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Tokyo Metropolitan Assembly

平成二十四年東京都議会会議録第十六号

平成二十四年十一月三十日(金曜日)
 出席議員 百二十三名
一番小林 健二君
二番加藤 雅之君
三番小宮あんり君
四番吉住 健一君
六番福士 敬子君
八番野上ゆきえ君
九番佐藤 広典君
十番吉田康一郎君
十一番中村ひろし君
十二番西沢けいた君
十三番田中  健君
十四番関口 太一君
十五番畔上三和子君
十六番斉藤やすひろ君
十七番栗林のり子君
十八番遠藤  守君
十九番松葉多美子君
二十番桜井 浩之君
二十一番山崎 一輝君
二十二番鈴木 章浩君
二十三番菅  東一君
二十四番田中たけし君
二十五番くりした善行君
二十六番山内れい子君
二十七番小山くにひこ君
二十八番淺野 克彦君
二十九番新井ともはる君
三十番佐藤 由美君
三十一番たきぐち学君
三十二番田の上いくこ君
三十三番島田 幸成君
三十四番しのづか元君
三十五番大島よしえ君
三十六番伊藤こういち君
三十七番大松あきら君
三十八番中山 信行君
三十九番高倉 良生君
四十番鈴木 隆道君
四十一番宇田川聡史君
四十二番高橋 信博君
四十三番中屋 文孝君
四十四番鈴木あきまさ君
四十五番矢島 千秋君
四十六番高橋かずみ君
四十七番柳ヶ瀬裕文君
四十八番星 ひろ子君
四十九番滝沢 景一君
五十番中谷 祐二君
五十一番笹本ひさし君
五十二番山下ようこ君
五十三番神野 吉弘君
五十四番鈴木 勝博君
五十五番興津 秀憲君
五十六番岡田眞理子君
五十七番古館 和憲君
五十八番かち佳代子君
五十九番上野 和彦君
六十番吉倉 正美君
六十一番橘  正剛君
六十二番野上 純子君
六十三番谷村 孝彦君
六十四番山加 朱美君
六十五番吉原  修君
六十六番三宅 正彦君
六十七番早坂 義弘君
六十八番相川  博君
六十九番林田  武君
七十番服部ゆくお君
七十一番野田かずさ君
七十二番西崎 光子君
七十三番伊藤 ゆう君
七十四番原田  大君
七十五番尾崎 大介君
七十六番山口  拓君
七十七番伊藤まさき君
七十八番松下 玲子君
七十九番西岡真一郎君
八十一番たぞえ民夫君
八十二番吉田 信夫君
八十三番小磯 善彦君
八十四番長橋 桂一君
八十五番藤井  一君
八十六番鈴木貫太郎君
八十七番こいそ 明君
八十八番遠藤  衛君
八十九番きたしろ勝彦君
九十番高木 けい君
九十一番神林  茂君
九十二番三原まさつぐ君
九十三番田島 和明君
九十四番古賀 俊昭君
九十五番泉谷つよし君
九十六番くまき美奈子君
九十七番大西さとる君
九十八番今村 るか君
九十九番増子 博樹君
百番いのつめまさみ君
百一番小沢 昌也君
百二番石毛しげる君
百三番大津 浩子君
百五番清水ひで子君
百六番ともとし春久君
百七番東村 邦浩君
百八番中嶋 義雄君
百九番木内 良明君
百十番三宅 茂樹君
百十一番山田 忠昭君
百十二番村上 英子君
百十三番野島 善司君
百十四番川井しげお君
百十五番吉野 利明君
百十六番宮崎  章君
百十七番比留間敏夫君
百十八番門脇ふみよし君
百十九番斉藤あつし君
百二十番大塚たかあき君
百二十一番酒井 大史君
百二十二番山下 太郎君
百二十三番大沢  昇君
百二十四番中村 明彦君
百二十五番和田 宗春君
百二十六番馬場 裕子君
百二十七番大山とも子君

 欠席議員 一名
    七番 土屋たかゆき君
 欠員
    五番 八十番 百四番

 出席説明員
知事代理副知事安藤 立美君
副知事秋山 俊行君
教育長比留間英人君
東京都技監建設局長兼務村尾 公一君
知事本局長前田 信弘君
総務局長笠井 謙一君
財務局長中井 敬三君
主税局長新田 洋平君
警視総監樋口 建史君
生活文化局長小林  清君
スポーツ振興局長細井  優君
都市整備局長飯尾  豊君
環境局長大野 輝之君
福祉保健局長川澄 俊文君
産業労働局長中西  充君
港湾局長多羅尾光睦君
会計管理局長松田 芳和君
交通局長中村  靖君
消防総監北村 吉男君
水道局長増子  敦君
下水道局長小川 健一君
青少年・治安対策本部長樋口 眞人君
病院経営本部長塚田 祐次君
中央卸売市場長塚本 直之君
選挙管理委員会事務局長影山 竹夫君
人事委員会事務局長真田 正義君
労働委員会事務局長岳野 尚代君
監査事務局長松井多美雄君
収用委員会事務局長醍醐 勇司君

十一月三十日議事日程第一号
第一 第百八十六号議案
  東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
第二 第百八十七号議案
  東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三 第百八十八号議案
  職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第四 第百八十九号議案
  職員の旅費に関する条例の一部を改正する条例
第五 第百九十号議案
  職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
第六 第百九十三号議案
  学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第七 第二百十四号議案
  東京都公営企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例
第八 第百八十五号議案
  審理、喚問、聴聞等に出頭した者及び公聴会に参加した者の費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第九 第百九十一号議案
  東京都体育施設条例の一部を改正する条例
第十 第百九十二号議案
  東京都教育相談センター設置条例の一部を改正する条例
第十一 第百九十四号議案
  東京都雨水貯留浸透施設及び保全調整池の標識の設置の基準に関する条例
第十二 第百九十五号議案
  東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
第十三 第百九十六号議案
  東京都障害福祉サービス事業の設備及び運営の基準に関する条例
第十四 第百九十七号議案
  東京都指定障害者支援施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例
第十五 第百九十八号議案
  東京都障害者支援施設の設備及び運営の基準に関する条例
第十六 第百九十九号議案
  東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第十七 第二百号議案
  東京都指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例
第十八 第二百一号議案
  東京都指定障害児入所施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例
第十九 第二百二号議案
  東京都病院及び診療所の人員、施設等の基準に関する条例
第二十 第二百三号議案
  障害者自立支援法施行条例
第二十一 第二百四号議案
  児童福祉法施行条例
第二十二 第二百五号議案
  東京都国民健康保険調整交付金条例の一部を改正する条例
第二十三 第二百六号議案
  東京都児童相談所条例の一部を改正する条例
第二十四 第二百七号議案
  東京都小規模貯水槽水道等における安全で衛生的な飲料水の確保に関する条例の一部を改正する条例
第二十五 第二百八号議案
  都道における道路構造の技術的基準に関する条例
第二十六 第二百九号議案
  都道における道路標識の寸法に関する条例
第二十七 第二百十号議案
  都道における移動等円滑化の基準に関する条例
第二十八 第二百十一号議案
  東京都立公園における移動等円滑化の基準に関する条例
第二十九 第二百十二号議案
  東京都立公園条例の一部を改正する条例
第三十 第二百十三号議案
  東京都駐車場条例の一部を改正する条例
第三十一 第二百十五号議案
  東京都高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に係る信号機等の基準に関する条例
第三十二 第二百十六号議案
  警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例
第三十三 第二百十七号議案
  東京消防庁芝消防署庁舎(二十四)新築工事請負契約
第三十四 第二百十八号議案
  東京消防庁練馬消防署庁舎(二十四)新築工事請負契約
第三十五 第二百十九号議案
  都立昭和高等学校(二十四)改築及び改修工事請負契約
第三十六 第二百二十号議案
  都立城東職業能力開発センター足立校(二十四)Ⅱ期改築工事請負契約
第三十七 第二百二十一号議案
  東京都府中合同庁舎(二十四)改築工事請負契約
第三十八 第二百二十二号議案
  当せん金付証票の発売について
第三十九 第二百二十三号議案
  若洲海浜公園ヨット訓練所の指定管理者の指定について
第四十 第二百二十四号議案
  専用水道事務等の受託について
第四十一 第二百二十五号議案
  東京都立若洲海浜公園の指定管理者の指定について
第四十二 第二百二十六号議案
  東京都立小峰公園の指定管理者の指定について
第四十三 第二百二十七号議案
  東京都立東伏見公園の指定管理者の指定について
第四十四 第二百二十八号議案
  東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例
第四十五 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第一号)の報告及び承認について
第四十六 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第二号)の報告及び承認について

   午後一時開会・開議

〇議長(中村明彦君) ただいまから平成二十四年第四回東京都議会定例会を開会いたします。
 これより本日の会議を開きます。

〇議長(中村明彦君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

〇議長(中村明彦君) 次に、議席の変更を行います。
 議席変更の申し出がありますので、会議規則第二条第三項の規定により、吉田康一郎君を八十番から十番に変更いたします。

〇議長(中村明彦君) 次に、会議録署名議員の指名を行います。
 会議録署名議員は、会議規則第百二十四条の規定により、議長において
   十一番  中村ひろし君 及び
   七十三番 伊藤 ゆう君
を指名いたします。

〇議長(中村明彦君) 謹んでご報告申し上げます。
 名誉都民森光子氏には、去る十一月十日、逝去されました。まことに哀悼痛惜の念にたえません。
 ここに生前のご功績をたたえるとともに、故人のご冥福をお祈りし、議会として深甚なる弔意を表します。

〇議長(中村明彦君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

〇議事部長(別宮浩志君) 平成二十四年十一月二十二日付東京都告示第千六百三十四号をもって、知事代理副知事より、本定例会を招集したとの通知がありました。
 また、同日付で、本定例会に提出するため、議案四十四件の送付がありました。
 次に、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第一号)外一件の報告及び承認について依頼がありました。
 次に、知事の職務代理について、平成二十四年十一月一日以後、知事の職務は副知事猪瀬直樹がこれを代理する旨、また、副知事猪瀬直樹の退職以後、知事の職務は副知事安藤立美がこれを代理する旨の通知がありました。
 次に、地方自治法第百八十条第一項の規定による議会の指定議決に基づき専決処分した訴えの提起、損害賠償額の決定及び和解に関する報告がありました。
 次に、本定例会に提出するため送付された議案並びに地方自治法第百八十条第一項の規定による議会の指定議決に基づき専決処分した訴えの提起、損害賠償額の決定及び和解に関する報告について、副知事猪瀬直樹の退職以後、副知事安藤立美が知事の職務を代理することとなったため、平成二十四年十一月二十九日付で、提出者の氏名を訂正するとの通知がありました。
 次に、監査委員より、例月出納検査の結果について報告がありました。
 また、監査結果に基づき知事等が講じた措置に関する報告がありました。
(別冊参照)

〇議長(中村明彦君) この際、平成二十四年十月二十三日付をもちまして、全国都道府県議会議長会において、自治功労者として表彰を受けられました方々をご紹介いたします。
 在職二十年以上、比留間敏夫君。二十年以上、宮崎章君。同じく二十年以上、大山とも子さん。
 在職十五年以上、遠藤衛君。同じく十五年以上、馬場裕子さん。十五年以上、古館和憲君。十五年以上、吉野利明君。十五年以上、川井しげお君。十五年以上、かち佳代子さん。十五年以上、吉田信夫君。十五年以上、たぞえ民夫君。十五年以上、三宅茂樹君。十五年以上、清水ひで子さん。十五年以上、こいそ明君。
 在職十年以上、大沢昇君。同じく十年以上、鈴木あきまさ君。
 ここに敬意を表し、心からお祝いを申し上げます。
   〔拍手〕

〇議長(中村明彦君) 次に、文書質問に対する答弁書について申し上げます。
 第三回定例会に提出されました文書質問に対する答弁書は、質問趣意書とともに送付いたしておきました。ご了承願います。
   〔文書質問趣意書及び答弁書は本号末尾(三二ページ)に掲載〕

〇議長(中村明彦君) 次に、閉会中の議会運営委員の辞任及び選任について申し上げます。
 去る十一月二十二日付をもって、笹本ひさし君より、また、十一月二十六日付をもって、野田かずさ君より、それぞれ辞任願が提出されましたので、委員会条例第十一条第一項ただし書きの規定により、議長において、それぞれ同日付をもってこれを許可いたしました。
 なお、委員の欠員を補充するため、委員会条例第五条第四項の規定により、議長において、十一月二十二日付をもって清水ひで子さんを、また、十一月二十六日付をもって柳ヶ瀬裕文君を指名いたしました。

〇議長(中村明彦君) 次に、閉会中の平成二十三年度公営企業会計決算特別委員の辞任及び選任について申し上げます。
 去る十一月二十二日付をもって、田中健君より辞任願が提出されましたので、委員会条例第十一条第一項ただし書きの規定により、議長において、同日付をもってこれを許可いたしました。
 なお、委員の欠員を補充するため、委員会条例第五条第四項の規定により、議長において、同日付をもって大島よしえさんを指名いたしました。

〇議長(中村明彦君) 会期についてお諮りいたします。
 今回の定例会の会期は、本日から十二月六日までの七日間といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(中村明彦君) ご異議なしと認めます。よって、会期は七日間と決定いたしました。

〇議長(中村明彦君) これより質問に入ります。
 百二十番大塚たかあき君。
   〔百二十番大塚たかあき君登壇〕

〇百二十番(大塚たかあき君) 私は、都議会民主党を代表して、都政の主要課題について関係局長に伺います。
 先日ご逝去なさった名誉都民森光子さんのご冥福を心よりお祈りいたします。
 石原慎太郎前知事の突然の辞職により、新知事が誕生する間、都政に大きな空白がもたらされることになりました。さらに、辞職を表明した知事が退任日の翌日を着任日として、自身の特別秘書を専門委員に選任するという異例の事態も生じました。
 また、来年度予算編成の最終盤に、その最高責任者たる知事が辞職したことにより、日常の都政運営のみならず予算編成や都議会での議論にも大きな制約をもたらすことになりました。
 私たちは、どのような状況下にあっても、議会は議会としての役割を着実に果たしていかなければならないと考えております。しかし、移行期における知事の権限行使のあり方、予算編成や議会審議のあり方などについては、今回明らかになった課題についてしっかり検討し、より明朗で力強い都政をつくり上げていきたいと思います。
 それではまず、平成二十五年度予算編成など今後の財政運営について伺います。
 十一月十二日、政府が発表した、ことし第三・四半期のGDP、実質国内総生産は、前の期と比べ〇・九%の減、年率で三・五%減少し、三・四半期ぶりにマイナス成長に転じました。欧州における財政危機や新興国の経済減速、そして、特に尖閣諸島問題に端を発した中国との関係悪化などで、今後の経済見通しは極めて厳しいものになると考えます。
 このような中、現在、都においては、平成二十五年度予算案の編成に向けて実務的に作業が進められているとは思いますが、私たち都議会民主党は、都政のむだを排除するとともに、成長戦略に基づく新産業の育成や環境エネルギー施策の充実、子育て、福祉の充実などに集中して予算を投じていくべきだと考えております。
 そこで、都として、どのような予算を編成しようとしているのか、見解を伺います。
 予算編成に当たっては、財源確保の見通しがなければ、その大枠は定まりません。基金や都債を活用するにしても、今後の財政運営を考えれば、その活用は戦略的あるいは計画的に行われるべきであります。そのためにも、この間、ピーク時と比較して一・三兆円の減となってきている都税収入の見通しが明らかにされる必要があります。
 そこで、都の主要財源である平成二十四年度都税収入の見込みについて、また、平成二十五年度都税収入の見通しについて見解をお伺いいたします。
 また、今後、都財政を運営していく上で、法人事業税の暫定措置の撤廃は大きな課題です。法人事業税の暫定措置は、平成十九年十二月、当時の自民党の福田首相と石原知事とが合意し導入された地方税の原則を無視するものでした。これにより、都は、平成二十四年度までの間に約六千億円もの減収を余儀なくされているのです。
 一方、民主党は、政権交代以降、三年連続国家財政が苦しい中でも、地方交付税等をふやし続けてまいりました。自治体が自由に使えるお金をふやし、国による自治体の事務への義務づけ、枠づけなどの制度を変えてきたのです。これらによって、この暫定措置を継続する意味もほとんど失われてきたといえます。
 私たち都議会民主党は、この間、都とも連携しながら、暫定措置の撤廃に向けて積極的に取り組み、社会保障・税一体改革関連法において、抜本的に見直しを行うことを明記させることができました。
 この暫定措置を確実に廃止させ、地方税財源全体を充実強化させるには、引き続き政府に働きかけていくことが必要です。
 そこで、都としても、引き続き暫定措置の撤廃に向けて積極的に取り組んでいくべきと考えますが、この間の取り組みとあわせて見解をお伺いいたします。
 次に、防災対策について伺います。
 帰宅困難者対策条例が来年四月に施行される予定ですが、都はこれに先立ち、十一月十三日に帰宅困難者対策実施計画を発表しました。実施計画では、首都直下地震によって生じる一時滞在施設への受け入れ需要人数を九十二万人と試算しています。しかし、都が都立施設等を活用して確保するのは七万人分であり、一時滞在施設の確保など民間の協力をいかに得ていくのかということが重要です。
 私たち都議会民主党は、条例制定時の代表質問において、国が規制緩和や補助金制度を通じて、備蓄倉庫や非常用発電設備の整備を促そうとしていることを例に挙げ、都においても企業の協力に対する物資供与や助成など誘導策を講じる必要があると主張してきました。
 実施計画では、備蓄品の購入経費の補助や運営アドバイザーの派遣、通信手段の確保などに加えて、都市開発諸制度の活用や固定資産税の減免などによって、民間の一時滞在施設を確保していくことを打ち出しています。
 こうした実施計画を着実に推進し、民間の協力を得て帰宅困難者対策を進めていくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、耐震化の推進について伺います。
 先日、国土交通省は、二〇一二年三月一日時点で地震時などに著しく危険な密集市街地の全国調査結果を発表しました。調査によれば、全国で五千七百四十五ヘクタール、百九十七地区が該当しており、そのうちの千六百八十三ヘクタール、百十三地区が東京都内に集中しているとのことです。
 この調査結果は、最低限の安全性を確保することが困難な地区、すなわち地区外への避難経路喪失などにより、生命、財産の安全性の確保が著しく困難な地区が都内に多数ある実態を改めて示すものであり、より一層の支援策や規制緩和などさまざまな手法を駆使した取り組みの推進が必要と考えます。
 そうした中で、木密地域不燃化十年プロジェクトにおいて、都が整備地域約七千ヘクタールの中から不燃化推進特定整備地区を指定し、特に重点的に取り組みを推進する制度を創設することになりました。このいわゆる不燃化特区が十二地区において先行実施されています。これは今後の防災まちづくりを強力に推進するための原動力となる非常に重要な取り組みですが、この先行実施地区における現在の取り組み状況をお伺いいたします。
 こうした特に危険な地区は、面的な整備、まちづくりと一体となった整備によって、地区全体の危険性を低減、または安全性を高める取り組みが喫緊の課題となります。地震による死者、特に圧死者を出さないためには、個々の建築物の耐震性も重要であり、都議会民主党は、木造住宅の耐震化助成について、取り残される地域、家屋が生じないよう、基本的に対象を限定せずに行うことをこれまで何度となく求めてきました。
 木造住宅の耐震診断、耐震改修助成制度の適用対象地域の拡大について改めて求めるものですが、都の見解をお伺いいたします。
 都の行ったマンション実態調査では、都内の分譲、賃貸マンションの約二割、二万四千棟が旧耐震基準で建てられていると推計されています。これらのマンションが一棟でも倒れれば、倒壊による人的被害はもちろんのこと、道路はふさがれ、住民の避難、消火や救命救助活動の妨げになるおそれがあります。
 また、耐震化の促進により被害を軽減すれば、仮設住宅の必要数や瓦れきが減少し、早期の復旧、復興につながります。
 私は、取り組みを加速するためには、年次ごとの目標や一層のインセンティブ、規制緩和などを総合的に盛り込んだマンション耐震化プログラムというべき計画策定などが必要と考えています。
 特に、分譲マンションで耐震化を進めるためには、多数の権利者間での合意形成という高いハードルがあります。都は、さきの第三回定例会における都議会民主党の質問に対して、今年度新たにマンション啓発隊を組織して、約百棟の分譲マンションを個別訪問し普及啓発活動を行ったと答弁しました。
 今年度、さらに分譲マンションへの啓発隊の派遣を本格的に実施すると聞いています。一万棟を超える分譲マンションが旧耐震基準であるという実態にかんがみ、まずはこの取り組みをさらに拡充する必要があると考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、環境施策について伺います。
 環境エネルギー施策については、国において電力制度改革に向けた検討が行われる一方、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度、いわゆるFIT制度の運用開始による太陽光発電等の導入拡大など、さまざまな動きがあります。
 今回のFITでは、建築廃材や工場残材、林地残材を利用したバイオマス発電やコージェネについても燃料代を考慮した買い取り価格が設定されており、木材加工業で発生する端材等や間伐材の受け皿として、市場における未利用資源の活用につながるものとして注目されています。
 一方、都は、第二回定例会の私の代表質問に対し、今後の都の取り組みとして、スマートエネルギー都市の実現を掲げ、その方向性として節電、省エネ技術やノウハウを最大限活用すること、低炭素、自立分散型エネルギーの利用を進めること、エネルギーマネジメントの仕組みが組み込まれた都市づくりを実現することの三点を実践していく旨、答弁をしております。
 そこで、これまでの都のスマートエネルギー都市の実現に向けた取り組みの現状と今後の展開についてお伺いをいたします。
 東日本大震災以降、効率の悪い老朽火力発電所の稼働により、CO2排出量が増加しており、地球温暖化対策の観点からも事業所や家庭における節電、省エネが必要です。
 都内のCO2排出量の約四割は業務産業部門が占めており、オフィスビルなどの省エネ対策は不可欠です。一方、都内のビルの多くはテナントビルであり、CO2排出を着実に削減していく必要があります。
 しかし、賃貸を主な用途とするビルの節電、省エネは難しいといわれております。オーナーはテナントに対し、快適な環境を提供することが第一であり、テナントに対しエネルギー利用の抑制を強制することができないからです。
 また、フロアごとの管理ができなかったり、テナント自身はエネルギー使用削減のモチベーションが低い場合が多いといった課題が挙げられており、これらに対応した施策が必要です。
 テナントビルでの温暖化対策を進めるために、都ではどのような対策を講じていくのか、お伺いをいたします。
 スマートエネルギー都市の実現に向けては、住宅における低炭素電源の確保も必要です。住宅においては、創エネルギー機器の導入補助事業により、太陽光発電等の普及が進んできましたが、この補助事業は、今年度末で終了するとのことです。
 今後とも、住宅における創エネルギー機器、特にその中心となる太陽光発電は、さらなる普及促進が必要と考えますが、補助事業がなくなる来年度以降、どのように普及を進めていくのか所見をお伺いいたします。
 次に、産業振興について伺います。
 アジアでは、自由貿易圏に向けた動きが加速し、国内においても、アジアの金融センターとして地位を確立するため、今月、日本取引所が発足するなどアジアの経済連携が進んでいます。
 シンガポール、上海、香港といったアジア各都市でも外国企業誘致の取り組みを強めていますが、日本も税制、財政措置を付した総合特区制度を設立し、海外の活力を国内産業に結びつけ、国際競争力を強化することに取り組んでいます。
 首都東京においては、あらゆる業種の外国企業を誘致して、東京を業務統括拠点、研究開発拠点に進化させるアジアヘッドクオーター特区の構築を目指しています。
 特区の推進には、綿密な戦略に基づいた計画をいかに実行し、目指す特区を実現していくかが重要と考えます。東京には、新宿、渋谷、六本木、湾岸地域、羽田空港跡地などが特区エリアに指定されています。
 都は、都内各エリアの差別化をどう図って多国籍企業を集積し、特色あるアジアヘッドクオーター特区を構築しようとお考えか、見解を伺います。
 また、国内には、食や医療、航空宇宙、環境といった国家戦略上、重要な専門領域を高めることを目標とした六つの総合特区があります。東京には、世界とこれらの特区を結ぶ羽田空港が位置し、日本の交通結節点となっています。
 そこで都は、京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区を初めとした各特区との協力体制を築くことが重要と考えます。例えば、ライフイノベーション特区と都内ものづくり企業が医工連携を進めれば、都内産業の活性化と雇用の促進が図られ、アジアヘッドクオーター特区への外国企業の業務統括部門の誘致につながることなどが期待できます。
 ほかの総合特区と協力体制を築いて、アジアヘッドクオーター特区の取り組みを推進すべきと考えますが、都の見解をお伺いいたします。
 特区計画には、外国企業誘致、ビジネス交流のために有意義な機会となる国際会議、国際見本市、展示会などを招致するMICE拠点の形成がうたわれています。中国や韓国、シンガポールなどアジア諸国も展示会産業の発展に力を入れ、産業が成長している一方、国内の展示会産業の成長率は必ずしもよいとはいえません。
 都は、昨年度から、臨海副都心を対象にMICE国際観光拠点化構想を打ち出し、MICE機能の充実による国際的ビジネス交流拠点の形成を目指しています。また、二〇二〇年オリンピック招致計画では、二〇一六年招致と同様に、東京ビッグサイトを増築して国際放送センターなどとして活用する見通しです。
 先月、IMF・世界銀行年次総会が東京で開催されましたが、こうした国際会議や国際見本市、研修、視察を招致するために展示会場の拡張は重要で、MICEビジネスには不可欠です。
 都内のMICE拠点を強化するための東京ビッグサイトの拡張に向けた進捗状況と今後の取り組みについて、都の見解をお伺いいたします。
 次に、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京招致について伺います。
 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック大会は、いうまでもなく出場する選手が主役ですが、大会運営の一端を担うボランティアスタッフも、来日する世界の人々に対し、おもてなしをする大事な主人公であります。
 そこで、私は、日本特有の文化や伝統に重きを置いた心を持ち合わせ、昨年の東日本大震災に受けた多くの苦難と世界各国からの支援への感謝の気持ちを継続して忘れないようにするために、招致決定直後にボランティアを募集し、二〇二〇年にはボランティアリーダーとして活躍する人材を育成すべきと考えます。
 二〇二〇年の大会時に二十のボランティアスタッフになる小学六年生または中学一年生の児童生徒を対象に登録してもらい、開催までの間、学校内外において日本の伝統文化、礼儀作法を勉強し身につけてもらいます。その結果、社会貢献意識が芽生え、周りの子どもたちにもよい影響を与え、また海外の文化や言語への興味づけともなり、語学向上にもつながります。
 また、若者も対象にする一方、中高年も対象とした募集も同時に行うことで、彼らの豊富な人生経験を生かしたボランティアを行ってもらい、目標や生きがいにつなげることもできます。そして、招致段階からこの募集を行うことを大々的に発表すれば、招致機運の醸成にもつながるのではないでしょうか。
 以上のことを踏まえて、オリンピック・パラリンピックの開催決定後、早期にボランティアの募集を開始し、語学研修などさまざまなプログラムを組んで、大会開催までに資質豊かなボランティアを育成すべきと考えますが、都の見解をお伺いいたします。
 次に、都内の子どもの体力向上施策について伺います。
 都内では、若者のスポーツ離れもさることながら、ふだんの生活習慣等の影響も含めた子どもの体力低下が問題となっています。全国小中学校の学力、体力テストにおいても、東京都の学力は平均を上回っていますが、体力は全国平均を大幅に下回っている状況です。都内には運動ができる環境が少ないなど、さまざまな要因が考えられますが、徹底して取り組むべき課題であると考えます。
 この子どもたちの体力低下問題の対策として、都教育委員会においては、平成二十二年度から三カ年で、総合的な子どもの基礎体力向上方策第一次推進計画を実施しています。今年度はちょうどその三年目の節目の年に当たります。
 そこで、体力向上施策等の現状と今後の方向性について、都の見解を伺います。
 都教育委員会による昨年度の東京都広域歩数調査では、三十年前に比べて、児童生徒の歩数が半減しているという結果でした。三十年前の小学生の一日の歩数は約二万七千歩に対し、現在の小学生が一万一千三百八十二歩、中学生で九千六十歩、高校生は八千二百二十六歩であり、子どもの運動不足がここに顕著にあらわれています。
 例えば、都内の私立小学校では、ウオーキング等を授業前に取り組んでいる例もありますが、健康増進や体力向上には、学校外での活動や生活習慣も大きく影響するため、学校以外での運動量の向上や運動習慣づくりなどの対策も必要です。
 そこで、都教育委員会は、子どもの基礎体力を向上していくため、こうした歩数調査の結果を踏まえて、どのように取り組むか見解を伺います。
 次に、福祉保健施策について伺います。
 まず医療と介護の連携についてです。
 国では、高齢化がピークに差しかかる二〇二五年までに、長年の課題である過度の病院頼みから脱却すると同時に、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らせる体制を整えるという基本方針のもと、二〇一二年度、診療報酬、介護報酬の改定では、病院から在宅医療につなげるための退院調整や在宅復帰支援、さらには二十四時間体制での在宅医療や看護、介護サービスなどに関する評価が軒並み拡充されました。
 これらは、医療と介護の役割分担を明確化し、互いに連携強化を図るということをねらいとしたものであり、私たちも極めて重要と考えます。
 そこでまず、医療と介護の連携強化に対する都の基本的な認識と具体的な取り組みについて、所見を伺います。
 また、医療と介護の連携強化に関する都立病院と公社病院の取り組みについて、あわせて所見を伺います。
 次に、震災時の医療機能の確保についてです。
 現在、都は、医療施設における安全と、特に地震災害時の医療体制の確保を図るため、未耐震の建物を有する医療施設が行う耐震化を目的とした耐震診断、新築建てかえ、耐震補強工事等に必要な経費を補助しています。
 こうした取り組みについては私たちも評価しておりますが、一方で新築建てかえの場合を除いては、単なる耐震補強では建物が倒壊しないというレベルの補強に終わるおそれがあり、電気設備や医療機器類が破損するなど、震災時の医療機能が確保できなくなることが予想されます。
 そうした事態を回避するためにも、免震構造化や制震構造化、あるいは自家発電設備の設置などを行うことで、医療設備面での医療機能の確保が必要と考えます。
 そこで、震災時の医療設備面での医療機能の確保に対する都の基本認識について、所見を伺います。
 また、震災時の医療設備面での医療機能の確保に向けた都立病院と公社病院の取り組みについて、あわせて所見を伺います。
 次に、多摩・島しょ地域の振興について伺います。
 福島での原発事故以降、エネルギーをめぐる情勢は大きく変化し、再生エネルギー導入拡大の重要性がますます高まっています。地球温暖化やエネルギー安全保障に加え、経済成長の実現に向けても、再生可能エネルギーの普及が重要なかぎになっているといわれています。再生可能エネルギーの普及促進や地産地消の事業化、また自然エネルギーを活用し、地域分散型の供給体制をつくり上げる必要があります。
 多摩地域には自然エネルギーの豊富な資源、太陽光を初め、多摩の渓谷での小水力、多摩産材の間伐材によるバイオマスなど、多様な安全で安定的な自然エネルギーがあります。こうした自然エネルギーを活用した未来型の住環境の創造を目標とした環境スマートシティーの実現が可能な地域といえるのではないでしょうか。
 都が今年度末までに策定するとしている新たな多摩ビジョンに、こうした環境スマートシティーの観点を反映させることが必要だと考えますが、見解をお伺いいたします。
 平成二十三年五月から平成二十五年三月までの国の事業として、離島のガソリンに対する流通コスト補助が実施されています。
 一方、これまで都は、野菜、果物を初め生活に必要なものとして十九品目を対象に海上運賃補助を実施してきました。島しょ地域のガソリンの価格は、東京都区部や市部との差が大きく、島内に流通する商品のすべてに反映される関係から、ガソリンに対する運賃補助は島の暮らしの格差是正に直接的かつ大きな効果があります。
 都が指摘している島ごとの需要量や輸送形態の違いにより価格差が生じているのは、島しょ間の価格差であり、本土との差の大きな要因ではありません。また、より生活に必要なものという観点から見ても、ガソリンは島での生活費の中で大きな比重を占めています。
 国の補助制度が終了する平成二十五年三月以降には、島しょの経済活動の停滞も懸念されています。島しょ地域では、自動車なくして暮らしや経済が成り立ちません。ガソリン料金に対する支援事業は、低迷する島の経済を支えるための大きな役割を果たしています。国の補助事業が終了する平成二十五年度以降には、現行の運賃補助の対象品目にガソリン、軽油を含める見直しが必要となっているのではないでしょうか。都の見解を伺います。
 以上で都議会民主党を代表しての質問を終えます。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 大塚たかあき議員の代表質問にお答えをいたします。
 子どもの体力に関する二点のご質問ですが、まず体力向上施策の現況と今後の方向性についてでございます。
 都教育委員会は、平成二十二年度から、体力向上を図る一校一取り組み運動の展開や、持久力を高める中学生東京駅伝大会の開催等、さまざまな体力向上施策を推進してきました。
 都内公立小中学校では、例えば毎週行う朝礼の時間でのストレッチ体操や縄跳び、体育授業での五分間走や筋力トレーニングなど、運動量を増加させる取り組みを進めており、東京都統一体力テストの結果、平成二十二年度以前と比べ、子どもの体力は上向きに転じてきております。
 今後、こうした状況を踏まえ、子どもの意識を高めて行動を活動的に変えていくことを目指した取り組み内容を定めることとしており、区市町村教育委員会等と連携しながら、子どもの体力向上を図ってまいります。
 次に、歩数調査の結果を踏まえた取り組みについてでございます。
 平成二十三年度の広域歩数調査によりますと、都内公立学校の子どもは、一日の平均歩数が約一万歩と、望ましい活動量である一日一万五千歩を大幅に下回る状況にあります。運動部活動などに参加していない子どもの運動習慣を確立するためには、学校での取り組みを推進することとあわせて、家庭、地域への働きかけが重要でございます。
 このため、学校に対しては、一校一取り組み運動のより一層の工夫、運動していない子ども一人一人の状況に応じたプログラムの実施、体を動かす観点からの学校行事等の改善など、取り組みを充実するよう指導してまいります。
 また、学校外の活動量の増加に向け、家庭に対して帰宅後や休日に屋外遊びや運動スポーツの機会をふやすよう働きかけるなど、子どもの基礎体力を高める取り組みを進めてまいります。
   〔財務局長中井敬三君登壇〕

〇財務局長(中井敬三君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、平成二十五年度予算の編成についてでありますが、現在、七月に策定した来年度予算の見積もり方針に基づき作業を進めているところでございます。この見積もり方針では、第一に、都政が直面する諸課題に的確に対処するとともに、将来を見据え、東京のさらなる発展に向けた戦略的な取り組みについても積極的に進めること、第二に、すべての施策について必要性や有効性を厳しく検証するとともに、これまで以上に創意工夫を凝らし、効率的でむだがなく、実効性の高い施策を構築していくことを柱としております。これらに基づき作業を引き続き進め、今後、新知事の方針を仰ぎ、予算案を取りまとめてまいります。
 次に、法人事業税の暫定措置についてでありますが、この措置は、受益と負担という税の原則に反し、地方自治を侵害するものであることなどから、都はこれまで、あらゆる機会を通じて国に撤廃を求めてまいりました。
 社会保障・税一体改革関連法において、暫定措置については、税制の抜本的な改革にあわせて抜本的に見直しを行うことが明記されたものの、この措置の撤廃に向けては、今後、根拠法である地方法人特別税等に関する暫定措置法の廃止が必要となることから、引き続き都議会のご協力をいただきながら、国に強く働きかけてまいります。
   〔主税局長新田洋平君登壇〕

〇主税局長(新田洋平君) 平成二十四年度及び平成二十五年度の都税収入の見通しについてでございますが、我が国の景気は東日本大震災の復興需要等により回復傾向にありましたが、本年七月から貿易収支が四カ月連続でマイナスを更新するなど、このところ弱い動きとなっております。また、景気の先行きについても、海外経済のさらなる減速等によって下振れするリスクが指摘されております。
 こうしたことから、本年度の都税収入につきましては、これまでは堅調に推移はしているものの、十一月末に申告された法人二税の中間申告等の状況をなお慎重に見きわめる必要がございます。
 また、来年度の都税収入につきましては、景気が当面、弱目に推移する見通しであることに加えまして、国の税制改正等の動向も不透明であり、引き続き予断を許さない状況にあるものと考えております。
   〔総務局長笠井謙一君登壇〕

〇総務局長(笠井謙一君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、帰宅困難者対策における民間との協力についてでございますが、大規模災害発災時に帰宅困難者の大量発生による混乱を防止するためには、従業員等の一斉帰宅の抑制など、民間の協力も得て社会全体で取り組む必要がございます。
 とりわけ九十二万人にも上る行き場のない帰宅困難者への対応は、従業員用に加えて一〇%余分の備蓄や一時滞在施設としての運営など、民間事業者の幅広い協力が不可欠でございます。
 このため、今回の実施計画におきましては、一時滞在施設に協力する民間事業者に対し、備蓄品購入費への補助や二十三区内における防災備蓄倉庫の固定資産税等の減免など、さまざまな支援を行うことといたしております。
 今後、こうした支援策により、民間事業者の協力を得て、帰宅困難者対策を着実に実施してまいります。
 次いで、新たな多摩のビジョンについてでございますが、今回のビジョンは人口減少社会の到来や都市インフラの更新需要の増大など、多摩地域を取り巻く状況変化や課題等を踏まえ、二〇三〇年ごろを念頭に入れた多摩地域の目指すべき姿や方向性を示していくものでございます。
 ビジョン策定に当たりましては、これまで多摩の広域的な課題などについて、市町村とさまざまな観点から意見交換を行うとともに、多摩地域で活動を展開している民間企業や事業者、NPOに加え、まちづくり等に精通した有識者へのヒアリングを順次進めており、環境分野についてもさまざまなご意見がありました。
 これらの意見を参考にしながら、多摩ならではの豊かな自然の活用など多摩の持つ強み、ポテンシャルを生かした施策の方向性などについて検討をしてまいります。
   〔都市整備局長飯尾豊君登壇〕

〇都市整備局長(飯尾豊君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、不燃化特区の先行実施地区についてでございますが、各地区は区のまちづくりに関する方針も異なり、区域の広がり、不燃領域率など、地域の実情はそれぞれ特色を持っております。
 このため、現在、地区ごとに設定した定例会議などを通じて、区と緊密な連携を図りながら、整備プログラムの作成や地域の実情に応じた都の支援策に関する協議を行っており、今後、平成二十五年度の事業着手に向け、区との協議をさらに深めてまいります。
 次に、木造住宅の耐震化助成についてでございますが、木密地域は東京の防災力を強化する上で最大の弱点であり、改善を加速するためには、重点的、集中的に施策を講じることが重要でございます。
 防災都市づくり推進計画に定める整備地域では、震災時に住宅が倒壊した場合、道路閉塞や出火により、避難、応急活動が妨げられるとともに、大規模な市街地火災につながるおそれがあるため、区と連携し、耐震診断や改修に対する公的助成を行っております。
 都としては、引き続き、道路閉塞や延焼による被害の危険性の高い整備地域に的を絞り、重点的に木造住宅の耐震化助成を行ってまいります。
 最後に、マンション啓発隊についてでございますが、マンションの耐震性の確保に向けては、まず、所有者みずからが建物の耐震性能を把握することが不可欠でございます。
 このため、今年度新たに啓発隊を組織し、八月から二区一市でおおむね百棟を対象として先行実施を行いました。訪問した管理組合の中には、これを契機に地元区市の耐震アドバイザー制度の申し込みを行うなど、耐震化に向けた具体的な動きもございます。先行実施の経験を踏まえ、個別訪問に当たっての事前調整や耐震診断の進め方などの説明方法に工夫を凝らし、今月から啓発隊の本格実施に着手いたしました。
 今後も、体制の整った区市から順次取り組みを進め、個々のマンションの状況に応じた普及啓発活動を展開してまいります。
   〔環境局長大野輝之君登壇〕

〇環境局長(大野輝之君) 三点のご質問でございます。
 まず、スマートエネルギー都市の実現に向けた取り組みの現状と今後の展開についてでございますが、賢い節電、省エネの定着につきましては、事業所への無料省エネ診断や、家庭への節電アドバイザーの派遣等を行っております。
 低炭素、自立分散型エネルギーの拡大につきましては、家庭への創エネルギー機器の導入支援や、オフィスビル等へのコージェネレーション設備の導入を図っております。
 エネルギーマネジメントにつきましては、大規模再開発エリアでの地域エネルギーマネジメントの構築に向けた調査等を実施しております。
 今後とも、こうした取り組みを並行して進め、スマートエネルギー都市の実現を目指してまいります。
 次に、テナントビルの温暖化対策についてでございますが、テナントビルにおきましては、ビルオーナーとテナント事業者が協力して温暖化対策を進めることが不可欠でございます。このことから、環境確保条例では、すべてのテナント事業者にオーナーへの協力を求めております。
 こうした結果、例えば、ほとんどの大規模テナントビルにおきましては、オーナーとテナントが協力して温暖化対策を行うための協議会が設置されておりまして、テナント事業者も積極的に取り組んでおります。
 都では、今後とも、テナントビル向けの省エネセミナーを開催するなど、テナントビルの温暖化対策を支援してまいります。
 最後に、住宅における太陽光発電の普及策についてでございますが、都が展開してまいりました補助事業は、全国的な太陽光発電の普及拡大にも貢献し、その結果、一キロワット当たりの設置コストは、都の補助開始前の平成二十年度に七十万円を超えておりましたが、現状では五十万円を切るまでに低下しております。
 このように、かつて普及の大きな障害であったコストの問題は大幅に改善していることから、今後のさらなる普及に当たりましては、アフターケアや相談窓口の充実など、太陽光発電に関する理解を促進し、安心して設置できる仕組みを構築してまいります。
   〔知事本局長前田信弘君登壇〕

〇知事本局長(前田信弘君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、特色あるアジアヘッドクオーター特区の構築についてでありますが、本年七月、本特区構想の推進母体であります、民間事業者、関係区等で構成される特区地域協議会が、アジアヘッドクオーター特区域内ビジョンを作成したところでございます。
 この中では、例えば大手町、丸の内、有楽町地区はビジネスセンターとしての長い歴史を生かした金融、保険を中心とする企業の拠点に、渋谷地区はIT産業の集積等を生かしたコンテンツクリエーティブ産業の集積地にしていくなど、各エリアそれぞれの地域資源と、そこから導き出される将来像が描かれております。このように、地域の特性を生かした将来像の実現に向け、それぞれの魅力を世界に発信するとともに、官民が一体となって外国企業の誘致、集積を進めていく考えでございます。
 次に、他の総合特区との協力体制についてでありますが、都内の中小企業を初めとする日本の企業の技術力や高い研究開発能力は、外国企業にとりまして魅力であり、東京が外国企業を誘致する際の重要なPR要素となります。また、東京に進出した外国企業が、東京以外の地域で事業活動を行えば、東京への外国企業誘致の取り組みの効果が日本全体に波及することとなります。
 このため、誘致活動や誘致した外国企業と国内企業のマッチング等の取り組みにおける連携や規制緩和等、共通する課題解決に向けた連携を図ることを目的といたしまして、本年八月、都が中心となって国際戦略総合特区間連絡会議を立ち上げました。アジアヘッドクオーター特区の取り組みに当たりましては、こうした会議を活用し、ほかの六つの国際戦略総合特区と協力体制を築いて、相乗効果を高めてまいります。
   〔産業労働局長中西充君登壇〕

〇産業労働局長(中西充君) 東京ビッグサイトの拡張についてでございますが、現在、ビッグサイトの周囲の土地の利用可能性や、埋立地である地盤の状況を踏まえた建設コストなどの視点から検討を進めております。検討に当たりましては、オリンピック招致計画との整合性や、臨海副都心におけますMICE拠点化の取り組みとの連携などが必要でございます。
 今後、国内外における将来の展示会開催需要の見通しなどについても、検討が必要であると考えております。
   〔スポーツ振興局長細井優君登壇〕

〇スポーツ振興局長(細井優君) オリンピック・パラリンピック開催時のボランティアについてでございます。
 オリンピック・パラリンピックのような大規模イベントの成功には、多数のボランティアの活躍が不可欠であります。さきのロンドン大会では、七万人のボランティアが大会の運営だけでなく、盛り上げにも大いに貢献したところでございます。
 我が国においても、東京マラソンで約一万人のボランティアが大会運営を支え、選手や観客とともに、東京が一つになる日をつくり出しております。このように、人々のボランティア意欲は非常に高く、こうした方々の参画が、大会時だけでなく、その後のスポーツ振興にとっても重要でございます。
 二〇二〇年東京大会では、若者から高齢者まで幅広い方々の参加が可能となるよう、ボランティアプログラムを工夫することとし、大会組織委員会において、大会までの活動の場の提供や、効果的なトレーニングなどについて検討してまいります。
   〔福祉保健局長川澄俊文君登壇〕

〇福祉保健局長(川澄俊文君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、医療と介護の連携強化についてでございますが、だれもが身近な地域で安心して療養生活を送ることができる社会を実現するためには、医療と介護の連携強化が重要でございます。
 このため、都は、医療、介護の関係者等による協議会や、病院から在宅への円滑な移行等を調整するための窓口の設置など、地域の特性に応じた取り組みを行う区市町村を支援しているところでございます。
 また、複数の在宅医が互いに補完し、訪問看護ステーションと連携しながら、チームを組んで二十四時間体制で訪問診療等に取り組む地区医師会への支援や、医療、介護従事者に対する研修などを実施しているところでございます。
 次に、震災時の医療機能の確保についてでございますが、大規模災害時においても継続的に医療を提供するためには、何よりもまず、病院の建物本体が耐震性を有していることが重要でございます。
 そのため、都はこれまで、災害時医療の中核となる災害拠点病院や救急医療機関を対象に、医療機関の耐震化を促進してまいりました。昨年度の補正予算では、東日本大震災の教訓を踏まえ、地域の病院も医療機能を確保できるよう、医療施設耐震化緊急対策事業の補助対象をすべての病院に拡大したところでございます。
 本事業では、病院が新築建てかえや耐震補強に当たって免震化や制震化を実施した場合も補助しており、また、自家発電設備の整備についても、昨年度からすべての病院を対象に、都独自に補助を行っているところでございます。
   〔病院経営本部長塚田祐次君登壇〕

〇病院経営本部長(塚田祐次君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、医療と介護の連携強化に関する都立病院と公社病院の取り組みについてでありますが、都立病院と公社病院は、急性期を担う病院として医療サービスを提供するとともに、患者が地域で安定した療養生活を送ることができるよう、医師、看護師、医療ソーシャルワーカーなどによりさまざまな支援を行っております。
 具体的には、かかりつけ医に対する情報提供、病院や施設への転院調整、患者や家族に対する福祉制度の紹介などを行うとともに、在宅に戻られた患者の緊急の入院にも対応しております。
 今後とも、療養型の病院や診療所、地域の自治体や訪問看護ステーションなどとの役割分担を踏まえ、これらの機関との連携を推進してまいります。
 次に、震災時の医療設備面での医療機能の確保に向けた都立病院と公社病院の取り組みについてでありますが、再編整備を行った多摩総合・小児総合医療センター及び松沢病院本館診療棟では、震災時における医療機能の確保を図るため、免震構造を採用しております。また、今年度中の松沢病院社会復帰病棟の改修により、都立病院と公社病院の病院本体の耐震化はすべて完了いたします。
 さらに、発災後においても医療機能の継続ができるよう、自家発電設備の設置などにより、三日分のライフラインの確保を図っております。特に、基幹災害拠点病院としての役割を担う広尾病院では、耐震性にすぐれた中圧ガスを燃料とする自家発電システムを導入するなど、さらなる強化を図ってまいります。
   〔港湾局長多羅尾光睦君登壇〕

〇港湾局長(多羅尾光睦君) 貨物運賃補助の見直しについてでございますが、この補助制度は、島民の生活物資の確保や特産品の出荷を海上輸送に頼る島しょ地域において、その運賃の一部を支援するものであり、対象となる品目は、補助の効果が高く、かつその効果が幅広く島民に還元されるものを指定しております。
 ガソリン及び軽油の島と本土との価格差は、貨物運賃に起因するものよりも、販売量の少ない島向けに小口輸送をするための経費や、小売段階での手数料などの要因の方が大きくなっております。
 そのため、ガソリン及び軽油は補助の効果が小さいことから、対象品目に加えることは現状では難しいと考えております。
 今後とも、島民の方々の生活安定に資する貨物運賃補助制度を着実に運用してまいります。

議長(中村明彦君) 百七番東村邦浩君。
   〔百七番東村邦浩君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

〇百七番(東村邦浩君) 十月二十五日、石原前知事は、突然知事を辞職する旨の記者会見を開き、十月三十一日に知事を辞職されました。記者会見を見ていて、「蒼穹の昴」でも描かれていた中国清朝末期の改革者、譚嗣同の仁がわからなくなるのは名のためであるという言葉を思い出しました。
 知事の任期半ばでの辞職は、都政に大きな混乱をもたらしたばかりでなく、首都直下地震に対する抜本的な防災対策や、知事が発案した新銀行東京の新たなステージなど、都政の重要課題についても道半ばのままとなりました。
 今定例会においても、知事不在のままで議会を開催しなければならないという前代未聞の事態を招きました。知事と議会は車の両輪といわれながら、このような事態になったことは残念でなりません。今回の地方自治法の改正などで、一年じゅう議会を開ける議会の通年化が可能となりました。これにより、従来、知事に議会の招集権があったものが、事実上、議会側に担保され、不測の事態にも議会主導で対応できることになります。現在、議会のあり方検討会で、この通年化を含めた議会改革の議論を真摯に行っていますが、我が党も積極的に取り組み、都民が納得できる形を示してまいりたいと思います。
 以下、都政の喫緊の課題について、教育長、技監並びに関係局長に質問いたします。
 初めに、被災地への支援について質問いたします。
 総務大臣も務めた前岩手県知事の増田寛也氏は、政府が二〇一二年を復興元年と銘打ったが、被災地に対する日本全体の風潮は忘却元年になってしまったと心配をされていました。
 被災地支援は、現地の復興の進みぐあいに応じて、時々刻々とその支援内容を変化させていく必要があります。我が党は、繰り返し被災三県を訪問し、現地関係者と意見交換を重ね、その都度、議会提案に生かしてまいりました。
 初めに、被災地応援ツアーについて質問いたします。
 我が党が東日本大震災の被災地を調査し、被災県の経済団体からの強い要望により実現した被災地応援ツアーは、本年度は原発事故の風評被害で観光客が激減した福島県を限定に、当初二万泊分が用意されました。この被災地応援ツアーは、予想を上回る反響があり、当初の二万泊分は夏休みを前に完売するという状況でありました。こうした状況を踏まえ、都がさらに二万泊分の追加予算を計上したことは、高く評価いたします。
 先日、都議会公明党を訪れた福島県の内堀副知事も、被災地応援ツアーについて、風評被害で苦しむ産業の背中を押していただいた、その効果ははっきりと県民の笑顔に見えますと心から感謝をされていました。福島県からの報告によると、本年度の観光客は震災前の七〇%で、被災地応援ツアーがなければもっとひどい状態であったとのことであります。
 いまだ風評被害に苦しむ福島県の観光産業をもう一押しするためにも、被災地応援ツアーを来年度も継続すべきであります。見解を求めます。
 その際、被災地応援ツアーについては、福島県で宿泊した後、二泊目を他の被災県で利用できるようにし、被災地全体での経済復興に寄与すべきであると要望いたします。
 豊かな自然が広がる被災三県では、東京の学校による教育旅行も活発に行われてきました。しかし、昨年の大震災や原発事故による風評被害の広がりに伴い、その多くがキャンセルされました。都立高校においては、平成二十四年度に入り、福島県への部活動等での宿泊施設を利用した教育旅行の件数はやや回復したものの、厳しい状況が続いています。
 都議会公明党は、被災地の応援とともに、防災教育を推進する観点から、東京の教員による被災地での視察研修を行うよう提案してまいりました。
 これを受け、都教育委員会は今年度、防災教育推進校の教員の被災地訪問や区市町村の指導主事による被災地での視察、研修を実施しました。また、宮城県への都の教員派遣をきっかけにして、都立三田高校と被災地の学校などとの間で、生徒同士の相互交流も生まれています。これらの取り組みは教員だけでなく、東京の生徒たちの防災意識の向上につながっています。
 都の教員による被災地訪問や被災地と都立高校の生徒たちの交流は、防災教育を推進していく上で大変重要であり、こうした取り組みを今後さらに進めていくべきでありますが、都教育委員会の見解を求めます。
 次に、被災地の子どもたちとのスポーツを通した被災地支援事業について質問いたします。
 都が我が党の提案を受け、これまでもスポーツを通じた被災地の子どもたちへの支援事業を実施してきたことは、震災により打ちひしがれた子どもたちの心に希望と活力を与えた事業であると高く評価いたします。
 その中でも、特に被災地から子どもたちを招待し、東京の子どもたちと野球やサッカーの試合、合同練習などを行ったスポーツ交流事業は、被災地の子どもたちだけでなく、受け入れた都内の子どもたちや保護者に感動を与えました。我が党も八王子市や東大和市、板橋区などで行われた交流事業に参加し、保護者からは、貴重な経験をさせてもらうことができたとの感謝の言葉や事業継続を望む声が届いています。
 一方、津波の恐怖で水が怖い、プールに入れないといっていた子どもたちが、トップアスリートと一緒に水に触れ合うことで恐怖心が薄らぎ、プールに入ることができるようになった、どんな心理療法にも勝る薬になったという声が届いています。このように、アスリートとの交流も子どもたちの心のケアに大きく貢献しています。
 スポーツを通じた被災地支援については、震災の記憶が薄れつつある今こそ、これを風化させることのないよう継続をし、さらに拡充していくべきと考えますが、これまでの成果と今後の取り組みについて都の見解を求めます。
 都はこれまで、都有施設のほか、都内の各事業者に協力を依頼して、被災地産品の産直市などを積極的に開催し、好評を博しております。しかし、被災地での農林水産物の収穫、生産体制が整うのは、おくれていた復興の取り組みがようやく形となるこれからであります。
 例えば、水産加工品の生産拠点でありました気仙沼市では、我が国有数の水産加工施設が津波で壊滅、その後も地盤沈下の対策を行おうとしない国のていたらくによって、今も加工場跡地は空地のままとなっております。
 一方、都内では、既に東京商工会議所などが会員企業に向けて、消費拡大への協力を繰り返すなど、既に精いっぱいの取り組みが行われています。被災地の期待にこたえるためには、我が国最大の消費地である東京の総力を結集した取り組みを展開しなければなりません。
 そこで、都は、今後被災地産品の消費拡大に向けた推進組織を立ち上げ、都民全体、都内の全企業と団体に協力を呼びかけ、創意工夫に富んだ粘り強い運動を展開すべきと考えます。見解を求めます。
 被災地産品の消費拡大に向けた都内での取り組みが効果的に被災地に伝わることは、エールを送ることになるほか、都民の被災地支援に対する意識が強くなります。
 そのためにも、まずは都内の外食産業、食品販売業の取り組みや職員食堂を有する官公庁、企業、団体の取り組みを調査し、都民や被災地の人々に向けてわかりやすく情報を発信すべきと考えます。見解を求めます。
 次に、東京の防災対策について質問いたします。
 まず、帰宅困難者対策についてであります。
 都は、来年四月の帰宅困難者対策条例の施行に向けて、先般、実施計画を取りまとめました。東日本大震災当日、三百五十万人の帰宅困難者が発生した事実を踏まえ、この大混乱の状況を二度と繰り返さないためには、何よりも一斉帰宅の抑制に実効性を持たせることが必要です。そのためには、都民一人一人が家族との安否確認を確実に行える体制づくりが最も重要であります。
 国や通信事業者に実効ある対策を講じるよう求めるとともに、都としても安否確認の体制づくりに具体的に取り組むべきであります。見解を求めます。
 加えて、首都直下地震が発生すると、東京では昨年の東日本大震災をはるかに上回る大混乱が生じることは明らかであり、行き場のない帰宅困難者を受け入れる一時滞在施設をできるだけ多く確保することが極めて重要であります。
 我が党はこれまで、昨年の第二回定例会や本年の予算委員会において、東日本大震災の状況をつぶさに検証し、本条例制定への具体的な提言を行ってまいりました。とりわけ一時滞在施設の拡充や民間企業への備蓄支援など、現場からの視点で都の取り組みを強く求めてまいりました。
 実施計画では、一時滞在施設について、都立施設を率先して活用するとしておりますが、実際には、今年度末までに確保できるのは七万人分であり、残りは民間施設に頼らざるを得ない状況であります。多くの民間事業者の協力を得られるように、都は特段の支援策を講じるべきであります。見解を求めます。
 次に、都市型集中豪雨等への防災対策についてであります。
 都内において、近年、一時間に一〇〇ミリを超えるような局地的集中豪雨による浸水被害が発生しております。
 都議会公明党は、神田川などの水害が顕著となった一九七六年に、東京の総合的な治水対策として、調節のための大規模貯水槽の設置を提案、さらに一九七九年、地下貯水方式を具体的に提案し、神田川・環状七号線地下調節池の整備へとつながった歴史があります。
 今回の専門家による検討委員会の最終報告書では、既設の環七と現在事業中である白子川の地下を連結する広域の調節機能が、今後の河川整備を進める上で効果的な方策であると示しております。
 都は、最終報告書を受けて、目標とすべき整備水準や効果的な対策を示した新たな整備方針を策定しました。
 今後、広域調節池による調節機能の流域間相互融通を早期に推進することなどにより、局地的集中豪雨や台風に対して、治水安全度の向上を図るべきと考えます。見解を求めます。
 次に、中小企業支援について質問いたします。
 リーマンショック、東日本大震災、そして今日まで長引くデフレ状況の中、都内中小企業は年を越せるかどうかという瀬戸際に立たされています。ただ、ことしの場合は、先の見通しさえつかなかった昨年の年末に比べ、年明けにはこれまでにない受注が見込まれているという企業が少なくありません。
 しかし、これまでの不況の中で、苦渋の選択をした返済条件の変更により、新たな借り入れができず、年末の資金繰りに困っているとの声が上がっています。あと一歩のところで立ち直れる中小企業を倒産させるようなことがあってはなりません。
 こうした中小企業の現状を踏まえ、これまで以上に踏み込んだ年末の資金繰り対策を実施すべきであります。見解を求めます。
 我が国では、一九八〇年代末から開業率が廃業率を下回る状態が続き、諸外国に比べ創業活動が低い水準にあります。国際競争力の地盤沈下に歯どめをかけるためにも、新たな産業の担い手である創業者への支援を積極的に展開していくことが重要であります。
 創業はまた、不況のときほどふえる傾向にあり、現在のような経済状況のもとでは、創業支援は中小企業支援策として有効な手だてであると考えます。
 大阪府の例ですが、製造業を中心とした創業促進のための法人事業税を十分の九軽減する優遇措置を平成十三年度から続けています。この大きな減税分の使い道としては、設備投資、販路開拓、研究開発と回答した企業が多く、設立後、資金が足りない新しい企業にとって、事業展開を進める上で的確な支援になっていることがうかがえました。
 東京には、高度な技術を有するものづくり企業の集積を初め多彩な産業の基盤があり、日本経済を支えています。しかし、長引く円高や需要低迷の影響を受け、廃業や海外移転などにより、一社、また一社と貴重なプレーヤーが都内から失われています。こうした状況を打開するためには、都として税制面からインセンティブを与える思い切った創業支援策を展開していくことが必要と考えます。
 一方、厳しい不況の中で企業が生き延びていくためには、成長が見込まれる分野への積極的な事業転換の道を切り開いていく必要もあります。事業転換には設備投資が不可欠であり、そのためには投資経費などの負担増が伴います。
 大阪府では、企業の設備投資の促進を図る目的で、法人府民税法人税割を十分の九軽減する施策が実施されていました。現行税制の中にあっても、独自の施策展開が可能であることを改めて認識いたしました。
 都としても、事業転換も対象にした設備投資促進のための税制面からの優遇策も必要と考えます。あわせて見解を求めます。
 また、創業者の負担を軽減するためには、空室が目立つ都内の民間ビルなどを活用したインキュベーション施設の設置促進が効果的であります。とりわけ若年の創業者にとっては、接客を可能とする受付人員や商談や打ち合わせに要する会議室スペースの確保が大きな課題であり、経費上も負担となっています。
 都は、今後、効率的な創業に必要な人的ネットワークの構築に向けた支援に力点を置くとしていますが、こうした課題の解決に向け、柔軟かつ積極的な運用を図るべきと考えます。見解を求めます。
 次に、若年者雇用について質問いたします。
 都内の雇用情勢は依然として厳しく、ことし四月から六月の完全失業率は四・八%となっており、その中で十五歳から二十四歳までは九・一%、二十五歳から三十四歳までも五・四%と、若年者ほど厳しい状況となっています。こうした中、東京しごとセンターにおいて、三十四歳以下のヤング、三十歳から五十四歳までのミドル、五十五歳以上のシニアに分けて就労支援を行っています。
 特に二十九歳以下のヤングについては、国のジョブカフェ事業により、キャリアカウンセリングやセミナー、職業体験を行っていますが、職業紹介は国のハローワークを活用しており、二〇一一年度の就職率は五五%にとどまっています。これに対して、三十歳から五十四歳までのミドルは、職業紹介を民間の就職支援会社がみずからの求人情報を活用しているため、就職率は六九・四%と七割近い数字になっています。
 総合的な雇用対策を行うためには、東京都が国にかわって職業紹介権を持つことが望まれますが、改革までの間、二十九歳以下のヤングの職業紹介についても、ハローワークだけでなく、民間の就職支援会社を活用すべきと考えますが、都の見解を求めます。
 我が党は、かねてより若者を職業訓練に導くことの重要性を主張し、高校生に職業能力開発センターの魅力を積極的にPRすることを求めてきました。
 都は現在、十四カ所の職業能力開発センターで、ものづくりを中心に約六千名を対象に職業訓練を実施し、訓練修了生の就職率は七〇%以上を確保、一〇〇%近い科目もあります。
 その中で、加工技術などは、募集の三倍を超える応募が殺到しながら、業界として安い外国製品の大量輸入に苦しみ、求人枠を容易に拡大できず、募集定員も広げられないという状況にあります。
 都内のものづくり中小企業の技術水準は高く、大手先端企業の製品開発を支えるだけでなく、大量生産には見られないブランド性を秘めています。そうした意味で、ニーズの高い産業界の受け入れの拡充を図るなど、一層の取り組みを強化すべきであります。都の見解を求めます。
 次に、高齢者、障害者への支援策について質問します。
 まず、高齢者向け医療と介護のサービスつき住宅についてであります。
 急速な高齢化により、二〇一五年には都民の四人に一人が六十五歳以上の高齢者となる見込みであり、ひとり暮らしの高齢者や介護が必要となる高齢者の大幅な増加が見込まれています。
 平成二十二年度に都が実施した調査によれば、特別養護老人ホームの新たな入所希望者数は約四万三千人であるのに対し、平成二十四年十月一日現在の定員数は三万八千四百七十六人であります。したがって、高齢者が地域で安心して暮らしていくためには、多様な住宅の整備が必要となります。
 こうした状況を踏まえ、都はモデル事業として、医療と介護のサービスつき高齢者向けの住宅の整備を進めており、大都市東京の実情に即した住宅として高く評価されております。特別養護老人ホームなどの現在の整備状況をかんがみると、モデル事業の検証を前倒ししてでも、こうした高齢者住宅の整備を早期に実施すべきであります。見解を求めます。
 次に、高齢者等の転倒事故の防止についてであります。
 厚生労働省が発表している人口動態統計の調査結果によると、転倒、転落事故で亡くなる人の数は、平成二十二年には七千五百人を超え、交通事故の死者数を上回るという驚くべき数字が報告されています。そのうち、平らなところでの転倒事故の死亡者数は、高齢者を中心に年間四千人を超えており、看過できない状況にあります。
 また、近年では、転倒事故でけがをした人が店舗等の施設所有者や管理者に対して損害賠償を請求するなどの訴訟がふえています。危険防止措置をとらなかったことが過失認定されるなど、転倒防止対策が急がれています。国は本年七月、バリアフリーのガイドラインを見直し、新たに危険項目として床の滑りを追加しました。
 そこで、都においても事業者等にこのガイドラインの周知を早急に図るとともに、福祉のまちづくり条例の施設整備マニュアルを改定すべきであります。見解を求めます。
 特に都立建築物については、多くの都民が利用することから、過去にあった転倒、転落防止事故などの事例を踏まえ、だれもが安全で快適に利用できるよう、施設整備を進めていくべきであります。見解を求めます。
 次に、障害者用駐車場の適正利用についてであります。
 近年、公共施設や高速道路のパーキングエリア、またはショッピングセンター、コンビニなどの一般商業施設などに障害者用駐車スペースの整備が進んでいます。しかし、せっかく設置された障害者用駐車スペースに健常者が駐車しているケースも多く、また難病や内部障害者、妊産婦やけが人など、一時的に歩行が困難な方が専用スペースに駐車した際、その必要性が理解されず、トラブルになるケースなども発生しており、その場所を必要とする方が利用できないとの声が多く寄せられています。
 都議会公明党は、来年開催される全国障害者スポーツ大会に向けて、都内のバリアフリーを一層進める観点から、パーキングパーミット制度の導入など、繰り返し障害者用駐車区画の適正利用の推進を求めてきました。都は、都立施設を含む実態調査の結果を踏まえた実行策に早期に取り組むべきであります。見解を求めます。
 次に、私学支援について質問いたします。
 東京では、公立学校とともに、多くの私立学校が独自の建学精神に基づいてすぐれた教育を実施し、公教育を担っています。その教育力を存分に発揮していくために支援するのが私学助成であり、都政の重要施策の一つであります。
 教育は国家百年の大計です。私学助成は経常経費補助を初め、継続的かつ着実に拡充していくべきと考えます。都の見解を求めます。
 子どもを私学に通わせる人の多くは、個性豊かな教育方針や校風で学校を選んでいます。どのような教育をするのか、どの学校で学ばせるのか、その選択肢を広げることが大切であります。
 こうした視点から、父母負担の公私間格差をなくしていくために、現在、授業料等の負担軽減補助については高校生が対象ですが、中学生にも補助をすることが求められています。あわせて入学金に対する軽減補助の実施も要望しておきます。
 次いで、留学生の支援についてであります。
 経済のグローバル化の進展に伴って、外国人留学生を採用しようという日本企業がふえ、二〇一三年卒の採用で、採用するまたは検討中としている上場企業が全体の六割に達するという調査結果があります。
 その一方で、日本の学生は内向き志向といわれ、留学する学生が減ってきています。これでは国際社会で活躍できる人材が育たず、日本が国際社会の中で取り残されていくことになりかねません。
 都では、かわいい子には旅をさせろと都立高校生の留学を支援していますが、私学ではそれぞれの教育理念に基づき、独自の留学制度を持っています。その取り組みを生かせるような留学支援を行うべきであります。都の見解を求めます。
 次に、いじめ対策について質問いたします。
 子どもたちの中でいじめが原因の不登校やひきこもり、中途退学、非行、薬物乱用などの課題が頻発しております。保護者も子育てに悩みうつ病を併発したり、児童虐待などにつながっているケースがあり、対策が急がれます。
 現在、都は、都議会公明党の提案を受け、すべての中学校と都立高校百校にスクールカウンセラーを配置していますが、すべての小学校や残りの都立高校にも配置すべきであります。専門家への相談をきっかけに解決への糸口を見つけ、一人一人を大切にする社会の構築を図るべきと考えます。見解を求めます。
 文科省が先日発表したいじめの認知件数は全国で十四万件を超え、これは今年度の上半期だけで昨年度の二倍を超えています。そもそもいじめの定義や認知について、現状では学校間でさえ必ずしも一律ではなく、学校現場や保護者の対応だけでいじめの解決に取り組むことは、もはや限界を超えているとも指摘されています。
 そこで、いじめ問題の解決に向けた、仮称いじめ防止条例を制定し、広く社会全体で発見と解決及び防止に取り組んでいく必要があると思います。そのための有識者会議を早急に立ち上げていくべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、エネルギーを有効利用する東京の都市づくりについて質問いたします。
 環境負荷の少ない都市づくりを推進するためには、大規模な開発計画をつくる早い段階から、未利用エネルギー等の導入検討を求め、エネルギーを有効に利用していくことが重要です。
 我が党は、先般、東京スカイツリーとその周辺施設の冷暖房を一手に担う地域冷暖房施設を視察してまいりました。この施設では、基礎ぐいに熱交換チューブを取りつけ、地中熱を活用することで、エネルギー効率を高めるシステムを導入していました。また、約七千トンの冷水や温水を蓄える貯水槽によって効率的なエネルギー利用が可能となっており、しかも非常時には消防、生活用水としても提供できるようになっていました。
 そこで、こうした地中熱などの未利用エネルギーの導入拡大やエネルギーエリアマネジメントを進めていくべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、家庭におけるスマートな節電についてであります。
 エネルギー供給とともに、需要の抑制が重要であり、電力消費の三割を占める家庭における省エネ施策を進めなければなりません。
 東京電力によると、この冬の電力需給見通しは七・五%以上の予備率を確保できるとしていますが、必ずしも安定した供給とはいえません。現に、今月二十六日に予想外の寒さに電力需要が見通しより上昇し、東京電力は百万キロワットの融通を他の電力四社へ緊急要請いたしました。
 我が党は、需要の抑制にはホームエネルギーマネジメントシステム、いわゆるHEMSを活用した電力の最適制御が有効であると提案してきました。今後、家庭における賢い節電をさらにスマートに進めるためには、HEMSと蓄電池、電気自動車の蓄電機能を活用するビークル・ツー・ホームシステムなど、複数の機器の連携による電力の最適制御を行うことが有効と考えます。都の今後の普及促進に向けた取り組みについて見解を求めます。
 最後に、多摩振興について質問いたします。
 都は、平成十三年に多摩の将来像二〇〇一を策定し、二〇一五年の多摩のあるべき姿と取り組みの方向性を明らかにしました。
 その取り組みの結果として、インフラ整備の分野では、圏央道の着実な延伸や南北主要道路五路線の整備などの交通ネットワークの整備などが進展、また産業サポートスクエア・TAMAの開設を初め、地域の中小企業への支援体制の充実が図られてきました。ハード面から多摩振興に向けた取り組みが着実に進展してきたところであります。
 多摩の将来像二〇〇一の策定から十年が経過した今日、都は人口減少社会の到来や高齢化の急速な進展など、多摩を取り巻く大きな状況変化等を直視し、有識者や民間企業等へのヒアリング等を行い、新たなビジョンの策定を進めております。
 一方で、多摩地域においては、ひとり暮らし高齢者の増加や買い物弱者の発生などの課題も顕著となっており、地域の実態を踏まえたソフト面の施策の方向性も新たなビジョンで明示していくことが必要であります。
 各局とも十分に連携しつつ、生活者の視点を踏まえたソフト施策の方向性を明確に打ち出していく必要があると考えますが、見解を求めます。
 また、ハード面のさらなる振興策として重要なのが産業交流拠点の整備についてであります。
 東京都の平成二十二年工業統計調査報告によると、多摩地域の市部の工業製品出荷額は約四兆三千億円で、区部の三兆五千億円を大きく上回っています。こうした状況を踏まえ、都は、計画の中において、多摩地域の産業集積を生かした施策を打ち出し、多摩地域のイノベーションを活性化するため、多摩産業支援拠点を昭島市に整備するとともに、広域的な産業交流の拠点となる施設を八王子市に整備することとしました。
 企業や事業者を地域づくりの重要な担い手として位置づける新たな多摩ビジョンを策定する今こそ、一日も早く多摩地域の産業交流拠点を整備していく必要があると考えます。
 都は昨年度、拠点の整備に関する調査を実施しましたが、その調査結果と今後の取り組みについて都の見解を求め、私の代表質問を終わります。(拍手)
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 東村邦浩議員の代表質問にお答えをいたします。
 三点のご質問ですが、まず防災教育の推進についてでございます。
 今年度、防災教育推進校十二校四十三名の教員と、区市町村教育委員会の指導主事等六十三名が被災地を訪問し、被害のつめ跡を実際に見たり、現地の教員等から直接話を聞いたりして、被災地の状況や児童生徒の果たした役割などを学び、各学校の防災教育に生かしております。
 また、現地の高校との交流を行った都立高校は三校あり、これらの学校の生徒は、被災した生徒から体験談を聞き、災害の恐ろしさを実感するとともに、人への思いやりや社会に貢献することの意義を改めて理解し、自分たちにできる被災地支援について考えを深めたところです。
 今後も、被災地訪問や生徒同士の交流を継続するとともに、その成果や事例等を防災教育発表会等で紹介し、防災教育のより一層の充実を図ってまいります。
 次に、専門家を活用した相談体制の充実についてでございますが、都教育委員会では、専門性の高い臨床心理士をスクールカウンセラーとして学校に配置することで、教員とは異なる立場からの助言等を積極的に活用し、児童生徒の問題行動の未然防止や解決に努めております。
 今後、国の動向も注視しながら、スクールカウンセラーを配置し、児童生徒の不安や悩みへのカウンセリングや子育てに関する保護者への助言、援助など、学校における教育相談を充実させてまいります。
 また、福祉や医療等との連携を一層推進するなど、学校内外の関係者が一体となっていじめ問題の解決へ取り組むよう徹底をしてまいります。
 次に、いじめ対策についてでありますが、いじめはどの学校でも、どの学級でも起こるものであるという認識のもと、考えられるあらゆる手だてを講じていくことが重要であります。
 都教育委員会では、児童生徒の健全育成緊急対策本部を立ち上げるとともに、弁護士、精神科医、臨床心理士、相談機関職員を含めた学識経験者等をメンバーとした専門家会議を設置したところでございます。
 ここでは学校での取り組みはもとより、学校と家庭、地域、関係機関との連携を含め、いじめの解消に有効と思われる対策について幅広く検討しております。
 今後は、専門家会議の検討結果に基づき、総合的に対策を実施することにより、社会全体でいじめの防止に向けた取り組みが進むよう努めてまいります。
   〔東京都技監村尾公一君登壇〕

〇東京都技監(村尾公一君) 河川の治水安全度の向上についてでございますが、昨今、これまでの整備水準を超える降雨が頻発していることから、降雨に対して、より高い目標を設定し、河川整備を一層効率的、効果的に進めていくことが重要でございます。
 このため、整備水準を年超過確率二十分の一のレベルまで対応できるようにすべきとした専門家による検討委員会の提言を受け、都は今月初めに新たな整備方針を策定したところでございます。
 この方針の中で、これまでの時間五〇ミリから、区部と多摩の降雨特性の違いを踏まえ、区部では時間最大七五ミリ、多摩では時間最大六五ミリに引き上げることとしており、これに対応した具体の対策を講ずることにより、狩野川台風規模の豪雨でも河川からの洪水を防止することが可能となるものでございます。
 効果的な対策例といたしましては、複数の地下調節池をトンネルで連結し、流域を越えて相互に活用する広域調節池の整備などを示しておりまして、こうした対策の実現により、時間一〇〇ミリの局地的かつ短時間の豪雨にも効果を発揮いたします。
 今後とも、都民の生命、財産を守る高度な防災都市東京の実現を目指して、中小河川の整備に全力で取り組んでまいります。
   〔産業労働局長中西充君登壇〕

〇産業労働局長(中西充君) 七点のご質問についてお答えいたします。
 まず、被災地応援ツアーについてでございますが、都は今年度、観光振興により福島県の復興を後押しするため、緊急的な対策といたしまして、宿泊四万泊分、日帰り一万五千人分について、その費用の一部を助成しております。
 今後も、福島県への送客につながります被災地応援ツアーについて、さまざまな観点から検討してまいります。
 次に、年末対策についてでございます。
 中小企業を取り巻く厳しい経営環境が続く中、資金需要がふえる年末に向けて、中小企業の資金繰り支援をさらに強化することは重要でございます。このため、十二月から短期の運転資金に対応いたしまして、原則三営業日以内で保証審査を行う、つなぎ資金の上限額引き上げを実施いたします。
 また、年末特別相談窓口を十二月二十五日から二十八日の間、開設いたしますとともに、電話相談を夜間まで延長して実施し、事業者の資金繰りの相談にきめ細かく対応いたします。
 さらに、制度融資を取り扱うすべての金融機関等に対し、事業者の実情やニーズを踏まえた資金供給への協力を速やかに要請することにより、中小企業の円滑な利用促進に努めてまいります。
 次に、創業の支援と事業転換の促進についてでございます。
 産業振興を図る上で事業の新たな担い手でございます創業者の支援や成長分野への事業転換の促進は重要でございます。都は、創業を支援するため、セミナーや相談、投資機関等との交流の場の提供、インキュベーション施設の運営等を行うとともに、制度融資による資金面からのサポートも行っております。
 成長分野への事業転換等を図る中小企業に対しましては、新製品、新技術の開発を補助するなどの支援を行っております。また、中小企業が新たな事業活動に取り組むために策定いたします経営革新計画を都が承認した場合、政府系金融機関から有利な条件で融資が受けられるなど、さまざまな支援策の活用が可能となります。
 お話の税制面からの優遇策については、貴重なご提言として受けとめたいと考えます。引き続き創業支援や事業転換の促進など、効果的な中小企業の支援に取り組んでまいります。
 次に、インキュベーション施設についてでございます。
 創業間もない企業が成長の見込める分野において事業の発展を確実なものとしていくためには、インキュベーション施設を充実させることが必要でございます。
 このため、都では、現在七カ所のインキュベーション施設を整備し、事業スペースを提供いたしますとともに、各施設に専門人材等を配置し、販路開拓や資金調達などについてきめ細かな経営サポートを実施しています。また、区市町村が行いますインキュベーション施設の整備に対する補助を行い、これらの取り組みを通じ、創業の支援の充実を図ってまいりました。
 都内には、これらの施設に加え、民間が運営する施設など多様な広がりを見せておりますことから、それぞれの実態を踏まえながら、今後とも効果的な支援を展開してまいります。
 次に、若年者向けの就業支援についてでございます。
 民間職業紹介事業者のきめ細かいサービス提供のノウハウを効果的に活用することによって、若年者の雇用就業対策の成果を高めることは重要であると考えております。東京しごとセンターのヤングコーナーでは、併設ハローワークにおける職業紹介に加え、昨年度からは、民間事業者が開拓をした都内中小企業の求人情報を情報端末等により提供いたしますとともに、若年求職者の個々のニーズを踏まえた求人情報の解説を行うなど、就職活動の支援の充実を図ってまいりました。
 今後とも、民間事業者をより効果的に活用しながら、若年者の就業支援をきめ細かく展開してまいります。
 次に、若者の職業訓練への誘導についてでございます。
 職業訓練を通じた若者のものづくり現場への早期就職を実現するためには、在学中からものづくりへの関心を高め、職業訓練への理解を深める必要がございます。そのため、都は学校と連携し、電気工事や溶接などを学ぶ高校生向け実習講座を、今年度は二百四十名規模に拡大して実施し、ものづくりへの興味を喚起するとともに、実践的職業訓練の体験の場を提供しています。また、進路選択における生徒の理解を促進するため、PR用のDVDの配布や体験入校、見学会を随時開催しております。さらに、推薦入校制度を設けることで、目的意識が明確な卒業予定者の優先的な入校を促す措置も講じております。
 このように、学校との連携を密接に図ることに加え、修了生を受け入れる各種業界の協力を得ながら、若者を職業訓練に結びつける取り組みを推進してまいります。
 最後に、産業交流拠点の整備についてでございます。
 多摩地域の中小企業が企業間の交流や大学、研究機関などとの産学公連携を図るとともに、技術や製品を広く紹介する取り組みは重要でございます。
 こうした取り組みを支援するため、都は、八王子市に産業交流拠点を整備することとしております。昨年度は、建物配置プランの検討や整備手法の比較に必要なデータの取りまとめを行いました。今年度は、これまでの検討をさらに深め、拠点の効果的な利活用の方法や具体的な整備内容などについて調査検討を行っています。
 今後は、効率的な管理運営のあり方などについて調査を進めながら、地元市などからの提案も踏まえ、拠点の整備に向けた検討を行ってまいります。
   〔スポーツ振興局長細井優君登壇〕

〇スポーツ振興局長(細井優君) スポーツを通じた被災地支援についてでございます。
 スポーツ交流事業は、昨年度の三回から今年度は倍増の六回開催し、種目、参加人数とも拡大して実施しました。このほかに国際大会への観戦招待事業では、今年度の二つの大会に、都民とともに被災地の親子を招待いたしました。パンパシフィックテニスでは、観戦だけでなく、シャラポワ選手と被災地の子どもたちとのラリーなどの交流も行いました。
 さらに、アスリート派遣事業は、被災地にトップアスリートを派遣し、子どもたちにスポーツ指導などを行う事業で、今年度はこれまでに五回開催し、五千八百八十四人が参加しております。トップアスリートとの交流が復興へ向けた力として、子どもたちの心に深く刻まれたと聞いております。
 これら一連の事業は、いまだ復興途上にある被災地の子どもたちに大きな感動と勇気を与えるとともに、その経験がかけがえのない心の財産になったと認識しております。
 今後も引き続き、こうしたスポーツの力を最大限発揮しながら、被災地支援の充実に向け取り組んでまいります。
   〔総務局長笠井謙一君登壇〕

〇総務局長(笠井謙一君) 五点のご質問にお答えをいたします。
 まず、被災地産品の消費拡大に向けた展開についてでございますが、一大消費地であります東京における被災地産品の消費拡大は、被災地の本格的な産業復興の後押しとなるものでございます。
 このため、都は現在、民間団体や区市町村とも連携して、原発事故に伴う風評被害に今なお苦しむ福島の早期復興を図るため、ふくしま東京キャンペーンを展開いたしております。
 具体的には、JRや東京メトロ、都営地下鉄など鉄道事業者と協力し、集客力の高い都心の駅構内において産直市を開催するとともに、都内での催事における被災地産品の通信販売の周知など、幅広い視点に立った取り組みを継続的に行っております。
 また、これまでも、都庁食堂で被災地の食材を使用したメニューを提供するほか、都民に向けた被災地産品の販売、PRのため、被災地復興応援フェスタや市場まつりなどの開催を通じ、全庁を挙げて被災地産品の消費拡大に寄与してまいりました。
 被災地の支援に当たりましては、お話のように息の長い取り組みが必要であります。今後とも、被災三県と連携し、それぞれの意向を十分に踏まえ、民間団体、区市町村とも手を携え、創意工夫しながら、都内における被災地産品の消費拡大への機運醸成を図ってまいります。
 次いで、都内における取り組みの情報発信についてでございますが、都はこれまでも、被災地産品の産直市など、東京都が関与したさまざまな被災地支援策について、テレビ、ラジオ、メールマガジン、ホームページなどの各種媒体や、駅張りのポスター、トレインチャンネル、中づり広告など、さまざまな方法で都民の目に届くよう努めてまいりました。
 被災地の方々に対しても、現地事務所を通じ、都で行うさまざまな支援の取り組みについて、現地報道機関に対し情報提供をするとともに、県政番組での紹介を働きかけるなど、被災地の復興の後押しとなるよう、積極的に情報を発信してきております。
 お話のように、被災地産品のより一層の消費拡大を図っていくには、このようなさまざまな取り組みを、都民や被災地の方々にわかりやすく知らせていくことは大変大切でございます。
 引き続き、さまざまな主体による支援の取り組みが、より多くの都民や被災地の方々に伝わるよう、積極的な情報発信に努めてまいります。
 次いで、災害時の安否確認手段の確保についてでございます。
 都は、総務省や電気通信事業者が参加する帰宅困難者等対策協議会において、安否確認手段の確保に向けた対策強化について検討を進めてまいりました。
 協議会での議論も踏まえ、都は、災害時に通信規制の影響を受けにくい特設公衆電話を、都立施設を活用した一時滞在施設に整備してまいります。また、通信事業者においても、停電時に備えた発電機の整備、広範囲に電波を送受信する基地局の設置などのハード対策や、通信の迅速化に向けた音声データ化送信サービスの開始といったソフト対策に取り組んでいくこととしております。
 こうした官民あわせてのさまざまな取り組みにより、災害時の安否確認手段の確保を図ってまいります。
 次いで、一時滞在施設確保のための支援策についてでございます。
 一時滞在施設の確保につきましては、民間事業者の協力が不可欠であることから、帰宅困難者対策実施計画にさまざまな支援策を盛り込んだところでございます。
 具体的には、国と連携した備蓄品の購入費補助、二十三区内の防災備蓄倉庫の固定資産税等の減免、都市開発諸制度を活用した一時滞在施設の整備誘導など、多面的な支援を行ってまいります。加えて、民間事業者から要望の強い、発災時の損害賠償責任が一時滞在施設の管理者に及ばない制度の創設を国に要請してまいります。
 こうした民間事業者への支援策を講ずることにより、区市町村とも連携して一時滞在施設の確保を図ってまいります。
 最後に、新たな多摩のビジョンについてでございます。
 これまでも都は、多摩の将来像二〇〇一などに基づき、多摩の交通ネットワークの整備や医療体制の充実など、地域の生活環境の向上に向けた取り組みを進めてまいりました。本ビジョンは、多摩の目指すべき姿や方向性を示すものであり、今後の人口減少や高齢化のさらなる進展など、多摩地域が直面する深刻な課題を勘案すると、ご指摘のように、暮らしやすいまちづくりや地域の安全・安心の確保などといった、地域住民の生活を守るという視点が一層重要になると考えております。
 現在、ビジョン策定に向け、市町村との意見交換に加え、有識者や民間企業等へのヒアリングを行っており、それらの意見を参考にしながら、各局とも連携し、さまざまな角度から検討を進めてまいります。
   〔福祉保健局長川澄俊文君登壇〕

〇福祉保健局長(川澄俊文君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、サービスつき高齢者向け住宅のモデル事業についてでございますが、都は平成二十一年度の事業開始以降、社会福祉法人と医療法人が連携した事業運営や区市が所有する公有地を活用した整備など、それぞれ特色のある住まいの整備を進めており、これまでに九件選定し、そのうち六件が開設しております。
 開設している住宅につきましては、入居者の要介護度やサービスの提供状況などの情報を定期的に収集しており、今後、地域包括ケアの考え方に立って、モデル事業の詳細な検証を行い、医療と介護が効果的に提供される高齢者向け住まいについて、東京の地域特性を踏まえた整備促進策を検討してまいります。
 次に、高齢者等の転倒事故防止についてでございますが、都はこれまで、すべての人が安全かつ円滑に建築物を利用できるよう、東京都福祉のまちづくり条例に基づき、建築物の敷地内の通路や廊下、トイレ等について、床の表面は粗面とし、または滑りにくい材料で仕上げること等の整備基準を定め、施設整備マニュアルにより事業者等に周知してまいりました。
 お話のように、本年七月に国はバリアフリーのガイドラインを改定し、建築物における床の滑りについて、新たに具体的な推奨値を示しており、都としても、鉄道事業者、百貨店等の事業者団体で構成する連絡協議会等を通じ、このガイドラインの内容を今年度改めて周知するとともに、施設整備マニュアルについても来年度の早期に改定を行う予定でございます。
 最後に、障害者用駐車区画の適正利用についてでございますが、都が実施したアンケート調査では、施設管理者から、適正利用に効果的な対策として、目立つ色による区画の塗装、利用対象者を明示した看板の設置、誘導員、警備員の配置などが挙げられております。また、障害者の方からは、障害者用駐車区画の対象者を識別する方策や、当該区画とは別の優先区画の設置を求める意見がございました。
 都は、こうした調査結果を踏まえ、効果的な対策事例等を盛り込んだ施設管理者向けのガイドラインの策定等について検討してまいります。
 あわせて、都立施設の駐車場において必要な対策を率先して実施するよう、関係部局に働きかけるとともに、全国障害者スポーツ大会の場なども活用し、広く都民に駐車区画の適正利用に関する普及啓発を行ってまいります。
   〔財務局長中井敬三君登壇〕

〇財務局長(中井敬三君) 都立建築物の整備に係る高齢者等の転倒事故の防止についてでありますが、都はこれまでも、だれもが安全かつ円滑に建築物を利用できるよう、東京都福祉のまちづくり条例による施設整備マニュアルに基づき、都立建築物の設計、工事を行ってきております。
 一般に、建築物での事故事例では、床材の種類や使用条件、天候などの要因が見られることから、こうした状況を参照するとともに、今般改定された国のガイドライン等を踏まえつつ、床の滑りに係る仕様を満たす材料を選定するなど、都立建築物の設計、工事を適切に進め、より一層の安全性の確保に努めてまいります。
   〔生活文化局長小林清君登壇〕

〇生活文化局長(小林清君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、私学の振興についてでありますが、都内の高等学校の生徒の約六割、幼稚園に至っては園児の九割以上が通う私立学校は、その建学の精神に基づき、個性的で特色ある教育を展開し、東京の公教育に極めて大きな役割を果たしております。
 このため、都は、私立学校の教育条件の維持向上、保護者負担の軽減、学校経営の健全化を目的とする経常費補助を基幹的補助と位置づけ、充実を図ってまいりました。
 少子化の影響などにより、私立学校の経営環境が厳しさを増す中、今後とも私立学校が都民の期待にこたえる質の高い教育を確保していくため、学校運営に対する支援の柱となる経常費補助を中心に、耐震化に対する助成など幅広い施策を総合的に活用し、引き続き私立学校の振興に努めてまいります。
 次に、私立高校生の留学支援についてでありますが、都内の私立高校では、約八割の学校で独自の教育理念に基づいて海外留学を実施しており、北米地域を中心とした英語圏に加え、アジアやヨーロッパへ多くの生徒を派遣し、成果を上げております。
 都としては、こうした各学校が主催する留学に参加する生徒への経済的な支援が重要であると認識しておりまして、より効果が高いとされるおおむね三カ月以上の留学に対して、期間に応じた補助制度を設けることで、長期留学への取り組みを促進することになると考えております。
 今後、世界で活躍するグローバル人材の育成を図るため、学校現場の意見などを踏まえ、私立高校生の海外留学に対する効果的な支援制度の構築に努めてまいります。
   〔環境局長大野輝之君登壇〕

〇環境局長(大野輝之君) 二点のご質問でございます。
 まず、地域におけるエネルギーの有効利用についてでございますが、都は面的なエネルギーの有効利用を促していくため、延べ床面積が五万平方メートルを超える大規模な開発につきまして、計画を策定する早い段階から、未利用エネルギーや地域冷暖房の導入検討などを義務づける制度を平成二十二年から施行いたしました。
 本年三月末までの計画の提出件数は四十五件でございまして、東京駅周辺の事務所ビル等の開発計画におきまして、地中熱やビル排熱などの未利用エネルギーを導入した事例も見られてきております。
 今後も、本制度を活用し、地域におけるエネルギーの有効な利用を一層進めてまいります。
 次に、家庭でのスマートな節電の実現についてでございますが、いわゆるHEMSは、太陽光の発電量や家庭の使用電力の見える化に加えまして、個々の家庭の生活パターンに応じた家電等の効率的な運用を図る機器であり、系統電力への負荷を軽減することが可能となります。
 さらには、HEMSと太陽光発電、蓄電池や電気自動車の蓄電機能を活用するビークル・ツー・ホームシステム等との連携により、効果を高めることが期待できます。
 こうしたHEMSを活用した電力の最適制御は、家庭におけるエネルギーマネジメント実現への有効な手段でありますので、普及促進に向けた取り組みを検討してまいります。

副議長(ともとし春久君) 十五番畔上三和子さん。
   〔十五番畔上三和子君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

〇十五番(畔上三和子君) 日本共産党都議団を代表し、質問を行います。
 今定例会は、石原知事が任期途中で都政を投げ出し、知事不在という異常な事態の中で開かれました。それは、新銀行東京や尖閣諸島購入問題などの石原前知事によるトップダウン事業が行き詰まり、福祉、教育の破壊などが都民との矛盾を広げた結果にほかなりません。
 石原都政の地方自治体にあるまじき立場は、一九九九年に出した危機突破・戦略プランに明白にあらわれています。そこでは、福祉について、専ら都民に自助努力を押しつけ、東京都の役割は社会的連帯の一つにすぎないという立場が示されています。この方針が防災対策などにも貫かれてしまったのです。
 その結果、どうなったでしょうか。
 第一に、高齢者福祉です。
 石原前知事は、何がぜいたくかといえばまず福祉だといって、福祉を次々に切り捨てました。とりわけ高齢者の分野は、老人医療費助成も寝たきり手当も廃止し、シルバーパスは全面有料化など、根こそぎにしました。
 高齢者一人当たりの老人福祉費は、石原都政発足時の一九九九年度に比べ二八%も減らされました。四%減らした鳥取県を除く四十五道府県はすべて増額で、平均三五%もふやしているのです。まさに最悪の切り下げが東京都で行われました。
 高齢者の中には大きな財産や収入がある人もいます。しかし、それはごく一部です。東京の高齢者の国民年金受給額は平均月額五万四千円でしかありません。四人に一人は年収百万に満たない収入です。家賃も物価も全国一高い東京で、これでは健康で文化的な生活は営めません。
 貯蓄ゼロという方も一割以上います。退職金などの若干の蓄えがあっても、生活費として取り崩され、一たび病気やけがで入院したり、介護の費用がかかれば、あっという間に底をついてしまいます。孤立死や栄養失調で亡くなる方もふえています。
 東京都が直視すべきは、こうした厳しい状況に置かれている高齢者の生活実態ではありませんか。都の認識を伺います。
 高齢者福祉の拡充は、現役世代、若い世代にとっても、親の介護やみずからの将来への安心につながる大事な課題です。すべての高齢者が健康で文化的な生活ができるようセーフティーネットを拡充することこそ、地方自治体として行うべきと考えますが、見解を伺います。
 高齢者福祉は、平均所得ではなく、国民生活基礎調査による貧困率が男性の単独世帯で三六%、女性の単独世帯で六〇%以上もあること、そして今の制度では救済されていないという現実を踏まえるべきことを強調するものです。
 石原都政のもとで、老人保健施設の整備率は全国四十七位、認知症グループホームは全国四十六位と、大きく立ちおくれました。特別養護老人ホームの整備費補助も、二〇〇八年度に九九年度の一五%にまで減らされました。促進に不可欠な用地費助成も廃止しました。都民の運動とともに我が党が追及した結果、予算は少し復元されましたが、まだまだ不十分であり、待機者は四万三千人を超えています。
 特養ホームに申し込んだら、二年、三年待つのが当たり前といわれ、途方に暮れているとか、高齢者が高齢者を介護せざるを得ない老老介護や、認知症高齢者同士の認認介護なども深刻な問題になっています。都として、特養ホームなど介護施設、グループホームの整備を抜本的に促進する必要があると思いますが、いかがですか。
 東京都にとって住民の福祉、暮らしを守るという地方自治体の魂を取り戻すことが何よりも求められていることを指摘するものです。
 第二に、教育の再建です。
 都は、教育庁予算を減らし続け、今年度は一九九九年度と比べ六百六十八億円も減りました。都立高校は統廃合され、定時制高校は半減しました。生徒は希望校に入れず、遠くて通い切れないなど、深刻な状況が生まれています。特別支援学校は深刻な教室不足で、更衣室や特別教室まで普通教室に転用しても足りず、一つの教室をカーテンで間仕切りして二つの教室として使うなど、通常考えられない事態が続いています。予算を減らさなければ多くの都立高校は存続できたし、特別支援学校を増設し、教室不足を解消できたのです。
 都は、特別支援学校のカーテン教室を二〇二〇年までに解消する計画ですが、保護者からは、そんなに待っていられませんと怒りの声が上がっています。緊急に解消すべきですが、答弁を求めます。
 都は、小中学校の少人数学級も拒み続けてきましたが、都民の声に押されてようやく踏み出し、教育効果を認めるに至りました。そうであるならば、都独自に少人数学級の拡充を行うべきではありませんか。見解を伺います。
 石原前知事は、日の丸・君が代の強制を初め、職員会議の形骸化や上意下達の組織づくりなどを強行しました。このため、教職員が自由に話し合い、学び合うことが妨げられ、子どもたちに向き合う余裕を奪われて、学校の教育力が著しく阻害されました。さらに、破壊的教育改革を宣言して、教育内容への介入を強め、過度の競争教育や日本の侵略戦争美化の歴史観に基づく教育、特異な価値観の子どもへのすり込みを求める意思を表明してきました。
 石原前知事は、円卓会議で、小学校のころから競争させて、だめなやつはどんどん落第してね、それで小学校にも来られない人間はそれでも構わないなどと公言して、はばからなかったのです。この発言は、すべての子どもたちに教育を受ける権利を保障する日本国憲法や国連子どもの権利条約に反するものですが、いかがですか。
 破壊的教育改革をやめ、管理、統制ではなく、学校現場の創意工夫を応援する教育行政を進めること、そして、すべての子どもに行き届いた教育を保障することこそ、今後都が目指すべき方向であることを厳しく指摘しておくものです。
 第三に、防災対策です。
 石原都政のもとで、都の防災対策は福祉と同様に、都民の自己責任を第一とし、被害軽減のための都の予防対策は後景に追いやられてきました。新しい地域防災計画も、この基本が貫かれています。
 自助、共助を強調して、都の責任を棚上げすることは許されません。堤防などが決壊したら都民は財産を失います。逃げおくれた多くの都民が命を失います。退避場所を確保することももちろん重要ですが、何よりも東部低地帯対策では、地震、津波から地域を守る防潮堤や海岸保全施設の耐震強化が決定的に重要です。これは都がその気になればできることです。こうした予防対策で都が本来の責任を果たすことこそ強く求めるものです。いかがですか。
 石原都政が震災対策事業費を半減させたため、堤防を初め都市施設の耐震化が大きく立ちおくれています。我が党の追及で、都は、東部低地帯では、いまだに六十四キロの堤防が耐震化されていないことを認め、耐震済みとされている施設も、堤防では調査箇所の四割で破損の可能性があることを認めました。
 都は、近く堤防などの整備計画を策定し、耐震化を進めるとしていますが、防潮堤や損傷し閉じない危険性があるとした十六カ所の水門などを含め、いつまでに整備をするのですか。完成年度を極力短期間にした計画で取り組むことが求められていますが、見解を伺います。
 阪神・淡路大震災では、建物の倒壊による死者が八割を占めました。都はこの問題についてどう認識し、対策を進めるのですか。
 木造住宅密集地域については、延焼による火災の拡大を防ぐことが極めて重要です。しかし、今のように道路建設と再開発に偏った対策では、都民の命と財産は守れません。木密地域については、助成の抜本拡充で住宅の耐震化、難燃化を急ぐことが求められていますが、いかがですか。
 最後に、お金の使い方です。
 全国的には軒並み大型開発を縮小しているのに、石原都政は高速道路や巨大ビル建設など、大型開発優先の行政に終始してきました。その特徴は、都の長期計画である「二〇二〇年の東京」の三カ年計画に端的にあらわれています。総事業費の三四%を高速道路などの大型開発に充てる一方で、高齢者対策は四・二%、少子化対策には三・一%にすぎません。
 都の予算は、韓国の国家予算に匹敵するほど大きなものです。財政運営のゆがみを改め、都民の命と暮らし、子どもたちの教育を守るために使えば、都民生活が向上し、ひいては内需拡大による経済再建に大きく貢献できるのです。
 今都民は、財界、大企業のいい分ばかりに耳を傾ける都政ではなく、都民の痛みに寄り添い、都民の声に耳を傾ける人に優しい都政を切実に求めています。今度の都知事選挙は、原発ゼロを進めるかどうかとともに、憲法を否定する都政から憲法を生かす都政、福祉、暮らしを破壊する都政から都民の福祉、暮らしを立て直す都政へ転換するかどうかが問われる選挙です。我が党は、──(十二字削除)──新しい都政を切り開くために全力を挙げることを表明し、私の質問を終わります。(拍手)
   〔発言する者多し〕
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 畔上三和子議員の代表質問にお答えをいたします。
 まず、特別支援学校の再編整備計画についてでありますが、都教育委員会は、平成二十二年十一月に策定した東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画に基づき、知的障害特別支援学校の教室数を確保するため、新設二校、増改築十三校などの再編整備を進めております。これまでの計画を含め、学校数は、平成十六年度の三十校一分校から、平成三十二年度には四十四校となります。
 今後とも、再編整備を着実に推進していくとともに、カーテン等で間仕切りをした教室については、計画期間中、児童生徒の教育活動に支障がないよう十分配慮してまいります。
 次に、都独自の少人数学級の拡充についてでございます。
 都教育委員会は、平成二十二年度から、小一問題及び中一ギャップを予防、解決するために、小学校第一学年、中学校第一学年等を対象として教員を加配し、学級規模の縮小や少人数指導、チームティーチングの導入など、画一的な少人数学級ではなく、各学校の実情に即した最適な方策を選択できる弾力的な制度を実施してまいりました。この柔軟な学級編制の仕組みは、国の平成二十三年度の、いわゆる義務標準法の改正に反映されたところです。
 都教育委員会は、今後とも、こうした方針を維持してまいります。
   〔東京都技監村尾公一君登壇〕

〇東京都技監(村尾公一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、耐震強化において都が果たすべき責任についてでございますが、都はこれまで、みずからの責務として、沿岸部や低地帯に暮らす約三百万人の生命と財産を守るため、堤防や水門などの耐震補強を進めてまいりました。
 これらに加え、想定される最大級の地震時にも浸水を防止する観点から、堤防や水門が有する耐震性の検証を進め、八月に地震、津波に対する都の基本方針を公表し、現在、それらを踏まえた具体の整備計画の策定作業を行っております。
 このように、都は、着実かつ的確に対策を進めてきております。
 次に、防潮堤や水門などの耐震化の計画についてでございますが、都は既に、損傷すれば被害の大きい隅田川の大島川水門など四水門について、民間からの技術提案を含むプロポーザル方式による設計の契約手続を進めております。
 現在、十六カ所の水門も含め、具体の整備計画の策定作業を進めており、安全性を確保するため、耐震対策を早期に進めてまいります。
   〔福祉保健局長川澄俊文君登壇〕

〇福祉保健局長(川澄俊文君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、高齢者の生活実態についてでございますが、高齢者世帯の一人当たりの平均所得について見ると、平成二十三年の国民生活基礎調査では、全世帯の平均が二百万四千円に対して高齢者世帯では百九十四万四千円と、その差は小さい状況にあります。
 貯蓄についても、平成二十四年の高齢者白書によると、世帯主が六十五歳以上の世帯の平均貯蓄額は二千二百五十七万円で、全世帯平均である千六百六十四万円の約一・四倍となっております。
 平成二十一年の国民生活基礎調査によると、高齢者世帯の約二四%を占める単独世帯では年収二百万円未満の世帯が六割を超えておりますが、一方で、平成二十二年度の東京都福祉保健基礎調査では、高齢者単独世帯の持ち家率も約六割となっております。
 このように、高齢者の生活実態はさまざまであり、一人一人の収入や貯蓄は、就労経験の有無、従事していた仕事の種類や内容、職責、本人の努力等に応じて決まるもので、多い人も少ない人もおります。
 そのために社会保障制度が構築されており、低所得の高齢者のためには、後期高齢者医療制度などの医療保険制度や介護保険制度の中で、さまざまな軽減措置がとられているところでございます。
 さらに、都独自に介護サービスに係る利用者負担の軽減について対象サービスを拡大するほか、区市町村が高齢者の生活実態を踏まえて行う施策に対し、包括補助により支援しているところでございます。
 次に、高齢者施策の充実についてでございますが、都は、高齢者が可能な限り住みなれた地域や自宅で安心して生活し続けることができるよう、高齢者保健福祉計画に基づき、認知症高齢者グループホームなどの設置促進や介護人材の育成など、高齢者を支えるさまざまな施策を実施してきたところでございます。
 本年三月には第五期計画を策定し、現在、介護サービス基盤の整備や高齢者のニーズに応じた住まいの確保、医療が必要な人や認知症の人への対応、見守り等の生活支援サービスの充実などに取り組んでいるところでございます。
 最後に、介護サービス基盤の整備についてでございますが、都は、保険者である区市町村が地域の介護ニーズを踏まえて算定したサービス見込み量に基づき、計画的に基盤整備を進めております。
 第五期計画においては、平成二十四年度からの三年間で、特別養護老人ホームを約五千人分ふやし、定員四万五千人余りとするとともに、認知症高齢者グループホームについても約三千人分ふやし、定員一万人分のサービス量を確保することとしております。
 整備に当たっては、高齢者人口に比べて整備状況が十分でない地域の補助額を最大一・五倍に加算するほか、都有地の減額貸し付けや定期借地権の一時金に対する補助への加算など、都独自の多様な手法を活用し、促進を図っているところでございます。
   〔知事本局長前田信弘君登壇〕

〇知事本局長(前田信弘君) 平成二十四年四月に行われました、教育再生・東京円卓会議における石原前知事の発言についてのご質問にお答えいたします。
 円卓会議は、知事と各界を代表する方々が、今後の教育のあり方について多角的かつ自由に議論することを目的に設置されたものでございます。
 ご指摘の前知事の発言は、こうした一連の議論の中で、家庭の責任を述べるとともに、教育における形式的な平等を否定し、落第、原級留置も認めたらどうかという問題意識を表明したものと受けとめております。
 なお、我が国の教育制度では、小学校に来られなくても構わないという制度にはなっていないものと理解しております。
   〔総務局長笠井謙一君登壇〕

〇総務局長(笠井謙一君) 建物の倒壊による被害についてでございますが、都が本年四月に公表いたしました新たな被害想定においても、強い揺れによる建築物の倒壊等により、最大で約六千九百人の死者が発生することを明らかにしたところでございます。
 こうした被害想定を踏まえ、既に、今回修正した地域防災計画において具体的な到達目標を定め、住宅の耐震化や家具類の転倒、落下、移動防止対策など、さまざまな対策を促進することといたしております。
   〔都市整備局長飯尾豊君登壇〕

〇都市整備局長(飯尾豊君) 木密地域における助成についてでございますが、都は木密地域不燃化十年プロジェクトを立ち上げているところであり、この取り組みにより、木密地域の防災性の向上を図ってまいります。
 また、防災都市づくり推進計画に定める整備地域を対象として、公共性の観点から、区と連携し、耐震化や不燃化の助成を行っており、引き続き助成を実施してまいります。

〇議長(中村明彦君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時十四分休憩

   午後九時十五分開議

〇議長(中村明彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 畔上三和子さんから、会議規則第五十五条の規定により、本日の会議における発言について、不適当と思われる部分を取り消したい旨の申し出がありました。この申し出を許可することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(中村明彦君) ご異議なしと認めます。よって、畔上三和子さんからの発言取り消しの申し出を許可することに決定いたしました。

〇議長(中村明彦君) この際、百二十七番大山とも子さんより発言の申し出がありますので、これを許します。
 百二十七番大山とも子さん。
   〔百二十七番大山とも子君登壇〕

〇百二十七番(大山とも子君) 本日の都議会本会議における畔上三和子議員の発言において、都知事選挙期間中、候補者名を発言したことは適切でないと思われるため、該当部分の発言を取り消したいので、議長に申し出たところであります。

〇議長(中村明彦君) 以上をもって発言は終わりました。

〇議長(中村明彦君) 質問を続行いたします。
 七十五番尾崎大介君。
   〔七十五番尾崎大介君登壇〕

〇七十五番(尾崎大介君) まず、福祉サービスにおける地域差について伺います。
 住民にとって、みずから住む自治体区域が違うだけで、受ける福祉サービスの量や質に地域格差がある、しかも大きな落差があるとなると、市民としての扱いとしては不公平である、フェアでないという声をよく聞きます。
 そもそも福祉サービスにおける地域格差が生じる要因については、少子高齢化や産業構造、就業構造、給与水準等の違いや地域特性へ配慮した福祉サービスに対する各自治体の創意工夫の違いもあるものと思われますが、確かに地域の特殊性を背景とした福祉ニーズ等については、そのようなこともあると考えられます。
 しかし、社会福祉サービスの基本としては、どこに住んでいても、いつでも利用できる体制を整えるべきものではないかと思います。
 一方、東京都における福祉サービスの基本方針ともいえる福祉・健康都市東京ビジョンにおいては、三つの視点として、創意工夫の競い合い、ともに支え合う、指導監督等を示しておりますが、この観点から見ても、東京都としてはこのような地域差の是正に対する支援策も必要と思われます。
 社会福祉法第六条では、福祉サービスの提供体制の確保等に関する国及び地方公共団体の責務、これは、「国及び地方公共団体は、社会福祉を目的とする事業を経営する者と協力して、社会福祉を目的とする事業の広範かつ計画的な実施が図られるよう、福祉サービスを提供する体制の確保に関する施策、福祉サービスの適切な利用の推進に関する施策その他の必要な各般の措置を講じなければならない。」をうたっておりますが、まず、社会福祉法第六条における地方公共団体の責務とは何かについて、東京都としての見解をお答え願いたいと思います。
 また、この観点から、福祉サービスの地域間格差を縮小する方策は何かをお伺いいたします。
 社会福祉法第百八条では、都道府県地域福祉支援計画、これの策定の努力義務をうたっておりますが、平成二十四年現在の厚生労働省の報告によると、この計画を未策定の都道府県は四十七団体中七団体であり、残念ながら、この七団体の中に東京も入っております。
 そこで、東京都が福祉・健康都市東京ビジョンを定めている一方で、地域福祉支援計画をいまだに策定しない理由をお伺いいたします。
 また、この都道府県地域福祉支援計画策定に関しては、計画に盛り込むべき事項として、市町村の地域福祉の推進を支援するための基本的方針に関する事項が挙げられておりますが、ビジョンであれ、地域福祉推進計画であれ、東京都が区市町村の施策展開をしっかりと支援し、公的制度としての福祉サービスの都民への均衡ある提供が望まれると思うことを意見として、次の質問に移ります。
 次に、家庭的保育事業についてお伺いをいたします。
 東京都の待機児童数は、本年四月一日現在、七千二百五十七人と、二年連続して減少したとはいえ、依然高い水準で推移をしております。中でもゼロ歳から二歳児の待機児童が全体の九割を占めており、東京における待機児童問題は、ゼロ歳から二歳の問題ともいえます。
 このような状況を背景とし、東京都独自の制度である認証保育所は、定員の五割をこの待機児童の多いゼロ歳から二歳児で設定することを求めており、東京都が認可保育所だけでは対応できない大都市のニーズに対応した都独自の基準を設定、企業の経営感覚の発揮により、多様化する保育ニーズにこたえることのできる新しいスタイルの保育所として認証保育所をつくり、公的保育の持つ課題への現実的な対応策として取り組んでいることは基本的に評価をできるものであります。
 このように、認証保育所は待機児童対策としても有用でありますが、一方、家庭的保育事業という制度も古くからあり、いわゆる保育ママと呼ばれている制度ですが、これについても、ゼロ歳から二歳の子どもを保育ママ資格を持った方の自宅等で預かる制度であり、東京都における待機児童対策としてはなくてはならないものとなっております。
 この保育ママ制度の歴史は古く、昭和三十五年、制度の運営要綱を制定し、それに基づき、東京都が国をしり目に、全国に先駆けて実施をしてまいりました。そして昭和四十四年からは、東京都下区市町村の補助事業として位置づけ、制度の推進を図ってきた歴史があります。
 また最近では、複数の家庭的保育者が共同で保育を行う事業、これはグループ保育事業となりますけれども、これも開始したと聞いております。
 このように、東京都が国に先んじて保育事業を先進的に行ってきたことは評価されるべきものと考えます。
 この家庭的保育事業については、民主党が三党合意のもと成立をさせた子ども・子育て関連三法による新たな制度で、地域型保育給付にも位置づけをされております。
 また、複数の家庭的保育者、これは保育ママでありますけれども、この保育ママが共同で保育を行う事業、いわゆるグループ保育事業についても、地域型保育給付に位置づけられた定員十九人以下の小規模保育となる見込みであります。
 現在の特徴としては、待機児童が都市部に集中しており、また、待機児童の大半が満三歳未満の児童であるということです。
 これらを踏まえて、新たな制度においては、こうした家庭的保育や小規模保育などの量的補充も推進をしていくこととなると思います。また、保育ママは、親御さんだけではなく、保育ママ資格者本人にとっても、子育ての喜び、働く喜び、そして、ひいては地域のコミュニティの実現を得るものと思います。
 そこで、東京都として、この家庭的保育事業の推進に向け、どのように取り組んでいくのか、所見をお伺いいたしたいと思います。
 次に、空き家対策についてお伺いします。
 本年六月に国土交通省住宅局が発表した調査によれば、我が国においては、昭和四十八年以降、すべての都道府県で総住宅数が総世帯数を上回るようになり、平成二十年には総住宅数が総世帯数を七百六十一万戸上回り、そのうち空き家は七百五十七万戸、これは全住宅ストック数に対する空き家率は一三・一%となっております。
 このような住宅数と世帯数のミスマッチは、少子高齢化や世帯数の伸び率が低下をしていることなどが背景として考えられますが、その結果として、空き家数、空き家率がともに増大をしております。
 五年ごとに実施されている、平成二十年住宅・土地統計調査によると、東京都では平成二十年において、全国の空き家の約一〇%の約七十五万戸の空き家があると報告をされております。また、このうち活用可能と想定される腐朽、破損なしの賃貸用の空き家数は四十・七万戸であります。
 空き家対策については、地域の過疎化から、地方においては自治体が移住を希望する都市住民に対してあっせん紹介する、いわゆる空き家バンクなどがありますけれども、都市部における空き家対策については、家賃の高さなどにより、効果ある取り組みは余り実施されていないのが実情であります。
 しかし、空き家については、オーナーの意思や固定資産税など関連税制の課題なども目前の問題としてありますが、大所的に空き家の活用をとらえると、いろいろな可能性が考えられるのではないかと思われます。
 一つの例としては、財団法人世田谷トラストまちづくりという団体がありますが、この団体が行っている地域共生の家制度は、空き家を子育てサークルや介護関連の方々の交流などに開放した地域コミュニティの再生として活用した事業であります。このような取り組みを東京都としても体系的に行うことが必要と思われます。
 このような空き家対策は、実は商店街空き店舗や廃校利用などと根本的なところでは、地域コミュニティの喪失という同じ問題と課題を含んでいるといえるのではないかと考えます。
 このような観点からも、空き家対策は、俯瞰的に見れば、新しい地域コミュニティの再生拠点、あるいはシンボル拠点としての可能性も大きいといえます。
 このような状況を背景として、東京都では、国の民間住宅活用型住宅セーフティーネット整備推進事業を活用したモデル事業、東京都民間住宅活用モデル事業を今年度実施しておりますけれども、特に子育て世帯や高齢者世帯を対象とした都独自の共同居住、グループリビングといわれるものでありますけれども、この取り組みについては、一定評価ができるものであります。
 ちなみに私は、例えばシングルマザーなどに多く見られる児童虐待等については、議会でも特に、その実態について機会があるたびに訴えてまいりました。このようなシングルマザー世帯がグループで暮らすことができれば、結果として児童虐待も減っていくことになるのではないかと思われます。
 しかし一方で、本事業は、活用可能な空き家数約四十万戸に対して、事業枠が三千万円ということになっており、限度額百万円として、わずか三十戸分にしかならず、事業効果の観点から見れば、その効果には少々疑問が感じられます。
 そこでお伺いをいたしますが、本モデル事業のねらい、意図するところについて、どのように考えているのか、所見をお伺いいたします。
 また、このような空き家を、グループ保育、あるいはこの母子家庭共同住宅のようなものにも活用できる方策を考えることはできないのか、所見をお伺いいたします。
 最後に、民有林買い取り事業についてお伺いをいたします。
 私は議員になってから、多摩の森林を守るべき観点から、そうしたさまざまな関連質問、提案を続けてきておりますが、特に外資による日本全国の森林が買い占められつつある事実には非常に驚いたものであります。
 これに関して、二〇一〇年、東京都が推進をする民有林購入モデル事業について、この事業はいろいろ課題はあるものの、外資による森林買い占めに対抗する策としても有効と思われるとの観点からの質問を行いました。
 山林の購入は、市街地と違って境界がはっきりしていないことや傾斜がきついこと、面積も広大で測量作業に手間がかかることなどが課題と聞いておりますが、民有林購入モデル事業の契約締結に向けての具体的な課題をお伺いいたします。
 また、この質問の答弁において、石原前知事は、森林や水といった国土資源の保全については、国が速やかに対応すべきであると、現場を預かる都としては、森林に関する情報を十分に把握するとともに、関係各局に横ぐしを通して、しっかりとした連携を保って森林の保全に取り組み、次世代にこれを継承していきたいと答弁をしております。
 そこで伺いますが、多摩の森林の外資による売買について、その後の調査は行っているのか、また、知事答弁では、関係各局の横ぐしを通していくという答弁を行っていますが、具体的にどのような連携策をとっているのかお伺いをして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔福祉保健局長川澄俊文君登壇〕

〇福祉保健局長(川澄俊文君) 尾崎大介議員の一般質問にお答え申し上げます。
 まず、社会福祉における地方自治体の責務についてでございますが、だれもが地域の中で、みずからサービスを選択し、利用しながら自立して生活できるよう、福祉サービスの基盤を整備し、住民の福祉ニーズに応じたサービスの充実を図っていくことが地方自治体の責務であると認識しております。
 具体的な福祉サービスの提供体制の拡充は、住民に最も身近な区市町村の役割であり、都は、広域自治体として、東京の福祉水準全体の向上を図るため、地域の実情に応じた区市町村のさまざまな取り組みを、包括補助制度等を活用し、支援をしているところでございます。
 また、認知症高齢者や知的障害者のグループホームを初めとした福祉サービス基盤の整備につきましても、都独自の補助制度により促進しているところでございます。
 次に、都道府県地域福祉支援計画についてでございますが、社会福祉法において、平成十二年六月、支援計画策定の規定が盛り込まれましたが、都はこれに先立ち、平成三年一月に東京都地域福祉推進計画を策定し、その後、福祉改革推進プランやTOKYO福祉改革STEP2などを経て、平成十八年二月には、福祉、保健、医療施策の基本方針となる、福祉・健康都市東京ビジョンを策定いたしました。
 また、分野別にも、高齢者保健福祉計画、障害者計画、障害福祉計画、次世代育成支援計画、保育計画、ひとり親家庭自立支援計画等を策定しております。
 ビジョンや各種計画の中には、地域福祉支援計画の中で定めることとされている区市町村への支援や民間団体との協働など、地域福祉に関する考え方を示していることから、現在、地域福祉支援計画は策定しておりません。
 最後に、家庭的保育事業についてでございますが、本事業は、自宅など家庭的な雰囲気のもと、少人数の乳幼児に対し、同一の保育者によるきめ細かな個別保育を提供するもので、本年四月現在、七百三十九人の方が約千九百人の乳幼児を保育しているところでございます。
 都は、その推進を図るため、一人の家庭的保育者による個人実施型に加えて、平成十三年度には、保育所から技術的な支援を受けながら実施する連携型を補助対象とし、平成二十二年度には、複数の家庭的保育者が相互支援を行いながら実施する共同実施型への補助事業を国に先駆け創設するなど、区市町村の取り組みを支援してまいりました。
 今後、実施予定の子ども、子育てに関する新たな制度におきましても、都と区市町村のこうした取り組みが生かされる仕組みとなるよう、国に対して働きかけてまいります。
   〔都市整備局長飯尾豊君登壇〕

〇都市整備局長(飯尾豊君) 空き家の活用に関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、空き家活用モデル事業の目的についてでございますが、防災上の課題や少子高齢化に伴い多様化する都民の居住ニーズ等への対応のため、空き家を積極的に活用することは重要であると認識しております。
 今年度実施する空き家活用モデル事業は、木造住宅密集地域内の従前居住者の移転先や新しい住まい方である高齢者等の共同居住に活用することにより、空き家の利活用方策の可能性を検証するものでございます。
 今後、本モデル事業の結果なども踏まえ、空き家活用の促進策に取り組んでまいります。
 次に、空き家のグループ保育等への活用についてでございますが、本モデル事業は、住宅を他の用途に転用するのではなく、空き家の改修によりグループリビング用の住宅として活用するものでございますが、グループリビングの対象としては、高齢者世帯だけでなく、子育て世帯も想定しております。
 グループリビングの要件としては、世帯間のコミュニケーションが図れるよう、共同で利用するための居間、食堂等を有することとしており、こうした交流スペースを活用して、例えば子育て世帯であれば、子育てを互いに助け合いながら安心な暮らしを実現するなどの効果も期待できると考えております。
   〔水道局長増子敦君登壇〕

〇水道局長(増子敦君) 民有林購入事業における具体的な課題と取り組み状況についてでありますが、多摩川上流域の民有林では、長期にわたる林業不振の影響などにより、荒廃の進んだ人工民有林がふえております。
 このため、水道局では、平成二十二年度から水源地域を良好な状態で保全することを目的といたしまして、管理が十分にできず、所有者が手放す意向のある民有林を購入する事業を実施しております。
 購入に向けた課題といたしましては、第一に、山林所有者の名義が明治時代の登記のまま放置されているなど、相続登記されずに代がわりしていることが多く、相続にかかわる権利者の特定が難しいことが挙げられます。
 第二に、隣接する山林所有者も同様に相続登記されていないため、隣接所有者の特定が難しいこと、地形が険しいことなどから、境界確定に多くの時間が必要となっております。
 このため、水道局では、平成二十四年度から、相続に係る権利者の特定作業につきまして、山林所有者に具体的なアドバイスを行うなど積極的に支援を行うことといたしました。
 また、申込者の負担軽減のため、隣接所有者の特定作業につきましても、水道局が実施することといたしました。
 これまでの申込件数は合計十三件、面積にして約一千二百ヘクタールでございます。
 現在、これらの隣接所有者の特定作業や境界確定、測量作業、立木評価及び土地鑑定などを行うとともに、契約締結に向けた交渉を進めております。
   〔産業労働局長中西充君登壇〕

〇産業労働局長(中西充君) 外国資本による森林売買の調査等についてでございますが、都は、平成二十年六月から国の調査依頼に基づき、外資による森林買収の情報を収集するため、毎年一回、森林組合等の関係団体や市町村の協力を得て調査を行ってまいりました。
 さらに、平成二十三年度からは、実態をより迅速に把握するため、都独自に同様の調査を四半期ごとに行うことといたしました。
 一方で、本年四月には森林法が改正され、森林売買に関するすべての取引について市町村への届け出が必要となりました。このことから、今後はより正確に森林売買に関する情報を把握することが可能となったところです。
 なお、これまでの調査において、外資による森林売買の事例は確認されておりません。
 また、平成二十三年一月、関係各局において、東京都森林保全等情報連絡会を設置いたしまして、外資による森林買収に関する調査結果や他の自治体における取り組み状況など、情報の共有化に努めております。

議長(中村明彦君) 三十二番田の上いくこさん。
   〔三十二番田の上いくこ君登壇〕

〇三十二番(田の上いくこ君) 経済格差が学力格差になってはいけない。人生のスタートラインで子どもたちがつまずくことのないよう、家庭環境の差を公の学習支援で埋めていくことが求められています。
 都が行っている一定所得以下の世帯を対象とした受験生チャレンジ支援貸付事業は、格差是正の一助となり、子どもたちの将来の可能性を広げる施策であると認識しています。
 この事業は、中学三年生、高校三年生を対象として、受験料や塾費用の貸し付けを無利子で行うものです。高校受験の場合は上限二万七千四百円、大学受験は上限十万五千円、塾費用の場合は二十万円までとなっています。無利子で貸し付けする制度ですが、高校や大学等に入学した場合は返済が免除されます。この事業の対象となる学習塾等は、直接行うものか通信で、家庭教師は含まれません。
 平成二十二年の文部科学省の子どもの学習費調査によると、中学生の通信を含む家庭教師等に費やす年間の費用の平均は、公立で七万四千円、私立で十一万円、高校生の場合は、公立で八万八千円、私立で十七万二千円です。
 一方、中学生の年間の学習塾費の平均は、公立で二十五万七千円、私立で二十一万七千円、高校生は、公立で二十二万六千円、私立で三十一万八千円と、どの数字を見ても塾が高くなっています。通う回数や授業の時間の長さにより異なるものの、工夫次第で家庭教師を利用する方が安い場合もあります。また、引きこもりがちな子どもなど、塾になじまない子どももいます。
 教育格差をなくすため、大学生のボランティアを募り、学習支援をするNPOがありますが、家庭教師では、この事業を活用することができません。都は、この事業は集団で行うものとし、子どもが家の外に出ることが重要だとしていますが、そうであれば、通信も対象に含まれているのは疑問です。
 本来の目的は、低所得者のための事業であり、経済状況によって将来の可能性の幅を縮めないことではないでしょうか。この事業の適用を柔軟に家庭教師などにまで広げるべきではないかと考えますが、ご見解を伺います。
 やりくりを工夫して授業の回数をふやす、また、都から見ても貸付額が少なくて済むケースも出てくるのではないかと考えます。
 次に移ります。子宮頸がんは、がんの中でも予防できるがんとして知られています。予防は、ワクチン接種とがん検診によって確実なものとなります。
 子宮頸がんの原因は、高リスク型ヒトパピローマウイルス、すなわちHPVの持続感染であることは明らかにされていますが、ワクチンのみならず、HPV-DNA検査の技術を取り入れることで、子宮頸がん検診は大きな変革のときを迎えています。
 平成二十二年の国民生活基礎調査によると、二十以上の二年間の受診率は三二%、福祉保健局の同年の健康増進法に基づくがん検診の対象人口率調査では、やや高いものの三五・九%でした。ワクチン未接種世代は依然として多数でありますが、まず、現在の細胞診での受診率についてのお考えを伺います。
 従来の細胞診は、陰性を陰性と判定する特異度においてすぐれていますが、HPV検査は、陽性を陽性と判定する感度で高い数値を示します。これらを併用することで見逃しがなくなるため、多くの学者や産婦人科医が導入を要望しています。
 自治医大さいたま医療センターや島根県立中央病院の研究チームが日本癌学会で発表した調査では、細胞診で異常がなかった島根県の女性約五千人に対し、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスに感染しているか調べ、約五年間経過観察したところ、細胞診で異常がなく、HPV検査も陰性だった女性の場合、手術が必要なごく初期のがんが見つかったのは、三年後に〇・四%、五年後でも〇・六%。一方、細胞診で異常がないが、HPVで陽性だった女性は、三年後に二・九%、五年後には六・九%と併用検診の有用性がわかりました。
 厚生労働省は、九月三日、HPV検査の来年度導入方針を示し、来年度予算の概算要求に、女性のためのがん検診推進事業に必要な百十六億円を計上、細胞診に加えて、罹患率の高い三十代を中心にHPV検査を実施する方針を示しました。
 十一月十三日のがん検診のあり方に関する検討会では、試行的な研究事業などを推進していくなどの意見が出されましたが、一方で、日本産婦人科医会は、細胞診とHPV検査併用検診の普及に関する要望書を厚生労働大臣に提出しています。
 細胞診とHPV検査併用検診のメリットは、一、精度が高く見落としがないこと、二、両方の検査が陰性の場合には、受診者は三年間は子宮頸がんにならないという将来の安心が見通せること、三、受診間隔を長くできることで、自治体、受診者両者のコストが低くなること、四、一度の採取で両方の検査が可能であり、受診者の時間や心身の負担は変わらないか減少することです。
 日本産婦人科医会は、細胞診単独の検診の場合には、二十一歳から二十九歳で一年間隔、三十歳以上で二年間隔の検査を勧めていましたが、併用検査とすると、感度と特異度の双方が高いので、精度が上がり、両方の検査で陰性だった場合は三年置きの検査となります。
 内診台に上がるのが嫌という方も多く、女性が積極的には受けたくないといわれているのが婦人科検診です。体に大きな負担をかける検査ではありませんが、人によっては痛みを感じる場合もあり、体と心の負担が減少することは喜ばしいことです。
 また、医療経済の観点からも、毎年の細胞診に自治体が補助をするよりも、三年置きになることで、三年間で三割程度の削減が可能になるという試算もあります。
 島根県のデータによると、受診者の九割以上が併用検診で陰性になり、検診間隔をあけることができたそうです。
 子宮頸がん征圧をめざす専門家会議が、全国千七百三十八自治体を対象に行ったアンケートでは、千三百五十四自治体が回答し、細胞診とHPVの併用検診を行っている自治体は全国で四十九、また、二〇一三年春までに準備をしている自治体は約百五十です。島根県では全市町村で導入されていますが、都内で導入しているのは港区のみで、医師会が負担をしています。
 都は、併用検診導入自治体の事例を研究し、女性の健康を守る視点から、より有効な検診のあり方を検討すべきではないかと考えますが、ご見解を伺います。
 次です。東京都では、平成二十一年度から三年間、若年性認知症支援モデル事業が実施されました。
 江戸川区にある高齢者施設のなぎさ和楽苑では、モデル事業が終了した後も利用者の継続希望にこたえ、自主事業として、一日九百円の利用料で六十五歳未満の若年性認知症専門のデイサービスを行っています。就労型支援活動やアクティビティー支援活動、イベントなど、高齢者と区別したデイプログラムと居場所づくりに取り組んでいます。多くの認知症の方と一緒の活動は年齢差があり、趣味や嗜好が異なります。体力もあり、介護されるよりも、働いて社会に貢献したいと思う方が多く、作業のペースも異なるため、高齢者との活動に違和感を抱くことがあるようです。
 私の知人でも若年性認知症と診断された方がおり、仕事をやめて会社の寮を出ることになりました。家族のいないその人は、突然のひとり暮らし。仕事もないので何をしてよいかわからず、かといって何もしなければ症状は進んでしまうので、デイサービスを探しました。ところが、あるのは高齢者向けのサービスばかりです。
 若くして認知症を患い、さまざまな喪失感の中でも、同じ世代同士による共通の話題を見出し、役割感の持てる居場所があることが、本人や家族にとって今後の生きがいにつながるのではないでしょうか。
 都内でも、若年性認知症の人に対してサービスを提供する施設がふえてきました。世代に応じた環境設定が求められています。若年性認知症の方の社会参加活動を主とする居場所づくりが、今後ますます必要になっていきます。
 都において支援体制を構築するべきと考えますが、ご見解を伺います。
 次です。都市整備局は、東京都建築物液状化対策検討委員会で、民間建築物の建て主や所有者が敷地の地盤を把握し、液状化対策を図れるよう、東京都土木技術支援・人材育成センターなどの公共工事で得られた地盤データや過去の地形図についても情報提供をするとしました。
 建築物の液状化対策を行う場合、液状化予測図だけでは地盤の詳細まで把握できないため、地層構成や水位、地盤の強度がわかる柱状図や地歴図などの地盤データを整備し、情報提供していくとのことです。
 昨年三月の東日本大震災では、液状化による建物被害が五区八カ所で生じ、そのうち、都が四カ所、区が四カ所のボーリング調査を実施しました。こうした箇所も含めて、地盤調査データを情報提供すべきと考えますが、都市整備局のご見解を伺います。
 前述のセンターの東京の地盤では、地質柱状図のないまちがたくさんあります。東京の液状化予測図により、液状化が発生しやすい地域やその周囲でも地質柱状図がないところがあります。地下の構成を考え、臨海部の人工造成地盤や、足立、葛飾、板橋、墨田など旧河道、軟弱な沖積層の厚い地域が帯状に伸びている荒川沿いの地震で揺れやすい地域など、地盤が複雑であるところは今後も地盤調査を進め、情報提供していくべきと考えます。
 一方、建設局では、センターが中心となり、液状化予測図の見直しを行っていますが、予測図は、民間の建築物の液状化対策の資料としても参考になります。見直しの際には、変動する地下水位や地震動の大きさをどの程度に設定するかが重要です。
 東日本大震災のときには、液状化予測と現実の被害が必ずしも一致したとはいえませんでした。警戒のためには、判定条件を今までよりも慎重に設定していくべきと考えます。現在、見直しを行っている液状化予測図についてのお考えを伺います。
 土地、家屋の固定資産税の価格は、原則として三年ごとに見直しをしています。固定資産の価格とは、地方税法三百四十一条により適正な時価とされていますが、時価の下落が続いている中では、実際の取引価格との格差が大きく、固定資産税が過大な負担をもたらしています。
 液状化も評価に影響を及ぼす原因の一つです。液状化というと土地ですが、地盤沈下により家屋が傾けば、さまざまな困難と修復を強いられます。また、液状化被害が発生した地域の資産価値は、災害以前に比べて低くなり、なかなか売買も成立しない状況にあります。
 液状化ではありませんが、ある県で三百万円の破格で売りに出されている家屋つきの土地が、いつまでたっても買い手がつきません。津波の心配がある土地だからだそうです。
 東日本大震災を経て、損害を受けた固定資産は、一定の要件のもとに固定資産税の減免を適用されています。直接家屋に被害があった方にはありがたい措置だと認識していますが、災害があったときだけに適用される単年度措置でした。その後も、液状化により土地の堅固さが失われ、不安定になった家屋の課題は継続しています。
 また、災害により損害が発生した家屋に対しては、一定の要件のもと損耗減点補正率という制度がありますが、被災して損耗減点補正率を適用した家屋の固定資産評価額と災害前の家屋と比較して、大きな補正があるとは思えません。仮に被災した家屋を修復したとしても、以前のものと同じにはなりませんが、一たん修復すると、損耗減点補正率は適用されなくなります。引き続き、被災した土地が与える影響も考慮した上で、家屋も評価するべきではないかと考えますが、ご見解を伺います。
 以上で質問を終わります。(拍手)
   〔東京都技監村尾公一君登壇〕

〇東京都技監(村尾公一君) 田の上いくこ議員の一般質問にお答えいたします。
 液状化予測図についてでございますが、液状化予測図は、地域ごとの液状化の発生の可能性を目安として示したもので、公共施設や民間建築物などの液状化対策を検討する上で基本となる情報の一つでございます。
 現在の液状化予測図は、地表から深さ二十メートルまでの地層全体と、そのうちの地表から深さ六メートルまでの浅い部分のそれぞれについて地盤工学的な判定を行い、さらに、液状化の履歴や土地利用の変遷を加味し、液状化が発生しやすい地域、発生が少ない地域、ほとんど発生しない地域の三つに分類したものでございます。
 今回の東日本大震災で液状化した地域は、地層全体では液状化しにくいものの、浅い部分は液状化しやすいことから、発生が少ない地域に分類したものでございまして、想定したとおり、おおむね浅い層が液状化したものと認識しております。
 東日本大震災以降、東京都土木技術支援・人材育成センターを中心に、地盤の専門家の意見も聞きながら、地下水位データの補正、地盤データの補強、実際に液状化した地盤のデータ分析に基づく判定方法の確認などを行い、より精度の高い予測図を作成しているところでございます。
 今年度末までに見直しを完了させ、広く都民に情報提供してまいります。
   〔福祉保健局長川澄俊文君登壇〕

〇福祉保健局長(川澄俊文君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、受験生チャレンジ支援貸付事業についてでございますが、都は、将来の自立に向けて意欲的に取り組む一定所得以下の世帯の子どもたちが、高校や大学への進学を目指し、受験に挑戦することを支援するため、中学三年生、高校三年生の受験生に対して無利子貸付制度を設けているところでございます。
 貸し付けにつきましては、受験料とともに、同世代の子どもたちと同じカリキュラムのもとでともに学び、みずからの学習の進みぐあいを理解することにより、さらなる学力の向上と目標の達成が期待できると考え、こうした環境が整いやすい学習塾等、集団で学べる場の受講料を支援対象としているところでございます。
 また、事業の実施に当たりましては、利用者の利便性を考慮して、都内すべての区市町村に窓口を設け、相談や申請にどの窓口でも同じ対応ができる体制をとっているところでございます。
 次に、子宮がん検診の受診率についてでございますが、都は、がん対策推進計画に基づき、がん検診の受診率向上に向け、リーフレットやホームページ、イベントなどにより、がん検診の重要性や具体的な受診方法について都民に周知を図ってまいりました。
 また、がん検診の実施主体である区市町村に対しましては、都が提案した個別の受診勧奨など効果的な受診率向上策に取り組む際に、包括補助事業を活用して支援してまいりました。
 こうした取り組みにより、平成二十一年の子宮がん検診の受診率は三五・九%となっており、がん対策推進計画で示した平成十八年の受診率と比較して、一二・四%上昇しているところでございます。
 次に、子宮頸がんの有効な検診のあり方についてでございますが、国は、自治体が実施するがん検診について、死亡率減少効果が科学的に証明された検診方法を指針で示しており、子宮がん検診は、二十歳以上を対象に、二年に一回、細胞診を実施することとされております。
 現在、国は、子宮がん検診として、従来の細胞診に加え、ヒトパピローマウイルスの検査を実施することについて検討しており、都としても国の動向を注視してまいります。
 最後に、若年性認知症の方への支援についてでございますが、都では、平成二十一年度から平成二十三年度まで、若年性認知症の方に対するモデル事業を実施し、この成果を踏まえ、本人や家族からの多岐にわたる相談をワンストップで受け、支援を行う、若年性認知症総合支援センターを本年五月に開設いたしました。
 また、このモデル事業の中で明らかになった、高齢者とは異なる若年性認知症の方特有の課題である、症状の進行程度に対応した支援方法や、必要なケアを受けながら社会参加を行う居場所づくりなどについて、現在、東京都認知症対策推進会議の中で検討しているところでございます。
   〔都市整備局長飯尾豊君登壇〕

〇都市整備局長(飯尾豊君) 地盤調査データの情報提供についてでございますが、東日本大震災を踏まえ、昨年七月に都が設置した建築物液状化対策検討委員会においては、建て主等が液状化による建物被害に備えていくため、土地の履歴や地盤状況を把握することなどが必要であるとの見解が示されております。
 引き続き、都や区市等が所有している地盤調査データに関する情報提供の方法などについて、委員会で検討を行ってまいります。
   〔主税局長新田洋平君登壇〕

〇主税局長(新田洋平君) 家屋の評価についてでございますが、東日本大震災により被災した家屋につきましては、総務大臣が定める固定資産評価基準及び平成二十三年十月十四日付総務省通知、東日本大震災により被害を受けた地方団体等における平成二十四年度の固定資産の評価替えについてに基づきまして、罹災証明書に記載された被災の程度をもとに、損耗減点補正率を適用することとされております。
 また、家屋の修復が行われた場合につきましては、平成十二年九月一日付総務省通知、家屋の損耗減点補正率の適用方法等についてにおきまして、損耗の修復により、通常の経年減点補正率が適用される状態に戻ったものとして取り扱うこととされております。
 都といたしましては、こうした基準や通知等に基づき、適切に対応しているところでございます。

議長(中村明彦君) 七十三番伊藤ゆう君。
   〔七十三番伊藤ゆう君登壇〕

〇七十三番(伊藤ゆう君) 全対象国百八十三カ国中百七位、OECD諸国三十一カ国中二十六位と、いずれも日本が極めて低い調査結果になったのは、世界銀行が行った、世界の起業しやすい国ランキングです。いいかえれば、OECD三十一カ国の中で六番目に起業しづらい国が日本であるといえます。
 経済産業省が行った、高度外国人の起業環境等に関する調査報告書によれば、投資、経営目的で日本に新規入国した外国人数は、平成十九年、二十年をピークに横ばい、もしくは微減傾向にあると指摘し、起業環境の悪さから、起業目的の外国人の足が遠のいていることを示唆しています。
 一方で、起業しやすさランキング一位はニュージーランド、四位はシンガポール、五位は香港と、アジア諸国が上位に入っており、百七位の日本が周回おくれどころか、レースになっていないことが歴然です。
 さきの報告書によれば、起業環境において外国人が苦労するのは、事務所の賃貸借契約であります。日本在住の親戚を保証人にしたが、入居の審査がなかなか通らず、幾つかの不動産を当たってようやく借りることができた、起業の準備の中でも事務所の賃借に最も時間がかかったとの声もあり、短期滞在ビザや留学生ビザによって日本を訪れている外国人にとって、起業の第一歩である事務所の賃借が、限られた滞在日数の中で大きな壁になっている傾向があります。
 他方、シンガポールや韓国には、起業家向けの特別な在留資格が用意されており、シンガポールの起業家パスは、最大二年の滞在と、事業が継続している場合の更新を可能にするなど、起業環境の整備が進んでいます。
 東京においても、外国人向けの物件は年々増加しているといわれていますが、短期滞在、留学の在留資格では、事務所の賃借契約を結ぶに当たって、日本での在留、就労経験がないことを理由に貸し渋りを受ける傾向があるようです。
 外国人による都内での起業を支援するためには、東京での生活基盤を確保していくことが必要です。在留資格の見直しなど、国政レベルで解決しなければならない問題が多々ありますが、まずは現状において、都として、外国人の住居機会の確保を図っていくことが重要だと考えます。所見を伺います。
 政治の世界にもトレンドがあるように、ビジネスの世界、とりわけベンチャー起業家の世界には、利便性と利益を追求した風説ともいえるトレンドが世界を席巻しているようです。中でもシンガポールは、圧倒的に安い法人税などが磁力となって、人、物、金を集めていることから、ベンチャー起業家の間では、次に会社を出すならシンガポールが合い言葉になっていると聞きました。
 風説は必ずしも実態をあらわしていないかもしれません。しかし、その風説が転がり始めた雪だるまのごとく、人、物、金を集積し、シンガポールの独走を許しているとすれば、東京もまた、世界を駆けめぐる風説を起こす努力を怠るわけにはいきません。
 この風説は、決して難しい作業から生まれるものではないと思います。都には、世界でも類がないほどの手厚い創業支援策が用意されています。無担保の制度融資や、区や市が行っている利子の補給は、金融危機で利子が高騰している欧州では考えられない制度であり、こうした創業支援策は、世界の耳目を集めても不思議ではありません。
 この手厚い創業支援策が日本人の起業家のためにつくられた経緯があることは明らかですが、その条件を読めば、決して外国人を排斥するものではありませんでした。
 こうした既存の創業支援策を活用しない手はありません。世界でも例がないほどの手厚い創業支援策について、例えば、英語版をつくるなど、外国人が利用しやすいように工夫することは、外国人起業家の参入障壁を下げるだけでなく、世界に向けて東京が開かれている都市であることをアピールできる格好の材料になります。外国人に優しい創業支援策についてどのように取り組むのか、所見を伺います。
 他方、創業支援策については、日本人にとっても、メニューの多さから、わかりづらいものになっています。
 所在地の自治体によって利子補給があったりなかったり、業務種別によっても使える制度融資が違うなど、いささかのみ込みづらいものになっています。もし自分の所在地や希望の融資額を入力すれば、ベストミックスな制度融資を案内してくれるサイトがあったなら、たった一人で起業する創業者にとっても非常に便利なものになるはずです。制度融資などを紹介するサイトの検討について、所見を伺います。
 先日、ビッグサイトで行われた産業交流展に行ってまいりました。ことしで十五回目を迎える産業交流展には、ふだん目にすることの少ない中小企業の技術と英知を結集させた新製品の数々が陳列されており、一日いても飽きることがないほどでした。
 一方で、そうした中小企業には、海外への進出を目指す野心的な企業も多く、語学と人脈を有する有能な外国人新卒者を求めている中小企業もあると聞きます。しかし、中小企業が個別に募集するのは難しい反面、就労を希望する外国人にとっても、将来性のある中小企業に出会う機会はめったにありません。
 そこで、産業交流展は、こうした両者にとって格好の交流の機会になるものと思います。既に学生による魅力発見ツアーが開催されていると聞いていますが、日本人学生だけではなく、外国人留学生の魅力発見ツアーなどを組むことで、中小企業が外国人留学生にも魅力を発信できるようにするべきと考えますが、所見を伺います。
 また、都は、創業を目指す人への総合的な支援事業として、起業家支援セミナーを開催し、起業家同士の交流の場を設けています。こうしたセミナーも、外国人起業家にとっては、日本の商慣習を学ぶ上で貴重な機会になるとともに、相談窓口の明確化によって一層の支援につながるものと考えます。
 しかし、今年度の実績では、創業入門コースの定員二百名に対し、外国人の参加者は二名にとどまるなど、十分な普及が図られているとはいえません。今後、英語版の案内をつくるなど、外国人が参加しやすい起業家支援セミナーの検討を行うべきと考えますが、所見を伺います。
 シンガポールが独走する中、首都東京がアジアのヘッドクオーターであるためには、外国人が起業しやすく、留学生が就職しやすい環境をつくるほかありません。そうした取り組みによって、東京が外国人起業家に開かれている都市であることを世界にPRすれば、いつしか、起業するなら東京が風説となって世界に流れ、国際色あふれる人材の交流から革新的な新産業が生まれるものと確信します。都には一層の努力を要望いたします。
 次に、臨海地域における公募街区について伺います。
 リーマンショックを受けて、一部の公募街区においては、オフィスビルの計画が白紙に戻り、今後、都が整備方針を検討すると聞いています。白紙に戻った土地を含め、臨海地域の、特にお台場エリアは、MICEの拠点として潜在力の高い地域として複合リゾート施設、IRが誕生するのではないかと期待を集めています。
 一方で、マカオやシンガポールに出現しているカジノは、年々、国際展示場などとの複合化が進み、巨大化の一途をたどり、リーマンショック以前に想定していた臨海のまちづくりでは収容し切れない規模になってきています。
 今後は、巨大化する複合リゾート施設に対応するため、例えば、カジノに必要な敷地面積や交通インフラなど、事前に検討しておくべきテーマを洗い出しておく必要があります。特に、IRの目玉となるカジノについては、推進法の動向から注視すべきですが、現在の国の動向について伺います。
 今後の臨海開発の未来を大きく左右する要素は二つあります。
 一つはカジノ推進法案の行方と、もう一つはオリンピック誘致ではないでしょうか。オリンピック誘致に成功した場合、二〇二〇年開催時には、ホテル需要のほかに、レストランなど商業施設の需要が急増すると予想されます。万一、性急な街区の販売によってテナントビルなどが林立すれば、オリンピックにおいてエンターテインメント性の高い土地が失われかねません。
 臨海副都心に残された青海地区北側のまとまった土地については、これまでのように区画ごとに公募するのではなく、一体的に開発していくべきであり、このような視点で、公募時期を含め、慎重に検討していくべきであると考えますが、所見を伺います。
 最後に、緊急雇用創出事業について伺います。
 これまでに、国は緊急雇用対策として全国で総額一兆五百億円を緊急雇用創出事業に投じ、都はこれを受けて、平成二十年度から二十三年度にかけて約三百三億円の事業を実施し、五万七千八百七十九人の雇用を創出しました。三百三億円のうち都が直接事業を実施したのは約九十四億七千六百万円であり、多くの雇用を創出したことは評価するものです。
 しかしながら、平成二十一年度においていえば、全五十三事業、十二億三千四百五十万円のうち、十四事業、総額二億八千四百万円が実態調査などの調査関係に割かれていたことがわかりました。中には、調査結果が本当に活用されているのかなど、費用対効果は妥当なのか疑問なものもありました。
 緊急雇用創出事業は、短期的な雇用の色合いが強く、長期雇用を求める制度になっていないとの説明を受けましたが、これまでの緊急雇用創出事業がきっかけとなって、引き続き正社員として雇用された例は、都が把握している範囲でわずか二名と聞いています。
 国の事情により、急な事業発注を余儀なくされる緊急雇用創出事業は、調査ものなど、安易な事業の創出になりがちですが、より投資効果が高く、長期雇用に結びつくような事業が検討されるべきと考えます。所見を伺い、質問を終わります。(拍手)
   〔都市整備局長飯尾豊君登壇〕

〇都市整備局長(飯尾豊君) 伊藤ゆう議員の一般質問にお答えします。
 外国人の居住の機会の確保についてでございますが、都ではこれまで、外国人や高齢者等の民間賃貸住宅への入居の機会が制約されることのないよう、宅地建物取引業者を対象とした講習会での普及啓発や、リーフレットの配布による情報提供などを実施してまいりました。
 また、入居の際に保証人が必要な場合には、国の財団による家賃債務保証制度を紹介するとともに、関係団体等と連携して、外国人に対し、住まい方のルール等の情報提供をしております。
 こうした取り組みにより、引き続き外国人の居住の機会の確保に努めてまいります。
   〔産業労働局長中西充君登壇〕

〇産業労働局長(中西充君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、外国人に対する創業支援策についてでございますが、海外の企業を東京へ誘致することにより、都内中小企業のビジネスチャンスを広げ、産業の活性化につなげることは重要でございます。
 都は、平成十七年に、外資系企業向けのワンストップ総合窓口でございます東京ビジネスエントリーポイントを設置し、これから東京に進出しようとする外国企業や創業を検討している外国人の支援を行っております。
 具体的には、英語での相談に対応するとともに、ビジネスや生活関連の情報について、外国語のウエブサイトを通じて発信しております。これらの取り組みにより、引き続き普及啓発を進めてまいります。
 次に、中小企業制度融資についてでございます。
 都の制度融資は、さまざまな中小企業の資金ニーズに対応するため、創業融資や経営支援融資などを初めとする多様な融資メニューを設けております。
 都は、こうした融資メニューの概要や利用要件について、ホームページ、パンフレットによりますわかりやすい周知に努めております。また、金融相談窓口において、個別の中小企業のニーズに合った適切な融資メニューを紹介しています。
 今後とも、制度融資の利便性向上の観点から、きめ細かい金融相談を実施するとともに、ホームページ等の充実を含め、引き続き利用者の立場に立った事業のPRを進めてまいります。
 次に、中小企業魅力発見ツアーについてでございます。
 東京の産業を支えるものづくり中小企業が、人材を確保するためには、その魅力を若者に理解していただくことが重要です。
 このため、都は、平成二十二年度から中小企業魅力発見ツアーを実施しております。この事業では、産業交流展に出展している中小企業のブースに、学生を中心とした若者を案内し、その製品や技術に触れるとともに、経営者や従業員と対話する機会を提供しています。
 この魅力発見ツアーは、学生を中心とした若者を対象としており、外国人留学生の参加についても可能でございます。
 今後とも、中小企業の魅力を発信し、その人材の確保を支援してまいります。
 次に、起業家支援セミナーについてでございます。
 東京の産業を活性化させるためには、創業を促していくことが重要であり、都では、毎年度、創業を目指す方などを対象とした起業家支援セミナーの開催や投資家等との交流の場を提供しております。これらのセミナー等は、外国人の方についても参加することが可能でございます。
 今後とも、こうした取り組みにより、創業の促進を着実に支援してまいります。
 最後に、緊急雇用創出事業についてでございます。
 本事業は、急激な雇用情勢の悪化による失業者の増加に対し、国の交付金を原資に都が基金を造成し、臨時的なつなぎの雇用の場を創出することを目的として実施するものです。
 都は、雇用期間を原則一年以内とし、人件費割合を事業費全体の二分の一以上とすることなど、国が定める実施要件に基づき、各局において必要な事業を実施しております。
 なお、緊急雇用創出事業で雇用された方に対しては、都のさまざまな就業支援策について情報提供を行い、安定的な雇用につながるよう支援しております。
   〔知事本局長前田信弘君登壇〕

〇知事本局長(前田信弘君) カジノについてのご質問にお答えいたします。
 カジノは、有力な観光資源であるとともに、経済波及効果や雇用創出効果が期待できるものでありますことから、世界の多くの国々で合法化され開設されております。
 一方、我が国におきましては、カジノは刑法で規制されておりまして、これを実現するためには、何よりもまず国が法整備をすることが必要でございます。
 このため、都は、国に対して必要な法案整備を行うこと、また、その際には、地域の実情に即した運営が可能な仕組みとするなど、地方自治体の意向を十分踏まえることを、これまでも継続して提案要求しているところでございます。
 国においては、超党派の国会議員により、議員立法でカジノ法案の成立を目指しており、各党で検討が行われていると聞いております。
 都としては、引き続き国の動向を注視してまいります。
   〔港湾局長多羅尾光睦君登壇〕

〇港湾局長(多羅尾光睦君) 臨海副都心青海地区北側の公募についてでございますが、東京が、アジア諸都市との厳しい競争を勝ち抜くためには、世界じゅうから人、物、情報が活発に流入する世界トップレベルのMICE、国際観光拠点の形成が重要と認識しております。
 臨海副都心は、羽田、成田の両空港から好位置に立地し、東京ビッグサイトやホテル、商業施設等のMICE施設が充実するなど、高いポテンシャルを有しております。
 特に、青海地区北側にある約十四ヘクタールのまとまった土地は、MICE、国際観光拠点として大きな可能性を持っており、この地域を有効に活用するための方策について、今後とも幅広く検討してまいります。
 なお、土地の公募時期については、不動産市況なども視野に入れながら、具体的な時期を見きわめてまいります。

議長(中村明彦君) 四十八番星ひろ子さん。
   〔四十八番星ひろ子君登壇〕

〇四十八番(星ひろ子君) 都議会生活者ネットワーク・みらいを代表して質問します。
 首都直下地震等による東京の被害想定についてお伺いいたします。
 四月に発表された被害想定では、区市町村ごとの自力脱出困難者の予測数が出されました。自力脱出困難者とは、建物の倒壊によって下敷き、生き埋めになった場合、家族、消防団員や警察、消防により救助される人のことであり、文字どおり、自力では脱出できない人のことです。
 阪神・淡路大震災時の実態に基づく推計で算出されているそうですが、建物の全壊の数及びその率、発生時間における建物内滞留人口などの数値が絡み合い、大変複雑でわかりにくいものです。
 しかし、この想定が発表されてから自治体では、その問い合わせ、対応に追われてきました。私の地元の昭島市においては、立川断層帯地震で、冬の朝五時の時間帯で四千六百四十八人という、近隣市に比べ格段に多い数が算出されたため、耐震性の弱い施設、老朽家屋が他市よりも多いのではという不安が広がり、高齢者、障害者のひとり暮らしなど、対策強化が市議会でも大きな問題になりました。
 ところが、ことし十一月、東京都地域防災計画を修正、それと同時に四月に発表した被害想定の一部に誤りがあったと報告があり、自力脱出困難者の数が大幅に修正されたのです。
 例えば、冬の朝五時で多摩直下地震の場合、昭島市は二千百六十三人が五百七十八人に、さらに大きな数値で不安が広がった立川断層帯地震の場合、昭島市の四千六百四十八人は千二百四十二人に修正されました。昭島市は下方修正でしたが、数がふえた市もあります。
 自治体は、都の防災会議の被害想定をもとに地域防災計画策定を準備してきました。このような数字の誤りはあってはならないことです。各地域での対策の検討に与える影響が大きいことから、以後、こうした数値は十分に精査するとともに、関係市町村への丁寧な説明を求めます。
 こうした自力脱出困難者を減少させる取り組みとして、区市町村と連携し、実効性ある対策を講じるべきと考えますが、ご所見を伺います。
 二〇一六年オリンピック・パラリンピック招致活動に関する支出文書の情報公開請求に対し、報道によると、一部の文書が欠落、一時紛失したという問題が起こりました。報道後に見つかったと発表がありましたが、文書管理が適正に行われていなかったことは紛れもない事実です。文書は、文書管理規則にのっとり管理されています。文書総合管理システムによる文書一覧の管理と文書そのものの管理が一体となっているべきものと考えます。
 この問題が起こった原因は何か、また、その後の対策について伺います。
 東京都の文書管理規則では、請負または委託による事業に関するものは六千万円以上は五年間、三百万円以上については三年間を文書保存期間としています。後に見つかった八事業のうち四事業は六千万円以上の事業でした。現在もオリンピック招致活動が続けられており、費用対効果を検証するものとして、招致活動をやめるまでは、保存期間が切れたものについても延長して保存すべきだと考えます。
 こうした一体の文書については、保存期間をどのように運用しているのかお伺いし、質問を終わります。(拍手)
   〔総務局長笠井謙一君登壇〕

〇総務局長(笠井謙一君) 星ひろ子議員の一般質問にお答えをいたします。
 自力脱出困難者についてでございますが、被害想定でお示しした数値につきまして、一部計算上の誤りがあり、関係自治体には多大なご迷惑をおかけいたしました。
 今回、修正を行い、その内容について十分説明をさせていただき、ご理解をいただいているところでございます。
 大規模地震による自力脱出困難者や死傷者を減少させる取り組みとしては、都はこれまでも、地域防災計画に基づき、建築物の耐震化の促進、家具類の転倒、落下、移動防止対策の推進、東京防災隣組の普及など、区市町村と連携したさまざまな対策を講じております。
 今後とも、こうした取り組みを着実に推進し、被害の軽減を図ってまいります。
   〔スポーツ振興局長細井優君登壇〕

〇スポーツ振興局長(細井優君) 前回の招致活動にかかわる文書管理についての二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、情報公開請求についてでございますが、本年六月に、二〇一六年招致活動に関する旅費、契約等の支出文書全般に及ぶ開示請求がございました。この開示請求に係る対象文書は七百四十一件、五千枚を超えるものでございます。このうち、指定された期限内での開示ができなかったものが八件、百六十三枚でございました。
 その理由は、前回の招致活動終了後、オリンピック・パラリンピック招致本部、知事本局、スポーツ振興局と局をまたがる所管部局の変更がございまして、その都度、保存文書の移動もあわせて行ってきましたが、その際、書類の引き継ぎや整理が不徹底であったことにより、一時的な所在不明が発生したことによります。
 現在、招致活動を展開している二〇二〇年の大会については、適切な文書管理を行うことはもとより、あわせて二〇一六年大会の招致活動に係るすべての保存文書についても、再度整理を行っております。
 今後とも、適切な文書管理を徹底してまいります。
 次に、文書の保存期間の運用についてでございます。
 保存期間については、東京都文書管理規則に基づき、局で定める文書保存期間表に従い運用してございます。
 なお、前回の招致活動につきましては、四年間に及ぶ一連の活動内容を記載した二〇一六年オリンピック・パラリンピック競技大会招致活動報告書を取りまとめております。これによりまして、広範多岐にわたる活動を詳細に記録し、招致活動全体を総括して得た教訓を将来にわたって確実に引き継いでおります。
 前回、招致の際に培った有形無形の財産を最大限活用し、今後も引き続き、二〇二〇年招致活動に全力で取り組んでまいります。

議長(中村明彦君) 二十五番くりした善行君。
   〔二十五番くりした善行君登壇〕

〇二十五番(くりした善行君) 失われた十年は今や昔、最近では、日本の長期低迷を指して失われた二十年と呼ばれるようになりました。景気停滞に加えて膨れ上がる財政赤字や国力の低下に歯どめがかからない、現在、日本は紛れもなく、再生か衰退かの岐路に立たされています。
 その間、この国の政治は、多くの課題を抱えながら、しかし、それらを根本的に解決するのではなく、ずるずる先延ばしをしながら、その場限りの対応に終始してきました。何とかしてそれを打ち破ってくれるだろう、三年前、多くの都民、国民の期待に支えられて躍進した民主党も、旧来の政治から抜け出せずに、改革を貫き通すことができなかったことは、返す返すも残念でなりません。
 しかし、このまま政治の針を政権交代以前の状態に戻してよいわけでは断じてありません。民主党ができなかった旧体制の打破、そして新たな日本のビジョンを示すグレートリセットをなし遂げるために、我々は維新の会として、これまでだれも触れたがらなかった問題についても、覚悟を持って挑んでまいります。
 かつて多くの革新政党が問題提起し、しかし、根源的な解決をされてこなかった問題の一つとして、公務員の外郭団体への非合理な再就職、いわゆる天下りがあります。その弊害については、今さらいうまでもありませんが、税負担を背負っている都民からの不信を生むことのほか、組織構造にゆがみを生じさせ、結果として行政全体のポテンシャルを損なうということも殊のほか大きな問題であります。
 大阪市においては、この夏、橋下徹市長と大阪維新の会によって、職員基本条例が制定をされ、市職員の再就職について新しいルールがつくられました。職員の再就職において、人材バンクの活用による透明化はもとより、その妥当性について市長の附属機関によるチェックを義務づけることによって、責任の所在を明確に示していくとしています。
 都や国においても、再就職情報の透明化については一部進んできてはいますが、本当に団体がその人の能力を必要として採用に至ったのか、経緯の調査は現実的に難しいことから、抜本的な対策とはいえません。であればどうすべきか。我々は、合理的な再就職と非合理な再就職との線引きを行政が責任を持って明らかな形で示し、徹底的に遵守をすることによって、都民が憤る、いわゆる天下りは根絶に向かっていくと考えます。
 現状、東京都は、都職員の外郭団体への再就職のあり方についてどのようにあるべきだと考えているのか、見解を伺います。
 冒頭申し上げたとおり、日本は今やがけっ縁の状態であります。大変な思いをしても、二十年後、三十年後、私たちの子どもたちや孫たちがこの国を再び誇れるように、今責任を持ってつくり直していかなくてはなりません。
 我々議員にも、職責や報酬について、みずからの権益を排しても、改革を断行していく覚悟は問われています。それが我々の掲げている議員定数削減、議員報酬削減の意義でもあります。職員の方々にだけ一方的に厳しい環境を強いるつもりはありません。互いに力を合わせあって、本当の意味で東京都を心の底から誇れる行政にしていこうではありませんか。
 日本全体を覆っているこの閉塞感を吹き飛ばす、首都東京にはその責任があります。我々は、この東京から硬直した古い政治を打ち壊し、地方政治に新しい風を吹き込みたい。そのために、これからもただただ前進していくことをここに宣言し、私の一般質問を終わらせていただきます。(拍手)
   〔総務局長笠井謙一君登壇〕

〇総務局長(笠井謙一君) くりした善行議員の一般質問にお答えをいたします。
 幹部職員の外郭団体への再就職のあり方についてでございますが、幹部職員が退職後、在職中に培った知識や経験を社会のさまざまな分野で活用することは、極めて意義のあることと考えております。
 特に、監理団体は、都の行政運営を支援、補完する重要な機能を持っており、報告団体は、その公益性にかんがみて、都が出資などを行っている団体であります。
 都は、こうした外郭団体に対して、出資者としての立場などから、その適切な運営に寄与するよう、早期に退職の勧奨を受ける国の天下りとは異なり、定年またはその直前まで働いた幹部職員のうち、適切な人材を都の保有する人材情報をもとに推薦しております。
 とりわけ監理団体につきましては、これまでも団体の統廃合、都の財政支出や都派遣職員数の削減、経営目標達成評価や役員業績評価制度の導入、退職金の全廃、情報公開の推進など、不断の改革に取り組んでおり、そうした状況のもと、再就職した役職員には、自律的な経営のかじ取りを厳しく求めております。
 一方、幹部職員の再就職については、都民から、公正な都政運営に疑念を持たれることのないよう、平成二十二年に再就職情報を一元管理し、部課長級以上の幹部職員全員の再就職情報を公表する人材バンクを整備したところであり、これまで適切に運用し、実績を積み重ねてまいりました。
 今後とも、より一層、公正性、透明性のさらなる向上を図る観点から、制度の運用に努めるとともに、その運用状況について不断の検証を行ってまいります。

〇議長(中村明彦君) 以上をもって質問は終わりました。

〇議長(中村明彦君) これより日程に入ります。
 日程第一から第四十六まで、第百八十六号議案、東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例外議案四十三件、専決二件を一括議題といたします。
 本案に関し、提案理由の説明を求めます。
 知事代理副知事安藤立美君。
   〔知事代理副知事安藤立美君登壇〕

〇知事代理副知事(安藤立美君) ただいま上程になりました四十六議案につきましてご説明申し上げます。
 初めに、第百八十五号議案から第二百十六号議案及び第二百二十八号議案の三十三議案は条例案でございます。
 まず、新設の条例ですが、十五件ございます。
 第百九十六号議案、東京都障害福祉サービス事業の設備及び運営の基準に関する条例など十五件すべて、いわゆる地域主権改革に関するもので、障害者等に関するサービスや施設、都道の道路構造や道路標識、都立公園等のバリアフリー化などの基準が条例に委任されましたので、新たに規定を定めるものでございます。
 次に、一部を改正する条例でございます。
 第百八十八号議案、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例など七議案につきましては、東京都人事委員会勧告等を踏まえまして、職員の給与等に関して一括して所要の改正を行うものでございます。
 第百九十一号議案、東京都体育施設条例の一部を改正する条例は、若洲海浜公園ヨット訓練所に利用料金制度を導入するものでございます。
 第百九十二号議案、東京都教育相談センター設置条例の一部を改正する条例など二議案につきましては、子ども家庭総合センターが開設されることに伴い、集約される教育相談センター及び児童相談センターの住所を改めるものでございます。
 第百九十五号議案、東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例は、低炭素建築物新築等の計画に関する手数料を設置するものでございます。
 第二百五号議案、東京都国民健康保険調整交付金条例の一部を改正する条例は、国民健康保険法の改正に伴い、東京都調整交付金の負担割合を引き上げるなど、規定を整備するものでございます。
 第二百十二号議案、東京都立公園条例の一部を改正する条例は、地域主権改革に関するもので、都市公園の設置基準などが条例に委任されましたので、規定を定めるものでございます。
 地域主権改革に関する条例委任に伴う一部改正は、このほかに二件ございます。
 このほか、法令の改正に伴い規定を整備するものなど三件ございます。
 第二百十七号議案から第二百二十一号議案までの五議案は契約案でございます。
 第二百十七号議案、東京消防庁芝消防署庁舎(二十四)新築工事請負契約など、契約金額の総額は約八十四億三千万円でございます。
 第二百二十二号議案から第二百二十七号議案までの六議案は事件案でございます。
 第二百二十二号議案は、当せん金付証票、いわゆる宝くじの平成二十五年度における発売限度額を定めるものでございます。
 第二百二十四号議案は、市に移譲されることになりました専用水道等の事務について、引き続き、都による広域処理の継続を求められたため、都が事務を受託するものでございます。
 このほかに、都立公園などの指定管理者の指定に関するものが四件ございます。
 次に、専決でございます。
 平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第一号)など二件は、選挙に要する経費につきまして、緊急に補正予算を編成し、議会を招集する時間的余裕がないと認め、専決処分を行ったものでございます。
 一つ目は、十二月十六日に執行予定の東京都知事選挙及び東京都議会議員補欠選挙に要する経費で、補正の額は五十二億七千六百万円、財源は全額繰越金を充当いたします。
 二つ目は、同じく十二月十六日に執行予定の衆議院議員選挙などに要する経費で、補正の額は六十二億九千九百万円、財源は全額国庫支出金を充当いたします。
 以上で説明を終わります。よろしくご審議のほどお願いを申し上げます。
(議案の部参照)

〇議長(中村明彦君) 以上をもって提案理由の説明は終わりました。
 なお、本案中、地方公務員法第五条第二項の規定に該当する議案については、あらかじめ人事委員会の意見を徴しておきました。
 議事部長をして報告いたさせます。

〇議事部長(別宮浩志君) 人事委員会の回答は、第百八十六号議案から第百九十号議案及び第百九十三号議案について、いずれも異議はないとの意見であります。
二四人委任第一〇一号
平成二十四年十一月二十九日
東京都人事委員会委員長 関谷 保夫
 東京都議会議長 中村 明彦殿
   「職員に関する条例」に対する人事委員会の意見聴取について(回答)
 平成二十四年十一月二十二日付二四議事第三五八号をもって照会があった議案に係る人事委員会の意見は、左記のとおりです。
       記
   提出議案
一 第百八十六号議案
  東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
二 第百八十七号議案
  東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
三 第百八十八号議案
  職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
四 第百八十九号議案
  職員の旅費に関する条例の一部を改正する条例
五 第百九十号議案
  職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
六 第百九十三号議案
  学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
   意見
異議ありません。

〇七十四番(原田大君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております議案のうち、日程第一から第七までの第百八十六号議案外六議案については、委員会付託を省略し、原案のとおり決定されることを望みます。

〇議長(中村明彦君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(中村明彦君) ご異議なしと認めます。よって、日程第一から第七までの第百八十六号議案外六議案は原案のとおり可決されました。

〇議長(中村明彦君) お諮りいたします。
 ただいま議題となっております日程第八から第四十六までは、お手元に配布の議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(中村明彦君) ご異議なしと認めます。よって、日程第八から第四十六までは、議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。
(別冊参照)

〇議長(中村明彦君) 請願及び陳情の付託について申し上げます。
 受理いたしました請願二十五件及び陳情六十五件は、お手元に配布の請願・陳情付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
(別冊参照)

〇議長(中村明彦君) お諮りいたします。
 明十二月一日から五日まで五日間、委員会審査のため休会いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(中村明彦君) ご異議なしと認めます。よって、明十二月一日から五日まで五日間、委員会審査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は十二月六日午後一時に開きます。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後十時三十七分散会


文書質問趣意書及び答弁書

二四財主議第三六三号
平成二十四年十一月二十一日
東京都知事代理副知事 猪瀬 直樹
 東京都議会議長 中村 明彦殿
   文書質問に対する答弁書の送付について
 平成二十四年第三回東京都議会定例会における左記議員の文書質問に対する答弁書を別紙のとおり送付します。
     記
   中村ひろし議員
   畔上三和子議員
   星ひろ子議員
   石毛しげる議員
   大山とも子議員

平成24年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 中村ひろし

質問事項
一 「障害者虐待防止法」の10月1日施行の対応等について

一 「障害者虐待防止法」の10月1日施行の対応等について
「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」いわゆる「障害者虐待防止法」が議員立法として平成23年6月17日に成立し、平成24年10月1日から施行されました。
法律では、障がい者の尊厳を守り、自立及び社会参加を推進するために虐待を禁止するとともに、予防と早期発見の取り組みを国や国民等に求めています。さらに、養護者や福祉施設従業員、雇用主による障がい者虐待を発見した人には、市町村や都道府県への通報の義務が発生します。法律には都道府県についての責務や役割も規定されています。
障がいの有無にかかわらず等しく相互に人格と個性を尊重し合う共生社会の実現を目指して取り組むことが重要です。「障害者虐待防止法」の10月1日施行の対応等について、以下、質問します。
1 都はこれまでも障がい者福祉施設の監督官庁であったのですが、障がい者の虐待についてどのように実態を把握し、対応していましたか。また、障がい者虐待を理由として、障害者自立支援法に基づく勧告や改善命令等の行政処分を行った実績はどうだったのか、伺います。
2 都では「障害者虐待防止法」の施行が10月1日に施行されたのに際してどのような体制整備や対応をしましたか。また、障がい者虐待防止に向けての方針や計画を策定すること等も必要と考えます。障がい者の虐待をなくすことを都としても強く推進する必要がありますが所見を伺います。
3 市区町村では、夜間休日も含めて24時間対応をする場合、相応の体制が必要であり、財政的支援の必要性もあるかと考えられますが所見を伺います。
4 養護者による障がい者虐待の場合には、市区町村が一時保護等の措置をすることになっていますが、市区町村の狭い区域では養護者と十分な距離を取れないとの懸念もあります。都としてこの場合はどう対応しますか、伺います。
5 使用者による障がい者虐待の場合は、都は労働局に報告するのみで事業所の監督権限はありません。都は、実際にはどのような役割を果たすのか、伺います。
6 障がいのある就学児は虐待防止の対応を学校長が行うことになりますが、教育機関との連携はどのように行うのか、伺います。
7 法の施行により都障がい者権利養護センター、市区町村障がい者虐待防止センターが対応窓口として設置されることになりますが、都内の設置状況をどう把握していますか。今後、センターの対応力のレベルアップを図ることが必要と考えますが、所見を伺います。
8 虐待防止に取り組むために、市民団体、関係団体等との連携、協力を図る必要があります。都の所見を伺います。

平成24年第三回都議会定例会
中村ひろし議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 「障害者虐待防止法」の10月1日施行の対応等について
  1 都はこれまでも障がい者福祉施設の監督官庁であったが、障がい者の虐待についてどのように実態を把握し、対応していたか。また、障がい者虐待を理由として、障害者自立支援法に基づく勧告や改善命令等の行政処分を行った実績はどうだったのか伺う。

回答
 障害者自立支援法に基づく施設の運営基準に関する厚生労働省令において、障害者福祉施設を運営する事業者は、利用者の人権擁護、虐待防止等のため、責任者を設置する等の体制整備や職員研修の実施等の措置を講ずるよう努めなければならないことが定められています。
 都は、施設の適正な運営を確保する立場から、人権擁護・虐待防止について周知を図るとともに、指導検査の機会を通じて、施設の取組を確認し、指導してきました。また、施設での対応に関する苦情などが寄せられた場合には、必要な事実確認を行い、改善指導を実施してきました。
 障害者虐待に関連し、障害者自立支援法に基づいて行った行政処分は1件で、その内容は、共同生活介護事業所において、人権擁護・虐待防止に関する取組が不十分で、管理者がサービスの実施状況の確認など、必要な業務管理の責務を果たさなかったため、従事者による暴行を防げなかったとして、3か月間の「指定の全部の効力停止」の処分を行ったものです。

質問事項
 一の2 都では「障害者虐待防止法」が10月1日に施行されたのに際してどのような体制整備や対応をしたのか。また、障がい者虐待防止に向けての方針や計画を策定すること等も必要と考える。障がい者の虐待をなくすことを都としても強く推進する必要があるが所見を伺う。

回答
 都は、障害者虐待防止法が施行された平成24年10月1日から、使用者による障害者虐待の通報窓口となる東京都障害者権利擁護センターを開設しました。
 また、平成23年度から、法の施行に向けて、区市町村の相談窓口従事者、施設の管理者及び従事者を対象に「障害者虐待防止・権利擁護研修」を実施しており、これまでに、1,281人が受講しています。さらに、障害福祉サービス従事者等に対し、各種の研修会も活用し、障害者虐待防止法に関する情報を提供し、周知を図ってきました。
 今後も、引き続き研修等を実施するとともに、虐待防止に関する知識や都内の通報窓口などを分かりやすくまとめたリーフレットを作成し、都民や関係団体に幅広く周知するなど、障害者の虐待防止に向けた取組を進めていきます。

質問事項
 一の3 市区町村では、夜間休日も含めて24時間対応をする場合、相応の体制が必要であり、財政的支援の必要性もあると考えられるが、所見を伺う。

回答
 都内全ての区市町村では、障害者虐待の通報窓口として障害者虐待防止センターを開設しています。
 夜間休日については、専門の相談員を設置したり、当直者が受け付けて必要な場合に担当者に連絡するなど、各自治体の実情に応じて対応しています。
 こうした夜間休日の体制整備に必要な経費については、国の障害者虐待防止対策支援事業による補助の対象とされています。

質問事項
 一の4 養護者による障がい者虐待の場合には、市区町村が一時保護等の措置をすることになっているが、市区町村の狭い区域では養護者と十分な距離を取れないとの懸念もある。都としてこの場合はどう対応するのか伺う。

回答
 養護者から虐待を受けた障害者を保護、分離するため、身体障害者福祉法や知的障害者福祉法に基づき、区市町村長が職権により施設に入所させる場合、養護者と障害者の面会を制限することができるとされています。
 また、都は、区市町村内に適切な施設が確保できない場合に備え、各区市町村を通じて収集した一時保護に協力可能な施設の情報を提供しています。

質問事項
 一の5 使用者による障がい者虐待の場合は、都は、労働局に報告するのみで事業所の監督権限はないが、実際にはどのような役割を果たすのか伺う。

回答
 障害者虐待防止法では、使用者による障害者虐待の通報窓口は、区市町村又は都道府県とされ、区市町村は通報を受けた場合には、都道府県に通知することとされています。
 都は、通報者や区市町村に、通報内容についての事実を確認した上で、労働局に報告を行います。
 また、都が設置する障害者権利擁護センターは、法に基づき、虐待を受けた障害者の支援のため、情報の提供、助言、関係機関との連絡調整その他の援助を行っていきます。

質問事項
 一の6 障がいのある就学児については、虐待防止の対応を学校長が行うことになるが、教育機関との連携はどのように行うのか伺う。

回答
 就学する障害者に対する虐待を防止するため、都は、障害者虐待防止法や児童虐待防止法に基づき、区市町村や児童相談所、学校、障害児施設などの関係機関と連携して対応していきます。

質問事項
 一の7 法の施行により都障がい者権利擁護センター、市区町村障がい者虐待防止センターが対応窓口として設置されることになるが、都内の設置状況をどう把握しているのか。今後、センターの対応力のレベルアップを図ることが必要と考えるが、所見を伺う。

回答
 都内では、全ての区市町村が障害者虐待防止センターを設置しており、都は、センターの設置場所や、夜間休日の連絡先などをホームページで公表しています。
 また、都は、法の施行に向けて、区市町村の通報窓口に従事する予定の職員等を対象として、法律に関する講義や演習方式の事例検討などを内容とした研修を実施してきました。引き続き、研修の内容を充実させながら、障害者虐待防止センターの対応力の向上を図っていきます。

質問事項
 一の8 虐待防止に取り組むために、市民団体、関係団体等との連携、協力を図る必要があるが、都の所見を伺う。

回答
 都は、障害者虐待を防止するため、都内の通報窓口などについて、労働、教育、保健医療、児童虐待防止、高齢者虐待防止等の関係部局や社会福祉協議会、社会福祉士会など障害者の権利擁護に取り組む民間団体等に、幅広く情報提供を行い、協力を求めています。
 また、障害者の支援に係る課題を協議する場である自立支援協議会も活用して、市民団体、関係団体等との連携体制の構築に努めています。

平成24年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 畔上三和子

質問事項
一 被災地、避難者支援について
二 高齢者の就業支援施策について

一 被災地、避難者支援について
原発事故・大震災と津波から1年6カ月が過ぎました。
私は、8月17日、2度にわたり南相馬市を中心に視察しましたが、地元の懸命の復興努力にもかかわらず、4月16日から立ち入りを許可された避難指示解除準備地域は、家屋の倒壊、一階天井まで波が押し寄せて多くの人命が一瞬にして奪われた特別養護老人ホーム、塩のにおいが強く残る泥沼化した田んぼ、3.11の生々しい津波のつめ跡がそのまま今日も残っている事態でした。
また、すでに居住者がいる地域でも放射線量が毎時1マイクロシーベルトを超えるところもあり、除染の遅れも深刻です。
さらに南相馬市の市立病院は医師と看護師不足から半分しか診療再開できないという事態におちいっています。
東京電力の賠償金の支払いについても、住民や業者の納得の得られるものではなく交渉は続いています。復興は、まさに緒についたところで、国をあげての支援が求められています。都としての被災地及び被災者に対する最善の支援を引き続きおこなうよう強く求めるものです。
一つは、職員の派遣です。
都は、すでに、土木と建築の技術系職員など、被災3県に対する職員派遣をすすめ、9月からは、さらに47人の職員を派遣の追加をしていますが、更なる支援が求められています。
1 福島県及び宮城県・岩手県の被災地のニーズを把握し、各県からの要請に積極的に応えるべきです。とりわけ緊急を要している技術系職員など必要な職員を都として採用し、被災地の派遣要請に応えることを求めますが、いいがですか。
観光支援も重要です。
被災地では、風評被害もあって観光地も大打撃を受けていますが、昨年から実施している都の福島応援ツアーは、被災した観光地を励まし、大きな効果をもたらしています。
2 都は、福島応援ツアーを昨年に引き続き、今年度も来年3月までの期間、福島旅行について、宿泊では1泊3千円の補助を4万泊分、日帰り1500円の補助で1万5千回分を組みましたが、都民が手続きできる旅行会社やツーリストは大手等にかたより身近な旅行会社に申し込みができない状況等が発生しています。
枠を拡大し、対象旅行会社の範囲を拡大し、都内のどの旅行会社やツーリストでも使えるようにすべきではありませんか。
3 また、実績を調査し、公平平等に活用するとともに、来年度も継続できるよう検討することを求めますが、いかがですか。
東京に避難している被災者に対しては、さらなる支援も必要です。
いまだ東京に避難している人は、9月6日現在9397人であり、先の見えない不安や困難を抱えているのが現状です。仕事の都合で父親だけ被災地に残り、母子で東京に暮らしている方々は、家族ばらばらという精神的ストレスに加え、二重生活による経済的負担が重くのしかかっています。
被災者は、無料だった高速道路代も警戒区域等からの避難者を除いて4月から有料となり、その負担の大きさから、家族の会える回数が減ってしまい、子どもたちにも精神的負担がかかっているという悩みも生まれています。新潟県では、被災者対象に高速バス料金の支援を行っています。往復5400円を一週間当たり一回分の支援となっていて、大変好評だと伺っています。
4 国に対し、警戒区域等以外からの避難者に対しても高速道路代無料化の適用を求めるべきです。東電への移動費用請求は「必要かつ合理的な範囲で支払う」となっており、かかる費用の全額が請求できるわけではありません。当面、都として、4月以降に高速道路代無料制度の対象外となった避難者で東京と福島の二重生活をしている家族に対する経済的支援を行うことを求めますが、いかがですか。
5 福島県では、この10月から18歳までの医療費無料制度がスタートしました。福島県から東京に避難している18歳以下の子どもに対する医療費が、償還払いでなく現物給付にできるよう、都として取り組むことを求めます。
6 長引く避難生活の中で、「夫が引きこもりになってしまった」「家族ばらばらの生活が不安で、うつ病になってしまった」など深刻な声も伺っています。避難した地域に溶け込めずに悩んでいる方もいます。これから、どこで、どう生活を建て直すか生活設計が建てられないなかで、二重三重の困難と苦しみを抱える避難者の生活と就労等の支援を、さらにきめ細かく丁寧に実施するために、区市町村と連携し、訪問活動を行うよう求めます。被災地情報の提供とともに、現在の生活をしっかりとサポートするために、都として、さらに全力で取り組むよう強く求めるものです。
7 都内避難者の中には、津波など災害時の恐怖体験のため、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しんでいる人もいます。都として、都内避難者のPTSD治療について、どのような支援を行っているのですか。支援を強化する必要があると思いますが、いかがですか。
二 高齢者の就業支援施策について
都は、指定管理者の選定評価を行うにあたって、外部の専門家を含む委員会を設置し、客観的かつ専門的な観点から、労働環境を含めた事業計画の審査や履行状況の確認をおこなっているとしています。
しかし、たとえば都立公園の清掃などの業務について見ると、その多くは指定管理者から再委託されており、実際の管理業務は再委託先がやっており、その実情を含めて審査や履行状況をみる必要があります。
なぜなら、指定管理者は競争入札で再委託先の選定をおこなっており、最低制限価格制度もないため、再委託先となるどの団体・企業とも仕事を確保することが切実なため、赤字を覚悟して入札に参加し、年々仕事の単価がさがり、実際の業務の労働条件は深刻にならざるを得ないからです。
1 都立公園などの指定管理者から再委託先となっている団体・企業の労働環境が年々悪化せざるを得ないような金額でしか契約できない実情について、都はどのように認識していますか。
都は、公共工事における労働環境確保については、契約にあたっては最低賃金法や労働基準法などの法令遵守を義務づけることにより、労働環境の確保を図っているとしています。
しかし、都立公園の清掃事業では、上記のように発注契約金額自体が、適正な賃金、必要な人員の確保などできるようなものではありません。
2 都は、公共工事における労働環境確保について、契約にあたっては最低賃金法や労働基準法などの法令遵守を義務づけることにより労働環境の確保を図っているとするならば、都として関係部局と連携して、指定管理者の再委託先での労働者の労働環境が確保されるように、その発注契約額を決めるにあたってルール化をすすめるべきではありませんか。
高齢者の就労支援をすすめている団体では、生活ができる賃金を保障できる契約金額で受注したいという切実な要求をもっています。
もともと高齢者雇用安定法の第5条、40条では、地方自治体は軽易な仕事について高齢者にまわる仕組みを作らなければならないとなっています。その希望に応じた就業機会を提供する団体を育成し、その就業機会の確保のために必要な措置を講ずるよう努めることを定めています。その対象としては、私が国に確認したところ、シルバー人材センターのみと限定しているわけではなく、高齢者の就業支援をしている団体等も含めているということです。
国は昨年12月、地方自治法施行令第167条の2第1項第3号、地方公営企業法施行令第21条14項第3号の法令改正をおこない、高齢者の就業支援をしている団体、企業組合などを育成する立場から、それらも政策契約の対象とするよう、その基準などを定めることを総務省から各都道府県知事あてに通知されました。
すでに高知市が、2012年1月からその具体化を進め、市民80%以上、60才以上が3分の2以上で構成されるなどの基準のもと、3団体が認められ仕事が実際に発注されています。都道府県レベルでも、北海道が今年度から基準づくりをすすめ、高齢者就業事業団、企業組合などの実態調査、随意契約要望を把握して、通知にそって今年度中には完了したいとしています。広島県では、昨年度末から早速、学識経験者を選出して基準づくり作業に入り、シルバー人材センターに準じる高齢者団体の登録の申請受付に入るとのことです。
3 都として、この「通知」にもとづき1認定基準を定め公表すること、2基準を定める時には、2人以上の学識経験者からの意見聴取すること、3認定するときは2人以上の学識経験者からの意見聴取することなど、早急に進める必要があると思いますが、都の進捗状況を明らかにしてください。
随意契約の際には、「高齢者の就業支援をしている団体、企業組合などを育成する」という視点が欠かせません。契約金額が低ければ、時間単価や月の給与額も低く見直され「生活ができる賃金を保障できる契約金額」にならないからです。
4 本来は、今回の改定があろうがなかろうが高齢者雇用安定法の第5条、40条の主旨でシルバー人材センターとともに高齢者の就業を支援している団体も対象にすべきです。これらを都の事業委託などの随意契約対象団体として位置づけ、生活ができる賃金を保障できる契約金額を提示させ関係部局から仕事を発注するよう、徹底することが求められると思いますが、いかがですか。
これまで都は、シルバー人材センター以外の非営利団体等があるにもかかわらず、シルバー人材センターのみに58区市町村に都の独自財源で毎年約7億円を助成し、国は東京都シルバー人材センター連合に約5億円の助成をしています。
しかし、シルバー人材センターの中心的な位置づけは「高齢者の生活観の充実、健康の保持」などとされており、高齢者が就労によって賃金収入を得て生活を維持することを主な目的としていないため、就労弱者にとっては極めて不十分な就労支援です。
生活保護者211万人の約半数は高齢者が占め、急速に悪化する高齢者の貧困化対策の上でも、高齢者の就労支援が求められています。
現に、シルバー人材センター以外の非営利団体等が、一方で高齢者就労支援団体として欠かせないとして、高齢者から歓迎されています。
5 都は、法の趣旨に従い、シルバー人材センターだけでなく、高齢者の就労支援に取り組む団体・企業組合にも助成しても良いと思いますが、いかがですか。
もともと、シルバー人材センターでは、会員が仕事中や仕事先との往復途上で怪我をした場合、会員には労災保険が適用されない。また、健康保険法は業務上のけがを対象外としており、健康保険に入っていても救済されないケースもあります。シルバー人材センターが加入している保険、「シルバー人材センター団体傷害保険」で対応しているため、十分ではありません。そのため、全国ではこの問題について裁判にもなる事態です。
会員と仕事の発注先及びシルバー人材センターとの間には雇用関係がなく、労働基準法も適用されていないからです。
シルバー人材センターの会員らが請負作業中にけがをしても保険が適用されず治療費が全額自己負担になるケースがあることにたいして、国はようやくプロジェクトチームをつくり、10月中にも結論を出す方針になっています。
6 都として、シルバー人材センターにおける、このような高齢者の就業環境に関わる問題についてどのように認識していますか。
7 都として国の動きを注視していくことはもちろんですが、国の対応待ちになることなく、シルバー人材センターにおける就業環境を適切なものとなるよう、徹底すべきではありませんか。

平成24年第三回都議会定例会
畔上三和子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 被災地、避難者支援について
  1 都は、すでに土木と建築の技術系職員など、被災3県に対する職員派遣をすすめているが、更なる支援が求められており、被災地のニーズを把握し、各県からの要請に積極的に応えるべきである。とりわけ緊急を要している技術系職員など、必要な職員を都として採用し、被災地の派遣要請に応えることを求めるが、見解を伺う。

回答
 都はこれまでも、被災地の状況や要望等を踏まえ、警察・消防をあわせ延べ3万人を超える職員を派遣してきましたが、今なお監理団体を含め100名を超える職員を中長期で派遣し、被災地を支えています。
 さらに本年9月に、被災地の本格復興に必要な技術者を確保するため、まちづくりの即戦力となる行政OBや民間経験者47人を任期付職員として採用し、被災地に派遣しました。
 この任期付職員を活用した取組は、都が全国に先駆けて実施したものですが、被災地における人材確保の有効な手立てとして、現在、宮城県など被災自治体も相次いで導入を決め、首都圏を含む全国から技術系職員など必要な人材を募り採用する動きが広がっています。
 こうした被災自治体の動きを踏まえ、都としては、採用広報の協力、選考会場の提供等、できる限りのサポートを行っていきます。

質問事項
 一の2 都は、福島応援ツアーを昨年に引き続き実施したが、都民が手続きできる旅行会社やツーリストは大手等にかたより身近な旅行会社に申し込みができない状況等が発生している。枠及び対象旅行会社の範囲を拡大し、都内のどの旅行会社やツーリストでも使えるようにすべきではないか、見解を伺う。

回答
 被災地応援ツアーの旅行事業者については、旅行業法に基づき行政機関に登録している都内旅行事業者であれば参加できる仕組みとなっています。

質問事項
 一の3 また、実績を調査し、公平平等に活用するとともに、来年度も継続できるよう検討することを求めるが、見解を伺う。

回答
 被災地応援ツアーは、福島県における観光の状況を踏まえて実施してきており、また旅行業法に基づき行政機関に登録している都内旅行事業者に対しては等しく参加の機会を確保するなど、適切な対応を図っています。

質問事項
 一の4 国に対し、警戒区域等以外からの避難者に対しても高速道路代無料化の適用を求めるべきである。東電への移動費用請求は、かかる費用の全額が請求できるわけではないことから、当面、都として、4月以降に高速道路代無料制度の対象外となった避難者で東京と福島の二重生活をしている家族に対する経済的支援を行うことを求めるが、見解を伺う。

回答
 高速道路の無料措置については、被災時の居住地が原発事故により国が避難を指示又は勧奨している区域等にあった方については平成25年1月15日まで実施されていますが、それ以外の区域からの避難者については平成24年3月31日で終了されています。
 こうした中、本年6月には、福島県が復興大臣に対して、昨年度末で終了した区域からの避難者に対する無料措置の実施を要望し、9月には、山形・新潟・福島三県知事会議が復興大臣に対し同様の要望を行ったと聞いており、都としては国に対して無料措置を求める予定はありません。
 また、避難者の生活費等、避難によって生じている費用については、国の責任により、東京電力株式会社からの損害賠償や、被災者の生活支援等を目的として本年6月に施行された、いわゆる「子ども・被災者支援法」等を通じて措置されるべきものであり、都としては、経済的支援を行う考えはありません。

質問事項
 一の5 福島県では、この10月から18歳までの医療費無料制度がスタートしている。福島県から東京に避難している18歳以下の子どもに対する医療費が、償還払いでなく現物給付にできるよう、都として取り組むことを求めるが、見解を伺う。

回答
 現在、東日本大震災による被災者のうち、原子力発電所の事故に伴う警戒区域等の住民であるなど、一定の要件に該当する方については、医療費の窓口負担は免除されています。
 また、平成24年10月からは、福島県の全市町村で、子供の医療費助成の対象年齢を18歳まで拡大して実施しており、福島県内に住民票を有する18歳以下の方は誰でも、この制度によって医療費の助成を受けることができます。
 この医療費助成制度では、福島県の各市町村が定めた地域の医療機関等を受診した場合には、窓口負担は必要ありません。それ以外の地域では、都内の医療機関等も含め、制度上、窓口で一旦負担していただき、償還払いにより助成を受けることとなっています。

質問事項
 一の6 二重三重の困難と苦しみを抱える避難者の生活と就労等の支援を、さらにきめ細かく丁寧に実施するために、区市町村と連携し、訪問活動を行うよう求める。被災地情報の提供とともに、現在の生活をしっかりとサポートするために、都として、さらに全力で取り組むよう強く求めるが、見解を伺う。

回答
 都は、都内避難者向けに、被災地の行政情報や都の支援情報を定期的に提供するほか、平成23年7月に福祉総合相談窓口を設置し、様々な相談に対応しています。
 また、区市町村等が実施する都内避難者への戸別訪問や交流会の開催等の活動を支援するため、平成23年9月から孤立化防止事業などを実施しています。
 本年2月には、都内避難者の現状やニーズ等を把握し今後の支援に活かすため、都内避難世帯へアンケート調査を実施し、調査で得られた戸別訪問や交流会等参加を希望する世帯の情報等を区市町村に提供しました。
 7月には、区市町村の都内避難者支援担当者を対象とした連絡会を開催し、被災自治体の動向等の情報提供や就職支援事業者の紹介を行ったほか、被災自治体による都内での説明会の開催を支援するなど、区市町村や被災自治体と連携しながら、都内避難者支援に取り組んでいます。

質問事項
 一の7 都として、都内避難者のPTSD治療について、どのような支援を行っているのか。支援を強化する必要があると考えるが、見解を伺う。

回答
 都内避難者からPTSDを含む精神疾患等に関する相談があった場合には、精神保健福祉センターや保健所で専門職による精神保健福祉相談を実施し、医療機関への受診等に係る助言、指導を行っています。

質問事項
 二 高齢者の就業支援施策について
  1 都立公園などの指定管理者から再委託先となっている団体・企業の労働環境が年々悪化せざるを得ないような金額でしか契約できない実情について、都はどのように認識しているのか伺う。

回答
 指定管理者が再委託先と締結する契約は、民間事業者間の契約であり、契約の当事者ではない都が関与するものではありません。
 都は、指定管理者に対し労働関係法令等の遵守を義務付けるとともに、指定管理者の選定や管理運営状況の評価を通じて、今後とも指定管理者制度における労働環境の確保に努めていきます。

質問事項
 二の2 都は、公共工事における労働環境確保について、契約にあたっては最低賃金法や労働基準法などの法令遵守を義務づけることにより、労働環境の確保を図っているとするならば、都として関係部局と連携して、指定管理者の再委託先での労働者の労働環境が確保されるように、その発注契約額を決めるにあたってルール化をすすめるべきと考えるが、見解を伺う。

回答
 指定管理者制度は、公の施設の管理運営に民間の能力を活用し、都民サービスの向上を図るとともに効率的・効果的な管理運営を進めるものです。
 都では、指定管理者に労働関係法令等の遵守を義務付け、指定管理者制度における労働環境の確保を図りつつ、民間の柔軟性や創意工夫を活かした公の施設の管理運営を推進しています。
 このような指定管理者制度の考え方を踏まえ、指定管理者と再委託先が合意の上で締結する再委託契約について、都が契約額に係るルールを定めることは考えていません。

質問事項
 二の3 昨年12月の、地方自治法施行令第167条の2第1項第3号及び地方公営企業法施行令第21条第14項第3号の法令改正にもとづき、1認定基準を定め公表すること、2基準を定める時には、2人以上の学識経験者から意見聴取すること、3認定するときは2人以上の学識経験者から意見聴取することなど、早急に進める必要があると考えるが、都の進捗状況について伺う。

回答
 昨年12月の地方自治法施行令の改正により、シルバー人材センター等に準ずる者として、普通地方公共団体の長の認定を受けた者に対して、随意契約ができることになりましたが、政令改正の対応については、他の地方公共団体の動向等も踏まえ、現在検討中です。

質問事項
 二の4 本来は、高齢者雇用安定法第5条及び第40条の主旨から、シルバー人材センターとともに高齢者の就業を支援している団体も対象にすべきであり、これらを都の事業委託などの随意契約対象団体として位置づけ、生活ができる賃金を保障できる契約金額を提示させ、関係部局から仕事を発注するよう徹底することが求められるが、見解を伺う。

回答
 今回の地方自治法施行令改正に伴う取扱いについては、他の地方公共団体の動向等も踏まえ、現在検討中です。
 なお、法令等に基づき、予定価格は契約の目的となる物件または役務について、取引の実例価格、需給の状況等を考慮して適正に定めており、予定価格の範囲内において、適切に契約締結を行うこととされています。

質問事項
 二の5 都は、法の趣旨に従い、シルバー人材センターだけでなく、高齢者の就労支援に取り組む団体・企業組合にも助成しても良いと考えるが、見解を伺う。

回答
 シルバー人材センターは、広く都内の区市町村に設置されており、長きに渡り地域社会に密着した活動を行い、高齢者の就業機会の確保に実績を有していることから、都としては、シルバー人材センターを高年齢者等の雇用の安定等に関する法律第40条の団体として支援しています。

質問事項
 二の6 都として、シルバー人材センターにおける、このような高齢者の就業環境に関わる問題について、どのように認識しているのか伺う。

回答
 シルバー人材センター会員に対する健康保険や労災保険の適用については、国において判断すべきものであると考えています。

質問事項
 二の7 都として、国の動きを注視していくことはもちろんであるが、国の対応待ちになることなく、シルバー人材センターにおける就業環境を適切なものとなるよう徹底すべきと考えるが、見解を伺う。

回答
 都では、既に、公益財団法人東京しごと財団の「シルバー人材センター団体傷害保険」等に加入させることに加え、安全就業パトロール指導員による巡回指導など、シルバー人材センター会員の安全就業を推進するための各種取組を行っています。

平成24年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 星ひろ子

質問事項
一 名簿入手と個人情報保護について

一 名簿入手と個人情報保護について
昨年の東日本大震災を経て、災害時の安否確認や救助のため、また大きく報道された孤立死の問題などで、どこに誰が住んでいるのかを把握することの重要性が注目されています。しかし、実際の運用では、例えば震災避難者への支援をしようとする団体が、個人情報保護を盾に、支援を必要とする人の所在地を知ることができず、支援情報を本人に届けることができない事態も起こっています。個人情報の取り扱いについては、共有化と活用の必要性が言われる一方、個人の情報が自分の知らない間にどこかに行ってしまうのではないかという心配や不安の声があることも事実です。自治体が持っている個人情報を他の機関に提供することや、そのための名簿を整備する際の情報収集の方法と提供先・提供方法については、さまざまな議論があるところです。
1 東京都個人情報保護条例では、第5条に「保有個人情報を取り扱う事務を開始しようとするときは、(中略)知事に届け出なければならない」と規定しています。届け出の手続きの方法について伺います。
2 名簿を収集する際の東京都情報公開・個人情報保護審議会への報告はどのようになっているのでしょうか。
3 個人情報保護条例を運用する部署として、各機関に対して届け出をどのように促しているのでしょうか。
災害時要援護者名簿は、災害時の避難支援体制を整備するために要援護者情報の収集・共有が必要なことから、自治体がつくり関係機関に提供するもので、消防署や警察署に提供している自治体も多くあります。
4 消防庁の災害時要援護者名簿については、情報公開・個人情報保護審議会にいつ報告され、どのような意見があったのでしょうか。
警視庁は、各警察署長宛てに今年4月6日付けで「自治体との協定等による個人情報の収集状況の調査等について」という文書を出し、調査を実施しました。この調査は、東京都個人情報保護条例第5条及び第6条の規定に基づいて届け出をするためのものです。調査対象にしているのは、防犯目的で入手した高齢者名簿と災害時要援護者名簿等です。
防犯目的の高齢者名簿は、高齢者をねらった振り込め詐欺や高齢者の交通事故が増加していることから、犯罪予防や事件事故の未然防止を図るため、警察署が自治体に高齢者の住所、氏名などの提供を求めています。名簿の提供については、各自治体が判断しています。一方、振り込め詐欺事件捜査のため、刑事訴訟法197条第2項に基づく照会として、高齢者名簿の提供を求めている警察署もありますが、そのことは警視庁の調査報告には記載されていません。
提供された高齢者名簿の使い方については、自治体によって、目的外使用や外部提供の禁止、コピーを禁止するなど、取り扱いに関する条件を付しています。防犯のための具体的な活用は、個人情報保護に配慮して行う必要があるのは当然のことです。こうした条件を守った上で、高齢者世帯への訪問やパトロール強化に活用していただきたいと思います。
5 今回警視庁が実施した調査の目的および調査結果の概要はどのようなもので、それをどのように取り扱ったのでしょうか。
6 防犯のための高齢者名簿の入手については、個人情報保護条例に照らしてどのような手続きで行われたのでしょうか。

平成24年第三回都議会定例会
星ひろ子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 名簿入手と個人情報保護について
  1 東京都個人情報保護条例では、第5条に「保有個人情報を取り扱う事務を開始しようとするときは、(中略)知事に届け出なければならない」と規定しているが、届け出の手続きの方法について伺う。

回答
 知事、各行政委員会、公営企業管理者等の実施機関が、東京都個人情報の保護に関する条例第5条第1項に基づき、保有個人情報を取り扱う事務を開始しようとするときは、当該事務の名称や目的、保有個人情報の記録項目、対象者の範囲等の事項を知事に届け出なければならないこととなっています。

質問事項
 一の2 名簿を収集する際の東京都情報公開・個人情報保護審議会への報告は、どのようになっているのか伺う。

回答
 実施機関が名簿の収集などの保有個人情報を取り扱う事務を開始する場合には、東京都情報公開・個人情報保護審議会は、東京都情報公開・個人情報保護審議会規則第1条の2により意見を述べることができることとなっています。
 このため、実施機関が審議会に当該届出事務について報告し、これに対する各委員の意見を伺っています。

質問事項
 一の3 個人情報保護条例を運用する部署として、各機関に対して届け出をどのように促しているのか伺う。

回答
 生活文化局では、毎年度1回各局等の個人情報保護制度担当者を対象として、個人情報保護制度の運用等に関する説明会を実施しています。
 また、各局等の職員を対象とした個人情報保護制度に関する実務研修を行い、これらの研修等を通じて、保有個人情報を取り扱う事務を開始しようとするときの届出について周知徹底を図り、適切な届出がなされるよう努めています。

質問事項
 一の4 災害時要援護者名簿は、災害時の避難支援体制を整備するために要援護者情報の収集・共有が必要なことから、自治体がつくり関係機関に提供するものであるが、消防庁の災害時要援護者名簿については、情報公開・個人情報保護審議会にいつ報告され、どのような意見があったのか伺う。

回答
 東京消防庁は、平成21年3月13日に開催された第40回情報公開・個人情報保護審議会において、10月15日を事務の開始日とした保有個人情報取扱事務「災害時要援護者の火災時等における救助対策」の具体的な内容等について説明を行いました。
 審議会では、「高齢者が安心して暮らせるために、個人情報を利用したシステムの構築は必要である」、「セキュリティの問題については、各担当者が十分に意識してもらいたい」等の意見がありました。

質問事項
 一の5 警視庁は、今年4月に、東京都個人情報保護条例第5条及び第6条の規定に基づく届出をするため、防犯目的で入手した高齢者名簿と災害時要援護者名簿等を対象にした調査を実施したが、その目的及び調査結果の概要はどのようなもので、それをどのように取り扱ったのか伺う。

回答
 今回の調査の目的は、警察署と各自治体との間における、高齢者や災害時要援護者等の個人情報の提供及び収集に係る事実関係やその内容を本部主管課が把握するとともに東京都個人情報の保護に関する条例に基づく届出等を適切に行うため実施したものです。
 調査結果の概要は、高齢者名簿については11の自治体から提供を受け、また、災害時要援護者名簿については32の自治体から提供を受けています。
 把握した内容に基づき、「高齢者等に対する防犯対策事務」、「災害時要援護者避難等支援事務」として、警視総監から知事に対して、保有個人情報取扱事務の届出を行いました。

質問事項
 一の6 防犯のための高齢者名簿の入手については、個人情報保護条例に照らしてどのような手続きで行われたのか伺う。

回答
 東京都個人情報の保護に関する条例第5条第1項において、個人情報を収集するなど、保有個人情報を取り扱う事務の開始に当たり、知事に届け出る義務があることが定められています。
 一方、同条第2項において、犯罪の予防など公共の安全と秩序の維持に係る事務については、同条第1項の届出義務の適用が除外されているが、警視庁における運用の指針を示した警視庁総務部長通達(「個人情報保護制度の適正な運用について」(平成18年3月31日通達甲(総.文.制)第5号)第5条関係(保有個人情報取扱事務の届出)の第2運用の5)において、公共の安全等に係る事務であっても、事務の名称、目的、保有個人情報の記録項目等を明らかにしても、当該事務の適正な遂行に支障がないと認められる事務については、届出を行うことができるものとされています。
 今回入手した高齢者名簿は、高齢者に対する防犯対策活動の推進を目的とするものですが、その内容等について調査した結果、当該事務の適正な遂行に支障がないと認めた段階で、警視庁では、届出を行うことができる旨を定めた警視庁総務部長通達に基づき、知事に届け出るとともに、東京都情報公開・個人情報保護審議会に通知しました。

平成24年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 石毛しげる

質問事項
一 自転車対策について

一 自転車対策について
私達が普段通勤、通学、買物、サイクリングと利用している自転車は、環境に優しく、健康的で、身近で便利で、経済的と言った良い面があるが、一方自転車が引き起こす事故や、放置自転車等に見られる負の側面もある。
最近は、各自治体が自転車・自転車道・それを取り巻く諸問題に頭を悩ませ、その対策に取り組む所が出てきている。
先般、東京都豊島区では、2011年におこった交通事故のうち約46%の404件が、自転車が絡む事故であった。
自転車が絡んだ事故件数は交通事故全体の約2割が全国平均だが、豊島区は二倍以上であった。
そこで豊島区は9月、自転車の交通安全を図る目的で、「豊島区自転車の安全利用に関する条例」を施行した。区と自転車利用者、自転車を運転する子供を持つ保護責任者の責務を定めた理念条例を定めた。
「自転車利用者の責務」としては、歩行者に配慮した運転や区や警察などが実施する啓発活動への参加を求め、自転車の定期的な点検や自転車損害賠償責任保険への加入も盛り込むというものである。
「保護責任者の責務」としては、13歳未満の子供を自転車に乗車させる場合はヘルメットの着用を求めている。
さて、歩行者と自動車の間で事実上、中途半端な扱いになっていた自転車の交通ルールについては、警察が「自転車は車道通行」という原則を徹底する方針を打ち出したこともあって、歩行者との事故は減少している。
しかしながら、一定の効果は出始めたとはいえ、荷降ろしでの路上駐車など自転車を利用する上での危険は依然残ったままである。
自転車は道路交通法で「軽車両」に分類され、原則として車道走行が義務付けられている。だが、交通死亡事故の多発を受けて1970年から、許可された歩道も走行できるようになった。指針では「自転車は車道」の原則に沿いながら、歩行者と自転車、自動車の分離を進めていくというものだ。
全国の道路約120万キロのうち、自転車専用道やレーンは約3千キロと整備は進んでおらず、歩道を走る自転車と歩行者との事故も後を絶たない状況が続いている。
1 今後、自転車が安心して走行できる環境整備が課題となるが、東京都は自転車や歩行者、自動車それぞれの安全を確保するため、自転車走行空間の整備にどう取組んでいくのか伺う。
自転車全体の事故件数は、01年の約17万5千件から11年は約14万4千件と減っているにもかかわらず、歩行者との事故は06年以降、2800件前後で推移。11年も2801件で、10年前の1.5倍以上である。
警察庁によると、2011年に自転車が赤切符を切られた件数は3623件。06年の268件から約13倍に跳ね上がっている。
11年は1271件に達した。大半は「ピスト」と呼ばれる最初から自転車にブレーキが付いていない競技用自転車での公道走行である。
2 過去5年間の自転車に対する取締り件数と違反態様、また、自転車利用者に対する指導取締り強化のためどのような対策を施しているのか。
都青少年・治安対策本部長は、都議会の質問で、放置自転車対策などを目的とした自転車条例について「早期に提案できるよう取り組む」と述べ、制定の意向を明らかにした。
また、自転車の運転マナー向上のため、自転車へのナンバープレート制度の導入、放置自転車を減らすことを目的としたデポジット(預け金)制度の導入について、検討する考えだ。都が設置した自転車対策懇談会では、購入時に利用者が自転車店で一定の預け金を支払い、氏名や住所などを登録した上で、自転車後部にナンバープレートをつけ、預け金や登録者情報は都の指定団体が管理し、自転車の廃棄時にナンバーを返納し、預け金を利用者に返す仕組みが検討された。
ナンバーから利用者を判明しやすくすることで、危険運転への抑止効果や、人との接触事故が起きた時のひき逃げ防止が期待できる。
預け金については、放置自転車を行政が撤去しても、持ち主が引き取りに来ないケースが多いことから導入検討につながった。
現行の防犯登録制度では利用者情報を警察に登録し、シールを貼ることが義務付けられているが、未登録やシールをはがした場合の罰則はない。新しい制度では罰則導入も検討されている。
都によると、都内で2010年度に撤去された放置自転車は約68万3千台。うち約4割の約30万台は、引き取りに来なかったため、自治体が処分した。都内市区町村の放置自転車対策費は約155億円(10年度)に上っている。
現行では放置自転車として撤去された場合、返してもらうのに負担金約3千円がかかる。これに対して値段が1万円を切る新車も多くデフレに伴って自転車の価格が安くなり、安易な放置が助長されていることや、撤去した自転車の約4割が所有者に引き取られず処分されている現状を踏まえ、「撤去自転車の返還率が大幅に向上するなどの効果が見込まれる」とした。
3 自転車の価格が、都内だけ購入費が上がり、消費者が都内以外で自転車を購入するということになると、都内の業者の売上に影響が出ないか。
4 ナンバープレート制度については厳格な登録制度が必要と考えるがどうか。

平成24年第三回都議会定例会
石毛しげる議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 自転車対策について
  1 自転車専用道やレーンは、全国の道路約120万キロのうち約3千キロと整備は進んでおらず、歩道を走る自転車と歩行者との事故も後を絶たない状況が続いており、今後、自転車が安心して走行できる環境整備が課題となるが、東京都は自転車や歩行者、自動車それぞれの安全を確保するため、自転車走行空間の整備にどう取組んでいくのか、見解を伺う。

回答
 自転車は、都市内の有効な交通手段の一つであり、歩行者、自転車、自動車それぞれの安全・安心を確保しながら、自転車走行空間の整備を進めることが重要です。
 都は、「2020年の東京」において、これまで整備した100キロメートルに加え、平成32年度までに新たに100キロメートルの自転車走行空間を整備することとしています。
 このため、道路の幅員や利用状況に応じた自転車道や自転車レーンなどの整備手法や、安全性・利便性向上の視点から選定した優先整備区間などを内容とする計画を取りまとめています。
 この計画により、既設道路においては、平成32年度までに100キロメートルの整備をしていくほか、新設、拡幅道路においても、整備に取り組んでいきます。
 今後とも、交通管理者と連携を図りながら、自転車走行空間の整備を積極的に推進し、誰もが安全で安心して利用できる道路空間を創出していきます。

質問事項
 一の2 過去5年間の自転車に対する取締り件数と違反態様、また、自転車利用者に対する指導取締り強化のため、どのような対策を施しているのか伺う。

回答
 過去5年間の交通切符を適用した自転車の取締件数については、平成19年が172件、平成20年が375件、平成21年が574件、平成22年が1,438件、平成23年が2,054件、平成24年が8月末現在で1,709件です。
 次に違反態様については、取締件数の多い順に、制動装置不良自転車運転、遮断踏切立入、信号無視、二人乗り、その他となっています。
 また、自転車利用者の交通違反に対する指導取締強化については、各種の警察活動を通じて恒常的に自転車利用者に対する交通指導取締りを行っているほか、毎月10日の交通安全日に「管下一斉自転車ストップ作戦」を行い、都内全警察署による指導警告及び取締りを実施しています。
 このような活動の中で、自転車利用者の交通違反に対しては、必要に応じて自転車指導警告カードを活用した指導警告を行っているとともに、悪質、危険な違反者に対しては、交通切符を適用して厳格に対処しています。

質問事項
 一の3 都は、放置自転車を減らすことを目的としたデポジット(預け金)制度の導入について検討する考えだが、都内だけ自転車の購入費が上がり、消費者が都内以外で自転車を購入するということになると、都内の業者の売上に影響が出ないか、見解を伺う。

回答
 デポジット制度については、ご指摘の点も含め、様々な課題があるものと認識しており、導入の是非やその制度のあり方については、今後、関係者の意見を踏まえ検討していきます。

質問事項
 一の4 都は、自転車の運転マナー向上のため、自転車へのナンバープレート装着義務化を検討しており、制度については厳格な登録制度が必要と考えるが、見解を伺う。

回答
 自転車のナンバープレート制度が有効に機能するためには、都内の自転車利用者が全員参加する厳格な登録制度が必要であると考えられ、今後、同制度の導入の是非やその制度のあり方について、関係者の意見を踏まえ、検討していきます。

平成24年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 大山とも子

質問事項
一 霞ヶ丘国立競技場の建て替えと都営霞ヶ丘アパートについて

一 霞ヶ丘国立競技場の建て替えと都営霞ヶ丘アパートについて
新宿区内にある都営霞ヶ丘アパートには、230世帯を超える方々が暮らしています。1960年代前半の建設のため、霞ヶ丘町会では数年前から東京都に、建て替え計画はどうなっているのか、再三確認をしてきましたが、その都度都からは、建て替え対象にはなっているが、具体的な建て替え計画がない旨の回答でした。
ところが今年7月20日に突然、霞ヶ丘アパートも関連敷地とした、新国立競技場の国際デザインコンクールの公募が発表されました。
「新国立競技場基本構想国際デザイン競技募集要項」には、そのまえがきで、「招致をめざす2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会のメインスタジアム」として、「国立競技場を改築」することが記述されています。住民からも、そこのけそこのけオリンピックが通るではないか、という意見が出されています。
8月26日には「国立競技場の建て替えに伴う移転に関する説明会」が居住者向けに開かれましたが、新国立競技場をつくるから移転してくれとの、都や日本スポーツ振興センターの説明に居住者は納得できず、様々な意見が出されました。
1 霞ヶ丘国立競技場の建て替えについては、文部科学省のもとに国立競技場将来構想有識者会議が設置され、具体化されたものと言われています。しかし、この有識者会議は非公開で行われ、議事録さえも公開されていないということは大問題です。有識者会議及び国にたいし、議事録の公開を求めるべきです。
2 奥村展三文部科学副大臣は、3月7日の記者会見で有識者会議について、「石原知事もおいでいただいたわけでございますが、精力的に是非2020年を招致したい、そのためには、東京都は当然協力というか、ある意味ではリーダーシップを取りながら、国の協力をいただいてしっかり進めていきたいというようにおっしゃってもおりました。」と発言しています。知事は有識者会議にどのような立場で臨んだのか、またその会議での知事の発言を明らかにすべきです。
3 現に居住者がいて、そこで生活しているのに、居住者に相談もなくデザイン公募をすること自体、大問題です。都営霞ヶ丘アパートを「計画対象範囲」とした経過を、時系列で明らかにしてください。
4 2019年のラグビーワールドカップに間に合わせるとのことで期限を切り、日程を設定しています。ラグビーワールドカップの会場は霞ヶ丘国立競技場と決められているわけでもありません。国内にはラグビーワールドカップの開催可能な会場は現在でもあると思いますが、どうですか。
5 霞ヶ丘アパート居住者の年齢構成は、66歳以上が214名、約6割が高齢者であり、71歳以上が160人を超え、とりわけそのうち81歳以上が65名もいます。住民の多くが高齢者であるだけに、今まで培ってきた地域のコミュニティーを壊すこと、なじみのない地域への引っ越しなど住環境の激変は、精神的なダメージが大きく認知症や健康面への悪影響が心配されますが、どう認識しているのですか。
6 高齢者だけに、コミュニティーが壊れることや住みなれた地域を離れることは、生命や健康に大きな影響を与えます。認知症の進行、ひきこもりなどを誘発するケースも多くみられます。せめて現在の同じ地域にみんなで一緒に住めるように、建て替えてほしいとの声があります。都は、この切実なせめてもの願いにこたえることを求めるものですが、こうした住民の願いをどう受け止めているのですか。
7 約230世帯を超える居住者が現に生活している都営住宅を、居住者の合意も得ずに「計画対象範囲」として公募に出すこと自体、許されないことです。都営霞ヶ丘アパートについては、現在の計画を白紙に戻してほしいという願いにこたえて、あらためて住民との話し合いから始めるべきです。答弁を求めます。

平成24年第三回都議会定例会
大山とも子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 霞ヶ丘国立競技場の建て替えと都営霞ヶ丘アパートについて
  1 霞ヶ丘国立競技場の建て替えについては、国立競技場将来構想有識者会議で具体化されたものであるが、この会議は非公開で行われ、議事録さえも公開されていない。有識者会議及び国に対し、議事録の公開を求めるべきだが、見解を伺う。

回答
 国立競技場将来構想有識者会議は、独立行政法人日本スポーツ振興センターが非公開を前提に開催しているため、都としては、公開を求める考えはありません。

質問事項
 一の2 知事は有識者会議にどのような立場で臨んだのか、また、その会議での知事の発言を明らかにすべきだが、見解を伺う。

回答
 知事は、平成24年3月6日に開催された第一回国立競技場将来構想有識者会議に委員として出席しています。また、その際の発言については、非公開を前提とした会議のため、都としては、公開する考えはありません。

質問事項
 一の3 霞ヶ丘アパートも関連敷地とした、新国立競技場の国際デザインコンクールの公募が発表されたが、居住者に相談もなくデザイン公募をすること自体、問題である。都営霞ヶ丘アパートを「計画対象範囲」とした経過について伺う。

回答
 計画対象範囲については、平成24年7月20日に、独立行政法人日本スポーツ振興センターにより公表された新国立競技場基本構想国際デザイン競技の募集要項の中で明らかになったものです。

質問事項
 一の4 2019年のラグビーワールドカップに間に合わせるとのことで期限を切り、建て替えの日程を設定しているが、会場は霞ヶ丘国立競技場と決められているわけでもない。国内にはラグビーワールドカップの開催可能な会場は現在でもあると思うが、見解を伺う。

回答
 2019年のラグビーワールドカップの会場については、ラグビーワールドカップ2019組織委員会が決定するものであり、都は回答する立場にはありません。

質問事項
 一の5 霞ヶ丘アパート居住者の多くが高齢者であり、今まで培ってきた地域のコミュニティーを壊すこと、なじみのない地域への引っ越しなど住環境の激変は、精神的なダメージが大きく認知症や健康面への悪影響が心配されるが、どう認識しているのか、見解を伺う。

回答
 国は、ナショナルプロジェクトとして、国立霞ヶ丘競技場の建替えを行うことを決定しました。
 競技場の建替えの計画対象範囲に、霞ヶ丘アパートの敷地が含まれていることから、霞ヶ丘アパート居住者の移転が必要となりました。
 居住者の移転については、適切に対応することとしています。

質問事項
 一の6 国立競技場の建て替えに伴う都営霞ヶ丘アパートについて、現在の同じ地域にみんなで一緒に住めるように、建て替えてほしいとの声があるが、都は、こうした住民の願いをどう受け止めているのか、見解を伺う。

回答
 国立霞ヶ丘競技場の建替えの計画対象範囲に、霞ヶ丘アパートの敷地が含まれていることから、霞ヶ丘アパート居住者の移転が必要となりました。

質問事項
 一の7 約230世帯を超える居住者が現に生活している都営住宅を、居住者の合意も得ずに「計画対象範囲」として公募に出すこと自体、許されないことである。都営霞ヶ丘アパートについては、現在の計画を白紙に戻してほしいという願いにこたえ、あらためて住民との話し合いから始めるべきだが、見解を伺う。

回答
 国において国立霞ヶ丘競技場の建替えを行うこととなっており、競技場の建替えの計画対象範囲に、霞ヶ丘アパートの敷地が含まれることは、既に決定されています。

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