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Tokyo Metropolitan Assembly

平成二十七年東京都議会会議録第十五号

平成二十七年十二月一日(火曜日)
 出席議員 百二十四名
一番小林 健二君
二番加藤 雅之君
三番菅野 弘一君
四番川松真一朗君
五番山内  晃君
六番栗山よしじ君
七番堀  宏道君
八番大津ひろ子君
九番塩村あやか君
十番やながせ裕文君
十一番おときた駿君
十二番小松 久子君
十三番中山ひろゆき君
十四番米倉 春奈君
十五番白石たみお君
十六番斉藤やすひろ君
十七番栗林のり子君
十八番遠藤  守君
十九番伊藤こういち君
二十番松田やすまさ君
二十一番河野ゆうき君
二十二番ほっち易隆君
二十三番舟坂ちかお君
二十四番島崎 義司君
二十五番鈴木 錦治君
二十七番宮瀬 英治君
二十八番田中 朝子君
二十九番上田 令子君
三十番山内れい子君
三十一番西沢けいた君
三十二番田中  健君
三十三番里吉 ゆみ君
三十四番和泉なおみ君
三十五番尾崎あや子君
三十六番大松あきら君
三十七番吉倉 正美君
三十八番まつば多美子君
三十九番高倉 良生君
四十番神野 次郎君
四十一番木村 基成君
四十二番北久保眞道君
四十三番高椙 健一君
四十四番栗山 欽行君
四十五番大場やすのぶ君
四十六番近藤  充君
四十七番桜井 浩之君
四十八番山崎 一輝君
五十番石川 良一君
五十一番両角みのる君
五十二番西崎 光子君
五十三番あさの克彦君
五十四番新井ともはる君
五十五番中村ひろし君
五十六番徳留 道信君
五十七番河野ゆりえ君
五十八番小竹ひろ子君
五十九番上野 和彦君
六十番野上 純子君
六十一番中山 信行君
六十二番谷村 孝彦君
六十三番東村 邦浩君
六十四番崎山 知尚君
六十五番鈴木 章浩君
六十六番清水 孝治君
六十七番小松 大祐君
六十八番柴崎 幹男君
六十九番和泉 武彦君
七十番きたしろ勝彦君
七十一番鈴木 隆道君
七十二番早坂 義弘君
七十三番高木 けい君
七十五番野上ゆきえ君
七十六番島田 幸成君
七十七番今村 るか君
七十八番大西さとる君
七十九番小山くにひこ君
八十番畔上三和子君
八十一番大島よしえ君
八十二番松村 友昭君
八十三番藤井  一君
八十四番ともとし春久君
八十五番鈴木貫太郎君
八十六番木内 良明君
八十七番高橋 信博君
八十八番中屋 文孝君
八十九番三宅 正彦君
九十番小宮あんり君
九十一番田中たけし君
九十二番鈴木あきまさ君
九十三番山加 朱美君
九十四番高橋かずみ君
九十五番山田 忠昭君
九十六番林田  武君
九十七番こいそ 明君
九十八番田島 和明君
九十九番古賀 俊昭君
百番斉藤あつし君
百一番尾崎 大介君
百二番石毛しげる君
百三番植木こうじ君
百四番かち佳代子君
百五番曽根はじめ君
百六番小磯 善彦君
百七番橘  正剛君
百八番長橋 桂一君
百九番中嶋 義雄君
百十番立石 晴康君
百十一番神林  茂君
百十二番秋田 一郎君
百十三番宇田川聡史君
百十四番相川  博君
百十五番吉原  修君
百十六番野島 善司君
百十七番三宅 茂樹君
百十八番川井しげお君
百十九番高島なおき君
百二十番野村 有信君
百二十一番吉野 利明君
百二十二番内田  茂君
百二十三番酒井 大史君
百二十四番山下 太郎君
百二十五番清水ひで子君
百二十六番大山とも子君
百二十七番吉田 信夫君

 欠席議員 なし
 欠員
    二十六番  四十九番  七十四番

 出席説明員
知事舛添 要一君
副知事安藤 立美君
副知事秋山 俊行君
副知事前田 信弘君
教育長中井 敬三君
東京都技監都市整備局長兼務安井 順一君
政策企画局長川澄 俊文君
総務局長中西  充君
財務局長長谷川 明君
主税局長小林  清君
警視総監高橋 清孝君
生活文化局長多羅尾光睦君
オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋 正宏君
環境局長遠藤 雅彦君
福祉保健局長梶原  洋君
産業労働局長山本  隆君
建設局長佐野 克彦君
港湾局長武市  敬君
会計管理局長塚本 直之君
交通局長塩見 清仁君
消防総監高橋  淳君
水道局長醍醐 勇司君
下水道局長石原 清次君
青少年・治安対策本部長廣田 耕一君
病院経営本部長真田 正義君
中央卸売市場長岸本 良一君
選挙管理委員会事務局長安藤 弘志君
人事委員会事務局長藤田 裕司君
労働委員会事務局長櫻井  務君
監査事務局長宗田 友子君
収用委員会事務局長目黒 克昭君

十二月一日議事日程第一号
第一 第百八十四号議案
行政不服審査法施行条例
第二 第百八十五号議案
東京都職員の退職管理に関する条例
第三 第百八十六号議案
審理、喚問、聴聞等に出頭した者及び公聴会に参加した者の費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第四 第百八十七号議案
職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第五 第百八十八号議案
災害派遣手当等の支給に関する条例の一部を改正する条例
第六 第百八十九号議案
東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
第七 第百九十号議案
東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
第八 第百九十一号議案
職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
第九 第百九十二号議案
東京都人事行政の運営等の状況の公表に関する条例の一部を改正する条例
第十 第百九十三号議案
東京都非常勤職員の公務災害補償等に関する条例の一部を改正する条例
第十一 第百九十四号議案
東京都区市町村振興基金条例の一部を改正する条例
第十二 第百九十五号議案
東京都選挙管理委員会関係手数料条例の一部を改正する条例
第十三 第百九十六号議案
東京都固定資産評価審査委員会関係手数料条例
第十四 第百九十七号議案
東京都情報公開条例の一部を改正する条例
第十五 第百九十八号議案
東京都個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例
第十六 第百九十九号議案
東京都特定個人情報の保護に関する条例
第十七 第二百号議案
学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第十八 第二百一号議案
都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
第十九 第二百二号議案
東京都立多摩社会教育会館条例を廃止する条例
第二十 第二百三号議案
東京都婦人保護施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第二十一 第二百四号議案
東京都障害児通所給付費等不服審査会条例の一部を改正する条例
第二十二 第二百五号議案
東京都障害者介護給付費等不服審査会条例の一部を改正する条例
第二十三 第二百六号議案
東京都心身障害者福祉センター条例の一部を改正する条例
第二十四 第二百七号議案
東京都立総合精神保健福祉センター及び東京都立精神保健福祉センター条例の一部を改正する条例
第二十五 第二百八号議案
東京都立職業能力開発センター条例の一部を改正する条例
第二十六 第二百九号議案
都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
第二十七 第二百十号議案
東京都自然公園条例の一部を改正する条例
第二十八 第二百十一号議案
東京都都民の森条例の一部を改正する条例
第二十九 第二百十二号議案
東京都立公園条例の一部を改正する条例
第三十 第二百十三号議案
警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例
第三十一 第二百十四号議案
火災予防条例の一部を改正する条例
第三十二 第二百十五号議案
特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
第三十三 第二百十六号議案
都立南花畑学園特別支援学校(仮称)(二十七)改築工事請負契約
第三十四 第二百十七号議案
都立小金井特別支援学校(二十七)改築工事請負契約
第三十五 第二百十八号議案
東京消防庁深川消防署有明分署庁舎(二十七)新築工事請負契約
第三十六 第二百十九号議案
東京消防庁町田消防署庁舎(二十七)新築工事請負契約
第三十七 第二百二十号議案
清澄排水機場耐震補強工事請負契約
第三十八 第二百二十一号議案
今井水門耐震補強工事請負契約
第三十九 第二百二十二号議案
平成二十七年度新砂水門(再整備)建設工事(その二)請負契約
第四十 第二百二十三号議案
東京国際展示場(二十七)地盤改良工事請負契約
第四十一 第二百二十四号議案
中川防潮堤耐震補強工事(その二百三)請負契約
第四十二 第二百二十五号議案
綾瀬川護岸耐震補強工事(その二十五)請負契約
第四十三 第二百二十六号議案
綾瀬川護岸耐震補強工事(その二十六)請負契約
第四十四 第二百二十七号議案
地下トンネル築造工事及び擁壁築造工事(二十七 四─放三十五北町)請負契約
第四十五 第二百二十八号議案
建物収去土地明渡等の請求に関する民事訴訟の提起について
第四十六 第二百二十九号議案
東京都人権プラザの指定管理者の指定について
第四十七 第二百三十号議案
当せん金付証票の発売について
第四十八 第二百三十一号議案
土地の信託の変更について
第四十九 第二百三十二号議案
東京体育館の指定管理者の指定について
第五十 第二百三十三号議案
東京武道館の指定管理者の指定について
第五十一 第二百三十四号議案
東京辰巳国際水泳場の指定管理者の指定について
第五十二 第二百三十五号議案
有明テニスの森公園テニス施設の指定管理者の指定について
第五十三 第二百三十六号議案
東京都障害者総合スポーツセンター外一施設の指定管理者の指定について
第五十四 第二百三十七号議案
東京都立埋蔵文化財調査センターの指定管理者の指定について
第五十五 第二百三十八号議案
東京都リハビリテーション病院の指定管理者の指定について
第五十六 第二百三十九号議案
東京都立心身障害者口腔保健センターの指定管理者の指定について
第五十七 第二百四十号議案
東京都立東大和療育センターの指定管理者の指定について
第五十八 第二百四十一号議案
東京都立産業貿易センター台東館の指定管理者の指定について
第五十九 第二百四十二号議案
東京都立食品技術センターの指定管理者の指定について
第六十 第二百四十三号議案
東京都しごとセンターの指定管理者の指定について
第六十一 第二百四十四号議案
地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター中期目標について
第六十二 第二百四十五号議案
晴海客船ターミナル外四施設の指定管理者の指定について
第六十三 第二百四十六号議案
竹芝客船ターミナルの指定管理者の指定について
第六十四 第二百四十七号議案
竹芝ふ頭船舶給水施設外六施設の指定管理者の指定について
第六十五 第二百四十八号議案
東京都立東京港野鳥公園の指定管理者の指定について
第六十六 第二百四十九号議案
東京都立辰巳の森海浜公園外六公園の指定管理者の指定について
第六十七 第二百五十号議案
東京都立大井ふ頭中央海浜公園外十四公園の指定管理者の指定について
第六十八 第二百五十一号議案
東京都立お台場海浜公園外十公園の指定管理者の指定について
第六十九 第二百五十二号議案
東京都立葛西海浜公園の指定管理者の指定について
第七十 第二百五十三号議案
二見漁港岸壁外九施設の指定管理者の指定について
第七十一 第二百五十四号議案
東京都八丈島空港の指定管理者の指定について
第七十二 第二百五十五号議案
東京都小笠原ビジターセンターの指定管理者の指定について
第七十三 第二百五十六号議案
首都高速道路株式会社が行う高速道路事業の変更に対する同意について
第七十四 第二百五十七号議案
東京都立公園における転倒事故に伴う損害賠償の額の決定について
第七十五 第二百五十八号議案
東京都立猿江恩賜公園外六公園の指定管理者の指定について
第七十六 第二百五十九号議案
東京都立日比谷公園外六施設の指定管理者の指定について
第七十七 第二百六十号議案
東京都立戸山公園外五公園の指定管理者の指定について
第七十八 第二百六十一号議案
東京都立武蔵野公園外七公園の指定管理者の指定について
第七十九 第二百六十二号議案
東京都立陵南公園外三公園の指定管理者の指定について
第八十 第二百六十三号議案
東京都立狭山公園外四公園の指定管理者の指定について
第八十一 第二百六十四号議案
東京都立長沼公園外四公園の指定管理者の指定について
第八十二 第二百六十五号議案
東京都立大神山公園の指定管理者の指定について
第八十三 第二百六十六号議案
東京都立東白鬚公園外二十公園の指定管理者の指定について
第八十四 第二百六十七号議案
東京都立浜離宮恩賜庭園外八公園の指定管理者の指定について
第八十五 第二百六十八号議案
東京都立神代植物公園の指定管理者の指定について
第八十六 第二百六十九号議案
東京都立夢の島公園外一施設の指定管理者の指定について
第八十七 第二百七十号議案
東京都立潮風公園外一公園の指定管理者の指定について
第八十八 第二百七十一号議案
東京都立横網町公園の指定管理者の指定について
第八十九 第二百七十二号議案
恩賜上野動物園外三施設の指定管理者の指定について
第九十 第二百七十三号議案
東京都多磨霊園外七霊園の指定管理者の指定について
第九十一 第二百七十四号議案
東京都青山葬儀所の指定管理者の指定について
第九十二 第二百七十五号議案
東京都瑞江葬儀所の指定管理者の指定について
第九十三 第二百七十六号議案
東京都八重洲駐車場外四駐車場の指定管理者の指定について
第九十四 第二百七十七号議案
東京都板橋四ツ又駐車場の指定管理者の指定について
第九十五 諮問第四号
地方自治法第二百六条の規定に基づく審査請求に関する諮問について
議事日程第一号追加の一
第一 議員提出議案第十七号
フランス・パリ市での同時多発テロ事件に関する決議

   午後一時開会・開議

○議長(川井しげお君) ただいまから平成二十七年第四回東京都議会定例会を開会いたします。

○議長(川井しげお君) この際、開議に先立ちまして、去る十一月十四日に発生したフランス共和国パリ市におけるテロ事件により亡くなられた方々のご冥福を祈るため、黙をささげたいと存じます。

○議会局長(影山竹夫君) 全員ご起立願います。
〔全員起立〕

○議会局長(影山竹夫君) 黙祷をお願いします。
〔黙祷〕

○議会局長(影山竹夫君) 黙祷を終わります。ご着席願います。

○議長(川井しげお君) これより本日の会議を開きます。

○議長(川井しげお君) まず、議席の変更を行います。
 議席変更の申し出がありましたので、会議規則第二条第三項の規定により、お手元配布の議席変更表のとおり、議席の一部を変更いたしました。
(別冊参照)

○議長(川井しげお君) 次に、会議録署名議員の指名を行います。
 会議録署名議員は、会議規則第百二十四条の規定により、議長において
   十番   やながせ裕文君 及び
   六十八番 柴崎 幹男君
を指名いたします。

○議長(川井しげお君) 謹んでご報告を申し上げます。
 名誉都民水木しげる氏には、昨日、逝去されました。まことに哀悼痛惜の念にたえません。
 ここに生前のご功績をたたえるとともに、故人のご冥福をお祈りし、議会として深甚なる弔意を表します。

○議長(川井しげお君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

○議事部長(新美大作君) 平成二十七年十一月二十四日付東京都告示第千六百七十三号をもって、知事より、本定例会を招集したとの通知がありました。
 また、本定例会に提出するため、議案九十五件の送付がありました。
 次に、平成二十七年第三回定例会において提出された平成二十六年度東京都港湾事業会計決算書について、平成二十七年十月九日付で一部を訂正するとの通知がありました。
 次に、選挙管理委員会委員長より、選挙管理委員及び同補充員の任期について、来る平成二十七年十二月二十二日をもって満了するとの通知がありました。
 次に、知事より、平成二十七年第三回定例会の会議において同意を得た監査委員及び公安委員会委員の任命について、発令したとの通知がありました。
 次に、人事委員会より、平成二十七年十月十六日付で、都の一般職の職員の給与についての勧告等がありました。
 次に、知事より、地方自治法第百八十条第一項の規定による議会の指定議決に基づき専決処分した訴えの提起、損害賠償額の決定及び和解に関する報告がありました。
 次に、監査委員より、例月出納検査の結果について報告がありました。
 また、監査結果に基づき知事等が講じた措置に関する報告がありました。
(別冊参照)

○議長(川井しげお君) この際、報告をいたします。
 十一月十四日、フランス共和国パリ市においてテロ事件が発生し、多数の死傷者を出すなど、想像を絶する被害がありました。衷心よりお見舞いを申し上げます。
 本議会は、議員の拠出による見舞金を贈ることにつきまして、全議員の賛同を得たところでありますが、去る十一月十六日に、在日フランス大使館を訪問し、議会を代表して贈呈してまいりました。

○議長(川井しげお君) この際、平成二十七年十月二十七日付をもちまして、全国都道府県議会議長会において自治功労者として表彰を受けられました方々をご紹介いたします。
 在職三十年以上、立石晴康君。
 在職二十年以上、田島和明君。
 在職十年以上、小竹ひろ子さん、きたしろ勝彦君、高橋信博君、河野ゆりえさん、鈴木隆道君、神林茂君、石毛しげる君、大西さとる君、田中たけし君、宇田川聡史君、高木けい君、中屋文孝君、秋田一郎君、斉藤あつし君、早坂義弘君、野上ゆきえさん、尾崎大介君。
 ここに敬意を表し、心からお祝いを申し上げます。
〔拍手〕

○議長(川井しげお君) 次に、文書質問に対する答弁書について申し上げます。
 第三回定例会に提出されました文書質問に対する答弁書は、質問趣意書とともに送付いたしておきました。ご了承願います。
文書質問趣意書及び答弁書は本号末尾(一四ページ)に掲載〕

○議長(川井しげお君) 次に、閉会中の常任委員の所属変更について申し上げます。
 去る十一月二十日付をもって、田中朝子さんより、都市整備委員から環境・建設委員へ、やながせ裕文君より、環境・建設委員から都市整備委員へ、それぞれ常任委員の所属変更の申し出がありましたので、委員会条例第五条第三項ただし書きの規定により、議長において、それぞれ同日付をもってこれを許可いたしました。

○議長(川井しげお君) 次に、閉会中のオリンピック・パラリンピック推進対策特別委員の辞任及び選任について申し上げます。
 去る十月十三日付をもって、小磯善彦君及び橘正剛君より、それぞれ辞任願が提出されましたので、委員会条例第十一条第一項ただし書きの規定により、議長において、それぞれ同日付をもってこれを許可いたしました。
 なお、委員の欠員を補充するため、委員会条例第五条第四項の規定により、議長において、同日付をもって伊藤こういち君及び藤井一君を指名いたしました。

○議長(川井しげお君) 次に、東京都議会海外調査団について申し上げます。
 本議会において、去る十月二十二日から二十九日までシドニー及びオークランドへ、また、十月二十六日から十一月四日まで、コペンハーゲン、ミラノ及びヘルシンキへ、それぞれ海外調査団を派遣いたしました。
 海外調査団を代表いたしまして、それぞれ報告のため発言の申し出がありますので、これを許します。
 九十三番山加朱美さん。
〔九十三番山加朱美君登壇〕

○九十三番(山加朱美君) このたび東京都議会を代表して、私たち東京都議会自由民主党の七名、北久保眞道議員、鈴木錦治議員、栗山欽行議員、島崎義司議員、栗山よしじ議員、河野ゆうき議員らとともに、オーストラリア連邦及びニュージーランドへ海外調査を実施いたしました。
 本調査団は、二〇一九年開幕のラグビーワールドカップ及び二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会を契機に、東京を世界で一番の都市にするため、過去の大会を経験したシドニー市、オークランド市などを視察し、今後の準備やレガシーの参考にするとともに、両国における医療福祉、環境、自然エネルギー、交通、観光施策など、長期的な視点から東京の課題解決に資することを目的とし、現地調査及び関係者との意見交換を実施いたしました。
 以下、訪問都市順に主な調査概要をご報告申し上げます。
 最初に、一九八四年の友好都市締結以来、広範囲な分野で交流を重ねてきたニューサウスウェールズ州議会を訪問し、ドン・ハーウィン上院議長、シェリー・ハンコック下院議長らに、川井しげお都議会議長の親書を手交、友好的な意見交換を行い、両院議長からは、東京都とニューサウスウェールズ州の友好関係は世界で最も深く、今後も関係を深化させ、東京ワールドカップ及び東京オリンピック・パラリンピック大会に向けての協力は惜しまないとの力強い意思が表明されました。
 シドニー大学、痛み管理研究所では、世界最先端の腰痛治療、集団認知行動療法による慢性疼痛治療の現状について説明を聴取、医療現場を視察し、都の医療費抑制、健康長寿を掲げる上で大いに参考となりました。
 ニューサウスウェールズ・アンビュランス・サービスでは、救命救急について調査を行い、基本的な制度の違いはありますが、参考にすべき事例を研さんすることができました。
 クレア、シドニー事務所では、二〇〇〇年シドニー大会のレガシーについて調査、シドニー・オリンピックパークにおいて大会会場の現状視察を実施、オリンピックレガシーを確認いたしました。
 また、ANZスタジアム及びアリアンツスタジアムにて、二〇一九年ラグビー日本大会開催に向け、周辺環境の整備や交通アクセス、バリアフリー、観光的側面から見た港湾の利活用などを積極的に調査、オリンピック開催後二十年もの長きにわたり躍動的に成長を続けるシドニー市の現状を確認することができました。
 ニュージーランドではロトルア市を訪問。地熱、温泉を利用したガーベラの促成栽培を行う農園にて、地熱の自然エネルギーを利用した花き栽培を調査。温泉活用が可能な東京としても参考となりました。
 NPO法人ユースホライズンでは、東京都も大いに参考としているニュージーランドの里親制度、児童養護施策について調査。大きな効果を上げている実態に触れることができました。
 ニュージーランドでは、二〇一八年までに化石燃料由来の発電所を全て停止する政府方針を示しています。
 オークランド市役所にて、ロー・カーボン・オークランド、低炭素社会の実現に向けた取り組みを聴取しました。
 ニュージーランドラグビーの聖地、ホームグラウンドであるイーデン・パークでは、国際大会開催の留意点等について丁重に説明を受け、競技場施設内を詳細に調査いたしました。
 このほかに、周辺環境と調和した舟運、港湾施設の利用などを調査、さらなる東京港湾の魅力発信と利活用を探求する上で絶好の機会となりました。
 以下、詳細な報告につきましては、現在取りまとめている調査報告書により行いますので、ご理解のほどお願い申し上げます。
 東京都は、ラグビーワールドカップ及び二度目の東京五輪大会に向け着実に準備を進め、さらに目前に迫った超高齢社会や人口減少問題など、今後、世界に類を見ない環境変化に対し柔軟に対応せねばなりません。
 東京都議会は日々研さんを絶やさず、都民から真に信頼され、確かな理解のもと、都政を力強く牽引していくことが必要です。
 私たち海外調査団は、こうした強い認識のもと、今後、今回の調査結果を踏まえた質疑や政策提言を積極的に行い、都政発展のため真摯に力を尽くしてまいります。
 理事者の皆様にも調査結果をご活用いただき、ともに大会の成功を目指し、世界に冠たる大都市東京の未来に向け、都政の課題解決に向けた活発な議論を期待いたします。
 最後に、このたびの海外調査を行うに当たり、多くの皆様のご厚情、おもてなしを賜り、実りある海外調査が遂行できましたことに、この場をおかりして衷心より厚く感謝を申し上げ、海外調査報告とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

○議長(川井しげお君) 続きまして、百番斉藤あつし君。
〔百番斉藤あつし君登壇〕

○百番(斉藤あつし君) このたび、東京都議会を代表して、再生可能エネルギーの普及、地域精神保健体制整備、そして、障害の有無を問わないインクルーシブ教育等について調査をいたしましたので、ご報告をさせていただきます。
 調査団は私、斉藤あつしが団長を務め、団員は今村るか議員、そして野上ゆきえ議員で構成をいたしました。
 まず初めに、再生可能エネルギーによる一〇〇%電力自給への取り組みの調査のためにデンマークを訪れました。
 デンマークは、一九七三年の第一次オイルショックを契機に、風力中心の再生可能エネルギーの普及のために電力会社による固定価格買い取り制度を導入、設備投資への補助金制度なども使い、二%だったエネルギー自給率を一九九七年には一〇〇%にし、現在でも自給率一二〇%を保っております。
 その中で、首都コペンハーゲンにより車で約二時間のところにある、再生可能エネルギーだけでエネルギー自給率六〇〇%を達成しているロラン市を訪れました。市が所有する資源エネルギー会社REFAでは、全家庭の廃棄物の焼却や、契約農家の余ったわらを焼却して、その排熱でまちじゅうの家庭のセントラルヒーティング暖房を提供する仕組みを見学しました。
 その後、市民が廃棄物を持ち込んで細かく分別作業を行うリサイクルセンターも視察しました。そのほか、原子力発電所計画を中止して設置しました発電用風車などを見学し、エネルギー自給を目指したデンマークの地道な取り組みを学ぶことができました。
 次に訪れたイタリアでは、一九七八年に、通称バザーリア法によって総合病院内の十五床以内の精神科病棟を除いて全ての精神科病院を廃止し、精神障害者の地域生活体制を整備してきました。今回は、主に精神障害者の退院促進と地域定着支援事業について、東京都と同じように経済活動が盛んで人口が集中するミラノ市を調査いたしました。
 ニグアルダ総合病院の精神科病棟では、直接患者と会い、医師とは、重度の急性期の患者のみ入院させて、平均二週間で地域に帰すという早期退院の現状について意見交換をいたしました。
 また、ミラノ市役所では、福祉保健部門の局長や、精神保健の責任者である医師より、障害者を障害に応じた社会復帰のリハビリテーション施設等にマッチングさせるネットワーク体制について丁寧に教えていただきました。
 精神障害者らが働く協同組合の訪問においては、多数の協同組合がワイナリーや製本業、飲食業などを展開している現状を伺い、福祉的な収入に偏らない社会参加の可能性というものを大いに感じました。
 このほか、ミラノ日本人学校を訪問、授業を見学し、帰国時や高校進学の際の進路指導や、企業の駐在員数や経費の削減によって企業出資が減るなど、在外日本人児童教育の課題についても意見交換をいたしました。
 また、レオナルド・ダビンチ科学博物館では、自閉症児が学校で見学に来る際に、初めての場所への緊張によるパニック発作を防ぎつつ、展示物を理解しやすくするための入場の流れや展示物等を紹介したホームページによる事前学習プログラムについて伺い、多くの場面や施設でこの工夫が活用できる、そういう印象を持ちました。
 さらに、郊外で開催中のミラノ万博の日本館を訪問し、金賞を受賞した日本の展示の評価などについて伺いました。デジタル技術による彩りとデザイン性の高い展示が高評価を得ていました。
 また、三十三の市町村が万博会場のミニステージで、自治体紹介を兼ねたパフォーマンスを披露したそうです。国だけではなく、やる気のある自治体がアピールできる機会を確保するという地方連携は、まさに今後の東京の国際イベントでも東京都自身に望まれる工夫だと感じました。
 次のフィンランドでは、インクルーシブ教育の草分けですので、首都ヘルシンキで、まず小中一貫校を訪問。授業を参観し、給食をともにしながら、知的障害や学習障害、自閉症児と、いわゆる健常児を分けない教育を調査いたしました。フィンランドでも、特別支援学級はあるものの、教員二名の追加配置をして一般の学級の授業への出席を極力努めたり、盲・ろう学校の場合においては、普通校と併設して合同授業も行うなどの日本とは異なる取り組みについて学びました。
 また、ヘルシンキ市役所の教育課を訪問し、ことしから構内に設置されたカウンセラーや精神科医も加わる福祉委員会制度について伺いました。病気や家庭の問題で欠席した子供に対する補習や支援等についても詳細に伺うことができました。
 最後に、保育園を視察し、入園の際の保育士による家庭訪問や、保護者が二週間登園することで、園と保護者の信頼を構築し、問題等の早期発見につなげる工夫を伺いました。
 さらには、妊娠、出産支援で有名なネウボラ制度により、専門家が家庭をぴったりとサポートする制度や、就学前に一年教育を義務づけて、団体行動の基本を学ばせるなどのきめ細かい仕組みが整備されているということで、まさに女性の社会進出世界一位の子育てを支えている制度だということがよくわかりました。
 今回、訪問した自治体それぞれで、環境、福祉、子育て分野での高い目標設定をどのように達成しているかを中心に学ぶことができました。今後、同様の課題に取り組む東京都の施策に十分に反映をしていきたい、そのように考えております。
 本日の報告は以上とさせていただき、詳細は後日の報告書にてお示ししたいと思いますが、最後に、今回の調査に当たり、ご協力いただきました全ての皆様に深く感謝を申し上げ、調査報告とさせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(川井しげお君) 以上をもって東京都議会海外調査団の報告は終わりました。

○議長(川井しげお君) 次に、ラグビーワールドカップ二〇一五イングランド大会調査団について申し上げます。
 本議会において、去る十月二十三日から二十九日まで、ロンドン市へ調査団を派遣いたしました。
 調査団を代表いたしまして、川松真一朗君より報告のため発言の申し出がありましたので、これを許します。
 四番川松真一朗君。
〔四番川松真一朗君登壇〕

○四番(川松真一朗君) ラグビーワールドカップ二〇一五イングランド大会調査団派遣の概要につきまして、ご報告を申し上げます。
 この派遣は、ラグビーワールドカップ二〇一九組織委員会からの依頼を受け、ジャパン・パビリオンにおいて開催されるレセプションに出席するとともに、会場及び試合などを視察し、大会運営、安全面などの調査を行うことを目的として実施されたものでございます。
 高島なおき議員を団長とした調査団十一名は、平成二十七年十月二十三日から二十九日までの七日間、ラグビーワールドカップ大会が開催されておりますイギリス・ロンドン市を訪問いたしました。
 十月二十四日、まず、調査団は、ラグビーワールドカップ大会の盛り上げを目的に、試合会場以外でもラグビーを楽しむために設置されたファンゾーンを視察いたしました。この日、視察した試合会場の近くのファンゾーンでは、多くの一般市民が、大型電光掲示板に映し出される試合映像、飲食やグッズの販売、アーティストによる音楽演奏、移動式遊園地などを楽しんでおり、大会の盛り上げに大いに寄与していたのは印象的でありました。
 また、このファンゾーンには、日本では珍しい移動式のATMが設置されており、世界中の人が利用している姿を見て、今後、東京においても普及の研究、計画の必要性を大きく感じてきた次第でございます。
 その後、ラグビーの聖地といわれ、八万人の観客を収容できるトゥイッケナム競技場での準決勝において、大会運営方法を視察いたしました。
 入場の際には、セキュリティー対策として荷物検査が実施されておりましたが、大勢の観客を円滑に入場させるために、会場周辺における無料のシャトルバスの運行や、多くのボランティアによる誘導案内の充実など、さまざまな工夫がなされておりました。
 一方で、試合終了後、八万人の観客が一度に退出するため、会場周辺が非常に混雑し、特に駐車場に関して、競技場周辺に十分なスペースを確保できていないなどの課題があったことも確認しております。
 ファンゾーンや大会運営におけるこのような工夫や課題は、二〇一九年の日本大会で、開会式や開幕戦の会場となる東京スタジアムにおいても、今後、十分に検討する必要があることを実感させられました。
 翌十月二十五日、まず、ラグビーワールドカップ二〇一九組織委員会の嶋津事務総長から、現地イギリスにおけるラグビーワールドカップの盛り上がりや、日本開催に至るまでの経緯について説明を受けました。
 特に、イギリスにおいてはラグビーを楽しむ文化が根づいており、大会が進むにつれて自然に盛り上がっていく雰囲気があること、開会式におけるセレモニーが簡素であるものの、ラグビーの歴史をたどる非常にすばらしい演出であったという説明がございました。
 日本大会においても、東京、ひいては日本全体をどのように盛り上げていくかについては重要な課題であり、今後、日本の英知を集め、工夫するべき点であると考えております。
 次いで、ロンドン中心部に位置するトラファルガー広場におけるファンゾーン及びオリンピックスタジアム周辺のオリンピックレガシーを視察いたしました。都心に位置し、大勢の人が集まるトラファルガー広場のファンゾーンは、子供向けのラグビー体験ができるなど、一般の人が楽しめるように工夫されており、狭いながらもすばらしい内容でありました。
 翌十月二十六日、キャンプ地の運営を視察するために、イギリス第二の都市といわれるバーミンガム市にありますバーミンガム大学を訪問いたしました。バーミンガム大学の方々から、キャンプ地の運営は、学生にとって貴重なボランティア経験ができる場であることや、大学の知名度向上、地域の繁栄という点から、投資効果は非常に高いことなどの説明を受けました。
 翌十月二十七日、まずはロンドン市議会におきまして、アーノルド市議会議長を表敬訪問いたしました。先日、友好都市となったロンドン市との友好のきずなを再確認するとともに、オリンピックレガシーや住宅問題について意見交換を行いました。
 次に、在英日本大使館において、林大使を表敬訪問した後に、ジャパン・パビリオンを視察し、世界中のラグビー関係者が集うレセプションに出席したのであります。レセプションでは、ラグビーの国際統括団体であるワールドラグビーのベルナール・ラパセ会長を初め、多くの重要な国際関係者と挨拶し、二〇一九年の東京、そして日本全体の大会の成功を熱く約束してまいりました。
 十月二十八日、自治体国際化協会ロンドン事務所において、ラグビーワールドカップ・イングランド大会の成功と、その経済効果を中心に説明を受けた後、ヒースロー空港から帰途につき、翌二十九日、無事に帰国いたしました。
 東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催を翌年に控え、アジア初の開催としても世界中が注目しているラグビーワールドカップ二〇一九日本大会は、必ず成功させなくてはなりません。私たちのイングランド滞在中には、正式に東京で行われる開会式が、二〇一九年九月二十日と決定いたしました。この開幕の盛り上がりこそが大会の成功の鍵を握り、大会の盛り上がりが翌年の東京オリンピック・パラリンピックの成功へとつながっていきます。
 東京のみならず日本全体のために、団員一同、二〇一九日本大会成功に向けて全力で取り組んでいく決意を新たにし、覚悟を固めたところであります。
 最後になりましたが、今回の調査に当たり、ご協力いただきました全ての皆様に深く感謝を申し上げ、ラグビーワールドカップ二〇一五イングランド大会調査団を代表しての報告といたします。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)

○議長(川井しげお君) 以上をもって、ラグビーワールドカップ二〇一五イングランド大会調査団の報告は終わりました。

○議長(川井しげお君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 議員より、議員提出議案第十七号、フランス・パリ市での同時多発テロ事件に関する決議が提出されました。
 これを本日の日程に追加いたします。

○議長(川井しげお君) 会期についてお諮りいたします。
 今回の定例会の会期は、本日から十二月十六日までの十六日間といたしたいと思います。
 これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川井しげお君) ご異議なしと認めます。よって、会期は十六日間と決定いたしました。

○議長(川井しげお君) この際、知事より発言の申し出がありますので、これを許します。
 知事舛添要一君。
〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 平成二十七年第四回都議会定例会の開会に当たりまして、都政運営に対する所信の一端を申し述べ、都議会の皆様と都民の皆様のご理解、ご協力を得たいと思います。
 昨日十一月三十日、名誉都民である水木しげるさんが逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表し、心よりご冥福をお祈りいたします。
 先月、パリでテロ事件が発生いたしました。犠牲になられた方々とそのご家族に、心から哀悼の意を表します。友好都市であるパリの市民及びフランス国民に連帯の意を表します。このようなテロ行為は断じて許されるものではありません。同時に、東京においても、都民の生命、身体、財産を守るため、全力を挙げてテロへの備えを固めてまいります。
 さて、十月に発足した第三次安倍改造内閣は、強い経済、子育て支援、社会保障という新たな三本の矢を打ち出しました。これは、経済成長と生活の質を両立させるという東京都の政策と方向性を一にするものであります。安倍総理、菅官房長官と面会した際には、国と都がスクラムを組んで知恵を絞り、政策を前に進めていくことで意見が一致いたしました。現場を持つ首都東京が率先して先進的な施策を展開してこそ、日本の明るい未来を切り開くことができると確信しております。
 また、先月には、東京都総合戦略を公表いたしました。地方創生を都市対地方の対立構造として捉えるのではなく、手を携えて一緒に日本を盛り上げていく。東京と地方の共存共栄なくして、日本全体の持続的な発展はあり得ません。総合戦略には、産業振興や観光振興、オリンピック・パラリンピックを契機とした地域の活性化など、地方と連携した施策を数多く盛り込んでおります。あわせて、首都東京を国際都市として発展させることで、日本経済の活性化に寄与し、少子高齢、人口減少の到来にも真正面から挑んでまいります。この戦略をもとに、日本の持つ潜在力を大いに引き出していきたいと考えております。
 東京が地方との結びつきを強め、日本全体の発展にも資する役割を果たしていく上で、それを阻害する動きに対しては、物申さざるを得ません。国の偏在是正なる不合理な措置は、税の原則に反するばかりか、東京の膨大な財政需要を顧みず、その成長を妨げ、都市対地方という考えをいたずらにあおるものであります。地方法人特別税の撤廃は当然でありますが、さらに、法人住民税国税化の拡大などが実施されれば、都の減収は年間五千八百億円にも上る危険性があり、断固反対いたします。
 平成二十八年度の税制改正に向けて、まさに正念場であり、宮沢税制調査会長に面会し、東京都の立場を主張いたしました。先月には特別区長会、市長会、町村会と、また志を一にする全国の自治体とともに、高市総務大臣に強く要請を行ってまいりました。さらに東京都選出の国会議員の方々にも協力を要請しております。
 東京都税制調査会でも、不合理な偏在是正措置を解消すべき喫緊の課題と捉えており、先般、総体としての地方税財源拡充の必要性を答申いただきました。都民の利益を守るために、都議会の皆様と力を合わせ、最後の最後まで全力を尽くす所存であります。
 これからの日本が目指すべきは、持続的な経済成長と、ゆとりある暮らしが両立した社会であります。東京は絶えず進化を遂げる中からゆとりを生み出し、誰もが快適な生活を送りながら能力を発揮できる都市となるよう、着実に施策を展開してまいります。
 まず、都民生活の最重要の基盤である安全・安心の確保であります。
 テロへの備えが極めて大きな課題となっております。来年五月の伊勢志摩サミット、二〇一九年のラグビーワールドカップ、そして、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックと、世界規模のイベントが続く中にあって、国を初め関係機関との十分な連携のもと、首都東京の安全の確保に万全を期してまいります。
 サイバーテロのリスクも日々高まっております。都庁では、重要インフラを管理する公営企業局を含めた全庁横断のサイバーセキュリティ委員会を設置いたしました。緊急事態に迅速に対処する専門組織、東京都CSIRTも来年度、設置いたします。警視庁でもサイバーセキュリティーに関する司令塔の機能を強化し、民間の知恵も取り入れた対策を進めてまいります。こうした機関が内閣サイバーセキュリティセンターや組織委員会とも連携し、安全性の向上を図ってまいります。
 首都直下地震などの災害に対し、その被害を最小限に抑えるには、一人一人の自助の力を高めることが重要であります。都内全ての家庭に配布している防災ブック「東京防災」につきましては、企業や都外にお住まいの方々から要望が多数寄せられたことから、新たに有償での頒布を開始しており、既に増刷も指示しております。多くの方々にご活用いただきたいと思います。
 また、ことしから、十一月十九日を備蓄の日と定めました。日ごろから、食料や日用品を少し多めに購入することで、無理なく備蓄を進める日常備蓄を普及させるイベントも先月開催し、機運の醸成を図っております。九都県市首脳会議におきましても、家庭での備蓄の促進を提案し、そのための方策などを共同で検討することになりました。こうした広域的な連帯を強化することで、首都圏一帯の防災力向上にも貢献してまいります。
 インフラの維持管理につきましても、安全確保とコストの縮減を両立させてまいります。都が管理する全ての道路トンネルについて、最新技術を活用した詳細調査を実施し、今般、これをもとに、トンネル予防保全計画を策定いたしました。計画に沿った対策を着実に実施し、今後百年もの間、健全な状態に保つことを目指します。
 都内の交通事故による死者数は、昨年を上回りかねない状況であります。特に年末は事故が多発する時期であり、一人一人が交通ルール、交通マナーの遵守を心がけていただきたいと思います。高齢者の死亡事故や自転車事故といった課題につきましては、第十次交通安全計画の策定に向けても十分な議論を行い、効果的な対策につなげてまいります。
 続きまして、福祉先進都市を実現するための施策展開であります。
 高齢社会への対応では、住みなれた地域で老後を過ごすことができるよう、地域包括ケアシステムのあり方についての検討を進めており、先般、中間のまとめを公表いたしました。ロボット介護機器の活用や、多様なみとりの場の整備、認知症の方への支援など、今後の課題と、それに対して考えられる対応策を挙げております。引き続き、医療と介護、介護予防と生活支援、高齢期の住まい方という三つの視点から、年度末の最終報告に向けて議論を深めてまいります。
 昨今、子供たちを取り巻く養育環境が複雑化しております。子供たちがどのような環境で生まれ育ったとしても、健やかに自立できるようにしていくことは社会全体の責務であります。十月末に、児童福祉審議会の専門部会から出された家庭的養護の推進に関する緊急提言を受け、今後、児童相談所の体制強化、養育家庭の登録数の増加や養育力の向上などに取り組んでまいります。
 また、国家戦略特区の区域会議で、荒川区の都立汐入公園への保育所設置を提案し、先日、区域計画が認定されました。子育て支援施設などの整備に民間資金を呼び込む官民連携福祉貢献インフラファンドについても、ファンドマネジャーを決定しております。規制緩和や新たな手法も駆使して、福祉先進都市への取り組みを加速させてまいります。
 ことしのノーベル賞は、北里大学大村智特別栄誉教授と東京大学宇宙線研究所梶田隆章所長の二人の日本人が栄冠に輝きました。都民、国民に、夢と希望、活力を与えてくれる大変明るいニュースであります。こうしたすぐれた人物を輩出していくのが教育の力であります。
 先月には、総合教育会議での議論を踏まえ、東京の教育のあるべき方向性を大綱として取りまとめました。
 都立高校改革では、科学技術、ものづくりという日本の強みを伸ばすため、六年間を通じた系統的な理数教育を推進する理数アカデミーの設置や、理数イノベーション校の充実などに取り組んでまいります。グローバル人材の育成につきましても、新たな国際高校や小中高一貫教育校の設置などにより、外国語教育の一層の充実を図ってまいります。検討を進めてまいりました英語村は、有識者会議の報告書がまとまり、具体化に向けて動き出しております。
 また、文部科学省は、平成三十年度から、小中学校において、道徳を新たに教科化する予定でありますが、東京都はこれに先行して来年度から進めてまいります。道徳教育推進の拠点となる学校を指定して取り組むことで、全国のモデルケースとしての役割も果たしてまいります。
 さらに、発達障害の子供たちが持てる力を最大限伸ばし、将来の自立と社会参加を実現できるよう、全国で初めてとなります発達障害教育に特化した計画の策定を進めております。特別支援教室の全公立小学校への順次導入など体制を整備し、都立高校では、社会性向上やキャリア教育といった取り組みも進めることで、きめ細かな支援を充実してまいります。
 グローバル化の進展の中、国際社会では、都市が先進的な取り組みを競い合う都市間競争が激化しております。さきの定例会で、ロンドン市との友好都市関係の結成について同意をいただいて以降、ロンドン市、モスクワ市、パリ市と交流、協力に関する合意を交わし、都市づくりやスポーツといった分野で具体的な協力関係を構築いたしました。
 十月には、パリ、ロンドンを訪問して、ラグビーワールドカップの熱狂を肌で感じ、環境、観光、文化、ボランティアなどの取り組みについて、視察や意見交換を行ってまいりました。世界の先進都市の知見も取り入れながら、東京が常に活力にあふれ、活発な経済活動が展開される都市であり続けるよう、成熟の中での成長戦略を進めてまいります。
 活発な経済活動の土台は機能的な都市インフラであります。東京の都市としての弱点の一つが国際空港機能であり、羽田空港の容量拡大は急務となっております。国は、飛行経路の見直しに関する二回目の住民説明会を今月から都内各地で開催する予定であります。国が都民の声をしっかりと受けとめ、容量拡大を円滑に実現できるよう、都は引き続き積極的に協力してまいります。
 また、都市計画道路は、交通物流機能の向上のみならず、災害時の救急救援活動や日々の生活を支える重要な都市基盤であります。年内には、今後十年間で優先的に整備すべき路線を示した新たな整備方針の案を公表いたします。三環状道路の整備状況を見据えて広域的な連携を強化しつつ、都内の骨格幹線道路をおおむね完成させることで、渋滞の緩和や防災性の向上を目指してまいります。これに加え、本定例会には、都心の渋滞緩和に向けて、高速道路の新たな料金体系に関する同意の議案を提案しております。よろしくご審議のほどお願いいたします。
 都営住宅の建てかえを契機に、地域特性に応じたまちづくりも推進してまいります。北青山では、低層のアパートを超高層化することで用地を生み出し、民間活力を生かした最先端の文化、流行の発信拠点の形成を目指します。多摩ニュータウンの諏訪団地では、福祉施設との合築も行いながら、老朽化した住宅を順次、連鎖的に建てかえてまいります。最終的には、今後、整備が進みます南多摩尾根幹線道路の沿道に用地を創出し、商業、産業施設を誘導することでにぎわいを生み出していきたいと思います。都内各地のまちづくりを推進して、地域のさらなる活性化を図り、東京全体の活力につなげてまいります。
 さらに、全国的に増加する空き家への対策にも取り組んでまいります。空き家増加の背景には、これまでの国の住宅政策や税制、少子高齢化といった社会構造の変化、ライフスタイルの多様化など、さまざまな要因があり、政策分野を横断した総合的な対策が必要であります。例えば、高齢者福祉や子育て支援、芸術文化活動の拠点への転用などは、空き家を都市の貴重な資源へと生まれ変わらせる有効な手段であると思います。オール都庁で対策を検討し、効果的な施策を練り上げてまいります。
 続いて、環境と経済成長を両立したスマートエネルギー都市の実現についてであります。
 東京都はこれまで、ディーゼル車規制や交通渋滞対策を進め、先進的なノウハウを有しております。さらには、水素社会実現のための取り組みも進めております。先般のパリ訪問では、アンヌ・イダルゴ・パリ市長と会談し、こうした環境分野での交流、協力を進めることで合意いたしました。
 そのパリでは、現在、COP21が開催されております。人類の将来に思いをめぐらし、参加各国が団結して、高いレベルの合意に至ることを期待いたします。東京都は、この会議の成功を後押しする世界最大規模の都市間連携、コンパクト・オブ・メイヤーズに参加いたしました。参加都市に求められている温室効果ガスの削減目標につきましては、環境基本計画に関する審議会の中間のまとめを受け、二〇三〇年までに二〇〇〇年比で三〇%削減という意欲的な目標を設定しております。この目標達成のための取り組みを着実に進め、東京の持続的な成長を確かなものとしてまいります。
 先般、旅行地としての東京を強く印象づける東京ブランドの確立に向け、ロゴ、キャッチコピー、&TOKYOを発表いたしました。東京の魅力や価値を世界に伝えるツールとして、多くの方々や企業に活用いただきたいと思います。海外へのプロモーションやイベントも通じて広く発信し、世界中に東京ファンをふやしてまいります。
 東京が世界に誇る治安の確保にも全力を挙げ、安心して観光を楽しむことができる都市としての基盤を揺るぎないものといたします。
 舟運の活性化にも一層力を入れてまいります。ロンドンでは、船が市民の足として定着し、多言語対応を含めたバリアフリー化も進んでおりました。東京都では、現在、羽田空港と都心、臨海部を結ぶ水上ルートについて、来年度実施予定の社会実験に向けた調査運航を行っております。調査で得られた意見を参考に、国などの関係機関とも連携しながら、多言語対応の推進や利便性の向上を図り、水辺空間の魅力を多くの方に感じてもらえる環境整備を進めてまいります。
 二〇一九年ラグビーワールドカップと二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの開催都市として、今後、世界の注目はますます東京に集まります。この絶好の機会を捉え、東京が日本の魅力、文化の展示場、ショーウインドーとしての役割を果たしてまいります。都庁展望室では、全国の特産品販売を通年で行い、都内にある全国のアンテナショップとも連携するなど、日本各地の奥深い魅力を発信いたします。
 十分な宿泊施設をいかに確保するかも大きな課題となっております。これに対して、大田区が旅館業法の特例を活用する意向を示し、先般、国家戦略特区の区域計画が認定されました。都としても、国や大田区との連携のもと、モデルケースの構築などを進め、こうした取り組みを他の自治体にも広げていきたいと思います。また、日本旅館について、外国人が利用しやすい環境を整える取り組みを支援し、稼働率向上を図ってまいります。
 外国人旅行者の増加は著しく、国も訪日客数の目標を上方修正する検討を始めております。観光を一大産業へと発展、飛躍させるには、新たな取り組みの機動的な展開が不可欠であります。東京都は、年度内に有識者会議を立ち上げ、来年度を目途に、観光産業振興アクションプログラムを策定いたします。プログラムは、毎年度見直し、状況の変化にも臨機応変に対応しながら、施策を戦略的に展開してまいります。
 さらに、都市の魅力を高めていくことが必要であります。文化の輝きという点で、東京には、まだまだ取り組むべき課題が多いと感じております。劇場やホールの不足も指摘されており、民間と協力しながら知恵を働かせていかなければなりません。まずは現状を的確に把握するために、本格的な調査を実施し、有効な改善策につなげてまいります。また、アール・ブリュット拠点の形成については、芸術文化評議会に設置した専門部会において、具体化のための検討を行ってまいります。
 オリンピック・パラリンピックの文化プログラムに先駆けて今年度から開始しておりますリーディングプロジェクトでは、さまざまな分野の芸術家が一堂に集結する東京キャラバンの第一弾が、駒沢オリンピック公園で実施されました。年度末には障害者アートプログラムTURNも実施いたします。今年度当初から、いち早く展開している伝統文化の体験プログラムとあわせ、芸術文化のにぎわいを生み出してまいります。
 東京で暮らし働く人々が意欲と能力に応じて存分に活躍できることが、都市の活力を生み出します。恒産なくして恒心なし、雇用対策では、今年度から、社内で非正規労働者を正社員化する企業の取り組みを強く後押しするため、国の補助に加えて都が助成金を支給する事業を開始いたしました。既に予定を大幅に上回る申し込みとなっております。こうした動きをさらに広げるために、あさってには非正規雇用対策シンポジウムを開催いたします。正社員への転換に積極的に取り組む企業の事例や東京都の支援策を紹介し、一層の機運醸成を図ってまいります。
 働き方そのものを見直すことも必要であります。年明けには、女性活躍推進白書を策定いたします。さらに、ワークライフバランスを推進し、効率よく仕事をすることで生活にゆとりを生み出せるよう、働き方改革に積極的に取り組んでまいります。
 ボランティア活動は、それぞれが持てる能力を生き生きと発揮できる場であり、これからの都市の発展に欠かせない要素であります。例えば、高齢者の豊かな経験、知識は、地域社会のかけがえのない資源ともいえます。
 東京都は、子供の見守りなど、社会に積極的に貢献しようとする高齢者の方々を応援していきたいと考えております。また、ロンドンで会談した二〇一二年大会組織委員会のパラリンピック統括ディレクター、クリス・ホームズ上院議員は、障害者のボランティア参加のすばらしさを語っておられました。高齢者、障害者あるいは都内在住の外国人の方などを含め、幅広い方々がボランティアに参加できるよう、必要な環境の整備についても検討してまいります。
 ことしの東京都ベンチャー技術大賞は、プロジェクションマッピングを進化させ、奥行きや立体感のある映像を実現した技術が受賞いたしました。高度な技術と豊かな発想力でイノベーションに挑むこうした中小企業が、その持てる力を十二分に生かしていくためには、販路を拡大し、ビジネスパートナーをふやしていかなければなりません。
 来年度には、全国の中小企業も対象にさまざまなビジネス情報を提供するポータルサイトを開設し、産業交流展の全国ゾーンも拡大するなど、東京と全国の企業が出会う機会をふやしてまいります。
 また、積極的な海外展開を目指す企業を支援するため、今月タイに中小企業振興公社の拠点を開設し、経営相談や現地企業とのマッチングなどを行ってまいります。技術面でのサポートを行う都立産業技術研究センターの現地拠点とも連携して、成長をしっかりと支えたいと思います。
 ラグビーワールドカップ・イングランド大会での日本代表の活躍は、世界中に驚きと感動を与えました。二〇一九年ラグビーワールドカップ、そして翌年の二〇二〇年オリンピック・パラリンピック、この二つの大会を一体のものとして捉え、必ず成功に導いてまいります。
 ロンドン出張では、ラグビーワールドカップの三位決定戦と決勝戦を観戦いたしました。交通対策や観客へのおもてなしなど、大いに参考となるものでありました。また、大会の成功には、競技の熱気や興奮、スポーツのすばらしさを多くの方々に届ける工夫が必要だと実感いたしました。トラファルガー広場で見た、誰もが無料でパブリックビューイングやラグビー体験を楽しめるイベントスペース、ファンゾーンを二〇一九年大会でも取り入れてまいります。3Dなどの技術的なイノベーションを駆使した新しい試みにも挑戦していきたいと思います。
 ラグビーワールドカップは、全国十二都市で開催される大会であり、その成功は日本全体を盛り上げます。このオールジャパンでの熱狂が二〇二〇年の成功につながるものであります。都議会でも調査団を組まれ、先ほど、川松議員からご報告がありましたように、イングランド大会を視察されました。お互いの経験を共有し、他の開催都市とも力を合わせて、アジア初開催となるワールドカップの成功に向けて取り組んでいきたいと思います。
 そして、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの先に、いかに価値あるレガシーを残すかが問われております。そのための二〇二〇年に向けた東京都の取り組みについて、レガシー委員会での検討を経て、先月素案を公表いたしました。
 都が新たに整備する競技施設については、外部専門家による諮問会議でのチェックのもと着実に整備を進めてまいります。大会後の選手村は、外国人や高齢者など多様な人々が交流し、快適に暮らせるモデル都市に生まれ変わります。次世代型燃料電池も導入し、生活の中に水素エネルギーを組み込んだまちを構築いたします。来年度早期の事業着手に向けて、民間ノウハウを活用し、具体的な計画の検討を進めてまいります。
 また、二〇二〇年大会は、子供たち一人一人の心と体に人生の糧となるかけがえのないレガシーを形成する絶好の機会であります。来年度から都内全校で進めるオリンピック・パラリンピック教育では、特に障害者への理解とパラリンピック教育の充実、ボランティアマインドの醸成に重点的に取り組んでまいります。子供たちが多様性を尊重し、互いを認め合う心を育むことで、二〇二〇年大会が目指す理念の一つである共生社会を東京にしっかりと根づかせてまいります。
 今回公表した素案では、このほか、スポーツ、文化、環境など、ハード、ソフト両面にわたる取り組みの方向性を示しております。ここに掲げた取り組みでできるものは迅速に進め、二〇二〇年を待たずに前年のラグビーワールドカップにも生かしていきたいと思います。
 今後、都議会の皆様との議論、都民の皆様の意見を踏まえながら、さらに練り上げ、年内に取りまとめた上で、組織委員会が策定するオールジャパンのアクション&レガシープランにも反映させてまいります。
 二〇一二年以降のロンドンの発展に、パラリンピックは重要な役割を果たしました。ロンドンを訪問して改めて実感いたしました。二〇二〇年大会も、パラリンピックを開催して東京と日本が変わった、人々の振る舞いも、障害者への理解も、まちづくりも非常にすばらしいものになった、そういえるレガシーを残さなければなりません。
 まちづくりについては、道路、公園のバリアフリー化、無電柱化、鉄道駅へのホームドア設置などを総合的に進めてまいります。さらに、障害の有無にかかわらず全ての人々が参加しやすい大会となるよう、国や組織委員会とも連携して、アクセシビリティ・ガイドラインを策定し、都が整備する全ての会場に適用いたします。大会を契機としたまち並みの確かな変化が大会後のさらなるユニバーサルデザインのまちづくりを促すよう全力を挙げてまいります。
 また、日本選手の活躍は、二〇二〇年パラリンピック大会を大いに盛り上げることになります。そこで、体験を通じて複数の競技の中から自分に合ったものを選び、トップアスリートへのステップアップにつなげるパラリンピック選手発掘プログラムを新たに立ち上げました。今年度は、車椅子バスケットボールやゴールボール、ボッチャなど十五競技を対象にプログラムを実施してまいります。多くの方々がこのチャンスをつかみ、世界の舞台で輝けるよう後押しをしてまいります。
 二〇二〇年大会は、オールジャパンでの団結なくして成功するものではありません。先日には、東京都と競技会場のある自治体、組織委員会、国をメンバーとする二〇二〇年東京大会に向けた関係自治体等連絡協議会も立ち上がりました。共通の課題や取り組みについて情報を共有し、連携して対応することで、準備を円滑に進めてまいります。
 事前キャンプなどの誘致については、アメリカオリンピック委員会と世田谷区、JOCが覚書を締結いたしました。引き続き視察の受け入れ、海外でのPR活動、スポーツ施設の整備に対する補助などを実施し、誘致を希望する区市町村の取り組みを支援してまいります。
 リオデジャネイロ大会期間中は、映像を通じて現地の生の興奮が体感できるライブサイトを、区部、多摩、そして東日本大震災の被災三県でも開催いたします。復興に取り組む被災地を元気づけ、全国的な機運醸成につなげます。
 また、オリンピック・パラリンピック教育の一環として、東京と被災地の子供たちが一緒に参加する教育活動やイベントを行うなど復興五輪への確かな道筋をつけてまいります。
 来年の夏には、私もリオに赴き、次回開催都市の長として、閉会式のハンドオーバーセレモニーや市内に設置するジャパンハウスで東京と日本の魅力を力強く発信いたします。持ち帰ったオリンピック・パラリンピックフラッグを活用したイベントも展開し、日本中を巻き込みながら東京大会の準備を本格化させてまいります。
 続いて、本定例会に提案しております主な議案について申し述べます。
 特定個人情報の保護に関する条例は、マイナンバー利用開始に向けて、個人番号などの安全かつ適切な取り扱いを確保するため新設するものであります。
 次に、職員の退職管理に関する条例は、地方公務員法の改正を受けてのものであり、このほか行政不服審査法の施行条例の制定も含め、適正な組織運営に努めてまいります。よろしくご審議のほどをお願いいたします。
 さて、ことしも残すところあと一カ月となりました。二〇一九年のラグビーワールドカップ、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催が刻一刻と迫っていることを実感しております。時には困難にぶつかることもありますが、関係者全員としっかり手を携え、一つ一つ課題を乗り越えていきたいと考えております。
 国家的大事業を二年連続で開催する栄誉を受けた都市として、東京のみならず日本全体を盛り上げ、その先の明るい未来を切り開くべく、都議会の皆様とともに全力を尽くしてまいります。
 最後に、新国立競技場の整備について申し上げます。
 新国立競技場は、二〇二〇年大会の開会式、閉会式、陸上競技などを行うメーンスタジアムとして極めて重要であり、大会の準備や開催に支障がないよう整備されることが不可欠であります。
 私は、開催都市の知事として、整備に全面的に協力することを表明してまいりました。新国立競技場整備計画再検討のための関係閣僚会議では、アスリートファーストの視点に立つこと、大会後のレガシーを踏まえること、周辺のまちづくりと調和することなど、東京都の考えを積極的に述べ、これらを反映した整備計画が策定されております。現在、この計画に基づき、国が責任を持って整備を進めており、今月中には、設計、施工を行う事業者が決定される予定であります。
 完成の暁には、オリンピック・パラリンピックの感動の中心として、そして都民のスポーツ振興の拠点として末永く神宮の森に建ち続けることになります。加えて、世界最高のユニバーサルデザインや明治神宮外苑地区の環境の向上、地域の防災機能の強化など、大会を象徴するレガシーが都民のさまざまな利益となり、世界的な競技場が都心に立地することの誇りをも生み出せるものと考えております。
 整備費用の財源負担につきましては、国からの要請を受け、都と国で実務的な検討、議論を積み重ねてまいりました。本日、遠藤東京オリンピック・パラリンピック大臣、馳文部科学大臣と会談し、現在及び将来の都民の受益を踏まえた財源案に合意したところであります。分担の対象と考えられます整備経費一千五百八十一億円の四分の一、金額にいたしまして三百九十五億円程度を東京都が負担する案となっております。加えて、周辺の道路や公園の整備などは、都として責任を持って対応してまいります。また、必要な法的措置については、国において講じることとなっております。都民の代表であります都議会において、この財源案を十分にご議論いただきたいと考えております。
 私は、引き続き着実な整備に向けて全面的に協力し、史上最高のオリンピック・パラリンピック大会としての成功を確実なものとしていく所存であります。皆様のご理解、ご協力をよろしくお願い申し上げます。
 なお、本定例会には、これまで申し上げたものも含め、条例案三十二件、契約案十二件など、合わせて九十五件の議案を提案しております。よろしくご審議をお願いいたします。
 以上をもちまして私の所信表明を終わります。
 ご清聴まことにありがとうございました。

○議長(川井しげお君) 知事の発言は終わりました。

○六十七番(小松大祐君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日は、質問に先立ち議事に入り、日程の順序を変更し、追加日程第一を先議されることを望みます。

○議長(川井しげお君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川井しげお君) ご異議なしと認めます。よって、質問に先立ち議事に入り、日程の順序を変更し、追加日程第一を先議することに決定いたしました。

○議長(川井しげお君) 追加日程第一、議員提出議案第十七号、フランス・パリ市での同時多発テロ事件に関する決議を議題といたします。
 案文は、お手元に配布いたしてあります。
 朗読は省略をいたします。

議員提出議案第十七号
フランス・パリ市での同時多発テロ事件に関する決議
 右の議案を別紙のとおり東京都議会会議規則第十二条第一項の規定により提出します。
  平成二十七年十二月一日
(提出者)
小林 健二  加藤 雅之  菅野 弘一
川松真一朗  山内  晃  栗山よしじ
堀  宏道  大津ひろ子  塩村あやか
やながせ裕文 おときた駿  小松 久子
中山ひろゆき 米倉 春奈  白石たみお
斉藤やすひろ 栗林のり子  遠藤  守
伊藤こういち 松田やすまさ 河野ゆうき
ほっち易隆  舟坂ちかお  島崎 義司
鈴木 錦治  宮瀬 英治  田中 朝子
上田 令子  山内れい子  西沢けいた
田中  健  里吉 ゆみ  和泉なおみ
尾崎あや子  大松あきら  吉倉 正美
まつば多美子 高倉 良生  神野 次郎
木村 基成  北久保眞道  高椙 健一
栗山 欽行  大場やすのぶ 近藤  充
桜井 浩之  山崎 一輝  石川 良一
両角みのる  西崎 光子  あさの克彦
新井ともはる 中村ひろし  徳留 道信
河野ゆりえ  小竹ひろ子  上野 和彦
野上 純子  中山 信行  谷村 孝彦
東村 邦浩  崎山 知尚  鈴木 章浩
清水 孝治  小松 大祐  柴崎 幹男
和泉 武彦  きたしろ勝彦 鈴木 隆道
早坂 義弘  高木 けい  野上ゆきえ
島田 幸成  今村 るか  大西さとる
小山くにひこ 畔上三和子  大島よしえ
松村 友昭  藤井  一  ともとし春久
鈴木貫太郎  木内 良明  高橋 信博
中屋 文孝  三宅 正彦  小宮あんり
田中たけし  鈴木あきまさ 山加 朱美
高橋かずみ  山田 忠昭  林田  武
こいそ 明  田島 和明  古賀 俊昭
斉藤あつし  尾崎 大介  石毛しげる
植木こうじ  かち佳代子  曽根はじめ
小磯 善彦  橘  正剛  長橋 桂一
中嶋 義雄  立石 晴康  神林  茂
秋田 一郎  宇田川聡史  相川  博
吉原  修  野島 善司  三宅 茂樹
川井しげお  高島なおき  野村 有信
吉野 利明  内田  茂  酒井 大史
山下 太郎  清水ひで子  大山とも子
吉田 信夫
東京都議会議長 川井しげお殿

フランス・パリ市での同時多発テロ事件に関する決議
 去る十一月十四日(現地時間十一月十三日)、フランス・パリ市中心部のコンサートホールや北部のサッカー場などを標的に、一般市民を無差別に襲った残虐なテロ事件が発生した。これまで百二十人以上が亡くなり、二百人以上が負傷し、フランス国内はもとより、全世界に大きな衝撃をもたらした。
 こうしたテロという卑劣な行為は、世界に対する許しがたい暴挙であり、いかなる理由があろうとも、断じて許されるものではない。
 ここに、全ての犠牲者の方々と、その御遺族に深く哀悼の意を表するとともに、惨事に遭遇された多くの方々に心からお見舞いを申し上げるものである。
 東京では、二〇一九年ラグビーワールドカップ、そして二〇二〇年オリンピック・パラリンピック開催に向け準備を進めている。言うまでもなく、この二大大会は平和の祭典であり、テロの未然防止に万全を期さなくてはならない。
 東京は大会開催に当たり、これまで以上にテロ対策を強化していくとともに、全世界が、テロを絶対に許さないという強い信念を共有していくことが必要である。
 よって、東京都議会は、人類全体の安全の確保のため、本事件に関わる全容の早期解明及び新たなテロ事件の再発防止に向けて、全世界が総力を挙げて努力することを強く訴えるものである。
 以上、決議する。
  平成二十七年十二月一日
東京都議会

○六十七番(小松大祐君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第十七号については、原案のとおり決定されることを望みます。

○議長(川井しげお君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川井しげお君) ご異議なしと認めます。よって、議員提出議案第十七号は、原案のとおり可決されました。

○六十七番(小松大祐君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会し、明二日から七日まで六日間、議案調査のため休会されることを望みます。

○議長(川井しげお君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(川井しげお君) ご異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれをもって散会し、明二日から七日まで六日間、議案調査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、十二月八日午後一時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後二時二分散会


文書質問趣意書及び答弁書

27財主議第350号
平成27年11月20日
東京都議会議長
川井しげお殿
東京都知事
舛添 要一

文書質問に対する答弁書の送付について

 平成27年第三回東京都議会定例会における下記議員の文書質問に対する答弁書を別紙のとおり送付します。

宮瀬英治議員
白石たみお議員
上田令子議員
西沢けいた議員
和泉なおみ議員
尾崎あや子議員
河野ゆりえ議員
小竹ひろ子議員
今村るか議員
大山とも子議員
吉田信夫議員

平成27年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 宮瀬英治

質問事項
一 首都直下地震等の大災害対策について

一 首都直下地震等の大災害対策について
 首都直下地震等の大災害対策について伺う。
 迫り来る首都直下地震への備えは、都にとって最大かつ喫緊の課題のひとつであることは言うまでもない。
 都内だけで16万人とも言われる死傷者をひとりでも多く救うためには、自助、共助、公助といった取り組みが重要であるとうたわれているが、現実的に各人、関係各所がどう対応するのか、その規模をどう広げていくかは大きな課題がある。実際に昨年12月、都民909名へのマーケティング調査を実施したところ「首都直下地震が起きたときに自分がどうすればよいか知らない」と答えた方は約6割、また「大災害時に近隣に助けてくれる人がいない」と答えた方は約8割。また「避難所がどこであるかを知らない」といった方も4割にのぼる。
 都においても自助、共助に向けた様々な施策を行っているが、今回のデータから見るに質量ともにまだまだ十分とはいえないのが現場の実情である。そこで以下、伺う。
1 首都直下地震のみならず、豪雨災害、火山災害、テロなど災害は多岐にわたり、また都や区市町村のおこなう防災・災害対策も日々進化を遂げている。また昨今、阪神淡路大震災の際に、救出された被災者が突然死にいたるといった「クラッシュ症候群」の危険性も最新の研究によって警鐘がならされている。また今後、他の道府県から都内に新たに移り住む人も多くいることが考えられる。このように周辺状況が刻々と変化する中、今後、「東京防災」の増刷や内容の見直し追加等をすべきだが、この問題を都としてどうとらえているのか、またどういった対応をするのか所見を伺う。
2 「東京防災」は都民にとって好評であり、都民のみならず外の道府県民から「私も入手したい」「会社にも一部ほしい」といった声が上がっている。今後、本の販売や電子書籍での販売等すべきと考えるが所見を伺う。
3 このたびの「東京防災」は都民の防災意識が高まる9月1日の防災の日に合わせて刊行されたものであるが、時間的な余裕があれば、東京消防庁が各消防署で実施している「東京防災」を使った防災セミナーの告知も合わせて都民に周知すべきであったと考える。今後はさらに地元区市町村や東京消防庁と事前に十分に協議された取り組みが必要であると考えるが所見を伺う。
4 都や区市町村においては、現在、「一時集合場所」「避難所」「避難場所」「帰宅困難者受け入れ場所」としてその状況に応じた避難方法や避難場所を指定し、様々な周知活動を実施しているが、都民の多くから「名前が似ていてわかりづらい」「大混乱の中でこんな仕分けどおり行動できない」といった声が上がっている。それ以前に、前述のように4割の都民が避難所そのものを知らないことも課題である。このように一般の都民にとり災害前からわかり易い名称への変更やその周知が大切であり、その役割機能、所在地等への理解を進めることが大変重要であるため、今後とも区市町村と連携しながら取り組んでいくべきと考えるが、この問題をどうとらえまたどう対応していくのか所見を伺う。
5 首都直下地震や南海トラフ地震等の際には、津波に対する懸念もまた伝えられている。とりわけ東京湾北部を震源地とした場合、東京湾沿岸地域には数分ほどで津波が到達されると言われているが、都の河川における津波対策とその現状を伺う。また都内の水門はどの程度の速さで閉門する機能を有しているのか合わせて伺う。
6 またひとたび首都直下地震や水害などの大災害が発生すれば、多くの要避難者が想定されることから、区市町村はもとより千葉県や神奈川県など他県と連携をしながらどう避難、救助活動を展開していくのか所見を伺う。

平成27年第三回都議会定例会
宮瀬英治議員

質問事項
一 首都直下地震等の大災害対策について
1 周辺状況が刻々と変化する中、今後、「東京防災」の増刷や内容の見直し追加等をすべきだが、この問題を都としてどうとらえているのか、どういった対応をするのか所見を伺う。

回答
 「東京防災」は、行政だけではなく、防災関係機関や専門家等の知見などを活用して作成しました。
 現在、都内全世帯に配布を進めており、東京消防庁管内の消防署等で東京防災セミナーを実施するなど、活用を促進しています。
 また、これまでも防災に関する情報を防災ホームページや防災ツイッター等を活用して発信しており、引き続き防災力の向上に努めます。

質問事項
一の2 「東京防災」は都民にとって好評であり、都民のみならず外の道府県民から「私も入手したい」「会社にも一部ほしい」といった声が上がっている。今後、本の販売や電子書籍での販売等すべきと考えるが所見を伺う。

回答
 「東京防災」は、都ホームページで電子版を公開しており、都内外の方を問わず活用することができます。一方で、配布の開始以降、従業員用として活用したい企業や都外にお住まいの方等から、有償頒布についての要望が多数寄せられています。
 そのため、都の内外を問わず、防災への備えとして「東京防災」の活用を希望される方々が利用できるよう、平成27年11月中旬から有償頒布を開始しています。

質問事項
一の3 東京消防庁が各消防署で実施している「東京防災」を使った防災セミナーの告知も合わせて都民に周知すべきであった。今後はさらに地元区市町村や東京消防庁と事前に十分に協議された取組が必要であるが所見を伺う。

回答
 東京消防庁管内の各消防署、出張所において、「東京防災」を活用して、今すぐできる地震への備えや、地震が発生したときにはどうしたらよいかなどを説明する東京防災セミナーを実施しました。
 なお、このセミナーの開催については、都ホームページや広報東京都などで周知しています。
 一方で、都民の防災意識の向上を図るためには、地元自治体や関係機関との連携が不可欠であり、今後も引き続き連携し防災への取組を万全なものとしていきます。

質問事項
一の4 都や区市町村は「避難所」等について様々な周知活動を実施しているが、一般の都民にとり災害前からわかり易い名称への変更やその周知が大切であり、その役割機能、所在地等への理解を進めることが大変重要であるため、今後とも区市町村と連携しながら取り組んでいくべきだが、この問題をどうとらえまたどう対応していくのか所見を伺う。

回答
 首都直下地震等の大規模災害に対して被害を軽減していくためには、発災時に都民が円滑に避難できるよう日頃から防災意識を高めていくことが重要です。
 都の地域防災計画では、避難場所、避難所、一時集合場所等の周知や、発災時の避難誘導を区市町村の役割と位置付けており、住民への周知や訓練の実施など区市町村が地域の実情に応じた取組を行っています。
 都としても、避難場所や避難所等の情報を「東京防災」やホームページに掲載し広く周知するなど、都民一人ひとりの防災意識を高める取組を進めており、今後とも、区市町村と連携しながら都民の防災力向上に努めていきます。

質問事項
一の5 東京湾北部を震源地とした場合、東京湾沿岸地域には数分ほどで津波が到達されると言われているが、都の河川における津波対策とその現状を伺う。また都内の水門はどの程度の速さで閉門する機能を有しているのか合わせて伺う。

回答
 都は、国内で過去最大の高潮被害をもたらした伊勢湾台風を想定し、これに対応できる河川等の堤防や水門の整備をほぼ完了しており、東京湾北部地震については、この整備により、東京都防災会議が想定した最大津波高を上回る堤防等の高さを確保しています。
 なお、都内の水門は、操作を開始してから5分程度で閉門する機能を大多数の施設で有しています。

質問事項
一の6 ひとたび首都直下地震や水害などの大災害が発生すれば、多くの要避難者が想定されることから、区市町村はもとより千葉県や神奈川県など他県と連携をしながらどう避難、救助活動を展開していくのか所見を伺う。

回答
 大規模災害発生時には、被災者の避難や救出救助活動等の応急対策を、区市町村をはじめ関係機関等との連携の下、円滑に実施していくことが重要です。
 都では、区市町村とも連携した応急対策の取組はもとより、都県境を越えた自治体間連携について、避難者や傷病者の受入れ等について協定を締結するなど発災時の相互連携強化に努めており、引き続き応急対応力の強化を進めていきます。

平成27年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 白石たみお

質問事項
一 35人学級の拡大について

一 35人学級の拡大について
 35人学級について国は、2011年の法改正により小学校1年生で実現し、翌12年度には財政措置により小学校2年生まで拡大しました。しかし、2013年度から現在まで、3年生以上の学年への35人学級の拡充は見送られてきました。
 教育現場では、いじめや不登校への対応をはじめ、発達障害などさまざまな要因により手厚い対応を必要とする子どもたちが増えています。きめ細かな児童・生徒への対応のためには現行の40人学級よりクラスサイズを小さくすることが必要だということは校長・教職員・保護者など関係者が一致して求めています。小中学校すべての学年で少人数学級を実現することは喫緊の課題となっています。
 国が消極的な姿勢を取るもとでも、独自に少人数学級を拡大する自治体は、全国に広がっています。
 文科省の資料によれば、2014年度には11県が少人数学級を拡大しています。そのなかで新たに秋田県と山梨県が義務教育である小学校から中学校の9学年すべてを少人数学級にしました。
 さらに今年度は、例えば新潟県が小学6年生と中学2・3年生に35人学級を拡大し、福井県では唯一残されていた小学4年生、滋賀県では小学5、6年生が35人学級となり、義務教育すべての学年で少人数学級が実現しています。
 少人数学級を拡大している自治体では、「児童1人1人の発表の機会が増えたので、学習意欲が向上した」「生徒の変化に速やかに気付き迅速に対応することが出来るため、いじめや不登校などの問題行動の早期発見が可能となった」など、少人数学級の効果が報告されています。
1 都は少人数学級の重要性をどのように認識していますか。また、他県が着々と少人数学級を拡大していることについて、どのように認識していますか。それぞれ伺います。
 都内の小学校の子どもを持つお母さんは「2年生までは26人のクラスで教室もゆったりして子どもたちも落ちついていた。ところが3年生になったらいきなり40人になり、本当に大変だ。早く35人学級を実現してほしい。35人でも多いと思う」と語っています。また学校の先生は「授業は45分間なので、35人なら1人1分ずつ話しても、導入やまとめを入れて、時間内に収めることが出来る。40人だと全員は話せない。小さなことのようだが、この違いの積み重ねは大きい」「過敏に反応してしまう発達障害の子どものために、低刺激の環境をつくりたいが、人数が多ければその分教室は騒がしくなってしまう。教師は日頃から余計な刺激をつくりださないよう、教室の前の壁の掲示物を減らすなど配慮している。少人数学級は発達障害の子どもにとっても学びやすい環境につながる」と話します。
 校長会・副校長会からも35人学級の拡大をしてほしいという要望が上げられています。
2 都は、このような保護者や現場からの声をどのように認識しているか伺います。
3 この間、都教委は35人学級の拡大について「学級編成のあり方は、国の責任が大きい」として都独自で35人学級を拡大することを避けて来ました。都民の要望にこたえ、東京都も独自に35人学級を小学校3年生以上に拡大することを求めますが、いかがですか。
 都教委は現在、国の加配教員を配置して習熟度別授業を実施しています。習熟度別授業を受け持つある小学校の先生は、「習熟度別授業はコンパスの使い方や九九の暗記など、技能を習得するための学習手法としては有効かもしれないが、技能習得だけが学びの目的ではない。子どもが自ら考え、頭を働かせる思考力を育てることも重要です」と話しています。「思考力を育てるには、子ども同士が議論し、学びを言語化することが大切です。理解の早い子どもとそうでない子どもが一緒の教室で学びあう環境は、教えあいや議論が生まれ、新たな気づきの発展につながり、より深まった理解を得られる」とのことです。さらに、子ども同士が学び合う環境はお互いの新しい一面を知る機会となり学級づくりに有効となることも強調していました。
 また習熟度別授業は、2学級を3つのグループに分け、また学校によっては3学級を4つのグループに分けて実施するため「下のクラスに落ちつかない子が集まり、授業が困難になる」「時間割の制約が大きく、教師同士の打合せの時間の確保に苦労する。」と効果を疑問視する声も少なくありません。
4 国の加配教員については、国は都道府県に対し少人数学級への活用を認めていますが、都教委は全員を少人数指導のための教員として各学校に配置しています。この国の加配教員を学校や区市町村の判断で、習熟度別授業などの少人数指導だけでなく、少人数学級に活用することを認めるよう求めますが、いかがですか。あえて、縛りをかける必要性はないと思いますが、いかがですか。
5 少人数指導は「習熟度ではなく、他の分け方が効果的な場合もある」「せめて1学級2グループに分けるのであれば、煩雑さが減り、人数も半分になるので効果が期待できる」との声に応え、すべての教科で1学級2展開やティーム・ティーチングなど、学校の実態に応じた弾力的な運用を認めるべきと考えますが、いかがですか。

平成27年第三回都議会定例会
白石たみお議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 35人学級の拡大について
1 都は少人数学級の重要性をどのように認識しているか、また、他県が着々と少人数学級を拡大していることについて、どのように認識しているか、それぞれ伺う。

回答
 義務教育における学級編制の在り方は、教育の機会均等や全国的な教育水準の維持の観点から、国の責任が大きいと考えます。
 なお、各道府県は、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」の規定にのっとり、それぞれの地域の実情を考慮して学級編制基準を定めているものと考えます。

質問事項
一の2 都は、35人学級を拡大してほしいという保護者や現場からの声をどのように認識しているか伺う。

回答
 都教育委員会は、小1問題及び中1ギャップの予防及び解決のため、小学校第1学年、第2学年及び中学校第1学年において、学級規模の縮小とティーム・ティーチング等の活用を各学校の実情に応じて選択できる柔軟な制度を平成22年度から順次導入してきました。
 なお、指導の充実のためには、少人数学級だけではなく、教科により学習集団を分ける少人数指導を適切に実施していくことが重要であると考えます。

質問事項
一の3 都民の要望にこたえ、東京都も独自に35人学級を小学校3年生以上に拡大することを求めるが、見解を伺う。

回答
 都教育委員会は、小1問題及び中1ギャップの解決のため、小学校第1学年、第2学年及び中学校第1学年において35人編制を可能としています。
 義務教育における今後の学級編制の在り方は、教育の機会均等や全国的な教育水準の維持の観点から、国の責任が大きいと考えており、国の動向を注視していきます。

質問事項
一の4 国の加配教員を学校や区市町村の判断で、習熟度別授業などの少人数指導だけでなく、少人数学級に活用することを認めるよう求めるが、見解を伺う。あえて、縛りをかける必要性はないと思うが、見解を伺う。

回答
 児童・生徒の確かな学力の定着と伸長を図るためには、一人ひとりの習熟度に応じた指導を行う少人数指導が有効であることから、都教育委員会は、少人数指導のための加配を、少人数学級に転用することは考えていません。

質問事項
一の5 すべての教科で1学級2展開やティーム・ティーチングなど、学校の実態に応じた弾力的な運用を認めるべきだが、見解を伺う。

回答
 都教育委員会は、習熟度別指導について、小学校の算数並びに中学校の英語及び数学は、学習集団の編成に当たって、2学級3展開を基本としています。
 なお、1学年1学級の学校などについて、学校の実態を踏まえた上で、1学級2展開とすることや、単元導入時などに、習熟度別指導とティーム・ティーチングを組み合わせることも認めています。

平成27年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 上田令子

質問事項
一 犯罪に関わった被害者・捜査協力者等への対応について
二 不自然死等の死体検案について
三 都立学校におけるアスベスト対策について
四 学校保健における精神科医の活用について
五 社会福祉法人田無の会に対する行政処分の現状と今後について
六 精神疾患患者の特定医療機関への斡旋事案について
七 職員のメンタルヘルス対策について
八 都の自殺対策について
九 生産緑地について
十 調布飛行場について

一 犯罪に関わった被害者・捜査協力者等への対応について
 犯罪捜査にあたって、被害者や目撃者等の協力・証言は事件解決に向けて不可欠なものです。つきましては、以下、うかがいます。
1 被害者・捜査協力者等が乳幼児や要介護者等を抱えている場合、任意での事情聴取や現場検証において場所・時間帯・方法についてどのように配慮しているのか、基本的な考え方をお答えください。
2 被害者・捜査協力者等が帰宅等退去を希望した場合の対応について、基本的な考え方をお答えください。
3 被害者・捜査協力者等が乳幼児や要介護者等を抱えている場合において、事情聴取や現場検証に協力している間、乳幼児や要介護者等に特段の対応をしている例があれば、お答えください。

二 不自然死等の死体検案について
 東京都監察医務院は、特別区内で発生した全ての不自然死について死体解剖保存法第8条に基き行政解剖として死体の検案及び解剖を行い、死体検案書を発行しています。また、多摩・島しょ地域においては、1978年から検案及び解剖業務を関係機関等に委託のうえ実施しているとのことです。
1 監察医務院における昨年の死体の検案及び解剖、死体検案書の発行の実績をお答えください。
2 多摩・島しょ地域においての死体の検案及び解剖、死体検案書の発行等の業務の実施状況と監察医務院との取り扱いの違いを具体的にご説明ください。
3 多摩・島しょ地域における不自然死体からの向精神薬・危険ドラッグ等薬物の検出状況について、都としては把握していますか。把握していれば、最新の実績等をご説明ください。
三 都立学校におけるアスベスト対策について
 財務局が行った49点の追加調査の結果によると、17か所アスベストが検出されたとのことです。これに関連してうかがいます。
1 都立学校におけるアスベスト調査の実施状況について、ご説明ください。
2 都立板橋高校の解体工事に関するアスベスト調査について、生徒・保護者・地域住民にはどのような説明が行われたか、対応状況をお答えください。また、アスベスト事前調査の実施結果についてご説明ください。
3 業者に委託してのアスベスト調査について、教育庁は現地立ち会い等を行っているのか、検査への関与について、具体的にご説明ください。

四 学校保健における精神科医の活用について
 学齢期においても、精神的ケアが必要となる児童・生徒が散見されます。このような児童・生徒には、専門機関による支援とともに、学校保健の枠組みのもと、日常生活の中での支援が必要です。つきましては、以下、うかがいます。
1 都内の公立学校における学校医について、精神科医の指定の状況について、最新のものをお示しください。
2 教職員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等と精神科医の連携・協力について、取組状況と、取組の基本的な考え方をお答えください。
3 都内公立学校における長期欠席者の状況について伺う。また、精神疾患を原因とした長期欠席者の状況と推移について、実態と所見を伺う。

五 社会福祉法人田無の会に対する行政処分の現状と今後について
 社会福祉法人田無の会に対する行政処分の現状と今後について、伺います。
1 行政処分の状況について、西東京市の関与の状況も踏まえて、時系列にご説明ください。
2 法人の運営体制に一定の指導があり、理事等の交代があったと聞くが、現状の運営体制と改善状況について、ご報告ください。
3 当該法人の今後のあり方について、都としての考え方をお答えください。

六 精神疾患患者の特定医療機関への斡旋事案について
 本年第2回定例会の文書質問で、「行政から精神障がい者、精神障がい者で生活保護受給者に対し特定の病院を斡旋しないとされているが、間違いないか。また、当該ケースに対してはどのような行政対応をしているのか」との質問に、「精神保健福祉センター、福祉事務所などにおいて、医療機関への受診に係る相談があった場合には、相談者の住所地や症状等に応じ、医療機関を案内」との答弁がありました。しかし、残念ながら精神疾患患者の通院をめぐり、大田区、江戸川区、港区の各福祉事務所により、特定医療機関の“囲い込み”の場として利用されていた疑いが本年7月に明らかになり、特定の医療機関へ斡旋されていることが報道された。のみならず、当該医療機関職員が3区の福祉事務所内にメンタルケア指導員等の形で随意契約を結び、当該医療機関のデイ・ナイトケア受診が生活保護受給の条件と利用者に誤解させるような説明にて斡旋を行っていたことが問題視されています。日本国憲法13条の自己決定権、及び生活保護法第2条違反ともとられかねませんことから、以下の点についてお伺いいたします。
1 自立支援精神医療のあり方について
ア 前定例会の答弁と、実態が著しく異なる運用がなされていたことについてのご説明と、今後どのような対応をなさるのかお示し下さい。
イ 当該医療機関とメンタルケア指導員の委託先が同一であるということは、指導に関しての中立性を欠き、斡旋の名を借りた当該医療機関への利益誘導ともとられかねません。この点に関し、今後どのような監督指導を行っていくのかをお示し下さい。
2 厚生労働省による行政指導について
 当該医療機関に対しては、7月24日に厚生労働大臣、東京都知事宛に患者が申立人となり、申立人代理人より意見書が出されております。同日の塩崎厚生労働大臣の記者会見内で「東京都を通じて適切な指導を行いその行方を見守る」と発言以後、8、9月と2度生活保護が支給されましたが、以下の点について確認いたします。
ア 当該医療機関のシェアハウスに住む当事者は、生活保護費は当該医療機関が被保護者の了解も得ず現金書留で受領し、生活扶助費に関しては「朝食」代と呼ばれる僅かな金銭以外全く手渡していなかった等、生活保護法第31条第1項に抵触しておりますが、今はどのような支給体制・管理体制になっているのかお示し下さい。
イ そもそも、当該医療機関のシェアハウスは江戸川区、大田区、港区のいずれにも該当しない別の区に有ります。また、もともとこれらの区に居住していたにも関わらず転居させられている被保護者もおりますが、なぜ現住所からの支給となっていないのかご説明ください。
ウ 生活保護法第23条第1項に基づき、東京都は生活扶助、住宅扶助、医療扶助の適正実施に向けどのような指導を行ったのか、行っていないのか、または行っていくのかお示し下さい。
3 デイ・ナイトケアについて
 デイ・ナイトケアはあくまでも治療であり、当然ながらその効果が感じられなければなりません。しかし、内容はゲーム、塗り絵、テレビを見て昼寝等、病名とプログラムに関連がなく、およそ治療とは程遠いものとなっております。そこで、以下の点についてお伺いいたします。
ア 江戸川区、大田区、港区から100名近い精神障がいがある生活保護受給者が誘導されておりますが、作業所や障害者就労を含めた社会復帰の状況についてどのように認識していますか。
イ デイ・ナイトケアの実施時間は、厚生労働省の診療報酬告示に伴う厚生労働省保健局医療課長・歯科医療管理官通知「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項(通知)」によれば、患者1人あたり1日10時間を標準とするものとされております。しかし、当該医療機関は午前、昼食、午後、3時間余の休憩、夕食を足しても9時間程度であり、不適正な診療報酬を請求している疑いが高く、仮に請求通りであったにせよ、社会復帰に向けた内容とは程遠いプログラムとなっております。この点について、生活保護法の医療及び障害者総合支援法に基づく自立支援医療の適正実施に対し、どのような監督指導を行ったのか、行っていくのかをお示し下さい。
ウ 当該医療法人の役員が株式会社の役員を兼務することは、医療法に違反しており監督する立場の東京都は何故指導監督を行わず看過していたのか、具体的にお示し下さい。
4 被保護者の人権について
 当該医療機関のシェアハウスへの居住をすすめられた被保護者ですが、貸ルームをベニヤ板の簡易な仕切り、10平方メートルにも満たない劣悪な環境とのことでした。前述のとおり、僅かな朝食代のみで現金は持っておりませんので、転居も不可能なことから、人権侵害並びに障がい者虐待防止法の理念に抵触すると考えられます。そこで、以下についてお伺いいたします。
ア 被保護者の居住していたシェアハウスは、指導監督の対象となる建築基準法に違反の状況でした。申請時はネットカフェや簡易宿泊所等を現住所として認めることは許されているものの、福祉事務所においては住居選定の際は防犯、防災上など道義的問題の観点から申請後調査、審査が行われなくてはならないにも関わらず何故このシェアハウスを住居として認めたのか、見解と対応をお示し下さい。

七 職員のメンタルヘルス対策について
1 職員の自殺・過労死・メンタルヘルス等の現状について
 本年5月水道局幹部職員が自殺する事案が発生しました。業務及び心身の健康状態等部下の人事管理をする幹部職員が自殺をするということの背景に、東京都庁の、残業、休暇取得などが適法な労働状況にあったか、それに加え意欲をもって働ける風通しのよい組織環境であったか、早期発見早期治療及びアフターケアに結びついていたのかという点につき懸念を抱いております。つきましては、以下につきまして所見を伺います。
ア 在職中に自殺・過労死で亡くなった職員の性別、年代別、部局別、階級別人数、過去5年分。
イ 東京都職員の自殺予防対策や一次から三次予防、アフターケア、産業医の状況も含めたメンタルヘルス対策・ストレスマネジメントの具体的な取組と成果、課題について
ウ 幹部職自殺を受けての東京都の所見と、今後の対策について
2 職員の残業・休暇取得について
 現状東京都では定時退庁の日を設け、メンタルヘルス環境の改善の推進をはかっていますが、長時間労働の問題を鑑みれば、抜本的な人員配置の再検討の必要性を感じています。ことに課長級以上の残業については度外視されているのではないかと危惧しているところです。つきましては以下について御所見を伺います。
ア 週休二日が取得されていない人員と部署、過労ラインを超える残業をしている人員と部署、過去3年分
イ 職員の残業時間は、全て事実どおりに申告されているか、そのチェック体制はどのような形で行われ、残業が過労ラインを超えた場合はどのような対応をとっているかについて
ウ 繁忙部署にいる幹部職員のメンタルヘルス対策、過重労働による健康障害防止対策について。
エ 東京都職員における長時間労働の問題と東京都の考え方について

八 都の自殺対策について
1 東京都は「自殺相談ダイヤル こころといのちのほっとライン」を年中無休にて実施しております。時間帯によっては、つながらないという声もよせられております。ついては、直近1年の時間帯別月別件数につきおしめしください。
2 ゲートキーパー養成事業に関し、かかりつけ医受診後に精神科に繋がりうつ状態と分かる傾向が高いと指摘されているが、そこで内科、歯科、そして子どもの自殺防止のために学校医にゲートキーパー養成講座の受講の必要性を感じていますがご所見をうかがいます。

九 生産緑地について
1 都内の生産緑地について、指定の件数、総面積について、特別区と多摩地区の別に、直近のものをお示しください。
2 生産緑地は固定資産税等が一般農地と同様の取扱いがされていますが、仮に1でうかがった生産緑地に宅地並み課税をした場合、都の税収はどの程度見込まれるのか、お答えください。
3 仮に生産緑地が耕作放棄されていることを都が把握した場合における対応について、お示しください。
4 都民等から生産緑地の耕作放棄について、都に通報があった際の対応について、お示しください。

十 調布飛行場について
 本年7月、都営コミューター空港である調布飛行場から離陸した飛行機が、調布市内の住宅に墜落しました。これに関連してうかがいます。
1 空港事務所から消防庁、警視庁等関係機関への連絡はどのように行われたのか、また、乗員数をどの時点で把握したのか、時系列にお答えください。
2 港湾局から、調布市、三鷹市、府中市、小金井市への連絡はどのように行われたか、時系列にお答えください。
3 「遊覧飛行は認めていない」としているが、慣熟飛行についてはどのような場合に認められるのか、昨年度の実数とともに、ご説明ください。
4 旧二枚橋衛生組合の清掃工場の煙突の撤去により、空港北側からの着陸高度が低くなっているのではないか、現状と対応策をお示しください。
5 調布飛行場の今後の運用について、都の考え方をお答えください。

平成27年第三回都議会定例会
上田令子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 犯罪に関わった被害者・捜査協力者等への対応について
1 被害者・捜査協力者等が乳幼児や要介護者等を抱えている場合、任意での事情聴取や現場検証において場所・時間帯・方法についてどのように配慮しているのか、基本的な考え方を伺う。

回答
 警視庁は、犯罪を立証するため、被害者のみならず、犯行を目撃された方、事件に関係された方に対し、事情聴取や現場検証への立会いなど、捜査の必要性を説明して、協力をお願いしています。
 その際、捜査に協力いただく方の都合や事情を伺い、過度に負担を掛けることがないよう、実施する場所・時間・方法等を検討し、御理解をいただくよう努めています。

質問事項
一の2 被害者・捜査協力者等が帰宅等退去を希望した場合の対応について、基本的な考え方を伺う。

回答
 被害者・捜査協力者等が、事情聴取中等に都合により退去を申し出られた場合は、事情聴取等を一旦中断し、協力を得られる日程や場所等を調整して退去していただくなど、要望に沿うよう努めています。

質問事項
一の3 被害者・捜査協力者等が乳幼児や要介護者等を抱えている場合において、事情聴取や現場検証に協力している間、乳幼児や要介護者等に特段の対応をしている例を伺う。

回答
 捜査において、乳幼児や要介護者を抱える方に協力をいただくに当たっては、育児、介護等に影響が及ばないよう、配慮に努めています。

質問事項
二 不自然死等の死体検案について
1 監察医務院における昨年の死体の検案及び解剖、死体検案書の発行実績について伺う。

回答
 監察医務院における、平成26年1月から同年12月までの死体検案数は13,301件、解剖件数は2,225件、死体検案書の発行数は18,187件となっています。

質問事項
二の2 多摩・島しょ地域においての死体の検案及び解剖、死体検案書の発行等の業務の実施状況と監察医務院との取扱いの具体的な違いについて伺う。

回答
 多摩・島しょ地域は、監察医務院のある23区と異なり、監察医を置くべき地域として政令で定められていないため、検案業務を東京都医師会に、解剖業務を東京慈恵会医科大学と杏林大学に委託し実施するほか、立川警察署管内については監察医務院による検案業務を実施し、検案・解剖体制の確保を図っています。
 平成26年1月から同年12月までの、多摩・島しょ地域における死体検案数は6,171件、解剖件数は777件となっています。
 なお、死体検案書は、検案を実施した医師により、遺族に対して1通発行されます。それ以外の遺族の求めに応じて発行される死体検案書の件数については、都では把握していません。

質問事項
二の3 多摩・島しょ地域における不自然死体からの向精神薬・危険ドラッグ等薬物の検出状況について、都は把握しているか。把握していれば、最新の実績等を伺う。

回答
 多摩・島しょ地域における、不自然死体からの向精神薬などの薬物の検出状況については、都が解剖業務を委託している東京慈恵会医科大学及び杏林大学から報告を受けた解剖結果により把握しています。
 薬物が検出された場合には、検出された薬物により、「睡眠剤・向精神薬等」、「覚醒剤・麻薬・精神変容薬」、「その他の薬物・薬剤・製剤」の三つに死因を分類しており、平成26年1月から同年12月までの実績は、「睡眠剤・向精神薬等」が28件、「覚醒剤・麻薬・精神変容薬」が0件、「その他の薬物・薬剤・製剤」が4件となっています。

質問事項
三 都立学校におけるアスベスト対策について
1 都立学校におけるアスベスト調査の実施状況について伺う。

回答
 都立学校では、平成17年度に、学校職員や教育庁の技術職員による目視や設計図書の確認により、吹き付けアスベスト等の使用実態を全校で調査するとともに、アスベストの使用が疑われる箇所について専門家による成分分析を実施しました。
 その後、平成18年に労働安全衛生法施行令が改正され、アスベスト含有建材の定義が1パーセント超から0.1パーセント超に拡大されたことを受け、平成18年度に、1パーセント以下のアスベスト含有が疑われる箇所の成分分析を再度行いました。
 また、平成19年度には、1パーセント超の吹き付けアスベスト等を使用している可能性の高い平成8年度以前にしゅん工した建築物について、専門家や教育庁の技術職員による調査及び疑わしい箇所についての成分分析を改めて実施しました。
 なお、それぞれの調査及び分析の結果、吹き付けアスベストの使用が判明し、早急に飛散防止対策が必要な箇所については、除去工事等を行いました。
 現在は、毎年度、上記の調査箇所の対策状況等についてフォロー調査を行うとともに、改築・改修工事等の設計時及び既存校舎等を解体する前の時点で、現場を詳細に調査しています。

質問事項
三の2 都立板橋高校の解体工事に関するアスベスト調査について、生徒・保護者・地域住民にはどのような説明が行われたか、対応状況を伺う。また、アスベスト事前調査の実施結果について伺う。

回答
 都立板橋高校の解体工事に関するアスベスト調査については、解体工事設計時(平成26年6月)にしゅん工図書等による確認の上、試料採取による成分分析調査を実施しました。
 また、解体工事着手前(平成27年7月から8月)には、屋上防水など試料採取により建物利用に支障が生じる部分を中心に成分分析調査を実施しました。この結果、設計時には、16か所中8か所でアスベストが検出され、加えて解体工事着手前には54か所中20か所で検出されています。今後、除去作業に当たっては隔離養生を行うなど飛散防止を徹底していきます。
 生徒・保護者には、平成27年10月13日に、調査の結果及び大気汚染防止法等関係法令を遵守して生徒の健康・安全に影響を及ぼすことのないよう適切に除去作業を行うこと等について書面によりお知らせしました。地域住民には、解体工事の着手に先立ち同年8月5日に工事説明会を開催し、アスベストの調査結果も含めて説明しました。
 また、同年10月13日に、調査結果及び作業手順について近隣に各戸配布するとともに、関係法令に基づき現地に「建築物等の解体等の事前調査結果及び作業に関するお知らせ」を掲示しています。

質問事項
三の3 業者に委託してのアスベスト調査について、教育庁は現地立ち会い等を行っているのか、検査への関与について伺う。

回答
 改築・改修工事等の設計時及び既存校舎等を解体する前に行うアスベスト調査は、設計や解体工事の受託者・受注者が専門の調査会社に委託して実施しています。
 改築・改修等の設計や工事の都監督員(財務局又は教育庁の技術職員)は、定例的に行われる受託者・受注者との打合せにおいてアスベスト調査の進捗状況を確認するとともに、現場写真や調査報告書等の成果品により、適切に調査が実施されたかを確認しています。

質問事項
四 学校保健における精神科医の活用について
1 都内の公立学校における学校医について、精神科医の指定の状況について、最新のものを伺う。

回答
 都立学校では、平成27年10月1日現在、高等学校で14人、特別支援学校で60人の精神科医を学校医として任用しています。
 また、区市町村立学校において、精神科医を学校医として置くことは、設置者が判断するものと考えています。

質問事項
四の2 教職員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等と精神科医の連携・協力について、取組状況と、取組の基本的な考え方を伺う。

回答
 都教育委員会は、児童・生徒の健全育成に向けて、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどの外部人材や、精神科医を含む関係機関等との連携体制のモデルを示した資料を作成し、各学校に配布しています。
 また、全てのスクールカウンセラーを対象とした連絡会では、インターネット依存症の実態等をテーマとして、精神科医による講演などを行い、児童・生徒理解の更なる充実を図っています。
 学校が、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等の多様な外部人材や、医療機関、児童相談所等の関係機関と連携して、児童・生徒の実態に応じた適切な支援を行っていくことが必要であると考えています。

質問事項
四の3 都内公立学校における長期欠席者の状況について伺う。また、精神疾患を原因とした長期欠席者の状況と推移について、実態と所見を伺う。

回答
 平成26年度における都内公立学校の長期欠席者数は、小学校が4,697人、中学校が8,651人、高等学校が5,163人です。
 なお、都教育委員会では、この中で精神疾患を原因とした欠席者の状況については、把握していません。

質問事項
五 社会福祉法人田無の会に対する行政処分の現状と今後について
1 当該法人に対する行政処分の状況について、西東京市の関与の状況も踏まえて、時系列に伺う。

回答
 都は、当該法人が運営する施設に対し、身体的虐待や理事長等の不適切な対応等を理由に、平成25年9月30日に一年間の新規利用者の受入れ停止処分を行いましたが、改善が見られなかったため、平成26年9月30日に再度、同様の処分を行いました。
 その後、法人所轄庁である西東京市と合同で平成26年11月及び平成27年1月に実地検査を行いましたが、改善が不十分であったため、平成27年2月20日に都は施設に改善勧告を行い、市も同日付けで法人に改善措置命令を行いました。
 これらの改善状況の確認のため、同年6月に再度市と合同で実地検査を実施しました。その中では、同年4月に発生した利用者のベッドからの転落事故について報告がされていないこと、同年6月に利用者への虐待が発生していたことなどが明らかになりました。
 そのため、改めて同年7月から監査を行い、同年8月13日に再度改善勧告を行いました。

質問事項
五の2 社会福祉法人田無の会の法人の運営体制に一定の指導があり、理事等の交代があったと聞くが、現状の運営体制と改善状況について、見解を伺う。

回答
 都は、当該法人に対して、西東京市と連携し、役員体制の刷新等を指導してきました。
 その結果、6名の理事全員が交代するとともに、法人が第三者による原因究明、再発防止及び運営体制の見直しを図るために設置した第三者委員会の委員4名を含む6名を新たに理事に追加し、理事を12名としました。
 また、豊富な知識と経験を有する者を施設長に配置するとともに、新たに設置した「人権擁護・虐待防止委員会」において、具体的な虐待の再発防止策が検討されており、施設の運営体制は一定の改善が図られていると認識しています。

質問事項
五の3 当該法人の今後のあり方について、都としての考え方を伺う。

回答
 当該法人は、新たな理事の下で施設運営の改善に取り組んでおり、処分期間が終了した平成27年10月1日以降も、受入体制が整うまで利用者の新規受入れを自粛するとしています。
 都としては、今後とも、利用者本位の施設運営が行われるよう、西東京市と連携して、改善状況の確認や指導を行っていきます。

質問事項
六 精神疾患患者の特定医療機関への斡旋事案について
1 自立支援精神医療のあり方について
ア 前定例会の文書質問に対する「精神保健福祉センター、福祉事務所などにおいて、医療機関への受診に係る相談があった場合には、相談者の住所地や症状等に応じ、医療機関を案内」との答弁と、実態が著しく異なる運用がなされていたことについての説明と、今後どのような対応をするのか、見解を伺う。

回答
 都は、生活保護を受給している精神障害者を特定の医療機関に通院させているという情報が寄せられたことから、平成27年7月に、各区市に対して当該医療機関に通院している被保護者の状況について調査し、その回答を踏まえ、同年7月末から同年8月上旬までに、大田区と江戸川区に対し、生活保護法に基づき特別指導検査を実施しました。
 その結果、大田区において、特定の医療機関の受診、デイケアの利用を文書指示している事例が2件確認されたため、医療機関を選定した理由を指示書に付記し、被保護者に十分な説明を行うことなどの勧告を同年8月19日に行いました。
 今後とも、生活保護法第27条に基づく指導及び指示を適切に行っていくよう、区市に対して指導、助言していきます。

質問事項
六の1のイ 当該医療機関とメンタルケア指導員の委託先が同一であるということは、指導に関しての中立性を欠き、斡旋の名を借りた当該医療機関への利益誘導ともとられかねないが、今後どのような監督指導を行っていくのか、見解を伺う。

回答
 平成27年8月7日に厚生労働省から、生活保護受給者に関する健康管理支援等を委託された事業者等が受診勧奨を行う場合について、特定の医療機関への不適切な受診誘導が発生しないよう、通知が発出されました。
 通知では、〔1〕受診勧奨等の際の客観的かつ合理的な根拠に基づく医療機関の提示、〔2〕委託先事業者の調達における公平性・透明性の確保等、〔3〕委託先事業者等が行う業務実態に関する実施機関における把握、などに関して、取扱いや留意事項が示されており、都は、この通知について速やかに区市に周知しました。
 今後とも、こうした通知も踏まえ、区市に対して指導、助言していきます。

質問事項
六の2 厚生労働省による行政指導について
ア 当該医療機関のシェアハウスに住む当事者は、生活保護費は当該医療機関が被保護者の了解も得ず現金書留で受領し、生活扶助費に関しては僅かな金銭以外全く手渡していなかったが、今はどのような支給体制・管理体制になっているのか伺う。

回答
 平成27年7月末から同年8月上旬までに行った大田区と江戸川区への特別指導検査では、被保護者と当該医療機関の間の金銭管理委託契約の有無や内容を確認することなく、当該医療機関の所在地宛てに保護費を現金書留で送付している事例が多数見られました。
 そのため、保護費の支給に当たっては、被保護者が金銭管理を委託している場合であっても、確実に被保護者本人に支給されることを確認すること、また、金銭管理委託契約の内容を挙証資料により把握することなどの勧告を同年8月19日に行いました。
 都は、同年9月25日に、大田区と江戸川区から改善報告書を受理しており、挙証資料の徴取や口座払いへの変更など、勧告事項が改善されていることを確認しています。

質問事項
六の2のイ 当該医療機関のシェアハウスは江戸川区、大田区、港区以外の区に有る。また、もともとこれらの区に居住していたにも関わらず、転居させられている被保護者もいる。なぜ現住所からの支給となっていないのか見解を伺う。

回答
 厚生労働省が定めた実施要領では、保護の実施責任は、要保護者の居住地又は現在地により定められますが、他の場所に居住していることが一時的な便宜のためであって、一定期限の到来とともに、現に居住していない場所に復帰して起居を継続していくことが期待される場合等には、その場所を居住地として認定すること、とされています。
 実際の運用については、被保護者の個々の状況に応じて、保護の実施機関である区市の福祉事務所において判断しています。

質問事項
六の2のウ 生活保護法第23条第1項に基づき、東京都は生活扶助、住宅扶助、医療扶助の適正実施に向けどのような指導を行ったのか、行っていないのか、または行っていくのか伺う。

回答
 都は、平成27年7月16日の特別区福祉事務所長会において、当該医療機関に通院する被保護者が利用するシェアハウスについて、〔1〕訪問調査が未実施で生活実態の把握ができていない、〔2〕住宅扶助の計上に当たり契約内容の確認が不十分、〔3〕建築基準法や消防法に抵触するおそれがある、などの可能性があるため、速やかに状況を確認し、問題点があれば改善するよう指導しました。
 同月29日には、全福祉事務所に対して、被保護世帯の適切な住まいの確保及び住宅扶助の適正な計上等を行うよう通知しました。
 また、同年7月下旬から同年8月上旬には、大田区と江戸川区に、生活保護法に基づき特別指導検査を実施し、改善が必要な事項について、同年8月19日に勧告を行いました。
 今後とも、生活保護法に基づき適切な保護を実施するよう、区市に対して指導、助言していきます。

質問事項
六の3 デイ・ナイトケアについて
ア 江戸川区、大田区、港区から100名近い精神障がいがある生活保護受給者が誘導されているが、作業所や障害者就労を含めた社会復帰の状況についてどのように認識しているか伺う。

回答
 精神障害者は、体調や環境によって症状が変化しやすいため、保健・医療・福祉が連携して支える体制を整備することが重要です。
 このため、福祉事務所においては、医療機関への継続的な受診について援助するとともに、精神障害者が地域で安心して暮らせるよう、様々な関係機関と連携して就労支援や相談支援を行う必要があると認識しています。

質問事項
六の3のイ デイ・ナイトケアの実施時間は、「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項(通知)」によれば、患者一人あたり1日10時間を標準とするものとされているが、当該医療機関の実施時間は9時間程度であり、不適正な診療報酬を請求している疑いが高く、仮に請求通りであったにせよ、社会復帰に向けた内容とは程遠いプログラムとなっているが、どのような監督指導を行ったのか、行っていくのか、見解を伺う。

回答
 当該医療機関は、生活保護法に基づく被保護者の医療及び障害者総合支援法に基づく自立支援医療(精神通院医療)を担当する指定医療機関となっています。
 都は、指定医療機関の指導や検査を行う立場から、当該医療機関が実施している精神科デイ・ナイト・ケアの診療報酬等について調査を行っているところであり、引き続き、生活保護法及び障害者総合支援法に基づき、適切に指導・検査を行っていきます。

質問事項
六の3のウ 当該医療法人の役員が株式会社の役員を兼務することは、医療法に違反しており、監督する立場の東京都は何故指導監督を行わず看過していたのか、見解を伺う。

回答
 平成5年の厚生省通知「医療機関の開設者の確認及び非営利性の確認について」では、「開設者である法人の役員については、原則として当該医療機関の開設・経営上利害関係にある営利法人等の役職員を兼務していないこと」を確認することとされており、都は、医療法人の設立認可の審査時に書面で確認しています。
 認可後に状況が変わった場合、届出等の義務はありませんが、当該医療法人については、役員が営利法人等の役員を兼務しているとの情報提供が都にあったため、速やかに事実関係を確認し、医療法や政省令、関係関連通知に基づき必要な対応を行いました。

質問事項
六の4 被保護者の人権について
ア 申請時はネットカフェや簡易宿泊所等を現住所として認めることは許されているものの、福祉事務所においては住居選定の際は防犯、防災上など道義的問題の観点から申請後調査、審査が行われなくてはならないにも関わらず何故このシェアハウスを住居として認めたのか、見解と対応を伺う。

回答
 都が大田区と江戸川区に実施した特別指導検査においては、賃貸住宅への入居以降、少なくとも1年に2回以上実施することとされている訪問調査が不十分なまま、住宅扶助を計上している事例が確認されました。
 訪問調査活動は、被保護者の生活状況の把握と援助方針への反映、これに基づいた自立助長のための指導援助を行う上で不可欠であるため、都は両区に対し、訪問調査活動を適正に実施するとともに、住宅が違法建築と確認された場合は、速やかに転居指導を行うよう勧告しました。
 都は、現在、両区において適正な訪問調査、転居指導が実施されていることを確認しており、引き続き、適正な対応が図られるよう、必要な指導、助言を行っていきます。

質問事項
七 職員のメンタルヘルス対策について
1 職員の自殺・過労死・メンタルヘルスケアの現状について
ア 在職中に自殺・過労死で亡くなった職員の性別、年代別、部局別、階級別人数、過去5年分について伺う。

回答
 知事部局における在職中の自殺者数は、平成22年から平成26年までの5年間の合計で11人となっています。
 その性別の内訳は、男性8人、女性3人、年代別の内訳は、20代2人、30代3人、40代4人、50代2人、局別の内訳は、主税局、環境局、産業労働局が各2人、知事本局、財務局、生活文化局、病院経営本部、建設局が各1人、職層別の内訳は、課長級1人、係長級1人、主任級4人、主事級5人となっています。
 なお、知事部局における過労死による公務災害認定件数は、平成22年度から平成26年度までの5年間で0件となっています。

質問事項
七の1のイ 東京都職員の自殺予防対策や一次から三次予防、アフターケア、産業医の状況も含めたメンタルヘルス対策・ストレスマネジメントの具体的な取組と成果、課題について、見解を伺う。

回答
 自殺の要因は、業務外の事情も含めて多岐にわたり、その発生要因等の解明は困難ですが、職員の自殺防止には、メンタルヘルス不調の未然防止や、不調者の早期発見と対処が重要であると認識しています。
 知事部局では、り患予防から復職まで、総合的なメンタルヘルス対策を講じており、具体的には、不調の未然防止を目的とした一次予防として、「こころの健康度チェック」の全職員配布や、不調者の早期発見・早期対応を目的とした二次予防として、専門スタッフを配置した相談体制整備、さらに、職場復帰支援や再発防止を目的とした三次予防として、職場復帰訓練などに取り組んでいます。
 知事部局における、精神疾患を理由とした病気休暇等を30日以上取得した職員の数は、平成22年以降、減少基調となっており、メンタルヘルス対策の効果が着実に現れてきているものと考えています。
 今後も職員のメンタルヘルス不調を未然に防止するため、労使の代表により構成する東京都安全衛生委員会を活用しながら、ストレスチェックの導入などメンタルヘルス対策の充実を図っていきます。

質問事項
七の1のウ 幹部職自殺を受けての東京都の所見と、今後の対策について、見解を伺う。

回答
 本件自殺が、公務に起因する過労や精神疾患によるものとの所見はありませんが、職員のメンタルヘルス対策については、幹部職員に対しても、前述した一次予防から三次予防までの総合的なメンタルヘルス対策を実施しています。
 今後は、メンタルヘルス不調の未然防止を目的とした一次予防について、ストレスチェックの導入による対応強化を予定しています。
 あわせて、メンタルヘルス不調者の早期発見・早期対応を目的とした二次予防について、ストレスチェックの結果、特にストレスの高い職員に対して医師の面接指導の勧奨を行っていきます。
 また、円滑な職場復帰支援や再発防止を目的とした三次予防についても、復職支援セミナーの拡充を図っていきます。
 こうした一次予防から三次予防までの対策を充実することで、これまで以上に、幹部職員も含めた職員の心の健康の保持増進に取り組んでいきます。

質問事項
七の2 職員の残業・休暇取得について
ア 週休二日が取得されていない人員と部署、過労ラインを超える残業をしている人員と部署、過去3年分について伺う。

回答
 知事部局では、4週8休の交替制勤務職場も含めて、実質的には全ての職員に週休が2日割り当てられる制度となっています。業務の都合により週休日に出勤する必要が生じた場合は、週休日の変更により対応していますが、週休日の変更が困難な場合は、超過勤務手当を支給しています。
 職員が週休日の変更や超過勤務を行う場合については、各所属において適切に対応しており、総務局では職員一人ひとりの詳細な状況まで把握はしていません。しかし、超過勤務で対応した場合には、週休日の出勤の有無にかかわらず、いわゆる過労死ラインを超える職員について全て把握した上で、長時間労働面接の勧奨等を行い、健康障害の防止に取り組んでいます。
 なお、その全職員数は、平成24年度が910人、平成25年度が948人、平成26年度が918人となっています。

質問事項
七の2のイ 職員の残業時間は、全て事実どおりに申告されているか、そのチェック体制はどのような形で行われ、残業が過労ラインを超えた場合はどのような対応をとっているのか伺う。

回答
 職員の超過勤務については、超過勤務等命令簿により、管理職による事前命令、事後確認の徹底など適切な運用を図るように努めています。
 また、知事部局では、総務局がいわゆる過労死ラインの基準に該当する職員を全て把握し、産業医による長時間労働面接の勧奨を行うなど、健康障害の防止に取り組んでいます。

質問事項
七の2のウ 繁忙部署にいる幹部職員のメンタルヘルス対策、過重労働による健康障害防止対策について伺う。

回答
 知事部局では、職員の健康障害を未然に防止するとともに、心身両面にわたる職員の健康の保持増進を図るため、幹部職員に対してもその他の職員と同様に、健康診断やメンタルヘルス対策等の健康管理事業を実施しています。
 健康診断実施後は、各健診項目の測定結果等をもとに健康管理医が事後措置の必要性について判定を行い、健康管理上、特に注意を要する職員については医師の治療を受けるよう指導を行うなど、職員の疾病の予防及び早期発見に取り組んでいます。
 また、平成28年度から幹部職員も対象としたストレスチェックの導入を予定しており、メンタルヘルス不調の未然防止も含めたメンタルヘルス対策についても、これまで以上に対応を強化していきます。

質問事項
七の2のエ 東京都職員における長時間労働の問題と東京都の考え方について、見解を伺う。

回答
 都は、平成13年度に、超過勤務が職員の健康及び生活等に与える影響を考慮し、公務能率の一層の向上を図るとともに職業生活と家庭生活等との調和に資する観点から「超過勤務の縮減に関する基本指針」を策定し、全庁一斉定時退庁日の設定などに取り組んできました。
 また、平成27年3月には「東京都職員ワーク・ライフ・バランス推進プラン」を策定し、仕事とキャリアの両立の観点から、ワーク・ライフ・バランスの実現と超過勤務縮減に取り組んでいます。
 平成27年7月から8月までをワーク・ライフ・バランス推進月間に設定する中で、新宿本庁舎で朝型勤務を試行実施し、職員の働き方を見直す契機とするとともに、定時退庁を促進することで、超過勤務の縮減を図っています。
 今後も本指針等に基づき、超過勤務縮減に取り組むとともに、過重労働による健康障害を防止するため、長時間労働面接を通じて職員の健康状況等を把握し、指導・助言を行っていきます。

質問事項
八 都の自殺対策について
1 東京都は「自殺相談ダイヤル こころといのちのほっとライン」を年中無休にて実施しているが、時間帯によっては、つながらないという声も寄せられている。ついては、直近1年の時間帯別月別件数について伺う。

回答
 東京都自殺相談ダイヤルの平成26年度1年間の相談件数は19,027件となっています。
 月別に見ると、毎月おおむね1,500件から1,600件程度の相談を受けており、2月が1,384件で最も少なく、自殺対策強化月間である9月、3月がそれぞれ1,666件、1,765件と多くなっています。
 また、時間帯別相談件数を見ると、受付開始時間である午後2時台及び午後8時台から午後10時台までが多くなっており、それぞれ年間で1,600件を超えています。

質問事項
八の2 内科、歯科、そして子どもの自殺防止のために学校医にゲートキーパー養成講座の受講の必要性を感じるが、所見を伺う。

回答
 都は、これまで、自殺の未然防止を図るため、地域の身近なかかりつけ医が、うつ状態にある患者等を早期に発見し、精神科専門医療機関等へつないだり、うつに対する治療等を行うことができるよう、東京都医師会に委託し、学校医を含め、内科医等の医療関係者を対象に、「うつ診療レベルアップ研修」を実施してきました。
 こうした研修も含め、平成19年度から平成26年度までに、自治体職員や関係機関、地域住民の方々など約71,000人が、都や区市町村のゲートキーパー養成研修を受講しています。

質問事項
九 生産緑地について
1 都内の生産緑地について、指定の件数、総面積について、特別区と多摩地区の別に、直近のものを伺う。

回答
 生産緑地地区について、平成27年4月1日時点の指定件数と面積は、特別区が約2,200件、約430ヘクタール、多摩地区が約9,400件、約2,800ヘクタールです。

質問事項
九の2 生産緑地は固定資産税等が一般農地と同様の取扱いがされているが、仮に前問の生産緑地に宅地並み課税をした場合、都の税収はどの程度見込まれるのか、伺う。

回答
 生産緑地は、生産緑地法により農地として管理する義務が生じるものであり、固定資産税の課税については、その利用状況を把握した上で、適正に行っています。
 したがって、想定の下での見込みは行っていません。

質問事項
九の3 仮に生産緑地が耕作放棄されていることを都が把握した場合における対応について、伺う。

回答
 生産緑地地区は、区市がそれぞれの都市計画に基づき定めており、農業者は、当該生産緑地を農地として管理しなければなりません。
 したがって、生産緑地において、耕作が行われていないような状況がみられた場合には、当該生産緑地の所在する区市への情報提供に加えて、農地利用状況調査及び農家への指導等を行っている農業委員会に対しても情報提供を行っています。

質問事項
九の4 都民等から生産緑地の耕作放棄について、都に通報があった際の対応について、伺う。

回答
 生産緑地地区は、区市がそれぞれの都市計画に基づき定めており、農業者は、当該生産緑地を農地として管理しなければなりません。
 したがって、生産緑地において、耕作放棄されていると都に通報があった場合には、当該生産緑地の所在する区市への情報提供に加えて、農地利用状況調査及び農家への指導等を行っている農業委員会に対しても情報提供を行っています。

質問事項
十 調布飛行場について
1 本年7月、都営コミューター空港である調布飛行場から離陸した飛行機が、調布市内の住宅に墜落したが、空港事務所から消防庁、警視庁等関係機関への連絡はどのように行われたのか、また、乗員数をどの時点で把握したのか、時系列に伺う。

回答
 事故発生後、調布飛行場管理事務所から直ちに国土交通省航空局東京飛行援助センター、東京消防庁及び警視庁へ電話連絡をしました。
 また、乗員数については、離陸前に空港使用届出書で確認しています。

質問事項
十の2 港湾局から、調布市、三鷹市、府中市、小金井市への連絡はどのように行われたか、時系列に伺う。

回答
 事故発生後、休日の緊急連絡体制に従い、消防、警察等へ連絡を取った後、速やかに調布市、三鷹市及び府中市と電話連絡を取りました。

質問事項
十の3 「遊覧飛行は認めていない」としているが、慣熟飛行についてはどのような場合に認められるのか、昨年度の実数と併せて伺う。

回答
 慣熟飛行は一般的に操縦者の技量維持のための飛行を指します。調布飛行場では慣熟飛行を目的とした飛行場の使用を認めています。
 また、平成26年度の離着陸回数は1,367回です。

質問事項
十の4 旧二枚橋衛生組合の清掃工場の煙突の撤去により、空港北側からの着陸高度が低くなっているのではないか。現状と対応策について、見解を伺う。

回答
 都では、調布飛行場北側からの航空機の進入角度を、旧二枚橋衛生組合の清掃工場の煙突撤去以前と変えておらず、着陸高度は低くなっていません。進入角度は進入角指示灯により航空機へ伝えられます。
 実際にも、着陸する航空機は進入角指示灯により示される進入角度を守って着陸しています。

質問事項
十の5 調布飛行場の今後の運用について、都の見解を伺う。

回答
 調布飛行場は、本土と島しょとを結ぶ離島路線の拠点として、さらには、防災、医療、消防等緊急活動の拠点として、重要な役割を果たしていることから、今後とも地元の理解を得ながら適切に運営していきます。

平成27年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 西沢けいた

質問事項
一 公益法人制度改革について

一 公益法人制度改革について
 公益法人制度改革関連三法が平成20年に施行され7年が経ちました。公益法人改革は、漢字検定協会での理事長の私的流用事件や、法人が公務員の天下り先であるなどの批判を受けて、改革が進められた経緯があります。
 しかし、改革を受けて解散した法人の中には資産が消えてしまっていたり、理事や担当者が行方不明になるなど情報を追うことができなくなることがあると聞きます。法人によっては法人へ国や自治体から事業などの委託や、取引があったケースもあると考えられます。国民や都民の税金が、運営実態が不明な法人に流れているということがあってはなりません。
 また、改革の際移行した法人を含め、一般法人の監督体制も十分とは言えないのではないでしょうか。
1 そこでまず、実態を把握するために法案施行以降、東京都が所管する現在の法人の数と解散した法人数がいくつあるか伺います。
2 解散した法人のうち、資産を把握できていない法人がどれくらいあるか、合わせて、理事や評議員など、法人役員と連絡が取れなくなってしまっている法人がいくつあるか。
3 東京都から連絡が取れなくなった法人で、国や自治体から助成や補助、委託費、契約の実態があった法人がいくつあるか伺います。
4 かつて公益法人で、現在は一般法人になった法人も数多く存在します。こうした移行法人は、移行時に算定された公益目的財産を公益事業で使っていくことになります。一般法人によっては、年間に公益事業として支出できるのは全体のうちのほんの少ししか支出できない法人もあり、中には公益目的財産を使い切るのに2000年以上かかるという法人も存在すると聞きます。果たして法の趣旨や想定として妥当な計画と言えるのでしょうか。計画を早期に完了し、より効果的に公益の増進に資するよう、別に寄付させたり、資産の有効活用などについて専門家によるアドバイスを行うなどの支援体制を構築するべきと考えますが見解を伺います。
5 一般社団法人、一般財団法人などの一般法人は株式会社などより手続きも煩雑ではなく容易に設立できます。また、所管行政庁がなく、貸借対照表くらいしか公開されず、監事も身内をあてることができ、外部のチェックが行き届かなくなっている実態があります。こうした制度を悪用し、例えば税制面では自身の資産を法人に移し、役員に親族をあてさせれば実質的な相続税を支払わなくても済むということも出来ます。通報制度や立入検査制度など、外部のチェックが届くような体制の整備を国に働きかけるべきと考えますが見解を伺い質問を終わります。

平成27年第三回都議会定例会
西沢けいた議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 公益法人制度改革について
1 公益法人制度改革関連三法の施行以降、東京都が所管する現在の法人の数と解散した法人数がいくつかあるか伺う。

回答
 平成27年10月1日現在、都が所管する公益法人数は429、公益法人から移行した一般法人(移行法人)数は376です。
 また、制度移行に伴い解散となった法人数は94です。

質問事項
一の2 解散した法人のうち、資産を把握できていない法人がどれくらいあるか、合わせて、理事や評議員など、法人役員と連絡が取れなくなってしまっている法人がいくつあるか伺う。

回答
 解散した94法人のうち、資産が把握できない法人数は32、法人役員と連絡が取れない法人数は8です。

質問事項
一の3 東京都から連絡が取れなくなった法人で、国や自治体から助成や補助、委託費、契約の実態があった法人がいくつあるか伺う。

回答
 法令等により法人に提出が義務付けられている事業報告書及び決算書類等においては、助成金等の交付元や契約先等の記載は求めていないため、東京都から連絡が取れなくなった法人も含め、そのような情報については把握していません。

質問事項
一の4 移行法人は、移行時に算定された公益目的財産を公益事業で使っていくことになる。資産の有効活用などについて専門家によるアドバイスを行うなどの支援体制を構築するべきだが、見解を伺う。

回答
 公益目的支出計画の早期完了について移行法人から相談があった場合には、事業拡大や寄附など法人の意向を確認しながら助言を行っています。

質問事項
一の5 一般社団法人、一般財団法人などの一般法人について、通報制度や立入検査制度など、外部のチェックが届くような体制の整備を国に働きかけるべきだが、見解を伺う。

回答
 一般法人については、関係法令において、民間の自主性を尊重する観点から、設立や活動への行政の関与が最小化されていますが、一方で、濫用防止の観点から、休眠法人の整理や裁判所による解散命令の制度が設けられています。

平成27年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 和泉なおみ

質問事項
一 中小企業振興施策について

一 中小企業振興施策について
1 東京都が2012年に発行した「東京の中小企業の現状-製造業編」では、2000年から2010年にかけての都内製造業の事業所数、出荷額などが、全国の主要県と比較して、減少幅が大きいという特徴があることを発表しました。
 今年9月に発表した「東京の産業と雇用就業」でも、同様の指摘をしています。
 中小製造業の景気状況調査の最近数年間の動向を見ても、改善傾向は見られません。
 知事はこれまで「現場の状況に即した施策を講じ、中小企業の活性化を図る」と述べてきましたが、中小製造業のこうした状況について、どのように認識し、対応するのですか。
 小規模企業を中心とした中小企業の事業・技能の持続化支援についてです。
2 国は昨年、小規模事業者が激減する中、小規模企業振興基本法を制定し「成長発展」のみならず「事業の持続的発展」を基本原則とすることに大きく舵を切りました。都も、「商工会、商工会議所などと連携し、小規模企業の持続的発展を後押しする」としてきました。
 小規模企業振興基本法を作成してきた小規模企業基本政策小委員会では、小規模事業者の持続的な発展を実現させるためには、「国のみならず、地方公共団体、支援機関、地域住民等様々な主体が、我が国の将来における小規模事業者のあり方を共有し、それぞれの立場で小規模事業者の振興に寄与すること」が大事と言っています。
 中小企業団体からは、中小企業・小規模企業会議の開催、産業政策立案への参画の場を広げる要望があがっています。
 都は今後、こうした声を受けて、小規模事業者の持続的な発展をどう進めていくのですか。
3 今年、大田区がものづくり産業全数調査の報告を発表し、製造業の中でも、メッキなどものづくりの基盤となる分野を担う企業が少なくなっていることを明らかにしました。そして、基盤技術の分野を担う事業者の新たな開拓が困難なことから、「ものづくり集積の低下が危惧される」と警告しています。ものづくりの基盤を担う中小企業の廃業、休業を食い止め、事業承継、そして事業開拓を進めることは、ものづくり産業の集積を維持発展させる上で欠かせない課題となっていると思いますが、どのように認識し、対応するのですか。
4 中小企業の事業承継を進める上で重要なのは、早い段階から各事業者の現状を把握し、事業継承に向けた相談・支援ができるようにすることです。そのためには、常日頃から業者のところに足を運び、経営状況を把握し、信頼関係もある信用金庫等の地域金融機関と都の連携を強め、情報共有するとともに、中小企業支援機関の専門家などの協力をえて相談・支援を行うことが重要だと思いますが、いかがですか。
5 川崎市は、中小企業への出張型ワンストップサービス事業を、10年前から始めました。これは、専門的知見を有する企業OBや民間専門家等のコーディネーターと国、県、市などの各支援機関、地域金融機関等のスタッフがキャラバン隊をつくり直接企業を訪問して、中小企業の要望を聞き、具体的な支援を進めていくというものです。これによって、全国の中でも製造業の減り幅が小さくなったことで、「川崎モデル」と評価されています。
 都としても、国、区市町村、各支援機関、地域金融機関等とともに、キャラバン隊をつくり、中小企業への御用聞きを行うなど、出張型ワンストップサービスを提供できる体制を整備するよう求めますが、いかがですか。
 ものづくりインストラクターについてです。
6 都が、生産工程の効率化などを支援する、ものづくりインストラクターの人材育成スクールを設置し、在庫・品質管理の人材育成などを行うことは重要です。都は、今後、どのように具体化するのですか。
7 東京の中小製造業は、生産ラインをもった企業が少なく、しかも従業員9人以下の事業所が8割におよび、小規模企業が非常に多いという特徴があります。しかも、都の調査によると、自社製品、新製品を持たないこうした小規模企業でも生産ラインの改善、機械加工する際の仕上がりの精度をそろえる機具等の改善・工夫をおこなっている企業ほど利益率が高いということが明らかです。
 こうした特徴をふまえた配慮や東京独自の工夫が必要だと考えますが、認識と対応を伺います。
8 ものづくりインストラクターは、製造業のみならず農業、建設業、サービス業などでも経済効果がでていると報告されています。都は、こうした経験もふまえて、ものづくりインストラクター育成を進めることが重要だと考えますがいかがですか。
 ものづくりとIT技術との融合についてです。
9 多くの人、物がインターネットでつながる時代を迎えた中で、ものづくりの現場では、たとえばスマートホンで遠隔操作できる様々な製品の開発をはじめ、生産管理、販売後のメンテナンスなどにも最新のIT技術を活用する動きが急速に広がっています。中小企業にとっては、オリジナルの自社製品やサービスの開発など、大きなビジネスチャンスとなっており、多くの国が支援を強めています。都として、この新しい動きを、どうとらえていますか。
10 先進事例の紹介、学習・体験できるセミナーの開催、中小企業のものづくりとIT技術を結びつける専門人材の育成、中小企業の人材育成への支援などに取り組むよう提案するものですが、いかがですか。
11 大学、研究機関との連携へのコーディネート、事業化・製品化への支援など、製品開発から販売に至るまでの一体型支援についてにとりくむよう提案するものですがどうですか。
 中小企業の活性化、技術革新を図る産学公連携支援の抜本的強化についてです。
 産学公連携は、中小企業にとって下請け企業からの脱却という展望が見え、あらたな分野への開拓にもつながるなどのことから経営意欲がわき、元気になっています。中小企業団体からは、大学との連携をすすめる上での相談先となる窓口の設立、連携の橋渡し役となるコーディネーターの充実などが要望されています。
 京都府では、すでに10年以上まえに産学公連携機構をつくり、現在、産業界15団体、大学関連25校・機関、5公的機関、6金融機関の計51団体・機関で構成されています。これが、産学公連携を支える基礎となり、コーディネーター交流、文系分野を含めた多面的な連携がすすめられています。産学公連携をすすめた場合の支援事業として、試作品開発など研究開発の段階への助成から、生産技術開発段階、設備投資段階など各発展段階に応じて複数年にわたる、一連の助成事業が用意されています。京都府単独の事業としても、地域産業育成産学連携の推進、産学公による研究開発が集まる場づくり、産学公連携による映画・コンテンツ産業推進体制の構築、大学との連携による老舗の経営の発信、産学公連携機構へのスーパーコーディネーターの配置など、予算、内容も充実しています。
12 都内には大学が200程あります。公的研究機関も数多く集積し、その知的資産ははかりしれません。都として、学系機関との連携をすすめるための、相談窓口、マッチングをすすめるコーディネーターの育成・配置、成功事例の紹介など、すすめる機関等を立ち上げることは、中小企業の技術力と大学等との連携を抜本的に強化するにつながるのみならず、民間、行政との連携の上でも、大きな力になると思いますが、どうですか。
13 私の地元、葛飾区は東京理科大にある研究戦略・産学連携センターとの産学公連携を進めています。大学には、産学連携のコーディネーターの方がおり、連携を円滑に進める上で重要な役割を担っています。
 一般的には、大学のコーディネーターは、大学に雇用される方が、大学の研究内容について熟知していますが、中小企業については、把握できる立場にありません。しかし、連携をすすめる上では、地域の中小企業について熟知していることが重要です。都として、地域の中小企業について熟知しているコーディネーターを配置する重要性について、どのように認識していますか。
14 東京都は、今年3月にクリエイティブ産業の実態と課題に関する調査結果を発表しました。ゲーム、アニメ、映画、デザイン、ファッション、日本料理屋など価格ではなく創造性の付加価値によって市場から、モノ、サービスなどの価値、魅力などが評価される分野の産業とされています。全国の約4割が、都内に集積しています。
 都は、こうしたクリエイティブ産業について、今後どのように育成、支援していくのですか。
 区市町村では、販売促進に中小企業支援に取り組んでいます。
15 たとえば、私の地元、葛飾区では、区内で製造され文房具、生活雑貨、伝統工芸品など厳選した製品を、区が「葛飾ブランド」として認定し、国内外にPR、販売促進することを目的に、展示会を開催しています。最近では、8月末に丸の内で製品販売会を開催しました。
 葛飾ブランドは、この間、100近い製品が生まれていますが、区内での展示会ではなかなか売れなかったものが、今回の区外での販売促進イベントでは高い銀器や江戸切子が売れたと喜んでいました。広く、うって出れば売上げを伸ばすことができるのではないかと、区、中小業者等に期待が広がっています。
 都として、区市町村の地域ブランド認定製品などの販売促進の取り組みにたいして支援を拡充することは重要だと思いますが、どうですか。
 コミュニティビジネスについてです。
16 将来の地域力向上につながる新しい事業分野として、子育て・高齢者福祉、環境改善、耕作放棄地の再生など地域の課題を地域の住民が主体的に事業をおこし解決しようという取り組み、いわゆるコミュニティビジネスが各地でたちあがっています。都としてそれらの事業を支援することは、地域での様々な課題を解決する担い手が誕生し、地域を元気にする上で重要だと思いますが、都の認識を伺います。
 これらの事業の担い手となっている方々は、市民団体、NPO法人、個人の集まりなどさまざまですが、財政基盤が弱いというところがほとんどです。地域金融機関の中には、こうした活動が広がることの重要性から、活動拠点、財政支援を始めている所もあります。行政が支援することの必要性について、都の認識を伺います。

平成27年第三回都議会定例会
和泉なおみ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 中小企業振興施策について
1 都内製造業の事業所数、出荷額などが、全国の主要県と比較して、減少幅が大きいという特徴があり、中小製造業の景気状況調査の最近数年間の動向を見ても、改善傾向は見られないが、どのように認識し、対応するのか伺う。

回答
 東京の産業活性化に中小企業が果たす役割は重要であることから、都はこれまでも、経営、技術、資金繰り等の様々な面から企業現場の実情に即した支援を行っています。

質問事項
一の2 中小企業団体からは、中小企業・小規模企業会議の開催、産業政策立案への参画の場を広げる要望があがっているが、都は今後、小規模事業者の持続的な発展をどのように進めていくのか伺う。

回答
 都は、中小企業の支援団体と連携して都内6か所に支援拠点を設置し、事業承継等の課題解決を支援するなど、小規模企業者の持続的な発展を図っています。

質問事項
一の3 ものづくりの基盤を担う中小企業の廃業、休業を食い止め、事業承継、そして事業開拓を進めることは、ものづくり産業の集積を維持発展させる上で欠かせない課題となっているが、どのように認識し、対応するのか伺う。

回答
 高度で多様な基盤技術を有する東京のものづくり企業は、東京の産業活性化に重要な役割を果たしていることから、都は地域の産業集積の維持・発展を図る区市町村の取組を支援するとともに、相談や専門家の活用等により、中小企業を支援しています。

質問事項
一の4 中小企業の事業承継を進める上で重要なのは、早い段階から各事業者の現状を把握し、事業継承に向けた相談・支援ができるようにすることであり、信用金庫等の地域金融機関と都の連携を強め、情報共有するとともに、中小企業支援機関の専門家などの協力を得て相談・支援を行うことが重要だが、見解を伺う。

回答
 都は既に、地域の金融機関等と連携したセミナーの実施など事業承継に関する普及啓発を行うとともに、円滑な承継に向けて経営の立て直しに取り組む中小企業に対し、各種の専門家を派遣するなどの支援を行っています。今後とも、円滑な事業承継の促進に向け、関係機関と連携し、必要な支援を行っていきます。

質問事項
一の5 川崎市では、中小企業への出張型ワンストップサービス事業を、10年前から始め、「川崎モデル」と評価されている。都も、国、区市町村、各支援機関、地域金融機関等とともに、キャラバン隊をつくり、出張型ワンストップサービスを提供できる体制を整備すべきだが、見解を伺う。

回答
 都は、中小企業の課題解決を図るため、経営面や技術面のアドバイスを行う専門家を企業に派遣する取組を実施しています。

質問事項
一の6 生産工程の効率化などを支援する、ものづくりインストラクターの人材育成スクールを設置し、在庫・品質管理の人材育成などを行うことは重要だが、都は、今後、どのように具体化するのか、見解を伺う。

回答
 都は、中小製造業の生産性の向上を図るため、生産現場の指導を担う人材を育成する講座を立ち上げることとしており、平成28年度の開講に向けて、カリキュラムを検討するなど、準備を進めています。

質問事項
一の7 東京の中小製造業は、生産ラインをもつ企業が少なく、小規模企業が非常に多い。しかも、都の調査によると、自社製品、新製品を持たない小規模企業でも機具等の改善・工夫をおこなっている企業ほど利益率が高い。こうした特徴をふまえた配慮や東京独自の工夫が必要だと考えるが、認識と対応を伺う。

回答
 都は、中小企業がそれぞれの実情に応じて生産管理等の仕組みを導入し、生産性の向上を図れるよう、平成28年度に講座を立ち上げることとしています。

質問事項
一の8 ものづくりインストラクターは、製造業のみならず農業、建設業、サービス業などでも経済効果がでていると報告されている。都は、こうした経験もふまえて、ものづくりインストラクター育成を進めることが重要だが見解を伺う。

回答
 中小製造業の生産性の向上を図るため、都は、生産現場での指導を行う人材を育成する講座を平成28年度に開講し、必要な知識等を体系的に付与することとしています。

質問事項
一の9 ものづくりの現場では、最新のIT技術を活用する動きが急速に広がっている。中小企業にとっては、大きなビジネスチャンスとなっており、多くの国が支援を強めているが、都として、この新しい動きをどう捉えているのか、見解を伺う。

回答
 東京の産業の持続的発展を図る上で、中小企業が最新の技術を活用して新たなビジネスを切り開いていくことは必要と考えています。

質問事項
一の10 先進事例の紹介、学習・体験できるセミナーの開催、中小企業のものづくりとIT技術を結びつける専門人材の育成、中小企業の人材育成への支援などに取り組むよう提案するが、見解を伺う。

回答
 都は、最先端の技術動向についての研究発表会や各種技術セミナーを通じて、中小企業に対し情報提供や人材育成等の支援を行っています。

質問事項
一の11 大学、研究機関との連携へのコーディネート、事業化・製品化への支援など、製品開発から販売に至るまでの一体型支援について取り組むよう提案するが、見解を伺う。

回答
 都は、意欲ある中小企業が大学や研究機関等と連携して新たな事業に参入する取組への総合的な支援策を検討することとしています。

質問事項
一の12 都として、学系機関との連携をすすめるための機関等を立ち上げることは、中小企業の技術力と大学等との連携を抜本的に強化するにつながるのみならず、民間、行政との連携の上でも、大きな力になると思うが、見解を伺う。

回答
 都は既に、中小企業と大学等が連携して行う技術開発の支援や、多摩地域の中小企業の高度な技術と大学の研究成果等を結び付ける事業などを行っています。

質問事項
一の13 都として地域の中小企業について熟知しているコーディネーターを配置する重要性について、どのように認識しているのか、見解を伺う。

回答
 コーディネーターは、中小企業が他の企業等と連携する上で重要な役割を担っていることから、都は、中小企業の事情を十分に熟知しているコーディネーターを配置しています。

質問事項
一の14 東京都は、今年3月にクリエイティブ産業の実態と課題に関する調査結果を発表し、全国の約4割が、都内に集積しているが、都は、こうしたクリエイティブ産業について、今後どのように育成、支援していくのか、見解を伺う。

回答
 都では、海外からの評価が高く、大きく成長する可能性があるクールジャパン関連産業について、販路開拓や人材育成の支援を実施しています。

質問事項
一の15 都として、区市町村の地域ブランド認定製品などの販売促進の取組にたいして支援を拡充することは重要だと思うが、見解を伺う。

回答
 都は、区市町村が認定した地域ブランドの製品を含め、東京ならではの特色ある製品について、販売やPRに取り組む都内中小企業の支援を開始しています。

質問事項
一の16 都としてコミュニティビジネスを支援することは、地域での様々な課題を解決する担い手が誕生し、地域を元気にする上で重要だが、都の認識を伺う。これらの事業の担い手は、財政基盤が弱いところがほとんどである。地域金融機関の中には、こうした活動が広がることの重要性から、活動拠点、財政支援を始めている所もあるが、行政が支援することの必要性について、都の認識を伺う。

回答
 地域課題の解決を図るコミュニティビジネスの起業を後押しすることは重要であることから、都は、施設や資金、経営など、様々な側面から支援しています。

平成27年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 尾崎あや子

質問事項
一 利島村の害虫被害について
二 清瀬特別支援学校の給食について

一 利島村の害虫被害について
 利島村の住民の方から「椿園が、害虫被害が広がり困っている。現地を見てほしい」という連絡があり、私は7月24日、利島村の椿園を実際に見て、被害の大きさを痛感してきました。7月27日には、8月中旬までに椿園への防除剤(BT剤)の一斉散布ができるように、薬剤の確保、人的支援をおこなうことを日本共産党都議団として7月27日に要望しました。
 利島村の椿園では、昨年から、害虫(トビモンオオエダシャク)が異常発生し、葉の食害を受け、山の一部が枯れ山のようになり、椿油を収穫できる実がならないなどの事態が広がっています。防除剤(BT剤)散布による駆除対策は昨年から行なわれていますが、今年は昨年を上回る発生状況であり、飲料水の水質を確保するため薬剤による駆除も限界があります。利島の椿油の生産は全国の6割をしめる島の基幹産業であり、椿園を守ることは、村の死活的緊急要望となっています。
 2年にわたって食害を受けた木は枯れてしまう可能性もあるとの樹木医の見解もあります。また、苗木から油が収穫できるようになるまでに成長させるには、30年前後かかると言われています。
 この虫は、8月中旬ごろまでは幼虫として椿の葉を食べるとともに、8月中旬頃には土の中でさなぎになり来春に羽化、4月中旬から産卵するため、その成長周期にあった適切な対策を行なう必要があります。
 住民からは「このような状況では、大雨があった場合土砂崩れになるおそれもある」「椿の生産に大きな影響が出てしまうのではないか」などの声もありました。
 そこで、いくつかの質問をいたします。
1 東京都島しょ農林水産総合センターは、過去に椿を食害するエダシャク類の大被害があったことから、毎年、エダシャク類の幼虫の採取などをおこない発生状況を調べているのではないですか。その調査結果では、最近5年間の状況はどのようになっていたのですか。
2 2013年の調査によれば、「トビモンオオエダシャクがここ数年増加傾向にあり、来春の調査後に一部エリアのエダシャク類に対する防除が必要になる可能性がある」と警告されています。この警告を受けて2013年度以降、利島村について、都はどのような対応をしてきましたか。年度ごとに、具体的にお答えください。
3 日本共産党都議団は7月27日に都に申し入れを行いました。利島村長・議長は7月30日、都の総務局・環境局・産業労働局・福祉保健局に要望しました。
 東京都は9月2日、環境局長や産業労働局農林水産部長らが利島村に行かれたことも聞いています。
 椿園の被害状況についての認識と7月以降の対応について伺います。
4 害虫生態・駆除に詳しい専門家や樹木医、生産者、村、都による対策チームを設置して、現地調査を強化し、今回の異常発生の原因究明をするとともに、無農薬の椿油のブランドにふさわしい適切な防除対策を抜本的に強化することを求めますが、いかがですか。
5 薬剤散布によって「雨水のろ過」方式による飲料水の水質確保に影響を受ける可能性がある地域については、どうするのですか。
6 食害を受けた椿については枯れないように、樹木医などの専門家の協力を得て、対策を強化する必要がありますが、いかがですか。
7 害虫被害を受けた生産者には、自然災害に準じて見舞金などの支給や、無利子融資をはじめとした経済的支援をおこなうことを求めますが、いかがですか。
8 異常気象などによる被災が各地で増加しており、地球温暖化対応への施策が求められています。都内でも、最近、雪害、ひょう被害などがありました。気象災害による被害に対しては、農業共済制度による補償や農業近代化資金による貸し付けや、被害状況によっては国と連携した補助事業等が行われます。しかし、加入していない方も少なくありません。今回の椿被害に対応する制度はありません。農林水産業を維持、振興する上で、地球温暖化に起因する気象災害等による農業被害への対応は重要であると思いますがどのように認識していますか。

二 清瀬特別支援学校の給食について
 清瀬特別支援学校の給食室・厨房の改修が始まったことは、児童・生徒増への対応とともに形態食も提供してほしいという保護者の要望に応えるもので歓迎するものです。しかし、厨房の改修にともない9月より子どもたちに給食が提供できず、かわりに民間事業者による「業者弁当」または各家庭からの「弁当の持参」で対応となっています。
 このことについて私は、ある保護者の方から相談を受けました。この方はこれまで国の就学奨励事業により1か月5千円の給食費が全額支給され、自己負担はありませんでした。ところが、今回の改修にあたり、業者弁当の月8千円の弁当代は全額自己負担になるといわれて困っているという相談でした。業者弁当は学校給食にはあたらず就学奨励費の対象にならないことで、しかもそのことは、工事が始まる直前の7月の説明で初めて知らされたそうです。その方は「一人親なので、給食があることで助かっていた。障害児をかかえながら毎日お弁当を作るのはむずかしく、かといってがんばって働いても収入が少なく、月8千円の自己負担は苦しいです」とおっしゃっています。
 学校給食法では、学校給食を「児童及び生徒の心身の健全な発達に資するものであり、かつ児童及び生徒の食に関する正しい理解と適切な判断力を養う上で重要な役割を果たすもの」と、その目的を明確にしています。学校給食は子どもたちに欠かせないものです。
 また、就学奨励事業は、通常の小中高生と比べても、就学により多くの困難をともなう障害のある子どもが、特別支援学校に通うにあたり、保護者が負担する経費の一部を支給するもので、保護者の負担を軽減することにより、特別支援教育を普及奨励し、教育の機会均等を実現することを目的にしています。
 教育の機会均等を求める立場で、いくつか質問をします。
1 清瀬特別支援学校の給食室・厨房の改修工事の期間はいつからいつまでですか。
2 清瀬特別支援学校で、就学奨励事業で給食費の全額が補助される児童・生徒は何人いますか。また、半額が補助されるのは何人でしょうか。それらは全児童生徒数の何割にあたりますか。
3 都立特別支援学校の給食室の厨房改修は、通常はどのように行うのですか。
4 障害児への教育を普及奨励し、教育環境を整え、教育の機会均等を保障する立場に立てば、都の工事によって、保護者や子どもたちの負担増・不利益が発生することは避けるべきと考えますが、都の認識を伺います。
5 今からでも、保護者負担の軽減を講じていただきたいと思いますが、いかがですか。国の就学奨励事業の対象外になるというのであれば、工事期間中だけ、都独自の対応をすることも必要ではありませんか。
6 今後、他の特別支援学校で施設改築、改修を行う場合も、このような保護者への負担押し付けは避け給食を継続して提供できるような工事方法をとるか、どうしてもやむを得ず給食を休止する期間が生じる場合は、保護者の負担増とならない対策をとるよう求めますが、いかがですか。

平成27年第三回都議会定例会
尾崎あや子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 利島村の害虫被害について
1 東京都島しょ農林水産総合センターは、毎年、エダシャク類の幼虫の採取などをおこない発生状況を調べているのではないか。その調査結果では、最近5年間の状況はどのようになっていたのか伺う。

回答
 利島村におけるエダシャク類の発生状況は、平成23年度に増加が認められ、平成24年度は同程度で推移しましたが、平成25年度以降は増加傾向にあり、平成26年度からは一部地域を除き村の全域の椿(つばき)林で発生を確認しています。

質問事項
一の2 2013年の調査によれば、「トビモンオオエダシャクがここ数年増加傾向にあり、来春の調査後に一部エリアのエダシャク類に対する防除が必要になる可能性がある」と警告されており、これ以降、利島村について、都はどのような対応をしてきたか、年度ごとに、具体的に伺う。

回答
 平成25年度のエダシャク類の幼虫発生状況調査の結果を受け、都では、平成26年度以降、利島村と連携して幼虫発生状況の確認を行うとともに、利島村が薬剤散布を実施する場合の経費の一部補助や散布方法などの技術的な助言、指導を行っています。

質問事項
一の3 椿園の被害状況についての認識と7月以降の対応について伺う。

回答
 利島村においては、椿(つばき)林の病害虫による被害が発生していることは認識しています。
 都は、これまでも利島村が薬剤散布を実施する場合の薬剤購入費、散布に要する労務費等の経費について、2分の1以内の補助率で、財政支援を行ってきました。
 今回の被害発生を受け、病害虫防除に関する専門家と庁内関係部署等によって構成する対策会議を既に設置し、平成27年10月21日に開催しました。

質問事項
一の4 害虫生態・駆除に詳しい専門家や樹木医、生産者、村、都による対策チームを設置して、現地調査を強化し、今回の異常発生の原因究明をするとともに、無農薬の椿油のブランドにふさわしい適切な防除対策を抜本的に強化すべきだが、見解を伺う。

回答
 利島村における椿(つばき)林の病害虫被害の実態については、既に現地機関が現地調査を行っています。
 都は、既に開催した対策会議において、病害虫発生の原因究明や効果的な防除方法の検討を開始しました。

質問事項
一の5 薬剤散布によって「雨水のろ過」方式による飲料水の水質確保に影響を受ける可能性がある地域については、どうするのか見解を伺う。

回答
 椿(つばき)林の病害虫防除として、利島村では、薬剤散布を実施していますが、その散布の範囲は、村が総合的に判断しています。

質問事項
一の6 食害を受けた椿については枯れないように、樹木医などの専門家の協力を得て、対策を強化すべきだが、見解を伺う。

回答
 森林病害虫の化学生態学的研究、管理及び防除の専門家などによって構成される対策会議において、効率的な防除方法を総合的に判断することとしています。

質問事項
一の7 害虫被害を受けた生産者には、自然災害に準じて見舞金などの支給や、無利子融資をはじめとした経済的支援をおこなうべきだが、見解を伺う。

回答
 都では、農業経営で運転資金等を必要とする農業者に対して、民間融資機関による農業近代化資金の融資利率の一部を利子補給することにより、低利での融資が受けられるよう支援しています。

質問事項
一の8 気象災害による被害に対しては、農業共済制度による補償や、被害状況によっては国と連携した補助事業等が行われるが、今回の椿被害に対応する制度はない。農林水産を維持、振興する上で、地球温暖化に起因する気象災害等による農業被害への対応は重要であるが、どのように認識しているか、見解を伺う。

回答
 気象災害等により被害を受けた農業者の経営安定を図ることは重要であることから、都は、気象災害等により農業者が受けた損失を補する「農業共済事業」を行う団体に対して、事業費の補助等を行っています。

質問事項
二 清瀬特別支援学校の給食について
1 清瀬特別支援学校の給食室・厨房の改修工事の期間はいつからいつまでか伺う。

回答
 都立清瀬特別支援学校の厨房改修工事は、平成27年6月26日に工事請負契約を締結し、平成28年2月29日までが工期となっています。

質問事項
二の2 清瀬特別支援学校で、就学奨励事業で給食費の全額が補助される児童・生徒は何人か。また、半額補助されるのは何人か。それらは全児童生徒数の何割にあたるのか、伺う。

回答
 都立清瀬特別支援学校における平成27年5月1日現在の在籍児童・生徒数は、343人です。
 そのうち、今年度これまでに就学奨励事業で給食費の全額を補助した児童・生徒数は213人で、在籍児童・生徒数に占める割合は62.1パーセントです。
 また、半額を補助した児童・生徒数は70人で、在籍児童・生徒数に占める割合は20.4パーセントです。

質問事項
二の3 都立特別支援学校の給食室の厨房改修は、通常どのように行うのか伺う。

回答
 特別支援学校の厨房施設を改修する場合は、長期休業期間等を活用して改修工事を行うなど、できる限り給食を停止する期間が生じないように努めています。

質問事項
二の4 障害児への教育を普及奨励し、教育環境を整え、教育の機会均等を保障する立場に立てば、都の工事によって、保護者や子どもたちの負担増・不利益が発生することは避けるべきだが、都の認識を伺う。

回答
 特別支援学校においては、特別支援学校給食実施基準に合致し、学校給食衛生管理基準を満たす安全で安心な給食を提供する必要があります。
 そのため都教育委員会は、児童・生徒数や必要な配慮に対応した、よりきめ細かな給食の提供ができるよう、計画的に厨房施設の改修を行い、教育環境の整備を図っています。
 また、校地面積や工事規模などの制限により、仮設の厨房施設を設置できない場合は、他の都立学校の厨房で作った給食を運搬する方法や、外部調理委託を検討するなど、代替調理施設の確保に努めています。
 それでもやむを得ず給食を提供できない期間が生じる場合は、児童・生徒、保護者に対し、厨房改修の必要性とその間必要となる対応等について、十分な説明を行った上で、適切に対応しています。

質問事項
二の5 今からでも、保護者負担の軽減を講じるべきだが、見解を伺う。国の就学奨励事業の対象外になるというのであれば、工事期間中だけ、都独自の対応をすることも必要だが、見解を伺う。

回答
 国の就学奨励事業における学校給食費は、学校給食の実施に際して掛かる経費のうち、食材費等の保護者が負担する費用を対象に支給するものであり、学校給食を実施しない場合は、支給することはできません。
 都教育委員会は、これまでも学校給食が実施できない場合は、就学奨励制度において支給対象とならないことについて、保護者に理解を得るため、事前に十分な説明を行っています。

質問事項
二の6 今後、他の特別支援学校で施設改築、改修を行う場合、給食を継続して提供できるような工事方法をとるか、どうしてもやむを得ず給食を休止する期間が生じる場合は、保護者の負担増とならない対策をとるよう求めるが、見解を伺う。

回答
 特別支援学校の厨房施設を改修する場合は、長期休業期間等を活用して改修工事を行うなど、できる限り給食を停止する期間が生じないように努めてきました。
 厨房施設の改修に当たり、工事期間の設定や代替調理施設の確保が極めて困難であり、やむを得ず給食の提供を休止せざるを得ない場合は、今後とも、事前に児童・生徒、保護者に対し、改修の効果とともに必要な対応等について十分に説明を行った上で、適切に対応していきます。

平成27年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 河野ゆりえ

質問事項
一 地球温暖化防止、エネルギー施策、原発再稼働について

一 地球温暖化防止、エネルギー施策、原発再稼働について
 地球温暖化による異常気象で、災害が多発しています。この9月は、関東・東北水害で、甚大な被害が発生しました。熱中症発症者の増加など健康被害も深刻です。
 都は、2008年策定の東京都環境基本計画で「この間の何よりも重要な変化は、地球温暖化の顕在化であり、都はこれまで以上に積極的な環境政策の展開を求めるものとなっている。都は気候変動に代表される環境危機に果敢に挑み・・・略・・・大胆でスピード感のある施策を展開していく必要がある」としています。
 しかし、都は固定価格買い取り制度の導入に伴い、太陽光パネル設置助成を打ち切ってしまいました。また、福島第一原発事故を契機とした節電の流れに依って、業務ビルからのCO2は、やや減少したものの、都市再生の名によるオフィスビルの乱立などから、業務由来のCO2排出削減は十分に進んでいません。都の地球温暖化防止策は、大胆でスピード感のある施策を展開しているとは、およそ言えない状態です。災害と健康被害から都民を守る上で、温暖化防止対策は待ったなしです。以下、知事に伺います。
1 はじめに、温室効果ガス排出削減目標についてお聞きします。
 2014年10月のIPCC第五次年次報告は、2050年に2010年比で40%から70%の削減が必要としました。今年6月の、G7サミット首脳宣言は、同目標幅の上方で削減するとの長期目標を盛り込んだ首脳宣言を採択しました。
 一方、国は、2012年4月の第四次環境基本計画で、2050年までに80%の排出削減を目指すとしています。しかし、今年7月17日、政府は、2030年までに、2013年比で26%削減の目標を決定しました。これは、京都議定書の基準年1990年比で18%減にとどまるものでしかなく、アメリカやEUの削減目標に比べて消極的であると批判されています。東京都は、これまで「2020年に2000年比で、25%削減」の目標を掲げてきました。
 11月には、パリでCOP21の会議が開かれます。国際的に温室効果ガス削減の意欲的な取組みが進んでいる中、「世界一の環境先進都市」を志向する東京が、国を上回る目標を定めることが求められます。EUは、2030年に2013年比で24%削減の目標を掲げました。EUは温室効果ガス削減に努めてきましたから、京都議定書の基準年である1990年比で40%削減となる目標です。東京都として、EU諸国と肩を並べる積極的な目標を設定するよう求めます。知事のお考えを、具体的にお示しください。
2 温室効果ガス、主にCO2排出削減のためには、都市のあり方の見直しが必要です。
 省エネ仕様のビル建設であっても従前よりもオフィス面積が何倍にも増えれば、省エネもCO2削減も効果は弱まります。
 国家戦略特区や都市再生特別地区の名による容積率の大幅緩和路線をやめ、都市の成長を都として適切に管理する路線へと転換することを求めるものですが、いかがですか。
3 省エネを促進し、再生可能エネルギーの比率を高めて、環境と命を守るエネルギー政策は、今や、世界の流れです。
 東京都では、再生可能エネルギーの電力利用割合が6%程度から伸びていないことも直視しなくてはなりません。長期ビジョンでは、2024年までに、再生エネルギーの割合を20%程度に高めていくという目標が示されました。
 都は、太陽光発電の普及へ、住宅の太陽光パネル設置への低利融資制度や、普及のポテンシャルを示す「屋根台帳」などの施策を講じてきましたが、都民の利用実績はわずかにとどまっています。それどころか、低利融資制度は1年間のみの事業ということで、今は実施されていません。
 全国では、太陽光パネル設置促進のために、京都市、川崎市、北杜市、会津若松市、二本松市、いわき市、都内では多摩市、国立市など幾つもの自治体が、固定価格買い取り制度発足後も補助を続けています。
 市民共同発電に取り組むNPOに、わが党が聞き取りに行ったところ、「事業者にとっては助成制度があるということが、都民に説明しやすく意欲になる」と話していました。太陽光パネルを設置する事業者が大規模に普及するには、都民に説明しやすいよう太陽光パネル設置の助成復活が大切だと思いますが、いかがですか。
 都民要望に応えるよう要望します。お答えください。
4 都有施設への太陽光発電導入は、1万キロワットの到達で、目標の2万2千キロワットへの展望が見えません。既存の建物は、耐震性や防水性が十分かどうかが問題で、それが進まない理由とされています。東京都自らが定めた目標へ、どのようにスピードアップさせる取り組みを行なうのですか。お答えください。
5 都内における再生可能エネルギー導入は、都が支援を強めれば飛躍する可能性はあります。風力、波力、地中熱、木質バイオマス、小型の風力・水力など条件は存在します。近年、牛糞を利用したバイオガス発電や首都圏では、営農発電が成長してきていると、新聞の紙面をにぎわせています。
 農地の上部などを活用して、再生エネルギーをうみ出せば、CO2削減と合わせて、農家の収入増に結びつき、都市農業の発展につながります。農地を活用した再生可能エネルギーについて、東京都の認識を伺います。また、都として、どのように支援していくのか、方策を伺います。お答えください。
 次に、原発再稼動問題について伺います。
6 九州電力は、今年8月11日に川内原発1号機の起動作業、発電を始めました。ところが、8月20日、二次冷却水を循環させる復水ポンプ出口で「熱伝導率」の数値が上昇し、海水を取り込む冷却用細管が損傷しているトラブルが発生しました。
 復水器細管の取り換えは、川内原発1号機の運転開始から31年間一度も行なわれていなかった事実が明らかになり、九州電力と原子力規制委員会の安全管理のずさんさが浮き彫りになりました。
 川内原発では、この10月から2号機の再稼働も計画されていますが、原発を稼働させなくても、国民の省エネと再エネ普及の努力のなかで、電力は足りています。
 新潟県の泉田裕彦知事は、原発立地県の知事として「福島第一原発事故の検証、総括がないままでの再稼動はありえない」と明確に述べています。
 泉田裕彦知事は、全国知事会の危機管理・防災特別委員長として住民の安全確保のために、SPEEDIの活用など、国への貴重な提言・要求をおこなっています。住民を守るために、東京電力・柏崎刈羽原発の再稼動に極めて慎重な姿勢を示している新潟県知事との意見交換を行うこと、また、危険な原発再稼動は断念し、原発ゼロの道を選択するよう、首都・東京の知事として、国に強力に働きかけていただくことを求めます。お答えください。

平成27年第三回都議会定例会
河野ゆりえ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 地球温暖化防止、エネルギー施策、原発再稼働について
1 国際的に温室効果ガス削減の意欲的な取組みが進んでいる中、「世界一の環境先進都市」を志向する東京が、国を上回る目標を定めることが求められる。東京都として、EU諸国と肩を並べる積極的な目標を設定すべきだが、具体的な見解を伺う。

回答
 人類の生存基盤を脅かす気候変動の危機を回避するためには、全体で世界の温室効果ガスの7割を排出している都市の果たす役割が重要であると認識しております。
 このため都は、今年度再生可能エネルギー目標や省エネルギー目標を勘案しつつ、意欲的なCO2削減目標を策定することとしています。

質問事項
一の2 国家戦略特区や都市再生特別地区の名による容積率の大幅緩和路線をやめ、都市の成長を都として適切に管理する路線へと転換すべきだが、見解を伺う。

回答
 東京が2020年オリンピック・パラリンピック大会を機に、更なる高みの成熟を目指す都市として都民生活の向上と持続的な成長を実現するためには、都市づくりを通じて、経済活力の向上とともに環境負荷の低減などに取り組む必要があります。
 都は、都心部における都市開発等の機会を捉え、最先端の省エネ技術の導入や、地区、街区単位での効率的なエネルギー利用などを促進しているほか、三環状道路などの広域交通ネットワークの整備等により交通渋滞を解消するなど、都市全体でCO2排出の削減に向けた取組を進めています。
 今後も、都市の更新を通じて、活発な経済活動と環境負荷の低減が両立する都市づくりを積極的に進めていきます。

質問事項
一の3 太陽光パネルを設置する事業者が大規模に普及するには、都民に説明しやすいよう太陽光パネル設置の助成復活が大切だが、見解を伺う。都民要望に応えるよう要望するが、見解を伺う。

回答
 平成21年度から実施していた太陽光発電設備に対する補助については、設置コストが大幅に下がってきたことや、固定価格買取制度が導入されたことなどから、平成24年度で終了しています。
 都は、区市町村と連携した「東京ソーラー屋根台帳」の活用や工務店を対象としたセミナーの実施などにより、引き続き、太陽光発電の導入拡大に取り組んでいきます。

質問事項
一の4 都有施設への太陽光発電導入は、既存の建物の耐震性や防水性が十分かどうかが問題で、それが進まない理由とされているが、東京都自らが定めた目標へ、どのようにスピードアップさせる取組を行なうのか、見解を伺う。

回答
 都は、東京都長期ビジョンにおいて、都の率先行動として、都有施設の太陽光発電を2020年までに約2万2千キロワットへ増加させることとしており、今後とも、各局連携して、個々の施設の特性、立地状況等に応じた都施設での太陽光発電設備の導入を進めていきます。

質問事項
一の5 農地の上部などを活用し、再生エネルギーをうみ出せば、CO2削減と合わせ、農家の収入増に結びつき、都市農業の発展につながるが、農地を活用した再生可能エネルギーについて、東京都の認識を伺う。また、都として、どのように支援していくのか方策を伺う。

回答
 農地の上部空間を活用した再生可能エネルギー設備の導入に当たっては、農地を適切に耕作し、営農を継続していくことが必要です。
 都では、農業者から申請があった場合、国の指導に基づき、発電設備等の支柱について、農地法による一時転用許可等を行っています。
 なお、太陽光発電については、設置コストが大幅に下がってきたことや、固定価格買取制度が導入されたことなどから、平成24年度で補助事業を終了しています。

質問事項
一の6 住民を守るために、東京電力・柏崎刈羽原発の再稼動に極めて慎重な姿勢を示している新潟県知事との意見交換を行うこと、また、危険な原発再稼動は断念し、原発ゼロの道を選択するよう、国に強力に働きかけていくことを求めるが、見解を伺う。

回答
 東京は、日本の首都、経済の中心としての都市活動を支える電力・エネルギーの供給を他の地域に大きく依存しており、電源立地地域への感謝の念を忘れず、大消費地としての責務を果たしていく必要があります。
 このため、東京都長期ビジョンにおいて、2024年までに東京の消費電力に占める再生可能エネルギーの割合を20パーセント程度に高める目標を定め、省エネ・節電とともに、太陽光発電等の再生可能エネルギーの導入拡大を進めています。
 なお、エネルギー政策は、国の根幹に関わる基本政策であり、原発の再稼働については、立地地域の意見を聞きながら国が最終的に判断していくべきものであります。

平成27年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 小竹ひろ子

質問事項
一 教育費の負担軽減について

一 教育費の負担軽減について
 憲法や子どもの権利条約は、すべての子どもたちは等しく教育を受ける権利を保障しています。日本の子どもの貧困率は16.3%、6人に1人が貧困状態にあるといわれる状況のもとで、貧困と格差が広がり、教育を受ける権利が脅かされています。教育費の異常な高さ、父母の負担の重さが影響しています。
 知事は、「貧困の連鎖を断ち切るためには、教育の分野でも機会の平等を保障することが必要だと考えております。親の経済状態にかかわらず、将来、子どもがみずからの生き方を選択し自立できるよう、機会の平等を保障するためのセーフティーネットを構築することは、まずは国家の責任でございます。」と述べています。国の責任はもちろんのこと、都民の子どもの教育の機会の平等を保障することは、都の責任でもあります。
 小中学校は義務教育で、憲法により無償とされているにもかかわらず、無償は授業料と教科書代に限られています。その他の必要な教材や行事等にかかる経費は基本的に父母の負担であり、高額なものになっています。
 都内にある女性団体は、小中学生113人の母親にアンケート調査を行いました。回答者の家計収入は、年額300万円未満が10%、300万円以上500万円未満が34%で、合わせて500万円未満の家庭が44%と半数近くにのぼっています。調査結果から、教育にかかる負担はこの層の父母にとって重いものになっていることが浮かび上がっています。
 たとえば、小学校への入学時にはランドセル、手提げバッグ、道具箱、筆箱、鉛筆、消しゴム、色鉛筆、クレヨン、はさみ、のり、給食のエプロンやナフキンなどすべて揃えなければなりません。上履きや体操着、水着、防災ずきん、絵の具セット、習字セット、鍵盤ハーモニカなども必要です。ノートやワークブック、ドリルなど、学校で一括購入し請求されるものも少なくありません。中学校になれば、制服やジャージ、通学バッグなどが必要です。入学時にかかった費用は、小学校で平均5万5千円、中学校では平均7万8千円にもなっています。
 入学後も、学校から月々の給食費や教材費の支払いの請求があります。給食費は、小学校で月平均4,210円、中学校では月平均5,291円とのことでした。学校から請求される補助教材やドリルなどの費用は、小学校で月平均1,261円、中学校では月平均7,740円です。中学校ではこの他に、卒業アルバムや修学旅行の積み立て、部活動の経費などもあり、父母負担は大変です。
 親の経済状況を考え「修学旅行に行かない」という子どももいるなど、深刻です。就学援助を受けたとしても後払いですから、まずは費用を捻出しなければならないのです。父母負担の軽減は、切実な声になっています。
1 義務教育無償がうたわれながら、これだけ重い父母負担があることについて、どのように認識しているのか、伺います。
2 義務教育における都内公立学校の保護者の教育費負担について、入学時に購入すべきもの、学校に納める教材費・給食費など、すべての教育費を合計すると、小中学校それぞれ何円になるのか伺います。保護者が負担しているすべての教育費について具体的に調査していますか。いなければ調査すべきですが、いかがですか。
 杉並区では憲法の義務教育無償原則にのっとって、小学生全員に学校で一括購入するドリル等の教材費約8,800円、中学生には全員に修学旅行費3万円を補助しています。
3 憲法に基づき、また経済的理由で修学旅行に行けない子をなくすためにも、都として小学校のドリル代や、中学校の修学旅行への補助をすべきと考えますが、見解を伺います。
4 経済的理由で就学が困難な家庭を支援する就学援助制度の準要保護世帯の国庫補助の復活が、区市町村の制度拡充にとって欠かせません。国に対して、国庫補助の復活を求めるべきと考えますが、いかがですか。当面、都として「教育の機会の平等を保障するためのセーフティーネット」として、区市町村が準要保護世帯の所得枠を拡大できるよう、支援を求めるものです。
5 「消費税増税で、給食費も上がり大変」等の声が上がるほど、毎月の給食費の負担も大変です。東京産の農産物などが学校給食に提供されています。東京の農業、漁業、畜産業振興の立場からも、都が補助・連携して学校給食の食材として供給し、給食費の父母負担を引下げることを求めます。いかがですか。
 高等学校では、授業料や教科書代なども含め、すべてが保護者の負担になります。授業料は保護者の一方が働き、子どもが2人いるモデルの世帯では、おおむね年収910万円未満の場合には、国の就学支援金制度で年額11万8800円(全日制課程)の公立高校授業料相当額等が支給されますが、教科書等の教育費は基本的にすべて保護者の負担で、重いものになっています。
6 都立高校における教育費の保護者負担が重いことについての認識を伺います。
7 都立高校で保護者が負担している教育費が、教科書、副教材、制服、校外活動など、それぞれどれだけかかっているか調査すべきと考えますが、いかがですか。
 教科書代や副教材費は、使用する教科書の種類などにより学校ごとに差があります。しかし、ある学校では前期だけでも2万円以上になり、負担軽減は切実です。
8 子どもたちの学ぶ権利を保障するために、高等学校の教科書代を、都として補助することを求めます。
9 合わせて高校就学支援金の所得制限の撤廃をはじめとする拡充を、国に求めるべきです。いかがですか。
 経済的に困難をかかえる子どもの学ぶ権利を保障する上でも、給付制奨学金の拡充が求められています。
10 子どもたちが安心して学べるようにする上でも、都として高校でかかる教育費に相当する金額に拡充することや、所得制限の上限を拡大するなど、現行の奨学給付金の拡充を求めるものですが、いかがですか。
 親の経済力にかかわりなく、誰もが安心して教育が受けられるよう、高等学校卒業まで、教育費の負担を基本的になくす方向で、都として軽減していくことが求められています。

平成27年第三回都議会定例会
小竹ひろ子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 教育費の負担軽減について
1 小中学校は義務教育だが、無償は授業料と教科書代のみで、教材や行事等にかかる経費は基本的に父母の負担である。義務教育無償がうたわれながら、これだけ重い父母負担があることについて、どのように認識しているのか、見解を伺う。

回答
 憲法第26条第2項によって、「義務教育は、これを無償とする」ことが定められています。同条項の無償とは、最高裁判決において、「授業料不徴収の意味と解するのが相当であり、その他教育に必要な一切の費用の無償を定めたものではない」とされています。
 なお、義務教育諸学校において保護者の負担する教育費に対する支援については、区市町村がその責任において、適切に判断するものと考えます。

質問事項
一の2 義務教育における都内公立学校の保護者の教育費負担について、すべての教育費を合計すると小中学校それぞれ何円になるのか伺う。保護者負担のすべての教育費について具体的に調査しているか。いなければ調査すべきだが、見解を伺う。

回答
 保護者が負担する子供の学校教育及び学校外活動のために支出した経費を文部科学省が隔年で調査をし、その結果を公表しています。
 最新の平成24年度調査結果によると、保護者が負担する1年間の経費は、全国公立小学校で児童一人当たり305,807円、全国公立中学校で生徒一人当たり450,340円となっています。

質問事項
一の3 憲法に基づき、また経済的理由で修学旅行に行けない子をなくすためにも、都として小学校のドリル代や、中学校の修学旅行への補助をすべきだが、見解を伺う。

回答
 学校教育法第19条において、経済的理由によって、就学困難と認められる学齢児童又は学齢生徒の保護者に対しては、区市町村が必要な援助を与える旨、定められており、区市町村がその責任において、適切に実施するものと考えます。

質問事項
一の4 国に対して、就学援助制度の準要保護世帯の国庫補助の復活を求めるべきだが、見解を伺う。当面、都として「教育の機会の平等を保障するためのセーフティーネット」として、区市町村が準要保護世帯の所得枠を拡大できるよう、支援を求めるが、見解を伺う。

回答
 就学援助は、学校教育法により、区市町村にその実施が義務付けられており、その権限と責任において適切に実施するものと考えます。平成17年度に「就学困難な児童及び生徒に係る就学奨励についての国の援助に関する法律」が改正され、準要保護者に対する就学援助については、地方の実情に応じた取組に委ねることが適切であるという国の判断から国庫補助が廃止され、国から区市町村へ税源移譲されました。
 このため、都教育委員会は、国に対して準要保護者への国庫補助金の復活を求めることや、区市町村に対して準要保護世帯の所得枠の拡大に伴う支援を行うことなどの対応は考えていません。

質問事項
一の5 東京の農業、漁業、畜産業振興の立場からも、都が補助・連携して学校給食の食材として供給し、給食費の父母負担を引き下げることを求めるが、見解を伺う。

回答
 都は、平成23年度に「とうきょう元気農場」を開設し、そこで生産した農産物を農地の無い区などの学校給食へ供給しています。
 また、学校給食法では、学校給食は学校の設置者が実施し、食材費等の学校給食費は児童又は生徒の保護者が負担することとされています。
 区市町村立小・中学校における学校給食費は、学校設置者である区市町村が、地域の実情や特性を考慮して決定しており、学校給食費の改定や就学援助を含む保護者負担の軽減策等についても、区市町村の判断により行われています。

質問事項
一の6 高等学校では、授業料や教科書代なども含め、すべてが保護者の負担になるが、都立高校における教育費の保護者負担が重いことについての認識を伺う。

回答
 高等学校教育においては、授業料や教科書代は保護者の負担とされていますが、都教育委員会は、経済的負担の軽減を要する保護者に対し、必要な支援を行っています。
 具体的には、平成26年度から全国の公立高等学校の授業料に適用された就学支援金制度について、都立高等学校においても適切に実施しています。また、就学支援金制度の対象とならない生徒で、経済的理由で授業料を納付できない生徒には、都独自に授業料を減免しています。
 さらに、国は、平成26年度から新たに、低所得世帯の経済的負担の軽減を目的として教科書及び学用品等に充てるための給付金を支給する奨学のための給付金制度を設けており、都教育委員会においてもこの制度を適切に実施しています。

質問事項
一の7 都立高校で保護者が負担している教育費が、教科書、副教材、制服、校外活動など、それぞれどれだけかかっているか調査すべきだが、見解を伺う。

回答
 保護者が負担する子供の学校教育及び学校外活動のために支出した経費を文部科学省が隔年で調査をし、その結果を公表しています。
 最新の平成24年度調査結果によると、保護者が負担する1年間の経費は、全国の公立高等学校全日制課程で生徒一人当たり386,439円となっています。
 なお、平成24年度の公立高等学校授業料は全ての学年で無償化の措置が取られていたため、上記金額に授業料は含まれていません。

質問事項
一の8 子どもたちの学ぶ権利を保障するために、高等学校の教科書代を、都として補助することを求めるが、見解を伺う。

回答
 高等学校教育においては、平成26年度から、就学支援金制度の改正に併せて低所得世帯の経済的負担を更に軽減する目的で、国が、奨学のための給付金制度を新たに設けました。
 この制度は、国公私立高等学校等に通学する生徒で、生活保護世帯又は住民税所得割額の非課税世帯を対象に教科書及び学用品等に充てるための給付金を支給するもので、都が所要経費の3分の2を負担しています。

質問事項
一の9 高校就学支援金の所得制限の撤廃をはじめとする拡充を、国に求めるべきだが、見解を伺う。

回答
 平成26年度の高等学校等就学支援金の支給に関する法律の改正により、就学支援金制度に所得制限が導入されました。その趣旨は、所得制限を設けることで捻出された財源を低所得世帯への支援の充実や奨学のための給付金制度の創設などに充てることによって、低所得世帯の生徒等の高等学校教育に係る経済的負担をより軽減することです。
 このため、国に対して所得制限の撤廃を求めることは考えていません。

質問事項
一の10 子どもたちが安心して学べるようにする上でも、都として高校でかかる教育費に相当する金額に拡充することや、所得制限の上限を拡大するなど、現行の奨学給付金の拡充を求めるが、見解を伺う。

回答
 都立高校においては、奨学のための給付金により教科書や学用品等に係る費用が給付されることで、低所得世帯の生徒等の高等学校教育に係る経済的負担の軽減が既に図られています。
 したがって、奨学のための給付金制度の給付額及び所得制限の上限額を拡大することは考えていません。

平成27年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 今村るか

質問事項
一 在日アメリカ軍基地に関わる事故について

一 在日アメリカ軍基地に関わる事故について
1 東京都内には横田基地をはじめ8ヶ所に在日アメリカ軍基地が所在しています。こうした基地に起因する事故が基地内外で起きうるとして、対処方法などが平素から準備されておかなければならない。
 平素どのような準備対策を行っているのか伺います。
2 本年9月28日(現地時間)国は日米地位協定の実質改定について、アメリカ政府とワシントンで合意した。これにより地位協定を補う「環境補足協定」の締結がなされ、在日アメリカ軍基地・施設での有害物質などの管理に関する基準を厳格化し、事故の際や返還前からの自治体の立ち入り調査を円滑化することが出来るとした。
 東京都はこれまで国への要望の中で、こうした在日アメリカ軍基地内などへ環境配慮・確保の視点での自治体職員の立ち入りを求めてきたが、今改正によって都の取り組みはどう変わるのか。(また具体的な対応マニュアルなどは準備されているのか伺う。)
3 東京都と神奈川県との都県境に位置する相模総合補給廠で8月24日未明に爆発事故が発生した。今回の隣接する在日アメリカ軍基地での事故にたいして東京都はどのような対応を行ったのか伺います。
4 今回の事故によって得たことを含め、あらためて国並びにアメリカ、在日アメリカ軍に対してどのような事を要請するのか伺います。

平成27年第三回都議会定例会
今村るか議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 在日アメリカ軍基地に関わる事故について
1 東京都内には横田基地をはじめ8か所に在日アメリカ軍基地が所在しており、基地に起因する事故が基地内外で起きうるとして、対処方法などが平素から準備すべきだが、どのような準備対策を行っているのか伺う。

回答
 在日米軍に係る事件・事故については、発生情報の通報経路等が定められており、公共の安全又は環境に影響を及ぼす可能性がある事件・事故が発生した場合は、国を通じて関係自治体に対しても通報がなされることとなっています。
 都においては、確実に通報がなされるよう、平素から関係機関と緊急連絡先を共有するとともに、事故発生に伴い国から通報がなされた場合は、庁内関係部署や地元自治体と連絡調整しながら、都としての情報収集や応急対応を行うこととなっています。

質問事項
一の2 国は日米地位協定の実質改定について、アメリカ政府と合意し、これにより「環境補足協定」の締結がなされたが、今改正によって都の取組はどのように変わるのか。また、具体的な対応マニュアルなどは準備されているのか伺う。

回答
 今回の環境補足協定の締結により、環境事故発生時には、米側からの通報を受けて日本側が現地視察を要請した場合、米側は全ての妥当な考慮を払い、可能な限り迅速に回答することが定められました。
 今後は同協定に基づき、環境に影響を及ぼすおそれのある事故が発生した場合、都は、北関東防衛局を通じて立入りの申請を行うとともに、関係部署が所定のマニュアルにより適切に対応することになります。

質問事項
一の3 東京都と神奈川県との都県境に位置する相模総合補給廠で8月24日未明に爆発事故が発生したが、今回の隣接する在日アメリカ軍基地での事故に対して都はどのような対応を行ったのか伺う。

回答
 今回の相模総合補給廠の事故に際して、都は、北関東防衛局や町田市に連絡して情報収集を行い、事故が都内に影響を及ぼさないものであることを確認しました。
 なお、都内に影響を及ぼす米軍の事故が発生した場合は、北関東防衛局から都に通報がなされることとなっています。

質問事項
一の4 今回の事故によって得たことを含め、あらためて国並びにアメリカ、在日アメリカ軍に対してどのような事を要請するのか伺う。

回答
 米軍の運用に当たっては、安全面に最大限考慮を払うとともに、地元住民に与える影響を最小限にとどめるよう努めるべきです。
 都は、これまでも、米軍施設の運用に当たっては、住民に不安を与えることのないよう細心の配慮と安全対策を徹底することを国や米軍に求めており、今後も必要な働き掛けを行っていきます。

平成27年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 大山とも子

質問事項
一 保育士、介護職の確保について

一 保育士、介護職の確保について
 待機児や特養ホームの待機者を解消するためには、保育園や特養ホームを増設するとともに、保育士や介護職の確保が大きな課題です。
 今定例会の代表質問での、「保育士や介護職員の深刻な人材不足についてどう認識」しているのかとのわが党の質問に、「ふえ続ける保育ニーズや介護ニーズに対応するためには、サービス基盤の整備を進めるとともに、これを支える人材の安定的な確保が必要」だとの認識を示し「今後とも福祉人材の確保に努めて」いくことを答弁したことは、重要です。
 ところが、福祉人材確保のために、「賃金を引き上げ、職員をふやすことができるよう保育単価や介護報酬、保育士、介護職員の処遇改善補助を拡充し、職員配置基準も改善するよう国に強く求めるとともに、都としても最大限の対策を強める」ことを求めたことに対し、都は、「保育士や介護職員の処遇における一番の問題は、キャリアパスの仕組みが十分でないことでございます。そのため、都は国に対し、福祉人材のキャリアパスを早急に整備するよう、繰り返し提案要求するとともに、今年度からは、キャリアパスの導入に取り組む事業者への都独自の補助制度を実施しております。また、事業者に対し、望ましいサービス水準の確保や施設の機能強化を図るための独自の補助も行っております。」と答弁しました。これは、もっとも重要な賃金と労働条件を軽視したものと言わなければなりません。
1 保育士が働き続けられる条件整備は、重要であり、改めて東京都自身が実施した、保育士の実態調査から学び、活かすべきときです。現在働いている保育士のうち離職を考えている人は約2割もいることが明らかになっています。保育の継続、保育の質を向上させるためにも、離職を少なくすることは重要ですが、どう認識していますか。
2 離職を考えている保育士の3大理由は、「給料が安い」、「仕事量が多い」、「労働時間が長い」です。同時に就業している保育士の職場への3大改善希望は、「給与・賞与等の改善」、「職員数の増員」、「事務・雑務の軽減」でした。
 つまり給与の改善と人員配置を増やすことなしに、退職者を少なくすることはできないということではないでしょうか。どう認識していますか。
3 日本の保育士の処遇は国際的に見ても低いのです。OECDがデータを出している22か国のうち、14カ国は小学校教諭と同じ給与水準ですが、日本の水準はわずか6割程度です。日本とは異なる条件のもとにあるとはいえ、OECDが乳幼児期の保育・教育の重要性を強調し、「給与、手当て、職能開発の機会」を初等教育分野と同等にするよう求めているからです。保育士の処遇改善についてどう認識していますか。
4 今年度から都は、保育園へのサービス推進費を制度変更してキャリアアップ補助と保育サービス推進事業としました。キャリアアップ補助部分は増えたものの、地域の子育て支援のための事業の多くを補助対象からはずしてしまったために、地域の子育て支援を継続し、地域の方々に喜ばれている保育園ほど、補助の総額は増えません。認可保育園の支出のほとんどは、人件費ですから、補助の額が増えなければ、賃金を上げることは困難です。保育士や介護職を確保するには、現在仕事をしている人が、働き続けることができるようにすることが重要です。東京都社会福祉協議会は、区市町村が実施主体となって地域子育て支援事業を行った場合の都の補助について、補助率を2分の1から4分の3にあげるなどの充実を求めています。地域の子育て支援策の早急な拡充が求められますが、どうですか。
5 介護人材の確保も切実です。介護報酬全体で2.27%という過去最大規模のマイナス改定は当初から、「人出不足の深刻化やサービスの低下を招きかねない」と懸念する声が上がっていました。
 介護報酬削減が実行された今年3月から4月の都内の居宅サービス事業所の廃止等は166ヶ所で昨年の1.4倍になっています。介護報酬の削減から半年、その影響がどうなっているのか、まずは都として、実態の把握を早急に実施することを求めますが、どうですか。
6 公益法人介護労働安定センターが実施した平成26年度介護労働実態調査によると、介護職員の働く上での悩み、不安、不満等で多いほうから3つのものは、「人手が足りない」48.0%、「仕事内容のわりに賃金が低い」41.7%、「有給休暇が取りにくい」、「社会的評価が低い」33.7%、との調査結果となっています。また、介護職員の採用が困難な理由で多い3つは、「賃金が安い」59.1%、「社会的評価が低い」45.6%、「仕事がきつい」45.1%でした。なお、「キャリアアップの機会が不十分」という回答は10.9%です。明治安田生活福祉研究所の内匠功主任研究員は、介護職員の採用が困難なのは、「身体的にも精神的にもきつい仕事であるにもかかわらず、介護職員が低賃金で社会的評価も低いことが主因である。」と述べています。これらの調査結果や指摘を東京都はどう認識しているのですか。
7 保育士などへの職員の宿舎借り上げ補助は、多くの職場から歓迎されています。しかし、介護職などにはありません。介護関係の職員は夜勤もあり、職住接近を望んでいます。家賃が高い東京では、介護職場の職員についても宿舎借り上げ補助が必要です。国へも要求するとともに、都独自に制度をつくることが求められています。いかがですか。

平成27年第三回都議会定例会
大山とも子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 保育士、介護職の確保について
1 保育士が働き続けられる条件整備は、重要であり、改めて東京都自身が実施した、保育士の実態調査から学び、活かすべきときである。現在働いている保育士のうち離職を考えている人は約2割もいることが明らかになっている。保育の継続、保育の質を向上させるためにも、離職を少なくすることは重要だが、どう認識しているのか伺う。

回答
 保育ニーズに対応するためには、サービス基盤の整備を進めるとともに、これを支える人材の安定的な確保が必要です。
 都は、保育人材の定着を図るため、保育士等のキャリアパスの導入に取り組む事業者を支援するほか、保育人材・保育所支援センターのコーディネーターによる就職相談・あっせんから就職後の定着までの支援や、働きやすい職場環境づくりに関する事業者向けの研修、保育従事者向けの宿舎借り上げの支援など、都独自の様々な施策を実施しています。

質問事項
一の2 離職を考えている保育士の3大理由は、「給料が安い」、「仕事量が多い」、「労働時間が長い」である。同時に就業している、保育士の職場への3大改善希望は、「給与・賞与等の改善」、「職員数の増員」、「事務・雑務の軽減」であった。つまり、給与の改善と人員配置を増やすことなしに、退職者を少なくすることはできないということではないか。どう認識しているのか伺う。

回答
 過去に保育士として就業していた方の離職の理由は、妊娠出産、給料、職場の人間関係、結婚、仕事量の多さなど、様々であると認識しています。
 都は、保育人材の定着を図るため、独自に様々な施策を実施しています。

質問事項
一の3 日本の保育士の処遇は国際的に見ても低い。OECDがデータを出している22か国のうち、14か国は小学校教諭と同じ給与水準だが、日本の水準はわずか6割程度である。日本とは異なる条件のもとにあるとはいえ、OECDが乳幼児期の保育・教育の重要性を強調し、「給与、手当て、職能開発の機会」を初等教育分野と同等にするよう求めているからである。保育士の処遇改善について、どう認識しているのか伺う。

回答
 国は、平成27年度から保育士の処遇改善を図るため、処遇改善加算を創設しました。
 保育士の処遇における一番の問題は、キャリアパスの仕組みが十分でないことであり、そのため都は国に対し、キャリアパスの仕組みを整備するよう繰り返し求めるとともに、平成27年度から新たに、キャリアパスの導入に取り組む事業者への独自の補助制度を実施しています。

質問事項
一の4 東京都社会福祉協議会は、区市町村が実施主体となって地域子育て支援事業を行った場合の都の補助について、補助率を2分の1から4分の3にあげるなどの充実を求めている。地域の子育て支援策の早急な拡充が求められるが見解を伺う。

回答
 地域における子供・子育て支援の実施主体は区市町村であり、子ども・子育て支援法では、区市町村が子ども・子育て支援給付や地域子ども・子育て支援事業を行うこととしています。
 都は、法に基づき、これらの給付や事業の費用の一部を負担するとともに、区市町村が地域の実情に応じて、子育て支援施策を展開できるよう、独自に包括補助により支援しています。

質問事項
一の5 介護報酬削減が実行された今年3月から4月の都内の居宅サービス事業所の廃止等は166か所で昨年の1.4倍になったが、介護報酬の削減から半年、その影響がどうなっているのか、都として、実態の把握を早急に実施すべきだが、見解を伺う。

回答
 都内において、平成27年4月から同年9月までに新たな指定を受けた居宅サービス事業所は506か所、同期間に廃止された事業所は312か所となっており、差し引きで194か所増加しています。
 介護報酬改定の影響の把握については、第7期東京都高齢者保健福祉計画の策定に向けた取組
の中で、必要な調査等を行っていきます。

質問事項
一の6 公益法人介護労働安定センターの平成26年度介護労働実態調査によると、介護職員の働く上での悩み等は、「人手が足りない」、「仕事内容のわりに賃金が低い」、「有給休暇が取りにくい」など、介護職員の採用が困難な理由は、「賃金が安い」、「社会的評価が低い」、「仕事がきつい」であった。他の調査含め、これらの結果や指摘を都はどう認識しているのか、見解を伺う。

回答
 都内の介護関係職種の有効求人倍率は全職業平均より高く、求人に対して人材が不足しており、介護労働実態調査における「人手が足りない」「仕事がきつい」等の回答は、こうした状況を反映した結果であると考えます。
 また、同調査における「仕事内容のわりに賃金が低い」「社会的評価が低い」という回答は、職責に応じた処遇を実現するキャリアパスの仕組みが十分でないことなどが原因と考えます。

質問事項
一の7 介護関係の職員は夜勤もあり、職住接近を望んでいる。家賃が高い東京では、介護職場の職員についても宿舎借り上げ補助が必要であり、国への要求とともに、都独自に制度をつくることが必要だが、見解を伺う。

回答
 都は、国に対し、職場環境改善などを含めた、介護人材の計画的な確保対策を確立するよう提案要求しています。
 また、平成27年3月に策定した第6期東京都高齢者保健福祉計画では、介護人材対策の推進を重点分野の一つに位置付け、介護人材の確保・育成・定着に向けた総合的な取組を実施しています。

平成27年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 吉田信夫

質問事項
一 米軍横田基地をめぐる新たな事態について

一 米軍横田基地をめぐる新たな事態について
 第3回定例会の代表質問でわが党は、米軍横田基地が単に輸送基地にとどまらず、日米新ガイドライン、安保法制・戦争法のもとで米軍の海外派兵の拠点であるとともに日米共同の軍事作戦の拠点になりつつある危険性の認識をただしました。しかし都は、横田基地は輸送基地であり、オスプレイの配備も「輸送拠点としての機能の範囲内」と答弁しました。これは事実に反するものであり、見過ごせません。
1 代表質問で事例として示した米軍特殊作戦部隊と自衛隊の特殊作戦部隊とのアラスカでの共同降下訓練は、横田基地所属のC-130が横田基地から出動して行われたものです。この訓練について都はどのように事実経過を把握していますか。
 この訓練について米空軍の報道では、「大規模な航空基地制圧訓練」だったと紹介し、米空軍のメンバーが「日本国内でもこのような訓練ができればよい」と語ったと伝えています。これは、横田基地とその所属機が単に輸送にとどまらず、特殊作戦部隊の出撃基地としての役割をはたそうとしていることを示しているではありませんか。都はどう認識していますか。
2 さらに中谷防衛大臣は、CV22オスプレイの横田基地配備によって「米軍と自衛隊との特殊部隊の間でCV22オスプレイを利用した共同訓練などが可能になる」と国会で答弁しました。この答弁を都としてどううけとめますか。明らかに横田基地が日米共同作戦のための拠点になろうとしているではありませんか。
3 横田基地における人員降下・パラシュート降下訓練も見過ごせません。福生市が公表している横田基地における米軍の人員降下訓練の情報をみると、2013年は3回のべ10日間でしたが、2014年には11回のべ26日間と急増しています。都は人員降下訓練の実態をどう把握していますか。2013年、2014年及び2015年の各年ごとに降下訓練が実施された回数、実施日数、延べ降下人数を示してください。
4 都は、降下訓練の目的を「空輸能力保持」と答弁していますが、2012年1月の人員降下訓練では、防衛省は「テロ攻撃や航空機又は地上戦闘力等による基地への攻撃を想定し、実践的な即応態勢を執ることを目的とする訓練」と説明したと伝えられています。都はどのように報告をうけたのですか。
 さらに2014年の11回もの訓練の目的について、都は、防衛省からどのような報告をうけているのですか。また、人員降下訓練が増加している理由についてどのような報告をうけているのですか。
5 これまで人員降下訓練に参加した部隊は、沖縄駐留の米陸軍特殊作戦部隊・グリーンベレーなど、横田基地所属以外の部隊が参加しているとの報道がありますが、これまで降下訓練に参加したのはどの部隊だと報告をうけているのですか。報告がなかった場合、都として参加部隊について国や米軍にただしたことはありますか。
6 CV22オスプレイの横田基地への配備は、横田基地の危険性を高め、かつ基地周辺はもちろん都民、国民の安全を脅かすものです。CV22オスプレイは特殊作戦用であり、外務省は、横田基地配備について特殊作戦飛行隊の新設と説明しています。また中谷防衛大臣は、CV22と特殊作戦部隊について「通常部隊ではアクセス困難な地域に迅速・隠密裏に進出し」「テロの脅威への対処、人質救出など行う」と答弁しています。
 都は配備を予定するCV22オスプレイの任務及び特殊作戦飛行隊の新設について、どのように政府から説明をうけ、認識していますか。また、特殊作戦部隊の任務についてどのように認識していますか。
7 CV22オスプレイ配備計画発表以降、MV22オスプレイの横田基地への飛来が増加し、横田基地がオスプレイの拠点基地の様相を強めています。福生市発表の情報でみると、今年9月に離着陸があった日は7日で離着陸回数は24回です。2013年1月以降のMVオスプレイの離発着があった日数及び離着陸回数及び24時間前に事前通告があった回数を月ごとに示してください。
8 オスプレイの運用について、都は、低空飛行でも原則150メートル以上となっており日米合意遵守を米国は明言しているとの答弁をしてきました。しかし沖縄県では、2012年10月から11月に県として飛行実態の調査を実施し合意が遵守されてないことを発表しているではありませんか。しかも米空軍作成の「CV22作戦手順」では飛行高度は最も高い建物から60メートル、30メートルと記載されており、防衛省も国会答弁で否定しませんでした。
 都は、沖縄県に調査結果について問合せは行ったのですか。沖縄県の調査結果についてどのように認識していますか。また「作戦手順」について都は承知していますか。「作戦手順」によれば高度150メートル以上は守られないではありませんか。
9 都民の命と安全を守る立場にたつなら、横田基地を離発着するMV22オスプレイの実際の飛行高度など、沖縄県のように都として調査をすべきではありませんか。
10 横田基地の危険な役割の強化とともに、夜間や休日の飛行、低空飛行が増加し、周辺住民の安全がますます脅かされていることも重大です。
 都はわが党代表質問への答弁で、横田基地における米軍機の飛行運用について、安全性を確保するため人口密集地等に妥当な配慮を払うとともに日本の航空法の最低高度基準を用いるなど日米合同委員会で合意していると答弁しました。
 しかし福生市が発表している騒音調査結果(熊川1571番地先)では、飛行回数は、2014年度の夜間19時から22時は2342回。22時から7時は前年比1.3倍の202回です。都は夜間及び深夜から早朝にかけての飛行実態をどう把握していますか。具体的に示してください。
11 「合意」では、「日曜日、日本の祝日並びにその他何かの特別な日」について「飛行訓練を最小限にとどめる」としています。しかし東京都環境局が実施した固定調査結果を見ると、調査箇所のいずれかで2013年度の日曜、休日で騒音があったと報告された日は66日中65日です。内、騒音回数が10回以上の日は20日に及びます。とりわけ休日は平日と同じように60回を超える日もあります。日曜でも10回以上の日は9日ありました。都は、2013年度の日曜、休日で騒音が確認された日が何日で、その内騒音回数が10回以上の日は何日だと認識していますか。
12 東京都環境局は2010年11月に8日間にわたって横田基地を離着陸ないし旋回した米軍機の航跡と高さを測定しています。この調査結果について伺います。〔1〕飛行航跡の下にある小中学校数はどれだけありますか。〔2〕人口密集地域を旋回していたことが確認されたのではないですか。〔3〕調査結果では196回の飛行が確認されその航跡断面図によって飛行高度が確認できますが、日米合意の高度が遵守されていたのですか。
13 この調査からすでに5年が経過しています。低空飛行の増加や飛行範囲の拡大が指摘されているだけに、再度、米軍機の航跡及び高度の調査を行うべきです。
14 こうした騒音調査、飛行航跡等の調査結果は、明らかに日米合意が守られていない実態を示すものではありませんか。どう認識していますか。
15 沖縄防衛局は、沖縄県がオスプレイの運用にあたって、日米合意違反と指摘した事例のうち、22時以降の夜間飛行の3件の事実を確認しながら、「運用上必要でない夜間飛行ではなかった」としています。オスプレイに関する合意では、「運用上必要と考えられるものに制限」「乗員の技能保持に必要とする最小限に制限」などと様々な留保条件がつけられています。日米合意で設けられた制限の枠を超えた運用が確認されても、「運用上必要」などの留保条件を理由に問題ないとされるなら、制限は骨抜きにされてしまいます。都はどう認識していますか。

平成27年第三回都議会定例会
吉田信夫議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 米軍横田基地をめぐる新たな事態について
1 米軍特殊作戦部隊と自衛隊の特殊作戦部隊とのアラスカでの共同降下訓練は、横田基地所属のC-130が横田基地から出動して行われたものだが、この訓練について都はどのように事実経過を把握しているか。この訓練について米空軍の報道では、「大規模な航空基地制圧訓練」だったと紹介しており、これは横田基地とその所属機が単に輸送にとどまらず、特殊作戦部隊の出撃基地としての役割をはたそうとしていることを示しているが、都はどのように認識しているか伺う。

回答
 都は、国に対して、周辺住民に影響を及ぼすような米軍の訓練についての情報提供を求めており、横田基地の部隊が国外で行う訓練等は、その対象ではなく、国から情報は得ていません。
 横田基地は、輸送部隊が駐留し、西太平洋地域の米軍の空輸ハブ基地としての役割を担っているものと認識しています。

質問事項
一の2 中谷防衛大臣は、CV22オスプレイの横田基地配備により「米軍と自衛隊との特殊部隊の間でCV22オスプレイを利用した共同訓練などが可能になる」と国会で答弁したが、この答弁を都としてどう受け止めるか、見解を伺う。

回答
 安全保障に関することは国の専管事項であり、米軍と自衛隊との共同訓練など日米の相互運用については、国の責任で行われることと認識しています。

質問事項
一の3 福生市公表の横田基地における米軍の人員降下訓練の情報をみると、2013年は3回延べ10日間だが、2014年には11回延べ26日と急増している。都は人員降下訓練の実態をどう把握しているのか。2013年、2014年及び2015年の各年ごとに降下訓練が実施された回数、実施日数、延べ降下人数を伺う。

回答
 国からの事前通告によると、人員降下訓練の回数とその期間の合計は、平成25年は3回で11日間、平成26年は11回で26日間、平成27年は9月末現在で4回、14日間です。
 なお、事前通告には、降下人員数の情報が含まれない場合があるため、延べ降下人員数は不明です。

質問事項
一の4 2012年1月の人員降下訓練で、防衛省は「テロ攻撃や航空機又は地上戦闘力等による基地への攻撃を想定し、実践的な即応態勢を執ることを目的とする訓練」と説明したとのことだが、都はどのように報告をうけたのか。2014年の11回の訓練の目的について、都は、防衛省からどのような報告をうけたのか。また、人員降下訓練の増加理由についてどのような報告をうけているのか、伺う。

回答
 国からは、横田基地において、平成24年1月4日から同月6日まで、基地への攻撃を想定し、実践的な即応体制を執ることを目的とする「運用即応演習(ORE)」とともに空中投下訓練を行うとの通告を受けました。
 個別の人員降下訓練の実施に当たっては、訓練目的の通告はありません。
 また、年度ごとの回数の増減について、国から説明はありません。
 なお、横田基地からは、人員降下訓練について、人員や物資を空輸する能力を常に保持することが必要不可欠であり、人員降下及び物資投下訓練は、そのための通常の訓練として行われていると聞いています。

質問事項
一の5 これまで降下訓練に参加したのはどの部隊だと報告をうけているのか。報告がなかった場合、都として参加部隊について国や米軍にただしたことはあるのか、伺う。

回答
 都は、国に対して、周辺住民に影響を及ぼすような米軍の訓練についての情報提供を求めており、横田基地所属以外の部隊が参加しているか否かについては、その対象ではありません。

質問事項
一の6 都は配備予定のCV22オスプレイの任務及び特殊作戦飛行隊の新設について、どのように政府から説明をうけ、認識しているのか。また、特殊作戦部隊の任務についてどのように認識しているか、見解を伺う。

回答
 国からは、CV-22オスプレイは、各種事態が発生した場合に、初動対応を行う米軍部隊を作戦地域まで輸送することを主な任務としており、横田基地に配備されるCV-22オスプレイは、アジア太平洋地域に所在する米軍の特殊作戦部隊などを輸送するとともに、大規模災害が発生した場合には、捜索救難などの人道支援・災害救援活動を迅速かつ広範囲にわたって行う、との説明を受けています。
 また、CV-22オスプレイの横田基地配備に伴い、関連要員等から構成される飛行部隊が横田基地に新編される予定と聞いています。
 米軍特殊作戦部隊は、民間人の救出を含め、対テロ作戦等を行うとともに、災害発生に即応し、被災地に急行することができる、との説明を受けています。

質問事項
一の7 CV22オスプレイ配備計画発表以降、MV22オスプレイの横田基地への飛来が増加しているが、2013年1月以降のMVオスプレイの離発着があった日数及び離着陸回数及び24時間前に事前通告があった回数を月ごとに伺う。

回答
 MV-22オスプレイの横田基地への離着陸があった日数、離着陸回数及び24時間以上前に事前通告があった離着陸回数は次のとおりです。
 年月離着陸があった日数 離着陸回数 24時間以上前に事前通告があった離着陸回数
 平成26年
 7月2日 8回 8回
 8月2日 8回 6回
 9月3日 6回 2回
 10月4日 11回 0回
 11月1日 1回 0回
 平成27年
 5月3日 6回 0回
 6月3日 14回 0回
 8月2日 7回 0回
 9月7日 21回 1回

質問事項
一の8 オスプレイの運用について、沖縄県は、2012年10月から11月に県として飛行実態の調査を実施し合意が遵守されてないことを発表したが、都は、沖縄県に調査結果について問合せは行ったのか。沖縄県の調査結果についてどのように認識しているのか。また「作戦手順」について都は承知しているのか、見解を伺う。

回答
 沖縄県と関係市町村が実施したMV-22オスプレイの飛行実態や運用の調査は公表されており、その内容は承知しています。
 当該調査結果について国は、「これまでのところ日米合同委員会合意に違反しているものがあるとの確証は得られていない。」とした上で、「米軍も、累次の機会に日米合同委員会合意に基づき飛行運用を行っている旨説明しており、政府としても、米軍は当該合意に基づき飛行運用を行っているものと認識している。」との見解を示しています。
 また、都は「CV-22作戦手順」については承知していませんが、国からは、米側はCV-22の我が国における飛行運用に際しては、MV-22に関する日米合意を含めて、既存の全ての日米合意を遵守することを明言している、と聞いています。

質問事項
一の9 都民の命と安全を守る立場にたつなら、横田基地を離発着するMV22オスプレイの実際の飛行高度など、沖縄県のように都として調査をすべきだが、見解を伺う。

回答
 MV-22オスプレイは、日米合同委員会の合意に基づき運用されることになっており、その遵守状況については、国が責任を持って確認すべきものと考えます。

質問事項
一の10 横田基地の危険な役割の強化とともに、夜間や休日の飛行、低空飛行が増加し、周辺住民の安全がますます脅かされていることも重大である。都は夜間及び深夜から早朝にかけての飛行実態をどのように把握しているのか、具体的に伺う。

回答
 日米合同委員会においては、午後10時から翌午前6時までの時間における飛行等は、米軍の運用上の必要性に鑑み緊急と認められるものに制限され、夜間飛行訓練は任務の達成及び乗組員の練度維持のために必要とされる最小限に制限するとともに、できるだけ早く完了することが合意されています。
 都は横田基地周辺4か所で航空機騒音の通年測定を行っています。平成25年度に最も騒音発生回数が多かった瑞穂町農畜産物直売所での騒音発生回数は、午後7時から午後10時の間は2,219回、午後10時から翌午前7時の間は115回です。
 なお、都は環境省の「航空機騒音測定・評価マニュアル」に基づき、暗騒音より10dB以上大きい航空機騒音を発生回数として捉えているため、飛行回数とは一致しておりません。

質問事項
一の11 「合意」では、「日曜日、日本の祝日並びにその他何かの特別な日」について「飛行訓練を最小限にとどめる」としているが、都は、2013年度の日曜、休日で騒音が確認された日が何日で、その内騒音回数が10回以上の日は何日だと認識しているのか、伺う。

回答
 平成25年度の横田基地周辺地域における日曜・祝日67日中の騒音発生日数は66日で、その内の一日の騒音回数が10回以上の日は21日です。
 なお、日米合同委員会における、日曜日等の飛行規制の対象は「訓練飛行」のみであり、訓練以外の航空機の飛行は対象となっていません。

質問事項
一の12 東京都環境局は2010年11月に8日間にわたって横田基地を離着陸ないし旋回した米軍機の航跡と高さを測定した。この調査結果について、〔1〕飛行航跡の下にある小中学校数はどれだけあるのか、〔2〕人口密集地域を旋回していたことが確認されたのか、〔3〕調査結果では196回の飛行が確認されその航跡断面図によって飛行高度が確認できるのか、日米合意の高度が遵守されていたのか、伺う。

回答
 平成22年11月に環境局では、航空機騒音から通常の生活を保全する必要がある地域として知事が指定する航空機騒音地域類型指定地域の見直しを検討するための基礎調査を行っていますが、〔1〕については、騒音の分布状況をみるために簡易な装置で飛行航跡を描いたもので、正確な飛行経路を確認できる精度で測定していないため、「飛行航跡の下」の学校数は算出できません。なお、横田基地周辺の航空機騒音地域類型指定地域内の小中学校数は、小学校72校、中学校42校です。〔2〕については、いわゆる住宅街の上空も飛行しています。また、〔3〕の航跡については、日米合意の高度が確認できる精度で測定は行っていません。
 なお、日米合同委員会合意の飛行高度規制は、離着陸や計器進入の場合は除かれ、また、場周経路も人口稠密地域の上空の飛行をできる限り避ける最善のパターンで設定することが定められています。

質問事項
一の13 この調査からすでに5年が経過し、低空飛行の増加や飛行範囲の拡大が指摘されており、再度、米軍機の航跡及び高度の調査を行うべきだが、見解を伺う。

回答
 平成22年度に実施した調査は、航空機騒音環境基準の改正に伴い航空機騒音地域類型指定の見直しを検討するための調査です。平成23年度以降、都が実施している航空機騒音調査結果において、航空機騒音地域類型指定を見直すような状況は見られないため、平成22年度に実施した調査と同様の調査を実施する予定はありません。

質問事項
一の14 こうした騒音調査、飛行航跡等の調査結果は、明らかに日米合意が守られていない実態を示すものではないか。どのように認識しているのか、伺う。

回答
 国からは、米軍の運用に当たっては、横田基地における航空機騒音の軽減措置や低空飛行訓練に関する日米合同委員会合意について遵守されているものと認識している、と聞いています。

質問事項
一の15 オスプレイに関する合意では、様々な留保条件がつけられており、日米合意で設けられた制限枠を超えた運用を確認しても、留保条件を理由に問題ないとされるなら、制限は骨抜きにされてしまうが、都はどのように認識しているのか伺う。

回答
 米軍の運用に当たっては、地域への影響に妥当な考慮を払って活動すべきことは当然ですが、任務達成や練度維持、安全性の確保などのために必要な飛行もあるため、日米合同委員会合意においては、運用上必要と考えられるものに制限し、周辺地域に与える影響を最小限にするよう努めているものと認識しています。

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