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Tokyo Metropolitan Assembly

平成二十七年東京都議会会議録第八号

平成二十七年六月十六日(火曜日)
 出席議員 百二十三名
一番小林 健二君
二番加藤 雅之君
三番川松真一朗君
四番山内  晃君
五番栗山よしじ君
六番小松 大祐君
七番鈴木 章浩君
八番大津ひろ子君
九番塩村あやか君
十番宮瀬 英治君
十一番おときた駿君
十二番小松 久子君
十三番田中  健君
十四番米倉 春奈君
十五番白石たみお君
十六番斉藤やすひろ君
十七番栗林のり子君
十八番遠藤  守君
十九番伊藤こういち君
二十番堀  宏道君
二十一番河野ゆうき君
二十二番柴崎 幹男君
二十三番ほっち易隆君
二十四番舟坂ちかお君
二十五番清水 孝治君
二十六番島崎 義司君
二十七番石川 良一君
二十八番田中 朝子君
二十九番上田 令子君
三十番山内れい子君
三十一番中山ひろゆき君
三十二番西沢けいた君
三十三番里吉 ゆみ君
三十四番和泉なおみ君
三十五番尾崎あや子君
三十六番大松あきら君
三十七番中山 信行君
三十八番吉倉 正美君
三十九番上野 和彦君
四十番鈴木 錦治君
四十一番木村 基成君
四十二番高椙 健一君
四十三番栗山 欽行君
四十四番大場やすのぶ君
四十五番和泉 武彦君
四十六番近藤  充君
四十七番小宮あんり君
四十八番三宅 正彦君
五十番やながせ裕文君
五十一番両角みのる君
五十二番西崎 光子君
五十三番小山くにひこ君
五十四番あさの克彦君
五十五番新井ともはる君
五十六番徳留 道信君
五十七番河野ゆりえ君
五十八番小竹ひろ子君
五十九番まつば多美子君
六十番高倉 良生君
六十一番橘  正剛君
六十二番野上 純子君
六十三番谷村 孝彦君
六十四番桜井 浩之君
六十五番きたしろ勝彦君
六十六番松田やすまさ君
六十七番山崎 一輝君
六十八番神野 次郎君
六十九番菅野 弘一君
七十番北久保眞道君
七十一番田中たけし君
七十二番神林  茂君
七十三番宇田川聡史君
七十四番高橋 信博君
七十五番野上ゆきえ君
七十六番中村ひろし君
七十七番島田 幸成君
七十八番今村 るか君
七十九番大西さとる君
八十番畔上三和子君
八十一番大島よしえ君
八十二番松村 友昭君
八十三番東村 邦浩君
八十四番小磯 善彦君
八十五番鈴木貫太郎君
八十六番木内 良明君
八十七番秋田 一郎君
八十八番中屋 文孝君
八十九番早坂 義弘君
九十番崎山 知尚君
九十一番鈴木 隆道君
九十二番鈴木あきまさ君
九十三番山加 朱美君
九十四番高橋かずみ君
九十五番山田 忠昭君
九十六番こいそ 明君
九十七番田島 和明君
百番斉藤あつし君
百一番尾崎 大介君
百二番石毛しげる君
百三番植木こうじ君
百四番かち佳代子君
百五番曽根はじめ君
百六番藤井  一君
百七番長橋 桂一君
百八番中嶋 義雄君
百九番ともとし春久君
百十番古賀 俊昭君
百十一番林田  武君
百十二番高木 けい君
百十三番相川  博君
百十四番吉原  修君
百十五番野島 善司君
百十六番三宅 茂樹君
百十七番川井しげお君
百十八番高島なおき君
百十九番立石 晴康君
百二十番吉野 利明君
百二十一番野村 有信君
百二十三番酒井 大史君
百二十四番山下 太郎君
百二十五番清水ひで子君
百二十六番大山とも子君
百二十七番吉田 信夫君

 欠席議員 一名
百二十二番  内田  茂君
 欠員
    四十九番  九十八番  九十九番

 出席説明員
知事舛添 要一君
副知事安藤 立美君
副知事秋山 俊行君
副知事前田 信弘君
教育長中井 敬三君
東京都技監建設局長兼務横溝 良一君
政策企画局長川澄 俊文君
総務局長中西  充君
財務局長長谷川 明君
主税局長塚田 祐次君
警視総監高綱 直良君
生活文化局長小林  清君
オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋 正宏君
都市整備局長安井 順一君
環境局長遠藤 雅彦君
福祉保健局長梶原  洋君
産業労働局長山本  隆君
港湾局長多羅尾光睦君
会計管理局長塚本 直之君
交通局長新田 洋平君
消防総監大江 秀敏君
水道局長吉田  永君
下水道局長松田 芳和君
青少年・治安対策本部長河合  潔君
病院経営本部長醍醐 勇司君
中央卸売市場長岸本 良一君
選挙管理委員会事務局長松井多美雄君
人事委員会事務局長真田 正義君
労働委員会事務局長櫻井  務君
監査事務局長石原 清次君
収用委員会事務局長目黒 克昭君

六月十六日議事日程第二号
第一 第百三十一号議案
東京都安全・安心まちづくり条例の一部を改正する条例
第二 第百三十二号議案
職員の再任用に関する条例の一部を改正する条例
第三 第百三十三号議案
東京都都税条例及び東京都都税条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
第四 第百三十四号議案
東京都市計画事業足立北部舎人町付近土地区画整理事業施行規程等の一部を改正する条例
第五 第百三十五号議案
東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
第六 第百三十六号議案
東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
第七 第百三十七号議案
東京都立産業貿易センター条例の一部を改正する条例
第八 第百三十八号議案
警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例
第九 第百三十九号議案
警視庁麻布警察署庁舎(二十七)改築工事請負契約
第十 第百四十号議案
警視庁東大和庁舎(仮称)(二十七)新築工事請負契約
第十一 第百四十一号議案
警視庁単身者待機寮代々木警察署靖心寮ほか(二十七)改築工事請負契約
第十二 第百四十二号議案
警視庁単身者待機寮城東警察署城東寮(二十七)改築工事請負契約
第十三 第百四十三号議案
警視庁単身者待機寮新川寮(仮称)(二十七)改築工事請負契約
第十四 第百四十四号議案
東京都墨田都税事務所(二十七)改築工事請負契約
第十五 第百四十五号議案
多摩動物公園アジアゾウ舎新築工事請負契約
第十六 第百四十六号議案
小名木川排水機場耐震補強工事請負契約
第十七 第百四十七号議案
新小名木川水門耐震補強工事(その一)請負契約
第十八 第百四十八号議案
地下トンネル築造工事(二十七 四─環五の一雑司が谷)請負契約
第十九 第百四十九号議案
妙正寺川整備工事(その二〇一─二)請負契約
第二十 第百五十号議案
清掃工場建設工事に係る損害賠償請求事件に関する和解について
第二十一 第百五十一号議案
土地の信託の変更について
第二十二 第百五十二号議案
権利の放棄について
第二十三 第百五十三号
ヘリコプターの買入れについて
第二十四 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例及び東京都都税条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
第二十五 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
第二十六 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
第二十七 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
第二十八 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した再雇用職員又は日勤講師としての採用選考において不合格とされたこと又は採用決定を取り消されたことが違法であること等を理由とする損害賠償請求事件の控訴提起に関する報告及び承認について

   午後一時開議

○議長(高島なおき君) これより本日の会議を開きます。

○議長(高島なおき君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(高島なおき君) これより質問に入ります。
 百十一番林田武君
〔百十一番林田武君登壇〕

○百十一番(林田武君) 平成二十七年第二回定例会に当たり、東京都議会自由民主党を代表して質問いたします。
 我が国は今、国民の安全・安心を初めとして、内外の大きな課題に直面しております。
 先般、小笠原諸島近海で発生したマグニチュード八・一の地震、全国的に頻発する火山活動や集中豪雨などの自然災害、また激変する国際環境の中での平和安全法制の整備、日本年金機構の年金情報流出問題に象徴されるサイバー攻撃への対処など、あらゆる危機に対して政治の揺るぎない対応が求められております。
 東京都においては、世界で一番の都市を目指し、安全・安心はもとより、昨年暮れに策定された東京都長期ビジョンの各項目を着実に実現していくことが求められております。
 中でも、知事が選挙公約の筆頭に掲げた史上最高のオリンピック・パラリンピックの実現は、現下都政の最大の課題といっても過言ではなく、東京全体、日本全体でこのイベントを成功に導かなければなりません。
 しかしながら、ここへ来て新国立競技場問題の混乱が東京五輪の行く手に暗い影を落としております。
 知事は、去る五月十八日、下村文科大臣と本問題を協議するトップ会談に臨みましたが、解決に至る前向きな協議にはなりませんでした。さらに、その後、ご自身のブログその他で本問題にたびたび触れ、今定例会初日の所信表明演説でも、時間は限られておりますが、政府がしっかりと対応するのであれば、東京都としても、できる限りの協力をしていきたいと考えておりますと、条件をつけての協力を表明されました。この感覚には違和感を覚えます。
 知事、二〇一六年リオ五輪の閉会式で、次の開催都市として五輪旗の引き渡しを受けるのは一体誰なのでしょうか。開催都市の知事としての自覚と決意を伺います。
 開会式、閉会式等が新国立競技場で行われることは決定事項であり、国は閣議決定をして東京五輪を応援しています。都政の役割は、国との対立構図を演出することではなく、オリンピック・パラリンピックを成功させることです。そのためには、国と都の役割分担が当然発生すると考えます。
 知事は、東京五輪における国と都の適切な役割分担をどのようにお考えなのでしょうか。
 そして、新国立競技場建設問題をいつまでに、どのように収拾しようとしているのか、決意をお伺いいたします。
 新国立競技場は、あくまでも国の施設です。しかし、都も開催都市として傍観者の立場ではありません。ましてや設計、工期、費用負担等、現時点で不確定な事項に対する過剰な言及は、国との関係をこじらすばかりか、五輪やパラリンピックの明るく健康的なイメージを損ないます。
 東京五輪を成功させるためには、国と都は、信頼をもとにした協力関係でなければならず、適切な役割分担を双方合意のもとで進める関係が望まれます。国際的にも、国と都が対立しているようなニュースが喧伝されることは残念なことです。
 IOCバッハ会長が表明された本問題に対する懸念を、知事は真摯に受けとめる必要があります。東京五輪を成功させるために、より大局的な見地から国と都の関係構築を行うべきと考えますが、所見をお伺いいたします。
 次に、新銀行東京について伺います。
 去る六月十二日、新銀行東京は、東京都民銀行並びに八千代銀行を傘下に持つ東京TYフィナンシャルグループとの間で、経営統合に向けた基本合意を締結いたしました。
 貸し渋りに苦しむ中小企業に資金を提供し、疲弊した東京の経済を活性化する使命を持って設立された新銀行東京は、開業間もなく深刻な経営危機に陥り、四百億円の追加出資を行う事態に至りました。その際、我が党が賛成したのは、厳しい経営環境のもとでひたむきに努力している中小企業と、そこで働く従業員や家族の生活を守るためでありました。
 追加出資を受けた新銀行東京は、新たな経営陣のもとで地道な経営改善の努力を積み重ね、六期連続の黒字を計上するなど、安定した経営が行われております。
 今後さまざまな協議を進め、最終合意に至る必要がありますが、設立以来の苦難の道のりをともに歩んできた者として、こうした統合協議に参画できるまでになったことは、まず評価したいと思います。
 同時に、経営統合の協議が進められるに当たっては、預金者や融資先中小企業の立場に立って、中小企業に対する金融支援の強化という本来の趣旨を貫かれる必要があります。
 また、追加出資の議決は、一回限りで、やむを得ざる措置として行った、まさに苦渋の決断でありました。付帯決議でも、四百億円を毀損させないことが前提であり、このことを改めて強く受けとめていただきたいと思います。
 今回の経営統合の基本合意について、設立者であり、大株主である都としてどのように認識しているのか、知事にお伺いいたします。
 次に、東京のグランドデザインについて伺います。
 二〇二〇年の東京五輪は、東京を世界にアピールできる絶好の機会ですが、重要なことは、二〇二〇年は通過点であり、その十年先、二十年先の東京もしっかりと見据え、世界第一の成熟都市として次世代に継承していくことです。
 こうした中、知事は、さきの所信表明で、都市づくりのグランドデザインの策定に加え、東京のあるべき将来像を幅広く検討し、東京のグランドデザインとしてまとめていく旨を表明されました。
 我が党は、さきの第一回定例会において、後藤新平の帝都復興計画を例に挙げながら都市計画の重要性に触れ、都市づくりのグランドデザインをしっかりと策定していくことを求めたところです。
 また、今後、本格的な少子高齢、人口減少社会が到来する中、都民の不安を振り払うためにも、グランドデザインは、今考えつく限りの理想の都市像を描く必要があるとも指摘したところであります。今回の知事の表明は、我が党の指摘にも沿っていたものと考えます。
 そこで、二〇四〇年代の東京をどのように描こうとしているのか、東京のグランドデザイン策定に向けた知事の所見を伺います。
 次に、行財政運営について伺います。
 まず、地方税財政制度について伺います。
 現在、国は、二〇二〇年度の国、地方のプライマリーバランス黒字化を目指し、財政健全化に向けた議論を進めており、今後の議論のベースとなる骨太の方針や財政健全化計画が今月末に策定される見込みであります。
 こうした中で、財務省の審議会では、国の財政健全化の一環として、地方財政の歳出を抑制することが重要との意見が示されており、地方交付税の削減にも言及しております。行政サービスの財源を交付税に大きく頼る交付団体にとって、交付税の削減が行われれば、その財政運営に支障を来しかねません。
 そうなれば、平成二十年度に暫定措置が導入された際と同様に、都市の税収が標的となり、自治体の財源不足という問題が、都市と地方との対立問題へとすりかえられ、都から財源を奪う動きが再燃する可能性があります。
 現に、経済財政諮問会議の場では、自治体の税源の偏在を是正するとして、本年末までに抜本的な改正案をまとめ、平成二十九年度から実施すべきという意見が明確に出されております。
 そこで、国の財政健全化をめぐる議論に関して、都財政への影響を踏まえ、都の主張を展開していくことが重要だと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。
 現在、国は、まち・ひと・しごと創生本部を立ち上げ、二〇六〇年に一億人程度の人口確保を目標に、将来にわたって活力ある日本社会の維持に取り組んでおります。そして、都及び都内区市町村を含む全国の自治体には、地方創生のための総合戦略を今年度中に策定することが求められております。
 東京は日本の首都であり、地方、ひいては日本全体を牽引する役割を担っております。また、世界で都市間競争が激しさを増す中、国際都市としてさらなる進展を遂げる必要があります。
 一方で、国との関係でいえば、東京もまた地方の一つであり、東京と地方は互いにウイン・ウインの関係を構築していくことが重要であります。地方版総合戦略への対応に当たっては、都と都内の区市町村がこうした認識を共有し、連携しながら取り組みを進める必要があります。
 また、今後、区市町村が策定する総合戦略は、各地域の課題や特性を踏まえ、それぞれの主体性を生かしたものとすることが肝要です。
 そこで、区市町村が総合戦略を策定するに当たって今後どのように支援していくのか、都の所見を伺います。
 次に、二〇二〇年東京五輪パラリンピック競技大会について伺います。
 これまでも我が党は、レガシーの重要性について繰り返し主張してきました。都が組織委員会とともに、大会後のレガシーなどの視点から会場計画の見直しを進め、先日のIOC理事会で見直しにめどをつけたことは、大きな成果であります。
 競技施設などのハードの面はもとより、障害の有無を問わないスポーツ実施率の向上、ボランティア文化の醸成などを通じて、大会後にハード、ソフト両面で確かなレガシーを残し、東京を世界で一番の都市に押し上げていかなければなりません。
 我が党には、都民や企業の方々から、東京五輪にかかわっていきたいと熱い思いが寄せられ、大きな力を感じております。こうした声に応え、都民とともに大会をつくり上げていくために、これから大会までにどのように取り組みを進めていくのか、そしてそれによって何を残そうとしているのか、早い時期に都民にしっかりと示していただくことが必要です。
 大会まであと五年となりました。今こそ、都民とともに価値あるレガシーを残していくための大会に向けた都の取り組みを明らかにすべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。
 我が党は、障害者や高齢者、妊娠、子育て中の方々など、誰にも優しい東京のまちづくりを推し進めてきました。
 前回の東京大会は、パラリンピックという名称が定着する原点となりました。都は、二回目のパラリンピックに向け、施設やまちのバリアフリー化を推進するとともに、この機を捉え、人々の意識を改革し、心のバリアフリーを推し進めていく必要があります。
 そして、大会のレガシーとして、誰もが安全に快適に過ごすことができる東京を実現していくことが重要です。そのためには、まず、競技施設や公共交通等を着実に進めなければなりません。
 そこで、大会を契機としたハードのバリアフリー化推進について、知事の見解をお伺いいたします。
 次に、障害者スポーツについて伺います。
 東京五輪パラリンピックを契機に、障害スポーツを飛躍的に発展させることは、我々を含め障害者スポーツにかかわる多くの人たちの切なる願いであります。
 我が党は、昨年から都内における障害者スポーツの振興を推進する東京都障害者スポーツ協会と意見交換を重ね、障害者スポーツ全体の底上げを図るには、まず、競技団体の体制を整備することが必須であるとの認識を持ちました。
 また、知事はこのたび、日本財団が立ち上げたパラリンピックサポートセンターの特別顧問に就任されました。センターでは、全国レベルの障害者競技団体の体制整備などを行うと聞いております。
 都では、東京五輪パラリンピック、そしてその先を見据え、どのように体制整備を進めていくのか、取り組みについて伺います。
 次に、セキュリティー対策について伺います。
 安全・安心なくして、東京五輪の成功はありません。二〇一二年ロンドン大会では、大会の警備に軍が参加し、国家を挙げて取り組むなど、対策の重要性が顕著になりました。東京五輪に向けたセキュリティー対策は、まさに大会準備における最重要課題の一つであります。
 大会期間中、世界各国から訪れる選手、要人、大会関係者、観客など、東京を訪れる全ての人の安全・安心を確保することは、開催都市である東京の責任であります。開催都市として、安全・安心な大会を実現するために、どのようにして主体的に治安維持、自然災害、テロなどのセキュリティー対策に取り組んでいくのか、知事の見解をお伺いいたします。
 次に、国際化に向けた戦略について伺います。
 知事は、東京五輪に向けたこの五年を、東京と日本を復活させるビッグチャンスであり、ラストチャンスであると位置づけております。我が党も、この認識を共有するものであります。この絶好の機会を捉え、国内外の耳目が集まる東京から的確な情報を発信することは、世界における東京のプレゼンスを高め、グローバル都市としてのさらなる発展につながります。
 都はこれまでも、さまざまな事業を展開する中で、海外に向けた情報発信を推進してきました。最近の動きでも、東京開業ワンストップセンターの開設など、国際的に広がりがある取り組みがふえております。先般も、中小企業振興公社の初の海外拠点であるバンコク事務所開設に向けて、タイ工業省との間での覚書の締結式が行われたばかりであります。
 一方で、こうした実のある事業展開も、情報を受ける側にしっかりと伝わらなければ、単なる情報の垂れ流しに終わり、非常にもったいないことであります。都の取り組み姿勢を広く海外にアピールすべき事業については、全庁的な視点で捉え、真に各局横断的な連携のもとに、効果的に情報発信をしていくことを忘れてはなりません。
 知事の基本的認識をお伺いいたします。
 昨年、都は、東京の発展に資する施策を効果的に実現し、都民にもその利益を還元すべく、都市外交基本戦略を策定しました。そこでは、お互いの都市が学び合う体制を強化するとしております。確かにこれまで、クアラルンプールやバンコクなどの都市との間で、感染症対策に関する知見を共有したり、都市災害での救助技術を提供するなど、海外諸都市との積極的な交流を重ねてきました。
 しかし、東京五輪を成功させ、さらにその先、東京を世界で一番の都市にするには、都市外交においてもやるべきことは山ほどあります。
 今後は、我が党がかねてより主張してきたように、都民生活の向上に、より有効な施策を学ぶとともに、都の先進技術を紹介し、相手都市の市民生活の向上、さらにビジネス展開にもつなげることが重要です。姉妹友好都市やアジア大都市ネットワーク21での交流を重ねてきた都市などとの間でも、教え教えられる双方向の関係、都民生活の向上に、より実利のある新たな関係を築くことが必要です。
 今後の海外諸都市との実効性のある関係構築に向けた新たな取り組みについて伺います。
 次に、水道事業の国際展開について伺います。
 アジアの途上国は、経済発展に伴い、水不足など問題に直面しており、特に無収水率は、東京の三%程度に対し、多くの国で数十%に上ります。この無収水の削減には、インフラ整備だけでなく、人づくりも必要です。
 安倍首相も先月、国際交流会議で、日本の技術を単に持ち込むだけではなく、人を育て、しっかりとその地に根づかせる、これが日本のやり方と発言されました。まさに東京水道は、ミャンマーやインドなどアジアの途上国で、人づくりを含めた事業を進めており、かねてから我が党も後押ししてまいりました。
 そこで、このたび、節目を迎えたヤンゴンのパイロット事業における成果と、途上国における今後の国際展開について伺います。
 次に、都市政策について伺います。
 まず、神宮外苑地区のまちづくりについて伺います。
 東京五輪の競技会場は、大会後のレガシーとして都民の新たな財産となるものであり、晴海に建設される選手村も、世界一の都市東京のモデルケースとして、大会後のあるべきまちの姿を追求しながら、民間事業協力者とともに事業計画案の検討が進められていると聞いております。
 このように東京五輪の成功はもとより、その先の東京が目指すべき都市を見据えて、今からまちづくりを進めていく都の取り組みを高く評価したいと思います。
 知事は、本年四月、神宮外苑地区についても、大会後の地区再整備に向けて関係者との協議を進めると発表いたしました。この地区は、都心にありながら大規模スポーツ施設が集積する拠点であり、明治天皇のご遺徳を長く後世に伝えるために整備され、大正期の整備開始から既に九十年近くなります。
 知事は、発表に当たり、この大きな開発計画を前に進めたいと発言されましたが、実現に向けた決意についてお伺いいたします。
 次に、鉄道ネットワークの充実について伺います。
 鉄道は、活発な都市活動と豊かで快適な都民生活を支える基幹的なインフラです。今後、東京を世界で一番の都市へと発展させるためには、鉄道ネットワークをさらに充実させていき、長期的な視点に立って都市づくりに取り組んでいくことが必要です。
 昨年より国において、東京圏における今後の都市鉄道のあり方について議論されており、今年度中に次期答申が出されると聞いております。このため、都が検討してきた今後の鉄道整備の考え方について国の次期答申に反映させて、その実現を図っていくことが、東京の都市づくりを進める上で重要であると考えます。
 鉄道ネットワークの充実に向けた知事の決意をお伺いいたします。
 次に、羽田空港の機能強化について伺います。
 海外からの投資を促し、首都圏の国際競争力を向上させるとともに、アジアを初め世界の成長力を取り込み、我が国の維持可能な経済成長を果たすためには、羽田空港の機能強化は極めて重要です。
 舛添知事は、第一回定例会において、東京五輪に向けた利用者の増加やその後の航空需要に応えるためには、羽田空港の容量拡大が不可欠であり、何とか実現したいと述べられました。
 先月、国は、学識経験者で構成するアドバイザリー会議において、住民説明の進め方など、実現に向けた工程を公表しました。今後、都は、羽田空港の機能強化に向けてどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、河川事業について伺います。
 ことしも水害が心配されるシーズンを迎えました。都は、河川事業において、これまで堤防や水門、調節池、砂防施設等の整備を進め、環七地下調節池等が効果を発揮するなど、首都東京の安全性を高めてきました。
 しかし、今まで経験したことがないと表現されるような異常な豪雨が全国各地で発生しており、また、首都直下地震の発生も懸念されております。
 このような状況において、災害から都民生活や都市機能を守るために、より一層河川事業を推進することが重要と考えますが、見解を伺います。
 次に、水道水源林について伺います。
 我が党は、首都東京の貴重な水を育む多摩川上流域の水道水源林を適正に保全する重要性をこれまでも繰り返し主張してきました。この水源林は、記録によりますと、約百年前、乱伐により荒廃した山々を東京府が譲り受け、長年にわたり維持管理してきたからこそ、現在では緑豊かな森林に再生しております。
 しかし、近年、民有林の一部で荒廃が進むなど問題が発生していますが、水道局は、多摩川水源森林隊の活動や、そうした民有林の購入に取り組んでおり、森林は一度荒廃してしまうと再生に長い年月を要するため、この保全には地道な努力の積み重ねが必要です。
 そこで、将来を見据えて、今後どのように水道水源林の管理に取り組んでいくのか伺います。
 次に、文化振興について伺います。
 まず、リーディングプロジェクトについて伺います。
 本年三月に、都は、今後十年間の芸術文化振興基本指針となる東京文化ビジョンを策定しました。東京の文化が持つ独自性や多様性を踏まえて策定されたビジョンは、東京の芸術文化振興にとって大きな推進力となるものですが、東京の文化都市としての地位をより確実なものにし、発展させていくためには、世界から注目されるような大規模プロジェクトの展開や、東京の独自性の源泉ともいえる伝統文化の発信強化など、今後ますます必要となってまいります。
 二〇一六年リオ五輪終了後から二〇二〇年にかけて実施される文化プログラムにおいては、こうした事業を集中的に展開していくことで、ビジョンで掲げた世界一の文化都市東京の実現に結びついていくと考えます。
 都は、この文化プログラムの開始に先駆けて、今年度からリオ五輪が終了するまでの間、リーディングプロジェクトを実施することとしていますが、このプロジェクトを世界から注目を集めるものとし、史上最高の文化プログラムにつなげていく必要があります。知事の所見をお伺いいたします。
 また、そのためにも、世界中の人々が注目するリオ五輪の機会を捉え、現地において東京の持つ文化の多様性や独自性を効果的にアピールしていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 さらに、国内においてもさまざまな機会を効果的に活用し、外国人旅行者などの関心が高い伝統文化の魅力を発信、浸透させていくことが重要であり、スピード感を持って事業を展開していくべきです。
 都は、我が党の要望を受け、外国人向けの体験プログラムを開始したと聞いておりますが、参加した外国人の反応など、結果をどのように捉えているのか、また、今後さらに多くの外国人に参加してもらえるよう、どのように内容の充実を図っていくのか伺います。
 次に、防災対策について伺います。
 まず、木密地域のさらなる改善に向けた取り組みについて伺います。
 知事は、所信表明において、防災都市づくり推進計画について、今年度末をめどに改定することを明らかにしました。
 我が党は、災害に強い安全な東京を実現するため、木密地域の改善に向けた提言を行ってきました。その結果、地域のまちづくりの専門家の派遣制度や、建てかえの際の設計費助成等の見直しが図られてきました。
 現在、特定整備路線について、平成三十二年度の事業完了に向けた整備が進められるなど、延焼遮断帯の形成が着実に行われていますが、その内側のエリアでは、古い木造建物の建てかえがなかなか進まない状況が散見されます。推進計画の改定を機に、木密地域の改善を加速させていく必要があると考えますが、所見を伺います。
 次に、緊急輸送道路の沿道建築物の耐震化について伺います。
 都においては、耐震化推進条例に基づき、建物所有者へ耐震化を働きかけるなどの取り組みを進めてきました。その結果、条例の施行から三年たった現在、耐震診断が義務化されている約五千棟のうち、九割が診断に着手されたと聞いております。
 一方で、改修等の着手を含め、耐震性を有しているものは三割にとどまっているとも伺っております。今後は、診断の成果を速やかに改修や建てかえへとつなげていく必要があります。
 本年二月から開始した未診断の建築物の公表は、多くの都民の関心を集め、ひいては所有者に対しても取り組みを促す効果があるものだと期待しております。このような取り組みを積み重ねていくことで、耐震化に向けた機運を社会全体で高め、一日も早く緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を実現させていくことが必要であると考えますが、都の見解を伺います。
 次に、浸水対策について伺います。
 まず、大規模地下街における浸水対策について伺います。
 東京では、地下空間の活用が高度に進んでいることから、豪雨時の浸水対策は重要です。都においてもこれまで、大規模地下街の管理者に対し浸水対策計画の策定を促し、各地下街の計画が策定されています。
 しかし、ターミナル駅周辺の地下街には、地下鉄、商業ビル等が複雑につながっており、一度浸水が発生すると、被害が広範囲に及ぶ可能性があります。このため、浸水対策においては、地下街管理者だけではなく、それぞれの施設管理者が連携した取り組みが不可欠です。
 そこで、大規模地下街の浸水対策の強化、充実に向けて、今後どのような取り組みを進めるのか伺います。
 次に、下水道の浸水対策について伺います。
 近年、時間五十ミリを超える豪雨が増加し、時間百ミリを超える豪雨もしばしば発生しております。また、昨年度も、区部でも約五百件もの浸水被害が発生しております。
 下水道局の浸水対策は、経営計画二〇一三や豪雨対策下水道緊急プランにより、従来の時間五十ミリ対策に加え、大規模地下街や甚大な浸水被害を受けた市街地を対象に、時間七十五ミリ対策へとレベルアップしていると承知しております。着実に進めてもらいたいと思います。
 一方、浸水対策施設は、大深度、大規模であるなどの理由から、整備には多大な時間や費用を要すると聞いております。時間七十五ミリ対策となれば、施設の規模もさらに大きくなると思われ、なおさらのことだと思います。
 そこで、下水道における浸水対策について、効果的に事業を進めるとともに、効果を早期に発現させる取り組みが必要であると考えますが、見解を求めます。
 次に、水道管の耐震継ぎ手化について伺います。
 さきの東日本大震災では、水道管の継ぎ手の抜け出しによる断水被害が多く発生し、復旧に長時間を要するなど、被害地の住民生活に多大な影響を生じました。
 水道局では、我が党の主張を踏まえ、管路の耐震継ぎ手化を強力に進めておりますが、水道管は地球の三分の二周にも及ぶ膨大な長さで、一朝一夕にはできません。首都直下の地震の切迫性が高まる中、減災の観点から、重要施設や被害の大きいと想定される地域を優先するなど、効果的な管路の交換をこれまで以上に進めるべきと考えます。
 そこで、今後どのように耐震継ぎ手化を進めていくのか伺います。
 次に、島しょ地域の取り組みについて伺います。
 まず、大島の復興に向けた都の取り組みについて伺います。
 大島では、現在でもなお、応急仮設住宅において不自由な生活を余儀なくされている被災者がおり、これまで以上に復興に向けた取り組みを加速していかなければなりません。加えて、本格的な梅雨に入り、改めて災害への備えを強固にしていく必要があります。
 そこでまず、復興に向けた取り組みが本格化してきたこの時期に、改めて大島の復興に向けた都の今後の取り組みについて伺います。
 また、島民の安全を確保するためには、砂防施設の整備や土砂災害警戒区域等の指定を早期に進めることが重要と考えます。また、道路の復旧も急がれておりますが、現在の土砂災害への取り組み状況について、都による町道復旧支援とあわせてお伺いいたします。
 次に、津波対策について伺います。
 伊豆・小笠原諸島は、東京から約百キロから千キロ離れた孤島であることから、自衛隊の派遣等、災害時の救急活動を行うにも時間を要することが考えられ、今のうちから人的被害等を最小限にとどめる方策を講じていくことが必要です。
 島しょでは、南海トラフなどによる地震が発生した場合、巨大な津波が短時間で襲来するとされております。この津波から人命を守る大切な施設の一つが避難タワーであり、我が党は、津波対策として避難タワーの整備を政策提言しております。昨年の予算特別委員会の答弁では、大島や新島などの四島九港に避難タワーを整備していくとのことでありました。
 現在、大島の岡田港においては、避難タワーの事業を進めていると聞いておりますが、早急に他の八港においても整備を進めるべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、安全・安心まちづくり条例の改正について伺います。
 日本が世界に誇る治安のよさは、他人を思いやる国民性に加え、銃器と薬物を厳格に規制してきた影響が大きいといわれております。
 ところが今、東京では、特殊詐欺など弱者を狙った卑劣な犯罪が後を絶たず、また、危険ドラッグの蔓延に都民の不安が広がるなど、これまで築いてきた治安の根幹が揺らいでおります。
 東京五輪の開催が五年後に迫った今こそ、断固たる対応をとらなければ、東京の魅力は失われ、世界の信頼を裏切ることにもなりかねません。
 こうした中、提案された条例の改正案は、東京の治安を脅かす喫緊の課題への対策に加え、中長期的な視点に立った地域の力の強化など、都民とともに歩んでいく安全・安心への確かな道筋を示したものであります。
 世界で一番の都市の実現に向け、取り組みを大きく進める起爆剤となると期待しておりますが、条例改正案に込めた知事の決意をお伺いいたします。
 知事とともに都政を支える我が党は、特殊詐欺対策として、都が行う自動通話録音機の高齢者世帯への設置事業を主導するとともに、先般は、危険ドラッグや特殊詐欺の根絶に向け、都内不動産業者と都及び警視庁による協定締結に協力してきました。
 都は、条例改正に力を得て、社会情勢に対応した実効性のある施策を、手を緩めることなく打ち出すべきと考えますが、今後の具体的な施策展開を伺います。
 次に、東京の治安対策について伺います。
 東京五輪は、東京が世界一安全な都市であることを全世界にアピールする絶好の機会であります。東京を訪れる全ての方々に、治安のよさを肌で感じ安心していただけるよう、同競技大会の開催を見据え、長期的な視野に立った各種治安対策を力強く推進していくことが、大会成功の重要な要因であることは論をまちません。
 東京の治安水準の高さは、世界でも比類のないものであり、都内における刑法犯認知件数も年々減少しております。警視庁が全庁一丸となって治安対策に取り組んできた成果のあらわれにほかなりません。
 しかし一方で、ストーカーやDV事案などの人身安全関連事案の相談件数は、年々増加傾向にあると伺っております。また、児童、高齢者、障害者に対する虐待事案の発生も大きな問題となっております。世界一安全な都市東京を実現するためにも、迅速適切な対応が一層強く望まれております。
 そこで、ストーカーやDVの相談件数及び検挙件数は、平成二十六年は前年と比較してどのぐらい増加しているのか、その現状をお示しいただくとともに、どのように取り組んでいくのか、警視総監の所見をお伺いいたします。
 次に、環境エネルギー政策について伺います。
 本年末のCOP21に向け、温室効果ガス排出削減に向けた国際交渉が始まっており、日本政府も先週のG7で、新たな削減目標を表明いたしました。
 気候変動対策は、人類の持続的な発展に不可欠であり、また、石油や金属等の資源消費量は、二〇五〇年には倍増するとの推計もある中、エネルギーや資源の大消費地である大都市の取り組みが、地球の将来を左右するといっても過言ではありません。
 こうした状況において、都には、エネルギーなど利用効率を最大限に高め、経済成長を維持しながら、都民や事業者に良好な都市環境を提供していくことが求められております。
 都は、三月の予算特別委員会において、新たな環境基本計画を策定する旨を示しましたが、温暖化対策を初めとする環境政策の今後の展開について、知事の見解をお伺いいたします。
 次に、水素社会の実現に向けた取り組みですが、その中でも中心的な取り組みは、燃料電池自動車の導入と普及であり、燃料電池バスについても、環境やエネルギー面において、また、次世代の新たな輸送手段として、大きく期待されているところであります。
 都においては、二〇二〇年までに燃料電池バスを計画的に百台導入する目標を掲げていますが、東京五輪における輸送手段として活用することで、世界にその存在を強くアピールする好機とし、水素社会の実現に弾みをつけるべきだと考えます。
 現在、メーカーが市販化に向けた開発を進めているとのことですが、交通局も都営バスを運行しているノウハウを提供するなど、大いに協力していくべきです。今後、燃料電池バスの導入と普及に向け、どのように取り組むのか伺います。
 次に、自然公園のルールづくりについて伺います。
 高尾山など多摩地域の緑豊かな自然公園は、東京の魅力の一つであり、東京五輪を契機に、国内外から一層の来訪者が見込まれ、多摩地域の振興も期待されております。
 また、自然公園の楽しみ方が多様化し、例えばトレイルランニング大会は年に十五回以上開催され、二千人規模のものがあると聞いております。
 一方、これに伴い、自然環境への過大な負荷や接触事故などの懸念が生じたため、我が党は都独自の自然公園のルールづくりを主張し、本年三月に、都は、マウンテンバイクの乗り入れ制限やトレラン大会前後の植物への影響調査等を定めた利用ルールを策定しました。
 今後は、民間事業者との連携等さまざまな機会を捉え、このルールの浸透を図るべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、保健、医療、福祉施策について伺います。
 まず、高齢者施策について伺います。
 我が国では、世界でも類を見ないスピードで高齢化が進んでおり、二〇五〇年には、一人の若者が一人の高齢者を支える肩車型社会が訪れると予想されております。この未曽有の超高齢社会に向けた備えは喫緊の課題ですが、一方で、過剰に不安をあおることは避けなければなりません。
 日本の高度成長期をリードしてきた団塊の世代を初め、都内の高齢者の八割は介護を必要とせず元気です。こうした方々が、みずからの豊かな知識や経験、技術を生かして、職場から地域へと活動の場を移して活躍することは、東京の高齢者像を、支えられる存在から地域を支える存在へと一新するものになると考えます。
 これから迎える超高齢社会を明るく活力に満ちたものとするために、豊富なマンパワーと地域資源を有する東京の強みを生かしながら、高齢者社会をより一層支援すべきだと考えますが、所見を伺います。
 次に、子育て支援について伺います。
 この四月から、国では、子ども・子育て支援新制度が本格的にスタートいたしました。都もこれに合わせて、本年三月末に、新たな子供、子育てに関する計画である東京都子供・子育て支援総合計画を策定しました。この計画の目標の一つである、地域における妊娠、出産、育児の切れ目のない支援の仕組みづくりは、かねてより我が党が主張していた対策であり、今回、この点がしっかりと盛り込まれたことを高く評価するものであります。
 しかしながら、今のところ、都内の子育て家庭の多くは、新たな制度の効果を実感するには至っていないと考えています。こうした計画は、実態を伴って初めて意味があるものとなり得ます。
 都は、今後どのように子育て支援に取り組んでいくのか伺います。
 次に、障害者施策について伺います。
 我が党はこれまで、障害者が地域で安心して暮らせる幸福実感社会の実現を目指し、グループホームなど地域生活基盤の整備や障害者の就労支援の充実を求め、都もそれに応えてきました。
 その結果、障害者の地域移行や一般就労は着実に進んでいると評価していますが、長期ビジョンに掲げた福祉先進都市東京の実現に向け、障害者施策のより一層の充実が求められております。
 都は、本年四月に東京都障害者計画、第四期東京都障害福祉計画を策定し、公表いたしました。
 そこで、この計画に基づき、今後どのように障害者施策に取り組んでいくのか、見解を伺います。
 次に、感染症対策について伺います。
 昨年は、約七十年ぶりにデング熱の国内感染患者が発生し、都内でも百名を超える患者が出て、大きな話題となりました。都は、デング熱の国内感染事例を検証し、今後の対策に反映させるため、いち早く東京都蚊媒介感染症対策会議を設置し、昨年十二月に報告書を取りまとめました。国においても、本年四月、蚊が媒介する感染症に関する予防指針を定めています。本格的な蚊の発生シーズンを控え、適切な対応がとられるものと期待しております。
 しかしながら、これから夏休みに入り、海外渡航者が増加すると、海外からウイルスが持ち込まれる可能性が高くなることが予想されます。現在、韓国ではMERSによる感染が拡大し、市民の間に不安が広がっている事態が生じております。
 東京五輪の際には、海外から多くの選手や観光客が訪れることになります。こうした方々が安心して東京を訪問し、心のこもったおもてなしを実感していただく上でも、感染症対策は非常に重要です。
 都は、デング熱を初めとする感染症について、今後どのように対策を講じていくのか、知事の所見をお伺いいたします。
 次に、多摩の地域振興について伺います。
 都市における生活は、それを支えるインフラの充実により飛躍的に進歩してきました。多摩地域においても、江戸期に整備された街道や治水を支える堤防など、歴史とともにインフラが蓄積され、現在のまち並みと人々の生活が形成されております。多摩のインフラ整備に当たっては、こうした地域の特色を踏まえ、その強みを発揮できるまちづくりへとつながなければなりません。
 我が党の政策に明示しているように、防災や地域振興において、道路、河川、公園などのインフラが担う役割は極めて重要です。
 そこで、多摩地域において、これらのインフラ整備をどのように進めていくのか、所見を伺います。
 次に、下水道事業について伺います。
 多摩地域の下水道は、そのほとんどの地域で、都の実施する流域下水道による広域的な処理を行っていますが、古くから下水道が整備された八王子市や立川市などでは、処理場も含めて市が単独で下水道事業を実施しています。これらの処理場は老朽化が顕著となっているものの、敷地が狭く、施設の更新や耐震化への対応が困難な状況となっております。
 この課題を解決し、多摩地域の水環境のさらなる向上や事業の効率化を図るためには、単独処理区の流域下水道への早期編入が望まれております。
 下水道局ではこれまで、関係市と連携し、編入に向けた取り組みを着実に進めてきたと聞いておりますが、そこで、編入に向けた現状と今後の取り組みについて伺います。
 次に、教育施策について伺います。
 いよいよリオ五輪が一年後となり、それぞれの学校がオリンピック・パラリンピック教育に本格的に取り組む時期に来ております。東京五輪に向けて開催都市東京の子供たちがたくましく健やかに成長するとともに、日本の伝統文化を他国の人に紹介したり、障害のある人や障害者スポーツについて、さらに深く理解できるようになってほしいと思っております。
 五年後に迫った東京五輪が子供たちにとって有意義で価値あるものとなるよう、オリンピック・パラリンピック教育をより一層加速すべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、産業、中小企業振興について伺います。
 まず、都民の貴重な財産である東京の森を守り育てる林業の振興について伺います。
 ことしは戦後七十年の節目の年ですが、歴史を振り返れば、先人たちによって守られてきた森林が資材確保のための緊急伐採などにより荒廃し、戦後の我が国に残されたものは、すっかり緑を失った森林でありました。
 このような惨状から再び木を植え、育ててきたのも、また先人たちであります。昭和二十三年には、都内青梅の地で天皇皇后両陛下がヒノキをお手植えされました。これが現在も引き続き、都内でも平成八年に行われました全国植樹祭の始まりであります。
 こうして再生された森林が今まさに伐採、更新の時期を迎えております。今度は私たちが次の世代に健全な森林を残していく番であります。こうした思いから、我が党は伐採、利用、植栽、保育といった森林循環全体を促進する取り組みを進めるべきことを主張し、都は本年度、新たな事業を開始いたしました。
 さらにいえば、先日、我が党でも多摩の森林を視察し、伐採の現場を見ましたが、常々申し上げているように、木材搬出や森林整備のコスト削減のためには、イの一番で林道、作業道の整備促進が重要であり、不可欠であります。先人たちの努力に報い、豊かな東京の森林を次代に受け継いでいく総合的な取り組みを強力に推し進めるべきです。
 あわせて、東京での全国植樹祭の開催から約二十年を経たこの時期を捉え、企業や都民一人一人が森を守り、育てる活動に参画する機運の醸成を図るため、全国育樹祭の東京開催を招致すべきだと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。
 東京が日本の産業をリードし、激化する国際競争を勝ち抜いていくためには、中小企業が成長著しいASEAN地域等の需要を取り込み、新たな取引につなげていく必要があります。
 こうした都内中小企業の海外展開を現地で支援するため、販路開拓先として有望であり、周辺国との経済交流が盛んなタイに、都立産業技術研究センターがバンコク支所を四月に開設いたしました。中小企業振興公社もタイ拠点の開設準備を進めており、先月、タイ工業省との間で業務連携・協力に関する覚書が締結されております。
 都内中小企業の実情に通じたこの二つの機関が現地でも緊密な連携を図るのはもちろんのこと、ジェトロなどの他の支援機関とも幅広い協力関係を築くことで、技術、経営両面から効果的なサポートを推し進めていただきたいと思います。
 また、都内中小企業が長期にわたって海外で取引を拡大できるよう、現地企業との活発な交流を促進するなど、お互いの発展を目指す広い視野での支援に取り組むことが有益だと考えます。
 こうした相互交流の視点を含め、都は、タイの拠点を活用して中小企業の海外展開をどのように支援していくのか、見解を伺います。
 次に、都市農業の振興について伺います。
 東京の地域経済と暮らしを支える重要な産業である都市農業の振興に向け、都は、我が党の主張を踏まえ、区市町による農地保全への支援等、さまざまな取り組みを展開しております。本年三月に提案した、農地の流動化に向けた制度改正などを内容とする都市農業特区についても、多くの農業者から、ぜひ進めてほしいとの期待の声が寄せられております。
 我が党が主導した、都市農業振興基本法が四月に成立し、都市農業の意義が明確に位置づけられたことは大きな一歩ですが、特区実現までには国による区域指定、関係府省における税制や法改正の検討等、まだまだ高いハードルがあり、この夏から秋が正念場です。
 都は関係者と連携した省庁への精力的な働きかけなど、特区実現に向けた取り組みを強力に進めるべきですが、見解を伺います。
 次に、創業支援、雇用就業対策について伺います。
 東京の産業の発展のためには、創業の強力な促進が必要であり、長期ビジョンで掲げた開業率一〇%台の達成に向けて、都内金融機関の力を十分に活用しながら、環境の整備や資金面のサポートなど、これまでにない踏み込んだ支援を推し進めるべきです。
 今年度、我が党の主張により、信用金庫、信用組合と連携した女性・若者・シニア創業サポート事業の融資原資が百億円規模へと大幅に拡充されました。参加金融機関の全ての支店に十分に原資を行き渡らせることができるようになり、都内各地で多くの創業者が生まれることを期待しております。
 そのためには、地域をよく知る金融機関の支店を通じ、意欲ある創業希望者の発掘に力を注ぐことや、業種ごとの具体的な創業事例やさまざまな支援策をわかりやすく知らせることなど、事業の活用に向けた一層の工夫が必要だと考えますが、都の見解を伺います。
 少子高齢、人口減少社会のもとで、さまざまな産業活動を支えていくためには、女性、若者、高齢者そして障害者など全ての人が、みずからの意欲や希望に応じて生き生きと働ける環境を整えていくことが重要です。
 団塊の世代が六十五歳を迎える中、年齢にかかわりなく働き続けることを希望する高齢者がますますふえております。これまでの経験を生かして、新たな職場で活躍できるよう、求人の開拓やマッチング支援の充実が求められております。
 また、都内各地のシルバー人材センターでは、比較的短時間での就労を通じて地域社会に貢献されている高齢者の方がたくさんおられます。こうした方々の一層の活躍に向けた職域の拡大も有効だと思います。
 高齢者が、フルタイムでの就業や身近な地域で短時間働く生きがい就労など、多様な働き方を選択できるよう支援していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 障害者雇用について、都内企業の雇用率は一・七七%と過去最高を更新しましたが、目標の二%にはいまだ届いておりません。
 障害者を雇用する気持ちはあっても、受け入れに当たっての具体的なノウハウが乏しく、踏み出せない中小企業もあるでしょう。また、さまざまな障害を持つ方の就業機会の確保に向けた支援の拡充も必要です。
 昨年の第二回定例会の代表質問で我が党は、障害者の就労施策にかかわる各局が連携し、持てる力を出し合って取り組むことを求めました。一人でも多くの障害者の就労に向けて、企業への情報提供や切れ目のない支援など、各局、そして国と連携した取り組みを進めていくべきですが、都の見解を伺います。
 これからも我が都議会自由民主党は、公約で掲げた東京を世界で一番の都市にするため、総力を挙げて頑張ってまいりたいと思います。
 以上、ご清聴に感謝申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 林田武議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、東京オリンピック・パラリンピック開催都市の知事としての決意についてでございますが、私は昨年二月に知事に就任して以来、最大の仕事の一つとして、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会の準備に邁進してまいりました。
 さらに、都議会の皆様とともに東京を世界一の都市とするための諸施策に全力を傾注してまいってきました。二〇二〇年は、あくまで通過点でありまして、その後の都市のさらなる発展を目指してまいります。
 来年のリオ大会の閉会式におきまして、私は次期開催都市の長として、オリンピック旗の引き渡しを受けますが、同時に東京のすばらしさを、そして魅力を世界に発信してまいります。
 続きまして、国と都の適切な役割分担でございますが、オリンピック・パラリンピックはスポーツの祭典であると同時に、その開催都市、開催国の社会、経済、文化など、あらゆる面の実力が試され、評価される場でもございます。オリンピック・パラリンピックは、東京都が開催都市でありますが、この国家的大事業は、当然国との協力関係があって初めてなし得るものであります。
 都は、恒久施設を整備し、組織委員会と協力して大会を成功させ、レガシーとして残していく役割と責任があります。国は、治安や入国管理など、国の権限に属する事項について、大会開催を支援するとともに、メーンスタジアムである新国立競技場を期限までに完成させる役割と責任がございます。
 こうした認識のもと、お互いがばらばらに動くのではなく、一致協力していくことが重要であると認識しております。
 真の協力関係を築くためには、まず率直な意見交換が何よりも大切でございます。真摯な議論の積み重ねによりまして、お互いの信頼関係を強固なものとし、最終的に大会を成功へと導くことができると考えております。
 続きまして、新国立競技場の整備についてでございますが、今般、文部科学大臣から新国立競技場の整備費用について負担の要請がございました。その際、不明でありました工期や総工事費、都民が納得する都負担の根拠など、全体像を明らかにするように求めました。これは都に負担を求める以上、国は説明責任をしっかりと果たすため、まず前提となる情報を提供する必要があると考えたからでございます。
 最も重要なことは、オールジャパンで予定の期限までに新国立競技場を完成させ、二〇二〇年大会を成功に導くことでございます。
 都としては、早期の課題解決を図るため、国からの情報を踏まえ、迅速な検討を行ってまいります。都議会のご審議をいただきながら、開催都市としての責任を果たすため、できる限りの協力をしていく所存でございます。
 国との関係構築についてでありますが、大会準備における諸課題につきましては、オールジャパンで英知を結集し、果断に解決していくことが重要でございます。これが課題解決に取り組む私の姿勢でございます。
 大会開催まで、あと五年余りとなりまして、会場整備のみならず、安全・安心を初めさまざまな取り組みを加速化していかなければなりません。大会の成功に向けて、国との信頼関係をさらに強化し、密接な連携を図りつつ、都議会のご協力も仰ぎながら、開催都市の長としての責任を果たしてまいります。
 続きまして、新銀行東京の経営統合についてでございますが、都における最も重要な施策の一つであります中小企業支援は、東京の経済の活性化のために、これからも強力に進めていく必要がございます。
 その推進に当たりましては、中小企業の顔が見えるネットワークを有する金融機関の力を活用することが不可欠であります。
 中小企業支援を設立理念に掲げました新銀行東京は、これまで寺井前社長のもとで経営努力を重ね、ご指摘のように六期連続して安定的に黒字を計上するなど経営再建にめどをつけてまいりました。中小企業向けの融資も増加させるなど、積極的な支援を展開しております。
 このたび経営統合に向けた基本合意が締結され、協議、検討が開始されたところでありますが、双方の強みを生かしつつ、この新銀行東京の設立理念が継承されていくことは、中小企業の振興にさらに寄与するものとなることを確信しております。
 また、都議会の付帯決議は大変重いものと認識しておりまして、追加出資した四百億円を確保することは、今回の経営統合の前提であると考えております。
 次に、東京のグランドデザインについてですが、昨年末、今後十年間の都政の工程表となります東京都長期ビジョンを策定しましたが、国家百年の大計というとおり、都市においても長期展望のもと、あるべき未来の姿を描くことが必要であります。
 第一回定例会での議論も踏まえまして、二〇四〇年代を目標とする都市づくりのグランドデザインの検討に着手しましたが、成熟社会の中で、質の高いゆとりある生活を実現していくためには、都市像に加えて、生活像にも着目した幅広い検討が不可欠でございます。
 そこで、まず二〇四〇年代の社会活動の基盤となる都市像を都市づくりのグランドデザインとしてしっかりと示した上で、夢と希望に満ちた東京全体の姿を東京のグランドデザインとして描いてまいります。
 今月中にも検討委員会を立ち上げまして、若手有識者や専門家を交え、まちづくり、医療福祉、芸術文化、ビジネス、働き方、科学技術といった広範な分野において自由闊達な議論を行い、斬新なアイデアを生み出してまいりたいと思っております。
 子や孫の世代においても、東京で暮らして本当によかったと、そう実感できる都市の姿を多くの英知を集めて描き、東京と日本の輝かしい未来を切り開いてまいりたいと思っております。
 次に、国の財政健全化をめぐる議論についてでございますが、かつて国は、財政構造改革の取り組みの中で、地方の歳出についても、国に歩調を合わせて見直しを行うべきとし、三位一体の改革のもと、地方交付税を大幅に削減したことで、地方財政の困窮を招きました。
 その結果、東京ひとり勝ち論が生まれ、地方の財源不足という問題は、都市対地方の税源配分という問題に矮小化され、不合理な偏在是正措置の導入へとつながったことは、我々はしっかりと記憶しておかなければなりません。
 現在の状況は、当時と大変酷似しておりまして、実際に今後、東京などの大都市に税源が集中することを前提にして、偏在是正を早急に行うべきとの意見もあるなど、再び地方間での財源の奪い合いにつながりかねない状況となっております。
 東京は、日本を牽引する機関車でありまして、東京の活力を奪えば、日本全体が衰退し、国が目標とする高い経済成長は到底達成できません。ひいては、都市と地方がともに栄える真の地方創生はなし得ないことは自明の理であります。
 今、目指すべきものは、総体としての地方税財源の充実強化でありまして、今後とも、都は不合理な偏在是正措置の撤廃、新たな措置の導入阻止に向けまして、都議会の皆様と手を携え、国に対して訴えてまいります。
 続きまして、二〇二〇年大会に向けた取り組みについてですけれども、これまでIOCや競技団体との協議を重ねまして、会場計画全体の見直しにめどをつけることができました。いよいよハード、ソフトの両面で、大会に向けた準備を本格化させてまいります。
 二〇一六年のリオ大会終了後には、次の東京大会への関心が一気に高まり、世界の目が東京に集まります。この好機を捉え、二〇二〇年に向けた取り組みをさらに加速化させていくことが、大会の成否とその後の東京の姿を決することになります。
 大会成功への鍵は、開催準備や機運の醸成、ボランティアなどを通して多くの人が大会にかかわり、自分たちの大会だと感じてもらうことであります。リオ大会を来年に控えまして、現在、私が直轄するレガシー委員会で、大会後のレガシーとその実現に向けた都の取り組みについて精力的に検討を進めております。
 都議会の皆様との議論も踏まえました上で、ことしじゅうに二〇二〇年に向けた取り組みを都民に明らかにし、都民と力を合わせ、大会を成功に導き、確かなレガシーを残してまいりたいと思っております。こうした都の取り組みを、組織委員会が来年公表しますオールジャパンのレガシー計画にも反映させ、東京から日本全体に大会のレガシーを波及させてまいります。
 次に、大会を契機としたハードのバリアフリー化推進についてでありますが、パラリンピックは、大会全体の成否を握る鍵でありまして、東京を全ての人々にとって、魅力的な都市としてさらに進化させる絶好のチャンスであります。
 都はこれまでも、バリアフリー化に取り組んでまいりましたが、二〇二〇年に向けて、世界中から東京を訪れる方々が、ストレスなく心から楽しめるよう、バリアフリー化を一層進めていかなければなりません。
 そのため、都は、国や組織委員会とともに、大会会場やそこに至る経路のバリアフリー化の推進に向けて、基準の策定を進めております。この四月には、エレベーターや出入り口のドア幅などの項目について先行的な取りまとめを行いました。今後、この基準を都の整備する各会場に適用することはもとより、公共交通事業者や地元自治体等関係者にも広く周知し、一丸となって大会に向けた環境を整備してまいります。
 バリアフリーの取り組みを二〇二〇年大会のレガシーとして、東京全体に浸透させ、誰もが安心して過ごすことができる都市東京の実現に向けて、全力を挙げて取り組んでまいります。
 次に、二〇二〇年大会に向けたセキュリティー対策でありますが、都はこれまでも治安対策や防災対策に積極的に取り組み、世界に誇れる安全・安心な都市の実現を目指してまいりました。大会開催期間中は、世界各国の選手、要人、大会関係者はもとより、国内外から多くの来訪者が東京に集中いたします。
 それゆえ、大会開催に伴うセキュリティーは、組織委員会が主として受け持つ競技会場等の警備にとどまりません。都は、開催都市の責任として、都内全域におきまして、東京を訪れる全ての人の安全・安心を確保しなければなりません。
 このため、本年七月にレガシー委員会の中に安全・安心部会を設置し、治安対策、サイバーセキュリティー、災害対策、感染症対策の視点から、大会開催に当たり想定されますさまざまなリスクを洗い出してまいります。さらに、具体的な対応に当たりましては、組織委員会や、入国管理など国レベルの安全・安心を担う政府とともに取り組むことが不可欠でありまして、連帯を強化しながら検討を進めてまいります。
 今後は、検討の進捗に合わせて体制も一層強化し、自然災害、テロなどの事態を想定した実地訓練を重ね、有事の際の対処要領を策定するなど、万全の対策をとってまいります。
 次に、情報発信機能の強化についてでありますが、インターネットや映像を通じて膨大な情報が世界中を駆けめぐる現代社会において、情報発信をさらに強化していくことは、ご指摘のとおり極めて重要なことであります。私は就任以来、みずから先頭に立ち、海外に向けて東京のアピールに邁進してまいりました。
 しかし、二〇二〇年まで残すところあと五年というタイミングに来た今だからこそ、単に情報を発信することに満足するのではなく、次の高みに進まなければなりません。これまで以上に、相手に着実に届き理解される広報を意識し、オール東京の魅力を、統一感を持って伝えてまいります。
 このため、今般、庁内を俯瞰的に捉え、連携を推進する組織として、海外広報と戦略広報を所管する部署を政策企画局の中に配置いたしました。今後、この組織を軸とした庁内の連携のもと、海外への影響力を持つメディアとの関係構築を深め、民間のノウハウも生かしながら、都庁全体が一丸となって国際都市東京の存在感を高めてまいります。
 続きまして、神宮外苑地区のまちづくりについてでありますが、将来にわたる東京の持続的発展を実現するためには、五年後のオリンピック・パラリンピック大会に向かって、またさらにその先を見越して、まちづくりを積極的に進めていく必要があります。
 神宮外苑地区につきましては、大会終了後、直ちに抜本的な再整備に着手できますよう、明治神宮など関係六者と具体的な協議をスタートさせることにしました。この地区は、大正期から陸上競技場や相撲場などが整備され、我が国のスポーツにとって由緒ある、都民、国民に大変親しまれている場所でもあります。
 イチョウ並木と絵画館の風格ある景観や、豊かな緑とも調和を図りながら、野球場、ラグビー場の連鎖的な建てかえを進めてまいります。また、商業・文化機能を充実させるとともに、安全で快適な歩行者空間を整備し、国内外から多くの人が訪れますスポーツのメッカとして生まれ変わらせてまいります。
 東京を世界一の都市とするため、国家百年の大計という長期的展望のもとにまちづくりを展開し、真に価値あるレガシーを次の世代に引き継いでまいりたいと思っております。
 次に、鉄道ネットワークの充実についてでございますが、東京が持続的に発展していくためには、本格的な人口減少社会を迎える中におきましても、人や物の活発な交流を促し、効率的な都市活動を支える鉄道ネットワークを形成していく必要があります。
 本年三月、今後のネットワークの考え方について中間まとめを公表し、地域や拠点間の連携強化による都市活力の維持向上や安全、快適に移動ができる都市の実現などの視点から整備効果や課題を明らかにいたしました。さらに、長期的な視点に立ちまして、各路線の採算性や費用対効果についても分析するとともに、空港アクセス等の新たな課題について検討を深めてまいりました。来月、都の考え方を取りまとめ、国の審議会答申に反映させるように働きかけてまいります。
 オリンピック・パラリンピック大会の先を見据えて、活力にあふれ、人と環境に優しい都市の実現に向けて、鉄道ネットワークの充実に取り組み、東京を世界一の都市へと発展させてまいります。
 次に、リーディングプロジェクトの推進についてでございますが、三月に発表した東京文化ビジョンでは、外国人や子供向けの伝統文化体験を初め、多様な分野の芸術家が参加する東京キャラバン、健常者と障害者が芸術文化を創造する障害者アートプログラムを、リーディングプロジェクトとして掲げました。
 これらのプロジェクトは、リオ大会に向けて、この秋から本格的に展開するものでありまして、文化プログラムの先導的役割を果たす起爆剤として、内外の多くの人々の興味を強く喚起できるよう、多彩かつ魅力的な内容としていくことが重要であります。そのため、子供や高齢者、外国人や障害者など、内外からあらゆる人々の参加を可能とし、世界的に評価が高いアーティストと力を合わせて、国際社会からも注目される内容につくり上げてまいります。
 私自身も、今月初めに、東京キャラバン等を企画監修します野田秀樹氏らと意見交換を行いました。そこでは、東京キャラバンがさまざまな文化が出会い融合して、新しい文化を生み出す場となることや、今年度から二〇一六年リオ大会、さらには二〇二〇年東京大会に向けて、日本の伝統文化をどのように紹介していくか、活発に議論いたしました。
 このリーディングプロジェクトを弾みに、二〇一六年のリオ大会以降、国内外でのさまざまな事業を通じて、東京の文化的ポテンシャルを高め、これまでに類のない、史上最高の文化プログラムの実現に向けて全力で取り組んでまいります。
 続きまして、安全・安心まちづくり条例の改正案についてでありますが、安全・安心の確保は、世界一の都市を目指す上で不可欠な礎でございます。そのためには、次々とあらわれる危機に迅速に対処していくことが必要でありまして、とりわけ現在の喫緊の課題が危険ドラッグと特殊詐欺でございます。これを根絶すべく、関係機関とともに撲滅作戦を展開しているところであります。
 今回の条例改正には、これらの犯罪グループに都内のビルやマンションなどを貸さないことで拠点をつくらせないなど、断固として対応していく決意を盛り込んでございます。さらに、地域の力の強化を図ることで、犯罪の起きにくい社会をつくっていくことが重要であります。
 都民、事業者、区市町村などと東京都が連携し、地域の安全・安心のために、自助、共助、公助を縦横に織り込んだ揺るぎないネットワークを構築してまいります。功績のあった都民を表彰する規定も設け、取り組みを加速化させてまいります。
 オリンピック・パラリンピックを控えた今こそ、安全・安心に向けて、東京の総力を結集しなければなりません。いかなる犯罪も許さない、世界で最も治安のよい東京を、確かなレガシーとして次の世代に継承できるように全力で取り組んでまいります。
 次に、環境政策の今後の展開についてでありますが、人類の存在を脅かす気候変動や世界的な課題である資源制約などの問題に向き合い、解決への具体的な道筋をつけることは、我々世代の責任であります。
 このため、水素エネルギーの活用や再生可能エネルギーの利用拡大など、温室効果ガス削減に向けて、国はもとより、世界の大都市をリードする具体的な行動をとるとともに、十一月には、都として意欲的な削減目標を新たに打ち出してまいります。また、サプライチェーンの観点を重視し、資源ロスの削減やエコマテリアルのさらなる利用促進などに取り組んでまいります。
 こうした施策を進めながら、今年度末を目途に策定いたします新たな環境基本計画では、長期ビジョンで掲げました目標や政策展開を具体化し、エネルギー政策や資源循環対策などの環境政策を相互に関連づけて体系化してまいります。この計画を羅針盤として、経済成長と良好な環境を両立する世界一の環境先進都市東京を、オリンピック・パラリンピックのレガシーとして実現してまいります。
 次に、感染症への対策でありますが、デング熱など蚊が媒介する感染症の発生や拡大を防止するためには、蚊の発生を減らすとともに、患者を早期に把握し、都民への注意喚起を速やかに行うことが重要であります。
 このため、都は、六月を蚊の発生防止強化月間とし、ポスターやラッピングバス、トレインチャンネルなどで集中的な広報を行い、家庭や地域での取り組みを働きかけております。
 また、ウイルスを媒介する蚊を早期に探知するため、二十五カ所の公園等で蚊のウイルス保有調査を実施しておりまして、患者が発生した場合には、感染リスクの高い地点を地図情報としてホームページで情報提供することとしております。
 さらに、発生段階に応じた検査体制や医療提供体制の構築、関係機関との連携体制の整備などを盛り込んだ行動計画の策定も進めております。
 現在、韓国でのMERSの発生を受けまして、国は検疫体制を強化しており、都も医療機関、保健所に対して、改めて患者発生時の対応について周知徹底を図っております。
 今後とも、新たな感染症の発生に備え、最新の知見と情報に基づき、常に対策を検証し、国や医療機関など関係機関と連携しながら、感染症対策に万全を尽くしてまいります。
 続きまして、森林循環の促進についてでございますが、東京の豊かな森林は、林業を営む人々が長年手塩にかけて育んだものでありまして、木材生産を初め水源の涵養や災害の防止、憩いの場の提供など、多面的な機能を持つ都民共有の貴重な財産でございます。これらの森林を維持し、健全な姿で次の世代に継承していくことは、私たちの責務であります。
 このため、都では、森林整備に不可欠な林道などの基盤整備に積極的に取り組むとともに、杉林の伐採や花粉の少ない杉への更新規模を拡大いたします。また、新たに、急峻な地形に対応した低コスト林業技術の開発や、将来の担い手確保を目指しました、都民がボランティアとして森林整備に参加できる仕組みを構築してまいります。
 今後、さらに都民や企業等の森づくりへの機運を広く醸成するため、天皇皇后両陛下がお手植えされた樹木を皇族殿下がお手入れされる全国育樹祭について、平成三十年度の開催を東京に招致いたします。
 これらの取り組みを通じまして、森林循環を総合的に促進し、五十年、百年先を見据え、健全で活力ある森林を育て、次の世代に着実に引き継いでまいります。
 なお、そのほかの質問につきましては、警視総監、教育長、東京都技監及び関係局長から答弁させます。
〔警視総監高綱直良君登壇〕

○警視総監(高綱直良君) ストーカー、DV事案の現状と人身安全関連事案への警視庁の取り組みについてお答えをいたします。
 ストーカー、DV事案を初めとする人身安全関連事案につきましては、事態が急展開して重大事件に発展するおそれが大きいものであり、平成二十六年中のストーカー、DV事案の相談件数は六千三百十一件と、平成二十五年に比べ約一・五倍に増加するとともに、検挙件数については九百七十三件と、約三倍の増加になるなど、依然として厳しい情勢が続いております。
 警視庁では、事態の危険性や切迫性を的確に判断し対処するため、昨年立ち上げた人身安全関連事案総合対策本部につきまして、本年四月から、正式な組織として設置するとともに、捜査第一課長の経験もある専任の副本部長を配置いたしました。
 また、警察署における事案対応を支援するため、同本部のもとに置かれている事態対処チームに、これまでのストーカー対策室や捜査第一課等の捜査員に加え、子供や女性に対する声かけ、つきまとい事案等について、先制、予防的な活動を行う既存の対策班、通称さくらポリスを新たに組み入れるなど、対処体制の充実強化を図ったところであります。
 今後とも、東京都を初め、配偶者暴力相談支援センター、児童相談所等の関係機関との緊密な連携のもと、被害者等の安全確保を最優先とした的確な対応が講じられるよう組織的な取り組みを推進してまいります。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) オリンピック・パラリンピック教育についてお答えいたします。
 二〇二〇年東京大会が全ての児童生徒に人生の糧となるレガシーとして残るよう、オリンピズムの学習やスポーツを楽しむことに加え、国際交流や障害者理解等、多様な学びの取り組みを充実することが重要であります。
 現在、都教育委員会は、推進校を昨年度の三百校から六百校に拡大し、異文化理解、礼儀作法や伝統文化の学習等、創意工夫を凝らした取り組みを推進するとともに、学習読本や映像教材の開発を進めております。
 さらに、来年度には、これまでの成果を踏まえ、地域の外国人との文化交流やスポーツ大会でのボランティア活動等、児童生徒が主体的に参加、体験できる機会を拡大するなどして、全ての都内公立学校でオリンピック・パラリンピック教育を強力に展開してまいります。
〔東京都技監横溝良一君登壇〕

○東京都技監(横溝良一君) 三点のご質問にお答えいたします。
 初めに、都民の命と暮らしを守る河川事業についてでございますが、切迫する首都直下地震や頻発する豪雨などから都民を守るためには、低地部、台地部、山間部など東京の地域特性に応じて効果的に対策を行っていくことが必要でございます。
 このため、まず低地部では、最大級の地震に対しても防潮堤及び水門等が機能するよう、平成三十一年度までに耐震化を進めてまいります。
 また、台地部では、時間百ミリの集中豪雨も頻発しており、被害のあった流域を優先し、二十八年度までに五カ所の調節池の着工を目指すとともに、あわせて河川水位の監視映像を本年六月から公開し、区市と連携して、地域住民に情報を周知してまいります。
 山間・島しょ部では、砂防施設等の着実な整備を進める一方で、三十一年度までに土砂災害警戒区域等の指定を行い、自助、共助を支援してまいります。こうした取り組みにより、東京を災害に負けない都市としてまいります。
 次に、大島の土砂災害対策についてでございますが、島民の安心・安全を早期に確保するため、都はハード、ソフトの両面からスピード感を持って対策を進めております。
 まず、ハード対策としては、被害の大きかった大金沢の神達地区において、堆積工のかさ上げなどの応急対策に続き、平成二十六年十二月からは、山腹の緑の回復にも配慮した斜面崩壊対策や、土砂を堆積工に導く導流堤の整備を進めており、二十八年度に完了させ、安全を確保いたします。
 一方、ソフト対策として、本年六月に島内全域で土砂災害警戒区域等を指定し、年内には町と連携してハザードマップを作成し、警戒避難体制を整えてまいります。さらに、町道については、都職員派遣等の支援により、既に四カ所の復旧を終えており、残る八カ所も二十七年度の完成に向け取り組んでおります。今後とも大島町の復興を積極的に支援してまいります。
 最後に、多摩地域のインフラ整備についてでございますが、広域的な機能強化と地域の魅力向上の両面から推進していくことが重要と考えております。都は、広域的な視点から、圏央道とあわせて、多摩南北道路など幹線道路ネットワークの整備により地域内外の連携を強化し、渋滞解消や物流拠点の形成など、地域全体の利便増進を図っております。
 また、自然条件等の特性を踏まえ、五月に開通した城山トンネルなど山間部の生活を支えるダブルルートの整備、安全で水辺に親しめる川づくり、自然環境の保全を重視した公園整備などを進めております。
 さらに、市街地では、第三次交差点すいすいプランや新たな区間を加えた無電柱化事業による美しい景観の形成など、生活の質を高める取り組みを加速してまいります。多摩の多様な魅力を高めるため、今後ともインフラ整備に全力で取り組み、四百二十万多摩都民の安全で快適な生活を実現してまいります。
〔総務局長中西充君登壇〕

○総務局長(中西充君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、区市町村の総合戦略策定への支援についてでございます。
 人口減少社会を見据え、地方とともに東京が発展していくためには、都はもとより、区市町村がそれぞれの地域特性を踏まえながら、若者の雇用創出や子育て環境の充実など、早急に解決すべき課題に取り組むことが重要でございます。
 こうした取り組みを支援するため、都は本年三月、区市町村が今年度策定いたします予定の総合戦略に関する情報提供や相互の意見交換等を行う場として、区市町村と関係局から成る連絡会を設置し、来月も開催する予定でございます。
 今後、都は、この連絡会の活用等を通じまして、都市部の少子化や西多摩地域の人口減少など、区市町村が地域の課題や実情を踏まえた総合戦略を策定、実施できるよう、区市町村の主体的な取り組みを積極的に支援してまいります。
 次に、大島の復興に向けた都の今後の取り組みについてでございます。
 都は、発災以来、導流堤等の土砂災害対策の施設整備や災害廃棄物の島外処理、宿泊助成などの観光支援を行うなど、全庁を挙げて取り組んでまいりました。今年度も、町への職員派遣の継続や支庁職員の増員により支援体制を強化いたしますとともに、災害復旧・復興特別交付金を活用し、元町地区の復興まちづくり等の町の取り組みを引き続き後押ししてまいります。
 あわせて、大島の災害を踏まえ、発災直後の生活支援や町道等のインフラ復旧に臨機応変な対応を行うための経費を新たに予算措置し、大島を初め島しょ部における災害への初動体制を強化してまいります。
 今後とも、町と緊密な連携を図り、全力を挙げて大島の復興に取り組んでまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) 障害者スポーツの振興についてお答えいたします。
 障害者スポーツにおける競技団体の果たす役割は大きく、その体制整備は極めて重要でございます。しかし、都内の競技団体は組織基盤が脆弱であり、団体組織そのものがない競技も多くございます。
 そこで、都は今年度から、競技団体に対しまして競技力向上のための財政的な支援を行い、企画、運営力の向上を図るとともに、全国的な競技団体や健常者の競技団体とも連携の可能性を探っております。
 また、都内の競技団体で構成されます東京都障害者スポーツ協会に対しまして、都からの派遣職員をふやすなど執行体制を強化するとともに、普及啓発や人材育成など、都との共催事業の拡充により、この協会が各団体を支える基盤となるよう支援してまいります。
 今後、都は、日本財団の取り組みとも連携し、障害者スポーツの振興の中核を担う競技団体の体制整備に努めてまいります。
〔政策企画局長川澄俊文君登壇〕

○政策企画局長(川澄俊文君) 今後の海外諸都市との関係構築についてですが、本年秋に世界各都市の都市外交責任者を招聘した東京グローバル・パートナーズ・セミナーを初めて開催いたします。
 本セミナーは、首長間の会談や実務者同士の技術交流とは異なり、各都市の首長に近く、施策全般を俯瞰し得る立場である都市外交の統括責任者が一堂に会することにより、未来を見据えた相互の連携について、広い視野で事業に根差した意見交換を行うものでございます。
 姉妹友好都市やアジア諸都市などを対象とし、都の先進施策や参加都市の事情を披瀝し合うことで、教え教えられる施策を効果的に選び、相互理解を深めてまいります。
 今年度は十五都市を目標に参加を呼びかけ、今後の関係構築の契機としてまいります。
〔水道局長吉田永君登壇〕

○水道局長(吉田永君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、ヤンゴンで実施いたしましたパイロット事業の成果と今後の国際展開についてでありますが、ヤンゴンの事業では、対象地域における漏水などの無収水率を七七%から三二%に削減したほか、二十四時間給水を実現するなど、現地の水道事業を大きく改善いたしました。今後は、この成果や事業で得られました経験を生かし、ヤンゴンにおける広域展開を目指してまいります。
 一方、多くの途上国では、維持管理など持続的な事業運営のための技術やノウハウが不足しており、人材育成のための支援が重要でございます。そこで、このたび新たに策定いたしました東京水道国際展開プログラムに基づき、訪日研修などの人材育成や技術協力事業などを含めた総合的な取り組みを推進してまいります。
 次に、水道水源林の管理についてでありますが、水道局では、都民の貴重な水を育む水道水源林が水源涵養、水質浄化、土砂流出防止などの機能を十分に発揮できるよう、百十数年にわたり適正管理に努めてまいりました。
 その一方で、天然林の一部での下草の消失や、手入れが行き届いていない民有林の荒廃など、対応すべき課題が顕在化しており、これらに的確に対応していくには、ご指摘のように長期にわたる計画的な取り組みが必要であります。
 このため、森林の保全管理や、購入した民有林の再生などを盛り込んだ新たな十年間の管理計画を今年度中に取りまとめ、それを着実に実施することで、良好な水道水源林を育成し、次世代に継承してまいります。
 最後に、水道管路の耐震継ぎ手化についてでありますが、水道局では現在、水道管路の耐震継手化十カ年事業を推進しており、首都中枢機関、救急医療機関などの重要施設への供給ルートや、液状化による被害が大きいと想定される地域などの管路を優先して更新しております。
 さらに、重要施設に新たに位置づけた大規模救出救助活動拠点やオリンピック・パラリンピック競技施設への供給ルートについて、平成三十一年度までに耐震継ぎ手化を完了することとしました。
 本事業の推進に当たりましては、周辺住民はもとより、道路管理者や交通管理者などの理解と協力を得ていくことが重要であり、今後とも事業の必要性を丁寧に説明するとともに、優先性を考慮した管路の耐震継ぎ手化を着実に進め、断水被害の影響を効果的に軽減してまいります。
〔都市整備局長安井順一君登壇〕

○都市整備局長(安井順一君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、羽田空港の機能強化についてでございますが、オリンピック・パラリンピック東京大会やその後の航空需要に応え、国際便の就航をふやしていくためにも、羽田空港の容量拡大は必要不可欠でございます。
 国は、二〇二〇年までの新たな飛行経路の実現に向けて、来場者に随時説明し、意見交換も可能なオープンハウス型の説明会を行うとともに、来年度予算に航空保安施設の設計費を要求し、便数の増加に対応するなどの方針を先月公表いたしました。
 都は国に対しまして、騒音、落下物対策等の丁寧な説明とともに、スケジュールを勘案し、必要な施設整備や防音工事の着実な準備を求めてまいります。
 今後とも、都民の理解が深まるよう積極的に取り組み、国際的な拠点空港としての羽田空港のさらなる機能強化を図ってまいります。
 次に、木密地域の改善に向けた取り組みについてでございますが、木密地域の安全性を高めるためには、延焼遮断帯の整備とともに、これに囲われた内側の市街地の不燃化を推進する必要がございます。
 このため、不燃化特区区域等を対象とする生活道路網計画の策定を区に促し、幅員六メーター以上の道路については、地区計画等の活用による整備を働きかけてまいります。
 また、市街地の耐火性を高める新防火区域の指定等を条件に、地域特性を踏まえ、建蔽率や道路斜線制限を緩和して建てかえを促進し、道路用地の確保も図ってまいります。あわせて、敷地規模に応じた容積率の最高限度の設定等により、敷地の共同化を誘導し、住宅等のさらなる密集に歯どめをかけてまいります。
 今後、こうした施策を具体化しまして、新たな防災都市づくり推進計画に盛り込み、木密地域の改善を進めてまいります。
 次に、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化についてでございますが、耐震改修や建てかえを進めていくためには、耐震化の進捗状況を都民に目に見える形で示しながら、建物所有者の取り組みをさらに促していくことが重要でございます。
 このため、共同住宅における改修について、合意形成過程を含めて紹介する現場見学会を行うとともに、三月から、耐震性が確認できた全ての建築物に対し、申請の有無にかかわらず、耐震マークを交付しております。
 九月からは、新たに主要な交差点間の耐震化率を公表いたしまして、特定緊急輸送道路ごとに耐震化の達成状況を明らかにいたします。また、建物所有者の協力を得て、工事現場に耐震改修中であることがわかる横断幕等を掲示いたします。
 今後とも、こうした取り組みを通じて、沿道建築物の耐震化を強力に推進してまいります。
 最後に、大規模地下街における浸水対策についてでございますが、都は、昨年度改定した豪雨対策基本方針に基づき、地下歩道や店舗等が一体となった大規模な地下街九カ所において、鉄道事業者や隣接ビルなど、各管理者との連携強化に取り組んでおります。
 具体的には、今後の再開発により地下空間が大きく拡大する渋谷地区におきまして、各管理者に地元区等を加えた協議会を立ち上げ、緊急時の相互連絡体制の強化などを検討してまいりました。近くその結果を新たな浸水対策計画として公表し、各管理者が連携した避難誘導や合同訓練などを行ってまいります。
 引き続き、八重洲や新橋など残り八カ所につきましても同様の取り組みを進め、大規模地下街の利用者の安全・安心の確保に向けて浸水対策を進めてまいります。
〔生活文化局長小林清君登壇〕

○生活文化局長(小林清君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、リオ大会の機会を捉えたリーディングプロジェクトの展開についてでありますが、このプロジェクトを効果的に史上最高の文化プログラムにつなげるには、国内での展開を充実させるとともに、多くの人が集まるリオ大会の機会を捉えて、東京の多彩な文化の魅力を世界に発信していくことが重要でございます。
 そのため、都は既にアーツカウンシル東京や現地機関と連携し、現地調査を含めた準備に着手しており、リオ大会期間中、組織委員会等と連携して設置する現地のPR拠点等を活用した伝統文化の発信や、まち中での東京キャラバンの実施に向けて今後調整を行ってまいります。
 リーディングプロジェクトを東京だけではなく、リオでも展開して、文化プログラムへの大きな流れをつくり、二〇二〇年東京大会を史上最高の文化の祭典にしてまいります。
 次に、外国人向けの伝統文化体験プログラムについてでありますが、今年度から浅草文化観光センターで日本舞踊を一時間で体験できるプログラム等を開始し、五月末までに約五百人が参加いたしました。参加者へのアンケートでは、ほとんどの方が満足と回答しており、短時間でも一流の実演家が伝統文化の魅力を伝える場として有効と考えております。
 また、和楽器や茶道の体験もしたいなど、多様なニーズがあることから、今後、芸術文化団体の参画を得ながら、長唄や民俗芸能など幅広い体験プログラムを実施するとともに、能楽堂等でのより本格的な体験つき公演プログラムについても取り組んでまいります。
 今後、より多くの方々に参加してもらえるよう、旅行会社を通じた情報発信や、都内宿泊施設への多言語対応のチラシの配布なども行ってまいります。
〔下水道局長松田芳和君登壇〕

○下水道局長(松田芳和君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、下水道の浸水対策についてでございますが、浸水対策を効率的に進め、効果を早期に発現させるためには、設計と施工それぞれにおいて工夫が必要でございます。
 そこで、時間七十五ミリ対策地区の整備に当たりましては、今後、流出解析シミュレーションを設計に本格的に導入いたします。これによりまして、浸水の可能性が高い箇所を正確に把握し、既存施設能力をより効率的に補うことが可能となります。
 また、施工面では、整備中の下水道管に仮壁を設置し、先行して完成した部分で取水可能とするなど、整備効果が早期に発揮できるよう工夫してまいります。
 さらに、ソフト面でも、東京アメッシュの精度向上を図るほか、半地下室の建築確認申請時における、浸水対策の届け出制度の拡大を区に働きかけてまいります。
 今後とも、ハード、ソフトの両面から取り組み、浸水に強いまちづくりに貢献してまいります。
 次に、単独処理区の流域下水道への編入についてでございますが、編入事業は、高度処理の導入やスケールメリットにより、多摩地域全体の水環境や防災能力の向上、事業の効率化に資することから、積極的に推進すべきと認識しております。
 八王子市単独処理区の全量編入は、平成三十二年度を目途に進めており、現在、八王子水再生センターで施設の増強を行っております。また、本年七月には、市が整備する接続幹線が完成し、日量三万立方メートルを前倒しして受け入れるとともに、全量編入までの間に、市の処理場が被災した場合に備えまして、災害時協定を締結いたします。
 一方、立川市単独処理区は、平成三十四年度の編入に向け、設備の更新及び増強を進めるとともに、市の接続幹線の設計や都市計画決定等の法手続への技術支援を行ってまいります。今後とも、早期編入に向け調整を進め、多摩地域の下水道事業の発展に貢献してまいります。
〔港湾局長多羅尾光睦君登壇〕

○港湾局長(多羅尾光睦君) 島しょの津波避難施設の整備についてですが、島しょの港湾、漁港においては、その利用者が地震発生から五分後に避難を開始したと計算しても、安全な高台等へたどり着くことが難しい四島九港に津波避難施設の整備をしていくこととしております。
 既に大島岡田港において、定期船の乗降客や港で働く方々など千六百人程度が避難可能な施設の整備を進めております。引き続き、津波高が二十メートルを超え、避難対象者も多い新島港及び神津島港の整備にも着手し、今年度は基本設計や地質調査を実施いたします。
 並行して、新島の若郷漁港など他の六港についても速やかに地元町村と調整を行い、最適な位置や構造等を決定し、早急に整備を進めてまいります。
 これらの取り組みで島しょ地域の防災力の向上に努めてまいります。
〔青少年・治安対策本部長河合潔君登壇〕

○青少年・治安対策本部長(河合潔君) 安全・安心まちづくり条例改正に伴います今後の具体的な施策展開についてでございますが、まず、特殊詐欺や危険ドラッグについては、関係業界との協定による建物利用の適正化や、スマートフォンからの有害情報を排除するフィルタリングの強化など、警視庁や関係部局と連携して対処いたします。
 また、通学路等の安全対策については、警察や区市町村等の関係者が取り組むべき指針を策定し、安全な通学路の設定の仕組みなどの取り組みを強化いたします。
 次に、中長期的な視点に立った環境整備として、防犯カメラの設置補助等による町会等の活動支援に加えまして、事業者の協力を得て弱者を見守る、ながら見守り連携事業の創設や、地域の防犯活動の担い手となる人材の育成など、重層的な取り組みを展開し、地域の力を強化してまいります。
〔交通局長新田洋平君登壇〕

○交通局長(新田洋平君) 燃料電池バスの導入と普及に向けた取り組みについてでございますが、水素社会の実現に向けまして、燃料電池バスの普及促進は大きな意義を有していると認識しております。
 このため、交通局では、来月下旬にメーカーが市販化に向けた車両開発のために行う首都圏初の実証実験に協力することといたしました。冷房使用により、燃費悪化が見込まれるこの時期に、交通量が多く頻繁に車線変更が必要な都心部及び臨海地域で走行することによりまして、使用実態に近い環境で車両性能を確認するとともに、整備上の課題等を洗い出し、得られた結果をメーカー等へフィードバックしてまいります。
 今後とも、燃料電池バスの早期開発をメーカーに働きかけますとともに、二〇二〇年大会に向け、率先して導入することで普及を促進し、水素社会の実現に貢献してまいります。
〔環境局長遠藤雅彦君登壇〕

○環境局長(遠藤雅彦君) 自然公園の利用ルールについてでございますが、多摩地域の自然公園において、利用者の増加や多様化が進む中、互いに快適に過ごせ、自然環境への影響を少なくするため、都は登山やトレイルランニング等、利用形態に応じて守るべきマナー、ルールを策定いたしました。
 今後は、このルールを登山者やトレイルランニング大会の主催者、海外からの旅行者等に幅広く周知する必要があり、そのためには、都みずからはもとより、民間事業者等と連携した広報活動が有効でございます。
 具体的には、環境関連のイベントでPRを行うほか、鉄道事業者やスポーツ、旅行関連の業界誌と連携したキャンペーンの実施等、さまざまな機会を捉え普及啓発を行ってまいります。
 こうした取り組みにより、誰もが安心して快適に過ごせ、東京の自然の魅力を堪能できる利用環境を整えてまいります。
〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、高齢者の社会参加への支援についてでありますが、都はこれまで、区市町村が高齢者を生活支援サービスの担い手と位置づけ、掃除、洗濯などの家事援助や買い物支援等の充実を図る取り組みを包括補助により支援してまいりました。また、今年度からは、保育所での読み聞かせや介護施設での配膳など、高齢者が福祉施設で活躍できる仕組みづくりに取り組む区市町村を支援いたします。
 さらに今月末には、東京で展開されている企業やNPO、ボランティア団体などのさまざまな地域貢献活動の内容を紹介するウエブサイトを立ち上げますとともに、活動の運営基盤を強化するために専門人材を派遣し、ビジネススキルや専門知識等を提供する取り組みを開始いたします。この取り組みでは、新たな担い手を育成するための講座や研修も実施し、元気高齢者の社会参加を一層支援してまいります。
 次に、子育て支援への今後の取り組みについてでありますが、本年三月に策定した東京都子供・子育て支援総合計画では、地域における妊娠、出産、子育ての切れ目ない支援の仕組みづくりを初めとした五つの目標を掲げ、福祉、保健、医療、雇用、教育など、さまざまな分野から成る二百六十七の事業と具体的な目標を盛り込みました。
 現在、その実施に向け、説明会等を通じ区市町村や事業者への働きかけを積極的に行っておりまして、今年度から開始するゆりかご・とうきょう事業には既に十二の区市が実施の意向を示しております。
 今後、計画の進捗状況や事業効果を東京都子供・子育て会議で定期的に点検、評価しながら、乳幼児期における教育、保育の充実、子育てしやすい環境の整備など、都における子育て支援策を一層推進してまいります。
 最後に、今後の障害者施策についてでありますが、本年四月に策定した第四期東京都障害福祉計画では、地域における自立生活を支える仕組みづくりや、生き生きと働ける社会の実現など五つの目標を掲げ、二百四十七の事業と具体的な目標を盛り込みました。
 障害者の地域生活への移行を支援するためには、居住の場であるグループホームや日中活動の場である通所施設等を今後三年間で六千七百二十人分整備いたします。
 また、障害者の企業等への就労と職場定着を支援するとともに、福祉施設の工賃向上と受注拡大を図り、都みずからも施設製品のトライアルショップの開設や施設等からの優先調達の取り組みを進めてまいります。
 今後、各事業の成果を踏まえながら、計画の進行管理を行い、障害者施策の充実に積極的に取り組んでまいります。
〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 五点のご質問にお答えをいたします。
 まず、中小企業の海外展開への支援についてでございますが、都内中小企業が海外で継続的に事業展開を図っていくためには、現地企業との交流や連携を深め、ともに成長発展していくことが重要でございます。
 このため、産業技術研究センターのバンコク支所では、製品の品質向上に関する技術的な助言などにより、東京とタイの中小企業の連携を技術面からサポートいたします。
 また、中小企業振興公社が開設する支援拠点においても、ジェトロや現地金融機関等と連携し、都内中小企業に技術提携先や販売代理店となるタイの企業を紹介いたします。
 さらに、タイ工業省と協力し、商談会や交流会の開催など、相互の発展につながる幅広い取り組みを展開してまいります。
 こうしたタイでの取り組みを足がかりに、中小企業のASEAN地域での海外取引の拡大につなげてまいります。
 次に、都市農業特区についてでございますが、都は、都市農業の振興と農地の保全を図るため、農地の流動化や小規模農地の保全、相続税負担の軽減などを内容とする都市農業特区を提案し、市街化区域内農地を有する三十九の区や市町全てから参加表明を得たところでございます。
 特区の実現に向けて、都は農業者の農地の貸借等についての具体的な意向や、都民の都市農業に関する意識調査などを進めるとともに、本年四月に設置いたしました自治体や農業会議、JA等で構成する会議の場を活用し、円滑な制度運用の方策などについて検討を行っております。
 今後、こうした取り組み等を踏まえ、区市町や農業関係団体との連携を一層密に図りながら、政令による特区対象区域の指定及び農地制度や相続税制度の具体的な改善を国に対して強く働きかけてまいります。
 次に、創業の促進についてでございますが、昨年五月に立ち上げた女性・若者・シニア創業サポート事業では、五十件、二億円の融資を実行し、女性による地域向けの家事代行サービスや、若者が行うデザイン教室、高齢者による介護事業等、さまざまな創業が実現いたしました。
 今年度は、さらなる創業者の発掘に向け、各金融機関の融資原資の大幅な拡充や、創業アドバイザーによる支店レベルでの勉強会の開催など、積極的な営業活動を後押しいたします。
 また、多様な創業ニーズにきめ細かく応える個別相談や業種別ノウハウを学ぶセミナーも開始いたします。
 あわせて、新たに創業活性化特別支援事業を行う中小企業振興公社と連携し、相互に各種支援策を周知してまいります。
 こうした取り組みにより、幅広い層による地域に根差した創業を数多く生み出し、都内産業の成長につなげてまいります。
 次に、高齢者の就業支援についてでございますが、高齢者が経験や能力を生かして活躍することは、東京の活力を高める上で重要であり、都はさまざまなニーズに応じた多様な働き方への支援を強化していく必要がございます。
 このため、フルタイム等での就業支援として、今年度新たに、しごとセンターにおいて都内中小企業の意向調査を行い、ハローワークと連携して求人を開拓するとともに、高齢者と企業との相互理解を深める職場体験の機会を提供し、就業機会の拡大につなげてまいります。
 また、身近な地域での生きがい就労の場を広げていくために、都内三カ所のシルバー人材センターにおきまして、従来の請負就労に加え、一般労働者派遣事業に取り組んでまいります。
 これらの取り組みを通じて、高齢者が多様な働き方を選択し、活躍できる社会の実現を目指してまいります。
 最後に、障害者の就業支援についてでございますが、障害者雇用を推進するためには、雇用の受け皿となる中小企業に対し、関係機関がそれぞれの役割や強みを生かし、連携を強化して支援することが重要でございます。
 都は新たに、採用から職場定着までの有益な情報をワンストップで提供し、企業の理解を促す障害者雇用支援フェアを七月に開催いたします。フェアでは、各局や国等の十六の関係機関が一堂に会し、講演や相談による支援制度の紹介、特別支援学校の生徒による作業の実演等を行います。
 また、職場定着に向けて都が国と連携して行う助成制度では、今年度から発達障害者及び難治性疾患患者を対象に加え、より幅広く障害者の就業を支援してまいります。
 このように各局や国等との連携を強化し、障害者雇用を一層促進してまいります。

○議長(高島なおき君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時四分休憩

   午後三時二十分開議

○議長(高島なおき君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 五十九番まつば多美子さん
〔五十九番まつば多美子君登壇〕

○五十九番(まつば多美子君) 都議会公明党を代表し、知事、教育長並びに関係局長に質問いたします。
 戦後七十年の本年、同じく創設七十年を迎える国連では、昨年、全ての人の尊厳が一切の例外なく守られるべきであるという、新たな国際目標案が総会に提出されました。恒久平和に向けた新たな視座であり、強く支持したいと思います。
 その一方で、中東の混乱、ウクライナ情勢の悪化、そして東アジアで高まる緊張など、人々の生命や尊厳を脅かす事態が進行しつつあります。
 また、近年、災害や異常気象が世界各地に深刻な被害をもたらし、国連の統計によれば、二〇一三年だけでも世界で二千二百万人が避難生活を余儀なくされております。
 こうした時代にあって、政治の主眼を、絶えず人々の苦しみを取り除くことに据えることが重要であり、その鍵を握るのは、誰の身にも悲惨が及ぶことを望まない、国境を越えた人々の連帯と交流であると思います。
 都議会公明党が舛添知事の進める都市外交を一貫して支持してきたのも、都市がこうした交流の重要なプレーヤーであり、都市が持つ経験や教訓を相互に交流し合うことこそが、平和創出に向けた、かけがえのない基盤になることを確信しているからであります。
 世界平和への潮流を確かなものにしていくには、女性の果たす役割もまた重要であります。
 ヨーロッパ統合の父と呼ばれるクーデンホーフ・カレルギー伯爵はかつて、世界中で女性が議会と政府の半分を占めるようになれば、世界平和は盤石になるだろうと未来を展望しております。
 女性の可能性を開くことは、男性中心社会の行き詰まりを解消するものであり、女性が輝く社会であってこそ、男性もより輝いていくものと思います。
 公明党は二〇〇八年、女性の一生を支援する女性サポート・プランを策定。昨年五月にはその改定版の女性の元気応援プランを策定するなど、女性の活躍推進に先駆的に取り組んでまいりました。
 そして、女性の活躍が自公連立政権の中心政策の一つに位置づけられ、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案、いわゆる女性活躍推進法案も国会で審議されております。
 女性の活躍推進のためには、企業、団体、行政における意思決定ポストに女性の参画を拡大していくことが極めて重要であることは論をまちません。
 東日本大震災後、女性の視点からの防災対策の必要性から、都議会公明党はたびたび東京都防災会議への女性委員の登用を提案し、都条例の改正で二人の女性委員が誕生しました。
 このように、都の政策形成の場である審議会等への女性の参画を、より一層図る必要があります。
 昨年の都の審議会等における女性委員の割合は二三・二%にとどまり、残念ながら四十七都道府県の中でも下位にあり、国の割合と比べても一〇ポイント以上もの開きがあるのが現実であります。
 女性の活躍推進にとりわけ理解の深い舛添知事にリーダーシップを発揮していただき、都の審議会等における女性委員の登用目標である三五%を達成すべきであります。知事の見解を伺います。
 次に、社会全体の機運醸成についてであります。
 本年三月の予算特別委員会での公明党の提案に対し、都は、女性の活躍推進に向けた国際シンポジウムを昨年に引き続いて開催し、そこで得た成果を、年度内に策定予定の東京都女性活躍推進白書に明確に反映する考えを明らかにしております。
 そこで、このシンポジウムの成果を今後の施策に確実に生かすとともに、社会全体での機運醸成の絶好のチャンスとすべきであります。見解を求めます。
 次に、ワークライフバランスの推進についてであります。
 長時間労働などの働き方を見直し、女性も男性も働きやすい環境づくりに向けて、行政、企業、地域社会が結束して対応していくことが肝要であります。
 都では、ワークライフバランス認定企業の選定やワークライフバランスフェスタ東京の開催など、積極的に取り組んできましたが、働き方改革をより大胆に断行していくべきときを迎えております。答弁を求めます。
 最後に、女性副知事の登用について一言申し述べます。
 周知のとおり、長い都政史上にあって、女性の副知事はこれまでただ一人しか誕生しておりません。
 公明党東京都本部は、一九九二年、若い女性の生活意識調査を行い、その結果に基づく政策提言を都に提出いたしました。そのとき対応してくださったのが、当時副知事だった金平輝子さんであります。
 席上、金平副知事は、五万数千人もの若い女性の調査を若い女性が行ったことに感心します、行政が目を向けていない項目もあるので参考にし、東京をよくしようとの皆さんの思いを行政の中に盛り込みたいと話され、私たちの取り組みを心からたたえてくださいました。
 その場に同席した私も、東京都にはこんなにすばらしい女性リーダーがいるのかという憧れとともに、東京の未来に希望を持ったことを今なお鮮明に覚えております。
 今再び、首都の顔として女性の希望の存在となる女性副知事の誕生を私は心より期待しております。舛添知事、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 次に、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会について質問いたします。
 近代オリンピックが都市を開催単位としているのは、古代オリンピックが都市で開催されたことを踏襲しただけではなく、国力を競い合ったり政治体制をアピールするような事態を避けて、都市の持つ自由闊達な発想や特色を大会に反映させるためであるともいわれております。
 こうした観点から、都市が主体性を発揮して開催都市の特色を存分に生かした大会と高く評価されているロンドン大会は、成熟した大都市らしい洗練された開会式や、熱意あふれるボランティア、国民的な盛り上がりの中でのパラリンピックなどが印象的でありました。
 こうしたことも参考に、公明党は、東京の主体性と東京大会らしさを存分に発揮すべきとの観点から、アーツカウンシル東京を軸とした文化プログラムの構築、心のバリアフリーを育む教育プログラムの推進、さらには東日本大震災からの復興を世界にアピールする大会にすべきであると訴えてまいりました。
 都は今後、文化、教育、スポーツなど関連する分野における事業展開のあり方や、競技施設の大会後を見据えたレガシー、東京大会らしいパラリンピック等を具体化するとしており、意欲的な取り組みに大いに期待するものであります。
 また、都の取り組みや方針を大会組織委員会に積極的に提言し、五輪関連の各種プログラムやイベントが、都内だけでなく全国各地で活発に展開されるようにすべきであります。そのためには、オリンピックムーブメントの原動力となる都の主体性の発揮は極めて重要であります。知事の見解を求めます。
 次に、新国立競技場について申し上げます。
 オリンピック・パラリンピックの招致に関しては、当初、国民の間にも賛否両論があり、この都議会でも反対する会派や消極的な会派がありました。
 しかし、二〇二〇年の東京招致が決定した瞬間、全国で称賛と期待の歓声が上がったことは記憶に新しいところであります。今や二〇二〇年オリンピック・パラリンピックは、ひとり東京のテーマではなく、日本全体の目標となっております。
 ところが、昨今、新国立競技場の整備費の負担をめぐって混乱が続いております。こうした事態は、多くの人々のオリンピックに高まる期待に水を差し、スポーツと文化と平和の祭典であるオリンピックそのものに泥を塗る事態であるといっても決して過言ではありません。このようなことをいつまでも続けていたら、日本の国際的な信任にも影を落としてしまいます。一刻も早く決着をつけるべきであります。
 そこで、申し上げます。新国立競技場の整備に、国が都に財政負担を求めるのであれば、前提条件があります。
 その第一は、何としても完成を間に合わせることです。JSC、日本スポーツ振興センターや文科省にのみ任せるのではなく、政府を挙げて取り組み、民間も建設業界の総力を結集し、オール日本の体制を整えて建設に当たるべきであります。
 しかも、単に間に合わせるだけではなく、アスリートにとっても、観客にとっても、さらにはレガシーとしての後利用に関しても、世界に誇れる内実を持った新国立競技場にすべきであります。
 条件の第二は、都の財政支援を求めるのであれば、その理由と根拠、内容に関して説得力を持って説明すべきであります。いささかも不透明感を残さないように、国は都民、国民に説明責任を果たすべきであります。
 いずれにせよ、新国立競技場は東京オリンピック・パラリンピックを象徴するメーンスタジアムとなる以上、開催都市としても協力するにやぶさかではありませんが、しかし、そこには都民、国民が納得する明確な理由、根拠、内容が不可欠であります。
 新国立競技場の整備に関して、知事の見解を求めます。
 次に、東京パラリンピック大会について質問します。
 さきのロンドン・パラリンピックは、史上最高のパラリンピック大会と高く評価されました。
 同一都市で初めて二回目のパラリンピックを開催する東京には、そのロンドン・パラリンピックを凌駕する成果をおさめることが期待されております。そのためには、競技施設はもちろんのこと、障害のある方々も存分に応援や観戦ができるよう、ハード、ソフト両面にわたるバリアフリー化の推進が欠かせません。
 知事はさきの所信表明で、国や組織委員会とともに、障害のある人も利用しやすい大会施設などの基準を検討していると述べられましたが、障害のある人が利用しやすい環境を整えていくための基準、いわゆるアクセシビリティーガイドラインの策定においては、何よりも実効性が大切であります。ガイドラインには法的拘束力がないため、民間も含め、いかに具現化していくかが重要となります。
 国際パラリンピック委員会のクレイヴァン会長は、ソチ・パラリンピックの閉会式で、パラリンピックでソチはバリアフリーシティーになったと語っておりますが、東京パラリンピックでは、後世の貴重なレガシーとなるよう、策定する基準は、利用者の特性やニーズを踏まえた実効性あるものにすべきと考えます。見解を求めます。
 パラリンピックに関連して、特別支援学校におけるスポーツ振興について質問します。
 パラリンピックの開催を契機として、特別支援学校における児童生徒が積極的に障害者スポーツにかかわり、みずからスポーツを体験することが何よりも重要であります。
 ところが、実際には、パラリンピック競技として有名なブラインドサッカーを授業等で取り入れている特別支援学校は一部でしかなく、まだまだ障害者スポーツへの取り組みが十分であるとはいえません。
 そこで、特別支援学校における体育活動では、体験できる競技種目をふやすなど、障害者スポーツの振興にも資するものとすべきと考えます。見解を求めます。
 また、二〇一二年ロンドン・パラリンピックでは、当時、知的障害で都立特別支援学校に在籍していた男子生徒が、百メートル背泳ぎで八位入賞を果たす快挙をなし遂げました。こうした選手のほかにも、国際大会で活躍している特別支援学校の生徒や卒業生がいると聞いております。
 五年後のパラリンピック大会を契機に、より多くの生徒や卒業生が国際大会の選手として活躍することを期待してやみません。
 そこで、特別支援学校の生徒や卒業生が、みずからの競技能力を高め、より高い目標を目指すために、現在活躍しているパラリンピアン等のトップアスリートを学校に派遣し、直接学び、体験する機会を設けるべきと提案しますが、所見を求めます。
 次に、日本文化、東京文化の発信と海外との連携促進について質問します。
 東京文化ビジョンでは、東京を世界のどこにもない、多彩で奥の深い文化都市と位置づけ、世界中の芸術家が東京を訪れ創造活動を行うことにより、国境を越えた相互理解と地球規模の連帯感を育み、世界平和の実現へとつなげていくとの理念を掲げておりますが、これらを実現するためには、国内外のアーティストの相互交流等を通じて、東京の文化芸術への理解を深めることが重要であります。
 日本文化や東京の文化芸術への取り組みを、多言語にわたって、SNS等のあらゆる媒体を活用して発信し、交流を進めていくことは、世界からの理解と共鳴を得る上で必要不可欠であります。
 東京が掲げるプロジェクトに参加を積極的に呼びかけ、東京を舞台に海外から多くのアーティストが集い、世界的な事業連携の展開につなげていくべきであります。見解を求めます。
 次に、多文化共生社会の推進について質問します。
 公明党は、かねてより日本人と外国人が相互の文化的違いを認め合い発展する多文化共生社会の推進を繰り返し都に求めてまいりました。世界都市としてグローバル社会が進展するほど、差異を乗り越え、理解し合う国際性豊かな都市への発展が重要になると考えるからであります。
 前定例会で都は、都議会公明党の求めに対し、基本方針を示すことを明らかにしております。オリンピック・パラリンピック大会の開催を契機に、多文化共生社会の構築を力強く世界に発信すべきであります。今後の取り組みに向けた知事の決意を伺います。
 また、日本で働く外国人在住者が年々増加し、東京に住み始めたばかりの外国人の中には、言葉の問題から地域でのコミュニケーションがうまくとれず、疎外感に包まれ、学校で勉強する機会にも恵まれない子供たちもおります。
 現在、そうした子供たちを対象にサポートを行うNPO団体などでは、日本語だけでなく、数学や英語なども教えて、例えば日本での高校受験に結びつけているケースも数多くあります。
 改めて申し上げるまでもありませんが、多文化共生社会を構築していくためには、こうしたNPO団体など多様な主体による支援活動なども把握し、多文化共生の基本方針に反映させていくべきであります。見解を求めます。
 次に、オリンピック・パラリンピックの開催時における危機管理対策について質問します。
 二〇二〇年東京大会では、世界一安全・安心の万全な危機管理体制を構築することが、最高のおもてなしとなります。
 テロ対策やサイバー犯罪を初め、首都直下地震やゲリラ豪雨などの大規模自然災害や、感染症パンデミックなどにも備えなければなりません。
 例えば、地震被害の経験がない外国人にとっては、たとえ小さな震度であっても大きな恐怖感に包まれるといわれており、大きな揺れを感じれば、容易にパニックに陥る可能性があります。競技会場内、まち中、交通機関での対応など、あらゆる場面を想定した総合的な体制の構築を図っておく必要があります。
 知事は、本定例会の所信表明で、大会開催における安全・安心を確保するために、知事を先頭とするレガシー委員会の中に安全・安心部会を設置し、さまざまな視点から検討を進めることを表明されました。このスキームを最大限に活用した本格的な対策を早急に検討すべきであります。特に情報弱者、災害弱者となる外国人への対応策も重要となりますが、都の見解を求めます。
 次に、防災対策について質問します。
 まず、大規模水害についてであります。
 近年、ゲリラ豪雨が頻発し、全国で洪水や土砂崩れなどにより大きな被害が発生しております。また、海外では、いわゆるスーパー台風による高潮で多数の死者も発生しております。
 こうした事態を受けて、このたび水防法が改正され、新たに高潮や洪水等に対し、想定し得る最大規模の外力を考慮し、浸水想定区域の設定を行うこととしました。改正水防法では、高潮の浸水想定区域については知事が指定することになっております。起こり得る災害リスクをあらかじめ想定し、社会全体で危機感を共有し、事前の備えに万全を期すことが求められております。
 しかし現状は、平成二十二年の中央防災会議の高潮浸水想定においても、高潮の河川遡上が被害想定の対象に組み込まれておりません。都は早急にハード、ソフト両面の取り組みを進め、高潮から都民を守るべきであります。見解を求めます。
 次に、豪雨による中小河川の洪水対策についてであります。
 都はこれまで、平成十二年に名古屋地方に甚大な浸水被害をもたらした東海豪雨を想定した浸水想定区域図を作成し、これに基づき関係区市がハザードマップを作成するなど、ソフト対策に取り組んでおります。
 一方で都は、平成二十四年に中小河川の目標整備水準を区部で時間最大七十五ミリ、多摩で六十五ミリに引き上げたところであり、護岸や調節池の整備といったハード対策に引き続き取り組んでいく必要があります。この新たな目標整備水準を早急に達成すべきであります。所見を求めます。
 次に、災害拠点病院の水害被害対応についてであります。
 昨年八月、京都府では集中豪雨によって福知山市の中心部が冠水し、災害拠点病院の福知山市民病院が約十時間、救急車が出入りできなくなるという事態が発生しました。
 国はこれを契機に、災害拠点病院が抱える立地特性上の課題を調査し、各病院が回答を寄せております。
 都においては、調査時点で災害拠点病院に指定されていた七十四施設のうち、道路冠水によりアクセスが困難になると回答した病院が十六施設、浸水により一部診療に影響が出ると回答した病院が十九施設となっております。
 これまで、都における災害時医療の体制整備は、主に大地震の発生を前提にしたものでありました。しかし、昨今では気候変動による水害被害が多発化しており、病院の地下や一階が水没することも予想されております。躯体の耐震化や非常用自家発電装置の確保といった努力だけでは、水害時の対応は困難であります。
 しかし現状は、災害拠点病院であっても事業継続計画、すなわちBCPをいまだ整えていない病院もあり、水害を前提としないBCPにとどまっている病院もあります。
 都内全ての災害拠点病院が、水害時も救急医療の拠点として十分に機能を発揮できるよう取り組みを強化すべきであります。見解を求めます。
 とりわけ都立墨東病院と東部地域病院は、大規模水害時に約三メートルから五メートルにわたって浸水する地域に立地しております。早急にこの二つの病院を、大規模水害時でも稼働できる災害拠点病院への対策を強化すべきであります。見解を求めます。
 そもそも災害時には、限りある医療資源をより多くの都民に対し効率的、効果的に提供する必要があります。東京DMATの充実、医薬品の効果的な配布体制、外来軽症患者の集中回避策、災害拠点病院を中心とした都内医療資源のネットワーク化などを進め、災害医療の体制強化を図ることができるものと考えます。都の見解を求めます。
 次に、災害対応に必要な情報の事前普及策についてであります。
 知事は、各家庭での防災に対する理解を深め、災害への備えを万全にするため、各家庭で、いつでも取り出せる場所に常備薬のように置かれている防災マニュアルが必要であるとし、スイスの取り組みを参考に防災ブックの作成を主導されました。
 ただ、都内全体に配布する防災ブックであるからには、あらゆる人がその情報にアクセスできるよう配慮し、それを標準化することが重要であります。特に、文字情報を見ることができない視覚障害者や外国人への対応が不可欠となりますが、見解を求めます。
 次に、下水道事業のエネルギー危機管理対応についてであります。
 東日本大震災の発生時には、電力の供給が極度に不安定となり、広範囲にわたって交通や流通網も混乱し燃料調達が困難な状況に陥りました。都が管理するインフラについても、災害時の機能維持に向けた電力確保対策が必要であります。
 東京の下水道は、二十四時間三百六十五日、浸水を防除し下水を処理するなど、都民の安全で快適な生活を支える重要なインフラであります。今後、発生が懸念される大地震などの非常時にあっても、水処理や汚泥処理を確実に実施するための電力や燃料を確保し、下水道機能を維持する取り組みが必要であります。
 ことしの第一回定例会でも、公明党は、下水道機能を維持できる電力確保に総力を挙げるべきであると主張しました。これに対し、水再生センター、ポンプ所で未整備施設を解消する取り組みを進めているとの答弁でありました。しかし、非常用発電機などを整備しても、必要な燃料の確保ができなければ下水道機能の維持は不可能であります。
 そこで、いかなるときにおいても下水道の機能を維持するためには、非常用発電設備の燃料の確保のために多重の安全策をとるなど、危機管理対応の取り組みを強化すべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、災害時におけるオフロードバイクの活用について質問します。
 都議会公明党はこれまで、大規模災害発生直後の迅速かつ正確な情報収集と初動対応の重要性を訴えてまいりました。とりわけ、四輪の緊急自動車などが通行できないほどの悪路状況になった場合には、オフロードバイクの活用が有効であることを繰り返し都に提案してきたところであります。
 これに対し都は、災害時の活用の可能性について、検討していく旨の考えを明らかにしました。
 東京消防庁では既に、通称クイックアタッカーというオフロードバイクが都内十カ所の消防署に配備されており、警視庁では昨年、全国初となるオフロード白バイを導入し、被害状況の早期情報収集を行う訓練を始めました。
 そこで、災害時にとりわけ迅速な被害状況の把握とその対応が求められる建設局、水道局、下水道局を初め、各局への導入、活用を見据えて、都が主催する総合防災訓練で、その有効性を検証すべきであります。見解を求めます。
 次に、犬、猫に代表される動物との共生について質問します。
 都議会公明党は、動物との共生を進めるプロジェクトチームを立ち上げました。伴侶動物と生活する人がふえる中、動物の致死処分ゼロを目指す取り組みのほか、犬や猫と一緒に生活できる高齢者施設の普及や、動物の終生飼養、適正飼養の普及啓発など、オリンピック・パラリンピック開催都市にふさわしい施策展開を進めていくべきと考えております。
 都議会公明党は昨年、長野県動物愛護センターのハローアニマルを視察してまいりました。公園に併設されている施設であり、犬や猫などと直接触れ合うことができるほか、動物の習性や飼い方などが詳しく展示され、大人も子供も命の大切さを学べるように工夫されておりました。
 犬や猫は一番身近な伴侶動物ですが、都内の動物園に犬や猫が飼われておりません。子供たちが通う学校でも、今日ではほとんど飼われていないのが実情であります。子供たちは、自宅で犬や猫を飼っていなければ、どうやって接してよいのかもわからず、動物を通じて命の大切さを学ぶ機会も持てません。
 動物愛護にかかわるさまざまな取り組みを推進するためには、伴侶動物との触れ合いの場づくりを含めた、都の積極的な施策展開が必要であります。見解を求めます。
 東京都動物愛護相談センターによれば、飼い主が高齢のため動物の世話をすることが難しくなったとの相談がふえており、同センターが引き取る動物は、高齢者の施設入所で行き場を失うケースも多くなっております。
 動物の終生飼養、適正飼養の普及啓発や相談体制の充実を図る必要があると考えます。
 都議会公明党の動物共生プロジェクトチームは、先月、横須賀市にある特別養護老人ホーム、さくらの里山科を視察してまいりました。
 この特養を運営する社会福祉法人は在宅介護を中心に事業を展開してきましたが、高齢者が犬や猫などの伴侶動物を飼うことができなくなる状況に数多く直面したことから、特養を開設するに当たって動物と一緒に入所可能とし、伴侶動物福祉に取り組んでおられました。高齢者施設などに入所する際、飼っていた動物と絶対に離れたくないと考える高齢者が数多くおられることも事実であります。
 さくらの里山科では、入所者が犬や猫と自然に暮らしながら、大きな安らぎを得ておられました。これからは、動物との共生と高齢者支援策をあわせて考えていく視点が重要になってくると考えます。
 高齢社会における動物との共生について、都の見解を求めます。
 次に、教育について何点か質問します。
 初めに、がん教育についてであります。
 二人に一人ががんになる時代において、有効な対策は生活習慣の改善や検診を通じた早期発見、早期治療のための普及啓発であります。
 都のがん対策推進計画においても、がんに対する都民理解の重要性が指摘される中、豊島区や荒川区などでは、児童生徒を対象にした先駆的な取り組みがスタートしております。しかし、全都的に見ると、がんそのものや、がんという病気への向き合い方、がん患者に対する理解を深める教育は始まったばかりであります。
 がん教育の効果については、多くのことが論じられておりますが、集約すれば、第一に、児童生徒に命の大切さや健康への関心を持ってもらう。第二に、子供たちから父母等へ、がん検診を勧めてもらう。第三に、教員自身ががんを知り、自身の健康管理を実践する。そして、第四に、がん教育の実践を通じ、医師の成長にもつながるという多様な効果が指摘されております。
 都においても、小中高校生を対象に健康と命の大切さについて、いま一度強く教えるべきであり、実りあるがん教育を展開すべきと考えます。
 国は、平成二十九年度からの全国実施を目指し、現在、がん教育のあり方を検討しておりますが、いまだ具体的な対応は明らかになっておりません。
 そこで、国のモデルとなるようながん教育の実施に向け、都教委主導で本格的に検討すべきであります。見解を求めます。
 また、がん教育の実施に当たっては、医師等関係者の確保と協力が不可欠であり、特に都道府県がん診療連携拠点病院である都立駒込病院の役割に大いに期待するものであります。答弁を求めます。
 次に、高校生を対象にした読書活動の推進についてであります。
 先月五日、過去一年間に直木賞候補になった小説の中から、高校生が自分たちにとって最もおもしろいと思う作品を選ぶ高校生直木賞の全国大会が開かれました。
 この大会のモデルとなっているのは、フランスの高校生ゴンクール賞という文学賞であります。ゴンクール賞は、日本でいえば芥川賞と直木賞を合わせたようなフランスの有名な文学賞であります。
 この高校生直木賞は、直木賞の候補作を読み、高校生みずからが評価基準を定め、他者と議論を交わして作品を評価し、候補作の中から一位を決めるもので、明治大学の伊藤氏貴准教授の発案により行われている読書教育であります。
 実際に参加した高校生からは、同じ作品を読んで数人で感想を交換し合うことで、多くの読み方を知り作品を深く読むことができた、論理的対話力も養うことができて、得るものが多かったとの声がありました。
 この高校生直木賞の取り組みは、いわゆる正解にとらわれない自由な読み方ができ、さらに、直木賞の候補作を使うことで、初めから質を保証された作品同士で議論ができ、物事を評価するときの軸、物差しを自分たちで考えられるようになるなどの教育効果があると考えられます。
 そこで、この高校生直木賞のように、共通の作品について、自分の考えを述べ、他者と議論し、評価していく取り組みは重要であると考えますが、見解を求めます。
 次に、児童生徒の心の健康を守る取り組みについてであります。
 都議会公明党が推進してきたスクールカウンセラーが、全校配置となり三年目を迎えました。スクールカウンセラーによる全員面接も、一部の学年で開始されております。教育現場での課題は多様化しており、いじめ、不登校、ひきこもり、中途退学など、数え上げれば切りがありません。まずは、スクールカウンセラーの常設配置を早期に進めることを強く求めておきます。
 教員の方々は、こうした課題に向き合い解決しようと努力をしていても、教員だけでは解決できない課題に対しては、積極的に外部の力を活用することも必要であります。家庭と学校の両方の課題に対応するため、スクールソーシャルワーカーを初め、さまざまな外部人材と連携した取り組みが求められます。所見を求めます。
 次に、発達障害児への支援についてであります。
 都教育委員会は、間もなく全ての小学校に特別支援教室を導入するとともに、中学校でのモデル事業にも順次取り組むなど、発達障害支援教育の充実に向けた取り組みを進めております。
 しかし一方で、小中学校で受けた特別な指導、支援を高校進学後も期待するためには、どのような高校に進めばよいのかわからないといった不安の声や、生徒の特性に合った教育が受けられるチャレンジスクールの入学選抜倍率が高くてなかなか入学がかなわないといった相談も多く寄せられております。
 加えて、知的障害がなく発達障害の可能性のある生徒は、高校入学後に何らかのトラブルや違和感から学校での居場所がなくなり、不登校に陥ってしまうというケースも起きております。
 都は、都立高校においても、発達障害がある生徒一人一人の障害に応じた指導、支援を行う体制の整備に早急に取り組むべきと考えますが、見解を求めます。
 また、都立高校において、発達障害がある生徒に適切に指導、支援を行っていくためには、それを担う教員が実践的に学べる仕組みを構築するなど、資質と専門性の向上が不可欠であります。
 都立高校における特別支援教育に対する教員の育成について、都教育委員会の見解を求めます。
 次に、環境施策について質問します。
 先日、温室効果ガスを二〇三〇年までに一三年比で二六%削減するという政府原案が公表されました。エネルギーの大消費地である東京都としても、CO2削減や省エネルギー対策、再生可能エネルギーの導入拡大や水素エネルギーの利用促進などに率先して取り組んでいく必要があります。
 東日本大震災の直後は、電力不足危機、それに伴う計画停電などもあり、都民の節電の意識は大変高くなりましたが、民間の調査によると、四人に三人が家庭の節電意識の薄れを感じているとの結果が明らかにされております。
 また、震災直後には原子力発電所が停止し、現在、老朽化設備も含めて火力発電所がフル稼働しております。このため、電気のCO2排出係数が悪化しており、エネルギー消費量は二〇〇〇年比で二〇一二年は一六%減にもかかわらず、CO2は一二%ふえており、地球温暖化は加速しております。
 エネルギー消費量については、本年一月に、二〇三〇年までに二〇〇〇年比三〇%削減を決めましたが、温室効果ガスについても、都として改めて新たな目標を策定すべきであります。
 本定例会の知事の所信表明で、環境基本計画の見直しに着手するとありましたが、オリンピック・パラリンピックの開催都市として、世界のモデルとなる気候変動対策と、世界的に増大する資源消費の問題に積極的に取り組む施策を盛り込んだ計画とすべきであります。知事の見解を求めます。
 また、家庭の省エネルギー対策については、省エネに対する正しい理解を広め、都民にわかりやすい具体的な対策を示しながら、家庭の省エネ、節電を一層推進していくべきと考えます。見解を求めます。
 次に、再生可能エネルギーの導入拡大についてであります。
 中でも、東京の特性を生かした再生可能エネルギーである地中熱の導入拡大に向けては、地中からとれる熱量をわかりやすく示す地中熱ポテンシャルマップの作成など、具体的な取り組みを評価いたします。
 そこで、全国的に見て地中熱利用のポテンシャルの高い東京での利用拡大を図るべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、水素エネルギーの利用促進についてであります。
 低炭素社会の構築には、東京都が水素社会の実現を先導していくことが重要であります。水素エネルギーの普及に当たっては、都が昨年度策定した戦略目標の達成に向けて、官民一体となって、需要面から普及に取り組む必要があります。
 水素社会を目指す都として、まずは隗より始めよで、都の庁有車への燃料電池車のさらなる拡大、また、都営バスへの燃料電池バスの導入を進めるべきであります。また、都庁周辺に水素ステーションを早期に設置するなど、都民が水素社会の到来を実感できる取り組みを進めるべきであります。見解を求めます。
 また、燃料電池車の初期需要の創出のために、区市町村が燃料電池車を導入することも効果的であり、その供給インフラとなる水素ステーションの整備や普及啓発などでも、区市町村との連携が重要と考えます。都の見解を求めます。
 最後に、新銀行東京について質問します。
 新銀行東京は、貸し渋りに苦しむ中小企業を支援するため、平成十六年に都が一千億円を出資して設立した銀行であります。
 しかし、その後、経営が悪化し、今から七年前、多額の累積赤字を抱えるに至りました。
 もし新銀行東京を破綻処理させる選択をとると、赤字や債務超過の五千六百社を超える中小企業の倒産が余儀なくされることが判明し、都民に与えるマイナスの影響ははかり知れず、公明党は四百億円の追加出資による事業継続の道を選択しました。
 その後、新銀行東京は、再建計画に基づき、新たな経営陣のもとで堅実な経営に徹し、着実に再建に取り組んできました。その結果、平成二十六年度決算では、十五億円以上の当期純利益を計上するとともに、一時は二七%以上に上った不良債権比率も四・三一%まで低下しており、これは経営再建が大幅に進んだことを示しているといえます。
 公明党はかねてから、新銀行東京の経営状況の推移や将来的な経済状況を見据えた上で、他銀行との提携や事業譲渡等によって四百億円を保全、回収すべきであると主張してまいりました。
 そのような中、先般、新銀行東京が東京TYフィナンシャルグループとの間で経営統合に向けた基本合意に至ったとの発表があり、今後、経営統合に向けた協議を進めていくとのことであります。都民の皆様の理解や経営再建に向けた地道な努力があったからこそ、こうしたステップへ進んできたものと考えますが、まず、この経営統合について、都の見解を求めます。
 また、繰り返しになりますが、都議会の付帯決議を十分に踏まえて、重要なことは、追加出資した四百億円を絶対に毀損させてはならないということであります。
 都の所見を求め、都議会公明党を代表しての質問を終わります。(拍手)
〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) まつば多美子議員の代表質問にお答えいたします。
 審議会等における女性委員の登用でございますが、昨年来、国際シンポジウムや知事賞贈呈など、さまざまな場で、新たな製品や市場を創造した企業の経営者等と議論を重ね、日本の社会が発展を続けていくには、女性の感性や能力を生かすことが不可欠であると改めて認識をいたしました。
 都の政策形成の場であります審議会等についても、幅広く多様な視点と知見を得るために、より多くの女性が参画することが必要でございます。
 私が知事に就任するまで、都の審議会等における女性委員の任用率は、十五年もの間、低迷しておりました。このため、昨年度、学識経験者を中心とした女性委員の任用促進に取り組む中で、企業や団体と女性人材のマッチングを行っている民間事業者と初めて協定を結びまして、行政の世界とはなじみのない人材の推薦を受けるなど、任用率の向上に努めてまいりました。
 本年四月時点では、新たに九十名を超える女性委員が誕生し、任用率も約二七%となる見込みであります。今後とも、二十八年度末三五%の目標達成に向けて、女性委員の任用に全力で取り組んでまいります。
 あわせまして、年内策定予定の東京都女性活躍推進白書でも、都の政策形成過程での女性の参画促進につきまして、取り組み方針を示してまいります。
 続きまして、都の主体性を発揮した取り組みについてでありますけれども、オリンピック・パラリンピックは、開催都市の社会や文化に大きな変革をもたらします。
 都は、二〇二〇年大会後の東京の姿を見据えて積極的な提言を行うなど、開催都市としてのリーダーシップを十分に発揮し、大会開催に向けた取り組みを主体的に推進してまいります。
 まず、大会後の東京、そして日本に確かなレガシーを残してまいります。後利用を踏まえた新規施設の着実な整備に加え、文化プログラムの展開やおもてなしの精神などを、都民、国民共通の財産として次の世代に継承してまいります。
 次に、東京が世界に誇る治安のもとで安全・安心な大会を実現するため、テロや災害、感染症等への万全なリスク対策を実施してまいります。
 パラリンピック開催に向けましては、都が率先して障害者スポーツ普及啓発に取り組みます。また、ハード、ソフト両面のバリアフリー化を推進するとともに、心のバリアフリーを日本中に浸透させ、人々の意識に変革をもたらしてまいります。
 さらに、被災地の復興に向けた姿を世界に発信するとともに、スポーツの力で被災地を元気づけ、大会開催を通じた復興支援を推進してまいります。
 オリンピック・パラリンピックには、都市のみならず、国をも大きく飛躍させる力があります。都は、先進的な取り組みを積み重ねるとともに、組織委員会、国、全国の自治体等との連携を一層強化し、東京、さらには日本が躍進を遂げる姿を世界に発信してまいります。
 新国立競技場の整備についてでございますが、国や都、スポーツ界など各界が一致協力して、それぞれの役割を果たすことは、二〇二〇年大会の成功に向けて必須のことでございます。
 今般、文部科学大臣から、新国立競技場の整備費用につきまして負担の要請がございました。その際、不明でありました工期や総工事費、都民が納得する都負担の根拠など、全体像を明らかにするように求めたところでございます。これは、都に負担を求める以上、国は説明責任をしっかりと果たすため、まず前提となる情報を提供する必要があると考えたからでございます。
 最も重要なことは、オールジャパンで予定の期限までに新国立競技場を完成させ、二〇二〇年大会を成功に導くことであります。
 都としては、早期の課題解決を図るため、国からの情報を踏まえ、迅速な検討を行ってまいります。都議会のご審議をいただきながら、開催都市としての責任を果たすため、できる限りの協力をしていく所存でございます。
 続きまして、多文化共生社会の推進に向けた今後の取り組みについてでございますが、東京が世界の中で、今後とも成熟都市として発展し続けていくためには、外国人も含めた多様な人材が活躍できる社会の実現が必要であります。
 欧州の先進的な都市では、移住者や少数者によってもたらされる文化的多様性を、むしろ好機と捉えまして、都市に活力をもたらし、成長の源泉とする新しい考え方を都市政策に取り込んでおります。
 東京におきましても、オリンピック・パラリンピック大会を契機に、民族や人種などの違いによる多様な価値観を受け入れ、全ての人が東京の一員として参加できる多文化共生社会の実現を目指してまいります。
 そのために必要となる基本的な考え方や施策の方向性を示した指針を、年内を目途に策定いたします。指針の策定に当たりましては、これまで取り組んできました多言語による情報提供や、居住、教育、医療等の生活支援の充実を図ってまいります。
 さらに、在住外国人の多国籍化や高度人材、留学生の増加による人材の多様化といった東京の現状を踏まえ、東京で暮らすさまざまな外国人が住みやすく、活躍できる新たな施策について検討してまいります。
 環境基本計画の改定についてでございますが、世界的規模で発生しております気候変動や資源制約などの問題を次の世代に回すことなく、今を生きる我々の世代が解決への道筋をつけていかなければなりません。
 こうした考え方のもと、長期ビジョンで掲げました環境分野の目標や政策をさらに発展させ、体系化した施策として、今年度、新たな基本計画を策定してまいります。
 気候変動対策といたしましては、水素エネルギー、再生可能エネルギーの利用拡大などに関して具体化を図るとともに、新たに意欲的なCO2の削減目標を打ち出してまいります。
 また、資源循環につきましては、持続可能な資源利用への取り組みを盛り込んでまいります。
 同時に、資源ロスの削減やエコマテリアルの利用促進などに取り組むために、東京都廃棄物処理計画を環境基本計画にあわせて改定する予定でございます。
 これらの計画をもとに、快適な環境と持続的発展を両立させる世界一の環境先進都市東京を目指しまして、戦略的、体系的に施策を展開してまいります。
 なお、そのほかの質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長が答弁をいたします。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 七点のご質問にお答えいたします。
 まず、特別支援学校での障害者スポーツについてでありますが、二〇二〇年のパラリンピックを契機として、より多くの児童生徒が障害者スポーツに親しむようになるためには、さまざまな障害者スポーツを取り入れた体育活動の充実を図ることが重要であります。
 現在、全ての特別支援学校では、障害の種類や程度に応じて、ゴールボールやハンドサッカーなど、児童生徒が取り組みやすい競技種目を中心に指導しております。
 都教育委員会は、障害者スポーツのさらなる振興を図るために、今年度初めて十校をスポーツ教育推進校に指定し、これまでの競技種目に加え、ブラインドサッカーやボッチャなど、学校での指導事例が少ない種目についても、指導内容や方法に関する研究を行い、その成果を全ての特別支援学校に普及してまいります。
 次に、特別支援学校へのパラリンピアン等の派遣についてでありますが、都立特別支援学校において競技能力の高い生徒の育成を図るためには、第一線で活躍するパラリンピアン等のトップアスリートから、競技技術や姿勢を直接学ぶことが重要であります。
 都教育委員会は、今年度、部活動等が盛んで競技能力の高い生徒が在籍する四校を指定して、パラリンピアン等を派遣し、生徒が専門的な技術や練習方法とともに、競技をする上での心構えを学べる機会を設けてまいります。
 さらに、パラリンピアン等からの、かけがえのない学びを実践で生かせるよう、対外試合等への参加を支援することで、生徒の競技能力や目標を実現しようとする意識を高めてまいります。
 次に、がん教育についてでありますが、子供たちが生涯を通じ、みずからの健康を適切に管理し、改善していく能力を育成することは重要であります。
 都教育委員会では、学習指導要領及び東京都がん対策推進計画に基づき、各学校で児童生徒の発達段階に応じ、がん予防のための健康教育を実施しております。
 国は、現在、がん教育の在り方に関する検討会を設置し、学習指導要領の改訂を視野に入れて、がん教育の基本的方針、必要な教材の開発、外部人材の活用等について検討を進め、平成二十九年度以降の全国実施を目指しています。
 その動向を把握していくとともに、都教育委員会においても、医療機関、医療関係者等の意見も聞きながら、東京の地域性を踏まえ、実施方法等を検討してまいります。
 次に、他者と議論し、作品を評価する取り組みについてでありますが、高等学校学習指導要領では、国語科の指導内容として、さまざまな文章を読み比べ、内容や表現の仕方について感想を述べたり批評したりすることの重要性が示されており、各学校では、こうした指導を通して、生徒の論理的思考力や表現力を育んでいます。
 お話の高校生直木賞は、みずからが評価基準を定め、複数の作品を読み比べ、内容等を批評し合う活動であり、このような取り組みは、思考力を養うとともに、主体的、協働的な態度や、合意形成を図る力を育む効果があると考えられます。
 今後、都教育委員会は、このような読書活動にかかわる取り組みを学校や教育研究団体等に紹介するなどして、生徒が思考力や判断力、表現力等、多様な力を身につける教育を推進してまいります。
 次に、さまざまな外部人材と連携した取り組みについてでありますが、子供の健全育成に関する問題の背景や要因は複雑な場合が多く、学校はその問題の解決のために、教職員が組織的に取り組むことに加えて、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど多様な人材と連携することが必要であります。
 例えば、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーのそれぞれの専門性を生かして、子供とその家庭への支援を行ったことにより、不登校が解決するなどの成果を上げている学校も多くございます。
 今後、都教育委員会は、こうしたすぐれた事例をまとめた資料の配布や、区市町村の担当者を対象とした連絡会の開催を通して、多様な人材による支援の成果の共有化を図り、子供の健全育成を行う上での問題解決にさらに取り組んでまいります。
 次に、都立高校における発達障害教育についてでありますが、現在、都立高校には、障害の状態や入学前に受けた特別な指導、支援の状況が異なる発達障害の生徒が在籍しており、今後は、それぞれの生徒に応じた適切な指導、支援を行う体制を強化していく必要がございます。
 そのため、都教育委員会は、本年度策定する、仮称でございますが、東京都発達障害教育推進計画の中に、小中学校、高校の各段階に応じて、発達障害の児童生徒一人一人がその能力を最大限伸ばすことができるよう、必要な施策を盛り込むことを検討しております。
 本計画に、都立高校における指導体制の整備や指導内容の充実について示すことにより、発達障害の中学生や保護者が安心して進路を選択できるとともに、入学後も必要な指導、支援が受けられるようにしてまいります。
 最後に、特別支援教育に対する教員の育成についてでありますが、全ての都立高校においては、特別支援教育コーディネーターとして指名した教員が特別支援教育に関する校内委員会を運営するなど、体制の整備を図っており、今後は一層、特別支援教育への教員の理解を深め、専門性を向上させることが重要であります。
 そのため、教員の職層や役割などに応じて、発達障害についての理解や実践につながる研修を充実していくとともに、センター的機能を有する特別支援学校の教員がその経験やノウハウを高校の教員に伝えるなどして、発達障害教育の充実を図ってまいります。
 さらに、心理学等の専門家から、教員が助言を受ける実践的な研究を行うなど、都立高校の教員全体の発達障害に関する理解の促進や専門性の向上を目指してまいります。
〔東京都技監横溝良一君登壇〕

○東京都技監(横溝良一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、河川事業における高潮対策についてでございますが、高潮から都民の命と暮らしを守るためには、ハード、ソフトの両面から取り組みを推進することが重要でございます。
 都はこれまでに、日本最大の被害をもたらした伊勢湾台風級の高潮に対する防潮堤等の整備をほぼ完了させる一方で、現在は、最大級の地震に対する耐震対策を実施しており、平成三十一年度までに完了させます。
 こうした中で、本年五月の水防法の改正により、洪水や高潮などに対するソフト対策が強化されました。この改正では、住民の避難体制を確保し、被害の軽減を図るため、都道府県ごとに想定し得る最大規模の高潮に対して、浸水想定区域の指定等を行うこととしております。
 このため、都は、河川への遡上も考慮しながら、今後国が策定するガイドラインに基づき、関係機関と連携して必要な対策を進めてまいります。
 次に、中小河川整備の一層の推進についてでございますが、都内で増加している局地的かつ短時間の集中豪雨等に対処するためには、護岸整備に加えて、ピーク時の洪水を貯留する調節池を設置していくことが効果的でございます。
 このため、都は、新たな目標整備水準の達成に向け、道路や公園等を活用して調節池の整備を加速させてまいります。
 具体的には、浸水被害のあった神田川など五流域を優先し、新たに仮称環七地下広域調節池など五施設について、平成二十八年度の工事着工を目指してまいります。
 今後十年で、今年度末取水開始予定の善福寺川調節池など十三施設を完成させ、都内の貯留量を約一・七倍に拡大するとともに、調節池の設置により、下流側の安全性を考慮した上で、上流に向けた護岸整備を積極的に展開してまいります。
 今後とも、東京を災害に負けない都市とするため、全力で取り組んでまいります。
〔生活文化局長小林清君登壇〕

○生活文化局長(小林清君) 三点のご質問にお答えいたします。
 初めに、女性の活躍推進に向けたシンポジウムについてでありますが、八月末に開催予定の女性が輝くまち・東京シンポジウムでは、政府主催の国際シンポジウムと連携して、海外から女性の登用促進に実績を上げてきた経営のトップを招いて、基調講演を実施いたします。
 また、東京は、女性の活躍や働き方の見直しに成果に上げている企業や子育て支援など社会的課題の解決に取り組むNPO等が多数集積するなど、高いポテンシャルを有していることから、シンポジウムでは、この東京の潜在力を十分に発揮していくために、行政、企業、地域社会が果たすべき役割について、国内外の先駆者が議論を交わしてまいります。
 年内策定予定の東京都女性活躍推進白書では、このシンポジウムの成果も踏まえた取り組みの方向性を提案し、東京から国内外に広く発信をしてまいります。
 次に、文化の発信と海外との連携の促進についてでありますが、東京文化ビジョンでは、世界的な展覧会の開催や若手芸術家の海外進出支援など、海外と連携が必要なプロジェクトを掲げており、その実現には、世界に幅広く東京の文化政策を発信し、理解を促していく必要がございます。
 そこで、先般作成をいたしました文化ビジョン英語版を活用し、在外公館や姉妹友好都市、メディア等に対して効果的にPRを展開し、SNSなどによる発信も行ってまいります。
 また、世界の文化関係者が集まる国際会議でプレゼンテーションを行うとともに、都立文化施設が持つ海外とのネットワークを活用し、海外の主要な美術館の主任学芸員等への説明も行ってまいります。
 これらの取り組みを通じまして、世界の多くの芸術家が東京を訪れ、ともに創造活動を行う環境づくりにつなげてまいります。
 最後に、多文化共生の基本方針についてでございます。
 現在、東京では、区市町村や地域の国際交流協会、NPOなど多様な担い手により、在住外国人支援が行われております。
 多文化共生を推進するための指針の策定に当たりましては、こうした支援の担い手や学識経験者などから構成する検討会を来月にも立ち上げ、幅広い視点からの検討を進めてまいります。
 あわせまして、外国人支援を実施している団体等からのヒアリングを行い、現場における多様なニーズや支援に関する課題を整理し、これを踏まえて指針を取りまとめてまいります。
〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、ワークライフバランスの推進についてでございますが、活力ある東京を実現するためには、男女を問わず、仕事と生活を両立できる環境を整備し、これまでの働き方を大胆に見直していくことが重要でございます。
 このため、都は、ワークライフバランスフェスタで中小企業のすぐれた取り組みを紹介するなど、社会的機運を高めるとともに、職場環境整備のための支援を行ってまいりました。
 先月には公労使会議におきまして、働き方改革に関する共同宣言を行い、今後、国や関係団体との連携を密にし、長時間労働の削減や休み方の見直しなど、さまざまな事例の紹介を通じ、さらなる機運醸成に努めてまいります。
 これに加え、今年度、新たな両立支援策として、従業員に家事サービスの利用を促すモデル企業を選定し助成を行う事業を開始いたします。
 こうした取り組みを通じまして、働き方の改革を大きな流れとし、ワークライフバランスの一層の推進を図ってまいります。
 次に、新銀行東京の経営統合についてでございますが、新銀行東京は、厳しい経営環境のもとで資金調達に苦しむ中小企業を支援するという目的を持って設立をされました。
 一時は深刻な経営状況にございましたが、都議会の議決をいただいて四百億円の追加出資を受けたことにより、当時、赤字や債務超過の企業の多くが事業を継続することができました。その後、新銀行東京は堅実な経営を徹底し、六期連続の黒字を計上するなど、安定的な黒字体質への転換が図られました。
 これは、寺井宏隆前社長を初めとする経営陣と行員の努力が実を結んだものでございまして、新銀行東京は、地域のお客様のニーズに的確に応え、中小企業向け与信残高を五年連続で増加させ、与信先の企業数も増加に転じるなど、中小企業支援に積極的に取り組んでおります。
 一方、東京都民銀行と八千代銀行を傘下に有する東京TYフィナンシャルグループは、地方公共団体との連携強化を通じた中小企業の支援、育成を経営計画に位置づけ、取り組みを強化しております。
 新銀行東京と東京TYフィナンシャルグループの両者は、ともに中小企業向け融資や経営相談等を通じて都内中小企業の支援に注力をしている金融機関であり、基本合意では、経営統合による相乗効果も期待できることから、本経営統合に向けて協議、検討を開始したとしております。
 都としては、このたびの経営統合により、この新銀行東京の設立理念が継承されていくことは、中小企業のより一層の振興に結びついていくものと考えております。
 最後に、新銀行東京に追加出資した四百億円についてでございますが、平成二十年の追加出資に係る付帯決議においては、この追加出資が預金者や融資先中小企業の保護のためにやむを得ざるものと判断したものであり、今回限りの措置であること、新銀行東京が四百億円の資本を毀損することのないよう、都は適切な監視に努めることなどとされており、都としては、この付帯決議の重さを十分に認識をしております。
 したがいまして、今後、最終合意に向けた協議が進められるに当たっても、当然に追加出資した四百億円の確保が前提となるものでございます。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、二〇二〇年大会における大会施設等のバリアフリー化の基準についてでございますが、史上最高のパラリンピック大会を実現するために、大会施設等のバリアフリー化は極めて重要であり、その整備基準は利用者の立場に立ったものでなければなりません。
 そのため、基準策定に向けて設けたアクセシビリティ協議会では、障害者スポーツにかかわる団体をメンバーとするほか、二十もの障害者団体等の意見、要望を伺う場を設けております。
 また、施設管理者や公共交通事業者にも基準の策定に参画いただいておりまして、今後さらに業界団体の協力も得て検討を進めていくことで、着実に活用される実効性の高い基準としてまいります。
 このように、各方面の関係者が認識を共有しながら、バリアフリー化の取り組みを一層加速させてまいります。
 次に、二〇二〇年大会における災害時の外国人対応についてでございますが、大会開催に当たり、東京を訪れる全ての人の安全・安心を確保することは開催都市東京の責務であり、さまざまなリスクを一元的に捉えて危機管理を検討することが肝要でございます。
 今後の取り組みにおきましては、外国人対応がとりわけ重要であり、知事直轄のレガシー委員会に設置する安全・安心部会におきまして、言語、情報、人的支援などの各視点から、大会前、大会中を通した危機管理の検討を行ってまいります。
 具体的には、現在、交通機関の非常時案内や宿泊施設の避難経路など、利用者の立場に立った多言語化を進めております。
 今後は、災害時の多言語による情報発信や外国人にもわかりやすい表示の一層の工夫、さらにはボランティアによる避難誘導の仕組みづくりなどに取り組み、外国人の安全・安心を確保するために全力を尽くしてまいります。
〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、災害拠点病院の対応能力の強化についてでありますが、災害拠点病院が、災害時において医療機能を維持し、傷病者の治療を継続するためには、医薬品や食料等の備蓄を行いますとともに、ライフラインや要員の確保等についてBCPを策定するなど、平時から災害への備えを整えておくことが重要でございます。
 このため、都は、災害拠点病院に対し、応急用医薬品や資器材の備蓄に対する財政支援を行いますとともに、BCP策定に向けて、手順や記載項目を明示したガイドラインを配布し、その策定を促しております。
 現在は、主に大規模地震の発生を想定したものとなっておりますが、今後、浸水被害などさまざまな事態にも対応できるよう、防災訓練の説明会や地域災害医療連携会議などの場を通じて、BCPの策定を働きかけてまいります。
 次に、災害医療の体制強化についてでありますが、災害発生時の医療を確保するためには、限られた医療資源を効率的、効果的に運用する必要がございます。
 このため、被災現場で区市町村が設置する緊急医療救護所では、軽症者への応急処置等とともに傷病者のトリアージを行うこととなっており、都は、救護所と円滑に連携して重症者の医療を担う災害拠点病院や、中等症者を受け入れる災害拠点連携病院をあらかじめ指定しております。
 また、都は、災害医療コーディネーターを任命し、被害や医療資源の状況に関する情報を集約して、二十五病院、約千名の隊員を有する東京DMATの派遣や医薬品等の医療機関への配分等について調整を行うこととしております。
 今後、区市町村や関係機関との連携を一層強化し、災害医療の充実に取り組んでまいります。
 次に、動物を通じ命の大切さを学ぶ機会についてでありますが、動物愛護の精神を養うためには、子供のころから動物に親しみ、命の大切さを体感することが重要でございます。
 そのため、都は現在、小学校で動物教室を開催し、散歩や触れ合いを通して、動物が生きていることや動物がそばにいることの楽しさを実感してもらっております。
 今年度は新たに、動物愛護相談センターにおいて、犬や猫の飼育を希望する親子等を対象に、動物と触れ合い、接し方を学ぶサマースクールを実施いたします。
 また、より多くの都民に命の大切さを理解してもらい保護動物の譲渡を進めるため、都やボランティア団体の譲渡活動を紹介するイベントも都立公園や動物園の場で実施することとしておりまして、今後とも、関係団体等と連携しながら、動物愛護の取り組みを積極的に進めてまいります。
 最後に、高齢社会における動物との共生についてでありますが、高齢者がペットとできる限り長く暮らすことができるようにするためには、適正飼養の普及啓発を図るとともに、高齢者からのさまざまな相談に適切に対応していくことが重要でございます。
 そのため現在、都では、動物愛護相談センターで高齢者からの相談を受けるほか、地域での相談に動物愛護推進員が的確に応じられるよう講習会を開催しております。
 また、今年度作成するパンフレットには、散歩の代行など高齢者とペットとの暮らしを支援する民間サービスや、動物愛護推進員の活動事例などを盛り込み、区市町村の福祉部門などを通じて高齢者に配布することとしております。
 今後とも、高齢社会における人と動物との共生を目指し、動物愛護の取り組みを一層推進してまいります。
〔病院経営本部長醍醐勇司君登壇〕

○病院経営本部長(醍醐勇司君) 二点のご質問にお答えします。
 まず、墨東病院及び東部地域病院の水害対策についてでございますが、両病院は、大雨などに伴う浸水が予想される区域における災害拠点病院といたしまして、水害発生時にも診療機能を維持することが重要であります。
 このため、各病院とも浸水を防ぐ防潮板を設置しているところでございますが、特に地域災害拠点中核病院である墨東病院は、昨年八月の新館開設に際しまして、大規模水害時を想定し、屋上に新たな非常用発電機を設置するなど、対策を強化しているところでございます。今後は、東部地域病院におきましても、改修の機会などを捉えまして、水害への備えを充実してまいります。
 また、水害が長期化した際には、関係機関との連携による医療圏を超えた患者の広域搬送を行うなど、ハード、ソフト両面から対策を推進し、災害拠点病院としての使命を果たしてまいります。
 次に、がん教育における駒込病院の役割についてでございます。
 がんについての科学的根拠に基づく正しい知識を身につけることは、がん治療や、がん患者に対する理解を深めるために非常に重要でございます。
 都道府県がん診療連携拠点病院であります駒込病院は、質の高いがん医療を提供するとともに、地域住民を対象に、がんの予防、早期発見、治療法や、最新の放射線治療をテーマとした公開講座を開催するなど、予防や医療に関する普及啓発にも、これまで取り組んでまいりました。
 今後は、これらの実績を生かし、若い世代にがんに関する正しい知識を伝えるため、関係機関と連携を図りながら、都におけるがん専門病院としての役割を積極的に果たしてまいります。
〔総務局長中西充君登壇〕

○総務局長(中西充君) 防災対策についての二点のご質問にお答えいたします。
 まず、防災ブックの視覚障害者や外国人に向けた対応についてでございます。防災ブックは、各家庭における防災への意識を高め、災害に対する備えを万全のものとするために、都内の全世帯を対象として配布することとしており、全ての都民が等しくその情報を享受できることが重要でございます。
 このため、視覚障害者や外国人など誰もが防災ブックを活用していただけるよう、音声で内容を確認できる音声コードの添付や、英語版の作成など、対応策の検討を進めております。
 今後、広く都民に防災ブックの意義を伝えるため、広報活動を積極的に展開し、活用を促進してまいります。
 次に、オフロードバイクの導入、活用についてでございます。首都直下地震等大規模災害発生時には、道路が倒壊建物等で閉塞するなどの被害がある中で、オフロードバイクは、都有施設の被害状況などを把握するために有効な場合もあると想定されますが、そのためには、相当な訓練を行い技術を習得する必要がございます。
 都はこれまでに、発災時に被害状況調査を行うことが想定される関係局による検討会で、オフロードバイクの導入に向けた課題などについて協議を行ってまいりました。
 あわせて、本年九月一日の総合防災訓練の機会に、災害現場を再現した走路を設け、オフロードバイクの利用に向けた検証を行うことを予定しております。
 今後とも、本訓練での検証結果を踏まえつつ、各局と連携して災害時の活用の可能性について検討してまいります。
〔下水道局長松田芳和君登壇〕

○下水道局長(松田芳和君) 下水道事業におけるエネルギー危機管理対応についてでございますが、ご指摘のように、東日本大震災時に発電燃料の調達に苦慮した経験を踏まえ、非常用発電機の導入とともに、その燃料の確保についても多重の安全策をとることが重要でございます。
 そのため、全ての水再生センター間で燃料を相互融通できるよう、輸送手段確保の早期実現に向け関係団体と協議を現在進めております。
 さらに、通常の燃料である灯油のほか、都市ガスにも対応できるデュアルフュエル型の非常用発電機を採用いたしまして、燃料を多様化する取り組みも進めております。今年度中に第一号機を中川水再生センターへ導入し、設備の再構築に合わせて順次拡大していく予定でございます。
 今後とも、いかなるときにおいても下水道機能を維持できるよう、下水道事業におけるエネルギー危機管理対応の取り組みを強化してまいります。
〔環境局長遠藤雅彦君登壇〕

○環境局長(遠藤雅彦君) 四点のご質問についてお答えいたします。
 まず、家庭の省エネ対策についてでございます。
 長期ビジョンで掲げた省エネ目標の達成に向けては、都内エネルギー消費の約三割を占める家庭部門のエネルギー利用効率を高めていく必要がございます。
 これまで、省エネアドバイザー制度などにより、どの家庭でも実践できる対策を促してまいりましたが、今後は単身世帯の増加などの変化を踏まえ、世帯特性に応じたきめ細かなアドバイスを実施していくことが重要となります。
 このため、アドバイザーが活用するパンフレットに、世帯人数別の標準的なエネルギー消費量や、省エネが進んでいる家庭での取り組み内容を盛り込む等により省エネ意識を高め、具体的な実践行動につなげてまいります。
 今後とも、都民、事業者の協力を得て、無理のない賢い省エネ、節電に継続的に取り組んでまいります。
 次に、地中熱の推進についてでございます。
 地中熱の利用は、CO2削減に貢献するだけでなく、ヒートアイランド現象の緩和にも寄与するとされており、都が建設中の武蔵野の森総合スポーツ施設や民間の大規模商業施設などで導入が進められております。
 今年度は、都民、事業者の認知度の向上を図るため、おおむね二百五十メートルから五百メートルの区画で採熱量の目安をわかりやすく示す地中熱ポテンシャルマップを作成いたします。
 また、設計段階での導入検討にも活用できるよう、地質情報などのデータもあわせて示してまいります。
 さらに、八月には、事業者等に向け、新たに開始する地中熱の導入補助に関する説明会を開催する予定でございます。
 こうした取り組みを通じて、都内における地中熱利用のさらなる普及拡大を図ってまいります。
 次に、水素社会の到来を実感できる取り組みについてでございますが、水素エネルギーの普及に向けて、都みずからが率先してこれを利活用することは重要でございます。
 都は、燃料電池自動車の庁有車への率先導入を進めており、来月早々には新たに二台が納車される予定でございます。
 また、燃料電池バスの導入については、来月下旬に都バスでの実証実験を行うなどして、戦略目標の達成を目指してまいります。
 あわせて、今後、新宿地区などに、多くの都民が集まる場所で水素ステーションに適した用地を調査してまいります。
 こうした取り組みにより、都民が水素エネルギーに触れる機会をふやし、水素の利活用を実感できる取り組みを進めてまいります。
 最後に、水素社会の実現に向けた区市町村との連携についてでございますが、燃料電池自動車の普及初期における需要創出には、公的機関が率先して導入を進めることが効果的でございます。
 そのため、都は、区市町村が燃料電池自動車を導入する場合、ハイブリッド車と同程度の価格で購入できるよう、国と同額の約二百万円の補助を行うこととしており、今月中に受け付けを開始いたします。
 この補助では、区市町村所有の用地を水素ステーション事業者へ提供することや、水素エネルギーの普及に向けた独自の取り組みや民間への支援策を計画へ明示することなどを求めており、区市町村に積極的な取り組みを促してまいります。
 今後とも、区市町村等と一層の連携を図りながら、水素社会の実現に向けて取り組んでまいります。

○議長(高島なおき君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後四時四十分休憩

   午後五時開議

○副議長(藤井一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 百三番植木こうじ君
〔百三番植木こうじ君登壇〕

○百三番(植木こうじ君) 日本共産党都議団を代表して質問いたします。
 初めに、都政の緊急課題となっている少子高齢社会対策です。
 知事は所信表明で、この間、都有地を活用した福祉インフラ整備が進んでいることに触れ、都立公園で緑を守りながら保育園などを整備していくことも含め、今後も積極的に都有地の活用を図っていくことを表明いたしました。
 保育園の利用を希望する人はふえ続けています。派遣会社に登録しているお母さんは、仕事の依頼は来ているのに、保育園が決まらなければ断らざるを得ない。次に仕事が来るかと不安な日々を過ごし、何とか小規模保育に預けることができた。認可保育園をふやしてほしいと強く訴えていました。
 認可保育園の申込者数を調べましたが、昨年と比較できる十六の特別区のゼロ歳児だけで千三百人以上ふえています。待機児童数も回答があった四十二区市町村では、昨年とほぼ同じです。東京全体の待機児童は、昨年並みの約八千人に及ぶものと見込まれます。
 子育てしながら働き続けられる社会をつくるために、保育園整備のテンポをさらに引き上げることが必要です。
 東京では、今後、高齢者も急増します。高齢化率は現在の二〇%が十年後には二五%に達し、六十五歳以上の都民が約三百三十二万人にもなります。特養ホームなどの整備を初めとした介護体制充実は、まさに待ったなしの課題です。
 知事は、これらの問題の解決への取り組みをどう強化するのですか。保育園の待機児童を四年間でゼロにする、特養ホームを十年間で約一万八千人分ふやすという目標をどのように達成するのか、改めて知事に伺います。
 福祉インフラ整備促進に向けた都有地貸付賃料の引き下げが行われたのは、昨年の八月からです。また、定期借地への一時金補助は国有地にも広がり、国有地、民有地を借りた場合の賃料補助も始まりました。
 これらの制度を活用した実績がどこまで進んでいるのですか。そして、今後の取り組みをどう進めていくのか明らかにしてください。
 都営住宅については、清瀬市の中里団地を初め、未利用になっている用地があり、活用が急がれています。
 そこで質問します。
 知事は、昨年七月末、三十ヘクタールの都営住宅、公社住宅用地を提供すると発表しました。さきの第一回定例会で、中野の広町公社住宅など三カ所の公社住宅建てかえに伴って特別養護老人ホームなどを整備することが明らかにされましたが、都営住宅用地の活用については、具体的取り組みがいまだに示されていません。
 都営住宅及び公社住宅用地を、今後いつ、どのように提供していくのですか。
 今定例会に提出されている契約議案だけでも、警察署などの移転改築に伴い、港区と渋谷区の二カ所の都有地が活用可能となります。跡地は財務局に移管される予定だと聞いています。
 早期に関係自治体に情報提供し、福祉インフラ整備に活用することを求めるものですが、いかがですか。
 知事は、交通局の用賀寮跡地が公営企業用地を活用した福祉インフラ整備の第一号だと述べました。交通局の引き続く取り組みとともに、水道局、下水道局の未利用地も福祉インフラ整備に最大限活用することを求めるものですが、各局の取り組みの状況と考え方を伺います。
 国有地の活用促進は、福祉インフラ整備を進める鍵の一つになっています。廃止予定の宿舎など、都内の利用可能な国有地は、今後の利用に向け準備が整い、地元区市町村に意見照会されると見込まれるものが五十五カ所あります。
 しかし、面積が広く、価格が高い場合、地元区市町村は、保育園や特養ホームに活用したいと思っても、購入するにしても借りるにしても、なかなか手を挙げることができません。
 都が地元自治体と速やかに相談し、都の用地会計で一旦買い取ることなどの支援に踏み出すよう求めておきます。
 高齢者福祉の拡充も急務です。
 知事は、所信表明で、高齢者保健福祉計画に触れ、成熟都市にふさわしい施策を展開すると述べました。
 進めるべき課題はたくさんありますが、中でも貧困対策は重要です。日本の高齢者の貧困率は一九・四%と、OECD平均の倍近くに上ります。東京の国民年金の平均受給額は月五万四千円にしかなりません。病院に行けばわずかな貯金がなくなってしまうからと病気になっても我慢している、おむつがぬれて冷たくなってもヘルパーの訪問回数をふやせないためそのまま我慢している、食費を抑えるため宅配弁当を三回に分けて食べているなど、深刻な事態が広がっています。
 その上、国は年金の削減や、生活保護基準の引き下げを行っており、二年後には消費税増税を強行するとしています。国の悪政が高齢者の貧困を深刻化させる中、都として思い切った手だてをとらなければ、世界一の福祉先進都市を実現することなどできません。
 知事自身が開催した福祉先進都市東京に向けた懇談会で報告した、当時、国立社会保障・人口問題研究所の阿部彩さんは、高齢者の貧困の深刻さを強調し、全ての施策に貧困層の視点が必要だと述べました。
 しかし、高齢者保健福祉計画では、貧困の深刻化への視点は極めて弱く、低所得者向けの施策も多くが従来の延長線上のものにとどまっています。
 知事、東京都は、都民の福祉の増進に責任を持つ地方自治体として、貧困対策を高齢者福祉の柱に据え、抜本的な強化を進める必要があるのではありませんか。
 激増する認知症への対策の充実も求められています。
 二〇二五年には、東京の認知症の高齢者は六十万人になると推計されています。東京はひとり暮らしの高齢者が多く、とりわけそうした方が認知症になると、支援が不十分な中で日常生活が困難になることが少なくありません。徘回を繰り返し、何度となく保護される高齢者を抱える家族の生活は極限状態に追い込まれています。それだけに特養ホームとともに、認知症高齢者グループホームの増設が求められています。
 グループホームは少人数で、それぞれが役割を持って共同生活をすることで、連帯感やよい意味での緊張感が生まれ、生活能力、認知能力の維持につながります。共同生活そのものがリハビリの役割を果たすともいわれており、グループホームの役割はますます重要です。しかし、高齢者人口当たりの定員数は、東京都は四十七都道府県中最下位です。
 認知症の介護におけるグループホームの重要な役割と、都内の整備状況をどう認識していますか。知事が長期ビジョンで、十一年間に定員を一万人ふやして倍増させる目標を掲げたことは前進ですが、目標を達成するためにどう取り組んでいくのですか。
 グループホームは、小規模で運営の厳しい事業所が多く、日本認知症グループホーム協会の調査では、四分の一以上が赤字です。さらに、政府が介護報酬を五・七%と大きく引き下げたことが経営を困難にしています。これでは介護職員の確保も難しく、増設は進みません。
 都として、運営費の補助に踏み出すべきではありませんか。
 次に、経済政策です。
 経済政策で、都が何よりも力を注ぐべきは、都内産業の九九%を占める中小企業への支援、正規雇用の拡大、賃金アップ、雇用のルールの厳守などにより、実体経済を活性化することです。
 この立場から、まず、中小建設業への支援について伺います。
 老朽化が進む木造住宅やマンションの耐震化、長寿命化など既存住宅の有効活用など、社会資本の老朽化対策費は、東京都だけでも二十年間で六兆円規模という膨大なものになります。
 それだけに建設産業、とりわけ地域社会に密着した中小建設業の役割が重要だと思いますが、知事はどう認識していますか。
 都内の産業別倒産件数に占める建設業の割合は、二〇一四年で一四%と、サービス業、卸小売業に次ぐ高さで、就業者も激減しており、このままでは住宅や社会資本の耐震化、長寿命化に支障を及ぼすおそれがあります。
 にもかかわらず、都の長期ビジョンにも、産業振興基本戦略にも、建設業の振興策はありません。建設業振興の担当部署もありません。
 一方、国土交通省は、担当部署を設置し、企業の連帯による新技術開発や、複数の技能を身につけた人材育成などの地域建設業支援を実施しています。
 高知県では、建設業活性化プランを作成し、専門家のアドバイスで、新技術開発や経営改善を支援する窓口を設置しているのです。
 都としても、中小建設業の育成、活性化、技能労働者の確保などの振興策を早期につくり、建設業振興の担当部署及び相談支援窓口を設置すべきと思いますが、知事、いかがですか。
 建設業の担い手確保、育成のために、賃金単価の適正な引き上げや、下請企業に対する適正な価格による契約などが重要だと思いますが、見解を伺います。
 都の公共工事では、予定価格の積算基準となる設計労務単価が引き上げられていますが、低賃金構造の改善はそれだけでは進みません。
 現に、全建総連東京都連が行った昨年五月の調査では、都が設計労務単価を二度引き上げた後でも、大工の一日の常用賃金は四%しか上がらず、設計労務単価と実際に支払われた賃金との差額が七千九百八十五円と広がっています。低賃金構造の克服には、契約段階での賃金の下限額を設定する公契約条例が欠かせなくなっているのです。
 事業の質の確保と労働条件の改善を図る目的で、公契約条例の制定が全国に広がり、重要な役割を担ってきています。
 都として、公契約条例の検討を進め、制定に前向きに取り組むよう求めておきます。
 雇用対策では、知事が取り組んでいる非正規労働者の正規化への支援とともに、正規でも若者を使い潰すブラック企業や、学生を違法な雇用で酷使するブラックバイトの対策も急がれています。
 国会では、若者たちの切実な声と世論に押されて、ブラック企業規制を定めた青少年雇用促進法が成立目前ですが、具体化が既に始まっています。一カ月に百時間を超える残業を行わせ、労働法に違反して働かせた労働者が十人以上に上るなどの違法行為をした大企業に対し、是正勧告や企業名の公表などを行うこととしています。
 国がブラック企業の規制に踏み出したことを知事はどう受けとめていますか。国の規制がより実効性を発揮できるよう、都としても、ブラック企業対策に取り組むことが重要と考えますが、いかがですか。
 ブラックバイトも社会問題になっています。
 弁護士や青年ユニオンなどが発表した全国の学生三千六百人対象のアンケート調査では、アルバイトで不当な扱いを受けた学生は七割、うち半数は泣き寝入りさせられています。学業に影響したという学生も四割で、学生の法律への知識が不十分なことを企業側が悪用している例も多いと指摘されています。
 私たちの調査でも、学習塾講師のアルバイトは、賃金は授業時間分のみで、準備や片づけは不払い労働とされ、実質は最低賃金以下の時給七百円台となる例がほとんどでした。
 また、ファミレスやコンビニのアルバイトの多くも、試験時期に休暇もとれず、深夜まで長時間の一人勤務をさせるなど、正規の店長並みの責任を負わせている実態があります。
 知事は、学生や高校生の勉学や暮らしに影響を及ぼし、違法な働かせ方が蔓延しているブラックバイト問題をどう捉えていますか。
 都として、学生や高校生のアルバイトの実態調査や、大学への出張相談を行うとともに、問題がある場合は、雇用主との交渉に解決まで立ち会うなど、ブラックバイトの根絶に全力で取り組むべきです。お答えください。
 次に、都市づくりについて伺います。
 知事が、自動車優先の社会から、自動車だけでなく、自転車、歩行者が共存するディモータリゼーション社会へと変えていかなければならないと述べたことは重要ですが、一方で都は、大型道路の新規建設を次々に進めています。
 フランスでは、環境保護を重要な交通政策課題とし、温室効果ガス削減目標を掲げ、道路建設を凍結し、軌道系公共交通の拡充を行うことを決め、トラム、路面電車の再整備と自転車の利用が具体的な公共交通の利用促進策として進められています。
 東京都も持続可能な都市づくりを進めるために、何よりも道路建設最優先の立場を改めることが求められているのではありませんか。
 その上に立って、公共交通や自転車、歩行者交通対策の強化を重視した取り組みにすることが重要と考えますが、知事の認識を伺います。
 都は、第四次都市計画道路整備方針の中間のまとめを公表しました。
 東京都の都市計画道路の大半が戦後復興期や高度成長期につくられたもので、計画決定後、半世紀から七十年近くも着手されない路線が多数あります。にもかかわらず、前回の第三次事業化計画では一路線を廃止しただけで、都は、今度は十五の検証項目で必要性を確認するとしていますが、さまざまな理屈をつけて、ほとんどの都市計画道路が必要だとされかねないものになっています。
 大阪府では、同等の機能を持つ代替道路があるか、地域の期待や合意形成があるかなどの見直し項目を設け、百六十五路線、二百六十キロを廃止しています。京都府でも、住民生活を守る立場に立った見直し指針を示したことで、京都市内の都市計画道路は約一割に当たる五十五キロが廃止されています。
 都も都市計画道路を大胆に見直すべきです。そのためにも、検証項目の中に、代替性や緊急性、実現性、環境への影響、住民合意などを加えて検証すべきではありませんか。
 防災対策でも、都は、道路建設中心ではなく、建物の耐震化と出火防止という予防対策を重視すべきです。
 国は、建築物の耐震化、火災対策はあらゆる対策の大前提だとし、首都直下地震緊急対策推進基本計画で、最悪約六千四百人と見込まれる建物倒壊による死者を減らすための目標値を定めました。
 改めて、我が党が提起してきた木造住宅耐震化助成事業の拡充を求めるものです。それぞれお答えください。
 首都直下地震緊急対策推進基本計画は、火災対策について、電気に起因する出火の防止が極めて重要とし、延焼のおそれのある著しく危険な特定地域では、地震の際、自動的に電気を遮断する感震ブレーカーの普及率二五%を目指すと具体的数値目標を初めて明示し、モデル地域を設定して普及するとしています。
 国のこうした方針をどう受けとめますか。都として、感震ブレーカーの二五%普及をどう達成させるのですか。
 経済産業省の意識調査によると、電気火災について、聞いたことはあるがよく知らない、聞いたことはないという人が六割以上、感震ブレーカーを知らないという人も七割以上を占めています。電気火災が地震火災の最大の出火原因となっていること、電気火災がなぜ発生するのか、そして感震ブレーカーの効果などについて、わかりやすく都民に伝えることが大切です。
 作成中の防災ブックなどへの記載を初め、普及啓発を強化すべきですが、いかがですか。
 横浜市は、普及促進のため設置費用の補助制度を設け、高知県と四万十市では、市内の住宅密集地区約三千百戸に感震ブレーカーを無料で取りつけることを決めました。
 都としても、住宅密集地域を初めとした区市町村、設置を希望する町会、自治会などへの財政支援を検討すべきです。いかがですか。
 次に、教育条件整備について伺います。
 小中学校での三十五人学級の拡大は、特別な支援や配慮を必要とする子供や、貧困などさまざまな困難を抱えている子供がふえる中で、ますます切実な要望になっています。
 都教育委員会は、現在、小学校一、二年生及び中学校一年生で実施している三十五人学級について、学校からは、授業中の学習態度など、児童生徒の状況が改善されたという肯定的な意見が回答されているとしています。
 学校現場や保護者を初めとする都民からは、何かと対応が難しくなる三年生以降にも、早急に少人数学級を拡大してほしいとの声が広がっています。
 全国でも、既に十府県において、小中学校全学年で独自の少人数学級を実施しており、全国知事会も国に対して少人数学級推進を要望しています。
 ことし二月の国会で、我が党の少人数学級の推進を求めた質問に対し、安倍首相は、小学校一年生、二年生では実現しているわけでありますが、さらに三十五人学級の実現に向けて鋭意努力していきたいと答弁をしました。
 また、下村文科大臣が、今月五日の衆議院文部科学委員会において、小中学校での三十五人学級の推進について、定数改善を早急に進めたいと答弁したことは重要です。
 知事は、こうした政府の対応について、どう受けとめていますか。国に対し、三十五人学級の推進を求めるとともに、都みずから、小学校三年生から順次少人数学級を進めるべきではありませんか。
 多摩地域の課題について伺います。
 四百二十万人が住む多摩地域には、さまざまな問題で、区部や同レベルの人口を抱える県との格差があります。とりわけ医療の問題では、大きな立ちおくれが起こっています。
 多摩地域の人口は静岡県より多く、福岡県に次ぐ全国十番目に相当する人口ですが、人口当たりの病院数や医師数のいずれもが、都全域はもちろん、全国平均をも下回っています。
 知事は、こうした状況をどう認識し、どう打開するのですか。
 高齢出産や低体重児の増加などにより、NICU、新生児集中治療室の整備が急務となっています。都内のNICU病床数は、現在三百十五床ですが、二〇一九年までに三百二十床にする、つまり、あと五床ふやすだけとしているのです。
 しかし、出生数一万人に対し、三十床のNICUを整備するという都の目標からすると、多摩地域には百床必要ですが、現在六十九床にすぎません。これでよいのですか。
 多摩地域より人口が五十万人も少ない静岡県には九十八床、人口五百七万人の福岡県には百八十九床のNICUがあります。
 多摩地域のNICU整備の立ちおくれを改善するため、大幅な増床を進めるべきですが、いかがですか。
 次に、新国立競技場についてです。
 下村文部科学大臣が、知事との会談で、根拠も示さず整備費の一部の東京都負担を要請するとともに、今になって工期が間に合わない、整備費が膨らむといい出した無責任ぶりに都民やマスコミから厳しい批判の声が上がっています。
 都はこれまで、文科省の巨大競技場計画に追随、協力してきましたが、知事がこうした文科省の姿勢を厳しく批判し、情報の全面公開など積極的に求めたことは重要です。
 多くの建築家が指摘しているように、整備費を膨らませ、工期も間に合わなくなった最大の原因は、鉄骨の量が東京タワー五基分になる巨大なキールアーチ構造にあります。
 オリンピック・パラリンピック成功に向け、新国立競技場問題の行き詰まりを打開するためには、この構造を見直すことが避けて通れません。知事、どう考えますか。
 槇文彦氏を初めとする建築家グループは、工期も費用も圧縮できる具体的な対案を示しています。
 文科省がこうした専門家の提案に耳を傾けるよう働きかけるべきです。知事、お答えください。
 東京都への財政負担要請に対し、知事が、国立競技場は国立である以上、その建てかえは原則として国の費用で行うべきとの姿勢を示したことは当然です。
 同様に、周辺整備についても、原因者である国の責任で行うのが原則です。オリンピック・パラリンピックで都が担う競技場などの整備費、用地費は、選手村も含めれば、現在、明らかにされている二千七百八十七億円にはとどまりません。
 その上、新国立競技場の整備費まで負担することは、財政的にも困難であり、都民の理解は得られません。知事、いかがですか。
 文科省が都に負担を押しつけるために、一方的に法改定まで行うとしていることは重大です。知事も指摘しているように、憲法では、一つの地方公共団体のみに適用される特別法の制定は、住民投票を行い、過半数の同意が必要という厳しい条件を課しています。
 知事、法改定の動きについてどう考えますか。法改定は許されないことを政府にはっきりいうべきですが、いかがですか。
 安倍政権が進めている安保法制、戦争法案について質問します。
 国会審議を通じて、この法案が二度と戦争しないと誓った憲法九条を根本から破壊して、アメリカの起こす戦争に自衛隊がいつでもどこでも参加、支援するための戦争法案であることが明らかになりました。
 すなわち、第一に、集団的自衛権の行使を容認し、日本に対する武力攻撃がなくても他国のために武力行使をする、海外での武力行使に道を開くこと、第二に、戦闘地域にまで自衛隊を派兵し、米軍等への補給、輸送などの後方支援を行うこと、第三に、戦乱が続いている地域に自衛隊を派兵し、治安維持活動などに取り組むことができるようにすることなどです。
 日本が武力攻撃を受けていなくても、アメリカによる無法な戦争に参加する、こんなことを許してはならないと思います。今、日本を再び戦争をする国にするなという国民、都民の声が大きく広がっています。
 知事、平和と安全を守る立場に立って、ぜひ声を上げていただきたい。いかがですか。
 今回の安保法制は、集団的自衛権の行使はできないといってきた歴代政府の憲法九条解釈を一内閣の一方的判断で覆し、憲法の平和主義、国民主権、立憲主義を根底から破壊するものです。だからこそ、四日の衆議院憲法審査会では、与野党が推薦した三人の憲法学者の参考人がそろってこの法案を憲法違反と断言したのです。
 知事は昨年、「憲法改正のオモテとウラ」という著作で、憲法とは、主権者である国民が制定するもの、立憲主義は国家権力を制限することを目的とすると、立憲主義の重要性を強調しています。
 安倍政権の戦争法案は、立憲主義の否定、憲法違反そのものではないでしょうか。知事、いかがですか。
 日本共産党は、安倍政権による憲法破壊の戦争する国づくりを目指す法案を今国会で通させないために、全会派、議員の皆さんに党派を超えての共同を呼びかけるものです。
 横田基地へのオスプレイの配備も重大な問題です。
 そもそも首都の住宅密集地に米軍基地が置かれていること自体異常なことです。このため、横田基地周辺の住民は、激しい騒音や事故の危険に苦しめられてきました。過去にも米軍機墜落による死傷事件や飛行中の部品の落下など、深刻な事故が繰り返されてきました。
 アメリカ国内の基地は、安全確保のために、滑走路から九百メートルは施設建設を認めないクリアゾーンとして、さらに千五百メートルまでは事故可能性地域、APZ1に定め、住宅や学校、福祉施設などを設置してはならないとされているのです。ところが横田基地周辺には、住宅、学校、保育園などが多数存在しています。
 政府も沖縄の普天間基地の移転を進める理由として、市街地の真ん中にあるから危険だということを挙げているのです。
 知事は、こうした横田基地をめぐる状況、危険性をどう認識しているのですか。
 今でも危険な横田基地に、繰り返し重大事故を起こしている欠陥機オスプレイが配備されるのです。しかも、その欠陥機オスプレイが夜間訓練や旋回訓練だけでなく、最も高い障害物からわずか三十メートル、あるいは六十メートルという超低空飛行訓練を行うことが、国会での我が党の質問で明らかになりました。
 墜落事故の危険は極めて現実的なものです。知事はそのことをどう考えていますか。
 知事は、国の責任で、都を初め地元自治体や住民に十分な説明責任を果たすよう求めていますが、説明責任が果たされるどころか、ハワイで訓練中のオスプレイが墜落し、二人の死亡と多数の負傷者を出した最近の事故の原因さえ明らかにされていないまま、オスプレイが横田基地に次々と飛来していることをどう考えているのですか。
 少なくとも米軍のいう安全性について納得のいく説明がされ、地元自治体や住民が納得するまではオスプレイの飛来は許されないことを、知事として、国と米軍に強く物申すべきではありませんか。
 横田基地が立地する福生市長は、オスプレイ配備は受け入れがたいと防衛省に直接働きかけ、市議会も配備計画の再検討を求めて全会一致で決議を上げています。
 周辺市や議会からも、あんなに落ちる飛行機では困るなど危惧する声が広がっています。
 知事、オスプレイ配備を危惧する周辺自治体の首長や議会と連携すべきではありませんか。
 知事は、安全保障は国の専管事項だと繰り返し発言していますが、都民の命を守るのが知事の責務ではありませんか。オスプレイの横田基地への配備によって、都民の命と安全が明らかに脅かされるのです。
 沖縄でも、岩国でも、知事や市長は、米軍機の新たな配備の中止を求めてきました。国と米軍に対して、東京都知事として、オスプレイ配備反対をきっぱり申し入れるべきです。いかがですか。
 横田基地に米空軍のCV22オスプレイが配備されれば、特殊作戦部隊に所属する四百人もの軍人、軍属が新たに配置され、特殊作戦の出撃拠点になります。
 都が掲げてきた基地の整理、縮小、返還どころか、基地機能がますます拡大強化され、恒久基地化につながりかねない重大事態ではありませんか。
 今こそ基地機能強化に反対し、都として、横田基地の整理、縮小、返還を強力に進めるべきと思いますが、知事の答弁を求め、再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)
〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 植木こうじ議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、福祉サービス基盤の整備についてでございますが、昨年策定した長期ビジョンでは、区市町村のサービス見込み量を踏まえまして、平成二十九年度末までに保育サービスを四万人分、特養は平成三十七年度末までに定員六万人分にふやすことを目標といたしました。
 知事に就任以来、福祉サービス基盤の整備を促進するために、施設整備費や賃借料の負担軽減など、さまざまな支援策を講じておりまして、今後とも、目標の達成に向けて、区市町村や事業者を支援してまいります。
 高齢者福祉についてでございますけれども、高齢者の生活実態はさまざまでありまして、低所得の方がおられることは十分承知しております。
 第六期の高齢者保健福祉計画は、こうした高齢者の生活実態を踏まえて策定しておりまして、介護サービス基盤の整備、在宅療養や認知症対策、介護人材確保の推進、介護予防と支え合う地域づくり等を重点分野に位置づけ、その中にさまざまな低所得者対策を盛り込んでございます。
 次に、若者のアルバイトについてですけれども、若者がアルバイトを経験することは、見聞を広め、その後の人生に有益なものとなります。
 しかしながら、学生が法令に反した労働条件での勤務を強いられ、学業に支障を来すことはゆゆしき問題でございます。
 雇用形態を問わず、労働関係法令を遵守することは、企業の当然の責務でありまして、法令に違反する企業に対しては、法に基づき、国が指導や取り締まりを実施しております。
 都は、職場でトラブルを抱えた方への支援や、労働関係法令の普及啓発などの役割を担っておりまして、労働相談を実施するとともに、企業に対するリーフレットの配布やセミナーの実施、学生向けの解説冊子やトラブル事例を紹介した動画の提供などを行っております。
 都としては、今後とも、こうした取り組みを進めてまいります。
 新国立競技場の整備にかかわる建築家の提案についてでございますけれども、新国立競技場の整備については、建築の専門家などがさまざまな提案を行っていることは聞いております。
 最も重要なことは、国が国の責任において予定の期限までに新国立競技場を完成させることであります。
 新国立競技場の整備費用に関する都負担についてでございますが、今般、文部科学大臣から新国立競技場の整備費用について負担の要請がございました。
 その際、不明であった工期や総工事費、都民が納得する都負担の根拠など全体像を明らかにするように、現在、国に対して求めておりまして、今後、その情報を踏まえて検討してまいります。
 法改正の動きについてでございますけれども、法改正の検討について文科大臣が言及したことは報道で承知しておりますけれども、国から何の説明も受けておりませんし、内容も承知していないため、お答えのしようがございません。
 安保法制についてでありますけれども、常々申し上げていますように、安全保障は国の専管事項であります。
 その上で、あえて申し上げれば、平和とは、ただ望めば手に入るような簡単なものではございません。国際情勢も踏まえ、十分な議論が国権の最高機関たる国会の場でなされることが重要でございます。都知事として、何かをいうという考えはありません。
 安保法制と憲法についてでありますが、昨年も同様なご質問をいただいたと思いますが、ご質問にありました私の著作ですが、これは私が自民党の新憲法起草委員会の事務局次長を務めて、第一次改正草案をつくったときの経験をまとめた本でございます。
 集団的自衛権の行使を憲法に明記するのか、解釈で可能にするのかは、人によってそれぞれ意見があると思います。
 憲法以前の問題として、個人が自然権として自衛の権利を持っているように、国家もまた憲法以前の権利として自然権を持っております。さらにいえば、国連憲章には、全ての国が個別的及び集団的自衛権を持っているということが明記をされております。
 繰り返しになりますけれども、いずれにしましても、安全保障や憲法については、国の根幹にかかわる問題でありまして、国民の代表である国会議員の皆さんが国権の最高機関である国会の場でしっかりと議論すべきものだと考えております。
 オスプレイの配備についてでありますが、何度も申し上げますように、安全保障に関することは国の専管事項でありますが、米軍の運用に際しましては、地元住民の生活への最大限の配慮が必要でございます。
 横田基地へのオスプレイ配備につきましては、都は、国の責任において、地元自治体や周辺住民に対して十分な説明責任を果たすとともに、安全対策の徹底と環境への配慮を米国に働きかけることを既に要請しております。
 今後も、都民の生命と安全・安心を守る立場から、国に対して必要なことは申し入れていくことを決意してございます。
 なお、その他の質問につきましては、教育長及び関係局長が答弁をいたします。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 二点の質問にお答えいたします。
 まず、少人数学級に係る政府の対応に対する見解についてでありますが、義務教育については、教育の機会均等や全国的な教育水準の維持の観点から、国の責任が大きいと考えており、引き続き国の動向を注視してまいります。
 次に、少人数学級の拡大についてでありますが、都教育委員会は、小一問題及び中一ギャップの解決のため、小学校第一学年、第二学年及び中学校第一学年において三十五人学級編制を可能としております。
 なお、義務教育における今後の学級編制のあり方は、教育の機会均等や全国的な教育水準維持の観点から、国の責任が大きいと考えております。
〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 五点のご質問にお答えをいたします。
 まず、福祉インフラの整備についてでありますが、都は昨年八月、福祉インフラ整備のための都有地貸し付けに当たり、都内平均地価を超える部分について、減額率を九〇%に拡大することといたしました。八月以降に行った公募は五件で、これまでに事業者決定を行ったのは三件、うち九割減額の対象となった案件は一件でございます。
 また、昨年度の補正予算で国有地、民有地を借りた場合の賃料に対する補助制度を創設するとともに、これまで民有地を対象に行っていた定期借地権の一時金補助を国有地にも拡大しており、平成二十六年度の実績はそれぞれ九件、十二件となっております。
 今後とも、これらの制度を活用し、福祉インフラの整備を促進してまいります。
 次に、認知症高齢者グループホームの整備についてでありますが、認知症高齢者グループホームは、自宅での生活が困難になった認知症高齢者の居住の場として重要であり、本年四月一日現在で九千五百十五人分が開設されております。
 都は、独自の支援策として、重点的緊急整備地域では一ユニット当たり三千万円、最大三ユニットで九千万円を補助するほか、小規模多機能型居宅介護などを併設する場合には一施設当たり一千万円の加算も行っております。
 また、国が補助対象としていない、土地所有者が整備するオーナー型についても補助しており、長期ビジョンで示した平成三十七年度までに二万人分を確保するという目標達成に向け、整備を促進してまいります。
 次に、認知症高齢者グループホームの運営についてでありますが、認知症高齢者グループホームは介護保険法に基づくサービスであり、介護報酬により運営されることが基本でございます。
 今回の報酬改定においても、介護職員の安定的な確保やさらなる資質向上を図るために、介護職員処遇改善加算やサービス提供体制強化加算の増額、夜間の支援体制の充実などが行われております。
 都は、グループホームの整備を促進するため、先ほど申し上げたとおり、最大三ユニットで九千万円まで補助し、小規模多機能型居宅介護などを併設する場合に補助を加算するほか、オーナー型を補助対象とするなど、独自の支援を実施し、事業者の負担を軽減しております。
 次に、多摩地域の医療提供体制についてでありますが、都は、都民に包括的な保健医療サービスを提供していくための地域的単位として、十三の二次保健医療圏を設定しております。区部、多摩地域を問わず、二次保健医療圏ごとに状況はさまざまであり、都は、各圏域の医療資源の状況、疾病や事業ごとの特性等を踏まえて、医療提供体制を整備しております。
 最後に、多摩地域におけるNICUの整備についてでありますが、NICUは低出生体重児等の新生児に対して、呼吸管理等を初めとした専門医療を提供する場であり、新生児科医師の常駐や三床に一人の看護師の配置とともに、生命維持装置等の施設整備も必要でございます。
 そのため、その整備に当たっては、搬送体制を整備しながら、限られた医療資源の集約化を図り、高度な医療を集中的に提供する体制を構築することが最も効果的であります。
 こうした考えに立って、本年三月に改定した東京都周産期医療体制整備計画においても、引き続き都内全域を一つの圏域として整備目標を定め、出生数の推計等も踏まえ、NICU病床三百二十床を確保することとしております。
〔都市整備局長安井順一君登壇〕

○都市整備局長(安井順一君) 十二点のご質問にお答えいたします。
 まず、福祉インフラ整備のための創出用地の提供についてでございますが、都営住宅や公社住宅の建てかえに当たっては、関係局や区市町村と連携しながら、創出した用地等を活用して、福祉施設の整備を促進しております。
 候補地の提供等は、区市町村との協議を経て行うこととしておりまして、既に協議が調った公社住宅の三カ所において取り組みを進めております。
 今後とも、関係局と連携しながら、区市町村との協議を行ってまいります。
 次に、中小建設業の役割についてでございますが、建設業は、東日本大震災に係る復興事業、耐震化や不燃化など首都直下地震に対する備え、インフラの維持管理などの担い手として、その果たすべき役割はますます増大しております。
 この中でも、地域の実情に精通し、東京のまちづくりに貢献してきた中小建設業は、こうした取り組みを着実に進める上で重要な役割を担っているものと認識しております。
 次に、中小建設業の振興についてでございますが、建設業の振興は、まず業界みずからが取り組む課題でございます。
 都としては、若年技術者の育成、確保の状況を経営事項審査における加点対象とすることにより、都における入札参加資格が優位となる優遇措置を講じ、業界全体の健全な発展を促しております。
 また、中小企業対策の一環として、経営相談、資金繰り支援、職業訓練を通じた建設労働者の育成なども行っております。
 引き続きこうした取り組みにより、中小建設業の振興を図ってまいります。
 次に、建設産業の担い手の確保と育成についてでございますが、平成二十六年の建設業法の改正におきまして、建設工事の担い手の育成と確保が建設業者の責務として位置づけられております。
 これを受けて、都は、技能労働者への適切な賃金の支払いとともに、下請契約及び下請代金支払いの適正化等について、法改正の趣旨が徹底されますよう各建設業界団体宛てに要請しているところでございます。
 次に、公共交通などを重視した取り組みについてでございますが、都はこれまでも、パリなどの海外主要都市に比べて整備率が低い環状道路などの整備を推進し、都心部から通過交通を排除することにより、慢性的な渋滞の緩和や環境負荷の低減などに取り組んでまいりました。
 その上で、限られた道路空間を活用して歩行者空間を拡大するとともに、自転車走行空間の確保や交通広場の整備による公共交通との乗りかえ改善などに取り組んでおります。
 今後とも、道路や公共交通のネットワークの充実を図り、環境に優しく、誰もが使いやすい交通体系を構築してまいります。
 次に、今後の都市計画道路の整備方針についてでございますが、区部及び多摩地域の都市計画道路は、これまで過去三回の計画の見直しにおきまして、社会経済情勢の変化に応じて、適時適切に路線の必要性の検証を行ってまいりました。
 今回策定する整備方針におきましても、改めて将来における都市計画道路網の検証を行うこととしております。これまで、学識経験者による委員会等で検討を進め、本年五月、集約型の地域構造への再編や安全・安心な市街地の実現などに向け、必要性の検証項目などを中間まとめとして公表いたしました。
 こうした考え方について、現在、パブリックコメントを実施しておりまして、今後、この結果を踏まえ、関係区市町とともに個々の路線の検証を行ってまいります。
 次に、木造住宅の耐震化助成の拡充についてでございますが、都は、広域自治体として、東京全体の安全性を高める観点から、国や区市町村との適切な役割分担のもと、老朽木造住宅の密集度が高い地域として防災都市づくり推進計画に定める整備地域に的を絞って、木造住宅の耐震化助成を重点的に行っております。
 こうした対応によりまして、震災時の住宅の倒壊による道路閉塞や延焼拡大を防止し、大規模な市街地火災による人的、物的被害を最小限に抑えることが可能となります。
 引き続き、限られた財源のもと、防災対策上の優先度を考慮し、耐震化助成を効果的、効率的に実施してまいります。
 なお、お話にございました国の目標値につきましては、三年前から都は耐震改修促進計画に掲げており、目標達成に向け、既に取り組んでいるところでございます。
 次に、横田基地周辺の状況についてでございますが、横田基地の周辺地域におけます土地利用につきましては、航空法などの国内法の基準に適合するよう、国が適切に対応しているものと認識しております。
 米軍の運用に当たりましては、安全面に最大限考慮を払うとともに、地元住民に与える影響を最小限にとどめるよう努めるべきでございます。
 このため、都は、地域に影響を及ぼす米軍の運用につきまして、国や米軍に要請を行っております。
 次に、オスプレイの低空飛行訓練についてでございますが、国からは、米国は低空飛行訓練を含め、CV22オスプレイの我が国での訓練、運用に際しましては、MV22オスプレイに関する日米合同委員会合意を含む、既存の全ての日米合意を遵守する旨を明言していると聞いております。
 MV22オスプレイに関する日米合同委員会の合意におきましては、地元住民に十分な配慮がなされ、最大限の安全対策がとられることのほか、低空飛行訓練についても、原則として地上から約百五十メーター以上の高度で飛行することとなっております。
 次に、オスプレイの横田基地への飛来についてでございますが、ハワイにおけます事故については、国から米国側に対して事故原因を含めた関連情報を速やかに提供することを求めるとともに、国内の運用につきまして、引き続き安全面に最大限の考慮を払うよう申し入れていると聞いております。
 米軍の運用に際しましては、地元住民への最大限の配慮が必要でございまして、国の責任におきまして、安全対策の徹底や地元への十分な情報提供が行われるべきものでございます。
 都は、オスプレイの配備につきまして、十分な説明責任を果たすとともに、安全対策の徹底と環境への配慮等を米国に働きかけることを国に求めておりますが、今回の事故を受けて、早急な原因の究明と再発防止及び迅速かつ正確な情報提供を改めて申し入れたところでございます。
 次に、周辺自治体との連携についてでございますが、横田基地へのオスプレイ配備につきまして、都は、国の責任において、都を初め地元自治体や周辺住民に対して十分な説明責任を果たすとともに、安全対策の徹底と環境への配慮等を米国に働きかけることを国に対して要請しております。
 また、横田基地が所在する五市一町から成る横田基地周辺市町基地対策連絡会などにおきましても、都と同様の申し入れを行ってございます。
 地元五市一町とは、基地に起因する問題を話し合うため、横田基地に関する東京都と周辺市町連絡協議会を設け、定期的に会合を行っており、今後もそうした場などを活用いたしまして、情報共有や十分な意見交換を行ってまいります。
 最後に、横田基地の機能についてでございますが、横田基地は西太平洋地域の米軍の空輸ハブ基地としての役割を担っており、輸送部隊が駐留してございます。
 国は、横田基地へのオスプレイ配備は、こうした輸送拠点としての機能の範囲内で行うものとしており、配備後におきましても、横田基地の空輸基地としての役割は変わらないものと認識しております。
 米軍基地は、日米安全保障体制の一翼を担うものでありますが、日米地位協定に基づき、必要でなくなった場合は返還されなければならず、その必要性は絶えず検討されることとなってございます。
 都としては、引き続き基地の返還の可能性が検討され、基地の整理、縮小、返還が促進されますよう国に要請してまいります。
〔財務局長長谷川明君登壇〕

○財務局長(長谷川明君) 都施設の移転跡地の情報提供についてでございますが、都有地は都民から負託を受けた貴重な財産であり、都政の喫緊の課題解決のため最大限有効活用していくことが重要でございます。
 都が抱える行政需要は、福祉施設の整備を初め、学校、道路、公園、都民の安全・安心にかかわる施設など多岐にわたっております。
 今後とも、こうしたさまざまな行政需要に対し、土地の形状や立地等を踏まえ、個々の都有地の活用策を計画的に検討した上で、福祉インフラ整備に活用可能と判断される都有地につきましては、速やかに区市町村に対して情報提供を行ってまいります。
〔交通局長新田洋平君登壇〕

○交通局長(新田洋平君) 福祉インフラ整備における交通局の取り組みの状況と考え方についてでございますが、交通局では、経営基盤の強化に資するため、未利用地の貸し付けを行う等、局有資産の有効活用を図っております。
 また、地域のまちづくりなど社会的要請に対応する観点から、昨年の福祉インフラ整備のための土地活用検討チームの議論も踏まえまして、このたび、用賀寮の跡地を活用することといたしました。
 今後も、活用可能な局有地の抽出を行った上で、地元区に情報提供を行い、要望のありました場合には適切に対応してまいります。
〔水道局長吉田永君登壇〕

○水道局長(吉田永君) 福祉インフラ整備における水道局の取り組みの状況と考え方についてでありますが、水道局が保有する土地は局事業への活用が前提でありますが、これまでも活用見込みがない土地につきましては、庁内各局や区市町へ情報提供しております。
 また、各局や区市町から活用について要望があった場合には、局事業に支障のない範囲で対応しております。
 今後とも、これらの取り組みを継続しつつ、福祉インフラ整備に関する土地活用方策などを踏まえ、適切に対応してまいります。
〔下水道局長松田芳和君登壇〕

○下水道局長(松田芳和君) 福祉インフラ整備における下水道局の取り組みの状況と考え方についてでございますが、下水道局が保有する土地は下水道事業への活用が前提でございまして、これまでも当局での活用の見込みがない土地については、庁内各局や区市町村へ情報提供しております。
 また、各局や区市町村から当局用地の利用について要望があった場合には、局事業に支障のない範囲で対応しております。
 今後とも、これらの取り組みを継続しつつ、福祉インフラ整備に関する土地活用方策なども踏まえ、適切に対応してまいります。
〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 二件のご質問にお答えをいたします。
 まず、若者の雇用環境についてでございますが、現在審議中の青少年雇用促進法は、若者の円滑な就職の実現を図り、能力を有効に発揮できる環境の整備につながるものでございます。
 都といたしましては、こうした動向も踏まえつつ、労働関係法令の普及啓発を図るとともに、労働相談を適切に実施してまいります。
 次に、アルバイトでのトラブルについてでございますが、都の労働相談や都内大学に寄せられた情報などから、学生のアルバイトに関するトラブルの状況について把握に努めております。
 都は、学生、生徒向けの労働法の普及啓発冊子や大学に配布したポスターなどにより、働く際の注意喚起と相談窓口の周知を行っております。
 また、労働相談では、必要に応じまして、都が企業との間に入り、解決に向け支援をしております。
〔総務局長中西充君登壇〕

○総務局長(中西充君) 防災対策についての四点のご質問にお答えいたします。
 まず、予防対策を重視すべきとのお尋ねでございますが、都はこれまで、地域防災計画に基づき、初動体制の強化や被災者への物資供給といった応急復旧対策に加え、木造住宅密集地域の改善や道路ネットワーク整備など防災まちづくりを進めることにより、予防対策を着実に推進してまいりました。
 また、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を見据え、地域防災計画で掲げる予防対策の実効性の確保と、災害発生時の応急復旧対策の円滑化に向けた事前の取り組みをスピード感を持って推進するため、昨年末に東京の防災プランを策定いたしました。
 今後とも、予防対策から応急復旧対策まで切れ目なく防災対策を推進してまいります。
 次に、感震ブレーカーの普及についてでございます。
 本年三月に閣議決定された首都直下地震緊急対策推進基本計画では、感震ブレーカー等の普及を加速させ、今後十年間で、延焼のおそれのある木造住宅密集市街地における普及率二五%を目指すとしております。
 都といたしましては、建築物の耐震化、不燃化や木造住宅密集地域の改善などの取り組みに加え、家具類の転倒等防止対策や感震ブレーカー等の設置の普及促進などを多重的に推進してきており、引き続き、国の動向を注視しつつ、地域防災計画に基づくハード、ソフト両面の対策を推進してまいります。
 次に、感震ブレーカーの普及啓発の強化についてでございます。
 首都直下地震等による東京の被害想定では、区部の木造住宅密集地域を中心に、建物の倒壊や焼失による被害が想定されています。
 このため、都は、ハード面の取り組みに加え、家具類の転倒等防止対策や感震ブレーカー等の普及促進などに取り組んでいます。
 今後とも、こうしたソフト面の対策について、都民に向け、わかりやすい普及啓発を行ってまいります。
 最後に、感震ブレーカーの設置に向けた取り組みについてでございます。
 本年二月に国の検討会がまとめたガイドラインでは、感震機能つき分電盤に加え、コンセントタイプや簡易タイプなどさまざまな機器について、設置に当たっての留意点などが示されております。
 さらに、出火予防が期待される範囲や作動の信頼性がタイプごとに異なり、停電時の照明確保や維持管理など、使用上留意すべき点もさまざまであるとともに、漏電遮断器や消火器の設置などをあわせて行うことも必要とされております。
 都といたしましては、引き続き、地域防災計画に定めますハード、ソフト両面の対策を推進してまいります。
〔百三番植木こうじ君登壇〕

○百三番(植木こうじ君) まず、横田基地とオスプレイ配備について知事に再質問いたします。
 横田基地の危険性の認識についてただしましたが、知事の答弁はありませんでした。
 昨年、東京都が発行した東京の米軍基地二〇一四でどう書いているのですか。横田及び厚木飛行場は市街地に位置し、航空機による事故が発生すれば、周辺住民の生命や財産に直接損害を与える大惨事になりかねないだけに極めて深刻な問題であると述べているのですよ。知事、ご存じですか。
 このような危険な基地に、欠陥機といわれているオスプレイの配備をやめるよう発言していくことは、都民の命と財産を守るべき知事の責務ではありませんか。お答えください。
 次に、安保法制、すなわち戦争法案についてです。
 衆議院の憲法審査会で、与野党推薦の参考人として招致された憲法学者三名全員が政府の法案は違憲だと述べ、うち二人の方は法案を撤回すべきと発言しています。九〇%の憲法学者が違憲だとしているのです。
 知事、憲法研究者として、違憲の戦争法案は撤回すべきとの声を上げるべきではありませんか。
 知事は国会の十分な議論が必要だと答弁しましたが、ならば、少なくとも今国会での成立など到底認められないはずです。憲法違反がまかり通る政治を許していいかどうかの重大な局面です。
 知事も勇気を持って発言すべきだと思いますが、いかがですか。
 以上、横田基地オスプレイ問題と安保法制問題の二問に、知事、お答えください。(拍手)
〔都市整備局長安井順一君登壇〕

○都市整備局長(安井順一君) オスプレイについての再質問にお答えいたします。
 国は、オスプレイにつきまして、独自の事故分析評価や日米合同委員会合意を通じまして、二〇一二年九月までに安全性を確認していること、その後、国内においてMV22の訓練等の機会も増加していますが、これまで安全に運用されていること、平成二十六年度に陸上自衛隊が導入のため機種選定を行い、その過程等におきまして、安全に関するものも含め各種技術情報を収集分析し、安全な機体であることを確認していることなどから、設計に根本的な欠陥があると疑う理由はないとする現時点での米国の評価を尊重していくこととしてございます。
〔政策企画局長川澄俊文君登壇〕

○政策企画局長(川澄俊文君) 安保法制と憲法についての再質問にお答えいたします。
 先ほど知事が答弁されたとおりでございますけれども、安全保障や憲法につきましては、国の根幹にかかわる問題であって、国権の最高機関である国会の場でしっかりと議論すべきものであるということでございます。

副議長(藤井一君) 百番斉藤あつし君
〔百番斉藤あつし君登壇〕

○百番(斉藤あつし君) 私は、都議会民主党を代表して、都政の諸課題に対して知事並びに関係局長に質問いたします。
 都議会民主党は、いわゆる世界一のランキング指標にあらわれないようないじめや自殺、虐待などの問題にも光を当て、弱者への施策を進めることに加えて、人権施策や都市外交などについても積極的な取り組みを求めてきました。
 そこでまず、人権施策の推進について伺います。
 格差や差別は、同じ東京に住む都民の間にくさびを打ち込み、社会全体のエネルギーをそぐものであり、解消に向けた不断の努力が必要です。
 先日、平成十二年の策定以来、実に十五年ぶりとなる東京都人権施策推進指針の改定素案が示されました。オリンピック・パラリンピック開催も一つの契機として、より一層人権を尊重する、多様性のある東京へと成長させるためには、幅広い啓発、教育にとどまらず、救済、相談体制、支援や都民との連携を強化しなければなりません。
 低成長の時代背景を受けて、ヘイトスピーチの問題など、ともすると排外的な価値観が台頭しがちです。
 私たちは、舛添知事のもと、多様な価値観や文化、生活習慣に対して、寛容かつ開かれた都政へと転換しつつあることを評価するとともに、より一層人権課題に取り組むことを期待するものですが、知事の見解を伺います。
 次に、都市外交の推進について伺います。
 知事は、東京都都市外交基本戦略を策定し、アジア諸都市との関係改善にも着手され、さらに在京大使など各国要人とも交流するなど、都市外交を活発化させています。
 私たちは、知事就任以来、都市外交の取り組みを積極的に評価しつつも、どのように都政に還元されるのか、しっかりと都民の理解を得る必要があると申し上げてきました。
 例えば、海外からの投資、MICE誘致、訪日客の増加への取り組みの強化を求めてきましたが、こうした分野で成果をもたらすためにも、都市外交を本格化させ、現地政府や産業界の地域事情をつぶさに把握し、人脈をつくることが欠かせません。
 都は今年度、自治体国際化協会を通じた職員派遣の増員に向けて取り組みを進めています。
 私たちは、さらに、海外事務所の再開も含め、政策目的を明確にした東京都職員の派遣を行うなど、ロンドン、ニューヨーク、パリの世界三大都市を視野に入れ、検討していくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、東京オリンピック・パラリンピックについて伺います。
 立候補ファイルでは、二〇二〇年東京大会において、大会組織委員会が資金不足に陥った場合は、東京都が補填することを保証すると明記されています。これは、東京都が大会組織委員会が行う大会運営にも責任を持っているという一例ですが、私たちは、開催都市としての自覚があるからこそ、新国立競技場の建設の問題は極めて重要だと考えているわけです。
 大会会場については、国がメーンスタジアムの新国立競技場、都がその他の新規恒久施設、そして組織委員会が仮設施設を整備することとなっています。すなわち、新国立競技場の建設については、国が責任を持って行うこととなっているのです。
 新国立競技場の建設費については、当初一千三百億円から、現在では三千億円超とも試算されています。一方、他の開催都市の事例では、二〇一二年ロンドンのオリンピックスタジアムが九百億円、二〇一六年リオデジャネイロのエスタジオ・ド・マラカナンが五百五十億円などと報じられています。
 文部科学大臣は、都議会と約束したかのような発言をしていますが、都議会でそのような話が行われたことはありません。
 私たち都議会民主党は、国から何も説明のない現状において、新国立競技場の整備に対し、都が負担すべきではないと考えています。
 国は、新国立競技場の建設について、仮に東京都に負担を求めるのであれば、正確な建設費を初めとして、工事の必要性や規模、費用の内訳、東京都が負担する根拠などの情報を明らかにすべきです。
 私たち都議会民主党は、舛添知事に対して、これら情報を国に対して引き続き求めるとともに、あわせて、国との協議で得られた情報を、都議会のみならず、広く都民に公開するなど、新国立競技場整備の問題について透明度の高い都政運営を求めるものですが、見解を伺います。
 次に、東京大会の機運醸成に向けた取り組みです。
 二〇二〇年大会に向けては、招致の際に使用された五色の花のエンブレムにかわって、新たなエンブレムが今年度上半期に発表される予定となっています。五色の花のリースは広く都民、国民に親しまれ、また海外でも好評を博すなど、大会招致の機運を盛り上げる上で大変大きな役目を果たしてきました。
 また、二〇一二年のロンドン大会では、大会エンブレムとは別にインスパイアマークというものが考案されました。大会に誘発された文化、教育、スポーツ、ボランティアなどの非営利事業において無料活用され、ロンドン大会に向けた機運の醸成やイギリス国内各地域の持続的な利益に大いに貢献をしました。
 東京もまた、このようなロンドン大会の事例を参考にしながら、二〇二〇年大会への都民の関心を大いに高め、都民を積極的に巻き込んでいくような創意工夫ある取り組みが求められていると思います。
 東京大会に向け、都は多くの都民が参画できるような機運醸成に積極的に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、環境施策について伺います。
 知事の諮問を受け、東京都環境基本計画の七年ぶりとなる改定に向けて、環境審議会の議論がスタートしています。
 東京都は、高度成長期に深刻な環境問題を乗り越える先進的な取り組みをして、国の環境施策の発展にも大きく影響を及ぼしてきました。こうした歴史を踏まえ、東京都は、環境政策においても常に日本のトップランナーでなければなりません。
 水や緑を初め、低炭素化、温室効果が高いフロン類への対応など、喫緊の課題は数多くあります。加えて、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック開催をめどとした水素社会の実現に向けて全力を挙げていますが、本計画では、都の幅広い環境施策を網羅した先見性ある取り組み方針が求められております。
 知事は、さきの所信表明でも、温室効果ガスの新たな削減目標の設定も含めた中間まとめを十一月をめどに行い、環境基本計画を年度内に策定すると述べております。野心的な目標を掲げ、環境先進都市、スマートエネルギー都市東京にふさわしい環境基本計画としていくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 水素社会の実現に向け、都議会民主党は、先日、都内にある日本を代表する企業を訪れ、実用間近となっている水素の地産地消モデルを視察しました。通常時は太陽光発電の余剰電力で水から水素を生成貯留し、夜間や悪天候のときに水素発電を行う自立型ハイブリッドシステムで、大きさもコンテナ二つ分ほどでした。発生する温水も供給する形で、既に日本各地で実証を開始しているということでした。
 現状、高圧ガス保安法の規制対象とならない十気圧以下にしていますが、技術的には、より高い気圧でより多くの水素貯留が可能であるとのことです。設置するだけで発電できるため、平時はもちろん、震災時にも力を発揮するものと期待できます。しかし、現在の規制では、高圧にする場合には離隔距離の確保、保安員の配置が必要となってしまいます。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックを、日本の最先端技術のショーケースとして世界にアピールしようと多くの企業が取り組んでいます。さまざまな水素技術に係る規制の見直しに向けて、国に対して、より一層積極的に要望していくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、新銀行東京について伺います。
 六月十二日、新銀行東京と株式会社東京TYフィナンシャルグループとが経営統合に向けて基本合意を交わしました。
 舛添知事は、両者の検討の推移をしっかりと見守っていきたいとのコメントを発表しましたが、そもそも、新銀行東京には都民の税金一千億円を投入して創設されたものの、開業わずか三年で一千十六億円の累積赤字を出し、事実上破綻をした経緯があります。その上、失敗の原因が明らかにされることもなく、誰も責任をとらないまま、四百億円が追加出資されたという過去があることを忘れてはなりません。
 私たちは、四百億円の追加出資に反対をしましたが、今回の基本合意を進める上で、都民の税金がさらに毀損するようなことがあってはならないと考えています。
 一方で、新銀行の失敗から学べば、官による銀行業には限界があり、銀行は民間主体で経営されることが望ましいと考えます。
 そこで、新銀行の経営統合に向けて知事の見解を伺います。
 そして、さらに、新銀行の責任問題について、三月二十六日、東京地裁は、元代表執行役である仁司泰正氏ら二名の旧経営陣に対する損害賠償請求を棄却し、銀行側も控訴せず、判決は確定しました。
 石原元知事は、旧経営陣に責任を転嫁していました。しかし、私たち都議会民主党は、設立時における過大なマスタープランを初め、銀行設立以降も拡大路線を強要し続けた東京都にも責任があると主張し、あわせて、多額の損失を招いた責任について、外部の専門家などを活用して徹底的に検証すべきだと主張してきました。
 そこで、今回の判決を受けて、新銀行の教訓を今後に生かすためにも、新銀行東京の何が問題であったのか、改めて検証すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、雇用対策について伺います。
 私たち都議会民主党は、非正規労働者が年々ふえる一方で、正規社員の平均年収の伸びに比べ非正規の年収が上がらず、格差がますます拡大していることを懸念しています。労働者が職務に応じた適正な待遇を受けること、すなわち同一価値労働、同一賃金や、非正規社員から正規社員への転換を図ることが重要だと考えています。
 東京都は、国と東京都雇用対策協定を結んでいるところでありますが、正規社員就業、転換対策をさらに進めるとともに、派遣労働者の賃金を正社員と均衡させようとしている企業への支援を推進すべきです。非正規社員の待遇を正規社員のものへと近づけるべく、積極的に取り組むべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、ワークライフバランスの推進です。
 五月十九日、東京の成長に向けた公労使会議が開催され、舛添知事を初め、東京労働局や都内の労使を代表する団体が集まり、仕事と生活の調和のとれた働き方を進める共同宣言を行いました。
 また、一都三県の地方創生に関する連絡会議においても、国との間で働き方改革が必要だと意見が交わされました。
 舛添知事が所信表明でも述べたとおり、出産や育児などに柔軟に対応できる制度の構築や労働時間の見直しは重要な課題です。
 現在、東京都では、両立支援アドバイザーを置くなど、ワークライフバランスの推進に取り組んでいると聞いています。
 私たちは、宣言を行った各団体との協力により、ワークライフバランスセンターを立ち上げるなど、労働時間の見直しを初めとして、日常生活の多様な問題解決を図る中小企業の取り組みへの支援や、都民への啓発活動をさらに推進すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、障害者施策について伺います。
 まずは障害者の権利擁護です。
 山口県下関市や西東京市などの障害者施設内でも虐待が起こっており、虐待を誘発する障害者への差別や偏見は、なくなる気配がありません。
 来年四月から障害者差別解消法が施行されるため、都や各自治体においては、当事者である障害者団体などの意見を踏まえながら、対応要領の策定や相談、紛争解決などの体制整備などを進めなければなりません。
 また、障害者団体の多くは、都が障害者差別禁止条例を策定し、都民に障害者の人権を守る意思を示すべきだと要望しており、実際、千葉県や茨城県などの十道府県において条例が策定され、取り組みが行われています。
 障害者差別解消法の施行を来年度に控え、障害者の人権を尊重する姿勢を示し、全ての都民が障害の有無によって分け隔てられることのない、真の共生社会の実現に向けて積極的な取り組みを進めていくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、障害者グループホームの設置促進です。
 どんなに障害が重くても、障害者本人が希望する地域で安心して暮らせるためにはグループホームが不可欠ですが、都内の地価が高いことや、地域住民の理解が得られず断念した例もあるなど、必ずしも障害者の身近な地域に設置できていない現状があります。
 都は、新たな障害福祉計画の中で、今後三年間で二千人分のグループホームを新設する目標を掲げています。
 そこで、障害者施策を実現するため、できるだけ障害者にとって身近な地域にグループホームを設置できるよう、東京都が積極的、効果的な施策を展開すべきと考えますが、見解を伺います。
 また、都が都営住宅の建てかえなどで、市区や事業者と協力をして、高齢化、重度化した障害者を対象としたグループホームの設置促進を図るべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、認知障害の人などの安全確保について伺います。
 都内で身元不明となった認知症高齢者が、警察や消防がかかわりながらも放置されてしまった事態が続けて二件明らかになりました。
 認知症高齢者や精神障害者と話しているとき、会話が成り立っているようでも、見当識障害であったり、または事実と異なることを饒舌に話したりするために、一見、健康な方と区別がつかないということがあります。現場の職員においては、大変難しい面もあるとは思いますが、認知障害の人へのさらなる理解を深めていただきたいと考えます。
 そして、認知症高齢者の家族や介護事業者に対しては、認知障害の人などが行方不明になった場合には、ためらうことなく警察に届けることが重要です。
 都は、そのことを都民、事業者に対して周知徹底すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、安全・安心なまちづくりについて伺います。
 安全・安心まちづくり条例の改正案では、事業者を地域社会の一員として明確に位置づけるとともに、新たな地域防犯活動の担い手の育成など、これまで地域活動には余り参加していなかった若い世代などを想定した規定を設けることとしています。
 今回の条例改正の特徴の一つとして、地域力の向上があり、高齢化や核家族化、少子化による地域活動の担い手減少は大変大きな課題です。
 その向上に向けては、従来と異なる手法での取り組みも必要と考えますが、都の見解を伺います。
 また、事故の防止を新たに加えたことにより、通学路等の安全確保については、子供の連れ去りなどの事件だけではなく、交通安全の確保も、より一層の取り組みが進むことが期待されます。
 改正案では、今後、通学路等における子供の安全確保に向けて指針を定めるものとしていますが、通学路の選定には制約があり、実効性ある指針の策定とともに、安全確保に資する施策の推進が不可欠と考えます。都の見解を伺います。
 そして、特殊詐欺については、この前の日本年金機構の個人情報大量流出を受け、この問題に絡めた多数の不審電話や、実際に詐欺に遭ったという報道もあり、対策は喫緊の課題です。
 改正案では、危険薬物の乱用根絶や特殊詐欺の根絶に向けての規定が新たに設けられ、都民、事業者に対して、都への情報提供や適切な措置の努力義務を課しています。
 しかし、実際には特殊詐欺、あるいは危険薬物の製造、販売の拠点などを都民が判断するのは困難であり、不審を抱いたとしても、行動を起こすことへのハードルは相当高いものと思われます。
 そうした中で、都民等の協力を得ながら、危険薬物の販売等や特殊詐欺を見逃さずに、根気強い取り組みを進めていくためには、警視庁とも緊密に連携した迅速かつ適切な対応が欠かせないものと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、都のサイバーセキュリティー対策について伺います。
 日本年金機構の百二十五万件という個人情報の大量流出は、いわば標的型メールによって複数の職員端末を直接攻撃されたことから起きました。業務用と区別が難しいような巧妙なメールが送られてくること、日々開発されるウイルスに対策ソフトが対応し切れないことなどから、感染を完全に防ぐことは困難であるといわれています。
 しかし、日本年金機構の例では、共有サーバに個人情報の入ったファイルが保存されていたこと、ファイルがパスワードで保護されていなかったこと、外部から流出の指摘を受けても即応しなかったことなど、数々の落ち度が指摘をされています。
 東京都においても、都民の所得や家族の状況、健康状態など、最もセンシティブな個人情報を扱う業務が多数あり、これが犯罪者の手に渡った場合の深刻な事態が懸念されます。サイバーセキュリティー対策は、侵入が起きた場合でも、被害を最小限にとどめるための対応が非常に重要となっています。
 改めてサイバーセキュリティー対策を徹底する必要があると考えますが、都の見解を伺います。
 最後に、いわゆるぼったくりについて伺います。
 勧誘時に安い値段を提示し、精算時に何十万円もの支払いを請求して、払わなければ無銭飲食で訴えるなどといい張り、客が根負けするまで延々と支払いを求め続けるというのがぼったくり店の手口です。最近、夜間の歌舞伎町交番の周りでは、そうした客と店との間での請求をめぐるやりとりが多くあると聞いております。
 警視庁では、さまざま取り締まりを進めていると承知をしておりますが、悪質なぼったくり店が巧妙な手口で、これら摘発の手をすり抜け、多額の料金を要求している現状を鑑みると、違法な客引きの徹底取り締まりや通報の多い店舗への対応の強化など、あらゆる対策を講じていくべきと考えます。
 そこで、ぼったくりの状況と今後の取り組みについて、警視総監の見解を伺います。
 以上で都議会民主党を代表しての質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 斉藤あつし議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、人権施策の推進についてでございますが、私は、早い時期から、特定の民族を侮蔑的に攻撃するヘイトスピーチを許してはならないという決意を示しておりまして、安倍総理にも直接話をするなど、多様性や基本的人権が尊重される社会を守る姿勢を貫いてまいりました。
 また、昨年策定いたしました長期ビジョンにおいて、東京が目指す世界一の都市を、生活習慣、文化、価値観などの多様性や、人権が尊重され、誰もが幸せを実感できる都市、誰もがそこに住み続けたいと思う都市と示し、その実現に向けて取り組んでいるところでございます。
 このたび、社会経済状況の変化や人権課題の多様化、複雑化等に対応するため、東京都人権施策推進指針を十五年ぶりに見直すことといたしました。新しい指針に基づきまして、オリンピック・パラリンピックを開催する国際都市にふさわしい、人権が尊重された社会の実現に向けて、今後とも積極的に取り組んでまいります。
 次に、都市外交の推進でありますが、二〇二〇年大会の成功と世界一の都市東京の実現という大きな政策目標達成のためには、都市外交を通じて世界の主要都市との間で友好関係を深め、ともに学びながら、持続的なウイン・ウインの関係を築いていく必要がございます。そうした意味でも、都の職員が海外に出て、東京のため、ひいては日本のために活動することは極めて重要であると考えております。
 そのための手段はさまざまあると思いますが、ご質問にございます都の海外事務所ですが、これは行財政上の理由で平成十二年に閉鎖されている状況であります。
 一方、自治体国際化協会は、世界の主要な七都市に海外事務所を展開しておりまして、都はこれまで、こうした都市に職員を派遣し、地域事情の把握をし、都政への還元に努めてまいりました。我々が海外出張するときに、ここに大変お世話になります。
 今後とも、都市外交基本戦略に基づきまして、ご指摘のように、ロンドン、ニューヨーク、パリなども含めた海外諸都市と交流、協力を促進するに当たり、職員派遣の活用など、さまざまな施策を展開してまいりたいと思っております。
 続きまして、新国立競技場の整備についてでございますが、今般、文科大臣から、新国立競技場の整備費用について負担の要請がございました。その際、不明であった工期や総工事費、都民が納得する都負担の根拠など、全体像を明らかにするように求めました。
 これは、透明性ありき論を重視しているからこそ、国に対してしっかりとした説明を求めたものでございます。
 都としては、早期の課題解決を図るため、国からの情報を踏まえまして、迅速な検討を行っていきたいと思っております。都議会の審議をいただきながら、開催都市としての責任を果たすため、できる限りの協力をしてまいります。
 環境基本計画の改定についてでございますが、これまでも都は、世界初の都市型キャップ・アンド・トレード制度による都内大規模事業者のCO2排出量の削減や、ディーゼル車対策等による大気環境の改善など、環境施策を積極的に展開し、国内外をリードしてまいりました。
 今年度末を目途に策定いたします新たな環境基本計画では、こうした先進的な取り組みをベースとしながら、新たなCO2削減目標を打ち出し、水素エネルギーの活用や再生可能エネルギーの利用拡大について具体化してまいります。
 また、資源の面では、サプライチェーン全体を視野に入れました持続可能な資源利用への取り組みを盛り込んでまいりたいと思っております。
 こうした先進的な環境施策の展開によりまして、世界一の環境先進都市の実現を目指す計画としてまいりたいと思っております。
 続きまして、新銀行東京の経営統合についてでございますが、都は、都政の最重要課題の一つとして、中小企業支援に取り組んでございますけれども、そのためには、やはり金融機関の力を活用することが欠かせません。
 このたび、新銀行東京と東京TYフィナンシャルグループが経営統合に関する基本合意を発表いたしました。今後、協議、検討が進められることになりますが、都としては、この推移を見守っていくとともに、両者の経営統合が中小企業支援の推進につながることを期待しております。
 また、都議会の付帯決議を踏まえまして、追加出資した四百億円を確保することは、今回の経営統合の前提であると考えております。
 非正規労働者の雇用対策についてでございますが、世界一の都市東京を目指すためには、真面目に一生懸命働く人が必ず報われる、そういう公正な社会を実現していかなければなりません。
 非正規雇用の割合は年々増加していまして、今や働く人の三分の一を超えている。いつも申し上げますように、私はこうした状況は尋常ではないと思っております。
 正社員として働くことを希望しながら、不本意にも非正規雇用となっている方々を一人でも多く減らしたいというのが私の思いであります。
 このため、年間五千人、三年間で一万五千人の正社員化を実現するため、国と連携した事業を速やかに立ち上げて、全力を挙げて取り組んでおります。
 また、非正規で働き続ける場合でも、賃金や教育訓練などの待遇は、正社員との均衡を考慮しつつ、公正に決定されることが大切でございます。
 そこで、関連法令を解説したガイドブックの作成や、アドバイザーによる企業訪問等により、均衡待遇の普及啓発を図ってまいります。また、非正規労働者の雇用環境の改善に向け、社内のニーズ調査や規程整備等に取り組む企業に対して支援を行ってまいります。
 今後とも、多様な取り組みを着実に進め、誰もが夢と希望を抱ける社会の実現に向けて、非正規雇用対策の充実に努めてまいりたいと思っております。
 続きまして、障害のある人もない人も互いに尊重し、支え合いながら、ともに生活する社会の実現に向けた取り組みについてでございますが、来年四月に、あらゆる分野を対象に、障害者への不当な差別的取り扱いの禁止と、合理的配慮の提供を求める障害者差別解消法が施行されます。
 都は、みずから差別解消に向けた支援体制づくりに取り組むとともに、民間事業者や都民の理解を促していかなければなりません。
 本年四月に策定しました東京都障害者計画も、この法の趣旨を踏まえ、障害者が地域で安心して暮らせる社会、障害者が生き生きと働ける社会、全ての都民がともに暮らす地域社会、この実現を基本理念に掲げてございます。
 五年後の二〇二〇年には、東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。いかなる種類の差別もオリンピックの精神に反するものでありまして、福祉先進都市を実現するためには、ノーマライゼーションという理念を社会の中に浸透させていかなければなりません。
 今後、障害者の方の意見も聞きながら、誰もが幸せを実現できる世界一の都市東京を目指しまして、ユニバーサルデザインのまちづくりや心のバリアフリーなど、真の共生社会を実現するための施策に全力で取り組んでまいります。
 そのほかの質問につきましては、警視総監及び関係局長がお答えをいたします。
〔警視総監高綱直良君登壇〕

○警視総監(高綱直良君) ぼったくりの状況と警視庁の取り組みについてお答えをいたします。
 警視庁では、五年後のオリンピック・パラリンピック大会を見据え、盛り場のさらなる浄化を効果的に推進するため、盛り場セーフティアクションプランを策定し、各部門が連携をして繁華街の環境浄化対策を強化いたしておりますが、本年春以降、新宿歌舞伎町地区においては、キャバクラ等の社交飲食店における高額な料金請求と、悪質な取り立てに係るトラブルの増加が見られるところであります。
 こうした情勢を踏まえ、現在、本部の捜査員を投入して取り締まり体制を強化し、いわゆるぼったくり防止条例等のあらゆる法令を駆使して、不当な取り立て行為や悪質な客引き行為等に対する検挙を進めるとともに、店舗に対する立ち入りを実施するなど、徹底した取り締まりを行っているところであります。
 さらに、悪質店舗の排除に向けて、許可の取り消し、営業停止等の行政処分も進めているほか、地元の商店街振興組合等と連携し、ぼったくり、客引き防止看板の設置、街頭アナウンス、合同パトロールなど、被害防止のための注意喚起活動も強化しているところであります。
 今後とも、地域の状況に応じた取り組みを展開し、健全で魅力あふれる盛り場を実現するための諸対策を強力に推進してまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) 二〇二〇年大会に向けた機運醸成についてでございますが、大会成功への鍵は、都民一人一人が自分の大会だと感じてもらうことであり、大会開催基本計画の中でも、多くの人々の参加によって大会をつくり上げていくエンゲージメントという考え方を推進することとしております。
 具体的には、都は組織委員会、国、関係団体等と連携し、大会準備や運営でのボランティア、文化・教育プログラムでの活動、ライブサイトやカウントダウンイベントなどへの幅広い参加を促してまいります。
 今後、ロンドン大会の成功事例も参考にしながら、より多くの都民、国民が主体的に参加できるプログラムの作成に組織委員会などとともに取り組み、東京大会に向けた新たな機運醸成を図ってまいります。
〔環境局長遠藤雅彦君登壇〕

○環境局長(遠藤雅彦君) 水素エネルギーの普及に係る規制の見直しについてでございますが、都はこれまで、水素エネルギーの普及に向けて近隣自治体とも連携しつつ、国に規制緩和を要望し、市街地の水素貯蔵量の上限の緩和などを実現してまいりました。
 引き続き、公道からの保安距離の見直しや使用可能な材質の拡大、セルフ充填式スタンドの設置など、残された規制緩和の実現を目指してまいります。
 今後とも、技術開発の動向も踏まえ、安全性に配慮しながら、必要な規制緩和を国に求めてまいります。
〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、新銀行東京についてでございますが、新銀行東京は、かつて深刻な経営状況にあり、四百億円の追加出資を受ける際に、都議会でのさまざまなご審議をいただくとともに、新銀行東京としても旧経営陣に対する訴訟を提起してまいりました。
 追加出資後、新銀行東京は、経営陣を刷新して再建に向けた努力を重ね、安定的な黒字体質を継続するとともに、中小企業支援に積極的に取り組んでおります。
 都といたしましては、これまでの新銀行東京の取り組みを発展させ、今回の経営統合を中小企業支援のさらなる推進につなげていくことが重要だと考えてございます。
 次に、ワークライフバランスの推進についてでございますが、活力ある東京をつくり上げていくためには、行政に加え、経営者団体、労働団体など関係者が協力して、仕事と生活が調和した働き方を実現することが重要でございます。このため、先月、公労使会議において働き方改革に関する共同宣言を行いました。
 今後、国や関係団体とも連携し、労働時間や休み方の見直しなど、さまざまな事例の紹介を通じ、社会的機運の醸成に努めてまいります。
 さらに、都独自の取り組みといたしましては、引き続きイベント等で、中小企業のすぐれた取り組みを広く発信していくとともに、中小企業の職場環境整備のための支援を行ってまいります。
 今後とも、このような多様な取り組みを通じて、ワークライフバランスの推進を図ってまいります。
〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、障害者のグループホームの設置促進についてでありますが、都はこれまで、障害者が地域で安心して生活できるよう、東京都障害福祉計画の中に地域生活基盤の整備促進策を盛り込み、グループホームの整備を進めてまいりました。
 本年四月に策定いたしました第四期計画におきましても、障害者・障害児地域生活支援三か年プランを定め、整備費の事業者負担を軽減する特別助成、借地を活用する場合の土地賃借料や定期借地権の一時金に対する補助などの支援策により、今後三年間で二千人分のグループホームを整備することとしております。
 今後、この目標の達成に向け、区市町村と連携して、住民の理解も図りながら、グループホームの整備を積極的に進めてまいります。
 次に、認知症高齢者等が行方不明になった場合の対応でありますが、都は現在、徘回して行方不明となった高齢者を早期に発見するネットワークの構築などに取り組む区市町村を包括補助事業により支援しております。
 また、本年三月には、都の認知症ポータルサイトであるとうきょう認知症ナビの中に、行方不明、身元不明のページを新設し、ご家族が行方不明となった場合や身元不明の認知症の方を発見、保護した場合、必ず警察へ届け出ていただくよう都民に向けて周知を行っております。
 介護事業者に対しましても、緊急時や事故発生時の対応について、各施設やサービスの実態に合わせた対応マニュアルを整備するとともに、緊急時等には、速やかに関係機関やご家族に連絡を行うなどの必要な措置を講じるよう指導を行っており、今後とも周知徹底に努めてまいります。
〔都市整備局長安井順一君登壇〕

○都市整備局長(安井順一君) 都営住宅の建てかえに伴う障害者グループホームの設置促進についてでございますが、これまでも都営住宅の建てかえに当たりましては、創出した用地等を活用して、障害者グループホームなど、福祉施設の整備を促進してまいりました。
 今後とも、関係局と連携して区市町村と協議を行うなど、地域のニーズにも適切に応えながら、福祉施設等の整備に向け、創出用地等を活用した取り組みを進めてまいります。
〔青少年・治安対策本部長河合潔君登壇〕

○青少年・治安対策本部長(河合潔君) 安全・安心なまちづくりに関する三点のご質問にお答えいたします。
 まず、地域の力の向上として、従来とは異なる取り組みについてでございますが、地域の力を強化するためには、防犯カメラ等の環境整備とともに、町会や自治会、ボランティア団体等の自主的な防犯活動等の取り組みが欠かせません。
 しかし、地域では、安全・安心の活動の担い手不足など、その活性化が課題となっていることから、これまで実施してきた防犯活動等への支援に加えまして、条例に安全・安心まちづくりの担い手の育成や地域における防犯活動等へ事業者の協力を求める規定を盛り込んでおります。
 今後、都では、区市町村を通じた若手育成への支援とともに、事業者の協力を得て、高齢者や子供などの弱者を見守る、ながら見守り連携事業を創設するなどの地域の総力を結集し、安全・安心の体制を強化してまいります。
 次に、通学路等における子供の安全確保についてでございますが、昨年度、世田谷区における通学路での交通事故のほか、自宅や学校周辺等において、不審者による子供への声かけやつきまといが多発するなど、通学路等での子供の安全対策が喫緊の課題となっております。
 このため、都では、条例を改正して、警察、学校、通学路等の管理者、保護者、地域住民がそれぞれの役割分担のもと、子供の安全対策に取り組むための指針の策定や、学校等の管理者が通学路を設定、変更する際の警察への意見照会に関する規定を盛り込み、対策を強化いたします。
 今後とも、通学路の防犯カメラの設置を進めるほか、地域安全マップづくりへの支援や、参加体験型の交通安全教育の実施など、ハードとソフトの両面から関係者の協力を得て子供の安全を確保してまいります。
 最後に、危険ドラッグや特殊詐欺への対応についてでございますが、これらの犯罪は、警察等の取り締まりや摘発に対して、次々とやり口を変え、その実態も巧妙化が進んでいるため、根絶するには、何よりも地域からの情報提供や、警察と行政との密接な協力体制が不可欠であります。
 そこで、都では、先月、都内の九割以上の事業者が加入いたします不動産業界二団体及び警視庁と協定を締結し、危険薬物の乱用及び特殊詐欺を根絶するため、対策を強化していくことといたしました。
 さらに、警察への情報提供など、都民や事業者の責務を本条例案に規定することで、これまで以上に警視庁や都民、事業者との連携を緊密にして、喫緊の課題へ迅速に対応し、東京の治安の向上に取り組んでまいります。
〔総務局長中西充君登壇〕

○総務局長(中西充君) サイバーセキュリティー対策についてでございますが、高度化、多様化するサイバー攻撃を受けた際の事故防止策や、その影響を最小限とする対策を総合的に講じていくことが重要でございます。
 都はこれまでも、標的型メール攻撃訓練を積み重ねるなど、職員の意識向上に取り組んでおり、今後とも、今回の日本年金機構への攻撃など、最新の事例を参考に、訓練等の充実を図ってまいります。
 また、今後は、都庁全体で発生する事象を統括し、事態に即応した指導、指示を行う東京都CSIRTを設置するなど、全庁横断的に取り組む体制を構築してまいります。
 これらの取り組みにより、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの開催も見据え、東京都のサイバーセキュリティー対策の強化を図ってまいります。

○六十七番(山崎一輝君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。

○副議長(藤井一君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○副議長(藤井一君) 異議なしと認め、そのように決定いたします。
 明日は、午後一時より会議を開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後六時四十七分散会

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