平成二十七年東京都議会会議録第三号

平成二十七年二月二十五日(水曜日)
 出席議員 百二十四名
一番小林 健二君
二番加藤 雅之君
三番川松真一朗君
四番山内  晃君
五番栗山よしじ君
六番小松 大祐君
七番鈴木 章浩君
八番大津ひろ子君
九番塩村あやか君
十番宮瀬 英治君
十一番おときた駿君
十二番小松 久子君
十三番田中  健君
十四番米倉 春奈君
十五番白石たみお君
十六番斉藤やすひろ君
十七番栗林のり子君
十八番遠藤  守君
十九番伊藤こういち君
二十番堀  宏道君
二十一番河野ゆうき君
二十二番柴崎 幹男君
二十三番ほっち易隆君
二十四番舟坂ちかお君
二十五番清水 孝治君
二十六番島崎 義司君
二十七番石川 良一君
二十八番田中 朝子君
二十九番上田 令子君
三十番山内れい子君
三十一番中山ひろゆき君
三十二番西沢けいた君
三十三番里吉 ゆみ君
三十四番和泉なおみ君
三十五番尾崎あや子君
三十六番大松あきら君
三十七番中山 信行君
三十八番吉倉 正美君
三十九番上野 和彦君
四十番鈴木 錦治君
四十一番木村 基成君
四十二番高椙 健一君
四十三番栗山 欽行君
四十四番大場やすのぶ君
四十五番和泉 武彦君
四十六番近藤  充君
四十七番小宮あんり君
四十八番三宅 正彦君
五十番やながせ裕文君
五十一番両角みのる君
五十二番西崎 光子君
五十三番小山くにひこ君
五十四番あさの克彦君
五十五番新井ともはる君
五十六番徳留 道信君
五十七番河野ゆりえ君
五十八番小竹ひろ子君
五十九番まつば多美子君
六十番高倉 良生君
六十一番橘  正剛君
六十二番野上 純子君
六十三番谷村 孝彦君
六十四番桜井 浩之君
六十五番きたしろ勝彦君
六十六番松田やすまさ君
六十七番山崎 一輝君
六十八番神野 次郎君
六十九番菅野 弘一君
七十番北久保真道君
七十一番田中たけし君
七十二番神林  茂君
七十三番宇田川聡史君
七十四番高橋 信博君
七十五番野上ゆきえ君
七十六番中村ひろし君
七十七番島田 幸成君
七十八番今村 るか君
七十九番大西さとる君
八十番畔上三和子君
八十一番大島よしえ君
八十二番松村 友昭君
八十四番小磯 善彦君
八十五番鈴木貫太郎君
八十六番木内 良明君
八十七番秋田 一郎君
八十八番中屋 文孝君
八十九番早坂 義弘君
九十番崎山 知尚君
九十一番鈴木 隆道君
九十二番鈴木あきまさ君
九十三番山加 朱美君
九十四番高橋かずみ君
九十五番相川  博君
九十六番山田 忠昭君
九十八番こいそ 明君
九十九番田島 和明君
百番斉藤あつし君
百一番尾崎 大介君
百二番石毛しげる君
百三番植木こうじ君
百四番かち佳代子君
百五番曽根はじめ君
百六番藤井  一君
百七番長橋 桂一君
百八番中嶋 義雄君
百九番ともとし春久君
百十番古賀 俊昭君
百十一番林田  武君
百十二番高木 けい君
百十三番村上 英子君
百十四番吉原  修君
百十五番野島 善司君
百十六番三宅 茂樹君
百十七番川井しげお君
百十八番高島なおき君
百十九番立石 晴康君
百二十番吉野 利明君
百二十一番野村 有信君
百二十二番内田  茂君
百二十三番酒井 大史君
百二十四番山下 太郎君
百二十五番清水ひで子君
百二十六番大山とも子君
百二十七番吉田 信夫君

 欠席議員 一名
八十三 番  東村 邦浩君
 欠員
    四十九番  九十七番

 出席説明員
知事舛添 要一君
副知事安藤 立美君
副知事秋山 俊行君
副知事前田 信弘君
教育長比留間英人君
東京都技監建設局長兼務横溝 良一君
政策企画局長川澄 俊文君
総務局長中西  充君
財務局長中井 敬三君
主税局長塚田 祐次君
警視総監高綱 直良君
生活文化局長小林  清君
オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋 正宏君
都市整備局長安井 順一君
環境局長長谷川 明君
福祉保健局長梶原  洋君
産業労働局長山本  隆君
港湾局長多羅尾光睦君
会計管理局長塚本 直之君
交通局長新田 洋平君
消防総監大江 秀敏君
水道局長吉田  永君
下水道局長松田 芳和君
青少年・治安対策本部長河合  潔君
病院経営本部長醍醐 勇司君
中央卸売市場長岸本 良一君
選挙管理委員会事務局長松井多美雄君
人事委員会事務局長真田 正義君
労働委員会事務局長遠藤 雅彦君
監査事務局長石原 清次君
収用委員会事務局長目黒 克昭君

二月二十五日議事日程第三号
第一 第一号議案
平成二十七年度東京都一般会計予算
第二 第二号議案
平成二十七年度東京都特別区財政調整会計予算
第三 第三号議案
平成二十七年度東京都地方消費税清算会計予算
第四 第四号議案
平成二十七年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計予算
第五 第五号議案
平成二十七年度東京都母子父子福祉貸付資金会計予算
第六 第六号議案
平成二十七年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
第七 第七号議案
平成二十七年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
第八 第八号議案
平成二十七年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
第九 第九号議案
平成二十七年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
第十 第十号議案
平成二十七年度東京都と場会計予算
第十一 第十一号議案
平成二十七年度東京都都営住宅等事業会計予算
第十二 第十二号議案
平成二十七年度東京都都営住宅等保証金会計予算
第十三 第十三号議案
平成二十七年度東京都都市開発資金会計予算
第十四 第十四号議案
平成二十七年度東京都用地会計予算
第十五 第十五号議案
平成二十七年度東京都公債費会計予算
第十六 第十六号議案
平成二十七年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
第十七 第十七号議案
平成二十七年度東京都病院会計予算
第十八 第十八号議案
平成二十七年度東京都中央卸売市場会計予算
第十九 第十九号議案
平成二十七年度東京都都市再開発事業会計予算
第二十 第二十号議案
平成二十七年度東京都臨海地域開発事業会計予算
第二十一 第二十一号議案
平成二十七年度東京都港湾事業会計予算
第二十二 第二十二号議案
平成二十七年度東京都交通事業会計予算
第二十三 第二十三号議案
平成二十七年度東京都高速電車事業会計予算
第二十四 第二十四号議案
平成二十七年度東京都電気事業会計予算
第二十五 第二十五号議案
平成二十七年度東京都水道事業会計予算
第二十六 第二十六号議案
平成二十七年度東京都工業用水道事業会計予算
第二十七 第二十七号議案
平成二十七年度東京都下水道事業会計予算
第二十八 第二十八号議案
東京都都市外交人材育成基金条例
第二十九 第二十九号議案
東京都アジア人材育成基金条例を廃止する条例
第三十 第三十号議案
東京都行政手続条例の一部を改正する条例
第三十一 第三十一号議案
東京都知事等の給料等に関する条例の一部を改正する条例
第三十二 第三十二号議案
非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第三十三 第三十三号議案
東京都職員定数条例の一部を改正する条例
第三十四 第三十四号議案
特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三十五 第三十五号議案
市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三十六 第三十六号議案
東京都区市町村振興基金条例の一部を改正する条例
第三十七 第三十七号議案
東京都人事委員会委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
第三十八 第三十八号議案
東京都選挙管理委員の報酬及び費用弁償条例の一部を改正する条例
第三十九 第三十九号議案
東京都監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
第四十 第四十号議案
東京都人に優しく快適な街づくり基金条例
第四十一 第四十一号議案
東京都防災街づくり基金条例
第四十二 第四十二号議案
東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例
第四十三 第四十三号議案
東京都都税条例の一部を改正する条例
第四十四 第四十四号議案
東京都収用委員会委員等の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第四十五 第四十五号議案
東京都消費生活条例の一部を改正する条例
第四十六 第四十六号議案
東京都芸術文化振興基金条例
第四十七 第四十七号議案
東京都教育委員会組織条例の一部を改正する条例
第四十八 第四十八号議案
東京都教育委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第四十九 第四十九号議案
東京都教育委員会教育長の給与等に関する条例
第五十 第五十号議案
東京都教育委員会の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第五十一 第五十一号議案
地方教育行政の組織及び運営に関する法律第二十四条の二の規定に基づく職務権限の特例に関する条例の一部を改正する条例
第五十二 第五十二号議案
東京都学校経営支援センター設置条例の一部を改正する条例
第五十三 第五十三号議案
学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例
第五十四 第五十四号議案
都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
第五十五 第五十五号議案
東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
第五十六 第五十六号議案
東京都屋外広告物条例の一部を改正する条例
第五十七 第五十七号議案
東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
第五十八 第五十八号議案
東京都市計画事業足立北部舎人町付近土地区画整理事業施行規程等の一部を改正する条例
第五十九 第五十九号議案
八王子都市計画事業由木土地区画整理事業施行規程等を廃止する条例
第六十 第六十号議案
東京都建築審査会条例の一部を改正する条例
第六十一 第六十一号議案
東京都建築指導事務所設置条例の一部を改正する条例
第六十二 第六十二号議案
東京都建築安全条例の一部を改正する条例
第六十三 第六十三号議案
東京都営住宅条例の一部を改正する条例
第六十四 第六十四号議案
東京都福祉先進都市実現基金条例
第六十五 第六十五号議案
東京都看護師等修学資金貸与条例の一部を改正する条例
第六十六 第六十六号議案
東京都国民健康保険調整交付金条例の一部を改正する条例
第六十七 第六十七号議案
東京都立ナーシングホーム条例の一部を改正する条例
第六十八 第六十八号議案
東京都認定こども園の認定要件に関する条例の一部を改正する条例
第六十九 第六十九号議案
東京都障害福祉サービス事業の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第七十 第七十号議案
東京都障害者支援施設等に関する条例の一部を改正する条例
第七十一 第七十一号議案
東京都立療育医療センター条例の一部を改正する条例
第七十二 第七十二号議案
東京都立多摩療育園条例の一部を改正する条例
第七十三 第七十三号議案
東京都立重症重度心身障害児者施設条例の一部を改正する条例
第七十四 第七十四号議案
プール等取締条例の一部を改正する条例
第七十五 第七十五号議案
食品衛生法施行条例の一部を改正する条例
第七十六 第七十六号議案
食品製造業等取締条例の一部を改正する条例
第七十七 第七十七号議案
東京都ふぐの取扱い規制条例の一部を改正する条例
第七十八 第七十八号議案
東京都立病院条例の一部を改正する条例
第七十九 第七十九号議案
東京都おもてなし・観光基金条例
第八十 第八十号議案
東京都森林整備加速化・林業再生基金条例の一部を改正する条例
第八十一 第八十一号議案
東京都立職業能力開発センター条例の一部を改正する条例
第八十二 第八十二号議案
東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例
第八十三 第八十三号議案
東京都海上公園条例の一部を改正する条例
第八十四 第八十四号議案
東京都営空港条例の一部を改正する条例
第八十五 第八十五号議案
東京都労働委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第八十六 第八十六号議案
都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
第八十七 第八十七号議案
東京都水素社会・スマートエネルギー都市づくり推進基金条例
第八十八 第八十八号議案
東京都再生可能エネルギー等導入推進基金条例
第八十九 第八十九号議案
特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律関係手数料条例の一部を改正する条例
第九十 第九十号議案
土壌汚染対策法関係手数料条例の一部を改正する条例
第九十一 第九十一号議案
東京における自然の保護と回復に関する条例の一部を改正する条例
第九十二 第九十二号議案
東京都自然公園条例の一部を改正する条例
第九十三 第九十三号議案
東京都駐車場条例の一部を改正する条例
第九十四 第九十四号議案
東京都立公園条例の一部を改正する条例
第九十五 第九十五号議案
東京都霊園条例の一部を改正する条例
第九十六 第九十六号議案
東京都葬儀所条例の一部を改正する条例
第九十七 第九十七号議案
東京都貸切自動車条例の一部を改正する条例
第九十八 第九十八号議案
東京都公安委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第九十九 第九十九号議案
警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例
第百 第百号議案
警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例
第百一 第百一号議案
東京都暴力団排除条例の一部を改正する条例
第百二 第百二号議案
東京消防庁の設置等に関する条例の一部を改正する条例
第百三 第百三号議案
東京消防庁職員定数条例の一部を改正する条例
第百四 第百四号議案
火災予防条例の一部を改正する条例
第百五 第百五号議案
特別区の消防団員の定員、任免、給与、服務等に関する条例の一部を改正する条例
第百六 第百六号議案
都営住宅二十六H─一〇六東(江東区東砂八丁目)工事請負契約
第百七 第百七号議案
警視庁大橋庁舎(二十六)新築工事請負契約
第百八 第百八号議案
東京都写真美術館(二十六)改修工事(その二)請負契約
第百九 第百九号議案
舎人公園非常用発電設備工事その二請負契約
第百十 第百十号議案
竪川水門耐震補強工事請負契約
第百十一 第百十一号議案
包括外部監査契約の締結について
第百十二 第百十二号議案
昭島市と福生市との境界変更について
第百十三 第百十三号議案
災害廃棄物処理の事務の受託の廃止について
第百十四 第百十四号議案
平成二十七年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について
第百十五 第百十五号議案
平成二十六年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担の変更について
第百十六 第百十六号議案
多摩川流域下水道北多摩二号処理区の建設に要する費用の関係市の負担について
第百十七 第百十七号議案
多摩川流域下水道秋川処理区の建設に要する費用の関係市町村の負担について
第百十八 第百十八号議案
平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第五号)
第百十九 第百十九号議案
平成二十六年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
第百二十 第百二十号議案
平成二十六年度東京都地方消費税清算会計補正予算(第一号)
第百二十一 第百二十一号議案
都と特別区及び特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例
第百二十二 第百二十二号議案
平成二十六年度分の都と特別区及び特別区相互間の財政調整の特例に関する条例
第百二十三 第百二十三号議案
東京都指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百二十四 第百二十四号議案
東京都指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百二十五 第百二十五号議案
東京都指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百二十六 第百二十六号議案
東京都指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百二十七 第百二十七号議案
東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百二十八 第百二十八号議案
鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律施行条例の一部を改正する条例
第百二十九 第百二十九号議案
警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例
第百三十 諮問第一号
地方自治法第二百六条の規定に基づく異議申立てに関する諮問について
第百三十一 諮問第二号
地方自治法第二百二十九条の規定に基づく審査請求に関する諮問について
第百三十二 諮問第三号
地方自治法第二百二十九条の規定に基づく審査請求に関する諮問について

   午後一時開議

○議長(高島なおき君) これより本日の会議を開きます。

○議長(高島なおき君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(高島なおき君) 昨日に引き続き質問を行います。
 九十四番高橋かずみ君
   〔九十四番高橋かずみ君登壇〕

○九十四番(高橋かずみ君) 直面する都政の課題について質問をいたします。都知事並びに関係局長の誠意ある答弁をお願いいたします。
 まず最初に、環境エネルギー政策についてお尋ねいたします。
 昨年十二月、燃料電池車が市場に投入されると同時に、練馬区に都内第一号の水素ステーションが開設しました。いよいよ水素社会の幕あけであります。水素エネルギーは、利用の段階で一切CO2を排出せず、環境負荷の低減につながります。また、さまざまな資源から製造でき、エネルギー構造の変革につながる次世代エネルギーとして期待されています。
 さらに、燃料電池に加え、燃料電池車やバスは非常用電源ともなり、水素をまちづくりに組み込むことにより、環境に優しく災害に強い都市を実現できます。
 都は、我が党の提案に基づき、水素社会の実現に向けた戦略目標や取り組みをまとめ、長期ビジョンに反映させました。また、初期需要の創出やインフラ整備に向けた経費をいち早く補正予算で措置し、二〇二〇年度までに必要な経費を来年度予算案にも計上している点は高く評価できます。
 オリンピック・パラリンピックでの水素利活用に向けた環境を整備するためには、市場を先導するような施策を展開すべきと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。
 また、水素社会を実現するためには、自動車だけでなく、バスの普及も必要であります。大消費地である東京で推進することで、水素需要の創出にもつながります。
 メーカーの市場投入が平成二十八年度といわれていますが、都としてどのように取り組んでいくのか見解を伺います。
 さらに、水素社会の幕あけを着実なものとするためにも、水素ステーションの整備が不可欠であります。
 都は、二〇二〇年までに三十五カ所整備することとしていますが、整備に当たっては、ガソリンスタンドなどの既存のインフラの活用も図るべきであります。とりわけ都内で多くを占める中小ガソリンスタンドの果たす役割も重要であります。意欲があるにもかかわらず、規制などにより参入できないガソリンスタンドが存在することも事実であります。
 こうした点を踏まえ、都はどのように水素ステーション整備を進めていくのか、都の見解を伺います。
 次に、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会についてお尋ねいたします。
 我が党は、政策提言で、二〇二〇年に向けた多言語対応の官民一体による推進を通じ、外国人旅行者の円滑な移動、快適な滞在環境の実現を訴えてまいりました。今回の予算案には我が党の提言が十分に反映されており、今後の具体化に期待いたします。
 オリンピック・パラリンピック開催都市として、都みずから率先した取り組みも必要でありますが、大会観戦とともに日本全国の名所旧跡を訪れる外国人旅行者も多いはずであります。こうした旅行者がどこへ行っても、我が国のすばらしいおもてなしを実感できるようにすることが重要であります。
 そのため、他の自治体や民間と連携して全国へ多言語対応の取り組みを広げ、オールジャパンで外国人の受け入れ環境を整備していく必要があります。
 そうした中、言葉の不自由さを解決するツールの一つとして、ICT、情報通信技術が注目されています。翻訳アプリやデジタルサイネージなどのICTは近年飛躍的に進化しており、多言語対応の推進に大きく寄与するものと考えます。
 こうしたICTも含めた多言語対応の全国への拡大について、知事の見解をお伺いいたします。
 次に、都市基盤整備についてお尋ねいたします。
 東京は、半世紀前の東京オリンピック開催により、急速な経済成長とともに、社会基盤が整備され、国内外に存在感を示す世界有数の都市へと発展しました。
 バブル経済崩壊後、アジア有力都市の競争が激化する中、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックは、東京を世界一の都市へと変貌させる絶好の機会であります。高度な機能が集積している拠点同士を連携させることで、東京の国際競争力が一層強化されていくものと考えます。
 そのため、首都圏の高速道路ネットワーク強化は必要不可欠であります。とりわけ首都圏三環状道路は渋滞解消や環境改善だけでなく、災害時に日本の東西交通の分断を防ぐなど、重要な機能を持つことが期待されています。
 昨年六月、圏央道の都内区間が完成し、関越道、中央道、東名高速が直接結ばれました。また、この三月には中央環状線の全線開通により、三環状道路で初めてのリングが完成します。残る外環についてでありますが、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックのためにも、大会開催までに開通させるべきであります。
 私は、かねてから、早期整備のために、トンネル工事を東名ジャンクション側だけではなく、大泉ジャンクション側からも行うべきと主張してきたところ、トンネル工事が両側から進められることになり、整備促進につながりました。
 一方、都議会では、外かく環状道路建設促進議員連盟を平成十三年に結成し、整備促進に向け、さまざまな取り組みを行ってまいりました。
 昨年七月には、議連役員として、国土交通大臣に二〇二〇年早期の供用開始と大深度地下より浅い地下空間を使用するための区分地上権に係る税制改正などについて、直接要望してきたところであります。
 これを受け、本年一月に閣議決定された税制改正大綱では、外環の区分地上権設定について、平成二十七年度から、ひとしく税控除が適用されることとなりました。今後、区分地上権の設定が円滑に進み、トンネル工事のさらなる促進につながるものと考えます。
 そこで、外環のトンネル工事を初めとした現在の状況と都の取り組みについて伺います。
 さらに、二〇二〇年以降の世界都市東京のさらなる発展を見据え、外環の東名ジャンクション以南についても、国際化された羽田空港に向かって計画化されることを強く要望しておきます。
 次に、連続立体交差事業についてお伺いいたします。
 東京の道路は、人や物の流れをスムーズにするとともに、東京の発展を支え、魅力ある都市空間を創出するために必要な都市基盤であります。
 一方で、道路交通のボトルネックとなっている踏切が都内にはいまだ千を超えて残されており、その数は世界の主要都市と比べて突出し、都市の活力や魅力の低下の一因となっています。
 物流の効率化やスムーズで安全な道路交通を実現し、東京が世界で一番の都市となるためには、複数の踏切を同時に除却する連続立体交差事業の推進が必要不可欠であります。
 また、連続立体交差事業とあわせてまちづくりが促進されることで、都市の利便性や安全性が向上します。
 そこで、連続立体交差事業の取り組みについて伺います。
 都では、都内の踏切の問題に対応するため、平成十六年に踏切対策基本方針を策定し、鉄道立体化の検討対象区間として二十区間を抽出しました。現在までに西武新宿線の中井駅から野方駅間、東村山駅付近など、三区間で連続立体交差事業に着手しています。
 西武新宿線は、これまでに連続立体交差事業が行われておらず、都内の鉄道の中でも、あかずの踏切が数多く残されている路線であり、待ちに待った事業の開始であります。
 私は、井荻から東伏見駅間においても、連続立体交差化による抜本的な対策が必要であると考え、その実現について、これまでも議会を初め、機会あるごとに都へ要望してきました。
 練馬区では、本年一月二十五日、区長が会長となり、西武新宿線立体化促進協議会の結成大会が開催され、私も出席いたしました。地元住民と練馬区は一体となって、井荻から東伏見駅間の西武新宿線立体化の早期実現と、外環ノ2を初めとした南北道路の整備等に合わせた沿線地域におけるまちづくりの推進を図るため、地域の力を結集して取り組んでいます。この大会の出席者は二百名を超えており、地元の方々の大きな期待を改めて実感しました。
 そこで、本区間における現在の検討状況について伺います。
 また、練馬区内で進められている西武池袋線練馬高野台駅から大泉学園駅間の連続立体交差事業については、本年一月に全線で高架化されました。これにより、西武池袋線は桜台駅から大泉学園駅までが連続立体交差化されたところでありますが、区内では大泉学園駅から保谷駅間も踏切対策基本方針の鉄道立体化の検討対象区間に位置づけられています。
 この区間についても、鉄道の立体化は地域住民の悲願であり、早期に実現することを改めて強く要望しておきます。
 最後に、外環地上部の都市計画道路、いわゆる外環ノ2の西武新宿線上石神井駅付近の取り組みについてお伺いいたします。
 都市計画道路の整備率を見ると、区部では六割を超えたところでありますが、練馬区の西部地域では三割にも満たない極めて低い状況にあります。外環ノ2は、この地域になくてはならない南北道路であり、かねてから早期整備を訴えてきました。
 その訴えが実り、昨年十一月、外環ノ2の練馬区間は、他の区間に先駆けて都市計画変更されるまでに至りました。
 新しい外環ノ2の計画は、幅員二十二メートルの二車線道路となっており、植樹帯や自転車道が配置されるなど、人間優先の視点も重視されています。また、駅付近には駅前広場が配置され、地元の発意で区が取りまとめたまちづくり構想の内容を十分に反映したものになっております。
 一方、長年、まちづくりが進まなかった駅周辺地域では、外環ノ2の計画が決まったことが引き金となって、まちづくりが大きく飛躍し、地元の悲願である西武新宿線の立体化の検討が進むものと期待しております。
 その際、駅前の商店街が外環ノ2の計画線にかかっていることから、整備に当たっては、商店街の再生など、まちづくりにも配慮すべきと考えます。
 そこで、外環ノ2の上石神井駅付近について、都としてどのように取り組んでいくのか伺います。
 これで私の一般質問を終わらせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 高橋かずみ議員の一般質問にお答えいたします。
 水素社会の実現に向けた取り組みについてでございますが、二〇二〇年はあくまで通過点でありまして、世界一の都市東京の実現に向け、私はオリンピック・パラリンピックを起爆剤として、水素社会というレガシーを後世に残したいと考えております。
 そのためには、事業者の意欲的な取り組みと新たな参入を促していくことが重要でありまして、昨年十一月、都はいち早くインフラ整備や燃料電池車の導入促進に関する独自の思い切った補助制度を公表いたしました。
 これによりまして、インフラ整備への新たな事業者の参入や燃料電池車の増産計画へとつながっておりまして、こうした動きを加速させるため、新年度予算案におきましても、燃料電池バスの導入促進策など、意欲的で先進的な施策を盛り込んでございます。
 加えまして、新たな基金を創設することで、水素社会の実現に向けた都の強い意欲を示すと同時に、継続的な取り組みを担保してまいります。
 また、これまでの戦略会議を推進会議に改組しまして、意欲ある新たな事業者の参画も得ながら、官民を挙げた取り組みを進めてまいります。
 こうした取り組みによりまして、東京が先導して、水素エネルギーの普及に道筋をつけ、日本の未来を切り開いていきたいと思っております。
 続きまして、多言語対応の推進についてでございますが、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会の開催時には、東京を訪れた外国人旅行者が気軽に日本各地へ足を延ばせるようにするなど、開催効果を全国へ波及させることが重要であります。
 そのためには、全国で受け入れ環境整備の柱であります多言語対応を官民挙げて推進し、言語のバリアフリーを実現することが不可欠であります。
 現在、都は、多言語対応協議会が策定しました取り組み方針を踏まえまして、官民一体でターミナル駅における表示、道路の案内サインや飲食店メニューなどの多言語対応に取り組んでおります。
 こうした取り組みを進める上で、ICTは技術革新が著しく、多言語対応の極めて有用なツールであります。そのため、先日の東京マラソンでも、ボランティアが翻訳アプリを活用して外国人ランナーの案内を行ったところでありまして、引き続き積極的な導入を図ってまいります。
 今後、このようなICTの活用を含みますハード、ソフトにわたる先進的な取り組み事例やノウハウを、多言語対応協議会や全国知事会を通じまして情報提供するなど、多言語対応の全国への拡大を進めてまいります。
 これらの取り組みを通じまして、言葉のバリアフリーを実現し、東京を外国人旅行者が快適に滞在できる都市とするとともに、二〇二〇年には世界中から訪れる旅行者に日本各地で最高のおもてなしを提供したいと思っております。
 なお、そのほかの質問については、東京都技監及び関係局長が答弁いたします。
   〔東京都技監横溝良一君登壇〕

○東京都技監(横溝良一君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、外環の現在の状況と都の取り組みについてでございますが、外環は渋滞解消のみならず、国際競争力の強化や首都直下地震などに対する防災力の向上に資する重要な幹線道路であり、一刻も早く完成させる必要があります。
 国など事業者は、これまでに用地の約七割を取得するとともに、東名及び大泉ジャンクション両側から施工するトンネル工事に着手しており、事業が本格化してきてございます。
 また、都は、現在国から受託している大泉ジャンクション地域の用地を七三%取得しており、拡充された税制を追い風に、大深度地下よりも浅い空間を使用するための区分地上権の設定の折衝を一月から開始しております。
 引き続き、用地取得に鋭意取り組むとともに、国などに対し、二〇二〇年早期の開通に向け、スピード感を持って事業を推進するよう強く働きかけてまいります。
 次に、連続立体交差事業の取り組みについてでございますが、本事業は数多くの踏切を同時に除却することで、道路ネットワークの形成を促進し、交通渋滞や地域分断を解消するとともに、地域の活性化に資する極めて効果の高い事業でございます。
 現在、七路線十カ所で事業を進めており、今後、おおむね十年間で西武新宿線や京王線など、五十六カ所の踏切を除却いたします。
 また、事業を契機として、京急蒲田駅や調布駅などの駅周辺再開発や、高架下空間の活用などによるまちづくりを促進してまいります。
 さらに、六つの事業候補区間で調査を行う中で、JR埼京線十条駅付近において都市計画等の手続を進めるなど、新規の事業化に向けた取り組みを進めてまいります。
 今後とも、地元区市や鉄道事業者と連携しながら、連続立体交差事業をより一層推進してまいります。
 最後に、西武新宿線の井荻駅から東伏見駅間についてでございますが、この区間にはあかずの踏切が七カ所あり、都市計画道路が五カ所で交差するなど、鉄道立体化により大きな効果が得られるものと考えてございます。
 このため、都は、本区間を事業候補区間に位置づけ、現在、事業範囲や構造形式などの調査を実施するとともに、課題の把握を行うなど、事業化の可能性について検討しております。
 今後は、地元の熱意を受けとめ、周辺のまちづくりの動向などを勘案しながら、鉄道事業者と連携し、前向きに取り組んでまいります。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

○環境局長(長谷川明君) 水素エネルギーに関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、燃料電池バスの普及についてでございますが、燃料電池バスの普及は輸送部門の環境負荷の低減や水素需要の創出の観点からも重要でございます。
 燃料電池バスは、現在、市販に向けた開発が進んでおりますが、高価格となることが予想されるため、来年度予算案にバス事業者が燃料電池バスを通常のバスと同程度の負担で導入できるよう、国の補助制度と連携した支援策を盛り込んでおります。
 これにより、普及初期段階でバス事業者の負担軽減を図ることで、より多くの事業者の参入を促し、燃料電池バスの市場導入を着実に誘導してまいります。
 さらに、市販に先立ち、来年度、路線バスの運行に必要な実証試験に向けて、関係者間で課題の検討を開始するなど、燃料電池バスの円滑な普及に取り組んでまいります。
 次に、水素ステーションの整備についてでございますが、水素ステーションの整備促進に向けては、中小事業者がその多くを担うガソリンスタンドなど、既存インフラの活用を図ることも重要でございます。
 このため、来年度、水素ステーション整備に必要な機器の技術開発の動向などについて調査を行い、既存のガソリンスタンドや狭小地での水素ステーション設置の可能性について検討し、事業者に情報提供を行ってまいります。
 また、公道との保安距離など、水素ステーションの整備促進に向けた規制の緩和を引き続き国に強く求めてまいります。
 こうした取り組みを進め、既存のインフラも活用した都内での水素ステーションの整備促進を図ってまいります。
   〔都市整備局長安井順一君登壇〕

○都市整備局長(安井順一君) 外環ノ2の上石神井駅付近における取り組みについてでございますが、外環ノ2の練馬区間については、平成二十二年に地域住民との話し合いの会を設置し、その後、三案の具体的な整備イメージを公表するなど、広く意見を聞きながら検討を進め、昨年十一月、都市計画変更を行いました。
 このうち、上石神井駅付近におきましては、練馬区がまちづくり構想を策定しており、駅前広場の整備や既存の商店街の活性化など、外環ノ2の整備と地元が進めるまちづくりとを連携して進めていく必要がございます。
 都は今後、地元への意向調査などを踏まえまして、商店街の存続にも配慮して、まちづくり手法を活用した道路整備の方策を検討するなど、具体的な取り組みを進めてまいります。

○議長(高島なおき君) 八十七番秋田一郎君
   〔八十七番秋田一郎君登壇〕

○八十七番(秋田一郎君) 私からは、東京都議会議員の目線、子供の目線、外国人の目線の三つの視点から質問をします。
 国は、平成二十年度に法人事業税の暫定措置を導入し、平成二十六年度には法人住民税の一部を国税化するなど、たび重なる税制度の不合理な変更を行ってきました。
 こうした一連の措置の底流には、大都市は悪者で地方は被害者だという極めて短絡的な二元論的思想がかいま見え、問題の本質をゆがめています。
 かつてイギリスのサッチャー元首相は、金持ちを貧乏にしたところで、貧しい人が金持ちになるわけではないといいましたが、私は、東京を貧乏にしたところで地方が豊かになるわけではないと強調しておきます。
 実際、この数年間、国は東京から財源を奪い続けましたが、その結果、地方が豊かになったという話は聞いたことがありません。大都市から財源を収奪し地方に配分するやり方は、サッチャーの言葉のとおり問題の根本的解決にはつながりません。
 東京都は、わずか十六年前には財政再建団体に転落寸前、倒産寸前でした。平成十一年度から六年間、まさに血のにじむような努力を重ね、現在の財政基盤を構築したのであり、今でも財政的に余裕があるわけではありません。
 経済の比重は、発展に伴い第一次産業から第二次、さらに第三次産業へと移っていくのが世界の潮流です。第三次産業の活動の中心地である都市の活力が各国全体の繁栄を支えています。日本経済を牽引する東京から財源を奪うことは、国全体の衰退を意味します。
 日本経済再興の兆しが見えつつある今だからこそ、真の地方自治の確立と日本全体の活性化に向け、あるべき地方税財政制度をしっかりと主張していくとともに、国の不合理な動きには強力に対抗していくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、子供の目線から伺います。
 子供は社会に対して不満や意見があっても、大人のように役所に電話をしたり、政治家に意見をいったり、究極的には投票という形でみずからの意思を形にする場がありません。だからこそ、私たち大人は子供の立場に立つ必要があるのではないか、そんな視点から伺います。
 今回の環境確保条例の改正についてまず強調しておきたいのは、多くの人が誤解をしているような、子供の声なら野方図に何でも認めるというものではありません。音というものを考えると、例えば鳥の声、波の音、あるいは好きな音楽はとても心地のよいものです。しかし、それもある一定以上の音量になればどうでしょう。うるさい騒音に感じるのではないのでしょうか。
 一方、工事の音や工場から出る音はどうでしょう。心地よいと感じる人はまれなのではないのでしょうか。まさにそれ自体が騒音です。
 今回の改正は、工事の音や工場が発する音と同列に扱われている子供の声を普通の声として捉える、そういう改正です。子供からすれば、自分たちの声が工事の音と一緒にされていると知ったらどう思うでしょう。
 そこでまず、知事に条例改正に係る基本的考え方を伺います。
 現在、条例に基づく騒音に関する事務は区市に移譲されており、苦情相談は区市が担っています。条例改正案を実効性あるものとし、騒音問題の解決を図っていくためには、保育園、幼稚園等の施設管理者と周辺住民が向き合っていけるよう、都が区市を支援すべきと考えます。都の見解を伺います。
 さて、大人はよく、ゲームばかりやっていないで外で遊んできなさいよといいます。しかし、子供からすれば一体どこで遊べばいいのでしょう。私たちが子供のころとは異なり、道端でキャッチボールをしたり、公園で自由に遊ぶことはできません。規制ばかりだからです。せめて公園では子供が伸び伸びと遊べるようにできないのでしょうか。
 都は今月、十年ぶりにパークマネジメントマスタープランの改定案を発表しましたが、子供の健全な育成のために、都立公園をどのように活用していくのか伺います。
 また、この改定案において、保育所やスポーツ関連施設等の設置を誘導する仕組みの構築の必要性が説かれています。都立公園への保育所等の設置をどのように進めていくのか伺います。
 次に、外国人の目線から伺います。
 昨年の訪日外国人旅行者は過去最高の千三百万人を超え、その消費額は二兆円の大台を突破しました。観光産業全体のGDPに占める割合は、あの自動車産業を超えるとの試算もあり、日本が最も注力すべき産業分野です。
 さて、私たちが、例えばイギリスやフランスを訪れる際に、最初に訪れるまちはどこでしょう。まずはロンドンであり、パリに行くのではないのでしょうか。ロンドンやパリの印象がよければ、さらに違う地域にも足を運ぶ。
 同様に日本の場合、外国人が最初に訪れるのは東京であり、その東京の印象がよければ他の道府県にも回遊をしてくれる。日本全国にあらゆる効果を波及させるべく、東京は率先して外国人に便利な環境づくりに取り組まなければなりません。
 海外に比べ不足しているのが観光案内所です。私は飛行機をおりたら、まず空港内の観光案内所に行きます。観光スポットを訪れる際にも駅や停留所の観光案内所に行き、いろいろなことを聞き、さまざまなパンフレットをもらいます。快適な旅行には、駅、バスターミナルといった交通拠点に設置された観光案内所の充実が不可欠です。
 都は、観光案内所に求められる基本的機能を備えたフォーマットを明らかにした上で、鉄道事業者等の民間事業者と連携して観光案内所の充実に一刻も早く取り組むべきと考えます。見解を伺います。
 旅行者の誰もが利用するのが鉄道やバス等の乗り物です。特に都営地下鉄は羽田空港や成田空港と接続している路線もあり、目的地までの行き方などを尋ねられる機会がふえると思われます。
 より複雑な問い合わせや英語以外の言語については、新たなタブレット端末アプリなどが開発されており、これらの活用を含めて、都営地下鉄では、職員が外国人旅行者への案内サービスの充実を図るために、どのような取り組みを行っていくのか見解を伺います。
 現代の旅行者がまち中でさまざまな形でよく利用するのは無料WiFiです。しかし、民間事業者の無料WiFiは各施設内でのサービスに限定されており、駅やバスターミナルといった交通拠点から各地の観光スポットへ移動する間のアクセスポイントは未整備なのが現状です。
 利用者にとって使いやすい無料WiFiの利用環境を整えていくため、各交通拠点と観光スポットを結ぶまち中でのアクセスポイントなど、旅行者の動線上のアンテナ整備をどのように進めていくのか、今後の具体的な取り組みについて伺います。
 さて、海外を旅行すると、用意した現地通貨が足りなくなることが誰にもあると思います。そんなときに便利なのが海外発行カードに対応したATMです。
 郵便局や一部コンビニでは、海外発行カードで現金を引き出すことができるATMを既に設置していますが、外国人旅行者には、どこに設置されているかわからないそうです。旅行者が一目で海外対応のATMとわかる共通マークを作成するなど、ATMの設置場所などについて、わかりやすい情報提供に取り組むべきです。都の見解を伺います。
 ところで、例えば外国人が道に迷っているときに、もし助けてもらったらどう思うでしょう。日本人の印象は格段によくなると思います。我々議員も、都職員も英語などの語学力を高め、オール東京都で外国人を迎えるべきだと思います。
 また、東京の魅力を海外に向けて効果的に発信するなど、外国人観光客の増加や海外企業の誘致に向けた事業を積極的に展開できる人材も必要です。
 そこで、都職員の語学力向上のための具体的な取り組みについて伺います。
 また、二〇二〇年には、世界中から多くの選手や大会関係者、さらなる観光客が来日します。私たちが海外で日本人の通訳や、あるいは日本語にたけた外国人だと安心するように、在日外国人や外国語大学の学生を語学ボランティアとして活用してはどうか、都の見解を伺います。
 最後に、文化振興について伺います。
 日本が今後百年、世界で一定の影響力を維持するのに最も必要なものは何かと問われれば、私は文化の力だと答えます。そして、そのモデルとすべきはフランスだと考えます。
 フランスは、現在のアメリカや、かつての大英帝国、古くはローマ帝国のように、世界の覇権を握ったことはありません。にもかかわらず、世界で確固たる地位を築き、特に世界中の女性から羨望のまなざしで見られています。
 その根源は何かと考えると、ファッションやグルメ、あるいはフランスが醸し出す芸術的な雰囲気なのではないのでしょうか。文化の力こそがフランスの国力の源泉だと考えます。
 一方、世界的な旅行サイト、トリップアドバイザーの世界の旅行者が選ぶ都市ランキングでは、東京は堂々、総合順位で一位になりながらも、文化に対する評価は十一位です。
 そこで、芸術に造詣が深い知事だからこそ、ぜひ考えてほしいことがあります。
 美術に興味がなくても、多くの旅行者がフランスに行ったらルーブル美術館、ロンドンなら大英博物館、ニューヨークはメトロポリタンに必ず行くと思います。しかし、日本には世界的な美術館、博物館はありません。世界の美術館、博物館来場者数ランキングでは、東京国立博物館が二十八位に顔を出すだけです。
 東京にもよい展示物はあります。東京国立博物館には多数の国宝が眠り、東京都現代美術館には村上隆や草間弥生がある。民間の美術館にも、浮世絵などすばらしい作品があります。ところが、これらが東京中に散らばっているのです。
 文化の力で世界に伍していくためにも、将来的には東京中のすぐれた作品を一つの施設に集約することをぜひ知事にご一考いただきたいと思います。
 もちろん、こうした集約は一朝一夕でできるものではありません。東京文化ビジョンでは、文化拠点の魅力向上を掲げており、日本を代表する美術館や博物館が集積した上野「文化の杜」を文化拠点として掲げています。
 そこで、まずはこの上野「文化の杜」を集約の第一段階とし、東京を代表する文化拠点としての魅力を高め、世界に向けて発信すべきと思いますが、知事の見解を伺います。
 また、上野「文化の杜」が美術の拠点となるよう、その中核を担う東京都美術館の機能を一層生かしていくべきと考えます。
 見解を伺い私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 秋田一郎議員の一般質問にお答えいたします。
 あるべき地方税財政制度についてでございますが、国と地方の歳出比率と税収比率が逆転する中、かつて三位一体の改革において、地方自治体はみずからの権限と財源に基づいて行財政を行うという真の地方自治を求めて、一丸となって国と戦った歴史がございます。
 しかしながら、この改革は結果として地方交付税の削減と地方財政の困窮を招きました。その後、地方から国に権限と財源を求める動きは影を潜める一方で、東京ひとり勝ち論が強まり、不合理な偏在是正の動きにつながったことを我々はしっかりと記憶しておかなければなりません。
 あるべき方向は、今も当時と本質的には変わっていないと思います。地方自治の根幹は、みずからの権限と財源により、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を目指していくことでありまして、そのためには、国から地方へ権限と財源を移譲していくことが不可欠であります。地方法人課税の偏在是正措置は、こうした方向とは全く相入れないものであります。
 国を挙げて地方再生に取り組もうとしている今こそ、改めて地方自治の原点に立ち返り、都市と地方がともに栄える地方税財政制度の実現に向けて、都議会の皆様を初め、都内区市町村や志を一にする他の自治体と手を携えて全力で取り組んでまいります。
 次に、子供の声をめぐる条例改正の考え方についてでございますが、環境確保条例では、都民が公害被害を受けない権利を有すると同時に、騒音等の公害を発生させる原因とならない義務を負うという理念から、何人の音も規制の対象としております。
 しかし、乳幼児は遊びを通じて成長するものでありまして、安心して子供を産み育てるためには、子供が楽しく体を動かし声を出せる環境を社会全体で確保していく必要があります。
 このため、今回、子供の声の規制について、次代の社会を担う子供一人一人の健やかな成長、育成にも配慮しつつ、話し合いやコミュニケーションを通じて騒音問題の解決に資する制度とするよう、単に数値で規制するのではなく、受忍限度で判断する規制へと見直すことといたしました。
 ドイツ語の格言に、子供たちの騒音は将来の音楽という言葉があります。今回の条例改正が、地域全体で子供の成長を見守る環境の形成につながることを期待しております。
 上野「文化の杜」の魅力向上と発信についてでございますが、東京文化ビジョン素案では、芸術文化を成長の柱として位置づけ、ロンドンやパリと同様、文化の力を活用して、東京の魅力向上と経済の活性化につなげることを理念として掲げております。
 上野地区には、東京都美術館や東京国立博物館など、多くの個性あふれる文化施設が存在し、文化資源の集積は、ロンドンやパリと比べても遜色はございません。これらは同じ公園内にあり、あたかも巨大な一つの美術館ともいえ、海外からさらに多くの観光客を集める可能性を秘めております。
 このため、都や国、民間、東京芸術大学は、上野「文化の杜」新構想推進会議を設置し、それぞれの施設が保有する文化資源の潜在力を顕在化させ、上野を年間三千万人が集まる魅力的なエリアとするよう、現在、方策の検討を進めております。
 都としては、まず各施設の情報を集約した情報ポータルサイトにおける海外発信や、外国人観光客の利便性を高めるために、ICカードを使った共通パスの仕組みなどを導入し、地区全体の魅力を高めてまいります。
 今後、こうした取り組みを上野地区における関係機関と連携を強め展開することによって、世界に冠たる文化拠点を目指してまいります。
 なお、そのほかの質問につきましては、東京都技監及び関係局長が答弁をいたします。
   〔東京都技監横溝良一君登壇〕

○東京都技監(横溝良一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、都立公園における子供の健全育成についてでございますが、パークマネジメントマスタープランの改定案では、子供が野外体験や里山体験、屋外での運動などを通じ、元気に活動できる場として、都立公園を活用していくことが重要であるとしております。
 具体的には、木登りや泥遊びなど、子供たちが自由に遊べるプレーパーク事業や、田んぼづくり、生き物に触れることができる体験教室などに取り組むこととしております。
 また、本年一月から手軽にスポーツを楽しめる新たな取り組みとして、プロ野球チームの協力を得て、小学生以下とその家族を対象にキャッチボール用具の貸し出しを始めました。
 今後とも、このような取り組みの拡大に努め、緑豊かな環境の中で、次世代を担う子供たちが健やかに成長できるような公園の利用を推進してまいります。
 次に、都立公園への保育所等の設置についてでございますが、都立公園は多様な活用ができる都市のインフラとして大きな可能性を有しており、都は現在、子育て支援のための保育所や都民の利便性の向上を図るためのレストラン、スポーツ関連施設などの導入について検討をしております。
 具体的には、保育所やレストランなどの事業者へのヒアリング調査を行うとともに、関係局や区の意見を聞きながら、都立公園をモデルに事業スキームの構築を進めております。
 都市公園の面積を減らすことなく、貴重な緑を守ることはもちろん、国に法令改正などの働きかけを行いながら、これまでにない知恵と発想で、現代の都市生活に見合った公園づくりに向け、多面的な活用を誘導する仕組みを構築してまいります。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

○環境局長(長谷川明君) 子供の声に関する条例改正に係る区市への支援についてでございますが、環境確保条例に基づく事務のうち、騒音など地域の生活環境に密着した問題については区市に事務を移譲しており、子供の声をめぐる苦情相談につきましても、区市の担当者が保育所等の施設管理者と近隣住民の間に入り、問題の解決に努めてきております。
 今般の見直しに当たって、都は昨年秋以降、区市に対して見直しの考え方を数次にわたり説明し、意見交換するなど、丁寧に協議を重ねてまいりました。
 今回の改正では、子供や保育者の声等に関して、数値規制から受忍限度で判断するよう見直すことから、その判断を行う区市が着実に業務を執行できるよう、判断の目安を示したり、区市からの個別の相談にも的確にお応えするなど、最大限の支援を行ってまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、観光案内所についてでございますが、外国人旅行者が迷うことなく安心して観光を楽しむために、観光案内所の果たす役割は大きく、その充実を図ることは重要でございます。
 これまで都は、みずから設置する東京観光情報センターに加え、民間事業者等の案内窓口を観光案内所として活用し、さまざまな情報を提供してまいりました。
 今後、民間事業者等との連携を一層強化し、都内全域で観光案内機能の向上を図るため、来年度は、観光案内所として活用可能な施設について、今後の整備予定も含め調査するとともに、外国人旅行者へのヒアリングを行い、必要なサービスについて検討を進めてまいります。
 この結果を踏まえ、観光案内所の設置拡大や機能強化を進め、量と質両面の充実に向けて取り組んでまいります。
 次に、無料WiFiの整備についてでありますが、まち中での無料WiFiの整備は、外国人旅行者の移動中の情報収集や発信を容易にし、利便性を高めるために重要でございます。
 このため、都は、外国人旅行者が多く訪れるエリアにおいて、主要駅と旅行者の主な目的地を結ぶ動線上のアンテナ整備に、二〇二〇年に向けて集中的に取り組むこととし、まずは来年度、新宿と上野から着手いたします。
 これに加え、旅行者のニーズや地域の特性などに応じ、まち中等で無料WiFiの整備を進めようとする区市町村の取り組みを支援いたします。
 外国人旅行者の目線に立った整備を進め、旅行者がストレスを感じることなく無料WiFiに接続できる環境を整えてまいります。
 最後に、海外対応ATMの情報提供についてでございますが、国の調査によりますと、外国人旅行者が不満に感じることの一つに、海外発行のクレジットカードが利用できるATMを見つけにくいことが挙げられております。
 都は、旅行者の利便性向上のため、東京の観光公式サイト等で、ATMが設置されている場所や利用可能な時間帯などの情報を提供してまいりました。
 これに加え、今年度、海外発行のカードに対応したATMを示すピクトグラムを作成し、今後、都や区市町村が整備する観光案内標識に表示するとともに、ATMを設置する事業者にピクトグラムの掲出を働きかけてまいります。
 こうした取り組みを通じまして、外国人旅行者の快適な滞在を支える環境整備を推進してまいります。
   〔交通局長新田洋平君登壇〕

○交通局長(新田洋平君) 都営地下鉄職員の外国人旅行者への案内サービスの充実についてでございますが、都営地下鉄ではこれまで、基本的なご案内を英語でもできるよう、駅係員に対する英会話研修を行ってまいりましたが、来年度から、研修の対象となる職層、職種をさらに拡大するなど、充実を図ってまいります。
 また、各駅におきましては、忘れ物や乗りかえ案内等、駅の実情に合わせた新たな対応マニュアルを作成し、これに基づくOJTを今年度から実施しておりまして、より実践的な対応力の向上を図っております。
 さらに、お話のタブレット端末につきましては、現在、各種翻訳アプリや地図アプリの有効性を多面的に検証しており、その結果を踏まえ、端末の配備を拡充してまいります。
 今後とも、こうした取り組みを積極的に進め、おもてなし最前線の役割を果たしてまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

○総務局長(中西充君) 都職員の語学力向上の取り組みについてでございますが、これまで都は、国際業務を担う人材を育成するため、選抜によるアメリカの大学院への派遣や英会話の個別指導のほか、希望者への語学学校や通信教育の受講支援など、さまざまな取り組みを行ってまいりました。
 しかし、オリンピック・パラリンピック大会の開催準備はもとより、さまざまな職場で、海外との高度な調整や外国人との応対が日常化しており、職員総体の国際対応力の一層の強化が求められています。
 こうした観点から、従来の取り組みに加え、若手職員を対象として、英語力を含む国際感覚や教養を兼ね備えた都庁国際化リーダーを、当面、平成二十七年度から五年間で千人育成いたします。
 この取り組みを柱として、各局独自の研修や職員の自己啓発をより効果的に組み合わせ、大会終了後も国際業務を支える人材を幅広く育成し、活用してまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) 二〇二〇年大会のボランティアについてでございますが、世界中から東京を訪れる選手や大会関係者、観客をおもてなしする上で、さまざまな言語に対応するボランティアの活躍が必要不可欠でございます。
 先日実施されました東京マラソン二〇一五では、二百人以上の多言語対応のボランティアがインフォメーションブースなどで外国人ランナーをサポートいたしました。このような経験やノウハウを生かしながら、来年度設置いたします連絡協議会のメンバーとして、東京マラソン財団のほか、在日外国人の方や外国語大学などの関係機関に参画していただきまして、語学ボランティアの育成や活用を検討してまいります。
 こうした取り組みなどを通じまして、来訪者が言葉のバリアフリーを実感し、東京の滞在を楽しめる環境を整備してまいります。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

○生活文化局長(小林清君) 東京都美術館の機能強化についてでありますが、東京都美術館は、全ての人に開かれたアートの入り口となることが期待されており、企画展と約二百六十の美術団体による公募展を合わせた来館者が年間二百四十万人を超え、都立文化施設の中でも最も集客力が高い施設でございます。
 また、美術館と東京藝術大学が推進役となって、徒歩圏内に集積する文化施設を子供たちがめぐり学ぶなど、地域の施設と連携したプログラムを実施することで、作品の鑑賞にとどまらず、体験型のアートに親しむ環境整備に取り組んでおります。
 今後、上野地区の文化施設のネットワークをさらに強化し、世界と日本の名品を集めた展覧会の開催や美術団体の発表の場の提供、参加型プログラムの展開によりまして、日本を代表する芸術文化拠点の一翼を担う美術館として、芸術文化の魅力を内外に力強く発信してまいります。

○議長(高島なおき君) 六十二番野上純子さん
   〔六十二番野上純子君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○六十二番(野上純子君) 最初に、教育について伺います。
 子供は、よき触発があれば幾らでも伸びていくものであり、何かのきっかけで見違えるように成長するものです。大人の一人一人が、現在の子供が置かれた状況を理解し、苦しみを共感できるかどうかが大事です。学校にあっては、教師が子供たちの心の声に耳を傾け、子供たちの未来のために真剣に行動し、生命の尊厳と自尊感情を教え、幸せな人生が送れるように配慮する使命があると思っています。
 希望の登校、満足の下校。これは私の教師時代、子供たちが学校生活の中で知識、技能を身につけ、友達と楽しく学校生活を送り、満足して下校しているかどうか、目標にしていた言葉です。都の不登校の子供たちは、これまで減少傾向にありましたが、近年、増加に転じました。
 不登校になる背景として、いじめ、学力不振、ネット依存などによる生活リズムの乱れ、無気力、家庭環境等々の理由が複合しています。不登校の原因について調査をし、子供の心の奥にある課題は何かを探り、的確な対処をしていく必要があります。
 また、昨年度の都立高校における中途退学者は三千二百人、特に定時制の都立高校生の一一・八%が中途退学です。中途退学をすると、学校からの連絡もなくなり、夜遊びがふえたり、引きこもって孤立しやすくなります。
 都は、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの派遣等を行っていますが、不登校や中途退学に関し、再就学や就労に向けた切れ目のない支援など、新たな取り組みが必要と考えます。所見を伺います。
 学校生活が息苦しいのであれば、子供たちの居場所づくりをしていくことが大事です。毎年、葛飾にあるフリースクールで開催される研究発表会に参加をし、生きるのが苦しかった子供たちが、生き生きと体験を発表している姿を目の当たりにしてきました。自分の居場所が見つかれば、安心し、学業に励むことができます。自己実現の道も開けます。現場を見るにつけ、もう一つの教育の場であるオルタナティブ教育の必要性を感じています。
 国では、新たな動きがあります。フリースクール等に関する検討会議も始まりました。学校教育法の一条校に載っていない学校や施設で、子供の居場所づくりや学力支援に貢献している場所があれば、連携をとりながら活用を進めていくことが大事です。中途退学した子供や不登校の子供たちの立ち直りの場として、学校以外の教育の場との連携を図るべきと考えます。所見を伺います。
 本年四月から施行される生活困窮者自立支援制度は、経済的な困窮や社会的な孤立など、多様な課題を抱える方々を対象に、生活保護に至る前の段階から、その方の状態に応じた支援を早期に行い、自立を支援していく重要な制度です。
 我が党は昨年、子供の学習支援や就労準備支援、家計相談支援について取り上げ、法に基づく必須の相談事業に加え、各種の任意事業の重要性を指摘してきました。区市により取り組みにばらつきがあるのは望ましくないため、できる限り足並みをそろえて実施することが必要です。
 そこで、より多くの区市において任意事業に取り組めるよう、財政面を含めた積極的な支援策が必要と思いますが、見解を求めます。
 また、その一方で、これまで都独自に取り組んできた低所得者対策の役割も、今後ますます重要です。
 都は、いわゆるネットカフェ難民への総合的な支援を初め、多重債務者に対する相談と貸し付け、受験生への学習塾や受験費用の支援など、我が党の提案を受け、全国に先駆けた独自の施策を積極的に展開し、成果を上げてきました。今回の生活困窮者自立支援制度の施行により、各区市において、生活に困窮している方々への総合相談窓口が開設されることとなりますが、各種の任意事業を含めた支援体制は必ずしも十分とはいえません。
 そこで、これまでの都独自の低所得者への支援策のノウハウを活用するなど、区市の生活困窮者対策を広域的、専門的な立場から、都としてバックアップしていくことが必要と考えますが、見解を伺います。
 次に、女性の活躍推進について質問します。
 知事の施政方針演説では、これからの東京と日本の経済を発展させていく原動力は女性であると明言されています。全ての女性が能力を十分に発揮して、職場や家庭、地域などで活躍し、夢や希望を持って取り組んでいく社会を実現すべきと考えます。
 それぞれの女性のライフステージ、ライフスタイルに応じて、全ての女性が輝けるよう、知事が先頭に立って、女性の活躍推進に向けた社会全体の機運の醸成が必要です。知事の見解を伺います。
 また、女性の活躍推進には、女性を取り巻く環境の整備のみならず、女性みずからの課題解決する能力が必要です。女性経営者や女性管理職に関する華々しい報道の一方で、多くの女性は、仕事上の悩みを抱え、十分に能力を発揮できない現状もあります。社内において、女性の先輩など模範となるロールモデルがまだ少なく、とりわけ中小企業では問題が深刻です。
 先輩から課題や悩みについて直接助言が受けられる仕組みを行うなど、女性の活躍推進に向けた人的ネットワーク形成が重要と考えますが、所見を伺います。
 伝統工芸品産業の振興について伺います。
 東京には、江戸の華やかな町人文化のもとで発展した工芸品産業が今なお息づいています。染物からガラス製品まで四十品目が都の伝統工芸品に指定され、作家や職人さんの手によるたくみの品々が作製されています。
 私自身、先月開催された第五十八回東京都伝統工芸品展を訪れ、来場者でにぎわう様子を見てまいりました。特に外国人の方々は、技法などを尋ねたり、実演に見入るなど、江戸の魅力が大いに伝わる機会となっていました。二〇二〇年の五輪を控え、東京の伝統や文化に世界の注目が集まる今こそ、伝統工芸をさらに発展させる絶好の機会であります。
 東京染小紋の制作者小宮康孝さんは、感性豊かで篤実なお人柄の、人間国宝にも指定された大家ですが、お話を伺うと、その作品は、材料の改善や文様の開発など、新しい取り組みを不断に重ねた結果であることがわかります。
 技法や材料などの伝統は守りつつ、先端の技術や先鋭のデザインなど、今の生活スタイルや感性に合わせた要素を取り入れれば、今までにない魅力ある作品をつくり出せると考えます。例えば、べっこうを薄くして組み合わせ、中をLEDにしたランプシェード、江戸小紋のネッカチーフ、江戸切り子のペーパーウエートなどです。
 我が党は、さきの定例会において伝統工芸品の商品開発に対する都の見解を求め、職人とデザイナーなどとの協働による商品開発への積極的な支援を検討するとの答弁がありました。
 そこで、このコラボレーションによる伝統工芸品の新たな商品開発支援について見解を伺います。
 また、商品の普及には、その魅力を消費者、需要者に的確に伝えなければなりません。我が党は、新しい伝統工芸展の場を設けるなど、開発商品の強力なPRをあわせて提案してきましたが、今後の都の取り組みについて伺います。
 最後に、ものづくりの起業、創業の支援について質問します。
 葛飾区内には、金属、ゴム、革製品、プラスチックなど、多種多様で高い技術を持った中小の製造業者が数多く操業しています。
 今月の十二日には、東京国際フォーラムにて、葛飾区見本市が開催されました。近隣区を含め百七社の企業が出展をし、盛況のうちに閉幕しました。
 中でも注目を集めたのが、海底八千メートルまで探査できる「江戸っ子一号」です。フルハイビジョンで、海底の3Dビデオ撮影に成功しました。現在、海外受注を目指して商品化に取り組んでいます。
 地元葛飾区にある東京理科大学では、ベンチャー企業を立ち上げ、大学の有する先端的な技術で、重いものを簡単に持ち上げることができるマッスルスーツを開発しました。私も試着してみましたが、重い荷物を軽々と持ち上げることができました。
 このように、葛飾区には、挑戦意欲あふれる魅力ある企業があり、地域経済の活性化にも貢献しています。
 一方、こうした長い年月にわたって培われてきた中小企業が廃業等で減少することは、地域だけでなく、東京の産業競争力の低下を招きかねません。起業に挑戦する人をふやし、新たな会社創設が必要です。
 そのためには、ものづくり産業を担う若者が、起業に成功したベンチャー企業の経営者から直接体験談や考え方に触れるなど、企業家精神を醸成すべきです。また、資金調達や販路開拓などのきめ細かな支援を受けられる施設をふやしていくことも必要です。
 あわせて見解を伺い、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 野上純子議員の一般質問にお答えいたします。
 女性の活躍推進に向けた機運醸成についてでございますが、女性の活躍は、東京を活性化させる原動力でありまして、企業や都民など、より多くの主体がその認識を理解、共有し、女性の登用や就業継続につながる行動を起こすため、社会全体の機運醸成が重要であります。
 都は、今年度新たに、東京全体で女性活躍推進の機運醸成を図るため、産業、地域など、各分野の代表三十二団体から成ります東京都女性活躍推進会議を設置いたしました。
 また、先進的な取り組みを進める企業や団体に、初の知事賞を贈呈するとともに、女性活躍推進のシンボルとなります、女性が夢や希望に向かって羽ばたくロゴマークを私みずから発表いたしました。
 今後は、こうした取り組みに加えまして、交通広告やSNSを活用した広報キャンペーンの展開によりまして、都民、事業者の意識改革を促すとともに、女性活躍推進会議を核として経済団体などに働きかけを行い、企業や団体における女性活躍推進の取り組みの浸透を図ってまいります。
 さらに、東京都初の女性活躍推進白書を策定し、東京ならではのすぐれた取り組みを紹介するほか、国際シンポジウムの開催などを通じて、職場、家庭、地域で女性が生き生きと活躍する社会の実現の重要性を、より積極的に国内外に発信してまいります。
 そのほかの質問につきましては、教育長及び関係局長が答弁をいたします。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

○教育長(比留間英人君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、不登校、中途退学対策についてでありますが、不登校や中途退学の児童生徒は、みずからに自信を失い、社会から孤立しがちになるとともに、生活の乱れや学力の不振を招き、進路の選択も困難になるなど、多様で深刻な課題を抱えております。
 こうしたことから、来年度、区市町村におけるスクールソーシャルワーカーの配置を拡充するとともに、新たに都立学校にも配置し、福祉と連携した支援を強化いたします。
 また、中途退学の防止を図るための具体的な目標や対応策を定めた計画を、今後全ての都立高校で策定することとし、各校の実態に合わせた取り組みの強化を図ってまいります。
 さらに、学校との関係が途絶え、これまで支援が届かなかった中途退学者を訪問し、個々の状況に応じて就労や再就学につなげる取り組みを、新たに都立高校で試行いたします。
 次に、学校以外の教育の場との連携についてでありますが、不登校の児童生徒に対し、区市町村教育委員会では、学校とは別に適応指導教室を設置し、児童生徒の相談や教科学習の支援などを行っております。また、いわゆるフリースクール等の民間施設におきましても、子供の居場所づくりや学習の支援等を行っております。
 しかしながら、こうした施設にも通えず、十分な支援を受けられていない不登校等の児童生徒が相当数存在することから、その実情を把握し、対策を講じることが必要であります。
 このため、来年度、不登校、中途退学の実態を詳細に調査いたしますとともに、外部の有識者を交えた検討会を設置し、学校以外の教育の場との連携を含めた対策を検討してまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、生活困窮者自立支援法の任意事業への支援についてでありますが、複合的な課題を抱える生活困窮者の自立を支援していくためには、法の必須事業である自立相談支援に加え、任意事業である就労準備支援や家計相談支援、子供の学習支援などをあわせて実施することが重要でございます。
 このため、都は、長期ビジョンにおいて、生活困窮者への総合的な支援体制を、平成二十九年度末までに都内全域で整備していく政策目標を掲げており、来年度から区市が任意事業を新たに立ち上げるための独自の補助を実施いたします。
 また、事業の実施に必要な専門人材の養成研修を開始するなど、区市における体制整備を積極的に支援してまいります。
 次に、区市への広域的、専門的な支援についてでありますが、都はこれまで、インターネットカフェなどで不安定な生活を送る方や多重債務を抱える方、低所得世帯の子供などを対象として、独自の低所得者、離職者対策に先駆的に取り組んでまいりました。
 本年四月からの生活困窮者自立支援法の施行に伴い、実施主体である区市は、生活困窮者に対する総合相談窓口を開設いたしますが、支援の実施体制は区市により差があり、専門性の面でも課題がございます。
 このため、都は、これまで培ってきた広域的、専門的なノウハウを活用し、区市と連携して、離職者への資格取得支援や住居喪失者への低廉な住宅情報の提供、多重債務者への資金貸し付けなどを行い、多様な課題を抱える生活困窮者への包括的な支援に取り組んでまいります。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

○生活文化局長(小林清君) 女性の活躍推進に向けた人的ネットワークの形成についてでありますが、女性が昇進を望まない理由として、多数の人が、職場に相談相手となる管理職層がいない点を挙げております。
 こうしたことから、働く女性が悩みや課題を解決し、能力を発揮するためには、部下の育成方法や仕事と子育ての両立など、経験に基づいた助言を受けられる人的ネットワークの形成が必要であります。
 このため、都は、現在行っている起業を目指す女性に向けたネットワーク形成の支援に続きまして、新たに働く女性を対象として、組織での成功体験を有する方から助言や相談を受けられる連続講座や交流会を、事業者団体と連携の上、東京ウィメンズプラザで実施をいたします。
 こうした取り組みにより、意欲を持つ女性を強力に後押しし、女性の活躍の場を広げてまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、伝統工芸品の商品開発支援についてでございますが、伝統工芸品産業を将来に引き継ぎ、さらに発展させていくためには、現代のニーズに応える工芸品づくりを進めていくことが重要でございます。
 そこで都は、来年度から、意欲ある伝統工芸の職人や作家、デザイナー、クリエーター等の人材を募り、その協働による商品開発プロジェクトに着手いたします。
 本プロジェクトでは、一年目に開発チームにより企画、デザインから試作品の制作、改良などを経て完成品を仕上げ、二年目に販路開拓支援を展開してまいります。
 プロジェクトを効果的に進めるため、マーケティングや工芸の専門家等が参加する委員会を設置し、専門的見地から、制作やプロモーションなどに関する助言を行うことにより、魅力ある商品開発を強力に支援してまいります。
 次に、開発商品のPRについてでございますが、商品開発プロジェクトの完成品を効果的にPRし、幅広い層に対し認知度を高めていくことは、東京の伝統工芸品のブランドイメージを向上させる上でも重要でございます。
 このため、プロジェクトの二年目に、その成果を広く披露するイベントを開催するなど、ご提案の趣旨も踏まえまして、積極的なPRの実施を検討してまいります。
 加えて、国内外の展示会への出展や英語版ウエブサイトの制作などに取り組み、多面的、継続的に商品の販路開拓とPRを図ってまいります。
 こうした取り組みを通じまして、東京の伝統工芸品の新たな魅力を広く発信してまいります。
 最後に、ものづくりにおける創業環境の整備についてでございますが、東京が将来にわたって持続的に成長するためには、革新的なものづくりを初め、新たな産業を担う人材を発掘、育成し、創業に結びつけていくことが重要でございます。
 今年度から実施している次世代の起業家を育成するコンテストでは、プロペラのない円筒型の風力発電機など、これまでにない発想に基づく製品が提案され、今後、先輩起業家の助言や開業時の資金提供等、事業化に向けて継続的に支援をしてまいります。さらに、成功事例をホームページ等で広く発信し、創業の機運を醸成してまいります。
 また、来年度からは、優良な運営計画を有する創業支援施設の整備等に対する助成事業を新たに開始いたします。
 これらによりまして、ものづくりを初めとする新事業の創出に向け、創業環境を積極的に整備してまいります。

○副議長(藤井一君) 七十四番高橋信博君
   〔七十四番高橋信博君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○七十四番(高橋信博君) 初めに、横田基地の活用について伺います。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を五年後に控え、また、訪日外国人二千万人の高みを目指して、各方面でさまざまな取り組みが進められております。外国人の旅行者数は、二〇一三年には一千万人に達し、二〇一四年には約一千三百四十万人にまで至ったと推計されております。
 多摩地域においても、今月には多摩地域の商工会、商工会議所などの経済界によって、二〇二〇年大会までに横田基地の民間利用の実現を目指して、多摩地域経済団体横田飛行場民間利用促進協議会が設立をされました。地域の活性化という視点で、多摩の総合的な交通体系を考えると、道路、鉄道に加え、航空も重要な要素であると考えます。
 横田基地を空港として活用できれば、一般の航空機のみならず、ビジネスジェットの就航も期待でき、多摩に新たな産業が発展する可能性をもたらし、経済効果や雇用の創出へとつながります。さらに横田が、ものづくりを初め、多摩地域の強みを発信する拠点ともなり得ます。
 このように、横田基地の民間利用は、多摩の豊かな潜在能力を引き出し、新たな発展を加速するため、地域において共用化に寄せられる期待は大きいものがあります。
 しかしながら、この問題は、日米の外交、安全保障にかかわるものであり、都と国が軌を一にして取り組まないと前に進みません。
 二〇二〇年大会の開催に当たっては、多数の来訪者に対する万全の受け入れ体制が求められますが、一時に集中する航空需要を、東京の空の玄関である羽田、成田でさばき切れるか心もとないと考えます。
 そこで、大会の開催をきっかけに、横田基地を活用して、臨時便やチャーター機、関係者のビジネスジェットなどを受け入れ、東京の受け入れ体制の一助とするとともに、多摩地域の発展に資するよう取り組むべきと考えますが、知事の所見を伺います。
 次に、交通ネットワークについて伺います。
 二〇二〇年オリンピック・パラリンピック開催に伴う外国人来訪者の増加等を見据え、外国人を含む誰もが安心して快適に移動できる交通体系を目指すことが必要であります。東京では、高密度で安全な鉄道ネットワークが形成されていますが、ターミナル駅における乗りかえ等は、利用者にとって使いづらいと考えます。
 例えば、外国人にとって一番人気のあるまち、世界一の乗降者数を誇る新宿ターミナル、新宿駅においては、二〇二〇年度までに東西自由通路が整備されますが、新宿大ガードの下で東西を結ぶ地下歩行者通路が整備されていないため、東側の西武新宿駅やサブナード等と都営大江戸線新宿西口駅やJR新宿駅西口方面との間の移動が大変困難となっております。また、乗りかえ動線上に案内サインが連続して設置されていない箇所があり、各路線の乗り場も見つけづらくなっております。
 この新宿駅周辺では、東西自由通路の供用開始を見据え、世界に魅力を発信し、未来に向かって発展し続けるにぎわい都市新宿の実現に向け、地元新宿区が新宿再整備へのリーディングプロジェクトを始めると聞いております。
 都では、先月に東京の総合的な交通政策のあり方検討会が取りまとまり、交通結節機能の充実について提言されました。
 今後は、新宿を初めとするターミナル駅について、地元区と連携し、利用者の視点から、わかりやすい、使いやすいものへと改善していく段階と考えますが、都の見解を伺います。
 次に、多摩地域の道路整備について伺います。
 首都圏三環状道路を初めとする高速道路ネットワークの構築は、東京の国際競争力を強化する上でも必要不可欠であります。本年三月七日には、中央環状品川線が開通し、三環状道路で初めてのリングが完成いたします。
 また、多摩地域でも、昨年圏央道を介して、中央自動車道と東名高速が結ばれ、外環ではトンネル工事に着手するなど、事業がいよいよ本格化しております。高速道路ネットワークの充実は、区部を初めとする都内の渋滞緩和に効果を発揮するだけではなく、多摩地域の一層の発展にも大きく寄与するものと期待されております。
 多摩地域における機能的な都市活動と快適な都民生活を支えるためには、こうした道路ネットワークの一層の強化が重要であり、高速道路だけでなく、昨日の我が党の代表質問に対する答弁にあったとおり、府中所沢線や調布保谷線を初めとした多摩南北道路の骨格幹線道路や、都県境をまたぐ幹線道路の整備が進められております。
 一方、高速道路や幹線道路の整備だけではなく、これらを有機的に連携させる方策も重要であります。インターチェンジ間隔が長い区間にETC専用のスマートインターチェンジを増設するなど、既存道路の機能強化や有効活用が求められ、都内では、府中や八王子でスマートインターチェンジ事業が進められております。
 このような状況の中、三月七日に都内初のスマートインターチェンジとして、調布と国立府中のインターチェンジ間に、新たに山梨方面への府中スマートインターチェンジが開通いたします。府中市はもとより、私の地元であります小平市など、北多摩地域への効果が大いに期待されるところでございます。
 そこで、府中スマートインターチェンジに関するこれまでの取り組みとその整備効果について伺います。
 次に、都市農業における畜産振興について伺います。
 東京では、ブランド豚トウキョウXや東京しゃも、東京牛乳など、多様なブランド畜産品や加工品が生産され、都民の食卓を豊かにしております。
 知事は、オリンピック・パラリンピックで、都内産の食材を大いに活用し東京の魅力を発信していくと発言されており、我が党が代表質問で取り上げました、これらブランド畜産物の生産拡大についても、来年度から青梅畜産センターの改修に着手するとの答弁をいただきました。
 一方、価格の低迷や餌となる飼料の高騰といったコスト上昇、担い手の高齢化などにより、都内の畜産農家は厳しい経営環境が続いております。
 そこで、青梅畜産センターの改修に当たっては、ブランド畜産物の生産拡大はもとより、こうした課題にも幅広く対応できる、東京の畜産振興の拠点となるよう再整備を図るべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、プレミアムつき商品券等を活用した地域活性化、消費喚起について伺います。
 国では、個人消費等の弱さを解消し、経済の好循環を確かなものとするため、昨年十二月には緊急経済対策を取りまとめ、本年二月には平成二十六年度補正予算が成立をいたしました。
 この経済対策では、地方公共団体が実施するプレミアムつき商品券の発行など、地域における消費喚起策などに対し、国が交付金で支援することとしております。
 この交付金を活用して、例えば、現金一万円で一万二千円分のプレミアムつき商品券を購入できる仕組みとすると、行政が支援するプレミアム分の二千円に対し、五倍程度の直接的な消費が喚起されます。
 また、この商品券を利用して、地域の商店街などにおける商品購入やサービスの享受といった消費が拡大することで、地域経済の活性化も大いに期待されるところでございます。
 プレミアムつき商品券はこのようなメリットがある一方で、私の地元、小平市でも以前に発行したことがありますが、手続には相当な手間がかかると聞いております。商品券の偽造防止策、商品券の販売場所や利用できる店舗の選定、使用済み商品券と現金の換金方法など、さまざまな手続が必要であり、これまで商品券を発行したことがない区市町村ではなおのこと、円滑な発行に不安があると思います。
 そこで都は、都内全域の速やかな消費喚起を図るため、この交付金を有効に活用し、区市町村の取り組みを後押しするとともに、これまで商品券等を発行したことがない区市町村に対するきめ細かい支援も必要と考えますが、見解を伺います。
 次に、都立神代植物公園における海外との技術協力について伺います。
 神代植物公園は、五千株を超えるバラを初め、桜やツバキなど約四千八百種類、十万本に及ぶ植物を栽培し、年間約七十万人が来園する日本を代表する植物公園であります。
 都は、本年一月、神代植物公園と南米チリ国立植物園との間において、技術協力に関する協定を締結したと発表いたしました。チリ共和国は、太平洋とアンデス山脈に囲まれた南北約四千キロメートルに広がり、砂漠や高山を含め、亜熱帯から冷帯まで、多様な気候帯を持つ国と聞いております。
 チリ国立植物園は、首都サンティアゴの北西にある沿岸都市ビーニャ・デル・マルに位置し、この多様な気候帯に育まれる約一千四百種の植物を保有する約四百ヘクタールもの広大な敷地に恵まれたチリ唯一の国立植物園であるとのことでございます。
 今回はチリ共和国ということで、知事が都市外交を重視している中、このような、都が持つ技術を生かした取り組みは大変有意義であると考えます。
 そこで、今回の協定に基づき、チリ国立植物園とどのような技術交流を行うのか伺います。
 最後に、多摩地区の水道事業について伺います。
 多摩地区の水道施設は、これまで市町が水道事業を運営していた時代に整備され、市町域を越えた配水管網が不十分であることなどから、災害時の施設への影響を考えると、区部に比べて大変脆弱な状態にあります。
 長年にわたる市町への事務委託が完全に解消されたことで、災害や断水などのバックアップ機能施設のレベルアップに本格的に取り組む必要があります。
 そこで最後に、具体的な取り組み状況を伺います。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 高橋信博議員の一般質問にお答えいたします。
 横田基地の活用についてでございますが、横田基地の共用化は、首都圏西部地域の航空利便性の向上とともに、多摩地域の活力を引き出し、地域の活性化や産業の振興に資するものであります。この問題は、外交、安全保障にかかわることから、国と連携していくことが不可欠でございます。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催によりまして、外国人旅行者などの増加が見込まれ、多摩にとっても大勢の人々を迎える機会となります。このことを契機に、国との連携を強化し、地元の声も聞きながら、多摩地域の発展に資するよう共用化の実現に向けて取り組んでまいります。
 そのほかの質問につきましては、東京都技監及び関係局長が答弁いたします。
   〔東京都技監横溝良一君登壇〕

○東京都技監(横溝良一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、府中スマートインターチェンジについてでございますが、スマートインターチェンジは、ETC搭載車に利用を限定し、高速道路の既存スペースなどを活用することで、コンパクトかつ低コストで設置できる施設でございます。
 都は、中央自動車道へのアクセス強化による利便性の向上を図るため、府中市、中日本高速道路株式会社とともに府中スマートインターチェンジの整備を進めてまいりました。
 この施設は、用地を取得することなく府中バス停の合流車線やのり面などを活用し、短期間で整備した八王子方面の出入り口でございます。隣接する新宿方面への稲城インターチェンジと相互に補完しフルインターとしての機能を果たすことから、北多摩や南多摩地域の利便性が格段に向上すると考えてございます。
 引き続き、多摩地域の魅力と活力を高め、一層の発展に寄与する道路交通ネットワークの充実を図ってまいります。
 次に、都とチリ国立植物園との技術交流についてでございますが、都は、植物園や文化財庭園における幅広い専門知識と豊富な経験に基づき、植物の栽培や日本庭園の造営に関する高度な技術を培ってまいりました。
 この技術を生かし、チリ国立植物園が日本庭園を造営するに当たって、都は、池や樹木の配置など、庭園のデザインや植栽の管理等に関する技術協力を行ってまいります。また、神代植物公園大温室の改築にあわせ、アルストロメリアなど百種程度のチリ産の植物を導入し、南半球の植物への理解を深められるよう展示の拡充を進めてまいります。
 二〇一七年には両国の国交樹立百二十周年を迎えることから、この技術交流を契機に両植物園の発展を図るとともに、東京とチリとを結ぶ新たな人と人との交流を生み出す礎となるよう、引き続き着実な取り組みを重ねてまいります。
   〔都市整備局長安井順一君登壇〕

○都市整備局長(安井順一君) ターミナル駅の利便性向上についてでございますが、複数の鉄道やバスなどが乗り入れるターミナル駅では、交通機関を乗り継ぐ際に、経路の途中に段差があること、案内サインが途切れてわかりにくいことなどの課題がございます。
 このため、交通事業者や施設管理者などの垣根を超えて、高齢者や外国人旅行者を含む誰もが利用しやすくなるよう、ターミナル駅の改善に取り組むことが重要でございます。
 渋谷駅や浜松町駅では、こうした観点を含め、都市再生と連携した鉄道施設の改善を進めているところでございます。また、新宿駅でも、協議会を設置し、東西自由通路整備後の駅の望ましい姿を見据えまして、区とも連携し、乗りかえルートのバリアフリー化、案内サインの連続性確保や表示内容の統一等を進めてまいります。
 同様の取り組みを他のターミナル駅にも拡大いたしまして、利用者の視点に立って安全で使いやすい交通体系を実現してまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、青梅畜産センターの再整備についてでございます。
 経営規模の小さい東京の畜産業におきましては、大消費地の立地を生かし、ブランド化や加工品開発等により付加価値を高めるなど、収益性の高い経営展開が必要でございます。
 このため、畜産農家には、ブランド畜産物の生産拡大や加工の推進、飼料コストの削減、担い手の育成などの取り組みが求められておりますが、現在の青梅畜産センターには、こうした課題に応える機能が十分備わっていないのが現状でございます。
 そこで都は、来年度から畜産センターの改修に着手し、トウキョウXや東京しゃもなどブランド畜産物の飼育スペースを拡張し、生産の大幅な拡大を図るほか、新たに、畜産物の加工施設や飼料を低価格で供給する施設、飼育技術の向上を図る研修施設を併設するなど、センターが東京の畜産振興の総合的な拠点となるよう再整備をしてまいります。
 次に、プレミアムつき商品券等についてでございますが、今般の国の補正予算における都と区市町村への交付金の活用につきましては、都としても、高い消費喚起効果が図られるよう、区市町村の取り組みを支援することが必要と考えております。
 そのため、都は、区市町村がプレミアムつき商品券等を発行する際に、都に対する交付金を活用して補助を行うことにより、商品券等の発行数やプレミアム率の拡大を図ることといたしました。
 さらに、本事業を速やかに実施し、早期の消費喚起を図っていくため、今年度中に補助金の交付決定を行う考えでございます。
 また、これまで発行実績のない区市町村等に対し、発行の仕組みや手続に関する研修、個別相談をきめ細かく実施して、商品券等の円滑な発行を支援してまいります。
   〔水道局長吉田永君登壇〕

○水道局長(吉田永君) 多摩地区の水道施設整備の取り組み状況についてでありますが、震災時や事故時におけるバックアップ機能を確保するため、広域的なネットワークの構築を順次進めており、今年度は、基幹施設である拝島給水所と聖ヶ丘給水所を結ぶ直径一・五メートルの多摩丘陵幹線が全線完成する予定でございます。また、市町域を越えた配水管網の整備も積極的に進めております。
 さらに、給水所などにつきましては、老朽化が進行し配水池容量が不足している施設から優先的に更新や整備に取り組んでおり、今年度から新たに多摩北部地域の拠点となる給水所の設計に着手しております。
 こうした取り組みを着実に推進することで、広域水道としてのメリットを発揮し、多摩地区の給水安定性を向上させてまいります。

○議長(高島なおき君) 十五番白石たみお君
   〔十五番白石たみお君登壇〕

○十五番(白石たみお君) 若い世代の働き方の問題について質問します。
 私は、高校を中退し、すし職人の見習いとなりました。その後、アルバイト、日雇い派遣など非正規雇用を経験してきました。大手運送会社の倉庫内作業での日雇い派遣では、名前も呼ばれず、物扱いされ、自分自身の存在価値を見失う思いをしました。こうした経験を通して、今の非正規で働く若者の気持ちを痛感しています。こうした若者をつくり出す社会を何とか変えたい、その思いで、ネットカフェ難民調査、労働相談などに取り組んできました。
 きょうは、若者が希望を持って働ける東京にするため、私が出会ってきた、仕事をめぐる問題で苦しむ声なき声、若者の思いを取り上げて質問をいたします。
 非正規から抜け出せない若者の実態は深刻です。
 地方から上京して十三年となる三十八歳の男性は、大手求人情報誌を通じて、携帯ウエブサイト開発会社に契約社員として就職しました。面接では、頑張り次第で正社員になれるといわれ、希望を抱き働き始めました。しかし、日を追うごとに重いノルマがのしかかり、成績が悪いときには社長から、仕事をなめているのかとパワハラを受け、身も心も凍える日々を送り続けました。一日十二時間働いても、給料はどんどん減額され月十万円にも満たず、生活は崩壊寸前で退職に追い込まれました。
 その後は、派遣労働を繰り返しながら、正社員になろうとハローワークに通い続けています。しかし、何十社と面接を受けても採用はされません。不採用でも連絡はほとんどなく、理由も告げられないので、正社員になる手がかりも見えず、心も体もすり減らしたといいます。
 このような働かされ方に追い込まれるのは、個人の責任、一部の気の毒な人だという問題ではありません。
 知事は、第四回定例会の所信表明で、働く人の三人に一人が非正規という状況は尋常ではない、国も巻き込んで、非正規の方々の正社員への転換を強力に推し進めていくという考えを示しました。
 この男性は、知事の発言に励まされる、自分みたいな人を広げないでほしいと切実に訴えています。
 非正規から正社員への転換を進める予算をつけたことは重要ですが、同時に、一人一人の置かれた現状や背景を十分に把握し、それを踏まえた親身で継続的な支援がどうしても必要だと思いますが、いかがですか。
 また、そのためにも非正規雇用の実態を把握する調査を進めることが必要だと考えますが、都の認識及び対応を伺います。
 とりわけ、不本意な非正規雇用にならざるを得ないきっかけとなっている高校中退、未就職状態での卒業などの問題に対応した、就労支援施策を進める必要があります。区市町村から要望にもなっています。
 知事は、施政方針演説で、高校中退の問題などは、雇用の問題にもつながる大きな課題だと思っております、知事と教育委員会がさらに力を合わせ、子供の可能性を伸ばし、引き出してまいりますといいましたが、具体的にこれらの課題をどのように解決していこうとしているのですか。
 さらに知事が目を向けるべきは、正規の職場であっても、ブラック企業、若者の使い捨てという言葉に代表されるような実態となっていることです。
 IT関係で働いていた二十代男性は、朝九時半に出勤して、帰りは午前二時、三時まで働くことが日常的となっていました。職場には、残業するのが当たり前という雰囲気が漂い、幾ら残業しても残業代が出ず、社長からは、仕事が遅いからだと長時間労働が強要されました。休日出勤も日常的に行われ、心身を患い、退職にまで追い込まれました。この男性は、過密労働は仕方ないものと思っていましたが、友人と仕事について話す中で、初めてそのひどさに気づき涙がとまらなくなりました。この男性は今でも医者から働くことをとめられ、既に六年が経過しています。
 このように、正社員だったとしても過重労働により使い捨てとなるケースが相次いでいるのです。それにもかかわらず、安倍政権が、派遣法の改悪、残業代ゼロ制度など、雇用ルールの破壊を進めるということは到底許されません。
 このような動きにブレーキをかけなければ、若者が安定した仕事につき、能力を発揮する機会は失われ、少子化にますます拍車がかかり、社会保障の基盤が崩れ、社会の持続的発展はあり得ません。
 知事は、二月、国と都が協力して雇用対策を進め、みんなが安定して雇用を確保し、能力を十分発揮して、安心して家庭生活、子育てができるような世界一の都市を目指すと述べています。ならば、大企業の本社が集中する首都の知事として、財界、大企業、政府に今こそストップをかけるべく、行動すべきです。
 ブラック企業を減らしていく上で重要なのが、働きがいのある人間らしい仕事、つまりディーセントワークが当たり前の社会の実現です。これは、世界の労働者の労働条件と生活水準の改善を目的とする国際労働機関、ILOが、二十一世紀の目標として提唱しているものです。
 働きがいのある人間らしい仕事とは、まず仕事があることが基本ですが、その仕事は、権利、社会保障、社会対話が確保されていて、自由と平等が保障され、働く人々の家族を含めて生活が安定する、すなわち人間としての尊厳を保てる生産的な仕事のことです。
 日本でも、既に労働組合で運動が始まりました。政府は二〇一二年にディーセントワークの実現を閣議決定しています。
 私は、こうした動きをより前に進める必要があると考えます。
 知事は、厚生労働大臣時代に、ILO九十周年シンポジウムで、ディーセントワークの実現は、我が国にとって大きな課題であると受けとめている、ILOのディーセントワークの実現に向けた活動に協力を惜しまないとメッセージを送っています。
 知事は、ディーセントワークについてどう認識していますか。
 また、知事は、施政方針演説で政策をインクに例え、透明な水の上にインクを垂らすと、それが水面に大きく広がっていく、その最初の一滴が東京の政策と述べ、東京が真っ先に課題に取り組むことで地方を牽引していく決意を表明しました。であるならば、働くルールの確立や住宅の確保など、安定した生活の実現を目指すディーセントワーク東京推進宣言を行うことが重要と思いますが、いかがですか。
 知事は、労働分野のさまざまな課題への対策をさらに進めるため、国と連携して、より実効性の高い取り組みにつなげていきたいと述べています。若者の使い捨てが疑われる大企業に、人間らしい雇用環境を確保させるため、企業名の公表を初めさまざまな具体策を国とともに取り組むよう求めますが、いかがですか。
 東京都の労働相談活動、働く権利の普及啓発活動を大幅に拡充することも必要です。
 日本労働組合総連合会の若者への調査によると、働いていて困ったときに労働局などの相談窓口に相談したのはわずか一%でした。労働相談窓口が地方自治体にあることを知っているのは二割を切っています。働く上での権利義務について、学校教育でもっと学びたかった、理解すれば今より安心して働けると七割の若者が回答しています。
 働く権利について、普及啓発、相談窓口の重要性についてどう認識し、どのように充実を図るつもりですか。
 JRや東京メトロの車内CMなどで、都は、生活習慣病予防や消防団員募集などの政策広告を行っています。同じように、こうした手段を利用して、労働相談窓口の所在地や連絡先などの情報を都が積極的に発信していけば、若者に自分たちの悩みを届けることのできる場所があるというメッセージとなり、相談をふやすことにつながります。いかがですか。
 都が発行しているリーフレットは、派遣で働く若者にもわかりやすく労働者の権利を伝えています。これがコンビニでも無料で配布されていることは重要ですが、都内のわずか二百店舗程度にしか置いていません。コンビニは、若い世代が多数利用するので、置いている店舗数を抜本的にふやすことが大切です。
 また、東京メトロなどの駅の改札や通路には、アルバイト情報誌を初めとした無料の情報誌が置いてあるコーナーがあります。ここに、都のリーフレットなども置けば、アルバイト情報などをつかもうとする若者の目に触れやすく、ブラックバイトなどに巻き込まれないための手助けとなります。それぞれ答弁を求めます。
 若者の働き方の問題について質問をしてきましたが、この問題の最後に、東京の働く若者の雇用実態をもとにした支援施策を、これから策定する子供・若者計画に盛り込むよう提案します。いかがですか。
 次に、災害医療体制の整備について質問いたします。
 いつ起こるかわからない首都直下地震から都民の命と財産をどのように守るかは緊急の課題です。
 発災時に全ての病院などが都民の生命を守るため、施設の機能を維持し、地域の応急救護や情報拠点として役割を果たすため、都が必要な支援を拡充することが求められています。
 地元品川区内の医師会は、緊急医療救護所などに医師会会員の医療スタッフなどを派遣させる情報拠点となる位置づけを持っています。
 発災時にライフラインが消失し、施設の全ての機能が使用できなくなるのを防ぐため、非常用発電設備となる発電機や全天候型のコードリールなどを自前で購入しています。
 それぞれ二十六年度に購入した装備、備品の購入額は約二百三十万円から四百万円となり、区からの補助もなく、負担となっていました。医師会からの強い要望もあり、品川区の来年度予算案では、それぞれの医師会に補助が新設されることとなりました。
 都は、地区医師会による災害時の医療救護の活動、災害訓練の実施などの取り組みの重要性をどのように考えていますか。また、地区医師会からは、災害時の設備への財政支援の要望も出ています。区市町村と地区医師会の連携体制の構築に向けて、都としてどのように支援していくのですか。それぞれ答弁を求め、質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 白石たみお議員の一般質問にお答えいたします。
 雇用対策についてでございますが、働きがいのある人間らしい仕事を指すディーセントワークの概念につきましては、私は厚生労働大臣当時から繰り返しその重要性に触れてまいりました。全ての人が能力を存分に発揮できる仕事につき、本当の豊かさを実感できる社会を実現することが重要であります。
 こうした考えのもと、不本意な働き方をしている非正規雇用への対策やワークライフバランスの推進などを長期ビジョンに位置づけ、都民に対して明らかにしたところでありまして、その取り組みを着実に進めてまいります。
 そのほかの質問につきましては、関係局長が答弁をいたします。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 六点のご質問にお答えをいたします。
 まず、非正規雇用についてでございますが、都は、非正規雇用の労働条件等に関する実態調査を実施するとともに、国の調査などにより把握している状況や、一人一人の非正規雇用の置かれた現状を踏まえ、きめ細かな支援を行っております。
 次に、高校中退者など若者の就労支援についてでありますが、先日立ち上げました雇用対策協定に基づく東京労働局との運営協議会において、雇用分野、教育分野など庁内はもとより、国との連携も一層強化し、これまでの対策に加え、都立高校とハローワークによる中退者支援などに取り組んでいくこととしております。
 次に、若者の使い捨てが疑われる企業についてでございますが、都は、事業主に対する労働関係法令の普及啓発を実施する一方、国は、法に基づく指導監督等を行っております。
 さらに、国との運営協議会におきまして、相互の役割分担を踏まえつつ、若者の就業支援や働き方改革などについて一層連携して取り組んでいくこととしております。
 次に、労働関係法令に関する普及啓発等についてでございますが、働く方が安心して仕事を続けるためには、労働関係法令の普及啓発と労働相談が重要であり、都は、セミナーの開催や普及啓発資料の発行、多様な手法による相談の実施などに取り組んでおります。
 次に、若者への労働相談の周知についてでございますが、都は、相談窓口である労働相談情報センターにつきまして所在地や連絡先を普及啓発資料に掲載し、大学、高校等を通じて配布するほか、大学でのポスター掲示など、さまざまな手法により効果的に情報を発信しております。
 最後に、若者への普及啓発についてでございますが、若者に対する労働関係法令の普及啓発は、内容や目的に応じ効果的に行うことが重要であり、大学、高校やコンビニエンスストアでの資料配布、eラーニングの活用など、さまざまな手法を組み合わせて適切な規模で実施しております。
〔青少年・治安対策本部長河合潔君登壇〕

○青少年・治安対策本部長(河合潔君) 若者に対する就業支援についてでありますが、青少年の健やかな育成のためには、若者の職業的自立は重要であります。国の大綱である、子ども・若者ビジョンに盛り込まれておるところであります。これを勘案して策定いたします東京都の子供・若者計画においても盛り込んでまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 災害時の区市町村と地区医師会の連携についてでありますが、東京都地域防災計画におきまして、区市町村は、地区医師会と協定を締結し、協力して発災直後からの医療救護活動を行うとともに、連携して人的被害や医療機関の被災状況等を把握することとされております。
 都は、災害時において、地域の中で適切に医療が提供されるよう、区市町村や地区医師会などから成る地域災害医療連携会議を二次保健医療圏ごとに設置し、医療資源を把握するなど、必要な医療体制の構築を図っております。
 また、昨年度からは、区市町村や地区医師会の参加も得て、災害時の情報連絡体制を検証するための図上訓練を実施しております。
 今後とも、地域における災害時の医療連携体制の構築を支援してまいります。

○議長(高島なおき君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時五十三分休憩

   午後三時十分開議

○副議長(藤井一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 七十六番中村ひろし君
   〔七十六番中村ひろし君登壇〕

○七十六番(中村ひろし君) 最初に、高齢社会における二〇二五年問題について質問します。
 二〇二五年に団塊の世代が全て七十五歳以上を迎えるため、二〇二五年問題といわれています。東京都でも、六十五歳以上の高齢者が四人に一人の三百三十二万人になる見込みです。
 知事は遠距離で介護をされ、それが政治の原点だとよくお話をされます。在宅と施設が選べるのが理想で、施設が二割あいていればよいとも発言をされています。長期ビジョンで、二〇二五年までに特別養護老人ホームを六万人分ふやすとありますが、人材不足の状況では、特養をつくっても埋められないことがあるそうです。
 地域包括ケアシステムの構築は、医療や介護の不足を住民の支え合いで補うものであり、知事は昨年、就任直後の施政方針演説で、地域があたかも施設のようにと述べられていましたが、都民も支え合いの社会に参加することの必要性を、より普及啓発することも重要です。二〇二五年に向けてさまざまな施策を打っていくにしても、財源の裏打ちが示されていない中で、六万人分の施設が絵に描いた餅にならないか危惧がされます。
 知事は、みずからの経験から、介護の課題をどのように捉えているか、そして、二〇二五年問題にどう対応するのか、所見を伺います。
 地域包括ケアシステムが機能するには、地域の医療や資源などの連携、行政の積極的支援、高齢者の就労、地域活動の機運の醸成、働く世代の参加のためのワークライフバランスなど、さまざまな要素がそろわないとできません。ことし四月から要支援一、二の高齢者向けサービスが、全国一律の介護保険給付から市区町村事業に段階的に移りますが、全国でこの四月に移行するのはわずか七%とのことです。
 地域のさまざまな資源を活用し、新しい介護予防などに円滑に移行することが、市区町村において喫緊の課題となっており、介護予防の拠点である地域包括支援センターの強化が求められています。地域包括ケアシステムの中心的役割を果たすことが期待される市区町村の地域包括支援センターの機能を強化すべきと考えますが、見解を伺います。
 孤独死を防ぐためには、地域での見守りの仕組みが必要です。監察医務院のデータがある二十三区では、年間二千人を超える方が孤独死をされているとのことです。市民も協力して見守りが行われていますが、例えば都営住宅であれば、住宅供給公社が鍵をあけたり、生活保護世帯ならケースワーカーがいるなど、何らか行政がかかわると発見しやすいのですが、日常的にどこにも接点がないと対応が困難です。
 倒れている人を発見できた場合に、親族ではないと対応が困難な場面もありますので、いわゆる善意の隣人がかかわるときに、その人を支える仕組みが必要です。行政を初め、地域のさまざまな関係機関が連携したネットワークの構築を急がなければなりません。地域で見守りにかかわる人をふやし、かつ高齢者を見守る地域のネットワーク構築を支援すべきと考えますが、所見を伺います。
 介護報酬の地域区分について伺います。
 かねてから大都市における実態と合っていないことから、都は国に対応を求め、平成二十四年四月から地域区分が細分化をされました。しかし、その方法が、国家公務員の地域手当などの地域加算の区分に合わせるために、地域の勤労者の給与や物価と合っていません。
 このため、三鷹市では近隣市よりも低く出てしまい、介護事業者が市内で事業継続が困難になり、隣の市へ拠点を移さざるを得ないという声もあり、結局はサービスの受け手である市民が不利益をこうむることになります。たびたび三鷹市長が厚生労働省に要望してきましたが、先日、福祉保健局長が三鷹市長とともに厚生労働省に老健局長を訪問し、交渉していただいたと聞いていますが、その行動力には敬意を表します。
 実態と合っていないという問題は幾つかの自治体にもあり、制度そのものに問題があるとも思われます。
 改めて、介護報酬の地域区分の問題点はどこにあるのか、都はどのような主張をしたのか伺うとともに、引き続き国に強く要望していただきたいと思いますが、見解を伺います。
 地域での支え合いにとって、町会、自治会などの地域活動は重要です。先日、三鷹市で町会、自治会の事例発表会を拝見しましたが、全てではありませんでしたが、多くは地区公会堂や集会所などの活動の拠点がありました。今後、高齢者の居場所づくりを行ったり、地域の活動を行うには、地域に集まる場が必要になります。
 平成二十五年時点で、都内には八十二万戸の空き家が存在しており、その活用は有効です。空家等対策の推進に関する特別措置法が制定されるなど、国レベルでの動きも出てきています。地域の活動をより積極的に促進するには、空き家を活用することが重要だと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、若者の自立支援について伺います。
 ひきこもりや不登校など、さまざまな理由で社会生活を円滑に営むことが困難な子供、若者の問題は、大変深刻な状況にあります。とりわけ、長期にわたり自宅にひきこもり、社会との接点を失った状態にある、いわゆるひきこもりの若者は、都の推計では二万五千人いるとのことですが、課題は多様であり、都はもとより市区町村、家庭、学校、民間団体、その他福祉、保健、雇用、教育など、さまざまな分野の関係機関が連携して、個々の事例に即したきめ細かな支援を提供していく必要があります。
 都は今後、若者が社会生活を円滑に営むことができるようにするための支援、その他の取り組みについて、総合的な施策を推進するための基本指針である東京都子供・若者計画を策定すると聞いています。この計画の策定に伴い、さまざまな機関との連携を一層強化して、ひきこもりの状態にある若者への支援の充実が図られることを期待しています。
 そこで、都におけるひきこもりの若者への自立支援の取り組みについて伺います。
 次に、児童虐待防止について伺います。
 ふえ続ける虐待相談件数に対して、児童福祉司や児童心理司などの配置をふやしてきてはいますが、保健師が全児童相談所に配置できていないという実態があります。早期に保健師の全所への配置を含め、引き続き体制の強化を求めます。
 しかし、児童虐待対応を行う上で重要なのは、児童虐待を発生させないこと、未然に防止することです。支援が必要な家庭を早期に発見し、適切に対応することが重要です。それには民間団体との連携も必要です。
 例えば、ホームスタートという活動をしている団体の話を伺いましたが、子育て経験者が家庭訪問して、保護者の子育ての相談を受けとめ、育児を一緒に行い、虐待の危険性などがある場合に、地域の専門機関や関係者に連絡、対応していますが、こうした民間団体のノウハウを十分に活用することで、すき間のない支援体制が整備されると考えます。
 児童虐待を未然に防止するためには、こうした団体とも連携しながら、子育て不安を抱える家庭への支援を適切に行う必要があると考えますが、都の見解を伺います。
 次に、オリンピック・パラリンピックに向けた取り組みについて、最初に、在留外国人との交流について質問します。
 知事は、海外からの観光客をおもてなすための施策や、これまで停滞していた都市外交を活性化するための取り組みを推し進めています。しかし、都内に短期間滞在する外国人旅行者へのおもてなしも大切ですが、日常的に多くの外国人の方々が、仕事や留学で都内に在住しており、こうした方々との交流を大切にした多文化共生社会に向けた取り組みが必要です。
 既に民間レベルでの国際交流も盛んに行われており、都民の異文化への理解の促進、市民レベルでの交流を行っていますが、都としても、在留外国人との交流の活性化に向けて、より積極的な施策展開が必要と考えますが、知事の所見を伺います。
 最後に、市民活動の活性化について伺います。
 知事は、施政方針の最後に、都民に向けて、都政に対する協力を呼びかけました。長期ビジョンでは、オリンピックに向けてボランティアを募るとしていますが、その機運が大会後も継続していくには、実際に動ける場や機会を創出する仕組みや仕掛けが必要です。冒頭質問した地域包括ケアシステムが成り立つためには、都民の力が不可欠です。そして、市民活動の活性化のために鍵となるのがNPO法人です。
 このNPO法人は、単なる善意のボランティアだけではなく、事業主体ともなり得、経済活動も行うので、コミニティビジネス、ソーシャルビジネスでもあり、雇用も生み、特に高齢者層の雇用確保に期待が持てます。しかし、欧米に比べると、まだ寄附の文化が根づいておらず、その醸成が必要です。
 都内で活動するNPO法人の数や雇用、経済規模について、さらに都が仕事を委託する金額を目標として掲げ、施策を積極的に展開することも提案します。今後の都政において、行政、市民、企業だけではなく、NPO法人もその主要な位置を占めるようにならなければ乗り切れませんし、むしろそうしたところに居場所や出番があれば、より明るい都政の展望が開けると考えます。
 NPO法人の活動の活性化についての見解を伺います。
 以上で質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 中村ひろし議員の一般質問にお答えいたします。
 介護の課題と二〇二五年問題についてでございますが、私は、認知症を患った母親の介護を経験しまして、家族の大変さ、それから、介護現場の苦労など十分理解していると思っております。
 介護は、家族で抱え込むのではなく、介護のプロや地域の力など、周囲の力をかりることが必要だと考えております。
 また、在宅か施設かという二者択一ではなく、在宅サービスも施設サービスも両方とも必要でありまして、さまざまなメニューの中から自由に選択できることが理想であると思います。
 今後、在宅サービスは、地域包括ケアの考えに立ちまして、医療と介護の連携を強化していく必要がございます。また、施設サービスにつきましては、特養などの定員を大幅にふやしていかなければなりません。
 そのために、昨年十二月に策定しました東京都長期ビジョンでは、二〇二五年度末までの政策目標とその工程表をお示しいたしました。また、その実現のため、来年度予算案では、福祉と保健の分野に、過去最高額となる一兆一千七十億円の予算を計上し、福祉先進都市実現基金も創設いたします。
 今後とも、超高齢社会の到来という将来を見据え、民間の力、地域の力、行政の力を組み合わせながら、大都市東京の特性を踏まえた施策を展開していく考えでございます。
 次に、都内で暮らす外国人向け施策の展開についてでありますが、我が国には、相手を思いやり、互いに助け合って生活する伝統がありまして、多様な文化を受け入れ、発展させてきた歴史があります。
 今後、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会の開催に向けまして、国際都市として、外国人旅行者はもとより、都内在住の外国人にとっても、より暮らしやすいまちとなることが必要であります。
 そのためには、人種、宗教、言語などを異にする人々が文化的差異を認め合い、良好な関係を築く多文化共生の考え方が浸透し、行政の施策にも反映されることが必要であると考えております。
 都ではこれまでも、都内に居住する四十一万人の外国人に対しまして、生活や防災に関する情報提供を行うとともに、東京全体で多文化共生の取り組みが広がるよう、区市町村や支援活動を行うNPOとの間で、ネットワーク構築を進めてまいりました。
 今後とも、在住外国人にとって暮らしやすいまちづくりを進めるとともに、市民レベルでの交流と相互理解の促進が図られますように取り組んでまいります。
 そのほかの質問については、関係局長が答弁をいたします。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 四点のご質問にお答えします。
 まず、地域包括支援センターの機能強化についてでありますが、地域包括支援センターは、地域における介護予防と相談支援の拠点として、地域包括ケアシステムを実現するための中心的な役割を担っております。
 そのため、都は今年度から、区市町村内のセンターを統括しサポートする機能強化型センターの設置や、介護予防に関して幅広い知識と経験を有した主任介護支援専門員や保健師等を、介護予防機能強化支援員としてセンター等に配置を行う区市町村を支援しております。
 来年度はさらに、効果的、効率的な介護予防の推進に向け、専門家の助言やすぐれた事例等の情報を都と区市町村の相互で共有するシステムを立ち上げます。
 今後とも、地域包括ケアシステムの構築に向け、センターの機能強化に取り組む区市町村を支援してまいります。
 次に、高齢者を見守る地域のネットワークについてでありますが、都はこれまで、民生委員や自治会、町会、ボランティアなどによる高齢者の見守り活動や、地域住民が高齢者等を日常的に見守り、異変に気づいた場合に地域の専門機関につなぐ見守りサポーターの養成に取り組む区市町村を包括補助により支援してまいりました。
 また、来年度は、区市町村における高齢者等の見守り活動のさらなる充実に向けて、包括補助の見守り関係事業を、区市町村が実施するもの、町会、自治会が実施するもの、地域包括支援センターが実施するものに再編し、より活用しやすい形に見直す予定でございます。
 こうした取り組みにより、今後とも区市町村と連携しながら、地域において高齢者を見守るネットワークづくりを推進してまいります。
 次に、介護報酬の地域区分についてでありますが、国は、介護報酬において地域ごとの人件費の差を調整するため、保険者である区市町村ごとに、人件費分の上乗せ割合を七つの地域区分として定めております。
 現在の地域区分における上乗せ割合は、基本的に国家公務員の地域手当等を横引きしていることから、都はこれまで、大都市における人件費や物件費等の高さに鑑み、地域の実態を踏まえた地域区分の設定が可能になるよう、繰り返し国に提案要求してまいりました。
 その結果、今回の地域区分の見直しでは、保険者である区市町村の意見も踏まえ、多くの市町村で経過措置が適用されることになりました。
 次期改定に当たりましても、区市町村の意見を聞きながら適切に対応してまいります。
 最後に、児童虐待の未然防止に関する取り組みについてでありますが、現在、区市町村においては、乳幼児健診、産後の家庭訪問、保護者への相談支援等の母子保健事業を通じて、子育てに不安を抱える家庭を把握した場合には、保健所や子供家庭支援センター等が民間団体とも連携しながら、訪問型の子育て支援やショートステイなどのサービスを提供しており、都ではこうした区市町村の取り組みを包括補助事業等により支援しております。
 また、支援が必要な家庭を早期に発見し、虐待を未然に防止できるよう、保健所や子供家庭支援センター、子育てひろば等の職員に対する研修も実施しております。
 今後とも、虐待の未然防止に向け、子育てに不安を抱える家庭へのさまざまな支援に取り組む区市町村を積極的に支援してまいります。
   〔都市整備局長安井順一君登壇〕

○都市整備局長(安井順一君) 地域における空き家の活用についてでございますが、空き家の活用を促進していくためには、その立地や住民のニーズなど地域の実情を把握している区市町村の役割が重要でございます。
 昨年制定されました空家等対策の推進に関する特別措置法では、区市町村が空き家の活用を含む対策を総合的に実施するための計画を定めることとされております。
 都は来年度から、区市町村による計画の策定や実態調査に対しまして、技術的、財政支援を行ってまいります。
〔青少年・治安対策本部長河合潔君登壇〕

○青少年・治安対策本部長(河合潔君) ひきこもりの若者への自立支援についてでありますが、都は、相談事業東京都ひきこもりサポートネットを運営し、ひきこもりの状態にある若者やその家族等を対象に電子メール、電話、ご家庭等への訪問による相談に対応し、相談者の状況やニーズに即した支援機関の紹介等を実施しております。
 また、都のプログラムに沿って若者の自立支援に向けた活動を行うNPO法人等を登録、サポートする事業や、住民に身近な地域の支援体制の整備を目的とした区市町村補助や、職員研修等も実施しているところです。
 今後とも、関係支援機関との連携を深めるとともに、区市町村による若者への支援体制の整備を促進し、ひきこもりの若者が社会的自立に向けた一歩を踏み出せるよう積極的に支援してまいります。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

○生活文化局長(小林清君) NPO法人活動の活性化についてでありますが、東京には九千を超すNPO法人が存在し、高齢者や障害者福祉、子供の健全育成、芸術文化の振興など多様な分野において自発的に活動を行っております。
 こうしたNPO法人の活動が地域で活発に行われるとともに、行政と協働、連携していくことは都の施策を進める上でも意義がございます。
 都はこれまで、東京ボランティア・市民活動センターにおきまして、NPO法人の活動内容を一般向けに情報提供するとともに、NPO法人に対しては行政とNPOとの連携事例の紹介などを行ってまいりました。
 来年度は、こうした支援に加えまして、NPO法人についての運営に関する相談の充実や企業との連携促進を図るなど、取り組みを進めてまいります。

○副議長(藤井一君) 七十二番神林茂君
   〔七十二番神林茂君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○七十二番(神林茂君) 東京の人口は二〇二〇年にピークを迎え、その後人口の減少が見込まれています。また、二〇六〇年には単身世帯の割合は約半数となり、高齢者は四割を占めると予測され、少子高齢化の急速な進行や居住形態の変化により、都市や地域の活力への影響が懸念されております。
 住宅は都民生活の基盤であり、世界で一番の都市の実現に向けて、将来の動向を見据え、住宅政策を迅速かつ計画的に推進していかなければなりません。
 そこで、これからの東京の住宅政策について、知事の見解を伺います。
 東京は、地域によって住宅の建設時期や住民の年齢構成、交通利便性や住環境など都民の住まいを取り巻く状況はさまざまであり、豊かな住生活を支える住宅の課題もまた多様でございます。
 このため、画一的に施策を実施するのではなく、こうした地域の課題を最も把握している区市町村とともに住宅政策に取り組むことが必要です。
 そこで、住宅政策について、今後ますます重要となる区市町村との連携と、都の果たすべき役割について見解を伺います。
 国の住宅・土地統計調査によると、平成二十五年の都内の空き家数は約八十二万戸と、平成二十年と比較し約七万戸増加し、まちの活力、防犯、防災面への悪影響が懸念されています。こうした中、空き家の適正管理に関する条例を制定するなど、老朽空き家対策に取り組む区市町村も出てきています。
 一方で、空き家の中には活用可能なものもあり、これが市場に流通することで、都民の住宅の選択肢が広がることが期待できます。
 東京においても少子高齢化が急速に進行していく中で、民間事業者の参画を得ながら、区市町村と連携して、空き家を高齢者などの居住の場や地域活性化のための場として活用することも重要と考えますが、都の見解を伺います。
 都は、福祉インフラ整備のため、都営住宅の建てかえによる創出用地を候補地として提供するとした思い切った支援策を打ち出しました。都営住宅の創出用地の中には、大規模団地において、一ヘクタールを超えるような用地も創出されています。
 まとまった規模の用地を有効活用し、民間の資金やノウハウを生かした開発を誘導することで、子育て支援、医療、介護施設などの福祉施設の整備のみならず、商業、文化施設や交流施設など、にぎわいと活気を生むさまざまな機能を整備して、より豊かな住生活の実現を図るべきです。
 都営住宅の建てかえに伴い創出される大規模な都有地において、民間活力を生かしたまちづくりを行うことについての今後の展開を伺います。
 住宅政策に関連して特に緊急性を有するのが、首都直下型地震に備える緊急輸送道路沿道建築物の耐震化と木造住宅密集地域の不燃化、耐震化などの防災対策です。
 こうした防災対策については、数年が経過し、成果を上げてきたところですが、現場をつぶさに見てみますと、既に対応が進んでいる場所がある一方で、建てかえや改修に意欲のない方、意欲があっても関係者同士の合意が得られない、資金が不足している、助成要件に適合しないなど、さまざまな理由から建てかえや改修ができず、老朽化した建物が取り残されている事例も見られます。
 こうした状況を放置したままでは、施策を進める本来の目的である災害に強いまちを実現することはできません。今後の課題として、さらに施策の実効性を上げていくことが強く求められます。
 そこで、従来の施策を継続、延長していくこと、公共性、公益性を考慮して対象を重点化すること、助成対象、要件を緩和すること、応急処置による対策を検討することなどが考えられます。さらに実効性を上げるための方策を幅広く検討していくことについて、所見を伺います。
 成長産業といわれる分野に、医療機器とロボットがあります。国内市場規模を見ても、医療機器は約二・四兆円であり、長期的に拡大しており、ロボット産業も二〇二〇年には八千六百億円から約三兆円に拡大することが見込まれています。
 都内経済を着実に成長させていくためには、その主役である中小企業をこうした成長が見込まれる産業分野へ積極的に参入を促していかなければなりません。中小企業にとっても、これまで参入に踏み切れなかった産業分野で、みずからの強みである技術を生かし、創意工夫を発揮することに公的な支援を導入することで、新しい技術や製品を生み出すことが期待できます。
 高齢化が進展する我が国においては、医療機器に対する国民的ニーズが高まっていくと考えられます。また、医療機器分野は現在著しい輸入超過となっており、すぐれた国産の医療機器の開発と商品化が国家戦略としても求められています。
 大田区では、ものづくり産業が集積しており、医工連携の実現を目指した施策が進められております。舛添知事も、医療機器産業について、医療機器のニーズと中小企業のシーズをマッチングさせる、大田区の医工連携支援センターがモデルとなると表明しております。
 高度な技術、製品開発能力を有する都内のものづくり企業に医療機器産業への参入を促すには、大学病院などの医療現場と専業医療機器メーカーとのマッチングを進めるとともに、市場の動向を見据えた戦略立案や、開発、製造、販売に関する法規制に関する知識、ノウハウに対する支援を進めることは非常に重要です。
 今後、都は、医工連携を進める方策として、どのような役割を担っていきたいと考えているのか伺います。
 ロボット産業は、中小企業の高度な技術力や開発力を生かせる産業として注目されており、都においても、昨年十二月に策定した長期ビジョンにおいてロボットを成長産業分野として位置づけ、戦略的に育成していくとしています。
 政府においても、内閣総理大臣の指示のもとに設置されたロボット革命実現会議により、本年一月、ロボット新戦略が発表されました。その中では、ロボットを少子高齢化の中での人手不足やサービス部門の生産性向上という日本が抱える課題解決の切り札とするとともに、世界市場を切り開く成長産業に育成していくとしています。
 ロボット産業は、製造業での生産支援に加え、介護支援や二〇二〇年大会での案内支援など、幅広い現場での活用が見込まれます。
 一方、技術開発には、研究成果や中小企業が有する高度な技術力をそれぞれの製品の特性に合わせて結集させることが重要であると考えます。
 そこで、ロボット産業の活性化に向けた都の今後の取り組みについて伺います。
 羽田空港跡地については、羽田空港移転問題協議会が策定したまちづくりの目標年次である平成三十二年まであと五年となり、折しも東京オリンピック・パラリンピックの開催の時期とも重なり、世界から多くの来訪者を迎える空の玄関口としても、待ったなしで効果的な取り組みを推進しなければなりません。
 都は、昨年十二月に、今後十年間の長期ビジョンを策定しました。世界をリードするグローバル都市の実現を目指して、羽田空港跡地を含む都内十地区の国際的ビジネス拠点プロジェクトを、国家戦略特区制度を活用してスピーディーに展開するとしています。また、羽田空港跡地を、産業、文化交流機能や宿泊機能、複合業務機能などを備え、空港と一体となった新拠点を形成するとして、国及び地元区と連携し推進することがうたわれております。
 この羽田空港跡地に予定する機能を整備していくために、まず必要となってくるのが基盤関連施設の整備であり、整備に当たっては、都市計画の手続などを円滑に進めていくことが重要であります。
 羽田空港跡地のまちづくりにおいて、国家戦略特区制度を活用するメリットがどこにあるのか、また、国家戦略特区制度を活用して、実りある跡地開発が早く進むよう検討いただきたいと考えますが、ご所見を伺います。
 地球温暖化の防止に向けた対策としては、CO2の排出削減に加え、温室効果ガスであるフロンの排出削減も重要であります。
 一昨年の六月にフロン回収破壊法が全面的に改正され、本年四月からフロン排出抑制法として施行されます。
 改正法では、フロンの製造から使用、廃棄までのライフサイクル全体で、それぞれの主体がフロンの使用量を削減するとともに、大気中に漏出させないように取り組むことが定められました。
 都内には、ビルの空調設備や小売店舗の冷凍冷蔵ショーケース、冷凍倉庫など膨大な数の冷凍空調機器が存在しており、これらの機器に使われているフロンもまた膨大な量に上ります。
 また、都内には本社機能が集中しており、都の指導の効果は全国に波及するため、都はフロン対策に率先して取り組むべきであります。
 フロンの使用量を削減するには、フロンを使わない、いわゆるノンフロン機器を普及させることが有効であります。改正法に基づく取り組みだけでなく、都はさらに踏み込んだ独自の取り組みを進めることによって、ノンフロンへの転換を牽引していくべきと考えますが、都の認識と取り組みについて伺います。
 また、法改正により、簡易点検や定期点検の実施、漏れがある状態での再充填の禁止など、冷凍空調機器を適正に管理するためにユーザーが果たすべき責務が大きくなっています。
 しかし、こうした改正の内容がまだまだユーザーの隅々にまで伝わっていなかったり、伝わっていたとしても、ユーザー自身が行う点検は、何をどこまで行えばよいのか対応に苦慮しているユーザーが多いと聞いております。
 都は、現場を抱える強みを生かし、フロンの漏えい防止策について、ユーザーの立場に立ってきめ細かく指導していくべきと考えますが、都の取り組みについて伺います。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 神林茂議員の一般質問にお答えいたします。
 これからの住宅政策についてでありますが、住宅は生活の基盤であると同時に、都市を形づくる基本的な要素であります。都民生活の安定と東京の持続的な発展のためには、経済的活力や文化的魅力と相まって、居住の場としての東京の魅力を高めていくことが重要であります。
 このため、都民が適切に住宅を選択できる市場の環境整備や居住の安定確保とともに、お話のとおり、少子高齢、人口減少社会の到来を見据えて、良質な住宅ストックと良好な住環境の形成を図ることが重要であります。
 世代を超えて住み続けられる優良な住宅ストックの形成や木密地域の防災性の向上、マンションや団地の再生など、まちづくりと一体となった施策により、都民が安全に安心して暮らせる活力ある住宅市街地を築いてまいります。
 こうした考えに立ちまして、住宅政策を計画的に推進し、誰もが住み続けたいと心から感じられる世界一の都市東京を実現してまいります。
 そのほかの質問につきましては、関係局長が答弁をいたします。
   〔都市整備局長安井順一君登壇〕

○都市整備局長(安井順一君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、住宅政策における都の役割についてでございますが、都は、広域自治体として東京全体の住宅政策の方向性を示すとともに、区市町村を支援し、また連携しながら、都民の居住の安定や市街地の防災性の向上など地域の課題に対応していくことが重要でございます。
 このため、住宅マスタープランにおいて政策の基本方針や目標を明示するとともに、区市町村と共同で策定した地域住宅計画に基づきまして、公的賃貸住宅の整備や民間を含めた住宅の耐震化などに取り組んでおります。来年度からは、新たに、子育てに配慮した住宅の普及や、空き家の活用などに取り組む区市町村に対しまして、技術面、財政面の双方において支援を行うなど、住宅政策における連携を強化してまいります。
 次に、区市町村と連携した空き家の活用についてでございますが、お話のとおり、少子高齢化などに伴い空き家が増加していくことにより、地域の生活環境への影響が懸念されていることから、その適正な管理や有効活用を進めていくことが重要でございます。
 このため、都は来年度から、区市町村が実施する空き家の実態調査や総合的な対策のための計画の策定、高齢者や子育て世帯などに民間が賃貸する住宅への改修助成につきまして財政支援を行ってまいります。
 今後、さらに民間との連携などにより、地域の活性化に空き家を活用する区市町村の取り組みが促進されますよう、住宅政策審議会での議論も踏まえ検討してまいります。
 次に、創出用地を活用したまちづくりについてでございますが、大規模な都営住宅の建てかえで創出する用地は、都民の貴重な財産でございます。これを民間事業者の創意工夫を引き出しながらまちづくりの種地として活用し、商業、文化機能の導入など地域の魅力向上を図ることが重要でございます。
 例えば、都心部に立地します青山北町アパートでは、新たに創出する用地を活用しまして、青山通り沿道の民有地と一体的な民間開発を誘導し、最先端の文化、流行の発信拠点を目指します。周辺区部や多摩地域における大規模団地の建てかえでは、商業、医療、福祉等の日常生活を支える機能の集積を図りまして、身近な地域におきましても、交流やにぎわいのある誰もが暮らしやすい生活圏の形成を誘導してまいります。
 今後、創出用地における地域特性に応じたまちづくりを積極的に展開し、豊かな住生活の実現に取り組んでまいります。
 最後に、住宅の耐震化、不燃化のさらなる方策についてでございますが、特定緊急輸送道路の沿道建築物につきましては、耐震診断を完了した所有者が確実に改修に取り組めるよう、助成期限を延長し、来年度中の工事着手についても助成の対象といたします。
 また、マンション所有者に対しまして、居住を続けながら改修できる工法を提案し、区分所有者間の合意形成が円滑に進むよう支援してまいります。
 一方、不燃化特区制度につきましても、老朽戸建て住宅の建てかえに係る設計費を延べ床面積に応じて助成するなど支援策を改善するとともに、不燃領域率などのデータを毎年明らかにしまして区の取り組みを効果的に支援してまいります。
 こうした取り組みによりまして、耐震化、不燃化の施策の実効性を高め、災害に強い住宅市街地の形成を加速してまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、医療機器産業への参入支援についてでございますが、ご指摘のように、高い技術力や製品開発力を有する中小企業が成長の見込まれる医療機器産業に参入することは、東京の産業競争力を高めていく上で重要でございます。
 このため、都は来年度より、医療機器産業への参入を目指す都内ものづくり中小企業を支援する取り組みを開始いたします。
 具体的には、都内中小企業の幅広い技術シーズと医療現場におけるニーズを専門のコーディネーターが掘り起こし、両者をマッチングして製品開発のプロジェクトを立ち上げ、実用化まできめ細かく支援してまいります。また、医療機器産業の市場動向や法規制に関する最新の情報を提供し、中小企業のさらなる参入を促してまいります。
 これによりまして、中小企業の技術力を生かした付加価値の高い機器の開発を進め、産業活力の向上を図ってまいります。
 次に、ロボット産業の振興についてでございますが、ロボットは二〇二〇年大会や医療、介護の現場などさまざまな場面で活用が期待される成長性の高い産業であり、その振興は東京の産業活性化にとって重要でございます。
 そこで、都は来年度より、ロボット産業の活性化に向け、産業技術研究センターの開発支援機能を強化いたします。
 具体的には、産業技術研究センターが大学や大手企業などと連携して、将来の活用が想定される多様な分野でのロボットの基礎技術を開発し、その成果を参入意欲を持つ中小企業に移転し、実用化を推進いたします。また、センターの最新の機器を利用して安全性や性能の検証を重ね、製品としての信頼性を高めてまいります。
 こうした取り組みを着実に進め、二〇二〇年大会を契機に、東京発のロボット技術を国内外に発信してまいります。
   〔政策企画局長川澄俊文君登壇〕

○政策企画局長(川澄俊文君) 羽田跡地への国家戦略特区の活用についてですが、国家戦略特区では、意欲的な都市計画の決定目標を設定し、国、東京都、関係区等が一丸となって目標達成に向けて取り組む都市計画手続のワンストップ特例が設けられております。この制度を活用することにより、迅速な事業展開が期待できることになります。
 羽田空港跡地は、昨年十月の国家戦略特区の区域計画素案において、平成二十七年度中の都市計画決定を目標として掲げたところであり、現在、地元大田区では、計画の具体化に向けて準備を進めているところでございます。
 今後、東京都といたしましては、大田区の取り組みを踏まえ、プロジェクトをスピーディーに展開するため、国と連携を図り、区域会議のもとに設置した都市再生分科会の機動的な運営等を通じて、事業の促進に向け支援してまいります。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

○環境局長(長谷川明君) フロン対策に関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、ノンフロンへの転換についてでございますが、温室効果ガスの削減に向けて、都は長期ビジョンで、代替フロンの排出量を二〇三〇年度には三五%削減する目標を新たに掲げました。この実現に向け、法改正による対策強化に加え、都独自の排出削減対策を展開してまいります。
 具体的には、業務用冷凍空調機器の設置申請時にノンフロン機器等の導入を促すとともに、ノンフロンショーケースへの補助制度も活用し、転換を後押しいたします。また、カーエアコンについては、新たに自動車販売者に冷媒フロンの温室効果の説明を義務づけますとともに、近く商品化が見込まれるノンフロンルームエアコンにつきましても、家電販売店にノンフロン表示を義務づけるなど、都民がノンフロン機器等を選択しやすい仕組みづくりを進めてまいります。
 次に、フロンの漏えい防止についてでございますが、業務用冷凍空調機器のユーザーは極めて多く、業種も多岐にわたることから、各事業者団体や設備点検業者などと連携した対応が効果的でございます。
 そこで都は、新たに義務づけられた点検の際に、確認すべき項目や注意点などをわかりやすく掲載したユーザー向けの点検マニュアルを作成し、事業者団体を通じて周知するとともに、立入検査時に具体的な指導助言を行ってまいります。さらに、設備点検業者などを通じたユーザーへの周知も行うなど、さまざまな場面で適正管理を促してまいります。
 また、設備点検業者やフロン回収業者などの団体と連携して、法施行後の点検実施状況や冷媒フロンの転換状況を業種別、業態別に調査把握し、その結果を解析して、取り組みの徹底に向け、きめ細かく指導を行ってまいります。

○議長(高島なおき君) 十九番伊藤こういち君
   〔十九番伊藤こういち君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○十九番(伊藤こういち君) 震災が奪ったもの、命、仕事、団らん、まち並み、思い出。たった一秒先が予知できない人間の限界。震災が残してくれたもの、優しさ、思いやり、きずな、仲間。この明かりは奪われた全ての命と生き残った私たちの思いを結びつなぐ。
 これは、阪神・淡路大震災からの復興を願い、発災から五年目、全国から種火が集められ、被害が大きかった神戸の公園にともされた「希望の灯り」のモニュメントに刻まれたメッセージであります。この一秒先が予知できないとの言葉は、切迫性が高まっている首都直下地震に備えなければならない私たち都民への警鐘でもあると考えます。
 私は、昨年の予算特別委員会で、震源地から半径約三十キロ圏内では、気象庁が発する緊急地震速報は間に合わないため、首都直下地震の際には、いきなり大地震が多くの都民を襲うことを指摘しました。突然に発生する大地震に対し、一秒でも、二秒でも、事前に大きな揺れが来ることを予告することができれば、少しでも身構え、危険を回避できる可能性があります。
 東京大学生産技術研究所は、首都直下地震が襲った場合、数秒の予告が被害を軽減する効果を検証し、報告しています。それは、二秒あれば二五%、五秒あれば八〇%の人の命にかかわる危険性が軽減される可能性があるとしています。仮に数百人が助かれば、その方々が次に瀕死に直面している人を助け出す行動ができると考えれば、この数秒の発生前情報がいかに重要であるかが明瞭であります。
 人的被害を少しでも減らすために、首都直下地震の当事者ともいえる都は、その可能性を探るべく、大学や研究機関などの能力を結集すべきです。
 また、民間事業者や鉄道事業者などは、独自に気象庁の緊急地震速報と併用するシステムとして、数多くの感震器を駅舎などの事業所関連施設に設置。それを連動させることにより、即座にデータを総合的に処理し、大惨事を未然に防止する取り組みが進んでいます。つまり、今まさに起きている現象と危険性を即座に周囲の地域に伝達していくというシステムが確立しています。
 都は、こうした民間の技術や手法も積極的に取り入れながら、都有施設や学校などに感震器を設置して、首都直下地震にも機能する東京版緊急地震速報システムの構築を目指し、研究を進めるべきです。あわせて見解を求めます。
 次に、オフロードバイクの活用について質問します。
 私はこれまで、災害発生直後の迅速かつ正確な情報収集の重要性を訴え、さらに、緊急自動車などが通行できないほどの悪路状況になることも想定されることから、オフロードバイクの活用を都に提案してきました。
 警視庁では、大震災等の災害発生時に道路の交通状況等を迅速的確に把握する目的で、昨年、全国初となるオフロード白バイを導入しました。また、災害現場の被災状況確認や、さらにはNBC対策として、先行して情報収集に当たるため、オフロードバイクを活用した取り組みを始めました。
 警視庁のこうした取り組みやノウハウを参考に、災害時に迅速な被害状況の把握を求められる建設局、水道局、下水道局などはもとより、全庁的な取り組みとして、オフロードバイクの導入を進めるべきです。見解を求めます。
 次に、特定整備路線について質問します。
 東京都首都直下地震被害想定によれば、私の地元品川区は、負傷者約八千人、死者約八百人、そのうち五百人が焼死によるものと想定されています。都は、区とも連携する中、建物の耐震化、家具の転倒防止、空き地を利用した防災広場の設置促進など、数々の不燃化対策を講じています。
 また、木造住宅密集地域にかかる都市計画道路の一部を特定整備路線として、燃え広がらないまちづくりの事業化が進んでいます。
 しかし、この特定整備路線、とりわけ品川区を南北に貫くことになる補助二九号線上には、多くの人々が暮らしており、住居の移転や生活再建、補償の問題など、大きな不安を抱えています。
 都は、都議会公明党の要請に応え、こうした方々などに対し、きめ細やかな支援を行うため、身近な地域に相談窓口を設置していくとしています。
 そこで、その相談窓口においては、幅広い相談内容への対応や、さまざまな事情から窓口に来られない方々への配慮など、誰もが相談しやすい懇切丁寧なサポートを行っていくべきであります。見解を求めます。
 次に、ヘルプカードについて質問します。
 災害や事故、交通ダイヤの混乱などが発生した場合、社会参加する障害者などが支援を求めることがあります。その場合、支援を求めやすく、また、支援する人が適切に援助できるよう、都議会公明党は、東京都標準様式によるヘルプカードの作成、普及を一貫して求めてきました。
 これを受けて都は、平成二十四年度から、区市町村とも連携して取り組みを進め、間もなく支援を必要とする人の手元にヘルプカードが行き渡る予定です。
 今後は、障害のある人が、このカードを活用して、困ったときには周囲の人に支援を求めるための方法の習得が必要となります。
 そこでまず、都立特別支援学校では、困ったときにヘルプカードを活用して、みずから周囲に支援を求めることができる力を育成すべきと考えますが、見解を求めます。
 一方、既にこのヘルプカードを受け取った方から、ぐあいが悪くなり、カードを提示して支援を求めたものの、周囲に気づいてもらえなかったとの声も寄せられています。
 都は、長期ビジョンの中で、心のバリアフリーを進めるとしていますが、広域自治体として、東京都標準様式のヘルプカードの認識と目的を多くの都民へ広報、周知し、誰もが支援しやすい環境整備に努めるべきです。見解を求めます。
 次に、次代を担う人材の育成について質問します。
 舛添知事は、若者が確かな学力と豊かな国際感覚を身につけ、グローバル社会で活躍することを目標にした東京型英語村、東京グローバル・スクエアを新設することを表明しました。
 この取り組みは、さまざまな可能性を秘めており、アクセスのよい都会だけではなく、島しょや多摩地域などで展開することや、都職員の外国語習得研修などの活用も考えられます。
 都は今後、その検討を進めるとしていますが、立地、施設、教育内容など、外部識者などの幅広い意見を取り入れ、早期の開設を目指すよう努めるべきと考えますが、見解を求めます。
 東京、日本の未来は、現在の子供、若者たちの活力にかかっています。とりわけ、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック大会に向けて、大きな夢を抱く多くの子供、若者たちの可能性を開く鍵が、知事を先頭にした都の長期ビジョンの中にちりばめられています。
 そこで、東京大会とその先を見据え、東京、日本、世界で活躍できる人材を東京から輩出していくべきと考えますが、目指すべきグローバル人材像について、知事の所見を伺います。
 ボランティア活動について質問します。
 私のもとには、若い人たちから、オリンピック・パラリンピックに向けて何かの役に立ちたいが、どんなボランティアがあるのか、何を頑張ればどんなボランティアになれるのかといった声が多く寄せられています。私は、こうした青少年から高齢者まで、一人でも多くの都民のマイ東京オリンピック、マイ東京パラリンピックとしての熱いハートが、大会を大成功に導いてくれると確信しています。
 都は、大会ボランティア、都市ボランティアなどの五輪に直接かかわるボランティアはもとより、都や区市町村、NPOなどが取り組むさまざまな五輪に関連するボランティアの情報集約を行うとともに、都民にわかりやすい形で情報発信を進めるべきと考えます。見解を求めます。
 最後に、魅力ある港湾事業について質問します。
 臨海副都心は、東京都長期ビジョンにおいて、新たな機能を備えた先導的な拠点として位置づけられました。
 このまちを、国内はもとより、世界中の企業や旅行者に選ばれる世界トップレベルのMICE拠点へと発展させるためには、特に、外国人旅行者にとって快適な環境を整備することが急務であります。
 しかし、外国人旅行者に楽しく観光してもらうためには、言葉のバリアフリー化などのきめ細かな配慮がまだ十分とはいえない状況があります。
 そこで、東京大会とその先も見据え、臨海副都心が世界一のおもてなし都市東京を牽引していくために、外国人旅行者の受け入れ環境を、さらに向上させる民間事業者に対する新たな補助制度を創設すべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、東京港における環境対策について質問します。
 東京港は、我が国最大の物流拠点として極めて重要な役割を担っている一方で、多数の船舶が出入港し、その貨物を取り扱う際にも多くのエネルギーを消費することから、環境に負荷を与えざるを得ない現状があります。とりわけ東京港は、アジアからの外航船舶が多く入港し、CO2ばかりでなく、硫黄酸化物SOxや窒素酸化物NOxといった大気汚染物質を多く排出する船舶も少なくないと聞いています。
 都は、こうした船舶からの大気汚染物質の削減に向け、これまで以上に踏み込んだ取り組みを行うべきと考えますが、見解を求め、質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 伊藤こういち議員の一般質問にお答えいたします。
 あるべきグローバル人材像についてでございますが、オリンピック・パラリンピックでは、まさに東京がグローバルな舞台となります。世界一の都市東京を実現するためには、社会の活力の源となり、時代の最先端を進む若者が東京を支える存在として活躍することが求められております。
 日本人としての自覚と誇りを持ちながら、海外で通用する高い語学力と豊かな国際感覚を有し、世界を舞台に活躍できるグローバル人材を育成していくことが必要でございます。
 こうした人材を育成するため、海外留学支援を初め、英語村の開設や外国人指導者の活用などを通じた実践的な外国語教育に力を入れてまいります。さらに、異文化理解の促進とともに、オリンピック・パラリンピック教育を推進していくことが重要であります。
 人づくりこそ、未来へのレガシーでありまして、今こそ国際社会を強く意識した教育へと大きくかじを切るときだと考えております。首都東京の責任者として、世界一の都市東京、そして、日本を支えるグローバル人材の育成をさらに加速化させてまいります。
 そのほかの質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長が答弁をいたします。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

○教育長(比留間英人君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、ヘルプカードの利用に関する取り組みについてでありますが、都教育委員会は、ヘルプカード導入の拡大を踏まえ、特別支援学校で現在使用している緊急連絡カードからヘルプカードに移行する取り組みを進めてまいります。
 具体的には、ヘルプカードの利用に関する授業モデルを作成し、全ての特別支援学校での指導を推進していきます。また、一人で通学する児童生徒が交通の混乱等に適切に対処できるよう、個々の通学実態に応じて保護者等と連携した指導の充実を図ります。さらに、児童生徒の安全確保に向けて、地域へのヘルプカードの理解啓発を進めるよう、各学校への働きかけを行ってまいります。
 こうした取り組みにより、障害のある児童生徒が、困ったときにはヘルプカードを利用して周囲に意思を伝え、危険を回避できるようにしてまいります。
 次に、英語村の設置についてでありますが、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック開催を見据え、全ての児童生徒が使える英語力を身につけ、国際的な感覚を肌で感じる環境を提供することを目的として、英語村を設置してまいります。
 児童生徒が、英語しか使用できない環境の中で、ネーティブスピーカーとのさまざまな交流や体験を通じ、楽しみながら、生きた英語や異文化を学ぶことができるようにいたします。
 平成三十年の開設を目指して、外部有識者から成る検討委員会を設置し、東京の特性を生かした施設となるよう、学習プログラムの内容、施設、設備、運営方法等に関して、幅広く検討してまいります。
   〔東京都技監横溝良一君登壇〕

○東京都技監(横溝良一君) 補助二九号線の相談窓口についてでございますが、特定整備路線の整備に当たっては、関係権利者の生活再建をサポートするため、路線ごとに民間の専門事業者を活用した相談窓口を設置しております。補助第二九号線においては、昨年七月に大崎─豊町区間で、また、十二月には戸越─西大井区間で開設をいたしました。
 この窓口では、関係権利者お一人お一人の生活再建について、直接お会いしたり、アンケート調査を実施し、意向を把握した上で、移転先情報の提供、建物の建てかえプランの提案、税務セミナーの開催など、きめ細やかな対応を行っております。
 さらに、お年寄りなど窓口に足を運べない方々に対しては自宅を訪問するなど、手厚いサービスを実施してまいります。
 今後とも、関係権利者の意向を踏まえながら、生活再建の支援を行い、特定整備路線の整備を推進してまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

○総務局長(中西充君) 防災対策についての二点のご質問にお答えいたします。
 まず、緊急地震速報に関する研究についてでございますが、現在、緊急地震速報は、都庁舎を初め複数の都立施設に導入され、利用者への注意喚起等に活用しております。
 一方、緊急地震速報は、地震発生直後の地震波を感知し、その後の強い揺れに対し警告を行うシステムであり、震源に近い場所では間に合わないなどの課題がございます。
 このため、昨年夏に国への提案要求としては初めて、気象庁に対しまして、そのスピードや精度の改善を求めるとともに、気象庁の所管部局と意見交換等を実施いたしました。
 また、都庁各局に加え、鉄道会社等における緊急地震速報の利用状況や地震感知装置の設置状況等を調査したところでございます。
 緊急地震速報のスピード向上には、技術的な限界や多くの課題はございますが、今後は、専門家や大学等の意見を聞き、研究、検討を進め、国に、その改善を求めてまいります。
 次に、オフロードバイクの導入についてでございますが、首都直下地震等の際には、被害地域が広域にわたることから、区市町村を初めとする関係機関が連携協力しながら情報収集などの災害対応を行う必要がございます。
 都の職員につきましては、所属や住所に応じて、発災後、所管施設の被害状況の調査や、都立公園などでの大規模救出救助活動拠点の設置等を行うこととしております。
 こうした中、オフロードバイクは、災害時に道路が瓦れきなどで被害を受ける中、情報収集などを行うための移動手段として有効な場合もあると想定されますが、そのためには、相当な訓練を行い、技術を習得する必要がございます。
 このため、各局とも連携しながら、来年度の総合防災訓練等の機会を活用して、利用に当たっての課題等を検証するなど、災害時の活用の可能性について検討してまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) ヘルプカードの普及促進についてでありますが、ヘルプカードは、意思疎通が困難な障害者が障害特性に応じた支援を得るためのツールであり、都は、都内で統一的に活用できるよう標準様式を定めております。
 また、新聞広告やトレインチャンネルなど、さまざまな広報媒体により周知を図りますとともに、ラッピングバスによる広報など、区市町村の独自の取り組みについても包括補助で支援しており、今年度末には、特別区、多摩地域の全ての区市町村でカードが作成される見込みでございます。
 昨年策定した長期ビジョンにおいても、ヘルプカードの普及を促進することとしており、今後も、包括補助による支援や障害者週間等でのイベントや特設サイトを活用した広報を行うほか、東京都提供テレビ番組での周知など、さまざまな機会を捉え、一層の普及啓発を図ってまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) 二〇二〇年大会のボランティアについてでございますが、ご指摘のとおり、都民一人一人がみずからの大会と認識することが、大会の成功のためには不可欠であります。
 ボランティアは、都民の参加意識を向上させる絶好の機会となり、大会では数多くの質の高いボランティアが必要になるため、早期の人材育成が重要でございます。
 そのため、来年度上半期に設置いたしますボランティアの連絡協議会におきまして、都、国、区市町村、組織委員会、民間団体など、関係者間の情報共有を図ってまいります。
 本年秋を目途に、都のホームページなどを通じ、大会のボランティアに関する情報提供を行います。さらに、連絡協議会の各メンバーが現在実施しておりますボランティア活動に参加できる機会を都民に提供するなど、大会に向けて経験を積んでいただくことで人材育成を推進してまいります。
   〔港湾局長多羅尾光睦君登壇〕

○港湾局長(多羅尾光睦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、臨海副都心のおもてなしの促進についてですが、これまで臨海副都心は、いち早く無料WiFiやデジタルサイネージの整備などを実施し、外国人観光客が快適にまちを回遊できる環境整備に取り組んでまいりました。
 しかし、今後さらに、世界に選ばれるエリアとして進化していくためには、まちを挙げて外国人旅行者を温かく迎え入れ、おもてなしの都市と感じていただくための環境を整備していくことが急務でございます。
 そこで、今回、新たに外国人旅行者が食事やショッピングを快適に楽しんでいただけるよう、きめ細かな配慮に取り組む民間事業者への支援制度を創設いたします。
 例えば、各飲食店の個性を生かしたオリジナルの外国語メニューの作成といった言葉のバリアフリーへの対応など、さまざまな創意工夫を支援することにより、おもてなしの充実に向けた取り組みを推進してまいります。
 次に、船舶から排出されるSOx、NOxといった大気汚染物質の削減についてですが、東京港では、国際海事機関であるIMOが定めた基準により船舶排出ガスの規制が行われ、環境基準を十分に満たしてはおりますが、市街地に近接した立地にあることから、さらなる対策が必要であると認識しております。
 そのため、都は来年度から、国際的な船舶への環境対策を評価する仕組みであるESIに日本で初めて参加し、基準を超える環境対策を行う外航船舶に対して入港料を減免するインセンティブ制度を導入いたします。
 こうした取り組みにより、環境先進港湾東京港の実現を目指し、二〇二四年度までにSOxを二〇一〇年度比で入港船舶一隻当たり四〇%、NOxは二〇%削減するなど、東京湾岸エリアの環境改善に寄与してまいります。

○副議長(藤井一君) 四十五番和泉武彦君
   〔四十五番和泉武彦君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○四十五番(和泉武彦君) 日本人の誇りの一つに、先祖代々脈々と受け継がれてきたおもてなしの心というものがあります。
 おもてなしの心は、平安、室町時代発祥の茶の湯から始まったといわれ、客や大切な人への気遣いをする心を築き上げた世界に誇れる日本の文化といえます。わびさびの心を持ち、表に出過ぎない控え目なものであり、目に見えない心を目に見えるものにあらわし、そのための努力や舞台裏はみじんも表に出さず、もてなす相手に余計な気遣いをさせないこと、これがおもてなしの本質です。
 相手を心からもてなすためには、我々は、まず自分自身の内面から磨かなければなりません。読書に没頭し知識と教養を磨くもよし、美術館へ足を運び芸術に触れ感性を磨くもよいでしょう。さまざまな感覚を磨く中で、相手をおもんぱかる心が育まれていきます。今後は、オリンピック・パラリンピックが開催され、世界中から人が集まる中で、行政も一体となったおもてなしの心に対する取り組みが必要と思われます。
 そこで、東京都は、今後、おもてなしの心をどのように育てるのか、また、その心をどのように発揮させていくのかという観点から質問をさせていただきたいと思います。
 まず、オリンピック・パラリンピック教育を通じたおもてなしの心や態度を育成する教育について伺います。
 二〇二〇年大会が開催される機会を捉え、子供たちには、訪れる人々との心温まる交流を積極的に図ってもらいたいと期待しています。そのためには、改めて日本の伝統や東京の歴史、文化などについて、子供たちみずから再認識することが重要であります。
 学校においては、これまでも、我が国の伝統文化や歴史を理解するための学習が行われているところですが、ともすれば、日本人らしさの象徴でもあるおもてなしの心は、現代社会において薄れつつあるとの指摘もあります。日本人のよさや開催都市東京の子供ならではの教養や作法を身につけておくことは、ますますグローバル化が進む国際社会で活躍する人材の育成につながるものと思います。
 そこで、二〇二〇年に向けて、日本人としての物の考え方や外国人に対する接し方についての教育を一層重視し、おもてなしの心や態度を学んでいくべきと考えますが、都教育委員会の所見を伺います。
 次に、おもてなしの心を培うためのボランティア活動について質問いたします。
 既に片言の英語を使って、まち中の外国人旅行者をおもてなしする外国人おもてなし語学ボランティアの育成が始まっておりますが、東京を挙げたおもてなしを実現するためには、多くの都民が言葉のボランティア活動に参加できる機会を提供するとともに、幅広くボランティアの裾野を拡大していく必要があります。
 都として、外国人おもてなし語学ボランティアの着実な育成とともに、都民のボランティアへの参加促進と機運醸成のための取り組みが重要と考えますが、見解を伺います。
 次に、東京の自然の魅力を生かしたおもてなしについて伺います。
 東京は、経済規模や利便性といった点で、ニューヨーク、ロンドン、パリなどと肩を並べる都市であることは誰もが認めるところですが、区域面積の約四割を森林が占めるなど、大変豊かな自然環境を有している点は、それほど認識されていないように思います。
 首都でありながら、静寂な深緑が広がり、きれいな空気やセラピー効果のある香りを感じられる空間をあわせ持つことが東京の特徴であり、その価値であります。
 そのため、国内外から訪れる多くの観光客に東京の自然の魅力を感じてもらえれば、すばらしいおもてなしになるし、それを端緒に、日本全国の自然に関心を抱いてもらうことになると考えます。
 このため、改めておもてなしの心で、外国人や高齢者を初め誰もが使いやすい公園施設を整え、来訪者の快適さや満足度を向上させるとともに、多摩や島しょの特色ある自然公園などの魅力、そして、東京の魅力をさらに発信していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、観光振興及び伝統文化を通じたおもてなしについて伺います。
 東京は、昔ながらの下町情緒を堪能できる浅草寺や柴又帝釈天、美しい日本庭園が広がる新宿御苑など、さまざまな観光資源を抱えております。私たちにとっては当たり前の光景である地域のお祭りや盆踊りなども、外国人旅行者の目には珍しく魅力的に映るようです。また、江戸切り子などの伝統工芸品は、世界に誇る東京のすぐれた文化であり、こうした工芸品を制作する職人のわざを見て体験してもらうことも、旅行者にとっては得がたい経験になるでしょう。
 二〇二〇年に向けて、さらなる外国人旅行者誘致を進めるためには、どのような観光資源が外国人旅行者の関心を引くのか、しっかり分析した上で、都内各所に点在するさまざまな伝統文化に関する情報を集約し、利用しやすい形で発信していくことが重要と考えます。
 そこで、外国人旅行者に向けた伝統文化情報の発信について、都の具体的な取り組み内容を伺います。
 また、外国人旅行者には関心が高い伝統文化ですが、このすばらしい文化を外国人の方が鑑賞、体験するには、その機会が少ないなど、高い潜在性を持った伝統文化の価値を発揮し切れていないのが実情です。
 東京の魅力を一層高めていくためには、こうした伝統文化の価値を改めて認識し、その潜在力に光を当てるべきです。
 そこで、東京の多様な芸術文化における伝統文化の意義と、それを伝える取り組みについて都の所見を伺います。
 日本特有の文化、公衆浴場、これも再認識しようという機運が高まっております。とりわけ海外からの観光客に日本文化を味わってもらうためのおもてなしの一つが銭湯だと思います。しかしながら、どこにどのような特色を持った銭湯があるのか、また銭湯の歴史や入浴方法などを理解してもらう際、言葉が大きな壁になってしまいます。
 そこで、外国人観光客のPRなど、銭湯への理解を深めてもらうための取り組みについて伺います。
 都におけるおもてなしの実現には、都の施設を訪れるお客様にも気持ちよく利用していただけることが大事であり、日常の維持管理がより重要となってきます。
 一方、昨年六月に成立した改正品確法においても、社会インフラの維持管理を適切に実施するために、現場の担い手を育成確保することが基本理念として位置づけられております。
 これまでも、都は建物管理などの業務委託について、価格と技術を両方を総合的に評価する入札制度の導入を進めていますが、中長期的な担い手の育成、確保という点においては、その取り組みは十分とはいえません。
 建築物の長寿命化が重視される中にあって、建物管理などの分野においても、その担い手が安定して仕事ができる仕組みをつくり、都民サービスのさらなる向上につなげていくことが求められています。
 そこで、公共施設の維持管理における担い手を育成確保するために、契約内容に応じて複数年契約の手法を活用していくことが重要と考えますが、所見を伺います。
 私は、医師としてこれまで多くの症状を抱える患者を診察してきました。本日は、日本が誇るおもてなしの心について、冒頭も申し上げたとおり、相手を思い、見返りを求めず、相手を敬い、そして丁寧に接する、この心は、医師としても欠かせない心構えだと思っております。
 そして、超高齢化社会を迎えるに当たり、問題となっている認知症への取り組みは重要であり、認知症の人は行動できる範囲が限られているため、できるだけ身近な単位で認知症の人を支える体制を構築することが重要です。そのため、現在、二次保健医療圏単位で設置されている認知症疾患医療センターは、もっと数をふやすことが必要と考えてきました。
 これまでの定例会において、私はたびたび、認知症対策の強化の必要性について話をさせていただきました。都が認知症対策を重要課題と位置づけ、今後、認知症疾患医療センターが区市町村毎に一カ所指定されるよう整備を進めていくことは高く評価できます。
 しかしながら、認知症の人が住みなれた地域で生活するためには、かかりつけ医というものの存在が非常に重要です。かかりつけ医が認知症の兆候に早期に気づき、新たに指定する認知症疾患医療センターなどの専門医療機関と連携しながら、身近な地域で認知症の人を支えていく仕組みづくりが求められております。
 そこで、今後新たに指定するセンターを含め、認知症疾患医療センターが、かかりつけ医との連携について、具体的にどのような取り組みを行っていくのか伺います。
 最後の質問ですが、東京オリンピック・パラリンピックは、東京都がホストシティーとなり、世界各国から人を迎え、おもてなしをする絶好のチャンスです。そして東京都だけではなく、都民全体を巻き込んで、おもてなしの心を持って迎え入れることが極めて重要であると考えますが、知事の意気込みをお伺いいたします。
 オリンピック・パラリンピックを契機に、おもてなしの心を育む取り組みを東京都が率先して行っていくことにより、今まで失われつつあったおもてなしの心を、都民が、そして国民が取り戻して、世界に誇る日本の文化として、今後とも、発信、継承していくことができると私は確信しております。教育、文化、伝統、観光など、さまざまな東京の魅力を総合的に後押ししていくことが、おもてなしの心の浸透につながり、それを実践することができるはずです。
 おもてなしの心をこのまま薄れさせてはなりません。さまざまな取り組みを通じ、五年後、十年後、都民の心が変わり、そして東京が変わり、さらに東京からこのすばらしい文化を世界中に広げていくことをお願いいたします。
 また、その実現のために、誰もが尊厳を持った人間として輝きながら生活していってほしい、生涯生き抜いてほしい。寝たきりのまま長生きをして長寿だと胸を張る時代はもう終わりました。これからは、誰もが心も体も元気で、長生きをしてよかったと思ってもらえるような社会全体をつくるため、医療介護福祉制度の充実に全力を尽くして取り組んでいただくことをお願い申し上げ、私の質問を終わりにしたいと思います。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 和泉武彦議員の一般質問にお答えいたします。
 オリンピック・パラリンピック競技大会におけるおもてなしについてでありますが、二〇二〇年東京大会は、二百以上の国と地域から、数多くの選手や大会関係者、観客が集まる世界最大級のスポーツイベントであります。海外からの来訪者に対し、東京、日本の持つ魅力である芸術文化、観光、教育、技術などに加え、都民、国民のおもてなしの心をじかに伝える絶好の機会となります。そのため、大会開催に向けまして、都民一人一人がホスピタリティーを発揮できる環境づくりを行っていく必要があります。
 例えば、日本では言葉のバリアフリーなどの問題があります。多言語表記の充実を初め、WiFiの利用環境の整備などを推進するとともに、幅広い年齢層の語学ボランティアの育成、さらには、最新の翻訳アプリを活用するなどして、言葉のバリアフリーを実現してまいります。
 また、伝統芸能など多彩な芸術文化を体験できるような文化プログラム、学校が大会参加国との交流を図る教育プログラム、市区町村への事前キャンプ誘致などを積極的に進め、各国の選手や観客などとの交流を促進いたします。
 東京の多様な魅力を知っていただき、リピーターとなっていただけるよう、東京ならではのおもてなしの心を持って、都民全体で世界の人々を歓迎してまいりたいと思っております。
 そのほかの質問につきましては、教育長及び関係局長から答弁をさせます。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

○教育長(比留間英人君) おもてなしの心や態度を学ぶ教育についてでありますが、二〇二〇年に向けて、オリンピック・パラリンピック教育推進校三百校では、大会の意義や歴史の学習、スポーツや伝統文化に親しむ取り組みのほか、オリンピアン、パラリンピアンとの交流などに取り組んでおります。
 来年度は、こうした取り組みを加速するため、推進校を六百校に拡大するとともに、児童生徒が海外の人々とみずから進んで交流するため、日本の伝統的な作法の学習に加えて、国際マナーを学ぶ取り組みを導入いたします。
 こうした推進校の学習を踏まえ、今後、全ての児童生徒が日本人らしいおもてなしの心や態度を身につけられるよう、有識者会議で十分に検討をし、大会後も子供たちの財産となる、日本人としての心を育成する教育を推進してまいります。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

○生活文化局長(小林清君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、外国人おもてなし語学ボランティアの育成とボランティアへの参加促進、機運醸成についてでありますが、二〇二〇年大会に向けて、簡単な英語で外国人と触れ合う、外国人おもてなし語学ボランティアを育成するため、今月、トライアル講座を実施いたしました。
 来年度は、各区市町村や民間語学教育機関、町会、自治会等の協力を得まして、取り組みを本格化し、長期ビジョンで目標として掲げた三万五千人の育成を目指してまいります。また、育成したボランティアによるまち中での活動を開始し、裾野の拡大につなげてまいります。
 さらに、ボランティア支援の中核を担う東京ボランティア・市民活動センターの情報発信機能を強化するとともに、ボランティアの意義や実際の活動を紹介するイベントを開催するなど、ボランティア機運の醸成を積極的に図ってまいります。
 次に、東京における伝統文化の意義と、それを伝える取り組みについてでありますが、東京の伝統文化は、長い歴史の中で培われた精神性と技法を継承しながら、多様な文化を受け入れ、発展してまいりました。最先端のアートも、日本古来の伝統文化の影響を大きく受けており、多彩で奥の深い今日の東京の文化を支えておると認識しております。
 こうした伝統文化の魅力を多くの外国人が来日する機会を捉え体験していただくなど、特に海外に向けて、その価値をわかりやすく発信していくことが重要であると考えております。
 このため、今後都は、新たに伝統芸能の公演を含む大規模フェスティバルの構築や、外国人向けに、華道や茶道など伝統文化の体験事業を開始するなど、東京の伝統文化発信の取り組みを強化してまいります。
 最後に、外国人観光客への公衆浴場のPRについてでございます。
 公衆浴場、いわゆる銭湯は、我が国独自の伝統文化であり、外国人が入浴体験を通して日本への理解を深められるよう、情報発信することは極めて重要だと考えております。
 都はこれまで、公衆浴場組合が外国人向けに銭湯の歴史や入浴マナー等を紹介するパンフレットを作成、配布する取り組みを支援してまいりました。浴場組合は四月から、ホームページを英語、中国語、韓国語に多言語化し、その周知のためQRコード入りのリーフレット等も作成する予定でございます。
 今後、都はこうした取り組みに係る経費を助成するほか、都の外国語版ホームページ等で幅広く紹介し、より多くの外国人観光客に銭湯情報が伝わるよう、浴場組合とともに銭湯のPRに積極的に取り組んでまいります。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

○環境局長(長谷川明君) 自然の魅力を生かしたおもてなしについてでございますが、自然公園や都民の森は、緑と触れ合い、心身をリフレッシュできるほか、稲作体験、蛍観賞などを通じて、東京の自然の魅力を体感できる場であり、こうした自然との貴重な触れ合いの機会を国内外の来訪者に提供することは、おもてなしとなり得るものと認識しております。
 このため、都は、登山道の標識の英語表記やトイレの洋式化など、誰もが利用しやすい施設への改善を進めるとともに、鉄道事業者とのタイアップやSNSを活用したPRを行い、自然公園などの魅力を広く発信しております。
 今後も、高尾ビジターセンターの自然解説展示の多言語化対応や、観光事業者との連携によるPR強化などを進め、さらに多くの来訪者に、東京の自然環境の魅力を感じてもらえるよう取り組んでまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 伝統文化の外国人旅行者への発信についてでございますが、異国の伝統文化に触れることは、旅行者にとって旅の大きな魅力であり、目的の一つでもございます。
 都は今年度、外国人旅行者が関心を持つ伝統文化の具体的内容を把握するため調査を行ったところ、神社仏閣や庭園等の施設だけでなく、花火大会や茶道など身近な伝統行事や文化にも関心が高いことがわかりました。
 来年度は、地域の行事や文化体験などのイベントを含む都内の伝統文化に関する情報を、区市町村等と連携して幅広く収集した上で、わかりやすく分類し、旅行者が簡単に検索をしてまち歩きに活用できる仕組みを構築いたします。
 旅行者が容易に東京の伝統文化に触れることができる環境を整えることで、満足度の向上を図ってまいります。
   〔財務局長中井敬三君登壇〕

○財務局長(中井敬三君) 業務委託における複数年契約の活用についてでありますが、改正品質確保法の理念や建築物の長寿命化の必要性を踏まえ、より適切な維持管理を実現していくには、現場の担い手を中長期的に育成、確保していくことが重要であります。
 そのためには、履行内容の品質確保につながるとともに、単年度契約と比べ、担い手の雇用の安定化を促す効果も期待できる複数年契約が有効と考えております。
 こうしたことから、建物管理などの業務委託において、契約内容の特性等に応じて複数年契約の効果的な活用を図ってまいります。
 具体的には、債務負担行為や長期継続契約の制度を活用して効果検証しながら、複数年契約の試行を拡大し、総合評価方式との組み合わせを図るなど、品質確保と担い手の育成、確保に向けた取り組みを一層推進してまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 認知症疾患医療センターとかかりつけ医の連携についてでありますが、現在、二次保健医療圏ごとに設置している十二カ所のセンターは、かかりつけ医からの相談に応じますとともに、認知症の診断等に関する研修会を実施しております。
 また、来年度からは、より身近な地域で認知症の人を支える体制を構築するため、区市町村ごとに地域連携型センターを新たに指定し、その要件には、かかりつけ医を初めとする認知症の人の支援に携わる関係者のネットワークづくりを推進することを求める方針でございます。
 さらに、東京都健康長寿医療センターに認知症支援推進センターを設置して、かかりつけ医向けの研修も充実することとしておりまして、これらの取り組みによりまして、認知症疾患医療センターとかかりつけ医の連携を一層強化し、地域の認知症対応力の向上を図ってまいります。

○議長(高島なおき君) 六十六番松田やすまさ君
   〔六十六番松田やすまさ君登壇〕

○六十六番(松田やすまさ君) 初めに、日本遺産についてお伺いをいたします。
 文部科学省は、昨年、文化財を活用した地方創生、文化財版クールジャパンとして、さまざまな文化財をもとにした地域のストーリーを日本遺産に認定をして、戦略的に発信し、海外からの観光客の誘致や地域の活性化につなげる仕組みを創設することを発表し、平成二十七年度より認定を開始することになりました。初年度である平成二十七年度は十五件程度、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックまでに約百件程度を認定する予定であると聞いております。
 都内には、歴史的価値があり、貴重な文化財が多数存在しており、オリンピック・パラリンピックに向けて増加が見込まれる、東京に来られる外国の方が、センター・コア・エリアだけでなく、日本遺産があるのであれば少し足を伸ばしてみようとお考えになることも想定をされます。
 例えば、多摩地区には、武蔵国分寺跡や古代の役所であった武蔵国府跡など、著名な国指定史跡などがあります。この機会に、都内の区市町村は、日本遺産の認定申請に積極的に取り組んで、地域振興につなげていただきたいと考えます。
 所管の下村大臣も、ぜひ東京都も積極的に取り組んでもらいたいとのことでございました。
 そこで東京都は、世界の多くの人々を都内各地に呼び込むため、日本遺産の認定に向けた区市町村の取り組みを支援するなど、東京都の魅力発信を充実させていく必要がありますが、都教育委員会の見解を伺います。
 次に、放課後子供教室についてお伺いいたします。
 現在、実施をされている放課後子供教室は、国の放課後子どもプランに基づき、全ての児童を対象として、放課後や週末などに小学校などを活用して、安全・安心な子供の活動拠点である居場所を設け、学習、スポーツ、文化活動を地域住民との交流の機会を提供しながら行うことにより、失われつつある地域のきずなを強める役割も果たしております。
 渋谷区では、平成二十年度より、学童クラブを廃止して、保護者の就労にかかわらず全ての子供たちを対象とした放課後子供教室一本で行われており、私の地元板橋区でも、この四月から、放課後子供教室と学童クラブを一体的に運用する、あいキッズが全面的に実施となります。こうした放課後子供教室を積極的に進める自治体に対して、今まで学童を利用していた保護者にも不安を与えることのないよう、都のさらなる支援が期待をされます。
 国においても、各教室において、多様な学習や活動プログラムなどの展開を積極的に取り組んでいく方針を示したところであります。
 そこで、都教育委員会では、区市町村における放課後子供教室の充実に向けてどのような支援をしていくのか、所見をお伺いいたします。
 次に、東京オリンピックに向けたジュニア選手の育成強化について伺います。
 私の地元板橋区では、民間の有志を会員とする板橋区オリンピック候補者育成支援協会が昨年発足をいたしました。この会は、区内在住もしくは在学中の小中高生を対象として、二〇二〇年東京オリンピック候補者の育成を目指し、支援金支給や指導者派遣などの支援を実施するものであります。地域住民が、オリンピックを目指す地元の選手候補を支援、育成することは、地域からオリンピックの機運が高まることにもつながり、二〇二〇年大会の成功のために、大変意義のある取り組みであると考えます。
 そこで、二〇二〇年大会の開催都市である都においても、競技団体など、関係団体と連携をして、さらなる競技力向上に取り組んでいかなければなりません。
 二〇二〇年に向けて、ジュニア選手の発掘、育成、強化にどのように取り組んでいくのか所見を伺います。
 次に、東京医師アカデミーについてお伺いをします。
 超高齢社会の到来が迫る中、男性で約九年、女性では約十三年、健康寿命と平均寿命の差があります。健康長寿社会の構築を目指していかなければなりません。
 一方で、病気にかかった場合でも、速やかで適切な治療を受けられる体制づくりが必要であります。高齢化社会に伴い、合併症が増加することが見込まれる中、幅広い視野で適切な対応をすることのできる総合的な診療ができる医師の育成の必要性について、先日の厚生委員会で質問をさせていただきましたが、同時に、医療資源が少ない地域への支援も重要であり、特に、多摩地域などでは、依然として医師確保が厳しい状況にあると聞いております。
 そこで、東京医師アカデミーでは、これまで都立病院や公社病院における医師の育成、確保を行ってまいりましたが、こうした医療関係の変化を踏まえ、今後どのような取り組みを行うのかをお伺いいたします。
 次に、都営地下鉄高架部周辺のまちづくりについてお伺いをいたします。
 都営地下鉄の駅は全百六駅ございますが、そのうち高架部となっているのは、新宿線で二駅、三田線で六駅あり、高架下には店舗や事業所などが集積をしており、地域の活性化へ貢献をしてまいりました。
 三田線では、志村坂上駅を出て西高島平駅までの約五キロメートルが高架部でありますが、橋脚をより安全で強固なものにするため、現在、耐震補強工事が行われております。工事の施工に当たっては、現在店舗に入居されている方に配慮をしながら、リニューアルをしていただき、より一層の活性化を図っていただきたいと思います。
 一方、板橋区では、高島平地域の再活性化を目指し、高島平地域全体のグランドデザインの策定を進めており、昨日、素案が示されたところであります。これを受けて、今後、具体的な取り組みについて、地域の方々や、高島平団地を所管するUR都市機構等と議論していくこととなりますが、素案では、三田線の高島平駅周辺を交流核、西高島平駅、新高島平駅や西台駅周辺を都市生活核と位置づけて拠点整備を行っているとされておりまして、都営交通とのつながりが欠かせません。
 そこで、三田線の高架下用地の利用に当たっては、板橋区の高島平グランドデザイン及び地元区の要望を考慮して進めていただきたいと思いますが、見解をお伺いいたします。
 次に、保育園、幼稚園に対する支援について伺います。
 まず、保育士のキャリアアップに向けた支援について伺います。
 都は、二〇一七年度までに、保育利用児童数を四万人分ふやす目標を掲げ、保育所等をかつてないペースでふやしており、保育を支える保育士の確保、定着は喫緊の課題となっております。
 待機児童対策を進めれば進めるほど、本来、親と一緒にいられるはずの子供たちを親から離していってしまうという逆説的な側面があるということは大変悲しいことではありますが、それをしっかりと認識をして、東京都は、親とともに子育て施策を前に進めていかなければなりません。
 保育士の確保、定着を図るためには、保育を支えている現場の保育士の処遇を改善するとともに、保育士が働き続けることができる環境をつくることが大切であります。
 都は、長期ビジョンにおいて、保育士などの職責に応じた処遇を実現するキャリアパス導入に取り組む事業者を支援するとしておりますが、今後の具体的な取り組みをお伺いいたします。
 続けて、独自の建学の精神に基づき幼児教育を行っていただいている私立幼稚園の運営に対する支援についてお伺いをいたします。
 本年四月、子ども・子育て支援新制度がいよいよ施行となりますが、初年度である二十七年度から新制度に移行する幼稚園は一割程度に過ぎず、九割の幼稚園は現行の私学助成にとどまる見込みであります。
 昨日の本会議終了後、板橋区私立幼稚園協会並びにPTA連合会の新年会に参加した際、園長先生方に伺ったのですが、新制度が、施設型給付の創設や保育料の上限設定、入園にかかわる応諾義務など、幼稚園にとって大変大きな制度変更であることに対する不安とともに、これまで都が充実をした私学振興施策を行っていただいたことが非常に大きいとおっしゃっておりました。
 私立幼稚園が、今後とも、質の高い幼児教育を行うためには、優秀な教員がキャリアを積んで働き続けられるような環境が大切であります。
 これまで我が党は、教職員人件費を中心とする運営費を支える経常費補助の改善等を要望し、実現をしてまいりましたが、新制度施行後も基幹的補助である経常費補助を初め、私学助成の充実に取り組んでいくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 最後に、東京の子育て環境についてお伺いをいたします。
 本年一月二十三日に開催をされた国の会議において、出生率が低い東京都を名指しして、子供を産む環境ではない、育てる環境でもないとの発言があったと聞いております。これはとんでもない発言であります。知事は、反論すべきであります。
 都内の就学前児童は、毎年五千人前後ふえており、これは、他県からの子育て世代の流入も一因と伺っております。子供を産む環境でも育てる環境でもないのであれば、どうしてこれほど多くの子供を持つ親、また、これから産みたいと願う人たちが集まってくるのでしょうか。
 都はこれまで、全国に先駆け、子育てに関連するさまざまな取り組みを行ってまいりましたが、こうした発言を受け、改めて子供を産み育てられる環境の整備について、舛添知事の所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 松田やすまさ議員の一般質問にお答えいたします。
 東京における子育て環境の整備についてでございますが、都はこれまで、全ての人が安心して子供を産み育てられるよう、保育サービスの拡充、小児医療や周産期医療体制の整備、子供の医療費への助成、地域における相談体制の充実など、都独自にさまざまな施策を講じてまいりました。
 昨年十二月に策定いたしました東京都長期ビジョンにおきましても、安心して産み育てられ、子供たちが健やかに成長できるまちの実現を政策指針に位置づけまして、妊娠期から子育て期に至る切れ目のない支援ができるよう、ハード、ソフト両面からの子育て環境の整備を進めることとしております。
 東京に生まれて本当によかった、東京で生活し、子供を育て、仕事を続けられて本当によかったと、誰もがこう実感できる都市にしていくことが私の最終目標でございます。
 そのために、今後とも、福祉、保健、医療はもとより、雇用や住宅、教育などあらゆる分野の施策を総動員して子育て環境の整備に全力で取り組んでまいります。
 そのほかの質問につきましては、教育長及び関係局長が答弁をいたします。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

○教育長(比留間英人君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、日本遺産についてであります。
 国は、平成二十七年度から、史跡や建造物、伝統芸能などさまざまな文化財を活用し、地域の歴史的な特色や魅力を国内外に発信することなどを目的とした日本遺産の認定事業を開始いたします。
 日本遺産に認定をされますと、区市町村等が行う情報発信や人材育成、公開及び活用のための整備事業などに対して、国から財政的な支援を受けられるとともに、これらの文化財群の知名度が向上するため、地域の活性化を図ることが期待をされます。
 都教育委員会は、日本遺産の認定を目指す区市町村に対する専門的、技術的な指導助言や、広報活動等への支援を通じて、文化財を活用した東京の魅力発信に努めてまいります。
 次に、放課後子供教室の充実についてでありますが、放課後子供教室は、安全・安心な子供の居場所づくりを主な目的とした事業であり、現在では、都内の八割を超える小学校区で実施をされております。地域の身近な人材の協力に加え、企業、NPO等の協力も得て、学習支援やスポーツ活動への指導が行われており、居場所づくりにとどまらず、子供たちの学力や体力向上を図る取り組みにも広がっております。
 都教育委員会は、子供たちの放課後の活動を一層豊かにするため、区市町村への補助以外にも、企業等が実施する活動プログラムの紹介や教室運営スタッフに対する研修の実施等を通じて学習支援等の質の向上や拡充を図るとともに、平成三十一年度末までに全ての小学校区への設置を目指して、区市町村を支援してまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) ジュニア選手の競技力向上施策についてでございますが、二〇二〇年大会を盛り上げるためには、多くの地元東京育ちのアスリートが活躍できるよう、ジュニア選手を計画的に発掘、育成し、強化することが重要でございます。
 都では、オリンピックなどで活躍できる選手の輩出を目的として、才能ある中学生を発掘し、ボートや自転車など七つの競技から選択させ、育成を図るトップアスリート発掘・育成事業を引き続き推進してまいります。
 さらに、現在実施しております有望なジュニア選手に対する強化等の経費を支援するジュニア特別強化事業につきまして、来年度は、特にオリンピック競技を対象に支援を拡充してまいります。
 こうした取り組みにより、各競技団体と連携を図りながら、二〇二〇年大会に向けたジュニア選手の育成強化を一層推進してまいります。
   〔病院経営本部長醍醐勇司君登壇〕

○病院経営本部長(醍醐勇司君) 東京医師アカデミーの今後の取り組みについてでありますが、医師アカデミーは、都立、公社病院における医師確保を目的として、小児科や産婦人科など専門性の高い行政的医療の担い手を育成し、これまで一定の成果を上げてまいりました。
 一方で、国が進める地域医療構想を背景とした医療環境の変化や、複数の疾患を抱える患者への対応など、地域医療を支える総合診療専門医の育成が急務となっております。
 また、公的育成機関としては最大級となる規模を生かし、医師が不足している多摩地域の医療機関への派遣や、災害時における活用も望まれております。
 このため、都立、公社病院における医師の育成、確保に加えまして、東京の医療を支える公的育成機関としての新たな医師アカデミーの構築に向けまして、外部委員を含めた委員会を早急に立ち上げ、検討を進めてまいります。
   〔交通局長新田洋平君登壇〕

○交通局長(新田洋平君) 三田線高架下用地の利用についてでございますが、交通局ではこれまで、高架下用地を店舗や駐輪場として貸し付けを行うなど、その活用を図ってまいりました。
 現在、都営三田線の高架部につきましては、東日本大震災の教訓を踏まえ、安全性をより高めるために、橋脚のさらなる耐震補強を実施しており、既存の店舗等は、所定の補償を行った上で順次移転していただいております。
 耐震補強終了後の高架下用地の利用に当たりましては、交通局の大切な資産として有効活用を図りつつ、地元区とも十分協議しながら、にぎわいの創出や地域の発展につながるまちづくりに貢献してまいりたいと考えております。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 保育士等のキャリアアップについてでありますが、保育人材の確保定着を図っていくためには、保育士が専門性を高めながら将来を見通し、やりがいを持って働くことができるようにすることが重要でございます。
 このため、都は来年度、認可保育所、認証保育所、認定こども園、小規模保育事業所などを対象に、新たに保育士等キャリアアップ補助を創設し、キャリアパスの仕組みを導入することを条件に処遇改善に係る取り組みを独自に支援いたします。
 補助の実施に当たりましては、職責や職務内容などに応じた賃金体系の設定や職員の資質向上に向けた計画の策定など、キャリアパス要件の届け出や賃金改善に関する実施状況の報告を求め、保育士等のキャリアアップや処遇改善が確実に図られる仕組みを講じてまいります。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

○生活文化局長(小林清君) 私立幼稚園に対する支援についてでありますが、都内の園児の九割以上が通う私立幼稚園は、建学の精神と独自の教育理念に基づき、個性的で特色ある教育を展開し、東京の幼児教育において極めて大きな役割を果たしており、子ども・子育て支援新制度施行後もその重要性が変わることはございません。
 私立幼稚園がこれまで行ってきた質の高い幼児教育を今後も維持向上させ、引き続き都民の期待に応えていくためには、ご指摘のとおり、各園が優秀な教員を確保し、さらにその能力を伸ばしていくことが欠かせないものと考えております。
 こうした認識のもと、来年度予算案におきましても、経常費補助の算定に用いる教職員給与の手当算定率をさらに引き上げ、幼稚園運営に対する補助を充実させるほか、教員の研修に要する経費を補助してまいります。
 今後とも、私学助成を一層充実し、都内の私立幼稚園の振興を図ってまいります。

○議長(高島なおき君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後五時五分休憩

   午後五時二十五分開議

○議長(高島なおき君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 百四番かち佳代子さん
   〔百四番かち佳代子君登壇〕

○百四番(かち佳代子君) まず、児童虐待対策について伺います。
 昨年、都内で、七人兄弟のうち一人の男の子の行方不明が発覚して、その後両親が、二、三年前に亡くなったので雑木林に埋めたと供述をした大変衝撃的な事件がありました。
 今日、貧困や親の事情から、虐待によって心身ともに傷つく子供たちが増加し、時には命を落とすなど、年々深刻で複雑になっています。こうした子供たちを救済し、一人一人に合った支援をする児童相談所や児童福祉司の果たす役割は、ますます重要になっています。
 私はこの間、都内の児童相談センターや児童相談所、一時保護所などを視察しましたが、一時保護所は、入所した児童にとっては、外出や通学を含め、さまざまな制約も受けるところであり、緊急に親から引き離された児童は、精神的にも不安定で、温かい支援が必要だということを痛感しました。
 現在、都内の一時保護所は六カ所で、定員百九十二名ですが、ここも既に定員オーバーの状態です。複雑な事情を抱えた子供たちが、時には折り重なるように敷き詰めた布団で休まなければならない状況です。
 現在、都内の児童福祉司は二百人で、年間約八千件に及ぶ相談に対応し、一人平均九十三件ものケースを担当しながら、子供たちの命を守るために必死の取り組みをしています。
 東京の人口当たりの児童福祉司数は、全国都道府県の中で最低です。厚労省は、一人当たりの担当数の理想は二十人から三十人といわれていると国会で答弁しており、過重負担は明らかです。
 児童相談所は、人口九百万人の神奈川県内に十四カ所、人口七百四十万人の愛知県内に十二カ所が設置されています。都内の児童相談所はたった十一カ所です。
 知事は、被虐待児の急増に対応して、児童相談所の体制を強化し、一時保護所の定員をふやすと述べ、新年度予算案では児童福祉司は十三名ふえ、一時保護所の定員は二十二名ふやすとしたことは重要な前進です。
 しかし、長期ビジョンには、児童福祉司の人数や一時保護所の定員、児童相談所の数をふやす計画は示されていません。今日の児童福祉司、児童相談所の現状をどう認識し、中長期的にこれらの取り組みをどのように強化していくのか、お聞きします。
 児童養護施設など、受け入れ施設を確保することが必要です。同時に国は、小規模化、家庭的養護の体制の拡充を求めています。児童福祉審議会の提言や都の長期ビジョンにも示されているサテライト型の児童養護施設の展開は、東京の実情に対応したものであり、ファミリーホームや養育家庭などへの支援が期待されています。
 都内に児童養護施設のない地域が多くあることを踏まえれば、さらに設置数をふやし、家庭的養護を推進することが望まれています。都はどのように取り組むのですか。
 家庭的養護の柱の一つは、養育家庭の存在です。しかし、養育家庭への委託件数は、ここ十年間、伸び悩んでいます。深刻な被虐待などの増加や実親との調整困難、社会や学校での無理解など、困難や悩みを抱えている人が多いということも、何人かの里親さんから話を伺いました。
 養育家庭への支援は、現在三人のチームで取り組む体制になっていますが、里親の会などと児童相談担当者との認識を一致させ、要保護児童に対する問題解決のためのチーム力を強化することを含め、新たな里親支援の仕組みづくりが求められています。
 その際、里親の乳幼児養育への取り組みや、委託継続困難事例への検証作業などの確立に向け、里親の会や関係者も含めた検討会を設置し、取り組む必要があると思いますが、いかがですか。
 虐待防止対策のためには、幼少のころから、その年代に応じて命の尊厳や大切さを伝え、自己肯定感を高めるとともに、命や性についての正しい知識を啓発していくことが重要です。さらに、孤立しがちな若年出産や産前産後の鬱防止など、身近なところで費用の心配なく支援を受けられる仕組みづくりを確立し、これらの取り組みに助産師などの活用を検討することを求めます。お答えください。
 次に、看護師不足対策について伺います。
 国の第七次看護職員の需給見通しに基づく東京都の需給見通しでは、二〇一一年には二千六百二十三人の不足だったのが、二〇一五年にはゼロになり、看護職員の不足は解消するとしています。
 しかし、実際には二〇一四年十二月の時点で、看護師の不足状況は都内では九千三百七十七人となっており、需給見通しの不足数の七・六倍にも膨れ上がっているのです。
 昨年九月に知事も参加した福祉先進都市東京に向けた懇談会の中で、上昌広医学博士は、東京の看護師は絶対数も養成数も極度に不足している、東京は今後看護師不足がボトルネックとなる、養成数をふやすしかない、看護師は地育地活、地域で育ち、地域で働いている、東京が養成しないと周辺の県から看護師を吸い寄せ、その県の医療を壊してしまうとして、看護師不足の深刻さと養成数をふやすことの重要性を述べています。
 知事、都の看護職の需給見通しは未達成状況が続いています。需給均衡を目指して諸施策に取り組んできても、なお不足状況が続いている事態をどのように認識しているのですか。また、懇談会での上教授の発言をどのように受けとめているのですか。それぞれお答えください。
 全国の看護職の離職率が一一%前後なのに、都内では一四・二%です。二〇一三年の日本医療労働組合連合会の調査によると、仕事をやめたいが七五%を占め、理由は、人手不足で仕事がきついが四四%とトップです。これが現場の悪循環となっているんです。
 厚労省五局からの通知は、看護業務が健康で生きがいを持って能力を発揮し続けられる職業となるために、働く環境を整備し、雇用の質を高めていくことが喫緊の課題だとしています。
 また、日本看護協会は、夜勤、交代勤務のガイドラインを示し、長時間拘束の夜勤の改善や生体リズムに即した正循環勤務体制を図り、夜勤免除や勤務時間の短縮など多様な働き方を保障するなど、労働環境の改善によって離職防止を呼びかけています。それらを遂行するためにも、看護師の大幅増員が必要なのです。
 二〇〇〇年に出された、都における看護職員養成に関する検討会の最終報告では、今後、高齢社会を迎えるに当たって看護需要は高まるとしていながら、都内の看護師供給の一端を担っている都立看護専門学校の定員は、統廃合によって養成数が四割も減らされました。削減するのは逆行です。
 経済的負担が少しでも軽い都立看護専門学校の増設が必要です。都は、志ある看護学生を育成する責務があります。今日的状況に照らして、都における看護職員の養成に関する新たな検討と計画が必要ではありませんか。
 また、築四十三年の広尾看護専門学校の改築は、速やかに実施するよう求めるものです。それぞれお答えください。
 この際、定員もふやすことを求めておきます。とりわけ、地域中小病院での看護師不足が深刻です。有料職業紹介業の手数料制度は、届け出制で高額の手数料を認めています。
 このため、中小病院では大変な負担を強いられています。ある病院では、紹介業者を介して二十七人を採用したものの、三割に当たる七人が数カ月以内に中途退職しました。費やした経費は千三百万円にも上ります。この経費のもとは診療報酬です。病院経営上も大きな負担、医療、看護の質の低下を招くと訴えています。
 知事、人の命を預かる看護という職業や、病院経営や医療の質に大きく影響を与えかねないこのような事態を、どう認識していますか。
 日本病院協会も、せっぱ詰まった病院の多くが有料あっせん業者に頼る状況から、アンケート調査を行い、国においても民間職業紹介業者を利用した医療機関が対応に苦慮する事例があるとのことから、実態調査を行っています。
 都として、都内医療機関の看護師不足などの状況、有料職業紹介業の利用状況や問題の実態について調査し、対策を講ずることを求めます。お答えください。
 日進月歩の医療現場を離職した後、再就職するためには、高いハードルがあります。丁寧な研修制度の充実と条件整備とともに、働き方の相談窓口は、都内十七カ所のハローワークと連携したり、出張相談など支援体制の強化とともに、ナースプラザが行っている再就職のための無料合同説明会も、今は二カ所だけですが、より身近なところでも開催するなど参加者をふやす工夫も必要です。それぞれお答えください。
 荏原病院は公社化して九年になりますが、以来、看護師不足のため、四十三床の休止状態が続いています。こうした中で、病床稼働率は平均六七%と、他の公社病院と比較しても最低です。
 荏原病院は、羽田空港に最も近い位置にあり、都立の時代からSARSやエボラ出血熱など一類感染症受け入れ病院として重要な役割を担っています。また、地域の中核病院として五百床のベッドを確保していながら十分な稼働ができていないことは、都民にとっても大きな損失です。
 長期に看護師不足が続いている要因を都として調査、分析し、打開策を明らかにして、支援対策を強化することを求めます。お答えください。
 最後に、新空港線についてお聞きします。
 JR蒲田と京急蒲田駅の利便性を確保するとして始まった地下鉄蒲蒲線構想は、現在では新空港線構想となり、総事業費も当初の試算で千八十億円。最新の新たな構想は、フリーゲージトレーンの導入というものですが、これはまだ実験段階であり、実用化すらしていないものです。
 この構想は、池袋や埼玉方面から羽田空港への鉄道輸送ルートを創設し、短時間、大量輸送が目的です。JR蒲田も京急蒲田も通過駅になりかねず、沿線住民にとっては通過列車ばかりがふえてかえって不便になることは、京急の高架化後のダイヤによって既に経験済みです。
 新空港線は、沿線住民の利便性や費用対効果の観点、あるいは新型車両の実用化までの工程や安全性の確保など、未解明の問題が山積で、実現性の厳しい構想ではないかと思いますが、都の見解を求めて質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) かち佳代子議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、児童虐待への対応力の強化についてでございますが、児童虐待は、子供の心に深い傷を残すだけでなく、子供たち一人一人が持つ未来への可能性を奪うこともございます。決して許される行為ではありません。
 都はこれまで、深刻化する児童虐待に的確に対応するため、児童福祉司や児童心理司の増員、虐待対策班の設置、一時保護所の定員拡充など、児童相談所の体制強化に取り組んでまいりました。来年度は、児童福祉司をさらに増員するとともに、一時保護所の増設も行います。
 また、区市町村に対しましては、虐待対応力の強化を図るため、子供家庭支援センターへの専門職の配置を支援するなど、さまざまな取り組みを行ってまいりました。
 児童虐待の防止に向けては、行政のみならず、民生児童委員、医療機関や学校など地域が一体となって取り組んでいかなければなりません。今後、地域の関係機関との連携を一層強化し、児童虐待防止に向けて全力で取り組んでまいります。
 看護職員の確保についてでございますが、都はこれまで、都内に勤務する看護師の就業実態調査を踏まえ、需給見通しを策定し、修学資金の貸し付け、復職研修の実施、ナースプラザでの就業相談や職業紹介など、さまざまな施策を展開してまいりました。
 その結果、就業者数は着実に増加しておりますが、同時に、高齢化の進展などにより、看護需要は増大しておりまして、今後一層取り組みを進めていく必要があると思っております。
 昨年九月の、言及がありました有識者懇談会では、委員から、看護職員の養成数をふやすべきだと、そういうご意見を承りました。専門的立場からのご意見と受けとめておりますが、看護職員の確保を進めるためには、今、都内で七万人存在すると推計されております潜在看護師の活用が第一に必要であると考えております。
 都は、今後とも、看護師の養成対策、定着対策、再就業対策を三つの柱にして、看護職員の確保に取り組んでまいります。
 そのほかの質問につきましては、関係局長が答弁をいたします。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 六点のご質問にお答えします。
 まず、家庭的養護の推進についてでありますが、都は、家庭的養護の取り組みを進めるため、少人数の生活単位で養育を行うグループホームやファミリーホームに対する開設準備経費や家賃の助成、グループホームの補助者や助言指導等を行う職員の増配置など、都独自の支援を行っております。
 また、来年度は、グループホームなどにおける子供たちへの支援をバックアップするため、児童指導員や心理士を配置したサテライト型児童養護施設を、試行として三カ所整備してまいります。
 次に、養育家庭への支援についてでありますが、都は、児童を委託している養育家庭に対して、児童相談所や民間団体を活用した訪問支援や養育家庭同士の交流促進など、きめ細かな支援を行っております。
 また、養育家庭への委託を推進するため、各児童相談所に、養育家庭の代表者や児童福祉施設職員などで構成する里親委託等推進委員会を設置し、関係機関が協力連携しながら、施設に入所している児童の状況確認を行うとともに、委託の可能性を検討しております。
 今後とも、昨年十月にいただいた児童福祉審議会の提言も踏まえ、家庭的養護を推進してまいります。
 次に、虐待防止に向けた仕組みづくりについてでありますが、都はこれまで、子供を安心して産み育てられるよう、出産前後に家庭などの援助が受けられず心身の負担感を抱える母親を対象に、保健師や助産師等による継続的な相談支援を行う区市町村の取り組みを支援してまいりました。
 来年度は、保健師や助産師などの専門職が、全ての子育て家庭の状況を妊娠期から把握し、継続した支援を行うゆりかご・とうきょう事業も開始し、区市町村を支援してまいります。
 次に、看護職員の養成についてでありますが、都内の看護職員養成数は、民間養成施設の学科新設や定員増により増加傾向にあり、平成二十三年からの三年間で二百三十人程度増加し、平成二十六年四月の入学定員は五千九百人を超えております。
 また、現在、都内には離職した看護職員が約七万人いると推計されており、今後とも、養成、定着、再就業を施策の柱に、総合的な看護職員の確保に取り組んでまいります。
 都立看護専門学校の改築等につきましては、計画的に進めてまいります。
 次に、医師、看護師の有料職業紹介業についてでありますが、国は、平成二十五年度に医師、看護師の職業紹介に関する調査を実施いたしました。その結果を踏まえ、紹介業者とのトラブルを防止するため、昨年十月には、各都道府県労働局に医療機関からの相談窓口を設置しており、職業安定法等に違反する可能性があると判断した事案については、必要な指導等を行うこととしております。
 有料職業紹介業は、職業安定法による厚生労働大臣の許可に基づき運営されており、その指導監督は国が実施しております。都としては、国の動向を注視してまいります。
 最後に、看護職員の再就業支援についてでありますが、都はこれまで、離職した看護職員を対象に、身近な地域の病院で復職支援研修を実施しており、研修受講者の半数以上が再就業につながっております。
 また、昨年度から、東京都ナースプラザの職員が都内二カ所のハローワークに出張し、看護師等の有資格者や資格取得希望者を対象に、就職や資格取得に向けた専門相談を実施しております。
 さらに、離職する看護職員の届け出制度が本年十月から開始されるのに伴い、地区医師会の協力による就職相談会も開催いたします。
   〔病院経営本部長醍醐勇司君登壇〕

○病院経営本部長(醍醐勇司君) 荏原病院における看護師確保についてでありますが、これまでも公社病院では、看護師の退職理由の分析を行った上で、インターンシップ制度の創設や二交代制勤務職場の拡大、さらには育児短時間勤務制度の導入など、看護師確保に向けて働きやすい職場環境を整えてまいりました。
 都としても、看護師を必要に応じて公社病院に派遣するとともに、共同して採用活動を実施するなど、看護師確保を引き続き支援してまいります。
   〔都市整備局長安井順一君登壇〕

○都市整備局長(安井順一君) 東急線蒲田駅と京急蒲田駅とを結ぶ新空港線、いわゆる蒲蒲線についてでございますが、本路線は、運輸政策審議会答申第十八号で、二〇一五年までに整備着手することが適当である路線と位置づけられております。本路線の整備につきましては、多額な事業費のほか、事業採算性、東急線と京急線との線路幅の違いなど、さまざまな課題がございます。
 都といたしましては、引き続き、区を初めとした関係者間で議論を重ねるなど、必要な対応を図ってまいります。

○議長(高島なおき君) 六番小松大祐君
   〔六番小松大祐君登壇〕

○六番(小松大祐君) 初めに、東京国際金融センター構想について伺います。
 昨年の第三回定例会における我が党の代表質問に対し、知事から、構想の実現に向けて、都、国、民間等のメンバーから成る推進会議の立ち上げ、また、実務者による分科会の設置などにより、都はみずから行動するだけではなく、構想実現の先導役を果たしていくということをご答弁いただきました。
 一方で、金融分野は、実務に携わるプレーヤーが国内外の金融機関であるとともに、中央銀行や国による施策と密接に関連があることから、東京都のみの力で国際金融センターを実現できるものではありません。
 そこで、東京国際金融センターの着実な実現に向けた、国や民間との協働の状況について伺います。
 国際金融センター構想の実現に向けては、高度金融専門人材を初めとする外国人の受け入れ環境の整備も重要です。
 さきの我が党の代表質問でもただした、都のビジネスコンシェルジュ東京と国のワンストップセンターとの連携による外国企業誘致促進といったビジネス環境の整備だけではなく、安心して暮らせる生活面の整備が、高度人材の受け入れには不可欠であります。特に、病気になったときに病院で言葉が通じない状況では、安心して暮らすことはできません。
 現在、東京には約四十二万人もの外国人が生活しています。さらに、都の長期ビジョンでも、オリンピック・パラリンピック開催時までに東京を訪れる外国人旅行者を一千五百万人にするという目標を掲げております。東京を世界で一番の都市の実現に向けて、着実に取り組んでいかなくてはなりません。
 昨年の本会議や予算特別委員会で、我が党の都立病院の外国人患者への対応と課題に関する質問に対し、既に検討を進めているという答弁がありました。
 そこで、都立、公社病院における外国人患者に対する診療体制の整備について、その後の取り組み状況を伺います。
 さて、私は、前職に身を置いていた二〇〇五年から三年間、上海に赴任し、その急成長を目の当たりにしてまいりました。上海という都市の未来に期待し、多くの人材、資金、情報が集まってくる様子や、上海という都市の国際的なプレゼンスが高まるさまが、強烈な印象として残っています。都市の成長に対する期待感をいかに醸成し、人材、資金、情報が東京に集まるスパイラルを生み出していくのか。激化する都市間競争を勝ち抜く一つの解は、情報発信であると考えます。
 どんなにすばらしい取り組みをしても、それが伝わらなければその意義はありません。内外に対して的確かつ効果的な情報発信をしていくべきと考えます。とりわけ、二〇二〇年に向け、東京に内外の耳目が集まっている今が絶好のチャンスであるといえます。
 そこで、知事に対し、国際金融センター構想実現のための情報発信のあり方についての基本的な考え方を伺います。
 次に、東京都国土強靱化地域計画について伺います。
 首都直下地震による経済損失は、九十五兆円に及ぶともいわれております。人命とともに経済損失を最小限に防ぐことは、重要な課題です。平時のみを念頭に置いて経済効率性を過剰に追求するのではなく、いざ発災した際に被害が致命的なものにならないよう、長期的な効率性、合理性を確保するという大局的な観点で都市づくりに取り組むことが、国土強靱化の重要な理念であると考えております。
 国と都、官と民が適切な連携をするということはいうまでもありませんが、特に民間事業者の資金、人材、技術、ノウハウ等の活用を積極的に促進することで、民間投資の拡大をもたらし、我が国の持続的な経済成長につなげる。これこそが国土強靱化の意図するものであります。
 そこで、こうした国土強靱化の基本的な考え方を踏まえて地域計画を策定するべきと考えますが、見解を伺います。
 国土強靱化基本法では、地方公共団体は地域計画を定めることができると規定されており、現在、全国で二十二団体、都においても、荒川区が国の技術的な支援を受けて、計画の策定に向けて取り組んでいると聞いております。
 また、基本法において、地方公共団体は国土の強靱化を推進する責務を有していることが規定されております。このことを踏まえれば、いかなる状況においても首都機能を堅持できるよう、東京都においては、都と区市町村が一体となって強靱化の取り組みを推進していくことが不可欠と考えます。
 そこで、区市町村における地域計画の策定が円滑に図られるよう、今後都としてどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。
 次に、海の森に関連して幾つか伺います。
 海の森は、平成二十八年度の一部開園を目指して整備を進めていますが、二年後に控えた開園時にはどのような姿となっているのか、とても期待をしております。
 先日、私も現地にて眺望を堪能してまいりました。都心、東京港、房総半島、そして富士山までを一望できるロケーションに加え、園路や広場等の整備が順調に進んでいることが見受けられました。
 また、新海面処分場も眺めることができました。埋立処分場としての寿命は約五十年と伺い、危機感を抱いております。海の森は、東京が抱えるごみ問題や環境問題に思いをはせ、正面から考えるのにも絶好の立地だと感じた次第であります。
 開園を迎えるに当たっては、都民との協働と資源循環をコンセプトに、ごみの山を美しい森へとよみがえらせるという、この先例のない事業の成り立ちを多くの人々に伝えていくことはもとより、環境保全への取り組みをより深めていくことが重要であると考えます。
 海の森を、多くの人々が集い楽しめる場とすることに加え、環境問題解決に向けたさまざまな活動や交流の拠点へと発展させていくべきと考えますが、見解を伺います。
 また、我が党がかねてより設置を提言してまいりました東京都海の森倶楽部は、既にさまざまなイベントが実施され、開園前にもかかわらず数万人の方が海の森を訪れたと聞いております。
 開園後は、海の森の特徴を生かした企画をさらに推し進めていくべきであります。例えば、約四十メートルの高低差と総延長十キロ近くにも及ぶ園路を生かして、陸上長距離界からの期待も大きいトレイルランニング大会などの魅力的なイベントの開催も、ぜひ実現をしていただきたいと思います。
 また、環境保全に関する活動や交流、人材育成などへの貢献など、より多彩で幅広な活動を行うことができるよう、海の森倶楽部を育てていくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、水道の給水装置工事関係の電子化について伺います。
 我が党は、利便性向上の観点から、従来、水道局へ何度も足を運んでいた申請手続や水道管管理図の閲覧等を、工事店のパソコンからも可能とする電子化の導入を提案してまいりました。その際、利用拡大のため、サポート体制の確保についてもあわせて要望をしてまいりました。
 これを受け、水道局では、昨年一月から電子申請を、三月には電子閲覧を開始するとともに、事業者アンケートやデモ演習等の実施をしてきたと伺っております。また、今年度の包括外部監査でも、水道管管理図の電子閲覧について、その対象を広げるよう意見が付されたところであります。
 今後とも、情報セキュリティーに十分配慮しつつ、給水装置工事関係の電子化について、利便性のさらなる向上を図っていくべきと考えますが、見解を伺います。
 最後に、障害者スポーツ政策について伺います。
 障害者にとってスポーツは、健康維持や機能回復を図るとともに、社会との貴重な接点であります。障害のある人が気軽にスポーツを楽しむには、障害者スポーツを支える人材の育成が重要であります。都内には、現在約二千名の障害者スポーツ指導員がおり、障害者へのスポーツ指導やスポーツ大会のサポートを行っています。
 先日、ある大学関係者から、学内はバリアフリー化が進んでおり、学生のサポートも得られるので、施設活用等の協力をしたいが、学内には障害者スポーツの指導者がいないとのお話を伺いました。東京でのパラリンピック開催が決定したことにより、都民の障害者スポーツに対する関心が高まっております。さらにこうした申し出がふえてくるのではないかと思われるわけであります。
 都は今後、大学等との連携も視野に入れながら、障害者スポーツ指導員のさらなる拡充、活用を図っていくべきと考えますが、見解を伺います。
 あわせて、ハード面の整備も重要です。都は、区部と多摩にそれぞれ障害者スポーツセンターを設置しており、今後、さらに大規模改修を実施するなど、広域的な視点で障害者スポーツの場の一層の充実を図っていきます。他方で、障害者が身近な地域で気軽にスポーツを楽しめるようにするには、区市町村が所有するスポーツ施設のバリアフリー化を進めることが有効と考えますが、都の取り組みについて伺います。
 障害者スポーツの普及啓発には、まずは健常者に障害者スポーツを知ってもらう取り組みが不可欠です。特に、小中学校時代から障害者スポーツへの興味や関心を育てることが有効です。都教育委員会は、東京パラリンピックに向けて、来年度には都立特別支援学校十校をスポーツ教育推進校に指定し、障害のある児童生徒のスポーツ教育の充実を図るとしています。
 そこで、都立特別支援学校が拠点となり、小中学校等への障害者スポーツの普及啓発を進めるべきと考えますが、都教育委員会の見解を伺います。
 こうしたさまざまな取り組みを通じて、都内にある特別支援学校の中から競技力の高い選手が育ち、東京パラリンピックにおいて、現役生徒や卒業生の中からメダリストが誕生してくれる日を大いに期待をいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 小松大祐議員の一般質問にお答えいたします。
 国際金融センター構想実現のための情報発信のあり方についてでありますが、あらゆる情報が世界中を駆けめぐる現代におきましては、情報を制することが、激しい都市間競争に打ち勝つ生命線ともいえると思います。
 金融の分野におきましても、ロンドンやニューヨークに再び伍していくためには、国際金融センター構想で示したさまざまな取り組みを官民一体で着実に推進するだけではなく、的確かつ効果的に情報を発信し、東京の国際的なプレゼンスを高めることが必要であります。
 そこで来年度、国際金融センター構想に取り組む東京の姿を内外に発信するために、世界で活躍する金融関係者、政府関係者、ジャーナリスト等が集う国際金融会議の東京での開催に向けまして、国、民間と協力しながら、具体的な準備に着手したいと思っております。
 さらに、国際金融センター構想のみならず、ほかの都の重要施策であります、例えばブランディング戦略や水素社会実現といったエネルギー戦略なども有機的に結びつけて、東京の魅力を体系的に発信していくことが求められております。
 このため、国や民間企業とも連携しつつ、都庁を挙げて情報発信機能のさらなる強化を図ってまいります。
 そのほかの質問につきましては、教育長及び関係局長が答弁をいたします。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

○教育長(比留間英人君) 障害者スポーツの普及啓発についてでありますが、スポーツ教育推進校に指定をいたします特別支援学校十校では、子供のスポーツ体験の拡充や競技力の向上、障害者スポーツを通じた小中学校との交流などを進めてまいります。
 このうち、近隣の小中学校との交流では、障害のある子供とない子供が一緒に、フロアカーリングやテーブルテニスなどの種目を楽しんだり、パラリンピアンによる競技の実演や体験談を見聞きしたりする活動を行っていきます。こうした取り組みにより、子供同士の触れ合いを促進する中で、障害者スポーツへの興味、関心や憧れを高めていきます。
 都教育委員会は、こうした交流の成果を他の特別支援学校や区市町村教育委員会に広め、小中学校への障害者スポーツの普及啓発や障害者理解の推進に努めてまいります。
   〔政策企画局長川澄俊文君登壇〕

○政策企画局長(川澄俊文君) 国際金融センター構想の状況についてですが、金融センターの実現は、国、民間と協働して着実に取り組みを進めていくことが必須でございます。
 昨年九月に開催した推進会議では、国や民間の参加者から構想の推進に対する強い賛同をいただき、官民一体の金融センター実現に向けた第一歩となりました。
 推進会議の開催に続いて、昨年十一月と去る二月十日には、都が中心となって「ビジネス交流拠点の活性化」分科会を開催いたしました。そこでは、国、民間からの約四十団体、百名の参加者により、協働による交流拠点の活性化に向けて活発な議論がなされたところでございます。
 今後とも、都はみずからの取り組みを進めるのみならず、率先して旗振り役、先導役を務め、各主体とともに、東京国際金融センター実現に向けて邁進してまいります。
   〔病院経営本部長醍醐勇司君登壇〕

○病院経営本部長(醍醐勇司君) 外国人患者への診療体制の整備についてでありますが、東京で暮らす外国人にとって、母国語で受診できる医療環境が整っていることは、生活や仕事をする上で大きな安心につながる重要な要素であります。
 現在、都立病院では、外来や病棟において、患者とのコミュニケーションを英語で図るための語学学習や、異文化を理解するための研修などに取り組んでおります。
 今後は、外国人患者の診療体制をさらに充実させ、全ての都立、公社病院におきまして、厚生労働省が推進する外国人患者受け入れに関する認証制度でありますJMIPを、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック開催までに取得いたします。
 このような取り組みを通じて、東京で暮らす外国人や海外から訪れる多くの旅行者などに対しても、安全・安心で質の高い医療を適切に提供してまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

○総務局長(中西充君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、国土強靱化の基本的な考え方についてでございますが、従来の狭い意味での防災の範囲を超えて、国土政策、産業政策など総合的な対応を行うことにより、いかなる事態が発生しても機能不全に陥らない経済社会システムを平時から確保していくことが、国土強靱化の理念でございます。平時のみを念頭に置いた過剰な経済効率性の追求は、一たび災害が発生すれば経済、社会が毀損され、結果的に経済効率性を喪失する危険性があります。
 このため、こうした総合的な対応を都、国、民間が適切に連携、役割分担して推進することにより、リスクを見据えた長期的な効率性が向上し、国の持続的な成長を実現することになります。
 地域計画は、国の基本計画との調和の確保が求められており、ご指摘の考え方を踏まえ、計画を策定してまいります。
 次に、区市町村の地域計画策定に対する都の取り組みでございますが、国土強靱化を推進する上では、都と区市町村の地域計画が相互に調和したものとなるよう留意する必要がございます。
 現在、都の地域計画の策定に当たっては、国や民間事業者に加え、区市町村の代表も構成員となっている東京都防災会議で検討を行っております。
 この会議を通じて都の地域計画を検討することにより、都の計画策定の考え方やリスクへの対応方策などが明らかとなることから、各区市町村が都の計画との調和も確保しながら、地域特性に応じて、計画の策定に向けた取り組みを進めることが可能となります。
 今後とも、区市町村における計画策定が円滑に進むよう、情報共有を十分に行い、相互に連携して強靱化の取り組みを推進してまいります。
   〔港湾局長多羅尾光睦君登壇〕

○港湾局長(多羅尾光睦君) 海の森についての二点のご質問にお答えいたします。
 まず、海の森での環境保全活動についてですが、海の森は、都民との協働と資源循環をコンセプトに着実に整備を進め、平成二十八年度には約五十ヘクタールの一部開園を目指しているところでございます。
 開園後は、引き続きこの森を育てていくとともに、事業のコンセプトを広く伝え、環境保全に向けた幅広い活動の拠点としていくことが重要であり、体験フィールドとなる広場や園路、そして、海の森の成り立ちなどを展示するビジターセンター等も整備してまいります。
 これらの施設を活用することなどにより、国内外における自然再生事業に関するシンポジウムの開催など、環境保全に関する幅広い活動や交流、人材育成の取り組みを展開し、国境や世代を超え、多くの人々が集い、利用していただけるよう取り組んでまいります。
 次に、東京都海の森倶楽部の育成についてですが、海の森倶楽部は、現在、四十九法人の参加を得ており、昨年秋に開催されたイベントでは、一日に二万人以上の集客を実現するなど、既に活発な活動を展開しております。
 現在、会員団体の間で、年間を通じて集客を図るよう、より多彩で魅力的なイベントの展開を検討しており、ご提案のトレイルランニング大会などのイベントを実施し、多くの人々を呼び込んでまいります。
 さらに、イベントの実施にとどまらず、海の森倶楽部の中に、人材育成等テーマ別の分科会を設置するなどの取り組みを行い、学校法人からメーカーまで幅広い業種から成る会員団体の持つノウハウを生かしながら、活動の幅を広げ、環境保全に関する活動や交流、人材育成推進のかなめとなるよう、海の森倶楽部の育成に取り組んでまいります。
   〔水道局長吉田永君登壇〕

○水道局長(吉田永君) 給水装置工事関係の電子化についてでありますが、水道局では、平成二十六年一月から、事業者の工事申請や水道管管理図の閲覧の電子化を順次導入してまいりました。
 導入に当たりましては、パソコンにふなれな事業者も円滑に対応できるよう、操作方法に関する講習会を開催し、これまで二千を超える事業者が受講するとともに、電子化にかかわる全ての問い合わせ窓口であるヘルプデスクを開設し、サポート体制を充実させてまいりました。
 今後、昨年十一月に実施した全ての事業者約五千五百者を対象としたアンケート結果をもとに、事業者の利便性のさらなる向上に努めてまいります。
 また、水道管管理図の電子閲覧につきましては、このたびの包括外部監査の意見も踏まえ、情報セキュリティーに十分配慮しつつ、対象の拡大を検討してまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) 障害者スポーツについての二点のご質問にお答えいたします。
 まず、障害者スポーツ指導員についてでございますが、二〇二〇年パラリンピックの開催が決まり、障害者スポーツへの関心が高まっているこの機会を捉え、人材育成の取り組みを進めていくことが重要でございます。
 このため、都は、障害者スポーツ指導員の資格取得に向けた講習会を開催し、指導員の拡充に努めております。また、障害者スポーツへの取り組みを行う団体等に対し、企画、立案や指導員の派遣などの支援を実施しております。
 ご提案の大学との連携につきましては、大学主催のスポーツイベントに障害者スポーツ指導員を派遣し、競技体験ブースを展開するなどの取り組みも行っております。
 今後、こうした大学を初め障害者スポーツ振興への支援を希望する団体とさらなる連携を図り、障害者スポーツの環境づくりを進めてまいります。
 次に、区市町村立スポーツ施設のバリアフリー化に対する都の取り組みについてでございますが、都は今年度、障害のある人が身近な地域でスポーツ活動を行うことができるよう、スポーツ施設整備費補助制度を創設し、区市町村の施設に補助する仕組みを整え、バリアフリー工事を実施する五つの施設に対して補助を行う予定でございます。
 来年度につきましては、こうした取り組みをより一層推進していくため、補助制度全体の予算額について、今年度の六倍に当たります十二億円を計上してございます。
 今後、都は、区市町村との連携をさらに強化し、障害者スポーツの場の拡大を着実に推し進め、地域における障害者スポーツの充実に取り組んでまいります。

○議長(高島なおき君) 十六番斉藤やすひろ君
   〔十六番斉藤やすひろ君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○十六番(斉藤やすひろ君) 初めに、都市外交と国際貢献について伺います。
 都市と都市との交流においては、相互の信頼関係を深めていくことが重要となりますが、現場で必要とされていることに、いかに迅速に対応していけるかも大きな鍵であると思っています。
 私は、昨年五月、ミャンマー連邦共和国の地方都市パテインを訪問する機会がありました。ヤンゴン市から西へ約百九十キロ離れたパテイン市では、病院施設の不足とともに、一台でも多くの救急車が必要ですと切実な要望を受けてまいりました。
 東京消防庁では、省令や部品の在庫年数などを考慮し、耐用年数を迎えた救急車両を定期的に更新していると聞いております。こうした救急車を初めとした消防車両を、都市外交の一環として海外都市への支援などに有効活用すべきです。また、消防、防災分野においても、海外都市と自然災害への対応などの経験や知見を共有することも必要です。
 そこで、東京消防庁が行う消防、防災分野における国際交流や国際貢献について見解を伺います。
 舛添知事は、ご就任以来、都市外交を推進してまいりました。先日の我が党の代表質問に答え、今後は、都市外交基本戦略に基づき、姉妹友好都市との間で相互交流を推進し、関係強化を図っていく旨の答弁がありました。
 今月で、ニューヨーク市と姉妹都市交流が始まって満五十五年を迎えます。約百年前には、ニューヨーク・マンハッタンのハーレムにある公園に、当時の尾崎行雄東京市長や実業家高峰譲吉氏の尽力で東京市から桜が寄贈され、植樹されました。今はサクラパークとして親しまれています。
 姉妹都市締結五十五周年の佳節に当たり、文化芸術やスポーツなど多くの東京の魅力を携えて、ニューヨーク市民と都民とがさまざまな分野で対話、交流ができるよう、往来を活発化することが重要です。
 そこで、姉妹友好都市交流を再構築する手始めに、最も歴史の古い姉妹都市のニューヨークを、まず知事自身が先頭に立って訪問されてはいかがでしょうか。知事の見解を伺います。
 次に、ESDについて質問します。
 教育の目的は、子供の幸福であり、平和な社会の実現です。そのための学びには、自分自身と社会を変革することを学ぶという新たな柱が必要です。教科の縦割りの壁を越え、複眼的な視点から、持続可能な社会づくりの担い手を育む教育、ESDが世界的に注目されています。
 私は、ユネスコスクールであり、ESDの推進拠点として全国的に有名な江東区立八名川小学校の全国交流会に参加してまいりました。八名川小学校では、環境、国際的な協力などの複数の視点から、学習を教科横断的に関連づけたESDカレンダーという年間計画を作成し、学習に役立てています。
 私の地元目黒区を初め都内の小中学校では、ESDを新たに導入しようという動きが出てきています。その取り組みを後押しして、全ての公立学校においてESDが広がるよう都教育委員会が支援すべきです。見解を伺います。
 また、都立高校においては、ESDを推進し、ESDの観点から海外との国際交流を一層推進できるよう支援を行うべきです。都教育委員会の見解を求めます。
 次に、エネルギーと資源循環について伺います。
 都は、二〇〇〇年比でエネルギー消費量を二〇三〇年までに三〇%削減するという目標を掲げましたが、その実現に向けては、家庭部門での一層の取り組みが不可欠と考えます。
 これまで我が党は、代表質問などで、既存住宅の断熱性能を高めることの重要性について取り上げてきました。また、リフォームの機会を捉えて太陽光発電等の再生可能エネルギーの導入を進めることは、工期短縮等のメリットも期待できます。こうした取り組みは、再生可能エネルギーによる電力利用割合を二〇二四年までに二〇%程度に拡大することにもつながります。
 そこで都は、既存住宅における省エネの促進と太陽光発電等の利用拡大の双方を効果的に進めるための施策を構築すべきです。都の見解を伺います。
 関連して、資源循環について質問します。
 私は、持続可能な地球環境を実現するためには、人口の集中する各国の大都市において、廃棄物を最小化し、発生した廃棄物を極力再資源化する循環型都市であることが重要であり、都はその先頭に立つべきだと訴えてまいりました。
 都は、今年度中に持続可能な資源利用を目指す取り組み方針を策定するとのことですが、その取り組みを考える上で最も重要なのは、資源の無駄を減らして資源の利用効率を上げていくことです。
 とりわけ食品ロスの問題は重要です。世界では、飢餓に苦しむ地域がある一方、先進国では、売れ残りや食べ残しなどにより、人々の口に入らない食品が多量に廃棄されており、世界的な問題となっています。
 都内でも、外食産業を中心に毎年二十六万トンもの食品ロスが発生しています。まず、都は食品ロスの削減に重点的に取り組むべきです。そして、それでもなお発生する食品廃棄物については、資源として最大限有効活用する方策を講じるべきと考えますが、あわせて都の見解を伺います。
 次に、高齢社会対策について伺います。
 訪問看護は、医療と介護をつなぎ、地域包括ケアの中心的役割を果たしています。そのステーション設置数は近年増加傾向にあり、都内では年間百近くずつふえ続けています。しかし、小規模のステーションが多く、人材の確保や育成に苦慮している実態があり、その現場を私も見てまいりました。
 こうした実情を踏まえ、都が、訪問看護ステーションにおける人材の確保、育成等を支援する教育ステーション事業を平成二十五年度からモデル的に実施していることを評価いたします。
 しかし、その設置地域は現在五カ所と限られており、今後は、都内全域、区市町村単位で本格実施されるよう規模を拡充するなど、充実を図っていくべきと考えます。都の見解を伺います。
 次に、サービスつき高齢者向け住宅、いわゆる、サつき住宅について質問します。
 私は、初当選以来一貫して、住宅政策と福祉政策との連携を訴えてまいりました。高齢者が住みなれた地域で住み続けていくためには、医療、介護と連携した住まいの安定確保が不可欠だとの思いから、サつき住宅の整備を推進してまいりました。
 都は、平成二十三年のサつき住宅の制度創設に先立ち、平成二十一年度から医療や介護と連携した高齢者向け住宅のモデル事業を実施するとともに、医療、介護と住宅が相互に連携したサつき住宅に整備費を補助し、良質な高齢者向け住宅の普及促進を図ってきたことを評価いたします。
 都議会公明党では、このモデル事業の本格実施を求めてきましたが、医療、介護と連携した高齢者向け住宅の供給促進について、都の見解を伺います。
 また、都では、高齢者向け住宅において、入居者が安心して生活を継続できるよう、事業者向けに、高齢者向け住宅における生活支援サービスに関するあり方指針を独自に策定し、指導を進めてきました。
 しかし、診療所や介護サービス事業所を併設、あるいは連携したサつき住宅の質にばらつきがあるとも聞いています。
 そこで私は、サつき住宅の質を確保するために、昨年の予算特別委員会などで、サつき住宅と医療と介護の事業者が連携する際のポイントなどを盛り込んだガイドラインを作成すべきと訴えてまいりました。医療と介護とが連携したサつき住宅の質の確保に関する都の取り組みについて伺います。
 次に、動物愛護について伺います。
 国の偉大さ、道徳的発展は、その国における動物の扱い方でわかるとは、マハトマ・ガンジーの箴言です。今や動物は、人生のパートナーであり、家族そのものです。そうした中、飼い主が動物を命ある限り適正飼養することが重要です。
 平成二十五年度の動物愛護センターにおける犬、猫の引き取り理由の約四割は、高齢の飼い主が自身の病気などにより飼養困難になったものと聞いています。高齢者の方にとって、動物との暮らしはかけがえのないものですが、動物を飼い続けるために、必要なときに家族など周囲の援助が得られるように心がけておくことが重要です。
 さらに、超高齢社会を迎える都においては、飼い主であった高齢者が亡くなることで、すみかを失った動物たちを保護する手だて、例えば、ティアハイムのようなものが必要だと考えています。
 また、都が平成八年に作成した、子供にもわかりやすいパンフレット、「犬を飼うってステキです──か?」が、昨年から全国的に再注目されています。これは、家族皆で終生飼養を考える上で有効なツールです。
 そこで都は、今後、まず適正飼養、終生飼養の普及啓発をより一層推進していくべきと考えます。都の見解を伺います。
 最後に、マンション防災について伺います。
 都内において、年々マンション化率が増加し、特に千代田、中央、港の都心三区では七五%を超え、首都東京の防災対策を考える上で、マンション防災対策は重要な課題です。
 一般的にマンションは、停電によるエレベーターの停止や断水などが起きれば、生活への影響が大きい一方、建物の安全性や生活に必要な最低限の機能が確保されていれば、マンション内にとどまって生活を送ることは、地域周辺の避難所の安心・安全にもつながります。
 特に、管理組合や居住者による防災対策への取り組みを促すために、防災マニュアルの手引の作成やその普及啓発、備蓄物資購入費用の補助などを行っていくことが重要ですが、区市の取り組みには違いがあります。
 そこで都は、リーダーシップを発揮し、区市やマンション管理業者と連携して、マンションの防災対策の促進を図るべきと考えます。都の見解を求め、質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 斉藤やすひろ議員の一般質問にお答えいたします。
 ニューヨークとの姉妹都市交流についてでございますが、私は、昨年二月に就任以来、都知事として十八年ぶりに北京、ソウルを訪問し、さまざまな分野での相互協力の推進について合意をいたしました。また、十月に訪問したベルリンでは、水素エネルギーの開発状況を視察し、先進的な取り組みを直接学ぶなど、姉妹友好都市との間で都市外交を積極的に推進してまいりました。
 お話のありましたニューヨークは、都にとっては最も歴史の古い姉妹都市であるとともに、世界を代表する都市の一つでもあります。これまでも、環境、教育、文化、スポーツなど、行政同士はもちろんのこと、民間も含め、さまざまな分野において交流を行ってきております。
 昨年十二月に策定しました都市外交基本戦略におきましても、これまで築いてきた成果を生かしつつ、姉妹友好都市との関係の再活性化を図ることとしております。
 ニューヨークについても、トップ同士の交流や実務レベルでの協力などについて、検討していきたいと思っております。
 なお、昨年来、何度か駐日アメリカ大使のキャロライン・ケネディさんとお会いしてお話をしましたけれども、大使も、東京とニューヨークの交流につきましては、全力を挙げて支援するということをおっしゃってくれております。
 なお、その他の質問につきましては、教育長及び関係局長が答弁をいたします。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

○教育長(比留間英人君) 二点のご質問についてお答えいたします。
 まず、ESDの推進への支援についてでありますが、ESDは、現在、世界が直面している資源エネルギーや食料問題等のさまざまな課題を相互に関連づけるとともに、みずからの暮らしや地域の課題と結びつけて考え、将来にわたって安心して生活できる持続可能な社会の実現に向けて取り組むための教育でございます。
 ESDを推進するユネスコスクールは、都内でも年々増加しており、今後、都教育委員会は、ESDカレンダーなど、ユネスコスクールのすぐれた事例を掲載したリーフレットなどを各学校に配布して、普及啓発を図ってまいります。
 また、教員がESDの趣旨の理解を深め、授業等の指導に生かすことができるよう、実践的な研修を新たに実施するなどして、区市町村教育委員会と連携し、各学校のESDの推進を支援してまいります。
 次に、ESDの観点からの国際交流についてでありますが、ユネスコスクールに指定されている都立高校では、姉妹校との交流や留学生とのシンポジウムなど、海外の高校生との意見交換を行うことで、生徒が異なる文化や多様な価値観を学び、さまざまな課題を国際的な視野から捉え、ともに解決策を考える活動などに取り組んでおります。
 都教育委員会は、今後、こうしたユネスコスクールのすぐれた実践を全ての都立高校に周知をしてまいります。
 また、高校生の留学を支援する次世代リーダー育成道場の事前研修や、JICAと連携した体験研修においても、各国の社会情勢や文化など、総合的に探求する課題解決学習を充実させ、その成果の報告会を実施してまいります。
 これらの取り組みにより、各学校がESDの趣旨を踏まえた国際交流をより一層進められるよう支援をしてまいります。
   〔消防総監大江秀敏君登壇〕

○消防総監(大江秀敏君) 消防、防災分野における国際交流や国際貢献についてでございますが、当庁ではこれまで、諸外国で発生した地震等の災害現場に国際消防救助隊として隊員を派遣するとともに、海外消防機関からの要請に基づき、技術指導を積極的に行っております。
 また、海外からの消防車両の譲渡要望に対しましては、関係条例等に基づき、救急車、消防ポンプ車等を各国に無償譲渡しており、今年度は、ジャマイカ外四カ国へ救急車などの譲渡を完了し、お話のありましたミャンマー連邦共和国へ救急車及び水槽つきポンプ車を譲渡する契約を締結したところであります。
 引き続き、最新の消防事情について知見の共有を図るなど、諸外国との国際交流や国際貢献に努めてまいります。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

○環境局長(長谷川明君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、既存住宅における省エネルギーなどの取り組みについてでございますが、エネルギー消費の削減を進めていくためには、都内のエネルギー消費量の約三割を占める家庭における省エネの取り組みが重要でございます。また、太陽光発電等の普及を進めるためには、新築と比べ設置が進んでいない既存建築物への導入促進が必要でございます。
 このため、複層ガラスなどの断熱性能の高い建材を用いるリフォームと太陽光発電設備等の設置をあわせて行う場合に、HEMS、住宅のエネルギーマネジメントシステムの設置などを条件として、一定額を限度に、リフォーム費用の二分の一と太陽光パネル等の設置費用の一定額を助成する制度の創設を二十七年度予算案に盛り込んだところでございます。
 こうした取り組みにより、既存住宅における一層の省エネ促進と太陽光発電等の利用拡大を効果的に推進してまいります。
 次に、食品ロスの削減等についてでございますが、我々の生命を支える貴重な資源である食品を無駄なく利用することは、持続可能な社会を実現する上で最も重要な課題の一つと考えております。
 このため、都は、余った食品を有効活用するフードバンク事業との連携や、九都県市で食品廃棄物を削減する食べきりげんまんプロジェクトなどに取り組んでまいりました。
 今後は、先進的企業等と連携した新たなモデル事業の枠組みなどを活用して、都内の事業者や飲食店街などと共同した食品ロス削減などの取り組みを進めてまいります。
 また、スーパーエコタウン事業において、既に稼働している二つの食品廃棄物のリサイクル施設に加え、飼料化とバイオガス化を同時に行う新たな施設の整備を進めており、この着実な整備に向けて事業者を的確に支援してまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、教育ステーション事業についてでありますが、都は平成二十五年度から、規模が大きく経験豊富な都内五カ所の訪問看護ステーションを教育ステーションに指定し、地域の小規模な訪問看護ステーションの人材育成等を支援するモデル事業を実施しております。
 教育ステーションでは、指導力のある訪問看護師に新任看護師等が同行する実地研修や地域の医療機関等との研修会などを実施しており、研修生からは、訪問看護の魅力を体感する機会となった、不足していた技術を学ぶことができたなどの声が多く寄せられております。
 また、実践的なケア技術の向上や多職種連携の推進、訪問看護ステーションへの看護師の就労につながっております。
 こうした成果を踏まえまして、来年度からは、都内九カ所に教育ステーションを拡大し、事業の充実を図ってまいります。
 次に、医療や介護と連携したサービスつき高齢者向け住宅の供給促進についてでありますが、都は、高齢者が医療や介護が必要になっても住み続けることのできる住まいの整備を進めるため、平成二十一年度に、医療・介護連携型サービス付き高齢者向け住宅モデル事業を創設し、これまで十五カ所が開設しております。
 住宅の実態調査の結果からは、医療機関や介護事業所との連携協定書の締結等により、二十四時間切れ目のない医療ケアや、多職種が連携した一体的なサービス提供等の効果的な取り組みが行われ、入居者のニーズに応じたきめ細かな支援につながっていることが検証されております。
 そのため、来年度からは事業を本格実施し、生活相談等を行うスペースや、住宅に併設する医療、介護の事業者等への整備費補助により、供給を一層促進してまいります。
 次に、医療や介護と連携したサービスつき高齢者向け住宅の質の確保についてでありますが、サービスつき高齢者向け住宅の登録に当たりましては、その質を確保するため、サービス提供主体や責任の所在等を明確に定めることなどを義務づけた都独自の生活支援サービス提供のあり方指針の遵守を要件としております。
 都は、これまでのモデル事業の成果を踏まえまして、この指針を年度内に改正し、医療、介護との連携について明確に位置づけますとともに、質の向上や連携手段など、連携のポイントを盛り込んだガイドラインを策定いたします。
 今後、事業者からの運営等に関する定期報告の際には、ガイドラインに定めた事項の実施状況の提出を求めまして、都のホームページで公表するなど、ガイドラインを積極的に活用し、住宅の質の確保、向上に取り組んでまいります。
 最後に、動物の終生飼養等に係る普及啓発についてでありますが、都はこれまで、講習会やイベントなどにおいて、さまざまな啓発資材を活用して、動物の適正飼養、終生飼養について普及啓発に取り組んでまいりました。
 来年度は、終生飼養の重要性を喚起するポスターを作成するとともに、高齢者を対象に、飼育困難時の家族等の協力や相談窓口の確認など、日ごろから心がけておくことを盛り込んだパンフレットを新たに作成し、区市町村の福祉部門などを通じて配布をしてまいります。
 また、子供向けに、飼い主の責任や終生飼養について漫画でわかりやすく解説した「犬を飼うってステキです──か?」のDVDを作成いたします。
 今後とも、人と動物との共生社会の実現を目指し、動物の終生飼養等に関する普及啓発を一層進めてまいります。
   〔都市整備局長安井順一君登壇〕

○都市整備局長(安井順一君) マンションの防災対策についてでございます。
 マンションの防災力を高めるためには、管理組合が防災マニュアルの作成や防災組織の結成、物資の備蓄などの防災対策に主体的に取り組むことが重要でございます。
 都はこれまでも、管理組合が適正な維持管理を行うためのガイドラインを策定しており、今後これを改定いたしまして、防災対策に関する内容の充実を図るとともに、マンション管理業者にも対策の強化に向けた協力を求めてまいります。
 また、区市によっては、管理組合によるマニュアル作成や物資の備蓄などに対しまして、独自の支援を行っているところもございます。
 都は、こうした取り組みに関する情報を収集いたしまして、他の区市にも提供することにより、同様の取り組みを促してまいります。
 今後とも、区市や管理業者等と連携いたしまして、マンションの防災対策の強化に取り組んでまいります。

○副議長(藤井一君) 百二十三番酒井大史君
   〔百二十三番酒井大史君登壇〕

○百二十三番(酒井大史君) 多摩地域の交通環境の整備について質問します。
 まず、多摩地域の航空環境を大きく変える施策として、横田基地の軍民共用化について伺います。
 この問題については、本日も他会派の方から指摘がありましたが、私もこれまで一般質問等で何度となく、その必要性や民間利用が実現した際の新たな交通網としてハイウエー構想の提案等も行ってまいりました。
 しかしながら、平成二十四年に、当時の野田総理が日米首脳会談で、オバマ大統領に横田基地の軍民共用化の検討を要請し、日米間の外交交渉のテーマに再度取り上げられた以降、交渉は進んでいるとはいえない状況にあります。
 横田基地の軍民共用化は、多摩地域のみならず近隣県の航空需要に応えるとともに、多摩地域の産業の活性化や多摩地域から成田や羽田に向かうトラック輸送の削減によるCO2削減効果なども期待されています。
 先日、多摩地域の経済団体が多摩地域経済団体横田飛行場民間利用促進協議会を発足し、二〇二〇年までの民間利用を目指す動きも始まりました。
 そこで、航空面で多摩地域の交通環境を大きく改善させ、さらに多摩発の観光振興にもつながる横田基地の民間利用実現に向けて、今後、政府に対し働きかけを強めることとあわせて、機運醸成に向けての知事の所見を伺います。
 次に、多摩地域と羽田空港間の交通利便性向上に資するJR南武線の快速列車運行常態化について伺います。
 昨日も、羽田空港へのアクセス向上の質問が出ておりましたが、現在、多摩地域の方々が羽田空港へアクセスするルートとしては、立川を起点とした場合、自家用車や空港バスの利用のほか、JR中央線を使い山手線経由で京浜急行線あるいは東京モノレールを利用する方法が一般的です。
 しかし、空港バスなどを利用する場合、中央道、首都高を使うことになりますが、空港バスの平均所要時間は日中百五分と、二時間弱もかかります。首都高中央環状品川線の開通により短縮も期待されますが、中央道の渋滞は慢性化しており、空港に向かう利用者にとっては、航空機に乗りおくれるリスクが大きく、利用しづらい面もあります。
 そこで、多くの方が利用する手段が鉄道となります。これまで京急線や東京モノレールはスピードアップを図っていますが、例えば、平日の朝八時ごろ立川駅を出発し、中央線、山手線を乗り継いで羽田空港の国内線ターミナルに向かった場合、京急線利用で中央線通勤特快及び京急線エアポート急行を乗り継いでも所要時間一時間二十七分、モノレール利用では一時間二十八分かかります。
 そこで、多摩地域から羽田空港へのアクセス方法としてぜひ注目してほしいのが、南武線を利用するルートです。
 現状ですと、南武線は快速列車の快速運転区間が稲城長沼と川崎間、デイタイムのみであるため、立川駅から朝八時ごろに南武線利用で羽田空港に向かった場合の所要時間は一時間三十分で、中央線利用と差はありません。しかし、快速列車を常態化できれば大幅な所要時間の短縮を図ることができます。
 JRは、三月十四日のダイヤ改正で、快速運転区間が全区間に拡大し、快速列車の所要時間が五分短縮されることになります。しかし、デイタイム一時間当たりの列車本数は、平日で各駅停車六本に対し快速列車は現状と同じ二本のままです。また、運行時間帯も立川、川崎とも十時から十五時台の出発列車にとどまる模様です。
 快速列車を増便できず、通勤時間帯まで拡大できない、さらに所要時間を大幅に短縮できない理由は、上下線ともに待避線、あるいは待避設備ともいいますが、この待避線のある駅が三月に使用開始予定の稲城長沼駅と武蔵中原駅の二駅しかなく、追い越しができないことにあります。
 稲田堤─府中本町間の連続立体交差事業の高架化は既に完了しており、今後行われる矢川駅─立川駅間の連続立体交差化の推進に加えて、府中市内の分倍河原駅あるいは府中本町駅に、さらに川崎市内の一駅に待避線を設置できれば、快速列車を常態化し、一時間当たり四本への増便、現在の立川─川崎駅間の各駅停車所要時間五十四分から五十九分を二十分程度短縮できる可能性があります。
 これにより、一時間十分程度で立川─羽田空港間を結ぶようになり、西多摩地区の、また分倍河原経由で利用する京王線沿線の住民にとっても利便性が向上します。
 さらに、川崎市の問題になりますが、川崎駅から先の貨物線を利用し、JR東日本が計画をしている羽田空港アクセス線と結ぶことにより、羽田空港への直接乗り入れの夢も膨らみます。
 そこで、高架化事業や待避線の設置には、地元自治体のまちづくりやJRの経営計画とも関係するため時間を要することは承知していますが、都として、多摩地域と羽田空港間の交通利便性向上のため、南武線の待避線設置について検討してほしいと考えますが、所見を伺います。
 この設問の最後に、多摩地域の道路整備について伺います。
 多摩地域の都市計画道路、特に南北道路の整備については、一部路線では進捗が見られるものの、計画策定時から数十年が経過し住宅地としての利用が定着したため、着工しづらい路線もあります。
 私の選挙区である立川市内の都市計画道路、立川東大和線には、一部通学路が含まれ、その部分の隣接地は国有地並びに立川市有地なので、狭い道路を拡幅し歩道を整備してほしいという声や、逆に他の計画路線では土地の活用が制約されていることから、道路ができないのであれば、計画を見直してほしいとの声もあります。
 未着手の都市計画道路に関しては、整備の要否の判断をした上で、必要な道路については、地域の特性に応じ優先的に整備していくべきと考えますが、現在、整備方針の改定作業中と聞きますが、どのように進めていくのか見解を伺います。
 次に、犯罪被害者等の支援の推進について伺います。
 犯罪被害者等基本法が施行されてから、ことしはちょうど十年になります。
 この間、基本法の理念に基づき、国においては犯罪加害者への厳罰化や犯罪被害者への支援金の給付額の増額、また、立ち直りに向けての支援策の充実を図ってまいりました。
 また、多くの自治体も条例を制定するなど、支援策の拡充に努めています。
 しかし、法を厳罰化しても一向になくならない飲酒運転、危険ドラッグ使用による犯罪など、その犯罪による被害者はふえ続けています。
 さらに、テロ集団によるテロの被害に遭う危険性も増加している中、犯罪の発生を未然に防ぐ取り組みとあわせて、犯罪の被害に遭われた方やその家族の皆さんの被害からの肉体的、経済的、精神的な回復への支援策の向上は、さらに求められていると考えます。
 都議会民主党はこれまで、犯罪被害者等基本条例の提案、東京都が犯罪被害者を支えるその姿勢を明確に示すため、犯罪被害者等権利章典を宣言することなどを求めてきましたが、過去の知事は、いずれも東京都犯罪被害者等支援計画で足りるとの見解でした。
 都内では、日野市など条例を制定し先進的な取り組みをしている自治体と、他の自治体との連携や支援レベルの高い位置での統一も、今後、被害者支援の観点から求められます。
 現在、犯罪被害者の当事者団体や支援団体が、被害者が創る条例研究会を立ち上げ、被害者視点の条例案を作成し、条例の制定を求めて全国の自治体へ働きかけを行っております。
 被害者自身が条例制定を求めて行動している現状を鑑み、条例制定の要否の検討を含め、犯罪被害者支援に対する知事の見解をお伺いいたします。
 次に、平成二十七年度は、東京都がこれまで金科玉条としている東京都犯罪被害者等支援計画の最終年度となり、改定に向けての準備を進める年となりますが、来年度に計画している性犯罪・性暴力ワンストップ支援センターの運営費補助を含めて、計画期間四年目が経過しようとしている現段階での支援計画の達成状況について伺います。
 最後に、計画改定に当たって、前回は改定前年の十一月ごろより素案に対しパブリックコメントを求めておりました。素案の作成に当たっては、支援策の充実はもちろんのこと、各施策における達成目標の設定や実施年度の明記などに心がける、そして何よりも素案作成の段階から、被害当事者や支援団体の意見を積極的に取り入れるべきものと考えますが、計画改定に向けての方針についてお伺いし、質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 酒井大史議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、横田基地の民間利用についてでございますが、横田基地の民間利用は、首都圏西部地域の航空利便性を改善するとともに、多摩地域の観光など産業の振興にも資するものであります。
 この問題は、外交、安全保障にかかわることから、国と連携していくことが不可欠であります。
 地域からの声も聞きながら、国に日米協議の進展を働きかけるなど、多摩地域の交通利便性向上に資するよう、横田基地の民間利用の実現に向けて取り組んでまいります。
 次に、犯罪被害者支援についてですが、犯罪被害者やその家族は、犯罪による直接的被害に加え、精神的後遺症、経済的被害の副次的被害に苦しんでいる状況があります。
 そのため、被害者等に対して、必要な支援を迅速かつ確実に提供していくことが重要であります。
 都はこれまで、犯罪被害者等基本法の趣旨を踏まえ、支援計画を二度にわたり策定いたしました。この計画に基づき設置した東京都総合相談窓口を中心に、被害直後から自立生活の回復まで途切れることなく支援を行うなど、幅広い取り組みを進めてまいりました。
 条例につきましては、さまざまな意見がありまして、都としては、来年度、第三期の計画を策定し、被害者の立場に立った施策を引き続き着実に実施してまいります。
 なお、そのほかの質問につきましては、関係局長が答弁をいたします。
   〔都市整備局長安井順一君登壇〕

○都市整備局長(安井順一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まずJR南武線への待避設備の設置についてでございますが、稲城長沼駅において、来月、待避設備の使用が始まり、快速運転の区間が拡大されることから、利用者の所要時間の短縮による利便性の向上が見込まれます。
 府中本町駅などへの新たな待避設備の設置につきましては、場所の確保、事業費や事業採算性などの課題がございます。
 また、こうした輸送サービスの向上につきましては、鉄道事業者の経営と密接にかかわることから、原則として、鉄道事業者が対応すべきでございます。都としましては、JR東日本の対応を注視してまいります。
 次に、都市計画道路の整備方針についてでございますが、都は、おおむね十年ごとに優先的に整備すべき路線を選定し、計画的、効率的な都市計画道路の整備に取り組んでまいりました。
 現行の計画期間が平成二十七年度までであることから、昨年度より、都と地元区市町とで新たな整備方針の検討を進めてきているところでございます。
 この中で、目指すべき都市計画道路網について改めて検証を行い、骨格幹線道路の着実な整備に加えまして、交通結節機能や拠点間相互の連携などを強化する観点から、今後の道路整備の方向性を示してまいります。
 今後とも、快適で利便性の高い都市生活の実現に向けまして、道路ネットワークの着実な形成に取り組んでまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

○総務局長(中西充君) 犯罪被害者支援についての二点のご質問にお答えいたします。
 まず、東京都犯罪被害者等支援計画の達成状況についてでございますが、都は平成二十三年度に策定いたしました第二期の東京都犯罪被害者等支援計画に基づき、総合的な支援を行ってまいりました。
 具体的には、東京都総合相談窓口における相談、付き添い、精神的ケアや一時的な居住場所の提供などの支援を充実させたところです。また、都内の全ての区市町村に設置された窓口の相談員に研修や助言を行うなど、身近な相談窓口の機能強化を図りました。
 さらに、本年七月には、性犯罪被害者が、被害直後から相談、医療、精神的ケア等をワンストップで受けられる体制を整えます。
 こうした取り組みにより、被害者の心身の負担軽減や早期回復を図るなど、着実に支援を行っているところでございます。
 次に、計画改定に向けての方針についてでございますが、現行の支援計画は、国の基本計画と同様、平成二十七年度までのものであり、来年度は、二十八年度からの新たな五カ年計画を策定いたします。
 新しい計画の策定に当たっては、国の施策展開や犯罪被害者を取り巻く状況の変化などを踏まえるとともに、被害者や支援団体から意見を伺います。
 また、素案の段階でパブリックコメントを行い、都民の意見を反映させるなど、被害者の視点に立った計画の策定に取り組んでまいります。

○副議長(藤井一君) 三番川松真一朗君
   〔三番川松真一朗君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○三番(川松真一朗君) 米国のジャーナリスト、トーマス・フリードマンは、世界はフラットだと指摘しました。グローバル社会、フラット社会という大きな質的変化の時代の中で、既成概念にとらわれず新しいものを創造するという思いを私は常々持っております。
 特に、IT環境の進歩が著しい現代では、新たな価値を見出したり、新たな光を当てるといった、ちょっとした工夫一つで物事が一段と飛躍発展を遂げることができる時代であります。
 私たちの足場には、まだ多くの人が気づいていない、すばらしい東京の財産がたくさんあります。そこで、今こそ私は、そんな潜在的な東京の可能性を世界に広げていきたい、そういう思いで質問をさせていただきます。
 初めに、産業振興についてです。
 私の地元、墨田区には、繊維関係などの企業が数多く集まり、地場産業を形成しております。東京には、各地にさまざまな産業集積が存在し、関連企業で相互に協業、分業しながら、地域全体として、ものづくりを担っております。
 こうした企業の多くは、海外との競争や原材料高など厳しい環境に直面していますが、技術は一流であり、大手有名企業の製品にもOEMという形で技術力が使われているケースも少なくありません。
 また、町工場の経営者みずからメード・イン・ジャパンを積極的に売り込む動きもあります。身近な例では、アパレル製品を手がける中小メーカー四社が共同で独自ブランドを立ち上げ、国内外で営業を展開しており、その品質と日本製のブランド力を武器に、海外からも高い評価を得ております。
 国家の中枢をなす都市で、これだけのすぐれた企業群と特色ある産業集積を持つのは、東京以外にはありません。
 都は、世界で一番の都市を目指す中、こうした世界が驚く品質や技術を持っている地域の町工場や中小企業に光を当て、その可能性を引き出すとともに、質の高いものづくりを支えている地域の産業集積をしっかりと守っていくべきと考えております。
 そこで、まず初めに、こうした地域の産業やそこで頑張っている中小企業に対する支援のあり方について知事の考えをお伺いいたします。
 そして、各地の集積を守っていくためには、地域の状況に応じた対策が不可欠です。
 都はこれまで、区市町村と連携し、産業集積対策に取り組んできましたが、これをさらに強めていくべきであります。
 金融機関や近隣の大学初め、地域のさまざまな関係者を巻き込んでいくことなど、息の長い支援を実現させるべきと考えますが、新年度における産業集積の強化策について伺います。
 その上で、各企業の技術力強化も重要な課題です。墨田には、都立産業技術研究センターの支所があります。ニット、シャツなど生活関連製品の一大産地であるこの地に、地元企業の技術支援ニーズを踏まえたきめ細かい支援を行える体制があることは、関連の企業にとって心強いことであります。
 センターは、都内各地に支所を持つ強みを生かし、地域企業のニーズや要望を踏まえていかねばなりませんが、地域の産業のためにどのように技術支援を行っていくのか伺います。
 さらには、地域産業を担う小規模企業の経営をしっかりと支えていくことも大切です。
 都は、我が党の代表質問に対し、新年度から支援拠点を開設することを明らかにしましたが、企業は、事業の再構築や販路拡大、資金繰りの確保など日々難しい問題を抱えております。そんな企業の課題をしっかりと掘り起こし、そして解決に至るまで丁寧な支援を行えるかが鍵となります。
 そこで、この新たな拠点での具体的な支援方法について伺います。
 地域産業の持続的成長には、これを支える人材の確保と育成が重要です。職業能力開発センターは、さまざまな職業訓練による即戦力の人材育成や、従業員向けの多様な講習を実施するなど中小企業を支援しています。四月からは、新たに城東職業能力開発センターが運営開始となります。
 私は、地域における人材確保、育成の拠点として期待をしておりますが、どのように事業を展開していくのか伺います。
 さて、東京には歴史や伝統ある多くの美術館や劇場が存在し、日常的に多種多様な芸術文化に触れることができる世界的に見て希有な都市だと確信しています。その上、伝統と現代が共存する建築、世界中に広まっているアニメや漫画、ミシュランも認める食文化など広い意味での文化的魅力に満ちています。
 しかし、こうした魅力が残念ながら国内外の人々に十分に伝わっておりません。都は、文化ビジョンで国際発信の重要性を踏まえた戦略を打ち出しましたが、文化都市東京の魅力を幅広く捉えた発信が求められると考えます。知事としての決意をお伺いいたします。
 とりわけ東京東部には、最先端のスカイツリーがある一方、江戸小紋や江戸木目込み人形を展示するような魅力ある博物館などが集まっている上に、今後も美術館や博物館が開業予定で、文化発信拠点としてのポテンシャルが高まってまいります。
 都は、文化拠点の形成を打ち出しましたが、伝統と現代が共存する東部地区の魅力をどう発信していくつもりなのか、特に、中核となる江戸東京博物館の内容の充実はもとより、発信力をどう高めるのかをお伺いします。
 また、今後、文化を初めとする東京の魅力を発信するには、ICTをいかに効果的に活用するかが大切になります。都庁ホームページ外国語版はリニューアルされたものの、日本語版は十年近く見直されておらず、内容の充実と使い勝手の改善が急務であります。
 ここで、ゆゆしき事態を指摘いたします。
 ある民間調査会社発表の都道府県ウエブサイトランキングで、何と東京は四十位であり、世界一どころか日本一もほど遠いのが現状であります。戦略的広報というフレーズのもと、言葉を飾るだけでなく、まずは足元をしっかりと固めていただきたいと思います。
 日本語版のリニューアル含め、都庁ホームページの発信力をどのように高めていこうとしているのか、お伺いいたします。
 気候変動に関する政府間パネル、IPCCによると、世界の建物からの温室効果ガス排出量は、今世紀半ばまでに最大で二・五倍に増加する可能性を指摘しており、建物の省エネ対策は世界共通の課題です。
 私は先般、都議会自民党都市政策推進本部役員として、都内の最新の省エネビルを視察しました。そこは、太陽光を室内に取り込む工夫や、非常時に対応できる太陽光発電と蓄電池を組み合わせたシステムを導入するなど、省エネと快適性を両立し災害にも強い建物でした。
 都は、建築物の省エネ化を積極的に進めてきており、その取り組みは、海外からも高く評価されております。そんな先進的な活動を都民初め、国内外に積極的に発信し、世界で一番の省エネ都市東京をアピールすべきではないでしょうか。
 今後、大規模な再開発も予定される中、すぐれた省エネ技術の導入を促し、都は先進的な建築物を普及させるべきと考えますが、見解を伺います。
 また、先ほどの事例では、中核となる大規模ビルだけの省エネにとどまることなく、周辺の企業と地域熱供給事業者が一体となった協議会を設置し、地域としてエネルギーや事業継続に関するマネジメントをしていくという先進的なプロジェクトを実践しておりました。
 省エネ対策には、ビル単体で取り組むよりも、多くの関係者と取り組むことで、より大きな効果を期待できるようであります。低炭素都市づくりが進めば、それがまちのブランド力や価値を高め、都市の競争力向上にもつながります。都は、同様の事例がふえるよう、後押ししていくことが重要と考えますが、見解を伺います。
 ところで、都が昨年末に公表した東京の防災プランでは、救出活動の拠点や避難場所となる都立公園の防災機能の強化として、非常用発電設備を設置するとされています。本定例会では、足立区舎人公園に非常用発電設備を設置する工事の契約案が提出されておりますが、六十ヘクタールを超える大規模なこの公園は、水と緑に恵まれる都会のオアシスであるとともに、防災計画上も重要な役割を担っております。
 そこで、今進められている非常用発電設備の整備についてお伺いをいたします。
 成熟した諸外国の都市づくりは、生活の豊かさや快適性を実感できる政策が主流です。去年、海外調査団で視察しましたドイツ、ミュンヘンでは、まちの中心部にある歩行者専用空間が通勤、観光、祭り等々さまざまな用途で利用され、都市計画の有効政策となっておりました。
 東京では、三環状道路整備の進展とともに、通過交通の迂回分散により、道路空間の中に歩行者のための環境を創出できる条件が整いつつあります。二〇二〇年に向けて、内外から人が集まるであろう東京にも、歩行者中心という考え方で、誰もが安心して楽しく歩ける空間の創出が重要であると強く思うわけですが、歩行者空間の創出における都の見解と今後の取り組みを伺います。
 そして、東京都は、米軍基地を有する自治体でありますが、戦後の多年にわたる歴史の中で整理、縮小、返還がなされ、現在八カ所の基地が存在します。しかし、都民全体でこのような問題を共有しているかというと、そうではありません。
 例えば、横田基地では、隣接五市一町の皆様は、常々関心を持たれ、その推移を見守っていますが、私の住む区部の方々と話をしても、ぴんときません。ほかにも赤坂プレスセンターなどは、多くの人々がその前を通称星条旗通りと呼んで通行していながら、基地対策を意識している人は少ないのが私の実感であります。
 事態を前に進めるには、多くの人々が周辺住民の思いを共有したり未来を論じる必要性があると考えています。また、返還されるまでの間、現在ある基地を都民のために活用していく、例えば、都民の安全・安心を守るために活用するという視点も重要ではないかと考えます。
 そこで都は、基地の活用や米軍との連携にどのように取り組んでいるのか、お聞きいたします。
 都は、去年十月にラグビーワールドカップの開催都市として立候補することを正式に表明いたしました。大会の東京招致及び成功のため、超党派で東京都議会ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会成功議員連盟も設立され、議連は積極的に支援をしています。
 私は、人生で大切なことの多くをラグビーから学びました。英国の名門校が発祥という背景もあり、マナーを重視する競技であります。また、自己犠牲、ノーサイドなどに代表されるラグビーの精神は、どの分野でも通用するすばらしい精神でもあり、ワールドカップの開催は、このような魅力や価値を世界に発信する絶好の機会となります。
 来週三月二日には、開催都市が正式に決定し発表されることになっております。大会は、全国で開かれることから、日本全体を元気にするためにも東京の盛り上がりに期待が集まっています。
 そこで、ラグビーワールドカップに向けた東京都の取り組み状況を伺い、私の質問を終わらせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 川松真一朗議員の一般質問にお答えいたします。
 産業集積の強化と中小企業支援についてでございますが、都内各地域には、それぞれ特色ある産業が集積しておりまして、多くの中小企業が互いに切磋琢磨し、補い合いながらすぐれたものづくりを担っております。
 東京の経済を力強く発展させるためには、こうした産業の集積を守るとともに、独創的な技術や製品を持つ地域の中小企業が、みずからの強みを生かして広く国内外で事業を展開できるよう、十分な手だてを講じていくことが必要であります。
 そのため、都は、地域における産業集積の強化に向けまして、区市町村とも連携し、産学公金のネットワークづくりなどを促進して、中小企業の事業活動をしっかりと支えてまいります。
 さらに、高い技術を持った中小企業により生み出されます地域独自の製品の普及を後押しすることにより、メード・イン・東京のブランドを国内外に発信してまいります。
 地域経済を一層活性化させるとともに、都内中小企業のポテンシャルを最大限に引き出していきたいと思っております。
 次に、文化都市東京の魅力を幅広く捉えた発信についてでございますが、今日の東京は、古来より受け継がれ、暮らしの中に息づく華道、茶道などの伝統文化が、アニメなどのポップカルチャーに代表される世界から注目を集める現代の文化と共存、融合をしております。
 こうした世界のどこにもない、奥の深い東京の芸術文化の多様性を世界の人々に効果的に発信するには、東京ブランドの重要な要素として芸術文化を位置づけ、これまで十分に認知されていない東京の文化的な魅力を国内外に発信していく必要があります。
 このため、今後、伝統から現代アートまでの多彩な分野における世界クラスの都市型総合芸術祭や、東京が持つ最先端の情報技術と融合した革新的な芸術など、海外から注目を集める取り組みを実施してまいります。
 また、そうした取り組みの世界発信に当たりましては、国際的な放送事業者との連携や海外メディアとの関係構築を生かし、外国人目線の発信を行うことで文化都市としての東京の価値を世界に発信させていきます。
 なお、先ほど都のホームページについてご指摘がありましたけれども、あれは私も全く同意見でありまして、既にこれを全面的に見直すべきだということで指示をしてございます。この点につきましては、後ほど生活文化局長がきちんとご説明すると思います。
 その他の質問につきましては、東京都技監及び関係局長が答弁いたします。
   〔東京都技監横溝良一君登壇〕

○東京都技監(横溝良一君) 舎人公園の非常用発電設備についてでございますが、この設備は、首都直下地震などの際に、応急復旧活動のための公園電源を確保するとともに、隣接する施設へも災害時に必要な電力を供給するものでございます。
 具体的には、都市ガスを燃料として、一般家庭約千六百戸に相当する四千八百キロワットを発電いたします。これによりまして、災害時において公園のみならず、北足立市場や足立トラックターミナルでの夜間照明の確保、日暮里・舎人ライナー一編成を動かし続けられる電力の供給等を行ってまいります。また、都市ガスの供給が途絶えた場合でも、備蓄した重油により三日間の連続稼働が可能でございます。
 今後とも、舎人公園が地域の防災力を高める拠点となりますよう、平成二十八年度中の完成に向け、着実な整備に取り組んでまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず産業集積の強化に向けた取り組みについてでございます。
 都内中小企業の競争力を高めていくためには、地域における活発な経済活動を促し、製造業を初めとする産業集積の維持強化を図ることが重要でございます。
 そのため、都は来年度から、区市町村による計画的な産業集積の取り組みに対する新たな支援を開始いたします。
 具体的には、中小企業や大学、金融機関等による産学公金のネットワークを地域に構築し、新たな技術や製品等を創出するなど、産業集積の強化を図る区市町村の取り組みを三年間にわたり支援をしてまいります。
 さらに、区市町村が連携して行う広域的なビジネスマッチングや共同研究などの取り組みも支援をしてまいります。
 これらによりまして、地域経済を活性化し、特色ある産業集積の維持発展につなげてまいります。
 次に、産業技術研究センターの技術支援についてでございますが、都内中小企業のさらなる成長のためには、地域で長年育んだ技術力を生かした付加価値の高い製品づくりを支援する必要がございます。
 そのため、産業技術研究センターでは、墨田地域における繊維など生活関連分野の集積を踏まえ、墨田支所に生活技術開発セクターを開設いたしまして、快適性と安全性に着目をした、人が使いやすい製品の開発支援を強化いたしました。
 また、城南支所におきましては、航空機産業への参入や医療機器の開発等を目指す中小企業の集積を踏まえ、昨年十二月に先端計測加工ラボを新設いたしまして、開発製品の安全性評価や構造分析の支援を積極的に進めております。
 今後も、産業技術研究センターでは、各地域の産業特性やニーズの把握に努め、的確な技術支援を行ってまいります。
 次に、小規模企業の新たな支援拠点についてでございますが、都内中小企業の約八割を占める小規模企業は、地域の経済や雇用を支えており、その事業の安定と成長を図ることは極めて重要でございます。
 そこで、都は来年度、商工会議所等と連携して、新たに都内六カ所に整備をする拠点におきまして、経験豊富なコーディネーターを配置し、きめ細かい支援を開始いたします。
 コーディネーターは、各分野の専門家や経営指導員と連携し、業態転換や事業承継等、単独では対応が困難な課題を抱える小規模企業を集中的に支援いたします。
 さらに、商工会等が行う地域振興事業につきまして、計画の磨き上げから円滑な実施に至るまでを強力にサポートしてまいります。
 こうした取り組みにより、都内小規模企業の持続的な発展と地域経済の活性化を着実に進めてまいります。
 最後に、地域における人材育成についてでございますが、地域産業を支える中小企業の人材確保、育成を支援することは重要であり、都は職業能力開発センターを計画的に整備し、機能の強化に努めております。
 四月に開設をいたします城東職業能力開発センターでは、アパレルや建築などの訓練に加え、若者がさまざまなものづくりを体験できる新たな訓練も実施いたします。
 また、精密加工を行うレーザー溶接機など、企業現場の実態に即した訓練設備を導入いたします。
 さらに、企業の在職者向け講習の規模を拡大するほか、人材育成プラザを新設いたしまして、実習場やパソコン室等を中小企業に貸し出すなど、従業員教育への支援も強化をいたします。
 今後とも、東京の産業の発展を支える中小企業を人材面から積極的に後押しをしてまいります。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

○生活文化局長(小林清君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、東京東部の文化拠点としての魅力発信についてでありますが、伝統と現代の双方の側面を持つ東部地域の魅力を際立たせることは、東京の文化発信の効果を高める上でも重要でございます。
 その中核である江戸東京博物館は、二〇二〇年大会に向けまして、特に海外からの来訪者に対する魅力向上を図るため、現在、常設展示室の改修を進めておりまして、江戸城本丸、二の丸模型や高度経済成長期以降の東京紹介コーナーを新設し、江戸から現代に至る歴史を体系的に紹介するとともに、ICTによる多言語解説を導入し、この三月二十八日にリニューアルオープンを予定しております。
 また、この機会を捉えまして、海外メディアや旅行社への働きかけなど、外国人観光客に向けた取り組みを一層強化してまいります。
 さらに、お話のありました地元の文化施設と展覧会や広報の面で連携を強化し、地域全体の文化的魅力を発信してまいります。
 次に、都庁総合ホームページの見直しについてありますが、ニューヨークやロンドンなど海外の主要都市のホームページは、情報をわかりやすく分類したデザインや画像等を活用し、都市の持つ魅力を効果的に発信をしております。
 一方、都の日本語版ホームページは、トップページに文字量が多いなど大幅な改善が急務となっております。このため、先ほど知事から答弁がありましたように、来年度全面リニューアルに着手をいたします。
 具体的には、文字のみの羅列を改め、暮らしや観光などのテーマごとに検索できるよう、興味、関心を大くくりで体系化したデザインへと見直し、閲覧者のニーズに合わせて円滑に誘導するとともに、パソコンはもちろんのこと、タブレットやスマートフォンなど多様な機器それぞれに最適化した画面を表示できるようにしてまいります。
 さらに、画像や映像をできるだけ多く取り入れ、東京の顔として魅力的なサイトとするとともに、充実した文化資源、防災対策などの成熟都市としての取り組みを積極的に紹介してまいります。
 今回の全面リニューアルを通しまして、世界を代表する都市にふさわしい、都民にわかりやすく親しみやすいホームページとしてまいります。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

○環境局長(長谷川明君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず先進的な省エネルギービルの普及についてでございますが、都はこれまで、建築物環境計画書制度やキャップ・アンド・トレード制度により、建築物の省エネ対策を推進してまいりました。
 このうち、新築時の建築物環境計画書制度の対象となる大規模事務所ビルでは、省エネの最高評価である段階三の件数が年々増加し、全申請件数の約三割に達しております。
 また、キャップ・アンド・トレード制度では、トップレベル事業所の認定制度を設けておりますが、これが事業者の環境配慮の意識を高め、最新の技術を導入した先進的な省エネビルの普及に先導的な役割を果たしております。
 今後は、こうした事例を国内外に積極的に紹介するとともに、ゼロエネルギービルを視野に入れた建築物環境計画書制度の再構築や、先進的な省エネビルが広く社会に認知される仕組みを検討するなどして、東京における建築物の環境性能のさらなる向上を図ってまいります。
 次に、地域でのエネルギーマネジメントについてでございますが、都市の持続的発展と競争力の強化には、街区レベルでのエネルギーの効率的利用や未利用エネルギーの活用などにより、平時の省エネと非常時のエネルギー供給確保を高度に実現した地域をふやしていくことが重要でございます。
 このため、都は条例により、延べ面積五万平方メートルを超える開発を行う事業者に対し、開発の基本構想段階で廃熱などの未利用エネルギーの活用や、地域冷暖房の導入検討を義務づける制度を運用しております。
 加えて、来年度からは、熱や電気を建物間で融通するための熱導管や電力線の整備を支援する制度を創設し、地域でのエネルギーの面的利用を促進してまいります。
 こうした取り組みにより、地域でのエネルギーの有効利用を推進し、スマートエネルギー都市の実現を目指してまいります。
   〔都市整備局長安井順一君登壇〕

○都市整備局長(安井順一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、歩行者空間の創出についてでございますが、東京が成熟した都市としての魅力を高めていくためには、さまざまな人が集まる都心などまちの中心部において、快適でゆとりある歩行者空間を創出していくことが重要でございます。
 例えば、大手町、丸の内、有楽町地区では、国際会議の開催などに合わせまして、地区内の道路を通行どめとし、公開空地と道路が一体となった歩行者空間におきまして、食のフェスタなどのさまざまなイベントが展開されております。
 都は引き続き、幹線道路の整備により、通過交通の抑制を図りつつ、地域のまちづくりに取り組むエリアマネジメント団体や交通管理者などとも連携いたしまして、成熟社会にふさわしい歩行者空間の拡大に取り組んでまいります。
 次に、米軍基地の活用などについてでございますが、都は、都内の米軍基地につきまして、整理、縮小、返還の促進を国に求めるとともに、返還が実現されるまでの間、基地の活用や米軍との連携を図っております。
 横田基地につきましては、平成十三年度以降、総合防災訓練の会場として使用しており、十八年度からは米軍とも連携し、物資や救援部隊の輸送など、さまざまな訓練を行っております。
 また、赤坂プレスセンターのヘリポートにつきましても、防災訓練に使用するほか、二十年度からは、米軍との協定に基づきまして、島しょ地域からの救急患者を都心に搬送する拠点として使用しております。
 さらに、首都圏西部地域の航空利便性の向上や多摩地域の活性化にも資する、横田基地の軍民共用化の実現に向け、国に日米協議の進展を働きかけてございます。
 引き続き、東京の災害対応力や活力向上等の観点から、基地の活用や米軍との連携に取り組んでまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) ラグビーワールドカップへの取り組みについてでございますが、都は昨年十月の立候補に当たり、会場へのアクセスプランや効果的な盛り上げ方策、経済波及効果などにつきまして詳細な調査を行った上で、開催希望申請書を提出いたしました。
 また、ことし一月には、開催都市の選定プロセスの一環で来日いたしました、主催者でありますワールドラグビー関係者に対してプレゼンテーションを行い、都市としての東京の魅力、翌年に開催されますオリンピック・パラリンピックとの相乗効果、東京におけるラグビーの実績など開催のメリットを強くアピールいたしました。
 さらに、招致機運醸成を図るため、ポスターの都内各所への掲出やパンフレットの配布のほか、都が主催いたしますスポーツイベントで広くPRを行っております。
 開催都市が決定する三月二日に東京が必ずや選定され、大会が成功するよう、全力で準備を進めてまいります。

○六十七番(山崎一輝君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会し、明二十六日は議事の都合により休会されることを望みます。

○議長(高島なおき君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高島なおき君) ご異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれをもって散会し、明二十六日は議事の都合により休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、二月二十七日午後一時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後七時二十四分散会


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