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Tokyo Metropolitan Assembly

平成二十四年東京都議会会議録第八号

平成二十四年六月十二日(火曜日)
 出席議員 百二十三名
一番小林 健二君
二番加藤 雅之君
三番三宅 正彦君
四番桜井 浩之君
五番山崎 一輝君
六番福士 敬子君
七番土屋たかゆき君
八番野田かずさ君
九番山内れい子君
十一番関口 太一君
十二番くりした善行君
十三番西沢けいた君
十四番田中  健君
十五番畔上三和子君
十六番斉藤やすひろ君
十七番栗林のり子君
十八番松葉多美子君
十九番伊藤こういち君
二十番鈴木 章浩君
二十一番菅  東一君
二十二番きたしろ勝彦君
二十三番早坂 義弘君
二十四番高木 けい君
二十五番星 ひろ子君
二十六番小山くにひこ君
二十七番柳ヶ瀬裕文君
二十八番淺野 克彦君
二十九番新井ともはる君
三十番佐藤 由美君
三十一番中村ひろし君
三十二番たきぐち学君
三十三番田の上いくこ君
三十四番島田 幸成君
三十五番大島よしえ君
三十六番高倉 良生君
三十七番上野 和彦君
三十八番吉倉 正美君
三十九番遠藤  守君
四十番相川  博君
四十一番高橋 信博君
四十二番中屋 文孝君
四十三番村上 英子君
四十四番矢島 千秋君
四十五番高橋かずみ君
四十六番山加 朱美君
四十七番西崎 光子君
四十八番しのづか元君
四十九番滝沢 景一君
五十番中谷 祐二君
五十一番笹本ひさし君
五十二番山下ようこ君
五十三番神野 吉弘君
五十四番鈴木 勝博君
五十五番興津 秀憲君
五十六番岡田眞理子君
五十七番古館 和憲君
五十八番かち佳代子君
五十九番大松あきら君
六十番中山 信行君
六十一番橘  正剛君
六十二番野上 純子君
六十三番谷村 孝彦君
六十四番山田 忠昭君
六十五番林田  武君
六十六番小宮あんり君
六十七番吉住 健一君
六十八番神林  茂君
六十九番野島 善司君
七十番服部ゆくお君
七十一番伊藤 ゆう君
七十二番原田  大君
七十三番佐藤 広典君
七十四番西岡真一郎君
七十五番尾崎 大介君
七十六番山口  拓君
七十七番伊藤まさき君
七十八番松下 玲子君
七十九番野上ゆきえ君
八十番今村 るか君
八十一番たぞえ民夫君
八十二番吉田 信夫君
八十三番小磯 善彦君
八十四番長橋 桂一君
八十五番藤井  一君
八十六番鈴木貫太郎君
八十七番こいそ 明君
八十八番遠藤  衛君
八十九番田中たけし君
九十番宇田川聡史君
九十一番鈴木 隆道君
九十二番三原まさつぐ君
九十三番田島 和明君
九十五番吉田康一郎君
九十六番斉藤あつし君
九十七番泉谷つよし君
九十八番くまき美奈子君
九十九番大西さとる君
百番いのつめまさみ君
百一番小沢 昌也君
百二番石毛しげる君
百三番大津 浩子君
百五番清水ひで子君
百六番ともとし春久君
百七番東村 邦浩君
百八番中嶋 義雄君
百九番木内 良明君
百十番古賀 俊昭君
百十一番吉原  修君
百十二番鈴木あきまさ君
百十三番宮崎  章君
百十四番川井しげお君
百十六番吉野 利明君
百十七番比留間敏夫君
百十八番門脇ふみよし君
百十九番増子 博樹君
百二十番大塚たかあき君
百二十一番酒井 大史君
百二十二番山下 太郎君
百二十三番大沢  昇君
百二十四番中村 明彦君
百二十五番馬場 裕子君
百二十六番和田 宗春君
百二十七番大山とも子君

 欠席議員 一名
  百十五 番 三宅 茂樹君
 欠員
    十番 九十四番 百四番

 出席説明員
知事石原慎太郎君
副知事佐藤  広君
副知事猪瀬 直樹君
副知事吉川 和夫君
副知事村山 寛司君
教育長大原 正行君
東京都技監建設局長兼務村尾 公一君
知事本局長秋山 俊行君
総務局長笠井 謙一君
財務局長安藤 立美君
警視庁総務部長室城 信之君
主税局長新田 洋平君
生活文化局長井澤 勇治君
スポーツ振興局長細井  優君
都市整備局長飯尾  豊君
環境局長大野 輝之君
福祉保健局長杉村 栄一君
産業労働局長前田 信弘君
港湾局長中井 敬三君
会計管理局長松田 芳和君
消防総監北村 吉男君
交通局長野澤 美博君
水道局長増子  敦君
下水道局長松田 二郎君
青少年・治安対策本部長樋口 眞人君
病院経営本部長川澄 俊文君
中央卸売市場長中西  充君
選挙管理委員会事務局長影山 竹夫君
人事委員会事務局長多羅尾光睦君
労働委員会事務局長加藤 英夫君
監査事務局長塚本 直之君
収用委員会事務局長細野 友希君

六月十二日議事日程第二号
第一 第百三十八号議案
  東京都教育委員会の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第二 第百三十四号議案
  東京電力管内の原子力発電所の稼働に関する東京都民投票条例
第三 第百三十五号議案
  都と特別区及び特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
第四 第百三十六号議案
  東京都公債条例の一部を改正する条例
第五 第百三十七号議案
  東京都都税条例の一部を改正する条例
第六 第百三十九号議案
  東京都指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例
第七 第百四十号議案
  東京都特別養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第八 第百四十一号議案
  東京都指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第九 第百四十二号議案
  東京都介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第十 第百四十三号議案
  東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
第十一 第百四十四号議案
  東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例の一部を改正する条例
第十二 第百四十五号議案
  特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
第十三 第百四十六号議案
  救急業務等に関する条例の一部を改正する条例
第十四 第百四十七号議案
  警視庁野方庁舎(仮称)(二十四)新築工事請負契約
第十五 第百四十八号議案
  都立保谷高等学校(二十四)改修工事請負契約
第十六 第百四十九号議案
  東京国際フォーラム(二十四)ホール棟改修工事請負契約
第十七 第百五十号議案
  東京国際フォーラム(二十四)電気設備改修工事請負契約
第十八 第百五十一号議案
  東京国際フォーラム(二十四)空調設備改修工事請負契約
第十九 第百五十二号議案
  擁壁築造工事(二十四 四─放三十五)請負契約
第二十 第百五十三号議案
  新指令管制システムの製造請負契約
第二十一 第百五十四号議案
  東京都立学校における部活動中の事故に係る損害賠償請求訴訟事件に関する和解について
第二十二 第百五十五号議案
  ヘリコプターの買入れについて
第二十三 第百五十六号議案
  都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
第二十四 第百五十七号議案
  東京都下水道条例の一部を改正する条例
第二十五 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認について

   午後一時一分開議

〇議長(中村明彦君) これより本日の会議を開きます。

〇議長(中村明彦君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

〇議長(中村明彦君) 謹んで申し上げます。
 寛仁親王殿下には、去る六月六日薨去されました。まことに哀悼痛惜の念にたえません。
 この悲報に接し、都議会議長として直ちに弔意を表する記帳をしてまいりました。
 ここに改めて寛仁親王殿下のご冥福をご祈念申し上げ、議会として深甚なる弔意を表します。
 この際、知事より、発言の申し出がありますので、これを許します。
 石原慎太郎君。
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 謹んで申し上げます。
 寛仁親王殿下におかれましては、去る六月六日に薨去されました。
 殿下は、スポーツの振興や医療、障害福祉に尽力され、関東大震災並びに都内戦災遭難者慰霊大法要にもたびたびご臨席を賜りました。病状の回復を期待申し上げておりましたが、残念でなりません。
 ここに都民を代表して、心より哀悼の意を表します。

〇議長(中村明彦君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

〇議事部長(鈴木省五君) 公安委員会委員長より、地方自治法第百二十一条及び会議規則第四十二条の規定に基づく東京都議会説明員の委任変更について、警視総監樋口建史が寛仁親王殿下の薨去に伴う警備指揮のため、六月十二日及び十三日の両日に限り、警視庁総務部長室城信之に委任を変更したとの通知がありました。

〇議長(中村明彦君) これより質問に入ります。
 百二十番大塚たかあき君。
   〔百二十番大塚たかあき君登壇〕

〇百二十番(大塚たかあき君) 冒頭に一言、述べさせていただきます。
 寛仁親王殿下におかれましては、六日午後、薨去されました。ひげの殿下として国民に親しまれ、障害者福祉、がん撲滅運動などに力を尽くされました。ここに謹んで哀悼の意を表するものです。
 さて、私は都議会民主党を代表して、都政の主要課題について知事並びに関係局長に伺います。
 まず、尖閣諸島について石原知事に何点か伺います。
 去る四月、米国ワシントン市内で行った講演における石原知事の尖閣諸島購入の表明は、国民に領土、領海について改めて考える機会を与えました。五月の日中韓サミットで野田総理は温家宝総理に対して、尖閣諸島周辺を含む海洋における中国の活動の活発化が日本国民の感情を刺激していることに言及し、中国側の冷静な対応を強く求めていますが、領土、領海に係る歴代政権への不信、不満から、多くの国民はこの石原発言を支持し、既に七万六千人余りの国民から十一億円を超える自主的な寄附が寄せられております。
 一方、所有者の意向についてはさまざまな報道がなされておりますが、この石原発言を支える尖閣諸島所有者の真意はどこにあるのか、現段階ではどこまで交渉が進んでいるのか、まずお伺いをいたします。
 さきの所信表明で、知事は、一刻も早くあの島々の権利を個人から公の所有へと切りかえ、領土と排他的経済水域を確かに守る手だてを講じる必要がありますとされましたが、私たちも基本的には賛成するものです。しかし、今回の購入表明は、尖閣諸島所有者の政治家石原慎太郎氏への信頼があってこその発言であり、所有者の意思を十全に実現するには、募金活動を行うに当たっても、事業を執行するに当たっても、東京都の実施できる事業にはおのずと限界があります。公益財団等の戦略的な組織も検討する必要があると考えますが、見解をお伺いいたします。
 地元自治体の中山義隆石垣市長には、尖閣諸島周辺海域の豊かな水産資源を地域経済の活性化につなげていくために、荒天時の避難港や無線施設、灯台等を整備するとともに、すばらしい自然と景観を持つ尖閣諸島そのものを観光資源として生かしていきたいとの意向があるようであります。知事も、石垣市や沖縄県と連携しながら、豊潤な海や豊かな自然など、島の特徴を生かした活用方法について検討するとされました。私たちも地元石垣市や沖縄県の意向をも踏まえた尖閣諸島ビジョン作成を支援し、事業化に協力するなどの将来展望を明らかにすることが、尖閣諸島問題の国民への定着を確かなものにすると考えますが、見解をお伺いいたします。
 所有がいかなる形態であれ、海上保安庁による沿岸警備の強化はもとより、水産資源や海底資源の管理に、国は当然としてその責任を果たさなければなりません。私たちは昨年九月にも、尖閣諸島について我が国固有の領土であるという歴史的事実を国際的にも明確に主張することを初め、現地調査、灯台、監視レーダーなどの設置、避難港整備、自衛隊常駐などを野田総理に申し入れていますが、地元石垣市や沖縄県の尖閣諸島有効利用への取り組みを支援するとともに、政府の全面的バックアップを確保し、国の責任による尖閣諸島の永続的な保全につなげていく戦略的な取り組みが必要と考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、横田基地の軍民共用化について伺います。
 ことし三月、在日米軍司令本部がある横田基地に航空自衛隊の航空総隊司令部が移動し、横田基地は日米両国の共用基地となりました。この横田基地を民間が利用する場合は、首都圏の空港容量の拡大や、多摩地域のみならず、山梨県、埼玉県、神奈川県を含めた首都圏西部地域における経済の活性化と多様な航空需要への対応などに大いに寄与する潜在力を持っています。
 知事も所信表明で触れていましたが、ことし四月、知事はキャンベル米国務次官補と面会し、横田基地の軍民共用化の早期実現を求め、帰国後には野田総理と会い、日米首脳会談の機会に横田基地の軍民共用化を改めて日米両政府間の協議事項とするよう働きかけました。
 そこで、長島総理補佐官もアメリカ国務省に前もって協力を求めるなど、軍民共用化協議の環境整備に向けた取り組みを行い、野田総理は日米首脳会談で、オバマ米大統領に横田基地の軍民共用化の検討を要請しました。
 横田基地の軍民共用化早期実現に向けて、都は国や近隣県との連携を進展させ、ともに取り組みを強めていくべきと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。
 次に、都民投票条例について伺います。
 直接民主制については、知事も所信表明において、間接民主制を補完する重要な手段であるとされており、私たちとも大きな認識の差はないと受けとめています。
 地方自治体の条例制定による住民投票は、産業廃棄物施設や原子力発電所の誘致、建設などの是非を問う個別政策を対象とした時限設置型条例や、施策を特定しない常時設置型条例、自治基本条例などで定められております。時限設置条例では、実際に投票が行われて住民の意思が示され、その投票結果は自治体運営に反映されていきます。自治体の重要事項について議会が熟議を尽くした後に、住民投票実施を決定し、投票を行うことは、住民の政治参加を促進し、住民自治も向上することになると考えます。
 また、住民の発意により直接に地方公共団体に一定の行動をとらせる直接請求は、有権者の五十分の一以上もしくは三分の一以上という相当数の有権者による集合的行為として認められているものです。
 そこで、改めて直接請求や住民投票制度に対する石原知事の基本認識をお伺いいたします。
 今回の都民投票を求める直接請求は、福島第一原子力発電所の事故に伴い広範囲に飛散した放射性物質問題を踏まえ、原子力発電所の稼働の是非について、都民一人一人の意思表明の場を求めるものです。
 もとより私たちも、原子力発電所の稼働の是非を初めとする、日本におけるエネルギー戦略の決定には、国が第一義的な責任を有していると考えています。また、福島県や新潟県といった東京電力の原子力発電所の立地地域や当該地域住民の皆さんのさまざまな意見も尊重されるべきであります。
 また、その結果が是であれ非であれ、住民投票の結果がにしきの御旗のごとき力を持つわけでもありません。しかしながら、私たちは、直接請求による三十二万名を超える都民の皆さんが求める意思表明の場はあってしかるべきと考え、必要な修正を加え、その実現を求めるものです。
 直接請求による条例案に対する知事の見解は所信表明でもお伺いしましたが、必要な修正を加えた上での都民投票についてはどのようにお考えか、見解をお伺いいたします。
 また、例えば、国が判断材料の一つとして、オーストリアやスウェーデン、スイス、イタリア等で行われてきたような国民投票を日本で実施することもあり得るのではないでしょうか。原子力発電所の稼働の是非についての国民投票についてはどのようにお考えか、知事の見解をお伺いいたします。
 国は、特定規模電気事業者、PPSと電力会社の競争を促す、広域融通などの規制緩和を行う検討に入りました。都も国に対してPPSの発電割合を三〇%に高めていくことなど、抜本的な電力制度改革への要望を行っております。
 東京電力は、五月九日、国に総合特別事業計画を認定され、原子力損害賠償支援機構とともに、原発事故の賠償、事故を起こした原子炉の廃止措置、電力の安定供給に取り組むことになりました。その東電が、今、最も力を注ぐべきことは、値上げに関して本当に都民、国民や需要家への説明責任を果たせるのか、その根拠となる詳細な情報開示を行えるかが重要です。
 東電は、都の株主提案を定款に書き込むことに反対する意向を明確にしましたが、都においては東電が顧客サービス第一主義に基づいた経営改革を行うよう引き続き促すことが重要と考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、省エネ、エネルギーマネジメントについて伺います。
 昨年の夏、東京電力管内では最大六百二十万キロワットの大幅な電力不足が見込まれ、国が電気事業法に基づき、大口需要家に電力の一五%の使用制限を課すという事態に至りました。東京都みずからの事業における節電の徹底や、都民、事業者の皆様のご協力もあり、昨年の夏は一昨年と比べて約一千万キロワットの削減が実現し、計画停電を回避することができました。
 国の需給検証委員会では、ことしの夏の東京電力管内の電力供給量を五千七百七十一万キロワットと見込んでいるわけですが、この見通しについて都の認識をお伺いいたします。
 原子力発電所がすべて稼働を停止している現在の電力供給状況では、稼働させている老朽火力発電所の故障のリスクなどもあり、ことしの夏も再びピーク時の電力不足が懸念されます。計画停電や電力の使用制限を回避するためにも、生活や業務などに支障を来すことのない無理のない範囲での合理的な節電と、さらなる省エネルギー化を推進していく必要があります。ことしの夏の節電行動に向けた都の基本的考え方について、見解をお伺いいたします。
 先月、都は、東京都省エネ・エネルギーマネジメント推進方針を策定しました。この中で、将来の東京は低炭素、快適性、防災力を同時に実現するスマートエネルギー都市を目指すことが示されております。私たちもこのコンセプトに異論はなく、低炭素、快適性、防災性をあわせ持つ環境配慮型の高度防災都市の実現を期待するものです。
 そこで、東京が目指すスマートエネルギー都市のあるべき姿について、見解をお伺いいたします。
 私たちは、これまでにも何度か質問で取り上げてきたように、今後の東京には再生可能エネルギーや高効率コージェネレーションなどのできる限り低炭素な自立分散型エネルギーの確保や、エネルギーの需給両面から最適制御を行う仕組みの構築など、都市づくりでの面的エネルギー利用、地域単位のエネルギー利用の最適化に向けた取り組みがとりわけ重要と考えます。スマートエネルギー都市の実現に向け、今後、都はどのように取り組んでいくのか、見解をお伺いいたします。
 知事は所信表明で、地域独占の電力会社に頼らない東京産の電力を創出する取り組みである天然ガス発電所の建設では、三カ所の候補地において事業化が可能であると調査結果が出たとされましたが、これまでの検討の経緯や検討内容が、地元区や周辺地域住民に必ずしも周知されていないのではないでしょうか。
 天然ガス発電所プロジェクトは、その規模からも周辺地域のまちづくりに影響を与えることから、地元区や周辺地域への周知や意向確認、意見交換など、今後取り組んでいくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、都内中小規模事業者の省エネの推進です。
 東京電力による電気料金の値上げは、低圧の電気使用者については現在審査中といえ、産業、業務向けを含む事業者のコストを確実に押し上げます。
 さきの推進方針の中で、都は中小規模事業所向けの施策を打ち出していますが、CO2削減とコスト削減に資する省エネ施策の取り組みが進むことで、私は少しでも都内中小規模事業者の負担軽減につながることを期待するものです。
 特に都内中小規模事業者に対する無料省エネ診断については、東京都は既に平成二十一年度より年間六百件ペースで実施して、その実績、効果を把握していると聞いております。
 そこで、事業者の規模や使用状況などにより状況は違うものとは承知しつつも、これまでの改善提案によって、例えばどのようなコスト削減効果があったのか。また、区市町村とも連携しながら、より多くの都内中小規模事業所で省エネへの取り組みが進むことを大いに期待するものですが、見解をお伺いいたします。
 次に、学校施設の省エネ、再エネ化について伺います。
 先月、文部科学省と国土交通省は、環境を考慮した学校施設の整備をさらに進化させるため、共催で学校ゼロエネルギー化推進方策検討委員会を設置し、報告書を取りまとめました。学校施設のゼロエネルギー化を検討する理由として、学校施設が地域に身近な公共施設であり、児童生徒への環境教育の場となることや、災害時の防災拠点となること、また、年間の一次エネルギーの消費量が小さい傾向にあることなどから、ゼロエネルギー化に積極的に取り組む意義のある施設であるとされております。
 私たち都議会民主党が昨年第二回定例会において提案し、可決された省エネ条例では、都の責務として、公共施設の整備等における省エネの取り組み、災害時に備えた公共施設の自家発電機能の検証、整備、環境教育などを通じた省エネに関する意識の向上を図るとしており、都内の学校施設においても省エネ、再エネは優先すべき重要な施策です。
 本報告書を踏まえ、都教育委員会は、都内の公立学校施設の省エネ、再エネ化に向け、積極的に取り組んでいくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 例えば、本報告書によれば、都内における学校施設のエネルギー消費量は、暖房が二二%を占めており、冷暖房は省エネ対策の優先すべき対象とされていますが、その対策として、コンクリートに比べて熱容量や熱拡散率が小さい木材を利用した校内の木質化を進めることなども、施策の一つとして考えられますので、要望をしておきます。
 次に、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック招致について伺います。
 日本時間の五月二十四日早朝、カナダのケベックにてIOC理事会が行われ、東京が立候補都市三都市の一つに選ばれました。招致実現に向け大きな第一歩を踏み出しました。
 東京に対するIOC評価は比較的高く、前回の定例会でも答弁いただいたとおり、宿泊施設の受け入れ状況などは非常に高いものでした。
 一方、IOCの調査によるオリンピック招致への国内支持率は、イスタンブールとマドリードの七割台に対して、東京は四七%という低い結果になりました。この支持率は、都が独自に行っていた世論調査と余りにもかけ離れていたことから、この低さへのショックは大きいものです。
 このような状況から、いうまでもなく、今後の大きな課題の一つは世論喚起であり、東京は意見なしと答えた人は三〇%もいることから、どうやってこの三〇%の方々の心をつかむかが重要となります。
 例えば、オリンピックがもたらす健康遺産への取り組みも、世論喚起の一つの方法ではないでしょうか。IOCとWHOは健康的なライフスタイル推進に関する協定を結び、受動喫煙防止の条例制定など、スポーツと健康的な生活習慣推進が相乗効果を生むよう取り組んでおります。
 都民、国民に納得のいく明確な招致実現の大義をアピールし、大々的にメディアを使った効果的な招致PR活動を行っていく必要があると考えますが、今後の世論喚起のための戦略をお伺いいたします。
 次に、東京のエネルギー供給体制に関する懸念の払拭について伺います。
 今回、IOCからの評価結果では、宿泊施設の客室数がIOCの要求基準を大きく超過したことや、政府の強力な支援、コンパクトにまとまった全体計画などが、東京は高く評価されました。一方、エネルギー分野が十段階評価で五・五から八点と低めの点数となり、東日本大震災後の原発停止による電力供給の懸念が示されました。
 都は、東京地域の電力は当面問題なく、天然ガス発電所の建設が検討されていることで電力供給が進む可能性があることをIOCに説明するとのことですが、改めてIOCの電力供給の懸念払拭に向けた取り組みについて、見解をお伺いいたします。
 次に、メーンスタジアムとなる国立霞ヶ丘競技場について伺います。
 ことし三月に文部科学省が策定したスポーツ基本計画にも盛り込まれ、大臣決定とされた国立霞ヶ丘競技場の再整備は、オリンピックの招致活動における喫緊の課題です。整備に当たっては、オリンピックの陸上競技場の主な要件を超えるため、収容人員を現在の五万人から六万人以上の収容にすることや、補助競技場の整備などが必要とされ、大がかりな整備となります。
 現在、国で内容を検討しているようですが、私たち都議会民主党は、国立霞ヶ丘競技場を整備するに当たっては、オリンピックとスポーツの中心拠点となることはさることながら、オリンピックが終わった後も、東京、日本のレガシーとして残り、都民、国民にとって有益な施設となるよう、防災拠点などといった多角的な機能をあわせ持つ場所にしていかなくてはならないと考えます。
 これらの課題に速やかに対応するためにも、国主導で行われている国立競技場整備計画の骨格の早期取りまとめに、都として国への申し入れ等、積極的に働きかけていくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 最後に、IOCや世界に向けた招致の大義について伺います。
 二〇一六年の夏季五輪招致レースでは、東京が高い評価を得ていたにもかかわらず、南米初のオリンピックというテーマを掲げたリオデジャネイロが勝利をいたしました。
 このたび招致委員会は、国内向けには復興五輪というテーマに基づき、招致活動のスローガンを、「今、ニッポンにはこの夢の力が必要だ」とされたようです。今後、ぜひこのスローガンで、私たちも一緒になって、わかりやすく都民、国民に訴えていくべきと考えますが、一方、IOC委員や世界が共感を呼ぶ招致の大義、例えば復興五輪にちなみ、各国からの温かい支援への感謝のあかしを示すといったことなども、もっと検討していかなければならないと考えます。
 五輪とスポーツの持つ可能性、社会への影響力と東京を組み合わせ、世界とIOC委員に向けて発信していくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、産業振興についてお伺いをいたします。
 まず、中小企業に対する金融支援についてです。
 平成二十一年十二月四日、中小企業金融円滑化法が施行され、金融機関は中小企業から申し込みがあった場合、できる限り貸付条件の変更等の措置をとるよう努めることとなりました。この時限立法は、ことしの三月末をもって廃案になる予定でしたが、政府は中小企業を取り巻く厳しい経済状況を踏まえ、昨年十二月二十七日、平成二十五年三月末まで再延長を決定するとともに、四月二十日には中小企業金融円滑化法の最終延長を踏まえた中小企業の経営支援のための政策パッケージを策定し、ソフトランディングに向けて施策を公表しました。
 ポスト円滑化法を見据えた対応としては、経済団体からも東京都に対して、早い段階から東京都中小企業振興公社の相談体制の強化を初め、経営改善計画の策定や実行をサポートする専門家の派遣などを求める要望書が提出されていると聞いております。
 また、昨年十二月七日、都議会民主党の代表質問では、都内中小企業の事業承継、再生支援事業として、専門家による税務対策、後継者の育成、発掘、M&Aなど、多様な手法を活用した支援の充実などを主張してきましたが、こうした取り組みを進めていくこともポスト円滑化法の対応としては重要であると考えます。
 そこで、東京都としても、今年度末をもって終了する円滑化法を見据えた中小企業に対する支援策について、早い段階から積極的に取り組んでいくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 また、現在、東京都では、中小企業の経営力向上フォローアップ事業として、中小企業診断士による経営診断と経営相談を実施していますが、中小企業の経営力強化に向けては、多様な主体がさまざまな角度から取り組んでいくことも必要ではないでしょうか。
 そこで私が提案したいのは、知的資産経営についてです。知的資産とは、特許やノウハウなどの知的財産だけではなく、組織や人材、ネットワーク、ブランド等の目に見えない資産のことで、企業の競争力の源泉となるものです。
 この知的資産経営については、国も、経済産業省がさまざまな政策立案、情報発信を行っているところであり、都道府県の中でも、京都府が知的資産経営を知恵の経営と呼び、報告書作成ガイドブックの作成やナビゲーターの育成、実践モデル企業の認証や融資等による支援に取り組んでいます。
 私は、東京都としても、中小企業の経営力強化に向けて、知的資産経営の推進に積極的に取り組んでいくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、東京ビッグサイトの拡張についてです。
 昨年七月八日、私たちは東京ビッグサイトなどを視察し、以来、国際競争力の強化のためにはその拡張が急務であると、再三にわたり主張してきました。その意味からも、ことし三月十五日の予算特別委員会において、石原知事が我が会派の吉田康一郎議員の質問に対して、できる限りの拡大をできるだけ早くやりたいと答弁されたことは、率直に評価したいと思います。
 石原知事の答弁を受けて、四月には、展示会産業にかかわる業界団体からビッグサイト増設に当たっての提案がなされ、ビッグサイトの規模を第一期から第三期の三段階で、八ヘクタールから二十六・四ヘクタールに増設することなどを求めております。
 そこで、都として石原知事が明らかにした問題意識を踏まえ、ビッグサイトの拡張に向けてどのように取り組んでいるのか、見解をお伺いいたします。
 次に、展示会等への出展支援についてです。
 中小企業にとって、展示会への出展や商談会への参加が販路開拓の有効な手段となっていますが、東京都が実施している展示会等の出展支援事業は、利用の申請を一回に限っていたり、売上減少が要件であるなど、さまざまな条件が設けられており、十分な活用を図る場合の制約になっているように感じます。
 こうした条件について、限られた財源の中でより多くの会社に利用してもらうための措置としては十分理解するものですが、特に申請については何度か行うことを可能とし、中小企業の販路開拓の効果を高めるような対応を図るべきと考えます。
 私は、展示会の出展支援に関する申請の回数を見直すなどして、事業の充実につなげるべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 こうした取り組みに加えて、展示会の発展には、税関審査や関税手続のないフリーポート化の実現も急務であるといわれており、今後、こうした課題についても都の積極的な取り組みを要望するものです。
 次に、MICE誘致についてです。
 五月二十四日、日本政府観光局が発表した、ことし四月の在日外国人旅行者数は、昨年同月比で一六三・九%増と大幅に持ち直し、震災前の水準までほぼ回復しています。さきの予算特別委員会でも述べてきたように、引き続き訪日外国人客数の増減要因などを詳しく調査分析するなど、戦略的にシティーセールスを展開していくことを求めるものです。
 また、ことし十月にはIMFと世界銀行の総会が東京で開催され、加盟百八十八カ国の財務大臣を初め、関係者二万人近くが訪れる予定となっていますが、観光振興策の経済波及効果といった点からは、さらなるMICE誘致に積極的に取り組んでいくべきです。
 諸外国では、MICE誘致のために、博物館、美術館などをアフターMICEの会場として開放しており、例えばフランスではルーブル美術館やオルセー美術館などにおいて、一般見学時間外の貸し切り見学やパーティー利用に対応しているとも聞いております。
 都議会民主党は、平成二十二年九月二十八日の代表質問でも、都内には都立施設だけでも、江戸東京博物館や現代美術館など、レセプションを行うのにふさわしそうな施設があり、実際に、現代美術館では、過去にレセプション会場として使われたことがあるとして、施設の有効活用を求めてきました。
 そこで、改めて、都立の美術館や博物館などのレセプション利用を通じ、MICEの推進を図り、東京の観光振興につなげていくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、観光資源の新たな開発についてです。
 五月二十二日に開業した東京スカイツリーは、日本国じゅうの注目を集め、その足元にある東京ソラマチも大変な活況ぶりと聞いております。ことしは、お台場のダイバーシティや渋谷のヒカリエなど、商業施設としての観光スポットが次々と開業していますが、この勢いを持続、向上させていくためには、観光資源の多様化を図り、質と量の両面から底上げに取り組んでいく必要があるのではないでしょうか。
 観光資源は文化財のみに限る必要はなく、観光客が魅力を感じるものであれば、公共施設なども十分に対象になるものと考えます。東京都が保有する公共インフラの中でも、例えば東京のパナマ運河といわれる江東区の小名木川の扇橋閘門や世田谷区弦巻の駒沢給水塔などは、新たな魅力のある観光資源となり得るのではないでしょうか。また、神田川・環状七号線地下調節池は、満足度が圧倒的に高い訪問場所であることが経済団体の調査結果で明らかになっております。
 私は、こうした公共インフラについても、本来の目的に限定せず、観光資源の一つと位置づけてその活用を図るべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、羽田空港の跡地問題についてです。
 東京都の積極的な関与によって、第四滑走路と国際線ターミナルが完成し、東京の玄関口が世界に開かれたことは、都民の利便性向上に加え、都市間競争を勝ち抜く上で非常に重要なステップとなりました。関係者のご努力に改めて敬意を表させていただきます。
 国際化に伴って生じた羽田空港跡地は、全体面積は約五十三ヘクタールと広大ですが、三つのゾーンに区画され、第一ゾーンは産業交流施設や多目的広場として、第二ゾーンはホテルとして民間からの事業提案を活用すると聞いております。
 先日、大田区からヒアリングしたところ、区は産業振興の観点から、展示会場の建設などを目指しているとのことです。こうした産業振興は、都としても支援していくべきと思いますが、展示会場の規模などを聞くと一・五ヘクタールと小ぶり感は否めず、現在八ヘクタールである東京ビッグサイトのさらなる拡張が見込まれる中では、跡地のスケールを生かし切れるのか、危惧感を覚えます。
 また、民間が手を挙げる第二ゾーンとの連携については、区は第二ゾーンとの一体性をできるだけ目指すとのことですが、例えば、展示会場と民間が建設するホテルなどが空中廊下等でつながるかといえば担保はされておらず、そこにグランドデザインが働くのか、不安は払拭されておりません。
 国際線ターミナルに隣接し、船着き場まで整備された羽田跡地は、国際線化によって長時間の待機が生じるトランジット客を取り込む絶好のロケーションで、ホテルなどの進出も期待され、既に東京ディズニーランドのゲートウエー構想も取りざたされております。
 世界の旅行者にとって、東京の磁力を二倍、三倍にも高める可能性を秘めた跡地の計画は、東京の未来を左右するといっても過言ではありません。羽田の拡張を強力に牽引してきた知事として、羽田の跡地に対し、どのようなイメージを持っているのか、お伺いいたします。
 次に、臨海副都心のMICE、国際観光拠点化について伺います。
 先日も都心五区のオフィス空室率が過去最高を上回ったと報じられましたが、リーマンショック以降の厳しい不動産市況は臨海副都心においても例外ではなく、その土地処分については戦略の練り直しが必要です。例えば、賃貸オフィスなどの業務・商業用途の区画においても、サービスアパートメントなどの住宅での利用を含め、複合的な利用ができるよう、柔軟な対応も検討していくべきです。
 世界的な都市間競争は厳しさを増しており、シンガポールなどの都市では、まちの魅力を高める観光資源の開発にも力を入れております。カジノは重要な国際観光資源ですが、単に賭博施設としてとらえるのではなく、大規模な展示会場などを兼ね備えた複合リゾート施設として開発し、多くの観光客やビジネスマンを引きつけております。東京でカジノを建設するのであれば、お台場が有力視されております。
 現在議論されているカジノ推進法は、推進法である性格から、仮に成立しても実施までに二年以上かかるといわれております。こうした動向も十分に見定めていくべきであり、私はカジノ法案の行方やアジアヘッドクオーター特区の指定の動向などを注視していくべきと考えます。
 いずれにしても、臨海副都心のMICE、国際観光拠点化に向けては、より柔軟にかつ戦略的に取り組んでいく必要があるものと考えますが、東京都の見解をお伺いいたします。
 次に、プラムポックスウイルス対策について伺います。
 平成二十一年に青梅市内の梅で、我が国で初めてプラムポックスウイルス、PPV、いわゆるウメ輪紋ウイルスによる病気が発見され、その後の調査により、さらに八王子市、あきる野市、日の出町、奥多摩町、福生市、羽村市でも感染した梅の木が確認されております。その後、この病気の蔓延を防止するため、農林水産省の緊急防除省令が制定され、平成二十二年二月二十日から施行されております。大きな被害を受けた農家や観光業の代表の皆様からご意見などを伺いましたが、対応の遅いことや新たな梅を栽培するまでには長い期間を要することへの不安に対するご意見が多く出されました。また、蔓延防止策の徹底への対応が懸念されております。
 プラムポックスウイルスのこれ以上の蔓延は、決してあってはならないことであり、そのための徹底した対策が必要と考えますが、都の見解をお伺いいたします。
 なお、農家への補償については、関係機関のご努力により着々と進められておりますが、梅といういわば観光の主役ともいえる資源を失った観光業に携わる皆様への支援策が講じられることを要望しておきます。
 次に、多摩産材の活用について伺います。
 都議会民主党の視察では、多摩産の木材の現状についても調査いたしました。檜原村では、多摩産材を利用した中学校や図書館などを見学し、木質化が教育効果や健康によい影響を与えることなども伺ってまいりました。都では昨年、東京都公共建築物等における多摩産材利用推進方針を改定し、公共部門での多摩産材利用を推進しているところでありますが、現状では多摩産材に対する認識が不十分であるなど、その利用拡大が十分に図られているとはいいがたい状況です。
 そこで、都内区市町村における多摩産材の公共利用の実例と、より一層の公共利用の促進を図るための対策について、都の見解をお伺いいたします。
 次に、漁業振興策について伺います。
 島しょ地域の産業の柱の一つである漁業にあっては、資源の枯渇化や就業者の高齢化、燃油の高騰などさまざまな課題を抱え、大変厳しい状況が続いております。こうした中、島しょの漁業が持続可能な産業として生き残る道は、管理型の漁業への転換ではないでしょうか。
 都の水産業振興プランにおいても、漁場の整備と栽培漁業の推進がアクションプランとして挙げられ、操業効率の向上と漁業資源の持続的活用などの効果が期待されております。昨年度においては、大島、利島、神津島、八丈島周辺海域において、漁場造成が行われました。
 そこで、これまでの漁場造成の主な成果と今後の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、雇用就業対策についてお伺いいたします。
 五月二十九日、総務省が発表した、ことし四月の完全失業率は四・六%でしたが、十五歳から二十四歳の完全失業率は九・二%となるなど、若年者の失業率は世代平均の倍の水準にあります。五月三十日に開会したことしのILO総会では、若者の失業問題が主要課題の一つになっており、我が国日本においてもさらに骨太な雇用対策を展開すべく、五月二十八日に若年雇用戦略の原案を公表し、六月中にも正式決定をする見込みであると聞いております。
 既に東京都においては、昨年度より就職先が決まらないまま大学等を卒業した未就職卒業者と都内中小企業とをマッチングし、正社員化を支援する、未就職卒業者緊急就職サポート事業を実施し、今年度から、今後成長が見込まれる産業分野での就業支援を実施することとしており、こうした事業が効果を上げていくことを大いに期待するものです。
 そこで、重点産業分野での就業支援の取り組み状況も含めて、若年者の就業支援に向けた取り組みについて見解をお伺いいたします。
 次に、求職者に対する職業訓練の充実についてです。
 生活保護に対する世論の関心が高まる中、職業訓練など自立支援策への注目も高まっています。東京都としても、働く意欲のある人たちに対して、より質の高い知識や技能を身につけることができる機会を積極的に提供していくべきと考えます。
 そのためには、都が直接実施する公共職業訓練のみならず、民間の教育訓練機関等なども最大限活用しながら、内容や訓練期間なども含め、多様なニーズに対応できるよう取り組んでいく必要があります。特に、私は、高校中退者や未就職卒業者あるいは非正規労働者など、働く意欲のある若い人たちへの就職、就業訓練の充実を図っていくことは、我が国の将来のためにも極めて重要であるものと考えます。
 そこで伺いますが、こうした若い人たちに対し職業訓練の機会を与え、就職に結びつけていくことについて、東京都はどのように取り組んでいくのか、見解をお伺いいたします。
 次に、ワークライフバランスの推進について伺います。
 ワークライフバランス、すなわち仕事と家庭生活との両立に向けて、東京都は平成十九年度から、とうきょう次世代育成サポート企業に登録した中小企業に対する両立支援推進助成金事業を実施し、その実績も着実に伸びているところです。
 一方で、東日本大震災やその後の節電等を通じて、私たち日本人の多くが家族や働き方を見詰め直しており、社会全体で仕事と家庭生活との両立支援を進めていこうという機運は高まっています。
 加えて、ことし七月一日からは、育児・介護休業法の全面施行により、これまで猶予されていた従業員百人以下の事業所に対して、介護休暇の導入を初め、短時間勤務制度の導入、所定外労働の制限などが適用され、すべての企業がワークライフバランスを考えなければならない状況になっております。
 そこで、私は、社会的機運の高まりがある中で、育児・介護休業法の全面施行を契機に、ワークライフバランスに配慮した雇用環境の整備に向けた取り組みがより多くの企業で実施されるよう、東京都として積極的に支援していくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、防災対策について伺います。
 都が四つのタイプの首都直下地震等による東京の被害想定報告書を公表しました。東日本大震災による液状化や大量の帰宅困難者の発生といった東京の被害状況を反映するとともに、首都圏直下のフィリピン海プレート上面が従来の想定より十キロメートル浅いという新しい知見を取り入れるなど、現時点における最新の科学的知見を踏まえており、海溝型の元禄型関東地震も想定をしております。また、住宅の構造分布やインフラ整備など、東京のデータの変化に基づき、より実態に即したものとなっております。
 しかしながら、平成十七年、国が行った首都直下地震の被害想定は、近い将来、発生の可能性が否定できないとした首都圏で発生する十八タイプの地震を想定しており、本報告書にある四タイプ以外にも、都心西部地震や都心東部地震、羽田直下地震、プレート境界多摩地震も念頭に置く必要があります。
 今回の想定では最大震度七の地域が出るとともに、震度六強の地域が広範囲に広がっています。都民は、都内全域で強い地震が起こることを意識し、引き続き防災対策の推進に取り組むことが重要と考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、区市町村との減災に向けた連携について伺います。
 東日本大震災での被害や国の研究、自治体独自の検討を踏まえて、区市町村では既に地域特性に応じた防災対策に取り組んでおりますが、それぞれ解決しなければならない課題があります。
 防災機能を備えた都市づくりでは、豊島区が、老朽化した木造住宅密集地域において、居住者の高齢化や複雑な土地権利関係、建てかえ後の床の減少、相続問題、借地権者の多さなど、建てかえにおけるさまざまな課題を解決していくため、都の不燃化特区に応募し、災害に強いまちづくりに取り組もうとしております。
 帰宅困難者対策では、港区がJR東日本の駅ごとに協議会を立ち上げ、本部を駅に置き対応したいと考えていますが、JR側が了承しておりません。事業者と協定締結はふえていますが、発災後受け入れた避難者の安全確保の責任、補償などの環境整備が未解決です。
 高層集合住宅、マンションの震災対策では、防災住民組織の結成もしくは住民の地域防災組織への加入、防災に備える備蓄倉庫の設置など、自助、共助、公助のほかの取り組みも重要ですが、なかなか進みません。都営住宅や東京都住宅供給公社の高層集合住宅も同様です。
 都は、区市町村が地域で展開する防災対策の課題解決に連携協力し、減災を推進すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、複合災害対策について伺います。
 今回の想定では、複合災害で予想される展開が記されました。海溝型地震である元禄型関東地震が発生した場合、東京湾内の区部沿岸部に到達する津波は最大で二・六一メートルになります。そのため、水門が閉じた場合の浸水想定では、遡上した津波によって多摩川や荒川などの河川敷などが一部浸水するとされております。
 また、元禄型関東地震による津波が高潮と同時に発生した場合には、防潮堤を超えて浸水被害が生じる可能性がある、さらに、地震発生時に水門が機能しなかった場合には、大田区、中央区、江東区、江戸川区などの東京湾沿岸部の浸水想定地域への浸水被害が想定されるほか、地震動や津波により海岸や河川の堤防が損壊した場合には、浸水被害が拡大するおそれがあるとのことです。
 こうした複合災害のシナリオを受けて、都が把握する震災、水害対策の課題と強化策についてお伺いをいたします。
 もう一つの複合災害として、急傾斜危険地区等における被害の増加が想定されております。仮に地震時に傾斜崩壊等が生じなかった場合でも、その後の長雨や集中豪雨により傾斜崩壊等が生じる可能性があるとのことです。大雨による土砂災害への対応が重要です。
 昨年は台風十二号の豪雨などにより、和歌山県、奈良県を初め、土石流やがけ崩れなど土砂災害が発生し、多くの死者、行方不明者を出しました。多摩地域には多くの土砂災害危険箇所が存在していることから、これから台風や集中豪雨などが予想される中、都民の生命、財産を土砂災害から守るため、備えを講じる必要があります。
 そこで、土砂災害に対する東京都の取り組みについて見解をお伺いいたします。
 次に、災害対策法の見直しの取り組みについて伺います。
 未曾有の被害をもたらした東日本大震災を通じて行われた防災への取り組みと得られた教訓を踏まえ、今後必ず起こるとされる大規模地震に備えて、災害対策法制を整備していく必要があります。
 国は、防災対策推進検討会議の中でそのあり方を議論して、先月十八日、災害対策基本法改正案を閣議決定いたしました。国においては、首都直下地震の発生を見据え、都域を越えて避難する被災都民の受け入れが円滑に行われるよう、受け入れや調整手続の整備といった広域避難システムをつくることとなっていますが、減災の考え方や自助、共助の対策の明確化、復興の枠組み整備など、大規模災害に対応したさらなる改正、その他災害対策法制の見直しも不可欠です。
 都としても、東日本大震災での被害対応や被災地支援を踏まえた教訓を踏まえて、国に対して、都道府県の役割における具体的な提案を行うなど、今後の大規模災害対策の強化にともに取り組んでいただきたいと考えますが、都の見解をお伺いいたします。
 次に、災害時のボランティア活動の課題について伺います。
 東日本大震災の発生時、東京においては帰宅困難者が大量に発生し、これらの人々を受け入れた各大学においては、学生による災害ボランティア活動が行われました。都庁に隣接する工学院大学においても、当日、約一千人の帰宅困難者を受け入れ、学生たちが率先して支援を行いました。また、未曾有の被害に見舞われた岩手、宮城、福島の三県へは、都民を初めとした多くの人々が駆けつけて、ボランティア活動に加わり、避難所での炊き出しや瓦れきの除去などの被災地支援を行いました。
 被災地の多様なニーズに対応する災害ボランティアは、大規模災害での応急復旧の各場面で大きな役割を果たすことが改めて認識されました。
 その一方で、被災地で活動した全国のボランティアの中には、事故に巻き込まれた方や、過酷な場面から精神的な苦痛を受けた方もおられ、保険への加入や精神的なケアなど、安全確保や補償のための後押しが課題と考えられます。
 首都直下地震が発生した場合には、都にも災害ボランティアなどの受け入れと活動支援に関する総合窓口が設置され、ボランティアコーディネーターを災害ボランティア活動拠点に派遣するなど、広域的な支援を図ることになっております。ボランティアの重要性が高まる中、大規模災害時のボランティア活動がより円滑に行われるため、環境整備を図っていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、放射性物質の把握について伺います。
 本年四月、山口県で起きた化学プラントの爆発事故では、火災現場から五百メートル程度しか離れていない倉庫に劣化ウランが多数保管されていたことが明らかになりました。劣化ウランは放射線を発し、人体への悪影響が懸念されます。火災で延焼すれば、広範囲に放射性物質が拡散し、甚大な影響が出るおそれがあります。
 こうした危険な物質である劣化ウランは、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律に基づいて、文部科学省への届け出が義務づけられておりますが、届け出られた情報がその地域の都道府県や市町村に提供される仕組みになっておりません。同じ放射性物質でも、医療分野で用いられるエックス線や沃素などは、法令に基づき、総務省消防庁を経由して都道府県、市町村へと伝達されるのに比べ、法制度上十分な体制とはいえません。
 一方、東京消防庁は、消防活動に必要な情報を収集するため、火災予防条例に基づいて、学校や研究施設から劣化ウランに関する届け出を受けております。劣化ウランなどの核物質はテロの標的にされ得るなど、慎重な対応が必要ともいえますが、どこにどのような危険物があるのか把握し、対策を検討することは重要です。地域防災計画の前提として、情報を把握できるよう検討を進めていくべきと考えますが、都の見解をお伺いいたします。
 次に、南海トラフ地震の想定と島しょ地域での対策について伺います。
 海溝型の大規模地震による津波想定が島しょ地域においては非常に高く、各島では迅速な避難が不可欠です。中長期的な課題として、海岸保全施設や津波軽減効果をあわせ持つ港湾、漁港施設の整備が必要とされますが、喫緊の対策としては減災対策が課題となります。
 現在、各町村においては津波避難計画の再構築が行われつつあると思われますが、新たな避難路の確保、地震発生から津波の襲来までが短時間であることから、港湾区域内に観光客や島民が避難するための避難施設の整備、また、長期的に孤立のおそれのある島しょ地域では備蓄倉庫の整備、また、さらに場合によっては島外への避難などが考えられます。最も重要である人命を守るためのこうした減災対策への支援について、都の見解をお伺いいたします。
 次に、今後の都市開発について伺います。
 まず、都市における森と緑の再生について伺います。
 一本の美しく強い木ほど神聖で模範的なものはない、ヘルマン・ヘッセは、著書「庭仕事の愉しみ」の中で、凛とした木と人生を重ね合わせ、その本質を説いています。私がこの本をふと思い起こしたのは、永平寺の杉を切る瞬間について、直木哲氏から聞いたことがきっかけでした。
 現在、東京ミッドタウンを初め日本橋川におけるプランターを活用した護岸緑化など、都内では森と緑の再生を幅広く手がける直木氏は、請われて永平寺の樹木再生プロジェクトに参加し、樹齢六百年を超える永平寺の間伐と再生を試みてきました。
 樹齢六百年を超える神聖なる木々を百歳にも満たない人間が伐採するには、専門家といえども覚悟と責任が問われ、一本の木を切るのに六人がかりで一カ月もかけて木と対話すると、切る瞬間には木の声が聞こえてくるのだといいます。
 樹木に対して神々の息吹を感じ取り、畏敬の念を覚えるのは、日本人特有のメンタリティーなのかもしれませんが、神聖な樹木を守り育てるのも人の手であることを教えてくれる逸話です。植える、伐採する、育てる、あがめる、また植える、先人から受け継いできた命のリレーは、人知を超える迫力を持って、今に姿をあらわしております。
 知事は、これまでにも水の都や風の道を提唱するなど、近代都市に自然の力を吹き込む努力を続けてこられました。私は、永平寺が参道の杉を守り育ててきたことに見られるような日本人のメンタリティーが、世界の人々に真の豊かさを覚せいさせ、豊潤な都市の形成にかけがえのないものを気づかせてくれるものと思います。そこで、都市における森と緑の再生について、知事の見解をお伺いいたします。
 さて、東日本大震災におけるマンションの被害を見ますと、昭和五十六年以前の旧耐震基準で建てられたマンションの損傷割合が大きくなっており、これらのマンションを耐震化する緊急性が改めて確認されております。
 都では、昨年六月に策定した東京緊急対策二〇一一の中で、マンション耐震化促進に向けた取り組みを緊急対策の一つとして取り上げ、学識経験者などから成る専門家会議を設置し、耐震化促進のための新たな実効性ある方策を検討してきました。この会議の議論を踏まえ、昨年十一月には、耐震化を促進するための法制度の改正について国に対して緊急提案を行っております。
 そこで、会議の議論を踏まえたマンション耐震化促進に向けた東京都のこれまで及び今後の取り組みについて見解をお伺いいたします。
 都内の分譲マンションストックは増加を続けており、百五十万戸を超えている一方、築四十年以上のマンションもふえ続け、今後さらなる急増が予想されております。こうしたマンションについては、大規模改修による長寿命化や建てかえによる再生を促すことが求められております。中でもマンションの建てかえについては、都は昨年度末まで、マンション建替え円滑化法に基づきマンション建てかえの認可を行ってきましたが、その認可数は、平成十四年の法施行以来平成二十三年度末まで、わずか二十九件にとどまっております。
 私たちは、費用負担やいわゆる既存不適格マンションなどの諸問題があると認識していますが、マンションの建てかえが進まない理由について、改めて都の認識と今後の取り組みについて見解をお伺いいたします。
 マンションに限らず、商業ビルなどその他の用途の建築物においても、既存不適格の問題により老朽化した建築物がそのまま放置され、市街地全体が寂れているようなケースがあります。このような老朽建築物の更新方策について見解をお伺いいたします。
 次に、教育施策について伺います。
 この間、東京都教育委員会は、これまでの都立高校改革を踏まえた新たな都立高校改革推進計画を策定するとともに、特別支援教育推進計画第三次実施計画をまとめ、後期中等教育、特別支援教育のより一層の充実に取り組んでいます。
 また、近年の子どもの体力低下と学力への影響を踏まえ、総合的な子どもの基礎体力の向上にも努めてこられました。これらを着実に推進するために、教育庁組織をまとめ、その先頭に立ってこられた大原教育長に敬意を表するとともに、これが本会議での最後の質問の機会になりますので、心よりご苦労さまでしたと述べさせていただきます。
 では、最後の質問をさせていただきます。
 初めに、発達障害の早期発見、早期支援を促進していくための就学時健診について伺います。
 発達障害の児童が就学する際、就学先の小学校が児童の個々の特性を把握し、事前に支援体制を築くことが重要です。そこで、児童の発達障害の有無と、発達障害の特性を早期に把握するためには、区市町村における乳幼児健診や母子保健相談、就学時健診が大変重要な機会と考えます。
 しかし、従来の就学時健診では発達障害を把握できないことも多々あると聞きます。これは、対人関係の中であらわれやすい発達障害の特性をこれまでの就学時健診では把握しにくいということが要因であると考えます。したがって、発達障害の児童の個々の特性を把握し、就学先での支援に結びつけていくには、発達障害の特性を踏まえた就学時健診を実施することが必要と考えます。
 都教育委員会は、教員が円滑な学級運営を図り、発達障害の児童一人一人の特性に合った指導を行っていくためにも、区市町村と連携し、就学時健診の実施内容、方法の充実を図っていくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、発達障害の児童生徒に対する自立と社会参加に向けた支援について伺います。
 発達障害の有無にかかわらず、将来自立し、社会参加していくための教育が改めて児童生徒にとって重要であることはいうまでもありません。
 しかし、近年の総務省の調査では、いわゆるニートが全国で約六十万人おり、厚生労働省は、ニートに占める発達障害者の割合が二割強であると報告しています。このため、発達障害の若者がニートのような状態に至ることを未然に防ぎ、日本の将来を担う若者として育成する対策が必要です。
 そこで、就学前から高校、大学に至るまで、障害特性を踏まえ、継続的に支援を行っていくことが重要であると考えます。発達障害の児童生徒が各発達段階で直面し、抱え込みやすい問題は異なります。例えば、小学生段階では、衝動的な行動から周囲とのトラブルが生じることがあり、中学生段階では、自我の芽生えから自尊感情を低下させ、場合によっては不登校状態に至ることがあります。これらの問題に対して適切に支援し、一人一人の自立と社会参加を実現していくことが重要と考えます。
 今年度より都教育委員会が実施予定の医療等と連携した発達障害児への教育支援モデルの研究においては、自立と社会参加に向けた支援の検討も行っていくべきと考えますが、見解を伺います。
 以上で都議会民主党を代表しての質問を終えます。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 大塚たかあき議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、尖閣諸島に関する四問の質問についてでありますけれども、まとめてお答えいたしますが、尖閣諸島の所有者の栗原さんとは、私が国会議員の時代からこの問題に取り組む中で、いわば人間同士の縁の不思議さもありまして深い知己を得たもので、一族としては極めて強い政治不信がありながら、私のいる東京にならば売ってもよいということになりました。
 交渉の内容については、相手のあることなので、現時点では話せることはございませんが、公益財団設置の検討については、今回のねらいが個人から公に所有権を切りかえ、その安定を図ることにありますので、現時点では、解散もあり得る公益団体よりも、公共団体での所有、活用が望ましいと考えています。
 地元石垣市や沖縄県とは、所信表明でも述べたとおり連携をして、あの豊穣な海や豊かな自然など、島の特徴を生かした活用方法を練り上げていきたいと思っています。内容については、今後しかるべき段階でお示しをしたいと思います。近々、東京みずからが船を仕立てて必要な調査を行うつもりでおります。
 最後に、国との関係についてでありますが、歴代の政権は、国民の生命、財産を守るという国政の大眼目を軽んじて、国際社会の熾烈な国益のせめぎ合いの中で、アメリカの顔をうかがい、シナの顔色をうかがって、主体性も戦略も持たないままに漂流してきました。そしてこの春に至って、シナが尖閣諸島における日本の実効支配を打破する、人民日報で宣言し、いわばこれから強盗に入るぞと声明をしている段になっても、肝心の家の戸締まりもしないという感覚は、私、一人の政治家としても全く理解できないものでありました。
 この切迫した状況でも動かない国とは対照的に、日本人の国家への熱い思いは、既に十一億円を超える拠金として寄せられているわけでありまして、この短期間にこれだけの額が集まるのは、東京の行動への賛意とともに、これまでの国の弱腰な態度への国民の怒りと不信の声ととらえるべきだと思っております。
 シナの特殊船の衝突事件で政府が見せた、地方の一検事に責任を押しつけて、かつまた肝心のビデオを公開しなかったりするという事なかれ主義の態度は、もはや通用しないと思いますし、政府も都の行動をバックアップすべきだと私は思います。
 次いで、横田基地の軍民共用化についてでありますが、首都圏の空港容量の拡大を図る横田の共用化は、我が国の国際競争力を強化し、国力を維持するために不可欠な国家のプロジェクトであると思います。
 私は九年前、日米両政府を動かして、小泉、ブッシュの日米首脳会談にこの問題を取り上げさせて、ナショナルイシューとして取り上げさせて、交渉の端緒を開きましたが、しかし、その共用化の意義を認識しない外務省は、軍事運用の課題から難色を示すアメリカ側の主張をうのみにして、その顔色をうかがうだけで、消極的な姿勢をとり続けてきました。
 日本における空運のアメリカ側の基地に関しての共用というのは、既に冷戦が非常にたけなわだったあのころ、現在の青森空港ができる前に、既に何度も領空に対するロシアの飛行機の侵犯に対して三沢基地から日米両空軍がスクランブルをかけている。その時代でもなお、一応肝心な部分は遮へいしながら共用しておりました。そういう事例があるわけでありますが、しかしその後、普天間基地の問題が迷走するに至って、共用化の交渉においても政府は有効な手だてを講じることなく、いたずらに時間が消費されてきました。
 このような国の不作為に業を煮やして、四月には、私自身渡米して、共用化が実現するよう米国国務省の要人とも直談判してまいりましたが、帰国後、野田総理に直接面談して事を要請し、彼がワシントンに赴いた際の日米首脳会談の折に、正式な議題として取り上げさせました。共用化の交渉再開への足がかりを、また何とかつくることができました。これは非常にアメリカ側も日本の外務省も嫌がったんですけれども、両首脳が事を判断して、ナショナルイシューとして再登録できたと思っております。
 引き続き首都圏の自治体と連携しつつ、共用化の実現に向け、日本側の体制を固め直して、国の関係省庁と都が一枚岩となって、アメリカとの交渉に取り組んでいきたいと思っております。
 次いで、直接請求と住民投票制度についてでありますが、直接請求や住民投票という直接民主制が、間接民主制を補充する重要な手段であることは論をまたないと思います。
 しかし、今回の条例案が提出されている原発稼働の是非に関していえば、一自治体の住民投票に、これはなじむものではないと思います。
 そもそもエネルギーの問題は、国家発展のかなめであります。しかるに国は、どれぐらいのタイムスパンで、どの程度の経済成長を目指すのか、そのためにはいかなるエネルギーをどれだけ確保していくかについて、いまだに明確な方向性を打ち出しておりません。そのシミュレーションも行っておりません。政治が責任を持って決断し、早急にエネルギーの基本戦略を策定すべきであります。
 その上で、原発稼働の是非は、国が、安全性はもちろん、経済性、産業政策、温暖化対策、安全保障などを複合的に考慮して、専門的な知見も踏まえ、理性的かつ冷静に判断すべきであります。
 住民投票という手段で、ただ観念的に原発の是非だけを問い、その結果がにしきの御旗のごとく力を持つならば、これは立地地域の人々もないがしろにするばかりか、国を滅ぼしかねない危険なことにもなりかねないと思います。
 ゆえに、都民投票の条例案には反対であります。
 次いで、修正案についての考えでありますが、修正案がどういうものかまだわかりませんし、今の段階ではお答えできません。しかし、ただいまの質問を聞いておりますと、先般提出した反対意見の趣旨について理解されているようでありますが、それでなぜ修正までして条例を制定し、都民投票を行うのか、私には理解できません。
 いずれにせよ、原子力発電所の稼働の是非は、政治が理性的な討議のもとで冷静に複合的に判断すべき問題であります。
 次いで、原発稼働の是非に対する国民投票についてでありますが、昨年、都は全国に先駆けて、安全を確認した震災の瓦れきの受け入れを開始しましたが、最初は都民の一部から、何ゆえか強い反発を受けました。他の県では、県知事みずからが説明に行ったものの、実際に存在しない、ただの瓦れきを、どういう意味か恐れる住民から猛反発を受けて、受け入れを断念したのも皆さんの記憶にあると思います。
 放射能に対する日本人の特有なセンチメント、あるいはある種のエゴがもたらしたともいえるこうした状況を見るにつけても、仮に住民投票で受け入れの可否を決めるなど無責任ともいえる方法をとれば、東京もどうなっていたかわからないと思います。しかし、東京の決断は、大方の都民、国民の理解の共感を得ていると思います。都の行動は国に重い腰を上げさせ、号令も出させました。呼応する自治体もようやくあらわれてきて、今後、被災地の復旧、復興を大きく加速することになると思います。
 私はかつて、安全を確認した瓦れきの受け入れになお反対する人々に対してどう答えていいかと問われましたので、問答無用と強い姿勢をあえて発しました。これは、国民から負託を受けた政治家は、たとえ有権者には不人気な事柄であっても、国家全体、国民全体のためになるのであれば、みずからの信念で決断し、やり遂げねばならない。それが政治家の使命であり、その責任は選挙で甘んじて受ければよいという趣旨で申し上げました。
 国家の安危を左右する問題である原発の稼働の是非に関して、今求められることは、ただ観念的にその是非のみを問うことでも、困難な課題からその場しのぎで逃げて、国民に判断を任せてしまうことでもないと思います。国会の場での理性的な討議や専門的な知見に基づいて、政治が不人気を恐れず、国民、国家の行く末を見据えた責任ある決断を下すことだと思います。
 なお、質問の中で、ヨーロッパ諸国の国民投票の話もございましたが、そもそも他国と陸続きのヨーロッパと島国の我が国とは、置かれた地勢的な状況が全く違っております。
 例えば、イタリアは国民投票で原発をやめましたが、隣の原発大国のフランスから電力を輸入しているのも、これが現実であります。都議会の皆様には、政治家として議会制民主主義の真の意味と役割を十分認識し、賢明な判断をお願いしたいと思います。
 次いで、羽田空港の跡地についてでありますが、古来より、人、物の交流は、新しい文明へのアクセスとして重要な役割を果たしてきました。今日、空港は、国家の玄関口として、その国の文明を表象する施設であります。
 私は、知事就任以来、国を動かし、羽田空港の国際化を推進してきました。盟友でありました亀井静香君が政調会長のときに二人で図りまして、渋る国交省をほとんど恐喝して予算をつけさせて、あの四本目の滑走路を実現しましたが、今や、米国のほか、ヨーロッパやシンガポールなど世界の多くの都市と首都東京がダイレクトに結ばれておりまして、既に観光やビジネスにその効果があらわれてきております。
 これに隣接する跡地についても、空港と一体となった利用を図ることで、羽田空港の価値を最大限に発揮させていくことが重要であると思います。あの跡地に、この首都圏に欠けている巨大な会議場やそれに付随するホテルなども導入して、都心に出るまでもなく大きな国際会議を、この日本に到着した瞬間に持てるようにすることで、羽田の持つ国際空港機能を一層効果的に発揮させていきたいと思っております。この件については、既に国交省と意見を交換し、意見の一致を見ております。
 今後も、羽田空港を首都東京の活力を高めるインフラとして十分に機能させ、我が国全体の国際競争力の強化を図っていきます。
 次いで、都市における森と緑の再生についてでありますが、我々日本人は、自然への畏敬と愛着の念を抱いて、自然との共生の中で生活を営んできました。とりわけ森と緑は、人間の感性を豊かに保ち続けるために不可欠なものでありまして、人の心に安らぎを与えるかけがえのないものであります。
 首都東京の中心において、凛とした威厳を醸し出している神宮の森は、明治天皇が崩御された後、先人が日本列島の森の原風景であるクスやシイなどの木々を用いて築いたものでありまして、これはまさに日本人の心が都市づくりの中に具現された事例であると思います。
 我々は、こうした先人の取り組みに学びまして、現代の都市づくりの中で、豊かな市街地の緑と永続する都市の森を築いていかなければならないと思います。
 都民とともに、皇居にも匹敵する広さの、現在、海の森の整備を進めるなど、自然と融合した風格ある都市東京を創出し、次世代へ引き継いでいきたいと思っております。
 他の質問については、副知事、教育長、東京都技監及び関係局長から答弁します。
   〔副知事猪瀬直樹君登壇〕

〇副知事(猪瀬直樹君) 東京電力の経営改革についてでありますが、福島第一原発事故、その後の計画停電や電気料金の値上げなどによって、都民、国民の東電への信頼は大きく揺らぎました。一度失った信頼を取り戻すことは容易ではないが、顧客サービス第一を使命とする電力会社に生まれ変わるためには、東電は不退転の覚悟で、みずからの経営改革に取り組まなければいけません。また、東電改革は、地域独占に安住する九電力体制そのものの改革に波及するものでなければなりません。
 こうした認識のもと、東京都は筆頭株主としての使命を全うすべく、東電の改革を後押しするための五項目にわたる株主提案を行いました。このうち、東電内部からの監視を強めるための社外取締役の選任については、会社提案に盛り込まれることになりました。
 残る四項目、顧客サービス第一を使命とする経営理念を定款に明記すること、徹底した情報開示により経営を透明化すること、設備投資への競争原理を導入すること、高効率で環境負荷の少ない火力発電設備への更新を行うこと、この残る四項目は、定款ですね、ここに書き込まれていません。中身的には入っていますが、定款としては書き込まれていない。
 定款というのは会社の憲法ですから、この定款の中に、いまだに宿泊施設やスポーツ施設の経営とか、不動産の売買とか、そういった経営理念じゃない、なくすべきものが入っているんだが、顧客サービスを第一の使命とするという言葉が入っていない。
 こういうことで、東電がみずから改革を進めていく決意を内外に示すためには、こういう定款に記入することは不可欠なものであり、したがって、東京都は、多くの株主の賛同を得ることが改革を進める上で大きな力となることから、十万株以上の株式を所有する約四百法人に要請文を送付しました。
 また、その他の株主については、東京都のホームページなどで広く賛同を呼びかけています。どこに丸して返したらいいかというふうに全部書いてありますので、ぜひごらんいただきたい。
 六月二十七日に開催される株主総会では、東電の経営陣のみならず、一万人を超える株主の前で、直接、提案の趣旨説明と意見表明を行い、抜本的な経営改革を訴えていきます。
   〔教育長大原正行君登壇〕

〇教育長(大原正行君) 三点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、公立学校施設における省エネ、再エネ化の取り組みについてでございますが、都立学校の改築や大規模改修を行う際、省エネ・再エネ東京仕様等を適用し、高効率のエアコンや照明等の省エネ設備と太陽光発電等の再エネ設備を導入しております。
 また、小中学校につきましては、今月をCO2削減アクション月間と位置づけ、児童生徒に対して節水や節電、省資源等、環境に配慮した行動を身につけられるよう、区市町村教育委員会と連携して環境教育を進めており、省エネ、再エネに関する意識の向上に取り組んでおります。こうした取り組みを推進しますとともに、都立学校における実践事例や国の補助金を含めたさまざまな支援策について区市町村教育委員会に情報提供するなど、小中学校施設の省エネ、再エネ化を支援してまいります。
 次に、就学時健康診断の実施内容、方法の充実についてでございますが、発達障害の児童生徒が充実した学校生活を送るためには、発達障害を早期に把握し、個々の特性に応じた支援を行うことが重要でございます。
 都教育委員会では、平成二十年度と二十一年度の二年間にわたり、発達障害に対応した就学時健康診断におけるスクリーニング項目の開発と実施、検証等を行ってまいりました。この中で、就学時健康診断に集団活動場面での行動観察を導入することが、対人関係における個々の児童の特性の把握に有効であることが明らかになりました。
 このため、本研究に基づく実践事例を蓄積し、その検証結果を区市町村教育委員会に提供することで、就学時健康診断の実施内容、方法の充実に努めてまいります。
 次に、発達障害の児童生徒の自立と社会参加に向けた支援についてでございますが、発達障害の児童生徒の自立と社会参加を促すためには、教育と医療、福祉等が連携し、発達障害に早期に気づくとともに、就学前から学校卒業後までの一貫性のある継続的な支援を行っていくことが重要でございます。
 都教育委員会では、今年度から医療等と連携した発達障害児への教育支援モデルの研究を実施し、発達障害児の増加の現状分析や、各発達段階で必要となる対応について、医療等と連携して実証的に研究することとしております。今後、この研究を通じて得られた知見を発達障害児の指導や支援に活用することによりまして、自立と社会参加の促進を図ってまいります。
   〔東京都技監村尾公一君登壇〕

〇東京都技監(村尾公一君) 土砂災害に対する取り組みについてでございますが、集中豪雨や台風などによる土砂災害から都民の生命や財産を守るためには、ハード、ソフト両面からの対策を推進することが重要でございます。
 このため、都は、ハード対策として、土石流やがけ崩れの危険性が高い箇所や過去に災害が発生した箇所において、砂防事業や急傾斜崩壊対策事業などを実施しております。
 また、ソフト対策として、がけ崩れなどが発生した場合に危険が生じるおそれのある範囲を土砂災害警戒区域などに指定し、区市町村による警戒避難体制の整備を促進しております。この区域指定は平成十七年度から順次進めており、二十三年度末までに多摩地域で四千五十三カ所を指定しております。
 今後とも、関係自治体と連携し、安全・安心な都市東京の実現を目指してまいります。
   〔環境局長大野輝之君登壇〕

〇環境局長(大野輝之君) 六点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、電力の需給見通しについてでございますが、東京電力管内のこの夏の電力需給見通しは、供給力五千七百七十一万キロワットに対しまして、最大電力需要は猛暑の場合でも五千五百二十万キロワットと見込まれております。また、現実に猛暑の夏になったとしましても、需給が逼迫する可能性のある日や時間帯は限られるものと認識をしております。
 次に、ことしの夏以降の節電に関する基本的な考え方についてでございますが、昨年夏の大幅な電力不足を踏まえました徹底した節電の経験の総括とこの夏の電力需給見通しを踏まえまして、第一に、むだを排除し、無理なく長続きできる省エネ対策を推進すること、第二に、ピークを見定め、必要なときにしっかり節電をすること、第三に、経済活動や都市のにぎわい、快適性を損なう取り組みは原則的に実施しないことという三点を賢い節電三原則として明らかにしたところでございまして、今後、この考え方に基づきまして取り組みを促進してまいります。
 次に、スマートエネルギー都市のあるべき姿についてでございますが、気候変動対策に先導的に取り組むとともに、都市の魅力と知的生産性の向上を図り、また災害にも備えるため、第一に、賢い節電と低炭素なエネルギー利用を経済社会活動に内在化すること、第二に、オフィス空間、居住環境の快適性を確保する節電、省エネの最適制御を行うこと、第三に、高度な防災力を備えるエネルギー利用の多元化を図ることという三点を目指すべきスマートエネルギー都市の姿として明らかにし、今後、実現を目指して取り組みを進めていくこととしたところでございます。
 次に、スマートエネルギー都市の実現に向けた取り組みについてでございますが、取り組みの方向性として、節電、省エネルギーの技術やノウハウを最大限活用すること、低炭素、自立分散型エネルギーの利用を進めること、エネルギー利用のさらなる効率化を実現するエネルギーマネジメントの仕組みが組み込まれた都市づくりを実現することという三点を実現していくことで、スマートエネルギー都市の実現を目指してまいります。
 次に、天然ガス発電所についてでございますが、昨年八月、猪瀬副知事をリーダーとする関係九局から成る東京天然ガス発電所プロジェクトチームを立ち上げ、百万キロワット級の発電所設置に向けた検討を公開のもとに行ってまいりました。
 昨年九月には、都有地を一定の条件でスクリーニングし、発電所の適地として五カ所を発表いたしました。この五カ所につきまして、採算面や技術面などから事業可能性調査を行い、このうち三カ所の候補地について、事業成立の可能性があるとの調査結果をこのたび取りまとめ、公表しております。
 プロジェクトの検討経過は、猪瀬副知事が会議終了後その都度記者会見を行うとともに、ホームページに掲載するなど、広く都民に明らかにしてまいりました。また、地元の理解をいただくために、関係区に対しても説明を行ってきたところでございます。
 今後とも、関係区や都民に周知をした上で、発電所の候補地周辺の自然環境についての調査に着手し、事業を次のステップに進めてまいります。
 最後に、中小規模事業所の省エネの促進についてでございますが、都では、個々の事業者の実情に応じた省エネ対策を推進するため、具体的な節電、省エネのアドバイスを行う省エネ診断を実施しております。これまで、照明照度の見直しなどの運用改善を中心とした提案を行ってきております。診断結果では、おおむね一五%程度のCO2削減が見込まれまして、相応の光熱水費削減が可能と考えております。
 また、区市町村との連携につきましては、都はこれまで、区市町村が主催します研修会に省エネの専門家を派遣するなどの施策を行っておりますが、本年はこれを夏に向けて重点的に実施し、中小事業者のコスト削減にもつながる省エネ対策を支援してまいります。
   〔スポーツ振興局長細井優君登壇〕

〇スポーツ振興局長(細井優君) オリンピック・パラリンピック招致に係る四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、世論喚起のための戦略についてでございます。
 二〇二〇年の大会を東京で開催することは、スポーツや健康への都民、国民の関心を高めるとともに、都市環境の改善やバリアフリー化の加速、経済の活性化など、あらゆる分野に効果をもたらすものでございます。こうした開催効果を的確にわかりやすく、都民、国民に伝えることが重要でございまして、そのためにはメディアを活用した広報展開が効果的でございます。
 具体的には、「広報東京都」など既存の広報媒体の活用に加え、人気のあるテレビ番組や雑誌とのタイアップなど社会的に影響力のあるメディアと連携しながら、招致活動に対する国民、都民の関心を大いに喚起してまいります。
 次に、大会における電力供給についてでございます。
 IOCワーキンググループの評価レポートでは、電力供給について注視が必要とのコメントがございます。都としては、東京産の電力の創出など、電力の安定供給に向けた都独自の取り組みを進めております。また、国においても、中長期的なエネルギー政策指針であるエネルギー基本計画の見直しを進めておりまして、ことしの夏までに改定される予定でございます。
 一方、大会開催時の競技会場などで必要となる電気量は、供給力に対して極めて小さいと考えております。さらに、省エネルギー型施設としての整備の推進などによりまして、電力需給への影響を少なくなるよう努めてまいります。これらの取り組みを、招致活動のあらゆる機会を通じ、IOC委員を初め関係者に丁寧に説明してまいります。
 次に、国立霞ヶ丘競技場の再整備についてでございます。
 一九六四年の東京大会のレガシーである国立霞ヶ丘競技場は、約五十年にわたり日本を代表するスポーツの拠点として広く都民、国民に親しまれてきました。今回、国がスポーツ基本計画の趣旨に基づき競技場の建てかえに向けて動き出したことは、スポーツ国際都市の実現を目指す東京都にとっても大変有意義なことでございます。
 建てかえ計画につきましては、現在、日本スポーツ振興センターが主催いたします将来構想有識者会議において検討が進められておりますが、周辺環境との調和や大会後の利活用を含め、世界に誇れるスタジアムの計画を立候補ファイルに反映できますよう、国及び日本スポーツ振興センターに対し、早期に計画を固めることを、引き続き強く要請してまいります。
 最後に、招致に向けての大義やテーマについてでございます。
 本年二月に策定いたしました申請ファイルでは、二〇二〇年大会の東京開催を、震災から復興を目指す我が国にとって、明確な目標と団結をもたらし、支援を寄せてくれた世界の人々へ感謝を示す機会になるとし、また、大会の開催は、スポーツの持つ大きな力が、困難に直面した人々を励まし、勇気づけることを世界の人々に示すことになると掲げております。
 このような東京の大会理念は、去る五月二十三日の立候補都市選定の際のIOCワーキンググループのレポートにおきましても、スポーツの力を通じて国を結びつけ、新しい世代の人々に活力を与えるという明確なビジョンがあると高く評価されたところでございます。
 今後は、来年一月に提出する立候補ファイルの策定に向けて、このスポーツの力が、人々に夢や希望、勇気を与え、いかに社会全体に活力をもたらすかということを一層強調いたしまして、IOC評価委員会の来日時などあらゆる機会をとらえまして、広く世界にアピールしてまいります。
   〔産業労働局長前田信弘君登壇〕

〇産業労働局長(前田信弘君) 十二点のご質問にお答えいたします。
 まず、中小企業支援についてでございます。
 高い技術力やすぐれた製品などの経営資源を持ちながら厳しい経営状況にある中小企業を支援することは、東京の産業の活力を確保する上で重要であります。
 都は、このような中小企業に対して、かねてから事業承継・再生支援事業によりまして総合的な支援を行っております。具体的には、窓口相談を初め、財務、経営分析等を通じて事業承継や再生の方針を提示し、中小企業振興公社の助成事業などを活用した支援を行っており、着実に成果を上げております。
 なお、中小企業金融円滑化法は、国の政策として平成二十一年に制定されました。国は、今年度末で終了としておりますが、終了に伴う中小企業への支援策については十分とはいえず、都内中小企業団体からも強い懸念が示されております。同法の終了に伴う支援につきましては、国が責任を持って対応すべきものと考えております。
 次に、中小企業における知的資産経営についてでありますが、中小企業が、特許等の知的財産はもとより、人材、ネットワークなど無形の資産を活用し、経営力の強化を図ることは重要であります。
 都は、既に知的財産総合センターで、特許や意匠等に係る知的財産の保護を初め、営業情報や技術情報を保護する方法などを企業の実態に応じてアドバイスを行っており、その件数は年間五千件を超えております。また、経営力の向上のため、中小企業が組織力や人的資産などを活用して行う新たな取り組みに対しまして、経営革新計画の承認を行っております。計画を承認した企業には、低利融資や特許関係料金の減免、販路開拓等の支援を実施しております。
 今後とも、こうした取り組みにより、中小企業の経営力の向上を促進してまいります。
 次に、東京ビッグサイトの拡張についてであります。
 現在、主に三つの視点から検討を進めております。一つ目は、拡張用地について、ビッグサイト周囲の土地の現在の利用状況、法令上の制約、利用可能性など、二つ目は、埋立地でありますことから、地盤の状況を踏まえた建設コストと技術的課題、三つ目は、将来の展示会開催需要の見通しを踏まえた運営における採算性の確保などでございます。
 今後、これらの点について精査を行い、拡張の原案を取りまとめてまいります。さらに、利用者等の意見を聞きながら検討を進める考えでございます。
 次に、展示会等への出展支援についてであります。
 都は、経営診断を通じて都内中小企業の抱える課題を明確化した上で、そうした課題の解決に向けた取り組みを支援してまいりました。経営診断の結果、販路開拓が必要とされた企業に対しては、展示会等出展支援助成事業により出展費用等の助成を行っております。本事業による助成申請は、現在、一企業当たり一回となっております。
 今後、円高など中小企業を取り巻く厳しい経営環境を踏まえながら、支援のあり方について検討を行ってまいります。
 次に、MICE誘致に向けた都立施設の活用についてであります。
 都内におけるMICE開催に合わせ、文化施設等を活用する取り組みは、多くの訪日外国人旅行者に東京の魅力を訴える手法として効果的であると認識しております。
 都は、既に国際会議等の機会をとらえ、外国人参加者向けに美術館などを訪問先に組み込んだ観光ツアーを実施し、参加者から好評を得ております。また、レセプションなどの貸し出し利用につきましては、東京都現代美術館等で行っていると承知しております。
 こうした利用につきましては、法令上特段の制約はなく、それぞれの施設の目的や美術品保護の観点等を十分に踏まえた上で、所管部署とともに活用の可能性を検討してまいります。
 次に、観光資源の新たな開発についてでありますが、これまで観光資源として認識されていませんでした工場や研究施設などが近年注目を集め、新たな観光スポットになっている事例もございます。こうした視点に立ちますと、都が保有する公共施設の中にも、観光資源としての魅力を持つものが数多く存在していると考えます。
 一方、ご指摘の閘門や調節池等の公共施設は、安全や防災等のための施設であり、そうした目的を十分に踏まえなければなりません。
 したがって、各施設が持つ本来の目的や機能を妨げないことを前提に、新たな観光資源としての活用の可能性について検討してまいります。
 次に、PPV、ウメ輪紋ウイルス対策についてであります。
 この病気は、植物防疫法に基づき緊急防除を行うべき重要病害であります。このため、農林水産省は平成二十二年一月に防除区域を定め、感染する可能性のある植物を防除区域外に移動することを制限するとともに、都に対し、緊急防除への協力を指示いたしました。
 都は、この指示に基づき、平成二十一年度から延べ五千人を動員し、関係市町村の協力を得て、感染樹の調査や廃棄作業等を実施しております。平成二十三年度までに約二万二千本の感染樹等の廃棄と、その所有者に対する補償交渉を行ってまいりました。
 今年度も推定七千本以上の伐採が見込まれており、こうした作業を継続してまいります。
 次に、多摩産材の活用についてでありますが、都はこれまで、区市町村に対し、多摩産材の利用を働きかけるとともに、先行事例を支援するため、実際に多摩産材を使用する場合の費用の補助などを行ってまいりました。こうした取り組みもあり、建築資材の大部分に多摩産材を用いた図書館や小学校が整備され、公共施設の内装や什器にも活用されるなど、多くの区市町村で公共利用の実例が出てまいりました。
 今年度は、区市町村向けに木材の利用に関する説明会を開催するとともに、多摩産材の活用事例集を作成するなど、多摩産材を利用する効果や意義を、区市町村に対し積極的にPRしてまいります。
 次に、島しょにおける漁場の造成による成果と今後の取り組みについてでありますが、都ではこれまで、魚が集まりやすくなる魚礁を神津島と八丈島で、イセエビやサザエを増産するための築いそを大島と利島でそれぞれ整備し、漁場の造成に取り組んでまいりました。
 その成果として、漁港からの移動時間や魚群の探索時間が短縮されるとともに、燃料などの経費の削減にもつながり、効率的な漁業操業が可能となりました。
 また、今年度は、引き続き大島、利島、神津島周辺において漁場を造成する予定であります。
 今後とも、各町村や漁業協同組合の要望を踏まえ、事業の費用対効果を検証した上で対応を進めてまいります。
 次に、若年者の就業支援に向けた取り組みについてであります。
 若者を取り巻く雇用環境は、失業率が高い水準にあるなど、依然として厳しい状況にございます。この問題の本質的な解決のためには、国が実効性のある経済対策を進め、雇用を創出することが不可欠であります。
 都としては、意欲ある若者に対し、東京しごとセンターにおけるきめ細かい支援や合同就職面接会の実施に加え、今年度は、未就職卒業者緊急サポート事業の規模を七百五十人から一千人に拡充いたしました。
 また、太陽光発電など新たなエネルギーに関連する分野を初めとする成長産業に若者の就業を促す、重点産業分野就業支援プログラムを六月から開始しております。
 こうした施策を通じ、意欲ある若者の就業を支援してまいります。
 次に、若者に対する職業訓練についてであります。
 即戦力となる知識や技能を付与する職業訓練の受講機会を提供することは、働く意欲のある若者を就職に結びつける上で効果的であります。このため都は、みずから実施する訓練と民間委託訓練を組み合わせ、求職者の受講機会の拡大を図っております。
 今年度は、職業能力開発センターで、若者向けに、機械加工や溶接など延べ三十二科目、年間一千二百八十五名の定員で訓練を実施するほか、民間のノウハウを活用し、医療事務や情報処理など多様な求職者向け委託訓練を、年間一万二千人を超える規模で展開しております。
 こうした取り組みの中で、高校中退者なども含め、幅広く若者の就職を支援してまいります。
 最後に、ワークライフバランスの推進についてであります。
 労働者が生き生きと働きながら、子育てなど家庭における役割を果たすためには、仕事と家庭生活の両立が可能となる雇用環境を整備することが重要であります。
 都はこれまで、社内体制の整備など両立支援に取り組む企業への助成を行うとともに、すぐれた取り組みを進める企業を認定するほか、働き方を見直す先進的な事例を支援するなど、社会的機運の醸成も図ってまいりました。
 本年七月からは、改正育児・介護休業法が全面施行されるなど、ワークライフバランスに対する社会の理解と認識も前進しております。
 今後も、ワークライフバランスの一層の推進に向け施策を着実に実施するとともに、認定企業等の取り組みの成果を広く社会に発信してまいります。
   〔港湾局長中井敬三君登壇〕

〇港湾局長(中井敬三君) 臨海副都心のMICE、国際観光拠点化についてでありますが、シンガポール、ソウルなどのアジア諸都市では、人、物、情報、技術が集まり、大きな経済波及効果をもたらすMICE分野で戦略的な取り組みが進められております。厳しい都市間競争を勝ち抜くためには、都においても、MICE機能の一層の充実と新しい観光資源の創出に向け、民間の豊かな発想力を効果的に活用することが重要であります。
 そこで、今年度新たに創設した都独自の助成制度を活用して先駆的な事業を支援し、事業者の創意工夫を引き出して開発を促進するなどの取り組みを進めており、既にさまざまな分野から多様な提案をいただいております。さらに、アジアヘッドクオーター特区による規制緩和や税制支援も最大限に活用できるよう努めてまいります。
 これらにより、臨海副都心が日本経済を牽引するMICE、国際観光の重要な戦略拠点となるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。
   〔総務局長笠井謙一君登壇〕

〇総務局長(笠井謙一君) 六点のご質問にお答えをいたします。
 まず、都民による防災対策の推進についてでございますが、今回の被害想定では、東京に起こり得るさまざまな地震像とそれによる被害を明らかにするため、首都直下地震、海溝型地震、活断層の地震など、あらゆるタイプの地震を対象とした上で、その中で発生すると東京に大きな影響をもたらす四つの地震を選定し、最新の科学的知見に基づいて検証を行ったものでございます。
 東京の防災力を高度化するためには、こうした被害想定の内容を都民に正確に伝え、都民一人一人による自助、共助の取り組みを進める必要がございます。このため都は、ホームページや「広報東京都」を活用して新たな被害想定を多くの都民に伝えるとともに、その内容をわかりやすくまとめた概要版を作成するなど、都民の理解を促進してまいります。
 また、先日認定いたしました東京防災隣組三十六団体を核として、その活動を広く波及させるなど、都民による自助、共助の取り組みを推進してまいります。
 次いで、区市町村の防災対策との連携協力でございますが、大規模災害に備えた減災対策を推進するためには、住民に直結した取り組みを行う区市町村と、広域的な立場から支援を行う東京都が相互に連携協力して取り組むことが必要でございます。
 このため、都は、木造住宅密集地域の不燃化促進、駅等での利用者保護などの帰宅困難者対策の推進、さらには防災隣組の認定を通じた地域の自助、共助の後押しなど、さまざまな防災対策を区市町村との連携協力のもとで進めております。
 今回策定いたしました被害想定や、それを踏まえて修正する東京都地域防災計画に基づき、今後とも区市町村が実施する地域の防災対策への積極的な助言、協力を行うことにより、東京の防災力の向上を図ってまいります。
 次いで、複合災害などへの備えについてでございますが、都民の生命を守り、都市機能の維持を図るため、都はこれまでも、東京湾沿岸部における水門、防潮堤などの整備を進めてまいりましたが、あらゆる事態を想定し、浸水時に備えた対策を講じておくことは重要でございます。
 このため、今回の被害想定では、水門が閉鎖された場合と機能しなかった場合の二つの条件で検証を行うとともに、津波と高潮が同時に発生した場合や堤防が損壊した場合など、起こり得るさまざまなリスクを防災対策上の課題として示しました。
 このような内容を踏まえ、水門、排水機場等の耐震、耐水対策や高潮対策センターの二拠点化などを推進するとともに、広域避難のあり方について検討し、大規模災害に対する備えを着実に講じてまいります。
 次いで、災害対策法制の見直しへの取り組みについてでございますが、発災時において国、都道府県、区市町村が相互に連携し、円滑に行動するためには、活動の根拠となる法制度が適切に整備されていることが重要でございます。
 このため、都はこれまでも、震災復興対策の法制化や災害救助制度の見直しなど、実態を踏まえた制度変更を国に求めてまいりました。また、お話の自治体間の広域応援について定めた災害対策基本法の改正案に対しても、新たな規定が自治体間の迅速な支援をかえって損なうことのないよう、全国知事会を通じて申し入れております。
 国は、発災時の国庫負担のあり方なども含め、今後も同法の見直しを検討するとしており、都としては、現場の実態を踏まえた法改正が行われるよう、引き続き国に対し強く働きをかけてまいります。
 次いで、放射性物質の把握についてでございますが、放射性物質等の保管施設における事故を防止し、災害時に的確な対応を講じることは、都民の安全を確保する上で重要であり、そのためには放射性物質の情報を適切に把握する必要がございます。
 都は、法令に基づき、国から放射性物質にかかわる情報提供を受けております。このうち劣化ウラン等の核物質につきましては、治安対策上の理由により国から情報が提供されておりませんが、火災予防条例に基づく届け出により、消防活動に必要な情報を東京消防庁が把握し、災害対応に活用しております。
 今後とも、東京消防庁など関係局と連携し、災害対策に支障が生じることのないよう、放射性物質の情報を適切に把握してまいります。
 最後に、島しょ町村の津波減災対策への支援についてでございますが、海溝型の大規模地震の発生によって島しょ部に到来することが予想される高い津波から人命を守るためには、各島における避難計画を見直すなど、減災対策を推進する必要がございます。
 このため都は、広域自治体として島しょ町村のこうした取り組みを支援するため、被害想定の各種データなどの情報を提供することや、津波による詳細な浸水想定を共同で作成するなどにより、避難誘導の仕組みづくりに積極的に協力をしてまいります。
 今後とも、島しょ町村と緊密に連携し、島しょの津波減災対策の支援に取り組んでまいります。
   〔生活文化局長井澤勇治君登壇〕

〇生活文化局長(井澤勇治君) 災害ボランティア活動の環境整備についてでございますが、大規模災害時には、被災地の応急復旧支援にボランティアが大きな力を発揮しており、都としても、その力を十分に生かしていくための環境整備が重要であると認識しております。
 東日本大震災では、被災地のニーズとボランティアとのマッチングを行うコーディネーターが不足し、都は、都民ボランティアの派遣に引き続き、現在までに延べ百二十人のボランティアコーディネーターを被災地に派遣しております。この経験を踏まえ、「二〇二〇年の東京」への実行プログラムにおいてコーディネーターの育成に取り組むこととし、新たに演習や訓練等を取り入れた実践的な養成講座を設け、今月、その募集を開始いたしました。
 今後、本事業を通じてボランティアコーディネーターを計画的に養成し、首都直下地震等の災害時において全国から集まるボランティアが円滑に活動できるよう努めてまいります。
   〔都市整備局長飯尾豊君登壇〕

〇都市整備局長(飯尾豊君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、マンションの耐震化についてでございますが、都は昨年度、マンションの耐震化促進施策に関する専門家会議を設置し、耐震化を促進する上での法的な課題について検討を行いました。この専門家会議での検討を踏まえ、昨年十一月、耐震性が低いマンションの耐震改修や建てかえについて合意要件を緩和することなど、法制度の改正に関し国に緊急提案いたしました。
 今後も、引き続き国に対して働きかけを行うとともに、マンション管理組合を直接訪問し、耐震診断実施に向けた助言や誘導を行う啓発隊を今年度から派遣するなど、マンションの耐震化促進に取り組んでまいります。
 次に、マンションの建てかえについてでございますが、分譲マンションは区分所有関係にあるため、建てかえに向けた合意形成が難しく、都はこれまでガイドブックの作成や相談対応などにより、合意形成に向けた情報提供や支援を進めてまいりました。
 こうした取り組みを行う中で、住民の高齢化等に伴う管理組合活動の低下や建築、法律等の専門的な知識の不足など、合意形成を図る上でさまざまな課題があることが明らかになっております。
 また、容積率制限や日影規制等が導入される以前に建設された既存不適格マンションでは、建てかえ後に従前建物の規模を確保できないなどの課題もございます。こうした課題に対応するため、都はこれまでも、管理組合への建てかえ・改修アドバイザーの派遣や、建てかえ時の共用部分の工事費への補助などを実施してまいりました。
 今後も、こうした取り組みや啓発隊の派遣などにより、マンションの再生が適切に行われるよう支援してまいります。
 最後に、老朽建築物の更新についてでございますが、建築時に適法であっても、法改正による容積率制度の導入などに伴い不適合な部分が生じた、いわゆる既存不適格建築物は、建築基準法に基づき、建てかえ時等には法令に適合させることとなっております。
 国は昨年度、既存不適格建築物のうち、従前と同一規模での建てかえが困難となっている老朽建築物について実態調査を行っており、引き続き建てかえ方策を検討するとしております。
 都は、今後の国の動向を注視しながら適切に対応してまいります。

〇議長(中村明彦君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時五十八分休憩

   午後三時十五分開議

〇副議長(ともとし春久君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 百十二番鈴木あきまさ君。
   〔百十二番鈴木あきまさ君登壇〕

〇百十二番(鈴木あきまさ君) 謹んで申し上げます。寛仁親王殿下におかせられましては、去る六月六日、薨去されました。社会福祉や国際親善などに情熱を注がれたお姿を国民はひとしくお慕い申し上げておりました。ここに謹んで哀悼の意を表します。
 さて、私は、都議会自由民主党を代表して、都政が抱えている重要課題について質問いたします。
 現在、極東の政治情勢は極めて不透明で、緊迫の度を増しています。中国が急成長した経済力を背景に軍備を増強し続けている現状では、極東の政治的、軍事的環境がますます不安定化していくことは、火を見るより明らかであります。
 そうした時代認識もない中で、民主党政権は、沖縄普天間基地問題を殊さら複雑化させ、解決困難な状況に追い込みました。そして、このことは日米の信頼関係を決定的に傷つけ、アジアの政治、軍事の安定において極めて重要なアジア諸国の公共財ともいわれる日米同盟を殊さらに弱体化させました。北方領土、竹島、尖閣諸島などに対する周辺国の傍若無人な振る舞いを助長しているのは、定見なき民主党政権の所業といわざるを得ません。
 こうした状況の中で、石原知事が尖閣諸島を通じて大変重い問題提起をされました。私たち都議会自民党は、かねてから尖閣諸島にかかわるさまざまな問題について、数多くの議員が適時適切に機会をとらえて発言をしてまいりました。いずれもその趣旨は、我が国固有の領土であり、中国などが不当に領土権を主張している尖閣諸島を今後どうしたら守れるかという強い憂国の情念から発したものにほかなりません。
 本来、国有化されるべき国境離島の島々が個人所有であり続けてきたことがいかに不正常であるのか、石原知事の発言は多くの都民、国民に覚せいさせました。寄附口座開設以来、既に七万七千九百件、十一億一千九百万円余の浄財が集まっていることを見ても、国民世論は、国有化できないのであれば公有化すべきとの意思が大きなうねりとなっています。
 私たちが今考えなければならないことは、石原知事の問題提起に対して、都民、国民の願いを確実に実現するために、行政的、政治的課題をどのように乗り越えるのか、まずは知事とともに努力を惜しまず、知恵を絞ることであります。そして、私たちはこの問題に関して、東京から日本を変える大きな一歩を記していくために力強く取り組んでまいります。
 ワシントンでの発言以来、およそ約一カ月半、尖閣諸島をめぐる状況は確実に変化しています。そこで、知事に改めて、発言以来刻々と変化してきた国民世論、国会、周辺諸国などに関する思いと、この問題にかける知事の決意を伺います。
 政治が眼前の危機を冷静にとらえて、社会を確かに変える具体的な手だてを講じなければならないのは、電力問題も同じであります。昨年、東京は計画停電を経験しました。電力不足に直面し、知恵を絞って、必死の思いで節電し、乗り切りました。ことしも夏を迎えるに当たり、課題山積となっています。
 当面の課題の第一は、中小企業や家庭を直撃する電力料金の値上げです。都議会自民党は、既に国と東電に経営改革を迫ってきましたが、値上げの妥当性を検証し、東電の経営合理化を要求してまいりました。また、安定供給を確保し、万が一にも真夏のブラックアウトは避けなければなりません。
 さらに、日本の将来にとって、電力不足の長期化は産業空洞化を一段と加速させることから、都民、国民の雇用と生活を守るべく、原発をどうしていくかも含めた国家的なエネルギー戦略の構築が急務です。
 とまった原発を火力発電で代替するために、国全体で新たに年間三兆円を超える燃料代を海外に支払うことを余儀なくされており、調達価格の交渉やエネルギー安全保障の取り組みも強化しなければなりません。
 このような複雑多岐な難題を解決するためには、政治が責任を持って全体を俯瞰しながら複合的に判断することが必要です。
 一方で、今定例会には、原発の稼働に関する住民投票条例案が提案されております。住民投票は、直接民主主義の手法として、住民が意思表示を行う重要な仕組みであることは認識しております。しかし、今回のような複雑多岐にわたる事態を前に、もはや原発を動かすか動かさないかという単純な議論で済む状況にはありません。今回のような事態に住民投票は適切な手段とは思えません。
 東京において、電力問題を考える上で欠かしてはならないのは、原発立地地域に対する電力消費地としての感謝と敬意です。東京の便利で快適な生活は、立地地域が長年にわたり大変なご苦労を重ねながら原発と向き合ってきた上にあるのです。
 我が都議会自民党は、これまでも立地地域を訪れ、感謝を伝えるとともに、電気を享受する東京への厳しいご意見もいただきました。電気を頼る立場の東京が、立地地域の雇用、ひいては地域社会の存立自体に甚大な影響を与える稼働の是非について、都民がじままに判断すべきことではありません。
 今、東京に求められるのは住民投票ではありません。東電と国に改革と安定供給を迫り、全国の範となる節電を実行しながら、既に原発が停止し、現に深刻な影響が出ている立地地域を支え、特に福島の復興に全力を尽くすことです。
 そこで、知事に住民投票条例について所見を伺います。
 エネルギー問題と同様に、政治の責任、役割を問われているのが防災対策であります。
 我が党は、昨年十一月、防災対策強化に向けての提言を都に行い、高度防災都市づくりの推進を強く働きかけました。これを受けとめ、「二〇二〇年の東京」において、東京の震災対策が積極的に打ち出されたことは高く評価いたします。
 一方で、国政では首都機能のバックアップについて議論が進んでおりますが、これは余りにも乱暴で稚拙といわざるを得ません。確かに想定外をなくし、日本が機能停止する事態を防がなければならないことには異存はありません。しかし、直下型地震で東京全体、首都圏全体が壊滅することはあり得ません。
 また、東京は全力で防災対策を進めております。そうした中で、初めに首都機能移転ありき、箱物づくりありきでは、防災対策に名をかりた壮大なばらまき、むだ遣いを生み、弱った国力に致命傷を与えることにもなりかねません。
 こうした国政のバックアップに名をかりた首都機能移転の動きに対して、知事のご所見を伺います。
 これまで取り上げた尖閣、エネルギー、防災の問題は、どれも政治の構えや志が問われ、単なる観念論、理念論では到底太刀打ちできるものではありません。我が都議会自民党は、この三つを初め、あらゆる事柄に対して、将来を見据えながら、極めて複雑に絡み合う要素を解きほぐしつつ、具体的に物事を決断していくことをお約束しつつ、さらに質問を続けます。
 国の民主党政権は、コンクリートから人へという間違った二者択一のかけ声のもと、必要な公共事業まで削減する愚挙を続け、大震災を経て、今ごろ社会資本整備のあり方を見直そうとしていますが、こうした迷走がどれだけ我が国の国益を損ねてきたことでしょうか。
 都は、これまでも毎年度、投資的経費をしっかりと計上し、三環状道路など都市を支えるインフラの着実な整備や耐震化の推進を図ってきました。こうした歩みを一層加速させるとともに、さまざまなソフト対策を組み合わせた総合的な対策を強力に推進し、高度防災都市東京への歩みを進めなければなりません。
 都は、先月、新たな被害想定を公表しました。東日本大震災以降、初めての首都直下地震等にかかわる想定で、まさに国に先駆けた取り組みです。フィリピン海プレートの深さなどの最新の科学的知見を踏まえたほか、新たに津波の想定を行うなど、東京に起こり得る地震像をより科学的、客観的に示そうとしており、我が党としても意欲的な取り組みとして高く評価いたします。
 震源が浅くなったことで、区部や従来地盤が強固だといわれてきた多摩地域でも、震度六強や七などの強い揺れにより、被害の拡大が想定されています。こうした厳しい状況を知って、都民の中には、自分の住む地域は安全なのか、どういった対策が必要なのかといった戸惑いの声も上がっています。行政として備えを固めるとともに、都民も冷静に、着実に、自助、共助の取り組みを進めることが重要です。
 まず、被害想定に対する都民の声を踏まえ、防災対策を推進する知事の率直な所見を伺います。
 引き続き、被害想定の見直しに関して、ソフト、ハードの両面から伺います。
 まず初めに、東京港におけるBCPの策定について伺います。
 東京港において被害を受けるバース数の想定が示されるなど、港湾施設の防災機能の強化が課題として明らかになりました。
 さきの大震災においても、被災者支援のための緊急物資輸送や地域の経済活動の復旧、復興において、港湾が重要な役割を果たし、港湾における物流機能の重要性を再認識したところであります。
 特に東京港は、首都圏四千万人の生活と産業を支える総合物流拠点であり、その機能が停止した場合、国民生活や日本経済に与える影響も大きいことから、被害を最小限に抑え、物流機能を早期に復旧させる取り組みが重要であります。
 そのため、港湾に関係する多様な民間事業者や行政機関が連携し、東京港が災害時にもその役割を十分に果たすことができるよう、事業を継続するための計画、いわゆるBCPを策定していくべきと考えますが、所見を伺います。
 また、災害時における物資の確保対策についてですが、被害想定では、避難者数は最大で約三百三十九万人、そのうち、避難所生活者数は約二百二十万人と想定されています。避難所での生活を余儀なくされる方が多数に上ると見込まれる中、避難所生活者のニーズに応じて物資を確保し、これを迅速かつ的確に供給する体制づくりが大変重要であると考えます。
 平成二十三年第四回定例会における我が党の質問に対し、物資確保対策について調査検証を行い、その結果を地域防災計画の修正に反映していくとの答弁がありました。
 そこで、調査検証の結果はどのようなものであったのか、それを踏まえ、災害時の物資の確保、輸送体制の構築に今後どのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、災害時の障害者支援について伺います。
 東日本大震災では多くの障害者団体がさまざまな支援活動を行ってきましたが、障害者の安全を確保するためには、独自の支援ノウハウやネットワークを持つ、こうした障害者団体と連携することも必要です。
 都は、我が党の指摘も踏まえ、障害者団体に対して、災害時の対応に対して調査を実施したと聞いています。
 今後、災害時における障害者の支援にどのように取り組んでいくのか所見を伺います。
 次に、自助、共助の取り組みについて伺います。
 都は、先般、三十六の団体を第一回の東京防災隣組として認定しました。いずれの団体も、都内の各地域で身近な存在である町会、自治会を母体として、長年、防災活動に熱心に取り組んでおり、核となる人々の地域に対する熱い思いやさまざまな創意工夫に支えられています。
 今後の普及に当たっては、こうした熱意や創意工夫をしっかりすくい上げ、他の地域へ波及させる必要があります。地域の地道な活動に光を当てる防災隣組の取り組みは大いに評価できるものであり、自助、共助の核として、今後修正する都の地域防災計画に明確に位置づけ、広く波及させていくべきと考えますが、今後の取り組みについて伺います。
 地域における防災活動で忘れてならないのは消防団です。大津波が迫る中、人々に避難を呼びかけ、その後も救助、捜索活動を続けるという被災地の消防団の献身的な姿勢に私は強い感銘を受けました。
 都内には区部、多摩、島しょ部を合わせて九十八の消防団があり、それぞれに歴史と伝統、そして誇りを持ってまちを守っています。なり手がいないといった課題もある一方で、装備が十分にあれば、また、もっと研修や訓練を受けられれば、活動を一層充実できるとの声も聞こえます。
 東京で自助、共助の取り組みを進めるためにも、都はこうした声に耳を傾け、消防団活動の一層の充実に向けて取り組んでいくべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、都立高校における防災教育について伺います。
 昨年の東日本大震災の際、都立高校は帰宅支援ステーションとして、翌朝まで帰宅困難者の受け入れを行いました。
 都立高校は地域の避難所にもなることから、防災拠点としての機能を強化していくことが求められています。
 また、日ごろの防災訓練等においては、地域と積極的に連携を図り、震災発生時に地域の防災活動に貢献できる生徒を育成していく必要があります。
 こうした中、今年度からすべての都立高校で一泊二日の宿泊防災訓練を実施することになったと聞いていますが、そのねらいと内容について伺います。
 次に、被害想定の見直しを踏まえたハード面からの防災都市づくりについて伺います。
 都はこれまで、防災都市づくり推進計画を策定し、延焼遮断帯の形成や市街地の面的な不燃化等の防災都市づくりに取り組んできました。
 さらに、首都直下地震の切迫性や東日本大震災の被害の大きさを踏まえ、木密地域不燃化十年プロジェクトを立ち上げ、木密地域の改善を一段と加速させることにしています。
 このような状況の中で、今後、防災都市づくりにどのように取り組んでいくのか、所見を伺います。
 次に、建築物の耐震化について伺います。
 都はこれまでも、全国初となる緊急輸送道路沿道建築物の耐震化推進条例の制定など、建築物の耐震化に向けた実効性のある取り組みを積み重ねてきました。
 しかし、いまだに耐震性能を満たしていない旧耐震基準の建築物が数多く残っており、都がさきに公表した被害想定では、最大で三十万棟以上の建物被害が予想されるなど、一たび大地震が起これば甚大な被害が発生することが懸念されます。
 特に東京は、国内で最も早くから住宅の共同化、高層化が進んだ都市であり、都内世帯の四割の方がマンションに居住していることもあって、老朽化したマンションの再生への取り組みは、東京における安心な居住の実現に向けて不可欠です。
 都は、昨年度、都内全マンションを対象に実態調査を行いました。それらをいかに、実効性あるマンション耐震化施策を講じるべきと考えますが、今後、具体的にどのように取り組みを進めるのか、所見を伺います。
 都は、先般公表した「二〇二〇年の東京」計画において、都内の住宅の耐震化率を平成三十二年度に九五%以上にすると目標を掲げました。この目標を達成するためには、都が民間等の耐震化への取り組みを促進していくことが必要ですが、その際、都がみずから設置、管理している都営住宅の耐震化を率先して進めることにより、民間等を先導することが重要です。
 都営住宅について、これまで行ってきた耐震診断や耐震改修の状況も踏まえながら、平成三十二年度には、耐震化率を一〇〇%とするよう道筋を描くことが必要と考えますが、見解を伺います。
 次に、建築物における液状化対策について伺います。
 東京湾北部地震が発生すると、液状化により、約六万四千棟の建物に被害が生じると想定されております。こうしたことから、都民一人一人が的確に判断をし、また液状化に備えていくことができるように、都は対策工法などの情報を適切に提供していくことが重要です。
 東京都建築物液状化対策検討委員会が本年五月に公表した中間のまとめによれば、建物被害が発生した場所の土地の履歴や地盤特性が明らかになりました。
 そこで、都は、検討委員会の成果を踏まえ、今後どのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、木密地域不燃化十年プロジェクトについて伺います。
 首都直下地震の切迫性を踏まえ、東京を高度な防災力を備えた都市へと進化させるためには、震災時に特に甚大な被害が想定される木密地域の早期改善を図る必要があります。このためには、市街地の延焼を遮断し、避難や救援活動の空間ともなる、防災上効果の高い都市計画道路の整備を加速することが不可欠です。
 都が本年一月に策定した木密地域不燃化十年プロジェクト実施方針では、整備地域約七千ヘクタールにおける主要な都市計画道路を特定整備路線に指定し、関係権利者に対する生活再建のための特別な支援策を講じ、平成三十二年度までに一〇〇%整備することとしています。
 そこで、特定整備路線の着実な整備に向けた今後の取り組みについて伺います。
 次に、東京港における耐震強化岸壁の整備について伺います。
 阪神・淡路大震災において、神戸港では耐震強化岸壁の三バースを除き、ポートアイランド地区、六甲アイランド地区のコンテナふ頭など大半の施設が被災し、使用不可能な状態に陥りました。そのため、海上からの物流ルートが断たれ、経済活動が麻痺し、市民生活に多大な影響を及ぼしました。
 こうした事実を踏まえると、首都圏の物流を支えている東京港の岸壁の耐震化は、まさしく喫緊の課題であります。
 東京港では、これまでも耐震強化岸壁の整備を着実に進めておりますが、今回の被害想定を踏まえ、災害に対する対応力をさらに加速して強めていくべきであります。東京港が震災時にも十分な物流機能を発揮していくために、都として今後どのように取り組むのか伺います。
 次は、島しょの津波対策について伺います。
 今回、新たに相模トラフ沿いの巨大地震による津波の想定を行い、国も三月に南海トラフ沿いの津波高の想定を公表しました。いずれの想定でも、島によっては二十メートルを超える非常に高い津波が想定され、島しょ地域の都民は厳しい現実を突きつけられています。
 津波は短時間で到達する場合もあり、避難のおくれが人的被害に直結します。かけがえのない都民の命を救うためには、住民の避難訓練を充実させるなど、避難対策を含めた総合的な対策が必要であると考えますが、所見を伺います。
 次に、下水道事業における光ファイバーの活用について伺います。
 これまでの想定を上回る津波の高さの予測発表や、これから梅雨の時期を迎え、近年、世界各地で頻発している局地的な大雨や集中豪雨が、都内でいつ発生してもおかしくない状況にあります。
 津波や豪雨などで首都東京が浸水した場合、都民の生命、財産や都市機能に与える影響ははかり知れず、こうした災害時に被害を軽減するとともに、いち早く情報を収集、発信し、災害に備える体制を構築することが極めて重要であります。
 下水道局では、下水道管の中に敷設した光ファイバーにより、施設の運転管理などを行っておりますが、危機管理対応を強化するため、さらに活用を図るべきと考えます。所見を伺います。
 次に、発災時の都民の飲料水の確保について伺います。
 さきの東日本大震災では、被災地で広域かつ長期にわたって断水が生じ、住民への飲料水の供給に大きな課題が生じました。
 都はこれまで、浄水所、給水所に加え、応急給水槽を整備し、都内各地で給水拠点を確保してきましたが、その後の環境変化もあり、整備上の目安である半径二キロ圏よりも離れた地域が依然として存在しています。
 こうした状況を踏まえ、都民の命の水を確実に確保、供給する使命を果たすため、都は積極的に取り組むべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、水道事業における電力確保について伺います。
 切迫性が指摘される首都直下地震等の発生時には、さきの震災時のように電力供給が途絶する可能性があり、また、政府が明確なエネルギー政策を示せない中、電力供給は長期的に不安定な状況が続くと予想されます。
 こうした中、知事はさきの所信表明において、三郷浄水場へ新たに二万キロワットの発電設備の増設を表明されました。首都東京を支える水道が安定給水に必要な電力を確保するには、電力事業者からの供給のみに頼ることなく、みずから電力を確保すること、すなわち、電力の自立化が必要であると我が党も強く主張してきたところです。
 そこで、電力自立化への取り組み状況と今後の具体的な整備について伺います。
 次に、多摩地区の水道事業についてですが、我が党はこれまでも、多摩地区の給水安定性を向上させるため、送水管のネットワーク化を図ることは極めて重要であると指摘してまいりました。
 こうした中で、都は、計画的に大規模な送水幹線の整備に取り組んできました。本年五月には、平成十四年から整備を行ってきた多摩丘陵幹線第二次整備区間の一部が通水し、運用が開始されました。また、東村山浄水場からの送水機能を強化するため、多摩南北幹線の整備事業が昨年度着手されたところであります。
 しかし、広域的なバックアップ機能が十分でないという多摩地区の状況を踏まえると、さらなるネットワークの強化に取り組むべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、東京外かく環状道路の整備促進についてですが、外環は首都圏を支える高速道路ネットワークとして、交通渋滞の解消、環境の改善、交通物流拠点の連携など、我が国の低迷する経済の活性化や国際競争力の強化に資する重要な幹線道路です。さらに、災害時には迅速な救命、復旧活動を支える道路として機能します。
 圏央道は、本年三月に都内区間の高尾山インターチェンジまで開通し、中央環状品川線も平成二十五年度に完成予定と、首都圏三環状道路の整備は着々と進んでおり、残すは外環のみといっても過言ではありません。
 我が党は、東京都議会外かく環状道路建設促進議員連盟とともに、一日も早い外環の完成を国に強く要請してまいりました。その結果、本年度、国の直轄予算は二百五十億円が計上されました。
 そこで、東京がオリンピックを招致している二〇二〇年までの完成に向けて、今後の外環整備事業の推進に向けた都の取り組みについて伺います。
 次は、東京電力の料金値上げ、経営合理化の取り組みについて伺います。
 電気料金の値上げについては、東京電力が本年一月に自由化部門の値上げを発表して以来、我が党は、国、東京電力に対し、経済活動や国民生活への影響を十分に配慮するよう、再三にわたり要請活動を行ってまいりました。
 その結果、東京電力は、我が党の求めに応じ、甚だ不十分ではありますが、自由化部門における中小企業向けの値上げ緩和策を遅まきながら追加で発表しました。その後、東京電力は、将来にわたる経営の指針ともいうべき総合特別事業計画を策定し、去る五月九日、経済産業大臣の認定を受けたところです。
 計画に基づき、五月十一日には、一般家庭や都内の九割の中小企業が対象となる規制部門の電気料金を平均で約一〇%値上げする申請が行われましたが、今回の値上げは、都民生活に打撃を与え、経済の低迷に追い打ちをかけるものにほかなりません。
 このため、我が党は、いち早く総合特別事業計画の大臣認定に先駆け、五月七日、総合特別事業計画を上回る徹底した合理化に取り組むとともに、節電や実質的な負担の軽減につながる料金プランの設定に加え、医療、福祉施設への自家発電設備の補助など、総合的な対策を講じるよう、政府及び東京電力に対して緊急要請を行ったところであります。
 また、我が党の質問状により、東電出身地方議員の給与や社員の冬のボーナスが料金の算定に盛り込まれているなど、今回の値上げが不合理であることも明らかになりました。
 東京電力の経営合理化、情報開示の取り組み等は甚だ不十分であると認識しておりますが、都は、この四月以降、今回の規制部門の料金値上げや東京電力の経営合理化などについてどのように対応してきたのか伺います。
 今回の規制部門の値上げの影響を最小限に抑えるため、一般の家庭や中小企業では、電気の使用量を減らす節電の取り組みが欠かせません。東京電力は、電気の使用量が多いほど値上げの率が高くなる料金の改定を国に申請しており、節電によって電力の使用を抑えることが、これまでにも増して重要になるものと考えます。
 都はこれまでの節電の効果的な実現に向けて、一般家庭での太陽光パネルの導入に助成を行ったり、中小企業に電気の使用を抑えるノウハウをアドバイスし、自家発電設備の導入をサポートする施策に取り組んできました。
 特に中小企業については、生産活動の中で多量の電力が必要な場合も多く、節電によりコストの増加を抑え、ようやく製品の競争力を維持できるような厳しい状況に直面しており、一層の下支えが必要です。
 規制部門の値上げの動きを踏まえ、節電に取り組む中小企業に対する支援の充実を図るべきものと考えますが、所見を伺います。
 節電の実践は、単に電気料金値上げへの自衛手段という側面にとどまらず、電力不足への対応としても重要な課題であります。
 昨年の夏は、個人も企業も自己犠牲を払いながら、全力で節電にご協力いただき、電力危機を乗り越えましたが、都民生活や経済活動に大きな影響があったことも事実です。
 今夏の電力需給見通しによれば、東電管内では、昨年ほどの危機的な状況は回避できるとされていますが、老朽火力発電所の故障等の事態に備え、節電が重要であることに変わりなく、都民生活や経済活動への制約を最小限とする、いわゆる賢い節電に取り組む必要があります。
 都が、さきの第一回定例会における我が党の要請にこたえ、事業所や家庭が中長期的に取り組むべき省エネ・エネルギーマネジメント推進方針を発表し、今夏以降の省エネ対策の方向性を示した点は大いに評価いたします。
 事業者や都民が今求めているのは、この夏、どのような対策にどの程度取り組む必要があるのか、客観的なデータに基づくわかりやすいメッセージであります。
 都は、今夏の電力需給状況を見据え、今後求められる省エネ、節電方法をどのように打ち出し、どのような取り組みにより定着を図っていくのか伺います。
 東京が環境先進都市として、都市の魅力をより一層高めながら、ビジネスの拠点として、世界の大都市間競争に勝ち、選択される存在であり続けるためには、賢い節電の定着だけにとどまることなく、良好な執務環境、快適な居住環境を確保するとともに、災害にも強いスマートエネルギー都市を実現し、さまざまな機会を通じて世界に情報発信していくことが必要であります。
 都は、省エネ・エネルギーマネジメント推進方針の中で、スマートエネルギー都市に求められる基本的な考え方を示しましたが、改めてその具体的な内容を伺うとともに、スマートエネルギー都市の実現に向けた施策の方向性について伺います。
 次に、被災地支援について伺います。
 初めに、災害廃棄物処理支援への取り組みについてですが、未曾有の大震災から一年余が経過し、被災地では復旧、復興の歩みを阻んでいた瓦れきの処理も一時仮置き場への集積がほぼ完了しました。
 しかし、瓦れきの山は被災地にいまだ高く積まれており、依然として膨大な量です。とても被災地だけで処理することはできません。
 阪神・淡路大震災の際には、発災後一年経過時には五〇%以上の災害廃棄物の処分が完了していましたが、今回の東日本大震災においては、阪神・淡路大震災とほぼ同量の災害廃棄物が発生していながら、政府の対応がおくれたこともあり、一年以上たっても処分は一五%にとどまっております。
 広域的な支援が欠かせない中、都は、全国に先駆け、昨年十一月から岩手県宮古市の災害廃棄物の受け入れを始めました。ことし三月からは宮城県女川町の災害廃棄物の本格的な受け入れが二十三区の清掃工場で始まり、六月からは多摩地域でも開始されました。
 都が、全国自治体の先導役となって災害廃棄物の処理を進めた結果、被災地ではどのような復興が進んだのか、その成果と今後の災害廃棄物の処理支援の取り組みについて伺います。
 次に、被災地応援ツアーについて伺います。
 福島県においては、風評被害等により、県内観光は厳しい状態が続いていましたが、観光客の数にようやく回復の兆しが見られ、これをしっかりと後押しすることが必要な段階にあると考えます。
 都は、我が党の提案を受け、被災地応援ツアーに今年度から日帰り旅行も対象に含め、福島県への観光支援を着実に進めている点を評価したいと思います。
 被災地応援ツアーは予想以上の反響を呼び、旅行会社の中には、夏以降の旅行の申し出を受け付ける余裕がないとの話もあります。
 福島県の観光復興はいまだに道半ばであり、被災地応援ツアーを通じて、多くの都民が被災地支援に協力したいとの要望にきちんとこたえることのできる対応が必要と考えますが、見解を伺います。
 次に、都民の安全・安心の確保という視点から何点か質問します。
 まず、豊洲新市場整備について伺います。
 豊洲新市場は、土壌汚染対策工事が進捗し、本年度は本体工事の着工に向けて、市場関係業界との施設計画に関する具体的な協議が進んでいると聞いています。新市場の建設が明確に見えてきた今だからこそ、将来を見据えた新市場の目指す方向性をいま一度明確にする必要があります。
 私は、一昨年の十一月に行った都議会自由民主党の海外調査において、フランスのランジス市場を調査しました。約十度前後での高度な品質管理を目の当たりにし、温度管理の重要性を痛感したのです。
 こうした事例を踏まえ、豊洲新市場は、東京の食文化を支える先進的な卸売市場として整備されるべきであり、高度な品質管理の実現は必須であります。特に、適切な温度管理によるコールドチェーンの確立は欠かせないと考えますが、都の所見を伺います。
 また、品質管理の高度化と並び、コスト削減の視点を踏まえた物流の効率化など、ソフトのプラットホームづくりへの取り組みも重要であると考えます。所見を伺います。
 次に、防犯対策について伺います。
 我が党は、本年の第一回定例議会で、地域による防犯カメラの整備に対し、きめ細かく支援していくよう求めました。防犯カメラは、犯罪抑止とともに事件の解決にも大きく寄与するものであり、地域の安全・安心に大きな役割を果たしています。
 都は、平成十五年から地域による防犯カメラの整備を支援してきましたが、当初整備されたカメラは老朽化が進んでおり、更新が必要となっているものがあります。
 今日、東京の治安が大きく改善されてきたのは、防犯カメラの整備など地域の取り組みがあったからこそであり、それらの地域が引き続き防犯活動に取り組めるように、防犯カメラの更新も含め、支援すべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、自転車の安全対策についてですが、都内では昨年、自転車が関与する交通事故が約二万件発生しており、本年も六十五歳以上の方の自転車乗車中の事故死者が急増するなど、自転車の安全対策が急務であります。
 現在、関係者により東京都自転車対策懇談会が開催されておりますが、自転車の安全、適切な利用を促進するためには、自転車の走行空間の確保、交通ルールやマナーの徹底、悪質な違反者に対する取り締まり、交通の妨げとなる放置自転車への対応といったさまざまな対策が必要であります。
 こうした対策を総合的に実施していくためには、関係者が一体となった取り組みが不可欠であり、また、東京都交通安全計画を踏まえた自転車対策を推進するための計画の策定が必要であると考えますが、所見を伺います。
 次は、中小企業の置かれている状況を踏まえ、産業政策に関する要望と質問をします。
 国内の景気動向は、復興需要等を背景として、緩やかに回復しつつあるといわれていますが、都内の中小企業は、円高や原油高、長引くデフレ状況に加え、電力の値上げなどさまざまな危機に直面し、依然として厳しい経営を強いられています。
 私の地元大田区でも、円高の影響による取引先企業の海外移転により、中小企業の仕事が減り、まち工場の減少が加速するなどの影響が出ています。
 こうした状況の中で、国は、経営不振の企業向けの一〇〇%保証の融資制度について、その対象業種を一部に絞り込む方針との報道がなされています。また、国は、有効な対策を打ち出すことなく、中小企業金融円滑化法を今年度に終了するとしています。
 こうした状況の中で、中小企業の経営者は、先行きに大きな不安を抱えながら日々の運転資金の確保に苦心しています。
 都は、都内中小企業の現状を踏まえ、しっかりと金融支援に取り組むことを要望します。
 次に、グループ戦略策定・展開支援事業について伺います。
 景気低迷が長引く未曾有の事態を前にして、中小企業は、それぞれの持つ経営資源のみで対応するのは困難な場合もふえています。
 そうした中で、各企業が技術力や営業ノウハウなどすぐれた力を持ち寄ってグループをつくり、受注などを効果的に行う取り組みが進んでいます。
 都は、これまでも中小企業がグループを立ち上げて、さまざまな事業展開を戦略的に行う際の計画づくりなどに対してサポートを行ってきました。これからは計画づくりにとどまらず、その実施段階を含めて意欲的に課題解決に取り組もうとする中小企業への総合的な支援がより重要になるものと感じています。
 中小企業のグループ化をより実効性のあるものとするため、都は現在、どのような施策を展開しているのか伺います。
 次に、中小企業に対する販路開拓支援について伺います。
 中小企業が厳しい経営環境の中で業績を維持し、伸ばしていくためには、新しい取引先を着実にふやしていく努力が必要です。新規の販路を見出すには、国内外で開かれる展示会や見本市に出展することが効果的とされています。
 こうした考え方に立ち、我が党は、中小企業が経営診断などを受け、販路開拓の必要が明らかとなった場合、出展経費の一部を補助する仕組みを充実すべきと主張してきました。現在の目指せ中小企業経営力強化事業は、経営状況を診断し、展示会の出展に助成することを組み合わせた事業として実施され、利用者からも高い評価を得ています。
 販路開拓に当たっては、展示会や見本市に繰り返し出展することで会社の知名度も上がり、取引先との新たな商談もまとめやすくなるものと聞いています。実際に展示会への出展助成について、一社につき一回とのルールを緩め、再度出展申請ができるようにすべきとの要望も中小企業の団体から出ています。
 こうした中、展示会出展の助成を利用する方法について、都として施策の充実を図るべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、若年者の雇用対策について伺います。
 現在、若者を取り巻く雇用環境は、改善傾向にはあるものの、依然として厳しく、就職できない若者が多い一方で、せっかく就職しても早期にやめてしまう若者の割合が高い状況が続いています。
 今後、少子高齢化が進展していく中、東京の産業を支えていくべき若者が強い意思を持って社会に出て、持てる力を十分に発揮することがますます重要となります。とりわけ、今後成長が期待できる分野の企業に若者の就職を促すことは、雇用対策はもとより、有用な人材を求める都内中小企業のニーズにもこたえ、ひいては東京の産業の発展にも寄与するものと考えます。
 このような状況を踏まえ、東京都は、今年度から、重点産業分野就業支援プログラムや就活力強化プログラムを新たな事業として立ち上げました。これらの事業は、大変意義があるものと考えていますが、事業のねらいや現在の状況について伺います。
 次に、福祉、保健、医療政策について伺います。
 まず、保健医療計画の改定についてですが、都は、保健医療の基本的かつ総合的な計画である東京都保健医療計画を平成二十年三月に改定し、疾病、事業などの医療体制の構築を図ってきました。
 しかし、少子高齢化の急速な進展、都民の医療ニーズの多様化や、医師や看護師等の人材確保の問題など、保健医療を取り巻く社会状況は、複雑かつ多岐にわたって変化しています。先般出された国の通知では、これまでの四疾病五事業に、新たに精神疾患が追加され、在宅医療についてもその重要性が明確に位置づけられました。
 こうした中、都民一人一人の健やかで生きがいのある生活を送るためには、保健、福祉と連携しながら、質の高い医療サービスを地域で切れ目なく提供することが必要です。
 そこで、今年度予定している保健医療計画改定に当たって、都の取り組みについて伺います。
 次に、東京都健康長寿医療センターについて伺います。
 東京では、今後急速に高齢化が進み、平成二十二年度からの十年間で、七十五歳以上の後期高齢者が五十一万人ふえる見込みです。
 後期高齢者の要介護認定率は、七十四歳までの高齢者の約七倍となっており、高齢者が健康を維持しながら、住みなれた地域で安心して生活できる社会をつくることが重要です。
 都は、高齢者医療と研究の拠点として、平成二十一年度に地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターを設立し、医療、研究の両面で着実な成果を上げています。
 平成二十五年度は、現在整備を行っている新たな施設への移転とともに、新たな中期目標期間がスタートする節目の年です。
 中期目標の策定に当たっては、今後センターが、医療と介護の連携や災害時の高齢者支援など、都の高齢者施策における重要課題に積極的に取り組み、社会的役割を果たしていけるものとすべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、いわゆる脱法ドラッグ対策について伺います。
 最近、脱法ドラッグの吸引後に意識を失い、救急搬送される事例が続発するなど、脱法ドラッグの乱用は若年層を中心として、社会的に大きな問題となっています。
 都は、我が党の働きかけにより、平成十七年に脱法ドラッグを規制する条例を制定するなど、国に先駆けた対策を講じてきました。
 これを受け、国は、平成十九年に薬事法を改正し、都も、未規制薬物の情報を国に提供するなど、規制の強化に協力してきました。
 しかし、国の法規制には時間を要するため、その間に脱法ドラッグが流通し、また、法規制が行われても、新たな薬物が海外から流入してくるのが現状です。
 このような状況に対し、都は、どのように対策を強化するのか所見を伺います。
 次に、健康安全研究センターについてです。
 政治経済等の都市機能が集積し、世界じゅうから人、物が集まる首都東京は、一方で、新型インフルエンザなどの振興感染症の脅威や青少年を中心とした脱法ドラッグの乱用、食の安全の危機など、さまざまな健康危機の脅威にさらされています。
 都立衛生研究所時代から六十余年の歴史を刻む健康安全研究センターは、都における保健衛生行政の科学的、技術的中核として、都民生活の安全確保に尽力してきました。
 このたび、健康安全研究センターは再編整備を行い、新棟を開設しましたが、これに伴い、どのような機能強化を図り、都民をめぐるさまざまな健康危機に対応していくのか伺います。
 次に、多摩地域の振興について伺います。
 多摩地域は、都心に近い場所にありながら、豊かな自然と潤いの空間を持ち、歴史や伝統、祭りや固有の文化が息づく個性豊かな地域です。
 知事が所信表明で軍民共用化への強い決意を表明された横田基地、さらに大学や研究機関、そこに集う多様な人材など、高いポテンシャルを有しておりますが、いまだその持てる力を生かし切っていないと思われます。
 また、近年では大規模工場の閉鎖や移転が相次ぐなど、地域経済に大きな影響を及ぼす出来事も起こっています。
 しかし、その一方で、大工場を支えてきたすぐれた技術を持つものづくりの中小企業が中心となり、産業集積の維持発展に向けた努力も進みつつあります。このような状況にある今、多摩は大きな転機を迎えていると考えます。
 知事は、多摩地域の現状とこれからの可能性をどのようにお考えか、所見を伺います。
 都は、平成十三年に多摩の将来像二〇〇一を策定しました。これまで我が党は、都と手を携え、多摩振興プロジェクトなどの取り組みを進め、多摩は今日まで着実に発展しております。
 しかし、先ほど申し上げた企業移転の例にも見られるように、この間の社会情勢は大きく変化しております。
 そこで、今こそ、都として新たに多摩が進むべき方向を明らかにすべきときであると考えますが、所見を伺います。
 次に、文化振興における都立文化施設の活用について伺います。
 文化は、人々に感動と生きる喜びを与えるものであり、日本の豊かな自然や長い歴史が形づくった日本民族の宝であります。これを次代に継承し、世界に発信することは、我々の重要な役割にほかなりません。
 東京には、歌舞伎などの伝統芸能から最先端の現代アートまで、世界に誇る多様な文化資源が集積しています。文化施設はその中核であり、四月の東京都美術館のリニューアル、今後の庭園美術館や写真美術館などの改修を好機として、東京の文化的プレゼンスや発信力を一段と強化する必要があります。
 国内外から人々が集い、次代の担い手も育つよう、都立文化施設をより有効に活用すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、次世代リーダー育成について伺います。
 国際競争が激しさを増し、グローバル人材が求められているにもかかわらず、我が国では若者の内向き志向が見受けられます。私としても大変危惧すべき事態と考えており、世界を舞台に活躍する国際感覚豊かな若者を輩出していくことが急務だと考えています。
 こうした認識に立ち、都教育委員会では、全国に先駆け、都独自の高校生海外留学プログラム、次世代リーダー育成道場を本年度から実施するとのことです。
 この事業の内容は、日本人としての自覚と誇りを持って留学に臨ませる事前学習や事後研修等を含めた総合的なプログラムであり、私としても深く共感するところです。
 道場開校に先立ち、プログラム内容の周知と留学の機運醸成のため、留学予定先の在日大使館の担当者等を招き実施された高校生留学フェアは大変盛況であり、道場の応募も、定員百五十名に対して四倍以上の六百四十二名の応募があったと聞いています。
 この潮流をとらえ、留学にチャレンジしようという高校生の夢をかなえ、グローバル化が進む国際社会でリーダーとして活躍していく人材に育成していくためには、一人でも多く海外での経験を積ませ、広い視野を身につけさせることが重要です。
 そこで、次世代リーダー育成道場の今後の取り組みと展開について伺います。
 次に、都立高校の進学実績の向上について伺います。
 全日制普通科高校の約六割を占める中堅校の中には、進学校に準ずる学校から、就職者や進路未決定者が多いなど生徒の進路が多様である進路多様校に近い学校まで、極めて幅広い学校があります。
 しかしながら、中堅校ではこれまで、進学校や進路多様校などと比較すると、それぞれの生徒の学力水準に応じた進学指導が必ずしも十分に行われてきませんでした。
 その結果、特に中堅上位校については、本人の努力次第では、より上のランクの大学に合格できる可能性を持った生徒が、難関大学の入学試験にチャレンジすることなく、現在の学力で入れる大学に安易に進学している例もあると聞いています。
 全日制普通科高校の多くを占める中堅校について、中堅校として一くくりにするのではなく、個々の学校や生徒の状況に応じた施策を通じて活性化をしていくことが、新しい都立高校改革の成否を握るといっても過言ではありません。
 中堅上位校についても、生徒の学力水準に即した進学指導を強化し、進学実績を向上させる必要があると考えますが、見解を伺います。
 次に、来年に迫ったスポーツ祭東京二〇一三について伺います。
 現在、区市町村では、競技別リハーサル大会が順次開催されています。七十を超える会場で開催されるこのリハーサル大会は、地元の方々が本番さながらの競技会を観戦でき、競技を身近に感じることで、スポーツ祭東京二〇一三の期待と関心をより一層高める大切な機会であります。
 リハーサル大会を実施する区市町村では、本大会での運営をリハーサル大会によってあらかじめ経験するとともに、開催機運醸成のため、さまざまな取り組みを実施しています。このような中、区市町村からは、運営費負担に対する都の一層の支援を求める声があると聞いています。
 こうした声にも耳を傾け、区市町村と連携し、来年の本番に向け着実に準備を進められるよう要望しておきます。
 スポーツ祭東京二〇一三は、大会に参加する競技者だけのものではなく、すべての都民の皆様が参加して楽しむ、文字どおりスポーツのお祭りです。来年の本大会だけではなく、リハーサル大会を開催することしからお祭りは始まっています。
 本大会まで一年余りとなったスポーツ祭東京二〇一三の成功のためには、本大会での都民の皆さんの観戦や応援などの大会参加はもとより、それまでのさまざまな場面でも都民の参加の機会をふやすなどして、都民が一緒になって大会を盛り上げていくことが重要であると考えます。
 都としては、スポーツ祭東京二〇一三の成功のために、リハーサル大会が行われるこの時期からどのようにして都民参加を促していくのか、見解を伺います。
 最後に、オリンピック・パラリンピック招致について伺います。
 先月開催されたIOC理事会で、東京は、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会の立候補都市として選定されました。
 開催都市決定まで残りわずか一年二カ月余り、三都市による少数激戦の中、いよいよ本格的な招致レースに突入します。
 都市としての開催能力は申し分なく、今後は、IOCワーキンググループ評価レポートにおいて明らかとなった招致機運の盛り上げが最重点課題であります。
 来月開催されるロンドン・オリンピック・パラリンピックでの日本人選手の活躍が、オリンピックへの関心を高め、機運の盛り上がりにつながるに違いありません。その盛り上がりを、IOCが行う世論調査の時期までに最高潮に持っていかなければなりません。
 全国の招致機運を高めるため、我が党が中心となり、都議会として、全道府県への支援要請を今会期終了後に開始します。また、各種団体への招致機運醸成のための働きかけも積極的に進めてまいります。知事とともに、都議会が車の両輪となり、招致活動に取り組む決意であります。
 予選を高評価で通過し、次の段階に挑むに当たっては、知事のリーダーシップが不可欠であると思いますが、決意を伺います。
 また、IOC世論調査が行われるであろう来年一月前後まで、あと半年を残すのみです。支持率向上のために早急に戦略を立て、機運の醸成を図る必要があると考えます。
 特に、次代を担う若者たちへの働きかけも重要となります。こうした点も踏まえ、今後の具体的な方策について所見を伺います。
 さて、先日、東京の新名所、東京スカイツリーが開業しました。その雄姿は、日本のすぐれた技術を余すところなく示しています。美しいたたずまいは、江戸ではぐくまれた心意気を示す「粋」や、美意識を示す「雅」という言葉を体現しています。
 東京と日本には、これだけのものをつくることができる底力があります。大震災への備えや、激化する国際競争、社会の閉塞感打破など、難題は山積ですが、我々が本来持つ力を束ねて生かせば、乗り越えられないはずはありません。
 都議会自民党は、その底力を引き出し、都民、国民がみんなで力強く歩んでいけるよう、でき得る努力を惜しまないことをお誓い申し上げ、全質問を終了させていただきます。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 鈴木あきまさ議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、尖閣諸島についてでありますが、厳しい国際社会を生き抜くには、天はみずから助くる者をのみ助くという人間社会の公理にのっとることが必要であります。
 みずからの領土も守れない国家が、早晩衰退、滅亡に向かうのは歴史の必然であります。にもかかわらず、自民党も含めて歴代の政権は、アメリカ依存の平和の中で、みずからを守るという当然の行為を怠ってきました。外交を他国と事を構えないための技術と勘違いして、時には相手にこびへつらいながら、結果として日本の国益を損なってきました。こうした国の無為無策に翻弄されてきた象徴が尖閣諸島であります。
 かつて、自民党政権時代に有志が建設した灯台を、外務省は時期尚早と称して、付近を航行する船の危険も顧みずに、海図に正式に載せることを拒みました。
 一昨年のシナの特殊船衝突事故では、船長釈放の責任を一地方検事に押しつけて、真夜中に空港を開かせ、お見送りをするていたらくでありました。
 国政調査権を持つ国会議員が、今般、視察をしようとしたところ、これは与野党超党派で行こうとしたところ、現政府は、海上保安庁の船の使用の便宜を拒みました。
 シナが日本の実効支配を打破すると明言している今、一刻も早くこの島々の所有を個人から公に切りかえなければならないと思います。
 ゆえにも、都は東京のため、都民のため、そして日本のために、施策を実行すべく尖閣諸島の購入を決断しました。東京が起こした行動に対して、日本人の、国民の国家への熱い思いは、既に十一億を超える拠金として寄せられております。心から感謝を申し上げます。こうした国民の国土に対する思いは、被災地の復興や日本の再生にもつながると思います。
 都は、小笠原諸島、伊豆諸島といった島々の振興を図る中で培ってきたノウハウを生かしながら、石垣市や沖縄県とも連携して施策を練り上げてまいります。豊穣な海、豊かな自然を有する島々をよみがえらせ、実効支配を強化していきます。
 近々、東京みずからが船を仕立てて、東京の海洋調査の船がございますから、必要な調査を行うつもりでありますが、もちろん東京が軍隊を持っているわけでもありませんし、国防や国境警備については、当然、国が積極的に責任を履行してもらいたいと思います。
 そもそもこんなことは東京都がやるべきことではないという声も聞こえますけれども、盗まれようとしている貴重な国土と資源を守るために、緊急に、一体だれが何をすべきだというんでしょうか。
 いずれにしろ、私は思い出すのですが、かつて高名な彫刻家、高齢で亡くなるまで果敢に仕事をした平櫛田中さんが、おれがやらなきゃだれがやる、今やらなきゃいつできるという言葉を吐いておりましたけど、国がやらなきゃ、我々東京ができることをやるしかないじゃありませんか。
 都民投票条例についてでありますけれども、エネルギーは国家を支える重要な基盤の一つでありまして、産業経済はエネルギーを消費して新しい富を生み出し、それが医療、福祉、教育、防災、治安などに回って、高度に発達した社会を支えていくわけであります。
 しかるに国は、どれだけのタイムスパンで、どの程度の経済成長を目指すのか、そのためにどれほどのエネルギーをどれだけ確保していくかについて明確な方向性を打ち出さないままに現実感を欠いた机上の議論に終始しています。
 エネルギーの確保は国家の存立に直結するものでありまして、政治が責任を持って決断し、早急に基本戦略を策定すべきであります。
 原発は、我が国の主要な電源の一つでありまして、その稼働の是非は国家の安危を左右するものであります。国が、安全性はもとより、経済性、産業政策、温暖化対策、安全保障などを複合的に考慮して、専門的な知見を踏まえ、理性的かつ冷静に判断すべきことであると思います。
 東京は、原発に向かい合ってきた福島や新潟からの電力の供給を受けて、大都市としての豊かな生活を享受してきました。原発稼働の是非は、立地地域の人々への影響が十分にしんしゃくされなきゃならないと思います。
 にもかかわらず、住民投票という手法で、ただ観念的に原発の是非だけを問い、その結果がにしきの御旗のごとく力を持つならば、立地地域の人々をないがしろにするばかりか、国を滅ぼしかねない危険なことにもなりかねません。このような条例には反対であります。
 次いで、首都機能のバックアップについてでありますが、かつて論じられていた首都機能移転論は、大都市の活力が国家の存亡を決めるという世界的な都市間の競争の時代に逆行するものでありました。かつて私が先頭に立ってつぶした国家の愚策でありますが、しかるに、国政では、またそうした首都機能移転の不合理性を理解もせずに、大規模災害時のバックアップと称して、国策としてとうに破綻している過去の遺物をまたもや引っ張り出して、全国知事会も巻き込んで議論の俎上にのせようとしております。
 そもそも、災害対策としての一時的なバックアップと、恒常的な首都機能の移転とは違うものでありまして、これを混同して議論していること自体が、本来の災害対策の趣旨を外れた、極めてひとり勝手な議論であると断ぜざるを得ません。
 私は、首都直下地震のもたらす影響と被害想定について、専門家から直接お話を聞いてまいりましたが、首都圏が一挙に壊滅するようなことはおよそ考えにくいし、あり得ない。今求められているのは、こうした科学的知見に基づいて、起こり得る被害像を的確に分析し、具体的な対策を講じていくことであります。
 都は、首都東京の防災力の向上こそ先決であって、実効性のある取り組みとして、木密地域不燃化十年プロジェクトの推進を初め緊急輸送道路の沿道建築物の耐震化、さらには、帰宅困難者対策条例の制定や防災隣組の創設など、ハード、ソフトの両面からさまざまな対策を講じております。
 また、国に対しては、首都圏の九都県市と連携して、首都圏の防災力強化と首都圏域内でのバックアップの強化を進めるように強く提言するとともに、九都県市としても首都圏の中でのバックアップ体制について、みずから検討を進めていくこととしております。
 今後とも、こうした本来取り組むべき対策をしっかりと進めつつ、災害対策に名をかりた首都機能移転を進めようとする動きを、これは断固として封じていかなきゃならぬと思っております。
 次いで、防災対策についてでありますが、今回の被害想定は、地震や津波の第一人者たちによって、最新の科学的知見を踏まえて検証した結果、対象とした四つのタイプの地震のすべてで震度七の揺れが予測されるなど、厳しい内容となりました。
 大切なことは、一人一人がこうした地震が実際に起こり得るかもしらぬという危機意識を持って、地震を我がこととしてとらえて、具体的な行動を起こすことであります。
 都は、被害想定で改めて確認された木密地域の火災延焼や、五百万人を超える帰宅困難者といった東京の抱える脆弱性を踏まえて、自助、共助、公助のすべてにわたり防災対策を強化してまいります。
 一分一秒を争う災害発生時には、自助、共助が一人でも多くの命を救うことになります。地元の消防団とも連携して、木密地域の初期消火を担う人材を育成するほか、帰宅困難者対策条例に基づき、企業による備蓄を促進するなど都民の意識を改革し、具体的な行動を促すための手だてを着実に講じていきます。
 あわせて、都市の機能を支える道路ネットワークやエネルギーの確保に加え、水門や防潮堤の耐震化の促進など、公助の取り組みも着実に推進してまいります。
 日本の頭脳、心臓部であるこの東京を一刻たりともとめることがないように、リスクを直視した確かな手だてを、本年秋に全面的に改定する地域防災計画に盛り込んで、東京の防災力を高度化させていきたいと思っています。
 次いで、多摩地域の現況と可能性についてでありますが、多摩地域は、再三申してまいりましたけれども、戦後の高度成長に伴う東京の急激な人口増加を吸収し、東京の三分の一の人口を擁するまでになりました。また、大学や研究機関、最先端産業も集積し、製造品出荷額では区部を上回るなど、まさに首都東京の活力を力強く支えてきた地域であります。
 しかし、近年、企業が生産拠点を集約化する動きに伴って、大規模工場の撤退が相次いでいることや、戦後、大規模に開発された団地に住む住民が高齢化するなど、多摩地域を取り巻く環境は大きな変化が起こっております。
 もとより多摩地域は、都市の利便性を備える一方で、奥多摩を初め豊かな自然環境に恵まれた多様な魅力を持つ地域でもあります。
 来年度には、圏央道の延伸により、関越道、中央道、東名高速が一本で結ばれることになりました。さらに、また我が国最大級の滑走路を有する横田基地の軍民共用化を実現することで、都心とのアクセスのよさも相まって、我が国を牽引する地域ともなり得る力を有していると思います。
 こうした多摩の持つ可能性を最大限に発揮させることで、活力と魅力を一層引き出し、直面する課題を乗り越えて、東京、ひいては我が国のさらなる発展につなげていきたいと思っております。
 次いで、オリンピック・パラリンピック招致についてでありますが、一次通過は自明の結果でありまして、何もこんなことで欣喜雀躍することではないと思います。それぞれの文明を代表する三つの都市による極めて複合的かつ重層的で熾烈なレースがこれから幕をあけるわけでありまして、前回コペンハーゲンで東京が破れたときに、今回のロンドンのオリンピックの主体者でありますセバスチャン・コーがわざわざやってきまして、東京のプレゼンテーションは最高だった、ロンドンとして非常にうらやましい、しかるになといって肩をすくめていきましたが、これはいまだに忘れられません。つまり、彼のそのしぐさが暗示するように、非常に複雑で、ある部分隠微でもある熾烈な招致レースを勝ち抜くためには、これはなかなか一筋縄ではいかないと思います。
 この夏、私もロンドンに赴き、戦略的活動を行いたいと思っておりますが、そして、日本代表選手が死に物狂いで戦う姿を応援もしたいと思っておりますが、いずれにしろ、主体者であるJOCを初めとするスポーツ界も、それぞれが持つ人脈をフルにフルに活用して、IOCというものに影響力をかけてもらいたいと思います。
 混迷と深い閉塞感に覆われたこの日本を、再び力強く復活させるために、都民、国民にオリンピック開催という夢を訴え、必ずや招致を実現し、この国の未来を切り開いていきたいと思っております。
 他の質問については副知事、教育長、技監及び関係局長から答弁します。
   〔副知事猪瀬直樹君登壇〕

〇副知事(猪瀬直樹君) 東京電力の料金値上げや経営合理化の取り組みについてお答えします。
 東電は、子会社、関連会社、ゼロ連結会社との取引が常態化した高コスト体質の企業であることが、東京都の調査によって判明しました。
 こうしたもたれ合いの関係にメスを入れ、具体的なコスト削減の方策を総合特別事業計画に盛り込むことが東電改革を進める重要なかぎとなることから、東電のグループ内取引の見直しなどに重点的に取り組んできました。
 具体的には、去る三月、枝野大臣から随意契約の三割削減やゼロ連結会社との取引見直しの約束を取りつけましたが、原子力損害賠償支援機構とも相談の上、その内容を総合特別事業計画に盛り込ませることができました。
 結果として、昨年暮れ、二兆六千五百億円でしたが、今回の総合特別事業計画で、三兆三千六百五十億円と、七千億円以上のコスト削減額の上積みが実現しました。
 また、東電改革の歩みを確かなものとするためには、組織内部からの取り組みが不可欠であることから、五月十四日、特殊法人改革などに実績のある公認会計士で、社外取締役に内定した樫谷隆夫氏とともに記者会見を行い、東電改革の方向性を明確に示しました。
 さらに、五月十六日には、経済産業大臣室を訪れ、枝野大臣に対し、料金認可の当事者として、計画を上回るコスト削減などによる料金値上げ額の徹底した精査を要求するとともに、電力業界を競争原理の働く当たり前の世界にするために、PPSなど、いわゆる新電力のシエア、現在三・五%ですが、三〇%まで数値目標を設定して、民間事業者の参入促進を政策誘導するように緊急提言しました。
 今後は、六月二十七日に開催される株主総会に出席し、社内競争原理や国際競争入札の導入といった株主提案を行っていきます。
 加えて、新体制発足後には、会長のもとに置かれる経営改革本部と定例会合を持つことを合意しており、この会合を通じて東電の構造改革を着実に進めていきます。
   〔教育長大原正行君登壇〕

〇教育長(大原正行君) 三点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、宿泊防災訓練のねらいと内容についてでございますが、この宿泊防災訓練は、災害発生時に、まず自分の命を守り、次に身近な人を助け、さらに避難所の運営など地域の防災活動に貢献できる自助、共助の心を持った人間を育てることをねらいとしております。
 都立高校百七十九校、約四万人の生徒を対象としておりまして、六月九日までに、十八校で約三千五百人が参加したところでございます。
 各学校では、宿泊防災訓練の意義を理解させる事前指導を行いました後に、近隣の町内会、自治会や、区市町村の防災担当部署、消防署、警察署、自衛隊等と連携した人命救助等の体験訓練、非常災害用備蓄食料準備訓練、教室や体育館等での就寝訓練などを実施し、ワークシート等を活用した事後指導を行うこととしております。
 こうした宿泊防災訓練を通して、将来のリーダー育成の観点からも、人と人とのつながりや連帯感、自己有用感を体感させ、社会の一員としての自覚を高めさせてまいります。
 さらに、都立高校における宿泊防災訓練の成果を、都内公立学校の児童生徒の防災教育に活用できるよう、区市町村教育委員会等、広く教育関係者に働きかけてまいります。
 次に、次世代リーダー育成道場の今後についてでございますが、都教育委員会は、四月に高校生留学フェアや学校への説明会を開催し、留学への機運を高めてまいりました。その結果、今回の道場の応募状況は、百五十名の募集に対し六百四十二名の応募がございました。
 七月には道場を開校し、事前研修で我が国の歴史や伝統文化、海外で通用する英語力などを学ばせ、来年一月以降の留学の後、海外での体験や学習成果を報告させ、広く高校生に還元してまいります。
 今後は、さらに多くの高校生が留学を希望するよう、小中学生の早い段階から幅広く働きかけ、留学への興味、関心を高めさせるとともに、次世代リーダー育成道場の拡充を図り、世界を意識しながら活躍できるタフな人材を育成してまいります。
 次に、中堅上位校の進学実績の向上についてでございますが、中堅校の中でも進学指導重点校等に準ずるような学校の進学実績が振るわない原因は、生徒が進学について必ずしも高い目標を持っていないことに加え、教員も生徒の潜在能力を十分に伸ばす指導ができていないことによるものと考えております。
 このため、これらの学校では、学校全体として到達すべき学力の水準を高く設定しますとともに、生徒一人一人が努力すれば達成可能なより高い進路希望の実現に向けチャレンジするよう指導してまいります。
 また、都教育委員会で作成した大学入試問題分析集を教科指導に効果的に活用するとともに、進学指導重点校等で蓄積してまいりました進学指導のノウハウを、これらの学校にも還元することなどを通じて教員の意識改革を図り、指導力を高めて、進学実績を向上させてまいります。
   〔東京都技監村尾公一君登壇〕

〇東京都技監(村尾公一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、木造密集地域における特定整備路線の今後の取り組みについてでございますが、特定整備路線は、震災時に特に甚大な被害が想定される約七千ヘクタールの整備地域の早期改善に大きな効果を有する都施行の都市計画道路でございます。
 都はこれまで、各区と個別に意見交換を行い、地元の状況の把握に努めており、延焼遮断帯などに大きな整備効果が見込まれる新設道路などについて、候補区間を今月末に公表いたします。また、一定の道路幅員が確保されている概成区間等についても詳細に整備効果などを検証し、秋にはすべての候補区間を公表いたします。
 さらに、関係権利者に対する生活再建のための特別な支援策の制度案を取りまとめ、測量など事業化に向けた準備を進めてまいります。
 今後とも、沿道の不燃化など、地元区と連携を図るとともに、国に対して財源の確保を強く求め、燃え広がらないまちの実現に向けて、特定整備路線の整備に全力で取り組んでまいります。
 次に、外環整備の今後の都の取り組みについてでございますが、外環は、首都東京の交通渋滞の解消のみならず、首都圏の陸海空の要衝を結ぶ重要な幹線道路でございます。切迫する首都圏直下型地震や東海地震などにおいても、日本の東西交通の分断を防ぐなど、その整備効果は多岐に及ぶものであり、一刻も早く完成させなければなりません。
 外環の関越道から東名高速までの区間につきましては、本年四月、国と東日本及び中日本高速道路株式会社が事業主体になることが決定いたしました。あわせて、工事の完成は平成三十二年度と公表され、今年度東名ジャンクション地域で、大深度地下トンネルの立て坑工事に着手する予定でございます。
 都は、大泉ジャンクション地域の用地取得をより一層推進するとともに、二〇二〇年夏までの開通に向け、スピード感を持って計画的に事業に取り組むよう、引き続き国など事業主体に強く働きかけてまいります。
   〔港湾局長中井敬三君登壇〕

〇港湾局長(中井敬三君) 東京港の防災に関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、東京港におけるBCPの策定についてでありますが、災害時において港湾は、国民生活や経済の復旧、復興などの観点から欠くことのできないものであり、その機能をいかなる状況下でも確保することが重要であります。
 このため、都では、緊急物資輸送などの迅速円滑な実施を目的に、港湾関係団体と協定を締結するとともに、災害時の広域連携として、京浜三港における耐震強化岸壁の相互利用やウエブ会議システムの導入による情報連絡体制の強化など、さまざまな取り組みを進めてまいりました。
 さらに、ことし五月には、港湾BCPの策定に向け海運事業者などの港湾関係団体と行政機関で構成する東京港連絡協議会を新たに設置いたしました。今後、この協議会において、災害時における被害の防止、安全確保及び物流機能の早期復旧などに向けた対策の検討を進め、東京港における港湾BCPを年度内に策定してまいります。
 これらの取り組みを着実に推進することで、東京港の防災力の一層の向上を図ってまいります。
 次に、東京港における耐震強化岸壁の整備についてでありますが、都はこれまで、震災時に、被災者の避難や緊急物資の迅速な輸送を確保するとともに、首都圏の物流機能を維持することを目的に、芝浦や大井などのふ頭において耐震強化岸壁十四バースを整備してまいりました。
 しかしながら、これらの耐震強化岸壁のうち、国際貿易を担うコンテナふ頭は三バースのみであり、こうした状況では、被災時に首都圏の市民生活や経済活動に大きな影響が出ることが危惧されます。
 そのため、中央防波堤外側地区において、事業中の耐震強化岸壁のふ頭整備を平成二十五年度完成を目指して着実に進めるとともに、新たなコンテナふ頭の早期事業化を国に強く求めてまいります。
 さらに、今後は、既存ふ頭の再編にあわせて岸壁の耐震化を進めるなど、整備計画の見直しを行うとともに、国に対して財源の確保を強く働きかけてまいります。
   〔福祉保健局長杉村栄一君登壇〕

〇福祉保健局長(杉村栄一君) 六点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、災害時の物資確保対策についてでございますが、昨年度、民間シンクタンクを活用して実施をいたしました、災害時における物資や輸送体制に関する調査検証におきましては、備蓄物資や調達物資の品目や量の不足、時間とともに変化する物資ニーズ、職員による物資の搬出入の非効率性、他県等からの救援物資を受け入れるスペースの不足などの課題に対しまして、民間の力を取り入れた対応策が提案をされました。
 この提案を踏まえまして、必要な物資の品目や量、緊急度やニーズに応じた確保手段の見直し、備蓄倉庫や広域輸送基地での物流事業者のノウハウの活用、物資集積拠点への民間倉庫の利用等について、現在検討を行っております。
 今後、関係機関や区市町村とも協議しながら、災害時の物資や輸送体制の確保に向け、実効性の高い方策を具体化し、地域防災計画の修正に反映させてまいります。
 次に、災害時における障害者への支援についてでございますが、今回、都が障害者団体に実施した調査では、バリアフリー化され介護サービス等が利用できる福祉避難所の設置や、視覚や聴覚の障害者等に対する音声やボードを活用した情報提供、内部障害者への医療面からの配慮など、障害特性に応じた支援が必要との声が数多く寄せられました。
 また、災害時における障害者の安否確認や避難の支援、平時からの防災訓練の実施や研修会の開催など、区市町村との連携に関する提案もいただいております。
 今後、災害時における障害者への支援体制を一層強化していくため、今回の調査結果や障害者施策推進協議会等の意見を、地域防災計画の修正に反映いたしますとともに、災害時の要援護者対策を担う区市町村に対し、障害者団体との連携協力を働きかけてまいります。
 次に、保健医療計画の改定についてでございますが、都はこれまで、計画に基づき、がん診療連携拠点病院の整備や救急医療の東京ルールの推進など、四疾病、五事業を中心に、都民が安心して質の高い医療が受けられるよう、医療提供体制の整備を進めてきました。
 今回の改定では、こうした取り組みを一層推進するとともに、社会状況の変化や都の特性を踏まえ、保健、福祉と一体となった精神疾患患者への医療の充実や在宅医療のさらなる推進、災害医療体制の強化等を重点的に取り組む課題として位置づけ、現在、改定作業を進めております。
 今後、保健医療計画推進協議会や、疾病や事業分野ごとに設置しております検討会等で具体的な施策のあり方を議論し、福祉や保健分野の各種施策との連携も十分図りながら、年内に、改定計画の素案を策定する予定でございます。
 次に、健康長寿医療センターの中期目標についてでございますが、センターは、地方独立行政法人化以降、心臓外科や外来化学療法室の開設など診療体制の充実を図るとともに、最新の研究知見を認知症診断に生かすなど、高齢者の特性に配慮した医療と研究を積極的に行っております。
 高齢化が進む中、センターはこれまで以上にその実績や成果を都民に還元し、社会的役割を積極的に果たしていくことが重要でございます。
 そのため、第二期の中期目標では、来年度新たに開設をいたします施設の機能も十分に活用し、センターの重点医療でございます血管病医療、高齢者がん医療、認知症医療の一層の充実を図るとともに、在宅療養を支える人材の育成、災害発生後の中長期にわたる高齢者への支援の研究などを、新たな目標として定める考えでございます。
 次に、いわゆる脱法ドラッグ対策についてでございますが、都はこれまで、未規制薬物の化学構造式や人体への健康影響を解明し、国に対して積極的に情報提供をしてまいりましたが、お話のように、国の法規制には時間を要する上、海外から新たな未規制薬物が次々と流入している実態がございます。
 そのため都は、今月六日、平成十七年に国に先駆け制定した条例を活用し、五つの薬物を規制対象に指定いたしました。
 また、新たな未規制薬物が都内に流入した際に、速やかに規制できるよう、海外の流行動向を監視しながら、成分等をデータベース化する準備を現在進めております。
 さらに、警視庁とも連携いたしまして、未規制薬物を販売している店舗へ集中的に立ち入り調査し、文書による警告を行うなど、取り締まりを強化しております。
 今後、こうした取り組みを一層進めるとともに、国に対し未規制薬物の国内流入防止や国内で流通した際の速やかな規制等を提案要求してまいります。
 最後に、健康安全研究センターの機能強化についてでございますが、健康安全研究センターは、これまで健康危機管理の技術的拠点として、新型インフルエンザや放射能問題など、次々と起こる多様な健康危機に迅速に対応してまいりました。
 再編整備に当たっては、こうした取り組みを一層強化するため、海外の動向を含め、感染症、食品、医薬品、環境など、健康危機全般にわたる情報を一元的に収集、解析、発信する健康危機管理情報課を設置し、危機発生時には、医師や保健師を中心とした実地疫学調査チームを編成、派遣し、速やかに原因究明等を行う体制を整備いたしました。
 また、最新の検査機器や設備を整備し、精度の向上や時間の短縮化など、検査体制の強化も図っております。
 今後、強化したセンターの健康危機対応能力を最大限活用し、都民の安全・安心を確保してまいります。
   〔総務局長笠井謙一君登壇〕

〇総務局長(笠井謙一君) 五点の質問にお答えをいたします。
 まず、防災隣組の今後の取り組みについてでございますが、大規模災害の発生に備え、東京における自助、共助の強化を図るためには、身近な地域で取り組まれている意欲的な防災活動を掘り起こし、広く波及させていくことが重要でございます。
 このため、自助、共助の先導的役割を担う防災隣組を、地域の防災力向上の中核として地域防災計画に明確に位置づけ、区市町村と緊密に連携し、その普及拡大を進めてまいります。
 具体的には、認定団体の活動を紹介する冊子の作成、配布や地域の防災活動に関するシンポジウムの開催など積極的な普及活動を展開し、防災隣組の認定のさらなる拡大につなげてまいります。
 今後も、防災隣組の一層の普及拡大を通じて、地域防災力の向上を図ってまいります。
 次いで、消防団活動の充実についてでありますが、発災時に救出救助活動や消火活動を迅速に展開するためには、地域の実情に精通した消防団が果たす役割は極めて重要でございます。
 都はこれまでも、区市町村との役割分担のもと、団員の確保や消防訓練所での教育訓練など、消防団活動の支援を行ってまいりましたが、東日本大震災の教訓を踏まえ、地域における自助、共助の取り組みを推進するためには、消防団活動のより一層の向上を図る必要がございます。
 このため、今後、関係局や区市町村と密接に連携し、お話の人材確保や技能の向上などについて多面的な検討を進め、必要な対策を地域防災計画に盛り込んでまいります。
 今後とも、地域に根差した消防団活動の一層の充実に向け、積極的に取り組んでまいります。
 次いで、島しょの津波対策についてでありますが、今回の都や国の想定では、海溝型の巨大地震の発生により、島しょ地域に非常に高い津波が到来すると予想されており、ご指摘のとおり、都民の命を守るためには、津波対策を抜本的に見直す必要がございます。
 このため都は、津波軽減効果を持つ港湾や護岸等の整備に加え、新たに避難施設の整備に着手するとともに、地元町村と協力した避難誘導の仕組みづくりやハザードマップの作成支援など具体的な対策を検討し、地域防災計画の修正に盛り込んでまいります。
 さらに、対策の具体的な検証のため、十一月には神津島村と合同で住民避難に重点を置いた訓練を実施いたします。
 今後とも、ハードとソフトを組み合わせた総合的な取り組みにより、島しょの津波対策に万全を期してまいります。
 次いで、発災時における飲料水の確保についてでありますが、大規模災害の発生時に都民の生命を守るためには、飲料水の確保は極めて重要であり、都はこれまでも、地域防災計画に基づき、給水拠点を整備するとともに、給水車やペットボトルによる給水など、区市町村とも連携したハード、ソフト両面にわたる給水体制の確保に努めてまいりました。
 東日本大震災の発生を踏まえ、改めて都民への給水体制の再検証を行う必要が生じたことから、現在、給水拠点の配置状況や被害想定に基づく応急給水量の検証等について、さまざまな観点から調査、分析を行っております。この調査結果を踏まえ、発災時における飲料水の確保に向けて検討を進めてまいります。
 最後に、多摩の進むべき方向についてでありますが、最新の都の推計では、多摩地域の人口は、二〇一五年には約四百二十万人をピークに減少に転じ、本格的な人口減少社会を迎えます。
 また、地域経済の重要な役割を果たしてきた大規模工場が撤退するなど産業構造が変化する動きも見られ、このような社会経済状況の変化に的確に対応することが求められております。
 一方で、多摩地域は、都市基盤整備が進み、先端技術産業や数多くの大学、研究機関の集積、豊かな自然環境などを生かした特色のある都市づくりが可能な地域でもございます。こうした多摩の持つポテンシャルを従来とは違った視点でとらえ直し、新たなビジョンを策定することで、これからの進むべき方向を明らかにしてまいります。
   〔都市整備局長飯尾豊君登壇〕

〇都市整備局長(飯尾豊君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、被害想定を踏まえた防災都市づくりについてでございますが、本年四月に公表された新たな被害想定によりますと、建物焼失棟数が多く見込まれる地域は、木密地域とおおむね一致するなど、改めて木密地域の火災による被害の危険性が明らかになりました。
 都は、特に改善を要する地区につきましては、木密地域不燃化十年プロジェクトにより整備促進策を講じていくこととしており、こうした取り組みにより、市街地の不燃化を促進してまいります。
 また、震災時の市街地大火に備えた避難場所、避難道路については、現在、市街地の状況の変化を踏まえて指定見直しの作業を行っているところでございまして、新たな津波被害の想定を受け、河川敷の避難場所等について改めて専門家の意見を聞き、早急に検討を進めてまいります。
 次に、マンションの耐震化についてでございますが、マンションの耐震性の確保は、安全で安心な居住を実現する上で重要であり、所有者みずからが、まず耐震診断を実施し、建物の耐震性能を把握することが不可欠でございます。
 都は、緊急輸送道路沿道における取り組みの経験を生かし、合意形成が必要な分譲マンションに対して、新たに啓発隊を派遣し、個々のマンションが抱える課題を聞き取りながら、きめ細かい助言や誘導を行ってまいります。
 今後、地元区市とも連携し、昨年度実施した実態調査の結果を踏まえて、夏ごろに啓発隊の先行実施を行い、今年度後半には本格実施を開始いたします。あわせて賃貸マンションに対しても、ダイレクトメール等により耐震診断の実施を促してまいります。
 こうした取り組みを関係団体等とも連携しながら推し進め、マンションの耐震化を強力に推進してまいります。
 次に、都営住宅の耐震化の計画についてでございますが、都はこれまで、都営住宅耐震化整備プログラムに基づき、都営住宅の耐震診断を行いながら耐震改修を進めてまいりましたが、「二〇二〇年の東京」計画の策定等を受け、現在、整備プログラムの見直しに取り組んでおります。
 都は、民間等の耐震化の取り組みをリードする立場にあり、民間住宅等の耐震化を促すためにも、都営住宅の耐震化を推進することが重要でございます。また、都営住宅について、都が管理者として耐震化の完了までの計画を示す必要があると考えております。
 こうしたことから、ご指摘を踏まえ、さらに取り組みを加速し、平成三十二年度の耐震化率一〇〇%達成に向けて、整備プログラムの改定を速やかに行い、都営住宅の耐震化を計画的かつ着実に推進してまいります。
 最後に、建築物における液状化対策についてでございますが、都が設置した地盤工学の専門家などから成る東京都建築物液状化対策検討委員会において、東日本大震災での液状化による建物被害は、臨海部では埋立地で、内陸部では河川沿いのかつての池や水田を埋め立てた場所でそれぞれ発生していたことが確認されました。
 こうしたことから、建て主や建物所有者が適切に対策を講じていくためには、土地の履歴や地盤特性を把握することが必要であり、都や区市等が蓄積している地盤データや地盤調査の実施方法などの情報を容易に入手できることが重要であることなどの見解が示されました。
 今後、都は、検討委員会から報告された中間のまとめやパブリックコメントで寄せられた都民の意見を踏まえて、今年度末に液状化対策の指針を作成し、区市と連携して都民に広く情報提供してまいります。
   〔下水道局長松田二郎君登壇〕

〇下水道局長(松田二郎君) 下水道の光ファイバーを活用した危機管理対応の強化についてでございますが、下水道局では独自の通信網として、下水道管内に敷設した八百キロに及ぶ光ファイバー網を活用し、ポンプ所などを遠方監視制御することで維持管理の効率化を図り、また、浸水被害の発生しやすい下水道幹線内の水位情報を関係区などへ提供し、地域の水防活動に役立てております。
 東日本大震災では、電話がつながりにくい中においても光ファイバー通信網を活用した運転管理に支障はなく、災害時の高い信頼性が実証されております。
 今後は、光ファイバー網をさらに活用いたしまして、津波発生時に高潮防潮扉を安全で迅速に開閉するため、遠隔制御化を進めるとともに、水防にかかわる関係局の持つ既存の通信網との相互利用や、多摩地域も含めたネットワーク化を進め、防災情報などの共有化を図ってまいります。
 さらに、この光ファイバー網の積極活用はもとより、非常用発電設備の増強や連絡管の整備などによるバックアップ機能の確保なども含め、下水道の防災能力を総合的に高めることで危機管理対応を強化し、安全・安心なまちづくりに積極的に貢献をしてまいります。
   〔水道局長増子敦君登壇〕

〇水道局長(増子敦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、水道事業の電力確保についてでありますが、水道局ではこれまで、災害時等においても電力を安定的に確保するため、浄水場への自家用発電設備の整備に積極的に取り組んでまいりました。
 一方、さきの大震災以降、電力の供給不足は今後も長期的に継続すると想定されており、安定給水を維持するための電力自立化につきましては、さらなる取り組みが急務であると考えております。
 このため、まず、都の供給能力の大部分を占めている大規模な浄水場におきましては、その能力を一〇〇%発揮できるよう発電設備の増強を進めることとし、現在、東村山浄水場では、平成二十五年度の完成に向け、鋭意工事を進めております。
 さらに、このたび大規模浄水場の一つである三郷浄水場におきまして、電力事情に左右されない常用発電設備を新たに二万キロワット規模で導入することとし、その整備に向け、直ちに関係機関との手続等に着手いたします。
 今後とも、電力の自立化を推進していくことで、平常時はもとより、震災時においても安定的な給水を確保できるよう全力で取り組んでまいります。
 次に、多摩地区における送水管ネットワークの強化についてでありますが、平常時の給水の安定性の向上はもとより、大規模な自然災害などにも対応するためには、さらなる送水管ネットワークの構築が必要であります。
 現在、多摩地区では、多摩丘陵幹線と多摩南北幹線の整備事業を進めておりますが、これらの送水管を結ぶことで、全長約五十キロメートルに及ぶ多摩地区の広域的な送水管ネットワークを形成することが可能になります。
 このため、この二つの幹線を結ぶ約十一キロメートルの送水管を、多摩南北幹線二期事業として新たに事業化し、平成三十年度完成を目途に整備を行うことといたしました。
 これにより、多摩地区西部や南部の約百七十万人のお客様への給水安定性が飛躍的に向上するほか、多摩丘陵幹線へ送水するエネルギーを四割低減することができます。
 さらに、この新たに構築されるネットワークを最大限に活用することにより、更新期を迎える既存の送水管を計画的に取りかえることが可能となります。
 これらにより、多摩地区の給水安定性のさらなる向上に取り組んでまいります。
   〔産業労働局長前田信弘君登壇〕

〇産業労働局長(前田信弘君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、節電に取り組む中小企業への支援についてでありますが、都はこれまで、専門家のアドバイスや自家発電設備等の導入支援に加え、自由化部門の電気料金値上げに際し、電力の使用状況を監視する装置を支援対象として追加するとともに、導入費用の三分の二を助成する措置を延長いたしました。
 また、本支援事業の助成を受けた事業者の自己負担分等について、制度融資の最優遇金利を適用した産業力強化融資が利用できることといたしました。
 規制部門の値上げが審査されていることや全国的な電力需給の状況を踏まえ、中小企業が節電への取り組みを一層進めることができるよう、相談体制の充実や電力の効率的な利用に資する装置導入への支援について検討してまいります。
 次に、被災地応援ツアーについてでありますが、今年度は、都民の福島県支援への思いに幅広くこたえるため、宿泊に加え、新たに日帰りも対象とし、事業を展開しております。
 ご指摘のとおり、本事業は、出足が極めて好調であり、一部の旅行事業者では、これから夏に向け、都民が本ツアーへ申し込もうとしても受け付けられない状況にあると聞いております。
 引き続き都民の要望にこたえ、被災地応援ツアーによる復興支援ができるよう、適切な対応を検討しております。
 次に、中小企業のグループ化への支援についてでありますが、中小企業がグローバル化や競争の激化など、経済の変化に対応するためグループを形成し、それぞれの企業の強みを生かして事業に取り組むことは重要でございます。
 都はこれまで、百七十六のグループに専門家を派遣し、経営力向上を図る計画策定を支援してまいりました。本年度からは、計画策定への支援に加え、策定した計画の実現性をより高めるため、グループ戦略策定展開支援事業を開始しております。
 本事業では、計画の実施に当たり、四回を限度に専門家を派遣し助言を行うとともに、販路開拓や人材育成の経費の一部を助成することとしております。
 これらの取り組みにより、中小企業のグループ化と課題解決を支援し、一層の経営力の向上を図ってまいります。
 次に、中小企業の販路開拓支援についてであります。
 都は、平成二十二年度に目指せ中小企業経営力強化事業を開始し、経営診断を通じて、都内中小企業の経営課題を明確化した上で、各企業が抱える課題解決に向けた取り組みを支援してまいりました。
 販路開拓が必要とされる企業に対しては、二年間で六百四十件の展示会出展費用の助成などを行い、新規取引先の開拓につながるなどの成果が上がっております。
 事業発足から二年が経過いたしましたが、この間、長引く円高など依然として厳しい経営環境が続いております。一度助成を受けた企業も、再度出展申請ができるよう要望が寄せられている状況は、都としても認識しているところであり、ご質問の趣旨を踏まえ、支援のあり方について十分な検討を行ってまいりたいと考えております。
 最後に、若者の就業と定着に向けた支援についてであります。
 意欲ある若者に将来の発展が期待できる産業分野での就業機会を提供することは、雇用対策のみならず、都内中小企業の人材確保を図る上でも効果的であります。
 このため、都は、重点産業分野就業支援プログラムを六月から開始し、今年度は太陽光発電など新たなエネルギーに関連する分野や、IT技術を活用した高齢者の安否確認など社会的課題の解決を図る分野に百人の若者の就業を促すことといたしました。
 また、若者が確固たる意思を持って働き続けられるよう支援することも重要であります。
 このため、従来のセミナーや企業説明会に加え、働く意味や社会人として求められる資質などをグループワーク等を通じて学ぶ就活力強化プログラムを四月から開始し、職業観の醸成や中小企業への理解促進を図ることにより、若者の就業と職場への定着を支援しております。
 こうした取り組みを総合的に展開し、若者の雇用の確保を図り、東京の産業の発展につなげてまいります。
   〔環境局長大野輝之君登壇〕

〇環境局長(大野輝之君) 三点のご質問でございます。
 まず、省エネ、節電の取り組みについてでございますが、この夏の東京電力管内の供給力は五千七百七十一万キロワット、最大需要は、猛暑となった場合で五千五百二十万キロワットと見込まれておりまして、需要を二百五十万キロワット程度上回る供給力が確保されております。
 一方、この最大需要の見込みには、オフィスや店舗等における照明照度の見直しなど、昨年の夏、事業者と都民が節電に取り組んだ成果の一部である六百万キロワット程度が節電の定着分として織り込まれておりまして、この夏以降は、こうした無理なく実践できる省エネ対策を継続して実施することが必要でございます。
 そこで、省エネ・エネルギーマネジメント推進方針では、むだの排除を徹底し、照明照度を五百ルクス以下とするなど賢い節電の具体的な手法を提示するとともに、都市の魅力や快適性を損なう取り組みは原則的に実施しないなどの基本方針を明確に打ち出しました。
 今後、都は、事業者向けセミナーや無料省エネ診断の実施、家庭向けの節電アドバイザーの派遣等を行うとともに、区市町村や九都県市等とも連携した普及啓発を進め、賢い節電の実践と定着に取り組んでまいります。
 次に、スマートエネルギー都市の実現に向けた施策の方向性についてでございますが、昨年の夏の電力不足を契機といたしまして、東京における省エネ、節電の取り組みは、先端技術を駆使した低炭素型ビルの建設が加速していることや、エネルギーマネジメントシステムの導入による需給の最適制御の拡大など、新しい段階に入っております。
 都は、こうした先駆的な民間の取り組みとの連携を図りながら、低炭素なエネルギー利用、オフィスや居住環境の快適性、防災力強化の三つを同時に達成するスマートエネルギー都市の実現を目指すことといたしました。
 今後、ICT技術を活用した見える化による省エネ、節電の定着、タスクアンドアンビエント照明など、建築物の省エネ性能の向上、高効率なコージェネレーション設備など自立分散型電源の活用、街区単位でのエネルギーマネジメントの導入など、これまで都が先駆的に取り組んでまいりました気候変動対策のノウハウも最大限に生かしまして、世界でも最先端のスマートエネルギー都市の実現を目指して取り組みを進めてまいります。
 最後に、災害廃棄物処理の支援の成果と今後の取り組みについてでございますが、災害廃棄物の広域処理は、被災地の早期復興を支援する上で不可欠な取り組みでございます。
 都が昨年十一月から受け入れを始めました岩手県宮古市の混合廃棄物の処理は、五月末までに約八割まで進みまして、今月中には終了いたします。混合廃棄物が撤去された仮置き場の一部には、破砕選別施設が設置されまして、復興の第一歩となる被災地での災害廃棄物処理が加速化しております。
 また、宮城県女川町の可燃性廃棄物は、本格的な受け入れを始めたことし三月から五月末までに六千六百トンを処理しておりまして、来年三月まで引き続き受け入れを行っております。
 女川町では、仮置き場が片づけられたことによりまして、津波により全壊した魚市場の冷凍倉庫の再建が始まるなど、被災地の復興に貢献をしております。
 今後につきましては、新たに災害廃棄物の発生量が最も多い宮城県石巻市からも受け入れることといたしまして、今月下旬から自然発火を防止するために広い仮置き場を必要としておりました廃畳の処理を開始いたします。さらに、岩手県からの要請を受けまして、処理がおくれている大槌町からの災害廃棄物の受け入れを七月から始めるよう準備を進めております。
 都は、引き続き、災害廃棄物の広域処理を進め、被災地の復興を全力で支援してまいります。
   〔中央卸売市場長中西充君登壇〕

〇中央卸売市場長(中西充君) 豊洲新市場についての二点のご質問にお答えいたします。
 まず、コールドチェーンの確立についてでございますが、豊洲新市場では、食の安全・安心に対するニーズの高まりから、高度な品質管理を実現することが重要であると認識してございまして、ご指摘のように、適切な温度管理を通じたコールドチェーンは、新市場の整備に当たり欠かせないものであり、その実現に向け、取り組んでまいります。
 そのため、市場全体を閉鎖型施設としつつ、コスト面への影響を踏まえ、商品特性に適した温度帯の設定や衛生管理などの品質管理のあり方を精力的に検討してまいります。検討に当たりましては、海外の先進的な市場などの実例も踏まえつつ、都と市場関係業者とが十分に協議し、互いに知恵を出し合いながら進めてまいります。
 こうした取り組みにより、高度な品質管理を実現し、東京の魅力ある食文化を支える先進的な卸売市場を目指してまいります。
 次に、物流の効率化を図るための取り組みについてでございますが、コールドチェーンの確立とともに、卸売市場における物流の効率化を徹底し、コスト削減を図ることは、市場の競争力を強化する上で重要な課題でございます。
 このため、豊洲新市場におきましては、広大な敷地に十分な駐車場や積み込み場、荷さばき場を確保するほか、場内通路を効果的に配置いたしまして、搬入出車両の錯綜を解消するなど、施設面での改善を図ることとしております。
 また、情報システムを活用した車両の入退場や誘導システムを構築し、円滑な場内通行の実現を図ってまいります。
 こうした施設面での工夫に加え、開場後において駐車場や荷さばき場など市場施設の適切かつ効率的な利用が行われるよう、開設者である都が、市場関係業者の協力のもとで、施設利用に関するルールづくりを行ってまいります。
 さらに、場内物流の効率化やIT化など、取引実務の合理化を市場関係業者が進めるに際しては都も必要な協力を行うなど、コスト削減を目指したソフトのプラットホームづくりへの取り組みを積極的に進めてまいります。
   〔青少年・治安対策本部長樋口眞人君登壇〕

〇青少年・治安対策本部長(樋口眞人君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、防犯カメラの整備などへの支援についてでございます。
 防犯カメラの設置を初めとした地域による自主的な防犯活動は、東京の治安確保に大きな役割を果たしていると認識しておりますが、東京の体感治安を向上させ、さらに安全で安心して暮らせるまちとしていくためには、より多くの地域が防犯活動に取り組むとともに、その取り組みが継続的に行われるよう促していく必要がございます。そのためには、今後も地域の実情に応じて防犯活動を的確に支援していくことが重要でございます。
 お話の防犯カメラの更新への支援については、地域の実情を把握した上で、区市町村との役割分担などを整理し、今後の対応について検討してまいります。
 次に、総合的な自転車対策についてでございますが、都では、関係各局などで構成する東京都自転車総合政策検討委員会において、自転車にかかわる関係者が連携協力しながら諸問題の解決を図る仕組みづくり等について検討し、本年二月に報告書を取りまとめました。
 これを受け、現在、自転車利用者、自転車関連業界、運輸業界、地域団体などの幅広い関係者により構成する東京都自転車対策懇談会を設置し、行政のみならず、民間事業者等を含めた協力体制などについても議論をしていただいております。
 関係各局、各機関が協力して自転車対策を推進するためにも、その指針となる計画が必要であると認識しており、九月に予定されている懇談会からの提言を踏まえ、自転車に関する総合的な政策を構築してまいります。
   〔生活文化局長井澤勇治君登壇〕

〇生活文化局長(井澤勇治君) 文化振興における都立文化施設の活用についてでございますが、都はこれまで、才能ある若手アーチストを発掘、支援するトーキョーワンダーサイトやヘブンアーチスト、民間芸術団体との連携により、多様な文化事業を展開する東京文化発信プロジェクトなど、さまざまな文化施策を展開してまいりました。
 また、文化施設におきましても、館長に企業のトップを務められた方々を登用し、外部資金の導入や企業とのタイアップ、貸し館中心の事業から魅力ある自主事業への展開など、旧来の行政手法の殻を破る新たな取り組みを進めてまいりましたが、ご指摘のように、今後はこれまで以上に東京の文化的魅力を創造、発信する拠点として活用することが重要であると認識しております。
 今後、国内外のよりすぐれた作品を集めた展覧会などを企画、開催いたしますとともに、レストランやショップの充実など、これまで芸術文化に触れる機会の少なかった方々にも楽しんでいただくことのできる空間づくりに努めてまいります。
 また、地域や大学、民間団体と連携した多彩なプログラムの展開により、若手の人材育成にもつなげるなど、ハードとソフト両面の取り組みを進め、広範な都民、芸術家が集う施設として運営してまいります。
 今後とも、施設の大規模改修に合わせてさまざまな取り組みを進めるなど、都の文化施設の有効活用に努め、成熟した文化都市東京の魅力を国内外へ発信してまいります。
   〔スポーツ振興局長細井優君登壇〕

〇スポーツ振興局長(細井優君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、スポーツ祭東京二〇一三についてでございます。
 大会の成功には、多くの都民に大会を知っていただくだけでなく、リハーサル大会が始まるこの段階から都民が参加し、楽しんでいただくことが重要でございます。
 このため、各区市町村において、リハーサル大会を通じて開催競技を地域に浸透させるとともに、夏の盆踊りなどでのゆりーと音頭、秋の一年前イベントから始まるゆりーとダンスコンテストや地域特産品を活用したB級グルメ大会への参加など、都民の皆さんが興味を持って楽しめる催しを今後積極的に展開してまいります。
 また、開閉会式等で大会運営を実質支えますボランティアを広く都民から募ることとしております。
 こうした都民参加の取り組みに加え、オリンピック・パラリンピック東京招致の機運を高めるためにも、区市町村との連携をより一層強化いたしまして、開催機運の醸成を図り、スポーツ祭東京二〇一三の成功を目指してまいります。
 次に、オリンピック・パラリンピックについてでございます。
 先月、立候補都市選定とあわせて発表されたIOCのワーキンググループによる評価レポートの結果、国内支持の拡大のためには、無関心層への働きかけが必要であることが明らかとなりました。
 今後は、みずからの意見を持たないといわれる若年層やスポーツに関心が薄いとされる女性にターゲットを絞り、重点的に訴えることが重要であると考えております。
 具体的な取り組みとしては、オリンピックの効果や支持率の重要性をわかりやすく訴えたチラシを作成し、さまざまな団体を通じて広く都民、国民に周知すること。また、メディアを有効に活用しまして、積極的なPRを展開していく。例えば、ロンドン・オリンピック・パラリンピックで活躍するアスリートやメダリスト、若者や女性に影響力のある著名人に、オピニオンリーダーとして二〇二〇年東京招致応援メッセージを発信していただくなど、あらゆる手段を通じて招致機運の盛り上げを図り、ことしの年末までに支持率を大幅に高めていきます。

〇副議長(ともとし春久君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後五時二十三分休憩

   午後五時四十一分開議

〇副議長(ともとし春久君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 八十四番長橋桂一君。
   〔八十四番長橋桂一君登壇〕

〇八十四番(長橋桂一君) 謹んで申し上げます。多くの国民に敬愛されてまいりました寛仁親王殿下におかれましては、去る六月六日、薨去されました。ここに謹んで弔意を表します。
 それでは、都議会公明党を代表して質問いたします。
 日本観測史上最大のマグニチュード九を記録した東日本大震災は、未曾有の被害をもたらし、戦後、日本人が経験をしたことのない超広域災害となりました。この地震により大津波が発生し、東北地方と関東地方の太平洋沿岸部に壊滅的な被害をもたらしました。また、大津波以外にも建物の倒壊や道路陥没など広大な範囲で被害が発生し、各種ライフラインも寸断されました。
 震源地から離れた東京においても、液状化現象や大量の帰宅困難者の発生などの被害がありました。
 都は、東日本大震災を踏まえ、現行の首都直下地震に加え、海溝型地震、活断層で発生する地震を加えて被害想定の見直しを行いました。
 そこで、現在、地域防災計画の改定を進めていることを踏まえ、首都東京の防災、減災対策の強化について質問をいたします。
 一九五〇年代から始まった我が国の高度経済成長期に東京の都市インフラは集中的に整備が進められ、以来、都市機能が高度に集積した都市として発展してまいりました。しかし、社会資本の基盤である橋梁や道路、河川や港湾、さらには鉄道や空港、水道、下水道など、多くのインフラが耐用年数の五十年から六十年を経過するなど、防災力低下が指摘されています。
 アメリカでは、一九二九年に始まった世界恐慌を克服するためにニューディール政策で大量のインフラが整備されましたが、その後の維持管理に十分な予算を投じなかったために、半世紀後の一九八〇年代に入ると、老朽化した橋の崩落や道路の陥没が多発するなど、荒廃するアメリカと呼ばれる事態に陥りました。その再構築に膨大な予算を投じざるを得なかったことはいうまでもありません。
 この教訓を踏まえ、世界の都市間競争を勝ち抜いていける都市を構築する上でも、首都直下地震に備えた東京の都市インフラの強化に向けた抜本的な取り組みを加速させるべきであります。知事の所見を伺いたいと思います。
 膨大な予算を要する都市インフラの更新を加速させていくためには、民間資金の活用も重要であります。都は、今年度予算において、環境、エネルギー対策の推進のため、官民連携インフラファンドを創設しております。同様の視点から、東京の都市インフラの更新に民間資金の導入を検討すべきと考えます。見解を求めます。
 次に、災害時に重要な役割を果たす橋梁の耐震化について質問いたします。
 都は現在、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を進めておりますが、道路施設である橋梁については、崩落した場合には緊急輸送道路の寸断という甚大な被害が想定されます。したがって、広域的な防災活動を支える都市基盤の強化には橋梁の耐震化が欠かせません。
 都道の橋梁は、完成後五十年以上経過しているものが三四%もあり、二十年後には七六%に達します。建設局は、管理する橋梁千二百六十一橋のうち、緊急輸送道路等の四百一橋の耐震化を急ぐべきです。今後の耐震補強計画について見解を求めます。
 次に、水道、下水道施設の耐震化について質問します。
 まず、水道施設ですが、大震災が発生した場合でも、断水を最小限にとどめ、飲料水を確保することが重要であります。東日本大震災では、被災地において約二百二十万戸を超える断水被害がありました。
 一方、都の被害想定によると、首都直下地震では、都内の断水率は三四%と想定されています。都の水道管路は、耐震性にすぐれたダクタイル鋳鉄管への取りかえをほぼ完了しておりますが、課題は現在二七%の整備率にとどまっている継ぎ手の耐震化であります。
 都は、平成二十二年から最重要課題として、耐震継ぎ手化緊急十カ年事業を推進しておりますが、都内の水道管路は約二万七千キロメートルと地球の約半周を超える長さであり、相当な期間を要します。取りかえ期間中に大震災の可能性があり、応急給水体制をしっかりと構築しておくことが重要であります。このことについて、我が党は繰り返し指摘し、対応を求めてまいりました。
 そこで、応急給水拠点の体制整備、さらには都内に十四万カ所ある消火栓や私道内の排水栓を活用した応急給水をさらに推進すべきであります。耐震継ぎ手管の早期取りかえに向けた取り組みとあわせて見解を求めます。
 また、応急給水拠点の耐震化も重要であります。都の給水拠点は百九十六カ所ありますが、阪神・淡路大震災以降に改定された耐震基準に適合する施設は百十一カ所となっております。特にその基準に達していない浄水場、給水所が多い多摩地域において耐震化を進めなければなりません。給水拠点の今後の耐震化について見解を求めます。
 次に、下水道管の再構築について質問します。
 東京の下水道管の総延長約一万六千キロメートルのうち、約千五百キロメートルが法定耐用年数五十年を超え、今後二十年間に現在の四倍強の約六千五百キロメートルが新たに耐用年数を超えることになります。
 都内での道路陥没は、下水道管の老朽化などが原因で年間一千件程度が発生しており、このうち八割は家庭などからの排水を受ける取りつけ管で発生しております。大都市で顕在化しているこうした道路陥没を防ぐため、下水道管の老朽化対策を急ぐべきであります。見解を求めます。
 さらには、震災時に下水道機能が失われることのないよう、施設の耐震化を進めるべきであります。約二千五百カ所の避難所などのトイレ機能を確保するために、下水道管とマンホールの接続部の耐震化、さらには緊急輸送道路や避難所などへのアクセス道路でのマンホールの浮上抑制など、耐震化対策を強力に進めるべきです。見解を求めます。
 また、多摩地域の下水道は、流域下水道と公共下水道から構成されていることから、公共下水道施設の耐震化は各市町村が担っております。しかし、下水道総合地震対策計画を作成しているのは十六市にとどまっており、都として多摩地域の市町村に計画の策定を促すべきであります。見解を求めます。
 次に、木造住宅密集地域の耐震化と不燃化について質問します。
 首都直下地震においては、火災による被害の拡大が懸念されることから、今後十年間で木密地域の不燃化を完了させる都の計画を確実に達成する必要があります。そのためには、あらゆる手段を講じるべきであり、優遇税制も有効な取り組みの一つであると考えます。不燃化建てかえによって評価額が上がり、税負担がふえてしまうという課題もあります。
 一方、老朽住宅を除去して更地にしてしまうと、これまでの優遇措置が適用されなくなるという問題もあります。不燃化事業の迅速化は、防災上の観点からも極めて重要であり、都は、都税の優遇措置を早期に公表すべきであります。
 都の補助対象となる面積要件も見直す必要があります。木密地域の解消を進めるために、地権者の意向に応じて区が土地を取得し、木密事業の種地とする場合があり、都は区に対して百平米以上の土地の取得に限り財源補助を行っています。しかし、狭い土地であっても、取得効果が極めて高い事例もあることから、都補助の面積要件を見直す必要があります。
 さらに、木密地域の不燃化の早期実現は、対象地域の地権者や建造物の所有者の意欲を刺激する区の積極的な提案が欠かせません。その一助として、我が党が本年の第一回定例会の代表質問において、不燃化事業に伴う自己負担の軽減を導く空中権や容積率の移転の活用を提案しました。
 都は、今後、支援を希望する区からの提案内容について、容積率の移転などを活用した立案が進むよう、みずからが積極的なアドバイスを行うとともに、民間の専門家の協力を得て、区が効果的な立案を工夫できるよう、設計委託経費に関して補助制度を設けるべきであります。
 また、都は、不燃化助成の上乗せを実施するとしており、その内容についても早期に明らかにするべきと考えます。
 以上四点、不燃化特区制度に関する効果的な支援について見解を求めます。
 木密地域の不燃化に関連し、不燃化事業と連動させたエコタウン化について質問します。
 一定規模の面積の地域に、系統電力だけに頼らない電力が供給され、需給の最適化を図ることができれば、都市全体のエネルギーマネジメントの実現に向けた第一歩となります。
 しかし、現在、工場やオフィスビルだけでなく、住宅にも電力を供給し、地域全体でのエネルギーマネジメントの実現を試みている例は、電気事業法の特定供給エリアの特区として認められた北九州市だけであります。現行制度上は、これまで全く想定されてこなかったというのが実情であります。
 木密地域は、ある程度まとまった規模での開発ができる地域であり、かつまた社会的にもその地域の開発が強く期待されている地域であります。北九州市のようなエコタウンの発想に防災まちづくりの視点を加えた取り組みを都内で展開していくことができれば、木密解消に取り組む強いインセンティブにつながります。地域のブランド力を高めることになり、結果的に都全体の省エネ機能も大きく向上することになります。
 系統電力だけに頼らず、かつまた地域の防災力向上につながる防災エコタウンの実現に向けて、環境局は必要な法改正の要請を国に行うなど、検討を開始すべきであります。見解を求めます。
 都市整備局は、現在、区に対して木密解消の提案を募っていますが、こうした防災エコタウンの概念が区から提案された場合は、将来の補助メニュー化も視野に入れて、まずは制度化の検討を行うべきであります。見解を求めます。
 集合住宅の耐震化は、一棟の耐震化が多くの命を救う可能性があり、重要な取り組みです。一般的にも旧耐震基準のマンションで一階部分に広いピロティーがある場合は、耐震面で課題があるといわれています。
 我が党は、三月の予算特別委員会でこの点について都の認識をただしました。これに対して都市整備局長は、都が昨年度から実施しているマンションの耐震化の促進に向けた実態調査の中で、ピロティーの有無についても調査を行っている旨を明らかにしました。
 実態調査の結果について、まず旧耐震基準の分譲マンションの存在数、そのうちのピロティーつきマンションの棟数、さらに旧耐震基準の分譲マンションでの耐震診断の実施状況を伺います。
 今回の調査は、初めて都内の全マンションの実態を明らかにするものであり、耐震化を含めマンション施策を総合的に進めていく上で大変貴重で有意義な基礎データとなるものであります。
 一方、既設マンションの耐震化は、居住者間の合意形成や経費の高額さなど課題があり、進んでいません。したがって、都は、今回の実態調査の結果から得られた知見を生かし、新たなマンション耐震化促進策を構築すべきと考えます。見解を求めます。
 都民の住宅セーフティーネットである都営住宅は、都が管理している公共住宅であり、居住者が安心して暮らしていく上で耐震性の確保は重要であります。都は、都営住宅耐震化整備プログラムを策定し、平成二十七年度までに都営住宅の耐震化率を九〇%以上とする目標を掲げて取り組みを進めています。
 一方、我が党は、「二〇二〇年の東京」の公表後に、特に都営住宅の従前の耐震化整備プログラムを改定して、先導的役割を果たすよう都に要請を行いました。したがって、都は、耐震化率一〇〇%を早期に達成すべきであります。見解を求めます。
 次に、消防力の強化について質問します。
 東京消防庁は、一九九七年から震災時の情報収集や通信連絡、平常時における救助、救急活動に対する、通称クイックアタッカーと呼ばれるオフロードタイプの消防活動二輪車二十台を都内二十カ所の消防署に配備しております。
 東日本大震災以降、その機能と役割に注目が集まり、特に木密地域における火災被害や人的被害を最小限に食いとめるための情報収集手段として期待されております。
 総務省消防庁は現在、消防活動二輪車の全国的な運用状況の実態調査を実施し、今月中にも結果を取りまとめ、各地の消防本部へ適切な助言を行うと聞いております。
 そこで、東京消防庁は、木密地域での火災に対応するための消防活動二輪車の効果的な運用など消火体制の強化を検討すべきであります。見解を求めます。
 次に、地域防災力の向上に向けた取り組みについて質問します。
 都は、地域防災力向上モデル地区を指定し、モデル地区で得られた成果を他の地区に広めることにしております。都内には約六千六百の自主防災組織があり、それぞれの地域の特性、事情に応じたきめ細かな対応により、防災力の底上げにつなぐことが重要です。そのためには、具体的な防災のアドバイスができる多くの人材が不可欠であります。
 そこで、防災に関する専門的な知識、経験を持つ行政職員のOBや日本防災士機構、NPO法人などの人材から成る防災アドバイザーが自主防災組織の避難計画策定に参画することにより、実践的な対策を進めるなど、地域の防災力を向上させる体制づくりに取り組むべきであります。見解を求めます。
 次に、都立高校における防災訓練について質問します。
 昨年の東日本大震災では、地震や津波で家を失った多くの住民が地域の避難所に指定されている学校等での長期にわたる避難生活を強いられました。避難所で生活する生徒たちは、全国から送られてくる支援物資等の搬入等、地域住民と協力して避難所の運営に貢献したと聞いております。
 東京でも、首都直下地震による大規模な災害が想定されており、学校での避難訓練や防災訓練の見直しが求められています。こうした中、ことしから都立高校では、震災等の発生を想定して、生徒が学校の備蓄品等を使い、体育館等で宿泊するとともに、地域や関係機関と連絡した宿泊防災訓練が始まりました。全国でもこのような取り組みは例がなく、特別支援学校や小中学校に拡大していくべきと考えます。見解を求めます。
 次に、島しょの津波対策について質問します。
 先般、都が公表した首都直下地震等による東京の被害想定によると、島しょの津波は御蔵島で最大二十二・四メートル、三宅島で最大十八・一メートルなどとなっています。また、三月末に公表された内閣府の南海トラフの巨大地震に関する検討会では、新島で最大二十九・七メートルという推計値が示されています。
 今回の都の想定や国の推計値では、津波高は示されているものの、各島において具体的かつ詳細な予想データは示されていません。実際に避難などの対策を練る上では、こうしたシミュレーション結果をもとに、より詳細なハザードマップなどを作成する必要があり、都としても、島しょ町村のハザードマップ作成などの取り組みを後押ししていくべきと考えます。見解を求めます。
 島しょ地域は、地形や居住状況、港湾の整備状況などがそれぞれ異なっているため、各島の実情を把握した上で対策を講じていく必要があります。
 そこで、各島の実情に応じて避難計画や避難施設をつくるため、専門的知見や人的、技術的支援など総合的な支援を講じるべきと考えますが、見解を求めます。
 八丈島、青ケ島、御蔵島を除く伊豆諸島の各島には、海岸の近くに火力発電所が設置されています。そのため、津波が各島を襲った場合、真っ先に発電所が停止し、全島が停電となることが懸念されます。
 そこで、地震、津波から島のライフラインを守るため、各ライフライン事業者の参画を経て、具体的な対策を講ずるべきと考えます。見解を求めます。
 我が党は先日、御蔵島へ津波調査に行ってきました。御蔵島では、津波により唯一の船着き場が破壊され、海岸におりる都道が被災する危険性が懸念されます。一たび船着き場や道路等の機能が損なわれてしまうと、船により病人や緊急物資を運ぶことができなくなります。
 そこで、自然災害時に島民生活を守るため、島しょ部における都道の防災性向上について見解を求めます。
 次に、東京電力の電気料金値上げに対する中小企業支援策について質問します。
 東京電力は、自由化部門の電気料金値上げに引き続き、このたび、家庭や中小工場向けの規制部門の電気料金を値上げすることについて、国に認可の申請をしました。
 この電気料金値上げの根拠として、東京電力はかなりの割合が火力発電の稼働に係る燃料費の負担増であるとしています。原子力発電所が点検のために停止している現状において、フル稼働している古い火力発電は、エネルギー効率が四二%と低く、そのため大量の燃料が必要となるものの、六〇%近いエネルギーをむだにしていることになります。
 燃料費を抑制するためには、廃熱をもう一度利用する最新のコンバインドサイクル方式の発電に早急に切りかえる具体策を推進するべきであります。都は、このことを国に強く働きかけるべきであります。環境局長の見解を求めたいと思います。
 その上で、製造業の九〇%を占める中小企業を支え、経済活動が失速しないよう、都は考えるべきであります。一連の値上げによって、大きいところでは、電力の使用料が変わらなければ年間で四百万円近くの負担増となり、デフレ経済の中で厳しい経済環境に係る中小企業にとっては大打撃となります。
 そこで、日本経済を下支えしている中小企業が、電気の使用量が大きければ、それだけ値上げ幅が高くなるという電気料金体系に対して、効率的な設備が導入できるよう、都も支援するべきであると考えます。見解を求めます。
 次に、東京電力の家庭向け電気料金値上げに対する支援策について質問します。
 東京電力は、家庭の電気料金について、夏の昼間を割高にする一方、夜間は安く設定する新たな料金プランの導入を打ち出すなど、経済的なインセンティブによりピークカット対策を進める方針を初めて示しました。
 家庭において経済的にもメリットのあるピークカット対策を実践するためには、電力の使用状況の見える化を図りながら、家電製品等の電力使用のむだを制御できるホームエネルギーマネジメントシステム、いわゆるHEMSを活用し、ピーク時間帯を的確にとらえた電力使用の削減と最適制御を行うことが有効であります。
 そこで、今後は家庭におけるエネルギーマネジメントの実現に向け、HEMS等を積極的に活用した賢い節電を誘導することが有効と考えますが、見解を求めます。
 都は、これまでも大きな成果を上げてきた太陽光発電について、さらなる普及拡大を図るため、低所得者に配慮した初期投資軽減の観点も含めた新たな普及スキームを検討しているとのことですが、その検討状況と民間の自由な発想を活用した具体策について見解を求めます。
 次に、中小事業所や家庭における賢い節電について質問します。
 クリーンで安全といわれてきた原子力発電所の事故は、国の根幹でもあるエネルギー政策のあり方を見直さざるを得ない状況を招いております。公明党は、原発に依存しない安全・安心社会を目指し、思い切った省エネと再生可能エネルギーの拡大が必要であると考えます。中でも、これまでのライフスタイルを見直し、エネルギーの節約と効率化を図っていくことが重要であります。
 昨年夏、東京では多くの事業所や家庭が節電に取り組み、東京電力管内の最大電力使用量は、二〇一〇年よりも約一千万キロワットの削減を達成するなど大きな効果がありました。しかしながら、空調の使用控えなど、健康影響が懸念される取り組みが一部に見られたことも事実であります。
 このような中、東京都が先月作成した省エネ・エネルギーマネジメント推進方針は、賢い節電七カ条として、むだを排除しつつ、事業所や家庭において無理なく継続できる省エネ対策をわかりやすく示すものと評価をしております。
 今後、中小事業所や家庭に向けて、賢い節電をいかに定着させるかが重要と考えますが、具体的な取り組みについて見解を求めます。
 次に、被災地支援について三点質問をいたします。
 まず、教員の被災地視察研修について質問します。
 本年三月の予算特別委員会で我が党は、東京都の教員等が実際に被災地を訪れ、現地の実態を踏まえた防災教育を各学校で実施することは有効であると指摘しました。これを受け、都教育委員会は先月、東京都及び区市町村教育委員会の指導主事六十二名を宮城、福島両県へ被災地視察研修として派遣をいたしました。本視察研修が非常に充実した内容だったと聞いております。
 私学では、既に福島県への修学旅行を実施している例もふえており、都立高校においても同様の取り組みを実施すべきと考えます。見解を求めます。
 昨年の東日本大震災から一年が過ぎ、今後の本格的な復興に向け、被災者のメンタル面での支援がますます重要となってきます。我が党は、震災後直ちに被災三県の状況を調査し、都としての芸術文化を通じた被災地支援の実施を要請しました。これにこたえ、都が東京都交響楽団の派遣など速やかに対応したことは評価をいたします。
 さらに、ヘブンアーチストや都内の官民の文化資産も活用して、被災者の心のケアにつながる幅広い取り組みを展開すべきであります。見解を求めます。
 次に、被災地応援ツアーについてであります。
 公明党の提案を受け二十三年度に開始した被災地応援ツアーは、今年度は、原発事故による風評被害でいまだに観光産業が低迷する福島県に絞って実施をされております。多年にわたり東京に電力供給を続け、東京都の発展を後押ししてきた福島県の復興に対する都民の思いは強く、現時点で既に予定の二万泊分、日帰りの一万五千人分の大部分が販売済みとなっております。
 これからの旅行シーズンを控え、旅行先に福島県を検討しているとの声が我が公明党には大変多く寄せられております。都は、こうした都民心情に十分にこたえるべく、事業展開を進めるべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、医療施策の充実について質問いたします。
 初めに、今年度末に予定されている東京都保健医療計画の改定に関連してであります。
 介護療養病床は、これまで医療的なケアの必要性が高く、在宅での介護が難しい多くの高齢者を受け入れてきましたが、平成十八年の介護保険制度改正により、平成二十三年度末をもって廃止されることとなりました。
 その後、国は、介護療養病床の転換先として、介護療養型老人保健施設などを創設しましたが、報酬基準の問題等により容易に転換が進まず、今般の介護保険制度改正において、廃止期限を平成二十九年度末に先送りをしました。
 このように、転換が進まなければ廃止を延長するという国の態度は無責任であるといわざるを得ません。
 我が党は、介護療養病床については全面廃止の方向ではなく、一定程度の病床確保は必要であるとの認識ですが、こうした介護療養病床に対する国の姿勢について都の認識を問うとともに、国に対して責任ある対応をするよう強く求めるべきであります。見解を求めます。
 一昨年、公明党は、全国の地方議員が一丸となって介護総点検を実施しました。その結果、多くの不安の声が寄せられたものが在宅支援体制の不足でありました。このたびの保健医療計画の改定に当たっては、都としても、訪問医療の充実や中小の一般病院、診療所の機能向上など、効果的な在宅医療体制を導く内容とすべきであります。
 そこで、保健医療計画における在宅療養の推進について見解を求めます。
 また、医療計画に明示し、医療連携体制を構築すべき疾病として、新たに精神疾患を加え五疾病といたしました。平成二十年の調査では、全国の精神疾患の患者数は、指定された五疾病の中で最も多い三百二十三万人となっています。
 また、精神障害者保健福祉手帳の所持者は、東京都において、平成二十二年度は平成十二年と比較して約三・六倍と急増しています。精神疾患の医療体制を充実させていくには、地域における医療と保健、福祉サービスとの綿密な連携が不可欠であります。
 しかし、地域の窓口となる区市町村によっては、精神疾患に対応する保健師、医師、ケースワーカーの窓口がばらばらで、連携できていない場合があります。そのため、経済的自立や社会復帰が進まず、患者や家族の負担が改善されていません。
 急増する精神疾患患者とその家族に対し適切なケアを提供していくためには、医療部門だけではなく、地域のさまざまな機関の連携が重要であります。このような状況をかんがみ、保健医療計画の改定においては、都は広域行政の立場から保健、医療、福祉サービスの円滑な地域連携を導く内容とすべきであります。見解を求めます。
 続いて、次期東京都がん対策推進計画について質問します。
 国は、平成二十四年度から平成二十八年度までの五カ年を対象としたがん対策推進基本計画を六月八日に閣議決定しました。都議会公明党は、都の推進計画の策定以前から、放射線治療、緩和ケア、がん登録など、がん対策の充実に向けて具体的な提言を重ねてきました。
 その結果、現行計画の最終年を迎える現在では、都民の期待にこたえる大きな進展を見せていると高く評価をするところであります。例えば、放射線治療では三十四のがん診療連携拠点病院及び東京都認定がん診療病院で放射線治療機器が整備されたほか、放射線療法の専門研修が進むなど、充実をしております。
 また、緩和ケアの分野でも、医師緩和ケア研修の修了者数が平成二十四年三月末までに三千百七十名に達しています。
 さらに、がん登録でも、拠点病院と認定病院が実施する院内がん登録の精度向上を導くため、都立駒込病院内に院内がん登録室を新設して、データの集計、分析に加え、院内がん登録実務者研修を実施、本年七月には地域がん登録が開始されるなどの前進を見せております。今後、三つの検討部会で策定が進む次期計画においても、従前の成果を踏まえた一層の拡充が期待をされます。
 そこで、これまでの都のがん対策の成果と次期計画の実施に向けた知事の決意を伺います。
 今後のがん対策においては、まず緩和ケアの分野では、がんと診断された時点から緩和ケアを提供するなど、治療過程のさまざまな場面での切れ目のない提供体制を整備するべきです。
 特に、患者と家族が住みなれた地域で安心して療養するためには、退院後も在宅で円滑に緩和ケアを利用できるよう、病院と地域の診療所等との連携を推進、確保する取り組みが重要であります。見解を求めます。
 小児がんは、種類も多様で症例数が少なく、今も小児の病死原因の第一位となっているほか、治療時の合併症に加えて、治癒後も発育、発達障害、内分泌障害、二次がんなどが生じるおそれもあるため、長期にわたる取り組みが必要であります。
 こうしたことから、我が党は平成二十一年の第三回定例会で、専門の知見、情報、マンパワーを集約するなどの重層的な取り組みの強化を求めました。小児がん拠点病院の整備とあわせて、次期計画での対策の明記など、小児がん対策の充実について見解を求めます。
 がん予防の上で、国の新たな計画では、成人の喫煙率の数値目標を定めるなど、その取り組み姿勢を強化しています。
 そこで、都の次期計画において、成人の喫煙率の減少と受動喫煙の防止に関する目標について見解を求めます。
 次に、技術立国を支える人材育成と学力向上の取り組みについて質問します。
 今日、国際的な技術開発の競争は激しく、日本が長く技術立国を続けるためには、知的財産の保護の取り組みに加えて、すぐれた才能を積極的に評価、保護し、新たに生み出していく取り組みの強化が重要であります。
 都議会花粉症対策議員連盟の視察に参加した我が党の議員の報告によりますと、木質廃材からエタノールを抽出する上で重要な発酵性大腸菌KO11も世界的には米国の研究と位置づけられていますが、実は宮崎大学の太田一良教授が留学中に開発し、その頭文字をとってKOと命名されたものだそうであります。
 また、アジア諸国などの経済成長の舞台裏には、日本企業から退職、ヘッドハンティングされた技術者の貢献が大きいといわれます。知的財産の内容を詳しく知る人材が、社外や海外に数多く流出していく事態は深刻化する一方です。
 こうした知的人材を会社や国内にしっかり確保し、知的財産の保護に万全を期す取り組みは、中小企業を初めとする個々企業の自主努力に任せていては、決して十分ではありません。まさに国家的な課題であり、基礎研究を支える国庫補助を減らすなどもってのほかであります。
 首都東京は、まさに百年の大計に立って、無策の国を動かし、みずからも技術立国を支える知的人材を含めた知的財産の保護策を強力に展開をすべきであります。見解を求めます。
 一方、大学関係者からは、成績の上位者の知的レベルの低下が顕著になっているとの声が聞かれます。これまで日本の教育行政では、外形的な機会の均等に重きが置かれてきました。しかし、今後の激しい国際的な人材競争の荒波にさらされるのは児童生徒本人であり、知的レベルの向上は喫緊の課題であります。
 小中高の六・三・三制の見直しや、小中一貫教育の新たな取り組みなどを通じ、児童生徒がみずからの意思と努力に応じてより多くの学識を習得し、才能を開花させていくことができる教育が重要であります。
 既存の枠組みにとらわれない教育改革を東京からリードすべきと考えますが、知事の所見を伺います。
 これからの教育行政においては、おのおのの理解度に即した取り組みが重要であります。習熟度別授業などの工夫を効果的に活用していけば、現状の教育制度の中でも、より発展的な学習に役立つ指導や徹底的な基礎学習の反復を公立の小中学校で展開していくことも十分可能なはずであります。
 個々の児童生徒の個性や能力に応じて教育成果を生み出すことのできる授業改善について、教育長の見解を求めます。
 学習上のつまずきはさまざまな要因で発生します。生活上の困難が原因となって、授業に集中できない、予習、復習に取り組めない、欠席や不登校が続くなどの状態に陥る場合があり、こうした事例が重なりやすい地域では、授業改善の取り組みが必ずしも学力の向上に結びつかない壁に直面しております。
 不登校などの解決や未然防止を図ることは、学力の底上げを図る上でも極めて有効であります。
 例えば、福岡県では精神対話士を活用して家庭訪問を徹底した結果、保護者が抱える悩みの軽減などに大きく貢献し、そのことが不登校の大幅な減少につながっております。
 都は、家庭と子どもの支援員制度をスタートさせています。メンタルケアの研修などを経た外部人材が、保護者への支援でも有益な役割を果たせるよう、体制の整備を急ぐべきと考えます。見解を求めます。
 次に、児童の安全確保について質問します。
 全国では、児童等が犠牲になる痛ましい交通事故が多発しており、社会問題となっております。一連の事故は、運転者の重大な過失が原因であることはもとより、交通安全対策のあり方についても目を向けなければならないことを浮き彫りにしております。
 都内においても、小学生の登下校における交通事故発生件数は、ことしは四月末までに八十二件となっています。都は、児童の交通安全対策に尽力し、効果を上げてきたことは承知をしておりますが、悲惨な事故から子どもたちを守っていくために、これまで以上に交通安全対策の強化が必要であります。
 そこでまず、都は各学校における通学路安全総点検を子どもの目線から早急に実施するとともに、改善策を講じることができるよう、都は関係機関に強く働きかけるべきであります。見解を求めます。
 また、登下校時における児童の安全対策は、交通安全のみならず、新たに災害発生時の対応や防犯などを含め、総合的な視点で取り組むべきであります。そのためには、学校において児童が安心して登下校できるよう、保護者や地域住民が幅広く意見を交換する場を設け、連携した活動を円滑に進めるべきであります。
 そこで、都は、各学校における登下校時の総合的な安全対策が進められるよう、区市町村と連携して積極的に対策を講じるべきと考えます。見解を求めます。
 最後に、治安対策について質問をいたします。
 本年の第一回定例会において、警視総監は、今後、事件を検挙、解決できるかどうかは、客観的証拠をいかに収集し、分析できるかにかかっており、DNA型鑑定と並んで防犯カメラの活用が重要であり、インフラ整備を進めていくと、都の治安状況を説明いたしました。
 私も繁華街を有する議員として、防犯カメラが犯罪発生の抑止に大きな効果があると実感をしております。先般の地下鉄渋谷駅構内で発生した殺人未遂事件やオウム逃亡犯の捜査では、防犯カメラが治安対策上極めて有効であることをまさに裏づけております。
 今後、都民が安全で安心して暮らせるためにも、防犯カメラの整備、増設は極めて重要と考えます。防犯カメラ設置の効果と今後の増設の必要性について、改めて警視庁の所見を伺いたいと思います。
 また、防犯カメラの設置促進には、それを促すための支援体制の強化が必要であります。都は、防犯カメラを設置するための補助事業を行っておりますが、必ずしも予算措置が十分ではなく、防犯カメラを設置したいという申請に十分対応し切れていないという話も聞いております。
 さらに、補助事業の対象が新規設置に限られており、老朽化した機器の更新や機器の維持管理費用等が含まれていないため、故障や老朽化に伴う費用が負担となって、維持管理に困る商店街や自治会があると聞いております。これでは、せっかく設置された防犯カメラが次々とダミー化してしまうことも懸念をされます。
 都民の安全・安心を守るためにも、こうした防犯カメラに関する補助事業を強化すべきと考えますが、青少年・治安対策本部長に防犯カメラ設置の補助事業の現状と今後の拡充について見解を求め、私の代表質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 長橋桂一議員の代表質問にお答えいたします。
 東京の都市インフラの強化についてでありますが、東京の都市インフラは、日本を牽引する首都としての機能や全国的な物流機能などを支えておりまして、その利益は国全体が享受していると思います。
 高度成長期を通じて整備されてきた都市インフラがようやく更新期を迎えつつありますけれども、これらの的確な更新なくして、我が国のさらなる成長はあり得ないとも思います。
 都は、新たな公会計制度を活用して、減価償却という考え方を導入することで、都市インフラの計画的な更新に取り組んできております。
 また、三環状道路などを初めとする道路ネットワークの整備など、これからの発展の基盤となるインフラへの投資も積極的に展開しております。
 今後、最新の科学的知見やデータに基づいて見直した被害想定を踏まえて、都市インフラの戦略的な更新と投資を図り、高度な防災力を備えた都市へと進化させ、首都東京をより高いレベルへと成熟させていきたいと思っております。
 次いで、がん対策についてでありますが、がんは我が国の死亡原因のトップでありまして、死亡者の約三割、年間三十五万人以上の方ががんで亡くなっております。一生の間には二人に一人が罹患するといわれてもおりまして、我々の健康を脅かす重大な脅威であります。
 この病の克服は人類積年の願いでもありまして、革新的な予防、診断、治療法の開発をだれもが切望し、国を挙げて取り組むべき課題でもあります。
 都は、広く都民が検診を受けやすい体制整備を進めるとともに、最高水準の医療を受けられるよう、国指定の拠点病院に加え、独自の認定病院制度を設け、放射線療法、化学療法などの推進など、がん医療の水準向上に取り組んでまいりました。
 また、都内のがん患者のデータを把握するがん登録や都内の医療機関が共通して利用できる東京都医療連携手帳を導入し、医療現場の力を結集した医療体制の構築を図っております。
 今回改定するがん対策推進計画では、こうした取り組みを一層充実させるとともに、小児がん対策、緩和ケアの推進など新たな取り組みも盛り込んで、がんの予防から治療、療養生活の質の向上に至るまでの総合的ながん対策の推進に全力で取り組んでまいります。
 次いで、教育改革でありますが、人間の社会の中では、いかなる領域においても、能力の優劣の差は認められてしかるべきであります。スポーツの世界にしろ、科学的な研究にしろ、あるいは企業にしろでありますが、しかし、不思議なことに、この日本では教育の世界だけこれを認めようとしない。戦後教育の画一性が培ってきたこのこっけいとしかいいようのない通念は、多くの子どもたちの個性や能力を摘み取ってきたと思います。
 新しい時代を担う人材を育成するためには、これまでの行き過ぎた平等主義や画一的な知識偏重を改め、個性と競争を重視した教育へと転換して、それぞれが持つ可能性を存分に発揮させる教育こそが求められていくべきだと思っております。
 例えば、既存の六・三・三制の殻にとらわれず、昔はありましたが、生徒の能力、努力次第で飛び級とか、あるいは飛び入学を可能とし、秀でた才能を一層伸長させる仕組みをつくるべきではないかと思っております。
 また、これまでの教育再生・東京円卓会議でも重ねて取り上げられましたが、多様な一貫教育を構える中で、原体験に裏打ちされた豊かな感性や創造力を磨き上げて、単にテストに強い偏差値秀才が持ち得ない真の教養を備えた人材育成に取り組まなきゃならないと思っております。
 今日の停滞した教育を再生するためには、何よりも教育の根幹を担う国家が大胆な改革に取り組まなければならないと思います。都は、現場を預かる立場から、具体的な改革に取り組むとともに、必要な建言を行うことで、何事にも動きの遅い国を動かしていきたいと思っております。
 他の質問については、警視庁総務部長、教育長、東京都技監及び関係局長から答弁いたします。
   〔警視庁総務部長室城信之君登壇〕

〇警視庁総務部長(室城信之君) 防犯カメラの効果と増設の必要性についてお答えいたします。
 初めに、防犯カメラの効果についてであります。
 ご指摘のとおり、防犯カメラは、犯罪を行おうとする者に対して、その存在を意識させ、犯行を思いとどまらせる効果に加え、不幸にして犯罪が発生した場合、防犯カメラの画像は、犯人の特定、犯行の立証に極めて有効であります。
 その効果につきましては、先般、渋谷駅構内で発生いたしました刃物使用殺人未遂事件において、被疑者の防犯カメラ画像を翌日公開したところ、都民等から多くの情報提供があり、早期に犯人検挙に結びついた例からも明らかなように、殺人事件、コンビニ強盗、ひったくり事件等で防犯カメラ画像を有効に活用して、多くの事件が解決しているところであります。
 次に、防犯カメラ増設の必要性についてであります。
 都内における防犯カメラの設置状況についてでありますが、警視庁が設置している街頭防犯カメラは、歌舞伎町地区など五地区に百八十五台であります。また、商店街や自治会、町会の方が設置している街頭防犯カメラにつきましては、ことし三月末現在で約三百地区、約四千八百台を警視庁では把握しております。
 防犯カメラの有用性は、先ほど申し上げた効果事例などにより、商店街やまちの方々にも認識されており、積極的に防犯カメラを設置しようとする機運が高まっております。
 そもそも防犯カメラは、真に必要とされる場所に必要なカメラが設置されていることが重要でありますが、現状では、多くの地域においてそういった観点からの設置に向けた取り組みをさらに推進する必要があると考えております。
 警視庁といたしましては、今後、引き続き防犯カメラの設置について、商店街やまちの方々に働きかけを行うとともに、データの管理等も含め、防犯カメラの適正な運用について助言するなど、支援してまいりたいと考えております。
   〔教育長大原正行君登壇〕

〇教育長(大原正行君) 六点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、宿泊防災訓練の拡大についてでございますが、都立高校においては、生徒の防災意識や社会貢献意識を高めることを目的に、高校生という発達段階を踏まえながら、宿泊を伴う防災訓練を今年度から開始いたしました。
 実施した学校からは、人命救助や地域の人々との協力の大切さを実感したなどの生徒の声が報告されております。
 現在、特別支援学校におきましては、生活の自立に向けた宿泊訓練を既に実施しておるところでございます。また、区市町村立の小中学校におきましては、区市町村独自の地域防災計画に基づいた防災教育を推進しているところでございます。
 今後とも、児童生徒の発達段階に応じた防災教育を推進するため、都立高校での成果を特別支援学校における避難訓練等の充実に生かすとともに、区市町村教育委員会に対しても成果を活用するよう働きかけてまいります。
 次に、被災地視察研修の成果に基づく取り組みについてでございますが、本研修の成果は、参加した指導主事等が実際に被災地に立ち、じかに地元の方の話を聞き、その状況を肌で感じたことで、具体的な取り組みを伴う日常のより実践的な防災教育の必要性について、強く認識したことでございます。
 今後、これらの成果を踏まえ、被災地の写真や視察記録をまとめた指導資料を作成し、研修に参加した指導主事等を講師といたしまして、各地区で伝達研修を実施させることで、各学校の実践的な防災教育を一層推進してまいります。
 お話の都立高校の宿泊行事等における訪問につきましては、その教育的意義や生徒の実態、訪問先の状況、保護者の意向等を総合的に検討し決定いたしますことから、今回の指導資料を全校に配布し、訪問先を決定する際の参考とするよう積極的に情報提供してまいります。
 次に、教育効果を生み出す授業改善についてでございますが、都の学力調査結果における児童生徒の学力の状況は、下位層から上位層まで幅広く分布しており、それぞれの学力層に応じた指導の充実が必要でございます。
 そのため、都教育委員会は、学習のつまずきを防ぐ指導基準であります東京ミニマムや発展的な学習を推進するための指導資料を作成し、都内の全公立小中学校に配布いたしましたほか、習熟度別少人数指導に関する研究校を指定するなどいたしまして、それぞれの学力層に対する教員の指導内容や方法の改善、充実に取り組んでまいりました。
 今後、学力層に応じた指導方法などに関する説明会や公開授業等を新たに実施し、習熟度別少人数指導を取り入れていない授業におきましても個に応じた指導が適切に展開されますよう、各学校の授業改善を図ってまいります。
 次に、保護者支援への外部人材の活用についてでございますが、都教育委員会は、平成二十三年度から、教員とともに家庭訪問等を行い、子どもと保護者の悩みに寄り添い、問題解決に向けての相談等を受ける家庭と子どもの支援員を派遣する事業を実施しております。
 支援員が保護者等の悩みを受けとめ、教員と連携して解決に向けて取り組んだ結果、配置校からは、不登校児童生徒の状況が改善された、保護者の悩みへの対応が課題解決を早め、家庭との信頼関係が深まったなどの成果が報告されております。
 都教育委員会は、ご指摘のような多様な人材を活用し、保護者支援を含めた児童生徒の健全育成を図る取り組みが充実いたしますよう、今後とも区市町村教育委員会を支援してまいります。
 次に、通学路における児童の交通安全対策についてでございますが、ことしに入って相次ぎました登下校時の交通事故を踏まえまして、都教育委員会は、五月二日に、各区市町村教育委員会に対し、通学路の安全確保に一層の配慮を求める通知を行いますとともに、警視庁及び建設局に対しても、各区市町村における取り組みへの協力を依頼したところでございます。
 五月三十日に文部科学省から、通学路における緊急合同点検を実施するよう通知を受けまして、都教育委員会は、各学校において、道路管理者及び地元警察署と連携した通学路の合同点検を実施し、対策案を策定するよう、区市町村教育委員会に促したところでございます。
 今後、独自に点検の実施及び対策案の策定状況を取りまとめまして、すぐれた対策を周知するなど、区市町村教育委員会を初めとする関係機関に対し、子どもの目線を踏まえた改善を働きかけてまいります。
 次に、登下校時における児童の安全対策についてでございますが、登下校時の安全対策は、学校、家庭及び地域が連携して、交通安全、防犯及び災害対策の各観点から総合的に実施されることが重要でございます。
 都教育委員会は、学校が家庭、地域とともに取り組む安全対策の経費の一部を補助いたします地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業を行っております。
 この事業は、平成十七年、大阪府寝屋川市での教職員殺傷事件を契機とし、通学時の児童の犯罪被害防止を主眼に開始されたものでございますが、交通安全や災害対策にも事業を活用できるものでございます。
 今後、都教育委員会は、この事業が区市町村において、登下校時における交通安全、防犯及び災害対策に幅広く活用され、新たに総合的な安全対策が推進されるよう積極的に取り組んでまいります。
   〔東京都技監村尾公一君登壇〕

〇東京都技監(村尾公一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、都道の橋梁の耐震化についてでございますが、震災時における都民の安全な避難や緊急輸送を確保し、救命、復旧活動の初動対応を迅速に行うためには、緊急輸送道路等の橋梁の耐震性向上が重要でございます。
 都では、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、緊急輸送道路などの橋梁四百一橋を対象として、プレート境界型の大規模な地震と阪神・淡路大震災のような内陸直下型地震を考慮し、橋脚の補強や落橋防止装置の設置など、必要な耐震化に重点的に取り組んでおり、平成二十三年度末までに二百八十九橋の耐震補強を完了いたしました。
 残る百十二橋の耐震補強につきましては、東日本大震災を踏まえて、耐震計画を見直した「二〇二〇年の東京」計画に基づき、平成二十七年度末までに完了させる予定でございます。
 引き続き、橋梁の耐震化の推進や全橋を対象とした五年ごとの健全度の点検などにより、安全の確保を図り、高度防災都市の実現に全力で取り組んでまいります。
 次に、島しょ部における都道の防災性向上についてでございますが、島しょ部の防災力を強化するには、島内の集落間を結び、港湾、空港などを連絡する都道について、現道の安全性向上や代替路の整備を進めるなど、災害に強い輸送ネットワークの構築が重要でございます。
 具体的には、道路災害防除や道路拡幅、線形改良、代替路整備など、緊急時に迅速な避難、復旧活動が行われるよう、都道の整備を積極的に推進いたします。
 今後とも、地元関係者の理解と協力を得て、島しょ地域の振興や防災力の強化を図るため、豊かな自然環境や観光資源などを生かしつつ、島民の命綱といえる都道の整備に全力で取り組んでまいります。
   〔財務局長安藤立美君登壇〕

〇財務局長(安藤立美君) 都市インフラ更新のための財源確保についてお答えを申し上げます。
 社会資本の基盤である都市インフラの更新は、都財政を取り巻く環境が依然として厳しい状況にありましても、着実に進めていかなければならないものというふうに考えております。
 都はこれまで、PFI、あるいは個人向けの都債である東京再生都債など、民間の資金やノウハウを活用しながら事業を推進してまいりました。
 今後とも、東京の防災力強化や都市機能向上に資する都市インフラの整備更新を着実に進めるべく、お話のインフラファンドといった民間資金の導入など、さまざまな工夫を凝らすことで、必要な財源を確保してまいります。
   〔水道局長増子敦君登壇〕

〇水道局長(増子敦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、水道管路の耐震継ぎ手化の取り組みと応急給水体制の整備についてでございます。
 水道局では、耐震強度にすぐれ、抜け出し防止機能を有する耐震継ぎ手管への取りかえを積極的に推進しており、平成二十二年度からは計画を大幅に前倒しし、耐震継ぎ手率を三十一年度に四八%へ向上させるよう、取りかえを倍増させております。
 事業実施に当たりましては、これまでの災害拠点病院等に加えて、新たに避難所等の重要施設について優先的に耐震化を進めるなど、さらに取り組みを強化してまいります。
 一方、大規模災害時には断水地域の発生は避けられないことから、発災直後の給水を確保するための応急給水体制の整備は急務と考えております。
 このため、応急給水拠点のうち、職員がかぎをあけ、機器を設置することになっている浄水場や給水所におきましては、職員の参集を待たずに、住民みずからが応急給水を行えるよう、昨年度末までに十一カ所の施設の改造を行っております。
 また、給水拠点を補完する消火栓等を活用した応急給水の普及拡大を図るため、区市町や地域住民との合同訓練を昨年度は十六回実施しております。
 引き続き、円滑な応急給水体制の構築に向け、地元区市町と密接に連携し、応急給水実施の受け皿として期待される町会、自治会等の参加を積極的に促してまいります。
 次に、給水拠点の耐震化についてでございます。
 震災時の応急給水のかなめとなる給水拠点の耐震化は、極めて重要な施策と考えております。
 給水拠点となる給水所等の配水池の中には、ご指摘のとおり、阪神・淡路大震災規模の地震に対応する最高水準の耐震性能までに達していない施設はあるものの、さきの大震災では、被災地において同様の耐震性能まで有していない配水池の被害は、約五百カ所のうち三カ所にとどまっております。このことからも、震災時の応急給水に必要な水の貯留機能は維持できると考えております。
 現在、都で進めている水道施設の耐震化は、多摩地域を含め、最高水準の耐震性能を目指したものであり、給水拠点となる配水池についても、鋭意、取り組みを進めております。
 今後とも、施設の耐震化や応急体制の充実といったハード、ソフト両面の施策を進め、都民の暮らしの安全・安心の確保に向け、全力で取り組んでまいります。
   〔下水道局長松田二郎君登壇〕

〇下水道局長(松田二郎君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、下水道管の老朽化対策についてでございます。
 ご指摘のとおり、今後二十年間で、現在の四倍強に当たる約六千五百キロメートルが、新たに耐用年数を超えることとなります。このため、老朽化した下水道管の再構築は、道路陥没対策のみならず、防災力向上の観点からも重要でございます。
 これまで、整備年代の古い都心四処理区一万六千三百ヘクタールのうち、約四分の一に相当します四千百ヘクタールの再構築を完了させました。
 今後は、平成四十一年度までにすべてを完了させることを目標に、事業のスピードアップを図ってまいります。
 事業の実施に当たりましては、管の内部を調査し、健全度を把握、評価した上で、アセットマネジメント手法により計画的かつ効率的に進めてまいります。
 また、地中にはガス管などの地下埋設物がふくそうしておりまして、取りかえが極めて難しいため、道路を掘らずに下水を流したままで管の内側から補強する更生工法など、独自に開発いたしましたすぐれた技術を活用し、全国の模範となる老朽化対策を精力的に進めてまいります。
 次に、下水道管の耐震化の取り組みについてでございます。
 過去の大規模地震の被害実態に基づきまして、震災時における下水道機能を確保するため、管とマンホールの接続部の耐震化と道路の交通機能を確保するための液状化の危険性の高い地域にあるマンホールの浮上抑制対策を進めております。
 まず、接続部の耐震化についてでございますが、昨年度までに区部の避難所など約二千五百カ所の約八割を完了いたしまして、残りの箇所は計画を二年前倒しし、来年度に完了いたします。
 次に、マンホールの浮上抑制対策についてでございますが、液状化の危険性の高い地域にある緊急輸送道路約五百キロメートルで対策を完了いたしまして、昨年度から緊急輸送道路と避難所などを結ぶアクセス道路に対象を拡大し、実施しております。
 これら二つの対策は、今後、震災時に多くの人が集まりますターミナル駅や災害復旧の拠点となります行政機関の庁舎などへ対象を拡大してまいります。
 今後とも、下水道機能の確保と強化のため、下水道管の再構築や耐震化を積極的に進め、高度防災都市づくりに貢献してまいります。
   〔都市整備局長飯尾豊君登壇〕

〇都市整備局長(飯尾豊君) 六点のご質問にお答えいたします。
 まず、多摩地域における下水道総合地震対策計画の策定促進についてでございますが、多摩地域の市町村は、雨水対策や合流改善などの課題に取り組む一方、既に十六市が下水道総合地震対策計画を策定し、五カ年で優先的に耐震化すべき施設の整備に取り組んでおります。
 都はこれまでも、計画に基づく事業に対し、国の交付金制度と連携して補助を行うとともに、今年度からは計画策定についても助成の対象に加えております。現在、二市がこれを活用して計画づくりを進めており、年度末までに十八市が策定を完了する見込みでございます。
 今後とも、地震対策を課題とする市町村に対し、計画策定を働きかけるなど、多摩地域の下水道の耐震化を促進してまいります。
 次に、不燃化特区制度における支援についてでございますが、木密地域は、東京の防災力を強化する上で最大の弱点となっており、この地域の改善を加速していくために、都は、不燃化特区の創設等を初めとした木密地域不燃化十年プロジェクトに取り組んでおります。
 このプロジェクトにおいて、都は、特に重点的、集中的に改善を図るべき地区について、不燃化特区を指定した上で、期間、地域を限定して特別の支援を行うこととしております。
 お話の都税の優遇措置、種地取得や専門家活用のための支援、不燃化助成の上乗せなどにつきましては、検討すべきメニューであると認識しており、今後、区からの提案なども踏まえながら、制度構築に取り組んでまいります。
 次に、不燃化に合わせた省エネの取り組みについてでございますが、木密地域の改善を進める上でも、建物の不燃化に合わせて省エネなどの付加価値をつけることは意義があると認識しております。
 これまでも都内では、木密地域である東池袋地区や板橋三丁目地区などにおいて、建物の共同化に際し、太陽光発電や屋上緑化、壁面緑化、高効率な省エネルギー設備の導入などが行われており、今後もこのような取り組みを促進してまいります。
 都は、現在、不燃化特区の制度構築を進めており、区からのさまざまな提案も踏まえながら検討を行い、区と連携して木密地域の改善に取り組んでまいります。
 次に、マンション実態調査の結果についてでございますが、都は、昨年度、マンションの耐震化促進に向けた効果的な施策や管理のあり方などについて検討するため、都内すべてのマンションを対象に実態調査を行いました。
 お尋ねの分譲マンションについては、耐震基準が改正された昭和五十六年以前に建設されたものが全体の約二割に当たる一万一千六百棟あり、このうち、ピロティーつきのものは千八百棟であることが明らかになりました。
 また、調査の中で行ったアンケートに回答のあった旧耐震基準の分譲マンションのうち、約八割は耐震診断を実施していないことがわかりました。
 次に、調査結果の活用についてでございますが、今回の実態調査では、分譲マンションの管理状況等も調査しており、耐震診断が実施されたところでは、長期修繕計画の作成や活発な管理組合の活動など、良好な管理が行われている傾向が見られました。
 今後、こうした分析をさらに多様な角度から進め、マンション耐震化を進める上での課題や耐震診断、耐震改修を実施できたマンションの特徴などを取りまとめた報告書を作成し、都民に向けて広く情報提供してまいります。
 あわせて、耐震診断実施を促す新たなパンフレットを作成し、啓発隊を派遣することで、マンションの管理組合に対し、耐震診断実施に向けたきめ細かい助言、誘導を行うなど、マンションの耐震化を強力に促進してまいります。
 最後に、都営住宅の耐震化の計画についてでございますが、都はこれまで、都営住宅耐震化整備プログラムに基づき、都営住宅の耐震化を進めてまいりましたが、「二〇二〇年の東京」計画の策定等を受け、現在、整備プログラムの見直しに取り組んでおります。
 居住者の安心・安全を図り、民間住宅等の耐震化を促すためにも、都営住宅の耐震化を推進することが重要でございます。
 また、都営住宅は、都が管理する公共住宅であり、耐震化の完了までの計画を示す必要があると考えております。
 こうしたことから、ご指摘を踏まえ、さらに取り組みを加速し、平成三十二年度の耐震化率一〇〇%達成に向けて、整備プログラムの改定を速やかに行い、都営住宅の耐震化を計画的かつ着実に推進してまいります。
   〔環境局長大野輝之君登壇〕

〇環境局長(大野輝之君) 五点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、電力供給に係る国への制度改正の要請についてでございますが、ご指摘の北九州市の例は、国際物流特区におきまして、工場地帯に隣接するオフィス、店舗、住宅等を一の構内、すなわち一つの構内として認定するとともに、本来、資本関係など密接な関係がなければ電力供給が認められない電気事業法上の特定供給の例外として認められているものでございます。
 また、そもそも現行法上、電力供給が自由化されておりますのは、五十キロワット以上の高圧電力でございまして、五十キロワット未満の一般家庭への電力供給は認められておりません。
 国は、現在、電気事業制度の改革に向けた検討を進めておりまして、都としても、低圧電力も含む全面自由化や面的な開発でエリア内等における送電事業が可能となる仕組みの実現など、国に対して強く求めてまいります。
 次に、老朽化した発電所の切りかえについてでございますが、東京電力の火力発電設備の約四割が運転期間三十五年を超えておりまして、このまま老朽化した非効率な火力発電に依存することは、燃料費の増加につながることに加えまして、CO2排出量を増加させ、地球温暖化対策にも逆行することになります。
 コンバインドサイクル方式への切りかえに関しましては、猪瀬副知事をリーダーとするプロジェクトチームで、百万キロワット級天然ガス発電所の建設とあわせて検討を行ってまいりました。
 最新型のガスコンバインドサイクルへ切りかえますと、発電効率を五割程度高めることができます。また、天然ガス発電所におけるコストの約六割は燃料費であると試算されましたが、数年後には、北米から安価なシェールガスの輸入開始が期待されておりまして、ガスコンバインドサイクルのコスト面での優位性はより一層向上いたします。
 これまでも、九都県市として国に対し、民間資金の活用による老朽火力の早期更新を要求してまいりましたが、本年五月には、猪瀬副知事による経済産業大臣への東京電力の総合特別事業計画に関する緊急要望の中で、高効率で低炭素な発電所のリプレースを推進することに加えて、特に災害時に重要な役割を担う単独系統安定化システムが導入されております大井火力発電所のリプレース増強を早急に具体化するよう指導することを求めました。
 今後とも、国の施策及び予算に関する提案要求に盛り込むなど、引き続き機会をとらえて強力に働きかけを行ってまいります。
 次に、家庭におけるエネルギーマネジメントについてでございますが、電力使用のむだを排除し、合理的な賢い節電を定着させるためには、電力使用量の見える化によりまして、節電意欲を高めるとともに、電力のピーク時間帯を見定めて、家電製品の使用を制御することが有効でございます。
 家庭のエネルギーマネジメントシステム、いわゆるHEMSは見える化機能に加えまして、家電製品等の自動制御、太陽光発電や蓄電機能等との連携によるピークシフトなど、さまざまな機能を持った製品が実用化されつつありまして、今後、積極的な活用が期待されます。
 電力会社によるスマートメーターの大量導入開始の動きや、HEMSの仕様標準化によるメーカーを問わず家電製品間の情報連携が可能になるなどの最近の動きを踏まえまして、今後、HEMSを積極的に活用した家庭におけるエネルギーマネジメント実現に向け、新たな取り組みを検討してまいります。
 次に、太陽光発電の新たな普及スキームについてございますが、都はこれまで、国に先んじて打ち出し、集中的に取り組んできた補助事業によりまして、この三年間で太陽光発電の導入速度を十倍に加速するなど、大きな成果を上げてまいりました。
 本年七月から、固定価格買い取り制度が開始することに伴いまして、太陽光発電への関心はさらに高まっており、今回、集合住宅向けに設置コストを十年以内に回収できる太陽光発電の設置プランを募集しましたところ、五十四の事業者から百八十三件に上るプランが提案されるという大きな反響をいただきました。
 また、従来の業態の垣根を超えて、発電事業に新規参入する事業者の動きも活発化するとともに、建物の屋根貸し事業など、新たなビジネスモデルの展開に向けた動きも見られます。
 こうした状況を踏まえまして、現在都は、太陽光発電のさらなる普及拡大に資する事業者の提案を募集しております。
 今後、具体的な提案やニーズを踏まえながら、屋根貸し事業における建物事業者と発電事業者のマッチングを行うなど、実効性の高い新たな普及スキームを構築してまいります。
 最後に、賢い節電の定着についてでございますが、この夏からは、昨年の経験を生かしまして、オフィスや家庭の快適性を確保しながら、無理なく長続きできる省エネ対策として取り組みを進めていくことが重要でございます。
 そこで、都は、中小事業者の個々の実情に合わせた省エネのアドバイスを行っていくとともに、区市町村等と連携し、省エネ研修会を夏に向けて重点的に実施いたします。
 また、店舗の入り口をあけ放したままの空調の利用を見直すなど、店舗における効率的なエネルギー利用の方策についての検討会を来月新たに立ち上げ、取り組みの強化を図ってまいります。
 さらに、家庭向けには、昨年度に引き続き節電アドバイザーを活用し、戸別訪問を行うほか、今年度からは、スーパーマーケットなど多くの都民が集まる場所においても普及啓発を行います。
 このほか、東京都地球温暖化防止活動推進センターにおいて相談に応じるなど、賢い節電の定着に向け、取り組みを進めてまいります。
   〔消防総監北村吉男君登壇〕

〇消防総監(北村吉男君) 震災時の木造住宅密集地域における東京消防庁の消火体制の強化についてでありますが、震災時の大規模火災に対し、効果的な消防活動を行うためには災害実態を早期に把握する必要があることから、機動力を生かした消防ヘリコプターや、消防活動二輪車等による迅速な情報収集が重要でございます。
 引き続き消防活動においては、道路の狭隘状況等を勘案し、小型消防車や消防活動二輪車、可搬ポンプを活用するなど、当庁の保有する消防車両、資器材を結集して総合的な部隊運用により、被害の軽減に努めてまいります。
 今後とも、首都直下地震などの大規模災害に東京消防庁の全精力を挙げて対処してまいります。
   〔総務局長笠井謙一君登壇〕

〇総務局長(笠井謙一君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、地域の防災力の向上を図る体制づくりでございますが、地域の防災活動を担う自主防災組織がそれぞれの地域の特性に応じた取り組みをより効果的に展開していくためには、防災に関する専門家の知識やノウハウを活用していくことが重要でございます。
 このため、都は、今回選定した地域防災力の向上を目指す四つのモデル地区に対し、避難所運営や地区内での安否確認など、各地区における課題解決を支援するため、防災活動の専門家をアドバイザーとして派遣し、モデル地区の成果を他の地区へ広めることにより、点から面へと展開するよう取り組んでまいります。
 また、都内では、お話の防災に関する専門知識を持つ多彩な人材が企業や地域で活動していることから、今後、モデル地区へのアドバイザー派遣の成果も踏まえ、こうした人材活用方策についても検討してまいります。
 次いで、島しょのハザードマップ作成支援についてでありますが、今回の被害想定では海溝型の大規模地震が発生した際、島しょ地域に高い津波が到来することが予想されており、各島の避難計画を見直す必要が生じております。
 このため、都は、各島における地域ごとの浸水域などについて、より詳細な検証を行った上で、その結果をハザードマップの原型となる基本図として、島しょ町村に提供していくとともに、ハザードマップ作成に必要なアドバイスも行ってまいります。
 こうした取り組みにより、各島における適切な避難計画の策定を進め、島しょ地域における安全の確保を図ってまいります。
 次いで、島しょ町村の防災対策への支援についてでありますが、大規模地震や、これに伴う大津波に備えていくためには、各島の防災対策の主体となる町村が、それぞれの地域特性に応じた対策を講じる必要がありますが、町村ごとの取り組みでは、人的、技術的に制約があることから、都は、広域行政を担う自治体として、こうした各島の取り組みを支援していくことが求められております。
 このため、都は、関係各局と島しょ町村とで構成される連絡会を設置し、各町村との情報共有や意見交換を行う中で、それぞれの実情や課題に即した実効性のある対策を町村とともに検討してまいります。
 この検討結果を地域防災計画の修正に反映させるとともに、町村と合同での防災訓練を実施するなど、島しょ地域における大規模地震への備えに万全を期してまいります。
 最後に、災害時のライフライン機能の確保についてでありますが、島しょ地域において、一たびライフラインが途絶すると、その地理的条件などから、長期間にわたって住民に大きな影響を及ぼすおそれがございます。
 このため、都は、東京都防災会議のもとに各ライフライン事業者を含めて構成する検討部会を設置し、施設の耐震性の強化や早期の復旧等について、津波など東日本大震災の経験に基づき、事業者の取り組み状況も参考に、ライフラインの確保対策全般について検討を行っております。
 今後、この結果を踏まえ、各ライフラインの防災性の向上と、発災時における機能確保に向け、関係機関に働きかけてまいります。
   〔産業労働局長前田信弘君登壇〕

〇産業労働局長(前田信弘君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、電力にかかわる中小企業への支援についてでありますが、都はこれまで、自家発電設備等の導入支援に加え、今年四月からは電力の使用状況を監視する装置を支援対象として追加する措置を講じるなど、生産活動を維持しながら節電を行う中小企業の取り組みをサポートしてまいりました。
 現在、審査されております規制部門の値上げでは、お話のように電力使用量の増加に伴い、料金単価が上昇する仕組みも含まれていることや、この夏の電力確保の状況を踏まえ、多くの中小企業がこれらに対応することができるよう、電力の効率的な利用に資する装置導入への支援について検討してまいります。
 次に、被災地応援ツアーについてでありますが、福島県においては風評被害等により県内観光は厳しい状況が続いておりましたが、最近ようやく観光客の数に伸びが見られております。
 多くの都民が福島県へ旅行することにより、この動きを加速させることが重要と認識しておりますが、販売が見込みを上回って好調なことから、一部の旅行事業者ではこれから夏に向け、都民が本ツアーを申し込もうとしても受け付けられない状況にあると聞いております。
 引き続き都民の要望にこたえ、被災地応援ツアーによる復興支援ができますよう、適切な対応を検討しております。
 最後に、知的財産とその担い手の保護についてでありますが、大企業を退職した技術者を通じるなどして、日本企業の知的財産が外国に流出した事例が報じられております。
 こうした中、都内の中小企業におきまして、高度な知識を持つ技術者に社内で力を発揮させるとともに、知的財産の重要性と取り扱いルールの認識を改めて徹底することは重要であります。
 このため、中小企業の都内拠点での研究開発の強化の支援や、大企業を含めた研究開発機能の集積を通じ、東京ですぐれた技術者が活躍する場の確保につなげてまいります。
 また、都の知的財産総合センターは、全国的にも先進的な取り組みを行っておりますが、さらに、企業と技術者との秘密保持の契約書の作成や、知的財産に係る社員の情報管理の強化などをサポートしてまいります。
 こうした取り組みを総合的に実施し、技術開発の担い手をも視野に入れた知的財産保護を的確に進めてまいります。
   〔生活文化局長井澤勇治君登壇〕

〇生活文化局長(井澤勇治君) 芸術文化による被災者の心の支援についてでございますが、東日本大震災では、多くの文化施設や伝統芸能が被災するなど、芸術に触れたり、文化活動を行う機会が失われました。
 芸術文化は、人々の心に安らぎと力を与え、地域のきずなを強め、あすへの希望をもたらすものであり、被災地の復興と再生には、文化による継続的な支援が重要となります。
 都は、震災後直ちに、被災地域や被災者の方々に対する芸術文化を通じた支援に取り組み、室内楽を中心とした東京都交響楽団の演奏会、避難所の住民や子どもたちを元気づけるヘブンアーチストの公演、現地のNPOと連携したアートプログラム事業などを実施いたしました。
 こうした現地での経験を生かし、今年度も引き続き東京都交響楽団やヘブンアーチスト等を派遣し、より広範な地域で活動を展開いたしますとともに、新たに楽器の指導を通じた楽団員と子どもたちとの交流や、だれもが楽しむことのできる大道芸教室など、参加型の公演を実施してまいります。
 また、地元のニーズや文化施設の復興状況等を踏まえながら、文化的資源の被災地における活用の可能性について検討してまいります。
 今後とも、地元の自治体とさらに連携を強化し、芸術文化を通じた被災地支援に積極的に取り組んでまいります。
   〔福祉保健局長杉村栄一君登壇〕

〇福祉保健局長(杉村栄一君) 六点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、介護療養病床についてでございますが、都は、介護療養病床を平成二十三年度末に廃止するという平成十八年の法改正を受けまして、病床転換に伴う経費負担など、さまざまな課題への対応を再三、国に提案要求するとともに、老人保健施設や医療療養病床等への転換を促進するため、独自に整備費補助を実施してまいりました。
 しかし、国はこの間、有効な方策を講じないまま、今回転換が進まないことを理由に廃止期限を平成二十九年度末まで単純に延長いたしました。こうした国の対応は、医療行政を担い、病院の現場を知る都として大変遺憾でございます。
 都としては、今後も在宅療養が困難で、医療と介護を必要とする高齢者の受け入れ先を確保できるよう、介護療養病床を運営する事業者の状況を把握しながら、国に対し責任ある対応を強く求めてまいります。
 次に、保健医療計画における在宅療養についてでございますが、都はこれまで、在宅療養体制の充実を図るため、区市町村を中心とした医療、介護の関係者等による協議会や、病院から在宅への円滑な移行等を調整するための窓口の設置を支援するなど、さまざまな取り組みを進めてまいりました。
 また、今年度から、医師の在宅医療への参加を促進するため、複数の在宅医が互いに補完し、訪問看護ステーションと連携をしながらチームを組んで、二十四時間体制で訪問診療等を行う取り組みを支援いたします。
 今後、在宅療養推進会議において、これまでの取り組みの検証を行うとともに、在宅医療に携わる医師の負担軽減策、地域の中小病院、診療所の機能強化やネットワークの構築等について議論を進め、在宅医療の一層の推進策を新たな保健医療計画の中に位置づけてまいります。
 次に、保健医療計画における精神疾患への対応についてでございますが、都はこれまで、精神障害者の退院を促進し、退院後の安定した地域生活を支援するため、地域活動支援センターや精神保健福祉センターに支援員等を配置し、病院と区市町村等との退院支援に向けた調整や、病院と地域の連携などを促進してきました。
 精神障害者を地域で支える社会を実現していくためには、こうした取り組みを一層進めまして、医療と保健、福祉の円滑な連携を実現することが必要でございます。
 本年四月の東京都地方精神保健福祉審議会の意見具申でも、診療科間の連携、地域連携、そして医療と保健、福祉の連携の三つの連携が重要であると指摘されておりまして、今後改定する保健医療計画には、各二次保健医療圏の状況を踏まえた具体的な方策を検討し、盛り込んでまいります。
 次に、在宅緩和ケアについてでございますが、がん患者が住みなれた地域で安心して療養生活を継続するためには、在宅療養を支える地域の病院と診療所等の連携を進めていくことが必要でございます。
 このため、都は今年度、区部、多摩の二カ所の二次保健医療圏におきまして、がん診療連携拠点病院が中心となり、病院、診療所、訪問看護ステーション、薬局などをメンバーといたします緩和ケア連携推進会議を設置いたします。
 会議では、研修会や症例検討会等を通じまして、相互にバックアップする体制を構築するとともに、地域の医療資源のリスト等を作成し、情報の共有化を図ってまいります。
 こうした取り組みを今年度策定いたします新たながん対策推進計画の中に位置づけ、地域における在宅緩和ケア体制の整備を推進してまいります。
 次に、小児がん対策についてでございますが、小児がんは、合併症や成長障害への身体的ケア、再発の不安に対する心のケアなど、がんを克服した後でも引き続き医療的ケアを必要とする場合が多いことから、都内では、がん診療連携拠点病院など四つの医療機関が小児がんの長期フォローアップ体制を整備し、健康管理や合併症の予防など、きめ細かな支援を実施いたしております。
 現在、国では、医療技術を集約化した、仮称でございますが、小児がん拠点病院の整備を検討しておりますが、都は、こうした国の動きも注視しながら、今後、がん対策推進協議会に設置をいたします医療緩和ケア検討部会におきまして、高度な小児医療に対応できる医療機関が多数存在をする都の特性を生かした小児がん医療のネットワーク構築など、具体的な方策を検討し、次期がん対策推進計画に盛り込んでまいります。
 最後に、たばこによる健康影響への対策についてでございますが、都は、現行のがん対策推進計画の中で、成人の喫煙率の低下を目標に定め、喫煙の健康影響に関する普及啓発を行うとともに、禁煙希望者に対しましては、ホームページでの医療機関の情報提供を行っており、今年度は禁煙方法を紹介するリーフレットも新たに作成をいたします。
 また、受動喫煙防止のためのガイドラインを策定し、公共の場所や職場における環境整備に関する普及啓発を行うほか、職場向けのハンドブックや飲食店向けの分煙方法に関するリーフレットを配布するなど、積極的に受動喫煙防止対策を進めております。
 こうした取り組みの成果や新たな国の計画を踏まえ、今後、東京都がん対策推進協議会で喫煙率や受動喫煙防止の目標を検討し、次期の推進計画に盛り込んでまいります。
   〔青少年・治安対策本部長樋口眞人君登壇〕

〇青少年・治安対策本部長(樋口眞人君) 防犯カメラについてでございますが、地域における自主的な防犯活動は、東京の治安確保に大きな役割を果たしており、都は、これを支援するため、防犯カメラ設置等の費用の一部を補助しております。
 防犯カメラの有効性が認知される中、地域の要望にこたえられるよう、今年度、地域における見守り活動支援事業について予算額を増額するとともに、町会、自治会が単独で行う防犯カメラの整備を新たに対象に加えるなど、補助制度の充実を図っております。
 今後も、地域の取り組みを的確に支援していくことが重要と考えており、お話の防犯カメラの更新への補助を初め、支援の拡充については、地域の実情を把握した上で、区市町村との役割分担などを整理し、今後の対応について検討してまいります。

〇副議長(ともとし春久) 八十一番たぞえ民夫君。
   〔八十一番たぞえ民夫君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

〇八十一番(たぞえ民夫君) 日本共産党都議団を代表して質問します。
 初めに、都政の最重要課題の一つである防災対策です。
 四月に発表された首都直下地震等による東京の被害想定によれば、震度七が起きる危険が現実となり、震度六強が区部では七〇%の地域、多摩でも立川市など八市では九割を超える地域で発生することが想定されています。しかし、問題は、このような強い地震動による被害の想定が低く抑えられ、対象も狭いものになっています。
 三月に発表された中央防災会議による中間報告は、災害を完璧に予想することはできなくても、災害への対応に想定外はあってはならない、楽観的な想定ではなく、悲観的な想定を行うべきとしています。
 ところが、石原知事は想定作業が進められていた三月の記者会見で、震度七を想定した被害想定になるのかとの記者の質問に対し、財政にも限りがあるから、大変だという形に余りしない方がよいという趣旨の発言をしました。
 知事、こうした被害想定に介入するような発言は、政治家として絶対にやってはならないものです。被害想定はあくまでも科学的知見に導かれるものではありませんか。
 実際、中央防災会議の提起と裏腹に、都の被害想定は相当低く抑えられてしまいました。例えば、火災被害想定の前提となる風速について、前回の想定は毎秒十五メートルだったものを、今回は八メートルに下げました。総務局はその理由として、十五メートルという状態が数日間継続することは現実的でないと、驚くべき答弁をしました。
 そもそも風が数日間継続するか否かを基準にするという規定はどこにもありません。気象庁の統計で、冬の三カ月間の風の状況を調べても、毎年十メートルから十七メートルの風速を記録しています。関東大震災でも十五メートルの強風が被害を大きくしました。だからこそ、前回は十五メートルの想定をしたのではありませんか。
 しかも、被害想定報告書では、強風下における広域火災延焼による被害の最大値の評価を、今後の課題として挙げざるを得なかったではありませんか。にもかかわらず、なぜ強風を想定としないのですか。意図的に被害推計を下げようとしたといわざるを得ません。いかがでしょうか。
 強風を想定しないことは、延焼防止対策での重大な弱点を生む結果につながります。都は、延焼防止対策として、幹線道路を整備し、延焼遮断帯をつくることを最重視していますが、十メートルを超える強風下では、飛び火によって延焼遮断効果は大幅に低くなることが、火災予防審議会などの委員を務めた専門家によって指摘されています。この指摘をどうとらえているんですか。
 しかも、東京の道路には車があふれており、大震災時には、車両火災が多発する危険があります。この危険性をどう検討したのですか。
 私は、火災被害防止には、何よりも燃えにくい住宅にするための支援強化が必要だと思います。少なくとも対象を広げ、火災危険度の高い地域ならどこでも受けられるようにするとともに、助成額を大幅に拡充するべきではありませんか。
 同時に、墨田区が学者と共同研究で有効性を確認し、今年度から実施した部分不燃化改修などへの助成も現実的です。どう認識していますか。
 水害対策にも重大な問題があります。被害想定では、津波による大きな浸水被害はないとしています。しかし、専門家からは、品川区の立会川など、川幅の狭い河川については、想定される津波によって水害が発生する危険性を指摘しています。この問題をどのように検討したのですか。
 また、被害想定は、高潮と重なったときや、地震動により堤防などが損壊した場合は被害が拡大するとしています。水害対策で重要なことは堤防の耐震性です。
 都は、耐震化した堤防は大正関東地震の震度対応だから、一定の安全性を確保したといっていますが、国土交通省の最新の指針では、大正関東地震に対応できる堤防の耐震性をはかる震度は、都が進めてきた設計震度の一・六倍以上です。つまり、現状の堤防強度では、大地震で損壊し水害が発生する危険が無視できないということではありませんか。
 東部低地帯にある河川堤防などについては、震度七に対応する新たな緊急耐震化計画をつくるべきですが、いかがですか。
 鉄道の安全化も重要です。前回の被害想定では、震度七では運行電車の九二%、震度六強では二三%が脱線するとして死傷者を想定しました。しかし、なぜ今回、具体的な想定を行わなかったのですか。
 立川断層帯地震では、地震による揺れだけではなく、地表面に変位が生じた場合の影響が指摘されているだけに、断層帯を横断する鉄道施設などへの影響の調査と対策は重要課題です。鉄道事業者任せにせず、都も協力して調査、想定を行い、対策を進めるべきだと思いますが、お答えください。
 知事、都の地域防災計画をどう見直していくのかが問われています。被害想定の追加調査を行うとともに、予想される被害をでき得る限り小さくするための予防対策を第一として、ハード、ソフトの総合的対策を、専門家の協力を得て、都庁の総力を結集して検討することを求めるものです。お答えください。
 次に、原発に対する知事の認識と都民投票条例案についてです。
 我が党は、原発に関する都民投票条例については、基本的には賛成であり、修正して成立するよう努めるものです。ところが、知事は、都民投票条例について、原発問題は国が判断すべきもので、都民は口出しをするなという立場の意見を付しました。
 しかし、原発事故の被害が広く都民に及んでいる今、原発の是非について都民の意見を問うのは当然ではありませんか。一体、知事は、福島第一原発の現状をどう認識しているのですか。事態は収束に向かうどころか、原子炉などの実態や地震動による被害もわからず、再臨界などの危険も抱えています。
 四号機は、建屋の構造が弱体化し傾き、大地震が来れば倒壊する可能性が高く、専門家は、使用済み燃料プールで火災が起これば、首都圏が避難対象地域になるような危険もあることを指摘しています。また、圧力容器を突き抜けて格納器の底に張りついていると思われる核物質を取り出す技術は現状では存在していないといわれています。知事、違いますか。
 国が今やろうとしているのは、大飯原発のように、みずから決めた安全対策なるものさえまともにとらず、たまり続けている使用済み核燃料を処分する技術を持たないにもかかわらず、再稼働を強行することです。知事はそれでも構わない、国のいうとおりにすればよいというのでしょうか。
 しかも、都民投票の対象となる柏崎刈羽原発は、活断層が複雑に入り込んでいる場所に立地しているばかりか、知事もつくるべきではないといっている海岸沿いに立地しているのです。知事はそれでも安全だと考えるのですか。それこそ知事が先頭に立って、国と東電に廃止を申し入れるべきだと思いますが、どうですか。
 知事は、脱原発反対を公言して、原発の安全確保について、フランスにできて日本でできないはずはないと繰り返し発言しています。重ねていいますが、フランスだろうと、どの国だろうと、一たん原発が暴走したら、もはやそれを食いとめる手段を持ち合わせていません。
 いわんや、日本のような地震国では、フランスとは比べ物にならない危険性があるのです。科学的な根拠を示せないのに安全が確保できるかのようにいうのは、いいかげんにやめるべきです。お答えください。
 経済先進国であるドイツは、原発を全廃することを決めました。そのために、二〇二〇年までに再生可能エネルギーの比率を三五%に高める計画を進めています。知事は、再生可能エネルギーについては、ドイツにできて日本にできないはずはないといわないんですか。日本の技術を持ってすれば十分できるではありませんか。
 東京都自身、二〇二〇年までに東京のエネルギー消費量に占める再生可能エネルギーの比率を二〇%程度まで高めることを目指していますが、いまだに二・九%にすぎません。都が率先して再生可能エネルギー普及の目標を達成していくべきだと思いますが、見解を伺います。
 この問題の最後に、原発がまき散らした放射能対策です。
 我が党の調査によって、都立水元公園で、一キログラム当たり二十五万ベクレルもの放射線量がある、いわゆる黒い土が発見されました。
 また、地上一メートルの空間線量が毎時一・一マイクロシーベルトの地点で、一キログラム当たり十一万ベクレルもの高濃度に汚染された土壌が発見されました。
 全体では、東部地域や臨海地域だけでも四万ベクレルを超える地点が六カ所、八千ベクレルという廃棄物管理基準を超える地点でいえば三十四カ所も確認されたのです。この問題にどう対応するんですか。
 多くの専門家も、このような高濃度の放射性物質を放置してはならないと発言しています。都としては、少なくとも都有施設については速やかに全面的な調査と必要な除染を行うべきです。
 とりわけ水元公園については、空中に飛散しやすく、呼吸を通じて体内に取り込みやすい黒い土は、速やかにすべて把握し、除染するべきですが、お答えください。
 地上一メートルで一・一マイクロシーベルトの地点について、文部科学省に聞きましたら、都に直ちに測定するよういいますとのことでした。都はどうするんですか。都民の安全を軽視し、極力、放射能対策もしないで済まそうとする都の姿勢を改めるよう求めますが、いかがですか。
 次に、福祉、暮らしの充実について伺います。
 都民は、相次ぐ社会保障の改悪、雇用の破壊などで苦しめられています。東京の勤労者世帯の実収入は、十年前に比べると月額で平均六万九千円も下がっています。国民年金受給者の平均月額も五万四千円にすぎず、全国平均以下なのに、ことし四月分からまた年金額が減ります。
 さらに、ことしは国保料、介護保険料、後期高齢者医療保険料がそろって値上げされます。介護保険料の平均額は、制度発足時の一・六倍を超えました。これでは生きていけないという高齢者の悲鳴が上がっています。
 知事は事あるごとに、日本は低負担、高福祉だなどといっていますが、これでもなお、そう強弁しようとするんですか。改めて、このような都民の暮らしの困難について、知事がどう認識しているか伺います。
 少なくとも国保料など三つの保険料の負担増を抑えるために、都として支援すべきではありませんか。
 都民の暮らしも経済も落ち込んでいる中で、これに追い打ちをかけるように、民主党と自民党が消費税増税と社会保障改悪をセットにした法案を成立させようとしていることに都民の批判の声が広がっています。
 労働運動総合研究所の試算によると、消費税を一〇%に引き上げれば、家計消費需要を約一四兆円も減少させ、百数十万人分の雇用が失われるとしています。国、地方を合わせた税収も二兆円以上減少することも試算されています。
 多くの専門家も、消費税の増税は景気を後退させる結果になると警告しています。知事は、消費税増税は必要だとの立場をとってきましたが、こうした試算や警告をどう受けとめますか。
 ことしに入ってから続いた孤立死は、社会保障の相次ぐ改悪の矛盾が噴き出した結果です。立川市での二つのケースは、介護している方が先に亡くなり、介護されている方がなすすべなく亡くなるという痛ましいものでした。
 高齢者、障害児者、難病患者などを介護、看護している方々、すなわちケアラーに対して行った調査によれば、ケアラーは時間的、精神的に拘束され、さまざまな問題や不安、悩みを抱えています。体や心に不調を感じても、多くの方々が受診できません。
 悲劇を繰り返さないためにも、都内のケアラーの実態をまず把握し、支援を行う必要があります。見解を伺います。
 千葉県が保健所地域ごとに設置している中核地域生活支援センターは、福祉のよろず相談所として、たらい回しにせずに、相談者の困難を丸ごと受けとめ、相談者と一緒に問題解決を図る重要な役割を果たしています。
 東京でも、社会福祉協議会の地域福祉コーディネーターが、よりきめ細かな地域で総合的な相談指導を行っています。この取り組みはケアラーへの支援や孤立死防止への効果があると考えますが、いかがですか。
 防災対策や再生可能エネルギー導入、福祉、暮らしを前進させるための財源は、お金の使い方を変えれば生み出すことができます。第一に、国も都も浪費をやめることです。
 知事が二〇二〇年までの確実な完成を国に求めている外環道本線の整備費一兆二千八百二十億円のうち、国と都で一兆三百五十七億円を分担します。つまり、八割は税金でつくることが明らかになりました。まさに税金の巨額な浪費といわざるを得ません。いかがですか。
 第二に、富裕層や大企業への減税を正し、税は応能負担という本来のあり方を取り戻すことです。アメリカでも富裕層から、自分たちの課税を強化すべきという声が上がっているではありませんか。法人事業税の一部国有化の暫定措置を撤廃することとあわせて、国に強く求めるべきですが、いかがですか。
 経済の立て直しは、国民の暮らしや中小企業の経営を豊かにする内需の拡大でこそできます。
 野村総研は、全国で認可保育所を二百万人分、特別養護老人ホームを十五万人分増設した場合、約五兆円の建設費の投資に対し生産波及効果が九兆円に及ぶと試算をしています。
 その前提条件などに検討すべき問題はありますが、東京都で認可保育所と特養ホーム整備に五千億円投資すれば、経済効果は九千億円、雇用創出は六万人を超えることになります。
 また、環境省による再生可能エネルギー普及の経済効果の試算を当てはめると、東京で再生可能エネルギーに一兆三千億円投資すれば、三兆円の経済効果、六万人の雇用効果が見込まれることになります。
 福祉施設整備や再生可能エネルギーなどの拡充が大きな経済波及効果を生むことは明らかですが、どう認識していますか。都として経済効果をも試算し、こうした一石二鳥にも三鳥にもなる取り組みを積極的に進めるときだと考えますが、どうですか。
 最後に、尖閣諸島購入問題について、私たちの見解を述べます。
 尖閣諸島は、一八九五年一月の日本政府閣議決定によって日本領に編入して以来、日本の実効支配が行われてきたものです。戦後の一時期、アメリカの施政権下に置かれましたが、一九七二年に施政権が日本に返還され、今日に至っています。
 我が党は、尖閣諸島が日本に帰属しているという見解を一九七二年に発表し、歴史的にも国際法上も日本が領有している明確な根拠があることを明らかにしてきました。二〇一〇年には、領有の正当性について改めて明らかにし、日本政府並びに各国政府に我が党の見解を伝えてきました。
 中国側は、一九七〇年以降になって突如、領有権を主張し始めましたが、その主張は成り立ちません。何よりも、一八九五年以来七十五年間、一度も日本の領有に対して異議も抗議もしていないんです。
 中国の領有権の主張に正当性はありません。しかし、同時に、尖閣諸島をめぐる紛争を解決するために何よりも重要なことは、日本政府が尖閣諸島の領有の歴史上、国際法上の正当性について、国際社会及び中国政府に対して、理を尽くして堂々と主張し、外交努力を尽くすことです。
 この点で、歴代の日本政府には弱点がありました。しかし、政府の取り組みに弱点があるからといって、地方自治体が尖閣諸島を購入しても問題の解決にはなりません。自治体が国家間の領土紛争に介入することは、適切ではありません。
 私たち日本共産党は、中国政府が事態をエスカレートさせたり緊張を高める対応を避け、冷静な言動や対応をとるように求めると同時に、日中両政府が問題を話し合いで平和的に解決するよう、一層の外交努力を呼びかけるものです。
 再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) たぞえ民夫議員の代表質問にお答えします。
 被害想定に対する私の発言についてでありますが、お話の記者会見における私の発言は、被害想定の数字だけがいたずらにひとり歩きをすることへの懸念から、慎重な検討の必要性を伝えるとともに、個人による自宅の耐震化など、防災対策における自助の重要性を述べたものにすぎません。
 私の発言の片言隻句をとらえるのではなくて、発言全体の趣旨を踏まえれば、共産党の指摘が全く的外れのことは明らかであります。
 新たな被害想定は、地震や津波の第一人者たちによって、最新の科学的知見に基づいて作成されておりまして、私が政治的に介入したというご指摘は全く当たりません。
 原発に関する六問の質問についてでありますが、まとめてお答えしますけれども、共産党は、知事意見書や私の所信表明を全く理解していないようでありますな。いま一度申し上げますが、エネルギー問題は国家発展のかなめでありまして、医療、福祉、教育、防災、治安など、我が国の高度な社会を支えている経済産業に必要なエネルギーをどのようにしてどれだけ確保するか、政府が大きなシミュレーションを行い、その結果を国民にも示して、政治が責任ある決断をすべきであります。
 原発稼働の是非は、国家の安危を左右する問題でありまして、国が、安全性はもちろん、経済性、産業政策、温暖化対策、安全保障などを複合的に考慮し、専門的な知見も踏まえて冷静に判断すべき事柄であります。
 また、原発稼働の是非は、立地地域にも重大な影響を及ぼすものでありまして、こうした影響も十分にしんしゃくされなければならないと思います。ゆえにも、今回の条例案には反対するものであります。
 なぜ、都民は口出しをするなとか、国のいうとおりにすればよいとか、そういう発言が出てくるのか。いつものこととはいえ、共産党独特のデマゴーグとしかいいようがありませんですな、これは。
 また、福島第一原発の話もありましたが、危険だけを喧伝し、いたずらに不安をあおる共産党のやり方こそ、ためにするものでしかないと私は思います。
 放射性物質が危険なことは論をまちませんが、廃棄物も含めて適切に管理することで、原子力を有効に活用することは可能だと思います。また、複雑な日本という国土の中では、原発の立地ごとに地勢学的な条件を考慮するのは当然であります。
 これまでの管理を真摯に反省して、日本の誇る技術も活用しながら、それぞれの地勢学的な条件に応じた対策を講じ、立地も、それを勘案して、その上で原子力を有効に活用すればいいと私は思います。フランスにできて日本にできないはずはないと私は思います。
 ドイツの原発全廃と再生可能エネルギーの話もありましたが、他国と陸続きで電力不足時には融通が可能な性格の国家と、それができない日本のような島国では、置かれた状況が全く異なっております。現にドイツは、原発大国のフランスからも電力を輸入しているわけであります。
 最後に申し上げますが、あなた方は都民の意見を問うのは当然だといい、都民投票によって原発の稼働の是非を決めることに賛成の立場のようですけれども、一方で、都民投票条例の対象であるはずの柏崎刈羽原発については、知事が先頭に立って廃止を申し入れるべきなどといっていますが、これは全く矛盾した、おかしな話ではないでしょうか。
 また、狭い意味の福祉の充実を必死に主張しているにもかかわらず、それを支える経済産業に必要なエネルギーをいかに確保するかもしんしゃくしていない。いかにもご都合主義の共産党らしい、化石になりつつある政党の主張だと私は思います。
 次いで、都民の暮らしと現在の社会保障に関する認識についてでありますが、るる保険料の値上げなど都民生活の話がありましたけれども、急激な高齢化が進む日本において、医療や介護にかかわる費用が増大することは自明の理であります。ゆえにも、給付と負担のバランスを顧みない高福祉低負担という社会保障制度は到底成り立ち得ないと、これまでも再三申し上げております。
 現在の社会保障制度は、今や制度疲労を起こして完全な行き詰まりを見せているのは、だれの目から見ても明らかでありまして、しかるに、現在国政は、税と社会保障の一体改革をめぐって混乱し、惨たんたる状況を呈しております。
 政治が今なすべきは、あるべき国家の姿を国民に指し示し、確固たる意志で新たな社会保障制度のあり方を形づくっていくことであると思います。自助、共助、公助を有機的に組み合わせることで、だれもが自立して生活できる、成熟した社会をつくらないと、我が国は、世界のだれもが経験したことのない超高齢社会を乗り越えることができずに、確実に衰退するに違いないと思います。
 最後に、尖閣についていいこというなと思ったら、最後は腰折れで、あなた方、北京へ行ってその交渉をしてきたらどうですか。
 他の質問については、技監及び関係局長から……。
   〔東京都技監村尾公一君登壇〕

〇東京都技監(村尾公一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、河川堤防の耐震化についてでございますが、都はこれまで、耐震性を向上させるため、国の基準に基づき、関東大震災時の震度に対してスーパー堤防整備や堤防の耐震補強などの事業を行い、一定の安全性を確保してまいりました。
 こうした対策に加え、既に、都の防災会議が示したマグニチュード八クラスの海溝型地震などを想定して、堤防の耐震性能調査を行い、本年四月に都が公表した被害想定を踏まえ、現在、調査結果を取りまとめております。
 この調査結果や今後の技術検証委員会の議論などを踏まえ、これらの地震に対する新たな整備計画を策定してまいります。
 次に、外環についてでございますが、外環は、交通分散による渋滞の解消や排出ガスの大幅な削減などの環境改善だけでなく、我が国の国際競争力を高め、経済を再び成長軌道に戻すなど、その整備効果は多岐にわたっており、外環完成による便益は事業費を大きく上回っております。
 何よりも、切迫する首都直下型地震や東海地震などにおいて、救命、復旧活動に大きな役割を果たすほか、日本の東西交通の分断を防ぎ、首都機能を堅持するなど、まさに都民、国民の生命、財産を守る命の道として重要な役割を担っております。一刻も早く完成させなければなりません。
 都は、引き続き国など事業主体と連携し、二〇二〇年夏までの開通に向け、外環の整備に全力で取り組んでまいります。
   〔総務局長笠井謙一君登壇〕

〇総務局長(笠井謙一君) 七点のご質問にお答えをいたします。
 まず、被害想定における風速の設定についてでありますが、今回の想定では、延焼が完全におさまるまでの間、常時同じ速度で風が吹き続けるという極めて厳しい前提のもとに風速設定を見直すこととして、最悪の事態も考慮して、都内の気象実態の約二倍に当たる風速八メートル毎秒という風速を設定いたしました。
 前回の想定では、国の中央防災会議が示した報告に基づき、平均風速を十五メートルとして被害想定を行っておりましたが、このような風速が数日間継続することは、都内の気象条件として現実的ではないため、地震部会の専門委員の意見を踏まえ、この風速は採用いたしませんでした。
 したがいまして、意図的に想定結果を下げようとしたというご指摘は当たらないと思っております。
 次いで、火災の延焼の想定についてでありますが、ただいま申し上げましたとおり、今回の想定では、実際に起こり得る最大の被害像を示すために風速設定を見直したものであり、想定結果は適切なものと考えております。
 なお、お話の飛び火に関しましては、極端な強風時において大きくなるのは当然のことであり、台風などの気象条件下では延焼拡大が発生する可能性があることについては十分認識をいたしております。
 次いで、車両火災の危険性についてでありますが、今回の想定では、客観的なデータや科学的根拠に基づき、可能な限り被害を定量的に、より精緻に算定することとし、地震部会の専門委員の議論の中で、想定に用いる手法やデータ、項目などを決定いたしました。
 お話の車両にかかわる被災については、現時点では、科学的根拠に基づき精緻に算定する手法が確立されておらず、具体的な想定は行っておりません。
 次いで、津波による浸水被害の想定についてでありますが、今回の津波に関する被害想定は、専門家の最新の知見を盛り込んだ地震モデルを設定した上で、中小河川の川幅などについても可能な限り考慮して最大津波高を算出しております。また、水門が機能しなかった場合の被害や定性的な被害も想定するなど、最大の被害像を示した内容となっております。
 なお、お話の立会川など東京湾に流入する中小河川につきましては、今回想定された津波よりも高い高潮に備える対策区間とされており、おおむね安全性は確保されております。
 さらに、都といたしましては、実際の被害が想定結果と比べて変動する可能性にも留意して、既に避難などのソフト対策も検討に着手しております。
 次いで、鉄道の脱線による被害の想定でありますが、前回の被害想定では、阪神・淡路大震災において、震度七の地域の運行列車十四本のうち十三本が脱線した実例などに基づき、人的被害を算定いたしました。
 阪神・淡路大震災以降、国や鉄道事業者において、耐震基準の見直しや橋脚などの構造物の耐震補強の推進、早期地震検知システムの改良等の対策が進められており、その結果、東日本大震災では、揺れによる高架橋の倒壊や走行中の新幹線の脱線といった大きな被害は生じておりません。
 こうした対策の進捗状況を踏まえ、被害想定を取りまとめた地震部会の専門委員の議論により、前回の想定手法を踏襲することは実態にそぐわないことなどから、具体的な想定は行っておりません。
 次いで、立川断層帯地震による鉄道施設への影響でありますが、立川断層帯地震による亀裂など地表面のずれについては、現実にどこでどの程度生じるかを特定する科学的知見は確立されておらず、このため、地震部会の専門委員の議論では、その不確実性から、具体的な鉄道施設への被害想定は行っておりません。
 都といたしましては、鉄道事業者に対し、現在の科学的知見で得られる揺れの波形や震度分布など、施設の安全対策の参考となるデータの情報提供を行うことにより、必要な対策を促してまいります。
 最後に、防災対策についてでございますが、今回の被害想定は、地震や津波の研究者の第一人者が、最新の科学的知見を踏まえて検証したもので、東京の実情に即した厳しい想定内容となっており、今後は、この想定結果に基づき、さらなる対策を講じることが重要であります。
 ご指摘を受けるまでもなく、都はこれまでも、さまざまな専門家の協力を得て、東京の総力を挙げて防災対策を進めてきており、引き続き、防災隣組の構築などの取り組みを進めるとともに、水門や防潮堤、さらには三環状道路の整備といった公助の取り組みも着実に推進してまいります。
 今後とも、自助、共助、公助のすべてにわたる取り組みを強化し、東京の防災力を高度化させてまいります。
   〔都市整備局長飯尾豊君登壇〕

〇都市整備局長(飯尾豊君) 燃えにくい住宅にするための支援についてでございますが、都は、燃えない、燃え広がらないまちを早期に実現するため、木密地域不燃化十年プロジェクトを立ち上げ、特に改善を必要としている地区について、期間と地域を限定して不燃化を強力に推進することとしております。
 また、地元区の取り組みへの支援につきましては、都はこれまでも、延焼を防止するという公共性の観点から、延焼遮断帯となる道路の沿道建築物の不燃化建てかえや老朽建築物の共同建てかえ等に対し、費用の一部を助成してまいりました。
 今後とも、こうした必要な支援を行ってまいります。
   〔環境局長大野輝之君登壇〕

〇環境局長(大野輝之君) 二点のご質問でございます。
 まず、再生可能エネルギーの普及についてでございますが、都はこれまでも、固定価格買い取り制度が導入されない中でも、集中的な補助事業など先駆的な取り組みを展開しまして、取り組み前と比べ、太陽光発電の導入速度を十倍にしてきております。
 現在も都は、先ほどもご答弁したとおりでございますが、既に集合住宅向けの太陽光発電設置プランについて多数の提案を得るとともに、募集中の事業者提案を踏まえ、今後、太陽光発電の新たな普及スキームにつなげるなど、再生可能エネルギーの普及に向けた取り組みを進めております。
 次に、放射性物質による都内の局所的汚染への対応についてでございますが、これまでもご答弁申し上げているとおり、そもそも都内の空間線量は関東地方の中でも高い水準にはなく、放射性物質汚染対処特別措置法に基づく汚染状況重点調査地域はございません。
 お話の都立水元公園につきましても、都が測定をしております一般的な環境では、高さ一メートルの地点で、昨年十一月には毎時〇・二五マイクロシーベルトであったものが、本年五月の測定では毎時〇・一九マイクロシーベルトに減少しております。
 また、文部科学省のガイドラインにおきましては、局所的な汚染に対する除染の判断は、土壌の濃度ではなく空間線量で評価することとなっております。
 このガイドラインに基づき、既に昨年十一月、都内では比較的空間線量が高いことが示された区部東部三区を対象とした調査を行いましたが、ガイドラインの目安である、地表から一メートルの高さの空間線量が周辺より毎時一マイクロシーベルト以上高い地点はございませんでした。したがいまして、都内におきましては、都有施設全般にわたる調査や経常的な調査は基本的に不要としたものでございます。
 なお、昨日公表されました共産党都議団の調査結果を拝見しましても、資料に空間線量が示された三十八カ所の調査地点のうち、水元公園の一カ所が地上一メーターで毎時一マイクロシーベルトを上回ったとしているものの、その他の三十七カ所では地上一メーターで毎時〇・〇八マイクロシーベルトから〇・四八マイクロシーベルトになっておりまして、ガイドラインの目安を大きく下回っております。
 その水元公園において、毎時一マイクロシーベルトを上回ったとされる地点につきましては、昨日、貴党から通報を受けました文部科学省より、周辺の一般環境も含めた状況確認の要請があったことから、念のための現地調査を行いました。
 その結果、地表から一メーターの高さの空間線量は毎時〇・九九マイクロシーベルトであり、周辺の一般環境の〇・一八マイクロシーベルトと比較して一マイクロシーベルト以上高くはございませんでした。この結果を文部科学省に連絡し、ガイドラインで除染等の目安となる値ではないことを確認しております。
 なお、調査した土壌の数値を、特別措置法の廃棄物の指定基準値である一キログラム当たり八千ベクレルと比較されておりますが、この基準は、脱水汚泥や焼却灰などが大量に集まり、放射性物質が総量として大きなものになる埋立処分場などにおきまして長時間の管理や作業に関するものでありまして、比較することは適切ではございません。
 都は、都民の安心を確保する上では、放射線に関する正確な情報を提供していくことが最も重要であると認識しておりまして、引き続き、こうした取り組みを進めてまいります。
   〔福祉保健局長杉村栄一君登壇〕

〇福祉保健局長(杉村栄一君) 三点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、保険料の負担軽減についてでございますが、国民健康保険、後期高齢者医療及び介護保険の各制度は、保険料や公費等によって運営することとされており、都は、法令等に基づき、国や区市町村とともに応分の負担をしております。
 さらに、平成二十四年度の保険料改定に当たっては、後期高齢者医療財政安定化基金や介護保険財政安定化基金を活用し、保険料の上昇を緩和する特別な措置を実施しておりまして、保険料の負担増を抑えるために新たな財政支援を行うことは考えておりません。
 次に、高齢者、障害児者等の介護や看護をしている方々への支援についてでございますが、介護者、看護者のニーズは、区市町村が実施する家族介護者の交流会や介護教室、障害者の当事者団体や家族の会との定期的な意見交換、保健所が実施をいたします難病療養相談会や家庭訪問等を通じまして把握をいたしております。
 都は、区市町村が実施するこうした取り組みを、包括補助事業等を活用して支援をいたしております。
 最後に、地域福祉コーディネーターによる相談支援についてでございますが、国は、地域福祉コーディネーターについて、関係機関やボランティア等と連携をして、専門的な対応が必要な問題を抱えた方に対する総合的な支援や、地域におけるネットワーク形成などを行い、地域福祉活動を促進する役割を担うものと位置づけております。
 都内の幾つかの区市町村社会福祉協議会では、区市町村と連携をいたしまして、地域福祉コーディネーターを配置しておりまして、都はこうした取り組みに対し、既に包括補助などにより支援をいたしております。
   〔主税局長新田洋平君登壇〕

〇主税局長(新田洋平君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、消費税引き上げの影響についてでございますが、急激な高齢化が進む我が国において、今後、医療や介護などの社会保障に要する費用が増大していく中で、このままでは立ち行かないのは明らかであります。
 さらに、国の借金は、今年度末には一千兆円を超える危機的状況にあり、財政健全化は待ったなしとなっております。
 こうした状況から、税収が安定的であり広く消費に負担を求め、世代間の公平を確保できるとされる消費税の引き上げにより、税源の拡充を図ることが必要であると認識されているところでございます。
 なお、現在国会で審議中の法案においては、消費税引き上げによる増収分は、社会保障に要する費用に充てることとされ、また、デフレ脱却や経済活性化に向けて総合的な施策を実施することとされております。
 次に、大企業や富裕層への課税強化についてでございますが、現在、法人税につきましては、国際競争力を強化し、雇用と国内投資を拡大する観点から、国際的に税率を引き下げる傾向にありますが、我が国の法人実効税率は、依然として先進国中、最も高い水準にございます。
 一方、所得税につきましては、今国会において最高税率の見直しを含む法案が審議されているところであり、そのあり方につきましては、広く国民的な議論の中で十分に検討されるべきものと認識しております。
   〔財務局長安藤立美君登壇〕

〇財務局長(安藤立美君) 経済効果と財政運営についてでございますが、都はこれまでも、福祉や環境、医療、教育はもとより、中小企業対策や東京の都市機能の充実など、都民にとって必要な施策を着実に実施してまいりました。
 とりわけ、年間約四兆円の経済効果が見込まれます三環状道路の整備を初め、雇用創出効果や経済波及効果の高い投資的経費には、重点的に財源を投入しております。
 今後とも、財政の健全性に十分留意しながら、少子高齢化対策や新たなエネルギー政策なども含めて、直面する都市問題の解決に向け、積極的な取り組みを行ってまいります。
   〔八十一番たぞえ民夫君登壇〕

〇八十一番(たぞえ民夫君) 知事に再質問します。
 まず、被害想定です。
 知事は、みずからの記者会見の発言は、被害想定の数字がいたずらにひとり歩きすることへの懸念から、慎重な検討をと答えました。知事がそんなことをいえば、想定が影響を受けるんですよ。しかも、中央防災会議の悲観的想定を行うべきという報告に真っ向から逆らうものです。まさにあってはならない政治的介入ではありませんか。お答えください。
 次に、原発問題について伺います。
 知事、いたずらに悪罵をかけないように、きちんと答えてください。知事は、今回も原発の安全性について、何一つ具体的根拠を示せませんでした。原発は、国が判断するといいますが、その国のやることが信用できないから、都民は、自分たちの意見を聞きなさいといっているんです。知事は国に任せれば大丈夫だというんですか。福島第一原発の現状や柏崎刈羽原発の安全性についての認識も答えられませんでした。はっきり答えてください。
 放射能対策について、環境局長に三点伺います。
 第一に、文科省の要請がなかったら、はからなかった、測定もしなかったということですか。
 第二に、〇・九九マイクロシーベルトもあったのに、そのまま放置しておくんですか。文科省のガイドラインの除染基準に当たらないといいますが、その基準には科学的根拠がないんです。違いますか。
 第三に、二十五万ベクレルの黒い土は、飛散し吸入される危険もあります。専門家は、靴底について自動車内に持ち込まれる危険を指摘しています。こんなレベルの放射性物質のある場所で、子どもたちを遊ばせていいものだという都の見解は、到底都民は納得できません。どうですか。答えてください。
   〔総務局長笠井謙一君登壇〕

〇総務局長(笠井謙一君) 先ほどの被害想定に関する知事の発言についてでございますが、先ほど知事がご答弁申し上げたとおり、お話の記者会見における知事の発言は、被害想定の数字だけがひとり歩きすることへの懸念から、科学的知見に基づいた慎重な検討の必要性と、個人による自宅の耐震化など、防災対策における自助の重要性を指摘したものであり、あたかも知事が被害想定への政治的な介入を意図していたかのようなご指摘は全く当たりません。
 今回の被害想定は、地震や津波の第一人者である専門家によって最新の科学的知見に基づいて検証されたものであり、想定結果はもとより、対象とする地震や地震動のモデル、被害想定手法など、すべてにわたり専門家の意見に基づいて作成されております。
   〔知事本局長秋山俊行君〕

〇知事本局長(秋山俊行君) 三問の再質問にお答えをいたします。
 まず、一つ目でございますけれども、知事に対して、国のいうとおりにすればいいのかということのご質問がございましたけれども、先ほども知事、既に答弁はいたしておりますけれども、別の角度から、今回出されております住民投票条例、これに反対する意見書を都として、知事の意見書を出しましたので、そこでは、原子力発電所の稼働の是非は、国が責任を持って判断すべきであると。これは、エネルギー問題が国家発展のかなめであって、さまざまな利害調整を要すること、また、専門的知見も踏まえて、まさに国が判断すべき事柄であると主張しております。
 二点目が、立地地域や、その住民の多岐にわたる問題を考慮すべきということをいっておりまして、こんなことから、国のいうとおりにすればいいということではなくて、国みずからがきちんと判断すべきであるというふうに知事の方から答弁をさせていただいたところでございます。
 二点目でございますけれども、福島第一原発の現状をどう見るかということでございますが、福島第一原発につきましては、四号機の燃料プールの補強を行うなど、事故処理や安全対策は進んできているものというふうに認識をしております。
 また、知事からはこれまで、今回の福島第一原発の事故の反省を踏まえて対策を講じるべきであるというふうに再三、発言、答弁をさせていただいておりますけれども、他の原発でも既に津波対策などに着手しているものというふうに認識をしております。
 また、三点目でございますけれども、柏崎刈羽原発の安全性についてでございますけれども、知事からは、これまでそれぞれの原発の立地ごとに、その地勢学的条件を考慮し対策を講じるべきであるというふうにお答えをしております。
 柏崎刈羽原発につきましては、現在七基すべてが停止をしておりますけれども、今回の福島の事故を踏まえて、この間、津波による全電源喪失という事態の対策を既に講じており、また、順次耐震性の検証を行うなど、安全性の確認向上が進んでいるというふうに認識をしております。
   〔環境局長大野輝之君〕

〇環境局長(大野輝之君) 放射能関係の三点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、文部科学省のガイドラインに基づく判断に関してでございますが、先ほどもご答弁しましたとおり、文部科学省のガイドラインにおきましては、除染の判断は空間線量で評価することとされておりまして、都としては、ガイドラインに基づき都の判断として適切に対応しております。
 次に、ご指摘のデータは、あくまでも局所的なものでございまして、そもそも滞在時間が短いこと、また、昨年十一月の都の調査によって、少し離れれば放射線量は大幅に減衰することを確認しておりまして、除染など特段の対応は必要ないものと考えております。
 最後に、内部被曝の関連でございますが、文部科学省が昨年五月に公表しました暫定的考え方の取りまとめに際し、検討した内部被曝に関する算定結果と根拠によりますと、福島県における調査でも、学校グラウンドの利用に伴う吸引や経口摂取などの被曝量の全体に対する割合は、非常に小さいものと指摘されておりまして、空間線量の影響が大半を占めるとされております。
 都内における空間放射線量は、これまでも何度かご答弁申し上げているとおり、低水準であることから、局所的汚染対策の必要はないものと認識しております。

〇七十四番(西岡真一郎君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。

〇議長(中村明彦君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(中村明彦君) ご異議なしと認め、さよう決定いたします。
 明日は、午後一時より会議を開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後八時十五分散会

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