の実情を把握している市区町村の取り組みが重要でございます。
 そこで都は、全市区町村が参画する空き家対策連絡協議会を定期的に開催し、先進的な取り組み事例の情報共有や都の区市町村支援事業の活用促進を図るとともに、実態調査、計画作成、除却や改修などへ支援を行ってまいりました。
 今年度からは、新たに、地域特性を踏まえた市区町村の創意工夫を生かす企画提案型の事業や、地域に活気をもたらすため、複数の空き家を改修するエリアリノベーションの促進などへの支援策に取り組んでまいります。
 これらの取り組みを通じまして、今後とも市区町村と緊密に連携しながら、地域の状況に応じて空き家対策の強化を図ってまいります。

○議長(尾崎大介君) 四十六番増田一郎君
〔四十六番増田一郎君登壇〕

○四十六番(増田一郎君) 初めに、中小企業支援のための融資制度について伺います。
 米中間の貿易摩擦により、世界経済に暗雲が立ち込めています。先月、内閣府が発表した国内景気の基調判断は約六年ぶりに悪化に転じ、日本経済の先行きに関する見通しは急速に不透明感を増しています。
 二〇〇八年に発生したリーマンショックは、金融機関が体力を失い、資金供給ができなくなることによって生じた、いわば金融機関発の経済危機でありました。
 それに対して、今起きようとしているのは、世界経済の大動脈ともいえる米中間での関税引き上げ合戦による物流の停滞、そして、両国の覇権をかけた特定企業の排除の動きと、それに伴うサプライチェーンの寸断といった、これまでに誰も経験のしたことのない事態です。
 中国の情報機器メーカー、ファーウェイへの制裁問題が改めて示すように、IT機器の製造は数多くの部品のサプライチェーンの上に成り立っており、日本のメーカーやその下請企業も深くその連鎖の中に組み込まれております。
 今後もし、米中間で報復関税がエスカレートしたり、特定の企業の排除の動きがさらに進むようであれば、東京に数多く集積している中小の製造業者に、いつ、どのような形で影響が顕在化するのか、予断を許しません。
 販売先からの突然の受注停止によって生じる在庫資金の手当て、新たな販売先を見つけるまでのつなぎ融資の確保など、財務体力の弱い中小企業を守るために、東京都はあらゆる事態に備えて必要な金融支援メニューを整えておくべきと考えます。
 リーマンショック時には、国が中小企業金融円滑化法を制定し、市場への資金供給の確保に努めるとともに、東京都の中小企業制度融資、信用保証制度も、金融危機の早期収拾と中小企業の救済に大きな役割を果たしました。
 経済の先行きを正確に見通すことはできませんが、今後、景気が急速に悪化した場合に備え、中小企業制度融資と信用保証制度が持つ機能をフルに使い、十年ぶりに起こるかもしれない危機に対して万全の備えをし、それを中小企業経営者に周知しておき、不安を払拭しておくことは極めて重要です。
 そこで、このような状況を踏まえ、都としてどのような支援を展開していくのか見解を伺います。
 一方、東京都の中小企業制度融資は、そのような経済危機に対応をする機能はもちろんのこと、資金調達力の弱いスタートアップ企業や中小企業を助け、育てるという大切な役割も担っています。
 特に昨今は、これまでになかった電子決裁、入出金管理のツールや業務効率化のソフトウエアなどが次々と新興のフィンテック企業によって生み出されています。これらは、大企業よりも、むしろ人手不足に悩む中小企業にこそ導入メリットが大きいといわれており、東京都ではこのようなスタートアップ企業や、新たに管理インフラを導入しようとしている中小零細企業を資金面で支援するため、制度融資を積極的に活用すべきと考えます。
 そこで、そのような企業を支援するための現在の取り組み状況についても、あわせて伺います。
 次に、国際金融都市東京構想について伺います。
 銀行、証券、保険、資産運用業、外資系金融機関、そして、シティー・オブ・ロンドンのチェアマンなど、国内外のあらゆる金融機関のトップが一堂に会して、金融センターとしての東京のあるべき姿を議論し、国際金融都市東京構想が取りまとめられてから一年半余りが経過しました。
 その間、東京都は、グリーンボンドの発行、ESG投資の促進、東京金融賞の創設、シティー・オブ・ロンドンとの覚書の締結など、次々と打ち手を実行し、その結果、新興の資産運用業者やフィンテック企業などの誘致に、着実に成果を上げていると理解しております。
 一方、香港やシンガポールといったアジアのライバル企業の発展もそれ以上に早く、昨年九月に発表された最新の国際金融都市ランキングにおいて、東京は残念ながら、五位から六位へと、さらにランキングを落とす結果となってしまいました。
 そのような状況を打開し、本構想をより強力に推し進めるために期待されるのが、今月始動することになった金融プロモーション組織、フィンシティー・トーキョーであります。
 アジアにおける金融センターとしての東京の優位性、魅力をこれまで以上の発信力を持って世界に伝えることが期待されますが、その具体的な姿と今後の事業の見通しについて伺います。
 そしてもう一つ、昨今の国際金融都市間競争の中で急速にその重要度を増しているのが、SDGsの目指す持続可能な発展を金融面から実現しようとする取り組み、サステーナブルファイナンスであります。
 その点、新たな取り組みとして注目されるのが、先日、知事が国際会議の場で表明したサステーナブルファイナンスに関する国連機関のネットワークであるFC4S、ファイナンシャル・センターズ・フォー・サステーナビリティーへの東京都の加盟であります。
 そこで、FC4Sへの加盟の狙いと今後に向けた決意について、知事に伺います。
 東京の今後のさらなる成長、稼ぐ力の強化を考えたとき、ニューヨークやロンドンがそうであるように、国際金融マーケットの中心であることによってもたらされる富は非常に大きなものがあります。国際金融都市東京構想はそれ自体が極めて具体的な成長戦略であり、それを着実に実行することは何よりも強力な稼ぐ力となるはずです。
 東京はアジアのライバル都市に比べて、法人税が高いという足かせはありますが、国際金融プレーヤーたちが自然に集まってくる都市にするためには、税率の高低だけでなく、市場の公平性、情報開示の透明性、通信インフラの安定性、金融行政や司法制度の信頼度、住環境のよさなど、多くの要素の総合力が必要であり、それら一つ一つを向上させ、金融都市としての魅力を高めるための不断の努力が必要です。
 私も三十年の国際金融実務の経験から、引き続き、本構想推進のためにあらゆる知恵を絞ってまいる所存です。
 次に、事業承継の取り組みについて伺います。
 日本経済の成長にとって一つの大きな課題となっていることの一つに、事業承継の問題があります。せっかく他社にまねのできない独自の技術を持っていても、せっかく業績が好調で黒字続きであっても、後継者がいないために会社の存続を諦めなければならない中小企業、零細企業、商店は非常に多く、これらの企業や商店がそのまま消えてしまうのでは、東京の稼ぐ力にとって大きな損失になることは明らかです。
 この問題については、国や各自治体、商工会議所や金融機関、大手会計事務所など、既にさまざまな関係者による取り組みが進められており、基本的には、事業を譲り渡したい側と譲り受けたい側をうまく結びつけるマッチングの手法が有効でありますが、その可能性を一層広げるためには、対象となる地域や会社の属性を縦横に広げ、各関係者間で情報を効率的に共有することが重要です。
 行政主体としての都に期待される役割としては、無料相談に応じたり、事業譲渡手続にかかる費用の一部を負担したり、つなぎ資金を低利で融資するなど、民間では担えない部分であると思います。
 私の地元立川市を初め、多摩地域においても、経営者の高齢化と後継者不足による中小零細企業の事業承継は、待ったなしの大きな問題です。
 そこで、特に多摩地域における小規模零細企業の事業承継の促進のための都の取り組みについて伺います。
 次に、社会的インパクト投資、ソーシャル・インパクト・ボンドについて伺います。
 私は昨年のこの議会において、税金、基金、都債に続く財源としてのソーシャル・インパクト・ボンドの可能性について質問を行いました。
 ソーシャル・インパクト・ボンドは、特定の行政課題について、その課題解決に必要な資金を借り入れ、もしくは債券の発行によって調達するもので、その解決に特別の関心や共感を持つ民間投資家から、通常よりも低い金利で資金調達を行い、その結果、税支出の低減効果が認められれば、そこから一定の配当を投資家に払うという民間資金活用手法の一つです。近年イギリスで普及し、国内では経済産業省を中心に数年前から検討が進められ、この一年では、基礎自治体において、ヘルスケア部門等で具体的な事例が出始めております。
 オリンピック・パラリンピックに向けたハードへの大型投資が一段落すると、恐らく東京はよりきめ細かな、ソフト面が重視される課題に多く直面することになると思います。そのような時代を見据え、財源確保の方法もこれまでの都債や基金だけではなく、民間の力を活用しつつ、よりきめ細かい課題に適応したソーシャル・インパクト・ボンドのような新しい手法を持っておくことは重要と考えます。
 折しも、都では、今年度、成長戦略やICTの利活用について集中的に取り組む戦略政策情報推進本部が設立されました。今後、新しい諸課題に向き合うことになると思いますが、成長戦略や新たな諸課題の解決ツールとしてのソーシャル・インパクト・ボンドの可能性について見解を伺います。
 最後に、立川市内の都市計画道路の整備状況について伺います。
 私の地元立川駅周辺では、駅北口付近や青梅線をまたぐ踏切付近で慢性的な交通渋滞が発生するなど、道路整備に関するさまざまな課題を抱えています。
 立川市には首都機能に甚大な被害が生じた場合に、災害応急対策活動の中心的拠点となる立川広域防災基地や、災害時物資の備蓄と災害時物流確保のために重要な役割を果たす都の防災倉庫があり、それら重要施設の機能をフルに発揮させるためにも、周辺の都市計画道路を早急に整備し、アクセス性を向上させることは急務です。
 具体的には、都心と多摩地域を結ぶ基幹道路である国道二〇号や、中央高速道路方面と立川防災基地のある市内中心部を南北に結ぶ二つの計画線、立川東大和線と立川三・一・三四号線の早期整備が長年強く求められております。
 三・一・三四号線については、これまで議会や委員会で私も繰り返し早期整備を求めてまいりましたが、今回は、もう一つの重要計画線、立川東大和線のうち、立川三・三・三〇号線の取り組み状況について伺います。
 以上で私の一般質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 増田一郎議員の一般質問にお答えいたします。
 FC4S、ファイナンシャル・センターズ・フォー・サステーナビリティーという機関でございますが、そちらへの加盟の狙い、そして今後に向けた決意についてのお尋ねをいただきました。
 環境や社会問題に配慮しながら、金融経済都市としての発展を遂げる、これこそまさにスマートシティーとして目指す姿でありまして、世界の潮流ともなっております。
 ESG投資額は二〇一八年におきまして三十兆ドル超と急拡大をいたしておりますが、その多くは欧米となっております。
 サステーナブルファイナンスの普及に向けまして、東京が先進的な取り組みを行って、日本、さらにはアジアを牽引していく必要がございます。
 このため、グリーンボンドの発行、そして東京金融賞の創設などの施策を展開いたしまして、さらにこのたび国連機関であるUNEPが運営をして、世界の二十を超える金融センターが加盟しております、このFC4Sへの加盟を決定したところでございます。
 この加盟によりまして、サステーナブルファイナンスの分野で志を同じくする他の金融センターと連携を深めるとともに、都の取り組みを世界に発信するということで、海外からの投資資金を呼び込むことにつなげてまいります。
 このような取り組みを通じまして、東京が国際金融都市として、世界の熾烈な都市間競争を勝ち抜き、スマートシティーとして持続的に成長していくことを目指しております。
 その他のご質問につきましては、関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔産業労働局長藤田裕司君登壇〕

○産業労働局長(藤田裕司君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 初めに、中小企業に対する金融支援についてでございますが、都内の中小企業が刻々と変化する経済情勢の中でも持続的に発展していくためには、事業の状況に応じて円滑に資金調達できる環境づくりが不可欠でございます。
 そのため、都は、制度融資におきまして重要な機能であるセーフティーネットとして、一時的な売り上げ減少や大規模な経済危機に的確に対応する仕組みを構築しているところでございます。また、小規模企業等が融資を受ける際の負担を軽減するため、都が信用保証料の一部を補助するなどの工夫も行っているところでございます。
 一方、新たな事業展開を強力にサポートするため、創業や海外販路開拓、IoTやAI等の設備導入に必要な資金調達にも対応しております。
 今後とも、社会経済状況の変化などに応じながら、経営の下支えと成長の後押しの両面から、中小企業に対する資金繰り支援に万全を期してまいります。
 次に、多摩地域における事業承継への支援についてでございますが、多摩地域の経済や雇用を支える小規模企業が将来においても、地域でその役割を担っていくためには、個々の企業が置かれた状況を踏まえた多様な事業承継支援が必要でございます。
 都は、多摩地域の事業承継を支援する拠点を二カ所にふやし、巡回相談や専門家の派遣を通じまして、個々の事情に応じた支援を重ねますとともに、従業員や社外など第三者への承継に必要なノウハウの提供にも力を入れているところでございます。
 さらに今年度は、後継者不在の事業者と創業希望者、中小企業支援機関等が一堂に会するシンポジウムを開催いたしまして、成功事例の紹介や支援制度の周知、個別相談会を行うことで、具体的な承継に結びつける契機としてまいります。
 こうしたさまざまな切り口による支援を積み重ね、多摩地域の小規模企業の事業承継を後押ししてまいります。
〔戦略政策情報推進本部長松下隆弘君登壇〕

○戦略政策情報推進本部長(松下隆弘君) 二点のご質問にお答えいたします。
 フィンシティー・トーキョーについてでございますが、一般社団法人東京国際金融機構、フィンシティー・トーキョー、これは国際金融都市東京の実現に向けまして、官民の金融関係者が連携しまして、情報発信や企業誘致等を進めるための組織として設立されたものでございまして、今月始動したものでございます。
 この組織のトップは、前日銀副総裁の中曽宏氏でございまして、会員数は、国内主要金融機関、外資系企業、関係団体の参加も得まして、現時点で三十者でございます。
 同組織は、最初の海外プロモーション活動をこの七月上旬にパリで実施するほか、国内外での金融セミナーの開催や海外金融プロモーション組織との交流、連携等の事業を実施する予定でございます。
 都といたしましては、フィンシティー・トーキョーの会員として参画するとともに、事業が円滑に進むよう、今後とも支援を行ってまいります。
 次に、課題解決ツールとしてのソーシャル・インパクト・ボンドの可能性についてでございます。
 ソーシャル・インパクト・ボンドは、行政サービスを民間に委託するなどの際、あらかじめ設定された指標に基づき成果を支払っていく官民連携手法でございます。
 行政の立場から見ますと、サービスの成果を確保しつつ、将来発生する行政コストを軽減できるメリットがあるとされております。
 戦略政策情報推進本部が所管いたします成長戦略の分野などにおきましても、民間事業者との積極的な連携が求められる、そういった領域であることから、課題の内容によっては、その導入が可能であると考えております。
 今後、具体的な課題に取り組む中で、ソーシャル・インパクト・ボンドの導入が有効な分野について、その活用について検討してまいります。
〔建設局長三浦隆君登壇〕

○建設局長(三浦隆君) 立川東大和線のうち、立川三・三・三〇号線の取り組み状況についてでございますが、立川東大和線は、多摩地域における南北方向の主要な幹線道路でございまして、人や物の流れの円滑化のみならず、災害時における物資輸送や救援、救助活動など、広域的な防災性の向上にも寄与いたします極めて重要な路線でございます。
 本年三月には、立川三・三・三〇号線のうち、多摩都市モノレールの泉体育館駅付近から都道一四五号線までの約二・五キロメートルの区間につきまして、都市計画変更案及び環境影響評価書案の地元説明会を開催いたしました。
 今月末から現況測量を実施し、令和三年度の事業化に向けまして、道路設計や関係機関との協議を進めてまいります。
 今後とも、多摩地域の活力と防災性を高める都市計画道路の整備に全力で取り組んでまいります。

○議長(尾崎大介君) 二十九番小松大祐君
〔二十九番小松大祐君登壇〕

○二十九番(小松大祐君) 昨日、政府の経済財政諮問会議において、骨太方針の素案が提示され、就職氷河期世代への対応は、我が国の将来にかかわる重要な課題とし、この世代を集中的に支援し、今後三年間の取り組みで正規雇用者を三十万人ふやすとの数値目標も掲げられました。
 就職氷河期世代とは、バブル崩壊後の就職難だった一九九三年から二〇〇四年ごろに学校を卒業した世代であり、昭和四十年代後半から昭和五十年代前半の生まれ、いわゆる団塊ジュニアに当たります。
 私を初め、都議会にも同世代の方がいらっしゃいますが、この就職氷河期世代は、同時にロストジェネレーションとも呼ばれ、直訳すれば失われた世代になりますが、ほかにも貧乏くじ世代とも称されることもあります。
 ニートという若年無業者を指す言葉が生まれたのもこのころであります。
 都は、我が国最大の産業集積都市であり、雇用政策においても、都が果たすべき役割は大変大きいと認識をしています。
 都はこれまでにも、さまざまな就業支援を行ってきましたが、今回の国の指針を実行するに当たっては、ボリューム、アプローチの両面で、まだまだエアポケットが存在していると認識をしています。
 安倍晋三首相は、支援策について、策定するだけではなく、実行こそが大事だと述べられています。
 都は、就職氷河期世代の非正規雇用や無業者の方に対し、実効性のある就労支援をどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。
 今、振り返れば、少子高齢社会は十分に予測できた未来でありました。一・五七ショックは一九九〇年のこと、三十年前には既に課題は顕在化していました。
 現役世代の中心である就職氷河期世代には、非正規、無業者ともに多く、高齢社会とともに社会保障給付の増大が予見される我が国を初め、都財政にも大きな影響が及ぶことが予見されます。
 社会保障の担い手を確保し、都民、国民の所得向上を図ることは急務です。
 新たな長期計画を策定しようとしている今、目の前の課題に対応するとともに、こうした社会構造や行政需要の変化、財政基盤への影響についてどのように認識をされているのか。また、こうした観点も踏まえ、中長期的な政策にも反映をしていくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、交通政策について二点伺います。
 東京の都市間競争力の向上や都市生活の快適な環境づくりを図る上でも交通政策は大変重要です。全ての人々が生き生きと働き、活躍できる社会の実現を推進するとの時差ビズを初めとする、スムーズビズのビジョンには共感をするものであります。
 さて、この時差通勤という言葉を調べてみますと、実は一九四〇年代ごろから既にあったようであります。その後、都市部の人口爆発が起こった高度経済成長期などを初め、都も、これまでにも幾度かこの時差通勤の取り組みというものは、活発化と鎮静化を繰り返してきた歴史をたどります。
 人口の急増、異常な混雑率という都市問題が起きるたびに、車両の改良、ダイヤ改正、連立事業、複々線化などさまざまな事業を通じて、輸送力の増強を図ることで改善を続けてきました。
 さて、今回のスムーズビズ。現場職員の啓発努力が実を結び、時差ビズの参加企業は目標の千社を超えるなどの成果を聞いています。
 しかし、知事の公約である満員電車ゼロというゴールには、果てしなく遠い状況にあります。最終目標に向けてクリアしていかなくてはならないハードルは、まだまだ幾つも残されています。
 目前に迫った大きな山場は、東京二〇二〇大会であります。この大会時に、円滑な運営ができるか否か、大会までにスムーズビズの課題を洗い出し、改善に向けてさらにブラッシュアップしていく必要があります。都の認識と見解について伺います。
 さきの予算特別委員会において、満員電車ゼロの公約に対し、それはどのような状態なのか、目標値は何かといった質問がありました。
 それに対して、満員電車の定義はさまざまで、それをはかるのは難しいとの曖昧な答弁をされました。だったらなぜ、このような曖昧な公約を掲げたのかという話になりかねません。
 同時に、時差ビズは、二〇二〇年度に向けて、ムーブメントとしての定着を目指すと答弁もされています。
 知事はこれまで、全ての事業に終期を設け、エビデンスベース、つまり客観的指標による事業評価をしっかりと行うとおっしゃってきました。
 しかしながら、来年度に当たる二〇二〇年度の時差ビズの定着が、具体的にどういう状態を示すかについては、いまだ基準が明瞭に示されておりません。
 このような状態で、客観的事実に基づく事業の妥当性等の評価を行えるのか、甚だ疑問であります。
 改めて、二〇二〇年度時差ビズの定着とはどういう状態を示すのか、具体的に知事に伺います。
 次に、都市基盤整備について二点伺います。
 農地保全については、産業政策を担う産業労働局のみならず、都市基盤整備の問題、税制度の問題として、都市整備局や財務局が主体的に関与し、事業推進を担ってほしいと主張してまいりました。
 特に、都市基盤整備を担う都市整備局には、農地保全に向けて一層のコミットメントを強く期待するものであります。
 去る五月二十三日、東京が新たに進めるみどりの取組が発表をされました。都市づくりのグランドデザインで掲げた、東京の緑を総量としてこれ以上減らさないとした二〇四〇年代の東京の目標についても改めて確認をされました。
 しかし、二〇四〇年、総量として減らさないとあるわけですが、区部、多摩といった地域ごとや農用地、公園・緑地、樹林・原野といった分類ごとの目標値は設定をされていません。
 農用地、公園・緑地、樹林・原野は、それぞれに都市基盤の中で担う役割が異なります。また、特定の地域に偏在しているのではなく、各地域特性に応じた緑がそれぞれのまちの中で調和をしている姿こそが、目指すべき二〇四〇年代の東京都の姿ではないでしょうか。
 えてして、長期計画の目標は、最終的に帳尻合わせになりがちであります。そのことを危惧しています。ぜひ今後も検討を続け、それぞれの地域や分類ごとの目標設定、それを達成するための計画や対策を具体化すべく、活発な議論、検討を今後も行っていくべきと主張をいたします。
 さて、都内の生産緑地の約八割が二〇二二年に三十年の期限が来るとされています。農地の減少という問題のみならず、当該地域の地価、不動産価格への影響は及びます。
 政府もさまざまな法改正を通じて、都市農地保全の可能性を高める施策を講じています。しかし、果たして都内の生産緑地の宅地転用は限定的なのか、どの程度の農地が宅地に転用されると見込まれるのか、東京都の見解を伺います。
 また、都はこれまでにも、農地保全について取り組みをさまざま行ってまいりました。昨年からは、生産緑地公園補助制度も実施をしています。これらの施策の概要と成果及び今後の見通しを伺います。
 最後に、スポーツ政策について四点伺います。
 子供の体力、運動能力は長期低下傾向を続けています。ボール遊びなどの制限のある公園もふえ、素振りやキャッチボールの際のかけ声がうるさいといったクレームもあるなど、外遊びが大変厳しい時代になっています。
 そうした環境下で、子供たちの運動能力や基礎体力の育成を長年にわたり支えてきたのは、野球やサッカー、空手などを初めとする地域のさまざまなジュニアスポーツチームや道場であります。指導者も、日ごろは別のお仕事を抱えていらっしゃる、地域に暮らす子供好きの方々であります。こうした方々の善意によって支えられてきました。しかし、その多くは競技の専門家でもなければ、専門的に指導法を学んだ方でもありません。
 こうした中、近年では、指導者による体罰や暴言といったハラスメントの問題が大きくクローズアップをされており、その対策も求められています。私自身、幾つかの競技団体で、代表や役員を担っているわけですが、ここ一、二年だけでも、こうした問題を見聞きする機会がふえてまいりました。子供や保護者の方との距離感、また、コミュニケーションに困惑をしている指導者の本音も伺うこともあります。
 そして、地域のジュニアスポーツチームの指導者は、子供の卒業とともに入れかわるケースが多いため、属人的で知見をチームに定着させることは容易ではありません。
 こうした背景を踏まえ、今後のジュニアスポーツの指導者に対し、ハラスメントに関し適切に認識をさせるとともに、ジュニア指導の資質向上の環境づくりに取り組む必要があると考えますが、どのように進めていくのか伺います。
 同時に、中学校の教員の残業時間が過労死ラインを超えるケースなどが社会問題化しており、特に運動部の指導監督を行うケースに多く見られます。
 こうした背景を踏まえ、都は、昨年から部活動指導員の導入に着手をし、一定の成果を上げていると聞きます。
 一方で、昭和、平成、令和と時代を経る中で、指導者自身が受けてきた競技のトレーニングや指導の常識が現代の常識と乖離しているケースもあり、他県では取り返しのつかない事件、事故につながるケースが頻発をしています。問題を解消しながら、適切な運用をいかに実現するかに期待がされています。
 都立学校及び区市町村立中学校における部活動指導員の配置の現状と今後の取り組みについて伺います。
 都内二カ所にある障害者スポーツセンターが、いよいよリニューアルオープンを迎えます。
 障害者スポーツの各競技を二〇二〇大会以降も発展させていくためには、各障害者スポーツ競技団体の事務局機能の整備が極めて重要であり、こうした課題を解消すべきと、東京都とも認識を共有してきました。
 そうした中、限られた人的資源を踏まえ、各団体の知見や事例の共有を図るなど、地道に取り組んできた実績は評価したいが、まだまだ道半ばです。
 障害者スポーツの発展のためには、都レベルの競技団体に対する支援をさらに進めていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 同時に、障害者が継続してスポーツに取り組める場の確保に向けて、例えば、都は特別支援学校の体育施設を開放し、障害者スポーツ拠点として活用してもらう事業に取り組みを進めてきました。
 五校からスタートをし、現在は二十校で実施をしています。この取り組みは、障害者スポーツ団体の活動拠点の増加につながるなど、着実に成果を上げてきました。それに加え、大学や民間企業の施設との連携を一層進めていくべきだとも主張をしてきました。
 これらの取り組みを進める中で、セキュリティーの問題、バリアフリー対応など、クリアすべき課題もあると聞いています。
 しかし、スポーツ都市東京の実現を掲げる東京都だからこそ、課題を克服し、貴重な地域資源でもある都内の大学や民間企業との連携をさらに進めるべきと考え、都に見解を伺います。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 小松大祐議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、将来の行政需要等に対する認識と政策への反映についてのご質問がございました。
 私はこれまでも、そしてこれからも、東京の発展を支えるのは人だと、このように考えております。こうした観点から、知事就任以来、社会情勢や都民ニーズ、財政状況などを踏まえながら、人に着目をいたしまして、人の力を最大限に引き出すための取り組みを重点的に展開してまいりました。
 ご指摘の就職氷河期世代の方々が高齢化する二十年、三十年先におきましても、誰もが輝き続ける社会を築くということは、東京が持続的に発展していくための要諦、かなめでございます。そしてその実現に向けましては、時代を見通す視点が欠かせないところであります。
 そこで、新たな長期計画の策定に当たりましても、二〇四〇年代の東京の姿を念頭にして、いわゆるバックキャストの視点を取り入れて、政策目標等を検討していくことといたしております。
 引き続き、都政運営に当たりましては、俯瞰的な鳥の目、細かな目配りのための虫の目、時代をつかむ魚の目、この三つの目を駆使いたしまして、社会構造、行政需要、財政構造等の変化を見据えながら、今直面する課題と中長期的な課題の双方を的確に捉えることで、なすべき政策を幅広く展開をしてまいります。
 次に、時差ビズについてのお尋ねでございます。
 満員電車の混雑の緩和というのは、社会の生産性を向上させるためにも、官民が連携して解決していくべき重要な課題でございます。
 このため、オフピーク通勤を促進する時差ビズにつきましては、平成二十九年度より取り組んでいる施策でございます。
 これまでに、一千社を超える企業に参加いただきまして、着実に取り組みが進んでいるとの認識を持っております。
 現在、都といたしまして、時差ビズに加えて、東京二〇二〇大会期間中の交通混雑の緩和に向けた交通需要マネジメント、TDMや、働き方改革にも資するテレワークをスムーズビズとして一体的に進めているところでございます。大会に向けまして、さらに企業や都民の幅広い参加を得るということで、ムーブメントとしての定着を図ってまいります。
 ロンドン大会におきましては、大会を機にテレワークがレガシーとして根づいて、働き方を大きく変えたように、東京におきましても、スムーズビズが大会のレガシーとして社会に根づく、そのことで全ての人々が生き生きと働いて、活躍できる社会の実現を目指してまいります。
 その他のご質問につきましては、教育長、東京都技監、関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 部活指導員の配置の現状等についてでございますが、教員の勤務負担軽減と部活動の充実を図るためには、専門的な技術指導や大会引率、審判等を行うことができる部活動指導員を活用することが重要でございます。
 都教育委員会は、昨年度から部活動指導員を導入し、今年度は、現在、都立学校百五十八校に五百四十八名を配置し、中学校には国の補助事業を活用して、三十二地区で三百八十四名の配置を支援しております。学校からは、生徒の技能や意欲が向上した、教員が教材研究の時間を確保できるようになった等の効果が報告されております。
 今年度中に、部活動の教育的意義や体罰防止等に関するガイドラインを作成、配布し、適切な部活動運営を支援するとともに、部活動指導員の配置をさらに進め、教員の勤務負担軽減と部活動の一層の充実を図ってまいります。
〔東京都技監佐藤伸朗君登壇〕

○東京都技監(佐藤伸朗君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、スムーズビズについてでございますが、都は、東京二〇二〇大会時の交通混雑緩和に加え、企業の生産性向上にもつなげるため、交通需要マネジメントやテレワーク、時差ビズ等の取り組みをスムーズビズとして一体的に進めており、これにより、新しいワークスタイルや企業活動の東京モデルの確立を目指しております。
 その推進にはできるだけ多くの企業や都民の協力が必要でございまして、先月末にはキックオフイベントを開催し、先進的な取り組み事例の発信を通じて、参加への機運醸成を図りました。
 さらに、この夏には、スムーズビズ推進期間を設け、企業等に多様な働き方の実践などの取り組みを呼びかけており、まずは、この期間にその効果を体感し、発信してもらうことで、ムーブメントの輪をさらに広げてまいります。
 次に、生産緑地についてでございますが、東京の生産緑地は、環境や防災などの機能を有する貴重な緑の空間であり、その保全のためには、二〇二二年までに着実に特定生産緑地に指定することが重要でございます。
 国が平成二十九年度に、練馬区及び世田谷区の農家を対象に行った調査によれば、六割以上の農家が所有する全ての生産緑地について特定生産緑地の指定を受ける意向を示しており、二割の農家が一部の生産緑地についてその指定を受けることを検討しております。
 こうしたことから、生産緑地の宅地転用はある程度発生するとは考えられますが、都としては、できる限り多くの生産緑地を保全するため、区市やJAなどと連携し、特定生産緑地制度の活用を農家に対して働きかけてまいります。
 最後に、生産緑地の保全に向けた施策についてでございますが、都は、平成三十年度から令和四年度までのパイロット事業として、都市計画公園区域内の営農が困難となった生産緑地を買い取る区市に対して助成を行う、生産緑地公園補助制度を実施しております。
 平成三十年度は、板橋区及び練馬区の二区に対して助成しており、今年度の予算の規模は十億円で、二区四市において活用が予定されております。
 また、都は、関係者等による検討会におきまして、区市が買い取りの申し出に柔軟に対応するためのルールや体制の構築等について、引き続き検討しております。
〔産業労働局長藤田裕司君登壇〕

○産業労働局長(藤田裕司君) 非正規雇用や無業者の方への就業支援についてでございますが、都はこれまで、職務経験、スキル等の不足している非正規雇用の方などに向け、職業訓練による能力開発やしごとセンターにおける支援プログラムを実施し、正規雇用での就労を進めるほか、非正規社員の正規雇用への転換に取り組む企業を助成金等により支援してまいりました。
 今後は、これらの取り組みに加え、さまざまな要因により、長期にわたって社会とのつながりが希薄となり、就職活動に踏み出せていない無業者の方などに向けた支援を強化していくことが必要でございます。
 このため、こうした方々を支援する国の関係機関や区市町村の福祉部門等との連携を強化し、臨床心理士など専門家の活用も図りながら、それぞれの方の希望や適性に応じたきめ細かな支援を進めてまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長潮田勉君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、ジュニアスポーツ指導者の資質向上への取り組みについてでありますが、都民が安心してスポーツに取り組むためには、指導者による暴力、暴言やハラスメントなどの反倫理的行為を根絶することが重要であります。
 これまでも、区市町村などで活躍するスポーツ少年団のリーダー等を初めとするスポーツ指導者に対しては、東京都体育協会が、事故防止やハラスメントなどについての研修会や講習会を毎年実施してまいりました。
 これらに加え、都では今年度、同協会と連携し、都内競技団体等に所属する指導者や団体関係者に対し、反倫理的行為等に関する専門研修、スポーツインテグリティー推進事業を実施いたします。
 今後も引き続き、関係機関と積極的に連携し、ジュニアスポーツ指導者の資質向上に取り組んでまいります。
 次に、障害者スポーツ競技団体への支援についてでありますが、障害者スポーツの振興のためには、選手を支える都レベルの競技団体の基盤や取り組みの強化が重要であります。
 都は現在、専門知識を持つボランティアの力をかり、競技の認知度向上等を目的としたホームページの開設など、課題解決に取り組む団体への支援を行っております。あわせて、その具体的な取り組み内容や効果について事例報告会などを通じ、団体関係者に広く普及を図っております。
 また、競技関係者を取り巻く環境の変化を踏まえ、コンプライアンス重視の観点から、今年度は、団体のガバナンス強化に向けた講習会の内容を充実させるとともに、回数を二回から四回にふやし実施いたします。
 今後とも、団体の自立性を高め、障害者スポーツが定着し、発展していくよう取り組んでまいります。
 最後に、障害者スポーツの場の確保についてでありますが、都は、障害者スポーツ支援の意向を持つ企業等と競技団体とを結びつけるため、相談窓口を設置するとともに、両者のニーズのマッチングを促す交流会などを実施しております。
 こうした取り組みにより、企業の所有するスポーツ施設が練習場所として提供される事例や大学のチームとの練習試合の実現につながっており、今後もさらに企業等との連携が広がるよう後押ししてまいります。
 あわせて、大学や企業等の所有するスポーツ施設を有償で貸し出していただくTOKYOスポーツ施設サポーターズ事業におきましても、障害者の利用に向けた働きかけを行っております。
 引き続き、企業等と連携しながら、障害のある方がスポーツに取り組むための場の確保を一層推進してまいります。

○議長(尾崎大介君) 二番けいの信一君
〔二番けいの信一君登壇〕
〔議長退席、副議長着席〕

○二番(けいの信一君) 初めに、自転車の安全活用について質問します。
 自転車は、日常生活における便利な交通手段としてだけではなく、近年では被災地における復興支援での活躍、さらには電動アシスト自転車の普及、流通業での活用やシェアサイクルなど、活用方法は多彩な広がりを見せています。
 しかし、こうした広がりに対して、自転車についての安全意識の向上が十分なされているとはいえません。
 自転車は、道路交通法上、車と同様に扱われる軽車両であり、交通規則の遵守が求められます。一方、車の運転手も自転車を車両として受容し、互いに尊重し合った安全運転に努めなければなりません。
 例えば、ヨーロッパでは、まちの中と外の区別が明確で、速度規制にめり張りがあります。まち中の制限速度は低く抑えられており、車やバイク、自転車もゆっくりと走行することによって共生がなされています。
 日本では、エンジンを載せる原動機付自転車、いわゆる原付バイクが全ての公道で時速三十キロに速度制限される一方で、人の力だけで走る自転車が追い越していくような場面も見受けられます。スピードを上げて走行すると安全確認が不足し、出会い頭の衝突など、交差点付近で事故が起きやすくなります。
 二〇一七年の警視庁の統計によると、自転車事故の相手は八〇%が車であり、とりわけ事故の七五%は交差点内で発生しています。見逃せないのは、その約半数は一時不停止や交差点安全進行義務違反など、自転車側に交通違反があったという点です。自動車の運転免許を持たない方は、交通規則を学ぶ機会が少なく、意図せずに違反をし、事故に遭ってしまうケースもあります。
 そこで、五月に設置された自転車の安全で適正な利用に関する検討会議において、免許を持たない方などへの安全対策強化を検討していくべきです。都の見解を求めます。
 また、ハード面の整備も必要です。
 昨年我が党は、全国で百万人訪問調査運動を行いました。その中で、ある市議会議員が介護に関しての調査を行ったところ、八十八人中六人が、自転車で車道を走行中、歩道に斜めに乗り上げる際に、段差にハンドルをとられて転倒したことが原因で要介護状態になったとのことです。私も地元荒川区在住の要介護の方七名にお聞きしたところ、一名が同様の要因でした。
 都道における車両乗り入れ部の整備では、歩車道境界の段差が従来のマウントアップ形式では五センチであるのに対し、セミフラット形式では二センチの段差で整備が可能です。
 そこで、自転車の転倒事故を少しでも減らすために、セミフラット形式に改善していくべきと考えますが、都の見解を求めます。
 次に、高齢者の運転について質問します。
 内閣府の高齢運転に関する調査によると、八十歳以上の四人に一人が車を運転しており、そのうち、ほとんど毎日運転すると回答した方は六〇%に上りました。
 都内だけでも、高齢ドライバーの運転操作ミスと思われる悲惨な事故が相次いで発生し、連日にわたり報道されております。そうした中、都内で自動車運転免許を自主返納した方は、五月の一カ月間だけで、過去最多の五千七百人を超えたそうです。
 都は昨年度から、運転免許を返納した高齢者を対象とした自転車の安全教室を四回開催していますが、返納後も社会に参画していくために非常に重要な取り組みであり、さらに多くの高齢者が参加できるよう取り組むべきです。
 また、講習会では、普及が進む電動アシスト自転車も用意していると聞きますが、車体が重いことや、勢いがつきやすいことなどに注意が必要です。
 体力に自信のない方や体型に合わせたサイズや形状など、希望する全ての方が安心して電動アシスト自転車の運転体験ができるよう、多彩なタイプを用意すべきと考えます。さらに、市区町村への連携支援を含め、あわせて都の見解を求めます。
 次に、海洋人材について質問します。
 我が党は先月、都立大島海洋国際高校を視察してまいりました。校長先生からは、世界の海洋課題の解決に資するような海洋人材を育成していくため、海洋環境課題等に関する教育の充実や、そうした教育に対応した新たな実習船「大島丸」の建造など、令和三年度から予定している学科改編に向け、具体的な検討を行っているとの説明がありました。
 一方で「大島丸」の運航に当たっては、これまで船員の確保がままならず、航海が予定どおりに実施できない状況がありました。新たな実習船を建造している今、充実した航海実習のためには、船員の確保こそ喫緊の課題であります。
 こうした困難な状況の中、これまで努力をされてきた現在の船員の方々の処遇にも十分に配慮した上で、技術と実践力を備えた外部の力を積極的に活用すべきと考えます。都教育委員会の見解を求めます。
 我が国は、物流の九割以上を海運に頼る海洋立国であり、その首都である東京は、海運の中心となる東京港や伊豆・小笠原海域など、大変豊かな海洋資源を持つ海洋都市ともいえます。
 一方、世界では、海洋を取り巻く状況は変化しており、海洋資源の保全や海洋ごみの問題などの早急な課題解決が求められています。
 都内の高校で唯一、海洋を学べる大島海洋国際高校が、海洋ごみ問題などの環境諸課題の解決に資する意欲と実践力を持つ人材を育成していくべきです。
 そこで、大島海洋国際高校において、今後の施設や人材の充実はもとより、海洋問題に詳しい大学と連携した実習を実施するなど、世界をリードする海洋教育への改革に取り組むべきと考えますが、都教育委員会の見解を求めます。
 次に、障害者施策について質問します。
 近年の医療技術の進歩や在宅医療の普及を背景として、たんの吸引、経管栄養などの医療的ケアを必要とする児童生徒が増加しており、都立特別支援学校では全ての学校で、児童生徒個々の状況に応じて、医療的ケアが実施できる体制を整えています。
 しかし現在、特別支援学校以外の都立高校では、医療的ケアが必要な生徒には保護者が付き添っている状況があります。障害のある生徒の進学ニーズは多様であり、今後は都立高校においても、医療的ケアを必要とする生徒への対応が求められます。
 都立高校における障害のある生徒へのさらなる支援を進めるべきです。都教育委員会の見解を求めます。
 次に、公共交通における障害者への配慮について質問します。
 障害者の方は、公共交通機関などで割引を受ける場合には、窓口で障害者手帳の提示が必要です。腕や指先が不自由な方にとっては、かばんから取り出し、手帳を開いて、必要な部分を提示する作業は大変な負担であると聞きます。
 関西地方の交通事業者で構成するスルッとKANSAIでは、加盟事業者の鉄道やバスで利用可能な障害者用のICカードを発行しています。これは事前にチャージをしておけば、一般の交通系ICカードと同様に、改札機にかざすだけで障害者割引が適用され、通過することができるものです。
 公共交通のバリアフリー化促進の観点から、都においても、障害者割引に対応したICカードの発行を交通事業者に働きかけていくべきと考えますが、見解を求めます。
 福祉保健局関係の質問に入る前に一言申し上げます。
 児童虐待防止を呼びかける都のホームページに、児童虐待推進キャラクターと誤って表記されていたことが昨日、報道によって明らかになりました。当事者にとっては断じて許されないことであり、福祉保健局は緊張感を持って仕事に取り組んでいただきたいと申し上げておきます。
 それでは、障害者手帳について質問します。
 現在、障害がある方に交付される障害者手帳は、紙の手帳が基本です。日常生活で使用する機会は多く、持ち運びの不便さや汚れなどがかねてからの課題です。このため、以前からカード化を求める声が出ており、我が党にもこうした要望が寄せられております。
 厚生労働省は、二月の社会保障審議会障害者部会で、障害者手帳のカード化を認める省令の改正案を示し、四月一日に施行されました。
 この省令改正を受け、カード型障害者手帳を希望する方々に対し、一日も早い交付を実現できるよう、都としても準備を進めるべきと考えますが、見解を求めます。
 さらに、将来的にはICカード化やマイナンバーカードとの連携も視野に入れることで、飛躍的に利便性の高い社会の形成にも通じていきます。
 また、利用者の利便性だけでなく、社会全体への周知徹底も喫緊の課題であります。
 昨年行われた人気歌手の引退コンサートツアーでは、入場時に身分証明書の提示を求められました。知的障害がある方が都の療育手帳である愛の手帳を提示しましたが、開催地が他県であったことや、療育手帳に対する係員の認識不足などから、入場を断られるという事態が生じました。同行したご家族だけで入場するわけにもいかず、楽しみにしていた最後のステージを見ることなく、ご家族は帰宅したそうです。
 入手困難なチケットの不正転売防止のための本人確認であることは十分理解できますが、制度の無理解から、障害者が不利益を受けることは断じてあってはなりません。
 さらに、療育手帳をめぐる問題は、こうした認識不足ばかりではありません。
 知的障害者児に対する療育手帳は、都は昭和四十二年から愛の手帳として発行していますが、その後、昭和四十八年には、国の通知により各自治体が実施要綱等を定め、現在に至っております。しかしこの間、各自治体間で判定基準にばらつきが生じており、転居した際に、これまで手帳を受け取っていた方が対象から外されるという事態が発生しています。
 身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳は法律で規定されているのに対し、療育手帳は発行する都道府県によって名称や形が異なることが多く、障害者手帳として認識されにくいことが原因です。
 また、知的障害の定義や判定基準などが国から明示されていないことも問題であり、知的障害認定に係る統一的かつ安定的な制度の確立が求められています。
 そこで、知的障害の定義や判定基準の統一化も含め、療育手帳の法制化を国に強く働きかけていくべきです。
 知事の見解を求め、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) けいの信一議員の一般質問にお答えいたします。
 私からは、療育手帳の法制化ついてお答えをさせていただきます。
 身体、知的、精神の障害者にとりまして、障害者手帳は、税の減免や交通運賃の割引などを受ける際の必要な証明書であると同時に、身分証ともなるものでございます。
 身体障害者と精神障害者の手帳は法律で定められておりますが、知的障害者に交付される療育手帳というのは、国の要綱に基づいて、手帳の名称や形式、判定基準等を各都道府県及び政令市が定めているところでございます。
 このため、療育手帳を所持している方が転居した際に、障害の程度などの判定内容が変わったり、お話のように、民間事業者が療育手帳を身分証として認めない事例なども生じております。このようなことは大変残念なことでありまして、障害者の支援や社会参加を進めるという観点からも改善すべきと考えます。
 都はこれまで、療育手帳の法制化につきまして、他の自治体と連携して国に働きかけてまいりました。今後、都といたしましても、独自に国に対して、知的障害者福祉法に知的障害の定義及び手帳制度を規定するように提案要求をしてまいります。
 なお、その他のご質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、都立大島海洋国際高校実習船「大島丸」の運航についてでございますが、近年の国内の船員数の著しい減少や海を隔てた大島という地域特性などの背景から、船員の確保は大変厳しい状況にございます。
 こうした状況の中、これまで船員の病気などの不測の事態では、臨時の船員を採用することや派遣船員の活用により運航体制を整えてまいりました。
 また、船員の退職などが見込まれる場合には、関係機関への個別の働きかけも含め、広範な採用募集を行うなど、船員の確保に努めてまいりました。
 今後は、実習船「大島丸」の安心・安全で安定的な運航を確保し、さらに充実した航海学習を実施するため、外部の民間活力の導入などの検討を進めてまいります。
 次に、都立大島海洋国際高校での今後の海洋教育についてでございますが、これまで大島海洋国際高校では、航海実習における海水温や透明度などの観測調査や小笠原海域での漁獲による海洋生物調査など、海洋における環境諸課題に関連した教育を実践してまいりました。
 都教育委員会は現在、海洋ごみの状況を大学と連携して調査する取り組みへの支援や、水中生物や海底資源等を映像や音波、捕獲などの多様な方法で調査することを可能とする新たな実習船「大島丸」の建造を進めております。
 今後、大学や関係機関との連携のもと、令和三年度に予定している学科改編に向けて具体的な検討を進め、持続可能な社会の実現に貢献する人材の育成を図るため、海洋教育の全国的なモデルとなり得る取り組みを推進してまいります。
 最後に、都立高校における障害のある生徒への対応についてでございますが、都教育委員会はこれまで、生徒の障害の程度や状態に応じて、施設のバリアフリー化やICT機器等の整備を進めるとともに、生徒の障害に起因する困難さを補うため、非常勤の介助職員を配置してまいりました。
 その一方で、現在、医療的ケアが必要な生徒については、保護者の付き添いを依頼しております。
 そのため、今後、都立高校における医療的ケアへの対応に向け、インクルーシブ教育システムに関する調査研究で、先進的な取り組み事例を把握するとともに、医学的見地や医療安全の観点を踏まえた専門家等による検討会を立ち上げ、障害のある生徒に対する支援の一層の充実に向けた検討を行ってまいります。
〔東京都技監佐藤伸朗君登壇〕

○東京都技監(佐藤伸朗君) 障害者割引に対応したICカードについてでございますが、誰もが生き生きと生活できる都市を実現するには、駅のエレベーター設置やノンステップバスの導入など、公共交通のバリアフリー化を促進することが重要でございます。
 お話の障害者割引に対応したICカードにつきましては、利用の都度、駅の係員やバス乗務員に障害者手帳等を提示する手続が不要となり、鉄道やバスがさらに利用しやすくなる効果がございます。
 一方、事業者からは、各社で割引制度が異なることや、自動改札等の機器、運賃の計算システムの改修を伴うこと、その改修費用の負担等の課題があると聞いております。
 都といたしましては、国の動向等を見ながら、事業者に対し、障害者割引用のICカードの発行を働きかけるなど、誰もが利用しやすい公共交通の環境整備に努めてまいります。
〔都民安全推進本部長大澤裕之君登壇〕

○都民安全推進本部長(大澤裕之君) 二点についてお答えいたします。
 初めに、自転車の安全対策強化についてでありますが、都はこれまでも、自転車のルール、マナーの向上に向け、春、秋の交通安全運動や自転車シミュレーターを活用した交通安全教室などで啓発用リーフレットの配布を行うとともに、自転車の購入時にも、販売店を通じて安全利用に向けた確認書を交付するなど、さまざまな機会を活用して自転車の安全で適正な利用について、理解の促進を図ってまいりました。
 現在、都では、さらなる自転車の安全で適正な利用の促進に向け、専門家会議を設置し、五月の末には第一回の会議を開催いたしました。
 今後は、当該会議での議論を踏まえながら、お話の免許を持たない方などへの対策の強化も含め、交通規則の遵守、マナーの向上に向け、さらなる普及啓発に努めてまいります。
 次に、高齢者向け自転車安全利用講習会についてでありますが、この事業は、運転免許証を返納した高齢者等の日常の交通手段の安全対策を図るため、平成三十年度から開始したもので、自転車のルール、マナーについての講義や自動車教習所のコースを使った安全な乗り方の実技に加え、電動アシストつき自転車の試乗も実施しております。
 今後は、より多くの高齢者に参加していただけるよう、自治会、町内会や交通安全協会を通じた参加者募集の広報啓発を強化してまいります。
 また、形状や大きさが異なる電動アシストつき自転車を用意することで、全ての参加者が体格などに合った自転車で安心して試乗ができるようにしてまいります。
 さらに、講習会の独自開催を計画する市区町村に対しては、自転車シミュレーターの手配や講習会用自転車を提供する企業を紹介するなど、積極的に支援を行ってまいります。
〔建設局長三浦隆君登壇〕

○建設局長(三浦隆君) 都道における車両乗り入れ部の段差改善についてでございますが、都は、東京都道路バリアフリー推進計画に基づきまして、歩道の段差や勾配の改善に取り組んでおります。
 車道と歩道の境界部の段差が五センチメートルで整備されている車両乗り入れ部につきましては、歩道改良工事等の際に、地域の状況や要望に応じて、道路工事設計基準に基づきセミフラット形式での整備を実施いたしますことで、車道と歩道の段差を二センチメートルに改善をしてまいります。
 また、道路の新設や拡幅工事におきましても、沿道の利用状況などに応じまして、引き続き歩道のセミフラット化を実施してまいります。
 今後とも、沿道住民の方々の理解と協力を得まして、安全で快適な道路空間の確保に取り組んでまいります。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) まず、ご答弁差し上げる前に、先ほど、けいの議員からもご指摘いただきました、このたび、私ども福祉保健局が所管しますホームページ上で、児童虐待防止に係るキャラクターの表記につきまして、誤植、一部ございました。まことに、児童虐待防止を推進し、それを所管し、また、オール東京でこれをやっていこうと、児童虐待防止を進めていこうという中、その所管する局の責任者として、まことにざんきの念にたえません。本当に申しわけございませんでした。
 改めまして、職員一同、一丸となって児童虐待防止を推進してまいりたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、答弁に移らせていただきます。
 障害者手帳のカード化に関するご質問にお答えいたします。
 国はこれまで、身体障害者手帳及び精神障害者保健福祉手帳につきまして、厚生労働省令で様式等を定めておりましたが、本年三月末に、この省令を改正いたしまして、従来の紙の手帳の様式例を削除し、自治体の判断でカード形式で手帳を交付できるようになりました。
 同時に、技術的助言として通知を発出し、カードの形状や材質、偽造防止対策の方法、視覚障害者が判別しやすい加工を施すことなど、カード形式で手帳を発行する際の仕様を示しております。
 都は、国通知の内容を踏まえるとともに、障害者団体を通じて、利用者である障害当事者のご意見を伺いながら、カード形式での障害者手帳の発行について検討を進めてまいります。

○副議長(長橋桂一君) 十五番池川友一君
〔十五番池川友一君登壇〕
〔副議長退席、議長着席〕

○十五番(池川友一君) ことしは、子どもの権利条約が採択されて三十年、日本が批准して二十五年目の節目の年です。子供の最善の利益に立って都政運営が行われているかが問われています。
 子どもの権利条約は、十八歳未満の全ての子供を対象としており、条約全体を通して、子供は権利の主体として位置づいています。知事、子供は権利の主体として尊重する必要がありますが、いかがですか。
 国連子どもの権利委員会からは、子供の意見の尊重が、社会全体において制限されている点について、繰り返し勧告が行われています。ことし三月にも、意見を形成することのできるいかなる子供に対しても、年齢制限を設けることなく、その子供に影響を与える全ての事柄について自由に意見を表明する権利を保障し、かつ、子供の意見が正当に重視されることを確保することが勧告されました。
 知事はどのように受けとめていますか。また、今後の取り組みにどのように生かしていくのですか。
 特に、子供たちが一日の生活を過ごす学校で、子供の権利や子供の意見が尊重されることが重要です。ところが、都立高校で子供の権利の侵害があるとの訴えをご本人から聞いています。
 ある都立高校の生徒は、三年生に進級したときに、二年生までは何もいわれなかった生まれつきの髪の色について、教師から突然、黒く染めてこい、学校に入れさせないし、授業も受けさせないといわれました。余りにも理不尽だと、保護者とともに抗議し、学校は謝罪しましたが、重大な人権侵害です。
 学校が突然、一方的に規則を変更し、違反していると授業にも参加させないようなやり方は明らかに人権侵害であり、指導として不適切だと思いますが、いかがですか。
 また、校則の変更や制服の導入を一方的に行い、生徒が意見をいっても聞きもしないという事例も幾つも寄せられています。
 ある都立高校では、生徒の過半数が再考を求めたにもかかわらず、校長が一方的に髪を染めることを禁止すると生徒心得を変更しました。生徒会と校長のやりとりで、生徒の意見を聞かなくていいのかという質問に対して、校長は必要ないと回答しています。
 別の都立高校では、制服の導入と髪染めの禁止を内容とする校則の変更が一方的に通告され、生徒総会で校則改定を取り消すことを求める、生徒の学校生活にかかわる重大な決定をする場合、在校生及び保護者に明確な説明なしに決定、公表、実施しないことを求めるという決議が上がったにもかかわらず、生徒の意見に一切耳を傾けることなく、校則が変えられました。こうしたやり方は問題ではありませんか。
 都内でも校則や学校のルールについて、本当に必要があるのかを見直した結果、校則をなくしたり、変更した学校もあります。生徒の意見を聞き、子供の視点から絶えず見直すことが必要だと思いますが、いかがですか。
 校則を初め、学校のあり方が多様性を尊重するものになっているかという視点も重要です。その点で、中野区などが性別で固定された標準服を見直し、注目されています。
 現在、都立高校で、制服のスカートとスラックスを自由に選択できる学校は何校あるか伺います。
 ジェンダー平等やSOGIの視点から、学校のあり方を見直すことも必要だと思いますが、いかがですか。
 先日、高校生や大学生などが参加する日本若者協議会の皆さんと意見交換し、入学前に情報提供がなく、入学した途端、決まりだから従うようにといわれるケースを改善する一つとして、校則をホームページで公開するという提言を受け取りました。
 大阪では、中学生が高校を選択する材料の一つとして、全ての府立高校がホームページで校則を公開しています。
 都立高校の校則など、学校のルールについて、入学前にわかるように、学校のホームページで積極的に公開すべきですが、いかがですか。
 また、子どもの権利条約を生徒手帳に掲載するなど、子供たちが、みずからが権利の主体であることを知ることができるようにすることを提案します。
 また、みずからの存在や意見が正当に認められ、重視される学校で育った子供たちは、自身をかけがえのない存在だと実感し、自分の権利も他者の権利も尊重できる主体的な人間に成長することができます。都立高校がそうした学校になることを強く要望します。
 都政に子供や若者の意見を反映する仕組みをつくることも大切です。都は、二〇二〇年に向けた実行プランの策定に当たり、未来の東京を担う若者の意見を聞くことも重要だという認識から、都立高校や特別支援学校の生徒から意見を聞き、千三百件を超える意見が寄せられたということです。大変重要です。
 国連子どもの権利委員会の勧告では、SDGsの目標の達成のための政策立案に、子供たちの意味ある参加を確保することも促すものであると指摘をしています。
 今後予定されている長期計画や、子供にかかわる子供・子育て支援総合計画、子供・若者計画の改定、旧こどもの城の活用などについて、当事者である子供や若者が参加する機会をつくり、直接意見を聞いて反映すべきだと考えますが、いかがですか。
 青少年施策を抜本的に強化し、若者が主人公となって活躍できる社会にしていくためには、青少年の専管組織を設置すべきだと考えますが、知事、いかがですか。
 あわせて、東京の子供たちの権利を保障するために、子供の権利条例の制定を強く求めます。
 次に、加齢性難聴への支援と聞こえのバリアフリーについてです。
 難聴になると、家庭の中でも社会的にも孤立しやすく、会話の機会が減り、ひきこもりになりがちです。
 二〇一七年の国際アルツハイマー病会議で、ランセット国際委員会が、認知症の約三五%は予防可能な九つの要因により起こることが考えられる、その中では、難聴が最大のリスク因子であると発表しました。
 厚生労働省の新オレンジプランでも、難聴は危険因子の一つとされています。
 日本共産党都議団は、難聴と補聴器に関するアンケートに取り組み、五百四人から回答を得ました。聞き返すことが多くなった、広いところでの話し合いに参加したくない、サークルの中で皆の話が聞こえない、聞こえず適当に相づちを打っていることがあるなど、切実な声が寄せられています。
 六十五歳以上の二人に一人が難聴で、生活の質の低下につながるという実態や難聴が認知症のリスクの要因であるという指摘がある中、こうした多くの高齢者の声を踏まえて、知事の高齢社会における聞こえのバリアフリーの重要性について認識を伺います。
 現状では、両耳聴力が七十デシベル以上など、かなり重い難聴でなければ障害認定による補聴器購入補助が受けられません。
 WHOは、聴力が中等度難聴の四十一デシベル以上の場合に、補聴器の使用を推奨しています。
 私は、慶應大学耳鼻咽喉科の小川郁教授からお話を伺いましたが、補聴器は、難聴が進行してからの使用ではなく、なるべく早く使用することが必要だとおっしゃっていました。
 そこで、聴力低下が見られる方への早期からの補聴器使用の重要性について認識を伺います。
 加齢性の難聴はゆっくりと進行するため、自覚しにくく、気づくのがおくれがちになります。早期の補聴器使用につなげるためには、早期発見が必要です。そのための聴覚検査が重要であり、健診メニューとして広がるよう支援することを求めておくものです。
 補聴器使用によって、生活の質を改善するために重要なのは、その人に合わせて補聴器を調整することです。しかし、必要な調整が行われていない方が多いことが大きな課題です。
 こうした調整を行う専門家が認定補聴器技能者です。補聴器を調整するフィッティングと脳が補聴器の音に訓練され、音を聞き取れるようにするトレーニングを一体的に行うことで、本人の聞こえに合わせて聞き取れるようにしていきます。このように調整を行うことが重要だと思いますが、認識を伺います。
 補聴器の購入費は、補聴器相談医が記入した補聴器適合に関する診療情報提供書を認定補聴器技能者がいる店舗に提出して購入すれば、医療費控除の対象となりますが、ほとんど知られていません。また、補聴器相談医や認定補聴器技能者が少なく、一人もいない自治体があるなどの課題もあります。
 専門的知見を持った補聴器相談医や認定補聴器技能者に都民がアクセスしやすいように都として支援すべきですが、いかがですか。
 補聴器の普及を進める上での一番の課題は、補聴器の金額が高いことです。私たちのアンケートには、購入額が高いのでまだ聞こえる耳の方は我慢して片耳のみ入れている、価格が高いので手が出しにくいなどの声が寄せられています。本当に切実です。
 先ほど紹介した小川教授は、特に所得の低い人への経済的サポートが普及のためには必要だと強調されていました。アンケートでも、補聴器を使用してみようと思う動機になるもののトップは、購入費補助制度でした。
 都は現在、高齢社会対策区市町村包括補助により、区市町村が行う補聴器の支給や購入費助成への補助を行っていますが、この包括補助の拡充や補聴器購入費補助の創設が必要だと考えます。
 都は、補聴器使用を進めるための支援の充実にどのように取り組んでいくのか伺い、答弁を求め、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 池川友一議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、子供の権利と子供の意見の尊重の点についてのお答えでございます。
 子供は、大いなる可能性を秘めたかけがえのない存在でございまして、あらゆる場面において権利の主体として尊重される必要がございます。
 また、子供の年齢及び発達の程度に応じまして、その意見を尊重するとともに、子供の最善の利益を実現するということは重要であります。
 都は、子供・子育て支援総合計画におきまして、全ての子供たちが個性や創造力を伸ばして、社会の一員として自立する環境を整備充実することなど三つの基本理念を掲げており、子供や子育て家庭を支援する環境の整備に取り組み、今後とも、子供たちの育ちを支えられますように、施策を総合的に推進してまいります。
 青少年支援に係る専管組織の設置についてのお尋ねでございました。
 都はこれまでも、その時々の行政課題に応じまして、適宜適切な組織の見直しを行って、常に効果的、効率的な執行体制の確保を図ってまいりました。
 こうした考え方に基づいて、平成三十一年四月に、青少年施策を担当する部署におきまして、ひきこもり支援施策を他局へ移管するなどの組織改正を実施したところであります。
 現在、東京二〇二〇大会後の組織全体のあり方につきましては検討を行っているところでございまして、引き続き、都政を取り巻く環境変化を踏まえつつ、適切な執行体制の確保に努めてまいります。
 次に、高齢社会における聞こえのバリアフリーについてのご質問がございました。
 国の研究機関の調査におきますと、六十五歳以上の高齢者のおよそ半数に難聴があると推計されるなど、多くの高齢者にとりまして難聴は身近な問題、こうした方々が必要な情報を容易に入手できる環境の整備を進めていくことは重要と考えます。
 こうしたことから、都は、情報バリアフリーガイドラインを策定いたしまして、高齢者等から意見をお聞きしながら、聴力の弱い方々にとりまして聞こえやすい環境の整備を行う事業者等の取り組みを促進しておりまして、今後とも、高齢者の聞こえの支援を推進してまいります。
 その他のご質問につきましては、教育長及び関係局長からの答弁とさせていただきます。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 校則などにかかわる六点のご質問にお答えいたします。
 まず、校則にかかわる生徒の指導についてでございますが、校則にかかわる生徒への指導に当たっては、教員が、生徒一人一人の人権を尊重した上で、生徒に寄り添いながら、生徒の納得が得られるようきめ細かく指導し、生徒の学ぶ機会を確保していくことが大切であると考えております。
 次に、校則の変更についての生徒の意見の扱いでございますが、校則は生徒の状況等に応じて、必要かつ合理的な範囲で遵守すべき学習上及び生活上の規律として定めております。
 校則の変更に当たっては、学校は生徒等の意見を聞くなど、さまざまな状況を踏まえることや、生徒等に校則への理解を促す指導をすることが大切であります。
 次に、校則や学校のルールの見直しについてでございますが、校則は必要かつ合理的な範囲で定めた生徒が遵守すべき学習上及び生活上の規律であり、学校生活を送る上で重要な役割を果たしております。
 このため、生徒の意見や保護者の意識、社会状況等を踏まえ、適宜、校則の見直しを行うことが必要と考えております。
 次に、都立高校の制服についてでございますが、平成二十八年度に実施した調査によると、都立高校等百九十六校中、制服を指定している学校が百六十四校、標準服を設けている学校が十六校であります。そのうち、スカートとスラックスの選択可能な学校は九十三校であります。
 次に、学校教育のあり方についてでございますが、学校は子供たち一人一人が互いに認め合いながら、自分らしく輝いて生きていくことができるよう、人権尊重の理念に立って教育を行う必要がございます。
 ご指摘の男女平等や性的指向、性自認に係る配慮等についても、各学校では、個々の子供の実情に応じて対応を行っております。
 引き続き、子供を取り巻く環境や社会情勢の変化等も踏まえながら、丁寧に取り組んでまいります。
 最後に、都立高校の校則の公開についてでございますが、都立高校が中学生に向けて、目指す生徒像や学校の特色を初め、学習内容、卒業後の進路先、校則を含む生活指導の基本方針など、さまざまな学校生活にかかわる情報を提供していくことは重要であり、各学校においては、入学を希望する中学生とその保護者を対象とした学校説明会等の機会を通して、これらについて説明しております。
 なお、都教育委員会は、中学生が学校を選択する際の参考となる情報の発信を充実するため、ホームページの改善を進めているところでございます。
〔政策企画局長梶原洋君登壇〕

○政策企画局長(梶原洋君) 計画等への子供や若者の意見の反映についてお答えをいたします。
 お話にもありましたが、二〇二〇年に向けた実行プランの策定に当たりましては、職員が都立学校へ出向いて出前授業を行うなど、生徒の皆様の意見を直接伺っております。
 こうした例を初め、子供や若者の意見についてはさまざまな機会を通じて伺っているところでございます。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、早期からの補聴器使用についてでありますが、日本耳鼻咽喉科学会では、加齢による聴力低下があっても、早期のうちに補聴器を使用することで聞こえを取り戻すことは可能としています。
 このため、聴力低下が見られる方にとって、早期からの補聴器使用は、日常生活の質の向上を図る上で有効なものと認識しております。
 次に、補聴器の調整についてでありますが、日本耳鼻咽喉科学会では、聴力検査の結果が同じでも、補聴器をつけた状態での聞こえは一人一人違うため、聞こえ方に応じてさらなる調整を加えるとともに、適切に調整された補聴器でトレーニングを行うことが大切であるとしており、調整は重要なものと認識してございます。
 次に、補聴器相談医や認定補聴器技能者についてでありますが、日本耳鼻咽喉科学会では、補聴器の必要性や効果の判断に当たっては、聴力障害と補聴器の両方を熟知した、補聴器相談医の診察を受けることを勧めています。
 また、家庭用医療機器の一つである補聴器を安全で効果的に使用できるよう、公益財団法人テクノエイド協会は、所定の研修を履修し、試験に合格した者を認定補聴器技能者として認定しております。
 都は、国の指針を踏まえ、区市町村職員を対象とした研修の中で、認定補聴器技能者が在籍し、相談医と連携している販売店等の情報を掲載した協会のホームページ等を紹介しており、今後も情報提供してまいります。
 最後に、補聴器の使用についてでありますが、高齢者も含め、身体障害者福祉法により認定を受けた難聴者に対しましては、障害者総合支援法の補装具費支給制度に基づき、区市町村が補聴器の購入にかかる費用を支給し、国及び都がその経費の一部を負担しております。
 また、耳鼻咽喉科の受診を義務づけるなど、独自の基準を設け、低所得の高齢者等に対して補聴器の支給等を行っている区市町村を、都は包括補助で支援しており、引き続き、聞こえの支援など、区市町村の取り組みを支援してまいります。

○議長(尾崎大介君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後二時四十八分休憩

   午後三時十分開議

○議長(尾崎大介君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 四十番関野たかなり君
〔四十番関野たかなり君登壇〕

○四十番(関野たかなり君) 多様化する教育方法についてお伺いします。
 同世代の子供たちと比べても並外れた成果を出せるほどの突出した才能を持つ子供のことを、ギフテッド、タレンテッド、ジーニアスなどといいます。
 これらのすぐれた資質を持つ子供は、学問、芸術性など多岐にわたる分野において高い潜在能力を持っております。このようなすぐれた資質を有する子供たちの力を伸ばすには、通常の学校教育とは異なる特別な教育や接し方が必要になります。
 ギフテッドなどのような子供たちの発見については、教育専門の博士、臨床心理士や教育スペシャリストなどの豊富な知識や経験による判断が必要であります。ギフテッドの中には、発達障害や学習障害、いわゆる2Eの方もおりますが、専門家でなければ、その見きわめは難しいところであります。
 平成二十七年六月に行われた文科省の教育課程企画特別部会でも、単なる平等だけではだめ、そういった飛び抜けた優秀な子供、あるいは、アンバランスはあるけれども高い能力を持っている子供たちの教育を行っていくことも、教育の公平性、公正性の担保であり、必要だと思っていますとの発言もありましたが、結果的には、国は取り入れておりません。
 小池知事は常々、国がやらなければ東京がやるとおっしゃっております。所信表明においても、人の力を最大限に引き出すや、世界に羽ばたくグローバルな人材育成に向け、より高度な学習の機会を提供するとも発言をされました。
 現在のままだと、このようにすぐれた資質を有する子供は日本から海外へ流れてしまうこととなり、ひいては、研究成果や発明などが海外の実績となり、将来的には日本の利益を損なうおそれもあります。
 そう考えると、日本国内でも専門の教育方法の導入が必要と考えますが、すぐに確立できるものではないため、まずは導入に向けての研究を行い、特区を用いて実施をするか、知事会などで同意してもらい、国へ提言することが必要と考えております。
 この点については要望といたしますが、今後、東京の発展の原動力である人の力を最大限に生かすために、すぐれた資質を有する子供たちの力を伸ばす教育が重要であると考えますが、知事の見解をお伺いいたします。
 次に、主権者教育についてです。
 現在の校則においては、学校長の責任で変更が行われる状況にありますが、近年の変更などは少ない状況にあります。
 理由としては、今までの校長がつくってきた校則を変えるのが難しい、面倒などの意見が多くありました。
 また、一時期問題となったモンスターペアレンツ対策として、校則を変更したなどの対応もある中、教育基本法でも、幅広い知識と教養、自律の精神などと書かれていることを考えると、自主性、自立性を育てるため、生徒自身が守らなければならない校則などについても意見を述べられる状況をつくり、生徒のみならず、親、地域の意見をもとに、生徒会の責任で校則の変更を学校長へ要望できるよう、生徒会などで検討を行うことの研究が必要と考えております。もちろん権利には責任が付随するということが前提であります。
 また、国においては、二〇一六年に選挙権年齢を二十歳以上から十八歳以上に引き下げる法改正の趣旨に、若い世代に未来の日本のあり方を決める政治に参加してほしいという意図があるとの話もあることから、選挙権年齢が近い高校生などに校則変更提案が可能になることで、自分たちの意見が少しでも受け入れられ、変更されることを体感できることにより、自主性を育て、政治参加をしやすくすることも一理あるとしての質問です。
 そこで、都立高校における主権者教育の中で、生徒の自主性や自立性を育み、自分の意見を表明することを通して、自分や集団、地域などの課題を主体的に解決していく能力を身につけることが重要であると考えますが、都教育委員会の取り組みと考えをお伺いいたします。
 次に、消防団の福利厚生についてです。
 日々の仕事に従事する傍ら、災害時の初期消火や救出救助活動など、地域に根差した活動を行う消防団の役割は極めて重要であります。団員の確保に向けては、PRの強化だけでなく、報酬や福利厚生の充実など、活動環境の整備を含めた多面的な取り組みが不可欠でありますが、消防団においては、特別区に関しては東京消防庁が、多摩・島しょの地域においては各市町村がその事務を行うこととされており、消防団員に対する支援の内容は市町村ごとにさまざまであります。
 例えば、消防団員の確保に向けた募集活動なども、東京消防庁や各市町村がそれぞれ実施しているため、その取り組み内容にばらつきがあると聞いております。
 一方、福利厚生の面では、消防団員が登録した店舗などで割引サービスを受けることができる消防団応援の店事業を一般社団法人東京都消防協会が提供しており、都内の消防団員が一律で利用できるサービスとなっております。
 しかし、飲食店が中心であり、遊園地や映画館など娯楽施設や美術館などの文化施設、公共交通機関などでの利用割引はまだまだ少ないと聞きます。都立、私立を問わず、こうした施設でも割引などが受けられるようになれば、消防団の福利厚生の充実にも資するし、施設側にとっても入場者の増加につなげられるのではないかと考えます。
 いずれにせよ、近年は団員の年齢も高齢化していると同時に、以前ならば、地元店主など自営業者や地域で働く団員が多かったですが、現在は、被用者、いわゆるサラリーマンも多くなってきており、また消防団員の総数も減少傾向にあります。今後、本格的な人口減少、超高齢化社会を迎えるに当たり、消防団員の確保はこれまで以上に難しい状況を迎えることが想定されています。
 そこで、都として、市町村などとさらに連携して消防団員の確保に努めるべきと考えますが、都の見解をお伺いいたします。
 次に、動物愛護法改正への対応についてです。
 今国会において、超党派の議員連盟の動物愛護法改正案が本日、参議院を通過しました。
 改正案には、ペットショップなどに対する犬猫のマイクロチップ装着の義務化、生後五十六日を経ない犬猫の販売禁止、飼育施設での繁殖回数に関する数値規制などの内容が盛り込まれています。
 今回の改正案の柱の一つは、マイクロチップの装着であります。これは、大地震など震災時に保護された犬猫の飼い主や、犬猫の盗難防止にも役立つとされております。また、飼い主責任を明確化する目的としても有効であり、犬猫の遺棄の未然防止にもつながります。
 一方、ペットの飼育に無責任な飼い主を減らすためには、マイクロチップによる責任の明確化ではなく、飼い主自身が動物を飼うことの責任を自覚することが重要と考えます。
 そこで、無責任な飼い主を減らすためには、飼い主への適正飼養、終生飼養を徹底させるべきと考えますが、都の見解をお伺いします。
 また、こうした飼い主の意識を高めるとともに、都の殺処分ゼロを達成してきた取り組みと蓄積を全国に広げるため、ガイドラインとして取りまとめるべきと考えますが、都の見解をお伺いいたします。
 これは意見としてですが、今後、技術革新が進み、動物のDNA登録が広く普及されれば、どの個体から繁殖したかがわかり、事業者や飼い主の特定が可能になるのではないでしょうか。そうすれば動物が無責任に捨てられることなく、動物もより幸せに暮らすことができる社会がもたらされると期待しております。
 一方で、動物を嫌いな方もいることを忘れてはなりません。そのため、現状、どこでもとはいきませんが、動物を飼う全ての方が最後までペットを飼い、しっかりとしたしつけができるようになれば、今よりも多くの場所でペットと楽しい時間を過ごすことができると考えます。
 次に、ゼロエミッション東京についてです。
 本年五月、都が議長都市として開催したU20メイヤーズ・サミットで、知事が二〇五〇年にCO2実質ゼロに貢献するゼロエミッション東京を実現すると宣言いたしました。
 世界でも、パリ協定の一・五度目標を追求する動きが活発化しており、既にロンドンやロサンゼルスなどが二〇五〇年までにゼロエミッションとする目標を打ち出しております。
 一方で、日本政府は、パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略(仮称)(案)で、二〇五〇年までの温室効果ガスの排出を八〇%削減、今世紀後半の早い時期までに実質ゼロとしており、都が国に先駆け意欲的なビジョンを打ち出し、世界の大都市としての役割を果たす意義は非常に多いと考えます。
 そこで、二〇五〇年にゼロエミッション東京を目指すというのは非常に高い目標であり、この実現には、都の今後の施策構築ももちろん重要ですが、まずは都民、住民、事業者の皆さんに都のビジョンに共感してもらい、一緒に行動してもらうよう、多様な主体を巻き込んでいくことが重要と考えますが、都の見解をお伺いいたします。
 次に、水素エネルギーの情報発信についてです。
 ゼロエミッション東京の実現のためには、再生可能エネルギーの普及拡大や省エネルギーの推進に加え、水素エネルギーの活用も重要と考えております。水素エネルギーは、燃料電池自動車などモビリティー分野で利活用が広まりつつありますが、産業分野や電力分野などにおいて大きな可能性を持ちます。
 また、水素蓄電も活用し、再生可能エネルギー由来の水素エネルギーの利用が広まれば、CO2の削減に大きく貢献ができます。
 しかし、水素エネルギーの多様な可能性について、都民や事業者に十分に周知されているとはいいがたい状況にあります。
 都は、こうした水素エネルギーの将来性について、企業とも連携を図りながら、積極的に情報の発信をしていくべきと考えますが、今後の取り組みを知事にお伺いいたします。
 先ほどのペットのところで時間がないので飛ばしましたが、やはり発言をしたいと思いました。
 世界には、ペットに理解のある国は多く、しつけができていることで、ペットと電車に乗れる国も多くあります。日本では、まだ難しい状況にあります。もちろん、日本でもペットバックに入れれば可能となっている鉄道会社もあるなど、少しずつ理解が浸透しております。
 私は、人と動物との調和のとれた共生社会を実現するため、さらなる議論や研究が進むことを願っております。
 以上をもちまして私の一般質問を終わりにいたします。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 関野たかなり議員の一般質問にお答えいたします。
 すぐれた資質を有する子供たちの力を伸ばす教育についてのお尋ねがございました。
 教育は、未来を担う子供たちの人生の礎となるものであり、全ての子供たちが学び、成長し続けられますよう、きめ細かな教育を進めることは重要であります。
 それとともに、グローバル化の進展など、加速度的に変化する今日の社会状況におきましては、子供たちが有する特質を伸ばして、新しい価値を創造する力を育む教育を推進することも大切であります。
 現在、教育委員会では、子供たちの理数に対する意欲や、また能力を伸ばすために、小学生科学展や中学生科学コンテスト、高校におきましては理数研究ラボ等を実施いたしております。都立高校生の中には、国際的な科学技術コンテストに参加をして優秀な成績をおさめた生徒もいます。
 また、障害のある子供たちの美術的才能を引き出すことを目的といたしまして、大学と連携をしてアートプロジェクト展を開催いたしております。特別支援学校の卒業生の中には、国内外で芸術的な能力を認められて活躍している人物もおられます。
 こうした取り組みの成果などを踏まえまして、今後もすぐれた資質を有する子供の力を伸ばす教育の一層の充実に向けて、教育委員会とも力を合わせて取り組んでまいります。
 次に、水素エネルギーの情報発信についてのご質問がございました。
 水素は、利用の段階で二酸化炭素を排出しない、また、太陽光発電による水の電気分解やバイオマスなどからも製造できますので、環境の面でも、エネルギーセキュリティーの面におきましても、将来性の高いエネルギーでございます。
 こうした水素エネルギーの普及につきましては、都民や事業者にその大きな可能性を伝えていくことが重要と考えます。
 都はこれまで、セミナーの開催や動画の配信などでPRを行ってまいりましたが、今後は、都と百以上の水素関連企業等で立ち上げましたTokyoスイソ推進チームでの情報発信をより一層強化してまいります。
 今年度は、羽田空港など人が多く集まる場所におきまして、最新型の燃料電池を展示するとともに、公園などで再生可能エネルギー由来の水素を活用いたしまして、ライトアップ等を実施するなど、先進技術の発信を行ってまいります。
 また、東京二〇二〇大会後のまちづくりで水素エネルギーを活用する選手村地区でも、大会時に日本の環境技術をPRしてまいります。
 こうした取り組みを通じまして、都民に水素エネルギーの将来性を実感していただいて、さらなる利活用の拡大につなげてまいります。
 残余のご質問につきましては、教育長及び関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 都立高校における主権者教育の取り組みについてでございますが、高校生が国家、社会の有為な形成者となるためには、社会の課題を自分のことと捉え、多面的、多角的に考察し、主体的に判断する能力を育成することが重要でございます。
 そのため、各学校では、国や都教育委員会が作成した有権者としての自覚を促す指導資料や、複数の全国紙等を授業で活用するなどして、生徒同士の活発な意見交換を促し、公正な判断力を育んでおります。
 また、ホームルーム活動や生徒会活動等で学校や地域の課題を扱い、集団や社会に主体的に参画しようとする態度を培っております。
 今後、都教育委員会は、こうした取り組みへの支援を継続するとともに、生徒の発案による選挙への投票を住民に促す活動など、すぐれた実践事例を全都立高校に発信するなどして、主権者教育の一層の充実を図ってまいります。
〔総務局長遠藤雅彦君登壇〕

○総務局長(遠藤雅彦君) 消防団員の確保に向けた取り組みについてでございますが、消防団は、地域防災力のかなめとなる存在であり、災害時に一人でも多くの命を救うためには、地元を熟知し、即時対応力のある消防団員の人材確保が重要でございます。
 一方、都内消防団の充足率は低下傾向にあり、特に若い世代の入団促進や定着支援が課題となっております。
 このため、都では、市町村等の取り組みを補完する立場から、防災ツイッターや鉄道の中づり広告等を効果的に活用することで、市町村等の団員確保活動を支援しております。
 今後、消防団員の確保が一層厳しい環境を迎える中にあっても、各市町村等が必要な団員数を確保できるよう、都は引き続き、市町村や消防団員のニーズを的確に捉え、入団促進に向けた情報発信や活動環境の整備等、さまざまな観点から団員確保活動を支援してまいります。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 動物愛護政策に関するご質問にお答えいたします。
 まず、動物の飼い主への啓発についてでありますが、動物が人と一緒に生活する存在として社会に受け入れられるためには、飼い主が社会的責任を十分に自覚して、動物を適切に飼うことが必要であります。
 このため、都は、動物の飼い方に関するパンフレット等を作成し、イベントや講習会等で配布するなど、適正飼養、終生飼養についての啓発を行っているところでございます。
 また、昨年十一月には、東京都動物情報サイト、ワンニャンとうきょうをリニューアルし、飼い主に役立つ情報や理解しておくべきことをわかりやすく説明したページを新設し、情報提供を充実しております。
 今後とも、区市町村、動物愛護団体、ボランティア等の関係者と連携をしながら、適正飼養、終生飼養の徹底に向け、動物の飼い主への普及啓発を進めてまいります。
 飼い主による適正飼養、終生飼養の徹底は、動物の殺処分ゼロを継続していく上での基本となることであり、人と動物との調和のとれた共生社会の実現に向けて、引き続き、動物愛護政策の充実に取り組んでまいります。
 次に、ガイドラインについてでありますが、都は昨年度、都民やボランティアの方々の協力を得て、殺処分ゼロを達成いたしました。お話のように、こうした取り組みを広めることは飼い主への普及啓発においても意義があるとともに、同様の取り組みを進める他団体の参考にもなると考えております。
 都は、これまでの取り組みや蓄積したノウハウを、獣医療の専門家やボランティアの意見も参考としながら、年度内にガイドラインとして取りまとめ、広く発信してまいります。
〔環境局長吉村憲彦君登壇〕

○環境局長(吉村憲彦君) ゼロエミッション東京に向けた取り組みについてでございますが、気候変動は、あらゆる主体の活動に起因し、その影響を受けることから、事業者、都民、区市町村、NGOなどが幅広く問題の解決に参画することが必要でございます。
 今後、都は、具体的戦略をまとめてまいりますが、まずは都庁みずからがプラスチックの削減やZEVの導入対策などを実践し、先導役となって、多様な主体に協力を求めてまいります。
 七月には、新たに専用のホームページを立ち上げ、省エネや資源循環など、あらゆる分野の取り組みを一括して紹介するとともに、対策の必要性や取り組み事例をわかりやすくまとめたパンフレットを企業や大学に送付するなどにより協力を呼びかけ、行動を喚起してまいります。
 都民や事業者の共感と協力を得ながら、大きなムーブメントを創出し、ゼロエミッション東京を目指してまいります。

○議長(尾崎大介君) 二十五番保坂まさひろ君
〔二十五番保坂まさひろ君登壇〕

○二十五番(保坂まさひろ君) 初めに、受動喫煙防止施策について伺います。
 東京都受動喫煙防止条例が来年四月に全面施行となることで、屋外での喫煙者が増加することによる喫煙環境の整備も喫緊の課題となっております。
 私は、台東区議会議員でしたときから、屋外の公衆喫煙所のあり方について、区とともに協議をしながら改善を図ってまいりました。特に駅前や繁華街では、通行者が煙を強制的に吸わざるを得ない環境が目立ち、改善が求められていますが、財政面などを主な理由に、十分進んでおりません。
 こうした状況を踏まえ、私たちはこれまで、都条例制定を目指すと同時に、区市町村への公衆喫煙所整備の支援も都に対して要望してきました。
 それを受けて都は、地域の実情に応じて区市町村が取り組む、屋内外の公衆喫煙所の整備に要する経費の補助について予算化されたことは、大変意義深いものであります。
 都は、区市町村に対して、今月十四日を締め切りに、公衆喫煙所の整備支援の計画を募っていますが、整備が計画どおり年度内で完了するよう、財政面だけでなく、受動喫煙を生じさせない環境を整備できるよう支援すべきと考えますが、現在の状況と都の見解を伺います。
 昨日の我が党の代表質問で、飲食店事業者に対して、条例施行に向けての周知徹底について質問し、福祉保健局長から、各区市町村と連携して対応するとの力強い答弁をいただきました。
 都も独自に都民に対して普及啓発を実施していくとしていますが、年度内に都内全体へ確実に普及させていくためには、区市町村とのさらなる連携が必要です。
 特に東京二〇二〇大会を前に、多くの都民や観光客などに条例を周知する必要がありますが、区市町村の商店街や観光関連の部署では十分理解されておりません。
 来年四月の都条例全面施行を前に、区市町村の各商店街や観光関連の部署とも情報共有するなど、我々がさまざまな角度から都内全般に条例の普及啓発を進めていくことが重要であると考えますが、都の見解を伺います。
 受動喫煙を防止するために独自の条例を定め、公園内を禁煙にすることを決断した自治体もある一方で、都立公園を含む多くの公園では灰皿を設置しているだけであり、十分な対策とはいえません。
 特に、都立日比谷公園のある千代田区は、子供の利用が多い区立公園を禁煙とし、罰則も適用しています。だからこそ、私はこれまで、環境・建設委員会を通じて、都立日比谷公園における受動喫煙対策の推進を求めてきました。
 それを受けて都は、公園内に複数設置されていた灰皿だけの喫煙場所を段階的に集約し、このたび、受動喫煙防止に効果のある喫煙所を民間企業の協力により整備されたことは評価をいたします。
 今後、日比谷公園を前例として、特に多くの利用者が集う都立公園に対しては、地元自治体とも連携し、対策をより積極的に進めていく必要があると考えますが、都立公園における今後の受動喫煙対策について見解を伺います。
 さらに、子供のみならず、お花見やイベントの開催時期などにも、人が密集する場所は禁煙エリアとした上で、そのようなルールが誰の目にも一目でわかるような周知を図る工夫が必要であると考えますが、あわせて所見を伺います。
 次に、暑さ対策に欠かせない水の活用について伺います。
 都が平成二十九年度から進めている東京二〇二〇大会に向けた暑さ対策推進事業は、東京二〇二〇大会をきっかけに、東京の暑さ対策をレガシーとして長きにわたり活用していくという趣旨で、ミストなどの設置を支援する事業と理解しています。
 今年度は対象地域を拡大し、二億円の予算を計上されたことに、環境局の意気込みを感じます。
 私も、これまで都が支援しましたミストの設置箇所を訪れましたが、サラリーマンや親子連れ、特に多くの外国人旅行者が利用されている光景を目にし、その効果を改めて認識しました。
 そこで、東京二〇二〇大会をきっかけに、東京の安全・安心な水道水を利用する微細ミストの普及促進に向けて、積極的に区市町村や事業者を支援していくことが東京の暑さ対策を進めていくためにも必要不可欠であると考えますが、都の見解を伺います。
 東京の水道水は、長年にわたる水道局による技術革新で、非常においしく飲める水へと進化しました。
 また、国内最大級の水道水専用ダムである小河内ダムは、流域の水道水源林の徹底した管理によって健康な森が保たれ、良質な水を確保していることも、先日、現地を視察して改めて認識しました。
 東京二〇二〇大会をきっかけに、東京を訪れる多くの方に、世界に誇る東京の水道水の品質を知っていただき、酷暑の中、命を守るためにも、東京の水を提供することは必要不可欠であります。
 東京二〇二〇大会の持続可能性に配慮した運営計画でも、SDGsへの貢献が示されており、安全な水へのアクセスを実現している都の取り組みとしても、多くの方に水道水の品質を体験してもらうことは、その方向性とも合致しています。
 これまで都は、可動型の水飲み栓を活用し、国際会議やイベント場で水道水を気軽に飲んでいただくだけでなく、マイボトル利用促進による環境配慮への取り組みも展開しています。
 都は、ことしの夏にも、東京二〇二〇大会に向けた複数のテストイベントでさまざまな暑さ対策の試行や検証を実施するとしていますが、その中で可動型水飲み栓なども活用して東京の水道水の提供を行い、大会時の暑さ対策に向けた検証も行うべきと考えますが、見解を伺います。
 続いて、東京BRT、バス高速輸送システムについて伺います。
 都心と選手村を有する晴海地区、人口増加が著しい豊洲、有明地区を結ぶ交通手段として期待される東京BRTのプレ運行がいよいよ来年に迫りました。プレ運行では、虎ノ門から新橋駅、勝どきを通り、晴海二丁目までの一区間のみで、ピーク時は一時間六便程度、四百五十名を輸送することが計画されています。
 都は、今年度のBRT関連予算として十七億円を計上しており、主に施設の整備などに充てるとしています。
 今後、高い技術に裏打ちされた東京の社会システムの一つとして構築していくBRTを、次世代に残る大きな資産となるよう、都は、BRT運行主体として経験豊富な運行事業者を選定し、運行事業者が新会社を設立することとしました。
 BRT事業計画実施に向けての現在の準備状況と今後の都のかかわり方について見解を伺います。
 BRT成功のポイントは、通常のバス交通より進化した、まさにBRTが持つメリットである速達性、定時性の確保や輸送能力の増大が実現できるかどうかです。
 東京BRTは、象徴ともいえる連結バスの輸送能力が都バスの約一・五倍、また、スムーズな乗降システムの構築や、限られた都内の道路空間を有効活用することも期待されています。先日、BRTの社会実験をしているアメリカ・ピッツバーグ市や福岡県福岡市を視察しましたが、特に両市が採用しているバス優先もしくはバス専用レーンの高い有用性を確認しました。
 都は、東京二〇二〇大会後の本格運行に向けて、レーンの確保が難しい場合、道路の利用効率を向上させる施策として、交通状況に応じて信号を制御するPTPS、公共車両優先システムの導入なども検討していく責務があると考えますが、都の見解を伺います。
 BRTの事前告知も含めた広告活動は、主に運行事業者が中心に進めていきますが、運用開始を来年に控えた現状では、PRがまだまだ弱いといえます。
 二〇二二年にスタートする宇都宮LRTは、宇都宮市の新たな交通システムであり、官民連携の新会社、宇都宮ライトレール株式会社も、昨年からホームページを立ち上げ、市も積極的に情報を発信し、市民の認知度や期待も日に日に高まっております。
 都も、都市整備局のホームページでプレスリリースなど情報発信していますが、ほかの事業の情報も発信されるので、多くの情報の中に埋もれてしまっています。
 都も、専用ホームページもしくはBRTコーナーをつくるなどして、BRT情報の一元化を図り、随時情報を更新するなどして、利用者や都民、さらに一般ドライバーや沿線の地元住民に対しても、BRTに対して正しい理解と協力をいただけるように、運行事業者とも連携して広報する必要があると考えますが、見解を伺います。
 最後に、本日、無事満二歳を迎えて、中国への返還も来年十二月末と決まりましたパンダのシャンシャンで盛り上がる上野動物園について、今回は、ことし十月末に運行が休止となる上野動物園モノレールの今後について伺います。
 これまで六十年にわたり、幾度となく存続の危機を乗り越えてきたモノレールは、今なお年間約百万人の利用がある人気の乗り物であり、都民や地元の関心も高く、存続を望む多くの声が私にも寄せられています。
 今年度、モノレールの存続を含めたあり方の検討をする調査検討費が予算計上されたことは評価をいたします。
 モノレールの今後については、継続案や代替案など、検討内容を公表いただき、都民が検討の過程で意見を述べる機会を得られるなど、都民の理解を得られるように検討を進めていくべきと考えますが、見解を伺います。
 モノレールが休止となることし十一月以降、都は、環境に配慮したEV、電気自動車を導入するとしていますが、モノレールの輸送能力をカバーするには、普通乗用車サイズでは難しいといえます。
 そこで、電気バスであれば、一度に多くの利用者を輸送でき、さらに、都でもいまだ普及が進まない電気バスの導入として、宣伝効果も非常に高いと考えますが、知事の見解を伺い、私の質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 保坂まさひろ議員の一般質問にお答えをいたします。
 恩賜上野動物園の電気バス導入についてのご質問でございました。
 上野動物園は、上野の文化の森の中にあって、昨年度で約五百万人もの来園者を国内外からお迎えをしております。
 東園と西園をつなぐモノレールですが、年間約百万人の方にご乗車いただいております。昭和三十二年の運行開始から長年にわたって親しまれてまいりましたが、ことし十月で運行を休止することとなりました。
 都は、運行休止から約半年間、天然ガスを燃料といたしますCNGバスを活用した後、動物にも人にも優しい環境に配慮したゼロエミッションの電気バスを導入の予定でございます。
 このバスは、車椅子利用者を含め、誰もが乗りおりしやすいノンステップ式で、一度に多くの方にご乗車いただけるものでございます。
 外観は、上野らしいパンダのラッピングといたしまして、動物園を訪れる全ての方々に親しみを感じていただけるようにしてまいりたいと考えております。
 引き続き、上野動物園の魅力向上に向けまして、取り組みを進めてまいります。
 その他のご質問につきましては、東京都技監及び関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔東京都技監佐藤伸朗君登壇〕

○東京都技監(佐藤伸朗君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、BRT事業の準備状況と今後の都のかかわり方についてでございますが、BRTにつきましては、開発が進む臨海地域での交通需要に速やかに対応するために、早期に運行開始ができるよう、事業計画に基づき、都としても準備を進めております。
 今年度は、来年度からの先行的な運行開始に向け、停留施設工事を着実に実施するとともに、運行計画等について、運行事業者も含め、関係機関と調整を進めております。
 来年度以降は、環状第二号線本線開通後の本格運行に向け、運行系統の拡大に合わせて、車両基地や停留施設の整備を段階的に進めてまいります。
 引き続き、東京BRTが臨海地域の発展を支える交通機関となるよう、運行事業者とともに取り組みを進めてまいります。
 次に、BRTの本格運行に向けた交通対策についてでございますが、BRTを利用者にとって使いやすく魅力のあるものとするためには、速達性や定時性等にすぐれた交通機関にしていく必要がございます。
 このため、本格運行では、全ての扉での乗りおりや、車内で現金を取り扱わない運賃収受方式により停車時間の短縮を図ることに加えまして、交差点でバスの通過を優先させる、いわゆる公共車両優先システムの導入などを図ってまいります。
 これらの取り組みにより、LRTや新交通システム並みの速度を目標とすることで、従来のバス交通にはない新たな輸送システムを実現してまいります。
 最後に、BRT事業の広報活動についてでございますが、これまで、事業計画の公表、名称や車両デザインの公募など、各段階で都民などへ幅広く情報を提供してまいりました。
 来年度からの先行的な運行を控え、今後、さらに東京BRTの魅力や運行情報などを内外に幅広く発信していく必要がございます。
 このため、東京BRTのコンセプトやルート、運行ダイヤ、停留施設の位置情報などを紹介するホームページを、運行事業者と協力して今年度中に作成するとともに、SNS等を活用して積極的に情報発信してまいります。
 これらにより、東京BRTが利用者にとって使いやすく魅力のある交通機関として認知されるよう、運行事業者と連携して取り組んでまいります。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、公衆喫煙所の整備についてでありますが、都は、屋内外の受動喫煙を防止するため、昨年九月から、区市町村が行う公衆喫煙所の整備への補助を開始しており、今年度は、現時点で三十六自治体で約三百カ所の整備が見込まれております。
 また、区市町村を対象とした説明会で、壁の高さや排気口の位置等、公衆喫煙所を整備する際の技術的留意事項を周知しているところでございます。
 さらに、喫煙に関するルールや公衆喫煙所マップの作成など、区市町村が実施する普及啓発への支援も行っており、引き続き、区市町村と連携協力しながら、受動喫煙防止対策を一層推進してまいります。
 次に、受動喫煙防止条例の普及啓発についてでありますが、都は、条例の趣旨や規制内容の理解促進を図るため、事業者や助言指導を行う保健所設置区市等を対象とした説明会を開催しております。
 また、条例の内容を解説する動画やポスターを作成するほか、ハンドブックやシール型の標識を活用して、事業者に丁寧に説明するなど、制度の周知を図っているところでございます。
 こうした取り組みに加え、条例の実効性を高めるためには、ビジネスや観光で東京を訪れる方にも、新たなルールの内容等を広く理解していただくことが重要であると考えております。
 今後、関係各局や区市町村の関係部署、民間の関係団体等とも連携し、地域の商店街や観光案内施設等の場を活用した制度周知への協力を依頼するなど、さまざまな機会を捉えて、受動喫煙防止対策の普及啓発を進めてまいります。
〔建設局長三浦隆君登壇〕

○建設局長(三浦隆君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 初めに、都立公園における受動喫煙対策についてでございますが、公園は、都民の憩いの場であり、子供も多く利用する施設であるため、受動喫煙対策の取り組みを進めることが重要でございます。
 都立公園では、喫煙に関するルールを定めまして、歩きながらの喫煙や妊娠中の女性、子供の周囲で喫煙をしないよう、園内掲示板等で周知するとともに、巡回時に注意を促すなど、マナー向上に取り組んでおります。
 また、公園利用者の声や園内の利用状況に応じまして、主要な園路沿いや子供が使用する遊具の周辺にある吸い殻入れを撤去し、受動喫煙の防止に努めております。
 今後とも、公園内での喫煙マナーの向上を図るとともに、それぞれの公園の利用状況に応じまして、関係機関とも連携を図りながら、受動喫煙対策を行ってまいります。
 次に、受動喫煙対策の周知についてでございますが、これまで都立公園では、喫煙ルールを園内掲示板やホームページ等で周知しておりまして、特に多くの方が訪れるお花見やイベントの際には取り組みを徹底しております。
 例えば、上野恩賜公園では、お花見を楽しむ区画は禁煙といたしまして、外国人にもわかりやすいピクトグラムを使ったルールの掲示や、喫煙箇所の園内案内板への表示を行うとともに、巡回時に注意を促しております。
 また、イベント開催時には、囲いのある仮設喫煙所の設置や、来場者への喫煙ルールの徹底などを主催者に指導しております。
 今後とも、それぞれの公園の利用状況に応じ、工夫して周知をするなど、引き続き、受動喫煙対策に取り組みまして、誰もが快適に過ごせる公園づくりを進めてまいります。
 最後に、恩賜上野動物園モノレールの今後のあり方についてでございますが、モノレールは、開業から六十一年が経過し、車両等の老朽化によりまして、本年秋に運行を休止することといたしました。
 都は今年度、モノレールの休止に際しまして、運行を担う交通局と連携を図りながら、車両更新や代替方策につきまして、輸送能力、走行音の大きさ、動物への影響、コストなど、さまざまな観点から検討を行います。
 また、来園者等にも意見を聞くとともに、パブリックコメントを実施するなど、都民の理解を得られるよう努力をしてまいります。
 引き続き、上野動物園の魅力向上に向けて、積極的に取り組んでまいります。
〔環境局長吉村憲彦君登壇〕

○環境局長(吉村憲彦君) 微細ミストの普及促進についてでございますが、微細ミストは、環境省によると、その効果として気温が約二度低下するとされており、都のモデル事業によるアンケート調査でも、約八割の方が涼しいと回答するなど、暑さ対策の有効な手法の一つでございます。
 東京二〇二〇大会に向けた暑さ対策推進事業では、平成二十九年度から、中央区など四エリアで、微細ミスト等を整備する自治体や事業者への補助を実施してまいりました。
 今年度はエリア数を倍増し、マラソンコースの折り返し地点であり、観光名所でもある浅草雷門付近を含む台東区を初め、四エリアにおいて整備を進めてまいります。
 こうした取り組みなどを踏まえながら、東京二〇二〇大会のレガシーとして、大会後も都民や観光客等の暑さを和らげる微細ミストの普及を促進してまいります。
〔水道局長中嶋正宏君登壇〕

○水道局長(中嶋正宏君) 東京二〇二〇大会に向けたテストイベントにおける飲み水、水道水の提供についてでございますが、当局では、関係局等と連携し、この夏のテストイベント時に、暑さ対策として設置される休憩所におきまして、水分補給のための水道水の提供を試行いたします。
 この試行では、大きさや形の異なる複数の紙コップを用意し、水を飲む利用者の割合、量、頻度、さらには使用後の紙コップの効果的な回収方法等について検証を行ってまいります。
 また、先月のU20メイヤーズ・サミットでも好評を得ました、マイボトルにも注げる可動型水飲み栓を活用し、水道水の安全性や品質の周知、環境配慮行動の促進に向けた工夫を行ってまいります。
 今回の試行で得られますデータなども踏まえまして、東京二〇二〇大会の暑さ対策として、より効果的、効率的に水道水の提供を行えるよう、検討をさらに進めてまいります。

○議長(尾崎大介君) 二十八番川松真一朗君
〔二十八番川松真一朗君登壇〕

○二十八番(川松真一朗君) 二〇二〇年大会まであと一年余りとなりました。新規施設も順次竣工してきており、大会準備に向けて総力を挙げて取り組んでいく時期となっています。
 とりわけ大会輸送については、大会成功の鍵を握るとともに、都民生活や経済活動の観点からも、きめ細かい対策が必要となります。開催都市としての役割と責任も大きいため、我が会派は以前から大会輸送について、さまざまな問題提起を行ってきました。
 都はこれまで、大会時の交通需要を抑制するためのTDMなどを推進するとともに、さらなる追加対策の検討について、国に対して要請してきてはいます。しかしながら、これらの対策が有効に機能するためには、事業者や都民の理解が前提であります。また、会場周辺の交通対策への理解のためには、地元自治体や地域の住民の協力が不可欠となります。さらに、物流や交通に一定の制約がかかることを経済活動や都市活動への影響を最小限にするための仕組みも必要なのはいうまでもありません。
 これから夏の試行期間を迎えるわけで、大会時の交通需要のきめ細かい予測をわかりやすく情報提供するとともに、事業者に具体的な取り組みを理解していただく重要な機会となります。
 そのため、知事が率先して輸送対策について発信し、都民に理解を得るために汗をかいていくことが重要であり、その成果を大会輸送計画に反映していくことが必要となります。
 そこで、二〇二〇年大会の輸送対策について、テストイベントでの取り組みや検証内容について、今後どのように大会本番に生かしていくべきか、また取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。
 この夏は、大会までの最後の夏となります。輸送における試行の取り組みに加えて、テストイベントも順次行われていきます。この夏以降のテストイベントでは、競技運営やセキュリティー、暑さ対策、ボランティア、観客誘導などの大会運営の検証の貴重な機会となります。
 さらに、組織委員会を初めとする関係機関との連絡調整や、危機管理対応なども実践的に確認する場となるでしょう。
 したがって、大会成功に向けて、このテストイベントにおいて、どのように実践的な検証の取り組みを進め、その成果をどう生かしていくのか、都の見解を伺います。
 今、世界の経済や人々の生活は、ICTの急速な進歩と、そこから生み出される新たなビジネスによって大きく変貌しつつあります。
 現在、グーグルやアップルに代表されるGAFAや、中国のアリババなどのBATHなど、いわゆるプラットフォーマーは常に世界の情報を集め、さらにそれを魅力的な商品に変えて、あらゆる国や民族の生活に深く食い込んでいます。もちろん、こうした国際企業が莫大な利益をそこから得ていることはいうまでもありません。
 また、金融の世界でのフィンテックや、行政においてもガブテックと呼ばれる改革が始まるなど、あらゆる分野でICTによるビジネス等の改革が進展しています。
 こうした改革の主力として、プラットフォーマーだけではなく、多くのベンチャー企業も躍進しています。アメリカのシリコンバレーや中国の深圳などはその典型例であり、大企業資本とベンチャー企業が巨大なビジネスを生み出し続けています。
 翻って、我が国はどうでしょう。かつては、我が国のICT技術は世界の最高峰にあり、世界中の人々が日本発の商品を利用していました。しかし今日、家電分野、パソコン分野、携帯分野など、次々にシェアを縮小し、我が国の技術は依然として評価は高いものの、残念ながら脇役的存在になってしまっているのが実情です。
 我が国経済のまさにエンジンである首都東京は、我が国がこうした世界のICTビジネスの国際競争において巻き返していくために、今後大きな役割を果たさなければならないと私は考えています。
 それは、ICTビジネスの世界に今大きな変革が起きており、再び国際競争が激化しているからであります。まさしく今は、我が国が世界からおくれてしまう最大のピンチでもあり、再び追いついていくチャンスでもあります。
 その一つは、5Gと呼ばれる高速大容量の通信基盤への移行が始まっていることにあります。AIやビッグデータ活用の時代においては、多くの情報やデータをより大容量で高速に送ることができる社会の通信インフラが必要になってきます。
 5Gについては、個人が映画や動画を数秒でダウンロードできるような便利さがよく話題に上りますが、複雑な金融処理の安全確保や、既に行われている遠隔医療の正確性を向上させるなど、人々の生活を大きく変える可能性があると私は考えています。
 そこで、都としては、ICTビジネスにおける5Gについてどのように認識をしているのか、また、どのように取り組んでいく方針なのか、知事の所見を伺います。
 先ほど申しましたように、現在、GAFAなどのプラットフォーマーは、人々の生活に大きく影響を与えています。個人の嗜好にマッチするようなマーケティング情報が次々とメールなどで紹介されることは、もはや日常となってしまっています。これは情報社会における独占企業の登場ともいえるものです。
 しかし、ヨーロッパのGDPRのように、個人情報をプラットフォーマーに支配されることをよしとしない、新しい個人情報保護の大きな動きが世界的に進みつつあります。これが私が申し上げたいもう一つの世界的な大きな変化です。
 GAFAが生まれなかった我が国においては、ICT分野は既に世界から周回おくれともやゆされるところであります。しかし、GAFA、BATH時代においても、再び個人情報保護を見直した上で、改めてビッグデータを活用していこうとする動きには、我が国にとって、改めて情報社会にどのように取り組んでいくのか、千載一遇のチャンスが来ているのかもしれません。
 こうした局面においては、我が国の中小企業やベンチャー企業も新たなビジネスチャンスに挑戦していく必要があります。AIやビッグデータを活用する第四次産業革命やソサエティー五・〇社会に向けた新たな潮流が、またしても大企業だけの独占になってしまえば、真の成長戦略や都民生活の豊かさにはつながらないと私は考えています。
 そこで、今後のデータ活用の進展を、中小企業やベンチャー企業、さらには都民生活の向上につなげるべきと考えますが、都の見解を伺います。
 そういった背景を踏まえて、さらに東京が成長を遂げていくためには、イノベーションを創出し、GAFA、BATHなどに続くユニコーン企業を生み出していくことが重要です。
 ソサエティー五・〇の実現に向けた取り組みは、こうした企業を生み出す大きな可能性を秘めていると巷間ではよくいわれています。いうはやすしですが、これを実現し、現実の事業に生かし、企業の成長を図っていくことは容易ではありません。理念の議論、空論では意味がありません。
 東京の成長を確実なものとしていくためには、こうした動きに中小企業は乗りおくれないよう、地場の中小企業を巻き込んで着実に成果を上げていきながら、中小企業に成長に向けたイノベーション創出への取り組みを根づかせていくことが重要です。
 都は、中小企業の高い技術力や独創的なアイデアを生かして、外部の大企業や研究機関の持つ資金力や人材などと結びつけるオープンイノベーションなど、革新的な製品、サービスの創出に向けた支援を加速させていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 これからはプラットフォーマーの動向を見据えて、時代の潮流の変化の中で、東京の各地を支える地場産業各社がプラットフォーマーと連携していくサポートをしていくことこそが、今後の中小企業の持続発展を支えるものと強く考え、都にはしっかりとした産業政策を要望しておきます。
 次に、都営浅草線について伺います。
 私の地元墨田区を通り、東京スカイツリーの足元を走る都営浅草線は、羽田と成田の両空港をダイレクトに結び、沿線には浅草や銀座といった東京を代表する観光地があるなど、ビジネスや観光の拠点をつなぐ、極めてポテンシャルの高い路線であります。まさに、浅草線のプレゼンス向上は、東京の国際競争力強化に直結するといっても過言ではありません。
 全編成の新型車両への更新やホームドアの全駅設置に道筋をつけた今、多くのビジネスマンや観光客が行き交う浅草線各駅において、全面的な駅のリニューアルを進めていくべきと考えますが、見解を伺います。
 オペラ夏の祭典二〇一九―二〇事業は、二〇二〇年に向けてのものであり、今年度はプッチーニ作曲のトゥーランドットを上演いたします。TTF事業の中で、ことし最も力を入れて準備を進めてきたものとされ、私自身も事業計画が発表されたときから期待をし、待っていたものです。
 ところが、本番直前の今になっても、都が重点を置いてきたという割には、まだまだ広く世間に浸透しておらず、その盛り上がりが欠ける様子に残念な印象であります。来年に向けて、さらに効果的なPRを行い、さらなる盛り上げを図っていくことが必要ではないかと考えますが、都の見解を伺います。
 近年、豪雨や地震など災害が激甚化しており、災害時のライフラインの確保と都民の安全を守ることが重要であると改めて痛感しています。私の地元墨田区でも、首都直下地震の際には、約八万人の帰宅困難者が発生すると推計されます。
 このような事態に備え、下水道の浸水、震災対策等をさらに進め、強靱化を図ることは重要であると考えますが、見解を伺います。
 さて、知事が会見で発表されましたかぶるタイプの傘について伺います。
 暑さ対策は極めて重要です。しかし、今回の傘はマスコミやネット上で、専らセンスがない、ダサいなど、悪い評判が広がっております。そもそも貴重な税金を使って都がこのような傘を製作することについて、都民の納得が得られていません。
 仮にイベント等の暑さ対策で行政が用意するにしても、伝統工芸品のすげがさなどを使用する案もあったはずです。今回も思いつきだったのでしょうか。今後、都の財政は厳しくなることが予想される中で、この動きは、やはり東京には潤沢な予算があるのではないかとさまざまな方に思われてしまうのではないでしょうか。
 記者会見で、価格などの詳細はまた追ってお知らせしますとされていますが、評判が悪い中で、この製造を引き受けてくれる企業はどれくらいあるのでしょうか。
 そこで、知事が発表した傘について、今後どのようにされるおつもりか、知事の見解を伺います。
 最後に、一言申し上げます。
 東京水道サービス株式会社の野田数社長人事について、小池知事は、適材適所の配置であると強弁されています。
 しかし、着任早々の五月六日、野田社長は事もあろうに、元特別秘書と新社長の二つの肩書を誇示するかのように、某大学で、東京の成長戦略と水道経営についてというテーマで講演をされました。
 しかも、ご丁寧にTSS社のウエブサイトでその講演のPRまでしていることに驚きを隠せません。会社経営の右も左も、これからのかじ取りもわからないまま、都の水道事業について無責任に披瀝されたようですが、こうした姿勢と態度は断じて容認することができません。
 我が党は、引き続き都民にとって有益な監理団体改革となるよう、都議会の権能であるチェック機能を十二分に発揮してまいります。
 以上で私の一般質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 川松真一朗議員の一般質問にお答えをいたします。
 まず、大会輸送にかかわることしの夏の試行と今後の取り組みについてのご質問がございました。
 ことしの夏は、大会と同時期に大会本番を見据えまして、さまざまな検証を行うことができる唯一の機会でございます。そして、より多くの企業の参画を働きかけまして、大会準備を加速させる重要な期間となります。
 円滑な大会輸送を図ることで、東京二〇二〇大会を何としても成功させる、その思いから、東京商工会議所を初めさまざまな団体へ足を運びまして、具体的な取り組みを私からも直接お願いをしているところでございます。
 現在、スムーズビズの取り組みを推進しておりまして、大会時の混雑緩和はもとより、働き方改革、物流効率化、生産性の向上にもつなげていき、大会のレガシーとしてまいります。
 都といたしましても、この夏、率先をいたしまして、時差出勤やテレワークなどを実施し、社会全体の機運を醸成してまいります。
 広く企業や都民の皆様に対しまして、私みずからさまざまな機会に情報発信をするとともに、テストイベントを初め、この夏の取り組みをしっかり検証いたしまして、得られた知見を来年の本番に生かしてまいります。
 円滑な大会輸送の実現と都市活動の維持との両立を図って、大会の成功と新たな働き方などの定着を目指してまいります。
 ICTビジネスにおけます5Gについてのご質問をいただきました。
 世界中の企業が新たなビジネスチャンスを狙い、第五世代通信、いわゆる5G対応を進める中、多様な産業が集積いたしますこの東京で、5Gなどの先端技術を社会実装することが、東京ひいては日本の稼ぐ力の強化に不可欠でございます。
 通信大手がアンテナの設置などにしのぎを削っているこの5Gでございますが、産業構造を変える大きなポテンシャルを持ち、さまざまな分野への活用が期待されております。都といたしましても、その普及に向けて適切な支援を実施してまいります。
 5Gがもたらします未来社会は、例えば、世界中から人、物、金、情報が集まって、新たなビジネスモデルやネットワークが構築されて、中小企業等がイノベーションを次々と生み出すことで、人々が活力に満ちた生活を送ることができる社会となります。
 そこで、都といたしまして、ソサエティー五・〇の検討会において、5Gを活用した実証実験の支援や官民連携データプラットホームの構築について検討を開始しております。
 今後、国、民間と協力をし、取り組みを進めるとともに、官民連携データプラットホームとビジネスチャンス・ナビとの連携のあり方についても検討を進めてまいります。
 日本経済を牽引する首都といたしまして、5Gを基盤とするスマートシティーの構築に向け、全力で取り組んでまいります。
 かぶるタイプの傘についてのご質問がございました。
 東京二〇二〇大会の開催を一年後に控えまして、昨年に引き続き、ことしも猛暑が予想される中で、暑さ対策は喫緊の課題でございます。
 都といたしましても、さまざまな取り組みを進めているところでございまして、ハイテクからローテクまで、あらゆる手法について検討する必要がございます。
 今回のかぶるタイプの傘でございますが、海外の有名ブランドのほか、国内でも、例えば釣り具店やネットの通販などで既に販売をされているものでございます。
 昨年夏、暑さ対策のツールとして販売実績を上げておりますネッククーラーとあわせまして販売するなど、具体的な展開を検討してまいります。
 残余の質問につきましては、関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長潮田勉君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君) テストイベントにおける検証についてでありますが、本番の競技運営を想定して実施されるテストイベントは、円滑な大会輸送はもとより、ラストマイル運営など、都の取り組みを実地で検証できる重要な場であります。
 このため、都においても、実施される都内全会場において、組織委員会と連携し、検証を行ってまいります。
 検証に当たりましては、テストイベントの内容等に応じて、暑さ対策やシティキャストの運営、会場周辺の安全確保など重要な項目について、例えばリーダー経験のあるシティキャストの応募者に、実際に最寄り駅で案内をしていただくなど、より実践的な検証も取り入れてまいります。
 テストイベントは、今月下旬から本格的に始まり、来年五月まで順次行われますが、こうした検証を積み重ね、得られた知見や経験を大会本番における取り組みに反映させてまいります。
〔戦略政策情報推進本部長松下隆弘君登壇〕

○戦略政策情報推進本部長(松下隆弘君) 今後のデータ活用の進展についてでございますが、情報ビジネスの世界では、お話にありましたように、プラットフォーマーによる個人情報の独占から、個人がみずからの情報をコントロールし、データ活用を進める新たな動きが出てきてまいっております。
 ソサエティー五・〇の実現につきましては、こうした個人情報保護等にも配慮しつつ、データを集約し公開していく、信頼性の高いプラットホームを構築することが重要でございます。
 都は先般、ソサエティー五・〇の検討会におきまして、官民連携データプラットホームの構築、さらには中小企業等のビジネス機会の創出等に向けたオープンなデータ活用の検討を開始したところでございます。
 また、あわせまして、ビッグデータ分析を試行し、その結果を広く公開してまいります。今後は、データ活用のメリットを都民や中小企業等の皆様にお示ししながら、データ活用を機軸としたソサエティー五・〇の実現につなげてまいります。
〔産業労働局長藤田裕司君登壇〕

○産業労働局長(藤田裕司君) イノベーション創出のための支援についてでございますが、都内にはすぐれた技術や意欲を持つ中小企業が数多く存在しており、東京の産業のさらなる発展に向けて、そのポテンシャルを最大限に引き出していくことが必要でございます。
 このため、都は、防災や環境等、大都市の課題に果敢に取り組む中小企業の技術開発をサポートし、事業化を実現してまいりました。
 また、ベンチャー企業等が大企業と連携し、革新的なサービスや製品を開発することで新たな市場をつくり出す大規模プロジェクトにも支援を行っているところでございます。
 さらに、今年度からは、事業承継を契機に、後継者がイノベーションを実現するために必要な設備投資に対して、一億円を上限に新規の助成を開始いたしております。
 こうした取り組みを積極的に進め、中小企業のイノベーションへの挑戦を力強く後押ししてまいります。
〔交通局長山手斉君登壇〕

○交通局長(山手斉君) 浅草線における駅のリニューアルについてでございますが、交通局では、浅草線について、古きよき伝統を守りつつ、現代的な地下鉄に生まれ変わらせるため、東京と世界を結ぶ地下鉄という統一的な考え方のもと、車両更新やホームドア整備、駅の改装等を行うリニューアルプロジェクトを推進してございます。
 このうち、駅の改装では、木目調を用いるなど路線の統一感を演出した上で、駅ごとに地域の特色を踏まえたデザインとし、まち並みに合わせた駅空間を形成してまいります。
 今年度は、歌舞伎座をイメージして改装する東銀座駅のほか、国際交流拠点の玄関口として再開発事業と一体的に大規模改良を進める泉岳寺駅など、五駅の設計に着手し、今後十五年間で全十九駅の改装を目指してまいります。
 こうした取り組みを通じて、東京の魅力向上に貢献してまいります。
〔生活文化局長浜佳葉子君登壇〕

○生活文化局長(浜佳葉子君) オペラ夏の祭典のPRについてでございますが、本事業は、世界的なアーティストが演じるオペラを比較的手ごろな価格で鑑賞できるTokyo Tokyo FESTIVALの目玉事業でございまして、二年にわたる一大プロジェクトでございます。
 四月以降、今年度の演目であるトゥーランドットの誰もが一度は耳にしたことのあるメロディーを上野駅の発車メロディーとしているほか、先月には、六本木のオープンスペースで解説つきのミニコンサートを行いました。
 来月には、リハーサルの無料公開を予定しており、既に定員の三倍を超える観覧申し込みをいただいております。
 今後も、多くの方がオペラを身近に感じられる話題性のあるPRを重ねて、本番の盛り上げにつなげるとともに、来年度の演目であるニュルンベルクのマイスタージンガーへの期待感を高めてまいります。
〔下水道局長和賀井克夫君登壇〕

○下水道局長(和賀井克夫君) 下水道の強靭化についてでございますが、激甚化する自然災害を踏まえ、都民の生命と財産を守るためには、防災、減災の取り組みを強化することが重要でございます。
 下水道局では、既存の下水道施設に加え、現在計画中の下水道施設が完成した場合を想定した時間七十五ミリ降雨のシミュレーションを進め、その結果と浸水実績等を踏まえ、今後、整備水準を現行の時間五十ミリから七十五ミリにレベルアップする地区等を追加してまいります。
 また、震災対策につきましては、これまでの避難所等から排水を受け入れる下水道管の耐震化に加え、今後、墨田区の江戸東京博物館など、帰宅困難者が一時的に待機する約五百の施設の下水道管の耐震化を新たに対象として拡大してまいります。
 今後とも、こうした下水道の強靱化を積極的に進め、安全・安心のまちづくりに全力で取り組んでまいります。

○議長(尾崎大介君) 一番古城まさお君
〔一番古城まさお君登壇〕
〔議長退席、副議長着席〕

○一番(古城まさお君) 初めに、就職氷河期世代の支援について質問します。
 就職、採用の機会が新卒に偏った日本の労働市場では、景気が悪いときにたまたま新卒時期が当たり、社会人のスタートでつまずいてしまうと、その後、非正規雇用を転々と繰り返すなど、活躍の場を得にくいケースが多いという構造的な課題があります。
 こうした課題の影響を最も強く受けてきたのが、おおむね一九九三年から二〇〇五年に学校卒業や就職時期を迎えた年代、いわゆる就職氷河期世代です。
 この世代を含む三十代、四十代は、全国では三千二百万人、東京では四百万人を超える人口のボリュームゾーンであり、二〇四〇年ころに高齢者となります。この世代が不安定な暮らしのまま現役時代を送り続ければ、高齢者になってからも苦しい生活を余儀なくされることになります。
 公明党は、先月二十二日、官房長官及び厚生労働大臣に対して、就職氷河期世代への支援について、令和時代の人財プランと題した提言を行いました。都においても、新たな長期計画の策定に当たっては、就職氷河期世代を初め、誰もが明るい未来に向けて活躍できるような施策を積極的に検討していくべきと考えますが、知事の見解を求めます。
 経済のグローバル化に伴って、ビジネス環境の変化は加速しており、春以外に採用活動を行う企業もふえています。必要な人材を必要な時期に採用できるかどうかは、企業のみならず、我が国経済の成長にも影響します。グローバル時代に人材を輩出する新たなシステムの構築に向けて都がリードすべきです。特に、就職氷河期世代には数多くの人材が埋もれており、経済的、社会的損失ははかり知れません。
 そこで、就職氷河期世代が五十代に達する前に、就労支援の取り組みを強化すべきです。
 加えて、都は、就職氷河期世代がアクセスしやすい公的な就労支援サービスとするよう工夫すべきです。あわせて知事の見解を求めます。
 次に、若い世代に対するSNSを活用した相談体制の整備について質問します。
 SNSを活用した相談は、若者、青年世代の声を踏まえて、公明党が旗振り役となり、二〇一七年に全国で初めて長野県で実証事業が行われました。
 私は、昨年の第一回定例会の一般質問で、ネットトラブルや自殺防止の相談、いじめなどの教育に関する悩みに対応するため、都の相談窓口においても、多くの若者が利用するSNSを活用すべきと訴えるとともに、わかりやすく、相談しやすい体制を提案しました。
 これを受けて、都は、昨年の試行期間に三つの相談内容に分けていたアカウントを統合し、ことしの四月から一つにまとめた新たなSNSの専用アカウントを開設して、通年で相談できる体制を整備しました。この点は高く評価します。
 福祉保健局が昨年行ったSNS相談事業の分析結果によると、寄せられた相談件数のうち五五%が十代、二十代の若者で、性別がわかる相談者の八三%が女性でした。相談の内訳は、死にたいなどの自殺願望、抑鬱などのメンタル不調のほか、心配事や家族、学校などに関するものが続いています。
 これまでの電話主体の相談では拾い上げることのできなかった年齢層からの相談に対応できており、SNSが都民に寄り添うべき相談窓口においても有効であることが明らかになっています。
 一方で、相談事業でのさらなるSNSの活用には留意しなければならない点もあります。
 第一に、自殺対策支援に取り組むNPOの代表によると、みずから命を絶っている人は、日常にあふれる問題をきっかけに、別の問題が連鎖し、平均四つの要因を抱えているとのことです。こうした実態を踏まえ、相談者が全般的なサポートを受けられるよう、SNS相談から支援機関へ適切に橋渡しを行うべきです。
 第二に、厚生労働省の統計によると、深夜から早朝の時間帯にも自殺が多く発生しています。この時間帯に対応するため、二十二時までとなっているSNSの相談時間を延長すべきです。
 第三に、SNSには相手の表情や口調がわからないため、状況を正しく把握することは難しいという課題があります。手軽にメッセージのやりとりができるSNSの特徴に留意して、都は相談技術の向上を図るべきです。
 これらを踏まえ、誰ひとり取り残さない社会に向けて、SNS相談の充実に取り組むべきと考えます。都の見解を求めます。
 子供が何か大きな問題に直面したとき、誰に、どのように相談すればよいのかわからず、誰にも相談できないまま、問題がどんどん深刻化する事態を防がなければなりません。SNSによる教育相談は、子供が日ごろ使いなれたスマートフォンを利用して相談でき、面談や電話がしづらいと感じる子供にとってもSOSを出しやすくなる取り組みです。
 しかし、一度の相談対応で問題が全て解決するわけではありません。長年の相談実績を有する都教育相談センターにおける知見も生かし、SNSでつながってきた子供たちに寄り添う環境を整えていくべきです。
 そこで、子供のSOSに応え、心のよりどころとなるように、都教育相談センターとも連携を図り、一層の相談対応力の向上を図るべきと考えます。都教育委員会の見解を求めます。
 次に、難病患者の支援について質問します。
 一九七二年の国による難病対策要綱の策定以来、公明党は一貫して医療費助成の対象拡大を推進してきました。さらに、二〇一四年の難病医療法と改正児童福祉法の関連二法の成立を契機として、総合的な対策が前進し、ことし七月一日には、医療費が助成される指定難病が三百三十三疾病、子供の難病が七百六十二疾病にまで広がります。
 さて、こうした難病の方々が使用している特定医療費受給者証と自己負担上限額管理票について、都では現在、財布やケースに入れるには大きく、はみ出してしまうA5サイズとしており、しかも別刷りにしています。
 多発性硬化症、視神経脊髄炎という指定難病を抱えた方から、難病の症状の影響によって、手にするものがわずかに大きいだけでも負担感を伴う、大きい受給者証は持ち運びが困難で、持ちやすく小さくしてほしいと切実な要望を伺いました。事実、神奈川県では、東京都よりも小さいB7サイズで発行しています。
 そこで、難病患者や家族を支援する医療費助成の趣旨に鑑み、特定医療費受給者証を持ち運びやすいサイズで発行し、あわせて折り畳めるようにするなどして自己負担上限額管理票を付随させる工夫を施すべきと考えます。都の見解を求めます。
 難病医療費助成の申請や更新は、毎年、各区市町村の窓口に、原則として申請者が直接出向いて行わなければなりません。さらに、提出書類が最大十三種類と多く、わかりづらいとの指摘もあります。
 そこで、申請や更新に当たっては、既に一部自治体で実施されている郵送による受け付けも可能にするなど、患者負担の軽減に取り組むべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、来年四月に東京都立大学に名称変更する首都大学東京について質問します。
 持続可能な開発目標、すなわちSDGsを推進する国連は、世界の大学と連携した国連アカデミック・インパクト、すなわちUNAIという枠組みで、特に次代を担う若者の主体的な参加を促す取り組みを始めています。UNAIには、約百四十カ国、一千三百校以上の大学が加盟しています。日本からは、国公立、私立を問わず、六十以上の大学などが参画しています。
 首都大学東京も現在、子ども・若者貧困研究センターにおいて、SDGs関連の研究に取り組んでいます。UNAIに加盟すれば、その国際的なネットワークのメリットを生かして、加盟大学間で専門知識、設備、研究を補完し合い、地球を取り巻くあらゆる課題の解決を目指す取り組みに貢献することが可能になります。
 首都大学東京には、東京の課題解決に一層寄与していくことが求められています。
 そこで、例えばUNAIに加盟するなど、SDGsの取り組みが進むよう、都として積極的に支援すべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、新宿グランドターミナルへの再編について質問します。
 新宿駅周辺では、東京オリ・パラ大会の開催を控え、国内外からの多くの来訪者でにぎわい、これまで以上に混雑している状況が見受けられますが、歩行者空間や滞留空間が狭い、線路や幹線道路によって駅の東西が移動しにくいなどの課題があります。
 こうした状況を解消するために計画され、駅周辺全体を再編する新宿グランドターミナルの事業実施に当たっては、障害者や高齢者、ベビーカーを利用する親子を初め、誰もが安心して心軽やかに移動できるよう、わかりやすく利用しやすい空間を整備すべきと考えます。都の見解を求めます。
 次に、淀橋市場について質問します。
 私の地元新宿区にある淀橋市場は、一九三九年に開場し、ことしで八十年となる歴史を持つ卸売市場です。新宿エリアという一大消費地かつ人口密集地に立地し、利便性が高く、青果を取り扱う中央卸売市場としては大田、豊洲市場に次ぐ都内第三位の取扱量を誇ります。
 卸売市場を取り巻く環境の変化に着実に対応していくためには、市場の特性を踏まえた創意工夫の取り組みや老朽化した設備の更新が重要です。多くの業界関係者も強く願うように、例えば市場名にも新宿を冠するなど、新宿淀橋ブランドを掲げて、魅力向上と活性化に取り組むべきと考えますが、見解を求めます。
 最後に、都立戸山公園について質問します。
 都は二〇一五年、戸山公園に隣接する約三千平方メートルの国有地を新規に取得しました。同公園は、新宿区内における多目的運動広場と防災機能を持った貴重な公園であり、今後も、区民を初めより多くの人が利用できる整備が必要です。
 取得済み用地の活用も含め、スポーツ機能と防災機能の強化に向けて、地元区と連携を密にして取り組むべきです。都の見解を求めて、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 古城まさお議員の一般質問にお答えいたします。
 新たな長期計画についてのお尋ねがございました。
 現在策定を進めております新たな長期計画は、今後起こり得る社会の大きな変化を想定いたしまして、その上で、東京の将来像や、その実現に向けてなすべき政策を示す、その東京の長期的な羅針盤となるものでございます。
 今後、東京は、人口減少やさらなる少子高齢化の進展など、これまで経験したことのない多くの課題に対応していかなければなりません。お話の就職氷河期世代の方々が抱える問題も、その一つでございましょう。
 私が目指しておりますのは、人が輝く東京であります。誰もが希望に応じて、いつでも、幾つになってもチャレンジできる、そんな社会を実現していくことにございます。
 そのため、長期計画におきましては、就職氷河期の問題も含めて、これまで取り組んできた施策の成果や課題を分析した上で、新たな施策を練り上げて、誰もが生き生きと活躍できる明るい東京の未来の姿を都民の皆様方に示していきたいと考えております。
 同じく就職氷河期世代への就業支援についてのお尋ねがございました。
 就職氷河期世代には、新卒時に非正規の職を余儀なくされ、その後も職を転々とすることなどで、スキルアップの機会に恵まれなかったり、また、正規雇用への転職が困難な方が多くおられます。
 現在、こうした氷河期世代の方々は、中高年に差しかかる年代を迎え、不安定な就労や生活が長期にわたって続くことによって、将来に向けた不安を抱える方もおられます。
 都はこれまで、氷河期世代の方が正規雇用で働くことを支援するために、実践的なスキルを磨くプログラムを実施いたしまして、企業とのマッチングや職場への定着支援を進めてまいりました。
 今後は、企業の人材確保が活発化している状況も踏まえまして、氷河期世代に向けた、こうした支援のさらなる浸透を図りまして、安定した就労や将来への不安の解消につなげていく必要がございます。
 このため、将来の生活設計やキャリアアップをテーマといたしましたセミナーを新たに開催いたしまして、氷河期世代の方への啓発を行ってまいります。
 また、ハローワークや区市町村とも連携いたしまして、都の支援事業の周知を図って、SNS等も活用し働きかけを行う、そして正規雇用を目指すプログラムへと誘導してまいりたいと考えております。
 今後、国などとの連携を一層強化いたしまして、就職氷河期世代の方の安定した就労を支援してまいります。
 残余のご質問は、教育長、東京都技監及び関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) SNS教育相談対応の質の向上についてでございますが、子供の不安や悩みの解消に向けて、SNSによる相談が有効に機能するためには、相談員がさまざまな専門的知見に基づき、適切に返信することが求められております。
 そのため、今年度から通年で実施しているSNS相談における相談員に臨床心理士等を充てるとともに、経験豊富なスーパーバイザーが返信内容等について助言する体制を構築しております。また、重篤な内容については、都教育相談センターの助言を受けることとしております。
 今後、SNS相談が一層効果を上げられるよう、LINEでのやりとりについて、定期的に都教育相談センターの心理職等が検証を行うとともに、同センターが蓄積してきた電話等での対応事例を相談員対象の研修に活用するなどして、相談員の対応力向上を図ってまいります。
〔東京都技監佐藤伸朗君登壇〕

○東京都技監(佐藤伸朗君) 新宿グランドターミナルへの再編についてでございますが、都は、地元区や鉄道事業者と連携し、更新期を迎えた駅、駅ビルと駅前広場を一体的に再編することとしております。
 再編に当たっては、新たなまちづくりの視点として、歩行者中心で交流やにぎわいを生む空間への転換を掲げております。
 このため、線路上空にデッキを新設し、東西のまちをつなぐとともに、駅前広場を人中心に再構成してまいります。また、バリアフリー化を推進し、人の円滑な移動を図ってまいります。
 こうした整備を着実に進めるために、駅の改良や駅ビルの機能更新と連携しながら、都が施行者となり、土地区画整理事業を実施してまいります。
 この夏から地元区とともに都市計画手続に着手するなど、関係者と連携して、誰もが利用しやすい機能的なターミナルへの再編に取り組んでまいります。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、SNSを活用した自殺相談についてでありますが、都は、若年層の自殺防止対策を強化するため、平成二十九年度及び平成三十年度に、LINEを活用した自殺相談窓口を試行的に開始し、モデル実施を行いました。
 この試行から得られたノウハウを生かし、LINE相談をきっかけとして、電話や対面での相談につなげる手法を盛り込むなどマニュアルを充実させるとともに、具体的な対応事例をもとに相談員向けの研修や事例検討を行うなど、準備を重ね、今年度から本格実施を開始いたしました。
 今後、LINEを活用した自殺相談が、都民にとってよりわかりやすく相談しやすいものとなるよう、相談に至るまでの状況を把握し、対応事例等を蓄積していくことで、相談員のスキルアップを図るとともに、お話の相談時間の延長も含め、相談体制について検討してまいります。
 次に、難病医療費助成制度の医療受給者証についてでありますが、平成二十七年に施行された難病法では、医療受給者証の記載事項は定められたものの、受給者証の大きさや自己負担上限額管理票を付随させるかにつきましては規定がなく、自治体の判断に委ねられております。
 都は、文字の見やすさを重視し、受給者証をA5判にするとともに、管理票は、受給者証の記載内容が変更されても継続して使用できるよう別冊としておりますが、受給者証と管理票を一体化し、都より小さいもので運用している自治体もあることは承知しております。
 国では、法施行から五年以内を目途に、医療費の支給事務等について検討を加えることとしており、都は、国の動向を注視しつつ、患者のニーズや指定医療機関の意向も踏まえ、ご指摘の課題も含め、検討を行ってまいります。
 最後に、難病医療費助成の申請、更新手続についてでありますが、都では、難病医療費助成の申請を、日常生活に身近な保健サービスを提供する区市町村の窓口で受け付けております。
 申請時の提出書類につきましては、国の省令や要綱で規定されておりますが、提出書類を解説したパンフレットを作成し、丁寧に説明するとともに、窓口でマイナンバーを確認することで提出書類の一部を省略するなど、申請者の利便性に配慮しているところでございます。
 また、難病患者の状況に応じまして、郵送による申請も受け付けている自治体もあり、今後、区市町村向け説明会等で、事例を交えながら郵送での受け付けも可能なことを説明していくなど、こうした取り組みを通じまして、難病患者の申請、更新手続の負担軽減をさらに図ってまいります。
〔総務局長遠藤雅彦君登壇〕

○総務局長(遠藤雅彦君) 首都大学東京のSDGsに向けた取り組みの推進についてでございますが、首都大学東京では、東京が抱える大都市の課題解決に向けて、子供の貧困や気候変動などに関して特色ある研究を推進しております。
 また、シニア層に体系的な学びの場を提供するプレミアム・カレッジを開講するなど、生涯学習の機会を促進する取り組みも進めており、これらは、国連が掲げるSDGsの達成にもつながるものでございます。
 一方、ご指摘のとおり、国連と世界の高等教育機関との連携を促すプログラムである国連アカデミック・インパクトに加盟し、SDGsの達成に向けて積極的な取り組みを行っている大学もございます。
 今後、首都大学東京がより一層SDGsに向けた取り組みを展開できるよう、都として必要な支援を行ってまいります。
〔中央卸売市場長村松明典君登壇〕

○中央卸売市場長(村松明典君) 淀橋市場の魅力向上についてですが、卸売市場の魅力を高め、専門小売店や量販店などの実需者に支持されるためには、それぞれの市場が特色を生かして活性化に取り組んでいくことが重要でございます。
 このため、淀橋市場では、昨年三月、他市場に先駆けて策定いたしました経営展望により、さまざまな取り組みを進めております。
 具体的には、都民向けの淀橋市場まつりや専門小売店と連携して毎月開催する淀橋市場の日では、産地から特色ある野菜や果物を集荷した上で、新宿淀橋ブランドとして提供し、販売力を強化しているところでございます。
 また、低温施設を活用して、量販店の加工パッケージ需要に対応していくこととしております。これらの事業を通じて、淀橋市場が実需者や消費者にとって魅力ある市場となるよう、引き続き、都と業界が一体となって取り組んでまいります。
〔建設局長三浦隆君登壇〕

○建設局長(三浦隆君) 戸山公園の機能強化についてでございますが、新宿区にある本公園は、大学や都営住宅等に隣接いたします計画面積約二十五・一ヘクタールの公園で、これまでに約十八・六ヘクタールを開園しております。
 本公園は、スポーツを楽しむ学生や地域住民の利用者が多いこと、また、震災時の避難場所でもあることから、都は、健康づくりの場の充実や防災機能の強化等を目指しまして、整備に取り組んでおります。
 具体的には、現在、平成二十七年度に取得した用地の将来のあり方につきまして、地元区と連携し検討を進めるとともに、開園した区域におきましては、停電時も点灯する照明灯や防災トイレなどの整備を実施しております。
 引き続き、都民の多様なニーズに対応できるよう、戸山公園の機能の一層の強化に取り組んでまいります。

○副議長(長橋桂一君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後四時四十五分休憩

   午後五時五分開議

○議長(尾崎大介君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 二十二番もり愛さん
〔二十二番もり愛君登壇〕

○二十二番(もり愛君) SDGs、誰ひとり取り残さない社会の実現に向けて、誰もが自分らしく生きられる東京の実現を願い、社会のきずなと社会的孤立が生んだ八〇五〇問題について質問させていただきます。
 私たち都民ファーストの会は、昨年来、ひきこもり対策の所管を青少年・治安対策本部から福祉保健局に移管すべきであることを主張してまいりました。その理由は、青少年・治安対策本部では三十四歳までしか施策の対象としておらず、国に準じて年齢を引き上げたとしても、青少年という縛りがある限り、三十九歳までしか対象とできないことにありました。八〇五〇問題を抱える中高年のひきこもりは、都の行政の制度のはざまで、支援の手が届いていなかったといえます。
 内閣府は、自宅に半年以上閉じこもっているひきこもりの四十歳から六十四歳が推計六十一万三千人、十五歳から三十九歳が推計五十四万一千人との調査結果が公表され、初めて、全国で実に百万人以上もの方が、支援を必要としながら行政の対象から外されていたことが明らかとなりました。
 東京都が、この内閣府の調査結果に先駆けて、年齢を問わないシームレスなひきこもり対策を行うために、福祉保健局に所管がえしたことを高く評価いたします。
 先月、川崎市登戸駅付近で、登校中の児童、保護者二十名が刃物で切りつけられ、うち二名が死亡するという大変痛ましい事件が起こりました。犯人が五十代のひきこもりであったと報道されるにつれ、識者からは、ひきこもりと殺傷事件とを結びつけて、それを一般化することは誤りだという見解が示されています。
 犯罪予防の対象者として監視、隔離するのではなく、生きるための支援をしてほしい、これが、ひきこもり当事者や親の団体が、青少年・治安対策本部から福祉保健局に移管してほしいと願った理由の一つでした。
 川崎の事件では、親族が市の精神保健福祉センターに面談で八回、電話で六回、合わせて十四回相談したことがわかっていますが、有効な手段を講じることができたでしょうか。即効性のある対策はありません。
 東京都でも、中高年のひきこもり対策をようやく福祉施策として所管がえを行ったところであり、スピード感のある対策が求められます。
 そのためには、必要な対策を検討するための基礎的データとして、ひきこもり当事者や親の意見も聞きながら、東京都のひきこもりの実態調査を早急に行うことが必要だと考えますが、都の見解を伺います。
 また、その際に、最も大切なことは、ナッシング・アバウト・アス・ウイズアウト・アス、私たちのことを私たち抜きに決めないでという原則です。
 ひきこもり当事者や親の会の意見も聞きながら、今後の都としてのひきこもり支援施策を構築していくために、当事者、家族会の声が都政に反映されるよう、協議会の設置と参画が望まれます。都の見解を伺います。
 その上で、これまで東京都のひきこもり支援団体二十二団体の活動、若ナビα等、青少年対策として行われてきた事業については、その効果やあり方を検証し、改善すべきだと考えます。
 支援のあり方について、万策尽きた親が連れ出し支援団体に依頼し、暴力的に連れ出す事例や自立支援の押しつけがなされることもありますが、いずれもよい結果は生まれません。ひきこもり対策においても、多様な選択肢を用意することが効果的ではないかと考えます。
 まずは、不安を抱えるご家族に寄り添い、悩みを打ち明けられる家族会を都内で地域ごとに整備していくこと、そして当事者や家族会が実施している居場所づくりの活動を支援することなど、当事者とともに施策を実施することが大切だと考えます。
 現在の都の就労支援に対して、本人のニーズに合わせた居場所の整備、就労支援の手前の中間的な居場所を求める声がありますが、都の見解を伺います。
 ひきこもり状態にある方は社会から見えづらく、困難を抱えたご家族も声を上げづらい現状があり、社会的な孤立を放置しておくべきではありません。これまで支援を必要としながら、高齢の親御さんとひきこもりのお子さんの支援窓口が別々で、行政の支援の手が差し伸べられてこなかった方々に、家族の課題を総合的に包括した支援体制の構築、福祉的資源を活用し、ひきこもり当事者と家族の声を施策に盛り込んだ支援の拡充が求められます。
 高齢者や家族に対する総合的な相談、支援を行う地域包括支援センターとの連携や、川崎市のケースでは相談窓口が精神保健福祉センターでした。当事者や親にとって、どこに相談してよいのかわからないのが実態です。
 ひきこもり対策は、多くの法律や機関にまたがっていることから、まずは、福祉保健局にワンストップの相談窓口を開設することを求めます。
 東京都では、ひきこもりサポートネットが支援窓口になっているとのことですが、現在、ひきこもり家族会連合会には、問い合わせや相談の電話が鳴りやまないとの声が聞かれますが、ひきこもりサポートネットが十分な受け皿になっていない現状があります。所管がえを機に、本当に支援を必要とする方々にとって、わかりやすい、使いやすい窓口の強化に取り組んでいただきたいと考えます。
 ひきこもり支援施策に年間約八千万円の予算がついておりますが、当事者の方からは、相談のみで支援につながっていないとの声が上がっています。さきの代表質問でもご答弁をいただいておりますが、相談窓口機能のあり方についても検討すべきだと考えます。都の見解を伺います。
 次に、東京都としての豊かな公共空間のあり方と道の可能性について質問させていただきます。
 先日、知事は、大手町・丸の内・有楽町地区で開催されていた丸の内ストリートパークを視察されました。このイベントは、大・丸・有地区のエリアマネジメント活動の一環として実施されたもので、千代田区道である丸の内仲通りの一部を、区等の許可を得て、延べ五日間、丸の内ストリートパークとして開放し、緑豊かな憩いの空間とにぎわいが創出されたと聞いています。
 長時間車両通行どめにして公園化するのは、この地区では初めての試みとのことですが、海外諸都市でも、公共空間を生かした都市の魅力向上の取り組みが行われています。東京の魅力を発信する上でも、大変有意義な取り組みであったのではないかと考えます。
 そこで、国内外から多くの来訪者が東京を訪れる東京二〇二〇大会に向けて、都内各地で、このような取り組みによる地域のにぎわいづくりを盛り上げていくことはとても意義があると考えます。知事の見解をお伺いいたします。
 道の使い方で、まちはもっと豊かになる、車中心社会から人中心のまちづくりは、私が区議会時代から取り組んできたテーマでもあります。
 かつて、高速道路に河川をよみがえらせ、虫や鳥が戻ってきたソウル市の清渓川やオランダの自転車道の整備等、私も実際に現地で取り組みを見てまいりました。東京都においても、日本橋川の再生や今後の自転車走行空間の整備等、人と自然が調和する環境先進都市へと東京大改革を進めていただきたいと願っております。
 地元蒲田のさかさ川通りでは、以前は植栽に多くのごみが捨ててあった裏通りが、国のエリアマネジメント特区事業を活用したおいしい道計画では、フードカーや芝生を敷いて道路上でピクニックを楽しむ姿など、人が集う道が憩いの場になっています。
 広場に変わって十年、サディク・カーンさんのタイムズスクエアの事例では、車両の移動速度は最大一七%改善し、四一%もCO2を削減させたと伺いました。加えて、小売店の四九%で売り上げが伸び、賃料は上昇し、地域の価値そのものが上昇したことが挙げられていました。
 また、歩行者が三五%増加し、歩行者負傷者数が三五%減少との報告に、近年多発している子供を含む歩行者が巻き込まれる交通事故を見ても、日本は諸外国に比べて歩行者が被害に遭う率が高く、交通事故の減少にも寄与するのではないかと思います。
 都市と都市を結ぶ幹線道路は必要ですが、かつて、道は子供たちの遊び場であったように、子供たちの命を守り、誰もが憩える道へ、車中心社会から人を中心としたまちづくりへ、まちのマインドを変えていく東京大改革になるのではないでしょうか。
 今回、丸の内の中心で実現されたストリートパークの取り組みは、まさにその一歩であると感じました。東京の道というキャンバスを彩り未来を変えていく、そこに住む人、来る人、みんながわくわくするような豊かな公共空間の創造に向けて、都も環境整備に努めていく必要があると思います。
 道路空間を生かしたにぎわいづくりを都内全体で推進していく上で、区市等と連携し、取り組みを進めることが重要であると考えます。都の見解をお伺いいたします。
 最後に、東京都の国際空港へのアクセス強化として、新空港線整備計画について質問します。
 私の地元大田区の中心拠点である蒲田は、戦後復興の土地区画整備事業によってまちが形成されてから約半世紀が過ぎ、機能更新の時期を迎えていますが、蒲田駅周辺は羽田空港の飛行ルートに当たるため、建物の高さが約八十メーターに制限されていることもあり、これまで大規模な再開発がなされてきませんでした。
 蒲田駅は、首都空港である羽田空港から一番近い交通結節点にあるにもかかわらず、近隣駅ばかりの開発が進み、地域の方から、このままでは蒲田のまちが衰退してしまうのではという心配の声が聞かれます。空港に近接した蒲田のポテンシャルを最大限に引き出し、東京全体の都市機能を向上させるためにも、一刻も早い機能更新が求められます。
 まちの大改革にはしかるべき機会が必要ですが、その絶好のチャンスとなるのが、大田区で長年準備が進められてきた新空港線の整備だと考えます。二つの蒲田を結ぶ路線ですが、東急東横線、東京メトロ副都心線などとの相互直通運転を行うことで、渋谷、新宿、池袋といった副都心と羽田空港とのアクセスを強化する路線であり、国の百九十八号答申においても、国際競争力の強化に資する路線とされ、地元大田区以上に東京全体に与える影響が大きいことから、私は、そもそも基礎自治体の事業というよりも、鉄道整備の検討は、本来、鉄道事業者と広域自治体である都の役割だと考えています。この新空港線の整備についても都が応分の費用負担をすべきだと考えております。
 東京都にとって、国際空港へのアクセス強化は大きなメリットになると考えています。新空港線整備に対し、都は応分の費用負担を行い、事業を推進すべきだと考えますが、都の見解をお伺いいたします。
 ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) もり愛議員の一般質問にお答えいたします。
 私からは、にぎわいづくりについてお答えさせていただきます。
 丸の内仲通りで、これまで長い時間をかけ、地元のエリアマネジメント団体などが、にぎわいづくりに取り組んできたことを承知いたしております。
 その結果、かつてのオフィス街は、土日もさまざまな人が集ってにぎわう歩行者中心の歩いて楽しいまちとなっております。
 丸の内ストリートパークでは、この取り組みをさらに一歩進めて、都心の真ん中に都民が憩える緑の空間、芝生を敷き詰めて、そんな空間をつくりました。五日間で十万人が訪問、歩行者の数はふだんより二割ほどふえたと聞いております。
 地域のにぎわいを創出する地元の取り組みが都内各地において活性化していくということは、東京の価値を高めるという上で大変有意義なことと私は考えております。
 東京二〇二〇大会に向けまして、日本橋仲通りや新虎通りなどを初めとして、こうした取り組みが進むように、規制緩和の手法なども活用しながら、さまざまな形で支援をして、東京の魅力を世界に発信していきたいと考えております。
 残余のご質問は、東京都技監及び福祉保健局長からのご答弁とさせていただきます。
〔東京都技監佐藤伸朗君登壇〕

○東京都技監(佐藤伸朗君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、道路空間を活用したにぎわいづくりについてでございますが、東京の魅力と価値を高めていくためには、地域特性を踏まえながら、道路空間をゆとりやにぎわいの場として活用していくことも重要でございます。
 道路の活用に当たっては、地元の主体的な取り組みが不可欠であり、これまでも関係機関等との連携のもと、丸の内仲通り、池袋駅東口グリーン大通りなどで、国家戦略道路占用事業等を活用した地域団体等によるにぎわいづくりが進められております。
 こうした取り組みの成果も踏まえまして、都は、魅力ある歩行者空間のさらなる創出に向け、道路管理者でもあり、地域のまちづくりを担う区市等とともに会議体を設置し、先進地区などの情報共有や技術的支援を行っております。
 引き続き、区市等と連携し、道路空間を生かしたにぎわいづくりを推進してまいります。
 次に、新空港線の整備についてでございますが、矢口渡駅から京急蒲田駅の区間は、国の答申において、東急東横線等との相互直通運転を通じて、国際競争力強化の拠点である新宿等や東京都北西部、埼玉県南西部と羽田空港とのアクセス利便性が向上するとの効果が示されておる一方、関係地方公共団体、鉄道事業者等において、費用負担のあり方等について合意形成を進めるべきとの課題が示されております。
 このため、大田区や鉄道事業者など関係者と連携して、事業費の精査や採算性などの課題について検討を行ってまいりました。
 引き続き、大田区が想定している都市鉄道利便増進事業を活用した場合の費用負担のあり方などの課題について、関係者との協議、調整を進めてまいります。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、ひきこもりの方の現状把握についてでありますが、ひきこもり状態となる要因には、不登校、職場の不適応、人間関係の不振など、多岐にわたる事情が背景となっており、当事者や家族の悩みに対応するための必要な施策を検討するに当たっては、まずは、そのさまざまな実態を把握することが必要であります。
 このため、都は、保健所等での相談支援の実施状況や、ひきこもり当事者とそのご家族等の現状を明らかにするため、区市町村等の関係機関や家族会等の関係団体との意見交換を行っているところでございます。
 今後とも、こうした意見交換や相談会などさまざまな機会を通じて、ひきこもり当事者やその家族の実態把握をまずは進めてまいります。
 次に、ひきこもり当事者やご家族の声についてでありますが、都は、ひきこもりの方やその家族への支援策の検討に向け、区市町村等の関係機関から相談体制の現状について聞き取るとともに、家族会、当事者団体から、これまでの施策についての意見なども伺っております。
 今後とも、こうした取り組みを重ねることで理解を深めるとともに、有識者からの意見も伺いながら、ひきこもりの方やその家族への支援のあり方を検討してまいります。
 次に、ひきこもりの方の居場所についてでありますが、都は、ひきこもり相談窓口を紹介するリーフレットを作成し、その中で、ひきこもり状態にある若者等の社会参加を支援するため、自宅以外の居場所の提供や社会体験活動等を実施しているNPO法人等の連絡先や活動内容を紹介しているところでございます。
 ひきこもりの方の中には、ひきこもりの状態が長期化し、四十代、五十代となった方もふえていることから、個々の年齢、心身、生活状況等に応じまして、それぞれの方が抱える悩みも多岐にわたっております。
 今後、区市町村等の関係機関と連携しながら、中高年層も含め、ひきこもりの方の個々の一人一人の状況に応じた支援について検討してまいります。
 最後に、ひきこもり相談窓口についてでありますが、都は、一次相談窓口である、ひきこもりサポートネットにおいて、電話やメール、家庭への訪問により悩みや相談を受け付け、区市町村等と連携し、ひきこもりの方の状況に応じて適切な支援につなげております。
 今年度からは、所得や就労などに悩みを抱える中高年層等への相談にも適切に対応するため、家計、財産等の課題に対応できるファイナンシャルプランナーや福祉支援を専門とする社会福祉士を新たに配置するとともに、訪問相談の対象を三十五歳以上に拡大するなど、相談体制を強化しているところでございます。
 都といたしましては、当事者団体や家族会などの意見も踏まえながら、相談窓口の利用促進に向けて取り組んでまいります。

○議長(尾崎大介君) 八十八番村松一希君
〔八十八番村松一希君登壇〕

○八十八番(村松一希君) 昭和から平成への御代がわりでは、世界では米ソ冷戦が終結し、二つの経済圏に分かれていた市場が一つになり、世界経済は大きく拡大しました。他方で、政治的には、イスラム過激派との戦いや各地の内戦により、多くの難民が発生し続けています。
 平成から令和への御代がわりでは、中国共産党一党支配体制を維持しつつ自由主義経済に参加した中国が、その蓄積した富で一帯一路経済圏の形成と軍事力の拡大に邁進し、世界への影響力を拡大しています。米中経済摩擦は、このような状況の中で起きているものであって、世界経済や日本経済への影響は、広範かつ長期にわたることも予測されます。
 とすれば、景気動向に左右されやすい収入構造にある東京都の財政は、来年度からの本格的な国による都税の収奪や景気後退の事態にも対応しつつ、都民生活の需要を満たすことができるよう、一層賢い支出を推進し、本格的な行財政改革、東京大改革に着手していかなければなりません。
 国では、水道法を初めとして、既に地方公営企業の経営見直しや民営化が進められています。
 水道法改正の趣旨は、スケールメリットを生かして効率的な事業運営を可能にする広域連携の推進、水道管の計画的な更新や耐震化を進める基礎となる適切な資産管理の推進、民間の技術力や経営ノウハウを活用する多様な官民連携の推進にあると説明されています。
 また、今回改正により、給水責任を自治体に残した上で、厚生労働大臣の許可を受けてコンセッション方式を実施可能になりました。
 東京都でも、この水道法改正を受け、さまざまな検討を進めることと理解していますが、東京都がほかの地方自治体と根本的に異なるのは、政策連携団体が、人事的にも経営的にも都庁への依存度が非常に高いことです。これでは、水道法改正の趣旨である民間の技術力や経営ノウハウを活用する多様な官民連携の推進ではなく、水道局が外に拡大しただけということになります。
 水道局では、政策連携団体を統合し、その強みを生かして都の水道事業の一翼を担うとともに、包括委託等の受け皿としての事業展開を検討するとしていますが、その具体的な方策について、ご所見を伺います。
 東京水道サービス株式会社で続発する不祥事に関する都の特別監察においては、同社の内部統制やコンプライアンスに対する意識の低さ、課長ポストの約九割を都派遣と都OB職員が占め、固有社員のモチベーションが喪失されるなど、不正の温床となり得る危険性を内在した社員構成や人事システム、水道局への依存と主体性の衰退、水道局のガバナンスの甘さなどが、同社の内部統制上の課題として指摘されています。
 このような内部統制上の課題の改善に向け、真に物いう民間人材の経営層への登用など、外部の第三者目線による監視、内部統制の確立について提言されています。
 コンプライアンス確保は、公的サービスの担い手である政策連携団体においては大前提です。
 政策連携団体の活用方策として、先月、東京都政策連携団体活用戦略が発表されました。これまでの監理団体制度を見直し、現在の都政との関係性に着目した上で、一定の基準を満たす団体を事業協力団体として、その中でも特に都政との関連性が高い団体を政策連携団体として定義するとともに、団体の事業や都との役割分担などの将来像について描かれており、非常に重要な視点であると理解をしております。
 しかしながら、前述した東京水道サービス株式会社に対する都の特別監察で指摘されたような構造的な課題に対応する内容にはなっておりません。
 各政策連携団体について、構造的な課題は、団体の内部だけでは解決できないと感じます。第三者の意見を取り入れながら、課題解決に向けた取り組みを進める必要があると考えますが、知事の見解を伺います。
 続いて、現在行われている事業の見直し、効率化について伺います。
 水道局では、水道事業の理解促進とニーズ調査を目的とし、水道あんしん診断を実施しています。事業目的は理解できますが、事業目的に対してその内容が過剰である点は、我が会派の監理団体検証チームを初めとした議員から、機会を捉えて指摘してまいりました。
 事業計画では、七百五十万件の水道使用者に実施予定ですが、四年間で三十六億円をかけ、昨年度までに終了した五百七十五万件の水道あんしん診断事業による漏水発見件数も〇・〇八七%であり、成果とは受け取れませんし、この事業によりアンケートをとっておりますが、アンケートの方法や内容についても課題と感じます。
 全水道使用者の診断を目標に掲げて事業をスタートしたということですが、事業を進める中で目的達成のための手法を検証し、変えていく必要があり、効果が見られない事業については途中でやめることも必要であると考えます。
 水道あんしん診断については今年度が最終年度とのことですが、水道あんしん診断事業にかかわらず、今後の事業執行に当たっては、事業の途中であっても見直しをし、水道事業のさらなる発展のために効果的に予算を配分しなければならないと考えますが、都のご所見を伺います。
 次に、水道局におけるICTを用いたお客様サービスの向上についてです。
 今後、都民の安定給水を確保し、水道事業を持続的に展開していくには、ICTの活用が不可欠です。とりわけ、事業の最前線であるお客様サービス部門において、ICTの導入を積極的に進めていく必要があります。
 局では、現在、お客様対応についてAIの活用に取り組んでいると聞いていますが、公営企業委員会の質疑の中で、我が会派の鈴木議員からも指摘いたしましたお客様センターのAI活用については、実現に向けた検討を速やかに進めていただくよう要望いたします。
 また、キャッシュレス決済の拡大も重要です。
 二〇一七年六月に閣議決定された未来投資戦略二〇一七では、十年後、二〇二七年までにキャッシュレス決済比率を四割程度とすることを目指すとしており、東京二〇二〇大会を踏まえて、キャッシュレス決済は拡大の一途をたどっています。
 税金や公共料金の分野でも、私の地元練馬区でも、本年四月から区民税納付のキャッシュレス化が実現しています。水道料金の支払いは、口座振替等もありますが、まだ請求書払いが行われています。キャッシュレス化が進む現在、水道料金の支払いにおいても、早急にキャッシュレスの拡大を進めるべきと考えます。
 AI、キャッシュレスなどICTの進展が加速化する中、お客様サービスにこうした技術を積極的に導入して、お客様の利便性の一層の向上を図るべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、下水道事業について伺います。
 東京二〇二〇大会を来年の夏に控え、大会の開催に向けた準備の総仕上げの期間といえます。都としても、各局でレガシーの創出を意識されていることと思います。
 一九六四年の前回大会では、新幹線等の交通網や下水道が飛躍的に整備されるなど、大会を契機としたインフラ整備は、高度経済成長を牽引したとともに、水環境の改善に大きく貢献したと理解しております。
 汚れた水を浄化し、再び水循環のサイクルに戻している下水道の役割は、その後さらに広がり、現在では、下水処理水をさらに高度に処理した再生水をトイレ用水に活用するなど、持続可能な資源循環型社会の実現に大きな役割を果たしています。
 東京二〇二〇大会では、安全・安心の大会開催に向けた取り組みはもとより、世界が気候変動や天然資源枯渇の懸念など共通の課題に直面している中、持続可能な社会の実現に向けたインフラを都民の貴重な財産として未来に引き継いでいく取り組みも必要だと考えます。
 大会を契機に、東京がさらに成熟した都市として進化し、次世代への価値あるレガシーを創出していくためには、再生水の活用を拡大すべきと考えますが、下水道局の所見を伺います。
 次に、東京二〇二〇大会に向け、また、その後のレガシーを意識した都営地下鉄のインバウンド対策について伺います。
 近年、訪都外国人旅行者は年々増加しており、五月末の産業労働局の発表によると、平成三十年に都を訪れた外国人旅行者数は約千四百二十四万人に上り、過去最高を更新しました。そして、令和の時代を迎え、ラグビーワールドカップ二〇一九開催までちょうど百日となり、東京二〇二〇大会もいよいよ一年後に迫るなど、まさに今、東京は世界から最も注目される都市となっており、今後、さらに訪都外国人旅行者は増加することが予想されます。
 そのため、都は、東京二〇二〇大会の開催都市として、大会期間中に東京を訪れる外国人旅行者が、快適に、そして安心して都内を移動できる環境を整備していくことが必要です。
 都営地下鉄ではこれまでも、多言語による案内や無料Wi-Fiが利用できる環境の拡大など、さまざまな取り組みを進めていますが、それにとどまらず、東京二〇二〇大会の成功に向け、都営地下鉄における外国人旅行者の受け入れ環境の整備をさらに加速させていかなければならないと考えます。
 そこで、東京二〇二〇大会に向けた都営地下鉄におけるインバウンド対策について、今後の具体的な取り組みを伺います。
 以上で質問を終わります。
 ご清聴まことにありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 村松一希議員の一般質問にお答えをいたします。
 政策連携団体の課題解決に向けた取り組みについてのご質問がございました。
 私は常々、改革の担い手は一人一人の職員であり、都政改革の柱は自律改革、自分で律する自律改革と申し上げてまいりました。
 都とともに政策実現を目指します政策連携団体においても自律的な改革を進め、課題解決に邁進していくことは重要でございます。
 一方で、団体による改革の実効性を高めていくためには、団体や団体を所管する局以外の第三者的な立場からの意見、そして助言を得ていくことも有効でございます。
 現在、都では、政策連携団体に対しまして、コンプライアンスなどの自己点検の実施を求めております。今後、点検結果を踏まえて、団体の内部統制、コンプライアンス意識の向上などについて、全庁的な立場から指導助言を強化していく。それに加えまして、団体改革の実施方針を踏まえて、団体経営のチェックを担います常勤監事、監査役に専門人材を積極的に登用していくなど、団体の経営レベルにおきましても、ご指摘のように、外部からの視点を取り入れていきたいと考えております。
 都民から信頼される政策連携団体としていくためにも、多様な視点から団体の運営を検証いたしまして、自律的な改革を促進してまいります。
 残余のご質問につきましては、関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔水道局長中嶋正宏君登壇〕

○水道局長(中嶋正宏君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、水道局所管の政策連携団体、東京水道サービス株式会社及び株式会社PUCの統合後の事業展開でございますが、当局では、政策連携団体と一体的に事業運営を行うことで、広域水道としての事業を進めてきております。
 統合後の新団体は、水源から蛇口までの維持管理を初め、お客様サービスの提供に至るまでの水道事業全般を一手に担える団体となります。そのため、包括的な委託が可能となり、団体が創意工夫と責任を持って一層効率的な業務運営を行うことが期待でき、東京水道の経営基盤強化につながってまいります。
 また、新団体は、多摩地区市町水道の一元化を通して得た経験を生かし、全国の水道事業体が今後取り組む広域連携への貢献や官民連携に対する技術的支援などを行い、経営の自主性を向上させてまいります。
 こうした取り組みにより、持続可能な東京水道を実現するとともに、全国の水道事業の課題解決に貢献してまいります。
 次に、水道事業の効率的な運営についてでございますが、当局では、公営企業として、中期の事業計画と財政計画である経営プランを策定し、経済性の発揮と公共性の実現に努めております。毎年度の予算は、このプランに基づくとともに、料金収入の変動などを踏まえ、適切に編成しております。
 また、執行過程におきましても、各事業の進捗状況や課題を検証し、柔軟に見直しを行っております。
 お話のあんしん診断につきましても、今年度が最終年度となりますが、事業効果をより一層高めるため、アンケート項目を追加し、都民ニーズのさらなる把握に努めております。診断で得ました水質、サービス、危機管理など、幅広いご意見を分析、検証し、今後の水道事業に的確に反映してまいります。
 こうした取り組みを初め、今後とも事業執行について不断の見直しを行い、効率的な事業運営に努めてまいります。
 最後に、ICTを活用したお客様サービスの向上でございますが、当局では、水道料金の支払い方法について、これまで口座振替及びクレジットカード払いの導入を進めてまいりました結果、約七割のお客様のキャッシュレス支払いが実現しております。残る約三割のお客様につきましては、請求書による現金払いとなっており、最新のICTを活用した決済方法を導入することで、利便性の一層の向上が期待できます。
 このため、現在、自宅でも支払いが可能なスマートフォン決済やコンビニエンスストアでのキャッシュレス支払いの早期実現に向けまして、関係事業者と具体的に調整を進めております。
 今後とも、お話のお客様センターにおけるAIの導入なども含め、ICTを積極的に活用し、お客様サービスの一層の向上と効率的な事業運営を推進してまいります。
〔下水道局長和賀井克夫君登壇〕

○下水道局長(和賀井克夫君) 東京二〇二〇大会を契機とした再生水の活用拡大についてでございますが、成熟社会である東京が、持続可能な社会の実現に向けたこれまでの取り組みをさらに発展させ、課題解決のモデルを国内外に示していくことは重要でございます。
 下水道局では、都市の貴重な水資源である再生水をビルなどのトイレ用水として、臨海副都心地区など七地区、百九十二施設に、一日当たり約一万立方メートル供給しております。
 本年五月には、大会会場である有明アリーナ、有明体操競技場、有明テニスの森へ再生水を供給する配管工事が完了しており、今後、会場の整備状況に合わせて再生水の供給を開始してまいります。
 今後とも、こうした取り組みをレガシーとして、供給地区内の再開発等に合わせて再生水の一層の利用を促してまいります。
〔交通局長山手斉君登壇〕

○交通局長(山手斉君) 都営地下鉄のインバウンド対策についてでございますが、交通局では、外国人旅行者の利便性の向上を図るため、案内サインの多言語化やコンシェルジュの配置拡大等、さまざまな取り組みを進めてまいりました。
 東京二〇二〇大会に向けて、多言語による案内や乗車券の発売等を行うツーリストインフォメーションセンターを、新たに新橋駅及び新宿西口駅にも開設をいたします。
 また、八言語に対応した大型ディスプレーに表示された路線図や観光スポットなどから行き先を選択できる券売機を増設し、今年度中に全ての会場最寄り駅への設置を完了させます。
 さらに、外国人旅行者向けに新たにデザインした優待特典つきのPASMOを、ことし九月から発売をいたします。
 引き続き、外国人旅行者の受け入れ環境の充実を図り、開催都市の公共交通事業者として、大会の成功に貢献をしてまいります。

○議長(尾崎大介君) 三番成清梨沙子さん
〔三番成清梨沙子君登壇〕

○三番(成清梨沙子君) 二〇二〇改革プランについて伺います。
 昨年三月に示された二〇二〇改革プランの初めてのバージョンアップが行われ、改定版のプランが本年三月に示されました。初めてのバージョンアップである今回の改定版のプランをしっかりと検証することは極めて重要です。
 二〇二〇改革の原則は、職員がみずから進める自律改革ですが、二〇二〇改革の実効性を高めるためには、外部の視点を取り入れていくことも有用です。
 昨年度、特別顧問が廃止され、職員主体の体制に移行し、その上で、経営者、行政改革などの専門家による都政改革アドバイザリー会議が新たに設置されました。
 万が一にも、職員主体となったことにより改革が停滞してしまっているのではないかという懸念を都民に持たれることのないように、こうした外部の意見も活用しながら、PDCAサイクルを絶え間なくバージョンアップしていく必要があります。
 二〇二〇改革プランのバージョンアップに際しての都政改革アドバイザリー会議の活用状況と、それを踏まえて、今後のPDCAサイクルのあり方について、都の見解を伺います。
 政策連携団体における役員の構成について伺います。
 これまでの政策連携団体改革の流れを受け、政策連携団体は都とともに政策実現を目指していく団体としての位置づけが明確にされ、各団体にはさらに高度な役割が期待されることになりました。
 こうした期待のもと、政策連携団体の機能強化を実現していくためには、経営層の果たす役割が重要です。
 また、平成三十一年二月に出された東京水道サービス株式会社に対する特別監察報告書では、TSS社の管理職や役員ポストのほとんどを都派遣と都OB職員が占めているという問題点や、取締役会及び監査役が形骸化しているといった問題点が挙げられています。
 政策連携団体は、都が出資、出捐を行うなど、都関係者が役員を担うことに一定の合理性はありますが、今後はコンプライアンス強化、経営力の強化のために、民間人材や現場を最もよく知るプロパー人材を経営層へ登用し、理事会や取締役会を活性化していくことが重要であると考えます。
 都庁グループの機能を高めるため、民間人材の登用を含め、今後の団体の役員の構成をどのように見直していくのか伺います。
 都立病院について伺います。
 都は、医療サービスの向上に貢献するため、八つの都立病院を運営しています。現在、東京都における一般会計から病院会計への公費投入額は約四百億円に上り、行政的医療について都立病院に課せられる役割は重要ですが、都立病院の経営と、それを取り巻く環境については長年の課題となっています。
 都立病院新改革実行プラン二〇一八に示された計画では、六年間での収支の累積改善額は約五十一億円であり、一年間では約八・五億円程度となります。年間の公費投入額が約四百億円であることに照らすと、一層の経営改善が必要不可欠であることはいうまでもありません。
 また、地元区民からは、都立墨東病院の優秀な医師は他の病院に引き抜かれてしまうという声が届くなど、人事面、運営面でも改善が必要です。これらの課題解決のため、独立行政法人化に向けた検討も現在行われているところであり、最適な組織形態のあり方について速やかに検討していただくことを求めておきます。
 そして、その結論を待たずしても、持続可能な行政的医療の提供のための抜本的な経営改革を行うことは急務です。都立病院が提供している医療の中には、民間病院でも提供している分野もあり、改めて民間のノウハウを参考にすると同時に、民間病院等との機能分担を踏まえた繰入金の対象、算定方法の精査といった経営改革に早急に取り組むべきであると考えます。都の取り組みを伺います。
 病児保育について伺います。
 先日公表されましたように、都内全域で待機児童数が大きく減少しています。保育サービスは、定員拡大という量の点に加えて、都民の多様なニーズに対応することも重要です。
 通常の保育園では対応できない病児、病後児の保育施設は、区市町村の整備状況が一様ではありません。さらに、病児保育特有の問題として、利用当日のキャンセル発生と、キャンセル待ちの親とのマッチングがスムーズに行われない等の問題もあります。
 引き続き、区市町村に対して、国や都の支援を活用して病児保育施設数をふやすよう促すとともに、私たちの提案を受け、都の本年度予算に盛り込まれた新規事業である既存の病児保育施設の稼働率を向上させるための取り組みを推進すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 男性都庁職員の育児休業取得促進について伺います。
 国会において、男性の育休義務化を目指す議員連盟が発足するなど、男性の家庭活躍を促す機運は高まっています。都庁においてもさまざまな取り組みを進めてきましたが、平成三十一年度の男性職員の育児休業取得率の目標値が一五%であるのに対し、直近の平成二十九年度の数値は七%となっており、より一層の取り組みが求められます。
 男性が育休を取得しない理由としては、職場の理解、忙しさなどが挙げられますが、都庁においても、より詳細な理由を調査する必要があると考えます。また、昨年開催された都政改革アドバイザリー会議では、組織のトップが育休を取得したことをきっかけに、男性職員の育児休業取得率が大きく上がったということが例示され、男性管理職の目標をしっかりと上げていくことの重要性が指摘されていました。
 そこで、管理職を初めとする男性都庁職員の育休取得を推進すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 子育ての見守りについて伺います。
 子供連れが出かける際に最も困るのは、バス、電車などでの移動の際に子供が泣いてしまうということです。子供が公共の場で泣いてしまうことでのいづらさを感じる親も多く、また、保育園などでは、騒音をめぐって近隣から苦情を受けるなどの事象も多く見られます。
 公共の場での配慮はもちろん必要であることはいうまでもありませんが、子供を育てやすい環境をつくり上げていくためには周囲の寛容さが不可欠であることもまた事実であります。
 来年、いよいよ東京二〇二〇大会が開催されますが、子供連れの外国人の方々も多くいらっしゃることと思います。子育て、子供に優しい環境を整えることは、ホストシティーとしての責務ともいえます。
 こうした観点から、私たち都民ファーストの会東京都議団は、今の東京における子育てのしづらさ、不寛容さともいうべきものを変えていくための取り組みの一つとして、子育て応援車両を導入すべきと提案し、関連施策に盛り込まれています。
 そして今、個人の意思表示として、泣いてもいいよシールというものに注目が集まっております。
 東京都としても、都営地下鉄の子育て応援スペースというハード面での整備にあわせ、公共の場での子育て見守りの機運醸成をさらに進めていくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 子供、子育て支援を進める上で、児童虐待は断じて許されません。昨日、福祉保健局のホームページにおいて、本来、東京都児童虐待防止推進キャラクターと記載すべきところを、東京都児童虐待推進キャラクターと誤記されているという信じられないニュースが報道されました。当然、人の行うことには間違いが生じることもありますが、その中にも絶対に間違えてはいけないこともあります。
 折しも、札幌市で二歳の女の子が児童虐待により衰弱死するという痛ましい事件が起き、児童相談所のあり方そのものが問われている中で、この間違いは決して起こってはならないものでした。心から残念に思うとともに、憤りを感じます。
 そこで、今回発生した誤記の事態をどのように捉えているのか、知事の考えを伺います。
 また、加えて、当事者である福祉保健局においては、こうした公表物に対してどのようなチェック体制を設けているのか、そして、こうしたあるまじき事態の再発防止に向けてどのような対策を講じていくのか伺います。
 都立学校における新たな学びのあり方について伺います。
 教育こそ人への投資の最たるものです。ソサエティー五・〇においては、グローバル化の一層の進展やAIの台頭など、変化の激しい時代となり、その中をたくましく生き抜く力を子供たちが身につけられるよう、特色ある学校教育をさらに推進していく必要があると考えます。
 今般、東京都教育委員会では、国内外の多様な機関と連携したダイバース・リンク・トウキョウ・エデュを構築する取り組みを開始したと伺いました。この取り組みを世界をリードするグローバル人材育成につなげていくべきと考えますが、ダイバース・リンク・トウキョウ・エデュの具体的な目的や取り組みについて伺います。
 最後に、大規模水害対策について伺います。
 水害が心配される季節となりました。東部低地帯五区を初めとした都市部においては、一たび大規模水害が発生すると、人的のみならず経済的にも甚大な被害が発生し、深刻な影響をもたらします。
 江東五区大規模水害広域避難計画によれば、台風が接近する七十二時間前には避難開始時期等について共同検討を開始することとされています。
 また、避難実施の際には、行政区域を越えた避難先や移動手段の速やかな確保が必要となります。いつから避難を始めるのかといった判断や、広域避難を行うための避難場所や手段を検討していく必要がありますが、これらを実施するためには、都が主導的な役割のもと、区市町村を支援していく必要があります。
 そのため、都は国と共同で、首都圏における大規模水害広域避難検討会を設置し、広域避難のあり方の検討を進めています。
 検討会では、昨年度末に広域避難に係る基本的な考え方を取りまとめているところですが、今年度、その具体化に向けどのような検討を進めていくのか伺い、質問を終了します。
 ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 成清梨沙子議員の一般質問にお答えをいたします。
 まず、男性職員の育児休業取得についてのご質問がございました。
 男性の育児参加は女性がさらに活躍していくために、働き方の見直しとあわせまして重要な課題でございます。また、男性職員にとっても、育児は人間性を成長させるとともに、自身の働き方を見詰め直すことにつながる貴重な機会でもございます。
 都はこれまで、男女ともに職員が育児と仕事を両立しながら力を発揮できるように、テレワークや柔軟な勤務時間制度を導入するなど、働き方改革を強力に進めてまいりました。
 さらに、ことしの一月からは、配偶者の妊娠が判明した男性職員に対しては、休暇取得や育児期の働き方につきまして、上司が面談を行うなど、男性職員の育児休業取得を後押ししております。
 今後は、職員の育児休業取得に関しての実態調査を実施いたしまして、管理職を含めた男性職員の一層の取得促進に活用してまいります。
 こうした取り組みを進めることで、職場全体で育児を支援する機運を醸成して、育児休業取得率の向上とともに職員のライフワークバランスの実現を目指してまいりたいと考えております。
 次に、子育てを応援する機運の醸成についてでございます。
 お話がありましたように、子育てに関して周りの理解が得にくい、そのために子供を連れて外出することに不安を感じる方もいらっしゃるということについては認識をいたしております。
 誰もが安心して子供を産み育てることができる、そんな環境を整備していくためには、都民、企業、そして行政など、社会全体が連携して取り組むということが重要であります。
 そこで、都といたしまして、経済、流通、交通、教育、保育など、さまざまな分野の機関、そして学識経験者で構成をいたします、子育て応援とうきょう会議を設置いたしております。この会議の趣旨に賛同する約六百の団体が地域で協働して、ともに働いて、機運醸成に取り組むとともに、子育てに役立つ情報を発信するなど、さまざまな取り組みを進めております。
 また、子育て家庭や妊婦さんを対象として、地域の店舗などが、おむつかえスペースであるとか商品の割引サービスなどを提供したりと、子育て応援とうきょうパスポート事業というものがございますが、現在約四千四百の店舗などの協賛を得ているところでございます。
 東京全体にこうした取り組みが広がりますように、地域で子育て支援に積極的に取り組んで、団体や事業者のネットワークを生かしながら協働の輪をさらに広げて、社会全体で子育てを応援する機運の醸成を一層推進してまいりたいと考えております。
 最後に、児童虐待防止公式ホームページの誤った記載、誤記についてのご指摘がありました。
 今般リニューアルした都の児童虐待防止公式ホームページでございますが、そこにあってはならない誤記があったことについて、知事として重く受けとめております。心からおわびを申し上げます。また、常に緊張感を持ちまして業務を遂行して、皆様の信頼回復に努めますように、所管局に指示をしたところでございます。
 なお、その他のご質問につきましては、教育長及び関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) ダイバース・リンク・トウキョウ・エデュの目的や取り組みについてでございますが、子供たちがソサエティー五・〇の社会において活躍できるようにするためには、世界的な視野や深い思考力、他者と協働する力、創造性等を培うことが重要でございます。
 このため、都教育委員会は、海外の教育行政機関や国内外の大学、グローバル企業等の協力を得て、社会や世界と学校とをつなぐ新たな学びのプラットホームとして、ダイバース・リンク・トウキョウ・エデュを構築してまいります。
 具体的には、拠点となる都立高校等において、英語やICTを積極的に活用し、大学教員や企業の社員、国内外の学校等との対話的な活動や、文系、理系を融合したカリキュラムにより、体験的で高度な探求学習を実施してまいります。
 こうした取り組みを順次広げ、東京ならではのネットワークを最大限に生かした新しい学びを実現してまいります。
〔総務局長遠藤雅彦君登壇〕

○総務局長(遠藤雅彦君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、都政改革のPDCAサイクルについてでございますが、都政の自律改革を着実に推進していくためには、幅広い観点から意見を取り入れていくことが重要でございます。そのため、昨年度には企業経営などの専門家で構成する都政改革アドバイザリー会議を設置し、ペーパーレス等の三つのレスや女性活躍の取り組みを強化するなど、委員からの助言を二〇二〇改革プランの改定に反映をいたしました。
 今年度から、都政改革のPDCAサイクルを徹底するため、新たに政策評価を導入し、今月には、アドバイザリー会議のもとに設置した政策評価分科会において、評価制度の具体的検討を開始いたします。
 今後とも、こうした評価制度を初め、外部有識者の知見を活用しながら、PDCAの質を高め、さらに改革を推進してまいります。
 次に、政策連携団体の役員構成の見直しについてでございますが、都が抱える課題を解決し、三つのシティーを実現していくためには、政策連携団体がその役割を高度化させ、新たなミッションに取り組むとともに、その知見を都の施策にフィードバックするなど、都と政策連携団体を含めた都庁グループ全体の機能を高めていくことが重要でございます。
 こうした認識のもと、改革の実施方針に基づき、個々の団体の特性やガバナンスに配慮しつつ、経営戦略について多角的な検討ができるように、常勤役員のポスト数や都関係者の割合を見直すことといたしました。
 今後、コンプライアンスや内部統制を含め、団体の経営戦略の実現に適した民間人材や、業務に精通したプロパー職員等を積極的に登用して、役員構成のベストミックスを図り、団体の経営力をさらに強化させてまいります。
 最後に、東部低地帯における水害対策についてでございますが、都が国と共同で設置した検討会では、本年三月、広域避難場所や避難手段の確保について、基本的な考え方を取りまとめました。
 これに基づき、今年度は、台風や高潮などの災害のパターン別に、区市町村が広域避難を行う際の手順などの枠組みを検討するとともに、鉄道事業者との間で臨時ダイヤを盛り込んだ運行計画を策定するなど、広域避難時の住民の移動手段を検討いたします。
 また、区市町村間の移動経路や避難者数を考慮したシミュレーションを行いまして、広域避難自治体と受け入れ自治体との組み合わせ案を策定してまいります。
 こうした検討を進め、今年度末に、区市町村を初めとする関係機関の役割分担や時系列的な連携のあり方を最終報告として取りまとめてまいります。
〔病院経営本部長堤雅史君登壇〕

○病院経営本部長(堤雅史君) 都立病院における経営改革の取り組みについてでございますが、病院経営本部は昨年度、全ての都立病院の副院長が参画する経営改善推進プロジェクトチームを設置いたしました。このPTでは、民間病院の取り組みを含めたすぐれた事例を共有し、可能なものから導入を図ってきております。
 都立病院が、行政的医療を将来にわたり提供していくためには、一般会計からの適正な繰り入れは不可欠でございますが、都はこれまでも、繰入金の対象範囲などについて見直しを行ってまいりました。
 今後も、都内の医療提供体制の充足状況等を踏まえつつ、対象範囲の厳格化や繰り入れ算定方法のさらなる精緻化など、繰入金の適正化に取り組んでまいります。
 こうした取り組みを進めまして、安定的かつ継続的に行政的医療を提供することで、都民の生命と健康を守るという使命を果たしてまいります。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まずは、先ほど知事からもお話がありました児童虐待防止公式ホームページの誤記についてでございますが、本年四月から東京都子供への虐待の防止等に関する条例を施行し、社会全体で児童虐待防止への理解を深め、その防止に関する取り組みを推進していこうとする、まさにそのやさきにこのようなミスを起こしたことに対しまして、所管局長として責任を痛感しております。
 都議会の皆様、都民の皆様に対し、不快や不安な思いを抱かせてしまったこと、改めまして、心よりおわび申し上げます。
 今回の事態は、児童虐待防止に係る普及啓発強化のために、ホームページをリニューアルする際のチェック体制が不十分だったことから生じたものと認識しております。
 今後、このようなことを二度と起こさないよう、局事業全般にわたり、職員一人一人が細心の注意を払って職務に当たるとともに、各段階におきます二重、三重のチェック体制を設けるなど、まさに私、局長、率先して再発防止に徹底してまいりたいと思います。
 次に、病児保育事業についてでございますが、都は、区市町村の病児保育の取り組みを促進するため、病児保育施設の整備費や改修費を補助するとともに、複数の区市町村で利用する施設を整備する場合には、整備費や賃借料等の区市町村負担分を全て都が負担しているところでございます。
 また、病児保育施設が、病児の利用の少ない日に、施設の人材やノウハウを活用して、地域の保育所への情報提供、巡回支援等を行う場合に支援しているところでもございます。
 さらに今年度は、施設の利用を希望する方がインターネットで施設の空き状況の照会や予約を行えるよう、システムを構築する区市町村への補助を開始いたしました。
 今後も、利用者の利便性、施設稼働率の向上に取り組む区市町村を支援してまいります。

○議長(尾崎大介君) 二十七番斉藤れいなさん
〔二十七番斉藤れいな君登壇〕

○二十七番(斉藤れいな君) 小池知事就任以来、矢継ぎ早に講じてきたさまざまな施策の効果が数値としてあらわれ始めており、待機児童の減少やペット殺処分ゼロといった実績は目をみはるものがあります。だからこそ、ここで一度立ちどまり、この数値の先にある東京の未来を思い描くことが必要です。
 まずは、待機児童ゼロの取り組みについて伺います。
 AIにより社会課題の見える化を行うインサイトテックの調査によると、いまだ七割が待機児童は深刻であるとしていて、今の預け入れ先が希望どおりかどうかという問いに対して、二割は希望どおりではないとしています。つまり、預けられたイコール、ゴールではない状況があるように見えます。
 知事の所信表明においても、安心して子供を預けられる質の向上を推し進める旨の考えが示されたところです。その際、持続的な保育行政という観点から、公費負担の大きい認可保育所増設ばかりではない真の保育改革に取り組んでいただくことを要望するものです。
 その鍵を握るのは、東京都独自の制度である認証保育所制度であると考えます。認証保育所制度は、そもそも石原都知事時代に、ほかの地域と比べ、多様な保育ニーズを抱える都民の状況を鑑み、制度疲労を起こしている国の保育行政に対して、保育サービスの供給の変革を迫るものでした。
 特に、認証ならではの直接契約の仕組みは、かつて国の規制改革会議でも、認可保育所が目指すべき形として示されたもので、求職中の保護者やパートタイマ―、フリーランス、専業主婦でも入りやすいことや、在住する区市をまたいで申請することも容易で、親が保育所を選び、保育所は選ばれるために努力をするという市場原理も働きます。
 このように多様かつ柔軟なサービスの実現を可能とする認証保育所をさらに生かしていくべきと考えます。改めて、都として認証保育所の強みをどのように捉え、支援をしていこうと考えているのか伺います。
 一方で、認証の経営をめぐっては厳しさがあるのが実情であり、最近では運営補助が多くなる認可への移行を目指す認証が多く、認証自体の数は減少傾向にあります。ゼロ歳児を認可で預かると、一人当たり平均月額四十万円の運営費用がかかります。つまり、今の手法で待機児童対策を進めるほどに、恒久的な公費負担がふえていくということでもあり、持続可能性の観点からは危惧すべき状況にあると考えています。
 都政改革本部で顧問を務めた鈴木亘氏は、そもそも認可と認証においてはイコールフッティングがなされていない、つまり対等な条件下での競争が行われていないと指摘をしています。私たちは、対等で健全な競争こそが保育サービスの質向上にとって重要な要素であり、待機児童ゼロの先にある保護者と児童にとっての満足度や幸福度の向上を実現するために必要不可欠なことであると考えます。
 東京都では、保育利用料のイコールフッティングを進めるべく、保護者負担額の軽減策である認可外保育施設利用支援事業を行っていますが、本年十月から開始される幼児教育の無償化にあわせ、事業が再構築されるとのことですが、その内容を伺います。
 次に、ペット殺処分ゼロについて伺います。
 各区市町村や譲渡団体やボランティアの皆様のご尽力によりまして、ペット殺処分ゼロが達成され、その功績に敬意と感謝を表するものです。
 一方、小池知事の目指す、人と動物の真の共生社会を実現するには、いまだやるべきことは山積しています。八週齢規制や虐待厳罰化を盛り込んだ改正動物愛護法がきょうの午前中、成立をいたしました。悲しい命を生み出さぬように蛇口を閉めるとともに、ボランティアの善意に頼り過ぎないような出口戦略を実行していかなければなりません。
 きのうの代表質問で、殺処分のガイドラインを策定することについては年度内に行うと答弁がありました。現場では、譲渡不適応の動物も譲渡団体が過剰に抱え込んでしまうという事態が起きています。ぜひ早急に進めていただきたいと要望いたします。
 東京都の動物愛護センターは、施設の老朽化と殺処分のイメージもあり、一般的に都民が訪れにくいという課題がございます。センターの抱える動物で殺処分対象が出れば、譲渡団体が引き取りに行き、センターの外で譲渡先を探しているのが日常です。
 神奈川県では、動物保護センターを動物愛護センターへと名称を変更し、処分するから生かすへセンターの機能を転換させることを目指して施設を改修しました。東京都もぜひ早急なセンター改修と機能転換の方針検討を進めていただきたいと考えます。
 一方で、施設が改修されるまでの間にソフト面での努力で変革を起こすことも可能です。
 動物愛護センターをさらに都民に開かれた場所へと変換していくため、飼養者向けの啓発事業やセミナーを開催することや、センターをオープンにし、一般の方々が来やすい場所にするべきと考えるが、都の見解を伺います。
 次に、都の文化施策について伺います。
 文化の祭典でもある二〇二〇東京大会に向けて、さまざまな文化プログラムが開催されています。文化を二〇二〇年以降のレガシーにすべく、文化の持つ価値の最大化を図るべきです。
 来年度、上野駅が改修され、東京文化会館の上野の顔としての側面がより大きくなります。トゥーランドットの会場でもある東京文化会館は、歴史的建造物として価値の高い施設であるとともに、クラシックやオペラ愛好家からも大変評価の高い施設ですが、プログラムの内容からも、日本人客の利用者が圧倒的に多く、海外観光客からは足を向けにくいという現状があり、さらなる施設の活用には課題がございます。
 さらに、大ホール五階建ての客席へのアクセスが階段のみであるなど、二〇二〇大会を迎える東京都として、バリアフリーの面でも不安を感じざるを得ません。
 東京都オープンデータカタログサイトを参照すると、文化会館のエレベーター情報が出てきますが、これらは一般客が利用することができないものです。東京都歴史文化財団の長期ビジョンにおいても、都立文化施設や事業におけるバリアフリー化が必要とされており、ソフト面の対応も含め、改善に向けて検討を進めていただきたいと考えますが、見解を伺います。
 今後、上野駅周辺は世界から人の集まる一大観光地となる可能性が高いエリアです。文化会館前にオープンカフェを設置するなど、エリア全体の価値向上に向けて、地域や民間企業と連携した組織横断での取り組みを期待するところです。
 次に、教育施策について伺います。
 未来の東京を切り開くのは人であり、全ての人に十分な教育の機会を確保することが重要です。都内公立中学生の不登校出現率は実に三・七八%に上り、不登校児童の支援は喫緊の課題といえます。
 東京都には、高尾山学園と分教室型のはしうち教室という二校の不登校特例校が存在します。先日、高尾山学園を視察し、多様な形での生徒支援が進んでいることを確認することができました。これまで学校復帰が目標といわれてきた不登校児童への支援ですが、もといた学校に戻ることではなく、柔軟な授業形態の中で学びを深めていくという選択肢を提示したことは大きな一歩であったと考えます。
 そこで、各区市町村において不登校特例校の設置を推進していく動きがあれば、力強く支援するべきであると考えますが、都の見解を伺います。
 一方で、各区市町村単独では財政面の課題などから、特例校の設置は困難であるとの見方もあります。現在は八王子市民しか高尾山学園に通うことができないということで、家族で引っ越しをされる方もいらっしゃると伺います。区市町村境を越えて広域的な利用を進める方策はないか、ぜひ検討を進めていただきたいと要望しておきます。
 同じく不登校児童への支援を行う場所として、それぞれの地域で支援する教育支援センターがあります。東京都は三年間のモデル事業として不登校児童の支援に関してさまざまな取り組みをサポートしてきました。このモデル事業が終了するに当たり、都からの支援はなくなりますが、大切なのは事業から確認された取り組みの有効性を今後広く区市町村に共有し、広めていただくことです。
 教育支援センターのモデル事業の成果と、区市町村等への周知や情報共有に関する今後の取り組みについて伺います。
 最後に、東京都の交通政策、とりわけコミュニティバスのあり方について伺います。
 近年、地域交通バスは少子高齢化が急速に進む多摩地域において、高齢者を初めとする交通弱者が気軽に利用できる重要な交通手段として市民の生活を支えています。地元稲城市からは、ルートの見直しなどの経営努力を行っているものの、財政的に大きな負担となっているという声が届いています。
 本来、コミュニティバス支援は福祉の観点から、交通空白地域にバスを運行するという趣旨で開始された都独自の施策であり、最終的に自立的な運行を行っていくのが望ましいという考え方も理解しております。ですが、現実にはコミュバス運行を自立的に行えている区市はそう多くなく、市場原理に任せれば、過疎地域で路線縮小が生じることは必至です。
 そこで、東京都では現在、地域福祉推進区市町村包括補助事業によりコミュニティバス導入補助を行っていますが、近年、区市町村からは、運行維持に対する支援を拡充してほしいという要望も出ており、これについてコミュバスの制度そのもののあり方も含めての見解を伺います。
 頻発する高齢者の交通事故に端を発して、プロジェクトチームにより公共交通のあり方についても議論がなされるものと思いますが、その際、これまで福祉保健局と都市整備局のはざまに入り込んでしまっていたコミュニティバスへの支援のあり方についても、根本的な見直しを検討していただきますことを要望し、私の質問を終わります。(拍手)
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 斉藤れいな議員の一般質問にお答えいたします。
 不登校に関する二点のご質問をいただいております。
 まず、不登校特例校の設置に向けた支援についてでございますが、不登校特例校は、子供の実態に配慮した特別の教育課程を編成する学校であり、不登校の子供の学びの機会を確保する場として重要な役割を果たしております。
 これまで都教育委員会は、区市町村教育委員会に対し、施設整備等に係る負担が小さく、速やかに設置が可能な分教室型の東京版不登校特例校の設置を全国に先駆けて働きかけてまいりました。また、設置に当たっては、都の配置基準に基づき正規教員を配置し、初年度に必要な物品の購入費用の一部を補助するなどの支援を行ってきております。
 今後とも、区市町村教育委員会に対し教育課程の編成や文部科学省への申請手続について助言するなどして、東京版不登校特例校の拡充を図り、不登校の子供たちの豊かな学校生活の実現に努めてまいります。
 次に、教育支援センター機能強化モデル事業についてでございますが、都教育委員会は、不登校の子供に対する個別の支援を充実させるため、平成二十九年度から三年間、十一地区においてモデル事業を実施し、教育支援センターに対して、人材の配置や学習環境の整備などを行ってまいりました。
 モデル地区からは、新たに配置された登校支援員による家庭訪問や心理職による面談により子供の学校復帰につながった事例や、タブレット端末の導入により子供の学習意欲が向上した事例などが報告されております。
 今後、都教育委員会は、モデル地区の先進的取り組みや、モデル事業終了後も効果的な実践を継続、発展させている取り組み等を区市町村教育委員会の担当者連絡会で周知するなどして、教育支援センターの取り組みを支援してまいります。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、認証保育所への支援についてでありますが、大都市特有の保育ニーズに対応するため、ゼロ歳児保育や十三時間開所等を義務づけた認証保育所は、利用者との直接契約により、利用者本位のサービスを積極的に提供するなど、都の保育施策の重要な柱の一つでございます。
 そのため、都は、開設準備経費や運営費を補助するほか、保育士等のキャリアアップに向けた取り組みや、障害児やアレルギー児などに対応するための取り組みへの支援などを行っております。
 今年度からは、保育ニーズに柔軟に対応できる認証保育所の特徴を生かし、保護者が夜間にも安心して保育サービスを利用できるよう、午後十時以降の運営費を補助する事業を開始するなど、今後とも、区市町村と連携しながら認証保育所の取り組みを支援してまいります。
 次に、認可外保育施設利用支援事業についてでありますが、都は、平成二十八年度の緊急対策において、認証保育所のほか、職員配置や設備等の基準を満たす認可外保育施設等を利用する保護者の負担を軽減する事業を開始し、区市町村が行う保育料補助の取り組みを支援してまいりました。
 本事業につきましては、本年十月の幼児教育の無償化の開始に合わせて、認証保育所を利用する場合の負担額が、認可保育所を利用する場合と同水準となるよう見直しを行うこととしており、今後とも、認証保育所等を利用する保護者の負担軽減に取り組む区市町村を支援してまいります。
 次に、動物愛護相談センターについてでありますが、センターは、都の動物愛護施策の中核を担う施設として、その専門性を生かし、普及啓発や保護した動物の譲渡、事業者の監視指導、動物に関する危機管理など、さまざまな施策を展開しております。
 都民を対象とした普及啓発の取り組みといたしましては、啓発行事の開催や小学校での動物教室の実施等のほか、センターで保護した動物の譲渡を希望する方を対象とした講習会や、親子を対象に動物の接し方などについて学ぶ夏休み動物セミナーを開催するなど、センターに来所いただき、動物について学んでいただく機会を設けております。
 今後とも、動物愛護に関する催し等を開催することを通じまして、センターが都民にとってより親しみやすい身近な施設となるよう努めてまいります。
 最後に、コミュニティバスの導入補助についてでありますが、都は現在、区市町村が交通空白地域を走行すること、事業の持続可能性などを踏まえて事業化することを条件に、コミュニティバス導入時の調査検討経費や車両購入費、運行開始後三年間の運行経費の一部について、包括補助で支援しております。この補助につきましては、お話のように、区市町村から拡充に向けた要望が寄せられております。
 この支援は、コミュニティバスが地域の高齢者、障害者等の社会参加を促進するための有効な交通手段の一助ともなっている観点から、一定の条件を付して導入時に行っているものであり、引き続き、区市町村の取り組みを支援してまいります。
〔生活文化局長浜佳葉子君登壇〕

○生活文化局長(浜佳葉子君) 東京文化会館のエレベーター設置についてでございますが、建物の構造上、エレベーターを設置する場所の確保の困難性、建築基準法などの法規制、加えて文化的価値のある建築意匠の保存などの課題があり、設置は困難でございます。
 障害のある方などに対しましては、ホール一階に車椅子席を設けるとともに、係員が来館者の状況に合わせて声をかけ、ホール内への誘導補助を行うなどの対応を行っております。
 今後とも、障害のある方などのご利用に際しては、細やかな対応を行ってまいります。

○議長(尾崎大介君) 以上をもって質問は終わりました。

○議長(尾崎大介君) これより日程に入ります
 日程第一から第四十まで、第百一号議案、東京都知事の給料等の特例に関する条例の一部を改正する条例外議案三十七件、諮問一件、専決一件を一括議題といたします。
 本案に関し、提案理由の説明を求めます。
 副知事長谷川明君。
〔副知事長谷川明君登壇〕

○副知事(長谷川明君) ただいま上程になりました四十議案についてご説明申し上げます。
 初めに、第百一号議案から第百十七号議案までの十七議案は条例案で、いずれも一部を改正する条例でございます。
 第百一号議案、東京都知事の給料等の特例に関する条例の一部を改正する条例は、知事の給料等について、特例措置を延長するものでございます。
 第百二号議案、特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例は、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部改正に伴い、特別区が処理する事務の範囲に係る規定を改めるものでございます。
 第百三号議案、都と特別区及び特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例は、地方自治法施行令の一部改正等に伴い、基準財政収入額の算定方法を改めるものなどでございます。
 第百四号議案、東京都都税条例等の一部を改正する条例は、特別法人事業税の創設に伴い、法人事業税の税率を改定するほか、消費税率の引き上げに合わせて自動車税の税率を引き下げるものなどでございます。
 第百八号議案、東京都駐車場条例の一部を改正する条例は、都市再生特別措置法の一部改正に伴い、改正法に基づく都市再生駐車施設配置計画が作成された区域においては、条例で規定する附置義務にかかわらず、当該配置計画に即して駐車施設を附置することを可能とするものでございます。
 第百九号議案、東京都受動喫煙防止条例の一部を改正する条例は、健康増進法の一部改正を踏まえ、規定を整備するものでございます。
 第百十号議案、東京都母子及び父子福祉資金貸付条例の一部を改正する条例は、母子及び父子並びに寡婦福祉法施行令の一部改正に伴い、償還未済額の一部の償還を免除することができる貸付金を加えるものでございます。
 第百十一号議案、東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例は、女性福祉資金貸付事業の充実を図るため、事業開始資金等の貸付限度額を引き上げるものでございます。
 第百十二号議案、東京都指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例は、児童福祉法施行令及び地方自治法施行令の一部を改正する政令の施行に伴い、八王子市が行うこととする事務について規定を整備するものでございます。
 第百十三号議案、東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例及び第百十四号議案、東京都立芝浦屠場条例の一部を改正する条例は、消費税率及び地方消費税率の改定に伴い、使用料の上限額等に係る規定を整備するものでございます。
 第百十五号議案、東京都港湾管理条例の一部を改正する条例は、東京国際クルーズターミナルの新設に伴い、客船ターミナル施設の使用料の上限額を改定するものなどでございます。
 第百十六号議案、東京都暴力団排除条例の一部を改正する条例は、暴力団排除特別強化地域を設け、暴力団員に対する利益供与等の規制を強化するものでございます。
 第百十七号議案、東京消防庁の設置等に関する条例の一部を改正する条例は、消防署の移転に伴い、規定を整備するものでございます。
 このほか、法令改正に伴い規定を整備するものが三件ございます。
 第百十八号議案から第百二十四号議案までの七議案は契約案でございます。
 第百十八号議案、警視庁丸の内警察署庁舎(三十一)改築工事請負契約など、契約金額の総額は約二百十四億七千万円でございます。
 第百二十五号議案から第百三十八号議案までの十四議案は事件案でございます。
 第百二十五号議案は有明アリーナの公共施設等運営権を設定するもの、第百二十六号議案は大戸緑地用地として土地を買い入れるもの、第百二十七号議案外十一議案は東京消防庁の特種用途自動車等を買い入れるものでございます。
 次に、諮問でございます。
 諮問第三号は、東京都多磨霊園の土地使用不許可処分について審査請求があったため、地方自治法の規定に基づき諮問するものでございます。
 次に、専決でございます。
 東京都都税条例の一部を改正する条例は、施行までの間に議会を招集する時間的余裕がないと認め、専決処分を行ったものでございます。
 上程になりました四十議案の説明は以上でございますが、このほかに人事案を送付いたしております。
 まず、東京都人事委員会委員でございます。
 七月二十三日に任期満了となります青山氏は再任いたしたいと存じます。
 次に、東京都収用委員会委員でございます。
 七月十二日に任期満了となります二名の委員のうち、野口孝氏につきましては再任し、相澤俊行氏の後任には、田之倉敦司氏を任命いたしたいと存じます。
 次に、東京都収用委員会予備委員でございます。
 一名の委員が欠員となっておりますので、近田直裕氏を任命いたしたいと存じます。
 また、七月十二日に任期満了となります藤井芳弘氏は再任いたしたいと存じます。
 以上で説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
(議案の部参照)

○議長(尾崎大介君) 以上をもって提案理由の説明は終わりました。
 お諮りいたします。
 ただいま議題となっております日程第一から第四十までは、お手元配布の議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託をいたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認めます。よって、日程第一から第四十までは、議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定をいたしました。
(別冊参照)

○議長(尾崎大介君) これより追加日程に入ります。
 追加日程第一、東京都人事委員会委員の選任の同意についてを議題といたします。
〔櫻井議事部長朗読〕
一、東京都人事委員会委員の選任の同意について一件

三一財主議第一三七号
令和元年六月四日
東京都知事 小池百合子
 東京都議会議長 尾崎 大介殿
東京都人事委員会委員の選任の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は令和元年七月二十三日任期満了となるため、再び選任したいので、地方公務員法第九条の二第二項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     青山やすし

      略歴
現住所 東京都中野区
青山やすし
昭和十八年十月五日生(七十五歳)
昭和四十二年三月  中央大学法学部卒業
昭和四十二年四月  東京都入都
昭和五十四年十二月 神経科学総合研究所事務部調査課長
昭和五十六年十月  衛生局副主幹≲神経科学総合研究所派遣(管理部調査課長)≳
昭和五十七年八月  商科・立川短期大学事務局立川短大教務課長
昭和五十九年四月  都市計画局副主幹(局務担当≲局務≳)
昭和六十一年四月  生活文化局総務部企画室副参事
昭和六十三年四月  生活文化局総務部企画室副参事(統括)
平成元年八月    生活文化局総務部庶務課長(統括)
平成二年八月    生活文化局参事≲総務課長事務取扱≳
平成三年六月    城北福祉センター所長
平成五年七月    福祉局高齢社会対策担当部長
平成六年四月    福祉局企画担当部長
平成六年八月    福祉局高齢福祉部長
平成七年六月    企画審議室計画部長
平成八年七月    政策報道室計画部長
平成九年七月    政策報道室理事
平成十一年五月   東京都副知事
平成十五年七月   荒川区教育委員会委員
平成十六年四月   明治大学公共政策大学院教授
平成二十七年七月  東京都人事委員会委員長就任
平成二十八年二月  一般社団法人都市調査会代表
平成三十年三月   明治大学公共政策大学院教授退任
平成三十年四月   明治大学名誉教授
現在        明治大学名誉教授
          一般社団法人都市調査会代表

○議長(尾崎大介君) お諮りいたします。
 本件は、知事の選任に同意することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、知事の選任に同意することに決定をいたしました。

○議長(尾崎大介君) 追加日程第二及び第三、東京都収用委員会委員の任命の同意について二件を一括議題といたします。
〔櫻井議事部長朗読〕
一、東京都収用委員会委員の任命の同意について二件

三一財主議第一三八号
令和元年六月四日
東京都知事 小池百合子
 東京都議会議長 尾崎 大介殿
東京都収用委員会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は令和元年七月十二日任期満了となるため、再び任命したいので、土地収用法第五十二条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     野口  孝

      略歴
現住所 東京都福生市
野口  孝
昭和二十五年四月三十日生(六十九歳)
昭和四十九年三月 中央大学法学部卒業
昭和四十九年四月 東京都入都
平成二年四月   建設局西多摩建設事務所用地第一課長
平成三年十月   総務局副参事≲多摩移管百周年記念事業担当≳
平成四年四月   総務局行政部副参事≲TAMAらいふ21協会派遣≳
平成六年四月   下水道局総務部副参事(局務担当)
平成七年六月   下水道局経理部契約課長
平成九年七月   政策報道室広報部報道課長(総務局災害対策部副参事兼務)
平成十一年六月  下水道局総務部総務課長
平成十二年八月  下水道局参事≲総務部総務課長事務取扱≳
平成十三年七月  東京都退職
平成十三年七月  西東京市助役
平成十五年六月  西東京市退職
平成十五年六月  出納長室銀行設立準備担当部長
平成十五年八月  産業労働局産業政策調整担当部長
平成十六年八月  下水道局経理部長
平成十七年七月  下水道局総務部長
平成二十年七月  収用委員会事務局長
平成二十二年六月 東京都退職
平成二十二年六月 東京中小企業投資育成株式会社取締役
平成二十七年四月 東京都収用委員会予備委員
平成二十八年七月 東京都収用委員会委員
現在       東京都収用委員会委員

三一財主議第一三九号
令和元年六月四日
東京都知事 小池百合子
 東京都議会議長 尾崎 大介殿
東京都収用委員会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、東京都収用委員会委員 相澤俊行は令和元年七月十二日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、土地収用法第五十二条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     田之倉敦司

      略歴
現住所 東京都八王子市
田之倉敦司
昭和三十二年七月三十日生(六十一歳)
昭和五十六年三月 中央大学経済学部卒業
昭和五十六年十月 新和監査法人入所
昭和六十年八月  公認会計士登録
昭和六十年八月  田之倉公認会計士事務所開業
平成十一年二月  税理士登録
平成十九年六月  日本公認会計士協会東京会幹事
平成二十年十一月 登録政治資金監査人登録
平成二十年十一月 みさき監査法人代表社員
平成二十二年六月 日本公認会計士協会東京会常任幹事
平成二十八年六月 日本公認会計士協会東京会副会長
現在       公認会計士

○議長(尾崎大介君) お諮りいたします。
 本件は、いずれも知事の任命に同意することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、いずれも知事の任命に同意することに決定をいたしました。

○議長(尾崎大介君) 追加日程第四及び第五、東京都収用委員会予備委員の任命の同意について二件を一括議題といたします。
〔櫻井議事部長朗読〕
一、東京都収用委員会予備委員の任命の同意について二件

三一財主議第一四〇号
令和元年六月四日
東京都知事 小池百合子
 東京都議会議長 尾崎 大介殿
東京都収用委員会予備委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者を東京都収用委員会予備委員に任命したいので、土地収用法第五十二条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     近田 直裕

      略歴
現住所 東京都渋谷区
近田 直裕
昭和四十四年十二月十九日生(四十九歳)
平成四年三月   慶應義塾大学経済学部卒業
平成四年四月   中央新光監査法人入所
平成七年四月   公認会計士登録
平成十六年七月  中央青山監査法人社員
平成十八年八月  近田公認会計士事務所開業
平成十八年九月  税理士登録
平成二十一年六月 興亜監査法人代表社員
平成二十二年六月 日本公認会計士協会東京会幹事
平成二十五年六月 日本公認会計士協会東京会常任幹事
現在       公認会計士

三一財主議第一四一号
令和元年六月四日
東京都知事 小池百合子
 東京都議会議長 尾崎 大介殿
東京都収用委員会予備委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は令和元年七月十二日任期満了となるため、再び任命したいので、土地収用法第五十二条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     藤井 芳弘

      略歴
現住所 埼玉県和光市
藤井 芳弘
昭和二十六年十二月二十七日生(六十七歳)
昭和四十六年四月 東京都入都
昭和五十一年三月 中央大学法学部卒業
平成五年三月   東京都退職
平成五年四月   渋谷区福祉部障害者福祉課長
平成八年四月   渋谷区情報システム部情報管理課長
平成九年三月   渋谷区退職
平成九年四月   港湾局総務部副参事(団体調整担当)
平成十年七月   衛生局総務部計理課長
平成十一年六月  財務局主計部予算第二課長
平成十二年八月  福祉局総務部総務課長
平成十四年七月  総務局人事部人事課長
平成十五年六月  保健科学大学事務局長
平成十六年八月  知事本局参事(企画調整担当)
平成十七年七月  建設局用地部長
平成十九年六月  建設局道路管理部長
平成二十年七月  建設局総務部長
平成二十二年七月 収用委員会事務局長
平成二十三年七月 東京都退職
平成二十三年八月 公益財団法人東京動物園協会理事長
平成二十八年八月 三井住友海上火災保険株式会社公務部東京公務室顧問
平成三十一年四月 練馬区参与
現在       練馬区参与
         三井住友海上火災保険株式会社公務部東京公務室顧問

○議長(尾崎大介君) お諮りいたします。
 本件は、いずれも知事の任命に同意することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、いずれも知事の任命に同意することに決定をいたしました。

○議長(尾崎大介君) お諮りいたします。
 明十三日から十八日まで六日間、委員会審査のため休会いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認めます。よって、明十三日から十八日まで六日間、委員会審査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、六月十九日午後一時に開きます。
 以上をもって本日の日程は全部終了をいたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後六時三十五分散会

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