平成三十年東京都議会会議録第九号

平成三十年六月二十日(水曜日)
 出席議員 百二十六名
一番古城まさお君
二番けいの信一君
三番成清梨沙子君
四番鈴木 邦和君
五番おじま紘平君
六番平  慶翔君
七番後藤 なみ君
八番西郷あゆ美君
九番やながせ裕文君
十番山内れい子君
十一番大場やすのぶ君
十二番伊藤しょうこう君
十三番田村 利光君
十四番藤井とものり君
十五番池川 友一君
十六番細田いさむ君
十七番うすい浩一君
十八番小林 健二君
十九番加藤 雅之君
二十番滝田やすひこ君
二十一番藤井あきら君
二十二番奥澤 高広君
二十三番森口つかさ君
二十四番村松 一希君
二十五番内山 真吾君
二十六番森澤 恭子君
二十七番おときた駿君
二十八番菅野 弘一君
二十九番川松真一朗君
三十番小松 大祐君
三十一番柴崎 幹男君
三十二番宮瀬 英治君
三十三番原田あきら君
三十四番斉藤まりこ君
三十五番藤田りょうこ君
三十六番斉藤やすひろ君
三十七番栗林のり子君
三十八番伊藤こういち君
三十九番大松あきら君
四十番もり  愛君
四十一番龍円あいり君
四十二番あかねがくぼかよ子君
四十三番保坂まさひろ君
四十四番関野たかなり君
四十五番森村 隆行君
四十六番福島りえこ君
四十七番鳥居こうすけ君
四十八番つじの栄作君
四十九番上田 令子君
五十番舟坂ちかお君
五十一番清水 孝治君
五十二番三宅 正彦君
五十三番神林  茂君
五十四番西沢けいた君
五十六番原 のり子君
五十七番星見てい子君
五十八番とや英津子君
五十九番遠藤  守君
六十番まつば多美子君
六十一番高倉 良生君
六十二番上野 和彦君
六十三番菅原 直志君
六十四番清水やすこ君
六十五番白戸 太朗君
六十六番木下ふみこ君
六十七番斉藤れいな君
六十八番増田 一郎君
六十九番入江のぶこ君
七十番佐野いくお君
七十一番細谷しょうこ君
七十二番両角みのる君
七十三番ひぐちたかあき君
七十四番高橋 信博君
七十五番中屋 文孝君
七十六番古賀 俊昭君
七十七番宇田川聡史君
七十八番山口  拓君
七十九番河野ゆりえ君
八十番米倉 春奈君
八十一番白石たみお君
八十二番里吉 ゆみ君
八十三番のがみ純子君
八十四番中山 信行君
八十五番谷村 孝彦君
八十六番小磯 善彦君
八十七番藤井  一君
八十八番馬場 信男君
八十九番本橋ひろたか君
九十番田の上いくこ君
九十一番桐山ひとみ君
九十二番たきぐち学君
九十三番米川大二郎君
九十四番石川 良一君
九十五番中山ひろゆき君
九十六番山田ひろし君
九十七番岡本こうき君
九十八番小宮あんり君
九十九番山崎 一輝君
百番吉原  修君
百一番三宅 茂樹君
百二番中村ひろし君
百三番とくとめ道信君
百四番尾崎あや子君
百五番和泉なおみ君
百六番長橋 桂一君
百七番橘  正剛君
百八番東村 邦浩君
百九番中嶋 義雄君
百十番大津ひろ子君
百十一番栗下 善行君
百十二番木村 基成君
百十三番伊藤 ゆう君
百十四番小山くにひこ君
百十五番荒木ちはる君
百十六番山内  晃君
百十七番増子ひろき君
百十八番石毛しげる君
百十九番尾崎 大介君
百二十番早坂 義弘君
百二十一番鈴木 章浩君
百二十二番秋田 一郎君
百二十三番高島なおき君
百二十四番あぜ上三和子君
百二十五番清水ひで子君
百二十六番大山とも子君
百二十七番曽根はじめ君
 欠席議員 なし
 欠員
    五十五番
 出席説明員
知事小池百合子君
副知事川澄 俊文君
副知事長谷川 明君
副知事猪熊 純子君
教育長中井 敬三君
東京都技監建設局長兼務西倉 鉄也君
政策企画局長遠藤 雅彦君
総務局長多羅尾光睦君
財務局長武市  敬君
主税局長目黒 克昭君
警視総監吉田 尚正君
生活文化局長浜 佳葉子君
オリンピック・パラリンピック準備局長潮田  勉君
都市整備局長佐藤 伸朗君
環境局長和賀井克夫君
福祉保健局長梶原  洋君
産業労働局長藤田 裕司君
港湾局長斎藤 真人君
会計管理局長土渕  裕君
交通局長山手  斉君
消防総監村上 研一君
水道局長中嶋 正宏君
下水道局長小山 哲司君
青少年・治安対策本部長大澤 裕之君
病院経営本部長内藤  淳君
中央卸売市場長村松 明典君
選挙管理委員会事務局長澤   章君
人事委員会事務局長砥出 欣典君
労働委員会事務局長池田 俊明君
監査事務局長岡崎 義隆君
収用委員会事務局長佐藤  敦君

六月二十日議事日程第三号
第一 第百二十二号議案
東京都知事の給料等の特例に関する条例の一部を改正する条例
第二 第百二十三号議案
災害派遣手当等の支給に関する条例の一部を改正する条例
第三 第百二十四号議案
東京都都税条例並びに東京都都税条例及び東京都都税条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
第四 第百二十五号議案
東京都宿泊税条例の一部を改正する条例
第五 第百二十六号議案
東京都育英資金条例の一部を改正する条例
第六 第百二十七号議案
東京都江戸東京博物館条例の一部を改正する条例
第七 第百二十八号議案
都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
第八 第百二十九号議案
東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の一部を改正する条例
第九 第百三十号議案
東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
第十 第百三十一号議案
東京都病院及び診療所の人員、施設等の基準に関する条例の一部を改正する条例
第十一 第百三十二号議案
東京都国民健康保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例
第十二 第百三十三号議案
東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
第十三 第百三十四号議案
東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例
第十四 第百三十五号議案
旅館業法施行条例の一部を改正する条例
第十五 第百三十六号議案
公衆浴場の設置場所の配置及び衛生措置等の基準に関する条例の一部を改正する条例
第十六 第百三十七号議案
東京都営空港条例の一部を改正する条例
第十七 第百三十八号議案
十三号地新客船ふ頭ターミナル施設(三十)新築工事請負契約
第十八 第百三十九号議案
都立水元特別支援学校(三十)改築工事請負契約
第十九 第百四十号議案
都立町田の丘学園(三十)東校舎棟改築及び改修工事請負契約
第二十 第百四十一号議案
東京スタジアム(三十)改修工事請負契約
第二十一 第百四十二号議案
東京消防庁多摩消防署庁舎(三十)改築工事請負契約
第二十二 第百四十三号議案
中防内五号線南側アプローチ(三十)建設工事請負契約
第二十三 第百四十四号議案
新宿歩行者専用道第二号線Ⅲ期─一工区整備工事(三十 三─主四青梅街道)請負契約
第二十四 第百四十五号議案
街路築造工事(三十 二─補二十六三宿)請負契約
第二十五 第百四十六号議案
和田堀公園調節池工事その二請負契約
第二十六 第百四十七号議案
野川大沢調節池工事(その二)請負契約
第二十七 第百四十八号議案
権利の放棄について
第二十八 第百四十九号議案
土地の売払いについて
第二十九 第百五十号議案
土地の売払いについて
第三十 第百五十一号議案
東京都立産業貿易センター浜松町館の指定管理者の指定について
第三十一 第百五十二号議案
無線機の買入れについて
第三十二 第百五十三号議案
特種用途自動車(普通ポンプ車)の買入れ(その一)について
第三十三 第百五十四号議案
特種用途自動車(普通ポンプ車)の買入れ(その二)について
第三十四 第百五十五号議案
特種用途自動車(普通ポンプ車)の買入れ(その三)について
第三十五 第百五十六号議案
特種用途自動車(水槽付ポンプ車)の買入れについて
第三十六 第百五十七号議案
特種用途自動車(小型ポンプ車)の買入れについて
第三十七 第百五十八号議案
特種用途自動車(はしご車)の買入れ(その一)について
第三十八 第百五十九号議案
特種用途自動車(はしご車)の買入れ(その二)について
第三十九 第百六十号議案
特種用途自動車(救急車)の買入れ(その二)について
第四十 第百六十一号議案
特種用途自動車(救急車)の買入れ(その三)について
第四十一 第百六十二号議案
東京都受動喫煙防止条例
第四十二 第百六十四号議案
東京スタジアム(三十)電気設備改修工事その二請負契約
第四十三 諮問第二号
地方自治法第二百二十九条の規定に基づく審査請求に関する諮問について
第四十四 諮問第三号
地方自治法第二百二十九条の規定に基づく審査請求に関する諮問について
第四十五 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
第四十六 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
議事日程第三号追加の一
第一 東京都人事委員会委員の選任の同意について(三〇財主議第一三七号)
第二 米軍基地対策に関する特別委員会設置に関する動議
第三 議員提出議案第十号
東京都子どもの医療費の助成に関する条例
第四 議員提出議案第十一号
東京都青少年の医療費の助成に関する条例

   午後一時開議

○議長(尾崎大介君) これより本日の会議を開きます。

○議長(尾崎大介君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(尾崎大介君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 議員より、議員提出議案第十号、東京都子どもの医療費の助成に関する条例外条例一件が提出をされました。
 また、十五番池川友一君外十七名より、米軍基地対策に関する特別委員会設置に関する動議が文書をもって提出されました。
 また、知事より、東京都人事委員会委員の選任の同意についてが提出をされました。
 これらを本日の日程に追加いたします。

○議長(尾崎大介君) 昨日に引き続き質問を行います。
 六十七番斉藤れいなさん
〔六十七番斉藤れいな君登壇〕

○六十七番(斉藤れいな君) 初めての本会議一般質問を行います。南多摩選出の斉藤れいなと申します。
 児童虐待防止について伺います。
 目黒区の女児虐待死事件では、先日亡くなった五歳の少女が残した手紙が公開され、彼女が繰り返しSOSを発信し、助けを求めたにもかかわらず、誰にも手を差し伸べられることなく最悪の事態を迎えてしまったことが明らかになりました。同じ東京都に住む一社会人として、また、一都議会議員として、この事態を防ぐことができなかったことを彼女に心からおわびしたい気持ちですが、今となっては、もうこの思いを本人に届けることはできません。
 私たちにできることは、なぜ最悪の事態を防ぐことができなかったのか、その検証と徹底的な社会的養護体制の改善であり、今現在も虐待に苦しむ子供たちを救うためには、いかなる困難をも乗り越えて、児相改革を実行していかねばなりません。
 東京都には十一の児童相談所が存在します。一の児相が約百万人以上を管轄する中で、相談対応件数も右肩上がりにふえてきており、一人の職員が担当する件数を減らすためにも、新たな児童相談所の設置が急務となっております。
 平成二十八年の児童福祉法改正により、特別区も児童相談所を設置できることになり、現在、世田谷、荒川、江戸川の先行三区やその他の区でも計画策定や準備検討が進められています。
 人材育成やノウハウ提供、情報共有など、特別区における児童相談所設置に向けては、都が強力に支援をする必要があると考えますが、都の見解を伺います。
 目黒の事件では警察との情報共有が注目されていますが、そもそも、なぜ児相が立入調査などの法的権限を行使しなかったのかを考える必要もあります。他県の児相では、虐待対応には少なくとも五年の経験が必要とされているところもあります。東京は急激に人材をふやしたこともあり、経験三年以下の児童福祉司が全体の約六割となっています。児相には、出頭要請、立入調査、臨検、捜索などの法的権限がありますが、経験年数の短い職員が常に適切な判断をすることは簡単ではありません。
 東京児相には、月二回の非常勤弁護士や電話やメールで意見を求める協力弁護士がおりますが、それに加えて、常勤弁護士の配置が必要ではないでしょうか。職場に日常的に弁護士がいれば、小さいことでも相談ができ、法的な根拠をもとに自信を持って対応する力がつきます。事実、福岡市の児相では、常勤弁護士を配置したことで職員が変わり、児相改革が進んだ一因であるといわれています。
 都においても常勤弁護士を配置するべきであると考えますが、見解を伺います。
 平成元年、国連で採択された子どもの権利条約では、子供の最善の利益が社会や親の利益よりも第一義的に考えられるべきだということが明確にされました。日本では、平成二十八年の児童福祉法改正で、ようやく子供が権利の主体であることが保障されたばかりです。
 児相では、親の権利が子供の権利よりも重く扱われるケースがまだまだ多くあります。東京児相では、里親家庭に委託されている子は、わずか一割にとどまっています。その背景には、実親がノーというと、それより先に進めないでいることもあります。目黒のケースでも、親が面会を拒否したことで、親との関係構築を重視する余りに、子供本人に会えないまま引き下がってしまいました。
 社会的養護のもとにある子供たちの最善の利益の代弁をする第三者であるアドボケーターが必要と考えますが、都の見解を伺います。
 次に、特定妊婦の支援について伺います。
 児童虐待防止には、保護者が虐待に及んでしまう社会的、経済的、精神的背景についても同時に考察をする必要があります。若年で予期せぬ妊娠をした女性は、そもそも医療や福祉のサービスにつながりにくいという課題があります。誰にも相談できないまま、産科に行かず、ハイリスク出産を迎えるケースも少なくありません。
 これらの女性は、産科で妊娠判定を受けて、母子手帳が交付されたところから始まる、妊娠期からの切れ目のない支援の大前提からこぼれ落ちてしまっています。ゆりかご・とうきょう事業の揺りかごにたどり着くことさえできない命があるんです。妊娠判定を受ける以前のところでの十代や学生の産科受診支援について、検討を要望いたします。
 いまだ東京都でも未受診妊婦のまま出産に至るケースは後を絶たず、早急に産科受診へとつなげるためにも、まずは未受診妊婦が相談しやすい体制づくりや現状課題の検証が必要です。
 都は、このような状況をどのように受けとめて、今後、未受診妊婦への対策についてどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。
 次に、保育政策について伺います。
 私は、みずからがフリーランスという働き方のもと、子供を保育園に預けることが非常に難しい時期があったことから、小池都知事の待機児童ゼロという公約や数々の保育政策に共感し、希望の塾の扉をたたいて今この場に立っております。
 都知事が矢継ぎ早に実行した施策により待機児童数が大きく減少している現状を大変評価しつつ、多様な保育の推進とともに、現在は、待機児童解消に加え、保育人材確保に大きな課題が生じてきていることを指摘させていただきます。
 孟母三遷さながらの、子供のためによりよい環境を求めて親御さんが転居等を繰り返す例に加え、最近では、より待遇のよい職場を求めて保育士さんが複数の保育園を渡り歩くような例もあり、保育士の自治体間争奪戦ともいえる状況も深刻化しております。
 地元の多摩市では、同時期に十人の保育士が離職し、認可園の保育人数を一時的に二十四人減らす事態がありました。
 都として市区町村の課題も認識しつつ、オール東京の観点から人材確保の支援を行っていくべきではないかと考えるが、都の見解を伺います。
 復興五輪の理念を実現する施策について伺います。
 私は、東日本大震災以降、岩手県釜石市の観光親善大使として幾度となく現地に伺い、近隣市の住民も含めてさまざまな声を伺ってきました。震災を経て人口流出が続いている現地では、復興に向けた東京都との連携や支援の充実を求める声が多く上がっております。
 岩手の方言で、よかったねという意味の、いがったんたらという言葉があります。未曽有の大震災の後も、東北の方たちは事あるごとに、いがったんたらと声をかけ合えるような事柄を探し、助け合い、支え合いながら復興を目指しています。再び大漁旗を掲げられるそのときを、皆さん心待ちにしているんです。
 実際に、大会開催会場のない被災地においても、東京二〇二〇大会の効果が顕現するよう、ソフト面で多くの施策を実行し、特に被災地在住の人を生かし、人生に残る、記憶に残る、または能力として残る施策を実行していくべきです。
 都としても、被災地の方々が、大会のボランティア活動を初め、実際にオリンピック・パラリンピックにかかわることができる取り組みを進めていくことが必要だと考えますが、見解を伺います。
 市町村総合交付金について伺います。
 多摩地域において公共施設等の更新や再編は、各市町村の厳しい財政状況の中、限られた財源を活用して計画的に進めていく必要がある喫緊の課題となっております。防災機能の強化を図るために、防災拠点となる庁舎の建てかえも重要な課題の一つです。
 地元の多摩市では、築三十年以上である庁舎の再整備の検討が必要となっておりますが、約九十五から百七十二億円の事業負担額が見込まれていて、市民からは、さまざまな不安の声が寄せられています。
 現在、多摩市は、市町村総合交付金による支援の対象を拡大し、防災機能の向上につながる庁舎等の建てかえ経費を支援することを要望しております。
 公共施設等の更新や再編は、各市町村がみずから進めていくべき課題ではありますが、都としても、市町村総合交付金を活用した支援を行うなど、市町村の取り組みを後押ししていくことを検討すべきと考えるが、都知事の見解を伺います。
 多摩ニュータウンにおける自動運行バスの実証実験について伺います。
 二〇二七年リニア中央新幹線の開業を控え、多摩地域の交通物流基盤は革命的な変化に直面しております。加えて、自動運転技術が急速な発展をし、地元からも高齢者のクオリティー・オブ・ライフを向上させる救世主として期待されております。
 運転免許を取得する若年層が減少しつつある中、大型二種免許等の保有者の六割、タクシーでは七割が六十代以上という現状で、十年後やその先に多摩地域の交通や物流に新たな展望を持つためにも、自動運行バスを力強く推進していただきたいと考えております。
 先日、自動運転技術を活用したビジネスモデル構築に関するプロジェクトの実施箇所に、多摩市の多摩ニュータウンが決定したことが発表されました。大変喜ばしいことですが、実験は単発的なものではなく、長期的な事業発展も視野に入れたビジネスプロジェクトの発端でなければならないと考えております。
 二〇一九年、二〇二〇年と世界的なイベントが行われる東京都で、世界に先駆けて、例えば、多摩地域から大会会場への自動運行バスの事業化、また、映画やアニメなどの聖地巡礼、大学と連携したプログラミング教育の実習なども視野に入れた市民参加型の機運醸成が必要と考えております。
 多摩ニュータウンにおける自動運転技術の実証実験を通した今後のビジネスモデルの構築について、どのように支援していくのか、都の見解を伺います。
 最後に、都道の無電柱化推進による防災性の向上について伺います。
 稲城市役所と消防署前の都道、主要地方道第一九号町田調布線の無電柱化は、かねてからの稲城市民の悲願であります。街道沿いには、稲城市役所と消防署が隣接しており、災害時には消防本部と周辺の市立病院、避難所、備蓄倉庫などをつなぐエリアとして、防災上重要な拠点施設が集中しております。
 昨年一月には、市役所前の電線が油圧ショベルを積んだトラックにより切断され、通信障害が発生するなど、この地点の機能低下が市民生活に及ぼす影響の大きさに、改めて市民の間では、都市防災機能の強化に向けた無電柱化を切望する声が上がっています。
 現在、都では、多摩地域においては第一次緊急輸送道路や主要駅周辺を中心に事業を進めており、稲城市役所前の都道は第二次緊急輸送道路であることから事業が進められておりません。しかし、稲城市役所前の都道は、第一次緊急輸送道路に接続をする防災上重要な路線であることは明らかです。
 そこで、稲城市役所前の都道を重点的に整備する路線として位置づけるべきであると考えますが、都の見解を伺います。
 本日お伝えした児童虐待の問題、未受診妊婦の課題も密接にかかわるのが、学校における適切な性教育の実施です。きのうの代表質問で、性教育について保護者の理解を得られた場合は個別やグループ等で対応を行っていくという答弁がありました。
 これについては、ぜひ児童生徒を取り巻く環境の変化や情報の氾濫について、保護者に対しても積極的に問題意識を共有していただける働きかけを行うことをお願い申し上げまして、私の一般質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 斉藤れいな議員の一般質問にお答えをいたします。
 私の方からは、二問お答えさせていただきます。
 市町村総合交付金を活用した公共施設等の更新、再編に向けた支援についてのお尋ねでございます。
 高度成長期を中心として集中的に整備が進みました公共施設などが、今、老朽化しております。その更新、再編というのは、それぞれの市町村に共通する喫緊の課題であると、このように認識をいたしております。
 それぞれの市町村では、厳しい財政状況のもとで、公共施設などの最適な配置、そして財政負担の平準化を実現するために、公共施設等総合管理計画などに基づいて、その更新、再編に取り組んでいるところでございます。しかしながら、こうした計画に基づく取り組みには多額の経費を要すること、そしてまた、市町村の財政負担が重いものとなっているわけでございます。
 そこで、お話のありました市町村総合交付金でございますが、市町村が取り組む各種の施策に要します一般財源の不足を補完する役割を果たすものでございまして、各団体が抱える喫緊の課題への対応に柔軟に活用していただけるように、そのようにすることが重要と考えております。
 こうしたことから、今年度の市町村総合交付金の算定から、現在では算定の対象となっておりません既存の施設の解体撤去経費を含めていくことといたしております。また、庁舎につきましても、災害時の拠点にもなりますということから、その建てかえ経費を交付の対象とするべきか検討してまいります。
 無電柱化のご質問がございました。無電柱化の推進でございます。
 無電柱化というのは、東京の防災力を高めて都民が安全・安心に暮らせるセーフシティーを実現していくために重要であります。
 平成七年の阪神・淡路大震災では、倒壊した電柱が避難や救助の妨げになったことを、私自身、目の当たりにしているところでございます。そこで、防災の観点から、この電柱の林を見直す必要性を痛感してきた一人でございます。一昨日の大阪北部で発生した地震におきましても、電柱が倒れた映像も見受けられました。
 このため、本年三月、条例に基づきまして、今後十年間の方針や目標を定めました東京都無電柱化計画を策定いたしております。
 この計画では、ご指摘にありましたような災害時の復旧拠点となる区市町村庁舎、そして災害拠点病院を結びます都道を新たに重点整備路線へと位置づけをしたところでございます。
 今後ですが、四月に国が策定した無電柱化推進計画を踏まえまして、区市町村や関係事業者と具体的な整備箇所を選定いたしまして、都内全域で無電柱化を推進してまいります。
 私は、この無電柱化によって、多摩地域を初め東京をより安全で、そして美しい、世界に誇れるまちにしていきたい、この思いを強くしております。
 その他のご質問につきましては、関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 五点のご質問にお答えをいたします。
 まず、特別区における児童相談所の設置についてでありますが、平成二十八年の児童福祉法改正により、市と同様に特別区も個別に政令指定を受け、児童相談所を設置できるようになりました。その指定に当たりましては、児童相談所設置後も児童福祉行政の円滑な実施が見込まれることを都道府県が確認することが必要とされております。
 都は、特別区の求めに応じまして、昨年度は特別区職員の研修派遣を三十五名受け入れており、今年度は六十六名に拡大をいたしました。また、児童相談所は、初期対応、虐待対応だけでなく、十八歳に至るまでのさまざまな支援を担っていることから、その理解が深まるよう、虐待相談や非行相談、一時保護等を初め、さまざまな職務に関する勉強会を定期的に開催をしております。
 現在、各区において設置に係る課題について検討が行われており、今後とも、子供たちの安全・安心の確保の観点から、特別区の取り組みを支援してまいります。
 次に、児童相談所への弁護士の配置についてでありますが、都は、児童相談所の法的対応力を強化するため、平成十三年度から個別の問題に対応する協力弁護士の登録制度を開始し、平成十六年度からは、非常勤弁護士を採用して児童相談所に配置をしております。
 現在、全ての児童相談所に非常勤弁護士を一名ずつ配置するとともに、副担当となる協力弁護士をベテランと若手とを組み合わせて、原則二名ずつ登録をしております。この非常勤弁護士と協力弁護士が総勢四十五名の体制で、保護者の意に反した施設入所など法的手続への対応を行うほか、児童相談所の求めに応じて、速やかに法的な見地からの助言を行っております。
 今後、こうした体制をさらに充実し、児童相談所の法的対応力の強化を図ってまいります。
 次に、子供が意見表明できる取り組みについてでありますが、児童相談所の相談対応に当たりましては、子供や保護者等の人権に十分配慮しながら、常に子供の最善の利益を図ることを最優先に行っており、子供や保護者の意向、意見を十分に傾聴し、尊重するよう配慮をしております。
 また、平成二十八年度から、一時保護所入所中の児童の権利擁護と施設運営の質の向上を図るため、都内全七カ所の一時保護所で外部評価を受審しております。さらに、今年度から全ての一時保護所に第三者委員を設置し、入所児童から相談を受けるほか、権利擁護等の視点から、児童相談所への助言を行っております。
 お話のアドボケートについては、現在、国が調査研究を行っておりますが、具体的な仕組みについては今後検討することとしており、都はその動向を注視してまいります。
 次に、未受診妊婦への対策についてでありますが、医療機関を受診していない妊婦は、早産や、自宅や搬送中での分娩などのリスクの高さが指摘をされております。
 そのため、区市町村では、保健センター等で受診勧奨を行うとともに、妊娠や出産に関する相談や指導を実施しております。
 都におきましても、妊娠相談ほっとラインで、匿名での相談やメール相談も受け付けており、平成二十八年度からは相談時間を延長しております。
 また、早期の医療機関受診や妊婦健康診査受診を進めるため、リーフレットを作成、配布するほか、昨年度からは、埼玉県、千葉県、神奈川県と連携して、中央線などにポスターを掲出し、啓発を図っており、今後も、未受診妊婦への受診勧奨や相談窓口の普及啓発を進めてまいります。
 最後に、保育人材の確保についてでありますが、都は現在、保育人材の確保、定着を図るため、キャリアアップ補助や宿舎借り上げ支援、保育人材コーディネーターによる就職相談や定着支援などを行っております。
 また、潜在保育士等の就労を支援するため、保育現場の最新情報などに関する研修と就職相談会を一体的に実施する、保育士就職支援研修相談会を区部三カ所、市部三カ所の合計六カ所で開催をしております。
 今年度からは、合同就職相談会など、区市町村が行う人材確保の取り組みに対する都独自の支援も開始をいたします。
 また、今月末から、東京都待機児童対策協議会において、区部、市町村部、それぞれが抱える保育の課題について議論を開始することとしておりまして、今後とも、区市町村と連携して、保育人材の確保、定着に取り組んでまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長潮田勉君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君) 復興オリンピック・パラリンピックについてでございますが、都は、被災地の復興なくして東京二〇二〇大会の成功はないという認識で被災地支援に取り組んでございます。
 九月には、海外メディアによる被災地の取材ツアーを実施し、元気を取り戻しつつある姿を発信してもらう予定でございます。
 また、次世代を担う被災地の中学、高校生が、ボランティア活動等を通じて大会に参加し、人生の糧となるかけがえのないレガシーを心に残せるよう検討をしております。
 そのほかにも、被災地でのライブサイトの実施など、地元の方々が参加していただけるような具体的な取り組みの検討を進めているところでございます。
 今後とも、国や組織委員会、被災県等と連携し、東京二〇二〇大会が、被災地の方々の記憶に残り、希望をもたらすようなものとなるよう努めてまいります。
〔政策企画局長遠藤雅彦君登壇〕

○政策企画局長(遠藤雅彦君) 多摩ニュータウンにおける自動運転バスの実証実験についてでございますが、超高齢社会を迎えている東京にとって、移動困難者の支援は重要な課題でございます。
 そこで、今年度より、自動運転技術を活用したビジネスモデルの構築に向けた、民間事業者によるプロジェクトの支援事業を実施いたします。
 その一つとして、多摩ニュータウンにおいて、既存バス路線を補完する自動運転バスの運行実験を行い、起伏が多い地域での住民等の移動を支援いたします。同時に、AIにより乗客の姿勢を検知することで、転倒事故を防止するためのサービスなども検証をいたします。
 今後、地元自治体と連携しながら、東京自動走行ワンストップセンターの活用などにより、将来につながる実証実験の円滑な実施を強く後押ししてまいります。

○議長(尾崎大介君) 四十番もり愛さん
〔四十番もり愛君登壇〕

○四十番(もり愛君) 今回、初の本会議質問に立たせていただきます都民ファーストの会東京都議団のもり愛です。
 これまで自治体議員として、日々地域に足を運び、声を聞いてまいりました。女性が抱えている課題や制度と制度のはざまで困っている方に手を差し伸べていきたい、今回の質問作成に当たっても、多くの当事者の方が現場で感じている問題意識を踏まえて質問させていただきます。
 女性活躍が叫ばれる一方、東京都を中心に、首都圏の少子化傾向が強く、東京の出生率は一・二四と全国で最も低い数字です。国は、少子化社会対策大綱において、妊娠期から子育て期にわたるさまざまなニーズに対して、総合的相談支援を提供するワンストップ拠点、子育て世代包括支援センターを、二〇二〇年度末までに全国展開を目指すとしています。
 妊娠段階から、一人一人の困り事にきめ細やかに対応していくことで、未然に家族の問題の芽を見つけることが重要です。児童虐待やネグレクト、子供の貧困等、家庭を取り巻く問題に対して、本当に困っている人は声を上げられないかもしれない、困り切っている人は、もう動けない状況かもしれない、全ての母子と子育て家庭を支える地域づくりが求められます。
 フィンランドのネウボラが代表的ですが、産後ケアの充実も望まれます。区市町村における子育て世代包括支援センターの取り組みが進むよう、都は、区市町村を支援すべきだと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、保育の質の向上について伺います。
 保育サービスが多様化し、さまざまな保育サービスが複雑で、利用者にはわかりにくいのが現状です。どのような保育サービスを受けていても、子供たちの命や安全が脅かされることは決してあってはならないことです。
 平成二十八年三月に、大田区の認可外保育施設で、六カ月の女の子のとうとい命が失われ、事故発生時、園長先生が一人で保育に当たっていたことが問題となりました。東京都の検証委員会において、ことし三月、再発防止に向けて報告及び提言がまとめられました。
 報告書では、認可外保育施設については、位置づけの見直しや保育の質の向上に対してほとんど議論されてこなかったとの指摘があります。
 待機児童が多い地域や親の労働時間、保育指数が足りず、預けたくても認可保育園に入れない子供たちは、認可基準を満たさない施設に預けざるを得ません。
 都道府県や区市町村における保育の窓口においても、認可外保育施設まで含めた、さまざまな保育サービスの違いが十分に把握、周知されていないケースも見られ、認可外保育施設の指導監督基準を満たしていない施設も混在しています。
 全ての子供と保護者が安心して安全に利用できるよう、認可外保育施設の保育の質の向上に向け、積極的に取り組むべきだと考えます。
 一方で、小規模で子供たち一人一人にきめ細やかで家庭的な保育を担っている認可外保育所も多くあります。その中には、子供の認可保育園への転園等により厳しい運営状況を強いられている施設もあり、これまで待機児童の受け皿としての役割を担ってきた認可外保育施設に対して、区市町村の保育サービスに位置づけられるよう支援すべきと考えます。認可外保育施設の保育の質の向上に対して、どのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、ライフワークバランスの推進について伺います。
 私も先日二歳になった娘がいます。日々の成長の喜び、我が子の今しかない、かけがえのない幼児期を、もっと子供と一緒にいたいと願うのは、多くの親御さんの思いではないでしょうか。安心して預けられる保育基盤の整備はもちろん重要ですが、子供と親が一緒に過ごせる時間をふやすことこそが、子育て支援なのではないかという思いもあります。それは、男女の役割を固定化するものではなく、男女ともに子育ての喜びを実感できる働き方、ライフワークバランスが重要です。
 スウェーデンでは、共働きが一般的ですが、子供が八歳になるまでは短時間労働が認められ、男女で四百八十日の育児休業があり、男性も九〇%と高い育休取得率となっています。
 東京都の二十九年度の調査では、都内企業で働く男性の育休取得率は一二・三%、ことし二月に発表された都の保育ニーズ実態調査では、一年以上の育休取得を希望する人は六八%でしたが、実際に取得したのは、母親で五〇%、男性ではわずか六%にとどまっています。
 地元大田区でも、多くの中小企業から、育児休業をさせてあげたいが、人員的にも難しいという声が聞かれ、中小企業への育休取得支援が求められます。
 今年度の新規事業である働くパパママ育休取得応援事業では、男性の育児参加を啓発にとどまることなく、育休を取得させた企業への予算措置が行われ、職場環境整備を推進するとしています。
 この事業による支援を多くの企業が利用できるよう、効果的に事業周知を図り、男性の育児休暇を大きく後押しすべきと考えます。都の見解を伺います。
 次に、江戸東京野菜普及の取り組みについて伺います。
 ことしの四月、国会で種子法の廃止が可決しました。種子は、命の源であり、これまで主要農産物は種子法で守られてきましたが、国の法律がなくなった今、都道府県が担うべき役割は大きくなっていると感じております。
 現在、改正が検討されている種苗法においては、自家採種は原則禁止になるのではと懸念をされています。あくまでも種苗法で登録品種となっているものに限られ、伝統野菜は対象外となっていますが、国の動きが消費者や農家を守るよりも、大企業の利益のために遺伝子組み換えを拡大しようとしている動きを危惧します。
 私の地元大田区にも、馬込三寸ニンジンや馬込半白節なりキュウリという伝統野菜がつくられており、先祖代々の種を大切に守り、手間暇かけて育てている農家さんがいます。
 東京の伝統野菜である江戸東京野菜を都としていかに守り次世代に伝えていくか、より多くの都民に味わっていただけるよう、広く普及及び拡大を進めていくべきだと考えます。現在の取り組み状況について伺います。
 次に、環境政策について伺います。
 東京都環境基本計画では、二〇三〇年までに東京の消費電力に占める再生可能エネルギーの割合を三〇%程度に高めることを目標に掲げています。原発ゼロに踏み出したドイツでは、再生可能エネルギーは、二〇〇〇年に六・六%であったものが、二〇一七年、三三・一%を占め、各エネルギー源の中で最大となりました。
 東京は、日本全体の一割の電力を消費する大消費地です。東京都が都内での再生可能エネルギー導入を推進するとともに、再生可能エネルギーを優先して購入することを大々的に進めていけば、東京が牽引する形で、再生可能エネルギービジネスを発展させることができます。
 二〇三〇年までに、再生可能エネルギー三〇%の目標達成に向けて、どのように取り組みを進めていくのか伺います。
 また、活用し切れていない既存の制度を有効活用することも必要です。
 東京都では、東京ソーラー屋根台帳を作成し、公開しています。これは、都内にある建物が、どのぐらい太陽光発電や太陽熱システムに適しているのかが一目でわかり、屋根の発電ポテンシャルが見える化されています。都内の屋根という資源を最大限に有効活用すべきだと考えます。
 東京都地球温暖化防止活動推進センターでは、地産地消型再生可能エネルギー導入拡大事業として、三十一年度までの四年間で二十四億円規模の予算措置が行われていますが、ことし三年目の段階で五千万円しか活用されていないことは大変もったいないと感じます。
 そこで、この導入拡大事業を有効に運用し、太陽光発電、熱利用に適した屋根にこの補助金が活用されるようにすれば、都内にメガソーラーを設置するほどの大きなチャンスになるのではないでしょうか。都の見解を伺います。
 次に、環境国際会議について伺います。
 先般、パリなど二十二都市が参加して、きれいな空と都市東京フォーラムが開催されました。
 そこで、環境国際会議の成果と、これを踏まえて、今後どのように環境政策を進めていくのか、環境分野で東京が世界をリードしていくことを願い、知事に見解をお伺いいたします。
 次に、地域医療政策について伺います。
 高度急性期医療の発達により、多くの重症疾患の子供たちが救命されるようになり、それに伴い長期入院する小児患児が増加していると聞きます。少子化と高齢出産の増加も背景にあり、医療的ケアを必要とする子供はふえています。
 区南部には、NICUを持った高度急性期病院である東邦大学医療センター大森病院と昭和大学小児科には、長期にわたって入院している患児がおり、大学病院の病床が有効に活用されるためにも在宅への円滑な移行が重要です。
 都は、NICU等からの在宅移行支援にどのように取り組んでいますか。医療的ケア児とその家族が地域で安心して暮らすことができるよう、児童への適切な医療ケアとともに、家族の休息の時間の確保など、負担軽減に向けた支援を積極的に行っていくべきと考えます。都の所見を伺います。
 小児の在宅医療の充実が求められる中で、公的医療機関として荏原病院が区南部に不足している小児の在宅医療支援の一層の強化をするよう強く要望いたします。
 最後に、障害者差別解消条例に関連して伺います。
 障害の医療モデルから社会モデルへ、障害は、個人の身体的特徴にあるのではなく、社会参加に対する障壁、バリアをいかに取り除いていくことができるか。今回の都条例では、国で努力義務となっていた合理的配慮の提供を民間事業者に対し法的義務としたことは、大きな意義があります。
 そこで、学校における合理的配慮について伺います。
 障害児が、地域の学校に入学を希望しても断られることがあると聞きます。障害者権利条約にある第二十四条、教育では、障害者が障害を理由として教育制度一般から排除されないこととあります。障害のある子供の適切な就学先の決定について、都はどのように取り組んでいますか。
 障害者差別解消条例の施行に伴い、広く障害者への差別のない社会を築くためには、小学生のころから、障害のある子供もない子供も相互に交流して理解を深めていく教育が必要であると考えます。都教育委員会の認識と取り組みについて伺います。
 東京二〇二〇パラリンピック開催都市として、都民一人一人の心の中に心のバリアフリーがレガシーとなるよう願いを込めて全質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) もり愛議員の一般質問にお答えいたします。
 私から、一問、お答えさせていただきます。それは、国際会議の成果と今後の環境政策の展開についてのご質問に対してでございます。
 先月、都が主催をいたしました環境国際会議、こちらでは、アジアを初めとする世界大都市の首長さんたちを初めとする方々をお迎えいたしまして、持続可能な都市環境実現に向けた課題、そしてその取り組みについて活発な議論を行ったところでございます。
 その会議の成果といたしまして、参加された二十二の都市が、もったいないという概念の共有などによって、クリーンシティーの実現、そして快適な大気環境でありますクリアスカイの実現に向けたビジョンと取り組みを共有し、東京宣言として世界に発信をしたところでございます。
 都からは、環境政策の推進に当たりまして、武道の精神になぞらえて、心技体、すなわち、心、意識改革、技は技術革新、体は制度、この意識改革、技術革新、制度の心技体、この三つをトータルとした取り組みが重要との考え方を提唱いたしまして、参加をいたしました皆さんの共感を得て、会議全体にわたるスローガンとなりました。会議の終わりには、皆さん、心技体、心技体と、日本語でそのまま何度もいっておられました。余り使える言葉ではないかもしれませんが、よくコンセプトが伝わったのではないかと思っております。
 また、今後の都の取り組みといたしまして、個人の行動変容を促しますチームもったいないを創設するとともに、ゼロエミッションビークルの乗用車新車販売割合を二〇三〇年までに五〇%まで引き上げることを目指す宣言を行ったところでございます。
 今回の会議でますます高まりました東京のプレゼンスを最大限に発揮をいたしまして、ご指摘のとおり、環境分野で世界をリードするとともに、東京の環境政策のさらなる高度化を図って、東京二〇二〇大会のレガシーといたしまして、二〇二四年のパリ、そしてその後のロサンゼルスにも引き継いでまいりたいと考えております。
 その他のご質問につきましては、教育長、関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、障害のある子供の就学先についてでございますが、これまでも都教育委員会は、区市町村教育委員会に対して、就学相談を実施する際には、保護者の心情に寄り添いながら、教育に対する意向、成長、発達の様子等について丁寧に聞き取り、子供の可能性をより伸長する教育環境や教育内容等について、保護者に十分に説明し、理解を求めるよう促してまいりました。
 今後も、区市町村教育委員会に対して、就学相談の考え方や基本的事項を周知するとともに、都教育委員会と区市町村教育委員会との連携協力による就学相談の充実に努めてまいります。
 次に、障害者への理解を深める教育についてでございますが、障害の有無にかかわらず、全ての人が、ともに生きる社会を実現していくためには、幼少期から互いを認め合い、尊重する態度を身につけることが重要でございます。
 これまで都教育委員会は、特別支援学級と通常の学級における授業や行事等による交流の確実な実施を指導するとともに、特別支援学校と小中学校の子供たちがともに学んだり、障害者スポーツを通して交流したりする事業を実施するなどして、相互理解の促進を図ってきております。
 今後、障害者スポーツ交流の種目を拡大するとともに、区市町村教育委員会と連携し、特別支援学級の子供たちの人とかかわる力の育成に向けた研究開発を通して、障害のある子供と障害のない子供の相互交流のさらなる充実を図り、共生社会の礎となる教育を推進してまいります。
〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、子育て世代包括支援センターについてでありますが、都は、国に先立ちまして、平成二十七年度から、全ての子育て家庭の状況を妊娠期から把握し、継続した支援を行えるよう、保健師等専門職の配置等を行う区市町村を支援するゆりかご・とうきょう事業を実施しております。
 国は、平成二十八年度の母子保健法改正で、母子保健施策と子育て支援施策との一体的な提供を通じて妊産婦や乳幼児を包括的に支援する子育て世代包括支援センターを新たに創設いたしましたが、その目的や基本的な事業の内容は、ゆりかご・とうきょう事業と同様となってございます。
 現在、都内で四十一の自治体が、ゆりかご・とうきょう事業に取り組んでおり、子育て世代包括支援センターなど、地域における妊娠、出産、子育ての切れ目のない支援体制の整備を進める区市町村を積極的に支援してまいります。
 次に、認可外保育施設の保育の質についてでありますが、都は、認可外保育施設について、職員配置や設備に関する指導監督基準への適合状況を確認するため、定期的に立入調査を行いますとともに、昨年三月からは、全ての施設を年一回訪問し、施設内での衛生管理、午睡時の事故防止等について巡回指導を行っております。
 また、認可外保育施設が都独自の認証保育所や認可保育所等への移行を目指す場合には、運営費や改修費等を支援するほか、施設みずからがサービス改善に取り組めるよう、外部の専門家が施設の運営を評価する福祉サービス第三者評価の対象に認可外保育施設を加え、受審経費を新たに支援をいたします。
 今後も、認可外保育施設の質の確保と向上を図ってまいります。
 次に、NICU等からの在宅移行支援についてでありますが、都はNICU等からの円滑な在宅移行を進めるため、周産期母子医療センター等に対し、入院早期から在宅生活に向けた支援を行うコーディネーターの配置や、家族が育児や医療的ケアのノウハウを身につけるための訓練を行う専用病床の整備等の支援を行っております。
 また、退院後の在宅での療養環境を整備するため、コーディネーターや訪問看護師が退院前に自宅を訪問するほか、退院後に一時的な受け入れができる病床の確保を行うなど家族の負担軽減も図っております。
 さらに、地域の医師や看護師、保健師等に対して、小児の在宅医療や家族支援等に関する研修を実施し、在宅移行等を担う人材育成も行っており、今後とも、NICU等からの在宅移行を支援してまいります。
 最後に、医療的ケアが必要な障害児と家族への支援についてでありますが、都は、現在、病院を退院した医療的ケア児等が在宅で適切な支援を受けながら安心して生活ができるよう、看護師が自宅を訪問して、家族に対し、看護技術指導や相談、助言等を行う事業を実施しております。
 また、家族の休養と本人の健康の保持などを目的に、看護師が自宅を訪問してケアを行う、在宅レスパイト事業を実施する区市町村を包括補助で支援しております。
 さらに今年度は、支援のノウハウを有する訪問看護ステーションが、他の事業者からの運営相談に応じたり、同行訪問など実践的な研修等を行うモデル事業を開始し、医療的ケア児の対応ノウハウを普及していくこととしておりまして、今後とも、医療的ケア児やその家族への支援を充実してまいります。
〔産業労働局長藤田裕司君登壇〕

○産業労働局長(藤田裕司君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 初めに、男性の育休取得促進に向けた取り組みについてでございますが、男性が育児休業を取得し、積極的に育児参加するよう促すためには、企業等での環境整備と社会的な機運の醸成が必要でございます。
 そこで、都は今年度、男性社員に連続して十五日以上の育児休業を取得させる企業を後押しする事業を開始いたしました。この事業を多くの企業に利用していただくため、国や区市町村の協力も得まして、リーフレットを配布いたしますほか、商工団体の広報誌掲載やメルマガ配信などにより、広く事業周知を図っているところでございます。
 また、男性の育休取得を呼びかけるPR動画を新たに作成し、車内広告や駅前の大型ビジョン等で発信することで、機運の醸成を図ってまいります。
 今後も、こうした取り組みによりまして、企業における男性の育休取得を支援してまいります。
 次に、江戸東京野菜の普及拡大についてでございますが、伝統ある江戸東京野菜を普及拡大していくためには、安定した生産の確保と販路の開拓に加え、その特徴を生かしたブランド化の促進が重要でございます。
 都はこれまで、安定した生産に向け、飲食店等での利用が期待できる馬込三寸ニンジンなど五品目の栽培試験を実施し、栽培マニュアルの作成を進めているところでございます。
 また、販路の開拓につきましては、飲食店や流通の事業者に栽培方法や品質を理解していただくため、畑の視察や試食会等を実施しているところでございます。
 さらに、今年度新たに、江戸東京野菜のそれぞれが持つ由来や歴史、個性豊かな味や形を魅力とした独自のブランド戦略を策定してまいる予定でございます。
 こうした取り組みにより、都内産農産物のPRを進める上でのシンボルとして、江戸東京野菜の普及を図ってまいります。
〔環境局長和賀井克夫君登壇〕

○環境局長(和賀井克夫君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、再生可能エネルギーの目標達成に向けた取り組みについてでございますが、都は、再エネによる電力利用割合を、二〇二〇年に一五%程度、二〇三〇年に三〇%程度に拡大するという目標に向け、ソーラー屋根台帳を活用した普及啓発や地産地消型の再エネ設備の導入支援などの取り組みを進めております。
 また、キャップ・アンド・トレード制度において低炭素電力選択の仕組みを設けるなど、電力の需要側からも再エネの供給拡大を促しているところでございます。
 今年度からは、鉄道事業者に対して、駅舎への太陽光パネル設置の支援を開始するとともに、路面に設置可能な舗装型の太陽光パネルなど、新たな再エネ技術の導入に向けた調査を実施しております。
 今後とも、エネルギーの需給両面から総合的な取り組みを展開することで、再エネ利用割合を高めてまいります。
 次に、地産地消型再エネ導入拡大事業についてでございますが、都は、平成二十八年度から、事業者を対象として自家消費型の再エネ発電、熱利用設備等の導入に際して、最大で事業費の三分の一を支援しており、これまで十六件の申請を受け付けております。
 本事業は、国の補助金との併給が可能であり、その場合は合わせて最大で三分の二の支援となりますが、昨年度から国の採択要件が厳しくなり、併給が難しい状況にございます。
 こうしたことから、電力の固定価格買い取り制度、FITによる経済的な利点に比べ、事業者が本事業を活用するメリットが小さくなっているのが現状でございます。
 今後、事業者の自家消費型再エネの導入意欲が高まるよう、本事業の見直しを検討してまいります。本事業のより一層の活用を図り、建物が集積した東京の特性を生かした太陽光発電、熱利用の拡大につなげてまいります。

○議長(尾崎大介君) 八十三番のがみ純子さん
〔八十三番のがみ純子君登壇〕
〔議長退席、副議長着席〕

○八十三番(のがみ純子君) 初めに、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の機運醸成について質問します。
 東京二〇二〇大会の開会式まで七百六十五日後と迫りました。これからの期間は、機運醸成に向けて、文化、教育、スポーツなど関連するさまざまなイベントを重層的に展開する必要があります。
 その一環として、組織委員会が推進している機運醸成事業の一つに、小学校でオリ・パラ競技に関連した問題を解きながら算数を学ぶ東京二〇二〇算数ドリルがあります。
 このドリルを区内の全小学校で採用している渋谷区では、ことしの四月、区立代々木山谷小学校に、女子マラソンの高橋尚子さんや塚原直貴さんらのオリンピックメダリストを招いて、実践学習会を開催いたしました。
 陸上競技のトップアスリートの走る速さに、子供たちは声を上げて驚き、一秒間に何メートル走るかを計算。算数は嫌いだけど、この算数ドリルを使った授業は楽しかったとの感想を書いておりました。
 このドリルを通し、児童がオリンピックやパラリンピック競技のルールやアスリートの名前を覚え、学んだことを児童の家族や地域に広めることで機運醸成につなげようというものです。
 我が党は、この授業を視察してきましたが、渋谷区では、ドリルを地元で開催される五競技を中心に編さんし、既に全区立小学校の六年生に配布し、副教材として活用しているとのことです。
 地元で開催される競技だけでなく地元出身の選手に焦点を当て、地元が練習会場になっている競技を取り上げるなど、区市町村の状況に合わせてドリルを活用していけば、競技や選手を身近に感じ、開催機運の醸成につながると考えます。
 渋谷区だけでなく、都内の小学校に広く活用されるよう、この算数ドリルの周知に取り組み、開催機運醸成を図るべきと考えますが、都の見解を求めます。
 次に、東京二〇二〇大会に関連して、観光振興について質問します。
 東京を訪れる観光客は年々増加し、昨年は一千三百七十七万人に上っています。
 都内には、伝統的なまち並みや水辺空間など、世界に誇るべき魅力のある観光資源が随所にあります。都市型景観だけでなく、アニメや漫画に代表されるポップカルチャーや最新の映像技術の演出によるイベントなど、観光客を引きつける多様な観光資源も多く存在しています。
 例えば、私の住んでいる葛飾区では、柴又が国の重要文化的景観に選ばれています。古来より伝統的な情緒や雰囲気を継承する地域として選ばれたもので、都内では初の指定です。
 また、区内にある東京理科大学の校舎でプロジェクションマッピングを実施したり、最寄り駅でも、光のページェントLEDと銘打ち、イルミネーションで美しい景観が醸し出されています。
 このほか、男はつらいよの寅さん、こちら葛飾区亀有公園前派出所やキャプテン翼、さらに、昔懐かしいモンチッチやリカちゃん人形など、葛飾区にちなんだ人気のある作品や玩具を取り上げて、まち並みの装飾に活用して活性化を図っております。
 都内各地域では、観光資源を活用したそれぞれ独自の取り組みが開催されており、東京二〇二〇大会に向けて、にぎわいの創出や旅行者の誘致につなげていくことは、都内全体の活性化、観光の振興につながるものと考えます。
 都として、こうした地域の観光資源の発掘と宣揚などの支援をさらに強化すべきと考えますが、知事の見解を求めます。
 また、水辺空間は、今後さらなる活用が期待される観光資源であります。
 柴又には、柴又帝釈天という有名な観光スポットがありますが、その先の江戸川の矢切の渡しまで、にぎわいが広がれば、さらに広域に観光を楽しむことができます。水辺に広がる美しい景観を生かして、夜間の時間にプロジェクションマッピングを活用し、観光客を誘致することは、東京ならではの魅力となります。
 こうした水辺空間を東京の有望な観光資源に発展させていくべきと考えます。都の見解を求めます。
 次に、都立高校生の就学の継続対策について質問します。
 就学の断念にはさまざまな原因があり、その一つの理由として、妊娠、出産による就学の断念があります。
 文部科学省が公表した二〇一五年から二〇一六年の二年間の調査によると、全国の公立の高等学校で妊娠の事実を学校が把握した生徒数は二千九十八人です。東京都の人数は全国の約十分の一と推定されます。
 都立高校においては、学習指導要領に従って、性に関する教育を実施しており、産婦人科専門医を活用した教員に対する指導や、生徒、保護者に対する講演会なども実施しています。産婦人科医を活用した事業は、教育現場からの要請も高い取り組みですが、医師不足の現状があり、十分に実施されているとはいえません。今後は、助産師や保健師などの協力を得ることが効果的であると考えます。
 高等学校における性教育に関する都教育委員会の基本的な考え方について見解を求めます。
 都内の妊娠に関する相談窓口では、さまざまな団体やNPOが丁寧な対応を心がけており、私もそうした方々から、現状や課題などについて折々にお話を伺っております。
 妊娠により、自主退学に至った高校生は、二〇一七年の文部科学省の調査で、全国で六百七十四人に上っています。
 妊娠相談に当たる方々も、母体保護の観点からやむを得ず自主退学を勧めることもあるそうですが、高校生からは、出産後に学校に戻れる方法を教えてほしかった、休学や復学などで学び続けたかったなど、切実な悩みを訴えられるケースが少なからずあります。
 都教育委員会は、こうした声に応え、復学などの再チャレンジを初め、さまざまな配慮を凝らし、丁寧で温かな対応を図るべきと考えます。都教育委員会の見解を求めます。
 次に、防災対策について質問します。
 いつ発生するかもしれない首都直下地震や大規模水害に備え、実施可能な取り組みには万全を期すべきです。その観点で幾つか課題を取り上げます。
 東京都の東部低地帯は、ゼロメートル地帯が広がり、過去においては幾多の大水害に見舞われてきたことから、河川の耐震化、堤防や水門の強化は重要です。
 そのため、私の地元葛飾区を流れる中川の七曲がりと呼ばれる屈折箇所の堤防では、現在、耐震補強工事が進められています。
 また、都は、新小岩公園付近において、以前より緩傾斜型堤防の整備を計画しております。
 中川の耐震対策と新小岩公園付近の堤防整備に向けた今後の取り組みについて見解を求めます。
 次に、帰宅困難者対策について質問します。
 都は、首都直下地震が発生した際の帰宅困難者対策の一環として、平成二十五年度から、民間事業所等の協力による一時滞在施設の確保を進めてきました。しかし、九十二万人分の施設目標に対し、三十四万人分の確保にとどまっているのが現状です。
 一時滞在施設の確保を進めるためには、協力していただく民間事業者の費用負担を軽減する支援策が重要と考えます。
 費用負担の一つである備蓄食料の購入費については、本年三月の予算特別委員会における我が党の主張により、新規購入時だけでなく、更新時においても、都が六分の五を補助することになりました。
 しかし、もう一つの負担要因となっている備蓄倉庫に係る固定資産税や都市計画税等の減免については、まだ明確な措置が示されておりません。
 今後、都が進める一時滞在施設の協力事業所を拡大していくために、税の減免について早急に措置を講じるべきと考えます。都の見解を求めます。
 次に、木造住宅密集地域の解消を進めるための、魅力的な移転先の整備について質問します。
 我が党は、三月の予算特別委員会において、木密地域の不燃化を加速するためには、木密地域の権利者や借家人等の移転先の確保が重要であり、その受け皿づくりのため、民間の力を生かして魅力的な計画をつくるべきと要望しました。
 都からは、魅力ある住宅を整備することが効果的であり、民間事業者へのヒアリングなどを行い、柔軟なアイデアやノウハウを取り入れていくとの前向きな答弁があったところです。
 今定例会における知事の所信表明でも、木密地域対策の必要性を強調されており、先般、先行実施候補地区を足立区内に選定し、都有地を活用した民間事業者からのヒアリングの実施について公表しました。
 しかし、木密地域の現居住者が移り住むためには、費用負担的にも妥当な金額でおさまるような民間提案を得なければなりません。
 そこで、今後、魅力的な移転先整備事業の実効性を高めることが必要不可欠と考えますが、事業実施方針等を含めて、都の見解を求め、私の一般質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) のがみ純子議員の一般質問にお答えをさせていただきます。
 私からは、一問お答えさせていただきます。観光に関してでございます。
 地域の資源を生かした旅行者誘致について、東京は、ご指摘のとおり、歴史的な建造物や美しい水辺の空間、地元に代々伝わる食や祭り、そして海外からも注目されるアニメなど、それぞれの地域に際立った個性がございます。
 東京二〇二〇大会は、魅力にあふれた東京のまちを世界に発信をして、都内各地に国内外からの旅行者を誘致する絶好の機会でございます。
 これまで都といたしまして、伝統文化や食、景観のほか、アニメや漫画などのコンテンツを活用いたしました地域の観光振興の取り組みに対しましては、ソフトやハードの両面から支援を行いまして、地域への誘客を進めてきたところでございます。
 今年度からは、江戸東京の史跡や名所、若者に人気のかわいい文化を感じられるスポットなどをめぐります、まち歩きツアーの開発を新たに支援をいたしまして、こうした取り組みを都内全域に広めることによって、旅行者の回遊を促してまいります。
 また、プロジェクションマッピングを活用いたしまして、イベントへの支援を強化するなど、夜間における地域の演出力を高めてまいります。
 ことしは、ちょうど東京百五十年という節目でもございます。こうしたイベントに多くの都民の皆様にもご参加をいただいて、身近な地域の魅力を再発見してもらう、そのことで二〇二〇年に向けて、地域のにぎわいのさらなる創出につなげてまいりたいと考えております。
 なお、その他のご質問につきましては、教育長、技監、関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、高等学校における性教育についてでございますが、学校における性教育は、人間尊重の精神に基づいて行うとともに、生徒が性に関する正しい知識を身につけ、適切な行動を選択できるよう進めていく必要がございます。
 学習指導要領における性に関する指導内容は、小学校から高等学校まで体系的に示されており、高等学校では、中学校までの内容に加え、受精、妊娠、出産や、それに伴う健康課題、また、家族計画の意義や人工妊娠中絶の心身への影響などについても取り扱うことにしております。
 今後、都教育委員会は、性教育の実施状況を把握するとともに、医師等との連携方法などについても検討して、今年度中に性教育の手引を改定、配布し、生徒が自分の行動に責任を持ち、相手を尊重した適切な行動ができるよう、高等学校での指導の充実を図ってまいります。
 次に、妊娠した生徒への支援についてでございますが、生徒の妊娠が明らかになった場合、母体の保護を最優先にしつつ、進級や卒業に向けて教育上の配慮をしていくことが必要であります。
 これまで都教育委員会は、生徒からの不安や悩みに対して、スクールカウンセラー等の外部人材を配置し、きめ細かな相談体制を整えてまいりました。また、学校は、進級や卒業に向け、体調不良により欠席した場合に補習を実施するなどの配慮を行うとともに、休学や復学、再入学を希望する場合の相談に対して丁寧に助言してきております。
 今後、都教育委員会は、校長連絡会や養護教諭等を対象とした研修会において、学校が家庭や関係機関との連携により、卒業に結びつけた事例等を周知するなどして、妊娠した生徒に寄り添い、学びの継続ができるよう支援をしてまいります。
〔東京都技監西倉鉄也君登壇〕

○東京都技監(西倉鉄也君) 中川の耐震対策と新小岩公園付近の堤防整備の取り組み状況についてでございますが、東部低地帯におきまして、水害から都民の生命と暮らしを守るには、河川施設の整備が重要でございます。
 中川の堤防の耐震対策につきましては、平成三十年度に青砥橋上下流など四区間で新たに着手いたします。これによりまして、計画延長の約七割を事業化することとなります。また、津波の遡上等を防ぐ役割を持つ上平井水門では、大型門扉の交換、門柱や堰柱等、コンクリート躯体の耐震補強を実施しております。
 新小岩公園付近の緩傾斜型堤防の整備につきましては、既設道路の線形などが変わることから、整備後の交通処理につきまして、地元や関係機関と協議を進めております。今後、これらを踏まえまして、詳細な堤防構造や施工方法等の検討を実施してまいります。
 引き続き、東部低地帯における都民の安全・安心の確保に向け、必要な対策を着実に進めてまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長潮田勉君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君) 算数ドリルを通じた機運醸成についてでございますが、東京二〇二〇大会の成功のためには、開催機運の醸成を図ることが重要でございます。
 そのため、都はこれまでも、カウントダウンイベントやフラッグツアーなど、多くの都民、国民が参加できるプログラムを通じ、子供たちも含め、大会へのわくわく感を共有する多様なプログラムを展開してまいりました。
 今般、組織委員会は、楽しく算数を学習しながら競技についても自然に学べる算数ドリルを作成し、アスリートの協力のもと実践学習を実施するなど、渋谷区をモデルエリアとして機運の醸成を図っております。
 こうしたドリルを通じた取り組みが都内に広がり、開催機運の醸成につながりますよう、組織委員会と連携し、小学校や区市町村などへの周知や案内に取り組んでまいります。
〔産業労働局長藤田裕司君登壇〕

○産業労働局長(藤田裕司君) 水辺空間を活用した観光振興についてでございますが、東京を訪れた旅行者に、より魅力的な観光の機会をふやすため、水辺空間をすぐれた観光資源に育てることは重要な取り組みでございます。
 都はこれまで、地域の魅力を生かした観光のアイデアを民間のノウハウと結びつけて実現する取り組みにより、柴又、金町エリアの寺社や江戸川堤防等を徒歩や自転車で散策するイベントなどを支援してまいりました。
 今年度は、水辺空間を活用したにぎわい創出がさらに進むよう、マルシェの開催や水上アクティビティーなどのイベントに対する支援規模を拡充するとともに、夜間の新たな楽しみを生み出すため、プロジェクションマッピングを実施する場合の助成の充実を図ることといたしております。
 こうした取り組みにより、水辺空間を活用した地域の取り組みを後押ししてまいります。
〔主税局長目黒克昭君登壇〕

○主税局長(目黒克昭君) 備蓄倉庫に係る税の減免についてでありますが、帰宅困難者の受け入れ人数の維持拡大を図るためには、民間事業者の協力を得ていく必要があり、協力事業者の負担の軽減を図ることが不可欠でございます。
 こうした認識のもと、都では、税制面の支援として、備蓄品購入に対する都の補助を初めて受ける場合に、備蓄倉庫に係る固定資産税等を減免してまいりました。
 一時滞在施設の一層の確保に向けましては、初めて備蓄品を購入する事業者だけでなく、備蓄品を更新する事業者に対しましても負担軽減を図っていくことが重要でございます。
 このたび、備蓄品の更新費用が補助対象に追加されたことを踏まえ、固定資産税等につきましても、新たに備蓄品を購入した場合に加え、更新が行われた場合も減免対象とするなど、税制面の支援を拡充してまいります。
〔都市整備局長佐藤伸朗君登壇〕

○都市整備局長(佐藤伸朗君) 魅力的な移転先の整備についてでございますが、木密地域の不燃化を加速するには、権利者が安心して生活再建できるよう、コミュニティを維持しながら入居できる魅力的な移転先を確保することが効果的でございます。
 このたび、その第一歩として、足立区江北及び関原の都有地で民間活力による整備に向けた取り組みを開始いたします。
 来月から、リーズナブルな価格など、権利者が移り住みたいと思う事業内容や民間事業者が参入しやすい仕組みなどについて、対話型の個別ヒアリングを実施いたします。そこで得られた柔軟なアイデアや権利者のニーズなどを踏まえて、秋ごろに事業実施方針を取りまとめ、それに基づき、今年度内に事業者募集を開始いたします。
 燃えない、燃え広がらないまちの実現に向け、今後も工夫を加え、不燃化を強力に推進いたします。

○副議長(長橋桂一君) 五十二番三宅正彦君
〔五十二番三宅正彦君登壇〕
〔副議長退席、議長着席〕

○五十二番(三宅正彦君) 昭和四十三年六月二十六日午前零時、小笠原諸島返還協定が発効し、小笠原諸島全域が日本の施政権下に復帰し、それまで、アメリカ時間で一時間、サマータイムで一時間の計二時間あった本土との時差が日本時間に変更されました。
 真っ青な空に灼熱の太陽が輝く中、父島のアメリカ海軍司令部前の広場で、正午より歴史的な小笠原諸島返還記念式典が始まりました。
 まず、アメリカ大使館のアームストロング政治参事官がジョンソン大統領からのメッセージを代読し、次に、田中総理府総務長官が佐藤総理のメッセージを読み上げました。そして十五分後、アメリカ国歌に合わせて星条旗がおろされ、君が代の演奏とともに日の丸が掲げられました。
 また、硫黄島においても、同日正午に星条旗がおろされ、二十三年ぶりに国旗日の丸が翻り、太平洋で最もすさまじい戦場となった島が日本に返還されました。
 ことしは、それから五十年、記念すべき年です。返還以来、東京都や国は、小笠原住宅建設や超高速ブロードバンドの整備などといったインフラの充実や、観光振興、農業、水産業に対する支援に努めてきました。
 さらに平成二十三年には、世界自然遺産に登録され、世界的に注目されるようになりました。そして、小笠原村民の努力もあり、年々住みやすい島へと発展しているところです。
 しかしながら、小笠原には航空路開設という大きな課題が残されています。これまで、洲崎地区活用案、硫黄島活用案、水上航空機案などがさまざまな角度から検討されてきましたが、返還五十年の記念すべきことしには一定の方向性を示すべき、すなわち、村民の悲願である航空路開設を決断すべきです。知事の所見を伺います。
 次に、父島の都道行文線の整備について伺います。
 島しょ地域の道路は、住民の生活や産業活動を支えるとともに、災害時には避難路となる重要な基盤施設です。しかし父島では、都が発表した被害想定によると、二見湾周辺で最大約十メートルの津波が到達すると予想されています。このような津波が発生すると、中心集落と二見湾の対岸に位置する扇浦地区とが分断されてしまいます。いつ、どこで発生するかわからない巨大地震に伴う津波被害に備え、住民や観光客の迅速な避難を実現するため、防災性の高い道路の整備は喫緊の課題であり、私も行文線の整備を強く要望してきました。
 そこで、都道行文線の整備について取り組み状況を伺います。
 さて、小笠原には忘れてはならない島があります。硫黄島です。いうまでもなく、硫黄島は第二次大戦の最激戦地の一つであり、日米合わせておよそ二万九千人の戦死者が出ました。現在も日本人戦没者の未帰還遺骨は一万柱以上あるといわれており、国による収集帰還への取り組みが行われているところです。
 一方、旧島民について、都では年二回の墓参事業などを行っていますが、昭和十九年の強制疎開以来、返還後も帰島がかなわない状況です。
 そこで、硫黄島の現状について、知事の認識を伺います。
 次に、都立高校についてお聞きします。
 スマートで、目先がきいて、きちょうめん、負けじ魂、これぞ船乗りという言葉があります。一般的には、シーマンシップといわれる言葉であらわされるものです。
 スマートとは、機敏である、身のこなし方がよい、無駄がない、ユーモアがあるなどの感覚をまとめて表現したものです。目先がきくとは、先見の明がある、臨機応変で視野が広い、周囲に対する気配りにすぐれているなどということです。きちょうめんとは、責任観念が旺盛である、他人に迷惑をかけない、物、心両面の用意ができているなどということです。負けじ魂とは、苦しく困難な局面においても任務を投げ出すことなく、全力で最後まで努力しようとする気持ちを表現したものです。
 この標語は船乗りに限らず、私たち社会人が持つべき心構えでもあると思います。
 都立高校の中には、実習船「大島丸」を活用し、海洋教育を実施している唯一無二の学校である都立大島海洋国際高校があります。大島南高校から発展した大島海洋国際高校には、都内各地から、海に興味を抱き、将来、海を舞台に活躍したいと願う志の高い若者が多く集まっています。船を活用した航海実習、寮生活、海洋教育という三つの教育環境を生かし、海や船を素材とした課題を発見、探究し、たくましくも力強く育ち卒業するすばらしい高校となっています。
 そこでまず、大島海洋国際高校のこれまでの取り組みについて、見解を伺います。
 また、大島海洋国際高校の検討委員会の報告書では、単なる国際人の育成ではなく、海洋立国である我が国を支える国際的に活躍できる海洋人材を育成することを目指していくとしています。
 世界第六位ともいわれる排他的経済水域を抱え、その約三八%をこの東京都が有しています。そうした視点からも、世界に通ずる海洋人材の育成を、地に足をつけて確実に実施していくことが重要であると考えます。
 今後、海洋国際教育を充実していくためには、しっかりとした技術を持つ教職員を確保、育成していくことや、最先端の海洋技術を持つ大学などの研究機関との強固な連携などの取り組みを着実に進めていかなければならないと考えますが、所見を伺います。
 島しょ地域の豊かな海に加え、東京が有する魅力ある自然として忘れてはならないのが、多摩地域と島しょ地域に広がる森林です。
 東京には、都の総面積の四割に当たる約八万ヘクタールの森林が広がり、水源の涵養や二酸化炭素の吸収など、都民にとって不可欠の役割を果たしています。この森林を健全な姿で次世代に引き継ぐためには、間伐などの森林整備の促進と木材の利用拡大を図ることが必要であり、その事業を担う林業と木材産業の振興が不可欠です。
 ことしは、森林、林業にとって大きな転換点となる年です。
 国政では、平成三十一年度税制改正により、来年度から森林環境譲与税が市区町村及び都道府県に譲与される予定となっています。
 また、先月二十五日には、国会において森林経営管理法が可決、成立し、来年度より、森林所有者と意欲ある林業経営者間の連携を構築し、林業経営の集積、集約化などを図る新たな森林管理システムが開始されます。
 そうした中、本年十一月には、東京で初めてとなる全国育樹祭が開催されます。この全国育樹祭は、健全で活力ある森林を育て、次世代に引き継いでいくことの大切さを伝える国民的な森林、緑の祭典であり、森林整備や木材利用の機運を高める絶好の機会となります。
 こうした機会を捉え、東京における林業、木材産業の振興を強力に進めることが重要となると思いますが、都の所見をお伺いいたします。
 次に、高齢者施策について伺います。
 都では、ことし三月に、高齢者に係る幅広い施策を総合的に展開していくため、第七期の東京都高齢者保健福祉計画を作成しています。計画は、今年度からの三年間を計画期間とするとともに、団塊の世代が全て七十五歳以上となる七年後を見据えた中長期的な計画となっていますが、介護サービス基盤の整備、介護人材対策の推進、認知症対策の総合的な推進など、七つの分野に重点的に取り組むこととしています。
 これらを着実に実施し、計画の理念である地域で支え合いながら安心して暮らし続けることができる東京の実現に向け、力強い取り組みを行っていくべきと考えます。
 中でも重点分野の一つに位置づけられた認知症対策についてですが、今から七年後には六十五歳以上の六人に一人が認知症になるといわれています。そのような中、認知症対策として、認知症の方々が住みなれた地域で早期に適切な支援を受けられる体制を整備することが重要になると思います。
 平成三十年四月までに、全ての市区町村が、医療、介護の複数の専門職により構成される認知症初期集中支援チームを設置しました。一方で、島しょ地域については、認知症の専門医療を提供できる医療機関や人材の確保は厳しい状況にあります。
 そこで、認知症初期集中支援チームが円滑な活動を行えるよう、島しょ地域を含む市区町村に対し、都はどのような支援を行っていくのか伺います。
 最後に、昨日の代表質問でもお尋ねした受動喫煙防止条例に関して質問いたします。
 条例案では、従業員の有無を判断基準としていますが、都内中小飲食店では、ふだんは親族が手伝い、繁忙期はアルバイトを雇うなど、雇用のあり方は多様かつ流動的です。
 このため、行政が責任を持って継続的に把握し、条例を的確に運用していくのは現実的に極めて困難です。これに比べ、店舗面積は客観的かつ安定的な基準であり、都民にとってわかりやすい基準です。
 そこで、受動喫煙防止という都民生活に直接影響する条例を都が責任を持って運用していくには、店舗面積を基準に据えるべきであり、その上で、従業員の同意を条件に、喫煙か禁煙かを選択できる仕組みとすることで、誰もが納得し、実効性のある条例になると考えますが、知事の所見を伺いまして、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 三宅正彦議員の一般質問にお答えをいたします。
 まず、小笠原航空路についてのご質問でございました。
 航空路の開設は、島民生活の安定と国境離島であります小笠原諸島の自立的な発展を図る、その上で極めて重要と認識をいたしております。
 私は、知事就任いたしまして、その直後、平成二十八年十月に父島を訪問いたしました。その際に、飛行場の候補地を現地でしっかりと確認をいたしております。自然環境を初め、さまざまな課題があるということも改めて認識をしたことでございます。また、村民の方々の思いも直接伺ったところでございます。
 昨年七月に開催いたしました都と村の航空路協議会におきましては、父島の洲崎地区を活用する案を中心といたしまして検討することといたしております。
 また、それまでの一千二百メートルの滑走路設置案と並行いたしまして、滑走路の長さや位置の検討を行うということを双方で確認いたしまして、現在、諸条件の調査を継続しているところでございます。
 引き続き、調査結果も踏まえまして、自然環境と調和した実現可能な航空路案が取りまとめられますように、国や村などの関係機関と緊密に調整を行いまして、精力的に検討を進めてまいります。
 硫黄島の現状に関する認識についてのご質問でございます。
 昭和四十三年六月、米軍の統治から返還された後、昭和五十九年六月に火山活動や産業の成立条件の厳しさを理由といたしまして、一般住民の定住は困難という政府決定がなされております。旧島民の帰島がそれによってかなわず、今日に至っているということでございます。
 また、いまだ一万柱以上のご遺骨が眠っているということで、国による収集事業が行われているのはご承知のとおりであります。
 このような状況のもとで、旧島民や戦没者の遺族の方々の思いに応えるために、都は、昭和五十四年度から墓参事業、昭和五十八年度から戦没者追悼式を毎年度実施するとともに、父島、母島への定住促進事業を行ってまいりました。
 現在の我々の繁栄が戦没者のとうとい犠牲の上に築かれていること、私は片時も忘れたことはございません。
 知事就任直後の平成二十八年十月、硫黄島を訪問いたしております。その際、都の慰霊施設におきましては、戦没者に対しまして花を手向け、心からの追悼を行ったところでございます。
 依然として火山活動の終息は見られておらず、政府方針は変わってはおりませんが、都としては墓参、そして追悼式を通じまして、硫黄島の歴史を風化させることのないよう努めてまいりたいと存じます。
 受動喫煙防止条例についてのご質問でございます。
 この条例では、みずから受動喫煙を防ぎにくい立場にある従業員を守るために、店舗面積にかかわらず全ての飲食店を原則屋内禁煙とした上で、従業員を使用しない場合には、禁煙か喫煙かを選択可能といたしました。
 従業員の同意を条件に、禁煙か喫煙かを選択できる仕組みをご提案いただいているわけでございますが、従業員は雇用者の方針に反対意見を示すということはなかなか難しいものでございます。昨年九月に実施したパブリックコメントにおきましても、そうしたご意見も頂戴しております。
 また、雇用のあり方というのは、多様かつ流動的だというご指摘でございます。従業員の有無を判断基準とする条例の運用は困難と指摘しながら、その従業員の同意を条件とするということには、むしろ矛盾があるのではないかと存じます。
 現在、保健所におきましては、飲食店の営業許可、そして監視指導を行う中で、管内の飲食店の状況を把握しておりまして、今後、保健所を設置している区市と連携協力をしながら、受動喫煙防止対策、より一層推進してまいりたいと考えております。
 その他のご質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 都立大島海洋国際高校に関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、大島海洋国際高校のこれまでの取り組みについてでございますが、大島海洋国際高校は、漁業などの水産業従事者を育成してきた大島南高校を、平成十八年四月に改編し、海を通して世界を知るという理念のもと、国際社会に貢献できる人材を育成してまいりました。
 具体的には、実習船「大島丸」を活用した航海実習、留学生の受け入れ、サイパンでの語学研修、寄宿舎での集団生活などの特色ある教育を通じ、自律性や責任感を養うとともに、生徒が希望する大学等への多様な進路実現を果たすなど、一定の成果を上げてきております。
 次に、今後の海洋国際教育の充実についてでございますが、実習船「大島丸」の老朽化への対応や、国が策定する海洋基本計画で、海洋人材の育成が主要項目とされたことなどを踏まえ、昨年十一月に、外部有識者を交えた検討委員会を設置し、大島海洋国際高校のこれからのあり方について議論してまいりました。
 そして、本年三月には、真に国際社会で活躍できる海洋人材を育成していくことなど、今後の方向性を盛り込んだ報告書を取りまとめたところでございます。
 今後、本検討委員会報告をもとに、都立高校改革推進計画の次期実施計画を策定する過程において具体的な充実策を検討してまいります。
〔東京都技監西倉鉄也君登壇〕

○東京都技監(西倉鉄也君) 小笠原村父島の都道行文線の整備についてでございますが、父島では、一たび津波が発生しますと、島内の生命線であります都道湾岸通りが寸断され、集落や避難所が孤立いたしまして、救助、救援活動に大きな支障となります。
 このため、湾岸通りの代替路として高台を通る都道行文線のうち、未開通区間であります奥村地区と清瀬地区の避難所間を結びます約〇・七キロメートルの区間の整備につきまして検討を進めてまいりました。
 本区間のルートや基本構造につきましては、集落からの避難機能はもとより、世界自然遺産であります小笠原の景観や動植物の生態系などを考慮いたしまして、自然環境の専門家を交えた検討会を経て本年四月に定めました。
 今後、環境調査や予備設計を進めまして、命の道となる本路線の早期事業化に向け取り組んでまいります。
〔産業労働局長藤田裕司君登壇〕

○産業労働局長(藤田裕司君) 林業、木材産業の振興についてでございますが、森林環境譲与税等の新たな制度の導入や全国育樹祭の開催を契機として、森林整備や木材利用への都民の関心を高め、林業、木材産業の成長につなげていくことは重要でございます。
 このため、都は、区市町村に多摩産材のモデル的な活用事例を紹介いたしますとともに、その調達方法等の助言を行うなど、譲与税を森林整備の普及啓発や多摩産材の利用拡大に効果的に活用できるよう支援してまいります。
 また、新たな森林管理システムのもとで、意欲ある林業経営者が事業規模を拡大できるよう、高性能林業機械の導入や、担い手の技術力向上に向けた取り組みを支援し、その経営基盤の強化を図ってまいります。
 今後は、多摩・島しょの森林の将来のあるべき姿を育樹祭で発信するなど、都民の森林整備への参加を促し、健全な森林を次世代に継承してまいります。
〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 認知症初期集中支援チームへの支援に関するご質問にお答えをいたします。
 都はこれまで、市区町村が設置する支援チームが円滑に活動できるよう、二次保健医療圏ごとに設置した地域拠点型の認知症疾患医療センターにおいて、訪問支援のノウハウを提供するなどの支援を行っております。
 また、東京都健康長寿医療センターに設置した認知症支援推進センターでは、支援チームの指導的役割を担う認知症サポート医のスキルアップのための研修を行っております。
 今年度からは、構成員である保健師や社会福祉士等の対応力向上のための研修を開始いたしますとともに、専門医の確保が難しい島しょ地域の支援チームに対して、推進センターの医師がチームの一員として、ウエブ会議等を通じて、専門的見地から助言を行うなど、市区町村への支援を充実してまいります。

○議長(尾崎大介君) 五十八番とや英津子さん
〔五十八番とや英津子君登壇〕

○五十八番(とや英津子君) 初めに、医療問題について伺います。
 私は、練馬の区議として、長く医療問題にかかわり、区民から相談を受ける中で、区の医療過疎を強く実感してきました。クモ膜下出血で倒れた方は区内病院を希望しましたが、板橋に搬送され、ご家族からはもっと近くに病院があったらという声が寄せられました。三十八歳で突然脊髄損傷になり中野区に運ばれた方は転院先が見つからず、一旦退院。下半身不随なのに、一カ月間リハビリを受けられませんでした。このような事例を初め、多くの区民が練馬の医療に不安を持っています。
 実際、練馬区の病床数は、昨年六月現在、十万人当たり二百九十床で、二十三区平均の約三分の一、最も少ない区です。指定二次救急医療機関は、都全体と比べて約半分、周産期、小児など多くの医療機能が低い状況が長年続いています。
 そのため、入院患者の約七割が区外で受診し、二〇一四年には、妊娠三十週の妊婦さんが破水で救急搬送されたが間に合わず、赤ちゃんの命を助けられなかったという痛ましい事故も起きました。
 大地震では、負傷者五千四百人、うち重傷者六百人と想定されているのに、災害拠点病院は二カ所しかなく、重症の負傷者千人当たりで都平均の半分以下です。
 二十五年後には高齢者人口二十万を超えるといわれるもと、回復期、慢性期病院も少なく、練馬の医療過疎は極めて深刻です。
 練馬区と区議会は、都の保健医療計画改定に当たり、基準病床の引き上げ、回復期、慢性期病床増、三次緊急整備などの意見、要望を上げました。
 知事は、計画の冒頭で、誰もが質の高い医療を受けられ、安心して暮らせる東京の実現を目指すと述べています。知事、区や議会からの意見、要望をどのように受けとめ、区の極端な医療資源不足をどう認識していますか。
 国の制度に基づき、都は、複数の区市町村をまとめて医療圏域をつくり、ふやせる病床数の上限を決めています。この間、都は、病床の少ない練馬への病床を求められても、事業者ごとに均等に分けてきました。
 練馬では、二〇〇五年に順天堂練馬病院、一四年に練馬駅リハビリテーション病院、一七年には、ねりま健育会病院を開設しましたが、人口増で、十万人当たりの病床数は一九九一年の二百八十八床とほぼ同じで、現在もわずか二百九十床です。同じ医療圏に属する板橋区が一千四百二十四床、豊島区五百七十二床、北区七百二床と比較しても、地域内の偏在が顕著です。練馬で十万人当たりの病床を二十三区平均にするには、約三千四百床も不足をしているのです。
 東京都保健医療計画推進協議会改定部会では、部会長が、病床の過不足が自治体ごとに生じているから、何らかの配慮が必要だと述べ、他の委員からも、医療圏内の偏在があるとの認識も示されています。
 都は、計画で、都民が必要とする保健医療サービスを、いつでも、どこでも、誰でも必要に応じて適切に受けることができるようにすることが不可欠と記載しています。地域内の病床偏在を解消するため、新増設の申請をした医療機関に、単純に均等に病床を振り分ける方針は改め、地域の実情に応じた対応をすべきです。お答えください。
 高齢化を控え、医療と介護の確保は喫緊の課題です。医療関係者からは、高齢者が老老介護やひとり暮らしで入退院を繰り返している状況や、慢性期の受け皿が練馬区に少ないことから区外に行くことになり、地元で暮らしにくくなっているなどの声が届いています。本来、地域包括ケアは、介護と医療の連携が不可欠であり、生活圏域内にそのどちらもが整備されるべきです。
 練馬区は、回復期、慢性期の病床は、基礎自治体ごとに整備が可能となるよう都に要望しています。これに対し都は、区市町村の意見などを参考にして、地域に必要な医療の確保を行うと回答していますが、地域包括ケアシステムを構築していく上で、回復期、慢性期病床の役割をどう認識していますか。
 都は、計画改定に当たり、地域包括システムの目標を達成するためにも、住まいの近くに医療があることが非常に重要とし、区市町村を支援するという視点を持つと述べていますが、回復期、慢性期の病床の確保について、どのような支援をお考えですか。
 三次救急についても拡充が求められています。
 練馬区は、高齢化や災害時への対応として、救命救急センターの配置を要望しましたが、都は、東京全域で需要を踏まえて確保するとの回答でした。
 しかし、区内で救命救急センターは一カ所もなく、重症患者は他区に搬送せざるを得ず、二〇一四年には一千五十二人が区外でした。
 センターの空白地域である練馬、杉並、世田谷を通る笹目通り、環八通りは、特定緊急輸送道路です。この沿線にある順天堂練馬病院は、現在でも三次救急に近い水準で医療提供をしています。救命救急センターになれば、災害時にも多くの重症患者を受け入れることができ、地元の医療機関との連携を図ることで、さらに回復期へのスムーズな移行が可能です。練馬区医療施策検討委員会の提言でも、三次救急の必要性が示されています。
 区内医療機関からの申請があれば前向きな検討をすべきですが、いかがですか。
 次に、認可外保育所について伺います。
 二〇一六年三月に、大田区の認可外保育施設で起きた生後六カ月の赤ちゃんの死亡事故について、検証委員会の報告書が発表されました。
 この事故では、都が毎年の立入調査の中で、常時複数の保育従事職員が配置されていないことや、保育の有資格者の数が基準を満たさないことなどを把握しておきながら、改善勧告を出したのは死亡事故の後でした。改善意欲が見られたから勧告しなかったといいますが、有資格者の配置や乳幼児突然死症候群への配慮という肝心かなめのところが、少なくとも三年間満たされないままであったのです。
 意欲があってもなくても、基準が実際に満たされていなければ命は守れません。認可外保育所の指導監督要綱では、都知事の権限として、緊急の必要があるときは、改善指導、改善勧告、弁明の機会の付与などの手続を経ずに事業の停止または施設の閉鎖を命じることまでできるとされていますが、実際にはそれどころか、多くの問題点があっても勧告も行われなかったのです。
 今回の事故は、起きる前に知事の権限を行使すべき事案でした。東京で二度と幼い命を犠牲にしてはなりません、知事の決意を伺います。
 事故検証委員会からは、繰り返し改善指導を行っている事業者について、早期に必要な措置が講じられるよう、指摘事項の改善が図られるための方策や区市町村と連携して、改善勧告等必要な措置が講じられるような指導監督の強化に努めることが示されました。今後の都の取り組みについてお答えください。
 この事故では、ご遺族のお母さんが園のホームページに、保育士二人と書いてあることを信じて子供を預けました。しかし、事故後に保育士は一人もいなかったことを知りました。一方で、都は調査の中で、有資格者がいないことを知っていたのです。
 検証委員会は、都の指導監督状況について、よりわかりやすく情報を公表するとともに、保育サービスを選択する際に、その情報が積極的に活用されるよう周知徹底することを提言しました。
 都のホームページを改善するとともに、指導監督を行っている施設の広報を確認して、事実と異なる記載があれば直すように指導するべきです。いかがですか。
 都の二〇一六年度の認証保育所を除く認可外施設への立入調査実施率は一七・七%、認証は二四・三%、認可では一〇・六%といずれも低く、年一回以上の実施を定めた国の政令や都の要綱に明らかに違反しています。
 非常勤の巡回指導チームが二十名十班体制で指導助言を行うなどの努力はありますが、これは施設の設備と運営全体を調べる立入調査とは別のものです。
 内閣府の発表では、昨年、認可保育園と認可外保育施設で、全治三十日以上の重大な事故は七百五十件、骨折や唇、歯の裂傷など、前年比の一・五倍に上っています。死亡事故は最悪の事態ですが、それ以外の事故も深刻です。法律や要綱に基づいた年一回以上の立入検査を必ず実施すべきですが、いかがですか。
 次に、都市計画練馬城址公園についてです。
 都は、二〇一一年に都市計画公園・緑地の整備方針を改定し、私の地元練馬区では、練馬城址公園に指定されているとしまえん遊園地を優先整備区域としました。二〇二〇年までに事業認可の取得を目指し、ことし一月の実行プランでは、今年度中に整備計画を策定するとしています。地元からは、遊園地を残してほしいという声や、都立公園になるのであればと、歴史や自然を調査し、具体的な提案をされている人たちもいます。
 整備計画策定に向けて、区との協議を含め、これまでどのような調査をしていますか。また、今後、住民の声をどのように生かすのでしょうか、お答えください。
 最後に、都営地下鉄十二号線大江戸線の延伸について伺います。
 都は、二〇一六年の交通政策審議会における百九十八号答申を受け、大江戸線初め、都内鉄道など六路線について事業化に向けた検討の深度化を図る方針です。また、東京メトロの株式配当分約六百二十億円を基金として積み立てることを決めています。今年度は、事業化に向けてどのような調査と検討を行いますか。
 練馬区では、光が丘─大泉学園区間への延伸は、交通空白地域の解消と同時に、区内西側地域から都心へのアクセスが容易になり、利便性は飛躍的に向上します。
 事業化に向けた検討を行っていると聞いていますが、交通局の見解を伺いまして、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) とや英津子議員の一般質問にお答えをいたします。
 まず、練馬区の医療資源についてのご質問でございました。
 お話のように、練馬区が地域医療の充実と病床確保を区政の最重要課題としていること、また、練馬区及び練馬区議会から出されました基準病床数の算定方法などに関しましての要望も十分承知をしているところでございます。
 現在、基準病床数は、医療法に基づいて定められております国が示す算定式によりまして、最新の人口統計を用いて、二次保健医療圏ごとに算出をしているものであるわけでございます。
 また、我が国の医療制度は、自由開業制、フリーアクセスとなっているわけで、医療圏によりましては既存の病床数との過不足であるとか、同一医療圏内の自治体間で偏在が生じていると、このようにも認識をいたしております。
 こうしたことを踏まえまして、現在、二次保健医療圏ごとに地域医療構想調整会議が設置をされておりまして、地域の実情を踏まえながら、病床機能の分化と連携について議論が行われております。
 今後の急速な高齢化に対応いたしまして、誰もが住みなれた地域で生活が継続できるようにするためには、各区市町村におきまして、地域包括ケアシステムを構築して、回復期、慢性期などの病床機能を充実することが課題となっておりまして、これは、練馬区においても同様だと、このように思います。
 都といたしましては、地域包括ケアシステムの構築に向けました区市町村の取り組みを引き続き支援してまいります。
 次に、認可外保育施設に対する指導監督についてのご質問でございます。
 まずは、保育施設で亡くなられたお子様、そしてご家族の皆様に心からのお悔やみを申し上げたく存じます。
 保育施設でこのような事故が発生することは、そもそもあってはならないことでございます。
 都は、認可外保育施設の保育サービスの質の向上を図って、児童の安全、そして保護者の安心を確保するために、昨年三月から巡回指導を開始いたしておりまして、児童福祉法等に基づきます立入調査も含めて、指導監督を充実強化しているところでございます。
 また、ことし三月には、東京都教育・保育施設等における重大事故の再発防止のための事後的検証委員会から、第三者の視点の導入によります運営の透明化、事業者が改善を図るための支援、指導監督の強化などの提言をいただいております。
 これを踏まえまして、都といたしまして、認可外保育施設の質の確保、向上を図るために、福祉サービス第三者評価の導入や認証保育所等への移行の支援、巡回指導を行う区市町村への支援などを進めておりまして、今後とも、保育サービスの質の向上に取り組んでまいる所存でございます。
 その他のご質問につきましては、東京都技監及び関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔東京都技監西倉鉄也君登壇〕

○東京都技監(西倉鉄也君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、練馬城址公園の整備計画策定に向けた取り組みについてでございますが、本公園は、民間の遊園地としまえんを含みます面積約二十六・七ヘクタールの都市計画公園でございます。現在、計画区域の地形や動植物の分布、文化財の状況等の調査分析などを行いまして、公園に導入いたします機能や施設の配置等を定めます整備計画の検討を進めております。
 また、練馬区とは、防災機能の強化やにぎわいの創出といった公園の目指すべき姿などにつきまして意見交換を実施しております。
 次に、練馬城址公園の整備計画策定に向けた住民の意見についてでございますが、この公園の整備計画につきましては、東京都公園審議会に諮問し、審議を経て策定いたします。答申の前には、パブリックコメントを実施いたしまして、住民からの意見、提案を募ることとしております。
 引き続き、地元区と緊密に連携を図りますとともに、広く都民の意見を聞きながら整備計画を策定してまいります。
〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 七点のご質問にお答えをいたします。
 まず、医療機関の病床の配分についてでありますが、都は、医療法に基づきまして、保健医療計画において二次保健医療圏を単位として国が示す算定式により、最新の人口統計を用いて基準病床数を定めております。
 練馬区を含む区西北部保健医療圏など、既存の病床数が基準病床数を下回る圏域については、医療機関からの申請に基づく病床の配分が可能となってございます。
 今年度からは、新規開設や増床を希望する医療機関に対して、病床配分に先立ち、圏域ごとに設置する地域医療構想調整会議で、今後担う役割や機能について説明を求め、調整会議では地域の実情を踏まえながら、その妥当性を協議することとしております。
 都は、調整会議での協議の結果を踏まえ、基準病床数の範囲内で公平に病床を配分してまいります。
 次に、回復期、慢性期病床の役割についてでありますが、地域医療構想における病床機能は、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の四つに区分されております。このうち、回復期病床では、急性期を経過した患者への在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを提供することとされ、慢性期病床では、長期にわたり療養が必要な患者を入院させることとされております。
 また、これらの病床は、在宅で療養している患者の容体が急変した場合に受け入れる役割も担っていると認識をしております。
 次に、回復期、慢性期病床確保のための支援についてでありますが、都は、二次保健医療圏ごとに、医療機関、医療関係団体、区市町村、保険者等の代表者から構成される地域医療構想調整会議や在宅療養ワーキンググループを設置し、地域の医療資源等の現状を把握した上で、医療機関が自主的に病床の機能分化や、医療連携を進めるための課題や今後の取り組みについて検討を行っております。
 また、地域で不足する病床機能への転換や病院間の情報共有など、地域の医療機関の実情に応じた取り組みを地域医療介護総合確保基金を活用して支援をしております。
 次に、三次救急医療体制についてでありますが、救命救急センターは、重篤な救急患者に対して高度な医療を総合的に提供する医療機関であり、都では、都内全域を一つの圏域として整備を進め、現在二十六カ所を指定しております。
 指定に当たりましては、集中治療室等の施設整備や、必要な診療科目に対する人員配置など、重症患者を受け入れるための体制や能力を有することを要件としており、申請を受けた場合には実地調査を行い、施設設備や重症患者の受け入れ実績を確認した上で指定することとしております。
 次に、認可外保育施設への指導監督の強化についてでありますが、都は、昨年三月から、巡回指導チームによる指導を開始し、全ての施設に対し、年一回実施をしております。
 また、児童福祉法に基づきまして、書面による報告徴収や立入調査等を行っており、その結果、設備及び運営に関する基準に抵触した場合には改善を指導しております。
 その後も改善されない場合は改善勧告を行い、それでも改善されない場合は、区市町村と連携し、児童の処遇を確保した上で、施設閉鎖命令等も含め厳正に対処をしております。
 今年度からは、認可外保育施設の巡回指導に取り組む区市町村に対する支援も開始しておりまして、今後、本年三月の検証委員会の提言も踏まえ、区市町村と連携しながら指導監督を強化してまいります。
 次に、認可外保育施設に関する情報公表についてでありますが、都はこれまで、四半期ごとにホームページで公表していた立入調査の結果等について、今年度から、毎月更新できるようシステムを改修いたしました。
 また、本年三月からは、認可外保育施設も含め、子供、子育てに関する施設等の情報を利用者にわかりやすく提供する情報サイト、こぽるを開設し、施設の定員や開所時間等の情報を公表しております。
 さらに、巡回指導の実施に当たりましては、施設が開設しているホームページ等についても事前に確認をし、不正確な内容などがあった場合は、訪問時に適切な情報を公表するよう助言を行っております。
 最後に、保育施設に対する立入検査についてでありますが、認可外保育施設については、巡回指導により、職員配置や保育内容等に重大な問題が認められた施設や、苦情や通報が寄せられた施設に対して早期に立入調査を行うなど機動的に対応を行っております。
 また、認可保育所、認証保育所につきましては、都に加え、子ども・子育て支援法等に基づき、区市町村も指導監督を行っております。
 都は、巡回指導チームや区市町村との連携等により、都内保育施設の運営状況を把握し、課題のある施設に対しては、年複数回にわたり立ち入り、重点的に改善指導を行っているところでございます。
〔都市整備局長佐藤伸朗君登壇〕

○都市整備局長(佐藤伸朗君) 鉄道など六路線の事業化に向けた取り組みについてでございますが、人や物の交流を促し、持続的な成長を実現するには、東京の強みである鉄道を生かし、これを充実させていくことが重要でございます。
 都はこれまで、国の答申において事業化に向けた検討などを進めるべきとされた六路線を中心として、鉄道事業者等の関係者と連携し、事業費の精査、採算性などの課題について検討を行ってまいりました。
 今年度、都は、検討を深度化するための調査費に加え、鉄道新線建設等準備基金を創設し、鉄道新線整備に対する都の取り組み姿勢を明確に示すことといたしました。
 引き続き、課題の検討を進めるとともに、関係者との協議、調整を加速してまいります。
〔交通局長山手斉君登壇〕

○交通局長(山手斉君) 大江戸線の延伸についてでございますが、交通局では、国の答申等を踏まえまして、地元区や都の関係局と連携して事業化に関する検討を進めてございます。
 その中では、事業化に向けた課題といたしまして、地形や地下埋設物などを考慮した駅やトンネルの構造の検討、延伸に必要な車両の留置施設の整備、収支採算性の確保等が必要であるとの認識が共有されております。
 とりわけ収支採算性につきましては、沿線まちづくりの状況を反映した需要予測等を踏まえ検討を実施しておりますが、さらなる輸送需要の確保に向け、具体的なまちづくりに関するより一層の検討を地元区において進めていく必要があると考えております。
 今後とも、地元区や関係局と連携し、事業化について引き続き検討をしてまいります。

○議長(尾崎大介君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時三分休憩

   午後三時二十五分開議

○議長(尾崎大介君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 四十八番つじの栄作君
〔四十八番つじの栄作君登壇〕

○四十八番(つじの栄作君) 四方を海で囲まれ、資源の少ない我が国日本で、近年、あるいはより以前から、勤勉である、正直である、誠実である、和をたっとぶなどの価値観が日本人の美点、美徳であり、他国との比較ですぐれている点の一部であるとの認識がなされていたと私は考えています。
 しかし、最高学府での論文の捏造が報道され、伝統ある企業において製品データの改ざん、会計の不適切処理などのニュースがマスメディアをにぎわせるようになったのは、私の実感ではこの何年間かのことで、経営者、指導者に当たる人物の本来守るべき法令遵守の精神、高邁であるべき倫理観、生き方に対する真摯な姿勢の意識が損なわれてきているように思うことがあります。
 今を生きる青少年が、このような世相で真っすぐに夢や希望を持って、誠実な態度で社会を見詰めることができるものかと、甚だ懸念を抱いておるところでございます。このような状況で、青少年の健全な育成を図る学校教育の重要性をなお一層意識するところでございます。
 そこで、東京都の公教育のビジョンについてお伺いしたいと思います。
 私は、精神科医として比較的若年の方々のメンタルヘルスにかかわりを持つ経験があります。とりわけ適正な自己肯定感、自尊感情の形成を子供のころから促すことは、精神科医の立場からも重要であると認識しています。
 小池都知事におかれましては、常々、人が大切であると述べられております。教育はまさに人への投資と考えます。東京都教育施策大綱に対するパブリックコメントにおいて、都民の意見として、全ての大人が子供の自己肯定感を育むよう声かけなどに取り組んでいただきたいとあります。
 改めて、教育の中での自己肯定感の形成の重要性について、知事の認識をお伺いしたいと思います。
 また、都教育委員会は、自己肯定感を健全に育む具体的な指導法及びその成果、研究など長年にわたる知見を持ち合わせていると思います。学校において児童生徒の自己肯定感を育むことの重要性について、都教育委員会の認識をお伺いします。
 精神科医の立場から、教育現場においても、子供たちに自己肯定感を育む教育を充実させることが重要と考えますが、都教育委員会の取り組みについて、また、学校における指導及びその成果についてお伺いします。
 精神科医としての経験と観察から述べますと、自分に対する肯定的な感情や自分自身を大切に思う気持ちから、仲間を初めとする他人の気持ちや立場を尊重できる心を持ち、思いやりの心も形成されるのであって、いじめや不登校の問題も根本的なところはこのあたりにあると考えております。
 私は、自己肯定感を育むことにより、いじめや不登校を未然に防止することにつながると考えますが、都教育委員会の取り組みについてお伺いしたいと思います。
 次に、都の医療施策についてお伺いします。
 本年四月、診療報酬の改定が行われ、本体部分が〇・五五%のプラス改定とのことで、関係団体などは一定の評価をしているように見受けます。また、国内では、政府の経済政策により、いっときに比べれば円安、株高となり、輸出業を主とする大企業など、一部の会社の業績は上向いている状況であると認識しております。
 しかし、多くの給与所得者の可処分所得の伸びは十分ではなく、個人消費は落ち込んでいるといわれ、また、地元の個人商店の皆様のご意見を伺うと、いわゆるトリクルダウンは、いまだ十分ではないように見受けられます。都民の皆様の中にも、経済状況が厳しいと感じて生活されている方も数多くいらっしゃるのではないでしょうか。
 私自身、都心近くの医療機関の経営者の経験から、痛切に感じていることですが、少なくない東京都内の医療機関の経営も非常に厳しい状況に置かれている現状があります。
 その理由の一つに、全国一律の診療報酬にもかかわらず、都内は他道府県に比較して地代も高く、また人件費も相応でないと優秀な人材を医療機関にとどめておくことは困難な状況で、他地域と比較して収入に対して支出が多くならざるを得ない、東京都独特の地域特性があると認識しています。
 今後も、来年予定されている消費税増税、最近の物価高の傾向などがあり、医療機関の経営に関してはさらに厳しくなることが予測されます。
 こういった医療機関の経営状況の変化がある中、都内の医療機関の数は、病院も診療所もこの十年ほどは横ばいであるとの統計があります。しかし、都内では、大学病院や伝統ある病院までもが経営的に厳しい状況にあることが話題にされるようになり、今後都内の医療機関の統廃合、撤退や倒産など、地域医療に影響を与える案件が出てくる懸念を持っております。
 都は、都民の健康、命を守るため、第七次東京都保健医療計画を策定していますが、今後の医療機関の経営の厳しさを織り込んだ上で、分析や対策を行った施策を検討することを望みます。
 そのように民間の医療機関はますます厳しい経営環境に置かれている中、都立病院の経営において、本年四月の診療報酬の改定の前後を比較して、経営面では今後どのような影響が見込まれているのか。また、持続可能な都立病院の運営を実現していくために、現在どのような取り組みをしているのか、お伺いします。
 都立病院は、いかなる環境においても、都民にとって最後のとりでとして民間医療機関では対応困難な医療を率先して行う必要があります。都立病院の最も重要な役割の一つとして、行政的医療の都民への提供があります。民間病院が担うことが難しい行政的医療に対しては、都税が財源である一般会計繰入金の投入が必要となります。
 一般会計繰入金に関しては、都民の皆様の高い関心があるところだと私は承知しております。一般会計繰入金の投入と行政的医療の果たすべき役割とのバランスについて、熟慮、検討することが重要であると私は考えておりますが、行政的医療と一般会計繰入金のあり方について、都の見解をお伺いしていきます。
 今後、都民の健康と命を守るため、都立病院は持続可能な安定した経営基盤を必要としており、超高齢化社会の到来や診療報酬改定を初めとする病院経営を取り巻く環境の変化に迅速に対応することが求められます。
 先日、都立病院経営委員会から、都立病院が本来果たすべき役割を果たし、持続可能な病院経営をしていくため、都立病院の地方独立行政法人化の検討について提言がなされました。これを踏まえた経営形態のあり方について、検討状況をお伺いします。
 高齢化社会を受けて、都民生活に関する世論調査によると、都民の皆様の関心事の上位に、自分自身や家族の健康や病気への不安があります。都立病院における都民への啓発など、活動状況についてお伺いします。
 また、団塊の世代全てが後期高齢者になる二〇二五年にかけて、地域の医療需要に対応した医療提供体制の変革が必要です。高齢化が進む多摩地域全体における高度専門医療も含めた医療提供体制全般について、都の認識と見解をお伺いします。
 多摩地域の医療環境において、多摩メディカルキャンパスの存在は、地域の医療拠点として地域の皆様は大いに期待をしております。
 そこで、本年一月に策定された基本構想を踏まえ、多摩メディカルキャンパスが、今後、多摩地域の医療提供体制の構築をどのように支援していくのか、お伺いしていきます。
 多摩地域では、道路、交通インフラの整備、防災対策、産業振興など、さまざまな解決するべき問題点があると承知しています。
 その中で都市計画道路の進捗状況は、区部と比較しておくれている現状があります。多摩地域の道路ネットワークを通じて、多摩地域が区部と遜色ない、便利で安全で豊かな生活を目指すことは重要であると考えます。
 地元小金井市の南北方向の幹線道路については、天文台通りから小金井街道までの間、約三・六キロメートルにわたり、南北の道路がない状況であり、小金井街道や新小金井街道などで時間帯により深刻な渋滞が発生している現状があります。
 小金井市の人口は昨年十二万人を超え、大規模集合住宅の建設などあり、さらに人口はふえる傾向にあります。このような状況で、今後道路のさらなる混雑、渋滞の発生が予想されます。南北方向の都市計画道路である小金井三・四・一一号線が整備されることで甲州街道と五日市街道が結ばれ、渋滞解消のみならず、災害時に小金井公園や武蔵野公園など、広域避難場所への容易な移動性が確保されることが期待できます。
 このような道路整備による利点が予想される中で、私のもとには、道路整備により小金井市が誇る野川や、はけの自然が損なわれるのではないかと懸念を持ち、自然環境に配慮が必要であるなどの、地元の住民の方々の多様な、貴重なご意見も寄せられています。
 そこで、小金井市の都市計画道路である小金井三・四・一一号線について、現在の状況と今後の取り組みをお伺いします。
 最後に、ラグビーワールドカップ二〇一九開催まであと四百五十七日、東京二〇二〇パラリンピック開催まであと七百九十七日、オリンピック開催まであと七百六十五日と迫ってまいりました。国際大会開催期間中には、世界中から、あるいは日本中から多くの旅行者が東京を訪れることになります。
 現在、東京都は、二〇二〇年の訪都外国人旅行者数を二千五百万人との目標とし、二〇二〇大会とその先を見据えて観光産業振興の実行プランを策定し、集客力が高く良質な観光資源の開発、外国人旅行者の受け入れ環境の向上など、さまざまな施策を展開しています。
 ビッグイベントを見据え、海外からの旅行者の皆様に小金井市を含む多摩地域を訪れていただき、大都市、大都会東京のみならず、多摩地域の豊かな自然など、東京都の多様な魅力に触れていただき、便利に快適に観光を楽しんでいただきたいと考えます。
 そのためには、小金井公園初め都立公園や都立施設に公衆無線LANや多言語による観光案内サインなどの設置、あるいは観光スポットに関する情報提供など、海外からの訪都旅行者が、東京で必要な情報を容易に入手できる環境整備が必要と考えます。
 私自身、海外渡航を以前繰り返していた時期があり、旅先々でのことを振り返りますと、このようなインフラ設備などはどこに行っても当たり前のように存在し、現地の情報を得るのに大変に役に立ったと実感できます。
 そこで、東京都としては、多摩地域のインバウンド対応として、こうしたインフラ整備を進めるため、どのような取り組みを実施しているのか、お伺いします。
 以上、ご清聴ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) つじの栄作議員の一般質問にお答えをいたします。
 精神科医としてのご経験をもとにご質問がたくさんございました。自己肯定感の重要性についてのお尋ねでございます。
 全ての子供たちが個性を発揮して、生きがいを持って豊かな人生を切り開いていけるように、自分のよさや可能性をみずから肯定的に認めていくということは、極めて重要であります。ポジティブということかと思います。
 こうした意識を高めていくことは、共生社会の中で多様性を尊重できる態度を育むこととなりまして、私が目指している、温かく、優しさにあふれる都市、ダイバーシティーの実現にもつながるものと考えます。
 そのため、ご指摘の自己肯定感を高める必要性につきましては、昨年の一月に知事として策定をいたしました東京都教育施策大綱にも盛り込んだところでございます。
 今後も、東京の子供たちが夢や希望を持って力強く歩んでいけるように、教育委員会と力を合わせまして、新たな時代を見据えた教育に取り組んでまいりたいと考えております。
 残余のご質問は、教育長、東京都技監、関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 自己肯定感に関する三点のご質問にお答えいたします。
 まず、自己肯定感を育む教育の重要性についてでございますが、都教育委員会が実施した研究からは、自己肯定感の高い子供は友人関係が良好であり、進路の目標が明確であるといった傾向が明らかになっております。また、都の学力調査の結果においては、自己肯定感の高い子供は、各教科の平均正答率が高い状況が見られます。
 一方、国際比較調査によると、日本の子供たちは自分に自信がないと感じる割合が諸外国に比べて高く、自分のよさを自覚できていない現状がございます。
 こうしたことから、加速度的に変化するこれからの社会において、子供たちが生涯にわたり自信や意欲を持って健やかに成長していくためには、学校教育を通して意図的、計画的に自己肯定感をより一層高めていくことが重要であると考えております。
 次に、自己肯定感を育む取り組み等についてでございますが、都教育委員会は、平成二十年度から五年間にわたり、各教科等において行う自己の成長を振り返る活動など、自己肯定感を高める指導方法を開発し、その資料を都内全公立学校に配布するとともに、各学校における研修の支援を通して、指導方法の理解と実践を促してまいりました。
 また、平成二十八年度から全都立高校で実施している都独自の教科、人間と社会において、互いのよさを伝え合い、よりよい人間関係について考える学習などを推進しております。
 学校からは、これらの取り組みを通して、友人とのかかわりの中で認められたり感謝されたりすることで、自分の長所に気づき、自信を持つことができたなど、子供たちの自己肯定感が高まったとの報告を受けているところでございます。
 最後に、いじめや不登校の未然防止についてでございますが、国や都の調査によると、不登校や他人をいじめた経験のある子供は、自分のよさを実感できない傾向があることから、その防止には自己肯定感を育むことが重要であると考えております。
 そのため、都教育委員会は、いじめ防止対策の一つとして、上級生の役割を果たす喜びを実感できる異年齢交流等を推進するとともに、不登校防止のモデル事業において、教員が子供の実態を把握し、自信を持たせるような指導を手厚く行う取り組みなどを進めてきております。
 今後、都独自のDVD教材、自分を大切にしようの活用を推進するとともに、新たに作成する不登校の未然防止に向けた手引に、互いのよさを見つけ、伝え合う活動事例を掲載するなどして、自己肯定感を育み、いじめや不登校の未然防止に一層努めてまいります。
〔東京都技監西倉鉄也君登壇〕

○東京都技監(西倉鉄也君) 小金井市内の都市計画道路についてでございますが、小金井三・四・一一号線は、広域避難場所へのアクセス向上や生活道路への通過交通の抑制による地域の安全性向上などに資する重要な路線でございまして、東八道路から連雀通りまでの延長約八百三十メートルの区間を、第四次事業化計画の優先整備路線に位置づけております。
 昨年十一月と本年一月には、本区間の整備に向け、環境や景観への配慮などにつきましてご意見を伺うことを目的に、沿道の自治会の代表者や公募による市民の皆様と意見交換会を開催いたしました。また、三月には、この意見交換会の内容を地域の皆様に情報提供することなどを目的に説明会を開催いたしました。
 今後、自然環境や景観などに関する調査検討を実施いたしまして、意見交換を重ねるなど、丁寧に対応してまいります。
〔病院経営本部長内藤淳君登壇〕

○病院経営本部長(内藤淳君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず初めに、都立病院におきます診療報酬改定の影響と取り組みについてでございますが、今回の改定では、入院料や手術料など、診療報酬の本体部分は〇・五五%引き上げられたものの、診療材料や薬価の引き下げなどにより、全体では一・一九%のマイナス改定となりました。また、入院期間の一層の短縮化が求められ、病床利用率の低下につながるなど、都立病院の運営におきましても非常に厳しい状況が見込まれております。
 今後、さらに改定の影響等を分析し、診療報酬におきます新たな施設基準の取得、医薬品等の共同購入や後発品への切りかえなど、収益確保と費用節減に向けた取り組みを徹底いたします。
 加えて今年度は、外部の医療経営アドバイザーも活用するなど、さまざまな視点から経営力向上に取り組み、安定的な経営基盤の確保に努めてまいります。
 次に、行政的医療と一般会計繰入金のあり方についてでございますが、都立病院が担う行政的医療は、周産期医療、精神科医療、難病医療等、採算の確保が困難な医療であり、法令等一定のルールに基づきまして、一般会計繰入金として都が負担しております。
 今後、一層の高齢化が進み、社会構造が大きく変化する中、診療報酬改定や医療人材の不足など、公民問わず医療機関の経営環境はますます厳しさが増すことが見込まれます。
 こうした環境のもと、都立病院におきましては、不採算医療という言葉に甘んじることなく、不断の見直しを徹底し、経営努力を尽くすことが欠かせません。このことを前提といたしまして、引き続き、一般会計からの適正な負担のもとで、都立病院は、将来にわたり都民の生命と健康を守るという使命を果たしてまいります。
 次に、都立病院の経営形態の検討状況についてでございますが、都は、本年三月、都立病院経営委員会の提言も踏まえまして、都立病院新改革実行プラン二〇一八を策定いたしました。このプランでは、都立病院が担うべき役割として、行政的医療の安定的、継続的な提供と地域医療の充実への貢献を掲げ、六つの具体的な戦略を明確にいたしました。
 この役割を将来にわたって果たすための効果的、効率的な経営のあり方につきまして、病院経営の根幹をなす人材確保や、柔軟かつ迅速な経営に資する予算、契約等の視点から、病院現場の実態を踏まえ、現在、課題の分析や検証などを行っております。
 引き続き、現行の運営におきますさまざまな改善の取り組みを進めるとともに、お話のありました地方独立行政法人初め地方公営企業法の全部適用、指定管理など、公立病院として想定される経営形態について多角的に検討してまいります。
 次に、都立病院における都民への啓発活動についてでございますが、都民が健康や医療の正しい知識を身につけるためには、さまざまな自己啓発の機会を設けることも重要であると認識しております。
 都立病院では、専門的な知見と臨床現場で培った豊富な経験を持つ医師や看護師等が、患者、家族や地域の方々を対象に、医療や予防の情報をわかりやすく解説する公開講座を開催しております。
 また、栄養士が監修した家庭でも再現できる病院食のレシピなど、病院がそれぞれ工夫を凝らし、多様な情報を広報誌やホームページを通じて、都民に提供しております。
 今後は、新たに企業や自治体等のニーズに応じましたアウトリーチ型の普及啓発や、都民の関心が高いテーマを中心に、公開講座を体系化したプログラムの作成を行うなど、都民や地域への啓発活動を一層充実してまいります。
 最後でございます。
 多摩地域の医療提供体制構築の支援についてでございますが、多摩メディカルキャンパスは、その整備基本構想におきまして、多摩地域の高度先進的な医療の拠点としての役割とともに、地域医療支援の拠点としての役割も果たしていくこととしております。
 例えば、地域医療支援として、在宅移行支援の強化等による地域での切れ目のない医療の提供や、地域の訪問看護師に対する研修等による医療人材の育成、さらには、患者支援センターの再構築による患者、家族、地域に対する総合的な支援の実施といった取り組みを進めてまいります。
 今後、整備計画の具体化と並行しつつ、これらの取り組みを着実に展開するとともに、キャンパス総体の機能の高度化を不断に図ることによりまして、多摩地域全体の医療水準の一層の向上に貢献してまいります。
〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 多摩地域の医療提供体制に関するご質問にお答えをいたします。
 都は、多摩地域に五つの二次保健医療圏を設定し、それぞれ基準病床数を定めるとともに、各圏域の医療資源の状況や地域特性を踏まえ、がんや脳卒中、救急等の疾病や事業ごとに医療提供体制を整備しております。
 また、周産期医療や小児の救命救急等につきましては、限られた医療資源を有効に活用するため、多摩地域を一つのブロックとして、高度な医療機能を有する病院を中心にネットワークを構築しております。
 今後の急速な高齢化に対応するためには、各圏域の実情に応じた切れ目のない医療を提供する体制の整備が必要でございまして、都は、市町村、医師会、地域の医療機関の協力のもと、地域医療構想調整会議等を活用しながら、医療機能の分化と連携を推進し、体制整備を進めてまいります。
〔産業労働局長藤田裕司君登壇〕

○産業労働局長(藤田裕司君) 多摩地域の観光案内インフラの整備についてでございますが、外国人旅行者に快適に観光を楽しんでいただくためには、観光案内機能の充実を図っていく必要がございます。
 このため、都は、小金井公園を初めとする都立施設においてWiFiサービスを提供いたしますとともに、宿泊施設等を観光案内窓口として指定し、旅行者の情報収集をサポートしております。
 また、WiFiや多言語での案内標識の設置など、市町村が行う二〇二〇年に向けた計画的な受け入れ環境整備に対して助成を行っているところでございます。
 さらに、多摩地域の観光、商工団体等で構成する協議会による多言語での情報発信等の取り組みについて、今年度は新たに、鉄道の沿線別の観光マップの作成やSNSによる発信などを支援いたします。
 こうしたハード、ソフト両面での取り組みを着実に実施し、地域の実情に応じた受け入れ体制の充実を図ってまいります。

○議長(尾崎大介君) 五番おじま紘平君
〔五番おじま紘平君登壇〕

○五番(おじま紘平君) 私の地元練馬区は、昨年で独立七十周年を迎えました。昭和二十二年、特別区として二十三番目に誕生したのが練馬区であります。では、その練馬区が今、基礎自治体として十分に自立をしているか。東京都は広域自治体として十分に機能しているか。私は、区議会議員と都議会議員の両方を経験して、改めて国と都、都と区市町村の分権の重要性を強く感じています。
 知事が都政の最重要課題として取り組んでこられた待機児童施策でありますが、練馬区における認可保育所の設置については、東京都が権限を持っています。練馬区の単独判断では認可保育所を設置できないという事実もあります。しかし、地域によって大きく異なる保育ニーズに対応するには、現場での迅速な判断が極めて重要です。都全体の施策の方向性を踏まえることを前提としながらも、裁量と機動性はもっと現場の自治体にあってもよいのではないかと感じるわけであります。
 住民サービスの原則は、ニア・イズ・ベターであります。現場の自治体の実情を見きわめ、その役割や権限、担うための財源について議論を積み上げることが何より重要です。
 そもそも地方分権においては、社会の変化とニーズにより的確に対応しつつ住民サービスを行っていくため、国から地方へ権限と財源をセットで移譲することが必要不可欠とされてきたはずです。地方の主体性、独自性を担保し、地方分権と地域主権を後押ししていくのは国の役目でもあります。
 一方で、偏在是正を名目とした税制見直しにより、東京が累計六兆円もの財源を奪われている、地方分権に逆行するような現状もあります。
 そこで、まず、地方分権に対する知事の見解を伺います。
 一方で、分権のための議論が役所間の縄張り争いのようになることもまた、都民益とはほど遠いことです。
 昭和二十二年に、日本国憲法とともに地方自治法が施行されて以来、都区間ではさまざまな分権議論がありました。東京が急激な成長を遂げる中で行政がオーバーフローになってしまったこと、一方で、特別区においては自治権拡充運動が盛んに行われてきたことを背景に、福祉事務所や保健所、清掃業務を初め、都から区への権限移譲が順次行われることとなりました。
 このような流れの中で、都区間の協議の場として設置されたのが、都区のあり方検討会であります。課題とされたのは、役割分担と財源配分のあり方でした。五十三項目の事務を区に移管すべきとの結論が出たものの、その具体については、都と区の主張が平行線となり、物別れとなったまま今に至ります。
 そもそもの根幹議論である都区のあり方検討において、双方がテーブルにすらつかない中座状態が六年半も続いているのは、いかがなものか。日本全体では既に人口減少傾向にある中で、二十三区だけは二〇四〇年まで緩やかな増加を続けるというデータもあります。そのような都市独特の環境下に、行政課題がますます複雑化する中で、都区間の連携や役割分担のあり方は重要となるのではないでしょうか。
 そこで、都区制度について、どのような現状と課題を認識した上で、さらに都区制度を都民益に資するものに改革していくのか、都の所見を伺います。
 続いて、二〇二〇改革プランについて伺います。
 都政改革本部が取りまとめた二〇二〇改革プランは、知事が掲げた東京大改革の大きな柱であります。事業単体の見直しを進めるばかりでなく、その運用のあり方そのもの、ひいては都庁組織の構造にも踏み込まんとする姿勢は、都政においてもしばらく見られなかったものです。
 さきの定例会の討論でも申し上げましたが、新しいことを始めようとする際に、少なからず抵抗が生ずるのは常であります。しかし、これは新しい都政を実現するための産みの苦しみであります。何より改革に期待する都民は、その行く末を見ています。
 工業用水道については、廃止の方向で進めることが、知事の所信表明で明らかにされました。さかのぼれば、平成十六年度の包括外部監査で指摘を受けていた事項です。多くの利用者と、庁内でも多くの局にまたがる事業であったことから、議論に時間を要しました。苦慮の末の決断と受けとめています。何かを始めることより、何かをやめることの方が難しく、評価もされにくいものであります。
 一方で、やめた後のことまで責任を持つのが行政です。工業用水道の廃止についても、ユーザーへの影響は申し上げるまでもありません。まずは真摯に、丁寧に説明をしてご理解をいただく中で、いかに影響を和らげるか。特に工業用水ユーザーの場合、業種や使用状況によっては、上水道に転換をした場合に入ってくる塩素の影響が出る可能性もあります。
 では、有識者委員会の提言にあるように、塩素除去装置や逆流防止の受水タンクを設置するのはどうか、使用水量はどうか、敷地面積はどうか、立地条件はどうか。これは、業種あるいは経営規模によっても、本当にそれぞれ違うものだと思います。通り一遍のアンケートでは把握し切れないニーズも必ずあります。これをいかに細かく酌めるかが、ユーザーフォローの鍵であります。
 スムーズな利用転換をお願いするためにも、一件一件を直接訪問し、膝を突き合わせてお話を伺っていく中で状況把握をしていくことが必要と考えますが、都の所見を求めます。
 また、見える化改革の対象ユニットには下水道事業が挙げられ、包括的民間委託やコンセッション方式の活用を検討していくとされています。中でもコンセッション方式は、施設の運営権を官から民に移していくというもので、非常に体力の要る改革です。その分、ほかの自治体からも大いに注目をされております。
 行政の関与の中で行われる事業は、どこまで行っても官業であり、民業のように市場競争にはさらされません。市場原理になじまないものもあります。それ自体のよしあしは別としても、官にも民にもそれぞれ限界があります。しかし、それをどうにもならないものだとして、小手先の経営努力だけを繰り返していても成長はありません。
 二〇二〇改革プランでは、民間活力を積極的に活用していくことも明記をしています。民間でできることは民間に任せることは重要であります。
 そこで、こうした考え方に基づいた改革の展望について、知事の見解を伺います。
 続いて、都市農業と都市農地のあり方について伺います。
 地元練馬区において、農業は区の特徴の一つであり、産業です。二十三区の農地の四割は練馬区にあり、最大の面積を有しています。一方、都市において農地を維持していくのは簡単なことではありません。
 農地所有者の多くは、生産緑地の制度の中で税制上の優遇を受けています。一九九二年に始まった指定の期限は三十年、すなわち、二〇二二年を迎えれば、行政に買い取りを申し出ることが可能になります。
 一方で、買い取り申し出を受けた行政がそれに応えられないとなると、売却するしかありません。土地の供給が過多となれば、地価や家賃相場が下落するリスクがあります。そうなれば、我先にと売り抜けを狙うのも心理です。それを見越してか、私の地元の農家さんにも、連日のようにハウスメーカーが訪ねてきます。
 この二〇二二年問題に対応する策として、特定生産緑地制度が導入されました。指定から三十年を経過した生産緑地でも、十年ごとに指定を更新できるようにしたものです。
 農地が、宅地化すべきものから都市にあるべきものに変わった今、区市において適切にこの特定生産緑地指定が進められることが重要であると考えますが、都の見解を求めます。
 これに関連して、都市農地の貸借の円滑化に関する法律案が、今国会において審議されております。これは、農地法により制限されていた生産緑地の貸借を可能にするものです。この法案が、農業振興や農地保全だけではなく、住民生活の向上に資するかどうかはポイントであります。
 法案の中身を見ますと、賃借を行うスキームの中に、借りる側、つまり農業を行う当人が事業計画を作成し、地元自治体に提出することとなっています。この認定要件の中に、都市農業の機能の発揮に特に資する基準に適合する方法によりとあります。都市農地の本旨に照らし合わせ、農地の持続可能性が担保されるよう、法律運用の中でグリップを効かせることが重要であります。
 この法案を想定しての都の取り組みと、どのように市区町村との連携を行っていくのか伺います。
 また、農地保全に関しては、税制や法制だけでなく、ソフト面の施策も重要です。農地が農地として名実ともに都市にあるべきものと、いかに広く認識をしてもらえるか、都としても知恵を絞っていかなければなりません。
 地元練馬区では、来年に世界都市農業サミットというイベントを控えております。世界的にも希有かつ独特な練馬の農業のあり方を、国内はもとより海外に発信していくというものです。
 都市農業は、まだまだ一般にも認知をされていません。このようなほかの自治体や海外を巻き込んでの取り組みは、都市農業の存在意義を深め、価値を高めるためにも重要なことと考えます。
 都市農業を推進していく立場としての東京都としても、ぜひ練馬区が行う世界都市農業サミットに対して積極的な支援を検討していただきたいと思いますが、都の見解を求めます。
 以上で私の一般質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) おじま紘平議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、地方分権についてのご質問がございました。
 地方分権というのは、地域の実情に応じて、地方自治体がみずからの判断、そしてその責任において自主的、自立的な行財政運営を行って、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を目指すものでございます。
 そして、そのためには、地方が地域の課題に自主的に取り組めるように、地方が果たす役割と権限に見合った財源を一体として確保していく必要がございます。
 国は、この間、累次にわたる法改正で、権限と税源の移譲を実施してまいりましたが、そのいずれもが不十分であるとしかいいようがございません。とりわけ昨今は、地方間で税を取り合う、パイの取り合いのような小手先の手法に終始している。そして、自主、自立の活力ある地域社会の創出に寄与していない、全く寄与していないといわざるを得ません。
 東京、そして日本を持続的成長に導くため、そのためには、首都東京が力強い牽引役となって、各地方もみずからの権限と財源をもって地域を活性化させること、それが重要でございます。
 今般、新たに立ち上げました東京と日本の成長を考える検討会での議論も踏まえまして、地方分権と地方財源は一体どうあるべきなのか、真の地方分権を見据えた都の主張をあらゆる機会を捉えて強力に発信をしてまいりたいと考えております。
 次に、民間活力の活用に係る今後の展望についてのご指摘がございました。
 効率性、柔軟性にすぐれた民、公共性や安定性を有する官、この民と官がそれぞれの特徴を生かして知恵を持ち寄って都政を前進させること、それが東京の発展につながっていくものと信じております。
 都はこれまで、民間にできることは民間に委ねるとの原則のもとで、指定管理者制度やPFIの活用など、民間のノウハウを生かして都民サービスを提供してまいりました。
 また、最近では、企業などとの包括連携協定の締結を行ったり、民間事業者から幅広い事業提案を募集するマーケットサウンディングの実施など、新たな取り組みにも着手をしているところでございます。
 現在、都政改革本部で実施をしております見える化改革におきましても、官民の一層の連携に向けて、他の自治体の取り組みも参考にしながら、さまざまな連携手法の活用について、しっかりと検討してまいりたいと考えております。
 残余のご質問は、関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔総務局長多羅尾光睦君登壇〕

○総務局長(多羅尾光睦君) 都と特別区の連携や役割のあり方についてですが、都は、特別区を包含する広域の自治体として、東京全体の活力を維持向上させる役割を担っており、一方、特別区は、基礎自治体として住民に身近な地域の行政サービスを提供しております。
 福祉、防災、環境など、東京が抱える多様な課題の解決には、都と特別区の緊密な連携が必要であり、都と特別区はこれまでも、例えば待機児童対策などの重要課題に連携して取り組んでまいりました。
 今後も、都区制度のもとで、ともに大都市地域の行政を担う都と特別区との一層の連携や適切な役割分担など、お話にもございましたように、今後の時代に的確に対応し得る大都市行政の実現に向けて、実務的な観点から検討をさらに深めてまいります。
〔水道局長中嶋正宏君登壇〕

○水道局長(中嶋正宏君) 工業用水道利用者の状況把握についてでございますが、事業を廃止する場合におきましては、工業用水道利用者の企業活動への影響を最小限にとどめるため、利用者ごとに宅地内の配管状況や上水道に切りかえた場合の影響などを十分に把握することが重要でございます。
 そのため、都ではこれまで、工業用水道を利用する企業を個別に訪問し、使用状況や上水道に切りかえた場合の塩素除去装置の必要性などを聞き取るとともに、局で管理する図面で配管や設備の設置状況などを把握してまいりました。
 今後、改めて個別に訪問いたしまして、切りかえに伴う配管や必要となる設備の設置場所などにつきまして、技術的な視点に基づき調査を行い、きめ細かく把握するなど、利用者の意向も十分に確認しながら、丁寧に対応してまいります。
〔都市整備局長佐藤伸朗君登壇〕

○都市整備局長(佐藤伸朗君) 特定生産緑地制度の活用についてでございますが、東京の都市農地は、環境や防災などの機能を有する貴重な緑の空間であるとともに、大消費地に近接する特性を生かして、付加価値の高い農業生産の場として活用していくことが極めて重要でございます。
 昨年創設された特定生産緑地制度は、指定により、農家の営農継続意向に対応し、買い取りの申し出期間を延長できるとともに、従前と同様の税制が適用されることから、都市農地の保全に大きな効果が期待できます。
 都は既に、区市や農業委員会等と協力し、さまざまな機会を捉えて周知を図っており、今後さらに、農家向けの説明会を開催し、指定のメリットの周知や意向把握等を行っていくなど、農家の方々に丁寧な情報提供を行いながら、特定生産緑地制度を積極的に活用してまいります。
〔産業労働局長藤田裕司君登壇〕

○産業労働局長(藤田裕司君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、都市農地の貸借に関する取り組みについてでございますが、今国会で審議中の都市農地の貸借に関する法案は、農地の有効な活用を図り、都市農業の有する機能の発揮を通じて、住民生活の向上に資することを目的としております。
 これまで都は、都市農地の多面的機能の発揮に向け、災害時に生活用水を供給する機能をあわせ持つ農業用井戸や、農業者から農業を楽しく学びながら新鮮な収穫物を得られる農業体験農園の整備等を支援してまいりました。
 貸借された農地におきましても、こうした機能が発揮されるよう、都は、農業会議と連携し、区市や農業委員会に対する制度の趣旨の周知や借り受け者からの相談対応を行ってまいります。
 加えまして、多面的機能の発揮に向け、借り受け者が施設整備等を行う際の経費を助成いたします。
 こうした取り組みにより、貸借された都市農地の適切な利用を進めてまいります。
 次に、世界都市農業サミットへの支援についてでございますが、都市農業振興基本法が成立し、都市農業に対する関心が高まる中、練馬区はこれに先駆け、農業体験農園などの先進的な取り組みを進めてきておりまして、都はこうした取り組みを支援することにより、都市農業の振興を図ってきたところでございます。
 平成三十一年度に練馬区が開催を予定しております世界都市農業サミットは、国内外の関係者が都市における農業の役割や取り組み内容等について、広く議論するものと伺っております。
 このサミットでは、シンポジウムに加え、農業体験等のイベントが予定されており、これらを通じて東京の都市農業の魅力を発信することで、地域住民の理解も促進し、その振興につながることが期待されます。
 今後、サミットの開催を機に、東京の都市農業がより一層活性化するよう、区と連携しながら必要な支援について検討してまいります。

○議長(尾崎大介君) 六十二番上野和彦君
〔六十二番上野和彦君登壇〕
〔議長退席、副議長着席〕

○六十二番(上野和彦君) 初めに、東京の快適な水環境創出について質問します。
 かつて武蔵野台地に刻まれた玉川上水は、世界に誇る大都市江戸東京を形成する根幹のインフラでした。玉川上水は、一六五四年に、羽村から四谷大木戸までの約四十三キロメートルを開渠で開削し、四谷大木戸からの下流は暗渠になり、神田上水とあわせて江戸市街地全体に生活用水を供給してきました。
 一方で、江戸城の外堀、内堀にも導水され、江戸市街地の豊かな水環境形成の一翼を担っていたといわれています。
 この構造は、一九六五年に淀橋浄水場が廃止されるまで保たれていましたが、それ以降、江戸城の堀への導水も停止となりました。その結果、都が財産管理する外堀への供給水は、ほとんどが下水道の汚水まじりの雨水となり、水質は悪化し、夏場に大量のアオコが発生しております。
 都は、今年度、外堀の水質改善を目的としたしゅんせつ工事を行いますが、しゅんせつだけでは持続的な水質改善は期待できません。外堀の水は神田川、日本橋川に流れ、水質に大きな影響を与えています。河川の水質改善を図るためには、外堀の持続的な水質浄化が必要不可欠であります。
 知事は、日本橋川について、昨年七月、国土交通大臣とともに、日本橋周辺のまちづくりと連携し、首都高の地下化に向けて取り組むことを発表されました。国際都市にふさわしい、品格のある都市景観の形成、歴史や文化を踏まえた日本橋の顔づくり、舟運など、さまざまな効果が期待されており、日本橋川の水質改善は、より重要な課題となっております。
 そこで、世界に開かれた環境先進都市であるスマートシティーを実現する上でも、東京の中心地に、水と緑の回廊、快適な水環境を創出すべきと考えますが、知事の見解を求めます。
 下水道局は、外堀の水質改善対策として、降雨時の汚れた下水が外堀に流入しないよう、貯留施設の整備を進めております。貯留管の整備が完成すれば、二〇二三年度末には、外堀への下水の流入がほとんどなくなり、水質悪化の一つの要因は改善されるものと思われます。
 しかし、同時に、閉鎖性の公共用水域である外堀は、下水の供給水がなければ、水量が減少し、滞留水の長期化を招くことになります。学識者の方々は、このままでは依然としてアオコが発生するなど、水質は悪化し、新たな環境問題が危惧されるため、導水による水量回復を伴った水質改善が必要であると警鐘しています。
 一方、国では、内堀への下水の供給水が二〇一六年度末になくなる対策として、一九九〇年に水質改善計画を策定し、二〇一三年度に浄化施設を稼働するなど、官民一体となって水質浄化に取り組んでいます。
 ところが、外堀を管理する都は、今なお持続的な水質改善計画は策定されておりません。
 そこで、一つの方策として、江戸時代に羽村から武蔵野の真ん中を流れ、外堀に達していた水の流れを復活させてはいかがでしょうか。これは、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック大会に向けて、都民の心をつなげ、レガシーとして、将来、東京のグリーンインフラの目玉となり得る施策であると考えます。
 ところで、外堀の水質改善対策が進まない背景は、財産所有者が国土交通省、財産管理者は東京都、日常の維持管理は特別区となっており、複雑な所有状況で管理が難しくなっていることです。
 そこで、都は、外堀浄化などの新たな水循環の方策を進めるために、まずは関係機関、関係団体との意見交換を行い、その後、外堀水質改善計画を策定するため、官、民、学の検討会を立ち上げるなど、本腰を入れて取り組むべきであります。見解を求めます。
 次に、東京都の工業用水道事業について質問します。
 有識者委員会からの提言も踏まえ、知事は、本定例会の所信表明で、廃止に向けた動きを進めるとの方針を示しました。廃止する場合にあっても、管路の必要な安全対策は着実に行っていかなければなりません。
 工業用水の供給を停止した場合には、使用されなくなった配水管の破損による道路陥没の発生が懸念されます。撤去までの間、道路陥没防止のための処置を確実に行う必要があると考えますが、都の見解を求めます。
 また、集合住宅における工業用水道利用者への対応は極めて重要であります。
 有識者委員会報告書では、事業の廃止に当たっては、工業用水ユーザーのみならず、集合住宅を含む雑用水ユーザーに対しても支援策を講じるべきとされています。
 個々の使用水量が少量とはいえ、集合住宅では、工業用水の需要拡大の一環として、現在でも約三万五千戸の居住者が工業用水道をトイレの洗浄水に利用しております。
 そこで、事業廃止となる場合には、支援策を早期に策定し、集合住宅居住者へ丁寧に説明すべきと考えますが、都の見解を求めます。
 次に、八王子市内の道路整備について質問します。
 多摩山間地域の道路は、地域の生活や経済を支え、災害時の生命線となる極めて重要な社会基盤であります。このうち、八王子市内の西多摩地域と南多摩地域を結ぶ交通の要衝である美山通りは、秋川街道との交差部で道路がクランク状となっており、慢性的な渋滞が発生しています。
 また、戸沢峠付近では、昨年十月の大雨により、民間業者によって埋め立てた箇所が大規模に崩れ、約二キロにわたり通行どめになるなど、都民生活に大きな支障が出ました。
 そこで、公明党の働きにより、並行する圏央道は暫定無料化の措置が行われ、美山通りの代替路として重要な役割を果たしました。美山通りは、同年十二月に応急復旧し交通開放されましたが、今後、大雨や大雪により再び通行どめにならないよう、防災性にすぐれた代替路となる道路整備を急ぐべきであります。都の見解を求めます。
 次に、千葉県境における橋梁整備について質問します。
 現在、神奈川県境の多摩川には、約二・五キロメートル間隔で橋梁が整備されています。
 一方、千葉県境の江戸川では、市川橋から今井橋までの約八キロメートル区間に、人が渡れる一般道路の橋がありません。水害時における広域避難、震災時における帰宅困難者、災害時の救助救援活動のためにも、地域の安全・安心を支える都県境の橋梁整備が不可欠であります。
 私は、平成十八年三月、この問題を議会では初めて取り上げ、これまで一貫して主張してきたところであります。
 この区間には二つの橋が計画されています。このうち一つの橋である補助第一四三号線は、取りつけ部の導入空間が既に確保されており、早期の事業化を目指すべきであります。二つ目の橋である補助第二八六号線は、篠崎防災公園と大洲防災公園の拠点を結ぶ重要な防災橋となります。
 取りつけ部の導入空間については、現在、区画整理事業で施工すべき区域に位置づけられておりますが、通常の街路事業に比べて時間を要するため、例えば、地元区が街路事業として先行的に用地取得を進めることも大いに検討の余地があります。
 そこで、千葉県境における都市計画道路である補助第一四三号線と補助第二八六号線の橋梁整備について、千葉県や地元区との協議を精力的に進め、スピード感を持って取り組むべきであります。都の所見を求めます。
 東京都は、本年三月三十日、水防法の規定に基づき、想定し得る最大規模の高潮による氾濫が発生した場合の高潮浸水想定区域図を公表しました。これによれば、浸水が想定される区域の面積は約二百十二平方キロメートル、浸水が想定される区域内の昼間人口は約三百九十五万人、想定される最大の浸水の深さは約十メートル、浸水は一週間以上継続するとなっています。
 また、六月七日、土木学会は、東京湾で巨大高潮が起きれば、最悪百十兆円、荒川巨大洪水で六十二兆円の被害推計を公表しました。
 都は、東日本大震災を教訓に、こうした最悪の事態を想定して、直ちに、ハード、ソフト対策を推進することが重要であります。
 そこで、大水害から都民の命と財産を守り、社会経済の壊滅的な被害を回避するため、東京は、新たな防災、減災のあり方が求められておりますが、知事の見解を求めます。
 また、ソフト対策として、避難体制の充実強化などを推進することが必要です。改正水防法では、住民の的確な避難行動などにつなげるため、高潮浸水想定区域の公表に加え、高潮特別警戒水位を定めることとなっております。
 そこで、都は、都民の避難行動などの目安となる水位の設定に向けて、専門的かつ多様な視点から検討を進めるべきであります。見解を求めます。
 水害による被害を最小限に抑えるためには、何よりも都民みずからが判断し、避難行動できる意識の向上を図る必要があります。
 都はこれまで、区と連携し、住民向けの水防災ワークショップを実施してきましたが、今後は、これまでの実績や避難判断に必要な新たな情報を盛り込むなど、手引の充実を図るとともに、都民の水害に対する意識をさらに向上させるため、ワークショップの成果を広く展開していくべきであります。都の所見を求めます。
 公表された高潮浸水想定区域図によると、浸水が一週間以上継続する区域が広範囲にわたっています。地盤が海面下にあるゼロメートル地帯では、河川や海へ自然流下できないため、ポンプにより排水することが不可欠であります。
 そこで、都は、早い復興を実現するために、排水ポンプ整備運用計画を策定し、燃料補給体制の整備や排水施設へのアクセス道路の確保など、大規模水害時の排水対策の検討をすべきと考えます。
 都の見解を求め、私の質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 上野和彦議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、快適な水環境の創出についてのご質問でございます。
 水は、生態系にとって良好な環境を形成する大切な要素であることはご指摘のとおりでございます。ゆとりや潤いに満ちた生活にも不可欠な資源でございます。持続可能な成長を続けるスマートシティーを実現していくためには、望ましい水環境の形成は重要でございます。
 都市づくりのグランドデザインにおきましては、水の恵みを享受できる良好な水環境の実現を取り組みの一つとして掲げております。この中で、合流式下水道の改善や清流復活の取り組みによって、水の都にふさわしい、きれいな川の水を取り戻してまいります。
 公園の整備のほか、雨水浸透施設や透水性舗装の整備を進めまして、地下水を涵養し、水の流れを回復し、さらに、雨水や再生水を循環利用するなど、あらゆる水資源を都市活動に生かしてまいる所存でございます。
 また、開発の機会を捉えたお堀や池などの良好な水辺の再生に向けた取り組みを、区などと連携をいたしまして計画的に進めてまいります。
 こうした水にかかわる多様な施策を展開いたしまして、ご指摘のように、持続可能な循環型の社会を実現してまいります。
 大規模水害に対する都の取り組みについてのご質問がございました。
 東京が荒川などの大河川の氾濫や大規模な高潮に襲われた場合、区部東部のゼロメートル地帯を中心といたしまして、都民の生命と財産が脅かされるとともに、東京の都市機能も大きな打撃を受けることとなります。
 この三月には、想定し得る最大規模の高潮による浸水想定区域図を公表したところでございます。まさに、都にとりまして、大規模水害への対策は、ご指摘のように喫緊の課題でございます。
 これまで都におきましては、護岸や防潮堤、水門などの施設整備を推進するとともに、大規模水害が発生した場合の広域避難につきまして、国や関係自治体等との検討を進めるなど、ハードとソフトの両面から水害対策を進めてまいりました。
 一方で、近年、降雨が局地化、集中化、激甚化しております。今後、地球温暖化に伴う気候変動により、豪雨もより強く、より頻繁となる可能性が高いと、このようにいわれております。
 このような状況を踏まえまして、都といたしまして、引き続き施設整備を着実に進めるとともに、施設では防ぎ切れない大水害という最悪の事態も想定をいたしまして、計画的な広域避難の具体化に向けた検討を一層加速させ、大規模水害対策に全力で取り組んでまいる所存でございます。
 残余のご質問につきましては、東京都技監及び関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔東京都技監西倉鉄也君登壇〕

○東京都技監(西倉鉄也君) 三点のご質問にお答えいたします。
 初めに、八王子市内の道路整備についてでございますが、美山通りは、八王子市西部の山間地域に位置し、秋川街道と高尾街道を南北方向に結び、圏央道八王子西インターチェンジへのアクセス路となります、物流や地域の生活を支える重要な幹線道路でございます。
 このうち、昨年の台風で約二カ月間通行どめとなりました戸沢峠付近の区間につきましては、秋川街道との交差部付近における交通渋滞や道路線形、積雪によります通行どめなどの課題を抱えております。
 このため、本区間の代替路となります仮称戸沢トンネルの整備につきまして検討を進めており、本年四月には、そのルートや基本構造を定めました。
 今後、地質調査や予備設計などを進めまして、早期事業化に向け、積極的に取り組んでまいります。
 次に、千葉県境の橋梁整備についてでございますが、約三百万人の都民が生活します東部低地帯では、洪水等の災害時のリダンダンシーを確保いたしまして、避難や緊急物資輸送等を確実に行うため、新たな橋梁整備が不可欠でございます。
 このうち、用地取得が比較的少なく、早期着手が可能な補助第一四三号線につきましては、橋梁構造等の検討を進めまして、早期事業化を目指します。
 また、防災拠点の篠崎公園と千葉県の大洲防災公園とを結びます補助第二八六号線につきましては、国のスーパー堤防計画と整合を図るため、河川管理者との調整を開始したところでございまして、今後、道路構造等の検討を進めてまいります。
 引き続き、共同事業者となります千葉県との協議を加速いたしますとともに、地元区との連携を一層強化いたしまして、千葉県境の橋梁整備に全力で取り組んでまいります。
 最後に、大規模水害時の排水対策についてでございますが、東部低地帯における早期の復旧、復興には、浸水時におきましても排水施設の機能を確保いたしますとともに、それを補完する排水ポンプ車等の効果的な運用が重要でございます。
 排水施設の機能の確保につきましては、現在、河川の排水機場等におきまして、電気、機械設備の高所への移設や水密化による耐水対策を推進しております。
 また、本年三月には、住民の的確な避難に資する高潮浸水想定区域図を作成いたしました。これにより、排水ポンプ車等の適切な配置の検討に必要となります浸水の範囲や深さ、継続時間が明らかになりました。
 今後、速やかに都の関係局で構成する連絡会を設置いたしまして、直轄河川を管理する国と連携して、排水ポンプ車の運用等、大規模水害時の排水対策につきまして検討してまいります。
〔都市整備局長佐藤伸朗君登壇〕

○都市整備局長(佐藤伸朗君) 外堀などへの新たな水循環の方策についてでございますが、東京の快適な水環境の創出には、健全な水循環や水辺の水質の回復が重要でございます。
 都は、水循環マスタープランを平成十一年に策定し、おおむね平成二十七年を計画の目標として、水循環にかかわる施策を総合的、体系的、効率的に推進してまいりました。
 その後の水循環にかかわる施策については、平成二十九年に策定した都市づくりのグランドデザインに引き継ぎ、水の都にふさわしい、きれいな川の水を取り戻すことなどを目的として、さまざまな取り組みを進めております。
 外堀への水の流れについては、四谷大木戸から外堀までの管路整備が可能かなど、さまざまな課題があるため、関係機関や関係団体との意見交換などを今後幅広く行ってまいります。
〔水道局長中嶋正宏君登壇〕

○水道局長(中嶋正宏君) 工業用水道についての二点のご質問にお答えいたします。
 まず、工業用水道配水管の安全対策についてでございますが、工業用水の供給を停止した場合も、配水管を引き続き適切に管理し、安全性を十分に確保していくことが重要でございます。供給停止後の工業用水道配水管の取り扱いにつきましては、その内側に新たな管を挿入するなど、強度を確保した上で、上水道や他の用途で極力活用してまいります。
 その上で、他の用途での活用ができない配水管につきましては、速やかに撤去を進めますが、供給を停止してから撤去が完了するまでには一定の期間が必要となるため、今後、道路管理者等と協議し、道路陥没を防止するための措置を実施いたします。
 こうした供給停止後の配水管に係る全体的な計画を今後策定し、十分な安全対策を構築してまいります。
 次に、集合住宅における工業用水道の雑用水利用者への対応についてでございますが、事業を廃止した場合の利用者への影響としましては、建物外部の配管工事や利用者宅における上水道への切りかえ工事の実施が必要になるとともに、使用状況によりましては料金の変動などが考えられます。
 そのため、この間、当局では、工業用水道に関する検討状況を集合住宅の建物所有者等に説明いたしますとともに、本年四月からは、各利用者に対しましても情報提供をしてまいりました。
 今後は、有識者委員会の提言を踏まえ、都としての支援策を関係各局が緊密な連携のもと、早期に検討してまいります。
 あわせて、集合住宅の雑用水利用者からの問い合わせに対しましては、各利用者宅の配管状況や工業用水の使用状況等を踏まえ、きめ細かく対応してまいります。
〔港湾局長斎藤真人君登壇〕

○港湾局長(斎藤真人君) 高潮特別警戒水位の設定についてでございますが、改正水防法で定める高潮特別警戒水位の設定は、万一の際に都民が避難を開始する契機となるもので、的確な避難行動のために極めて重要でございます。
 このため、都は、既に公表した高潮浸水想定区域図の作成過程で得られた地域ごとの水位の変化の想定を初めとして、都民への情報伝達や避難に要する時間など、避難行動に関連する要素も踏まえながら、水位の設定を検討してまいります。
 具体的には、本年九月を目途に有識者等で構成する検討委員会を設置するとともに、関係局及び地域の実情を熟知し、避難計画を担う地元区とも連携し、実効性のある高潮特別警戒水位の設定に向け取り組んでまいります。
〔総務局長多羅尾光睦君登壇〕

○総務局長(多羅尾光睦君) 水害に対する意識啓発の推進についてですが、水害による被害の軽減には、住民が被害想定や、みずからとるべき避難行動をあらかじめ理解しておくことが重要でございます。
 都は、二十八年度から、区と共催で住民参加型ワークショップを実施しており、今後も、地域特性や参加者に応じた企画となるよう工夫するとともに、区独自でもワークショップを自発的に開催できるよう、地元区にワークショップの企画、運営の手引を提供してまいります。
 また、手引には、早い段階からの避難に必要な気象情報へのアクセスや、その読み方などを加え、充実させるとともに、その手引を区部東部以外の都内自治体にも配布いたします。
 さらに、水害リスクをわかりやすく説明した映像コンテンツを、トレインチャンネル等の媒体を活用して放映するなど、都民の水害への意識を高める取り組みを進めてまいります。

○副議長(長橋桂一君) 三十番小松大祐君
〔三十番小松大祐君登壇〕
〔副議長退席、議長着席〕

○三十番(小松大祐君) 初めに、都市外交について伺います。
 東京都は、昭和三十五年のニューヨーク市との姉妹友好都市提携に始まり、さまざまな国際協力、国際貢献をしてきた歴史があります。今日の東京が世界に冠たる大都市として存在していることは、これまで都政に携わってきた先人たちの長年のたゆまぬ努力のたまものといえます。
 いうまでもなく、世界各国で、大都市は、経済的豊かさ、文化的魅力、生活の快適性など、都市力の向上を追求し競い合っています。金融センターや交通ハブの主導権をめぐり、熾烈な競争下にもあります。
 都においても、外国人にとって生活、ビジネスしやすい、快適に滞在しやすい環境整備や、東京のプロモーションを進め、魅力を発信など、小池知事からも折に触れて発信をされておりますし、その取り組みも承知しております。
 今後、東京がさらにプレゼンスを高めていくためには、東京があまたの都市問題を解決していく中で培われた豊富な経験、知見、技術を通じた都市問題への対処や、途上国支援の面でも、今後も積極的に国際社会に貢献していくことが不可欠と考えます。
 公共インフラの技術協力や、都が持つ都市問題解決の知見を通じた国際貢献について、知事は今後どのような展開をお考えなのか、見解を伺います。
 都は、平成二十六年に東京都都市外交基本戦略を策定し、都市外交の取り組みを進めていると認識しています。二都市間、多都市間外交を国内外で積極的に展開をしていくとあります。
 東京オリンピック・パラリンピック大会までに三十都市との関係を構築することを目指すとありますが、現在までの進捗と今後の見通しを伺います。
 二〇二〇年のパラリンピック大会は、我が国における障害者スポーツのゴールではありません。二〇二〇年がピークであってもなりません。
 都は、東京都スポーツ推進総合計画において、二〇二四年までの政策目標を掲げています。しかし、障害者スポーツを、二〇二〇年大会をトリガーとし、日本に根づかせ、浸透、振興していくためには、より長期的なビジョン、構想を早く示すべきと考えます。
 二〇二〇年大会の成功は、今後の障害者スポーツ普及に向けても、重要な目標ではありますが、そのことにとらわれ過ぎて、その後の展望についての議論や政策検討がおざなりになっていないか危惧するところでもあります。実際に、競技者や競技団体から、二〇二〇年大会が打ち上げ花火で終わらないかと不安視する声も聞こえています。
 また、先日、ある都立特別支援学校の校長先生と会話をした際、うちの生徒たちはパラリンピックに余り関心がありません、障害者スポーツ、イコール、パラリンピックではありませんとのお話も伺いました。
 ご存じのように、障害者スポーツは多様であり、パラリンピック大会で競技される種目はその一部の種目にすぎません。
 知事は、パラスポーツのファンサイト、チームビヨンドにおいて、二〇二〇年以降も東京に、そして日本全体にパラスポーツが根づいていくよう、さまざまな視点からその魅力を発信していくと、力強く述べられています。
 二〇二〇年以降も、東京において障害者スポーツが活性化していくために、知事はどのような構想をお持ちであるのか伺います。
 次に、障害者施策について二点伺います。
 まず、障害者の通学や福祉施設への通所の際の移動支援について伺います。
 視覚障害や知的障害など、屋外での移動が困難な障害者の外出のための支援として移動支援があります。
 移動支援は、区市町村が地域の特性に応じて柔軟に実施する地域生活支援事業に位置づけられています。そのため、地域ごとに移動支援の実施状況には差があり、例えば、世田谷区では通学、通所とも対象としていますが、現在の支給時間ではとても足らないとの不満の声も聞きます。
 そこで、ほかの自治体の状況も確認したところ、多くの自治体では、通学、通所は対象としていないとも聞きます。
 障害児を家族に持つ家庭では、経済的な負担をふやすか、働く時間を削って家族が送迎に当たるしかないのかとの声もあります。子育て世代の負担軽減が叫ばれる中、通学、通所にかかわる移動支援については、全国一律の基準に基づいて行われる自立支援給付として実施ができるよう、国に対して働きかけをより積極的に行うべきと考えますが、見解を伺います。
 平成二十八年十二月に示された、二〇二〇年に向けた実行プランには、共生社会の実現に向け、障害のある子供たちの自立を目指し、一人一人の能力を最大限に伸長して、社会に参加、貢献できる人間を育成すると明記されています。私は、ここに貢献の言葉が書かれていたことに強く共感を覚えるものです。
 支える福祉から脱却し、障害者が能力や適性に応じて学び、働き、自立した生活を送れる社会を実現しようとする都の指針、メッセージに共感をしたのです。
 かつて、米国大統領ケネディは、全ての障害者をタックスペイヤーにしたいと、米国議会で述べました。この強靱な意思は、やがて米国障害者自身の自立運動につながり、雇用と就労の道をみずからの手で開拓する契機となりました。
 都も国も、これまでに障害者の方を積極的に雇用していくスキームやインセンティブで就業環境を改善してきました。
 一方で、障害者でもできる仕事を見つけて提供してきた側面もあると思います。障害者が能力や適性に応じて働き、自立した生活を送れる社会に求められるのは、幼少期より好奇心を醸成し、意欲を引き出し、志があれば、より高度な知識や技術をみずから習得していけるような学習環境を、特別支援学校、家庭、地域社会の中に構築していくことではないでしょうか。
 視覚障害者でも使えるよう、ボイスオーバーという画面読み上げ機能が備わったアイフォンや、グーグルホームを初め、今ある技術革新は、障害児の学習環境にも大きな影響を与えています。格段に学習効率が上がり、情報格差を補い始めました。
 地域生活支援事業の中には、学習補助器具でもある点字ディスプレーの給付など、日常生活用具給付等事業もあります。この地域生活支援事業は、国の補助金を財源として実施していますが、事業実績に見合った額の交付がなされておらず、都道府県や区市町村に超過負担が生じているとも聞いています。
 このため、給付される用具の種類についても、居住する自治体によって異なるのが現状です。区市町村の財源の制約によって、給付内容に格差が生じる現状を少しでも緩和すべく、都として取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 都政課題の一つに、生産緑地の二〇二二年問題があります。直接的には、緑地確保、農地の保全の問題ということになりますが、それだけではありません。
 都は既に明らかにしていますが、生産緑地は、その地域において、教育や防災機能など、多面的な機能を果たしています。その生産緑地が四年後を境に急速に減少し、宅地化する可能性があるというのがこの問題です。
 この生産緑地の宅地化は、地域の防災機能を担う都立公園の整備、事業化の妨げとなるケースも多く、その進行を抑制する策が期待されてきました。
 現時点で、今後整備すべき都市計画公園の面積は二千ヘクタール以上あり、区域内には、いまだ生産緑地が多数残存しています。豊かな自然環境の創出、保全は、二〇二〇年に向けた実行プランにも明記されています。
 そうした観点からも、今回予算措置された生産緑地公園補助制度の成果を期待するものでありますが、この制度の対象となる生産緑地の面積はどのくらいあるのか伺います。
 また、この制度を効果的に活用していくために、区市に対して丁寧に周知を図るなど、都も相応の準備を行うべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、農地保全に密接に関連する都市計画について伺います。
 東京における都市計画道路の整備方針でも取り上げられておりますが、計画決定されている都市計画道路の中には、ほかの都市計画と重複している箇所があります。例えば、世田谷区にある都市計画道路の補助第二一六号線と都立祖師谷公園です。そのことが道路も、そして公園も事業が進捗しない一因との声もあります。
 祖師谷公園は、東京都地域防災計画及び世田谷区地域防災計画により、防災上の重要な位置づけを持っています。にもかかわらず、その周辺地域は都市計画公園区域内にあるため、建築制限があり、堅牢な建物を建てることができず、狭隘道路が解消されない状況にあるなど、防災上の課題が満載という矛盾にあります。
 都内にはほかにも、補助第二一五号線と善福寺川緑地など、都市計画が重複しているケースが幾つも存在しています。それぞれに近接する地域では、早期解消が期待されています。都はどのようにこれらの整合性を図っていくのか、見解を伺います。
 また、こうした都市計画道路のあり方の検討について、今後どのように進めるのか伺います。
 最後に、知事ご自身の学歴に関する件で二点お伺いします。
 昨日の質問で、我が党は、知事みずからの著書で、一九七六年十月、日本人として二人目、女性では初めて、しかも首席で卒業と述べたことに関してお尋ねしましたが、正面からお答えをいただくことができませんでした。よい成績と首席は全く違います。
 改めて伺いますが、カイロ大学を首席で卒業というのは誤りということでよろしいのか、ご確認させていただきます。
 もう一点、同じ著書の中で、やはり知事みずから一年目は留年したと述べています。ところがその一方で、知事は、一九七二年に入学し、四年後の一九七六年に卒業したと発言されています。一年の留年があるにもかかわらず、入学から卒業までを四年間で卒業、この点についても、知事の口から、どういうことなのか事実を明らかにしていただけますと、都民の疑念も払拭されると思います。知事よろしくお願いします。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 小松大祐議員の一般質問にお答えをいたします。
 まず、都の知見を通じた国際貢献についてのご指摘がございました。
 東京が長年培ってきた技術、ノウハウの中には、世界では大変価値があるものも多い。そして、そうした技術、ノウハウを活用いたしまして、国際社会に貢献をするということは重要であります。
 都はこれまでも、水道や下水道事業、廃棄物処理、大気汚染対策など、さまざまな分野におきまして、主に発展途上国やその都市に対して支援、協力を行ってきたのはご存じのとおりでございます。
 例えば、水道分野でございますが、ミャンマーやマレーシアなどで世界トップレベルの漏水防止技術など、都のすぐれた技術やノウハウを伝える技術協力事業を進めております。
 また、廃棄物の処理や大気質改善に関しましては、ワークショップや職員の相互派遣など技術協力を行うとともに、人材育成にも貢献をしております。
 先月、東京が主催をいたしました環境国際会議におきましては、アジアを初めとする世界大都市の市長さんたち、首長等と知見の共有を行ったところでございます。
 今年度は、公共インフラ輸出、技術支援の可能性と、都の役割につきまして調査する予算を措置いたしまして、具体的な方策については、東京都技術会議において検討することといたしております。
 今後とも、都が先進的な技術等を持つ分野で貢献、協力などを行いまして、東京のプレゼンスを高めていきたいと考えております。
 二〇二〇年以降を見据えた障害者スポーツの活性化についてのご質問がございました。
 パラリンピックの成功というのは、私が目指しますダイバーシティーの実現に向けた、まさしく一つの通過点でございます。大会の成功を通じまして、その後の社会に障害者スポーツを根づかせ、そして、障害のある人もない人も互いに尊重し、支え合う、そのような共生社会をつくり上げたいと存じます。
 これまで都といたしまして、障害者スポーツ応援プロジェクト、チームビヨンドなどを通じました障害者スポーツの魅力の発信や身近な地域におけます場の開拓、支える人材の育成など、区市町村や企業などと連携をいたしまして、大会後につながるさまざまな施策を積極的に展開してきたところでございます。
 そして、本年三月、策定いたしましたのが東京都スポーツ推進総合計画でございます。これは、障害の有無にかかわらずスポーツに親しめるスポーツ都市東京を目指すというものでございます。そして、スポーツを通じまして、誰もが生き生きと生活できる共生社会を実現していきたいと考えております。
 東京二〇二〇大会の成功はもとより、大会後も見据えまして、さまざまな主体と手を携えて、障害者スポーツの一層の振興に取り組んで、新たな東京の未来につなげてまいりたいと考えております。
 なお、私の留学時代のことについてのご質問がございました。
 五十年近く前になりますけれども、エジプト・カイロの大学というのは、日本の大学のものとはかなり異なるということを、まず前提に申し上げておきたいと思います。入学式も卒業式もないというような状況でございました。
 成績でございますが、カイロ大学の卒業時に教授の一人から、成績はトップだといわれました。このまま大学院に進んだらどうかといわれまして、うれしくなってそのことを著書に記載して、それ以上のことでもございません。
 なお、公選法にかかわります文書には、その旨を記載した記憶はございません。
 それから、大学当局の指導のもとで、最終的には追試を経まして、七六年の十月、カイロ大学の卒業に必要な条件を満たしまして、卒業をすることができました。そのことは、卒業証書や卒業証明書が示すとおりでございまして、大学側も正式な卒業については、幾度も認めているところでございます。
 なお、最近掲載されました記事につきましては、弁護士の先生と法的な対応を準備しているところでございます。
〔政策企画局長遠藤雅彦君登壇〕

○政策企画局長(遠藤雅彦君) 海外都市との関係構築についてでございますが、東京都都市外交基本戦略においては、既存の姉妹友好都市、アジア大都市ネットワーク21会員都市を初め世界都市ランキング上位の先進国諸都市など、戦略的に協力関係を構築すべき都市を対象といたしまして、二都市間都市外交を進めることとしております。
 この考えに基づき、都は平成二十六年以降、二十五の都市との間で具体的な事業の実施について合意するなど、実務的な交流、協力を進め、関係を強化してまいりました。
 引き続き、海外諸都市との交流を拡大していくとともに、交流、協力の成果を、東京二〇二〇年大会の成功や大都市共通の課題解決、グローバル都市東京の実現につなげてまいります。
〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、通学、通所に係る移動支援についてでありますが、障害者総合支援法が定める障害福祉サービスには、地方自治体が全国一律の基準に基づいて実施する自立支援給付と、それぞれ地域の実情に応じて実施する地域生活支援事業がございまして、お話の移動支援は、区市町村が実施する地域生活支援事業に位置づけられております。
 平成二十七年十二月に出されました障害者総合支援法施行三年後の見直しについての国の報告書では、通学、通所などに関する移動支援は、自立支援給付である就労移行支援や障害児通所支援で実施すべきとされております。
 都はこれまでも、通年かつ長期にわたる通学、通所など、移動支援全般について自立支援給付の対象とするよう国に対して要望しておりまして、今後も積極的に働きかけてまいります。
 次に、日常生活用具給付等事業についてでありますが、本事業は、障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業でございまして、区市町村が地域の実情に応じて給付の対象となる種目、基準額、要件などを定めて実施をしております。
 事業実施に当たりましては、障害者の個別ニーズに合った最新の用具に関する情報の入手が難しいこと、実績に見合った国庫補助金が交付されていないことなどの課題がございます。
 都はこれまで、地域における事業の実施状況を取りまとめ、区市町村の取り組みの参考となるよう周知を図ってまいりました。
 今後、区市町村が利用者のニーズに応じて必要な給付を行えるよう、地域での新たな用具の導入事例を適宜情報提供するとともに、国に対し、十分な予算措置を講じるよう要望してまいります。
〔都市整備局長佐藤伸朗君登壇〕

○都市整備局長(佐藤伸朗君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、生産緑地公園補助制度についてでございます。
 生産緑地は、環境や防災などの機能を有する貴重な緑の空間であり、本制度は、都市計画公園区域内の営農が困難となった生産緑地を買い取る区市に対し、都が二〇二二年度までのパイロット事業として助成を行うものでございます。
 現時点で対象となる生産緑地は、三区十九市の合計約三十三・六ヘクタールでございます。都は、この対象地を確実に緑の空間として保全していくため、本制度を積極的に活用するよう、区市に対し、制度の周知を行ってまいります。
 また、都は、関係者等による協議会を設置し、区市が買い取りの申し出に柔軟に対応するためのルールや体制の構築について検討してまいります。
 次に、都市計画道路と都市計画公園の重複についてでございますが、現在、都は、区市町とともに、優先的に整備すべき路線を除く未着手の都市計画道路のあり方について、幅広く検討を行っております。その中で、補助第二一六号線と祖師谷公園のような都市計画道路と都市計画公園等が重複している箇所につきましても検討の対象としております。
 これまでも、こうした箇所については、それぞれの機能等を勘案しつつ、例えば、都市計画公園区域をつけかえたり、道路と公園を立体的に整備するなどにより対応してまいりました。
 これらの事例も参考に、今後、計画的かつ効率的な事業実施に向けて、地形的条件などの地域の実情も踏まえ、計画の整合性を図るための方策を検討してまいります。
 最後に、都市計画道路のあり方検討についてでございます。
 現在、必要な交通機能等が既に確保された道路の拡幅や、立体交差計画の必要性など、検証の視点について整理を進めており、来月にはその内容を中間のまとめとして公表し、パブリックコメントを行ってまいります。
 これを踏まえ、個々の路線を対象とした検証を実施し、今年度末を目途に計画変更などの対応方針を示してまいります。

○議長(尾崎大介君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後五時一分休憩

   午後五時二十五分開議

○議長(尾崎大介君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 六十八番増田一郎君
〔六十八番増田一郎君登壇〕

○六十八番(増田一郎君) 立川市選出の増田一郎と申します。早速質問に入らせていただきます。
 まず、国際金融都市構想について伺います。
 昨年六月まで、私は約二十九年間、国内外の金融機関において、国際金融業務の最先端で仕事をしてまいりました。その間、幾つかの大きな金融危機を経験いたしましたが、とりわけ二〇〇八年九月に発生したリーマンショックは、その規模、影響度が桁違いに大きく、サブプライム商品への投資で巨額の損失を計上した欧米の金融機関が経営体力を失い、それまでアジア本部として東京に置いてきた支店や現地法人を次々と閉鎖し、撤退していきました。
 そのさまは、まさに大きな潮が引いていくようなもので、何千という多くの金融マンが職を失いました。私もその中の一人であり、幸い私はその後、日本の金融機関で再び職を得ることができましたが、その後、すっかりかつての輝きを失い、シンガポールや香港、上海にアジア金融市場の中心的地位を奪われてしまった東京の姿を見るにつけ、誰よりも強く国際金融都市東京の再興を願うものであります。
 金融は本来、産業の裏方的存在ではありますが、金融センターのあるところには、お金だけではなく、さまざまな情報が集まり、人が集まり、必ずそのまちは有形無形の恩恵を受け、そこに住む人々の生活は潤います。そのような見地からも、ぜひこの国際金融都市東京構想を成功させなければなりません。
 昨年十一月に発表された国際金融都市東京構想の中には、二つの大きなキーワードが含まれています。一つは投資運用業、そしてもう一つはフィンテックであります。日本には約千八百兆円もの巨額の個人金融資産があるといわれていますが、その大半が銀行預金や国債などの安全資産で運用され、自宅で眠っているたんす預金も相当の比率を占めているといわれております。
 これらの金融資産をそれぞれのリスク志向に応じた投資商品に導くことは、投資家にとっても、また国や都の経済を活性させるという意味でも大変有意義で、そのために投資機会創出について新たな視点やノウハウを持った資産運用業者を育て、ふやすことは重要であると考えます。
 また、これまでになかった新しいテクノロジーを持って新たな金融業務を創出するフィンテックも非常に大きな可能性を秘めており、新たな技術と意欲を持った新興業者を東京に招き入れることは、東京の経済の活性化、ひいては都民の利益にかなうものと考えます。
 また、新興の投資運用業者やフィンテック企業は、AIの進歩もあって、余り人手を要しない労働生産性の高い業態へと急速に変貌してきており、そのような金融業界の新たな変化を先取りするという観点からも、国際金融都市東京構想を進めることには意義があると考えます。
 そこでまず、そのような変化の中、国際金融都市東京が目指すところについて、知事の所見を伺います。
 外資系金融機関がその拠点をどこに置くかを判断するとき、最も重視されるのが法人税率であります。東京都においては、他のライバル都市、例えば香港、シンガポールと比べて、まだ法人関連税率が高いのが現状です。その軽減策については、国との協議が進められていると理解いたしますが、その現状について伺います。
 国際金融都市東京構想において、外国人高度金融人材を集めることは非常に重要です。日本人には余り知られていませんが、日本に居留した外国人が死亡した場合、自国にある財産も含めて日本の相続税の適用範囲になるということが大きな問題となり、優秀な外国人が日本に来ることへの一つの障害となっておりました。
 このため、国際金融都市東京構想において、国内に駐在する外国人に課される相続税の見直しについて国に働きかけを続けるとあり、実際に平成三十年度税制改正において、その改善がなされたと聞いております。
 そこで、その具体的な内容と外国人からの評価について伺います。
 構想の中で進められている東京版EMP、エマージング・マネジャー・プログラムについて、その目的は、海外から若手の優秀な投資運用マネジャーを招き入れ、開業に必要な資金の一部を補助することと理解いたしております。
 先ほど申し上げたとおり、日本の投資家のために新たな投資機会を創出することは、経済活性化のために重要ですが、それらの投資資金が日本や東京に関係のない海外の投資対象ばかりに向いてしまうのではもったいない気がいたします。
 投資先については、もちろん基本的に投資家自身が選定するものではありますが、都が補助金を出す際には、都内経済が活性化するような工夫が必要であると考えますが、この点について都の所見を伺います。
 次に、東京都が発行する都債の格付について伺います。
 大手の格付機関は、国債や地方債、あるいは社債などの債券の信用力を、一般投資家にわかりやすいように、最上級のトリプルAから破綻状態を示すシングルCまで、九段階の符号で示しております。
 東京都債の格付は、過去には最上位から二番目のダブルAでありましたが、現状においては、それよりも一段低いシングルAとなっております。
 しかし、これは、東京都の財務内容が悪化したことによるものではなく、格付機関がリーマンショック直後に格付方針を保守的に変更し、あらゆる地方債の格付の上限をその国の国債の格付までとするというルール変更を一方的に行ったため、シングルAの日本国債の格付に合わせて、その実力よりも一ランク低くされてしまったものであります。
 これは、国債がデフォルト、すなわち債務不履行を起こせば、その下にある地方自治体も債務不履行を起こすだろうという格付機関側の理論によるものですが、そもそも都は国の地方交付税を受けておらず、国債と比べて起債依存度がはるかに低いなど、その財務内容は国のそれよりもはるかに良好であり、格付機関の論理が東京都に当てはまらないことは明らかであります。
 現在は史上最低水準の金利環境が続き、都債は低利で円滑に発行されていますが、将来、金利上昇局面となった際にも、流動性や安全性を確保し、発行コストを縮減するという観点からも、より高い格付を取得しておくことは重要な意味を持つものであります。
 そこで、都は格付機関に対して、その強固な財政基盤を背景とする健全な財政状況が適切に反映されるよう強くアピールすべきと考えますが、その点についての見解を伺います。
 次に、ソーシャル・インパクト・ボンドについて伺います。
 今後、長期的に見れば、社会保障関係経費の増加と人口減少により、東京都の財政は徐々に逼迫していくことがさまざまな試算で予想されています。これまでの税収、都債、基金という財源にとらわれない、新しい民間資金活用の発想が必要であると考えます。
 その一つの可能性として最近注目されているものに、二〇一〇年に大幅な公費削減を迫られたイギリスで始まり、最近、日本政府も本格検討を始めたソーシャル・インパクト・ボンド、社会的インパクト投資という官民連携の社会的投資モデルがあります。
 背景にあるのは、単に高い利回りを求めるだけではなく、社会的課題の解決による社会貢献、すなわち社会的インパクトを優先し、利潤は二の次でいい、そういう考え方を持った投資家の広がりであります。
 ソーシャル・インパクト・ボンドは、各種ヘルスケア事業やクリーンエネルギー事業、就労支援など、公共性の高い事業に対して、利潤を求めない民間資金を初期投資に活用し、その結果、税コストの節減など一定の成果が確認できた場合に、そのコストセーブ分の一部を報酬として投資家に還元するという仕組みです。既に基礎自治体でも先行事例が出始めております。
 近時、国においても休眠預金口座に眠る資金を活用するなど、ソーシャル・インパクト・ボンド推進に向けた枠組みの準備を進めており、今後、日本においてもソーシャル・インパクト・ボンドを活用した行政サービスが急速に普及する可能性があります。
 そこで、東京都としても、全国自治体での先鞭をつけるという意味でも、今後のソーシャル・インパクト・ボンドの導入の可能性について検討を開始すべきと考えますが、その見解を伺います。
 最後に、都市計画道路立川三・一・三四号線の取り組み状況について伺います。
 私の地元立川市の中心には、国の災害対策本部機能の代替施設と位置づけられている立川広域防災基地があり、首都直下型地震など大規模災害発生時には、国の災害応急対策活動の拠点となることが想定されております。加えて、その周辺には災害医療センター、都の防災倉庫など、災害時の重要中核施設が集中しております。
 震災発生時にこれらの施設の機能をフルに発揮させるためには、立川市の南側を東西に走る中央高速道路方面から、立川市の中心に向けての南北縦方向のアクセス道路の充実を図ることが極めて重要であります。
 現状、中央高速道路方面からこれら中核施設を結ぶ南北縦方向の道路には、青梅線の二つの踏切がかかり、円滑な通行、輸送の妨げとなっております。実際、東日本大震災発生時には、青梅線の電車が踏切近くで停車したため、遮断機が数時間おりたまま交通が寸断されるという事態も発生いたしました。
 平時においても、医療センターに向かう救急車が青梅線の踏切で足どめされることが頻発しており、立川市民、特に青梅線を挟んで南側地域の住民にとって、青梅線との立体交差を含む南北縦方向の道路の整備は長年の悲願となっており、その整備を求める声は日に日に高まっております。
 立川周辺地域における防災性の向上を図り、住民の利便性を向上させるためには、第四次事業化計画の優先整備路線に位置づけられている立川三・一・三四号線を早期に整備することが重要と考えます。
 そこで、立川市内の都市計画道路である立川三・一・三四号線の取り組み状況について伺います。
 結びに、私は財政委員会に所属をしておりますが、都が扱うお金は、都債による調達も基金による運用もいずれも巨額であり、たとえ〇・一%の条件の違いでも、すぐに数千万、数億円単位の違いになってあらわれてまいります。それを負担するのは、最終的に都民であり、引き続き都民ファーストの目線を忘れずに、無駄なコストの排除に心血を注いでまいります。
 そのことをお誓いし、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 増田一郎議員のグローバルかつローカルな質問にお答えをさせていただきます。
 国際金融都市東京についてのご質問でございました。
 東京が世界的な都市間競争を勝ち抜いて、持続的に成長していく、そのためには経済の血液といわれます金融の活性化が必須の要素であることはご指摘のとおりでございます。
 とりわけ少子高齢化社会の到来、イノベーションの進展等の時代の大きな変化の中で、莫大な家計金融資産の有効活用の観点から、資産運用業、そしてまた都民の利便性向上につながるフィンテック企業の育成は、重要な課題であると認識をいたしております。
 このため、東京版EMPの導入、アクセラレータープログラムなど、資産運用業やフィンテックに焦点を当てました施策に取り組むとともに、そうした企業を積極的に海外から誘致する観点から、二〇一七年度から二〇二〇年度までの四年間で、金融系外国企業四十社を目標といたしまして、誘致に取り組んでいるところでございます。
 このような取り組みで、世界中から金融関係の人材、資金、情報、技術、これらの要素が集積する国際金融都市東京を目指していきたいと考えております。さまざまなアイデアをお寄せいただければと思います。
 その他のご質問につきましては、東京都技監及び関係局長が答弁をさせていただきます。
〔東京都技監西倉鉄也君登壇〕

○東京都技監(西倉鉄也君) 立川市内の都市計画道路についてでございますが、立川三・一・三四号線は、首都直下地震など大規模な災害が発生した場合に、災害応急対策活動の中枢拠点となる立川広域防災基地にアクセスするとともに、新奥多摩街道などの主要な幹線道路にも接続するなど、広域的な防災性の向上に寄与する重要な路線でございます。
 本路線の整備に当たりましては、多摩川に向かいまして、高さ約十五メートルの高低差がある地形的な条件のほか、JR青梅線や複数の都市計画道路と交差する計画を考慮する必要がございます。
 現在、昨年度に実施いたしました航空測量の成果を踏まえまして、道路の概略設計を進めております。
 今後、道路構造等の検討を重ねますとともに、関係機関との協議を進めまして、早期事業化に向けて取り組んでまいります。
〔政策企画局長遠藤雅彦君登壇〕

○政策企画局長(遠藤雅彦君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、法人税の軽減についてでございますが、金融に関する税の軽減策は、将来的な税源涵養につながる政策減税の考え方に基づき行われるものと考えております。
 日本の法人税の大宗は国税が占めており、実効性のある引き下げに向けては、国の協力が不可欠です。国に対しては、資産運用業及びフィンテック企業の新規参入促進につながるよう、法人税の軽減を働きかけております。
 具体的には、昨年度から国家戦略特区における所得控除の対象に資産運用業及びフィンテック企業を拡充することを、内閣府に提案しているものでございます。
 今年度も継続して働きかけを進めるとともに、法人税の軽減を含め、海外の金融系企業にとって魅力あるビジネス環境を整備することにより、国際金融都市東京の実現に努めてまいります。
 次に、相続税の見直しについてでございますが、都では、外国人高度金融人材に安心して日本で仕事をしてもらえるよう、日本に長期滞在している外国人に対する相続税の課税要件の見直しを国に対して働きかけてまいりました。
 その結果、平成三十年度税制改正におきまして、日本に長期間住所を有していた外国人が出国後に行った相続については、原則として国外財産を相続税等の課税対象とはしない旨の改正が行われたものでございます。
 この改正は都の要望に沿ったものでございまして、外資系金融機関などからも高い評価を得ているところでございます。
 次に、東京版EMPについてでございますが、東京版EMPは、都が機関投資家に対してインセンティブを与え、新興資産運用業者への資金拠出を後押しする取り組みでございます。
 東京版EMPにおいては、資金が拠出される新興資産運用業者について、都内に法人の設立、または支店を設置することなどの要件を付すことで、雇用の創出や情報システムへの設備投資など、都内経済の活性化につながるような制度設計を行っているところでございます。
 東京版EMPを初めとした施策により、資産運用業の裾野を広げ、業者間の競争を活性化することで、資金を預ける都民やリスクマネーの供給を受ける都内中小企業等に対してメリットをもたらしてまいります。
 最後に、ソーシャル・インパクト・ボンドの今後の導入可能性についてでございますが、ソーシャル・インパクト・ボンドは、行政サービスを民間に委託するなどの際、あらかじめ設定された指標に基づき、成果に応じて対価を支払うものでございます。お話にありましたように、イギリス発祥の手法でございまして、国内でも八王子市などで取り組みが開始されているところでございます。
 この手法は、民間のノウハウと資金を活用した官民連携手法の一つとして注目されており、初期投資を民間資金で賄い、成果が得られれば報酬を支払う仕組みとなっているため、行政にとっては、行政サービスの成果を確保しつつ、将来発生するコストを軽減できるというメリットがあるとされております。
 今後、ソーシャル・インパクト・ボンドの導入に当たって想定される課題等につきまして、調査研究を積極的に進めてまいります。
〔財務局長武市敬君登壇〕

○財務局長(武市敬君) 都債の格付についてでございますが、地方自治体の格付は、我が国の地方税財政制度が中央集権的であることなどを背景に、格付機関の一方的な方針により、お話にございましたように、国の格付が事実上の上限とされております。
 一方、地方自治体の信用力のみに基づくスタンドアローン評価における都債の評価は、国債の格付を上回っております。これは、都財政の健全性が正当に評価された結果でありまして、都債が国内外の投資家に選好される要因の一つであるとともに、地方債市場における安定的かつ最も低利な資金調達の実現に大きく寄与しております。
 今後も、強固で弾力的な財政基盤を堅持するとともに、格付機関との丁寧な対話や投資家へのIR活動を通じまして、都の信用力を強くアピールし、都債の持つ優位性の維持向上に努めてまいります。

○議長(尾崎大介君) 二十五番内山真吾君
〔二十五番内山真吾君登壇〕

○二十五番(内山真吾君) 都民ファーストの会東京都議団の内山真吾です。
 私からは、生きる力を育む学校教育についてと都道の拡幅についてお伺いしたいと思います。
 まず、いじめや不登校を生まない学級づくりについてお伺いをいたします。
 子供たちは成長していく中で、日常生活や学校生活、また発育発達段階において、さまざまな課題に直面をしていきます。それらにつまずき、学級としてあるべき姿がゆがみ始めてしまうと、いじめや不登校、学級崩壊といったさまざまな症状としてあらわれてきます。
 不登校を語る上で重要な数値は二つあります。それは出現率と復帰率です。
 不登校の出現率を下げることに成功している自治体は幾つもあります。東京都の中学校における平均不登校出現率は三%台であるのに対し、例えば三鷹市では〇・六%台まで下げることに成功しております。
 一方、復帰率を上げるというのは、どこの自治体でも軒並み二〇%程度と極めて厳しいということがわかります。
 起きてしまったいじめや不登校、学級崩壊に対応することも重要です。しかし一方で、ここから見えてくる最大のポイントは、そもそも不登校を生まない、予防医療や予防介護のような視点はさらに重要だということです。
 教育でいえば、コミュニケーション能力や自己肯定感、そして自己有用感を育み、課題発見能力や課題解決能力、まさにこれからの変化の激しい社会を生き抜いていく力、知、徳、体のバランスのとれた生きる力を育むことであり、それこそ教育の本質であると考えます。
 例えば、入学直後の年度初めに、チームビルディングの手法による体験的な学習、アドベンチャー教育等を活用し、負の人間関係ができる前に学級をつくり上げていく取り組みが効果を上げています。たった数時間のプログラムで、学級経営の円滑化はもちろん、不登校の減少や学力の向上にまで寄与するとのことです。
 また、年間を通して課外学習や移動教室等を活用し、体験だけ学習とやゆされるような体験のためだけの体験から、明確な目的、意図を持って、外部人材や外部団体を活用した真の体験学習、すなわち体験を通して効果的な学びのサイクルを回していく、企業でいえばPDCAのサイクルを回していくような、新たな学習方法の活用が注目をされています。
 そこで、お伺いをいたします。
 いじめや不登校を生まないためには、学年当初から学級等において体験的な活動などを通して、よりよい人間関係を築くことができるような取り組みを充実させることが重要であると考えますが、公立小中学校において都教育委員会の見解をお伺いいたします。
 また、より直接的なかかわりとなる都立の高等学校における見解と取り組みについてもお伺いいたします。
 続きまして、教員の負担軽減の取り組みについてお伺いをしたいと思いますが、その前に、東京都における適正な学級規模についてお話をさせていただきたいと思います。
 これまで国においては幾度となく三十五人学級の議論がされてきました。現在は、小学校一、二年生が三十五人学級となり、文部科学省はさらなる拡充をとの立場でしたが、一方で、財務省は全ての学年を四十人学級に戻すべきと主張。その根拠は、三十五人学級を導入しても、いじめや不登校、児童生徒の問題行動等に有用な変化がなかったためとしました。
 しかし、そもそもいじめの件数というのは、その定義自体が各自治体によって曖昧であり、エビデンスとして扱うにはかなり信憑性に欠ける数字であると思います。
 また、不登校の出現率の改善についてですが、小学校五年生ごろから中学生に向けて増加していく不登校が、小学校一、二年生に三十五人学級を導入したところで、数値に変化があるとは考えづらく、児童生徒の問題行動の調査に至っては、数字を挙げるかどうかは学校や自治体の判断となっており、例えば、対教師暴力、対生徒間暴力、器物破損等、軒並みゼロ件として出している自治体も少なくない中で、こちらもエビデンスとして出すにはかなり不安定な数字であると思います。
 一方で、他道府県では、山形県の三十三人学級を初め、独自の少人数学級を実施し、その効果が報告されております。
 確かに地方では少子化の影響もあり、少人数学級の導入がしやすいという状況にありますが、一方で、東京都は人口が多く、多様性もある以上、よりきめ細やかな指導ができる学級編制にしなくてはならないと思いますし、教員の負担軽減という観点からも極めて重要です。
 少人数学級を導入し、学級をふやすにも、学校によっては空き教室がないという指摘があります。しかし、小学校二年生は、三十六人を超えた学級の場合、三十五人学級にするか、教員の加配にするかは選択できる形となっておりますので、同様の仕組みでの導入であれば、それは問題にはなりません。
 教員の採用枠を広げることは、教員の確保が難しくなる、または採用教員の質を下げることになるとの指摘があります。しかし、東京都の児童生徒数の今後の見込みと小中学校の教員の現状の年齢構成から考えると、今後七、八年で教員の必要数や新規採用者数は数百人単位で減少に転じ、採用倍率は高くなることが容易に予想されますので、その指摘も当たらないと思われます。
 今すぐ少人数学級を導入するべきとは申し上げませんが、段階的な導入を図るというのであれば、やはり七、八年はかかることになりますので、今から東京都として、小中学校における適正な学級規模がどれくらいなのかという議論は始めてしかるべきであることを指摘させていただきたいと思います。
 その上で、現在取り組みをされている学校マネジメント強化モデル事業とスクールサポートスタッフ配置支援事業についてお伺いをいたします。
 学校現場では、校長、副校長、主幹教諭、主任教諭、一般教諭という職層がありますが、特に副校長と主幹教諭に負担が強くなる傾向にあるといわれており、過大な業務負担は学校管理職のなり手不足にも影響しております。
 そのため、まずは副校長が本来の業務に専念できるよう、事務作業の軽減など、副校長の多忙感を解消する取り組みが必要です。
 そこで、現在、都教育委員会が副校長の負担軽減のために導入している学校マネジメント強化モデル事業について、現状と今後の対応についてお伺いいたします。
 また一方で、職層にかかわらず、学校教員は事務作業などの雑務に追われており、都の勤務実態調査でも、週六十時間以上在校している教員が出てきています。
 そのため、教員の負担軽減を図り、児童生徒の指導などの業務に専念できる体制づくりが必要です。
 そこで、都教育委員会が実施しているスクール・サポート・スタッフ配置支援事業について、現状と今後の対応についてお伺いをいたします。
 続きまして、学校飼育動物についてお伺いいたします。
 学校における動物飼育については、豊かな人間性の育成に資する一方、不適切な飼育が行われた場合、教育的な観点からは逆効果となる可能性があります。いうまでもなく、行政も教員も動物飼育の専門家ではありません。
 そこで、東京都では、小学校において児童による継続的な動物飼育を円滑に実施し、よりよい体験を与える環境を整えるため、獣医師等との効果的な連携のあり方について検討し実施する、小学校動物飼育推進校を指定しております。
 各推進校からの声によると、非常に評価が高い取り組みのようにも感じますが、残念ながら千二百校以上ある公立小学校の中で、この推進校の枠はわずか五校のみとなっています。
 そこで、お伺いいたします。
 今後、都全体へこの取り組みの効果を普及していくべきと考えますが、小学校動物飼育推進校事業における課題と今後の取り組みについてお伺いいたします。
 また一方、獣医師との連携が円滑に図られている学校は必ずしも多くはありません。
 例えば、学校飼育動物が備品として扱われ、治療費ではなく修繕費として扱われている自治体、学校があります。特に小動物は、購入するにはさほど高価ではなく、治療費の方が高いというのは往々にしてあります。
 動物を飼うというのは、購入費だけではなく、その後のもろもろかかる費用も含めてのコストのはずですが、備品の修繕費として扱われているためか、けがや病気の場合は治療をせずに新しい動物に買いかえるといったケースが出てきてしまっています。
 また、そもそも予算の中で治療費が十分ではないケースでは、教員が見るに見かねて、みずから治療費を出すケースや、獣医師の方々が目の前で苦しんでいる動物を見殺しにはできずに善意で治療はしたものの、どこにも治療費を請求できずに泣き寝入りをするというケースがあります。
 このような状況は、子供たちへの教育として考える中でも決して望ましい環境とはいえず、間違ったメッセージを子供たちへ発信しかねません。
 そこで、お伺いいたします。
 これらの状況の改善を考えるに当たり、自治体や学校現場は獣医師との綿密な連携をする必要があると考えますが、都教育委員会としての所見をお伺いいたします。
 続きまして、都道の拡幅についてお伺いいたします。
 昭島三・五・一二号、江戸街道から福島交番前は、昭島市総合スポーツセンターの西側に隣接し、東中神駅東側踏切のアンダーパス化が事業中の昭島三・二・一一号の南側に位置する都市計画道路であります。
 今後、昭島三・二・一一号が開通をいたしますと、当該道路への流入交通の増加が予想されますが、現在は道路幅が狭く、歩道も十分に整備されていないため、歩行者の安全性や車の渋滞など、さまざまな懸念が市民の方々から上がっております。
 そこで、お伺いいたします。
 昭島三・五・一二号の事業化は今のところ未定と聞きますが、今後の対応についてお伺いいたします。
 以上で私の一般質問は終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 内山真吾議員の一般質問にお答えいたします。
 私からは六点のご質問にお答えいたします。
 まず、小中学校のいじめや不登校の防止についてでございますが、小中学校において、いじめや不登校を未然に防止するためには、学級活動や行事等において、子供同士のかかわりを深める体験的な活動などにより、人間関係の形成や学校生活への適応を図ることが重要でございます。
 都内公立小中学校の中には、遠足や運動会等に加えて、外部人材を活用して、自然環境を生かした宿泊行事等を行うことで、人間関係を築く力を育成し、子供たちの連帯感を高めている学校もございます。
 今後、都教育委員会は、こうした特色ある事例を、区市町村教育委員会に周知するとともに、新たに作成する不登校の未然防止に向けた手引に体験的な活動の具体例を示し、都内全公立小中学校に配布するなどして、いじめや不登校の未然防止の取り組みを一層充実してまいります。
 次に、都立高校でのいじめや不登校の防止についてでございますが、都立高校においていじめや不登校を防止するためには、小中学校と同様に体験的な活動などにより、生徒同士の人間関係の形成を図っていくことが重要でございます。
 そのため、都教育委員会は、生徒同士の人間関係構築を目的として、NPO等との連携による体験的な活動の積極的な実施を促すとともに、全ての定時制課程の第一学年を対象にグループエンカウンターを導入してまいりました。
 今後、都教育委員会は、学校におる体験的な活動をより一層充実するため、健全育成に関する教員研修会において、NPO等と連携した取り組みの活用を促進するとともに、外部講師による演習を実施することを通して、いじめや不登校の防止を図ってまいります。
 次に、学校マネジメント強化モデル事業についてでございますが、学校を取り巻く課題が多様化、複雑化する中、副校長には教員の指導のほか、保護者対応や地域との調整等、さまざまな業務が集中しており、改善が必要になっております。
 このため、都教育委員会では、副校長が学校経営や教員の指導等に、より専念できる環境を整えるため、昨年度から小中学校十二校において、副校長業務の一部を担う非常勤職員の配置モデル事業を開始し、今年度は百二十校に拡大いたしました。配置校からは、副校長の勤務時間の縮減はもとより、業務の質が高まり、やりがいを感じるといった声が上がっております。
 今後とも、区市町村教育委員会と連携を図りながら、本モデル事業の効果検証を行い、副校長の負担軽減や教育の質の維持向上に取り組んでまいります。
 次に、スクール・サポート・スタッフ配置支援事業でございますが、教員の長時間労働は、教員の健康保持のみならず、日常の教育活動にも影響がある深刻な問題であり、早急に解消しなければならないと認識しております。
 このため、都教育委員会では、今年度から新たに、小中学校四百校を対象に、プリントの印刷や教材準備などを教員にかわって行うスタッフを配置する区市町村に対して、人件費の支援を行う事業を開始いたしました。区市町村からは、教員が子供と触れ合う時間や教材研究にかける時間がふえているなどの声をいただいております。
 今後は、本事業のより効果的な運用を促進するため、スタッフの有効な活用方法の事例を周知するなどして、教員の業務の負担を軽減し、学校教育活動の充実を図ってまいります。
 次に、小学校動物飼育推進校についてでございますが、子供が命のたっとさを理解するためには、生き物に親しみを持ち、大切にする心情や態度を育むことが重要でございます。
 そのため、都教育委員会は、動物飼育の具体的な方法や学校全体での取り組み方に関する教員研修を実施するとともに、小学校動物飼育推進校を指定してまいりました。推進校では、獣医師等による指導のもと、児童が動物の心臓の音を聞くなどの体験を通して、命の大切さを実感しております。一方、推進校での取り組みを、さらに広く他の小学校に周知していくことも必要でございます。
 今後は、推進校におけるすぐれた実践事例や獣医師等との連携方法などを各学校がより一層活用できるよう、区市町村教育委員会の担当者連絡会で説明し、啓発してまいります。
 最後に、学校現場と獣医師との連携についてでございますが、都教育委員会は、子供たちに命を尊重する心などを育む教育に資するため、平成二十六年度に区市町村教育委員会が都獣医師会と連携して、学校で獣医師を活用していくためのガイドラインを作成いたしました。
 このガイドラインでは、学校担当獣医師は、契約に基づき、学校飼育動物に関する衛生管理指導として、飼育動物の健康診断及び飼育管理指導を行うとともに、必要な治療などを行うこととしております。
 都教育委員会は、都内公立学校における学校飼育動物の適切な管理のために、学校担当獣医師との連携がより促進されるよう、区市町村教育委員会に対してこのガイドラインの一層の活用を働きかけてまいります。
〔都市整備局長佐藤伸朗君登壇〕

○都市整備局長(佐藤伸朗君) 昭島三・五・一二号東中神線の今後の整備についてでございますが、都はおおむね十年ごとに都市計画道路の事業化計画を策定し、優先的に整備すべき路線を定め、計画的、効率的な道路整備に取り組んでおります。
 昭島三・五・一二号は、平成二十八年三月に策定した第四次事業化計画において、優先整備路線に位置づけられていないため、お話の区間を含めて、現在、事業化の予定はございません。
 優先整備路線以外の都市計画道路の事業化につきましては、今後の社会経済情勢の変化や周辺の都市計画道路の整備状況を勘案しながら、適切に対応してまいります。

○議長(尾崎大介君) 二十二番奥澤高広君
〔二十二番奥澤高広君登壇〕

○二十二番(奥澤高広君) 初めに、多摩都市モノレールの町田方面延伸についてお伺いします。
 東京都の本年度予算において、鉄道新線建設等準備基金が創設されました。
 私の地元町田市においても、今後五年間で約十五億円の基金積み立てが決まり、多摩都市モノレール推進室が新設されるなど、機運が高まっています。
 周辺住民の利便性向上や多摩地域の経済活性化だけでなく、多摩の防災拠点立川において、東西にはJRの中央線、南北には多摩都市モノレールが通るということで、多摩地域の災害対策強化にも資するものと考えており、より一層の取り組み推進を要望するところであります。
 しかしながら、都民の皆さんの税金を使わせていただく以上、投資効果がより高いと客観的に認められる事業から整備されるべきであると考えております。基金創設等を踏まえ、各路線の整備は新たな局面に入ったものと理解しており、事業者、都、地元自治体が改めて課題認識を同じくすることが重要です。
 多摩都市モノレール町田方面延伸の実現に向けて、乗り越えるべき課題と今後の進め方について、都の見解を伺います。
 次に、都の動物愛護施策について質問をいたします。
 小池知事の公約、動物の殺処分ゼロは達成が近づいており、喜ばしいことです。都の取り組みにご協力いただいております譲渡対象団体の皆様や、保護犬や保護猫を家族として迎え入れてくださいました方々に、この場をかりて感謝申し上げます。
 一方、国内全体に目を転じますと、流通過程でとうとい命が数多く失われているとの指摘があり、痛ましい動物虐待事件も後を絶ちません。
 東京都においても、動物に関する苦情受理件数は、毎年一万件前後で推移しています。
 福岡市が実施したアンケートによれば、野良猫の頭数を減らすため、行政が猫の引き取りを行い、殺処分することについて、回答者の約半数が必要であると答えています。モラルの低い動物取扱業者やマナーの悪い飼い主のエゴで、ペットを飼わない人が迷惑をこうむり、動物を殺処分することもいたし方なしとの考えに至ることは大変遺憾です。
 平成二十五年度に環境省がまとめた動物の虐待事例等調査報告書においては、動物虐待が人への暴力へと連鎖していく可能性が指摘されており、動物の命を粗末にする社会は、人にとっても、冷たく恐ろしい社会であることを示唆しているのではないでしょうか。
 東京都動物愛護管理推進計画には、人と動物との調和のとれた共生社会を目指すとあり、さまざまな観点から事業を推進する旨が記載されています。動物の殺処分ゼロの先にある、人と動物との調和のとれた共生社会とはいかなるものか、動物愛護施策の拠点である動物愛護相談センターの役割を踏まえ、知事の考えをお伺いします。
 先日、二〇二〇年までに生体販売を禁止することを求める署名、一万筆を受け取りました。国において動物愛護法改正の議論が進んではいるものの、世界と比べて日本の動物福祉はおくれているともいわれています。
 東京二〇二〇大会では、多くの訪日外国人をお迎えすることになりますので、世界に恥じないアニマルウエルフェアな東京の道を歩むべきと考えております。
 そのような中、福岡市では、全国初の犬猫パートナーシップ店制度が始まりました。マイクロチップの装着など、市独自の基準を満たした認定店を通じて、動物を最期まで飼う責任や、万が一飼えなくなった場合は新たな飼い主を自分で探すことなど、飼い主への啓発を進めています。
 東京都においても、飼い主への意識啓発をより一層行うため、ペットショップ等の動物取扱業者みずからが役割を果たすよう働きかけるべきと考えますが、都の見解を伺います。
 さて、小さなつまずきから自信を失い、社会に出ることに臆病になってしまうことは誰にだってあり得ることであり、自分のペースで再出発できる社会をつくることは重要です。
 本年一月、インターネット掲示板上のとある記事を目にしました。その要旨は、平成二十八年度の都立高校入試で特別選考枠が廃止された結果、長期欠席からの学校復帰を目指す生徒に対し、内申点がついてしまうから学校に復帰してはならないとの指導があったというものです。
 インターネット掲示板という特性から、その真偽は確かめにくいのかもしれませんが、学習塾で進路指導を行ってきた経験から、あり得る事象だとも感じました。
 不登校を経験した生徒やその親にとっては、高校進学が再出発のきっかけになる場合は多く、都立高校入学選抜制度がその一歩を阻むものであってはならないと考えますが、都教育委員会の取り組みを伺います。
 続いて、ひきこもりの若者の社会復帰支援について、都の主催するセミナーに参加してまいりました。都庁大ホールは満席で、根が深く、喫緊の課題であると改めて実感したところです。
 セミナーでは、ひきこもりは、年齢によらずいつでも起こり得ることであり、ある程度社会経験がある方が少しのきっかけで立ち直りやすいというお話がありました。また、八十代の親と引きこもる子供が孤立化し、経済的にも精神的にも追い詰められていく八〇五〇問題も顕在化しております。
 今年度、内閣府がひきこもりの長期化、高齢化に関する実態調査を行うとも聞いています。東京都では、青少年・治安対策本部を中心に、主に若者を対象とした支援を行っていますが、年齢で分けられる性質の問題ではなく、組織横断での体制整備を進めるよう要望しておきます。
 さて、町田市では、二〇一五年にひきこもり当事者への丁寧なヒアリングを実施しました。ひきこもり当事者やご家族は、どこに相談していいのかわからず、よかれと思った行動が状態を悪化させてしまったケースも見られ、第三者の存在が社会復帰の鍵になっています。
 ひきこもりの若者の社会復帰支援には、福祉、医療、教育、就労、居場所づくりなどのネットワーク化とともに、気軽に相談でき、適切な支援へとつなぐコーディネーター的な役割を育成することが重要と考えますが、都の取り組みを伺います。
 昨日の代表質問に引き続きまして、ソーシャルファームについて二点ご質問をいたします。
 ソーシャルファームの本質は、労働市場で不利な立場にある方々が就労を通じて社会参画することで、企業の価値や利益をより高めるとともに、新たなコミュニティづくり、多様性への理解促進、再犯防止などのさまざまな価値を生み出し、より豊かな社会を築くことにあります。
 東京は、日本中の仕事と人が集まる場所です。全国に先駆けてソーシャルファームを定義し、さまざまな背景を持つ就労弱者が活躍できる環境整備を進めてほしいところではございますが、本日は、法的枠組みの存在する障害のある方の就労に焦点を当てて質問をいたします。
 障害のある方の働く場である就労継続支援施設を訪問し、施設長の方のお話を伺ってきました。利用者の男性を指し、彼は知的障害があって、問題行動もしばしばありました、でも、水に触れることが好きだ、それを思い切って、商品の染め織物を水で洗う仕事を任せてみたんです、今では彼の右に出る者はいませんよというお答えが返ってきました。
 人の能力や特性を生かした仕事を生み出していくことで、誰もが社会に豊かさを与える存在になれることを示しており、大変興味深いものでした。
 一方で、ソーシャルファームの概念の認知度はまだまだ低いです。ビジネス的視点で社会課題を解決する意義や成功事例を発信し、その裾野を広げていくべきであると考えます。
 東京都では、昨年度より、障害者雇用エクセレントカンパニー賞を創設いたしました。受賞企業の価値をより高めるとともに、こうした企業のすぐれた取り組みを広く波及させるため、東京都の発信力と信頼度を生かしたPRを積極的に行うべきと考えますが、都の見解を伺います。
 東京都では、保護観察中の若年者を雇用しています。また、総務局においては、知的障害のある方の特性に合った職務の創出に努め、一般就労でオフィスサポーター三名を採用したと伺っており、大変評価いたします。ぜひノウハウを蓄積し、対外的にも発信していただきたいと思っております。
 ソーシャルファームの成功の秘訣は、一般企業には負けない商品やサービスを提供することでありますが、一筋縄にはいきません。販路開拓も悩みの種です。
 これらを同時にかなえる場として、自主製品魅力発信プロジェクト、KURUMIRUに期待をしています。都庁店は皆さんご存じのことと思いますけれども、丸井錦糸町店、伊勢丹立川店がオープンし、平成二十九年度の売り上げは二千八百万円を超えており、新たな受注につながったケースもあると聞いております。一流の店舗と肩を並べ、目の肥えた消費者から受ける評価は一つの試金石であり、出品すること自体が目標の一つになっているそうです。
 KURUMIRUは、アンテナショップであるとともに、障害者福祉とビジネスをつなぐハブ機能を有していると考えますが、これまでの成果と今後の取り組みについてお伺いいたします。
 最後に、障害者グループホームの東京都独自加算制度の見直しについて質問をいたします。
 障害のある方が自立した生活を目指す上では、安心して暮らせる環境が不可欠です。今般の見直しでは、障害の重度化、高齢化に対応するための措置であると伺っており、その趣旨は理解できます。
 しかし、複数の事業者から不安の声が聞かれ、収入減の影響による人材削減や、それに起因する職員の過労、サービス低下の可能性が懸念されております。実際に、町田市や昭島市などでも複数の事業者から改善を求める要望書がこちらに届いているところでございます。
 一方、今般の見直しの趣旨や内容は、事業者に伝わり切っておらず、制度を十分に活用できていない部分もあるように見受けられます。
 改めて、国や都の加算制度を最大限活用していただけるよう丁寧に説明し、時には助言をすべきと考えますが、都の見解を伺います。
 いずれにせよ、各事業所の運営状況をしっかりと把握し、検証を行うべきと考えます。利用者の皆様が安心して暮らすことができるよう、必要に応じて新たな施策を講じることを強く要望しておきます。
 昨日、ワールドカップ・ロシア大会で、日本代表がコロンビア代表に勝利しました。個の力で劣るといわれていた日本代表が一人一人の持ち味を存分に発揮した姿に大きな勇気をもらいました。
 東京都には千三百八十万の色とりどりの人という宝物があります。世界一のダイバーシティー東京の実現を願い、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 奥澤高弘議員の一般質問にお答えいたします。
 私から、一問に対しまして答弁させていただきます。
 人と動物との共生社会についてのご質問でございます。
 動物は、飼い主にとりましては家族の一員同然であります。社会にとってもその一員、私たちの生活に潤いや癒やしを与えてくれる大切な存在でございます。
 私はこういった考え方のもとで、平成三十一年度までに動物の殺処分をゼロにする取り組みを進めるなど、動物愛護施策に力を注いでまいりました。
 そして、その結果、苦痛からの解放など動物福祉等の観点で行う場合や、収容後に死亡したものを除きますと、昨年度の殺処分数、犬は二年連続でゼロになりました。猫は十六頭にまで減少しております。
 この殺処分ゼロの先にある社会は一体どういうものか。それは、動物を飼う人や動物を好きな人というだけではなく、動物を飼っていない人や苦手な人も含めて、東京に暮らす誰もが、それぞれの立場を尊重して、お互いを思いやることのできる社会ということを考えております。
 その実現に向けまして、飼い主に対するさまざまな普及啓発、それに加えて、子供のころから動物との接し方や命の大切さを学べるように、小学校での動物教室を実施しており、今年度はこれを拡充していく考えでございます。先ほどご質問のあった点などにも、いろいろ検討も重ねていきたいと思います。
 今後も、動物愛護相談センターを中心といたしまして、動物愛護の取り組みを推進をし、人と動物との調和のとれた共生社会を実現してまいりたいと存じます。
 また、最後に、ワールドカップにお触れになりましたので一言。次のセネガル戦にもぜひ勝ってほしいと、頑張れ日本とエールを送っておきたいと思います。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 高校入試での不登校生徒への取り組みについてでございますが、高校入試は中学生にとって進路選択の貴重な機会であり、長期欠席を理由にその機会が損なわれることがあってはなりません。
 このため、都教育委員会は、都立高校の入学者選抜における応募資格、出願書類や手続等、制度にかかわる相談を受ける入試相談コーナーを通年で設置して、相談者の疑問に丁寧に対応しております。
 また、中学校での欠席が多い場合、その事情を説明するための申告書を志願者本人及び保護者が作成して、出願の際、高校に直接提出し、提出された申告書を高校が面接等で確認することで、生徒の不利益とならないようにしております。
 今後とも、こうした取り組みを継続するとともに、引き続き、学校や保護者に周知を図ってまいります。
〔都市整備局長佐藤伸朗君登壇〕

○都市整備局長(佐藤伸朗君) 多摩都市モノレールの町田方面延伸についてでございますが、本路線は、開業区間と一体となって多摩地域の南北方向の拠点を結ぶことで、沿線利用者の利便性はもとより、多摩地域の活力や魅力の向上に資するものでございます。
 一方、本路線の整備に向けては、国の答申でも、導入空間となり得る道路の整備が課題とされているほか、コスト縮減や収入確保策、事業採算性を見きわめながら検討を行う必要があり、沿線市、多摩都市モノレール株式会社とともに調整を進めております。
 今年度、都は、検討を深度化するための調査費に加え、鉄道新線建設等準備基金を創設し、鉄道新線整備に対する都の取り組み姿勢を明確に示すことといたしました。
 引き続き、課題の検討を進めるとともに、関係者との協議、調整を加速してまいります。
〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、動物の飼い主等への啓発についてでありますが、人と動物との共生社会を実現するためには、まず、動物の飼い主が法令を遵守し、動物をその終生にわたり適正に飼養する責務を果たすことが重要でございます。
 このため、都は、区市町村、動物愛護団体、ボランティア等と連携しながら、飼い主に対し、動物の適正飼養、終生飼養に関する普及啓発を行っております。
 また、動物取扱業者に対しましては、動物を適切に取り扱うとともに、飼い主への普及啓発の担い手として役割を果たすよう、動物取扱責任者研修を通じて求めております。
 今後、動物取扱業者等を通じて、飼い主等に適正飼養、終生飼養の徹底を促すパンフレットを配布するなど、さまざまな機会を活用し普及啓発に取り組んでまいります。
 次に、KURUMIRUの取り組みについてでありますが、都は就労継続支援事業所の自主製品の販路拡大や魅力発信のため、平成二十八年度に福祉・トライアルショップKURUMIRUを都内三カ所に開設いたしました。
 このショップでは、製品に出品基準を設け、市場で流通する商品としての質を確保するとともに、事業者に対し、流通分野の専門家が製品開発やコスト管理などについて丁寧なアドバイスを行っております。
 出品事業者数は、開設当初の百二十一から、本年五月末時点で百六十三となり、製品の信頼性も向上し、企業からのノベルティー向け等の受注がふえております。
 今後は、店舗での販売に加え、イベントでの出張販売など、企業や消費者に製品の魅力を知ってもらう機会をふやし、さらなる販路拡大や工賃の向上を目指してまいります。
 次に、障害者グループホームへの支援についてでありますが、都は、地域における障害者の居住の場であるグループホームの事業者が質の高いサービスを提供できるよう、国の報酬に加え、都独自の補助を実施しております。
 今回の見直しは、質の向上のための国加算を取得した場合に、その加算額が事業者の収入に直接反映される仕組みに改めるものでございまして、本年一月及び三月に事業者に対する説明会を開催いたしました。
 その後、国から、平成三十年度の報酬改定に係る新たなサービス類型や加算についての詳細が示されたことから、昨日改めて、事業者向けに説明会を実施したところでございます。
 今後、請求事務等に関する説明会につきましても、区部及び多摩地域で実施する予定であり、個別の事業者からの問い合わせに対しても、丁寧に説明してまいります。
〔青少年・治安対策本部長大澤裕之君登壇〕

○青少年・治安対策本部長(大澤裕之君) ひきこもりの若者の支援についてでありますが、ひきこもりの若者の支援においては、適切な見立てを行い、早期の支援につなげ、長期化を未然に防ぐ必要があります。
 このため、都では、東京都ひきこもりサポートネットにおいて、電話やメールによる相談のほか、区市町村と協働して訪問相談を実施し、臨床心理士等の相談員がひきこもりの若者や家族の状況を十分に把握した上で、地域のNPO法人等の支援機関につないでおり、その際には、区市町村の関係部署を初め、福祉、保健医療、雇用等のさまざまな分野の関係機関と連携して、対応しております。
 今後も、ひきこもりの若者の社会的自立に向けて、関係各局や区市町村、民間支援団体等との連携をさらに推進し、若者への支援の充実に努めてまいります。
〔産業労働局長藤田裕司君登壇〕

○産業労働局長(藤田裕司君) 企業における障害者雇用のすぐれた取り組みのPRについてでございますが、企業において障害者が能力や適性に応じて活躍できる環境づくりを促進していくためには、モデルとなる好事例を広く発信していくことが重要でございます。
 このため、都は、ソーシャルファームの考え方から、障害者の能力開発や処遇改善等を積極的に行う企業をエクセレントカンパニーとして表彰し、受賞企業の取り組み内容や社員の声などをまとめた事例集を作成し、企業等に幅広く配布するほか、ホームページにも掲載しているところでございます。
 今年度は、この賞の表彰式を企業や関係機関が一堂に会する障害者雇用支援フェアの中で実施することで、受賞企業の注目度が高まるよう工夫を図ってまいります。また、同フェアでは、パネル展示により具体的な取り組みの紹介もあわせて行ってまいります。
 今後も、受賞企業のすぐれた取り組みを積極的に発信し、障害者が生き生きと働ける職場環境の整備を促進してまいります。

○議長(尾崎大介君) 八十九番本橋ひろたか君
〔八十九番本橋ひろたか君登壇〕

○八十九番(本橋ひろたか君) まずは、無電柱化事業について伺います。
 先般、国では、平成二十八年十二月に施行された無電柱化の推進に関する法律に基づいて、法施行後初めての無電柱化推進計画が策定されました。
 都でも、ことし二月に実施したパブリックコメントの結果を踏まえ、東京都無電柱化推進条例に基づく東京都無電柱化計画が三月に策定され、都の無電柱化事業の今後十年間の基本方針や目標が定められました。
 今後は、都道において第一次緊急輸送道路の無電柱化を進め、一層の都市防災機能の強化を図るとともに、都内道路延長の約九割を占める区市町村道の無電柱化整備をあわせて推進していくことが重要となります。
 そこでまず、無電柱化をさらに進める上での課題について、都のお考えをお聞かせください。
 次に、区市町村道の無電柱化整備支援について伺います。
 都では、区市町村道の無電柱化を一層促進するため、これまでの支援策に加え、平成二十九年度より、推進計画の策定や低コスト手法の導入に取り組む区市町村に対して、新たな補助制度を拡充しました。
 この支援において、都は、無電柱化計画の策定費を全額補助するとともに、低コスト手法の導入路線に対して、工事費のうち国庫補助金を除いた全額を補助しております。
 支援事業が順調に活用されている点は、モデル事業の拡大や実施事例がふえるため、無電柱化事業に対する機運のさらなる高まりが期待できることから高く評価しております。
 一方で、区市町村の抱える課題として、国道や都道と比較し、歩道が狭い、または歩道がない道路が多く、地上機器の設置場所を確保することが技術的に困難なケースが多く見受けられる点であります。
 そういった場合、近接する公共用地や民有地があれば、それを利用することで課題解決につながることもあり得ることから、これらの技術的なノウハウについて、都は支援を行うべきと考えますが、都のお考えをお聞かせください。
 次に、学校を中心とした多文化共生の推進について伺います。
 東京オリンピック・パラリンピック大会に向けて、二年余りとなりました。この世界の文化とスポーツの祭典に向け、英語教育など小中学校での国際化教育の機運が高まっております。
 少子高齢化が進む日本にあって、外国人労働者の増加は、グローバル化が進む世界経済の中ではごく自然なことです。ふえる外国籍児童生徒と日本人児童生徒が相互理解を深めることで、学校の児童生徒のみならず多くの都民が、豊かな国際感覚や多様性を受け入れる資質、持続可能な社会づくりを目指す態度、能力を身につけていくことは極めて重要であります。
 そこで、都の持続可能性を支える基本には、東京オリンピック・パラリンピック大会を挟んで、小中学校での多文化共生の推進を通じて、児童生徒がお互い自然体で理解、尊重し合える風土の醸成が極めて重要だと考えますが、都教育委員会の所見をお聞かせください。
 次に、小中学校における外国人児童生徒に対する日本語指導の教員配置についてお伺いいたします。
 外国人児童生徒への日本語教育を実効あるものとするには、教員に日本語教育のスキル、ノウハウが備わっていることが不可欠であります。
 しかしながら、そのような教員の育成には時間がかかり、増加する外国人児童生徒への対応に、即座に対応できるか不安があります。
 私の地元豊島区は、人口二十九万人の一割に当たる二万九千人が外国人人口ですが、区部、とりわけ豊島を初め新宿、大田、江戸川など、外国人住民数が多い区の外国人児童生徒数は、さらに増加することが予想されます。
 私は、そうした外国人児童生徒数の動向から、学校現場では、日本語指導の教員の確保が難しくなりつつあると見ていますが、そのような事態に対し教員の配置はどのようにするおつもりか。
 また、日本語の指導には非常勤などパートタイム、六十五歳以上の退職教員、さらには地域の人材などを活用することなどが有効と考えますが、あわせて都教育委員会の所見をお聞かせください。
 次に、学校改革についてお伺いいたします。
 平成二十九年度の東京都公立学校教員勤務実態調査では、過労死ラインといわれる週六十時間を超える教員の割合は、小学校が三七・四%、中学校が六八・二%となっており、教員の長時間勤務の解消は喫緊の課題であります。
 教員の働き方を改革するには、一体教員は朝何時に出勤して夜何時に帰っているのか、授業のほかに、どことどこでどのような会議に出て、どのような保護者対応に追われているのかなど、教員の働き方の実態を明らかにする必要があります。週当たりの労働時間が四十時間であるとすれば、さらに二十時間以上多く勤務している中身が何なのかを明示して、初めて対応策を検討することができます。
 ことしの七月より、多くの区市町村では教員の働き方改革に向けたプランづくりに着手するところですが、若干の懸念についてお伺いいたします。
 第一に、各区市町村が検討する教員の働き方改革プランづくりには、教員のみならず、教員以外の事務系職員、保護者、民間事業所被雇用者など、教員とは違った組織文化の中で就労する方々の意見を取り入れるべきだと考えますが、都教育委員会の所見をお聞かせください。
 第二に、学校の改革には、教員の働き方改革を進めるとともに、小中学校における学校事務の改革に着手すべきと考えます。
 学校事務は、各小中学校に都費職員としておおむね一人が配置されているほか、区市町村によっては、学校の規模に応じて臨時職員などの補助者が配置されております。学校には給食費や教材費の保護者負担分などの私費会計の事務処理が、教員、とりわけ副校長などの大きな負担になっているといわれていますが、これらはそもそも学校事務職の本来業務であるべきと考えます。
 ところが、昭和三十二年に出された事務職員の分掌事務について、いわゆる本島通達なる文書などがあるにもかかわらず、依然として学校事務職の分掌は不明確きわまりないというのが実際であります。
 学校現場においてあしき慣行が定着し、教員の働き方改革などの大きな障害になっているとすれば、そのような組織文化こそ真っ先に改めるべきと考えます。
 今こそ学校事務の実態を調査すべきであり、区市町村への学校事務人事権の移譲、もしくは都費負担事務職の廃止を視野に入れた抜本的学校改革に着手すべきときと私は考えておりますが、都教育委員会の所見をお聞かせください。
 次に、選択的介護についてお伺いいたします。
 介護保険制度では、高齢者の多様なニーズに対応できるよう、国が求める一定のルールのもとで介護保険サービスと保険外サービスとを組み合わせた提供が認められています。
 しかし、このルールの具体的な運用方法が不明瞭なため、地方自治体による助言指導もまちまちとなり、事業者の保険外サービス提供の障壁になっているとも指摘されてきました。
 また、介護サービスに対する需要が増加、多様化する中で、サービスを担う人材は人手不足が深刻化しており、サービスを提供する事業者側の経営効率の改善も今後の大きな課題となっています。
 こうしたことから、利用者側の多様なニーズに合わせて、保険外サービスも含めたさまざまなサービスを効率的に提供することが極めて重要になっており、選択的介護は、こうした課題を解決するために非常に有効な方策の一つであるということができます。
 ことし第一回定例会予算特別委員会において、私が地元豊島区で実施する選択的介護モデル事業について伺った際、十者の事業者から応募があったとの答弁をいただきました。
 そこでまず、今年度実施するモデル事業の検討状況をお聞かせください。
 また、国家戦略特区を活用したこれまでの取り組みと今後の展開について、知事のご所見をお聞かせください。
 次に、東京未来ビジョン懇談会についてお伺いいたします。
 都は、例えば二〇二〇年に向けた実行プランなどの長期計画の策定と実施を通じて、ある程度の将来を見据えた行政経営をしていますが、二〇二〇年より先の近未来は、今まで誰もが予想しなかった時代状況が生まれ、その時代のニーズに応じた政策の企画立案や予算編成作業の中身すら想像することが難しいということができます。
 しかし、だからといって、先々の時代に対して行政は無定見、無責任であってはなりません。新たな発想や展望を取り入れるための努力ないし仕掛けは続ける必要があります。
 その意味で、都において、知事が座長を務め、スポーツ選手や俳優、映画監督や漫画家、さらには高校生など、四十代までの各分野で活躍する若者と意見交換する場として、東京未来ビジョン懇談会なる会議体を設置し、約一年三カ月、合計八回にわたり、二〇五〇年ごろの東京に焦点を当て、活発なプレゼンが展開されたことは高く評価いたします。
 そこでは、二〇五〇年の東京の未来像が七十項目に取りまとめられましたが、時代の流れに沿うというより、東京で時代をつくりたいという思いで座長を務められた知事は、どのように会議を進行させ、どのような提言に関心を寄せられたのか。取りまとめた内容をどう受けとめ、今後にどう生かしていくのか。これらにつき、知事のご所見をお聞かせください。
 最後に、東京の下水道技術の海外展開についてお伺いいたします。
 先月、合流式下水道の改善を図る水面制御装置という東京下水道の技術について、ドイツの企業と共同研究の覚書を締結するとの発表がありました。
 この装置は、電力などの動力を使わず、水の流れを利用することで下水道からのごみの流出を抑制するという非常にすぐれた技術であり、海外でも設置が進んでいる点は大いに評価できます。
 また、マレーシアの地域開発でも、東京下水道のすぐれた水処理技術やノウハウが採用され、現在、下水道管や処理場が建設途上と聞いています。
 このような東京生まれの下水道技術が海外でも活用され、さまざまな国の水環境の改善などに貢献することは大変有意義であり、日本の産業力の強化につながると考えます。
 そこで、こうした東京の下水道技術を海外にも積極的に発信し、展開すべきと考えますが、都のご所見をお聞かせください。
 以上で、るる申し上げましたが、私の一般質問を終わります。
 ご清聴、まことにありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 本橋ひろたか議員の一般質問にお答えをいたします。
 選択的介護について私の方からお答えをさせていただきます。
 介護保険サービスと保険外サービスを柔軟に組み合わせた選択的介護、これが実現いたしますと、事業者の創意工夫の幅が広がるものと考えられます。そして、その結果、利用者の利便性やサービスの質の向上が図られ、さらには介護職員の処遇の改善にもつながると、このことが期待できます。
 こうしたことから、都といたしまして、昨年二月、国家戦略特別区域会議におきまして、選択的介護モデル事業の実施を提案いたしました。また、昨年六月からは、豊島区と連携をいたしまして、学識経験者などで構成をいたします有識者会議を立ち上げて、事業者からさまざまな情報提供、提案を受けながら、モデル事業の実施に向けて検討を重ねてまいりました。
 こうして取りまとめたモデル事業案ではございますが、本年四月の国家戦略特区ワーキンググループで、国から支障がないとの見解を得たところでございます。
 よって、この国家戦略特区の仕組みを活用することで、これまで不明確だった介護保険サービスと、そして保険外サービス、この二つを組み合わせまして提供する場合のルールを明確化することができたものと考えております。
 八月からは、本橋議員お地元の豊島区におきましてモデル事業を開始する予定でございます。そして、今後は平成三十一年度以降のさらなる展開につきまして、豊島区と連携をしながら検討を進めてまいる所存でございます。
 もう一点、いわゆるビジョ懇、東京未来ビジョン懇談会についてのご質問をいただきました。
 東京の明るい未来を描き、その実現を目指していくということは、知事である私の大切な使命でございます。そのためには、通常の長期計画で扱う十年、二十年というスパンではなくて、さらに長い目で見た東京の未来についても、その理想の姿を描くということが欠かせません。
 こうしたことから、昨年一月、さまざまな分野でご活躍されている新進気鋭の方々にご参加をいただいて、東京未来ビジョン懇談会を立ち上げまして、メンバーそれぞれが東京の未来像についてプレゼンテーションを行ってもらいました。それを軸に活発な議論が展開をされてまいりました。
 この懇談会が取りまとめました二十一世紀の豫言でございますが、寝る前に見たい夢を選択できるといったような、まさに夢のようなものも含まれてはおりますけれども、都民の皆様が明るい未来像の一端に触れて、さらに希望を膨らませていくきっかけを示すことができたらと思っております。
 現在、二〇二〇年に向けた実行プランに基づきまして、東京の課題解決と成長創出に向けまして全力で取り組んでおりますが、東京がより一層の進化を遂げるためにも、わくわくするような未来の姿を意識しながら、今できることを着実に実行するとともに、新たな発想を今後の政策立案に生かしてまいる所存でございます。
 なお、その他のご質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、小中学校における共生社会実現に向けた教育についてでございますが、児童生徒が世界の多様性を知り、さまざまな価値観を持つ人々と、ともに助け合い、支え合って生きていく力を身につけることは、共生社会を実現する上で重要でございます。
 そのため、現在、各学校では、オリンピック・パラリンピック教育の一環として、それぞれ五つの国や地域の文化、歴史等について学習を行っております。
 また、外国籍の児童生徒が在籍する学校では、互いの国の文化や習慣の違い等について話し合う活動なども行っております。
 今後、都教育委員会は、こうした学校での取り組みに加え、在京大使館との連絡調整や海外の学校との交流の場の設定等の業務を専門的に運営する仕組みを新たに構築して、国際交流を促進することにより、互いを認め合う心など共生社会の実現に必要な資質を児童生徒に育んでまいります。
 次に、小中学校に在籍する日本語の指導が必要な外国人児童生徒への対応についてでございますが、都教育委員会は、在籍状況に応じた区市町村教育委員会からの申請に基づき、日本語指導に必要な教員定数を都の基準により措置し、児童生徒理解にたけ、適切に日本語指導ができる教員を配置しております。加えて、日本語指導ハンドブックを全小中学校へ配布し活用を促進するとともに、教員の指導力向上のため、専門性の高い講師を招き効果的な指導方法の研修を実施しています。
 また、区市町村教育委員会では、地域の実態に応じて、退職教員、NPO法人や地域の人材を活用するなど、日本語指導を支援する取り組みも行われております。
 今後とも、区市町村教育委員会と連携し、外国人児童生徒に対する日本語指導の充実を図ってまいります。
 次に、教員の働き方改革についてでございますが、働き方改革を進めていく上では、学校管理職や教員はもとより、保護者を含む社会全体の理解を得ながら、全ての関係者が一体となって取り組むことが重要でございます。
 都教育委員会が本年二月に公表した学校における働き方改革推進プランの策定に際しても、学校関係者や区市町村教育委員会との意見交換の場を設けるとともに、パブリックコメント等を通じ、広く都民からもご意見をいただき、プラン策定に生かさせていただいております。
 小中学校教員の働き方改革に向けたプランは、服務監督権者である区市町村教育委員会が主体的に策定するものでございますが、都教育委員会としても、今後とも、さまざまな支援や情報提供等を通して、各区市町村教育委員会におけるプランの策定を後押ししてまいります。
 最後に、小中学校における学校事務の改革についてでございますが、都教育委員会は、県費負担教職員制度の創設後、昭和三十二年九月に学校事務職員の分掌範囲の基準を示しました。
 その後、新たな検討会報告を受けて、平成二十二年一月に標準的職務を示し、区市町村教育委員会に対して具体的な職務範囲等を規定するよう依頼してまいりました。
 今般策定したプランに基づき、区市町村教育委員会に改めてこれを再周知したところであり、今後、小中学校における働き方改革の進捗状況を調査する中で、学校事務の状況等についても把握してまいります。
 なお、学校事務職員の人事権については、給与負担のあり方や区市町村間の均衡の維持等の課題があること、区市町村によっても意向が分かれていることなどから、引き続き慎重に検討してまいります。
〔東京都技監西倉鉄也君登壇〕

○東京都技監(西倉鉄也君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、無電柱化を進める上での課題についてでございますが、東京の無電柱化を強力に進めるには、技術開発を一層推進いたしまして、コスト縮減や工期の短縮を図ることが主要な課題であると認識しております。
 このため、都は、東京電力やNTTなどと無電柱化低コスト技術検討会を設置いたしまして、電線共同溝の材料の見直しなど技術的な検討を進め、本年四月には、技術基準であります東京都電線共同溝整備マニュアルを改定いたしました。
 また、電線管理者が所有します管路やマンホール等の既存施設の活用や、限られた道路空間における効率的な管路配置などによりまして、既存の埋設管の移設工事を削減し、工期の短縮に取り組んでおります。
 引き続き、さらなるコスト縮減や工期短縮につながる技術開発に取り組んでまいります。
 次に、無電柱化に取り組む区市町村への支援についてでございますが、都内全域で無電柱化を推進するためには、都道のみならず、区市町村道の無電柱化を一層促進することが重要でございます。
 都はこれまで、狭隘道路での無電柱化の課題の一つであります地上機器の設置場所につきまして、民有地や公共用地などを活用する際の事務手続や整備事例などを盛り込みました手引きを作成いたしまして、区市町村職員向けの研修会などの機会を活用して、継続的に周知を図ってまいりました。
 今後は、無電柱化チャレンジ支援事業におきまして、区市町村が設置します技術検討会に都の職員が直接参加し、狭隘道路での地上機器設置の具体的な取り組み事例を紹介するなど、技術支援を強化してまいります。
 引き続き、区市町村と連携を図りながら、東京の無電柱化の推進に積極的に取り組んでまいります。
〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 選択的介護モデル事業の検討状況に関するご質問にお答えをいたします。
 都は、豊島区と連携してモデル事業の検討を進めておりまして、本年一月に行った公募では、介護保険サービスの訪問介護と話し相手や外食の同行といった保険外サービスとを柔軟に組み合わせて提供するなど、具体的なサービス内容の提供をいただきました。
 その後、三月に申し込みいただいた全ての事業者に対して事業内容のヒアリングを実施し、五月には、学識経験者等で構成する有識者会議において、事業者から提案のあったサービス内容や料金設定、利用者保護の仕組みの妥当性等について検討を行いました。
 こうした検討を踏まえまして、各事業者が八月からモデル事業を開始することとしておりまして、今後、豊島区とともに、その実施状況の検証を行ってまいります。
〔下水道局長小山哲司君登壇〕

○下水道局長(小山哲司君) 東京の下水道技術の海外展開についてでございますが、都がこれまで現場の創意工夫で培った下水道技術を海外展開することは、さまざまな国や地域の水環境改善に貢献し、日本の産業力の強化に寄与するために重要でございます。
 合流式下水道からごみの流出を抑制する水面制御装置は、先月、日本の開発企業とともにドイツの企業と共同研究の覚書を締結しておりまして、今後、ヨーロッパでの普及拡大を図ってまいります。
 また、東京の技術提案が採用されましたマレーシアの下水道整備プロジェクトでは、現在、同国政府が処理場などを建設中であり、稼働後の適切な維持管理に向け、現地技術者に対する研修を東京下水道が行っております。
 このほか、道路を掘らずに下水道管をリニューアルするSPR工法なども、海外で多くの施工実績がございます。
 こうした東京下水道のすぐれた技術を、九月に開催されますIWA世界会議の場も通じて広く発信するなど、海外展開を積極的に進めてまいります。

○議長(尾崎大介君) 二十七番おときた駿君
〔二十七番おときた駿君登壇〕

○二十七番(おときた駿君) 児童虐待防止は、都政の緊急課題です。三月に東京都目黒区で発生した虐待死事件を受けて、知事は児童相談所と警察の情報共有範囲の拡大を表明しています。
 しかしながら、どの情報を警察と共有するか、その判断が児童相談所に委ねられている限り、判断ミスから事案の抱え込みが発生するリスクを避けることはできません。
 こうした理由から、既に茨城県、愛知県などが情報全件共有を実施し、今回の重大な事件を受けて、埼玉県、岐阜県知事も全件共有の方針を発表しました。
 全件共有は、全員が全ての情報に目を通すのではなく、全員が全ての情報にアクセス可能であるという点に重要な意味があり、子供の命を救うためには、情報の全件共有をやるかやらないかではなく、どうやるかを議論すべき段階に進んでいます。
 東京都も、情報共有範囲について、全件共有まで視野に入れて速やかに検討すべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。
 また、情報共有という観点からは、児童相談所のICT化が欠かせません。既に横須賀市の児童相談所などで、最新のICTを導入した情報共有システムの運用がスタートしています。児童相談所間と関係機関との連携を確実なものとするために、紙とファクスが中心となっている現状を改め、ICT化を進めるべきと考えますが、都の見解をお伺いいたします。
 そして、児童虐待根絶のためには、仕組みとして里親委託、特別養子縁組など家庭養護の推進が必要です。虐待から一時保護を行っても、それを受けとめる環境がなければ、虐待防止の仕組みは完成しません。
 ところが、国では、一度は新しい社会的養育ビジョンの中で里親委託率七五%を目指すという積極的な目標を掲げたものの、この目標値を撤回する流れが生まれています。
 先般、東京都は里親の認定基準を改定し、同性カップルにも里親認定の門戸を開くなど、画期的な対応を行いました。国が後退するのであれば、東京都こそ里親委託率の独自目標を設定し、里親制度をリードすべきであります。
 里親委託の推進と目標値の設定について、知事の所見をお伺いいたします。
 次に、いわゆる障害者差別解消条例についてお伺いいたします。
 本条例案には、情報保障の推進、言語としての手話の普及が盛り込まれました。これは大きな前進ではありますが、手話言語に関する独立した条例を成立させた他の道府県と比べると、十分なものとはいえません。
 特に東京都は、広域自治体として特別支援学校などの教育機関を所管しています。ですから、手話の獲得、手話による学び、手話そのものを母語として学ぶ機会の環境整備に注力すべきと考えます。
 言語としての手話習得の機会について、小池知事の見解をお伺いいたします。
 また、情報保障の推進については、東京都が率先して、例えば知事記者会見の中継、また都が配信する動画に手話通訳や字幕を完備すべきと考えますが、都の所見をお伺いいたします。手話はおしまいです。
 最後に、千客万来施設についてお伺いいたします。
 知事によるトップ会談と謝罪により、東京都が、二〇二〇年以降の着工方針を発表し、交渉決裂、再公募という最悪の事態は回避されました。しかしながら、二〇二〇年まで都が事業を運営する追加の費用が発生し、それまでは予定されていた地代収入が生じません。
 本年一月末までに着工できれば、千客万来施設の一部は東京五輪前に開場可能であるとされていました。事業者への謝罪の必要性を知事は早くから理解していたはずであり、知事がもっと早く決断、行動していれば、この追加支出は発生しなかったわけであります。これは、知事の標榜するワイズスペンディングから最もかけ離れた結果ではないでしょうか。
 地域住民や江東区議会からも、一連の知事の行動を非難する声が上がっております。知事は、その責任を認め、事業者のみならず、関係各所に謝罪と真摯な説明を行うべきと考えますが、本責任について知事の見解を求めます。
 また、二〇二〇年までの暫定利用についても課題が山積みです。年間を通じてにぎわいを継続できるだけのコンテンツがあるのか、平日はどうするのか、屋外スペースは真冬や真夏、あるいは梅雨時など気候にどう対応するのか。二年間、都が運営して成功するビジョンが全く見えません。
 暫定事業の費用を一般会計、市場会計、どちらが支出するのかを含め、運営に対する都の具体的な計画をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) おときた議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、児童相談所と警察との情報共有についてのご質問でございました。
 児童虐待を防止するためには、警察との情報共有は重要でございます。
 そのため、都は現在、警視庁から現職の警察官の派遣を受けるとともに、警察官OBを全ての児童相談所に複数配置するなど、警察との連携を図っております。
 また、子供の安全確認等で必要がありますときは、警察に要請をいたしまして同行して訪問するほか、身体的虐待で一時保護した子供が家庭復帰した場合に情報を共有するなど、日常的に警察とは連携して取り組んでいるところでございます。
 一方、児童相談所でございますが、虐待してしまうことに苦しむ親の相談に応じる機関でもございます。児童虐待事件に長く携わっている弁護士の方々からも、児童相談所への相談をためらうことのないように、プライバシーの保護等には十分配慮することが必要との意見もいただいているところでございます。
 また、平成二十八年度、児童相談所が対応いたしました一万二千四百九十四件の虐待相談のうち、約二千件は虐待に該当しないケース、そして約八千件は児童相談所によります助言指導で終了したケースでございました。
 警察との情報共有の見直しというのは、こうしたことを踏まえながら進めることが必要であると考えておりまして、現在、児童相談所に相談がありましたケースのうち、保護者が子供の確認を拒否しているケース、そして措置を継続しているケースなど、リスクが高いと考えられるケースにつきまして全て共有する方向で、警視庁との協議を開始しているところでございます。
 里親委託の推進と目標値の設定についてのご質問がございました。
 私は、社会的養護のもとにある子供たちも、できるだけ家庭と同様の環境において養育されること、このことが望ましいと考えております。
 こうした考えに基づきまして、里親への委託を推進するために、児童相談所の体制強化や民間団体を活用いたしました里親への相談支援などの取り組みに加えて、養子縁組が最善と判断した場合には新生児のうちに委託するモデル事業や、関係機関が連携しながら専門的な支援を行うチーム養育体制の整備を進めてまいりました。
 また、今般、児童の成長、発達に必要な養育環境を提供するといった観点から、里親の認定基準につきましては、年齢要件の上限の撤廃、配偶者がいない場合などの要件緩和の改正を行ったのはご指摘のとおりでございます。
 現在、都といたしまして、社会的養護施策の推進計画におきまして、平成四十一年度までに家庭的養護の割合を六割とする目標を設定いたしております。
 平成二十八年の児童福祉法の改正を踏まえまして、今後、国から計画を見直すための方針が示される予定でございまして、都といたしましては、児童福祉審議会において、改めて里親委託の推進の方向性や目標について、有識者の方々にご議論をいただく予定といたしております。
 そして、言語としての手話の習得機会でございますが、手話は聴覚障害のある方々にとりまして重要なコミュニケーション手段の一つでございます。
 そのため、障害者差別解消条例におきましては、情報保障の推進を基本的な施策の一つに位置づけました。
 また、手話は一つの言語であるとの認識に基づいて、都民及び事業者におきまして、言語としての手話の認識を広げるとともに、手話の利用が普及するよう必要な施策を講ずるものと規定をいたしております。
 都は、現在、手話通訳者の養成、初心者から指導者まで手話を学ぶ講習会や、外国語手話講習会の実施、そして大学生向けの手話普及イベントの開催など、手話の獲得、普及に向けましたさまざまな取り組みを展開いたしております。
 今後とも、手話を学ぶ機会の確保などを通じまして、聴覚障害者の意思疎通支援の充実を図ってまいりたいと考えております。
 最後に、千客万来施設事業に関するご質問でございます。
 都は、千客万来施設事業を着実に進めるという観点から、今回の事業者の提案を前向きに捉えました。そして、協議に応じる判断をしたところでございまして、現在、事業者と事業実施に当たりましての課題の整理を進めているところでございます。
 また、事業の推進に当たりましては、地元江東区のご理解を得ることは大変重要との認識を当然持っております。
 この間の一連の経緯、そして都の対応につきましては、私から直接区長にご説明させていただいておりますが、急な展開になったことからも、江東区や江東区議会の皆様に事前に十分な調整、ご説明ができていないことについては、ご心配をおかけいたしております。
 引き続き、今回の経緯につきましては丁寧にご説明するとともに、千客万来施設を確実に整備することや、それまでの間のにぎわい創出に向けた方策を早急に示すことで、江東区の皆様のご理解を得ていきたいと考えております。
 なお、その他の質問につきましては、関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 児童相談所におけるICT化に関するご質問にお答えをいたします。
 都は、平成十七年度から、従来、各児童相談所が個別に紙で管理をしておりました児童に関する情報のデータベース化を図っており、虐待等緊急を要するケースの場合でも迅速かつ的確な対応を行えるよう、現在、十一カ所全ての児童相談所をシステムでつなぎ、情報を共有しております。権限を有する者がアクセスすれば、全てのケースを閲覧することができる状態になっております。
 全国の児童相談所間では、児童相談所が虐待等でかかわっている児童で、転居等により行方不明となった場合には、自治体ごとの情報セキュリティー基準に抵触せず送受信できるファクスで情報共有を行うこととされております。
 現在、国は、総合行政ネットワークのメーリングリストを利用した児童相談所間の情報共有について検討を進めており、都としては、その動向も注視しながら、国や全国児童相談所長会と連携して、ICT化を検討してまいります。
〔生活文化局長浜佳葉子君登壇〕

○生活文化局長(浜佳葉子君) 都が提供する動画等に手話通訳や字幕をつけることについてでございますが、障害の有無にかかわらず、誰もが情報を得やすい環境を整備することは重要でございます。
 都はこれまでも、必要に応じて、都政広報テレビ番組の放送時に字幕をつけたり、インターネット中継後にその内容を文字でホームページに掲載してまいりました。
 今後も、動画による都政情報の提供が増加すると見込まれることから、動画を作成、配信する際には、障害者差別解消条例に規定する障害者の情報保障に十分配慮するよう、各局の広報担当者による会議などを通じて周知してまいります。
〔中央卸売市場長村松明典君登壇〕

○中央卸売市場長(村松明典君) 都によるにぎわい創出の取り組みについてですが、今回の事業者からの提案について、今後、最終的に合意が図られた場合は、千客万来施設は東京二〇二〇大会後の着工となります。
 都といたしましては、豊洲市場の開場後、千客万来施設が開業するまでの間、継続的ににぎわいを創出していくため、現在、五街区及び六街区の千客万来施設用地を活用したさまざまなイベントや仮設施設による事業等につきまして、財源も含めて検討を進めているところでございます。
 今後、にぎわい創出に向けた方策を早急に示すことで、都民や江東区の皆様のご理解を得られるよう取り組んでまいります。

○議長(尾崎大介君) 以上をもって質問は終わりました。

○議長(尾崎大介君) これより日程に入ります
 日程第一から第四十六まで、第百二十二号議案、東京都知事の給料等の特例に関する条例の一部を改正する条例外議案四十一件、諮問二件、専決二件を一括議題といたします。
 本案に関し、提案理由の説明を求めます。
 副知事川澄俊文君。
〔副知事川澄俊文君登壇〕

○副知事(川澄俊文君) ただいま上程になりました四十六議案についてご説明申し上げます。
 初めに、第百二十二号議案から第百三十七号議案まで及び第百六十二号議案の十七議案は条例案でございます。
 まず、新設の条例が二件ございます。
 第百三十四号議案、東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例は、社会全体で障害及び障害者への理解を深め、差別をなくす取り組みを一層推進するため、条例を制定するものでございます。
 第百六十二号議案、東京都受動喫煙防止条例は、都民の健康増進を図るため、受動喫煙をみずからの意思で避けることが困難な者に対し、受動喫煙を生じさせることがないよう、受動喫煙防止対策を一層推進する必要があることから、条例を制定するものでございます。
 次に、一部を改正する条例は十五件でございます。
 第百二十二号議案、東京都知事の給料等の特例に関する条例の一部を改正する条例は、知事の給料等について、特例措置を延長するものでございます。
 第百二十四号議案、東京都都税条例並びに東京都都税条例及び東京都都税条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例は、地方税法等の一部改正に伴い、都たばこ税の税率を段階的に引き上げるものなどでございます。
 第百二十五号議案、東京都宿泊税条例の一部を改正する条例は、地方税法の一部改正を踏まえ、犯則調査手続を見直すほか、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に伴い、一定期間宿泊税を課税免除するものでございます。
 第百二十七号議案、東京都江戸東京博物館条例の一部を改正する条例は、東京都江戸東京博物館の改修に伴い、施設の利用料金及び利用時間を改めるものなどでございます。
 第百三十三号議案、東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例は、母子及び父子並びに寡婦福祉法施行令の一部改正を踏まえ、修学資金及び就学支度資金の貸付対象に大学院を追加するものでございます。
 第百三十五号議案、旅館業法施行条例の一部を改正する条例は、旅館業法の一部改正等に伴い、施設基準を見直すほか、規定を整備するものでございます。
 第百三十六号議案、公衆浴場の設置場所の配置及び衛生措置等の基準に関する条例の一部を改正する条例は、浴槽の衛生管理が向上していることなどから、浴槽水の換水頻度の基準を緩和するものなどでございます。
 第百三十七号議案、東京都営空港条例の一部を改正する条例は、東京都営空港の利用に係る航空機が都内に墜落した場合に、被害を受けた住民の生活再建を支援するための規定を整備するものでございます。
 このほか、法令改正に伴い規定を整備するものなどが七件でございます。
 第百三十八号議案から第百四十七号議案まで及び第百六十四号議案の十一議案は契約案でございます。
 第百三十八号議案、十三号地新客船ふ頭ターミナル施設(三十)新築工事請負契約など、契約金額の総額は約二百五十八億一千万円でございます。
 第百四十八号議案から第百六十一号議案までの十四議案は事件案でございます。
 第百四十八号議案は都が遺贈を受けた財産について権利を放棄するもの、第百四十九号議案及び第百五十号議案は土地を売り払うもの、第百五十一号議案は公の施設の指定管理者を指定するもの、第百五十二号議案は警視庁の無線機を買い入れるもの、第百五十三号議案外八議案は東京消防庁の特種用途自動車を買い入れるものでございます。
 次に、諮問でございます。
 諮問第二号及び第三号は、水道局長が行った下水道料金納入通知について審査請求があったため、地方自治法の規定に基づき諮問するものでございます。
 次に、専決でございます。
 東京都都税条例の一部を改正する条例及び都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例については、施行までの間に議会を招集する時間的余裕がないと認め、専決処分を行ったものでございます。
 上程になりました四十六議案の説明は以上ですが、このほか人事案を送付いたしております。
 東京都人事委員会委員でございます。
 八月二十九日に任期満了となります濱崎恭生氏の後任には、山崎恒氏を選任いたしたいと存じます。
 以上で説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
(議案の部参照)

○議長(尾崎大介君) 以上をもって提案理由の説明は終わりました。
 なお、本案中、地方公務員法第五条第二項の規定に該当する議案については、あらかじめ人事委員会の意見を徴しておきました。
 議事部長をして報告いたさせます。

○議事部長(櫻井和博君) 人事委員会の回答は、第百二十三号議案について、異議はないとの意見であります。

三〇人委任第二一号
平成三十年六月六日
東京都人事委員会委員長 青山  やすし
 東京都議会議長 尾崎 大介殿
「職員に関する条例」に対する人事委員会の意見聴取について(回答)
 平成三十年六月五日付三〇議事第八六号をもって、地方公務員法第五条第二項の規定により照会があった議案に係る人事委員会の意見は、左記のとおりです。
       記
   提出議案
一 第百二十三号議案
災害派遣手当等の支給に関する条例の一部を改正する条例
   意見
異議ありません。

○議長(尾崎大介君) お諮りいたします。
 ただいま議題となっております日程第一から第四十六までは、お手元配布の議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認めます。よって、日程第一から第四十六までは、議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。
(別冊参照)

○議長(尾崎大介君) これより追加日程に入ります。
 追加日程第一、東京都人事委員会委員の選任の同意についてを議題といたします。
〔櫻井議事部長朗読〕
一、東京都人事委員会委員の選任の同意について一件

三〇財主議第一三七号
平成三十年六月十二日
東京都知事 小池百合子
 東京都議会議長 尾崎 大介殿
東京都人事委員会委員の選任の同意について(依頼)
 このことについて、東京都人事委員会委員 濱崎恭生は平成三十年八月二十九日任期満了となるため、後任として左記の者を選任したいので、地方公務員法第九条の二第二項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     山崎  恒

      略歴
現住所 東京都大田区
山崎  恒
昭和二十三年十一月十四日生(六十九歳)
昭和四十七年 三月 東京大学法学部卒業
昭和四十九年 四月 大阪地方裁判所判事補
昭和六十年  四月 那覇地方裁判所判事
昭和六十二年 四月 東京地方裁判所判事
平成二年   四月 最高裁判所事務総局家庭局第一課長
平成五年   四月 東京家庭裁判所判事
平成七年   四月 東京地方裁判所部総括判事
平成十二年 十二月 最高裁判所家庭裁判所調査官研修所長
平成十四年 十二月 最高裁判所事務総局家庭局長
平成十七年 十二月 前橋地方裁判所長
平成十九年  二月 横浜家庭裁判所長
平成二十年 十二月 東京高等裁判所部総括判事
平成二十一年 八月 東京家庭裁判所長
平成二十三年 二月 札幌高等裁判所長官
平成二十五年 三月 依願退官
平成二十五年 三月 公正取引委員会委員
平成二十七年十二月 公正取引委員会委員退任
平成二十八年 八月 弁護士登録(東京弁護士会)
平成二十八年 八月 菊地綜合法律事務所
現在        弁護士

○議長(尾崎大介君) お諮りいたします。
 本件は、知事の選任に同意することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、知事の選任に同意することに決定いたしました。

○議長(尾崎大介君) 追加日程第二、米軍基地対策に関する特別委員会設置に関する動議を議題といたします。
 案文は、お手元に配布をいたしてあります。
 朗読は省略いたします。

米軍基地対策に関する特別委員会設置に関する動議
 右の動議を別紙のとおり提出します。
  平成三十年六月二十日
(提出者)
池川 友一  原田あきら  斉藤まりこ
藤田りょうこ 原 のり子  星見てい子
とや英津子  河野ゆりえ  米倉 春奈
白石たみお  里吉 ゆみ  とくとめ道信
尾崎あや子  和泉なおみ  あぜ上三和子
清水ひで子  大山とも子  曽根はじめ
東京都議会議長 尾崎 大介殿

米軍基地対策に関する特別委員会設置に関する動議
 次の要綱に基づき、米軍基地対策に関する特別委員会を設置されたい。
米軍基地対策に関する特別委員会設置要綱
一 名称
 米軍基地対策に関する特別委員会とする。
二 設置の根拠
 地方自治法第百九条第一項及び東京都議会委員会条例第四条による。
三 目的
 横田基地へのCV─22オスプレイの配備計画を始め、都内米軍基地に関わる諸問題について調査及び必要な対策を講ずる。
四 委員会の組織
 委員の定数は、二十三名とし、委員長一名、副委員長三名及び理事五名を置く。

○議長(尾崎大介君) 本動議は、起立により採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕

○議長(尾崎大介君) 起立少数と認めます。よって、米軍基地対策に関する特別委員会設置に関する動議は否決されました。

○議長(尾崎大介君) 追加日程第三及び第四、議員提出議案第十号、東京都子どもの医療費の助成に関する条例外条例一件を一括議題といたします。
 案文は、お手元に配布をいたしてあります。
(議案の部参照)

○六十七番(斉藤れいな君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第十号及び第十一号については、趣旨説明を省略し、厚生委員会に付託されることを望みます。

○議長(尾崎大介君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認めます。よって、議員提出議案第十号及び第十一号は、趣旨説明を省略し、厚生委員会に付託することに決定をいたしました。

○議長(尾崎大介君) 請願及び陳情の付託について申し上げます。
 受理いたしました請願二件及び陳情九件は、お手元に配布の請願・陳情付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託をいたします。
(別冊参照)

○議長(尾崎大介君) お諮りいたします。
 明二十一日から二十六日まで六日間、委員会審査のため休会いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認めます。よって、明二十一日から二十六日まで六日間、委員会審査のため休会することに決定をいたしました。
 なお、次回の会議は、六月二十七日午後一時に開きます。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後七時十九分散会


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