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Tokyo Metropolitan Assembly

平成三十年東京都議会会議録第一号

平成三十年二月二十一日(水曜日)
 出席議員 百二十五名
一番古城まさお君
二番けいの信一君
三番成清梨沙子君
四番鈴木 邦和君
五番おじま紘平君
六番平  慶翔君
七番後藤 なみ君
八番西郷あゆ美君
九番やながせ裕文君
十番山内れい子君
十一番大場やすのぶ君
十二番伊藤しょうこう君
十三番田村 利光君
十四番藤井とものり君
十五番池川 友一君
十六番細田いさむ君
十七番うすい浩一君
十八番小林 健二君
十九番加藤 雅之君
二十番滝田やすひこ君
二十一番藤井あきら君
二十二番奥澤 高広君
二十三番森口つかさ君
二十四番村松 一希君
二十五番内山 真吾君
二十六番森澤 恭子君
二十七番おときた駿君
二十八番菅野 弘一君
二十九番川松真一朗君
三十番小松 大祐君
三十一番柴崎 幹男君
三十二番宮瀬 英治君
三十三番原田あきら君
三十四番斉藤まりこ君
三十五番藤田りょうこ君
三十六番斉藤やすひろ君
三十七番栗林のり子君
三十八番遠藤  守君
三十九番伊藤こういち君
四十番もり  愛君
四十一番龍円あいり君
四十二番あかねがくぼかよ子君
四十三番保坂まさひろ君
四十四番関野たかなり君
四十五番森村 隆行君
四十六番福島りえこ君
四十七番鳥居こうすけ君
四十八番つじの栄作君
四十九番上田 令子君
五十番舟坂ちかお君
五十一番清水 孝治君
五十二番三宅 正彦君
五十三番神林  茂君
五十四番西沢けいた君
五十六番原 のり子君
五十七番星見てい子君
五十八番とや英津子君
五十九番大松あきら君
六十番まつば多美子君
六十一番高倉 良生君
六十二番上野 和彦君
六十三番菅原 直志君
六十四番清水やすこ君
六十五番白戸 太朗君
六十六番木下ふみこ君
六十七番斉藤れいな君
六十八番増田 一郎君
六十九番入江のぶこ君
七十番佐野いくお君
七十一番細谷しょうこ君
七十二番両角みのる君
七十三番ひぐちたかあき君
七十四番高橋 信博君
七十五番中屋 文孝君
七十六番古賀 俊昭君
七十七番宇田川聡史君
七十八番山口  拓君
七十九番河野ゆりえ君
八十番米倉 春奈君
八十一番白石たみお君
八十二番里吉 ゆみ君
八十三番のがみ純子君
八十四番中山 信行君
八十五番谷村 孝彦君
八十六番小磯 善彦君
八十七番藤井  一君
八十八番馬場 信男君
八十九番本橋ひろたか君
九十番田の上いくこ君
九十二番たきぐち学君
九十三番米川大二郎君
九十四番石川 良一君
九十五番中山ひろゆき君
九十六番山田ひろし君
九十七番岡本こうき君
九十八番小宮あんり君
九十九番山崎 一輝君
百番吉原  修君
百一番三宅 茂樹君
百二番中村ひろし君
百三番とくとめ道信君
百四番尾崎あや子君
百五番和泉なおみ君
百六番長橋 桂一君
百七番橘  正剛君
百八番東村 邦浩君
百九番中嶋 義雄君
百十番大津ひろ子君
百十一番栗下 善行君
百十二番木村 基成君
百十三番伊藤 ゆう君
百十四番小山くにひこ君
百十五番荒木ちはる君
百十六番山内  晃君
百十七番増子ひろき君
百十八番石毛しげる君
百十九番尾崎 大介君
百二十番早坂 義弘君
百二十一番鈴木 章浩君
百二十二番秋田 一郎君
百二十三番高島なおき君
百二十四番あぜ上三和子君
百二十五番清水ひで子君
百二十六番大山とも子君
百二十七番曽根はじめ君
 欠席議員 一名
九十一番  桐山ひとみ君
 欠員
    五十五番
 出席説明員
知事小池百合子君
副知事川澄 俊文君
副知事長谷川 明君
副知事猪熊 純子君
教育長中井 敬三君
東京都技監都市整備局長兼務邊見 隆士君
政策企画局長遠藤 雅彦君
総務局長多羅尾光睦君
財務局長武市  敬君
主税局長目黒 克昭君
警視総監吉田 尚正君
生活文化局長塩見 清仁君
オリンピック・パラリンピック準備局長潮田  勉君
環境局長和賀井克夫君
福祉保健局長梶原  洋君
産業労働局長藤田 裕司君
建設局長西倉 鉄也君
港湾局長斎藤 真人君
会計管理局長土渕  裕君
交通局長山手  斉君
消防総監村上 研一君
水道局長中嶋 正宏君
下水道局長渡辺志津男君
青少年・治安対策本部長大澤 裕之君
病院経営本部長内藤  淳君
中央卸売市場長村松 明典君
選挙管理委員会事務局長浜 佳葉子君
人事委員会事務局長砥出 欣典君
労働委員会事務局長池田 俊明君
監査事務局長岡崎 義隆君
収用委員会事務局長佐藤  敦君
包括外部監査人久保 直生君

二月二十一日議事日程第一号
第一 第一号議案
平成三十年度東京都一般会計予算
第二 第二号議案
平成三十年度東京都特別区財政調整会計予算
第三 第三号議案
平成三十年度東京都地方消費税清算会計予算
第四 第四号議案
平成三十年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計予算
第五 第五号議案
平成三十年度東京都国民健康保険事業会計予算
第六 第六号議案
平成三十年度東京都母子父子福祉貸付資金会計予算
第七 第七号議案
平成三十年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
第八 第八号議案
平成三十年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
第九 第九号議案
平成三十年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
第十 第十号議案
平成三十年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
第十一 第十一号議案
平成三十年度東京都と場会計予算
第十二 第十二号議案
平成三十年度東京都都営住宅等事業会計予算
第十三 第十三号議案
平成三十年度東京都都営住宅等保証金会計予算
第十四 第十四号議案
平成三十年度東京都都市開発資金会計予算
第十五 第十五号議案
平成三十年度東京都用地会計予算
第十六 第十六号議案
平成三十年度東京都公債費会計予算
第十七 第十七号議案
平成三十年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
第十八 第十八号議案
平成三十年度東京都病院会計予算
第十九 第十九号議案
平成三十年度東京都中央卸売市場会計予算
第二十 第二十号議案
平成三十年度東京都都市再開発事業会計予算
第二十一 第二十一号議案
平成三十年度東京都臨海地域開発事業会計予算
第二十二 第二十二号議案
平成三十年度東京都港湾事業会計予算
第二十三 第二十三号議案
平成三十年度東京都交通事業会計予算
第二十四 第二十四号議案
平成三十年度東京都高速電車事業会計予算
第二十五 第二十五号議案
平成三十年度東京都電気事業会計予算
第二十六 第二十六号議案
平成三十年度東京都水道事業会計予算
第二十七 第二十七号議案
平成三十年度東京都工業用水道事業会計予算
第二十八 第二十八号議案
平成三十年度東京都下水道事業会計予算
第二十九 第二十九号議案
東京都職員定数条例の一部を改正する条例
第三十 第三十号議案
特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三十一 第三十一号議案
市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三十二 第三十二号議案
都と特別区及び特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例
第三十三 第三十三号議案
平成二十九年度分の都と特別区及び特別区相互間の財政調整の特例に関する条例
第三十四 第三十四号議案
東京都固定資産評価審議会条例の一部を改正する条例
第三十五 第三十五号議案
東京都区市町村振興基金条例の一部を改正する条例
第三十六 第三十六号議案
東京都議会議員及び東京都知事の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例
第三十七 第三十七号議案
東京都監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
第三十八 第三十八号議案
東京都事務手数料条例の一部を改正する条例
第三十九 第三十九号議案
東京都社会資本等整備基金条例の一部を改正する条例
第四十 第四十号議案
東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金条例の一部を改正する条例
第四十一 第四十一号議案
東京都都税条例の一部を改正する条例
第四十二 第四十二号議案
東京都宿泊税条例の一部を改正する条例
第四十三 第四十三号議案
東京都体育施設条例の一部を改正する条例
第四十四 第四十四号議案
学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例
第四十五 第四十五号議案
東京都鉄道新線建設等準備基金条例
第四十六 第四十六号議案
東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
第四十七 第四十七号議案
東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
第四十八 第四十八号議案
東京都病院及び診療所の人員、施設等の基準に関する条例の一部を改正する条例
第四十九 第四十九号議案
心身障害者の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
第五十 第五十号議案
東京都国民健康保険広域化等支援基金条例の一部を改正する条例
第五十一 第五十一号議案
東京都国民健康保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例
第五十二 第五十二号議案
東京都国民健康保険調整交付金条例を廃止する条例
第五十三 第五十三号議案
介護保険法施行条例の一部を改正する条例
第五十四 第五十四号議案
東京都指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営の基準に関する条例を廃止する条例
第五十五 第五十五号議案
東京都立ナーシングホーム条例を廃止する条例
第五十六 第五十六号議案
児童福祉法施行条例の一部を改正する条例
第五十七 第五十七号議案
東京都児童相談所条例の一部を改正する条例
第五十八 第五十八号議案
東京都障害者支援施設等に関する条例の一部を改正する条例
第五十九 第五十九号議案
東京都立療育医療センター条例の一部を改正する条例
第六十 第六十号議案
東京都立多摩療育園条例の一部を改正する条例
第六十一 第六十一号議案
東京都立重症重度心身障害児者施設条例の一部を改正する条例
第六十二 第六十二号議案
東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
第六十三 第六十三号議案
土壌汚染対策法関係手数料条例の一部を改正する条例
第六十四 第六十四号議案
高圧ガス保安法関係手数料条例の一部を改正する条例
第六十五 第六十五号議案
液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律関係手数料条例の一部を改正する条例
第六十六 第六十六号議案
東京都自然公園条例の一部を改正する条例
第六十七 第六十七号議案
東京都廃棄物条例の一部を改正する条例
第六十八 第六十八号議案
使用済自動車の再資源化等に関する法律関係手数料条例の一部を改正する条例
第六十九 第六十九号議案
東京都霊園条例の一部を改正する条例
第七十 第七十号議案
東京都葬儀所条例の一部を改正する条例
第七十一 第七十一号議案
砂利採取法に基づき河川管理者が行う事務に係る手数料に関する条例の一部を改正する条例
第七十二 第七十二号議案
東京都水上安全条例
第七十三 第七十三号議案
公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例
第七十四 第七十四号議案
警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例
第七十五 第七十五号議案
東京消防庁職員定数条例の一部を改正する条例
第七十六 第七十六号議案
東京都消防関係手数料条例の一部を改正する条例
第七十七 第七十七号議案
都立七生特別支援学校(二十九)改築及び改修工事請負契約
第七十八 第七十八号議案
都立東村山高等学校(二十九)改築工事請負契約
第七十九 第七十九号議案
警視庁有家族者待機寮新明石住宅(二十九)改築工事請負契約
第八十 第八十号議案
都営住宅二十九H─一一一東(江東区辰巳一丁目)工事請負契約
第八十一 第八十一号議案
都営住宅二十九H─一一二東(江東区辰巳一丁目)工事請負契約
第八十二 第八十二号議案
都営住宅二十九H─一一四西(多摩市中沢一丁目)工事請負契約
第八十三 第八十三号議案
駒沢オリンピック公園総合運動場(二十九)硬式野球場増築及び改修工事その二請負契約
第八十四 第八十四号議案
東京都多摩障害者スポーツセンター(二十九)改修工事請負契約
第八十五 第八十五号議案
警視庁東京国際空港庁舎(仮称)(二十九)新築工事請負契約
第八十六 第八十六号議案
十三号地新客船ふ頭ターミナル施設(二十九)新築電気設備工事請負契約
第八十七 第八十七号議案
城北中央公園調節池(一期)工事請負契約
第八十八 第八十八号議案
境川金森調節池工事請負契約
第八十九 第八十九号議案
梅ヶ谷トンネル(仮称)整備工事(西─梅ヶ谷の二)請負契約
第九十 第九十号議案
十三号地新客船ふ頭岸壁(二十九)建設工事請負契約
第九十一 第九十一号議案
綾瀬川護岸耐震補強工事(その二百五十三)請負契約
第九十二 第九十二号議案
呑川防潮堤耐震補強工事(その十七)その二請負契約
第九十三 第九十三号議案
仙台堀川護岸耐震補強工事(その三)請負契約
第九十四 第九十四号議案
包括外部監査契約の締結について
第九十五 第九十五号議案
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター中期計画の認可について
第九十六 第九十六号議案
平成三十年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について
第九十七 第九十七号議案
多摩川流域下水道南多摩処理区の建設に要する費用の関係市の負担について
第九十八 第九十八号議案
荒川右岸東京流域下水道荒川右岸処理区の建設に要する費用の関係市の負担について
第九十九 第九十九号議案
平成二十九年度東京都一般会計補正予算(第二号)
第百 第百号議案
平成二十九年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
第百一 第百一号議案
平成二十九年度東京都地方消費税清算会計補正予算(第一号)
第百二 第百二号議案
平成二十九年度東京都中央卸売市場会計補正予算(第三号)
第百三 第百三号議案
東京都介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営の基準に関する条例
第百四 第百四号議案
東京都養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百五 第百五号議案
東京都特別養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百六 第百六号議案
東京都軽費老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百七 第百七号議案
東京都指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百八 第百八号議案
東京都指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百九 第百九号議案
東京都指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百十 第百十号議案
東京都介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百十一 第百十一号議案
東京都指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百十二 第百十二号議案
東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百十三 第百十三号議案
東京都認定こども園の認定要件に関する条例の一部を改正する条例
第百十四 第百十四号議案
東京都指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百十五 第百十五号議案
東京都指定障害児入所施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百十六 第百十六号議案
東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百十七 第百十七号議案
東京都障害福祉サービス事業の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百十八 第百十八号議案
東京都指定障害者支援施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百十九 第百十九号議案
特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
第百二十 諮問第一号
地方自治法第二百四十三条の二の規定に基づく審査請求に関する諮問について
議事日程第一号追加の一
第一 議員提出議案第一号
東京都議会議員の議員報酬等の特例に関する条例の一部を改正する条例
第二 議員提出議案第二号
東京都政務活動費の交付に関する条例の一部を改正する条例

   午後一時開会・開議

○議長(尾崎大介君) ただいまから平成三十年第一回東京都議会定例会を開会いたします。
 これより本日の会議を開きます。

○議長(尾崎大介君) まず、議席の変更を行います。
 議席変更の申し出がありますので、会議規則第二条第三項の規定により、山内れい子さんを十一番から十番に、大場やすのぶ君を十番から十一番にそれぞれ変更いたします。

○議長(尾崎大介君) 次に、会議録署名議員の指名を行います。
 会議録署名議員は、会議規則第百二十四条の規定により、議長において
   五番   おじま紘平君 及び
   六十五番 白戸 太朗君
を指名いたします。

○議長(尾崎大介君) 謹んでご報告申し上げます。
 名誉都民三橋國民氏には、去る二月四日、逝去されました。まことに哀悼痛惜の念にたえません。
 ここに生前のご功績をたたえるとともに、故人のご冥福をお祈りし、議会として深甚なる弔意を表します。

○議長(尾崎大介君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

○議事部長(松丸俊之君) 平成三十年二月十四日付東京都告示第百四十九号をもって、知事より、本定例会を招集したとの通知がありました。
 また、本定例会に提出するため、議案百二十件の送付がありました。
 次に、知事及び教育委員会教育長並びに監査委員外五行政委員会より、平成三十年中における東京都議会説明員及び説明員の委任について、地方自治法第百二十一条及び会議規則第四十二条の規定に基づき、それぞれ通知がありました。
 次に、包括外部監査人より、平成三十年二月十四日付で、平成二十九年度包括外部監査報告書の提出がありました。
 次に、知事より、地方自治法第百八十条第一項の規定による議会の指定議決に基づく専決処分について、報告が二件ありました。
 内容は、訴えの提起、損害賠償額の決定及び和解に関する報告について並びに東京都高等学校・大学等進学奨励事業に係る貸付金の償還免除に関する報告についてであります。
 次に、監査委員より、例月出納検査の結果について報告がありました。
 また、平成二十九年工事監査、平成二十九年財政援助団体等監査及び平成二十九年行政監査の結果について、それぞれ報告がありました。
 次に、包括外部監査の結果に基づき知事が講じた措置の通知内容について、提出がありました。
(別冊参照)

○議長(尾崎大介君) 次に、文書質問に対する答弁書について申し上げます。
 平成二十九年第四回定例会に提出をされました文書質問に対する答弁書は、質問趣意書とともに送付いたしておきました。ご了承願います。
文書質問趣意書及び答弁書は本号末尾(一六ページ)に掲載〕

○議長(尾崎大介君) 次に、閉会中の議会運営委員の辞任及び選任について申し上げます。
 去る一月三十一日付をもって、山崎一輝君より辞任願が提出をされましたので、委員会条例第十一条第一項ただし書きの規定により、議長において、同日付をもって、これを許可いたしました。
 なお、委員の欠員を補充するため、委員会条例第五条第四項の規定により、議長において、同日付をもって、小宮あんりさんを指名いたしました。

○議長(尾崎大介君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 議員より、議員提出議案第一号、東京都議会議員の議員報酬等の特例に関する条例の一部を改正する条例外条例一件が提出されました。
 これらを本日の日程に追加いたします。

○議長(尾崎大介君) 会期についてお諮りいたします。
 今回の定例会の会期は、本日から三月二十九日までの三十七日間といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認めます。よって、会期は三十七日間と決定をいたしました。

○六十七番(斉藤れいな君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 平成二十九年度包括外部監査結果の報告について、地方自治法第二百五十二条の三十四第一項の規定に基づき、包括外部監査人の説明を求めることを望みます。

○議長(尾崎大介君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認めます。よって、平成二十九年度包括外部監査結果の報告について、包括外部監査人の説明を求めることに決定いたしました。
 ここで、久保直生包括外部監査人の出席を求めます。
〔包括外部監査人久保直生君入場、着席〕

○議長(尾崎大介君) ただいまご出席いただきました包括外部監査人をご紹介いたします。
 久保直生さんでございます。
〔包括外部監査人挨拶〕

○議長(尾崎大介君) 本日は、ご多忙のところ、監査結果報告の説明のためご出席いただき、まことにありがとうございます。

○議長(尾崎大介君) この際、知事より、平成三十年度施政方針について発言の申し出がありますので、これを許します。
 知事小池百合子さん。
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 平成三十年第一回都議会定例会の開会に当たりまして、都政の施政方針を述べさせていただきます。
 二月四日、名誉都民である造形美術家、三橋國民さんが逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表し、心よりご冥福をお祈りいたします。
 江戸が東京へと改称された一八六八年は、欧米による植民地支配の波が押し寄せる中、我が国が近代化への道を歩み始めた年であります。明治の新政府が知識を世界に求めと明記した基本方針を発し、欧米的な近代政治の体裁を整えるなど世界を見据えた改革を推し進める中で、東京は歴史の第一歩を踏み出しました。
 それから百五十年、私たちは改めて、日本の現状と未来、そして世界の動きを直視すべきときを迎えております。国内では、戦後、右肩上がりの人口が経済成長を力強く支えた人口ボーナス期を経て、生産年齢人口の減少が経済に負の影響を与えるとされる人口オーナス期に突入をしており、持続的な成長や社会保障制度の維持が危ぶまれております。
 世界に目を転じれば、アメリカにおける大幅な法人税率の引き下げや急速なAI技術の発展など、国際競争がますます激化する様相を見せるほか、緊張高まる北朝鮮情勢において、軍事衝突の可能性は今も消えてはおりません。
 東京、日本を取り巻く内外の厳しい局面を乗り越えるためには、これまでの枠にとらわれることなく、なすべきことをなしていかなければならない。東京は、国を覆う危機感の中で、その歴史を踏み出したときと同様に、今、時代の大きな転換点にあるのであります。
 だからこそ、今改めて、東京、日本の運営やあり方を大胆に見直さなければなりません。国はもとより、東京を含めた地方がそれぞれの役割を果たし、日本全体が一丸となって難局に立ち向かうべきときであります。
 ところが、我が国では、中長期的かつ俯瞰的に国の行く末を論じる機運は盛り上がらず、目先の対応にとらわれた内向きの議論ばかりが先行しているように思われます。今般実施された地方消費税の清算基準の見直しや二十三区の大学の定員抑制は、まさに内向き、国内のパイの取り合い以外の何物でもありません。
 地方の財源不足の解消や地方創生の実現、そして大学教育のあり方など、本質的な議論を深めることなく、問題を東京対その他の地方の構図に押し込める国の目先の対症療法的な手法には、強い懸念を抱かざるを得ません。
 今、我が国に必要なのは、東京を強力なエンジンとし、各地方それぞれの強みも生かすことで、オールジャパンの力を最大限に引き出し、国際競争に打ち勝つという発想であります。一九六四年のオリンピック・パラリンピックを牽引役として、我が国が一体となって高度経済成長をなし遂げたように、東京二〇二〇大会を跳躍台に、世界をリードする成熟国家としてさらなる飛躍を遂げ、持続的な成長を実現していく姿を示してまいります。そのための助走期間は残りわずかしかなく、東京の人口減少も間近に控える中、今こそ歴史的な視点を持ち、大胆な政策を迅速に講じなければ、東京、日本は世界の激流に埋没するほかないのであります。
 そうした危機感のもと、私は、百五十年にわたり東京の発展を支え続けた人に着目すべきと考えます。そして、あらゆる層のあらゆる個性を持った都民一人一人に活躍の場を提供し、東京の課題を本質的に克服していく源泉として、その活力を大いに引き出したいと思います。
 そのために、待機児童対策や超高齢社会への対応を初め、働き方改革、人材育成など、人に焦点を当てた施策を幅広く展開いたします。また、中小企業の稼ぐ力の向上など、産業の活性化に精力的に取り組み、新たな成長分野にも挑むことで、都民が実感を抱ける経済成長へとつなげます。さらに、活力や成長の基盤となる東京の安全・安心を守るため、防災力や治安対策の強化などをきめ細かく進めます。
 私が就任以来目指しておりますセーフシティー、ダイバーシティー、スマートシティーの実現のための取り組みを、東京二〇二〇大会に向けて一気に加速する。そして、東京のさらなる発展を日本全体の成長につなげるなど、首都として担うべき使命を果たしていく。そのために、国や各道府県とともに十分に連携しながら、決意新たに東京のかじをとってまいります。
 山積する課題に正面から挑み、未来にわたる成長への確かな布石を打つ。その具体策をまとめたものが、先月発表いたしました「三つのシティ」の実現に向けた政策の強化であります。
 重点政策方針二〇一七に掲げた人に焦点を当てた八つの戦略や、二〇二〇年に向けた実行プランの実施状況などを踏まえて、三つのシティーの実現をより確かなものとするため、実行プランの政策の強化を行いました。ICTで切り開く東京の未来といった新たな切り口も加え、より鮮やかに描いた三つのシティーへの道筋を、都民の皆様の共感を力に、スピード感を持って邁進をしてまいります。
 数々の政策を花開かせるための来年度予算案につきましても、よりめり張りのきいた内容といたしました。東京二〇二〇大会の成功とその先の未来に向けて、都政に課せられた使命を確実に果たしていく観点から、一般会計の規模は二年ぶりの増額となる七兆四百六十億円とし、新規事業も過去最高となる四百七件を計上しております。都政史上初の試みとして、都民や職員からの提案事業を反映させるなど、生活や現場に根差した新たな発想も盛り込みました。
 一方で、将来を見据えて財政の健全性を堅持するため、新たに客観的な指標、エビデンスベースに基づく評価を導入するなど、一千八十六件の事業評価を行い、こちらも過去最高となる八百七十億円の財源を確保いたしました。持続的な都市経営に欠かせない賢い支出を引き続き徹底するものであります。
 中長期的な視点も踏まえた真に有効な投資により、東京が国家的な難局を打ち破る原動力となっていく。賢い支出の努力を重ね、東京が首都としての使命を果たすための予算案を仕上げることができたと考えております。
 そうした中、国は今回の税制改正において、都の貴重な税源を不合理に奪いました。さらに、平成三十一年度税制改正においては、既に決着済みであるはずの地方法人課税の偏在是正について新たな措置を検討するとしており、到底看過することはできません。
 地方が抱える巨額の財源不足に対しては、地方分権の理念のもと、地方の役割に見合った税財源を拡充することこそ目指すべき方向であります。この主張を次の税制改正へと反映させるべく、都議会の皆様と一丸となって、都民の皆様、都内自治体、他の道府県にも理解を広めながら、戦略的かつ強力に取り組みを推し進めてまいります。
 東京を取り巻く困難の中、三つのシティーを確実に実現するためには、強化した政策、めり張りのある予算に加え、機能的かつ効果的な執行体制が不可欠であります。その構築に向けた仕事改革、見える化改革、仕組み改革について、これまでの成果と今後の進め方を示す二〇二〇改革プランの素案を先日公表いたしました。プランに基づき、二〇二〇年度まで毎年度、各局が成果を取りまとめ、必要な取り組みを追加していくことで改革のスピードと実効性を確実に高めるとともに、改革に対する職員の自主性、自律性をより一層向上させてまいります。
 プランには、監理団体改革の実施方針も盛り込みました。監理団体を都とともに政策実現を目指す都庁グループの一員と位置づけ、団体みずからはもとより、団体を活用する所管局、団体指導を総括する総務局の三者が主体的に見直すべきは見直し、伸ばすべきは伸ばすための改革を進めてまいります。
 さらに、今回新たに施設サービス魅力向上プロジェクトの実施も打ち出しました。都民サービスのさらなる改善を通して、公園や庭園、美術館や動物園など都有施設の魅力向上を目指すものであります。多くの皆様に、身近な場所においても都民ファーストの都政を感じていただけるよう、着実に取り組んでまいります。
 さて、東京が誕生した明治期におきましては、当時の家制度のもと、女性の地位は十分に認められたものではありませんでした。今や、さまざまな分野で道を切り開く女性の活力は、東京のさらなる発展に欠かせません。また、明治の日本人の平均寿命は乳児の死亡率が高かったこともあり、四十歳前後とされておりましたが、人生百年時代を迎えようとする今、高齢者の方々の意欲や経験は東京の大きな財産であります。女性や高齢者を初め、人の持つ活力や意欲をもっと引き出し、都民とともに持続可能な新しい東京をつくり上げる。そのために誰もが生き生きと活躍できるダイバーシティーを実現してまいります。
 女性の活躍を推進していく上で、東京の最大の課題は待機児童対策であります。就任以来最も力を入れて取り組んでおり、昨年度、保育サービスを利用する児童数は過去最高の一万六千三名の増加となりました。今年度以降は目標をさらに上積みし、二〇一九年度末までの三年間で六万人分の増加を目指します。保育の質の向上にも目を配り、魅力ある子育て環境の実現のため、幅広い政策を展開してまいります。
 新たな取り組みとして、待機児童の半数を占める一歳児の受け入れに緊急的に対応する施設を支援するほか、待機児童の保護者の就労のため、安心してベビーシッターを利用できる環境を整えます。また、従業員の育児休業取得に積極的に取り組む企業への助成制度を設け、一年以上の休業取得や円滑な職場復帰を後押しするとともに、男性による育休取得も促進してまいります。
 こうした待機児童対策を含め、安心して子供を産み育てられる社会の確立に向けた子供・子育て支援総合計画の中間見直しにつきましては、都民の皆様の意見を踏まえ、年度末に公表をいたします。子供が家庭の状況に左右され貧困から抜け出せなくなる、いわゆる貧困の連鎖を断つための対策も盛り込んで、社会全体で子供と子育て家庭を支援する取り組みを進めてまいりたいと思います。
 高齢者が生き生きと輝く社会を築くためには、年齢を重ねても地域で安心して暮らせる環境の整備が不可欠であります。特に、増大する介護ニーズへの対応のため、特別養護老人ホームについては、二〇二五年度末までの整備目標を六万二千人分へと引き上げるほか、介護老人保健施設の大規模改修への支援を開始するなど、介護サービスの基盤をさらに充実させてまいります。
 介護現場の人材確保につきましては、新たに介護職員の奨学金返済と育成をセットとした支援や、シニアの就業の後押しなどを進めます。あわせて、職員の負担軽減や施設入所者等の生活の質の向上を図る介護ロボットなど、次世代機器の導入も促進してまいります。
 また、二〇二五年には、認知症を抱える都内の高齢者数が一昨年から約四割増加することが見込まれております。そこで、区市町村による早期発見と支援の仕組みづくりや介護拒否、抑鬱など、認知症の行動心理症状を改善するケアプログラムの普及を、都の研究機関と連携して新たに推進をいたします。認知症の方々を発症段階から中重度の状態まで切れ目なく地域で支える体制づくりを後押ししてまいります。
 意欲あふれる高齢者の方々が、学びに仕事に、いつまでも生きがいを持ってチャレンジできる社会をつくり上げたいと思います。生涯学べる百歳大学を実現するため、多くのシニアが切磋琢磨しながら、学びと交流を深める首都大学東京プレミアムカレッジを開設いたします。時には若い学生とも交流しながら、人生をより豊かにする場となりますよう、十月からプレ講座を開講し、来春には一期生を受け入れてまいります。
 高齢者の就業機会の拡大に向けては、企業でシニアインターンとして働き、スキルを習得できる仕組みをつくるほか、就業応援フェアの開催や再就職への学びの機会の提供など総合的な施策を展開し、その新たな活躍を後押ししてまいります。
 障害者を支える取り組みにも力を注いでまいります。医療的ケアを要する障害児が適切な支援を受けながら日々を明るく過ごせるよう、訪問看護に対応するステーションの拡大を図ります。加えて、肢体不自由特別支援学校において、看護師が添乗するスクールバスの運行を開始するなど、障害児と家庭への支援をさらに充実させてまいります。
 障害者の自立した生活の実現に向けましては、医療機関、就労支援機関、企業等が連携して精神障害者の就労、定着を支援するなど、雇用と就労の促進のための社会全体の取り組みを進めます。
 また、ビジネスとの両立を図りながら障害者雇用の拡大に取り組む企業に対し、生産性の向上や障害者の職場環境整備、能力開発等の支援を行います。障害のある方々の生き生きとした活躍を後押しする多面的な方策によって、将来的なソーシャルファームの実現にもつなげていきたいと思います。
 今年度末には、地域生活基盤の整備、就労支援の強化に加えて、新規に障害児支援の目標を盛り込む新たな計画を策定いたします。この計画に基づき、障害者を取り巻く環境の変化に対応しながら、障害者施策の一層の充実に取り組んでまいります。
 東京二〇二〇大会を見据え、高齢者や障害者、外国人旅行者など、誰もが優しさを感じられるバリアフリーのまちづくりに総合的に取り組んでまいります。障害者の方々の意見を踏まえたよりきめ細かな道路のバリアフリー化を初め、鉄道駅のホームドアやエレベーターの設置、宿泊施設のバリアフリー化、トイレの洋式化などを推進いたします。成熟都市として開催する大会にふさわしいレガシーとして、真の共生社会の実現に向けたまちづくりを進めてまいります。
 東京の未来を担う子供たちに焦点を当て、時代や世界をリードする人材の育成を戦略的に進めてまいります。都立高校十校において、生徒が持つスマートフォンなどを活用した効果的な学習を試行し、その記録をビッグデータとしてきめ細かな指導につなげる方策を検討するほか、ICTによる事務の効率化など、教員の長時間労働の改善を目指します。将来的には区市町村とも連携し、先端技術を学校教育のさらなる充実へと生かす東京スマートスクール構想を実現したいと思います。
 二〇二〇年度から全ての小学校に導入されるプログラミング教育につきましては、企業などと連携した効果的な授業方法などの検証をさらに進め、指導事例を都内の全ての公立小学校へと広めます。同じく二〇二〇年度から小学校で正式教科となる英語につきましては、来年度より順次、専科教員を配置し、小学生の段階から、聞く、読む、話す、書くの四技能を効果的に育成してまいります。
 教育格差や不登校、就学直後の児童の環境不適応などの課題にも適切に対応してまいります。都立高校において基礎学力の定着を図る校内寺子屋の拡大や中学生の進路実現に向けた新たな学習支援など、子供が家庭の状況に左右されることなく学力を身につけられる環境を整えます。
 また、不登校の児童生徒の学びの場となる不登校特例校を設置する区市町村への支援、全国初の取り組みとして、五歳児から小学校低学年を一まとまりとした教育課程の開発を進めます。
 さらに、先日公表した学校における働き方改革推進プランに基づいて、教員の心身の健康にもしっかりと目を配り、教育委員会と力を合わせて、子供たちと教員がともに生き生きと輝く学校現場をつくり上げてまいります。
 女性、高齢者の就業促進や生産性の向上につながる働き方改革は、人口減少期において、一人一人の力を最大限に引き出し、持続的な成長を実現する鍵であります。昨年開始した時差ビズは、認知率が七〇%を超え、私自身も確かな手応えを感じております。これを新たな常識へと定着させるべく、来年度は実施期間の拡大や、より多くの企業にご参加いただくための創意工夫などにより、官民連携で時差ビズをさらに前進させ、満員電車の混雑緩和にもつなげてまいります。
 働き方改革の起爆剤であるテレワークについては、現在何らかの形で導入している従業員三十人以上の都内企業は六・八%とまだまだ広がりが足りません。これを二〇二〇年度までに三五%に引き上げることを目指し、企業ニーズに応じたきめ細かなサポートに取り組むほか、多摩地域において通勤混雑の緩和にも有効なサテライトオフィスの設置を推進するなど、テレワークの導入をさらに後押ししてまいります。
 受動喫煙の防止については、我が国がたばこからの健康等の保護を目的とする国際条約、いわゆるたばこ規制枠組み条約の締約国であることや、WHOとIOCが共同でたばこのないオリンピックを推進していることを踏まえ、実効性のある対策を着実に進めなければなりません。
 昨年、都議会の皆様の提案による子どもを受動喫煙から守る条例が成立いたしました。都としても、国の動きを注視しながら、都民の健康を守り、大会のホストシティーとしての責任を果たすための条例案を本定例会へ提案することを目指してきたところであります。
 先日、対策に関する国の考え方が改めて示されましたが、根幹の部分が従来から大きく変更され、飲食店の例外措置など詳細につきましても明らかにされてはおりません。都民の皆様の混乱を避けるとともに、都の対策を実効性のあるものとするためには、国の対策と整合を図る必要があることから、引き続き国の動向を見きわめ、区市町村の意見も尊重しながら、条例案の検討を重ねてまいります。
 都民の皆様が安全・安心を実感しながら、活力あふれる毎日を送るセーフシティーの実現に向けて、ハード、ソフトの両面から施策を進めてまいります。
 昨年、条例制定や基金創設により、推進体制を整えた無電柱化については、年度内に条例に基づく無電柱化計画を策定し、引き続き着実に取り組んでまいります。あわせて、区市町村に対し、無電柱化を促進する計画の策定、狭隘道路での着手、低コスト手法の導入を促す支援を進めます。来年度は四十三の区市が都の支援を活用する見込みであり、区市道における取り組みが加速いたします。身近な道路において、防災機能や安全性の強化、景観の向上等の効果を都民の皆様に実感していただくことで、無電柱化のさらなる進展へとつなげていきたいと思います。
 燃えない、倒れないまちづくりに向けては、喫緊の課題である木造住宅密集地域の不燃化のため、空き家の除却を促進するほか、都有地を活用し、コミュニティを維持しつつ、権利者の移転を促すなど、新たな発想を織りまぜた施策を進めてまいります。
 住宅の耐震化については、これまで、老朽化した木造建築が特に集積するなど、甚大な被害が想定される地域を対象として、重点的に支援を進めてまいりました。当該地域における耐震化が着実に進展していることを踏まえ、今後は当該地域外にも支援を拡大し、二〇二〇年度までに住宅の耐震化率を九五%とする目標に向け、取り組みを推進してまいります。
 都民とともにスピード感ある災害対策を進める指針となるセーフシティ東京防災プランにつきましては、先月骨子をお示しをいたしました。わかりやすさを追求し、取り組みの進捗状況を毎年度公表するなど、実効性を高める工夫を凝らしており、都民の皆様からの意見も踏まえ、年度末にプランとして公表してまいります。
 かねて申し上げているように、これまでの災害対策においては、女性の視点が十分に生かされておりません。女性有識者を初め、女性の消防団員や都民の意見を踏まえまして、暮らしの中でできる対策を盛り込んだ東京くらし防災は、来月より都有施設や区市町村のほか、郵便局や美容院など、まちの身近な場所でも手にとれるよう準備を進めております。加えて、避難所における着がえや授乳の場の確保など、発災時の女性のニーズにもきめ細かく対応できるよう、乳児用液体ミルクの普及を推進するほか、防災の基礎知識を学ぶ女性向けセミナーや、女性防災リーダーを育てる研修を開始するなど、東京の災害対策をさらに充実させてまいります。
 テロ対策も進化させてまいります。東京二〇二〇大会に向け、羽田空港や競技会場、選手村が所在する臨海部における対策を強化するため、警視庁に海上からのテロに備える専門部隊を新設する準備を進めます。また、東京消防庁に大規模なテロや災害への対応に特化した統合機動部隊を創設し、現場指揮や救助活動の体制強化を図ってまいります。
 都民に対する迷惑行為への規制も強化いたします。いわゆる迷惑防止条例を改正し、小型化する撮影機器による盗撮やSNSによるつきまといなど、現在の規制では対応できない悪質な行為を取り締まりたいと思います。あわせて、水上安全条例により、都内の運河や河川における水上オートバイ等の危険かつ迷惑な航行を、罰則をもって禁止いたします。いずれも本定例会に条例案を提案しており、都民の体感治安の向上のため、よろしくご審議をお願い申し上げます。
 安心できる医療体制の構築も進めてまいります。今後の都立病院が担うべき役割とそれを支える経営のあり方について、先月、有識者委員会の報告書が公表されました。貴重な提言を受けとめ、すぐに反映できる取り組みは、年度末に策定する次期中期計画に盛り込むとともに、経営形態に関する意見につきましては、今後丁寧に検討を進めてまいります。
 救急隊の出場件数が過去最多を更新する中で、救急体制の一層の充実も喫緊の課題であります。救命率向上の鍵となる迅速な現場到着に向け、救急隊の増設に加え、救急相談の利用促進、AIによる需要予測システムの構築など、需要抑制や効率運用の方策を組み合わせ、東京二〇二〇大会までに到着時間を七分以内に短縮することを目指してまいります。
 地域のにぎわいを生み出す商店街は、活気あふれるセーフシティーの一つの象徴でありますが、昨今、消費者のライフスタイルの多様化や後継者不在による空き店舗の増加などにより、厳しい状況に直面しております。この打開のためには、一定の役割を終えた事業を見直しながら、戦略的な施策を進めていかなければなりません。これからの商店街を担う女性や若者による開業の後押し、空き店舗の解消につながる起業や経営承継の支援など、将来を見据えた振興策を重点的に進めてまいります。
 また、年々増加する空き家につきましては、利活用に向けた普及啓発やマッチング体制の整備、公的な活用の推進など、発生抑制、適正管理、有効活用を着実に進めることで、地域の活性化へとつなげてまいります。
 世界をリードする環境先進都市であり、国際金融経済都市であるスマートシティーを実現することで、日本全体の持続的な成長を牽引していく東京の使命を果たしてまいります。
 CO2を排出しない環境先進都市、ゼロエミッション東京を目指して、多面的な取り組みを進めます。世界の潮流となりつつある次世代自動車、ゼロエミッションビークルの普及に向けましては、エネルギー確保やインフラ整備などの課題を整理し、次世代自動車への転換による産業構造の変化への対応も見据えながら取り組んでまいります。電気自動車の普及のため、新たに集合住宅への充電設備の設置を促進するほか、燃料電池自動車につきましては、導入経費の補助を継続いたします。都におきましても、更新期を迎えた庁有車を電気自動車へと切りかえ、都営バスへの燃料電池車導入を拡大するなど、率先して行動をしてまいります。
 東京が誇る島しょ地域をターゲットに、ゼロエミッションアイランドへの取り組みも進めてまいります。今年度実施した電気自動車普及モデル事業につきまして、八丈島において規模を拡大して継続するほか、島ごとに電気自動車の使用環境や地理的条件等の詳細な調査を進め、その本格的な普及へとつなげてまいります。加えて、豊かな自然も生かしながら、島の電力を再生可能エネルギーで一〇〇%賄うことを目指した検討を進めるなど、幅広い方策を進めてまいります。
 まちづくりの分野における取り組みも欠かせません。現在、一定規模の建築物の環境性能を評価、公表している建築物環境計画書制度については、自治体として初めて最高ランクの評価基準となるゼロエネルギービルディングを導入するべく、制度の再構築を検討いたします。都におきましても、この水準を目指し、改築中の公文書館の整備を進めるなど、建築物における環境配慮を一層推進し、都市全体のさらなる省エネルギー化へとつなげてまいります。
 また、東京二〇二〇大会後に、水素を活用したスマートエネルギーのまちづくりを目指す選手村地区におきましては、年度内にエネルギー事業者との基本協定を締結し、水素パイプラインの工事に着手いたします。水素供給システムの一部稼働を含め、大会時に先進的な日本の環境技術を世界にアピールするプレゼンテーション事業についても、具体的な検討を開始し、水素社会の未来に向けた取り組みを着実に進めてまいります。
 二〇一〇年度に導入したキャップ・アンド・トレード制度において、昨年度、対象事業所の総CO2排出量は、基準年度に比べて二六%の削減となりました。今後、東京の温室効果ガス排出量を二〇三〇年までに二〇〇〇年比で三〇%削減するとの目標を達成するためには、制度の第三計画期間となる二〇二〇年度以降の取り組みの進化が欠かせません。二〇二〇年はパリ協定に基づき、世界が脱炭素社会に向けて行動を開始する新たな出発点でもあり、これらの背景を踏まえて、二〇二〇年度からの制度の詳細について、来月より専門家による検討を進めてまいります。
 東京の緑の総量をこれ以上減らさない。都市づくりのグランドデザインに掲げたこの目標の達成には、生産緑地の保全、活用が重要であります。二〇二二年に指定から三十年が経過する生産緑地は、農地としての管理義務が解除されることから、宅地化等による大幅な減少が懸念されます。そこで、区市が公園として整備するために生産緑地を買い取る経費を補助するほか、シニア向けのセミナー農園を開設し、超高齢社会における生産緑地の活用モデルを提示するなど、緑を守る取り組みを推進してまいります。
 十一月には、皇族殿下のご臨席を賜り、東京では初となる全国育樹祭を開催いたします。この大会も契機に、緑を育み守る機運を一層高め、都民とともに東京の緑を次世代へ受け継いでいきたいと思います。
 持続可能な成長を確固たるものとするため、東京の産業のさらなる発展を力強く後押ししてまいります。その中核となる中小企業の活性化に向けましては、すぐれた発想や技術を持ち、新たな市場の開拓を模索する企業が、大企業の人材や販売力などを活用しながら、革新的な事業を進める仕組みを構築いたします。また、IoTやAIなど、最先端技術の導入、活用を支援し、生産性の向上や新たな製品開発を促進してまいります。
 加えて、中長期的な課題を見据え、引き続き効果的な中小企業支援を展開していくべく、二〇一九年からおおむね十年間を対象とする新たなビジョンを策定いたします。今月より有識者を交え、中小企業を取り巻く現状や環境の変化を踏まえた議論を始めており、来年一月を目途にビジョンとしてまとめてまいります。
 国際金融都市の実現に向けましては、昨年取りまとめた構想に具体的に着手いたします。海外の金融系企業の誘致を加速する官民一体のプロモーション組織の設立準備や新興資産運用業者を育成し、金融の活性化へとつなげる東京版EMPの導入など、本質的な課題に鋭く切り込む新たな施策をスピーディーに進めてまいります。
 東京の成長を支える基盤、そして誰もが快適に移動できる都民の足である鉄道ネットワークを一層充実させるべく、具体的な取り組みを進めてまいります。国の審議会より、事業化に向けて検討を進めるべきとされた六路線につきまして、来年度予算案では、都が事業主体となる多摩都市モノレールの箱根ヶ崎延伸などの検討に向けて調査費を計上いたしました。また、六路線の事業等の財源として、新たに鉄道新線建設等準備基金を創設する条例案を本定例会に提案しております。この基金を効果的に生かせるよう、今後、課題の検討や関係者との協議、調整を加速してまいります。
 年が変わり、いよいよ開催まで二年となった東京二〇二〇大会につきましては、オールジャパンで実務を加速させるフェーズに入りました。準備のアクセルを踏み込み、大会機運につきましても、ラグビーワールドカップ二〇一九とともに大いに高めてまいりたいと思います。
 昨年十二月、総額を一兆三千五百億円とする大会経費のバージョンツーが公表されました。都の負担額となる六千億につきましては、今回、平成二十九年度補正予算により開催準備基金への積み立てを行うことで、その九割を超える財源を確保することとなります。また、このたび、バリアフリー化、ボランティアの育成活用、東京、日本の魅力発信など、大会を契機として四年間で取り組む事業の経費が約八千百億円となることをお示しいたしました。東京の価値をなお一層高めるため、都として行う将来への投資の全体像を明らかにしたものであり、大会の成功と大いなるレガシーの創出に向けて、引き続き邁進してまいります。
 先月には、これまでの準備の進捗と、これからの実務的な連携を確認するため、組織委員会、国、JOC、JPCとの調整会議に出席いたしました。私からは、都が整備する新規恒久施設の状況や機運醸成の取り組み等について報告をし、各機関の状況も伺う中で、オールジャパンによる準備が着々と進んでいる、そう手応えを感じたところであります。
 そして、都民、国民とともに大会を成功させる上で大きな役割を担うボランティアにつきましても、九月から組織委員会と合わせて十一万人の募集を開始いたします。先行して募集が始まるラグビーワールドカップのボランティアとあわせまして、男性も女性も、若者もシニアも、障害の有無にかかわらず、多くの皆様にご活躍いただいて、ボランティア文化がレガシーとして東京に根づくよう準備を進めてまいります。
 大会に向けて展開する東京文化プログラム、Tokyo Tokyo FESTIVALは、今月一日から、その中核となる事業につきまして、斬新で独創的な企画の公募を開始いたしました。同じく今月パリでスタートしたパリ東京文化タンデム二〇一八では、両都市の文化の魅力を世界に広く発信してまいります。引き続き、文化プログラムの取り組みを国内外で盛り上げ、文化の祭典としての大会準備も着実に進めてまいります。
 連日熱戦が続く平昌二〇一八大会におきましては、世界のアスリートが全力を尽くす姿は、私たちに大きな勇気と感動を与えてくれています。来月のパラリンピックまで、全てのアスリートがその力とわざを存分に発揮されるよう、応援したいと思います。
 現地では、組織委員会とともに、東京二〇二〇ジャパンハウスを開設し、世界中から訪れる観客やメディアに対して、東京、日本の魅力や、復興に向けて力強く歩む被災地の姿などをアピールしております。あわせて、区部や多摩地域、被災地において、平昌大会のライブサイトを順次実施しており、平昌の熱気を東京への期待につなげていきたいと思います。
 ラグビーワールドカップの盛り上げも忘れてはなりません。来月より、いよいよ東京を含む開催都市の住民の方々を対象に、通常チケットの先行抽せん販売が開始となります。このタイミングを捉え、街灯フラッグや横断幕で都内を飾り、機運を高めるシティードレッシングを実施いたします。来年度には、五百日前、一年前など、節目を捉えたイベントや、さまざまなメディアを活用した広報を幅広く展開するなど、他の十一の開催都市とともにしっかりと連携しながら、間近に迫る世界的な大会への期待を大いに高めてまいります。
 東京を挙げてアスリートを力強く応援し、パラリンピックを成功に導くことは、東京が真の共生社会として都市の成熟度をさらに高めることにつながります。パラスポーツの応援プロジェクトであるチームビヨンドの登録者数は、先月ついに百万人を突破いたしました。引き続き、競技観戦機会の充実やメディアとの連携による効果的な情報発信などにより、パラスポーツ応援の機運を高めてまいります。
 また、学校現場におきましても、特別支援学校と小中高等学校のパラスポーツによる交流大会の種目を拡大し、来年度はボッチャに加えて、フロアバレーボールを実施することで、障害者への理解とパラスポーツの普及を一層進めてまいります。
 多摩の振興プランや東京宝島推進委員会による提言等に基づき、多摩・島しょ地域の活性化をさらに加速してまいります。地域振興の取り組みを一層後押しするべく、市町村総合交付金の充実を図り、待機児童対策や電気自動車の普及など、都と各市町村が連携して進めるための政策連携枠を設けました。先週、全市町村長と個別に実施した意見交換も踏まえ、各自治体それぞれの課題に寄り添うとともに、広域的な課題の解決に向けた連携をより深めることで、四百万の都民が暮らす多摩・島しょ地域の発展に引き続き力を尽くしてまいります。
 ことしは、小笠原諸島がアメリカから返還されて五十年の節目であります。さまざまな記念事業を実施するほか、島しょ地域全体の魅力向上を目指し、専門家の派遣等による観光資源のブランド確立の支援や、近年人気のグランピングなど、新たな観光事業の創出に取り組みます。それぞれの島が誇るべき魅力を掘り起こし、広く発信することで、多くの人々でにぎわう宝島の実現につなげてまいります。
 市場の豊洲移転につきましては、ことしの十月十一日に実施することで、業界団体の皆様と合意をいたしました。先週末、業界の皆様に直接お会いしてお礼を申し上げ、また、移転に向けて率直な意見交換をしてまいりました。ここに至るまでのご尽力に対し、改めて感謝の意を表したいと存じます。
 移転前にさまざまな問題点を洗い出し、しかるべき対策を踏まえた上で開場の運びに至ったことは、五十年、百年の鳥の目で、あり方を考えるべき市場にとって必要な対応であったと考えます。引き続き、追加対策工事の着実な実施により、豊洲市場の信頼を高めるとともに、先週開催した魅力発信ツアーやワークショップなど、新市場からの情報発信にも積極的に取り組んでまいります。加えて、千客万来施設などによるにぎわい創出に向けて、地元区とも連携しながら、豊洲市場を日本の中核市場とすべく、業界の皆様、地元の皆様とともに歩んでまいりたいと思います。
 また、築地の魅力を最大限に生かした再開発につきましては、築地再開発検討会議において、引き続き有識者の方々に自由な発想でご討議いただいております。築地が培った伝統や地域の特性をもとに、民間の知恵を生かした新たなまちづくりにつなげていきたいと思います。
 現在開催中の平昌オリンピックでは、日本選手の皆さんのすばらしい活躍ぶりに日本中が感動をしております。続くパラリンピックでも、障害を超えて活躍する日本の選手の皆さんに、大いなるエールを送ろうではありませんか。
 そして、平昌大会が終わりますと、いよいよ東京二〇二〇大会の番となります。オール東京で、オールジャパンで、大会開催に必要な準備を着実に進め、アスリートには記録が、都民と国民、そして世界の皆さんにはすばらしい記憶とレガシーが残る大会といたしましょう。
 そして、二〇二〇年のその先に、誰もが生き生きと輝く持続可能な都市東京を実現していく。人口減少、超高齢化のうねりの中、この使命を完遂するための道筋を明確にしたものが、このたびまとめた実行プランの政策の強化版であり、この平成三十年度予算案であります。
 都議会の皆様、都民の皆様のご理解とご協力をいただきながら、丁寧かつ大胆に、東京大改革を推し進める。施政方針表明の結びに当たりまして、改めて決意する次第でございます。東京の明るい未来に向け、皆様とともに道を切り開いてまいりたいと存じます。
 なお、本定例会には、これまで申し上げたものを含め、予算案三十二件、条例案六十五件など、合わせまして百二十件の議案を提案いたしております。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
 以上をもちまして私の施政方針表明を終わります。
 ご清聴まことにありがとうございました。(拍手)

○議長(尾崎大介君) 以上をもって知事の発言は終わりました。

○議長(尾崎大介君) 次に、警視総監より、都内の治安状況について発言の申し出がありますので、これを許します。
 警視総監吉田尚正君。
〔警視総監吉田尚正君登壇〕

○警視総監(吉田尚正君) 都内の治安状況についてご報告いたします。
 警視庁では、昨年、犯罪抑止総合対策を初め、アメリカ合衆国トランプ大統領夫妻ご来日に伴う警護警備など、さまざまな治安課題に取り組み、首都東京の治安維持に努めてまいりました。
 以下、その状況と対策についてご説明をいたします。
 第一は、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた諸対策の推進状況についてであります。
 当庁では、競技会場周辺等における警備対策を加速化させるとともに、都民生活の安定と大会関係者の円滑な輸送、これを両立させるために、関係機関と連携して交通総量の抑制、交通規制等の対策を推進いたしております。
 また、日本を訪れる方々に安心して過ごしていただくため、英語や中国語での会話が可能な職員を配置した外国語対応モデル交番の運用や職員の語学能力の向上にも努めております。
 今後も、大会を訪れる全ての方々に、世界一安全な都市東京を体感していただくための各種対策を推進してまいります。
 第二は、犯罪抑止総合対策の推進状況についてであります。
 昨年の都内における刑法犯認知件数は十二万五千二百五十一件で、本対策を開始した平成十五年から十五年連続で減少し、戦後最少を更新いたしました。
 以下、五点申し上げます。
 その一は、重要特異事件の検挙状況についてであります。
 昨年は、SNSを利用した一都四県居住の男女九人に対する連続殺人、死体損壊遺棄事件など五事件の特別捜査本部を開設し、再開設をした平成十三年発生の歌舞伎町クラブヴィーナス内強盗殺人事件を含め、その全てを解決するとともに、山梨市長による職員採用をめぐる贈収賄事件など、社会的反響の大きい事件も解決をいたしました。
 しかしながら、大和田町スーパー事務所内拳銃使用強盗殺人事件などは、いまだ被疑者の検挙に至っていないことから、引き続き事件解決に向け、捜査を尽くしてまいります。
 その二は、特殊詐欺対策の推進状況についてであります。
 昨年の特殊詐欺の認知件数は三千五百十件で、九年ぶりに三千件を超え、被害額は約七十九億八千万円に達しました。
 増加した手口としては、警察官や百貨店店員を装ってキャッシュカードをだまし取るオレオレ詐欺、医療費等の還付を口実とした還付金詐欺、サイト利用料金未納などを口実に、電子マネーの利用権をだまし取る架空請求詐欺が挙げられます。
 そのため、当庁では、三つの被害防止対策として、高齢者宅の留守番電話機能の設定等を行う犯人からの電話に出ないための対策、防犯ボランティア等が声かけや見守り活動を行う無人ATM対策、コンビニエンスストアで高額な電子マネーを購入する方に注意喚起を行う電子マネー対策を重点的に推進しております。
 加えて、先月二十六日には、約二百九十名から成る特殊詐欺対策プロジェクトを立ち上げ、検挙、抑止体制の強化を図りました。
 今後も、関係機関等との連携を強化し、特殊詐欺の根絶を目指してまいります。
 その三は、犯罪の起きにくい社会づくりの推進状況についてであります。
 当庁では、自治体との連携、協働を推進しており、昨年四月までに都内全ての区市町村と安全・安心まちづくりに関する覚書等を締結いたしました。
 また、民間団体等による防犯カメラの設置促進を初めとする防犯環境の整備促進及び防犯ボランティア団体への支援による地域社会のきずなの強化などに努めております。
 今後も、自治体を初めとする関係機関、団体との連携を深化させ、犯罪の起きにくい社会づくりを推進してまいります。
 その四は、盛り場総合対策の推進状況についてであります。
 当庁では、盛り場のさらなる環境浄化を図るため、新宿歌舞伎町地区を初めとする盛り場二十二地区を中心として、悪質な客引き、暴力団の取り締まりなど、部門横断的な取り組みを行うとともに、七月及び十二月の年二回、盛り場一斉対策日を設定し、地域の方々と連携しながら環境浄化活動を推進しております。
 引き続き管内の実態に応じた取り締まり、合同パトロールの実施など、誰もが安全で安心して憩える盛り場の実現に向けた諸対策を推進してまいります。
 その五は、少年非行防止、保護総合対策の推進状況についてであります。
 当庁では、昨年七月に施行された特定異性接客営業等の規制に関する条例に基づき、いわゆるJKビジネスの店舗への立ち入りや違法営業の取り締まりを推進しております。
 また、東京都青少年の健全な育成に関する条例が改正され、今月一日から、青少年に自身の児童ポルノの提供を不当に要求する行為の処罰が可能となったため、いわゆる自画撮り被害の防止に向けて、さらに取り締まりを推進してまいります。
 今後も、事業者との協働による情報モラル教育の実施を初めとした少年の非行及び被害防止に向けた取り組みを推進してまいります。
 第三は、人身安全関連事案総合対策の推進状況についてであります。
 ストーカー、DV事案の相談件数及び児童、高齢者虐待事案の取扱件数は増加傾向にあります。これらの事案については、事態が急展開し、重大事件に至る可能性があることを念頭に、相談者、被害者などの安全確保を最優先とした検挙措置、保護対策を徹底しております。
 また、高尾警察署管内で発生をした行方不明事案が、特別捜査本部の開設に至ったということを踏まえて、行方不明の届け出を受理した際には、本部に速報することで情報を集約し、行方不明者の安全確保に向けた組織的対応を推進しているところであります。
 今後も、自治体を初めとする関係機関、団体と連携し、人身安全関連事案への的確な対応に万全を期してまいります。
 第四は、テロ等不法事案の防圧検挙状況についてであります。
 昨年は、世界各地において、車両、爆発物などを用いたテロ事件が発生したほか、ISIL等の国際テロ組織が邦人に対するテロを呼びかけるなど、我が国に対する国際テロの脅威は現実のものとなっております。
 一方、国内においては、極左暴力集団が依然としてゲリラ事件の実行を示唆しているほか、右翼についても、政府の政策、領土問題などを捉えた抗議行動等の過程で、テロ等重大事案を引き起こすおそれがあります。
 こうした中、当庁では、昨年、インターネット動画上に、爆発物の製造過程を投稿した男を爆発物取締罰則違反で検挙したほか、約四十六年にわたり逃亡を続けていた警察庁指定重要指名手配被疑者である大坂正明に加え、極左暴力集団の活動家八人と右翼団体構成員六十人を検挙いたしました。
 警備面においては、重要施設やソフトターゲットの警戒警備を徹底するとともに、専門部隊を増強するなど、事態対処能力の充実強化を図りました。
 また、テロ対策東京パートナーシップ等を活用して、事業者等に防犯カメラの増設を働きかけるなど、官民一体となったテロ対策を推進してまいりました。二十五日に開催されます東京マラソン二〇一八を初め、開催まで二年余りに迫った東京二〇二〇大会を見据え、テロ等不法事案の防圧検挙に万全を期してまいります。
 第五は、サイバー空間の脅威に対する総合対策の推進状況についてであります。
 昨年は、身の代金要求型ウイルス、ランサムウエアへの感染事案が世界的規模で発生し、都内においても感染が確認をされましたほか、仮想通貨、各種ポイントサービスを狙った事件が発生するなど、サイバー空間の脅威は一層深刻化しております。
 こうした脅威に対処するため、昨年四月には、サイバーセキュリティ対策本部及びサイバー攻撃対策センターを所属に格上げしたほか、本年四月からは、都内に分散しておりますサイバー関連部署を集約し、捜査体制等を強化いたします。
 検挙の面では、インターネットバンキングから二億円以上を不正に送金したグループや、仮想通貨の取引名下に、顧客から現金をだまし取った仮想通貨取引所の代表社員を検挙いたしました。
 また、対策面では、インターネット関連企業、区市町村等との協定を締結したほか、東京中小企業サイバーセキュリティ支援ネットワーク、Tcyssによる活動、金融機関との対処訓練などを推進いたしました。
 今後も、官民連携、広報啓発活動、人的基盤の強化を進め、被害の未然防止と取り締まりの強化に努めてまいります。
 第六は、総合的な組織犯罪対策の推進状況についてであります。
 その一は、暴力団総合対策の推進状況についてであります。
 六代目山口組と神戸山口組が依然として対立抗争の状態にある中、神戸山口組では、さらに内部対立が生じるなど、暴力団情勢は予断を許さない状況にあります。
 こうした中、当庁では、繁華街における組織的なみかじめ料徴収事件など、暴力団資金源の遮断に指向した取り締まりを徹底し、昨年は暴力団員等三千七百十七人を検挙いたしました。
 今後も、対立抗争の防圧及び暴力団の壊滅に向けた取り締まりを徹底するとともに、社会全体における暴力団排除活動を推進するなど、総合的な暴力団対策を推進してまいります。
 その二は、国際組織犯罪総合対策の推進状況についてであります。
 昨年は、偽装結婚を初めとする犯罪インフラ事犯や、外国人による強盗事件等の凶悪事件が発生する中、外国人被疑者四千二百四十三人を検挙いたしました。引き続き、外国人犯罪の取り締まり、事業者等に対する不法就労及び不法滞在を防止するための指導、広報啓発活動など、国際組織犯罪総合対策を推進してまいります。
 その三は、銃器、薬物対策の推進状況についてであります。
 銃器情勢につきましては、昨年、隣接県下において銃器使用殺人未遂事件が発生するなど、銃器事犯が都民生活の安全・安心を脅かしている中、八十丁の拳銃を押収いたしました。
 また、薬物情勢につきましては、昨年、薬物事犯被疑者二千四百九十八人を検挙するとともに、違法薬物約百三十四キログラムを押収いたしました。
 今後も、関係機関と連携して、銃器、薬物事犯の取り締まりを徹底するとともに、危険性についての広報啓発活動、薬物再乱用防止に向けた取り組みを継続するなど、総合的な銃器、薬物対策を推進してまいります。
 第七は、交通事故防止対策の推進状況についてであります。
 昨年は、第十次東京都交通安全計画の二年目として、交通死亡事故連続減少チャレンジロード百四十をスローガンに掲げ、交通事故防止対策を推進してまいりました。
 しかしながら、死者数は百六十四人となり、前年より五人増加したほか、これまで減少していた発生件数、負傷者数についても前年より増加しました。
 本年は、新たに、世界一の交通安全都市東京を目指してをスローガンに掲げ、交通事故分析の高度化及び分析結果に基づく効果的な交通事故防止対策をさらに進めることといたしました。
 引き続き、悪質性、危険性及び迷惑性の高い交通違反に重点を置いた指導取り締まり、年齢層、車両種別などに応じた交通安全教育及び広報啓発を行うなど、都民の視点に立ったきめ細かな対策を推進してまいります。
 第八は、災害警備諸対策の推進状況についてであります。
 昨年は、九月にメキシコ地震が発生し、当庁から国際警察緊急援助隊として十四名を現地に派遣して、被災者の救出救助活動、行方不明者の捜索等を行いました。
 東京においても、首都直下地震対策が喫緊の課題ですが、台風による河川の氾濫など、風水害対策の必要性も高まっております。
 当庁では、昨年四月に震災対策に加えて、洪水、大規模事故災害等にも対応する警視庁大規模災害対策アクションプログラムを策定し、各警察署の実情に応じた具体的な対策を推進しております。
 今後も、関係機関との連携強化や救出救助技能の向上などによりまして、災害対策の万全を期してまいります。
 最後に、当庁では、本定例会に、安全かつ快適な水上及び水辺の環境を実現するため、東京都水上取締条例の全部を改正する東京都水上安全条例案と、住居、学校等盗撮行為の規制場所の拡大と悪意の感情によるつきまとい行為等の規制強化を内容とした公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例案などを提出いたしております。
 あわせて、組織基盤強化のため、東京二〇二〇大会に向けた実働員確保方策であります警察学校の初任科学生の定員外措置などを行うための所要の予算確保についてもお願いいたしているところであります。
 以上、都内の治安状況について申し上げましたが、当庁では、都民の皆様の要望に的確に応えていくため、業務の合理化、省力化を一層推進し、女性や若手職員など、全ての職員が働きやすい職場環境づくりに取り組んでまいります。
 東京都議会の皆様には、今後とも一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げまして、治安状況報告を終わらせていただきます。

○議長(尾崎大介君) 以上をもって警視総監の発言は終わりました。

○議長(尾崎大介君) 次に、監査委員より、監査結果の報告について発言の申し出がありますので、これを許します。
 監査委員成清梨沙子さん。
〔三番成清梨沙子君登壇〕

○三番(成清梨沙子君) 監査委員を代表いたしまして、平成二十九年一月から十二月までの一年間に実施した監査の結果についてご報告申し上げます。
 監査委員の役割は、都の行財政が公正かつ効率的に運営されるよう、各局の事務事業を監査することで、都民の信頼を確保していくことです。
 平成二十九年は、社会経済状況や都政の動向を踏まえ、都の事務事業に対するリスク評価に基づいて、効率的、効果的な監査を都民目線に立って実施するという方針のもと、多岐にわたる監査を行いました。
 この一年間に五百九十五カ所で監査を実施し、問題点に対する指摘及び意見、要望は二百八十二件、総指摘金額は約九億円でした。
 第一に、定例監査について申し上げます。
 定例監査は、都の行財政全般を対象とした最も基本的な監査です。監査に当たっては、本庁各部の全てと事業所の約四割、合計で四百五十三カ所を対象としました。また、重点監査事項として、社会経済状況や都政の重要課題を踏まえたテーマ及び事務執行に関するテーマを局ごとに選定し、監査を実施しました。
 その結果、ホームページに掲載された災害時帰宅支援ステーションの情報が最新の内容に更新されていなかったものや、学校検診の結果の異常値について原因分析を十分に行っていなかったため、不必要な検診を行っていたものなど、百五十三件の指摘及び意見、要望を行いました。
 第二に、工事監査について申し上げます。
 工事監査は、都が実施した工事等について、技術面から検証する監査です。監査に当たっては、百万円以上の工事等の中から、契約金額が高額なものや発注時の工期が短いものなど、千六百三十一件を監査対象として抽出しました。また、大規模工事がふえ、投入される公金に都民の関心が高まっている状況を踏まえ、工事費の決定に直結する重要な要素である単価設定を重点監査事項として監査を実施しました。
 その結果、トンネルの設計において補強のための鉄筋の太さを誤っており、地震に対する安全性が確保されていなかったため、施工に着手する前に改めるよう求めたものや、雨水貯留施設の設置工事において、シールド掘進機の使用等に係る単価設定が適正に行われていなかったものなど、二十九件の指摘及び意見、要望を行いました。
 第三に、財政援助団体等監査について申し上げます。
 財政援助団体等監査は、都が補助金の交付や出資等を行っている団体を対象に、財政援助の効果などについて行う監査です。監査に当たっては、補助金等交付額が大きい団体、都との関連性が強い団体を中心に、補助金等交付団体百二十八団体、出資団体十六団体、指定管理者一団体を対象団体として選定し、監査を実施しました。また、事業の中で工事の件数、金額等が大きい二団体については、技術面からの監査もあわせて実施しております。
 その結果、学校法人や社会福祉法人などに交付している補助金について、人数算定の誤りなどが原因で過大に交付されていた分を都に返還するよう求めたものや、都において指定管理者により運営されている病院での災害時の救護訓練や備蓄物品の補充を適切に行っていなかったものなど、六十一件の指摘及び意見、要望を行いました。
 第四に、行政監査について申し上げます。
 行政監査は、特定の事務や事業を対象として行う監査です。今回は、平成二十九年六月の地方自治法改正により、内部統制が制度化されるなど、地方公共団体における内部統制の重要性が高まっている現状を踏まえ、内部統制の強化に資することを目的に、二つのテーマで監査を実施しました。
 一つ目のテーマは、システム投資の有効性についてです。
 本テーマでは、都のシステムの中央管理部門である総務局が実施する各局の情報システムに対する評価等の取り組みが適切か、システム監査の専門家による助言を得て監査を行いました。
 その結果、縦割り行政から生じるシステム開発の重複等を見直す観点から、一覧性のあるシステム台帳の整備について検討することを要望したものなど四件の指摘及び意見、要望を行いました。
 二つ目のテーマは、企画提案方式及び総合評価方式などによる契約についてです。
 本テーマでは、契約事務を統括する財務局が行う指導、支援を充実させ、契約事務に関する内部統制の強化に資することを目的に、各局が実施している企画提案方式や総合評価方式などの特殊な契約について、手続上のさまざまな観点から監査を行いました。
 その結果、企画提案方式で受注希望者の提案を審査する委員会において、公平、公正な審査のため必要な外部学識経験者の委員を選任していなかったものなど、十六件の指摘及び意見、要望を行いました。
 第五に、決算審査等について申し上げます。
 平成二十八年度の決算について、決算計数の正確性や予算執行の適正性、効率性などを審査した結果、会計処理及び財産に関する調書の計数の一部誤りについて十九件の指摘を行いました。
 また、地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づいて算定、公表が義務づけられている健全化判断比率及び公営企業など十二会計の資金不足比率の審査も行いました。
 その結果、実質赤字比率等は良好であり、資金不足についても生じていないことが認められました。
 ここで、監査結果に対する措置状況について申し上げます。
 監査は、指摘した問題点が改善されて初めて効果を発揮します。そこで、監査の実効性を担保するため、年二回、各局に指摘や意見、要望事項の改善状況の報告を求め、その内容を確認しています。過去三年間に行った指摘や意見、要望については、九〇%以上の案件が改善済みとなりました。残りの案件についても早期の改善を促しております。
 主な改善事例として、医療施設における下水道料金減額の適用状況を見直し、対象外の施設については減額を解除し追加徴収するなど、適正な収入を図ったものなどがありました。
 また、監査結果を予算に反映させる事業評価の対象として、誰でもトイレの改善を求めた指摘などが選定され、必要な経費が予算措置されたことにより、都民サービスの向上につながりました。
 引き続き、全庁共通で発生し得る課題や繰り返し発生する問題点について、各局への情報提供も行いながら改善を促してまいります。
 このほかに、平成二十九年は二十一件の住民監査請求があり、このうち請求の要件を備えている三件について監査を実施し、請求人等の陳述の聴取や書類調査などを行いました。
 その結果、いずれも請求人の主張には理由がないと判断しました。
 また、約四十年ぶりに知事からの要求による職員の賠償責任に関する監査を実施し、都の物品を持ち出し売却していた元職員に対する賠償責任及び賠償額を決定いたしました。
 以上、この一年間に実施した監査について述べてまいりました。
 監査の結果、契約履行の確認不足、積算や補助金の算定誤りなど、毎年繰り返し発生している事例に加えて、契約変更の手続不備など、複数の局で共通して発生している事例が多く見受けられました。
 これらの主な発生原因として、各事務事業における処理手続の誤りを防ぐための組織的支援が十分に機能していないこと、例えば、局内でのチェック体制や情報共有の不足、全庁的に事務を統括する局による指導、支援の不足などが挙げられます。
 各局長並びに管理者においては、組織の責任者として先頭に立ち、指摘事項の是正改善のみならず、各監査、改善措置の事例を参考に、誤りの原因解消や仕事の進め方の見直しなど再発防止に取り組み、都民サービスのさらなる向上に努められるよう望みます。
 今般、地方自治法が改正され、内部統制制度の導入や監査制度の充実強化など、地方公共団体における適正な事務処理等の確保並びに組織及び運営の合理化を図ることとされました。
 私ども五名の監査委員は、全庁の統一的、横断的検証や各監査の有機的かつ多角的な連携などにより、内部統制体制の整備に資する監査を行うとともに、監査結果、改善措置の庁内フィードバックを充実させ、再発防止の徹底や事務事業の改善を後押ししてまいります。
 今後とも、監査の重点化と質の向上に向けて、都の事務事業におけるリスクの重要度に応じた効果的な監査を実施します。
 都政の公正かつ効率的な運営のため、監査委員の使命を全力で果たし、都民の信頼と期待に応えていく決意であることを申し上げ、報告を終わります。

○議長(尾崎大介君) 以上をもって監査委員の発言は終わりました。

○議長(尾崎大介君) 次に、包括外部監査人より、平成二十九年度包括外部監査結果の報告について説明を求めます。
 包括外部監査人久保直生さん。
〔包括外部監査人久保直生君登壇〕

○包括外部監査人(久保直生君) 平成二十九年度包括外部監査人の久保直生でございます。
 今年度の監査は、環境局の事業に関する事務の執行及び監理団体の経営管理についてを監査テーマとして、監査を実施しております。ここに、監理団体としては、公益財団法人東京都環境公社を対象としております。
 当該テーマの選定に当たっては、東京都の主な政策の一つであるスマートシティー政策が、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けての重要な施策として都民の関心も高く、当該部局の監査を合規性のみならず、経済性、効率性、有効性の観点から総合的に検証することは、監査を行う時宜にもかない、意義があるものと判断し、平成二十九年度包括外部監査の対象事件として選定しております。
 また、東京都水素社会・スマートエネルギー都市づくり推進基金の当初設定額が四百億円と、環境局の当初予算に匹敵する金額であることから、監査対象とすることが適当と考えております。さらに、監理団体である環境公社は、環境局と一体として事業を行っているともいえ、水素情報館東京スイソミル、東京都環境科学研究所、東京都地球温暖化防止活動推進センターも含めて監査の対象とすることが適当と考え、監査対象としております。
 監査は、補助者十二名とともに実施し、指摘事項九件、意見四十九件の計五十八件について監査報告書に記載しております。
 この指摘、意見を大きく区分しますと、環境局の事業に関する事務の執行においては、スマートエネルギー都市の実現に関する施策についての意見は九件、快適な大気環境、良質な土壌と水環境に関する施策についての意見は八件、都市環境に関する施策についての意見は十一件、持続可能な資源利用の推進に関する施策についての意見は二件、入札、契約にかかわる制度、業務についての指摘、意見は二件、その他論点についての指摘、意見は十二件、環境局の監理団体の経営管理についての指摘、意見は十四件となります。
 本日は、この指摘、意見のうち、五件についてご説明を申し上げます。
 まず一点目は、スマートエネルギー都市の実現に関する施策に関して、水素ステーション設備導入促進事業について、都は水素社会実現に向けて燃料電池自動車の導入促進を行っていますが、そのためには、水素ステーションの整備が欠かせないところであります。平成三十二年度までの水素ステーションの設置目標数が三十五カ所に対して、平成二十八年度末現在においては十二カ所という現状であります。目標達成に向けては、今後、メーカーの動向や技術革新などの外部環境の変化を捉え、事業の進捗状況を適切にモニタリングするとともに、課題の分析及び施策の検討を行い、適切に事業を進めていくことが必要であると考えております。
 二点目は、快適な大気環境、良質な土壌と水環境に関する施策において、土壌汚染対策に関しては画一的な手法が確立されているわけではないことから、各部局は各事業の性質に応じた土壌汚染対策を講じるに当たり、規制部局である環境局からの指導や助言を受ける必要があること、環境局としても他局との連携を進め、各部局を一事業者として認識し、合理的な土壌汚染対策の選択を促すための手法を検討する必要があることを記載しております。
 三点目は、自然豊かで多様な生き物と共生できる都市環境の継承に関する施策に関しては、東京都は、保全地域における自然体験活動事業の一部を環境公社に委託していますが、その事業を受託している環境公社との間で中長期的な目標数値の共有が不足しております。事業の実効性を高めるためには、単年度の目標数値だけでなく、環境局が想定する中長期的な目標数値を公社と共有し、両者が共通の認識を持った上で、目標達成に向けて活動することが必要であると考えております。
 四点目は、食品ロス問題への取り組みに関しては、現在、食品ロスの削減に対する取り組みは世界規模で行われているといっても過言ではなく、都も二〇二〇年に向けた実行プランにおいて平成三十二年までの食品ロス削減東京方式の確立を掲げています。食品ロスの削減は、単なる廃棄物の削減の問題にとどまらず、食品の有効活用の観点からも、さらなる推進が必要です。環境局では、防災備蓄食品のリサイクルを進めるモデル事業等に取り組んでいますが、今後とも、広域での啓発活動の実施や先進的な食品ロス削減の取り組み事例の収集及び紹介、東京都管理施設での備蓄食品の利活用の一層の推進、あるいはフードバンクなどとのマッチング等、東京都による先駆的な取り組みの推進を期待しております。
 最後に、環境局の監理団体である環境公社の経営管理に関して申し上げます。
 環境公社の一部門である東京都地球温暖化防止活動推進センター、愛称クールネット東京におきましては、東京都からの預かり基金をもとに、都民、事業者の省エネ、再エネの取り組みや水素エネルギー利活用促進などを支援する助成事業を行っています。この助成金の支払いについては、助成先の決定から助成金の支払い決定までをクールネット東京で行っており、実際の振り込み手続もクールネット東京においてインターネットバンキングにより行われています。現状、クールネット東京のセンター長が最終確認をして送金手続を行っており、最低限の牽制機能は有していますが、部門を超えての内部統制の構築までには至っていません。助成金の支払いについては、クールネット東京において助成先の決定手続を行い、助成金額を確定後、実際の振り込みなどの支払い手続は本社経理係が行うという適切な職務分掌により内部統制の強化が図られると考えております。
 以上をもちまして、平成二十九年度の包括外部監査結果のご説明といたします。

○議長(尾崎大介君) 以上をもって包括外部監査人の説明は終わりました。

○六十七番(斉藤れいな君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日は、質問に先立ち議事に入り、日程の順序を変更し、追加日程第一及び第二を先議されることを望みます。

○議長(尾崎大介君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認めます。よって、質問に先立ち議事に入り、日程の順序を変更し、追加日程第一及び第二を先議することに決定いたしました。

○議長(尾崎大介君) 追加日程第一及び第二、議員提出議案第一号、東京都議会議員の議員報酬等の特例に関する条例の一部を改正する条例及び議員提出議案第二号、東京都政務活動費の交付に関する条例の一部を改正する条例を一括議題といたします。
 案文は、お手元に配布をいたしております。
(議案の部参照)

○六十七番(斉藤れいな君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第一号及び第二号については、趣旨説明並びに委員会付託を省略し、原案のとおり決定されることを望みます。

○議長(尾崎大介君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認めます。よって、議員提出議案第一号及び第二号は、原案のとおり可決されました。

○六十七番(斉藤れいな君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会し、明二十二日から二十八日まで七日間、議案調査のため休会されることを望みます。

○議長(尾崎大介君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれをもって散会し、明二十二日から二十八日まで七日間、議案調査のため休会することに決定をいたしました。
 なお、次回の会議は、三月一日午後一時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後二時三十一分散会


文書質問趣意書及び答弁書

29財主議第586号
平成30年2月13日
東京都議会議長
尾崎大介殿
東京都知事
小池百合子

文書質問に対する答弁書の送付について

 平成29年第四回東京都議会定例会における下記議員の文書質問に対する答弁書を別紙のとおり送付します。

山内れい子議員
宮瀬英治議員
原田あきら議員
藤田りょうこ議員
上田令子議員
原のり子議員
とや英津子議員
河野ゆりえ議員
里吉ゆみ議員
中村ひろし議員
尾崎あや子議員

平成29年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 山内れい子

質問事項
一 災害時の避難所について
二 保育の充実について
三 「香害」など化学物質を避けるための方策について

一 災害時の避難所について
 2016年に改正された災害対策基本法には、「指定緊急避難場所」と「指定避難所」の二つが明記されていますが、実際には、避難所、避難場所、地域避難所、拠点避難所、一時避難所、一時集合場所、避難拠点、一次避難所、一時避難場所、一次避難場所、緊急避難場所、広域避難場所、指定避難所、指定避難場所、二次避難所、福祉避難所、避難施設など、各自治体でさまざまな呼び名が使われており、名称と役割が十分に住民に認識されていない状況もあると考えます。
1 自治体ごとに名称が違っている点も踏まえ、「避難場所」と「避難所」の違いについて周知を図ることが必要です。都の認識と取り組みを伺います。
2 熊本の震災では、獣医師の協力を得て、ペットを動物病院で預かってもらったという事例も聞いています。災害時のペットとの同行避難については、都はリーフレットを作成するなど啓発と注意喚起を実施しています。しかし、ペットを飼う高齢者が多くなっており、ペットとともに避難所で生活することが困難な場合もあるため、他の対策についても考える必要があります。都は、2013年の避難所管理運営の指針で動物救護体制を獣医師会等と連携強化して検討するとしています。都として、区市町村への支援の状況について伺います。
3 高齢者や障がい者が避難生活をおくることができるように、地域では福祉避難所(二次避難所)の指定が進められています。都立施設の指定は、どのような施設がどれだけあるか伺います。
4 都立施設を福祉避難所に指定しようとするときの手続きについて伺います。
5 福祉避難所で必要になるケア体制について、自治体への支援をどのように行っていくのか伺います。
二 保育の充実について
 認証保育所は、多様な保育の一つとして、大都市の特性に着目し、0歳児受け入れを必置とし、保育時間や便利な場所などのニーズに応えるものとして、都が独自で始めました。0歳から2歳児の待機児童が増え続けるなか、保育園不足解決のために、地域では認証保育所の設置と無認可保育所の認証化が進みました。
 その後、国でも新しいシステムを検討し、認可保育所について改正した制度が2015年度から実施されています。都は、小規模保育などと同様に認証保育所も財政支援の対象とするよう国に要求しましたが実現せず、都独自の制度として運用されています。利用者にとって、直接契約である認証保育所は、利便性など使いやすいところがある一方、保育料が認可に比べて高額であり、保護者が認可保育所を選択する理由になっています。
1 認証から認可または小規模に移行するため、「東京都認可化移行総合支援事業」を実施しています。2013年から16年度のこの事業の活用実績および認証から認可または小規模への移行状況について伺います。
2 認証保育所の保育料軽減のための助成金が創設され、4万円を上限に都と区市町村が半額ずつ出すことにしていますが、自治体によって助成金額が違います。都が助成制度を廃止すると、全額区市町村負担となるため、金額を上げることが難しいためです。継続的な補助事業の実施と補助額や補助率を上げるなど、この助成制度を拡充し自治体がさらに取り組みやすくしていく必要があると考えますが、見解を伺います。
3 助成制度は、今年度からベビーシッターも対象になりました。待機児童対策としてベビーシッター利用への支援ということです。通常ベビーシッターの利用金額は1時間2000円から3000円と聞いており、保育園代わりに使うとなると大変な高額です。現在の都の助成制度を活用して助成を実施している区市町村の状況はどのようなものか伺います。
4 ベビーシッターについては、金額とともにシッターの質が課題になります。子どもの安全を守ることはもとより、ニーズに合う保育かどうか、それをどのように見極めるのか、見解を伺います。
三 「香害」など化学物質を避けるための方策について
 私たちの身の回りには、多くの化学物質がさまざまな製品や食品などに含まれています。こうした化学物質は、便利で快適な生活に寄与することも多いですが、その一方で環境汚染や健康被害の原因にもなっています。そのため有害化学物質のリスクを避ける必要があります。特に子どもは大人よりも化学物質の体への影響が大きいため、都は、子どもの感受性や行動パターンに着目し、予防原則を念頭に、独自の「化学物質の子どもガイドライン」を策定しました。子どもガイドラインの室内空気編では、13の化学物質を対象に注意すべきことを示しています。
 最近「いい香りがずっと続く」が売りの柔軟剤や、消臭・除菌剤などが、テレビで頻繁に宣伝され、家庭で使用されています。いい香りを好んで使う人がいる一方、化学合成された強いにおいで、不快に感じたり、頭痛やめまい、吐き気などの体調不良を起こす例もあります。この「香害」によって、化学物質過敏症の人が学校や職場に通えなくなる事態も起こっています。
1 学校では、シックスクール対策として、建設・改修時にホルムアルデヒド放散量が少ない建材や接着剤を使用していますが、ほかの都有施設における化学物質対策はどのように実施しているのか伺います。
2 身の回りの化学物質は種類が増えており、国は室内空気濃度の指針値の強化と追加物質について検討しているということです。複合的な影響も考える必要があります。国の検討状況はどうなっているのか、また都から対策強化を働きかけるべきと考えますが、見解を伺います。
3 強い香りに苦しむ人がいることを広く知らせ、香料の自粛や配慮を求めるポスターなどを自治体が作成している例もあります。都としても広報すべきと考えますが、見解を伺います。
4 都立学校における、衣類の柔軟剤の香りによる、いわゆる「香害」について、東京都教育委員会の認識を伺います。
5 においだけでなく、除菌剤もよく使われています。消臭・除菌スプレーの成分第4級アンモニウム化合物(塩化ベンザルコニウムなど)は、微量でも生殖毒性が指摘されており、消臭・除菌スプレーの安易な使用の危険性があります。ところが、第4級アンモニウム化合物はアレルギー作用を起こしやすく医薬部外品には表示指定成分となっていますが、家庭用品である消臭・除菌スプレーの実際の表示では成分名がわかりません。消臭・除菌スプレーの成分表示を法律で義務づけるよう国に働きかけるべきと考えますが、見解を伺います。

平成29年第四回都議会定例会
山内れい子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 災害時の避難所について
1 自治体ごとに名称が違っている点も踏まえ、「避難場所」と「避難所」の違いについて周知を図ることが必要である。都の認識と取組を伺う。

回答
 首都直下地震等の大規模災害に対して被害を軽減していくためには、発災時に都民が円滑に避難できるよう日頃から防災意識を高めていくことが重要です。
 都の地域防災計画では、避難場所とは、大震災時の延焼火災等から避難者の生命を保護するために必要な面積を有する大規模公園等であり、避難所とは、地震等による倒壊・焼失など家屋被害を受けた方々を一時的に受け入れ、保護するために開設する学校等の建物であると、それぞれ位置付けています。
 同計画では、こうした、避難場所、避難所等の周知や、発災時の避難誘導は区市町村の役割であると位置付けており、住民への周知や訓練の実施など区市町村が地域の実情に応じた取組を行っています。
 都としても、「東京防災」やホームページへの掲載を通じ、避難場所や避難所等の情報を広く周知するなど、都民一人一人の防災意識を高める取組を進めており、今後とも、区市町村と連携しながら都民の防災力向上に努めていきます。

質問事項
一の2 都は、2013年の避難所管理運営の指針で動物救護体制を獣医師会等と連携強化して検討するとしている。都として、区市町村への支援の状況について伺う。

回答
 都は、区市町村に対し、災害時に飼い主と避難所等に同行避難した被災動物の救護が円滑に実施できるよう、地域の状況に応じて獣医師会等の関係団体等と連携を強化するよう働きかけており、現在、45区市が動物への獣医療の提供等について、獣医師会と協定を結んでいます。
 また、区市町村の地域防災計画に、飼い主と同行避難した動物や、避難した後に地域に残された動物への対応を位置付けるよう働きかけています。
 さらに、区市町村の取組を推進するため、動物救護マニュアルの作成例やペットフードの供給に関する協定の締結例など、災害時に備えた取組の事例集を提供するとともに、避難所で必要となるケージなどの備蓄を包括補助で支援しています。

質問事項
一の3 高齢者や障がい者が避難生活をおくることができるように、地域では福祉避難所(二次避難所)の指定が進められているが、都立施設の指定は、どのような施設がどれだけあるか伺う。

回答
 平成29年4月1日現在、区市町村が福祉避難所に指定している都立施設は47か所、そのうち、特別支援学校が46か所、福祉施設が1か所となっています。

質問事項
一の4 都立施設を福祉避難所に指定しようとするときの手続きについて伺う。

回答
 区市町村が都立施設を福祉避難所に指定する場合、国の「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」に沿って、指定する施設との間で協定を締結することとしています。

質問事項
一の5 福祉避難所で必要になるケア体制について、自治体への支援をどのように行っていくのか伺う。

回答
 都は、災害発生時に「東京都災害福祉広域調整センター」を庁内に設置し、東京都社会福祉協議会等と連携しながら、被災地における福祉避難所の設置状況、被災地外からの派遣可能職員などを把握した上で、区市町村からの要請に基づき、福祉避難所へ職員を派遣することとしています。

質問事項
二 保育の充実について
1 認証から認可または小規模に移行するため、「東京都認可化移行総合支援事業」を実施しているが、2013~16年度のこの事業の活用実績および認証から認可または小規模への移行状況について伺う。

回答
 認可保育所や小規模保育事業への移行を希望する認可外保育施設を支援するため、都は平成25年度から「認可外保育施設運営支援事業」(平成26年度から「認可化移行総合支援事業」に事業名を変更)を開始しています。
 事業開始から平成28年度までに131施設が本事業を活用し、そのうち、41施設が認可保育所又は小規模保育事業に移行しています。認証保育所からは37施設が認可保育所に移行しており、小規模保育事業に移行した施設はありません。
 また、同期間に、この事業を活用せずに認可保育所や小規模保育事業へと移行した認証保育所は86施設あり、そのうち、72施設が認可保育所へ移行し、14施設が小規模保育事業へ移行しています。

質問事項
二の2 認証保育所の保育料軽減のための助成金が創設されているが、自治体によって助成金額が違う。継続的な補助事業の実施と補助額や補助率を上げるなど、この助成制度を拡充し、自治体がさらに取り組みやすくしていく必要があると考えるが、見解を伺う。

回答
 都は平成28年度に、認可外保育施設を利用する保護者の負担を軽減する事業を開始し、22区23市1町がこの事業を活用しました。そのうち、7区市では、それまでの助成額を増額するなど、利用者負担の軽減が図られています。
 平成29年度は、23区26市1町が活用を申請しており、そのうち、27区市が助成額の増額や助成対象施設の拡大を行い、更なる負担軽減を図るとともに、3市が新たに補助制度を創設する見込みです。
 認可外保育施設の利用者の負担軽減は、区市町村が地域の実情に応じ、議会の議論を経て実施しており、都は今後とも、事業の積極的な活用を働きかけていきます。

質問事項
二の3 助成制度は、今年度からベビーシッターも対象になったが、現在の都の助成制度を活用して助成を実施している区市町村の状況はどのようなものか伺う。

回答
 都は、平成29年度から、児童一人当たり月額4万円を上限とした認可外保育施設の利用者負担軽減の対象に、保育認定を受けた方が認可外の居宅訪問型保育サービスを利用する場合も追加しています。
 現在、調布市、狛江市、東大和市の3市から、認可外の居宅訪問型保育サービスの利用者も含めた補助の申請が出されています。

質問事項
二の4 ベビーシッターについては、金額とともにシッターの質が課題になる。子どもの安全を守ることはもとより、ニーズに合う保育かどうか、それをどのように見極めるのか、見解を伺う。

回答
 国は、認可外の居宅訪問型保育サービスなどを利用する場合には、区市町村の情報や公益社団法人全国保育サービス協会に加盟している会社のリストなどを活用して、まず、事業者の情報を収集するよう呼びかけています。
 その上で、実際に利用する際には、事前に保育者と面接を行うこと、事業者名、住所、連絡先、保育の場所、業界団体が認定する資格等の登録証及び保険の加入状況を確認すること、児童を預けている間も電話やメールで児童の様子を確認すること、緊急時における保育者との連絡体制を整えること、保育終了後に保育の内容や預けていた間の児童の様子を確認すること、不満や疑問が生じた場合は、保育者を派遣した事業者等にすぐ相談することなどの留意点を挙げ、注意を呼びかけています。
 都においても、認可外の居宅訪問型保育サービスを利用する保護者はこうした点に留意する必要があると認識しています。

質問事項
三 「香害」など化学物質を避けるための方策について
1 学校では、シックスクール対策として、建設・改修時にホルムアルデヒド放散量が少ない建材や接着剤を使用しているが、ほかの都有施設における化学物質対策はどのように実施しているのか伺う。

回答
 都有施設の新築・改修工事に使用する材料については、東京都建築工事標準仕様書において仕様等を定めており、化学物質によるシックハウスなど健康への影響に配慮したものを選定しています。
 例えば、ホルムアルデヒドについては、JIS規格やJAS規格で、一番放散量の少ないもの等を使用することとしています。
 また、特に規格の定めのない接着剤や塗料については、トルエン等の含有量の少ない材料を使用することとしています。
 施工後には必要に応じて化学物質の室内濃度測定を第三者の専門業者に委託して行っています。

質問事項
三の2 身の回りの化学物質は種類が増えており、国は室内空気濃度の指針値の強化と追加物質について検討している。複合的な影響も考える必要がある。国の検討状況はどうなっているのか、また都から対策強化を働きかけるべきと考えるが、見解を伺う。

回答
 国は、ホルムアルデヒドやトルエンなどの揮発性有機化合物13物質について室内濃度の指針値を設定しています。
 現在、国は、最新の科学的知見に基づき検討を行っており、平成29年6月から7月にかけて、13物質のうち4物質の指針値の改定及び新たな3物質の指針値の設定を行うことについて、パブリックコメントを実施しました。
 都としては、今後の国の動向を注視していきます。

質問事項
三の3 強い香りに苦しむ人がいることを広く知らせ、香料の自粛や配慮を求めるポスターなどを自治体が作成している例もある。都としても広報すべきと考えるが、見解を伺う。

回答
 都は、柔軟剤等の香りに関する相談や苦情等が多数寄せられたことから、都民に対して注意を促す情報提供を行っています。
 また、消臭剤、防臭剤、芳香剤等を使用する場合には、表示された用法、用量を守り、必要以上に使用しないよう、パンフレットやホームページ等を活用して、都民への普及啓発を行っています。

質問事項
三の4 都立学校における、衣類の柔軟剤の香りによる、いわゆる「香害」について、東京都教育委員会の認識を伺います。

回答
 衣類の柔軟剤のにおいにより気分が悪くなること等については、医学的見地の状況を踏まえ、各学校において必要に応じて対応していくものと認識しています。

質問事項
三の5 消臭・除菌スプレーの成分第4級アンモニウム化合物は、微量でも生殖毒性が指摘されており、消臭・除菌スプレーの安易な使用の危険性がある。消臭・除菌スプレーの成分表示を法律で義務づけるよう国に働きかけるべきと考えるが、見解を伺う。

回答
 家庭用品の品質表示については、国が、家庭用品品質表示法に基づき、品質識別の困難性及び必要性等の観点から、品質等の表示を行うべき品目を指定し、事業者に対し成分や取扱方法などの表示を義務付けています。
 一方で、昭和37年の同法制定以降、国においては、消費者団体や事業者団体等へのヒアリングやアンケート調査なども行いながら、慎重な検討を経て、指定品目の追加が行われてきた経緯があり、消臭・除菌スプレーについては、同法の指定品目に含まれていません。
 都としては、消臭・除菌スプレーに関する相談の状況等も踏まえ、こうした国の検討状況等を注視していきます。

平成29年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 宮瀬英治

質問事項
一 人権プラザについて
二 都立公園について
三 災害拠点連携病院について
四 都営地下鉄について
五 都道「補助26号線」と「東武鉄道」との、鉄道立体化計画について
六 親子の断絶について
七 子どもの貧困対策について

一 人権プラザについて
 東京都は、人権や人権問題に関する啓発及び情報を収集・提供するとともに、人権問題に関する相談を受ける機能を備えた施設として、「東京都人権プラザ」を設置している。東京都人権プラザは、公益財団法人東京都人権啓発センターが指定管理者として管理運営しているが、自殺を考えるほど人権問題に苦しむ都民とともに人権プラザ等を訪問した際の対応について伺う。
1 プライバシーの問題があるといって、相談対応者が相談者に名刺を渡さない。相談内容のメモをとっていない。事務局長に確認したが、「組織としての対応である」といった応対がなされた。根拠となる内規等はあるのか伺う。
2 他の相談機関においては、しっかりと名刺を渡すなど対応もしているが、人権プラザにおいても、責任を明確化するためにも、改めるべきと考えるが所見を伺う。
3 「人権プラザでは、問題を解決しない。関係機関への紹介、話を聞くだけである」と相談員および事務局長が述べていたが、内規等はあるのか。また人権プラザおよび人権部の設立目的や趣旨と合致していないと考えるが、適切であると考えているのか所見を伺う。
4 以前、人権プラザに紹介された機関に相談に行っても解決しなかったにもかかわらず、再び同じ相談機関を紹介された。問題解決のための相談機関としてふさわしいのか、また再度その相談機関を紹介したことは、適切な対応といえるのか伺う。
5 その旨を伝え課題解決のための対応を求めたところ、相談対応者より都の人権部に行くように言われたが、適切であるのか、また人権部への紹介も連絡も連携もしてくれず、適切か?さらには「人権プラザと東京都は別組織で連携は行わない」と管理者が言ったが、連携連絡を行わないことを都は了とするのか所見を伺う。
6 人権プラザの相談利用者に対する満足度等のアンケートはどのようにとっているのか?またクレーム件数等その結果について伺う。
7 その後、人権プラザの指示により伺った都庁人権部では、担当者はメモをとるだけで、パンフレットを渡し、再度人権プラザに行くように指示した。このように相談者に寄り添わない相談対応、縦割り行政、連携不備、たらい回しなど、概ね、相談者にとって人権プラザの対応者、事務局長、都庁人権部の対応は人権問題の解決にならず、逆に不信感を招くものであったが、その所感および再発防止について伺う。
8 人権プラザにおける役割は、広報啓発活動、相談受付、関係機関の紹介を旨としており、話を聞くだけで解決に至らない、解決のための関係機関の紹介も不適切となると組織として制度や仕組みを改めるべきと考えるが所見を伺う。
二 都立公園について
 都立城北中央公園は都民のみならず近隣住民にとっても貴重な財産である。しかし公園内にあるプールは毀損され長年放置されたままである。安全上の理由からも早期の取り壊しおよび利用者の要望に沿った施設に造り変えるべきである。また地域住民からは公園内にバーベキュー広場を望む声も多く設置を検討すべきである。それぞれ所見を伺う。
三 災害拠点連携病院について
 都内に142ある災害拠点連携病院は、合計一般病床数20,361を有する重要施設である。都はその実態把握のため、災害拠点連携病院に対し、「災害時体制整備調査票」を収集している。そこでその結果について伺う。
 (1) 一日平均患者数(入院・外来)の総数および一病院あたりの平均値
 (2) 平均床面積、平均延べ面積
 (3) 平均貯水量、井戸の有無率
 (4) 非常用発電装置における平均備蓄燃料量
 (5) 防災訓練の実施率および平均回数
 (6) 災害対応マニュアルおよび事業継続計画(BCP)のそれぞれの策定率
四 都営地下鉄について
 都営地下鉄、トイレの改修工事について
 現在、都営三田線をはじめグレードアップや洋式化などトイレ改修工事が各駅で行われている。しかし工事期間が長く困っている、もしくは工事中、近くに代替トイレがないといった声が利用者から聞かれる。改修に関しては、迅速な工事完了を目指すとともに、男性用トイレ、女性用トイレ、誰でもトイレを一斉に工事するのではなく、個別に工事するなど工夫をすることで駅のトイレを少しでも活用できるよう配慮を求めたい。さらには駅近隣にトイレがない場合は代替トイレを設置するなど要望をするが、所見を求める。
五 都道「補助26号線」と「東武鉄道」との、鉄道立体化計画について
 2015年(平成27年)5月に、東武鉄道立体化計画の交差部にある、地元(大山本町会・大山町会・ハッピーロード大山商店街振興組合・大山まちづくり委員会の連名)から、東京都都市整備局長宛に「大山まちづくりに関する要望書」が提出された。その要望書第4項において、(鉄道立体化は)計画段階において、地元との会合を十分に重ね、地元の要望を反映すること、日影・騒音・地上部分の土地利用者の観点から「地下化」を、検討いただくこと、都道「補助26号線」と「東武鉄道」との交差部は(工事時間差のため)当分の期間(10数年間、開かずの踏切と車両渋滞により、環境の悪化が想定されるため)環境・渋滞対策として・・・都道「補助26号線」を、歩行者専用道路とすることとある。以下伺う。
1 地元との会合は、上記要望書の提出後、現在に至るまでただの一度も実施されておらず、地元自治体である板橋区も、東武鉄道の地下化・高架化案について、交差分断する地元町会・地元商店街と全く一度も協議したことがないといったが事実か伺う。
2 近隣住民や商店街との事前協議がなく、「素案説明会」を開催するようなことがあっては、地元からの要望が無視され全く反映されないと考えるが所見を伺う。
3 地元は、鉄道側の「地下化」を、強く要望しているが、その切実な要望を都はどう認識しているのか所見を伺う。
4 ハッピーロード大山商店街を分断する、都道「補助26号線」が整備されても、鉄道立体化までの期間は踏切が残ることになる。踏切の渋滞緩和策について、地元との協議も、全くなされていないが、所見を伺う。
5 提出された「大山まちづくりに関する要望書」に対する、担当部局からの回答や議事録メモの存在を知っているのか。また都道「補助26号線」と「東武鉄道」との、鉄道立体化計画において、東京都は、地元(町会・商店街)との協議の場を設け、要望を反映する意向はあるのか伺う。
6 一方、高架化は、日影問題等を解消する為、一部側道の設置・土地買収・建物設備等の買収と、高額な買収費用がかかると共に、買収に応じない場合等(用地取得のために要する時間)は、大きな懸念事項となる。また、高架化は、工事手法の複雑さ(片側だけ先に高架にする手法等)により、意外と多くの無駄が生じていると聞いている。また現代の地下化は、シールド工法等の「技術の進歩」により、工事の費用は(数十年前に比べ)低減されており、最先端の技術が提供されています。また、地下化は、買収の範囲を最低限に抑えることができるため、買収に伴う懸念が少なく、地元(近隣住民)の理解を得られやすいと考える。所見を伺う。
7 こうしたことを踏まえてのトータルコスト面、工期面の比較等の議論は今まで(東京都・板橋区と)地元とは一切行われていない。事実であるのか。またこの点、都は板橋区といつどのような議論をしてきたのかそれぞれ所見を伺う。
六 親子の断絶について
 現在、日本では、離婚係争の際に、子どもを単独監護している親が有利に扱われる為、同居時に協議合意、予告無い子の連れ去り断絶を教唆する弁護士による被害が横行している。日本が批准しているハーグ条約においては、そのような様態を「子の奪取」と外務省が翻訳しており、児童虐待やDV避難などの正当な理由が確認できない場合には、従前の生活と片親を突然奪われることは子の福祉に適わない事であるとして、速やかに従前の生活に戻すことが必要であることが確認されている。
 しかしながら、日本国内では、日本弁護士会がオフィシャルな論集でも解説している通り、「違法な連れ去りが、むしろ有利に扱われている」という問題が生じている。国会においても長く違法な子の連れ去り問題が取り上げ続けられており、平成23年4月20日の衆議院法務委員会では当時の江田国務大臣が、「理由なく一方の親が他方の親の同意を得ずに子を連れ去る、これが適切でないことは、私は言うまでも無いと思います」と発言され、今年3月8日の衆議院法務委員会でも、松浪議員より「拉致」、「連れ去り」として質問を受け、金田法務大臣が、平成23年4月20日の江田国務大臣の発言を踏襲すると確認された。
 親が子を愛し、子が親を愛し、共に生きたいと願う気持ちは、人が生まれながらに持つ普遍的な人権であることは間違いが無い。DVや虐待と無縁の親が、子を拉致されたと言えずに単なる別居と扱われる状況は、被害者を差別により更に苦しめる2次被害であると考えます。平成29年10月都総務局人権部人権施策推進課発行の「みんなの人権」29頁においても「一方の親がもう一方の親の同意を得ることなく、子を自分の母国へ連れ出し、もう一方の親に面会させないといった「子の連れ去り」が問題視されるようになりました。」と記載されているが、突然の親子の生き別れの強要は、国境の有無に関わらず人権問題であることは明らかである。DV支援措置の悪用により子が拉致され生き別れを強要されている被害について、離婚係争を扱う家事弁護士達は、子を連れ去り単独監護の状況と片親と子の断絶状態を作ることが有利に運べる為、DV支援措置の悪用により、片親をDVや児童虐待が無くても、居所秘匿やシェルター利用、転居費用の支援などの行政による拉致幇助を受けることが出来ることを教唆している。警察が捜査することも無く、相談所が事実確認をすることも無く、相手方に理由を知らせることも無く、子の連れ去り後の居所秘匿が可能となる実態がある。このことにより、婚姻中の共同親権下であっても、子の居所指定権の親権を侵害されている親が、連れ去られた子どもを探すことが出来なくなり、生き別れの強要に繋がっている。以下伺う。
1 警視庁は、DV支援措置の利用に際し、異議や捜索願が提出された際には、受理し、支援措置が不当目的利用されていないかの審査をすべきと考えるが所見を伺う。
2 DV支援措置は、何回でも希望すれば更新ができる運用がされているが、裁判手続きで、DVや児童虐待が認められなかった場合には、警察や相談機関の判断によらず、支援措置を解除すべきと考えるが所見を伺う。
3 保護法益である親権が侵害された際に、それが親権者同士であっても刑法224条未成年者略取誘拐罪が適用された最高裁判例があるが、実際に警視庁では、実子誘拐の告訴状が提出された際には、どのような対応を取っているのか伺う。
七 子どもの貧困対策について
 いま、子どもの6人に1人が貧困状態とされ、都は平成28年度に、子どもの居場所創設事業など、子どもの貧困対策に680億円を計上した。同時に貧困に苦しむ子どものためにNPOや地域の方々による様々な取組が行われている。しかし現場で子ども食堂や学習支援を行っている方々に話を聞くと、金銭的な支援が急務であるといった声が絶えない。また昨年4月からスタートした「子どもの居場所創設事業」についても、実際に展開が遅く、多くの子ども食堂にはその支援が届いていないのが現実である。以下伺う。
1 早急に都内全ての子どもの実態調査を区市町村とともに行うべきと思うが所見を伺う。
2 子どもの居場所事業の支援を受ける対象は、わずか2区6事業にとどまっており、早急に規模を拡大すべきと考えるが所見を伺う。
3 このような実態を踏まえ、都は子ども食堂に直接支援を行うなど、都の総力を挙げて、子どもの貧困の解決に向けて早急に実効性ある取組みを行うべきと考えるが、所見を伺う。

平成29年第四回都議会定例会
宮瀬英治議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 人権プラザについて
1 プライバシーの問題があるといって、相談対応者が相談者に名刺を渡さない。相談内容のメモをとっていない。事務局長に確認したが、「組織としての対応である」といった応対がなされた。根拠となる内規等はあるのか伺う。

回答
 東京都人権プラザ(以下「プラザ」という。)の一般相談において、相談員の氏名を告げないことに関する定めはありません。過去にトラブルが発生し、相談員の氏名を告げないという対応をしていたことがあり、それが現在まで引き続き行われていたと考えています。
 また、記録については、相談事業において必要な事項を定めている「公益財団法人東京都人権啓発センター相談事業実施要綱」等において相談内容を記録する相談カードの作成を相談員に義務付けています。ただし、相談中のメモについての定めはなく、相談者への心理的圧迫とならないよう配慮し面接中は控える場合もありますが、相談内容は相談後に全て確実に記録しています。

質問事項
一の2 他の相談機関においては、しっかりと名刺を渡すなど対応もしているが、人権プラザにおいても、責任を明確化するためにも、改めるべきと考えるが所見を伺う。

回答
 今後、相談員の氏名を明示していきます。

質問事項
一の3 「人権プラザでは、問題を解決しない。関係機関への紹介、話を聞くだけである」と相談員および事務局長が述べていたが、内規等はあるのか。また人権プラザおよび人権部の設立目的や趣旨と合致していないと考えるが、適切であると考えているのか所見を伺う。

回答
 プラザの一般相談の役割や実施方法等に関しては、公益財団法人東京都人権啓発センター(以下「センター」という。)から提出された「事業計画書」や「公益財団法人東京都人権啓発センター相談事業実施要綱」に規定されています。
 プラザの一般相談では、様々な問題を抱えた都民等から寄せられる相談に対応しており、その内容は複雑多岐にわたっています。こうした中で、まず相談者からの相談をしっかりとお聞きし、内容や状況を的確に見極めて助言を行い、相談者の自主的解決を支援するとともに、専門性の高い事案等については必要に応じて適切な公的相談機関等を紹介するなどして、迅速な救済・保護につなげています。
 また、プラザは、都が人権啓発の拠点として設置した公の施設であり、その設立目的は、「人権尊重の理念を普及させることにより、人権意識の高揚及び人権問題の解決を図り、もって都民一人一人の人権が尊重される社会の実現に寄与する」こととされています。
 センターは、上記の事業計画書や要綱を定めた上で、プラザの設立目的を達成するための事業の一つとして、相談事業を行っています。
 引き続き、プラザの設立目的や都の役割を踏まえ、事業を実施していきます。

質問事項
一の4 以前、人権プラザに紹介された機関に相談に行っても解決しなかったにもかかわらず、再び同じ相談機関を紹介された。問題解決のための相談機関としてふさわしいのか、また再度その相談機関を紹介したことは、適切な対応といえるのか伺う。

回答
 プラザの一般相談では、内容や状況を的確に見極めて助言を行い、専門性の高い事案等については必要に応じて適切な公的相談機関等を紹介するなどして、迅速な救済・保護につなげています。
 中には過去に相談があり、他の相談機関を紹介したものの、再度、同じ事案に関する相談を受けることがあります。
 こうしたケースにおいて、相談の内容から、他に適切な相談機関がないと判断した場合には、相談者にその旨を説明した上で、あらためて同一の相談機関を紹介しています。

質問事項
一の5 その旨を伝え課題解決のための対応を求めたところ、相談対応者より都の人権部に行くように言われたが、適切であるのか、また人権部への紹介も連絡も連携もしてくれず、適切か。さらには「人権プラザと東京都は別組織で連携は行わない」と管理者が言ったが、連携連絡を行わないことを都は了とするのか所見を伺う。

回答
 個別具体的な相談はセンターがプラザで行っており、総務局人権部(以下「人権部」という。)では行っていません。人権に関する個別具体的な相談については、人権部には引き継がず、その旨を相談者に説明して理解を求めます。
 今回のケースでは、相談者から人権啓発事業及び人権相談の在り方についてお話があったので、人権部へ要望してみてはどうかという趣旨の助言をしました。
 また、プラザの相談における相談者の要望、苦情等については、センターは、適宜人権部に報告しています。

質問事項
一の6 人権プラザの相談利用者に対する満足度等のアンケートはどのようにとっているのか。またクレーム件数等その結果について伺う。

回答
 事業の充実のためには、利用者の生の声を把握し、更なる改善に反映させていくことが重要です。
 現在、プラザでは来館者や個別のイベント等の参加者にアンケートを行い、企画の満足度等を調査し、事業の運営に生かしています。そのアンケートの結果においては、人権相談に関する苦情などの確認はできませんでした。
 相談業務においても、事業の質の向上を図る観点から、相談者の意見やニーズの把握は必要であると考えており、他の相談機関の実施事例なども参考にしながら相談者に対するアンケート等の実施を検討します。

質問事項
一の7 その後、人権プラザの指示により伺った都庁人権部では、担当者はメモをとるだけで、パンフレットを渡し、再度、人権プラザに行くように指示した。概ね、相談者にとって人権プラザの対応者、事務局長、都庁人権部の対応は人権問題の解決にならず、逆に不信感を招くものであったが、その所感および再発防止について伺う。

回答
 人権に関する個別具体的な相談業務については、人権部では行っておらず、都における相談窓口として一義的にプラザを案内しています。また、プラザで解決ができないケースについては、東京法務局など他機関を御紹介することになることを説明しています。
 また、必要に応じて各種相談機関を紹介するため、相談機関の一覧が記載されている冊子「みんなの人権」をお渡ししています。
 プラザにおける相談事業においては、相談者の気持ちに寄り添うという観点は重要であると認識しており、これまでも努めてきたところです。今後も、センターではカウンセリング研修などの受講により相談員の一層のスキルアップに努めるなど相談の質の更なる向上を図っていきます。
 加えて、センターを所管する人権部においても、相談事業の説明などに当たっては、相談者の気持ちに寄り添うという観点が重要であると認識しており、更に適切な対応が図れるよう取り組んでいきます。

質問事項
一の8 人権プラザにおける役割は、広報啓発活動、相談受付、関係機関の紹介を旨としており、話を聞くだけで解決に至らない、解決のための関係機関の紹介も不適切となると組織として制度や仕組みを改めるべきと考えるが所見を伺う。

回答
 一般相談では、様々な問題を抱えた都民等から寄せられる相談に対応しており、その内容は複雑多岐にわたっています。こうした中で、まず相談者からの相談をしっかりとお聞きし、内容や状況を的確に見極めて助言を行い、相談者の自主的解決を支援するとともに、専門性の高い事案等については必要に応じて適切な公的相談機関等を紹介するなどして、迅速な救済・保護につなげています。
 相談事業においては、相談者の気持ちに寄り添うという観点が重要であると認識しており、これまでも努めてきたところです。今後もカウンセリング研修などの受講により相談員の一層のスキルアップに努めるなど相談の質の更なる向上を図っていきます。
 また、適切な相談機関を紹介するため、関係機関の事業内容や動向などの情報を日常的に把握するなど関係機関と一層密接な連携に努めます。

質問事項
二 都立公園について
 都立城北中央公園内にあるプールは毀損され長年放置されたままである。安全上の理由からも早期の取り壊しおよび利用者の要望に沿った施設に造り変えるべきである。また地域住民からは公園内にバーベキュー広場を望む声も多く設置を検討すべきである。それぞれ所見を伺う。

回答
 都立城北中央公園のプールは、施設の老朽化等のため、使用を中止しており、解体の検討を進めています。
 今後、プール跡地を含めた整備については、地域や利用者のニーズも踏まえながら、検討していきます。

質問事項
三 災害拠点連携病院について
 都内に142ある災害拠点連携病院は、合計一般病床数20,361を有する重要施設である。都はその実態把握のため、災害拠点連携病院に対し、「災害時体制整備調査票」を収集している。そこでその結果について、伺う。
 (1) 一日平均患者数(入院・外来)の総数および一病院あたりの平均値
 (2) 平均床面積、平均延べ面積
 (3) 平均貯水量、井戸の有無率
 (4) 非常用発電装置における平均備蓄燃料量
 (5) 防災訓練の実施率および平均回数
 (6) 災害対応マニュアルおよび事業継続計画(BCP)のそれぞれの策定率

回答
 都は毎年、東京都災害拠点連携病院に対し、災害時の体制整備や防災訓練の実施等に関する調査を実施しており、平成28年度に139病院に対して実施した調査の結果は、以下のとおりです。
 (1) 1日平均患者数の総数は、入院が18,984人、外来が39,010人、1病院当たりの平均患者数は、入院が137人、外来が281人となっています。
 (2) 平均床面積は2,155平方メートル、平均延べ面積は9,873平方メートルとなっています。
 (3) 平均貯水量は250トン、井戸を有している病院の割合は19パーセントとなっています。
 (4) 非常用発電装置における平均備蓄燃料量は7キロリットルとなっています。
 (5) 防災訓練の実施率は100パーセント、防災訓練の平均回数は3回となっています。
 (6) 災害対応マニュアルの策定率は81パーセント、事業継続計画(BCP)の策定率は51パーセントとなっています。

質問事項
四 都営地下鉄について
 トイレの改修に関しては、迅速な工事完了を目指すとともに、男性用トイレ、女性用トイレ、誰でもトイレを一斉に工事するのではなく、個別に工事するなど工夫をすることで駅のトイレを少しでも活用できるよう配慮を求めたい。さらには駅近隣にトイレがない場合は代替トイレを設置するなど要望をするが、所見を伺う。

回答
 地下鉄駅トイレの改修では、振動や騒音が発生するので、お客様への影響が大きい工事については、終車後の限られた時間帯に行っていますが、お客様への影響が比較的少ない内装工事や設備工事等は営業時間中に行うとともに、現場作業の少ない材料や工法を選択するなど、できる限り工期の短縮に努めています。
 トイレの改修に当たっては、老朽化した給排水や汚水槽等の設備を一括して更新する必要があることから、男性トイレ、女性トイレ等を個別に工事することは困難であると考えています。
 代替トイレについては、駅構内にトイレが2か所設置されている場合や、駅周辺に公衆トイレが設置されている場合を除き、原則として駅構内に仮設トイレを設置しています。

質問事項
五 都道「補助26号線」と「東武鉄道」との鉄道立体化計画について
1 地元との会合は、「大山まちづくりに関する要望書」の提出後、現在に至るまで一度も実施されておらず、地元自治体である板橋区も、東武鉄道の地下化・高架化案について、交差分断する地元町会・地元商店街と全く一度も協議したことがないといったが事実か伺う。

回答
 都は、平成27年5月に、大山町会、大山本町会、ハッピーロード大山商店街振興組合等から提出された「大山まちづくりに関する要望書」に対して、同年6月に「大山駅付近の鉄道立体化については、昨年度から事業範囲や構造形式等の調査・検討を実施しています。引き続き、区と連携を図りながら本検討を進めていきます。」と文書で回答しています。
 その後、都は、板橋区、板橋区議会、前述の組合を含む19の町会、商店街等で構成される東武東上線大山駅付近立体化促進協議会から、平成29年10月に「東武東上線大山駅付近の連続立体交差事業を高架式か地下式かの構造形式にかかわらず、早期実現を図ること。」との要望を受けています。
 なお、鉄道の高架化や地下化などの構造形式については、都が、鉄道周辺の地形などの地形的条件、除却する踏切の数などの計画的条件、事業費などの事業的条件を総合的に判断して選定しています。

質問事項
五の2 近隣住民や商店街との事前協議がなく、「素案説明会」を開催するようなことがあっては、地元からの要望が無視され全く反映されないと考えるが所見を伺う。

回答
 連続立体交差事業の事業化に当たっては、都市計画や環境影響評価の手続を進めていきます。
 具体的には、都市計画案の作成に先立って住民の意見を伺うために都市計画素案説明会を開催します。
 素案説明会では、パンフレットの配布やスライドの上映などにより、参加者が理解しやすいように計画の内容について説明を行うとともに、質疑応答の機会を設けます。
 その後、素案説明会での意見も参考にして、都市計画案及び環境影響評価書案を作成し、法令に基づき、案の縦覧、説明会の開催、意見書の提出等の機会を設けます。

質問事項
五の3 地元は、鉄道側の「地下化」を強く要望しているが、その切実な要望を都はどう認識しているのか所見を伺う。

回答
 鉄道の高架化や地下化などの構造形式については、鉄道周辺の地形などの地形的条件、除却する踏切の数などの計画的条件、事業費などの事業的条件を総合的に判断して選定しています。
 都は、板橋区、板橋区議会、町会、商店街等で構成される東武東上線大山駅付近立体化促進協議会から、平成29年10月に「東武東上線大山駅付近の連続立体交差事業を高架式か地下式かの構造形式にかかわらず、早期実現を図ること。」との要望を受けています。

質問事項
五の4 ハッピーロード大山商店街を分断する、都道「補助26号線」が整備されても、鉄道立体化までの期間は踏切が残ることになる。踏切の渋滞緩和策について、地元との協議も全くなされていないが、所見を伺う。

回答
 特定整備路線の整備は、延焼遮断帯として木造住宅密集地域における火災の拡大を防止するなど、都民の生命と財産を守るために待ったなしの課題であり、補助第26号線大山区間については、平成27年2月に事業に着手しました。
 東武東上線大山駅付近の連続立体交差事業についても、既に国から着工準備採択を受け、事業化に向けて取り組んでいます。
 本路線の整備後、鉄道の立体化により踏切が除却されるまでの間、踏切が存続しますが、道路整備に当たっては、交通管理者や鉄道事業者等関係機関と十分に協議し、地元に情報提供するなど、適切に対応していきます。

質問事項
五の5 提出された「大山まちづくりに関する要望書」に対する、担当部局からの回答や議事録メモの存在を知っているのか。また都道「補助26号線」と「東武鉄道」との、鉄道立体化計画において、都は地元との協議の場を設け、要望を反映する意向はあるのか伺う。

回答
 平成27年5月に「大山まちづくりに関する要望書」が提出された際の議事録メモについては、承知しています。また、都は同年6月に「大山駅付近の鉄道立体化については、昨年度から事業範囲や構造形式等の調査・検討を実施しています。引き続き、区と連携を図りながら検討を進めていきます。」と回答しています。
 連続立体交差事業の事業化に当たっては、今後、都市計画や環境影響評価の手続を進めていきます。具体的には、都市計画案の作成に先立って住民の意見を伺うために都市計画素案説明会を開催します。素案説明会では、パンフレットの配布やスライドの上映などにより、参加者が理解しやすいように計画の内容について説明を行うとともに、質疑応答の機会を設けます。
 その後、素案説明会での意見も参考にして、都市計画案及び環境影響評価書案を作成し、法令に基づき、案の縦覧、説明会の開催、意見書の提出等の機会を設けます。

質問事項
五の6 高架化は、一部側道の設置・土地買収・建物設備等の買収と、高額な買収費用がかかる。現代の地下化は、工事の費用は低減されており、最先端の技術が提供されている。また、買収の範囲を最低限に抑えることができるため、買収に伴う懸念が少なく、地元の理解を得られやすいと考えるが所見を伺う。

回答
 鉄道の高架化や地下化などの構造形式については、都が、鉄道周辺の地形などの地形的条件、除却する踏切の数などの計画的条件、事業費などの事業的条件を総合的に判断して選定しています。
 なお、事業費など事業的条件には、事業に必要となる用地費や側道工事費等も含んでいます。
 連続立体交差事業の事業化に当たっては、今後、都市計画案の作成に先立って住民の意見を伺うために都市計画素案説明会を開催します。
 この素案説明会では、パンフレットの配布やスライドの上映などにより、参加者が理解しやすいように、鉄道立体化の構造形式も含め計画の内容について説明を行うとともに、質疑応答の機会を設けるなど、地元の理解を得られるよう取り組みます。

質問事項
五の7 こうしたことを踏まえてのトータルコスト面、工期面の比較等の議論は今まで地元とは一切行われていない。事実であるか。またこの点、都は板橋区といつどのような議論をしてきたのか、それぞれ所見を伺う。

回答
 連続立体交差事業の事業化に当たっては、今後、都市計画案の作成に先立って住民の意見を伺うために都市計画素案説明会を開催します。
 この素案説明会では、鉄道の高架化や地下化などの構造形式を含め、計画の内容について説明を行います。
 なお、鉄道立体化の構造形式については、都が、鉄道周辺の地形などの地形的条件、除却する踏切の数などの計画的条件、事業費などの事業的条件を総合的に判断して選定しています。
 また、地元の板橋区に対しては、平成30年1月に鉄道立体化の構造形式を伝えるとともに、同区による大山駅の駅前広場計画等との整合について確認を行っています。

質問事項
六 親子の断絶について
1 警視庁は、DV支援措置の利用に際し、異議や捜索願が提出された際には、受理し、支援措置が不当目的利用されていないかの審査をすべきと考えるが所見を伺う。

回答
 DV支援措置は、当該事案に関係する相談者・被害者等に対し、「住民基本台帳閲覧制限」や「ストーカー・配偶者からの暴力事案の被害者等の一時避難等に係る公費負担制度」、「人身安全関連事案の相談者等の転居に係る公費負担制度」を適用して保護対策を実施するものです。
 その利用に際しては、相談や警察事象における取扱いを端緒として、相談者や相手方等の当該事案関係者からの聴取や、証拠保全等の各種対応を行った後に、適否等について総合的に判断しています。
 よって、異議(苦情)や捜索願(行方不明者届)が提出された場合は、利用の有無の判断時情報及び現在の関係者の状況等を考慮し、受理及び通知の有無について検討しています。

質問事項
六の2 DV支援措置は、何回でも希望すれば更新ができる運用がされているが、裁判手続きで、DVや児童虐待が認められなかった場合には、警察や相談機関の判断によらず、支援措置を解除すべきと考えるが所見を伺う。

回答
 本支援措置は、ドメスティック・バイオレンス等の被害者保護の観点から、被害者の申出に基づき、区市町村長が必要な支援を行うものです。
 国が定めている住民基本台帳事務処理要領では、区市町村長が支援の必要性がなくなったと認めるときは、本支援措置を終了するとされています。
 事務処理要領によれば、支援の必要性については、「警察、配偶者暴力相談支援センター、児童相談所等の意見を聴取し、又は裁判所の発行する保護命令決定書の写し若しくはストーカー規制法に基づく警告等実施書面等の提出を求めることにより確認する」とされています。そのため、区市町村長が事案ごとに判断することとなり、裁判手続のみで本支援措置が終了されるとは限りません。
 都内区市町村は、事務処理要領等に基づき、適切に対応しているものと考えています。

質問事項
六の3 保護法益である親権が侵害された際に、それが親権者同士であっても刑法224条未成年者略取誘拐罪が適用された最高裁判例があるが、実際に警視庁では、実子誘拐の告訴状が提出された際には、どのような対応を取っているのか伺う。

回答
 父母による子の連れ去り事案については、子に対する親権の所在や面会交流権の内容、さらに両当事者がこれらをどのように認識しているか等の事情も含め、個別の事案に応じて総合的に判断し、法と証拠に基づいて、適切に対処することとなります。

質問事項
七 子どもの貧困対策について
1 早急に都内全ての子どもの実態調査を区市町村とともに行うべきと思うが所見を伺う。

回答
 都は、首都大学東京と連携して、平成28年度に、これまで都が実施してきた子育て施策の効果や状況を改めて検証し、その内容の充実を図ることを目的に、区部2か所、市部2か所で、子供の生活実態調査を実施しました。
 平成29年度は、国の交付金等を活用し、独自に調査を行うなど、貧困の状況にある子供や家庭の実態把握に努める区市町村に対し、研修や専門的見地からの助言を行っています。

質問事項
七の2 子どもの居場所事業の支援を受ける対象は、わずか2区6事業にとどまっており、早急に規模を拡大すべきと考えるが所見を伺う。

回答
 都は、区市町村が民間団体と連携して、子育て家庭の状況を把握して必要な援助につなげるための支援員を配置し、学習支援や食事の提供、保護者への養育支援などを一体的に行う居場所づくりを支援しており、平成29年度は2区9か所で実施されています。
 今後、より多くの区市町村が子供の居場所創設事業に取り組むよう、積極的に働きかけていきます。

質問事項
七の3 このような実態を踏まえ、都は子ども食堂に直接支援を行うなど、都の総力を挙げて、子どもの貧困の解決に向けて早急に実効性ある取組みを行うべきと考えるが、所見を伺う。

回答
 都は平成29年度、子供・子育て支援総合計画の中間の見直しを行います。
 見直しに当たっては、「子どもの貧困対策の推進に関する法律」に基づく計画としての位置付けを明確にし、子供の居場所づくりや子供の貧困対策に取り組む区市町村への支援、高校生を対象とした給付型奨学金などの事業を盛り込む予定です。
 今後も、教育支援、生活支援、保護者に対する就労支援、経済的支援の四つを柱に、福祉、教育、就労など様々な分野の関係機関が連携しながら、子供の貧困対策に取り組んでいきます。

平成29年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 原田あきら

質問事項
一 豊洲新市場計画の環境影響評価手続きにおける知事の91条違反について
二 中央環状品川線の2012年トラブルについて

一 豊洲新市場計画の環境影響評価手続きにおける知事の91条違反について
 11月7日、環境建設委員会におきまして環境局は「豊洲新市場建設事業」の環境影響評価書作成において、環境影響評価条例第62条の規定に基づき、事業者である東京都に同条例手続き上の違反行為があったことを認めました。環境局は同時に条例違反行為の認識を昨年9月の段階で認識したと答弁。その際、日本共産党都議団の委員は、知事が条例違反を認識しながら、事業者たる東京都に対して氏名住所、違反事実の公表という措置をとらなかったことは、同条例91条第一項違反に当たることを指摘しました。
 これに対し、環境局は「中央卸売市場からは当時から速やかに変更届を提出したいという意向が示されていました。このため、この条文は事業者の氏名等の公表により手続きの確実な遂行を担保しようとする趣旨でございますので、あえて本条を適用する必要性は考えないということでございます」と答弁し、91条違反にはあたらないとの判断を示しました。しかし、条文を見る限り、手続き上の違反行為があれば、正当な理由がない限り、「公表しなければならない」という規定となっております。
 平成28年11月1日『第二次自己検証報告書』P26「環境影響評価の変更手続きはいつ行うべきだったのか」には「事実と異なる環境影響評価をそのまま放置して変更手続きを怠ってきたことは、ミスの一言では済まされず、重大な手続き違反と捉える以外にない。」と厳しく指摘しています。しかも、当該報告書が指摘する「変更届を出すべき時期は、実施設計完了時点(平成25年2月28日)から施設建設工事着手時点(平成26年2月14日建設工事契約締結)」の期間内である平成26年2月14日に、事業者たる東京都は工期の変更や建設廃棄物発生量の増加について変更届を提出しています。この際、盛土に関する重大な変更だけが記載から漏れていたことになり、事業者としての誠実性、信頼性に重大な問題があると判断せざるを得ません。よって、以下に見解を求めます。
 環境局が「この条文は事業者の氏名等の公表により手続きの確実な遂行を担保しようとする趣旨でございますので、あえて本状を適用する必要性は考えない」と答弁していますが、91条の条文は「手続きの確実な遂行を担保しようとする趣旨」とは解釈できないと考えますが、環境局の解釈の根拠を示してください。
二 中央環状品川線の2012年トラブルについて
 2012年、中央環状品川線の南品川換気所避難路接続工事において重大なトラブルがありました。関東地方整備局が開催する「平成27年度スキルアップセミナー関東」で発表された報告書をみると、南品川換気所のシールドトンネルに避難路を接続する工事において、原因不明の圧力がトンネル本体にかかり、トンネル本体に大きな影響を与える可能性があったとされています。結果、凍結工法による土壌の膨張が原因とわかりました。
 ところが2013年4月16日に東京都と首都高がおこなった品川線工期延長のプレスリリースでは、南品川換気所で出水が発生し、これに対する時間を要したと発表されました。そこで以下、文書質問します。
1 2013年4月の東京都と首都高によるプレスリリースではなぜ、南品川換気所避難路接続工事における凍結工法が原因となった重大なトラブルを公表しなかったのか、お答えください。
2 また、出水への対応で工期が延長したと発表した、その根拠(対策工事の内容、その対策に要した期間など)ならびに出水量についてお伺いします。

平成29年第四回都議会定例会
原田あきら議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 豊洲新市場計画の環境影響評価手続きにおける知事の91条違反について
 豊洲新市場計画の環境影響評価手続きにおける知事の91条違反について、環境局が「この条文は事業者の氏名等の公表により手続きの確実な遂行を担保しようとする趣旨でございますので、あえて本条を適用する必要性は考えない」と答弁しているが、解釈の根拠を伺う。

回答
 東京都環境影響評価条例は、環境影響評価及び事後調査の手続に関し必要な事項を定めることにより、計画の策定及び事業の実施に際し、公害の防止、自然環境及び歴史的環境の保全、景観の保持等について適正な配慮がなされることを期し、もって都民の健康で快適な生活の確保に資することを目的としています。
 今回の件については、事業者からは速やかに変更届を提出したいとの意向が示されたことから、事業者の氏名等の公表により手続の確実な遂行を担保しようとする条例の趣旨に照らせば、条例第91条を適用する必要性は乏しいと考えたものです。
 都は引き続き、この条例に定める手続が適正かつ円滑に行われるよう努めていきます。

質問事項
二 中央環状品川線の2012年トラブルについて
1 2013年4月の都と首都高によるプレスリリースではなぜ、南品川換気所避難路接続工事における凍結工法が原因となった重大なトラブルを公表しなかったのか、伺う。

回答
 平成25年4月の中央環状品川線の開通時期に関する報道発表は、五反田出入口工事及び南品川換気所工事における出水対策に時間を要したため、開通時期を延期することをお知らせしたものです。
 このうち南品川換気所では、本線シールドトンネルと地下部で接続する避難路の工事を実施しました。
 本工事は、目黒川直下で行う工事であり、地下水の流入を抑えるとともに、地山の安定化を図る必要があり、地質条件と施工条件を踏まえて凍結工などの地盤改良工を行うこととしました。
 この工事では、施工中の安全を確保するため、本線トンネルにかかる力を計測していましたが、その計測値が許容値の90パーセントに迫ったため、工事を中止しました。
 この原因は、凍結工の影響であると考えられたため、本線トンネルの補強や地盤改良工の見直しを行いました。その結果、出水はあったものの、トンネル本体に影響を与えることなく、無事工事を完了しており、凍結工の影響に関しては公表しませんでした。
 なお、これらの対策について、他の事業でも生かせるよう、国が開催する「平成27年度スキルアップセミナー関東」で発表しました。

質問事項
二の2 また、出水への対応で工期が延長したと発表した、その根拠(対策工事の内容、その対策に要した期間など)ならびに出水量について伺う。

回答
 中央環状品川線の南品川換気所では、本線シールドトンネルと地下部で接続する避難路の工事を実施しました。
 本工事は、目黒川直下で行う工事であり、地下水の流入を抑えるとともに、地山の安定化を図る必要があり、地質条件と施工条件を踏まえて凍結工などの地盤改良工を行うこととしました。
 この工事では、施工中の安全を確保するため、本線トンネルにかかる力を計測していましたが、その計測値が許容値の90パーセントに迫ったため、工事を中止しました。
 この原因は、凍結工の影響であると考えられたため、本線トンネルの補強や地盤改良工の見直しを行いました。その結果、出水はあったものの、トンネル本体に影響を与えることなく、無事工事を完了しました。
 これらに要した期間は約10か月であり、総出水量については把握していません。

平成29年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 藤田りょうこ

質問事項
一 在宅人工呼吸器使用者療養支援事業について

一 在宅人工呼吸器使用者療養支援事業について
 東京都の2011年調査では、在宅人工呼吸器使用者数は842人であり、そのうち指定難病患者は417人、指定難病以外の人工呼吸器使用者は425人と、ほぼ半数になっています。
1 都はその後、同様の調査を実施しましたか?
2 調査はどのくらいの間隔で行う予定ですか?定期的に把握すべきと考えますが、都の見解を示してください。
 在宅人工呼吸器使用者の増加は、取り扱いの簡便な在宅用人工呼吸器が普及したこと、診療報酬として算定可能になったことがその背景にありますが、何よりも在宅医療を希望する患者とその家族の熱意が大きかったと思われます。
 在宅で人工呼吸療法を続けることは、病院で行う以上に大きなリスクを伴います。したがって呼吸器を持って自宅へ退院する場合は、相当の準備が必要になります。各地での災害等の発生状況から、停電が生命の危機に直結する在宅人工呼吸器使用者にとって、予備電源の整備は緊急な課題です。
 東京都は、2011年から2012年にかけて、難病であるか否かにかかわらず、在宅人工呼吸器使用者を対象とした在宅緊急時対応療養支援事業を行い、自家発電装置246件、吸引器589件という実績でした。その後、在宅人工呼吸器使用難病患者非常用電源設備整備事業と在宅人工呼吸器使用者療養支援事業に分かれましたが、
3 2013年度以降、在宅人工呼吸器使用難病患者非常用電源設備整備事業を活用して自家発電装置などを導入した方は何人ですか?そのための都の財政支出はいくらでしたか?
4 在宅人工呼吸器使用者療養支援事業を2013年から開始し現在まで、どこの自治体でこの事業を活用し、何の品目を何台導入し、利用者は何名ですか?その際、東京都の財政支出はいくらでしたか?
5 また、生命にかかわる緊急性の高い自家発電装置の普及を、よりいっそう進めるべきと考えますが、在宅人工呼吸器使用者療養支援事業の活用実績について、都はどのように捉えていますか?
 難病患者の避難計画については、当該の保健所保健師が関与して個別計画を作成しています。この際、担当の中心が明確なので業務もわかりやすく、滞ることなく作成ができています。
6 東京都の、在宅人工呼吸器使用者療養支援事業を活用する際必要な、個別の支援計画は誰がどのように作成するのですか?
 ある医療機関では、当該自治体に都の在宅人工呼吸器使用者療養支援事業の活用が早急にできるよう求めています。しかし、自治体では全体計画の作成が終わってから個別支援計画を作るスケジュールとしており、いつになるかは明らかになっていません。また、ある自治体では、難病患者については対応するが、難病以外の方については今後の課題、とした上で、地域防災計画に組み込む予定なし、としています。
7 東京都として、在宅人工呼吸器使用者療養支援事業の活用に際し、自治体の全体計画の作成は必要なものですか?
8 東京都としては在宅人工呼吸器使用者療養支援事業を普及するために、2016年10月各会計決算特別委員会第二分科会での事業に関する質疑以降、区市町村に対してどのように働きかけを行ってきましたか?また今後も、どのような働きかけや、指導を行う予定ですか?
 在宅で安心して生活できるためには、人工呼吸器を使用しながら生活している方にとって、制度の違いは大きな格差だと感じています。
9 自家発電装置の助成制度が、難病とそれ以外で別々の制度になっている合理的理由は何ですか?制度を統一すべきと考えますが、都の見解をお示しください。

平成29年第四回都議会定例会
藤田りょうこ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 在宅人工呼吸器使用者療養支援事業について
1 都の2011年調査では、在宅人工呼吸器使用者数は842人であり、そのうち指定難病患者は417人、指定難病以外の人工呼吸器使用者は425人と、ほぼ半数になっている。その後、同様の調査を実施したか伺う。

回答
 平成23年度に実施した「災害時の在宅人工呼吸器使用難病患者に係る人工呼吸器等実態調査」は、東日本大震災を受け、災害時における人工呼吸器使用者の停電への準備状況を確認することを目的として、緊急に実施したものであり、以降は同様の調査を実施していません。
 在宅人工呼吸器使用者への支援は、避難行動要支援者対策の一環として区市町村が取り組んでおり、都は、区市町村が適切に支援できるよう、「東京都在宅人工呼吸器使用者災害時支援指針」及び「災害時個別支援計画作成の手引」を策定し、人工呼吸器使用者の把握並びに平常時からの準備及び発災時の支援方法を示しています。

質問事項
一の2 調査はどのくらいの間隔で行う予定か。定期的に把握すべきと考えるが、都の見解を伺う。

回答
 災害対策基本法第49条の10第1項では、「市町村長は、当該市町村に居住する要配慮者のうち、災害が発生し、又は災害が発生するおそれがある場合に自ら避難することが困難な者であつて、その円滑かつ迅速な避難の確保を図るため特に支援を要するもの(以下「避難行動要支援者」という。)の把握に努める」と規定されています。
 在宅人工呼吸器使用者への支援は、区市町村が避難行動要支援者対策の一環として取り組んでおり、都は、そのための指針及び手引を策定し、区市町村に配布しています。

質問事項
一の3 2013年度以降、在宅人工呼吸器使用難病患者非常用電源設備整備事業を活用して自家発電装置などを導入した方は何人か。そのための都の財政支出はいくらだったか伺う。

回答
 平成25年度から開始した在宅人工呼吸器使用難病患者非常用電源設備整備事業を活用し、医療機関を通じて自家発電装置等を無償貸与された難病患者は、平成28年度までに、117人となっており、都の支出は12,789,320円です。

質問事項
一の4 在宅人工呼吸器使用者療養支援事業を2013年から開始し現在まで、どこの自治体でこの事業を活用し、何の品目を何台導入し、利用者は何名か。その際、都の財政支出はいくらだったか伺う。

回答
 平成25年度に開始した在宅人工呼吸器使用者療養支援事業の実績は、平成26年度に、新宿区が自家発電装置を3台導入し、利用者は3名で、都の支出額は152,000円となっています。
 また、平成29年度に、新宿区から自家発電装置を4台導入し、利用者は6名とする事業計画で補助金の交付申請が出されており、内示額は203,000円となっています。

質問事項
一の5 生命にかかわる緊急性の高い自家発電装置の普及を、よりいっそう進めるべきと考えるが、在宅人工呼吸器使用者療養支援事業の活用実績について、都はどのように捉えているか伺う。

回答
 都は、東日本大震災を受け、緊急対策として、平成23年度及び平成24年度に、在宅療養患者の人工呼吸治療を実施する医療機関に対して、非常用電源装置等の整備を支援する在宅療養患者緊急時対応支援事業を実施し、自家発電装置246件、外付けバッテリー・無停電装置790件、吸引器589件等を整備しました。
 都は、新たに在宅で人工呼吸器が必要となる患者など、非常用電源装置等が必要な方への支援が進むよう、今後とも、区市町村に対し、在宅人工呼吸器使用者療養支援事業の活用を働きかけていきます。

質問事項
一の6 都の在宅人工呼吸器使用者療養支援事業を活用する際必要な個別の支援計画は誰がどのように作成するのか伺う。

回答
 災害時個別支援計画は、在宅人工呼吸器使用者などの避難行動要支援者とその家族などが個別の状況に応じて災害時に適切な行動が取れるよう、区市町村が作成しています。
 都が作成した「東京都在宅人工呼吸器使用者災害時支援指針」では、区市町村の障害福祉担当部署や保健担当部署等が、関係者(かかりつけ医、訪問看護師、介護専門支援員、ホームヘルパー等)と連携しながら、患者・家族を交えて、災害時個別支援計画を作成するよう示しています。

質問事項
一の7 都として、在宅人工呼吸器使用者療養支援事業の活用に際し、自治体の全体計画の作成は必要なものか伺う。

回答
 在宅人工呼吸器使用者療養支援事業の補助要件は、「災害時の個別計画で、使用者が対象品目を準備する必要があることを確認できること」となっています。

質問事項
一の8 都としては在宅人工呼吸器使用者療養支援事業を普及するために、2016年10月各会計決算特別委員会第二分科会での事業に関する質疑以降、区市町村に対してどのように働きかけを行ってきたか。また今後も、どのような働きかけや指導を行う予定か伺う。

回答
 都は、区市町村に対して、包括補助に関する説明会等を通じ、在宅人工呼吸器使用者療養支援事業の周知を図っています。
 また、次期東京都保健医療計画においても、在宅療養患者を支える地域の取組の促進について盛り込むこととしており、在宅人工呼吸器使用者に対する災害時個別支援計画の作成を区市町村に働きかけるなど、災害時の要支援者への支援体制の確保に向けた取組を進めていきます。

質問事項
一の9 自家発電装置の助成制度が、難病とそれ以外で別々の制度になっている合理的理由は何か。制度を統一すべきと考えるが、都の見解を伺う。

回答
 在宅人工呼吸器使用者への非常用電源装置等の支援は、難病患者については、入院治療が必要となった重症難病患者に対する入院施設の確保及び受入れ体制等の整備を円滑に行うため、難病医療拠点・協力病院への医療機器の整備を推進する国の制度の一環として行われており、都は、独自に対象となる医療機関を拡大して実施しています。
 難病患者以外については、区市町村が避難行動要支援者対策の一環として実施しており、都は区市町村の取組を包括補助で支援しています。

平成29年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 上田令子

質問事項
一 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターについて
二 教員による子どものいじめ行為について
三 教員の負担軽減と部活動について
四 障がい児・者に対する権利保障、合理的配慮の取組について
五 都職員の待遇と服務について
六 舛添都政の遺物である「都市外交基本戦略」について
七 選挙人名簿について
八 少額随意契約の適正性担保について
九 知事と都議会の関係について

一 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターについて
 本年6月9日「東京都が設立した独立行政法人の病院で、去年7月からの1年近くの間に、人工心臓をつける手術を受けた患者5人のうち3人が亡くなり、都が立ち入り検査を行っていたことがわかりました。小池知事は「管理体制に問題はないことを確認している。実施している心臓手術については定期的に外部からの評価を受けている」と述べました。東京都福祉保健局によりますと、都が設立した独立行政法人の病院で東京・板橋区にある「東京都健康長寿医療センター」で、去年7月からの1年近くの間に、重い心臓病のために人工心臓をつける手術を受けた患者5人のうち20代の患者を含む3人がその後、死亡したということです。今年5月に外部から連絡があり、都が立ち入り検査を行って手術の実施状況や管理体制などを調べましたが、問題は見つからなかったということです。これについて、小池知事は9日の記者会見で「管理体制に問題はないことを確認している。実施している心臓手術については定期的に外部からの評価を受けている。立ち入り検査の中で、今後も評価を受けるよう伝えた」と述べました。」とのNHKニュース報道がありました。
 一方、本年9月に平成28年度地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター業務実績評価書が公表され、本年第三回定例会にて、同センターについて地方独立行政法人法第25条の規定に基づき、東京都が地方独立行政法人の中期目標につき、平成30年4月1日から平成35年3月31日までの5年間を中期目標の期間とし、都民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項、業務運営の改善及び効率化に関する事項等が定められたところです。中期目標の根幹をなす、そもそもの健康長寿医療センターの基本理念は、「地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターは、高齢者の心身の特性に応じた適切な医療の提供、臨床と研究の連携、高齢者のQOLを維持・向上させるための研究を通じて、高齢者の健康増進、健康長寿の実現を目指し、大都市東京における超高齢社会の都市モデルの創造の一翼を担います。」としており、その医療の対象は高齢者となっております。なぜ、高齢者向けの地域医療を提供する同センターにおいて、難易度の高い植込型補助人工心臓手術が行われ、しかも25歳という若年に行われしかも死亡してしまったのか都民も大きな関心をもっていることから以下につき確認させて頂きます。
1 東京都地域医療構想のもと、都立病院、東京都が所管する地方独立行政法人、公社病院・民間総合病院、地域密着型医療機関においては、それぞれの専門性と機能に応じた役割分担をすることで東京都全体の都民医療を支えております。つきましては、東京都健康長寿医療センターの設置目的と果たすべき役割について改めてお示しください。
2 植込型補助人工心臓手術は、心臓移植適応の重症心不全患者を対象としており、心臓移植の適応年齢は65歳未満が望ましいとされています。「高齢者に対する専門医療」という施設の設置目的と、20代に対する植込型補助人工心臓手術との整合性について明確な説明をお願いいたします。なお「医療法上は問題ない」ということも「応召義務がある」ことは十分に知っていての確認です。医療法上の問題ではなく、そもそもの同センターの機能、存在意義、地域医療構想の理念にのっとった本来の機能に照らし合わせて適切な医療なのかをどうとらえているか確認させて頂きます。
3 今年5月の外部からの通報を受けての東京都立ち入り検査とその後の状況につき、時系列で具体的にご説明ください。その際に東京都の担当者、板橋区及び保健所等同行した担当職員についても明記をお願いいたします。立ち入り検査における指導内容詳細も含めてご報告ください。
4 外部有識者を含む事例検討会が行われたようですが、その委員、日時内容につきお示しください。あってはならないことなので確認しますが、この委員と、責任者であるセンター長と利益相反になる関係性はなかったのか確認のため、委員はどのような観点から選任したのか伺います。
5 平成29年第3回板橋区議会の決算審査においても、この事案の疑義が質されました。保健所長が審査に携わり「外部委員を入れた私どもも参加し会議もした」と答弁をしています。本来医療機関を厳しく監視チェックしなければならない外部有識者会議に保健所長が参加して良いのか、服務や運用に照らし合わせて問題はないのか、都の見解をお示しください。
6 同センターがいつ、どの医師によって植込型補助人工心臓手術を開始したのか、その医師らはいつ同センターに着任したのか。その医師らが着任前に同オペは実施していたのか。開始以降今日までの手術件数と死亡件数、死亡した方の場合は術後どのくらいの期間で死亡したのか、生存者の生存期間についてもお答えください。
7 同オペの全国平均の360日後の生存率は、J―MACS(日本における補助人工心臓に関連した市販後のデータ収集)によると、92%である。一方、統計の考え方の違いはあるにせよ、同センターの死亡事例3例がいずれも術後360日に満たずに亡くなっていることについての見解を伺います。
8 同オペを受けるにあたりインフォームドコンセントはあったのか、一連の診察治療にあたって、正確なカルテ記載等書類作成は行われたのか、カンファレンスの場で医師だけではない他の医療従事者職員からの意見が出た場合反映されたのか、患者サイドに拒否権はあったのか確認します。
9 心臓外科手術は、医師はもちろん、専門技術を要する医療スタッフが不可欠です。症例数が多ければ多いほど、医療技術も習熟するものと考えますが、近年同センターで突如として開始された植込型補助人工心臓手術を支えるスタッフ体制、機器体制は、どのように整っているか確認させて頂きます。合わせて同オペ開始と同時に専門スタッフを採用したのか、既存スタッフを教育したのかについて技術担保体制についても詳しくお答えください。
10 同オペの実施にあたり新規に導入した機器に関しての経緯と決裁過程、決裁者、金額をお示しください。
11 同オペが開始される1年前からこれまでのICUの病床数と稼働状況について月別でお示しください。
12 Jarvik2000植込型補助人工心臓システムにつきセンチュリーメディカル株式会社より大規模な製品自主回収の報告が平成29年11月16日にありました。同センターにおいての同オペ全ての事例に関して確認をしているか、カンファレンスにおいて不具合を指摘した医師はいなかったのか、いたとしたら報告はどうなっていたのか説明ください。当然のことながら該当する患者に情報提供と説明をしたのか、代替対応策と他のシステム導入についてはどうするのかも問います。
13 地方独立行政法人において、ことに「白い巨塔」と言われる医療現場のハイエラルキーが指摘されて久しいなか、立場上異議を唱えることのできない職員の声をどう受け止めているか、受け止められているか懸念をするものです。同センターにおける公益通報のできる組織風土、パワーハラスメント等あらゆるハラスメント撲滅対策と現状の課題につきご説明ください。
 また、センター院内会議などでハラスメントが行われているか、都は把握をしているか。把握していたとしてどのような対策をとったか。把握していなかったとして、調査など行わないか、伺います。
14 医療現場において医師確保は喫緊の課題なことは理解します。しかしながら、他の専門性も高く症例も多くスタッフ機器と技術のハードもソフトも整った医療機関へ患者を紹介をすればいいだけの話なのに、なぜ同センターにおいて、高齢者ではない僅か25歳の死亡者を出してまで、難易度の高い患者に対し同オペをしなければならないのかどうしても疑問が残ります。他の医療機関において医師不足だったのでしょうか?医師に属している医療技術を提供することが自治体病院の役割ではないはずです。ことに高齢者に特化して評価の高い同センターは、本来病院が提供する医療に専念すべきと考えますが、見解を問います。
15 政府においては医療財源の枯渇を危惧している状態のなか地域包括型医療のなかで、この病院の果たす役割以外の診療を続けることへ私は深い懸念をもっており、さらに同センターの経営状況は非常に厳しいものがあります。だからこそ、設立趣旨にのっとった自治体医療に専念すべきであると申し上げております。他の病院ができるコストのかかる同センターの得意分野外の難易度の高い心臓手術の必要性を問うにあたりそのコストからの評価も考えたいと思います。高度な医療の提供にあたっては、多くの費用がかかるものと思われます。バランスシートや損益計算書が読み込める経営者の必要性は高く、今後の同センターの、コストや診療科目・内容についてのマネジメント体制を誰がどうしていくのか具体的にご説明ください。
二 教員による子どものいじめ行為について
 去る平成29年11月24日に平成29年度東京都公立学校における「いじめの認知件数及び対応状況把握のための調査」結果が公表されました。児童・生徒間のいじめが主体となるのは理解できるところではありますが、ここ数年服務違反にかかる教員から児童への、いじめ(体罰も含む)が新聞報道となったり、上田への情報提供・相談が寄せられ実際に、部活顧問の退任、服務処分が下る事例がありました。東京都では平成26年1月23日に体罰根絶に向けた総合的な対策を策定し、その際に「体罰ガイドライン」を定めております。体罰関連行為として名称「暴言等」特徴「精神的苦痛・負担」とし、内容は「教員が、児童・生徒に、恐怖感、侮辱感、人権侵害等の精神的苦痛を与える不適切な言動」であり、具体例として「罵る、脅かす、威嚇する、人格(身体・能力・性格・風貌等)を否定する、馬鹿にする、集中的に批判する、犯人扱いするなどの言動を行った場合」をあげ、懲戒対象となるとしています。つきましては、以下についておたずねいたします。
1 教員による児童・生徒への服務事故対象となるイジメやイジメによる暴力があった場合の対応を時系列でお示しください。
2 上記1について、過去5年間の事案と、対応状況を具体的にお示しください。
3 担任による不適切な言動により、児童が不登校となり新聞報道となった小学校において、いじめに関するアンケートを行ったところ、すでに進級し当該教員は担任を外れていたところ、校長より「過去のことは対象外、今のことを答えなさい」との指導がありました。いじめに時効はありませんし、アンケートは、児童・生徒の心に寄り添うものですから、どこまでも過去にさかのぼっても全く問題ないはずです。このような具体事例を目の当たりにし、被害者である子どもへのアンケート・ヒアリングについて、率直な意見を封じる等、隠ぺいすることなく公平公正に行われているか強く懸念するものです。12月8日には、青森県東北町上北中1年の男子生徒(当時)が昨年8月、いじめ被害を示唆するメモを残して自殺した問題で、町の再調査委員会が、学校がいじめに関するアンケートを破棄したことを明らかにいたしました。教育以前の人間の尊厳・感情と乖離した学校現場の価値観には全国民が唖然とし、報道を見た全ての子どもたちは静かに失望したのではないでしょうか。つきましては、教員による児童への、いじめ行為について、子どもの人権を守りながらどのような調査をしているか。文書は適切に保管され、活用されているかを具体的にご説明ください。
4 いじめ事案が発覚した後、児童・生徒の子どもの権利条約の理念に沿ったサポート、保護者への説明責任はなされているか、伺います。
5 児童・生徒へのいじめを行った教員が、妊娠出産等二義的な理由により服務事故の調査ができない、処分等を下せない事例はあるか?あるとして、その間の子どもと保護者へのケア・サポートはどうしているか。卒業してしまった場合でも連絡をしているのか?その後の児童・生徒へのケア、保護者への情報提供はどうなっているか伺います。
三 教員の負担軽減と部活動について
 平成29年11月28日に開催された、東京都の都政改革本部の会合で、長時間労働が指摘される教員の負担軽減などについて議論がなされたことは評価するものです。一方、その解消案として部活動の指導員や看護師といった専門的な外部人材を派遣するなど教育現場の支援に向けて新たな外郭団体の設立などを検討していく方針が、同じ都政改革本部において、監理団体改革にも着手しているにも関わらず打ち出されたことには、強い懸念を持つものであります。都は私の文書質問に「民間スポーツクラブの指導者や地域の専門的指導者を、外部指導員として部活動に導入することは、部活動を活性化するための有効な手段の一つとなります。このため、都教育委員会は、都内公立中学校の外部指導員導入費用の一部を補助する事業や、中学校体育連盟と連携し、外部の専門的指導者による強化練習会を実施してきました。今後とも、学校が積極的に部活動に外部指導員を導入するよう、区市町村教育委員会に働きかけていきます。」とご答弁頂いていることからも、以下について伺います。
1 教員の負担軽減にむけて、部活動がどのように教員に負担をかけているか等実情についてお示しのうえ、現在講じている具体的な対策を伺います。
2 その対策では解決しえない今後必要な対策や課題、そのために必要な対応策あるいは組織・制度について伺います。
3 すでに、都は、東京都体育協会や東京都スポーツ文化事業団等と、スポーツ指導者養成について協力体制が整っておりますし、前述したように民間スポーツクラブ等外部専門的指導者の導入実績もあります。教員の負担軽減解消のため、新たな外郭団体の必要性があるのか、これまでの協力団体、既存の地域ボランティア、各スポーツ団体・NPOなど外部民間力では対応できないのか、現場の声を中心とした所見を伺います。
4 新規外部団体が必要とした場合の、人員確保・施設及び予算への考え方をお聞かせください。
5 かねてより上田は、いわゆるブラック部活問題解決にむけての質疑を重ねてきました。都は「顧問教諭による体罰が発生した場合、部活動の指導を禁止し、その後復帰させる場合には、校長が生徒・保護者の理解を得るとともに、加害顧問教諭の反省状況や生徒の心理状況等を総合的に判断し、指導するに当たっては複数指導体制を整えた上で部活動指導を許可する」と答弁しています。過去3年にわたる、部活が禁止された事例と理由、その後の都の対応につきご説明ください。
6 学習指導要領によれば「生徒の自主的、自発的な参加により行われる部活動については、スポーツや文化及び科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等に資するものであり、学校教育の一環として、教育過程との関連が図られるよう留意すること。その際、地域や学校の実態に応じ、地域の人々の協力、社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携などの運営上の工夫を行うようにすること。」とあります。日本国外へ目を向ければ、スポーツは楽しむものであり「努力・根性」「しごき」が横行する日本の部活動やスポーツの体質とは彼我の差があります。運動を楽しむはずの部活動で、体罰やしごき・いじめに追い詰められた児童・生徒が事故や自殺でどれだけ命を落としたり、障がいを負うことになったり、心の傷を受けたことでしょうか。これは子どもの権利条約第六条の理念等に明確に反するものであります。脱ブラック部活にむけ東京五輪をきっかけとし、教師にも子どもにも保護者にも苦痛の多いつらい部活動から、アスリートを目指すような運動神経の良い子も、ただ運動を楽しみたい子も、スポーツを楽しむワクワクとした部活動へ可及的速やかに転換する必要性を感じます。体育的指導において、昨年は頚椎骨折事故、本年は熱中症による意識不明となるあってはならない事故が都立高校で発生している事実をふまえ、都の問題意識と対策、所見を確認いたします。
四 障がい児・者に対する権利保障、合理的配慮の取組について
 本年12月8日、東京都主催による「障害者差別解消法シンポジウム」が練馬区立区民・産業プラザで開催されました。このような取組は、同法やその基となる障害者の権利に関する条約の理念の普及に資するものです。当日は、福祉保健局の若手職員が中心となり、意欲的な企画・運営がされたと聞いております。
 つきましては、これに関連して、以下、伺います。
1 シンポジウムの成果について、ご報告ください。
2 シンポジウムにおいて、「合理的配慮」の訳し方、解釈について、基調講演者とパネルディスカッションのコーディネーターとの見解が異なったようだが、どのようなことか、ご説明ください。また、それについての都としてのご所見があれば、お示しください。
3 シンポジウムの成果を、現在策定中の障害者への理解促進等の条例策定に反映させ、全庁的に反映させていくか、今後の取組を具体的にご説明ください。
4 公教育における合理的配慮について、教育委員会として基本的な考え方と現状認識をお示しください。
5 都や各区市町村は、障害及び社会的障壁により継続的に学校生活に相当な制限を受ける状態にあり、支援を必要とする生徒に対する介助を行う職員として、介助員を導入しています。必要数が充足しているか等、都立高等学校等における現状、各区市町村における取組状況について、ご説明ください。
6 都立高等学校等や各区市町村における介助員について、障害種別ごとに課題をご説明ください。
7 中学校、高校における障がいのある生徒の進路指導と高校入試における合理的配慮の取組と課題について、ご説明ください。
8 本年8月23日、都立知的障害特別支援学校高等部の部活動において、生徒が熱中症による脱水症状となり、意識不明となる重大事故が発生しました。本件事案に関連し、以下、伺います。
 ア 事故の状況、経緯、対応について、ご説明ください。
 イ 救急車が到着するまでに時間を要したと聞くが、具体的な対処の状況を時系列に、誰が何を判断したのか、具体的にご説明ください。
 ウ 当該学校における部活動の取組状況と成果について、就業技術科と肢体不自由教育部門の別にご説明ください。
 エ 特別支援学校高等部における職業科の設置の経緯と現状について、ご説明ください。
 オ 特別支援学校高等部における職業科の入学者選考の方法について、ご説明ください。
 カ 特別支援学校高等部における職業科卒業者の進路実績について、ご説明ください。
 キ 特別支援学校高等部においては、視覚・聴覚対象には専攻科が置かれているが、それ以外には置かれていません。その理由をご説明ください。
 ク 本件事案を受けての原因解明・再発防止策と、それをいかに各学校で共有していくかについて、取組状況とご所見をください。
五 都職員の待遇と服務について
 本年も都職員の報酬や服務について、たびたび、報道がありました。これに関連して、以下、伺います。
1 知事特別秘書の設置根拠と法的地位、任期、任免権について、ご説明ください。
2 知事特別秘書の給与の積算根拠、積算額について、月額本給、諸手当、その他について、ご説明ください。
3 知事特別秘書が順守しなければならない服務上の規範について、ご説明ください。政治活動に規制があるのか、ご説明ください。
4 知事特別秘書の職務権限、決裁権について、ご説明ください。
5 知事特別秘書の勤務実績について、都はどのように把握しているか、ご説明ください。
6 都職員による、破廉恥行為による服務事故が報じられています。
 ア 一昨年度からの把握の状況と処分の実績について、ご説明ください。
 イ 再発防止に向けた取組状況について、ご説明ください。
 ウ 懲戒処分と示談、刑事処分の関係について、ご説明ください。
 エ 当該職員が否認していた場合の服務監察のあり方について、ご説明ください。
 オ 懲戒処分を受けた者の職場配置の考え方について、ご説明ください。
六 舛添都政の遺物である「都市外交基本戦略」について
 東京都が伝統的に行ってきた姉妹・友好都市交流を主軸に据えた、国際的な都市間交流は、国際平和の進展に貢献するものであり、次の四つの側面を有するものだと私は考えております。
 その第一は、政治部門、すなわち理事者、議会の間の交流です。狭義の都市外交ともいえます。
 第二は、職員間の交流です。これにより実務上の問題の解決に向けた行政技術の共有が期待されます。
 第三は、民間交流の支援。民間交流の促進のための環境整備です。
 第四に、これらを包括するものとして、東京の都市ブランドの売り込み、PRです。
 これらは相互にリンクして展開されるものであり、シナジー効果が発揮されるものです。
 つきましては、舛添都政の遺物である「都市外交基本戦略」について、以下、伺います。
1 「都市外交基本戦略」の実施状況、成果、課題、見直しの要否につき、ご所見をお示しください。
2 「アジア大都市ネットワーク21」の活動状況、見直しについて、現状をご説明ください。
3 都市外交関係予算の執行状況、施策の進捗状況について、現状をご説明ください。
4 都市外交人材育成基金の運用状況、利活用の実績について、ご説明ください。
5 アジアヘッドクォーター特区の取組状況、外国企業の誘致実績について、ご説明ください。
6 知事は、昨年10月5日の私の一般質問への答弁で、「延遼館は、迎賓機能のほか、日本文化の体験、学習の機能を有する施設として、基本設計が本年8月に完了したと報告を受けてはおります。建設のコスト、将来的な維持管理に係るコストなど十分に検証した上で判断することといたします。」と発言されました。その後の取組状況をご説明ください。
7 外務省から出向している外務長及び都市外交担当部長の昨年度と今年度における活動実績を、同行者や経費を含めてお示しください。
8 港湾局は、新東京丸に替わる視察船をイタリアの造船会社「アジムット・ベネッティ社」に発注しています。議会で報告された図面によると、クルーザーの全長は35メートルで、デッキは3層でエレベーターまであります。3階は海が一望できる展望デッキで、2階の応接室には、10人掛けのダイニングスペースやラウンジもあります。1階(上甲板)は会議室で、27人掛けの大テーブルに加え、窓側の座席も31席ほどあります。入札・契約の状況と、そもそもの必要性について、ご説明ください。
9 都立迎賓施設「延遼館」について
 平成28年12月1日小池知事所信表明にて都立迎賓施設「延遼館」見直しを明らかにしました。平成27年度は基本設計1億円、28年度は実施設計3億円と示されておりました。
 私は、本会議、委員会、文書質問において、年に7回程度しか使用しないことから民間貸し出しを開始した迎賓館赤坂離宮などの国の既存施設との重複があることや、都の誇る庭園・博物館・美術館等の都有施設の賓客室でおもてなししてはどうかと提案をしておりました。小池知事もインバウンドに都有施設を有効活用することも示されています。つきましては、
 ア 知事発言を受けての予算も含めてのこれまでの経緯と今後についてご説明下さい。
 イ 「延遼館」がなくとも、東京2020大会会場に近接する浜離宮恩賜庭園の価値は高く「浜離宮恩賜庭園マネジメントプラン」に基づき有効活用すべきと考えます。同プランは「固定的なものではなく、目標や計画は継続的に見直し・改善を図るとともに、社会経済情勢の変化等への対応が必要となった場合には、柔軟に必要事項等について再検討を行い、適宜見直し改善を行っていく」としています。現在私の地元の都立葛西臨海公園において都はラムサール条約保全地域登録を目指す考えを示していることから、「葛西沖に野鳥が集中すると貝類が激減して漁業に支障を来たす。野鳥が棲める場所を東京港内随所に点在するよう、海洋環境・港湾整備策を行って欲しい」との声が漁業関係者から届いております。中央区においても、「中央区環境保全ネットワーク」という区民グループが中心になって、浜離宮恩賜庭園にてクリーンエイドと野鳥観察会を行い、区も無料券を発行する等四季折々の花を楽しみ地域住民に愛されています。こうした美しい江戸情緒と自然こそ、外国人観光客は喜ばれるのではないでしょうか?自然との共生・環境保全を重視した今後の柔軟なマネジメントプランと所見を伺います。
七 選挙人名簿について
1 各区市町村における選挙人は選挙人名簿の閲覧ができるとされているが、根拠と権利性の有無について、ご説明ください。
2 各区市町村の選挙管理委員会が、選挙人名簿の閲覧につき、方法や時間、人数を制約する場合があるが、現状を把握していますか。また、その根拠と妥当性について、ご所見をお示しください。
八 少額随意契約の適正性担保について
1 局別の平成28年度の少額随意契約の件数及び契約金額について、伺います。
2 少額随意契約については、その予定価格の上限が工事請負契約では、250万円と決められているとのことでありますが、その予定価格の算定方法について、どのように運用されているか、伺います。
3 適正に算出された予定価格が、250万円を超えた場合、地方自治法及び同施行令の規定において、見積もり合わせ随意契約の予定から、競争入札に変更しなければならないと思いますが、競争入札に変更した事例は、契約所属別でどれだけあるのか、うかがいます。また、仮に、事例が無いということは、当初予定された少額随意契約が予定価格の算出を行った際、随意契約の上限金額である250万円を超えた場合、事実上、「分割発注」を行うということなのか、伺います。
4 本年11月28日の財政委員会の質疑に対する、契約調整担当部長の答弁に「過度な分割発注」の抑止を財政局が、各局の契約所管部署に通知をしたとありますが、その「過度」と判断されるのは具体的にどのような状況なのか、お示しください。
5 昨今報道された小笠原支庁における入札不正事案につき、把握の状況と再発防止策をご説明ください。
九 知事と都議会の関係について
 知事は、昨年10月5日の私の一般質問への答弁で、「私は、議会と知事の間には一定の緊張関係があってしかるべきだと考えておりまして、むしろこのことが二元代表制をよりよく機能させると考えます。行き過ぎた根回しや、これによるなれ合いがあるとすれば、都民も問題だと思うでしょう。都政の見える化を図りながら、都民のための政策をぶつけ合う、こうした関係により都民ファーストの都政を実現してまいりたいと思います。」と述べられました。
 一方、本年10月6日の定例記者会見において、私を含む2名の都議の都民ファーストの会からの離党を受けての問いに、知事は「とても残念なことであります。都議として、さまざまな観点から鋭い追及などもなさって、急に今度は与党側の方になられたということで、やり方なども、これまでとは若干違う部分もあろうかと思います。そういう中で、いろいろなご不満もおありだったことに対しては、残念に思うところでございます。その上で申し上げると、お二人が離れられるということで極めて残念でございますが、今、他会派から「都民ファーストの会の会派に入りたい」というご希望の方も伺っておりますので、これについては、それぞれ流動的というのがこれからも続くのではないか。むしろ、都民ファーストの会で、そして、その会派にご参加いただけるということもあろうかと思っております。」と述べられました。両者の発言は事実であり、真意はどこにあり、齟齬は無いのか、ご所見をお示しください。

平成29年第四回都議会定例会
上田令子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターについて
1 東京都健康長寿医療センターの設置目的と果たすべき役割について改めて伺う。

回答
 都は、地方独立行政法人法に基づき、都議会の議決を経て定款を定め、平成21年4月に地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターを設立しました。
 定款では、高齢者のための高度専門医療及び研究を行い、都における高齢者医療及び研究の拠点として、その成果及び知見を広く社会に発信する機能を発揮し、もって都内の高齢者の健康の維持及び増進に寄与することを法人の目的としています。
 また、都は、同法に基づき、都議会の議決を経て法人が達成すべき業務運営上の目標である中期目標を定めており、平成25年度から平成29年度までを期間とする第二期中期目標では、血管病、高齢者がん及び認知症を重点医療と位置付け、重点医療のより一層の充実や救急医療の充実など、医療体制の強化を図ることとしています。

質問事項
一の2 植込型補助人工心臓手術は、心臓移植適応の重症心不全患者を対象としており、心臓移植の適応年齢は65歳未満が望ましいとされている。「高齢者に対する専門医療」という施設の設置目的と、20代に対する植込型補助人工心臓手術との整合性について伺う。

回答
 健康長寿医療センターの定款では、高齢者のための高度専門医療及び研究を行い、都における高齢者医療及び研究の拠点として、その成果及び知見を広く社会に発信する機能を発揮し、もって都内の高齢者の健康の維持及び増進に寄与することを法人の目的としています。
 センターは、医師法・医療法をはじめとする医療関連法令に基づき、公的医療機関として、その有する医療機能を生かし、救急医療をはじめ、高齢者に限らず広く都民に対し医療を提供しています。
 医療関連法令には、患者の対象年齢を限定する規定はありません。

質問事項
一の3 今年5月の外部からの通報を受けての東京都立ち入り検査とその後の状況につき、時系列での具体的な説明を伺う。その際に東京都の担当者、板橋区及び保健所等同行した担当職員について、立ち入り検査における指導内容詳細も含めて伺う。

回答
 都は、平成29年5月10日、外部からの通報を受け、直ちに医療法第25条第1項に基づく立入検査を実施しました。
 この立入検査では、植込型補助人工心臓の手術について、手術の適応、管理体制など、実施体制に問題はないことを確認しました。
 また、同年8月9日に実施した医療法第25条第1項に基づく定例の立入検査では、病院の人員や構造設備などを検査し、安全管理委員会構成員の確保や職員研修の受講率向上などを指導しました。
 立入検査は、医療法第26条第1項に基づき知事から任命された医療監視員が行うことになっており、両日とも、都の医療監視員が行いました。
 なお、8月9日の立入検査には、板橋区保健所の職員が同行しました。

質問事項
一の4 外部有識者を含む事例検討会が行われたようだが、その委員、日時内容について伺う。また、この委員と、責任者であるセンター長と利益相反になる関係性はなかったのか確認のため、委員はどのような観点から選任したのか伺う。

回答
 健康長寿医療センターでは、補助人工心臓手術に関する事例検討会を、平成29年7月10日午後3時からと、同年11月10日午後6時からの2回開催しています。
 7月10日に開催した事例検討会の構成委員は、内部委員のほか、外部委員として東京女子医科大学心臓血管外科主任教授、自治医科大学附属さいたま医療センター臨床工学部技師長、板橋区保健所長であり、植込型補助人工心臓手術後に死亡した3例に対し、個々の手術適応の妥当性や死亡要因について検証を行いました。
 また、11月10日に開催した事例検討会の構成委員は、内部委員のほか、外部委員として北海道循環器病院先進医療研究所所長、山梨大学医学部附属病院救急部部長、関東労災病院整形外科・脊椎外科医師、板橋区保健所長、自治医科大学附属さいたま医療センター臨床工学部技師長、帝京大学医学部附属病院感染管理認定看護師であり、外科手術全般における感染管理の状況や、7月10日の検討会以降新たに実施した植込型2例及び体外型1例の補助人工心臓手術の検証を行いました。
 検討会委員は、法人内部の医療安全管理やリスクマネジメントに係る責任者等に加え、外部委員として補助人工心臓治療や医療安全に係る知識など、当該事例を検証する上で必要な見識を有する方を選任しています。

質問事項
一の5 本来医療機関を厳しく監視チェックしなければならない外部有識者会議に保健所長が参加して良いのか、服務や運用に照らし合わせて問題はないのか、都の見解を伺う。

回答
 地域保健法において、保健所は、医事及び薬事に関する事項等について、企画、調整、指導及びこれらに必要な事業を行うものとされています。
 また、医療法第25条第1項では、「特別区の区長は、必要があると認めるときは、病院、診療所若しくは助産所の開設者若しくは管理者に対し、必要な報告を命じ、又は当該職員に、病院、診療所若しくは助産所に立ち入り、その有する人員若しくは清潔保持の状況、構造設備若しくは診療録、助産録、帳簿書類その他の物件を検査させることができる」と規定されており、その権限は、板橋区では、診療所及び助産所に対する報告の徴取及び立入検査に関する事項について、保健所長に委任されています。
 保健所長は、医療安全管理や感染症対策等、公衆衛生全般の見識を有することから、健康長寿医療センターでは事例検討会の委員として就任いただいています。

質問事項
一の6 同センターがいつ、どの医師によって植込型補助人工心臓手術を開始したのか、その医師らはいつ同センターに着任したのか。その医師らが着任前に同オペは実施していたのか。開始以降今日までの手術件数と死亡件数、死亡した方の場合は術後どのくらいの期間で死亡したのか、生存者の生存期間についても伺う。

回答
 健康長寿医療センターは、平成28年1月に植込型補助人工心臓実施施設として認定を受け、同年7月に1例目の植込型補助人工心臓手術を実施しました。執刀医である心臓外科部長は、平成24年4月に着任しています。植込型補助人工心臓手術は実施施設としての認定を受けなければ実施できません。
 平成29年12月までの植込型補助人工心臓手術の実施件数は7例であり、うち死亡事例3例の植込型補助人工心臓の装着期間は約4か月から約7か月の間となっています。
 また、他の4例の装着期間は、平成29年12月1日現在、約2か月から約1年1か月の間となっています。

質問事項
一の7 同オペの全国平均の360日後の生存率は、J―MACS(日本における補助人工心臓に関連した市販後のデータ収集)によると、92%である。一方、統計の考え方の違いはあるにせよ、同センターの死亡事例3例がいずれも術後360日に満たずに亡くなっていることについて見解を伺う。

回答
 植込型補助人工心臓手術は、2年以上の生命予後が期待できない心臓移植待機患者に実施されます。
 植込型補助人工心臓実施施設の更新基準は、植込型補助人工心臓装着例の3か月生存率が50パーセント以上とされています。死亡した3名の方は、術後3か月の段階では全員が生存していました。
 事例検討会では、死亡した3例はリスクの高い症例であったことや、手術の実施体制、患者管理は適切であったことが確認されています。

質問事項
一の8 同オペを受けるにあたりインフォームドコンセントはあったのか、一連の診察治療にあたって、正確なカルテ記載等書類作成は行われたのか、カンファレンスの場で医師だけではない他の医療従事者職員からの意見が出た場合反映されたのか、患者サイドに拒否権はあったのか伺う。

回答
 植込型補助人工心臓手術の実施に当たっては、患者本人に対して、治療の目的、必要性、具体的内容や危険性等について説明し、本人が説明を受けたことを項目ごとに確認した上で、文書による同意を得ています。
 カルテの記載は、主治医が行っており、カルテに基づく治療の経緯等は事例検討会において検証され、適切と確認されています。
 治療方針は多職種チームによるカンファレンスにおいて決定されています。
 患者に対しては、当該治療を受けるかについては患者本人の意思に基づくこと、同意した後に撤回する場合でも何ら不利益はなく、今までどおりの治療が受けられることを文書で説明しています。

質問事項
一の9 近年同センターで突如として開始された植込型補助人工心臓手術を支えるスタッフ体制、機器体制について伺う。合わせて同オペ開始と同時に専門スタッフを採用したのか、既存スタッフを教育したのかについて技術担保体制についても伺う。

回答
 植込型補助人工心臓手術実施施設の認定基準では、植込型補助人工心臓装着手術実施医基準を満たす常勤医が1名以上いること、所定の研修を修了している医療チームがあり、人工心臓管理技術認定士が1名以上いること、補助人工心臓装着の適応を検討する施設内委員会があり、補助人工心臓装着患者を統合的に治療・看護する体制が組まれていることなどの条件が定められています。
 健康長寿医療センターが定めた平成25年度から平成29年度までを期間とする第二期中期計画では、血管病疾患について、高齢者の拡張型心筋症や虚血性心筋症等の重症心不全患者に対する補助人工心臓治療の導入をはじめ、個々の患者に適した高度かつ多様な治療を提供することとしています。
 この計画に基づき、職員の研修受講や人工心臓管理技術認定士資格の取得など必要な体制整備を段階的に行い、平成28年1月に植込型補助人工心臓手術実施施設として認定を受けました。
 なお、実施施設の認定に当たり、専門スタッフの採用や新たな機器の整備は行っていません。

質問事項
一の10 同オペの実施にあたり新規に導入した機器に関しての経緯と決裁過程、決裁者、金額を伺う。

回答
 植込型補助人工心臓手術の実施に当たっては、他の心臓外科手術でも用いる既存の医療機器を使用しており、新規に導入した医療機器はありません。

質問事項
一の11 同オペが開始される1年前からこれまでのICUの病床数と稼働状況について月別に伺う。

回答
 健康長寿医療センターのICU・CCUは平成29年9月までは14床、同年10月以降は8床で運用しており、1例目の手術実施1年前の平成27年7月から平成29年12月までの稼働状況は次のとおりです。
 平成27年
 7月57.4パーセント、8月54.1パーセント、9月57.9パーセント、10月71.7パーセント、11月62.4パーセント、12月58.3パーセント
 平成28年
 1月64.7パーセント、2月70.4パーセント、3月68.9パーセント、4月62.9パーセント、5月58.8パーセント、6月43.1パーセント、7月57.8パーセント、8月55.3パーセント、9月55.5パーセント、10月66.6パーセント、11月77.9パーセント、12月60.4パーセント
 平成29年
 1月70.3パーセント、2月65.8パーセント、3月49.8パーセント、4月60.2パーセント、5月42.6パーセント、6月36.9パーセント、7月41.9パーセント、8月57.8パーセント、9月48.1パーセント、10月64.5パーセント、11月67.1パーセント、12月77.4パーセント

質問事項
一の12 植込型補助人工心臓システムにつき大規模な製品自主回収の報告があった。同センターにおいての同オペ全ての事例に関して確認をしているか、カンファレンスにおいて不具合を指摘した医師はいなかったのか、いたとしたら報告はどうなっていたのか伺う。該当する患者に情報提供と説明をしたのか、代替対応策と他のシステム導入についても伺う。

回答
 健康長寿医療センターで植込型補助人工心臓手術を行った7例のうち、4例で回収対象となる機器を使用していました。
 製造販売業者による自主回収の時点で、既に2名の方が亡くなっていましたが、装着中の2名に対しては、速やかに説明を行った上で、製造販売業者とともに当該機器に不具合がなく、今後の使用に支障がないことを確認しています。
 回収対象となった医療機器の不具合は、「ポンプに直結した体内ケーブルの体外にあるコネクター内部のワイヤーに接続不良を起こしかねない」というものですが、心臓外科のほか、リハビリテーション科、薬剤科、臨床工学科等のスタッフが参加するカンファレンスにおいて、当該不具合の内容が指摘された記録はありません。

質問事項
一の13 同センターにおける公益通報のできる組織風土、パワーハラスメント等あらゆるハラスメント撲滅対策と現状の課題について伺う。また、センターの院内会議などでハラスメントが行われているか、都は把握をしているか。把握していたとしてどのような対策をとったか。把握していなかったとして、調査など行わないか、伺う。

回答
 地方独立行政法人法では、「地方独立行政法人の業務運営における自主性は、十分配慮されなければならない」と規定されており、法人は自ら責任をもって業務を実施することとされています。
 健康長寿医療センターは、法人として、公益通報の処理に関する要綱やハラスメントの防止に関する要綱等を定め、職員からの通報・相談窓口を設置し、必要な調査や措置を講じています。
 都は個別のハラスメント事案について把握・調査を行っていません。

質問事項
一の14 ことに高齢者に特化して評価の高い同センターは、本来病院が提供する医療に専念すべきと考えるが、見解を伺う。

回答
 健康長寿医療センターは、公的医療機関として、その有する医療機能を生かし、救急医療をはじめ、高齢者に限らず広く都民に対し医療を提供しています。

質問事項
一の15 高度な医療の提供にあたっては、多くの費用がかかるものと思われる。バランスシートや損益計算書が読み込める経営者の必要性は高く、今後の同センターの、コストや診療科目・内容についてのマネジメント体制を誰がどうしていくのか伺う。

回答
 地方独立行政法人法では、設立団体の長は、議会の議決を経て法人が達成すべき業務運営に関する中期目標を定めることとされています。
 都は、健康長寿医療センターの第二期中期目標において、自律的な法人運営の基礎となる安定した経営基盤の確立に向けた取組を定め、法人に示しています。
 センターは、中期目標の実現に向けて、中期計画を定めており、平成28年度に新たに設置した医療戦略室における診療情報の分析等を踏まえ、経営戦略会議において組織や経営戦略等に関する審議を行うなど、理事長をトップとしたマネジメント体制を構築しています。

質問事項
二 教員による子どものいじめ行為について
1 教員による児童・生徒への服務事故対象となるイジメやイジメによる暴力があった場合の対応を時系列で伺う。

回答
 都の公立学校において、教員による児童・生徒へのいじめが発生した場合、校長が、いじめを行った教員及び関係者に対する事実確認を行った後、当該学校を所管する教育委員会に対して、事故報告書を提出します。
 その後、区市町村立学校における事故を例に挙げると、区市町村教育委員会が、当該教員等に対して更に事情聴取を行った上で、都教育委員会に事故報告書を提出します。都教育委員会は、事故報告書に基づき、当該教員に対して事実確認を行い、認定した事実により、処分量定を決定します。

質問事項
二の2 上記1について過去5年間の事案と、対応状況について具体的に伺う。

回答
 過去5年間において、教員が、児童・生徒に対していじめを行ったと認定した事案はありません。

質問事項
二の3 教員による児童への、いじめ行為について、子どもの人権を守りながらどのような調査をしているか。文書は適切に保管され、活用されているか、具体的に伺う。

回答
 教員による不適切な行為に関する経緯等を明らかにするため、学校は、校長の責任の下に、当該教員及び児童・生徒の双方から聴き取りを行うとともに、必要に応じて、他の児童・生徒にも聴き取りやアンケートを行うなどして、調査しています。
 特に、不適切な行為の対象となった児童・生徒から聴き取りを行う際には、当該児童・生徒が最も信頼している教職員に面接を担当させるなど、心情に配慮した対応に努めています。
 また、校長は、所管の教育委員会の規定等に基づき、調査結果を文書等にまとめて同教育委員会に提出するとともに、この文書を、定められた期間保存することになっています。

質問事項
二の4 いじめ事案が発覚した後、児童・生徒の子どもの権利条約の理念に沿ったサポート、保護者への説明責任はなされているか、伺う。

回答
 教員により、児童・生徒に対して不適切な行為が行われたことが明らかとなった場合、校長は、当該児童・生徒やその保護者に対して、教員の行為が行われた経緯等を丁寧に説明し、不適切であったことを謝罪するなどして、学校への信頼回復に努めています。
 また、当該児童・生徒が、その後、安心して学校に通うことができるよう、教員やスクールカウンセラーが、適切に心のケアを行うとともに、必要に応じて、東京都教育相談センター等の相談機関と連携を図るなど、各学校において、児童・生徒への支援を行っています。

質問事項
二の5 児童・生徒へのいじめを行った教員が、妊娠出産等二義的な理由により服務事故の調査ができない、処分等を下せない事例はあるか。ある場合、その間の子どもと保護者へのケア・サポートはどうしているか。卒業してしまった場合でも連絡をしているのか。その後の児童・生徒へのケア、保護者への情報提供はどうなっているか伺う。

回答
 妊娠出産等の理由により、児童・生徒に対していじめを行った教員に対する事実確認等を行うことができなかった事例はありませんが、児童・生徒等に対するサポート等については、当該事故が発生した学校において、設置者である区市町村教育委員会等と連携し、適切に対応するべきものと考えます。

質問事項
三 教員の負担軽減と部活動について
1 教員の負担軽減にむけて、部活動がどのように教員に負担をかけているか等実情について示したうえ、現在講じている具体的な対策を伺う。

回答
 平成26年度の日本体育協会の調査によると、中学校及び高等学校において、部活動を指導している教員のうち、保健体育科以外の教員で、かつ競技経験のない部活動を担当している者の割合は、約43パーセントとなっており、そのうちの約40パーセントが専門的指導力の不足を感じています。
 また、都教育委員会が平成29年6月から7月にかけて実施した勤務実態調査によれば、週休日である土曜日、日曜日に教員が行っている業務のうち、部活動指導に充てる時間が最も多くなっています。
 そのため、都教育委員会は、東京都高等学校体育連盟及び中学校体育連盟と連携して、顧問教諭を対象とした指導者講習会を実施することにより、専門的指導力を高めています。
 さらに、平成17年度から、高等学校に外部指導員を導入し、生徒への技術指導の充実を図るとともに、教員の指導時間の軽減を図っています。中学校については、区市町村教育委員会に対し、外部指導員の積極的な導入を働きかけています。

質問事項
三の2 その対策では解決しえない今後必要な対策や課題、そのために必要な対応策あるいは組織・制度について伺う。

回答
 平成29年度から開催している学校関係者等で構成する部活動検討委員会では、委員から「休日の大会引率で体が休まらない」、「不慣れな競技の審判が負担である」といった教員の声を聞くことがあるとの報告を受けています。しかしながら、現行の外部指導員は、顧問教員に代わって、単独で大会引率や審判を行うことはできません。
 平成29年4月に法的に位置付けられた部活動指導員は、顧問教員に代わって、専門的な技術指導や休日の大会引率、審判等を行うことができます。
 この部活動指導員の活用により、教員の負担が軽減され、心身の健康の保持増進が可能となることから、現在、中学校及び高等学校への部活動指導員の配置について検討しています。

質問事項
三の3 教員の負担軽減解消のため、新たな外郭団体の必要性があるのか、これまでの協力団体、既存の地域ボランティア、各スポーツ団体・NPOなど外部民間力では対応できないのか、現場の声を中心とした所見を伺う。

回答
 学校現場からは、「部活動で顧問教員が未経験の競技を指導することなどの負担が大きく、外部人材の活用が必要である」という声がこれまでもありました。
 また、「部活動を含む多様な外部人材を活用した教育の推進について、つてがないため人選や交渉に苦労している」等の声もありました。
 こうした実情も踏まえて、都教育委員会は、平成29年11月28日の都政改革本部において、「教育の質の向上」と「学校の働き方改革」の実現のため、「人材バンク機能の充実・強化」、「教職員研修等の企画機能の充実・強化」、「学校教育支援業務の充実・強化」、「教育委員会支援業務の充実・強化」及び「学校事務施設管理業務のセンター化」の五つを今後求められる支援内容として報告しました。
 五つの支援内容を一体的・継続的に実施していくため、新たな外部団体も選択肢に入れながら、都教育委員会による直接実施や民間委託の推進も含めて引き続き検討していきます。

質問事項
三の4 新規外部団体が必要とした場合の、人員確保・施設及び予算への考え方を伺う。

回答
 現段階では、新たな外部団体は選択肢の一つであり、他の選択肢も含めて検討しているところです。

質問事項
三の5 過去3年にわたる、部活が禁止された事例と理由、その後の都の対応について伺う。

回答
 都立学校において、教員による不適切な行為により、当該教員が部活動の指導を外された事例について、平成28年度までは把握していませんが、平成29年は12月までに、2件の報告を受けています。
 2件のうち1件は、教員が精神的苦痛を与える不適切な言動を繰り返した事例、もう1件は、炎天下で長距離のランニングを行わせた事例です。
 都教育委員会は、これらの事例の詳細を学校に報告させるとともに、その後の対応について指導・助言を行いました。その結果、当該校の校長は、直ちに当該教員を部活動顧問から外すとともに、指導計画、指導体制等の改善を図りました。
 今後とも、当該校から定期的にその後の状況について情報収集し、必要な指導・助言を行うとともに、これらの事例を踏まえ、体罰や不適切な行為の根絶に向け、校長連絡会や保健体育科主任連絡協議会等において、繰り返し注意喚起を図っていきます。

質問事項
三の6 体育的指導において、昨年は頚椎骨折事故、本年は熱中症による意識不明となるあってはならない事故が都立学校で発生している事実をふまえ、都の問題意識と対策、所見を伺う。

回答
 学校教育においては、生徒の生命、身体の安全や健康の確保が最優先されなければなりません。昨年度及び今年度、都立学校で発生した重大事故については、決してあってはならないことであり、今後、二度と同様の事故が発生することのないよう、未然防止に向けた取組を徹底していくことが極めて重要です。
 都教育委員会は、これらの重大事故の発生を受け、事実関係を明らかにした上で、改善すべき事項を記載した通知を全都立学校に発出するとともに、校長連絡会等において再度周知徹底を図りました。
 また、その後、保健体育科主任等を対象とした連絡協議会や部活動の責任者を対象とした研修会を実施し、具体的な事例を用いて適切な指導法や事故の未然防止に向けた取組等について指導・助言しました。
 今後とも、都内全公立学校での体育的活動における事故の未然防止に向け、繰り返し注意喚起を図っていきます。

質問事項
四 障がい児・者に対する権利保障、合理的配慮の取組について
1 東京都主催による「障害者差別解消法シンポジウム」の成果について、伺う。

回答
 都は、平成29年12月、障害者差別解消法を一層普及させることを目的に、「合理的配慮の提供」をテーマとして、「障害者差別解消法シンポジウム」を開催し、学識経験者による基調講演やパネルディスカッションなどを行いました。
 シンポジウムには、事業者・行政機関の職員・障害当事者など、263人の方が参加しました。

質問事項
四の2 シンポジウムにおいて、「合理的配慮」の訳し方、解釈について、基調講演者とパネルディスカッションのコーディネーターとの見解が異なったようだが、どのようなことか伺う。また、それについての都としての所見があれば伺う。

回答
 シンポジウムでは、「合理的配慮」について、「reasonable accommodation」と「reasonable adjustments」の二つの英語表記の紹介がありました。
 障害者権利条約では「reasonable accommodation」と表記されていますが、同条約第2条では、「必要かつ適当な変更及び調整(necessary and appropriate modification and adjustments)」と定義されています。
 また、イギリスやオーストラリアの障害者差別禁止法などでは、「reasonable adjustments」と表記されていますが、この表記と障害者権利条約の英語表記は同様の意味であると認識しています。

質問事項
四の3 シンポジウムの成果を、現在策定中の障害者への理解促進等の条例策定に反映させ、全庁的に反映させていくか、今後の取組を具体的に伺う。

回答
 都では、「東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例(仮称)」の制定に向けて、障害当事者・事業者・学識経験者等で構成する東京都障害者差別解消支援地域協議会の検討部会において検討を行っており、平成29年12月から平成30年1月にかけて、条例の構成と基本的な考え方について、パブリックコメントを実施しました。
 また、平成29年12月、事業者や行政機関の職員をはじめ、広く都民へ障害者差別解消法を普及するため、検討部会の委員も参加し、シンポジウムを開催しました。
 条例制定後は、引き続き、都職員に対して、障害や障害者理解についての研修を実施していくとともに、シンポジウムの開催のほか、多様な広報媒体を通じて、条例についての効果的な普及啓発に取り組んでいきます。

質問事項
四の4 公教育における合理的配慮について、教育委員会として基本的な考え方と現状認識について伺う。

回答
 小・中学校や高等学校等に在学する障害のある児童・生徒が、個々の障害の状態に応じ、十分な教育を受けられるよう、教育上必要な支援を講じることは重要です。
 そのため、都立学校においては、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」の趣旨に基づき、障害のある児童・生徒や保護者等から、社会的障壁を取り除く配慮に係る申出があった場合、介助員の配置や、都立高校入学者選抜における特別措置等により適切に対応しています。
 都教育委員会は、今後とも、区市町村教育委員会及び都立学校に対し、教育上必要な合理的配慮の重要性について周知していきます。

質問事項
四の5 都や各区市町村は、支援を必要とする生徒に対する介助を行う職員として、介助員を導入している。必要数が充足しているか等、都立高等学校等における現状、各区市町村における取組状況について伺う。

回答
 都教育委員会は、都立高等学校等に通う障害のある生徒に対し、保護者や生徒の要望に応じて、生徒の日常生活上の介助や学習活動上のサポートを行う職員を配置しており、平成29年度における職員数は53人です。
 また、区市町村教育委員会においては、国の地方財政措置に基づき、児童・生徒の日常生活上の介助や学習活動上のサポートを行う者として特別支援教育支援員を配置しており、平成29年度における都内区市町村立小学校、中学校、義務教育学校及び中等教育学校における特別支援教育支援員は、5,659人です。

質問事項
四の6 都立高等学校等や各区市町村における介助員について、障害種別ごとの課題について伺う。

回答
 現在、都立高等学校等に配置している介助員が対応している障害のある生徒の障害種別は、脳性まひ等による肢体不自由や自閉症スペクトラム等の発達障害などであり、主に肢体不自由の生徒の介助が多くを占めています。
 介助員の配置に当たって配慮している主な事項として、障害のある生徒と同性の介助員を配置すること、障害の部位が全身の運動機能に及ぶ場合、介助員を同時に複数配置しなければならないこと、生徒の学校生活の時間帯に応じて配置することなどがあり、それらの条件を複合的に満たす人材の確保に課題があります。
 なお、小・中学校については、「「特別支援教育支援員」を活用するために(平成19年度文部科学省発行)」を参考に、設置者である区市町村教育委員会が児童・生徒の障害の状況に応じて対応しています。

質問事項
四の7 中学校、高校における障がいのある生徒の進路指導と高校入試における合理的配慮の取組と課題について伺う。

回答
 中学校や高等学校における障害のある生徒に対する進路指導については、生徒が将来にわたって、共生社会の中で生き生きと活躍できるようにすることを目指して、教員が進学先の学校や就労先の企業等の特色を十分に理解した上で、適切な進路選択に向けた指導を行うことが大切です。
 そのため、都教育委員会は、毎年度、資料の配布や説明会の開催等により、中学校の教員等に対して都立学校に関する情報の周知を図っています。
 また、障害のある生徒の高校入試における合理的配慮については、生徒の障害の状況に応じた配慮が行われることが必要です。
 これまでも、都教育委員会は、受検する生徒と保護者、中学校長の申請に基づき、検査時間の延長や問題用紙・解答用紙の拡大、記号選択式での受検、ICT機器の使用、介助者の同行等の特別措置を実施しています。
 今後とも、障害のある生徒に対する進路指導や受検指導が適切に行われるよう、都立学校に関する情報を周知するとともに、受検者の障害の状況や日頃の学習指導の実態を踏まえた措置が行われるよう対応していきます。

質問事項
四の8 都立知的障害特別支援学校高等部の部活動における重大事故の発生について
 ア 本年8月、都立知的障害特別支援学校高等部の部活動において、生徒が熱中症による脱水症状となり、意識不明となった事故の状況、経緯、対応について、伺う。

回答
 当該事故は、平成29年8月23日、高等部第1学年の男子生徒が、バスケットボール部の練習で、外気温が32度の中、校舎外周を走っている際に発生しました。
 当日、顧問教員は、外気温が高くなっていることを認識していたにもかかわらず、当該生徒に、課題を達成できなかったことに対するペナルティとして校舎の外周を22周走るよう指示しました。
 当該生徒は、21周走ったところで倒れ、意識が混濁していたため、学校は、救急車を要請しました。搬送先の病院で、当該生徒は、熱中症と診断されました。
 都教育委員会と校長は、当該生徒の保護者に謝罪しました。
 また、学校は、臨時保護者会を開催し、在校生の保護者に対して事故概要と部活動指導の改善策等を説明しました。

質問事項
四の8のイ 救急車が到着するまでに時間を要したと聞くが、具体的な対処の状況を時系列に、誰が何を判断したのか、具体的に伺う。

回答
 午後4時頃、教員が、倒れている当該生徒を発見しました。この教員は、当該生徒の後頭部に擦過傷があったことから、脳挫傷等があることも想定し、その場から動かすことなく、直ちに養護教諭へ連絡しました。
 午後4時7分頃、副校長、養護教諭、看護師は、頭部の応急手当が必要と判断し、当該生徒を保健室へ搬送しました。
 午後4時10分頃、養護教諭は、応急手当を行いました。その後、学校で保管している健康カードで、当該生徒に既往症がないことを確認し、熱中症の可能性が濃厚と考えました。
 午後4時15分頃、副校長は、救急車を要請するとともに、休暇中の校長に事故発生の報告をしました。校長は、保護者への連絡や事実関係の確認等について、副校長に指示しました。
 午後4時32分頃、救急車が学校に到着しました。

質問事項
四の8のウ 当該学校における部活動の取組状況と成果について、就業技術科と肢体不自由教育部門の別に伺う。

回答
 当該学校の就業技術科には、運動部が5部、文化部が6部、合計11の部活動があり、在校生徒全員がいずれかの部活動に所属しています。
 生徒による学校評価アンケートでは、約9割の生徒が、部活動により自らが成長していると回答しています。
 肢体不自由教育部門では、スポーツ競技部で、ボッチャやハンドサッカー、また、陸上競技に取り組んでいます。
 中学部と高等部の生徒から参加希望をとり、各競技大会の1、2か月前の土曜日を中心に練習を行っています。
 部活動を通して、生徒のスポーツへの関心が高まるとともに、各大会での他の特別支援学校の生徒との交流促進にも取り組んでいます。

質問事項
四の8のエ 特別支援学校高等部における職業科の設置の経緯と現状について、伺う。

回答
 都教育委員会では、東京都特別支援教育推進計画における個に応じた新たなタイプの学校づくりの一環として、知的障害特別支援学校高等部に生徒全員の企業就労を目指す学科である就業技術科及び職能開発科を設置しています。
 知的障害が軽度の生徒を対象とする就業技術科は、平成19年4月に初めて永福学園に設置し、現在までに5校設置しています。
 また、知的障害が軽度から中度の生徒を対象とする職能開発科は、現在2校で教育活動を展開しており、今後、平成30年4月に開設する江東特別支援学校など6校で開設することにしています。

質問事項
四の8のオ 特別支援学校高等部における職業科の入学者選考の方法について、伺う。

回答
 都立知的障害特別支援学校高等部の就業技術科及び職能開発科は、募集人員を定め入学者選考を実施しています。
 選考は、調査書、適性検査及び面接により、それぞれの結果を総合した成績により行っています。
 適性検査では、将来、企業就労を実現するために必要な基礎的な知識・技能を獲得できる能力や態度・意欲について把握するために、適性検査Ⅰとして、実技(作業)や筆記による検査を、適性検査Ⅱとして、作文を実施しています。
 平成29年度就業技術科及び職能開発科入学者選考における各校の応募倍率は、永福学園は1.41倍、青峰学園は1.77倍、南大沢学園は1.46倍、志村学園は1.46倍、水元小合学園は1.59倍、足立特別支援学校は2.20倍、港特別支援学校は3.65倍です。

質問事項
四の8のカ 特別支援学校高等部における職業科卒業者の進路実績について、伺う。

回答
 これまでの就業技術科及び職能開発科の卒業生の合計は1,640名で、そのうち企業就労をした卒業生は1,566名であり、企業就労率は95.5パーセントです。

質問事項
四の8のキ 特別支援学校高等部においては、視覚・聴覚対象には専攻科が置かれているが、それ以外には置かれていない理由を伺う。

回答
 都立特別支援学校では、高等部卒業までの間において、障害のある児童・生徒が自立と社会参加に向けた力を身に付けることができるよう、児童・生徒一人一人の教育的ニーズに対応した適切な指導・支援を行っています。
 その上で、視覚障害特別支援学校及び聴覚障害特別支援学校においては、専攻科を設置し、高等部の3年間において必要な課程を修了した生徒が、専門の資格を取得したり高度な専門教育を受けたりしています。

質問事項
四の8のク 本件事案を受けての原因解明・再発防止策と、それをいかに各学校で共有していくかについて、取組状況と所見を伺う。

回答
 都教育委員会は、速やかに関係教員・生徒から聴取を行い、事故の主な原因は、熱中症予防及び体罰に関する理解の不足や、生徒一人一人の能力・技能を踏まえた指導の不十分さにあったと把握しました。
 このことを踏まえ、全都立学校に再発防止に向けた取組を徹底するための通知を発出するとともに、校長連絡会等において周知しました。
 さらに、全公立中・高等学校及び特別支援学校の部活動の責任者を対象に研修会を実施し、事例に基づいて、適切な指導法や事故の未然防止に向けた具体的な取組等について指導・助言することにより、学校における再発防止策の共有を図りました。
 今後は、適切な指導計画の作成、安全を最優先する指導の在り方、事故発生時の対応等、具体的な方策をまとめたガイドラインを平成30年4月までに作成し、都内全公立中・高等学校及び特別支援学校に配布することにより、事故防止に向けた取組の徹底を図っていきます。

質問事項
五 都職員の待遇と服務について
1 知事特別秘書の設置根拠と法的地位、任期、任免権について、伺う。

回答
 特別秘書は、地方公務員法第3条第3項第4号に規定する地方公共団体の長の秘書となる特別職であり、設置に当たっては各自治体で条例制定が必要となっています。
 都では、「特別職の指定に関する条例」により2名以内の知事専任の秘書を特別職として指定しており、知事が任免を実施しています。
 なお、法令上、任期についての定めはありません。

質問事項
五の2 知事特別秘書の給与の積算根拠、積算額について、月額本給、諸手当、その他について、伺う。

回答
 特別秘書の給与については、「東京都知事等の給料等に関する条例(以下「条例」という。)」により、給料及び旅費のほか、地域手当、通勤手当、期末手当及び退職手当を支給するものとしています。
 現在の2名の特別秘書には、条例に基づき、以下の給与を支給しています。
 ・給料月額 706,000円
 ・地域手当 141,200円
 ・期末手当 4,056,675円 平成29年度支給分
 ・年額   14,223,075円 平成29年度支給分
 なお、給与の支給額については、個人情報に該当するため、原則非公開ですが、本人の承諾を得て、公開しています。

質問事項
五の3 知事特別秘書が順守しなければならない服務上の規範について、伺う。また、政治活動に規制があるのか、伺う。

回答
 特別秘書は、地方公務員法第3条第3項第4号に基づき、「特別職の指定に関する条例」により指定されている特別職です。
 特別職である特別秘書には、地方公務員法は適用されませんが、地方自治法附則において、地方公務員法制定前の従前の規定(東京都職員服務紀律)が準用される取扱いとなっています。
 政治的行為の制限については規定されておらず、特別秘書の政治活動に規制はありません。

質問事項
五の4 知事特別秘書の職務権限、決裁権について、伺う。

回答
 特別秘書の職務は、知事から直接命を受け、都政運営全般に関して知事を直接補佐するものです。
 なお、東京都事案決定規程においては、特別秘書には決定権が付与されていません。

質問事項
五の5 知事特別秘書の勤務実績について、都はどのように把握しているか、伺う。

回答
 特別秘書は、地方公務員法上の特別職であり、一般職のように、勤務時間その他の勤務条件に係る規定の適用がなく、出勤管理は行っていません。

質問事項
五の6 都職員による、破廉恥行為による服務事故について
 ア 都職員による、破廉恥行為について一昨年度からの把握の状況と処分の実績について、伺う。

回答
 知事部局において、平成27年度以降平成30年1月末時点で、痴漢や盗撮などのわいせつ行為について事故監察を実施した案件は8件あり、その全ての案件について懲戒処分を実施済みです。

質問事項
五の6のイ 再発防止に向けた取組状況について、伺う。

回答
 職員は都民の負託に応えるため、公務員としての高い使命感と倫理観を持って職務に精励する責務を負っており、職員の非行はあってはならないと認識しています。
 知事部局においては、各職場における非行防止の取組のほか、全職員を対象とするeラーニング研修を実施し、非行防止のポイントの習得を図ったり、11月をコンプライアンス推進月間と定め、各職員に懲戒処分の事例について注意を促す資料やメールを配信するなど、職員の非行防止に向けた意識啓発を実施しています。
 今後とも非行防止に向けた取組を一層進め、法令遵守等、全体の奉仕者としての意識を更に徹底していきます。

質問事項
五の6のウ 懲戒処分と示談、刑事処分の関係について、伺う。

回答
 懲戒処分に当たっては、本人への事情聴取など、事故の状況を調査し、処分事由となる事実認定を行うことが必要です。
 事実認定を補完するものとして、刑事事件の経過や示談の内容を確認する場合があります。

質問事項
五の6のエ 当該職員が否認していた場合の服務監察のあり方について、伺う。

回答
 服務監察は、対象職員の認否にかかわらず、公正・中立に事実を確認し、検討を加えることにより、実施しています。

質問事項
五の6のオ 懲戒処分を受けた者の職場配置の考え方について、伺う。

回答
 懲戒処分を受けた職員に対しては、処分の程度により、昇給の停止や特別給の減額など、その後の処遇にも反映させた上で、各所属において、再発防止のため、処分事由となった非違行為の態様を踏まえ、所属長を中心に適切な指導を実施しています。
 また、職務遂行上、支障や不都合が生じるおそれがある場合などには、必要に応じて人事異動を行う場合があります。

質問事項
六 舛添都政の遺物である「都市外交基本戦略」について
1 「都市外交基本戦略」の実施状況、成果、課題、見直しの要否につき、所見を伺う。

回答
 都市外交基本戦略においては、東京2020大会の成功、大都市共通の課題解決及びグローバル都市東京の実現という三つの目的を達成するための手段として、都市外交を推進していくこととしています。
 この基本的な理念を踏まえ、都の先進的な取組や事業の発信等に向けた海外要人との面会や海外出張、自然災害やテロ、大規模事故への対応等への知見の共有のための危機管理ネットワークなどを実施しています。
 今後とも個々具体的な取組については、その必要性や実施方法を適切に判断した上で、都市外交を進めていきます。

質問事項
六の2 「アジア大都市ネットワーク21」の活動状況、見直しについて、現状を伺う。

回答
 アジア大都市ネットワーク21は、平成13年に設立して以降、総会及び共同事業の実施を通じて、会員都市間の協力関係の強化や各都市の施策の向上に寄与してきました。
 しかしながら、首長の参加がほぼなくなるなどの状況を受け、平成26年のトムスク総会において、アジア大都市ネットワーク21の在り方について抜本的見直しを行うことで合意し、平成27年から総会については休止することとなりました。
 一方、共同事業については、感染症対策や危機管理などの分野で着実に成果を上げてきたことから、引き続き都において多都市間の実務的協力事業として実施しています。

質問事項
六の3 都市外交関係予算の執行状況、施策の進捗状況について、現状を伺う。

回答
 平成29年度の予算額は6億5,805万1千円です。主な執行状況として、知事のパリ及びシンガポールへの出張に1,088万余円、一般財団法人自治体国際化協会に対する分担金として3億1,400万円を支出し、経済交流促進のプラットフォームに約1億4,700万円の支出見込みとなっています。

質問事項
六の4 都市外交人材育成基金の運用状況、利活用の実績について、伺う。

回答
 都市外交人材育成基金は、東京と海外諸都市との発展に向け、その相互の交流及び協力を担う人材の育成に資する施策の推進に要する資金に充てる目的で、平成27年4月に設置されました。
 金額は80億円であり、対象期間は平成28年度から平成36年度までの9年間です。
 初年度となる平成28年度は、首都大学東京が行う留学生の受入れと高度研究や、姉妹友好都市等との職員相互派遣など友好都市等との合意に基づく人材育成事業、各都市の危機管理能力向上を目的とする危機管理ネットワークなどの多都市間で取り組む人材育成事業等に、9億420万余円を充当しました。

質問事項
六の5 アジアヘッドクォーター特区の取組状況、外国企業の誘致実績について、伺う。

回答
 アジアヘッドクォーター特区におけるこれまでの外国企業の誘致実績ですが、アジアの統括拠点又は研究開発拠点を特区内に設置する外国企業については、平成28年度末までの5年間で目標であった50社の誘致を実現しました。
 また、将来的にこれらの拠点の設立意思がある外国企業についても30社誘致しています。
 さらに、誘致企業と都内企業等との間で、平成28年度末までに203件のビジネスマッチングが成立しています。
 これらの誘致による経済効果としては、平成28年度末までで、誘致企業の事業実施に伴う人件費等の直接的な投資額は約190億円であり、また、新たに約600人の雇用が創出されました。

質問事項
六の6 知事は、昨年10月の一般質問の答弁で、「延遼館は、建設のコスト、将来的な維持管理に係るコストなど十分に検証した上で判断する」と発言されたが、その後の取組状況について伺う。

回答
 延遼館の復元構想は、見直すこととし、平成29年3月に策定した「東京都における文化財庭園の保存活用計画(旧浜離宮庭園)」において、延遼館の復元事業を、長期的視点で取り組むものとして位置付けました。

質問事項
六の7 外務省から出向している外務長及び都市外交担当部長の昨年度と今年度における活動実績を、同行者や経費を含めて伺う。

回答
 平成28年度については、外務長及び都市外交担当部長が、5月に随行者1名とリオデジャネイロ及びサンパウロへ出張し、経費は481万余円でした。
 平成29年度については、外務長が、5月に随行者1名と蘇州(中華人民共和国)へ出張し、経費は25万余円、10月に随行者1名とパリへ出張し、経費は130万余円、12月に随行者1名と香港へ出張し、経費は21万余円でした。
 また、平成28年4月のニューヨーク及びワシントンD.C.、平成29年10月のパリ、11月のシンガポールへの知事海外出張にも随行しました。
 なお、都市外交担当部長の外務省からの派遣は、平成28年度で終了しました。

質問事項
六の8 港湾局は、新東京丸に替わる視察船をイタリアの造船会社「アジムット・ベネッティ社」に発注している。議会で報告された図面によると、全長は35メートルで、デッキは3層でエレベーターまである等とある。入札・契約の状況と、そもそもの必要性について、伺う。

回答
 都では、東京港、臨海副都心への理解を深めてもらうことを目的として、行政関係者及び港湾事業者の視察や都民等の見学を、視察船新東京丸で実施しています。
 昭和58年に製造した新東京丸は老朽化が著しいため、この代替船を製造することとし、平成28年12月、一般競争入札で落札したアジムット・ベネッティ社と約19億6,000万円で契約を締結しました。
 また、更なるコスト縮減の観点から、内装の簡素化等の見直しを行い、平成29年11月には契約金額を約16億7,000万円とする契約変更を行いました。
 なお、新東京丸に比べ、新たな視察船は、障害を持った方が自由に移動できるようエレベーターを設置するなど、バリアフリーを充実した仕様としています。

質問事項
六の9 都立迎賓施設「延遼館」について
 ア 平成28年12月、知事所信表明にて都立迎賓施設「延遼館」見直しを明らかにした。知事発言を受けての予算も含めてのこれまでの経緯と今後について伺う。

回答
 延遼館の復元については、平成29年度は予算措置を行っておらず、長期的視点で取り組むこととしています。

質問事項
六の9のイ 「延遼館」がなくとも、東京2020大会会場に近接する浜離宮恩賜庭園の価値は高く「浜離宮恩賜庭園マネジメントプラン」に基づき有効活用すべきと考える。自然との共生・環境保全を重視した今後の柔軟なマネジメントプランと所見を伺う。

回答
 浜離宮恩賜庭園の持つポテンシャルを生かし、日本の庭園文化を世界に発信するとともに、大泉水や二つの鴨場など豊かな自然環境を保全していきます。

質問事項
七 選挙人名簿について
1 各区市町村における選挙人は選挙人名簿の閲覧ができるとされているが、根拠と権利性の有無について、伺う。

回答
 公職選挙法では、選挙人が、自己又は特定の者が選挙人名簿に登録された者であるかどうかを確認する場合(同法第28条の2)、公職の候補者等又は政党その他の政治団体が、政治活動や選挙運動を行う場合(同法第28条の2)、報道機関又は学術研究機関等が、政治や選挙に関する公益性の高い世論調査等の調査研究を行う場合(同法第28条の3)に、選挙人名簿の抄本を閲覧させなければならないと規定されています。

質問事項
七の2 各区市町村の選挙管理委員会が、選挙人名簿の閲覧につき、方法や時間、人数を制約する場合があるが、現状を把握しているか。また、その根拠と妥当性について、所見を伺う。

回答
 都選挙管理委員会では、各区市町村選挙管理委員会における閲覧方法や時間、人数制限等の現状は把握していません。
 各区市町村選挙管理委員会において、公職選挙法の選挙人名簿抄本閲覧制度の趣旨に鑑み、それぞれの状況に応じて適切に対応するものと考えます。

質問事項
八 少額随意契約の適正性担保について
1 局別の平成28年度の少額随意契約の件数及び契約金額について、伺う。

回答
 少額随意契約は、地方自治法施行令第167条の2第1項第1号に該当するものを指しています。
 局別の平成28年度の少額随意契約の件数及び金額は、次のとおりです。
 (単位:件、円)
 局名 件数 金額
 政策企画局 199 37,718,374
 青少年・治安対策本部 225 64,767,153
 総務局 1,538 496,226,453
 財務局 427 68,009,356
 主税局 1,463 305,570,528
 生活文化局 829 164,883,877
 オリンピック・パラリンピック準備局 138 35,572,265
 都市整備局 975 183,553,620
 環境局 782 232,481,266
 福祉保健局 7,980 2,219,741,355
 病院経営本部 10,383 3,311,103,500
 産業労働局 4,829 1,137,821,909
 中央卸売市場 1,455 788,536,328
 建設局 2,257 572,476,150
 港湾局 1,053 293,436,967
 会計管理局 67 11,688,554
 東京消防庁 7,111 1,643,011,551
 交通局 2,178 1,485,290,081
 水道局 0 0
 下水道局 2,693 1,897,380,279
 教育庁 16,455 3,796,202,761
 警視庁 7,049 2,380,831,888
 選挙管理委員会事務局 147 33,582,316
 人事委員会事務局 120 17,473,659
 監査事務局 47 9,079,883
 労働委員会事務局 49 6,348,268
 収用委員会事務局 43 4,177,086
 議会局 166 27,527,694
 合計 70,658 21,224,493,121

質問事項
八の2 少額随意契約については、その予定価格の上限が工事請負契約では、250万円と決められているとのことだが、その予定価格の算定方法について、どのように運用されているか、伺う。

回答
 東京都契約事務規則第33条において、随意契約の予定価格の決定に当たっては、一般競争入札の方法に準じて定めることとされています。
 工事費の予定価格の算定については、工事の起工部署が積算基準に基づき、設計図書等から工事費を積算して契約目途額を定め、契約担当部署で契約目途額を基に予定価格を決定しています。

質問事項
八の3 適正に算出された予定価格が、250万円を超えた場合、見積もり合わせ随意契約の予定から、競争入札に変更しなければならないと思うが、競争入札に変更した事例は、契約所属別でどれだけあるのか伺う。また、仮に、事例が無いということは、随意契約の上限金額である250万円を超えた場合、事実上、「分割発注」を行うということか、伺う。

回答
 工事請負契約の場合は、予定価格250万円超のときは競争入札で手続を行い、250万円以下のときは少額随意契約とすることができることとなっています。
 契約締結の方法は、起工する時点において起工部署が決定するのではなく、起工部署が積算した工事費に基づく予定価格に従い、契約部署において競争入札とするのか随意契約とするのかを決定しています。
 したがって、予定価格が250万円超の場合は、競争入札として手続を実施しています。

質問事項
八の4 本年11月28日の財政委員会の質疑に対する、契約調整担当部長の答弁に「過度な分割発注」の抑止を財務局が、各局の契約所管部署に通知をしたとあるが、その「過度」と判断されるのは具体的にどのような状況なのか、伺う。

回答
 都では、安易に契約案件を分割することを厳に慎むよう通知しています。
 「安易に分割すること」の具体的な内容としては、例えば同一の物品を購入する場合や同種の業務委託を発注する場合に、契約締結日や履行期間が同じ又は近接する2以上の案件に分割し、意図的に競争入札の適用を回避することなどがその例です。
 今後とも、各局の契約事務担当者を対象とした研修・説明会などの機会を捉えて周知を実施していきます。

質問事項
八の5 昨今報道された小笠原支庁における入札不正事案につき、把握の状況と再発防止策を伺う。

回答
 本案件は、平成26年2月から平成29年2月にかけて、3名の工事担当の職員が工事契約に関する情報を業者に漏えいしたものです。
 1名については、業者の見積価格と予定価格が不自然に一致していることに契約担当の職員が気づき、判明しました。この事故を受け、緊急点検等を行った結果、他2名についても、それぞれ別の工事案件で同様の事故を起こしていたことが発覚しました。
 いずれの事故も、業者から情報提供を求められたことに対し、契約の不調などにより事業執行に支障が出ることを懸念した当該職員が応じたものであり、金品の授受はありませんでした。
 こうした事故はあってはならないことであり、事故発覚後、再発防止策として、支庁内にコンプライアンスプロジェクトチームを設置して、契約事故防止マニュアル等を作成し、全職員向けに説明会を開催するなど、情報管理の徹底や契約事務の適正化に努めています。

質問事項
九 知事と都議会の関係について
 昨年10月5日の一般質問への知事の答弁、本年10月6日の定例記者会見における知事の発言について、両者の発言は事実であり、真意はどこにあり、齟齬は無いのか、所見を伺う。

回答
 平成28年10月5日の議会答弁は、議会と知事の関係一般についての考えを答弁したものです。一方、平成29年10月6日の定例記者会見の発言は、特定の政治状況についての見解を述べたものです。
 両発言は、いずれも議会との関係について述べたものですが、特段の齟齬は生じていないものと考えます。

平成29年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 原のり子

質問事項
一 LGBT当事者の権利保障について

一 LGBT当事者の権利保障について
1 宝塚大学看護学部の日高庸晴教授が、2016年にLGBTをはじめとするセクシュアルマイノリティ当事者に対し行った「LGBT当事者の意識調査」では海外在住者77件含む15,141件もの有効回答数が寄せられました。
 調査結果で、学校生活(小・中・高)における「いじめ」は全体の約6割が経験しており、10代では約5割が経験しています。また、「職場・学校の環境」で、7割以上が「差別的な発言」を経験しています。
 2017年3月16日の文部科学省が通知した「いじめの防止のための基本的な方針」の改定」の中で、新たに「性同一性障害や性的指向・性自認に係る児童生徒に対するいじめを防止するため、性同一性障害や性的指向・性自認について、教職員への正しい理解の促進や、学校として必要な対応について周知する。」との文言が入りました。
 この通知を受けて、セクシュアルに関するいじめや差別を防止するために、都としてどう取り組んでいくのですか。
2 宝塚大学看護学部の日高庸晴教授が行った「LGBT当事者の意識調査」では、学校教育における「同性愛について」の知識については約7割が「一切習っていない」と回答しています。
 10代では48.2%が「一切習ってない」と回答し、「異常なものとして習った」が7.1%、「否定的な情報を得た」が18.8%となっています。
 性的指向に関しては、多くが10代前半の頃に自身のセクシュアルを自覚するといわれ、10代に満たない年齢でも自覚する方もいます。
 しかし、保健体育の教科書などでは異性愛であることが前提であるような記述もあります。都内の中学校で使用されている大修館書店の保健体育の教科書では、思春期になると「異性への関心が高まったり」と記述され、異性以外への性的指向に関しては記述がありません。
 教育現場では、児童・生徒に対し、性的指向は同性やその他の性に対してもあること、また相手の性にこだわらない人や性的指向がない人もいること。それが当然であり、肯定的に伝えることが重要と考えますが、認識を伺います。
 教育現場において性的指向について適切に学び、考える場について、具体的にどのような施策を行っていますか。
3 LGBTは性的マイノリティを包括的に表現する言葉として使われるようになりました。一方で、SOGIという概念と言葉が注目されています。2006年のジョグジャカルタ原則において性的指向、性自認に関する定義が示され、その後2011年の国連人権理事会はSOGIを人権の問題として定式化されることが決議されました。この決議に賛成票を投じています。SOはセクシュアルオリエンテーション(性的指向)、GIはジェンダーアイデンティティー(性自認)の略です。このSOGIは性的マイノリティに限らず、全ての人の「特性」を表す概念です。
 SOGIという考え方、概念が日本ではほとんど普及していませんが、現実ではSOGIハラスメントも問題になっています。SOGIハラスメント、SOGIハラとは性的指向、性自認に関するハラスメントです。
 2016年、一橋大学に通う大学生が友人に自分のセクシュアリティを許可なく公表され、その事を苦に自殺するという痛ましい事件が起こりました。自分のセクシュアリティについて許可なく公表すること「アウティング」といい、当事者が最も恐れることです。
 SOGIハラには他にも、差別的な言動、望まない性別での生活の強要、不当な異動、不当な入学拒否や転校拒否、などがあります。SOGIハラについて、まだ広く普及されているとは言えず、正しい知識を身に付けることが必要です。
 国連人権理事会は2016年6月30日、「性的指向と性自認を理由とする暴力と差別からの保護」に関する決議を賛成多数で可決しています。
 都として、教育現場や、事業所などと連携して広く都民にSOGIハラ防止について正しい知識を普及啓発することが重要と考えますが、認識を伺います。
4 あわせて、SOGIハラについて、プライバシーが守られ、安心できる相談体制が教育現場や労働現場などに必要と考えますがいかがですか。
5 性の多様性、一人ひとりのセクシュアリティについて、全ての人が尊重される社会の実現のため、SOGIという考え方は重要であると考えます。LGBTの人権問題を解決する上でも、すべての人に関わるSOGIについて、考え方や意味について都が率先して普及啓発することが重要と考えますが、いかがですか。
6 都として、性的マイノリティ当事者だけではなく、すべての人の性的指向、性自認を尊重しSOGIハラを防止し、セクシュアルに関する差別的な言動等を防止する上でも、「性的指向、性自認に関する差別を禁止する条例(仮称)」の制定を検討すべきですがいかがですか。
7 国内では現在、約4万5000人の子どもが社会的養護のもとで生活しているといわれ、そのうち児童養護施設で生活する子どもが約9割、里親家庭で生活する子どもが約1割です。日本の里親委託率はOECD諸国の中でも低く、国連からの勧告の影響もあり、厚生労働省も「家庭養護の推進」を掲げ、里親を増やす政策を推進しています。
 東京都として社会的養護に占める里親家庭等をふやす目標と現状はどのようになっていますか。
8 大阪市は昨年12月、虐待などにより親元で育てられない子どもの養育里親に、30代と40代の男性カップルを認定しました。里親委託する際には、慎重にマッチングを確認しながら、家庭に慣れていく期間が設けられます。また子どもへの意思確認があり、子どもの意思が尊重される仕組みになっています。大阪市の場合も、10代男児に男性カップルの里親であることを説明し、納得したうえでの委託となっています。
 塩崎恭久前厚生労働大臣は、「同性カップルでも男女のカップルでも、子どもが安定した家庭でしっかり育つことが大事で、それが達成されれば我々としてはありがたい」と述べたことは大きく報道されました。
 都は、この大阪市の事例と、それについての前厚生労働大臣の発言について、どのような認識をお持ちですか。
9 同性カップルの里親を認めることは、子どもたちの委託先の選択肢を広げることにもなります。たとえば、親から虐待を受けてきた子どもが、男性あるいは女性に強い恐怖感を持っている場合や、子ども自身が性別に違和感を持っているような場合もあります。欧米では、同性カップルに育てられた子どもの成長について、社会学や心理学の観点からの研究が進んでいます。そのなかで、問題がないことが確認され、約20カ国・地域で同性婚が認められるようになり、そのほとんどが養子縁組を認めています。大阪の同性カップルの里親は、「子どもが欲しい大人のためにある養子縁組ではなく、大人を必要としている子どものためにあるのが養育里親」と述べています。都内でも、里親を希望している同性カップルはいます。一つでも多くの里親家庭を増やし、子どもにとっての選択肢を増やすことは喫緊の課題だと考えます。
 東京都では、里親を希望する方たちの相談をどのように受け付けていますか。相談件数、主な内容、そのなかで同性カップルからの相談についての現状をお聞かせください。
10 厚生労働省ガイドラインの里親希望者の要件は、同性カップルでも里親を希望することは可能です。ただし、運用主体は都道府県や政令指定都市です。現在、東京都だけが同性カップルを里親に認定しない方針です。また、「東京都里親認定基準」の「家庭及び構成員の状況」項目の(5)は「里親申込者は、配偶者がいない場合には、次の全ての要件を満たしていること」とし、「ア 児童養育の経験があること、又は保健師、看護師、保育士等の資格を有していること」「イ 起居を共にし、主たる養育者の補助者として子供の養育に関わることができる、20歳以上の子又は父母等がいること」との厳しい要件を設けています。里親にふさわしい人材か否かは、認定・登録の後の委託の段階で判断されるべきであり、同性カップルを排除すべきではありません。
 同性カップルを認めない方針を改め、認定基準も改善することを求め、見解をうかがいます。

平成29年第四回都議会定例会
原のり子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 LGBT当事者の権利保障について
1 2017年3月16日の文部科学省が通知した「いじめの防止のための基本的な方針」の改定を受けて、セクシュアルに関するいじめや差別を防止するために、都としてどう取り組んでいくのか伺う。

回答
 性同一性障害等の児童・生徒が、いじめや差別を受けることなく充実した学校生活を送ることができるようにするためには、全ての児童・生徒が、自他を大切にする人権尊重の理念を正しく理解できるよう、人権教育を充実することが大切です。
 そのため、都教育委員会は、文部科学省の「いじめの防止等のための基本的な方針」に先立ち、平成29年2月に「いじめ総合対策・第2次」を策定し、学校において、性同一性障害や性的指向・性自認など人権上の配慮が必要な児童・生徒の特性を踏まえ、他の児童・生徒に対して適切な指導を行うよう明記するとともに、いじめを許さない意識の醸成に向けた授業のプログラムを掲載するなどして、都内公立学校の全教職員に配布しました。
 これを踏まえ、各学校では、年間3回以上、いじめに関する授業を実施するなどして、児童・生徒が、いじめや差別は絶対に許されない行為であることを自覚できるようにする指導の徹底を図っています。

質問事項
一の2 教育現場では、性的指向は同性やその他の性に対してもあること、相手の性にこだわらない人や性的指向がない人もいることが当然であり、肯定的に伝えることが重要と考えるが、認識を伺う。教育現場において性的指向について適切に学び、考える場について、具体的にどのような施策を行っているか伺う。

回答
 学校においては、人権教育を通して、一人一人がかけがえのない存在であり、互いに尊重し合って生活する必要があることを児童・生徒に指導することが重要です。
 都教育委員会は、こうした考えに基づき、校長や主幹教諭等を対象とした人権教育の研修会において、文部科学省の通知の内容を周知したり、医療や心理等の専門家による講演を行ったりして、全ての教員が性同一性障害や性的指向・性自認に係る児童・生徒について適切に対応し、一人一人に寄り添えるよう取組を進めています。

質問事項
一の3 SOGIという考え方、概念が日本ではほとんど普及していないが、現実ではSOGIハラスメントも問題になっている。都として、教育現場や、事業所などと連携して広く都民にSOGIハラ防止について正しい知識を普及啓発することが重要と考えるが、認識を伺う。

回答
 都は、平成27年8月に改定した「東京都人権施策推進指針」において、「性的指向」及び「性同一性障害者」のほか、「ハラスメント」を新たな人権課題として取り上げました。
 今後も、同指針に基づき、性についての多様性があることへの理解を深め、SOGIすなわち性的指向や性自認を理由とする偏見や差別、ハラスメントの解消を目指して、都民への啓発等に取り組んでいきます。

質問事項
一の4 SOGIハラについて、プライバシーが守られ、安心できる相談体制が教育現場や労働現場などに必要と考えるが見解を伺う。

回答
 都は、平成27年8月に改定した「東京都人権施策推進指針」において、「性的指向」及び「性同一性障害者」のほか、「ハラスメント」を新たな人権課題として取り上げました。
 ハラスメントに対しては組織でも取り組むことが大切であり、そのためには安心できる相談体制の仕組み作りが重要であると考えます。
 都内の公立学校は、子供からの訴えを確実に受け止め、相談した子供が安心して学校生活を送ることができるよう、日頃から子供の不安や悩みに対して、スクールカウンセラー等を含む全ての教職員が、いつでも相談に応じる体制を整備しています。
 また、職場での様々なハラスメントの問題については、労働相談情報センターにおいて、労使双方からの相談に幅広く応じています。

質問事項
一の5 LGBTの人権問題を解決する上でも、すべての人に関わるSOGIについて、考え方や意味について都が率先して普及啓発することが重要と考えるが、見解を伺う。

回答
 性についての多様性があることへの理解を深め、SOGIすなわち性的指向や性自認を理由とする偏見や差別の解消を目指した啓発に取り組んでいくことは重要であると考えています。
 都はこれまでも、都民向け啓発として、リーフレット「性的マイノリティの人権」を発行し、様々な機会を捉えて都民に配布しているほか、大型人権啓発イベントである「ヒューマンライツ・フェスタ東京2017」におけるLGBTを題材とする映画上映やパネル展示、東京都人権プラザや人権週間行事における啓発など、様々な取組を行っています。
 今後も引き続き、都民への啓発活動に努めていきます。

質問事項
一の6 都として、性的マイノリティ当事者だけではなく、すべての人の性的指向、性自認を尊重し、SOGIハラを防止し、セクシュアルに関する差別的な言動等を防止する上でも、「性的指向、性自認に関する差別を禁止する条例(仮称)」の制定を検討すべきだが、見解を伺う。

回答
 性についての多様性があることへの理解を深め、性的指向や性自認を理由とする偏見や差別をなくし、全ての人々の人権が尊重される社会であることが重要であると認識しています。
 都は、東京2020大会の開催に向けて、「東京都人権施策推進指針」に基づき、人権尊重の理念が浸透した社会を実現するための取組を推進していきます。

質問事項
一の7 日本の里親委託率はOECD諸国の中でも低く、国連からの勧告の影響もあり、厚生労働省も「家庭養護の推進」を掲げ、里親を増やす政策を推進している。都として社会的養護に占める里親家庭等をふやす目標と現状を伺う。

回答
 子供は、本来家庭的な環境の下で愛情に包まれながら健やかに養育されることが望ましいと考えています。
 都は、平成27年4月に策定した「社会的養護施策推進計画」において、平成41年度に社会的養護に占める養育家庭やファミリーホームなどの家庭的養護の割合を、おおむね6割に引き上げる目標を定めています。
 平成29年3月現在、その割合は、養育家庭等が10.5パーセント、ファミリーホームが2.1パーセント、グループホームが21.2パーセント、合計33.8パーセントとなっています。

質問事項
一の8 大阪市は昨年、養育里親に男性カップルを認定した。里親委託する際には、慎重にマッチングを確認しながら、家庭に慣れていく期間が設けられている。前厚生労働大臣は、「同性カップルでも男女のカップルでも、子どもが安定した家庭でしっかり育つことが大事」と述べた。この大阪の事例と前厚生労働大臣の発言について、都の認識を伺う。

回答
 都は、社会的養護を必要とする児童の措置に当たっては、児童の福祉を第一に考えており、児童の意思を確認するとともに、心身の発達状況や保護者の家庭引き取りの可能性など、一人一人の状況を総合的に勘案し、まずは養育家庭への委託を検討しています。
 養育家庭への委託に当たっては、養育家庭の状況をきめ細かく把握するとともに、児童の様子を確認しながら、委託に向けた交流を重ねるなど、時間をかけて丁寧に対応しています。
 都の里親認定基準については、これまで、児童の成長・発達に必要な養育環境を提供するという観点から、児童福祉審議会の議論等を経て、改正しており、現在、平成28年の児童福祉法の改正を踏まえ、児童福祉審議会で御議論いただいています。

質問事項
一の9 一つでも多くの里親家庭を増やし、子どもにとっての選択肢を増やすことは喫緊の課題だと考えるが、都では、里親を希望する方たちの相談をどのように受け付けているか。相談件数、主な内容、そのなかで同性カップルからの相談についての現状を伺う。

回答
 児童相談所では、里親制度に関して、里親の要件や認定までの手続、子供の紹介から委託までの流れなど、様々な問合せを受けていますが、その件数について集計したものはありません。
 里親希望者から、里親認定の具体的な手続について相談があった場合には、希望者の年齢や家族の構成状況、欠格事由の該当の有無等、里親の要件を満たしているかどうかの確認を行うとともに、里親種別による違いや里親の役割などについての説明を詳細に行っており、平成28年度に、里親の認定について、新たに児童福祉審議会に諮問した件数は140件となっています。

質問事項
一の10 厚生労働省ガイドラインの里親希望者の要件は、同性カップルでも里親を希望することは可能である。運用主体は都道府県や政令指定都市であり、現在、東京都だけが同性カップルを里親に認定しない方針だが、里親にふさわしい人材か否かは、認定・登録後の委託の段階で判断されるべきである。方針を改め、認定基準も改善することを求め、見解を伺う。

回答
 都の里親認定基準については、これまで、児童の成長・発達に必要な養育環境を提供するという観点から、児童福祉審議会の議論等を踏まえ、改正してきました。
 平成28年に児童福祉法が改正され、要保護児童について、家庭と同様の環境における養育の理念が明記されました。こうしたことを踏まえ、現在、里親認定基準について児童福祉審議会で御議論いただいています。

平成29年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 とや英津子

質問事項
一 「日の丸・君が代」問題における東京都教育委員会の処分について
二 路地状敷地における重層長屋への対応について

一 「日の丸・君が代」問題における東京都教育委員会の処分について
1 小中高校教職員への長年にわたる「日の丸・君が代」の強制は、教育に欠かせない自由や自主性を奪ってきました。
 東京では、入学式・卒業式などにおいて教師が国旗に向かって起立し国歌を斉唱しない、音楽教師において伴奏を拒否するなどのことがあれば懲戒処分にしてきました。このような対応のもとになっているのが2003年に定めた10・23通達です。処分された教職員は、のべ480名余にのぼります。
 この背景には、国旗国歌法の制定があります。世論を二分したこの法律制定当時、政府は、「義務付けは行わない」「無理強いして斉唱させれば内心の自由に関わる」旨を繰り返し答弁していました。ところがその約束をふみにじり、都教委は小中高等学校での強制をエスカレートさせてきたのです。
 もともと「日の丸・君が代」は戦前日本の侵略戦争のシンボルとして使われたもので、拒否感をいだく国民は少なくありません。児童・生徒の目の前で教員の一挙手一投足を監視し、国旗・国歌に対し、特定の態度や行動を示せと強制することが、憲法に保障された思想・信条・内心の自由を侵し、子どもたちの教育をゆがめ、教員にどれだけの苦痛を与えるか、火を見るより明らかであります。
 こうしたもと、都教委の処分を不服として多くの教職員が立ち上がり、訴訟へと発展しました。
 東京地方裁判所は今年9月15日、職務命令違反を理由とする懲戒処分の取り消しを求めた裁判の判決を言い渡しました。
 今回の判決は、訴訟を起こした都立学校の教員14名のうち、6名7件の減給と停職処分は相当性を基礎づける具体的事象がなく、社会通念上著しく妥当性を欠き、懲戒権の範囲を逸脱・濫用にあたり違法であると、不起立の回数のみを理由とする加重処分を断罪しています。
 これで、これまでに10・23通達関連で確定した処分取り消しは、73件63名にのぼります。
 東京都教育委員会として処分取り消しの判決の内容をどのように認識していますか。
 東京都教育委員会はこの間、処分取り消しが確定した教員に対して事情聴取を行い、もう一度、今度は戒告処分を行ってきました。
2 事情聴取では呼び出された教員がメモをとることを「記録を一本化するため」などと言って認めず、メモを取り続けると、事情聴取を拒否したと見なすと聴取を打ち切ったそうです。事情聴取についてはこれまでも、「こんな人権侵害はありえない」と抗議をすると管理主事から「東京ではそうしている」との返事が返ってくる。さらに「例えば警察でもメモを取ることは認めていません」との発言もあり「私は犯人扱いですか」と抗議した教員もいたと聞いています。この事実を認めますか、認めませんか、どちらかでお答え下さい。
3 さらにこのような人権侵害に匹敵する態度は許されるものではありません。今回のような態度を謝罪し、改めるべきです。
 東京都教育委員会は、戒告処分については最高裁判決に従って対応しているとしています。
4 しかし、2012年の最高裁判決では裁判官から反対意見が出ており、「たとえ戒告処分であっても懲戒処分を科すことは、重きに過ぎ社会通念上著しく妥当性を欠き、裁量権の範囲を逸脱し、またはこれを濫用するもの」であって違法となるとの判断を示しています。教育委員会の見解を求めます。
5 さらに、多数意見においても、戒告処分について「これを当不当の問題として論ずる余地はありえる」とされており、無条件に戒告処分を容認したものではありません。教育委員会の見解を求めます。
6 また、同年の「いわゆる予防訴訟」における補足意見では、いたずらに不起立と懲戒処分が繰り返し行われていく事態が、教育現場のあり方として容認されるものではないと指摘し、自由で闊達な教育が実施されるよう努力することを求めています。
 こうした意見を真摯に受け止めるべきではありませんか。教育委員会の見解を求めます。
7 都教委は2003年の通達に基づく職務命令に従えない教職員に対し、職務命令違反1回目は戒告、2、3回目は減給、4回目以降は停職と回数を重ねるごとに懲戒処分を重くするやり方をつくりあげてきました。
 2012年の最高裁判決で、2回目以降の不起立に対する減給以上の処分が取り消されて以降、今度は3回目までを戒告とし、4回目以降の不起立に対して減給処分とする取り扱いをしています。
 結局、都教委の態度は処分ありきなのです。
 そもそも、10・23通達・職務命令・懲戒処分は、思想良心の自由を保障する憲法19条、信仰の自由を保障する20条、教育の自由を保障する23条、26条に違反し、教育基本法16条違反に該当しています。
 直ちに10・23通達を廃止し、教育現場での「国旗・国歌」の強制をやめ、学校現場で自由な教育が実施できるよう、教育行政のあり方を抜本的に改善することを求めます。
8 都教委はホームページ上で懲戒処分をはじめ処分が科された情報などを公表していますが、裁判で処分が取り消されたことについては未掲載です。他の局は住民訴訟の内容や結果を公表しており、これでは都教委として都民への説明責任を果たすことはできません。とりわけ訴訟結果については、本人の名誉に関わる問題です。訴訟結果は公表すべきです。
二 路地状敷地における重層長屋への対応について
 東京都内では、路地状敷地に共同の廊下や階段、エレベーターもなく、すべての住戸の扉が一階にあり、縦につらなるいわゆる「重層長屋」が増加しています。
 H21年には都内全体で路地状敷地における300平方メートル以上の重層長屋の件数は39件であったものが、H28年には130件に広がりました。
 私の住む練馬区でも、木造3階建て19戸の重層長屋の建設をめぐり、住民との深刻な摩擦が発生しています。
 この問題で、住民からは建物の周囲にほとんど空き地がなく、いったん火災が起きれば周囲への延焼がさけられないこと、新たに発生するプライバシー侵害や騒音問題、ごみ問題などの懸念が寄せられていますが、二回にわたっての区のあっせんでも平行線に終わっています。それどころか、住民の建設反対の意思表示であるのぼり旗の撤去などを求め、業者から訴訟まで起こされる事態となっています。
 こうした事例の発生の背景には、重層長屋に多数の住居があるにもかかわらず、建築基準法上は、共同住宅とは異なる「長屋」として扱われ、共同住宅をふくむ特殊建築物が受ける防火・避難上の規制を受けないこと、東京都の建築安全条例でも準耐火建築物の長屋に対する戸数制限の定めがないこと、など「重層長屋」に対する規制のゆるさを逆手に取った業者の動きがあります。
 国は、重層長屋について、住宅密集地に袋路状の狭い道路にのみ接する奥まった土地を使って多数の住戸からなる規模の大きな重層長屋が増えていること、火災時における避難安全性が危惧されるケースもあることから、規制を強化すべきとの指摘を受け、東京都をふくむ関係地方公共団体とともに、検討会を立ち上げ、この7月に「火災時等における大規模重層長屋の危険性とその対応について」(以下、国の報告書)をまとめました。
1 「重層長屋が建築されることにより、近隣住民から防災、通風、採光などで住民の苦情が高まっているがどのように認識しているか」とのわが党の質問に、都は「区市との建築行政に関する連絡会議を通じ、長屋についての情報を収集している」と答えています。さらに都は、今年2月、「路地状敷地の大規模長屋について」、特別区建築主管部長会会長あてに依頼文書を出し、そのなかで、「近年、一部の区で路地状敷地における大規模長屋に関する紛争が再び起きている」としています。ここでいう紛争は何件くらい起きているのですか、その主な内容はどのようなものですか。
2 国の報告書では、大規模重層長屋における火災時の具体的な危険性について、「1棟あたりに多数の住戸が存在しているため、火災等における避難時において、敷地内通路の幅員が狭く、また道路までの距離が長い敷地内通路を多数の者が使用すること等に起因して、敷地内通路の幅員が広く、敷地内通路を使用する者の数を抑えている場合と比べて、敷地からの避難、救助・消火活動等が困難となる可能性がある」「敷地が接する道路又は敷地の路地状部分の幅員や、敷地の接道長が不十分であること等により、敷地からの避難、救助・消火活動等が円滑に行われない可能性がある」と、敷地内の通路や、敷地が接する道路や路地が狭かったり、長かったりする場合に、避難や救助・消火に問題が生じる可能性がある点を指摘しています。都は、大規模重層長屋の危険性について、どのような認識をしていますか。
3 上記の危険性に対し、国の報告書では、「既に敷地内通路等の規制を行っているいくつかの地方公共団体においては、問題があると考えられるものは発生していない」とし、「既に条例により長屋や共同住宅による規制を強化している地方公共団体の例を参考に」して対応をとることを提案しています。都は、地方公共団体が行っている敷地内通路等の規制について把握していますか。把握している場合、その内容を教えてください。
4 国の報告書では、敷地内の通路や路地状になっている部分の幅について、地方公共団体が条例等で対応することを提案しています。都はどのように取り組んでいますか。条例による規制強化を求めるものですがいかがですか。
 上記で述べた物件は、敷地内通路の幅員を狭くしており、東京都建築安全条例の基準を満たしていない可能性があることが明らかになりました。
5 東京都建築安全条例に適合しない建物について、建築指導上、どのような措置がとられるのですか。
6 都が2012年に特定行政庁の建築主務課長にあてて出した「路地状敷地の大規模長屋における安全性確保の取り組みについて」では、「通路の有効幅員の確保の確認」などを求め、完了検査時には「建築基準関係規定に適合しない場合には確実に是正させること」、既存建築物に対しても、「パトロールを実施し、建築基準関係規定に適合しない場合には、適切に是正指導等を行うこと」を求めています。
 上記の文書を出した経緯と目的について教えて下さい。

平成29年第四回都議会定例会
とや英津子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 「日の丸・君が代」問題における東京都教育委員会の処分について
1 東京地裁は今年9月15日、職務命令違反を理由とする懲戒処分の取消を求めた裁判の判決を言い渡した。これで、これまでに10・23通達関連で確定した処分取り消しは、73件63名にのぼるが、東京都教育委員会として処分取り消しの判決の内容をどのように認識しているのか伺う。

回答
 卒業式等の式典において、国歌斉唱時の起立斉唱を求めた校長の職務命令が適法であることは、最高裁判所判決で繰り返し認められています。
 処分取消の判決については、処分量定の判断に係るものと認識しています。

質問事項
一の2 事情聴取では呼び出された教員がメモをとることを「記録を一本化するため」などと言って認めず、メモを取り続けると、事情聴取を拒否したと見なすと聴取を打ち切ったそうである。事情聴取についてはこれまでも、「こんな人権侵害はありえない」と抗議をすると「東京ではそうしている」との返事が返ってくる。「例えば警察でもメモを取ることは認めていません」との発言もあり「私は犯人扱いですか」と抗議した教員もいたと聞いている。この事実を認めるか、認めないか、見解を伺う。

回答
 都教育委員会が実施する事情聴取では、事実関係を明確にするため、服務事故を起こした者が述べたことについて、都教育委員会が記録し、その内容に事実と相違がないことを被聴取者に確認した上で、事情聴取の記録としています。

質問事項
一の3 このような人権侵害に匹敵する態度は許されるものではない。今回のような態度を謝罪し、改めるべきである。見解を伺う。

回答
 事情聴取において、人権侵害に当たる発言等は行っていません。
 今後も、職務の都合に合わせた日程調整や、適宜休憩を取る等十分に配慮していきます。

質問事項
一の4 東京都教育委員会は、戒告処分については最高裁判決に従って対応しているとしているが、2012年の最高裁判決では裁判官から反対意見が出ており、違法となるとの判断を示している。見解を伺う。

回答
 平成24年1月の最高裁判所判決においては、5人の裁判官のうち一人の裁判官が、反対意見を述べていることは承知しています。
 当該判決は、不起立行為は学校の儀式的行事としての式典の秩序や雰囲気を損なうものであり、教職員の不起立行為により式典に参列する生徒への影響も伴うことから、学校の規律や秩序の保持から懲戒処分を行うことは懲戒権者の裁量権の範囲内であること、処分を加重するような具体的な事情がある場合は、戒告を超えて減給や停職の処分をすることが許容される旨判示しています。

質問事項
一の5 多数意見においても、戒告処分について「これを当不当の問題として論ずる余地はありえる」とされており、無条件に戒告処分を容認したものではない。見解を伺う。

回答
 平成24年1月の最高裁判所判決は、「本件職務命令の違反に対し1回目の違反であることに鑑みて訓告や指導等にとどめることなく戒告処分をすることに関しては、これを裁量権の範囲内における当不当の問題として論ずる余地はあり得るとしても、その一事をもって直ちに裁量権の範囲の逸脱又はその濫用として違法の問題を生ずるとまではいい難い」としており、戒告処分をした都教育委員会の判断は、社会観念上著しく妥当性を欠くものとはいえず、懲戒権者としての裁量権の範囲を超え又はこれを濫用したものとして違法であるとはいえないと解するのが相当である旨判示しています。

質問事項
一の6 同年の「いわゆる予防訴訟」における補足意見では、いたずらに不起立と懲戒処分が繰り返し行われていく事態が、教育現場のあり方として容認されるものではないと指摘し、自由で闊達な教育が実施されるよう努力することを求めている。こうした意見を真摯に受け止めるべきではないか。見解を伺う。

回答
 平成24年2月のいわゆる予防訴訟における最高裁判所判決には、「教育の現場でこのような職務命令違反行為と懲戒処分がいたずらに繰り返されることは決して望ましいことではない」との補足意見があることは承知しています。
 平成24年1月の最高裁判所判決は、不起立行為は学校の儀式的行事としての式典の秩序や雰囲気を損なうものであり、教職員の不起立行為により式典に参列する生徒への影響も伴うことから、学校の規律や秩序の保持から懲戒処分を行うことは懲戒権者の裁量権の範囲内であること、処分を加重するような具体的な事情がある場合は、戒告を超えて減給や停職の処分をすることが許容される旨判示しています。
 都教育委員会は、引き続き、卒業式等の式典における不起立行為について、適切に対処していきます。

質問事項
一の7 10・23通達・職務命令・懲戒処分は、思想良心の自由を保障する憲法19条や教育基本法16条等の違反に該当している。直ちに10・23通達を廃止し、教育現場での「国旗・国歌」の強制をやめ、学校現場で自由な教育が実施できるよう、教育行政のあり方を抜本的に改善することを求めるが、見解を伺う。

回答
 学校における国旗・国歌に関する指導は、学習指導要領に基づき、全ての児童・生徒に国旗・国歌の意義を理解させ、それらを尊重する態度を育てるために行っているものです。
 平成23年5月、最高裁判所は、判決において、都教育委員会が平成15年10月23日付けで発出した、「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について(通達)」に基づく職務命令は、思想及び良心の自由を侵すものではなく、憲法第19条に違反するものではない旨判示しています。
 その後の最高裁判所の判決においても、学習指導要領に基づき、自校の入学式、卒業式等を適正に実施するため、校長が職務命令を発出することは何ら問題がない旨判示されており、通達を廃止する考えはありません。

質問事項
一の8 都教委はホームページ上で懲戒処分をはじめ処分が科された情報などを公表しているが、裁判で処分が取り消されたことについては未掲載である。訴訟結果は公表すべきであるが、見解を伺う。

回答
 都教育委員会が、都の公立学校に勤務する教職員に対して行った懲戒処分については、平成12年12月26日付けで都教育委員会が決定した基準により、適切に公表しています。

質問事項
二 路地状敷地における重層長屋への対応について
1 都は、今年2月、特別区建築主管部長会会長あてに依頼文書を出し、そのなかで、「近年、一部の区で路地状敷地における大規模長屋に関する紛争が再び起きている」としているが、ここでいう紛争は何件くらい起きているのか、その主な内容はどのようなものか伺う。

回答
 平成29年2月の特別区建築主管部長会宛ての依頼文書における紛争とは、建築確認処分に対する関係住民から区の建築審査会への審査請求を指しています。
 平成28年度には、避難上及び安全上の面から2件の審査請求がなされました。

質問事項
二の2 国の報告書では、大規模重層長屋における火災時の具体的な危険性について、敷地内の通路や、敷地が接する道路や路地が狭かったり、長かったりする場合に、避難や救助・消火に問題が生じる可能性がある点を指摘している。都は、大規模重層長屋の危険性について、どのような認織をしているのか伺う。

回答
 都は、安全上、防火上の観点から、通則的な建築基準法の規定による制限に加えて、東京都建築安全条例により、大規模長屋について敷地内の通路の幅などの制限を附加しています。
 平成24年度に大規模長屋に関する規制の在り方について、都と特別区で協議を行い、当時、地域により大規模長屋を巡る状況が異なることなどから、引き続き、特別区間で情報交換や検討を行っていくこととしました。
 平成28年度に一部の区で大規模長屋に関し、再び審査請求がなされたことから、都は、区や市の建築主管部課長会に対して、大規模長屋に関する見解の取りまとめを依頼しており、その見解も踏まえて規制の在り方について検討していく必要があると考えています。

質問事項
二の3 都は、地方公共団体が行っている敷地内通路等の規制について把握しているか。把握している場合、その内容について伺う。

回答
 長屋については、必要に応じ、地方公共団体が地域の特性を踏まえ、条例により規制を行っています。例えば、大阪府や埼玉県などでは、敷地内の通路の幅や長さに関する規定を設けています。

質問事項
二の4 国の報告書では、敷地内の通路や路地状になっている部分の幅について、地方公共団体が条例等で対応することを提案している。都はどのように取り組んでいるか。条例による規制強化を求めるものであるが、見解を伺う。

回答
 都は、一部の区で再び審査請求がなされたことから、平成29年2月、区や市の建築主管部課長会に対して、大規模長屋に関する見解の取りまとめを依頼しており、その見解も踏まえて規制の在り方について検討していくこととしています。

質問事項
二の5 東京都建築安全条例に適合しない建物について、建築指導上、どのような措置がとられるのか伺う。

回答
 都内の特定行政庁では、所管内の建築物について、東京都建築安全条例に適合しない場合、建築主に指示を行うなどの行政指導などが行われています。

質問事項
二の6 都が2012年に出した「路地状敷地の大規模長屋における安全性確保の取り組みについて」では、「通路の有効幅員の確保の確認」などを求め、完了検査時には「建築基準関係規定に適合しない場合には確実に是正させること」、既存建築物に対しても、「パトロールを実施し、建築基準関係規定に適合しない場合には、適切に是正指導等を行うこと」を求めている。上記の文書を出した経緯と目的について伺う。

回答
 都は、平成23年、都内全域で路地状敷地の大規模長屋も対象とした一斉公開パトロールを行いました。
 その結果、路地状部分にごみ箱が設置されるなど、東京都建築安全条例に定める通路の幅員が確保できていない事例の報告がありました。
 これを踏まえ、路地状敷地の大規模長屋における維持管理の適正化等を図るため、その対応について、都内の各特定行政庁に対し、平成24年2月、文書で依頼しました。

平成29年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 河野ゆりえ

質問事項
一 硬式野球チーム江戸川南リトル&リトルシニアリーグのグラウンド確保について

一 硬式野球チーム江戸川南リトル&リトルシニアリーグのグラウンド確保について
 2020年東京五輪の競技施設建設等に伴って、子ども達にとって大事な運動場や広場など、スポーツ活動を行なう場所が失われています。
 例えば、江戸川南リトル&リトルシニアリーグは、江戸川区内及び周辺地域の野球愛好少年少女に野球を通して、健全な心身の育成と親睦をはかるとともに、周辺地域の社会活動に協力することを目的に、1984年に創設された硬式野球チームで、全日本選手権大会、全国選抜大会などに出場し、何回もの優勝、準優勝の成績をおさめてきました。リトルリーグ・ワールドシリーズでは、2008年に3位、2010年には世界一となりました。世界大会で優勝した時は、当時の石原慎太郎都知事を表敬訪問し、東京都は新たに創設した「東京スポーツ奨励賞」を贈りました。
 リーグからは、メジャーリーガーとなった松坂大輔選手をはじめ、高校野球の甲子園出場選手、プロ野球選手を数多く輩出しています。
 このような歴史ある江戸川区の小中学生野球のホームグラウンドが、今年度から確保が困難になっています。その理由は、2003年以来使用してきた臨海第二球技場のグラウンド2面が下水道局の所有地で、そこが2020年東京五輪のカヌー・スラローム競技場の建設地に決まったことにあるのです。
 臨海第二球技場は、2003年から下水道局の土地を、江戸川区が区内の軟式・硬式野球チームのグラウンドとして1年毎に貸与契約を結んでいましたが、カヌー・スラローム競技場建設の準備のために、今年3月31日をもって契約更改ができなくなりました。その結果、ホームグラウンドとして使用できない事態になりました。
 今、重要なのは、条件に恵まれた臨海第二球技場を失っただけでなく、代替のグラウンドの確保が非常に困難になっていることです。
 遡ってのことですが、カヌー・スラローム競技場建設地が当初の予定地だった都立葛西臨海公園から下水道局の土地に変更になった時期の2015年秋頃、江戸川区と東京都は、軟式・硬式の野球チーム役員に対し、「カヌー・スラローム競技施設の建設に反対しないでほしい。代替のグラウンド確保は努力する」旨の説明をしていたとも聞きます。その後、2016年6月に再度説明会が持たれましたが、代替グラウンド確保については明解な回答はなく、2017年3月末で臨海第二球技場は閉鎖となった経過があります。
 このことに関しては、この間リーグの役員が、区・都への要請を何回も行なう中で、江戸川区が荒川右岸河川敷の29番グラウンドを使用できるように手当てしました。しかし4月から11月末までは日曜日の午後しか使用できず、やっと、この12月に入って土曜と日曜に使用できるようになったものの、ホームグラウンドを失った事態は未だ解決を見ていません。
 子ども達は、こうした条件の下でも練習に励んでいますが、肝心のグラウンドが見つからず、役員達は、千葉県や神奈川県に出向いて抽選に申し込むなどグラウンド確保に努力しています。
 この例のように、少年野球などスポーツを愛する子ども達の夢を守ってあげたいと、保護者はもとより関係する大人達は心を痛め、涙ぐましい努力をしているのです。
 グラウンド確保については、例えば区内や近隣の区において使っていない都の所有地を活用する可能性はどうなのでしょうか。硬式野球の練習や試合に必要な面積は、およそ100メートル四方、1ヘクタールです。一例をあげれば、江戸川区臨海町1丁目の東京臨海病院の隣の都有地は、長期にわたって未利用地となっています。ここは、2020年東京五輪では警視庁や消防庁の活動拠点となる計画はあるものの、2018年については、両庁とも使用は予定していないと仄聞しています。
 スポーツを愛する少年少女の夢がかなうよう、都有地や公園の提供など「できる」万策を講じることこそが重要ではないでしょうか。そこで知事にうかがいます。
1 知事は、2020年東京五輪の競技施設建設によって、子ども達の貴重なスポーツ施設がなくなっている事例があることをご存知でしょうか。また、世界のスポーツの祭典であるオリンピック・パラリンピックなのに、開催都市東京で、未来のアスリート達の夢が押しつぶされているような現状をどのようにお考えでしょうか。それぞれお答えください。
2 子ども達の夢や希望を育み、未来のアスリート達を育成し、機運を醸成していくためには、都と区が連携していくことが欠かせません。今回、起きたような事例に関しては、区との協議・協力を進めていただくことを強く要望いたします。
 以上知事の所見をうかがいます。

平成29年第四回都議会定例会
河野ゆりえ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 硬式野球チーム江戸川南リトル&リトルシニアリーグのグラウンド確保について
1 知事は、2020年東京五輪の競技施設建設によって子ども達の貴重なスポーツ施設がなくなっている事例があることをご存知か。また、世界のスポーツの祭典であるオリンピック・パラリンピックの開催都市東京で、未来のアスリート達の夢が押しつぶされている現状をどのように考えているか伺う。

回答
 御質問の事例にある野球場については、地元区が都の所有する未利用地を一時的に借り受け、設置していたものであり、当該用地については、地元区と協議の上、使用許可を終了し、東京2020大会の競技施設整備を進めているところです。
 競技会場の整備や大会の開催により、既存スポーツ施設の利用に一定の影響があることは認識しており、これまでも地元からの要望等も考慮しながら施設のレイアウトを再検討するなど、その影響を極力抑制するように調整を行ってきました。
 都が新たに整備する新規恒久施設は、東京2020大会時の競技施設としてのみならず、大会後も多くの都民に利用される、スポーツ振興の拠点としていきます。

質問事項
一の2 子ども達の夢や希望を育み、未来のアスリート達を育成し、機運を醸成していくためには、都と区が連携していくことが欠かせない。今回、起きたような事例に関しては、区との協議・協力を進めることを強く要望する。所見を伺う。

回答
 東京2020大会の競技会場の整備等に際して都民の利用に影響が出る既存のスポーツ施設については、これまでも地元からの要望等も考慮しながら、その影響を極力抑制するように調整を行い、進めてきました。工事中などの代替施設の確保を求める声に関しても、地元自治体等と調整しながら対応してきました。
 東京2020大会の準備に当たっては、今後とも、地元自治体と協力し、都民の理解が得られるよう努めていきます。

平成29年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 里吉ゆみ

質問事項
一 歩道橋の撤去、バリアフリー対応について

一 歩道橋の撤去、バリアフリー対応について
 現在都内には約六百の歩道橋があると言われています。かつては、交通事故から歩行者の命を守るための安全対策として整備された歩道橋ですが、設置から50年近く経過し、老朽化がすすんでいます。維持更新のための改修が求められる一方で、バリアフリーの観点から、歩道橋を撤去して横断歩道の設置の要望、歩道橋へのエレベーター設置の要望が出されています。何十段もの階段を上り下りして歩道橋を渡るということは、高齢者にとって本当に大変なことです。車イスやベビーカーでは歩道橋を使えません。
 都は歩道橋の撤去について、利用者が少ないこと、近傍に横断歩道が設置されていること、さらに通学路に指定されていないことの三条件を全て満たす歩道橋について、地元住民や交通管理者等の合意を得られたものから撤去をすすめている、一方近傍に横断歩道がないなど、地域住民の生活に不可欠な歩道橋については存続させることとし、必要に応じバリアフリー対策を講じるなど、横断歩道橋の取扱いについての基本方針を策定しています。
1 道路を横断したい歩行者が一定数いて、歩道橋を渡るのが困難なためバリアフリー化を求める要望がよせられた場合の、都の対応について伺います。
2 横断歩道橋の扱いについては時代の変化に合わせて、個別の歩道橋ごとに、歩道橋を残したままでも横断歩道を設置することや、歩道橋撤去にあわせて横断歩道を設置するなど、柔軟に対応することも必要ではないでしょうか。都の見解を伺います。
 たとえば、私の自宅近くにある環八千歳台交差点は、都道の環八と補助54号線が交差していますが、ここには自転車用の横断帯、自転車専用レーンがあるだけで、横断歩道はありません。歩行者は歩道橋をわたるしかないわけですが、横断歩道は、交差点から南に約400メートル、北に450メートル先にしかありません。「近くの温水プールや都立公園に行きたいと思うが、歩道橋を渡るのが大変」「子どもを保育園に送っていくのに、自転車だと横断できるけど、雨の日は歩道橋をわたるのが大変」などの声が多数だされています。特にこの地域では、近隣住民から歩道橋を撤去して欲しいとの要望が繰り返し世田谷区や成城警察署、建設局第二建設事務所に寄せられています。地元住民の皆さんは、近隣の清掃工場や農協支店など17団体と千人以上の個人署名を集め、世田谷区議会への要請を行い、世田谷区議会でも繰り返し複数会派がこの問題を取り上げています。
 他の地域でも、歩道橋を撤去するかバリアフリー化して欲しいという要望はいくつも寄せられています。
3 横断歩道橋の撤去やバリアフリー化などについて、地元住民の要望に答え、都として建設事務所や該当警察署が、地元自治体と解決に向けた協議の場を持つことも必要だと思うが見解を伺う。

平成29年第四回都議会定例会
里吉ゆみ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 歩道橋の撤去、バリアフリー対応について
1 道路を横断したい歩行者が一定数いて、歩道橋を渡るのが困難なためバリアフリー化を求める要望がよせられた場合の、都の対応について伺う。

回答
 都では、既設歩道橋のうち、高齢者や障害者などの利用が多く、エレベーターやスロープの設置を優先的に実施する必要が特に高い歩道橋を対象に、歩道における空間が確保できるなど、構造基準を満たせる箇所において、バリアフリー法などに基づき対策を実施しています。

質問事項
一の2 横断歩道橋の扱いについては時代の変化に合わせて、個別の歩道橋ごとに、歩道橋を残したままでも横断歩道を設置することや、歩道橋撤去にあわせて横断歩道を設置するなど、柔軟に対応することも必要ではないか。都の見解を伺う。

回答
 横断歩道の設置に当たっては、歩道橋の撤去に併せて代替施設として設置するなど、交通管理者と協議の上、実施しています。

質問事項
一の3 横断歩道橋の撤去やバリアフリー化などについて、地元住民の要望に答え、都として建設事務所や該当警察署が、地元自治体と解決に向けた協議の場を持つことも必要だと思うが見解を伺う。

回答
 横断歩道橋の撤去やバリアフリー化などについては、これまでも、地元住民の意見や要望を踏まえ、地元自治体や交通管理者等と連携し、検討しています。

平成29年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 中村ひろし

質問事項
一 防災対策について

一 防災対策について
 東日本大震災から7年近くが経過しますが、11月に都が発表した「平成29年度第2回インターネット都政モニター」でも「東京都が取り組むべき分野」として「防災対策」が53.1%と最も高くなっています。東日本大震災では東京都内では最大震度5強と大きく揺れ、社会インフラに大きな被害はなかったものの、交通機関が麻痺し数多くの帰宅困難者が発生し大きな問題となりました。首都直下型地震に備えるため、都も帰宅困難者対策に取り組んではいますが、施策の策定時から時間の経過もあることから、あらためて施策の現状を確認し、課題については対策を行い、都民の安全・安心を守るため取り組むことが求められます。防災対策について、より一層推進することを求めて、以下、質問します。
1 都は、平成28年12月策定の長期計画である「都民ファーストでつくる『新しい東京』 2020年に向けた実行プラン 」において、帰宅困難者対策に関し、2020年度の目標として、行き場のない92万人の帰宅困難者全員の安全確保を掲げています。都はこれまで、一時滞在施設の確保を進めていますが、現在の確保状況について伺います。
2 92万人分の一時滞在施設の確保に向けた課題、確保の見込みについて伺います。
3 首都直下型地震はいつ来るか分からない状況で、すぐにも発生する可能性は誰も否定できません。92万人分の一時滞在施設を確保するまでに、帰宅困難者に対してどのように対応するのか伺います。
4 発災時に、民間一時滞在施設が受け入れた帰宅困難者に対して備蓄品を提供した場合、また一時滞在施設の協定を締結していない民間施設が帰宅困難者に対して備蓄品を提供した場合、それぞれ災害救助法に基づく補償が受けられるのかどうか伺います。
5 民間が一時滞在施設として協力する場合、水、食糧、毛布などの備蓄品を用意することになります。設置当初に購入するだけではなく、水、食糧等の保存期限があるものは定期的に買い替えなければならなくなります。一時滞在施設として使用協力していただくためには、最初の購入時、さらには定期的な買い替え時について都の支援が必要と考えますが、見解を伺います。
6 災害時に帰宅困難者が一時滞在施設に避難した際、万一施設内で事故があった場合の損害賠償責任に関し、公の施設と民間施設について、それぞれ誰が責任を負うことになるのか伺います。
7 民間の施設が善意で一時滞在施設として協力しても、災害発生時において、万一、避難した人がその施設内で事故があった場合、損害賠償請求を受ける可能性があります。今後、一時滞在施設の協力を求めていく際に、こうしたことが原因で協力を躊躇することが考えられます。自治体によっては、一時滞在施設として協力を求める際の協定を締結する際に、その責任を自治体が負うとの取り決めを交わす事例があるとのことです。
 民間一時滞在施設を対象とした、帰宅困難者を受け入れた際の損害賠償責任が免責されるしくみづくりについて、都として対応すべきと考えますが見解を伺います。

平成29年第四回都議会定例会
中村ひろし議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 防災対策について
1 都は、「都民ファーストでつくる『新しい東京』~2020年に向けた実行プラン~」において、2020年度の目標として、行き場のない92万人の帰宅困難者全員の安全確保を掲げている。都はこれまで、一時滞在施設の確保を進めているが、現在の確保状況について伺う。

回答
 都はこれまで、都立施設を一時滞在施設に指定するとともに、区市町村や国の協力を得て、公的施設での一時滞在施設の確保を進めてきました。
 また、経済団体や企業が開催する防災に関する講演会など、様々な機会を捉え、民間事業者に対して一時滞在施設の確保に向けた協力を要請するとともに、帰宅困難者向けの備蓄品購入費用への補助などを通じて、事業者が確保に協力しやすい環境整備を進めてきました。
 その結果、平成29年7月1日現在で、918施設、受入人数としては約32万8千人分の一時滞在施設を確保しています。

質問事項
一の2 92万人分の一時滞在施設の確保に向けた課題、確保の見込みについて伺う。

回答
 事業者を対象としたアンケート調査によると、一時滞在施設になることが困難な理由として、「外部の帰宅困難者を受け入れるスペースがない」「外部の帰宅困難者用の水・食料の備えがない」ことなどが挙げられています。
 都はこれまで、主要ターミナル駅周辺で帰宅困難者の受入スペースなどを整備した場合の施設整備費や帰宅困難者向けの備蓄品購入経費について、民間一時滞在施設を対象とした補助制度を創設するなど、事業者の一時滞在施設への協力を後押しする取組を進めてきました。
 また、平成29年度、一時滞在施設確保への協力を事業者に直接働きかける専任の職員を新たに配置し、区市町村との連携の下で更なる確保に向けた取組を進めています。
 今後も引き続き、事業者に幅広く協力を求めつつ、一時滞在施設の確保に努めていきます。

質問事項
一の3 首都直下型地震はいつ来るか分からない状況で、すぐにも発生する可能性は誰も否定できない。92万人分の一時滞在施設を確保するまでに、帰宅困難者に対してどのように対応するのか伺う。

回答
 都は、帰宅困難者対策条例において、都・都民・事業者のそれぞれの責務を規定し、自助・共助・公助による総合的な対策を推進してきました。
 92万人分の帰宅困難者への対応としては、一時滞在施設の確保に加え、例えば企業に対して、従業員以外の帰宅困難者を受け入れるために従業員向け備蓄品の10パーセント余分の備蓄や、鉄道事業者等に対し、駅や集客施設での利用者保護などを広く呼びかけてきました。
 また、平成29年9月に設置した有識者による検討会議では、一時滞在施設の協定を締結していない施設についても、発災時には3日未満でも帰宅困難者を積極的に受け入れるよう日頃から広く呼びかけていくべき、といった議論を行いました。
 今後、帰宅困難者の更なる安全安心の確保に向け、報告書の内容を踏まえた事業展開について検討を進めていきます。

質問事項
一の4 発災時に、民間一時滞在施設が受け入れた帰宅困難者に対して備蓄品を提供した場合、また一時滞在施設の協定を締結していない民間施設が帰宅困難者に対して備蓄品を提供した場合、それぞれ災害救助法に基づく補償が受けられるのかどうか伺う。

回答
 災害救助法では、第2条において、都道府県知事が、災害により被害を受け、現に救助を必要とする者に対して、救助を行うと定めています。その上で、第4条において10種類の救助を定め、第18条において、第4条の規定による救助に要する費用は、救助の行われた地の都道府県が、これを支弁すると定めています。
 一時滞在施設の協定を締結していない施設はもとより、協定を締結している一時滞在施設においても、備蓄品の提供については、災害救助法には明文化されておらず、都から支弁が受けられるのかどうか必ずしも明確ではありません。
 一時滞在施設の更なる確保に向け、多くの民間事業者の協力を得ていくためには、一時滞在施設に協力した事業者の負担を軽減していくことが重要です。このため、都はこれまで、一時滞在施設の運営に当たり事業者が負担した費用について、災害救助法による都からの支弁を受けられることを明らかにするよう、国に対して提案要求を行ってきました。
 今後も引き続き、国に対して要求していきます。

質問事項
一の5 民間が一時滞在施設として協力する場合、水、食糧、毛布などの備蓄品を用意することになるが、保存期限があるものは定期的に買い替えなければならない。一時滞在施設として使用協力してもらうためには、最初の購入時、さらには定期的な買い替え時に都の支援が必要と考えるが、見解を伺う。

回答
 都は、共助の理念に基づく帰宅困難者対策を推進する観点から、様々な事業者に対し、一時滞在施設の確保に向けた協力を幅広く呼びかけることに加え、帰宅困難者向けの備蓄品購入費用の負担軽減のため、水・食料・毛布などの購入費用に対する補助を実施しています。

質問事項
一の6 災害時に帰宅困難者が一時滞在施設に避難した際、万一施設内で事故があった場合の損害賠償責任に関し、公の施設と民間施設について、それぞれ誰が責任を負うことになるのか伺う。

回答
 国や地方公共団体が設置する施設について、設置又は管理に瑕疵があったために他人に損害を生じたときは、国家賠償法第2条の規定により、その施設を設置又は管理する国又は公共団体が損害賠償責任を負うことになります。
 一方、民間施設の場合には、民法第717条の規定により、施設の所有者又は占有者が損害賠償責任を負うことになります。

質問事項
一の7 民間一時滞在施設を対象とした、帰宅困難者を受け入れた際の損害賠償責任が免責されるしくみづくりについて、都として対応すべきと考えるが見解を伺う。

回答
 民間一時滞在施設において、発災時に余震等で施設が損壊したことなどにより、受け入れた帰宅困難者が怪我等をした場合には、施設側が民法に基づく損害賠償責任を負うリスクがあります。
 この問題は、東京のみならず全国的な課題であることから、法改正による全国共通の制度の創設が必要であると考えています。
 このため都は、「発災時の損害賠償責任が事業者に及ばない制度」の創設に向け、国に対して法改正を実施するよう提案要求を行ってきました。
 現時点では、国に動きはありませんが、今後も引き続き、その実現に向け、更に強力に国に対して働きかけを行っていきます。

平成29年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 尾崎あや子

質問事項
一 土砂災害警戒区域等について

一 土砂災害警戒区域等について
 東京都は、土砂災害から都民の命を守るために、土砂災害防止法に基づく基礎調査を行い、警戒区域の指定を行っています。
 私の活動地域である東村山市内の5ヵ所が、2017年度(平成29年度)までに土砂災害警戒区域を指定される見込みとなりました。10月末には住民説明会も開催されましたが、住民の方々からは「土砂災害警戒区域に指定されたらどうなるのか。対策は自己責任なのか」「雨や台風のたびに不安になる」などの声も寄せられています。
 東村山市内では、2016年8月の台風9号の影響で西武多摩湖線ののり面が崩壊したことは市民の記憶に鮮明に残っています。
 被害が起きないように災害対策を行うことは大変重要です。
 小池都知事は、第4回定例会「所信表明」で「自然災害の脅威から都民の生命と財産をしっかり守っていく」と述べました。
 都民の命とくらしを守るための対策を求めて、いくつか質問します。
1 現在、土砂災害警戒区域指定等になっているのは、都内でいくつありますか。
2 2019年度(平成31年度)までに警戒区域等を指定する計画になっているのは、都内でいくつありますか。
3 土砂災害警戒区域等の指定の状況については、都が定期的に後追い調査が必要だと思いますが、いかがですか。
4 土砂災害警戒区域等指定などに対するハード・ソフトそれぞれの災害防止対策について、都や国の住民への取組はありますか。その内容について、ご説明下さい。
5 国の「住宅・建築物安全ストック形成事業」で土砂災害特別警戒区域、いわゆるレッドゾーン区域内にある住宅などの外壁の強化や防護壁の設置に補助するメニューをつくり、都内でも北区と世田谷区でこの補助を活用する制度を立ち上げました。しかし、この事業は、補助金を国と自治体で折半するしくみであるため、対象となる地域が多い多摩地域の自治体は立ち上げにくいのが実情です。区市町村の意見もよく聞き、区市町村の負担を軽減するため、国の事業に都も上乗せ補助を行うべきですが、いかがですか。
6 土砂災害を防止するための擁壁などの建設費の負担が重くのしかかります。先日、お話しを聞いたお宅では擁壁に1000万円以上かかったということでした。都独自の支援策が必要だと思います。
 鳥取県では、県が先行してレッドゾーン区域内で構造強化を行う住宅の建替えおよび新増改築に対し、市町村と連携した補助を2009年に創設し県と市町で国の「住宅・建築物安全ストック形成事業」を上回る助成金が受けられるようにしています。
 都として区市町村と協力してレッドゾーン区域内にある住宅の安全性への支援を検討すべきですが、いかがですか。
7 都が土砂災害警戒区域等の住民の不安を解消するために、都として警戒区域について説明する窓口は在りますか。また、都として都民の様々な疑問や要望にこたえる「相談窓口」を設置すべきですが、いかがですか。
8 土砂災害警戒区域等の安全点検を都はどのように行っていますか。都としての安全対策として崩壊センサー(地すべり計)と雨量計などの設置を行うよう求めますが、いかがですか。
9 土砂災害警戒区域等へのハード対策として、都は避難所や要配慮者施設などの重要度や災害発生の危険度を考慮した評価フローをとりまとめ、土砂災害警戒区域等ごとに評価を実施しているとのことです。その結果、対策が必要な箇所は現在、どれくらいありましたか。対策が求められる箇所について、今後どのような対策を進める予定ですか。
10 都は、台風や集中豪雨の際にがけ崩れなどが起こるおそれがある地域のなかで、条件を満たす地域について、急傾斜地崩壊対策事業を行っています。事業を行うためには急傾斜地崩壊危険区域に指定されることが求められますが、その条件について教えてください。地権者などからの要望にもとづき、急傾斜地崩壊危険区域を新たに指定し、事業を実施することは可能ですか。

平成29年第四回都議会定例会
尾崎あや子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 土砂災害警戒区域等について
1 現在、土砂災害警戒区域指定等になっているのは、都内でいくつあるか伺う。

回答
 平成30年1月末時点において、土砂災害警戒区域は、11,503か所、そのうち特別警戒区域として、8,800か所を指定しています。

質問事項
一の2 2019年度(平成31年度)までに警戒区域等を指定する計画になっているのは、都内でいくつあるか伺う。

回答
 都内には、土石流や崖崩れなど、土砂災害のおそれのある箇所が、合わせて約15,000か所あると想定しています。

質問事項
一の3 土砂災害警戒区域等の指定の状況については、都が定期的に後追い調査が必要だと思うが、見解を伺う。

回答
 都は、土砂災害防止法に基づき、おおむね5年ごとに基礎調査を行うこととしています。

質問事項
一の4 土砂災害警戒区域等指定などに対するハード・ソフトそれぞれの災害防止対策について、都や国の住民への取組はあるか。その内容について伺う。

回答
 都は、土砂災害警戒区域等における住民の避難に資する対策として、土砂災害警戒区域等のデータを区市町村に提供し、ハザードマップの作成を支援する等、警戒避難体制の整備を促進しています。
 また、土砂災害特別警戒区域内における建物所有者等からの確認申請に対して、一般の基準より強化された構造基準に基づき審査しています。
 国においては、同区域内の既存建築物の所有者が行う改修等に対して、必要な費用を補助する仕組みがあります。

質問事項
一の5 国の「住宅・建築物安全ストック形成事業」は、補助金を国と自治体で折半するしくみであるため、対象となる地域が多い多摩地域の自治体は立ち上げにくいのが実情である。区市町村の負担を軽減するため、国の事業に都も上乗せ補助を行うべきであるが、見解を伺う。

回答
 都は、国費を有効に活用して土砂災害特別警戒区域内の既存不適格建築物の改修等が進むよう、引き続き、区市町村に対して、情報提供等の支援を行っていきます。

質問事項
一の6 鳥取県では、レッドゾーン区域内で構造強化を行う住宅の建替えおよび新増改築に対し、市町村と連携した補助を創設し、県と市町で国の事業を上回る助成金が受けられる。都として、区市町村と協力してレッドゾーン区域内にある住宅の安全性への支援を検討すべきであるが、見解を伺う。

回答
 鳥取県の補助制度は、土砂災害特別警戒区域内に居住する方の定住を支援することを目的としています。
 都は、国費を有効に活用して土砂災害特別警戒区域内の既存不適格建築物の改修等が進むよう、引き続き、区市町村に対して、情報提供等の支援を行っていきます。

質問事項
一の7 土砂災害警戒区域等の住民の不安を解消するために、都として警戒区域について説明する窓口は在るか。また、都として都民の様々な疑問や要望にこたえる「相談窓口」を設置すべきであるが、見解を伺う。

回答
 土砂災害警戒区域等の指定に関する住民等からの疑問等については、区域指定を担当する建設局河川部内に「川の相談コーナー」を常設し、対応しています。

質問事項
一の8 土砂災害警戒区域等の安全点検を都はどのように行っているか。都としての安全対策として崩壊センサー(地すべり計)と雨量計などの設置を行うよう求めるが、見解を伺う。

回答
 土砂災害警戒区域等の指定は、土砂災害のおそれのある箇所を周知し、警戒避難体制の整備を促進することを目的としています。
 降雨により土砂災害の危険性が高まったときにおける、区市町村長の避難情報の発令等の参考となるよう、都は、気象庁と共同で土砂災害警戒情報を発表しています。
 土砂災害警戒区域等において、都は、安全点検や雨量計等の設置を行っていません。
 なお、都は、全ての土砂災害警戒区域等において、おおむね5年ごとに基礎調査を行うこととしています。

質問事項
一の9 土砂災害警戒区域等へのハード対策として、都は避難所や要配慮者施設などの重要度や災害発生の危険度を考慮した評価フローをとりまとめ、土砂災害警戒区域等ごとに評価を実施しているとのことであるが、その結果、対策が必要な箇所は現在、どれくらいあったか。対策が求められる箇所について、今後どのような対策を進める予定か伺う。

回答
 現在、土石流のおそれのある約1,500か所の警戒区域等について、避難所や24時間滞在型の要配慮者利用施設の有無、災害発生の危険度などに応じて分類し、このうち特に緊急性が高いと評価された、奥多摩町小丹波地区内の2か所で、今年度、基本計画の策定に着手しています。

質問事項
一の10 台風や集中豪雨の際にがけ崩れなどが起こるおそれがある地域のなかで、都が急傾斜地崩壊対策事業を行うためには、急傾斜地崩壊危険区域に指定されることが求められるが、その条件について伺う。地権者などからの要望にもとづき、急傾斜地崩壊危険区域を新たに指定し、事業を実施することは可能か伺う。

回答
 急傾斜地崩壊危険区域は、傾斜度が30度以上の急傾斜地で、その崩壊により相当数の居住者等に危害が生じるおそれのある区域等について、指定できることになっています。
 急傾斜地については、所有者、管理者等が対策を実施することを基本としており、都は、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律に基づき、土砂災害のおそれのある自然斜面において、所有者等による対策が困難な場合に、区市町村の要望を受け、急傾斜地崩壊対策事業を実施しています。

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