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Tokyo Metropolitan Assembly

平成二十六年東京都議会会議録第四号

平成二十六年三月六日(木曜日)
 出席議員 百二十六名
一番小林 健二君
二番加藤 雅之君
三番かんの弘一君
四番山内  晃君
五番栗山よしじ君
六番小松 大祐君
七番松田やすまさ君
八番大津ひろ子君
九番石川 良一君
十番みやせ英治君
十一番おときた駿君
十二番小松 久子君
十三番西沢けいた君
十四番米倉 春奈君
十五番白石たみお君
十六番斉藤やすひろ君
十七番栗林のり子君
十八番まつば多美子君
十九番伊藤こういち君
二十番河野ゆうき君
二十一番柴崎 幹男君
二十二番ほっち易隆君
二十三番舟坂ちかお君
二十四番清水 孝治君
二十五番島崎 義司君
二十六番神野 次郎君
二十七番やながせ裕文君
二十八番田中 朝子君
二十九番塩村あやか君
三十番山内れい子君
三十一番中山ひろゆき君
三十二番田中  健君
三十三番里吉 ゆみ君
三十四番和泉なおみ君
三十五番尾崎あや子君
三十六番大松あきら君
三十七番吉倉 正美君
三十八番遠藤  守君
三十九番中山 信行君
四十番木村 基成君
四十一番北久保眞道君
四十二番高椙 健一君
四十三番栗山 欽行君
四十四番大場やすのぶ君
四十五番和泉 武彦君
四十六番小宮あんり君
四十七番三宅 正彦君
四十八番吉住 健一君
四十九番桜井 浩之君
五十番野上ゆきえ君
五十一番上田 令子君
五十二番西崎 光子君
五十三番小山くにひこ君
五十四番あさの克彦君
五十五番新井ともはる君
五十六番徳留 道信君
五十七番河野ゆりえ君
五十八番小竹ひろ子君
五十九番上野 和彦君
六十番高倉 良生君
六十一番橘  正剛君
六十二番野上 純子君
六十三番谷村 孝彦君
六十四番山崎 一輝君
六十五番崎山 知尚君
六十六番川松真一朗君
六十七番近藤  充君
六十八番堀  宏道君
六十九番鈴木 錦治君
七十番きたしろ勝彦君
七十一番田中たけし君
七十二番鈴木 隆道君
七十三番神林  茂君
七十四番早坂 義弘君
七十五番両角みのる君
七十六番島田 幸成君
七十七番今村 るか君
七十八番斉藤あつし君
七十九番大西さとる君
八十番畔上三和子君
八十一番大島よしえ君
八十二番松村 友昭君
八十三番東村 邦浩君
八十四番小磯 善彦君
八十五番鈴木貫太郎君
八十六番木内 良明君
八十七番高木 けい君
八十八番村上 英子君
八十九番高橋 信博君
九十番鈴木 章浩君
九十一番秋田 一郎君
九十二番鈴木あきまさ君
九十三番山加 朱美君
九十四番高橋かずみ君
九十五番相川  博君
九十六番山田 忠昭君
九十七番林田  武君
九十八番服部ゆくお君
九十九番こいそ 明君
百番中村ひろし君
百一番尾崎 大介君
百二番石毛しげる君
百三番植木こうじ君
百四番かち佳代子君
百五番曽根はじめ君
百六番藤井  一君
百七番長橋 桂一君
百八番中嶋 義雄君
百九番ともとし春久君
百十番田島 和明君
百十一番中屋 文孝君
百十二番宇田川聡史君
百十三番吉原  修君
百十四番高島なおき君
百十五番古賀 俊昭君
百十六番立石 晴康君
百十七番野島 善司君
百十八番三宅 茂樹君
百十九番川井しげお君
百二十番吉野 利明君
百二十二番内田  茂君
百二十三番酒井 大史君
百二十四番山下 太郎君
百二十五番清水ひで子君
百二十六番大山とも子君
百二十七番吉田 信夫君

 欠席議員 一名
百二十一番  野村 有信君

 出席説明員
知事舛添 要一君
副知事安藤 立美君
副知事秋山 俊行君
副知事前田 信弘君
教育長比留間英人君
東京都技監都市整備局長兼務藤井 寛行君
知事本局長中村  靖君
総務局長中西  充君
財務局長中井 敬三君
主税局長影山 竹夫君
警視総監高綱 直良君
生活文化局長小林  清君
オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋 正宏君
環境局長長谷川 明君
福祉保健局長川澄 俊文君
産業労働局長塚田 祐次君
建設局長横溝 良一君
港湾局長多羅尾光睦君
会計管理局長松田 芳和君
交通局長新田 洋平君
消防総監大江 秀敏君
水道局長吉田  永君
下水道局長松浦 將行君
青少年・治安対策本部長河合  潔君
病院経営本部長醍醐 勇司君
中央卸売市場長塚本 直之君
選挙管理委員会事務局長森 祐二郎君
人事委員会事務局長真田 正義君
労働委員会事務局長岳野 尚代君
監査事務局長松井多美雄君
収用委員会事務局長目黒 克昭君

三月六日議事日程第四号
第一 第一号議案
平成二十六年度東京都一般会計予算
第二 第二号議案
平成二十六年度東京都特別区財政調整会計予算
第三 第三号議案
平成二十六年度東京都地方消費税清算会計予算
第四 第四号議案
平成二十六年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計予算
第五 第五号議案
平成二十六年度東京都母子福祉貸付資金会計予算
第六 第六号議案
平成二十六年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
第七 第七号議案
平成二十六年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
第八 第八号議案
平成二十六年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
第九 第九号議案
平成二十六年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
第十 第十号議案
平成二十六年度東京都と場会計予算
第十一 第十一号議案
平成二十六年度東京都都営住宅等事業会計予算
第十二 第十二号議案
平成二十六年度東京都都営住宅等保証金会計予算
第十三 第十三号議案
平成二十六年度東京都都市開発資金会計予算
第十四 第十四号議案
平成二十六年度東京都用地会計予算
第十五 第十五号議案
平成二十六年度東京都公債費会計予算
第十六 第十六号議案
平成二十六年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
第十七 第十七号議案
平成二十六年度東京都病院会計予算
第十八 第十八号議案
平成二十六年度東京都中央卸売市場会計予算
第十九 第十九号議案
平成二十六年度東京都都市再開発事業会計予算
第二十 第二十号議案
平成二十六年度東京都臨海地域開発事業会計予算
第二十一 第二十一号議案
平成二十六年度東京都港湾事業会計予算
第二十二 第二十二号議案
平成二十六年度東京都交通事業会計予算
第二十三 第二十三号議案
平成二十六年度東京都高速電車事業会計予算
第二十四 第二十四号議案
平成二十六年度東京都電気事業会計予算
第二十五 第二十五号議案
平成二十六年度東京都水道事業会計予算
第二十六 第二十六号議案
平成二十六年度東京都工業用水道事業会計予算
第二十七 第二十七号議案
平成二十六年度東京都下水道事業会計予算
第二十八 第百二十九号議案
平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第一号)
第二十九 第二十八号議案
東京都青少年問題協議会条例の一部を改正する条例
第三十 第二十九号議案
公立大学法人首都大学東京に係る地方独立行政法人法第四十四条第一項の条例で定める重要な財産を定める条例の一部を改正する条例
第三十一 第三十号議案
東京都知事等の給料等に関する条例の一部を改正する条例
第三十二 第三十一号議案
東京都附属機関の構成員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第三十三 第三十二号議案
非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第三十四 第三十三号議案
東京都恩給条例の一部を改正する条例
第三十五 第三十四号議案
東京都職員定数条例の一部を改正する条例
第三十六 第三十五号議案
特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三十七 第三十六号議案
市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三十八 第三十七号議案
都と特別区及び特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例
第三十九 第三十八号議案
平成二十五年度分の都と特別区及び特別区相互間の財政調整の特例に関する条例
第四十 第三十九号議案
東京都固定資産評価審議会条例の一部を改正する条例
第四十一 第四十号議案
東京都区市町村振興基金条例の一部を改正する条例
第四十二 第四十一号議案
東京都人事委員会委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
第四十三 第四十二号議案
東京都選挙管理委員の報酬及び費用弁償条例の一部を改正する条例
第四十四 第四十三号議案
東京都監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
第四十五 第四十四号議案
東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例
第四十六 第四十五号議案
東京都都税条例の一部を改正する条例
第四十七 第四十六号議案
東京都固定資産評価審査委員会の委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第四十八 第四十七号議案
東京都固定資産評価員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第四十九 第四十八号議案
東京都収用委員会委員等の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第五十 第四十九号議案
保険業法に基づく特定保険業の認可審査に係る手数料に関する条例を廃止する条例
第五十一 第五十号議案
東京都消費者行政活性化基金条例の一部を改正する条例
第五十二 第五十一号議案
東京都体育施設条例の一部を改正する条例
第五十三 第五十二号議案
学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例
第五十四 第五十三号議案
学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
第五十五 第五十四号議案
東京都教育委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第五十六 第五十五号議案
学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第五十七 第五十六号議案
都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
第五十八 第五十七号議案
東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
第五十九 第五十八号議案
東京都立学校の授業料等徴収条例の一部を改正する条例
第六十 第五十九号議案
東京都生涯学習審議会条例の一部を改正する条例
第六十一 第六十号議案
東京都土地利用審査会条例の一部を改正する条例
第六十二 第六十一号議案
東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例の一部を改正する条例
第六十三 第六十二号議案
東京都営住宅条例の一部を改正する条例
第六十四 第六十三号議案
東京都福祉住宅条例の一部を改正する条例
第六十五 第六十四号議案
東京都社会福祉施設等耐震化等臨時特例基金条例の一部を改正する条例
第六十六 第六十五号議案
東京都後期高齢者医療財政安定化基金条例の一部を改正する条例
第六十七 第六十六号議案
東京都地域自殺対策緊急強化基金条例の一部を改正する条例
第六十八 第六十七号議案
東京都介護基盤緊急整備等臨時特例基金条例の一部を改正する条例
第六十九 第六十八号議案
東京都介護職員処遇改善等臨時特例基金条例の一部を改正する条例
第七十 第六十九号議案
東京都安心こども基金条例の一部を改正する条例
第七十一 第七十号議案
東京都立看護専門学校条例の一部を改正する条例
第七十二 第七十一号議案
東京都民生委員定数条例
第七十三 第七十二号議案
東京都指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営の基準に関する条例
第七十四 第七十三号議案
介護保険法施行条例の一部を改正する条例
第七十五 第七十四号議案
東京都指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第七十六 第七十五号議案
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターに係る地方独立行政法人法第四十四条第一項の条例で定める重要な財産を定める条例の一部を改正する条例
第七十七 第七十六号議案
東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
第七十八 第七十七号議案
東京都指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第七十九 第七十八号議案
東京都指定障害児入所施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第八十 第七十九号議案
東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第八十一 第八十号議案
東京都障害者支援施設等に関する条例の一部を改正する条例
第八十二 第八十一号議案
東京都肢体不自由者自立ホーム条例を廃止する条例
第八十三 第八十二号議案
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の規定による任意入院者の症状等の報告に関する条例の一部を改正する条例
第八十四 第八十三号議案
東京都薬物の濫用防止に関する条例の一部を改正する条例
第八十五 第八十四号議案
東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例
第八十六 第八十五号議案
地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターに係る地方独立行政法人法第四十四条第一項の条例で定める重要な財産を定める条例の一部を改正する条例
第八十七 第八十六号議案
東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例の一部を改正する条例
第八十八 第八十七号議案
東京都農業構造改革支援基金条例
第八十九 第八十八号議案
東京都立職業能力開発センター条例の一部を改正する条例
第九十 第八十九号議案
東京都緊急雇用創出事業臨時特例基金条例の一部を改正する条例
第九十一 第九十号議案
東京海区漁業調整委員会委員及び東京都内水面漁場管理委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第九十二 第九十一号議案
東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例
第九十三 第九十二号議案
東京都立芝浦屠場条例の一部を改正する条例
第九十四 第九十三号議案
東京都港湾管理条例の一部を改正する条例
第九十五 第九十四号議案
東京都営空港条例の一部を改正する条例
第九十六 第九十五号議案
東京都労働委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第九十七 第九十六号議案
都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
第九十八 第九十七号議案
鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律施行条例の一部を改正する条例
第九十九 第九十八号議案
東京都省エネルギーの推進及びエネルギーの安定的な供給の確保に関する条例の一部を改正する条例
第百 第九十九号議案
東京都地球温暖化対策推進基金条例を廃止する条例
第百一 第百号議案
東京都道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例
第百二 第百一号議案
東京都河川流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例
第百三 第百二号議案
東京都霊園条例の一部を改正する条例
第百四 第百三号議案
東京都葬儀所条例の一部を改正する条例
第百五 第百四号議案
東京都給水条例の一部を改正する条例
第百六 第百五号議案
東京都工業用水道条例の一部を改正する条例
第百七 第百六号議案
東京都下水道条例の一部を改正する条例
第百八 第百七号議案
警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例
第百九 第百八号議案
東京都公安委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第百十 第百九号議案
警視庁留置施設視察委員会の設置に関する条例の一部を改正する条例
第百十一 第百十号議案
警視庁の警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する条例の一部を改正する条例
第百十二 第百十一号議案
警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例
第百十三 第百十二号議案
東京消防庁の設置等に関する条例の一部を改正する条例
第百十四 第百十三号議案
東京都消防関係手数料条例の一部を改正する条例
第百十五 第百十四号議案
火災予防条例の一部を改正する条例
第百十六 第百十五号議案
特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
第百十七 第百十六号議案
都営住宅二十五H─一〇六東(江東区辰巳一丁目)工事請負契約
第百十八 第百十七号議案
武蔵野の森総合スポーツ施設(仮称)(二十五)新築給水衛生設備工事(その二)請負契約
第百十九 第百十九号議案
環二勝どき高架橋(仮称)上部仕上げ工事(二十五 一─環二築地)請負契約
第百二十 第百二十号議案
包括外部監査契約の締結について
第百二十一 第百二十一号議案
平成二十六年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について
第百二十二 第百二十二号議案
平成二十五年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担の変更について
第百二十三 第百二十三号議案
平成二十五年度東京都一般会計補正予算(第三号)
第百二十四 第百二十四号議案
平成二十五年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
第百二十五 第百二十五号議案
平成二十五年度東京都地方消費税清算会計補正予算(第一号)
第百二十六 第百二十六号議案
平成二十五年度東京都中央卸売市場会計補正予算(第一号)
第百二十七 第百二十七号議案
平成二十五年度東京都高速電車事業会計補正予算(第一号)
第百二十八 第百二十八号議案
東京都医療施設耐震化臨時特例基金条例の一部を改正する条例
第百二十九 諮問第一号
地方自治法第二百六条の規定に基づく審査請求に関する諮問について
第百三十 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した平成二十五年度東京都一般会計補正予算(第二号)の報告及び承認について
第百三十一 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した公安テロ情報流出被害国家賠償請求事件の控訴提起に関する報告及び承認について

   午後一時開議

〇議長(吉野利明君) これより本日の会議を開きます。

〇議長(吉野利明君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

〇議長(吉野利明君) 昨日に引き続き質問を行います。
 四十九番桜井浩之君
   〔四十九番桜井浩之君登壇〕

〇四十九番(桜井浩之君) 最初に、東京の観光振興について伺います。
 昨年、我が国を訪れた外国人旅行者数は過去最高の一千万人に達し、また、東京を訪れた外国人旅行者数も昨年上半期で三百二十一万人と、過去最高を記録いたしました。
 しかしながら、都は、この数に満足することなく、オリンピック・パラリンピックの開催を追い風にして、これまで以上に積極的に観光振興に取り組み、海外からの旅行者を誘致すべきであります。
 東京は、歴史、文化、自然、食など、じっくりと腰を落ちつけて観光を楽しめる多彩な魅力にあふれております。こうした魅力を効果的に生かしながら、東京のイメージを海外に向けて十分アピールできれば、東京に長期滞在する旅行者やリピーターの獲得にもつながるはずです。あわせて、先般、知事がソチで体験された、言葉が通じない不便さを解消することも、海外からの旅行者の誘致につながるでしょう。
 知事は、オリンピック開催後に東京を世界一の都市にすると発言されております。そのためにも、外国人旅行者誘致の取り組みは重要と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。
 次に、外国人旅行者の受け入れ環境整備について伺います。
 外国人旅行者数は、中国や韓国、台湾などに加え、ビザ発給要件の緩和措置などにより、ムスリムが多いといわれる東南アジア地域からも増加していると聞いております。来訪する旅行者がそれぞれ持つ多様な言語や習慣などに対応しつつ、旅行者が東京の観光を楽しめる滞在環境をしっかりと整備すべきです。
 都は、外国人旅行者が不安なく快適に滞在できる受け入れ環境をどのように整備していくのか、所見を伺います。
 次に、東京の魅力発信について伺います。
 旅行者が東京に滞在する際の宿泊や食事、買い物等に係る観光消費は、関連する産業分野の裾野が広く、大きな経済波及効果を生み出すといわれております。観光振興を都内経済の活性化につなげるためには、より多くの旅行者を誘致することが重要です。
 オリンピック・パラリンピックの開催決定をてこに、多摩・島しょも含めた東京の魅力を国内外に積極的に発信していくべきと考えますが、都の具体的な取り組みを伺います。
 次に、中小事業所の省エネ対策について伺います。
 二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの東京開催に向けて、東京をエネルギー効率世界一の環境都市にすることは、東京の先進性を世界にアピールできるまたとない機会であり、そのために我が国のすぐれた環境技術を最大限に活用する施策を推進する必要があります。
 これまで都は、大規模事業所に対して、CO2排出量の総量削減義務を課すキャップ・アンド・トレード制度を導入するなど、世界的にも先駆的な施策を推進してきましたが、都内業務、産業部門のCO2排出の約六割は中小規模事業所が占めており、中小規模事業所の省エネ対策を推進することは大変重要であります。
 都は、二〇一〇年度から地球温暖化対策報告書制度を開始し、中小規模事業所に対する省エネ対策を進めていますが、これまでの取り組みの成果を生かして、中小事業者のコスト削減につながる省エネ対策をより一層推進する必要があると考えますが、都の所見を伺います。
 また、先般、我が党は、東京を世界で一番の都市にするための政策提言を行いました。この中で、都内に数多くある中小テナントビルの省エネ化の推進についても提言をしております。
 中小テナントビルにおいては、ビルオーナーが省エネ改修を行っても、ビルでエネルギーを直接使用しているテナントの光熱費削減にはなりますが、ビルオーナーの利益とはならず、改修が進みにくい状況であります。
 したがって、この中小テナントビルの省エネを推進するには、テナントが省エネ性能の高いビルを評価し、入居先として選択することで、ビルオーナーのメリットにつなげていくことが重要と考えます。そのためには、ビルオーナーが省エネ性能をテナントにわかりやすく示す仕組みが必要であり、都は、こうした中小テナントビルの特性を踏まえた効果的な仕組みを構築していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、墨東病院の機能強化についてお伺いをいたします。
 都立病院では、昨年三月に策定された都立病院改革推進プランに基づき、少子高齢化など医療環境が急速に変化する中でも、都民に安定的に行政的医療を提供していくため、さらなる質の向上に向けて取り組んでいるところと承知いたしております。
 私の地元墨田区がある区東部地域は、人口に対する病院数が都平均、全国平均を下回るなど、医療資源が不足している地域であります。また、今日、新型インフルエンザを初めとする新興感染症が大流行することが危惧されておりますが、区東部地域では、専門的に感染症医療に対応できる施設が不足することが予想され、患者を的確に受け入れる体制の整備が急務であるわけであります。
 墨東病院では、東京ER・墨東が設置され、年間で救急搬送一万件を含む五万人もの患者を受け入れております。専門スタッフによる救命措置が必要な三次救急患者は、およそ二千三百人に及びます。今、救急医療機関が減少する中、引き続き区東部地域の中核的な役割を担っていくことが大いに期待されております。
 こうした地域の状況を踏まえ、現在、墨東病院では、東京都地域医療再生計画に基づき大規模な整備を行っており、本年八月には新館、二十七年には診療棟の改修が完了する予定と伺っております。
 そこで、今回の整備により強化される医療機能について具体的に伺います。
 また、区東部地域には海抜ゼロメートル地帯が広がっており、水害を初めとする災害への備えが必須であります。墨東病院には、地域の基幹病院として、また、区東部保健医療圏の地域災害拠点中核病院として、災害時においても医療機能を維持し、地域住民の命を守る役割が求められております。
 そこで、墨東病院の災害対応力についてはどのような強化が図られるのか、お伺いをいたします。
 次に、高度防災都市づくりについて伺います。
 我が党は、世界一の防災都市東京を創造するために、建物や道路など都市施設の震災対策だけでなく、上下水道などのライフラインの耐震化を進め、災害に強いまちづくりを標榜しております。
 東日本大震災から間もなく三年が経過しますが、都は、その教訓や経験を踏まえ、高度防災都市づくりに向けた取り組みを積極かつ継続して進めております。
 このような中、私の地元墨田区もそうでありますが、木密地域を抱えている自治体は、公助はもとより、自助、共助という視点から、地域防災力の向上に力を入れているところであります。
 その一例として、地域住民が有事の際の消火活動や応急給水活動のために、水道管から水を容易に取り出すことができるよう、消火栓等に設置するスタンドパイプを地域町会等に配布する取り組みを行っております。しかしながら、いざというときに水道管から水が出なければ、その意義が失われてしまいます。
 水道局では、震災対策の一環として管路の耐震化を積極的に進めていますが、その管路ヘ水を送り出す給水所が地震によって損壊したり、停電によりポンプが稼働できない場合には、水道水の供給に大きな影響が生じるわけであります。
 また、東部低地帯にある給水所では、浸水による機能停止も予想されます。震災が発生した場合でも水を供給し続けるためには、都内各所の給水所の果たす役割は非常に大きく、大規模地震や水害による影響が危惧される中、給水所の防災対策も進めていく必要があると考えます。
 そこで、給水所の防災対策をどのように進めるのか、お伺いをいたします。
 次に、下水道は都市活動や都民生活において欠かせない生活基盤の一つであり、大地震などの災害で一旦機能が停止すると、衛生面や浸水防除といった観点から、都民生活に与える影響ははかり知れません。
 実際に阪神・淡路大震災では、下水道管とマンホールの接続部が破損し、トイレなどが使えなくなり、新潟県中越地震や東日本大震災では、液状化によりマンホールが浮上し、道路の通行に支障が出るなど、住民の日常生活に大きな影響を与え、その後の復旧にも多大な時間を要したわけであります。
 下水道局は、これらを教訓とし、下水道管とマンホールの接続部の耐震化や液状化によるマンホールの浮上抑制対策技術を民間と共同開発し、対策を進めております。
 そこで、震災時に過去と同じような事態を繰り返すことのないよう、下水道管の震災対策を積極的に進めるべきと考えますが、現在の状況と今後の取り組みをお伺いいたします。
 また、東京では、地震時に建物が倒壊し、火災などの二次災害による被害を抑制するために、不燃化の取り組みや建築物の耐震化が進み、万が一火災が発生しても、地区内に大規模な延焼火災のおそれがなく、広域的な避難を要しない地区内残留地区という地域があります。
 都民生活のさらなる安全・安心を確保するためには、今後、こうした地区での不燃化などの取り組みとも整合を図りつつ、下水道管の震災対策を拡充していくべきと考えます。
 そこで、地区内残留地区における下水道管の震災対策について、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。
 以上をもちまして、私からの一般質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 桜井浩之議員の一般質問にお答えいたします。
 外国人旅行者誘致についてでございますが、ロンドンは、オリンピック・パラリンピックの開催を起爆剤として、ニューヨークにかわり、世界の都市ランキング第一位へと上り詰めました。国際会議やプレイベント等の開催に取り組み、海外からの旅行者誘致を行ったことも、主な要因であるといわれております。
 東京は、ロンドンに劣らず、浅草雷門を初めとする伝統文化とスカイツリーのような近代科学が融合したすばらしい都市でありまして、この魅力を世界にアピールして、外国人旅行者や国際会議の誘致を積極的に進めてまいります。
 また、海外からの旅行者が必要な情報を入手できるよう、外国語が話せる観光ボランティアの育成や、町の中の案内サインの充実、さらには宿泊施設などでWi-Fiに無料で接続できる環境の整備を進めてまいります。
 こうしたことにより、オリンピック・パラリンピックに向けて外国人旅行者誘致を進め、世界一の都市を実現したいと考えております。
 その他の質問につきましては、関係局長から答弁させます。
   〔産業労働局長塚田祐次君登壇〕

〇産業労働局長(塚田祐次君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、外国人旅行者の受け入れ環境整備についてでありますが、外国人旅行者が安心して快適に東京観光を堪能するためには、民間とも連携し、旅行者のさまざまなニーズに的確に対応した取り組みを推進することが重要であります。
 そのため、都は、来年度、観光ボランティアについて、中学生、高校生からの育成にも取り組み、これまで以上に幅広い世代による活動につなげ、外国人旅行者をきめ細かく支えてまいります。
 また、今後も増加が見込まれるムスリム旅行者については、宿泊施設や飲食店等に対するリーフレットの配布やセミナーでの先進事例の紹介などを通じて、礼拝や食事等の習慣に関する理解を深め、安心して滞在できる環境整備を推進してまいります。
 次に、東京の魅力発信についてでありますが、旅行者誘致をより一層進めていくためには、オリンピック・パラリンピックの開催決定により、東京に注目が集まる絶好の機会を生かし、東京の魅力を積極的に発信することが重要であります。
 このため、都は来年度、海外の航空会社の機内誌や世界的に知名度の高い旅行ウエブサイトを活用するなど、全世界に向けて東京の観光をPRいたします。
 また、国内においては、東京の多彩な魅力を紹介するガイドブックを作成するとともに、旅行業界が主催する旅行博覧会に、多摩・島しょ地域を中心としたPRブースを出展し、地域の魅力発信を強化いたします。こうした取り組みを通じ、多くの旅行者に選ばれる世界有数の観光都市を目指してまいります。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

〇環境局長(長谷川明君) 省エネ対策に関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、中小規模事業所の省エネ対策についてでございます。
 都は、二〇一〇年度から中小規模事業所を対象に地球温暖化対策報告書制度を開始しており、毎年度三万を超す事業所から報告書の提出がございます。二〇一一年度と二〇一二年度のこれによるCO2排出実績を見ますと、いずれも大震災前の二〇一〇年度と比べて一〇%を超える削減となっており、大震災後の節電が定着していると考えられます。
 都は、こうした中小規模事業所の取り組みを一層推進するため、報告書のデータを活用して、テナントビルなど二十業種について、CO2排出レベルを七段階で示すベンチマークを作成し、事業者に対してベンチマークを活用した目標設定を促しております。
 このベンチマークの普及を図るとともに、無料の省エネ診断や設備導入に係る省エネ減税など、事業所の特性に応じたさまざまな支援策を講じながら、中小事業者の省エネ対策を推進してまいります。
 次に、中小テナントビルの省エネ対策についてでございます。
 中小規模事業所のCO2排出量には、テナントビルによるものの割合が多く、中小テナントビルの省エネ対策は重要であります。中小テナントビルでは、ご指摘のとおり、ビルオーナーが省エネ改修を行っても、光熱費の削減効果はテナントが享受するため、なかなか改修が進みにくい状況にございます。
 このため、中小テナントビルの省エネを進めるには、省エネ性能をテナントにアピールでき、入居を促すことに結びつくような、ビルオーナーのメリットにつながる仕組みが必要でございます。
 そこで都は、先ほど申し上げたベンチマークでビルの省エネ性能をわかりやすく示して、テナントにアピールするための書面であるカーボンレポートをビルオーナーに提供し、活用を促してまいります。
 あわせて、中小テナントビルの省エネ改修費用に対する支援を行い、これにより得られる改修後の実績データをもとに、省エネ改修の効果についてもわかりやすくアピールできる仕組みを構築してまいります。
 これらの取り組みにより、ビルオーナーの省エネ意欲を高め、中小テナントビルの省エネを推進してまいります。
   〔病院経営本部長醍醐勇司君登壇〕

〇病院経営本部長(醍醐勇司君) 墨東病院に関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、墨東病院の医療機能の強化についてでありますが、現在整備を進めている新館には、新型インフルエンザにも対応する感染症外来、エボラ出血熱やSARSの患者を受け入れる第一種及び第二種感染症病床、不測の事態にも対処可能な緊急対応病床に加えまして、臨時的に病床に転用できるスペースを確保するなど、さまざまな感染症に対応する機能を整備いたします。
 また、高齢化に伴う合併症を有する患者や重症患者の増加を踏まえ、救命救急の集中治療室を拡充するほか、脳血管疾患などに有効な高気圧酸素治療室を設置いたします。
 さらに、平成二十七年度までに改修する診療棟には、脳卒中や心臓疾患の集中治療室を整備するなど、医療環境の変化に対応した東京ER・墨東の機能をさらに強化してまいります。
 次に、墨東病院の災害対応力の強化についてでありますが、墨東病院は、区東部地域の医療対策拠点として、重症者を受け入れるとともに、医療救護活動をコーディネートする重要な役割を担っておることから、みずからの災害対応力をより強固にしていくことが求められております。
 このため、今回の整備では、機能の拡張に伴い、非常用発電機の燃料タンクを増設するとともに、新館の屋上に新たな非常用発電機を設置いたします。また、浸水時に地下の受水槽を経由せずに給水するルートを新たに設け、診療に必要な貯水量を確保いたします。
 さらに、電力の多様化、分散化を図るため、今後、ガス常用発電機の導入を検討していくなど、災害に強い病院づくりを進め、地域住民の生命を守るとりでとしての使命を果たしてまいります。
   〔水道局長吉田永君登壇〕

〇水道局長(吉田永君) 給水所の防災対策についてでありますが、給水所は、平常時はもとより、大規模地震や停電時などにおいても、給水を維持する上で重要な役割を担っております。
 このため、給水所の耐震化につきましては、阪神・淡路大震災を契機に、最新の基準等に基づき耐震診断や補強工事を進めており、平成三十四年度までに概成させることとしております。
 また、電力の確保につきましては、東日本大震災における教訓をもとに、平成三十三年度を目途に、停電時においてもポンプ運転の継続を可能とするよう、非常用自家発電設備を増強してまいります。
 さらに、浸水対策につきましては、これまでも一定の対策を講じてきたところでありますが、近年頻発する豪雨などを踏まえ、平成二十八年度までに、新たに建屋出入り口への防水扉の設置など必要な措置を講じてまいります。
 こうした給水所の防災対策を積極的に進めるとともに、水道管路の耐震化なども着実に推進することにより、災害時における給水の確保に万全を期してまいります。
   〔下水道局長松浦將行君登壇〕

〇下水道局長(松浦將行君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、下水道管の震災対策についてでございますが、民間と共同開発した、道路を掘らずに下水道管とマンホールの接続部を耐震化する技術や、マンホールの浮上抑制を図る技術を活用し、対策を迅速に進めております。
 これまで、墨東病院などの災害拠点病院や避難所など二千五百カ所で下水道管の耐震化を進め、今年度、計画を二年前倒して完了させることとしております。
 さらに、今年度から帰宅困難者が滞留するターミナル駅や災害復旧拠点となる官公庁など千カ所に対象を拡大し、来年度は錦糸町駅など百八十カ所で着手いたします。
 また、マンホール浮上抑制対策は、緊急輸送道路五百キロメートルについて既に完了し、平成二十三年度から、避難所などと緊急輸送道路を結ぶアクセス道路七百キロメートルの対策に着手しており、今年度末までに約四百キロメートルを実施いたします。これらの取り組みを三十一年度までに全て完了してまいります。
 次に、地区内残留地区における震災対策についてでございますが、これまで避難所などからの排水を受け入れる下水道管の耐震化を進めていますが、これらに加え、地区内残留地区では、建物の耐震化や不燃化により、震災時に多くの人が地区内にとどまることが予想されることから、地区内のトイレ機能や救急活動に必要な緊急車両の通行を確保するため、下水道管の耐震化やマンホールの浮上抑制対策を計画化し、今年度より対策を開始いたしました。
 経営計画二〇一三では、区部の地区内残留地区約千ヘクタールで対策を進めることとしております。墨田区内では、錦糸町駅付近の約三十ヘクタールの対策を二十七年度までに実施いたします。こうした取り組みを着実に進め、東京の高度防災都市づくりに貢献してまいります。

〇議長(吉野利明君) 六十四番山崎一輝君
   〔六十四番山崎一輝君登壇〕

〇六十四番(山崎一輝君) 初めに、教育施策について伺います。
 近年、領土、領海をめぐる問題が一層注目されるようになっています。
 国は、ことしの一月に、中学校及び高等学校学習指導要領解説の一部改訂を行いました。この趣旨を踏まえると、これからの国際社会を生きる子供たちが領土について正しく理解をし、国際社会に生きる日本人としての自覚と誇りを持つよう、自国の領土に関する教育を充実させることが求められております。
 そこで、児童生徒が我が国の領土について正しく理解ができるよう、領土に関する教育を充実させることが重要であると考えますが、都教育委員会の見解を伺います。
 子供たちが日本の領域の位置や隣国との距離などを正確に把握し、領土に関する認識を高めることも極めて重要であります。
 私が調べたところ、日本の領域を正しく表現した地図を掲示している都立高校等は、全体の二百四十三校のうち、わずか十九校、七・八%であり、全体の一割にも満たないのが現状であります。
 そのため、日本の領域が正しく表現されている地図、すなわち沖縄や小笠原諸島、沖ノ鳥島などの離島が正確な位置に表示されている地図を掲示することが大変重要であると考えます。いわゆる天気予報のような位置関係を省略した地図では、正確な理解はできません。常日ごろより児童生徒が正しい地図と親しむことにより、日本の領土、領域に対する正しい理解が可能となるわけです。
 そこで、我が国の領土に関する理解を深めるため、日本の領域が正しく表現されている地図を都内公立学校で活用すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会について伺います。
 東京大会が決定をし、海外からの旅行者のより一層の増加が見込まれますが、中小の宿泊施設の中には、外国人旅行者の受け入れに不安を抱えているという話も耳にします。
 私は、こうした事業者に対し、日常英会話はもとより、外国人に生活習慣等の日本文化を伝えることが可能となる研修を実施し、おもてなし力の向上を図っていただきたいと考えます。また、それがオリンピック・パラリンピック大会の後にも、東京の観光の魅力につながっていくと確信をいたします。
 そこで、こうした中小の宿泊施設に対する支援をより強化していくべきと考えますが、都の所見を伺います。
 次に、競技施設等の整備について伺います。
 今後、都は、十の新設の会場の整備と二つの既存の会場の増改修を行うと聞いております。
 オリンピック決定後に、東京都木材団体連合会などから、新会場や新施設の整備に当たっては、日本の文化の象徴であり、木のぬくもりを感じる木造建築物を積極的に活用するようにとの要望書が提出をされました。
 全国の状況を見ても、島根の出雲ドームや秋田の大館ドームなどが木材を活用した競技施設として脚光を浴びております。
 また、オリンピック・パラリンピック競技大会終了後も、日本らしさや東京らしさや木の文化という点で、多くの利用者から親しまれ、愛されるものになることが期待をされるわけです。
 そこで、今後の施設整備に当たっては、木材の活用を積極的に図っていくべきと考えますが、都の所見を伺います。
 続いて、東京港の機能強化について伺います。
 私は、東京港の国際競争力の向上を目指した機能強化が、我が国経済の回復に大いに貢献すると考え、昨年の第一回定例会でも取り上げました。
 日本経済は、ようやく明るい兆しが見えてきましたが、まだまだ不安定な材料も多い状況です。輸出でも十分に稼げる強い日本経済の一刻も早い回復が望まれます。こうした中、日本一のコンテナ貨物取り扱い個数を誇る東京港が、その機能強化を図っていくことは、日本の成長戦略の一つの鍵を握っているといっても過言ではありません。
 そこで、東京港の国際競争力の向上を目指した機能強化について、これまでの取り組み状況とその成果について伺います。
 また、東京港の機能を強化し、国際競争力を高めていくためには、しっかりと将来を見据えた計画が重要であります。それには、アジアの経済成長が続く世界経済や、変化の激しい国際海上物流の動向を考慮すべきであります。
 今後も、国内外において東京港が重要な役割を果たせるよう、ふ頭施設の機能強化や交通ネットワークの向上などについて、しっかりと検討していく必要があります。
 そこで、現在検討を行っている第八次改訂港湾計画では、世界経済や国際物流の動向を踏まえ、物流機能の強化に向けた長期的な取り組みを示していく必要があると考えますが、見解を伺います。
 次に、MICEについて伺います。
 MICEは、一度に多くの外国人旅行者を呼び込むことだけでなく、高い経済波及効果が見込まれることから、都としても積極的に進めていく必要があります。MICEの誘致に精力的に取り組む世界の諸都市では、国際的な都市間連携を図り、有益な情報交換を行うとともに、その都市で開催するメリットをアピールするなど、活発な活動を行っていると聞きます。
 そこで、こうした諸都市との競争を勝ち抜くため、都はどのように誘致活動を展開していくのか見解を伺います。
 次に、自転車交通について伺います。
 自転車は、環境負荷のない、自動車や徒歩を補完する交通手段として、その役割が一層重要となっています。
 知事は、東京の問題点の一つに、交通体系だといっておられ、スウェーデンのストックホルムの件を引き出し、また自転車の利用を拡大するため、自転車レーンなどの整備を進めていくとの考えを表明されてきました。
 さらに、知事は、総合的な交通施策について具体的な検討を指示したと、施政方針の中で表明されたところでもあります。
 そこで、改めて自転車を含めた全体の交通体系を示すべきであると考えますが、知事の所見を伺います。
 次に、自転車の利用促進について伺います。
 自転車利用促進策の一つに、自転車シェアリングがあります。一台の自転車を複数の利用者が共有して使用する仕組みで、目的地の最寄りのサイクルステーションに返却ができる、いわゆる乗り捨て利用が可能なシステムであり、ニューヨークやロンドンなど、外国の諸都市で広く普及をしております。
 こうした中、オリンピック・パラリンピックの開催も決まり、国でも超党派の議員連盟による自転車シェアリング普及に向けた提言がなされております。
 都としても、世界の範となる環境負荷の少ない都市の実現を目指す中で、今こそ自転車シェアリングを普及すべき時期に来ていると思います。
 そこで、自転車シェアリング普及に向けた都の取り組みについて伺います。
 また、環境によい自転車シェアリングをまちづくりの中にしっかりと根づかせていくことが重要です。
 私の地元江東区では、自転車シェアリングに関する実証実験が実施されていますが、この取り組みは一年を経過し、他都市の社会実験と比べ利用者数も多いと聞いております。こうしたノウハウを積極的に区市町村等へ情報提供し、自転車シェアリングの広域な普及を図っていくべきと考えます。
 加えて、各区の足並みをそろえ、都心部等で区境を越えた広域に展開を実現するためには、都として、各区の取り組みへの支援策が必要と考えます。
 そこで都は、自転車シェアリングを広域に展開させるための取り組みについて伺います。
 続いて、鉄道ネットワークの整備についてお伺いいたします。
 地下鉄八号線延伸は、運輸政策審議会答申第十八号において、平成二十七年までに整備着手することが適当な路線として位置づけられております。沿線自治体で構成される協議会で第一段階とされている豊洲から住吉間の整備は、区部東部における南北交通軸の形成、地下鉄東西線など周辺路線の混雑緩和、鉄道不便地域の解消といったさまざまな効果が期待される路線であります。
 江東区では、平成十九年度より独自調査を進め、今年度も懇談会を設置し、事業採算性等の検討を進めているとともに、平成二十二年から毎年五億円の建設基金の積み立てを行い、区議会も都に対して要請活動を行うなど、区全体で積極的に取り組んでおります。
 また、平成二十三年の豊洲新市場の都市計画決定に際して、当時の副知事が江東区長との会談において、実現に向け江東区と連携し、最大限の努力を傾注していく決意であると発言し、豊洲新市場の現在に至るわけであります。
 先月、二月二十一日の衆議院国土交通委員会において太田国交大臣は、地下鉄八号線の延伸は、東京の鉄道ネットワークの中でも極めて重要な意義を有する事業であると答弁をしております。
 私は、この地下鉄八号線の豊洲から住吉間について、早急に国と都の調整を進めていくことを強く要望し、また、期待をいたします。
 そこで、本路線の整備についてどのように取り組んでいくのか、都の所見を伺います。
 次に、森づくり推進プランについて伺います。
 都民共通の貴重な財産である多摩の森林を保全していくには、森林循環を持続させていくとともに、その一翼を担う林業の振興が必要であります。
 そこで、我が党は、今回のプラン改定に当たっても、さきの第四回定例会代表質問において、多摩産材の利用拡大に向けた受注相談窓口の設置など、一歩進んだ取り組みが必要であると提案をいたしました。重要なことは、こうした計画をいかに事業化していくかです。
 そこで、今回のプラン改定を踏まえ、どのように事業展開を図っていくのか伺います。
 最後に、下水道の浸水対策について伺います。
 私の地元江東区の木場・東雲地区は、浸水の危険性が高く、その対策が強く求められております。そこで、下水道局は、対策として江東幹線や江東ポンプ所の整備を進めております。
 平成二十三年の第二回定例会で、私がその対策の進捗を伺ったところ、関係機関等と調整中との答弁がございました。その後二年が経過をいたしましたが、現在の進捗を伺い、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 山崎一輝議員の一般質問にお答え申し上げます。
 自転車を含めた全体の交通体系についてでございますが、ご指摘のように、私はかねてより、東京の最大の問題の一つは交通体系であると考えてまいりました。都民の皆様に特に強く訴えてきたこの問題を解決するため、関係局に対し、政策の具体化に向けた検討を指示したところであります。
 今後は、鉄道やバス等の有機的な連携や自転車利用環境の整備等を含め、総合的な交通政策を取りまとめ、世界一便利で快適な都市東京を実現していく、そういうつもりで頑張ってまいりたいと思っております。
 なお、その他の質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長から答弁させます。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、我が国の領土に関する教育の充実についてであります。
 日本人としてのアイデンティティーを備え、グローバルに活躍できる人材を育成していくことが求められる中、将来を担う子供たちに、自国の領土を正しく理解できるようにすることは極めて重要でございます。
 我が国の領土に関する学習は、小中学校では主に社会科で、高校では主に地理歴史科や公民科で扱っており、学習指導要領では、児童生徒の発達段階を考慮しながら、自国の領土について、我が国が正当に主張している立場に基づき指導を行うこととされております。
 お話のように、本年一月、我が国の領土に関する教育を一層推進するため、学習指導要領解説が一部改訂をされました。今後、都教育委員会は、この改訂の趣旨に基づき、我が国の領土に関する学習が充実されるよう各学校を指導してまいります。
 次に、日本の領域をあらわしている地図についてでありますが、現在学校で使われている地図の多くは、南西諸島や小笠原諸島などを枠などで区切って別の位置に描く表示の方法をとっており、日本の領域全体を表現している地図は少ない状況にあります。
 我が国の領土に関する理解を深めるためには、日本の位置や隣国との距離を把握しやすい、日本の領域全体を表現している地図を活用することが有効であります。
 このため、こうした地図を全都立学校に配布し、都の独自科目「江戸から東京へ」の学習や修学旅行などの学校行事など、さまざまな教育活動で活用を図るよう指導を行ってまいります。
 また、都内公立小中学校につきましても、区市町村教育委員会に対して都立学校の取り組みを紹介するなどし、我が国の領土に関する理解が深まるよう努めてまいります。
   〔東京都技監藤井寛行君登壇〕

〇東京都技監(藤井寛行君) 地下鉄八号線の豊洲─住吉間の延伸についてでございますが、本区間を含む地下鉄八号線の延伸は、運輸政策審議会答申第十八号におきまして、平成二十七年までに整備に着手することが適当である路線として位置づけられておりまして、区部東部における南北交通軸の形成、地下鉄東西線など周辺路線の混雑緩和、鉄道不便地域の解消といったさまざまな効果が期待されると認識しております。
 一方で、多額の事業費の確保や事業主体の確立、事業スキームの検討など、解決すべき課題がございます。地元江東区では、今年度、懇談会を設置しておりまして、都も国や東京メトロなどとともに参加いたしまして、事業採算性等の検討を進めております。
 今後とも、本路線の検討に都も参画いたしまして、関係者とともにさまざまな課題の解決を図っていくことが必要であると考えております。
   〔産業労働局長塚田祐次君登壇〕

〇産業労働局長(塚田祐次君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、宿泊施設に対する支援についてでありますが、海外から訪れる旅行者に快適な滞在環境を提供するためには、ホテル、旅館等の宿泊施設における受け入れ環境の整備を進めていくことが重要であります。
 このため、都は、外国語の研修、無料でWi-Fiに接続できる環境の整備促進など、宿泊施設に対する支援を実施してまいりました。
 来年度は、これらに加え、生活習慣等、国によって異なる文化への理解を深めて接遇に活用する研修や、災害時等において外国人旅行者を円滑に案内、誘導するための講習会を新たに実施するなど、外国人旅行者への対応力の強化を図ってまいります。
 こうした取り組みを通じて、外国人旅行者の受け入れを進める宿泊施設を積極的に支援してまいります。
 次に、MICE誘致活動の展開についてでありますが、誘致を一層推進するためには、主催者が開催に当たり重視する視点や、競合都市の活動などの情報を迅速かつ的確に把握し、有効に活用する必要があります。
 このため、都は来年度、MICE先進都市の連携組織への加盟を目指している東京観光財団を通じ、海外とのネットワークを構築して、情報収集やプロモーション活動を戦略的に進めてまいります。
 また、誘致には、東京の認知度を高め、さらに主催者の開催意欲を喚起する必要があることから、海外のMICE専門誌への広告掲載や、東京の魅力をPRする冊子の作成など、情報発信の強化を進めます。
 こうした取り組みを通じ、海外の競合都市との競争を勝ち抜き、東京へのMICE誘致を推進してまいります。
 最後に、森づくり推進プランについてでありますが、今回改定するプランは、東京における持続的な森林整備と林業振興を図るための取り組みを示したものであり、今後、森林の循環の維持に必要な施策を優先的に事業化し、順次実施してまいります。
 来年度は、低コスト林業技術の確立に向け、多摩の急峻な森林にも対応可能な木材搬出手法等の調査を開始するほか、不足している森林作業道の技術者を育成するための実務研修などを実施いたします。
 また、多摩産材の利用拡大に向けて、建設業者等が円滑に調達できるよう、製品や納期、価格等の情報提供窓口である多摩産材情報センターを設置いたします。
 今後とも、プランの着実な実現に向け、積極的に取り組んでまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

〇オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) オリンピック・パラリンピックの施設整備における木材活用についてでございますが、我が国の建築における木材の活用は、まさに日本の文化であり、施設整備に活用することは、世界の方々に日本らしさを深く印象づけるものであると考えております。
 大会施設への木材の活用について、招致決定後より木材組合などの関係団体から要望の声が上がっていることは承知しております。また、国は平成二十二年に、公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律を制定し、木材利用のさらなる推進を図っており、都としても、多摩産材の流通や利用拡大などを進めております。
 都は、これらの状況を踏まえ、コストや耐久性なども考慮しつつ、今後、設計などを進める中で、広く施設整備における木材の活用を検討してまいります。
   〔港湾局長多羅尾光睦君登壇〕

〇港湾局長(多羅尾光睦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、東京港の機能強化に向けた取り組みについてですが、東京港は、首都圏を支える輸入港であると同時に、東日本の生産拠点と海外を結ぶ重要な輸出港であり、その機能強化は日本の成長戦略に不可欠でございます。
 まず、中長期的な取り組みとしては、中央防波堤外側Y1、Y2ターミナルの借り受け候補者が昨年決定し、ふ頭再編に向け、大きな一歩を踏み出したところでございます。
 また、短期的な取り組みとしては、東京港埠頭株式会社や関係事業者の努力による荷役機械の更新やターミナルゲートの増設などにより、ターミナルの処理能力を向上させ、ふ頭周辺の交通混雑を大幅に緩和いたしました。
 今後も、中長期及び短期的な取り組みをそれぞれ確実に実施することで、輸出産業をもしっかりと支え、我が国の成長戦略を牽引してまいります。
 次に、新たな港湾計画に示す物流機能強化に向けた長期的取り組みについてですが、北米等の基幹航路を堅持するため、中央防波堤外側コンテナふ頭Y3ターミナルの整備を推進するなど、東京港の施設能力を増大させてまいります。
 また、ベトナムやミャンマー等、アジアの新興国の経済は、引き続き高い成長が見込まれ、アジア貨物の急激な伸びに対応していくことが極めて重要な課題となっております。このため、アジア航路への対応を重点的に検討していきます。
 具体的には、利用が低下した若洲地区の木材関連施設のあり方を見直すことによる機能転換も一つの方法と考えております。
 また、国に対して早期事業化を強く要望してきた有明と中防地区とを結ぶ南北線の整備を促進していきます。
 第八次改訂港湾計画では、東京港の機能強化に向けた長期的取り組みを示し、選ばれる港づくりに取り組んでまいります。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

〇環境局長(長谷川明君) 自転車シェアリングに関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、自転車シェアリングの普及に向けた取り組みについてでございます。
 都では、一昨年八月に、関係部局で構成する自転車シェアリング連絡会を設置し、江東区での実証実験を契機に、自転車シェアリングの効果的な実施方法等の検討を開始いたしました。
 連絡会では、実証実験のかなめである無人式サイクルステーションに関して、駅前など利用しやすい場所への設置などについて調整するとともに、歩行者への事故防止のための安全対策などを取りまとめてまいりました。
 江東区の実証実験では、お話のように、開始一年で利用者数が二万人を超え、利用者アンケートでは、九割以上が本格導入を望むなど高い評価を得ており、また、電動アシストつき自転車の投入や二十四時間利用など、サービスの充実も図られているところでございます。
 都は、今後もこうした実証実験への支援などを通じて、都内での自転車シェアリングの普及に取り組んでまいります。
 次に、自転車シェアリングの広域展開についてであります。
 行政区域を越えて自転車を手軽に共同利用できる環境を整えることは、利用者の利便性をさらに高めるとともに、環境負荷の一層の低減にも有効でございます。
 このため、スマートフォンなどを活用した利用しやすい貸し出し手法や、利用頻度の高いステーションの配置など、江東区での実証実験から得られる有益な知見等をガイドラインとして取りまとめ、区市町村等に提供してまいります。
 あわせて、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向け、競技会場周辺の地元自治体などを対象に、都として自転車シェアリングに関する情報共有の場を設けるとともに、計画策定やステーションの設置に係る初期費用について支援するなどにより、自転車シェアリングの広域展開を促進してまいります。
   〔下水道局長松浦將行君登壇〕

〇下水道局長(松浦將行君) 江東幹線及び江東ポンプ所の整備についてでございますが、江東幹線は、木場・越中島地区など江東区の八分の一を占める約五百ヘクタールの地域に降った雨水を速やかに排除するための、延長約五キロメートルの下水道幹線であります。現在、木場公園隣接地に設置した深さ約四十メートルの立て坑から、トンネルを築造するシールド機の発進準備中でございます。
 また、江東ポンプ所では、本年二月より、江東幹線で集めた雨水を辰巳運河に放流する毎秒約五十立方メートルの能力を持つ新たなポンプ所の建設に着手いたしました。整備に当たりましては、近隣住民の要望を踏まえ、地元区などの協力を得ながら、騒音対策や景観などに配慮した工夫を行い、平成三十三年度の完成を目指し、鋭意取り組んでまいります。

〇議長(吉野利明君) 三十六番大松あきら君
   〔三十六番大松あきら君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

〇三十六番(大松あきら君) 初めに、文化、教育について伺います。
 舛添知事は、施政方針表明で世界一の都市東京を目標に掲げ、世界一安全・安心な都市、世界一の福祉先進都市、世界一のオリンピック・パラリンピック大会の実現を目指すと宣言されました。都民の皆様方の期待に応え、未来への希望を感じさせる指針であり、私も知事とともに、都政に邁進する決意を新たにしました。
 その上で、知事が掲げた三つの世界一に加えて、文化と教育においても世界一を目指すべきと訴えます。
 知事は、政治学者として中国の孫文を研究されています。孫文は、およそ国家の強弱は、その国の学生の程度をもって知り得ると語っています。また、儒教の原理に基づき、一個人を内部から発揚して外に及ぼし、これを拡大して天下に推しいたしてとも力説しています。
 世界一の東京を実現するには、一人の人間の力、特に青少年の皆様方の力を開拓する文化と教育の取り組みが不可欠です。
 また、文化と教育は、海外との交流を広げれば、国を越えて人々の心をつなぎ、オリンピック・パラリンピック開催都市にふさわしい、すぐれた国際貢献として東京の地位を高めることができます。
 そこで、知事に伺います。
 東京には、美術、音楽など世界に誇る文化活動やアーティストが結集し、美術館や博物館も整備されています。こうした資源を活用しながら、日本の文化を世界に発信し、都市間の文化交流を活性化するべきです。知事の所見を求めます。
 また、東京都のこれまでの海外文化交流の取り組みと来年度以降の展開について、都の見解を求めます。
 知事は、施政方針で、世界をリードするグローバル人材を東京から育てると表明されました。そのためには、まず、教える側である都教育委員会のグローバル化を支援しなければなりません。特に現場を担う教職員が諸外国の教育事情や制度を学び、海外の教育者等と教育力を磨き合う機会を広げることが重要です。
 こうした教育交流を広めるためには、それを担う人材を育成しなければなりません。都教育委員会の教職員に、すぐれた国際感覚を身につけさせる機会をふやしていくべきです。都教育委員会の見解を求めます。
 グローバル人材の第一の要件は、実践的な語学力であり、とりわけ英語を担当する教員の使命は重大です。
 都教育委員会は、平成二十六年度から中学校及び高等学校の英語科教員の海外派遣研修を行うと伺っていますが、海外研修は、授業力の向上に大きな効果が期待できます。より多くの教員が参加できるようにすべきです。本研修の狙いと内容について、見解を求めます。
 海外派遣は、意欲のある教職志望者にとっては魅力のある研修です。研修内容を教員採用の募集の際にアピールし、全国から、よりすぐれた教員の確保に努めるべきです。都教育委員会の見解を求めます。
 また、都教育委員会は来年度から、語学指導や国際交流を担う外国青年を招致するJETプログラムを活用し、都立高校に英語を母国語とする外国青年を外国語指導助手、いわゆるALTとして百人を配置します。生徒が日常的に外国青年や英語に接することができ、都立高校の英語教育は一変します。
 この事業の成果を上げるには、JETの外国青年が英語教育の狙いを理解し、教員とのチームワークを構築することが大切であり、JETの外国青年の資質、能力を向上させる研修が重要です。都教育委員会の所見を求めます。
 次に、がん対策について伺います。
 がんは、昭和五十二年以降、都民の死因の第一位になっており、都民の皆様方の健康や生命に重大な影響を与えています。都はこれまで、がん対策推進計画に基づき、専門的ながん医療を提供する、がん診療連携拠点病院や東京都認定がん診療病院を整備してきました。また、発症部位ごとに協力病院を認定するなど、がん医療体制の構築を推進してきました。
 一方、都民の二人に一人が一生のうちにがんと診断されるとの推計があり、高齢化の進展に伴い、がんの患者数は今後もふえていくことが見込まれます。がん患者が安心して医療を受けられるように、がん診療連携拠点病院などで治療を受けた後、地域の病院でも適切な医療を受けられる環境を整備しなければなりません。
 そのために、身近な地域におけるがん診療の連携体制の充実が重要です。都の見解を求めます。
 次に、障害者雇用について伺います。
 昨年四月、障害者の法定雇用率が引き上げられ、都内の企業の障害者雇用は着実に進み、今、雇用障害者数は過去最高を更新しています。
 一方、企業に就職した経験のない障害者の中には、実際に働くことについて不安を感じている方も少なくありません。しかし、障害者の皆様方も実際に職場を体験できる機会があれば、働くことのイメージを得て、自信を持つことができます。受け入れる企業にとっても、障害者への理解を深める機会になります。
 そこで都は、東京しごとセンターで、企業と障害者の出会いの場となる職場体験実習面談会を開催しています。私は、昨年十一月に開催された面談会を視察しましたが、多くの企業と障害者の皆様方が参加され、大変活況でした。
 こうした機会をふやすことで、障害者雇用がさらに進むことが期待できます。職場体験実習面談会を充実するべきです。都の所見を求めます。
 次に、防災対策について伺います。
 近年、都内ではゲリラ豪雨と呼ばれる局地的集中豪雨が頻発し、昨年も時間百ミリを超える集中豪雨に見舞われました。私の地元北区を流れる石神井川の下流部では、平成十七年と二十二年の集中豪雨で河川から溢水し、大規模な洪水被害が発生。特に二十二年には、王子付近で五百棟近くが浸水しました。一瞬にして床上浸水するなど、当時被災した住民の皆様方は、今も強い恐怖心を持たれています。
 都は一昨年、豪雨対策を強化するため、中小河川の新たな整備方針を策定し、河川の整備水準を時間五十ミリから七十五ミリに引き上げました。都心では川幅を広げることが難しいため、新たな調節池を整備することが必要です。一日も早い実行を求めます。
 中小河川の新たな整備方針に基づく対策の取り組み状況について伺います。
 浸水を防止するためには、河川の整備とともに下水道の役割も重要です。北区の堀船地域は地盤が低く、石神井川の洪水時には下水からの内水被害も発生しました。下水道局は、経営計画二〇一三に基づき堀船地域で浸水対策を進めていますが、安心・安全は住民の皆様方の切なる願いです。堀船地域における浸水対策を着実に進めるべきです。都の見解を求めます。
 また、石神井川の下流域では水質改善も大きな課題です。水位が低く、潮位の影響で水の流れが少ない上に、川周辺の下水道が合流式のため、大雨の際には下水道のはけ口から汚水のまじった雨水が放流されています。
 石神井川の下流域の水質を改善するために、合流式下水道の改善を積極的に進めるべきです。所見を求めます。
 次に、鉄道立体化について伺います。
 北区のまちづくりの最大の課題は、JR埼京線十条駅の立体化です。踏切を解消し、新しいまちづくりを進めることは、多くの住民の皆様方の長年にわたる悲願です。十条駅は新宿駅から約十分、都心から大変近く、駅周辺には東京家政大学、東京成徳大学、帝京大学、東洋大学があり、朝夕、多くの若者が駅を利用しています。
 また、スポーツ科学の粋を凝らし、メダリストを養成するナショナルトレーニングセンターの玄関口であり、駅の南東側には東京都障害者総合スポーツセンターもあります。東京オリンピック・パラリンピックへ向けて、国内外のスポーツ関係者の来訪の増加も見込まれます。こうした地域資源を生かし、活気のあるまちづくりを実現するために、町を分断する踏切を解消する立体化が不可欠です。
 地元のまちづくりと連携し、JR十条駅付近の連続立体交差化の実現を急ぐべきです。その取り組みについて、都の見解を求めます。
 最後に、都道の整備について伺います。
 北区の王子駅と豊島五丁目団地などをつなぐ補助八八号線は、幅員が狭く、バスの交通量も多いため、慢性的な交通渋滞が起きています。また、災害時における避難場所への避難ルートや救援の際の道路ネットワークの充実が求められており、早急な整備が不可欠です。
 補助八八号線の整備の状況について都の見解を求め、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 大松あきら議員の質問にお答えします。
 まず冒頭、大松議員が、私が尊敬する孫文の言葉を引用されて、教育の重要性について言及されましたことに、大変深く共感するものであります。
 江戸時代の日本人の識字率、英語でいうとリテラシー、言葉が読める人の率、これは世界最高の水準にありました。例えば中国、そのときの清がアヘン戦争などを通じて列強に侵略されて独立を失った。それと比べて、日本が独立を保つことができたのは、その一つの大きな要因は教育にあったと思っております。したがって、まさに教育は、国家百年の大計だと思っております。
 さて、ご質問の海外との文化交流についてでございますけれども、芸術文化は、言語、国境、政治思想などを超えて、世界中の人々に共感と感動をもたらすものであります。国家間でさまざまな課題がある中で、違う文化を認め、多元的な価値観を許容することは極めて重要であると考えております。さまざまな文化の交流を通し、広く深くネットワークを張りめぐらせることで非常に強いきずなができ、おのずと相手のことを理解しようという気持ちが高まるものであります。
 パリには、ルーブルやオルセー、オペラ座などの魅力的な文化資源があり、それを目指して世界中から人々が集まっております。そこでは活発な文化交流が行われており、都市に活力がもたらされております。
 東京が世界一の文化都市を目指すためには、パリと同様に、文化でも世界の人々を引きつけるような町としなければならないと思います。
 そのためにも、海外の美術館とのネットワークの強化、若手アーティストの交流による人材育成などのほか、アニメ、ファッションなどのクリエーティブ産業の海外展開や、市民による草の根レベルの交流などを通して、多元的な文化交流を積極的に進めることが重要であると思います。
 今後は、都はもとより、民間や地域、個人など、さまざまな主体が文化資源の連携を進めることにより、東京全体で海外との文化交流を築き上げてまいります。
 なお、その他の質問については、教育長及び関係局長から答弁させます。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、教育交流における教職員の人材育成についてでありますが、教職員に諸外国の教育、文化等を学ばせ、その知識や経験に基づいて教育施策を立案できるよう資質、能力を向上させることは、都全体の教育の充実を図る上で極めて重要でございます。
 そのため、都教育委員会は平成二十二年度から教員の海外派遣研修を行い、諸外国の学校運営や教科指導法などを調査研究して、その成果を広く活用しております。
 また、来年度からは、地方自治体の国際化を推進する機関である財団法人自治体国際化協会へ、都教育委員会の職員を新たに派遣いたします。さらに、海外派遣教員が成果を報告する研修会に教員や事務職員を広く参加させるなどの取り組みにより、すぐれた国際感覚を備えた人材を育成してまいります。
 次に、英語科教員の海外派遣研修についてでありますが、学校で六年間学んでも、多くの日本人が英語で意思の疎通ができない現状があり、使える英語を生徒が身につけられるよう、これまでの英語教育のあり方を改善することが喫緊の課題でございます。
 このため、都教育委員会は、平成二十六年度から、公立中学、高校の英語科教員百四十人を選抜して、三カ月間、海外の大学に派遣をいたします。研修生は、ホームステイをしながら、英語を母語としない者に英語を効果的に教える最新の教授法を学ぶとともに、現地校での実習やインターンシップなどを通して集中的に研修に取り組みます。
 帰国後は、学校や地区の授業改善の推進役を担うとともに、研修の成果を他の教員に広く普及することで、中学、高校生の英語力の向上を図ってまいります。
 次に、英語科教員の海外派遣研修の周知についてでありますが、都教育委員会では、すぐれた教員を採用するため、これまでホームページやメールマガジンなどによる広報や大学等での説明会において、東京の教育の魅力や充実した研修制度について、積極的に情報発信をしてまいりました。
 英語科教員の海外派遣研修を紹介することは、自己研さんに励み、チャレンジする意欲にあふれる者の受験を促す上で大きな効果が期待できます。
 今後、リーフレットやポスターを作成し、英語の免許状を取得できる四百三十三大学全てに送付するほか、新たに開設する専用ホームページのトップや、約三万五千部のガイドブックへの掲載、都の指導主事による大学での講義等、さまざまな機会でこの派遣研修を新たに周知してまいります。
 次に、JET青年に対する研修についてでありますが、JET青年は、日本の在外公館が、日本の英語教育や国際交流に貢献しようとする意欲のある若者の中から、審査、面接により選抜した優秀な外国青年でございます。多くのJET青年は、来日前には教職経験がないため、都教育委員会は、来日直後等に、日本の教育制度を理解し、日本人教員とのチームワークで授業を行う力を身につけさせるための研修を実施いたします。
 さらに、生徒と相互に理解しながら交流を深められるよう、日本や東京の歴史、文化を体験的に学ぶ研修を行います。
 これらの研修を通して、JET青年が日本人教員と協同して授業を行う指導力を高めるとともに、将来、東京と母国のかけ橋となるよう、その育成に努めてまいります。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

〇生活文化局長(小林清君) 都のこれまでの海外との文化交流の具体的な取り組みと今後の展開についてでございますが、東京を文化でも世界一の都市にするためには、文化施設、アーティスト、民間団体などあらゆる主体が、東京ならではの創造的な海外との文化交流を展開することが重要であります。
 都はこれまで、若手芸術家が国際共同制作を行うアジア舞台芸術祭や、ベルリン国際映画祭と提携し、映画分野の人材を育成するタレントキャンパスなど、海外との文化交流を進めてまいりました。
 今後は、まず、東京都交響楽団がことしの秋に、スイスとの国交樹立百五十周年を記念してジュネーブでの公演を行うほか、二十七年度にはヨーロッパ主要都市への遠征公演を行う予定でございます。
 また、東京都美術館や現代美術館におきまして、海外の美術館とのネットワークを生かした展覧会を企画し、交流を一層発展させてまいります。
 さらに、民間団体によるすぐれた国際コラボレーション活動に対しましては、アーツカウンシル東京による助成を充実してまいります。
   〔福祉保健局長川澄俊文君登壇〕

〇福祉保健局長(川澄俊文君) がん診療連携体制の充実についてでございますが、高齢化の進展に伴い、がん患者が増加する中、がん医療を充実させていくためには、がん診療連携拠点病院等での専門医療の一層の向上を図るとともに、身近な地域においても安心して治療を継続できるよう医療機関相互の連携を進め、療養環境を整備する必要がございます。
 そのため、都は来年度から、拠点病院等での初期治療を終えた患者が、転院後も化学療法や緩和ケアなどの必要な治療を受けながら、在宅療養への準備を行うモデル事業を実施いたします。
 今後、東京都がん対策推進協議会に部会を設置し、地域の病院に求められる機能や、拠点病院等との効果的な連携のあり方等について検討を行った上で、区部、多摩それぞれで地域の病院を指定し、実施する予定でございます。
   〔産業労働局長塚田祐次君登壇〕

〇産業労働局長(塚田祐次君) 障害者雇用についてのご質問にお答えいたします。
 職場体験実習は、障害者が実際に企業で働くことを通じて、企業現場での就労についての理解を深め、就職する上で必要となる基礎的能力を高める効果がございます。
 このため、都では、実習を受け入れる企業を開拓するとともに、こうした企業と障害者を結びつける面談会を開催するなど、職場体験実習の機会確保に向けて支援しております。
 面談会に参加する企業や障害者の数は年々増加しており、来年度はこうしたニーズに対応して開催回数をふやし、障害者が企業現場を体験できる機会の拡大を図ります。
 今後とも、これらの取り組みを通じて、障害者雇用を推進してまいります。
   〔建設局長横溝良一君登壇〕

〇建設局長(横溝良一君) 三点のご質問にお答えいたします。
 初めに、中小河川の整備についてでございますが、頻発する集中豪雨に対応するためには、河川整備を効率的、効果的に進めることが重要でございます。
 このため、時間五十ミリまでの対策は護岸整備で、それを超える雨には調節池で対応することを基本とし、近年洪水被害のあった石神井川や境川など五流域において、新たな調節池の配置や形式などを検討してございます。
 このうち、これまでも議論のあった石神井川の中流部においては、道路や公園などの公共用地を活用して地下調節池を整備することで、早期に流域の安全性を向上させてまいります。平成二十六年度は、河川工学的観点から配置計画を決定し、その上で測量や設計を進めてまいります。
 今後とも、新たな整備方針に基づく中小河川の整備に全力で取り組んでまいります。
 次に、JR埼京線十条駅付近の連続立体交差化の取り組みについてでございますが、連続立体交差事業は、複数の踏切を同時に除却することで道路ネットワークの形成を促進し、地域の活性化にも資するなど、極めて効果の高い事業でございます。
 十条駅付近では、連続立体交差化により、あかずの踏切である十条道踏切など六カ所の踏切を除却し、交通渋滞や地域分断が解消できます。また、西口再開発や周辺道路整備と合わせて町の骨格が形成され、利便性や回遊性が向上し、にぎわいのあるまちづくりが促進されます。
 都は、現在、事業化に向けて構造形式や施工方法の検討を行っており、今後、国との比較設計協議に着手いたします。
 引き続き、地元区や鉄道事業者と連携しながら積極的に取り組んでまいります。
 最後に、補助第八八号線の整備についてでございますが、本路線は、JR王子駅と避難場所に指定されている豊島五丁目団地を結ぶ延長約一・六キロメートルの都市計画道路であり、地域交通の円滑化や防災性の向上に大きく貢献する重要な路線でございます。
 このうち、残る豊島五丁目団地までの延長約〇・八キロメートルの区間が事業中でございまして、既に約九割の用地を取得し、事業が円滑に進んでおります。現在、無電柱化工事や排水管の設置工事などを進めるとともに、自転車レーン整備の可能性について、交通管理者と調整を行っております。
 また、工事期間中の地域住民の利便性や安全性の向上に資するため、取得した用地を活用して、バスの停車帯や仮歩道を設置するなどの工夫を行っております。
 今後とも、地元の理解と協力を得ながら、本路線の全線完成に向け、積極的に事業を推進してまいります。
   〔下水道局長松浦將行君登壇〕

〇下水道局長(松浦將行君) 二点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、北区堀船地区における浸水対策についてでございますが、堀船地区は、経営計画二〇一三において、浸水の危険性が高い対策促進地区として位置づけ、堀船一号幹線や王子西一号幹線、王子第二ポンプ所の整備を進めております。
 このうち、堀船一号幹線は平成二十六年度、王子西一号幹線は二十七年度の完成を目指し、整備を進めております。
 王子第二ポンプ所は、三十二年度の完成を目指し、整備を進めておりますが、ポンプ所の完成に先駆け、二つの幹線を合計で約一万四千立方メートルの雨水をためる貯留管として暫定的に活用し、早期に浸水被害の軽減を図ってまいります。
 今後もこうした取り組みを進め、安全・安心なまちづくりに貢献してまいります。
 次に、石神井川の下流域における合流式下水道の改善対策についてでございますが、現在、石神井川の下流域にあるはけ口から雨天時に汚水まじりの雨水の放流されておりますが、王子第二ポンプ所の完成に伴い、水の流れが滞りやすい石神井川から水量が豊富で流れのある隅田川へ放流先を変更することにより、石神井川の水質が改善されます。
 また、このポンプ所には、降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設を約一万三千立方メートル整備し、雨がやんだ後に水再生センターへ送水し、処理して、きれいな水を隅田川へ放流することで、隅田川の水質も改善されます。
 今後とも、石神井川の水質改善に向けて工事を早期に完成させるよう、積極的に取り組んでまいります。

〇副議長(藤井一君) 二十六番神野次郎君
   〔二十六番神野次郎君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

〇二十六番(神野次郎君) 最初に、中小企業の資金繰り支援について伺います。
 中小企業が融資を受ける場合、そのほとんどは、不動産を担保とするか、経営者個人が債務を保証しています。こうしたあり方を見直し、企業の活力を引き出す観点から、先般、日本商工会議所や全銀協が中心となり、経営者保証に関するガイドラインを取りまとめました。積極的な企業活動がしやすい環境づくりを進める大変意義のあるもので、こうした取り組みが少しずつ進むことを期待するものです。
 一方、安易に個人保証を求めないこととすれば、経営への責任を果たすという基本が忘れ去られるおそれもあることから、モラルハザードを起こさないバランスのとれた運用が重要となります。
 信用力に乏しい企業にとっては、引き続き不動産担保や個人保証が有効と考えられますが、この中でも、できる限り担保をとらない努力や、新たな資金調達のチャネルづくりなど、企業に多様な選択肢を提供することが重要と考えます。
 都は、経営者保証に関するガイドライン等の新たな動きも踏まえ、中小企業の資金調達の多様化に向けてどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、下請企業の支援について伺います。
 アベノミクスの進展により、日本経済全体では景気回復が実感されるようになってまいりましたが、中小零細の下請企業の多くは、コスト削減要請や受注減などにより、いまだ厳しい経営環境にあります。本年四月には消費税率が引き上げられますが、下請企業の経営者からは、増税分の価格転嫁に苦労しているという話をよく聞きます。増税分の価格転嫁が実現できないと、企業業績の悪化を通して、従業員の賃金抑制につながる危険性が高まります。アベノミクスが目指しているデフレ脱却、そして物価上昇率を上回る賃金の上昇を実現するためには、増税分の円滑な価格転嫁がとても重要な意味を持ちます。
 こうした中で、都は、これまでの下請支援に加え、価格転嫁の拒否等に関する相談受け付けを昨年十月から開始しております。新年度も、この消費税の価格転嫁問題を含め、下請企業への支援を充実していくべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、多摩地域の産業振興について伺います。
 先月の二十七日、二十八日に、昭島市の都立多摩職業能力開発センターで開催されたたま工業交流展では、出展企業の技術力の高さに感心させられるとともに、自社製品に自信を持っている経営者の頼もしさを実感してまいりました。そして、この高い技術力を収益性の高さへと結びつけていく重要性を強く感じました。
 多摩地域には、すぐれた技術を持つ中小企業や研究機関が数多く立地するなど、高いポテンシャルを持つ産業が集積しております。将来にわたり多摩の産業を活性化していくためには、こうした集積のメリットを生かした成長の機会を確実につかめるよう、行政がその仕組みづくりを積極的に進めていくべきと考えます。
 多摩地域では、これまでも中小企業同士の連携や産学連携が活発に行われてきましたが、これをさらに進め、大手企業や大学、研究機関と中小企業との交流や連携を一層ふやしていけば、新たな技術や製品が数多く創出され、大きく発展していくものと考えますが、都の取り組みを伺います。
 次に、女性の活躍推進について伺います。
 我が都議会自民党は、東京が世界で一番女性が輝く都市となることを目指し、ソフト、ハードの両面において、女性が活躍しやすい環境を整備することを提言しております。
 都はこれまで、ワークライフバランスの推進により、男女が働きやすい環境づくりの取り組みを進めてまいりましたが、企業、地域活動など、社会のあらゆるところで女性の力が発揮され、生き生きと活躍するためには、社会全体で機運を盛り上げ、行動を起こすことが必要です。
 そこで、女性の活躍推進の機運醸成に向けた都の具体的な取り組みについて伺います。
 次に、女性の起業に向けた取り組みを伺います。
 女性ならではの感性や視点を生かした女性の起業は、従来なかった商品やサービスを市場に提供できる可能性を秘めており、また、みずから働き方を決めることができるという点で、子育て中など時間に制約がある女性が力を発揮するのに大変有効であると考えます。
 一方で、女性の起業家は男性に比べて人的ネットワークを形成する機会が少ないといわれています。女性起業家のために、情報提供、相談、助言を与えてくれる、交流をサポートする場が必要と考えますが、都の取り組みについて伺います。
 次に、子供の安全対策について伺います。
 公園で子供服のフードが遊具にひっかかり、首が絞まったり、ベランダの室外機を踏み台にして手すりから転落したり、風呂場でれたりなど、身の回りで子供の思いがけない事故が発生しています。
 東京消防庁のデータによりますと、平成二十四年には日常生活の事故で八千八百四十人もの乳幼児が救急搬送され、過去五年間で最も多くなっております。
 こうした中で、都は東京都商品等安全対策協議会において、子供の事故防止対策の検討を進めてきましたが、今年度は、乳児の死亡事故が発生しているブラインド等のひもの安全対策を取り上げ、このたび具体的な対策を盛り込んだ提言を取りまとめたと聞いています。
 都は、協議会の提言を具体化するため、国や事業者団体にしっかりと働きかけ、実効ある安全対策が実現されるよう取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 また、我が党は、昨年末の第四回定例会の一般質問で、子供の事故防止に向けた消費者教育において、安全に配慮した商品の普及につながるような、さらに一歩進んだ安全対策への取り組みの必要性について提案しました。
 都からは、事業者団体等に呼びかけ、消費者が安全に配慮した商品に直接触れて実感できる機会を提供するなど、新たな啓発活動に取り組んでいくとの答弁がありました。
 子供の不測の事故を未然に防止するためには、保護者が安全性の高い商品を選択することが重要であることはいうまでもありません。一方、事業者にとっても、事故防止効果の高い商品を開発、販売することは、国際競争力の強化にもつながるものと考えます。
 都は、新たな啓発活動について、具体的にどのような形で行っていくのか。また、実施に当たっては、消費者教育の視点にとどまらず、企業の支援にもつながるような内容とすべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、多摩地域の水環境の向上に向けた取り組みについて伺います。
 先日、地元昭島の多摩川上流水再生センターを視察してきました。下水道処理施設は、ともすれば迷惑施設と受けとめられがちですが、当センターは近隣住民の声をしっかりと受けとめ、環境保全に積極的に取り組むなど、地域から高く評価されております。
 今後とも、地域に受け入れられる努力を続けていくことを要望します。
 その多摩上流水再生センターで処理された水のほとんどは多摩川に放流されていますが、多摩川は東京を代表する河川であり、四季折々の自然が楽しめる貴重な水辺となっています。多摩川の魅力を一層向上させるためには、水環境の向上に向けた下水道への取り組みは重要です。
 さらに良好な水環境を形成していく上で、東京湾の赤潮発生の要因となる窒素やリンの削減が課題であると聞いています。流域下水道では、窒素やリンを削減するために、各水再生センターに高度処理の導入を進めていますが、その導入状況について伺います。
 A2O法と呼ばれる、バクテリアを嫌気槽、無酸素槽、好気槽の三槽で使用する高度処理によって、水質が大きく改善される一方で、特に好気槽において大量の電力が消費されると聞いています。
 水質改善への努力を継続していくことは大変重要なことですが、昨今のエネルギー価格の上昇を背景に、水質改善と省エネルギー化の両立を推進する必要があると考えますが、その取り組みについて伺います。
 次に、外国人観光客の誘致について伺います。
 我が国を訪れる外国人旅行者にとっての悩みの一つに、コミュニケーションの問題があります。旅の拠点である宿泊施設では、特に日常のやりとりに日本語しか使えなければ、旅行者は大変な不便を感じることになります。
 京都では、宿泊施設での従業員と外国人旅行者との会話を、電話でオペレーターが通訳してくれるサービスを実施しています。旅行者の満足度を高めるよい取り組みだと思います。東京においてもこうした取り組みを検討し、宿泊施設での外国語対応をスムーズに行える環境を整えるべきと考えますが、所見を伺います。
 知事は、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、東京を訪れる外国人が町なかで困ったときなど、片言でいいから英語で話しかけてあげられるよう、高齢者などによる外国人おもてなし語学ボランティアの育成を提案しています。この取り組みは、外国人観光客へのおもてなしはもちろん、多くの都民が参加することで、多摩を含めた東京全体でオリンピックを盛り上げるという効果もあると考えます。私の地元昭島でも、何らかの形でオリンピックに参加したいといった声をたくさん聞いています。
 この語学ボランティアの育成の意義について、知事に伺います。
 また、都内各地でボランティアを育成していくためには、市区町村を初めとする団体と協力して事業を進めていく必要があります。
 そこで、開催までの限られた時間の中で、多くの外国人おもてなし語学ボランティアを育成するための課題と具体的な取り組みについて伺います。
 最後に、MICE誘致について伺います。
 国際会議を初めとするMICEは、一度に多くの外国人旅行客の来訪が見込まれ、大きな経済波及効果や、都市の国際的な存在感の向上にもつながることから、世界の諸都市が積極的に誘致に取り組んでおります。シンガポールなどでは、観光地として人気のあるテーマパークや博物館など、MICE会場としては特別感のある施設をレセプション等に活用し、参加者に都市の魅力を訴え、誘致競争力の向上を図っています。
 都も、東京ならではの観光資源を有効に活用し、MICE誘致につなげるべきと考えますが、見解を伺います。
 以上で私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 神野次郎議員の質問にお答えいたします。
 おもてなし語学ボランティアについてでありますが、私が考える史上最高のオリンピック・パラリンピックとは、世界中から訪れる外国人に、東京を挙げて最高のおもてなしをすることであります。
 先日、ソチ・オリンピックを視察いたしましたけれども、競技会場では語学ボランティアのおかげで英語は通じますけれども、市内ではロシア語しか通じず、外国人が本当に困っている状況を多く目にしました。外国語によるコミュニケーションの重要性とボランティアのありがたさを、改めて痛感した次第であります。
 そのため、二〇二〇年の東京大会に向けまして、東京の至るところで都民が外国人と簡単な英語でコミュニケーションを図れるよう、外国人おもてなし語学ボランティアを育成することにしました。町なかで電車の乗りかえや食事など、生活習慣の違いに戸惑う外国人に日本人が英語で声をかけてあげれば、高いホスピタリティーを感じるとともに、言葉による心理的バリアの解消となると思います。
 その担い手として、意欲と時間のある高齢者にぜひ参加をお願いしたいと思います。このことは、高齢者のおもてなしの心が生かされるだけでなく、高齢者自身にとっての生きがいにもつながると思います。
 先ほど、多くの多摩地域の方々から、何らかの形でオリンピックに参加したいと、そういう声が上がっているということの、昭島の例を挙げておっしゃいました。多摩地域でも多くの皆さんにぜひ取り組みに参加してもらえるよう、幅広く働きかけを行っていきたいと思いますし、ぜひ神野次郎議員にもご協力をお願いしたいと思います。
 今後、短期間で効果的に外国人おもてなし語学ボランティアの育成を進めるため、都がリーダーシップを発揮し、市区町村や語学学校などの協力も仰ぎながら、東京の総力を挙げましてその育成に取り組んでまいります。
 その他の質問につきましては、関係局長が答弁いたします。
   〔産業労働局長塚田祐次君登壇〕

〇産業労働局長(塚田祐次君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、中小企業の資金調達の多様化についてでありますが、中小企業の資金繰り支援に当たっては、事業者がそれぞれの実情に応じて円滑に資金を調達できるよう、幅広い選択肢を提供する必要があります。
 このため、都の制度融資では、日々の運転資金や経営改善、設備投資など中小企業の多様な資金ニーズに応える融資メニューを、無担保で八千万円、不動産担保を含めれば二億八千万円まで提供しております。また、個人保証によらない融資については、経営者保証に関するガイドラインに対応した保証制度の活用を促してまいります。
 加えて、都独自の動産・債権担保融資制度を創設し、企業が保有する工作機械、在庫などの動産や売掛債権を担保として活用することにより、都内中小企業の資金調達の多様化に積極的に取り組んでまいります。
 次に、下請企業への支援についてでありますが、厳しい経営環境にある中小企業にとって、消費税の転嫁拒否などの不適正な取引や受注の減少は、経営に多大な影響を及ぼす切実な問題であります。
 そのため、都は、中小企業振興公社において、転嫁拒否等に関する相談や下請法等の普及啓発を行うとともに、商談会の開催等による取引の活性化に取り組んでおります。
 来年度は、価格転嫁対策を一層きめ細かく実施できるよう、弁護士相談の体制を強化するとともに、企業を巡回し普及啓発を行う相談員を、区部、多摩でそれぞれ増員いたします。また、下請企業の受注機会を確保するため、業種別の商談会を新たに開催するなど、支援規模を拡大いたします。
 こうした取り組みにより、下請取引の一層の適正化を図り、都内中小企業の経営の安定化につなげてまいります。
 次に、多摩地域の産業振興についてでありますが、多摩地域には高度な技術を持つ中小企業や大学、研究機関が数多くあり、これら多様な主体の連携を活発にし、革新的な製品や新事業を生み出すことは、多摩地域の産業を活性化していく上で重要であります。
 このため、都は来年度より、多摩地域における産学公金のネットワークを強化し、医療や環境など成長分野における中小企業の参入や新事業創出を促進するため、広域多摩イノベーションプラットフォーム事業を開始いたします。
 具体的には、企業OBなどのネットワークを活用し、大手企業や大学、研究機関の開発ニーズを幅広く集め、中小企業とのマッチングをきめ細かく行うとともに、共同開発プロジェクトの立ち上げから事業化までを総合的に支援いたします。
 こうした取り組みを通じて、多摩地域の産業振興を着実に進めてまいります。
 次に、宿泊施設での外国語対応の促進についてでありますが、宿泊施設における外国人旅行者の満足度を高めるためには、旅行者の日常的な疑問や質問にスムーズに外国語で対応できる体制を整えることが必要であります。
 これまで都は、宿泊施設の従業員に対する語学研修を支援するなど、旅行者の利便性向上につながる取り組みを行ってまいりました。
 お話の旅行者と従業員のコミュニケーションをサポートする仕組みについては、先行事例を調査し、旅行者の満足度を高める方策を検討してまいります。
 最後に、MICE誘致についてでありますが、都市の魅力的な観光資源をMICE開催に活用することは、他都市との差別化を図り、誘致を優位に進める有効な手段であります。海外では、本来MICE施設ではない歴史的建造物や文化施設などをレセプション等の会場として使用する、いわゆるユニークベニューの手法を取り入れ、開催地としての魅力の向上につなげております。
 都は来年度、国際会議等の主催者に対し、こうした施設の利用に必要な情報、ノウハウの提供や、会場設営費の支援を行うことで、ユニークベニューの活用を促進いたします。
 こうした取り組みにより、東京の持つ資源を最大限に生かして、都市としての魅力を発信し、MICE誘致を推進してまいります。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

〇生活文化局長(小林清君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、女性の活躍推進の機運醸成についてであります。
 都はこれまで、各局の連携のもと、子育て環境の整備、企業への支援、普及啓発等、仕事と家庭、地域生活の調和の推進に取り組んでまいりました。
 今後は、普及啓発から一歩踏み込み、これまで培った経済、地域、教育等の団体とのネットワークを生かして、より多くの主体が女性の登用や就業継続などの具体的行動を起こすことが重要であると考えております。
 このため、新たに東京都女性活躍推進会議を設置し、東京都商工会議所連合会や東京経営者協会を初めとする事業者団体等と連携協力し、経営トップ層に直接働きかけるなど、共同プロジェクトを推進してまいります。
 さらに、各界での先進的な取り組みに対しまして、東京都知事賞を贈呈するなど、社会全体で女性の活躍推進に向けた機運を一層高めてまいります。
 次に、女性の起業に向けた取り組みについてでありますが、結婚、出産などさまざまなライフイベントを抱える女性にとって、みずからが就業スタイルを決定できる起業は、女性の活力や柔軟な発想を生かせるものと認識をしております。経済産業省が実施した女性起業家実態調査によりますと、起業を目指す女性の多くは、専門家による助言や指導、同じような経営者等との交流の場の提供などの支援を求めております。
 このことから、都は、来年度新たに表参道の東京ウィメンズプラザで、渋谷ならではの成長業種であるデザインに着目し、起業を目指す女性に向け、地域特性を生かした起業女子全力応援交流会を開催いたします。
 具体的には、目ききのできる講師陣による、より実践的な起業に向けた連続ワークショップを開催するとともに、交流会を通じた人的ネットワークの形成を支援してまいります。
 次に、ブラインド等のひもの安全対策についてでございます。
 東京都商品等安全対策協議会では、事故の実態調査や再現実験を行い、本年二月に最終提言を取りまとめたところでございます。提言では、JIS規格化を視野に入れた安全基準づくりを初め、事故原因のひもがなくてもブラインドを上下できる、より安全性の高い商品開発や普及、消費者の安全意識の向上等を求めております。
 この提言を受け、都が直ちに国や事業者団体に要望を行ったことで、国は来年度からJIS化の検討に着手をすることとなりました。また、事業者団体も、安全性の高い商品の開発等に向けて取り組みを進めております。
 都も、国や事業者団体と共同して、ブラインドのひもの危険性や安全対策に対するリーフレットを十万部作成し、今月から保護者に情報が直接届くよう、都内の保育所、幼稚園、保健所等への配布を開始したところでございます。あわせて、今月号の「広報東京都」を初め、東京都提供番組など、さまざまな広報媒体を通じて、広く消費者への注意喚起を行ってまいります。
 次に、安全に配慮した商品の普及についてでございます。
 保護者が子供の安全に配慮した商品を選択するよう促すためには、直接商品に触れて、みずから安全性を実感できる機会を提供することが有効であります。
 そのため、都は事業者団体と連携して、新たに安全に配慮した商品見本市を開催し、商品安全をテーマとしたセミナーや事業者によるプレゼンテーションを通じて、保護者が商品の安全性を実感できる体験型の啓発を行ってまいります。
 あわせて、都内には高い技術力を持ち、安全に配慮した商品の開発に熱心な企業が多いことから、中小企業への技術支援を行っている都立産業技術研究センターとも連携し、商品開発セミナーや企業間交流など、企業の動機づけにつながる取り組みも実施してまいります。
 最後に、外国人おもてなし語学ボランティアを育成するための課題と具体的な取り組みについてでございます。
 都内全域で外国人おもてなし語学ボランティアを育成するためには、都民が参加しやすく、短期間で効果的に英語を身につける方法を検討する必要がございます。
 そのため、来年度の取り組みとして、育成方法やカリキュラムについて語学学校から意見を聞くとともに、育成には地域の協力が不可欠であることから、ボランティアや国際交流に取り組む市区町村との意見交換などを行ってまいります。あわせて、これまでのオリンピック開催都市や外国人に人気の高い観光地など、国内外における語学ボランティアの育成や活用状況等についても調査を行ってまいります。
 これらを踏まえ、ボランティア育成の推進体制、カリキュラムなど具体策を早期に取りまとめてまいります。
 また、多摩地域を初め、多くの都民に参加していただけるよう、ボランティアの機運醸成に向けシンポジウムを実施してまいります。
   〔下水道局長松浦將行君登壇〕

〇下水道局長(松浦將行君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、流域下水道における高度処理の導入状況についてでございますが、現在、下水処理水が多摩川中流部の河川水量の約半分を占めており、処理水の水質を向上させることは、水環境の改善に大きな効果があります。流域下水道では、多摩地域の水環境の一層の向上や、東京湾の富栄養化の防止を図るため、平成十二年度から、各水再生センターに窒素とリンをより多く除去する高度処理の導入を、順次進めております。
 平成十六年度には、流域下水道の全ての水再生センターにおいて高度処理が可能となり、二十四年度末には、一日当たりの処理能力七十一万立方メートルの高度処理施設が稼働し、全体の処理能力に占める高度処理の割合は約五割となっております。
 次に、水質改善と省エネルギー化についてでございますが、高度処理は水質改善が図れる反面、標準的な処理法に比べ電力使用量が多いという課題があります。
 このため、高度処理に比べ窒素とリンの除去率が若干低いものの、電力使用量をふやすことなく水質改善を図ることができる準高度処理もあわせて導入し、平成三十年度までに高度処理と準高度処理の割合を七割程度まで向上させることとしております。
 また、高度処理などを進めるに当たりましては、省エネ機器の導入を図るとともに、運転管理の面でも、処理水質と使用エネルギー量の二つの指標を用いて管理する二軸管理手法を活用し、水質改善と省エネルギー化の両立に取り組んでまいります。
 今後とも、一層の省エネルギー化を推進し、水環境の向上と環境負荷の少ない都市の実現に貢献してまいります。

〇議長(吉野利明君) 五十番野上ゆきえさん
   〔五十番野上ゆきえ君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

〇五十番(野上ゆきえ君) まず初めに、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会について伺います。
 高度経済成長と国際社会への復帰の幕あけとなった東京開催第一回目の一九六四年大会に対し、二回目となる二〇二〇年の大会は、六十五歳以上の人口が約三割となり、その半数が七十五歳以上となっている低成長と超高齢化社会の中での開催となります。開発と発展により便利で快適な都市から、有限な環境を持続的に維持していく成熟都市東京を示すことが求められています。
 現在、世界の多くの都市では、この持続的環境の維持と地域活性化に向けたさまざまな取り組みが行われています。都市ごとに取り組みは異なるものの、共通した課題は、二十世紀の負の遺産を解消し、新しい環境インフラをつくることにあります。
 例えば、アメリカの古都ボストンでは、高速道路を地下化し、歴史的環境と高度な都市機能が共存する町を回復する事業が行われました。スペインのバスク地方のビルバオでも、グッゲンハイム美術館の誘致を行い、新旧市街地を新共通システムで結び、河川沿いに文化と緑のプロムナードを整備いたしました。文化による都市再生です。
 東日本大震災から十年目の節目の年に開催となる二〇二〇年東京大会を、一過性の景気浮揚に終わらせてはなりません。
 そこで、大会開催に向けて、オリンピック憲章にもある持続可能性の構築についてどのように進めていかれるのか、知事の所見を伺います。
 さて、昨年、三重県伊勢神宮では、約一千三百年にわたって続いてきた式年遷宮が行われました。社殿を建てかえ、古くなった社殿の木材は全国の神社で再び利用されるという、究極のサステーナブルの儀式でありました。伝統的な信仰や文化、建物などが世代を引き継ぐ温故知新、不易流行のあり方は、日本人独特の文化を象徴したものであります。
 東京にも、多摩産材や木場の貯木場、そして神社仏閣、みこしなど、昔ながらの木の文化が根づいております。
 安倍総理大臣は、さきの衆議院予算委員会で、二〇二〇年大会整備について、長野オリンピックのエムウエーブのように、施設の整備では木材利用の促進に取り組むよう、国、都など関係部局に指示したいと述べております。
 大会整備に当たっては、日本文化、持続可能性という観点からも、国内外の木材、多摩産材などを率先して利用することが期待されているところですが、都の見解を伺います。
 二〇二〇年大会開催は、関係者のみならず多くの観光客が東京を訪れ、東京を舞台としたさまざまな人の交流が期待されます。しかし、東京の玄関口ともいえる空港インフラは脆弱であり、羽田、成田の二つの空港だけでの受け入れは心もとない状況です。
 一方で、多摩の横田基地には三千メートルを超える滑走路という貴重なインフラがあります。大会開催時にも、東京への訪問者の受け入れに活用ができるのではないかと期待するものです。
 一九九九年、当時の石原知事は、横田基地の返還と軍民共用化実現に向け、横田基地の民間利用を考える会を設置し、約三年間にわたり議論がなされました。二〇〇二年、サッカーワールドカップ日韓共同開催時には、横田基地の活用を進める動きがあったものの、残念ながら実現には至りませんでした。
 横田基地の民間活用化を進めることは、三多摩地域の物流と人的交流の起点となり、高度技術を持つ企業や製造業のビジネスチャンスを広げる鍵となります。都は、国への働きかけとともに、地元自治体に地域振興の具体案を示すなど、共用化実現への糸口を探りつつ、粘り強く取り組みを進めていただきたいところです。
 そこで、二〇二〇年東京大会開催時における横田基地の活用についての知事の見解を伺います。
 大会開催後も、将来にわたり東京が活力を維持していくためには、少子化を打破する取り組みの推進、若者や女性の就業支援、高齢者が多様な形で働き、さまざまな活動へ参画できる仕組みづくりが必要です。成熟と混沌が混在する二十一世紀に達成すべき目標とビジョン、それを明示し、都民と共有していくことが求められています。
 これまで都は、長期計画として、鈴木知事のマイタウン東京、青島知事の生活都市東京構想、石原知事の東京構想二〇〇〇を策定してきました。区市町村における長期総合計画策定においては、多様化する市民ニーズに対応し、協働を推進する観点から、住民アンケートや審議会の設置、パブリックコメント制度等を活用し、さまざまな市民から広く声を取り入れる工夫がなされています。さらには、長期構想のみならず、長期総合計画をも議会議決している自治体も見られます。
 舛添知事は、施政方針表明で、新たなビジョンの策定を明らかにしておりますが、計画の実現性を担保する上でも、人口推計や健全財政を維持するための財政推計を盛り込んだ計画の策定が求められていると考えます。知事の所見を伺います。
 次に、環境エネルギー政策について伺います。
 昨年九月、気候変動に関する政府間パネルによる第五次評価報告書の発表に続き、今月下旬にはIPCCの総会が横浜で開催され、気候変動の影響等に関する報告が出される予定になっております。気候変動に関する新たな知見が明らかにされるに従い、温室効果ガスであるCO2の削減につながる省エネルギー対策は重要性を増してきております。
 都市には世界人口の約半数が居住し、都市活動に伴い、大量のエネルギーが消費されていることから、私は、国家レベルでの対応に加え、都市レベルでの取り組みがますます重要になってきていると考えます。
 都は、二〇一〇年度から都内においてCO2排出量の多いオフィスビルなどの業務系施設を主な対象とする都市型キャップ・アンド・トレード制度を、世界に先駆けてスタートしております。本制度は、対象事業所としても最も多いテナントビルでの対策について、テナントにもオーナーと協力をして省エネに取り組むよう、努力義務を課しております。こうした仕組みがあったからこそ、震災後の電力不足の際にも節電対策が円滑に進んだとも聞いております。
 そこで、本制度におけるテナントビル対策の具体的な成果を伺うとともに、今後どのような取り組みを進めていくのか、都の見解を伺います。
 知事はかねがね、節電、省エネに取り組むべきことの大切さや、再生可能エネルギー導入拡大の必要性について、発言をされています。
 こうした取り組みが重要なことは十分に理解をいたしますが、他県に電力供給を大きく依存している東京です。これらの取り組みに加え、私は、あらゆる主体においてピーク時間帯の電力需要を効果的に調整するエネルギーマネジメントを推進し、エネルギー利用の効率化を実現することが重要であると考えます。
 その一つのツールとして、デマンドレスポンスの推進も重要です。電力需要が集中する時間帯に経済的インセンティブを課し、電力の需要を調整するデマンドレスポンスの活用は、ピーク時間帯の電力需要の円滑な調整が可能となり、発電容量を合理的な規模に維持し、電力の安定供給にも寄与します。
 先週公表されたエネルギー基本計画の政府案の中でも、アグリゲーターを介したネガワット取引などを通じて仕組みの確立に取り組んでいくべきとしています。
 こうした中、今年度、都は、自社ビルと異なり入居者の意向がさまざまで、省エネになかなか取り組みにくいテナントビルにおけるデマンドレスポンス実証事業を行っておりますが、実証事業の結果と、今後その結果をどのように活用していくのか、都の見解を伺います。
 次に、地方分権について伺います。
 昨年十二月の与党税制改正大綱では、法人事業税の暫定措置について、消費税を含む税制の抜本的改革までの措置という約束で、当然、今回の消費税率の引き上げにあわせて撤廃されるべきであったにもかかわらず、地方税への復元が一部にとどまってしまいました。また、法人住民税の一部をも国税化し、地方交付税原資としたことは、拡充すべき自主財源である地方税を縮小することになり、地方分権の流れに逆らうものとなっており、大変残念なことです。
 翻って、特別区との関係はどうでしょうか。国と地方自治体の間では、財政調整制度として地方交付税制度が設けられておりますが、都と二十三区特別区にも同じような都区財政調整制度があります。ほかの道府県では、市町村税である法人住民税が都税となっていることで、二十三区の産業政策を主体的に展開することに限界があること、二十三区が基礎自治体としての機能を十分果たせないことなど、課題が存在しております。
 例えば、固定資産税です。課税の過程で、実際に土地、建物、機械、設備を見て評価しているのは、特別区では都税事務所の都庁の職員です。そのデータは都が管理しております。大災害が万が一、二十三区を襲ったときには、二十三区が罹災証明の発行を行いますが、その正確性を期すためには、都からのデータ提供が望まれ、別途準備や手続が必要となり、災害時の迅速な対応に支障を来すおそれも指摘されているところです。
 知事は、中央集権から分権型社会に進めるべきと発言をされております。今後、国から都への財源、権限移譲を進めていただくことを期待するとともに、都区制度改革を初め、都から区市町村への、都の分権を進めていただくことも必要であると考えます。
 都民の立場に立った分権や都区制度改革が一層求められると考えられますが、都の区市町村への地方分権について、知事の所見をお伺いいたします。
 最後に、行政経営改革について伺います。
 都はこれまで、職員定数や給与体系の見直し、監理団体など、外郭団体のあり方や事業評価のシステム構築など、行政のあり方を不断に見直し、改革に取り組んでまいりました。その歴史を振り返ると、鈴木知事の三次にわたる行政改革と退任まで四年間の不断の行政改革、青島知事による行政改革大綱等の行政プランによる行政改革、石原知事時代には危機突破のための行政改革として、第一次、第二次、都庁改革アクションプランと続き、平成十八年には行財政実行プログラムが策定され、三カ年にわたって実行されております。
 都では、新知事就任に当たり、新事業を立ち上げる前段階の露払いとして行政改革プランを策定するということが、半ば慣習として行われておりますが、平成十八年策定の行財政プログラム終了後、新たな大綱は現在、策定、更新されていない状況です。
 一方、包括外部監査では、都政において、合理的な理由がない特命随意契約が毎年指摘されており、新しい改革への取り組みが待たれる事例なども報告をされております。行政機関の簡素化、合理化を目指すのみならず、地域の主体と都庁とが協働して、いかに公共空間を確保していくかということも必要です。
 職員の意識や組織文化の改革を行い、都庁が税金を付加価値の高いサービスに還元できるよう、そして変換できるように、ガバナンスの機能をより強化していくことが必要であると考えます。
 舛添知事は、公約集、東京世界一実行宣言の中で、都庁一丸となった行政の無駄排除を実行するとしております。
 そこで、その工程を見える化するためにも、新たな舛添行革改革大綱を策定することが必要であると考えますが、知事の行政経営改革についての見解を伺い、私からの質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 野上ゆきえ議員の質問にお答えいたします。
 まず、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた持続可能性の構築についてでございますが、オリンピック憲章においては、大会開催について持続可能な開発を促進することが掲げられております。したがって、二〇二〇年大会の開催につきましても、環境への取り組みが求められております。
 そのため、立候補ファイルに掲げました環境を優先するという理念に基づきまして、再生可能エネルギーの積極的な導入や、選手村や会場への輸送手段としての電気自動車や燃料電池バスの活用などを考えております。
 このような取り組みを通じまして、オリンピック・パラリンピックの持つ強力な発信力により、我が国の環境への先進的な取り組みを世界にアピールし、持続可能な社会づくりに貢献していく所存であります。
 続きまして、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック開催時の横田基地の活用についてご質問がございました。
 東京大会開催により、海外からの来訪者の増加が見込まれます。多摩にとっても、世界中の人々が訪れる機会となります。
 横田基地の民間航空利用は、首都圏の空港容量を拡大させます。同時に、多摩を初め、首都圏西部地域住民にとってメリットをもたらし、地域の活性化にもつながるものであります。
 しかし、この問題は、我が国の外交、安全保障にかかわるものであり、都としても、これまでさまざまな取り組みを行ってまいりましたが、国との連携なしには進展が難しいと思います。
 地元の声も聞きながら、国とともに知恵を絞り、取り組んでまいりたいと思います。
 続きまして、新たなビジョンの策定についてでありますが、私は選挙を通じて、東京を世界一の都市にすることを都民に訴え、知事となりました。都民の負託に応えていくため、東京が直面する課題に真摯に対峙し、まずは現場をこの目で見て問題を見出しながら、個々の政策形成を行っていきたいと思っております。
 ビジョンの策定に当たりましては、少子高齢、人口減少社会の到来など、社会経済状況の変化を見据えながら、解決への道筋を示してまいります。都議会の皆様とも議論を積み重ね、多くの方々の意見を幅広く聞きながら、東京の将来像を描いていきたいと思います。
 次に、都から区市町村への地方分権についてでございます。
 東京を世界一の都市にするためには、都と区市町村が連携を密にしながら、地域が抱える問題にきめ細やかに対応していくことで、東京の魅力をさらに高めていくことが重要だと考えております。
 そのためには、大都市東京の実態や地域特性などを十分に踏まえ、住民に身近なサービスを提供する区市町村と広域的な行政課題に対応する都が、適切に役割を分担していくことが求められております。
 こうした観点から、都はこれまでの平成十二年の都区制度改革により、清掃事業など、特別区に移管するとともに、八王子市や町田市に保健所の事務を移譲してまいりました。そのほかにも、区市町村との協議に基づき、住民に身近な事務の移譲を進めてまいりました。
 今後とも、首都東京を支える重要なパートナーである区市町村と緊密な協議のもとに、基礎自治体が担うにふさわしい事務について、分権の推進に努めてまいります。
 次に、行政経営改革についてでございます。この点のご質問をいただきましてありがとうございました。これまでこの点の議論をやる機会が余りありませんでしたので、いい質問を感謝申し上げます。
 行政は机上の空論であってはならず、さまざまな施策を具体的な成果に結びつけていくリアリズムと実行力が不可欠であります。
 都政運営におきましては、無駄を省き、財源や人材など限られた経営資源を最大限に活用した実効性の高いマネジメントが求められております。
 そのためには、個々の事務事業につきまして、立案から執行、成果の検証、必要な見直しというマネジメントサイクルを通じまして、改革、改善を着実に繰り返すことが重要だと思います。
 都はこれまで、事務事業の抜本的見直し、職員定数の大幅な削減、人事給与制度改革などにより、財政の健全性を取り戻してまいりました。さらに毎年度、事業評価や包括外部監査などの自己改革の取り組みを通じ、個々の事業を丹念に検証し、着実に成果を上げております。
 こうした地に足のついた取り組みの積み重ねにより、問題の本質に迫り、新たな発想や付加価値の源泉としていくことが重要だと考えております。
 今後は、私みずから実際に現場をつぶさに見て、さまざまな声に耳を傾け、都政の現状を見きわめた上で、しかるべき改革の方向を示したいと思っております。
 その他の質問につきましては、関係局長に答弁させます。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長中嶋正宏君登壇〕

〇オリンピック・パラリンピック準備局長(中嶋正宏君) オリンピック・パラリンピックにおける木材の利用についてでございますが、施設整備における木材の利用は、日本の伝統文化を反映するとともに、森林の健全な循環を促し、環境の保全に寄与するものでございます。
 都としても、東京都公共建築物等における多摩産材利用推進方針を策定いたしまして、多摩産材の流通や利用拡大などを進めており、これまでに豊洲護岸歩道や産業技術研究センターなどの施設において、多摩産材を使用しております。
 今後、施設の設計等を進める中で、コストや耐久性なども考慮し、広く施設整備における木材の利用について検討してまいります。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

〇環境局長(長谷川明君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、キャップ・アンド・トレード制度におけるテナントビルの省エネ対策についてでございます。
 本制度の対象事業者には大規模なテナントビルが多く、対策にはビルオーナーとテナント事業者の協力が不可欠でございます。そこで、制度構築に当たり、大規模なテナント事業者に対しオーナーへの協力を義務づけております。
 制度開始後、オーナーが設置する省エネ協議会に参加するテナントは九割に上り、また快適性を向上させながら省エネを実現するすぐれた取り組みもあらわれております。この結果、テナント専用部のCO2排出量は、平均で約二割削減されております。
 今後、都は、こうしたすぐれた取り組み事例を広く紹介するとともに、テナント向けの省エネ対策を示した自己点検表の活用を促すなどにより、大規模テナントビルの省エネ対策を着実に進めてまいります。
 次に、デマンドレスポンスの実証事業についてでございます。
 東京に数多くあるテナントビルへのデマンドレスポンスの普及は、使用電力の抑制や電力系統に対する負荷の平準化の観点から重要であります。
 都は今年度、都市開発事業者の協力を得て実証事業を行っており、その結果、夏季のピーク電力を平均一割程度削減できるなどの成果が見られております。
 一方で、テナントビルにデマンドレスポンスを導入するに当たっては、ビルオーナーとテナント間の電力調整に対する合意形成の円滑化などの課題がございます。
 今後は、冬季における検証の結果も踏まえ、ビルオーナーとテナント間の具体的な実施手順など事業モデルを構築し、効果や事業モデルを広く発信することで、デマンドレスポンスの適用事例を拡大してまいります。

〇副議長(藤井一君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時十三分休憩

   午後三時三十分開議

〇副議長(藤井一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 百番中村ひろし君
   〔百番中村ひろし君登壇〕

〇百番(中村ひろし君) 初めに、舛添知事の就任に当たり、都政に臨む姿勢について伺います。
 知事は施政方針で、世界一の都市東京を目指すと述べられました。ぜひ、都民の皆様が暮らしの中で実感できるよう取り組んでいただきたいと思います。
 東京都は人口が大きく予算も大きいのですが、保育園の待機児童の問題のように都市ならではの課題もあるため、一人当たりにすると本当に十分なサービスが受けられているかはしっかりと検証しなければなりません。景気に明るい兆しが見えたという報道はありますが、まだ実感が持てないという声を多く聞きます。国全体の数値や平均値だけで見るのではなく、都民の暮らしについて、ぜひ現場に足を運び、耳を傾けていただきたいと思います。
 また、選挙で選ばれた知事と議員の議論を活発に行うことが大切です。記者会見で行われるような活発な発言をぜひ議会でも展開していただきたいと思いますので、積極的な答弁を期待します。
 また、これまでは、副知事や主要局長などによる政策会議は、週一回と規則で決まっていても、行われていないという話も聞きます。知事がスピードを持って決められることも大切ですが、大事なことは議論して決めることも必要です。
 また、職員の力を引き出すという点では、幅広い人材の活用、とりわけ女性の登用も期待がされています。
 以上述べましたが、都知事の都政に臨む政治姿勢について伺います。
 次に、多摩地域の振興について伺います。
 多摩地域は、高度経済成長期の東京都の発展を支えてきた地域であり、かつては社会インフラの整備などにおける区部との格差が大きな課題でした。将来の多摩を見据えると、人口の都心回帰や産業の空洞化、高齢化率の上昇など、厳しい状況が想定されており、こうした状況に対応するため、都だけではなく、市町村や民間企業などとも連携して対応する必要があります。
 しかし、その担い手となる市町村は、高齢化による扶助費の増大などにより、財政的に厳しい状況になると見込まれています。都はこれまで、市町村に対するさまざまな補助金を設けてきましたが、市町村からは制度が使いにくいとの声も聞きます。補助金の仕組みを市町村が使いやすいものに改善するよう強く求めておきます。
 さて、今後の厳しい状況変化が見込まれる中で、多摩地域をいかに活性化させていくのかが課題です。
 知事は、多摩・島しょ地域の振興を担当する副知事の選任や、新たな多摩のビジョン行動戦略を策定するとしていますが、こうした取り組みがしっかりと実を結ぶよう、積極的に取り組んでもらいたいと思います。
 都は、今後の多摩地域の振興をどのように推進をしていくのか、所見を伺います。
 近年、都内において大規模事業所の撤退が相次いでいます。私の地元三鷹市においても、戦前から多くの製造業が立地をしていましたが、厳しい操業環境の中、その数は年々少なくなり、平成に入ってからの約二十年間で半分以下まで減少しています。
 また、以前から三鷹を本拠としてきた規模の大きな事業所が全面撤退を発表しており、こうした影響からも地域の中小製造業の集積が崩れてしまうことが強く懸念され、たびたび議会の質問などを通じて対応を求めてきました。
 東京のものづくり産業が空洞化することなく、将来に向けて確実に発展していくためには、中小製造業が都内で操業を続けられるような支援を行い、地域における産業の集積を守っていくことが必要であると考えます。
 都は、産業空洞化への対策として、中小製造業の都内での立地継続に向けてどのように対応していくのか伺います。
 次に、少子高齢化社会への対応について伺います。
 知事は施政方針で、政治は強い者のためでなく弱い者のためにあると述べられましたが、私も同感です。特別養護老人ホームの定員をふやすと述べていますので、ぜひ進めていただきたいと思います。
 ただ、施設がふえると運営は市区町村の介護保険になり、住民の保険料が上がるため、その合意も必要です。待機者が減るように、さらに施設の整備を進めていただきたいのですが、施設と同時に地域で支え合う社会を構築していくことも重要です。
 先般、知事の諮問機関で、私も議会選出の委員を務めています東京都社会福祉審議会が知事宛てに、二〇二五年以降を見据えた施策の方向性、東京における地域包括ケアシステムの構築についてとの意見具申をしました。施政方針では、地域全体が介護施設のようにと述べていましたが、意見具申で提案した支援つき地域というものに近いとも思います。
 しかし、地域での支え合いの社会の必要性は誰もが認めながら、東京においてはその実現には大変困難が伴います。
 今後、都は、介護施設を市区町村と協力して整備を進め、同時に、在宅での介護や医療を進めるため、地域での支え合いのための地域包括ケアシステムの構築に向けてどう取り組むのか、ご所見を伺います。
 次に、住宅政策と福祉政策について伺います。
 地価が高い東京都では、生活費に占める住宅の費用は所得が低いほどその割合は大きくなるため、安心して暮らせる住宅の政策は最大の福祉政策の一つともなります。先ほどの地域包括ケアシステムの議論をしても、やはり地域の資源としての住宅の問題は大きく、住宅政策と福祉政策の一体的な政策が求められます。
 そのため、社会福祉審議会の意見具申でも、区市町村の居住支援協議会の活用を挙げていますが、この協議会は、入居制限を受けやすい高齢者などの住宅確保要配慮者が賃貸住宅に円滑に入居できるよう支援する組織です。福祉との連携という点では、その入居された方を地域での見守りにつなげることも大切です。
 来年度、都は、みずからも居住支援協議会を設置するとの予算が提案されています。住宅確保要配慮者の安定した住まいの確保のため、空き家も含めた民間賃貸住宅への入居の促進も必要になると考えますが、都の協議会設立の意義と目的について伺います。
 次に、保育園の待機児童解消について伺います。
 知事は、明確に四年間で待機児童ゼロにすると宣言されたことは高く評価しますし、困難は伴いますが、ぜひとも実現をしていただきたいと思います。
 とはいえ、一時的に待機児童ゼロを達成した横浜市と違い、都は間接的には保育行政にかかわっていますが、直接的には市区町村が担っています。ゼロに向けて認可保育園をふやすのであれば、都だけではなく市区町村の財政にもかかわるので、そのための補助の拡大ということもしなくてはいけなくなります。
 施政方針で、政治は結果責任と不退転の決意を表明されましたので、最優先課題として必ず達成するという覚悟を示していただきたいと思います。
 四年後の待機児童ゼロに向け、待機児童の数をどう予測し、市区町村への補助の拡大をどうするのか、また、そのためにどの程度予算を確保するのか、そういった工程表が必要になります。知事の見解を伺います。
 次に、少子化対策について伺います。
 少子高齢化と一体でいわれることがありますが、長期的に見ると、少子化を何とかしないと高齢化の率は高まります。保育園の待機児童解消も少子化対策の一つといえます。
 若年層の貧困が大きな問題といえます。労働法制がこれ以上緩和をされると、終身雇用の時期に就職した世代と違い、これから就職する若者の非正規雇用化がますます進み、仕事も収入も不安定になり、非婚化、晩婚化、少子化につながってしまいます。
 産休、育休がとりやすい社会、子ども手当のような経済的な支援、若年層の貧困を防ぐための支援など、少子化対策としては多様な支援の手法を検討する必要があります。知事の所見を伺います。
 次に、自転車を含めた交通政策について伺います。
 昨年、議長を団長とする友好代表団に都議会民主党を代表して参加をし、韓国ソウルを訪問しました。その際、地下鉄への自転車持ち込みシステムについても視察し、先進事例も学びました。
 知事は、来年度予算の追加分として、自転車レーンの整備や自転車シェアリングの普及促進など、自転車の政策に注力されたことは評価いたします。
 しかし、現状では道路幅が狭く、自転車レーンを整備できない道路も多くあります。歩行者の安全確保のため自転車が車道を走るという原則が徹底されましたが、車道で自転車が危険な状況にさらされているため、今後は自動車の運転者への啓発も必要になります。
 また、環境にも健康にもすぐれた乗り物ですが、多くの局がかかわるため、これまで都には総合的な施策の体系がありませんでした。この間、私たちは再三、総合的な交通政策を策定することを求めてきました。
 知事は、今回、総合的な交通政策を立てるとのことですので、電車や自動車、バス、タクシーなどに自転車も含めた総合的な交通政策を策定すべきと考えますが、ご所見を伺います。
 最後に、私が所属をしております経済・港湾委員会でも議論を重ねております国際コンテナ戦略港湾について伺います。
 国は昨年十月、突如として港湾運営会社への出資を表明し、国が前面に立って港湾の経営にかかわっていこうとしています。これに対して、今、港湾の現場では、港湾運営や雇用環境などの点で不安の声が上がっています。
 都や東京港埠頭株式会社は、早朝ゲートオープン等の施策を実施する際には、必ず現場の労働者の意見を踏まえた施策を実施をしてきたと聞いています。しかし、現場を持たない国が、本当に現場の声に耳を傾け、このように港湾の運営を行っていけるのか疑問です。
 また、国が前面に出て港湾の運営を行っていくということになれば、今まで都やふ頭会社と築いてきた現場との関係を壊し、混乱をもたらすのではないでしょうか。
 こうした事態を招く国の港湾運営会社への出資は、地方分権などの観点からも、これは全く容認し得ないものですが、都のご所見を伺いたいと思います。
 以上で質問を終わりますので、ご答弁をよろしくお願いいたします。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 中村ひろし議員の質問にお答えいたします。
 都政に臨む政治姿勢についてでありますが、多岐にわたる内容をご質問いただきましたが、要するに、私の都政運営というか、都庁組織のリーダーとしてのあるべき姿についての質問かと思います。
 私の信条は、万機公論に決すべしということであります。今は、二カ月にもわたる都政の空白を埋めるため、毎日さまざまな局から次々と報告を受けて、職員らと熱心な議論を交わしております。まだ短い期間でありますが、都庁の組織は大分風通しがよくなってきたように感じております。
 週一遍の政策会議とありましたけれども、副知事以下ほとんど毎日全員に会っておりますので、毎日です、週一回どころではありません。
 また、職員に大きな方向を指し示し、動機づけをし、能力を最大限引き出す、これは組織を動かすリーダーとして当然の役割であります。
 これからは現場の実情をつぶさに見て、そこで得た知見も使って政策の骨組みをつくってまいります。そして、都議会の皆様と議論を交わしながら、政策として練り上げてまいりたいと思っております。都民の皆様のために最もよい成果を出す、これを第一に考えながら、都政を運営していきたいと思います。
 次に、待機児童解消に向けた工程表についてでありますが、現在、保育の実施主体である区市町村は、来年四月の新たな制度施行に向け、保育サービスのニーズ調査を実施しております。
 都は、この調査結果を踏まえ、保育サービスの整備目標と、いつまでにどれだけ整備するのかを定めた工程表を作成いたします。工程表は、今後策定する長期計画や予算編成にも反映させてまいります。
 続きまして、少子化対策についてでありますが、少子化の流れを変えるためには、これから家庭を築く若者や、子育て中の家族が、真に安心して子供を産み育てることができる環境を整備していかなければなりません。
 そのためには、福祉、保健、医療はもとより、雇用や住宅、教育など、あらゆる分野の施策を総動員することが必要であります。
 少子高齢化対策は、私が都民の皆様に強く訴えてきた課題の一つであり、政策の具体化に向けた検討を始めるよう、既に指示しているところでございます。
 その他の質問につきましては、東京都技監及び関係局長に答弁させます。
   〔東京都技監藤井寛行君登壇〕

〇東京都技監(藤井寛行君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、都の居住支援協議会の意義と目的についてでございますが、地域の高齢者などに対しまして、空き家の活用も含め、それぞれの地域の実情に応じたきめ細やかな支援を行うためには、市区町村が中心となり、関係団体やNPOなどとともに居住支援協議会を設立し、活動することが効果的でございます。
 都はこれまで、都民の居住安定確保のために、福祉分野と連携いたしまして、関係団体とともに東京都すまいサポート連絡協議会を設け、情報共有などを中心に取り組んでまいりました。
 来年度からは、これまでのこうした活動を発展させ、都の居住支援協議会を設立し、市区町村の協議会の設立促進と活動支援を行うことにより、住宅の確保に配慮が必要な方々の居住の安定確保を図ってまいります。
 次に、自転車を含めた総合的な交通政策についてでございますが、都市の機能や利便性を向上させ、魅力的な都市空間を創出するためには、効率的で誰もが利用しやすく、環境にも優しい交通体系の実現が重要でございます。
 このため、鉄道やバスなどの有機的な連携や自転車利用環境の整備などにつきまして、関係各局と連携いたしまして、関係者の協力を得ながら検討することとしております。
 今後、自転車を含めた総合的な交通政策を取りまとめ、快適で便利な都市東京を実現してまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

〇総務局長(中西充君) 多摩地域の振興についてでございますが、人口減少や少子高齢化の進展、産業の空洞化など、多摩地域を取り巻く厳しい状況変化を見据えれば、市町村や民間企業等と連携を図りながら、多摩地域の取り組みを停滞させることなく進める必要があります。
 このため、年度内に策定いたします新たな多摩のビジョン行動戦略の中で、都の取り組みに加え、市町村や民間等による先進的な取り組みを示すとともに、今年度設置したビジョン連携推進会議を引き続き活用することで、多様な主体との一層の連携を促進してまいります。
 また、本戦略に基づき、子育て支援や高齢者対策、産業振興などの取り組みを、多摩島しょ振興推進本部のもとで全庁を挙げて推進し、ビジョンで掲げた目指すべき多摩の姿を実現してまいります。
   〔産業労働局長塚田祐次君登壇〕

〇産業労働局長(塚田祐次君) 製造業の立地継続に向けた取り組みについてのご質問にお答えいたします。
 生産拠点の移転等による空洞化の無秩序な進行は、東京の産業の将来に大きな影響を与えるおそれがあり、適切な対応が必要であります。
 そのため、都は、企業誘致を促進するための助成や工場アパートの整備など、地域の産業集積の維持発展に向けた区市町村の主体的な取り組みを支援してまいりました。
 来年度からは、地域環境に配慮した工場の改修や都内での移転等を行う企業に対し、新たに区市町村と連携した支援を行う、都内ものづくり企業立地継続支援事業を開始いたします。
 こうした取り組みを通じて、製造業が都内で継続して操業できるよう産業集積の確保を図ってまいります。
   〔福祉保健局長川澄俊文君登壇〕

〇福祉保健局長(川澄俊文君) 地域包括ケアシステムの構築と施設整備についてですが、医療や福祉、住まいなど多様なサービスを一体的に提供する地域包括ケアシステムの実現のためには、医療と介護の連携強化による在宅療養の推進が重要でございます。
 このため、都は、病院から在宅への移行等の調整窓口を設置する区市町村を支援するとともに、医療と介護の連携に重要な役割を果たす訪問看護ステーションの拠点整備、連携の核となる人材育成等に取り組んでいるところでございます。
 また、介護施設の整備を進めるため、これまで、さまざまな都独自の手法を講じており、来年度は整備費の補助単価を増額し、新たな併設加算制度を創設いたします。
 今後とも、地域包括ケアの考え方に立って、医療と介護の連携を進めていくとともに、介護サービス基盤のさらなる整備促進に取り組んでまいります。
   〔港湾局長多羅尾光睦君登壇〕

〇港湾局長(多羅尾光睦君) 港湾運営会社への国の出資についてですが、港湾の運営を円滑に実施するためには、現場で働く方々の理解と協力が不可欠でございます。
 都はこれまで、関係者の多様な意見を取りまとめ交通対策を推進するなど、東京港の実情に即した効果的な施策を展開してまいりました。こうした取り組みは、戦後一貫して現場で働く方々との信頼関係を築いてきた東京都だからこそできたものであると考えております。
 国が港湾運営会社の主導権を握るような出資を行うことは、現場に立脚した港湾運営や地方分権の観点などから問題が多く、妥当性を欠くといわざるを得ません。
 都は、今後とも、港の第一線で働く方々を初め港湾関係者の意見を酌み取りながら、東京港の経営に責任を持ってかかわり、実効性の高い国際競争力強化策を展開してまいります。

〇副議長(藤井一君) 二十二番ほっち易隆君
   〔二十二番ほっち易隆君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

〇二十二番(ほっち易隆君) まず初めに、災害対策についてお伺いします。
 先月、関東甲信や東北地方では記録的な大雪に見舞われました。各地で交通網の麻痺に伴い孤立する集落などが発生し、住民の生活が脅かされました。都内でも、奥多摩町や檜原村、青梅市の一部の住民が孤立状態となり、都は自衛隊に災害派遣を要請し、救援、救助活動などを実施しました。
 大雪の影響は多摩地域だけではなく、私の地元足立区でも、積雪に伴い一部の地区で停電が発生するとともに、日暮里・舎人ライナーが激しい降雪のために終電を繰り上げざるを得なかったとのことであり、区部においても大きな影響が生じました。翌日の運行を確保したことや、終電後も都営バスが輸送に当たっていたことは、高く評価するものであります。
 今回の件で、地震や風水害だけでなく、今後は大雪も東京にとって備えが必要な脅威であることが改めて明らかとなりました。
 そこで、東京の防災と危機管理を預かる知事に、今回のような大雪に対して、今後どのように取り組むのかお伺いします。
 また、日暮里・舎人ライナーは、全線が地上にあることから、地下鉄と比べて天候の影響を受けやすいため、運休が予想されるときは、放射一一号線を活用してバスにより代替輸送を事前に計画、準備しておき、活用することが考えられます。日暮里・舎人ライナーは利用者も年々増加しており、沿線の住民にとっては重要な交通手段として定着していることから、降雪時においても可能な限り運行を確保することが望まれます。
 そこで、今後、より充実した雪害対策を講じていく必要があると考えますが、これまでの取り組みと今後の対策についてお伺いします。
 次に、特別区消防団の教育訓練についてお伺いします。
 私も団員として消防団活動を行っておりますが、三年前の東日本大震災を踏まえ、また、近年、局地的な豪雨、豪雪や大型台風などによる災害が各地で発生していることからも、住民の生命及び財産を災害から守る地域防災力の重要性が増大しております。さらに、首都直下地震や南海トラフ巨大地震などの発生が危惧されている中で、地域における防災活動の担い手が大変重要となってきております。
 このような中、昨年十二月には、消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律が施行され、消防団員の加入促進や教育訓練の改善など、消防団を中核とした地域防災力の充実強化について全国に示されました。
 そこで伺いますが、特別区消防団が地域防災力のかなめとしてその機能を十分に発揮するためには、地域特性に応じた装備資機材を有効活用して消防団活動を行うことができるような教育訓練を行うことが重要と考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、中小企業の競争力の強化についてお伺いします。
 国際都市東京には、世界各国から独自の発想やハイレベルの技術を持つ企業が、展示会出展などを通して数多く訪れます。都内中小企業にとって、こうした外国企業との交流を進めることは、新たなビジネス展開につながる可能性を秘めています。競争関係にある国内企業よりも技術の供与を受けやすいという話も聞きますし、相互の強みを生かして新たな技術や製品の開発に成功した例もあります。
 しかし、外国企業との連携といっても、中小企業にとっては、どの企業がどのような製品、技術を持っているのかという情報を得ることは難しく、交流の機会が少ないのではないでしょうか。
 例えば、現地の自治体などを通じて外国企業の連携ニーズを調査した上で、都や都の関係機関が把握する中小企業のニーズとマッチングするなど、相互の交流や連携がより活発に行われるよう支援すべきと考えますが、見解をお伺いします。
 次に、技能の継承についてお伺いします。
 中小企業では、大企業と比較して少量多品種生産に取り組んでいるところが多く、注文に応じて製造方法を工夫する必要があるなど、機械化では対応できない部分があり、技能の質が非常に大事となってきます。
 東京のものづくりは熟練した技能者によって担われてきましたが、技能者の高齢化が進む中、技能の円滑な継承が大きな課題となっています。
 しかし、国の調査によれば、約四割の企業で技能継承がうまくいっておらず、その理由として、時間的、人的余力がないと回答しています。このような状況を放置すれば、これまで東京のものづくりを支えてきたさまざまな技能が、将来失われることになりかねません。
 都は、こうした中小企業の現場で、ベテラン技能者の熟練のわざを若手従業員に継承させるための支援を充実すべきと考えますが、見解をお伺いします。
 次に、待機児童対策についてお伺いします。
 舛添知事は、ご自分の政策の中で、共働きでも安心して産める子育て環境の構築、待機児童の解消とともに、保育の質の向上を掲げています。
 そこで、保育所の待機児童の解消は喫緊の課題であり、地域の実情やニーズに応じて、認可保育所、認証保育所、認定こども園、家庭的保育、小規模保育など、多様な保育の受け皿を速やかにふやしていかなければなりません。そうしたときに、それぞれ特色ある保育サービスの中から、保護者が自分にとって最もふさわしいサービスを選択し、適切に利用できるよう支援していくことが必要であると考えます。
 利用者支援事業は、平成二十七年度に本格施行する予定の子ども・子育て支援新制度において法定化されていますが、国は、待機児童解消加速化プランの一つとして、新制度の施行を待たずに、今年度から補助事業を開始しました。
 都としても、市区町村に対して利用者支援事業の実施を働きかけていくとともに、効果的に実施されるよう必要な支援を行うべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、児童虐待についてお伺いします。
 次代を担う子供たちの健やかな成長は誰もが願うところであります。しかし、都内の児童相談所が対応した児童虐待の件数は増加の一途をたどっています。子供の身体に重篤なダメージを負わせるケースや、かけがえのない命が奪われるケースも後を絶ちません。子供の未来を奪う児童虐待は決して許されることではありません。
 児童虐待において対応の中核を担うのは児童相談所です。児童相談所では、家庭訪問などによる安全確認を行い、親子を分離する一時保護や児童福祉施設への入所措置、虐待を受けた子供の心のケアを行うなど、個々のケースごとに専門性の高い、きめ細かな対応が求められ、今後ますますその役割は重要です。
 そこで、専門家などの人的増員と質の向上を初め、児童相談所のより一層の体制強化が必要と考えますが、所見をお伺いいたします。
 次に、河川の耐震対策についてお伺いします。
 私の地元足立区は、地盤が低く、洪水や高潮への備えが必要な地域であり、綾瀬川については、最下流の中川との合流部にある上平井水門と堤防を整備することにより守られています。しかし、大地震により、万一、堤防や水門が損傷すると浸水してしまうとの不安を抱えながら生活をしています。
 綾瀬川の耐震対策については、堤防前面の補強工事を順次進めてきていることは承知していますが、さらに耐震性を強化していくことが重要であると考えます。
 都は、東日本大震災を受け、最大級の地震に対応する新たな整備計画を策定し、耐震性の確保を行っていくとのことですが、早期に対策を進めるべきであります。
 一方、整備後、相当期間を経過している堤防は、表面の傷みも進み、一部区間からは時折、水がにじみ出ている状況もあります。堤防の耐震性に影響を与えるものではないと聞いていますが、耐震対策を行っていく際には、地域の方々の安心感を目に見える形で高めていくことも必要です。
 そこで、この計画に基づく綾瀬川の整備状況と今後どのように進めていくのかをお伺いします。
 次に、都市計画道路及び区画整理事業についてお伺いいたします。
 足立区で都が施行している六町地区の中央部を南北に貫く補助一四〇号線は、地域の重要な幹線道路です。現在は六町駅から北側の区間は完成していますが、環状七号線に至る南側については暫定整備を進めています。地域の方々からも、この道路を早期に整備し、環状七号線につなげていくことが待望されています。
 そこで、補助一四〇号線の環状七号線への接続と完全な交差点化の見通しについてお伺いいたします。
 また、六町地区では、平成九年度の事業決定以来、権利者から個別に換地の要望を聞き取るなど、丁寧な地元対応を行っていることは理解できますが、再建に関して、長年住みなれた地域を離れ、他の地域での生活を余儀なくされている方も多く、事業はまだ道半ばです。
 このように事業も長期化してきているため、地元では、一日も早く区画整理された換地で再建したいと望む声が多く出されています。こうした地元の声を重く受けとめ、事業の早期完了のため、今後どのような工夫を凝らしながら整備を進めていくのか都の見解をお伺いし、私の質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) ほっち易隆議員の熱い質問にお答えいたします。
 大雪に対する対応についてでございますが、先月の二度にわたる降雪は記録的な大雪となり、都内の交通機関が麻痺するとともに、多摩地域の一部では孤立する集落も発生しました。
 こうした中におきまして、都民の不安を払拭するために、まず重要となるのは、正確な情報を迅速かつ的確に発信していくことであります。
 今回、都は二十四時間体制で情報収集を行い、気象情報や交通情報、停電等の状況を逐次情報発信するとともに、都の対応状況について記者会見により都民に周知いたしました。
 さらに、降雪前より体制を整え、都道の除雪作業に早期から着手するとともに、地元自治体からの要請に基づき、速やかに自衛隊へ災害派遣を要請いたしました。警察、消防などとも連携し、物資輸送や要援護者の搬送、道路の除雪などを迅速に進めました。
 一方で、今回のような大雪の場合は、除雪に多くの時間を要するために、各戸の備えや地域の力が重要であることも明らかとなりました。備蓄等の備えはもちろん、高齢者が多い集落等では、地元自治体との連絡体制に加え、消防団や地域の人々の助けが重要となります。今回、特に多摩地域の地元の建設会社の方々が相当頑張っていただいたことを、私は特筆すべきだと思っております。
 今回の対応を踏まえ、都は除雪体制の充実等に取り組むとともに、地元自治体と連携しながら地域の対応力向上に取り組んでまいります。
 その他の質問につきましては、東京都技監及び関係局長から答弁いたします。
   〔東京都技監藤井寛行君登壇〕

〇東京都技監(藤井寛行君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、六町地区の補助一四〇号線の整備についてでございますが、地区を南北に貫く本路線は、つくばエクスプレスの導入空間でもあることから、交通広場を含み、六町駅北側から花畑街道までの約八百メートルの区間につきまして早期整備を行い、供用してきております。
 一方、現在供用していない花畑街道から環状七号線までの約二百メートルの区間につきましては、交差点工事を実施しておりまして、来年度早々に交通開放を行ってまいります。
 引き続き、環状七号線より南側の区間につきましても、関係機関との調整を進め、早期に交通開放できるよう取り組んでまいります。
 次に、六町地区の土地区画整理事業の早期完成に向けた取り組みについてでございますが、本地区は住宅地や工場などが混在する市街地であったことから、当初から工場や店舗を営む権利者などの要望にきめ細かく対応しながら換地を定めてまいりました。
 こうしたことも要因となり、権利者の仮住まいの期間が長期化してきたため、平成十八年に施行区域と施行順序を改めて見直し、権利者の負担が軽くなるよう事業を進めてまいりました。
 今後、必要な事業費の確保を図るとともに、権利者との移転折衝スケジュールを前倒しすることにより工事の早期着手を図るなど、事業の推進に積極的に取り組んでまいります。
   〔交通局長新田洋平君登壇〕

〇交通局長(新田洋平君) 日暮里・舎人ライナーの雪害対策についてでございますが、日暮里・舎人ライナーは、開業以来、降雪時の輸送障害に対しまして、ハード、ソフト両面の対策を講じてきております。
 今年度は、ロードヒーターを増設しますとともに、五編成に改良型除雪用ブラシ、いわゆるササラを導入いたしました。
 また、沿線地域に特化した、よりきめ細かな気象情報を把握した上で、運行の判断、融雪剤の散布や除雪要員の手配等を適時適切に対処できますよう、各部門の雪害に対する非常体制をより一層強化いたしました。
 この結果、今回の記録的な大雪におきましても、輸送障害を最小限に抑えることができました。
 今後とも、改良型除雪用ブラシを全十六編成に拡大するなど、さらなる雪害対策を進め、日暮里・舎人ライナーの安定運行の確保を図ってまいります。
   〔消防総監大江秀敏君登壇〕

〇消防総監(大江秀敏君) 特別区消防団の教育訓練についてでありますが、地域特性に応じて装備資機材を有効に活用し実施することが重要であると認識しております。
 東京消防庁では今年度、浸水危険の大きい地域の消防団を中心として救命胴衣を整備するとともに、特別区内の各消防団においてモデル分団を定め、地域特性に応じた教育訓練を実施しております。
 今回の教育訓練においては、各モデル分団ごとの検証を行い、消防団の意見を踏まえて消防団活動等に反映させていくこととしております。
 今後も、地域の防災リーダーである消防団員の災害活動力強化のため、教育訓練の充実に努めてまいります。
   〔産業労働局長塚田祐次君登壇〕

〇産業労働局長(塚田祐次君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、中小企業の競争力の強化についてでありますが、経済のグローバル化が進む中、外国企業との連携を通じて中小企業の競争力を高めることは重要であります。
 都はこれまで、産業交流展において、東京でのビジネス展開を考えている外国企業に出展の機会を提供してまいりました。これら外国企業の中には、販路開拓にとどまらず、技術連携や研究開発を希望している企業もあります。
 そこで来年度は、現地の行政機関等を通じて外国企業の連携ニーズに関する情報を収集し、都内中小企業に広く提供するとともに、産業交流展に加え、東京で開催される他の展示会なども活用し、都内中小企業と外国企業とのマッチングや交流機会の提供を行います。
 こうした取り組みにより、外国企業と中小企業との連携を促進し、中小企業の新たな事業展開を支援してまいります。
 次に、技能の継承についてでありますが、東京の強みであるものづくり産業を将来にわたって発展させていくためには、これまで培われてきた熟練技能を次代に引き継ぐことが重要であります。
 しかし、中小企業では、若手を指導する余裕がなく、指導者も不足していることなどから、円滑な技能継承が困難な状況にあります。
 このため、都は、職業能力開発センターにおいて、中小企業の若手従業員を対象として、機械加工と溶接の二つの分野で、熟練者が技能を継承する東京ものづくり名工塾を実施してまいりました。
 来年度は、人材育成のニーズ等を踏まえ、配管と木工製作について新たに名工塾の対象分野としてまいります。
 こうした取り組みにより、ものづくり産業における技能継承を積極的に推進してまいります。
   〔福祉保健局長川澄俊文君登壇〕

〇福祉保健局長(川澄俊文君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、子育て家庭への支援についてですが、子育て支援サービスの利用を希望する保護者が、多様なサービスの中からニーズに合ったメニューを選択し、円滑に利用できるよう、区市町村が身近な場所で相談に乗り、情報提供や支援を行うことは、待機児童解消を進める上でも極めて有効な取り組みでございます。
 そのため、都は今年度から、安心こども基金を活用して区市町村の取り組みを支援するとともに、先進事例を紹介するなど、事業の実施を区市町村に働きかけてまいりました。
 また来年度は、利用者への支援を担う職員のスキルアップを図るため、子育て支援情報の収集方法や相談援助技術等を学ぶ都独自の研修も新たに実施する予定であり、こうした取り組みにより、今後とも区市町村を積極的に支援してまいります。
 次に、児童相談所の体制強化についてですが、都はこれまで、深刻化する児童虐待に迅速かつ的確に対応するため、児童福祉司や児童心理司の増員、虐待対策班の設置、保健師の資格を有する医療連携専門員の配置など、児童相談所の体制強化に取り組んでまいりました。
 今年度も、虐待相談の中核を担う児童福祉司を十三名増員したほか、急増する一時保護需要に対応するため、一時保護所の定員を二十四名分ふやしたところでございます。
 また来年度は、子供や保護者に、よりきめ細やかな心理的ケアが行えるよう、児童心理司を十三名増員するとともに、演習型研修や個別指導などにより新任職員の援助技術の向上を支援する児童福祉司OBを増員いたします。
 こうした取り組みにより、児童相談所のより一層の体制強化を図ってまいります。
   〔建設局長横溝良一君登壇〕

〇建設局長(横溝良一君) 足立区内における綾瀬川の耐震対策についてでございますが、新たな整備計画では約七・三キロメートルの堤防で対策を実施することとしておりまして、これまでに常磐線の鉄橋付近など一・五キロメートルで地盤改良工事を進めております。
 平成二十六年度は、新加平橋の上流で新たに〇・七キロメートルの工事を実施するとともに、コンクリート堤防補強の二十七年度工事着手に向けて設計を進めてまいります。
 あわせて、堤防の補強に当たっては、目地からの漏水対策やコンクリート表面の補修、さらには修景を行うなど、見た目にも地域の方々が安心感を得られるよう改善に努めてまいります。
 引き続き、耐震対策の平成三十三年までの完成を目指し、綾瀬川両岸を同時に施工するなど、スピード感を持って事業を推進してまいります。

〇議長(吉野利明君) 五番栗山よしじ君
   〔五番栗山よしじ君登壇〕

〇五番(栗山よしじ君) 舛添知事は東京都知事選挙において、東京を世界一の都市にするという公約を掲げ、選挙戦や施政方針表明において東京の位置づけについて言及するとき、森記念財団の世界の都市ランキングを参考にし、東京はロンドン、ニューヨーク、パリに次いで四位であり、オリンピックを契機に東京を世界一の都市に引き上げたいといっております。
 同ランキングは、世界主要四十都市を対象に、経済、研究・開発、文化・交流、居住、環境、交通・アクセスの六分野において、GDP、劇場・コンサートホール数、労働時間、地下鉄の駅密度など多岐にわたる七十指標で評価を行い、順位づけをしております。
 東京は、経済分野でその強みを発揮しているが、文化・交流分野では上位三都市に大差をつけられ、交通・アクセス分野でも三都市に後塵を拝しております。
 しかし、都政の重要課題である福祉政策を充実させても総合ランキングにはほとんど反映されない上、指標の中には、行政の政策だけではランクアップが期待できない民間の取り組みが中心となるようなものも見受けられます。
 また、都市ランキングはほかの調査機関でも行っておりますが、これらは機関ごとに特徴が異なり、順位も変動しているなど、特定の指標をもって個々の政策を論じるのはなかなか難しいことであるかもしれません。
 しかし、上位三都市におくれをとっている分野の政策を強化していくなど、こうした指標を一つの参考にしていくのも有効であると考えますが、東京を世界で一番の都市にしていくためには、どのような施策を重点的に行っていくのか、知事の所見をお伺いいたします。
 次に、子育て支援についてお伺いします。
 今、都内自治体において、認可保育所の四月入所の申し込みをした方々に結果が届いており、マスコミ等では、待機児童について、ことしも報道をされております。
 各自治体では、この一年、保育サービスの拡充に努めてきましたが、申込者数は、就学前児童人口の増加や共働き率の上昇により増加をし続けており、本年四月一日時点での待機児童数がどうなるか、危惧しているところでございます。
 知事が公約で掲げた四年で待機児童をゼロにするという目標を達成するためには、使えるものは何でも使う、いわば総力を挙げて対応する必要があります。
 そこで、事業所内保育所、特に保護者が利用しやすいと思われる病院内にある職員向けの保育所をもっと有効活用すべきだと考えます。
 都内で平成二十五年度に院内保育事業を行っている病院は、百三施設あります。実績をお伺いしたところ、事業者以外の児童を受け入れているのは三施設のみ。定員は二千二百三十五人で、利用者数は千五百八十九人ですので、充足率は七一%にとどまっております。
 もちろん、院内保育は、いわば事業所内保育でございますから、医師や看護師といった職員の児童が優先されるべきですが、待機児童解消が喫緊の課題の中、定員に空きがあるのであれば、地域の待機児童も利用できるようにすべきです。
 区市町村と連携し、地域開放し、事業者以外の児童も受け入れられるようにすべきと考えますが、都の所見を伺います。
 次に、特別養護老人ホームの整備についてお伺いします。
 都内の高齢者人口は急速に増加しつつあり、平成三十七年には、およそ都民の四人に一人が六十五歳以上の高齢者となる、極めて高齢化が進んだ社会が到来することが見込まれています。高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けるためには、介護サービス基盤を整備していくことは大変重要な課題であります。とりわけ、特別養護老人ホームは入所申込者が多く、整備が急がれています。
 私の地元目黒区においても、現在の特別養護老人ホームの区内のベッド数は五百九床となっています。これを目黒区内の高齢者人口と比較すると整備率は一%程度であり、今後、一層の整備促進が必要です。
 しかしながら、区部におきましては、地価は高く、特別養護老人ホームの整備に適したまとまった土地の確保は非常に困難な状況にあります。都はこれまで、特別養護老人ホームの整備促進に取り組んでいますが、都内の貴重な整備用地を有効に活用していくことが重要です。
 昨年九月、都は国に対して、大都市における地域包括ケアシステムの実現に向けた介護保険制度の見直し等に関する緊急提言を行いましたが、その中で、複数の区市町村が共同して特別養護老人ホームを設置し、利用する仕組みの構築を提言しています。このような整備手法は、土地の確保が難しい都市部において特別養護老人ホームを整備する手法の一つとして、有効なものであると考えます。
 今後、提言にあった共同利用施設の設置など、さまざまな手法を活用し、特別養護老人ホームの整備を促進していく必要があると思いますが、都の見解を伺います。
 次に、都市計画道路についてお伺いします。
 現在、第三次事業化計画が平成二十七年度に終了することから、防災性の向上や国際競争力の強化を図るため、新たな都市計画道路の整備方針の策定に向けた検討が、都や区市町村で進められていると思います。未整備で残されている区間については十分に精査し、地元の意向も踏まえて整備すべき路線は早期に整備を進め、不要な路線は見直すべきだと考えます。
 一方、目黒区において優先整備路線として選定されている補助一二七号線は、目黒通りから一種低層住居地域である住宅街を通り抜け、自由が丘駅が終点となっておりますが、実現にはさまざまな課題があります。道路拡幅による車の交通量の増加は、沿道の住民等に大きな不安を与えるものであり、また、商店街地域では、店舗の移転等も課題となっております。
 補助一二七号線においては、まず最小の範囲で、必要性が高い区間から優先整備路線として検討すべきだと思いますが、所見をお伺いいたします。
 次に、都立高校における災害対策についてお伺いいたします。
 都立高校は、区市町村から要請を受け、百八十九校のうち百五十九校が避難所に指定を受けております。東京に震災が発生したとき、多くの都民が都立高校に避難をすることが考えられます。
 その際、建物被害やライフラインの被害により、避難所などに人が集中し、かつ既存のトイレが使用不能になる事態が起こる可能性があり、また、甚大な被害をこうむった被災地において避難所で問題となったトラブルの上位に、トイレの問題が挙げられています。
 数日を超える避難生活をするためには、容量の大きなトイレの確保が必要とされ、その容量に対応するためには、下水道のマンホールの上に簡易トイレ設備を置いて使用する、いわゆるマンホールトイレの設置が重要です。
 避難所指定された都立高校百五十九校のうち、マンホールトイレの設置状況は五校のみです。避難所である都立高校においてマンホールトイレの設備を促進すべきだと思いますが、見解をお伺いいたします。
 次に、公立小中学校の統廃合についてお伺いします。
 国では、教育基本法に沿った施策を実現する教育再生推進法案が検討をされております。その中に、公立小中学校の適正配置基準について盛り込む予定であると聞いております。
 子供は、適正な集団の中で、多くの友人と出会い、切磋琢磨することにより、成長をするものでございます。少子化等が進み、私たちの年代が小中学生であったころの三十年前、昭和五十八年度には都内の公立小学校の児童数は九十四万人でしたが、今年度は五十五万四千人、公立中学校の生徒数は四十五万八千人から二十三万六千人と、児童及び生徒数はほぼ半分に減りました。
 中学生活に大きなウエートを占める部活動にも大きな影響を及ぼし、目黒区でも、小規模中学校では単独で野球部ができず、近隣の中学校と合同で活動している例があります。
 三十年前に比べ、都内小中学校の児童及び生徒が減少する中、通学距離などの課題はありますが、適正な集団を保つためにも小規模校を解消する公立小中学校の統廃合は検討すべきことであり、今回の法案により統廃合が促進されることと思われます。
 今後、国で統廃合について動きがある中、適正な集団を保つために小規模校を解消する小中学校の統廃合について、さらに支援をすべきだと思いますが、所見をお伺いいたします。
 以上で質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 栗山よしじ議員の質問にお答えいたします。
 東京を世界一の都市としていくための政策についてお尋ねがございました。
 都民の皆様の負託に応えるためには、東京の将来をしっかりと見据えながら、問題の本質を見つけ出し、大きな方向づけをしなければなりません。
 このため、お話にありました都市ランキングなど、東京に対するさまざまな評価指標も参考としながら、積極的に現場へ足を運び、実効性の高い政策を展開してまいります。
 そこで、まずは少子高齢化対策、総合的な交通政策、芸術文化の振興など、都政の重要課題について政策の具体化に向けた検討を開始いたします。
 今後、議会の皆様とも議論を重ね、公約に掲げました政策の実現に精力的に取り組み、世界一の都市東京を実現してまいります。
 その他の質問につきましては、教育長、東京都技監及び福祉保健局長から答弁をさせます。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、都立高校におけるマンホールトイレの整備についてでありますが、震災時に避難所となる都立高校では、断水時にプールの水をトイレの水洗に活用したり、配備済みの簡易トイレなどを使用したりすることなどにより、トイレ機能の確保を図ることとしております。
 マンホールトイレを整備するには、マンホールと下水道管の接続部や学校周辺の公共下水道の耐震化、し尿が堆積しない程度の水量が必要となるなどの条件がございます。
 今後、避難所の運営主体である区市町村から都立高校への整備について要請があった場合には、こうした条件を満たす設置方法や設置場所について検討の上、マンホールトイレの整備に取り組んでまいります。
 次に、公立小中学校の統廃合についてでありますが、小規模校においては、人間関係が固定しがちであり、クラスがえができない場合には児童生徒間の人間関係の構築、修復などが難しくなることや、学校行事で集団による多様な活動が困難となるなどの課題が指摘をされております。
 都教育委員会は、平成十九年度から、公立小中学校の統廃合の取り組みを支援するため、児童生徒が統合後の学校に円滑に適応できるよう指導する教員の加配や、教室の補修費、備品購入費などの補助を行っております。
 引き続きこうした支援を実施いたしますとともに、学校の適正規模化に関する国の動向や区市町村教育委員会の意見も踏まえて、より実効性のある支援策について検討をしてまいります。
   〔東京都技監藤井寛行君登壇〕

〇東京都技監(藤井寛行君) 都市計画道路の優先整備路線についてでございますが、地域の活性化を図り、住みやすいまちづくりを進めるためには、都市活動を支える道路の整備が必要でございます。
 お尋ねの補助一二七号線は、地元区が策定した中心市街地活性化基本計画におきまして、自由が丘の顔づくりに寄与する道路と位置づけられております。
 このことから、平成十六年に策定した第三次事業化計画におきまして、駅周辺地区のまちづくりにあわせて取り組むべき路線として、区施行の優先整備路線に位置づけられております。
 都と地元区では、昨年から次期事業化計画の検討に着手しておりますが、この中で、まちづくりの動向を踏まえつつ、学識経験者の意見も聞きながら、適切に優先整備路線の選定を行ってまいります。
   〔福祉保健局長川澄俊文君登壇〕

〇福祉保健局長(川澄俊文君) 二点のご質問にお答えいたします。
 事業所内保育についてですが、都は、事業所内保育施設の整備を促進するため、平成十九年度から、国制度に比べ施設や職員配置基準等を緩和した独自の基準を設け、事業主に対して施設整備等の補助を実施してまいりました。
 また、今年度からは、子ども・子育て支援新制度において、地域の児童を受け入れる事業所内保育施設が区市町村の認可事業となることを踏まえ、定員の四分の一以上、地域の待機児童を受け入れる事業所内保育施設に対する補助を区市町村を通じた補助に変更し、区市町村と連携しながら設置を促進しているところでございます。
 さらに来年度は、設置費補助の区市町村負担分を都が全額負担することにより、地域開放を行う事業所内保育施設の設置を一層促進してまいります。
 次に、特別養護老人ホームの整備についてですが、お話のように、都は昨年九月、地価が高く土地の確保が難しい都市部においては、複数の区市町村が共同して特別養護老人ホームを設置し、利用する仕組みを構築するよう、国に緊急提言を行いました。
 こうした考え方は、国の都市部の高齢化対策に関する検討会報告書においても示されており、都内の老人福祉圏域間では、都の介護保険事業支援計画に明記することで、自治体間の整備数の調整が可能とされております。
 そのため、都は来年度、都内の近接する複数の区市町村が共同で特別養護老人ホームを利用する仕組みを構築することとしており、今後、都独自の施設整備費補助など、多様な手法を活用しながら、特別養護老人ホームの一層の整備促進に努めてまいります。

〇議長(吉野利明君) 七番松田やすまさ君
   〔七番松田やすまさ君登壇〕

〇七番(松田やすまさ君) 初めに、この場を与えてくださった板橋区の皆様と都議会自民党の皆様に感謝を申し上げ、質問に入ります。
 まず、子育て支援についてお伺いをいたします。
 私は、昨年の都議会議員選挙の後、双子が生まれ、現在四人の子供の父親であります。(「頑張れ」と呼ぶ者あり)頑張ります。舛添知事は、選挙公約でも述べられているように、待機児童ゼロに向けて全力で取り組んでおられますが、待機児童を解消するためには、子供を保育園に預ける親の親心を育んでいくことも大切であります。
 板橋区では、今年度より一日保育士体験を実施し、好評を得ています。また、この取り組みは他区市町村においても同様に広がっております。
 私も、昨年九月に自分の子供の通っている保育園で一日保育士体験をいたしましたが、私の子供のクラスでは私が初めてでございました。その後、子供たちは、今度はうちのママも来て、うちのパパも来てという声が上がり、次々と体験をされているということです。けさ、保育園に子供を送りに行ったときに園長先生とお話をしましたが、同じ保育園に通う兄弟の口コミで、ほかのクラスにもどんどん広がっているとおっしゃっていました。
 お互いの親を知っているということは子供たち同士の連帯感にもつながり、父親の育児参加の啓発というワークライフバランスの効果もあります。親以上に子供を愛する人はいません。さらには、保育所側と保護者との信頼関係も強まります。ぜひ、東京都としても、積極的に一日保育士体験について情報発信をしていただきたいと考えます。
 そこで、親の保育士体験の推進に対する都の所見をお伺いいたします。
 また、国が平成二十一年に実施した調査では、平成二十九年度末までに全国で約七万四千人の保育士が不足すると予測しています。保育士不足は、全国の待機児童数の三分の一を抱え、毎年保育施設を増設している東京都においては大きな課題であります。
 我が党の代表質問に対し、来年度、保育所の施設整備にかかわる事業者や、区市町村のさらなる負担軽減を行うことや、都独自にNPO法人などが行う施設整備に対して補助を行う旨、ご答弁いただきました。
 これにより、さらに施設整備が進むと考えられますが、一方で、その担い手である保育人材の確保も重要です。保育人材の確保に向けた今後の都の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、中小企業の知的財産の活用についてお伺いします。
 国の成長戦略においても、知的財産の保護、活用は大きな柱の一つとなっています。グローバルな技術開発競争がますます激しくなる中、我が国のものづくり企業が海外企業に打ち勝ち、成長を実現していくためには、その競争力の源泉である高い技術力を特許等で確実に権利化していくことが不可欠であります。
 特に、中小企業が技術開発を進めるに当たっては、他社が出願している同様の技術をあらかじめ調査し、自社が開発する技術の権利化が可能かどうかをチェックすることが必要です。こうした作業は、専門知識が必要な上、手間と時間とお金がかかることから、中小企業が独力で十分に対応することは難しいと感じます。
 また、ハローキティやパナソニック、無印良品の模倣品が中国などの新興国で出回っており、ヨネックスのテニスラケットやアシックスのシューズといったものも模倣されており、権利侵害への対応も重要となっております。しかし、現地での情報収集は中小企業にとって大変負担となっております。
 中小企業の知的財産戦略に関するこうした課題について支援をしていく必要があると考えますが、都の見解を伺います。
 次に、若者の就業支援について伺います。
 景気の回復などにより、大学新卒者の就職環境は改善の傾向にありますが、その就職先を見ると、正社員となる機会は限られている現状があります。また、既卒者においても、現在はアルバイトや派遣社員などの仕事につかざるを得ない状況が依然として続いております。将来を俯瞰したとき、ますます正社員としての就職は難しくなります。
 そのため、景気が上向きになっているこの機を捉え、早期に安定した雇用へとつなげていく政策が必要です。これは、同時に若者の人材確保に悩む中小企業にとってもプラスになると考えます。
 我が国の将来を担う若者が、一人一人の個性や能力を十分に発揮しながら働くことができるよう、さらなる支援の充実に努めていくべきと考えます。今後の都の取り組みをお伺いいたします。
 次に、中小企業のグループによる取り組みに対して、支援についてお伺いいたします。
 アベノミクスによる景気回復をより力強いものにするために、拡大する海外市場の需要獲得をも視野に入れ、環境や医療などの成長産業への新規参入を図る都内中小企業の取り組みをサポートし、東京のものづくり産業の競争力を強化することが必要です。
 しかしながら、中小企業が単独で事業を軌道に乗せたり、海外市場で売り上げを拡大していくまでには多くの困難が予想されます。こうした場合でも、複数の企業が共通の目的のもとにグループを組み、知恵を出し合い、それぞれの強みを発揮して事に当たれば、成功する可能性が高まり、効果的であると考えます。
 そこで、成長分野への参入や、海外展開にグループで取り組む中小企業に対する支援について、都の見解をお伺いいたします。
 次に、都営住宅の建てかえに合わせた地域のまちづくりについてお伺いいたします。
 都内では老朽化した都営住宅の建てかえが計画的に進められており、板橋区においても、現在、成増アパートや板橋富士見町アパートなどで建てかえが行われております。都営住宅の建てかえに当たっては、住宅の更新とともに、その用地を活用し、その地域事情に合った施設の整備を促進するなど、地域のまちづくりに資する取り組みが求められております。
 また、板橋にも大谷口一丁目の不燃化特区事業に隣接する形で、大山西町団地がございますが、このような不燃化特区事業にも影響を及ぼす団地の建てかえに当たっては、早期に区市町村に再編計画を示すとともに、木造密集地域の不燃化促進を図るためにも、地元区市町村とも十分連携をした取り組みが重要であります。
 そこで、都営住宅の建てかえに合わせ、その用地を活用した地域のまちづくりについて、都の見解をお伺いいたします。
 次に、都営地下鉄駅における快適性の向上についてお伺いいたします。
 都営地下鉄は、浅草線、三田線、新宿線、大江戸線の四線を営業しておりますが、そのうち、私の地元板橋区には都営三田線が走行しております。三田線は、私の生まれた昭和五十一年に全線開業して以来、高島平地域と都心とを結ぶ板橋区民の足として重要な役割を担ってまいりました。
 この三田線の都営大江戸線、地下鉄副都心線、有楽町線及び東武東上線、さらには埼玉県への延伸は板橋区民の悲願でもあり、終電の延長、車両の増結は高島平の地域再生、ひいては板橋区の成長戦略、発展のためにも極めて重要であります。
 こうした都民の足である地下鉄は、構造的に熱がこもりやすく、駅が暑くなりやすいという特徴があります。快適な環境のためには駅の冷房化が不可欠でありますが、都営線については、昨年度の新板橋駅及び志村坂上駅ほかの冷房化をもって、地下駅の全ての冷房化が完了したと聞いております。
 一方で、三田線は、志村三丁目駅から北、終点西高島平駅までの六駅は地上駅となっております。都営地下鉄全百六駅中、地上駅は八駅あり、そのうちの六駅が板橋区内の駅であります。
 そこで、地下駅では冷房化により快適に列車を待つ環境が整備されましたが、地上駅についてはどのように対応していくのか、見解をお伺いいたします。
 最後に、教育について何点かお伺いいたします。
 まず、公立学校の新規採用の教員試験についてお尋ねいたします。
 近年、公立学校においても、団塊世代の大量退職に伴って若年層の先生方の採用がふえており、若い先生方の地域や保護者とのコミュニケーション不足が問題となっております。悩みを持って精神疾患を患ってしまう先生方も多いと聞いております。
 コミュニケーション能力や子供のことを愛する心は教師にとって最も大切なことであり、新規採用の際も、その能力を見きわめることは大変重要であると考えます。
 そこで都は、新規教員の採用に対して、そのコミュニケーション能力を見きわめるためにどのような取り組みを行っているのか、また、これからどのような取り組みを行おうとしているのか、見解をお伺いいたします。
 次に、教員の育成についてお伺いいたします。
 採用された教員は、一年目、二年目、三年目、十年目研修等が行われておりますが、児童生徒とのかかわりにおいては、地域社会とのつながりも重要であります。教室の中で子供たちとコミュニケーションを図るに加えて、みずから地域に出ていって、町会の盆踊りやお祭り、商店街の行事などに積極的に参加することによって、地域、児童生徒、親との三位一体となった円滑なコミュニケーションが図れるものと考えます。
 都は、こうした教員の活動や育成に対するフォローアップをぜひ行っていただきたいと思います。
 そこで、保護者や地域と円滑な連携を図ることのできる教員の育成についてお伺いいたします。
 さらに、先ほど申し上げましたとおり、若い教員の大量採用によって、採用後、産休、育休に入る先生方がふえていくものと考えます。
 私の母も産休の代替教員として板橋区内の小学校に現在勤務をしておりますが、自身も教員を続けながら、これまで、私を含め四人の子供を産み育ててくれました。当時は育休制度がなく、本当に大変だったと聞いております。
 現在は、制度としては整っているものの、学校現場からは産休、育休の代替教員の不足や、資質、能力の確保の問題に対する声が上がっております。少子化対策としても、安心して子供を産んで育てられる環境整備のためにも、経験を持つ、早期退職をした団塊世代の人材活用や、出産、子育て等によって一度退職をされ、子育てが一段落した人材の活用を積極的に推進していくべきと考えます。
 そこで、産休、育休等の代替教員の確保についての都の見解をお伺いいたします。
 安倍政権が誕生し、金融緩和、財政出動、成長戦略による三本の矢は、確実に我が国の景気経済を上向かせております。また、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックも決定をし、日本が未来に向けて前進を続けております。
 しかし、最後の矢は教育の矢であります。この最後の矢を、国においては下村博文文部科学大臣が放たれておりますが、舛添知事が先ほどおっしゃられた、教育は国家百年の計という言葉どおり、成果が出るまでには時間がかかるものであります。
 私は、東京都から希望に満ちあふれた子供たちをつくり出す教育の矢を放ち続けることが肝要と考えております。
 そこで、日本の将来を担う人材の育成に対する舛添知事の基本的な考え方についてお伺いをいたしまして、自由民主党しんがりの質問を終わらせていただきます。
 ご声援ありがとうございました。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 松田やすまさ議員の質問にお答えいたします。
 日本の将来を担う人材の育成に対する基本的な考え方についてでございますが、経済などの分野で国際化が進展している今、私自身の留学経験からいいましても、日本が国際社会から取り残されないようにするためには、若者が世界を舞台に活躍できる人材として育っていくことが必要であります。
 これからの教育は、日本の将来を担う若者が、向上心、競争心を持って学ぶことにより、みずからの考えをしっかりと持ち、日本人としての誇りを抱きつつ、国際社会でみずからの考えを主張し、競争していけるように育成することが求められていると思います。
 こうした人材を育成するには、いわゆる脱ゆとり教育により基礎学力を確実に身につけさせるとともに、子供の求めに応じて学習内容を先取りするなど、子供の向上心、競争心に応えられる教育を進める必要があります。
 また、実生活や仕事の場面で苦手意識なくコミュニケーションできるよう、聞けて話せるといった、使えることに重点を置いた外国語教育を充実することも重要であります。
 今後は、こうした観点から取り組みを進め、東京発で、日本の将来を担う、世界を舞台に活躍できる人材を育成していきたいと思っております。
 その他の質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長が答弁いたします。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、採用選考におけるコミュニケーション能力の見きわめについてでありますが、教員には、児童生徒を理解しその個性や能力を伸ばすことや、他の教員との協力による課題の解決、保護者、地域との良好な関係づくりなどが求められており、これらに対応する幅広いコミュニケーション能力が必要でございます。
 都教育委員会は、これまで採用選考では、個人面接と集団面接や民間面接委員の導入などさまざまな工夫を行い、コミュニケーション能力を多角的に評価してまいりました。
 今後、面接委員に対し民間企業の人事担当者による特別講義を実施するなど、面接の質や技法の向上を図っていきますとともに、新規採用教員に対して採用前に研修を実施し、採用後も、校内のOJTなどを通じて、組織的にコミュニケーション能力の育成に努めてまいります。
 次に、地域等と連携を図る教員の育成についてでありますが、学校が教育活動を充実させるためには、学校を地域に開き、外部人材の参加を積極的に進める必要があり、そのためには、全ての教員が保護者や地域住民と交流を行い、相互理解を図ることが重要でございます。
 現在、各地域や学校でさまざまな取り組みが行われており、都教育委員会は、こうした取り組みを支援するため、若手教員育成研修や十年経験者研修、今年度新たに実施した採用前実践的指導力養成講座において、保護者や地域との連携の意義について理解を深めるための研修を行ってきております。
 今後は、こうした取り組みに加え、管理職や主幹、主任教諭等の職層に応じた研修で、地域と連携した効果的な事例などを紹介するなどして、区市町村教育委員会と連携して積極的に地域と交流できる教員の育成に努めてまいります。
 次に、産休、育休代替教員の確保についてでありますが、産休、育休代替教員の候補者は、全体ではおおむね必要な人数を確保しておりますが、小学校の全科や中学校、高等学校の美術、家庭などの特定の教科の教員は不足することがございます。また、教員としての資質、能力を備えた教員を必要に応じて迅速に確保することが困難な場合もございます。
 こうした状況に対応するため、今後、ホームページ等で教員経験者に向けて広く呼びかけますとともに、区市町村教育委員会及び学校等と連携して、都の公立学校を退職した教員の活用を積極的に図ってまいります。
 また、今年度から新たに教員採用選考の申し込み時に、産休、育休代替教員の任用希望を確認し、三千四百人余りから希望があったところでございます。
 都教育委員会として、こうした方策を通じ、今後とも、引き続き人材の確保に努めてまいります。
   〔東京都技監藤井寛行君登壇〕

〇東京都技監(藤井寛行君) 都営住宅の建てかえに合わせた地域のまちづくりについてでございますが、都営住宅におきましては、老朽化した住宅の建てかえを推進するとともに、敷地の有効利用を図って用地を創出し、地域のまちづくりに活用していくことが重要と考えております。
 これまでも関係局や地元区市町村と連携しながら、建てかえにより創出した用地を活用いたしまして、道路、公園などを整備し、住環境や地域の防災性の向上を図るとともに、子育て支援施設や高齢者福祉施設の整備促進などに取り組んでまいりました。
 今後も、都営住宅の建てかえにおきまして、地域の特性やニーズも踏まえながら、創出用地の活用を進め、まちづくりに寄与してまいります。
   〔福祉保健局長川澄俊文君登壇〕

〇福祉保健局長(川澄俊文君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、親の保育士体験についてですが、多くの保育所では、保護者を対象に保育参観、保育参加などを実施し、集団の中での我が子の生活を見たり、他の児童と接することができる機会を提供しております。
 お話の一日保育士体験は、こうした取り組みを一歩進め、朝の児童の受け入れから、給食、夕方の見送りまでを体験するものであり、保護者にとっては、我が子以外の大勢の子供と触れ合うことで、育児に対する視野が広がり、家庭でのしつけを見直す機会にもなります。
 また、保育士にとっても、保育内容を保護者に説明することなどを通じて、みずからの技量を磨く機会となります。
 都は、こうした取り組みが他の自治体にも広がるよう、区市町村の担当者向け事業説明会などを通じて、積極的に情報発信してまいります。
 次に、保育人材の確保についてですが、都はこれまで、保育施設勤務経験者で、現在勤めていない人を対象に、就職支援研修と就職相談会を一体的に実施するほか、未経験の有資格者を対象としたセミナー等のさまざまな取り組みを実施し、保育人材の確保に努めてまいりました。
 また、今年度から、人材の定着や養成を図るため、保育施設職員等の処遇改善や、認可外保育施設に勤務する保育従事者に対する資格取得支援を実施しているところでございます。
 来年度は、都全域を対象とする就職相談会や、他県での説明会を開催するほか、再就職や定着を支援する就職支援コーディネーターも増員する予定であり、今後とも、保育人材の確保に積極的に取り組んでまいります。
   〔産業労働局長塚田祐次君登壇〕

〇産業労働局長(塚田祐次君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、知的財産の活用への支援についてでありますが、経済のグローバル化が進展し、知的財産をめぐる競争も激しくなる中、中小企業の知的財産の保護、活用に向け、きめ細かく支援することが重要であります。
 このため、都は来年度、知的財産総合センターの支援機能の充実を図ります。
 まず、中小企業による特許権の確実な取得を支援するため、専門の相談員を配置し、検索システムを活用して類似の特許に関する詳細な分析結果を提供するとともに、実践的なアドバイスを行います。
 また、海外での模倣被害等のトラブルに速やかに対応するため、今年度から中国の特許事務所と連携して情報収集などを行う取り組みを開始したところであり、来年度はさらに一カ国を追加して実施いたします。
 こうした取り組みにより、中小企業の知的財産の効果的な活用を促進してまいります。
 次に、若年者の就業支援についてでありますが、不安定雇用を余儀なくされている若者と人材を求める中小企業とのマッチングを支援し、正規雇用化を促す取り組みは、若者の安定的な就業を推進する上で重要であります。
 都はこれまで、国と連携した大規模な合同就職面接会の開催等により、若者の正規雇用化を後押ししてまいりました。
 来年度は、研修と就労体験による就職支援プログラムに加え、卒業後三年を超える若者を対象に、実践的な職場実習により正社員としての就職を促す、若者就職応援基金事業を開始し、合わせて千六百名を支援いたします。
 また、民間就職情報サイトを活用した就職支援事業では、面接会の参加企業数をふやし、マッチング機会の拡大を図ります。
 今後とも、こうした取り組みを積極的に展開することにより、若者の雇用の安定化を推進してまいります。
 最後に、中小企業のグループに対する支援についてでありますが、中小企業が成長分野への参入や海外展開を図ることは、東京の産業の発展にとって重要であります。経営資源の乏しい中小企業においては、単独では対応の難しい課題が多いという実情がございます。
 そこで都は、来年度より、中小企業がグループを組んで医療や環境、エネルギーなど成長分野へ参入する取り組みを支援する、ものづくり企業グループ高度化支援事業を開始いたします。製品の開発や事業化、そのための生産設備の充実から海外への販路開拓に至るまで、最長三年間で五千万円を上限に助成するとともに、専門家チームによる助言など継続的な支援を行います。
 これにより、中小企業グループによる取り組みを促進し、都内製造業の競争力を着実に強化してまいります。
   〔交通局長新田洋平君登壇〕

〇交通局長(新田洋平君) 都営地下鉄の駅における快適性の向上についてでございますが、交通局は、質の高いサービスの提供を目指し、計画的に地下駅の冷房化を進め、平成二十四年度末までに、地下駅九十八駅全ての冷房化工事を完了いたしました。
 ご指摘の三田線志村三丁目駅などの地上駅につきましても、お客様が快適に列車をお待ちいただけるよう、来年度からホーム等に冷暖房設備を備えた待合室を設置してまいります。
 今後とも、お客様のニーズに対応した、便利で快適なサービスの提供に努めてまいります。

〇議長(吉野利明君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後五時二分休憩

   午後五時二十分開議

〇副議長(藤井一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 十一番おときた駿君
   〔十一番おときた駿君登壇〕

〇十一番(おときた駿君) 新たなリーダーを迎えての都政がスタートいたしました。舛添知事の座右の銘は、泰山は土壌を譲らず、ゆえによくその大をなすであると聞いております。車輪の両輪であるここ都議会においては、ぜひ大会派の声だけでなく、ひとしく都民の民意を受けたあらゆる会派、都議会議員一人一人の声に耳を傾けていただきたく、よろしくお願い申し上げます。
 初めに、都知事の改革姿勢についてお伺いいたします。
 我々みんなの党Tokyoは、都知事選挙に先立って、政策集、東京アジェンダ二〇一四を発表し、その中で、予算の無駄削減、職員の総人件費カットなどの都政改革を最重要項目の一つといたしました。
 当初、都知事候補者の中には、こうした都政改革を十分に掲げた候補者がいなかったことから、我々は特定の候補者に組織的な応援を行わない自主投票を決定いたしました。
 しかしながら、舛添知事におかれては、選挙戦の途中より、当初はなかった公約の七番目として、新たな政治主導モデルの実践を掲げ、都庁一丸となった行政の無駄排除、金のかからない政治の実現を宣言されました。
 都政改革を目指す我々としては、大変共感のできる心強い政策でありますが、知事の公約である政策集にある、行政の無駄排除、金のかからない政治とは具体的に何を意味するのでしょうか。
 また、それを踏まえて、知事としてどのように都政に臨まれるおつもりなのか、まずはこの点につきまして、知事の政治家としての基本姿勢をお聞かせください。
 次に、二〇二〇年パラリンピック大会についてお伺いいたします。
 都知事の史上最高・世界一のオリンピック・パラリンピック実現宣言には、大変な力強さを感じるところであります。
 しかしながら、懸念されるのは、パラリンピックへの対応です。国民的関心が高くメディア露出も多いオリンピックに比べて、オリンピックの後に行われるパラリンピックは、どうしても盛り上がりに欠ける、注目度が低くなってしまうのが現状です。
 歴史を振り返れば、パラリンピックという名称が初めて使われたのが、まさに一九六四年の東京オリンピック大会でした。それならば、二〇二〇年の東京からもう一度パラリンピックの新しい形を模索するべきだと考えます。
 二〇二〇年のパラリンピック大会を通じて、日本を障害者の皆さんにとって世界で最も生き生きと生活できる国にしなければなりません。それを具現化するために、我々みんなの党は、大会の呼称の順序を逆転して、パラリンピック・オリンピックとすることを提唱し、また、さきの国会質問でも、安倍首相に対して、パラリンピックを先に開催するべきだと投げかけました。仮にこれが実現すれば、国民の意識は大きく変わり、まずは障害を持つ方々の目線で設備やオペレーション、そしてボランティアの流れを考えるようになり、まちづくりも、公共投資のあり方も全てが変化すると考えられます。
 呼称や日程変更は、ほんの一例にすぎませんが、世界一の新しいパラリンピックの実現に向けて、都知事はどのように取り組まれる覚悟でしょうか、見解をお伺いいたします。
 続いて、東京都の行財政改革についてお伺いいたします。
 地方交付税の不交付団体であるとともに、景気変動の影響を受けやすい法人税が歳入の大きな割合を占めるなど、財源構造が大都市特有の不安定な東京都には、自律的、継続的な行財政改革の努力が欠かせません。
 ところが、平成十八年七月に策定され、三年かけて実行された行財政改革実行プログラム以降、明確な改革のロードマップは存在しておりません。
 その結果、行財政改革実行プログラム実行中の三年間には、四千六名もの都職員の人員削減に成功したのに対して、平成二十一年度以降に削減できた人員はたったの三百七十八名にとどまります。もちろん単純に人数を削減すればいいわけではありませんが、情報技術が高度に発達し続ける今、業務フローを見直すことによって削減できる人件費、行財政にかかるコストはまだまだあるはずです。
 都知事がかわった今こそ、改めて明確な目標、期限を定めた新たな行財政改革プランを策定すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 また、こうした行財政改革プランを推し進めるためには、全庁横断的な組織もしくは主導する部署へ一定の権限を与えることが必要ではないでしょうか。現在、行政改革の旗振り役は総務局が一手に担っておりますが、十分に機能しているようには思えません。
 例えば、昨年の決算特別委員会において、私が、東京都各局の所管するIT運用、特にホームページ運営のコストの高さや統一感の著しい欠如について指摘をしましたが、それから三カ月以上が経過した現在も、東京都各局のホームページに目立った変化は見られません。流れの早いIT関連業務において三カ月も進展がないというのは、民間であれば致命的なことです。
 こうした事態を招いているのは、総務局が単なる旗振り役でしかなく、実際の実行については各局任せ、縦割り対応になっていることが大きな原因ではないかと推察されます。笛吹けども踊らずの状態をいつまでも続けないためにも、行政改革に向けた全庁横断的な組織、または担当部門への明確な権限付与が必要であると考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、東京都の天下り利権についてお伺いいたします。
 天下りの問題は、国だけではなく地方にも存在しています。国家公務員については、平成十九年、国家公務員法改正が成立し、再就職あっせんの禁止、求職活動規制、再就職後の働きかけの禁止、再就職等監視委員会による監視が定められ、まだまだ不十分ではあるものの、天下りについて一定の歯どめがかかりました。しかしながら、地方公務員については、同平成十九年地方公務員法改正案が廃案となり、いわば野放しの状態が続いております。
 東京都の幹部職員の再就職状況という公開データによりますと、一年間で百三十人以上の幹部職員が再就職をしており、監理団体三十二名、報告団体十六名、公益団体三十九名などへの再就職が多数を占め、一般企業への再就職はたったの十七名にすぎません。国以上の伏魔殿との不名誉な指摘をされることもある東京都ですが、新たな知事が誕生するタイミングは、こうした事態を改善する絶好のチャンスでもあります。
 他の自治体の成功例に目を向けますと、大阪府、大阪市では、平成二十四年に職員基本条例が制定され、外郭団体への再就職の原則禁止、人事監察委員会による監視が定められました。この結果、外郭団体へ課長代理以上で再就職した人数は百八名から三十四名へ減少するなど、一定の成果を見せています。
 東京都でも、最適な人材配置などといった抽象的なお題目ではなく、条例制定も含めた抜本的な天下り対策に力を入れるべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、子育て支援における利用者助成についてお伺いいたします。
 知事は公約の中で、四年間で待機児童ゼロを力強く掲げられ、その実践として早速、多様な保育サービス主体の参入促進等が事業化され、予算案に加わっております。既存の事業者に拘泥するのではなく、株式会社やNPOの参入を以前から強く求めてきた我が党としても大いに評価するとともに、強く推し進めていただきたい事業です。
 しかしながら、果たして深刻化する待機児童の受け皿として十分なものが確保できるのか、四年間で本当に待機児童をゼロにできるのか、一抹の不安は拭えません。
 そこで、事業者側ではなく利用者側を助成する、いわゆる保育バウチャーという政策がございます。昨年末に行われました第一回東京都子供・子育て会議でも、委員の方より、従来型の施設の対応では、保育についての大幅な拡充は望めない、渋谷区や足立区が先駆的に行っている利用者補助の仕組みを東京都が全国に先駆けて行うべきであるとの意見書が提出されました。立地に依存する施設型だけではなく、今後は訪問型の取り組みも支援をしていく必要があり、利用者助成はそのために極めて有効な手だてです。
 また、認可保育所などに手厚い補助を出す事業者助成ですと、その抽せんから漏れて認証保育所、無認可保育所を利用する利用者の負担は非常に大きなものになります。一般的には認可保育所に比べて設備や待遇が劣る施設を利用するのに、その負担は逆に著しく増加するという今の状態は、公平性の観点からも疑問が持たれます。
 待機児童ゼロを明確に宣言した知事が誕生した今こそ、保育政策の切り札とも呼ばれるこの利用者助成、保育バウチャーの積極的な導入を検討するべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 また、子育てに関連して、児童相談所の移管についてお伺いいたします。
 知事は就任以前から、現職の区長、市長たちと入念な意見交換をされておりました。その中で、特別区の現職区長たちから特に要望が強かったのが、児童相談所機能の特別区への移管です。
 東京都における虐待相談の件数は右肩上がりにふえ続け、平成二十四年度は四千七百八十八件に上るなど、その数は全国でも一、二を争う状態です。逼迫した対応状況を改善するためには、特別区に児童相談所を移管し、より地域に密着したきめ細かな対応が有効であると考えられます。
 仮に移管することになれば、それぞれの区で一時保護所の整備や専門人材の確保、育成をする必要があり、また、児童養護施設や児童自立支援施設などの入所調整で、特別区同士、または都や区で連携する必要が生じるなど課題も多く残りますが、特別区長たちからの強い要望を踏まえてどのように対応されるのか、見解をお伺いいたします。
 次に、都有地の活用についてお伺いいたします。
 都知事の公約されている待機児童ゼロのためにも、介護施設の増設のためにも、都有地の適切な活用は欠かせません。一部に、都有地は便利な場所には残っていない、国有地の利用を検討していくという知事の発言が報道されましたが、都有地のリストを見ると、保育施設、介護施設に利用できそうな土地が幾つか散見されます。実際、私の地元北区の赤羽にある都有地に関して、関心を示している民間の保育事業者もいらっしゃいます。
 また、こうしたやる気のある民間事業者の意欲を吸い上げるためには、空き都有地の現状を都有地バンクのような形でデータ公開するのが有効ではないでしょうか。現在、都有地を福祉施設に利用する場合、区市町村が一義的な窓口になって、土地を指定して、それから事業者を公募するのが一般的ですが、事業者側から見れば、指定された場所以外にも事業を展開したい土地が潜在的に存在するはずです。
 待機児童の現状などは区市町村でも把握されていると思いますが、民間事業者は、独自のマーケティングデータを持っており、ビジネスチャンスを積極的にうかがっています。こうした民間の知恵、民間の力をより一層活用するために、都有地のデータは積極的に公開し、民間の側からも事業提案を出せる形を検討するべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 最後に、治安対策に関連して、東京都の交番におけるIT機器の活用についてお伺いいたします。
 さきの都知事選挙でも、治安、防災対策を争点として掲げる有権者が非常に多く、治安やそれを守る警察に対する都民の強い関心がうかがえます。国際的にも非常に評価の高い東京都の治安を支えているのが、世界に冠たる交番制度です。ところが、東京都内の交番に目を向けますと、急速に情報技術が発達する中、何といまだにパソコンなどのIT機器が設置されず、紙ベースによる情報共有や業務を行っております。
 周囲の自治体を見渡してみますと、お隣の神奈川県では、交番等ネットワーク化事業に平成十五年度より予算がつき、県内の交番へのIT機器の設置が始まっております。そして、直近の事業評価におきましては、必要性、有効性、効率性、全ての評価項目において最高評価の五を獲得し、交番及び駐在所の端末を県警のネットワークに接続することで、迅速な照会を初め、事件手配や情報の共有等、交番及び駐在所における業務のさらなる合理化、効率化を推進し、安全で安心して暮らせる地域社会の実現を目指して今後も事業を継続するといった非常に高い評価となっております。
 この実績からも、交番業務を円滑化し、さらなる治安の向上を図るために、交番でのIT機器の利活用は有効であると考えられます。
 また、二〇二〇年に東京オリンピック・パラリンピックを控え、外国人観光客への対応などにおいて、最新のIT機器による交番業務の改善は、その必要性が高まることが容易に想定されます。東京都内の交番において、パソコンやタブレット端末などの導入を迅速に進め、情報の共有や交番業務の効率化を図るべきであると考えますが、その見解をお伺いいたしまして、私からの一般質問を終了いたします。
 ご清聴ありがとうございます。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) おときた駿議員の質問にお答えいたします。
 まず、冒頭、私の座右の銘を引用していただきまして、ありがとうございます。
 ただ、これはもともと中国語、漢文でありまして、おときた駿議員は、泰山は土壌を譲らずというふうに読み下されましたけれども、私の読み下し方を申し上げておきます。泰山は土を選ばず、ゆえによくその大をなす。いろんな読み方があると思いますけれども、私はそういう読み方をしていますので、冒頭、それを申し上げた上で、まず、行政の無駄排除と金のかからない政治についてでございますけれども、都民の皆様が一生懸命働いて支払った税金で都政が運営される以上、行政の無駄を排除していくのは当然であると考えております。
 今後、都政の指揮をとっていく中で、庁内だけではなく、都議会の皆様とも議論をして、あるいは都の行革に対して厳しい意見を持つ方の考えなども聞きながら、絶えず無駄をなくして都政運営を心がけたいと思っております。
 続きまして、金のかからない政治についてでありますけれども、民主主義を支える政治活動にコストがかかるのは事実であります。しかし、政治家がお金を集めることにきゅうきゅうとしていては、かえって民主政治を損なうことになってしまうと考えております。
 これは、実は選挙区で一人しか当選できないために、どうしても地元での活動に縛られがちになったりする今の衆議院の小選挙区制をどうするのかといった、選挙制度自体の問題にも絡んでくると思っております。
 また、今回、都知事選挙としては初めてインターネットが活用できるようになりました。もちろん、これは長所短所、よく検証しないといけませんけれども、なるべくお金がかからない政治を実現するということにつきましては、私は、インターネット活用というのは一定の役割を果たしていくことができると思っております。
 いずれにしましても、民主政治のコストということについて、都民や国民の皆さんの間で熱心な議論が行われ、政治の活性化、民主主義の発展につながっていくことを切に期待しているところでございます。
 続きまして、パラリンピックに取り組む覚悟についてでございますけれども、私は厚生労働大臣として、障害者スポーツには、特にこの発展ということを大変努力してまいったものであります。
 例えば、メダルをとった方に対する報奨金、これは今、ゴールドメダリスト、オリンピックだと三百万、しかしパラリンピックは百万円なんですね。私は、こういう差別があっていいのかということで、大臣のときに、もっと低かったのを相当上げるよう努力をしてきたつもりで、例えば二〇二〇年には、みんなの力で同額に持っていきたいと、こういうことを考えております。
 パラリンピックは、世界最大の障害者のスポーツの大会でありますし、同時に、障害者に対する理解を促進し、都市のバリアフリー化を加速させるなど、社会的にも大きな意義を持った祭典であります。都は、二〇二〇年に向けて、町や施設のバリアフリー化を進めてまいります。
 また、パラリンピック競技の普及を推進し、各会場に満員の観客を集めることで、パラリンピアンに最高の舞台を用意したいと思っております。
 開催都市の長として、二〇二〇年のパラリンピック東京大会を史上最高の大会に仕上げるために全力を尽くしていく所存であります。
 その他の質問につきましては、警視総監及び関係局長が答弁いたします。
   〔警視総監高綱直良君登壇〕

〇警視総監(高綱直良君) 交番へのパソコンやタブレット端末などの整備についてお答えをいたします。
 警視庁におきましては、独自のコンピューターネットワーク網を使用し、全ての本部所属及び警察署におきましてはコンピューター端末を運用しておりますが、交番等におきましては、セキュリティーの問題などから、いまだ整備に至っていない現状にあります。
 一方、交番等にコンピューター端末を整備することは、遺失物の照合や各種書類作成が迅速に行えるなど、業務の合理化と効率化により警察活動の充実が図られ、訪れる方々の利便性の向上にもつながるものと考えております。
 こうしたことから、現在、警視庁では、交番等へのコンピューター端末の整備に向けた検討を進めており、平成二十六年度予算に調査研究のための経費をお願いしているところであります。
 警視庁といたしましては、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、諸外国からの訪問者を含め、都民、国民の安全・安心を守っていくために、このような取り組みを初め、警察活動を支えるさまざまな組織基盤の強化に努めてまいりたいと考えております。
   〔総務局長中西充君登壇〕

〇総務局長(中西充君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、新たな行財政改革プランの策定についてでございます。
 都はこれまでも、事務事業の抜本的な見直しによる職員定数の大幅な削減、国や他団体に先駆けた人事給与制度改革や監理団体改革など、みずからを律する行財政改革を積み重ね、財政の健全化に努めてまいりました。
 財政再建を達成した平成十八年度以降も、全庁を挙げた事業評価制度などを通じて、費用対効果や事業内容の改善等、毎年度、着実に具体的な成果を上げています。
 行財政運営の質がより一層問われる中、限られた時間で、さまざまな変化に即応するためには、あらかじめ目標や期限といった範囲を区切るよりも、個々の事業の検証と見直しを繰り返し徹底していくことが重要です。
 今後とも、こうした取り組みを通じて、不断の行財政改革を推進してまいります。
 次に、行政改革を推進する組織のあり方についてでございます。
 都においては、行政改革に係る総合的な企画調整を担う総務局と関係各局が一体となり、行財政改革に取り組んできています。
 お話のホームページの見直しについては、既に、総務局と事業局が緊密に連携をとりながら、局ごとの事業特性などを踏まえた実態調査を行っており、この三月末には、庁内の統一基準を整備する予定でございます。
 こうした取り組みについては、関係各局が適切な役割分担のもと有効に機能しており、ご指摘の全庁横断的な組織の設置などは、かえって逆効果にもなりかねません。
 今後とも、全庁を挙げてさらなる改革を推進し、具体的な成果を積み重ねてまいります。
 次に、幹部職員の再就職についてでございます。
 再就職は、定年またはその直前まで働いた幹部職員が在職中に培った知識や経験を、監理団体や報告団体などを中心に、社会のさまざまな分野で活用するものでございます。
 監理団体は、行政運営への支援、補完機能を持つ都政の重要なパートナーとして密接不可分な存在であり、報告団体は、その公益性に鑑みて、都が出資などを行っている団体でございます。とりわけ、監理団体においては、団体の統廃合、都の財政支出や派遣職員の削減、経営目標達成度評価の導入など、着実な経営改革を推進してまいりました。
 都は、出資者としての立場などから、こうした外郭団体に対して、都政との連携を含め、その適切な事業運営に寄与するよう、都の保有する人材情報をもとに有為な人材を推薦しております。
 一方、民間企業等への再就職については、公正な都政運営に疑念を持たれることのないよう、求人票の徴収や都に対する営業活動の自粛について書面で確認を求めるなど、企業等との関係を厳正に保つ仕組みを設けております。
 あわせて、再就職情報の一元管理や幹部職員全員の再就職情報の公表も行い、適切な運用を重ねてまいりました。
 今後とも、公正性、透明性を図るため、制度の厳格な運用に努めてまいります。
 最後に、児童相談所の特別区への移管についてでございます。
 児童相談所は、虐待や非行など困難事案に対応できる専門性と、施設への広域的入所調整ができる体制が不可欠であり、家庭復帰までの一貫した対応が求められます。
 現在の特別区は、人口約五万人の区から八十万人を超える区までさまざまですが、仮に全ての区へ移管するとなれば、それぞれの区で一時保護所の整備や、児童福祉司を初め、豊富な経験を積んだ専門人材の確保、育成等が必要となります。
 また、都内外の児童養護施設等への入所調整には、新たに特別区相互、都と特別区との間で連携協力が必要となるなど、多くの課題がございます。
 今後とも、子供たちの安全や安心をいかに確保していくかという観点から、児童相談行政のあり方などについて、特別区と幅広く議論してまいります。
   〔福祉保健局長川澄俊文君登壇〕

〇福祉保健局長(川澄俊文君) 保育におけるバウチャー制度についてですが、バウチャー制度は、施設への補助ではなく、個人に対する補助でございます。
 そのため、保育サービスへの導入に当たりましては、サービスの質の確保、在宅で子育てをしている方との受益と負担の公平性の確保、対象者の認定の仕組みや利用者負担のあり方、現在の施設への補助のあり方、低所得者に配慮した利用方式など、多くの課題があると認識しております。
   〔財務局長中井敬三君登壇〕

〇財務局長(中井敬三君) 未利用都有地情報の公開についてでありますが、都有地は、都民から負託された貴重な財産であり、都政の喫緊の課題解決のために最大限有効活用していく必要がございます。
 保育所等の福祉インフラの整備に当たっては、地域の事情を把握し、地元関係者間の調整を行うのがふさわしい区市町村が窓口となり検討を進めていくことが適切でございます。
 一方で、未利用都有地情報を公開した場合、直ちに民間への売却等が可能な土地と誤解されるなど、地域に無用な混乱を招くおそれがあることなどから、一般に広く公開することは控えております。
 今後とも、区市町村と連携し、効果的な福祉インフラ整備を進めてまいります。

〇副議長(藤井一君) 五十二番西崎光子さん
   〔五十二番西崎光子君登壇〕

〇五十二番(西崎光子君) 都議会生活者ネットワークを代表して質問いたします。
 まず初めに、女性が活躍できる社会についてです。
 ダボス会議を主催する世界経済フォーラムは、昨年、政治、経済、教育、保健の四分野で男女格差をはかる男女格差報告二〇一三年版を発表しました。日本は、対象の百三十六カ国中百五位で、一昨年よりもさらに四つ順位を下げ、二〇〇六年開始のこの報告では過去最低となりました。経済分野では、企業幹部の女性の割合が一割となり百四位、教育レベルは高いのに、女性が十分活躍できていないと指摘されました。
 舛添知事は、就任後、女性が活躍できる社会の実現を目指すことを明言されていますが、現実には、重要ポストに女性を起用すれば女性活用が進むわけではなく、女性の活躍を阻む慣習や前例を破れるかどうかが鍵になると考えますが、知事は、今後どのように進めていくのか、決意を伺います。
 厚生労働省の最新の調査によれば、全国の民間企業における男性の子育て休暇取得率は一・八九%と、まだ低い状況です。さらに、超高齢社会の到来により、仕事と子育ての両立だけではなく、仕事と介護の両立も課題となっており、働く者にとって、ワークライフバランスの実現は、まさに社会的な要請です。
 しかし、民間企業では、実際に仕事と子育ての両立を支援する制度があっても、職場の上司の理解が得られない、職場の同僚に迷惑をかけられないといった不安があり、なかなか制度の利用に踏み切れない方が多いとも聞いています。
 私はこれまでも、都職員の子育て支援策等に関する取り組みや制度の利用実態について質問してきましたが、待機児童の問題が深刻化している社会の中、都みずからが職員の仕事と子育ての両立の模範になる取り組みを実践していく必要があると考えます。現在の取り組み状況について伺います。
 二年前に生活者ネットワークで視察した京都ジョブパークは、京都労働局ハローワークとの連携によるワンストップ機能で、職業紹介、就労後の定着支援まで行う全国でも珍しい総合就労支援拠点です。子育て中の女性やひとり親家庭への就労支援を行うために、同じ建物の男女共同参画センターの中にマザーズジョブカフェがあります。
 ここでは、一人一人のニーズに応えるために、ママさんコンシェルジュを設け、就業に伴う保育に関する相談や情報提供を行っています。さらに、就職活動中及び就労決定後、子供の預け先が決まらない場合の一時保育を確保する、安心ゆりかごサポートや、子供を預けて受講できる職業訓練、講座を実施し、とても手厚い支援を行っていました。
 東京都でも、東京しごとセンターにおける就労支援に加えて、来年度から新たに女性の再就職窓口を設置し、出産、育児、介護等で離職した女性などを対象に、きめ細かい対応を行う予定にしていますが、どこまでの支援体制をつくっていくのか伺います。
 都内一の待機児童数を抱える私の地元世田谷区では、以前から国有地活用を進めており、最近では、一昨年に二園、ことし一園が国有地を使って開設されました。さらに、今後開設を見込むところが五カ所もあります。区内には省庁の宿舎など活用できそうな国有地はたくさんありますが、問題は借地料の高さです。一昨年開園の二カ所では年間一千七百万円と一千三百万円の賃借料で、二十年契約で計算しますと約六億円にもなります。周辺の地価に比べ二割程度は安いとはいわれていますが、五割減の都有地に比べ割高で、自治体にとっては大きな負担です。
 安倍首相も、保育待機児対策に全力を挙げるといっており、知事も早速国に働きかけたということですが、減額幅を都有地並みにするよう、さらなる働きかけが必要です。見解を伺います。
 世田谷区では保育需要に応えるため、あらゆる可能性を検討し、小中学校の敷地の一部や区立公園の一部などに、認可保育園の分園を二十カ所以上つくってきました。よくぞここまで見つけたと思うほどです。特に学校敷地内にあっては、本来の教育環境を阻害することなく、むしろ幼児が身近にいるプラス効果を評価する声も多いと聞きます。ぜひ、都立高校等でも、同様の取り組みの検討を要望します。
 都営住宅の建てかえ等に伴い生み出された用地を使って、都有地の福祉インフラへの活用を積極的に行っていくことは評価しています。
 知事は、使える都有地はもうほとんどないと判断されたようですが、現在は活用されている土地でも、今後の建てかえや施設の統合などで、新たに土地が出てくると思われます。
 そのような土地を、できるだけ早い段階で福祉インフラとして活用できるようにすべきではないかと思いますが、見解を伺います。
 保育待機児問題は、供給をふやしても、さらにそれを上回る需要を呼び起こしているのが現実です。一旦、待機児ゼロを宣言した横浜市も、潜在的保育需要が顕在化し、来年度に向けては、二月十九日現在、三千三百五十三人が、いまだ保育園に入れるかどうか決まっていない状況です。
 待機児解消は、現在の需要に対応する施策では間に合わないと考えるべきです。女性が働きやすい環境整備を実現するために、全庁を挙げて待機児解消に知恵を絞っていただくことを重ねて要望します。
 高齢者が住みなれた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるようにするためには、住まい、医療、介護、予防、生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築が求められています。
 また、地域における医療と介護の連携や生活支援サービスの提供など、公的サービスのみならず、インフォーマルな社会資源を活用した包括的な支援が必要です。そのためには、区市町村において、多職種が連携し、高齢者個人に対する支援の充実と、それを支える社会基盤の整備を図る地域ケア会議の活用が有効と考えます。
 このような取り組みを推進するに当たって、地域包括支援センター職員の資質向上がこれまで以上に求められると思いますが、所見を伺います。
 さらに、介護保険の制度改正においては、介護予防の見直しが大きな課題になっています。三年後の二〇一七年四月までに、新しい介護予防・日常生活支援総合事業を全ての区市町村で開始することになっていますが、この事業では、予防給付のうち訪問介護と通所介護が区市町村に移行し、地域住民やボランティアなど多様な地域資源を活用したサービス提供を行うことになります。
 そこで、次期制度改正における介護予防の見直しに向けて、都は区市町村をどのように支援していくのか伺います。
 二週続けての大雪は、山間部の孤立集落や農業ハウスの倒壊など、思いがけない被害をもたらしました。
 二十七センチを超える大雪は四十五年ぶりということですが、特に二十三区では、都民生活にもたらした想定外の影響は交通問題でした。企業では、早目に帰宅するよう呼びかけたところもありましたが、帰宅途中で交通がストップし、バスやタクシーも対応できず、七時間以上電車に閉じ込められた人の中には女性も多くいました。
 東京には海外からも含め、旅行者や、この季節特有の受験生など、一時的な滞在者も多く、長時間、電車や空港などに足どめをされた人々は、まさに帰宅困難者といわざるを得ません。
 帰宅困難者対策では、交通事業者が一義的には責任を持ち、水や毛布等の支援をすることになっていますが、地域防災計画には想定されていない大雪に対しても、都として、危機管理の観点から、都民の安全を確保するために、情報提供や一時滞在施設の開設等を検討してはいかがかと思いますが、見解を伺います。
 今回、都内では、カーポートやアーケードが倒壊し、青梅の中学校体育館や埼玉県の体育館の屋根が崩落する事故も発生しました。災害時に避難所となる体育館には耐震性の確保は不可欠ですが、積雪時の荷重も再検討する必要があるのではないかと思います。都は、今回のさまざまな状況をしっかりと検証し、危機管理対策を充実させることを要望します。
 間もなく、福島第一原子力発電所の悲惨な事故から三年を迎えようとしています。いまだに福島県の十三万人が避難しており、将来のめどが立たない状況です。これからのエネルギー政策は、二度とあのような惨禍と恐怖の体験を強いることのないものにしなければなりません。
 生活者ネットワークは、原発を即時ゼロにすべきと考えてまいりました。原発ゼロの実現に至る過程や速度に違いがあっても、原発からの脱却という意思は、今日に至るまで、政治的立場や政党支持の相違などを超え、多くの国民に共有されています。まずは、その決断と方向性を示すことが重要です。
 知事は、都知事選の政策の中で、原子力発電に依存しない社会の構築、再生可能エネルギー二〇%計画の構築を掲げました。その実現に向けて、省エネの推進と再生可能エネルギーの拡大が重要です。
 そこで、知事のエネルギー政策の推進に向けた見解を伺います。
 知事は、消費者としてできることから始めるといっていますが、実際に市民共同発電所など、地域でエネルギーをつくり出す取り組みが始まっています。公共施設の屋根貸しなど、地域自治体と連携した動きも見られ、こうした都民の活動を都として後押しすることが重要です。
 地域で先進的に屋根貸し事業に取り組んでいる事例もありますが、こうした取り組みに対する都の見解を伺います。
 最後に、リニア中央新幹線の環境アセスメントについて伺います。
 昨年九月に出された環境影響評価準備書に対する都知事意見を近くまとめると聞いています。リニア新幹線は、超電導による磁気で浮上して時速五百キロの超高速走行を可能にし、東京─名古屋を最速四十分で結ぶ計画です。全長の約八割がトンネル構造で、南アルプスの地下を掘り抜き、地下四十メートル以下の大深度地下方式を用いるなど、地上の自然環境や地下水への影響、磁場による乗客への健康影響も懸念されます。
 二〇一一年九月に公告された環境影響評価方法書に対し、関係自治体から出された意見の中には、環境影響に対する多くの懸念が示され、事業者であるJR東海に対し、対策が求められています。
 今回の準備書では、特に健康被害が懸念される磁場に関する情報提供が不十分であるなど、根拠や調査の不備が指摘されています。
 都は、都民の懸念に応えるという観点で、環境影響評価準備書の審議を行う必要があると考えますが、見解を伺いまして質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 西崎光子議員の質問にお答えします。
 まず、女性の活躍推進についてでございますけれども、少子高齢化の急速な進展に伴い、生産年齢人口が減少する中で、社会の活力を高めるためには女性の活躍は不可欠であります。
 女性の活躍推進に当たりましては、制度の整備にとどまることなく、企業にいまだ残存する見えない障壁を取り払うなど、社会全体の意識改革を促し、男女の別なく、意欲ある人が能力を十分に発揮し、活躍できる環境をつくることが重要であります。
 都は、企業経営者の意識改革を促すとともに、女性の活躍推進に向けた機運の醸成、安心して子供を預けられる環境の創出や企業における女性の登用、就業継続の後押しなど、女性の活躍推進に取り組んでまいります。
 続きまして、エネルギー政策の推進についてでありますが、東京は、電力、エネルギーを最も多く消費する都市であることから、大消費地としての責務を踏まえ、一層の省エネ、節電とともに、再生可能エネルギーの普及拡大に努めていくことが重要であります。
 このため、家庭や事業所におけるさまざまな取り組みを進め、日本のすぐれた省エネ技術も活用しながら、省エネを積極的に進めてまいります。
 また、再生可能エネルギーの利用割合を拡大するため、その第一歩として、官民連携再生可能エネルギーファンドを創設することにいたしました。
 今後、さらに専門家の助言を得ながら、具体策を取りまとめ、再生可能エネルギーの普及拡大に向けた取り組みを強化してまいります。
 その他の質問につきましては、関係局長から答弁させます。
   〔総務局長中西充君登壇〕

〇総務局長(中西充君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、都職員の仕事と育児の両立支援についてでございます。
 平成十七年三月に東京都職員次世代育成支援プランを策定し、仕事と育児の両立を支援する勤務時間、休暇制度などの整備と周知に取り組んでまいりました。
 その結果、女性職員の育児休業取得率は九五%前後まで上昇し、男性職員については二%前後と、プラン策定時の倍になるなど、両立支援制度の定着が一定程度図られてきたと認識しております。
 今年度は、都の職場を熟知した部長級職員が職場の核となる管理監督者に対して、働き方の見直しや効率的なマネジメント手法を講義するセミナーを開催いたしました。
 今後とも、両立支援制度の周知徹底と管理監督者の円滑な職場運営を支援することで、職員が仕事と育児を両立しやすい職場づくりに取り組んでまいります。
 次に、大雪などの際の一時滞在施設の開設についてでございます。
 東日本大震災の際には、首都圏の鉄道が停止し、多くの人が一斉に帰宅を開始したため、車道に人があふれ、緊急車両の通行に支障を来すなど大きく混乱しました。
 一時滞在施設は、この教訓を生かし、首都直下地震等において帰宅困難者の大量発生による社会の混乱を防止する目的で確保を進めているところです。
 一方、大雪等の場合には、事前に発生が予測できない大地震と異なり、あらかじめ備えておくことが可能なため、迅速的確な情報発信が重要となることから、今回の大雪の際には、ホームページやツイッターを活用して、気象情報、鉄道の運行情報を迅速に提供いたしました。
 今後も、大雪などの際には、都民に対してきめ細かに情報提供を実施してまいります。
   〔産業労働局長塚田祐次君登壇〕

〇産業労働局長(塚田祐次君) 女性の再就職支援についてのご質問にお答えいたします。
 都は既に、東京しごとセンターにおいて、年齢や性別を問わず、きめ細かい就職支援を実施しております。
 具体的には、カウンセリングやセミナー、パソコン講習のほか、ハローワークとの連携や民間事業者の活用による職業紹介等を行っております。出産等で離職した女性向けとしては、職場体験を取り込んだ就職支援プログラムや無料の託児サービスなど、手厚い支援も実施しております。
 来年度は、再就職を希望する女性向けの相談窓口を設置し、家庭生活と両立しやすい仕事の紹介や相談、保育情報の提供などの支援をワンストップで展開いたします。
   〔福祉保健局長川澄俊文君登壇〕

〇福祉保健局長(川澄俊文君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、国有地の活用についてですが、都はこれまで、国に対し、国有地の貸し付けに当たって、土地の貸付料の減額を行うこと、また、現在利用可能な国有地情報だけでなく、将来利用が可能となる国有地情報についても、早期に提供することなどを提案要求してまいりました。
 今後とも、保育所の整備が促進されるよう、国に対して、国有地の活用に関する働きかけを行ってまいります。
 次に、地域包括支援センター職員の資質向上についてですが、地域包括支援センターは、高齢者や家族からの相談に応じるとともに、医療や介護などのサービスが適切に提供されるよう、関係者の連絡調整を行う機関であり、地域包括ケアを実現するための中心的役割を果たすことが求められております。
 そのため、職員の資質向上は重要であり、都はこれまでも、センター職員を対象に、医療や介護など多職種連携の手法や、地域ケア会議の効果的な開催方法など、業務を行う上で必要な知識や技術を習得する研修を実施してまいりました。
 来年度は、地域ケア会議に関するより実践的な演習を盛り込むなど、研修内容や研修時間を拡充し、センター職員のさらなる資質向上を図ってまいります。
 最後に、介護保険制度における介護予防の見直しについてですが、区市町村の介護予防の取り組みについて、都はこれまで、担当者連絡会を開催し、各地域の取り組み状況について情報共有を図るとともに、多様な地域資源の活用等に関して専門的な助言を行ってきたところでございます。
 介護保険制度における介護予防の見直しは、国会での法案審議を経た後、本年夏ごろに、国が制度改正に伴う介護予防のガイドラインの素案を示すと聞いておりますが、都は連絡会を活用して、制度改正に関する情報提供や効果的な介護予防の先行事例の紹介などを行い、区市町村を支援してまいります。
   〔財務局長中井敬三君登壇〕

〇財務局長(中井敬三君) 都有地の活用についてでありますが、都有地は、都民から負託された貴重な財産であることから、福祉インフラ整備等、都政の喫緊の課題解決のために活用していく必要がございます。
 都はこれまで、当面の未利用都有地を活用し、認可保育所や高齢者向けの福祉施設の整備等のために都有地を貸し付けてまいりました。
 しかし、未利用地の都有地にも限りがあるため、区市町村と連携し、都有施設の更新計画における早い段階から創出用地を検討、調整することで、福祉インフラ整備を進めてまいります。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

〇環境局長(長谷川明君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、地域での再生可能エネルギー導入に向けた取り組みについてでございます。
 都は、太陽光発電の新たな導入手法であります屋根貸し事業の推進に当たって、積極的に取り組む地域の自治体とも連携し、その普及拡大を図っております。
 今年度、既に世田谷区等と共催でセミナーを開催し、事業者の具体的な取り組み事例の紹介などを行っております。
 今後も引き続き、屋根貸しのような新たな手法が一層活用され、太陽光発電の普及が進むよう、区市町村との連携を広げてまいります。
 次に、中央新幹線、いわゆるリニア新幹線の環境影響評価についてでありますが、事業者である東海旅客鉄道株式会社から、昨年九月に、環境影響評価法に基づく環境影響評価準備書が送付され、三十日間の縦覧を経て、現在、東京都環境影響評価審議会において、大気汚染、地盤、地下水、磁界などの二十二の項目ごとに準備書の審議を行っております。
 今後は、沿線自治体である関係区市長の意見や、本年二月に開催された都民の意見を聞く会における沿線住民等の意見を勘案しまして、審議会での議論を踏まえ、東京都環境影響評価条例の趣旨に基づき、より環境に配慮した事業となるよう、三月を目途に知事意見書を作成する予定でございます。

〇副議長(藤井一君) 二十七番やながせ裕文君
   〔二十七番やながせ裕文君登壇〕

〇二十七番(やながせ裕文君) バス、地下鉄、水道、下水道など、都の公営企業は、交通不便地域の解消、公衆衛生の向上、安全でおいしい水の供給という、都民にとって大きな役割を果たしてきました。
 これらの企業は、不断の経営努力を重ね、成熟した優秀な企業に育ちました。子供を育てるのが親の役割、成人した子供はひとり立ちさせるべきであります。
 国が昨年六月に閣議決定した三本目の矢である新たな成長戦略、日本再興戦略は、公共施設運営の民間開放が柱となっており、国内のインフラ整備、運営を担ってきた公共部門の民間開放を強く推進するとしています。
 安倍総理の言葉を引用しますと、エネルギー、医療、インフラ整備、がんじがらめの規制を背景に、公的な制度や機関が民間の役割を制約している、いわば官業といえる世界が今でも広い分野で残されています、いずれも将来の成長が見込まれる産業ばかりです、この官業の世界を大胆に開放していくこと、そして、日本人や日本企業が持つ創造力や突破力を信じ、その活力を自由に解き放つこと、これが安倍内閣の仕事です。このように述べられています。
 この言葉に強く賛同するものでありますが、あとはどこまで実行できるかであり、東京も含めたオールジャパンでこの方針を共有し、国と軌を一にして進めていくことが必要だと考えます。首都東京は、国の成長戦略を牽引する役割を果たすべきであり、官業の大胆な開放、都における公営企業の抜本的な改革に踏み出すべきであります。
 都の公営企業は、全国に先駆けて設備投資を行ってきた成熟企業であり、民間として対応できる十分な力を蓄えています。更新需要については、これまでの料金回収で蓄えを得ており、この蓄えをもって賄うことが企業経営の基本であります。交通、水道、下水道を所管する公営企業局は、さらに都民に大きな利益をもたらす存在となるよう、次のステージ、民営化を検討する段階に来ていると考えます。
 例えば、水道事業はどうか。東京都水道局は、世界一の技術を持ち、一千三百万都民においしい水を安定供給してきた実績があります。しかし、公営企業では限界がある。都は世界展開をうたっていますが、なぜ都がするのかという説明を求められますから、あくまで国際貢献レベルが限界であります。
 水ビジネスは、初期投資が大きくリスクをとらなければならないですし、何より意思決定の速さが肝心だからです。水ビジネスは成長産業だといわれ続けながら、日本の企業はおくれをとってきました。それは、水道事業が官業から脱皮できなかったからであります。
 世界での水関連産業は、二〇二五年に百十兆円といわれる巨大な市場ですが、フランスのヴェオリア、スエズ、イギリスのテムズウォーター、この水メジャー三社のシェアは圧倒的であります。イギリスやフランスでは、早くから上下水道の民営化が行われ、戦略的にこれらの企業を育ててきたのであります。
 中でもヴェオリアは、既に埼玉県や千葉県、広島市などで浄水場、下水処理場の管理を受託、大牟田市では浄水場を買収、松山市では水道事業を委託されました。日本企業が海外市場に参入するどころか、国内市場が海外の水メジャーに脅かされているという現状が残念でなりません。
 そこで、安全や安定供給に関してはしっかりと規制をかけること、これを前提として、都において水ビジネスを成長産業とはっきりと位置づけ、水道局を民営化する。プラントメーカーや商社と共同して和製メジャーを目指す。その企業体を政府と東京都が応援する。将来的には利益を上げて、納税、配当、料金値下げ、雇用の創出など還元してもらう。それこそ、東京がその財産を活用して、日本を牽引するモデルを構築することになるのです。国際貢献は大事でありますけれども、水道局はもっともっと大きなポテンシャルを持つ企業なのであります。
 国鉄はJR、電電公社はNTT、専売公社はJTになりました。これらの企業が官から民へ移行したことが、我が国の経済を活性化し、発展に大きく寄与したことは周知の事実であります。広く官業を開放することは、サービスの向上、効率化だけでなく、民間にお金が回り、地域経済の活性化や雇用の創出につながっていくのです。
 都は、公営企業の民営化を検討すべきと考えますが、今後の公営企業のあり方について知事の見解を伺いたいと思います。
 公営企業の改革の中でも、都が熱心に取り組んできたのが、いわゆる地下鉄一元化であります。都民の生活に密着し、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会期間中には移動の核となる地下鉄は、都営地下鉄と東京メトロに二元化されており、わかりづらい複雑な乗りかえや、割高な運賃、二重改札など、利用者は不便を強いられてきました。
 これらの解決には、経営の一体化、いわゆる地下鉄一元化が必須であることは明らかですが、財務省、国土交通省、東京メトロと複数のステークホルダーの思惑が複雑に絡み合い、残念ながら進展してきませんでした。
 都営地下鉄は、地道な経営改革を重ねてきた結果、六年間単年度黒字、これを続けております。順調に借金を返済しており、地下鉄一元化は都営の借金をメトロに押しつけるものだという主張には根拠がありません。むしろ、経営一元化は、その規模拡大のメリットを生かし、大胆なコスト削減を実現できる。サービスの一体化を加速させ、都民のさらなる利便性の向上を図ることができる。結果として、一元化によって、将来、企業価値が高くなることは間違いないのです。
 二月二十六日、つい先日ですけれども、衆議院予算委員会での質疑で、メトロと都営の経営一元化について問われた太田国土交通大臣は、知事もかわりましたものですから、また仕切り直し的なところもありますが、早急に協議をしていかなくてはいけないと答弁をされています。メトロの株式は速やかに売却することとされており、これが実施されれば、一元化は永久に困難なものになります。
 知事の地下鉄一元化に関する所見をお伺いし、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) やながせ裕文議員の質問にお答えいたします。
 まず、公営企業の民営化についてでありますけれども、地下鉄やバス、水道、下水道という東京都の公営企業は、都民の生活や安全・安心、経済活動の根幹を支えております。また、さらなる東京の発展や都市としての快適性の向上と切り離して考えることはできません。
 震災や豪雨など大規模災害への対応、総合的な交通政策を初めとして、オリンピック・パラリンピックも視野に入れた都市の持続、発展と密接に絡んでおります。
 民間でできることは民間でという考え方自体は、大きな流れとしては間違っていないと思いますが、まず、事業をめぐる状況や、経営の見通しを慎重に検討する必要があると考えております。
 東京都の公営企業のあり方につきましては、東京という都市を将来どのようにしていくのかという観点を十分に踏まえながら今後考えるべき事柄だと考えております。
 続きまして、地下鉄の経営一元化についてでありますが、一元化は、東京の地下鉄のサービス改善、一体化を進める上で有効な方策であるものの、国は経営一元化には課題が多いとしております。関係者間で意見の隔たりが大きく、今後協議を継続することとしております。
 こうしたことから、経営一元化を展望しながら、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック開催を踏まえ、まずは、都民や外国人観光客の利便性向上に直結する地下鉄のサービス改善、一体化を一層進めていくことが重要であると考えております。

〇副議長(藤井一君) 八番大津ひろ子さん
   〔八番大津ひろ子君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

〇八番(大津ひろ子君) 三・一一東日本大震災から三年がたとうとしています。被災地からは、私たちを忘れないでという言葉が返ってきます。惨禍の記憶を風化させてはなりません。
 私は、これまでの都民の命と安全を守る視点から、防犯、防災、事故防止、環境と衛生の分野について質問をいたします。
 東京は、東日本大震災後、地震が起きても怖くない高度な防災都市をつくるために、今まで想定していなかった津波や活断層を計画に追加し、おととし、地域防災計画を見直しました。
 私自身、議会側から、防災対策特別委員長として委員の先生方と一緒に計画の策定に携わり、想定外を許さない覚悟で、都民のさまざまな声を計画に盛り込んでまいりました。
 重要なことは、司令塔となる知事のもと、計画を迅速かつ着実に実行し、自助、共助、公助一体となった防災力の実効性を高めていくことと考えます。
 そこで、首都直下地震等の発生に備えた東京の防災について、どのように知事として責務を果たしていかれるのか、見解を伺います。
 釜石市では、生き埋めや閉じ込められた状態から生き残ることができた人たちは、自助、共助による救助、つまり、自力で、家族に、隣人に友人に、通行人に、救助された人たちが九七・五%も占めていました。
 日ごろからの防災訓練や、災害時要援護者への支援体制の構築など、都民一人一人の目線で東京を鍛え、たゆまぬ備えをすることで、災害時、人が素早く立ち上がることができる災害に強い都市が構築できるのです。
 東京の共助の仕組みとして、すぐれた防災活動をしている町会、自治会を東京防災隣組と認定し、活動の事例を普及しています。都内に約七千もある防災市民組織の活動活性化に向け、今後も積極的な支援をお願いします。
 東京防災隣組を初めとする地域防災力の向上に向けた取り組みの今後の展開について伺います。
 東北の被災地で復旧、復興の歩みを阻んでいた災害廃棄物。都は、全国に先駆けて平成二十三年十一月、被災地の災害廃棄物を受け入れ、先月、合計十六万七千八百九十一トンの受け入れ処理を終了しました。瓦れきといっても、瓦れきという言葉では片づけられない一人一人の思い出の品々であり、一人一人のかけがえのない歴史でもあります。
 先月末、新たな災害廃棄物について、南海トラフ地震で最大で約三億四千九百万トン、これは東日本大震災の約十一倍であり、また都心南部直下型地震では、狭い範囲で瓦れきが約一億一千万トン発生すると推計が公表されました。首都防衛、復興への鍵を握るのが、こうした瓦れき等の迅速な処理処分です。
 国は今後、広域的な視点から、廃棄物処理施設を再生エネルギーや防災の拠点とする整備など、総合的な対策を検討するとしています。災害廃棄物に積極的にかかわり貴重な知見を積んできた都は、先導的な役割を果たし、一日も早い万全の備えを進めていただきたい。所見を伺います。
 消費者行政について伺います。
 お風呂での溺れ、介護ベッドの柵に首を挟まれる事故、窒息など、日常生活の中での不慮の事故により、都では平成二十四年、二千五百六人の方が亡くなられています。交通事故による死亡者が三百四人で、実に八倍にも上ります。二十四時間、事故現場と向かい合いご尽力されている救急搬送の立場から、消防総監に、都民生活において生じる救急事故の発生状況及び事故を低減させていくための取り組みについてお伺いいたします。
 安全は都政の基本。消費者保護行政は、都民の命と生活の安全を守ることのできる都政の大きな柱です。
 最近、ウオーターサーバーによるやけど、誤飲など、子供や乳幼児の事故が起きています。これまでも都は、ヒヤリ・ハットするような危険の未然防止に向けて、事故防止ガイド、注意喚起リーフレット、ホームページなど、情報発信を積極的に繰り返してきました。生きた役に立つ情報が、子供や孤立しがちな子育て中の保護者や、周りの大人たちの目や耳に確実に入るような命中する情報発信が効果的です。
 さらに、情報発信の方法を工夫する必要がありますが、見解をお伺いいたします。
 EU加盟国においては、全て安全なものだけが市場で流通、販売されるべきという思想が徹底されていました。
 我が国でも、使い捨てライターによる火遊び事故防止に向けて、都から国を動かし、平成二十三年九月二十七日からブロック機能のある安全基準に適合したライターだけが製造、販売、流通するようになり、一定の成果が見られました。落下防止柵に首を挟まれて亡くなる事故が絶えない介護ベッドは、平成二十一年三月に国のJIS規格が改正されました。
 しかし、東京消防庁管内では、安全規制後もライターによる火災で子供が二人も亡くなっています。特に介護ベッドは、JIS規格改正後でも落下防止柵に首や体を挟まれて、九十名もの方々が救急車で今もなお運ばれ、うち三人が亡くなられました。技術立国日本としては大変残念なことです。
 もとの製品を正さない限り事故はなくなりません。製造者や事業団体は、製品をすぐ改善すること、販売自粛や自主回収も徹底するなど、製造責任を果たすべきです。国産、輸入品にかかわらず、製品が市場に出回る前の検査、実験を行う独立した機能機関をつくり、市場には安全なものだけが流通するようにすることも必要です。
 平成二十一年、消費者安全法により、重大事故が発生した場合、規制が及ばなかったすき間事業について、知事が業者に対する立ち入る調査権ができました。
 都は、商品等安全対策協議会において、使い捨てライター、子供服、子供用の水薬容器、ブラインドのひも、幅広いテーマについて、国や業界を動かし、安全対策につなげてきました。
 こうした成果を踏まえ、法規制や安全基準づくり、業界への厳しい対応がさらに迅速に進むよう積極的に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 人が亡くなってからでは遅い法律、看過なく業界団体に注意喚起できる都市型消費者保護行政の体制と危険の芽を摘み取る権限の実効が求められています。
 都民、そして東京を訪れる全ての人が、世界に誇れる健康で衛生的な都市を目指して、生活衛生問題について伺います。
 東京には、幼児や高齢の方々の入所施設から、ホテル、映画館、温泉施設、インターネットカフェなど、多様な建築物があります。窓のあかない建物も多く、これらの衛生的な室内環境を確保することも望まれます。
 オリンピックを控え、今後ますます人や物の交流が活発化し、国際化が進展します。異文化の交流を通じ、都民生活は豊かになりますが、生活衛生関連のリスクの増加も懸念されます。
 例えば、我が国では絶滅したと思われていたトコジラミの相談件数が、ここ数年で十倍になっています。東北支援によるさまざまな居住環境の改善策の検討や知恵も積もってまいりました。都民が健康で安心・安全に生活するため、衛生的に暮らせる室内環境の実現が重要と考えますが、知事の所見を伺います。
 また、建築物の室内環境のさらなる向上へ、現場で具体的にどのように取り組んでいるのか伺います。
 東京に滞在できてよかった、都市の衛生の実現は、世界へのおもてなしの一つではないでしょうか。
 オリンピックに向け、都内の盛り場にますます注目が集まっています。特に二十四時間バスの運行による深夜の治安情勢への懸念、悪質な客引き、違法風俗の存在も依然として大きな問題となっています。都民を初め、東京を訪れる全ての方々が、盛り場で憩いのひとときを過ごせる環境づくりは、世界に誇る東京の治安のよさをさらにアピールする絶好の機会だと思います。
 警視庁は、盛り場総合対策推進本部を設置し、渋谷地区を初め、六本木地区、新宿歌舞伎町地区、池袋地区を中心とした盛り場総合対策を推進しているとお聞きしています。現在の盛り場の環境浄化対策と今後の課題について警視総監にお尋ねいたします。
 子供の体力向上について伺います。
 体力とは、身体の力と、気力や意欲や、そして判断といった精神力との総合力であり、体の働きと体の一部である脳の働きをバランスよく向上させることが大切です。世界六大マラソンの一つとなった東京マラソンが先月盛大に開催され、スポーツ機運も高まっています。私は以前から、優しい心と強い体をつくる東京っ子政策を訴えてきました。
 ソチ五輪を見ても、クロスカントリーの男子スプリントフリー競技中、ロシア人選手が転倒し、スキー板が壊れ苦戦しました。ライバルでもあるカナダ人コーチが、予備のスキー板を交換してあげて、ロシア人選手はゴールができました。これぞまことの五輪精神の金メダルです。スポーツからは助け合うとうとさなど学ぶこともできると思います。
 都教育委員会は、スポーツ教育推進校の指定や、中学生東京駅伝大会を初め、体力向上のさまざまな取り組みを行ってきました。子供の体力向上の取り組みの成果と課題について所見を伺います。
 次に、体罰問題について伺います。
 昨今、教師による体罰が大きな社会問題となっています。大人同士がかばい合うのではなく、守るべきは子供です。植物も通気性を悪くすると根腐れをし、やがて倒木してしまうこともあります。学校の風通しもよくし、ふたをせずに情報公開、閉鎖的な体質を破り、学校の見える化を進めることが肝要です。こうした根っこをしっかり張ることで、子供と親と教師と、社会との信頼関係が築かれます。
 中学時代体罰を受けて以来、内向的になり、心の傷がその後の人生に長く引き続けたという方から手紙もいただきました。私は、この間、体罰の問題に対する教育委員会の対応に注目してきました。
 昨年一月、都教育委員会は、いち早く都内公立学校の体罰の実態を調査し、五月に結果を公表しました。特に、体罰のあった学校名を全て公表したことは高く評価できます。そして、本年一月には、体罰根絶に向けた総合的な対策を策定しました。
 大きな社会問題となっている体罰問題に対して、今後どのように取り組んでいくのか、教育長の所見を伺って質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕

〇知事(舛添要一君) 大津ひろ子議員のご質問にお答えいたします。
 まず、首都直下地震に備えた東京の防災についてでございますけれども、切迫性が高いといわれている首都直下地震への備えを万全なものとし、発生時の被害を最小化していくことが、東京における喫緊の課題の一つであります。東京を大災害にも打ちかつ都市へ発展させていくことは、私の知事としての務めであると考えております。
 このため、東日本大震災の教訓や東京の被害想定を踏まえて修正した地域防災計画に基づき、防災対策を推進してまいります。
 都内に広がります木造住宅密集地域の改善、都内主要道路の整備やその沿道にある建物の耐震化、無電柱化などを着実に進めてまいります。
 また、消防団の災害対応能力強化や、企業とも連携した帰宅困難者対策の推進など、地域や社会の防災力も高めてまいります。自助、共助、公助それぞれの力を結集させ、世界一安全・安心な都市の実現に向け、全庁を挙げて取り組んでいく所存でございます。
 続きまして、建築物の室内環境についてでございますが、建築物の衛生的な環境を確保し、維持していくことは、都民、利用者の健康や安全を守る上で重要であります。
 今日、建築物は大規模化が進み、日進月歩の技術開発で空調や給排水設備は複雑化、多様化しております。また、省エネへの対応など、建築物に求められる水準も高まっておりまして、その衛生環境を確保するためには、高度な技術が必要となっております。
 また、我が国には、他の国には余り例を見ない建築物の衛生を総合的に管理する法律がございます。
 そのため、都は、監視指導を行う専門班を設置して、日々都内のさまざまな現場を回り、空気環境や水質、害虫など多様な項目について専門的な目で検査を行い、必要な指導を行っております。
 今後とも、こうした監視指導を行い、都民や利用者が安心して生活し、活動できる環境を守ってまいります。
 その他の質問につきましては、警視総監、教育長及び関係局長から答弁させます。
   〔警視総監高綱直良君登壇〕

〇警視総監(高綱直良君) 都内における盛り場総合対策の取り組み状況等についてお答えを申し上げます。
 盛り場は、娯楽を提供してくれる場所として親しまれている一方で、粗暴犯、賭博、性犯罪、わいせつDVDの販売、薬物の売買、さらには悪質迷惑な客引き行為、違法風俗店の営業など、さまざまな犯罪行為が行われやすい環境にあることも事実であります。
 こうしたことから、警視庁では、誰もが安全で安心して楽しめる盛り場環境を実現するため、歌舞伎町、池袋、渋谷及び六本木地区を中心として、関係機関や防犯ボランティアと連携したパトロール、機動隊による警戒活動、本部捜査員を投入した違法風俗店の一斉摘発、風俗営業所に対する立ち入りなどを、集中的かつ波状的に推進しているところであります。
 さらに、新たな違法営業店舗の進出防止のため、テナントが悪質風俗店等になっているビルの管理者等に対する対策も講じているところであります。
 こうした活動の結果により、盛り場環境は改善されつつありますが、ご指摘のように、依然として、強引な客引きや違法風俗店の存在などにより、体感治安の悪化が懸念されているところであります。
 警視庁といたしましては、今後も、関係機関や地元住民の方々と協働し、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催も見据えながら、盛り場環境の浄化に向けた取り組みをさらに推進してまいりたいと考えております。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、子供の体力向上の取り組みの成果と課題についてでありますが、都教育委員会は、平成二十二年に、総合的な体力向上方策を策定し、一校一取り組み運動や、都独自の統一体力テストの実施など、体力向上に向けたさまざまな取り組みを展開してまいりました。
 四年間の取り組みの結果、小学生の体力は、体育授業の改善や休み時間、放課後の運動時間の確保などにより、全国平均を大きく下回る水準から全国平均にまで向上いたしました。一方、中学生の体力は、依然として全国で最も低い水準にあり、この点が課題でございます。
 今後、都教育委員会は、区市町村教育委員会と連携を図り、小学校では、これまでの取り組みをさらに進めるとともに、特に中学校においては、体育授業等に五分間走や効果的な体力トレーニングを導入するなど、運動量をふやす取り組みを推進し、引き続き子供の体力向上に努めてまいります。
 次に、体罰問題への今後の取り組みについてでありますが、体罰根絶のためには、教員の意識改革が最重要課題であり、体罰防止研修の徹底や体罰を容認する風土の一掃など、総合的に対策を講じていく必要がございます。
 このため、新たに策定した体罰防止のガイドラインを活用して、校内研修を全校で行うとともに、経験や職層に応じた研修を体系的に実施いたします。
 また、怒りをコントロールできない教員や体罰を指導の一環であるとの誤った考えを持つ教員に対する効果的な研修方法を開発いたします。
 都教育委員会は、引き続き体罰調査を実施いたしますとともに、保護者との意見交換や教育活動のより一層の公開を通して、学校の透明性と信頼性を高めてまいります。
 今後とも、区市町村教育委員会や学校と一体となって、体罰の根絶を図ってまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

〇総務局長(中西充君) 地域防災力の向上に向けた取り組みについてでございますが、自助、共助の取り組みを推進していくためには、その担い手である地域住民が主体的に防災活動を展開していくことが重要でございます。
 都はこれまで、意欲的な防災活動を行う団体を、東京防災隣組として認定し、その取り組みを広く紹介することで、他の地域にも防災活動を波及させてまいりました。
 また、希望する町会、自治会等に対して、防災活動の専門家による講義と住民同士の交流の場を提供いたします地域防災学習交流会を開催するなど、地域の取り組みを活性化してまいりました。
 今後も、こうした取り組みを着実に実施するなど、都民の主体的な防災活動を支援し、地域防災力を向上させてまいります。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

〇環境局長(長谷川明君) 災害廃棄物の処理体制についてでございますが、巨大地震発生時には、膨大な災害廃棄物が発生することから、処理主体となる区市町村への支援とともに、広域的な処理体制の構築が不可欠であります。
 都は、既に九都県市や全国の道府県等と災害時相互応援協定を結んでおり、巨大地震発生時には、速やかに協定締結先の自治体と搬出に向けた具体的な協議を開始し、広域処理体制を立ち上げて、資機材や処理施設等の提供を受け、迅速な災害廃棄物処理を行っていくこととしております。
 加えて、都は、東日本大震災の経験から、コンテナを活用した鉄道輸送や、民間処理業者を活用した受け入れ処理など、災害廃棄物を広域的に処理する上でのさまざまなノウハウを蓄積しております。
 都は、来年度国が行う最新の被害想定を踏まえた広域処理のより詳細な検討においても、これらの経験やノウハウを踏まえて具体的な提言を行ってまいります。
   〔消防総監大江秀敏君登壇〕

〇消防総監(大江秀敏君) 都民生活における事故の低減への取り組みについてでありますが、東京消防庁管内では、平成二十四年中に、約十二万人が日常の生活において生じる事故で救急搬送されております。
 当庁では、熱中症や餅による窒息等の繰り返し発生が危惧される事故、回転ドアの挟まれや遊具に起因するものなど、社会的影響の大きな事故について、時期を捉えて都民へ注意喚起を行っております。
 また、発生件数の多い子供や高齢者の事故について、啓発資料を作成し、ホームページなどを通じて広報するとともに、総合防災教育を活用した児童への直接指導や、都民防災教育センターでの子供の事故防止講座の実施など、事故防止へ向けた取り組みを進めております。
 今後も、関係各局と十分に連携し、都民生活事故の低減に取り組んでまいります。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

〇生活文化局長(小林清君) 消費生活行政に関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、子供の事故防止に関する情報発信についてでありますが、都は、今年度作成した東京都消費者教育推進計画の重点テーマに、子供の安全の確保を位置づけ、啓発活動の強化に取り組んでおります。
 具体的には、丸の内キッズジャンボリーや、子供未来とうきょうメッセなど、子育て中の親が多数集まるイベントで、家の中に潜む危険や、子供服の危険について模型やパネル等を活用して体験型の啓発活動を行っております。
 今後は、子育て支援団体との協働によるシンポジウムの開催や、区市町村と連携した普及啓発活動などを新たに実施してまいります。
 また、親子が一緒に身の回りの危険について学ぶ事故防止ガイドを、今月中に作成するとともに、スマートフォンアプリや東京都提供番組など、多様な手段を活用した情報発信に努めてまいります。
 次に、商品等の安全対策についてでありますが、都はこれまで、寄せられる相談情報の中から、危害危険情報を積極的に掘り起こし、事故が顕在化、重大化する前に、国に先んじて安全対策に取り組んでまいりました。特に商品の改善や新たな安全基準の制定などの対策が必要な商品等については、学識経験者、消費者団体、事業者団体から成る商品等安全対策協議会を設置し、海外の事例も分析しながら、事業者団体の協力を得て、具体的な方策を検討してまいりました。
 これまで、使い捨てライターや子供服のひもやフード、ブラインド等のひもの安全対策に取り組み、法規制やJIS規格化への動きなどの成果を上げてきております。
 今後とも、商品等安全対策協議会の仕組みを最大限に活用し、都民の命を守る法規制や安全基準づくりが迅速に進むよう、実効ある安全対策に全力で取り組んでまいります。
 また、重大事故が発生した場合には、消費者安全法による立入調査権の活用も含め危害、危険の防止に努めてまいります。
   〔福祉保健局長川澄俊文君登壇〕

〇福祉保健局長(川澄俊文君) 室内環境確保の具体的な取り組みについてですが、都内各保健所等は、法令に基づき、大規模な店舗や宿泊施設などを対象として、空気環境や水質、害虫の点検、防除等の状況に関して、立入検査を行っているところでございます。
 その結果、管理基準に適合しない場合には改善指導を行うとともに、建築物の所有者等に対して講習会を開催し、管理上の課題や改善策等の情報提供を行っております。
 また、都は、建築物の維持管理に携わる団体が行う研修会への講師派遣など、専門的、技術的な支援や、都民、事業者等への普及啓発を行っております。
 今後とも、関係団体等との連携のもと、こうした取り組みを推進し、衛生的な室内環境の向上に努めてまいります。

〇議長(吉野利明君) 以上をもって質問は終わりました。

〇議長(吉野利明君) 次に、知事より、第百十八号議案の撤回の申し出がありましたので、議事部長をして報告いたさせます
   〔別宮議事部長朗読〕
二五財主議第五六〇号
平成二十六年三月五日
東京都知事 舛添 要一
 東京都議会議長 吉野 利明殿
議案の撤回について
 平成二十六年第一回東京都議会定例会に提出した左記議案を撤回いたしますので、よろしくお取り計らい願います。
       記
第百十八号議案 武蔵野の森総合スポーツ施設(仮称)(二十五)新築空調設備工事(その二)請負契約
 (理由) 仮契約を締結した三建・八重洲・森崎建設共同企業体の構成員に、東京都競争入札参加有資格者指名停止等取扱要綱別表に該当する事実があったので、仮契約の協議書に基づき、仮契約の解除をしたため

〇議長(吉野利明君) 本件は、議長において、三月五日付をもって撤回を許可いたしました。

〇議長(吉野利明君) これより日程に入ります。
 日程第一から第百三十一まで、第一号議案、平成二十六年度東京都一般会計予算外議案百二十七件、諮問一件、専決二件を一括議題といたします。
 本案に関し、提案理由の説明を求めます。
 副知事安藤立美君。
   〔副知事安藤立美君登壇〕

〇副知事(安藤立美君) ただいま上程になりました百三十一議案についてご説明を申し上げます。
 第一号議案から第二十七号議案まで及び第百二十九号議案は、平成二十六年度予算案でございます。
 平成二十六年度予算は、世界一の都市東京の実現に向けて、新たな一歩を踏み出す予算と位置づけ編成をいたしました。
 第一号議案及び第百二十九号議案は一般会計予算でございます。当初予算及び補正予算を合わせまして総額六兆六千六百六十七億円を計上しております。
 第二号議案から第十六号議案までの十五議案は特別会計予算でございます。
 それぞれの事業に必要な経費として総額四兆二千六百九十四億円を計上しております。
 第十七号議案から第二十七号議案までの十一議案は、公営企業会計予算でございます。
 病院、交通、水道、下水道などの経営に要する経費として、総額二兆四千三十三億円を計上しております。
 第二十八号議案から第百十五号議案まで及び第百二十八号議案の八十九議案は条例案でございます。
 まず、新設の条例が四件ございます。
 第三十八号議案、平成二十五年度分の都と特別区及び特別区相互間の財政調整の特例に関する条例は、都区財政調整について再算定を行うものでございます。
 第七十一号議案、東京都民生委員定数条例及び第七十二号議案、東京都指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営の基準に関する条例は、地方分権改革に関するもので、条例に委任された指定居宅介護支援等の事業の基準などを定めるものでございます。
 第八十七号議案、東京都農業構造改革支援基金条例は、国の経済対策により農業の構造改革を推進するため、基金を設置するものでございます。
 次に、一部を改正する条例が八十二件ございます。
 第二十八号議案、東京都青少年問題協議会条例の一部を改正する条例は、条例に委任された協議会の会長について規定するものでございます。
 このほか、地方分権改革に関するものが七件ございます。
 第三十号議案、東京都知事等の給料等に関する条例の一部を改正する条例は、東京都特別職報酬等審議会答申を踏まえ、給料の改定を行うものでございます。
 このほか、特別職の給料、報酬等に関するものが十三件ございます。
 第三十四号議案、東京都職員定数条例の一部を改正する条例は、平成二十六年度の職員定数を定めるものでございます。
 このほか、職員に関するものが五件ございます。
 第三十五号議案、特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例は、特別区における事務処理の特例に関する規定を改めるものでございます。
 このほか、区市町村に関するものが二件ございます。
 第四十五号議案、東京都都税条例の一部を改正する条例は、固定資産税等の軽減措置を継続するものなどでございます。
 第五十号議案、東京都消費者行政活性化基金条例の一部を改正する条例は、国の経済対策による事業の期限延長に伴い、基金の期限等に関する規定を削除するものでございます。
 このほか、基金に関するものが九件ございます。
 第五十一号議案、東京都体育施設条例の一部を改正する条例は、利用料金の上限額を改定するものでございます。
 このほか、使用料、手数料に関するものが十三件ございます。
 第五十七号議案、東京都立学校設置条例の一部を改正する条例は、特別支援学校の再編に伴うものでございます。
 このほか、組織、施設に関するものが三件ございます。
 第五十九号議案、東京都生涯学習審議会条例の一部を改正する条例は、東京都生涯学習審議会と東京都社会教育委員とを統合するものなどでございます。
 第六十一号議案、東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例の一部を改正する条例は、耐震改修等の実施を勧告できる旨の規定から、支持できる旨の規定に改めるなど、規定を整備するものでございます。
 第八十三号議案、東京都薬物の濫用防止に関する条例の一部を改正する条例は、知事指定薬物の所持、使用行為に対して罰則を定めるなど規定を整備するものでございます。
 第九十一号議案、東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例は、消費税率及び地方消費税率の改定に伴い、市場使用料の上限額を改定するものなどでございます。同様の改定が上下水道の料金など四件ございます。
 第百十四号議案、火災予防条例の一部を改正する条例は、優良防火対象物認定表示制度について、認定期間を三年に延長するなど規定を整備するものでございます。
 以上のほか、法令改正に伴う規定整備などの一部改正が十三件ございます。
 次に、廃止する条例が三件ございます。
 第四十九号議案、保険業法に基づく特定保険業の認可審査に係る手数料に関する条例を廃止する条例は、特定保険業の認可申請の期限が到来したことに伴うものでございます。
 第八十一号議案、東京都肢体不自由者自立ホーム条例を廃止する条例は、東京都八王子自立ホームが、障害者支援施設に移行することに伴うものでございます。
 第九十九号議案、東京都地球温暖化対策推進基金条例を廃止する条例は、当該基金が所期の目的を達成したため、これを廃止するものでございます。
 第百十六号議案から第百十九号議案までの三議案は契約案でございます。
 第百十六号議案、都営住宅二十五H─一〇六東工事請負契約など、契約金額の総額は約六十三億円でございます。
 第百二十号議案から第百二十二号議案までの三議案は事件案でございます。
 第百二十号議案は、包括外部監査契約を締結するものでございます。
 第百二十一号議案及び第百二十二号議案は、連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区、市が負担すべき金額の限度額に関するものでございます。
 第百二十三号議案から第百二十七号議案までの五議案は、平成二十五年度最終補正予算案でございます。大島町の早期復旧、復興や、国の経済対策への速やかな対応などのため、一般会計五百三十一億円のほか、特別会計及び公営企業会計を合わせ一千二百七十九億円を補正するものでございます。
 次に諮問でございます。
 警視総監が行った退職手当の不支給処分について審査請求があったため、地方自治法第二百六条の規定に基づき諮問するものでございます。
 最後に専決でございます。
 一つ目は、二月九日に行われた東京都知事選挙に要する経費について、一般会計予算を補正したものでございます。補正の額は四十九億九百万円で、財源は全額繰越金でございます。
 二つ目は、公安テロ情報流出被害国家賠償請求事件について、控訴を提起したものでございます。いずれも議会を招集する時間的余裕がないと認め、専決処分を行ったものでございます。
 以上で説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
(議案の部参照)

〇議長(吉野利明君) 以上をもって提案理由の説明は終わりました。
 なお、本案中、地方公務員法第五条第二項の規定に該当する議案については、あらかじめ人事委員会の意見を徴しておきました。
 議事部長をして報告いたさせます。

〇議事部長(別宮浩志君) 人事委員会の回答は、第五十三号議案、第五十五号議案及び第百十二号議案について、いずれも異議はないとの意見であります。

二五人委任第一四二号
平成二十六年二月二十五日
東京都人事委員会委員長 関谷 保夫
 東京都議会議長 吉野 利明殿
「職員に関する条例」に対する人事委員会の意見聴取について(回答)
 平成二十六年二月二十日付二五議事第四五二号をもって、地方公務員法第五条第二項の規定により照会があった議案に係る人事委員会の意見は、左記のとおりです。
       記
提出議案
一 第五十三号議案
学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
二 第五十五号議案
学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
三 第百十二号議案
東京消防庁の設置等に関する条例の一部を改正する条例
意見
異議ありません。

〇六十七番(近藤充君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております議案のうち、日程第一から第二十八までにつきましては、三十九人の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託されることを望みます。

〇議長(吉野利明君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(吉野利明君) ご異議なしと認めます。よって、日程第一から第二十八までは、三十九人の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託することに決定いたしました。
 委員は、委員会条例第五条第一項の規定により、議長から、お手元に配布の名簿のとおり指名いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(吉野利明君) ご異議なしと認めます。よって、委員は、お手元に配布の名簿のとおり選任することに決定いたしました。
 なお、本日の本会議終了後、役員互選のため、委員会を本議場に招集いたしますので、ご了承願います。
〔予算特別委員名簿は本号末尾(二一四ページ)に掲載〕

〇議長(吉野利明君) お諮りいたします。
 ただいま議題となっております日程第二十九から第百三十一までは、お手元に配布の議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(吉野利明君) ご異議なしと認めます。よって、日程第二十九から第百三十一までは、議案付託事項表のとおり、それぞれの所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。
(別冊参照)

〇議長(吉野利明君) 請願及び陳情の付託について申し上げます。
 受理いたしました請願一件及び陳情十件は、お手元に配布の請願・陳情付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
(別冊参照)

〇議長(吉野利明君) お諮りいたします。
 明七日から十日まで四日間、委員会審査のため休会いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(吉野利明君) ご異議なしと認めます。よって、明七日から十日まで四日間、委員会審査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、議事の都合により、三月十一日午前十一時に繰り上げて開きたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(吉野利明君) ご異議なしと認め、さよう決定いたします。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後七時一分散会

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