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Tokyo Metropolitan Assembly

平成二十三年東京都議会会議録第十六号

平成二十三年十一月三十日(水曜日)
 出席議員 百二十五名
一番小林 健二君
二番加藤 雅之君
三番三宅 正彦君
四番桜井 浩之君
五番山崎 一輝君
六番野田かずさ君
七番福士 敬子君
八番土屋たかゆき君
九番相川  博君
十番山内れい子君
十一番関口 太一君
十二番くりした善行君
十三番西沢けいた君
十四番田中  健君
十五番畔上三和子君
十六番斉藤やすひろ君
十七番栗林のり子君
十八番松葉多美子君
十九番伊藤 興一君
二十番鈴木 章浩君
二十一番菅  東一君
二十二番きたしろ勝彦君
二十三番早坂 義弘君
二十四番高木 けい君
二十五番星 ひろ子君
二十六番小山くにひこ君
二十七番柳ヶ瀬裕文君
二十八番淺野 克彦君
二十九番新井ともはる君
三十番佐藤 由美君
三十一番中村ひろし君
三十二番たきぐち学君
三十三番田の上いくこ君
三十四番島田 幸成君
三十五番大島よしえ君
三十六番高倉 良生君
三十七番上野 和彦君
三十八番吉倉 正美君
三十九番遠藤  守君
四十番石森たかゆき君
四十一番高橋 信博君
四十二番中屋 文孝君
四十三番村上 英子君
四十四番矢島 千秋君
四十五番高橋かずみ君
四十六番山加 朱美君
四十七番西崎 光子君
四十八番しのづか元君
四十九番滝沢 景一君
五十番中谷 祐二君
五十一番笹本ひさし君
五十二番山下ようこ君
五十三番神野 吉弘君
五十四番鈴木 勝博君
五十五番興津 秀憲君
五十六番岡田眞理子君
五十七番古館 和憲君
五十八番かち佳代子君
五十九番大松あきら君
六十番中山 信行君
六十一番橘  正剛君
六十二番野上 純子君
六十三番谷村 孝彦君
六十四番山田 忠昭君
六十五番林田  武君
六十六番小宮あんり君
六十七番吉住 健一君
六十八番神林  茂君
六十九番野島 善司君
七十番服部ゆくお君
七十一番伊藤 ゆう君
七十二番原田  大君
七十三番佐藤 広典君
七十四番西岡真一郎君
七十五番尾崎 大介君
七十六番山口  拓君
七十七番伊藤まさき君
七十八番松下 玲子君
七十九番野上ゆきえ君
八十番今村 るか君
八十一番たぞえ民夫君
八十二番吉田 信夫君
八十三番小磯 善彦君
八十四番長橋 桂一君
八十五番藤井  一君
八十六番鈴木貫太郎君
八十七番こいそ 明君
八十八番遠藤  衛君
八十九番田中たけし君
九十番宇田川聡史君
九十一番鈴木 隆道君
九十二番三原まさつぐ君
九十三番田島 和明君
九十五番吉田康一郎君
九十六番斉藤あつし君
九十七番泉谷つよし君
九十八番くまき美奈子君
九十九番大西さとる君
百番いのつめまさみ君
百一番小沢 昌也君
百二番石毛しげる君
百三番大津 浩子君
百五番清水ひで子君
百六番ともとし春久君
百七番東村 邦浩君
百八番中嶋 義雄君
百九番木内 良明君
百十番古賀 俊昭君
百十一番吉原  修君
百十二番鈴木あきまさ君
百十三番宮崎  章君
百十四番川井しげお君
百十五番三宅 茂樹君
百十六番吉野 利明君
百十七番比留間敏夫君
百十八番門脇ふみよし君
百十九番増子 博樹君
百二十番大塚たかあき君
百二十一番酒井 大史君
百二十二番山下 太郎君
百二十三番大沢  昇君
百二十四番中村 明彦君
百二十五番馬場 裕子君
百二十六番和田 宗春君
百二十七番大山とも子君

 欠席議員 なし
 欠員
    九十四番 百四番

 出席説明員
知事石原慎太郎君
副知事佐藤  広君
副知事猪瀬 直樹君
副知事吉川 和夫君
副知事村山 寛司君
教育長大原 正行君
東京都技監建設局長兼務村尾 公一君
知事本局長秋山 俊行君
総務局長笠井 謙一君
財務局長安藤 立美君
警視総監樋口 建史君
主税局長新田 洋平君
生活文化局長井澤 勇治君
スポーツ振興局長細井  優君
都市整備局長飯尾  豊君
環境局長大野 輝之君
福祉保健局長杉村 栄一君
産業労働局長前田 信弘君
港湾局長中井 敬三君
会計管理局長松田 芳和君
消防総監北村 吉男君
交通局長野澤 美博君
水道局長増子  敦君
下水道局長松田 二郎君
青少年・治安対策本部長樋口 眞人君
病院経営本部長川澄 俊文君
中央卸売市場長中西  充君
選挙管理委員会事務局長影山 竹夫君
人事委員会事務局長多羅尾光睦君
労働委員会事務局長加藤 英夫君
監査事務局長塚本 直之君
収用委員会事務局長細野 友希君

十一月三十日議事日程第一号
第一 第百五十一号議案
職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第二 第百五十二号議案
東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三 第百五十三号議案
東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
第四 第百五十五号議案
学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第五 第百五十四号議案
東京都非常勤職員の公務災害補償等に関する条例の一部を改正する条例
第六 第百五十六号議案
東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
第七 第百五十七号議案
東京都屋外広告物条例の一部を改正する条例
第八 第百五十八号議案
東京都再開発等促進区を定める地区計画等の案の作成手続に関する条例の一部を改正する条例
第九 第百五十九号議案
東京都景観条例の一部を改正する条例
第十 第百六十号議案
東京のしゃれた街並みづくり推進条例の一部を改正する条例
第十一 第百六十一号議案
東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の一部を改正する条例
第十二 第百六十二号議案
東京都児童会館条例を廃止する条例
第十三 第百六十三号議案
東京都障害者施策推進協議会条例の一部を改正する条例
第十四 第百六十四号議案
東京都障害者支援施設等に関する条例の一部を改正する条例
第十五 第百六十五号議案
東京都立療育医療センター条例の一部を改正する条例
第十六 第百六十六号議案
東京都立重症重度心身障害児者施設条例の一部を改正する条例
第十七 第百六十七号議案
食品衛生法施行条例の一部を改正する条例
第十八 第百六十八号議案
食品製造業等取締条例の一部を改正する条例
第十九 第百六十九号議案
東京都立病院条例の一部を改正する条例
第二十 第百七十号議案
都民の健康と安全を確保する環境に関する条例及び都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
第二十一 第百七十一号議案
東京都風致地区条例の一部を改正する条例
第二十二 第百七十二号議案
東京都水防条例の一部を改正する条例
第二十三 第百七十三号議案
東京都下水道条例の一部を改正する条例
第二十四 第百七十四号議案
特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
第二十五 第百七十五号議案
都立港地区第二特別支援学校(仮称)(二十三)改築工事請負契約
第二十六 第百七十六号議案
東京都議会議事堂(二十三)改修工事請負契約
第二十七 第百七十七号議案
東京体育館(二十三)改修工事請負契約
第二十八 第百七十八号議案
東京都議会議事堂(二十三)電気設備改修工事請負契約
第二十九 第百七十九号議案
東京都議会議事堂(二十三)空調設備改修工事請負契約
第三十 第百八十号議案
東京体育館(二十三)改修空調設備工事請負契約
第三十一 第百八十一号議案
環状第二号線隅田川橋りょう(仮称)鋼けた製作・架設工事(二十三 五─環二)請負契約
第三十二 第百八十二号議案
環二朝潮運河橋りょう(仮称)PCけた製作・架設工事(二十三 一─環二築地)請負契約
第三十三 第百八十三号議案
当せん金付証票の発売について
第三十四 第百八十四号議案
東京都営住宅、東京都福祉住宅、東京都特定公共賃貸住宅、東京都地域特別賃貸住宅、東京都引揚者住宅等の指定管理者の指定について
第三十五 第百八十五号議案
東京都石神井学園の指定管理者の指定について
第三十六 第百八十六号議案
東京都小山児童学園の指定管理者の指定について
第三十七 第百八十七号議案
東京都船形学園の指定管理者の指定について
第三十八 第百八十八号議案
東京都八街学園の指定管理者の指定について
第三十九 第百八十九号議案
東京都勝山学園の指定管理者の指定について
第四十 第百九十号議案
東京都片瀬学園の指定管理者の指定について
第四十一 第百九十一号議案
東京都八王子自立ホームの指定管理者の指定について
第四十二 第百九十二号議案
東京都視覚障害者生活支援センターの指定管理者の指定について
第四十三 第百九十三号議案
東京都日野療護園の指定管理者の指定について
第四十四 第百九十四号議案
東京都清瀬喜望園の指定管理者の指定について
第四十五 第百九十五号議案
東京都八王子福祉園の指定管理者の指定について
第四十六 第百九十六号議案
東京都七生福祉園の指定管理者の指定について
第四十七 第百九十七号議案
東京都千葉福祉園の指定管理者の指定について
第四十八 第百九十八号議案
東京都東村山福祉園の指定管理者の指定について
第四十九 第百九十九号議案
地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターに対する出資について
第五十 第二百号議案
地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターによる土地及び建物の譲渡の認可について
第五十一 第二百一号議案
地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター定款の変更について
第五十二 第二百二号議案
東京都立大島公園海のふるさと村の指定管理者の指定について
第五十三 第二百三号議案
東京都立奥多摩湖畔公園山のふるさと村の指定管理者の指定について
第五十四 第二百四号議案
東京都立多幸湾公園の指定管理者の指定について
第五十五 第二百五号議案
東京都檜原都民の森の指定管理者の指定について
第五十六 第二百六号議案
東京都奥多摩都民の森の指定管理者の指定について
第五十七 第二百七号議案
特種用途自動車(誘導標識車)の買入れについて
第五十八 第二百八号議案
特種用途自動車(災害部隊支援車)の買入れについて
第五十九 第二百九号議案
特種用途自動車(災害用大量排水システム車)の買入れについて
第六十 第二百十号議案
特種用途自動車(交通情報提供車)の買入れについて
第六十一 第二百十一号議案
ヘリコプターの買入れについて
第六十二 諮問第一号
地方自治法第二百六条の規定に基づく審査請求に関する諮問について

   午後一時開会・開議

〇議長(和田宗春君) ただいまから平成二十三年第四回東京都議会定例会を開会いたします。
 これより本日の会議を開きます。

〇議長(和田宗春君) まず、議席の変更を行います。
 議席変更の申し出がありますので、会議規則第二条第三項の規定により、鈴木貫太郎君を百六番から八十六番に、ともとし春久君を八十六番から百六番に、それぞれ変更いたします。

〇議長(和田宗春君) 次に、会議録署名議員の指名を行います。
 会議録署名議員は、会議規則第百二十四条の規定により、議長において
   十二番  くりした善行君 及び
   六十六番 小宮あんりさん
を指名いたします。

〇議長(和田宗春君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

〇議事部長(鈴木省五君) 平成二十三年十一月二十二日付東京都告示第千六百三十五号をもって、知事より、本定例会を招集したとの通知がありました。
 また、平成二十三年十一月二十二日及び三十日付で、本定例会に提出するため、議案六十二件の送付がありました。
 次に、選挙管理委員会委員長より、選挙管理委員及び同補充員の任期について、来る平成二十三年十二月二十二日をもって満了するとの通知がありました。
 次に、知事より、平成二十三年第三回定例会の会議において同意を得た、監査委員の任命について、発令したとの通知がありました。
 次に、人事委員会より、平成二十三年十月二十八日付で、都の一般職の職員の給与についての勧告等がありました。
 次に、知事より、東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄について報告がありました。
 また、地方自治法第百八十条第一項の規定による議会の指定議決に基づき専決処分した訴えの提起、損害賠償額の決定及び和解に関する報告がありました。
 次に、監査委員より、例月出納検査の結果について報告がありました。
 また、監査結果に基づき知事等が講じた措置に関する報告がありました。
(別冊参照)

〇議長(和田宗春君) この際、平成二十三年十月二十五日付をもちまして、全国都道府県議会議長会において、自治功労者として表彰を受けられました方々をご紹介いたします。
 在職十年以上、林田武君、中村明彦君、高橋かずみ君、矢島千秋君、山田忠昭君、相川博君、野島善司君、山加朱美さん、吉原修君、大塚たかあき君、酒井大史君、山下太郎君、和田宗春。
 ここに敬意を表し、心からお祝い申し上げます。
   〔拍手〕

〇議長(和田宗春君) 次に、文書質問に対する答弁書について申し上げます。
 第三回定例会に提出されました文書質問に対する答弁書は、質問趣意書とともに送付いたしておきました。ご了承願います。
   〔文書質問趣意書及び答弁書は本号末尾(一二ページ)に掲載〕

〇議長(和田宗春君) 次に、東京都議会友好代表団について申し上げます。
 本議会を代表いたしまして、去る十一月三日から五日まで、ソウル特別市へ、去る十一月十日から十四日まで、北京市へ、それぞれ友好代表団を派遣いたしました。
 友好代表団を代表いたしまして、それぞれ報告のため発言の申し出がありますので、これを許します。
 ソウル特別市訪問東京都議会友好代表団団長遠藤衛君。
   〔八十七番遠藤衛君登壇〕

〇八十七番(遠藤衛君) 東京都議会友好代表団のソウル特別市訪問についてご報告をいたします。
 酒井大史副団長を初め、民主党、自民党、公明党、日本共産党の各会派代表から成る友好代表団十名は、ソウル特別市議会議長の招請を受けて、平成二十三年十一月三日から五日までの三日間、ソウル特別市を訪問いたしました。
 訪問の目的は、東京都とソウル特別市との友好、親善に寄与するとともに、両都市の共通する都市問題等に関して調査及び意見交換を行い、都議会における政策立案に資することでありました。
 まず最初に、ソウル特別市議会の許光泰議長を表敬訪問いたしました。
 昭和六十三年に友好都市提携を結んで以来、東京都議会とソウル特別市議会とは、文化、経済、教育、スポーツなど、広範な分野における多彩な交流が行われてまいりましたが、今回の訪問により、両都市の相互理解と友好が一層高まってきたことを確認いたしました。
 許光泰議長からは、十月末に行われたソウル特別市長選挙後の市政の課題などについて説明があり、特に、新しい福祉政策などについて活発な意見を交換いたしました。
 また、東日本大震災の発生に対し、ソウル特別市議会議員から義援金を五月に、直接、都議会にお持ちいただいたことに対し、東京都議会を代表してお礼を申し上げました。
 次に、視察といたしましては、韓国でのIT化の取り組みを代表する瑞草区でのワンストップの行政サービスの実情やCCTV活用による安全監視システムの運営状況、ソウルの交通状況を総括運営、管理しているソウル特別市交通情報センター及び街園初等学校を視察いたしました。
 まず、瑞草区において、陳翼喆区長から区の概要の説明を受けた後、OK民願センターを視察いたしました。
 ここでは、住民の許可申請や証明書の交付手続等が一カ所で解決できる、いわゆるワンストップで行政のサービスが受けられるようになっており、住民対応の窓口状況や市民の反応、また、経済効果などについて、意見交換を行いました。
 また、これまで部署別に分散運営をしていたCCTVを統合することにより、市内の状況を二十四時間、リアルタイムに監視しているソチョ25時センターを視察いたしました。
 ここは、カメラを通した違法駐車の自動取り締まりから、高齢者世帯の遠隔保護システム、防犯カメラ、公共施設の管理まで、幅広く市民の安全を監視しているとの説明を受け、カメラの設置に対する市民の反応や犯罪発生の予防効果、運営体制、投資費用などについて、率直な意見交換を行いました。
 次に、ソウル特別市交通情報センターでは、バスに設置されたCCTVカメラと道路上のカメラやGPSによる交通情報、無人不法駐車監視システム、交通事故等の突発情報などの各種情報を収集し、加工し、地方警察庁や道路公社、交通放送などの関係各機関に提供している状況を視察いたしました。
 また、これらの情報をもとにして、バスの運行管理情報は、インターネットなどを通してリアルタイムで市民に提供されており、事故等の即時確認、駐車マナー向上と公共交通の利便性を高めることに役立っているとの説明がありました。道路状況にあわせた信号調整の検討やカードシステム導入時の財政支援などについては、活発な意見交換を行いました。その後、実際にバス停を視察し、運行状況や低床バスの表示など、障害者にも配慮された案内表示を確認いたしました。
 街園初等学校では、各教室、化学実験室、図書館、障害児教育室、体育館などを訪れ、子どもたちの実際の授業を視察いたしました。
 特に印象に残りましたのは、勉強だけではなく、生徒みずからが給食の食材を育て、伝統食をつくるなど、韓国の伝統や文化を大切にする心や、ものづくりを大切にする心をはぐくむ教育に力を入れていることでした。さらに、アジア各国の文化を紹介する機会を設けるなど、国際化に対応しているとの説明もありました。
 意見交換の中で、特に親教育の必要性に触れられていたことは、私は強く関心を持ったところでございます。
 今回、最新のIT技術を活用した住民サービスの現場や、韓国の伝統文化を大切にしている学校教育の現場などを視察することができました。
 三日間という短い訪問でしたが、両都市の友好のきずなを一層深めるとともに、活力あるソウル特別市のありのままの様子を見聞し、お互いに抱える諸問題とその解決策について大いに議論をするなど、大変有意義な訪問となりました。
 今回の視察及び意見交換を、今後の都政に生かしてまいりたいと思っております。
 最後に、このたびの訪問に当たり、お世話をいただきました許光泰ソウル特別市議会議長及び陳斗生副議長、そのほかの多くの関係者の方々に、団員一同、心より厚く御礼を申し上げまして、私の報告とさせていただきます。(拍手)

〇議長(和田宗春君) 続きまして、北京市訪問東京都議会友好代表団団長門脇ふみよし君。
   〔九十八番門脇ふみよし君登壇〕

〇九十八番(門脇ふみよし君) 東京都議会友好代表団の北京市及び青島市訪問についてご報告をいたします。
 山加朱美副団長を初め、民主党、自民党、公明党、日本共産党の各会派代表から成る友好代表団十名は、北京市人民代表大会常務委員会の招聘を受け、平成二十三年十一月十日から同十四日までの五日間、北京市及び青島市を訪問いたしました。
 訪問の目的は、先ほどのソウル特別市と同様でありますが、東京都と北京市との友好、親善を深めるとともに、両都市に共通する都市問題等に関して調査及び意見交換を行い、都議会における政策立案に資することでありました。
 まず、十一月十日から同十二日まで、北京市を訪問いたしました。
 北京市人民代表大会常務委員会の杜徳印主任──この主任というのは、都議会ですと議長さんがカウンターパートに当たる方でございますが──及び常務委員会関係者を表敬訪問いたしました。
 昭和五十四年の友好都市締結以来、文化、経済、教育など、広範な分野において続けてきた交流が、両都市の友好に大きく貢献をしてきたことはいうまでもありません。今後とも、東京都と北京市、東京都議会と北京市の人民代表大会常務委員会、東京都民と北京市民の交流を深めていくことが重要であると確信をいたしました。
 また、現在、北京市が離脱をいたしておりますアジア大都市ネットワーク21については、人大常務委員会と北京市人民政府と協議をするということを、団員全員で情報共有してまいりました。
 さらに、東日本大地震の直後に杜徳印主任からお見舞状を、また、中国からは、被災地へ人的、資金両面から援助をいただきましたことに対して、東京都議会を代表いたしまして、お礼を申し上げてまいりました。
 次に、北京市が計画、整備を進めている大規模なごみ処理施設である朝陽循環経済産業パークを視察いたしました。ごみ焼却工場、埋立処分場、生ごみの肥料化プラントなどの処理施設と、余熱やメタンガスによる発電、浸出水の再利用などの施設があり、省エネルギーやリサイクルに取り組んでいました。ここでは、日本の技術を数多く取り入れており、意見交換では、日本の廃棄物処理、管理についての先進的な技術力に対する高い期待を強く感じたところであります。
 そのほか、北京市の三千年に及ぶ歴史と都市計画に基づく将来像を映像、模型により展示する都市計画展示館や、中国初の国立劇場である国家大劇院の歌劇、音楽、演劇ホールを視察し、施設の稼働状況や演題の選定などについて意見を交わしました。
 なお、この施設については、今日まで日本によるオーケストラの演奏は一度もなく、ぜひ東京都交響楽団にも、この場所で演奏をしてもらいたいという要請がございました。
 続いて、十二日から十四日まで青島市を訪問いたしました。
 青島市は、中国東部沿岸地域の経済の中心地として、交通、運輸の重要な結節点となっております。市内では高速道路や地下鉄、高層住宅の建設が進められるなど、活発な経済活動が行われておりました。
 また、市街地から港湾地区に渡る世界最長の海上橋である青島膠州湾大橋を渡り、青島港のコンテナバースを視察いたしました。青島港の昨年のコンテナの取扱量は世界の第八位で、ことしの取扱量はさらにふえる見込みであることなど、中国の活発な経済活動に支えられた港湾であり、その優位点やその施設設備の状況、運送状況などについて活発に意見を交換いたしました。
 また、二〇〇八年北京オリンピックでヨット競技が行われたオリンピックヨットセンターが、現在、新しいランドマークとして市民の憩いの場や観光資源となっている状況や、歴史的建造物を観光資源として活用している青島迎賓館などを視察し、旧市街での開発規制や建築物の保存などについて意見交換を行いました。これらは東京の観光政策などを考える上でも十分に参考になったものと思います。
 さらに、中国最大の家電メーカーであるハイアールの本社を視察いたしました。この会社の歴史と企業経営方法の変化、顧客ニーズへの対応、在庫期間などについての説明を受け、中国の経済発展の原動力を実感するとともに、経営実態や消費者本位のニーズ対応などについて意見交換を行いました。
 今回の友好訪問では、急速な発展著しい北京市と国際港湾都市である青島市を訪問し、その変化と現代化への取り組みを理解する有意義な機会でありました。また、視察先などでは、中国側から、日本と中国がともに繁栄、発展をしていこうという言葉が、たびたび聞かれたところであります。
 これらの視察及び意見交換は、都議会における今後の政策立案にも大いに参考になるものと考えております。
 最後に、このたびの訪問に当たり、お世話をいただきました北京市及び青島市の皆さんに、改めて心より厚く御礼を申し上げまして、私の報告とさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)

〇議長(和田宗春君) 以上をもって東京都議会友好代表団の報告は終わりました。

〇議長(和田宗春君) 次に、東京都議会海外調査団について申し上げます。
 本議会において、去る十一月六日から十二日まで、ロンドン、ベルリン及びミュンヘンへ、また、十一月四日から十四日まで、ブエノスアイレス、コロニアデルサクラメント、リオデジャネイロ及びサンパウロへ、それぞれ海外調査団を派遣いたしました。
 海外調査団を代表いたしまして、それぞれ報告のため発言の申し出がありますので、これを許します。
 五十四番鈴木勝博君。
   〔五十四番鈴木勝博君登壇〕

〇五十四番(鈴木勝博君) このたび、都議会を代表して、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック招致活動及びエネルギー問題という都政の最重要課題について調査、視察をしてまいりましたので、ご報告をさせていただきます。
 本調査は、平成二十三年十一月六日から十二日までの日程で行い、ロンドン、ベルリン、ミュンヘンの三都市を訪問いたしてまいりました。
 また、調査団としては、都議会民主党の大塚たかあき議員を団長に、小山くにひこ議員、そして、私、鈴木勝博、三名の議員団で行ってまいりました。
 今回の海外視察は、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック招致が、まさに十月の第三定例会で、自民党、公明党との共同提案により招致決議されました直後の視察となり、来年行われるロンドン・オリンピックでの日本選手の活躍と東京オリンピック・パラリンピック招致成功のための具体的な招致戦略となるご報告ができることとなりました。
 さらに、在英日本大使館でのレセプションでは、石原都知事の親書を林駐英大使にお渡しすることも行ってまいりました。
 また、三月十一日の東日本大震災により、日本のエネルギー政策を根本から見直す必要がある中、イギリス、ドイツのエネルギー政策を調査することは、今後の日本のエネルギー問題を解決する上で大変重要であり、また、首都東京のエネルギー政策を構築する上でも大変参考になるものでした。
 一方、ヨーロッパの多くの方々が、福島第一原子力発電所の事故に対し、大きな不安を抱いている中、今回の訪問先では、ドイツ語で翻訳をしました東京の防災指針や原発事故への具体的な対応について説明をし、東京の安全をアピールすることも尽力してまいりました。
 多くの調査目的を達成した、充実した視察ができましたことを、心より感謝いたします。
 まず、東京オリンピック・パラリンピック招致活動の政策に関しては、ロンドン、ベルリン、ミュンヘンと、すべての訪問先で視察、調査してまいりました。
 ロンドンでは、メーンスタジアムがあるオリンピックパーク、そして、日本人では初めて入ることを許されました選手村など、急ピッチで進む施設を視察しました。すべての施設会場がオリンピック閉会後にどのように有効利用されるのか計画済みとのこと、むだのないオリンピック計画が進んでいました。招致活動の拠点となるジャパンハウス、それを支えるナッシュ事務所にもお伺いしました。
 ロンドン・オリンピックこそ、まさに東京オリンピック招致活動の最大のロビー活動の場となります。石原知事には、ぜひともジャパンハウスに陣取っていただいて、多くのIOCメンバーへ首都東京のアピールをしていただければと思います。
 また、ロンドンでは、ロンドン市役所にお伺いし、オリンピックとロンドンの都市政策について話をお伺いしました。ロンドンシティーがもはや大きな再開発ができない場所であるため、ロンドンでは、ロンドンプランに基づき、ドックランズ構想を打ち出し、東部地区の開発に取り組んでいます。その構想に大きく貢献するのが、オリンピック開催でのインフラ整備と雇用政策であるということでした。
 ベルリンでのオリンピック会場は、二〇〇六年FIFAワールドカップの決勝会場にもなった場所です。一九三九年のオリンピックメーンスタジアムが、七十年という時を経ても世界の最大イベントができるということに、ドイツ人の誇りを感じました。
 ミュンヘンでは、一九七二年ミュンヘンオリンピックの競技場であったオリンピックパークを視察しました。すばらしい観光スポットとして、また、国民の憩いの場として有効に利用されております。ここでも、ドイツ人の実利主義が見てとれました。
 東京のレガシーである国立競技場をリメイクしてメーンスタジアムにする今回のオリンピック計画は、招致活動の成功に大変有効な計画になることを確信しました。
 環境政策、エネルギー政策については、まず、ロンドン市役所において、ロンドンの交通政策、エネルギー政策について調査をしました。できるだけ公共交通を充実させ、自動車の利用を制限するための政策がとられています。詳細は報告書に記載をいたしてまいります。
 また、エネルギー政策も、今までの北海ガス田に依存するエネルギー政策では十分な供給ができないため、今後は、風力発電などの代替エネルギーに切りかえていくこと、また、電力自由化による弊害も出てきており、イギリスにおいてもエネルギー問題は大きな課題となっているということでした。
 省エネ住宅では、イノベーションパークを視察してまいりました。ここでは、太陽光や断熱技術、風力など、さまざまな省エネ技術を集大成した幾つもの住宅を視察してまいりました。
 ベルリンでは、環境省でのヒアリングを行ってまいりました。ドイツでの核廃絶に向けた具体的なプラン、再生エネルギー政策、省エネ政策、住宅政策、電気自動車政策など、ヒアリングをしてまいりました。ドイツのエネルギー政策は、ドイツの経済成長戦略でもあるという確固たるドイツの自信、日本の目指すべき方向ではないかと改めて考えさせられました。
 ベルリン市内の電力やガスを供給している欧州最大手企業ヴァッテンファルでは、天然ガス発電所を視察しました。ベルリン市内はコージェネレーションシステムで冷暖房をしており、都市のエネルギーインフラが東京とは大きく異なっています。
 ミュンヘンでは、再生可能エネルギーを拡大しているエネルギー企業シュタットベルケ・ミュンヘンを訪問しました。ミュンヘンのエネルギー政策を市から委託されている公営企業です。ドイツでは、再生可能エネルギーを扱う企業には、どんどん投資がされているということ、日本の企業にはうらやましい限りです。
 続いて、民間の投資を再生エネルギーに向けるための保険会社を訪問しました。ミュンヘン再保険会社では、再生可能エネルギーの技術や企業のリスクを保険で賄い、投資家がより投資しやすい環境をつくることに挑戦をしているとのことでした。
 ドイツでは、政・官・財が一体となり、まさに環境大国としての道を歩んでいると実感をしました。
 今回の海外視察は、都議会の都合上、一たん取りやめにはなりましたが、都政の最重要課題でありますオリンピック招致、そして、エネルギー政策に大変参考になる視察となりました。今後の都政運営にしっかりと生かしていく所存です。
 最後に、今回の視察で、さまざまな方にご尽力をいただきましたこと、この場をおかりしまして心より厚く御礼を申し上げ、視察報告とさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)

〇議長(和田宗春君) 続きまして、百十六番吉野利明君。
   〔百十六番吉野利明君登壇〕

〇百十六番(吉野利明君) このたび、都議会を代表して、都議会自由民主党は、私、吉野利明を団長として、林田武議員、高橋信博議員、吉住健一議員の四名で、アルゼンチン、ウルグアイ、ブラジルの三カ国、四都市において調査活動をしてまいりました。以下、その概要を報告させていただきます。
 このたびの訪問先と視察目的は、アルゼンチンにおいてはCNG自動車政策、観光施策、自転車施策でありました。CNG自動車の普及への取り組みでは、政府機関と民間団体と二カ所での聞き取り調査を行いました。自転車施策については、ブエノスアイレス市の担当者と、観光施策については、政府の観光庁長官と意見交換や質疑を行いました。
 ウルグアイにおいてはコロニア県庁の観光局に世界遺産を生かした観光施策についての聞き取り調査を、ブラジルにおいてはリオデジャネイロ市を訪問しオリンピック等の調査、サンパウロ市においては世界自然遺産保全の取り組みについて調査活動を行いました。
 期間としては、十一月四日から十一月十四日までの十一日間の調査活動となりました。計画では十日間の日程となっておりましたが、旅行会社の手違いで帰国が一日延びたことを、あわせてご報告いたします。
 アルゼンチンでのCNG自動車の普及率は、車両全体の二〇%以上で、世界第三位となっております。また、CNG自動車への改造キットの輸出は一大産業となり、第一位のパキスタンへの輸出も盛んだとのことであります。天然ガススタンドの件数は、当初に政府が設置した三カ所が、誘導策で千九百カ所を超えるほどになっています。
 自転車施策については、ブエノスアイレス市の交通副庁にて、交通手段の分散のために自転車利用の促進を始めたとの説明を受けました。市民へのアンケートでの、通勤に利用する際の障壁となる交通事故のリスクを減らすために、自転車専用通路を現在までに七十キロ、二年後までに二百五十キロメートルにまで延長する予定とのことでした。
 アルゼンチン観光庁では、リオデジャネイロで開催されるオリンピック・パラリンピックや、サッカーのワールドカップにかかわる来客を自国に引き寄せるために、ブラジルとの協力関係の構築に力を入れているとのことでありました。
 ウルグアイのコロニア県庁の観光局では、世界遺産登録の継続に向けた取り組みや、観光施策について説明を受けました。歴史的景観を残す市街地全体が世界遺産としての対象となっているため、建築制限などの施策の導入も検討されているとのことです。道路や公園など共有部分の整備等については、現在、コロニア県庁が単独で行っているそうですが、国策として政府からの支援も要請しているとの説明を受けました。
 ブラジルのリオデジャネイロにおいては、オリンピック関連施設間の移動に使われる地下鉄の整備現場を訪問し、調査活動を行いました。施設間の移動距離が長い弱点を克服すると同時に、大会終了後も市民の交通手段として活用できるよう、計画的に路線を計画されていました。また、ブラジルは自然環境の保全を重視する国柄なので、周辺環境に大変配慮された工事手法をとり、植物の移植など、具体的に取り組んでいる様子もうかがうことができました。
 大会施設関係では、メーン会場となるマラカナン競技場を初め、ジョアン・アヴェランジェ競技場、プレスセンターの状況を視察し、説明を受けました。既存の施設を改修し活用するため、施設内で説明を受けることができました。また、選手村の整備予定地も視察し、大会終了後の使い方等の工夫について説明を受けてまいりました。
 ブラジルオリンピック委員会においては、オリンピック・パラリンピック大会の理念や、なぜリオデジャネイロに招致することになったのか、二回の挑戦が実らなかった後に、なぜ三回目の挑戦をしたのかという点について説明を受けてまいりました。
 そのほか、とにかく総会で投票権を持っている人物に投票する気になってもらう努力をすべきとの指摘をいただきました。折しも、オリンピック開催経験都市の会議が開催されているさなかであり、東京都のオリンピック招致担当部長もリオデジャネイロに出張してきたようであります。IOC委員への理解を深めることができたか、期待しているところであります。
 最後に、世界自然遺産における調査活動です。
 サンパウロ市中心部から二百キロメートル離れた大西洋岸森林保護区におきまして、現地事務所の方と保護区内を徒歩で視察し、現場の取り組みを聞かせていただきました。
 特に、自然林を保全するために、先住民族との共存や、生活上のルールづくりの取り組み、警察権を持った自然保護区内のガードマンの存在など、日本国内と異なった状況が調査を通じて知ることができました。
 今回の海外調査に当たっては、調査団全員が参加し、調査項目の事前調査や東京都の取り組み状況についての検討を行い、訪問先での質問事項もあらかじめ準備をした上で出発をしました。そのため、受け入れ先での質疑や意見交換の時間が足りなくなる場面もございました。
 また、東京都の取り組みや日本の状況について質問される場面も多く、事前の研修が有効に活用できました。また、曜日の関係で官庁が閉じていた日は、調査項目に該当する場所を視察し、自分の目で見、現地で生活をしている方のお話をお聞きし、訪問先での調査活動がより有効に行えたと考えております。
 報告は以上であります。
 詳細につきましては、現在、報告書として取りまとめているところでありますので、本日は概要のみ口頭にて報告させていただきました。
 ありがとうございました。(拍手)

〇議長(和田宗春君) 以上をもって東京都議会海外調査団の報告は終わりました。

〇議長(和田宗春君) 会期についてお諮りいたします。
 今回の定例会の会期は、本日から十二月十五日までの十六日間といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(和田宗春君) ご異議なしと認めます。よって、会期は十六日間と決定いたしました。

〇議長(和田宗春君) この際、知事より発言の申し出がありますので、これを許します。
 知事石原慎太郎君。
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 平成二十三年第四回都議会定例会の開会に当たりまして、都政運営に対する所信の一端を申し述べ、都議会の皆様と都民の皆様のご理解、ご協力を得たいと思います。
 去る十月十日、名誉都民である中村芝翫さんが逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表し、心よりご冥福をお祈りいたします。
 さて、平成二十三年も間もなく終わりを迎えようとしておりますが、ことしほど我々が、戦後築き上げてきた繁栄がいかにもろいものであったかということを思い知らされた年はなかったと思います。
 未曾有の大震災と原発事故は、危機に対処できない政治の姿を浮き彫りにいたしました。また、ギリシャの財政悪化に端を発するヨーロッパの金融危機も、決して対岸の火事ではありません。国が積み上げてきた借金は、我が国のGDPの二倍、一千兆円を超えようとしておりまして、ヨーロッパの国であればEUにも加盟できないほど国家財政が悪化している事実を忘れてはなりません。
 我々が物質的豊かさを謳歌し、肝心なことから目を背けてきた結果、日本は瀬戸際にまで追い込まれたわけであります。
 にもかかわらず、国のかじ取りを担うべき政治は、みずから未来を切り開くという気概に欠け、日本の将来の姿すら描けずにおります。それゆえ、国家発展のかなめであるエネルギーの問題に対して、どの程度の経済成長を望み、そのために、いかなるエネルギーをどれだけ確保するかという国家の基本戦略を構築することもできておりません。
 国際関係に目を転ずれば、アメリカは影響力を増している中国を横目に見ながら、日本に環太平洋パートナーシップ協定、TPPへの参加を迫り、アジア太平洋地域における権益を拡大しようとしております。国民の生活に重大な影響を及ぼすこの問題に対し、ここでも政治は国家としての主体性を欠き、アメリカの顔色ばかりをうかがって右往左往するていたらくであります。
 イギリスの歴史家トインビーがその著書で、国家滅亡の最大の原因は自己決定能力の喪失であると述べているとおり、我が国が生き残るためには、他力本願ではなく、みずからの力を頼りに進むしか道はありません。
 もとより日本は、みずから活路を切り開く力を有しております。世界が垂涎する技術、これを生み出す発想力を備えた人材などは、我が国が誇るべき貴重な財産であります。
 しかし、国の政治家や官僚は、日本の力を正当に評価できず、これを束ねて国家の大計に組み入れ、世界と対峙していくという発想もありません。むしろ、アメリカが、日本の技術力をひそかに評価、認識し、自国の世界戦略の展開のために活用するという皮肉な状況すら生まれております。このままでは、我が国は、ますます存在感をなくし、日本再生の手がかりとなるべき強みすら失うことになります。
 我々は、今を生きる日本人の責任として、このまま座して、この国が沈み行くのを見過ごすわけにはいきません。ならばこそ、多彩な人材、志のある企業が集積する東京が、国をも動かすことで、崩れかけた我が国の足元をいま一度固め直し、日本が再び浮き上がるために、確かな手ごたえを取り戻してまいりたいと思います。
 都は、確固たる意思で国家の再生につながる政策を戦略的に展開し、日本の力を十二分に引き出してまいります。
 災害に脆弱な都市が国際的な信用を得られないことは論をまちません。アジアのヘッドクオーターたらんとする東京は、いかなる災害に直面しても、確実に都民の生活が守られ、一刻たりとも日本の頭脳、心臓がとまらない高度防災都市を目指してまいります。
 高度防災都市は、帰宅困難者対策一つにしても、社会全体で取り組まなければその実現は不可能であります。強い災害対応力を持つためには、公助の充実はもちろんのこと、自助、共助の機運を高めていく必要があります。また、遠隔地での地震にもかかわらず、大混乱を来した今回の震災での教訓も踏まえて、東海、東南海、南海三連動地震への対応力も備えなければなりません。
 今般、こうした観点に立って、施策を重層的に展開すべく、東京都独自の対策を東京都防災対応指針として取りまとめました。
 今回の震災では、鉄道が運休し、都内で三百五十万人に上る多量の帰宅困難者が発生いたしました。さらには、JR東日本では、駅から締め出された乗客が行き場を失い、混乱に大きな拍車をかけました。大災害発生時に無理に帰宅することは、建物の倒壊や火災に巻き込まれる危険もありまして、道路渋滞が救助車両の到着を遅くさせるなど、被害を拡大することになりかねません。
 そこで、今後、条例を制定し、行政、企業、都民、国民が連帯して帰宅困難者対策に取り組む体制を整えてまいります。企業などが、食料、飲料水の備蓄を確保して、従業員などが安全な場所にとどまれるようにし、駅やデパートなどの大規模施設には利用者保護を求めるとともに、一時待機施設を確保するなどの対策を進めます。
 一方、今回の大震災では、携帯電話が通じず、不安感や情報不足の中で帰宅を余儀なくされた方々が多数おりました。家族の安否や交通機関、待機施設の状況などの情報は、冷静な行動を促すためのかぎであります。そこで、電話だけではなく、インターネットなどの多様な手法も活用することで、家族が連絡を取り合い、災害時に必要な情報を入手できるよう、民間とも協力しながら通信基盤の拡充に取り組んでまいります。
 災害への対応力も高めてまいります。大災害発生時には、行政による公助だけでは限界がありまして、自助、共助こそが命を守ることになります。そこで、区市町村と連携し、まずは意欲がある地域を選び、さまざまなノウハウを学べるように支援することで防災隣組の構築を加速させます。
 公助の取り組みも充実させてまいります。被災地で広範な活動を展開した災害時の専門医療チーム、東京DMATに、医療資機材を搭載した専用車両を配置しまして、現場での機動的な活動を支えます。警察、消防については、被災地での実地の経験を踏まえ、迅速かつ効果的な救助活動に必要な装備や車両を充実してまいります。
 首都を高度防災都市に進化させるには、そのための財源が必要であります。国は、みずからの財政運営の失敗を糊塗するため、道理もなく東京から法人事業税の一部を奪い続けておりまして、これを絶対に取り戻さなければなりません。国には、法人事業税の暫定措置の撤廃を強く求めております。都議会の皆様のご協力をぜひともお願いいたします。
 国がエネルギー戦略を描けない中、我が国の産業社会を支えているエネルギーをめぐる状況は厳しい現実に直面しております。九都県市には、運転開始から四十年を超える発電効率の悪い老朽火力発電所が多く存在しております。こうした発電所は、今後五年間でさらに増加し、その出力は、東京のこの夏の最大使用電力の三分の二に当たる一千万キロワットにも上ることになります。その更新は急務ですが、もはや電力会社だけを当てにすることはできません。このままでは、安定供給に支障が出かねず、地球環境にも悪影響を及ぼします。
 そこで、都が呼びかけ、九都県市共同で発電所の更新などに民間資金を活用するための官民連携のインフラファンドを創設すべく、活動を開始いたしました。あわせて、国にも、安価で安定的な天然ガス確保に向けた戦略の構築、発電事業への民間事業者の参入促進について要求をいたしました。
 都独自の対策も進めております。百万キロワット級の天然ガス発電所の建設では、選定した五カ所の都有地について、外部の専門的な知見も活用しながら、技術面、事業スキーム、採算性などの詳細な検証に着手をしております。
 電力会社からの電力だけに頼らない、地域分散型発電の新たなモデルビルディングにも取り組んでおります。災害時の司令塔である都庁舎の機能がとまらぬよう、地域冷暖房センターで発電した電力を導入して、発災時においても、通常の業務に必要な量の電力を確保するなど、電源の多元化を進めます。防災公園には、非常用発電設備を設置し、応急、復旧活動の拠点としての機能を強化いたします。また、臨海副都心には、発電施設を設置し、自前の送電網を敷設して、地域に電力と熱を供給する新たな仕組みを構築いたします。さらに、大規模な都市開発の機会などをとらえて、民間と連携して、高効率な発電システムを設置するなど、低炭素でありながらも、災害時にとまることのない都市を目指してまいります。
 東京のさらなる発展、日本全体の活力の発揮のためには、都市基盤の充実強化を図っていかなければなりません。
 とりわけ、外環道の整備は、知事就任以来、都政の最重要施策に掲げ、国を動かし、事業化してまいりました。しかし、国は、昨今の国政の混乱によって、事業手法やその財源をいまだに定めることができません。
 外環道の完成がおくれれば、日本全体に大きな経済的損失を与え続けるだけではなく、東京が被災した際には、我が国が東西に分断されかねません。都は一刻も早い完成に向けて、用地取得の経験豊富な職員を投入し、建設用地の取得を加速させております。国には、外環道整備の重要性、緊急性を認識させ、必要な予算を確保して、速やかに大深度地下トンネル工事に着手するよう強く求めてまいります。
 また、現在建設を進めている環状二号線の豊洲─虎ノ門間は、都心部と臨海部の連絡を強化し、地域の防災向上を図る上でも極めて重要な路線であります。本定例会では、勝どきと築地を結ぶ隅田川橋梁工事などの契約に関する議案を提案しております。平成二十七年度の全線開通を目指して全力で取り組んでまいります。
 東京の地下鉄は、世界に類を見ない高密度で正確、安全な公共交通で、東京が誇るべき都市インフラであります。しかし、歴史的経緯から二元的な経営となっておりまして、その機能を十全に発揮できてはおりません。
 そこで、東京の地下鉄の一元化等に関する協議会で都が提案したサービス改善策を進めております。都営地下鉄と東京メトロの九段下駅のホームを隔てる壁の撤去にも着手いたします。また、都営の岩本町駅と東京メトロの秋葉原駅の乗り継ぎについて、新たに割引の対象に加えるなど、目に見える形でのサービス向上を図ります。今後も、利用者の視点に立って、東京の地下鉄をさらに使いやすいものへと変えてまいります。
 一方、国は、復興財源と称して、実は、これまでのずさんな財政運営を取り繕うため、都との合意もなく、東京メトロの株式を売却する動きを見せております。この株の安い時代にです。出方によっては、東京都が株式の購入を辞さない覚悟で国と対峙してまいります。
 首都に集中、集積する企業の力を引き出し、日本の再生を牽引すべく、東京が具体的な戦略を展開してまいります。
 先日、ベンチャー技術大賞の表彰式に出席いたしました。あらゆるものに用いられるねじに新しい発想を持ち込んで、製品の安全性、耐久性を飛躍的に高めることになる決して緩むことのないねじが、大賞を受賞しました。従業員わずか三人の小さな会社が、創意と工夫によって生み出したこの世界的な新技術を見るにつけても、技術の開発力こそ国力の源であるということを改めて実感いたしました。
 都は、こうした日本の力を正当に評価し、支援することで、中小企業の力を十分に引き出してまいります。
 日本人の感性の結晶である卓越した技術も、知的財産の権利を確実に防衛しなければ、激しい国際競争の中で、日本の努力は、ただ他国を利するだけになりかねません。特許出願や外国からの特許侵害の調査費用を助成するだけでなく、知的財産総合センターに、新興国を初め、各国の知的財産の制度に熟知した専門家を配置し、具体的な助言を行うことで、中小企業の海外展開を後押ししてまいります。
 都自身が持つ技術力も戦略的に活用することで日本の産業力を強化しながら、海外が抱える問題の解決にも積極的に貢献してまいります。
 世界最高水準の水道技術の国際展開では、ベトナム、インドネシアなど四カ国で企業と連携し、具体的な調査を行っております。このうちベトナムでは、国内の自治体で初めて海外に本格進出をいたします。企業などと現地に合弁会社を設立し、来年度にも浄水場の建設に乗り出します。
 また、現在多くの日本企業が世界の水ビジネス市場へ乗り出そうとしております。そこで、民間企業を広く公募して、その海外進出を後押しするプログラムを開始いたしました。五十五社の登録があり、今後、それぞれの会社が持つ強みを組み合わせて、企業連合の形成に結びつけ、技術的な協力を行うなど、積極的に支援をいたします。
 首都東京が培った技術とノウハウを海外の現場で最大限生かすことで、日本の成長を牽引してまいります。
 現下の厳しい経済情勢、雇用情勢にも対応する必要があります。とりわけ昨今の歴史的な円高などで、厳しい経営環境に置かれている中小企業を支えなければなりません。年末相談の実施に加え、中小企業の年末の資金を手当てするつなぎ融資の上限額も引き上げ、円高に対応した融資の要件を緩和いたします。また、地域の金融機関の目きき力を活用した都独自の融資制度により資金繰りに万全を期すなど、切れ目なく支援策を講じてまいります。
 さらに、これから年末を迎えるに当たり、離職を余儀なくされた方々が安心して新年を迎えられるよう、手だてを講じなければなりません。公共サービスの分野では、区市町村とも連携し、また介護や子育てなどの福祉保健分野では、民間事業者と連携することで、緊急的な雇用の場を新たに創出いたします。解雇や雇いどめなどの労働問題については、特別相談会を実施するなど、きめ細かく対応してまいります。
 日本の成長を担うのはすぐれた人材であります。首都東京から次代を担う若者の可能性を引き出すべく取り組みを強力に推し進めてまいります。
 先日、第一回の教育再生・東京円卓会議を開催し、日本の若者の危機を肌で感じながら、これを克服すべく行動を起こされている方々と議論をいたしました。その中で、全寮制教育を施すことによって、今の若者に不足している人間関係の原体験をさせているという中高一貫校の話がありました。
 現代は、他人との摩擦を恐れて生身の人間関係を築けず、携帯電話のメールやインターネット上のみで意思を交わし合う若者たちがふえてきております。空疎で実質を欠いたかかわりでは、人間同士の真の連帯を築くことはとてもできず、個性がなくひ弱で内向き志向の若者たちがふえるばかりであります。世界に飛び出し、国際社会の中で渡り合える人材を育てるためにも、こうした実践例も役立てながら、できることから政策に反映してまいります。
 今後も、幅広い視点から議論を展開し、東京から次代を担う強い若者を育ててまいりたいと思います。
 OECDの国際学習到達度調査でありますPISAによれば、外国に比べて我が国では、科学への興味、関心や科学の楽しさを感じている生徒の割合が低いなど、若者たちの間で理科離れが起こっております。このままでは、日本の国力の源たる技術の開発力も衰えかねません。
 そこで、東京は、小学校という早い段階からの科学教育を充実させてまいります。小学校だけではなく理科の中学校教員免許も持った教員を採用するための新たな仕組みを構築いたします。既に、中学校教員免許を持っている現職の教員とあわせて、科学教育の中核を担わせます。さらに、実験の方法など実践的な研修も充実させ、理科に対する子どもたちの興味や関心を呼び起こすための腕を磨かせてまいりたいと思います。
 次に、オリンピック・パラリンピック招致について申し上げますが、先日、最高顧問の野田総理を初め、各大臣、被災県の知事、スポーツ界、経済界の方々から成る招致委員会の評議会が開催され、各方面からの参加を得た招致体制が今回初めて整いました。もとより肝心なのは行動でありまして、国家同士の熾烈な戦いを勝ち抜くべく、国には、財政保証の早期発行や国立霞ヶ丘競技場の再整備など主体的な取り組みを求めます。
 震災を乗り越え、日本を再生していくためにも、オリンピック・パラリンピックの開催をぜひとも実現しなければならないと思います。来年二月には、IOCに対して申請ファイルを提出いたします。都議会の皆様、都民、国民の皆様の力を招致に結集していただくよう、改めてよろしくお願い申し上げます。
 次に、冬季国体について申し上げます。
 国と日本体育協会から要請を受けまして、平成二十五年の冬季国体を東京で開催することにいたしました。これにより、平成二十五年を、一月の冬季国体に始まり、東京マラソン、秋のスポーツ祭東京二〇一三と続くスポーツイヤーとしてまいります。また、スピードスケートについては、福島県内で競技会を行います。スポーツの力で被災地の人々を元気づけ、スポーツの感動を多くの都民、国民に体感してもらうことで、オリンピック・パラリンピックの招致機運を盛り上げる絶好の機会ともしてまいります。
 さて、未曾有の大震災から既に八カ月余りが経過しましたが、いまだに大量の瓦れきが被災地の復旧、復興を阻んでおります。
 被災地の厳しい現実を前にすれば、今求められていることは、口先だけの励ましではなく行動であります。戦後長くしみついた自分のことしか考えないというあしき風潮をこの際捨て去って、震災によって呼び覚まされた同胞への連帯の心を確かなものとしなければ、被災地の復興、日本の再生はあり得ません。
 都は、懸命に立ち上がらんとする被災地の後押しをするために、区市町村や民間とも力を合わせて、岩手県と宮城県からの瓦れきを受け入れることにいたしました。東京が安全性を十分確認した上で、情報の公開についても徹底し、瓦れきを受け入れているという事実は、必ずや全国の自治体を動かし、被災地の復旧、復興が大幅に加速されるものと確信しております。東京は、ノウハウを惜しみなく提供いたします。
 行財政改革でも全国を先導しております。国は、むだを削ると称し、事業仕分けを行いましたが、冷静な分析に基づいた作業とはとても思えず、大した成果も上がっておりません。
 一方、都は、全国に先駆けて新公会計制度を本格導入しております。複式簿記・発生主義によって作成した財務諸表を活用して事業評価の精度を高め、これを毎年度の予算編成の中に組み込むことで、むだをあぶり出し、費用対効果の高い施策を生み出しております。
 都は、この改革の意義を全国の自治体に訴え、導入を支援してまいりました。これが実を結び、大阪府、町田市に続いて、新潟県と愛知県が同じ新しい会計制度を本格的に導入することになりました。今後も、行財政改革に高い意欲を持つ全国の自治体を積極的に後押ししてまいります。
 これらにとどまらず、知事就任以来、都議会の皆様とともに新しい発想で我が国を引っ張る先進的な取り組みを重ねてまいりました。九都県市で進め、国を動かしたディーゼル車排出ガス規制や、大都市の実情を踏まえ、少子化に対して果敢に取り組む都独自の認証保育所、さらには、地球温暖化の危機に対応する世界初の都市型キャップ・アンド・トレードもまたしかりであります。
 いうまでもなく、東京は、日本の頭脳部、心臓部であって、その果たすべき役割は、首都として、国家の危機を乗り越える牽引役になることであります。それゆえ、都は、ひとり東京のためのみならず、日本全体のためという大きな志を持って政策を展開していかなければなりません。首都東京としての志を持って、都議会の皆さんとともに、大震災を乗り越え、日本の未来を切り開くべく、都政運営に全力を尽くしてまいります。
 なお、本定例会には、これまで申し上げたものを含め、条例案二十四件、契約案八件など、合わせて六十二件の議案を提出しております。よろしくご審議をお願いいたします。
 以上をもちまして所信表明を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

〇議長(和田宗春君) 知事の発言は終わりました。

〇七十四番(西岡真一郎君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日は、質問に先立ち議事に入られることを望みます。

〇議長(和田宗春君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(和田宗春君) ご異議なしと認めます。よって、質問に先立ち議事に入ることに決定いたしました。

〇議長(和田宗春君) 日程第一から第四まで、第百五十一号議案、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例外議案三件を一括議題といたします。
 本案に関し、提案理由の説明を求めます。
 副知事佐藤広君。
   〔副知事佐藤広君登壇〕

〇副知事(佐藤広君) ただいま上程になりました第百五十一号議案外三議案につきましてご説明申し上げます。
 これらの議案は、東京都人事委員会勧告を踏まえまして、職員の給与に関して所要の改正を行うものでございます。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
(議案の部参照)

〇議長(和田宗春君) 以上をもって提案理由の説明は終わりました。
 なお、本案につきましては、地方公務員法第五条第二項の規定により、あらかじめ人事委員会の意見を徴しておきました。
 議事部長をして報告いたさせます。

〇議事部長(鈴木省五君) 人事委員会の回答は、第百五十一号議案から第百五十三号議案及び第百五十五号議案について、いずれも異議はないとの意見であります。

二三人委任第八三号
平成二十三年十一月二十四日
東京都人事委員会委員長 関谷 保夫
 東京都議会議長 和田 宗春殿
「職員に関する条例」に対する人事委員会の意見聴取について(回答)
 平成二十三年十一月二十二日付二三議事第二九三号をもって照会があった議案に係る人事委員会の意見は、左記のとおりです。
       記
提出議案
一 第百五十一号議案
職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
二 第百五十二号議案
東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
三 第百五十三号議案
東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
四 第百五十五号議案
学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
意見
異議ありません。

〇七十四番(西岡真一郎君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております第百五十一号議案外三議案については、委員会付託を省略し、原案のとおり決定されることを望みます。

〇議長(和田宗春君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(和田宗春君) ご異議なしと認めます。よって、第百五十一号議案外三議案は原案のとおり可決されました。

〇七十四番(西岡真一郎君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会し、明十二月一日から六日まで六日間、議案調査のため休会されることを望みます。

〇議長(和田宗春君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(和田宗春君) ご異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれをもって散会し、明十二月一日から六日まで六日間、議案調査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、十二月七日午後一時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後二時八分散会


文書質問趣意書及び答弁書

平成23年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 中村ひろし

質問事項
一 子どもの安全と地域安全マップづくり推進事業について

一 子どもの安全と地域安全マップづくり推進事業について
 10月11日から20日までは全国地域安全運動が行われます。また、東京都では、地域ぐるみで子どもたちを犯罪から守る取り組みを推進するために、11月を「子供安全ボランティア推進月間」と定めています。こうした機会にあたって安全について地域でも確認することが大切です。とりわけ子どもについては、地域でいかに守っていくのかと同時に子ども自身も安全についての意識を高める必要があります。都では、平成17年度から「地域安全マップづくり推進事業」を行い、子ども自身が地域を歩き、どこが危険かを点検することで犯罪被害防止能力を育成する取り組みを行っています。しかし、安全については継続して取り組まなければ時間とともに効果は薄れてしまうため、引き続き事業推進を行う必要があります。地域の子どもたちの安全を守るために都としてもさらなる施策推進を行っていただくことを趣旨として、以下質問します。
1 地域安全マップづくり推進事業について、都がどのような取り組みを実施してきたのか伺います。
2 平成22年度の予算と決算額、実績を伺います。また、地域安全マップづくりを、都内の市区町村立小学校のどの程度が実施しているのか伺います。すでに導入済みの学校が多いと思いますが、継続して行うことが必要であり、そういう視点からの把握はされているのでしょうか。一度取り組みを行ってマップを作成しても、生徒児童も変わりますし、まちも変わっていきます。継続した取り組みが必要だと考えますが、ご所見を伺います。
3 安全教育の効果は分かりにくいものですが、少なくとも地域安全マップを取り組んできてどのような効果があったと認識しているか伺います。
4 多くの学校がコミュニティスクールとして、保護者だけではなく地域の方が参加するようになってきた中で、地域安全マップも学校だけでなく、地域も巻き込んだ取り組みとして展開できます。そもそもマップを作ることだけが目的ではないのですから、地域を巻き込んだ安全対策として発展させる必要があると考えますが、所見を伺います。
5 私が安全マップづくりを見学すると、子どもが危険な個所を示すのは、まず交通事故が起こりそうな場所を示すようです。車が多いと交通事故に遭う可能性が高まりますが、逆に車が少なく人通りも少ないと犯罪の危険性が高まるとの考えもあります。交通事故と犯罪は逆な部分もあるのですが、両方大切なことです。安全教育を進める上で、小学校ではどのように指導しているのか所見を伺います。
6 地域安全マップづくりは、子どもを犯罪から守るという治安対策部門と、安全教育を所管する教育委員会との連携が大切であると考えます。教育委員会の所見を伺います。
7 最近、定着してきたからかもしれませんが、地域安全マップ事業があまり注目されなくなり、報道もあまりされないように思います。安全の最大の敵は「慣れ」であり、冒頭にも述べましたが継続した取り組みが必要です。今後どのように事業展開していくのか伺います。

平成23年第三回都議会定例会
中村ひろし議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 子どもの安全と地域安全マップづくり推進事業について
1 地域安全マップづくり推進事業について、都がどのような取り組みを実施してきたのか伺う。

回答
 都では、子供の犯罪被害防止能力の向上を目的とした地域安全マップづくりを推進するため、平成17年度から、マップづくりの指導者を養成する「地域安全マップ専科」、地域安全マップづくりの理論的背景を学ぶ「地域安全マップ研修会」等を開催し、平成22年度までに教員や警察関係者など約5000人が受講しています。
 また、指導用のマニュアルやDVDの作成等を行い、地域安全マップづくりの普及に努めています。

質問事項
一の2 平成22年度の予算と決算額、実績を伺う。また、地域安全マップづくりを、都内の市区町村立小学校のどの程度が実施しているのか伺う。また、すでに導入済みの学校が多いと思うが、継続した取り組みが必要だと考える。所見を伺う。

回答
 本事業の平成22年度の実績は、予算額1751万8000円に対し、決算額952万5000円で、新たに地域安全マップ作製指導マニュアル及びDVDを作成したほか、地域安全マップ専科等の講座を開催しました。作製指導マニュアル及びDVD作成契約の差金が出たことや安価・無償の会場を使用できたことなど経費を節減することができ、執行率は54.4パーセントでした。
 また、青少年・治安対策本部が都内の区市町村立小学校約1300校に対して、犯罪機会論を児童の指導に応用した地域安全マップづくりの実施状況について調査したところ、平成18年度において「実施したことがある」と回答した学校は553校であり、今年度の調査において「平成22年度に実施した」と回答した学校は676校でした。
 子供を犯罪から守るためには、学校における継続した地域安全マップづくりの取組が有効であると考え、引き続き指導者養成などの支援を行っていきます。

質問事項
一の3 安全教育の効果は分かりにくいものだが、少なくとも地域安全マップを取り組んできてどのような効果があったと認識しているか伺う。

回答
 地域安全マップを実践した教員の評価として、「危険予測能力が身に付き、自分のことは自分で守る意識が高まった」、「5、6年生合同のマップづくりを実施しているが、6年生は後輩に教える立場としての自覚が芽生えた」などが挙げられています。
 また、子供からは、「大人に守ってもらうばかりでなく、自分たちでも気をつけなければいけない」、「私が注意すれば犯罪にあいにくくなることも知り、注意して生活していこうと思う」など、犯罪被害防止に役立つ体験をしたとの感想が寄せられています。

質問事項
一の4 多くの学校がコミュニティスクールとして、保護者だけではなく地域の方が参加するようになってきた中で、地域安全マップも学校だけでなく、地域を巻き込んだ安全対策として発展させる必要があると考えるが、所見を伺う。

回答
 子供を犯罪から守るためには、保護者や学校だけでなく、警察や自治体はもとより町会、自治会をはじめとした地域の方々が力を合わせることが極めて重要です。
 都では、平成21年度に地域の方々を対象とした地域安全マップマニュアルを作成し、区市町村や町会・自治会などに配布して、小学校におけるマップづくりへの協力や地域の防犯活動への応用を呼びかけるなど、子供とまちを犯罪から守るため、地域ぐるみの取組を推進しています。

質問事項
一の5 車が多いと交通事故に遭う可能性が高まるが、逆に車が少なく人通りも少ないと犯罪の危険性が高まるとの考えもある。交通事故と犯罪は逆な部分もあるが、両方大切なことである。安全教育を進める上で、小学校ではどのように指導しているのか所見を伺う。

回答
 都内の公立小学校では、発達の段階や地域の実態に応じて、児童自身が交通事故や犯罪、自然災害等の危険から、自らの命を守る安全教育を、関係団体や保護者等と連携して実施しています。
 その一環として行われる安全マップづくりには、「交通安全マップ」、「地域安全マップ」、「災害安全マップ」と大きく3種類あります。
 「交通安全マップづくり」は、見通しの悪い交差点や歩道の有無等、交通環境を調べて地図にまとめる学習です。
 また、「地域安全マップづくり」は、高い塀に囲まれて外部から見えにくい場所等、犯罪が起こりやすい場所を、「災害安全マップづくり」は、避難場所や給水場所等、災害時に必要な情報を調べて地図にまとめる学習です。
 これらの体験的、実践的な「安全マップづくり」の学習を通じて、児童自身が実際に地域を歩きながら、安全の視点から自分の住む町の環境に目を向け、危険を予測し、回避する能力や態度を身に付ける指導をしています。

質問事項
一の6 地域安全マップづくりは、子どもを犯罪から守るという治安対策部門と、安全教育を所管する教育委員会との連携が大切であると考えるが、教育委員会の所見を伺う。

回答
 「地域安全マップづくり」をより効果的な学習活動とするためには、治安対策部門をはじめ地域の関係機関との連携・協力の上に進めることが重要です。
 そのため、都教育委員会では、公立学校の全教員に配布している東京都独自の「安全教育プログラム」に、青少年・治安対策本部作成のビデオ教材「地域安全マップをつくろう!」等を活用した指導事例を掲載しています。
 また、都教育委員会が主催し、都内全公立学校悉皆参加で開催する「学校安全教室指導者講習会」において、「地域安全マップづくり」の優れた実践例を紹介するとともに、青少年・治安対策本部を介して警視庁の生活安全担当者を講師に招聘しています。
 今後もこうした取組を通じて、青少年・治安対策本部等、治安対策部門との連携・協力を図っていきます。

質問事項
一の7 地域安全マップ事業があまり注目されなくなり、報道もあまりされないように思う。安全の最大の敵は「慣れ」であり、継続した取り組みが必要である。今後どのように事業展開していくのか伺う。

回答
 今後も、都内の全小学校や地域において地域安全マップづくりを実施できるよう、学校、区市町村、警視庁、子供安全ボランティアなどと連携しながら、マップづくりの指導者の育成を継続します。
 また、平成22年度に、学校や地域で蓄積された有用な実施例や、授業に取り入れやすい効率的なカリキュラム例を掲載した、新たな指導マニュアル及びDVDを作成しました。それらを活用して、引き続き学校における地域安全マップづくりを普及、定着させていきます。

平成23年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 大島よしえ

質問事項
一 木造住宅密集地域の整備促進について

一 木造住宅密集地域の整備促進について
 木造住宅密集地域の整備は、倒壊と火災から都民を守るために不可欠の課題です。
 知事は第三回定例会の所信表明で「木造地域不燃化10年プロジェクト(仮称)」(以下「プロジェクト」)をたちあげ、取組を加速させると述べました。
 木造密集地域では、地域に長く居住している高齢者世帯の方も少なくありません。また、近隣の顔がみえ、声をかけやすい人間関係に強い愛着をもっている方も多くいます。それだけに、長いあいだかけてつくりあげられたコミュニティのかけがえない役割を尊重した地域の整備が必要になります。「プロジェクト」について、報道では、木造密集地域の解消をはかる、地区からの転居を勧めるといわれていますが、住民の追い出しは許されません。
 世田谷区太子堂地区、足立区関原地区などで行われてきた修復型のまちづくりでは、地域住民が主体的に「まちづくり協議会」を結成して、町の特性に応じた密集事業の整備計画、街づくりのルール、公園の基本計画などを住民と行政が共同して考え、行き止まり路の解消、建替えにあわせて通り抜け路の確保や、道路幅員の確保を進め、小規模用地は積極的に公園・広場を要所に配置し、災害に強い市街地づくりがおこなわれてきました。
1 木造住宅密集地域の耐震化・不燃化の推進にあたっては、地域の住民の合意と納得を原則にすべきだと考えますが、いかがですか。
2 住民が主人公になって整備を推進するためには、専門の知識をもって相談や啓発にあたるコンサルタントの存在が重要です。コンサルタントの派遣を都として支援すべきだと思いますが、いかがですか。
3 地震による住宅倒壊と火災から地域の住民の命と財産を守るためにあらゆる努力をはらうことが必要です。既存住宅の耐震化や不燃化にたいする都の助成の拡充を求めるものですが、いかがですか。
4 耐震化の拡充策として、高齢者や障がいをもつ方などいわゆる災害弱者がいる世帯にたいして助成の上乗せをおこなうべきではありませんか。
5 耐震性能を向上させる部分改修や段階的な改修を耐震化として扱っている区もあるが、こうしたとりくみの重要性について、都としてどのように認識していますか。
6 部分改修や段階的改修への助成にとりくむ区に対して、都として財政支援すべきだと思いますが、いかがですか。
7 外壁の難燃化など、住宅の不燃化へのとりくみについて、都として助成すべきだと思いますが、いかがですか。
8 コミュニティを保全しながら、空地や避難路の確保、不燃化など地震に強いまちづくりをすすめるためには、住宅や店舗、工場の建て替えへの支援が必要です。住宅や店舗、工場の建て替えへの助成を拡充すべきだと考えますがいかがですか。
9 とくに住宅の建て替えへの支援の強化が求められています。耐震基準を満たさない住宅を総合評点1.0以上を満たすものに建て替える場合には、整備費を都の耐震改修助成の対象にすべきではありませんか。延焼防止に貢献するということから、不燃化を促進する建て替えすべてを対象にするよう、不燃化助成を拡充すべきではありませんか。
10 賃貸住宅居住者など、従前居住者の住まいを確保するために、区市町村などが建設するコミュニティ住宅への支援も重要です。墨田区京島地域の事業では、費用の大半がコミュニティ住宅の整備費にあてられていますが、木造密集地域住宅は、土地や家屋の権利関係が複雑であったり、居住者が高齢で収入が少ない方が多かったりすることなどから、コミュニティ住宅の整備なしには、地域の整備は進まないと聞きます。都は、コミュニティ住宅の整備費への助成率を引き上げるべきではありませんか。

平成23年第三回都議会定例会
大島よしえ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 木造住宅密集地域の整備促進について
1 木造住宅密集地域の耐震化・不燃化の推進に当たっては、地域の住民の合意と納得を原則にすべきと考えるが、所見を伺う。

回答
 木造住宅密集地域は、老朽建築物が多いことに加え、狭あいな道路や行き止まり道路など、基盤が脆弱であり、安全なまちに造り変えていくためには、建築物の耐震化・不燃化とともに、避難や延焼防止に役立つ道路、公園等の基盤整備を行うことが重要です。
 こうした住民の安全を守るという公共性の高いまちづくりを進める上では、地元の理解を得ながら、スピード感を持って確実にやり遂げることが行政の責務です。
 このような考え方に基づいて、今後とも木造住宅密集地域の耐震化・不燃化に取り組んでいきます。

質問事項
一の2 住民が主人公になって整備を推進するためには、専門の知識をもって相談や啓発に当たるコンサルタントの存在が重要である。コンサルタントの派遣を都として支援すべきと思うが、所見を伺う。

回答
 木造住宅密集地域整備事業において、地元区が住民に対し、共同建替え等に関する計画作成や建設資金などの相談等を行うコンサルタントを派遣する場合、都は既に、その費用の一部を補助しています。

質問事項
一の3 地震による住宅倒壊と火災から地域の住民の命と財産を守るためにあらゆる努力をはらうことが必要である。既存住宅の耐震化や不燃化に対する都の助成の拡充を求めるものだが、所見を伺う。

回答
 住宅の耐震化を促進するためには、所有者自らがその必要性を認識し、主体的に取り組むことが不可欠です。
 一方、震災時に住宅が倒壊した場合、道路閉塞や出火により、避難・応急活動が妨げられるとともに、大規模な市街地火災につながるおそれがあるため、公共性の観点から、防災都市づくり推進計画に定める整備地域を対象に、区と連携して木造住宅の耐震化助成を行っています。
 不燃化については、同じく整備地域において、延焼を防止するという公共性の観点から、延焼遮断帯となる道路の沿道建築物の不燃化建替えや、老朽建築物の共同建替え等に対し、区と連携して助成を行っています。

質問事項
一の4 耐震化の拡充策として、高齢者や障がいを持つ方などいわゆる災害弱者がいる世帯に対して助成の上乗せを行うべきではないか。所見を伺う。

回答
 住宅の耐震化は、自助・共助・公助の原則を踏まえ、まず建物所有者が自らの問題であり、かつ、地域の問題であることを認識し、主体的に取り組むことが不可欠です。
 しかし、特に老朽化した木造建築物が集積した区域が連担する、防災都市づくり推進計画に定める整備地域では、震災時に住宅が倒壊した場合、道路閉塞や出火により避難・応急活動などが妨げられるとともに、大規模な市街地火災につながることから公的助成を行っています。
 また、阪神・淡路大震災等で、多数の高齢者等が犠牲になっていることを踏まえ、住宅の倒壊から高齢者や障害者等の生命を守るために、緊急に対応すべき施策として、耐震シェルター及び防災ベッドの設置費用助成を実施しています。
 都としては、耐震化に向けた建物所有者の意識を高め、積極的な行動を促すことが重要と考えており、普及啓発にさらに取り組むとともに、各種施策を着実に実施していきます。従って、御指摘のような助成の上乗せは考えていません。

質問事項
一の5 耐震性能を向上させる部分改修や段階的な改修を耐震化として扱っている区もあるが、こうした取組の重要性について、都としてどのように認識しているのか伺う。

回答
 部分改修については、住宅の耐震性能が十分に向上するとは限らず、地震発生時に倒壊し、道路閉塞を引き起こす可能性があることから、住宅の耐震化としては十分ではないと考えます。
 一方、段階的な改修については、建物の倒壊による道路閉塞の防止や、建物全体の耐震性が将来的に確保されることを前提としており、住宅の耐震化が図られるものと考えています。

質問事項
一の6 部分改修や段階的改修への助成に取り組む区に対して、都として財政支援すべきと思うが、所見を伺う。

回答
 住宅の部分改修への助成については、住宅の耐震性能が十分に向上するとは限らず、地震発生時に倒壊し、道路閉塞を引き起こす可能性があることから、助成対象とはしておりません。
 一方、段階的な改修については、建物の倒壊による道路閉塞の防止や、建物全体の耐震性が将来的に確保されることを前提としており、平成22年度から既に助成を開始しています。

質問事項
一の7 外壁の難燃化など、住宅の不燃化への取組について、都として助成すべきと思うが、所見を伺う。

回答
 都は、防災都市づくり推進計画に定める整備地域において、延焼を防止するという公共性の観点から、延焼遮断帯となる道路の沿道建築物の不燃化建替えや、老朽住宅の共同建替え等に対し、区と連携して助成を行っています。

質問事項
一の8 コミュニティを保全しながら、空地や避難路の確保、不燃化など、地震に強いまちづくりを進めるためには、住宅や店舗、工場の建替えへの支援が必要である。住宅や店舗、工場の建替えへの助成を拡充すべきと考えるが、所見を伺う。

回答
 都は、防災都市づくり推進計画に定める整備地域において、延焼を防止するという公共性の観点から、延焼遮断帯となる道路の沿道建築物の不燃化建替えや、老朽住宅の共同建替え等に対し、区と連携して助成を行っています。

質問事項
一の9 耐震基準を満たさない住宅を総合評点1.0以上を満たすものに建替える場合には、整備費を都の耐震改修助成の対象にすべきではないか。延焼防止に貢献するということから、不燃化を促進する建替え全てを対象にするよう、不燃化助成を拡充すべきと考えるが、所見を伺う。

回答
 住宅の耐震改修助成では、耐震改修だけでなく、建替えについても、耐震改修相当分の助成を既に行っています。
 また、防災都市づくり推進計画に定める整備地域において、延焼を防止するという公共性の観点から、延焼遮断帯となる道路の沿道建築物の不燃化建替えや、老朽住宅の共同建替え等に対し、区と連携して助成を行っています。今後とも、こうした公共性の観点から、対象を絞って助成を行っていきます。

質問事項
一の10 賃貸住宅居住者など、従前居住者の住まいを確保するために、区市町村などが建設するコミュニティ住宅への支援も重要である。都は、コミュニティ住宅の整備費への助成率を引き上げるべきと考えるが、所見を伺う。

回答
 木造住宅密集地域整備事業において、地元区が、従前居住者の受皿となるコミュニティ住宅を建設する場合、国が3分の2、都が6分の1を補助しています。限られた財源を効率的、効果的に活用する観点から、補助率の引上げは考えていません。

平成23年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 かち佳代子

質問事項
一 東京都内の放射能汚染対策について

一 東京都内の放射能汚染対策について
1 除染をすすめる提案について
 わが党は7月に、都内東部地域の159地点で地上高1メートル及び5センチメートルにおける放射線測定をおこないました。延べでは364カ所、地上5センチメートルの地表面では178箇所の測定です。その結果0.26毎時マイクロシーベルト以上、すなわち自然放射線量を除いても年間毎時2ミリシーベルトの箇所が半数以上、いわゆる「ミニホットスポット」も数多くありました。8月末から9月始めにおこなった都内東部地域の私立保育園・幼稚園の敷地内、特別支援学校の敷地周辺など子どもたちの生活の場でも、「ミニホットスポット」が多数存在することが確認できました。こうした事実に基づき、都民、とりわけ感受性の高い子どもたちを守るための安全対策を一貫して求めてきました。
 最初に、除染をすすめるためにいくつか提案します。
 前述の保育園・幼稚園では、行政の対応を待っていたのでは子どもたちの安全がとても心配だとして、自分たちで砂場の周囲、すべり台下の砂の入れ替え、排水溝、雨樋の清掃などで、約20万円支出した園があります。別の園では測定器や除染用の高圧洗浄機の購入、砂場の砂の入れ替え、園畑から収穫した野菜の放射能検査などで約40万円支出しています。
 これらの園では、除染の方法、除染した土の処分など、大きな不安をかかえていました。たとえば園庭の除染をしたとしても、園庭の上層部の樹木、園の屋根などに放射性物質が付着しているために、その除染を進めなければ、雨などでまた園庭の放射線が高くなる可能性があります。
 都の東部地域では、江戸川土手沿いが比較的高い放射線量の地域になっています。土手沿いの低地にあたる、葛飾区のある地域では、小学校もあり、地域住民が協力して土手下の除染を試みています。しかし、除染直後は放射線量が下がりますが、しばらくするとまたもとに戻ってしまうとのことです。よく見ると、雨が降った場合には、土手から低地に流れるようになっており、その低地の水が溜まりやすい場所が、「ミニホットスポット」になっていました。この土手の除染をどのようにすすめるかが、大きな課題になります。
 一方、国は、年間被ばく線量がおおむね1ミリシーベルト以下の地域についても、側溝や雨樋など局所的に高線量を示す箇所の除染に必要な支援を行うとしています。第3回定例会では都も「側溝や雨どいなど、局所的に高線量を示す箇所について、国が県及び市町村と連携し、住民を含めた関係者が安全かつ効率的、効果的に除染を行えるよう、必要な支援を行う」と答弁しました。
ア 江戸川土手沿いで「ホットスポット」になっている箇所については、除染を国へ要請するとともに、国の対応待ちになることなく、都としても必要な除染を具体化すること。
イ 道路脇の砂が溜まりやすい部分、排水溝・側溝、雨水が溜まりやすい場所、草地などの「ホットスポット」になりやすい場所などの「ミニホットスポット」について、公有地、民有地を含めて除染をすすめるためのマニュアルを作成し、区市町村と協力して、必要な除染を行うこと。その場合の、技術的、財政的支援をおこなうこと。
2 汚泥等の焼却場の排気ガスの検査方法について
 未だに除染がすすまないもとで、9月になっても下水道処理場の汚泥には東部スラッジプラント(江東区新砂)などで9000ベクレル毎キログラム以上、葛西水再生センター(江戸川区臨海町)で2万ベクレル毎キログラム以上が検出されています。こうした比較的高濃度の放射性物質が含まれる汚泥を下水道処理場で焼却していますが、その排気ガスに放射性物質が含まれているのではないかという、都民の不安が広がっています。
 私たちは、下水道焼却施設からの排煙の放射線量測定を求めてきましたが、8月9日にようやく、その結果が発表されました。ところが、下水道処理場の排気ガスの測定は、大量に排出されるガスをたった月に1回、それもわずか約4立方メートルを取り出して測定するものにすぎません。
ア また、都民は、こうした排気ガスの放射性物質の排出を防止するフィルターの機能について、大きな不安をもっています。放射性物質を遮断する上で、各施設のフィルターの性能が十分かどうか、都民が納得できるように説明することを求めます。
イ 都内には下水道焼却施設は12カ所あり、毎日24時間稼働しています。そこから排出される排気ガス量からすると、検査のために排気ガスを捕捉している量は圧倒的に少なすぎます。施設ごとに少なくとも毎日、2回以上は測定し、公表するよう求めます。
3 廃棄物処理施設の放射能対策の強化について
  放射性物質が含まれている物を焼却している施設は、その他に、一般廃棄物焼却場があります。
ア 一般ゴミを焼却するすべての施設について、排気ガスの放射性物質の排出を防止するフィルターの機能について、都民に明らかにすること。
イ ゴミ焼却施設についても、都内には島部を除くと、46施設あります。ここから排出される排気ガスの捕捉量についても、前述の下水道汚泥焼却施設での提案のように、大幅に増やすとともに、施設ごとに測定し、公表するよう求めます。
ウ 被災地のガレキを含む産業廃棄物や混合廃棄物の処理についても、都民の不安の声が広がっており、前提として厳しいルール化をはかり、すべての施設に対する厳重な監視をおこなう態勢を整えるべきですがどうですか。
エ それぞれの廃棄物を運搬し受入れに際し使用する各運搬車等の、粉じん対策、放射性物質の飛散対策など、その仕様を公表するよう求めます。
オ 受入れる各施設の場所、焼却処理能力、焼却機能、焼却後の焼却灰の各運搬車等の、粉じん対策、放射性物質の飛散対策など仕様を公表するよう求めます。
カ 各施設の焼却排気ガスの各種有害物質、放射性物質の排出を防止するフィルターの機能について、都民に公表すること。各施設からの焼却排気ガスについてわが党が要求している下水道処理施設と同様の放射線量測定、各施設周辺の空間放射線量測定を義務づけるよう求めます。
4 中央防波堤の放射能環境への影響の検証について
  中央防波堤では、これまでの23区の下水道焼却灰汚泥、23区清掃工場の焼却灰、浄水場汚泥の受け入れに加えて、9月に入って、多摩地区の流域下水道処理上の焼却灰も受け入れを検討し始めました。さらに、今後東北地方の震災廃棄物の受入れも、取りざたされています。それぞれ、放射線量が国の受け入れ基準内であることが、基本になっています。
ア しかし、国の基準内だからということだけでは、都民の理解は得られません。なぜなら、国の基準は当初、8000ベクレル毎キログラムまでなら埋め立ててもよいとしていましたが、その後10万ベクレル毎キログラムまでを可能としました。このこと自体、その国の基準には何ら科学的な根拠がなかったということになります。都としては、この基準について、どのように認識していますか。
イ 放射性物質が含まれる汚泥、廃棄物、焼却灰全体の埋立処分量は膨大です。下水道焼却灰、ゴミ焼却場の焼却灰、浄水場の汚泥だけで、その量は約1日当り850トンにもなります。1キログラム当たりの放射線量が基準内だとしても、中央防波堤に埋立てる全体量から見て、大量の放射性物質が、長期に埋め立てられた場合の環境への影響についてすみやかに検証することが急務です。
5 農地の放射能汚染について
 農地の放射能汚染についてです。
 都は、この間、厚労省からの検査要請にもとづいて、農林水産物の放射能検査に取り組んでいますが、農産物の今の汚染の主要要因となっている土壌の放射能検査を行っておりません。その理由について、6月27日の都議会経済港湾委員会で、農林水産部長は「都内における空間放射線量の動向及び都内百カ所の地表五センチにおける測定の結果から見て、放射線量は減少している」と述べました。
 しかし、東京都の測定は不十分です。先に述べた通り、実際はいわゆる「ミニホットスポット」が各地で確認されており、福祉保健局長も第3回定例会で、「空間放射線量は均一ではなく、放射性物質が付着しやすい場所においては、線量が高くなる可能性がある」との認識を明らかにしました。
 先の農林水産部長の見解以降、都内の土壌の放射能汚染については、わが党の調査ばかりでなく、国、国の関連機関、大学の先生方の調査結果なども発表されており、それらによっても都内でも地域によっては高い放射線量のところがあることが確認されています。国では、航空機によるモニタリング調査をしており、近々その結果がでることになります。農地についても、「ミニホットスポット」がある可能性は否定できないのではないですか。
 また、都内では、堆肥による土づくり、農薬・化学肥料の低減など、いわゆる環境保全型農業に取り組んでいる農家が、全体の7割になります。そうした持続性の高い農業生産方式として「エコファーマー」として都から認定されている農家数は、この数年で急増しています。こうした土壌そのものの力を活かす上で、放射能の影響を考え、必要な対策をすすめなければなりません。
ア チェルノブイリ事故の時には、周辺の松林にいる微生物からミミズなどの土壌動物に及ぼす影響の研究結果が発表されています。それによると、放射線濃度の高い土壌のところほど、土壌中動物が放射性物質の影響で死滅していることを示すデータが発表されています。こういうことを考えると、たとえ、東京のように全体としては比較的低線量であっても、土壌中の放射性物質が生態系にどのような影響を与えているのかを検証、調査することが重要だと考えますが、どうですか。
 東京都は6月8日、21日に小麦、9月7日、15日にお米の放射線量測定を実施しています。そのお米の測定基準ですが、国は収穫の1週間前の「予備調査」、収穫後の「本調査」を基準としています。「予備調査」の基準は、土壌中の放射性セシウムが1000ベクレル毎キログラムの市町村ごとに1点。空中放射線量が0.1毎時マイクロシーベルト以上の市町村で概ね5点。それ以外の市町村では任意などとしています。この調査では、稲藁、籾殻、胚芽なの放射線量が不明です。
イ 稲藁、籾殻などは、畑を掘り起こして入れたり、家畜ふんと混合した肥料にしたり、飼料化する場合があります。胚芽などは、米ぬかにもします。これらの放射線量をすべて測定し、発表すべきではありませんか。
 東京都は家畜ふん堆肥については、放射線量測定をおこない、その結果、たとえば、奥多摩町の鶏ふん堆肥、葛飾区の馬ふん堆肥が、国が定めた許容値の2倍以上が検出されました。また、国の定める基準に達しないが、青梅市、羽村市、昭島市で高濃度のものが検出されたり、八丈島の牛ふん堆肥、山羊ふん堆肥及び大島町の牛ふんで放射性セシウムが検出されています。
 家畜のえさとなる、エン麦、デントコーンからも、国の規制値を下回るものの放射線が検出されています。仮に家畜のふんに放射性物質があるとすると、家畜が内部被ばくしているということになります。
ウ 今後、安心して家畜のふんを堆肥に使うことができるようにするためにも、何が原因になっているのか検査をする必要があります。これらの堆肥の中には、動物のふん以外に、おがくず、落ち葉、土壌が入っているため、何が原因で高濃度の放射性物質が検出されたのかはわかりません。それぞれの測定をするよう求めます。
エ 食用にする家畜もいるわけですから、食肉の全頭検査をするよう求めます。
オ 家畜ふん堆肥、農林水産物の放射線測定の検査機器を拡充するよう求めます。
 家庭園芸用の土のリサイクル事業として、不要な土を回収して堆肥に混ぜて再生して区民に提供することが都内では行われています。公園、学校などの樹木の剪定で出る枝葉を、腐葉土にリサイクルする事業もあります。浄水場、下水道の汚泥の堆肥へのリサイクル事業もあります。自主的に腐葉土をつくって家庭菜園などに使用しているところもあります。
 私たちが8月末から9月初めにおこなった都内東部地域の私立保育園・幼稚園の放射線量測定では、側溝にたまった落ち葉を回収したものが、毎時3.75マイクロシーベルトという結果がありました。落ち葉、剪定材等のセシウム汚染も各地で報告されています。
カ 都として、落ち葉、土のリサイクル事業など、農家等へ流通する堆肥について放射線量とその影響について、検証するよう求めます。
6 奥多摩山間部の放射能問題
 8月下旬ごろから、山間部のキノコ、イノシシ、シカなど野生動物のセシウム汚染が報道されています。専門家からは、野生キノコは、山林の土や落ち葉に付着した放射性セシウムを吸着しやすいとの報告もされています。文科省がおこなった福島県内での森林調査によれば、放射性セシウムの5割から9割が表面の落ち葉や枯れ枝などの層にとどまっており、葉への付着・蓄積量は広葉樹林より針葉樹林の方が、約3倍多いということです。
 東京都については、文科省が行っている航空機によるモニタリング調査結果はまだですが、埼玉県の調査結果をみると、都内北西部の埼玉県境部、奥多摩の山間部に比較的高濃度の汚染があることが予想されます。
 奥多摩山間部の〔1〕土壌・落ち葉、〔2〕わさびなど林産物、〔3〕奥多摩湖のワカサギ、ウグイ等、〔4〕養殖魚、〔5〕奥多摩の山々で登山客、山小屋などで飲み水として利用される湧水、〔6〕シカ、イノシシなどの野生動物の肉、それぞれ検査を行うよう求めます。

平成23年第三回都議会定例会
かち佳代子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 東京都内の放射能汚染対策について
1 除染をすすめる提案について
ア 江戸川土手沿いで「ホットスポット」になっている箇所については、除染を国へ要請するとともに、国の対応待ちになることなく、都としても必要な除染を具体化することを提案するが、所見を伺う。

回答
 除染の枠組みを定めた放射性物質汚染対処特別措置法では、除染実施区域内の土地及びこれに存する工作物等の除染等の措置は、原則として管理者や市町村が行うこととされています。
 また、文部科学省が、平成23年10月21日に「当面の福島県以外の地域における周辺より放射線量の高い箇所への対応方針」を公表し、地域住民のニーズに応じて人、特に子どもの集まる公的スペース等において放射線量を測定するに際して参考となるガイドラインをあわせて提示しています。
 都としては、国による除染の枠組みの詳細検討を踏まえ、区市町村と連携して、対応を検討していく予定です。

質問事項
一の1のイ 道路脇の砂が溜まりやすい部分、排水溝・側溝、雨水が溜まりやすい場所、草地などの「ホットスポット」になりやすい場所などの「ミニホットスポット」について、公有地、民有地を含めて除染をするためのマニュアルを作成し、区市町村と協力して、必要な除染を行い、技術的・財政的支援を行うことを提案するが、所見を伺う。

回答
 除染の方法については、原子力災害対策本部が、市町村の効率的・効果的な除染実施に資するため、平成23年8月26日に「市町村による除染実施ガイドライン」を公表しています。
 また、文部科学省が、同年10月21日に「当面の福島県以外の地域における周辺より放射線量の高い箇所への対応方針」を公表し、地域住民のニーズに応じて人、特に子どもの集まる公的スペース等において放射線量を測定するに際して参考となるガイドラインをあわせて提示しています。
 都としては、国による除染の枠組みの詳細検討を踏まえ、区市町村と連携して、対応を検討していく予定です。

質問事項
一の2 汚泥等の焼却場の排気ガスの検査方法について
ア 下水道焼却施設からの排気ガスによる放射性物質の排出を防止するフィルターの機能について、都民は大きな不安をもっている。放射性物質を遮断する上で、各施設のフィルターの性能が十分かどうか、都民が納得できるように説明することを求める。所見を伺う。

回答
 下水汚泥の焼却によって生じる排ガスは、煙突から排出される前に、細かいちりなどを除去できる高性能フィルターに通し、その後、さらにアルカリ性の水によって洗うことで、固形物を99.9パーセント以上回収しています。
 水で洗った後の排ガスの成分を専門機関に委託して測定した結果、放射性物質は検出されませんでした。
 また、測定方法は、東京工業大学原子炉工学研究所において平成23年7月11日に「妥当」と評価されており、測定結果とあわせて、既にホームページで公表しています。
 さらに、下水汚泥を処理する施設の敷地境界の空間放射線量の公表についても、測定を2週間に1回であったものを、平成23年6月から毎週とし、さらに、測定箇所を増やすなど、きめ細かい情報提供に努めています。
 なお、測定結果は、都内の他の地域と変わらない数値になっており、周辺環境への影響はないと考えています。

質問事項
一の2のイ 都内には下水道焼却施設は12カ所あり、毎日24時間稼働している。そこから排出される排気ガス量からすると、検査のために排気ガスを捕捉している量は圧倒的に少なすぎる。施設ごとに少なくとも毎日、2回以上は測定し、公表するよう求める。所見を伺う。

回答
 排ガスに含まれる放射性物質の測定は、既に都内の汚泥処理プラントを有する全ての水再生センター12カ所で、平成23年6月から9月にかけて実施しました。
 測定方法は、汚泥焼却炉の煙突の途中から排ガスを引き抜き、粉じん等の固形物及びガス状物質をそれぞれろ紙で捕捉して放射能を測定するもので、東京工業大学原子炉工学研究所において平成23年7月11日に「妥当」と評価されています。
 測定結果は、全ての施設で不検出となっており、既にホームページで公表しています。

質問事項
一の3 廃棄物処理施設の放射能対策の強化について
ア 一般ゴミを焼却するすべての施設について、排気ガスの放射性物質の排出を防止するフィルターの機能について、都民に明らかにするよう求める。所見を伺う。

回答
 都内の清掃工場では、説明用のパンフレット等を作成しており、その中で排ガス処理設備を紹介しています。

質問事項
一の3のイ ゴミ焼却施設についても、都内には島部を除くと、46施設ある。ここから排出される排気ガスの捕捉量についても、前述の下水道汚泥焼却施設での提案のように、大幅に増やすとともに、施設ごとに測定し、公表するよう求める。所見を伺う。

回答
 都内の清掃工場における排ガスの測定に際しては、廃棄物資源循環学会の「2011年度災害廃棄物の燃焼試験計画」に準拠し、吸引流量等の採取条件を定めています。
 また、測定の頻度は、国の災害廃棄物の処理方針に示されています。
 これらに従い、都内の清掃工場では、各自治体が適正に測定、公表を行い、都もその測定結果を取りまとめ公表しています。

質問事項
一の3のウ 被災地のガレキを含む産業廃棄物の処理についても、都民の不安の声が広がっており、前提として厳しいルール化をはかり、すべての施設に対する厳重な監視をおこなう態勢を整えるべきだが、所見を伺う。

回答
 被災地からの災害廃棄物については、国の「東日本大震災により生じた災害廃棄物の広域処理の推進に係るガイドライン」で示されている基準、焼却灰の放射性物質濃度が8000ベクレル毎キログラム以下を満たすものを受け入れて処理します。
 そのため、岩手県では災害廃棄物の放射性物質濃度を測定するとともに、焼却試験を実施し、焼却灰の放射性物質濃度が基準を下回ることを確認しています。
 また、実際に、被災地から災害廃棄物を運び出す際は、積込前に廃棄物からの放射線量率や放射性物質濃度を測定するとともに、災害廃棄物の処理を行う全ての施設において、空間線量率や処理後の廃棄物の放射性物質濃度等の測定を行い、ホームページ等により、測定結果を公表していきます。

質問事項
一の3のエ それぞれの廃棄物を運搬し受入れに際し使用する各運搬車等の、粉じん対策、放射性物質の飛散対策など、その仕様を公表するよう求める。所見を伺う。

回答
 岩手県からの災害廃棄物の運搬については、気密性の高い鉄道コンテナを使用し、仮置場から処理施設までコンテナに入れた状態で運搬を行うため、運搬中に粉じんや放射性物質の飛散が生じることはありません。
 なお、運搬に用いる鉄道コンテナについては、ホームページ等により公表していきます。

質問事項
一の3のオ 受入れる各施設の場所、焼却処理能力、焼却機能、焼却後の焼却灰の各運搬車等の、粉じん対策、放射性物質の飛散対策など仕様を公表するよう求める。所見を伺う。

回答
 災害廃棄物の処理を行う廃棄物処理施設の場所、処理能力、焼却方式については、選定後、公表していきます。
 また、災害廃棄物の処理を行う焼却施設の焼却灰の運搬方法についても、ホームページ等により公表していきます。

質問事項
一の3のカ 各施設の焼却排気ガスの各種有害物質、放射性物質の排出を防止するフィルターの機能について、都民に公表するとともに、各施設からの焼却排気ガスについてわが党が要求している下水道処理施設と同様の放射性物質濃度測定、各施設周辺の空間放射線量測定を義務づけるよう求める。所見を伺う。

回答
 災害廃棄物の処理を行う焼却施設では、説明用のパンフレット等を作成しており、その中で排ガス処理設備を紹介しています。
 排ガスの測定に際しては、廃棄物資源循環学会の「2011年度災害廃棄物の燃焼試験計画」に準拠し、吸引流量等の採取条件を定めています。また、測定の頻度は、国の災害廃棄物の処理方針に示されています。
 これらに従い、災害廃棄物の処理を行う焼却施設で適正に測定し、その測定結果を公表していきます。

質問事項
一の4 中央防波堤の放射能環境への影響の検証について
ア 中央防波堤では東北地方の震災廃棄物の受入れも取りざたされている。放射線量が国の受け入れ基準内であることが基本になっているが、国の基準内だからということだけでは、都民の理解は得られない。都として、8000ベクレル毎キログラムから10万ベクレル毎キログラムまで引き上げた国の基準について、どのように認識しているか伺う。

回答
 埋立基準8000ベクレル毎キログラム以下という数値は、埋立作業者が受ける線量が年間1ミリシーべルトを下回る濃度レベルとして設定されたものです。
 一方、10万ベクレル毎キログラム以下という数値は、埋立処分場の跡地を居住等の用途に供しないこととした上で、跡地周辺住民の受ける線量が年間10マイクロシーベルトを下回る濃度レベルとして設定されたものです。
 なお、埋立処分場は一般の方は立入りできない場所にあることから、住民の健康、安全上の問題はありません。

質問事項
一の4のイ 放射性物質が含まれる汚泥、廃棄物、焼却灰全体の埋立処分量は膨大である。1キログラム当たりの放射線量が基準内だとしても、大量の放射性物質が長期に埋め立てられた場合の環境への影響についてすみやかに検証することが急務だが、所見を伺う。

回答
 放射性物質を含む廃棄物を埋め立てることによる周辺への影響及び処分場作業従事者の安全を確認するため、処分場内の空間放射線量率及び排水処理場の処理水等の放射性物質濃度を毎週測定しています。

質問事項
一の5 農地の放射能汚染について
ア チェルノブイリ事故の際の研究成果によると、放射線濃度の高い土壌のところほど、土壌中動物が放射性物質の影響で死滅している。全体としては比較的低線量であっても、土壌中の放射性物質が生態系にどのような影響を与えているのかを検証、調査することが重要と考えるが、見解を伺う。

回答
 農地土壌の放射性物質検査については、国が福島県やその周辺県において実施しています。都内の農地土壌についても平成23年12月を目途に実施することとしており、現在その詳細について国及び関係区市町村等と調整を進めています。

質問事項
一の5のイ 東京都が9月に行った米の調査では稲藁、籾殻、胚芽などの放射線量が不明である。稲藁、籾殻などは、畑を掘り起こして入れたり、家畜ふんと混合した肥料にしたり、飼料化する場合がある。胚芽などは、米ぬかにもする。これらの放射線量を全て測定し、発表するべきと考えるが、所見を伺う。

回答
 都は、都内で水稲が作付されている八王子市ほか10市の玄米及び八王子市の稲わらについて放射性物質検査を実施し、検査結果は全て検出限界値未満でした。
 胚芽については、都内産の玄米中の放射性物質検査の結果から判断し、検査は必要ないと考えています。
 次に国は、もみがらに含まれる放射性セシウムの濃度は、玄米の3倍になると示しており、都内産玄米の検査結果から判断し、改めてもみがらの放射性物質検査をする考えはありません。

質問事項
一の5のウ 都が行なった家畜ふん堆肥の放射線量測定では、放射線が検出された。これらの堆肥の中には、動物のふん以外に、おがくず、落ち葉、土壌が入っているため、何が原因で高濃度の放射性物質が検出されたのかはわからない。それぞれの測定をするよう求める。所見を伺う。

回答
 堆肥は、個々の製造者によって原料の比率が大きく異なるため、個別に生産されたものを検査する必要があります。
 都は、実際に施用する家畜ふん堆肥については既に放射性物質検査を実施しています。また、家畜ふん堆肥以外の堆肥についても平成23年11月から検査を実施しています。

質問事項
一の5のエ 食用にする家畜もいるため、食肉の全頭検査をするよう求める。所見を伺う。

回答
 現在、都の食肉市場では、牛肉について、卸売業者が民間検査機関による自主的な検査を開始しており、安全性が疑われる測定結果が出た場合には、都が確定検査を行う体制を整えています。
 今後、都は、新たに短時間で多数の検査が可能な機器を導入するなど、食肉市場における牛肉の全頭検査の実施に向けて、中央卸売市場、市場の関係団体及び芝浦食肉衛生検査所が連携しながら、検査体制の充実を図ることとしています。

質問事項
一の5のオ 家畜ふん堆肥、農林水産物の放射線測定の検査機器を拡充するよう求める。所見を伺う。

回答
 都内産農林水産物等の放射性物質の検査を拡充するために、平成23年度補正予算で予算措置し、既に検査機器の整備を進めています。

質問事項
一の5のカ 都として、落ち葉、土のリサイクル事業など、農家等へ流通する堆肥について、放射線量とその影響について検証するよう求める。所見を伺う。

回答
 流通用堆肥を生産する事業者については、国の指示にもとづき、自ら検査を実施し暫定許容値を超えていないことを確認したうえで販売するよう指導しています。
 また、都は、農家が作る落ち葉やせん定枝等を原料とする自家用堆肥について、平成23年11月から検査を実施しています。

質問事項
一の6 奥多摩山間部の〔1〕土壌・落ち葉、〔2〕わさびなど林産物、〔3〕奥多摩湖のワカサギ、ウグイ等、〔4〕養殖魚、〔5〕奥多摩の山々で登山客、山小屋などで飲み水として利用される湧水、〔6〕シカ、イノシシなどの野生動物の肉、それぞれ検査を行うよう求める。所見を伺う。

回答(水道局)
 奥多摩山間部の土壌・落ち葉、奥多摩湖のワカサギ、ウグイ等の検査についてですが、水道局の水道水源林は、安定した河川流量の確保、水質浄化、土砂の流出防止などの機能を有しており、小河内貯水池(奥多摩湖)や多摩川といった水源を守る役割を果たしています。
 現在、小河内貯水池下流の多摩川水系から取水している東村山浄水場及び小作浄水場では、原水及び浄水(水道水)について、毎日、放射性物質を測定しています。
 安全でおいしい水を安定的に供給していくことを使命としている水道局としては、現在の体制で適切に水道水の安全を確認できており、水道水源林の土壌・落ち葉や奥多摩湖の魚類については、放射性物質の測定は不要と考えます。
 なお、奥多摩湖の魚類については、今後、地元自治体等から依頼があれば、民間検査機関の紹介を含め、必要に応じて協力等を行っていきます。

回答(産業労働局)
 奥多摩山間部のわさびなどの農産物や養殖魚についてですが、都は、平成23年9月までに奥多摩町のワサビとカボチャの放射性物質検査を実施し、ワサビについては暫定規制値未満、カボチャは検出限界値未満でした。
 さらに、奥多摩町等と連携し、ワサビ及び養殖魚の放射性物質について、同年10月13日に緊急の検査を実施し、結果は全て検出限界値未満でした。

回答(福祉保健局)
 登山客などが飲み水として利用する湧水や食用に供する野生のシカ肉等の検査については、必要に応じて、奥多摩町等に対し、技術的支援等を行うこととしています。

平成23年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 吉田信夫

質問事項
一 震災対策での予防対策の抜本的強化について
二 日大光が丘病院をめぐる対応について

一 震災対策での予防対策の抜本的強化について
 東日本大震災を経験し、あらためて震災対策の抜本的強化、とりわけ、地震被害を軽減し都民の命と財産を守るための予防対策の強化が求められています。東日本大震災は、深刻な被害をもたらしましたが、防災施設の整備や施設の耐震化、地盤対策の強化が生命を守り被害を軽減するうえで重要だったことを示しています。以下、震災対策での予防対策強化を求める立場から質問します。
1 予防対策の抜本的強化をはかるうえで、なによりも都が管理する都市施設やライフラインの耐震化の到達を明確にし、今後の耐震化計画を明確にすることが重要です。
ア 都道にかかる約1250橋梁のうち、レベル1及びレベル2対応の耐震化はそれぞれ何か所整備されていますか。残された橋梁の耐震化はどのように進めていくのですか。緊急輸送道路の橋梁を優先的に整備していますが、他の橋梁についてはどのように考えていますか。
イ 31か所の公共バースのうち、レベル2相当の耐震化はどれだけのバースで整備されていますか。残りのバースの耐震化はどのように計画していますか。
ウ 東日本大震災では、都内の潮風公園や夢の島公園などで液状化が発生しました。東京湾に面した護岸の耐震化、液状化対策はどの程度実施され、どれだけ残されていますか。今後の耐震化、液状化対策はどのように考えていますか。
エ 東京都が管理する東部低地帯の河川の堤防のうち、レベル1対応の耐震化がいまだに実施されてない堤防の延長距離と堤防全体に占める比率はどうなっていますか。いつまでに耐震化をすすめますか。あわせてレベル2対応の耐震化が課題となっていると考えますが、いかがですか。
オ ライフラインである水道施設の耐震化も急務です。水道管の耐震継手管化は48%までの目標年次は示されていますが、これを早めるとともに、100%耐震化の計画を明らかにすべきです。
カ 下水管マンホールの総数のうち耐震化はどの程度実施され、今後の計画はどのようになっていますか。避難所や新たにターミナル駅周辺優先にとどまらず、全体のマンホールの耐震化を目標に実施すべきと考えますがいかがですか。また、すべてのマンホールの耐震化に要する事業費がどの程度となりますか。
2 住宅の耐震化促進は急務です。都は2015年までに住宅耐震比率を90%にする目標をかかげています。なかでも遅れている木造戸建て住宅については、最新の耐震化戸数、及び非耐震の戸数はどれだけですか。90%の耐震化達成のために、新築や建て替えを除き、耐震化支援を必要とする戸数はどれだけですか。日本共産党都議団は、耐震改修助成対象の拡大と助成額の拡充を求めてきましたが、耐震化促進のために都はどのような支援を行うのですか。
3 都が管理する都営住宅の耐震化は都の責任で早急に完了されなければなりません。全都営住宅の耐震化の進捗状況及び残された都営住宅の耐震化をいつまでに完了するのか明らかにしてください。
  また、緊急輸送道路に面する都営住宅は2010年度までに耐震化を完了する計画を示していましたが、杉並区内では環状7号に面した都営住宅でいまだに耐震化もされず、建替えの計画も示されていない都営住宅があります。全体及び杉並区内での進捗状況と計画を明らかにしてください。
4 予防対策のうえで、住宅の耐震強化とともに、宅地の地盤そのものの強化や、液状化対策の重要性が東日本大震災から浮き彫りになったと思いますが、どのように認識していますか。
5 東日本大震災による都内での液状化発生地域について、国土交通省は地盤工学会の調査にもとづいて11区と発表しており、そのなかには都の液状化予測図で発生の少ない地域で多数発生しています。都はこの問題をどのように認識していますか。予測図の見直しが準備されていますが、そのためにどのような調査を行うのですか。単に液状化の可能性が高いか低いかを示すだけでなく、地域ごとの地盤や埋立の履歴など具体的に知ることができるようにすることが重要と考えますが、いかがですか。
6 液状化にたいする予防対策は、個人の努力だけでは困難です。戸建て住宅の地盤調査、地盤強化策の技術的支援、さらに経済的支援が求められています。国に求めるとともに、都として検討すべきです。
7 東日本大震災では、都が管理する公園や埠頭などでも液状化が発生しました。こうした都が管理する施設の液状化対策をどのように進めていくのですか、明らかにしてください。
8 東日本大震災では造成宅地で地滑り等による住宅被害が多数発生しており、東京にとっても多摩地域の丘陵地など造成宅地の地盤対策の重要性が浮き彫りになったと考えますが、どのように認識していますか。
9 国は、大規模盛土について地盤の危険度を示すマップを公表し、宅地の保全を促すとともに、防止工事を進める事業を実施しています。都もこれにもとづいて昨年度までに大規模盛土造成マップを公表する計画をたてていましたが、なぜ実施されていないのですか。国の動向に左右されることなく、都としてマップの公表を行うべきです。
10 宅地造成から数十年が経過した地域が多くあり、擁壁の劣化が心配されます。国土交通省も擁壁劣化の危険性を指摘し、点検が必要なことを示しています。都としてどのように認識し、対応しますか。
11 予防対策のうえで、欠落しているのが、湾岸部に林立する石油タンク等が地震、津波で破損し東京湾に石油などが流出することへの対策です。最近公表された国土交通省の検討会報告では、石油等が東京湾に広がれば、燃料や物資を輸送する船舶が往来できなくなり東京の経済に深刻な影響を及ぼすことを指摘しています。都として報告書の指摘をどう受け止めますか。
  都は国の調査をまって対応するとの姿勢をとっていますが、総務省消防庁の調査は、肝心の、地盤全体の調査、液状化の危険性についての調査は実施していません。それで十分だと判断するのですか。
  湾岸部の県市と共同し、地盤の点険、調査を実施すべきです。
二 日大光が丘病院をめぐる対応について
 日本大学が、来年3月末をもって練馬区内にある日大医学部付属練馬光が丘病院から撤退することを7月に突如発表しました。日大光が丘病院は18診療科、342床を擁し、小児救急では年間8千件の小児救急を受けいれるなど、練馬区民はもちろん杉並区をはじめ周辺地域の住民にとっても大きな役割を担ってきました。
 練馬区は後継の運営主体を決定しましたが、住民のなかからは、医療水準の後退を危惧し日大光が丘病院の存続を求める声がひきつづき広がっており、こうした住民の声は当然のものと思います。
 地域医療の水準の後退、小児救急の後退が起きないよう、東京都としも責任を果たすことを求め以下質問します。
1 日大は練馬区と30年間の契約を結んでおきながら、経営難を理由に一方的に病院の撤退を打ち出しました。練馬区は人口10万人当たりの病床数は269床で23区で最下位です。こうした医療過疎ともいえる状況を承知しながら、約束をたがえて一方的に撤退することは大学病院としての社会的責任が問われる問題です。こうした事態を放置することは、練馬区だけでなく東京の地域医療全体にとっても重大な問題であり、東京都としても見過ごせない問題だと考えますが、いかがですか。都として日本大学にたいし、社会的責任を自覚し、光が丘病院の一方的撤退を撤回し、練馬区と協議を尽くすよう働きかけるべきです。
2 都は、日大光が丘病院に休日全夜間小児救急事業を委託してきましたが、日大の撤退はこの事業委託の廃止にもつながりかねず、空白の地域が生まれかねません。都はこうした事態をどう認識し、日大にたいしてどのような対応をしてきたのですか。
3 日本大学による光が丘病院の廃止が3月末をもって強行されれば、次の運営者が手続きしたとしても、許可を取得し開設できるまでの間は、一定の空白期間が生じてしまいます。こうした可能性について都はどのように認識し対応しますか。
4 日大光が丘病院は、区内の他の大学付属の医療機関とくらべても差額ベッドは低くおさえ、小児科だけで15人の常勤医師を確保するなど、手厚い医師・看護師体制をとる努力を行ってきました。
  単純に採算が優先されれば、医療水準の後退、患者負担の増大を招くことは明らかです。地域医療の水準確保、住民負担の軽減のために採算を犠牲にしても努力することにたいし、都として一定の支援策が必要ではないでしょうか。
5 多摩地域の自治体立病院にたいして都は運営費補助を実施しており、病床300床の日野市立病院には年間約3億3千万円、290床の稲城市立病院には3億4千万円の補助金が昨年度支給されています。区部の公立病院や区が契約を結んで運営されている公立に准じた位置づけの公的な病院にも運営費補助を検討すべきではありませんか。
6 日大光が丘病院が、休日、夜間帯で受け入れる小児の救急車搬送件数は昨年度1113件です。これは、全都の受託病院の平均受け入れ件数472件の2倍をこす件数です。しかし都からの委託金はあくまでも1ベッド確保と医師1名の確保への定額委託金にすぎず、受け入れ件数はまったく無視されています。委託金のこうした算定方式を改め、受け入れ件数が反映できるようにすべきではありませんか。
7 練馬区が人口10万人当たりの病床数が23区平均の3分の1以下という状況で医療過疎ともいえる事態が長年続いています。このため練馬区は200床以上の病院を日大光が丘病院を含め3病院から5病院に整備する中核5病院構想を昨年末発表しました。すでに年度内に2病院用地を確保するとしていますが、最大のネックが病床の確保です。練馬区などの病床不足地域に安定的な病院整備ができるように、現行の2次医療圏の設定を見直すよう求めます。
8 東日本大震災の重要な教訓の一つは、地震や津波から助かったにもかかわらず適切な医療が施されず、命が失われるという2次災害がおきていることです。こうした背景には、国の社会保障、医療政策の後退によって、病院の崩壊、地域医療の崩壊が全国的におきていることがあります。また東京都が都立3小児病院の廃止を強行したことも重大です。
 国にたいし診療報酬の抜本的な引き上げなどを求めるとともに、都として都立病院の廃止や独立行政法人化などは行わないことを求めます。

平成23年第三回都議会定例会
吉田信夫議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 震災対策での予防対策の抜本的強化について
1 都が管理する都市施設やライフラインの耐震化
ア 都道にかかる約1250橋梁のうち、レベル1及びレベル2対応の耐震化はそれぞれ何か所整備されているか。残された橋梁の耐震化はどのように進めるのか。緊急輸送道路の橋梁を優先的に整備しているが、他の橋梁についてはどのように考えているか、伺う。

回答
 震災時において、救援・救助活動など、初動対応を迅速に行うためには、橋梁の耐震性向上が重要です。
 橋梁の耐震対策については、阪神・淡路大震災を踏まえ、橋の長さが短く耐震補強が必要ない橋梁などを除く緊急輸送道路等の401橋の耐震化を進めています。
 平成22年度末現在、267橋の耐震化を完了しており、引き続き「10年後の東京」計画に基づき橋梁の耐震化を着実に推進していきます。

質問事項
一の1のイ 31か所の公共バースのうち、レベル2相当の耐震化はどれだけのバースで整備されているか。残りのバースの耐震化はどのように計画しているか、伺う。

回答
 耐震強化岸壁については、国の定める基準に基づき、整備を進めてきました。これまで、13バースの整備が完了し、現在、6バースの整備を進めています。
 残りのバースについても、着実に耐震化を図っていきます。

質問事項
一の1のウ 東日本大震災では、都内の潮風公園や夢の島公園などで液状化が発生した。東京湾に面した護岸の耐震化、液状化対策はどの程度実施され、どれだけ残されているか。今後の耐震化、液状化対策はどのように考えているか、伺う。

回答
 東京港における海岸保全施設については、液状化等に対する耐震対策を実施しています。
 平成22年度末で、外郭防潮堤は概成しており、内部護岸では約6割が実施されています。
 今後も、残る施設について対策を進めていきます。
 また、公園において液状化が発生した際には、被害状況に応じて適切に対応しています。

質問事項
一の1のエ 東京都が管理する河川の堤防のうち、レベル1対応の耐震化がいまだに実施されてない堤防の延長距離と堤防全体に占める比率はどうなっているか。いつまでに耐震化をすすめるか。あわせてレベル2対応の耐震化が課題となっていると考えるが、所見を伺う。

回答
 東部低地帯において耐震対策が必要な堤防の延長は、約65キロメートルです。
 平成9年度から中川等3河川の外郭堤防を優先的に耐震補強を行うなど、平成22年度末までに約24キロメートルが完了しています。残る約41キロメートル、約6割については、5か年計画を策定し整備を進めています。
 東日本大震災を受け、平成23年6月には、地震や津波の専門家を含む委員会を立ち上げ、施設の耐震性等について検証を進めており、この中で、耐震性の強化について検討しています。

質問事項
一の1のオ 水道管の耐震継手管化は48%までの目標年次は示されているが、これを早めるとともに、100%耐震化の計画を明らかにすべきだが、所見を伺う。

回答
 水道局では、抜け出し防止機能を有する耐震継手管への全面的な取替えをこれまでも積極的に進めています。
 さらに、平成22年度から「水道管路の耐震継手化緊急10カ年事業」に基づき、耐震継手管への取替計画を大幅に前倒しして、平成31年度末の耐震継手率を48パーセントまで向上させる取組を既に実施しています。
 水道管路の耐震継手化については、引き続き計画的に進めていきます。

質問事項
一の1のカ 下水管マンホールの総数のうち耐震化はどの程度実施され、今後の計画はどのようになっているか。避難所や新たにターミナル駅周辺優先にとどまらず、全体のマンホールの耐震化を目標に実施すべきと考えるがいかがか。また、すべてのマンホールの耐震化に要する事業費はどの程度となるか伺う。

回答
 マンホールは、区部で約48万個を有しているが、阪神・淡路大震災や新潟県中越地震の状況を踏まえ、震災時における下水道機能や、交通機能の確保などの観点から、既に必要な対策は、実施しています。
 避難所などからの排水を受ける下水道管とマンホールとの接続部の耐震化については、既に約7割を完了しているが、残りの箇所の計画を2年前倒し、平成25年度の完成を目指しています。
 また、マンホールの浮上を抑制する対策については、液状化の危険性の高い地域にある緊急輸送道路など約500キロメートル全てを、平成22年度完了しました。
 更に平成23年度から、避難所などへのアクセス道路に対象を拡大し、実施しています。
 また、これらの取組については、ターミナル駅周辺などの対策エリアの拡大に向け、検討しています。
 なお、震災対策は、水再生センターやポンプ所の耐震化などとあわせ、平成23年度事業費として122億円を計上しています。

質問事項
一の2 都は2015年までに住宅耐震比率を90%にする目標を掲げている。なかでも遅れている木造戸建て住宅については、最新の耐震化戸数、及び非耐震の戸数はどれだけか。90%の耐震化達成のために、新築や建替えを除き、耐震化支援を必要とする戸数はどれか。耐震化促進のために都はどのような支援を行うのか、伺う。

回答
 平成21年度末における木造戸建住宅のうち、耐震性を満たす住宅は約110万戸で、耐震性が不十分な住宅は約47万戸と推計されます。住宅の耐震化を促進するためには、所有者自らがその必要性を認識し、主体的に取り組むことが不可欠だと考えており、都としては平成27年度の90パーセントの目標達成に向けて、技術的及び財政的支援を実施しています。
 東日本大震災を受け、都民の関心も高まっていることから、この機を捉え、区市町村とも連携し、所有者に対する普及啓発や技術的支援に更に取り組んでいきます。
 また、引き続き、道路閉塞や延焼による被害の危険性の高い、防災都市づくり推進計画に定める整備地域を対象として、木造住宅の耐震化助成を行っていきます。

質問事項
一の3 全都営住宅の耐震化の進捗状況、及び残された都営住宅の耐震化をいつまでに完了するのか。また、緊急輸送道路に面する都営住宅は2010年度までに耐震化を完了する計画を示していたが、杉並区内では環状7号に面した都営住宅でいまだに耐震化もされず、建替えの計画も示されない都営住宅がある。全体及び杉並区内での進捗状況と計画を伺う。

回答
 都営住宅の耐震化については、都営住宅耐震化整備プログラムに基づき、新耐震設計基準で設計された建物と建替え対象の建物を除いて、耐震診断を平成24年度までに行うとともに、耐震基準に満たないと判定された住宅について、改修工事等を順次実施し、平成27年度までに都営住宅の耐震化率を90パーセント以上とすることを目標として進めています。
 都営住宅の耐震診断については、当初の予定より完了時期を1年早め、平成23年度中に完了させる予定です。
 また、緊急輸送道路沿道で対象となる都営住宅については、都全体で改修が必要な71棟の全てにおいて耐震化を進めており、設計中が52棟、工事中及び工事完了が19棟となっています。
 このうち杉並区内では、改修が必要な3棟について設計を進めています。

質問事項
一の4 予防対策の上で、住宅の耐震強化とともに、宅地の地盤そのものの強化や液状化対策の重要性が東日本大震災から浮き彫りになったと思うが、認識を伺う。

回答
 宅地の所有者等が事前に対策を講じることにより、液状化などの震災による被害に備えていくことが重要であると認識しています。

質問事項
一の5 国土交通省が発表した都内の液状化発生地域には、都の液状化予測図で発生が少ない地域が多数含まれている。都はこの問題をどのように認識しているか。予測図の見直しが準備されているが、そのためにどのような調査を行うのか。単に液状化の可能性が高いか低いかを示すだけでなく、地域ごとの地盤や埋立の履歴など具体的に知ることができるようにすることが重要と考えるが見解を伺う。

回答
 現在の液状化予測図は、地質調査データに基づき、地表面から深さ6メートルまでの浅い部分と、地表面から深さ20メートルまでの地層全体のそれぞれについて、地盤工学的な判定を行い、さらに液状化の履歴や土地利用の変遷を加味し、「液状化が発生しやすい地域」「発生が少ない地域」「ほとんど発生しない地域」の3つに分類したものです。
 御指摘の液状化発生地域は、予測図の分類では、地表面から深さ6メートルまでの浅い部分で発生しやすいが、深さ20メートルまでの地層全体では液状化しにくい、いわゆる「発生が少ない地域」であり、概ね浅い層で液状化が発生したものと認識しています。
 液状化予測図の見直しは、東京都土木技術支援・人材育成センターを中心に検討を行うとともに、液状化した箇所の近隣で新たに地質調査を実施し、その結果を活用することで一層の精度向上を図っていきます。
 また、都は、公共事業に伴い実施した地質調査データを数多く保有していることから、民間建築などの際に参考となるよう地盤情報を提供してきており、東京都土木技術支援・人材育成センターのホームページ上に液状化予測図とともに約7,000本の地質柱状図を掲載しています。今後とも、これまで同様、広く都民へ情報提供していきます。

質問事項
一の6 液状化に対する予防対策は、個人の努力だけでは困難である。戸建て住宅の地盤調査、地盤強化策の技術的支援、さらに経済的支援が求められている。国に求めるとともに、都として検討すべきだが、所見を伺う。

回答
 建築物の液状化被害に備えていくためには、建物の所有者や建て主が事前に対策を講じていくことが重要です。
 このため、都は、平成23年7月に建築物液状化対策検討委員会を設置し、具体的な対策事例や地盤調査データを活用した情報の提供について検討しています。
 なお、都としては、建物の倒壊による道路閉塞を防止するための緊急輸送道路沿道の建築物の耐震化や、木造住宅密集地域の早急かつ確実な整備をするための防災都市づくり推進計画に定める整備地域における木造住宅を対象とした耐震化など、極めて高い緊急性や公共性を備えている場合に的を絞って助成を行っています。

質問事項
一の7 東日本大震災では、都が管理する公園や埠頭などでも液状化が発生した。こうした都が管理する施設の液状化対策をどのように進めていくのか、伺う。

回答
 液状化対策については、都は、橋梁や護岸など主要構造物の整備にあたり、地域ごとの液状化発生の可能性を目安として示した「液状化予測図」や地質調査、道路橋示方書などの技術的基準に基づき、必要があると認められた場合には、地盤改良や基礎部分の強化などの対策を実施してきました。
 このため、今回の地震においては、都が管理する都市施設の主要な構造物について大きな被害は認められませんでした。
 引き続き、液状化対策を積極的に実施し、災害に強い都市づくりを進めていきます。

質問事項
一の8 東日本大震災では造成宅地で地滑り等による住宅被害が多数発生しており、東京にとっても多摩地域の丘陵地など造成宅地の地盤対策の重要が浮き彫りになったと考えるが、どのように認識しているか伺う。

回答
 都は、宅地造成に伴う崖崩れや土砂の流出による災害防止を図るため、多摩地域の丘陵地等を、宅地造成等規制法に基づく宅地造成工事規制区域に指定し、造成工事を行う事業者に対して、法令に基づく技術的基準に従い、指導及び許可等を行っています。今後も引き続き、法令等に基づき、造成宅地の安全に努めていきます。

質問事項
一の9 国は、大規模盛土について地盤の危険度を示すマップを公表し、宅地の保全を促すとともに、防止工事を進める事業を実施している。都もこれに基づき昨年度までに大規模盛土造成マップを公表する計画をたてていたが、なぜ、実施されていないのか。国の動向に左右されることなく、都としてマップの公表を行うべきである。所見を伺う。

回答
 大規模盛土造成地マップは、宅地の耐震化を促進するため、大規模な盛土が行われた造成地について、その位置を地図上に表示するものです。
 都は、これまで、国の通知を受けて、大規模盛土造成地マップ作成のための調査を実施してきましたが、現在、国において、大規模盛土造成地マップの作成を含めた宅地耐震化事業の進め方の抜本的な見直しが行われている段階です。

質問事項
一の10 宅地造成から数十年が経過した地域が多くあり、擁壁の劣化が心配される。国土交通省も擁壁劣化の危険性を指摘し、点検が必要なことを示している。都としてどのように認識し、対応するか伺う。

回答
 造成地の擁壁については、宅地造成等規制法などにより、所有者や管理者において、常時安全な状態に維持するよう努めるものとされています。
 なお、宅地造成工事規制区域内の宅地については、地元市が調査を実施しており、都はこれを受けて、危険な宅地と判定される場合には、その所有者や管理者に対し、宅地造成等規制法に基づく勧告等を行っています。

質問事項
一の11 国土交通省の検討会報告では、湾岸部の石油タンク等が地震、津波で破損し東京湾に石油などが流出すると東京の経済に深刻な影響を及ぼすことが指摘されている。都として報告書の指摘をどう受け止めるか。都は国の調査をまって対応するとの姿勢をとっているが、総務省消防庁の調査は、地盤全体の調査、液状化の危険性についての調査は実施していない。それで十分だと判断するのか。湾岸部の県市と共同し、地盤の点検、調査をすべきだが所見を伺う。

回答
 石油コンビナートなどの危険物施設等の安全対策は、国と事業者に適切に対応すべき責務があり、九都県市として、これまでも石油タンクなどに被害を及ぼす長周期地震動対策等の一層の推進について、国に要望を行ってきました。
 平成21年に国土交通省の「臨海部の地震被災影響検討委員会」が報告書等を取りまとめたことは承知していますが、一方で、総務省消防庁においては今回の震災による石油タンク等の火災被害を踏まえ、全国の被災した施設の実態調査を現在行っているところであり、平成23年12月を目途に対策の取りまとめを行うこととしています。
 都としては、この検討結果を踏まえ、九都県市で連携し、対策の更なる充実を国に働きかけていきます。

質問事項
二 日大光が丘病院をめぐる対応について
1 日大は経営難を理由に一方的に病院の撤退を打ち出した。こうした事態を放置することは、練馬区だけでなく東京の地域医療全体にとっても重大な問題であり、東京都としても見過ごせない問題と考えるが、いかがか。都として日大に対し、社会的責任を自覚し、光が丘病院の一方的撤退を撤回し、練馬区と協議を尽くすよう働きかけるべきだが、所見を伺う。

回答
 地域医療の確保は、まず、住民に身近な区市町村が具体的な役割を果たす必要があります。
 そのため、都は、日本大学が撤退を表明後、直ちに、練馬区に対し、地域医療の確保に向け日本大学と協議するよう要請するとともに、日本大学に対しても、区と十分協議するよう依頼してきました。
 平成23年9月16日に練馬区が後継の運営主体を公益社団法人地域医療振興協会(以下「地域医療振興協会」という。)に決定したことから、都は、日本大学及び地域医療振興協会に対し、円滑な引継ぎを行うよう依頼するとともに、練馬区に対し、地域医療の確保に向け、適切に対応するよう指導しています。

質問事項
二の2 都は日大光が丘病院に休日全夜間小児救急事業を委託してきたが、日大の撤退はこの事業委託の廃止にもつながりかねず、空白の地域が生まれかねない。都はこうした事態をどう認識し、日大に対してどのような対応をしてきたのか伺う。

回答
 都は、全都的な立場から、入院治療を必要とする救急患者に対応する診療体制と、365日24時間救急入院が可能な病床が確保できるよう、都全域を対象にして、休日・全夜間診療事業(小児科)の実施のための契約を医師会と締結しています。

質問事項
二の3 日本大学による光が丘病院の廃止が3月末をもって強行されれば、次の運営者が手続きしたとしても、許可を取得し開設できるまでの間は、一定の空白期間が生じる。こうした可能性について都はどのように認識し対応するか伺う。

回答
 地域医療の確保は、まず、住民に身近な区市町村が具体的な役割を果たす必要があります。
 都は、練馬区に対し、日本大学医学部付属練馬光が丘病院(以下「練馬光が丘病院」という。)に入院中の患者への対応を含め、医療の空白期間を生じさせることのないよう、計画的な対応を指導しています。

質問事項
二の4 日大光が丘病院は手厚い医師・看護師体制をとる努力を行なってきた。単純に採算が優先されれば、医療水準の後退、患者負担の増大を招くことは明らかである。地域医療の水準確保、住民負担の軽減のために採算を犠牲にしても努力することに対し、都として一定の支援策が必要ではないか。所見を伺う。

回答
 練馬光が丘病院が行っている行政的医療については、これまでも、国及び都の基準に基づき支援を行っており、新たな補助を行う考えはありません。

質問事項
二の5 多摩地域の自治体立病院に対して都は運営費補助を実施している。区部の公立病院や区が契約を結んで運営されている公立に準じた位置付けの公的な病院にも運営費補助を検討すべきではないか。所見を伺う。

回答
 市町村公立病院運営費補助金は、多摩及び島しょ地区における地域医療の確保と向上に資することを目的として市町村が設置する、病院の運営に対し補助を行なっているものであり、新たな補助を行う考えはありません。

質問事項
二の6 休日全夜間小児救急事業における都から日大光が丘病院への委託金は、1ベッド確保と医師1名確保への定額委託金にすぎず、受入件数は無視されている。委託金のこうした算定方式を改め、受入件数が反映できるようにすべきではないか。所見を伺う。

回答
 都では、休日・全夜間診療事業(小児科)により、指定医療機関に対して、入院治療を必要とする救急患者に対応する診療体制と、病床の確保に必要な経費を支出しています。
 患者の受入実績に関しては、診療報酬制度の中で措置されるものです。

質問事項
二の7 練馬区などの病床不足地域に安定的な病院整備ができるように、現行の二次医療圏の設定を見直すよう求める。所見を伺う。

回答
 都では、東京都保健医療計画(平成20年3月改訂)において、住民の日常生活行動の状況、交通事情、医療資源の分布等を総合的に勘案の上、複数の区市町村からなる二次保健医療圏を設定しています。
 現時点において、現行の二次保健医療圏を見直す考えはありません。

質問事項
二の8 東日本大震災では、地震や津波から助かったにもかかわらず適切な医療が施されず命が失われるという二次災害がおきている。こうした背景には、国の社会保障、医療政策の後退によって、病院の崩壊、地域医療の崩壊が全国的におきていることがある。国にたいし診療報酬の抜本的な引き上げなどを求めるとともに、都として都立病院の廃止や独立行政法人化などは行なわないことを求める。所見を伺う。

回答
 都はこれまで、医療提供体制や医療人材を確保する観点から、必要な診療報酬の改善について、国に対し、繰り返し提案要求しています。
 また、都立病院は、将来にわたり都民の皆様に対し安定的かつ継続的に行政的医療を提供する役割を担っています。その役割を果たすため、都立病院のあり方については、常に検討していく必要があると考えています。

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