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Tokyo Metropolitan Assembly

平成二十五年東京都議会会議録第十二号

平成二十五年九月二十五日(水曜日)
 出席議員 百二十七名
一番小林 健二君
二番加藤 雅之君
三番かんの弘一君
四番山内  晃君
五番栗山よしじ君
六番小松 大祐君
七番松田やすまさ君
八番大津ひろ子君
九番石川 良一君
十番みやせ英治君
十一番おときた駿君
十二番小松 久子君
十三番西沢けいた君
十四番米倉 春奈君
十五番白石たみお君
十六番斉藤やすひろ君
十七番栗林のり子君
十八番まつば多美子君
十九番伊藤こういち君
二十番河野ゆうき君
二十一番柴崎 幹男君
二十二番ほっち易隆君
二十三番舟坂ちかお君
二十四番清水 孝治君
二十五番島崎 義司君
二十六番神野 次郎君
二十七番やながせ裕文君
二十八番田中 朝子君
二十九番塩村あやか君
三十番山内れい子君
三十一番中山ひろゆき君
三十二番田中  健君
三十三番里吉 ゆみ君
三十四番和泉なおみ君
三十五番尾崎あや子君
三十六番大松あきら君
三十七番吉倉 正美君
三十八番遠藤  守君
三十九番中山 信行君
四十番木村 基成君
四十一番北久保眞道君
四十二番高椙 健一君
四十三番栗山 欽行君
四十四番大場やすのぶ君
四十五番和泉 武彦君
四十六番小宮あんり君
四十七番三宅 正彦君
四十八番吉住 健一君
四十九番桜井 浩之君
五十番野上ゆきえ君
五十一番上田 令子君
五十二番西崎 光子君
五十三番小山くにひこ君
五十四番あさの克彦君
五十五番新井ともはる君
五十六番徳留 道信君
五十七番河野ゆりえ君
五十八番小竹ひろ子君
五十九番上野 和彦君
六十番高倉 良生君
六十一番橘  正剛君
六十二番野上 純子君
六十三番谷村 孝彦君
六十四番山崎 一輝君
六十五番崎山 知尚君
六十六番川松真一朗君
六十七番近藤  充君
六十八番堀  宏道君
六十九番鈴木 錦治君
七十番きたしろ勝彦君
七十一番田中たけし君
七十二番鈴木 隆道君
七十三番神林  茂君
七十四番早坂 義弘君
七十五番両角みのる君
七十六番島田 幸成君
七十七番今村 るか君
七十八番斉藤あつし君
七十九番大西さとる君
八十番畔上三和子君
八十一番大島よしえ君
八十二番松村 友昭君
八十三番東村 邦浩君
八十四番小磯 善彦君
八十五番鈴木貫太郎君
八十六番木内 良明君
八十七番高木 けい君
八十八番村上 英子君
八十九番高橋 信博君
九十番鈴木 章浩君
九十一番秋田 一郎君
九十二番鈴木あきまさ君
九十三番山加 朱美君
九十四番高橋かずみ君
九十五番相川  博君
九十六番山田 忠昭君
九十七番林田  武君
九十八番服部ゆくお君
九十九番こいそ 明君
百番中村ひろし君
百一番尾崎 大介君
百二番石毛しげる君
百三番植木こうじ君
百四番かち佳代子君
百五番曽根はじめ君
百六番藤井  一君
百七番長橋 桂一君
百八番中嶋 義雄君
百九番ともとし春久君
百十番田島 和明君
百十一番中屋 文孝君
百十二番宇田川聡史君
百十三番吉原  修君
百十四番高島なおき君
百十五番古賀 俊昭君
百十六番立石 晴康君
百十七番野島 善司君
百十八番三宅 茂樹君
百十九番川井しげお君
百二十番吉野 利明君
百二十一番野村 有信君
百二十二番内田  茂君
百二十三番酒井 大史君
百二十四番山下 太郎君
百二十五番清水ひで子君
百二十六番大山とも子君
百二十七番吉田 信夫君

 欠席議員 なし

 出席説明員
知事猪瀬 直樹君
副知事安藤 立美君
副知事秋山 俊行君
教育長比留間英人君
東京都技監都市整備局長兼務藤井 寛行君
知事本局長前田 信弘君
総務局長中西  充君
財務局長中井 敬三君
主税局長新田 洋平君
生活文化局長小林  清君
警視総監西村 泰彦君
スポーツ振興局長細井  優君
環境局長長谷川 明君
福祉保健局長川澄 俊文君
産業労働局長塚田 祐次君
建設局長横溝 良一君
港湾局長多羅尾光睦君
会計管理局長松田 芳和君
交通局長中村  靖君
水道局長吉田  永君
消防総監大江 秀敏君
下水道局長松浦 將行君
青少年・治安対策本部長河合  潔君
病院経営本部長醍醐 勇司君
中央卸売市場長塚本 直之君
選挙管理委員会事務局長影山 竹夫君
人事委員会事務局長真田 正義君
労働委員会事務局長岳野 尚代君
監査事務局長松井多美雄君
収用委員会事務局長目黒 克昭君

九月二十五日議事日程第二号
第一 諮問第三号
  地方自治法第二百六条の規定に基づく審査請求に関する諮問について
第二 第百六十三号議案
  災害派遣手当等の支給に関する条例の一部を改正する条例
第三 第百六十四号議案
  特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第四 第百六十五号議案
  東京都震災対策条例の一部を改正する条例
第五 第百六十六号議案
  東京都議会議員及び東京都知事の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例
第六 第百六十七号議案
  東京都分担金等に係る督促及び滞納処分並びに延滞金に関する条例の一部を改正する条例
第七 第百六十八号議案
  東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
第八 第百六十九号議案
  東京都指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第九 第百七十号議案
  東京都風致地区条例の一部を改正する条例
第十 第百七十一号議案
  都立江東地区第二養護学校(仮称)(二十五)改築工事請負契約
第十一 第百七十二号議案
  都立小金井北高等学校(二十五)改修工事請負契約
第十二 第百七十三号議案
  都立第五商業高等学校(二十五)体育館棟その他改築工事請負契約
第十三 第百七十四号議案
  首都大学東京日野キャンパス(二十五)実験棟群改築その他工事請負契約
第十四 第百七十五号議案
  首都大学東京日野キャンパス(二十五)実験棟群改築その他空調設備工事請負契約
第十五 第百七十六号議案
  中川護岸耐震補強工事(その二十五)請負契約
第十六 第百七十七号議案
  平成二十五年度十号地その二多目的内貿岸壁(-(マイナス)八・五m)桟橋整備工事請負契約
第十七 第百七十八号議案
  若潮橋鋼けた製作・架設工事請負契約
第十八 第百七十九号議案
  古川地下調節池換気設備工事(その一)請負契約
第十九 第百八十号議案
  八ッ場ダムの建設に関する基本計画の変更に関する意見について
第二十 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
議事日程第二号追加の一
第一 平成二十四年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
第二 平成二十四年度東京都公営企業各会計決算の認定について

   午後一時開議

〇議長(吉野利明君) これより本日の会議を開きます。

〇議長(吉野利明君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

〇議長(吉野利明君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

〇議事部長(別宮浩志君) 知事より、地方自治法第二百四十一条第五項の規定により、平成二十四年度東京都区市町村振興基金及び東京都用品調達基金の運用状況に関する調書等の提出がそれぞれありました。
(別冊参照)

〇議長(吉野利明君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 知事より、平成二十四年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について外一件が提出されました。
 これらを本日の日程に追加いたします。

〇議長(吉野利明君) これより質問に入ります。
 百十三番吉原修君。
   〔百十三番吉原修君登壇〕

〇百十三番(吉原修君) 平成二十五年第三回東京都議会定例会に当たり、東京都議会自由民主党を代表して質問をいたします。
 二〇二〇年オリンピック・パラリンピック招致は、まさに全ての都民、国民がかち取った勝利であります。ご尽力いただいた全ての皆様に、都議会自由民主党を代表いたしまして、心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。
 都議会議長を団長とする議員団の一員として、私もブエノスアイレスに赴き、IOC総会に出席をいたしました。そして、このたびの歴史的な瞬間に立ち会うことができました。
 招致成功を手繰り寄せたのは、高円宮妃殿下の世界に感銘を与えたお言葉であり、安倍総理みずから先頭に立った国を挙げての取り組みでありました。そうした日本のプレゼンテーターの皆さんが、世界の代表者を前に堂々と、また、内容の濃いスピーチは立派でありました。これには感動し、日本人として誇りにさえ感じたところであります。
 八年越しで地道な活動を積み重ねてきましたが、国民の高い支持率がチーム日本の背中を強く後押しし、二〇一六年招致活動を糧にしたきめ細かいロビー活動は大きく実を結びました。
 そして何より、東京の治安のよさや、発達した交通システムなどが高く評価されました。これらは、先人たちが幾多の災害や戦災を乗り越える中で培ってきた都市としての総合力であり、日本社会の底力にほかなりません。
 オリンピック・パラリンピック二〇二〇年大会を、何としても大成功させなければなりません。それだけでなく、先人の英知と努力が培ってきたものにさらに磨きをかけ、発展させ、未来へと引き継ぐことが我々の責務であります。
 東京と日本はグローバルな競争にさらされ、内にあっては社会構造の大きな変化に見舞われております。一九六四年の大会が、戦災から立ち直った姿を全世界に示して発展の扉を開いたように、二〇二〇年大会をてこに、五十年先、そして百年先を見据えた東京をつくり上げなければなりません。
 同時に、東日本大震災からの復興を最大限加速して、各被災地が立ち直った姿を全世界に示し、励ましや友情への感謝を伝えるとともに、日本の再生につなげていく必要があります。
 招致の成功によって日本全体は歓喜し、目指すべき新たな目標ができました。
 さて、このたび、幾多の困難を経験されながらも力強く歩まれてこられた三名の方々が、名誉都民として都民の日に顕彰されることになりました。岡野俊一郎さん、そして三浦雄一郎さん、森英恵さん、まことにおめでとうございます。心からお喜びを申し上げる次第でございます。
 我が自由民主党は、国民の期待に確かに応え、世界の中心で輝く日本を取り戻す決意であります。そのために、都議会自民党はさきの都議選で、東京を世界で一番の都市とすることを都民の皆様に約束し、五十九名全員当選の信を得ました。今後は会派が一致団結し、時には泥をかぶることもいとわず、都政の発展、都民生活の安全確保に全力を尽くし、東京から日本を強力に牽引していくことを改めてお約束申し上げます。
 我が党は、公約として掲げた十本の柱から成る政策を実現していくため、渾身の力を振り絞ってまいります。
 本定例会は、第十九期のスタートであり、四年間の方向性を定める重要な意味があります。もとより、都民の負託に応えるためには、知事と議会とが二元代表制のもとでそれぞれ使命を果たし、都政の推進力を最大にする必要があります。
 今後の都政の成否は、我々と同じ方向を向いて建設的に議論し、コミュニケーションを密にしていけるかにかかっています。一番大切なことは、これから先、知事がどのようなお心構えで都政のかじ取りを進めようとしているかであります。知事の基本姿勢を伺います。
 次に、新たな長期ビジョンの策定について伺います。
 先般、猪瀬知事は、本年十二月末を目途に新たな長期ビジョンを策定することを表明されました。二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック開催が現実のものとなった今、大会の成功に向けた万全な準備と、開催都市にふさわしい都市環境の整備をより積極的にスピードを上げて進めていくことが重要であります。
 一方で、東京は少子高齢化の急速な進行に加え、大地震や豪雨などの脅威、公共インフラの老朽化といった多くの重要課題に直面しており、東京がさらなる成長と発展を遂げて世界で一番の都市とするためには、オリンピック・パラリンピック大会のさらにその先を見据えた政策展開を示していく必要があります。
 今回、「二〇二〇年の東京」にかわる新たな長期ビジョンを作成するに当たり、東京の課題が何であると認識され、どのような政策を展開していこうとしているのか、知事の所見を伺います。
 また、新たな長期ビジョンの策定に当たっては、都民の期待に応え、東京の新たな羅針盤としてふさわしいものにするため、都民の意見などを幅広く反映させていくことが極めて重要です。
 我々都議会自民党も、責任政党として、東京と日本のさらなる発展のため、ビジョンの策定を注視し、我々の思いを積極的に提言してまいります。
 長期ビジョン策定に際し、どのように都民の意見などを反映させていくのか伺います。
 また、我が党の政策を今後四年間で一つ一つ実現し、予算の中で具体化させていくことが、都議会第一党である我々の都民に対する極めて重要な責任であります。
 さて、七月末には、来年度予算の見積もり方針の通達が出され、予算編成が実質的にスタートしています。二十五年度予算は、知事選後一カ月という時間的制約のある中で編成されたものであり、猪瀬知事にとっては今回が初めての本格的な予算編成と考えます。ゆえに、来年度予算は、今後の都政の方向性を都民に示すという点で非常に大きな意味を持つものであります。
 そこで、二十六年度予算をどのように編成するのか、知事の所見を伺います。
 また、都民の負託に応える政策を継続して実行していくには、それを支える強固な財政基盤が何といっても不可欠であります。二十四年度決算において、都税収入は五年ぶりに増加に転じたものの、その水準は、いまだリーマンショック直後の水準にとどまっています。
 引き続き財政の健全性の確保にも留意が必要と考えますが、今後の財政運営にどのように当たっていくのか、所見を伺います。
 我が党が掲げた政策集、東京を世界で一番の都市にでは、十の項目立てを行い、都民の皆様に六十の政策目標をお示しいたしました。
 そこで、この政策を実現するため、順次伺ってまいります。
 世界に誇れる安全・安心な都市をつくるためには、耐震化の促進など災害に強いまちづくりに加え、発災した際の対応力を強化することが重要だと考えています。
 我が党は、東日本大震災直後に立ち上げた復旧・復興対策推進本部においてさまざまな提言を行い、昨年度修正された地域防災計画にも多く反映させていただきました。さらに、都の初動体制をさらに強化することも提言しています。
 都は現在、発災直後の関係機関との連携強化に向け、首都直下地震等対処要領の策定を進めていますが、策定に当たっては、より実効性のあるものとするため、自衛隊、警察、消防などの関係機関が活動するための拠点形成や、地域特性に応じた災害活動などを実践、検証することも重要であります。
 そこで、首都直下地震等対処要領の策定に向けて、今後どのように取り組んでいくのか、所見を伺います。
 次に、建築物の耐震化促進について伺います。
 首都直下地震の切迫性が指摘される中、都民の生命と財産を守り、首都機能を維持するために、東京の防災力のさらなる向上が重要であります。特に、建築物の耐震化は重点的に取り組むべき課題であります。
 一昨年、緊急輸送道路沿道建築物に耐震診断を義務づける条例を全国に先駆けて制定するなど、取り組みを強化してきましたが、条例の施行後は、耐震診断に着手する建築物が大幅にふえ、今後は診断の結果を受け、着実に耐震化に結びつけていくことが大切です。
 国も耐震改修促進法を改正し、都と同様に耐震診断の義務化を行い、これにあわせて改修工事などへの助成を拡充する制度をようやく開始する予定であります。
 こうした国の制度拡充の機会を捉え、都としても、建築物の耐震化を一層促進することが必要と考えますが、都の見解を伺います。
 次に、木密地域における特定整備路線について伺います。
 首都直下地震などの震災時には甚大な被害が想定されるため、木密地域の防災性の向上を図ることが極めて喫緊の課題であります。
 このため、都は二十八区間、約二十六キロメートルの特定整備路線を指定し、平成三十二年度までに一〇〇%整備するとしています。今後、限られた期間でこれらの路線を一日も早く整備していくためには、地元の理解と協力はもとより、何よりも関係権利者の生活再建のためのきめ細かい支援が不可欠であります。
 そこで、特定整備路線の早期整備のための取り組みについて伺います。
 次に、八ッ場ダム建設事業について伺います。
 災害は地震だけではありません。最近では台風十八号によって全国で死者を出すなど、風水害の被害は甚大であります。八ッ場ダム本体の建設をめぐっては、入札の直前に、当時の民主党政権がマニフェストに書いたからとの理由だけで強引に建設を中止するという暴挙に出ました。結局、民主党はその後、効果的なダムの代替案を全く示せず、建設再開に追い込まれたことがマニフェスト総崩れの象徴となりました。
 この間、我が党は、過去に何度も繰り返されてきた利根川水系の洪水被害から、首都圏を守るため必要不可欠な八ッ場ダムの建設中止撤回を強く訴え続けてきました。その結果、昨年末の政権交代を受け、国は本体関連工事の再開を決定いたしました。
 今月九日には、関係県議会の議員連盟とともに八ッ場ダム建設推進全体協議会を開催し、徹底したコスト縮減等に取り組み、かつ、一日も早く完成させるための最大限の努力をすることなどの要望を決議いたしました。
 国が本体工事着手に向けた基本計画変更の手続を開始し、来年度予算の概算要求に本体工事費を五年ぶりに盛り込んだことは、当然といえ、喜ばしい限りであります。今後は、これまでの事業のおくれを取り戻すべく、強力に建設を進めていく必要があります。
 改めて、治水効果の高い八ッ場ダムの早期完成に向けた知事の決意を伺います。
 次に、豪雨対策について伺います。
 ことしの夏は、中国地方や東北地方の一部で、過去に経験したことのない降雨に見舞われるなど、全国各地で集中豪雨が発生し、土砂災害や家屋の浸水などの被害が相次ぎました。
 都は、平成十九年、豪雨対策基本方針を定め、対策を進めていますが、都内においても、ことし七月に、城南地区で局地的な集中豪雨による多数の浸水被害が発生しています。
 異常気象から東京を守るため、地下調節池の整備や下水道整備を進め、ゲリラ豪雨対策を今まで以上に推進していくべきであります。
 そこで、豪雨対策に関する都の取り組みについて伺います。
 一方、この夏の局地的集中豪雨による都内での浸水発生状況を見ますと、広範囲にわたり下水道の雨水排除能力を上回る降雨による浸水が発生し、世田谷区や目黒区などで四百戸以上もの浸水被害が生じています。
 このような局地的集中豪雨から都民の安全・安心を守るためには、さらなる下水道の対策強化が必要不可欠と考えます。
 そこで、局地的集中豪雨に対する下水道の浸水対策の強化について伺います。
 次に、我が党の政策集の二つ目の政策目標、都民の命と健康を守る安心都市東京を実現するため、幾つか伺います。
 我が党は、二十四時間三百六十五日、いつでも、誰もが医療を受けられる安心社会をつくることをこれまで求めてきました。都も、限られた医療資源を有効に活用しながら、救急、周産期医療体制などの整備に努めてきました。
 ことし八月に提出された社会保障制度改革国民会議報告書では、病院が病床の医療機能を都道府県へ報告する制度を導入し、これを踏まえて都道府県が地域の医療機能ごとの必要量を示し、地域全体で治し、支える医療の実現に向けた地域医療ビジョンを策定するなど、平成二十九年度を目途に医療提供体制の改革を進めることが盛り込まれています。
 急性期から在宅までの一貫した医療体制を実現するためには、患者が住みなれた地域や自宅での生活を地域全体で支える体制を整備する必要があると考えます。
 そこで、在宅医療体制の推進に向けた今後の取り組みについて伺います。
 次に、違法、脱法ドラッグ対策について伺います。
 都は、我が党の働きかけにより、違法、脱法ドラッグを知事指定薬物として規制する条例を全国で初めて制定し、規制、取り締まりを行ってきました。ところが、ヘッドショップと称する店舗等が依然として多く存在し、合法ハーブなどと称して販売されている違法、脱法ドラッグの乱用が若者等の間に広がっています。
 来月一日には、改正薬事法等が施行され、薬事監視員や麻薬取締員に新たな権限が付与されます。こうした状況を踏まえ、都としてどのような対策を講じていくのか伺います。
 また、薬事法については、一般用医薬品のインターネット販売のルールについて検討が進められています。
 本年六月、安倍首相は、成長戦略の一環として、消費者の安全性を確保しつつ、ネット販売を解禁する方針を示し、現在、国において、その条件として薬剤師等の専門家による購入者への情報提供を行うことなどが検討されています。
 我が党としては、安全管理に配慮した新たなルールを実現し、適正な運用が図られるよう、ネット販売事業者に対する指導や取り締まりを強化するよう国に働きかけてまいります。
 次に、都民の生命と健康を守る安定給水の確保について伺います。
 利根川水系では、現在と同じ八ダム体制になった平成四年以降、二十二年間で七回もの取水制限が実施されています。その中でも、特にことしは、五月からダム貯水量が最も少ない状態で推移し、七月には一〇%の取水制限が実施されました。その後の雨により、何とか取水制限が強化されずに済みました。
 万が一、貯水量の減少が続いていたら、ダムが底をつき、断水を余儀なくされ、首都東京に甚大な影響を及ぼすばかりか、日本全体の社会経済活動にも大きな打撃を与えることは間違いありません。
 こうした状況の中、先ほども申し上げましたが、八ッ場ダムはいまだに未完成であり、利根川の水源は、五年に一回発生する規模の渇水にさえ対応できていません。
 そこで、首都東京の安定給水の責務を担う都の認識を伺います。
 また、都民の安全・安心を確保する重要施策に治安対策があります。東京オリンピック・パラリンピック競技大会を招致する際も、日ごろの治安対策が高く評価されたものと考えます。治安のよさは、世界に堂々と誇れる点だと思います。観光立国を目指す日本としては、首都東京の安全は重要な項目です。
 ただ、一般的には、オリンピック・パラリンピック競技大会は、過去の例からもテロの発生が危惧されるところであります。幾ら治安がよい東京での開催であるとはいえ、テロの脅威を完全に払拭することはできません。こうしたことから、首都東京の治安を担う警視庁の役割は非常に重要なものと考えます。
 そこで、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の成功に向けて、警視庁としての決意を伺います。
 次に、我が党政策集の三つ目の政策目標である高齢者や障害者に優しい東京を目指すため、今後の福祉施策について伺います。
 少子高齢化と人口減少が急速に進む我が国にあって、将来にわたって安心して生活を送るためには、自助、自立を基本とした上で、家族や地域のきずなを強め、持続可能な社会保障制度を確立していくことが重要であります。十二年後の平成三十七年には、約二百万人の都民が七十五歳以上となり、介護や医療を必要とする高齢者の急増が見込まれています。
 一方、子育て分野に目を転じると、保育所整備を加速させているものの、依然として待機児童は高い水準にとどまっています。今後、さらに増大する福祉ニーズに応えるためには、今から将来を見据えて対策を打つ必要があります。
 そこで、今後どのように福祉施策を展開し、どのような東京を目指すのか、まず、知事の所見を伺います。
 次に、高齢者施策について伺います。
 現在、何らかの支援が必要な認知症の人は二十三万人を超えており、平成三十七年には高齢者人口の約一一%に当たる三十八万人に達します。今後、ふえ続けていくことが予想される認知症の人と、その家族が認知症になっても、できる限り住みなれた地域で、そして安心して暮らすことができる東京を実現することが重要であり、さらなる対策の強化が必要であります。
 このため、我が党は、認知症の早期発見、診断、対応の取り組みの必要性を重ねて主張してきました。これを受け、都は今年度から新たな取り組みを開始いたしましたが、現時点での状況について伺います。
 次に、障害者の就労支援について伺います。
 障害者が地域で自立して生活するためには、働く機会を確保することが重要です。昨年の都内民間企業の障害者の実雇用率は一・六六%と過去最高となったものの、本年四月には、民間企業の法定雇用率が一・八%から二・〇%に改定されるなど、企業による障害者雇用のさらなる拡大が求められており、そのためには、障害者の就労支援が必要となるわけであります。
 また、福祉施設で働く障害者が生きがいを持って働き続けられる取り組みを進めることも重要です。
 そこで、都は障害者を企業等で就労につなげる取り組みや、福祉施設で就労する障害者への支援を充実すべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、我が党政策集の四つ目の政策目標である日本の将来を担う子育て世代に優しい東京をつくるために関連して、幾つか伺います。
 都は、認可保育所や認証保育所を初め、多様なサービスを総動員して保育サービスの拡充を図ってきた結果、都内の保育サービスは、二年連続で待機児童数を大きく上回る一万人分以上の整備がされました。
 しかし、本年四月一日現在の待機児童数は三年ぶりに増加し、八千百十七人と厳しい状況が続いています。この背景には、持続的な就学前児童人口の増加に加え、共働き家庭の増加など、さまざまな要因があると考えられます。
 国は、成長の一環として、平成二十九年度までの五年間で保育の受け皿を四十万人分用意し、待機児童ゼロを目指す、待機児童解消加速化プランを打ち出しました。一日も早く待機児童を解消するためには、国のプランに示された支援策等も活用しながら、保育サービスの量的拡充をさらに加速させなければなりません。
 都は、待機児童解消に向け、今後どのように保育サービスの整備促進に取り組んでいくのか、所見を伺います。
 また、多様化する保育ニーズに応えていくために、サービスの質を支える人材の確保、育成を進める取り組みも重要です。
 そこで、保育人材の確保、育成に向けた取り組みについて所見を伺います。
 次に、我が党の政策集の五つ目の政策目標である後世に誇れるクリーンで美しい東京をつくる目標に関連して、エネルギー施策について伺います。
 エネルギー問題を考えるときは、大震災後の状況変化を冷静に分析することが不可欠です。都は震災後、天然ガス発電所プロジェクトを立ち上げましたが、電力需給状況は、この間、大きく変わっています。
 都民、都内企業の節電の努力もあり、本年の夏のピーク電力需要は約五千万キロワットにとどまるなど、必ずしも逼迫した状況ではありません。
 一方、発電所候補地の中には、現在スポーツ競技場であったり、住宅地が近接しているところがあるほか、オリンピックの競技予定地も近接しており、開催計画との整合性の問題もあります。さらには、送電線の敷設がシールド工法などによって八キロメートルも必要なところがあるなど、建設にはさまざまな課題があります。
 百万キロワット天然ガス発電所プロジェクトは、震災直後の電力事情から着手したのでしょうけれども、必要性と実現可能性には大いに疑問があり、見直す時期に来ているといわざるを得ません。
 こうした状況下、どう考えているのか、知事の見解を伺います。
 エネルギー施策については、都は自治体として具体的な取り組みを着実に推進していくことが極めて重要です。デフレから脱却し、日本経済が持続可能な成長を実現するためにも、電力の安定化は不可欠です。それには、供給力を高めるだけでなく、都民が無理なく使用を抑える工夫も必要であり、防災の観点も含め、環境に優しい自立分散型エネルギーの普及、拡大も重要であります。
 さらに、エネルギーの見える化や、需給の最適制御を行う仕組みを導入したスマートエネルギー都市に向けた取り組みも求められています。
 この点で、都が今年度、スマート化の実現化に向けて、総額百億円に上る補助を開始したことは評価できます。しかし、省エネの一層の推進には、熱需要があるにもかかわらず、エネルギーマネジメントが進んでいない中小企業事業者への支援や、高効率照明や空調等の中小事業所への普及にも取り組むべきと考えます。
 こうした点も含め、今後、エネルギー施策に関する具体的な課題にどのように取り組んでいくのか、都の所見を伺います。
 都は、環境施策でこれまで国に先駆けた取り組みを行い、大きな成果を上げてきました。これは、議会と行政が一致協力し、なし遂げた成果であります。
 一方、かつての環境行政の対象は限られた原因者が中心でしたが、今日では、町中における緑の保全、家庭や中小企業における省エネ対策、資源リサイクルなどの推進など、地域レベルで取り組むべき課題に対し、住民や地元企業など、多様な主体に働きかける取り組みの重要性が増しています。
 我が党の政策を実現するためには、区市町村と連携し、住民や企業など地域の多様な主体を結集し、地道であっても継続的かつ着実に地域から環境課題に取り組んでいく仕組みをつくることが重要と考えますが、都の見解を伺います。
 次に、我が党の掲げる政策集の六つ目の目標である力強い経済で日本をリードする東京の実現について伺います。
 安倍政権では、国家戦略特区を第三の矢である成長戦略のかなめと位置づけて、民間投資を促し、世界で一番ビジネスのしやすい環境をつくるとしています。国家の戦略として、国を挙げてこうした取り組みを行うとともに、その取り組みの場所として東京が最もふさわしいことはいうまでもありません。
 知事は先般、国家戦略特区により、アジアヘッドクオーター特区のバージョンアップを図るとし、国に対し幅広い提案を行いました。この中で特に外国企業誘致を進めるに当たり、何に重点を置いて、どのような取り組みを行い、また国に求めていくのか伺います。
 あわせて、こうした取り組みによって東京の中小企業を初め、東京全域にどのようなメリットがあるのか伺います。
 次に、産業振興のあり方について伺います。
 我が国の経済は、自由民主党政権による景気対策や金融対策により、少しずつ明るい兆しが見え始めています。こうした景況の改善が、東京の産業を支えている数多くの中小零細企業にしっかりと行き渡る施策の展開こそが都政の重要な役割であると考えます。
 また、東京の経済の中長期的な発展を確実なものとするためには、中小企業の成長を行政として戦略的にサポートすることも不可欠です。現政権のアベノミクスの打ち出す成長戦略と連携して、東京の産業振興を着実に推し進めて、中小零細企業の活力を高め、雇用就業の場も生み出していくという総合的な政策の展開こそが必要となっています。
 都は、中小零細企業への支援を初め、東京の産業振興に向けてどう取り組んでいく考えか、知事の所見を伺います。
 次に、中小企業の成長サポートの進め方について伺います。
 東京の中小零細企業が力強く発展していくためには、成長分野への進出や最先端技術の導入といった新たな取り組みを積極的に進めていくことが重要であります。
 その一方、現在の景気回復の動きがいまだに多くの中小零細企業へ及んでいない中では、経営状況を悪化させない守りの姿勢や意識も根強く残り、攻めの経営に踏み切れない場合が多いものと考えます。
 都政としては、業績が容易に回復できない企業にも目配り、目くばせしつつ、新たな成長を目指す企業に対して設備投資を促進するなど、積極的な経営に転換できるような後押しをしっかりと行うべきであります。
 国では、企業の成長に結びつく設備投資を活性化するための減税などが検討されています。現場を抱える都としては、成長をより効果的な形でサポートするため、設備投資の活性化に向けて踏み込んだ施策の展開こそが必要と考えますが、見解を伺います。
 また、設備投資以外でも、これからは、経営全般にわたり成長分野での新しい事業展開に意欲を持って取り組む会社へのサポートを広げていくことが重要であります。
 都はこれまで、景気の低迷が続く中、企業の日々の資金繰りを支えるため、制度融資を初め、金融面からのさまざまな支援を展開してきました。また、厳しい経営環境の克服に役立つよう、相談対応や販路開拓の支援に加え、技術力の下支えなどの施策を実施しています。
 今後は、中小零細企業の経営基盤を支えるこうした手厚い施策を引き続き推し進めるとともに、成長を目指す企業を重点的にサポートするような施策展開が必要であると考えます。
 成長の実現に向けた経営支援の進め方について、所見を伺います。
 次に、雇用就業の施策について伺います。
 東京の産業の成長を実現するため、中小企業の現場で働く労働力をしっかりと確保していくことは不可欠です。少子高齢化社会が進み、我が国の労働力人口は減少傾向にあり、こうした状況は、いずれは東京においても直面することになるのは確実と考えます。
 この東京で意欲ある人材がやりがいを持って働くことのできる社会と環境をつくり出すことは都政の重要な役割ですが、解決すべき課題が多いのが現状です。意欲はありながら仕事につけない若者や、出産や育児で一度離職し再就職を目指している女性、また、生きがいを持って就労を続けようとする高齢者の能力は、必ずしも十分に活用されているとはいえません。産業を成長へと導く原動力として、能力を十分に発揮して働くことのできる社会の仕組みを一刻も早くつくり上げることが重要であります。
 少子高齢化社会を迎える中、今後の雇用就業対策の方向性について見解を伺います。
 次に、都市農業の振興について伺います。
 東京の農業は、地域に根差した産業であり、地域の経済だけでなく、社会をも活性化する重要な役割を果たしています。
 実際に都市農業は、新鮮で安全・安心な農作物を供給し、その農地が緑地やオープンスペースとして都民生活に潤いをもたらすものであることから、我が党は、農業団体や農業者と数多くの意見交換を積み重ねてきました。そうした議論の成果は、農家経営の強化に向けた支援策や、農地の保全をサポートする施策として実現しました。
 また、国に対しても、相続税など税制面から農地の減少に歯どめをかける働きを積極的に進めてきました。これまでの実績を踏まえつつ、都市農業の支援には、今後もさらに力を入れていくべきものと考えています。
 都市農業を効果的に振興するため、どのような対応を進めていくのか所見を伺います。
 次に、観光振興について伺います。
 オリンピック・パラリンピック競技大会の招致が成功したことをきっかけに、今後、東京に訪れる外国人旅行者を飛躍的に伸ばす取り組みをしっかりと行うことが大切であります。二〇二〇年に向け、東京の魅力を着実に高め、その魅力を世界に発信することで、アジアにおける国際観光都市として地位を確立し、ひいては世界でも有数の観光都市に発展させていくべきであります。
 そのためには、東京の持つ多様な観光資源を効果的に生かしながら、個人や団体、さらに国際会議などの受け入れを格段に伸ばしていくための戦略的な取り組みを速やかに展開することが重要と考えます。
 オリンピック・パラリンピックの開催を絶好の機会と捉え、今後、東京の観光振興をどのように展開するのか所見を伺います。
 次に、臨海エリアの国際観光拠点化について伺います。
 東京が明確な戦略を持ち、アジアナンバーワンの国際観光都市を目指していくことは、日本経済を牽引する成長戦略に極めて重要であります。
 近年、シンガポールや香港などの国際観光都市を見ると、MICE拠点の開発とあわせ、大型クルーズ客船に対応するふ頭を整備し、毎日のようにクルーズ客船が出入りしている状況であります。世界では船舶の大型化に伴うクルーズ人口の急増により、アジアを中心にマーケットが急成長しており、日本への寄港ニーズも高まっています。
 大型クルーズ客船の寄港による経済効果は非常に大きく、これは成長戦略として直接的な効果をもたらすとともに、国際観光都市東京のイメージ向上にも大いに寄与すると期待をしています。
 東京における成長戦略として、臨海副都心におけるMICE施設の誘致をするとともに、レインボーブリッジの下を通過できない大型クルーズ客船を常時受け入れられる体制を整備し、大きな経済効果を確実に取り込んでいくことが必要と考えますが、知事の所見を伺います。
 次に、都有財産の活用について伺います。
 都有地の有効活用については、これまでも我が党からの要請により、福祉インフラ整備への積極的な活用で三十七件の施設が整備されるなど、一定の効果がありました。
 一方で、東京の少子高齢化は急速に進行しており、女性の社会進出と相まって、保育所、特別養護老人ホーム、認知症高齢者グループホームなどの需要が急増しています。加えて、減災都市の実現に向けて地域の防災まちづくりに資する用地の確保など、さらなる行政需要への対策が求められています。
 そこで、少子高齢化社会対策や、都の抱えるさまざまな喫緊の行政需要に対応するためには、全庁的な視点で各局が所管する都有地や施設を横断的に精査し、施策に必要な用地をあらかじめ確保するなど、戦略的に土地を生み出していくといった手法が必要となってくると考えます。今後の取り組みについて伺います。
 次に、我が党政策集の七つ目の政策目標である、若者が夢と希望を持てる教育都市東京を実現する施策について伺います。
 次世代を担う人材育成について、我が党は真剣かつ継続的に取り組んでまいりました。その一つに、私学振興があります。私立学校は、建学の精神と独自の教育理念に基づく教育により、首都東京を支える多くの優秀な人材を輩出しています。
 我が党は、こうした私立学校の重要な役割に鑑み、学校運営に対する経営費補助の充実を初め、特別奨学金などによる保護者負担の軽減や防災機能向上のための耐震化補助の拡大などに取り組んできました。
 さらに今年度は、私立高校生の留学支援制度を創設するとともに、幼稚園に対する防災備蓄倉庫の整備経費の補助や、非構造部材の耐震対策について補助を新設するなど、学校現場や保護者の要望を踏まえ、責任政党としてきめ細やかな対応を行ったところです。
 今後も我が党は公私間格差の是正を初め、私学振興の推進に全力で取り組んでいきます。
 現在、国においては、私立高校生の保護者の負担軽減について、我が党の公約どおり、高等学校の授業料無償化の見直しが進められ、これに伴って就学支援金へ所得制限を導入し、低所得者に対する支援の充実を図るなどの考え方が示されています。
 都は、平成二十二年度に国の就学支援金が制度化される以前から特別奨学金制度を設け、保護者負担の軽減に努めてきましたが、就学支援金制度の見直しを踏まえ、今後どのような考え方で保護者負担軽減策を実施していくのか所見を伺います。
 また、我が党は、知力、体力、人間力を備え、世界と渡り合える若者を育てるために、教育施設の充実を求めてまいりました。
 先日公表された全国学力調査の結果を見ると、東京の子供は、小中学校ともに全教科において平均を上回っているものの、個々の学校の学力には大きな差があり、基礎的な学習内容を理解していない子供もいるなど、将来、我が国を担う人材を育成するためには、さらなる教育の充実が必要であります。
 今後、教育委員会は、知徳体の基礎的な力を全ての子供が習得できるようにするために、どのような考え方で取り組んでいくのか、見解を伺います。
 次に、グローバル人材の育成について伺います。
 世界情勢が大きく変化する昨今、世界で勝てる東京、日本を創成するためには、次代を担う若者の夢と希望を培い、より積極的に人材育成に取り組まなければなりません。
 我が党はこれまで、高校生の留学の必要性を訴え、都独自の留学制度を実現させてきました。今後は、高校在学中の留学だけではなく、海外大学への進学を推進するとともに、国内でも誰もが外国人と交流して学べる環境を整えるなどして、将来、世界で活躍できる人材を育成していくことが必要です。
 今後、こうした取り組みを通じて、世界と渡り合えるグローバル人材を育成していくことが重要であると考えますが、見解を伺います。
 次に、小中高一貫教育について伺います。
 科学技術立国である我が国にとって、将来を支える人材の育成は非常に重要であります。我が党は、人材づくりは国づくりの考え方を基本に捉え、社会状況や子供の実態に応じて学校制度を多様化、複線化することを提唱しており、六・三・三制の枠組みの弾力化など、具体的な提言を行っております。
 先般、都立小中高一貫教育校の基本構想について、中間のまとめが公表されましたが、途中で通学場所が変わることや、入学者の決定方法など、さまざまな課題があります。子供たちの資質や能力を十分に伸長するための有効な方策となるよう、今後も議論を尽くすべきであると考えます。
 その際、議論の前提として最も重要である都立小中高一貫教育校の設置目的について、都教育委員会の所見を伺います。
 次に、いじめ問題について伺います。
 本年六月、国においては、いじめ防止対策推進法が制定され、いじめ問題の解決に社会全体で取り組むことが規定されました。
 いじめは、人間の尊厳を傷つける行為であり、ましてや子供がみずからとうとい命を絶つという事態は決して起こしてはなりません。
 これまで都議会自民党は、スクールカウンセラーの都内公立小中高校全校への配置を初め、いじめをなくすため、さまざまな施策を実現してきました。この間、都教育委員会が専門家を交えて行ってきたいじめの総合対策に関する検討も大詰めと聞いています。
 スクールカウンセラーの一層の活用など、いじめ問題の未然防止や問題を深刻化させないために、全力を挙げて取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、我が党の政策集の八つ目の政策目標、人と物の流れがスムーズに行き交う首都圏をつくることに関連して伺います。
 まず、都市計画道路について伺います。
 都市計画道路は、人や物の流れの円滑化を図り、都民生活や企業の経済活動を支えるとともに、災害時には物流の確保により日本の中枢機能を堅持し、市街地の延焼から都民の生命、財産を守る重要な都市基盤施設であります。
 都は、過去三度にわたり事業化計画を策定し、都市計画道路の整備を着実に進めてきた結果、約六割が完成をいたしました。
 しかしながら、依然として交通渋滞の解消や都市間連携の強化などの課題が残されています。国際競争力を培うには、東京の最大の弱点である渋滞の解消が重要であり、そのためにはさらなる都市計画道路の整備が必要であります。
 本年の第一回定例会において、平成二十七年度までを計画期間とする第三次事業化計画以降を見据えた新たな整備方針の検討に着手したとの答弁がありましたが、今後の都市計画道路の整備に向けた都の考え方を伺います。
 次に、東京の道路整備について伺います。
 我が国の成長軌道を確固たるものとし、たくましい日本を取り戻すには、その中枢をなす首都東京が、災害に強い安全で強靭な都市を早期に実現し、力強い経済で日本をリードしていく必要があります。
 東京の道路は、平常時はもとより、震災時においても東京の経済を支え、都民の生命、財産を守る極めて重要な都市基盤です。
 このため、これまで着実に築いてきたストックの効率的、計画的な維持更新にも取り組み、引き続き、質、量ともさらなる充実を図っていく必要があります。
 そこで、東京における道路整備の推進について都の見解を伺います。
 また、四百万人を超える人口を擁する多摩地域では、魅力にあふれ、活力に満ちたまちを目指すため、地域が有する多様な特性を生かして、その潜在力を引き出し、さらなる発展を促す取り組みが必要であります。
 このためには、幹線道路ネットワークを形成することにより、渋滞を解消して、人と物の流れをスムーズにするとともに、災害時にも都民が安全に安心して暮らせるまちとすることが最優先する課題であります。
 都はこれまで、府中清瀬線が平成二十五年三月に全線開通するなど、多摩南北主要五路線を初めとした幹線道路の整備に取り組んでいますが、さらにこの取り組みを進めていく必要があります。
 そこで、多摩地域の発展に資する幹線道路整備の今後の取り組みについて伺います。
 人と物の流れをスムーズにすべきは国内対策だけではありません。
 国際物流の円滑化は、アベノミクスによる新たな経済政策を進めていく上でも喫緊な課題であり、首都東京が擁する東京港の役割はますます重要となります。
 これまで東京港は、川崎港、横浜港と連携し、国際物流拠点として日本経済をともに支えてきました。生産地、消費地に近い東京港は、生活物資の輸入や、より付加価値の高い輸出品の増大に伴い、今後ますます重要な役割を担っております。
 しかし近年、アジア諸港が躍進する中で、我が国港湾の相対的な地位が低下しております。このままでは国際基幹航路から外れ、物流コストの増加等により、都民生活や産業活動にも悪影響が及びかねません。
 こうした状況の中、世界的な国際競争に打ち勝つためには、京浜港の連携をさらに推進していくとともに、日本の経済成長を牽引する東京港こそ、より一層その機能を充実させていくべきであります。
 東京都は、こうした東京港の重要性についてどう認識し、国際競争力の強化にどのように取り組むのか、知事に所見を伺います。
 また、我が国は高度経済成長期以降、集中的に社会資本整備を進め、これまでそれらの社会資本に支えられながら経済成長を果たし、豊かな国民生活を実現してきました。
 しかしながら、近年、新幹線トンネルでの内壁の一部落下や笹子トンネルでの事故のように、これまで我が国の成長を支えてきた社会資本の老朽化による事故が各地で発生し、大きな社会問題となっています。
 東京においても、高度経済成長期に整備された多くの社会資本の老朽化が進みつつあり、都民の安全・安心に少なからず影響が生じています。我が党は、こうしたことを真摯に受けとめ、政策集の中で老朽インフラ対策の推進を公約として掲げました。
 そこで、まず、都営地下鉄の安全の確保について伺います。
 さきの東日本大震災において、地下鉄はいち早く運行を再開し、災害に強い公共交通機関であることを証明いたしました。東京における移動の手段として重要な役割を果たしている都営地下鉄が、大地震発生時においても早期に運行再開できるよう、さらなる耐震対策を講ずるべきです。
 また、トンネルの老朽化対策を一層推進して、安全・安心の確保を図っていく必要があります。
 我が党はこれまでも、災害に強い安全な東京をつくるために、地下鉄施設の耐震対策や老朽化対策を求めてきましたが、都営地下鉄のさらなる安全・安心の確保に向けた交通局の所見を伺います。
 次に、水道施設の整備について伺います。
 水道は、都民生活と都市活動を支えていく上で欠くことのできない基幹的な施設です。このため、我が党は、水道の機能が決して途絶えることのないよう、機会があるごとに、水道施設の更新や管路の耐震化などの取り組みを強力に推進させてまいりました。
 これを受け、水道局では、今後本格化する浄水場更新に備えた代替施設の整備や、病院、避難所に供給する水道管路の優先的な耐震化など、積極的に施設整備を展開していることは高く評価しています。しかし、都の浄水場の七割は、高度経済成長期に整備されており、間もなく一斉に更新時期を迎えることになります。
 また、都内の水道管路は、地球半周を超える規模に及ぶ一方で、現在の耐震継ぎ手率は、いまだに三割程度にとどまっています。将来のあるべき姿を見据え、強靭な水道インフラを整備していくことは水道事業者の責任であります。
 そこで、水道施設整備の新たな方向性を明らかにして、計画的に取り組む必要があると考えますが、見解を伺います。
 次に、下水道について伺います。
 下水道管が老朽化し劣化が進むと、道路の陥没の発生や土砂流入による下水の流下機能の低下を招き、都民生活はもとより、都市活動の安全性や快適性を脅かすことになります。
 区部の下水道管は約一万六千キロメートルに及んでおり、法定耐用年数である五十年を超えた下水道管は既に約一割に達し、さらに、今後二十年に全延長の約半分に相当する下水道管が法定耐用年数を超えるため、一層の対策強化が必要であると考えます。
 そこで、下水道管の再構築の取り組みについて伺います。
 次に、全ての都民を元気にするスポーツ文化都市東京を築くという政策目標に関連して伺います。
 今回、東京が二〇二〇年オリンピック・パラリンピック開催都市を、都民、国民の皆様のご支援のおかげでかち取ることができました。前回の招致活動の経験も踏まえ、八年越しで総力を挙げて取り組んできた我が党としても大変喜ばしいことと思っています。
 東京が招致都市として再度名乗りを上げた直後、都議会では平成二十三年十月に招致決議を可決、オリンピック・パラリンピック招致議員連盟を平成二十四年三月に再開し、全国自治体への招致応援要請行動、各種団体を通じた署名活動など、さまざまな招致活動に積極的に取り組んでまいりました。そうしたさまざまな努力が実を結び、招致支援の輪が広がり、多くの都民、国民の支持を背景に招致が実現をいたしました。
 今回の招致獲得は、まさに東京そして日本全体が一丸となって取り組んだ結果であります。
 そこで、招致をかち取った今、知事の所見をお伺いいたします。
 二〇二〇年東京大会は、子供たちに夢と感動を与え、日本を元気にするものでなければなりません。
 そこで、開催に向けた今後の取り組みについて伺います。
 オリンピック・パラリンピック開催都市となった今、これを契機にさらにスポーツ振興を推進していくべきです。都は、我が党の提案を受け、本年三月に、東京都スポーツ推進計画を策定し、スポーツ振興に向けたさまざまな施策を推進しています。
 オリンピック・パラリンピックを初めとする国際大会で活躍する選手の姿は、都民に誇りや希望、大きな喜びをもたらすとともに、スポーツの裾野の拡大にもつながるなど、老いも若きも健康で活力あふれる社会の実現に絶大な効果を発揮いたします。
 これまで都は、国内最大のスポーツの祭典である国民体育大会での総合優勝を目標に、さまざまな競技力向上の取り組みを進めてきました。五十四年ぶりに東京で開催される大会が三日後に迫る中、東京代表の選手たちの努力が大輪の花を咲かせ、都民に大きな感動をもたらしてくれるものと期待をしております。
 いよいよ二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック開催も決まり、新たな目標が掲げられることになりました。今後は国内の大会にとどまらず、世界の大舞台で活躍する東京育ちのアスリートの育成に努めていくべきと考えますが、所見を伺います。
 最後に、魅力あふれる多摩・島しょをつくる取り組みについて伺います。
 我が党は、さきの都議選において、魅力あふれる多摩をつくることを政策集の重要な柱の一つとして掲げ、多くの都民からご支援をいただきました。
 都はこれまで、多摩振興の取り組みを進めてきましたが、多摩地域には今もなお多くの課題が残されており、人口減少など将来の社会構造の変化にも直面しています。多摩振興は、東京のさらなる発展を図る上で、都として積極的に取り組むべき重要な施策であり、まずもってこのことをしっかりと認識していただきたいと思います。
 都は、我が党の提案を踏まえ、本年三月に新たな多摩のビジョンを策定いたしましたが、これを単に理想像を描いたものに終わらせてはなりません。本ビジョンに基づき、市町村や民間とも連携を図り、都市基盤整備、産業振興など多摩地域をさらに魅力的な地域にする具体的な取り組みを一層強力に推進するべきであります。
 また、長年の課題である横田基地の軍民共用化については、知事みずからがリーダーシップを発揮し、周辺住民の生活環境や地域振興の観点などを踏まえながら、多摩の活性化につながる共用化の実現に向け取り組むよう要望をいたしておきます。
 また、本年は多摩地域の東京移管百二十年を記念するイベントが実施されており、今週末にはいよいよスポーツ祭東京二〇一三が開催をされます。こうしたイベントについても、一過性のものとせず、多摩地域のさらなる発展の推進力としていくべきであります。
 そこで改めて、今後の多摩地域の振興に係る都の所見を伺います。
 さて、自民党政権復帰で日本経済に回復の兆しが見えている中で、このたび、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会の東京招致成功は、アベノミクスの第四の矢とも称され、日本全体に明るい光をもたらしています。七年後に向け、日本の再生と、それを牽引する東京の再起動の舞台は整いました。長い混迷と閉塞感の時代を乗り越え、今度こそ、このチャンスを生かして、我々は次の時代においても輝き続ける東京をしっかりとつくっていかなければなりません。
 今回の代表質問に当たっては、我が都議会自民党の都議選における政策集の柱に沿ってお尋ねをしてまいりました。ここで質問してきた一つ一つの政策を着実かつ速やかに実現することこそ、私どもが都民の皆様にお約束を果たすことと確信しております。
 実現のために、我が党は新たに政策推進総本部を党内に設け、公約実行の進行管理、そして政策の提案を精力的に行ってまいります。
 そして、知事が我々議会とコミュニケーションを図り、車の両輪として都政を最大限推進していくべきであり、我々は、そのために力を惜しみません。それこそが、二元代表制のもとで都政を担う、都民から負託された我々の責任であります。
 都議会自民党は、このたび公認候補全員当選という、都民の皆様から託された大きな期待と極めて重い責任に、これまで以上に身が引き締まる思いであります。
 明るい兆しが見えたとはいえ、災害に強い首都東京の構築、少子高齢化社会を踏まえた新たな都市モデルの確立、成長を支える社会基盤の整備、そして更新、世界に打ち勝つ東京を支える人材の育成など、まだまだ我々の行く手には大きな課題が山積をしております。
 しかし、我々は責任政党の矜持にかけ、真の都民与党として、いかなる状況にあっても都民本位の政治を力強く推進し、必ずや世界で一番の都市東京を実現する覚悟であることを改めてお誓い申し上げ、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事猪瀬直樹君登壇〕

〇知事(猪瀬直樹君) 吉原修議員の代表質問にお答えします。
 都政運営に当たっての基本姿勢についてでありますが、東京は最もあしたに近く、これから世界の都市がいずれ直面することになる課題を先取りする立場にあります。そのため、困難な課題にも挑戦し、解決に向けて取り組まなければなりません。
 まずは、災害発生時に都民の生命、財産を守る高度防災都市の実現や、東京の治安を確固として守ることで、安心を実現していきます。
 また、少子化対策や就労支援、社会の発展に貢献し世界で活躍する若者を育てることで、希望を大きなものにしていきます。
 さらに、安倍政権と連携した国家戦略特区の取り組み、我が国の成長を支える首都のインフラ整備、すぐれた技術という強みを持つ東京の中小企業の支援、経済と環境を両立させる環境政策などを推し進めることで、再びの成長を目指します。
 これらの取り組みを具体化するとともに、福島、岩手、宮城を初めとする被災地の復興に尽力し、オリンピック・パラリンピックの成功という世界に対する約束を確実に果たしていきたい。
 そのためには、ただいまの自民党からの質問の趣旨を踏まえ、国や民間はもとより、皆さんとしっかりと連携することが不可欠であります。東京と日本のために、同じ志を持ち、同じ世界一の都市を実現するという目標に向かって努力していきたい。
 建設的に議論し、コミュニケーションを密にとって、皆さんとともに汗をかいてまいりたいと思います。
 新たな長期ビジョンの策定についてでありますが、東京都はこれまで、「二〇二〇年の東京」に基づき、高度防災都市の実現や国際競争力の強化に向けて、さまざまな分野で先進的な施策を戦略的に展開してきました。
 これらの施策は着実に成果を上げつつありますが、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会を開催する東京が、日本の再生を牽引し新たな発展を遂げていくためには、今、改めて中長期の視点に立って将来を考える必要があります。
 このため、少子高齢化の進行と人口減少社会の到来を初めとする、首都東京に山積する重要課題の解決への道筋を描き、十年後の東京の将来像を示す新たな長期ビジョンを策定します。
 新たな長期ビジョンでは、オリンピック・パラリンピック開催都市にふさわしい洗練さと国際性やおもてなしの心を備え、若者、女性、高齢者、障害者、外国人など、全ての人に優しい都市の実現、ソフト、ハードが一体となった少子高齢化対策の推進など、現代社会に対応した新たなモデルの構築、高い技術力を生かしたインフラ整備と維持保全による持続的な発展が可能な都市の形成など、今後の政策展開について明らかにしていきたいと思います。
 これから都議会の皆さんと議論しつつ、新たな長期ビジョンの策定を進め、一人一人が輝く世界一の都市の実現を目指していきたいと思います。
 平成二十六年度予算編成についてでありますが、現下の都政には、東京のさらなる発展につながる先進的な施策を展開するとともに、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックを大きな推進力として、日本の成長を牽引していくことが求められております。加えて、少子高齢化への対応や首都直下地震への備えなど、喫緊に取り組むべき課題も山積しており、この先数年の取り組みが東京の将来を大きく左右することになります。
 そのために、来年度予算は、新たな長期ビジョンの実現に向けてスタートを切る予算として、東京の持つ可能性や潜在力を引き出す施策や、都民の安全・安心を高める取り組みに財源を重点的に配分することとし、知恵を出し合い、実効性の高い施策を立案するよう指示を出しております。
 今後、都議会の皆様と議論を重ねながら、都民の負託に応える予算を編成していきたいと思っております。
 八ッ場ダムの早期完成についてでありますが、さきの民主党政権は、一都五県と共同で進めてきたダム事業について、特定多目的ダム法に定める意見聴取の手続を一切踏まず、本体工事を一方的に中止しました。その後、合理的な代替案を示せないまま、中止を撤回するなど迷走し、洪水や渇水への備えが四年もおくれることになりました。
 平成の時代に限って見ても、異常気象による局地的豪雨や洪水が多発し、列島各地を襲っております。利根川下流域に位置する首都圏の治水安全度を高めることは、人口、資産が集積する日本の心臓部を守ることにほかならないわけであります。
 八ッ場ダムは、利根川上流の全流域面積の約四分の一を占める吾妻川流域において、初めて計画された多目的ダムであります。その洪水調節容量は、利根川上流ダム群の中で最大で、既設六ダム全体の約六割に相当します。
 八ッ場ダムが完成すれば、上流部の三つの流域全てにおいて洪水調節機能を持つダムが整備されることになり、他の既設ダムと相まって、洪水被害の危険性を大きく低減させることが可能となります。
 このダムは、首都圏における渇水発生のリスクを軽減させる上でも必要不可欠な施設であります。下流都県のためにダムの建設を受け入れた地元住民の生活再建を実現するためにも、八ッ場ダムの完成は一刻の猶予も許されない。
 基本計画を速やかに変更し、一日も早くダムを完成するよう国に求めていきます。
 今後の福祉施策についてでありますが、日本では、世界に類を見ないスピードで少子高齢化が進んでおります。東京でも、昨年初めて死亡者数が出生数を上回り、二〇三五年には三人に一人が高齢者という超高齢社会が到来すると予測されております。
 今後の福祉施策は、こうした東京の将来を見据え、自助、共助、公助を適切に組み合わせながら、都民ニーズに応える具体的な施策を、きめ細かく、かつ、スピードを加速させて展開していかなければなりません。
 同時に、今後の福祉施策を考える上では、人間の生活が縦割りではないように、狭い意味での福祉施策単体ではなく、構造として捉えたものでなければ有効なものとはなり得ない。
 そのため、私は、副知事をトップとする構造的福祉プロジェクトチームを立ち上げ、将来を見据えた中長期の視点に立って、雇用、住宅、教育、社会活動などを含め、局横断で検討を行うように指示しております。
 東京都は、既に高齢者のケアつき住まいの整備、認知症の早期発見のための新たなシステムの構築、多様な供給主体による保育サービスの充実など、各分野で東京モデルを展開しています。
 今後、プロジェクトチームの検討結果を長期ビジョンや来年度予算に反映させることで、東京モデルを進化させ、一人一人が年を重ねるごとに輝き、互いに助け合って、誰もが安心して生活できる東京の実現を目指していきたい。
 次、百万キロワット天然ガス発電所プロジェクトについてでありますが、東日本大震災直後、都内でも計画停電が実施されるなど、電力供給は危機的な状況に陥りました。
 このため、最新鋭発電所を直ちに視察するなど情報収集と分析に取りかかり、その年の八月に本プロジェクトを立ち上げました。
 プロジェクトでは、東京産エネルギーの確保に向けて検討を行うとともに、その内容を生かし、老朽火力発電所リプレースの促進や、官民連携インフラファンドの具体化にもつなげました。このファンドを活用した十万キロワット級発電所が、来年八月に運転開始となる予定であります。
 現在は、首都圏では、この夏も懸念された電力不足に陥っておらず、電力事情が震災直後とは大きく異なっております。ただし、現状は、東京電力の老朽化した発電所が稼働し続けており、故障による運転停止リスクがつきまとっていることから、安定供給に支障が出かねない状況にあります。
 このことを踏まえ、新規の発電所建設となる百万キロワットプロジェクトの推進については見直し、東電老朽火力発電所のリプレース促進に全力を挙げていきたい。
 東京都はこれまで、国と東電に対して、リプレースを促進するための具体的な提案をしてきましたが、今後も強く働きかけ、電力の安定供給のための努力を続けていきたいと思います。
 東京の産業振興についてでありますが、アベノミクスの矢が数多くの中小企業に届き、その効果を実感できなければ、東京の発展、ひいては力強い日本の成長はあり得ないということになります。
 我が国のGDPの二割近くを生み出す東京の産業は、都内企業数の九九%を占める中小企業が支えています。小さいながらも懸命に頑張っている中小企業の創造性とテクノロジーこそが、東京の強みであります。
 例えば、都内のわずか三名の企業が、都立産業技術研究センターが保有する3Dプリンターを活用し、自然に近くやわらかい風を生み出す高機能扇風機の開発に成功しました。競争が激しい家電業界において、高価格帯という新たな市場を創造して、海外で販売を始めるなど、大きな飛躍を遂げております。
 こうした中小企業の成長に向けた取り組みをさらに支援するため、本年七月には、新たな事業展開や創業を促進する融資メニューを開始しました。また、八月には、健康、環境、危機管理の三分野について、中小企業と大学や研究機関とが連携した新製品開発プロジェクトを立ち上げました。
 今後とも、さまざまな施策を講じて、東京の中小企業の活力を高め、日本の成長を加速させていきたいと思います。
 臨海エリアの国際観光拠点化についてでありますが、東京をアジアナンバーワンの国際観光都市として成長させていくためには、世界諸都市の観光戦略やクルーズ市場の動向を踏まえた機敏な取り組みが必要であります。
 今年度に入り、東京港にも、巨大リゾートホテルのような大型クルーズ客船が数回入港しております。一度に五千人もの乗客が東京に立ち寄り、観光や買い物をすることによる経済効果は大きく、東京の国際観光都市としてのイメージアップにも極めて有効であります。
 大型クルーズ客船の寄港地として、東京のアクセスのよさや観光資源の充実などの潜在能力は極めて高く、客船誘致に当たって、東京の積極的な取り組み姿勢が今後の日本の成長戦略を左右するといっても過言ではありません。
 そこで、今度、大型クルーズ客船に対応可能な客船ふ頭を臨海副都心地域に新たに整備し、万全のおもてなしを提供していきます。
 東京港の重要性と国際競争力強化についてでありますが、日本の心臓である東京が、日本経済の成長戦略を先頭に立って進めていかなければなりません。
 東京港は、国内で唯一、四百万個を超えるコンテナ貨物を取り扱っておりまして、十五年連続で日本一の取扱量を記録しています。東日本の生産拠点と海外各地とを結ぶとともに、首都圏四千万の住民生活を支える国際物流拠点であり、その果たすべき役割は極めて大きいわけであります。日本のリーディングポートである東京港の機能をさらに充実強化していくことこそが、日本経済の成長には不可欠であります。
 今後、京浜三港連携を一層深め、スケールメリットを生かしたコスト低減や利便性向上を図っていきます。
 さらに、首都を担う東京都が責任を持って、東京港の振興策を産業政策や物流等のインフラ整備と一体的に推進し、国際競争力強化を図ることで日本の成長を牽引していきたいと、こう思っております。
 オリンピック・パラリンピックについてであります。
 今回の招致活動に多大なご支援、ご協力をいただいた都議会や国会議員の招致議員連盟の皆様を初め、安倍総理や日本国政府関係者、経済界、スポーツ界、全国の自治体、都民、国民の皆様など、全ての方々に心から御礼申し上げます。
 今回、招致を獲得することができたのは、都民、国民の皆様の熱い気持ちがあったからであります。日本からの応援の声、情熱が、ブエノスアイレスまで確かに届き、チーム日本の大きな力になりました。
 二〇二〇年大会では、被災地を縦断する聖火リレーや宮城県でのサッカー開催などが行われますが、スポーツの力で被災地の人々を元気づけ、復興をさらに加速させ、復興を遂げたその姿を世界に向けて発信します。
 これからの七年間、世界の注目が、東京、日本に集まります。世界中からお越しいただいたお客様を、日本人の持つホスピタリティーでおもてなしをする。東京での滞在を心から楽しんでいただけるすばらしい大会としたい。
 大会を成功させるためには、都民、国民の大きな力を結集して、それぞれの場面、それぞれの役割で参加していただきたい。ぜひとも、都民、国民の皆様のご協力をお願いいたします。
 そして、この大会を最高のものにしていくために、都議会の皆様と手を携えながら力を尽くしていく。これからも、皆さんのご支援をよろしくお願いいたします。
 なお、その他の質問については、警視総監、教育長、東京都技監及び関係局長から答弁いたします。
   〔警視総監西村泰彦君登壇〕

〇警視総監(西村泰彦君) 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の成功に向けての取り組みについてお答えします。
 オリンピックは、四年に一度開催される世界最大のスポーツの祭典でありますので、世界中から訪れる全ての方々に、安全な雰囲気の中で安心してオリンピックを楽しんでいただけるよう、その治安対策には万全を期すべきであると考えております。
 オリンピックをめぐっては、過去、選手宿舎襲撃事件や爆弾テロ事件などのテロ事案が発生しており、加えて、大規模なスポーツイベントでは、本年四月、米国ボストンで開催されたマラソン大会においても、爆弾テロ事件が発生しております。
 このような情勢に鑑みますと、オリンピックもテロの標的となり得ることを改めて認識する必要があると考えております。
 警視庁では、今月十二日、東京都や警察庁と連携を図り、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会警視庁連絡室を設置したところでありますが、今後は七年後を見据え、必要な体制整備や装備資器材の拡充などといった組織基盤の強化を計画的に推進するとともに、関係機関と十分連携しながら、テロ対策を初めとする諸対策を的確に推進し、東京を訪れる全ての方々に世界一安全な都市東京を実感していただけるよう、総力を挙げて取り組んでまいります。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、基礎的な力の習得に向けた取り組みについてでありますが、変化の激しいこれからの社会を自立的に生きていくためには、生きる力の基盤となる知、徳、体を子供たちに調和よく身につけさせることが重要であります。
 知については、基礎、基本が定着するまで個に応じた指導を徹底するとともに、思考力、判断力、表現力を育成して学力の向上を図るなど、子供の能力を最大限に伸ばすことが大切であります。また、徳については、都独自の道徳教材等を活用し、人間性や規範意識を高めること、体については、生活、運動習慣の改善や部活動の振興等により体力の向上を図ることが必要でございます。
 こうした認識に立ち、都教育委員会は、みずから学び、考え、行動する力や、社会の発展に主体的に貢献する力を全ての子供たちに育成してまいります。
 次に、グローバル人材の育成についてでありますが、昨年度開設した次世代リーダー育成道場では、現在、一期生百人が海外の高校に留学してさまざまな活動に取り組んでおり、二期生二百人は、事前研修として実践的な英語や我が国の歴史や文化などを学んでおります。
 今後はこれに加え、海外大学への進学資格が取得できる国際バカロレアの認定に向けた取り組みを推進するほか、外国人指導者を一層活用した授業の充実や、海外派遣等による教員の指導力向上に取り組むなど、全ての生徒の英語でのコミュニケーション能力の育成を図ってまいります。
 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック開催を踏まえ、みずからの考えを論理的に主張できる力や、多様な文化や価値観を持つ人々と協調して課題を解決できる力を一層高め、次世代を牽引する若者を育成してまいります。
 次に、都立小中高一貫教育校の設置目的についてでありますが、次代を担う人材を育成するため、子供たちのすぐれた資質や能力を伸長させることが期待されており、小学校、中学校、高等学校の各学校種の枠を超えた、系統的、継続的な指導は、そのための有力な方策になると考えております。
 このことから、小中高一貫教育の早期からの取り組みにより資質や能力を最大限に伸ばし、理数を中心に、世界に伍して活躍できる人材の育成を目指してまいります。
 また、一貫教育の仕組みや具体的な教育内容を東京モデルとして全国に発信することで、我が国の教育制度改革における先駆的な役割を果たしていきます。
 今後、通学場所が途中で変わる影響や入学者決定の仕組み、学力差が生じた場合の対応などについて、さまざまな意見を踏まえ検討し、広く都民の理解を得て、よりよい教育の実現に努めてまいります。
 最後に、いじめ問題解決に向けた取り組みについてでありますが、都教育委員会は、昨年七月のいじめ実態調査を踏まえ、弁護士や精神科医などによる専門家会議を設置し、いじめ問題の解決を図る具体的方策について協議をしております。
 本会議では、被害者だけでなく周囲で見ている子供からもいじめを訴えやすい環境を整えるため、いじめの件数が多い学年の児童生徒全員へのスクールカウンセラーによる面接などを検討しております。
 また、一人一人の教員が子供からのサインを確実に受けとめ、全教員で情報を共有して解決を図ることが重要であるため、教育相談に関する教員研修の充実などについても検討しております。
 こうした内容を柱とした総合的な対策を本年十月を目途にまとめ、学校や区市町村教育委員会と一体となって、全力でいじめ問題の解決を図ってまいります。
   〔東京都技監藤井寛行君登壇〕

〇東京都技監(藤井寛行君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、建築物の耐震化促進についてでございますが、耐震化推進条例に基づき診断を義務づけた特定沿道建築物につきましては、建物所有者への個別訪問などにより、約七割が既に耐震診断を実施しており、その後の具体的な改修についての相談件数も増加してきております。
 こうした動きを一層加速させるため、今年度からアドバイザー派遣に弁護士などを加えるとともに、今後、国が拡充する補助制度の活用など、支援策の充実も検討してまいります。
 また、耐震化の取り組みを広めるため、地震に対する安全性を示す耐震マークの表示対象につきまして、特定沿道建築物などに限定せず、都内全域の建築物に拡大してまいります。
 こうしたさまざまな施策を重層的に展開し、災害に強い首都東京の早期実現に向けて全力で取り組んでまいります。
 次に、豪雨対策に関する取り組みについてでございますが、都はこれまで、平成十九年に定めた豪雨対策基本方針に基づき、総合的な治水対策を進めてまいりました。これにより、浸水棟数が減少するなど一定の成果を上げてきておりますが、局地的集中豪雨などによる河川からの洪水や内水氾濫が、依然として発生しております。
 そこで、近年の降雨特性や浸水被害の発生状況、中小河川の新たな整備方針などを踏まえ、対策を一層効果的に進めるため、現行の基本方針を見直すこととし、来月には、学識経験者などから成る検討委員会を立ち上げることといたしました。
 来年六月を目途に、河川や下水道整備、公共施設における一時貯留施設の設置などの流域対策につきまして、総合治水対策の観点から新たな基本方針を策定し、都民が安全・安心に暮らせる東京の実現に向けて取り組んでまいります。
 最後に、都市計画道路の整備についてでございますが、安全で快適な都市を実現するためには、都市活動を支える道路ネットワークの形成が不可欠であります。
 都市計画道路の整備に当たっては、交通の円滑化、都市間連携の強化、防災性の向上などの観点から、計画的、効率的に推進していくことが重要でございます。
 都は、現在、第三次事業化計画に基づき道路整備に努めておりますが、現計画が平成二十七年度に終了することから、次期事業化計画の検討を進めております。
 今月中に、区部と多摩地域の地元自治体による検討会などを設置し、年度内に、課題の整理や将来道路網の検証などを行ってまいります。
 今後とも、関係機関と連携し、機能的な道路ネットワークの形成に向けて着実に取り組んでまいります。
   〔知事本局長前田信弘君登壇〕

〇知事本局長(前田信弘君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、新たな長期ビジョン策定における都民の意見などの反映についてでありますが、少子高齢化の進行と人口減少社会の到来など、都民生活に大きな影響を及ぼす課題に対しては、都民の意見を幅広く聞き、解決への道筋をより的確に描いていく必要があると考えております。
 このため、本年十一月に中間報告を発表し、政策展開における基本的方向など、ビジョンの素案を示して、都民からの意見、要望を募集いたします。いただいた意見、要望については十分に検討を行い、十二月末に策定、公表する新たな長期ビジョンに反映してまいります。
 次に、外国企業誘致のために必要な国家戦略特区への提案についてであります。
 今回の提案は、激しさを増す国際的な都市間競争の中で、東京を世界で一番ビジネスのしやすい国際都市とするために行ったものでございます。
 これまでの総合特区制度から、さらに踏み込んだ法人減税や、外国企業と国内企業の共同研究開発に係る法人税制の創設を国に求めました。
 これに加え、民間事業者等の取り組みを踏まえた新しいビジネスのきっかけを生み出す仕組みの形成に向けた規制緩和などを国に提案したところでございます。
 特区制度を通じて、海外との取引や新たなビジネスチャンスの創出など、都内の中小企業を初め国内企業にも幅広くメリットが行き渡ることを目指しているものでございます。
 国家戦略特区の指定を実現させ、東京の国際競争力を強化し、東京と日本の経済の活性化に取り組んでまいります。
   〔財務局長中井敬三君登壇〕

〇財務局長(中井敬三君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、今後の財政運営についてでありますが、足元の景気は緩やかに回復しつつあるものの、経済状況により税収変動の激しい荒波にさらされてきた都財政の歴史を踏まえますと、都民の期待に応える施策を確実かつ継続的に実施していくためには、財政基盤の強化に不断に取り組んでいくことが不可欠であります。
 そのため、事業評価などの取り組みを通じ、一つ一つの施策を厳しく検証し、その効率性や実効性を向上させるなど、事業の不断の見直しを進めてまいります。
 こうした努力を積み重ねた上で、中長期的な視点に立ち、基金や都債を適切に活用するなど、施策展開を支え得る強固な財政基盤の堅持に、引き続き努めてまいります。
 次に、都有財産の有効活用についてでありますが、都有地は、都民から負託された貴重な財産であり、都政の喫緊の課題解決のために最大限有効活用していく必要がございます。
 都はこれまで、都有地を高齢者、障害者向けなどの福祉インフラ整備や私立学校の耐震改修のために貸し付けるほか、木造住宅密集地域の解消に向けた種地として提供するなど、都の重要な施策の支援に活用してまいりました。
 今後は、こうした取り組みをより一層強化するため、都営住宅など都有施設の更新計画における早い段階から検討、調整を始めることで、福祉施策はもとより、他の重要施策のさらなる支援強化につなげてまいります。
 その際には、スピード感と各局との連携に特に留意し、短期間で大きな成果が得られるよう全力で取り組んでまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

〇総務局長(中西充君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、首都直下地震等対処要領の策定についてでございます。
 発災後七十二時間は、迅速な救出救助が必要であり、全国からの応援部隊を含む自衛隊、警察、消防等による、災害の状況に応じた効果的な活動が重要となります。
 このため、この十一月に実施いたします総合防災訓練では、こうした機関が連携して、多摩地域で想定される土砂災害に対応するための実践的な訓練を行います。
 また、同日、都立水元公園において、関係機関が災害対応を行う大規模救出救助活動拠点の設置訓練や、各機関のヘリコプターの同時運用訓練を初めて実施いたします。
 今後、この訓練の成果を検証し、各地域の被害特性を踏まえた初動時の対応力強化に向けて、関係機関と綿密に協議しながら、年度内に実効性ある対処要領を策定してまいります。
 次に、今後の多摩地域の振興についてでございます。
 多摩地域は、産業集積や豊かな自然など多様な魅力を有し、東京の活力を支える重要な地域であり、区部に先行した人口減少局面の到来や、大規模団地の老朽化等の多くの課題を乗り越え、さらなる発展を図る必要がございます。
 直面する課題の克服に向けては、多摩地域の総力を結集することが急務であり、多くの主体が参画するイベントの開催を通じて多摩振興の機運醸成を図るとともに、本年七月に設置いたしましたビジョン連携推進会議を活用し、都、市町村、民間等の連携を強化してまいります。
 こうした取り組みを踏まえて、市町村や民間等の先進的な施策も盛り込んで、今後三カ年を見据えた、新たな多摩のビジョン行動戦略を今年度内に策定いたします。
 南北道路等の交通ネットワークの充実のほか、子育て世代や高齢者が安心して暮らすことのできるまちづくり、地域の特性を生かした産業振興など、ハード、ソフト両面にわたる具体的な施策を取りまとめ、全庁を挙げて多摩振興を強力に推進してまいります。
   〔建設局長横溝良一君登壇〕

〇建設局長(横溝良一君) 三点のご質問にお答えいたします。
 初めに、特定整備路線の早期整備のための取り組みについてでございますが、木造住宅密集地域においては、延焼遮断や避難、救援など、防災性の向上に資する都市計画道路の整備が重要でございます。
 このため都は、二十三区内で震災時に特に甚大な被害が想定される約七千ヘクタールの整備地域において、二十八区間、二十六キロメートルを特定整備路線に選定いたしました。既に、このうち六区間で事業に着手しており、年内には残る全ての区間においても地元説明会を開催してまいります。
 用地取得に当たりましては、民間の専門事業者を活用し、関係権利者の移転や再建に関する意向を速やかに確認するとともに、路線ごとに相談窓口を設置し、民間賃貸住宅の確保や代替地の情報提供など、一人一人の事情に応じた支援を行ってまいります。
 本年十一月には、放射第三二号線の押上地区に相談窓口を設置し、来年一月には、さらに二路線で窓口の設置を予定しております。
 また、不燃化特区と特定整備路線が重複する地区については、地元区とより一層連携し、住民の立場に立った相談体制を整えてまいります。
 今後とも、燃えないまち、燃え広がらないまちの実現を目指し、命を守る特定整備路線の整備に全力で取り組んでまいります。
 次に、東京における道路整備の推進についてでございますが、東京は日本の首都として、政治、経済、文化の中心的役割を担っており、それを支える道路交通ネットワークは、我が国の発展に寄与することはもちろん、平常時、震災時にかかわらず、首都の安全・安心を確保するために必要不可欠な都市基盤であり、今後とも整備を進めていく必要があります。
 また、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会開催時の円滑な移動を提供する上で重要な役割を担っており、首都高速中央環状線や環状第二号線を初めとする幹線道路等の整備を確実に進めてまいります。
 さらに、地域のまちづくりに貢献する連続立体交差事業や、災害に強いまちづくりを推進するための特定整備路線についても積極的に取り組んでまいります。
 一方、効率的、効果的な施設管理を行う観点から、橋梁等の予防保全管理を推進するとともに、情報通信技術を活用して、維持管理の高度化を図ってまいります。
 引き続き、国に対し必要な財源確保を強く求め、東京の道路整備に全力で取り組んでまいります。
 最後に、多摩地域における幹線道路整備の今後の取り組みについてでございますが、多摩地域の魅力と活力を高め、一層の発展を図るためには、交通の円滑化や都市間の連携強化が重要であり、都はこれまで、多摩南北主要五路線を初めとする骨格幹線道路の整備を進めてまいりました。
 引き続き、府中所沢鎌倉街道線や関戸橋などの整備を積極的に推進するとともに、平成二十六年度には調布保谷線を全線開通させ、多摩地域の道路交通ネットワークの早期充実を図ってまいります。
 また、防災性の向上を図る観点から、町田街道のJR横浜線相原駅付近など、緊急輸送道路の拡幅整備を推進してまいります。
 さらに、山間部においては、多摩川南岸道路など、地域の生活を支え、観光振興に資するとともに、災害時には代替ルートとなる道路の整備を進めてまいります。
 今後とも、財源の確保に努め、多摩地域の発展に資する道路整備に積極的に取り組んでまいります。
   〔下水道局長松浦將行君登壇〕

〇下水道局長(松浦將行君) 二点のご質問についてお答えいたします。
 まず、下水道における浸水対策の強化についてでございます。
 現在、浸水の危険性が高い対策促進地区や、新たに選定した、浅く埋設された幹線の流域などの重点地区等で、時間五十ミリ対応の施設整備を進めております。
 また、特に浸水被害の影響が大きい大規模地下街では、時間七十五ミリの降雨への対応を進めております。
 しかしながら、このたびの局地的集中豪雨により、甚大な浸水被害が生じたことから、局内に緊急対策会議を設置し、雨水整備水準のレベルアップを含め、局地的集中豪雨の対策プランを年内に策定することといたしました。
 くぼ地や坂下などの地形や河川の整備状況及び被害の状況や規模などを踏まえ、甚大な被害が発生した地区について、優先度を考慮しつつ、時間七十五ミリの降雨に対応できる施設整備も含め、対策を取りまとめてまいります。
 次に、下水道管の再構築の取り組みについてであります。
 整備年代により区部を三つのエリアに区分し、最も古い都心部を第一期再構築エリアとして取り組みを進めており、現在、その約二八%が完了しております。
 今後、法定耐用年数を超える下水道管が急増することから、アセットマネジメント手法を活用し、適切な維持管理により、下水道管を八十年程度まで延命化し、事業の平準化を図ってまいります。
 また、道路を掘らずに下水道管を内側から補強する更生工法を一層活用することにより、整備ペースを約二倍にスピードアップし、第一期再構築エリアについて平成四十一年度までの完了を目指します。
 さらに、第一期再構築エリア外の地域を含めて、道路陥没の多い五十地区を選定し、陶製の取りつけ管から、衝撃に強い硬質塩化ビニール管への取りかえを推進してまいります。
 これらの取り組みにより、都市活動を地下で支える下水道の機能を将来にわたり安定的に確保し、都民が安心して安全に暮らせる東京の実現に貢献してまいります。
   〔福祉保健局長川澄俊文君登壇〕

〇福祉保健局長(川澄俊文君) 六点のご質問にお答えいたします。
 まず、在宅療養体制の推進についてですが、都はこれまで、地域における在宅療養体制を整備するため、病院から在宅への移行等を調整する在宅療養支援窓口を設置する区市町村への支援や、複数の在宅医が相互に補完し、訪問看護ステーションと連携しながらチームを組んで二十四時間体制で訪問診療等を行う地区医師会への支援など、さまざまな取り組みを行ってまいりました。
 また、今年度からは、在宅療養への円滑な移行のために、病院が入院早期から退院後に向けて取り組むべき事項を段階ごとにまとめたマニュアルの作成に着手するとともに、在宅療養患者を地域の中で受けとめるための医療機関の確保や搬送体制の構築に向けた取り組みを支援いたします。
 また、国の医療制度改革の動きも見据えながら、地域における在宅療養体制の整備を一層推進してまいります。
 次に、違法、脱法ドラッグ対策についてですが、都はこれまで、店舗やインターネット上での流通実態調査や買い上げ調査を行い、未規制薬物を条例に基づき速やかに規制するとともに、警視庁と連携しながら立入調査や合同捜査を実施するなど、監視指導を強化してまいりました。
 また、本年八月から、インターネットの検索サイトで合法ハーブなどのキーワードを入力すると、薬物の危険性を訴える警告を表示し、啓発サイトにつなげる取り組みを開始するなど、若者等への普及啓発に努めております。
 来月からは、薬事法等の改正により、都の薬事監視員や麻薬取締員に指定薬物等を店頭から収去する権限が新たに付与され、麻薬取締員には捜査権も付与されます。
 今後、こうした法改正も踏まえ、警視庁を初め関係機関との連携を図りながら取り締まりを一層強化してまいります。
 次に、認知症の早期発見、診断等の取り組みについてですが、お話のように、都は今年度から、区市町村に配置した認知症コーディネーターと、認知症疾患医療センターに配置したアウトリーチチームが連携して、認知症の疑いのある方の家庭を訪問し、早期に適切な医療や介護のサービス等につなげる新たな取り組みを開始いたしました。現在、七つの二次保健医療圏の十二区市で実施が決定しており、そのうち四区では既に家庭への訪問が始まっております。
 また、認知症への理解と医療機関への早期受診を促進するため、認知症の疑いを家庭で確認できるチェックシートの作成も進めており、現在、町田市の協力を得て、高齢者の生活状況等のアンケート調査を実施しているところでございます。
 今後、こうした認知症の早期発見、診断、対応の取り組みを一層進め、認知症の方の地域での生活を支援してまいります。
 次に、障害者の就労支援についてですが、都は、障害者の就労を進めるため、生活と就労の支援を一体的に行う区市町村障害者就労支援センターの設置を促進するとともに、福祉施設による共同受注等、工賃向上に取り組む区市町村を包括補助等で支援してまいりました。
 また、今年度からは、就労支援機関や企業等が意見交換を行った上で障害者の職場実習に結びつける事業や、福祉施設が生産性向上のために行う設備整備への補助、受注拡大に向けた製品等の展示即売会を実施いたします。
 さらに、障害者優先調達推進法の成立を受け、本年七月に定めた都の調達方針に基づき、関係局と連携しながら福祉施設の受注機会の拡大を図ってまいります。
 今後とも、障害者が当たり前に働ける社会の実現を目指し、区市町村等と連携し、就労支援に取り組んでまいります。
 次に、保育サービスの整備についてですが、都は、東京都保育計画を定め、認可保育所、認証保育所を初め、多様な保育サービスの拡充が図られるよう、国の安心こども基金に加え、都独自の支援策を講じ、保育の実施主体である区市町村の取り組みを促進してまいりました。
 今年度からは、新たに小規模保育への支援策を開始したほか、国の待機児童解消加速化プランを活用して、幼稚園の預かり保育や、保育所を整備する法人等に民有地を紹介する事業など、区市町村の取り組みを支援してまいります。
 こうした支援策などにより、今年度、区市町村が整備する保育サービスは、当初計画より五千人分多い、計一万五千人分となる見込みでございます。
 今後とも、都は、さまざまな方策により区市町村を積極的に支援し、保育サービスの整備促進に取り組んでまいります。
 最後に、保育人材の確保、育成についてですが、都はこれまで、保育所勤務経験者で現在勤めていない人を対象に、就職支援研修と就職相談会を一体的に実施するほか、未経験の有資格者を対象としたセミナー等のさまざまな取り組みを実施し、保育人材の確保に努めてまいりました。
 また、質の高い保育人材を育成するため、安心こども基金を活用し、区市町村が保育士等に対して実施する研修の支援に加え、今年度からは、保育施設職員の処遇改善や保育士資格の取得を目指す保育従事者への支援を行っております。
 現在、保育士有資格者を対象に就労や離職状況等の調査を実施しており、今後、この調査結果も踏まえながら、保育サービスを担う人材のさらなる確保、育成に取り組んでまいります。
   〔水道局長吉田永君登壇〕

〇水道局長(吉田永君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、安定給水の確保についてであります。
 利根川水系では、七月二十四日より取水制限が実施されましたが、その後の降雨により取水制限の強化には至らなかったため、多摩川水系の水の活用や都民の皆様への節水要請によって、辛うじて乗り切ることができました。
 ことしは、日本各地では局地的な大雨に見舞われた地域がある一方、雨が少なく渇水となった地域もあり、両極端な気象でありました。
 さらに、今後は、温暖化に伴う利根川上流の積雪が現状の三分の一に減少する予測があるなど、気候変動による水資源への影響が懸念され、これまで経験したことのない厳しい渇水は避けられないものと考えております。
 そもそも、都の水源の八割を占める利根川水系の水資源開発は、五年に一回発生する規模の渇水に対応することを目標としており、十年に一回を目標としている淀川水系など他水系に比べて、渇水に対する安全度が低い計画となっております。
 このような水資源の脆弱な状況を踏まえると、安定した水源の確保が極めて重要でございます。
 このため、八ッ場ダムの一日も早い完成を国に対して強く求め、首都東京の安定給水の確保に向けて全力を挙げて取り組んでまいります。
 次に、水道施設の整備についてでありますが、水道局では、今後三年間における施策の事業計画などを示した東京水道経営プラン二〇一三をことし二月に策定し、現在、このプランに基づき、大規模浄水場更新に備えた代替施設の整備や、水道管路の耐震化などを積極的に推進しております。
 しかし、これらの事業は長期にわたるとともに、浄水場の更新で一兆円、管路の耐震継ぎ手化などで、今後十年に限っても八千億円を超える多大な費用を要するものであります。
 そこで、施設の整備を円滑に進めるため、新たに十年後の整備目標と、その目標を達成するための具体的な取り組みをできるだけ早く明らかにしてまいります。
 こうした取り組みを着実に実施し、世界に誇れる安全・安心な東京水道を次世代へ継承してまいります。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

〇環境局長(長谷川明君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、今後のエネルギー施策の取り組みについてでございますが、都は、東日本大震災後、東京都省エネ・エネルギーマネジメント推進方針を定め、低炭素、快適性、防災力を同時に実現するスマートエネルギー都市東京を目指すこととしております。
 こうした考え方に基づき、燃料電池等の普及を通じた家庭のスマート化や、まちづくりと一体となった分散型発電の推進を初め、屋根ぢからソーラープロジェクトなどの東京にふさわしい都市型の再生可能エネルギーのさらなる普及拡大など、家庭や企業の双方でのエネルギー利用の効率化、最適化に資する取り組みを進めております。
 ご指摘のとおり、さらなる効率化、最適化を進める上で、熱需要が一定規模以上の施設ではエネルギーマネジメントの導入が効果的であり、その普及が必要と考えております。
 また一方で、資金力が弱く、ノウハウも人材も不足している中小事業者への省エネ機器の導入促進も課題であると認識しております。
 今後とも、こうした課題も踏まえまして、地域に根差した省エネルギー施策や分散型電源の推進、再生可能エネルギーの普及拡大などの具体的な取り組みを重点的に行ってまいります。
 次に、地域から環境課題に取り組む仕組みづくりについてでございますが、都はこれまでも、区市町村の先駆的な取り組みに対して補助を行うなど、環境施策の推進に努めてまいりましたが、地域に根差した取り組みをより一層進めていくためには、住民や企業などと密接なつながりのあります区市町村との連携を強化していく必要があると考えております。
 そこで、本年七月、局内にプロジェクトチームを設置し、広域自治体としての連携強化策について鋭意検討を進めており、区市町村の声も聞きながら、具体策を年度内に取りまとめる予定でございます。
 今後、この検討結果を踏まえまして、都として東京の環境施策の方向性を示しながら、地域レベルでの環境問題への取り組みが進むよう支援を行い、ともに解決を図ってまいります。
 こうした取り組みを通じ、地域特性や資源を最大限に生かした魅力ある環境の創出を図るなど、快適な都市環境や質の高い自然環境を身近に実感できる東京の実現を目指してまいります。
   〔産業労働局長塚田祐次君登壇〕

〇産業労働局長(塚田祐次君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、中小企業の設備投資の活性化についてでありますが、東京の中小企業が将来に向けさらなる成長を実現するためには、適切な時期に効果的な設備投資を行うことが重要であります。
 その一方、新しい設備の導入は資金の負担も大きく、経営基盤の弱い中小企業にとっては容易に踏み切れない状況もございます。
 都はこれまで、中小企業の設備投資を後押しするため、コストを低く抑えたリースの仕組みや、設備資金の円滑な調達に役立つ制度融資によるサポートに取り組んでまいりました。
 今後は、成長分野で新たな事業を始めたり、付加価値の高いものづくりを目指す中小企業などを対象に、国の設備投資の促進方策の動向も踏まえつつ、設備投資の動きがより活性化するよう、効果的な支援のあり方を検討してまいります。
 次に、成長の実現に向けた経営支援についてであります。
 都はこれまで、厳しい経営環境の克服を目指す中小企業に対し、相談窓口を特別に設けるとともに、企業現場への専門家派遣や販路開拓の支援などを行ってまいりました。また、中小企業の日々の資金繰りをサポートするため、制度融資等による取り組みを着実に進めております。
 こうした経営の下支えを引き続き行いながら、中小企業の成長を後押しするため、新分野への参入や創業など積極的な取り組みへの支援について、一層力を入れていく必要がございます。
 今後は、成長を目指し、新たな製品やビジネスの創出などに取り組む中小企業の課題の解決や資金ニーズに役立つよう、経営の向上と資金の確保の両面から支援策の充実を検討してまいります。
 次に、雇用就業対策についてでありますが、東京の産業の成長と都民生活の安定を図るため、少子高齢化の影響を踏まえ、労働力を確保し、一人一人の能力や個性を生かした働き方を実現することが重要であります。
 現在、非正規雇用で働かざるを得ない若者や、出産等で仕事を離れた女性、これまでの経験等を生かして働くことを目指す高齢者に対して、就業の推進に向け、きめ細かく支援することが課題となっております。
 このため都は、正社員を希望する若者への重点的な就業支援の実施や、女性の再就職を後押しする新たな取り組みの展開、高齢者が希望や能力に応じて働くための支援の強化など、雇用就業施策の一層の充実を図ってまいります。
 今後とも、産業の成長を支え、多様な人材が活躍できる雇用就業の仕組みづくりを着実に進めてまいります。
 次に、都市農業の振興についてでありますが、都市農業は、都民に新鮮で安全・安心な農産物を提供し、その生産基盤である農地は、防災や環境等の面から都民生活に貢献しており、一層の振興を図っていく必要がございます。
 都はこれまで、農業者の経営力強化に向け、生産施設の整備助成や専門家派遣による助言等を行ってまいりました。また、農地を生かしたまちづくりを進める区市をモデルとして支援する等の施策を着実に積み重ねてまいりました。
 今後は、農産物を加工し付加価値を高める工夫や販路の開拓等、農業者の新たな取り組みを促進するため、ソフト面での経営支援策の強化を検討してまいります。また、農地保全について、モデルとなった区市での成果を踏まえ、他の区市への展開を検討してまいります。
 こうした取り組みを推進することにより、都市農業の効果的な振興を図ってまいります。
 最後に、東京の観光振興についてでありますが、観光の振興は、国内や海外から旅行者を誘致することで経済活動を活性化し、文化などさまざまなすぐれた面を伝える重要な取り組みであり、東京の存在感を高めることにも役立っております。
 今回のオリンピック・パラリンピックの開催都市決定により、東京に国際的な関心が格段に集まるため、この機会を最大限に生かした観光振興を積極的に展開する取り組みが必要であります。
 このため都は、多摩や島しょを含め、東京の各地域で幅広く新しい観光資源の開発に力を入れてまいります。また、多様な文化や習慣を持つ旅行者に快適な環境を提供するため、観光に関係する施設や人材について質と量の両面から充実を検討してまいります。
 こうした取り組みにより、オリンピック・パラリンピックの開催を生かしながら、おもてなしの心を持つ東京への旅行者の誘致を効果的に展開し、世界有数の観光都市を目指してまいります。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

〇生活文化局長(小林清君) 私立学校の振興についてでありますが、東京の公教育を支える私立学校の振興は都政の重要課題であり、都では、学校に対する基幹的補助である経常費補助を初めとして、特別奨学金や育英資金による保護者負担の軽減など、幅広い施策を総合的に展開し、その充実に努めてまいりました。
 現在、国が進めている就学支援金の見直しの方向性は、効果的な修学支援を行う観点から、一定所得以下の保護者を対象として、所得に応じて授業料を補助する都の特別奨学金の考え方と一致するものでございます。
 都といたしましては、今後とも、こうした考え方を踏まえ、特別奨学金制度が果たしている役割をより効果的に発揮できるよう、国の制度改正の状況を注視しつつ、具体的な対応を検討してまいります。
   〔交通局長中村靖君登壇〕

〇交通局長(中村靖君) 都営地下鉄の安全・安心の確保についてでございますが、地下鉄施設の耐震対策については、国の通達に基づく対策は既に完了し、現在、東日本大震災を踏まえた独自の取り組みとして、運行の早期再開を図る観点から、高架部の橋脚及び地下駅の中柱の耐震補強を進めております。
 次に、老朽化対策については、本年春にトンネル側壁部の剝落が発生したことから、直ちに緊急対策工事に着手し、七月までに全て完了したところでございます。
 今後は、新たな検査手法も取り入れながら、国基準を上回る内容でトンネルの点検を実施するとともに、剝落の主たる原因となる漏水対策工事など、大規模修繕工事をスピード感を持って実施してまいります。
 引き続き、地下鉄施設の耐震化や長寿命化に積極的に取り組み、安全・安心の確保に万全を期してまいります。
   〔スポーツ振興局長細井優君登壇〕

〇スポーツ振興局長(細井優君) 二点の質問にお答えいたします。
 まず、オリンピック・パラリンピック開催に向けた今後の取り組みについてでございます。
 二〇二〇年大会は、大会を目指す若い日本人アスリートの目標となるばかりでなく、子供たちがトップアスリートの最高のパフォーマンスを目の当たりにすることで夢や希望を抱くまたとない機会となります。
 大会の開催、運営に責任を持つこととなる大会組織委員会は、都が主体となり、来年二月までに設立いたします。また、来年十二月末までに大会基本計画を策定してまいります。
 二〇二〇年の大会では、アスリートがその能力を最大限発揮できる環境を用意するとともに、日本人の持つおもてなしの心や伝統文化により、都市の中心で誰もが楽しめる空間をつくり出していきます。
 そして、スポーツを通じて世界を平和にするというオリンピックムーブメントの推進に寄与し、日本、アジア、世界中の人たちにスポーツの持つすばらしさを伝えていきます。
 次に、国際競技力の強化についてでございます。
 トップアスリートの活躍は次代を担う子供たちに夢や希望を与えるものでございまして、みずからスポーツに取り組むきっかけとなります。このため、アスリートの競技力向上は極めて重要でございます。
 都はこれまで、さまざまな選手強化事業に取り組んでおり、その成果は、スポーツ祭東京二〇一三において大いに発揮されるものと確信しております。
 七年後の二〇二〇年には、オリンピックというさらに大きな舞台が東京に用意されることとなりました。
 都は、東京のジュニア選手たちが二〇二〇年東京オリンピックで活躍できるよう、競技団体に対する支援のほか、身体能力の高い中学生が適性の高い種目に転向し、高校生からでもトップを目指せるトップアスリート発掘・育成事業を推進していきます。
 また、スポーツ医科学の視点を指導に活用するテクニカルサポート事業については、さらに事業の成果を地域の指導者に還元するなど、充実を図ってまいります。
 こうした多角的な取り組みにより、世界のトップを目指す国際競技力の向上を図り、子供たちの夢や憧れの実現につなげていきます。

〇議長(吉野利明君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時十分休憩

   午後三時二十六分開議

〇副議長(藤井一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 八十四番小磯善彦君。
   〔八十四番小磯善彦君登壇〕

〇八十四番(小磯善彦君) 私は、都議会公明党を代表し、知事及び警視総監、教育長並びに関係局長に質問いたします。
 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの開催地決定は、世界都市東京の新たな歴史を開く大きな節目となりました。
 IOC総会でロゲ会長が東京決定を発表した瞬間の感動は、日本人の心の中に長く残っていくことと思います。
 私たち都議会公明党は、都が二〇一六年の東京招致に乗り出した当時から、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた首都東京の再構築をリードしてまいりました。東日本大震災直後の第二回定例会では、被災地に夢と希望を与え、日本を再生していくシンボルにと、その意義を訴え、招致に向けた取り組みを加速させました。
 今回の招致の成功は、安全性や財政面での確実さとともに、スポーツの持つ力をクローズアップしてアピールしたことなどにあります。プレゼンテーションでの、私がここにいるのはスポーツによって救われたからですとのスピーチは、大きな感動を呼びました。
 東日本大震災からの復興には、人々に生きる力を与え、勇気を鼓舞し、大きな喜びを与えるスポーツの力が必要です。まさに七年後のオリンピック・パラリンピックの東京開催は、閉塞感漂うこれまでの日本の状況を打開し、将来への明るい展望を指し示す絶好の機会であります。
 東京は今後、二〇二〇年に向け、防災、減災の強化、被災地の復興支援など、一つ一つの課題解決を着実に推進し、世界の国や地域が安心して参加できる環境を整備して、東京大会への機運を高めていかなければなりません。
 以下、第十九期都議会の冒頭に当たり、我が党の基本姿勢に触れつつ、オリンピック・パラリンピック、社会保障、福祉、防災、教育、環境など、各項目について質問してまいります。
 一九六四年の東京大会と今回との大きな違いは、人口減少社会の中で迎えるという点にあります。確かに前回の東京大会は、戦後日本復興の、さらには高度経済成長を加速させる契機となりました。しかし、今回の大会は、低迷し続けた経済を立て直すビッグチャンスとはなり得ても、少子高齢化かつ人口減少化を迎える我が国にとって、オリンピック・パラリンピックのレガシーをどこまで活用できるのか、あくまでも未知数であります。
 東京大会の成功を目指すさまざまな取り組みが、大会後の我が国の明るい展望に確実につながることが重要です。その意味で、今回作成される新たな東京ビジョンは、その後の我が国の姿をも見通した都市機能の再構築、景気経済の回復、持続可能な社会保障の確立などの視点を網羅したものでなければなりません。
 あわせて、今後、国の社会保障と税の一体改革によって、人口減少社会に対応した社会保障制度の立て直しが進むと思われますが、住民に身近な自治体のレベルでは、個々の生活課題に即した福祉の充実がより一層求められてまいります。
 都議会公明党は、二〇二〇年の東京大会後をにらんだ取り組みの中で、福祉先進都市東京を一層世界に発信させていくべきと考えます。新たな長期ビジョン構築に向けた知事の見解を求めます。
 福祉先進都市東京の構築に向けた最重要課題が少子高齢化対策であります。
 八月六日にまとめられた国の社会保障制度改革国民会議報告書は、一言でいえば、一九七〇年代モデルから二十一世紀日本モデルへの転換をうたっています。ここでいう七〇年代モデルとは、正規かつ終身雇用の男性が妻子を養い、専業主婦の妻が家庭を担うモデルであり、行政が担うべき社会保障は、専ら年金、医療、介護を中心としていました。
 一方、二十一世紀モデルは、雇用や子育て支援、さらには住まいや格差問題などといったさまざまな社会的機能、課題まで社会保障の対象を広げています。
 その背景には、著しい少子高齢化の進展があります。現在は国全体で四人に一人の割合である六十五歳以上人口が、二十年後には三人に一人となります。特に後期高齢者の人口増は著しく、二十年後は全人口の二〇%、五人に一人が七十五歳以上となります。
 本年四月の都の介護保険事業状況報告によれば、七十五歳以上の後期高齢者の要介護認定率は七十四歳までの前期高齢者の約六・八倍と高い数値を示しており、要介護者の急増を受けとめることのできる社会構造への転換が求められています。
 こういった状況を踏まえ、都議会公明党は、この八月に少子化対策プロジェクトチーム、高齢化対策プロジェクトチームを立ち上げ、福祉の構造的な課題に取り組み始めたところであります。
 都としても、単に都庁の組織を局横断的に束ね、施策を推進するという従来の発想を改める必要があります。これこそ構造的福祉の考えそのものといえますが、まず知事の基本認識を伺います。
 ところで、今回の報告書の最大の特徴は、社会保障四分野改革の筆頭に少子化対策を掲げていることであります。都議会公明党は、少子化対策、とりわけ子育て支援は、親子、家族のためだけではなく、社会全体にかかわる問題であり、経済成長にも資するものとして、この分野における政策提言と実績を重ねてきました。
 このたび、社会保障と税の一体改革の中に子供、子育て支援のための新制度が設けられ、自治体は、早ければ二〇一五年四月といわれる本格施行に向け準備に取りかかります。都は、制度の実施主体となる区市町村が着実に準備を進め、子供、子育て施策の充実が図られるよう十分に支援していくべきです。見解を求めます。
 とりわけ都内の七十五歳以上人口は、十五年後には二百万人を超え、その後も増加し続けます。二百万人といえば、四十七都道府県の人口ランキングで二十位以上の県に相当します。それほどまでに人口が過度に集中する東京の高齢化は深刻な課題なのであります。
 これまで国は、マンパワーの十分な確保なきまま在宅介護重視への転換を図り、訪問サービス基盤の充実、活用の促進に力点を置いてきましたが、老老介護に象徴される在宅介護の現状を思えば、これからは住まいそのものに医療、介護との連携を組み込んだ地域社会づくりへの転換を社会全般で進めていくことが必要になってまいります。
 したがって、都は、介護予防の一層の強化や特別養護老人ホームの増設に加え、医療・介護連携型の高齢者向け住宅の整備、推進などの住宅、福祉政策、さらにはそれを支える人材育成に取り組むとともに、高齢者の生きがいづくりや就労支援も含めた大都市東京の高齢者施策を強力に推進すべきと考えます。見解を求めます。
 福祉先進都市東京の構築のためには、二〇二〇年東京大会におけるパラリンピックのクローズアップが重要であります。
 一九六四年の東京大会は、日本の障害者スポーツの原点であります。また、それまで車椅子使用者のみの参加であったものを、その他の障害者にも広く門戸を開いたという意味でも画期的な大会でした。
 昨年のロンドン・パラリンピックは、イギリスがパラリンピックの発祥の地だけあって、史上最多の百六十四の国、地域が参加し、オリンピックにまさるとも劣らない盛り上がりを見せ、大成功であったと評価されています。
 障害の有無にもかかわらず、スポーツの力で世界中に勇気と希望を送るオリンピックとパラリンピック。この二つは本来、同等の価値を持つものです。
 両大会を東京で再び開催する二〇二〇年には、パラリンピックの価値を今以上に高め、パラリンピアンがオリンピックと変わらない興奮と熱狂の中、最高のパフォーマンスを発揮し、輝くことのできる大会にすべきと考えます。見解を求めます。
 次に、女性の活躍の促進について質問します。
 オリンピックの歴史をひもとくと、古代オリンピックは女性禁制でありました。さらに近代オリンピックにおいても、一八九六年にアテネで開催された第一回大会では、女性選手は一人もいませんでした。こうしたオリンピック史の中で、二〇一二年のロンドン大会では、二百四の参加国、地域全てで女性選手の参加が実現しました。
 翻って、今回の東京大会の決定に当たって、その決定打となったのは最終プレゼンテーションといわれ、猪瀬知事のスピーチはもちろんのこと、佐藤真海さん、滝川クリステルさんらの女性の活躍が光りました。
 さらに、高円宮妃殿下の被災地支援に対する気品ある御礼のスピーチは、ひときわIOC委員の心に響いたといわれております。
 一方、四月に発表された政府の成長戦略では、女性の活躍はその中核をなすものと位置づけられ、女性の中に眠る高い能力を十二分に開花させていくことが、閉塞感の漂う日本を再び成長軌道に乗せる原動力としています。これは、これまで男女平等参画とか女性の社会進出として位置づけられてきた取り組みとは本質的に一線を画すものであり、都議会公明党の考えと軌を一にするものであります。
 さらに、男女共同参画白書によれば、管理職に占める女性の割合は、フィリピン五三%、アメリカ四三%、フランス三九%、シンガポール三四%に比べ、我が国は一一%にとどまっており、女性の就業希望者が三百万人に上っていることもあわせれば、我が国経済の成長には、まだまだ大きな潜在力があるといえます。
 こうした国内外の潮流の中、都は、七年後のオリンピック・パラリンピック開催を目指し、女性の活躍の場を拡大させるべきです。知事の見解を求めます。
 あわせて、先週、警視庁は、女性職員の積極登用を表明しましたが、警視総監の見解を伺います。
 本定例会の所信表明で、知事は、東京が手にしたオリンピック・パラリンピックの旗を高く掲げながら、被災地の復興をさらに加速させると表明しました。私たち都議会公明党は、被災地の復興なくして東京大会の成功はないと考えております。
 都議会公明党は、これまで福島を初め被災地を繰り返し訪れ、被災者の方々の訴えを直接お聞きしながら、被災地応援ツアーの継続や都内での被災地物産展の積極的な開催、東京の小売業者による被災地支援研修会などの風評被害対策、子供たちのスポーツ交流や文化、芸術を通じた支援など、具体的な取り組みを着実に実現してきました。
 震災から二年半が経過した今日、瓦れき処理などは進んでいますが、被災地や都内などの応急仮設住宅に住む被災者の今後の住宅問題、被災地における新たなまちづくり、震災の打撃や風評被害を、いまだ乗り越えることができない被災地の産業振興や雇用対策など、復興に向けた重要な課題が数多く横たわっています。
 勇気と希望を生むオリンピック・パラリンピックを通じた被災地支援について、知事の見解を伺います。
 被災三県や日本体育協会、JOCなどから成る復興専門委員会の最終報告が昨年末まとめられ、宝くじの収益による被災三県のスポーツ施設の整備、代表選考会の被災地での実施、被災地と世界各国との国際交流事業など、さまざまな提言がなされました。
 東京開催では、被災地復興の姿を世界の人々にアピールするためにも、被災地から多くの方々が競技会場に参加し、競技を観戦しながら各国の人々と交流できるよう工夫すべきと考えますが、答弁を求めます。
 次に、オリンピック・パラリンピックの開催に向けた治安対策について質問します。
 世界で最も安全な都市での開催をうたったことが、東京開催の決定に至る重要な要因でもありました。
 世界百数十カ国が参加するオリンピック・パラリンピックは、百を超える国家元首クラスの要人はもちろん、参加選手団やスタッフ、マスコミ関係者や国内外の観光客などの多くの方々の来訪が予想されます。大会開催中の来場客数だけでも約一千万人といわれています。
 過去の経緯を見ても、テロ対策に万全を期すとともに、東京大会を目指して来る観光客や、受け入れる都民の方々を各種犯罪から守ることが、首都東京の治安を担う警視庁の責務であります。
 また、東京の都市としての魅力を最大限に発揮した大会にするためにも、盤石な安全・安心の確保が必須であります。
 そこで、東京開催に向けた治安対策の取り組みについて、警視総監の所見を求めます。
 オリンピック・パラリンピックに関連する質問の最後に、横田基地と東京港の新たな活用策について質問します。
 猪瀬知事は、今回の所信表明で、アスリートに最高の競技環境を提供するための課題として、道路ネットワークの整備や増大する航空需要への対応の必要性に言及されました。東京大会の成功に向け、横田基地の軍民共用化に言及されたことを高く評価します。
 この問題は、知事が過日の記者会見でも述べられたとおり、国の安定した政権運営というバックボーンなくしては決着しがたい課題であり、いよいよ絶好のチャンスを迎えつつあるものといえます。
 しかし、何といっても地元東京の知事の熱意なくして成果が上がるはずもありません。横田基地の軍民共用化に向けた知事の決意を伺います。
 次に、東京港の観光客船への対応力の向上もまた喫緊の課題であり、クルーズ客船の誘致促進について質問します。
 九月十四日には、ゴールデンウイークに引き続き、乗客乗員で五千人規模の大型クルーズ客船である「ボイジャー・オブ・ザ・シーズ」が東京港に入港しました。船内では、観光庁長官も立ち会う中、この船を運航する米国ロイヤル・カリビアン社と東京都港湾局との間で、来年の寄港や相互の協力関係の継続を内容とする協定書が調印されました。
 これは、東京港の新時代の幕あけとして象徴的な出来事であります。今後、クルーズ客船のさらなる誘致、そして観光産業の発展へとつながっていくことを願うものであります。
 ところで、近年、このような大型客船が再び脚光を集めつつありますが、東京は日本の表玄関でありながら、大型クルーズ客船はレインボーブリッジをくぐることができません。クルーズ市場の振興を背景に、さらなるニーズを掘り起こし、一回の寄港当たり数億円という経済効果や観光都市としての発展など、大きなチャンスをつかむべきであると考えます。
 我が党は、第二回定例会において、大型クルーズ客船の受け入れ体制の充実が必要であると指摘しました。当面は大井水産物ふ頭での対応を前提に、乗客の利便性や快適性の向上に向けた取り組みが必要でありますが、将来的には、レインボーブリッジの外側に、大型船に常時対応できる新たな客船ふ頭を整備することが必須であります。今後の展開について所見を求めます。
 東京港にクルーズ客船を効果的に誘致していくためには、新たな客船ふ頭の整備に加え、十分な現状分析や将来予測を行い、今後の東京港におけるターゲットを定めた上での施策の展開が不可欠であります。今後の対応について見解を求めます。
 次に、防災、減災対策について質問します。
 初めに、液状化対策と木密地域の解消についてであります。
 液状化しやすい地盤の改良や、被害が拡大しやすく救援活動にも展開しにくい木造住宅密集地域の解消は、東京の防災における最重要課題の一つであります。
 都議会公明党は先日、東日本大震災で市内八六%が液状化被害を受けた千葉県浦安市のその後の取り組みの模様を視察してまいりました。浦安市は現在、道路下の地盤などを強化することによって、住宅立地区画を外側から補強する取り組みを進めようとしています。
 浦安市がこうした方策を採用できた背景には、市内の地盤の大部分が近年埋め立てられたものであり、あらかじめ幅員の広い道路が碁盤の目のように整備されていたという事実があります。道路が狭隘な東京の木密地域などでは、こうした工夫を採用できないことに加えて、都内の木密対策は、自治体の人員削減に伴う専門人材の不足、住まいの共同化に対する住民の抵抗感などもあって、多くの場合、なかなか進捗しておりません。
 過日、都議会公明党が視察した江戸川区JR小岩駅近くの取り組みにおいても、地元区は懸命な努力を重ねているものの、戸建て住宅の建てかえが中心で、しかも不動産相続の機会を捉えた取り組みが精いっぱいの状況にあり、十分な道路幅員の確保には至っておりません。
 こうした現状を踏まえれば、これまで都議会公明党が機会あるごとに訴えてきたとおり、木密対策と液状化対策の必要が重なる危険度の高い地域では、面的整備が不可欠です。
 そこで、都は今後、木密対策や液状化対策を抜本的にスピードアップさせていくため、必要地域を対象に、再開発や区画整理などの面的整備を、民間の人材、資金、ノウハウを積極的に活用して実施すべきと考えます。見解を求めます。
 その上で、都は現在、危機的状況にあった都財政の立て直しを優先させるため、多額の費用を要する新規の区画整理事業には着手していません。しかし、新たな区画整理事業に着手できる余力という点では、区市は都以上に困難といわざるを得ません。
 したがって、都は、都内全体の取り組みの進捗を強化させるべく、都施行の新たな区画整理事業に着手すべきと要望しておきます。
 次に、災害時の国施設の活用についてであります。
 首都直下型地震による一時滞在施設の需要は約九十二万人分と予想されています。他方、東日本大震災の際に、国の一部の施設では、施設側での受け入れ準備ができていたにもかかわらず、その施設へ帰宅困難者が誘導されることがなかったため、利用されなかったという事例もありました。
 一時滞在施設については二百の都立施設が指定されるとともに、民間事業者にも提供していただくため、都や国、民間団体で構成される会議での検討が進められていると聞いております。
 例えば、陸海空の自衛隊幹部学校は、恵比寿駅、中目黒駅の近傍に位置し、帰宅困難者の受け入れ先として適切な環境にあり、さらに高台に位置しているため、浸水被害のおそれがある場合には住民の緊急避難先として有望です。
 また、地元の区は、学校内に幹部自衛官がいることもあって、発災時には周辺地域の救出、救助活動などにできる限りの協力を希望しております。
 このような国の施設は都内に多数存在しており、都は国の施設利用などの協力を積極的に求めるべきです。
 そこで、区市町村が国の関係機関と協力関係を構築する場合に、都が区市町村の取り組みを支援していくことが重要と考えますが、所見を伺います。
 次に、下水道幹線の再構築について質問します。
 近年、都市インフラの老朽化が社会問題となっております。特に高度経済成長期に整備された下水道幹線が今後一斉に法定耐用年数を迎える状況にあります。
 下水道施設のうち下水道幹線は、大量の下水を集めて水再生センターへ流下させるもので、施設の規模は極めて大きいものとなっております。その下水道幹線が老朽化や震災により機能を失ってしまうと、その影響ははかり知れないものがあります。
 我が党の重点施策である防災、減災対策を進め、安全・安心先進都市東京の再構築をしていくためにも、より一層のスピード感を持って対策を進める必要があると考えます。所見を求めます。
 防災対策の最後に、JAXA、宇宙航空研究開発機構による地球観測衛星の活用について質問します。
 災害時に被害状況を一括して把握することは、救助や復旧にとって極めて重要です。「だいち二号」が搭載しているレーダーは、衛星を移動させながら、目標に電波を照射し、地表面に当たって返ってきた電波を重ね合わせて画像化するシステムです。レーダーによる地表観測のため、視界が悪い状況でも撮影できるとともに、地形の変化を広域的に捉えるなどの面ですぐれています。
 例えば、浸水、冠水域、海上漂流物、海面におけるオイル流出、道路状況や土砂災害、地殻変動などが、夜間や悪天候でも観測できるメリットがあります。
 JAXAからは無償で画像データを入手でき、また、他国の人工衛星との協力関係の構築による被災状況の収集も可能となります。
 今年度中に打ち上げが予定されている「だいち二号」による衛星画像は、画像内容や撮影頻度といった点などにおいて、平成二十三年五月まで運用されていた「だいち」と比べても高い性能を有しています。
 都は、JAXAと協定を結び、「だいち二号」の利用方法をあらかじめ定めておけば、都の応急対策に十分活用できます。この「だいち二号」の今後の活用について、都の見解を求めます。
 次いで、首都圏の安定給水の確保について質問します。
 ことしは日本各地で局地的豪雨や渇水が発生するなど、異常気象が顕在化しています。香川県では、早明浦ダムの貯水率低下に伴い、最大五〇%もの取水制限が行われ、一部の市町では減圧給水を実施いたしました。
 また、利根川水系においても、昨年に続き、ことしも取水制限が始まったため、我が党は七月三十一日、矢木沢ダムを視察いたしました。ふだんは水没している湖岸は地肌がむき出しになり、流木が無残な姿をさらしていました。七月の取水制限により、水需要のピークを迎える八月を乗り切ることができるのか、大変に不安を覚えましたが、幸い取水制限から給水制限に至ることはありませんでした。
 ことしの利根川の取水制限に対する都の具体的な対応について説明を求めます。
 現在、首都圏三千万人の水がめとなるダムは奥利根地域に集中しており、吾妻水系には大規模なダムがないため、一たび奥利根地域に雨が降らないと、取水制限や、さらには給水制限といった危機に直面します。したがって、最も重要なライフラインである水道の安定給水のためには、八ッ場ダムの早期完成が必要不可欠であります。
 また、八ッ場ダムは利水という側面だけでなく、治水という重要な役割を持っています。民主党政権は、建設を安易に中断させ、工期を大幅に遅延させてしまいました。国民の生命と財産を守るという国家の根本使命を忘れていたといわれても仕方ありません。
 政権交代により、来年度予算の概算要求に本体工事費が計上されるなど、ようやく着工に向けて動き始めたところでありますが、八ッ場ダムの一日も早い完成が待たれるところであります。
 渇水に十分備え、安定給水を確保して、都民のライフラインを守っていくための今後の都の取り組みについて見解を求めます。
 次に、教育施策について質問します。
 今、世界の最高学府では、教育イノベーションの潮流が起こっております。ハーバード大学を初めとする百を超える世界の名門大学では、MOOCと呼ばれる無料のオンライン講座をスタートさせて、国境や経済格差を超えて、意欲ある優秀な学生や人材の獲得に取り組んでいます。その講座の数は既に五百を超え、一千万人が受講をし、今月からMOOCを始めた東京大学でも、既に六万人の受講生を獲得しているとのことです。
 教育イノベーションの世界の潮流におくれをとらないよう、我が国も教育再生に全力を挙げていかなくてはなりません。そのためには、礎となる初等、中等教育のたゆまぬ改革が必要であります。
 こうしたことを踏まえ、都議会公明党は、昨年の第二回定例会で、現在の小中高の六・三・三制の見直しなどを通して、児童生徒がみずからの意思と努力に応じてより多くの学識を習得し、才能を開花させていくことができる新たな教育の取り組みの検討を求めました。
 これに応えて、都は今回、都の検討委員会の取り組みを通して、理数を重視したモデル校の構想を発表しました。六・三・三制の見直しについては、これまで机上の議論に終始されがちでありました。都がこうした壁を打ち破る一歩を踏み出したことを評価します。新たな時間軸に基づくカリキュラムの見直しによって、都が目指している教育効果について所見を求めます。
 都が行う今回の教育改革は、六・三・三制という既存の時間軸を突破する必要があったことから、あえて小中高の三つの校種の枠組みを超えて、都が一貫した設置者となることを選択するものです。
 しかし、ある意味実験的な取り組みでもあるため、さまざまな課題をはらんでいます。
 例えば、学年が進んでから理数に不向きであることを自覚した児童生徒への対処の仕方などの課題などにも目を向け、都は開校直前まで、さらには開校後も随時、柔軟にその解決、改善に努めるべきです。
 また、このモデル校が生み出す成果については、必要な年限の経過後、速やかに国への提言や教育関係者への情報提供などを通じて、より多くの都民、児童生徒に還元できるよう開校前から準備を重ねるべきと考えます。あわせて見解を求めます。
 次に、発達障害教育の推進について質問します。
 都は、東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画において、全ての公立小中学校に特別支援教室を設置し、専門性の高い教員による巡回指導を実施することとし、小学校でのモデル事業を開始しております。
 都議会公明党は先日、モデル事業実施校を視察してきました。そこでは発達障害のある児童に対し、必要な支援がきめ細かく展開されていました。
 どの学校、学級においても支援を必要としている発達障害のある児童生徒がいるといわれている現状を踏まえ、モデル実施校以外の区市町村でも、当初の計画年次を待たずに早期の教室開設を進めるべきです。
 加えて、推進計画では中学校への導入時期が示されていません。小学校から引き続いて特別支援が必要な生徒への対応ができるよう、中学校へのモデル事業も早急に始めるべきと考えます。あわせて見解を求めます。
 一方、こうした発達障害がある児童生徒に対する教育の専門性を身につけ高めることができる教員の育成とともに、事務量や教員の負担がふえた場合には人的体制の整備も不可欠と考えます。また、発達障害のある生徒が普通科高校に入学していくことを踏まえ、全ての都立高校においても支援体制や指導内容を早急に確立する必要があると考えます。あわせて見解を求めます。
 発達障害のある児童生徒も、やがて自立と社会参加を実現していきます。その支援には就学前から義務教育段階、高等学校段階、そして大学進学や就労までの一貫性のある支援体制を構築することが必要です。
 そのためには、児童生徒の発達障害が明らかになった段階から個別の教育支援計画を確実に作成し、児童生徒一人一人に対する必要な支援の内容を明確にした上で、医療、福祉、就労などとも連携した一貫性のある支援を行っていくべきと考えます。見解を求めます。
 次に、エネルギー施策について質問します。
 都は、今年度から家庭のスマートハウス化を目指した七十億円の事業を予算化し、ことし六月から事業を開始しました。スマートエネルギー都市の実現に向けて大きな意味を持つ事業であり、特に我が党の主張を受け入れ、戸建ての住宅のみならず、都内の住宅ストックの約七割を占めるマンション等の集合住宅の共用部も含め、補助の対象としたことは歓迎したいと思います。
 大規模で新規のマンション開発では、共用部に太陽光発電や蓄電池等を装備するとともに、高圧一括受電やMEMSと呼ばれるITを活用したマンション全体をエネルギーマネジメントするシステムを導入するなど、省エネと防災力の高いマンション供給が始まっています。
 都内の大部分を占める既存の集合住宅にも、スマート化を加速することが必要であると考えます。本事業の進捗状況とあわせて都の見解を求めます。
 都はこれまで、発電と熱利用の両面から太陽エネルギーの普及拡大に努めてきました。太陽光発電については、これまでの四年間の都の取り組みが寄与し、住宅用は大幅に設置コストが低減し、昨年七月には固定価格買い取り制度も導入され、太陽光発電は自立的な普及拡大期に入りつつあります。
 しかし、全国的にはメガソーラーに偏った形で普及が拡大していることもあり、事業所や住宅などの建物における普及がやや伸び悩んでいる現状もあります。
 一方、太陽熱利用は、都が先駆的に新たな太陽熱住宅のモデルを生み出す補助事業を展開しているにもかかわらず、国の本格的な支援策がいまだないため、全国的に市場の拡大が進んでいません。
 都は、住宅用を中心にこれまで成果を上げてきた普及拡大の取り組みを着実に進めつつ、事業用という新たな分野も視野に、発電と熱利用の両面で太陽エネルギーのさらなる普及拡大を図ることが必要と考えます。都の見解を求めます。
 最後に、入札契約制度について質問します。
 昨年からの公共工事の状況を見ると、これまでの国の公共事業量削減に伴う建設職人等の減少や東日本大震災の本格復興に向けた労務費や資材価格等の急騰などによる今後の先高感もあって、入札不調がふえています。
 例えば、多くの高齢者が一日も早い設置を望んでおられる都営住宅のエレベーター設置工事や、さまざまな建築工事などが発注金額が低過ぎるため、入札不調となり、結果として工事が延期されてしまうケースがふえています。
 そのため我が党は、賃金や物価の変動により契約金額が不適当となったときに、契約金額の変更を請求することができる、いわゆる全体スライド条項について適切に適用するよう求めましたが、その後、百件を超える工事で契約金額の増額に向けた協議を行っていると聞いています。
 このような取り組みは一定の成果を上げてはいますが、今後は被災地の支援を継続しながら、東京オリンピック・パラリンピックの施設整備や高度防災都市づくりをさらに着実に実施していく必要があります。
 例えば、設計、測量、地盤調査などの委託契約の成果物は、その後の工事のでき、ふできを左右しかねない重要なものであり、技術力のある良質な入札参加者が受注できる仕組みを推進していく必要があります。
 都は、このような状況の変化を踏まえ、より適切な入札契約制度の実現に向けて一層の取り組みが必要であると考えますが、所見を求めます。
 他方、老朽化した都市施設の更新や景気回復、さらには東京オリンピック・パラリンピックの準備を順調に果たす上で、都政に寄せられる期待に応えるためには契約、入札制度などの改革だけでは足りません。とりわけ技術職員の確保は喫緊の課題です。
 今後、大会開催までに数多くの競技施設や関連する都市インフラを同時進行で整備していく必要があります。これらを担うのは、土木や建築などの専門知識と経験を持つ技術職員です。
 こうした施設整備等を担う上で重要な技術職員の確保について、都の見解を求め、都議会公明党を代表しての質問を終わります。(拍手)
   〔知事猪瀬直樹君登壇〕

〇知事(猪瀬直樹君) 小磯善彦議員の代表質問にお答えします。
 新たな長期ビジョンの策定についてでありますが、東京都では急速に少子高齢化が進行しており、今後、人口減少社会の到来を迎えることになりますが、このまま手をこまねいていれば、社会の活力が低下し、社会のシステムそのものが成り立たなくなる深刻な危機を招きかねないと思っております。
 かつて直面したことのない困難な問題に対し、中長期的な視点に立って取り組みの道筋を描き、オリンピック・パラリンピック開催のさらなる先を見据えた十年後の将来像を示す新たな長期ビジョンを策定します。
 少子高齢化と人口減少社会がもたらす諸課題に対応するために、その課題を的確に認識、分析するとともに、従来の発想を転換し新たなモデルを構築することが必要となります。このため、主要な課題に対する複数のプロジェクトチームを同時に立ち上げ、その成果を長期ビジョンに反映させていきたいと思っています。
 これまでの施策体系や行政分野にとらわれず、新たな長期ビジョンの策定を進め、一人一人が輝く世界一の都市の実現を目指していきたいと思っております。
 構造的福祉についてでありますが、日本は既に人口減少社会に突入し、東京の人口も二〇二〇年から減少に転じるものと推測されておりまして、二〇二五年にはいわゆる団塊世代が七十五歳以上の後期高齢者になります。急速に進行する少子高齢化や人口減少社会への対応は、全庁を挙げて取り組まなければならない待ったなしの課題であります。
 人間の生活が縦割りでない以上、この課題への取り組みも単体としてではなく、構造として捉えていかなければ有効な対策を打つことはできません。
 そこで、構造的福祉という新たな概念を打ち出し、副知事をトップとするプロジェクトチームを設置しました。
 今回のプロジェクトチームでは福祉、雇用、住宅などの行政分野という従来の垣根を超えて幅広く議論を深めていきたい。
 今後、現場の発想や若手職員のアイデアなどを引き出し、全庁の英知を結集して東京都が持っている資源を総合的に活用するなど、ソフト、ハードが一体となった対策を推進し、少子高齢社会に対応し得る東京の新たな姿を示していきたいと思っております。
 女性の活躍の促進についてでありますが、質問の中で、高円宮妃殿下、佐藤真海さんや滝川クリステルさんの話が出ましたが、ほかにもオリンピアンの小谷実可子さん、サッカーの澤穂希さん、全員の名前をここで挙げることはできませんが、今回の招致成功に当たって、女性の力は本当に大きかったです。
 これまで東京都は、男女平等参画社会の実現を目指し、雇用環境整備、子育て支援など、さまざまな取り組みを展開してきました。自分も妻と長く共働きでありましたので、子供を預ける保育所を探すのに苦労した経験があります。男女がともに活躍できる環境を整えることは大事であると、そういうことを実感しております。
 それゆえ、知事に就任して編成した最初の予算で、保育ニーズに応える東京スマート保育も早速始めることにいたしました。
 NHK大河ドラマの「八重の桜」が人気を博していますが、実に魅力的な生き方であります。七年後、東京オリンピック・パラリンピックが来ますが、世の中を変えていこうという、そういう時代の季節を変えていこうとするときに、女性の力は欠かせないというふうに思っております。
 政府の成長戦略にも明記されたように、日本が再び成長を目指すためにも、女性の力は大きくプラスに作用すると、こう思っております。これから国とタッグを組んで、女性の活躍推進を都政の重要課題に位置づけ、取り組みを加速させていきたいと、こう思っています。
 オリンピック・パラリンピックについてでありますが、日本にはオリンピック・パラリンピック開催という希望が生まれました。二〇二〇年大会は、新しい坂の上の雲として、東日本大震災の被災地も含め、日本全体で仰ぎ見ることのできる大きな希望であります。これからの七年間、この希望を力として被災地の復興を加速させ、さらには心の復興をもなし遂げなければいけない、こう思っています。
 これまで東京都では、JOCなどの関係者の協力を得ながら、千キロメートル縦断リレーや、カール・ルイス選手を初め、著名アスリートの被災地への派遣など、さまざまな復興支援事業を実施してきました。今後も引き続き、オリンピック・パラリンピック開催都市として、大会組織委員会、スポーツ界と一丸となり、スポーツを通じた支援策を推進してまいります。
 七年後には、聖火ランナーが復興を遂げた被災地を駆け抜けます。その姿を世界中のメディアを通して発信し、困難に立ち向かった人々の勇気と自信を全世界に届けたい。二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催を通じて、被災地の復興を強力に後押ししていく覚悟であります。
 横田基地の軍民共用化についてでありますが、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの開催により、我が国を訪れる外国人旅行者は大幅に増加することが見込まれ、首都圏の空港容量の拡大は喫緊の課題であります。
 ロンドンでは、オリンピック開催時の二〇一二年八月に、ビジネスジェットの発着回数が前年度比で四五%増加しました。また、ヒースロー空港では、増大する航空需要に対応するため、ビジネスジェットを周辺空港に振り分け、定期便を最大限受け入れたわけです。
 横田の共用化により、羽田、成田、横田と首都圏に三つの空港がニューヨークのようにバランスよく配置されれば、国際都市にふさわしい空港アクセスを備えることができます。軍民共用化は、小泉政権下で日米両政府での検討の合意がなされたんですが、アメリカ側からの基地の機能が制約されないかどうかという懸念が指摘されたわけですが、その後、日本の短命政権が続いたことから協議が進展していかなかったんです。
 国においては安定政権が見込まれる中、まずビジネスジェットの導入を突破口にして取り組みを加速させたいと、こう思っています。国に対して日米協議の促進を強く働きかけるなど、軍民共用化の実現に取り組んでいく覚悟であります。
 なお、その他の質問については、警視総監、教育長、東京都技監及び関係局長から答弁いたします。
   〔警視総監西村泰彦君登壇〕

〇警視総監(西村泰彦君) 二点のご質問にお答えします。
 まず、女性職員の登用についてであります。
 昨今、警察活動を取り巻く環境は複雑化し、都民の警察に対する要望は多様化しております。また、都内におけるストーカー事案や配偶者暴力事案も厳しい状況にあり、女性被害者、相談者への的確な対応が求められております。
 警視庁といたしましては、こうした社会の変化に柔軟に対応するため、先般、女性の視点を一層反映した警察運営の推進に関する通達を発出し、時代の要請に対応できる体制の構築に努めることといたしました。
 具体的には、女性警察官採用のさらなる拡大とともに、これまで当然のように男性警察官を配置していたポストへの女性警察官の配置や、女性の視点を反映した施策を推進する上で効果的な総務、警務部門や各部門の企画立案部署への積極的な登用、さらには、将来の女性幹部の育成を念頭に置き、優秀な人材について、その能力及び実績に応じた適正な評価による上級幹部への登用など積極的に進めてまいります。
 あわせて、やる気あふれる女性職員が出産、育児を経ながら仕事を続け、能力を高めていけるよう、男性職員と女性職員は対等なパートナーであるという意識を全職員に徹底するとともに、育児を抱える職員に対する支援施策を充実するなど、女性職員がさらに活躍できる職場づくりにも取り組んでまいります。
 次に、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた治安対策の取り組みについてであります。
 選手団等、関係者を初め、東京を訪れる全ての方々に世界一安全な都市東京を実感していただくためには、テロや組織犯罪など社会を不安に陥れる犯罪を封じ込めることはもちろんでありますが、すりや置き引きなどといった身近な犯罪や交通事故などを防止することも重要な要素であります。
 警視庁といたしましては、東京の治安をよりよくしていくため、関係機関と連携し、テロ防止のための諸対策を講じるとともに、街頭警察活動の強化や盛り場地区の環境浄化活動、さらには、自治体等と連携した犯罪の起きにくい社会づくりの推進など、犯罪抑止総合対策並びに見せる交通街頭活動や、重大交通事故に直結する悪質、危険な交通違反の取り締まりなどの重大交通事故防止対策を引き続き推進してまいります。
 二〇二〇年に向けての準備は既に始まっており、あらゆるリスクを想定し、関係機関と連携を図りながら日本警察の総力を挙げて諸対策に取り組んでまいります。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 八点のご質問にお答えをいたします。
 まず、都立小中高一貫教育校において目指している教育効果についてでありますが、都立小中高一貫教育校基本構想検討委員会の中間のまとめでは、十二年間の教育課程を一体として捉え直し、基礎、基本の徹底や自然体験活動、みずからの興味、関心に基づく学習、留学や大学での聴講などの専門的な学習を実施するべきであると提言をしております。
 小中高一貫教育における早い段階からの取り組みを通して資質や能力を最大限に伸ばし、理数を中心に、世界に伍して活躍できる人材の育成を図る効果が期待できると考えております。今後、都教育委員会は、都立小中高一貫教育校の教育課程について、基本構想検討委員会でさらに議論を深め、よりよい教育の実現に努めてまいります。
 次に、小中高一貫教育を実施する上での課題の解決についてでありますが、基本構想検討委員会の中間のまとめでは、十二年間の系統的、継続的な教育活動の推進や、募集及び入学者決定のあり方、小学校から高等学校までの一貫教育を行うための教職員の体制などを今後の検討課題としております。
 これらに加え、小中高一貫教育の実施上の具体的な課題として、十二年間で学力差が生じることへの懸念、進路の変更希望への対応、通学場所が変わる影響や人間関係の固定化などについても指摘をされております。
 こうした課題について基本構想検討委員会で十分に検討した上で、さまざまな意見も踏まえ、広く都民の理解を得るとともに、今後、課題解決のための方策について、継続して検討をしてまいります。
 次に、都立小中高一貫教育校における成果の還元についてでありますが、十二年間を一体として捉え直し、系統的、継続的な指導を行う小中高一貫教育は、次代を担うすぐれた人材を育成するための有力な方策となると考えております。
 また、小中高一貫教育の仕組みや具体的な教育内容について、東京モデルとして国や教育関係者などに発信することは、教育制度改革の推進につながると期待できます。
 今後、都立小中高一貫教育校の開校に向け、さらに議論を深め、その成果を広く都民、児童生徒に還元できるよう準備を進めてまいります。
 次に、特別支援教室の小学校への導入についてでありますが、都教育委員会は、発達障害の児童が在籍校で専門的な指導を受けられるようにするため、平成二十四年度から、目黒区、北区、狛江市、羽村市と連携し、小学校のモデル事業を行っております。
 児童の在籍校に通級指導学級の教員が巡回し、在籍学級担任と連携して指導することにより、児童の他校への通級による負担が軽減されるほか、在籍学級での個別の課題に即応した指導が実施できるようになっております。
 今後は、本事業の成果を区市町村教育委員会に広め、平成二十八年度の全都導入を目指しますとともに、より早期に導入可能な区市町村についてはモデル地区に加えるなどして、実施地域の拡大を図ってまいります。
 次に、中学校でのモデル事業の実施についてでありますが、中学校における特別支援教室の効果的な運営には、導入後に支援が必要な発達障害の生徒が専門的な指導を受けられることが重要であります。
 そのためには、中学校の生徒、保護者、教員の発達障害教育に対する意識や、支援が必要な生徒の学習環境について把握、分析を行い、生徒の成長段階に応じた支援策や特別支援教室に関する効果的な理解の推進方法を明らかにするとともに、中学校の教科別指導にかかわる、それぞれの教員の連携による校務体制を確立していく必要があります。
 今後、こうした課題に対し、区市町村と連携し、対応した上で、小学校に引き続き、中学校のモデル事業の実施に順次取り組んでまいります。
 次に、教員の専門性向上と体制の整備についてでありますが、特別支援教室を円滑に導入するには、巡回指導を担当する教員の専門性の向上と、保護者や全ての教員の発達障害への理解の促進が必要であります。
 そのため、都教育委員会は、都立特別支援学校と小中学校間での人事交流の活用や、特別支援学校教員の小中学校特別支援学級への派遣体制の拡充などにより、経験豊かな教員から巡回指導を担当する教員に、その知識や技術を伝授し、専門性向上に努めていきます。
 また、特別支援教室モデル事業におけるすぐれた実践事例を、東京都教育実践発表会を通じて広く紹介するなどにより、理解促進を図るとともに、特別支援教室を効果的に運用する適切な実施体制についても検証してまいります。
 次に、都立高校における発達障害教育についてでありますが、都立高校に在籍する発達障害の生徒を自立した社会人に育成するためには、個々の特性に応じた適切な支援を行うことが重要であります。
 そのため、都教育委員会は、現在、全ての都立高校等で特別支援教育コーディネーターの育成に取り組んでいるほか、本年七月、有識者による東京都発達障害教育推進会議を設置し、障害に起因する不登校への対応等を初め、これからの発達障害教育の方向性を示すような、先進的かつ具体的な議論を行っております。
 今後、発達障害の中学生や保護者が安心して進路を選択できるよう、本会議の提言を踏まえ、都立高校における生徒への支援体制や指導内容等、発達障害教育の基盤を整備するための新たな施策を検討してまいります。
 最後に、発達障害の児童生徒への支援についてでありますが、各学校では、発達障害の児童生徒が充実した学校生活を送れるよう、個別の教育支援計画を作成して、早期からの一貫性のある支援を行う必要があります。
 そのため、都教育委員会では、発達障害の児童生徒一人一人に対して適時適切な支援を行えるよう、現在、公立学校十一校を研究協力校とし、個別の教育支援計画の内容や支援会議の実施方法の工夫など、小中高等学校間の接続や、医療、福祉等関係機関との連携のあり方に関する実践的研究を行っております。
 今後は、一貫性のある支援の充実に向けて、指導資料の配布や講習会の実施などにより、年度内に研究成果を各学校に周知するなど、区市町村教育委員会と連携して、発達障害の児童生徒の自立と社会参加を支援してまいります。
   〔東京都技監藤井寛行君登壇〕

〇東京都技監(藤井寛行君) 民間の力を活用した面的整備についてでございますが、木密地域不燃化十年プロジェクトにおきましては、不燃化特区のコア事業として、再開発や土地区画整理などの面的事業を位置づけております。また、個々の事業主体が国の補助制度をあわせて活用することにより、液状化にも対応可能となります。
 これら面的事業の推進に当たって、合意形成などに取り組む専門人材の不足が課題となっている区もございます。
 このため都は、事業実績のある都市づくり公社なども活用し、事業計画策定など事業化に向けた区の取り組みに技術的支援を行ってまいります。また、権利調整や住民ニーズの把握などの取り組みに対し、民間コンサルタントなどを活用できるよう財政支援を行ってまいります。
 これらの取り組みにより、早期に面的事業が立ち上がるよう、区を積極的に支援してまいります。
   〔福祉保健局長川澄俊文君登壇〕

〇福祉保健局長(川澄俊文君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、子ども・子育て支援新制度についてですが、新制度の実施主体として、区市町村は、平成二十七年四月の施行に向け、幼児教育や保育等に関するニーズ調査、それに基づく事業計画の策定、小規模保育等の認可基準を定める条例制定などを進めていく必要がございます。
 一方、都は、保育人材の確保、資質の向上など、広域的な立場からの取り組みや、区市町村への支援を行う役割を担っているところでございます。
 現在、都は、連絡会議を設け、区市町村の取り組み状況や国の検討状況等を定期的に情報共有しながら、課題解決に向けた方策や進行管理について意見交換を行っており、今後とも、こうした場を活用し、新制度への円滑な移行と、子供、子育て施策のさらなる充実に向け、区市町村を積極的に支援してまいります。
 次に、高齢者施策についてですが、都は、高齢者の自立と尊厳を支え、誰もが住みなれた地域で暮らし、支え合う社会の実現を目指し、高齢者保健福祉計画を定め、これまで介護サービス基盤の整備、在宅療養の推進、住まいの確保、介護人材対策、高齢者の社会参加などに積極的に取り組んでまいりました。
 こうした取り組みを一層進め、今後到来する超高齢社会に的確に対応するためには、これまでの施策を改めて検証し、将来を見据えた新たな施策を展開する必要がございます。
 そのため、都は、七月に設置した構造的福祉プロジェクトチームのもとに高齢化対策検討チームを設け、中長期的な視点から局横断で検討を行っているところでございます。
 お話のように、これからの高齢者施策は、医療、介護、予防、住まい、生活支援が一体となった地域社会づくりや生きがいづくり、就労支援が重要であることから、今後、プロジェクトチームの検討結果も踏まえながら、関係各局と連携し、大都市東京にふさわしい高齢者施策を強力に推進してまいります。
   〔スポーツ振興局長細井優君登壇〕

〇スポーツ振興局長(細井優君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、パラリンピック競技大会についてでございます。
 パラリンピックは、世界最高峰の障害者スポーツの大会であるとともに、障害者に対する理解を促進し、都市のバリアフリー化を加速させるなど、社会的にも大きな意義を持った祭典でございます。
 日本においては、一九六四年の東京パラリンピック大会以降、全国障害者スポーツ大会が毎年開催されるようになるなど、パラリンピックが障害者スポーツの普及に大きな役割を果たしてきました。
 昨年のロンドン大会では、ゴールボールで団体競技初の金メダルを獲得するなど、日本人選手が活躍し、パラリンピックに対する都民、国民の関心はこれまで以上に高まっております。
 二〇二〇年大会に向けて、施設のバリアフリー化など、選手が競技に集中できる環境を整えるとともに、パラリンピック競技の普及啓発を精力的に推進することで、各会場に満員の客を集め、パラリンピアンに最高の舞台を用意してまいります。あわせて、テレビ、新聞等のメディアの協力を得て、世界中に興奮と感動を伝えていきます。
 二〇二〇年東京大会をパラリンピック史上最高の大会とするよう、全力で取り組んでまいります。
 次に、被災地の方々と海外との交流についてでございます。
 復興した被災地の姿を世界に発信し、それまでに受けたさまざまな支援に対する感謝の意を示すことは、今回のオリンピック・パラリンピック開催の大きな意義の一つでございます。
 二〇二〇年東京大会では、被災地を縦断する聖火リレーや宮城スタジアムでのサッカー予選などを計画しておりますが、こうした取り組みに加え、被災地の方々が東京を訪れる世界中の人々と直接触れ合うことも、被災地の復興を世界に伝える重要な機会となります。
 今後、各競技への招待や大会ボランティアへの受け入れなどにより、被災地の方々と海外との交流の場を設けることで、二〇二〇年大会を被災地と世界を結ぶ大会としていきます。
   〔港湾局長多羅尾光睦君登壇〕

〇港湾局長(多羅尾光睦君) 二点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、新たな客船ふ頭の整備についてですが、「ボイジャー・オブ・ザ・シーズ」のような客船に乗り、東京港を訪れる数千人の人々にとって、客船ふ頭は、国際観光都市東京の第一印象を決める顔ともいえるものでございます。
 大型クルーズ客船の受け入れに当たり、現在使用している大井水産物ふ頭では、利用可能日が土曜、休日に限定されていることに加え、本来は乗客を受け入れるためのスペースがないため、対応には限界があると認識しております。
 そのため、今後の大型クルーズ客船寄港の需要を見据え、常時受け入れ可能な新たな客船ふ頭を、レインボーブリッジの外側である臨海副都心地域に整備してまいります。
 次に、クルーズ客船の誘致促進についてですが、東京港として、世界の主流になりつつある大型クルーズ客船を確実に誘致していくためには、国内外の市場動向の分析を踏まえた中長期的な戦略を策定することが必要でございます。
 そのため、東京港の現状分析やクルーズ需要の調査をもとに、今後の具体的目標を示し、その達成に向けたハード、ソフト両面からの方策をまとめた東京港クルーズ客船誘致促進ビジョンを今年度中に策定いたします。
 このビジョンに基づき、乗客の利便性、快適性を十分に確保できる新たな客船ふ頭などの整備を進めていくとともに、船会社等への積極的な営業活動を実施するなど、将来を見据え、ターゲットを明確にした誘致戦略を展開してまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

〇総務局長(中西充君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、災害時における区市町村と国の機関との連携支援についてでございますが、首都東京の防災力向上のためには、地域ごとに区市町村が中心となって、国等の関係機関などと発災時の協力関係を構築することも重要でございます。
 都も、こうした機関との協力体制構築に向けた取り組みをさまざまな形で支援しております。例えば、帰宅困難者対策では、主要駅を抱える地元自治体を中心に一時滞在施設の確保に取り組んでおりますが、都におきましても、国に働きかけ、活用可能な国有施設の洗い出しなどを実施しており、区市町村への協力に向けた調整を進めてまいります。
 今後とも、区市町村との定期的な意見交換の場も活用しながら、国の機関との協力体制構築など、地域防災力向上に向けた取り組みを積極的に支援してまいります。
 次に、衛星画像の活用についてでございます。
 発災時に被災状況に関する多くの情報を迅速に把握するためには、多様な手法を活用することが重要となります。これまでも、都庁屋上カメラや職員等による情報収集に加え、ヘリコプターや道路、水門等の管理用カメラなど、関係機関から提供される映像により、被災状況を把握しております。
 さらに、都は現在、JAXAと調整を重ね、「だいち二号」の衛星画像を活用する方策を検討しております。この画像は、夜間や天候不良時でも、広域的な視点から浸水や土砂崩れの状況を把握できるといった点で有効であり、災害情報として活用できる可能性がございます。
 今後とも、「だいち二号」の運用を踏まえた効果的な衛星画像の利用に向け、JAXAと調整を進めてまいります。
 最後に、オリンピック・パラリンピックの準備を担う技術職員の確保についてでございます。
 大会の開催に向けては、現在都が行っております被災地支援と相まって、土木や建築等の技術職員の需要が大幅に高まるものと認識しております。
 今後、採用規模の的確な算定のもと、有用な技術力に着目したキャリア採用区分や、新卒採用区分ごとの採用枠の活用、採用時期の前倒しなども柔軟に検討いたします。また、即戦力として、都や民間等の技術者OBを任期つきで採用するなど、あらゆる手法を駆使して的確に対応いたします。
 一方、在職中の職員については、現場経験や研修を通じて、最新の技術動向にも対応できるよう育成してまいります。
 都では、こうしたさまざまな取り組みを通じて、求められる技術力の高さや規模に応じた人材を確保し、大会の成功に向け、万全な体制を整備してまいります。
   〔下水道局長松浦將行君登壇〕

〇下水道局長(松浦將行君) 下水道幹線の再構築の取り組みについてでございますが、幹線は下水道管網の骨格をなす重要な管路であり、老朽化により幹線が損傷した場合、都市活動に与える影響が甚大であるため、計画的に再構築を進めております。
 区部では、約千百キロメートルの下水道幹線があり、これまで整備年代が古い四十七幹線約百三十キロメートルを対象にしておりました。今後は、老朽化調査の結果から、劣化が著しい幹線などを新たに加え、百十五幹線約三百キロメートルへ対象を拡大してまいります。
 再構築に当たりましては、道路を掘らずに下水道管を内側から補強する更生工法を一層活用して、整備ペースを三年間で十六キロメートルから二十キロメートルへ三割スピードアップいたします。
 また、管内の水位が高く施工が困難な場合については、下水の流れを切りかえる新たな幹線を先行して整備し、既存の幹線を再構築することにより、あわせて雨水排除能力の向上を図ってまいります。
 これらの取り組みにより、幹線再構築を効率的にスピードアップし、安全・安心な東京の実現に貢献してまいります。
   〔水道局長吉田永君登壇〕

〇水道局長(吉田永君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、利根川水系の取水制限への対応についてであります。
 利根川上流域では、本年五月以降、雨の少ない状況が続き、ダム貯水量が減少したため、七月二十四日から一〇%の取水制限が実施されました。万が一、取水制限後もダム貯水量の減少が続いた場合には、給水制限や断水を招くおそれもございました。
 今回の一〇%の取水制限では、多摩川水系の水を活用するとともに、ツイッターやパブリシティーを活用するなど、幅広い節水の呼びかけの実施により、幸い給水に大きな影響を及ぼすことなく対応することができました。
 次に、渇水時における安定給水の確保についてでありますが、東京の水道は、一千三百万人の都民生活と都市活動を支える上で欠くことのできないライフラインであり、平常時はもとより、渇水時にも可能な限り給水を確保することが水道事業者の重要な責務であります。
 利根川水系では、近年、三年に一回程度の割合で渇水が発生しており、日本各地での異常とも思える気象状況などを考えると、今後、これまでに経験したことのない厳しい渇水が発生するおそれもございます。
 このような渇水の状況などを踏まえると、八ッ場ダムの一日も早い完成が必要であり、国に強く求めてまいります。
 さらに、小河内ダムの水の活用はもとより、異なる水系間の相互融通機能を一層強化するなど、総合的な取り組みを進め、厳しい渇水時においても給水を確保するよう全力で努めてまいります。
   〔環境局長長谷川明君登壇〕

〇環境局長(長谷川明君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、既存の集合住宅を含む家庭のスマート化についてでございますが、都の家庭の創エネ・エネルギーマネジメント促進事業の開始後、戸建て用蓄電池リースの商品化等が進むとともに、マンション専用部への燃料電池の導入に向けた動きもあり、多くの企業が市場に参入している状況にあります。
 これらは、スマートハウスの普及拡大を加速するのみならず、市場の活性化を通じて我が国の経済成長への波及も期待されております。
 また、新築集合住宅よりもスマート化がおくれており、潜在需要の高い既存の集合住宅のエネルギーマネジメントを促進することは、家庭の低炭素化や省エネをさらに進める上で有効であると認識しております。
 こうした点を踏まえながら、IT技術を活用したエネルギー管理サービスの住宅への普及に取り組み、エネルギー使用の効率化と無理なく賢い節電を一層推進してまいります。
 次に、太陽エネルギーのさらなる普及拡大についてでございますが、太陽光発電は、まず住宅用につきましては、低利ローンの活用により費用負担を軽減する屋根ぢからプロジェクトを金融機関や販売店と連携しながら着実に進めております。
 さらに、事業用につきましては、昨年度、試行的に実施しました屋根貸しマッチング事業の新たな取り組みとして、屋根の賃貸借に係る契約書モデルの作成、公開など、マッチングの実効性を高める取り組みを進めてまいります。
 もう一つの太陽エネルギーであります太陽熱利用につきましては、住宅供給事業者向けの補助事業により、新たな太陽熱住宅のモデルを着実に生み出しておりますが、太陽光発電と同様、事業用につきましても、福祉施設などの熱需要の大きい施設には、その利用拡大が有効と認識しております。
 都は、発電と熱利用の両面から、引き続き太陽エネルギーのさらなる普及拡大を牽引してまいります。
   〔財務局長中井敬三君登壇〕

〇財務局長(中井敬三君) 入札契約制度の取り組みについてでありますが、公共調達は、納税者である都民の負担により実施されており、質の高い社会資本整備を目的としております。
 したがいまして、調達手続の過程やその結果につきましては、透明性、競争性、品質確保という三つの社会的要請のバランスを確保できる仕組みとしていくことが重要であります。
 そのような視点から、都は、平成二十一年十月に、公共工事に関する入札契約制度改革の実施方針をまとめ、総合評価方式の適用拡大や特別重点調査の導入、社会保険加入状況の確認等による低入札価格調査制度の強化など、入札契約制度改革に取り組んできたところでございます。
 今後は、東日本大震災からの東北の復興を支援しながら、オリンピック・パラリンピックの開催に向けた準備や、都民生活の安全・安心の確保に向けた防災、減災対策など、必要な事業を着実に進められるよう、資材価格や労務費の上昇など、社会経済情勢の変化を踏まえつつ、引き続き入札契約制度改革を進め、より適切な入札契約制度の実現を図ってまいります。

〇副議長(藤井一君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後四時四十六分休憩

   午後五時五分開議

〇議長(吉野利明君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 百五番曽根はじめ君。
   〔百五番曽根はじめ君登壇〕

〇百五番(曽根はじめ君) 日本共産党都議団を代表して質問します。
 さきの都議選で、我が党は、安倍政権の暴走ストップ、都政では暮らし、福祉第一の東京への転換を訴えて、都民の皆さんの大きなご支持をいただき、都議会第三党に躍進させていただきました。さらに続く参議院選挙の比例選挙の得票では、東京で第二党という一層大きなご支持をいただきました。多くの皆さんの日本共産党への期待に応えて、公約実現、都民要求実現に向け、全力で奮闘するものです。
 初めに、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックについてです。
 九月八日にIOC総会が東京での開催を決めました。私たちは、IOC総会の決定を尊重し、来るべきオリンピックがスポーツを通じて国際平和と友好を促進するというオリンピック精神の実現の場となるように力を尽くすものです。同時に、東京開催には、内外からさまざまな不安と疑問の声が出されており、無条件で信任するものではありません。国民、都民の生活や環境と調和のとれた、無理のない取り組みを進めることが、人間の尊厳保持に重きを置き、環境問題に関心を持ち、持続可能な開発を促進するというオリンピック憲章にかなうことだと思います。この立場から知事の所見をただします。
 第一は、深刻な事態となっている福島第一原発の放射能汚染水の問題です。
 IOC総会で安倍首相は、汚染水について状況はコントロールされていると発言しました。健康への影響についても、現在も将来も全く問題ない、抜本的解決に向けたプログラムを、私は責任を持って決定し、既に着手していますとも発言しました。
 しかし、これらは明らかに事実をねじ曲げた発言です。高濃度の汚染水が漏れ出す事態が相次ぎ、放射能汚染の拡大を制御できないどころか、汚染水の現状さえ把握できないという非常事態に陥っているのです。健康への影響が問題ないという発言も根拠がありません。ところが安倍首相は、今なお完全に安全だなどといい張っています。このことは政府の汚染水対策の真剣さを疑わせるものといわなければなりません。
 知事が定例会見で、汚染水は必ずしもコントロールされていないとの認識を示したことは当然です。だとしたら知事は、安倍首相に対し、ごまかしはやめ、英知を結集して汚染水対策に当たるよう強く申し入れるべきです。
 安倍首相の発言は、いわば国際的公約です。知事がいうように今後への意思表明だ、などといって済ませるわけにはいかないのです。同席していた猪瀬知事も共同責任を負っています。政府は、放射能汚染水の危機打開のため総力を挙げ、国際的公約に対する責任を果たすことが厳しく求められていますが、知事いかがですか。
 第二に、生活や環境との調和の問題です。
 全国紙の世論調査では、東京開催決定はよかったと回答している人も含め、七二%の人が、できるだけ支出を抑えるべきだと回答しています。東京開催のために都が責任を果たすことは当然ですが、オリンピック関連事業への財政投入が優先され、国民、都民の暮らし、福祉の施策がおろそかにされることは絶対にあってはなりません。ましてやオリンピックを口実にした過大なインフラ整備や無駄遣いは許されません。いかがですか。
 競技場等の会場整備の都負担は、立候補ファイルでは、千五百四十億円とされていますが、倍以上にはね上がるとの報道があります。現時点の見通しを明らかにしてください。
 今後、計画を変更する場合は都民に明らかにすべきであり、整備費は競技を保障し、安全を確保する必要最小限の費用に抑える必要があると考えます。いかがですか。
 また、立候補ファイルでは、オリンピックに利用する輸送インフラとして、十二本の幹線道路整備を記載し、約六千億円の事業費を計上していますが、現時点で事業費は幾らになるのですか。計画の見直しも含め、費用を野方図に拡大させず極力抑えるべきです。お答えください。
 オリンピックに必要な輸送インフラとはされていない外環道の整備を、国と都が二〇二〇年までの完成に向けて加速しようとしていることは重大です。外環道の関越─東名間は、総事業費一兆二千八百二十億円、世界一建設コストが高い道路といわれています。暮らしや福祉などやるべき課題が山積しているのです。再検討すべきです。見解を求めます。
 さらに、京急と東急の蒲田駅をつなぐ蒲蒲線、成田空港と羽田空港を結ぶ成田羽田線と、そのための新駅整備などが次々打ち出されています。知事は新聞のインタビューで、旧来型の発想だと答えていますが、こうした立候補ファイルに記載されていない成田羽田線をどのように考えていますか。また、蒲蒲線についてどのように考えているのですか。推進した場合の二つの事業費総額は、国や関係機関で幾らかかると推計されているのですか、お答えください。
 知事は、東京オリンピックを推進力として、一人一人が輝く都市にしたいと述べました。であるなら、貧困と格差が解消され、都民誰もが幸福を実感できる生活を保障するために全力を尽くすべきです。オリンピック開催に向けて都民の暮らしと福祉向上の明確な目標と計画を持って取り組むことを提案します。知事いかがでしょうか。
 カヌーの競技会場として予定されている葛西臨海公園は、都内有数の野鳥の宝庫です。二百二十六種類もの野鳥が生息し、二十三区で絶滅危惧種に指定された生物が二十六種類生息しています。そこにスラロームの巨大な施設や、一万人規模の観客スタンドが整備されれば、豊かな自然環境が破壊されることは明らかです。日本野鳥の会や江戸川区も、現在の計画に反対を表明しています。
 環境との調和について、オリンピックムーブメントにおけるアジェンダ21では、スポーツ活動や施設整備に当たって環境の保護を規定しています。知事、この立場に立つなら、葛西臨海公園でのカヌー会場計画は、日本野鳥の会や江戸川区などと協議し、全面的に見直すべきです。見解を求めます。
 第三に、オリンピック憲章は、スポーツを行うことは人権の一つである、各個人はスポーツを行う機会を与えられなければならないと宣言しています。スポーツをする権利についての知事の所見を伺います。
 知事は、スポーツをする人をもっとふやすと発言しましたが、どのように進めていくのですか。そのためにも身近な地域のスポーツ施設整備が重要です。総務省の調査で、人口百万人当たりの社会体育施設数では、全国平均三百七十四カ所に対し、東京都は百五十七カ所にすぎず、全国四十六位です。スポーツ団体からは、練習や試合の場所を確保できないという切実な声が上がっています。区市町村と協力し、整備を大幅に促進すべきです。お答えください。
 次に、都民の暮らし、福祉の問題です。
 安倍首相が、来年四月から消費税率を五%から八%へ値上げすることを決断しました。国民の所得が減り続ける中で、八兆円もの大増税を実施したら、暮らしも営業も大きく壊されてしまいます。九七年に三%から五%に増税したときは国民の所得がふえていました。それでも経済も暮らしも落ち込みました。今は、国民の暮らしと営業が長期にわたって痛手を受けているのです。暮らしも経済もどん底に突き落とされてしまうのは火を見るよりも明らかです。
 知事は、消費税増税について記者に聞かれ、政府が決めることといいながらも、地方消費税の配分に期待する発言をしています。しかし、消費税を増税しても、経済が悪くなれば全体の税収も減る危険があるのです。そして消費税の増税が必要だと考えている人々の中にも、来年四月の増税は、国民生活や日本経済を悪化させることになるという懸念を持ち、反対の声を上げている方がたくさんいます。
 最近の世論調査でも、増税を予定どおり実施すべきだという意見は、二割から三割しかなく、中止すべきだや先送りすべきだという意見が七、八割と圧倒的なのです。これが都民の多数の声です。
 知事として、都民の暮らしと東京の経済を守る立場で、少なくとも、来年四月の消費税増税はやめるよう国に求めるべきです。いかがですか。
 さらに許せないことは、社会保障の充実を口実に消費税増税を決めたにもかかわらず、逆に社会保障大改悪を進めようとしていることです。医療では、七十歳から七十四歳の窓口負担の二割への引き上げを初め、後期高齢者医療制度の継続、入院給食費や高額療養費の負担増、ベッド削減、患者追い出し、受診抑制のための法改定も行うとしています。
 介護では、要支援一、二と認定された人から介護保険サービスを取り上げ、特養ホーム入所は要介護度三以上に限定、デイサービスの利用制限、一定収入以上の人は利用料負担を二割へ引き上げなど、さらなる負担増、給付削減が狙われています。
 年金は、二・五%削減の着実な実施とともに、恒久的な支給削減を行っていく方向が打ち出され、年金支給年齢の引き上げも視野に入れています。
 知事、こんなことを許してよいのですか。社会保障の改悪はやめるよう国に厳しく物申すべきです。お答えください。
 毎年のように繰り返される国民健康保険料の値上げも、都民生活を苦しめています。とりわけ二十三区の場合、母子世帯、障害者世帯、多人数世帯で大幅な負担増となりました。国保料の通知が送られてから保険料が高くなった理由や減免方法などの問い合わせが殺到しています。国保世帯の三世帯に一件の割合で問い合わせがあった自治体もあり、一万件を超える問い合わせがあった自治体も複数あります。
 値上げの影響は本当に深刻です。例えば、難病の妻と体の弱い娘さんとの三人家族の運送業の男性ですが、営業所得は百万円、年金が夫婦合わせて百二十万円です。所得税も住民税も非課税です。ところが国保料は毎年上がり続け、今年度は、昨年からまた二万円上がって年間十三万円にもなりました。この男性は、余りにも負担が重い、自分が死んだり働けなくなれば、一家心中しかないのかというのです。必死に働いて、ぎりぎりの生活をしている家族を国保料値上げがさらに追い詰めている現実をどう認識していますか。
 国民健康保険法は、公的医療保険の中で唯一、その目的の中に、社会保障と明記しており、国民健康保険は皆保険制度を根底で支えるセーフティーネットとしての役割を果たしているのです。高過ぎる保険料を引き下げるために、都が必要な財政支援を行うべきではありませんか。
 また、後期高齢者医療保険料は、来年度に改定となります。広域連合の検討案では、区市町村が一般財源を投入しない場合で約一万八千円、一九%もの値上げになります。一般財源を投入した場合でも約一万円、一一%の値上げになり、値上げ幅、値上げ率ともにこれまでで最大になります。前回の保険料改定の際は、東京都が不十分ながらも財政支援を行い、値上げ幅を抑えましたが、今回、より大きな支援を行うべきです。いかがですか。
 子供たちの豊かな成長を保障するための保育園をふやしてほしいという声が大きく広がっています。東京都がこの四年間で二万四千人分の認可保育園を増設したことは重要です。しかし、まだまだ足りません。認可保育園に申し込みながら入れなかった乳幼児は、ことし四月一日で二万一千三百六十人に上ります。働く意欲があるのに子育てで働けない、これは本人にとっても社会にとっても不幸なことです。少子高齢社会を乗り切るためにも、認可保育園を思い切って増設することが求められています。
 東京で認可保育園をつくる場合、最大のネックになるのは土地の確保です。認可保育園の増設を加速させるために、我が党は、認可保育園の用地取得費に補助する東京都保育所建設用地取得費補助条例を提出しました。
 都内では、この二年間に、七つの社会福祉法人が土地を購入して認可保育園をつくっていますが、本当に苦労しています。例えば、北区内の保育室が共同して社会福祉法人を設立し、認可保育園をつくる際、土地代は二億三千万円もかかったのです。あらゆるつながりで何とか約一億円の募金を集めることはできましたが、それでも金融機関から多額の借り入れをせざるを得ませんでした。用地取得費への補助があればどんなに助かったでしょうか。
 市長会も、来年度予算要望で、保育所の新設に伴う用地費に係る補助制度の創設を東京都に要望しています。
 各会派の皆さん、ともに力を合わせて実現させようではありませんか。ご賛同をよろしくお願いいたします。
 知事は、今定例会の所信表明で、都有地などの資産も活用していくなど、東京都みずからも、より積極的にかかわっていく少子高齢対策を検討すると重要な発言をしています。今こそ都有地の積極的活用に本腰を入れるときです。決意を伺います。
 都有地活用を進めるための情報提供は極めて重要です。区長会も、来年度予算要望で十分な情報提供を求めているのです。このため私たちは、財務局と公営企業三局の普通財産となっている五百平方メートルから一万平方メートルの土地の所在地と面積を調査しました。この四局だけでも二百三十三カ所の都有地の所在地が明らかになりました。例えば、北区の赤羽警察跡地は、認可保育園にちょうどいい広さの上、駅にも近く便利なところです。
 そこで伺います。
 財務局及び公営企業三局の普通財産となっている未利用地を初め、都民のために活用可能な都有地について、区市町村及び都民に情報提供すべきです。そして、これらの都有地を認可保育園や特養ホームを初め、福祉施設などに優先的に提供することが求められていますが、どうですか。
 同時に、これらのことを円滑に進めるためには、都庁内各局や区市町村との連携をスムーズに進めるためのシステムづくりが求められています。早急に取り組むことを求めますが、どうですか。
 都有地活用を進めるためには、負担の軽減も重要です。二十三区ではこの三年間だけでも十区が、区有地を無償もしくは大幅減額で認可保育園に貸与しています。区や市が新たに土地を購入し、無償で貸しているケースも複数あります。都有地の場合、都営住宅に併設されている認可保育園は、原則無料で貸与されていますが、そのほかの都有地は半額貸与であり、保証金も三十カ月分が必要となっているため利用が難しくなっています。
 このため、区長会は、来年度要望で、無償または大幅に減額して貸与することと、保証金の廃止を要望しています。市長会も、都有地や国有地を無償借用できるようにと要望しています。都としてこうした要望をどう受けとめているのですか。この要望に応えるべきではありませんか。
 認可保育園の増設を進めるために、保育士の確保は欠かせません。都内で平均的な百名規模の保育園だと、保育士は一園で十八人から十九人必要です。年間七十五カ所の保育園をつくることになれば、純増で年間千四百人以上の保育士が必要になります。認証保育所など、認可外の保育施設も十分な保育士が必要です。
 保育士確保のためには、十分な賃金と人員配置の保障が重要です。都内の保育士養成校で保育士資格を取得するのは毎年四千人前後ですが、そのうち保育園に就職する人は約半数です。やりがいはあるものの、低賃金で仕事はきついからです。保育園に就職しても数年で離職してしまう人も少なくありません。保育士資格を取得した人が就職したくなる職場、就職したら継続して働き続けられる環境をつくることが、保育士不足を解決する道です。都の対応を伺います。
 次に、ブラック企業対策です。
 若者の不安定な非正規雇用が半数を超えて拡大し、ワーキングプアがふえ続けている問題とあわせて、正規雇用でも多数の新卒者を採用しながら、過重労働やいじめなどで、短期間に身も心も会社に従わせ、ついてこられないものは精神を病むなどと次々退職に追い込まれるというブラック企業が社会問題になっています。
 私は、ワタミ系列の居酒屋で約二年正社員だった男性から話を伺いました。出世のためには身も心も創業者にささげることが要求される。自分の考えをいえば、あらゆるいじめで追い出されると切々と語ってくれました。
 ワタミがブラック企業といわれるゆえんは、人を人とも見ない労働者の使い捨てです。まず異常な長時間過重労働を強い、連日午後四時から翌朝四時まで十二時間勤務で、始発電車でしか帰宅できません。明らかに厚労省の示す時間外労働の限度基準の月上限四十五時間、年間三百六十時間を超えています。しかも、給与からの天引きが、社内用のブレザー、社員旅行費、ボランティア経費、研修用の書籍代、果ては余った食材の買い取りが多い月で数万円に及び、年収総額三百万円近くが手取りでは約百七十万円まで削られます。そして、店長らのパワハラに改善を求めたこの男性は、ローテーションから外され退職に追い込まれました。
 アパレルの大手ユニクロの社員も、長時間勤務とパワハラで入社三年以内に半数が退職し、休職中の社員の四割が精神疾患という異常さがマスコミでも大きく報じられました。知事は、若者を使い捨てにする、こうした働かせ方をどのように捉えていますか。
 国も、ついに若者の使い捨てが疑われる四千社の調査に乗り出しました。厚労大臣は八月八日の閣議後の会見で、問題を野放しにしては日本の将来はない、ブラック企業といわれているような若者を使い捨てしている企業をなくしていきたいと話しています。
 大企業が集まる首都東京の知事として、未来を担う若者が希望を持って働けるよう、ブラック企業根絶に向けた行動に踏み出すべきです。
 第一歩として、新採用後の短期間で大量に離職している実態を踏まえ、企業ごとに毎年の離職率を公表させていくことが重要です。知事を先頭に離職率を明示するよう大企業と経済団体に求め、公表を渋る企業名は発表すべきです。また労働法規を守らせるのは国の責任と決めつけるのではなく、法令上問題がある大企業の実態について、都が情報を把握し、広く提供すべきではありませんか。
 知事は、アジアヘッドクオーター特区をさらに強化し、企業が世界一活動しやすい国際都市にするとして、安倍政権の成長戦略の一つである国家戦略特区の指定を受けようとしています。
 そもそも、安倍政権による国家戦略特区の狙いは、国民の強い反対で執行できなかった日本の労働や医療、農業など、さまざまな規制を緩和していく突破口にしようとするものです。雇用の分野では、労働時間の規制の適用除外、解雇規制の緩和、残業代ゼロ、深夜、休日の出勤手当を出さずに働かせることなどを進めようとしています。政府は、この内容の一部を特区関連法案に盛り込み、臨時国会に提出予定です。まさに労働者の働くルールを大きく切り崩すとんでもない無法地域になりかねません。
 知事、大企業の利益第一に、労働者を使い捨てにするこのような方向をどう考えているのですか。
 都は、それに加えて、多国籍企業を呼び込むために法人実効税率を引き下げ、さらに所得控除の拡大で一六・八%にまで引き下げる提案をしています。
 減税など至れり尽くせりのサービスをして、欧米の企業を呼び込んでも、都民の暮らしも経済もよくなりません。これまで、多国籍企業が利益を上げても、それは労働者や中小企業には回らず、株主配当や経営者の報酬引き上げ、巨額の内部留保をため込み、金融投機に使われてきたではありませんか。今大事なことは、大幅な減税や規制緩和で多国籍企業を呼び込むことではなく、国際的に協調して、多国籍企業に適正な納税や雇用のルールを守らせる社会的責任を果たさせることではありませんか。
 購買力が落ち込み、実体経済の停滞が続く日本と東京には、製造業、サービス業の直接投資が大規模に展開される余地は少なく、外資の呼び込みといっても結局アメリカなどの金融投資関連会社が中心になることは明らかです。
 知事自身、国家戦略特区では、二十四時間活動する国際都市としての環境整備を行うとして、都営バスの終夜運行、標準時間二時間前倒しなどの提案をしています。まさに国家戦略特区は、多国籍企業が金融などの情報をいち早く収集できるようにする、二十四時間眠らない都市づくりを進めることに最大の眼目があることを示しているといっても過言ではありません。知事いかがですか。
 私たちは、金融機能や本社機能などの一定の集積を否定するものではありませんが、こうした特区づくりが、都民や労働者にとっても、東京の中小企業の振興にとっても役に立つのでしょうか。金融などに特化し、雇用を破壊する無法都市にする国家戦略特区は進めてはならないと考えますが、知事の所見を伺います。
 東京における企業を活発にするというなら、賃金を引き上げ、社会保障を充実することで、日本の経済の六割を占める家計を温め、国民の購買力を強めることです。そのためには何よりも事業所の九九%を占める中小企業を元気にすることではありませんか。
 この十年間で、都内製造業の従業者四人以上の事業所数は約五〇%も減少し、製造業の多い五都府県の中でも最も大きな落ち込みとなっています。東京には世界でもまれな製造業の工業集積が存在していますが、その実態は危機的な状況であり、フルセット型の工場地域機能の崩壊が懸念されています。
 全国でも有数の工業集積地域である大田区の製造業は、仕事量の大幅減少が続いている中、大企業による下請単価の容赦のない切り下げで、休廃業が続出し、事業所数がかつての三分の一を割りかねない状況にまで至っています。
 中小事業者の新分野進出、再生、事業承継などを支援するために、東京都の果たすべき役割は重要です。都は、こうした支援をどう拡充するのですか。また、地域経済の牽引役である中堅企業への支援を強めるとともに、異分野、異業種が集まって新しいブランド品を開発、製品化するための支援を大幅に拡充することが必要ですが、いかがですか。
 中小企業支援の中でも、創業時の資金繰りが重要となっています。都の創業支援融資は、自己資金を必要としないとうたっていながら、実際には二分の一あるいは三分の一の自己資金がなければだめだなど、自己資金要件を求められているのが実態です。
 事業を始めたい人が、創業支援融資を受ける際、自己資金がなくても融資が受けられるよう実態を改善すべきです。お答えください。
 中小企業が融資を受ける際、経営者みずからが保証人になることを求められます。これに同意すると、事業を一度失敗しただけで、経営者が資産を失う現状があり、再チャレンジの道を阻み、多額の債務で自殺にまで至るケースが後を絶たないなど、さまざまな問題があります。このため、政府で個人保証の見直しが検討されています。
 融資制度において、経営者の個人保証を原則なくす制度を実現するよう国に要請するとともに、都としても国に先駆けて個人保証を原則なくすことを求めます。お答えください。
 都内労働者の約七割が中小企業で働いています。若者が安心して働き続けられる職場になるよう、労使双方に支援することが求められています。労働法などの雇用ルールを正しく理解し身につけることは、労使双方にとって重要です。
 都は、各労働相談情報センターで、労働条件、パワハラ、労使関係問題などの労働相談、問題解決を助けるあっせん、労働法に関するセミナー、普及啓発活動などを行っています。毎回、参加者が殺到している労働法の講座やセミナーについては、経営者団体などと連携して、経営者が受講できるよう機会を拡大すること、人材養成の支援も進めるとともに、労働者の受講機会もふやすよう求めます。
 都がつくっている「ポケット労働法」などを大幅に増刷し、労働者だけでなく、多くの企業にも普及するように提案するものです。それぞれお答えください。
 労働相談情報センターの統廃合は中止し、人員体制を抜本的に拡充強化するよう求めておきます。
 最後に、猪瀬知事が策定を進めている新たな長期ビジョンについて提案します。
 知事は、所信表明で、新たな長期ビジョンは、石原前知事が策定した「二〇二〇年の東京」を進化させて「十年後の東京」の姿を示すものだと述べました。しかし、新たな長期ビジョンは、大型開発優先、福祉、暮らしに冷たい「二〇二〇年の東京」を引き継ぐものであってはなりません。
 「二〇二〇年の東京」に基づく三カ年の重点事業計画として、猪瀬知事がことし一月に発表したアクションプログラム二〇一三では、総事業費の三一%を大型開発につぎ込む一方で、少子化対策は二%、高齢者対策は三%にすぎません。若者雇用に至っては、若者の挑戦を応援し、世界で活躍する人材を輩出する事業と、意欲と能力に応じて活躍し、将来に希望を持てる社会を創出する事業合わせても、わずか〇・七%です。
 知事は、少子高齢化、人口減少社会の到来といった社会や生活の存立そのものを危うくしかねない根本的な問題に本腰を入れて取り組むために、新たな長期ビジョンを策定すると表明しました。であるならば、今までの計画のように、少子高齢化対策が合わせても五%台にとどまるようなことは許されません。
 新たな長期ビジョンは、多くの課題がある中でも、何よりも都民の福祉、暮らし、雇用対策の拡充を最重点にしたものにすること、とりわけ少子高齢化対策は、これまでの二倍、三倍の事業費を充てることが必要です。知事の答弁を求めます。
 その際、認可保育園や特別養護老人ホームの思い切った整備を進めるため、十カ年の目標と計画を明確にして取り組むことを求めておきます。そして、人口減少社会に対応するというなら、新たな長期ビジョンでは、右肩上がりの経済成長を前提にした巨大開発への投資を今度こそ抜本的に見直すことが必要です。
 知事の答弁を求め、また再質問を留保して質問を終わります。(拍手)
   〔知事猪瀬直樹君登壇〕

〇知事(猪瀬直樹君) 曽根はじめ議員の代表質問にお答えします。
 今、ちょっと耳を疑いましたが、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック、賛成するということですね。僕はこれまで反対だと聞いていましたので。IOC総会の決定を尊重するということは、協力していただくということですね。
 汚染水漏れ問題への対応についてでありますが、安倍総理は、IOC総会の場で、福島第一原発の汚染水対策について、政府として責任を持って取り組むという本気の覚悟を示された。大事なことは、日本国政府が本気で取り組むことを意思表明したことなのです。帰国後、総理は早速、福島第一原発の現場に赴かれました。既にこの問題への対策として、四百七十億円の国費を新たに投入することになっています。総理が真剣に取り組んでいるということは明らかであります。
 汚染水の危機打開のため総力を挙げるべきことは、皆さんのご指摘をまつまでもない当たり前のことです。ご質問にあった英知を結集して汚染水対策に当たるという話も、既に政府は、廃炉、汚染水対策の関係閣僚を集めた会議で、国内外の英知を活用することを確認しています。
 共産党の皆さんは、IOC総会での発言を云々していますが、この問題は、オリンピック・パラリンピック招致のいかんにかかわらず、政府と東京電力の責任でしっかりと対応すべき事柄であります。政府の汚染水対策の真剣さを疑わせるとか、ネガティブな物のいい方はやめた方がいいと思います。政府も、東京電力も、ぜひとも懸命にやってもらいたいし、国民の皆さんにも一生懸命応援していただきたい。
 成田、羽田空港を結ぶ都心直結線についてでありますが、本路線は、都心と二つの空港間のアクセス改善を図るため、国が成長戦略の一つに位置づけるなど、以前から検討を進めてきたものであり、東京オリンピック・パラリンピックを契機に浮上してきています。
 成田空港と東京の所要時間は、既にかなり短縮されています。二〇一〇年には、成田アクセス線も開業し、成田空港と上野の所要時間は、五十六分から四十一分にまで短縮されています。
 また、かつては、国際線が成田、国内線は羽田という機能が二つに分かれていましたが、現在は両方とも国際空港となっています。そうした中で、二つの空港を結ぶ需要がどれだけあるか、事業採算性や費用対効果も見きわめる必要があります。こうした点を十分踏まえながら、必要か必要でないかということを、これから詰めていきます。
 福祉の向上に向けた目標と計画についてでありますが、既に東京都は、日本の再生と東京のさらなる進化を目指した都市戦略として「十年後の東京」計画、「二〇二〇年の東京」計画を構え、少子高齢化社会における都市モデルの創造を目指して、福祉、保健、医療の各分野において、さまざまな独自の先駆的な取り組みを展開しています。今年度の福祉と保健分野の予算額を見ても一兆円を超え、一般歳出に占める割合は二二・二%という、いずれも過去最高となっています。
 また、現在、私たちの先に横たわる少子高齢化、人口減少社会という根本的な問題に取り組んでいくために、副知事をトップとする構造的福祉プロジェクトチームを立ち上げ、将来を見据えた中長期の視点に立った施策を局横断で検討しています。
 このプロジェクトチームの検討結果は、今年度策定する長期ビジョンや、来年度予算に反映させ、自助、共助、公助を適切に組み合わせながら、都民ニーズに応える具体的な施策を展開していくということになっています。
 消費税の増税についてでありますが、少子高齢化が急速に進展する我が国においては、持続可能な社会保障制度の構築を図ることが喫緊の課題となっています。こうした中、広く消費に負担を求め、世代間の公平を確保することができる消費税率の引き上げにより、社会保障財源の拡充を図ることは避けて通れません。
 消費増税を定めた税制抜本改革法においては、いわゆる景気条項が設けられ、消費税率の引き上げに当たっては、我が国経済の成長に向けた措置を講じるとともに、経済状況を総合的に勘案し判断することとされています。こうした法の規定に基づき、政府において適切に対応がなされていくものと考えております。
 社会保障制度改革についてでありますが、我が国は、世界一の長寿国として、世界にもまれな、豊かで平等な社会を実現し、相対的に高い生活水準を維持してきました。これは国民皆保険、皆年金制度など、社会保障制度がこれまで有効に機能し、社会的リスクに対応してきたからであります。
 しかし、少子高齢化が進み、人口減少社会が到来する中で、人口の増加と右肩上がりの経済成長を前提につくられた現在のシステムが制度疲労を起こし、行き詰まりを見せているのは明らかなのです。
 将来にわたって社会保障制度を安定的に維持し、国民全体の信頼を得ていくためには、公の責任、国と地方自治体の役割分担、給付と負担の公平性などについて根本から問い直し、成熟した国家にふさわしい持続可能なシステムにつくりかえていくことが必要であります。
 国が現在進めている制度改革は、こうした観点に立った改革であると認識しており、給付と負担のバランスを無視した主張にはくみすることはできません。東京都は、東京スマート保育や高齢者のケアつき住まいなど、先駆的な東京モデルを展開しており、福祉や医療の現場を持つ立場から、国に対して必要な提案は積極的に行っていきます。
 若者の雇用環境についてでありますが、人口減少社会を迎える中、我が国の成長を確実なものにするためには、将来を担う若者が能力や個性を十分に発揮し、働き続けることが必要であります。労働基準法など関係法令を遵守し、従業員が安心して働ける雇用環境を整備することは、企業の当然の責務であります。法令に違反する企業に対しては、法に基づき厚生労働省が指導や取り締まりを実施しています。
 東京都は、事業主の方を対象に、従業員が安心して働き続けられる職場づくりをテーマにセミナーを開催し、職員も企業に直接足を運ぶことで、法令の周知とその遵守を促してきました。また、都内六カ所の労働相談情報センターで、長時間労働や残業代不払い、職場の嫌がらせなど、年間五万件を超える労働相談に応じ、解決に向けたアドバイスを行ってきています。このように、労使双方に対し働きかけることにより、企業において若者が活躍できる雇用環境の実現に取り組んでいます。
 国家戦略特区についてでありますが、東京都は、外国企業の積極的な誘致を通じ、都内の中小企業を初めとする国内企業の海外との取引や新たなビジネスチャンスの創出を目指しています。これにより、日本の心臓である東京の経済を活性化させ、停滞する日本経済の成長を促し、新たな雇用も生み出すことができます。
 このため、国家戦略特区制度を活用して、ロンドンやニューヨークに匹敵するビジネス環境や外国人にとって暮らしやすい生活環境を整備し、東京に世界の資本、人材を呼び込むべく、これまで進めてきたアジアヘッドクオーター特区の取り組みを抜本的にバージョンアップする提案を行ったところであります。
 こうした取り組みは、東京の立地競争力を高め、日本経済の再生に不可欠なものであり、特区の取り組みが東京を無法都市にするという指摘は全く当たらない。
 新たな長期ビジョンにおける少子高齢化対策についてでありますが、新たな長期ビジョンでは、少子高齢化の進行と人口減少社会の到来を初めとする首都東京に山積する重要課題の解決への道筋を描き、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会のさらなる先を見据えた将来像を示していきます。
 長期ビジョン策定に当たっては、少子高齢社会への取り組みを単体としてではなく、構造として捉え、ソフト、ハードが一体となった対策を推進し、少子高齢社会に対応し得る東京の新たな姿を示していきます。
 なお、「二〇二〇年の東京」へのアクションプログラム二〇一三の総事業費に占める各事業費の割合に関する言及がありましたが、アクションプログラムは「二〇二〇年の東京」で示した八つの目標を確実に実現するために、特に重点的に推進すべき事業を示したものであります。
 したがって、個々の事業内容を論じることなく単純に総事業費に対する比率のみを取り上げて議論することには意味がありません。
 新たな長期ビジョンにおける事業実施に当たっても、これまで同様の考え方で臨んでいきます。
 共産党がオリンピックに賛成してくれるということで、きょう初めて耳にしましたので、ぜひ協力してください。
 その他の質問については、東京都技監及び関係各局長から答弁いたします。
   〔東京都技監藤井寛行君登壇〕

〇東京都技監(藤井寛行君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、東急線蒲田駅と京急蒲田駅とを結ぶ新空港線、いわゆる蒲蒲線についてでございますが、本路線は、運輸政策審議会答申第十八号におきまして、二〇一五年までに整備着手することが適当である路線として位置づけられております。
 本路線の整備につきましては、多額な事業費のほか、事業採算性、東急線と京急線との線路幅の違いなど、さまざまな課題がございます。
 都としては、引き続き区と議論を重ねるなど、必要な対応を図ってまいります。
 次に、成田、羽田両空港を結ぶ都心直結線及び蒲蒲線の事業費についてでございますが、都心直結線の概算事業費は、国の試算によりますと約三千七百億円、蒲蒲線の概算事業費は、大田区の試算によりますと約一千八十億円と聞いてございます。
   〔財務局長中井敬三君登壇〕

〇財務局長(中井敬三君) 五点の質問にお答えいたします。
 財政運営についてでありますが、都はこれまでも、無駄をなくすという視点に立って、歳出の精査を徹底しつつ、都市インフラの整備はもとより、福祉や医療、防災対策、雇用や中小企業支援など、都民にとって必要な施策に的確に財源を振り向け、都民生活の向上に努めてまいりました。
 今後、オリンピック・パラリンピック開催への準備を進めていく中にあっても、引き続き、財政の健全性に留意しながら、都政の諸課題に取り組んでまいります。
 次に、少子高齢対策における都有地の活用についてでありますが、都有地は、都民から負託された貴重な財産であり、都政の喫緊の課題解決のために最大限有効活用していく必要があります。
 都はこれまで、都有地を福祉インフラ整備や木造住宅密集地域の解消に向けた種地として提供するなど、都の重要な施策の支援に活用してきております。
 都として取り組む今後の少子高齢化対策においても、当然のことながら、都有地の活用を有効な手段として考えてまいります。
 次に、活用可能な都有地の情報提供についてでありますが、都有地の活用に当たっては、まず、都みずからの施策への利用の検討を行い、利用予定がない土地は、お話の福祉施設だけでなく、幅広く区市町村に情報提供し、重要な施策の支援を行ってきております。
 今後とも、活用可能な都有地の情報提供等について、適切に対応してまいります。
 次に、都有地の活用に関する庁内各局や区市町村との連携についてでありますが、これまでも都有地の活用のため、各局の未利用地の状況を定期的に把握するよう努めるとともに、都有財産利活用推進会議等で全庁横断的に各局と情報共有や連携を行ってきております。
 また、具体的な都有地活用に当たっては、担当局を通じて地元の区市町村と密接に連携し、円滑な事業推進に努めているところであります。
 今後とも、庁内各局や区市町村との連携を適切に図ってまいります。
 最後に、区市町村からの負担軽減の要望についてでありますが、認可保育所の整備については、区市町村事業であることから、都有地活用による地域の福祉インフラ整備事業として、民間事業者が整備する認可保育所への都有地の貸付料及び保証金に対しても、小中学校などの義務教育施設の整備と同様に五〇%減額し、負担軽減を図ってきたところであります。
 こうした取り組みにより、認可保育所が本事業の対象とされた平成二十年以降の民間事業者による整備決定件数は四件あり、さらに今後の事業者公募に向けて区市町村と具体的に協議を行っている事案が数件ございます。
 今後とも、区市町村との役割分担のもと、都は広域的自治体としての立場から、引き続き適切に区市町村を支援してまいります。
   〔スポーツ振興局長細井優君登壇〕

〇スポーツ振興局長(細井優君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、オリンピック・パラリンピックの施設整備費についてでございます。
 立候補ファイルでは、都における施設整備費は、十の新設会場と二つの既存会場の増改修により、千五百三十八億円となっております。
 これらの施設については、今後、詳細な調査や具体的な設計等を行い、適切に整備費用を精査してまいります。
 次に、オリンピック・パラリンピック開催に向けた輸送インフラの事業費についてでございます。
 立候補ファイルの輸送インフラに関する記載については、「二〇二〇年の東京」などで計画されている輸送インフラの中から、大会の開催に必要とされるものを記載しておりまして、いずれもオリンピックの開催にかかわらず必要不可欠な事業でございます。
 事業費については、ことし一月の立候補ファイル策定に当たり、今後必要となる残事業費を記載したものでございまして、現時点においては大幅な変更はございません。
 高密度な輸送インフラを活用して、確実な大会運営を実現してまいります。
 次に、カヌーの会場計画についてでございます。
 葛西臨海公園は、選手村からの近さや、大会後に都民が水辺に親しめる施設とするにふさわしい場所であることなどを考慮するとカヌースラローム会場に適した候補地でございます。
 施設計画においては、観客席を仮設とし大会後は撤去するなど、環境への影響をできるだけ少なくすることとしております。
 引き続き、詳細な環境影響評価を実施するとともに地元江戸川区や日本野鳥の会の話を伺うなど、自然環境と調和した計画となるよう検討を進めてまいります。
 次に、オリンピック憲章にうたわれたスポーツをする権利についてでございます。
 都は、平成二十年に東京都スポーツ振興基本計画を策定し、都民の誰もが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツを楽しむことができるスポーツ都市東京の実現を基本理念に、さまざまな施策に取り組んでおり、その考えはオリンピック憲章に通ずるものと認識してございます。また、本年三月に改定した東京都スポーツ推進計画も、この考えを前提にしております。
 これを踏まえ、より多くの都民がスポーツを楽しめるよう、TOKYOウオークや「ニュースポーツEXPO in多摩」など、誰もが気軽に参加できるスポーツイベントを通じたきっかけづくりから、ねんりんピックへの選手派遣まで、世代を超えたスポーツの振興、障害者スポーツの理解促進や場の提供など、スポーツの裾野のさらなる拡大を一層推進し、世界トップレベルのスポーツ実施率七〇%を目指していきます。
 最後に、スポーツ施設の整備についてでございます。
 都は、東京都スポーツ推進計画に基づき、都民の身近なスポーツ活動の場である区市町村の施設との役割分担を踏まえ、地域や区市町村を超えるスポーツ大会や国際的な大会も開催できる広域的な機能を重視した施設の整備に取り組んでおります。
 この方針に基づき、今年度は、都の新たなスポーツ振興拠点となる武蔵野の森総合スポーツ施設の整備に取りかかる予定でございます。
 なお、平成二十三年度に文部科学省が実施した調査によりますと、社会体育施設数は、スキー場やキャンプ場など広大な自然を生かした多数の施設を有する北海道に次ぎ東京都は全国第二位の二千百十八施設となっております。スポーツ施設の評価は人口対比だけでなく、区域の面積、施設需要や交通の利便性など、さまざまな要素を総合的に勘案すべきものと考えております。
 今後も、都や区市町村のスポーツ施設が、それぞれの目的や役割を踏まえ、相互にその機能を補完することにより、都民の多様なスポーツニーズに応えてまいります。
   〔建設局長横溝良一君登壇〕

〇建設局長(横溝良一君) 外環についてでございますが、外環は、交通分散による渋滞解消や、排出ガスの大幅な削減による環境改善のみならず、首都圏の陸海空の要衝を結ぶ交通ネットワークの形成により、我が国の国際競争力を高め、その経済波及効果は広く日本全体に及びます。
 ことし七月に国が行った事業再評価によれば、直接的な便益だけでも総費用の二・三倍となっております。
 さらに、首都直下地震が発生した場合などにおいても、日本の東西交通の分断を防ぎ、支援復旧活動などを支えるなど、国民の生命と財産を守る、まさに命の道として、一刻も早く完成させることが必要であります。
 都は、引き続き国などと連携し、オリンピック・パラリンピックのためにも、二〇二〇年早期の開通に向け、外環の整備に全力で取り組んでまいります。
   〔福祉保健局長川澄俊文君登壇〕

〇福祉保健局長(川澄俊文君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、国民健康保険についてですが、国民健康保険制度の保険者は区市町村であり、保険料や保険税の賦課方式や料率は、それぞれの自治体の議会で審議され、決定されるものでございます。
 現在の国民健康保険制度には、医療費が高く所得の低い高年齢者や、失業者などの低所得者の占める割合が高く、保険料の確保が困難であるなど、構造的な問題があることは認識しておりますが、こうした課題には、国民皆保険制度を守るという観点から、制度設計者である国が責任を持って抜本的な解決策を講じることが必要でございます。
 現在、国は、社会保障制度改革の中で国民健康保険制度についても見直しを進めており、都は既に、国に対し、構造的な課題の解決、必要な財源の確保等について提案要求をしているところでございます。
 次に、保険料負担軽減のための財政支援についてですが、都は、国民健康保険制度の健全かつ安定的な運営を図るため、法令等に基づき、各保険者に対する財政支援を行っております。保険料負担軽減のため、都として新たな支援を行うことは考えておりません。
 次に、後期高齢者医療の保険料改定についてですが、保険料は、制度を運営する東京都後期高齢者医療広域連合の自主的な判断によって設定されるものでございます。後期高齢者医療制度の財源は、一割を被保険者の保険料、残りの九割を公費等で賄うことが原則でございます。
 最後に、保育人材の確保についてですが、都はこれまで、保育人材を確保するために、保育所勤務経験者で、現在勤めていない人を対象に、就職支援研修と就職相談会を一体的に実施するなど、さまざまな取り組みを行っており、現在、保育士有資格者を対象に、就労等の調査も実施しているところです。
 また、質の高い保育人材を育成するため、区市町村が保育士等に対して実施する研修の支援に加え、今年度からは、保育士資格の取得を目指す保育従事者への支援を行っているところです。
   〔産業労働局長塚田祐次君登壇〕

〇産業労働局長(塚田祐次君) 七点のご質問にお答えいたします。
 まず、若者の離職についてでありますが、若者が退職する理由はさまざまであります。また、企業に重大かつ悪質な法令違反があった場合には、国は司法処分を行い、企業名や内容を広く公表しております。
 都としては、単に離職率のみに着目した企業名の公表や独自に情報提供を行うことは考えておりません。
 次に、中小企業の振興についてでありますが、都は、中小企業の活性化を図るため、経営や技術の面からのサポートや資金繰りの支援を行うなど、必要な対策を適切に実施しております。
 次に、中小企業に対する支援についてでありますが、都は既に、新分野への進出や事業の再生等に取り組む中小企業に対し、相談や経営支援を行っております。
 また、中小企業の共同による新製品や新技術の開発などへの支援も実施しております。
 次に、創業融資についてでありますが、都の制度融資における創業融資では、自己資金の有無にかかわらず、経営者の資質、事業の実現性や将来性などを総合的に勘案し、適切な資金繰り支援を行っております。
 次に、中小企業融資における個人保証についてでありますが、国は現在、中小企業の資金調達の円滑化を図るため、個人保証制度の見直しに向け、これを不要とする場合の条件や、個人保証によらない資金調達手法の確立などの課題について、関係者による詳細な検討を進めており、都としては、その状況を注視してまいります。
 次に、労働関係法令のセミナーについてでありますが、都は、労使双方を対象とした労働関係法令のセミナーの開催や事業主団体が行う研修への支援等により、必要な受講機会の確保と人材養成を行っております。
 最後に、労働関係法令の啓発資料についてでありますが、都は既に、労働者に加えて、使用者に対しても、必要に応じて啓発資料を配布し、普及啓発を行っております。
   〔知事本局長前田信弘君登壇〕

〇知事本局長(前田信弘君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、国家戦略特区の考え方についてでありますが、国家戦略特区は、国際ビジネス環境や外国人の生活環境の整備を進め、日本や都市の立地競争力を高めるプロジェクトでございます。この取り組みにより、国内企業の生産性向上や都市の国際競争力の向上などを目指すものと考えております。
 こうした国の取り組み方針を踏まえ、東京都としては、国際ビジネス環境を整備する上で必要となる規制緩和や、国内企業も活用可能な税制の創設など、これまでのアジアヘッドクオーター特区を抜本的にバージョンアップさせ、東京の国際競争力を強化する提案を国に行ったところでございます。
 国家戦略特区制度を活用しようとする東京都のこうした提案が、雇用分野などに悪影響を及ぼすとのご指摘は当たらないと考えます。
 次に、東京都の外国企業誘致についてでありますが、外国企業の誘致は、すぐれた経営資源の受け入れにつながり、また、国内の企業にとっては、販路拡大や新たなビジネスチャンスが創出されるなど、東京と日本の国際競争力の強化につながるものであります。
 現実の国際社会では、台頭するアジアの諸都市との間で外国企業誘致に向けた都市間競争が激しさを増しており、今後とも、戦略的に外国企業誘致を進めていく必要があると考えております。
 なお、ご指摘のありました多国籍企業に対する課税制度につきましては、国際社会の枠組みの中で適切なルール化が検討されているものと承知しております。
 次に、国際都市としての環境整備についてでありますが、安倍政権は、新たな成長戦略である日本再興戦略におきまして、日本や都市の立地競争力を高め、ロンドンやニューヨークに匹敵する国際ビジネスの環境や外国人にとって暮らしやすい生活環境を整備するため、国家戦略特区の取り組みを進めております。
 今回の東京都の提案におきましては、ビジネス環境の整備に加えまして、外国人の生活環境を整えるために必要となる教育や医療の規制緩和のほかに、経済のグローバル化に対応し、二十四時間活動する国際都市としての環境整備を進めることを提案しております。
 こうした取り組みは、金融ビジネスに限らず、幅広い分野の企業から立地対象として選択され、他の国際都市と比肩し得る東京を実現していくためのものでございます。
 最後に、新たな長期ビジョンにおける政策展開についてであります。
 少子高齢化の進行と人口減少社会の到来、首都直下地震の脅威など、首都東京には重要課題が山積しておりまして、新たな長期ビジョンでは、その解決の道筋を描き、十年後の将来像を示してまいります。
 同時に、この将来像の実現に向けて、東京は成長を維持し、安定した財源を確保していく必要がございます。このため、さらに激化する世界の都市間競争に対しまして、世界一の都市を目指して、引き続き国際競争力の強化を推進してまいります。
 今後、真に必要となる政策展開を、ハード、ソフト両面からしっかり示してまいります。
   〔百五番曽根はじめ君登壇〕

〇百五番(曽根はじめ君) 知事に再質問いたします。
 まず、新たな長期ビジョンについて、知事は、これまでと同じ考え方で臨んでいくとの答弁をされました。
 しかし、「二〇二〇年の東京」に基づく今年度重点事業の総事業費は七千八百億円に対し、少子化対策は二百二十五億円、高齢化対策は二百七十八億円にすぎません。
 知事は、少子高齢化は社会や生活の存立そのものを危うくしかねない根本問題だとおっしゃっているんですから、幾ら重点的な事業に絞ったといっても、この程度の財政投入で本腰を入れた対策が進むと考えているのでしょうか。
 私は、少なくとも二倍、三倍の事業費を充てるべきだとただしました。少子化、高齢化の対策事業をふやすのか、ふやさないのか、はっきりお答えいただきたい。
 二つ目に、ブラック企業についてです。
 私が、ワタミ系列の社員の例を挙げて質問しましたが、知事は、法に反するかどうかという一般論をおっしゃるだけでした。
 ブラック企業とは、合法か否かの境目を超えた劣悪な労働を押しつけて、激しい選別、非情な使い捨てなどを行っている企業です。私が話を聞いた労働者は、まさにそうした扱い方を受けてきたのです。だからこそ厚労大臣も、問題を野放しにしては日本の将来はないといっているんです。
 神奈川県では、ブラック企業対策としてリーフレットをつくり、セミナーも開催するとしています。
 知事、以前からの事業に甘んじて傍観するのではなく、ブラック企業問題を新たな社会的大問題として捉えて都として対応すべきです。もう一度、お答えください。
 第三に、社会保障についてです。
 知事は、国が進める社会保障の改悪を評価する立場を示されました。
 しかし、改悪が進められたら、都民は給付の切り下げと重い負担増で、社会保障を受ける権利を奪われかねない事態です。
 知事は、その痛みをひたすら我慢しろというのでしょうか。この痛みに思いを寄せる気持ちはないのでしょうか。そこの点をお答えください。
 以上、三問についてお答えいただきたい。(拍手)
   〔知事本局長前田信弘君登壇〕

〇知事本局長(前田信弘君) 再質問のうち、新たな長期ビジョンに対するご質問にお答えいたします。
 先ほど知事からお答え申し上げましたとおり、新たな長期ビジョン策定に当たりましては、少子高齢社会への取り組みを単体としてではなく、構造として捉え、ソフト、ハードが一体となった対策を推進し、少子高齢社会に対応し得る東京の新たな姿を示していくとお答えしております。
 その上で、「二〇二〇年の東京」での総事業費の比率の言及がございましたので、個々の事業の内容を論ずることなく、単純に総事業費に対する比率のみを取り上げて議論することには意味がないと、このようにお答えしたものでございます。
   〔産業労働局長塚田祐次君登壇〕

〇産業労働局長(塚田祐次君) 若者の雇用環境についてのお尋ねにお答えいたします。
 労働関係法令を遵守し、従業員が安心して働ける雇用環境を整備することは、企業の当然の責務であります。
 都は、使用者に対し、法令の周知を遵守するとともに、長時間労働や残業代不払い、職場の嫌がらせなど、労働相談に対応しておりますし、十月にも街頭の相談を実施いたします。
   〔福祉保健局長川澄俊文君登壇〕

〇福祉保健局長(川澄俊文君) 社会保障制度改革についてですが、先ほども知事が答弁したとおり、将来にわたって社会保障制度を安定的に維持し、国民全体の信頼を得ていくためには、公の責任、国と地方自治体の役割分担、給付と負担の公平性などについて根本から問い直し、成熟した国家にふさわしい持続可能なシステムにつくりかえていくことが必要であります。
 国が現在進めている制度改革は、こうした視点に立った改革であると認識しております。
 東京都は、スマート保育や高齢者のケアつき住まいなど、先駆的な東京モデルを展開しており、福祉や医療の現場を持つ立場から、国に対して必要な提案は積極的に行っていくということであります。

議長(吉野利明君) 百二番石毛しげる君。
   〔百二番石毛しげる君登壇〕

〇百二番(石毛しげる君) 私は、都議会民主党を代表して、都政の主要課題について、知事並びに関係局長にお伺いいたします。
 さきの都議会議員選挙では大変厳しい選挙戦となり、都議会民主党は、会派結成時の平成九年とほぼ同じ議席数となりました。
 私たちは、都民の審判を厳粛に受けとめ、新たなスタートの気持ちを込め、これまで以上に都民の目線に立って、生活者、納税者、消費者、働く者の立場から、都民の福祉の向上、自治分権改革の推進、活力ある東京の実現のために取り組んでいく決意であることを、まず冒頭に申し上げます。
 初めに、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックについてお伺いします。以後、二〇二〇年大会と呼びます。
 私は、オリンピック・パラリンピック招致議員団の一員としてブエノスアイレスに行ってまいりました。機内には、各国のオリンピック・パラリンピック関係者が乗り合わせていました。その一人に、スイスのIOC委員であるデニス・オズワルド氏の奥様がおられ、ご主人に日本を支援していただきたいと話し、快い返事をいただきました。このように機内でも、私たちは招致活動を行いました。
 五十六年ぶりに開催される二〇二〇年大会は、オリンピック・パラリンピック史上、最も一つに統一された、一体感のある祭典を目指しています。これを契機に、日本における障害者スポーツが発展するよう、都が国内大会への支援を引き続き行い、障害者の夢と希望を支えていただきたいと考えます。
 また、パラリンピアンにも優しい東京は、障害の有無にかかわらず、都民がお互いに人格や個性を尊重し合い、安心して暮らすことのできる東京であり、障害者施策を推進していくべきです。
 帰りのブエノスアイレスの飛行場では、議員団長、副団長、日本パラリンピック委員会の鳥原光憲委員長、交通政策の専門家であるフィリップ・ボヴィ氏と広く意見交換をし、二〇二〇年大会では多言語表記やバリアフリーが重要ということを確認し合いました。
 二つの大会を一体感ある祭典とするには、二大会を祝うイベント開催やロンドン・パラリンピックを見習う競技のチケット戦略、オリンピックに勝るとも劣らないパラリンピックを放映する報道体制の構築、各競技会場や会場への外国式点字を含めた表記アクセス支援など、さまざまな取り組みが必要です。
 二〇二〇年大会を一体的な祭典とするとともに、パラリンピアン、障害者にも優しい東京を実現していくべきと考えます。二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会の成功に向けた知事の見解を伺います。
 次に、二〇二〇年大会における、おもてなしとそのレガシーについてお伺いします。
 二〇二〇年大会を成功させるためには、国立競技場の建てかえを初めとしたハード整備が必要であることはいうまでもありません。
 一方で、日本人のおもてなしの心を体現させるためには、ソフト面での取り組みも不可欠です。そのためにも、外国人と意思疎通を図ることが必要です。
 英語だけではない、さまざまな言語を話すことのできる日本人をふやすことは、そのまま日本を訪れる外国人へのおもてなしとなりますし、競技会場だけではない、東京が誇る日本の資源である人材の能力向上として後世に残すことが重要です。
 そこで、インフラ整備などハード面だけではなく、ソフト面でのレガシーをどのように残していく考えなのか、知事の見解を伺います。
 また、ボランティアだけではなく、今後七年の間に都民の外国語習得の機会を広げる施策を行うべきと考えますが、学校教育、生涯教育の両面から都の見解を伺います。
 次に、マラソン競技についてお伺いします。
 二〇二〇年大会では、一九六四年大会のレガシーとして、新国立霞ヶ丘競技場で開会式や主要競技を行うこととなっています。日本で、マラソンなど陸上競技は特に人気が高い競技です。そこで、オール東京で応援でき、一九六四年大会のレガシーである国立競技場から甲州街道を西へ向かうマラソン競技のルートの復活が期待されています。
 多くの都民、国民が二〇二〇年大会を歓迎できるように、マラソンコースを一九六四年大会のコースに変更すべきと考えます。都の見解をお伺いします。
 また、二〇二〇年大会直前に行う事前キャンプ要請や、練習会場の変更がある場合には、組織委員会として、スポーツ祭東京二〇一三で整備された多摩地域を含めた国内の最適地の競技施設を推薦していただきたく考えます。
 次に、被災地支援についてお伺いします。
 招致において、東京は復興五輪のスローガンを掲げ、東北三県のスポーツ関係者と被災地支援事業を取りまとめました。二〇二〇年大会では、宮城スタジアムでサッカー予選を開催します。
 二〇二〇年大会において、最終プレゼンテーションでも強調した被災地復興の公約実現に向けて、組織委員会が被災地支援のために、ハード、ソフト両面の被災企業への優先発注を行い、東北の復興にともに取り組むことが改めて重要であると考えます。都の見解を伺います。
 知事の所信表明で、パラリンピックの開催都市にふさわしく、ユニバーサルデザインのまちづくりを進めると述べられましたが、私どもも賛同するものです。
 そこで、都内に多く設置されています横断歩道橋についてお伺いします。
 都が管理する横断歩道橋は、高度経済成長期に歩行者の安全対策を緊急に進めるために設置され、交通安全対策に一定の役割を果たしてきました。しかしながら、設置から五十年が経過し、人口構造や地域のニーズも変化し、バリアフリーやユニバーサルデザインの観点から、横断歩道橋を撤去し、横断歩道を設置してほしいという都民の声が大きくなってきています。
 また、横断歩道橋は、主要幹線道路や震災時の緊急輸送道路となる路線にも多く設置されています。横断歩道橋は構造的に耐震性にすぐれていると認識していますが、老朽化が懸念されます。
 そこで、都における横断歩道橋の管理、撤去、更新について見解を伺います。
 次に、新たな長期ビジョンについてお伺いします。
 猪瀬都知事のもとで、東京都の新しい長期ビジョン策定と二十六年度予算編成は、これから本格化していきます。オリンピック招致が成功した今、二〇二〇年大会の成功までの七年と、その後の三年まで見据えた東京の将来像をしっかりと示し、次の世に残す有形無形のレガシーとは何か、オリンピック開催を契機として東京の姿が大きく変わり、前進したのだと、将来、私たちの子供たちや孫たちに胸を張っていえるような、オリンピック成功への道のりと一体となるビジョンを示していかなければなりません。
 昭和の東京オリンピックは、その開催を一つの到達点と捉え、そこに向かって頑張った大会であったように思います。もちろん世界的なビッグイベントではありますが、二〇二〇年の成熟した都市東京が行うオリンピックは、その開催、成功を一つの経過点と捉えた長期ビジョンのもとに行うべきではないでしょうか。
 明治以来、何度も構想し、完成を見ずして今日に至っている不燃都市東京、三環状道路など道路ネットワークの完成による交通円滑化、言語や障害のあるなし、年齢を問わず、誰もがスムーズに参画できるユニバーサルデザインの社会。私たちが実現していくべき東京の姿をどのように描いていくのか、知事の見解を伺います。
 次に、八ッ場ダムの建設に関する基本計画の変更についてお伺いいたします。
 東京都は、八ッ場ダム建設に関する基本計画について、平成二十七年度までという現行の工期を平成三十一年度までに延長し、洪水調節計画を変更する国からの意見照会に対し、二点の意見を付して、やむを得ないとして同意をする旨、議会に諮っています。
 国において八ッ場ダム建設事業の検証が行われ、継続することが妥当であると結論が出ました。多額の税金を投入する以上、都民への説明責任がありますので、今後とも、ただすべき点についてはしっかりとただしていきたいと思っております。
 今回の計画変更では、事業費四千六百億円について変更なしとされ、都も工期延長等により事業費が増額しないよう求めています。
 八ッ場ダムの建設事業の検証により、新たに地すべり等の対策が必要である可能性が示されましたが、今回の事業費には含まれていません。今後、八ッ場ダム事業費は増加しないのか、また、さらなるコスト縮減は本当に可能であるのか、懸念する声も聞かれます。
 今回、都がやむを得ないとする意見案を出す上で、どのような検討を行ったのか、また、都の求める徹底したコスト縮減をどのように実現させていくのかお伺いいたします。
 次に、震災対策についてお伺いいたします。
 都は、首都直下地震等対処要領を年度内に完成していくこととしています。発災時の初動対応について定めるものですが、発災後七十二時間以内の救助活動が生存率を大きく左右します。都議会民主党は、広域応急体制をシミュレートし、首都直下地震に備えるべきと求めてまいりました。
 対処要領の策定に当たっては、大規模火災の危険性が高い木密地域、道路寸断などが懸念される山間部など、さまざまな地域特性を踏まえた上で、実践的な訓練の成果や改善点などを取り入れ、実効性の高いものとしなければなりませんが、所見をお伺いします。
 次に、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化についてお伺いします。以後は特定建築物と呼ばせていただきます。
 特定建築物の中には、診断困難な物件が少なからず存在し、構造図がない場合は構造図を復元したり、分譲マンションでは区分所有者の合意形成に時間を要するなど、診断完了が困難なものが出てきています。全ての特定建築物を耐震化するためには、このような状況に対し、耐震診断助成制度の見直しを図ることが必要と考えます。
 都において、特定建築物耐震診断義務化をし、国に先駆けて取り組みを進めてきています。建物所有者の実質負担をゼロ化し、東京の大動脈である輸送ネットワークを保持するため、特定建築物の耐震診断を平成二十五年度で完了し、平成二十七年度末には耐震化を完了するとしています。
 耐震性が不足する建築物を残さないよう、そして、一刻も早く耐震化を完了するよう求めるものですが、耐震化の完了に向けた都の見解を求めます。
 次に、子育て支援についてお伺いいたします。
 私たちは、女性が子供を安心して産み育て、働き続けられる社会の実現、子育て負担の軽減を重要課題の一つと考えています。
 国は、平成二十七年度から、社会保障・税一体改革の一つとして、新たな子ども・子育て支援制度を始めることとしています。保育を必要とする全ての人々に保育を受けられる権利を認められたことを評価いたしますが、大都市地域では、共働き家庭の増加から短時間保育など、保育の潜在需要が顕在化して保育ニーズが増大すると考えられます。
 都内に認可保育所をふやすことは、公費補助の多額さや都市部の事情から簡単ではありません。認証保育所設置基準は認可と大きな隔たりはなく、開所時間が長く、ゼロ歳児保育も全ての地域で実施するなど、認可よりすぐれた面を持っており、需要増に対応する機動性もあります。このモデルを国が認めれば、待機児童を減らし、保育の質の低下を防ぐことができると考えます。
 参議院では、子ども・子育て関連法に附帯決議を付し、国に大都市自治体が独自で行ってきた保育への大きな役割に特段の配慮を求めています。法人事業税一部国税化の見返りとして、国との実務者協議会の協議事項ともなっているので、国はすぐにでも認めるべきです。
 今後、保育を求める子供たちがふえる都内において、都の認証保育所を国に認めさせる取り組みをさらに強化していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、多様な保育ニーズへの対応についてお伺いいたします。
 都は、待機児童の早期解消に向け、国の新たな子育て支援制度に先駆け、短期間で開設可能な、空き店舗などを活用する小規模保育、スマート保育の整備支援を始めました。六月の第二回定例会で、都は、保育士を六割以上配置する小規模保育施設に対し、ゼロ歳児一人当たり一カ月十万七千円、一、二歳児一人当たり一カ月五万七千円の運営費を補助する新たな拡充策を創設いたしました。この支援を活用し、杉並区、豊島区が小規模保育施設を整備し始めました。
 ことし四月現在、東京都内の区部十九区、多摩地域の十八市では待機児童数五十名以上を抱え、中には八百名を超える自治体もあります。昨年に比べ十五区、十二市が待機児童をふやしています。また、さきに挙げた潜在的待機児童の問題も存在し、顕在化した場合、その対応が必要です。
 都内に保育を必要とする子供たちがふえる中で、子供の未来のために多様な保育ニーズに対応しなければなりません。都の見解を伺います。
 次に、障害者総合支援法についてお伺いいたします。
 日本の障害者福祉制度は、この十年ほどの間に目まぐるしい改変を重ね、障害者を翻弄してきました。障害者自立支援法については違憲訴訟が起こされるなど、制度をめぐって障害者と国の間で対立を経て、合意が行われました。その後、国はこの法律をベースに、共生社会の実現を理念に明記するなどした障害者総合支援法を提出、一部改正の後、成立させ、ことし四月から一部施行しています。
 各障害者団体からは、法施行の影響や都の障害者施策について、都議会民主党に多様な要望が寄せられました。障害が重くても地域で暮らせるようにすること、グループホームをふやすこと、区市町村の支援サービスがどこでも同じように受けられるようにすること、相談事業を充実させること、都が要約筆記者養成、派遣を行うこと、通訳介助者養成研修を充実すること、高次脳機能障害者への支援体制を構築することなど、切実なものです。
 都は、障害当事者などからの要望や総合支援法を踏まえ、障害者施策に取り組むべきと考えます。見解を伺います。
 次に、障害の範囲に加えられた難病についてお伺いいたします。
 総合支援法における障害福祉サービスの対象に、病状が変動しやすく障害者手帳の取得が難しい事例があった難病等が加えられました。この範囲について政令で定めることとされ、ことし三月に、当面の措置として、難治性疾患克服研究事業の対象疾患である百三十疾患と関節リウマチの患者に限定されることとなりました。
 今後、疾患の範囲は、国の難病対策委員会などでさらに検討され、対象を広げる方向とのことですが、比較的患者数が多い慢性疾患が対象となるかは定かではありません。
 総合支援法の対象となっていなかった難病患者が必要な障害福祉サービスを受け、安心して日常生活や社会生活を営むことができるように、都はどのように取り組んできたのか、また、難病の範囲が広がる場合にはいかに対応していくのか、都の見解をお伺いいたします。
 次に、総合支援法のこれからの課題についてお伺いいたします。
 障がい者制度改革推進会議の総合福祉部会が骨格提言で示した事項は、全て総合支援法に盛り込まれておらず、多くの重要な課題や方向性は、施行後三年かけて検討する形となっています。
 今後の検討事項となったのは、常時介護を要する障害者などに対する支援、手話通訳などを行う派遣その他の聴覚、言語機能などのため意思疎通を図ることに支障のある障害者に対する支援、精神障害者及び高齢の障害者に対する支援のあり方などです。これらの六つの項目については、障害者などやその家族、その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講じて検討し、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとしています。
 今後、国が新たな障害者施策を講ずるために検討を行うに当たっては、都が国に障害者や団体、支援者、自治体などからの意見を踏まえて必要な要望を行い、国の施策に十分反映させていくべきだと考えます。都の見解をお伺いいたします。
 最後に、新銀行東京と築地市場移転問題についてお伺いいたします。
 前回の都議会議員選挙で重要政策に掲げた新銀行東京や築地市場移転問題についても、私たちは引き続き責任を持って取り組んでいく考えです。
 新銀行東京については、私たちは、事業譲渡や株式の売却などを含め、早期に撤退すべきと考えています。
 一方、猪瀬知事は、ことしの予算議会で、新銀行の今後の方向性を考える前提として、新銀行の企業価値を高めていく必要があり、まずは安定的に黒字を確保することが先決の旨、答弁いたしました。
 しかし、新銀行の決算は、本業の中小企業支援に関係なく既に安定的な状況にあり、また、今後の新銀行が飛躍的に企業価値を高めるとは考えにくい中で、早い段階で事業譲渡や株式の売却などを含めたさまざまな可能性を模索していくことが、より有益であると考えます。
 そこで、この間の決算状況を踏まえ、新銀行東京の今後の方向性について見解を伺います。
 築地市場の移転問題について、私たちは、東京都と中央区との合意を尊重するとともに、豊洲では、汚染された土壌が無害化され、安全な状態になっていることを確認し、リスクコミュニケーションなどを通じて、都民に安全宣言できるような状態にすべきであると考えます。
 既に、二十四年度の付帯決議に基づき、豊洲新市場は、食の安全に万全を期すために開場を一年間延期したところですが、今年度中には、土壌汚染対策が完了したところから建設工事に着手すると聞いています。
 そこで、土壌汚染対策工事が終了している区域で、確実な無害化の確認について、リスクコミュニケーションなどを含めてどのように取り組んでいくのか、見解をお伺いいたします。
 以上、都議会民主党を代表して質問を終わります。
 ご清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事猪瀬直樹君登壇〕

〇知事(猪瀬直樹君) 石毛しげる議員の代表質問にお答えします。
 オリンピック・パラリンピックについてでありますが、二〇二〇年に向けて、世界の注目が日本、東京に集まります。新しい未来とは何かを見つけていくことが、洗練され、成熟した都市東京のオリンピック・パラリンピックであります。
 二〇〇八年の北京パラリンピックでは、観戦チケットを百八十万枚売り上げ、二〇一二年のロンドン・パラリンピックでは二百七十万枚を売り、会場は歓喜の渦に沸きました。
 二〇二〇年の東京では、ユニバーサルデザインのまちづくりを進めるとともに、パラリンピック選手を積極的に取り上げるメディア戦略などにより障害者スポーツを盛り上げ、観客数の、ロンドン大会を上回るパラリンピックを目指したい。
 東京都は、国に先駆け、障害者スポーツを含めスポーツ行政を一体的に推進する体制を整備しました。今週の土曜日、二十八日に開幕するスポーツ祭東京二〇一三では、全国で初めて、国民体育大会と全国障害者スポーツ大会を一体の祭典として実施します。
 二〇二〇年に向けて、障害の有無にかかわらず、全ての都民がともに暮らす心のバリアフリー社会の実現を目指し、動きを加速させ、オリンピックとパラリンピックを一体感のある最高の祭典に仕上げていきたいと思っております。
 オリンピック・パラリンピックのレガシーについてでありますが、東京は二〇二〇年大会のビジョンとして、ディスカバー・トゥモローを掲げ招致をかち取りました。二〇二〇年大会開催に向けて、東京を世界にますます開かれた都市にしていきたい。
 今後七年間、多くの外国人が日本を訪れることになります。成熟した都市の中心で行う新しい大会の成功に向け、おもてなしの心を持って外国人を迎えていきたいと思います。
 このため、道路標識や案内標識だけでなく、レストランのメニューの多言語など、さまざまな多言語対応をさらに推し進め、言葉の壁を感じることなく、外国人が自由にひとり歩きできる環境を整えていきたいと思っております。
 また、若者から高齢者まで幅広い方々を大会ボランティアとして大会運営に協力していただく。こうしたボランティアの方々に、大会開催までに、語学はもとより日本の歴史、文化について理解を深めていただいて、世界中からのお客様をお迎えしたいと思っております。
 こうした取り組みを通じて得られた人々のおもてなしの心や、新しいものに挑戦する気概をレガシーとして次世代につなげていきたい、そういうふうに確信しております。
 オリンピックの成功とその後を見据えた東京の姿についてでありますが、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックを成功させるため、それまでに必要な道路などのインフラ整備やおもてなしの心を備えた観光施策などを確実に進めていくわけですが、一方、十年後を見据えた場合、東京は、急速に進行する少子高齢化と人口減少社会の到来を初めとする多くの重要課題に直面しておりまして、これらに対しては、中長期的な視点に立って取り組む必要があります。
 このため、オリンピック・パラリンピックの成功とともに、大会開催のさらなる先を見据えて、首都東京に山積する重要課題の解決への道筋を描き、十年後の東京の将来像を示す新たな長期ビジョンを策定します。
 新たな長期ビジョンでは、一人一人が輝く世界一の都市の実現を目指し、さらなる耐震化、不燃化の推進などによる高度防災都市の実現、バリアフリー化の一層の進展などによるユニバーサルデザインに配慮した都市の実現など、今後の政策展開については明らかにしていきたいと思っております。
 なお、その他の質問については、教育長、東京都技監及び関係局長から答弁します。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 都民の外国語習得の機会を広げることについてでありますが、東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、外国語の習得や異文化理解を深めて、訪れる外国人におもてなしの精神を伝えられるようにすることは重要でございます。
 各学校では、言語や文化への理解を深め、積極的にコミュニケーションを図る態度や能力の育成を図っておりますが、東京オリンピック・パラリンピックの開催決定を契機に、今後、小学校を初め、学校教育における英語の授業を一層充実させてまいります。
 また、生涯学習についても、区市町村や他の教育機関と連携し、さまざまな外国語の公開講座等の取り組みの充実と都民への周知を図ってまいります。
 こうしたことにより、都民が言語や異文化について学び、開催後も、国際的な視野を持って学習の意欲を高めていくような取り組みを進めてまいります。
   〔東京都技監藤井寛行君登壇〕

〇東京都技監(藤井寛行君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、八ッ場ダム建設事業基本計画変更案についてでございますが、八ッ場ダムの本体工事中止に伴う事業のおくれを取り戻し、一日も早くダムを完成させるため、基本計画の変更に関する国からの照会に対して、意見を付して同意することとし、議案を提出しております。
 都は、今回の意見案を取りまとめるに当たり、国に対して、今後の工程計画などにつきまして詳細な説明を求めるとともに、関係県と現地に赴き、本体関連工事の契約内容や残事業に要する工期などを調査し、国が示した基本計画の変更内容を慎重に確認いたしました。
 今後とも、国と関係県によるコスト管理などに関する連絡協議会も活用し、コスト縮減策や事業の進捗状況を適宜確認することにより、新たな基本計画に基づき八ッ場ダムが完成されるよう、関係県とともに注視してまいります。
 次に、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化についてでございますが、耐震化推進条例に基づき診断を義務づけた特定沿道建築物につきましては、建物所有者への個別訪問や啓発セミナー、相談会などの取り組みにより、約五千棟の対象建物のうち、約七割が既に耐震診断を実施しております。
 また、その後の補強設計や耐震改修に関する具体的な相談もふえてきており、今年度の助成申請件数は、現時点で既に昨年度の実績を大幅に上回っております。
 都としては、引き続き区市町村や関係団体などと連携し、マンションにおける合意形成などに向け、個々の事情に応じたきめ細かな支援を行っていくとともに、今年度拡充したアドバイザー派遣制度の積極的な活用を促していくなど、特定沿道建築物の耐震化に全力で取り組んでまいります。
   〔スポーツ振興局長細井優君登壇〕

〇スポーツ振興局長(細井優君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、マラソンコースについてでございます。
 二〇二〇年東京大会のマラソンコースは、世界最高の大会にふさわしい競技性を確保することと、東京の魅力を世界に発信することを両立する観点から、国内国際両陸上競技連盟と協議し、その承認を得た上で計画したものでございます。
 現行計画は、コース中の起伏を考慮するとともに、新しいオリンピックスタジアムを発着点として、皇居周辺、銀座、浅草などを通り、沿道からは東京タワーや東京スカイツリーなども眺めることのできる、全世界にアピールするコースとなっております。
 コースの詳細については、今後、交通規制や警備の観点も含めて、現行計画をもとに、警察、地元自治体、競技団体等の関係者と協議、検討してまいります。
 次に、東北の復興への取り組みについてでございます。
 都が設置した復興専門委員会の最終報告は、大会準備期間から大会開催時、大会後までのあらゆる期間を通じて、都、大会組織委員会に限らず、さまざまな主体による取り組みを提言してございます。
 被災企業への優先発注は、組織委員会が発注する事業について、被災した企業へ優先的に発注する仕組みを検討するとしたものでございまして、今後設立されます組織委員会において具体的な手法を検討していくこととなります。
 都はこれまでも、アスリート派遣や観戦招待、被災地とのスポーツ交流事業などを実施しておりますが、今後もオリンピック・パラリンピック開催を通じた被災地支援に積極的に取り組んでまいります。
   〔建設局長横溝良一君登壇〕

〇建設局長(横溝良一君) 横断歩道橋の管理と撤去等についてでございますが、歩道橋は、昭和四十年代に集中的に整備し、子供たちの安全確保と自動車交通の円滑化などに寄与してまいりました。現在、都では約六百橋の歩道橋を管理しており、常時良好な状態に保つため、日常点検や五年に一度の定期点検などにより、損傷や塗装の劣化などを早期に発見し、速やかに維持補修を行っております。
 このような中、歩道橋と隣接して横断歩道が設置されている、利用者が少ない、通学路の指定がないなど、役割を終えた歩道橋につきましては、地元住民と交通管理者などと合意の上、撤去してきております。
 都といたしましては、今後とも、歩道橋を健全に維持管理していくとともに、撤去、更新する場合には、交通管理者や地元とよく調整し、都市景観やバリアフリーにも配慮して対応してまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕

〇総務局長(中西充君) 首都直下地震等対処要領についてでございますが、東京には、高度に集積した市街地が連担する地域から山間・島しょ部まで、多様な地域がございます。このため、大規模地震が発生した際の火災や土砂災害等による被害についてもさまざまな状況が想定されます。
 現在、自衛隊、警察、消防等の各機関による発災時の初動対応について、地域特性を考慮した複数の区市町村を単位とする圏域を設定し、想定される被害特性に応じた活動を検討しております。
 今後も、関係機関による図上訓練を実施するとともに、今年度の総合防災訓練では、地域特性を踏まえた各機関の連携による救出救助活動等を実践いたします。
 こうした訓練の成果を検証し、関係機関と綿密に協議しながら、実効性ある対処要領を策定してまいります。
   〔福祉保健局長川澄俊文君登壇〕

〇福祉保健局長(川澄俊文君) 五点の質問にお答えいたします。
 まず、認証保育所についてですが、都内では、就学前児童人口が増加しており、保育所の入所を希望する割合も年々増加しております。こうした中、大都市ニーズに応える認証保育所は、広く都民の支持を得て設置が進んでおり、本年九月一日現在、六百九十九カ所、定員は二万三千人を超え、東京の保育施策として不可欠なものになっております。
 都はこれまで、認証保育所を国の制度に位置づけ、十分な財源措置を講じるよう、国と東京都の実務者協議会も含め、さまざまな機会を通じて要求してまいりました。
 現在、国の子ども・子育て会議では、新たな制度の具体的な内容が議論されているところであり、都は、認証保育所が新制度の中に位置づけられるよう、引き続き国に求めてまいります。
 次に、多様な保育ニーズへの対応についてですが、都はこれまで、保育の実施主体である区市町村のさまざまな取り組みを支援しており、平成二十三、二十四年度には、認可保育所、認証保育所、家庭的保育、パートタイム労働者向けの定期利用保育などを合わせ、都全体で年一万人分以上の多様な保育サービスが整備されました。
 今年度は新たに、小規模保育、スマート保育への支援策も開始しており、八月に豊島区で、九月に杉並区で開設され、他の八区市においても設置が予定されているところです。
 また、待機児童解消加速化プランを活用して、幼稚園の預かり保育などに取り組む区市町村も支援し、地域の保育ニーズに応じた多様な保育サービスの整備を促進してまいります。
 次に、障害者施策の取り組みについてですが、都は、東京都障害者施策推進協議会や障害者団体連絡協議会等の場を通じて、障害者の方の意見や要望を聞きながら、東京都障害者計画、東京都障害福祉計画を策定し、障害者が地域で安心して暮らし、当たり前に働ける社会の実現に向け、施策を進めているところです。
 また、障害者総合支援法の施行に当たっては、障害福祉サービスの実施主体である区市町村の担当者を対象に説明会を開催するなど、制度の円滑な実施に取り組んでまいりました。
 今後とも、国の動向等を随時把握しながら、法の全面施行に適切に対応するとともに、障害者団体などの意見も聞きながら、グループホーム等地域生活基盤の整備など、障害者施策を推進してまいります。
 次に、障害者の範囲の見直しへの対応についてですが、本年四月から、難病等の方が障害福祉サービスの対象となったことに伴い、区市町村では、対象者の確認や障害程度区分の認定などの手続を行うこととなりました。
 そのため都は、これらの業務を区市町村が円滑に実施できるよう、対象となる疾病の範囲などについて説明会を実施するほか、審査等に必要となる診断書や意見書を記載する際の留意点を医療機関に周知してまいりました。また、区市町村を通じて、対象者の方への制度の周知を図っているところでございます。
 今後、難病等の範囲について見直しが行われた場合にも、区市町村や医療機関等と十分連携を図りながら、適切な実施体制の確保や制度の周知に取り組んでまいります。
 最後に、国の障害者施策への要望についてですが、都はこれまで、障害者団体や事業者、区市町村等からの意見も聞きながら障害者施策を進めており、国に対して、法制度の改正に当たっては障害者の生活実態に即した効果的な仕組みとすること、障害者と家族への周知期間や区市町村、事業者の準備期間を十分確保すること、安定的な制度とするための財源を確保することなど、繰り返し障害者施策の推進に向けた提案要求を行ってまいりました。
 今後とも、国に対しては、障害者施策の推進に向けて必要な提案を適宜適切に行ってまいります。
   〔産業労働局長塚田祐次君登壇〕

〇産業労働局長(塚田祐次君) 新銀行東京についてでありますが、新銀行東京は、中期経営計画の初年度である平成二十四年度決算において、実質業務純益、当期純利益ともに黒字を計上し、直近の四半期決算においても黒字を継続しております。
 新銀行東京の今後の方向性については、さまざまな可能性も考えられますが、まずは安定的に黒字を確保し、企業価値をさらに高めていく必要がございます。
 そのため、今は中期経営計画の達成に向けて、与信管理の徹底や経費削減、収益力の向上などの経営努力を積み重ね、経営基盤をより一層強固にすることが、何よりも重要であると考えております。
   〔中央卸売市場長塚本直之君登壇〕

〇中央卸売市場長(塚本直之君) 豊洲新市場の土壌汚染対策工事についてでありますが、三つあります敷地のうち五街区及び七街区においては、本年八月末現在、操業に由来する汚染区画のうち、土壌の約九割の掘削除去を完了し、地下水の約八割の対策を完了しております。六街区では、敷地の西側から操業地盤面以下の対策を実施するとともに、仮設土壌処理プラントを移設し、プラント下の対策にも着手しております。
 今後、対策後のデータ等をもとに、操業に由来する汚染の処理が完了したことを技術会議で確認し、施設のくい打ち工事などに着手してまいります。
 都はこれまでも、各種調査の結果を図面等でわかりやすく公表するとともに、昨年七月以降、市場関係者や都民代表、学識経験者等で構成する土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会を三回開催し、関係者間で情報を共有し、意見交換を行ってきました。
 今後とも、こうした取り組みにより、土壌汚染対策について市場関係者や都民の理解が得られるよう努めてまいります。

〇六十七番(近藤充君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。

〇議長(吉野利明君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(吉野利明君) ご異議なしと認め、さよう決定いたします。
 明日は、午後一時より会議を開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後六時五十九分散会

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