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Tokyo Metropolitan Assembly

平成二十七年東京都議会会議録第二号

平成二十七年二月二十四日(火曜日)
 出席議員 百二十四名
一番小林 健二君
二番加藤 雅之君
三番川松真一朗君
四番山内  晃君
五番栗山よしじ君
六番小松 大祐君
七番鈴木 章浩君
八番大津ひろ子君
九番塩村あやか君
十番宮瀬 英治君
十一番おときた駿君
十二番小松 久子君
十三番田中  健君
十四番米倉 春奈君
十五番白石たみお君
十六番斉藤やすひろ君
十七番栗林のり子君
十八番遠藤  守君
十九番伊藤こういち君
二十番堀  宏道君
二十一番河野ゆうき君
二十二番柴崎 幹男君
二十三番ほっち易隆君
二十四番舟坂ちかお君
二十五番清水 孝治君
二十六番島崎 義司君
二十七番石川 良一君
二十八番田中 朝子君
二十九番上田 令子君
三十番山内れい子君
三十一番中山ひろゆき君
三十二番西沢けいた君
三十三番里吉 ゆみ君
三十四番和泉なおみ君
三十五番尾崎あや子君
三十六番大松あきら君
三十七番中山 信行君
三十八番吉倉 正美君
三十九番上野 和彦君
四十番鈴木 錦治君
四十一番木村 基成君
四十二番高椙 健一君
四十三番栗山 欽行君
四十四番大場やすのぶ君
四十五番和泉 武彦君
四十六番近藤  充君
四十七番小宮あんり君
四十八番三宅 正彦君
五十番やながせ裕文君
五十一番両角みのる君
五十二番西崎 光子君
五十三番小山くにひこ君
五十四番あさの克彦君
五十五番新井ともはる君
五十六番徳留 道信君
五十七番河野ゆりえ君
五十八番小竹ひろ子君
五十九番まつば多美子君
六十番高倉 良生君
六十一番橘  正剛君
六十二番野上 純子君
六十三番谷村 孝彦君
六十四番桜井 浩之君
六十五番きたしろ勝彦君
六十六番松田やすまさ君
六十七番山崎 一輝君
六十八番神野 次郎君
六十九番菅野 弘一君
七十番北久保真道君
七十一番田中たけし君
七十二番神林  茂君
七十三番宇田川聡史君
七十四番高橋 信博君
七十五番野上ゆきえ君
七十六番中村ひろし君
七十七番島田 幸成君
七十八番今村 るか君
七十九番大西さとる君
八十番畔上三和子君
八十一番大島よしえ君
八十二番松村 友昭君
八十四番小磯 善彦君
八十五番鈴木貫太郎君
八十六番木内 良明君
八十七番秋田 一郎君
八十八番中屋 文孝君
八十九番早坂 義弘君
九十番崎山 知尚君
九十一番鈴木 隆道君
九十二番鈴木あきまさ君
九十三番山加 朱美君
九十四番高橋かずみ君
九十五番相川  博君
九十六番山田 忠昭君
九十八番こいそ 明君
九十九番田島 和明君
百番斉藤あつし君
百一番尾崎 大介君
百二番石毛しげる君
百三番植木こうじ君
百四番かち佳代子君
百五番曽根はじめ君
百六番藤井  一君
百七番長橋 桂一君
百八番中嶋 義雄君
百九番ともとし春久君
百十番古賀 俊昭君
百十一番林田  武君
百十二番高木 けい君
百十三番村上 英子君
百十四番吉原  修君
百十五番野島 善司君
百十六番三宅 茂樹君
百十七番川井しげお君
百十八番高島なおき君
百十九番立石 晴康君
百二十番吉野 利明君
百二十一番野村 有信君
百二十二番内田  茂君
百二十三番酒井 大史君
百二十四番山下 太郎君
百二十五番清水ひで子君
百二十六番大山とも子君
百二十七番吉田 信夫君

 欠席議員 一名
八十三番  東村 邦浩君
 欠員
    四十九番  九十七番

 出席説明員
知事舛添 要一君
副知事安藤 立美君
副知事秋山 俊行君
副知事前田 信弘君
教育長比留間英人君
東京都技監建設局長兼務横溝 良一君
政策企画局長川澄 俊文君
総務局長中西  充君
財務局長中井 敬三君
主税局長塚田 祐次君
警視総監高綱 直良君
生活文化局長小林  清君
オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋 正宏君
都市整備局長安井 順一君
環境局長長谷川 明君
福祉保健局長梶原  洋君
産業労働局長山本  隆君
港湾局長多羅尾光睦君
会計管理局長塚本 直之君
交通局長新田 洋平君
消防総監大江 秀敏君
水道局長吉田  永君
下水道局長松田 芳和君
青少年・治安対策本部長河合  潔君
病院経営本部長醍醐 勇司君
中央卸売市場長岸本 良一君
選挙管理委員会事務局長松井多美雄君
人事委員会事務局長真田 正義君
労働委員会事務局長遠藤 雅彦君
監査事務局長石原 清次君
収用委員会事務局長目黒 克昭君

二月二十四日議事日程第二号
第一 第一号議案
平成二十七年度東京都一般会計予算
第二 第二号議案
平成二十七年度東京都特別区財政調整会計予算
第三 第三号議案
平成二十七年度東京都地方消費税清算会計予算
第四 第四号議案
平成二十七年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計予算
第五 第五号議案
平成二十七年度東京都母子父子福祉貸付資金会計予算
第六 第六号議案
平成二十七年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
第七 第七号議案
平成二十七年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
第八 第八号議案
平成二十七年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
第九 第九号議案
平成二十七年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
第十 第十号議案
平成二十七年度東京都と場会計予算
第十一 第十一号議案
平成二十七年度東京都都営住宅等事業会計予算
第十二 第十二号議案
平成二十七年度東京都都営住宅等保証金会計予算
第十三 第十三号議案
平成二十七年度東京都都市開発資金会計予算
第十四 第十四号議案
平成二十七年度東京都用地会計予算
第十五 第十五号議案
平成二十七年度東京都公債費会計予算
第十六 第十六号議案
平成二十七年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
第十七 第十七号議案
平成二十七年度東京都病院会計予算
第十八 第十八号議案
平成二十七年度東京都中央卸売市場会計予算
第十九 第十九号議案
平成二十七年度東京都都市再開発事業会計予算
第二十 第二十号議案
平成二十七年度東京都臨海地域開発事業会計予算
第二十一 第二十一号議案
平成二十七年度東京都港湾事業会計予算
第二十二 第二十二号議案
平成二十七年度東京都交通事業会計予算
第二十三 第二十三号議案
平成二十七年度東京都高速電車事業会計予算
第二十四 第二十四号議案
平成二十七年度東京都電気事業会計予算
第二十五 第二十五号議案
平成二十七年度東京都水道事業会計予算
第二十六 第二十六号議案
平成二十七年度東京都工業用水道事業会計予算
第二十七 第二十七号議案
平成二十七年度東京都下水道事業会計予算
第二十八 第二十八号議案
東京都都市外交人材育成基金条例
第二十九 第二十九号議案
東京都アジア人材育成基金条例を廃止する条例
第三十 第三十号議案
東京都行政手続条例の一部を改正する条例
第三十一 第三十一号議案
東京都知事等の給料等に関する条例の一部を改正する条例
第三十二 第三十二号議案
非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第三十三 第三十三号議案
東京都職員定数条例の一部を改正する条例
第三十四 第三十四号議案
特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三十五 第三十五号議案
市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三十六 第三十六号議案
東京都区市町村振興基金条例の一部を改正する条例
第三十七 第三十七号議案
東京都人事委員会委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
第三十八 第三十八号議案
東京都選挙管理委員の報酬及び費用弁償条例の一部を改正する条例
第三十九 第三十九号議案
東京都監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
第四十 第四十号議案
東京都人に優しく快適な街づくり基金条例
第四十一 第四十一号議案
東京都防災街づくり基金条例
第四十二 第四十二号議案
東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例
第四十三 第四十三号議案
東京都都税条例の一部を改正する条例
第四十四 第四十四号議案
東京都収用委員会委員等の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第四十五 第四十五号議案
東京都消費生活条例の一部を改正する条例
第四十六 第四十六号議案
東京都芸術文化振興基金条例
第四十七 第四十七号議案
東京都教育委員会組織条例の一部を改正する条例
第四十八 第四十八号議案
東京都教育委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第四十九 第四十九号議案
東京都教育委員会教育長の給与等に関する条例
第五十 第五十号議案
東京都教育委員会の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第五十一 第五十一号議案
地方教育行政の組織及び運営に関する法律第二十四条の二の規定に基づく職務権限の特例に関する条例の一部を改正する条例
第五十二 第五十二号議案
東京都学校経営支援センター設置条例の一部を改正する条例
第五十三 第五十三号議案
学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例
第五十四 第五十四号議案
都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
第五十五 第五十五号議案
東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
第五十六 第五十六号議案
東京都屋外広告物条例の一部を改正する条例
第五十七 第五十七号議案
東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
第五十八 第五十八号議案
東京都市計画事業足立北部舎人町付近土地区画整理事業施行規程等の一部を改正する条例
第五十九 第五十九号議案
八王子都市計画事業由木土地区画整理事業施行規程等を廃止する条例
第六十 第六十号議案
東京都建築審査会条例の一部を改正する条例
第六十一 第六十一号議案
東京都建築指導事務所設置条例の一部を改正する条例
第六十二 第六十二号議案
東京都建築安全条例の一部を改正する条例
第六十三 第六十三号議案
東京都営住宅条例の一部を改正する条例
第六十四 第六十四号議案
東京都福祉先進都市実現基金条例
第六十五 第六十五号議案
東京都看護師等修学資金貸与条例の一部を改正する条例
第六十六 第六十六号議案
東京都国民健康保険調整交付金条例の一部を改正する条例
第六十七 第六十七号議案
東京都立ナーシングホーム条例の一部を改正する条例
第六十八 第六十八号議案
東京都認定こども園の認定要件に関する条例の一部を改正する条例
第六十九 第六十九号議案
東京都障害福祉サービス事業の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第七十 第七十号議案
東京都障害者支援施設等に関する条例の一部を改正する条例
第七十一 第七十一号議案
東京都立療育医療センター条例の一部を改正する条例
第七十二 第七十二号議案
東京都立多摩療育園条例の一部を改正する条例
第七十三 第七十三号議案
東京都立重症重度心身障害児者施設条例の一部を改正する条例
第七十四 第七十四号議案
プール等取締条例の一部を改正する条例
第七十五 第七十五号議案
食品衛生法施行条例の一部を改正する条例
第七十六 第七十六号議案
食品製造業等取締条例の一部を改正する条例
第七十七 第七十七号議案
東京都ふぐの取扱い規制条例の一部を改正する条例
第七十八 第七十八号議案
東京都立病院条例の一部を改正する条例
第七十九 第七十九号議案
東京都おもてなし・観光基金条例
第八十 第八十号議案
東京都森林整備加速化・林業再生基金条例の一部を改正する条例
第八十一 第八十一号議案
東京都立職業能力開発センター条例の一部を改正する条例
第八十二 第八十二号議案
東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例
第八十三 第八十三号議案
東京都海上公園条例の一部を改正する条例
第八十四 第八十四号議案
東京都営空港条例の一部を改正する条例
第八十五 第八十五号議案
東京都労働委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第八十六 第八十六号議案
都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
第八十七 第八十七号議案
東京都水素社会・スマートエネルギー都市づくり推進基金条例
第八十八 第八十八号議案
東京都再生可能エネルギー等導入推進基金条例
第八十九 第八十九号議案
特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律関係手数料条例の一部を改正する条例
第九十 第九十号議案
土壌汚染対策法関係手数料条例の一部を改正する条例
第九十一 第九十一号議案
東京における自然の保護と回復に関する条例の一部を改正する条例
第九十二 第九十二号議案
東京都自然公園条例の一部を改正する条例
第九十三 第九十三号議案
東京都駐車場条例の一部を改正する条例
第九十四 第九十四号議案
東京都立公園条例の一部を改正する条例
第九十五 第九十五号議案
東京都霊園条例の一部を改正する条例
第九十六 第九十六号議案
東京都葬儀所条例の一部を改正する条例
第九十七 第九十七号議案
東京都貸切自動車条例の一部を改正する条例
第九十八 第九十八号議案
東京都公安委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第九十九 第九十九号議案
警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例
第百 第百号議案
警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例
第百一 第百一号議案
東京都暴力団排除条例の一部を改正する条例
第百二 第百二号議案
東京消防庁の設置等に関する条例の一部を改正する条例
第百三 第百三号議案
東京消防庁職員定数条例の一部を改正する条例
第百四 第百四号議案
火災予防条例の一部を改正する条例
第百五 第百五号議案
特別区の消防団員の定員、任免、給与、服務等に関する条例の一部を改正する条例
第百六 第百六号議案
都営住宅二十六H─一〇六東(江東区東砂八丁目)工事請負契約
第百七 第百七号議案
警視庁大橋庁舎(二十六)新築工事請負契約
第百八 第百八号議案
東京都写真美術館(二十六)改修工事(その二)請負契約
第百九 第百九号議案
舎人公園非常用発電設備工事その二請負契約
第百十 第百十号議案
竪川水門耐震補強工事請負契約
第百十一 第百十一号議案
包括外部監査契約の締結について
第百十二 第百十二号議案
昭島市と福生市との境界変更について
第百十三 第百十三号議案
災害廃棄物処理の事務の受託の廃止について
第百十四 第百十四号議案
平成二十七年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について
第百十五 第百十五号議案
平成二十六年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担の変更について
第百十六 第百十六号議案
多摩川流域下水道北多摩二号処理区の建設に要する費用の関係市の負担について
第百十七 第百十七号議案
多摩川流域下水道秋川処理区の建設に要する費用の関係市町村の負担について
第百十八 第百十八号議案
平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第五号)
第百十九 第百十九号議案
平成二十六年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
第百二十 第百二十号議案
平成二十六年度東京都地方消費税清算会計補正予算(第一号)
第百二十一 第百二十一号議案
都と特別区及び特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例
第百二十二 第百二十二号議案
平成二十六年度分の都と特別区及び特別区相互間の財政調整の特例に関する条例
第百二十三 第百二十三号議案
東京都指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百二十四 第百二十四号議案
東京都指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百二十五 第百二十五号議案
東京都指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百二十六 第百二十六号議案
東京都指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百二十七 第百二十七号議案
東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百二十八 諮問第一号
地方自治法第二百六条の規定に基づく異議申立てに関する諮問について
第百二十九 諮問第二号
地方自治法第二百二十九条の規定に基づく審査請求に関する諮問について
第百三十 諮問第三号
地方自治法第二百二十九条の規定に基づく審査請求に関する諮問について
議事日程第二号追加の一
第一 第百二十八号議案
鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律施行条例の一部を改正する条例
第二 第百二十九号議案
警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例

   午後一時開議

○議長(高島なおき君) これより本日の会議を開きます。

○議長(高島なおき君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(高島なおき君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

○議事部長(新美大作君) 平成二十七年二月二十日付で、知事より、本定例会に提出するため、議案二件の送付がありました。
(別冊参照)

○議長(高島なおき君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 知事より、第百二十八号議案、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律施行条例の一部を改正する条例外議案一件が提出されました。
 これらを本日の日程に追加いたします。

○議長(高島なおき君) これより質問に入ります。
百十三番村上英子さん。
   〔百十三番村上英子君登壇〕

○百十三番(村上英子君) 平成二十七年第一回定例会に当たり、東京都議会自由民主党を代表して質問いたします。
 早いもので、舛添都政が誕生して一年が過ぎました。我が国や東京を取り巻く環境が目まぐるしく変わる中、舛添都政のこの一年間はおおむね順調に推移し、都議会と連携して多くの成果を上げてまいりました。
 特に昨年末、二〇二〇年、平成三十二年東京五輪パラリンピックを一つの通過点として、十年間の長期ビジョンを発表したことは、その適切な時代認識とともに、都民に明るい夢と希望をもたらし、東京を世界で一番の都市にするための第一歩を記したものと高く評価しています。
 長期ビジョンの実現には、平成二十七年度だけでおよそ一兆三千億円、二十七年から二十九年度までの三カ年で三兆七千四百億円の事業費が必要と試算されています。世界で一番の都市を実現するには、このような大きな予算と、都庁、議会、都内の自治体及び都民の総力が必要です。知事にはこうした力を結集し、世界で一番の都市のリーダーを目指していただきたいと思います。
 東京を世界で一番の都市にするためのあらゆる努力の中で、最も時間、予算、労力がかかるのが都市づくりです。
 例えば、この都庁や都議会のある旧淀橋浄水場用地を含む新宿駅西口地区の都市開発は、昭和七年から始まり、都有地以外は昭和五十七年に終了いたしました。途中、戦争による中断や戦災復興事業への変更などがありましたが、およそ五十年の歳月をかけて、鉄道駅を中心に、高度利用を前提とした東京の副都心が完成しました。都市をつくる、または改造するには、このように長期にわたる努力が必要です。つまり、今計画したものでも早くて二十年、長いものでは三十年から五十年後の完成ということになります。
 明治以降の東京には、実現できなかった都市づくりの課題が山積しています。銀座れんが街構想や東京市区改正、帝都復興計画、戦災復興計画など、その歴史は、既存市街地の改造がいかに困難な事業であるかを物語っています。
 例えば、今、都が苦労して対策を行っている木造住宅密集地域は、主に関東大震災後の帝都復興計画から除外された地区を中心に発生しており、さきの東京オリンピックで時間的、予算的な制約の中で、かなり無理してつくられた首都高速道路やその他、東京の基幹的インフラも、その後ほとんど改良されることなく現在に至っています。
 東京には、なし得なかった都市づくりの夢があります。二〇二〇年東京五輪パラリンピックまであと五年です。世界で一番の都市を目指すならば、今このタイミングでそうした積年の負の遺産を解消すべく、なし得なかった夢の実現へ道筋がつけられなければなりません。
 そのために、まず、東京の都市機能における、世界で一番を目指した大きなグランドデザインを描くべきと考えます。知事の所見を伺います。
 これからの都政は、先ほど申し上げた長期ビジョンを基本指針とし、毎年の予算案でその実効性を担保していかなければなりません。政策の裏づけという意味での予算は、だからこそ都民にもわかりやすく、知事の明確な理念と思いが伝わるものでなければなりません。
 予算編成権は知事にあり、議会には、その編成された予算に執行権を与える議決権があります。二元代表制をしっかりと機能させるには、お互いが抑制と均衡を図る努力を重ね、それぞれの権能を適切に発揮していくことが必要です。
 平成二十七年度予算は、いうまでもなく、舛添知事が編成する初めての本格的予算であり、長期ビジョン実現への初年度でもあります。東京五輪パラリンピックまであと五年という年数を考えても、私たちは、この予算が今までとは比較にならない重みを持つものと考えます。
 そこで、舛添知事は、平成二十七年度予算について、どのような思いを持って編成したのかお伺いいたします。
 次に、予算編成を通じた自己改革力の向上を図る取り組みについて伺います。
 来年度予算は、政策的経費である一般歳出の伸びも八年ぶりに三%を超え、投資的経費は十七年ぶりに一兆円を超えるなど、積極予算となっています。
 一方で、政策を実現するための貴重な財源である都税収入の今後の動向は、海外経済の下振れリスクや不合理な地方法人課税の偏在是正措置の動向などを踏まえると、決して安泰ではありません。
 知事も常々おっしゃるとおり、お金は天から降ってくるわけではなく、財源に限りがあります。都民から預かった限りある財源を無駄なく活用し、都民にしっかりと還元するには、真に必要な施策を練り上げ、効率性や実効性の高い施策を、戦略的かつ安定的に実施することが必要であり、これまで以上に予算編成を通じた自己改革力の向上を図ることが重要だと思いますが、知事の見解を伺います。
 次に、都有施設の維持更新などについて伺います。
 都は、平成二十一年に主要施設十カ年維持更新計画を策定し、着実な整備を行ってまいりました。しかし、本計画の策定後、さらなる社会インフラの長寿命化や、環境負荷低減などの取り組みが求められており、こうした状況へ的確に対応した施設の維持更新が必要となっています。
 昨年の第二回定例会の我が党の代表質問に対し、平成二十七年度からの新たな十カ年計画を今年度中に策定する旨の答弁がありました。
 そこで、現在進めている計画策定の基本的な方向性についてお伺いいたします。
 ことしは、阪神・淡路大震災から二十年という節目の年に当たります。建物倒壊や火災により、都市部で多くの方が犠牲となったことは、いまだ記憶に新しいですが、東京でも、南関東地域でマグニチュード七クラスの地震が発生する確率が三十年間で七〇%と推定されており、改めて地震対策の重要性を痛感しています。
 既に都は、東日本大震災の教訓も踏まえ、地域防災計画の修正を行うとともに、昨年末には東京の防災プランを発表し、自助、共助、公助が一体となって防災対策を進めていますが、大地震が発生した際には、国や関係機関との連携により、速やかに救出、救助活動を展開する必要があります。
 人命救助において特に重要となる、発災後七十二時間の関係機関との基本的な連携内容については、昨年四月に策定した首都直下地震等対処要領の中で明らかにしていますが、これをより具体的かつ実効性あるものにし、政府の災害対策本部とも、より緊密に連携が図られるよう取り組むべきと考えます。見解を伺います。
 次に、木密地域不燃化十年プロジェクトの推進に向けた取り組みについてお伺いいたします。
 都は、木密地域を燃え広がらない、燃えないまちにするため、現在、特定整備路線と不燃化特区を同時に進めていく木密地域不燃化十年プロジェクトに取り組んでいます。
 特定整備路線については、順次事業化が図られており、不燃化特区についても、平成二十七年度からは五十二地区、整備地域の四割を超える約三千ヘクタールの規模まで拡大されることとなりました。今後は、さらに住民の理解と協力を得ながら、これまでの取り組みを確実に木密改善に結びつけ、安全・安心なまち東京を実現していくことが重要です。
 そこで、木密地域不燃化十年プロジェクトについて、都はどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
 次に、土砂災害対策について伺います。
 昨年、第四回定例会の冒頭において、知事は、基礎調査の前倒しを表明しました。危険箇所を早期に特定して、都民に周知するとのことであり、評価いたします。都内には約一万五千カ所の土砂災害のおそれのある箇所が存在するとされており、スピード感を持って調査を進めるべきと考えます。
 また、土砂災害特別警戒区域に指定された地域の中には、避難所や老人ホームなど、災害時要配慮者利用施設が存在している箇所もあります。こうした箇所の対策も含め、今後、土砂災害対策にどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。
 次に、中小河川の整備促進について伺います。
 昨年、高知や広島で、これまで経験したことのない集中豪雨により、多くのとうとい命や財産が奪われました。都はこれまでも、護岸や調整池などの整備を進め、浸水被害を大きく減少させてきましたが、近年では、時間五十ミリを超える集中豪雨が都内でも頻発しており、その対応が求められています。都は、河川の目標整備水準を引き上げ、新たな施設の検討を始めているところですが、中小河川の整備促進について見解を伺います。
 水道インフラの整備について伺います。
 東京水道では、我が党の政策提言に応えて、強靱な水道インフラの構築に向け、施設整備に計画的に取り組んでいます。しかし、巨大な水道インフラであるからこそ、災害や事故などの不測の事態は、いつ、どこで発生するかもしれません。仮に、浄水場などの水道基幹施設の機能が停止する事態となれば、首都東京の都市機能への影響ははかり知れません。広域断水などのリスクを回避するためには、より一層高いレベルの水道システムを目指した施設整備を強力に推し進めるべきです。
 そこで、基幹施設の整備にかかわる取り組みを明らかにし、広く都民に訴えかけ、着実に推進することが極めて重要と考えますが、今後、具体的にどう進めていくのか伺います。
 次に、消防対策について伺います。
 安全・安心な都市を実現するため、木密地域の不燃化、耐震化、東京都沿岸部及び東部低地帯での津波、高潮対策の強化、島しょ部における津波避難施設の整備など、高度な防災都市の実現に向けて、地域特性を踏まえた防災対策が進められております。
 これら取り組みに加え、首都直下地震などによる被害を最小化するためには、助けを求める人を迅速に救助できる体制の強化が必要です。第四回定例会では、消防ヘリコプターの機動力を生かした人命救助など、消防活動体制の強化を求め、今回、エアハイパーレスキューの創設が長期ビジョンにも位置づけられたところでありますが、今後もさらに必要な人員や装備資機材などの強化を図っていくべきと考えます。
 そこで、エアハイパーレスキューの部隊の概要と、今後のさらなる消防活動体制の強化について見解を伺います。
 次に、国土強靱化地域計画について伺います。
 首都東京は我が国の心臓部であり、どんな自然災害に対しても首都機能を保持することは、東京、そして国にとって重要な責務です。
 こうした我が党の指摘に対し、第四回定例会において知事は、東京都国土強靱化地域計画を策定していくことを表明されました。国土強靱化は、ハード、ソフト両面で幅広い分野が対象となり、全庁挙げた取り組みが始まっていることと思いますが、我が党としても、会派内に国土強靱化プロジェクトチームを設置し、具体的な議論を開始しています。
 この国土強靱化は、都民や企業の皆様の生命、財産を守る取り組みであることはいうまでもありませんが、国会や政府機関など、首都機能を有する東京には、我が国全体の機能を保持する責務もあります。地域計画の中では、都の取り組みに加え、国や関係機関が果たすべき役割や責任について、財政面も含め明確にし、双方が連携して具体的な取り組みを推進していくべきと考えます。
 今後どのように地域計画を策定していくのか、見解を伺います。
 次に、治安対策について伺います。
 都は、昨年の第三回定例会における我が党の代表質問を受け、安全・安心の確保に向けた今後の取り組みの方向性を示す、安全安心TOKYO戦略を先月発表いたしました。地域の力の強化に重点を置いた施策展開は、都民の誰もが安心して暮らせるまち東京を実現するものと期待しています。
 一方、国際社会に目を転じれば、卑劣なテロにより一般市民が犠牲になるなど、五年後に東京五輪の開催を控えた東京にとって、新たな懸念も生じます。東京を世界で一番の都市とするためには、地域の安全・安心の確保とともに、テロなどの脅威にも屈しない強い東京をつくり上げていくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、性犯罪被害者支援について伺います。
 都内における性犯罪の認知件数は、刑法犯の全体数が毎年減少を続けているにもかかわらず、ここ数年増加傾向にあります。犯罪被害者は、強い不安感などの症状があらわれる心的外傷後ストレス障害の発症率が高い上、望まない妊娠や感染症のリスクも負うなど、その被害は深刻です。
 支援を必要としていながらも、心身への大きなダメージや被害を人に知られたくないなどの性犯罪の特性から、誰にも相談できず、直接医療機関を受診する被害者も存在し、医療機関からは、被害者に対するきめ細やかな支援が必要であると聞いています。
 都はこれまでも、関係機関と連携し、犯罪被害者の救済に向けた取り組みを進めていますが、性犯罪被害者に対し、被害直後から寄り添ったきめ細やかな支援を開始し、早期救済につなげていく必要があると考えますが、所見を伺います。
 次に、福祉、保健、医療施策について伺います。
 我が党は、第四回定例会で、福祉先進都市の実現に向けた知事の決意を伺いました。
 都が昨年末に策定した長期ビジョン、本年一月に発表した予算原案では、各分野にわたって新たな取り組みや充実策が積極的に盛り込まれており、高く評価いたします。
 この長期ビジョンや予算原案は、知事就任以来、初めて一から手がけたものとし、知事の考えが詰まったものと思っています。
 そこで、これらを踏まえ、今後、福祉、保健、医療施策をどのように展開していくのか、知事の所見を伺います。
 次に、地域医療構想について伺います。
 将来にわたって医療提供体制を維持発展させていくためには、より効率的で質の高い医療提供体制を構築する必要があります。
 国は、医療法を改正し、医療機関に対し、病棟単位での医療機能の報告を義務づけ、都道府県は、この報告も活用し、地域医療構想を策定することになりました。
 日本の医療の現状を見ると、都道府県により状況はさまざまです。例えば、都内には十三の大学病院本院や中小病院を中心とした多くの民間病院が集積し、また、高齢者の絶対数がふえ続けていくなどの特性があります。
 地域医療構想の策定に当たっては、こうした地域の実情を十分に踏まえる必要があります。
 現在、国はガイドラインの検討を行っており、我が党は先日、国に対してこうした東京の特性を十分考慮したガイドラインとなるよう要望活動を行ったところです。
 都は、地域医療構想の策定に当たり、課題をどのように捉え、今後どのように進めていくのか、お伺いいたします。
 子育て世帯の共働きが増加し、かつ保育所などの利用児童数が増加する中、子供が急病の際にも安心して預けられる環境の充実を図る必要があります。
 病児、病後児保育は、実施体制の整備に加え、季節や病気の流行により利用者数が大幅に変動するため、安定的な経営が困難であり、区市により取り組みに差があるのが現状です。都立、公社病院が、病児、病後児保育を実施する意義は大きいと考えます。
 病児、病後児保育の実施に当たり、都立、公社病院としてどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
 次に、高齢者施策について伺います。
 都内の高齢者人口は急速に増加しており、平成三十七年には都民の四人に一人が高齢者となる見込みです。たとえ介護が必要な状態や認知症になったとしても、できる限り地域で自立した生活を送れる社会を構築することが重要です。
 都は現在、来年度からの三カ年を計画期間とする第六期高齢者保健福祉計画の策定を進めており、来月下旬の公表に向け、最終的な取りまとめを行っていると聞いています。
 今回の計画は、中長期的には平成三十七年の高齢者像を見据えた計画とするとされていますが、この計画に基づく具体的な取り組みをどのように進めていくのかお伺いいたします。
 次に、保育人材、介護人材の確保、定着について伺います。
 長期ビジョンで挙げた待機児童解消や介護サービスの充実を進めるためには、施設整備とともに、サービスの質を確保しながら、安定的に人材を確保することが重要となります。
 我が党は、昨年十二月、都が保育サービスの向上のために独自に実施している補助制度の見直しについて緊急要望を提出し、我が党の働きかけにより、制度のさらなる充実が図られました。
 一方、こうしたサービスを担う人材は、介護職員を見ても、高齢化がピークを迎える平成三十七年には、全国で三十万人が不足されるとしています。
 急速な高齢化と生産年齢人口の減少が見込まれる中、新たな人材を安定的に確保していくことはもとより、意欲を持って働き続けられる職場環境の整備や、子育てなどの理由で一旦退職した方が復職を希望するときに、これを後押しするような仕組みが重要です。
 都は、保育人材や介護人材の確保に向けてさまざまな取り組みを進めてきましたが、施策をさらに充実していくことが必要と考えます。
 そこで、福祉人材の確保に関する認識と今後の対応について伺います。
 次に、障害者施策について伺います。
 障害者が地域で安心して暮らせる社会を実現するため、現在都は、障害福祉計画に基づき、グループホームや通所施設など地域基盤の整備を推進しています。
 長期ビジョンでは、来年度からの三カ年で、障害者の地域生活基盤をさらに約六千七百人分整備する政策目標が示されています。この目標を達成するためには、新たに策定する次期計画において、取り組みを一層強化する必要があると考えます。
 そこで、障害者の地域生活基盤の整備について都はどのように取り組むのか、見解を伺います。
 次に、福祉インフラ整備の促進に向けた取り組みについて伺います。
 我が党は、昨年の第二回定例会において、用地の確保が困難な東京において福祉施設の整備を促進するため、新たな土地活用の支援策に取り組むべきであると主張してまいりました。
 都は、これを受けて、昨年七月に福祉インフラ整備のための土地活用方策を発表し、また、東京都長期ビジョンでは、具体的な施策として、都営住宅、公社住宅の創出用地の活用と都市開発諸制度の見直しについて盛り込みました。
 創出用地活用の取り組みについては、平成三十六年度までに三十ヘクタールを超える候補地を提供することとし、今年度は公社住宅用地において事業に着手するとしています。
 地元区市町村と連携し、速やかに事業を進めていくべきと考えますが、現在の取り組み状況についてお伺いいたします。
 また、東京五輪に向けて都市開発が活発化している状況も踏まえ、まちづくりに合わせた取り組みが重要と考えます。
 そこで、福祉インフラ整備促進に向けた都市開発諸制度の活用方策について伺います。
 特に都心部などでは、都市開発諸制度による立地誘導を図ることに加え、都有地においては、高い容積率を活用して福祉施設と民間施設との複合施設を整備するなど、都有地ならではの一歩踏み込んだ新たな取り組みが必要と考えますが、都の所見を伺います。
 次に、子育てについて伺います。
 子供が健やかに成長できる東京を実現するためには、社会全体で子育てしやすい環境を整備することが必要です。子供の声が騒音として扱われ、保育所の整備がおくれたり、幼稚園や公園などでの活動が制約されるようなことがあってはなりません。
 我が党は、子供たちが伸び伸びと育ち、元気な声があふれるまちを実現すべきことを政策提言で挙げるとともに、子供の声に対し、工場などと同様に規制値が適用される都条例を見直すよう強く要望してきました。
 一方、実際に悩んでいる近隣住民が存在しており、配慮が必要なことも事実です。都は、区市町村とも協議し、パブリックコメントを経て、改正条例案を提出しました。
 そこで、子供が地域で健やかに育つ環境づくりに関する知事の認識をお伺いいたします。
 少子化が進行する中、子供を持つことを希望する方がその願いをかなえられ、安心して子育てができる環境を整備することは重要な課題です。
 核家族化の進行や地域のつながりの希薄化などにより、地域や家庭の子育て力が低下しており、出産や子育てに対する不安や負担感を強く感じている家庭も少なくありません。また、晩婚化の進行で、高齢になってから不妊治療を開始する方も多く、身体的にも経済的にも大きな負担となっていると聞いています。
 全ての人が安心して子供を産み育てられる社会を目指して、都は、妊娠、出産、子育てに関する取り組みを一層強化する必要があると考えますが、所見を伺います。
 次に、環境エネルギー政策について伺います。
 ことし十一月、パリにおいて、気候変動に関する新たな枠組みが議論されます。気候変動の危機を回避するためにも、膨大なエネルギーを消費する東京は、実効性の高いCO2削減、省エネルギー対策や再生可能エネルギー、水素といった低炭素エネルギーの普及拡大などを総合的に展開していくことが重要です。
 長期ビジョンでは、我が党が行ったエネルギーの需給両面からの多岐にわたる提言を踏まえ、新たな政策目標を掲げており、力強い一歩が踏み出されるものと認識しています。
 都は、東京五輪後も視野に入れ、都民や事業者の取り組みを後押ししながら、世界一エネルギー利用効率の高いスマートエネルギー都市の実現を目指すことが重要と考えますが、見解を伺います。
 スマートエネルギー都市の実現に向けては、次世代エネルギーである水素の活用も必要です。水素は、環境負荷の低さ、供給源の多様さ、経済波及効果の高さ、災害への強さなどさまざまな意義を有し、水素社会の早期実現は、資源小国日本にとって極めて重要です。
 都は、我が党の提言を踏まえ、いち早く初期需要の創出やインフラ整備に向けた支援策を盛り込んだ補正予算を措置するとともに、水素の活用に向けた東京五輪までの継続的な取り組みを推進するため、新たに四百億円の基金を創設するとした点は高く評価できます。
 水素社会の実現に向けて、東京が我が国を力強く牽引していくために、都は、政策目標の達成に向けた財政的支援に加え、規制緩和や区市町村との連携、普及啓発などの多面的な施策を積極果敢に展開すべきと考えますが、知事の所見を伺います。
 資源や環境をめぐる規制がますます厳しくなる中、東京の活力と国際競争力を維持、発展させるためには、世界一の都市東京にふさわしい資源循環の実現を目指し、持続可能な資源利用を強力に推進していく必要があります。
 都は、さきの定例会における我が党の提言を踏まえ、長期ビジョンに持続可能な資源循環型都市の構築を挙げ、今年度中にその取り組み方針を策定するとしています。
 この方針の具体化に当たっては、建物解体により発生するコンクリート塊の再生利用促進などの喫緊の課題に迅速に取り組むとともに、継続的、計画的に施策を推進していくべきと考えますが、見解を伺います。
 我が党は、さきの定例会において、東京五輪を東京の社会インフラを見直す好機と捉え、花と緑を生かした誰が見ても美しいと感じる緑化を拡大し、五輪のレガシーの一つとしていくように提案しました。
 これに対して都は、花や緑を生かしたまちづくりが、東京の国際的なプレゼンスを高める有効なツールとなることや生態系の保全に資することを踏まえ、長期的な展望を持って取り組む考えを示しました。
 五輪開催後も都民に長く愛され、親しまれる花と緑の空間を創出するためには、都が積極的に民間事業者などの先導的な植栽づくりや区市町村の身近な地域緑化を支援するとともに、広域展開を図っていく必要があります。
 今後都は、世界で一番美しい都市の実現に向けて、どのように花や緑を生かしたまちづくりを推進していくのか、見解を伺います。
 自転車は、環境に優しい乗り物であり、日々の買い物や通勤通学など、子供から高齢者まで多くの都民が手軽に利用しています。
一方で、都内の交通事故のうち、自転車が関与する割合は全国平均を大きく上回っており、ルールやマナーの向上に加え、自転車の安全な通行確保に向けた取り組みが急務となっています。
 私は、一昨日、台東区内を訪れた際に、観光地で有名な上野と浅草を結ぶ浅草通りを見てまいりました。この通りには、道幅が広いこともあって、車道、自転車道、そして植樹帯を挟んで歩道ができ上がっており、おのおのが安心して快適に通行できる状況になっていました。
 全ての道路がこのような形にできるとは思いませんが、それぞれの道路の状況に応じて、自転車走行空間をしっかりと整備していってもらいたいと思います。
 自転車の交通手段としての重要性は、今後ますます高まると思われることから、ソフト、ハード両面において自転車の安全な利用を確保するとともに、自転車シェアリングという新たな手法も活用しながら、利用促進といった視点も含め、自転車利用の環境整備を総合的に進める必要があると思いますが、知事の所見を伺います。
 無電柱化は、美しい都市景観を生み出すとともに、災害時には電柱の倒壊による道路の閉塞を防ぐなど、防災、減災にも資する重要な役割を担っています。
 我が党はこれまで、無電柱化を推進すべきと主張してきましたが、昨年十二月に東京都無電柱化推進計画が策定され、全体で九百十六キロメートルの整備が進められることになりました。
 今後は、都内全域で無電柱化を進め、区市町村道も含めた面的な広がりを持たせることで、日々の生活でも無電柱化されたまち並みを実感できるようにすることが必要です。
 そこで、都の無電柱化事業の今後の取り組みについて伺います。
 次に、下水道施設の上部利用について伺います。
 下水道局では、品川駅、田町駅周辺地区の大規模な都市開発の一環として、地区内にある芝浦水再生センターの上部空間を複合的に利用する新たな取り組みを進めています。
 具体的には、民間事業者と連携し、業務商業ビルと公園、その地下に水質改善に資する施設を建設し、間もなく完成すると聞いております。
 このプロジェクトは、この地区のまちづくりを先導し、次世代型環境都市づくりに大いに貢献する画期的な試みであり、高く評価します。
 今後、このようなまちづくりに貢献する取り組みも視野に入れ、施設の立地条件や地域のニーズなどを踏まえながら、幅広い観点から、下水道施設の上部空間の利用策を検討すべきです。
 そこで、芝浦水再生センターの上部利用の意義と今後の下水道施設の上部利用の取り組みについて伺います。
 次に、東京の経済について伺います。
 昨今、地方創生をキーワードに、人、物、金を東京から地方へと移してしまうことが、我が国の再生のために不可欠であるかのような議論が見受けられます。国内各地の経済を活性化すること自体に異議はありませんが、経済は、東京か地方のどちらかしか繁栄できないという単純なものではありません。
 ものづくり一つとっても、東京と地方、さらにいえば、海外にあるさまざまな企業が複雑に絡み合って製品をつくり上げています。
 東京にはさまざまな経営資源が集積する大きなメリットがあり、これを最大限に生かして東京の産業力をさらに強力にすることが、結果的に地方の元気につながるのです。こうした、ともに栄える、ウイン・ウインの考え方に基づいた産業政策を展開すべきです。
 この点からも、東京五輪は日本が一つになる大きなチャンスであり、オールジャパンの視点での取り組みを強力に推進すると同時に、さまざまな課題の克服に取り組み、東京の産業のさらなる発展を図っていくことが重要です。
 世界の耳目を集める大会は、中小企業の高い技術力や製品を世界にアピールする絶好の機会です。
 さきの第四回定例会で、我が党は、大会の効果を中小企業にまでしっかりと波及させるため、受注機会への参画など新たな支援の仕組みづくりを求めました。
 また、すぐれた技術を有する中小企業が医療器具やロボットなどの次世代の技術開発に取り組むことや海外での販路の拡大を図ることなど、今後のさらなる発展に向けた取り組みを強力に支援していく必要があります。
 東京五輪を見据え、東京の産業を支える中小企業の成長に向け、都はどのような取り組みを進めていくのか伺います。
 こうした成長に向けた支援に加え、厳しい経営環境のもとで懸命に事業に取り組んでいる小規模零細事業者への支援も重要です。都内中小企業の八割を占める小規模零細事業者の多くは、市場の急激な変化や地域経済の冷え込みの中で、取引先や売り上げの先細りに直面しています。
 経営者が高齢化し、誰に事業を託すかという事業承継の問題も切実になっています。技術力はあっても経営基盤は脆弱な企業が多く、通り一遍の相談や指導にとどまらない、きめの細かな踏み込んだ支援が求められています。
 地域の経済や雇用を担う小規模企業の安定は、東京の産業全体の観点から極めて重要であり、都は実効性ある対策を講じるべきと考えますが、見解を伺います。
 いうまでもなく、企業経営において、資金繰りは切実な問題です。例えば創業期には、新商品の開発、従業員の確保や広告宣伝などに多額の資金を要し、安定した収入が得られるまでは綱渡りの経営が続きます。また、事業承継を考える企業でも、事業形態の転換など経営基盤の強化を図るために資金が必要となる場合があります。
 さまざまな中小企業が、その実情に応じ、多様な方法で資金調達ができるよう、都は制度融資を初めとする金融支援策のさらなる充実を図るべきと考えますが、見解を伺います。
 経済の活性化に向けては、今ある企業の継続や発展に加え、新たなビジネスを数多く生み出していくことが必要です。
 東京には多様な才能、知識、技術が集積しています。こうしたポテンシャルを十分に生かし、女性や若者、高齢者といった意欲のあるさまざまな創業希望者が、みずからのアイデアを生かして新たなビジネスに果敢にチャレンジできる環境を整えることが行政の役割です。
 我が党はこれまで、創業希望者へのきめ細かな経営サポート、すぐれたインキュベーション施設への支援、創業のための融資原資の大幅な拡充など、踏み込んだ支援の強化を求めてきましたが、創業の促進に向けた都の今後の取り組みについて伺います。
 昨年、海外から日本を訪れた旅行者は一千三百万人を超え、過去最高となりました。国際的な注目が集まる中、二〇二〇年大会に向けて、東京をロンドン、ニューヨーク、パリと肩を並べる国際観光都市へと大きく飛躍させなければなりません。
 今後、さらに世界の旅行者を引きつけるには、日本人が培ってきた伝統や文化のすばらしさに加え、革新的な都市機能、安全で清潔な生活環境など東京が持つ魅力を、いわば東京ブランドとして戦略的に発信していく必要があります。
 そして、万全な受け入れ環境を整え、おもてなしの心で旅行者を温かく迎え入れることで満足度を高め、リピーターや旅行者のさらなる獲得につなげていかなければなりません。
 世界に誇れる観光都市東京の実現と東京ブランドの発信に向けて、知事はどのように取り組んでいくのか伺います。
 また、東京を訪れた外国人旅行者が日本の各地に足を延ばし、その土地ならではの自然や生活、文化を満喫してもらえれば、旅行者の満足につながるだけではなく、日本全体に効果を波及させることができます。
 東京と地方の相乗効果を生み出すために、東京が先頭に立って役割を果たしていくべきとの我が党の提案を受け、都は新たな協議体を立ち上げました。参加する自治体や民間事業者と強力に連携して取り組みをさらに進めるとともに、東京と地方の双方の魅力をさまざまな機会を通じて効果的に発信することで、全国の旅行者の増加につなげていくべきですが、今後の都の取り組みについて伺います。
 東京都は、昨年五月の国家戦略特区の区域指定を受け、昨年末には、東京再生、まちづくりや医療の分野における規制改革事項などを活用したプロジェクトが計画認定され、具体的な取り組みが進められています。
 そうした中、昨年三月末に東京都が打ち出したワンストップセンター構想にも動きが出ています。登記や税務など法人設立手続の迅速化、簡素化を図るワンストップセンターについて、国が昨年十二月に開催した国家戦略特区諮問会議では、来年度の設置に向け準備作業を進める方針が示されました。
 ジェトロの調査でも、対日投資の阻害要因として、行政手続、許認可制度の難しさ、煩雑さが挙げられており、ワンストップセンターの設置はこれに対する有効な手段と考えます。
 国と連携して実効性の高い仕組みをつくり上げる必要がありますが、東京都はこれまで、外国企業向けのビジネス支援窓口として、ビジネスコンシェルジュ東京を運営してきました。これとワンストップセンターが十分に連携することが重要ではないかと考えますが、見解を伺います。
 次に、都市農業は地域経済や暮らしを支える重要な産業であり、相続などによって東京の農地が急速に失われる中、農地を保全し、都市農業の振興を図ることが喫緊の課題です。
 今通常国会では、都市農業振興基本法の制定が見込まれていますが、この機を捉え、農地制度や税制度などさまざまな仕組みの効果的な見直しにつなげていかなければなりません。
 また、大都市東京で農業が営まれ、多様な農産物が生産されていることは、東京の大きな魅力の一つでもあります。大消費地を抱えるメリットを生かし、収益性の高い経営を実現するためにも、農産物のブランド化の推進や特色ある東京産の食材の生産拡大に取り組むことが求められています。
 東京の重要な産業である都市農業の振興に向けた知事の所見を伺います。
 産業を活性化し、経済を持続的な成長軌道に乗せるためには、生産年齢人口の減少という東京が直面する課題を克服しなければならず、こうした視点から雇用政策を考えていく必要があります。
 都は、長期ビジョンで、全ての人が活躍できる社会の実現を挙げています。女性や若者、高齢者、障害者がみずからの意欲や希望に応じて生き生きと働くことは、一人一人の自己実現が図られるばかりでなく、社会の活力、経済の活性化にもつながっていきます。
 そのためには、知事が重要施策として挙げている非正規対策はもちろんのこと、ハード面も含めた女性の働く環境の整備、若者や高齢者の特性に応じた就業支援などが求められており、国や区市町村とも連携して、多面的な取り組みを進めていく必要があります。
 全員参加型の社会実現に向け、雇用就業施策をどのように展開していくのか、知事の見解を伺います。
 次に、発達障害教育について伺います。
 現在、通常の学級の中には、学習障害や高機能自閉症、注意欠陥多動性障害などさまざまな困難を抱えた児童生徒が多数在籍しており、こうした児童生徒への障害の状況に応じた適切な指導、支援を実施しなければ、学力や学習意欲の低下、いじめ、不登校といった本人にかかわる課題につながるだけではなく、授業が中断するなど他の児童生徒にも影響が及ぶ場合があります。
 都教育委員会は、発達障害教育の充実に向け、まず全小学校への特別支援教室の導入を進めていますが、中学校、高等学校での取り組みは十分とはいえません。さらに、保護者自身が障害に気づかないなどの理由により、適切な指導、支援を受けられていない児童生徒への対応も必要です。
 発達障害の児童生徒が、生活や学習上の困難を改善または克服するための総合的な施策を講じていくことが必要と考えますが、都教育委員会の見解を伺います。
 次に、公立学校の冷房化について伺います。
 都は、普通教室の冷房化を完了し、特別教室についても、既に都立学校で冷房が整備済みの音楽室、視聴覚室、図書室、パソコン室について、区市町村立小中学校での整備を推進するための支援を開始しました。しかし、冷房化の対象教室のさらなる拡充の要望が保護者や区市町村から多く寄せられており、夏の暑い時期でも実験や実技を通した体験的な学習に集中して取り組めるよう、理科室や家庭科室など他の特別教室への冷房化の拡充は喫緊の課題です。
 我が党は、昨年九月の第三回定例都議会において、都立高校の検討結果を踏まえ、小中学校における冷房化の対象を拡充すべきと強く訴えたところであり、早急に実現を図るべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、私立学校におけるグローバル人材の育成について伺います。
 東京五輪の開催を見据え、世界を舞台に活躍できる若い世代の育成は、ますます重要となっています。都内の高校生の約六割が通学する私立学校では、それぞれ独自の建学の精神や教育理念に基づき、個性的で特色ある教育を展開しており、世界に通用するグローバル人材の育成にも積極的に取り組んでいます。
 我が党はこれまでも、私立学校のこうした取り組みを支援することが、主体性や実行力、チャレンジ精神にあふれ、日本の将来を担っていくグローバル人材の育成に必要であることを主張し、海外留学の支援制度などを実現させてきており、来年度においては、JETプログラムを活用したさらなる支援を強く要望し、予算案に盛り込まれています。
 今後、このような私立高校におけるグローバル人材育成のための教育活動を一層支援していくことが必要であると考えますが、都はどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、私立学校におけるICTを活用した教育環境の充実について伺います。
 近年、教育現場において情報化の進展が目覚ましく、ICT機器の重要性が増しています。ICTを活用した多様な学習形態を可能とすることで、児童生徒のより主体的な学びにつながり、社会に求められる情報活用力や問題解決力の向上にも大きな効果があると考えます。
 今後、ICTを活用した先進的な教育環境の整備をより一層進めていくことが必要であると考えますが、都の見解を伺います。
 さきの第四回定例会の我が党の代表質問に対して、知事は、オリンピック・パラリンピックを契機として、またその先に向かって、東京、日本と世界を結ぶ人材のかけ橋を未来に残すと答弁されました。そして、今定例会に都市外交人材育成基金の設置条例が提案され、予算にも八十億円が計上されています。東京は、大都市課題を解決することを通じて世界に貢献するとともに、大会を契機として真の成熟を遂げ、世界から投資や観光客が集まってくるグローバル都市として、さらなる進化を遂げることが求められております。これは長期ビジョンで掲げた東京を世界で一番の都市にするという目標の実現にもつながるものであります。
 都市外交人材育成基金は、こうした観点を踏まえて、戦略的に活用し、有為な人材を育てていくべきと考えますが、知事の所見を伺います。
 次に、まちづくりについて伺います。
 都市計画道路について、都はこれまで、増加する交通需要への対応に主眼を置き、区部放射環状道路、多摩南北道路などの整備を進めてきましたが、その完成率は六割と、まだ道半ばの状況であり、引き続き、こうした道路整備を促進することが重要です。これからは、こうした点に加え、誰もがまち歩きしやすく、くつろげる道路空間を創出するなど、成熟都市の豊かさと快適さが実感できる都市づくりにも力を注ぐべきです。
 現在、都は、おおむね十年に一度改定される都市計画道路の整備方針について検討しているとのことですが、こうした時代の変化を捉え、どのように取り組むのか伺います。
 次に、鉄道ネットワークの充実についてお聞きいたします。
 二〇二〇年、平成三十二年には東京五輪が開催されますが、さらに、次の時代においても輝き続ける東京を我々はつくり上げていく必要があります。鉄道は、豊かで快適な都市生活を支える基幹的かつ必須のインフラです。高度経済成長期を経て鉄道ネットワークが高密度に形成されたことに合わせ、東京圏が今日の姿へと大きく発展を遂げてきたように、我が党が掲げる東京を世界で一番の都市にを実現させる上で、戦略的に鉄道ネットワークの充実を図っていくことは必要不可欠と考えます。
 第四回定例会では、我が党の一般質問に対し、現在検討中である都における今後の鉄道ネットワークのあり方について、今年度中に中間のまとめを行うと答弁がありました。都の考え方を早期に明確にすることで、交通政策審議会での議論に反映されるよう、積極的に取り組んでいくことが重要と考えます。
 そこで、鉄道ネットワークの充実について、知事の所見を伺います。
 次に、羽田空港の機能強化についてお聞きいたします。
 先般、安倍首相が今国会の施政方針演説において、羽田空港の機能強化を進めていくと表明しました。我が国経済の活性化のためには、アジアを初め世界の成長力を取り込むことが必要であり、その玄関である羽田空港の機能強化は極めて重要です。
 昨年、訪日外国人旅行者数が過去最高の千三百万人となり、政府目標である訪日外国人二千万人の達成も現実的なものになりつつあり、羽田空港の受け入れ体制強化の必要性はますます大きくなってきています。一方、容量拡大のために必要な飛行経路の見直しについては、地元から騒音などの懸念の声もあります。
 このような状況のもと、都は、羽田空港の機能強化について今後どのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。
 次に、東京五輪について伺います。
 知事は、さきの施政方針において、本格化する大会準備に総力を挙げて取り組んでいくことを表明しました。とりわけ、会場計画については、昨年の第二回定例会で知事が再検討を打ち出して以来、我が党は質疑などを通じて知事との議論を重ねてまいりました。この議論を踏まえ、三つの施設の新設を中止したことは、整備費の抑制だけではなく、大会後の施設の有効活用を図る上でも、会場計画の方向性について大きくかじを切るものであり、我が党としても高く評価するところです。
 この見直しを受け、先月、必要な施設については基本設計に着手し、本格的な施設整備に向けたスタートを切りました。いよいよ開催に向けた準備にアクセルをさらに踏み込んでいくときが来たと思います。準備に当たっては、大会開催時はもとより、大会後にあるべき東京の姿を見据えた上で取り組みを進め、次世代に誇るべきレガシーを継承していくことを常に念頭に置かなければなりません。
 また、東京五輪は、バリアフリーや技術、文化、伝統、環境など、東京という都市が成熟した社会であることを世界に示し、我が党が政策として挙げた世界で一番の都市東京を実現できる絶好の機会でもあります。東京が国際社会における存在感を確固たるものとし、日本の再生を牽引していくためにも、大会を成功に導くことは開催都市東京の責務です。
 大会の成功に向け、開催準備に取り組んでいくに当たっての知事の決意を伺います。
 パラリンピックに向けた取り組みについて伺います。
 東京は、東京五輪に向け、ロンドンを超える史上最高の大会を目指していますが、都の世論調査では、障害者スポーツをテレビで見た人は五〇%、実際に観戦した方はわずか二%にとどまり、障害者スポーツへの関心は依然として低い状況にあります。知事からも、パラリンピックに向けた取り組みがおくれているとの発言があり、来年度から人員と予算を増強して進めるとしています。
 我が党は、メディアの活用や観戦の場の創出などの普及啓発を初めとするさまざまな施策を加速度的に推進すべきと考えています。
 パラリンピック大会の成功に向けて今後どのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。
 東京五輪に向けた都の競技力向上策について伺います。
 大会に向けて会場整備などを着実に進めることと並行して、大会の主役であるアスリートを育成、強化していかなければなりません。都は、東京都長期ビジョンに、都が発掘、育成、強化するアスリートを百人とする目標を掲げました。東京のアスリートが多数出場し活躍することは、都民に夢や感動をもたらすとともに、大会機運の醸成に直接つながり、ぜひともこの目標を達成すべきです。
 しかし、その道のりは容易ではなく、ジュニアの発掘、育成から現役アスリートの競技環境の整備まで、幅広い取り組みが必要です。大会まで残すところわずか五年余り、都は、さらなる競技力向上にどのように取り組んでいくのか、所見を伺います。
 東京五輪の成功に向けては、区市町村と連携し、地域からオリンピックムーブメントを推進し、オール東京で継続して盛り上げることが重要であると我が党はこれまでも訴えてきました。
 現在、多くの区市町村が事前キャンプ誘致に大きな関心を持ち、誘致のためにスポーツ施設の改修も視野に入れているという声もあります。また、大会を契機として、機運醸成のためのイベントやボランティア育成など、地域振興にも資するさまざまな事業の計画があると聞いています。
 大会成功はもとより、障害者を含む都民を元気にするスポーツ都市東京の実現のためには、このような地域に密着した取り組みが欠かせません。
 都は、こうした動きを受けとめ、区市町村の主体的な取り組みを促進するため、財政面も含め、積極的かつきめ細かく支援するべきと考えますが、所見を伺います。
 東京五輪を控え、外国要人を東京に迎えて接遇する多くの機会が見込まれます。このような場合に、真に日本人の心が伝わり、海外の方々を魅了するような場所を整え、日本の歴史や伝統文化に触れてもらう必要があると我が都議会自由民主党は主張してまいりました。過日、知事が、浜離宮恩賜庭園に東京都独自の迎賓施設を整備すると我が党の主張に応えて発表されたことは、大変喜ばしいことです。
 そこで、浜離宮恩賜庭園におけるおもてなしについて、知事の所見を伺います。
 次に、東京五輪を契機とした都営地下鉄の取り組みについて伺います。
 東京の高度に発達した鉄道網は、安全で安心な公共交通機関として世界でも評価が高く、また、それぞれの沿線にある歴史や文化、自然などの名所をつなぐ役割を担っています。
 都営地下鉄は一日二百四十五万人が利用しており、まずは、東京の都市活動や都民生活を支える重要な交通機関としての役割といったみずからのブランド力を高めていく必要があります。それに加えて、羽田空港や成田空港と都心部をダイレクトに結んでいることや、山の手から下町まで、あらゆる顔を持つ地域をつないでいるとともに、各沿線には、浅草など多くの観光スポットを抱えていることから、沿線区などと連携して沿線独自の価値も高めていかなければなりません。
 東京五輪を契機として、こうした都営地下鉄が持つ強みに磨きをかけつつ、さらなる高みを目指した取り組みを進めていくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、大会の開催と港湾物流との調和について伺います。
 東京五輪は、首都東京を再生し、日本経済の成長を牽引していくために、何としても成功させなければなりません。選手村や競技施設整備に向けた検討が進み、今後は工事が本格化することとなりますが、これらを踏まえ、大会開催に万全の体制で臨んでいくことが求められています。
 一方、関連施設の建設が集中する臨海エリアには、東京港のコンテナターミナルなど、物流機能が集積しています。東京港は通過する貨物の額だけでも年間十七兆円を超え、その大部分は食品や衣料品など生活必需品を含む輸入であるなど、東日本の日常生活に欠くことのできない機能を担っており、一日たりともとめることはできません。
 また、東京港を利用する荷主企業は、長年にわたり経済合理性を追求してきた結果として、東京港利用を前提とした物流体系を確立しており、決して他の港がかわれるものではありません。さらに、東京五輪の準備に向けた建設資材の輸送などの場面でも、東京港の果たす役割がますます重要になってくることは確実です。
 大会の準備期間、そして、開催期間において、大会の確実な成功を目指すとともに、東京港の港湾機能にも十分配慮するべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、東京文化ビジョンについて伺います。
 まず、文化ビジョンの意義と、その実現に向けた取り組みについてです。
 芸術文化は、人々に喜びや感動を与えるのはもちろんのこと、国内外の観光誘因となるとともに、種々の産業とかかわって経済活動を活性化させるなど、多くの価値を有しています。日本古来の精神に裏打ちされた伝統文化を中心に、東京にも満ちあふれている多様な文化を活用して、東京という都市の価値をさらに高め、発展させていくべきであります。
 この発展の最大の機会ともいえる東京五輪開催を前に、芸術文化をどのように活用していくのか、ビジョンの指し示す方向性は重要な意味を持っています。
 そこで、今回この時期に東京文化ビジョンを策定する意義と、文化の中でもとりわけ伝統文化を生かしながら、芸術文化を東京の発展の中にどのように位置づけようとしているのか伺います。
 また、このビジョンが絵に描いた餅にならないよう、実現に向けてどのように取り組んでいくのか、あわせて知事に伺います。
 次に、東京五輪に向けた機運の醸成について伺います。
 文化の面でも世界一の都市となるには、世界に向けて東京の魅力を発信するため、まず、オリンピック文化プログラムで成功をおさめ、文化のレガシーをつくっていかなければなりません。過去最大といわれる二〇一二年のロンドン大会をしのぐ、先進的で他に類を見ない文化プログラムを展開していくためにも、さまざまなプロジェクトを早期に展開することにより、あらゆる都民を巻き込んで、東京五輪に向けた機運を醸成するべきであります。
 今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
 次に、多摩・島しょ振興について伺います。
 都は、昨年末に策定した東京都長期ビジョンにおいて、多摩・島しょ地域の振興を都市戦略の柱の一つとして打ち出しました。
 我が党は、昨年十二月に提出した政策提言において、世界で一番の都市東京を実現するため、魅力あふれる多摩・島しょをつくることを掲げておりますが、今回の都の姿勢は、我が党の提言を踏まえたものとし、高く評価するものです。
 都は、これまでも我が党の提言を踏まえ、新たな多摩のビジョンや、その行動戦略といった多摩振興の計画を策定してきましたが、今後は、東京都長期ビジョンで打ち出された新たな内容を踏まえ、多摩地域の振興を着実に進めていかなければなりません。
 また、今後、これまで経験したことのない人口減少という事態に直面する多摩地域において、その活力を維持し、さらなる発展を目指すためには、市町村はもとより、民間企業などの活力も生かしながら、地域振興の取り組みを進める必要があります。
 そこで、こうした多摩地域を取り巻く状況変化を踏まえて、多摩振興を今後どのように進めていくのか、都の所見を伺います。
 知事は、先日の施政方針演説で、多摩地域に新たな雇用就業支援拠点を整備する旨を表明されました。多摩にある就業支援と労働相談の機能を一カ所に集約するとのことですが、整備に当たっては、単に施設を移転するだけではなく、女性や若者など、それぞれの特性に応じたきめ細かな就業支援を進めるための専門窓口の設置や、企業の従業員向けの多様な相談機会の設定など、支援の充実につなげていかなければなりません。
 都は、多摩地域全体の雇用就業支援の強化に向けて、新たな拠点整備をどのように進めていくのか伺います。
 四百万人を超える人口を擁する多摩地域では、地域が有する特性を生かし、活力に満ちたまちを目指すため、地域の潜在力を引き出す必要があります。また、山間部では、自然環境を生かした地域づくりを図るとともに、台風などによる土砂災害への備えを整えていく必要があります。
 このため、多摩地域では、区部に比べおくれている道路整備を推進し、隣接県にも接続するネットワークの整備を進めるとともに、交通の円滑化や防災力の強化を図っていくことが重要であります。
 そこで、多摩地域の道路整備の推進について伺います。
 続いて、水道事業について伺います。
 水道局では、それまで各市や町が行っていた多摩地区の水道事業を順次統合し、レベルアップに取り組んできました。本定例会の開会日に、包括外部監査人からも、区部と多摩地区における業務の効率化、お客様サービス水準の向上などにつながる業務統一のさらなる推進の必要性について報告がありました。
 水道局は、今後とも、多摩地区におけるレベルアップの取り組みを着実に進めるべきと考えますが、所見を伺います。
 以上、山積する都政の課題を主に長期ビジョンと新年度予算の切り口から取り上げてまいりました。
 我が党は、長期ビジョン策定に当たり、政策推進総本部において、全議員による検討会を進め、中間報告の段階、そして、最終報告取りまとめの際に、二度にわたる政策提言を行ってまいりました。この提言をベースに作成されたのが東京を世界で一番の都市にするための東京都長期計画であり、その実現に向けた財政的な裏づけの第一歩が今回の予算です。その意味で今回の定例会は、二〇二〇年東京五輪パラリンピックと、その先の東京の未来に向けて本格的なスタートを切るための議会であると考えています。
 冒頭で述べたように、東京五輪までのこれからの五年間は、次世代に引き継ぐ東京のレガシーを築き、大会を成功に導き、そして、世界で一番の都市東京への道筋をつけるという非常に重要な意味を持つ五年間です。二十年先、三十年先の東京のために、都議会と知事、そして、執行機関とがしっかりと議論をし、さまざまな課題に取り組み、着実に、迅速に各種の事業を推進していくことが今求められています。
 東京の可能性は極めて大きく、私たちは、東京が間違いなく世界で一番の都市になると信じています。大きな目標を実現するには、古くから天の時、地の利、人の和といわれます。今まさに、この三つの条件はそろいつつあります。東京都議会自由民主党は、そうした揺るぎない信念で、これからも広く都民の期待に応えていくことをお誓い申し上げ、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 村上英子議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、都市づくりの将来像についてでありますが、かつて東京市長を務めた後藤新平は、関東大震災からの復興期にスケールの大きな都市づくりの構想を描き、帝都復興計画として取りまとめをいたしました。当初の計画規模から縮小を余儀なくされましたものの、主要な幹線道路の整備や下町地域の大規模な区画整理などが行われ、百年たった今日、なお、都民生活や東京の活発な都市活動を支えております。
 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックを通過点として、東京も本格的な少子高齢人口減少局面に突入いたします。技術の進歩など、さまざまな社会の変化を視野に入れ、都市活力を一層向上させるとともに、ゆとりや潤いのある都市空間を回復し、将来世代へ確実に引き継いでいくことが重要であります。
 大手町や丸の内の機能更新に約三十年、中央環状線の完成にも約五十年の歳月を要しております。都市づくりには、構想から実現まで時間がかかることから、遠い将来を見通した大きな視点で取り組む必要がございます。
 このため、二〇四〇年代を見据えた都市づくりのグランドデザインの検討に着手いたします。夢と希望に満ちて、さらに発展を続ける東京全体の都市の姿を示し、その実現に向けて全力で取り組んでまいります。
 次に、平成二十七年度予算についてでございますが、私は、知事に就任以来この一年間、東京の現状を肌で感じるため、都政の最前線である多くの現場を歩き、幾人もの有識者から意見を聞き、議論を重ねてまいりました。この間、私は、いかにして都民福祉を向上させるか、どうすれば東京を世界一の都市にできるかということを常に考え続けてまいりました。
 こうした熟慮の結果、東京を世界一の都市に飛躍させるためには、問題の本質を捉えた政策をスピーディーかつ果敢に展開することが不可欠と判断し、積極的な予算を組むことにいたしました。
 その編成に当たりましては、史上最高のオリンピック・パラリンピックの開催とレガシーの創造、福祉先進都市やグローバル都市の実現、都民の安全・安心の確保などを重要な柱とするとともに、戦略的かつ安定的な政策展開を支える財政基盤の構築にも十分留意をいたしました。
 また、この予算には、日本経済を牽引する東京の使命を踏まえ、全国に先駆けた事業、国や地方と連携した事業も盛り込んでおりまして、こうした取り組みが日本全体を元気にし、ひいては激化するグローバル競争に打ち勝つ力になると確信しております。
 政治は結果責任であります。東京都長期ビジョンとあわせて、この平成二十七年度予算をてこに、東京の持続的発展と都民福祉の一層の向上に向け、都議会の皆様とともに、今後も全力を尽くしてまいります。
 続きまして、自己改革力の向上についてご質問ございました。景気の荒波に翻弄されてきた都財政の歴史を踏まえれば、都が将来にわたり積極的に施策を展開していくためには、中長期を見据えた財源確保はもとより、施策の徹底した見直しにより、都政改革を推進していくことが不可欠であります。
 そのため、今回、各局がみずから見直しを行った場合、削減額の二倍まで予算要求を認めるインセンティブの仕組みを新たに導入し、既存事業を厳しく検証することで、時代に即した施策の新陳代謝を促しました。
 こうした取り組みの結果、合計二百三十九事業を見直すことで、昨年度の一・六倍となります約四百十億円の財源を確保し、三百三十件の新規事業を立ち上げました。巨大な組織である都庁の事業の見直しの第一歩を踏み出すことができたと考えております。自己改革とは一朝一夕に達成できるものではなく、時代の要請にかなうよう、事業を常に見直し、質を高める努力を不断に続けることで初めて実現するものであります。
 今後とも、こうした取り組みを徹底することにより、効率性、実効性の高い施策を構築するとともに、膨大な財政需要に応えられる強固な財政基盤を築き上げてまいります。
 福祉、保健、医療施策の展開についてでございますが、昨年十二月に策定しました東京都長期ビジョンでは、福祉先進都市の実現を都市戦略の一つに位置づけ、安心して産み育てられ、子供たちが健やかに成長できるまちの実現、高齢者が地域で安心して暮らせる社会の実現、質の高い医療が受けられ、生涯にわたり健康に暮らせる環境の実現、障害者が地域で安心して暮らせる社会の構築に向けました政策目標と具体的な工程表をお示しいたしました。
 また、来年度予算案では、ビジョンで示した目標を実現するために、福祉と保健の分野で過去最高額となります一兆一千七十億円の予算を計上いたしました。その中には、保育士、介護職員の確保、定着に向けたキャリアパスの仕組みの構築、障害者就労支援の促進、一時保護所の増設など児童虐待対応への強化、在宅療養の推進、感染症や危険ドラッグ対策の強化など、先進的な取り組みを初めとしたさまざまな福祉、保健、医療施策を盛り込みました。
 東京は、二〇二〇年に人口減少という大きな時代の転換点を迎え、超高齢社会の到来も現実のものとなります。こうした将来を見据え、今後も大都市東京の特性を踏まえたさまざまな施策を展開し、世界一の福祉先進都市の実現という大きな目標に向かって全力で取り組んでまいります。
 子供が健やかに育つ環境づくりについてでございますが、安心して産み育てられ、子供たちが健やかに成長できるまちの実現は、都政の最重要課題であります。長期ビジョンにおいては、待機児童の解消に向けた明確な目標を掲げ、保育サービスの拡充と保育人材確保に必要な予算もしっかり計上いたしましたが、社会全体で子育てしやすい環境を整備するという観点も不可欠であります。
 近年、子供の声が騒音だとして悩む住民もいらっしゃる中で、保育所での活動が制限されるなどの状況も生じております。このため、子供の声も数値規制の対象としている現行の環境確保条例を見直し、子供一人一人の健やかな成長、育成にも配慮しつつ、話し合いやコミュニケーションの中で必要な対策を講じて、解決を目指す仕組みに変えるべく改正案を本定例会に提出いたしました。このことによって、地域全体で子供の成長を見守る、よりよい地域、よりよい保育環境の形成につなげていきたいと考えております。
 次に、水素社会の実現に向けた取り組みについてでございますが、資源小国日本が世界のエネルギー情勢に左右されることなく発展し、低炭素な社会構造への変革を遂げるためには、LEDや電気自動車などのすぐれた技術の一層の活用を進めるとともに、水素エネルギーの普及促進が極めて重要であります。
 今回の予算案にも、先進的で意欲的な施策を盛り込んでおりまして、燃料電池車やバスの普及、水素ステーションの整備などを力強く支援してまいります。さらに、二〇二〇年に向けて、新たな基金を創設することで水素社会実現への強い意欲を示すと同時に、継続的な取り組みを担保してまいります。
 今後は、これまでの戦略会議を推進会議に改組しまして、意欲ある新たな事業者の参画も得ながら、官民を挙げて具体的な取り組みを着実に進めてまいります。また、区市町村や他団体とも連携して、国に対する規制緩和要求や水素への理解促進などにも積極的に取り組んでまいります。
 日本には天然資源は乏しいが世界最先端の技術や知恵を持っている、こうした強みを生かしながら、首都東京から水素社会の実現に向けて我が国を先導してまいります。
 次に、総合的な自転車政策の推進についてでありますが、自転車は、健康促進にも環境対策にもなります一石二鳥、三鳥の交通手段であると考えております。ロンドンやベルリンで道路状況やシェアサイクルの取り組みなどを見てまいりましたが、東京には東京の実情がありまして、東京にふさわしい総合的な自転車政策を進めることが重要であります。
 まず、利用時の安全が大前提でありまして、昨年から、自転車安全利用推進計画に基づき、交通ルールやマナー向上に集中的に取り組んでおります。ことし六月には、悪質利用者への法定講習が導入されることも踏まえまして、さらなる適正利用を推進してまいります。
 自転車走行空間も、都道や臨港道路等での整備を進め、二〇二〇年大会開催までに整備延長を二百六十四キロメートルにいたします。また、都道のみならず国や区市等と連携して、自転車が走行しやすい空間を連続させ、歩行者、自転車、自動車それぞれの安全を確保する自転車推奨ルートを設定いたします。新国立競技場など、二〇二〇年大会の会場周辺や主要な観光地の周辺七地区から進めてまいります。
 新規の整備分に加えまして、二百キロメートルの推奨ルートを設定することで、重複部分を除きましても、私の就任時の三倍以上、四百キロメートルを超える規模を確保していく考えでございます。
 さらに、シェアリングにつきましては、これまでも各区の取り組みを多角的に支援してまいりました。先駆的に取り組む江東区、千代田区、港区、中央区と基本協定を締結する運びとなりましたが、引き続き、都が主体的に調整を進め、区境を越えた広域的利用の実現を図っていきたいと思っております。
 観光都市東京の実現と東京ブランドの発信についてでございますが、東京は、古きよき伝統が受け継がれる一方で、最先端の技術が融合し、新しい価値を生み出し変化し続ける、世界でも類を見ない多様で魅力的な都市であります。東京が旅行地として選ばれるためには、こうした東京の魅力を世界の人々が容易に想起できるよう、ブランドイメージとして確立し、戦略的に発信することが必要でございます。
 同時に、東京で暮らし、働く人々が旅行地としての東京の魅力に気づき、共感を深めることで、まちへの誇りや愛着を呼び覚まし、旅行者を迎え入れる機運を醸成していくことが不可欠であります。
 このため、ブランディング戦略を策定し、東京ブランドのシンボルとなりますロゴ、キャッチコピーの作成や、官民一体となりました推進体制の構築に取り組み、国内でのブランド共有を図るとともに、海外メディアも活用しながら、世界に向けて切れ目なく発信してまいります。
 そして、世界中から東京を訪ねる旅行者の受け入れ環境の整備に向けた新たな基金を創設し、都みずからが多様な取り組みを進めることはもとより、区市町村等にも支援策を講じてまいります。二〇二〇年大会に向けて集中的に施策を展開し、世界一の観光都市への飛躍を図ってまいります。
 次に、都市農業の振興についてでありますが、世界有数の大都市でありながら、多種多様な農産物が生産され、新鮮で高品質な食材を提供できることは、東京の大きな魅力の一つであります。
 しかし、こうした魅力を支える都市農業は、農産物価格の低迷による収益性の悪化や、担い手である農業者の高齢化など、厳しい経営環境にございます。加えて、高額な相続税の負担等により、この十年間で約一千ヘクタールの農地が失われるなど、大都市特有の課題も抱えております。
 このため、都は、都市農業振興基本法の制定を見据えつつ、国家戦略特区を活用し、農地制度や相続税制度などの具体的な制度改善に取り組んでまいります。
 先日、国家戦略特区の石破担当大臣にも、この都市農業の重要性について直接話をしてまいりましたが、特区の指定を受ける区、市や町におきまして、都市農地の保全、農地の流動化による多様な担い手の確保、生産性の向上など、都市農業のモデルの構築を目指してまいります。また、大消費地を身近に抱える優位性を生かして、農産物のブランド化や加工品開発等により付加価値を高めるなど、収益力向上に向けた取り組みを強化してまいります。
 来年度から、青梅畜産センターへの施設改修に着手し、東北地方の畜産農家の協力も得まして、ブランド豚のトウキョウXを八千三百頭から二万頭にするなど生産量を大幅に拡大いたします。
 今後、都市農業特区の実現に向けた取り組みやブランド農産物の生産拡大を強力に展開するなど、都市農業を一層振興してまいります。
 雇用就業対策についてでございますが、東京を持続可能な成長軌道に乗せ、世界一の都市にしていくためには、産業を支える人材を確保するとともに、誰もが自信と希望を持って活躍できる社会を実現していくことが必要であります。都は、働く意欲のある全ての人が職につき、能力を十分に発揮できるよう全力を尽くしてまいります。
 安定した仕事につきたいと望みながら、不本意な働き方をしている非正規の方々に対しましては、正社員としての就職の推進や社内における正社員への転換促進などにより、三年間で一万五千人の正規雇用化を図ります。また、女性の活躍促進は、社会の活力を生み出す源の一つでございます。柔軟な勤務体制の導入やトイレ、更衣室、仮眠室の整備、さらには事業所内保育施設の設置など、企業に対して、ソフト、ハード両面から支援することにより、女性が働きやすい職場環境整備を進めてまいります。あわせて、出産や育児などで離職した女性に対しては、再就職の後押しも行いたいと思っております。
 これまで培ってきた経験を生かして働きたい高齢者や、能力や適性に応じて働くことを希望する障害者の就業も支援してまいります。こうした雇用分野のさまざまな課題への対策を進めるため、国と雇用対策協定を締結し、早速、これに基づく運営協議会を開催して、具体的な検討に着手いたしました。さらに、区市町村への支援も開始し、総合力を持って施策を展開してまいります。
 人々に元気の源を供給するのが政治の役割でございます。雇用対策に正面から取り組むことにより、都民の元気を引き出してまいります。
 都市外交人材育成基金についてでございますが、社会経済のグローバル化が進む中で、東京が世界一の都市を目指すには、都とほかの都市が先進的な技術等を持つ分野で学び合うなど相互の交流を通じて大都市の直面するさまざまな課題の解決に取り組んでいく必要がございます。そのためには、世界的な視野に立つ有為な人材の育成が極めて重要でございます。
 新たな基金は、姉妹友好都市との政策提携や、多都市間での実務的、実践的な協力事業による課題解決と、それを担う人材育成に活用してまいります。
 留学生の受け入れでは、対象地域をアジアから姉妹友好都市など、さまざまな都市に拡大いたします。相手都市の発展に資する能力を身につけてもらうと同時に、日本語や日本文化を学ぶプログラムを提供して、すぐれた知日派人材として活躍してもらいたいと考えております。
 また、海外諸都市との事業実施により、東京都の職員についても、世界への目を開かせ、従来にはないグローバルな視野で政策立案ができるように育成していきたいと思っています。この基金を活用し、世界諸都市と、教え教えられる関係をより一層深化させ、互いの都市の発展に貢献することを目指しております。
 皆さん、この一日、ソウルで突然道路が陥没して、おっこっちゃった映像をごらんになったと思いますけど、先般、ソウルの市長が参ったときに、道路陥没について東京都の技術で支援するということを決めたばかりでございますので、我々東京の技術を使って、ソウルの道路が一日も早く安全になるように祈っております。
 次に、鉄道ネットワークの充実についてでありますが、東京は、稠密な鉄道ネットワークが人と物の流れを支え、都市機能を高度に集積させることで、世界有数の大都市へと発展してまいりました。二〇二〇年をピークとして、東京も本格的な少子高齢、人口減少社会という大きな転換期を迎えております。そうした時代においても、鉄道ネットワークの充実により、誰もが快適で安全に移動でき、交流を活発化させて持続的に発展する都市を実現してまいります。
 今後の東京圏の鉄道ネットワークにつきましては、外部の専門家の意見を聞きながら、国の審議会答申に示された路線を中心に、移動時間の短縮や拠点間の連携強化、空港アクセスの向上などの視点に加え、事業性も含めて検討してまいりました。近く中間まとめを発表し、引き続き整備効果と課題の検討を深め、来年度には都の考えを取りまとめ、国に示してまいります。
 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック大会の先を見据え、都民生活と都市活動を支える鉄道ネットワークを充実させて、東京をさらに暮らしやすく、活力ある都市へと発展させてまいります。
 羽田空港の機能強化についてでありますが、東京の発展に欠かすことのできない羽田空港について、昨年、国から都心上空を飛行するなどによる容量拡大案が示されました。二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックやその後の航空需要に応え、国際便の就航をふやしていくためにも、羽田空港の容量拡大は必要不可欠であり、何とか実現したいと思っております。
 現在、国と飛行ルートに関する協議を重ねており、この中で、騒音防止措置や落下物対策などの住民に向けた丁寧な説明について、しっかりと対応いただくように要請いたしました。
 都としても、地元の理解が深まり、協議が円滑に進むよう積極的に協力するとともに、空港アクセスの充実など、羽田空港の機能強化を図り、国内外の交流が盛んで活力ある国際都市東京を実現してまいります。
 大会に向けた開催準備への取り組みについてでありますが、大会開催基本計画の策定により、多岐にわたる開催準備が本格化いたします。都は、国や組織委員会との適切な役割分担のもと、準備に万全を期してまいります。新設を決定した競技施設につきましては、大会後の確かなレガシーを念頭に、アスリートの夢の舞台として着実に整備してまいります。
 また、今後は、都民生活ともかかわりの深いセキュリティーや輸送などの大会運営を支える取り組みが、開催都市の責任として極めて重要になってまいります。危機管理の観点からの、自然災害や感染症、テロなど、さまざまなリスクへの対応や、観客や関係者の輸送の問題、競技施設やインフラの工事期間中における交通混雑の問題への対応など、政府等関係機関と緊密に連携しながら早急に取り組んでまいります。
 大会開催に向けましては、区市町村が行う事前キャンプ誘致の支援や、ボランティアの裾野拡大によるオール東京での機運醸成はもとより、全国を視野に入れました幅広い取り組みを通じて盛り上がりを加速してまいります。
 さらに重要なのは、大会開催を通じた被災地の復興支援であります。被災地の復興に向けた姿を世界に発信することや、スポーツの力を通じて被災地を元気づけ、その復興を力強く支援してまいります。
 二〇二〇年大会を成熟都市にふさわしい、世界中の人々の記憶に残る大会として成功させるため、都の総力を挙げて準備に取り組んでまいります。
 ちなみに、この日曜日に開かれました東京マラソン、警察、消防、関係の皆さん、ボランティアの皆さん、都民の心が本当に一つになりまして、大変な成功裏に終わることができたと思っております。この経験を生かして、さらに、二〇二〇年大会に向けて全力を挙げてまいります。
 次に、パラリンピックに向けました取り組みについてでございますが、二〇二〇年大会の成否の鍵は、パラリンピックの成功にあります。先日会談しましたロンドン・オリンピックのCEOでありますポール・ダイトン卿からは、パラリンピックの成功は、ロンドン大会の最も重要なレガシーの一つであると、こういうことをお伺いいたしました。二〇一二年のロンドン・パラリンピックは、過去最高の観客数を記録し、大会を機に、多くの英国民の障害者に対する見方を変えるなど、大きな成功をおさめました。
 私は先般、昨年、ロンドンから帰るときに乗りましたブリティッシュ・エアのキャビンアテンダントのトップの方が、ロンドン・オリンピックで、まさにボランティアをやったと、それから自分の人生が変わったと、わざわざそういうことを話しかけてきてくれました。
 東京におきましても、パラリンピックの持つ魅力を発信するため、テレビ等、メディアを効果的に活用するとともに、競技の観戦や体験の機会を積極的に提供し、障害者スポーツの普及啓発を大会に向けて飛躍的に進めてまいります。
 さらに、競技会場までのアクセスや施設内でのバリアフリー化など、ハード面の対策に加え、障害者に対してみずから進んで手助けをする意識を人々に広め、心のバリアフリーを日本中に浸透させたいと考えております。
 これに加えまして、ユニバーサルデザインのまちづくり、障害者や高齢者の日常生活を支えるテクノロジー、さらには障害者アートなどの文化も含め、生活を取り巻くさまざまな分野での環境整備にもしっかりと取り組んでまいります。
 こうした取り組みを積み重ねることにより、人々の意識に変革をもたらし、末永く残るレガシーとしてまいります。
 都は来年度、予算、人員など体制を強化し、国や組織委員会を初め各界との連携を密に図りながら、二〇二〇年東京パラリンピックを成功に導いていく、そして、その先に続く、障害のある人とない人がともに生きる社会の実現につなげていきたいと思っております。
 浜離宮恩賜庭園におけるおもてなしについてでございますが、浜離宮恩賜庭園は、三百六十年の歴史を有し、金閣寺や銀閣寺と並び特別名勝、特別史跡に指定されている数少ない日本庭園の一つであります。この庭園は、将軍家の別邸や皇室の離宮としてタカ狩りや観桜会、茶会など遊覧や娯楽に利用され、戦後、東京都へ下賜された江戸時代を代表する大名庭園でありまして、他に類を見ない格別な空間を形成しております。
 現在、江戸文化が成熟いたしました第十一代将軍家斉の時代の姿を再現するため、茶屋群の復元を進めております。今回、復元を決めた延遼館は、明治二年、イギリス国王子エディンバラ公の来日を契機に、明治新政府により近代日本最初の迎賓施設として整備され、第十八代アメリカ大統領でありましたグラント将軍を初め、多くの外国要人を歓待した場であります。
 この延遼館は、東京府知事が各国行使や皇族、岩倉具視、榎本武揚などを招待し、夜会を開くなど数々の外交の舞台として、近代日本黎明期の歴史を刻んできた場所でもあります。都心に近く、陸上と海上の両方からお客様をお連れすることができる浜離宮恩賜庭園は、まさに最高のおもてなしの場にふさわしいと考えております。
 今後は、この世界に誇る庭園において、歴史に裏打ちされた由緒ある延遼館や茶屋などを活用して、海外からのお客様を真心を込めた和のおもてなしでお迎えいたします。
 なお、明後日お迎えいたしますケンブリッジ公爵殿下にも浜離宮恩賜庭園を散策していただき、お茶のおもてなしを差し上げたいと考えております。
 文化ビジョンの意義とその実現に向けた取り組みについてでございますが、二〇二〇年東京大会を、文化の面でも史上最高のオリンピック・パラリンピックに導き、有形無形の文化レガシーを次世代に継承する必要があります。そのため、東京の芸術文化振興の今後の道しるべとなります東京文化ビジョンを策定することとし、先般、素案を発表いたしました。
 このビジョンでは、ロンドンやパリがそうでありましたように、東京のさらなる成長の柱として芸術文化を位置づけ、多様な文化的特徴を持つ拠点の魅力を高めることで、活力に満ちた世界一の文化都市を目指してまいります。
 また、東京の文化の源泉であります伝統文化の意義や真髄をしっかり位置づけ、子供たちや外国人にも体験を通じてわかりやすく伝えるなど、東京の芸術文化が持つ価値を発信してまいります。
 ビジョンの実現には、芸術文化団体や企業、国や自治体、芸術家など全員参加体制の仕組みを構築するとともに、東京と地方との連携を強めることにより、芸術文化で世界から注目を集める新しい日本と東京をつくってまいります。その実現のため、今回設置する東京都芸術文化振興基金を効果的に活用してまいります。
 今後、都議会の議論も踏まえ、年度内にビジョンを策定し、文化が牽引する新たな都市像を国内外に示してまいりたいと考えております。
 なお、そのほかの質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長が答弁をいたします。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

○教育長(比留間英人君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、発達障害教育についてでありますが、都教育委員会は、一人でも多くの発達障害の児童が在籍する小学校で適切な指導を受けられるよう、特別支援教室の全区市町村導入に向け、条件整備に要する経費補助など、新たな支援策を実施いたします。
 また、小中高等学校において、医師等の専門家の巡回や支援員の活用方法などの実践的な研究を行い、障害特性に応じた支援方法を検討いたします。
 これらの取り組みに加え、発達障害に関する理解促進を含めて、発達障害教育の課題と必要な施策について、多角的、総合的に検討し、小中高等学校を通じて児童生徒一人一人がその能力を最大限伸ばしていけるよう、仮称でございますが、東京都発達障害推進計画を平成二十七年度に策定してまいります。
 次に、公立学校の特別教室の冷房化についてでありますが、都立高校の特別教室については、冷房化対象教室の拡大への要望が強いことを受け、本年五月を目途に新たな冷房化の対象とする特別教室を選定し、計画的な整備に向け、学校ごとの具体的な調査を実施してまいります。
 なお、校舎の最上階にあるため、室内が著しく高温になるなど、個別の事情がある特別教室については、先行して整備し、早期に環境改善を図ります。
 小中学校の特別教室につきましては、都立高校の整備方針を踏まえ、同様の考え方に基づき実効性のある方策を早期に検討し、教育環境の充実を図ってまいります。
   〔東京都技監横溝良一君登壇〕

○東京都技監(横溝良一君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、今後の土砂災害対策への取り組みについてでございますが、全国で土石流などによる被害が頻発する中、災害から都民の命を守るためには、砂防堰堤などの着実な整備に加え、住民に危険箇所を周知し、円滑な避難行動を促すソフト対策をより一層充実させることが必要でございます。
 このため、土砂災害防止法に基づく基礎調査を、平成二十九年度までに都内全域で完了させ、調査が終了した地域から直ちに結果を公表するとともに、関係自治体に働きかけ、ハザードマップの作成など、警戒避難体制の整備を促進いたします。
 あわせて、土砂災害の危険性が高い箇所に避難所や老人ホームなどがあり、代替施設の確保や建物の補強などによる対策が困難な場合には、砂防施設の整備や斜面対策を重点的に進めてまいります。
 今後とも、関係自治体と連携し、土砂災害対策に全力で取り組んでまいります。
 次に、中小河川の整備推進についてでございますが、頻発する集中豪雨に早期に対応するためには、河川整備を一層効率的、効果的に進めることが重要でございます。
 このため、時間五十ミリまでの降雨は、護岸整備を基本とし、それを超える降雨には、道路や公園など用地買収の必要のない公共空間を活用した新たな調節池で対処いたします。この方針に基づき、時間百ミリの局地的かつ短時間の豪雨にも効果を発揮する仮称環状七号線地下広域調節池など五施設で、平成二十八年度の着工を目指し、現在、主要構造の検討や現地測量などを進めております。
 今後十年で、古川地下調節池など整備中のものも含め、十三施設を完成させ、都内全域の貯留量を約一・七倍に拡大いたします。現在、二十五河川で進めている護岸の改修とあわせ、今後とも、中小河川の整備に邁進してまいります。
 次に、無電柱化事業の今後の取り組みについてでございますが、無電柱化は、防災機能の強化や、良好な都市景観の創出、安全で快適な歩行空間の確保が図る上で重要でございます。
 都は、新たな無電柱化推進計画に基づき、センター・コア・エリア内はもとより、都市の防災力を高めるため、周辺区部や多摩地域を中心に、第一次緊急輸送道路で整備を推進し、今後十年間で整備率を五〇%に引き上げます。
 特に、震災時に重要な機能を果たす環状七号線は、この十年間で無電柱化を完了させます。また、幅の狭い区市町村道で無電柱化を進めるため、公共空間や民地を活用した機器の設置の仕組みや税制の取り扱いなど、新たな推進策を関係局などと検討するとともに、モデル地区を設定し、計画段階で関係区と連携して技術的検証を深めてまいります。
 今後とも、都内全域での無電柱化推進に積極的に取り組んでまいります。
 最後に、多摩地域の道路整備の推進についてでございますが、多摩地域の魅力と活力を高め、一層の発展を図るためには、交通の円滑化や都市間の連携強化が重要であり、都はこれまで、多摩南北主要五路線を初めとする骨格幹線道路の整備を進めてまいりました。
 特に、平成二十六年度中に新青梅街道で新たな区間の拡幅整備を開始するとともに、平成二十七年夏に調布保谷線を全線開通いたします。また、都県境が入り組んでいることにより整備が進んでいなかった新東京所沢線などについて、埼玉県と連携して整備を進めることといたしました。
 さらに、山間部では、観光振興に寄与するとともに、地域の孤立化を防ぐダブルルートを確保するため、日の出町と青梅市を結ぶ梅ヶ谷トンネルを平成二十七年度に事業着手いたします。
 今後とも、多摩地域の発展に資する道路整備に、より一層取り組んでまいります。
   〔財務局長中井敬三君登壇〕

○財務局長(中井敬三君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、新たな主要施設十か年維持更新計画策定の基本的な方向性についてでありますが、建築物の長寿命化に関しては、建物の長期的な使用に対応可能な設計上の工夫や適切な維持管理と保全の実施などにより、建築から改築までの年数を六十五年以上とする長期間の使用を目指してまいります。
 また、都有施設の整備に当たっては、昨年六月に改正した省エネ・再エネ東京仕様を全面的に適用し、建築分野での環境負荷の低減に率先して取り組んでまいります。
 さらに、これらの施策を強力に推進するため、民間の新技術などを積極的に取り入れて、その効果を検証し、標準化を図る新たな制度を実施してまいります。
 今後とも、都民の貴重な資産である都有施設の計画的な維持更新を図り、長期にわたる良質なストックの形成に努めてまいります。
 次に、都心部などにおける福祉施設の整備についてでありますが、都は、地価が高く用地確保が困難な地域での福祉施設の整備促進のため、都有地を活用した福祉インフラ整備事業を実施しており、昨年の夏から、貸付料の減額率を土地価格に応じて大幅に拡大しております。
 こうした取り組みの効果を土地の高度利用が可能な都心部などでさらに高めていくためには、都有地を活用したまちづくり事業の中で、民間施設と複合的に福祉インフラ整備を図っていくことが必要と認識しております。
 このため、福祉施設との合築を条件とする際には、新たに福祉施設相当部分の貸付料を減額する仕組みを導入し、事業者のインセンティブをさらに高めてまいります。
 これにより、まちづくりとの両立を図りながら、福祉施設の整備を一層促進してまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

○総務局長(中西充君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、大規模災害時の初動対応力の強化についてでございます。
 都は、首都直下地震等対処要領の策定後、昨年夏の総合防災訓練等で、その内容の検証を行うとともに、区市町村や関係機関と具体的な活動内容について協議を重ねております。
 今後は、対処要領の実効性をさらに高めるため、大規模救出救助活動拠点と災害拠点病院を結ぶルート等を設定し、自衛隊、警察、消防に加え区市町村や医療関係者、道路管理者等と平時から情報を共有してまいります。
 また、発災時に政府と緊密に連携するため、国の担当者及び幹部とホットラインを構築するとともに、国が都と連絡調整を行うため都庁内に設けます現地対策本部の運用につきまして、連携強化に向けた検討を進めてまいります。
 来年度には、両者の対策本部設置訓練を合同で実施するなど、今後とも、災害時の初動対応力を強化してまいります。
 次に、国土強靱化地域計画の策定についてでございます。
 計画の策定に当たっては、医療やライフラインなど、さまざまな機能を強靱化の観点から見直し、対応策を検討する必要があり、国やライフライン事業者など、広範な関係者との連携協力が重要となります。このため、都の各局を初め、国や関係機関で構成されます東京都防災会議におきまして、知事の諮問のもと検討を行うことといたしました。
 現在、大規模自然災害のさまざまなリスクに対する脆弱性の分析、評価を行っており、今後、その結果を踏まえ、強靱化の目標を設定し、対策を検討してまいります。
 ご指摘のとおり、東京の強靱化においては、首都機能の保持は欠かせない課題であり、都はもちろん、国や関係機関の果たすべき役割に応じた必要な取り組みを、財政面の課題も念頭に地域計画に明確に位置づけてまいります。
 次に、性犯罪被害者への支援についてでございます。
 現在、都内には、民間団体が設置する相談窓口がございますが、一人体制のため、充実した支援が困難となっております。
 そこで、本年七月には、民間団体に財政補助を行い相談員を増強することで、二十四時間対応可能な支援体制を整えます。また、性犯罪被害に対して適切に対応できる協力医療機関を都内全域で確保いたしますとともに、被害者がみずから医療機関を訪れた場合でも、この民間団体と医療機関が連携して支援できる体制を整備いたします。
 さらに、精神的ケアが必要な場合には、専門機関につなげるとともに、可能な場合には、警察への通報、届け出を促し、犯人検挙や犯罪抑止につなげてまいります。
 こうした取り組みにより、ワンストップ支援体制を構築し、被害者の立場に立ったきめ細やかな支援を行ってまいります。
 最後に、今後の多摩振興の推進についてでございます。
 多摩地域の持続的発展を実現するためには、多摩振興に係る都事業を着実に推進するとともに、市町村や民間企業との連携を一層強化する必要がございます。
 このため、本年四月に、仮称でございますが、新たな多摩のビジョン行動戦略年次報告書を作成いたします。本書におきまして、戦略で掲げました全ての都事業の進捗状況に加え、東京都長期ビジョンも踏まえた新規事業など最新の事業動向を示し、行動戦略のPDCAサイクルを有効に機能させてまいります。
 また、多摩地域が直面いたします課題解決に資する市町村や民間等の新たな取り組みについて広く普及するとともに、魅力発信支援補助事業等を活用いたしました市町村への後押しを通じて、多様な主体による工夫ある取り組みを促進してまいります。
 今後も、関係者一丸となって多摩振興を推進してまいります。
   〔都市整備局長安井順一君登壇〕

○都市整備局長(安井順一君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、木密地域不燃化十年プロジェクトについてでございますが、木密地域の改善には、延焼遮断帯の形成と市街地の不燃化を一体的に進めることが重要でございます。
 延焼遮断帯を形成する特定整備路線については、本日をもって全区間の事業認可を取得しており、引き続き、早期完成に向けて取り組んでまいります。
 また、不燃化特区につきましては、区からの意見などを踏まえまして、地区の状況に応じ、まちづくりの専門家を複数回派遣可能とするほか、戸建て住宅の建てかえに係る設計費も延べ床面積に応じて助成する方法に改めます。
 さらに、地元区や関係局と連携し、住宅の建てかえや移転などに関する相談にワンストップで、また、迅速に対応することなどによりまして、十年プロジェクトを強力に推進し、木密対策を加速させてまいります。
 次に、福祉インフラ整備のための創出用地についてでございますが、都は、都営住宅、公社住宅の建てかえにより創出した用地の活用に向けて、区市町村と協議を進めてまいりました。
 新たな土地活用の取り組みとして、公社の中野区広町住宅、板橋区向原住宅、文京区茗荷谷住宅の三カ所の用地を、福祉インフラ整備のために提供することといたしました。公社は、これらを社会福祉法人などに貸し付け、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、ショートステイ、障害者施設等を整備いたします。貸し付けに当たっては都有地と同様の減額制度を適用することといたしまして、来月初めから事業者募集等を順次実施してまいります。
 今後も、福祉インフラ整備の促進に向け、都営住宅、公社住宅の建てかえに伴い創出される用地のさらなる活用を推進してまいります。
 次に、まちづくりと連携した福祉インフラ整備についてでございますが、都営住宅、公社住宅の建てかえに伴う創出用地の提供に加えまして、さらに、容積率の緩和が可能となる都市開発諸制度を活用し、福祉施設の整備を一層進めていくことといたしました。
 具体的には、子育て支援施設や高齢者福祉施設について、容積率の割り増し限度を拡大することなどによりまして、地価の高い都心部などにおきましても、地元区市の意向に即して施設の立地を促進してまいります。
 近々に制度を改正し、来年度早々から開発事業者との協議を開始することといたしまして、まちづくりを通じて福祉インフラ整備を加速してまいります。
 最後に、都市計画道路の整備方針についてでございますが、都市計画道路は、都市活動を支え、交通の円滑化や災害時の救急救援活動などに大きな役割を果たす重要な都市基盤でございます。これまで、渋滞の解消や防災性の向上などの観点から、効果的に道路ネットワークの形成に取り組んでまいりました。
 現在検討中の整備方針では、骨格幹線道路の着実な整備はもとより、成熟都市として誰もが活動しやすく、快適に暮らせるまちの実現に向け、交通結節機能や地域の中心となる拠点間相互の連携を強化する視点などから、今後の道路整備の方向性を示してまいります。
 来年度早期には、中間のまとめを公表し、引き続き、区市町とも協議を重ねまして、平成二十七年度末までに新たな整備方針を策定いたします。
   〔水道局長吉田永君登壇〕

○水道局長(吉田永君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、水道基幹施設の整備についてでありますが、広域的な断水リスクの解消に必要となる浄水場の更新、導送水管の二重化、ネットワーク化及び給水所の新設、拡充の整備には長期間を要するとともに、今後十年間に限っても約六千億円の費用が見込まれます。
 このため、これら整備を重点化し、基幹施設再構築事業として、来年度早期に取りまとめ、着実に実施してまいります。
 さらに、事業の円滑な推進に当たりましては、都民や道路管理者、交通管理者など多くの関係者の理解と協力が不可欠であるため、再構築の必要性や事業内容などを広く発信してまいります。
 こうした取り組みにより、将来にわたる首都東京の安定給水の確保に万全を期してまいります。
 次に、多摩地区水道のレベルアップについてでありますが、多摩地区の水道業務は、長年にわたり地方自治法上の事務委託により、それぞれの市や町が実施してきたという歴史的な経過がございます。
 この事務委託が平成二十三年度末に、ようやく完全解消されたのを契機に、施設整備を初めとするさまざまな取り組みに本格的に着手いたしました。
 今回の包括外部監査では、こうした状況を踏まえた上で、長期的な視点に立ったロードマップを策定すべきとの意見が付されたものであります。
 今後、監査人の意見も踏まえ、改善計画を策定、実施してまいりますが、その際には、お客様サービスの観点や、現場の実情にも十分留意しつつ、多摩地区水道のレベルアップを着実に推進してまいります。
   〔消防総監大江秀敏君登壇〕

○消防総監(大江秀敏君) エアハイパーレスキューの概要と今後の消防活動体制の強化についてでありますが、来年度に創設予定のエアハイパーレスキューは、陸上からのアプローチが困難な高層建築物や土砂崩れによる孤立地域等での災害に対して、ヘリコプターの機動力を最大限に生かし、空から迅速かつ効果的な消火、救助、救急活動を展開する専門部隊であります。
 この部隊には、江東と立川の二拠点に高度な救助技術や救急救命士の資格を有する総勢四十四人の部隊員と、大量救出用ゴンドラや空中消火装置など特殊な資器材を配備する予定であります。
 今後とも、世界一安全・安心な都市を実現するため、首都直下地震等に備えた消防救助体制や高齢化の進展を踏まえた救急活動体制、さらには新型消防艇の導入による港湾消防体制の強化など、総合的な消防活動体制の充実に努めてまいります。
〔青少年・治安対策本部長河合潔君登壇〕

○青少年・治安対策本部長(河合潔君) 治安対策についてでございますが、都が策定いたしました安全安心TOKYO戦略は、誰もが安全・安心を実感できる社会の実現を目指して、地域に重点を置き、住民、行政、警察、企業等あらゆる主体が連携して、安全・安心の向上を図ることを主眼としております。
 国際社会を揺るがすテロへの対策は、主として国や警察の役割でございますが、安全・安心を確保するための情報の共有や見守りの強化により、地域の防犯力を高め、さまざまな脅威から住民を守る力を備えていくことこそが、テロなどにも屈しない強い東京の創造につながるものであります。
 本戦略を着実に進めることで、振り込め詐欺や危険ドラッグの撲滅、通学路等における安全確保など喫緊の課題へ早急に対応するとともに、安全・安心の体制を盤石なものとし、世界一の都市東京を実現してまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、地域医療構想の策定についてでありますが、昨年の医療法改正により、平成三十七年の医療需要と目指すべき医療提供体制、その実現のための施策を盛り込んだ地域医療構想を来年度以降策定することが、各都道府県に義務づけられました。
 現在国では、策定の指針となるガイドラインを検討していますが、我が国の医療の現状を見ると、全国一律の基準のもとに地域医療構想を策定することは困難でございます。特に、東京におきましては、圏域を超えた受療行動、特定機能病院等の高度医療を求める患者の全国からの流入、昼間人口の多さなど他の地域とは異なる大都市特性がございます。
 都としましては、地域ごとの特性を地域医療構想に反映できるよう引き続き国に求めるとともに、各医療関係団体の意見を聞きながら、策定に取り組む考えでございます。
 次に、高齢者保健福祉計画に基づく取り組みについてでありますが、今回の計画は、団塊の世代が七十五歳以上となる平成三十七年を見据え、介護サービス基盤の整備、在宅療養や認知症対策、介護人材対策の推進、介護予防の推進と支え合う地域づくり等を重点分野に位置づけ、策定をいたします。
 この計画に基づき来年度は、施設整備費や土地賃借料の負担軽減、複数の区市町村が共同で利用できる特別養護老人ホームの整備等により基盤整備をさらに推進するとともに、現在十二カ所指定している認知症疾患医療センターを区市町村ごとに指定し支援体制を強化いたします。また、介護予防に関する情報共有システムの立ち上げや、元気高齢者を福祉サービスに活用する取り組みなども開始いたします。
 こうした施策を積極的に展開しながら、大都市東京にふさわしい地域包括ケアシステムの構築を進めてまいります。
 次に、福祉人材の確保についてでありますが、保育士や介護職員など福祉サービスを支える人材を安定的に確保するためには、職員がやりがいを持って働き続けられる職場の環境の整備や、復職を希望する方に対する再就業支援等の取り組みを一層強化することが重要でございます。
 このため、来年度は、保育士、介護職員のキャリアアップに取り組む事業者を支援する都独自の補助制度を創設するほか、派遣先に雇用されることを前提とした介護人材の派遣、東京労働局と連携した雇用対策など、新たな取り組みを実施いたします。また、求人情報を効果的に発信するため、離職者等の人材情報を一元的に管理する人材バンクシステムの構築に向けた検討を開始いたします。
 今後とも、将来を見据えた福祉人材の確保、定着、再就業に向けた取り組みを積極的に進めてまいります。
 次に、障害者の地域生活基盤の整備についてでありますが、都はこれまで、障害者が希望する地域で安心して暮らせるよう、東京都障害福祉計画の中に地域生活基盤の整備促進策を盛り込み、グループホームや通所施設等の整備を促進してまいりました。
 こうした取り組みを一層推進するため、現在策定中の第四期計画には、障害者、障害児地域生活支援三カ年プランを盛り込む方針でございます。
 プランでは、新たに児童発達支援センターを整備対象に加えるとともに、整備費の事業者負担を軽減する特別助成、借地を活用する場合の土地賃借料や定期借地権の一時金に対する補助などの支援策を講じ、平成二十七年度から三年間で、現行計画を上回る六千七百二十人分のグループホーム等の地域生活基盤を整備してまいります。
 最後に、妊娠、出産、子育てに関する支援についてでありますが、都はこれまで、全ての人が安心して子供を産み育てられるよう、地域における子供と家庭の相談窓口である子供家庭支援センターの体制強化や、産前産後に支援が必要な方に対するケア等を行う区市町村を支援するほか、妊娠や出産に関する相談窓口の設置や都独自の不妊治療助成の拡充など、さまざまな施策を展開してまいりました。
 来年度は、さらに全ての子育て家庭の状況を妊娠期から把握し、継続した支援を行えるよう、専門職の配置や育児パッケージの配布を行うゆりかご・とうきょう事業を開始し、区市町村を支援いたします。また、男性を対象とした不妊治療費助成を開始いたします。
 さらに、保育サービスや学童クラブの整備も進め、妊娠期から子育て期に至る切れ目のない支援を一層強化してまいります。
   〔病院経営本部長醍醐勇司君登壇〕

○病院経営本部長(醍醐勇司君) 都立、公社病院の病児、病後児保育についてでありますが、子育ての際には、子供が急病のときにも、安心して預けられるよう、保育環境を充実することが重要であります。区市が主体である病児、病後児保育は、医師との連携等さまざまな課題があり、整備目標が未達成の地域もございます。
 このため、区市のニーズを踏まえ、小児科のある都立、公社の十病院におきまして、医療資源を活用し、病児、病後児保育を実施してまいります。
 実施に当たりましては、都立、公社病院の特色を生かし、受け入れ児童が急変した場合には、速やかに小児科との連携を図り、専門性の高い治療につなげていけるよう体制を整備してまいります。また、複数の区市の児童を受け入れる広域利用にも取り組み、地域で安心して子育てができる社会の実現に貢献するよう努めてまいります。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

○環境局長(長谷川明君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、スマートエネルギー都市の実現についてでございますが、東京は、エネルギーの大消費地として、持続的成長を遂げながら、率先して気候変動対策を推進する必要があり、長期ビジョンにおいて、さらなる省エネルギーや低炭素なエネルギーの導入目標を掲げ、取り組みを強化することといたしました。
 来年度からは、新たに中小規模事業所における省エネ型データセンターの活用促進や、既存住宅の高断熱化と太陽光発電の導入への支援など、事業所や家庭での省エネ化等を一層推進してまいります。また、コージェネレーションによる熱と電気を建物間などで面的に融通するためのインフラ整備を支援し、エネルギー利用効率の向上につなげてまいります。
 こうした需給両面にわたる施策を都民、事業者の協力のもとで積極的に推進し、低炭素、快適性、防災力を兼ね備えたスマートエネルギー都市の実現を目指してまいります。
 次に、資源循環施策の今後の展開についてでございます。
 持続可能な資源利用を推進するためには、大消費地である東京が、都民や事業者と連携し、重点的かつ喫緊の課題から、率先して取り組んでいくことが重要でございます。
 このため、都は今年度中に取り組み方針を策定し、食品ロスなどの資源の無駄の削減、再生砕石などのエコマテリアルの利用、廃プラスチックなどの廃棄物の循環利用の三つのテーマについて、来年度、先進的企業などと連携したモデル事業を実施し、広く取り組みの普及を図ってまいります。
 また、事業系廃棄物のリサイクルのルールづくりなどに向けて、来月にも区市町村との協議の場を立ち上げてまいります。
 さらに、持続可能な資源利用を具体化する新たな東京都廃棄物処理計画の策定に取り組み、世界一の都市東京にふさわしい資源循環の実現を目指してまいります。
 最後に、花や緑を生かしたまちづくりの推進についてでございますが、花と緑は、潤いや彩りの付与、生態系の保全など、さまざまな機能を有し、快適な生活空間の創造に寄与するとともに、国内外からの来訪者に対するおもてなしにもなる都市の魅力向上の重要な要素と認識しております。
 都はこれまで、緑の量に加え、在来種植栽の推進など、質を高める施策を展開してきておりますが、今後、二〇二〇年大会を契機として、美しさの視点も踏まえ、誰もが共感できる緑化の取り組みを都内に普及させてまいります。
 このため、来年度新たに、将来にわたって維持管理が期待できる花と樹木による植栽づくりを行う民間事業者等や、都民等と連携して地域緑化に取り組む区市町村を支援し、環境と調和した快適で美しい都市の実現に向けて取り組んでまいります。
   〔下水道局長松田芳和君登壇〕

○下水道局長(松田芳和君) 下水道施設の上部空間の利用についてでございますが、芝浦水再生センターの上部利用は、下水道事業では初めて立体都市計画制度を活用し、施設上部に業務商業ビルを建設するもので、従来の下水道事業の枠を超え、品川周辺のまちづくりに貢献し、都市開発を先導する取り組みでございます。このビルは、下水の熱や再生水を利用するなど、最高水準の環境モデルビルでございまして、その地下には、合流式下水道の改善対策として、貯留施設を整備いたします。
 さらに、水処理施設の上部に公園を整備し、開発地域の憩いの場として、また、ヒートアイランド現象を緩和する風の道として活用いたします。このように下水道施設の上部は、東京の貴重な都市空間であり、新たな価値を生み出すポテンシャルを有しております。
 今後は、他の施設につきましても、計画段階から地元の声や地域特性などを踏まえ、地元区市や民間事業者など多様な主体と連携して、上部空間の複合的な活用を積極的に検討し、幅広い観点からまちづくりに貢献してまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 六点のご質問にお答えをいたします。
 まず、中小企業の成長に向けた支援についてでございますが、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックを契機に、その効果を中小企業に広く行き渡らせ、東京の産業を将来にわたる成長の軌道に乗せていくことは重要でございます。
 このため、都は来年度、商工会議所や中小企業団体中央会等で構成する協議会を立ち上げ、中小企業による大会関連の受注機会の獲得や幅広い製品、サービスの効果的な発信など、官民一体となった取り組みに着手いたします。
 また、成長産業分野での次世代を担う技術や製品の創出に向け、試作から実用化までを一貫して支援する事業を開始するとともに、中小企業振興公社がタイに設置する拠点等を活用し、中小企業の海外販路開拓を促進いたします。
 こうした多面的な取り組みにより、中小企業の成長を力強く支援してまいります。
 次に、小規模企業の事業継続に向けた支援についてでございますが、東京の産業の活力を一層高めていくためには、地域経済を担う小規模企業の事業の継続と発展が不可欠でございます。
 そこで、都は来年度、商工会連合会や商工会議所、中小企業団体中央会と連携し、新たに都内六カ所に支援拠点を設置いたします。拠点では、商工会等が行う地域経済の活性化事業を強力にサポートするとともに、個々の企業に対し、業態転換や事業承継等、単独では解決が難しい課題につき、専門家を活用して重点的に支援してまいります。
 また、中小企業振興公社における事業承継支援の体制も強化し、後継者の確保や、そのための経営改革等に取り組む企業を三年間にわたって集中的に支援してまいります。
 東京の産業を支える小規模企業の持続的な発展を、関係機関と連携し後押ししてまいります。
 次に、金融支援策の充実についてでございますが、中小企業の発展を後押しするためには、事業の立ち上げ時や後継者への引き継ぎ時など個々の企業のライフステージや、それぞれの経営実態を踏まえた支援が重要でございます。
 このため、来年度の制度融資では、創業融資において商工団体等から経営支援を受けた場合の金利を優遇するとともに、事業承継期の経営安定化などに必要な資金を融資するメニューを新設いたします。これらのメニューでは、全事業者に対し信用保証料の二分の一を都が補助いたします。
 あわせて、さまざまな事業用資産を担保とした借り入れができる動産・債権担保融資制度では、融資規模を大幅に拡充するなど、資金調達の選択肢を幅広く提供いたします。
 こうした資金繰りの支援の拡充により、中小企業の実情に応じたさまざまな取り組みを後押ししてまいります。
 次に、創業の支援についてでございますが、東京の産業競争力を高めていくためには、幅広い層による多様な起業、創業を創出することが重要でございます。
 このため、都は来年度、中小企業振興公社に約百億円の基金を造成し、新たな助成事業を開始いたします。
 具体的には、創業期に必要な経費を助成して、すぐれた事業計画の実現を支援するとともに、優良な運営計画を有する創業支援施設に対し、施設の整備等に要する経費を助成いたします。
 また、信用金庫、信用組合の低利融資とアドバイザーの経営支援をあわせて行う女性・若者・シニア創業サポート事業の融資原資を百億円規模へ大幅に拡充することで、地域に根差した多くの創業をきめ細かく後押しいたします。
 次代を担う起業家の輩出やベンチャー企業の成長に向け、多面的な支援を展開してまいります。
 次に、東京と地方の連携についてでありますが、海外からの旅行者をより一層誘致していくためには、東京と地方が連携し、それぞれが持つ魅力を生かして、相乗効果を発揮する取り組みを行うことが重要でございます。
 このため、都は、都と東北六県、仙台市、交通事業者から成る協議会を通じ、東京と東北を結ぶ観光モデルルートを設定し、海外メディア等の招聘や民間事業者の広告媒体での発信など、効果的なPRに取り組んでまいります。
 また、年間百五十万人が訪れる都庁展望室において、各地の特産品を紹介する展示販売会を開催するとともに日本各地の食を集めた民間のイベントで集中的なPRを行うなど、東京から全国の魅力を発信いたします。
 東京が先頭に立って広域的な旅行者誘致を進めることにより、東京と地方双方の活力を生み出してまいります。
 最後に、多摩地域の雇用就業拠点についてでございますが、多摩地域のしごとセンターと労働相談情報センターの機能を拡充して立川に設置をいたします新たな施設は、平成三十三年度の開設を目指し、来年度、基本設計に着手いたします。
 しごとセンター多摩では、地域特性を踏まえ、大学や企業と連携していくとともに、地元での就職ニーズに応えるため、新たに若者向け支援コーナーや再就職を目指す女性相談窓口を設置するほか、障害者雇用に向けた支援も開始いたします。
 また、労働相談情報センターでは、土曜相談の実施など利用者サービスの向上や中小企業に対する雇用環境整備の支援に取り組んでまいります。
 このように拠点としての機能を高めることによりまして、多摩地域全体における雇用就業支援の一層の充実強化につなげてまいります。
   〔政策企画局長川澄俊文君登壇〕

○政策企画局長(川澄俊文君) 外国企業誘致に向けた国との連携についてですが、都はこれまで、ビジネスコンシェルジュ東京において、ビジネスマッチングやオフィス紹介など外国企業のニーズにかなったサービスを提供してまいりました。
 来年度は、その運営をワンストップセンターと同一場所に移し、それぞれが連携してサービスの提供を行う予定でございます。
 これにより、法人設立相談で来所した外国企業は、手続の迅速化、簡素化に加え、今後のビジネス展開などについての助言サービスをあわせて受けることが可能となり、対日投資効果の向上につながることが期待できます。
 今後は、東京の国際競争力強化に向けて、機能の充実を図った今回の取り組みを積極的に情報発信し、国との連携効果を十分に発揮してまいります。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

○生活文化局長(小林清君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、私立学校におけるグローバル人材の育成についてでありますが、都は、平成二十五年度に長期的な留学に対し支援を行う私立高等学校海外留学推進補助を創設し、保護者の負担を軽減するとともに、都内の私立学校における海外留学の取り組みを支援してまいりました。
 これに加えまして、今回、新たにJETプログラムを活用する私立中学校及び高等学校への支援を予算案に計上しております。英語圏出身の外国語指導助手等を招聘することにより、日々の学校生活で外国語に触れる機会をふやすとともに、異文化への理解が促進されるなど各学校における特色ある取り組みのさらなる充実につながると考えております。
 都といたしましては、今後、私学団体等と連携し、各学校における円滑な招聘に向けて準備を進めてまいります。
 次に、私立学校におけるICTを活用した教育環境の充実についてでありますが、高度に情報化が進んだ二十一世紀を生きる子供たちに求められる教育を行うためには、学習の主要な場である学校における教育の情報化の推進が必要不可欠であります。
 ICT機器を活用することにより、例えば、野外観察において興味を持った事柄をその場で調べたり、立体図形の展開を動画で繰り返し確認するなど、各教員の創意工夫により、児童生徒の能動的な学習意欲や知的好奇心を十分に引き出すような学習が可能となります。
 このため、都は来年度、生徒が使用するタブレット端末等のICT機器やネットワーク工事等に要する経費の一部を補助する制度を新たに設け、私立学校におけるICT教育環境の基盤整備を後押ししてまいります。
 最後に、二〇二〇年の東京大会に向けた文化の面での機運醸成についてであります。
 二〇一六年のリオ大会に続いて展開する文化プログラムに先立ちまして、来年度から先導プロジェクトを初めさまざまな取り組みを開始いたします。
 まず、伝統芸能や演劇、音楽など、さまざまな分野の芸術家がまちを巡回して公演を行う東京キャラバンを実施し、東京の多彩な文化を、国内外に広く示してまいります。
 また、海外から関心が高い伝統文化につきまして、外国人向けの体験事業を開始するほか、郷土芸能など地域に根差した活動に対する助成制度を新たに創設いたします。
 今後、リオ大会で、伝統文化を初めとする東京の多様な文化を効果的に紹介、発信するなど、あらゆる機会を捉え、二〇二〇年に向けた機運を醸成してまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、二〇二〇年に向けた競技力向上策についてでありますが、東京から世界に存在感を示すトップアスリートを生み出すためには、競技の特性や年齢に応じて、計画的に競技力向上策を進めていくことが重要でございます。
 都は、これまでも競技力強化に取り組んでまいりましたが、平成二十七年度は、二〇二〇年大会で活躍できるジュニア選手に対し、オリンピック競技に重点を置いた支援を拡充してまいります。
 また、現役選手が生活に不安なく競技活動に集中できるよう、JOCと連携し、就職に役立つスキルのセミナーや、企業向けの説明会などを実施してまいります。
 今後は、これらに加えまして、日本代表レベルの選手の育成、強化に重点を置き、二〇二〇年に向けて段階的に進めることで、多数のオリンピック選手を東京から輩出し、アスリートの活躍を通じて東京を元気にしてまいります。
 次に、区市町村支援についてでございますが、都内全域で大会の開催機運を醸成し、地域に大会のレガシーを残すためには、区市町村の主体的な取り組みを促進することが必要でございます。
 このため、来年度から、スポーツ教室や大会への理解を深める講演会、障害者スポーツ振興に係る取り組みなど、ソフト事業に対する補助制度を新設し、大会に向けた多様な事業を支援する仕組みを構築いたします。
 また、現在実施しておりますスポーツ施設整備費補助につきましては、来年度から、従来の競技スペースの拡大に加え、利用時間の延長にも対応いたします。さらに、障害者が利用しやすいスポーツ施設整備を促進させるほか、事前キャンプ誘致に資する工事も対象とし、予算総額を大幅に増額いたします。
 今後、都は区市町村と密接に連携し、大会を契機に地域の活性化を図り、スポーツ都市東京の実現につなげてまいります。
   〔交通局長新田洋平君登壇〕

○交通局長(新田洋平君) 二〇二〇年大会を契機とした都営地下鉄の取り組みについてでございますが、まずは、安全の確保を第一に、快適性と利便性を高めていくため、新宿線全駅及び浅草線大門駅等へのホームドア整備や乗りかえ駅等へのエレベーターの増設、高齢者や障害者等にも配慮したバリアフリー対策の一層の充実など、都営地下鉄の強みにさらなる磨きをかけてまいります。
 加えて、国内外からの観光客が東京のすばらしさを満喫できるよう、駅の案内サインの多言語化やコンシェルジュの配置拡大による親切で丁寧なサービスの充実を図りますとともに、地元区とも連携いたしまして、沿線の隠れた観光名所等を掘り起こし、それを結ぶアクセスルートを多様な方法で発信するなど、沿線地域の魅力をさらに高めてまいります。
 今後とも、二〇二〇年大会後も見据えた取り組みを進めていくことで、都営交通として一段の飛躍を図ってまいります。
   〔港湾局長多羅尾光睦君登壇〕

○港湾局長(多羅尾光睦君) 二〇二〇年の東京大会と港湾物流の調和についてですが、東京港を経由する食品や衣類等の輸入貨物は、首都圏を初め東日本の人々の毎日の消費生活を支えるため、輸送の正確性や迅速性が求められる中、日々とどまることなく、コンテナターミナルから搬出されております。
 二〇二〇年東京大会に向けては、準備期間、開催期間それぞれにおいて、工事車両や大会関係車両と物流車両とのふくそうや、限られた土地をめぐる利用ニーズの重複などが予想されますが、これらを両立させていくことが必要と認識しております。
 都としては、早い時期から港湾関係者の方々の意見を十分に聞くとともに、関係機関等とのきめ細かい調整のもと、さまざまな工夫を重ねていくことで、二〇二〇年東京大会の準備、実施と港湾機能との調和を図ってまいります。

○議長(高島なおき君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時三十一分休憩

   午後三時五十分開議

○副議長(藤井一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 百八番中嶋義雄君
   〔百八番中嶋義雄君登壇〕

○百八番(中嶋義雄君) 都議会公明党を代表して質問いたします。
 年が明け、いよいよオリンピック・パラリンピックまであと五年となりました。
 一方、世界はテロと報復、そして紛争が吹き荒れ、そこに頻発する経済危機が加わり、平和や国際秩序の崩壊への不安、あるいは世界は一体どこに向かうのかとの不安に包まれております。そうした世界の状況に対して、我々が無関心であってよいはずはありません。
 むしろ今、我々に問われているのは、スポーツと平和の祭典であるオリンピック・パラリンピックをこの東京で開く意味は一体何か。さらにいえば、二〇二〇年の開催時はもとより、それまでの五年間で、日本の首都たる東京は、世界に何を呼びかけ、世界に何を発信するのかであると思います。
 世界を見渡せば、生まれてこの方、戦争、紛争しか知ることのない人々が、中東やアフリカ地域などを中心に、我々の想像を超える数に上っているかもしれません。
 その一方で、東京は、数々の問題を抱えながらも、まれに見る平和と豊かさに満たされております。それを所与の幸運として享受しているだけで一体よいのかと考えざるを得ません。
 書生論との批判はもとより承知で、あえて申し上げます。テロや武力による紛争、そして貧困と経済危機が蔓延する世界において、この東京が今、オリンピック・パラリンピックを開催する意味は一体何か。また、それを通して、東京は世界に何を、いかにして発信すべきか、改めて我々は問い直す必要があります。
 昨年も申し上げましたが、都市、とりわけ一国の首都には、国の外交とは全く次元の違った世界とのかかわり方、つまり国益と国益のぶつかり合いではない交流が可能であります。そうした意味で、都議会公明党は都市外交を重視してまいりました。
 改めて知事にお尋ねいたします。
 スポーツの祭典、平和の祭典であるオリンピック・パラリンピックの開催とその準備において、平和への意志の結集とテロや紛争の解決を強く呼びかけ、生命の尊厳と基本的人権を守り抜くという東京の理念を、ありとあらゆる方策を駆使して、繰り返し世界に強く発信すべきであります。日本を代表する顔の一人である舛添要一東京都知事の決意を伺いたいと思います。
 次に、今後の財政運営について質問いたします。
 予算は、まさに都政の顔であります。施政方針で知事が触れたとおり、新年度予算案において、保健と福祉の分野が一兆一千億円を超え、構成比も二二・八%と、額、割合ともに過去最高を示したことは、都政の目指す方向を雄弁に物語っております。
 また同時に、これを可能にしたのは都税収入の伸びであり、都税収入を伸ばしたのは、都内経済の活性化にほかなりません。つまり、都政が持続的に保健と福祉、教育、環境、防災などを重視するためには、経済の活性化が不可欠であり、都の投資的経費の果たす役割は極めて重要であります。
 その投資的経費も引き伸ばすことができた今回の予算案は、ソフトとハードのバランス、オリンピック・パラリンピックの準備、さらに長期ビジョンの実現に向けた意欲と積極性がよくあらわされていると評価したいと思います。
 一方、二〇二〇年を節目に、東京都内の人口は減少し始めます。大きな時代の転換点を迎える中で、東京は、我が国全体の活性化を先導するとともに、少子高齢化、人口減少の局面を乗り越えて、持続的発展が可能な成熟都市へと変貌していかなくてはなりません。そして、そのための財政需要もまた膨大であります。
 そうした将来を見据えて、ただ単に財政規模を拡大しただけではなく、事業評価の徹底などにより、前年度比で約一・六倍となる四百十億円もの財源を確保し、福祉、防災、そして水素社会の形成など、七つの重要分野について新たに基金を創設し、単年度予算の枠を超えた目配りを行ったことも重要であります。
 しかしながら、こうした措置を講じた上でも、今後の都財政を取り巻く環境は決して予断を許しません。
 歳入面では、都税収入が常に景気変動に大きな影響を受ける上、国による地方法人課税の不合理な措置の問題など、着実な政策展開を支える財源が確保できるのかどうか、その不安定さはいまだ払拭できておりません。
 歳出面についても、先ほど述べたとおり、オリンピック・パラリンピックの準備、少子高齢化への対応はもとより、首都直下型地震などへの備えや社会資本ストックの維持更新など、政策課題は山積をしております。
 こうした状況下で、今、都にとって必要なことは、歳入歳出の両面に大きな課題があることを直視しつつ、東京の未来を着実に切り開いていくことであります。
 特に、オリンピック・パラリンピック開催までのこれからの期間は、まさに正念場であります。この間のさまざまな取り組みが、長期ビジョンの実現の帰趨を制し、さらに成熟都市東京の未来を開くといっても決して過言ではありません。
 そこで、今後の政策展開を支えるための中長期的な財政運営の基本姿勢について、知事の所見を伺いたいと思います。
 次に、社会の安定に不可欠な雇用と福祉政策に関して質問をいたします。
 政府の経済政策、いわゆるアベノミクスや、五輪開催による有形無形の経済効果が広く行き渡ることを多くの都民が期待しております。
 一方で、現状に強い閉塞感を抱く多くの都民が存在するのも事実であり、特に若い世代は、仕事、結婚、子育てなど当面する目下の課題のみならず、将来に対する強い不安を抱えております。
 かつて若者の雇用問題を扱った書籍に、次のようなくだりがありました。企業は次世代をリストラすることで、企業自体の未来も危うくしている。社会もまた、若者を犠牲にすることで、その未来を失おうとしている。至言であります。
 バブル崩壊後の新規採用の手控えや、その後の非正規雇用の増大等により技術継承が途絶え、その結果、衰退した企業が多いのと同じように、若い世代を冷遇する日本社会もまた、いずれ衰退していくという指摘であります。
 一般の建物でもそうであるように、土台づくりに手抜きをすると、将来その報いを受けるのは当然であります。社会発展の礎である若い世代への支援、とりわけ暮らしの基盤である雇用を守り、さらにそれを拡大する対策が急務であります。
 この点、今回の予算編成に当たり、知事が非正規問題を中心に若者の就労対策に焦点を当てたことは、我が党の考えと一致するものであり、評価いたします。
 繰り返しになりますが、若者への就労支援は、社会そのものを安定的かつ継続的に支える重要な施策にほかなりません。知事の認識をまず伺います。
 就労支援策という点で、都は長期ビジョンにおいて、今後年間五千人、三年間で一万五千人の非正規労働者の正規職化を目指すとしており、積極的な取り組みを大いに評価したいと思います。
 重要なことは、働くことを希望する人が、みずから希望する働き方を、みずからの努力で手に入れることができる環境を整備することであります。そこには当然、多様な働き方の選択肢を提示することもまた重要であります。
 その上で、都は、正規就労を望む都内労働者のニーズに即して、転職による正規職化、資格取得や職業訓練などのキャリアアップによる正規職化、さらには、社員の正規職化に意欲はあるものの、実施に踏み切れないでいる経営者に対する効果的な後押し策など、きめ細かな具体策を講ずるべきであります。見解を求めます。
 就労の促進には、起業、創業による就労の場の拡大も避けて通れません。その意味で、我が党は昨年の第三回定例会で、特に女性や若者に対する創業支援策の必要性を強調し、融資制度の充実に加え、創業の場の提供とあっせんを効果的に進めるように求めました。
 一口にインキュベーション施設といっても、ものづくり産業に向くものもあれば、事務作業に向いたものもあり、その形態はさまざまであります。とりわけユニークなアイデア商品やデザイン商品などの物品販売は、必ずしも広いスペースは必要とせず、むしろ生活の現場に近い商店街の空き店舗などの活用が有効であります。
 都は、それぞれの仕事の内容に適した創業の場の提供に積極的に取り組むべきであります。見解を求めたいと思います。
 一方、我が国の繁栄を長く支えてきた、すぐれた技術や伝統を誇る都内の数多くの中小企業が、今廃業の危機に直面しております。その原因の多くが、経営者の高齢化にあります。後継者がいない場合だけでなく、いわゆる失われた二十年において、景気の低迷により、たとえ後継者が存在しても、先行きの展望が開けず、事業承継を断念するケースも少なくありません。すぐれた技術を持つ中小企業が失われることは、求職者にとっても、東京の産業全体にとっても大きなマイナスであります。
 都は、事業者への経営指導などの啓発策に加え、後継者探しやその育成、また、将来にわたる安定的な経営基盤の確立など、事業承継に臨む中小企業に対して、専門家による個別で長期にわたるサポートを実施すべきであります。見解を求めたいと思います。
 次に、少子化対策について質問をします。
 子供を産み育てやすい環境の整備を目的とした子ども・子育て新制度が、いよいよこの四月からスタートいたします。
 少子化対策においては、子育て支援だけでなく、その前段階の就労、結婚、妊娠、出産などの各段階での支援が重要であります。我が党の少子化対策PTが提言してきた妊娠期からの切れ目のない支援に関しては、東京都は新たに、出産・子育て応援事業を開始し、区市町村を支援する仕組みをつくりました。
 しかし、事業の実施そのものは基礎自治体に委ねられているため、地域間格差や利用者間格差を生じる懸念があります。とりわけ切れ目のない支援の拠点である産後ケアセンターに関して、各地域で順調に整備が進むのかどうか懸念があります。出産直後の母親に対する心身のケアを行い、育児不安を解消する産後ケアセンターは、全ての区市町村に配置されるべきであります。今後の都の取り組みについて見解を求めたいと思います。
 知事選での公約どおり、都が待機児解消に向けて保育園の増設に取り組んでいることは高く評価いたします。しかし、このまま保育所を増設していくと、保育人材の確保が次の課題となります。
 国は、保育士不足を解消するため、一七年度までに六万九千人の増員を目指し、待遇の改善と潜在している保育士の現場復帰を促そうとしております。
 さらに効果的なのは、従来、年一回だった保育士試験を年二回実施することを目指して、都道府県への支援を打ち出したことであります。保育士資格の取得機会を拡大し、保育士不足を解消するため、この機会を逃すべきではありません。保育士試験の年二回実施に関して、都の見解を求めます。
 次に、子供たちの家庭的養護の取り組み強化について質問いたします。
 少子化の時代に生まれてきた、かけがえのない大切な子供たちであります。しかし、残念なことに、現在都内では約四千名の子供たちが虐待などの要因により家庭に帰ることができず、親元を離れ、社会的養護のもとで暮らしております。先進国の多くは、里親などの家庭的な環境で大半が養育されていますが、都においては、養育家庭やファミリーホーム、グループホームといった家庭的養護はまだ全体の三割程度にとどまり、決して十分とはいえません。
 親権者による養育を望めないケースや家庭復帰が難しい場合などについては、できる限り家庭的な養育環境で育つことが重要であります。
 特に、乳幼児のころから親元を離れる場合は、愛着障害を発症するとの指摘があります。しかし、特定の養育者との安定した継続的な関係の中で生活することによって自己肯定感を育み、それが主体的な生活態度につながって自立の力が身につきます。また、里親など自分を大事にしてくれる人や家庭に出会うことで、血縁関係がなくても、新たな家族が構築されてまいります。
 我が党はかねてより、こうした家庭的な養育を推進すべきと主張してまいりました。今後、里親制度の効果的な運用を図るとともに、五、六人のお子さんを養育するファミリーホームなどの家庭的養護をさらに拡充していく必要があります。そして同時に、そうした家庭的養護を支える児童相談所の体制も強化する必要があります。都の見解を求めます。
 続いて、医療と介護について質問いたします。
 十年後には、団塊の世代の全員が後期高齢者となり、その総数は都内で二百万人に達します。後期高齢者の要介護率は前期高齢者の約七倍と高く、住まい、医療、介護、予防、生活における各支援を一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築は、東京都にとって、まさに最重要課題であります。
 しかし、この地域包括ケアシステムを構築する主体は、あくまでも区市町村であります。そして区市町村は、医療などの地域資源の偏在や財政力の格差、高齢化率の違いなど、さまざまな事情を抱えながらシステムの整備に取り組んでおります。
 こうして地域の事情に即して地域包括ケアシステムは構築されていくのですが、そこで問題は、各自治体ごとに利用可能なサービスの質と量が大きく異なるようであってはならないという点であります。
 要介護状態になった後でも、適切に医療と介護の連携が図られていけば、介護度の悪化を防ぎ、場合によってはその改善さえ可能であります。
 都は、さまざまな事情から、医療と介護の連携が懸念される地域にあっても、医療的知見に基づく介護サービスが十分に確保されるよう、広域自治体として調整を図るべきであります。都の見解を求めたいと思います。
 さて今般、医療法が改正され、各地域においてバランスのとれた医療機能を確保するため、機能の分化と連携を図ることを目的とした地域医療構想を各都道府県が定めることとしました。都は、来年度からこの構想の策定に取り組むことになります。
 しかし、東京は、地域によって医療資源の密度にアンバランスがあり、また、基幹病院へのアクセスに相当程度の地域間の差異が存在します。その一方で、東京は公共交通が発達し、患者の方々が広範囲で移動することが可能という利点もあります。
 地域医療構想の策定に当たっては、こうした東京の持つ特性を十分に考慮して協議、検討を行っていくべきであることをまず指摘しておきたいと思います。
 さて、医療と介護の連携は、介護予防という観点からも重要であります。この四月から施行される新制度では、新たに一般介護予防事業が提起され、元気高齢者も含めた幅広い介護予防事業が展開されることになります。
 本事業が効率的に都民の健康寿命の増進に結びつくためには、健康相談から在宅リハビリテーションに至るまで、医療職を含む多様な介護予防の専門家による活動と連携が不可欠であります。
 しかし、そうした人材の確保に多くの自治体が苦慮しているのが実態であります。新しい介護予防事業の実施には二年の猶予期間があるものの、一刻も早くその効果的な実施が強く望まれています。
 都は、区市町村が介護予防事業の見直しと新たな展開に迅速に対応できるよう、介護予防の現場で活躍できる医療的知見を備えた人材の確保、育成に改めて取り組み、課題解決を図るべきであります。見解を求めます。
 今回の介護報酬の改定では、介護人材の処遇改善が狙いの一つであります。キャリアパスという人事労務や経営学上の用語が、介護の現場でも注目され始めており、舛添知事も、介護人材の確保策としてその活用を力説されました。
 キャリアパスとは、ある職の位にたどり着くまでに経験すべき、いわばステップのことであり、働き手の側から見れば、そのステップに計画的に挑戦できる環境が整っていることを意味します。
 現政権は、介護職一般の職位の目安となるキャリア段位制度を打ち出すとともに、平成二十七年度からは、給与表などのキャリアパス要件の整備状況に応じて、職員一人一万二千円相当の上乗せを加算するとしております。
 その上で東京都は、国のキャリア段位制度を活用して、段位取得者一人につき年間五十万円を最高四人分まで三年間、事業所に支給する新規施策を打ち出しております。我が党も、介護職員の処遇改善の成果に大いに期待するものであります。
 この都の新規事業は、キャリア段位を取得した介護職員への評価を着実に給与額に反映させることが目的であり、事業所が優秀な働き手を正当に評価できなければ、貴重な人材を失いかねず、各事業所の経営や人事の改善にも役立ちます。
 都は、新制度をわかりやすく事業者や介護職員の皆さん、そして都民に向けて説明するとともに、介護職員のキャリアアップが正当に給与の上昇につながるよう、さらに運用上の工夫を凝らすべきであります。見解を求めたいと思います。
 今回の報酬改定において、当初、国は六%に及ぶマイナス査定を打ち出しました。それを、我が党は国会内において激変緩和の必要性を強調し、マイナス二・二七%まで押し戻した経緯がございます。
 この介護報酬の改定に関しては、国会でも今審議がされておりますが、頭から福祉と介護の後退であると批判する議論があります。しかし、これは余りにも乱暴で、一方的な議論といわざるを得ません。
 改めて、マイナス改定が介護保険料に及ぼす影響と、マイナス改定に至った根拠と理由を都はわかりやすく都民に説明すべきであります。
 一方、改定のデータとなった国の経営実態調査は、あくまでもサンプル調査であり、現状を必ずしも十分に反映したものとはいえません。都としても、国とは別に精度の高い調査を行い、介護報酬改定の影響を正確に把握すべきであります。
 以上、二点について見解を求めます。
 次に、東京圏における交通ネットワークの整備について質問いたします。
 初めに、鉄道ネットワークの整備についてであります。
 現在、国の交通政策審議会では、次期答申に向けた議論の中で、国際競争力の強化や東京オリンピック・パラリンピックへの対応を重視し、空港アクセスの向上が大きな課題となっております。現在、都心から羽田空港へのアクセスルートは、JR東日本アクセス線や蒲蒲線建設による新空港線などが議論され、さまざまなルートでのアクセス改善が検討されております。
 しかし、多摩西部地域からのアクセスに関しては、中央線の構造やその過密なダイヤから直通列車の運行が困難とされ、都心部の空港アクセスが改善されても、多摩地域の利便性は全く改善されません。中央線の輸送力の強化には、運政審十八号答申に位置づけられている三鷹─立川駅間の複々線化の実現が前提ですが、これは最低でも十五年ほどの時間を要し、オリンピック・パラリンピックには間に合いません。
 そこで、多摩西部地区の空港アクセス改善には、新たに路線を建設する必要のない既存の貨物線を活用する方策が効果的であると考えます。
 具体的には、武蔵野南線と東海道貨物支線を活用すれば、青梅や八王子方面から立川駅、府中本町駅を通る羽田空港へのエアポートライナーを運行することが可能となります。二月十日には、この問題を都の関係副市長会で検討されたと聞いております。都としても、ぜひとも羽田空港への鉄道アクセス向上のため、この路線を検討していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、高速道路ネットワークの整備についてであります。
 いよいよ来年には圏央道が東名高速から東北道、さらには常磐道、東関道までつながり、東京圏の高速道路体系は大きく改善されます。そこで重要となってくるのが、都心部の渋滞緩和のための抜本的な料金体系の見直しであります。
 例えば、現在の料金体系のままで東名高速から東北道まで圏央道を利用した場合、首都高速の都心環状線や中央環状線を使うより時間は短縮されますが、高速料金は高くなります。これでは、三環状道路の整備効果が上がりません。都としても、国とともに圏央道の内側の高速道路料金体系を抜本的に見直し、圏央道等の環状道路の利用促進を図り、都心部の渋滞解消につなげていくべきであります。
 また、これが実現すると、圏央道の内側にある高速道路上の料金所は不要になり、渋滞の解消にも効果があります。しかし、料金所撤去に触れると必ず、高井戸付近を境に中央道と首都高に分かれ、会社が異なるため料金所撤去は難しいという議論や、現金利用車の対応が困難であるという議論が出てまいります。
 しかし、今や鉄道では私鉄と地下鉄の相互乗り入れが当たり前であり、現金利用車も、鉄道のようにSuicaやPASMOのようなデポジットカードを使えば解決可能であります。都は、国を初め関係機関に、圏央道の内側にある料金所を撤廃するよう強く働きかけていくべきであります。あわせて都の見解を求めたいと思います。
 次に、エネルギー政策について質問をいたします。
 年末に開催予定のCOP21では、気候変動対策の新たな枠組みに関する議論が行われることになっております。これにあわせて、国では、火力や原子力、再生可能エネルギーなどを二〇三〇年時点でどのように組み合わせていくのかという、いわゆるエネルギーミックスの議論が始まっています。
 一方、東京都は長期ビジョンにおいて、再生可能エネルギーを全体の二〇%程度にふやす目標を掲げております。この目標達成には、単に再生可能エネルギーをふやすだけではなく、分母となるエネルギー消費量そのものを縮減するとともに、熱エネルギーなどの新たな資源の活用が不可欠であります。その点で極めて有望なのが地中熱であります。
 この地中熱については、オフィスビルの空調での利用はもとより、熱需要の大きな特別養護老人ホーム、保育園などの福祉施設、あるいはビニールハウスにおける農業利用など、さまざまな用途での利用が期待できることから、かねてより我々は、都の重要施策に位置づけるよう求めてまいりました。
 都は、事業者に対するキャップ・アンド・トレード制度や建築物環境計画書制度、都施設の改築等に適用する省エネ・再エネ東京仕様などを通じ、地中熱の利用拡大を後押ししてきました。今後はさらに、低炭素社会実現のための効果的なエネルギー源として改めて地中熱を位置づけ、その普及に向けて積極的に取り組んでいく必要があります。都の見解を求めます。
 なお、今後さらに重要となるのが、炭素社会から水素社会への転換であります。都は、水素戦略会議において、二〇二〇年までとそれ以降を見据えた戦略や具体的な取り組みをまとめ、長期ビジョンに反映させるとともに、二〇二〇年までの継続的な取り組みに要する経費を新年度予算案に基金として計上しました。
 また、第四回定例会の我が党の主張を踏まえ、同戦略会議においては、東北等の再エネ余剰電力を活用した水素供給システムの検討を行うとしております。これは北海道、東北地方で生み出された太陽光、風力などの再生可能エネルギーによって水素を生成し、都内の電力需要に応じて燃料電池で発電する仕組みであり、水素による電力の蓄蔵ということができます。
 いずれにしても、エネルギー源としての水素には極めて大きな可能性があります。水素社会への転換に向けて、都は、化石燃料由来ではない水素の活用や安全性の観点も含め、より一層の普及啓発に努めるべきであります。都の見解を求めたいと思います。
 次に、都市外交について質問いたします。
 舛添知事は、既に北京、ソウル、ベルリンなど五カ国八都市を訪問し、二〇二〇年東京大会に向けた協力の合意や、さまざまな技術協力などの成果を上げております。
 そこで、次に重要なのは、オリンピック・パラリンピックの成功のためにも、これまで停滞してきた姉妹友好都市との関係の再構築であります。
 昨年十二月の都市外交基本戦略にも述べられているとおり、世界で十一カ所にも上る東京の姉妹友好都市は、我々東京の貴重な財産であります。この関係を、より以上強固なものにすべきであります。世界各都市が抱える、より広範な課題をともに解決するため、相互交流を積極的に推進すべきであります。知事の所見を伺いたいと思います。
 また、緊迫する国際社会にあって、今最も求められているのは、国益が激しくぶつかる国家間の外交のみに頼るのではなく、都市と都市との相互理解の構築であり、人と人との対話を進めることであります。
 そして、将来のさらなる友好と交流を深めるためには、海外諸都市との、未来を支える青少年の交流を本格的に展開すべきであります。
 かつて、中国の周恩来氏は日本の明治大学に留学し、日本社会や日本人についての理解を深め、知日派として日中友好の礎を築きました。また、韓国のサムスングループ創業者の李秉喆氏も青年時代、日本の早稲田大学に学び、日本への理解を深めたといわれております。いずれも、若き日の日本での勉学が、その後、本国に帰国してからも親日派、知日派となった実例であります。
 これまで都は、アジア人材育成基金を活用し、中国、インドネシア、ベトナムなどから百名以上の留学生を継続的に首都大学東京の博士後期課程で受け入れてきました。
 そこで、今後は、新たに創設を予定している都市外交人材育成基金を活用して、この事業を拡充すべきであります。姉妹友好都市に限らず、世界のより幅の広い都市から首都大学東京、都立大学で留学生を受け入れ、息の長い都市の交流の礎を築くべきであります。知事の所見を伺います。
 次に、オリンピック追加種目と会場について質問いたします。
 昨年十二月にモナコで開催されたIOC臨時総会で、アジェンダ二〇二〇が決定されました。その結果、開催都市の組織委員会が追加種目の提案権を持つことになり、夏の大会としては東京大会が最初の適用となります。
 組織委員会は先日、その検討のため、東京二〇二〇種目検討会議を設置しました。新たな種目については、四月のIOC理事会でガイドラインともいうべき評価基準が決定され、それをもとに組織委員会がIOCに提案する追加種目を九月までに決定、そして来年八月にIOCが承認するスケジュールと聞いております。
 既に、オリンピックの競技種目入りを目指す各競技団体の期待が高まっており、また、新たな開催会場についても、都内外の自治体が強い関心を寄せております。
 特に開催会場については、東北の被災地を重視すべきであります。大会開催時には、被災から約十年となる東日本大震災の復興状況を世界に発信し、被災地の方々の励みにもなるように、被災地での開催を強く組織委員会に提案すべきであります。知事の所見を伺います。
 次に、パラリンピックについて質問をいたします。
 東京は、二回目のパラリンピックを開催する初めての都市となります。過去最高の観客動員を記録し、大いに盛り上がった二〇一二年のロンドン・パラリンピックを超える大会を目指して、福祉先進都市東京が開催するにふさわしい、見事なパラリンピックの姿を世界に提示すべきであります。
 そのためには、都民、国民のパラリンピックへの注目をより一層高め、パラリンピックを盛り上げていこうという機運を醸成していく必要があります。
 残り五年となった開催までの間に、組織委員会や区市町村などとも連携しながら、都が積極的にリードして機運盛り上げへの取り組みを推進すべきであると考えますが、見解を求めたいと思います。
 次に、障害者の方たちがスポーツを行う場の拡大について質問します。
 パラリンピックの成功には、大会に向けた機運醸成に加え、障害者がスポーツを楽しむ環境を整えていくことが重要です。
 障害者の場合、移動に困難が伴うことから、身近な地域でスポーツを行えることが大切であり、また、サポートする人の協力も欠かせません。
 ところが、身近な地域でスポーツ施設を利用しようとしても、車椅子競技は床に傷がつくとか、何かあったら困るので介助者を同伴してもらいたいといったスポーツ施設の管理運営者の理解不足によって、利用が制限されてしまうケースが少なくないと聞いております。また、障害者スポーツをサポートする人材の不足も利用促進の足かせとなっている面があります。
 こうした施設の使いやすさの確保とサポート人材の育成は極めて重要であり、その取り組みが、貴重な東京のレガシーにつながると考えます。都の見解を伺います。
 次に、オリンピック・パラリンピック大会の開催を契機としたボランティアについて質問いたします。
 二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会では、都民を初め多くの人々が、大会運営や外国人のおもてなしにボランティアとして活躍することになります。これまでも、東京マラソンや福祉の分野、さらに大震災の復興に向けてボランティア活動が活発になってまいりました。
 オリンピックに関しても、既に組織委員会と全国の大学が連携する取り組みがスタートいたしました。語学など、各大学の特色を生かしたボランティア活動の展開が期待されます。これを機に、今まで以上にボランティアを東京にしっかりと根づかせていくことが必要です。
 このため、都は長期ビジョンにおいて、東京をボランティア先進都市に成長させるため、ボランティア活動の一年間の指標である十歳以上人口における行動者率を二五%から四〇%までに引き上げる目標を示しました。この目標を達成するためには、知事の強いリーダーシップが重要であります。都民はもとより、さまざまな団体や機関への働きかけによって、ボランティアへの参加を促す仕組みを構築し、ボランティアの拡大と育成を図るべきであります。知事の所見を伺います。
 従来、ボランティアといえば、その多くは地域に拠点を置きました。そのため、二〇二〇年大会を契機として計画的にボランティアをふやし、その機会を広げていくためには、住民に身近な区市町村が、希望者と受け入れ先のニーズを結びつける役割を果たしていかねばなりません。
 今後、都として、都民や企業、NPO等の多様な主体との連携や、区市町村への支援の方策を早急に提示するとともに、東京全体のボランティア支援を担う東京ボランティア・市民活動センターの機能強化を図るべきであります。見解を伺います。
 次に、東京の文化芸術振興について質問いたします。
 先月、東京文化ビジョンの素案が発表されました。このビジョンは、今後の東京都の芸術文化振興における基本指針であり、二〇二〇年に向けて展開していく文化プログラムを初めとする芸術文化活動の進むべき方向性を示したものであります。
 我が党は従来から、二十一世紀の日本のあるべき姿は文化芸術立国であるとの理念のもと、国の文化芸術振興基本法の制定や東京都文化振興条例の策定など、さまざまな施策を展開、推進してきました。特に文化芸術振興基本法には、法制定の目的の一つである、人々がひとしく文化芸術を享受、参加できる社会的仕組みをつくるという基本理念を書き込みました。
 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック東京大会に向け、また、その先も見据えた芸術文化振興における基本指針となる東京文化ビジョンには、芸術家はもとより、子供や障害者などのあらゆる都民、そしてさらに、世界のあらゆる人々が芸術文化を通して交流を深め、国境を越えた相互理解と地球規模の連帯感を育むとの理念が掲げられており、我々も強く賛同するところであります。
 そこで、あらゆる人々が芸術文化を創造し、享受する都市東京の実現に向けた知事の決意を伺いたいと思います。
 二〇一二年ロンドン大会では、大会開催四年前から文化プログラムが実施され、合計で十八万にも及ぶさまざまなイベントに四千三百万人が参加しました。さらにフィナーレには、大会一カ月前から閉幕まで十二週間にわたるフェスティバルが開かれ、二百四カ国から二万五千人のアーティストが参加し、音楽や演劇、ダンス、美術、文学、映画、ファッションなど、多彩な文化イベントが繰り広げられました。
 東京においても、老若男女、プロもアマチュアも、障害のある方もない方も、多くの人々が参加できる大規模な文化プログラムを展開していくべきであります。
 昨年の第二回、第三回定例会代表質問で、我が党は一貫して、アーツカウンシル東京の活用と強化を主張してまいりました。民間の芸術活動を支援する専門機関であるアーツカウンシル東京を積極的に活用し、区市町村や地域の中で、子供や高齢者、障害者の方々も含め、あらゆる人々が文化芸術活動を展開できるよう、都が支援すべきであります。見解を求めます。
 次に、住宅政策について質問いたします。
 最初に、都民の居住の安定について質問します。
 第一は、居住支援協議会についてであります。この居住支援協議会は、住宅セーフティーネット法に基づき、高齢者、障害者、子育て世帯など、住宅の確保に配慮を要する方々に対して、民間賃貸住宅への円滑な入居を促進するための組織であります。しかし、残念ながら協議会が設置されたのは都内でわずか三区。これまでも繰り返し述べてまいりましたが、保健福祉サービスを初め、全ての行政サービスを根底から支えるのが住宅の安定であります。
 したがって、高齢者や障害者、子育て世帯の人たちの生活を守り、地域の実情に応じたきめ細かな支援を行うためには、この居住支援協議会を全区市町村で設立する必要があります。区市町村における居住支援協議会の設立促進と活動への支援について、都の見解を求めます。
 第二に、空き家の利活用であります。
 平成二十五年住宅・土地統計調査によれば、都内の空き家は約八十二万戸に達し、そのうち使用予定がない長期不在、取り壊し予定のものに限っても約十五万戸に達しています。今後の人口減少局面を考えれば、空き家の数がさらにふえていくことも想定され、地域の環境へのマイナスの影響が心配であります。
 東京都は、まず、この空き家の実態を正確に把握すべきであります。都は、空き家の実態調査やその利活用に取り組む区市町村に対して、助成など実効性の高い支援策を講じるべきですが、見解を求めたいと思います。
 第三に、サービスつき高齢者住宅についてであります。
 東京都は、昨年十二月に策定した長期ビジョンにおいて、サービスつき高齢者向け住宅等を二〇二五年度末までに二万八千戸整備していくとしております。
 都議会公明党は、これまでも事業者の声を聞くなど、この施策に強い関心を持ち、一貫してその充実を訴えてまいりました。特に住宅政策と福祉政策の連携、質の確保、家賃の低廉化などを強く主張してまいりました。サービスつき高齢者向け住宅の今後の展開について、都の見解を求めたいと思います。
 次に、都営住宅、公社住宅の建てかえによる福祉インフラ整備について質問いたします。
 地価が高く、用地を確保することが困難な東京において、福祉インフラ整備を促進していくためには、都営住宅や公社住宅の建てかえに伴う創出用地を活用することは有効であります。
 東京都は長期ビジョンにおいて、二〇二四年度末までに福祉インフラ整備への活用が見込まれる候補地を提供するとし、また、二〇一四年度末までに公社住宅三カ所において事業者募集を行うとしてきました。東京都住宅供給公社のこの取り組みは評価するものでありますが、そこにおいては、地域の実情に応じて多様な機能を持つ施設を整備することが求められております。
 そこで、都は、今後の都営住宅や公社住宅の建てかえを今まで以上に推進し、創出用地を活用したさまざまな施設の建設にも積極的に取り組むべきであります。見解を求めたいと思います。
 最後に、住宅政策の強化に向けた知事の認識と組織のあり方について質問いたします。
 舛添知事は、このたび策定した長期ビジョンにおいて、東京に生まれ、生活し、老後を過ごしてよかったと誰もが実感できる都市を実現することが最終目標であると、その所信を明らかにしました。全くそのとおりであります。
 そして、そのためには、全ての行政サービスの基盤である住宅政策が極めて重要であります。今後の住宅政策の強化について、長期ビジョンを策定した知事の認識を伺いたいと思います。
 そしてさらに、住宅政策の強化を図るためには、都の住宅部門の強化が不可欠であります。かつて存在した住宅局は、住宅とまちづくりを連動させるとして都市整備局に吸収されました。
 しかし、昨今の高齢化や介護の問題を考えたとき、居住の安定の重要性はますます高まっております。改めて、いずれは行われるであろう局組織の再編に合わせて、新たな住宅政策を担う局体制を築くべきであると考えますが、あわせて知事の所見を伺います。
 次に、防災対策について質問します。
 首都直下地震の切迫性が指摘される東京では、オリンピック・パラリンピックの開催を見据え、防災対策の強化が急務となっております。
 東京都の防災対策を進める観点からは、都市部で発生した阪神・淡路大震災では、ハード面での課題が浮き彫りになり、津波による被害が発生した東日本大震災では、ソフト面の課題が強く指摘されました。こうした大災害の歴史と課題を教訓として、東京都はさまざまな事態を想定して防災対策に取り組むべきであります。まず、都知事の防災対策に臨む決意を伺いたいと思います。
 緊急時や災害時に都民の命を守るためには、より重層的な対策が必要であります。公明党は、空からの救命救急対策として、ドクターヘリの導入を強く訴えてまいりました。それに応えて都は、東京消防庁が保有する消防ヘリに医療機器を装備し、医師が搭乗して救急現場に向かう東京版ドクターヘリを導入し、大きな役割を果たしております。
 来年度は、東京消防庁はさらにエアハイパーレスキューを創設すると発表いたしました。空からでなければ救助できない環境において、ヘリコプターの機動力を生かした部隊は大いにその力を発揮いたします。都内全域で災害時も含めたさまざまな危機に空から対応できるよう、エアハイパーレスキューの極力早期な部隊の整備と配備が求められております。見解を求めたいと思います。
 こうした空からの対応に加え、海に面している東京では、海上からの救助体制も早急に整える必要があります。昨年十一月には、医療機能を備えた病院船による海からの医療支援を想定した東京湾での実証訓練が実施されました。都は、東京DMATとともに積極的に協力し、一定の成果が得られたところであります。
 知事は、防災訓練について、季節ごとにテーマを決めて年四回にふやす方針を明らかにいたしました。今後の防災訓練では、車両などを活用した陸の応急対策だけでなく、海や空を活用した多角的な災害時の救出救助体制の構築をも図っていくべきと考えますが、見解を求めたいと思います。
 最後に、都市農業の振興について質問いたします。
 我が党は、都市農地の再評価を促し、その保全の重要性を訴えるため、都市農業振興プロジェクトチームを発足させ、JAの多くの方々と意見を重ねてまいりました。その成果をもとに、相続税制度の改善要望を初め、ハウス等の施設整備の推進など、さまざまな営農支援策に結びつけてまいりました。
 しかし、残念ながら、相続時の高額な税負担などにより、都市農地はこの十年間で約二割近くも減少し、歯どめはかかっておりません。
 本定例会の所信表明で知事が提唱された都市農業特区は、税法やさまざまな法規を横串にして、都市農地の保全に必要な特例変更を可能にするものであります。しかし、これは基本法の制定によって初めて効果を発揮するものであります。したがって、着実に都市農業振興基本法の制定を果たし、その上で、国に対し東京が望むとおりの特区を認めさせていくことが重要であります。
 したがって、知事は、都市農業特区によって実現される都市の農業モデルが東京の魅力の増進にどれほど寄与するか、都民に力強く発信していくべきであります。農業特区実現に向けた知事の決意を伺い、代表質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 中嶋義雄議員の代表質問にお答えいたします。
 オリンピック・パラリンピックに向けた平和への意志の発信についてでございますが、近代オリンピックの根源をひもときますと、クーベルタン男爵の、スポーツを通して心身を向上させ、平和でよりよい世界の実現に貢献するという願いがあります。そしてオリンピック憲章では、人間の尊厳を保つことに重きを置く平和な社会の確立を奨励すると、オリンピズムの目的をうたい上げています。
 オリンピック・パラリンピックは、まさに現実の政治を超越して、世界が人類共通の価値観を確認し共有する、四年に一度の機会といえます。その意義は、国際政治が複雑化する今日、ますます高まっていると思います。
 オリンピック憲章ではまた、いかなる差別をも伴うことなく、友情、連帯、フェアプレーの精神をもって相互に理解し合うとうたっております。二〇二〇年大会に向けまして、平和で基本的な人権が尊重される社会のとうとさをさまざまな形で発信し、世界中に行き渡らせていく必要がございます。
 私自身、都市外交の場面なども通じ、こうしたオリンピズムの目標に向かって、直接オリンピックムーブメントの先頭に立っていく決意でございます。
 中長期的な財政運営の基本姿勢についてでございますが、いかなる状況であっても、東京が抱えるさまざまな課題の解決に向け、必要な施策を確実に実施し、成果に結びつけることは、都政のかじ取りを担う者としての責務であります。
 都は、今後、オリンピック・パラリンピックを史上最高の大会とすることはもとより、大会開催を起爆剤として都市基盤の充実を図るなど、ハード、ソフト両面におけるレガシーを次世代に継承し、都民生活を向上させていかなければなりません。
 また、東京の人口は、近い将来、減少に転じると予想されております。時代の変化に先んじて、人口減少社会の到来を見据えた実効性の高い少子高齢化対策や、都民の安全・安心を守る施策などを積極的に推進していく必要もございます。
 こうした果敢な事業展開を実施していくためには、それを支える安定的で強固な財政基盤が必要不可欠であります。今回、福祉先進都市実現基金など新たな基金を創設いたしましたのも、今後重点的に取り組むべき課題を着実に実施する覚悟と、その裏づけを明確に示したものであります。
 今後とも、不断の自己改革に努めつつ、基金や都債を効果的に活用するなど、政策展開の源となります安定した財政対応力の堅持に努めてまいります。
 続きまして、若者の就労支援についてでございます。
 人口減少社会を迎える中、我が国の成長を確かなものとするためには、将来を担う若者が、持てる力を存分に発揮していくことが重要であります。額に汗して積み重ねた努力が正当に報われると信じられることで、若者は夢と希望を持つことができます。
 しかし、そのときの雇用情勢によっては、力を発揮する場すら得られないこともあります。目指すべきは、希望に応じた働き方を選択できる社会であります。
 都は、不本意な働き方をしている非正規の方々に対して、正社員としての就職の推進や社内における正社員への転換促進などにより、三年間で一万五千人の正規雇用化を図ります。
 若者の安定した雇用を実現し、生活への不安をなくすことで、新しい人生への可能性が広がります。これは社会の持続的発展にもつながり、東京は間違いなく明るくなってまいります。このために、私は全力を尽くしたいと思っております。
 続きまして、姉妹友好都市との交流についてでありますが、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック大会を成功に導き、これを契機として、東京を世界一の都市へと発展させることは、私が目指す都政の大きな方向性であります。その実現には、都市外交の果たす役割は極めて重要であります。
 私は、これまで北京市、ソウル市やベルリン市を訪問し、姉妹友好都市との関係再構築に取り組んでまいりました。これは友好親善にとどまらず、PM二・五など大気汚染対策に関する技術交流、協力や道路陥没対策など環境や危機管理等、さまざまな分野でウイン・ウインの関係を築くことを目指すものであります。
 昨年十二月には、こうした都の都市外交の基本的な考え方と政策の方向性を示す都市外交基本戦略を策定いたしました。本戦略に基づきまして、今後も姉妹友好都市との間で、ともに学び合いながら、大都市が直面する課題解決に向けた協力や相互交流を促進し、関係強化を図ってまいります。
 昨年、私が参りました北京市、ソウル市、十八年ぶりの都知事の公式訪問でありまして、昨年段階で申しますと、モスクワにちょっと立ち寄りましたけど、モスクワには二十二年間、都知事は公式に行っておりません。それからフランスのパリ、二十四年間、昨年で行っていない。ということは、ことしになって、それぞれ二十三年間、二十五年間、交流はないということでありますので、これは私は正常ではないと考えておりますので、そのことも含めて、今後とも努力を重ねていきたいと思っております。
 都市外交人材育成基金を活用した留学生の受け入れについてでございますが、未来を担う若者が海外留学を経験することは大変有意義なものであります。
 私自身も欧州へ留学して、さまざまな言語と文化を通じて、多様な価値観を許容することを学ぶとてもよい機会となりました。二〇二〇年大会の準備に際しまして、そのときの経験が、語学も含めて大変役に立っていると確信しております。
 ご指摘のとおり、首都大学東京では、これまで基金を活用してアジアの十四の国と地域から百四十五名の留学生を受け入れ、現在九十一人が学んでおります。
 今定例会に提案しております都市外交人材育成基金では、その対象をアジアから姉妹友好都市などさまざまな都市に拡大いたします。この基金を活用し、世界諸都市から高度な人材を受け入れ、将来に向けて東京と海外の都市とを強固に結ぶ知日派人材を首都大学東京から輩出していきたいと思っております。
 次に、被災地での競技開催についてでありますが、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会は、日本人が力を合わせて東日本大震災を克服し、復興をなし遂げた姿を世界に披露する最高の舞台となります。その意味からも、被災地での競技開催は意義のあるものと認識しております。
 既に、サッカー予選については宮城県での開催を予定しております。新たな種目が追加され、被災地での開催が可能となれば、すばらしいことだと思っております。
 種目の追加につきましては、まずは、今後IOCから示される選定のプロセスや評価基準等を注視することが必要であります。こうした動向も見きわめながら、被災地での開催の可能性について、組織委員会とともに検討してまいりたいと思っております。
 被災地の復興なくしては、日本の明るい未来はあり得ない。東日本大震災からちょうど十年目となる二〇二〇年に向けまして、復興を後押しするさまざまな取り組みを行い、被災地の方々とともに大会を盛り上げていきたいと思っております。
 続きまして、ボランティアの拡大と育成についてでありますが、二〇二〇年大会の開催は、多くの都民にボランティア活動への参加の場を提供できる絶好の機会でありまして、これを契機として、東京にボランティア文化を定着させることが重要であります。
 この日曜日の東京マラソン、一万人のボランティアの方に来ていただきました。そのうちの七五%、七千五百人が新しいボランティアであります。これまで九年間やってきましたから、既に九万人のボランティアの蓄積があります。
 二〇二〇年、八万人が必要ですけど、私は、今の東京の皆さん方、また日本の皆さん方の熱意をもってすれば、必ずこの目標は到達できると確信しております。
 都民のボランティア活動への参加を促進するためには、活動を通じて社会貢献をしたいと考える都民と受け入れ側のニーズを適切に結びつける必要がございます。
 このため、ボランティアに関する情報発信を強化し、活動の活性化を図るとともに、子供からシニアまでの幅広い世代の都民がボランティア活動を身近に感じ、福祉や環境、防災等さまざまな分野での参加につながるよう、都の支援のあり方について早期に具体的な方針を示します。
 また、東京全体でボランティア機運を醸成するため、企業、NPO、地縁団体や区市町村などを広範に巻き込んだ官民連帯の推進体制を構築するとともに、全庁を挙げて取り組む体制を立ち上げます。
 今後十年間で、東京都長期ビジョンで掲げましたボランティア行動者率四〇%、これを着実に達成するため、この二つの推進体制を車の両輪として、私自身が先頭に立って取り組むことで、オリンピック・パラリンピックのレガシーとしてボランティア文化を東京に根づかせてまいりたいと思っております。
 あらゆる人々が芸術文化を創造し享受する都市東京の実現についてでございますが、芸術文化は、誰もが生まれながらの権利として享受すべきものでありまして、これからの東京を、子供や高齢者、障害者、外国人など全ての人々が芸術文化を創造し、鑑賞できる、文化の面で世界をリードする成熟した都市としていくことが必要であります。
 これを実現するため、子供を対象にした伝統芸能などの文化体験プログラムや障害者アートの展開、文化施設の共通パスやWi-Fi設備といった鑑賞環境の整備など、芸術文化を身近な存在にするための取り組みを進め、東京を多様な文化を体験できるまちにしてまいります。
 また、海外の文化機関と連携した若手芸術家の受け入れや、現代アートや舞台芸術による都市間交流の拡大など、国際的な芸術文化交流により、幅広い芸術文化を生み出す取り組みも充実させてまいります。
 今後、アーツカウンシル東京を活用し、NPOや民間企業、教育機関など、さまざまな主体と連携することで、世界中の誰もが芸術文化を享受、創造できる新たな文化都市東京を構築してまいります。
 都民生活の安定のための住宅政策についてでございますが、住宅は、生活の基盤であると同時に、都市を形づくる基本的な要素であります。都民生活の安定と東京の持続的な発展のためには、経済的活力や文化的魅力と相まって、居住の場としての東京の魅力を高めていくことが重要でございます。
 このため、良質な住宅ストックと良好な住環境の形成や、都民が適切に住宅を選択できる市場の環境整備とともに、少子高齢化の進行や単身世帯の増加など社会状況の変化を踏まえますと、都民の居住の安定を図ることが極めて重要であります。福祉などの関連分野と連携しながら、公的賃貸住宅の供給や民間賃貸住宅への円滑な入居の支援など、重層的な住宅セーフティーネット機能を構築してまいります。
 こうした考えに立ちまして住宅政策を推進し、長期ビジョンにおいて私が最終目標としております、ここで生まれ、生活し、老後を過ごせてよかったと、こう誰もが実感できる成熟都市東京を実現してまいります。
 新たな住宅政策を担う局体制についてでございますが、私の組織運営の基本は、現場をつかさどる各局が、数多くの重要課題に真正面から向き合い、責任を持って物事を前に進め、具体的な成果に結びつけていくことであります。
 知事就任後、まずは、巨大な都庁組織をスピーディーで仕事ができる組織としていくため、知事補佐官や政策企画局を設置し、ガバナンスの強化を図ってまいりました。これにより、意思形成や指揮命令が迅速化されるとともに、知事と各局が密につながり、一つのチームとして都庁全体が風通しのよい組織に変貌しつつあると思っております。
 都の住宅部門につきましては、平成十六年に都市整備局として再編し、その後も担当理事を設置するなど、必要な体制強化を図ってまいりました。現在、局内のまちづくり部門や福祉分野などの関係局ともより密接に連携し、積極的に課題解決に取り組んでおります。
 組織のあり方につきましては、直面する課題に迅速かつ的確に対応し、成果を上げられるかどうかが重要な視点でありまして、今後も事業の展開に応じて検証を行いつつ、私自身の目でしっかりと確かめた上で、必要に応じて対処してまいります。
 さまざまな事態を想定しました防災対策についてでありますが、阪神・淡路大震災では、ビルやマンションに加え高速道路までが倒壊し、市街地が大規模な火災に見舞われるなど、大地震が都市を襲う姿を目の当たりにいたしました。
 また、東日本大震災では、沿岸部のまちが巨大津波にのみ込まれ、逃げられなかった方々が犠牲となってしまいましたが、都内でも帰宅困難者が大量に発生し、混乱をいたしました。
 さらに、一昨年の伊豆大島での土砂災害では三十名を超える方々が犠牲となるなど、この東京が自然災害の脅威に常にさらされていることを改めて痛感した次第でございます。
 二〇二〇年の東京大会開催も見据え、東京を世界一安全・安心な都市にするためには、首都直下地震などの大地震に加え、台風や集中豪雨に対する対策も必要でございます。
 また、防災対策を推し進め、都民一人一人が災害から身を守るためには、行政の取り組みはもとより、都民、企業の皆さんと総力を結集して取り組む必要がございます。
 このため、昨年十二月に東京の防災プランを策定し、二〇二〇年に向けて、都民や企業の皆さんと一緒に取り組む防災の指針を示しました。
 今後は、これを絵に描いた餅に終わらせることのないよう、自助、共助の取り組みを積極的に促すとともに、都としてもハード、ソフト両面から防災対策を強力に推進してまいります。
 都市農業の振興についてでございますが、都市農業は、新鮮で安全・安心な農産物を都民に提供するだけでなく、その生産基盤である農地は、防災や環境保全など多面的機能を発揮し、都民生活に潤いと安らぎをもたらすなど、東京の貴重な財産となっております。
 しかし、都市農業は、収益性の悪化や、担い手である農業者の高齢化など、我が国の農業に共通する問題に加え、相続税を初めとする高い税負担など、大都市特有の問題も抱えております。
 このため、都は、今通常国会での都市農業振興基本法の制定を見据えつつ、国に、都市農業特区を提案してまいります。その中で、都市農地の保全や、農地の貸借促進による多様な担い手の確保、生産性の向上など、都市農業のモデルの構築を目指してまいります。
 都内では、全国で二位の生産量を誇るコマツナを初め、ブドウの高尾やキウイフルーツの東京ゴールドなど、高品質で特色ある農産物が数多く生産されています。このように、新鮮で多様な食材が提供されることが、東京ならではの魅力となっています。
 今後、区や市町とも緊密に連携を図りながら、都市農業特区を実現させ、こうした魅力を支える都市農業の一層の振興を図ってまいります。
 そのほかの質問につきましては、関係局長が答弁いたします。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、非正規労働者の正規雇用化についてでございますが、学校卒業時に正社員になる機会に恵まれなかった就職氷河期世代や若者等、不本意にも非正規雇用で働く方を支援し、正社員化を進めていくことが必要でございます。
 都は来年度、正社員としての就職を後押しするため、国の若者応援企業に対する都独自の採用奨励金を創設するとともに、非正規雇用期間が長い方を対象に、職務経験やスキルに応じたきめ細かな就業支援プログラムを提供してまいります。
 また、企業内で正規雇用への転換を促すため、国の助成金に同額を上乗せする新たな助成制度を創設いたします。さらには、職業訓練なども引き続き実施いたします。
 こうした個々のニーズに応じた多面的な支援に取り組み、安定した職につくことを希望する方の正規雇用化を実現してまいります。
 次に、創業に対する支援についてでございますが、女性や若者の創業を一層進めるためには、事業に適した創業の場を確保できるよう支援することが重要でございます。
 そのため、都は中小企業振興公社において、起業塾の受講生等に対し最適な開業場所を選定できるよう、専門家によるきめ細かいアドバイスを実施しております。
 さらに、来年度からは、創業希望者のニーズに応じた多様なインキュベーション施設の整備を促進するため、区市町村等に対して必要な経費を助成する取り組みを開始いたします。
 また、女性の創業支援に取り組む民間事業者を活用して、地域の空きオフィスや店舗とのマッチングを推進するなど、女性創業希望者の開業場所の確保を支援いたします。
 こうした取り組みによりまして、地域における創業を加速させ、経済の活性化や雇用の拡大につなげてまいります。
 最後に、事業承継への支援についてでございますが、中小企業のすぐれた技術やノウハウを次代に引き継いでいくためには、円滑な世代交代への支援が重要でございます。
 このため、都は来年度、中小企業振興公社における事業承継支援の取り組みを強化いたします。
 具体的には、公社における承継セミナーの実施回数をふやすとともに、金融機関等が開催するセミナーにも講師を派遣することで、より多くの企業に対し、事業承継への意識づけと早期の準備を促してまいります。
 また、事業承継に向けた経営の改善や組織の改革から、後継者の選定、承継後の体制の定着に至るまでを、専属のマネジャーが三年間にわたり一貫してサポートする取り組みを開始いたします。
 これらによりまして、中小企業の事業承継をめぐるさまざまな課題の解決を着実に後押ししてまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 七点のご質問にお答えをいたします。
 まず、産後ケアの充実についてでありますが、都はこれまで、出産前後に家族等の援助が受けられず心身の負担感を抱える母親を対象に、妊娠中から産後まで継続的な支援を行う区市町村を支援してまいりました。
 こうした取り組みに加え、来年度からは、区市町村が、全ての子育て家庭の状況を妊娠期から把握し、継続した支援を行えるよう、相談支援を行う保健師等の配置や、育児パッケージの配布を行う、ゆりかご・とうきょう事業を開始いたします。また、宿泊やデイサービス等の産後ケアに取り組む区市町村への支援を強化いたします。
 さらに、産後ケアの取り組みを進めるため、区市町村や医療機関等における取り組み状況や支援手法の調査を行ってまいります。
 今後とも、産後ケアセンターの設置を初め、区市町村における産後ケアの取り組みを積極的に支援してまいります。
 次に、保育士試験についてでありますが、現在、保育士試験は、全ての都道府県が一般社団法人全国保育士養成協議会を指定試験機関に指定し、年一回、全国統一で実施していますが、都は、保育士資格取得の機会を拡大するため、これまで国に対し、試験回数をふやすよう繰り返し提案要求してまいりました。
 国は、先月、人材育成や再就職支援等を強力に進めるための保育士確保プランを策定いたしました。その中では、年二回の保育士試験の実施に向けて積極的に取り組むこととし、実施する都道府県に対しては、できる限りの支援を行う方針を打ち出しました。
 試験実施に必要な都道府県負担など詳細は未定でございますが、都は今後、国や他の自治体と連携し、年二回の試験実施に向け具体的な検討を行ってまいります。
 次に、家庭的養護の推進についてでありますが、子供は本来、家庭的な環境のもとで愛情に包まれながら健やかに養育されることが望ましいものでございます。
 そのため、都は、家庭的養護の取り組みを進めており、養育家庭の登録数をふやすため、制度を都民に広く周知するとともに、養育家庭に対し、児童相談所や民間団体を活用したきめ細かな支援を行ってまいりました。
 また、グループホームや養育者の家庭でのファミリーホームの設置を促進するため、開設準備経費や家賃への補助など独自の支援を行っており、来年度はファミリーホームの補助者の増配置への支援を行うとともに、児童福祉司十三名を増員し、児童相談所の体制も強化いたします。
 現在策定中の社会的養護施策推進計画では、平成四十一年度までに、社会的養護に占める家庭的養護の割合を現在の三割から六割へと引き上げる方向で検討しておりまして、今後とも家庭的養護を一層推進してまいります。
 次に、医療と介護の連携の推進についてでありますが、お話のように、地域包括ケアシステムを構築していくためには、地域の医療や介護資源の状況を踏まえながら区市町村が、その連携を一層強化していく必要がございます。
 そのため、都は、医療と介護の連携を調整する在宅療養支援窓口を設置する区市町村への支援や、連携の核となる介護支援専門員等の人材育成に取り組んでまいりました。
 また、連携に重要な役割を果たす訪問看護ステーションの拠点整備や、サービスを支える人材の育成、定着等に向けたさまざまな取り組みを展開しており、来年度は人材育成を担うステーションや事務作業を補助するクラークを雇用するステーションへの支援をさらに推進いたします。
 今後とも、こうした取り組みにより、区市町村における医療と介護の連携を積極的に推進してまいります。
 次に、介護予防を推進する人材の確保、育成についてでありますが、都は、平成二十九年度までに実施が義務づけられた新しい介護予防事業に区市町村が円滑に移行できるよう、今年度から、介護予防に関する幅広い知識と経験を有し、介護予防事業の企画立案や予防機能強化のための実践的な研修等を行う介護予防機能強化支援員を地域包括支援センター等に配置する取り組みを支援しております。
 こうした取り組みに加えまして、来年度は、区市町村において効果的な介護予防事業が推進されるよう、都の指定病院に理学療法士等の専門職アドバイザーを設置し、区市町村への助言等を行う事業を実施いたします。また、地域のリハビリテーション専門職を対象に、介護予防事業の推進に必要な知識を習得するための研修も実施し、介護予防を推進する区市町村を積極的に支援してまいります。
 次に、キャリア段位制度を活用した事業についてでありますが、今回、都が新たに創設する事業は、介護職員の育成、定着を図るため、国のキャリア段位制度を活用して、職責に応じた処遇を実現するキャリアパスの導入に取り組む介護事業所を支援するものでございます。
 そのため、事業実施に当たりましては、キャリアパスの仕組みが確実に導入されるよう、介護事業者に対して、職員の段位に応じた手当の支給や職場の人事管理、経営改善に関するセミナーの受講を義務づけております。
 今後、多くの事業者で取り組みが進むよう、全ての事業者を対象に説明会を開催し、積極的に情報提供を行うとともに、ホームページやリーフレットなどを通じて、事業の趣旨や内容をわかりやすく紹介し、都民、事業者に幅広く周知を図ってまいります。
 最後に、介護報酬改定についてでありますが、今回の改定は、国の社会保障審議会の答申に基づき、中重度の要介護者や認知症高齢者への対応のさらなる強化、介護人材確保対策の推進、サービス評価の適正化と効率的なサービス提供体制の構築という基本的な考え方に基づき行われたものでございます。
 また、その改定率は、賃金や物価の状況、平成二十六年の介護事業経営実態調査における各サービスの収支状況等を踏まえて算出されたものであり、介護保険料の上昇の幅は抑制される見込みでございます。
 今後、都は、今回の改定の考え方や内容を説明会を通じて区市町村や事業者等に周知いたしますとともに、第七期の高齢者保健福祉計画策定に向けた取り組みの中で、報酬改定の影響も含め、運営状況に関する調査等を行ってまいります。
   〔都市整備局長安井順一君登壇〕

○都市整備局長(安井順一君) 六点のご質問にお答えいたします。
 まず、武蔵野南線と東海道貨物支線を活用した空港アクセスについてでございます。
 羽田空港の機能強化を図る上で、空港へのアクセスを向上させていくことも重要でございます。お話の武蔵野南線などの活用については、空港への接続ルート、中間駅の有無の検討、貨物線ダイヤとの調整などの課題があることから、沿線自治体や鉄道事業者間で具体的な計画をまとめていくことが重要でございます。
 また、需要の確保や事業費、事業採算性などについても、関係者間で検討する必要がございます。
 都としては、こうした検討状況を注視してまいります。
 次に、圏央道内側における高速道路上の料金所の撤廃などについてでございますが、国は、首都圏の高速道路について、圏央道のおおむねの完成などを見据え、平成二十八年度から新たな料金体系を導入することとしており、本年一月に基本方針を公表いたしました。
 方針では、走行距離に応じた料金制度や、都心部の通過交通を環状道路に誘導する政策的な料金制度の考え方が示されております。
 また、ETCの普及促進、義務化とともに、料金体系が異なる地点における乗り継ぎを円滑にするため、まずは首都高速道路の都県境付近の本線料金所から撤廃を進めるべきとしております。
 都としては、国の動向を注視しながら、利用者が使いやすい高速道路となるよう適切に対応してまいります。
 次に、居住支援協議会についてでございます。
 高齢者、子育て世帯など住宅の確保に配慮を要する方々に対しまして、地域の実情に応じたきめ細かな支援を行うためには、区市町村が居住支援協議会を設立し、取り組むことが重要でございます。
 昨年、都は協議会を設立し、パンフレットの作成や配布、区市町村や関係団体等を対象としたセミナーの開催、都内における協議会の取り組み状況に関する情報交換などにより、区市町村協議会の設立意義への理解を深めてまいりました。
 今後は、全国の活動事例集を新たに作成し、情報提供を積極的に行うとともに、活動経費について補助を行うなど、区市町村協議会の設立を促進してまいります。
 次に、区市町村の空き家利活用などへの支援についてでございますが、空き家の活用を促進するためには、立地や所有者の意向を含めた地域の実態や特性を踏まえまして対応することが重要でございます。
 このため、都は来年度から、区市町村に対しまして、実態調査と総合的な対策を定める計画について技術的、財政的な支援を行います。
 さらに、区市町村が実施する高齢者や子育て世帯などの賃貸を目的とした改修助成に対しまして、都も財政支援を行うことにより、空き家の有効活用を促進してまいります。
 次に、サービスつき高齢者向け住宅についてでございますが、都はこれまでも、多様化する住まいニーズへの対応を図りながら、医療、介護サービスが確保された住宅や、一般住宅を併設し、多世代がともに暮らせる住宅を整備する場合に支援を行ってまいりました。
 来年度からは、地域包括ケアシステムの構築に寄与するため、地元住民が利用できる地域密着型サービス事業所の併設などへの補助を加算するとともに、既存ストックの改修による供給の促進に向けて、補助制度の拡充を図ってまいります。
 今後も、高齢者が住みなれた地域において安心して豊かな暮らしを営めるよう、福祉施策との連携などを図りながら、サービスつき高齢者向け住宅の供給を促進してまいります。
 最後に、福祉インフラ整備のための創出用地についてでございますが、都営住宅、公社住宅の建てかえにより、良質な住宅ストックを供給するとともに、住宅の建てかえの際に創出された用地を、地域福祉の充実のために活用していくことは重要でございます。
 このため、公社は、中野区広町住宅、板橋区向原住宅、文京区茗荷谷住宅の用地を社会福祉法人などに貸し付け、地元区との協議を踏まえまして、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、ショートステイ、障害者施設などを整備してまいります。
 今後とも、地域のニーズにも応えながら、多様な福祉インフラの整備に向け、都営住宅、公社住宅の建てかえに伴う創出用地を活用した取り組みを進めてまいります。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

○環境局長(長谷川明君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、地中熱利用の普及促進についてでございますが、都はこれまで、一定規模を超える開発を行う事業者に対し、地中熱を初めとする再生可能エネルギーの導入検討を義務づけますとともに、都施設の新築、改築を行う際にも、省エネ・再エネ東京仕様に基づき、立地状況等に応じて地中熱を導入するなど、普及に取り組んでまいりました。
 地中熱のさらなる導入拡大に向けては、認知度の向上とコストの低減が課題でございます。
 このため、来年度、地質情報等をもとに、地中からとれる熱量の目安をわかりやすく示したポテンシャルマップの作成に取り組んでまいります。
 また、都の普及啓発への協力などを条件に、国と合わせて初期費用の二分の一を補助する制度を創設いたします。
 こうした取り組みを通じ、東京の特性を踏まえたエネルギー源として、地中熱の普及促進に積極的に取り組んでまいります。
 次に、水素社会実現に向けた取り組みについてでございますが、水素は、利用の段階で水しか排出しないため、化石燃料由来でない水素が普及すれば、低炭素社会の切り札となります。
 このため、戦略会議では、低炭素な水素の先導的な導入を取り組みの方向性として掲げており、地産地消の太陽光等の再エネ由来水素活用設備への補助事業を来年度早々に開始するとともに、東北などの再エネ余剰電力を活用した水素製造についても、官民連携して検討してまいります。
 また、水素の利用を進めるには、安全性や意義などに関する都民の理解を高めていくことが重要でございます。先日、都民向けのシンポジウムを開催いたしましたが、引き続き、専用ポータルサイトを開設するなど、国や九都県市、区市町村等とも連携しながら、水素への理解促進に積極的に取り組んでまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、パラリンピック大会の機運醸成についてでございますが、二〇二〇年大会に向けては、広く都民にパラリンピック大会や競技のすばらしさを伝えていく取り組みが重要でございます。
 このため、さまざまな主体と連携した取り組みを来年度から積極的に展開いたします。
 具体的には、組織委員会と連携し、多くの都民が集まる都や区市町村主催のイベントに、パラリンピック競技の体験プログラムやアスリートの講演などを提供いたします。
 また、障害の有無にかかわらず参加できるスポーツイベント、チャレスポを拡充いたします。
 さらに、パラリンピックの魅力を紹介するガイドブック、DVDの作成や、テレビなどのメディア活用による普及啓発を行ってまいります。
 こうした取り組みを通じて、二〇二〇年パラリンピック大会の成功に向けたオール東京での開催機運の盛り上げを図ってまいります。
 次に、障害者スポーツの振興についてでございますが、障害者スポーツの場の拡大には、ハード面の整備に加え、施設管理者や指導者等への理解促進が不可欠でございます。
 都は、施設管理者について、障害に対する知識不足が原因で不適切な対応を行わないよう、来年度、施設の管理運営上配慮すべき事項をマニュアルとして取りまとめ、施設管理者に対して周知するとともに、研修を実施し、障害者の施設利用に対する理解を促進してまいります。
 また、障害者スポーツ指導員に対しましては、経験不足から来る指導への不安がある場合、これを解消するため、実技指導を取り入れたフォローアップ研修等を実施し、指導者としてのスキルアップを図ってまいります。
 今後とも、障害者スポーツの環境づくりを進め、二〇二〇年大会後のレガシーにつながるよう取り組んでまいります。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

○生活文化局長(小林清君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、ボランティアセンターの機能強化についてでありますが、ボランティアへの参加機会をふやすためには、活動を希望する都民や社会貢献活動を行う企業とともに、受け入れ側となる施設やNPO等に対する支援の拡充をあわせて行う必要がございます。
 具体的には、活動する側と受け入れ先のマッチング強化や企業の取り組みへの支援、現場で調整役となる人材の育成を充実する必要があり、住民に身近な区市町村と地域のボランティアセンターとの連携促進や、活動ニーズのマッチングに取り組む中間支援組織への支援が不可欠であります。
 このため、都といたしましては、年内に連携と支援に関する指針を策定するとともに、その中核を担う東京ボランティア・市民活動センターの相談体制の充実や情報発信力の強化、企業との連携促進など、支援機能の拡充を図ってまいります。
 次に、アーツカウンシル東京を活用した都民の芸術文化活動に対する支援についてでありますが、全ての都民が芸術文化を鑑賞、創造するためには、地域での取り組みを充実させていくことが重要であります。
 このため、来年度から都民がアーティストやNPOと連携して、地域のコミュニティづくりを進める芸術文化活動の支援を新たに開始いたします。
 また、二〇二〇年東京大会の文化プログラムの先導プロジェクトとして、障害者とアーティストがともに創作を行う障害者アートプログラムを展開するとともに、障害者の創作活動を支援する助成制度につきましても新設をいたします。
 これらの施策の実現に向け、芸術文化の専門機関であるアーツカウンシル東京が、地域の活動を支えるNPOとの連携を進めてまいります。
   〔消防総監大江秀敏君登壇〕

○消防総監(大江秀敏君) エアハイパーレスキューの整備についてでありますが、当部隊は、空から迅速かつ効果的な消火、救助、救急活動を展開する専門部隊でありまして、江東と立川の二拠点に高度な救助技術や救急救命士の資格を有する部隊員と特殊な資器材を配備することとしております。平成二十七年度中の早期発隊に向けて、拠点の一つとなる江東航空センター新庁舎を、本年十一月の完成を目指し整備をしております。
 また、大量救出用ゴンドラ等の資器材の配置や部隊員に対する航空救助技術の教育訓練などの準備を着実に進めてまいります。
 今後とも、世界一安全・安心な都市の実現に向けて、陸海空が一体となった消防活動体制の充実を図ってまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

○総務局長(中西充君) 防災訓練を通じた多角的な救出救助体制の構築についてでございますが、大規模災害時に、建物倒壊等により、陸路での救出救助活動が困難な場合には、迅速に道路啓開を行いつつ、ヘリコプターや船舶等を活用することが有効でございます。
 このため、昨年策定した首都直下地震等対処要領では、全国からの応援部隊も含め、自衛隊、警察、消防等が持つ陸海空の資機材を効果的、効率的に活用するため、地域ごとに活動拠点等を示すとともに、連携内容や手順を取りまとめたところでございます。この要領に基づき、昨年の総合防災訓練では、東京消防庁のヘリコプターや自衛隊の船舶等が連携した医療救護訓練を実施し、活動内容を検証いたしました。
 今後とも、陸海空の連携を念頭に、九都県市等と協力しながら実践的な訓練を実施、検証することで、災害時に効果的な救出救助活動が展開できるよう取り組んでまいります。

○副議長(藤井一君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後五時二十二分休憩

   午後五時四十分開議

○議長(高島なおき君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 八十二番松村友昭君
   〔八十二番松村友昭君登壇〕

○八十二番(松村友昭君) 日本共産党都議団を代表して質問します。
 知事は繰り返し、政治は強い者のためでなく弱い者のためにある、これが私の政治哲学だと述べています。福祉の増進を本旨とする地方自治体の責任者として当然の立場だと思います。
 私は、この見地に立って、都政はどうあるべきかについて知事にただしていきたいと思います。
 まず、社会保障について伺います。
 安倍政権は、多くの国民の反対を押し切って、消費税を八%に引き上げました。しかも、社会保障のためといって消費税を増税しながら、社会保障費の自然増を聖域なく見直すとして、介護、年金、医療、生活保護などを次々切り下げようとしています。
 こうした理不尽なやり方は、国民の批判で一度は破綻して中止されたものです。このとき、知事は厚生労働大臣として、二千二百億円を抑制することが大事なのか、国民の生命と健康を守るために必要な施策を十分行うことが大事なのか、それは言をまたないと答弁しています。
 知事、今、政府が進めようとしている社会保障の切り下げと負担増に対して、どのような認識を持っていますか。とりわけ介護報酬の二・二七%引き下げという過去最大規模の削減は、介護現場の低賃金と深刻な人手不足を一層加速させるものです。中でも特別養護老人ホームの基本報酬は、約六%もの大幅引き下げです。
 私たちは、独自に都内の特養ホームを調査しましたが、介護報酬の引き下げで年間一千万円を超える減収になる施設も少なくありません。そのために、利用者サービスの見直しとともに、職員配置や人件費の削減に手をつけざるを得ないという声や、事業の継続自体ができなくなるという声が寄せられました。介護報酬の引き下げによって、職員処遇の低下とともに、事業の縮小、施設の閉鎖などが多発し、介護難民がますますふえる事態になりかねません。
 知事は、こうした影響をどう認識し、どう対応するのですか。国に対し、介護報酬の引き下げを中止すること、また、職員の処遇改善を介護保険料に影響しない一般財源で行うことを求めるべきです。
 私たちの調査では、都が実施してきた特別養護老人ホーム経営支援事業の拡充を求める声が多数寄せられています。こうした要望に応え、事業の拡充、予算の増額を図ることが必要です。見解を伺います。
 介護保険の利用料の引き上げも重大です。政府は来年度から、一定所得の高齢者の利用料を二割負担に引き上げますが、その影響は高齢者の二割に及びます。そればかりか、低所得者に対する特養ホームの部屋代や、食事代の負担軽減措置の縮小、打ち切りも行われようとしています。これでは、経済的理由から介護保険を利用できない高齢者がふえることは、火を見るより明らかです。どう認識していますか。
 負担増の中止を国に求めるとともに、都として負担増になる人たちへの支援の手だてを検討すべきではありませんか。
 都が低所得者対策として実施している利用者負担軽減事業は、預金が三百五十万円以上あると対象外となるため、介護保険利用者のわずか〇・四%、千五百人程度しか適用を受けていません。市長会も、対象要件を見直して利用者を拡大するよう要望しています。この要望をどう受けとめていますか。より多くの高齢者が利用できるようにすることが重要ですが、都の対応を伺います。
 知事が、都有地の減額制度を拡充し、国有地、民有地の借地料の補助を拡充して、全庁挙げてスピード感を持って取り組むと発言したことは重要ですが、三十ヘクタールの都営住宅、公社住宅用地の提供は、具体的にどう進んでいるのですか。
 知事は、都立公園に保育園の設置を進めると表明していますが、具体化の状況を伺います。
 また、地域の住民も使える事業所内保育園の設置については、どのように進めるのですか。例えば、大学は広いキャンパスを持つところが少なくありません。教職員も利用できて一石二鳥です。都内百三十九校の大学で、地域開放型の事業所内保育園は、まだ一カ所もありません。都として設置を働きかけることも含め、積極的に取り組むことを求めるものです。いかがですか。
 子供たちの運動能力向上のためにも、保育園の園庭確保は重要です。ところが、我が党の調査では、都内で園庭がないか狭いため、代替えの公園を使わざるを得ない保育園は一千百五十六施設に及びます。借地料補助など用地確保への支援が拡充されましたが、新設園しか対象になりません。
 既設の保育園が園庭確保のため、新たに借地する場合も新設園と同様の補助を行うとともに、複数の保育園による共同園庭の確保への支援、区市町村と連携して、園庭のかわりにもなる公園整備を進めるなどの環境整備に力を尽くす必要があると思いますが、見解を伺います。
 福祉人材の待遇改善は急務です。知事は、介護職員や保育士などに対し、給与改善のために補助することを明らかにしました。
 しかし、残念ながら、介護職員の月二万円の給与アップは、各事業所で四人までしか認められません。保育士では、月額平均三万円の給与改善に向け、都が補助を行うといいますが、もともと認可保育園には、都独自の運営費補助が出ており、それを廃止して新たな制度をつくるのですから、今までの補助額との差額しか給与アップの財源はふえません。
 このため、知事がモデルケースとしている社会福祉法人の認可保育園の場合、保育士一人当たり月額三千三百円程度しかふえません。しかも、今回の補助制度は、今まで受けていた補助額より減額になってしまう保育園も少なくないのです。減額となる保育園では、職員の給与を上げようがないではありませんか。知事、給与改善補助の大幅な拡充が必要です。答弁を求めます。
 介護職員や保育士、障害者の事業所で働く職員の確保、定着を進めるためには、人員配置の改善も重要です。都として、福祉人材増配置への支援を強化すべきだと思いますが、いかがですか。
 知事は新聞の取材に答えて、お金のある人は医療を受けて命を救われるけど、お金のない人は医療を受けられず亡くなっていく、そんな社会でいいのかと述べ、施政方針でも、世界一の福祉先進都市を強調しました。そのためにも、高い国民健康保険料、保険税が生活を圧迫し、滞納世帯が増加し、保険証取り上げが広がっている問題の解決は急務です。
 あるシングルマザーは、月十万円の収入で国保料は月九千円でしたが、体を壊し、滞納せざるを得なかったにもかかわらず、区から、短期保険証の色でお子さんが差別されるから、ちゃんと払いなさいといわれたそうです。滞納世帯に対し、商売の運転資金まで差し押さえることや、給与口座を全額差し押え、最低の生活費まで取り上げる事態が起きています。
 知事、こうした高い保険料、保険税が生活を脅かしている中で、さらに上がり続け、徴収強化によって都民を追い詰めている事態をどう認識していますか。
 深刻な事態をつくっている最大の原因は、国が国民健康保険に対する国庫支出割合を五〇%から二五%に削減したことにあります。ところが、国は国庫支出をふやすのではなく、広域化を進めようとしています。国民健康保険の広域化は、国の責任を都道府県に押しつけた上、区市町村に負担増や徴収強化を進めさせようというものであり、我が党は反対です。
 国は広域化に向けた条件整備として、来年度、千七百億円の財源投入を行いますが、その額も極めて不十分です。今、何よりも重要なことは、国庫負担の大幅復活を実現させることではありませんか。
 同時に、都の責任も問われます。国が極めて不十分な措置しかとらない中で、来年度の保険料、保険税は、さらなる値上げが行われようとしています。二十三区では、来年度も計画どおり値上げされると、夫婦と子供二人の四人家族の場合、四年間で一万九千二百円もの負担増になってしまいます。知事、こうした事態をどう認識していますか。
 国の責任だとして、深刻な事態を放置してよいはずがありません。都として保険料軽減への支援に踏み出すべきです。
 全国知事会は、子育て支援の観点から、子供にかかる保険料均等割の軽減を求めています。都として、少なくとも子供の均等割軽減のための支援を行うべきではありませんか。お答えください。
 我が党は、本定例会に、国民健康保険料または国民健康保険税の補助に関する条例を提出します。この条例は、所得が低いために、国制度により均等割保険料を軽減されている世帯の負担をさらに軽減する区市町村に対し、均等割の一割分を限度に都が補助するというものです。都民の経済的負担を少しでも減らして、都民の命と暮らしを守るために、各会派の賛同を心から呼びかけるものです。
 次に、経済政策についてです。
 この間の歴代政権は、大企業や富裕層がもうかれば、国民、都民の生活が豊かになり、中小企業も元気になるというトリクルダウンの立場から、法人税減税や大型開発など大企業優遇の経済政策を進める一方、消費税増税や雇用の非正規化などによって、暮らしと営業を圧迫してきました。この結果、雇用が破壊され、格差と貧困が広がりました。しかも、今、トリクルダウンの立場に固執するアベノミクスのもとで、さらなる大企業への優遇政策が進められようとしているのです。
 OECDは昨年十二月の報告書で、格差を拡大させる政策では、貧しい経済環境の子供の教育機会や技能開発が阻害され、経済成長がおくれると指摘し、中間層や低所得階層に質の高い教育や訓練、保健医療など公共サービスを拡大させる転換が必要と指摘しています。
 また、来日したトマ・ピケティ氏も、トリクルダウンの主張に対し、過去を見てもそうならなかったし、未来でもうまくいく保証はないと発言しています。知事はこうした指摘をどう受けとめていますか。
 今こそ東京から経済政策のあり方を転換させていくことが求められています。この立場から指摘しなければならないのは、知事が国家戦略特区も活用して国際金融センターをつくり、参入する金融機関や投資家に税の減免など、さまざまな優遇措置をとろうとしていることです。
 しかし、今の日本の金融状況はどうでしょうか。日銀が金融機関への巨額の資金提供を続けていますが、企業への貸し出しは進みません。実体経済が落ち込み、投資先がないのです。
 内外の金融機関などの最大の狙いは、一千六百兆円といわれる国民の預貯金を株式などにつぎ込ませることです。これによって一時的に株価が上がるかもしれませんが、バブルと格差拡大を深刻化させることにつながります。しかも、リスクの高い商品による都民の被害が広がり、バブルがはじければ深刻な経済危機に陥る危険が高いのです。
 今、都が力を注ぐべきは、投機マネーの呼び込みではありません。何よりも雇用や中小企業対策を抜本的に強化するなど、内需拡大で実体経済を立て直すことではありませんか。知事、お答えください。
 私は、この立場から、まず雇用対策について質問します。
 政府はこれまで、二度も廃案になった労働法の改悪を提案し、事実上、派遣労働を半永久化することや、一定賃金以上の労働者には、どれだけ残業させても残業代を払わなくてもよいとする残業代ゼロ制度を導入しようとしています。今でも過労死ラインすら超える異常な長時間労働が広がっているのです。このような法律が制定されたら、誰もが安心した正規雇用を目指せるようにするという都の施策は、到底前進させることができなくなります。
 知事は厚生労働大臣だったときに、夫を過労死で亡くした女性の涙の訴えに対し、働く人の権利を守っていかないといけないと表明しました。こうした経験に立って、今回の労働法見直し案をどう捉えていますか。労働法制改悪の中止を国に強く求めるべきではありませんか。
 知事が非正規の正規化の目標を打ち出し、国との連携による新たな施策として、社内で非正規社員の正規化を図る企業を支援することや、非正規の若者を正規採用する企業を支援する事業を進めることは重要です。
 今月には厚労大臣と雇用対策協定を結び、東京労働局との運営協議会も始まりました。ここで取り上げるべき課題として、非正規の正規化とともに最低賃金の引き上げは、貧困と格差を打開するための決め手の一つです。
 東京労働局との協議で、最低賃金水準について、国の審議会でも確認されている時間給千円を直ちに実現するよう求め、全国の最低賃金引き上げを大いに牽引する役割を果たす必要があります。
 また、中小企業が最低賃金引き上げに対応できるよう国に働きかけ、都も協力して中小企業への支援策の検討に踏み出すよう求めます。認識と対応を伺います。
 舛添知事が東京で非正規雇用の正規雇用化を本格的に進めるというのであれば、まず隗より始めよの例えのとおり、東京都職員における非正規雇用の正規化を率先して行うことで、民間企業の模範となるべきです。
 東京都では、知事部局の非常勤職員及び臨時職員が二〇一三年には八千六百九十六人で、正規職員の三六%です。知事部局以外や外郭団体、さらに委託先まで含めると、非正規職員は膨大な人数になります。都の公務職場の非正規労働の実態を把握することが重要と考えますが、いかがですか。
 正規雇用化は都の公務職場で先進的に取り組まれるべきであり、可能な部署から非正規の職を正規職化していくことが大切であると思いますが、見解を伺います。
 失業者や非正規雇用が急増したお隣の韓国では、非正規雇用の正規化を公約して当選したソウル市長が、民間委託や外注化が広がり、低賃金が蔓延していたソウル市の公務職場の改革に乗り出し、まず直接雇用の非正規職員千三百人以上を正規化し、さらに劣悪な地下鉄の外注清掃員など三千人以上を正規の直接雇用に転換しました。直接の人件費は一六%増加したものの、外注業者への利益を含む委託費分が三九%下がったため、年間経費を五億円程度削減したとのことです。
 同時に、公務職となった清掃労働者の意欲が高まり、市役所の庁舎や地下鉄構内は見違えるほどきれいになったと市民にも大好評です。次は、外部委託の適正化を軸に、福祉施設やコールセンターなど直接雇用に転換する計画です。韓国の他都市にもこの取り組みが広がりつつあります。
 知事は直接訪問もされ、お会いになった朴市長のこの決断と実行をどう評価されますか。
 続いて、中小企業対策です。
 都内各地で中小業者などから、消費税増税と円安の影響で材料費が上がり商売が大変、昨年と同じ売り上げがあっても利益が出ないと悲鳴が上がっています。
 中小企業家同友会の景気状況調査では、消費税増税後の二〇一四年四月から十二月まで連続してマイナスで、二〇一五年一月から三月期もマイナス予想です。その上、円安と消費税増税で仕入れ単価が上がっているという企業が大幅にふえ、売り上げが伸びても採算がとれない企業が増加しており、物価上昇分を六割の企業が価格に転嫁できないという深刻な事態だとしています。
 結論的に、消費税増税による不況と円安による原材料の値上がり、人材不足の三重苦で、アベノミクス不況のさなかと宣言しました。
 中小企業のこうした現状について、知事の認識を伺います。
 年度末を迎える中、円安の影響、原材料高騰、消費税増税などで経営難に直面し、運転資金なども借りられない、返せないと資金繰りに苦しんでいる中小企業に緊急の支援を行うことが必要です。
 現行の融資制度については、利率の引き下げ、利子補給、保証料補助の上積み、据置期間の延長、借りかえ融資の拡充など、関係機関と協力して緊急対応措置を行うこと、都として緊急相談窓口を開設するとともに、都、中小企業振興公社、東京信用保証協会、金融機関と連携して中小企業が経営改善に取り組めるよう支援を強めることを求めますが、いかがですか。
 小規模企業振興基本法の成立に基づき、国は、まだ端緒とはいえ、小規模企業が事業を続けることができるよう支援を強めています。都も来年度予算案で小規模企業対策を前進させています。
 深刻な現状からいえば、さらなる支援策の拡充が求められます。例えば高崎市で始まった商店リフォーム事業は、小規模事業者にとって新しい客層を呼び込むきっかけになり、販路拡大につながると好評で、国も昨年度から始めました。中小企業、小規模企業への直接支援に踏み出す時期に来ているとの要望も、区の担当者から聞いています。
 国の商店リフォーム事業、省エネ機器導入支援策などに都が呼応して支援すること、小規模企業の事業の継承や再生のための直接支援を拡充するよう提案するものです。いかがですか。
 都は来年度から、大企業の埋もれた特許の活用、医工連携などで中小企業の仕事づくりを促進します。これらの取り組みには、中小企業の自社製品に結びつけられるよう協力できる専門家が重要です。
 こうした専門家を都として確保し、区市町村とも連携して推進する体制をとるよう求めます。お答えください。
 ロンドン・オリンピックでは、経済分野のレガシーとして中小企業の受注促進を位置づけ、中小企業への契約案件などの情報が特別に重視されました。その結果、契約件数の七五%を中小企業が受注しています。
 知事は施政方針で、発注情報などを一元的にインターネットで提供し、受注機会の拡大を図るといいました。東京でもこうしたロンドンの取り組みを参考に、オリンピック・パラリンピック関係事業に都内の中小企業が参入し、受注できるよう組織委員会に申し入れるなど特別の手だてを検討すべきですが、いかがですか。
 都市農業、農地は、新鮮で安心・安全な農産物の生産、災害時の一時的避難場所、緑のある都市環境づくりなど、多面的機能、社会的役割を持っており、その評価が高まっています。
 しかし、この十年間で、農地面積は九百九十ヘクタール減り、農業生産額は二十九億円減少しています。これ以上農地を減らさないため、現行の生産緑地制度や相続税制度など制度面の課題を解決することが求められます。
 都は、国への要望で、生産緑地面積要件の引き下げ、農業用施設用地や屋敷林などへの納税猶予制度の拡大などを求めてきました。国の制度が確立しない中でも、都独自にでもできる市街化区域農地などへの固定資産税の軽減を実施するとともに、市町村には軽減への財政支援を行うことを求めます。いかがですか。
 多摩格差について伺います。
 舛添知事は、多摩の発展なくして東京の発展なしと述べて、この間、多摩地域の施設を訪れました。
 多摩地域は自然が身近にあるとともに、区部より工業製品出荷率が高いなどの誇れる工業や技術力もあります。
 また一方で、少子高齢化に対応する福祉、医療対策、高度経済成長期に集中的に整備された都市インフラ等の更新など、行政に求められるニーズはますます多様化し、行政運営に苦慮していると市長会から要望が出されています。
 公共サービスにおける区部との差もあります。医療についていえば、一つは子供の医療費助成です。東京では義務教育終了まで広がりましたが、区部では全ての自治体で所得制限も自己負担もありません。ところが、多摩地域では、所得制限がある自治体が二十市、初診料負担は二十四市あります。負担の発生する所得層の家庭からは、ぐあいが悪くても病院に行かない、兄弟の多い家庭では薬を分け合って飲ませているなどの声が寄せられています。同じ東京に住んでいて、区部の子供と多摩の子供で医療費負担に差があってよいのでしょうか。
 また、人口千人当たりの医師数は、二十三区の三・七人に対し、多摩地域は二・〇人と区部の五四%にすぎず、医療環境に格差があります。いかがですか。
 知事は、公共サービスにおける区部と多摩の格差についてどう認識していますか。都は、格差解消に率先して取り組む必要があると考えますが、お答えください。
 次に、防災対策です。
 直面する首都直下地震対策について、我が党はかねてから、中央防災会議最終報告による、建物の被害は死者発生の主要因であり、被害拡大の要因であることから、あらゆる対策の大前提として、建築物の耐震化の取り組みを推進する必要があるとの指摘を正面から受けとめて、住宅の耐震化への支援を大幅に拡充するよう求めてきました。
 ことしは阪神・淡路大震災から二十年目の年、舛添知事も風化させてはならないと強調していますが、その教訓もまさにここにあります。
 阪神・淡路大震災による死者、行方不明者は、その後亡くなった方を含めれば、六千四百三十四人に及びました。死者の八九%が圧死、一〇%が焼死と報告されていますが、死者が出たのは一九八一年以前に建てられた木造住宅で九八%、新耐震基準の住宅での死者は全体の二%でした。
 神戸大学名誉教授の早川和男氏は、震災直後、長田区の住宅倒壊、焼失地域を歩いて気がついた、年数を経た木造家屋でも、近年手入れをしたものは倒れていないと報告しています。
 こうした事実からも、当時、全ての住宅が耐震化されていたら、多ければ八割の方は救えたと指摘されています。まさに阪神・淡路大震災の痛苦の教訓は、木造住宅の耐震化の取り組みが立ちおくれていたことにあります。
 知事、中央防災会議の指摘、阪神・淡路大震災の教訓をどう認識していますか。
 住宅耐震化について、都は、特定緊急輸送道路の沿道建築物や整備地域を限定してきました。しかし、その限定した地域でさえ、合意形成等に時間を要するなど、耐震化の進捗は十分でないと長期ビジョンで認めています。
 このため、都は、特定緊急輸送道路の沿道建築物については、診断実施後の改修工事への速やかな移行を図るアドバイザーを派遣するとしていますが、その他の地域に助成を広げず、普及啓発や技術的支援の強化などにより住宅の耐震化を促進するとしているだけです。これでは耐震化が進むわけがありません。
 東京都は、かつて墨田区の白鬚東地区で防災拠点を成功させた経験を持っています。白鬚東地区については、構想段階から住民参加で調査し、模型実験を繰り返し、転居する場合は同じ床面積を保障して住民の生活再建を第一にし、職員が昼夜出向いて合意形成を図るなどの取り組みが記録されています。静岡県で進んでいるのも、費用負担の軽減とあわせ、住民への親身になったアドバイスといわれています。
 都内未耐震化の住宅、百十六万戸は放置できません。都庁OBなども活用して、親身になって耐震化の普及啓発や権利関係を調整し、住民合意形成が図れる人員体制を図るべきです。全ての未耐震住宅を対象に、耐震化へ区市町村とも協力し、都庁挙げての取り組みを求めます。知事、いかがですか。
 住宅の耐震化を阻む要因は、改修費用の負担が重過ぎることにあることは明らかです。全面改修する場合の総工事費、百万円から三百万円は、ひとり暮らしの高齢者などには負担が重過ぎます。木造住宅の耐震化助成は、地域限定をやめ抜本的に拡充することが必要です。いかがですか。
 全面耐震改修を行わない場合でも、まず命を守ることを最優先して、部分的な簡易改修への補助も検討すべきです。その場合、耐震診断で倒壊する可能性が高いとされた全ての住宅を対象にすることを求めます。お答えください。
 阪神大震災の火災の原因の六割以上は、電気供給が一旦ストップしても、自動回復したときに漏れたガスなどに引火する、いわゆる通電火災と呼ばれるものであることが明らかになっています。
 内閣府は、強い揺れを感知すると自動的に電気の流れをとめる感震ブレーカーについて、初めてとなる性能評価のガイドラインをまとめました。性能評価に基づいて、感震ブレーカー、感震配電盤の都としての普及目標を持つこと、助成制度の検討を初め、区市町村と連携した普及促進策に取り組むことを求めます。お答えください。
 また、東京電力に通電火災を防ぐ対策をとること、国に高層住宅の建築に際して感震配電盤の設置義務づけを働きかけるべきです。いかがですか。
 都市づくりについて伺います。
 都内では、二〇〇〇年以降、高さ百メートル以上の超高層ビルが既に二百九十棟も建設されているのに、国家戦略特区の指定を受けるなど、いまだに超高層ビルの建設ラッシュが進んでいます。
 大型道路建設もとどまることなく推進されています。一メートル一億円、大深度地下トンネル方式で建設される東京外環道は、地下水分断、膨大な発生残土など、さまざまな未解決の課題を抱えています。その建設費は本体部分だけでも一兆二千八百二十億円、しかも高速道路建設であるにもかかわらず、国直轄事業として税金投入が事業費の八割、一兆三百五十八億円にも及ぶものとなっています。
 このようなやり方は、欧米の先進国大都市と比べて極めて異常です。多くの国や都市で環境に優しい都市づくりが強調され、高密度化を抑え、自動車交通を削減していく都市づくりが進められています。
 ニューヨーク市は、車道を公共スペースに変えたり、自転車レーンの設置を推進するなど、車道を減らす取り組みを進めています。フランスの交通計画では、二酸化炭素排出量を減らすために、自動車から公共交通などの移動手段に移行させる政策がとられています。ボストンやサンフランシスコでは、オフィスビルの床の総量規制や容積率の引き下げが進められ、オフィス建設だけでなく、低所得層向け住宅供給が進むよう誘導策が実施されています。パリでは、住宅を建設する場合は三〇〇%、事務所建設の場合は一五〇%などの規制がかけられています。ドイツでは、都市開発は既存の地区構造の保守的更新、修復型のまちづくりが主流です。また、多くの都市で、開発を行う場合、中低所得層向けの住宅を義務づけているのです。
 知事はこのようなことはご存じだと思いますが、東京でもこうした欧米の取り組みにも学び、東京に合った、人と環境に優しい都市づくりを正面に掲げていくことを求めますが、いかがですか。
 都が事業化を進めようとしている外環の地上部街路、外環ノ2は、三千棟にも及ぶ住宅の立ち退き、自動車公害の増大などで、地域環境と住民生活に甚大な影響を及ぼします。
 そもそも外環ノ2は、本来、外環本線の地下化の決定に伴い廃止してしかるべき道路であり、当時の石原知事が、地上部の道路計画は廃止されたのではないかという旨の発言をしたほどです。このため当時の石原知事は、現地を視察するといい、猪瀬前知事も現地視察の方針を引き継ぎましたが、現地視察は実現しませんでした。
 舛添知事は現地を訪れたのですか。訪れたとしたら、いつ行ったのですか。地域の住民の声は直接聞いたのでしょうか。
 都がみずから外環ノ2を廃止しないことから、杉並区の住民が都市計画法の提案制度を活用し、善福寺二丁目の二百九十五メートルの部分を廃止する提案を提出しました。この地域では、対象地域の地権者の八割近くが外環ノ2を不要と判断し、今回の提案に至っています。
 知事は施政方針で、都議会の皆様と議論を重ねた政策も、実際に前に進めるためには都民の皆様の協力が不可欠だと思っておりますといいましたが、八割近くが反対するという重みを知事はどのように受けとめていますか。
 東京では、これから高齢化社会が急速に進むと同時に人口減少に向かいます。都市づくりのあり方とともに、都の財政運営も抜本的に見直すことが必要です。
 新規の大型開発は見直して、維持更新や耐震化に重点化し、都債発行を適正に抑制すること、そして、少子高齢社会対策を初めとした福祉、医療、教育、雇用対策の充実、生活の質の向上を進めるための予算を思い切って確保することが必要だと考えますが、いかがですか。
 持続可能な都市づくりを進めるためには、ヨーロッパ諸国のように再生可能エネルギーの急速な普及が欠かせません。
 東京でも、住宅、マンション、学校、公共施設、福祉施設への太陽光パネル設置、上下水道を利用した小水力発電、ビル風利用の都市型風力発電、飲食店から出る大量の生ごみや西多摩の森林資源を活用したバイオマスエネルギー、島しょなどの波力発電を初め、再生可能エネルギーの大きな可能性があります。
 ところが、この間の都の再生可能エネルギー普及は大きく立ちおくれています。今後、どのようにして普及のテンポを引き上げるのですか。NPOや住民の取り組みとも連携し、大規模団地や地域ごとにエネルギー自給地域をつくり広げていく取り組みも重要ですが、いかがですか。
 新設される水素社会・スマートエネルギーの基金は、水素だけでなく、再生可能エネルギーや省エネルギー化に積極的に充てることが求められていますが、いかがですか。
 次に、戦後七十年という節目の年に当たっての都の対応について伺います。
 知事は施政方針で、先人が築き上げてきた平和を次の世代にいかに引き継ぐのか、これは現代に生きる政治家の大きな責任であると表明しました。大事な発言だと思います。
 二十年前の戦後五十年の節目に開催された東京都平和の日記念式典において、日本国憲法が基本理念とする恒久の平和は、私たち全ての願いであり人類共通の目標である、軍縮と核兵器の廃絶を機会あるごとに強く訴え、戦争の惨禍を再び繰り返させないなどの内容を持つ都民平和アピールが採択され、都民広場に掲示されています。
 戦後七十年の節目に当たって、こうした都民平和アピールの精神や、平和と友好を掲げるオリンピック憲章の立場から、東京都が平和と核廃絶、友好の立場を発信していくことを求めるものです。知事の見解を伺います。
 東京大空襲、被爆体験などの膨大な貴重な記録を都として収集、保存し、広く都民に普及、活用していくことが重要だと思いますが、いかがですか。
 首都圏の横田基地や厚木基地など、全国各地でオスプレイの飛行と訓練の日常化が広がっています。しかも日米合意を無視して、住宅密集地での飛行を平然と行っています。
 また、ここ数年、横田基地での各種軍用機の飛行が急増し、福生市の調査によると、昨年と一昨年は一万回を大きく超えています。危険な低空、旋回飛行、夜間飛行も急増して騒音の増大となり、部品落下の事故も頻発して、これまで行われたことのなかったパラシュート降下訓練も頻繁に行われ、周辺住民の不安が広がっています。
 知事は国の専管事項だといいますが、戦後七十年もの間、首都東京の人口密集地に米軍基地が居座るという世界に例のない異常な状態に加え、こうした米軍の横暴を黙って見過ごしてよいのですか。住民の安全・安心に責任を持つべき自治体の長としての対応を求めるものです。知事、お答えください。
 都が一貫して掲げてきた米軍基地の整理、縮小、返還を目指す立場が長期ビジョンには示されていません。中間報告では述べられていた横田空域全面返還という立場もなくなりました。なぜでしょうか。
 昨年末、都と基地周辺の市町連絡協議会が政府と米軍に対して行った基地の整理、縮小、返還、騒音防止、事故防止などの十項目の要望に対し、どういう回答がなされているのかも、あわせてお答えください。
 最後に、東京の教育について知事に伺います。
 全ての子供たちが人間として大切にされ、学校教育の中でさまざまな人間的触れ合いを通じて心も体も豊かに成長してほしいというのは都民の願いです。ところが、石原都政になって以降、全国に例を見ない教育現場への管理統制と介入が強められ、学校教育がゆがめられてきました。
 二〇〇三年には、卒業式や入学式の椅子の並べ方から式次第に至るまで、画一的なやり方を強制する通達が出され、国歌斉唱の職務命令に従わなかった教員などが大量処分されました。これに対し、最高裁は、国歌斉唱などを命じた職務命令が思想及び良心の自由について間接的な制約となり得ることを認め、減給と停職処分を取り消しました。また、補足意見では、いたずらに不起立と懲戒処分の繰り返しが行われていく事態が教育の現場のあり方として容認されるものではないと指摘し、自由で闊達な教育が実施されるよう努力することを求めています。
 知事、この最高裁判決と補足意見をどう受けとめていますか。
 また、七生養護学校では、全国的に高く評価されてきた性教育が一方的に突然不適切とされ、一昨年、裁判で都教委の敗訴が確定しましたが、教員は厳重注意、校長はいわれのない停職と降格処分にされました。これらは、逆らうと処分されるという見せしめとなり、教育現場を萎縮させました。
 職員会議は一方的な伝達の場になり、気になる生徒について議論することも、教育論を闘わせ合意形成を図ることも困難になり、挙手による教員の意向確認すら都教委により禁止されています。教員相互の協力、協働を損ない、教育と相入れない目先の成果主義をあおる業績評価や上意下達の人事制度もつくられました。
 舛添知事、就任から一年になりますが、石原都政以来進められてきた、こうした教育の現状をどう捉えていますか。
 知事は施政方針で、教育について、知事と教育委員会がさらに力を合わせ、子供の可能性を伸ばし、引き出してまいりますと述べました。子供の可能性を伸ばし、教育をするには、教員が専門職として尊重され、授業の自主性、創造性が保障され、地域や保護者とともに教育について議論し合えることが重要です。
 そして、子供たちが主権者として多様な価値観を身につけ、平和と基本的人権、民主主義をしっかりと身につけることができる教育を進める必要があると思いますが、知事の基本見解を求めます。
 我が党は今定例会に、都議が本会議などに出席する際の交通費である費用弁償を廃止する条例を提出します。多くの都民の皆さんから、費用弁償は歳費の二重取りという強い批判が寄せられています。全国的にも廃止などの見直しが進んでいるものです。全ての会派、議員の皆さんのご賛同を訴え、再質問を留保して質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 松村友昭議員の代表質問にお答えいたします。
 社会保障制度についてでありますが、国民皆保険、皆年金を初めとする日本の社会保障制度は、人口の増加、右肩上がりの経済成長、終身雇用を前提に確立され、国民生活の安定や経済の安定的発展に大きく寄与してまいりました。
 しかし、高齢化や現役世代の減少、家族形態や地域の変化、雇用基盤の変化などにより、制度を支えてきた社会構造は大きく変化し、現在のシステムはさまざまな問題を抱えております。
 いうまでもなく、社会保障制度は社会全体のセーフティーネットであり、財源ありきで論じるべきものではございません。
 しかし、将来を見据えれば、制度を維持するための財源を確保し、給付の重点化と効率化を図りながら、持続可能なものにつくり変えていかなければなりません。
 私は厚生労働大臣時代、こうした考えのもと、社会保障制度改革に取り組んでまいりました。現在、国が進めている改革も同じ考えに立ったものと認識しております。
 次に、介護報酬改定についてでございますが、今回の改定は、賃金や物価の状況、平成二十六年の介護事業の実態調査等を踏まえ、専門家から成る国の社会保障審議会でのさまざまな議論を経て、制度設計者である国の責任で行われたものであります。
 いうまでもなく、介護報酬の原資は国民が負担する介護保険料と税金でありまして、介護事業者であっても、効率的な運営のために経営努力を行うことが必要であります。
 都は、キャリアパスの導入など、努力した事業者に対する支援を行ってまいります。
 介護職員や保育士の処遇改善についてでございますが、ふえ続ける保育ニーズや介護ニーズに対応するためには、サービス基盤の整備を進めるとともに、これを支える人材を安定的に確保していくことが重要であります。
 しかし、介護や保育を担う福祉人材については、キャリアパスの仕組みが十分でないことに大きな問題がございます。現場での頑張りが将来につながるなど、人生設計の見通しが立たなければ、優秀な人材が離職することになりかねません。
 そのために、都は来年度から、これまでの社会福祉法人のみを対象に実施してきた補助制度を見直しまして、介護職員や保育士のキャリアアップに取り組む全ての事業者を対象とした都独自の補助制度を創設いたします。
 ただ、これまでも繰り返し申し上げてきましたが、こうした仕組みは本来、国が整えるべきものでありまして、そのため、これまでもさまざまな機会を捉え、国に働きかけてございます。
 単に、都独自に給与費補助を拡充すべきだというご意見には賛成できかねます。
 経済政策に関する認識についてでございますが、ご質問にありましたトマ・ピケティ教授の説には賛否両論ありますが、資本主義が抱える問題に一石を投じたものであると認識してございます。
 一方、行政を担う者としては、経済理論やデータを額面どおり受けとめるだけでは、これは不十分だと思っております。
 私は、みずからの目と足で現場をつかみ、一生懸命頑張る方々を応援していくことで東京から日本の成長を牽引していくと、そういう立場でございます。そのために、行政としてさまざまな政策をバランスよく展開してまいります。
 教育や就業などにおいて意欲のある人のチャレンジを応援し、機会の平等を図るとともに、新たな富をつくり出す成長戦略や都市再生などの経済活性化に資するインフラ整備にも取り組み、国家戦略特区というツールも最大限活用しながら、都民の豊かな生活を実現してまいります。
 労働法制についてでございますが、働く人が健康な生活を送り、将来に夢と希望を持つためには、適切な雇用環境の確保が重要であります。
 こうした考えから、若者や女性、高齢者など全ての人が希望する働き方で能力を発揮するための雇用政策を長期ビジョンに盛り込んでございます。
 労働法制の見直しは雇用環境に大きな影響を与えることから、労使や公益的な立場からの意見を幅広く踏まえることになっています。
 今般の法改正についても、現在、国においてさまざまな議論がなされておりまして、今後の議論の動向について注視してまいります。
 ソウル特別市の正規雇用化の評価についてでありますが、私も非正規雇用問題の解決は我が国の将来の根幹にかかわるものと考えておりますが、一方で、都庁における非常勤職員の状況はソウル特別市とは全く異なるものであると考えております。
 都の非常勤は、常勤の代替というよりは、特定の仕事に関する知識、経験、あるいは高度な専門性を持った者を雇用しておりまして、その処遇についても常勤職員を参考に設定してございます。
 また、公務において非常勤職員の優先的な常勤化は、そもそも我が国の法制度上も不可能でございます。
 外部委託については、最少経費で最大効果の原則に基づき、コストダウンとサービス向上の観点から行っておりまして、指摘は当たらないと思っております。
 今後とも、多様なマンパワーを適切に活用し、都庁の効率的かつ効果的な執行体制を構築してまいります。
 中小企業の現状に関する認識についてでございますが、我が国の経済は穏やかな回復基調が続いているものの、急速に進んだ円安や個人消費の回復のおくれなどの影響を受けまして、中小企業の業況は一進一退の状況にありまして、いまだ厳しい経営環境から抜け出せない事業者も多いと認識しています。
 こうした中小企業を支援するために、都はこれまでも、経営、技術、資金繰りなどの面から幅広く支援策を展開しています。
 今後とも、東京の産業を支える中小企業の振興に向けて取り組んでまいります。
 公共サービスにおける区部と多摩の格差についてでございますが、先日の施政方針演説で申し上げましたとおり、世界一の都市東京を実現するためには、多摩地域の発展が必要不可欠だということが私の基本的な姿勢でございます。
 これまで数多くの現場視察の中で、多摩地域がさまざまな課題に直面していることは、私自身、既に十分認識しております。
 一方で、区部と多摩地域では、自治制度や地理的条件、人口規模や産業構造といった社会的条件など、その置かれている状況は異なっておりまして、そうした違いがある中で画一的な格差論を展開することが、多摩地域の発展に資するとは思いません。また、同じ多摩地域内であっても、各市町村の状況にはさまざまな違いがございます。
 こうした現実的な違いを直視した上で、区部、多摩地域、さらに島しょ地域も含めて、東京全体の発展を目指すことが知事としての私の責務でありまして、今後とも、こうした考えのもと、多摩振興の取り組みを着実に推進してまいります。
 次に、人と環境に優しい都市づくりについてでございますが、東京が国際競争力を有する環境と調和した都市であり続けるためには、計画的な都市施設の整備や都市機能の更新が不可欠でございます。
 これまでも三環状道路の整備などを通じて、慢性的な交通渋滞の緩和や二酸化炭素の削減を図ってまいりました。引き続き、建物の省エネ化や地域のエネルギー利用の効率化を促しながら、都市活動に伴う環境負荷の低減を進めてまいります。
 ターミナル駅では、周辺市街地との一体的な整備によりまして、バリアフリー化など交通結節機能を強化してまいりました。さらに、鉄道やバスなどの有機的な連携を含む総合的な交通政策を展開し、誰もが安心して快適に利用できる公共交通を整備してまいります。
 交通利便性の高い拠点地域などでは、民間開発の機会を捉えまして、質の高い居住機能の誘導や緑の創出を図ってきておりまして、豊かな住環境の形成に向け一層取り組んでまいります。
 今後とも、都市の更新を適切に進め、経済活力と環境が両立した、誰もが暮らしやすい世界一の都市東京の実現に取り組んでまいります。
 続いて、平和の発信についてでありますが、さきの大戦で戦争の大きな惨禍をこうむった東京都民にとって、世界中の人々の相互理解に立脚した国際秩序の形成と恒久平和の実現は最大の願いであります。
 そのため、都は、東京都平和の日条例を制定し、平和の意義を確認し、平和意識の高揚を図るため、記念行事を実施することで国際平和の重要性を内外に広く発信してまいりました。
 オリンピック・パラリンピック大会は、スポーツを通じて世界の人々の尊厳を保持し、平和な社会を推進することを目的としておりまして、東京都は、二〇二〇年大会の開催都市として世界の都市と連携し、世界平和の実現に貢献してまいります。
 横田基地についてでございますが、アジア太平洋地域の安全保障環境が厳しさを増す中、日米安全保障体制は、我が国のみならず、地域の平和と安定のために重要な役割を果たしております。横田基地を初めとする都内の米軍基地もその一翼を担うものと認識しております。
 米軍の運用に当たりましては、地域への影響にも妥当な考慮を払って活動すべきことは当然でございます。
 このため、都では、航空機騒音など地域に影響を及ぼす米軍の運用について国や米軍に要請を行っておりまして、今後も必要な働きかけを行ってまいります。
 東京の教育に対する基本的見解についてでございますが、子供の可能性を伸ばし、引き出していくには、全ての子供たちが社会の中で自立して生きていくために必要な確かな学力や豊かな人間性などを身につけられるよう、学校、家庭、地域社会が一体となって取り組む必要があります。
 このため、昨年十二月に取りまとめました東京都長期ビジョンにおきましては、基礎、基本の徹底によります学力の習得、向上のほか、地域や社会の教育力を活用した小中高を通じた系統的なキャリア教育など、さまざまな施策を位置づけました。
 さらに、高校を中退した若者が就職などしないままフリーターになって、社会的自立が困難になってしまうといった問題に対応するためには、不登校児童生徒や高校中退者対策を進めていくことが重要であります。
 今後とも、日本の、そして東京のあすを担う子供たちがみずからの力で未来を切り開くことができますように全力を挙げて取り組んでまいります。
 なお、そのほかの質問については、教育長、東京都技監及び関係局長が答弁をいたします。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

○教育長(比留間英人君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、国旗及び国歌に関する最高裁判決についてでありますが、卒業式などにおいて、児童生徒に我が国の国旗及び国歌の意義を理解させ、これを尊重する態度を育成すべき教員が国歌斉唱時に起立して斉唱することは、教育者として当然の責務であります。
 平成二十四年一月十六日の最高裁判決では、卒業式などの国歌斉唱時に起立、斉唱等を命じる校長の職務命令は憲法十九条に違反しないとされ、不起立等に対する懲戒処分は可能とされたことは適切な判断であると考えております。
 次に、これまでの教育の現状についてでありますが、学校には、校長のリーダーシップのもと、全教職員が組織的、計画的に児童生徒の指導に当たり、子供たちが将来にわたり心身ともに健やかに成長し、社会の中で自立して生きていけるようにすることが求められております。
 こうした目的を実現するため、都教育委員会はこれまで、各学校における教育課程が適正に実施されるよう、法令や学習指導要領に基づく指導の徹底を図ってまいりました。
 また、校長のリーダーシップによる学校経営の仕組みの整備や主幹教諭制度の導入などの施策を講じてきたところであり、今後もこうした取り組みを推進をしてまいります。
 なお、七生養護学校の判決では、都教育委員会が指導内容及び方法の基準を示すことは問題ないとされております。
   〔東京都技監横溝良一君登壇〕

○東京都技監(横溝良一君) 都立公園への保育所の設置についてでございますが、現在、都立公園においては、レストランなどのにぎわい施設や子育て支援のための保育所の導入について、事業者などの意向調査を行うとともに、関係局などと連携しながら具体的な仕組みづくりを行っております。
 引き続き、貴重な緑を守りながら、国に働きかけを行い、保育所の導入を含め、多彩な機能を持つ公園づくりに取り組んでまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 十点のご質問にお答えします。
 まず、特別養護老人ホーム経営支援事業についてでありますが、介護保険制度では、特別養護老人ホームは介護報酬により運営されることが基本でございます。
 都が現在実施している特別養護老人ホーム経営支援事業は、島しょなど地理的条件で厳しい経営環境にある施設や、サービス向上に資する取り組みを行っている施設に対し支援を行っているものでございます。
 次に、利用者負担等の見直しについてでありますが、介護保険制度は、世代間、世代内で支え合う社会保険制度であり、利用料として一定の自己負担を求めることは、給付と負担の公平性の観点からも必要であります。
 今回の改正では、合計所得金額百六十万円以上の者については自己負担が原則二割となりますが、そのうち年金収入とその他の合計所得金額を合わせた金額が、単身で二百八十万円、二人以上世帯で三百四十六万円未満の場合には一割負担に戻す措置が講じられております。
 また、介護老人福祉施設の多床室の居住費負担の見直しについても、特養入所者全体の約八割を占める第三段階までの低所得者につきましては、利用者負担を増加させないこととしており、都として国に実施の中止を求めることや新たな対策を実施する考えはございません。
 次に、都の利用者負担軽減制度についてでありますが、本制度は、国制度である社会福祉法人等による利用者負担軽減の仕組みをもとに、対象サービスと事業主体を都独自に拡大しております。
 対象者の収入や資産要件については国制度に準拠して実施しており、要件について見直しを行う考えはございません。
 次に、事業所内保育施設についてでありますが、定員のおおむね四分の一以上を地域に開放する事業所内保育事業は、本年四月から開始される子ども・子育て支援新制度において、新たに区市町村認可による事業として位置づけられます。
 そのため、都は、昨年度から区市町村が事業所に働きかけ、地域に開放する事業所内保育施設を新設する際の整備費補助制度を既に開始しております。
 また、今年度からは、区市町村の取り組みを促進するため、既存施設の改修に係る経費も含め、都が整備費の全額を補助することとしております。
 次に、保育所の園庭確保への支援についてでありますが、都が独自に実施している都有地の減額貸付や定期借地の一時金への補助、国有地や民有地の借地料への補助は、保育サービスの新たな整備を促進するための支援策でございます。
 これらの補助の対象には園庭も含まれており、園庭がない場合には、保育所の近くに代替場所を確保するよう求めております。
 次に、福祉人材の増配置についてでありますが、福祉施設等の人員配置基準は、国の従うべき基準等に基づき、都道府県や区市町村の条例、規則で定めることとされており、都は特別養護老人ホームや保育所などの基準を定めております。
 各サービスはこれらの基準に基づき提供されており、その上で、都は事業者に対し、望ましいサービス水準を確保するための独自の補助や、施設等の機能強化を図るための独自の補助を既に行っております。
 また、来年度からは、保育士や介護職員のキャリアパス制度の導入を推進するための独自の補助も開始いたします。
 次に、国民健康保険料の徴収についてでありますが、国民健康保険制度は、被保険者間の相互扶助を基本とした社会保険制度であり、その財源となる保険料の収納確保は、制度を維持していく上での前提となります。
 保険料の賦課については、収入に応じた軽減措置が設けられており、今年度からは軽減対象となる低所得者の範囲が拡大されております。
 また、区市町村は滞納者に対して、納付相談により生活状況を把握し、必要に応じて保険料の分割納付を案内するなど、きめ細かな対応を行っていると認識しております。
 次に、国民健康保険の国の財政負担についてでありますが、国民健康保険制度の医療給付費等に対する保険料と公費の負担割合は、昭和五十九年度から、原則として保険料が五割、公費が五割とされており、現在もその制度設計は変わっておりません。
 しかし、この間に数次にわたり国民健康保険制度の改正があり、都道府県調整交付金や保険財政共同安定化事業の創設に加え、前期高齢者の偏在による負担の不均衡を医療保険者間で調整する財政調整制度などが創設されたために、分母が拡大したため、結果として国保財政に占める国庫支出金の割合は減少しております。
 したがって、国庫支出割合の減少を理由として、国庫負担の引き上げを国に求める考えはございません。
 次に、国民健康保険料の負担軽減についてでありますが、国民健康保険制度の保険者は区市町村であり、保険料や保険税の賦課方式や料率は、それぞれの自治体の議会で審議され決定されるものでございます。
 全国知事会では、子育て支援の観点から、子供に係る保険料均等割を軽減する制度を設けるよう国に対して要望しておりますが、こうした制度上の課題については、制度設計者である国が責任を持って検討すべきものであります。
 都としては、保険料負担軽減のために新たな支援を行うことは考えておりません。
 最後に、多摩地域の医療環境についてでありますが、義務教育就学児への医療費助成事業の実施主体は区市町村であり、それぞれの自治体が議会においてさまざまな審議を経て、条例を定めて実施しております。
 都は、子育てを支援する福祉施策の一環として、一定の所得制限や自己負担を設け、市町村への補助を行っております。
 また、医療提供体制については、医療法に基づき、二次保健医療圏ごとに基準病床数を設定しており、各圏域では、必要な病床や入院医療の体制が確保されております。
 特定の地域や診療科の医師不足についても、医師奨学金制度や地域医療支援ドクター事業による取り組みを進めております。
   〔都市整備局長安井順一君登壇〕

○都市整備局長(安井順一君) 八点のご質問にお答えいたします。
 まず、福祉インフラ整備のための創出用地の提供についてでございますが、都営住宅、公社住宅の建てかえに伴い創出した用地のうち、活用が見込まれる候補地については、区市町村との協議を経て提供していくものでございます。
 まず、公社において、中野区広町住宅、板橋区向原住宅、文京区の茗荷谷住宅の三カ所の用地で特別養護老人ホーム等の整備に向けた取り組みを進めていくこととしてございます。
 次に、阪神・淡路大震災の教訓等についてでございますが、阪神・淡路大震災では、沿道建築物の倒壊による道路閉塞に伴い、避難活動や緊急車両の通行に支障を来すとともに、大規模な市街地火災が発生し多くの生命と財産が奪われるなど、都民にも多くの教訓を残しました。
 こうした教訓をもとに、都は全国に先駆けて、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化推進条例を制定いたしました。
 また、中央防災会議最終報告では、あらゆる対策の大前提として、建築物の耐震化の取り組みを推進する必要があるとした上で、さらに、特に木造住宅密集地域や緊急輸送道路沿いでの建築物等の耐震化に重点的に取り組むとしてございます。
 都においては、同様の認識のもと、こうした施策に重点を置き、首都東京の防災力の向上を図り、世界一安全・安心な都市の実現を目指してまいります。
 また、住宅の耐震化に向けた取り組みについてでございますが、住宅等の耐震化は、自助、共助、公助の原則のもと、所有者みずからがその必要性を認識し主体的に取り組むことが不可欠でございます。
 都は、限られた人員と財源のもと、区市町村や建設業団体などと連携し、所有者による耐震化を促すためのさまざまな取り組みを実施しております。
 具体的には、マンション啓発隊による管理組合等への働きかけや改修事例の紹介などの普及啓発に加えまして、耐震化を完了した住宅への固定資産税の減免などを行っております。
 また、住宅関連団体等と共催した耐震キャンペーンを継続的に実施するともに、区市町村が地域の実情に即して行う個別訪問等に対する財政的支援などに取り組んでございます。
 次に、木造住宅の耐震化助成についてでございますが、都は広域自治体として、東京全体の安全性を高める観点から、国や区市町村との適切な役割分担のもとに、老朽木造住宅の密集度が極めて高い整備地域に的を絞り、木造住宅の耐震化助成を重点的に行っております。
 こうした対応により、震災時の住宅の倒壊による道路閉塞や延焼拡大を防止し、大規模な市街地火災による人的、物的被害を最小限に抑えることが可能となります。
 引き続き、限られた財源のもと、防災対策上の優先度を考慮し、耐震化助成を効率的、効果的に実施してまいります。
 次に、住宅の部分的な改修についてでございますが、都は、整備地域内の住宅の耐震化について、震災時に住宅の倒壊による道路閉塞を防ぎ、大規模な市街地火災を防止するという公共的な観点から助成を行っております。
 例えば、一部屋のみの部分的な改修を行う場合は、建築物全体の耐震性が確保されず、地震により建築物が倒壊する危険性があることから、助成対象とはしてございません。
 なお、所定の耐震性が確保される改修工事を、複数年度にわたり数回に分けて、計画的、部分的に実施する場合は、各工事を助成対象としてございます。
 次に、外環ノ2の知事視察についてでございますが、知事は昨年四月、計画地の全線を視察してございます。
 都は、地域住民との話し合いの会を開催し、地元の意見を聞いております。
 次に、外環ノ2の廃止提案についてでございますが、都市計画道路は、広域的な交通を適切に処理するとともに、良好な市街地環境の形成や災害時の防災性の向上などを図るため、ネットワークとして機能させる必要がございます。
 お話の提案は、外環ノ2、全長約九キロのうち、約三百メートル弱を対象とした区間でございまして、そこの同意者数等の要件を満たしていたために受理はいたしました。しかしながら、その内容は、当該区間を廃止し、その結果、道路ネットワークとしての機能を発揮できず分断するものであるため、都は、この提案を採用しないと判断し、今後、都市計画法に基づき適切に判断してまいります。
 引き続き、外環ノ2の整備のあり方等につきましては、広く意見を聞きながら検討してまいります。
 最後に、米軍基地等に関する都の方針と政府、米軍に対する要望についてでございますが、都内米軍基地の整理、縮小、返還や、横田空域の早期全面返還を求める都の方針は何ら変更しておらず、引き続き国に対して働きかけを行ってまいります。
 また、昨年末の横田基地に関する東京都と周辺市町連絡協議会の要望に対しまして、国からは、横田基地が日米安全保障体制を維持する上で極めて重要な施設であるとした上で、基地の運用に当たっては、周辺への影響に十分配慮するよう米軍に申し入れているとの回答を得ております。
 米軍からは、航空機の運用においては、日米合同委員会の合意を遵守するとともに、安全を最優先しているとの回答がございました。
 都としては、引き続き、必要に応じ周辺市町とも連携しながら要望を行ってまいります。
   〔政策企画局長川澄俊文君登壇〕

○政策企画局長(川澄俊文君) 経済政策のあり方についてですが、国際金融センターは、世界中から資金と人材と情報を呼び込み、国内外のさまざまな成長分野や企業に投融資がなされる拠点でございます。
 東京の持つ金融関連機能の集積を最大限活用し、経済の血液ともいわれる金融分野において、ロンドン、ニューヨークと並ぶ国際金融センターへと東京を復活させることで、東京、ひいては我が国の経済の活性化を図ってまいります。
 また、雇用や中小企業対策は、既に長期ビジョンに示しているとおり、非正規雇用対策、中小企業の経営改善や販路開拓支援など、必要な取り組みを講じていくこととしております。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 六点のご質問にお答えをいたします。
 まず、最低賃金についてでございます。
 東京都の最低賃金は、法に基づきまして、労働者、使用者、公益の三者の代表が審議し、国において決定をする仕組みとなっております。
 なお、都と東京労働局との運営協議会については、国との役割分担を踏まえつつ、ワークライフバランスの実現など、連携して取り組むことで相乗効果が期待される課題について協議する場として、先般立ち上げたところでございます。
 次に、中小企業の資金繰り等に対する支援でございますが、都は既に制度融資において、つなぎ融資の限度額を年度末まで引き上げる特別措置を講じるなど、関係機関と連携して中小企業に対する必要な支援を実施しております。
 次に、小規模企業に対する支援でございますが、都は、小規模企業の事業の継続や経営基盤の強化を図るため、経営相談や技術支援、金融支援、各種助成などを行っているところでございます。
 次に、専門家による中小企業への支援についてでございますが、都は、中小企業の製品開発を支援するため、さまざまな主体と連携して、共同開発のコーディネートなど専門家の活用を図っており、引き続きこうした取り組みを行ってまいります。
 次に、オリンピック・パラリンピック関係事業への都内中小企業の参入についてでございますが、都は来年度、中小企業団体等と連携して協議会を立ち上げ、中小企業による大会関連の受注機会の獲得などに向けた取り組みに着手することとしております。
 最後に、都市農地の保全についてでございますが、高額な相続税の負担等により、この十年間で約一千ヘクタールの都市農地が失われております。
 都はこうした状況を踏まえ、都市農業振興基本法の制定を見据えつつ、国家戦略特区の活用等によりまして、税制を含む制度改善を図るなど効果的な農地保全策の検討を行っております。
   〔総務局長中西充君登壇〕

○総務局長(中西充君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、都の非常勤職員、臨時職員についてでございます。
 都では、毎年度、全ての業務について個々の職務内容及び業務量等を精査し、常勤や非常勤など最も適切な職を設置し、効率的な執行体制を確保しております。
 また、非常勤職員については、その勤務条件について、これまでも必要な改善に努めてまいりましたが、一般職非常勤制度の導入により、休暇、休業制度の拡充など一層の改善を図ったところでございます。
 なお、委託先団体等における適切な執行体制の確保や勤務条件の決定につきましては、それぞれの団体において主体的に取り組まれるべきものと認識しております。
 次に、感震ブレーカーの普及についてでございます。
 本年二月に国の検討会において、感震ブレーカー等の性能評価ガイドラインがまとめられました。
 このガイドラインでは、感震機能つき分電盤に加え、コンセントタイプや簡易タイプなど、さまざまな機器について設置に当たっての留意点などが記載されてございます。
 さらに、出火予防が期待される範囲や作動の信頼性がタイプごとに異なり、停電時の照明確保や維持管理など、使用上留意すべき点もさまざまであるとともに、漏電遮断器や消火器の設置などをあわせて行うことも必要とされています。
 都としては、建築物の耐震化、不燃化に向けた取り組みに加え、家具類の転倒等防止対策や感震機能つき分電盤の普及促進などに取り組んでおり、引き続き、地域防災計画に基づくハード、ソフト両面の対策を推進してまいります。
 最後に、災害時の電気火災対策についてでございます。
 東京電力株式会社は、災害対策基本法に基づく指定公共機関であり、その所掌事務に関し防災業務計画を作成してございます。
 これによると、東京電力株式会社は、災害時の電気火災を防止するため、漏電による事故を防ぐための漏電遮断器の取りつけ推進や、屋外避難の際の安全器またはブレーカー切断等について、さまざまな媒体により広く広報するとされており、都といたしましては、適切に対応されるものと考えております。
 また、地震発生時の高層住宅における火災防止のための電力供給遮断については、漏電遮断器や感震機能つき分電盤の普及啓発等を図っております。
   〔財務局長中井敬三君登壇〕

○財務局長(中井敬三君) 財政運営についてでありますが、東京の都市機能を支えるインフラ整備は、都民の利便性を向上させ、東京の活力を維持する上で不可欠な取り組みであり、着実に進めていく必要があります。
 中でも、外環道を初めとする道路や東京港など都市の根幹となる施設の整備は、将来への道筋をつける重要な事業であります。
 都はこれまでも、都市インフラの整備更新はもとより、雇用や福祉の充実といった生活の質の向上を図る施策や教育、防災、中小企業施策などについても的確に財源を振り向けてきております。
 今後とも、将来負担を見据え、都債も適切に活用しながら、財政の健全性を確保し、ハード、ソフト両面にわたる都政の諸課題にしっかりと取り組んでまいります。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

○環境局長(長谷川明君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、再生可能エネルギーの導入拡大についてでございますが、都はこれまでも、太陽光発電や小水力発電、廃棄物発電など、東京の特性に合わせた再生可能エネルギーの普及拡大を図ってまいりました。
 今般、再生可能エネルギーのさらなる導入拡大を目指し、専門家による検討会の提言も踏まえ、東京都長期ビジョンにおいて、十年後の二〇二四年までに東京の再生可能エネルギーによる電力利用割合を二〇%程度に高める目標を定め、実現に向けた具体的な政策展開をお示ししております。
 今後とも、都民、事業者と連携し、省エネ、節電とともに、住宅などへの太陽光発電の導入や都市型バイオマス発電の推進など、需給両面にわたる多面的な取り組みを着実に進めてまいります。
 次に、NPOや住民と連携した取り組みについてでございます。
 都はこれまでも、官民が連携し地域の特性に応じた取り組みを進めることが重要であるとの観点から、区市町村が事業者団体やNPOなどの民間団体と連携して取り組む太陽エネルギーや木質バイオマスなどの再生可能エネルギーの利用拡大に対して支援を行っております。
 今後とも、都民、民間事業者、区市町村などと連携し、さまざまな観点から再生可能エネルギーの導入拡大に努めてまいります。
 最後に、水素社会・スマートエネルギー都市づくり推進基金についてでございますが、本基金は、水素エネルギーの利用の拡大を図るとともに、エネルギーの有効利用及び低炭素かつ自立分散型のエネルギーの利用が進んだスマートエネルギー都市の実現に資することを目的としており、水素社会実現に向けた都の強い意欲と二〇二〇年までの継続的な取り組みを示す観点から、主な対象事業としては、水素ステーションの整備や燃料電池自動車の導入促進などを想定しているところでございます。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

○生活文化局長(小林清君) 東京大空襲などの記録の収集、活用についてでありますが、都は毎年、三月十日の東京都平和の日にあわせまして、二月から三月にかけて東京空襲資料展を開催し、都が収集した東京空襲関連資料や写真パネル等の展示、東京空襲体験者証言映像の上映を行っております。
 都内四会場のうち二会場については、区市町村から共催者を募っており、今年度は府中市及び瑞穂町との共催で開催をいたします。
 また、区市町村が主催する平和関連の資料展へ収集資料及び写真パネル等の貸し出しを行っており、区市町村との連絡会議等でも活用を呼びかけております。今年度は、十一区五市一町で実施する二十二会場の資料展への貸し出しを予定しております。
   〔八十二番松村友昭君登壇〕

○八十二番(松村友昭君) 知事に再質問します。
 知事は、安倍首相が進める社会保障改悪に対して、自分と同じ考えに立ったものと認識していると答えました。
 また、介護報酬引き下げによる深刻な影響について、知事は、介護報酬の改定は国の責任で行われた、事業者の経営努力が必要だと強調するだけで、評価を避けました。
 しかし、知事自身も厚労大臣時代に、介護の深刻な人材不足に介護報酬の引き下げが影響している可能性は十分あると述べています。
 東京都社会福祉協議会の調査では、今でも都内の特養ホームの半数で職員不足が生じており、八割以上の施設が、介護報酬の減額は介護人材不足に大変悪い影響を与えていると考えていますと。東社協は、このままでは介護崩壊になり、都内は介護、退院難民であふれ、在宅介護の悲劇が続くことが危惧されるとまで述べているのです。
 知事、そうは思っていないのですか。
 知事、国の責任だ、事業者の問題だというのではなく、介護報酬削減による深刻な事態を直視し、発言し、都としてできることを行うべきでありませんか。答弁を求めます。
 次に、経済政策についてです。
 私は、OECDの格差と成長に関する報告書に対する知事の認識もお聞きしましたのに、答弁がありませんでした。
 同報告書は、先進諸国における所得格差の拡大が、経済成長を大幅に抑制していることを指摘し、低中所得層に対する所得再配分、子育て世帯や若年層に対する支援を促進すべきとしています。
 OECDには、日本を含む欧米の先進諸国が加盟し、世界最大のシンクタンクとして、さまざまな分野における政策調整、協力、意見交換などを行っている国際機関です。
 知事、この指摘をどう受けとめているのですか。お答えください。
 次に、教育についてです。
 私は、石原都政以降、管理統制と介入で学校教育がゆがめられていることについて、就任一年となる舛添知事の見解をただしたのであり、教育長に聞いたのではありません。
 最高裁は、都教委の立場を全面的に退けたものではありませんが、いたずらに懲戒処分を繰り返すのではなく、自由で闊達な教育が実施されるよう努力することを都教委に求めているのです。知事はどう受けとめているのですか。
 子供の実態に合わせ、保護者とともに試行錯誤しながら行われていた七生養護学校の性教育は、学習指導要領違反ではなく、教員をいきなり処分した都教委のやり方は、違法とされたのです。
 学校教育が、人間的な触れ合いの中で自主的、創造的に行われることを励ますのが、教育委員会の仕事ではありませんか。
 改めて知事の答弁を求めます。
 次に、防災についてです。
 都市型災害の典型である阪神・淡路大震災では、建物倒壊などによる圧死が死因の九割近くを占めていることを指摘し、住宅問題の研究者の、当時、全ての住宅を耐震化していれば、多ければ八割の方が救えたという、痛切な教訓をもとに尋ねたのに対し、都は、道路沿道の耐震化によって避難や消火を行う対策についていうだけで、建物倒壊による圧死から住民の命を守る対策については何一つ触れませんでした。
 耐震化助成によって住宅を耐震化すれば多くの命が助かるのです。この教訓について、知事はどう捉えているのですか。お答えください。
 最後に、外環ノ2についてです。
 これまで公表されていませんでしたが、知事は昨年四月に現地視察を行ったとのことです。
 外環本線を地下化する際、当時の石原知事は、地上部の住民にはもはや迷惑をかけないかのようにいって住民を安心させたのです。ところが、実際には、地上部道路の計画を残したため、住民がだまされたと憤慨し、苦しんでいることが、この外環ノ2の問題の根本にあります。地域の地権者を初めとした住民と無関係に視察を済ませたとするのでは、住民は到底納得できないと思います。
 どのような視察を行ったのですか。現地を歩いたのでしょうか。現地の地権者を初めとした住民から話を聞いたのでしょうか。お答えください。
 以上、五問について、知事のお答えをお願いいたします。(拍手)
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 社会保障制度改革と介護報酬改定についての再質問にお答えをいたします。
 先ほど知事からご答弁申し上げたとおり、社会構造の変化により、現在の社会保障制度はさまざまな課題を抱えております。現在の国の改革は、将来にわたって制度を維持するための財源を確保し、給付の重点化と効率を図りながら、制度を持続可能なものにつくり変えていくための改革と認識をしております。
 また、今回の介護報酬の改定は、賃金や物価の状況、介護事業の実態調査を踏まえ、専門家から成る国の社会保障審議会でのさまざまな議論を経て、制度設計者である国の責任で行われたものでございます。都として新たな対策を実施する考えはございません。
   〔政策企画局長川澄俊文君登壇〕

○政策企画局長(川澄俊文君) OECDの指摘についての答弁がないということでありますが、先ほどあわせて知事からお答えしたとおりでございます。
 行政としてデータや経済理論を額面どおり受けとめるだけでなく、現場を踏まえ、さまざまな政策をバランスよく展開していくことが必要であります。
 そのため、教育や就業などにおいて、意欲のある人のチャレンジを応援するとともに、新たな富をつくり出す成長戦略や都市再生などの経済活性化に資するインフラ整備にも取り組み、都民の豊かな生活を実現してまいります。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

○教育長(比留間英人君) 最高裁判決についてのご質問がございましたけれども、先ほどもご答弁申し上げましたが、卒業式などにおいて、児童生徒に我が国の国旗及び国歌の意義を理解させ、これを尊重する態度を育成すべき教員が国歌斉唱時に起立して斉唱することは、教育者として当然の責務であると考えております。
 また、七生養護学校の関係でもご質問がございましたけれども、東京高裁の判決では、都教育委員会が性教育のあるべき内容及び方法を調査検討し、基準を示すことは許されており、そのことによって、各学校ないし各教員がみずからの思うとおりには性教育を行うことができなくなっても不当な支配に当たらないと、こういう内容も判断で下されております。
   〔都市整備局長安井順一君登壇〕

○都市整備局長(安井順一君) 二点のご質問にお答えします。
 阪神・淡路大震災の教訓を踏まえて、先ほどご答弁申し上げましたとおり、住宅の耐震化については、自助、共助、公助の原則のもと、所有者みずからがその必要性を認識、主体的に取り組むことが不可欠であり、都は、区市町村と連携して所有者による耐震化を促すさまざまな取り組みを実施しているところでございます。
 その上で都は、広域自治体としての役割を踏まえ、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化や木密地域の不燃化などの施策を重点的、集中的に講ずることが東京全体の防災力を強化する上で重要であり、これにより、結果としてより多くの都民の生命、財産を守ることになるものと認識してございます。
 次に、外環ノ2の知事視察についてでございますけれども、知事は、公務の予定を踏まえつつ、計画地全線を視察してございます。
 都は、地域住民との話し合いの会を開催し地元の意見を聞いており、状況は適宜、知事に報告してございます。
 引き続き、整備のあり方について広く意見を聞きながら検討を進めてまいります。

○議長(高島なおき君) 百二番石毛しげる君
   〔百二番石毛しげる君登壇〕

○百二番(石毛しげる君) 私は、都議会民主党を代表して、都政の主要課題について、知事並びに関係局長に伺います。
 まず、都政運営についてお伺いします。
 東京都の新しい長期ビジョンについて、都議会民主党は繰り返し、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックは通過点であり、その先の未来のビジョンや都民の幸福を実現する道筋を明らかにしていただきたいと申し上げてきました。
 東京都長期ビジョンでは、オリンピック後や都民の幸福といった記述が随所に見られ、おおむね評価しております。
 また、約三百六十の政策目標を盛り込んでおり、舛添知事が標榜する、東京で生まれ、生活し、老後を過ごせてよかったと思える東京の実現に向けて、新たな取り組みも示されたものであると受けとめております。
 一方で、網羅的な施策もあるものの、オリンピック・パラリンピックが終わった後の東京のイメージ、各施策の先にある全体像をどのように描いていくのか十分に見えないというのが率直な感想です。
 今、東京都政の直面する、貧困の拡大、不安定雇用の増加、高齢化、少子化など、個別課題について後ほど伺いますが、まずは、東京都長期ビジョンに込めた知事の思いはどのようなものか伺います。
 長期ビジョンと三カ年の実施計画において、多くの項目で数値目標が盛り込まれたことは評価しております。しかし、この間、都議会民主党が求めてきたビジョンの実現に欠かせない財政的な裏づけは、まだ不十分であると考えます。
 また、現状の数値がなかったり、推進や向上とだけ書かれていて目標値が明確でないもの、目標値が示されても、それが政策目標の達成に十分なのか疑問なものなども散見されます。
 定量的に目標を示すことが難しい事柄など確かにありますが、現状をつまびらかにし、それをどう解決していくのかを明確にしなければ、大胆な計画立案や進捗状況の管理、プラン・ドゥー・チェック・アクションのPDCAサイクルにも十分な効果が期待できなくなってしまうのではないでしょうか。
 計画の実効性を高めていくことが必要と考えますが、見解を伺います。
 長期ビジョンにおいては、集約型地域構造の考え方と今後の取り組み方針が示されました。
 これまで、多摩地域においては、広域的発展による、職と住のバランスのとれた自立性の高い地域構成をすることを掲げ、取り組みが進められてきました。集約型地域構造の言葉自体は、これまで都の長期計画では使われておらず、都民や多摩地域の住民への十分な説明が必要と考えます。
 長期ビジョンで示した集約型地域構造によって、どのように多摩地域のまちづくりを発展しようとしているのか、知事の見解を伺います。
 次に、平成二十七年度東京都予算案について伺います。
 一般会計の予算規模は、前年度比四・三%増の六兆九千五百二十億円となりました。予算増の背景には堅調な都税収入が挙げられますが、その内訳は、法人税等の伸びが五百九億円、消費増税による増収が二千二百二十三億円です。
 しかし、都税収入前年度比七・五%増、五兆円超えという数字や、景気回復といった言葉に対し、都内の中小企業関係者からは、景気の回復は全く感じられないという声が聞かれます。
 実際、中小企業景況調査や小規模企業景気動向調査でも軒並みマイナスの数字が並んでおり、都内の景気回復はいまだ、まだら模様です。
 このような景気回復が、都内全体に及んでいるとはいえない状況をどのように認識し、平成二十七年度予算においてどう対応していくのか、知事の見解を伺います。
 次に、格差是正について伺います。
 四十代の若き経済科学者、トマ・ピケティの「二十一世紀の資本」が世界中で反響を呼んでいます。
 民主主義社会がみずから自由かつ公正で健全な状態を保つため、そして危険な社会的緊張を高めないために、格差の固定化に留意すべきことは、改めていうまでもないことですが、本書では、日本を含む二十カ国以上の過去三世紀にわたるデータの比類なき分析によって、格差をさらに拡大する構造が示されました。
 そして、その格差の固定化への危惧が高まっており、東京都政も直面しつつある課題であることは、非正規雇用や大都市問題としての貧困など、事例を持ち出すまでもなく、知事が施政方針表明でも触れたとおりです。
 また、知事は就任以来、新たな雇用、教育、福祉施策を打ち出し、長期ビジョンにおいても都市戦略に掲げています。
 私は、格差是正への取り組みは、人口減少時代の東京都政において、東京の持続的成長にもつながる最も重要な課題の一つと考えますが、改めて知事の基本認識を伺います。
 続いて、生活困窮者自立支援策について伺います。
 都議会民主党は、まさにこの格差の固定化により、機会の平等が危うい状況であると考えており、昨年の予算特別委員会、本会議など機会を捉えて、生活困窮者自立支援制度が生活困窮者のセーフティーネットとして有効に機能するよう、実施主体である区市への支援の充実を求めてまいりました。
 とりわけ、生活保護世帯や生活困窮世帯の子供が、貧困の連鎖に陥らないよう支援することは重要です。
 現在、生活保護世帯の子供の健全育成事業は、全額国費負担により十一区市が実施していますが、新制度では、対象が生活困窮世帯の子供にも拡大する一方で、補助が二分の一に低減する方針が国から示されたため、効果的な支援を安定的、継続的に行うことができるようにすべきと強く求めてきました。
 都においては、国に対し、十分な財源確保など粘り強く働きかけていただいた結果、年明けに示された国の予算案では、補助基準額に経過措置が設けられるなど、一定の配慮はなされたものの、補助額は二分の一に引き下げられてしまいました。
 今後、貧困の連鎖を防止する上で貴重な子供の学習支援が多くの区市で実施され、しっかりと機能するよう、都としても強力に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、不本意非正規の正規雇用化についてです。
 舛添知事は就任以来、働く人の三分の一が非正規という状況は尋常ではないとの問題意識を示すとともに、長期ビジョンにおいては、不本意な非正規雇用を半減させることを目標に、二〇一七年度までに一万五千人の正規雇用化を図る計画を打ち出しました。
 私たちは、こうした取り組みを評価するとともに、究極的には不本意非正規ゼロを目指して、より積極的な施策の展開を期待するものです。
 特に、就職氷河期世代と呼ばれる現在の中高年においては、正規雇用と非正規雇用の賃金格差も大きく、手厚い支援が必要であると考えます。
 不本意非正規の正規雇用化に向けて、知事の見解を伺います。
 次に、若年者雇用対策です。
 若年フリーターの場合、半年以内であれば男性は八割、女性は六割が正社員となれますが、三年以上フリーターの場合は、男性で六割、女性で四割と減り、非正規雇用の期間が長くなるほど正社員化が難しくなります。
 こうしたことから、私は、新卒者の正社員雇用を推進するとともに、非正規雇用から早期に正規雇用に転換させていくことが格差是正につながるものと考えます。
 若年者の早期の正規雇用化も含めた正社員化対策にさらに取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、子育て支援について伺います。
 まず、環境確保条例の改正案についてです。
 大都市東京では、保育園が民家と軒を接して建つことも多く、近隣への配慮は欠かせません。しかし、園児の声まで法的問題となる今日、例えば住宅街では、静かな図書館のレベルを超えると騒音規制の対象になるのでは、時代に合わないといわざるを得ません。
 改正案では、保育園等の子供の声を数値規制の対象から除外し、受忍限度で総合的な判断を行うものであり、バランスのとれた見直しであると考えます。
 今後、状況に応じて小学生の除外を検討するなど、さらなる改正を望むものです。
 子供が伸び伸びと育つことは都民の願いであり、子供の権利です。しかし、近隣住民にも夜間勤務者などいろいろな方がいて、同じように生活権があります。子育てへの理解を高め、共存に向けた話し合いをより丁寧に行うなど、今後の対応が重要と考えます。
 今回の改正により、子育て環境の整備を一層進める必要があると考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、待機児童の解消についてです。
 私たちは、待機児童の解消が知事にとって最大の公約の一つと考えています。そして、舛添知事は長期ビジョンの中間報告で、仮の数字としていた二〇一七年度末までの四万人の保育サービスの目標を、昨年十二月の長期ビジョンにおいても四万人と据え置きました。
 昨年九月の代表質問でも申しましたが、過去、区市町村計画で積み上げての都の取り組みが、結局、待機児童の解消につながらなかったように、今回も、生産年齢人口の都内流入が進んでいることや、核家族化の進行、共稼ぎ世帯の増加、低年齢児の保育サービスの需要増などによって、待機児童が解消しないのではないかと懸念するものです。
 待機児童ゼロに向けて、知事は保育ニーズをどう把握し、いかに待機児童を解消していくのか、見解を伺います。
 次に、保育人材の確保です。
 私たち都議会民主党は、この間、多様な保育の推進を求めてきましたが、今回提案されている保育士等キャリアアップ補助等は、これまで社会福祉法人、認可保育所に限定していた補助対象を、株式会社やNPO法人が行う認可、認証、小規模保育等に拡大しており、率直に評価したいと思います。
 都の試算では、二万八千人の保育士を確保する必要があるため、キャリアアップを通じて処遇を改善し、保育人材の確保、定着、離職防止につなげていかなければなりません。
 また、マッチングの強化など、潜在保育士の掘り起こしを図るとともに、新卒有資格者の保育職場への就職を推進すべきと考えます。
 保育人材の確保、定着、離職防止に向けた見解を伺います。
 次に、病児、病後児保育の充実です。
 働く親にとって病児、病後児保育は子育てに欠かせない存在であり、保育利用者の増加につれ、その必要性はますます高まっています。
 今回のサービス推進費の再構築によって、株式会社、NPO法人が行う認可、認証、小規模保育等にも病児、病後児加算が適用され、サービス増につながるものと期待しています。病児保育施設の新設を初めとした病児対応型サービスの拡充を促すとともに、広域利用や訪問型病児保育など、取り組みを促進していく必要があると考えます。
 病児、病後児保育の充実に向けた見解を伺います。
 さらに、今定例会には都立病院条例の改正案が提案されていますが、私は都立病院、公社病院においても区市町村に協力し、病児、病後児保育を積極的に実施すべきと考えます。
 都立、公社病院における病児、病後児保育の実施に向け、見解を伺います。
 次に、地域の子育て支援体制の強化です。
 保育における待機児童の解消に注目が集まっていますが、三歳未満の乳幼児の約八割は家庭で育てられており、地域の子育て支援を充実させることも大変重要です。子育て家庭の不安を軽減するためには、身近な子育て拠点で妊娠期のうちから子育て家庭に継続的なサポートをするような体制が求められます。
 そこで、妊娠期から子育て期にわたる地域の子育て相談支援体制を強化し、きめ細やかな対応を行う区市町村を支援すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、高齢者施策について伺います。
 二〇二五年団塊世代が七十五歳以上となる大介護時代が目の前に迫っています。このような中、介護保険法改正で給付は縮小し、区市町村が行う地域支援事業がふえるなど、二〇一五年度は大きな見直しが実施されます。
 財政制度審議会での社会福祉法人はもうけ過ぎとの議論が報道され、介護報酬マイナス改定の道が開かれたともいわれていますが、マイナス二・二七%、ほぼ全種別で大幅ダウンと非常に厳しい改定となりました。この改定で、地域密着で運営する小規模事業者への深刻な影響が懸念されています。
 こうしたことは、新人育成などへの取り組みなどが手薄になり、結局はサービスに影響することも、ここで指摘しておきます。
 二月に入って、居宅サービス等の報酬算定基準が答申され、新単価での運用があと一カ月半に迫る中、有資格者の加配といった加算要因の詳細がようやく示されました。このような国の対応は、介護現場へのいたずらな負担と混乱を招きかねません。利用者が不利益をこうむるようなことが決してないよう、しっかりと対応が必要と考えますが、都の見解を伺います。
 次に、介護人材確保です。
 介護報酬全体としては大きなマイナス改定となりましたが、職員の処遇改善には新たな加算率が創設されました。都の予算案にも、処遇改善や職員の資質向上、定着支援、福祉サービスへの理解と関心を高める取り組み、さらには人材バンク構想の検討など、多くの施策が盛り込まれました。
 介護人材の安定的確保のためには、介護現場と協働した処遇改善とワークライフバランスへの取り組みが欠かせません。単なる給料の引き上げにとどまらず、キャリアパスにつながる賃金体系や産休、育休の取得、短時間勤務の利用といった労働環境改善を幅広く継続して実施できる仕組みが必要です。
 都においても、将来を見据えて、人材確保に向けた総合的施策に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 二〇一〇年に百二十二万人であった七十五歳以上の高齢者は、二〇二五年には百九十万人を超え、認知症高齢者数も上方修正され、六十万人に達すると見込まれています。要介護度が高くても、住みなれた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続ける理念のもと、二〇二五年を目途に地域包括ケアシステムの構築が進められています。
 本人の希望や資力に合った暮らしの場の確保は、地域包括ケアシステムの大前提です。しかし、七十五歳以上だけで六十七万人も増加する高齢者に対し、都が長期ビジョンの実施計画で示した三カ年の整備目標は、特養の定数五千九百人、認知症グループホーム三千二百人、サービスつき高齢者向け住宅等は六千二百戸であり、二〇二五年までに高齢者が地域で安心して暮らせる社会を実現するために十分なのかどうか、疑問といわざるを得ません。
 高齢者が地域で安心して暮らせる環境等を一層整備促進していく必要があると考えます。都の見解を伺います。
 地域包括ケア体制構築には、医療と介護の連携推進に向けた取り組みの強化も必要です。平成二十七年度から在宅医療、介護の連携も介護保険法に位置づけられ、平成三十年には全ての区市町村で八つの事業を実施することになります。地域包括ケアの最後に待ち受けるケアの終わり、みとりもその一つですが、自宅と診療所が別で夜間診療対応が難しい、緩和ケアなど専門的対応が困難などの理由から、みとりまでの診療所はまだまだ不足しています。
 二〇一〇年の都内の死者数は約十万人ですが、二〇二五年には三割以上増加し、当面はこの傾向が続くと考えられるため、みとりの十分な体制、整備が必要です。
 人は死ぬことを約束されて生まれてきます。人生の締めくくりは、肉体的にも精神的にも苦痛がなく、穏やかであることを誰もが願うでしょう。先月、私も兄をみとって、その思いを強くいたしました。
 人にとっては、最期だけ幸せだと思える環境をつくってあげられるかどうか、そうした思いをかなえられるか、尊厳にかかわる問題として、しっかり考えていかなければなりません。
 地域包括ケアの最後、在宅で最期を迎えるがん患者など、みとりまで含めて考えていくことが必要です。在宅療養を望む高齢者のさまざまなニーズに応えるため、医療と介護の連携によるサービス提供体制を整備していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、都市外交について伺います。
 舛添知事は、昨年末、東京都都市外交基本戦略を策定し、さきの施政方針でも、都市外交に強い意欲を示しています。
 私も、昨年九月の代表質問で、アジア諸都市との関係改善や海外要人との積極的な面会を評価するとともに、都市外交の発展に当たっては、都民の理解を得ていく必要があるとも述べてきました。
 外交といえば、高度な情報戦や心理戦がつきもののように思われますが、地方自治体である東京が行う都市外交においては、都民との対話を通じ、理解を得ながら進めていくことが、相互の信頼関係をより強固にするものと考えます。
 私は、都民の理解を得ながら、都市外交を積極的に展開していくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 都市外交基本戦略では、国際会議の開催、誘致を掲げています。この間、私たち都議会民主党も、国際会議を初めとするMICE誘致に積極的に取り組んできたところですが、二十七年度予算案では、MICE誘致の一環として、新たな学術系国際会議誘致促進事業の創設が打ち出されているところです。
 私は、東京が国際都市として存在感をより高めていくためにも、学術系国際会議を初めとした国際会議の開催、誘致に積極的に取り組んでいくべきと考えます。見解を伺います。
 また、この間私は、知事にアルジェリア、チュニジア、ベナンなどの大使を紹介させていただきましたが、例えば防災イベントや人権、芸術、文化など、さまざまな機会を通して各国大使館と連携し、関係強化に積極的に取り組んでいくべきと考えます。各国大使館等との関係強化に向けて、見解を伺います。
 基本戦略では、都庁全体で都市外交を実践していくための体制の強化を掲げており、その内容は、昨年九月の代表質問で私が申し上げたことに相通じるものと考えています。特に私は、海外からの受け入れを、より積極的に行うとともに、東京都の職員が現地に一定期間滞在、駐在して仕事をしていくことは極めて有効であると考えます。
 加えて、今回、アジア人材育成基金を都市外交人材育成基金に再構築したように、アジア諸都市だけではなく、姉妹友好都市やロンドン、リオ、その他振興地域の都市なども含めた戦略的な人材交流を期待するものです。
 都市外交人材育成基金の活用や各局へのグローバル人材の配置に向けて、都の見解を伺います。
 次に、東京オリンピック・パラリンピック大会について伺います。
 オリンピック・パラリンピックレガシーです。
 今月、組織委員会は、大会開催に必要な目標やスケジュールを記載した大会開催基本計画を策定し、IOCとIPCに提出します。
 一九六四年に東京で開催されたアジア初のオリンピックは、日本の発展に大きく寄与しました。東海道新幹線の建設や駒沢オリンピック公園などの新設を含めたスポーツ振興、国民に希望と自信をもたらした心理的効果は、経済大国に向けた第一歩となりました。
 その後、IOCは、二〇〇二年に改革として、大会開催で有益な遺産を残すことを奨励するオリンピックレガシーを規定しました。
 ロンドン大会のレガシーでは、週一回運動を行う人が百四十万人以上ふえ、土壌汚染や貧困が進むロンドン東部地域の再開発が行われました。また、日本円で五兆円を超える経済効果があり、障害者のスポーツ参加が向上しました。
 昨年、舛添知事は、大会後のロンドンの姿を自分の目で確認し、東京の未来像を描くと述べています。
 私たちは、レガシーが二〇二〇年大会後の高齢化、人口減少の日本社会を見据え、そして成熟都市東京の課題解決につながるものであり、そのことが東京モデルとして、今後、オリンピック・パラリンピック開催都市を初めとする世界の範となることを期待しますが、知事はレガシーをどう位置づけ、実現させていくのでしょうか、見解を伺います。
 次に、パラリンピックの認知度向上です。
 オリンピックのことを日本語で示す五輪という言葉は、約八十年前、新聞社が五大陸を示すオリンピックのシンボルマークを参考にして考案した略語です。今ではそのマークとともに広く定着しております。(パネルを示す)一方で、パラリンピックのシンボルマークはスリー・アギトスというものです。このアギトスはラテン語で、私は動くという意味です。曲線の動きは、世界から選手を集うという役割を強調し、パラリンピアンの強靱な意思をあらわしたスピリット・イン・モーション、躍動する精神を表現しているそうです。
 しかし、このマークは、オリンピックマークと比べ、残念ながらまだ余り知られていません。そこで私は、五輪のような、パラリンピックの日本語による略語をつくられたり、パラリンピックのポスターやバッジがまち中にあふれるなど、パラリンピックの話題で世の中が盛り上がることを大いに期待するものです。
 このため、都において、パラリンピックの認知度をより向上させるための取り組みが必要と考えます。見解を伺います。
 次に、身近な場所での障害者スポーツの推進です。
 都は、障害のある人もない人も、ともにスポーツに親しむ社会を実現するとしていますが、障害者スポーツ環境の整備は道半ばであるといえましょう。二〇二〇年大会が五年後に迫った現在、障害者がスポーツに親しむ施設をふやしていかなければならないと考えます。
 現在、都立障害者スポーツ施設は、北区と国立市の二施設のみであり、他の施設については、例えば、利用者の過半数がその自治体の住民でなければ申し込みがしにくい、あるいは体育館が傷つく等の理由で使用が断られるといった事例が多いことが実情です。
 その解決策として、自治体のスポーツ施設の使用基準を改めることによって申し込みができやすくなり、そのことによって、障害者スポーツ人口がふえると考えます。
 ロンドン大会を行ったイギリスでは、地方公的機関であるスポーツイングランドが障害者のスポーツ施設利用ガイドを発行し、地域クラブが障害を理由に障害者の利用を断ってはならないと明記しました。
 パラリンピック開催に向けて、障害者も利用しやすいスポーツ施設ガイドラインを策定するなど、障害の有無にかかわらず、身近な施設でスポーツが楽しめる機会をつくるべきと考えます。見解を伺います。
 また、場所の確保とともに、障害者スポーツで欠かせないのが指導員などの人材の確保、育成です。
 都が二十四年三月に策定した障害者スポーツ振興計画では、平成二十六年度から二十八年度にかけて、ピア・インストラクティングの推進、すなわち、障害のある人とかかわる機会の多い社会福祉施設の職員などに障害者スポーツ指導員資格を奨励していくなどを掲げており、私はこうした取り組みを着実に実施していくべきと考えます。
 さらに、今年度、新規事業として、障害者スポーツ指導員養成に取り組んでいるところですが、こうした事業に加え、既存の指導員に対するフォローアップ研修を実施するなど、さらなる人材の確保、育成策に取り組んでいくべきと考えます。見解を伺います。
 次に、都立特別支援学校における障害者スポーツの振興についてです。
 障害のある人々がスポーツを通して、おのずから限界や可能性にチャレンジし、障害を克服して生き生きと輝く姿は、障害のない人々にとっても大きな感動をもたらし、生きる勇気を与えてくれます。
 都は、東京パラリンピックに向けて、障害者スポーツの振興を図る環境づくりを目指しており、都立特別支援学校でも、一人一人の子供が障害の種類や程度に応じ、障害者スポーツに親しむ教育を推進することが期待されています。
 今後、都立特別支援学校では、障害者スポーツの種類や学習や部活動に積極的に取り入れ、障害のある子供の運動体験を広げていくべきです。
 そこで、東京パラリンピックに向けて、都立特別支援学校において、障害があってもスポーツに楽しむことができる環境を整えるべきと考えますが、見解を伺います。
 パラリンピック憲章は、人種、宗教、政治、性別、その他の理由に基づく国や個人に対する差別を禁じており、舛添知事もこの理念を実現すべく、人権施策の推進に積極的に取り組んでいるところです。
 一方、ロンドン大会では、パラリンピックの開催日、二〇一二年八月二十九日に、ロンドン及び以降三回の夏季、冬季オリンピックを開催する四カ国、イギリス、ロシア、ブラジル、韓国の政府が、オリンピックと人権に関する共同宣言を採択し、自国でのオリンピックを通じて、尊重、多様性、寛容及び公正の価値を教え、あらゆる形態の差別と闘い、差別のない社会を推進することなど、尽力することで一致したそうです。
 私は、こうした動向を踏まえるとともに、過去のオリンピック・パラリンピック大会の人権施策を調査検証し、それを改めて都の人権施策に生かすなど、東京大会に向けた人権施策の充実にさらに取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、公文書の活用について伺います。
 浜離宮庭園の延遼館復元への取り組みを契機として、東京都公文書館が所蔵する、明治十四年に各国公使を招いた晩さん会を克明に記録した貴重な資料、先ほども知事がいっておられた、延遼館夜会記録の存在が明らかになりました。
 浜離宮庭園は、徳川将軍家のカモ場の遺構が残る貴重な場所であり、都公文書館に関連する浜殿旧記、浜苑記勝なども所蔵されており、都公文書館は、重要文化財を三万三千件、オリンピック関連の資料は五千点所蔵しています。こうした文書は、オリンピックのレガシーやおもてなしの検討に大変有益であることはもちろん、都公文書館に光を当てるよい機会になると考えます。
 都公文書館は現在、平成三十一年の完成に向け、多摩図書館の隣接する場所へ新館建設が進められていますが、これまでの足跡をしっかりと引き継ぐとともに、貴重な歴史的資料を積極的に活用することが重要です。
 国際政治学者でもある知事は、歴史的な資料の保存や活用について、格別な思いをお持ちではないかと思います。私は今、知事に質問をします。そして、知事は答弁をします。この議事も、公文書として百年、二百年後に残っていく、そのことに思いをはせつつ、都公文書館の役割に関する認識と所蔵資料のさらなる活用について、本日最後の質問に知事の見解をお伺いします。
 以上で、都議会民主党を代表して質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

○知事(舛添要一君) 石毛しげる議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、長期ビジョンに込めました思いについてでございますが、誰もが幸せを実感でき、誰もがそこに住み続けたいと思える都市に東京をつくり上げていくことが私の最終目標でありまして、その実現に向けた都政の大方針が東京都長期ビジョンでございます。
 長期ビジョンでは、オリンピック・パラリンピックの成功はもとより、そのさらなる先を見据えた東京の持続的発展の実現を掲げ、将来の東京の姿を明確に示してございます。
 そして、都民一人一人が夢や希望を持てる東京を創造するため、都が独自に行う先進的な政策や、豊かな生活を支えるために必要な経済の活性化に関する政策も数多く盛り込んであります。
 今後、長期ビジョンに掲げました政策を着実に進めることで、東京が直面する諸課題を解決し、世界一の都市東京を実現してまいります。
 平成二十七年度予算についてでございますが、景気は緩やかな回復基調が続いているものの、企業の業況判断は全体としてはおおむね横ばいとなっているなど、中小企業や都民をめぐる社会経済状況は、いまだ厳しさを払拭できていないと考えております。
 こうした中、産業をさらに活性化させ、都民の生活水準を押し上げていくためには、それを支える新たな原動力をつくり出していく必要がございます。
 そのため、平成二十七年度予算では、中小企業の経営安定化支援に注力するほか、成長産業への参入や海外への販路開拓支援、起業、創業の促進など、日本経済の活性化にもつながる積極的な施策を盛り込んでおります。
 また、都独自の非正規雇用対策を実施し、三年間で一万五千人の正規雇用化を目指すなど、一人一人が幸せを実感し、夢と希望を抱くことのできる都市の実現に向けても重点的に予算を配分してございます。
 この予算をてことして、首都東京を成長と発展の軌道に乗せ、東京が日本経済の力強い牽引車となるよう、引き続き全力を尽くしてまいります。
 格差是正についてでありますが、ご質問にございましたトマ・ピケティ教授の説には賛否が両論あると思います。しかし、現在の資本主義が抱える課題について一石を投じたものと思います。
 格差の捉え方はさまざまでありますけど、この問題には必ず、平等とは何かという問いが出てまいります。私は、機会の平等を追求すべきだと考えております。機会の平等が損なわれれば、格差が固定化し、社会の流動性が低下するだけでなく、意欲がありながらも再チャレンジもできない社会となりかねないと思います。
 そうならないためにも、非正規雇用の正規化や高校中退者の就職への支援、あるいは子育てと仕事の両立といった課題に対して、積極的に政策を展開してまいります。
 あわせて、新たな富をつくり出す成長戦略や経済活性化に向けた政策にも取り組むことで、都民全体の生活水準も押し上げ、豊かな生活を実現してまいります。
 真面目に一生懸命生きる人が必ず報われる、そういう公正な社会を築いていきたいと思っております。
 非正規雇用対策についてでございますが、皆が明るい気持ちで生活できるようにするためには、安定した職業という確固たる生活基盤を築くことが第一であります。
 非正規の割合は年々増加し、今や働く人の三分の一を超えております。いつも申し上げますように、こういう現状を、私は尋常ではないと考えております。
 就職氷河期世代など言及ありましたけど、正社員として働くことを希望しながら、不本意にも非正規雇用となっている方々を一人でも多く減らしたいというのが私の思いでございます。
 そのためには、国を挙げ、腰を据えた長期的な取り組みが必要であります。
 都は、長期ビジョンにおいて、求職活動を行う不本意非正規の数を二〇二二年には半減させるという高い目標を掲げました。
 まずは、都が実施する非正規対策による正規雇用化として、年間五千人、三年間で一万五千人を実現するために全力を挙げて取り組んでまいります。
 国とも緊密な連携を図りながら、都が率先して非正規雇用対策を強力に推進してまいります。
 次に、子供の声をめぐる環境確保条例の改正についてでございますが、近年、子供の声が騒音だとして悩む住民もいらっしゃる中で、保育所での活動が制限されるなどの状況も生じております。
 子供が伸び伸びと育つことができるまちづくりを進めるためには、子供の声をめぐっては、まず何よりも音の発生源である施設設置者と近隣住民でじっくりと話し合い、相互の理解を深め、信頼関係を構築することが大事であります。
 このため、次代の社会を担う子供一人一人の健やかな成長、育成にも配慮しつつ、話し合いやコミュニケーションを通じて騒音問題の解決に資する制度とするよう、子供の声を単に音の大きさによる規制から、受忍限度で判断する規制へと見直すことにいたしました。
 待機児童の解消に向けた保育サービスの拡充や保育人材の確保等に加え、この条例改正により、地域での円滑な問題解決を促し、社会全体で子供が健やかに育つ環境の整備につなげていきたいと思っております。
 待機児童解消についてでありますが、待機児童を四年間でゼロにする、その実現のために、東京都長期ビジョンでは、保育サービスを四万人分ふやすことを目標に、各年度の具体的な工程表をお示しいたしました。
 この目標は、保育の実施主体である区市町村が地域の実情を踏まえて策定した整備目標をもとに定めたものであります。
 都はこれまで、保育サービスを拡充するために、区市町村や事業者の負担軽減、都有地の減額貸付、国有地、民有地の賃借料補助など、都独自のさまざまな支援策を実施してまいりました。
 また、来年度は、保育サービスを支える保育士のキャリアアップを支援するために新たな取り組みも始めます。
 今後とも、待機児童の解消に向け、区市町村と連携し、全力で取り組んでまいります。
 都市外交の展開についてでありますが、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック大会を成功させ、これを契機として、世界一の都市東京を実現するためには、都市外交の果たす役割は極めて重要でございます。
 私はこれまで、北京、ソウル、ベルリンなどを訪問し、環境や文化等、さまざまな分野での相互協力の推進について合意するとともに、ロンドンでは、オリンピックレガシーの活用事例など、都民の利益にも結びつく各都市の先進的な取り組みを直接学んでまいりました。
 昨年十二月には都市外交基本戦略を策定し、都の都市外交の基本的な考え方と政策の方向性を都民にわかりやすく発信いたしました。
 本戦略に基づき、今後とも、都民の理解を得ながら、海外諸都市との信頼関係を強固なものにし、都民生活の向上にも資する、そういう都市外交を展開していきたいと思っております。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック大会のレガシーについてでありますが、二〇二〇年はゴールではなく、あくまで通過点にすぎません。その先が大事であります。大会後に確かなレガシーを残し、東京が抱えるさまざまな課題の解決を加速化させ、成熟都市東京をさらに成長させるとともに、世界の発展をリードしていくことが必要であります。
 例えば、大会後、東京の人口は減少に転じ、これまでに経験したことのない超高齢化社会を迎えます。
 こうした中で、スポーツを通じた健康づくり、アクセシビリティーの強化、心のバリアフリーなど、オリンピック・パラリンピックのレガシーを最大限に活用することによりまして、高齢者が生き生きと生活し、都市の活力を支える存在として活躍する、そういう社会のモデルを内外に示したいと思っております。
 地球環境、エネルギーの問題につきましても、大会を水素社会の実証の場として、環境に優しく持続可能なエネルギー需給体制への変革を東京が先導していきたいと思っております。
 また、東京の魅力を高め、さらに発展させていくため、競技施設や選手村を都民、国民の貴重な財産として大会後も有効活用するとともに、周辺のまちづくりと連動させ、都民に憩いとにぎわいのある豊かな生活空間を提供してまいります。
 私が直轄するレガシー委員会で、民間の知恵も取り入れながら、ハード、ソフト両面から検討を進め、こうしたレガシーを確かなものとして、大会を機に、東京が世界一の都市へと躍進を遂げていく姿を発信してまいりたいと思っております。
 最後に、公文書館の役割と所蔵資料の活用についてでございます。
 都の公文書館は、明治期以降の九十万件を超える文書を所蔵しておりまして、首都東京の足跡を、過去から現在、そして未来につなぐ重要な施設であります。
 また、保存文書を広く公開することで、これまでの都政の評価、検証に資する役割も果たしております。
 お話にもありました、延遼館夜会記録ですけれども、私もこれ、実物を見て本当に驚きましたし、テーブルがあって、井上馨がここに座る、榎本武揚がここに座ると全部書いてあるんですね。
 それで、私は幕末、明治維新の研究もずっとやってきたものですから、その後、井上馨というのは、世外といいます、世外公伝という本が出ている。榎本武揚の文書もほとんど私は持っていますので、全部見てみたんですけれども、一切、延遼館についての記述がありません。皆さんご承知のように、鹿鳴館の記述はあるんです、井上馨の関係についても。しかし、その前、鹿鳴館の前は延遼館があったので、そのことが、恐らく石毛議員も読んだことはないと思います、延遼館について、公刊文書で。どこかにあるかもしれません、私の研究が足りなくて。
 しかし、例えばそれを見ても、非常にこれは大事な日本の歴史の資料になると思いますので、ぜひこれは、先ほど申し上げましたように、ゴールデンウイークに企画展を催したいと思っていますし、そして、できればその記録をきちんと、皆さんのご協力をいただいて、都議会の皆さんにご協力いただいて、きちんと活字にすることによって、広く内外の研究者の役にも立てるというふうに思っておりますので、これは、要するに都の迎賓館施設をつくるときに、一斉に資料を調べて出てきました。だから、迎賓館の、ある意味での副産物としてこういうのが出てきて、大変よかったと思います。
 この例にありますように、公文書というのは、まさに歴史をひもとく財産でありまして、公文書を適切に保存して引き継いでいくことが、我々の世代が次の世代への、先ほどご質問にありましたように、説明責任を果たすとともに、歴史的検証に寄与することになるとも思っております。
 現在、公文書館は、老朽化等に伴い、新しい施設の建設準備を進めておりまして、保存スペースの拡充やデジタル化など保存環境の改善を図るとともに、多くの都民の方が公文書を通じて東京の歴史に触れることができるように、さまざまな工夫を凝らしていきます。
 私が閣僚としておりました福田内閣において、実は国についても、公文書館というものをもっと大事にしようということで、さまざまな法的な取り組みも行われました。
 私は、この東京都の公文書館、都民の税金を使ってきっちりと整備するに値すると思っておりますので、都議会の皆様方のご協力を得て、すばらしい公文書館と、その維持ということをやりたいと思っております。
 そのほかの質問につきましては、教育長及び関係局長が答弁をいたします。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

○教育長(比留間英人君) 特別支援学校におけるスポーツ振興についてでありますが、都教育委員会は、東京パラリンピックに向けて、特別支援学校における障害者スポーツの振興を図るため、スポーツ教育推進校十校を指定して、障害のある子供がスポーツに親しむ教育を進めてまいります。
 推進校では、障害が重い子供も楽しめるボッチャや風船バレーなどの種目を授業に、より多く取り入れるなどの取り組みを通じて、障害者スポーツへの関心や、みずから進んで体を動かす意欲を高めてまいります。
 また、外部指導員の活用や対外試合の機会の拡充等によって、全国規模の障害者スポーツ大会で活躍できる選手の育成を目指してまいります。
 こうした取り組みにより、子供一人一人が、障害の種類や程度に応じて生涯にわたってスポーツに親しむ態度や習慣を育ててまいります。
   〔政策企画局長川澄俊文君登壇〕

○政策企画局長(川澄俊文君) 三点の質問にお答えいたします。
 まず、長期ビジョンの実効性を高めるための取り組みについてですが、長期ビジョンに掲げる政策につきましては、その実効性を担保するため、新たに創設する基金なども活用して優先的に予算措置をすることとしております。
 また、政策目標を実現するための具体的な事業展開を三カ年の実施計画として取りまとめ、その事業費も示しております。
 さらに、政策目標につきましても、都民にわかりやすく示すとともに、政策の確実な推進を図るため、約三百六十項目を数値化しております。
 こうしたことにより、長期ビジョンに掲げた政策の実現に向け、全庁を挙げて取り組んでまいります。
 次に、大使館等との連携強化についてです。
 東京には各国大使館を初め、諸外国、地域の代表事務所が多数存在しております。オリンピック・パラリンピックを控えた東京にとって、大使館等との関係を構築していくことが重要でございます。
 今回策定した都市外交基本戦略の中でも、日常的に在京大使館等との連絡を密にし、人脈の形成、関係強化を図ることとしております。一月には、百名近い大使等を江戸東京博物館に招き、江戸文化や東京産の食材を紹介するとともに、関係各局の幹部職員との意見交換会を行ったところでございます。
 引き続き、都に集積する在京大使館、代表事務所という貴重な財産を生かして、東京の魅力の発信や情報収集などで大使館等との緊密な連携を進めてまいります。
 最後に、グローバルな人材の育成についてです。
 都市外交を推進する上で不可欠な人材育成事業を継続的に実施するため、都市外交人材育成基金を創設することにいたしました。
 本基金では、対象をアジアだけでなく、姉妹友好都市などさまざまな都市に拡大し、研修など、東京と相手都市相互の人材育成に資する事業に活用してまいります。
 また、都では、これまでも自治体国際化協会などを通じて海外に職員を派遣し、国際関係業務を担い得る能力の向上に取り組んでまいりました。
 今後も、昨年十二月に策定した都市外交基本戦略に基づき、本基金を活用しながら、研修や海外派遣等を通じ職員のグローバルな人材育成を強化してまいります。
   〔都市整備局長安井順一君登壇〕

○都市整備局長(安井順一君) 多摩地域のまちづくりについてでございますが、都はこれまで、核都市における都市開発の推進や南北道路の整備など、多摩地域のまちづくりを推進してまいりました。
 こうした取り組みに加えまして、これからの少子高齢、人口減少社会におきましては、市街地を集約型の地域構造に再編することで地域の活力を維持増進させながら、住民生活の質の向上を図っていくことが重要でございます。
 このため、身近な地域の中心となる駅の周辺などでバリアフリー化を進めつつ、地域特性に応じて医療、福祉、商業などの機能を集積し、日常生活を支える拠点を形成してまいります。
 さらに、その拠点の周辺では居住機能の立地を促すとともに、拠点間の連携を強化する交通インフラの整備を進めまして、地域間の交流を活発化していくことで、にぎわいと活力に満ちた多摩地域を実現してまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 八点のご質問にお答えします。
 まず、生活困窮世帯等の子供の学習支援についてでありますが、都は現在、生活保護世帯の子供を対象に、学習塾の費用助成等を行う区市を支援するとともに、低所得世帯の受験生に対し、学習塾や受験料の支援を行っております。
 また、十一の区市では、国の補助事業を活用し、生活保護世帯の子供を対象に高校進学に向けた学習会等を実施しております。この事業は、本年四月から生活困窮者自立支援法に基づく子供の学習支援事業として、二十七の区市に拡大する予定でございます。
 今後とも、都は、子供の学習に対するさまざまな支援に取り組むとともに、法に基づく学習支援事業がさらに多くの区市で実施されるよう、効果的な先行事例の紹介や、事業の立ち上げに要する経費の補助を独自に行い、区市の取り組みを積極的に支援してまいります。
 次に、保育人材の確保についてでありますが、都はこれまで、保育人材の確保を進めるため、潜在保育士を対象に就職支援研修と就職相談会を一体的に実施するとともに、新卒者を初めとした未経験の有資格者を対象にセミナーや職場体験実習を実施してまいりました。
 また、今年度から、保育人材・保育所支援センターのコーディネーターを増員し、事業者と就職希望者のマッチングや定着に向けた支援を強化するとともに、保育従事者向けの宿舎借り上げの支援を開始いたしました。
 さらに、来年度は、保育士等のキャリアアップに取り組む事業者を支援する都独自の補助制度も創設することとしており、今後とも、保育人材の確保、定着に積極的に取り組んでまいります。
 次に、病児、病後児保育の充実についてでありますが、都はこれまで、区市町村の取り組みを促進するため、保育所や医療機関等の専用スペースで実施する際の施設整備や、病児、病後児保育施設の人材やノウハウを活用した地域の保育所への支援等を独自に支援してまいりました。
 また、限られた医療資源の中で利用者のニーズに対応するためには、行政区域を越えて利用できる広域利用も有効であることから、今年度から、施設を複数の区市町村で利用する場合に賃借料を補助する取り組みを開始いたしました。
 さらに来年度からは、広域利用を前提として施設整備を行う区市町村に対し、整備費や改修費の負担分を全額補助することとしております。
 今後とも、区市町村が地域の実情に応じて病児、病後児保育の充実に取り組めるよう積極的に支援してまいります。
 次に、地域の子育て支援体制の強化についてでありますが、現在、区市町村では、妊娠期における母子健康手帳の交付や母親学級、妊産婦や乳幼児に対する健康診査、保健師等による家庭訪問、子育てひろばにおける育児相談など、さまざまな子育て支援の取り組みを行っております。
 こうした区市町村の取り組みを支援するため、都は来年度、妊娠期から子育て期まで一貫して子育て家庭を支援するゆりかご・とうきょう事業を開始いたします。
 この事業では、妊娠届の提出時等に育児パッケージを配布し、出産、子育てに向けた準備を支援するとともに、保健師等が各家庭の状況を妊娠期から把握し、必要に応じて支援プランを作成することとしており、地域における子育て支援体制の強化を支援してまいります。
 次に、介護報酬改定の実施に向けた都の対応についてでありますが、都はこれまで、制度改正への区市町村の準備が円滑に進むよう、介護保険担当者を対象に、介護保険制度改正の内容についての説明会を二回開催したほか、制度改正や介護報酬改定に関する情報をホームページにより随時提供してまいりました。
 また、国に対し、介護事業者や区市町村等が十分な検討と準備ができるよう、介護報酬改定の詳細等の速やかな情報提供を繰り返し求めてまいりました。
 今後、報酬改定等について、区市町村に対する説明会や全ての介護事業者向けの説明会を開催し、事業実施に混乱が生じないよう情報提供を行ってまいります。
 次に、将来を見据えた介護人材の確保についてでありますが、都は、将来の介護ニーズの増加を見据え、介護人材の確保、定着、再就業に向けたさまざまな取り組みを行ってまいりました。
 来年度は、介護職員のキャリアアップに取り組む事業者を支援する都独自の補助制度を創設するほか、派遣先に雇用されることを前提とした介護人材の派遣など、新たな取り組みを実施いたします。また、求人情報を効果的に発信するため、離職者等の人材情報を一元的に管理する人材バンクシステムの構築に向けた検討を開始いたします。
 現在、策定作業を進めている第六期の高齢者保健福祉計画におきましても、介護人材対策の推進を重点分野の一つと位置づけており、今後、二〇二五年度までの介護職員等の必要数を踏まえ、人材確保に向けた総合的な取り組みを推進してまいります。
 次に、高齢者が地域で安心して暮らせる環境整備でありますが、都は、昨年十二月に策定した東京都長期ビジョンにおいて、高齢者人口の将来推計や区市町村が地域のニーズに基づき算定したサービス見込み量等を踏まえ、二〇二五年度末までに、特別養護老人ホームを定員六万人分、老人保健施設を定員三万人分、認知症高齢者グループホームを定員二万人分整備するという、十年後の介護サービス基盤の整備目標をお示しいたしました。
 また、あわせて、今後三年間に進める特別養護老人ホーム等の整備の年次計画をお示しいたしました。
 都は今後とも、地域包括システムの構築という考えに立ちまして、在宅サービスや施設サービスなどをバランスよく整備し、高齢者が安心して地域で暮らすことのできる環境整備を進めてまいります。
 最後に、在宅療養体制の整備についてでありますが、住みなれた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けたいという高齢者のニーズに応えるためには、医療と介護が連携した在宅療養体制の整備が重要でございます。
 そのため、都では、患者、家族からの医療や介護に係る相談に応じ、安定した療養生活の継続を支援する窓口の設置促進や、複数の在宅医が相互に補完し、訪問看護ステーションと連携しながら、二十四時間体制で訪問診療等を行う取り組みへの支援など、さまざまな取り組みを実施してまいりました。
 また、今年度から、在宅療養患者にかかわる多職種が、ICTの活用などにより効果的に情報を共有する体制の構築を支援する取り組みも開始いたしました。
 今後とも、医療と介護の連携を一層強化し、地域における在宅療養体制の整備を推進してまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕

○産業労働局長(山本隆君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、若者の正規雇用化についてでございますが、若者の安定した雇用を実現するためには、新卒者に加え、不本意な非正規雇用で働く若者への支援が重要でございます。
 このため、来年度は、新規大卒者を初め、既卒者も対象とした大規模な合同就職面接会や、非正規雇用で働く二十代後半の若者等に対するセミナーと企業実習を組み合わせた支援プログラムなどを引き続き実施いたします。
 また、国の制度である若者応援企業に対する都独自の採用奨励金を創設いたします。
 今後とも、こうした取り組みによりまして、安定した職につくことを希望する若者の正規雇用化を促進してまいります。
 次に、国際会議の誘致についてでございますが、国際会議の開催は、多くの外国人旅行者に対し、東京の魅力を集中的にPRする絶好の機会であり、都市としての存在感を高め、東京の地位向上につながるものでございます。
 このため、都は、誘致、開催に必要な助成を行うなど、着実に施策を展開してまいりました。
 昨年四月には、こうした支援を行った世界眼科学会が、世界百三十五カ国から約二万人を集めて開催されるなど成果を上げております。
 今後も、学術系を初めとした国際会議の誘致、開催を効果的に支援する取り組みを進め、MICE開催都市としてのプレゼンスを高めてまいります。
   〔病院経営本部長醍醐勇司君登壇〕

○病院経営本部長(醍醐勇司君) 都立、公社病院の病児、病後児保育についてでありますが、都内における核家族化や共働き世帯の増加等により、病児、病後児保育のニーズは高まっており、実施主体である区市は、一層のサービスの充実が求められております。
 一方、実施に当たりましては、限られた医療資源である小児科医との連携体制を確保することが課題となっておりまして、自治体により取り組みに差が生じております。
 そこで、都立、公社病院におきましては、保育環境の充実に取り組む区市を支援するため、東京都立病院条例を改正し、小児科のある十病院で、医療資源を活用して病児、病後児保育を実施してまいります。
 また、実施病院の所在区市に加え、隣接する自治体の児童も受け入れるなど、仕事と子育てが両立できる社会の実現に貢献するよう努めてまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、パラリンピックの認知度向上についてでございますが、二〇二〇年のパラリンピック大会の成功に向け、パラリンピックのより一層の認知度向上を図っていくことが重要でございます。
 このため、パラリンピック大会や競技のすばらしさを幅広く都民の方々に伝える取り組みを展開いたします。具体的には、多くの都民が来場するイベントにパラリンピック競技体験プログラムなどを提供するとともに、パラリンピック競技を紹介するガイドブックなどの作成、配布や、メディアの活用により、パラリンピックと接する機会を拡大いたします。
 こうした取り組みを通じまして、ご指摘のありましたシンボルマーク、スリー・アギトスの周知とともに、パラリンピックの意義、魅力について都民への普及浸透を図り、二〇二〇年大会の成功につなげてまいります。
 次に、障害のある人もない人も、ともに身近な施設でスポーツが楽しめる機会の創出についてでございますが、障害のある人がスポーツを楽しむためには、ハード面における環境整備に加え、管理運営面などソフト面の改善を行っていく必要がございます。
 都は今年度から、スポーツ施設整備の補助制度を開始し、市区町村が行う施設のバリアフリー化を支援しております。
 来年度からはこれに加え、障害者の施設利用に際し、受け入れ側である施設管理者が配慮すべき点を取りまとめたマニュアルを作成し、広く周知していくことで障害者が利用しやすい施設への改善を促してまいります。
 こうした取り組みにより、障害の有無にかかわらず、誰もが身近な地域でスポーツに親しめるよう働きかけてまいります。
 最後に、障害者スポーツ指導員の確保、育成についてでございますが、障害者スポーツの振興を図るためには、知識やノウハウを有する指導員の果たす役割が大きいと認識しております。
 都におきましては、スポーツ推進委員や市区町村職員等を対象として、障害者スポーツ指導員の資格取得のための講習会を開催し、障害者スポーツにおける地域の担い手の確保に努めてまいりました。
 来年度からは、資格取得者の中でも、活動経験の少ない指導員をフォローアップするため、実技を中心とする研修会を実施し、指導員の資質向上を図ってまいります。
 今後も、より多くの障害者スポーツを支える人材の確保、育成に向け、取り組みを進めてまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

○総務局長(中西充君) 二〇二〇年東京大会に向けた人権施策の充実についてでございますが、東京が大会開催にふさわしい都市であるためには、オリンピック憲章の理念が広く社会に浸透していることが求められます。
 まちや競技施設のバリアフリー化を進めたロンドンを初め、過去の開催都市は、この憲章の理念を実現させるため、さまざまな取り組みを実施してまいりました。
 現在、都は、こうした過去の開催都市における取り組みを調査しておりますが、これらを参考に、二〇二〇年東京大会の成功に向けた人権施策を推進してまいります。

○六十七番(山崎一輝君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。

○議長(高島なおき君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高島なおき君) ご異議なしと認め、さよう決定いたします。
 明日は、午後一時より会議を開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後八時十五分散会

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