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Tokyo Metropolitan Assembly

平成三十年東京都議会会議録第十二号

平成三十年九月二十六日(水曜日)
 出席議員 百二十五名
一番古城まさお君
二番けいの信一君
三番成清梨沙子君
四番鈴木 邦和君
五番おじま紘平君
六番西郷あゆ美君
七番滝田やすひこ君
八番藤井あきら君
九番やながせ裕文君
十番山内れい子君
十一番伊藤しょうこう君
十二番田村 利光君
十三番菅野 弘一君
十四番藤井とものり君
十五番池川 友一君
十六番細田いさむ君
十七番うすい浩一君
十八番小林 健二君
十九番加藤 雅之君
二十番奥澤 高広君
二十一番森口つかさ君
二十二番村松 一希君
二十三番内山 真吾君
二十四番斉藤れいな君
二十五番もり  愛君
二十六番龍円あいり君
二十七番おときた駿君
二十八番川松真一朗君
二十九番小松 大祐君
三十番柴崎 幹男君
三十一番舟坂ちかお君
三十二番宮瀬 英治君
三十三番原田あきら君
三十四番斉藤まりこ君
三十五番藤田りょうこ君
三十六番斉藤やすひろ君
三十七番栗林のり子君
三十八番伊藤こういち君
三十九番大松あきら君
四十番あかねがくぼかよ子君
四十一番保坂まさひろ君
四十二番関野たかなり君
四十三番福島りえこ君
四十四番つじの栄作君
四十五番清水やすこ君
四十六番白戸 太朗君
四十七番増田 一郎君
四十八番馬場 信男君
四十九番上田 令子君
五十番清水 孝治君
五十一番大場やすのぶ君
五十二番小宮あんり君
五十三番鈴木 章浩君
五十四番西沢けいた君
五十六番原 のり子君
五十七番星見てい子君
五十八番とや英津子君
六十番まつば多美子君
六十一番高倉 良生君
六十二番上野 和彦君
六十三番佐野いくお君
六十四番細谷しょうこ君
六十五番栗下 善行君
六十六番両角みのる君
六十七番平  慶翔君
六十八番後藤 なみ君
六十九番鳥居こうすけ君
七十番菅原 直志君
七十一番森澤 恭子君
七十二番木下ふみこ君
七十三番ひぐちたかあき君
七十四番早坂 義弘君
七十五番高橋 信博君
七十六番古賀 俊昭君
七十七番秋田 一郎君
七十八番山口  拓君
七十九番河野ゆりえ君
八十番米倉 春奈君
八十一番白石たみお君
八十二番里吉 ゆみ君
八十三番のがみ純子君
八十四番中山 信行君
八十五番谷村 孝彦君
八十六番小磯 善彦君
八十七番藤井  一君
八十八番入江のぶこ君
八十九番森村 隆行君
九十番本橋ひろたか君
九十一番田の上いくこ君
九十二番桐山ひとみ君
九十三番米川大二郎君
九十四番石川 良一君
九十五番中山ひろゆき君
九十六番山田ひろし君
九十七番岡本こうき君
九十八番中屋 文孝君
九十九番宇田川聡史君
百番神林  茂君
百一番三宅 茂樹君
百二番中村ひろし君
百三番とくとめ道信君
百四番尾崎あや子君
百五番和泉なおみ君
百六番長橋 桂一君
百七番橘  正剛君
百八番東村 邦浩君
百九番中嶋 義雄君
百十番山内  晃君
百十一番たきぐち学君
百十二番伊藤 ゆう君
百十三番木村 基成君
百十四番荒木ちはる君
百十五番小山くにひこ君
百十六番増子ひろき君
百十七番石毛しげる君
百十八番大津ひろ子君
百十九番尾崎 大介君
百二十番三宅 正彦君
百二十一番山崎 一輝君
百二十二番吉原  修君
百二十三番高島なおき君
百二十四番あぜ上三和子君
百二十五番清水ひで子君
百二十六番大山とも子君
百二十七番曽根はじめ君
 欠席議員 一名
 五十九番  遠藤  守君
 欠員
    五十五番
 出席説明員
知事小池百合子君
副知事長谷川 明君
副知事猪熊 純子君
副知事多羅尾光睦君
教育長中井 敬三君
東京都技監建設局長兼務西倉 鉄也君
政策企画局長梶原  洋君
総務局長代理次長榎本 雅人君
財務局長武市  敬君
主税局長目黒 克昭君
警視総監三浦 正充君
生活文化局長浜 佳葉子君
オリンピック・パラリンピック準備局長潮田  勉君
都市整備局長佐藤 伸朗君
環境局長和賀井克夫君
福祉保健局長内藤  淳君
産業労働局長藤田 裕司君
港湾局長斎藤 真人君
会計管理局長土渕  裕君
交通局長山手  斉君
消防総監村上 研一君
水道局長中嶋 正宏君
下水道局長小山 哲司君
青少年・治安対策本部長大澤 裕之君
病院経営本部長堤  雅史君
中央卸売市場長村松 明典君
選挙管理委員会事務局長澤   章君
人事委員会事務局長砥出 欣典君
労働委員会事務局長池田 俊明君
監査事務局長岡崎 義隆君
収用委員会事務局長佐藤  敦君

九月二十六日議事日程第二号
第一 第百六十五号議案
行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用並びに特定個人情報の利用及び提供に関する条例の一部を改正する条例
第二 第百六十六号議案
特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三 第百六十七号議案
市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第四 第百六十八号議案
東京都石油コンビナート等防災本部条例
第五 第百六十九号議案
東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例
第六 第百七十号議案
土地収用法関係手数料等に関する条例の一部を改正する条例
第七 第百七十一号議案
東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
第八 第百七十二号議案
東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
第九 第百七十三号議案
東京都建築安全条例の一部を改正する条例
第十 第百七十四号議案
東京都介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第十一 第百七十五号議案
東京都児童相談所条例の一部を改正する条例
第十二 第百七十六号議案
東京都工業用水道条例を廃止する等の条例
第十三 第百七十七号議案
東京都消防関係手数料条例の一部を改正する条例
第十四 第百七十八号議案
産業交流拠点(仮称)及び八王子合同庁舎(三十)新築工事請負契約
第十五 第百七十九号議案
都立府中東高等学校(三十)校舎棟ほか改築工事請負契約
第十六 第百八十号議案
東京消防庁本町待機宿舎(三十)改築工事請負契約
第十七 第百八十一号議案
都営住宅三十H─一〇一東及び三十M─一〇三東(北区田端新町一丁目)工事請負契約
第十八 第百八十二号議案
都営住宅三十H─一〇一西(世田谷区北烏山二丁目)工事請負契約
第十九 第百八十三号議案
東京体育館(三十)改修工事その二請負契約
第二十 第百八十四号議案
東京都立川福祉保健庁舎(三十)改築工事請負契約
第二十一 第百八十五号議案
東京消防庁大森消防署馬込出張所庁舎(仮称)(三十)改築工事請負契約
第二十二 第百八十六号議案
都立東大和療育センター(三十)改修工事請負契約
第二十三 第百八十七号議案
東京体育館(三十)改修電気設備工事請負契約
第二十四 第百八十八号議案
都立東大和療育センター(三十)改修空調設備工事請負契約
第二十五 第百八十九号議案
都立東大和療育センター(三十)改修電気設備工事請負契約
第二十六 第百九十号議案
都立東大和療育センター(三十)改修給水衛生設備工事請負契約
第二十七 第百九十一号議案
都立大島海洋国際高等学校実習船「大島丸」製造請負契約
第二十八 第百九十二号議案
城北中央公園調節池(一期)工事その二請負契約
第二十九 第百九十三号議案
境川金森調節池工事その二請負契約
第三十 第百九十四号議案
中川護岸耐震補強工事(その四十五)請負契約
第三十一 第百九十五号議案
綾瀬川護岸耐震補強工事(その二十九)請負契約
第三十二 第百九十六号議案
海の森水上競技場の指定管理者の指定について
第三十三 第百九十七号議案
夢の島公園アーチェリー場の指定管理者の指定について
第三十四 第百九十八号議案
カヌー・スラロームセンターの指定管理者の指定について
第三十五 第百九十九号議案
大井ふ頭中央海浜公園ホッケー競技場の指定管理者の指定について
第三十六 第二百号議案
東京アクアティクスセンターの指定管理者の指定について
第三十七 諮問第四号
地方自治法第二百三十一条の三の規定に基づく審査請求に関する諮問について
議事日程第二号追加の一
第一 平成二十九年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
第二 平成二十九年度東京都公営企業各会計決算の認定について
第三 常任委員の所属変更
第四 オリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員の辞任
第五 オリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員の選任

   午後一時開議

○議長(尾崎大介君) これより本日の会議を開きます。

○議長(尾崎大介君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(尾崎大介君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

○議事部長(櫻井和博君) 知事より、都議会説明員について、総務局長遠藤雅彦は、事故による療養のため本定例会を欠席し、次長榎本雅人が代理出席するとの通知がありました。
 次に、地方自治法第二百四十一条第五項の規定により、平成二十九年度東京都区市町村振興基金及び東京都用品調達基金の運用状況に関する調書等の提出がそれぞれありました。
(別冊参照)

○議長(尾崎大介君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 知事より、平成二十九年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について外一件が提出されました。
 これらを常任委員の所属変更の件並びにオリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員の辞任の件とあわせて、本日の日程に追加をいたします。

○六十七番(平慶翔君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日は、質問に先立ち議事に入り、日程の順序を変更し、追加日程第三及び第四を先議されることを望みます。

○議長(尾崎大介君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認めます。よって、質問に先立ち議事に入り、日程の順序を変更し、追加日程第三及び第四を先議することに決定いたしました。

○議長(尾崎大介君) 追加日程第三、常任委員の所属変更の件を議題といたします。
 早坂義弘君より、総務委員から厚生委員へ、鈴木章浩君より、厚生委員から総務委員へ、それぞれ常任委員の所属変更の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件は、申し出のとおり委員会の所属を変更することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、申し出のとおり委員会の所属を変更することに決定をいたしました。

○議長(尾崎大介君) 追加日程第四、オリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員の辞任の件を議題といたします。
 オリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員加藤雅之君、栗林のり子さん、大松あきら君及び谷村孝彦君より、同委員を辞任したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件は、いずれも申し出のとおり辞任を許可することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、いずれも申し出のとおり辞任を許可することに決定をいたしました。

○議長(尾崎大介君) ただいまの特別委員の辞任に伴い、同委員の欠員を補充する必要が生じましたので、オリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員の選任の件を本日の日程に追加し、追加日程第五として直ちに選任を行います。
 本件は、委員会条例第五条第一項の規定により、議長から、十六番細田いさむ君、十七番うすい浩一君、六十一番高倉良生君及び八十四番中山信行君を指名いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、いずれも議長指名のとおり選任することに決定をいたしました。

○議長(尾崎大介君) これより質問に入ります。
 百十六番増子ひろき君
〔百十六番増子ひろき君登壇〕

○百十六番(増子ひろき君) 平成三十年第三回東京都議会定例会に当たり、都民ファーストの会東京都議団を代表して、小池知事並びに教育長、関係局長に質問します。
 質問に先立ち、平成三十年七月豪雨、平成三十年台風第二十一号、北海道胆振東部地震において亡くなられた方々に対し深く哀悼の意を表するとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
 平成の三十年間、日本はさまざまな災害に見舞われてきました。阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災を初め、近年では熊本地震、そして、ことしに入っても日本列島を多くの災害が襲っています。
 東京都においても、これまでの想定とは大きくかけ離れた事態が頻発しています。例えば、八月に世田谷区では一時間の雨量が百十ミリを超えるという記録的短時間大雨情報が発表されました。そして、連日四十度近い猛暑日も続き、青梅市では都内観測史上初の四十度超えが記録され、東京消防庁の救急出動も熱中症の影響で、七月二十三日には三千三百八十三件と過去最多を更新しました。この猛暑はもはや災害と位置づけられ、対策が進められるべきものであり、複数の災害が連続して、複合的に発生している近年の状況を念頭に置いて、改めて災害対策に取り組んでいかなければなりません。
 そして、いよいよ東京二〇二〇大会まで残り二年を切りました。平成の次の時代で迎える東京二〇二〇大会は、東京、日本の新しい時代の幕あけの象徴として語り継がれることと思います。
 それだけに、東京でオリンピック・パラリンピックを開催する意義を、都民ファーストの視点からしっかりと再定義し、東京二〇二〇大会がもたらす都民への利益、レガシー、大会後の東京のあるべき未来像を改めて磨き上げ、東京二〇二〇大会を都の課題解決の大きなきっかけとするための取り組みを加速していかなければなりません。
 前回の定例会では、都民ファーストの会東京都議団が積極的に推進してきた東京都受動喫煙防止条例が成立しました。これは、世界基準のスモークフリー都市東京の実現に向けた大きな前進であり、東京二〇二〇大会の大きなレガシーの一つです。
 今回の定例会では、私たちも力を入れてきた東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例案、新しい就労推進策、児童虐待対策などが取り上げられています。
 私たちは、東京二〇二〇大会を、これまで光が当てられてこなかった都の課題を解決するきっかけとし、新しい東京の未来をつくるための取り組みを加速させてまいります。そして、都民一人一人の人が、その人らしく活躍できる都市東京の実現に向けて全力で取り組んでいくことを改めて申し上げ、以下、質問をいたします。
 初めに、防災事業の緊急総点検について伺います。
 これまでの想定を超える事態が頻発している中、過去の被害想定を見直すに当たり、想定外を極力なくす備えが求められています。
 都は、西日本豪雨において総勢七百八名の派遣を実施し、北海道地震においても百四十二名の派遣を実施しています。警視庁、東京消防庁も、これらの災害に対して迅速な支援を行っています。警視庁からは広域緊急援助隊を派遣し救出救助や行方不明者の捜索活動を、東京消防庁からは緊急消防援助隊を派遣し救助活動を行いました。今回の都職員の派遣、現地支援などから得られる教訓は、今後の東京の防災力向上に資するものと考えます。
 今般、たび重なる豪雨や地震災害等の教訓を踏まえた、防災事業の緊急総点検の結果が示されましたが、その意義と早期の補正予算の編成を含めた今後の取り組みについて、知事の見解を伺います。
 次に、非常時における電源の確保について伺います。
 台風二十一号の影響で、関西国際空港では電源設備が水没し、外国人旅行者を初め大きな影響が生じました。さらに、今般の北海道地震では、北海道全域が一時停電となる事態、ブラックアウトが生じ、改めて災害時の電力確保の重要性が認識されています。
 災害が発生したとき、都内の区市町村は、被害状況の把握、避難誘導、避難所の開設等、被災者の生命、身体及び財産を守る上で重要な役割を担っています。そのため、災害対策本部が設置される区市町村庁舎の非常用電源を確保することは極めて重要です。
 例えば、札幌市役所本庁舎では、今や住民の重要なライフラインの一つといえるスマートフォンの充電サービスを提供したとのことですが、それも庁舎に十分な電源が確保されていることが当然の前提です。
 都民ファーストの会東京都議団は、知事に提出した要望において、災害対策の指揮に当たる官庁などにおける非常用電源の整備を求めてきました。先日公表された緊急総点検の結果において、都立一時滞在施設における携帯端末バッテリー切れ対策の検討など、新たな停電対策が示されたことは、非常に意義のあることと考えます。
 私たちは、昨年十二月の第四回定例会の代表質問において、区市町村庁舎における非常用電源の整備状況の調査を東京都に求め、本年三月の予算特別委員会で、都の調査結果を答弁として得ました。東京都の調査の結果、都内六十二団体中二十五団体の区市町村の整備状況が、国の手引において、人命救助の観点から、外部からの供給なしで非常用電源を稼働可能とする措置が望ましいとされる七十二時間を下回っていることが判明しました。財政状況などさまざまな事情から、都内の約四割の自治体で七十二時間分の整備が行われていないのが現実です。
 大規模災害は東京都においていつ起こるかわかりません。都として、一刻も早い基礎自治体における非常用電源、その燃料の確保、保管施設の整備の推進を後押しすべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 災害医療体制における電源確保についても伺います。
 北海道地震においても、病院によって非常用自家発電の出力量や確保燃料の容量の違いから、患者の受け入れ能力にばらつきが出ており、被災者に不安が広がりました。とりわけ人工透析を受ける患者への影響も指摘されたように、医療機関の非常用電源は、患者の命に直結する、いわば命の電源であり、重点的に非常用電源の整備が求められます。
 都民ファーストの会東京都議団は、知事に提出した要望において、人命に直結する災害拠点病院などにおける非常用電源の整備を求めてきました。本年八月には、国が都道府県に対して、病院における非常用電源の確保及び点検状況の調査を依頼したと伺っていますが、都は、調査結果を待つことなく、先日公表された緊急総点検の結果において、災害拠点病院の非常用電源の浸水対策を強化していく方針を示したことを評価します。
 都内に八十二カ所存在する災害拠点病院については、その指定基準である自家発電機の保有及び三日分程度の燃料の確保に関して、都として状況を定期的に確認していると承知しています。また、都として全ての災害拠点連携病院が非常用電源を有している点を確認しているものと承知しています。その他の病院についても、非常用電源を確保しているかが国の調査により明らかになりますが、災害時に備えて非常用電源を確保していくことが重要と考えます。
 都は病院に対してどのような働きかけを行っていくのか伺います。
 仮に災害時に病院における電源の確保が十分にできない場合、他の病院への速やかな搬送など、病院間の連携を円滑に確保することが都民の命を守ることにつながります。東京都独自の取り組みとして、都の災害医療コーディネーターに加え、二次保健医療圏及び区市町村単位で災害医療コーディネーターが配置されており、災害時における医療救護活動の統括、調整の助言等を行うこととされています。
 今般の北海道地震の教訓を踏まえれば、一層、災害医療コーディネーターの役割が重要になると考えますが、都はどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、避難所運営について伺います。
 ことし三月、区市町村だけではなく、避難所運営に関する全ての方に参考になるよう、避難所管理運営の指針が改定され、女性やLGBTなどの方、災害時要配慮者への対応が記載されたほか、動物保護の視点からも管理運営者に求められる具体的な指針が明記されたことを評価します。
 避難所には、ろうあ者、中途失聴者、視覚障害者など情報の入手やコミュニケーションに関して配慮が必要な方々も避難してくることから、手話及び筆談や字幕、点字、音声ガイドなど多様な対応が求められるとともに、こうした方々が周囲の方に配慮の必要性を理解してもらい、適切な支援を受けられるよう、ヘルプマークや耳マーク等のマークを平時から普及啓発し、活用することなども重要と考えます。
 都は、避難所における聴覚や視覚に障害を持つ方々への対応についてどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、避難所までの水供給ルートの耐震化について伺います。
 災害時に多くの都民が集まることになる避難所での水の確保は、都民の生命、身体を守るための最重要課題であり、都民ファーストの会は、避難所の配水管、給水管の耐震化を都議選の公約に掲げています。
 現在は、平成三十七年度完了に向けて、避難所への供給ルートの配水管の耐震継ぎ手化が進められていますが、避難所における水の確保の重要性に照らすと、迅速に進めなければなりません。そして、避難所の水道メーターまでの給水管についても耐震継ぎ手化を迅速に進めなければなりません。
 避難所への水の供給ルートの耐震継ぎ手化の取り組みについて、都の見解を伺います。
 次に、下水道管の耐震対策について伺います。
 避難所等のトイレ機能の確保のため、下水道管の耐震化も重要課題であり、これも私たちの公約です。
 都では、避難所等の下水道管の耐震化対策が進められる一方で、大都市特有の課題である帰宅困難者への対応として、帰宅困難者が一時的に待機できる施設等の指定を進めるなど、地域防災計画が見直されてきました。
 また、都では、本年八月に、従業員の一斉帰宅抑制に積極的に取り組んでいる企業等を対象とした東京都一斉帰宅抑制推進企業認定制度を創設するなど、発災時の一斉帰宅抑制を推進しています。
 このように、帰宅困難者に対する新たな取り組みが行われる中、一時滞在施設等に関連する下水道管の耐震対策も拡充させる必要があると考えますが、都の見解を伺います。
 次に、情報などのソフト対策の強化、普及啓発について伺います。
 電源の確保、避難所の整備に加えて、災害時に極めて重要なものは正確な情報とその発信です。
 都民ファーストの会東京都議団は、知事に提出した要望において、災害に関する情報伝達や外国人などに対する情報発信について配慮することを求めました。
 私たちの要望を受け、今回の緊急総点検においても、情報、ソフト面に関する新たな取り組みが多く示されました。都民が具体的に避難行動に移れるようにするためのタイムラインの普及拡大、東京アメッシュやハザードマップ等の防災情報のワンストップ化、外国人への情報発信の強化など、いずれも評価できる内容です。
 一方で、西日本豪雨で百八人の方が亡くなられた広島県では、約二百十七万人を対象に避難指示が出されていましたが、実際に避難したのはその一%に満たない約六千人だったとされています。正確な情報を発信しても、それを都民に活用してもらわなくては意味がないということは、こうした事例からも明らかです。
 情報の受け手である都民に対して実際に行動に移してもらうために、都民が、災害が自分ごとであるという意識を持ってもらえるような新たな普及啓発の工夫が求められていますが、都の見解を伺います。
 次に、情報提供、普及啓発の観点から、ハンドブック「東京くらし防災」について伺います。
 「東京くらし防災」は、読みやすさに加えて、女性やさまざまなニーズの視点が盛り込まれており、多くの都民に喜ばれています。
 一方で、集合住宅のケースの記載が十分でないという声も届いていることは、第二回定例会の総務委員会で指摘しており、先日の防災に関する都民シンポジウムでも多かった質問の一つが、マンションに住んでいる場合はどうすればいいかでした。
 このように、集合住宅特有の課題や防災、減災策があることから、マンション管理組合なども対象とし、これらの情報を正しく伝えるべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、中小河川の洪水対策について伺います。
 西日本豪雨では、自治体が作成したハザードマップが公表されており、避難指示が出されたにもかかわらず、被害が拡大したと指摘されています。
 先日公表された緊急総点検において示されたとおり、新たな調節池の加速的な整備などのハード対策を一層推進するとともに、都民の迅速な避難行動につながるよう、河川の氾濫にかかわる水位の情報の提供など、ソフト対策の強化を図るべきと考えますが、見解を伺います。
 続いて、下水道水位の情報発信について伺います。
 西日本豪雨では、西日本を中心に各地で床上浸水等の家屋被害が発生しました。都においては、平成二十五年に千三百棟以上の甚大な水害被害が発生したことから、豪雨対策下水道緊急プランや、改定した東京都豪雨対策基本方針に基づいて対策を実施してきました。本年もゲリラ豪雨と呼ばれる局地的な集中豪雨が頻発しており、八月二十七日の豪雨でも多数の浸水被害がありました。
 このような、これまでの想定を超えた豪雨に対応するためには、下水道施設整備といったハード対策を着実に進めるとともに、既に一部行っている下水道の水位情報をリアルタイムで関係自治体に提供する事業の拡大など、情報発信の強化等のソフト対策も組み合わせて実施することが重要と考えますが、都の見解を伺います。
 次に、ダムの水害対策について伺います。
 災害時のダムの放流に関しては、事前に予測される被害想定情報がダムの管理者から国や地方自治体に流れ、それぞれが対応することが想定されていますが、西日本豪雨では、ダム放流に関する情報が適切に届かなかったことが指摘されています。
 都としては、こうした教訓をもとに、都の所有する小河内ダムの情報共有の体制を改めて確認する必要があります。小河内ダムは、水道専用ダムであり、治水機能を有していないとのことですが、大雨が降った場合には、下流への放流量を徐々にふやして対応するものと理解しており、ここでも情報共有のあり方が問題となります。
 小河内ダム放流時における国や下流の自治体への情報共有、連携を円滑に行うための取り組みについて、都の見解を伺います。
 次に、石油タンクの安全性の確保について伺います。
 現在、都内で消費されている電力の源は火力であり、その燃料はタンカーで東京湾から搬入されています。同じく首都圏の生活物資も東京湾を通じて流通しており、東京湾は、首都圏住民の生活に欠かせない重要な流通ルートになっています。
 このため、東京湾に大量の油が流出し、東京湾が封鎖される事態が発生した場合には、都民に重大な影響を与えることになります。石油タンクが海上に転がり出し、火の海になった気仙沼での教訓をもとに、石油コンビナート等の対策は万全のものでなければなりません。
 本定例会には、羽田空港に設置されている石油コンビナートが十万キロリットルを超えることから、新設の条例が提出されていますが、どのように安全性を確保していくのか、都の見解を伺います。
 次に、災害廃棄物について伺います。
 熊本地震に関する復旧、復興の取り組みに関する検証報告書によると、災害廃棄物の処理に当たり課題になったのが、県、市町村に災害廃棄物の処理に関して専門的な知識、経験を有する人材が不足した点です。そのため、仮置き場においてアスベストを含む建材が破損した袋に入れられるなど、飛散防止対策が徹底されずに放置された事例も報告されています。
 都は、平成二十九年六月に東京都災害廃棄物処理計画を策定し、都や区市町村の役割分担など、取り組むべき内容を明確にしましたが、熊本の教訓に学び、区市町村や民間事業者との認識の共有が重要です。
 発災直後の初動を中心に、区市町村や民間事業者とどのように連携して計画の具体化を図るのか、見解を伺います。
 次に、暑さ対策について伺います。
 この夏は気象庁の報道発表によると、夏の東日本の月平均気温は一九四六年の統計開始以来、過去最高でした。
 また、東京消防庁管内の七月と八月の緊急搬送件数の合計は、速報値で十五万三千九百七十件、うち熱中症の救急搬送件数は七千百十九件となり、緊急業務を開始した昭和十一年以来、過去最高の件数となりました。
 八月九日に東京消防庁が発表した七月十六日から八月五日までの猛暑における緊急搬送に関する分析によると、年代別では、七十五歳以上の高齢者の搬送件数が千四百八十八件、三三・六%と最も多く、入院が必要な中等症以上の割合は五八・七%と高い状況です。
 また、発生場所別で見ると、居住施設は高齢者が、会社、工場や交通施設では二十代から五十代の働き盛り世代が、学校、児童施設や運動施設では若年層の発生割合が高いと聞いております。
 今後は、多数の熱中症患者が発生した場合にも的確に対応できる搬送体制の確保が重要と考えますが、今夏の猛暑による救急搬送の状況と、東京消防庁では、今後、救急搬送体制をどのように充実強化していくのか伺います。
 続いて、学校施設における暑さ対策について伺います。
 学校施設の防災機能に関する実態調査によると、避難所に指定されている学校のうち、約九一%が地域の小学校とされており、東日本大震災後の学校に対する調査によれば、避難所として利用された施設は体育館が七〇・一%と最も多いとのことです。その設備に関する課題として、トイレに次いで冷暖房設備に不足があるということが明らかになっています。
 都民ファーストの会東京都議団は、知事及び教育長に提出した熱中症対策に関する緊急対策要望において、区市町村立の学校が設置するエアコンディショナーについて、特別教室への設置の補助を継続し、さらに体育館等必要な施設に補助を行うこと及び都立高体育館への冷房設置を求めました。
 先日公表された防災事業の緊急総点検において、夏季の避難所における熱中症予防等の観点から、冷房設備等への整備について区市町村を支援する方針が示されたことを評価します。
 今後は、体育館を含む学校施設における冷房設置を迅速に進めるべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、監察医制度について伺います。
 最終的に熱中症を原因とする死亡者数は、消防庁の統計で示されている救急搬送による初診時における死亡者数の約十倍に及ぶといわれています。これまで、七月と八月の熱中症による死亡者数が最も多かった二〇一〇年の統計によれば、初診時の数字である消防庁の統計では百五十七人、最終的な数字である厚生労働省の統計では千四百二十二人となっています。
 東京都では、二十三区内は監察医務院による死体の検案及び解剖が行われて、熱中症による死亡の状況が速やかに判明し、熱中症予防対策に反映することができます。他方、多摩・島しょ地域は監察医務院の管轄外であるため、情報の集約に差が生じています。昨年の知事答弁でもありましたとおり、国に対しては、都の提案要求において、平成二十三年度から、監察医制度の拡充、十分な財源の確保について繰り返し要望していることは十分承知しています。
 引き続き国へ要望を行うとともに、今後、監察医制度の適用範囲を多摩地域にも拡大する必要があることについて、都の見解を伺います。
 次に、東京二〇二〇大会における暑さ対策について伺います。
 東京二〇二〇大会は、IOCの取り決めが七月十五日から八月三十一日までを開催すべき期間としていることを受け、オリンピックは七月二十四日から八月九日まで、パラリンピックは八月二十五日から九月六日までを開催期間としています。
 ところが、ことしの七月下旬から九月上旬までの東京は酷暑が続き、気象庁は、命にかかわる危険な暑さ、不要不急の外出や屋外活動は控えるようにと警告を発していました。二〇二〇年の夏がどうなるか予測できませんが、アスリートにとっても観客にとっても厳しい気候となることは想定外ではありません。
 この開催期間は、IOCの取り決めに基づいてのものと理解していますが、確認のため、改めて東京二〇二〇大会の開催時期決定の経緯について伺います。
 気象リスクを抑えるためには万全の対策を用意しなければなりませんが、気象リスクはゼロにはなりません。アスリートや観客はもとより、特に子供や高齢者、東京の暑さになれていない外国人を含めた対策が必要と考えますが、都の考えを伺います。
 次に、東京二〇二〇大会とその後の東京のあるべき姿について伺います。
 いよいよ残り二年を切った東京二〇二〇大会の成功に向け、準備をしっかりと進めていくことは当然ですが、単に大会運営の成功だけを考えるのではなく、東京でオリンピック・パラリンピックを開催することにより、大会後の東京に何を残すことができるのかを考える必要があります。大会後の東京のあるべき未来像を改めて磨き上げ、東京二〇二〇大会を都の課題解決の大きなきっかけとするための取り組みを加速していかなければなりません。
 まず、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例案についてお伺いをいたします。
 ソチ・オリンピックでは、ロシアのLGBTへの対応により、アメリカやEUの首脳がオリンピックの開会式を欠席するという事件も起きており、性的マイノリティーへの差別は国際的にも大きな課題となっています。また、さまざまなスポーツの国際的な大会などでは、人種や国籍による差別的発言や行為が問題になっており、国際的に厳しい対応が求められています。
 こうしたことから、東京二〇二〇大会開催都市として、これまでの行政が定めた東京都人権施策推進指針も踏まえ、本条例を制定することで、性自認及び性的指向や、いわゆるヘイトスピーチといった新たな人権課題に光を与えることに加えて、あらゆる差別を許さない姿勢を改めて明確にすることになります。
 これまで以上に具体的で実効性のある取り組みが進むことが期待される一方、あらゆる差別とは具体的に何を指すのか、みずからが直面する人権課題についても対象になるのかと、不安に感じる方々がいるのも事実です。
 そこで、過去の指針に掲げられてきた人権課題、そして今回の条例で新たに光が当てられる人権課題を含め、あらゆる差別の解消を図ることで、オリンピック憲章の人権尊重理念の浸透を目指すという本条例の制定とその後の取り組みに向けた知事の見解を伺います。
 次に、ソーシャルファームについて伺います。
 東京二〇二〇大会、とりわけ世界で初めて二回目を開催することになるパラリンピックを通じて、都民一人一人の人がその人らしく活躍できる都市東京を実現する必要があります。
 第二回定例会において、就労の際に不利な立場にある人が働くことを目的とした社会的企業、いわゆるソーシャルファームについてお伺いをしました。今後さらなる少子高齢化と生産年齢人口の減少が予想される日本にあっては、これまで支えられる側と考えられてきた方々も社会の担い手となり、支え合う社会へと転換することが求められています。
 ソーシャルファームの考え方は、これまで障害者を中心に捉えられてきた就労困難者を、障害者に限らず、ひきこもりや刑余者など、就労に悩みを抱えるさまざまな方を対象とし、その後押しを行い、社会の担い手になっていただくというものです。先進的取り組みをしている欧州の国では、いわゆるソーシャルファーム法の整備を行い、就労困難者を積極的に採用しながら利益を追求する企業の後押しを行ってきた事例があります。
 一方で、国においてソーシャルファーム法がない日本においては、広く就労困難者をどのように規定するかなど、都としても検討すべき課題が多岐にわたると捉えています。
 そこで、さまざまな既存の法令、政策がある中、より広い視点で総合的に就労を進めることが重要であると考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、ひきこもり支援について伺います。
 平成十六年の厚生労働科学研究において、長期間にわたって自宅にひきこもり、社会参加しない状態が持続しているひきこもりが、約三十二万世帯存在するとの調査結果が明らかにされました。
 当初は、子供や若年の問題として対策が講じられてきましたが、その後そのまま年齢が持ち上がり、現在では四十代、五十代の人がふえてきており、長期化、高齢化が問題になっています。
 こうした層に対する支援を、福祉保健局を中心とし、今後どのように進めていくのか、知事の見解を伺います。
 次に、外国人労働者の新在留資格創設について伺います。
 東京二〇二〇大会を契機に、世界中からすぐれた人材を東京都に引き寄せる取り組みを加速させていく必要があります。
 日本で働く外国人は、専門的、技術的分野の約二十四万人や留学生のアルバイト約三十万人、技能実習生約二十六万人など、過去最高の百二十七万九千人となり、都内では三十九万四千人となっています。
 人手不足で苦しむ企業にとっては待ったなしの状況になっていますが、国民的議論と合意形成が必要であり、新たな外国人労働者が増加することを見込んだ対策や法整備に取り組むことが求められています。
 一方で、東京での生活を始めた外国人が、生活習慣を知らずに近隣住民とのトラブルになることや、さまざまな認識不足のため生活面で支障を来す例があります。東京で暮らす外国人労働者や留学生に対して、都として支援をしていくことは、誰もが活躍できる都市ダイバーシティーの観点からも大変重要です。
 生活者である在住外国人に対する支援策に都が積極的に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 また、十分な日本語能力を備えないまま雇用される外国人労働者も多くいるため、企業にとっても、外国人労働者とのコミュニケーションをとりやすくするための日本語能力の向上支援や働く上でのさまざまなサポート支援が必要となっています。
 国内の各種産業に必要不可欠となってきている外国人労働者の雇用、定着、労働環境の整備などに都としても取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、首都高速道路の日本橋区間の地下化について伺います。
 本年七月、首都高日本橋地下化検討会において、概算事業費及び事業スキームが議論、公表されました。東京二〇二〇大会後の着工で、事業費の総額は約三千二百億円ですが、都の負担額は中央区と合わせて約四百億円に抑えられており、評価したいと思います。
 一九六四年の東京オリンピックを契機に建設された首都高速道路は、現在では橋梁部の腐食やひび割れが発生するなど老朽化が進み、平成二十六年に大規模更新計画が策定されるなど、予測される大地震に備えた安全面での対策が急務となっています。
 また、一六〇三年に建造され、五街道の拠点となった日本橋の景観と水辺の美しさを取り戻すことは、江戸からの連続性という、未来の東京都の魅力の一つにもなります。東京二〇二〇大会を契機に首都高日本橋の地下化に取り組むことは、単に老朽化対策にとどまらず、東京二〇二〇大会後の東京の姿の一つとして、歴史あふれる美しい水の都東京を世界に示すことにつながるものです。
 技術的な難しさやそれに伴う費用の膨張を懸念する声もあり、そのような懸念にはしっかりと対応しつつも、首都高日本橋の地下化は、このような東京の未来像を踏まえた今後のまちづくりと連携して進められるべきと考えますが、見解を伺います。
 さて、小池知事の就任から二年余りが経過し、任期折り返し地点を迎えました。知事は、女性初の都知事として就任以来、セーフシティー、ダイバーシティー、スマートシティーを掲げ、多くの改革に取り組んできました。
 改革の取り組みの一つとして、二〇二〇年に向けた実行プランでは、事業実施状況レビュー結果として、各種の政策目標について達成に向けた進捗状況が毎年公表されています。
 そして、私たち都民ファーストの会も、都議選で掲げた公約の進捗状況を整理し、ウエブサイトで公表しています。選挙時に掲げた公約に対し、しっかりと説明責任を果たす姿勢こそ、都民、そして国民の根深い政治不信を解消する道であると我々は考えています。
 そこで、まずダイバーシティー政策について幾つか伺います。
 東京二〇二〇大会をきっかけに、都民一人一人の人がその人らしく活躍できる都市東京を実現するためにも、ダイバーシティー政策の一層の推進が必要です。
 知事は、就任以来、待機児童対策を最重要課題と位置づけ取り組んできました。舛添都政における保育関連予算を見ると、平成二十八年度総額で約九百八十億円でしたが、小池都政では平成二十九年度で約千三百八十億円、平成三十年度で約千五百八十億円と、毎年度増額されており、舛添都政と比較すると約六百億円も増額し取り組んでいます。
 これまでの主な取り組みとして、保育所の整備促進、人材の確保、定着支援、利用者支援の充実を図ってきました。特に整備促進では、都有地活用促進や賃貸料補助の創設、固定資産税の五年間全額減免は大きな措置として評価されています。
 これらの大幅な予算拡大措置などによって、待機児童数が平成三十年四月時点で三千百七十二人減少したと発表されています。これだけの数の待機児童数が減少したことは大きな成果と受けとめますが、待機児童はいまだ五千人以上存在しており、今後も待機児童解消に向け、施策をさらに加速していく必要があります。
 知事任期の折り返しとして、これまでの待機児童対策の取り組み結果を踏まえた今後の取り組みについて知事に伺います。
 なお、来年十月より、国は幼児教育無償化を開始することを掲げていることから、来年度予算編成に向けて、今後影響のあるものを整理する必要もあります。
 さらに、これまでの取り組みとして、保育従事職員の宿舎借り上げ支援事業やキャリアアップ補助については、特に事業者や区市町村からも継続支援の声が上がっていますので、引き続き継続支援に対しても強く要望をいたしておきます。
 次に、東京の未来を担う子供たちを守るという観点から、児童虐待について伺います。
 日本では、年間八十人の子供が虐待によって亡くなっています。目黒少女虐待死事件などを受けて、第二回定例会における我々の代表質問において、児童虐待対策に関して東京都独自の条例づくりを進めるべきと提案させていただきました。
 それを受けて、知事から条例づくりを進めるとの表明があり、児童福祉審議会専門部会が立ち上がりました。その後、九月十四日に児童相談体制の強化に向けた緊急対策と東京都子供への虐待の防止等に関する条例の基本的な考え方が発表されました。
 都には独自の子供家庭支援センターなどが既にあることから、他の自治体の先進事例を参考に、都独自の条例の制定が期待されています。虐待をする親は、困っているにもかかわらず人を頼るのが苦手で、地域から孤立していることが多いといわれており、その結果、虐待を受けている子の存在が見えづらいとの指摘があります。よって、条例の考え方の中に、未然防止と早期発見、早期対応の視点が入っていることを評価いたします。
 今回示された東京都子供への虐待の防止等に関する条例の基本的な考え方のどこに重要な視点を置き、児童虐待防止対策を進めるのか、知事に伺います。
 次に、緊急対策について伺います。
 緊急対策では、児童相談所の体制強化として、年内に児童福祉司と児童心理司を任期つき職員として新たに十九人確保することが明らかにされました。都は今年度既に三十六人増員しており、研修等を勘案するとこれ以上の新人の受け入れは厳しい状況だと伺っています。
 新規の十九人は、経験者などスキルのある人材を活用すべきだと考えますが、どのような人材を募集するのか伺います。
 そして、国の総合対策では、児童相談所の専門性強化、業務、役割分担、業務のあり方の見直しをすることや常勤弁護士の必要性もうたわれていますので、これらの視点も含めた体制強化を進めていただくことを要望いたします。
 緊急対策で、都は独自の安全確認行動指針の策定を行うことも明らかにしました。経験三年未満の児童福祉司が半数を超え、急激な職員増員を続けている現状では、判断ミス等が起きることも想定され、通告後四十八時間以内に安全確認ができない場合、緊急安全会議を開催し、原則立入調査等を実施すると明確にしたことは高く評価します。この指針により、これまで以上に確実に子供の安全を確認して、支援に結びつけていただくよう要望をいたします。
 都独自の安全確認行動指針に基づく立入調査は、具体的にはどのような体制で行うのか伺います。
 このほか、警視庁との情報共有範囲を拡大し、リスクが高いと考えられるケースを全て共有することになりました。これにより、虐待通報約一万三千件のうち、昨年ベースで約五百件だった児童相談所から警視庁への情報提供件数が約三千件になることを評価いたします。
 今後も、全庁一丸で関係各所との連携をしっかり進めていただくよう要望します。
 また、早期発見の取り組みとしては、子供や保護者がみずから相談しやすい環境を整備することも大切です。私たちが第二回定例会の代表質問で提案したLINE相談窓口が、十一月にトライアル実施されます。
 質を担保できる体制の確保など、トライアル実施の検証を速やかに行い、本格運用につなげていただくよう要望します。
 次に、性教育について伺います。
 誰もがみずから望む将来を選択していくことができるダイバーシティー都市東京を実現するためには、昨今の情報化社会にさらされる児童生徒たちに正しく適切な命の教育を行っていくことが必要です。
 都民ファーストの会東京都議団では、先日、秋田県教育委員会に性教育についてヒアリングを行い、実際に児童生徒への指導内容を作成した秋田県医師会では、講座のベースとなる資料を拝見しました。指導内容は、妊娠中絶のみならず、性感染症や性的マイノリティーなど非常に多岐にわたっており、指導を受けた学校や生徒からは、おおむね講座を実施してよかったという声が上がっているとのことでした。
 現在、東京都では、性教育のガイドラインの手引の改定を行っています。第二回定例会の我々の代表質問を受けて都が実施し、先般公表された都内公立中学校を対象にした性教育実施状況の調査結果では、約九割が、性に関する授業は医師等の外部講師を活用することが効果的であると回答しており、これはまさに第二回定例会の我々の代表質問で、医師、産婦人科医等の専門家の活用が必要と指摘した点と合致するものです。今後、学習指導要領を超える場合の保護者理解を得る方法などの諸課題に関する知見を深める必要があります。
 こうした調査の結果を踏まえ、実際にどのように性教育を推進していくのか都の見解を伺います。
 次に、悪質クレームについて伺います。
 ダイバーシティーの実現のためには、いかなる種類のハラスメントも許されるものではありません。都民ファーストの会東京都議団では、本年八月に、医科大学の女子減点問題を受けて、女性医師が働きやすい社会環境の推進などについて知事に要望書を提出しました。
 前回の代表質問でも言及したとおり、東京都男女平等参画基本条例第十四条では、職場だけに限られない広範なセクハラ禁止条項が設けられています。この禁止条項の趣旨に沿った、あらゆる場におけるセクハラを決して許さないための広範かつ実効的な取り組みを改めて要望しておきます。
 ハラスメントの新しい領域といえる顧客や取引先からの著しい迷惑行為、クレーマーハラスメント、セクシュアルハラスメントなどは、流通業界、介護業界、旅行業界などでサービス業に従事する従業員のメンタルヘルスへの影響、離職にもつながっており、とりわけ中小の事業者には影響が大きいにもかかわらず、いまだ手つかずの状態です。
 この解決のためには、社会全体の機運醸成を図ることが必要であり、関係者の協力のもとで、さらなる実態把握を行うことの重要性が指摘されています。また、業種や職種ごとに個別性が高いことも指摘されており、対応事例の積み重ねが必要です。
 社会通念上許される範囲を超えた消費者から中小事業者への悪質クレームについて、知事の認識をお伺いします。
 さらに、都は、今後適切な対応を行うため、実態調査を行うとともに対応策を講ずべきと考えますが、今後の対応について都の見解を伺います。
 次に、国有財産である旧こどもの城について伺います。
 先日、小池知事が都立広尾病院の移転計画を白紙撤回されて以降、この青山通りに面した都心の一等地という立地を生かした今後の活用方針が注目されてきました。東京二〇二〇大会を契機に、男女を問わず、子供から大人、高齢者に至るまで、誰もが活躍できるダイバーシティー東京を実現することは、私たちの大きな政策目標の一つです。
 その観点から、当該用地を積極的に活用すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、スマートシティー東京の実現に向けた取り組みについて伺います。
 まずは、知事のロンドン、パリ出張について伺います。
 八月下旬から九月上旬まで、都の事業の一環として、自動運転タクシーの公道での営業走行が世界で初めて行われ、知事も試乗されました。九十六名の枠に対し、応募したのは約千五百名と大変注目度は高く、運転手の人手不足とともに、深刻化する高齢者の移動手段の確保難といった課題を、東京が先端的テクノロジーで解決していく姿を世界に発信できたといえます。
 そして、十月から十一月にかけては、知事のロンドン、パリ出張が予定されています。ロンドンは二〇一二年大会、パリは二〇二四年大会の開催都市であり、大会の成功、そして大会を契機とした開催都市の魅力向上に関して、互いにその知見を共有することは大変意義があることと考えます。
 ロンドンは国際金融都市としても名高く、国際金融都市東京構想を推進する上で連携を強化すべきです。また、姉妹友好都市であるパリとの間では、パリ東京文化タンデムとして、パリと東京それぞれで展覧会や演劇など多彩な文化イベントを実施し、相互に文化交流を行い、その魅力を世界に発信する重要な事業も行われます。
 今後、東京二〇二〇大会を契機に、都市として大きく飛躍してプレゼンスを高めるために、今回のロンドン、パリ出張をどのように生かしていくのか伺います。
 パリ、ロンドンで注目されているのが持続可能な社会づくりです。持続可能な東京都を次の世代に引き継ぐことは今を生きる都民の責任であり、長期的視点で見れば、猛暑という新しい災害への対応としても、地球温暖化対策など、環境施策の一層の推進は欠かすことができません。
 本定例会における知事の所信表明においては、必要性の低い使い捨てプラスチックの大幅削減に向けて、条例による対策の推進も視野に検討を進めることが表明されました。都民ファーストの会東京都議団は、ことし七月、知事に対して、プラスチックの代替促進対策等に関して要望書を提出しており、我々の要望が受け入れられたものと評価をいたしております。
 今般、東京都が開始したチームもったいないは、都庁食堂における規格外野菜の活用など、意欲的な取り組みです。これは、私たちが本年六月に第二回定例会の代表質問等で求めてきたエシカル都市東京の実現に資するものと考えます。東京二〇二〇大会を契機に、東京都が環境政策で世界をリードする都市に飛躍していく必要があります。
 都の取り組みを環境意識が高い一部の人だけではなく、幅広く都民に定着させるためには、このようなチームもったいないなどの東京都の取り組みについて、より一層多くの人を巻き込む仕掛けが効果的と考えますが、都の見解を伺います。
 次に、電気自動車の普及促進について伺います。
 現在東京都では、CO2を排出しない電気自動車等の普及促進のため、中小企業を対象に購入費の一部の補助を実施していますが、ゼロエミッション東京を実現するためには、その一層の拡大強化が必要です。
 先日、知事が補助金の拡大、増額を検討する方針を表明したとの一部報道がありましたが、改めて今後の取り組みについて知事にお伺いをいたします。
 さて、ことしの後半は、今後の東京都にとって大きな意味を持つ行事が続きます。まずは、今後の上下水道事業へのIWA世界会議の成果の活用について質問します。
 九月十六日から二十一日の間、日本で初開催となる国際水協会、IWA世界会議・展示会が東京で開催されました。水分野では世界最大規模である今回の会議では、レジリエンスとサスティーナビリティーが主要テーマの一つです。SDGsの視点からも、世界に誇る東京の上下水道事業の技術力で、世界の水環境の向上に対して積極的に貢献すべきです。
 会議開催により、新たな知見や技術の共有、産業力の強化など、さまざまな成果を創出したと推察します。会議開催による成果を一時的なものとせず、将来へ継承していくことが重要です。IWA世界会議・展示会の開催により得られた成果を今後の上下水道事業にどのようにつなげていくのか、知事の見解を伺います。
 次に、いよいよ本年十月十一日に開場する豊洲市場について伺います。
 小池知事の開場延期表明から約二年が経過しました。この間に盛り土がなかったことが判明したほか、未完結だったモニタリング調査では、環境基準を上回る結果が出るなど、安心を揺るがす事態が発生しましたが、約三十五億円の費用を投じて追加対策工事を実施できたことは、開場延期のたまものであり、都民と事業者の安心に大いに寄与できたものと考えます。
 一方で、開場を目前に控えた開場記念式典の直前に、豊洲市場内で地盤沈下に伴うひび割れが明らかになりました。建築技術的には想定内であっても、ひび割れの発見とともに早期の対応をとり、市場関係者に不安を与えない努力が不可欠であったと認識しています。今後、このようなことがないよう強く求めておきます。
 加えて、再三、都民ファーストの会東京都議団として求めてきたのは、市場関係者に寄り添った対応による市場行政への信頼回復と円滑な移転です。
 私たちは、築地市場跡地の場外市場業者向けの駐車場拡充、豊洲への交通アクセス整備、築地から豊洲への事前引っ越しなど、多くの要望を行い、多くは前進しましたが、市場内の運用ルールの改善、また高額と指摘されている買い出し人の駐車場料金など、新たな課題も浮上してきています。
 衛生的で機能的な新市場となるように、一層の取り組みを都に求めます。都の見解を伺います。
 築地市場は開場から約八十年、昭和六十一年に現在地での再整備の判断がなされてから約三十年がたち、ここにようやく新市場が誕生することになりました。長い都政の歴史の中でもこれほどの時間を要した政策はなく、その調整の困難さを物語っています。
 その長い道のりは、東京の食の台所を預かる市場への日本人の関心の高さのあらわれでもあったと思います。小池知事が、安全の上に安心を追求して、妥協を許さずに徹底した調査と検証と対策を積み上げて、ついに開場への道筋をつけたことは、日本の食の安全・安心に大いに貢献するものと受けとめています。
 その上で、豊洲市場は、都民に生鮮食料品を安定的に供給するという行政目的を果たすためにも、都が設置する中央卸売市場であり、引き続き、その役割を果たすとともに、改正された卸売市場法、食品流通構造改革促進法に適切に対応し、発展のための改革を進めていかなければなりません。
 今後の豊洲市場をどのように発展させていくのか、知事の抱負を伺います。
 次に、ラグビーテストマッチについて伺います。
 来年九月二十日のラグビーワールドカップ日本大会の開幕まで、いよいよ一年を切りました。
 本年十月下旬から、来年の開催に向けたテストマッチが開催されます。機材や運営面での確認が行われるとともに、ファンにとっては世界のスタープレーヤーのプレーを目にすることができる貴重な機会です。
 昨日公表されたとおり、テストマッチのファンゾーンには、試合だけにとどまらず、ラグビーそれ自体の魅力を伝えていくためのさまざまな仕掛けが行われていると承知しています。
 例えば、ルールを知らない人でも理解できるような解説の実施や、女性を含め幅広い方に興味を持ってもらえるような会場づくり、ラグビー体験の提供など、いずれも都民ファーストの会東京都議団としても提言してきた取り組みです。これらの十一月のファンゾーンの仕掛けを今後のラグビーの普及、そしてラグビーワールドカップの機運醸成につなげていくべきと考えます。
 そこで、十一月のファンゾーンの具体的な内容と今後の取り組みについて、都の見解を伺います。
 次に、十一月に東京都で開催される全国育樹祭について伺います。
 東京の森林の多くは、木材として利用可能な時期を迎えていますが、木材価格の低迷や林業従事者の不足等により、伐採や更新が低迷しています。木材の需要を創出し、健全な森林循環を促しながら、長期的な視点で森づくりを進めることは、近年増加する風水害による土砂災害予防や水源林の保全の観点からも有効です。
 知事は、第二回定例会における所信表明で、五十年、百年先を見据えた東京の森林の将来像について言及しました。
 また、先日公表された防災事業の緊急総点検において、法令不適合のブロック塀の代替に多摩産材等の国産木材を活用する方針も示されました。保育園などで多摩産材を使ったおもちゃや備品については補助を出すなど、都の支援は手厚くなってきています。
 一方で、保育園の新設の際に建材として使用される多摩産材への補助は見送られていることから、本格的な消費促進に課題を残しています。
 ことしの十一月に予定されている全国育樹祭の開催や、来年から始まる森林環境譲与税の交付などを踏まえ、長期的な視点での東京の森林づくりについて、知事の所見を伺います。
 次に、東京の貴重な資源である水の利用のあり方、都の工業用水道について伺います。
 工業用水道事業のあり方は、平成十六年度包括外部監査において、廃止を含めた抜本的経営改革について具体的な検討を進める必要性が指摘されて以降、都政の長年の懸案事項でした。工業用水道事業のあり方に関する有識者委員会は、平成二十六年十二月に設置され、今般、報告書が提出されました。
 報告書においては、施設設備の老朽化が進行し、大規模更新時期の到来が間近に迫る一方、ユーザー件数や使用水量は長期にわたり減少傾向にあり、今後も需要の増加が見通せないことから、廃止すべきとの見解が示されました。
 その内容を受け、ことしの第二回定例会において、都は工業用水道事業の廃止に向けた方向性を示すとともに、料金差額補填などの支援策を検討すると表明しました。その後、多様な意見に耳を傾けるとともに、速やかに支援策をまとめられたことを評価します。
 そこで、知事に、工業用水道事業の廃止に際しての利用者支援の基本的な考え方を伺います。
 あわせて、料金差額補填などの支援策を検討するとの表明がありました。この事業が行政施策として開始されてきた経緯を踏まえると、工業用水道の現在のユーザーと、従来からの上水道のユーザーとの公平性を勘案しながら、工業用水道から上水道への切りかえ負担に対する十分な支援策を講じることは不可欠です。
 都民ファーストの会東京都議団は、工業用水道事業廃止時に現ユーザーの負担を軽減するために配慮すべき事項について、切りかえ期間を含めて十年程度の長期間にわたる料金差額補填の支援を行い、企業経営の安定のために寄与することなど、本年八月二十日に四項目、同じく九月四日に追加二項目を、それぞれ要望事項として知事に提出しました。
 対象となる事業者に対しては、個別訪問の上、ヒアリングを実施したと承知していますが、その結果がどのようなものであったか、また、その内容を踏まえた据置期間及び激変緩和期間の設定内容など、支援策の概要について伺います。
 最後に、平成三十一年度税制改正について伺います。
 世界の人、物、金が魅力的な都市を求めて瞬時に移動する時代の中で、首都東京は世界のどの都市よりも、創造力を有する人材を引き寄せ、新産業の創出拠点となる使命があります。すぐれた人材を引き寄せるためには、交通アクセスやまちの景観、治安やオフィス環境に加えて、感性を磨ける文化性の高い都市かどうかも、パリやロンドンの例で明らかなとおり、大事な要素です。
 これまでも東京都は、日本の玄関口として海外から人を引き寄せ、産業、観光等のさまざまな分野で、多くの経済波及効果を東京都以外にも生み出してきました。東京都の戦略的な投資が減少し、都市としての活力が低下すれば、このような経済波及効果を伴う海外からの需要も見込むすべもありません。
 さらに、少子高齢化社会の中で都市の活力を維持していくためには、戦略的な投資として、一層の女性活躍を促すための保育等への予算をふやす必要があり、さらに、東京の未来を担う人材の育成のために、教育への予算をふやしていく必要があります。働きたい高齢者の方々が、経済の担い手としてご活躍いただけるよう支援する予算も必要です。
 このように、世界中の人々を引きつけて、世界の都市間競争に勝利し、国内では超高齢社会の影を吹き飛ばす都市東京を創造するためには、日本全体にとっての戦略的投資として、都には多額の財政需要が見込まれています。私たちは、国による都税の収奪を日本全体の発展のために許すわけにはいきません。
 地方創生とは、それぞれの地域が独自に魅力を磨き上げながらも、連携を深め、互いに高め合うという未来志向の関係創出から生まれるものです。折しも国の方では、ふるさと納税のあり方を見直すことが表明されました。昨年の地方消費税の見直しの件と同じく、国は地方創生に関する本質的な議論を行うことなく、自治体の自助努力を無に帰すような動きを繰り返しているのではないでしょうか。東京都としては、地方自治体の自助努力が適切に反映されるよう、地方税体系の根本的な見直しを求めるべきと考えます。
 本定例会において、都議会でも、地方法人課税の見直しに関する意見書を可決しました。東京と日本の成長を考える検討会での議論を踏まえ、小池知事みずからが先頭に立ち、都民、国、そして地方の理解を得る活動を行うべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 以上、東京都の防災施策全般、東京二〇二〇大会後の東京の未来像、そして、任期折り返しを迎えた小池知事のこれまでの取り組みについて伺ってきました。
 冒頭に述べましたとおり、都民ファーストの会東京都議団は、東京二〇二〇大会を、これまで光が当てられてこなかった都の課題を解決するきっかけとし、都民一人一人の人がその人らしく活躍できる都市東京の実現に向けて全力で取り組んでいくことを改めて申し上げ、代表質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 増子ひろき議員の代表質問にお答えをいたします。
 まず、防災事業の緊急総点検の意義と今後の取り組みについてのご質問がございました。
 本年は七月西日本での豪雨、そして今月は北海道胆振東部での地震など、大きな災害が立て続けに我が国を襲っております。
 このたび、これらの災害に対しまして、自衛隊、警視庁、東京消防庁などの関係機関が相互に連携をして、救命救助活動を行ったところでございます。
 また、避難所の運営などを支援するために、都内の自治体や都の職員を派遣いたしました。現地で懸命に活動されたこれらの方々に対し、心から感謝を申し上げたく存じます。
 また、都におきましても同様の災害がいつ起きてもおかしくない、そのことを改めて肝に銘じまして、防災対策に取り組んでいくこと、極めて重要でございます。
 これまでも都といたしまして、地域防災計画やセーフシティ東京防災プランなどに基づいて、ハード、ソフト両面での防災対策を着実に進めてまいりましたが、先ほど申し上げました風水害や地震などを踏まえまして、約二百の項目について緊急総点検を実施したところでございます。
 その結果、年度内に実施、または来年度予算編成に向けて事業化を図っていくというものとして、タイムラインの普及拡大、調節池の加速的な整備など、十二の分野にわたります取り組みを公表いたしました。
 引き続きまして、都民の生命、財産を守るために、不断の点検、そして見直しを行うとともに、一連の被災地支援を通じまして図らずも得た貴重な教訓をしっかりと分析をして、防災事業のスピードアップ、そしてグレードアップを進めるとともに、緊急性の高いものにつきましては補正予算の編成も視野に入れて、東京を高度防災都市へと昇華させていく所存でございます。
 次に、区市町村の庁舎の非常用電源についてのご質問がございました。大変時宜を得たご提案だと感じております。
 首都直下地震を初めとする大規模災害が発生した場合、区市町村は住民に直接対応する自治体といたしまして、医療救護所の設置や避難所の開設など、都民の生命や身体にかかわります応急対策を直ちに開始することとなります。
 また、都が医療資源や物資などを効果的に被災現場に供給する、そのためには地元の状況を詳しく把握している区市町村からの情報が欠かせません。まさに、都と区市町村が一体となって、都民の安全と安心を守らなければなりません。
 このために、区市町村庁舎の非常用電源の確保は極めて重要な課題でございます。大規模災害が、忘れる暇を与えることなく私たちを襲う今日であります。仮に、いわゆるブラックアウトが発生しても、区市町村の庁舎の電源は途絶えないようにしなければなりません。
 今後、都といたしまして、この非常用発電機の整備など、区市町村ごとに異なる状況を把握いたしまして、少なくとも七十二時間の非常用電源を確保するための方策について、区市町村と協議を進めまして、そのニーズを踏まえた上で、防災街づくり基金の活用や補正予算の編成など、予算上の措置を含めまして、必要な支援を行ってまいる所存でございます。
 オリンピック憲章にうたわれております人権尊重の理念の実現を目指す条例案についてのご質問をいただきました。
 多様性が尊重され、温かく優しさにあふれ、誰もがあすに夢を持って活躍できる、そんな東京を実現するためには、全ての人の人権が尊重されなければならないと考えます。
 そのためにも、東京二〇二〇大会の開催を契機といたしまして、いかなる種類の差別も許されないというオリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念を広く都民に浸透させていくことが重要であります。
 そこで、東京都人権施策推進指針に掲げられました十七の人権課題に対しまして、今後も積極的に施策を進めてまいります。
 こうした取り組みはもとより、東京二〇二〇大会のホストシティーとして、性自認及び性的指向に関する不当な差別の解消及び啓発などの推進、そして、本邦外出身者に対します不当な差別的言動の解消にさらに積極的に取り組むべく、今般の条例案を提出したところでございます。
 条例の制定を通じまして、さまざまな人権に関します不当な差別を許さないとの姿勢を国内外に対して改めて明確にする、そして、啓発、教育等の人権施策を総合的に実施をしていく、そのことによりまして、都民の皆様とともに、多様な個性が輝く活力あふれる東京の実現に邁進してまいります。
 次に、総合的な就労支援の推進についてのご質問をいただきました。
 人手不足が深刻化する一方で、働く意欲があっても仕事につけない人も多いものでございます。とりわけ、障害のある方やひきこもり、ひとり親の方など、労働市場で不利な立場にある方々にとりまして、雇用環境は依然として厳しい状況にございます。
 私は、こうしたさまざまな困難を抱える人々を社会の一員として受け入れて全体で支え合うという、ソーシャルインクルージョンの考え方に基づきまして、誰もが自分らしく働ける環境をつくっていきたいと考えております。まさしくそれは、私が目指しておりますダイバーシティー、すなわち、多様性が尊重され、あらゆる人が生き生きと活躍できる社会へとつながってまいります。
 都といたしまして、これまで、障害者に限らず、さまざまな就労困難者に対しまして、それぞれの状況に応じた就労支援には取り組んでまいりました。社会が複雑化し、就労困難の要因も多様化する中で、そうした個別の施策に加えまして、社会全体で支え合うという理念に基づいて、お話のございましたソーシャルファームの考え方も取り入れながら、より広い視点で就労支援のあり方を考えていく必要がございます。
 こうした観点に立ちまして、希望する誰もが個性や能力に応じて仕事を選択し、社会の担い手としての誇りと自信を持って輝くことのできる東京を目指す、全ての都民の就労を応援する新たな条例の制定を検討いたします。
 まずは、学識経験者等によります検討会を設置いたしまして、そこから議論を始めてまいります。
 次に、ひきこもりの状態が長期化している方への支援についてでございます。
 お話のように、若年期にひきこもりとなった状態が長期化をして、四十代、五十代となる方がふえております。そして、本人やご家族が抱える悩みも、所得や就労だけでなく、介護や医療など、生活面の多岐にわたっているわけでございます。
 こうした悩みや相談に応えるために、都といたしまして、現在、東京都ひきこもりサポートネットのほか、精神保健福祉センターや東京しごとセンターなど、関係機関が連携しながら支援を行っているところでございます。
 また、区市町村におきましても、さまざまな窓口で相談に対応いたしておりまして、区市が設置している自立相談支援機関では、相談内容や世帯一人一人の状況に応じまして、ひきこもりの専門相談機関や、福祉事務所や保健所、地域包括支援センターなど関係の機関と連携して支援を行っているところでございます。
 ひきこもり状態にある方への支援は、まさしく都民ファーストの視点で、年齢によらず、身近な地域で切れ目なく実施することが重要でございます。
 こうした考えに立ちまして、今後とも区市町村の取り組みを支援するとともに、都におけます体制の強化も図ります。そして、福祉、保健、医療、雇用、教育等のさまざまな分野の連携を一層進めながら、ひきこもりの方やご家族への支援を推進していく所存でございます。
 次に、待機児童対策についてでございます。
 私は、待機児童の解消を都政の最重要課題の一つに位置づけております。そして、保育所等の整備の促進、人材の確保や定着の支援、利用者支援の充実、これら三つを柱といたしまして、保育サービスの拡大を図ってきたところでございます。
 具体的には、保育所等整備費補助の充実、都有地活用の推進、民有地を活用した保育所整備に対します税制支援、保育士等キャリアアップ補助の充実、認可外保育施設の利用者への支援など、都独自にさまざまな取り組みを進めてきたわけでございます。
 その結果といたしまして、ことし四月、都内の待機児童数は昨年度と比べまして、三千百七十二人減少、十年ぶりに五千人台となったわけでございます。
 女性の活躍を推進するためには、誰もが働きながら地域で安心して子育てができる、そんな環境を整えることが重要でございます。
 ことしの六月、都は多様な保育の受け皿の整備や人材確保策などにつきまして、区市町村と協議をいたすために、東京都待機児童対策協議会を立ち上げております。
 今後、この場も活用いたしまして、区市町村としっかり連携をしながら、二〇一九年度末までの待機児童解消に向けて、保育サービスの整備をさらに加速してまいる所存でございます。
 次に、児童虐待の防止に関する条例についてのご質問がございました。
 児童虐待は、子供たちの心に深い傷を残すだけではありません。子供たちの将来への可能性を奪うこともございます。決して許されるものではございません。
 しかしながら、都の虐待相談の対応件数は、近年増加の一途をたどっておりまして、平成二十九年度は過去最多となりました。
 こうしたことを踏まえまして、社会全体で全ての子供を虐待から守るという観点から、条例の基本的な考え方を取りまとめたものでございます。この基本的な考え方は、まず、虐待の未然防止、そして早期発見・早期対応、子供とその保護者への支援、人材育成、これら四つの視点で整理をいたしました。
 虐待の未然防止でございますが、妊娠、出産から子育てまで切れ目なく支援をすること、早期発見、早期対応につきましては、児童相談所と区市町村の子供家庭支援センターの連携、協働を一層推進すること、そして、児童相談所間の区域を超えた広域的な連携を推進することなどを盛り込んでおります。
 今後、都民や区市町村、専門家等の意見を伺いながら、条例案の検討を進めまして、来年の第一回定例会への提案を目指してまいります。
 次に、中小事業者に対します悪質なクレームについてでございます。
 消費者や取引先から寄せられるクレームには、商品やサービスの向上に役立つ貴重な意見もありますが、苦情が不当に長い時間続いて、同じ内容が何度も何度も繰り返されるなど、悪質な場合もございます。
 こうした迷惑行為は、従業員の健康を損なったり、影響が深刻になると経営にも支障を及ぼします。中小企業の振興を議論する有識者会議におきましても、行き過ぎたクレームが負担となって、製品開発に十分に取り組めない状況があることを、連合を初めとする委員の皆様方から伺ったところでございます。
 厳しい経営環境に置かれた中小事業者にとりましては、さまざまなクレームに適切に対応することは、快適で働きやすい職場環境をつくり上げて、社員の定着を図るとともに、限られたマンパワーを最大限に引き出して、生産性を高める上で重要な視点でございます。
 中小の事業者が直面する課題を解決するために、現在さまざまな支援を行っておりますが、今回改めて現場におけるクレームの実態を調べて、こうした問題につきましてもきめ細かな対応を行って、企業の労働環境と経営をしっかり支えてまいりたいと考えております。
 次に、旧こどもの城についてのご質問がございました。
 この敷地というのは青山通りに面しておりまして、大変ポテンシャルが高い、そして、都のさまざまな政策実現にも資するということで、可能性を有した土地と考えておりまして、かねてから活用の可能性を検討してまいりました。
 こうした中で、改めて現地の状況に目を向けますと、この敷地の上には、寿命を迎えることなく、国有の施設として役割を終えましたこどもの城の建物が今なお残されております。そしてまた、これを取り壊すということは、もったいないと考えるに至ったところでございます。
 そのため、この旧こどもの城を、男性も女性も、高齢者も障害者も、性別や年齢、障害の有無にかかわらず、誰もが利用できる施設へとリノベーションいたしまして、まさしくダイバーシティーの実現に向けて、都民の学習、スポーツ、創業、人材育成などの場となる、いわゆる都民の城とも呼べるような複合拠点を創出していきたいというのが、今の私の思いでございます。
 加えまして、こうした施設を本格的に使用するまでの期間も無駄にすることのないよう、東京二〇二〇大会にも役立てればと、このように考えております。
 そこで、建物を含めました活用の可能性を、ハード、そしてソフトの両面について検討するように、事務方に指示をいたしました。
 今後は、ここに集うさまざまな人々とのつながりが相乗効果をもたらして、東京の大きな活力を生み出す、そんな場になるように検討を加速させてまいります。そして、早期の取得に向けまして、所有者であります国との協議を進めてまいることといたします。
 次に、ロンドン、パリへの出張についてのご質問を頂戴いたしました。
 お話のように、ロンドンは二〇一二年に、そして、パリは二〇二四年のオリンピック・パラリンピック競技大会の開催都市でございます。また、ロンドンは国際金融の拠点でありまして、パリはヨーロッパの文化、観光の中心地、ことしは日仏友好百六十周年にも当たるということでございます。
 そのため、今回の出張におきましては、両都市の市長と会談をいたしまして、オリンピック・パラリンピックの開催後のレガシーや、大都市共通の課題解決に向けました取り組みなどについて知見を共有して、連携の強化を図ってまいりたいと考えております。
 さらに、ロンドンでは、金融プロモーションといたしまして、シティー・オブ・ロンドン、ロード・メイヤーとの会談や、金融関係者との意見交換、現地金融系企業向けセミナーなどを実施いたします。
 また、パリにおきましては、パリ東京文化タンデム二〇一八の一環といたしまして、現地で開催されております風呂敷をテーマといたしましたアートイベントなど、日本の文化を紹介する多彩な催しや、東京二〇二〇大会や東京の魅力をPRするブースを訪問する予定でございます。
 この出張におきましては、二〇一二年大会を成功させたロンドンの経験を学ぶとともに、文化、観光、環境の分野を初めとした東京の魅力を世界へと発信してまいる所存でございます。
 また、出張を通じまして、国際金融都市東京構想の実現に向けた施策を推進いたしまして、東京二〇二〇大会の成功、そして、その先の東京の発展につなげていきたいと考えております。
 次に、電気自動車等の普及促進についてのご質問をいただきました。
 都は、排出がゼロのゼロエミッション東京の実現を目指した取り組みを進めております。自動車につきましても、走行時にCO2を排出しないゼロエミッションビークルの普及が重要となっております。
 五月に開催いたしました国際会議におきまして、私は、二〇三〇年の都内の乗用車の新車販売におけますゼロエミッションビークルの割合を五割まで高めるとの目標を掲げております。
 都はこれまで、中小事業者等が電気自動車やプラグインハイブリッド車を購入する際の支援を行うとともに、今年度から新たに、集合住宅へ充電設備を設置する際の支援や、事業者を対象といたしまして、電動バイクの導入補助を開始いたしております。
 二〇三〇年に向けまして、電気自動車等の普及をさらに加速させるために、来年度から、より多くの都民が手が届く、そのような環境をつくるよう新たな支援策を検討しているところでございます。
 こうした取り組みによりまして、ゼロエミッションビークルの普及におきまして、国、そして世界を牽引し、環境先進都市東京を実現してまいります。
 次に、IWA世界会議・展示会の成果、そして今後の上下水道の事業についてのご質問でございます。
 皇太子殿下、妃殿下のご臨席のもとで開会をいたしました会議でございます。そして、展示会も行いました。世界各国から九千名以上もの水分野の専門家などを迎えまして、また、国内外から約二百五十の団体が出展をされ、最新の知見や技術の共有、人的ネットワークの構築などが行われました。
 また、会議・展示会を通じまして、東京の上下水道が培ってきたさまざまなノウハウの発信や国内企業のすぐれた技術の紹介などを行うことで、東京、日本のプレゼンス向上にも貢献をいたしました。
 私からは、今や東京が世界に誇る魅力の一つとなっております水、そして都市の水循環を支えております上下水道を将来に向けて維持するためには、そのレジリエンス、強靱化ですね、強化に向けました心技体の視点、すなわち意識、技術、システム、この三つをより高めていくことが重要との考えを提唱いたしまして、参加者の皆様方からの高い共感を得たものと考えております。
 加えまして、上下水道が持続可能であり続けるためには、常に最先端の技術を取り入れて進化していくスマートな視点が必要との考えを強調いたしまして、これに基づきます具体的な取り組みとして、スマートメーターの水道事業への幅広い活用を目指した、大規模な実証実験を立ち上げることといたしました。
 こうした今回の会議により得られました成果を踏まえて、世界の水問題の解決へより一層貢献をしていくとともに、東京二〇二〇大会やその先を見据えまして、上下水道のさらなる強靱化を図って、持続可能な成長を続ける都市東京を実現してまいります。
 次に、今後の豊洲市場の発展についてのご質問をいただきました。
 豊洲市場は、検証、対策、確認という一連のステップを経まして、安全・安心な市場として開場する運びとなりました。長年にわたりますさまざまな議論、そして調整を経まして、新たな市場として開場するものでございます。多くの関係者のご協力に改めて感謝をしたいと存じます。
 一方、市場外流通の拡大、ネット通販の台頭など、卸売市場を取り巻く環境は大きく変化をしております。こうした時代の変化を見据えながら、生鮮食料品の安定供給という卸売市場の役割を十分に果たしていくことが重要と考えております。
 このため、豊洲市場におきましては、これまで築地市場が培ってきた伝統をしっかり引き継ぐとともに、最新鋭の設備を備えました施設の優位性を発揮して、高度な品質管理や効率的な物流を実現してまいります。
 まずは円滑な移転に向けまして、市場業界の方々とともに、引っ越しを初めとするさまざまな準備を整えて、万全の体制での開場を目指してまいります。
 その上で、時代の変化を踏まえた市場機能の向上を図って、豊洲市場を日本の中核市場とするとともに、世界も見据えた食文化の新たな発信拠点へと大きく育ててまいります。
 長期的な視点での森づくりについてのご質問がございました。
 木材の供給を初め、水源の涵養や災害の防止、地球温暖化の緩和など、都民に多くの恵みをもたらしている森林でございます。古来、先人たちの手によって守り育てられ、長い時間をかけて現在の姿となっております。
 この豊かな森林を次世代に継承するには、五十年、百年先を見据えた森づくりが不可欠でございます。
 先日、檜原都民の森で、次世代を担う子供たちと記念の育樹活動を行いまして、世代を超えて森林を守り育て、受け継いでいく決意を新たにしたところでございます。
 ことしは、全国育樹祭の開催とともに、東京百五十年の節目を迎えます。この機会を捉えまして、都民の森づくりへの機運を醸成して、森林整備、木材利用を促進することは重要であります。このような思いから、長期を見据えました東京の森林の将来展望、東京フォレストビジョンを現在取りまとめているところでございます。
 ビジョンでは、花粉の少ない杉への植えかえを加速して、もはや社会問題でもあります花粉飛散量を大幅に減少させる、そのことに加えまして、多摩産材のブランド化、AI等の活用によります革新的なスマート林業の確立、オフィスや商業施設、保育園等の都市部における新たな木材需要の喚起など、森林の将来の姿を七つのメッセージに込めて、育樹祭を契機に広く発信をしてまいります。
 今後は、全国知事会と連携し展開をしていく国産木材のさらなる活用に関するプロジェクト、こちらには四十一もの都道府県が参加をしていただくこととなっております。このプロジェクトをベースに、森林環境譲与税の効果的な活用などをてこといたしまして、全国の森林再生及び治山の取り組みへとつなげてまいります。
 次に、工業用水道事業の廃止に際しての利用者支援の基本的な考え方についてご質問がございました。
 工業用水道事業でございますが、需要減少による経営状況の悪化、そして施設の老朽化から、その抜本的な経営改革は長年の懸案とされてまいりまして、これまで十四年間にわたって検討が行われてまいりました。
 今回、有識者委員会での廃止という提言も踏まえまして、さきの定例会で廃止に向けた動きを進めることを表明いたしまして、この定例会にて工業用水道事業の廃止条例案を提案しているところでございます。
 事業の廃止に当たりましては、何よりもまず利用者の企業経営への影響を最小限にとどめることが必要であり、これまで利用者への支援策について検討をしてまいりました。
 支援策の検討に当たりましては、職員が利用者一件一件個別に訪問いたしまして、ご意見を伺うとともに、私みずからも工業用水を利用する業界団体の代表の方と直接お会いをし、その話を伺っております。
 こうした皆様の声を考慮いたしまして、事業廃止に伴う工業用水利用者の料金差額支援につきましては、支援期間を二十年間に延長し、新たに節水対策に係ります支援を加えるなど、有識者委員会が示した案をさらにきめ細かく充実をさせて、今回、都の支援計画案として取りまとめ、公表をしたものでございます。
 今後、この計画案を踏まえまして、利用者の皆様に丁寧に対応してまいりたいと考えております。
 そして、平成三十一年度税制改正についてのご質問をいただきました。
 国はこれまで、不合理な税制度の見直しを幾度となく繰り返してきております。さらに、平成三十一年度の税制改正に向けまして、地方法人課税の新たな偏在是正措置を講じるべく、検討を加速をさせております。
 アメリカと中国の貿易摩擦の激化、国際情勢が日々混沌とする中、内向きの議論に固執し、国内の限られた財源の奪い合いに明け暮れていては、日本は成長の機会を逸し、世界の中で埋没をしてしまいます。
 東京、そして日本を持続的成長に導くためには、首都東京が我が国経済の牽引役となって、各地方もみずからの権限と財源をもって地域を活性化させること、すなわち共存共栄を図ることが重要であり、これに逆行する国の動きに歯どめをかけていくことは必要でございます。
 現在、東京と日本の成長を考える検討会において、東京の国際競争力強化の必要性や東京への積極的な投資の重要性など、日本の今を知る有識者の方々を交えながら、取りまとめに向けた議論を積み重ねているところでございます。
 平成三十一年度税制改正に向けた動きは、これからいよいよ本格化してまいります。都議会の皆様からも、国の動きに反対する意見書を全会一致で可決していただくなど、多大なご尽力を賜っていることに感謝を申し上げます。
 また、私自身も、七月全国知事会議におきまして、目指すべき方向性を強く訴えております。政府・与野党幹部、国会議員と面会をいたしまして、都の主張に対する理解を求めるなど、精力的に活動を展開しているところでございます。
 都民の生活、東京の未来を守ることが都知事としての最大の責務と考え、私みずから先頭に立って、都としての主張をわかりやすく都民の皆様方に発信をするとともに、都議会の皆様としっかり手を携えながら、日本の成長を目指す同志である国、地方にも理解と共感の輪が広がりますように全力を尽くしてまいる所存でございます。
 なお、その他のご質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長よりのご答弁とさせていただきます。
 ありがとうございました。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、学校施設での空調設備の整備についてでございますが、学校は地域の避難所としての役割を担うとともに、子供たちの学習、生活の場として安全性の確保が必要なことから、学校施設における暑さ対策は、最優先に取り組むべきものと考えております。
 都教育委員会は、学校施設への空調設備設置を行ってまいりましたが、今後も設置対象となる特別教室について整備の推進に努めてまいります。
 また、体育館については、都立特別支援学校に加え、今後は、都立高等学校についても空調設備の整備を速やかに進めてまいります。
 さらに、公立小中学校の体育館についても、国や区市町村との役割を踏まえつつ、体育館への空調設備の整備が進むよう、区市町村を支援してまいります。
 次に、性教育の推進についてでございますが、都内公立学校において性教育を適正に実施していく上で、その実施状況や学校等のニーズを正確に把握することは重要でございます。
 このため、都教育委員会は、ことし八月に都内の全ての公立中学校等を対象に、性教育の実施状況について調査いたしました。その結果、都教育委員会からの指導資料等の配布を希望する学校や、医師等の外部講師の活用が効果的であると考える学校が多数あることがわかりました。
 今後、性教育の手引を教員にとってよりわかりやすく活用しやすいものに改定するとともに、新たに産婦人科医を外部講師として活用したモデル授業を年度内に実施し、その成果を都内全公立学校に周知するなどして、各学校における性教育が適切に推進されるよう支援をしてまいります。
〔東京都技監西倉鉄也君登壇〕

○東京都技監(西倉鉄也君) 中小河川の洪水対策についてでございますが、台風や集中豪雨による水害から都民の命と暮らしを守るためには、護岸や調節池の整備などハード対策とともに、迅速な避難につながる防災情報の発信など、ソフト対策を進めることが重要でございます。
 このため、防災事業の緊急総点検を踏まえまして、ハード対策につきましては、新たな調節池の検討を前倒しして実施いたします。ソフト対策につきましては、スマートフォン等による位置情報を活用し、豪雨の際に利用者が周辺の河川水位等を知ることができる仕組みを本年度中に導入いたしますとともに、氾濫危険情報など、水防災情報を多言語化し、発信力を強化いたします。
 引き続き、ハード、ソフト両面から洪水対策を進めまして、水害に強いセーフシティーの実現に向け、全力で取り組んでまいります。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 六点のご質問にお答えいたします。
 まず、病院の非常用電源についてでございますが、国は全ての病院に、みずからが被災することを想定してBCPを作成するよう求めており、BCPに基づく非常用電源の確保及び点検は必要不可欠であるとしております。
 このため、都は、都内の病院に対し、作成手順や記載項目を明示したガイドラインを配布して、BCPの作成を促すとともに、防災訓練説明会等において、ガイドラインを活用した実践的なBCPの作成や、非常用電源設備の浸水対策等に関する事例を紹介しております。
 また、医療法に基づく定例の立入検査の際に、非常用電源の確保及び点検の実施を確認するとともに、設備のない病院も含め、全ての病院が大規模災害時に医療機能を継続できるよう、助言指導し、災害医療体制の確保を図ってまいります。
 次に、災害医療コーディネーターについてでありますが、東京都災害医療コーディネーターは、都内全域の被災状況や医療資源の状況を把握し、他県からの参集を含めた医療チームの配置調整等を行う役割を担っております。
 また、二次保健医療圏ごとに設置した地域災害医療コーディネーターは、都や区市町村のコーディネーターと連携して、地域の実情を踏まえながら、医療資源の効果的な配分、患者搬送の調整を行うこととしております。
 災害の多様化、大規模化に備え、各地で発生した災害も踏まえて、今後、さまざまな場面を想定した総合防災訓練や図上訓練を行い、それを通じて医療救護活動ガイドラインを見直すなど、災害医療コーディネーターがその機能を確実に発揮できるよう、災害時の連携体制の充実を図ってまいります。
 次に、避難所における障害者への対応についてでありますが、都は、災害時に、障害者が必要な支援を受けられるよう、援助や配慮を必要としていることを周囲に伝えるヘルプマークや、必要な支援内容等を記入しておくヘルプカードの普及を図るとともに、障害者や支援者が災害時に適切な行動をとるためのマニュアルを作成しております。
 本年三月には、避難所管理運営の指針を改定し、情報掲示板や音声案内を初め、聴覚障害、視覚障害等の特性に応じて必要となる配慮の具体的な事例を盛り込み、区市町村に周知しております。
 今後とも、災害時に障害者がみずからの障害特性に応じた支援を適切に受けられるよう、区市町村に働きかけてまいります。
 次に、監察医制度の適用範囲についてでありますが、人の死因を究明することは、死者の尊厳や権利を守り、公衆衛生の向上や医学の進歩にも貢献するものであります。
 このため、都では、政令で監察医を置くべきとされている二十三区に限らず、多摩地域でも適切に死因究明ができるよう、都医師会や大学の協力を得ながら検案医を確保するなど、体制整備を進めております。
 本年改定した東京都保健医療計画におきましても、死因究明体制の確保を課題の一つに位置づけ、多摩地域の体制も含め、死因究明推進協議会で検討することとしております。
 死因究明体制は、本来国が必要な法整備を行い、地域を限定せずに整えるべきものであり、都全域で監察医制度を適用できるよう、引き続き国に強く働きかけてまいります。
 次に、児童相談所の体制強化についてでありますが、都政の喫緊の課題に対応するため、都は、専門的な知識や経験を有する人材を一定期間任用する、任期つき職員制度を設けており、平成十六年度から児童福祉司、平成十九年度から児童心理司の採用に活用しております。
 今般の緊急対策におきましても、この制度を活用して、さらに十九名の職員を確保することとしており、即戦力として活躍できるよう、履修科目など、児童福祉司等の任用に必要な要件を加え、学校卒業後の福祉に関する職務経験が五年以上であることなどの要件を定めております。
 採用後は、主任として任用し、児童福祉に関する職務等で培った高度な知識や経験を還元することで、児童相談所の専門的機能のさらなる強化を図ってまいります。
 最後に、安全確認行動指針に基づく立入調査についてでありますが、都は、都内全ての児童相談所で、児童の安全確認をより適切に行えるよう、今般、安全確認の手法や立入調査を行う判断基準等を定めた独自の指針を策定いたしました。
 この指針では、通告後四十八時間以内に児童の安全確認ができなかった場合には、児童が特定できないケースを除き、所長が緊急安全確認会議を速やかに開催し、立入調査の実施を決定の上、警察への援助要請を行うこととしております。
 立入調査に当たりましては、虐待対応を専任で行う虐待対策班を初め、警察官OBや保健師の資格を有する医療連携専門員など、複数の職員で対応することとしており、今後、児童の安全確認をこれまで以上に迅速かつ機動的に行ってまいります。
〔水道局長中嶋正宏君登壇〕

○水道局長(中嶋正宏君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、避難所への供給ルートの耐震継ぎ手化についてでございますが、水道局では、災害時における避難時の給水確保に向け、区市町が指定する避難所約二千六百カ所を対象に、供給ルートの耐震継ぎ手化及び水道メーターまでの給水管の耐震化を進めております。
 現在、避難所の中でも、建物規模が大きく、各地域にバランスよく配置されております約千八百カ所の小中学校につきまして、優先的に配水管の耐震継ぎ手化及び給水管の耐震化を進めております。
 このうち、中学校につきましては平成三十一年度までに完了させ、小学校につきましては平成三十四年度までに完了させてまいります。さらに、残る全ての避難所につきましては、平成三十七年度完了に向け着実に進めてまいります。
 次に、小河内ダム放流に関する情報連絡についてでございますが、水道専用ダムである小河内ダムの放流及び関係機関への通知等につきましては、国土交通省から承認を受けた小河内ダム操作規程に基づき実施をしております。
 豪雨等に伴い貯水量が増加し、放流量をふやす場合は、少なくとも一時間前に国土交通省や下流の自治体など関係機関への通知を完了させます。また、一般の方々へは、水道局みずからが、河川付近に設置してあるサイレンにより警告を発するとともに、職員が河川の両岸をパトロールして拡声機等にて周知を行い、さらに安全を確認いたします。
 小河内ダム放流の増量時におきまして、事前にこのような情報連絡に万全を期すことで、今後とも都民の安心を確保してまいります。
 最後に、工業用水道利用者への訪問結果及びそれを踏まえた支援策の概要についてでございますが、工業用水道事業の廃止に伴う支援の検討に当たりましては、利用者の声や経営等への影響を把握することが重要であるため、本年七月から各利用者を個別に訪問し、有識者委員会報告書の支援策についてご意見を伺ってまいりました。
 その結果、回答者の過半数の方から、料金差額補填の期間が短いとの意見や期間の延長を求める声が寄せられました。また、上水道への切りかえに伴う料金変動の影響を軽減するための節水設備の導入など、有識者委員会報告書の支援策に加え、さらなる拡充を求める意見が寄せられました。
 そのため、今回公表した支援計画案では、料金差額補填の期間につきまして、上水道への切りかえ期間四年の後、新たに料金の据置期間六年を加え、その後、利用者の料金負担の激変を緩和する期間を十年、合計二十年間といたしました。
 また、節水対策に資する設備の設置を支援するなど、利用者の負担を軽減するための支援を追加いたしました。
 さらに、上水道への切りかえ工事や、経営及び技術支援など、利用者の経営等への影響を最小限にとどめるための多面的な支援を盛り込んでおります。
 今後、この支援計画案を踏まえ、利用者への支援をきめ細かく進めてまいります。
〔下水道局長小山哲司君登壇〕

○下水道局長(小山哲司君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、下水道管の耐震対策についてでございますが、下水道局では、震災時にもトイレ機能を確保するため、地震により被害を受けやすい下水道管とマンホールの接続部の耐震化につきまして、対象施設を重点化して実施しております。
 これまでに、避難所や災害復旧拠点など、約四千六百カ所を対象に対策を進めておりまして、既に八割に当たる約三千七百カ所で対策を完了させております。
 今般、帰宅困難者が一時的に待機できる一時滞在施設の指定や一斉帰宅抑制に取り組む企業等の認定制度が創設されましたことから、これらの施設約五百カ所にも対象を拡大し、下水道管の耐震化を進めてまいります。
 こうした取り組みにより、下水道管の耐震化をさらに拡充し、地震に強いまちづくりを強力に推進してまいります。
 次に、下水道における浸水対策についてでございますが、浸水被害を軽減させるためには、下水道幹線やポンプ所などの基幹施設の着実な整備はもとよりでございますが、地域の自助や共助を支援するため、情報提供などのソフト対策の充実も重要でございます。
 これまで、東京アメッシュによる降雨情報の提供などに加え、浅く埋設され、地表に近い下水道幹線のうち、八つの幹線におきまして水位情報をリアルタイムで地元区へ提供し、地域の水防活動を支援してまいりました。
 このたび、呑川幹線など、新たに四つの幹線につきまして、地元区に対する水位情報の提供拡大を検討してまいります。
 今後とも、都民の生命と財産を守るため、関係機関と連携いたしまして、ハード、ソフト両面から浸水対策に取り組んでまいります。
〔総務局長代理次長榎本雅人君登壇〕

○総務局長代理次長(榎本雅人君) 防災に関する三点のご質問にお答えいたします。
 まず、普及啓発のあり方についてでございますが、都民が、都の発信する防災情報を十分理解し、正しく避難できるような普及啓発の取り組みは重要でございます。
 都はこれまで、防災ホームページ、「東京防災」や「東京くらし防災」など、幅広い媒体で普及啓発を行うとともに、ことし三月には東京都防災アプリの配信を始めるなど、各種の取り組みを進めてまいりました。
 今後は、区市町村によるタイムラインの作成を支援するとともに、都民がその計画に従って行動を起こすことにつなげるための、災害の危険性を肌で感じてもらえるような防災訓練を工夫し、実施いたします。また、災害の脅威を実感できるような仮想現実機能、いわゆるVRを活用していくなど、新たな普及啓発活動を積極的に進めてまいります。
 次に、集合住宅の防災情報の提供についてでございますが、今や都内の分譲マンションの総戸数は、総世帯の約四分の一に達しており、マンションに居住する都民に対し、建物の特性を踏まえた情報提供は重要でございます。
 そのため、都はこれまで、「東京防災」や「東京くらし防災」等で、高層住宅における救助用資材の分散配置や管理組合による防災マニュアル作成の必要性について記載するとともに、マンションの防災対策をテーマとして、都民や集合住宅の管理組合などを対象に専門家を派遣するセミナーを開催してまいりました。
 今後、こうした取り組みに加え、東京都防災アプリに新たに集合住宅を対象としたコンテンツを追加するなど、さまざまな手法を用いて、マンションの防災対策を対象とした情報提供のさらなる充実を図ってまいります。
 最後に、石油コンビナートの防災対策についてでございますが、本条例は、国が指定する石油コンビナート等特別防災区域において、災害の発生及び拡大の防止等に必要な施策を行う東京都石油コンビナート等防災本部の設置に関する事項を定めるものでございます。
 防災本部では、本区域で起こり得る災害を想定した対策を盛り込んだ防災計画を策定し、この計画には、石油タンクの設置事業者、警察、消防等の関係機関と都が協働して、定期的な防災訓練を行うことなどを定める予定でございます。この訓練等の結果を踏まえまして、随時計画の内容を検証し、修正を加えることで、より実効性を高めてまいります。
 なお、万が一、本区域を超えるような広域的な災害が発生した際には、油等防除の協議会や近隣県市との協定等に基づき、関係機関が連携し、拡大防止に努めてまいります。
〔環境局長和賀井克夫君登壇〕

○環境局長(和賀井克夫君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、災害廃棄物処理計画についてでございますが、都は、熊本地震、西日本豪雨災害等に職員を派遣し、県の業務を支援いたしましたが、その中で、区市町村や民間処理施設等との連携の重要性を改めて認識したところでございます。
 昨年策定いたしました災害廃棄物処理計画では、発災後に都と区市町村の各担当者が共通認識のもとで、おのおのの業務を遂行できるよう、平常時から廃棄物の処分、仮置き場の管理といった業務ごとの連携体制を構築することとしております。
 今後、都の具体的取り組みのマニュアル化や区市町村に対する計画策定の支援の中で、連携体制を具体化してまいります。また、民間施設の能力や受け入れ条件等を定期的に把握する中で、発災時の事業者との協力関係を強化してまいります。
 さらに、区市町村等と連携した合同訓練の実施などを通じて、発災時における対応力の向上を図ってまいります。
 次に、暑さ対策についてでございますが、一つの災害であるとされたことしの猛暑を受けまして、体温調節が難しい子供や高齢者だけでなく、東京の高温多湿の気候になれていない外国人を含めた暑さ対策は、重要な課題でございます。
 都はこれまで、ホームページによる多言語での熱中症予防の広報に加え、遮熱性舗装の整備や微細ミスト等を設置したクールスポットの創出に取り組んでまいりました。
 今後、東京二〇二〇大会に向けて、ことし八月に立ち上げた全庁的な検討チームのもとに、内堀通り等において行った実証実験で得られた知見等も活用し、ハード、ソフトの両面から関係各局と連携した対策を効果的に推進してまいります。こうした取り組みをレガシーとして、都市の暑さ対策に活用してまいります。
 最後に、チームもったいないの取り組みについてでございますが、持続可能な都市の実現に向け、食品ロスの削減や資源の有効利用、省エネの徹底等を進めるには、都民のもったいないの意識を高め、行動変容を促すことが重要でございます。
 このため、本年八月、企業やNGO等とともに、さまざまな場面で消費者に直接アプローチし、消費行動につながる取り組みを行うチームもったいないを創設いたしました。
 今後、スーパーや飲食店等と連携した食品ロス削減キャンペーンを実施するほか、オフィス等でのレジ袋等削減のモデル的取り組みや、大規模イベント時のごみの分別徹底などを検討してまいります。
 企業、都民の皆様に幅広い参加を呼びかけながら、チームもったいないの取り組みへの共感と行動を広め、二〇二〇年とその先に向けたムーブメントを創出し、世界をリードする環境施策を推進してまいります。
〔消防総監村上研一君登壇〕

○消防総監(村上研一君) 猛暑による救急搬送の状況と今後の救急搬送体制についてでございますが、ことしの夏は猛暑が続いたことから、七月二十三日には、過去最多となる三千三百八十三件を記録するなど、東京消防庁の全救急隊二百五十四隊では、都民からの要請に対応できないおそれが生じました。
 このため、猛暑日など救急要請の増大が予測される日には、立入検査など火災予防業務の一部を取りやめて人員を確保し、臨時に救急隊を編成し、対応いたしました。また、あわせて熱中症予防に関する情報を報道発表し、住民に注意喚起を図りました。
 今後は、今夏の救急出場の状況を分析するとともに、現在構築中の救急需要予測システム等を活用した救急隊の効果的な運用や計画的な増強等について検討し、救急搬送体制のさらなる充実に努めてまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長潮田勉君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、東京二〇二〇大会の開催時期決定の経緯についてでございますが、IOCは、二〇二〇年大会の招致に向けた立候補受け付け手順書の中で、オリンピック大会を開催すべき期間として、七月の十五日から八月の三十一日までの期間を示し、その期間内で開催時期を選ぶように定めておりました。
 これを踏まえ、東京二〇二〇大会の立候補ファイルでは、オリンピックは七月の二十四日から八月の九日まで、パラリンピックは八月の二十五日から九月の六日までを開催期間といたしました。
 この期間は、他の期間に比べまして、夏季休暇の期間中で、公共交通機関や道路が混雑しないこと、ボランティアや子供たちなど、多くの人々が参加しやすいこと、他の大規模な国際競技大会との重複がないことなどの理由から、決定したものでございます。
 次に、ラグビーワールドカップ二〇一九大会開催に向けた機運醸成についてでありますが、大会まで一年を切る中、多くの方々にラグビーへの関心を深めていただくことは重要でございます。
 十一月三日のテストマッチは、本番に向けた運営を検証する貴重な機会であり、その成果を生かしていくことが必要であります。そのため、有楽町の旧一〇〇〇days劇場におけるファンゾーンでは、大型スクリーンを複数設置いたしまして、ラグビーファンがじっくりと観戦できるベンチシートや、気軽に飲食を楽しみながら観戦できるスペースもご用意をいたします。
 また、初心者にもわかりやすい解説を行うとともに、ミニラグビー体験や日本代表のグッズ販売なども実施し、幅広い層の取り込みを目指してまいります。
 立地のよい本会場において、その後も大会をPRするための展示などを検討するとともに、周辺施設との連携を図り、今後も一層の機運醸成につなげ、来年の大会成功に向け取り組んでまいります。
〔生活文化局長浜佳葉子君登壇〕

○生活文化局長(浜佳葉子君) 生活者である外国人に対する支援についてでございますが、東京の在住外国人は五十四万人を超え、国の外国人材受け入れ拡大方針等を背景に、今後も増加が見込まれており、外国人が地域社会で安心して生活できるよう支援することが、これまで以上に必要でございます。
 都は、ホームページで生活に役立つ情報を多言語で提供するほか、東京で暮らし始める外国人に向け、基本的な生活習慣等を紹介する冊子、Life in Tokyo Your Guideを発行しております。今年度中に、この冊子のスマートフォン版を作成するとともに、今後その内容を充実させることとしております。
 さらに、地域で外国人相談等を担う区市町村やNPOに対する東京都国際交流委員会の支援機能を拡充するなど、外国人と日本人がともに活躍できる多文化共生社会の実現に向けて取り組んでまいります。
〔産業労働局長藤田裕司君登壇〕

○産業労働局長(藤田裕司君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、外国人材を雇用する中小企業への支援についてでございますが、海外での新たなビジネス展開や人手不足の解消に向けては、中小企業が外国人材を円滑に受け入れられる環境づくりが重要となります。
 このため、都は、外国人材の採用を考える中小企業を対象に、採用ノウハウや活用事例を紹介するセミナーを開催いたしますほか、事業者と外国人材との相互理解を図るためのインターンシップの機会を提供するなど、外国人材の受け入れを積極的に支援しているところでございます。
 今後は、国の動向も見据えながら、中小企業の人材確保をさらに後押しするため、外国人材の確保に関して企業からの相談に応えられる体制の整備や、仕事上の円滑なコミュニケーションに役立つノウハウの提供など、企業への支援を検討してまいります。
 次に、中小企業に対する悪質なクレームについてでございますが、都では、現在、中小企業に対し経営に係るさまざまな助言を行う相談窓口を設けており、顧客とのトラブルの解決についても、経営コンサルタントや弁護士などの専門家によるサポートを行っております。
 こうした窓口をより多くの中小企業が利用し、悪質なクレームへの適切な対処方法などに関する情報の提供を受けられるよう、積極的なPRを進めてまいります。
 さらに、悪質クレームは業種や社員の職種に応じて内容や状況が異なりますことなどを踏まえ、それらの実態について幅広く調査を行い、具体的な問題点をきめ細かく把握し、必要な対応を検討してまいります。
〔都市整備局長佐藤伸朗君登壇〕

○都市整備局長(佐藤伸朗君) 日本橋周辺の首都高の地下化についてでございますが、地下化は、品格ある都市景観の形成、歴史、文化、さらには水辺を生かした都市の顔づくりなど、東京の価値を高める一つの象徴となるものでございます。
 都は、本年七月、国、地元区、首都高速道路株式会社とともに、周辺のまちづくりとの連携も踏まえて地下化の計画案を取りまとめました。
 今後は、この計画案をもとに、既存の首都高、近接する地下鉄、河川などの機能確保や関連する民間開発との整合を図りつつ、コストや工期等を精査し、より効率的な施工方法などについて検討を進めてまいります。
 地下化の実現に向けて関係者間で緊密な連携を図り、日本橋周辺が国際金融拠点にふさわしいまちに生まれ変われるよう取り組んでまいります。
〔中央卸売市場長村松明典君登壇〕

○中央卸売市場長(村松明典君) 豊洲市場への移転についてですが、豊洲市場への移転を円滑に行うため、都は現在、業界と連携してさまざまな取り組みを進めているところでございます。
 具体的には、業界とともに引越実施計画の改定など、引っ越しの準備を進めるほか、施設管理や場内交通などを初めとした開場後の運用ルールについて、街区別検討会において業界団体と調整し、その内容について合意いたしました。
 また、市場内外に駐車場を確保するとともに、時間ごとの駐車場貸し付けを可能とするなど、利用状況に応じた駐車方法等について、物流施設管理協議会等において調整を行ったところでございます。
 十月十一日の開場まで時間が限られておりますが、引き続き業界と連携協力いたしまして、必要な準備を着実に進めてまいります。

○議長(尾崎大介君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時十二分休憩

   午後三時三十五分開議

○副議長(長橋桂一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 三十八番伊藤こういち君
〔三十八番伊藤こういち君登壇〕

○三十八番(伊藤こういち君) 都議会公明党を代表して質問を行います。
 初めに、この夏発生した西日本の集中豪雨、台風二十一号、北海道胆振東部地震など、各地で相次いだ災害により亡くなられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災地、被災者の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
 東京も、首都直下地震や、近年頻発している局地的豪雨などから都民の生命、財産を守るために対策を強化しなければなりません。
 そこで、人命尊重を最優先とした対策を早急に講じるよう、以下の事項を緊急施策として提案するものであり、本年度中の対応を目指し、補正予算の編成を求めるものであります。
 まず第一に、学校現場における災害対策であります。
 ことしの夏は、全国的に三十五度を超える猛暑日が続き、災害ともいえる暑さでありました。学校現場でも、体育館での朝礼や授業中に熱中症で倒れる児童生徒が出ました。学校体育館は、災害時の避難場所であり、空調整備は急務の課題といえます。
 しかし、現在、都内公立学校の体育館の空調整備は、小中学校で八・四%、高等学校で四・四%と、ほとんど進んでいません。
 都議会公明党は八月三日、中井教育長に緊急要望を行い、小中学校の特別教室への空調設備の設置についての補助期間の延長や学校体育館への空調整備について、都独自の補助制度の創設などを求めました。
 来年夏に、まず第一陣の整備の実現を間に合わせることを前提に、都は、国や区市町村と連携しながら、学校体育館への空調整備を急ぐべきです。また、食品衛生の観点から、窓あけもままならない調理室への空調整備を含め、知事の見解を求めます。
 第二に、通学路の安全対策について質問します。
 大阪北部地震の際には、児童が倒壊したブロック塀の犠牲となりました。このような痛ましい事故を繰り返してはなりません。
 我が党は、第二回定例会の代表質問において、通学路におけるブロック塀等の安全総点検を求め、さらに六月二十六日には知事に対して、幼稚園、保育園を含むブロック塀などへの改修支援を申し入れました。
 さらに、通学路にある民間施設のブロック塀の改修についても、市町村総合交付金等を活用して支援することを要望したほか、二十三区への財源調整についての工夫も提案しました。
 通学路に面した民間のブロック塀について、安全性確保に向けた対策を可及的速やかに実行に移すべきと考えますが、知事の見解を求めます。
 第三に、病院の災害対策について質問します。
 今回の北海道胆振東部地震では、ブラックアウトにより、道内の多くの病院、災害拠点病院が停電となり、あるいは水道も使用できなくなりました。その結果、人工呼吸器がとまったり、他の病院への入院患者の救急搬送、外来患者の受け入れ断念、手術の休止事例が多数発生いたしました。
 何らかの事情により電力供給が途絶える事態に備え、病院が非常用電源装置を備えておくことは極めて重要です。
 一方、都においては、都内全ての医療機関が災害時の医療に参画し、その役割に応じて機能を発揮できるよう、災害拠点病院、災害拠点連携病院、災害医療支援病院、診療所等に区分されています。
 このうち、重症患者の収容、治療を担う災害拠点病院が八十二病院あり、設置要綱により非常用電源装置が整備補助されており、安全性も試運転などで確認されている状況にあります。
 その上で、主に中等症患者や災害拠点病院での治療後に容体の安定した患者を受け入れる災害拠点連携病院が百三十七病院あります。災害拠点病院を補完する上で重要な役割を担うことから、この病院の非常用電源の確保を進めるべきですが、知事の見解を求めます。
 また、大きな災害が発生した場合、災害拠点病院や災害拠点連携病院に患者が集中することも考えられることから、一般病院においても、災害対策を強力に推進する必要があります。全ての病院に対して、BCPの策定を促すべきと考えますが、見解を求めます。
 第四に、消防署の装備拡充です。
 ことしの夏は全国各地で大雨、洪水、高潮などが相次いで発生し、甚大な被害をもたらしました。そうした災害時の人命救助は一分一秒を争うことから、迅速かつ効率的な救助活動ができるよう、現在の水害用の救助資器材を総点検すべきと考えます。
 例えば、七月の西日本豪雨では、水上バイクを活用し、多くの人を救助した事例が話題になりました。こうした水上バイクも含め、東京消防庁の水害における装備資器材等を強化すべきと考えますが、見解を求めます。
 続いて、東京の東部低地帯の水害対策について質問します。
 台風二十一号に伴う高潮は、関西空港などに甚大な被害をもたらしました。高潮や河川の溢水の危険性は全国で緊迫化しており、特に、たびたび水害に見舞われてきた東京の東部低地帯では十分な備えが必要です。
 既に江東五区は、去る八月、過去に経験のない大規模水害の発生を想定して、大規模水害の広域避難計画を公表しました。計画では、五区の人口の九割以上に及ぶ約二百五十万人に事前に自主的な広域避難を呼びかけたり、広域避難勧告を発令するとしています。
 しかしながら、百万人単位に及ぶ大量の都民が避難できる場所の確保は、公的には進んでおらず、親戚や知人を頼るなど自力で避難先を確保するしかありません。
 そこで、浸水のおそれのある地域の都民が、ためらうことなく移動できる広域の避難先の確保を、都内はもとより、近県の知事と連携を図り、進めていくべきと考えますが、知事の見解を求めます。
 地球温暖化に伴う影響が懸念される昨今、想定を超える自然災害に備えるためには、ハード対策だけでは限界があり、ソフト対策も強化する必要があります。昨今の集中豪雨では、ハザードマップで想定されていた地域で浸水が発生したにもかかわらず、避難行動を起こした住民は少なく、多くは自宅に残ったまま被災しています。情報や知識が実際の避難行動に結びついていないことが大きな課題となっています。
 住民がみずからの意思で適切なタイミングで避難を開始することが重要です。そのため、国は、我が党の要請に応えて、いわゆるマイタイムラインの呼びかけを始めております。これは、住民一人一人が自分自身の生活環境や家族構成に合ったオリジナルのタイムラインづくりを進めようというものです。
 都は今後、逃げおくれゼロの実現を目指し、気象予報士や自治体職員、防災士などの専門家の協力を得て、マイタイムラインづくりを後押しするワークショップなどの取り組みを展開していくべきと考えます。見解を求めます。
 内水氾濫への対策も強化すべきです。
 八月二十七日に都内で発生した集中豪雨で、目黒、世田谷、杉並、練馬区などで多くの浸水被害が発生しました。昨今は、今までは被害が発生していない地域でも浸水被害が発生しており、喫緊の対策が求められています。
 そのためには、都の下水道施設の整備において、中長期的な視点だけでなく、被害が発生しやすい箇所を対象に、雨水ますを増設するなど、排水能力を高めるきめ細かな対策も急ぐべきであります。住民みずからができる自助努力としての豪雨対策への支援とあわせて見解を求めます。
 また、大規模な豪雨による水害被害の危険は三多摩地域でも高まっています。事実、近年では、三多摩地域内での浸水、冠水被害が多発化しています。
 被害の軽減を図るためには、市町村単位での公共下水道の整備だけではなく、都が主導した広域的な流域下水道対策が必要です。見解を求めます。
 続いて、土砂災害対策について質問します。
 都内には、土砂災害のおそれのある箇所が約一万五千カ所も存在しており、そのうち、平成二十八年三月までに指定が完了した区部と多摩部の土砂災害警戒区域は、約九千カ所となっています。
 その九千カ所について確認したところ、小中学校など避難所に指定されたところは、土砂災害警戒区域内に約百八十施設、このうち特別警戒区域内には約八十施設あります。
 また、障害者や高齢者の二十四時間滞在型の要配慮者利用施設は、土砂災害警戒区域内に約四十施設、このうち特別警戒区域内には約二十施設も存在しており、今後、警戒区域の指定が進めば、その数はさらにふえるものと思われます。
 こうした施設が存在する地域への対応は、計画を前倒ししてでも取り組むべきであり、都は我が党の求めに応じて、ハード対策の優先順位を明らかにするため、砂防事業の緊急性の評価フローを取りまとめています。
 ことし夏の各地の災害を教訓に、土砂災害警戒区域等の指定を早期に完了させるとともに、緊急性の評価フローをもとに、都内において砂防事業を早急に検討すべきです。見解を求めます。
 続いて、我が党が一貫して推進してきた震災時の帰宅困難者対策について質問します。
 本年六月に発生した大阪北部地震は、地震発生時刻が通勤時間帯であったことから、多くの通勤者が出勤の判断に苦慮し、混乱が発生しました。
 都はこれまでに、帰宅困難者対策の取り組みを進めてきていますが、大規模な地震が大阪北部地震と同じような時間帯に発生することも考えられます。
 そのため、あらかじめこうした時間帯も想定した対応を企業が準備しておくことが重要です。都の対策について見解を求めます。
 次に、災害対応力を高めるための都の新たな建築規制について質問します。
 旗ざお地といった呼び名に象徴されるような狭隘なアクセス路の先に、大規模な長屋などが建築される事例が都内で広まる傾向にあります。
 災害発生時の避難や消火活動などの点で課題が多く、我が党にも、区市と連携した都の対策の強化を求める要望が寄せられています。
 我が党がことしの第一回定例会の予算特別委員会で取り組みの改善を求めたところ、当時の都技監から、東京都建築安全条例の改正が必要と考えており、見直しに向けて対応していくとの旨の答弁がありました。
 今定例会では、そうした質疑を受けて、都の建築安全条例の改正案が提出されています。改正案は、都みずからが規制を強化し、さらに、地域事情に応じた規制の上乗せを図る区市との連動も可能にしており、評価いたします。
 条例改正後は、適切に運用されるよう、事業者や都民などに十分周知を行い、理解の促進を図るべきです。また、条例に基づく適切な対応が円滑に確保されるよう、都が区市を支援すべきと考えますが、都の見解を求めます。
 防災対策に関連して、学校トイレの洋式化について質問します。
 学校のトイレは、災害時には高齢者や障害者なども避難所として活用することから、その洋式化は重要な課題です。
 たび重なる我が党からの要請を受け、都教育委員会は、二〇二〇年度までに八割の洋式化を目標に、広く公立小中学校についても、トイレの洋式化を進める補助制度を平成二十九年度からスタートさせています。
 しかし、平成二十九年四月時点での洋式化率は、いまだ六割に届かず、目標達成にはあと四年間で二〇%以上ふやさなければなりません。
 そのためには、都の補助率六分の一をさらに拡充するなど、取り組みの強化が不可欠と考えますが、教育庁の見解を求めます。
 関連して、通学路への防犯カメラの設置について質問します。
 都が我が党の求めに応じて実現した通学路上の防犯カメラ整備の二分の一補助は、今年度で五カ年計画の最終年度を迎えます。しかし、整備はまだ道半ばであります。
 新潟市の例ではありますが、ことし五月には、下校途中の小学二年生の女児のとうとい命が犯罪により奪われる事件が発生しています。防犯カメラの整備を求める声はさらに高まっており、防犯カメラの整備を推進する補助事業を来年度以降も継続していくべきと考えます。見解を求めます。
 次に、東京都人権尊重条例案について質問します。
 都はこれまで、東京都人権施策推進指針に基づき、同和問題を初め十七の人権課題を掲げ、取り組みを進めてきました。しかし、性自認や性的指向から生じる差別や、本邦外出身者に対してのヘイトスピーチなどへの対応は、そうした従前の人権指針では、十分に明示されていない課題であります。
 今回の条例化においては、二〇二〇年に向けて東京への関心が一層高まる中、こうした新たな人権課題を個別に章を立てて、国内外に都の取り組み姿勢を明らかにしています。
 今後は、これまでの人権課題の取り組みや、時代、社会の変化に応じて生ずる新たな人権課題についても、条例により位置づけて施策を推進していくことも検討すべきと考えます。知事の見解を求めます。
 また、性自認や性的指向の問題については、都が具体的な施策のレベルアップを図るべきです。
 そのためにも、まずは区市町村などの生活に身近な行政サービスの機会において、無理解などから当事者が差別的な対応を受けることがないよう、職員の理解促進について、都が区市町村を支援していくべきと考えます。見解を求めます。
 次に、ヘイトスピーチ対策です。
 特定の民族や国籍の人々を侮辱し、それらの人々への差別的意識や憎悪をあおるヘイトスピーチは、断じて許されるものではありません。都内においても、その被害を受け、心に深い傷を負った方々が多く存在しています。東京二〇二〇大会の開催都市として、こうした事態を放置しておくわけにはいきません。
 都は、条例案に盛り込まれた対策を実行し、ヘイトスピーチの根絶を目指し、実効性のある取り組みを進めていくべきです。見解を求めます。
 次に、虐待から子供たちを守る取り組みについて質問します。
 我が党は、児童虐待の根絶に向け、体制の強化と緊急対策の実施、加えて児童虐待防止条例の制定を求めてきました。
 知事は、児童虐待防止条例の提案を年明けの第一回定例会で行うとしていますが、理念条例にとどまっては、十分な効果は期待できません。
 ことし三月に発生した都内の痛ましい事件の検証結果を踏まえた内容とすべきであり、我が党が従前から提案してきた具体的な対策や、都の直近の緊急対策などの取り組みが着実に進められていくような実効性のある条例とすべきです。
 加えて、児童虐待事案を担当する専門家である児童福祉司や児童心理司といった専門職の不足は深刻で、都の児童相談所の職員は疲弊しています。
 国が先般示した新たな配置基準に照らせば、都は、二〇二二年までに二百人の児童福祉司と百二十三人の児童心理司の増員を果たさなければなりません。目標に向かい、計画的に人員配置を行うことを条例に明記すべきです。あわせて知事の見解を求めます。
 さらに、児童相談所の業務は多岐に及んでおり、虐待相談はその中の一つにすぎません。法改正が進み、今後は区市でも児童相談所を設置できるようになりますが、広範な業務の全てを区市版の児童相談所が担うには、かなり高いハードルを越える必要があり、都はこれまで以上に区市との連携を強化していくべきです。
 まずは、都と区市町村それぞれの役割を踏まえ、両者の連携をさらに深めていくべきです。見解を求めます。
 児童虐待を未然に防止するためには、何より早期発見が重要です。そのためにも、妊娠から出産、その後の子育てまでを重層的に支援する都の取り組みの効果について再点検が必要です。
 我が党が先日視察した兵庫県明石市では、乳幼児健診と就学前健診の計四回、必ず子供本人の状況を直接確認する全件面談を実施しています。会えない子供がいる世帯には、保健師等が土日や夜間でも自宅を訪問しています。子供の安全が確認できない場合は、児童手当の振り込みを窓口での現金支給に切りかえています。
 また、私の地元品川区では、平成二十九年でいえば、乳幼児健診が未受診者であったり、学齢期になっても就学の手続がされていなかったりする七十一人の子供たちの状況を直接確認するため、まずは保育園などの関係機関と情報の共有化をしています。そして、それでも状況が確認できない場合は、民生児童委員が夜間に訪問するなどして、最終的に全ケースについて確認を達成し、必要な支援につなげています。
 都においても、区市町村と連携して、都内の全ての子供の命を守るため、子供本人との全件面談の実現を前提に取り組みを進めるべきです。
 そのため、ショートステイや一時預かりなどの在宅子育て支援に取り組む区市を積極的に支援すべきと考えます。見解を求めます。
 次いで、工業用水道について質問します。
 都は、工業用水道事業について、事業を廃止するための条例案を本定例会に提出しております。
 我が党は、さきの第二回定例会において、事業廃止となれば利用者への影響が重大であることから、十分な支援策を講じるべきであると指摘しました。
 また、八月二十日には、利用者の多くが経営体力の弱い中小企業であるという現状や、地盤沈下を防ぐための揚水規制の代替策として、都から事業者に協力を求めてきたという経緯を踏まえ、企業の経営の存続を前提とした支援策とするよう、知事に申し入れを行いました。
 こうした中、本年九月、都は事業廃止に当たっての支援計画案を公表し、我が会派が要望した十年程度の料金の据え置き期間の設定や、工業用水道給水管の撤去など、上水道への切りかえに伴って必要となる設備経費への支援が実現したことは評価いたします。
 そこで、まず、全国でなぜ東京都だけが工業用水道を廃止しなければならないのか、わかりやすく説明すべきであります。知事の見解を求めます。
 続いて、事業廃止に当たっては、工業用水道の利用者の理解が何よりも重要です。
 しかしながら、据え置き期間を十年に引き延ばす案を都が提示し直した後にも、利用者からは、最終的に上水道料金の水準まで引き上げられては経営が成り立たないなど、差額支援は不十分であるとの声が我が党に寄せられているのも事実であります。
 我が党は、都の現状の支援案では、全ての利用者の納得を得るにはまだ不十分であると考えております。料金の変動が経営の断念に追い込むことがないよう、利用者の状況や社会経済情勢の変化を踏まえた大枠としての支援策のさらなる充実、工夫が必要です。見解を求めます。
 また、廃止後の料金の据え置き期間は十年にわたります。その間に、先ほど述べたような分析を多角的かつ総合的に行わなければ、関係者の合意を得ることは困難です。
 今定例会の審議だけでなく、関係する各局がみずからの問題と捉え、積極的に連携協力し合う体制を整えて、今後、支援策の詳細を詰めていくべきと考えます。見解を求めます。
 支援策とともに重要なことは、工業用水道配水管の安全対策であります。
 阪神・淡路大震災や東日本大震災では、道路陥没による大規模な被害が発生し、その原因の一つが水道管の破裂による被害でありました。
 都内に約三百五十キロメートル布設されている工業用水道配水管は、事業開始から五十年以上が経過し、老朽化が進行しており、しかも、その布設地域のほとんどは、液状化を起こしやすい軟弱地盤の区部東部地域にあります。
 首都直下地震の切迫性が指摘される中、工業用水道の供給停止後に使用されなくなった配水管の破損による道路の陥没の発生が強く懸念されます。
 そこで、事業廃止後の工業用水道配水管の安全対策が極めて重要と考えますが、見解を求めます。
 次に、住宅政策について質問します。
 都内で二十六万戸を抱える都営住宅では、六十五歳以上の名義人が七割、七十五歳以上が四割を占め、それぞれの約半数が単身となっています。高齢化と単身化が、全国の大都市の中で最も高いレベルで進行しています。
 そのため、昨今では、安否確認や買い物弱者対策などの福祉サービスや生活を支える機能の強化が求められており、加えて、自治会活動の担い手として若い世帯の入居を望む声が高まっています。
 こうした変化は、決して都営住宅だけに限定されるものではなく、社会全体として同様の傾向にあります。したがって、都が管理責任を負う都営住宅において、こうした課題への対応を図ることは、社会全体に対するよいモデル事例を指し示す役割があるものと考えます。
 その意味で、都は、発想の転換を図り、模範となる取り組みを目指して、施策の展開を進めるべきです。見解を求めます。
 続いて、都営住宅の指定管理の問題であります。
 我が党は、第一回定例会の代表質問において、大阪府、市を例に、公営住宅の管理業務を民間に委ねた結果、住民サービスの質が大きく後退した点を指摘しました。
 都は現在、都営住宅の管理を東京都住宅供給公社に委託をしていますが、今年度末で五年間の指定管理期間が終了し、来年度以降については改めて選定を行う予定となっております。
 都営住宅の指定管理者には、高齢化や単身化という課題に加え、ごみ屋敷や騒音、ペットの飼養などをめぐる近隣トラブルや、外国人居住者の増加に伴う言葉の壁への対処なども求められています。
 こうした新たな課題への対応というニーズの変化に適合しながら、コストカット至上主義では得られない、人に優しい住宅管理をいかに実現していくかという難題へ対処できる実績と能力が求められています。
 都は、この点を重要な判断基準として捉えて次期選定に臨むべきと考えます。見解を求めます。
 続いて、住宅確保要配慮者に向けた取り組みについて質問します。
 昨年十月に開始された住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度、いわゆるセーフティーネット住宅登録制度は、住宅の確保に苦慮する都民の不安の軽減に資するとともに、既存の民間住宅の空き家対策としても有効です。
 しかし、二〇二五年度末までに三万戸確保という目標に対し、現在の登録数はわずか二百十四戸。また、家賃低廉化補助は四区市、改修費補助は二区市での制度化にとどまっています。
 我が党はこれまでも、こうした現状の打開に向け、国の制度の枠内にとどまらない都独自の積極的な支援や、住宅確保要配慮者を支援するNPOなど居住支援法人や賃貸住宅の持ち主との関係性が深い不動産関係団体との連携を提案してきました。
 八月二十日には、取り組みの強化を求めた都知事宛ての要望書を提出しております。
 都は、今定例会において、セーフティーネット住宅の登録申請手数料を無料にする手数料条例の改正案を提案しており、我が党の要望に沿ったものと高く評価します。
 今後は、この機を捉えて、一層の活用の促進を図るため、制度普及に欠かせない居住支援法人を利用する際の費用負担の緩和や、不動産事業者へのインセンティブの付与などの効果的な支援策を検討すべきです。
 加えて、区市町村や不動産関係団体、住宅確保要配慮者にかかわる団体等との意見交換を進め、早急に改善策を取りまとめるべきと考えますが、あわせて見解を求めます。
 次に、中小企業支援について質問します。
 二〇一七年版中小企業白書によると、都内中小企業は、五百七十万人以上の従業員を雇用し、二十四兆六千億円以上の付加価値を創出しております。これらの中小企業の事業を安定、発展させることは、都内全体の景況にとっても大事な課題であります。そのためには、経営支援とともに事業承継を図ることが重要です。
 その観点から、都は既に、事業承継の相談窓口を設置するほか、訪問による相談も行っており、助成制度まで整えています。
 しかし、現状では、東京商工会議所のアンケート調査によると、経営者の年齢として六十代で約七割、七十代で約半数が後継者の決定ができていません。その主な原因は、多くの中小企業が、都の支援事業の詳細どころか存在すら認識していない点であります。
 我が党の全議員が地域を回り、本年四月から六月まで実施した百万人訪問・調査運動でも、中小企業支援策を利用したことがないとの回答のうち、半数以上が、そもそも制度を知らなかったと回答しています。情報が届きにくい小規模、零細企業向けの周知、広報の工夫が必要です。
 例えば、小規模企業向けの事業承継支援を実施している商工会議所と連携して、交通機関の施設や車両内での広告などにも取り組むべきです。また、動画などを活用して、同業他社の事例をわかりやすく紹介するなどの伝え方の工夫も必要です。さらに、事業承継の相談窓口の電話番号を覚えやすい番号にすることなども検討すべきです。
 さまざまな角度から取り組みを改善すべきと考えますが、都の見解を求めます。
 その上で、後継者難からどうしても事業承継にめどが立たない場合には、他の企業に事業や社員を引き継いでもらう方法もあります。そうした観点に立った新たなMアンドAも話題になり始めており、オンリーワンの技術や、小さくても価値あるノウハウを培ってきた企業にとっては、魅力ある方法です。
 マッチングを図るべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、医療、介護、福祉をめぐる諸課題について質問します。
 まず、超高齢社会への対応についてであります。
 知事の諮問機関である超高齢社会における東京のあり方懇談会は、このほど政策提言を取りまとめました。
 この中には、我が党が強く主張してきたプロボノの活用や、住宅確保要配慮者への対応、高齢者を主役として活用する多様な主体の育成、地域特性や住まい方の相違に応じたまちづくりとの連携などの視点が打ち出されており、高く評価するものであります。
 しかしながら、特別養護老人ホームや安い家賃で入居できるグループホームの整備、さらには、本人や家族の希望に沿った医療との連携、住まい方とみとりの推進などの課題は、地味ではあっても、都民の率直な不安に基づく切実な重要課題です。
 都議会公明党は、こうした古くて新しい課題も含め、一つ一つ丁寧に議論を重ねてまいりたいと考えております。
 そこで改めて、東京は、超高齢社会に対してどのような取り組みを主軸に今後の対応を図り、都民の不安の軽減に努めようとするのか、その基本姿勢について、知事に見解を求めます。
 続いて、感染症対策について質問します。
 ウイルス性の感染症である風疹の患者が、首都圏を中心に急増し始めています。
 風疹は、インフルエンザの二倍から四倍も感染力が強く、予防にはマスクや手洗いだけでは不十分とされており、ワクチン接種が最も有効な予防方法といわれています。
 妊娠初期の女性が感染すると、胎児が難聴や白内障、心臓病などを伴う先天性風疹症候群になるおそれがありますが、妊婦自身はワクチン接種を受けることができません。したがって、妊婦や妊娠を希望する女性の家族を初め周囲の人が早目に接種することなど、予防に努める必要があります。
 そこで、今後打ち出される国の方針を踏まえて、都は、区市町村や医療機関などと連携しながら、一層の予防啓発活動やワクチン接種費用への助成を行うなど、感染拡大防止に向けて総合的な取り組みの強化に努めるべきと考えますが、見解を求めます。
 続いて、障害者や高齢者の歯科医療について質問します。
 一般に、障害の内容によっては、食物が口腔内に残りやすくなるなどのことから、虫歯や歯周病のリスクが増加するといわれております。
 中には、通常の歯科医療機関では治療が困難で、専門的に訓練を受けた歯科医師が全身麻酔を施して治療する場合もあると聞いております。そのために、都立心身障害者口腔保健センターに通うことを決意したものの、遠距離であるため通い続けることが困難といった声も聞かれます。
 そこで、障害のある方の歯と口の健康づくりを地域で支える施策が重要です。都の取り組みについて説明を求めます。
 施設や在宅で暮らす高齢者の中には、通院が困難なため、在宅での歯科治療が必要となる場合があり、高齢者人口の増加に伴って、今後も需要がふえ続けるものと思われます。
 しかし、在宅歯科医療には、ポータブルのエックス線装置と合わせると一式三百万円以上もする訪問用歯科ユニットなどの特殊な設備が必要です。
 在宅での歯科治療に頼らざるを得ない都民ニーズの増加に応えるため、在宅診療のルールを守ることを前提に、普及拡大を図るべく支援策を整備すべきと考えます。都の見解を求めます。
 次に、障害者グループホームの支援の充実について質問します。
 障害者グループホームは、入所施設などから地域生活に移行する障害者や、親元を離れ、必要な援助を受けながら地域で自立した生活を希望する障害者にとって、重要な役割を担っています。
 都は、グループホーム事業者に対し、利用者が質の高いサービスを受けられるよう、国の報酬に加え都独自の補助を実施していますが、平成三十年十月からこの補助事業を見直すこととしておりました。
 今回の見直しは、手厚い職員配置やサービスの質の向上のための国加算の取得を促すものですが、都議会公明党が複数回事業者からヒアリングを行ったところ、事業者は、制度変更に対応するために時間を要することから、見直し実施時期の延長を求める強い声がありました。
 また、事業者の中には、どんなに障害が重くても地域での生活を希望する障害者の状況に応じ、現行の制度の基準を超えた支援体制を整え、行動上や身体上の特性により特別な支援を要する重度の障害者を受け入れているところもあります。また、精神と知的の障害をあわせて有する障害者や、障害特性ゆえに入退院を繰り返す障害者を懸命に支援しているところもあります。
 これらの事業者は、東京都の支援のより一層の充実を求めています。
 都議会公明党は、七月十七日に知事宛てに、実施時期の延長と特別な支援を必要とする重度の障害者を受け入れるための手厚い職員を配置しているグループホームへの支援の充実を申し入れました。
 そこで、実施時期延長と重度の障害者受け入れ施設への支援の充実について、都の見解を求めます。
 最後に、豊洲市場の開場について質問します。
 開場まで二週間という大詰めを迎えています。残された少ない期間で、さらに丁寧な調整を重ね、円滑に開場できるよう万全の準備を進めなければなりません。
 さて、安全・安心に向けた追加対策工事が本年七月に完了しました。豊洲市場用地の法的な安全性は確保されていましたが、専門家会議は、今回の追加対策工事によって、将来リスクを踏まえた安全性の確保を確認したと評価しています。
 追加対策工事については、危険だから工事を実施するのだとの声や、もともと安全なのだから工事は無駄といった声もあります。
 そこで、改めて、追加対策工事を実施した趣旨と工事完了後の安全性について、見解を求めます。
 都は、開場後も、都民のさまざまな不安解消に向けて、しっかりとした対応を続けるとともに、専門家会議が求めた地下ピット内に打設したコンクリートの調査、補修や、地下水管理システムの揚水能力の確保といった今後の管理を確実に実施していくべきです。
 都による万全な対応と確実な管理を実施すべきと考えますが、見解を求めます。
 さて、市場に併設される千客万来事業については、東京二〇二〇大会後に確実に着工され、地元区との協議を反映して、予定どおり開業するよう覚悟を持って進めることが極めて重要です。
 そして、東京二〇二〇大会の前後には、千客万来施設用地の六街区と場外マルシェが完成する五街区では、にぎわいイベントが行われる予定となっていますが、肝心の多くの来訪者でにぎわう東京二〇二〇大会期間中の予定はいまだ空白となっています。
 そこで、大会期間中に六街区と五街区を利用して、被災地の復興のシンボルとなるイベントを展開し、大いに盛り上げていくべきと提案しますが、都によるにぎわいの方針について知事に見解を求め、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 伊藤こういち議員の代表質問にお答えをさせていただきます。
 冒頭、学校施設での空調設備の整備についてのご質問をいただきました。
 学校施設は子供たちの学習、生活の場であります。また、非常災害時には、ご指摘のように地域住民の避難所などとしての役割も果たす、そんなことから、安全性の確保や防災機能の強化というのは極めて重要でございます。
 この夏、連日の猛暑でございました。まさしく人命にもかかわるような深刻な猛暑でございました。学校施設の暑さ対策は早急に取り組むべき重要な課題と、このため認識をいたしております。
 都といたしまして、これまで、国、そして区市町村と連携をしながら、教室の空調設備の設置を行ってまいりましたが、今後も、設置対象となります特別教室について、整備の推進に努めてまいります。
 また、体育館への設置は、建物構造上の問題もございまして、本格的な整備が進んでいない状況でございます。今後は、都立特別支援学校に加えまして、都立高等学校についても空調設備の設置を速やかに進めてまいります。
 さらに、公立小中学校の体育館でございますが、国や区市町村との役割を踏まえながら、体育館への空調設備の整備が進みますように、来年夏からの対応を見据えて補正予算を編成するなど、緊急的な対応を行って、区市町村を支援してまいります。
 なお、給食調理室の空調についてでございますが、都立学校の改築工事などの計画に合わせて整備をするとともに、区市町村に対しても必要な支援を検討してまいります。
 今後とも、子供たちの安全な教育環境の確保、そして防災機能の強化に向けまして、スピード感を持って学校施設の整備を進めてまいります。
 次に、民間のブロック塀の安全対策についてでございます。
 首都東京を守るための備えに万全を期すには、さきの大阪北部地震、そして北海道胆振東部地震の例を教訓といたしまして、建築物の耐震化や災害に強いまちづくりを一層進めていく必要がございます。
 大阪北部地震においては、安全性に問題があるブロック塀の倒壊で痛ましい事故が発生をいたしました。そのため、都有施設につきましても、通学路に面して倒壊の危険性があるブロック塀につきましては、最優先で撤去することといたしております。
 また、通学路を含みます民間のブロック塀ですが、所有者による安全対策の取り組みを支援する、そのために耐震改修に係るパンフレットなどを活用した普及啓発に加えまして、自己点検のチェックポイントであるとか、区市町の助成制度などに関する情報の発信を、耐震ポータルサイトを通じて行っております。
 今後、ご指摘を踏まえまして、さらなる支援策についても検討してまいります。
 こうした安全対策の取り組みを進めるとともに、緊急性の高いものにつきましては、補正予算の編成も視野に入れて対応してまいります。
 また、撤去したブロック塀の代替はどうするのかでございますが、一部の都有施設におきまして、多摩産材などの国産木材を使用した塀を試行的に、トライアルに設置をしてまいります。また、国産木材のさらなる活用を図るということから、庁内に局横断的な検討体制も整備をいたしました。
 さらに、私が提案させていただき、多くの知事の賛同を得まして発足いたしました全国知事会のプロジェクトチーム、こちらで国産木材の魅力の発信と需要喚起を図ってまいります。それによって、全国の森林再生、すなわち政治の一番の基本でございます治山の取り組みへとつなげてまいりたいと考えております。
 このように、さまざまな取り組みを通じまして、いつ起きてもおかしくない災害から都民の生命、そして財産を守るセーフシティーを実現してまいりたいと考えております。
 次に、災害拠点連携病院の非常用電源についてのご質問がございました。
 ことし発生いたしました台風二十一号、そして北海道胆振東部地震では、大規模な停電が起こり、医療機関も大きな影響を受けております。
 私は、災害がいつ起きてもおかしくない、それから従来の想定を超える事態が生じかねないということを改めて肝に銘じまして、十全の備えを講じていく、その考えでございます。
 都といたしまして、現在、災害時にも確実に医療を提供できますように、都内全ての病院を災害拠点病院、災害拠点連携病院、そして災害医療支援病院に区分をいたしまして、重層的な医療体制を確保しているところでございます。
 そして、お話の災害拠点連携病院でございますが、災害拠点病院を補完する役割を担っているわけでございまして、今年度、自家発電装置の状況などにつきましては、詳細な調査を実施したところでございます。
 その結果を踏まえまして、有識者や医療関係者などのご意見を伺いながら、災害拠点連携病院の機能強化に向けました支援について早急に検討してまいります。
 大規模水害時の避難場所の確保についてのご指摘がございました。
 ことし七月の西日本の豪雨、そして台風二十一号など、日本各地で大きな被害が発生し、都におきましても台風やゲリラ豪雨による浸水被害が頻発したところでございます。
 こうした状況の中で、東部低地帯におきましては、大規模水害が発生した場合、百万人以上に及ぶ都民の生命と財産が脅かされることとなると推定をされております。この地域におけます広域の避難というのは、極めて重要な課題でございます。
 江東五区の水害に関しまして、これまで都は、国のワーキンググループや関係区による協議会に参加をいたしまして、広域避難に関する基本的な考え方などの策定に積極的に協力をしてまいりました。
 さらに、ことし六月ですが、国と共同で、近隣県の埼玉県や千葉県及び都内の自治体、そして交通事業者などで構成する検討会を設置いたしまして、現在、避難場所、避難手段の確保に関しての課題の洗い出しを進めております。そして、今年度の末までに対応の方向性を取りまとめる予定といたしております。
 何度も申し上げますが、災害はいつ起きてもおかしくない、そのことを肝に銘じまして、都民の命と財産を守るために、検討の状況に応じまして、私自身、近隣県の知事とも連携をいたしまして、大規模水害における広域避難の取り組みを全力で推し進めてまいります。
 それから、人権施策の推進についてのご質問をいただきました。
 人の力で成長を続ける東京でございます。その人の力で成長を続ける東京をつくり上げていくためには、人権尊重の機運を高め、そして誰もが生き生きと活躍できる社会を実現していくことは極めて重要でございます。
 都はこれまでも、憲法やその他の法令などにのっとりまして、人権施策を進めるとともに、さらに東京都人権施策推進指針を定めまして、さまざまな取り組みも実施してまいりました。
 そして、今回提案した条例を契機といたしまして、オリンピック憲章にもうたわれております、いかなる種類の差別も許されないという理念が浸透した東京にしていくためにも、指針に掲げております十七の人権課題を含めて、人権施策に総合的に取り組んでまいります。
 東京二〇二〇大会と、その後につながる持続可能なよりよい未来のために、SDGsを踏まえて、人権施策をより一層推進いたしまして、今後も国内外の情勢変化に応じて条例化も検討するなど、的確に人権課題に対応しながら、多様な人々の人権が誰ひとり取り残されることなく尊重される都市東京を目指してまいります。
 次に、児童虐待の防止に関する条例についてのご質問をいただきました。
 児童虐待は、子供たちの輝きをいや応なく奪うものでありまして、何としてでも防がなければなりません。
 先般公表いたしました条例の基本的な考え方では、四つの視点、つまり虐待の未然防止、早期発見・早期対応、子供とその保護者の支援、人材育成、この四つの視点から虐待防止の取り組みを整理したところでございます。
 その中では、保護者が各種の健診を受診することや、子供の安全確認が困難な場合、児童相談所が立入調査などの法的権限を迅速かつ適切に行使することなど、現場の実態を踏まえました内容を盛り込んだところでございます。
 また、児童相談所のさらなる体制強化につきましても条例に規定する考えでありますので、虐待に的確に対応できる人員の確保、専門性を高めていくことをお示ししております。
 虐待防止対策を進めていくためには、社会全体で取り組むことは不可欠でございます。そのため、条例案の検討に当たりましては、都民、関係機関、区市町村、専門家等の意見を幅広く伺っていく予定といたしております。
 関係者等と議論を重ねて、かつ現在行っております死亡事例の検証も踏まえながら、今後の都の虐待防止対策の基本となります条例案を取りまとめてまいります。
 次に、都の工業用水道の廃止に至る経緯についてのご質問がございました。
 東京の工業用水道事業でございますが、地盤沈下の防止対策として供給を開始いたしました。そして、その所期の事業目的を達成するとともに、地域の産業振興において重要な役割も果たしてまいりました。
 一方で、工場の都外移転などが進んで、工業用水の供給件数でございますが、平成二十九年度末現在でピーク時の三分の一以下にまで落ち込んでおりまして、都として経営改善に取り組んではまいりましたが、今後も需要の増加が見込めない厳しい経営状況が続くという見通しでございます。
 また、都の工業用水道は、事業の開始から既に五十年以上が経過をいたしております。施設の老朽化への対応は、もはや待ったなしの状況にございます。
 しかしながら、主に製造業が集積をいたします工業団地等の整備にあわせて普及が進んだ他の自治体と異なって、都の工業用水道は広範なエリアに利用者が点在をいたしております。そして、配水管の管理の延長が長いということなどから、施設の更新には膨大な費用を要する見込みでございます。
 このように、厳しい事業運営上の課題が顕在化してきたことから、長年の懸案とされてまいりました都の工業用水道事業につきましては、利用者の皆様の声を丁寧にお伺いしながら取りまとめた支援計画案の策定とあわせて、廃止をすることといたしたわけでございます。
 次に、超高齢社会への対応でございます。
 東京は、世界に例を見ない規模とスピードで高齢化が進み、今後二十年間で高齢者は約五十万人増加すると予測されているわけでございます。
 そうした中で、多くの高齢者は、たとえ介護が必要になりましても、可能な限り住みなれた地域で暮らしたい、このように望んでおり、こうした思いに応えていくことも重要でございます。
 そのためには、適切な住まい、医療、介護、生活支援サービスなどを地域の中で一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築が必要でございます。
 都といたしまして、本年策定いたしました第七期の高齢者保健福祉計画におきまして、二〇二五年度までの特別養護老人ホームの整備目標を六万二千人分へと引き上げるなど、介護サービス基盤の整備を進めるほか、認知症対策や介護人材対策の推進などに取り組んでいるところでございます。
 超高齢社会におけます東京のあり方懇談会からも、ご指摘のように、先般、持続可能な地域づくりについてさまざまなご提言をいただいたところであります。
 今後とも、地域で支え合いながら安心して暮らし続けられる東京の実現に向けまして、大都市東京の特性を踏まえた高齢者の施策を展開してまいります。
 最後に、千客万来施設用地を利用したイベントについてのご質問、ご指摘がございました。
 東京二〇二〇大会の原点は、ご指摘のとおり復興オリンピック・パラリンピックでございます。被災地の復興なくしては大会の成功はあり得ない、このことは私もかねてから申し上げていることでございます。
 そして、大会期間中は国内外の観光客など多くの来訪者が見込まれており、この機会を捉えて、被災地の復興する姿を広く発信していく考えであります。
 そこで、千客万来施設の用地におきましては、東京二〇二〇大会の期間中も含めまして、豊洲市場と周辺エリアのにぎわい創出に向けて取り組むことといたしておりまして、各局が連携をいたしまして、観光の振興、食文化の発信など、さまざまな施策のPRに活用する考えであります。
 こうした中で、お話の被災地の復興に資しますイベントにつきましても有意義と考えており、今後、検討を進めてまいりたいと存じます。
 なお、その他のご質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 公立小中学校におけるトイレの洋式化についてでございますが、清潔なトイレ環境は、児童生徒の安心できる学習環境を整える上で大切な要素であり、また学校が避難所となることからも、トイレを整備することは重要でございます。
 都教育委員会は、洋式化を含めたトイレ整備を行う区市町村に対し、平成二十九年度から補助を行ってきておりますが、これまでの区市町村の整備の実情を検証し、国や区市町村との役割を踏まえながら、補助制度の充実に向けて検討をしてまいります。
 今後も、区市町村を支援し、平成三十二年度までに学校トイレの洋式化率八〇%以上とすることを目指して、洋式化の促進に取り組んでまいります。
〔東京都技監西倉鉄也君登壇〕

○東京都技監(西倉鉄也君) 土砂災害対策についてでございますが、土砂災害から都民の生命を守るためには、住民の避難行動につながる土砂災害警戒区域等の指定に加えまして、土石流を防止いたします砂防事業等を着実に進めていくことが重要でございます。
 警戒区域等の指定につきましては、防災事業の緊急総点検を踏まえ前倒しいたしまして、平成三十一年度前半までに都内全域で完了させます。
 砂防事業につきましては、避難所や二十四時間滞在型の要配慮者利用施設の有無などを考慮いたしました優先度の評価フローに基づきまして、区部、多摩部の指定が完了した箇所ごとに評価を実施いたしました。
 その結果、今年度は奥多摩町小丹波地区内の二カ所で基本設計を実施いたしますとともに、新たに八王子市の下恩方など五カ所で基本計画の策定に着手いたします。
 今後とも、警戒区域等の指定とあわせまして、避難所等が存在する箇所につきまして重点的に砂防事業を実施してまいります。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 七点のご質問にお答えいたします。
 まず、病院のBCP作成についてでありますが、都は大規模災害発生時に医療機能を継続できるよう、BCPの作成手順や記載項目を明示したガイドラインを作成し、都内の病院に配布するとともに、ホームページで公開し、広く周知を図っております。
 また、BCPの効果を理解していただくため、ガイドラインを活用したBCPの作成事例や、防災訓練でBCPの検証を行った病院の取り組み等につきまして、防災訓練説明会等の機会を通じて紹介しております。
 今後、都内全ての病院がより実効性のあるBCPを作成できるよう、毎年度開催しております東京都保健医療計画説明会や病院管理講習会などの機会も捉えて、さらに働きかけ、災害時の効果的な業務継続体制の確保、推進に取り組んでまいります。
 次に、児童虐待防止に関する都と区市町村との連携についてでありますが、子供に関するさまざまな相談について、児童相談所は、法的対応や専門的業務のほか、施設入所など広域的業務も担っており、区市町村の子供家庭支援センターは、地域の第一義的な児童家庭相談窓口として対応しております。
 また、都は、虐待対策コーディネーターの配置等、区市町村の虐待対応力の強化を支援しており、虐待対応等における連絡調整に関する都独自のルールを定め、児童相談所と子供家庭支援センターはそれぞれの機能を発揮しながら、児童と家庭への支援を行っております。
 現在、虐待への迅速かつ的確な対応を図るため、事案送致のあり方など、現行ルールの見直しについて区市町村と協議を行っており、今後、両者がその役割をより効果的に果たしながら、連携、協働を一層推進してまいります。
 次に、在宅子育て家庭への支援についてでありますが、支援が必要な家庭等を適切なサービスにつなげるためには、住民に身近な区市町村が、訪問や相談等を通じて、きめ細かな支援を行うことが重要であります。
 このため、都は、区市町村が実施する保健師等による家庭訪問、子育て広場での育児相談、育児疲れ等の場合に子供を預かる一時預かりのほか、全ての子育て家庭の状況を妊娠期から把握し、継続した支援を行う取り組みなどを支援しております。
 今年度からは、必要なときにショートステイが利用できるよう、当日受け入れが可能な体制を整備する区市町村への支援も開始いたします。
 今後とも、全ての子育て家庭が状況に応じて適切な支援を受けられるよう、区市町村の取り組みを積極的に支援してまいります。
 次に、風疹対策についてでありますが、本年七月以降、風疹患者が増加しておりますが、免疫を持たない妊婦が風疹に感染すると、胎児が先天性風疹症候群にかかるおそれがあることから、都は、妊娠を予定または希望する女性を対象に、抗体検査と予防接種を一体的に行う区市町村を包括補助で支援しております。
 また、男女とも患者の多くを占める働く世代への感染予防として、職場で罹患歴や予防接種歴の確認などを呼びかけるほか、十月には近隣自治体と共同してポスターを作成いたします。さらに、医療関係者を対象に、診療や保健指導のポイント等に関する研修会を開催する予定であります。
 今後も、流行状況を注意深く監視しながら、風疹の感染拡大防止を図るため、国や他の自治体、関係機関と連携いたしまして、必要な対策に取り組んでまいります。
 次に、障害者歯科医療についてでありますが、都は現在、都立心身障害者口腔保健センターで障害者に対する歯科診療を行うとともに、障害のある方が身近な地域で健診や治療を受けられるよう、歯科医師や歯科衛生士を対象に、障害の特性や障害者の対応方法などを学ぶ基礎的な研修や臨床実習を実施しております。
 今年度からは、障害者施設の職員、利用者や関係団体等から成る協議会を中心に、障害者を地域で支える区市町村の取り組みを包括補助で支援しております。
 また、東京都歯科保健対策推進協議会のもとにワーキンググループを設置し、医療機関同士の連携方法や地域の歯科診療所に対する支援策等について新たに検討を始めており、区市町村等と連携しながら、障害者歯科医療をさらに充実してまいります。
 次に、在宅歯科医療への支援策についてでありますが、在宅療養者が必要な口腔ケアや歯科治療を地域で安心して受けられるようにするためには、より多くの歯科医療機関が質の高い在宅歯科医療を提供していく必要があることから、都は、機器等の整備費として、補助基準額三百六十三万八千円の三分の二を補助しております。
 また、歯科医師や歯科衛生士を対象に、在宅医療を行うための知識や留意事項を習得する研修を行っているところでございます。
 こうした場を活用し、かかりつけ医やケアマネジャーなど多職種と連携して、在宅療養者を支援している好事例をまとめた事例集を紹介するなど、引き続き、在宅歯科医療に取り組む医療機関を支援してまいります。
 最後に、障害者グループホームへの支援についてでありますが、都は、グループホームへの独自の補助制度について、利用者の高齢化や障害の重度化等に対応し、職員を手厚く配置できるよう補助単価を変更するとともに、サービスの質の向上のための国加算を取得した場合に、その加算額が事業者の収入に直接反映される仕組みに改めることといたしました。これらの制度変更は、事業者の準備期間等を考慮いたしまして、平成三十一年一月に実施いたします。
 さらに、重度の障害者を受け入れるグループホームの整備を促進するため、特殊浴槽や介護リフト等を整備する場合に、整備費の補助基準額への加算を今年度から開始いたしました。
 今後、重度の障害者も地域でより一層安心して暮らせるよう、グループホームへの支援を充実してまいります。
〔消防総監村上研一君登壇〕

○消防総監(村上研一君) 水害における装備資機材等の強化についてでございますが、東京消防庁では、浸水地域の救助活動を効果的に実施するには、適切な資機材を備えることが重要であると認識しております。そのため、船外機つき救命ボートや水上バイク等の装備資機材を整備しております。
 さらには、平成二十七年の関東・東北豪雨水害を踏まえ、瓦れき等が沈む浸水地域においても安全に救助活動を行うため、浮力が高く強固なウレタンボートを平成二十九年から新たに導入するなど、災害状況に応じた活動ができる体制を整えております。
 なお、西日本豪雨災害では、大量の土砂や瓦れきの発生、夜間の被害拡大など、課題が認められたことから、被災地の調査を行い、現在整備している水上バイクのほか、水害における装備資機材等のさらなる充実強化に努めてまいります。
〔総務局長代理次長榎本雅人君登壇〕

○総務局長代理次長(榎本雅人君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、タイムラインの作成支援についてでございますが、都民が水害発生時に逃げおくれないようにするためには、都民一人一人が気象や避難に関する情報を入手し、適切なタイミングで正しく行動することが重要でございます。
 そのためには、個人が災害発生までの行動を時間軸に沿って整理するマイタイムラインの作成が有効であります。現在、都は、区と共催で実施している住民参加型ワークショップの場で、マイタイムラインの作成を支援しております。
 今後は、ワークショップの開催をさらに拡充するとともに、専門家の意見を聞きながら、大人から子供まで幅広い世代が簡単にマイタイムラインを作成することができる都独自のツールを開発し、広く都民に提供してまいります。
 これらの取り組みにより、マイタイムラインの作成を促進し、発災時における都民の適切な避難行動を確保いたします。
 次に、帰宅困難者対策についてでございますが、大規模地震がどのような時間帯に発生しても、行政、企業や都民が一体となって帰宅困難者対策を進めていくことが重要でございます。
 都はこれまで、帰宅困難者の発生が最も多く見込まれる勤務時間帯における発災を想定し、企業に対して、発災時の従業員との連絡手段の確保やとるべき行動などについて、あらかじめ計画として定めておくことを呼びかけてまいりました。
 今後、大阪府北部を震源とする地震の状況も分析し、通勤時間帯に地震が発生した場合の従業員の出社か帰宅かの判断の考え方など、発災時間帯に応じたきめ細かな対応を企業のBCP等に反映できるよう、経済団体などとも連携し、取り組んでまいります。
 次に、性自認及び性的指向についての区市町村での理解推進のための取り組みについてでございますが、性自認及び性的指向に関して悩みや困り事を抱える当事者が最も身近に接する行政の窓口は区市町村であり、各現場において適切に対応するためには、担当する職員が、この問題について正しく理解していることが不可欠でございます。
 そのため、都は、区市町村職員の理解が深まるよう、先進的な事例等の情報共有を図るための新たな連絡会の設置や、担当職員向けの研修や学習会の実施などを通じ、これまで以上に都内区市町村の取り組みの充実に協力してまいります。
 最後に、ヘイトスピーチへの取り組みの考え方についてでございますが、東京二〇二〇大会も控え、東京を訪れる外国人は今後も増加していくことが見込まれる中、ホストシティーとして、東京にヘイトスピーチはあってはなりません。
 今回提案した条例案では、表現の自由に配慮するための仕組みも設けつつ、公の施設の利用制限について基準を定めるという事前措置と、事後の拡散を防ぐ取り組み及び事案の概要等の公表など事後の措置をあわせて規定し、より実効的な内容としてまいります。
 こうした仕組みを構築することで、ヘイトスピーチの解消を図るとともに、ヘイトスピーチは決して許されるものではないというメッセージを都として強く発信してまいります。
〔下水道局長小山哲司君登壇〕

○下水道局長(小山哲司君) 下水道における浸水対策についてでございますが、浸水から都民の生命と財産を守るため、大規模な幹線や貯留施設などの整備を進めることに加え、地域の実情に応じたきめ細かな対策を実施することも重要でございます。
 このため、下水道局では、頻発する豪雨の状況を踏まえまして、地形や下水道管の雨水排除能力などを確認の上、地元区などと連携いたしました雨水ますの増設やグレーチングぶたへの取りかえ、小規模なバイパス管の設置などの短期的な対策を積極的に検討してまいります。
 さらに、都民みずからが行う自助の取り組みを支援するため、降雨情報の提供などのソフト対策も推進してまいります。降雨情報サイト、東京アメッシュでは、スマートフォン版を配信するとともに、今年度からバナーを拡充し、豪雨への備えなどの情報発信を強化しているところでございます。
 今後とも、施設の整備と自助の取り組みへの支援を組み合わせ、都民の安全・安心を確保してまいります。
〔都市整備局長佐藤伸朗君登壇〕

○都市整備局長(佐藤伸朗君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、多摩地域の広域的な雨水対策についてでございますが、都は、平成二十六年に改定いたしました東京都豪雨対策基本方針に基づきまして、河川や下水道の整備、流域対策などの総合的な治水対策を地元自治体と連携して進めております。
 多摩地域の公共下水道整備は市町村の役割ではございますが、複数市にまたがり、甚大な浸水被害が発生したエリアで広域的な雨水対策が効率的な場合には、都が雨水幹線を整備しております。
 近年、立川市、東大和市、武蔵村山市にまたがる空堀川流域の南部地域におきまして浸水被害が頻発しており、都と関係市で整備手法などの検討を重ねてまいりました。
 その結果、広域雨水幹線の整備が合理的であることから、都が流域下水道事業として実施することといたしました。
 今後とも、都と地元自治体が連携を密にして、浸水被害の軽減に向け取り組んでまいります。
 次に、東京都建築安全条例の改正についてでございますが、今般の条例改正は、大規模長屋に関し、居住者の円滑な避難を確保するなどの観点から行うものでありまして、主要な通路幅などについて規制を強化するとともに、区市町村が地域の実情に応じ、都の条例と同等以上の規制を独自の条例により定めることを可能とするものでございます。
 都は、条例改正後、ホームページなどにより都民等に広く周知するとともに、実効性を確保するため、業界団体に説明を行い、理解と協力を求めてまいります。
 また、区市町村に対しては、条例の改正内容をわかりやすく解説した文書を通知するなど、適切な運用が図られるよう支援してまいります。
 区市町村とも連携し、こうした取り組みを進めることで、都民の安心と安全の確保を図ってまいります。
 次に、都営住宅に関する新たな施策の展開についてでございますが、都は、住宅の確保に配慮を要する都民の居住の安定を確保するため、東京都住宅マスタープランに基づき、住宅セーフティーネット機能の中心的役割を担う都営住宅を提供しております。
 現在、少子高齢化と世帯の単身化が急速に進行する中、高齢者世帯が安心して暮らし続けることのできる環境の整備や、住宅に困窮する子育て世帯に対する支援などが課題となっております。
 これらに対応していくため、都営住宅における福祉的サービスとの連携の強化や、子育て世帯の入居のあり方などについて検討を行い、施策を進めていく必要がございます。
 このため、十月に住宅政策審議会を立ち上げ、今後の都営住宅における管理制度などについて検討を行います。
 次に、都営住宅の次期指定管理者の選定についてでございますが、都営住宅は、住宅に困窮する都民に対する住宅セーフティーネットとしての役割を担っております。
 そのため、指定管理者には、適正かつ公平に入居者管理を行うことのできる実績や能力が求められます。加えて、入居者の高齢化や世帯の単身化に対応する福祉的サービスや新たな事業を担うことができ、災害時においても迅速に対応できる組織、財政基盤などが必要になります。あわせて、住宅管理の効率的な運営やコスト抑制に向けた取り組みも求められます。
 こうした都の政策との連動性や管理運営の特殊性を踏まえ、次期指定管理者について検討を進めているところでございます。
 最後に、住宅確保要配慮者に向けた取り組みについてでございますが、住宅確保要配慮者の居住の安定を図るため、セーフティーネット住宅の登録を着実に進めることが重要でございます。
 そのため、都は、本年三月に供給促進計画を作成いたしまして、登録住宅の面積基準の緩和を図るとともに、区市町村の意向を踏まえながら、家賃低廉化補助等の予算措置を講じました。
 また、七月に行われた国の申請手続の簡素化については、速やかに不動産団体等に周知するとともに、意見交換を行い、本定例会に登録申請手数料の無料化を提案いたしました。
 今後、ご指摘を踏まえ、区市町村や不動産団体に加え、見守りなどの生活支援を促進するため、居住支援法人などと意見交換を進めるとともに、これら関係者間の連携を強化し、貸し主、借り主双方の不安軽減を図りつつ、セーフティーネット住宅の登録促進に向けた対応策を検討してまいります。
〔青少年・治安対策本部長大澤裕之君登壇〕

○青少年・治安対策本部長(大澤裕之君) 通学路の防犯カメラについてでありますが、都は、通学路における児童の安全を確保するため、今年度までの五カ年の取り組みとして、区市町村に対し、小学校の通学路の防犯カメラの設置費用を補助しており、昨年度までに累計約五千三百台が設置されております。
 一方、国においては、本年五月の新潟の事件を踏まえ、危険箇所の重点的な警戒や見守り、防犯カメラの設置支援などを内容とする登下校防犯プランを作成したところであります。現在、これを受け、区市町村において、通学路の緊急合同点検や防犯カメラの必要数の調査等を実施しております。
 今後、国の動向や区市町村の調査結果、都と区市町村との役割分担等も踏まえつつ、都として、子供の安全確保のため適切に対応してまいります。
〔水道局長中嶋正宏君登壇〕

○水道局長(中嶋正宏君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、工業用水道利用者に対する支援についてでございますが、工業用水道の各利用者を本年七月から個別に訪問し、有識者委員会報告書の支援策についてご意見を伺ったところ、回答者の過半数の方から、料金差額補填の期間が短いとの意見や期間の延長を求める声が寄せられました。
 こうした意見等も踏まえ、料金差額補填の期間を、上水道への切りかえ期間四年の後、新たに料金の据置期間六年を加え、その後、利用者の料金負担の激変を緩和する期間を十年、合計二十年間とする支援計画案を取りまとめました。
 今後、この計画案を踏まえ、きめ細かく対応してまいります。
 さらに、工業用水道事業の廃止が決定された以降も、長期的な観点から、支援内容や対象について利用者の声を聞きながら、社会経済状況等を踏まえ、経営断念につながらないよう検証を重ねてまいります。
 次に、工業用水道配水管の安全対策についてでございますが、配水管の破損等による道路陥没の被害を防止するためには、安全対策が不可欠であると認識しております。
 このため、上水道への切りかえ期間中は、継続的かつ適切な維持管理を行うとともに、切りかえが完了した配水管は、道路管理者と協議の上、可能な限り他用途への転用や撤去を進めてまいります。
 また、撤去完了までには一定の期間が必要となるため、暫定的な陥没防止対策を実施いたします。
 さらに、工業用水の供給停止後に実施する配水管の転用や撤去のスケジュール等に関する計画につきましては、道路管理者と協議を行い、コスト面にも配慮しながら、切りかえ期間中に策定をしてまいります。
 この計画に基づき、供給停止後におきましても、配水管に十分な安全対策を講じてまいります。
〔財務局長武市敬君登壇〕

○財務局長(武市敬君) 工業用水道事業に関する今後の庁内連携体制についてでございますが、事業の廃止に伴う利用者への支援策につきましては、水道局を初め関係各局による庁内検討会を通じて検討を行い、今回、支援計画案を取りまとめたところでございます。
 ご指摘のとおり、利用者に対する支援は、今後、長期にわたり実施していくものでございまして、利用者に寄り添いながら、着実かつ円滑に進めていくためには、関係各局が連携して対応していくことが重要でございます。
 こうしたことから、来年度より着手する上水道への切りかえや利用者への支援の状況などを的確に把握し、関係各局で共有するとともに、長期的な観点から、今後行っていく支援内容や対象の検証も見据えまして、庁内横断的な体制を整備してまいります。
〔産業労働局長藤田裕司君登壇〕

○産業労働局長(藤田裕司君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、中小企業の事業承継に向けた支援についてでございますが、中小企業の事業承継を円滑に進める上で、その必要性を経営者が身近な問題と捉え、支援に関する情報を適切に得られるようサポートすることは重要でございます。
 都では、各地域に設けました支援拠点を通じ、承継を必要とする企業に働きかけを行い相談対応を進めますほか、経営者に事業の引き継ぎに取り組むきっかけを提供するセミナーを開催しているところでございます。
 今後は、ご提案を踏まえ、中小企業が事業承継の問題をより身近に感じることのできるよう、情報発信の内容を工夫いたしますとともに、都の支援施策を的確に伝えられる媒体の活用を検討してまいります。また、承継に関して相談のしやすい仕組みの検討も行い、中小企業への支援を進めてまいります。
 次に、会社合併による中小企業の事業承継についてでございますが、東京の中小企業の存続と発展を図る上で、その経営を親族等に引き継ぐことのできない場合、会社合併の方法を活用することは効果的でございます。
 一方で、合併を進める際には、法令の専門家にさまざまな実務を依頼することや、条件の合う会社を特定し、多くの調整を行う一定の期間が必要となります。
 都では、中小企業が合併の相手先を決めて経営を続けるに当たり、その手続に必要な費用への助成を行っております。
 今後は、会社合併の相手先を探すための費用の軽減のほか、合併までに必要となる資金調達支援について検討してまいります。
 こうした取り組みにより、中小企業の事業承継の支援を着実に進めてまいります。
〔中央卸売市場長村松明典君登壇〕

○中央卸売市場長(村松明典君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、豊洲市場の安全性についてですが、豊洲市場では専門家会議により、地下ピットや地下水の状況に関する調査を実施し、客観的なデータに基づきまして、さまざまな検証をしていただいたところでございます。
 この結果、同会議において、豊洲市場用地の法的、科学的な安全性を確認いただくとともに、将来のリスクを見据えた対策を提言していただきました。
 都は、この提言に基づきまして、追加対策工事を本年七月に完了させ、この工事の有効性について専門家会議にも確認していただいたところでございます。
 こうした一連の取り組みによりまして、豊洲市場の安全性はさらに向上したものと認識しております。
 次に、追加対策工事後の管理についてですが、専門家会議からは、都による今後の管理案の内容を確実に実施していくことが重要であるとの評価をいただいておりまして、都といたしましては、これを踏まえて、今後の管理を着実に実施してまいります。
 具体的には、地下ピット内のコンクリートの調査や補修を定期的に実施するとともに、地下水管理システムの揚水能力を確保するための井戸やポンプのメンテナンスを行うなど、追加対策工事で整備した施設や設備を含めて、適切に管理してまいります。
 また、空気や地下水の測定を継続的に実施し、その結果を公表することにより、豊洲市場を安全・安心な市場として運営してまいります。

○副議長(長橋桂一君) 百二十二番吉原修君
〔百二十二番吉原修君登壇〕
〔副議長退席、議長着席〕

○百二十二番(吉原修君) 平成三十年第三回定例会に当たり、東京都議会自由民主党を代表して質問をいたします。
 質問に入る前に、ことしの夏、相次いだ自然災害でお亡くなりになられた方々にお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様へ心からお見舞いを申し上げる次第でございます。
 さて、小池知事が就任されてから早くも二年が経過しました。
 思い起こせば、小池旋風を巻き起こした都知事選の勢いそのままに、東京大改革の名のもと、小池知事は実にさまざまな取り組みに矢継ぎ早に着手されましたが、果たして都民にどのような恩恵をもたらしたのか、甚だ疑問です。
 オリンピック・パラリンピック大会の競技会場見直し問題では、五輪予算の適正化を名目に、長沼ボート案など、他の自治体も巻き込んだ大きな混乱をもたらしたあげく、全ての会場が当初案どおりで決着をいたしました。
 大山鳴動してネズミ一匹とどなたかがいわれておりましたが、まさにそのとおりではないでしょうか。五輪に向けた機運醸成に水を差す結果となったことは周知の事実です。
 そして、都政に未曽有の混乱を招いた豊洲市場の移転問題では、唐突に移転延期を打ち上げ、安全だが安心ではない、人工知能というのはつまり政策決定者である私が決めたということなどといった理解不能な知事の言葉に、多くの関係者が振り回されたのです。
 知事と知事周辺のブラックボックスの中で進められた、これまで巨額の追加費用、そして環状二号線の整備のおくれ、地元江東区の不信感、そして何よりも汗水流し東京の食を支えてきた市場業者の分断と失望です。
 さらに、入札契約制度改革をめぐる問題では、関係事業者への相談や意見を聞くこともなく、一部顧問の意見をうのみに、問題だらけの制度を突如スタートさせました。
 その結果、入札不調の多発など、多くの時間と労力が浪費され、厳しい批判の声を受け、知事はまたもや、ほぼ従前の制度に戻さざるを得ませんでした。
 そして、さきの受動喫煙防止条例では、国とは全く異なる、従業員の有無という机上の空論になりかねない抽象的かつ曖昧な基準を突然提案しました。
 しかも、驚くべきことに、条例案に関する都民のインターネット意識調査を秘密裏に行い、あろうことか、条例を審議している厚生委員会の質疑中にその調査結果を発表したのです。
 議会への説明を十分にせず、まさに拙速に制定した罰則つきの条例は、具体的な内容が曖昧なため、多くの方が不安に駆られ、関係事業者の方々からもいまだに賛同が得られておりません。
 また、首都東京のリーダーとして、本来は連携すべき国との信頼関係構築にも疑問符をつけざるを得ません。
 知事は、先日の記者会見でも、国が発表したふるさと納税の見直し方針に対し、大臣が突然会見で方針を表明ということについては、少しやり過ぎではないか、地方は従えといわんばかりではないかなどと発言をされています。知事がおっしゃっていることに一理あるかもしれません。
 しかし、殊さらに国との対立をあおる言動は強い違和感を覚えます。劇場型を好む知事のその姿勢に、果たして地方自治体である東京都としてその先の戦略はあるのか、甚だ疑問であります。
 こうした小池知事の姿勢や行動に対して、我が党は再三再四、都議会を初め、さまざまな場面で建設的な提言を申し上げてきました。
 しかしながら、小池知事は、国会議員時代からの我が党との確執によるものなのか、我々の進言にはかたくなに耳を傾けようとせず、都民ファーストというフレーズを今もなお振りかざし、世間の耳目を集めるだけのパフォーマンスに終始しています。
 こうした知事の姿勢は、小池知事に東京の未来を預けた都民の思いに報いるものとは到底思えません。むしろ、この間の知事の言動によって都政への信頼が大きく失墜したといっても過言ではありません。
 都政運営において、知事と議会がしっかり議論し、都内区市町村、近隣県などと十分に意思疎通を図り、東京の実態を踏まえ、職員の知識や経験を活用して、一つ一つ事業を積み上げていくことが最も大事です。
 これまでのパフォーマンス優先の二年間を真摯に改めて、都民のために地に足のついた実効性ある都政運営に努めるべきです。知事のお考えをお聞きいたします。
 現在、国において平成三十一年度の税制改正に向けて、地方法人課税の新たな偏在是正措置を講じるべく、議論が進められています。
 報道によれば、都が新たに拠出を強いられる財源は、最低でも三千億円ともいわれており、仮にこのとおりとなれば、都税収入総額約五兆円の中、これまでも含めると実に毎年一兆円以上もの財源を国に拠出することになってしまいます。
 首都直下地震への備えや少子高齢化への対応など、都が抱える膨大な財政需要に鑑みれば、都政運営そのものを脅かす局面にもつながりかねず、もはや偏在是正というテーマではくくれない極めて重大かつ深刻な事態です。
 一方、昨年末の地方消費税の清算基準見直しをめぐっては、小池知事が、結局、国にいわれるがまま毎年一千億円もの貴重な都民の財源を拠出することになったのは、いまだ記憶に新しいところです。
 国会議員として豊富な経験をお持ちである知事には釈迦に説法ですが、政治は結果が全てです。来年度の税制改正に向けて、このままでは昨年の二の舞となりかねないことは、火を見るより明らかであり、これまでの知事の姿勢そして行動を見れば、こうした我々の懸念を払拭するような動きを小池知事に期待することができないことは、残念ながら否定しようのない事実です。
 我々は、安倍総理を初め、宮沢洋一党税制調査会長、二階俊博幹事長、岸田文雄政調会長に対し、地方法人課税に関する要望を直接行うなど、都民の生活、東京の未来を守るため、既に具体的に、そして積極的な行動を起こしています。
 一方、小池知事も国会議員会館などを訪問し、国会議員への接触を図っていると耳にしますが、我々と異なり、要望活動を公表されることもなく、人目を忍んで何をされているのか、全く実態がわかりません。
 そこで、これから山場を迎える平成三十一年度税制改正に向けて、小池知事は一体何をどのように具体的に取り組んでいくのか、見解を伺います。
 開催まで二年を切った二〇二〇年東京大会は、スポーツの祭典であると同時に文化の祭典であり、文化プログラム事業の成否が大会全体の評価を左右するといっても過言ではありません。そのためには、総額五十億円にも及ぶ本事業を効果的に推進していく必要があります。
 しかしながら、本年三月の予算特別委員会の我が党の質疑において、文化プログラム事業の成否に大きな役割を果たすTokyo Tokyo FESTIVAL、いわゆるTTF事業について、知事は曖昧な答弁に終始し、事業スキームや経緯について明確に答弁しませんでした。
 その後、本年七月、我が党の川松真一朗議員と突如辞職したTTF事業統括プロデューサーとの公開討論の中で、小池知事が本事業の進め方や執行体制について深く関与していたことが明らかになりました。
 過日の予算特別委員会で我が党が強く指摘し、警鐘を鳴らしたTTF事業については、現在まで当該事業の執行額と事業内容は明らかになっていません。
 二〇二〇年東京大会まで残された時間は限られています。小池知事は、これ以上文化事業を停滞させることなく、健全かつ透明性のある運営体制のもとで迅速かつ着実に事業を進めていくべきです。知事の見解を伺います。
 ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会開催まで残り一年です。大会時には、海外の熱狂的なラグビーファンは、試合開始前からラグビーについて語り合い、交流を深めながら試合観戦に訪れます。
 二〇一五年のイングランド大会を現地で見てきましたが、観戦チケットの有無にかかわらず、多くの人がファンゾーンに集い、ラグビー談議に花を咲かせ、交流し、チケットを持つファンは期待に胸を膨らませ、語り合いながら試合会場に向かっていました。
 都は、ファンゾーンを調布駅周辺に設置することを検討していますが、会場への動線上はスペースの確保が難しいかもしれません。
 そこで、提案でありますが、試合会場の隣にはアミノバイタルフィールドや武蔵野の森スポーツプラザのペデストリアンデッキなどがあります。こうしたスペースを活用して、ファンが大いに盛り上がる光景を創出すべきです。大会の盛り上げについて、試合会場周辺やファンゾーンの活用も含め、見解を伺います。
 二〇二〇年大会の円滑な輸送と都民生活の物流を両立するため、都は、国や大会組織委員会とともに、二〇二〇TDM推進プロジェクトを発足させ、業界団体や企業に働きかけを始めていますが、まだまだ活動自体が浸透していません。また、大会に関する情報提供も不足しており、大会時の状況がどうなるのか、ふだんの仕事にどの程度影響が出るのか、心配する声が多く寄せられています。
 このほか、清掃車はどうなるのかといった問題や、海の森水上競技場近くに物流の基幹道路として整備が進められている臨港道路南北線の大会期間中の活用等の課題もあります。
 都は、ことし秋にも大会期間中の交通状況がイメージできるよう、混雑マップを作成するとしていますが、早期にこうした情報提供を行い、多くの事業者の理解を得て、TDMの実効性を高めていくべきと考えますが、今後の展開について所見を伺います。
 東京大会では、多くの競技会場や選手村、関連施設などが臨海エリアに配置されることから、大会期間中は相当な数の大会関係車両が東京港のふ頭周辺の道路を走行することが見込まれています。
 しかし、国内最多のコンテナ貨物を取り扱っている東京港では、港湾関係車両による交通混雑が慢性的に発生しているため、大会期間中、大会関係車両と港湾関係車両による深刻な交通混雑が発生し、東京港の物流機能に大きな影響を与えることが懸念されています。
 東京大会の成功と円滑な港湾物流の確保を実現させるためには、大会関係車両と港湾関係車両による交通混雑の発生を抑制する必要があると考えますが、都の取り組みを伺います。
 さて、来月十一日、いよいよ豊洲市場が開場することになりました。東京の食を支える市場がようやく新たなスタートを切れることは喜ばしく感じる一方、二年前の突然の移転延期宣言から始まった一連の騒動を振り返れば、小池知事の独断専行による不透明な意思決定や二転三転する方針など、実に不可思議かつ納得しかねる出来事のオンパレードでした。
 このたびの安全宣言に至る過程も、その例外ではありません。
 その経緯をたどれば、まず都が実施した追加対策工事について、七月三十日の専門家会議において、将来リスクを踏まえた安全性が確保されたと結論づけられ、その翌三十一日に小池知事は関係局長会議を招集し、豊洲市場は安全であり、安心して利用いただけると発言し、これが安全宣言とされ、十月十一日の開場を目指す運びとなりました。
 しかしながら、これは実におかしな話です。本来であれば、突然に移転延期を宣言して、東京の食の安全性を揺るがす風評被害をもたらした知事自身が、追加対策工事の現場を直接見て確認した上で、延期決定のときと同様、緊急に記者会見を開き、ご自身の言葉で都民、国民に安全宣言をすべきでした。その上で、国に対して認可申請を行うのが当然の手順であったはずです。
 ところが、新市場建設協議会や意見交換会で市場関係者に向き合うことすらなく、あろうことか、都庁内の一会議にすぎない関係局長会議での発言で済ませ、一日千秋の思いで知事の安全宣言を待ちわびていた市場関係者をないがしろにしたといっても過言ではありません。
 知事はどういうお考えで、市場関係者をないがしろにして、安全宣言を関係局長会議で行ったのか、そして、なぜ、安全宣言、認可申請の前に、市場の追加工事の現場を見なかったのか、明快な答弁を求めます。
 九月十五日の環状二号線の施設見学会は、約一万五千人が参加するなど盛況であったと聞いています。
 環状二号線は、二〇二〇大会時に選手村を初め主要な施設を結ぶ大動脈の役割を果たすことを期待するとともに、果たして築地移転がしっかり実行できるのかということについても、世間の不安と関心が高いことの証左でもあると考えています。
 環状二号線の全線開通は、築地の豊洲移転が当初の計画どおり二年前になし得ていれば、オリンピックに間に合うはずでした。
 しかし、移転が延期されたことで、暫定迂回道路を通す計画となり、二〇二〇大会時に全線開通はできなくなってしまいました。つまり、市場移転の遅延が地上部道路、ひいては地下トンネルの工事着工のおくれにつながり、結果、国際公約が守れず、オリンピック・パラリンピックの開催、また、その後のレガシーにも影響を与えることになったのです。
 知事は、移転延期が引き起こしたこうした重大な影響をしっかりと認識すべきです。
 さて、築地市場の豊洲への移転が目前となっていますが、以前、知事が無責任にも築地を守る、豊洲は生かすなどと耳ざわりのいい甘言を弄したことで、市場関係者を混乱させただけでなく、築地に居座っていれば、その場にとどまることができると思っている事業者による居座り対策が大きな懸念材料となりつつあるのです。
 一方、築地の市場機能を確実に移転させるには、物流の効率化、施設使用に係る調整など、まだまだ市場業界との間で解決しなければならない課題があるといった不安の声も市場関係者から寄せられています。
 これらの諸課題を解決し、円滑に、速やかに築地の市場機能が移転できるように、市場開設者である知事は、万全を期すべきです。
 そこでまず、十月六日の午後から十日までの限られた期間の中で、スケジュールどおりに世紀の大引っ越しは終了するのか、また、豊洲開場後の市場の管理、運用ルールについて、どのように遵守してもらうのか、それぞれ所見を伺います。
 次に、今定例会に知事が上程した条例について伺います。
 東京都オリンピック憲章の人権尊重の理念を実現するための条例案についてお伺いいたします。
 二〇一四年のソチ冬季五輪大会において、性的少数者に対する深刻な差別が問題となり、その年のIOC総会において、オリンピック憲章には、新たに性的指向に関する事項が盛り込まれ、二〇二〇年東京大会の基本計画にも、多様性を認め合う対象として、性的指向が明記されました。
 我が党においても、二〇一五年には、全国教育委員会等に向けて、性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等についてを示し、教職員向けに手引を発行しました。
 また二〇一七年三月に、いじめ防止基本方針にLGBT生徒を明文化して対象に含め、現在、安倍政権が掲げる一億総活躍社会の旗のもと性的指向、性自認の多様なあり方をお互いに受けとめ合う社会を実現するため、仮称ではありますが、LGBT理解促進法法案を自民党、公明党において臨時国会に提出する準備を進めていると聞いております。
 私たちは、人権文化の涵養には、時間とプロセスが何よりも大切であるとの歴史的経緯のもと、現状と課題に対して、丁寧かつ慎重に調査を進め、当事者の方々の悩みや不安の解消を優先に、差別という以前に、知識の不足を解消し、ホストシティーとして、東京から積極的に理解を促していくことが必要であると考えております。
 しかしながら、このたびの都の取り組みは、人権尊重という重大なテーマにもかかわらず、政府や企業の取り組み状況、各方面の当事者団体からの意見聴取、さらには審議会に諮ることもせず、パブリックコメントや区市町村からの意見を反映することもなく、議会には正式な条例案を定例会開会の直前に提出するという、余りにも独善的で、拙速なものであります。
 まさに都民ファーストとはほど遠い、オリンピック憲章を利用した政治的パフォーマンスであるといえます。
 そこで、条例案を検討するに当たり、なぜ各方面からの意見を正式に聴取する審議会を立ち上げなかったのか、また、検討中の国の取り組みを見きわめて慎重に取り組まれなかったのかお伺いします。
 さらに、この条例案は、不当な差別に対する十分な定義が示されておらず、また、審査会の組織の性格など、知事が国会議員時代に反対した人権擁護法案、そして人権侵害救済法案と考えが同質なものであり、条例の前文に示されている日本国憲法その他の法令等に違反する可能性が高いと考えます。
 そして、余りにも曖昧な条例案は、差別解消の理解促進よりも、言葉狩りなどの意図せぬ対立をあおり、結果として、当事者の孤立を深める可能性もあると思われます。
 条例に示されている不当な差別的言動の解消と、憲法十九条、思想、良心の自由、二十一条の表現の自由との関係性について、また、審査会の調査権の根拠について、見解をそれぞれお伺いいたします。
 工業用水道事業は、地下水揚水規制に伴う代替水を供給する行政施策として開始されました。よって、地下水のあり方なくして議論はできません。また、利用者から、事業廃止の際には、揚水の規制緩和の要望が多数から上がっております。
 都が打ち出した支援策には二十年先までが示されておりますが、将来に向かっての地下水の状況変化を勘案せず、いわば無視した形での取り組みとなっています。
 行く先の状況の変化によって今後の対応が変わるとすれば、ただ単に問題を先送りした無責任な施策だといわざるを得ません。将来に向けた地下水の把握と、揚水規制のあり方について知事の見解を伺います。
 地盤沈下対策として開始された工業用水道事業は十三団体に及びます。そのうち、今後の経営戦略が策定済みで、執行されているのが八団体、取り組み中もしくは未着手であっても、策定予定が四団体、つまり、東京都以外は工業用水道事業を存続させるための計画などが作成されております。
 都は、平成十六年の包括外部監査で指摘を受けましたが、その前後いずれにおいても、工業用水道事業を存続させる手だてを怠っていた、そういわざるを得ません。
 このことは工業用水法に定める目的から外れ、突然の事業廃止は、工業の健全な発達という工業用水道事業法の目的にも反するものです。工業用水法の指定地域の解除等も含め、国との協力なくして一方的に結論を出すべきではないと考えます。国との協議状況の現状と今後についての考え方を伺います。
 近年の豪雨は、広域的に強い雨が降る傾向もあり、流域が都内で完結する河川に加え、都県境をまたぐ河川の対策も非常に重要になってきています。今後、さらに都市河川に対する補助金など、国に対し積極的な支援を求めることも不可欠であります。
 都では、これまで進めてきた五十ミリの降雨に対応する護岸等の着実な整備に加え、増加傾向にある豪雨を踏まえて、レベルアップした新たな護岸水準に対応する調整池などの整備を一層推進していくことが必要です。
 また、水害から都民の生命と財産を守るためには、こうした施設整備のみならず、河川の目標整備水準を超える豪雨に対して、都民の避難等に資するソフト対策を進めるなど、ハード、ソフト一体となった取り組みを推進することが重要です。
 そこで、中小河川の洪水対策について伺います。
 また、七月の豪雨では、甚大な浸水による被害も発生しました。
 下水道局は、平成二十五年のこの浸水被害を受け、豪雨対策下水道緊急プランを策定し、東京都豪雨対策基本方針に基づく対策を実施していますが、近年、時間五十ミリを超える局地的な集中豪雨も増加しており、本年八月の局所的集中豪雨では、都内も被害が発生しています。
 また、首都東京を支える都市インフラである地下鉄ネットワークも、未曽有の豪雨や高潮などの場合には、浸水による被害が懸念されます。
 先月の台風二十一号上陸の際には、関西地方の鉄道会社があらかじめ運転を見合わせ、混乱回避に努めたと聞いていますが、都においても、荒川の決壊など大規模な浸水被害のおそれがある場合に、運休告知等の運行情報を早目に提供し、利用者に対し適切な行動を呼びかける必要があります。
 そこで、豪雨災害が相次ぐ近年の気象状況を踏まえ、浸水被害の軽減に向けて、下水道局はどのように取り組んでいるのか、あわせて、都営地下鉄における大規模水害への対応について伺います。
 ことしの夏の猛暑では、学校体育館での授業や行事で、児童生徒が熱中症で緊急搬送されるなど、深刻な事態が発生いたしました。
 この間、都教育委員会は、都立学校については、我が党の要望を踏まえ、普通教室の冷房化を完了させ、現在、特別教室の冷房化を計画的に進めています。
 また、区市町村立小中学校についても、普通教室に加えて特別教室への補助対象の拡大を行い、冷房化を着実に推進してきました。しかし、猛暑が続発している事実を直視すれば、体育館や特別教室の空調設備の整備は一刻の猶予も許されません。
 七月に、菅官房長官が、学校への冷房設備について政府として責任を持って対応したいと発言し、文部科学省は、緊急に空調設備の設置状況調査を実施いたしました。
 都立学校及び公立小中学校の体育館や特別教室への空調設備の整備について、今後どう取り組むのか見解を求めます。
 建設業における技術者、技能者不足が叫ばれて久しいのですが、地域のインフラの整備、維持の担い手であると同時に、都民の安全・安心の確保を担う地域の守り手として、なくてはならない存在であり、建設業の働き方改革は急務です。
 しかし、現場の声を聞くと、残業時間が長い、休日出勤が当たり前といった実態があり、工期が適切に設定されていないという話もあります。
 働き方改革関連法が成立し、建設業においても、二〇二四年までの経過措置はあるものの、時間外労働の上限が適用されることとなりました。
 業界も週休二日の確保に向けて積極的に取り組んではいますが、実現に当たっては、受注者と発注者、相互の取り組みと協力が不可欠です。特に、建築工事とそれに付随する関連設備工事においては、きめ細やかに工程を調整する必要があり、発注者には、より適切な工期の設定が求められています。
 適切な工期や労務単価の設定について、さらに踏み込んだ検討を行うべきです。見解を伺います。
 急速に進む少子高齢化は、産業を支える企業の活動に大きな影響を及ぼします。中でも、労働人口の減少は、中小企業の人材確保が今以上に困難になる事態を招きかねません。少ない人員、コストで、さらに高い付加価値を生む生産性の向上は重要課題です。
 各企業が何をなすべきかは、業種や資金力、社内事情などに応じさまざまであり、その最適解は一社一社全て違うといっても過言ではありません。また、生産性の向上には、ICT技術の導入が不可欠ですが、中小零細の企業の多くは、専門知識も資金も不足しています。
 都は、こうした企業の実態を捉え、効果的な支援を展開すべきですが、見解を伺います。
 団塊世代の経営者が高齢化する中、東京の経済を支えてきた中小企業を一社でも多く守り次の時代に継いでいくことは、我々の務めでもあります。
 都は、企業巡回の取り組みや、商工会議所等の連携により、事業承継を支援していますが、今後はもっと多くの企業へのアプローチが必要であり、支援の手はまだ足りていません。
 また、経営が黒字でも、会社を継げる親族や従業員が見つからなければ廃業を選択せざるを得ないという現実の問題に対し、第三者による承継など別の手だても必要です。
 都はこうした状況を踏まえ、いわばプレ承継といった事前策なども取り入れながら、事業承継に向けた支援の充実を図るべきと考えますが、見解を伺います。
 将来を見据えた企業の取り組みも経営が堅実なればこそであります。しかし、下請、中小零細の企業は決して盤石ではありません。原材料価格の高騰や国際情勢の急変、消費税の改正など、先行きも不透明です。
 目前に迫る荒波を越えることは最優先の課題です。下請取引の適正化はもちろん、新事業の展開や取引先の開拓など、企業を支える施策が非常に重要ですが、見解を伺います。
 昨年、東京を訪れた外国人旅行者数は過去最高の一千三百七十七万人を超え、二〇二〇年大会に向けて、さらなる観光客の増加が期待されます。世界中から注目が集まる大会の機会を捉え、地域の伝統や食など東京の多様な魅力を体験できるイベントなどを実施し、来訪につなげようとする機運が都内各地で高まっています。
 一方で、観光事業を担う観光協会を初めその活動を支える地域の経済団体や地元の商店街、町会、自治会などでは、人材や資金面等の課題から、十分な事業展開が難しく、地域全体で観光を盛り上げていくためには、都としてきめ細やかな支援が必要です。
 二〇二〇年大会に向けて、地域の観光振興にどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。
 観光振興を初め東京の経済発展と都民生活の利便性を支えている自動車政策の重要性に鑑み、我が党は多くの関係団体と十年にわたって意見交換を行っています。そうした中、二〇二〇年大会に向けてさらに増加が予想される東京を訪れる外国人の移動手段として、利便性の高いタクシーの利用環境の整備が喫緊の課題となっています。
 特にICT技術の進展により、外国人と乗務員とのやりとりや決済の手段として活用できるタブレットの機能が向上しており、その普及は重要です。都において、こうしたタブレットの導入に向けた調査を進めていると承知しています。
 今後、都内タクシーの多言語対応タブレットのさらなる導入に向けた取り組みを進めるべきと考えますが、都の見解を伺います。
 二〇二〇年大会を契機に、東京を世界で一番の希望と活力あふれる成熟した都市へと発展させていかなければならないと、我が党は一貫して主張してまいりました。
 これまで、どの都市も経験したことのない少子高齢、人口減少社会を迎えるとともに、グローバル化の一層の進展など、社会情勢の大きな変化も想定される中において、東京が持続的な発展を続けていくため、二〇四〇年代に向け、活力とゆとりある高度成熟都市を目標に都は都市づくりのグランドデザインを策定しました。
 その中では、目指すべき新たな将来像として、国際ビジネス交流ゾーンと多摩イノベーション交流ゾーンなどと示しましたが、これを実現するための土地利用の方針を明確にする必要があると考えます。
 先般、都市計画審議会において、土地利用調査特別委員会の中間報告が行われましたが、具体的にはどのような方向性が示されているのか、また、これを受け、都はどのように取り組んでいくのか、所見を伺います。
 東京の将来の発展へ道筋をつけていくのは、東京都の重要な仕事です。その意味で、都市づくりの基本ともいうべきグランドデザインや土地利用の基本方針を明確にすることは重要です。
 しかし、それだけでは不十分です。ハードだけで都市の未来を語ることはできません。東京に住んでよかった。そう思っていただけるソフト面での政策が欠かせません。
 都が昨年策定したグランドデザインは二〇四〇年に向けたものですが、ソフトともいうべき現在の長期ビジョンは、二〇二四年までが計画期間となっています。
 都の行政施策のハードとソフトを互いに連携させ各種施策を総合的に推進していくためには、長期ビジョンについて、二〇二四年の先を見据えた計画をつくることが重要です。
 知事就任後二年が経過しましたが、こうした骨太の中長期の計画策定の動きは見られません。直面する課題への政策提言も大事ですが、その土台の構築に取り組むことは、さらに重要です。
 そこで、今後、東京都は、現行の長期ビジョンの先を行く長期計画を早急に明らかにすべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 また、都市の発展を考える上で、住宅問題は非常に重要です。中でも、都営住宅は都民共有の財産であり、計画的に建てかえるとともに、地域の特性やニーズなどを踏まえ、まちづくりに貢献することが重要です。
 また、維持更新した住宅ストックを有効に活用して、子育て世帯や高齢者世帯などの住宅困窮世帯に確実に提供していくことも必要であります。
 我が党はこれまでも、こうした考え方に基づき、例えば、若年ファミリー世帯の入居機会を拡大するため、十年の期限つきの入居制度の導入などを提案し、都はこれまで、募集戸数を年間千五百戸まで拡大してきました。現在、都営住宅居住者の高齢化、単身化が急速に進行している中、高齢者が安心して暮らせる環境を整備するとともに、若年ファミリー世帯のさらなる入居を促進して、多世代が同じ住宅で暮らせる仕組みをつくる必要があると考えます。
 そこで、こうした課題に対応するため、都営住宅の管理の仕組みについて早急に検討を行い、施策を進めていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 これまで都立病院は、都立病院だからこそできる時代の要請に応えた行政的医療を提供するために、議会と行政との真摯な議論を経て、さまざまな改革を推進してきました。その結果、都立病院は、東京の医療において不可欠な存在となっています。
 今後、高齢化によるニーズが増大する中、都内の多くの医療機関が適切な役割分担と連携のもと、これまで以上にそれぞれの役割を果たしていくことが必要です。都立病院は、民間病院との差別化を図り、提供すべき行政的医療のあり方について明らかにしていかなければなりません。
 一方、都立病院の現場からは、日々の診察において生産性を向上し、専門性を発揮するには、現在の仕組みでは制約があるという声も聞いており、時代の流れに即した効率的で質の高い医療提供のあり方を検証していくことも重要です。
 ついては、都立病院新改革実行プラン二〇一八でも、経営のあり方について検討を進めているとしていますが、都立病院の運営上の課題とその検証状況について伺います。
 児童相談所の相談件数、対応件数は、過去最多となっており、残念ながら痛ましい事件も発生しています。子供を守るためには、行政と都民が一体となって子供と家庭を見守ることが必要です。
 そのためには、児童虐待防止に関する都民の理解が重要であり、都独自の条例の制定に向けては、より丁寧に進めていくべきものと考えますが、都の見解を伺います。
 児童虐待を未然に防ぎ、子供やその家庭を支援するためには、住民が身近な地域で気軽に相談ができ、適切な援助やサービスが利用できる体制の構築も重要であり、そのような考え方に立って、都は、平成七年度から、子供家庭支援センター事業を開始しています。
 現在、子供家庭支援センターは、ほとんどの区市町村に設置されており、児童相談所とともに児童家庭相談の車の両輪となっています。
 児童相談所と子供家庭支援センターは、それぞれの役割をもとに機能を発揮してきましたが、増加を続ける児童虐待に的確に対応するためには、今後、それぞれの体制を充実しながら虐待事案への対応力を強化していくべきと考えます。都の見解を伺います。
 こうした児童相談所の体制強化と並んで重要なのが、虐待により、親元で暮らすことのできない児童の受け皿としての里親や施設の充実です。支援の困難な児童などのケアについては、特に乳児院や児童養護施設の役割が重要です。児童が健やかに成長し、将来、社会の一員として自立していくためには、切れ目のない支援の充実も必要です。
 国は新しい社会的養育ビジョンにおいて、就学前の児童の里親委託率七割、学童期以降の児童の委託率五割を実現するという目標を掲げていますが、ケアニーズが非常に高い児童を受け入れる施設が重要であることに変わりはありません。
 そうした中、施設での勤務は、勤務時間が一定でなく、児童の急病やトラブルへの対応など、緊急に駆けつけなければならないことも日常茶飯事で、平日勤務中心の保育園などに比べ人材確保におけるハンデとなっています。
 そこで、施設の人材確保に対する都の取り組みを伺います。
 このたび、都は、障害者グループホームについて、サービスの質の向上を図るため、独自の加算制度の見直しを行いました。現場ではこの見直しにより、どの程度の影響が生じるのかといった不安の声もお聞きします。
 我が会派としてはこれまで、事業者への丁寧な説明や周知の徹底を求め、グループホームの質の低下が生じないよう、都に対して検討を求めてきました。
 加えて、障害の重度化という難しい課題にもきめ細かく対応できるよう、グループホームの充実に、都として努めていく必要があると考えますが、見解を伺います。
 特別支援学校における看護師の確保について伺います。
 障害のある児童生徒が通う特別支援学校では、医療技術の進歩などに伴い、医療的ケアを必要とする児童生徒が増加傾向にあり、また、特別支援学校に在籍する医療的ケア児は、障害の程度が軽微な児童生徒ばかりでなく、医師や看護師による対応や健康状態の管理に特別な配慮を要する児童生徒も多いと聞いています。そのような背景の中、特別支援学校の看護師不足が問題であります。
 一方、看護師の中には、さまざまな家庭事情などにより、病院を退職し、離職中の看護師も多くいます。
 特別支援学校における看護師の確保については、こうした看護師の実情に精通した看護協会などと連携しながら進めていくことが有効であると考えますが、都の見解を伺います。
 本年六月に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針二〇一八では、来年十月から、幼児教育の無償化を実施することが明記され、三歳から五歳までの全ての子供の幼稚園、保育所等の費用を無償化するとしています。
 しかしながら、国は、私立幼稚園の保育料について無償化の上限額を設定するとしています。この上限額は全国一律の額であり、地方に比べて物価の高い東京の私立幼稚園の保育料とは大きな隔たりがあります。
 都内の幼稚園の九割は私立幼稚園であり、東京の幼児教育を支える大きな役割を果たしています。保育所の保育料が無償化される中にあって、東京の幼児教育を支えている私立幼稚園についても、保育料の保育者負担の軽減に努めるべきと考えますが、都の見解を伺います。
 小笠原空港について伺います。
 都議会自民党は、長年にわたり小笠原村、小笠原村議会と一体となって航空路の開設に向け取り組んでまいりました。航空路開設は、小笠原村民の悲願であると同時に、世界遺産に登録されている島として慎重に検討しなければならない課題であります。
 これまで東京都は、さまざまな可能性について、一つ一つ丁寧に検討してきたと思います。このような中、知事は、返還五十周年の式典で小笠原村を訪れた際に、飛行場の建設は必要とした上で、一千メートル以下の滑走路で運用可能な機材について調査するとして、従来案より短い滑走路を検討する考えを示しました。
 この発言を受けて、小笠原村では、飛行場の建設が前に進むという大きな期待が膨らむ一方で、知事が唐突に飛行艇の話を出したために、検討期間が長引くのではないかと住民の間で戸惑いが広がっています。
 知事はなぜ、これまで長年にわたって、東京都、小笠原村、関係者間で検討した結果、実現が困難とした飛行艇案を持ち出したのか、困惑している小笠原村民に丁寧に説明すべきでありますが、知事の見解を伺います。
 最後に、これまでの二年間の重要課題への知事の発言は、その都度、都政の停滞と不信感を増幅してきました。都政の積み重ねと、知事と議会の二元代表制の重要性を改めてご認識いただき、真に都民のための都政を進められることを期待いたしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 吉原修議員の代表質問にお答えをいたします。
 まず、都政運営についてのご指摘がございました。
 二年前の夏、都民の皆様方の厳しい目が注がれていた都政について、しみついていた手法と体質を変えるための改革を断行いたしまして、真に都民のための政策を推し進める、そうした決意を持って、この間、都政の見直し、新たな種まき、そして水やりを行ってきたところでございます。
 二〇二五年以降、人口減少とさらなる高齢化を迎えて、また、国際情勢も日々混沌とする中にありましては、地に足のついた都政運営はもちろんです。そして、同時に東京の未来や世界の動きを鳥の目で俯瞰をして、変えるべきは大胆に変えていくことが不可欠でございます。それこそが、東京大改革を掲げた私が、都民の皆様の負託にお応えをするために進むべき道であると、このように確信をいたしております。
 これまで不断に取り組んでまいりました都政改革、そして待機児童対策、受動喫煙防止対策、国際金融都市の実現に向けた取り組みなど、都民の福祉向上と東京のさらなる成長のために、新たな発想も織りまぜながら、スピード感を持って進めてまいりました政策は、今、芽を出し、花を咲かせ始めているところでございます。
 引き続き、東京大改革、そして都民ファーストを揺るがぬ信条といたしまして、都議会の皆様と建設的な議論を交わしながら、丁寧に、時に大胆に、真に実効性のある都政運営に邁進していく所存でございます。
 平成三十一年度の税制改正についてのご質問がございました。
 国はこれまで、地方法人課税のいわゆる偏在是正措置を初め、都市と地方の財政力格差の是正を名目に、不合理な税制度の見直しを行ってまいりました。そして、平成三十一年度の税制改正におきましても、新たな措置を講じるべく、議論を加速させているところでございます。
 都は、平成二十八年度の税制改正によりまして、舛添知事の時代だと思いますが、毎年約五千億円もの減収をこうむることが既に決まっております。その上で、今後、新たな措置で減収額がさらに拡大をし、都の法人二税のうち相当規模の金額が地方に配分されるということともなりますと、地方税の存在意義そのものを揺るがして、地方自治の根幹を脅かす行為にほかならないと考えます。そして、こうした議論が公然と行われている現状に対しましては、皆様同様、強い危機感を抱いているわけでございます。
 こうした国の動きに歯どめをかけるため、与党税制調査会のメンバーや東京都選出国会議員への要請活動を精力的に行うなど、あらゆる機会を捉えまして積極的な働きかけを行っているところでございます。
 都議会におきましても、地方法人課税の見直しに関する意見書を全会一致で可決していただくなど、この問題に積極的に取り組んでいただいており、大変心強く感じているところでございます。
 平成三十一年度の税制改正をめぐる議論は、これから佳境を迎えることとなります。御党を初め、都議会の皆様とともに、オール東京一丸となって、都民生活、そして東京、日本の未来を守るために、最後の最後まで全力を尽くしていきたいと考えております。
 次に、Tokyo Tokyo FESTIVALについてのご質問がございました。
 リオ大会以降、都では東京キャラバン、TURNのほか、東京大茶会、六本木アートナイトなどさまざまな文化事業を実施しており、昨年の秋からは、これらをTokyo Tokyo FESTIVALと銘打って展開をいたしております。
 さらに、今月十七日には、クラシックとダンスの融合など、年齢を問わず誰もが楽しめるサラダ音楽祭を、新たな取り組みとして開催をいたしました。
 また、Tokyo Tokyo FESTIVAL企画公募に寄せられましたのは二千四百三十六件に上りました。その中から十三件の企画案を選定いたしまして、これらをもとにして、二〇二〇年に向けて、斬新で独創的なプログラムを実施する予定でございます。
 こうしたさまざまな取り組みをさらに効果的なものにするためには、発信力を強化し、より多くの方々に注目され、参加していただくこと、これが必要でございます。
 そのために、民間事業者のノウハウを活用するとともに、東京芸術文化評議会の専門的な知見を生かして、国内外に向けて戦略的なプロモーションを展開してまいる所存でございます。
 東京二〇二〇大会を文化の面からも盛り上げることができるよう、Tokyo Tokyo FESTIVALを積極的に推進してまいります。
 次に、安全宣言でございますが、豊洲市場を安全・安心な市場として開場する条件を整えるために、豊洲市場の現状につきましての詳細な検証、必要な追加対策工事の実施、その有効性の確認という一連のステップを丁寧に進めてまいりました。
 本年七月の追加対策工事の完了を受けまして、同月三十日、専門家会議から、将来のリスクを踏まえた安全性が確保されたことを確認したという評価をいただいたところでございます。
 この間の追加対策工事の進捗状況などにつきましては、市場当局から適宜報告を受けており、専門家会議の確認調査の結果につきましても、平田座長から直接その説明を伺ったところでございます。
 こうしたことを踏まえまして、同月三十一日、市場移転に関する関係局長会議を開催をいたしました。こうした一連のステップの完了につきましては逐一報告を受け、その上で都知事として安全宣言を行ったものでございます。
 安全・安心な市場の実現につきましては、かねてより市場業者の皆様から強いご要望をいただいておりまして、会議に先立ちまして、業界団体の代表者の方々に、豊洲市場は安全であり、安心してご利用いただける旨について、直接、私からお伝えさせていただいたところでございます。
 また、都民の方々に向けましては、記者会見で改めて発言をし、来月十一日の豊洲市場の開場に合わせまして、「広報東京都」では都知事としてのメッセージを発信することといたしております。
 このように、要所要所で報告を受け、状況を的確に把握した上で知事として判断したものでございまして、今後とも、安全・安心な市場につきまして、私から積極的に発信していく所存でございます。
 新たな条例の制定に向けました取り組み、人権条例でございますが、その制定に向けた取り組みでございます。
 東京二〇二〇大会の開催を間近に控えまして、オリンピック憲章にうたわれます、いかなる種類の差別も許されないという人権尊重の理念実現に向けました決意をできるだけ早く都として示し、さまざまな人権課題へ対応していくことが求められております。
 昨年十二月に条例化の方針を明らかにした後、条例化のために必要なさまざまな知見を得るため、当事者、専門家、それぞれの立場で個別にご意見をいただきまして、検討を進めることといたしました。そして、五月に条例案のポイントを、六月には条例案の概要を公表させていただいております。その後、都議会におけるご議論やパブリックコメントにて多くのご意見なども踏まえまして、さらに区市町村への情報提供を行った上で、丁寧に準備を進め、条例案を本定例会に提出したところでございます。
 不当な差別的言動の解消に関する取り組みについてでございますが、提出している条例案では、本邦外出身者に対します不当な差別的言動の解消に向けた取り組みを推進するための仕組みについて規定をいたしております。
 具体的には、公の施設の利用制限に関する基準を定めることや、事案の公表、そして拡散防止に関する措置についての規定でございます。
 そして、これらを着実に実施していくに当たりましては、憲法で保障されている表現の自由等への配慮が不可欠でございますので、条例に明示的に規定することといたしました。
 さらに、条例の規定の適用を公平かつ中立的に行っていくことを担保していくために、地方自治法の規定によりまして、条例で設置することが認められている附属機関である審査会を、本条例で設置することを規定いたしております。
 都といたしましては、条例制定を契機といたしまして、ヘイトスピーチが許されないということを明らかにしてまいります。
 地下水の揚水のあり方と将来についてのご質問がございました。
 かつて東京は、地下水の過剰なくみ上げの結果、区部東部を中心として、大正時代以降、地盤沈下が進行し、最大で四・五メートルの累積沈下を記録するなど、ほかの都市でも類を見ないような厳しい経験をいたしました。しかし、その後の地下水の揚水規制により、現在、地盤沈下は沈静化しているところでございます。
 今後の地下水のあり方でございますが、利用者の立場だけでなく、地下水のくみ上げによって影響を受ける立場、地下水を保全する立場など、さまざまな立場からのご意見があることは私も承知をいたしております。
 将来にわたりまして地下水の持続可能な保全と利用を図るためには、こうしたさまざまな立場の方々との幅広い議論を経まして、関係者の理解と納得を得ることが不可欠でございます。その議論の前提として、まずは地下水の実態把握が必要でございます。
 今後、現行の揚水規制を継続し、有識者にも諮りながら、さまざまな科学的知見を集積いたしまして、未解明な部分の多い地下水の実態把握を進めていくところでございます。
 そして、工業用水道事業の廃止に関する国との協議状況についてのご質問がございました。
 工業用水道事業は、工業用水法及び工業用水道事業法に基づいて実施をしておりまして、これまで施設の建設や配水管の更新、経営合理化などの際には、法に定める手続にのっとりまして、国と十分に調整を行ってきたところでございます。
 工業用水道事業の廃止の検討に当たりましても、昨年十月以降、国に対して今回の廃止に至った経緯や考え方、利用者への支援など、都の検討状況を随時報告いたしておりまして、丁寧にご説明するとともに、廃止に当たっての法的な手続等については意見交換を行っております。
 お話の指定地域の取り扱いでございますが、国からは、都の廃止が決定した以降、協議をしていくとの見解を得ておりまして、今後、これらを含めまして、国と十分に調整を行ってまいります。
 都の長期計画でございますが、我が国全体が既に人口減少局面にある中で、東京の人口も二〇二五年をピークとし、減少が始まります。そして、その年には団塊の世代が全て七十五歳以上になるなど、高齢化はさらに加速していく見通しでございます。
 このような中において、東京が将来も活力を失わずに、日本の力強い牽引役として持続的に成長を続けていくためには、二〇二〇年とさらにその先をしっかりと見据えたビジョンのもとで、政策を推進していくことは必要でございます。
 こうした考え方に立って、都は、東京二〇二〇大会の成功とその先の東京の未来への道筋を明瞭化いたしまして、東京のさらなる成長を創出するための二〇二〇年に向けた実行プランを策定しております。
 また、この実行プランでは、策定の段階からPDCAサイクルを組み込んでおりまして、毎年、このサイクルのもとで、社会情勢の変化、そして新たな都民ニーズに対応すべく、政策のブラッシュアップを行ってまいります。
 今後とも、人口の減少や一層高齢化する社会を見据えまして、常に政策を強化することで、あらゆる都民が希望と活力にあふれる高度な成熟都市東京の実現をより確かなものにしてまいりたいと考えております。
 最後に、小笠原の航空路についてのご質問がございました。
 航空路の開設は、島民生活の安定と国境離島であります小笠原諸島の自立的発展を図る上で、極めて重要と認識をいたしております。
 私は、本年六月末に開催されました返還五十周年記念式典におきまして、村民の皆様の安心・安全を守るという観点から、小笠原に飛行場を建設することは必要であると表明をいたしまして、洲崎地区を活用する案に絞って集中的に検討していくことといたしました。
 また、機材につきましては、技術革新が目覚ましい分野であること、そしてまた本土からの距離や地形、自然環境への影響など、小笠原特有の制約がある中で、より多様な検討が必要であることなどを踏まえまして、現在運用されている機材の活用という観点からも、ご指摘の水上航空機についても、その可能性の検証をすることを表明したものでございます。
 今後も引き続きまして、一千メートル以下の滑走路で運用可能な機材についての調査を行うとともに、国、そして村を初めとする関係機関と緊密に調整を行いまして、実現可能な航空路案が取りまとめられるように検討を進めてまいる所存でございます。
 その他のご質問につきましては、教育長、東京都技監、関係局長よりのご答弁とさせていただきます。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、公立学校の今後の空調設備の整備についてでございますが、学校施設は、児童生徒の学習や生活の場であるとともに、災害時には避難所としての役割も担っております。
 ことしの夏の猛暑は、人命にもかかわる深刻なものであり、暑さ対策は重要な課題と認識しております。都教育委員会は、学校施設への空調設備設置を行ってまいりましたが、今後も、設置対象となる特別教室について、整備の推進に努めてまいります。
 また、体育館については、都立特別支援学校に加え、今後は都立高等学校についても、空調設備の整備を速やかに進めてまいります。
 さらに、公立小中学校の体育館についても、国や区市町村との役割を踏まえつつ、体育館への空調設備の整備が進むよう、区市町村を支援してまいります。
 次に、特別支援学校における看護師の確保についてでございますが、児童生徒に対して医療的ケアを安全かつ適切に実施するため、中心的な役割を担う看護師を安定的に確保していくことが重要でございます。
 近年、医療技術の進歩や在宅医療の普及を背景に、医療的ケア児は増加傾向にあり、ケアの内容も看護師でなければ対応できないほど高度化、複雑化が進んでおります。
 さらに、都教育委員会は、平成二十九年度から肢体不自由特別支援学校に加えて、対象となる児童生徒が在籍する全ての特別支援学校で医療的ケアを実施することとし、必要な看護師数は増加している状況にございます。
 都教育委員会は、今後も、看護協会等の職能団体と連携しながら、必要な看護師の確保に努め、引き続き学校において安全かつ適切に医療的ケアを実施してまいります。
〔東京都技監西倉鉄也君登壇〕

○東京都技監(西倉鉄也君) 中小河川の洪水対策についてでございますが、激甚化する豪雨から都民の命と暮らしを守るためには、護岸や調節池整備などのハード対策に加えまして、住民の避難等につながるソフト対策を進めることが重要でございます。
 ハード対策といたしましては、護岸や境川金森調節池など、事業中の調節池等の着実な整備に加えまして、石神井川等におきまして、新たな調節池の事業化に向けた検討を前倒しして実施いたします。また、洪水の流域間相互融通が可能な環七地下広域調節池の延伸等も検討してまいります。
 ソフト対策といたしましては、区市町村が作成いたします洪水ハザードマップのもととなる浸水予想区域図の改定を加速いたしまして、平成三十二年度までの全区域の公表を目指します。
 引き続き、水害に強い都市東京の実現に向け、国に対しましてもより一層の支援を求めまして、ハード、ソフト両面から洪水対策を推進してまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長潮田勉君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、ラグビーワールドカップにおける会場周辺等を活用した盛り上げについてでありますが、前回大会では、試合前に多くの観客がファンゾーンに立ち寄り、互いに期待を膨らませ、あるいは試合後の興奮と感動を共有する姿が見られたと伺っております。
 そこで、調布のファンゾーンについては、訪れた人々にとって大会への期待が高まるような内容とすることに加え、試合会場とシャトルバスで結び、観客が試合前後に気軽に立ち寄れるようにいたします。
 大会開催が迫る中、試合会場やファンゾーン周辺については、地元市の協力も得て、街灯フラッグやラッピングバス等によるまち全体の装飾とともに、会場運営計画を踏まえ、組織委員会と連携し、その活用についても検討いたします。
 今後とも、多くのファンにとって大会が盛り上がるよう、開催に向けた準備を推進してまいります。
 次に、交通需要マネジメント、いわゆるTDMの今後の展開についてでございますが、大会の成功には、円滑な大会輸送の実現と都市活動との両立を図るため、TDMの取り組みが不可欠であります。
 先月発足した二〇二〇TDM推進プロジェクトには、現在、二十一の業界団体、百六十を超える企業に登録をいただき、さらに拡大に努めております。
 この秋には、大会の日程や時間帯ごとに、道路や鉄道等の状況を予測した混雑マップを示すとともに、競技会場近隣の企業を対象に説明会や相談会等を実施するなど、きめ細かく対応いたします。
 こうした取り組みを通じ、中小企業を初め、各企業のTDMの準備状況を把握し、行動計画の策定を支援するなど、TDMの実効性を高める取り組みを進め、経済活動への影響を最小限に抑え、円滑な大会輸送の実現に努めてまいります。
〔港湾局長斎藤真人君登壇〕

○港湾局長(斎藤真人君) 東京二〇二〇大会開催時における交通混雑発生の抑制についてでございますが、港湾物流にはさまざまな事業者が関係しておりますことから、これら関係事業者が連携した対策を実施することが重要でございます。
 このため、現在、港湾運送事業者やトラック事業者等へのヒアリングを実施し、課題の把握を行いつつ、これを踏まえた対策の検討を進めております。
 関係事業者からは、臨海部における交通混雑予測や荷主の協力が課題として挙げられておりますことから、今後、大会期間中の臨海部の交通状況について分析し、情報提供を行うとともに、東京港を利用する荷主に対しては、配送時間の変更等に関する協力要請も行うなど、大会開催時における交通混雑発生の抑制に向け、関係局と連携し、取り組みを進めてまいります。
〔中央卸売市場長村松明典君登壇〕

○中央卸売市場長(村松明典君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、豊洲市場への引っ越しについてでございますが、今回の引っ越しは、約九百に及ぶ事業者による大規模なものでございまして、円滑な実施に向けて綿密に準備し、具体的な取り組みを進めているところでございます。
 まず、都と業界で調整して、本年六月に改定いたしました引越実施計画に基づいて、八月には、市場業者等を対象といたしました引っ越し連絡会を開催し、引っ越し手順や作業予定時間、引っ越し時の場内ルール等を周知いたしました。また、九月には、環状第二号線を利用した事前引っ越しも開始したところでございます。
 このほか、引っ越しルートの警備体制の構築や、引っ越し期間中のシャトルバスの運行等の準備も整えており、今後も、業界と連携した取り組みを着実に進め、十月六日から十日までの限られた期間内で確実に引っ越しを実施してまいります。
 次に、豊洲市場の管理、運用についてでございますが、開場後の円滑な市場運営を実現するためには、あらかじめさまざまなルール等を定めておく必要がございます。
 このため、都は、業界団体と調整し、喫煙を含めた施設の適正利用や、場内交通、入退場管理などの運用ルールに係る調整を進めまして、その内容について合意いたしました。
 また、駐車スペースの利用や場内清掃等の施設管理について、利用の際の条件や、都と業界の役割分担等に関する業界との調整を整えたところでございます。
 さらに、交通誘導員の配置など必要な警備体制の整備や、周辺道路の通行上の注意点の周知も進めております。
 開場まで残り十五日間、業界や地元区とも連携して準備を進め、適正な市場運営を実現してまいります。
〔下水道局長小山哲司君登壇〕

○下水道局長(小山哲司君) 下水道における浸水対策についてでございますが、下水道局では、区部全体で時間五十ミリ降雨に対応する施設整備を実施いたしますとともに、過去に甚大な浸水被害が発生した地区などにおいて、整備水準を七十五ミリにレベルアップした対策を推進しております。
 本年度は、整備水準のレベルアップを図る全ての地区で事業に着手するなど、施設整備を着実に進めてまいります。
 先月二十七日の豪雨におきましても、整備した雨水貯留施設などが満水になるなど、効果を発揮し、また、浸水被害が発生した地区におきましても、既に施設整備に着手したところもございまして、被害の軽減が期待できると考えてございます。
 今後、新たに降雨規模や地形により、下水道管内の水位や浸水状況などをより正確、詳細に把握できる最新の流出解析シミュレーションの技術を活用し、区部全域で下水道施設の能力を検証するなどして、浸水に強いまちづくりを推進してまいります。
〔交通局長山手斉君登壇〕

○交通局長(山手斉君) 都営地下鉄における大規模水害への対応についてでございますが、交通局では、台風などの接近により運休などのダイヤ乱れが想定される場合には、お客様に対し適時適切な情報提供に努めてございます。
 さらに、荒川決壊のような大規模水害に対しましては、防災関係機関等とともに、荒川氾濫時の事前行動を時系列で整理したタイムラインを策定しており、これまでも台風が接近した際には、試行的に運用して検証することで、タイムラインのさらなる改善を図っております。
 また、地元区等と連携した運休等の事前周知や、運休までの間の地下鉄等を活用した広域避難につきましても、防災関係機関等とともに検討を進めてございます。
 今後とも、これらの取り組みも踏まえまして、ホームページやSNSなどを活用し、迅速かつ的確な避難や行動を広く呼びかけることにより、安全・安心の確保に努めてまいります。
〔財務局長武市敬君登壇〕

○財務局長(武市敬君) 公共工事の適切な工期等の設定についてでございますが、発注者として適切な工期の設定は、建設業の担い手確保に向けました重要な責務と認識をしております。工期設定に当たりましては、工事に直接必要な日数のほか、施工条件や休日等を考慮した日数を加えまして、工事の各段階に必要な期間を適切に確保しております。
 一方で、現場実態といたしまして、休日に作業が行われる場合が少なくないことから、一斉に現場閉所する週休二日モデル工事を平成二十八年度から試行をしております。
 さらに、ことし十月以降公表するモデル工事につきましては、国に準じて労務費を補正し、実態に即した経費を計上することとしております。
 今後とも、さまざまな施工現場の状況を踏まえつつ、業界団体の声も聞きながら、試行を継続するとともに、引き続き適切な工期等の設定に努めてまいります。
〔産業労働局長藤田裕司君登壇〕

○産業労働局長(藤田裕司君) 五点のご質問にお答えをいたします。
 初めに、中小企業の生産性向上のための支援についてでございますが、東京の中小企業が将来に向け着実に発展する上では、生産やサービス提供の効率を高める取り組みを適切にサポートすることが重要となります。
 都では現在、中小企業に専門家を派遣して、経営状況を幅広く診断し、それに基づく計画づくりを支援しております。また、事業効率の向上に向けたICT技術の活用について、機器を円滑に導入するためのセミナーを開きますほか、生産性の高い大型設備の導入への助成を行っております。
 今後は、経営診断や計画づくりにおいて、生産性の向上に重点を置いた支援を行ってまいります。また、ICT技術をわかりやすく伝える場の提供や、その導入に対応できる人材育成に加え、小規模な事業所に適した機器導入への支援を検討し、中小企業の生産性向上を的確に後押しをしてまいります。
 次に、中小企業の事業承継に対する支援についてでございますが、都は、商工会議所等と協力し、事業承継をサポートする拠点を設け、相談窓口で専門的な知識の提供等を行っております。また、承継が必要な企業を、民間の企業情報も活用し、効果的に見きわめた上で巡回し、働きかけを行っているところでございます。
 今後は、拠点の体制を強化いたしますほか、中小企業団体や地域の金融機関と連携し、事業承継の必要性をより多くの経営者に伝え、具体的な取り組みを後押しする仕組みづくりを検討してまいります。
 また、会社合併の場合に必要な手続費用の助成を行いますとともに、ファンドを活用し、資金と経営ノウハウを提供する支援等も進めているところでございます。
 今後は、合併の相手先を探すための負担の軽減を検討し、中小企業の発展を着実に支援してまいります。
 次に、中小企業の経営の強化に向けた支援についてでございますが、東京の中小企業が厳しい経営環境を克服できるよう、取引を適正なルールのもとで進め、新たな販路の確保や技術の開発にも取り組めるよう支援することは重要でございます。
 現在、都は、中小企業が適切な条件で仕事を受注できるよう、企業への巡回や法令等の知識を提供する講習会を行っているところでございます。また、新しい販路の開拓につながる見本市への出展や、技術の開発に対する助成を実施しております。
 今後は、中小企業が取引価格などで適正な条件を確保できるよう、よりきめ細かい情報提供に向け、企業巡回や講習会の充実を検討いたします。また、販路の開拓を一層効果的に進めるため、会社のPRへの新たな支援や技術開発のサポートの充実を検討してまいります。
 これらにより、中小企業の経営力の向上を的確に下支えしてまいります。
 次に、都内各地域における観光振興についてでございますが、東京二〇二〇大会は、地域固有の伝統や食文化など、都内各地域の魅力を国内外にPRするだけでなく、大会に向けて地域が一体となった旅行者誘致を推進し、観光産業のさらなる活性化に結びつける絶好の機会でもございます。
 このため、都は、観光協会などの地域の誘客のためのアイデアを事業化いたしますとともに、事業の定着を図る支援を行っております。また、多摩地域の観光、商工団体等から成る協議会が実施する観光情報の発信や、古民家を活用した宿泊体験などの新たな取り組みを後押ししております。
 今後は、観光協会を初め、関連事業者や団体等の多様な主体が参画する集客の取り組みへのサポートの強化を検討するなど、地域の観光の担い手の裾野を広げ、大会のレガシーとして持続的な観光振興につなげてまいります。
 最後に、タクシーへのタブレットの導入支援についてでございますが、タクシーは、観光スポットを時間帯や距離を選ばずにめぐることができる交通手段でございまして、東京二〇二〇大会に向けて、外国人旅行者が都内をタクシーでめぐることができるよう、多言語対応の支援を進めることが重要でございます。
 都は現在、都内タクシー事業者における多言語対応やクレジットカード、ICカードといった決済対応等の現状とともに、外国人利用者の多言語対応や支払い手段などへのニーズに関する調査を実施しているところでございます。
 この調査結果を踏まえ、今年度、多言語対応のためのタブレット端末の導入支援を開始し、外国人旅行者の受け入れ環境の向上を図ってまいります。
〔都市整備局長佐藤伸朗君登壇〕

○都市整備局長(佐藤伸朗君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、土地利用調査特別委員会の中間報告についてでございますが、中間報告では、東京が持続的に発展していくためには、拠点ネットワークの充実強化と緑の拡充を一体的に進め、東京の魅力や活力を向上させていくべきとしております。
 例えば、高密な鉄道ネットワーク等を生かし、地域の個性やポテンシャルを最大限発揮する拠点を育成するとともに、都市づくりのあらゆる機会を捉え、緑の保全、創出、量的底上げなどを推進いたします。また、高齢化等へ対応するため、高経年マンションの連鎖的な建てかえなどにより、都心居住の推進策を量的拡大から質の向上へと転換すべきなどとしております。
 今後、都民の意見などを聞いた上で、来年二月に審議会の答申を受け、都として、用途地域などに関する指定基準の改定などを行い、望ましい都市像の実現を図ってまいります。
 次に、都営住宅における多世代共生の推進についてでございますが、都は、都民共有の財産である都営住宅におきまして、特に若年ファミリー世帯の入居を促進するため、期限つきの募集枠の設定を初め、倍率の低い住宅の毎月募集、入居収入基準の特例の対象拡大を行っております。
 しかし、今後、少子高齢化と世帯の単身化が一層進行していくため、若年世帯を含む多世代にわたるコミュニティの活性化に向けて、さらなる子育て世帯の入居促進や、高齢者世帯の生活支援の強化などの対策を講じていく必要がございます。
 都は、十月に住宅政策審議会を立ち上げ、今後の都営住宅の管理制度などのあり方について諮問し、さまざまな世代がともに暮らせる都営住宅の実現に向けて検討を進めてまいります。
〔病院経営本部長堤雅史君登壇〕

○病院経営本部長(堤雅史君) 都立病院の運営上の課題と検証状況についてでございますが、時代とともに変化する行政的医療を的確に捉え、安定的な運営を継続するために、都立病院改革は不可欠でございます。
 都は、平成十三年のマスタープランに基づく再編整備等の改革を通じて、医療の質の向上とネットワーク機能の充実を図ってまいりました。
 社会の変革期を迎え、都立病院は、民間では対応困難な不採算な医療の提供に加え、高齢化に伴う合併症患者の増加への対応や、地域医療充実のためのモデル的な取り組みなど、先導的な役割を果たす必要がございます。
 一方、現状では、病院での医療ニーズに即応した機動的な人材の確保や地域医療機関への協力等に、制度的な制約がございます。
 これらの課題解決に向け、不断の経営努力により、都民に対する総体としての医療サービスを向上させるとともに、経営形態のあり方についても、病院の運営実態を踏まえ、丁寧に検討を進めているところでございます。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、児童虐待の防止に関する条例についてでありますが、子供への虐待防止対策を進めていくためには、都民や関係機関、区市町村などの理解や協力が不可欠であります。
 今般、都は、虐待の未然防止、早期発見・早期対応など、四つの視点で整理した条例の基本的考え方を公表し、現在、都民から幅広く意見を募っているところでございます。
 今後、区市町村、専門家等の意見や、ことし三月の虐待死事例の検証も踏まえながら条例骨子案を作成し、改めて都民や区市町村の意見を伺う機会を設け、検討に生かしていくという二段階の対応を予定しております。
 こうしたプロセスを通じて、都民の理解を深めていくとともに、現場の実態をより踏まえたものとなるよう、条例案の検討を丹念に進めてまいります。
 次に、虐待対応力の強化についてでありますが、都はこれまで、深刻化する児童虐待に対応するため、児童福祉司や児童心理司の増員、人材育成等を担う専門課長や児童福祉司OBの配置など、児童相談所の体制を強化しており、今般の緊急対策でも、児童福祉司を十三名、児童心理司を六名、年内に確保することといたしました。
 また、子供家庭支援センターへの虐待対策ワーカーや虐待対策コーディネーターの配置等を進めるなど、区市町村の虐待対応力の強化も支援しているところでございます。
 先日公表した条例の基本的な考え方におきましても、児童相談所と子供家庭支援センターの連携、協働の一層の推進を盛り込んでおり、今後とも、それぞれの機能を発揮しながら、適切な役割分担のもと、児童虐待に迅速かつ的確に対応してまいります。
 次に、児童養護施設の人材対策についてでありますが、児童養護施設や乳児院では、虐待を受けた児童や障害がある児童等がふえており、児童一人一人に適切に対応するには、質の高い人材の確保、育成、定着が必要であります。
 都は、意欲ある人材を確保できるよう、施設への就職を希望する実習生を指導する職員の代替職員経費や、実習を受けた学生を就職前に一定期間雇用するための経費を補助しております。
 また、職員の資質向上のため、研修経費の補助やリーダー的業務等を担う職員の養成を目的とした研修を実施するほか、安心して働き続けられるよう、職員の処遇改善を目的とした補助を行っております。
 今後とも、児童養護施設等が安定的に運営できるよう、施設を支える人材の確保、育成、定着を積極的に支援してまいります。
 最後に、障害者グループホームへの支援についてでありますが、都は、障害者・障害児地域生活支援三か年プランにおいて、平成三十年度からの三年間でグループホームの定員を二千人分ふやす目標を掲げ、国の制度に加えて、整備費や運営費を独自に補助しております。
 今年度からは、事業者が重度の障害者を受け入れるために特殊浴槽や介護リフトなどを整備する場合、補助基準額への加算を新たに実施しております。
 障害の重度化等に対応するため、平成三十一年一月から運営費補助の仕組みを改めることとしており、この仕組みを事業者が十分活用できるよう個別の相談を行うなど、丁寧に説明しております。
 重度の障害者も地域でより一層安心して暮らせるよう、グループホームへの支援を充実してまいります。
〔生活文化局長浜佳葉子君登壇〕

○生活文化局長(浜佳葉子君) 幼稚園における幼児教育の無償化についてでございますが、生涯にわたる人格形成の基礎を培う幼児教育において、幼稚園児の約九割が通う私立幼稚園の果たす役割は重要でございます。
 そのため、都は、幼稚園での教育を望む保護者の経済的負担の軽減を目的として、経常費補助を通じて保育料等の抑制を図るとともに、区市町村が実施する保護者負担軽減事業に対する支援を行ってまいりました。
 幼児教育の無償化につきましては、現在、国が具体的な制度設計の検討を進めているところであり、都としては、国の動向をしっかりと注視した上で対応を検討してまいります。

○議長(尾崎大介君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後六時三十一分休憩

   午後六時五十分開議

○議長(尾崎大介君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 百三番とくとめ道信君
〔百三番とくとめ道信君登壇〕

○百三番(とくとめ道信君) 日本共産党都議団を代表して質問します。
 まず、市場移転問題です。
 小池知事が、食の安全・安心を守る、築地は守るとの公約を破り、土壌汚染が残る豊洲市場への移転を強行していることに、我が党は強い怒りをもって抗議するものです。
 知事は、七月末に豊洲市場の安全宣言を行いました。その後、東京都は、豊洲市場で地盤沈下による、およそ幅十メートル、高さ五センチの舗装のひび割れ、段差が生じていることを発表しました。ひび割れは十数カ所にわたり確認されています。
 市場当局は、一年前に把握していたにもかかわらず、知事にも、専門家会議にも、市場業者にも、認可申請した際に農水省にも報告せず、隠していたことが明らかになっています。
 地盤沈下は当初から想定していた、ひび割れは補修するので開業に影響しないといいますが、土壌や建築の専門家から、原因の科学的究明が必要だとの声が上がっています。市場業者の中には、本当に大丈夫か、こういう不安、情報隠しへの怒りの声が渦巻いています。
 にもかかわらず、知事が所信表明でこの問題に一言も触れず、説明責任を放棄したことは驚くべきことです。地盤沈下によるひび割れの事実を一年前に知りながら、市場業者や都民に公表しなかった都の対応が、知事は適切だったと考えているのですか。市場業者や都民に謝罪すべきではありませんか。
 豊洲市場用地は、東日本大震災の際に百八カ所で液状化が起こった軟弱地盤です。都は、このときも目視で確認しただけで、具体的調査はしていません。
 液状化対策を実施済みだといいますが、地盤沈下を起こすような軟弱地盤では、直下型地震があれば大規模な液状化が起きると考えるのは当然のことであります。知事はどう認識していますか。
 都は地下水のくみ上げが原因ではない、盛り土は沈下していない、盛り土より下にある粘土層が時間をかけて圧縮され、徐々に沈下したことで地盤沈下が生じたと説明しています。しかし、その科学的根拠は示していません。
 地盤沈下の範囲や進み方の正確な把握、ボーリング調査による地盤の確認など、科学的調査をきちんとやり、原因を解明する必要があります。知事、そう思いませんか。
 しかも、盛り土より下にある粘土層というのは、都が水を通さない地層だと説明してきた有楽町層です。有楽町層が圧縮されて沈下するような地盤であれば、これまでの土壌汚染対策の前提も、環境アセスの前提も崩れ去ることになります。根本から土壌汚染対策の検証をやり直す必要があります。知事の見解を伺います。
 七月に発表された地下水調査で、ベンゼンは環境基準の百七十倍が検出され、環境基準で出てはならない猛毒のシアンも検出されています。今でも雨が降れば地下水の水位は上がっています。追加対策をしても、汚染物質を完全に封じ込めることはできません。安全などという根拠はありません。
 知事は、専門家会議が豊洲市場の安全性を確認したといいますが、都の設置要綱に基づく専門家会議は、昨年六月以降、開かれていません。知事、偽りの安全宣言は撤回すべきです。答弁を求めます。
 豊洲市場への移転中止を求める声は今も広がっています。日本の伝統食文化を考える会、東京連絡会の有志の方たちは、一カ月で五千人分の署名を集めて知事に提出しました。日本科学者会議の東京支部は、安全性の徹底的な検証なしの豊洲市場への移転の中止を求める要望書を知事に提出しました。市場業者などによる移転差しとめを求める裁判も起こされました。
 知事は、豊洲市場への移転について、市場業者や都民の合意が得られていないことをどう認識しているのですか。
 築地女将さん会は、この一年間に四回の公開質問状と要請を知事に行いましたが、何一つ返答はありません。
 築地の仲卸の方から、毎晩つらくて眠れない日が続いています、移転先の安全は将来にわたって担保されていません、食の安全は命の問題であり、商売の基本ですといわれました。知事は、この思いにどう応えるのですか。
 知事は、我が党の質問に、反対する方々がいらっしゃるのは知っている、寄り添って丁寧な対応に努めると答弁しました。この約束をどう実行するのですか。
 豊洲市場は、大手スーパーや外食産業向けの冷凍品や加工品の物流センター、配送センターの機能が中心となるのではありませんか。そうなれば、一つ一つの商品の鮮度や品質を見きわめる水産仲卸の目ききの力が生かされない危険があります。知事はどう認識していますか。
 都が農水省に提出した事業計画に収支の計画は入っていません。豊洲市場を開場すれば、毎年百億円の赤字が見込まれています。知事には巨額の赤字を解決できる見通しがあるのですか。農水省の認可書が交付されても、問題は何も解決していません。豊洲市場への移転、築地市場の解体を中止することを強く求めるものです。
 都に求められているのは、都民施策の充実に全力を挙げることです。
 まず、高齢者福祉です。
 東京の高齢者の国民年金平均受給額は、月額わずか五万四千五百八円です。年額で六十五万四千円、わずかな年金で暮らしている高齢者は少なくありません。
 知事は、今後、高齢者が急増し、物価も住宅費も高い東京で高齢者の暮らしを支える課題にどう取り組むのですか。
 知事は、低所得で暮らす方がいることは私も十分認識しております、そうした高齢者の方々にとりましても、東京を安心して暮らせるまちにしていきたいと答弁しています。この答弁をどう具体化するのですか。
 特別養護老人ホームの整備促進も緊急課題です。
 東京は特養ホームの整備率が全国最低水準です。昨年度までの整備目標の達成率も六一%、東京近県の中でも最も低いと報道されています。
 知事は、特養ホーム整備のこの現状をどう認識し、どう打開するのですか。
 認可保育園の整備は前進が始まりました。特養ホーム整備についても、さらなる追加対策が必要です。知事、いかがですか。
 老朽化した特養ホームを建てかえる際の一時移転施設を、都は多摩地域に整備を進めています。二十三区内では板橋区内に整備する計画ですが、どう具体化するのですか。
 特養ホームの居住費は、多床室では月およそ一万円です。しかし、最近ふえているユニット型個室は、低所得者の人でも月およそ二万五千から四万円です。それに加えて、食費や介護サービス費なども必要です。国民年金ではユニット型個室には入れません。特養ホームに入りたくても、居住費が高くて払えない高齢者がふえています。このような現状をどう認識していますか。
 都が行っている多床室の整備費補助の拡充、ユニット型個室の居住費への助成を初め、国民年金でも安心して特養ホームに入れるようにする必要があります。いかがですか。
 団塊の世代が七十五歳を迎える二〇二五年には、東京で介護人材は三万五千人も不足すると推計されています。今、本格的対策に着手しなければ介護難民が続出します。特養ホーム整備も介護人材確保なしには進みません。この問題を知事はどう認識していますか。そして、どう対応するのですか。
 国も都も介護職員の処遇改善のための制度や、職員宿舎借り上げ支援などの人材確保策を行ってきましたが、さらなる賃金の改善を初めとした追加対策が必要です。知事、いかがですか。
 認知症への支援は切実な課題であり、知事が認知症診断を無料にすると言明したことは重要です。しかし、認知症と診断された後の支援の充実とあわせて進めることが重要です。認知症が初期のうちは、介護サービスを使うことはなく、支援の空白が生じています。認知症の診断にショックを受け、不安で家に閉じこもりがちになるケースもあります。
 認知症診断の無料化と同時に、診断直後に専門家が訪問し、生活支援などの調整を行うリンクワーカー制度や、認知症の当事者同士が支え合うピアサポートなど、切れ目なく支援する取り組みが必要です。知事、いかがですか。
 次に、児童虐待防止対策です。
 特別区が児童相談所を設置することができるようになり、世田谷、江戸川、荒川の三つの区は、二〇二〇年度の開設を目指し、その他の区も準備に入っています。
 区立児童相談所は、区が実施している子育て支援事業や小中学校、幼稚園、保育園との連携がとりやすいことなどが期待されています。
 一方で、児童福祉司を初めとする専門職員の確保、児童養護施設や一時保護所との広域的連携、都の児童相談所と区立の児童相談所との情報共有など、課題も山積みになっています。これらの課題の解決が区立児童相談所の前提です。都が役割を発揮して、全力で支援する必要があります。
 知事は、区立児童相談所をめぐる課題について、どう認識し、対応するのですか。
 児童虐待への東京都の対応力強化に向け、児童福祉司などの一層の増員、都の児童相談所、一時保護所の増設、拡充、社会的養護の体制強化などが必要です。知事、いかがですか。
 次に、教育条件整備について伺います。
 ことし、多くの小中学校で、新年度が始まる四月に担任がいない、先生が足りないという深刻な事態が起きました。新規採用教員が不足し、学校が必死に教員免許を持つ人を探し回る状況です。教員探しで副校長先生が百件以上電話をかけるのは普通のこと、四月からそんな状況ですから、年度途中で産休に入る先生のかわりを見つける見通しがないと悲鳴が上がっています。
 板橋区のある小学校では、三月末に一学級ふえることがわかりました。ところが、都教委から先生が配置されず、学校でも新しい先生を見つけられず、結局、校長先生がクラスの担任に入りました。その後、何とか先生を見つけることができましたが、今度は隣のクラスの先生が産休に入ったために、校長先生がそのクラスの担任をしている状況です。
 先生が足りないことによる学校の負担と、子供たちへの影響ははかり知れません。このような教員不足は、あってはならない事態だと思いますが、知事の見解を伺います。
 また、ことしの年度当初、東京全体での教員の欠員は何人でしたか。教員配置は都教委の仕事であり、学校に負担をかけないよう責任を持って行うべきです。教員が不足した原因をどのように分析し、どのように改善を図るのですか。
 教員を確保し、教員不足をなくすには、教員志望の若者をふやすこと、定年前に退職する教員や高どまりする精神疾患を含めた病気休職者を減らすことが必要です。ブラックといわれる教員の働き方を改善し、熱意や専門性を生かせる職場にしていくために、定数改善や少人数学級の拡大、教員の仕事の思い切った削減などが必要です。いかがですか。
 我が党は、義務教育の無償という点からも、食育や子育て支援、子供の貧困対策という点からも、小中学校の給食費無償化を求めてきました。全国でも給食費無償に取り組む自治体が広がっています。
 知事は、学校給食費の意義と無償化について、どう認識していますか。給食費無償に向けて区市町村を支援すべきです。知事、いかがですか。
 次に、中小企業、小規模企業振興条例について伺います。
 第四回定例会への提出に向け、条例案が検討されていることを歓迎するものです。全国のすぐれた条例に学びながら、現場の実態と要望を反映させることが大事です。
 例えば、長野県の条例の前文では、中小企業の役割を明確にした上で、中小企業が挑戦し、中小企業が発展していく物語は、未来を担う子供たちに夢と希望を与えるに違いない、中小企業者が未来への希望を持ち、新たな挑戦を行うことにより、一層発展することを目指して、この条例を制定すると宣言しています。これが関係者を激励し、歓迎されています。
 中小企業、小規模企業の役割について、地域の一員としての役割を具体的に明確にして、応援する都の姿勢を具体的に示し、実際に役立つ魂の入った条例にするべきです。知事の認識を伺います。
 条例を検討している有識者会議では、中小企業が生産性を向上させても、公正な取引慣行の確立がなければ、経営の安定成長にはつながらないという発言がありました。中小企業、小規模企業の共通する思いです。公平、公正な取引を脅かす状況に対する知事の指導権限を条例に盛り込むべきです。いかがですか。
 次に、海洋プラスチック汚染対策です。
 二〇五〇年には、海洋プラスチックごみの総重量が世界中の海の魚の総重量を超えると試算され、人体にも、自然環境にも深刻な影響を与えることが懸念をされています。
 G7首脳会議で、この問題の打開に向け、海洋プラスチック憲章が提唱されましたが、日米両首脳は署名を見送りました。これに対して、小池知事が憲章への支持を表明したことは重要です。
 海洋プラスチック憲章は、期限と目標を定めて、プラスチックの削減、再使用、リサイクルを進めることを重視しています。日本で主流のサーマルリサイクル、焼却処分は、EU諸国ではリサイクルと認識されていません。憲章でも代替手段のない場合に限定されています。
 都として、憲章に沿った施策の立案、推進が必要です。知事、いかがですか。
 東京湾や島しょ近海で、海洋プラスチックごみの量、種類、形状などの継続的な実態調査を行うべきです。また、水再生センターの放流水に含まれているマイクロプラスチックの調査も必要です。見解を伺います。
 プラスチックの使用削減に知事はどう取り組むのですか。微生物により分解されるプラスチックや紙製などを含めた代替材料の開発、製造の奨励、支援も必要です。知事、いかがですか。
 この間、大阪北部地震、西日本豪雨、台風二十一号、そして北海道胆振東部地震など、大規模災害が相次ぎました。亡くなられた方々にお悔やみと、被害者の皆さんにお見舞いを心から申し上げるものです。
 まず、豪雨水害対策について伺います。
 的確で迅速な避難のため、いつ、誰が、何をするか、これに着目した防災行動計画、タイムラインの早期策定と普及促進が重要です。
 知事は、区市町村のタイムラインや個人や家庭のマイタイムラインの策定を呼びかけ、支援を表明しましたが、具体的にどう進めるのですか。実効性あるタイムラインを早くつくることが必要です。認識と対応を伺います。
 雨水浸透ます、各種貯留施設、透水性の浸透ますなどにより、川や下水道に流れ込む雨水の量を減らす総合治水対策が重要です。
 世田谷区が取り組むグリーンインフラも注目されています。都内全域で総合治水対策が進むよう、都の予算を大幅にふやし、区市町村への支援をさらに拡充することが必要です。いかがですか。
 避難所や老人ホームなどの要配慮者利用施設の中には、土砂災害警戒区域内に建てられているものが少なからずあります。都として、早期に警戒区域内の避難所や要配慮者利用施設の有無などについて調査を進め、対策を講じる必要があると思いますが、いかがですか。
 次に、震災対策です。
 都内区市町村では、住宅のブロック塀の倒壊防止、撤去、生け垣の設置などへの助成の拡充、創設が広がっています。都としても財政支援すべきですが、いかがですか。
 知事は、地震による通電火災防止への感震ブレーカーの有効性をどう認識していますか。都内の自治体でも助成制度が広がっています。都として設置への補助制度を創設すべきです。知事、いかがですか。
 災害のたびに問題になる避難所の不十分な環境について、知事はどう認識していますか。一人当たりの面積、トイレの数などを定めた避難所の国際基準が重要です。既に徳島県は、避難所設置運営指針に国際基準の一部を盛り込みました。国際基準に基づく避難所設置運営指針の改善と区市町村への支援が必要です。知事、いかがですか。
 災害時の電力確保のためにも、豪雨災害の根底にある地球温暖化を防止するためにも、小規模分散型の再生可能エネルギーの普及と活用が求められています。知事の認識と対応を伺います。
 次に、猛暑対策です。
 知事は所信表明で、学校におけるさらなる暑さ対策に取り組むと表明しましたが、具体的にはどう取り組むのですか。中でも学校の体育館の冷房化は待ったなしの課題です。知事はどう認識していますか。来年の夏に間に合わせるため、補正予算を組むことを含めて直ちに取り組むことが必要です。知事、いかがですか。
 東京二〇二〇大会の開催時期見直しも必要です。
 一九六四年の東京オリンピックは、盛夏の時期は選手にとって最も条件が悪い上に、多数の観衆を入れる室内競技場のことを考えると最も不適当だとして、十月中旬に開催されました。
 近年の猛暑は、当時とは比較にならない深刻なものです。こんなに暑い時期にやるのはアスリートファーストといえるのか、観客もボランティアも熱中症で倒れてしまうなど、心配の声が上がっているのは当然のことです。
 知事は、猛暑の時期の開催がアスリートファーストの五輪の開催時期としてふさわしいと考えているのですか。率直な認識を伺います。
 この夏は、朝七時でも熱中症指数が厳重警戒、朝九時には運動は原則中止のレベルになる日が相次ぎました。競技の開催時間を早くするなどの対策は焼け石に水です。
 IOCが開催時期を夏と決めたのは、アメリカのテレビ会社の放映権料のためだといわれています。今後、オリンピック・パラリンピックを健全に発展させていくためにも、酷暑になることが想定される開催都市東京都が、開催時期の見直しという問題提起をすべきです。知事、いかがですか。
 調布飛行場における自家用機の運航自粛要請を都が解除したことに批判が広がっています。地元の市議会では、余りにも拙速などの声が相次ぎ、市民から、飛行機の音がするだけで三年前の事故を思い出す、安心して暮らせないとの声が上がっています。被害者の家族は、都からの謝罪がない、まだ解決していないと発言しています。この声をどう受けとめますか。自家用機の自粛要請解除を撤回すべきです。知事の答弁を求めます。
 米軍は、CV22オスプレイを十月一日から横田基地に正式配備すると一方的に通告してきました。既に、時、所構わず訓練が繰り返されており、不安が広がっています。
 沖縄の普天間基地周辺では、相次ぐ落下物の事故などを受け、米軍機が学校上空に接近するたびに、児童が校庭から走って校舎に避難する異常な事態となっています。
 横田基地も周辺三キロ以内に学校が三十校以上あります。CV22オスプレイは、特殊作戦のための危険な訓練を繰り返すため、事故率が特別に高い欠陥機です。住宅密集地で事故が起これば、取り返しのつかない事態となります。都と基地周辺の五市一町は、安全性への懸念が拭えないと表明しています。
 知事は、横田基地にCV22オスプレイが正式配備されることの危険性をどう認識していますか。
 たび重なる無法な訓練に対し、五市一町だけでなくて、清瀬市や埼玉県なども抗議の声を上げています。こうした自治体と力を合わせて、横田基地へのオスプレイ配備撤回を国及び米軍に強く迫るべきです。知事、いかがですか。
 地元自治体の同意もなくオスプレイの配備を強行して、事前説明もなく訓練や飛行を繰り返す、こんなことを続けさせるわけにはいきません。知事、どう考えますか。
 全国知事会が、全会一致で日米地位協定の抜本的見直しを求める決議を上げたことは極めて重要です。不平等な日米地位協定の見直しに向け、知事はどう取り組むのですか。
 次に、社会資本整備の見直しについて伺います。
 七月に都市計画道路の在り方に関する基本方針の中間まとめが発表されました。その前書きに、社会経済情勢や道路に対する都民ニーズは日々変化、多様化しているため、都市計画道路の検証を不断に行っていく必要があると書かれたことは重要です。
 都市計画道路について、知事は我が党の代表質問に対して、見直すべきものは大胆に見直すと答弁しました。知事は今後、大胆な見直しに具体的にどう取り組むのですか。
 一方、この中間まとめの本文は、前書きの考え方を踏まえているとはいえません。見直しの柱は、おおむねできている道路を計画の幅までさらに広げるべきか、道路計画が都市計画公園など他の都市計画と重なっている場合は計画どおりでよいかなどに限定をされています。社会経済情勢の変化や都民ニーズの変化、多様化の観点はありません。
 全国の道府県の見直しでは、そのほとんどで、商店街への影響、地域コミュニティの分断、住民の意向、自然環境への影響などの観点を設け、実現性があるかどうか検証しています。
 ところが、都は過去四度の都市計画道路の見直しで、一度も実現性について検証していません。今回の見直しでは、商店街やコミュニティへの影響や住民の意向など、実現性に関する検証を取り入れることが必要です。知事、いかがですか。
 見直しの対象から、認可済みの道路や優先整備路線を除いていることも大問題です。板橋区を通る補助二六号線は、認可がおりていますが、全国有数の商店街である大山ハッピーロードを分断して、東武東上線と平面で交差するために渋滞もひどくなるという計画で、反対の声が多く、用地取得も進んでいません。
 立川市の立川三・三・三〇号線は優先整備路線ですが、苦労してつくってきた地域のコミュニティを分断することから、反対の声が広がっています。見直しの対象を認可済み路線や優先整備路線にも広げるべきです。知事、いかがですか。
 知事が所信表明で、首都高日本橋区間の地下化の具体化を表明したことは重大です。全国紙でも、費用と効果の見きわめをと、慎重な対応を求める社説が出されています。
 今回の計画は、事業区間一・八キロで、事業費三千二百億円と見込まれています。一メートル当たりの事業費一億八千万円、外環道の一・八倍です。八重洲線の補強など、現在の事業費に含まれていないものもあり、費用は今後さらに膨らみます。知事、このような事業は立ちどまるべきではありませんか。
 日本橋に青空をという四十万人を超える署名運動が、この地下化計画の出発点の一つとされています。しかし、この署名は、地下化ではなくて、首都高の補強やつくりかえのあり方を検討し、首都高環状線の撤去を含む抜本的な対応策の確立を求めています。署名に取り組んだ住民の方は、地下化を望んだわけではないと話しています。
 住民の願いを逆手にとるような地下化ではなく、首都高の補強やつくりかえのあり方を検討して、その撤去を含む抜本的な対応策を確立する検討を都民参加で行うべきです。いかがですか。
 最後に、今定例会に提出された人権条例です。
 日本共産党都議団は、よりよい条例にするために、憲法を据えること、啓発だけでなくて教育を位置づけること、都民参加による推進、差別禁止を明記する必要性などを提案してきました。これらが条例案に反映されたことを評価するものであります。
 また、第四条に、都、都民及び事業者は、性自認及び性的指向を理由とする不当な差別的取り扱いをしてはならないと位置づけられたことも重要です。
 条例案のヘイトスピーチ規制について質問します。
 ヘイトスピーチへの規制は、憲法が保障する言論、表現の自由を守る立場を堅持するとともに、ヘイトスピーチ規制法に基づいて、規制対象を明確にすることが重要です。見解を伺います。
 条例案の第十一条で、知事は、公の施設において不当な差別的言動が行われることを防止するため、公の施設の利用制限について基準を定めるとされています。
 一方、地方自治法第二百四十四条二項は、地方公共団体は、正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならないとしています。
 知事が定める基準は、この法の規定を厳格に踏まえることが必要です。いかがですか。
 また、基準を定める際、条例で設置される審査会の意見を聞く必要があると思いますが、見解を伺います。
 知事は、関東大震災における朝鮮人虐殺犠牲者追悼式典への追悼文送付を取りやめ、ことしも送付しませんでした。多くの都民の批判と失望を呼んでいます。
 知事は、関東大震災における朝鮮人虐殺は歴史の事実であり、重大な人権侵害だと認識していますか。
 こういうことを繰り返さない決意を示すことこそ、人権尊重条例の前提ではありませんか。今でも災害が起きるたびにSNSへの悪意のある書き込みなどが行われており、過去の問題ではありません。知事の答弁を求め、再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) とくとめ道信議員の代表質問、三十問にお答えをいたします。
 水産仲卸売場棟の西側バースのひび割れについてでありますが、建物周りの地盤が徐々に沈下したことで生じたものと報告を受けております。
 このような沈下は、盛り土を行った場合には一定程度生じるもの、そして時間の経過とともに収束すると聞いております。今後、大幅な沈下、そして突然の陥没等につながるものではなく、安全性の問題や市場業務への影響は生じないものと考えております。
 市場当局は、安全性や市場業務に支障がないとして、業界の方々に情報提供しなかったとしておりますが、市場業者の方々から心配の声も寄せられております。利用される方々の目線に立って、丁寧な対応を行うよう、改めて指示をしたところでございます。
 都といたしましては、市場業者の安心に資するという観点から、開場までに必要な補修を実施する予定でございまして、こうした方針につきましては、市場業界にもご説明をしたところでございます。
 豊洲市場の用地における地盤沈下につきましては、過去に調査も行われており、この結果を踏まえて工事が進められてきたところであります。
 今回のような沈下は、盛り土を行った場合、一定程度生じるもので、時間の経過とともに収束するとされております。
 沈下に伴うひび割れで、安全性の問題や市場業務への影響が生じることはなく、都として改めて調査をする考えはないということでございます。
 豊洲市場の用地について、改めて設置した専門家会議におきまして、安全宣言は大気や地下水の客観的データなどを踏まえて、詳細に調査、検証していただき、法的、科学的な安全性が確認されました。
 その上で、専門家会議の提言を踏まえて、地下ピットの換気、床面のコンクリートの敷設、地下水管理システムの機能強化といった追加対策工事を実施してまいりました。
 追加対策工事の有効性につきましては、専門家会議に工事の施工状況や空気測定結果などのデータを確認していただいた上で、将来のリスクを踏まえた安全性が確保されたと確認したと評価いただいたところでございます。
 これらを踏まえまして、豊洲市場は安全であり、安心してご利用いただける旨を私からお伝えしたものでありまして、先日には農林水産大臣の認可も受けたところでございます。
 現状の検証、必要な対策、確認という一連のステップを経ることで、豊洲市場のさらなる安全性の向上が図られたものと考えております。
 豊洲市場への移転につきましては、築地市場の抱える老朽化や狭隘化等の課題を踏まえまして、長年にわたるさまざまなご議論、調整を経て、多くの関係者のご理解、ご協力をいただいた上で実現をするものでございます。
 私自身、知事就任以来、食の安全・安心の確保が最重要課題との認識のもとで、豊洲市場の現状の検証、必要な対策、その確認という一連のステップを一つ一つ着実に前に進めてまいりました。
 また、築地市場をしばしば訪問いたしまして、市場業者の方々のご意見を直接お伺いするなど、業界の方々には真摯に向き合いながら、移転問題に取り組んできたところでございます。
 こうした過程を経ることで、多くの市場業者や都民の皆様のご理解をいただけたものとして、十月十一日、豊洲市場を安全・安心な市場として開場してまいります。
 そして、市場業者の中には、移転につきましてさまざまな思いを抱いている方々がおられることは承知をいたしております。
 こうした方々の食の安全・安心への不安を払拭するためにも、検証、対策、確認というステップを経まして、安全・安心な市場として開場するための条件を整えた上で、農林水産大臣への認可申請手続を進め、そして先ほど申し上げましたように、今月十日、認可を得たところでございます。
 築地市場に私も訪問をいたし、市場業者の方々の声、直接伺うとともに、市場当局におきましても、移転に向けたさまざまなご相談の対応、そして支援策に取り組むなど、真摯に向き合ってきたところでございます。
 引き続き、市場業者の方々に寄り添いながら、移転に向けた取り組みを着実に進めてまいります。
 卸売市場は、卸売業者が全国から生鮮食料品等を集荷して、仲卸業者が適切に評価して買い受け、小売店等の実需者ニーズに応じて小分けするなどの機能を持つ生鮮食料品流通の基幹的インフラでございます。
 豊洲市場は、こうした機能を有し、高度な衛生管理、効率的な物流を実現する目的で整備をいたしました。
 したがって、豊洲市場におきましても、これまで築地市場で培ってまいりました水産仲卸業者の目ききの力や、卸売業者の集荷力といった役割が適切に発揮されるものと考えております。
 これまでの築地市場の伝統をしっかりと引き継いで、豊洲市場を日本の中核市場として育てていきたいと考えております。
 次に、高齢者の暮らしについてのご質問がございました。
 低所得で暮らす方がおられることは十分認識をいたしております。高齢者の誰もが、可能な限り住みなれた地域で安心して暮らし続けることができるようにする、そのためには適切な住まいや医療、介護、生活支援サービス等を地域の中で一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築が必要でございます。
 都は、本年策定いたしました高齢者保健福祉計画に基づいて、介護サービス基盤の整備、認知症の施策や介護人材対策の一層の推進など、低所得の方への支援も含めまして、さまざまな高齢者施策を展開いたしております。
 特別養護老人ホームの整備についてでありますが、都は、特別養護老人ホームの整備目標を高齢者人口の将来推計、区市町村のサービス見込み量を踏まえて定めているところでございます。
 本年策定いたしました第七期の高齢者保健福祉計画では、二〇二五年度までの整備目標を六万二千人へと引き上げております。
 都は、独自の施設整備費の補助、土地賃借料の負担軽減など、さまざまな支援策を講じておりまして、区市町村のニーズを踏まえながら、特別養護老人ホームの整備を進めてまいります。
 安心して介護サービスを利用できるようにしていくためには、人材の確保、定着、育成が大きな課題であると認識をいたしております。
 都はこれまで、介護人材の確保を図るため、職場体験、資格取得支援など、取り組みを実施しておりまして、今年度からは介護事業者が職員宿舎を借り上げる場合の補助を地域密着型サービス事業者にも拡大をするなど、施策の充実を図っているところでございます。
 本来、介護事業というのは、サービス提供の対価として事業者に支払われる介護報酬などにより運営されることは基本でございます。
 そのために、都は国に対しまして、事業者が介護人材の確保、定着を図って、健全な事業運営を行うことができる報酬とするように、繰り返し提案要求をしているところでございます。
 認知症は、早く気づいて治療を開始すれば、進行をおくらせたり、病状を改善することが可能な場合があります。早期の対応や治療に向けた取り組みが重要であります。
 そのため、都といたしまして、認知症の疑いのある方を訪問し、早期に医療や必要なサービスにつなげる認知症支援コーディネーターの配置をしたり、認知症の方とそのご家族が交流をして、医師などに相談できる拠点づくりに取り組む区市町村の支援をしております。
 今後とも、認知症になりましても地域で安心して暮らすことができるように、施策の充実を図ってまいります。
 児童相談でございますけれども、特別区の児童相談所の設置で、都といたしまして、子供に対するさまざまな相談に対し、児童相談所と区市町村の子供家庭支援センターが連携、協働して対応しているところでございます。
 児童相談所につきましては、平成二十八年の児童福祉法の改正によりまして、市と同様に特別区も設置できるようになっております。
 都は、特別区の求めに応じて特別区職員の研修派遣を受け入れる、そのほか児童相談所の運営に関する勉強会を開催しております。また、今年度から、都区間で児童養護施設や一時保護所などの広域利用についての協議を開始いたしております。
 現在、各区で人材の確保や育成、一時保護所の運営等を初めとした設置に係る課題についての検討が行われておりまして、今後とも、子供たちの安全・安心の確保の観点から、特別区の取り組みを支援してまいります。
 児童虐待に関してでございますが、深刻化する児童虐待に的確に対応するため、児童福祉司等の増員、一時保護所の定員拡充など、児童相談所の体制の強化に取り組んできております。今般の緊急対策におきましても、児童福祉司等十九名、年内に確保することといたしております。
 また、さまざまな事情で親元で暮らせない子供さんたちを支援するために、養育家庭や児童養護施設などへの独自の支援も行っております。
 今後とも、こうした取り組みを進めて、児童虐待への対応力の強化を図ってまいります。
 教員不足の点でありますが、未来をつくる子供たちの成長のためには、学校における良好な学習環境を整えることは極めて重要でございます。そのためには、教員の確保が必要となります。
 今年度当初、小学校におきまして、児童数の変動などによって必要な教員数が増加したため、教育委員会では、区市町村教育委員会や学校と連携を図りながら、期限つき任用教員を広く募集したと聞いております。
 今後とも、教育委員会と力を合わせまして、教員を目指す若者にとって、東京の公立学校が魅力あるものとなるように取り組んでまいります。
 小中学校の学校給食の意義と無償化についてのご質問がございました。
 栄養バランスのとれた学校給食というのは、子供たちの健やかな成長に資するとともに、生産者の思いやマナーを学ぶ食育の機会でもございまして、食に対する正しい理解や望ましい食習慣の形成等にとっても重要であります。
 現在、学校給食費は、法に基づいて保護者の負担とされております。学校給食実施者である区市町村が、保護者負担の軽減策なども含めて決定をいたしております。
 続いて、中小企業に関してでありますが、都内の企業数の九九%を占める中小企業や小規模企業は、東京の経済や雇用を支えて、地域に活力をもたらす重要な役割を担っております。
 経済のグローバル化やIT技術等の進展で、産業構造の大きな転換が予想される中で、こうした中小企業の一層の振興を図るため、その理念を示す条例の制定や、中長期的な取り組みを盛り込みましたビジョンの策定に向けて、現在、有識者会議でさまざまな議論を重ねているところでございます。
 それぞれの委員からは、それぞれの立場から、中小企業は事業活動を通じて地域社会の発展や住民生活の向上に貢献する不可欠な存在だとの意見が数多く出されておりまして、そうした内容を条例の中にしっかり反映していくことが必要でございます。
 現在、条例の基本的な考え方につきましては、都民から幅広く意見を募っておりまして、引き続き有識者会議でも議論を行って、その内容に磨きをかけまして、中小企業の一層の発展を目指してまいります。
 次に、海洋プラスチックの汚染対策でのご質問でございます。
 憲章に沿った施策の立案、推進、プラスチックの使用削減の二点でございますが、四方を海に囲まれた島国である我が国にとりましては、海洋プラスチック問題は極めて重要な課題であり、都として、いち早く海洋プラスチック憲章を強く支持する旨を表明したところでございます。
 この問題に関しましては、国では、中環審、中央環境審議会において検討が始まったほか、来年度の概算要求におきまして、プラスチックの代替素材等の開発について、産業界と連携した実証実験を予定していると聞いております。
 これに対して、これまでもレジ袋などの削減に取り組んできた都として、プラスチック問題を広く都民とともに考えていくため、プラスチックストローの削減につながりますアイデアの募集を広く行っているほか、先月は、廃棄物審議会にプラスチックの持続可能な利用に向けた施策のあり方について諮問したところでございます。
 今後は、国内のみならず、世界的な動向も見ながら、使い捨てプラスチックの削減やリサイクルの推進など、都独自に講ずべき対策につきまして、審議会において広く検討を進めるなど、総合的なプラスチック対策に取り組んでまいる所存でございます。
 感震ブレーカーは、地震発生時の電気火災防止には一定の効果があると認識をいたしておりますが、一方で、揺れと同時に電源が遮断されることで、特に夜間の避難に必要な照明等が確保できないものもございます。在宅医療の機器を使用している場合などは、設置に際し、その機器の特徴を十分理解しておく必要がございます。
 また、火災の被害を防止するためには、初期消火力の強化や木造住宅密集地域の不燃化など、延焼を防止する対策とあわせた多面的な取り組みが重要となってまいります。
 都としては、「東京くらし防災」などにおいて、感震ブレーカーを漏電遮断器や消火器の備えつけなどとあわせまして設置するよう周知を図るなど、引き続き震災時の防火対策を推進してまいります。
 小規模分散型の再生可能エネルギーについてでありますが、東京の低炭素化の面からも、また、防災力の向上の面からも有効と考えます。
 このため、都といたしまして、東京ソーラー屋根台帳を活用して、都民、事業者に対して、既存の建物への太陽光発電などの普及を進めているところであります。
 また、事業所への自家消費型の再生可能エネルギー設備の導入、バス停へのソーラーパネルの設置を支援するとともに、区市町村が行います防災拠点等への再生可能エネルギーの導入などに対する支援をこれまで行っております。
 今後とも、こうした取り組みで、スマートシティーはもとより、セーフシティーの実現の観点からも、再生可能エネルギーの普及とその活用を図ってまいります。
 学校体育館についてでございますが、体育の授業や学校行事、部活動など、子供たちが安全に活動を行う場であるとともに、避難所としての役割も担っております。
 猛暑による熱中症への対策として、体育館に空調設備を整備する必要があると認識をいたしておりまして、今後、都立高等学校の体育館への整備を速やかに進めてまいります。
 また、公立小中学校の体育館につきましても、国や区市町村との役割を踏まえつつ、体育館への空調設備の整備が進むよう、補正予算を編成するなど緊急的な対応を行い、区市町村を支援してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 なお、学校の特別教室につきましては、都はこれまで、国や区市町村と連携しながら、空調設備設置を行ってまいりましたが、今後も設置対象となる特別教室についての整備の推進には努めてまいります。
 東京二〇二〇大会の開催時期についてご質問がございました。
 IOCは、大会の立候補受け付けに際しまして、オリンピック大会の開催期間を七月十五日から八月三十一日までの期間内で設定するように定めておりました。
 東京が立候補するに当たりまして、夏季休暇の期間中で公共交通機関や道路が混雑しないこと、そしてボランティアや子供たちなど、多くの人々が参加しやすいなどの理由から、現在の七月二十四日から八月九日を開催期間としたものであります。
 IOCからも、二〇二〇年大会招致に際して、十月開催を提案し、落選した都市に対する意見として、七、八月は人々が余暇に充てる時間が十分で、多くの観客に見ていただける、一方で、十月の開催は、他の大規模スポーツイベント等と競合するなどの見解が示されております。
 なお、都といたしましては、暑さ対策が最重要課題の一つであると認識をいたしておりまして、オール都庁で取り組むべく、副知事をトップに全庁的な検討チームを立ち上げまして、断熱性舗装や街路樹の緑陰拡大などを引き続き進めるとともに、ラストマイルにおける取り組みなど、ハード、ソフトの両面から一層の対策を講じてまいります。
 開催時期の見直しについてでございますが、ただいまご答弁させていただいたような理由から、IOCによって決められたものでございます。
 また、既に世界の主要なスポーツイベントは、オリンピックの開催時期との重複を避ける形で日程が組まれておりまして、開催時期の変更は国際的に及ぼす影響も大きく、極めて困難との認識を持っております。
 調布飛行場の自家用機の運航についてでありますが、調布飛行場は、島しょと本土を結ぶ離島航空路の重要な拠点となっております。一方で、市街地に立地をしておりますので、その運営に当たりましては、地元住民の理解、協力が極めて重要であるとの認識を有しております。
 平成二十七年の小型自家用機の墜落事故以降、都は、事故原因が究明され、それに伴う再発防止策が図られるまでの間、自家用機の運航自粛を要請することとし、これまで継続をしてまいりました。
 この間、都は、国の運輸安全委員会の報告で明らかになった事故原因を踏まえまして、再発防止等に必要な安全対策を整備いたしまして、また、万が一の墜落事故に備えまして、住宅の建てかえ等に必要な資金についての支援をする制度も創設をいたしました。
 こうした都の取り組みをもとにして、地元市等との協議も踏まえて、自家用機の運航自粛要請を継続しないことといたしましたが、今後とも被害を受けられた方の生活再建に向けて真摯に対応していくとともに、安全対策に万全を期しまして、地域住民の不安解消、理解促進に努めてまいります。
 オスプレイの安全性でございますが、安全保障に関することは、そもそも国の専管事項でございます。オスプレイを含む米軍機の安全確保は、国が責任を持って行うべきことと考えております。
 米軍機に事故や緊急着陸が発生しているほか、正式配備の前からオスプレイが飛行を繰り返していることなど、基地周辺住民の皆様が不安を感じていることは承知をいたしております。
 このため、都は、オスプレイの配備に当たりまして、地元自治体とともに安全対策の徹底を国と米軍に対して要請しております。
 国は、オスプレイの機体につきまして、十分な安全性が確保されているとした上で、横田基地への配備に当たり、米側に対しまして、安全面に最大限の配慮をすることや、地元に与える影響を最小限にとどめることなどを求めていくこととしております。
 今後も、都民の生命、安全・安心を守る立場から、国や米軍に対しまして必要なことを申し入れをしていく考えでございます。
 そして、横田基地への配備についてですが、アジア太平洋地域の安全保障環境は、依然不透明な状況が続いております。そうした中で、日米安全保障体制は、我が国のみならず、地域の平和と安定のために重要な役割を果たしており、横田基地もその一翼を担っているものでございます。
 米軍基地につきましては、国の安全と周辺地域の安全、その両方を考える必要がございまして、安全保障に関することは国の専管事項ではございますが、米軍の運用に当たっては、周辺住民の生活に最大限の配慮が払われなければなりません。
 このため、都は、オスプレイの横田基地への配備計画が発表された後、地元の自治体とともに、安全対策の徹底、生活環境への配慮などを複数回にわたって国、そして米軍に要請をしております。
 昨日も、十月一日の正式配備に向けまして、訓練などに関する情報提供や安全対策の徹底などにつきまして改めて要請を行っております。配備後も、引き続きこのような必要な働きかけを行ってまいります。
 そして、日米地位協定でありますが、安全保障に関すること、改めて国の専管事項であると申し上げますが、米軍の運用に当たりましては、周辺住民の生活に最大限の配慮が払われなくてはなりません。
 このため、都といたしまして、米軍の運用につきましては、日米地位協定の見直しなどを含めて、他の自治体とも連携しながら、国、米軍に要請を行ってまいりました。
 そして、ことしの七月ですが、全国知事会議におきまして、環境法令など国内法の適用や、事件や事故のときの自治体職員の立ち入りの保障など、日米地位協定の見直しを含めました米軍基地負担に関する提言を全会一致で決議をいたしております。
 米軍基地所在の都道府県で構成いたします渉外知事会におきましても、日米地位協定の見直しを特別要望として国に要望しております。
 今後も、知事会などを通じまして、他の自治体と連携しながら、日米地位協定の見直しを国に要請してまいります。
 都市計画道路の見直しについてでありますが、交通、物流機能の向上による経済の活性化のみならず、日々の生活を支えて、災害時には救急救援活動を担う重要な都市基盤でございます。
 これまで都は、都市計画道路の整備を計画的、効率的に進めるために事業化計画を策定いたしまして、あわせて見直しを適宜行ってまいりました。
 平成二十八年三月に策定いたしました現行の計画でも、廃止、縮小など計画を見直すべき路線や、計画内容を再検討する路線を示しております。このうち補助第九八号線など複数の路線について廃止の手続を進めております。
 現在、優先的に整備すべき路線を除きます未着手の都市計画道路を対象として、そのあり方についての検討を進めているところであります。本年の七月には、中間のまとめといたしまして検証の視点などを公表して、パブリックコメントも行っております。今後、これを踏まえまして、個々の路線を対象とした検証を実施いたしまして、計画変更等の方針を示していく。
 今後とも、見直すべきものは大胆に見直す一方で、地元の理解と協力を得ながら、必要な都市計画道路を精査した上で、着実に整備を進めてまいります。
 首都高でありますが、日本橋周辺の首都高の地下化は、いわゆるインフラの見えない化でございます。品格ある都市景観の形成や歴史、文化、さらには水辺を生かした都市の顔づくりなど、東京の価値を高める一つの象徴と考えます。
 都は、本年七月、国、地元区、首都高速道路株式会社とともに地下化の計画案を取りまとめて、実現に向けて大きな一歩を踏み出しております。
 今後は、関係者とともにコストを精査しながら、計画の具体化を進めまして、日本橋周辺が国際金融拠点にふさわしいまちに生まれ変わるように取り組んでまいります。
 関東大震災におけます朝鮮人虐殺に関してでございますが、この件はさまざまな内容が史実として書かれていると承知をいたしております。何が事実かにつきましては、これまで申し上げてきたとおり、歴史家がひもとくべきだと考えておりまして、私は東京都知事として、東京で起こった甚大な災害と、それに続くさまざまな事情で亡くなられた全ての方々に対しまして、哀悼の意を表するところでございます。
 オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例制定の意義でございますが、多様性が尊重されて、温かく優しさにあふれる東京の実現には、人権を尊重するということが必要であります。
 こうしたことから、東京二〇二〇大会の開催都市として、オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念が広く都民に浸透した都市としていくために、今般、条例を制定して必要な取り組みを推進することといたしました。
 この条例化を通じて、人権尊重の理念の浸透を加速させまして、東京に集う多様な人々の人権が、誰ひとり取り残されることなく尊重され、誰もが認め合う共生社会を実現していくという考えでございます。
 以上、三十問でございますが、その他のご質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 四点の質問にお答えいたします。
 まず、今年度当初の教員の欠員についてでございますが、教員の欠員は、病気休職等さまざまな事由により日々発生しており、その都度、補充の承認に係る申請が区市町村教育委員会から提出され、同時に、各区市町村において欠員補充のための採用面接や、その後の内申等の任用手続も並行して行われている状況にございます。
 このことから、特定時期における正確な不足数の把握はできませんが、ことし四月六日の時点で、正式な任用手続中の者も含め、小中学校合わせておおむね二百八十人の不足が出てございました。
 なお、その後、新たな欠員も生じておりますが、六月ごろにはおおむね平年ベースの数となったところでございます。
 次に、今年度当初に教員が不足した原因等についてでございますが、今年度に必要とする教員数は前年度の十月に推計を行い、不足分を新規採用教員で確保しております。
 しかし、今年度当初は推計の算定要素となる児童生徒数が増加し、また、再任用者数は予想を下回る等の変動が大きかったため、実際の必要数と乖離が生じたものでございます。
 今後、必要な教員数の推計に当たっては、区市町村教育委員会から詳細な情報を収集し、的確な予測に努めるとともに、年度途中に欠員が生じた場合には、期限つき任用教員制度の活用を図り、適切に対応してまいります。
 次に、教員確保に向けた今後の取り組みについてでございますが、都教育委員会では、これまで、東京都の教員採用選考の受験者を拡大するため、東京会場のほか、他県三会場での第一次選考の実施、東京の教員として働く魅力を現役教員の声でつづる東京都公立学校教員採用案内五万部の作成、教員志望の若者の相談へきめ細かく応じる個別相談会の実施など、さまざまな方策を講じてまいりました。
 また、昨年度には、学校における働き方改革推進プランを策定し、教員の心身の健康保持の実現と、誇りとやりがいを持って職務に従事できる環境整備に取り組んでおります。
 今後とも、受験者拡大のための取り組みの充実や、働き方改革の推進などを通じて教員の確保を図ってまいります。
 最後に、学校給食費に関する区市町村への支援についてでございますが、学校給食法では、学校給食は学校の設置者である区市町村が実施し、食材費等の学校給食費は、児童または生徒の保護者が負担することとされております。
 小中学校における学校給食の実施方法や学校給食費は、区市町村が地域の実情や特性を考慮して決定しており、就学援助を含む保護者負担の軽減策等についても、区市町村の判断により行っております。
〔東京都技監西倉鉄也君登壇〕

○東京都技監(西倉鉄也君) 土砂災害対策についてでございますが、土砂災害から都民の生命を守るためには、住民の避難行動につながる土砂災害警戒区域等の指定に加えまして、土石流を防止する砂防事業等を着実に進めていくことが重要でございます。
 都は、砂防事業につきましては、区部、多摩部の警戒区域等の指定が完了いたしました箇所ごとに避難所や二十四時間滞在型の要配慮者利用施設の有無などを調査し、優先度をつけまして計画的に実施してございます。
 今後とも、土砂災害対策を着実に進めてまいります。
〔中央卸売市場長村松明典君登壇〕

○中央卸売市場長(村松明典君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、液状化対策についてですが、豊洲市場用地では、敷地全域で砂やコンクリートによる締め固め等の液状化対策を実施しておりまして、市場問題プロジェクトチームにおいて、大地震に対しても効果があることが確認されております。
 なお、地盤の液状化は、締め固められていない砂地盤で生じやすく、粘性土層では生じにくいのが一般的でございます。豊洲市場用地における液状化判定におきましても、圧密沈下を想定している有楽町層の粘性土層でございますYc層では、基本的に液状化しない、もしくは、しにくいとの結果となっているところでございます。
 次に、地盤沈下による土壌汚染対策の再検証でございますが、豊洲市場用地の地盤につきましては、平成十八年に沈下量等の地盤解析も行っておりまして、調査結果はホームページで公表しております。
 豊洲市場用地では、こうした解析結果等を踏まえまして土壌汚染対策を実施しており、今回の沈下によって安全性等への影響は生じていないことから、検証し直す予定はございません。
 最後に、豊洲市場開場後の収支についてでございます。
 豊洲市場の認可に当たっては、開設に要する費用並びにその財源に関する計画、また企業債の償還計画などを国に提出してございます。
 また、今後の中央卸売市場の運営につきましては、徹底したコスト削減に努めるとともに、施設の有効活用などの収入確保策にも取り組みまして、開場後の豊洲市場を含め、十一市場の安定した事業運営を行っていくこととしております。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、特別養護老人ホームの建てかえについてでありますが、都は、老朽化した区部の特別養護老人ホームの建てかえを促進するため、平成二十年に策定いたしました板橋キャンパス再編整備基本計画に基づき、健康長寿医療センターの旧建物解体後の跡地を活用して、事業者が交代で使用できる代替施設を整備し、貸し付ける事業を進めることとしており、現在、地元区を初め関係者と調整しているところでございます。
 次に、特別養護老人ホームのユニット型での整備についてでございますが、国は、入居者の尊厳を重視したケアを実現するため、個室で構成されるユニット型での整備を基本としております。
 都は、特別養護老人ホームの整備に当たりまして、ユニット型での整備を基本としつつ、地域の実情に応じて区市町村が必要と認める場合には、増加定員の三〇%を上限に多床室の整備に対して補助を行っております。また、国に対し、低所得者もユニット型特別養護老人ホームを利用できる仕組みを構築するよう提案要求しております。
 最後に、避難所の管理運営についてでありますが、お話の国際基準は、紛争や災害の際の避難所の環境に関する最低基準として国際赤十字等がまとめたものであります。
 都は、近年の大規模災害における避難所の運営状況等を踏まえ、良好な生活環境が確保されるよう、東京都地域防災計画に基づき、災害想定を考慮した避難所の指定、女性や子供への配慮やトイレの確保等について記載いたしました避難所管理運営の指針を区市町村向けに作成しております。
 今後とも、区市町村が地域の特性や実情に応じて避難所を運営できるよう、さまざまな知見も踏まえ、避難所管理運営マニュアルの作成や改定を行うよう働きかけてまいります。
〔産業労働局長藤田裕司君登壇〕

○産業労働局長(藤田裕司君) 中小企業の振興に関する条例の内容についてでございますが、都内中小企業の持続的な成長を図るためには、多様な取引を通じて適正な利益を確保できる仕組みのもとで、会社の事業の効率を高めていくことが重要であります。有識者会議での議論におきましても、委員から、公正な取引慣行を確立することにより、生産性の向上などの努力が経営の安定した成長に結びつくとの意見が出ているところでございます。
 こうしたことを踏まえ、条例の中に、中小企業が経済の活性化や地域の発展に貢献する重要な存在であることへの理解を広げる必要性などを理念として盛り込むことを検討してまいります。
 今後とも、取引のより一層の適正化を図り、効果的な中小企業振興を進めてまいります。
〔環境局長和賀井克夫君登壇〕

○環境局長(和賀井克夫君) 海洋プラスチックの実態調査についてでありますが、都では、プラスチックを含む海ごみに関する調査を平成二十六年度に東京港で実施いたしました。
 その結果、海ごみの多くは陸域からのものであったことから、都では、ポスター、リーフレット、ショートムービー等により、海ごみの発生抑制について普及啓発を行ってまいりました。
 島しょ部においては、海岸漂着物の回収、処理事業を実施しており、回収量については環境省に報告をしているところでございます。
 今年度は、流入経路に関する情報収集を行うこととしており、今後も海ごみに関する調査研究を行っている環境省等と情報共有を図ってまいります。
〔下水道局長小山哲司君登壇〕

○下水道局長(小山哲司君) 下水道におけるマイクロプラスチックの調査についてでございますが、マイクロプラスチックはプラスチック製品のほか、多くの製品に由来すると考えられておりまして、下水道における調査に当たって技術的に統一した方法が確立されていないという状況にございます。
 現在、さまざまな研究機関が独自の測定方法を用いて調査を行っており、下水道局といたしましては、情報収集に努めているところでございます。
〔総務局長代理次長榎本雅人君登壇〕

○総務局長代理次長(榎本雅人君) 三点のご質問についてお答えいたします。
 まず、タイムラインの作成についてでございますが、風水害の発生のおそれがある場合、住民が適切な避難行動に移れるようにするには、区市町村及び都民一人一人が時間軸に沿ってみずからの行動を整理したタイムラインを作成し、活用することが有効でございます。
 そのため、今般、防災事業の緊急総点検の取りまとめにおいて、タイムラインの普及拡大を掲げました。
 今後、都としては、区市町村のタイムラインについては、地域や自治体の特性に応じた作成が可能となるよう支援してまいります。また、個人が作成するマイタイムラインにつきましては、幅広い世代が簡単に作成することができるよう、工夫を重ねてまいります。
 次に、ヘイトスピーチの解消に向けた取り組みについてでございますが、本条例案は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消を図ることを趣旨としており、不当な差別的言動とは、条文上、いわゆるヘイトスピーチ解消法第二条に規定するものをいうと明確に定めております。
 また、ヘイトスピーチの解消に関する規定の適用に当たりましては、表現の自由その他の日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に侵害しないように留意しなければならないと規定しております。
 最後に、条例で定める公の施設の利用制限の基準についてでございますが、この条例の適用に当たりまして、ご指摘の地方自治法第二百四十四条第二項の規定は、当然踏まえるべきものと認識しております。
 また、公の施設の利用制限は、施設利用の観点から、集会の自由など基本的人権の制限とも密接にかかわることから、学識経験者等からの意見も伺いながら慎重に検討し、基準を策定してまいります。
〔都市整備局長佐藤伸朗君登壇〕

○都市整備局長(佐藤伸朗君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、総合治水対策についてでございますが、都は、平成二十六年に改定した東京都豪雨対策基本方針に基づき、河川や下水道の整備を着実に推進するとともに、雨水の流出を極力抑制する貯留浸透施設の設置などの流域対策や、降雨や水位を初めとする情報提供の充実など、都内全域での総合的な治水対策を進めております。
 このうち流域対策については、さらなる促進を図るため、今年度から学校や公園などの公共施設に貯留浸透施設を設置する際の工事費の補助要件を緩和しております。あわせて、住宅の敷地に浸透ますなどを設置する際の補助率を引き上げ、地元自治体の取り組みを支援しております。
 今後とも、ハードとソフトの両面から総合的な治水対策を推進してまいります。
 次に、民間のブロック塀対策についてでございます。
 住宅を含む民間のブロック塀につきましては、所有者による安全対策の取り組みを支援するために、都は、耐震改修に係るパンフレットを活用するなどして普及啓発を行ってまいりました。
 これに加え、大阪北部地震後には、ブロック塀の所有者による自己点検のチェックポイントや、区市町における助成制度及び相談窓口の一覧などを都のホームページに掲載し、広く情報発信いたしました。
 今後、さらなる支援策についても検討するなど、ブロック塀の安全確保を図ってまいります。
 次に、都市計画道路の見直しの視点についてでございますが、平成二十八年三月に策定した事業化計画においては、優先整備路線を選定する一方で、廃止や縮小など計画を見直すべき路線や、地形地物の状況を踏まえた事業の実現性などの観点から、計画内容を再検討する路線を示しております。これを踏まえて、現在、複数の路線について廃止の手続を進めております。
 加えて、これらの路線以外の未着手の都市計画道路は、事業着手までに期間を要することから、社会経済情勢や都民ニーズの変化などを踏まえ、そのあり方について検討を進めております。
 今後とも、都市計画道路の不断の検証を行う一方、必要な都市計画道路は、地元の理解と協力を得ながら、着実に整備を進めてまいります。
 次に、優先整備路線などについてでございますが、事業中の路線や優先整備路線は、東京が目指すべき将来像の実現に向け、都市の活力や防災性の強化、安全で快適な都市空間の創出などの観点から、重要性、緊急性が高い路線として選定しております。
 今後とも、地元の理解と協力を得ながら、これらの路線の整備に取り組むとともに、優先整備路線を除く未着手の都市計画道路のあり方について検討を進めてまいります。
 最後に、首都高の地下化に係る対応についてでございますが、首都高は首都東京の大動脈として社会経済活動を支える極めて重要なインフラであり、適切に維持更新を行い、その機能を確保していくことが重要でございます。
 日本橋周辺の首都高については、これまで有識者等によりさまざまな議論がなされ、地下化案を最も有力な案として推奨することや、高架橋を撤去し地下化などを含め再生を目指すことなどが提言されております。
 今回の地下化は、これらの提言や地元区などからの要望も踏まえて、首都高の交通機能を確保することを前提に、大規模更新と周辺まちづくりが同時に進められる機会を捉えて取り組みを進めるものでございます。
 今後、地域のまちづくりを含め関係者間で緊密な連携を図り、地下化の実現に向けて取り組んでまいります。
〔百三番とくとめ道信君〕

○百三番(とくとめ道信君) 知事に二問、市場長に一問再質問します。
 まず、豊洲市場の地盤沈下によるひび割れ問題について、知事に再質問します。
 知事は、地盤沈下は時間の経過とともに収束する、安全性の問題は生じない、だから、原因究明の調査はしないと答弁しました。
 調査をしないで、なぜ地盤沈下は収束するといえるのですか。なぜ安全性に問題が生じないと断言できるのですか。誰もが納得できる明確な証拠を示してください。知事の答弁を求めます。
 次に、東京都は、一年前に地盤沈下を把握していたのに、実際に地盤のどこがどのように沈下しているのか、調査はしていません。具体的なデータも何ら把握していません。
 豊洲市場の問題は、これまでうそとごまかしが繰り返されてきました。まともな根拠を示せずに、安全だ、大丈夫だといって、調査もしないという知事の答弁、これまでと同じ誤りを繰り返すものです。
 市場の運営に影響を与える重大な地盤沈下が起こった場合、知事、あなたはどう責任をとるのですか。お答えください。
 以上、二問、知事の答弁をお願いします。
 最後に、市場長、一問再質問いたします。
 豊洲市場では、数日前、六街区でマンホールから水が噴き出す事態が発生しました。
 なぜ水が噴き出したのですか。噴き出した水に汚染物質が含まれていないか調査をしたのですか。この事故について把握している事実を明らかにしてください。
 以上、知事に二問、市場長に一問の再質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 先ほどお答えしたとおりでございますが、水産仲卸売り場棟の西側バースのひび割れについて、建物周りの地盤が徐々に沈下したことで生じたものとの報告を受けております。こうした沈下につきましては、盛り土を行った場合、一定程度生じる、また時間の経過とともに収束すると聞いております。
 今後、大幅な沈下、突然の陥没等につながるものではなく、安全性の問題や市場業務への影響は生じないものと考えております。
 都といたしまして、市場業者の安心に資するという観点から、開場までに必要な補修を実施いたします。また、こうした方針について、市場業者の方々にもご説明をしております。
 また、地盤沈下の調査についてでございますが、豊洲市場の用地における地盤沈下については過去に調査も行われておりまして、この結果を踏まえた上で工事が進められてまいったわけでございます。
 そして、沈下に伴うひび割れで、安全性の問題や市場業務への影響が生じることはないと考えておりまして、よって、都として改めて調査をする考えもないということでございます。
〔中央卸売市場長村松明典君登壇〕

○中央卸売市場長(村松明典君) 豊洲市場に関する再質問にお答えいたします。
 六街区の北側のマンホール一カ所における溢水の関係でございますが、今回の件は、地下水管理システムの送水管の中から空気を抜くための弁に付着物が挟まったために水があふれたものでございます。
 局所的、短時間でおさまっておりまして、発見後、速やかに空気弁を締めておりまして、既に対処は完了しております。現在は空気弁が閉じた状態にあるため、同様の事象が生じることはございません。
 こうした内容につきましては、業界団体にも説明しております。
 また、今回の水の量等の範囲は限定的であります。毎週の公定分析の結果から、下水排除基準を超過する状況にもございません。周辺環境や市場業務に影響を与えることはございません。
 これらの内容について、申し上げましたが、業界団体にも説明しておりまして、都としても、今後とも地下水管理システムの適切な運用に努めてまいります。

○議長(尾崎大介君) 十四番藤井とものり君
〔十四番藤井とものり君登壇〕

○十四番(藤井とものり君) 都議会立憲民主党・民主クラブを代表して、都政の諸課題について質問いたします。
 大阪北部地震、西日本豪雨で犠牲となられた方のご冥福をお祈りし、被災された方にお見舞いを申し上げます。
 私たちも両被災地を視察させていただきました。大阪北部地震の発災は午前七時五十八分。想定にない通勤通学時間帯であったため、行政の対応も綱渡りで、南海トラフ規模の地震だったらどうなっていたか、見直すところがある旨の率直なお話を伺いました。
 一方、豪雨災害では、避難した方は三名の避難所もあり、住民が動いてくれなかったとの課題が浮き彫りになりました。
 両災害からの教訓として大きなことは、幾ら行政が対策をとっても、住民一人一人の具体的な行動につながらなければ、命を守ることはできないということであります。
 小池知事は、今、時差ビズの旗振り役をされており、一斉出社一斉退社文化の意識改革、行動変容で通勤地獄を解消しようとしています。まず都庁からと取り組みを始めたように、災害から命を守る意識改革についても、都庁から全力で取り組むべきであります。
 ニューヨーク州知事は、大雪が予報された際、被害発生が懸念されるとして非常事態宣言を行い、早い段階から州政府機関の閉鎖などを決定、市民にも食料を用意し、外出しないよう呼びかけました。州知事が出す宣言は大きな波及効果を持ち、民間企業も休業の判断をしやすい状況が生まれたようであります。
 都においても、非常に強い台風の上陸、大雪など、事前に予測できる自然災害の被害抑制のため、都庁窓口の閉鎖などを宣言し、都民に対しても知事が直接呼びかけるなど、被害や混乱を防ぐための行動につながる意識改革を発信すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、通勤通学時の震災対応、帰宅困難者対策について伺います。
 震災時、駅周辺の道路や歩道に人があふれれば、救命救助活動への支障、群集事故の発生、二次災害などの危険が極めて高く、喫緊の課題として民間と連携した対応が迫られています。
 東日本大震災での東京の帰宅困難者の発生状況を受けて、大阪でも帰宅抑制対策を進めていたところ、今回は通勤時間帯で発災。これに対応する企業BCPがなく混乱したことを課題として受けとめ、鉄道事業者本体を含めた民間とも連携して対応策を検討しているとのお話を伺いました。
 東京都においても、帰宅困難者の想定は平日十四時一パターンのみでございまして、通勤通学時間帯も含めた企業BCPや防災マニュアルの策定、さらには駅前対策だけではない鉄道事業者本体との連携についてもしっかりと取り組むべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、水災害です。
 東京においても水害時の避難場所が指定されていますが、水害の際に向かうべき避難場所や避難経路を把握している方は都調査でも約二割と、ほとんど知られていない状況であります。
 倉敷市真備町では、震災時の緊急避難場所として指定された建物が屋根まで水没した様子を拝見し、避難者が誤ってここに向かっていたら命を落とす結果になっていたと考えると、水害時の避難場所と避難経路の確認は非常に重要であります。
 私は、一世帯に少なくとも一人は適切な訓練、教育により、水害時の正しい避難場所と安全な経路を把握している状況にすべきと考えます。
 しかし、水害を想定した訓練実施は、実施率が都立高校ではわずか四割にとどまり、小中学校での実施状況においては、都は把握すらしておりません。
 さらには、現在、町会、自治会などで行っている防災訓練の全てを把握しているのではありませんが、東京消防庁が把握している水害訓練は全体の〇・三%と聞き及んでいます。
 このように、水害に対し正しい避難場所の選定、周知や円滑な被害に結びつく訓練の実施など、都においても水害に対する備えを抜本的に見直すべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例案について伺います。
 オリンピック憲章の定める権利及び自由は、人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、政治的またはその他の意見、国、あるいは社会のルーツ、財産、出自やその他の身分などの理由によるいかなる種類の差別も受けることなく、確実に享受されなければならないとしています。
 一方、東京二〇二〇大会が、二〇一四年のソチ大会におけるロシアの同性愛禁止法をめぐる混乱、あるいは二〇一二年のロンドン大会における偏狭なナショナリズムをあおる選手の振る舞いなどを教訓に、LGBTやヘイトスピーチに焦点を当てて条例を制定することは意義があります。
 しかし、私は、オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例とうたう以上、やはり冒頭に申し上げたとおり、LGBTとヘイトスピーチのみならず、他の人権についても、ひとしく尊重されるべきであると考えますが、知事の見解を伺います。
 さらに、人権施策指針で掲げられている十七分類の人権課題について、例えば私たちがさきの代表質問で要望した犯罪被害者、二〇一六年のリオ大会で課題となった路上生活者、古くからの課題である同和問題などについて、この条例について何がどのように変わるのか見解を伺います。
 特に、LGBTについては、当事者団体などからも、都営住宅の入居はもとより、病院での面会や各種契約の締結などにおいて、差別的に扱われることがあるとの声を伺います。
 そこで、LGBTに関して具体的にどのような差別があると認識しているのか、また、この条例によってこれらの差別はどのように変わるのか、局長の見解を伺います。
 次に、児童虐待について伺います。
 子供を虐待から守るため、また、虐待する保護者を一人でも少なくするためには、これまでの知事が行ってこなかった条例化によって、虐待防止の機運を高めることにつながるものとして歓迎いたします。
 条例の基本的な考え方に示された、社会全体としての見守り、支援、虐待させない、虐待から子供を守る理念を裏打ちするためには、体制整備が非常に重要です。
 先般、児童相談体制の強化として緊急の増員が発表されましたが、年々増加する虐待通告に対して必要な児童相談所の人員は何名か、必要な人材を確保、育成するためには、スーパーバイザーといわれる専門性の高い指導的人材は何名程度必要なのか、一時保護所の規模はどうかといった増加する業務量に対して必要な体制を示し、何年で実現させるのかといった体制強化の到達点とそのロードマップが必要と考えますが、知事の見解を伺います。
 また、条例、体制強化は、児童虐待、虐待死ゼロを目指すための手段にすぎません。虐待を受けていた女の子を助けることができなかった、同じことを決して繰り返さないために、改めて全力で取り組むためのスタートラインと受けとめております。
 東京都として虐待死ゼロにすることを、知事みずからが宣言すべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、ひきこもり対策について伺います。
 ひきこもりは、八十代の親が五十代のひきこもりの子の面倒を見る八〇五〇問題が注目されるなど、長期化と高齢化への対応が課題になっております。
 内閣府も、ことし十一月、初めて四十歳から六十四歳を対象としたひきこもりの全国実態調査を実施いたします。
 一方、都のひきこもり対策は、青少年・治安対策本部の所管とされ、おおむね三十四歳までが対象となっております。青少年・治安対策本部は、あくまでも青少年対策だから、ひきこもり対策の年齢撤廃に踏み切れないのであれば、本末転倒といわざるを得ません。
 年齢撤廃とともに、さらなるひきこもり対策について、福祉保健局への所管がえも含めて進めていくべきと考えますが、知事の所見を伺います。
 また、不登校、中途退学対策も、社会からの孤立を未然に防ぐための重要な課題であります。
 都教委は、今年度、ユースソーシャルワーカー等から成る自立支援チームの派遣充実などに取り組んでいますが、民間団体との連携は不可欠であると考えます。
 民間団体には、フリースクールはもとより、例えば元不登校、ひきこもりだった人たちが、今度は支援する側として、生活習慣や不登校の改善に取り組んでいるNPOなどもあり、私は、こうした民間団体と、より積極的に連携を図っていくべきと考えますが、都立高校の不登校、中途退学対策の拡充に向けて都の見解を伺います。
 次に、雇用対策について伺います。
 複数の中央省庁で雇用している障害者の数を水増ししていた問題が発覚し、大きな波紋を広げております。障害のある人たちはもちろん、法律をきちんと守り、障害者の雇用に努めている人たちを裏切る行為であり、断じて許されるものではありません。
 一方、都は、八月二十四日の知事の定例会見で、都の採用に関して水増しの問題はなかったと述べられました。共生社会実現の理念のもと、全ての事業主に法定雇用率以上の割合で雇用する義務があることを踏まえた上で、都の障害者雇用の課題について伺います。
 一点目は、都と監理団体の法定雇用率の達成状況についてであります。
 まず、教育委員会については、平成二十九年度は二・二一%で、法定雇用率には達しているものの、過去三年間の法定雇用率と都教委の雇用率の乖離は、平成二十六年、〇・一四%、二十七年、〇・一二%、二十八年、〇・〇七%と、法定雇用率を残念ながら達していない状況であります。
 教員免許を持つ障害者の確保が難しいなど、構造的な課題があることは承知しておりますが、今後の見込みと都教委の対応策について伺います。
 監理団体の障害者雇用の状況について伺います。
 障害者雇用義務のある監理団体、二十六団体のうち、八団体は法定雇用率を達成しておらず、障害者雇用の旗振り役である都庁グループの一員として無責任な対応と指摘せざるを得ません。社会的責任を果たす意味からも、法定雇用率の達成に向けて都が指導力を発揮すべきと思いますが、見解を伺います。
 精神障害者についても、今年度より、法定雇用率の算定対象となりました。昨今、精神障害者の認定者が大きく増加していることを鑑みると、精神障害者の雇用は大きな課題となります。精神障害者の平均勤続年数は四年三カ月と総体的に短く、職場の定着率向上が課題であります。
 同じ会社で安定的に仕事をしていただくことが精神と生活の安定につながり、望ましいことといえます。精神障害者でも勤続年数が長い方の特徴や、障害者雇用優良企業など定着率の高い企業の取り組みも参考にしながら、精神障害者のさらなる雇用の促進と定着率の向上に向けて取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 最後に、派遣労働者の雇用安定化推進について伺います。
 九月末で労働者派遣法の改正から三年が経過し、派遣先への直接雇用の依頼、新たな派遣先の提供、有給の教育訓練などの措置が必要となります。派遣労働者の雇用安定という法改正の趣旨に反し、三年を前にして雇いどめや派遣切りがふえることに対する懸念があります。
 都は、国と連携して、本来の趣旨である派遣労働者の直接雇用などの雇用の安定化を後押しする取り組みを行うべきと考えますが、見解を伺いたいと思います。
 以上で都議会立憲民主党・民主クラブを代表しての代表質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 藤井とものり議員の代表質問にお答えいたします。
 災害時におけます被害を抑制するための都民に対しての発信についてのご指摘がございました。
 都におきましては、これまでも台風が接近したり、大雨に関する警報などが出された場合などには、直ちに情報連絡体制を構築いたしまして、庁内の各局が連携して災害に備えるとともに、防災ツイッターなどを活用しまして、都民に対し迅速に情報の提供や注意喚起を行ってきたところでございます。
 私自身も記者会見などを通じまして、あらかじめ都民に対して注意を促すほか、ツイッターを利用して正確な情報に基づいて早目に行動することなどを都民の皆様方に直接呼びかけております。
 災害による被害の拡大を防ぐためには、時にトップによる発信が重要でございます。引き続き、災害発生時の被害の抑制に向けて、私自身も積極的に都民に対しまして正確な内容を適切な時期に発信していく所存でございます。
 次に、オリンピック憲章にうたわれます人権尊重の理念の実現を目指す条例でございますが、多様性が尊重されて、あらゆる人が輝く社会を実現するためには、人権尊重の機運をこれまで以上に高めていく、これは不可欠でございます。
 今回提案をいたしました条例におきましては、オリンピック憲章にうたわれます、いかなる種類の差別も許されないという人権尊重の理念を浸透していくべく、啓発、教育等の人権施策を総合的に実施していくことを規定いたしております。
 その上で、ホストシティーといたしまして、性自認及び性的指向に関します不当な差別の解消、そして啓発などの推進、本邦外出身者に対します不当な差別的言動の解消に取り組んでいくことを示しております。
 さまざまな人権に関する不当な差別を許さないとの姿勢を改めて明確にいたしまして、今後も人権課題への取り組みを積極的に推進することで、多様性を尊重する都市東京をつくり上げてまいりたいと存じます。
 次に、児童相談所の体制強化についてのご質問がございました。
 都の虐待相談の対応件数は、近年増加の一途をたどっております。虐待を受けた子供たちのことを考えますと、胸が締めつけられる思いがいたすところでございます。
 深刻化するこの児童虐待に迅速かつ的確に対応するためにどうするのか。都はこれまで、児童福祉司や児童心理司の増員や専門課長の配置、そして虐待対策班の設置、一時保護所の定員拡充などに取り組んできております。
 一方で、児童福祉司等には高い専門性が求められます。採用した後も、経験年数等に応じまして、しっかりと人材を育成していくことも重要でございます。
 こうしたことから、今般の緊急対策におきましては、任期つき職員採用制度を活用いたしまして、福祉に関する職務経験を有して、即戦力として活躍が期待できる人材を確保することといたしております。
 今後、国の配置基準等を踏まえまして、質の確保にも十分配慮しながら、できる限り早期に児童福祉司等を増員いたしまして、児童相談所のさらなる体制強化を図ってまいります。
 そして、児童虐待の防止についてでございますが、児童虐待はそもそも子供たちの心に深い傷を残すだけではなく、子供たちの将来への可能性を奪うということもあり、決して許されるものではございません。
 児童虐待を未然に防止するためには、地域において関係機関が連携をしながら、援助、そして見守りを必要とする家庭を早期にまず発見をする、そして、適切なサービスにつなげていく、これが重要でございます。
 区市町村におきましては、乳幼児を育てている家庭が乳幼児健康診査の受診勧奨に応じない場合など、関係機関が情報共有を図りながら、必要な支援を行っているところでございます。
 都におきましても、地域の相談や交流の場である子育て広場の設置をしたり、育児疲れなどの折に利用できる子供の一時預かりなど、子供と家庭への支援の充実に取り組む区市町村を支援しております。
 地域の関係機関としっかりと連携をしながら、社会全体で全ての子供を虐待から守るため、全力で取り組んでまいる所存でございます。
 ひきこもりについての対応でございます。
 ひきこもりは、さまざまな要因が背景となっていることから、ひきこもりの状態にある本人や家族の状況に応じて支援することが必要となってまいります。
 また、長期化を未然に防ぐために、早期に適切な支援につなげるとともに、ひきこもりが長期化した場合にも、身近な地域で相談支援を受けることができますよう、区市町村の取り組みを充実していくことも重要であります。
 都におきましては、現在、東京都ひきこもりサポートネットにおきまして、電話相談やメール相談で本人や家族の課題を把握して、区市町村等と連携しながら、地域のNPO法人等の支援機関につないでおります。
 また、福祉、保健、医療、雇用、教育等のさまざまな分野の関係機関がひきこもりの支援に関する情報を共有いたしまして、そこで連携をしながら、本人や家族の状況に応じての支援を行っております。
 ひきこもり状態にある方への支援は、都民ファーストの視点から、年齢によらず、身近な地域で切れ目なく実施することが重要でございます。
 こうした考えに立ちまして、今後とも、区市町村の取り組みを支援するとともに、都におけます体制の強化も図って、ひきこもりで悩む方々に寄り添い、関係機関が密接に連携しながら、切れ目のない支援に取り組んでまいる所存でございます。
 その他のご質問については、教育長と関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、都立高校の不登校、中途退学対策におけるNPO等の民間団体等との連絡、連携についてでございますが、社会生活を円滑に営む上で困難を有する都立高校生等に対しては、学校での対応に加え、民間団体等との連携による多面的な支援を行うことが必要でございます。
 このため、都教育委員会は、平成二十八年度から都立高校の不登校生徒や中途退学者に対して、NPO等の民間団体と連携して、都内に学習や生徒同士が交流できる場を提供することにより、学校への復帰や再就学、高等学校卒業程度認定試験の受験に向けた支援などを行ってまいりました。
 こうした取り組みを踏まえ、民間団体等との連携を一層密にし、支援のさらなる充実に努めてまいります。
 次に、障害者雇用の今後の見込みと対応策についてでございますが、障害者が能力や適性に応じて働き、地域で自立した生活を送ることができる社会の実現に向けて、障害者雇用の促進は重要でございます。
 都教育委員会はこれまで、障害に配慮した教員採用選考や、就労支援を目的とするチャレンジ雇用として教育事務補助員を採用する等の取り組みにより、平成二十九年は法定雇用率を達成したものの、本年四月に法定雇用率が引き上げられたことなどから、直近の基準日である本年六月一日現在で達成することは困難な状況でございます。
 このため、今後は、新たな非常勤職として継続的に雇用する教育事務サポーターを、本年十月一日以降、順次採用を進め、その職場となる教育庁サポートオフィスを設置するなど、法定雇用率達成に向けた一層の取り組みを推進してまいります。
〔総務局長代理次長榎本雅人君登壇〕

○総務局長代理次長(榎本雅人君) 五点の質問にお答えいたします。
 まず、帰宅困難者対策についてでございますが、発災時間にかかわらず、鉄道事業者や企業などの協力のもと、帰宅困難者対策を進めていくことが重要でございます。
 都はこれまで、駅前滞留者対策を検討する会議体等の場を通じ、鉄道事業者と連携し、利用者保護などの対策を進めてまいりました。また、企業に対しては、発災時の従業員のとるべき行動について、あらかじめ計画として定めておくことを呼びかけてまいりました。
 引き続き、鉄道事業者と一層の連携を深めていくとともに、今後、通勤時間帯に地震が発生した場合の従業員の出社か帰宅かの判断の考え方など、発災時間帯に応じたきめ細かな対応を企業のBCP等に反映できるよう取り組んでまいります。
 次に、水害に対する備えの見直しについてでございますが、水害発生時には、都民一人一人が地域の水害リスクを理解した上で、正しく行動することが重要であります。
 都はこれまで、さまざまな媒体を活用し、区市町村が選定する水害時の避難場所をあらかじめ確認するよう普及啓発を行い、今年度は、防災情報のワンストップ化を図り、ハザードマップをより簡単に入手できるようにいたしました。
 また、訓練につきましては、区市町村の防災力の向上を支援するため合同で風水害対策訓練を実施し、救出救助訓練などに加え、住民の避難訓練も行っております。
 今回の防災事業の緊急総点検に基づき、今後は、仮想現実機能を活用した新たな普及啓発や災害の危険性を実感してもらえるような防災訓練の工夫など、都民の適切な避難行動に結びつく取り組みを推進してまいります。
 次に、人権課題への取り組みについてでございますが、都はこれまでも、東京都人権施策推進指針に基づいて、それぞれの人権課題に対して取り組んできたところでございます。
 今回提案した条例では、人権尊重の理念を東京の隅々にまで浸透させ、多様性を尊重する都市をつくり上げていくため、必要な取り組みを推進することを都の責務として規定しております。
 都は、条例制定を契機に、いかなる種類の差別も許されないという観点から、指針に掲げる十七の課題それぞれにおける取り組みの方向性を踏まえつつ、人権施策をより積極的に推進してまいります。
 次に、LGBTに関する取り組みについてでございますが、LGBT当事者の方々は、教育、就労など社会のさまざまな場面で困難等に直面していると聞いております。中には性自認や性的指向を理由とする不当な差別的取り扱いを受けている場合もあるものと認識しております。
 今回提案の条例におきまして、性自認及び性的指向を理由とする不当な差別的取り扱いを禁じるとともに、都は基本計画を策定し、必要な取り組みを推進することを規定しております。
 条例制定を契機に、各施策現場において、どのような配慮が必要かなどを個別具体的に検証しながら、都として不当な差別を解消してまいります。
 最後に、監理団体の障害者雇用についてでございますが、都庁グループの一員である監理団体における障害者の雇用確保は、都としても重要と認識しております。
 都はこれまでも、いわゆる障害者雇用促進法の趣旨を踏まえ、ハローワークや東京しごと財団といった関係機関が障害者雇用に関して実施する事業等について、時期を捉えて団体に情報提供を行うとともに、職場環境の整備や障害者に適した職務内容の見直しなどを行うよう指導してきたところでございます。
 今年度から法定雇用率が引き上げられたことなども踏まえ、障害者の雇用確保をより一層促すなど、都としても、各団体に対して法定雇用率達成に向けた取り組みを強化するよう積極的に指導してまいります。
〔産業労働局長藤田裕司君登壇〕

○産業労働局長(藤田裕司君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、精神障害者の雇用促進と定着支援についてでございますが、精神障害者の安定的な雇用を進めるためには、企業の理解促進と安心して働ける雇用環境の整備が重要でございます。
 このため、都は、障害者を雇用する際に配慮すべきポイントを紹介するセミナー等を開催いたしますとともに、職場定着に取り組む企業の好事例を冊子にまとめ広く配布するなど、企業への普及啓発を図っております。
 また、精神障害者を初めて雇用する企業に対しましては、採用前の職場環境整備から採用後の雇用管理まで、専任アドバイザーが最長三年間にわたり一貫したサポートを行っております。
 さらに、障害者を正規雇用等で雇い入れる企業への奨励金について、今年度から、精神障害者を対象に加算を行うなど拡充を図ったところでございます。
 今後とも、こうした取り組みにより、精神障害者の雇用と定着を促進してまいります。
 次に、派遣労働者の雇用の安定化についてでございますが、都は、派遣労働者が安心して就業し続けられるよう、法の改正直後から新制度に関する啓発資料を作成し、事業主や労働者等に広く配布するなど周知に努めてきたところでございます。
 今年度はこれらに加えて、制度のポイントや留意点を詳しく説明するリーフレットを新たに作成し、街頭労働相談で配布するほか、事業主等を対象とした労働セミナーを開催するなど、取り組みを強化しているところでございます。
 十一月に予定をしております非正規雇用者等の労働月間では、トレインチャンネルを活用して、さらなる制度の周知を図ることに加え、東京労働局と連携をいたしまして、電話による特別相談を実施いたします。
 今後も、制度が適切に運用されるよう、継続的な支援に取り組んでまいります。

○六十七番(平慶翔君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。

○議長(尾崎大介君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認め、さよう決定いたします。
 明日は、午後一時より会議を開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後八時四十八分散会

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