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Tokyo Metropolitan Assembly

平成二十三年東京都議会会議録第十三号

平成二十三年九月二十九日(木曜日)
 出席議員 百二十三名
一番小林 健二君
二番加藤 雅之君
三番三宅 正彦君
四番桜井 浩之君
五番山崎 一輝君
六番野田かずさ君
七番福士 敬子君
十番山内れい子君
十一番関口 太一君
十二番くりした善行君
十三番西沢けいた君
十四番田中  健君
十五番畔上三和子君
十六番斉藤やすひろ君
十七番栗林のり子君
十八番松葉多美子君
十九番伊藤 興一君
二十番鈴木 章浩君
二十一番菅  東一君
二十二番きたしろ勝彦君
二十三番早坂 義弘君
二十四番高木 けい君
二十五番星 ひろ子君
二十六番小山くにひこ君
二十七番柳ヶ瀬裕文君
二十八番淺野 克彦君
二十九番新井ともはる君
三十番佐藤 由美君
三十一番中村ひろし君
三十二番たきぐち学君
三十三番田の上いくこ君
三十四番島田 幸成君
三十五番大島よしえ君
三十六番高倉 良生君
三十七番上野 和彦君
三十八番吉倉 正美君
三十九番遠藤  守君
四十番石森たかゆき君
四十一番高橋 信博君
四十二番中屋 文孝君
四十三番村上 英子君
四十四番矢島 千秋君
四十五番高橋かずみ君
四十六番山加 朱美君
四十七番西崎 光子君
四十八番しのづか元君
四十九番滝沢 景一君
五十番中谷 祐二君
五十一番笹本ひさし君
五十二番山下ようこ君
五十三番神野 吉弘君
五十四番鈴木 勝博君
五十五番興津 秀憲君
五十六番岡田眞理子君
五十七番古館 和憲君
五十八番かち佳代子君
五十九番大松あきら君
六十番中山 信行君
六十一番橘  正剛君
六十二番野上 純子君
六十三番谷村 孝彦君
六十四番山田 忠昭君
六十五番林田  武君
六十六番小宮あんり君
六十七番吉住 健一君
六十八番神林  茂君
六十九番野島 善司君
七十番服部ゆくお君
七十一番伊藤 ゆう君
七十二番原田  大君
七十三番佐藤 広典君
七十四番西岡真一郎君
七十五番尾崎 大介君
七十六番山口  拓君
七十七番伊藤まさき君
七十八番松下 玲子君
七十九番野上ゆきえ君
八十番今村 るか君
八十一番たぞえ民夫君
八十二番吉田 信夫君
八十三番小磯 善彦君
八十四番長橋 桂一君
八十五番藤井  一君
八十六番ともとし春久君
八十七番こいそ 明君
八十八番遠藤  衛君
八十九番田中たけし君
九十番宇田川聡史君
九十一番鈴木 隆道君
九十二番三原まさつぐ君
九十三番田島 和明君
九十五番吉田康一郎君
九十六番斉藤あつし君
九十七番泉谷つよし君
九十八番くまき美奈子君
九十九番大西さとる君
百番いのつめまさみ君
百一番小沢 昌也君
百二番石毛しげる君
百三番大津 浩子君
百五番清水ひで子君
百六番鈴木貫太郎君
百七番東村 邦浩君
百八番中嶋 義雄君
百九番木内 良明君
百十番古賀 俊昭君
百十一番吉原  修君
百十二番鈴木あきまさ君
百十三番宮崎  章君
百十四番川井しげお君
百十五番三宅 茂樹君
百十六番吉野 利明君
百十七番比留間敏夫君
百十八番門脇ふみよし君
百十九番増子 博樹君
百二十番大塚たかあき君
百二十一番酒井 大史君
百二十二番山下 太郎君
百二十三番大沢  昇君
百二十四番中村 明彦君
百二十五番馬場 裕子君
百二十六番和田 宗春君
百二十七番大山とも子君

 欠席議員 二名
   八番 土屋たかゆき君
   九番 相川  博君
 欠員
    九十四番 百四番

 出席説明員
知事石原慎太郎君
副知事佐藤  広君
副知事猪瀬 直樹君
副知事吉川 和夫君
副知事村山 寛司君
教育長大原 正行君
東京都技監建設局長兼務村尾 公一君
知事本局長秋山 俊行君
総務局長笠井 謙一君
財務局長安藤 立美君
警視総監樋口 建史君
主税局長新田 洋平君
生活文化局長井澤 勇治君
スポーツ振興局長細井  優君
都市整備局長飯尾  豊君
環境局長大野 輝之君
福祉保健局長杉村 栄一君
産業労働局長前田 信弘君
港湾局長中井 敬三君
会計管理局長松田 芳和君
消防総監北村 吉男君
交通局長野澤 美博君
水道局長増子  敦君
下水道局長松田 二郎君
青少年・治安対策本部長樋口 眞人君
病院経営本部長川澄 俊文君
中央卸売市場長中西  充君
選挙管理委員会事務局長影山 竹夫君
人事委員会事務局長多羅尾光睦君
労働委員会事務局長加藤 英夫君
監査事務局長塚本 直之君
収用委員会事務局長細野 友希君

九月二十九日議事日程第三号
第一 第百三十号議案
災害時において応急措置の業務に従事した者の損害補償に関する条例の一部を改正する条例
第二 第百三十一号議案
東京都都税条例の一部を改正する条例
第三 第百三十二号議案
東京都スポーツ振興審議会に関する条例の一部を改正する条例
第四 第百三十三号議案
東京都高齢者円滑入居賃貸住宅登録手数料条例の一部を改正する条例
第五 第百三十四号議案
東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
第六 第百三十五号議案
東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例の一部を改正する条例
第七 第百三十六号議案
警視庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第八 第百三十七号議案
東京消防庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第九 第百三十八号議案
警視庁志村警察署庁舎(二十三)改築工事請負契約
第十 第百三十九号議案
警視庁有家族待機宿舎東大和住宅(仮称)(二十三)新築工事請負契約
第十一 第百四十号議案
中央環状品川線中目黒換気所建築工事請負契約
第十二 第百四十一号議案
都立第五商業高等学校(二十三)校舎棟改築工事請負契約
第十三 第百四十二号議案
東京消防庁日野消防署庁舎(二十三)新築工事請負契約
第十四 第百四十三号議案
黒目川黒目橋調節池工事(その十)請負契約
第十五 第百四十四号議案
国分寺陸橋(仮称)鋼けた製作・架設工事(二十三北北─国分寺三・二・八)請負契約
第十六 第百四十五号議案
都庁舎(二十三)昇降機設備改修工事その三請負契約
第十七 第百四十六号議案
都庁舎(二十三)昇降機設備改修工事その四請負契約
第十八 第百四十七号議案
首都高速道路株式会社が行う高速道路事業の変更に対する同意について
第十九 第百四十八号議案
防護服セット外一種の買入れについて
第二十 第百四十九号議案
東京都教育委員会の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第二十一 第百五十号議案
東京都立学校における誤えん事故に伴う損害賠償の額の決定について
第二十二 平成二十二年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
第二十三 平成二十二年度東京都公営企業各会計決算の認定について
議事日程第三号追加の一
第一 東京都教育委員会委員の任命の同意について(二三財主議第二八五号)
第二 東京都監査委員の選任の同意について(二三財主議第二八六号)
第三 東京都収用委員会予備委員の任命の同意について(二三財主議第二八七号)

   午後一時開議

〇議長(和田宗春君) これより本日の会議を開きます。

〇議長(和田宗春君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

〇議長(和田宗春君) この際、会議録署名議員の変更について申し上げます。
 本日の会議に限り、相川博君から十一番関口太一君に変更いたします。ご了承願います。

〇議長(和田宗春君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 知事より、東京都教育委員会委員の任命の同意について外人事案件二件が提出されました。
 これらを本日の日程に追加いたします。

〇議長(和田宗春君) 昨日に引き続き質問を行います。
 七十八番松下玲子さん。
   〔七十八番松下玲子君登壇〕

〇七十八番(松下玲子君) 天罰と知事が称した東日本大震災から半年ほどの間に、集中豪雨や台風の被害が相次ぎました。つぶさに振り返れば、ただただ眼を閉じ、とうとい命に深く思いをいたす次第です。
 さて、一たび将来を見据え、今般の甚大な犠牲をもたらしたこれらの災害を検証するとき、極めて差し迫った東京の課題があぶり出されてまいります。
 初めに、エネルギー政策について伺います。
 ことしの夏はオイルショック以来三十七年ぶりに電力使用制限令が発令され、都民一丸となった節電に取り組んだ結果、予定より早く制限令は解除されましたが、ことしの冬や来年の夏以降も含めて、今後の電力の需要と供給がどうなっていくのかは不透明なままで、都としての総合的な対策が必要であると考えます。
 九月二十六日には、東京電力が今夏の電力需給状況に関する発表を行いました。八月の最大電力の推移は、ほぼ平年並みの暑さではあったが、昨夏の同気温の日と比較すると約九百から一千万キロワット低い水準となっており、節電の成果があらわれる結果となっていました。電力供給に不信を募らせたままの現状、東京電力は、ことしの冬や来年の夏の需給見込みとその根拠を早急に開示すべきであると考えます。
 今後、原発を再稼働させなくても、停止中の発電所を稼働させれば電力は足りているという試算もあります。企業の自家発電総量は年々増加し、莫大な埋蔵電力があるという試算もございます。ことしの冬及び来夏の電力の正確な需給見通しを東京電力が早急に発表するよう都としても要望していただき、東電の大株主である責務を果たすべきと考えます。
 都はことし五月、東京緊急対策二〇一一を取りまとめるとともに、今夏の大幅な電力不足に対応するため、電力対策緊急プログラムを策定し、全庁挙げた取り組みを推進してきました。
 都みずからが徹底した節電に取り組みながら、民間事業者や家庭の節電を誘導するとともに、都民生活を支える社会的インフラ施設における電力確保対策を進めるため、非常用発電設備の活用等を図っています。
 そこで、今夏の都の取り組みを振り返り、自家発電の活用も含め、都有施設全体でのピーク時の電力削減の効果はどうであったのか伺います。
 あわせて、民間医療機関や社会福祉施設における自家発電機の導入支援の状況について伺います。
 家庭の分散型電源の確保を支援するために、家庭における創エネルギー機器等の導入補助が始まりました。環境整備公社と連携し、太陽光発電システムやガスコージェネレーションシステム等の補助事業の受け付けを開始していますが、申込状況はどうなっているか伺います。
 家庭において創エネルギー機器等の普及には、機器を導入した際のメリットやデメリットの説明、初期投資にどのくらいかかるのか、ランニングコストがどう変わるのか、賃貸や持ち家等、住宅所有の有無、マンションか戸建てかで設置は異なるのかなど、都民がわかりやすくイメージできるような取り組みが必要であると考えます。家庭における電源分散を進め、どのように創エネルギー機器の導入促進に向けた取り組みを行っていくか伺います。
 例えば、ガスコージェネレーションシステム住宅のモデル事業を環境配慮型分譲住宅として、都有地を定期借地として民間のガス会社や住宅会社等とともに行うこともできるのではないか、行政と民間企業の役割分担を明確にした上で、よりわかりやすく都民への情報提供を求めます。
 原発による電力供給が極めて不安定となった現状、短中期的には、原発にかわり天然ガス発電や地域分散型の発電へ移行すべきと考えます。都の天然ガス発電所プロジェクトチームが発足しているようですが、このプロジェクトチーム発足の目的と開催状況、決定事項について伺います。
 あわせて、天然ガス発電所プロジェクトチームを単独ではなく、エネルギー政策全体をどうしていくかといった観点から取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 九月十四日、天然ガス発電所の用地候補として突如五カ所が発表されました。天然ガス発電所を新設し、都の電力を地産地消で賄おうという趣旨には一定の賛同はいたしますが、都営の発電所をつくるのではなく、都はあくまで土地を貸す程度にとどめ、既に天然ガス発電を行っている民間企業等に事業実施はゆだねるべきであると考えます。なぜ、どのように五カ所を用地候補として選定したのか伺います。
 また、土地に関しても、ほかに本当に用地候補はないのか疑問があります。もともと東京ガスの工場跡地であった豊洲の市場予定地こそが天然ガス発電にはふさわしい用地候補とも考えますが、あわせて見解を伺います。
 本件は、スピード感を持って取り組まなければならない課題であるはずです。同様の計画をエネルギービジョンとして明記している大阪市では、既に九月議会で天然ガス発電の調査予算が計上されています。計画から実施まで何年もかかるような悠長なことでは、ことしの冬や今後の夏場の需要増には対応できません。震災後の今だからこそ、教訓を生かさなければならないはずです。
 つまり、エネルギー政策に対する明確なビジョンを早急に示し、他県に依存してきた電力というエネルギーを地産地消へ、さらには地域分散型へと転換していくべきであると述べ、次に水資源について伺います。
 地産地消の取り組みは電力だけにとどまることなく、今こそエネルギーや水の自立的な都市東京を目指すべきです。他県の犠牲、他県の人々の生活を犠牲にしなければ、東京が利水上も治水上も本当に成り立たないのかどうか検証が必要と考えます。
 今回の福島原発事故後の三月末には、放射性物質の飛散により、水道水からも乳児の飲用基準を超える放射性沃素が検出されました。その後、非検出が続いており、検査体制も強化されているようではありますが、今後、台風や豪雨等で堆積していた放射性物質が川に流され、水道水から新たに放射性物質が検出されるおそれも想定されます。水道水の検査体制や放射性物質の除去等、水道水の安全対策にどのように取り組んでいるのか伺います。
 また、地表に堆積している放射性物質、いわゆるホットスポットともいわれている放射性物質汚染の激しい地域を調査し、除染を行うことが今後の重要な課題でもあり、国の決定を待たずとも、区市町村と連携して取り組んでいただきたいと要望いたします。
 震災以降、水道水に関して引き続き検査が継続され、結果も報告されてはいますが、万が一のときのためにも、災害時の地下水の活用について注目すべきと考えます。現在の水道事業における都内の地下水の利用実態について伺います。
 さらには、新たに利活用できる地下水はないか、今のうちから研究すべきと考えます。災害時を含めて地下水をこれまで以上に積極的に活用すべきです。今回の大震災を教訓として、地下水の活用を推進すべきと考えますが、見解を伺います。
 地下水は、新潟中越沖地震で断水が続いた後も活用され、深刻な水不足を防いだともいわれています。厚生労働省が行っている原発事故後の福島や周辺の地下水の実態調査では、深井戸から水をくみ上げる表流水の影響を受けない地下水は、放射性物質による汚染を受けていません。
 しかし、現状では、地下水は都の保有水源として位置づけられておりません。利用実態がありながら、課題を抱える水源にすら位置づけられていないことが都の利水計画における現状です。この現状を改めて、地盤沈下や地下水盆の実態調査を行った上で、地下水を災害時にも有効な貴重な保有水源として位置づけるべきと要望いたします。
 最後に、八ッ場ダムについて伺います。
 私は、過去五回、八ッ場ダムについて質問を行ってきました。問題が多く、さまざまな角度から……(発言する者あり)現場も行っております。質問せざるを得ないのですが、特に現地の地盤の問題、遠く飛鳥時代から噴火を繰り返している活火山である浅間山から二十キロメートルほどという地理的背景、地すべりの危険性を指摘し、工期の再々再延長や事業費の再々度の増額の可能性があると指摘しました。
 今回、改めて過去の質疑を振り返りましたところ、質問に対して、利水上も治水上も都にとって必要不可欠なダムとの答弁が繰り返されていました。これはまさに、原発は安全だ、安全だと繰り返されてきたことと類似の無味乾燥な答弁が繰り返されてきたということに改めて気づき、本当に治水上、必要不可欠なダムなのかどうか、改めて詳細に確認いたします。
 八ッ場ダムの治水の目的について伺います。
 あわせて、八ッ場ダムが建設された場合に、治水の効果を発揮する地域はどこか伺います。
 ダムの洪水調節効果は、河道貯留効果といわれているように、下流に行くほど小さくなるとの指摘もあります。ダムに頼らずに、都内の河道整備、具体的には堤防整備、河床掘削、堤防強化等を行い、地域住民の安全を守ることができる現実的な治水対策を早急に進めるべきと考えます。
 八ッ場ダムが治水の効果を発揮すると想定される雨量と雨の降り方について伺います。
 自然の脅威に対して、ダムは本当に有効なのでしょうか。台風十二号の被害、ダムが人の命や財産を守るために機能しなかった事実が表面化したと、元国土交通省防災課長で淀川流域委員会委員長であった宮本氏は、記録的豪雨にダムは機能したかと題して、今回の災害直後に意見を述べております。
 ダムが効果を発揮するストライクゾーンは小さく、大災害にダムは極めて効果的には薄く、住民の命を守るためには、優先的にやらねばならないことがたくさんあるとも述べていました。ダムの効果に疑問を持ち、いかに住民の命を守るかといえば、第一には避難、避難体制を整えることであり、ダムをつくっても、その想定以上のものが来たら効果はなくなり、ダムができたから安心ではなく、自然というものはこれで終わるものではない、ダムをつくれば安全というダム安全神話から脱却しなければならないとのことでした。
 そこで、都は、集中豪雨や最近の台風などの豪雨にダムは機能すると考えているのか伺います。
 九月十三日、八ッ場ダム建設事業の関係地方公共団体から成る検討の場において、八ッ場ダム建設事業の総合的な評価案が発表されました。この発表について、八ッ場ダム建設容認の検証結果が出たとの報道がなされ、勘違いされている方もいらっしゃるようですが、当日の議題で、今後意見聴取の進め方も取り上げられているように、検証結果の中間発表にすぎず、最終的な評価はこれからということが正確な事実です。
 発表内容は、ダム事業推進にとって有利な結果となっており、これは、ダム事業を推進してきたダム事業者みずからが検証主体である上、推進を主張する関係自治体の意見のみが検証結果に反映され、ダムに疑問を持つ流域住民や有識者が意見を述べる場すら与えられていないからにほかありません。
 八ッ場ダムの検証作業について、事業の実施主体である国土交通省みずからが検証を行っていることの公平性と妥当性をどのように考えるか伺います。
 原発の安全管理を原発推進の経済産業省内の原子力安全・保安院が行ってきたこと、その結果、福島原発の事故が起きたことも考慮に入れるべきです。
 地震が頻発している福島の浜通り、双葉断層上に原発をつくることに警鐘を鳴らし続けていた専門家がいたにもかかわらず、保安院は昨年六月、福島第一原発双葉断層による地震の地震動評価を発表し、敷地の地震動特性が十分に考慮され、不確かさについても適切に考慮されており、妥当なものと判断したという発表も行っていました。警鐘を鳴らす声は決して届かず、結果、今回の原発の大事故です。
 八ッ場ダムも同様、ダム建設が新たな災害を呼ぶ可能性について調査すべきです。八ッ場ダムの予定地では、地すべりの危険性等、専門家からの指摘もあります。こうした指摘について、都として八ッ場ダムの安全性をどう考えているのか伺います。
 適地ではない、安全性に問題がある場所にダムをつくってしまった例として、二〇〇二年に本体工事完成後、地すべりが起き、対策工事のため九年たったいまだに本格運用ができていない奈良県の大滝ダムがあります。地元住民の地すべりの懸念の声を無視し、万全の対策をとっているとして、ダム計画の見直しを行わなかったのは、事業者である国土交通省、当時は建設省です。国土交通省のいう万全の対策は万全ではないことが不幸にも証明されてしまっています。台風十二号の被害、大滝ダムの反省から八ッ場ダムは学ぶべきです。国土交通省の検証は中間結果であり、今後、ダム反対派の意見やパブリックコメントも実施した上で、最終的には、本体工事中止の判断、中止の英断が現政権で行われることを切に願い、質問を終わります。(拍手)
   〔環境局長大野輝之君登壇〕

〇環境局長(大野輝之君) 松下玲子議員の一般質問にお答えします。
 まず、この夏の電力対策の成果についてでございますが、都は、電力対策緊急プログラムに基づき、この夏の対策に取り組んでまいりましたが、都庁舎では、国が示した一五%の削減目標を上回る二五%をピーク時の削減目標として設定し、この目標値を上回る削減を達成することができました。
 その他の五百キロワット以上の大口の都有施設全体としても、NaS蓄電池の活用や設備の運転時間の変更等に加え、自家発電設備の活用も含めた対策を行い、昨年比でおおむね二〇%のピーク時電力の削減を達成しております。
 また、民間の医療機関や社会福祉施設への自家発電設備事業につきましては、現在約二百件を超える申請をいただいております。
 こうした都の取り組みに加えまして、都内では、企業、家庭での創意工夫により、昨年に比べ二割から三割程度の電力を削減する大きな成果を上げております。
 しかしながら、一部には、いわゆる我慢の節電を強いられた面もあったのも事実でございますから、昨日もご答弁したとおり、現在、都におきましては、この夏の節電の取り組みについて、企業等からすぐれた取り組み事例を収集分析しております。
 今後、無理のない効果的な節電手法を明らかにし、この冬以降は、企業の事業活動や都民生活に大きな支障がない賢い節電を促進するとともに、供給側でも都独自の取り組みを進め、需給バランスの最適化を実現してまいります。
 次に、創エネルギー機器の補助金の申請状況についてでございますが、九月二十八日、太陽光発電システムは二千三百八十七件であり、昨年同時期を三割程度上回っております。一方、七月末に受け付けを開始したガスコージェネレーションシステムは四十六件となっております。
 最後に、創エネルギー機器の導入促進に向けた取り組みについてでございますが、都はこれまで、PR効果の高い広報媒体に記事を掲載するとともに、太陽エネルギー見本市等のイベントを開催し、都民が創エネルギー機器にじかに触れる機会を提供してまいりました。
 今後、一層の導入促進に向け、機器それぞれの特徴や効果、補助制度をわかりやすく解説したリーフレットを作成するなど、引き続き積極的に普及啓発に努めてまいります。
   〔知事本局長秋山俊行君登壇〕

〇知事本局長(秋山俊行君) 二点の質問にお答えをいたします。
 まず、東京天然ガス発電所プロジェクトチームについてでございますが、大震災以降、定期点検等で停止している原子力発電所の再稼働は依然として不透明であり、加えて、産業界や家庭での厳しい節電と、老朽化した火力発電所のフル稼働や、電力会社間の相互融通などでこの夏を乗り切った現状を見れば、電力の安定供給に関して、いまだ楽観的な見通しに立てない状況にあるというふうに考えております。
 また、原発事故やそれに伴う巨額の賠償への対応を契機といたしまして、今後の電力供給体制のあり方そのものについても、さまざまな議論が行われているところでございます。
 こうした電力事情のもと、電力の大消費地である都が、その大部分を他県に依存してきたこれまでの状況を改善するため、地産地消の東京産エネルギーの創出に主体的に取り組むとともに、環境負荷が少なく高効率な天然ガス発電所による電力の確保を推進していくということは、エネルギー政策全体を考える上でも意義あるものというふうに考えております。
 このため、百万キロワット級の大規模発電所の整備を目指して、局横断型のプロジェクトチームを設置いたしました。去る八月二日にチームを立ち上げ、関係局において課題の整理を行うとともに、専門家からの情報なども得ながら、都有地を一定の条件のもとでスクリーニングし、九月十四日、五カ所の都有地を発表したところでございます。
 次に、天然ガス発電所用地の選定についてでございますが、プロジェクトチームにおいて、百万キロワット級の大規模発電所の整備に必要な条件をあらかじめ設定し、その条件すべてを満たした土地を都有地の中から選定したものでございます。
 まず、百万キロ級の施設が設置可能な五ヘクタール以上の土地で、発電所の設置が許される用途地域にあるか否かということで選別を行い、さらに天然ガスパイプライン、送電網などのインフラへの接続や土地の利用計画の有無等によってスクリーニングを行った結果、五カ所の土地が該当したということでございます。
 ご質問の事業スキームを初めといたしまして、採算性などにつきましては、今後、事業可能性調査の中で検討していく予定でございます。
 また、豊洲新市場予定地についての言及がございましたが、既に市場としての利用計画が明確になっており、スクリーニング条件を満たさないということから、発電所の適地から除外したものでございます。
 なお、当該土地には、昭和六十三年まで都市ガスの製造工場があったということはご指摘のとおりでございますが、今回の発電所計画と四半世紀も前から存在していない工場とは何の関連もなく、これらを結びつけて論ずることは不適切だと考えます。
   〔水道局長増子敦君登壇〕

〇水道局長(増子敦君) 三点のご質問にお答えします。
 まず、水道水の検査体制及び放射性物質の除去等、水道水の安全対策についてでございますが、東日本大震災後、水道局では、関係各局と連携し、各水系を代表する浄水場の浄水を毎日検査し、水道水全体の状況を把握するとともに、検査結果を即日公表してまいりました。
 さらに、水質センターに放射性物質を測定する機器を導入することにより、八月から、対象を他の浄水場や多摩地区の地下水を水源とする浄水所まで拡大し、検査体制を強化いたしました。
 また、震災後、放射性沃素を除去するため、粉末活性炭注入を強化し、対応してまいりましたが、現在は浄水だけでなく、もとの原水も不検出の状況が続いているため、放射性沃素への対応としての粉末活性炭の注入強化は行っておりません。
 一方、放射性セシウムは、通常の浄水処理で除去可能であり、不検出の状況が続いております。
 次に、地下水の利用実態についてでございますが、当局におきましては、現在、約二百五十本の井戸が稼働中であります。平成二十二年度の地下水揚水量は、一日平均約二十三万立方メートルであり、配水量全体に占める割合は約五%でございます。
 最後に、災害時の地下水活用の推進についてでございますが、さきの補正予算において、地下水を緊急時に活用するため、非常用ポンプや自家発電などの整備を既に事業化したところであります。今後とも、地盤沈下や水質の動向に十分配慮しつつ、可能な限り地下水の活用を図ってまいります。
   〔都市整備局長飯尾豊君登壇〕

〇都市整備局長(飯尾豊君) 八ッ場ダムに関する五点の質問にお答えいたします。
 まず、八ッ場ダムの治水効果でございますが、利根川上流域においては、この流域の東側には多くのダムがあるにもかかわらず、西側でございますいわゆる吾妻川流域には、洪水調節機能を持つダムが今までございませんでした。八ッ場ダムは、この吾妻川流域に初めて建設される施設でございます。
 したがって、八ッ場ダムは、この西側流域の洪水調節の機能を持つものでございまして、このダムが完成すれば、利根川上流の三流域すべてにダムが整備されることになりまして、既存ダム群と相まって洪水調節を効果的に行うことが可能でございます。
 これらにより、利根川全川にわたって洪水時の水位を低下させて、堤防決壊のリスクを軽減することができるようになり、区部東部を初め首都圏全体の洪水被害の危険性を大きく低減することが可能となります。
 次に、八ッ場ダムが効果を発揮する降雨でございますが、八ッ場ダムの一切の予断を持たない検証では、ダムがある場合とない場合の河道整備などを含めた全体の事業を比較し、コストや実現性の面でダム案が最も有利と結論づけたものでございます。
 この検証では、八ッ場ダムについては、治水基準点である八斗島地点において毎秒一万七千トンの流量を確保することを安全度の目標として、国により作業が進められてきております。
 具体的には、昭和十年から平成十九年までの七十三年間における八斗島の実績によるピーク流量と、その上流域において三日間に降った雨量の双方から流量規模の大きな八つの洪水を抽出して、八ッ場ダムによる効果量を試算しております。
 次に、八ッ場ダムの治水効果でございますが、ただいまお答えした八つの洪水について、日本学術会議が妥当と判断した計算モデルを採用して、八ッ場ダムによる効果量を試算しております。その結果、八ッ場ダムが確実に治水効果を発揮することが確認されております。
 次に、八ッ場ダム建設事業の検証でございますが、八ッ場ダムの検証主体や進め方については、当時の国土交通大臣が委員を任命した有識者会議からの提言に基づき決められております。具体的には、提言の内容に沿って、国は、ダム事業の検証に係る検討に関する評価実施要領細目を定め、検証を行ってまいりました。
 その結果、八ッ場ダムが治水、利水の両面から最も有利であるとの結論が出たものでございます。都は、国に対して、直ちにダム本体工事の着工を決断し、予定どおり平成二十七年度までに完成させるよう強く求めてまいります。
 次に、八ッ場ダムの安全性でございますが、国は、地質や地すべりの専門家から成る検討委員会を設置し、貯水池周辺の地盤の性質や状態、地すべりの可能性について調査検討を行い、必要な対策を講じることとしております。
 さらに、平成二十一年に地すべり調査や対策に関する指針を定めたことから、八ッ場ダムについても、最新の技術を用いて今後詳細な調査を行い、対策を決めるとの方針を示しております。これらのことから、地すべりに対する安全性は、国の責任において確保されると考えております。
 なお、実際の施工に当たっては、引き続きコスト縮減や工期短縮に対して努力すると聞いております。

〇議長(和田宗春君) 六十五番林田武君。
   〔六十五番林田武君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

〇六十五番(林田武君) 初めに、多摩地域の振興について伺います。
 多摩国体、スポーツ祭東京二〇一三の開催まで、残すところあと二年となりました。この間、スポーツ祭東京二〇一三実行委員会を初めとして、各区市町村、競技団体などのご尽力によって、競技施設の整備など、開催に向けた準備が着々と進んでいることはよく認識いたしております。
 私の地元福生市では、成年女子ソフトボール競技が開催されますが、市営福生野球場と市営競技場の改修整備が既に完了しております。また、大会開催に向けて、競技会場の最寄りの駅となるJR青梅線牛浜駅のバリアフリー改修工事も、総工費約十三億二千万円かけて行われることになっております。
 都内各地では、区市町村が主催する地元イベントや東京都が主催するイベントなど、さまざまな機会においてスポーツ祭東京二〇一三のPRが行われており、スポーツをされる方々を中心として、なかなかの盛り上がりを見せてきていると思います。
 しかし、その一方で、二年後に東京でスポーツ祭東京二〇一三、すなわち国民体育大会、全国障害者スポーツ大会が開催されることを必ずしもご存じない、知らないという都民の方々もまだまだ多いように感じております。スポーツ祭東京二〇一三、いわゆる多摩国体を多摩・島しょ地域を初めとした東京の多様な魅力を東京都民はもちろんのこと、全国に発信していく必要があると考えます。
 大会を成功に導くには、まず東京都民一人一人に、この大会はまさに自分たちの大会であるという気持ちを持っていただくことが最も大切であると思います。
 そして、スポーツ祭二〇一三の成功は、次回、東京オリンピック招致の大きな力となると思っております。
 今後、都はどのようにこの大会への機運を盛り上げていくのか考えを伺います。
 次に、米軍横田基地軍民共用化の現況について伺いたいと思います。
 横田基地を軍民共用化したい、するべきだという石原知事の思いは、平成十一年に知事が就任して以来一貫しており、また知事の公約でもありました。横田基地を民間航空が利用した場合の当時のシミュレーションでは、一年に五百万人の利用客がある、経済効果は一千三百八十億円、雇用も八千三百人ということでした。
 平成十四年、知事は、このことでワシントンにおいてアーミテージ国務副長官と会見され、翌十五年には、小泉・ブッシュ会談の中で、軍民共用化に向けた検討開始の合意がなされました。
 そして、その後、横田基地共用化について、都と国との連絡会が設けられました。その中に、内閣官房、国交省、外務省、防衛省、そして東京都が入り、検討するとのことでした。
 また、平成十八年十月には、日米両政府によるスタディーグループがワシントンで開かれ、検討開始から十二カ月以内に終了するという話でありました。しかし、この間では結論が出ず、協議継続になったと伺っております。以来、結論のないまま四年が経過いたしました。
 本年二月の予算特別委員会で、私が多摩の重要性、潜在力、可能性を質問する中で、石原知事は、横田飛行場の軍民共用化が実現しまして、幹線道路等都市交通ネットワークの整備がさらに進みますと、我が国を代表する物流やものづくり産業の拠点になることが期待されますとご答弁くださいました。
 しかし、横田飛行場は米軍の基地の一つであり、日米の政治状況が大幅に変わる中、軍民共用化は難しい状況にあるように思われます。
 私は、横田基地を抱える福生市、羽村市、瑞穂町が選挙区であり、知事の軍民共用化施策に強い関心と強い要望を持っておりますが、いずれにしても、横田基地の軍民共用化は、多摩地域の航空利便性の向上や産業の振興とあわせて、交通インフラ整備の促進を図る多摩振興の起爆剤になるだろうと考えております。知事に率直なるご認識と決意を改めてお伺いいたします。
 次に、道路整備について伺います。
 多摩地域ではまだまだ幹線道路の整備がおくれております。地域の自主性を高め、都市間の連携を図るため、道路整備をより促進することが必要です。
 都はこれまで、多摩南北道路の整備に重点的に取り組んできました。南北道路が一定の成果を上げてきている中で、今後は、東西方向に目を向け、効率的な道路整備が必要であると思います。
 多摩地域では、新青梅街道、新五日市街道、東八道路及び新奥多摩街道を東西主要四路線として位置づけております。
 このうち、新青梅街道や東八道路、新奥多摩街道は災害時の緊急輸送道路に指定されており、大きな災害が起これば、東西方向の緊急物資輸送や救急活動を担うことになっておりますが、今の多摩地域の現状は、標準幅員二十メートル以下の道路がほとんどであり、いざ大震災を考えるとき、多摩地域の防災機能を強化するには、広幅員の道路整備が重要であります。
 東京都は、多摩に向けて、多摩将来像二〇〇一、多摩アクションプログラム、多摩振興プロジェクトなどの構想を次々と展開してまいりました。
 平成十五年に都が作成した多摩アクションプログラム施策の中に、多摩新宿線があります。多摩地域の活性化を推進するため、中央自動車道と関越自動車道の中間に、新宿と西多摩、北多摩を結ぶ高速道路である多摩新宿線について検討を進めるとされております。多摩地域にとって、この高速道路の実現はとても大きな夢ですが、決して夢で終わらせてはいけないし、この計画は今も生きていると信じております。
 東西道路推進については、「十年後の東京」プログラムの中でも、新青梅街道や新五日市街道の整備が位置づけられております。
 このうち新五日市街道は、西東京市から立川市の東側の地域までのほとんどが新設道路の計画で、立川市西砂町で現五日市街道と合流し、福生市に入り、拝島駅付近で現在拡張進行中の国道一六号と接続いたします。ご承知のとおり、福生地区を通る五日市街道は、現在でも片側一車線のために交通渋滞が慢性化しており、防災性向上の上からも、地域活性化の上からも早期拡幅整備が必要です。
 そこで、今後の多摩地域のさらなる発展と防災性の向上に向け、新青梅街道、新五日市街道など東西道路の整備促進について、都の見解を伺います。
 次に、水道事業における多摩市町との連携について伺います。
 いよいよ今年度末をもち、昭和四十八年以来続いてきた市町への事務委託が完全に解消し、多摩地区水道は、二十六市町から成る都営水道としてスタートすることになりました。
 これまで我が党は、さまざまな機会を通じて、多摩地区水道の給水の安定とサービス向上に向け全力を尽くすべきだと提案してきました。
 都は、多摩地区四百万人のお客様が一層豊かな安全・安心を実感できるよう、昨年八月に多摩水道改革計画を策定いたしましたが、配水管のネットワーク化や地域住民と連携した防災対策等は、東日本大震災の惨状を見たとき、着実な推進が必要だと思いました。
 防災対策については、これまで市町内の水道部局が防災部署や道路部署との仲立ちをして、都と協力しながら取り組んできました。しかし、半年後、多摩地区の水道は東京水道に完全一元化されると、市町において水道部署がなくなります。
 今後は、都が市町の各部署と直接やりとりをしなければならないとなれば、市町との連携はこれまで以上に重要です。
 そこで、今後どのように市町と連携していくのか伺います。
 また、事務委託中は、市町が水道施設を管理してきた経緯から、いざというときの応急給水に備え、浄水所等の水道局の敷地内に市町の防災倉庫等を設置している場合があります。
 事務委託解消後も、災害時における住民への水の配布は市町が行うことになりますが、市町が所有するこれらの防災倉庫等を引き続き水道局の施設内に存続させ、応急給水を円滑に行われるようにすべきと考えます。都の所見を伺います。
 次に、多摩地域の水環境の維持向上に向けた下水道事業の取り組みについて伺います。
 多摩地域の水環境の維持向上は、平成二十一年二月に策定された多摩振興プロジェクトにおいても、主要事業の一つとして取り組みが進められております。昭和四十年代には生活排水などで汚れていた多摩川も、下水道の普及により水質が大幅に改善し、本年は過去最高となる二百二十万匹のアユの遡上数が報告され、水環境の改善効果を実感する、まことにうれしい知らせもありました。
 現在、多摩川は、年間約一千六百万人が訪れる全国を代表する水辺の一つとなっております。市民の憩いや安らぎの場としての魅力を一層向上させるため、流域住民や企業、自治体がさまざまな活動を展開していると聞いております。こうした活動を後押しし、広域的な観光振興などに活用する上でも、河川のさらなる水質改善に向けた下水道局の取り組みが必要と考えます。
 下水道局では、多摩地域の流域下水道において、各水再生センターに精力的に高度処理を導入しており、水質改善の先導者として積極的な取り組みを大いに期待しております。
 そこで、これまでの高度処理の導入状況と今後の取り組みについて伺います。
 最後に、都市計画公園・緑地の整備促進について伺います。
 東日本大震災を踏まえ、高度防災都市づくりを進めるためには、都市の防災拠点となる公園緑地の整備が必要です。
 しかし、都市計画決定されていながら、まだまだ整備が進んでいないところもあり、促進するための工夫が必要ではないかと考えます。
 我が党は、公共による公園緑地の整備を着実に進めるとともに、民間活力による開発が見込まれる区域では、この力を活用して整備を促進し、早急に公園機能が発揮できるようにする方向も検討するよう主張してまいりました。

〇副議長(鈴木貫太郎君) 林田武君に申し上げます。
 発言時間は既に超過しております。速やかにおやめいただきたい。

〇六十五番(林田武君) これを受け、都は、このたび都市計画公園・緑地の整備方針の改定を発表しました。今回の整備方針改定のねらいと今後の取り組みについてお伺いいたします。
 申しわけないね──まあ穏便にひとつ。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 林田武議員の一般質問にお答えいたします。
 横田基地の軍民共用化についてでありますが、世界が時間的、空間的に狭くなった現代において、航空機による往来は国家を繁栄に導くものでありまして、空港容量の確保は、我が国にとっていわば生命線ともいうべきものであります。
 首都圏の空港容量は、羽田のD滑走路の供用開始などによりまして拡大は図られましたが、依然としてオープンスカイは実現しておりません。
 現在、日本に対する新規の乗り入れを希望している国は四十二国もありますが、なかなかこれはかなわない。依然としてオープンスカイは実現していないわけでありまして、また、いわゆるビジネスジェットの発着回数に至っては、ニューヨークの百分の一、香港と比較しても三分の一でありまして、世界の諸都市に大きくおくれております。
 アメリカの国防総省が設立し、連邦航空局にも技術的サポートを行っている米国のシンクタンクも、首都圏の空港容量は、早ければ二〇二〇年にも限界に達するとして、既存の施設を活用する横田の共用化は有効な対策であるとしております。
 いずれにしろ、この空港の共用化は、多摩地方にとってだけではなくて、隣県の山梨、長野、埼玉、群馬といった県にも非常に有効なユーティリティーを持つわけであります。
 私が代議士時代にこれに手をつけたときも、当時、社会党をつくっていた埼玉県の畑知事と、同じ社会党の知事でありました神奈川県の長洲知事に諮りまして、ぜひこれは東京から実現してもらいたいということをいわれまして、当時の鈴木さんが四選の立候補をしたときに、私は公約にこれを入れていただきました。
 これまで、米側は軍事運用上の所要から横田の共用化に積極的に一向に対処してきませんでしたが、ただの兵たん基地、ロジスティックベースであります横田を、平時に利用できないわけはないと思います。
 彼らが一番これを頻繁に使ったのは、数十年前のベトナム戦争で、向こうで死んだアメリカの兵隊の遺体を持ってきて、日本の医学生に継ぎはぎさせて棺おけに入れて運んだ。それが一番頻繁に使われたケースでありました。
 さきの東北の大震災においては、横田は、羽田や成田が一時閉鎖せざるを得なかったものですから、一部民間機の代替着陸も受け入れましたが、また、被災地の救済にやってきた米軍のトモダチ作戦の拠点ともなりました。日本とアメリカが真のパートナーとなってお互いに繁栄していくという観点からも、この共用化は、日本の要望に従って、アメリカ側も積極的に推し進める必要が絶対にあると思います。
 都としては、米国の経済界から非常に要望の強いビジネスジェットの乗り入れを横田で受け入れるなど、両国にとっての利益につながるウイン・ウインになる提案を行って、今後も日米協議の促進を図っていきたいと思いますが、一番のネックは腰の抜けている日本の外務省でありまして、アメリカの出先機関でしかない日本の財務省と外務省が、特に外務省は、このケースには非常に大きなバリアになっております。
 つい最近でありますけれども、アメリカのかつての日本部長でありますジアラと在日米軍の総司令官がパネリストでやってきて、一年ぶりにこの問題についてシンポジウムを開いたときに、何と外務省の北米局長は、この二人の米国人のゲストを呼びつけて、おまえたちにもう用事はないと、羽田に四本目の滑走路ができたので、横田の問題はナショナルアイデンティティーになっていないんだという、実につまらぬ横やりを入れました。私は激怒しまして、外務省に赴きまして、当時の外務大臣の前原君と北米局長を面罵いたしました。
 そのときに、外務大臣は、国の役所は一地方の行事に一々参加する責任はないと明言したので、君は新任で、何も知らぬこと、余計なことをいわない方がいい、恥をかくのはそっちだぞと。これは、かつて一番しっかりしていた外務次官の谷内の時代から続いている、外務省の協力のもとに行ってきたシンポジウムでありまして、これに君らが参加する理由はないということを──何でもかんでも、要するにうのみにする大臣らしいですが、恥をかくのはそっちになるぞと、君は一体どこの外務大臣なんだ、どこの局長なんだと面罵しましたら、ぬけぬけと日本人でございますといいましたが、まあ、いっていること、やっていることは、私はむしろ日本の国益を阻害してはばからないという、非常にぶざまなものでしかないと、非常に失望いたしました。
 今後も、この腰の抜けた外務省をこの問題にどうやって協力させるかは、やはり何といっても政権そのものの姿勢でもありまして、たまたま今、民主党の政権ができておりますけれども、民主党の諸君にも、東京の意欲を考えるならば、現政権に、この問題に本当に真剣に国益を踏まえて取り組むように建言していただきたい。
 その他の質問については、技監及び関係局長から答弁いたします。
   〔東京都技監村尾公一君登壇〕

〇東京都技監(村尾公一君) 多摩地域の東西道路の整備推進についてでございますが、多摩地域の魅力と活力を高め、防災性を向上させるためには、交通の円滑化や都市間の連携強化を図り、震災時には迅速な救援、救助活動や緊急物資輸送を支える骨格幹線道路ネットワークを充実していく必要がございます。
 このため、南北主要五路線の整備にあわせ、新青梅街道など東西主要四路線の整備を推進することが重要であります。
 お尋ねの新青梅街道については、東大和市の立川東大和線から瑞穂町の箱根ヶ崎立体付近までの延長六・七キロメートルを、第三次事業化計画の優先整備路線に位置づけております。
 このうち、東大和市上北台付近の一・一キロメートルでは、今年度、事業認可を得て用地取得に着手する予定であり、瑞穂町の一・四キロメートルにおいては、事業化に向けた測量作業を進めております。
 また、新五日市街道については、立川市の立川東大和線から福生市の国道一六号までのうち、完成区間を除いた六・一キロメートルを優先整備路線に位置づけておりまして、課題となっている道路構造などの検討を進め、早期事業化に取り組んでまいります。
 今後とも、必要な財源の確保に努め、地元市や町と連携し、多摩地域における東西方向の骨格幹線道路の整備を重点的に推進してまいります。
   〔スポーツ振興局長細井優君登壇〕

〇スポーツ振興局長(細井優君) スポーツ祭東京二〇一三についてでございますが、大会の成功には、都民の方々に大会を知っていただくだけでなく、積極的に参加いただくことが重要でございます。
 都は、マスコットキャラクター、ゆりーとを活用したPR活動を展開しているほか、広報誌やホームページなど、さまざまな手段による大会広報に努めてきたところでございます。
 また、七月に策定した都民運動推進計画に基づきまして、都民が栽培した花でまちを彩り、大会参加者を迎えることや、運営ボランティアとしての参加など、都民みずからがつくり上げる大会となるような取り組みを進めることとしております。
 今後とも、区市町村や関係団体と連携しながら、広報活動の充実や都民運動の積極的な展開を図るとともに、来年度予定されております各競技のリハーサル大会を活用し、開催機運のさらなる盛り上げを図ってまいります。
   〔水道局長増子敦君登壇〕

〇水道局長(増子敦君) 二点のご質問にお答えします。
 まず、多摩地区市町との新たな連携についてでございますが、さきの東日本大震災や計画停電では、各市町の協力を得て、防災無線により断水や濁水の広報を効果的に実施することができました。これにより、事務委託解消後も、市町との連携強化が必要であるとの認識を一層強くしたところでございます。
 昨年策定した多摩水道改革計画におきましても、配水管ネットワーク化はもとより、地元事業者の育成や応急給水時の地域住民との連携強化など、給水安定性の向上に向け、地域社会を巻き込んだ幅広い取り組みを推進することといたしました。
 こうした状況の中で、市民生活に密着し、これまで水道事業を担ってきた市町との新たな連携協力の枠組みを早急につくっていく必要があります。
 このため、今後、市町防災部署や道路関係部署等との意見交換や調整の場として、新たに多摩水道連絡会を都が主体的に立ち上げ、市町とのより強固な連携協力体制を構築してまいります。
 次に、水道施設内に市長が設置した防災倉庫等の取り扱いについてでございますが、ご指摘のとおり、これらを引き続き水道局の施設内に存続させることは、災害時における応急給水を円滑に行う上で有用であると考えております。
 このため、今後設置する予定の多摩水道連絡会を活用し、市町が継続して防災倉庫等を運用していけるように調整してまいります。
 こうした取り組みにより、市町と十分連携して応急給水に万全を期してまいります。
   〔下水道局長松田二郎君登壇〕

〇下水道局長(松田二郎君) 多摩地域の流域下水道におけるこれまでの高度処理の導入状況と今後の取り組みについてでございます。
 多摩地域では、昭和四十年代前半から、都と市町村が連携して下水道の普及に取り組んだ結果、昨年度末の下水道普及率は九九%に達し、多摩川などの水質は大幅に改善をされました。
 現在、下水処理水が多摩川の河川水量の半分を占めておりまして、下水処理水の水質を向上させることは、水環境の改善に大きな効果がございます。
 流域下水道では、水環境のさらなる向上を目指し、平成十二年度を皮切りに、各水再生センターにおいて、多摩川などの水質改善と東京湾の富栄養化防止を図るため、窒素、燐をより多く除去する高度処理の導入を順次進めております。
 その結果、平成十六年度末には、流域下水道のすべての水再生センターで高度処理が可能となりまして、これまでに一日当たり四十七万立方メートルの施設が稼働しております。
 高度処理の導入に当たりましては、計画的に施設を増設しておりますが、老朽化設備の更新時期に合わせて、高度処理への転換も進めております。
 平成二十七年度までに、一日当たりの下水流入量の六割に相当する六十三万立方メートルの施設を稼働させることを目標として、鋭意、整備を進めているところでございます。
 今後とも、高度処理を積極的に推進し、多摩地域の水環境の向上に貢献してまいります。
   〔都市整備局長飯尾豊君登壇〕

〇都市整備局長(飯尾豊君) 都市計画公園・緑地の整備方針でございますが、この方針は、今後十年間で優先的に整備する公園緑地の区域を明らかにし、計画的、効果的な整備促進を図るものでございます。
 今回の改定案では、水と緑のネットワークの形成とともに、今般の震災を踏まえた首都東京の防災機能の強化を図るため、震災時に避難場所や救助等の活動拠点となる公園の拡大に特に重点的に取り組むことといたしました。
 加えて、開発ポテンシャルの高いセンター・コア・エリア内において、長期間供用されていない公園等の区域が民間開発等により緑地として整備される場合には、公園等の都市計画の一部を廃止できる仕組みを創設することといたしました。これにより、公園機能の早期発現を図ってまいります。
 今後、地元自治体と連携して、改定した方針に基づき公園緑地の整備を加速させ、安全、快適で緑豊かな東京を実現してまいります。

〇副議長(鈴木貫太郎君) 九十六番斉藤あつし君。
   〔九十六番斉藤あつし君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

〇九十六番(斉藤あつし君) 昨日も放射線関係の質問が幾つか出ましたが、少し軸足を変えて質問したいと思います。
 私の知り合いが埼玉県加須市に、役場ごと避難をしている福島県双葉町の方だったので、七月末に訪ねたときに、たまたまお会いした行政職員の方が、もうそのころ既に、福島県の避難者の多くの方が放射線のために多分すぐに復興ができない、災害救助法の応急仮設住宅の使用期限は二年だけれども、それを超える避難生活を覚悟しなければいけないなというふうにいっている人が大変ふえているという話をしておりました。
 都内の避難者も、住宅に限らず支援メニューすべてに対して、余り期限を決めないでほしいというふうに思っているかと思います。今後、放射性物質の除去が終わらない場合など、避難生活が長期化する際の都内避難者に対する支援のあり方についてまず伺います。
 二点目として、都議会民主党として、先月、旧グランドプリンス赤坂に避難していた母子を中心に、都内ホテルや公務員住宅への分散後の要望を聞きました。約六百人がまとまって避難していたときには情報の共有が簡単だったのですけれども、分散後、非常に難しくなった。今後は、それぞれの避難者への情報提供とその強化が一層求められると思います。
 都内避難者が必要な情報を的確に得るように、点在する避難者に対して支援をしていくように、都の所見を伺います。
 三番目、これは知事に伺うのですけれども、代表質問でホールボディカウンターのお話が出ました。青森にもあるものですが、これは原子力関連施設が多数あるから、つまり、リスクがあるから、それを承知して置いているということです。
 推進だからこそ用意をするということですから、石原都知事は今でも原発推進論者、そして、その必要性をかねがね論じられておりましたけれども、こういった原発について、大事なことですから持論を持つというのは私も当然だと思っております。
 しかし、一般都民は放射線のリスクに関して、現在、十分に感じているときであります。近所のおじさんが、自分は推進だといっているのとは違いますから、そういう意味では、知事はそれをいう以上、そのリスクをどう説いていくか、どうカバーしていくかということについて、都民、特に子どもやその親など、一番不安が強い人に理解されるようにしなければならないと思うんですが、どのように取り組むのか所見を伺います。
 さて、きのうも事例がありましたけれども、ことしの夏、私も地元の小平市議や市民と一緒に、福島県の子どもたちを小平市の八ヶ岳山荘に招待して、外遊びをさせるというツアーを行ってまいりました。きょう議会にいる皆さんの多くの方も、夏休み、そういった企画をされた方、多いんじゃないでしょうか。
 また、先日も小平市内に都の方で放射線測定器を設置するという報道がされました。大変地元でも歓迎をされております。このように、放射線の測定値というのは皆さん気にしているのですが、一方で、その測定値も大事だけれども、健康への影響がどういうふうにあるかということもお母さん方、お父さん方、大変気にしております。
 実際、多くの医師、研究者が放射性沃素、そして、放射性セシウムなどは、やはり高齢者よりも胎児、乳児、児童への影響が大きいとしています。たばこやアルコールもそうなのですけれども、中高年にも健康に害があるけれども、それ以上に若年層に取り込ませないようにということですね。
 私は、子どもや妊婦さんがいる家庭で、家族がそれを心配するというのは当然のことだと思っています。放射線を可能な範囲で避けるべきとして、堂々と回避行動をとってもらっていいんじゃないかと思います。
 しかし、これを全世代が過度に心配をすれば、それは風評被害になってしまうと思いますので、都には流通している食材について、被災地や消費を助けるという意味でも、安全を今後ともアピールしてもらいたいと思っております。
 実際、これは一般成人の方については、原発事故がなくても三割の方ががんで亡くなっております。正直、医師に聞いてみると、この特定の一定の時期の放射線の影響を、その後、何十年か後のがんの遠因というふうに特定すること自体が非常に調査上難しくて、そういう意味では、年配の方にはなかなかこの関係性をはかることは難しい。お子さんについては、一定程度、放射線からの影響というのは、逆に勘案をする必要があるというふうに解釈をしたらいいと思います。
 もちろん基準内の放射線を維持するということが大事なことなのですが、一方で、子どもを持つ、特に不安を持つ親にきちんと的確に情報を与え、広報していくということは戦略的にしていくべきだと私は思っています。
 現在、都も細かく放射線量を測定して公表しており、それは絶対に必要なことなんですけれども、ただ、一方で、もしも基準を超えていたらどうしたらいいのか、治療とかはどうしているのか、実際になかなかわからないというのが現状じゃないでしょうか。この情報の少なさがやはり不安につながっているんじゃないかと思います。
 そして、病気や感染症の説明において処置や治療の情報がなければ、これは治す方法がないんじゃないか、取り返しがつかないんじゃないかと思っても、患者さんとしては何ら不思議じゃありません。
 実際にはどうしているのか、核種──放射線の種類のことをいうんですが、核種の差はあれ、大変昼どきに申しわけないんですけれども、体外に汗や尿、便で放射線というのは出ていくものです。出るまでの時間は、物質の半減期よりも総じてずっと短くて、生物学的半減期と呼ばれています。
 今、これから問題になるだろう放射線セシウム137の場合、半減期自体は三十年といわれていますが、生物学的半減期でいうと、成人で百十日間しかなく、さらに新生児から乳児については、吸収するけれども十日から二十五日で体外に出るといわれています。その上、体を休めると、より排出も細胞の修復も促されます。
 大量に被曝した場合ですが、この放射線セシウムというのは、木炭や活性炭を吸着体として投与して体の外に出す。もっといえば、フェロシアン化鉄、通称プルシアンブルーというものを投与すると、セシウムとこのプルシアンブルーは結合して、腸管で吸収されなくなって、かなりの割合で体外に除去できるとされます。
 実際に、これは一九八七年のブラジル・ゴイアニア市の汚染事故で使われているんですけれども、もちろんこういった例は大変被曝が強い場合の例で、都内のような線量であれば、きちんと体を休める、子どもでいえば早寝早起きをきちんとするというようなことでも大分促されるということです。
 いずれにせよ、処置の柱は放射線の種類によりますが、体外への排出だということです。これは結構いわれていないことなので、今回ちょっと強調させていただきますが、普通に医学書に載っていることがなかなか出ていないために、非常に不安を持っている方が多いんじゃないかと思います。
 ニュースなどで母乳から検出というふうなことが、文字が躍れば、基準値内であっても不安を募らせるのは当然かと思いますし、行政自身の広報が弱かったら、なかなかそういったことを報道の方に責められないと思います。
 震災後の母子向けの本においては、放射性物質が仮についたとしても、念のためやってみることができることは多数紹介されております。野菜のゆで汁を捨てることで付着した放射線が五分の一になるとか、そしてまた、外遊びの服をはたくとか、そういったことはどこでやってもコストもかからずできることで、逆に、こういったことだったら東京都でももっと推奨できたり、工夫を打ち出したりすることはできたんじゃないでしょうか。
 東京都も、健康安全研究センターのホームページなどでは、原理や測定の解説、頑張っていると思います。しかし、どうしても数値が基本になってしまうこと、なかなか簡単に書けないということもあって、やはり難解で、今後の課題としては平易にそれを表現すること、さらには、測定後のもしものときの対処について言及をすることが課題だと思います。
 しかしながら、原発や電気を使いながら、国も都も、我々議員も含めて、放射線に関するこのような測定数値から安全の間を埋めるような言葉の用意が不十分だったことは、私は反省すべき点だと思っております。今回、処置の情報を出せばと提案したのはこの反省からであり、そして、ぜひ東京都も、全員野球でこの不安を払拭していただきたいと要望しておきます。
 さて、そこでお待ちかねの質問ですけれども、過去、都は新型インフルエンザや、かつてエイズのときに相当な予算を使って理解を深め、拡大や風評を抑えるための広域でストレートな広報活動の実績があります。治療薬タミフルやリレンザの備蓄を通じて都民に安心感を与えました。今回の放射線についての広報活動は、過去の新型インフルエンザでの実績とどう違うのか、所見を伺います。
 また、今後起こり得る放射能災害の健康被害への広報活動をどのように行っていくのかを伺います。
 前半の最後として──今回の災害で健康被害と同様に都内の産業、経済活動に対しても大きな影響を及ぼしました。安心をはかることは大変難しいですが、それでも私たち都民が消費側、提供側、どちらにあっても、観光を初めとする輸出向け工業製品や農水産物ヘの安全に対する懸念を払拭しなければなりません。事業者及び消費者の不安を取り除くために、都としてどのように取り組んできたか伺います。
 後半の、それでは、児童虐待に入ります。
 きのう、里親の話で随分出たのですが、やはり虐待のニュースというのは社会的に不安を募らせるものです。都内における児童養護施設の話を聞くと、現状は、保護のきっかけは違っていても背景に虐待絡みがある、虐待の関係があるという児童が入所児童の九割になるだろうといっていました。家庭復帰に時間と手間をかけている、大変困っているということです。長時間の虐待によって人間関係の構築ができない児童からの試し行為による職員への暴力や反抗も多く、施設職員の退職もそのため早いと聞きます。そのような入所児童の課題とケアについて、都の取り組みを伺います。
 二点目、市区町村の養育支援事業というのがありますが、これは育児が大変なときに家事支援ヘルパーを派遣するものです。養育環境や親の養育能力が低下している場合にもこれは行くんですけれども、私が個人的に子ども家庭支援センターや児童相談所などで複数の専門職に聞いてみたところ、こういった養育困難の背景には、六割方、親の精神疾患や発達障害が見受けられるというふうにいっています。
 私が実際、社会福祉士として扱ったケースの中には、精神障害者の母親に五歳の子どもという母子家庭で、母親に決して悪意はないんですけれども、精神疾患の状態が悪くなると、適切な保育ができず、事実上ネグレクトの虐待になってしまうものがありました。
 不幸なことに、この親自身も自分の親に虐待を受けていた生育歴があって、精神疾患の遠因と推測されます。虐待が連鎖をするようなこのような事態、このような医療支援を要する親に対して、適切な保険医療に親をつなげていくべきと考えますが、児童相談所ではどのように対応しているのか、ここを伺います。
 そして、同時に、虐待を受けた児童の保護とともに、家族が再びともに暮らせるようにというのがひとつ皆さんも思うところでしょうが、親にする指導ということが必要になってまいります。アメリカなんかの場合だと、子どもの保護が始まったと同時に、親に向けた指導というのがスタートするというのが昔からあるんですが、日本ではなかなかこの部分がおくれていました。
 東京都の場合、虐待した親の生活面を含めた支援、指導というのは、どのようにそういうとき行っているのか伺います。
 そして、四点目、児童相談所の現場では、相談、担当案件の増加と内容の複雑化、困難化が進んでいます。研修と十分な職員配置が必要ですが、人材確保、職員育成の取り組みについて伺います。
 五点目、平成二十二年の資料では、各児童相談所の児童福祉司一人に対する児童数を比較してみると、多い順で八王子児童相談所が一万一千六百人、次いで墨田、多摩と続き、小平が一万八百人となっております。
 児童福祉司一人当たりの年間相談件数で見ると、足立児童相談所が百二十八件でトップ、次いで八王子、墨田、また小平が百件と出てきます。そして、エリアが広ければ当然、移動時間もかかりますが、児童福祉司一人の受け持ち面積が多いのは立川、八王子、多摩、また小平です。そして、管轄自治体が多いとその分の連携職員が必要ですから、自治体数がどのくらいあるかというと、立川児童相談所が七市四町と一番多く、次いで小平の九市となっております。職員不足の児童相談所はこのように偏在をしており、私の地元の小平児童相談所は心理士も足りず、地域担当児童福祉司も一市に一・三人程度しかおりません。
 このマンパワー不足を補うためにも、子ども家庭支援センターとの役割分担は重要であります。小平市では指定管理の社会福祉法人が運営しているのですけれども、職員の大半が社会福祉士であるなど、民間事業者での熱意と知識がある専門資格者の確保が近年、大変進んでおります。虐待対策の上で、児童相談所と子ども家庭支援センターとの連携は大変大事だと思いますが、所見を伺います。
 最後に、個人的には小平の児童相談所を含め、先ほど挙げた負荷の大きい相談所の職員をずばりふやしてほしいというのが願いでございます。
 一方で、これら児童相談所とともに、子ども家庭支援センターを初め地域の子どもに携わるさまざまな関係機関が連携をして児童虐待家庭の支援体制を構築してほしいと切に願っているんですけれども、これについてぜひ所見をお願いいたします。
 それでは、以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 斉藤あつし議員の一般質問にお答えいたします。
 原発の問題についてでありますが、質問を聞いていますと、私が何が何でも原子力発電を推進したいといっているように聞こえますけれども、これは勘違いも甚だしいと思います。
 改めて申し上げておきますけれども、そもそも原発推進とか脱原発とかいった、この短絡的な観念的な議論は全く意味がない。これは、頭の粗雑な人間のやることだと思いますね。
 人間として、みずからの考えを説明すべきというご指摘ですが、過日の本会議で都民の代表である皆さんに私の所信をはっきりと申し上げました。昨日の代表質問でも何度も申し上げておりますが、エネルギーの問題は、我々が、あくまで我々が、今後、いかなる経済成長のもとに、いかなる社会、いかなる生活を望むのかということにかかっていると思います。
 その前提として、経済がこれ以上成長しなくていいというのは、これは論外でありますけれども、我が国の経済は高度に発達した社会を支えているわけでありまして、その経済の成長に不可欠なエネルギーをあがなうために、いかなるエネルギーをどれだけ確保するか、複合的、冷静的に決めなくてはならない問題だと思います。
 現総理は、原発についてみずからの考えをまだ明確にしておりませんが、国が都の建言を入れ、ことし、夏などとはいわずに、一刻も早く現実的かつ複合的なエネルギー戦略を立てるように、民主党のあなた方もみずからの考えを明確にした上で政府を、促進していただきたい、そう思います。
 他の質問については、関係局長から答弁します。
   〔総務局長笠井謙一君登壇〕

〇総務局長(笠井謙一君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、都内避難者に対する支援のあり方でございますが、都は、避難生活の長期化等による避難者の孤立化が懸念されることから、同じ県や市町村からの避難者をできるだけ同じ都営住宅等に受け入れ、地元区市や自治会へ紹介するなど、地域とのつながりや避難者間の交流を図ってまいりました。
 また、孤立化を防ぐための個別訪問や福祉相談、就労、就学支援など被害者の生活全般についてきめ細かくサポートをしております。
 都営住宅等の受け入れ期間につきましても、当初、当面六カ月としておりましたが、震災被害が甚大であり、原発事故収束の見通しが不透明であったことから、本年六月、当面、来年の七月末まで延長するなどの措置を講じております。
 都内避難者の支援に当たりましては、今後とも、国の動向、被災県の状況や意向等を踏まえ、適切に対応してまいります。
 次いで、都内避難者に対する情報提供についてでありますが、避難者が地元とのつながりを保ち、都内で安心して避難生活を送れるよう、必要な支援情報などを迅速かつ適切に提供することは重要でございます。
 このため、都は、これまで東雲住宅等の受け入れ施設に避難者向けの情報コーナーを設置するなど積極的な情報提供に努めてまいりましたが、本年八月からは、新たに都内に避難している各世帯を対象に、月に二回、個別郵送による情報提供を開始いたしました。
 具体的には、被災県等が発行する広報誌、都が行う福祉相談、就労支援等の情報、交流会やイベントの案内等を提供しております。
 都は、今後とも、被災県や関係団体との連携を強化して、避難者のニーズに即した的確な情報提供に努めてまいります。
   〔福祉保健局長杉村栄一君登壇〕

〇福祉保健局長(杉村栄一君) 七点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、放射能に関する広報活動についてでございますが、一昨年に新型インフルエンザが発生した際には、スペイン風邪など過去の事例や海外での鳥インフルエンザの状況を踏まえまして、既に行動計画やガイドラインを策定いたしておりまして、啓発ポスターや広報紙により感染予防、拡大防止策を周知するなど、計画的な広報の実施が可能でございました。
 一方、今回の福島第一原発事故によります放射能の問題につきましては、我が国において例がなく、健康影響などの知見が限られ、対策のよりどころとなる安全基準もいまだ国から明確に示されていない状況でございます。
 こうした状況の中で、都は、刻々と状況が変化する中、リアルタイムに情報が発信できるホームページを中心にいたしまして、大気中の放射線量や食品の検査結果などの最新データを公表してまいりました。
 また、専用の電話相談窓口を設置して都民の質問に対応しているほか、ホームページに放射能の健康に対する影響を含めまして、わかりやすいQアンドAを掲載いたしております。
 今後とも、状況の変化に応じまして、都民の不安や疑問に的確にこたえられるよう、広報の内容や時期、媒体などの検討、工夫を重ねてまいります。
 次に、児童養護施設等に入所している児童の課題とケアについてでございますが、施設に入所している児童には、虐待を受けるなど、それまでの養育環境の影響により良好な対人関係を築くことができなかったり、あるいはパニックを起こすなど、情緒や行動上の問題を抱える者も少なくありません。
 こうした児童に対しては、一人一人の抱える問題に合わせまして、きめ細かなケアを行う必要があるため、都は、児童を六人程度の小規模のグループに分けまして、手厚い体制で養育をいたします小規模グループケアを進めているところでございます。
 また、平成十九年度には、都独自の専門機能強化型児童養護施設制度を創設いたしまして、児童精神科医や治療指導担当職員を配置する施設に対し支援を行うなど、ケアの充実を図っております。
 次に、医療支援を要する親への対応についてでございますが、児童相談所は、親からの虐待が明らかになった場合、子どもの状況や家族環境など、個々の家庭状況等を把握した上で、その家庭に対する支援方針を定め、親への指導を行っております。
 そのうち、精神疾患の疑いがあるなど、医療支援が必要な親に対しては、保健所等と連携をいたしまして、医療機関への受診の働きかけを行いながら家庭生活を立て直し、子どもの養育が適切にできるよう支援を行っております。
 さらに、児童相談所では、子ども家庭支援センター等の地域の関係機関と連携をしながら、見守りや相談など必要な支援を行っております。
 次に、児童虐待を行った親への指導についてでございますが、各児童相談所では、虐待の再発を防止するため、児童福祉司が面接や家庭訪問などを通じ、家庭環境を把握した上で、生活の改善や親子関係の修復に向けた助言指導を行っております。
 また、都の中央児童相談所でございます児童相談センターにおきましては、親が子どもに対する虐待への問題認識を持つとともに、子どもの問題行動に対応するためのスキルを身につけられるよう、児童精神科医や心理職員などの指導のもとで、グループカウンセリングを実施いたしております。
 今後とも、児童相談所において、こうしたプログラムも有効に活用しながら、虐待を行った親への支援を進めてまいります。
 次に、児童福祉司の確保と育成についてでございますが、都はこれまで、福祉施設での実務経験等がある者の任期つき採用や庁内での人材公募などを行いまして、児童福祉司として高い専門性を持った有能な人材の確保に努めてまいりました。
 また、新任の児童福祉司に対しては、一カ月程度をかけて、児童の発育や心理の基礎知識、親子への指導方法などを習得させる初期研修を行った後、ベテランの児童福祉司の指導のもとで相談援助の実務を行うことにより、実務能力の向上を図っております。
 さらに、中堅以上の児童福祉司に対しましても、法律、心理、医療などの専門家を講師といたします事例検討など、専門性を高めるための研修を行っております。
 次に、児童相談所と子ども家庭支援センターの連携についてでございますが、都は、地域における児童虐待への対応力を強化するため、児童家庭相談の一義的な窓口でございます区市町村に、虐待対策要員を配置いたしました先駆型子ども家庭支援センターの設置を進めておりまして、現在、五十一の区市町が先駆型のセンターを設置しております。
 児童相談所は、子ども家庭支援センターと常に連携をしながら虐待ケースに対応をいたしておりまして、家庭調査や相談など、初期対応についてはセンターが行い、重篤な場合には、児童相談所がセンターの協力も得ながら、心理診断や医学診断など専門的な判断を行い、必要に応じて一時保護などの法的な措置を講じているところでございます。
 最後に、地域の関係機関との連携強化についてでございますが、都は、児童虐待の早期発見に向け、地域の関係機関と情報を共有し、連携をして対応するため、児童相談所に地域支援を行う職員を配置いたしております。
 また、今年度から、区市町の先駆型子ども家庭支援センターに、地域の関係機関と連携や調整を担う虐待対策コーディネーターの配置を進めております。
 こうした取り組みのもとで、個々の児童の援助方針等について、児童相談所、子ども家庭支援センター、学校、保育所、保健所等の地域の関係機関が合同で検討する場を定期的に設けまして、児童の支援に有用な情報を共有しながら、適切な支援を行っております。
 今後とも、地域の関係機関との連携強化を進め、児童虐待への対応力向上に取り組んでまいります。
   〔産業労働局長前田信弘君登壇〕

〇産業労働局長(前田信弘君) 福島第一原子力発電所事故に係る産業面での対応についてのご質問にお答えいたします。
 事故による産業への影響を最小限に食いとめるためには、第一に、目に見えない放射性物質に関する正確な情報を、都民を初め国内外に提供していくことが重要であります。
 こうした観点から、都は震災直後から検査体制を整え、正確な情報の発信に取り組んでおります。
 まず、農林水産物につきましては、関係機関が連携して計画的に検査を行い、その結果を迅速に公表しております。これまでに約二百の検体を検査いたしましたが、市場に流通している都内産農林水産物について、国が定めた暫定規制値を超えたものは出ておりません。
 工業製品につきましては、海外での風評被害に対応するため、産業技術研究センターで、都内の中小企業の製品を対象に、無料で放射線量の測定と証明書の発行を実施しておりまして、八月末までに五百件を超える検査要望にこたえております。
 観光分野では、東京の観光ウエブサイトにおきまして、日々の都内の放射線量等を英語のページからでも確認できるようにするなど、旅行者の回復に向けた情報発信に取り組んでおります。
 原子力発電所事故から半年が経過いたしましたが、国はいまだ安全基準の設定、検査体制の構築、処分方法の確立が一体となった十分な対策を講じておりません。
 都は、速やかに対策の実施を国に求めるとともに、今後とも事故の動向を見きわめつつ、こうした多面的な取り組みを行いまして、都内の産業を支援してまいります。

〇議長(和田宗春君) 三十八番吉倉正美君。
   〔三十八番吉倉正美君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

〇三十八番(吉倉正美君) 東日本大震災の想像を絶する被害は、国内外に大きな衝撃を与えました。大混乱の中で、諸外国の人々に強い感銘を与えたのは、日本人の助け合いの精神と沈着な態度だといわれております。
 シンガポールの代表的な新聞ストレーツタイムズ紙は、日本人は静かな威厳を示していたと表現しております。大災害に直面して、なお、日本人の持つ精神性が高く評価されたものであります。
 また、今回の大震災で、多くの国々から寄せられた支援は、政府レベルだけではなく、人々の自然な気持ちのあらわれから発したものも多くありました。私も、日本への国際社会の連帯に心強い思いを抱いた一人です。
 翻って、一千三百万の人々が集中する首都東京にあって、大震災発生時に最も必要なことは、都民が本来持っている共助の精神や、他人を思う心を十分に発揮できるよう、都民の連帯と共生意識の醸成を進めることであります。石原知事の率直な所見を伺います。
 次に、首都東京を高度防災都市へと進化させるための対応について質問します。
 東日本大震災の教訓を踏まえ、首都直下地震だけではなく、東海、東南海、南海の三連動地震などの危険性も懸念される中にあって、都はこれまでの災害の被害想定や対策をとらえ直し、新たな視点から、より実践的に見直すべきであります。
 すなわち、第一点は帰宅困難者対策です。
 今回の大震災では、一時待機施設で受け入れた帰宅困難者は約九万四千人、帰宅に影響があった人は約三百万人という試算がありますが、マグニチュード七・三の首都直下地震が起きた場合には、都は、さらに多い約四百四十八万人の帰宅困難者が発生すると想定しております。加えて、けが人は約十六万人、中でも重傷者は約二万四千人発生するとの想定であります。
 特に、地震発生直後、外に避難した人々は、落下物やガラスの飛散による被害、施設内では、棚や机の転倒などによる被害など、多くのけが人の発生が予想されます。
 こうしたけが人の救護、救援対応に加えて、続々と集まる帰宅困難者の保護や、一時待機施設への誘導など、同時並行的に複数の課題が生じるような事態を想定しなければなりません。
 しかしながら、これまでの帰宅困難者対策の議論では、こうした医療や救護との関係は、明確にされてはきませんでした。
 そこで今後、トリアージなどの医療訓練を加えた、より実践的な帰宅困難者対策の訓練を行うべきであります。
 また、災害発生時には、交通機関の停止により、ターミナル駅周辺は、多くの滞留者で混乱することが心配されます。先日も、首都圏を直撃した台風十五号の影響でJRや私鉄などの運休が相次ぎ、ターミナル駅は帰宅途中の人々であふれました。
 こうした混乱を回避するためには、滞留者に対し、単独駅の運行情報だけではなく、乗り入れを含めた複数駅との運行情報を共有し、提供することが有効と考えます。
 そこで都は、複数のターミナル駅で同時に帰宅困難者対策の訓練を実施し、関係機関相互の連携、連絡を検証すべきであります。あわせて見解を求めます。
 第二点は、災害時における水の確保対策です。
 東日本大震災では、ライフラインである水道が絶たれ、飲料水を含めた水を確保することの重要性が改めて浮き彫りとなりました。人口密度が高く、一千三百万人の人々が生活する大都市東京では、災害時に広域的な断水が生じた場合、甚大な被害が発生します。これまでの訓練において、災害拠点病院などの医療施設に対する給水では、公道上に設置されている消火栓にホースをつなぎ、直接、病院の受水槽に給水する方法を採用したと聞いております。
 そこで都は、こうした消火栓から水を取り出す仮設給水栓方式により、住民への直接給水を実現すべきであります。さらに、区市町村との連携も含め、この仮設給水栓方式による住民への直接給水の拡大を積極的に進めるべきであります。見解を求めます。
 第三点は、都政における事業継続計画、BCPについてです。
 都は、発災時に短時間で重要な機能を再開し、事業を継続するため、地域防災計画の中に事業継続計画、BCPを位置づけ、平成二十年十一月には同計画を策定し、それに基づいた各局マニュアルを整備し、取り組みを進めてきたと聞いております。
 しかし、今回の大震災においては、多くの帰宅困難者の受け入れや、情報が混乱したために、この事業継続計画、BCPが十分に機能しない場面が生じております。危機管理の観点から、この事業継続計画は、事業を継続させる有効な手法ではありますが、訓練を通じて実践するとともに、事業動向などの状況の変化に応じて、適切な見直しを加えていかないと、発災時に十分に機能させることはできません。
 今回の大震災の経験を踏まえて、事業継続計画を継続的に改善する取り組みである、事業継続マネジメント、BCMの推進が求められております。
 そこで都は、計画を実践的に運用するために、この事業継続マネジメント、BCMを全庁的に推進すべきであります。見解を求めます。
 第四点は、災害時におけるライフラインの復旧について質問します。
 復旧に際しては、都と協力業界団体との迅速な情報連絡体制の構築が何よりも必要です。特に災害時、断水などの応急復旧対応に重要な役割を担う水道局の協力業界団体と、都との迅速な情報連絡は不可欠です。
 しかし、震災当日、家族の安否を確認する電話が殺到したため、電話がふくそうし、電話、ファクス等が通じにくい状態となり、支障を来したと聞いております。
 こうした点を踏まえ、都は今後、電話の発信規制の影響を受けない衛星携帯電話などを配備し、外部との情報通信に万全を期すべきであります。
 さらに都は、新たに震災時行動マニュアルを作成し、協力業界団体との連絡体制や作業手順などを明確にすべきであります。見解を求めます。
 次に、都立高校における外国人生徒の受け入れについて質問します。
 東京における外国人登録者数はふえ続けており、平成二十二年四月一日現在では、四十一万人を超え、人口総数に対する割合も三・二%です。
 また、学校基本調査によると、平成二十二年五月一日現在の公立中学校の外国籍生徒数は二千八百七十人、公立中学生総数に対する割合も一・三%と徐々にふえ続けております。
 こうした状況の中で、外国籍の生徒を高等学校に受け入れ、教育機会を提供する必要性はますます高まっております。これまで都は、都立国際高等学校と飛鳥高等学校に、在京外国人生徒対象枠を設けて受け入れをしてまいりましたが、応募倍率は高く、国際高等学校では四倍を超えるような年もあり、受験せず、あきらめる生徒も多かったと聞いております。
 こうしたことから、まだまだ在京外国人生徒対象の募集枠は不足しております。平成二十四年度以降、都立高校における在京外国人生徒対象の募集枠を拡大すべきであります。見解を求めます。
 次に、在京外国人生徒の都立高校入学者選抜について質問します。
 現在、在京外国人生徒を対象とした募集枠に応募するには、外国籍を持っていることが条件となっております。しかし、国籍の扱いなど、さまざまな事情により外国籍を取得できず、日本国籍だけを持ったまま、長い期間、外国で生活をしている子どもがおります。すなわち、日本国籍と外国籍の両親のもとに生まれ、日本国籍を有する者で、子ども時代のほとんどを外国で生活し、外国語が実質的な母国語という子どもです。
 このような子どもについても、選抜試験を受検することができるようにすべきであります。見解を求めます。
 最後に、日本語指導のできる教員の活用について質問します。
 都立高校での日本語指導が必要な外国人生徒の増加に対して、日本語指導のできる教員を、必要に応じて的確に都立高校に配置すべきであります。
 教育長からは、昨年度の決算特別委員会における我が党の質問に対し、教員の人材情報をデータベース化し、日本語指導のできる教員を積極的に活用していくとの答弁がありました。しかしながら、教員の配置については、まだまだ十分とはいえません。
 そこで、都立高校への日本語指導可能な教員配置については、さらに拡充を図るべきであります。見解を求め、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 吉倉正美議員の一般質問にお答えいたします。
 都民の連帯と共生意識の醸成についてでありますが、今回の震災で、東北地方の方々は、被災直後の厳しくつらい状況にも耐え忍んで、被災者同士で助け合っております。また、若い役場の職員が、みずからの命を犠牲にしてまで、津波から市民を退避させるよう呼びかけてもおりました。これらは、日本人が本来持つ美質にほかならないと思います。
 危険な地政学的条件のもとにありますこの日本において、我々には、いつ発生してもおかしくない震災に備え、みずからの命は自分で守るという決意と、身近な自主的な支え合いが求められておりまして、そのことが、今回の震災でも大きな教訓として明らかになりました。だからこそ、防災隣組の構築に着手したわけであります。
 古い話ではありますけど、私の子どものころには、戦争前から戦争中にかけて隣組というのがありまして、「とんとんとんからりと隣組」という歌までありました。回覧板という、そのまちの情報を伝える、何ていうんでしょうか、紙を板に載せて、次から次へ隣のうちに伝達する、そういう仕組みもありましたし、隣組同士で足りなくなった塩を借りたり、しょうゆを貸したり、そういうような非常に美しい、きめの細かいコミュニケーションがありましたが、それに比べて、人と人のつながりがいかにも希薄となった今日の大都市東京において、木造住宅密集地域で区民レスキュー隊が結成され、東京駅周辺の企業が合同で災害時のマニュアルを作成するなどの取り組みが既にありました。
 こうした連帯の芽を発掘して、広く敷衍していくこと、都民同士の身近な支え合いの根を広げていきたいと思っております。
 いかなる国家、社会においても、人間同士の連帯なくして生活が成り立つものではありません。大震災の教訓を風化させぬように、都民の意識改革を進め、都市における住民の連帯を再生していきたいものだと思っております。
 他の質問については、教育長及び関係局長から答弁します。
   〔教育長大原正行君登壇〕

〇教育長(大原正行君) 三点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、都立高校における外国人生徒の受け入れについてでございます。
 東京が、国際都市としての地位をより高めていくためには、東京に居住する外国人生徒に対して、義務教育のみならず、高等学校教育の機会の提供など、教育環境の整備をすることが求められております。
 都教育委員会は、平成二十四年度入学者選抜から、都立国際高等学校及び都立飛鳥高等学校に加え、都立田柄高等学校において、在京外国人生徒対象者の募集枠を新たに設置することといたしました。
 今後は、中学校における日本語指導が必要な在京外国人生徒数の動向や、新たに設置する都立田柄高等学校を含めた三校の入学者選抜の応募状況等を勘案し、募集枠のあり方について検討を進めてまいります。
 次に、在京外国人生徒対象枠の応募資格についてでございます。在京外国人生徒対象枠は、日本語に十分習熟していないが、学習意欲や能力がある外国籍の生徒に対し、高校において学ぶ機会を保障するために設置しているものでございます。そのため、現在、在京外国人生徒対象の選抜においては、応募資格を外国籍を持つ者と限定をしておりまして、日本国籍のみを持つ者は対象としておりません。
 しかしながら、それぞれの国が定めている国籍法により、日本国籍だけしか取得することのできない場合もございますことから、今後、その応募資格の扱いについて検討してまいります。
 次に、日本語指導のできる教員の活用についてでございます。都立高校に在籍する外国人生徒への教育に当たっては、生徒の母語に応じて適切に日本語指導ができ、生徒理解にたけた教員の確保が不可欠でございます。都教育委員会では、昨年度から、各校の校長を通じて人材情報を収集し、データベース化を図り、日本語指導にすぐれた教員を必要とする都立高校への配置に活用しているところでございます。
 今年度は、校長から情報を収集するだけではなく、すべての新規採用教員の提出書類に得意とする語学と、その水準を新たに記載させることといたしましたほか、語学研修の修了者や海外派遣経験者の情報を都教育委員会みずから収集し、データベースの精度を高めまして、日本語指導を必要とする都立高校へ、適材適所の人員配置をさらに進めてまいります。
   〔総務局長笠井謙一君登壇〕

〇総務局長(笠井謙一君) まず、帰宅困難者対策訓練についてでございますが、首都直下地震発生時には、交通機関の途絶により、大量の帰宅困難者が発生するだけでなく、広範囲にわたる建物倒壊や火災によって、多数の負傷者が生じるものと想定されております。
 このため、都は、関係機関と連携し、速やかに負傷者の救命救助を実施するとともに、帰宅困難者に対しても適切に対応していかなければならないと考えております。
 このことを踏まえまして、来年実施する帰宅困難者対策訓練におきましては、今後、関係自治体と調整を図りつつ、ご指摘のような複数駅での実施や、負傷者の救命救助訓練の実施など、実践的な内容を盛り込むよう検討してまいります。
 次いで、都の事業継続計画についてでありますが、事業継続計画を有効に機能させるためには、教育や訓練の実施を通じて、その内容を検証し改善する事業継続マネジメント、いわゆるBCMが重要でございます。
 今回の大震災では、発災後に事業を継続するに当たって、計画停電や物流途絶など、これまでの計画になかった想定外の事態の発生により、さまざまな支障が生じました。この教訓を踏まえ、新たな課題への対応策を検討し、現行の事業継続計画と、それに基づくマニュアル類を改定するとともに、計画に基づく実践的な訓練を実施し、発災時の対応力の向上を図ってまいります。こうしたBCMの取り組みを着実に推進し、発災後の都の事業継続を確保してまいります。
   〔水道局長増子敦君登壇〕

〇水道局長(増子敦君) 二点のご質問にお答えします。
 まず、震災時の仮設給水栓方式の積極的な活用についてでございますが、都では、給水拠点に水をとりに来ていただく拠点給水方式により、震災時の飲料水の確保を図っております。これに対し仮設給水栓方式は、使用可能な水道管の消火栓に仮設の給水栓を設置し、直接、住民に水を提供するもので、拠点給水方式や車両による給水方式を補完する有効な手段であると考えております。
 その運用に当たりましては、消火活動を行う消防庁等や住民への水の配り手となる区市町との連携が必要となることから、それらの関係機関と具体的な運用方法について協議を進めてまいります。
 今後、区市町の意向を踏まえた上で、年度内には合同の訓練を実施できるよう調整を行い、都民への仮設給水栓方式の普及拡大を図ってまいります。
 次に、発災時の協力業界団体との情報連絡網の整備についてでございますが、水道管が被害を受けた場合、単価契約事業者と協力して、応急復旧に当たることとしております。このため、発災時には、これらの事業者と連絡をとり合い、当局の事業所や現場に参集していただくことが重要となります。
 発災時には、一般の電話やファクス等は発信規制がかかるため通じにくくなり、ご指摘のように、これらの事業者との情報連絡に支障を来すおそれがあります。このため、当局所管部署へ、発信規制のかからない衛星携帯電話の配備をさらに進めるとともに、メール等を活用した連絡体制を構築してまいります。
 また、事業者のための震災時行動マニュアルを新たに作成し、当局との連絡体制や復旧作業に必要な緊急通行証の受け取り方法など、災害時の具体的な行動を明確にしてまいります。このような取り組みにより、協力業界団体との連携をより一層強化し、発災時の迅速な応急復旧活動の確保に努めてまいります。

〇副議長(鈴木貫太郎君) 二十三番早坂義弘君。
   〔二十三番早坂義弘君登壇〕

〇二十三番(早坂義弘君) 余命半年。ある日、末期がんだと告知され、残りの人生が六カ月だとわかったら、その半年間をどう過ごすでしょうか。私なら、告知を受けた直後はショックでしばらく寝込むかもしれません。しかし、すぐに思い返して、海外旅行に行き、おいしいものを食べ、最期は愛する家族に囲まれながら、ありがとうといって、がくっと絶命する。そんなふうにして過ごしたいと思います。
 しかし、先日お会いした東邦大学大森病院の大津秀一先生からは、早坂さんが思う最期はまるでテレビドラマのようですが、そのような死に方をする人は一人もいませんといわれました。現実には、抗がん剤の副作用で食欲が低下し、何を食べても砂をかむように感じる。せん妄という精神的混乱状態が発生し、大声で家族に暴言を吐く。そんな姿を見るのはつらいから、見舞いに来る家族の足が遠のく。延命のために人工呼吸器などの機械や管がどんどん体に取りつけられていく。私の理想からはかけ離れた、こういう状態で死に行く人が多いそうです。思い返してみると、私自身、ご遺体と対面したことなら何度もありますが、人がまさに死に行く姿を、実は一度として見たことがありませんでした。
 がんは痛いといいます。それについても尋ねました。大津先生は、適切なケアを受ければ、がんの苦痛は劇的に違ってくるし、早坂さんの理想の終末期に近づけることもできると断言しました。これが緩和医療と呼ばれるものです。
 緩和医療は、がんを治す治療ではありません。患者の苦痛を軽減させるための医療です。
 しかしながら、今日、我が国でこの緩和医療が十分に提供されているとはいえません。緩和医療に不可欠の医療用麻薬の、国民一人、一日当たりの使用量がアメリカの二十分の一だということを見てもわかります。ちなみに、麻薬というと注射のイメージがありますが、今日では錠剤が主流で、中には張り薬もあるそうです。
 我が国で緩和医療の提供が十分ではない理由は二つです。
 一つ目は、患者や家族の緩和医療に対する誤解です。苦痛を軽減させる緩和医療とがんを治す治療とは併用可能であって、決してどちらか一つしか選択できないものではありません。しかしながら、緩和医療といわれたら、あとは死ぬだけという間違った思い込みから、緩和医療を拒否する患者すらいると聞きます。モルヒネは終末期患者の頭をおかしくせず、命も縮めず、痛みだけを取るという、すばらしい効果を発揮します。緩和医療とはどういうものか、都民に対して、正しい理解を促していく必要があります。
 緩和医療の提供が十分でない理由の二つ目は、緩和医療の臨床に秀でた医師、看護師の不足です。昨年、都内で亡くなったがん患者は三万二千人。これに対し、緩和医療専門医は、二年間で全国二十四人しか生まれていません。若手の医師、看護師に緩和医療を教育できるスタッフが、そもそも少ないのです。
 余命半年と宣告された後、どんなに病気が苦しくても少しでも長く生きたいか、あるいは苦痛を伴う延命治療を拒否するか。このリビングウィルに関して、日本尊厳死協会が、みずからの意思を示すためのマニュアルを公開しています。しかし、それが現実に一〇〇%尊重されるかといえば、それは甚だ微妙です。
 というのも、特に延命拒否の意思は、生命の長さが最優先という医療現場の常識があるゆえに尊重されにくいからです。家族からすれば、やはり長く生きてほしいと思うでしょうし、医療者の立場からすれば、裁判ざたになることに対しての備えという側面もあります。その意味で、延命拒否の意思を持つならば、これに対する事前の十分な意思疎通が患者、家族、医療者の間で必要です。
 家族に迷惑をかけないならば、みずからに残された最後の時間は、病院ではなく住みなれた自宅で過ごしたいと思います。そのことを先ほどの大津先生に伺いましたら、患者が自宅に戻りたいのなら、在宅で緩和医療を受けるのがいいし、それは可能だとおっしゃいました。そもそも緩和医療とは、単に肉体的な苦痛に限らず、広く精神的なものまで含んだものであります。実際、自宅に帰りたいという希望をかなえるだけで、苦痛のある部分が軽減され、モルヒネの投薬量が減るケースがほとんどだそうです。人生は長ければ長いほどいいか、短くとも充実を求めるか、人生いろいろだと思います。しかし、そのどちらであっても、緩和医療は、人生最期のときを満ち足りたものにする手助けになります。
 そこで、がん終末期患者のクオリティー・オブ・ライフと緩和医療に対する知事のご見解を伺います。
 次に、都民の防災、危機意識の喚起について伺います。
 東日本大震災では、二万人もの死者、行方不明者が発生しました。心からお見舞いを申し上げます。
 この間、何よりも私の心に残ったのは、釜石の奇跡、すなわち、岩手県釜石市での死者、行方不明者、一千二百人のうち、小中学生はわずか五人だったという事例です。
 ある中学生たちは、避難の途中、幼稚園や小学校の子どもたちに遭遇しました。そこで、ある者は小学生の手を引き、ある者は幼児の乗るベビーカーを押して走りました。指定の避難場所に到着したものの、そこも危険だと自分たちで判断し、さらに高台に避難したおかげで、間一髪、一人の犠牲者も生まずに済んだという事例がありました。これは、津波から絶対に命を守るという強い危機感のもとで行われた防災教育の大いなる成果であります。
 釜石の中学生たちは、単に助けてもらうだけの存在ではなく、みずから率先して避難し、さらに自分より弱い立場にある人たちを助ける側に回りました。これを見れば、釜石の防災教育が、実は人間教育ともいえるものであり、見事なまでの成果に私は強い感銘を受けるのです。
 では、東京においてはどうでしょうか。東日本大震災は津波という水の被害でしたが、私たちが備えるべき首都直下地震では、火災による被害が想定されています。関東大震災や東京大空襲など、大火災によって何万人もの犠牲者が生まれた歴史を二度と繰り返してはなりません。逃げ場を失った人々が阿鼻叫喚をきわめて焼け死んでいったのです。
 そこで、今求められるのは、木造住宅密集地域の解消や緊急輸送道路沿道建築物の耐震化です。しかしながら、そのための施策がほとんど進んでいないことは、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化がいい例です。昨年、内容が強化され、耐震診断に係る補助率は十分の十に引き上げられましたが、実はそれ以前も、五分の四という高いものでした。加えて、沿道建築物の所有者に対し、都庁職員が戸別訪問をして意識啓発を図ってきました。しかし、対象一万二千軒、うち四千軒は戸別訪問までして、耐震診断に結びついたのはわずか三十九軒、〇・三%にすぎなかったのです。
 そこで、あめとむち。すなわち、あめの方は、究極ともいえる補助率十分の十。むちの方は、義務に反して診断を受けなかった場合、その事実の公表という手段で、今度こそ耐震化を進めようとしています。
 つまり、行政がどんなに働きかけても、肝心の都民自身が、みずからの私有財産の耐震化、不燃化を進めない限り、防災まちづくりは進みません。切迫する首都直下地震、あるいは東海、東南海、南海の三連動地震から、私たち都民の生命と財産を守るために、最も必要なのは都民自身の強い危機感です。
 そこで、都民の防災、危機意識の喚起について、知事のご見解を伺います。
 危機意識の喚起という観点から三つ提案があります。
 一つ目の提案は、都内すべての中学生に、三時間の普通救命講習を、そして、高校生に八時間の上級救命講習を受けてもらうことです。助けてもらう側から助ける側へ、卒業証書と一緒に救命講習の認定証をつけて渡せば、自分は助ける側にいるのだという意識啓発にもなるでしょう。だれかが倒れたら、すっと近くの若者が駆け寄る、オリンピックを迎える二〇二〇年には、そんな社会を実現させようではありませんか。
 二つ目は、防災都市計画博物館の設立です。二〇一六年東京オリンピック招致の際、森ビルの協力で一千分の一スケールの都市模型をつくりました。北京、上海、ソウルの各都市では、この都市模型が都市計画博物館に設置され、現在、過去、未来の都市の発展について、市民自身が学べる仕組みになっています。しかし、東京には都市計画博物館そのものがありません。
 木造住宅密集地域に火災が発生したら、どのように延焼するか。海抜ゼロメートル地帯はどこまで広がっているか。どれだけの大雨に、河川と下水道は耐えられるか。富士山が噴火したら、東京に火山灰がどれだけ降り積もるか。環状道路の渋滞緩和効果はどれくらいあるか。そういった東京という都市の魅力、特徴、弱点を都民自身が理解し、危機感と将来の夢を腹の底から感じられる仕組みをぜひつくりたいと思います。
 三つ目は、備蓄についてです。職域における備蓄は、これまで会社や学校という組織が、みずからの構成員のためにまとめて倉庫に用意しておくという考え方が主流でした。しかし、個人でできることは、最低限、自分自身で頑張ってもらうというように考え方を変えてはどうでしょうか。手始めに、ペットボトルの水は倉庫にではなく、自分自身のロッカーに自分で用意する。だれかのためにもう一本プラス用意できればなおいい。東京じゅうの職場でそれが実行できれば、たった水一本だけのことで、防災への認識が、がらっと変わります。
 つまり、防災とは、だれかに助けてもらうことではなく、自分自身の努力なのだという意識革命を、具体的な行動を提示することで促すべきです。東京都が着手した防災隣組は、自助と共助を進める仕組みだと考えます。
 そこで、この防災隣組をどう進めていくのか伺います。
 最後に、緊急豪雨対策について伺います。
 今月の台風十二号、十五号は、各地で歴史的被害をもたらしました。また、多発するゲリラ豪雨対策も急がれるところです。東京都は昨年、建設局、都市整備局、下水道局の三局連携で、緊急豪雨対策を策定し、浸水危険地域の重点整備と、そのスピードアップをうたっています。
 このうち、下水道事業の取り組み状況について伺います。
 私の住む杉並区、JR阿佐ケ谷駅周辺は、これまで残念ながら浸水被害の常襲地となっていました。
 そこで、東京都は、雨水貯留管の整備を進めています。その進捗状況について伺います。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 早坂義弘議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、がんの終末期患者の緩和医療についてでありますが、医学が進歩した現代にあっても、人は必ず老い、そして、やがては死んでいくものであります。ソルボンヌ大学の哲学の主任教授のジャンケレヴィッチの死に関する非常に興味深い分析の本がありますが、その中にも、死は人間にとって最後の未来であると書いてありますけれども、しかし、それが未来であるがゆえに、この自分が必ず死ぬということを信じている人間は余りいないわけであります。
 がんによる余命宣告は、こうした自分の死といや応なく向き合うことを強いるわけでありまして、また、がんの進行は痛みを伴い、気力や体力を徐々に奪うものでしょう。終末期患者の緩和医療は、死の恐怖がもたらす心理的な苦痛や痛みからくる身体の苦痛をできるだけ取り除く医療であり、死と向き合うことを支援する医療でもあります。
 しかしこれが、ご指摘のように、専門家が少ないゆえに、余り日本の社会で敷衍していない。そういうことで、例えば私の知己でもありました、すぐれた作家の吉村昭君は、何度目かのがんの末期にたまりかねて、もういいということで、自分で自分の延命装置を引きちぎって外して、自分で死を選びましたが、そういう悲劇というのでしょうか、そういう無残な出来事も、数を減らすことにつながると思います。
 死をいかに迎えるか、これを受け入れるかは、個々の人の人生観にもよるものでありますが、緩和医療は最期までその人らしい人生を全うするための手だてになるに違いないと私も思います。
 次いで、都民の危機意識の喚起についてでありますが、都から被災地に職員を派遣しておりまして、その報告の中にもありましたが、都会に生まれて、都会で育った若手の職員にとって、地域のつながりや被災をしながらも社会のために尽くす人々の姿に、非常に強い鮮烈な印象を受けたようであります。
 例えば、比較的若い世代といいますか、五十代の被災者が、みずから重くたくさんの食料を台車に積んで、坂道の住宅街を上って、高齢の被災者に届けていたそうでありますが、そういった姿は、人々の連帯によってこそ成り立つ人間社会の本来の姿を、都の職員たちにも、若い職員にも気づかせてくれたと、非常に人生にとって得がたい体験をさせてくれたものだと思います。
 私のような世代は、隣近所のきずなの中で育ってきましたから、戦後、義務や責任がないがしろにされて、また、自分を産んで育ててくれた両親と住みたくないという若いカップルは家族を核家族化しまして、地域のつながりもなくなり、家の中でも、家族の中でも連帯が薄れていくという、そういう世代がふえる中で、今回の大震災は、我々がみずからを省みる重要な機会としなくてはならないと思っております。ゆえにも、今日の東京の実情や特性を踏まえ、防災隣組を構築していくつもりであります。
 これを発表しましたときに、ばかなメディアが幾ら予算をつけるのかといいましたが、私は一笑に付しましたけれども、これはあくまで心と心のつながりの問題でありまして、そんなもの幾ら高い金を積んでもできるものじゃありません。
 そうした状況の中で、震災に直面した方々の生の声や専門家の知見、震災の実際の映像によって、必ずやってくるであろう地震の怖さを都民にわかりやすく伝えて、危機意識の喚起をしながら、都民一人一人が地震を我がこととしてとらえて、防災の担い手であるという自覚を高めていってもらいたいものと思っております。
 他については、関係局長から答弁します。
   〔総務局長笠井謙一君登壇〕

〇総務局長(笠井謙一君) 防災隣組の取り組みについてでございますが、都民一人一人が震災に対し危機感を持ち、自身が防災の担い手であるという意識を持ち行動することは、地域の防災力を向上していくために大変重要でございます。
 このため、都民の自助、共助を強める取り組みであります防災隣組の構築に着手をいたしました。地域のきずなが希薄となった東京におきましても、木造住宅密集地域における区民レスキュー隊、都心部の企業による企業防災隣組など、共助の取り組みが行われております。
 そこで、区市町村とも連携いたしまして、こうしたさまざまな取り組みを発掘、後押しすることで、新たな活動を誘発し、より多くの都民の参加を促していきたいと思っております。
   〔下水道局長松田二郎君登壇〕

〇下水道局長(松田二郎君) 二件のご質問にお答えをいたします。
 まず、緊急豪雨対策における下水道事業の取り組みについてでございます。
 局所的豪雨が頻発する一方で、東京では地下街利用の高度化による浸水リスクが増大をしております。そこで、大規模地下街などの周辺では、一時間七五ミリの降雨に対応できる貯留施設などの整備を進めております。これまでに整備した新宿駅周辺などの四地区に加え、新たに渋谷駅東口周辺や東京駅丸の内口周辺など五地区を追加することとし、このうち渋谷駅東口周辺については、街区基盤整備事業の中で貯留施設の整備を行うもので、今年度中に工事に着手をいたします。
 また、神田川、石神井川、白子川の三河川流域において、下水道施設を前倒しで整備することといたしました。このうち、杉並区などの雨水を集める神田川流域においては、桃園川幹線流域で新たな幹線を整備するため、調査設計に着手をいたしました。
 次に、JR阿佐ケ谷駅周辺における雨水貯留管整備の現在の進捗状況についてでございます。
 駅周辺はくぼ地であり雨水が集まりやすいという地形的な特徴があることから、過去に繰り返し浸水被害が発生をしており、特に平成十七年九月の集中豪雨では、駅前一帯が浸水する被害となりました。被害の早期軽減に向け、阿佐谷南地区を対策促進地区として重点化し、阿佐ケ谷駅の東側を南北に通る都道中杉通りの道路下に、内径二・八メートル、延長約四百五十メートル、貯留量約二千四百立方メートルの貯留管を整備することといたしました。
 駅前ロータリー内に工事の作業基地を設置するに当たり、区と連携して関係機関との調整を進め、工事に着手することができました。また、地元の皆様のご協力をいただくことで、工事を円滑に進めることができております。
 その結果、当初、平成二十四年度中の完成の予定でございましたが、平成二十三年度末には完成できる見込みとなっており、早期の浸水被害の軽減に向けまして、引き続き、全力で工事を進めてまいります。

〇副議長(鈴木貫太郎君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時九分休憩

   午後三時二十五分開議

〇議長(和田宗春君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 二十八番淺野克彦君。
   〔二十八番淺野克彦君登壇〕

〇二十八番(淺野克彦君) 石原知事は、著書「新・堕落論」の中で、天はみずから助くる者をのみ助くという人間社会の公理を、そろそろ我が身に当てはめて事を考える時期に来ているのではないかと述べられております。これは、日本の国防に関することでしたが、私は、この国のすべてのことについて同様に考える必要があると思っております。
 例えば福祉であります。近代国家において、福祉というものは成熟した国家のあかしともいえ、みずからに起因しないことで、つまり不運に見舞われた方々を制度によって救い、支えていくということは、すばらしいことだと思います。
 しかし、それは、国民がみずからの努力でどうすることもできない場合です。もちろん、大多数の国民は誠実にみずからの努力で生きておりますが、一方で、さまざまな制度を悪用するような方がいることも事実です。
 ただ、ここで、私がより問題に感じるのは、そのような制度を悪用するやからではありません。まじめに、そして誠実に暮らしてきながら、不運に見舞われ、福祉制度に助けられ、その制度なしでは生きられなくなってしまう、あるいは、利用していないまでも、安心を得るために何でもかんでも制度として用意させようとする、そのようなところに今のこの財政状況では遠くなく破綻してしまうというのは、知事も常日ごろおっしゃっているとおりだと思います。
 我が国の福祉政策は、そろそろ、助ける、救うというよりも、自立させるということをより強く発信していかなければならないのではないでしょうか。
 人は、基本的に怠け心があるものです。水が高きから低きに流れるがごとく、人の心も強い意思がなければ自然と楽な方に流れてしまいます。だからこそ、さまざまな制度で満足してもらうことよりも、自分の足で立って生きているという基本を重要視すべきだと考えます。
 そこで、これからの福祉政策は、自立を中心に据えて実施すべきだと考えますが、今後の社会保障制度のあり方について、知事の所見を伺います。
 自立という観点でさまざまな政策を見直していきますと、厳しいようですが、生活保護についてもしっかりと見ていかなくてはなりません。もちろん、この社会における最後のセーフティーネットであり、国の制度でもありますから、都で簡単にどうこうできることではありませんが、検証することは必要です。
 例えば、人間はそう簡単にリスクをとれないものです。就職を探すとしても、一度生活保護を受けてしまえば、自分が一〇〇%満足する就職先を探し続けてしまう場合もあるでしょう。これは、保護を受けていることが悪いとかそういう話ではなくて、制度として、自立してもらおうという観点が弱いように思うと、そういうふうに思います。
 ましてや、現在のような社会経済情勢の中ですと、失業を契機として生活保護を受給している人がふえております。就労可能な方には、できる限り早く生活保護からの自立を促していくことが必要だと考えます。都がどのように取り組んでいるのか伺います。
 また、さきにも申し上げたとおり、生活保護は最後のセーフティーネットです。だからこそ、生活支援という面が強く出てしまうのもわからなくはありません。であれば、生活保護を受ける前に、自立できるように手助けをする仕組み、生活支援より自立支援を強く意識したものが必要だと考えます。いわゆる第二のセーフティーネットのことです。
 都はこれまで、緊急対策とはいえ、そのような制度を全国に先んじて行っていたことについては評価をいたします。そのような取り組みもあり、国は、求職者支援法をこの十月から施行し、時限ではなく恒久的な制度としてスタートします。とはいえ、この制度がまだ十分なものとはいえません。特に、福祉とはいえ、自立を促す意識を持ち続けていかなくてはなりません。こうした制度がスタートすることでもあり、都は、生活保護に至る前の対策としてどのように取り組んでいるのか伺います。
 子育ては、日本の将来を担う人材を育成する最も重要な取り組みです。特に、脳や体、人格の基礎を形づくる幼少期は、子どもにとっても親にとっても大切な期間であります。
 しかし、その大切な時期の子どもたちを対象とする幼稚園、保育所の所管は、国においては文部科学省と厚生労働省に分かれております。都においても、教育庁、福祉保健局、生活文化局に分かれております。このことについて、幼保一体化の議論も十数年前からありますが、遅々として進んでいないように見えます。
 本来、幼稚園も保育所も、通うのは同年代の同様に大切な時期を過ごす子どもたちです。一体化の議論も、残念ながら時に制度論に終始し、幼少期の環境、教育がどうあれば子どもにとって、社会にとって、そして将来の日本にとってよいのかという根本的な問いかけをしているようには見えません。すぐに一体化すべきということをいうつもりはありませんが、少なくとも対象とされる子どもは一緒なのですから、情報の共有は図るべきだと考えます。
 そこで、子育て施策に関して、幼稚園、保育所を所管する局が分かれていたとしても、子育てに関する諸課題を共有し、積極的に情報交換をするなどの取り組みを都が先陣を切って進めるべきと考えますが、所見を伺います。
 また、保育所を初めとする保育サービスは、保護者の社会生活や経済活動の多様化により、そのニーズが高まっていることは、保育所をふやしても待機児童がなかなか減少しないことからもわかります。したがって、これまで都が行ってきたように、さまざまな保育サービスの拡充を図ることは確かに重要であると思います。
 しかし、一方で、子育ては親育てといわれるように、子育てを通して親心がはぐくまれるという側面も忘れてはなりません。特に、昨今のように核家族化が進み、大都市にある地域コミュニティの希薄化も進めば、大人が幼少期の子どもに触れ合う機会そのものすら減ってきていると思われます。これはつまり、現在の社会では、保護者の養育力、もっと簡単にいえば親心をはぐくむ社会的な環境が悪化しているともいえるのではないでしょうか。
 そのような中で、保育サービスの拡充によって、親が一人前の親として成長するチャンスを奪うことになってはならないと考えます。我々政治家も、保育サービスの拡充を声高に叫ぶに当たって、子育て支援のみの視点に寄ってきてしまったのではないかと、自戒を込めて振り返るときに来ているのではないでしょうか。
 誤解のないように申し上げますが、保育サービスの拡充に反対しているわけではありません。子育て支援という視点のみで保育サービスの拡充が進めば、保護者の養育の責務が希薄化することも懸念されるということです。拡充するとしても、子育てが親育てであるならば、保育サービスは、子育ての支援であると同時に親育ての支援でもなければならないと申し上げたいと思います。
 そこで、保育所は、保育サービスを提供していくだけでなく、そこを利用する保護者の養育力を向上させる役割も果たすべきと考えますが、都の見解を伺います。
 この国の先を憂う方々の話を聞けば、教育をよりよくしていくことが必要であることは異口同音に聞くことができます。国を構成しているのは、第一に国民であり、我々政治家、役所の方々、メディアに至るすべての方々、すべての国民の資質維持と向上が日本の未来を明るくしていくことに異論はないでしょう。
 それだけに、教育というのは重要なものであり、石原都知事も著書の中で、近代史、現代史を必修科目として教えることの必要性に触れ、歴史認識について、その時々の選択の是非については、それを教えられる者たちの判断、選択に任せたらいいと述べられております。私も全く同感でございます。
 ただ、歴史認識だけでなく、教育はある種の主観を押しつけるべきではありません。先入観や固定観念を持たせない教育が必要です。
 また、教科書選定についても、最近さまざまな話題となっております。新しいものを認めない、中身をちゃんと確認もせずに思い込みによる批判をしている姿を見ると、教育というものからほど遠い感覚を覚えてしまいます。
 ただ、私は、教科書や資料集、そういったものも重要だとは思いますが、教育にとって最も大切なのは人、つまり教員だと思います。なぜなら、教科書にどのようなことが書いてあったか、今ここで覚えている人はそんなに多くはないと思いますけれども、教師から授業中に教えられたことは今でも記憶に残っている人は少なくないと思うからです。であるなら、教科書選定以上の関心が教員の指導方法、あるいは教員の指導の方向性に向いていってもいいのではないでしょうか。
 これからの日本を支える人材を育てる場を担う教員には、価値判断や情報分析すらだれかに頼らなければ自信が持てないような人間ではなく、精神的に自立した大人になるための教育をしていただきたい。
 教科指導においても、教員は児童生徒に大きな影響を与えるのですから、従来の固定観念や先入観にとらわれない、そういった教育ができる教員の育成が必要であると考えますが、都の見解を伺います。
 次に、医療について伺います。
 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターから、地方独法移行後、二度目の業務実績評価報告をさきに受けたところであります。その内容は、おおむね着実な業務の進捗状況にあると報告されております。
 この施設は、病院と研究所を統合し、研究成果を臨床においてすぐにフィードバックできるということも期待できます。また、独法化により運営面などでの自由度も上がったと思われます。
 この報告書では、年度計画の項目に関して実施状況を評価したものでした。ただ、評価書には、数値としてその成果が一目瞭然のものもあれば、そうでないものもあります。数値にはあらわれない独法化によるメリットを、都としてどのように認識しているのか伺います。
 さきの東日本大震災は、大津波などで甚大な被害を与えました。首都東京も、いつ直下型地震が来てもおかしくない状況であり、あの震災からたくさんのことを学び、生かしていかなければなりません。もちろん都は、そういった姿勢で防災計画の見直しなどを行っております。
 私も、被災地に派遣された医療関係者の話などを聞きました。災害発生当初は、緊急対応に追われ、派遣された医師が引き揚げるときには、引き継ぎというか患者情報の伝達を行っていきます。その派遣されたときから、自分の病院の書式で診療記録をとっていた医師団は、引き揚げるときに新たに診療記録をつくり直し、二度手間になったと伺いました。
 これは、だれが悪いということではなくて、今実際に起こったからこそわかることです。実際にカルテなどが統一書式でないことも、私は初めて知ったわけですから。
 そこで、将来に備え、発災時、日本じゅうどこの医師団が来られても同様の記録が残るような準備をしておくべきです。本来は、国あるいは日本医師会などが主導して全国レベルで行うことではありますが、それを待つまでもなく、まず都が検討する必要があると考えます。都の見解を伺います。
 九月十六日付の読売新聞に、光が丘にある四つの練馬区立小学校において、法で義務づけられている完了検査を受けていないことが報じられておりました。昨日も、そして本日も読売新聞紙上にはその記事が載っており、きのうは、別の小学校の増築工事においても完了検査済み証が発行されていないことが載っておりました。
 民間企業ならば罰則もある義務であり、公的機関が怠ることは許されるものではありません。この件につき、局に確認したところ、さきの四つの小学校については、平成二十年には都として把握していたとのことでした。
 また、さきの報道によれば、当の練馬区の担当者は、現在は調査をしている最中ということですが、当初は、他の小学校についても調査、確認を行わないと答えていました。この感覚が問題だと思います。
 もちろん、実際の小学校は、当時の資料を調査し、安全上問題ないことは確認済みであるようですが、手続上のこととはいえ、指導監督する立場でもあり、今さらという感もぬぐえません。
 ただ私は、ここでこのようなミスを殊さらに取り上げて責任追及するようなことがいいとは思っておりません。大切なのは分析と検証であり、人は完璧ではあり得ないのですから、同様の事案が発生しないように調査、確認を行って、将来につなげていくことこそが大切です。
 特に、こういったミスが起こり得る背景が、単なる人的なものなのか、制度上起こりやすいものなのかを分析することは、予防措置としても最も必要なことの一つであります。
 本来であれば、平成二十年の時点で、都内の全自治体に対し情報提供と確認を求めるべきでしたし、当初の把握から三年が経過をしておりますが、都は、今回の完了検査未実施の発覚を契機に、同様のことが発生していないかどうか、これまでの取り組みも踏まえて調査、確認を行うべきだと考えますが、今後の見通しについて伺いまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 淺野克彦議員の一般質問にお答えいたします。
 今後の社会保障制度は自立を中心に据えるべきとの指摘についてでありますが、これは、ここまで来てしまったこの国では、なかなか難しい政治命題だと思いますね。
 我が国は、世界にもまれな豊かで平等な社会を実現し、相対的に高い生活水準を維持しております。しかし、これは、あくまでアメリカ依存のあてがいぶちの平和の中で手にしたものにすぎないと私は思います。
 その結果、多くの国民は、みずから犠牲を払うことを嫌い、じだらくになって我欲に走るようになりました。東京にもその事例がありましたが、亡くなった、自分を産んでくれた親を三十年間も放置してミイラにして、その間、年金を詐取していたような、こういう人間は、世界じゅうどの国にもいないと思います。
 こうした今日の日本は、金銭が価値の第一となって、みずからが所属している国家や地域社会への帰属意識、責任感をなくして、立場や世代を超えて垂直に継承すべき価値の基軸すら失いつつあるような気がします。
 また、現在行われている高福祉低負担は、とても成り立ち得ないものにもかかわらず、これを保障するため、担保するための消費税を含めた増税の議論すらが忌み嫌われて行われない。政治もそれにこびて随従する。そして一方では、また行政への過剰な期待だけがかき立てられて、自助、共助、公助というバランスがすべてのことでないがしろにされていると思います。
 民族が既に失いつつある禁欲、自己犠牲、我慢、努力といった当然の価値観を取り戻すことは、今となってはなかなか難しいことと思いますが、ならばこそ、あるべき国家の姿を国民に改めて指し示し、冷静な認識のもとに社会保障のありようを形づくっていかなければならないと思います。
 福祉を含めた社会保障においても、自助、共助、公助の仕組みのもとで、だれもが自立して生活できる緊密でタイトな社会をつくらないと、我が国は、世界のだれもが経験したことのない超高齢社会を乗り越えることができずに、確実に衰退するという気がしてなりません。
 その他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。
   〔教育長大原正行君登壇〕

〇教育長(大原正行君) 教員の育成についてお答え申し上げます。
 学校教育においては、学習指導要領に基づき、発達段階に応じて基礎的、基本的な知識等を確実に習得させ、これらを活用して、みずから考え、主体的に判断し、さまざまな問題を解決する能力を育成することが重要でございます。
 こうした力を身につけることによって、児童生徒はみずからの個性や感性を高め、社会的に自立することが可能となります。
 都教育委員会では、このような教育を実現するために、教員に対し、経験年数や職層等に応じた研修を、講義や実習、ロールプレー等、さまざまな形態を取り入れて実施しているところでございます。
   〔福祉保健局長杉村栄一君登壇〕

〇福祉保健局長(杉村栄一君) 六点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、被保護者への自立支援の取り組みについてでございますが、国は、法に基づきます最後のセーフティーネットであります生活保護制度を、経済的な給付にとどまらず、被保護者の自立を組織的に推進する制度に強化するため、平成十七年度に自立支援プログラムを導入いたしました。
 また、都では、各区市がこのプログラムを効果的に実施できますよう、モデルプログラムの提供や先駆的な取り組みの紹介など、積極的に支援を行っております。これに加えまして、都独自の被保護者自立促進事業によりまして、求職活動時に必要な経費の助成など、各区市が行います自立に向けたさまざまな取り組みを支援いたしております。
 また、東京労働局、東京都などで構成いたします協議会を通じまして、福祉事務所とハローワークとの連携による就労支援の一層の強化を図るなど、自立の促進に努めております。
 次に、生活保護に至らないための支援についてでございますが、都は、生活に困窮している都民が、みずから生活安定への道を切り開けますよう、平成二十年度から、区市町村等と連携をし、国に先んじて、生活、就労の支援などを行う緊急総合対策三カ年事業を実施してまいりました。
 また、これらの成果を踏まえまして、現在、相談窓口の設置など、区市町村による低所得者、離職者対策への支援や、住居喪失不安定就労者などの自立に向けた介護資格取得や住宅確保の支援などに取り組んでおります。
 国は、こうした都の取り組みを受けまして、平成二十一年度に住宅手当や職業訓練など第二のセーフティーネットを整備いたしましたが、この制度が真の自立促進につながりますよう、国に対し各種支援策の見直しについて提案要求を行っているところでございます。
 次に、子育て施策に係る所管局の連携についてでございますが、都は、次代を担う子どもたちが健やかに生まれ、かつ育成される社会の形成を目指しまして、次世代育成支援東京都行動計画を策定し、福祉、保健、教育など、さまざまな分野にわたる施策を実施しております。
 この計画の着実な推進のため、庁内に子育て応援都市推進本部が設置されておりまして、子育て施策を所管いたします福祉保健局や生活文化局、教育庁などが、保育サービスや幼児教育の充実に向け、情報交換を通じて課題の共有を図り、施策に反映するなど連携に努めております。
 また、企業、関係団体、NPO等の参画を得まして、子育て応援とうきょう会議を設置いたしまして、幼稚園と保育所の合同研修など、都独自の取り組みも行っております。引き続き、子育て施策の充実に向けて、関係する機関相互の連携を進めてまいります。
 次に、保育所を利用する保護者の養育力の向上への支援についてでございますが、いうまでもなく子育ての第一義的な責任は保護者にございますが、同時に、次代を担う子どもたちを健やかに育てていくことは、社会全体の責務でもございます。
 こうした中で保育所は、適切な保育サービスを提供いたしますとともに、保護者の養育力の向上を支援する役割を担っており、現在、日常的なかかわりの中で、一人一人の保護者の状況を踏まえ、子育てに関する助言や相談を行っております。
 今後とも、都は、保育所がこうした役割を適切に果たすことができるよう、保育の実施主体である区市町村を支援してまいります。
 次に、健康長寿医療センターの地方独立行政法人化によるメリットについてでございますが、地方独立行政法人化により、健康長寿医療センターは、心臓外科や外来化学療法室の開設など、高齢者医療の新たな事業展開を図りますとともに、病院と研究所を一体化し、最新の研究知見を認知症診断に生かすなど、患者サービスの向上につながる取り組みを行っております。
 また、センターの常勤役員による常務会を中心といたしまして、自律的な意思決定を行える体制を整備し、収支状況や重要度を勘案して柔軟な予算執行を行いますとともに、必要な人材を確保するため、独自に専門資格手当制度を創設するなど、効率的かつ効果的な事業運営に取り組んでおります。
 最後に、災害用の診療記録についてでございますが、診療記録の記載事項や様式につきましては、医師法等により定められているものの、災害時に救護所等で使用する様式については、現在定められておりません。
 このため、今回の東日本大震災に伴う医療救護活動におきましては、地元医療機関の様式や医療救護班が持参したものなど複数の様式が存在したため、発災直後の混乱時には、記載事項の重複などが生じることもあったというふうに聞いております。
 今後、国に対して問題提起を行うとともに、都としても災害時の診療記録のあり方について、派遣した医療救護班や東京都医師会などの意見を聞きながら検討いたしまして、広く医療機関や他県に情報提供をしていきたいと考えております。
   〔都市整備局長飯尾豊君登壇〕

〇都市整備局長(飯尾豊君) 完了検査未実施の建築物への対応でございますが、確認検査制度は建築主の申請を前提とする仕組みでございまして、検査済み証交付率が低迷していたことから、都は平成十一年に、建築規制の実効性を確保するため、建築物安全安心実施計画を策定いたしました。
 この計画に基づき、確認済み証の交付の際、建築主に完了検査の必要性を周知するとともに、住宅資金融資の際に、検査済み証の添付を条件とするよう金融機関に要請するなど、受検率の向上に取り組んでまいりました。
 その結果、平成十一年度には約四〇%であった検査済み証交付率は、二十年度に九〇%に上昇いたしました。
 今後とも、電子化した建築確認台帳を活用するなど、完了検査が適切に実施されるよう取り組んでまいります。
 また、既存建築物については、区市と連携し、定期報告や増築などの機会をとらえ、完了検査の実施状況を把握し、建築基準法令への適合性について確認することにより、建築物の安全確保に努めてまいります。

〇議長(和田宗春君) 六十六番小宮あんりさん。
   〔六十六番小宮あんり君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

〇六十六番(小宮あんり君) 三月十一日に発生した東日本大震災と先日、西日本を襲った台風十二号、それに続く台風十五号の被害に遭われた皆様に、心からお見舞いを申し上げます。
 昨今の行政においては、民間の力を活用することの重要性がいわれています。もちろん、それは大変に重要なことです。しかし、私は、民間では決してできないこと、それでも、なすべきことがたくさんあると考えます。その最も重要な一つが、起きるであろう災害への準備であり、起きてしまった災害への対処です。
 東京はこれまで、さまざまな災害対策を積み重ねてきました。それでも、千年に一度という自然の脅威を目の当たりにして、改めて我々は今何をなすべきか考え直すことを迫られています。
 その一方で、東京では、高度成長期に急速に整備された社会資本が更新期を迎えています。今後、私たちが忘れてはならないのは、高度防災都市東京をつくるための投資と、既にある社会資本の維持更新のための投資が一体として行われることです。両者が十分にかみ合い計画的な投資がなされることが、大震災後のあるべき都市づくりであると思います。
 知事は常々、文明工学的視点を持てとおっしゃっておられます。今申し上げた視点が、これからの都市づくりの重要なポイントであると思います。これまで都議会自民党は、石原知事とともに、東京の災害対策と社会資本の充実を進めてきましたが、今後、「十年後の東京」計画の改定に当たり、ぜひ知事にこうした視点を反映していただきたいと思います。ご所見をお聞かせください。
 次に、具体的な震災対策について伺います。
 震災対策において、発災前の準備と発災後の緊急対応は車の両輪であって、どちらが欠けても成り立ちません。
 まず、発災後の対応についてお聞きします。
 震災時には、緊急物資の輸送はもとより、救急、救援活動を迅速に行うために、輸送路をふさぐ障害物を一刻も早く取り除くことが極めて重要です。
 そこで、都道における障害物の除去を発災後早期に行うための体制確保について、現在の都の取り組み状況を伺います。
 また、一たび震災に見舞われた場合、地域に根差した地元企業と連携し、迅速な作業をすることが必要です。しかし、昨今の経済状況により企業経営が悪化し、都が連携を図るべき企業そのものの減少が懸念されています。
 都は、さまざまな業界と災害協定を結び有事に備えていますが、こうした地元の協力体制にこたえるためにも、各地域の中小建設業の育成のためにも、都の契約制度において、そうした企業が一定の評価を得る仕組みが必要だと考えますが、所見を伺います。
 また、建設局は、現場を持つ事業局として、中小企業の確保策を積極的に進めるべきと考えますが、あわせて見解を伺います。
 次に、発災前の備えという視点から伺います。
 東日本大震災では、東北地方の各都市における復旧、復興において、道路の機能や、電気、通信、ガス、水道などライフラインの確保が大きな課題となりました。ここ東京においても、今回の震災によって、私たちがふだん当たり前のように使ってきた電気や水の重要性が改めて認識されています。
 被災地では、特に電柱の倒壊が災害復旧の支障となっている状況を確認してきました。阪神・淡路大震災においては、地中線の被災率は架空線の八十分の一程度でした。震災への備えというだけでなく、電線の地中化は、歩道に快適さをつくり出したり、狭い道路での通行をスムーズにするなど、都市の安全性や環境を向上させる効果があります。
 都はこれまでも「十年後の東京」計画に掲げるように、センター・コア・エリア内の都道について、平成二十七年度の完成を目途に、無電柱化を進めています。また、緊急輸送道路についても、その機能確保のために無電柱化を推進しています。
 それでも現在の都道全体の地中化率は、整備対象の三割程度にとどまっていますが、今後、防災の観点から、無電柱化への取り組みを考えるに当たっては、緊急輸送道路以外の都道においても、発災時の都民の安全、ライフラインの確保のために無電柱化に積極的に取り組むべきです。
 財源の確保や狭い道路での技術的な課題、関係者が多く調整が複雑であるという点など、電線の地中化は一朝一夕にできることではありません。しかし、だからこそ、東京という大きな力を持った行政が積極的に地中化を推進することで、首都の防災に臨んでいただきたいと思います。
 そこで、今後の無電柱化の取り組みについてお聞かせください。
 次に、台風への対策、また、東京で心配されるゲリラ豪雨、都市型水害について伺います。
 平成十七年九月のゲリラ豪雨では、一時間に一〇〇ミリを超える雨が降り、杉並でも三千戸以上が浸水しました。しかし、環状七号線の道路下を利用した調節池や、杉並から中野の地下に敷設された下水の貯留幹線が完成して以降は、これまでのような浸水の被害は出ていません。
 このような公共事業には、長い時間と巨額の費用がかかりますが、都民の安心・安全を守るためには必要な公共事業であるし、まさに民間にはできない仕事です。
 さて、都道には、延長が長く交通量の多い井荻トンネルを初め、多くのアンダーパスがあります。本年五月には愛媛県において、過去にも岐阜県や栃木県においてアンダーパスが集中豪雨により冠水し、そこに車両が進入して死者が出ています。
 都道では、幸いにもこれまで人的な被害はないそうです。しかし、先ほど述べたような大規模な公共事業とともに、都道の利用者の安全を日々図るということも大切な行政の役割です。
 そこで、都道のアンダーパスの冠水対策について伺います。
 これまで、東京における災害対策について伺ってきましたが、そのすべての基本となるのが都民一人一人の力です。私たちの住むまち東京は、地域に根差した多くの都民に支えられて成り立っています。
 例えば、私の住むまち杉並では、大勢の方が防犯パトロールや美化活動に汗を流しています。消防団を初めとする防災訓練に励んでいます。そして、子どもやお年寄りを地域ぐるみで温かく見守っています。行政に頼る前に自分で何とかする、自分で何とかできないときは互いに助け合う、まさに自助、共助の精神が息づいています。いたずらに公に頼ることなく自分の足で歩くことが、日本人の基本だったはずです。
 こうした日本人が持つ、知事のおっしゃるところの美質を、私たちは、次の世代にも引き継がなければなりません。しかし、引き継がれるべき若い世代は、どのような環境に置かれているでしょうか。
 あすを担うべき人材を育てる教育の現場は、学力の低下、不登校、学級崩壊など混乱しています。何かに挑戦しようという気概を持たない若者がふえています。日本が曲がり角を迎え、日本の活力が低下した今こそ、首都東京がその原動力となって、次代を担う、自信と誇りにあふれた、世界と渡り合える人材を育成するべきです。
 知事は、この所信表明で、教育再生・東京円卓会議を創設し、人材の育成に本気で乗り出すとおっしゃいました。これは、危機に瀕した日本を立て直す第一歩になると思います。
 そこで、知事に伺います。次代を担う人材育成に関するご所見と、円卓会議での取り組みについてお聞かせください。
 東京は、日本の頭脳であり心臓です。企業が集積し、情報も人材もあふれています。しかし、多くの中小企業が人材不足、後継者不足に悩む一方、大学や大学院を出ても就職難にあえぐ若者の存在があります。東京の経済を活性化するためにも、こうした雇用のミスマッチを解消することは不可欠です。
 先日、直木賞を受賞した「下町ロケット」に描かれたような企業で、汗を流し、知恵を振り絞る生き方が見つけられないでしょうか。そのために私たちができることはないでしょうか。
 都内中小企業の振興はもとより、これからの日本をしょって立つ若者一人一人が、それぞれの個性や能力に応じて活躍できる場所を見つけるために、都は、すぐれた力を持つ若者に、中小企業の魅力を伝える橋渡し役となっていくべきと考えますが、その所見を伺います。
 冒頭にも述べたように、私は、民間にはどうしてもできない分野が、それでも時代に即した東京や、新しい日本をつくるためにどうしても必要な分野が存在すると思います。時間がかかっても、私たちにしかできない、そのような分野をしっかりと果たしていく、それが私たちに託された都民の期待であると申し上げ、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 小宮あんり議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、東京の将来に向けた都市づくりについてでありますが、関東大震災後の復興を担った後藤新平は、将来、モータリゼーションの隆盛を見越したような、環状道路など都市のインフラを構想しました。
 東京の交通渋滞を見てわかるように、その時々の気分や雰囲気に流される近視眼的な都市づくりは、必ず将来にツケを回すことになります。都市づくりとは、まさしく国家百年の計を考えなければなりません。
 都庁、都議会に通じる庁舎の廊下に、一八九五年ですか、イギリス人が愛宕山から撮った東京の、非常に鳥瞰図的な写真がありますが、これは、本当に感心するぐらいモノクロームの美しい美しいまち並みが広がっております。
 一方、この都庁の屋上のヘリポートから撮った、現在の東京の三百六十度の俯瞰の写真がありますが、これは息をのむほど醜いまちですね。戦後のどさくさ、混乱の中に都市計画もなしにまちができてしまったと。
 復興といえば聞こえはいいけれども、今日の東京の素地ができたわけですが、これは本当に情けなくなるぐらいひどいものでありまして、先人が江戸時代につくった、当時世界最大の都市であった、首都であるこの江戸の美しさというのは、明治に入って、近代ホテルをつくってくれと頼まれてやってきたアメリカの有名な建築家フランク・ロイド・ライトが、息をのんでびっくりしましてね、自分が考えてきた、新しい、日本で初めての帝国ホテルのコンセプトを変えて、コンクリートから、まさに違う素材で、日本じゅう探し回って、昔の帝国ホテルの材料でありました大谷石を見つけて、あのホテルをつくりました。これは、まさに文化的な建物だったと思います。
 でありますから、時計がとまってしまった三環状道路の整備を動かしもしましたし、交通渋滞を抜本的に解消してCO2の削減にも大きく寄与する、災害発生時には東西交通を維持して復旧、復興時の大動脈ともなる、そういうインフラも進めております。
 正しい文明認識に基づいた投資は、やがては複合的に効果を発揮するわけでありまして、コンクリートより人ですか、耳ざわりのいいようなキャッチフレーズで、かつての美濃部知事もすべての社会資本整備をとめてしまいましたが、その後、いかに東京だけではなく、日本が大きな損害をこうむったか、見たらわかる話であります。
 さらには、今日の温暖化によって世界全体で天候異変を来しているわけでありまして、繰り返して申しますけど、NASAのハンセン教授がいっているように、予言がどんどん当たってきて、あと十二、三年すると北極海の氷が全部解けてなくなると。ゆえにも、これまで常識では考えられなかった集中豪雨が頻発しているわけであります。
 千年に一度ともいわれる大震災が起こった今、二百年に一度といわれる洪水から東京を守るスーパー堤防も極めて重要な事業だと思います。
 また、東京では、首都高速道路を初め、東京オリンピックを契機に急速に整備された都市インフラが、どうやら更新期を迎えつつありますが、計画的な更新こそが、これからの大きな課題であると思います。
 今、この期を逃さずに、将来を見通す視座を確かに持って、日本の高度成長を支えてきたインフラの更新を確実に東京からも行い、これからの発展の基盤となる新しいインフラへの投資も行っていかなければならないと思います。
 こうした観点に立って、今後、「十年後の東京」計画を改定しまして、首都東京をより高いレベルへと成熟させていきたいと思っております。
 次いで、次代を担う人材教育とそのための教育再生・東京円卓会議についてでありますが、我が国の教育は、戦後の長きにわたり画一的な人材の育成を続けて、若者から個性や斬新な発想力の芽を摘み取っていってしまいました。いわゆる横並びの人間像を理想とする非常に愚かな、ダイナミズムを欠いた教育というものがばっこしてきたわけでありますが、またその一方、歴史教育においても正当な歴史を教えられずに、自分の肉親の、じいさん、ばあさん、ひいじいさん、ひいばあさんが、ごく間近な昔に何をしたか、そのおかげで今日の日本がいかにあるかということを一向に若者たちが知らない。
 この国の伝統文化、先人の足跡といった、継承されるべき教養の基盤を失った現代の若者は、国家や民族の文化への愛着も持てずに、また、非常に横並びに甘んじて他者との摩擦、相克への耐性を備える──耐性といいますのは耐久力ですね、耐性を備えられずにおります。
 こうした教育を続けていては、日本が激変する世界に伍していけるとはとても思えません。今こそ、あるべきタフな人間像をつくるために、戦後の教育のあり方を根底から転換しなければならないと私は思います。
 そこで、教育再生・東京円卓会議を新たに設置し、制度や仕組みにとらわれない議論を開始することとしました。教育に対する危機をまだ肌で感じている各界の方々と率直に意見を交わしまして、まずは、来月、現場の最前線で国際化に対応した人材育成を目指す大学の学長や、中等教育学校を経営する企業経営者を招いて議論したいと思っております。その中から、若者のはかり知れない可能性を開花させ、この日本を背負って立つ人材を鍛え直していく上での現実の課題を明らかにしていきたいと思っております。
 今後、これを教育再生への足がかりとして具体的な改革案をも導き出し、戦後教育の宿痾を打破すべく、東京から新しい議論を巻き起こしていきたいと思っております。
 私が知事に就任しましたときに、敬愛する先人の先輩の中曽根さんから幾つかアドバイスをいただきました。その大方は何とか手をつけ、開拓もしたと思います。一つだけ、破壊的な教育改革といわれましたが、これはもうなかなか、幾ら教育庁のけつをたたいてもなかなか動きませんで、今日まだじくじたるものを感じておりますけれども、今度の円卓会議を一つのきっかけにして、東京からこそ、この停滞した日本というものを支え直す本物の人材というものを若者たちから育てていきたいなと思っております。
 他の質問については、技監及び関係局長から答弁します。
   〔東京都技監村尾公一君登壇〕

〇東京都技監(村尾公一君) 四点のご質問にお答えいたします。
 初めに、震災時における道路障害物の除却を早期に行うための体制確保についてでございますが、迅速な救急救援活動や、早期の復旧、復興を着実に行うためには、速やかに瓦れきなどの障害物を除却し、通行を確保することが極めて重要であります。
 阪神・淡路大震災を契機として、建設局では、建設業団体などと資機材や労力の提供等に関する具体的な項目を定めた協定を結び、現時点で約五百社の地元協力業者により、早期に障害物除却を行う体制を整えております。
 また、毎年地元協力業者との間で作業割り当て区間を定め、障害物除去作業マニュアルに基づき、具体的な作業内容を確認するとともに、総合防災訓練などにおいて障害物除却作業を合同で実施し、相互に習熟度を高め、防災対応力の向上を図っております。
 次に、災害対策を担う中小企業の確保策についてでございますが、建設局では、発災時対応についての災害協定締結実績や、日ごろの緊急対応のための単価契約工事などの実績を評価項目とする総合評価方式を積極的に活用し、地域の安全を担う企業へインセンティブとしております。
 今後、定期的に開催している業界団体との意見交換などを通じ、企業側の実情も踏まえ、地域に密着した道路などの維持管理業務において、人員、機会の確保と効率的な運用が可能となる中小企業による共同企業体での契約や、複数年での契約などについて具体的な検討を行い、現場を預かる立場から、発災時の緊急対応にこたえる地域に根づいた優良な中小企業の確保を図ってまいります。
 次に、無電柱化の今後の取り組みについてでございますが、都はこれまで、防災機能の強化、安全で快適な歩行空間の確保、良好な都市景観の創出を図るため、都道の無電柱化事業を進めてまいりました。
 このたびの東日本大震災において、電線類の地中化は、電柱の倒壊による道路閉塞を防ぐとともに、電線類の被災を軽減するなど、緊急車両の通行や電気、通信などのライフラインの安定供給を確保する上で、極めて有効であることを改めて確認いたしました。
 現在、都は、センター・コア・エリア内はもとより、震災対策上重要な位置づけにある緊急輸送道路や主要駅周辺の都道で重点的に無電柱化事業を進めております。
 平成二十二年度末での計画延長に対する地中化率は三〇%であり、平成二十五年度までの三カ年で二百六キロを整備し、地中化率を約四〇%に引き上げることを目指しております。
 今後とも、高度防災都市の実現に向け、必要な財源の確保に努めるとともに、電線管理者などとの連携を図りながら、無電柱化事業を積極的かつ着実に推進してまいります。
 最後に、都道のアンダーパスにおける冠水対策についてでございますが、都道における安全で円滑な交通を確保していくため、都は、冠水対策が必要なアンダーパス四十五カ所すべてに、一時間五〇ミリメートルの降雨に対応できる排水設備を設置しております。
 さらに、近年の局地的集中豪雨などによる道路冠水に備え、万が一冠水した場合には、アンダーパスへの車の進入を防止するため、電光表示により利用者に注意を喚起する冠水警報設備の設置を計画的に進めており、平成二十二年度末で三十七カ所が完成、今年度末に四十五カ所すべてを設置完了いたします。
 今後とも、都道の適切な維持管理に努め、都民の安全・安心の確保に全力で取り組んでまいります。
   〔財務局長安藤立美君登壇〕

〇財務局長(安藤立美君) 地域の防災に貢献する中小建設業の育成についてでありますけれども、都の契約では、価格だけでなく、企業の技術力を加味して落札者を決定する総合評価方式の適用拡大を図っております。
 現在、比較的大規模な工事を対象とした総合評価方式におきましては、お話のありました災害協定の締結実績や地域における施工実績などを評価項目としております。
 今後、より小規模の工事を対象とした総合評価方式においても、同様の仕組みの導入を検討していくことといたします。
 こうした総合評価方式の活用により、災害時の緊急作業の担い手である中小建設業を適切に評価しつつ、技術と価格のバランスのとれた調達を図ってまいります。
   〔産業労働局長前田信弘君登壇〕

〇産業労働局長(前田信弘君) 若者に対する中小企業の魅力発信についてのご質問にお答えいたします。
 すぐれた技術を持ち、高い成長の期待できる中小企業を若者が正確に理解し就職先として選べますよう、会社の魅力を発信する取り組みを支援することは重要であります。
 都はこれまで、中小企業の技術力の高さや、ものづくりの現場のやりがいを若者に幅広く伝えるため、「輝く技術 光る企業」と題するホームページや広報誌によりまして企業のPRを行ってまいりました。
 また、若者や保護者が中小企業を訪問して、ものづくりを体験し、技術者の熱意や仕事の魅力を実感する仕事体験ツアーを実施しております。これまでも精密機械の分野で最先端の技術を持つ企業を訪問しておりますが、今年度は、実施回数をこれまでの八回から十二回にふやし、航空宇宙産業への参入を目指す会社などを対象とする予定であります。
 さらに、会社の魅力を若者向けにわかりやすく効果的に伝えるためのノウハウを学ぶ採用担当者育成セミナーを二回から四回にふやしまして、中小企業の採用活動の支援にも力を入れてまいります。
 若者が中小企業のものづくりの現場で活躍し、東京の将来を支えるよう、こうした取り組みを総合的に展開してまいります。

〇副議長(鈴木貫太郎君) 五十三番神野吉弘君。
   〔五十三番神野吉弘君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

〇五十三番(神野吉弘君) 三月十一日の東日本大震災では、津波災害や原発事故の対応をめぐって、想定外との言葉が繰り返されました。地震の規模も想定外、原発事故も想定外。しかし、想定外の出来事が起きることを想定して対策を練るのが本来の政治の仕事であります。都は現在、この東日本大震災を受けて、東京の新しい震災対策を検討中でありますが、想定外が生じないよう、可能な限りの想像力を働かせていただきたいわけであります。
 実は、我が国では、戦後一切想定をしてこなかった大きな危機があります。それは外国からの軍事攻撃です。政府は戦争の悲惨さを強調してきた割には、外国から再び軍事攻撃を受けたとき、国民をどう守るのかといった課題には、戦後一貫して見て見ぬふりを決め込んできました。
 そんな政府が、ようやく重い腰を上げて平成十六年に制定したのが、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律、つまり国民保護法であり、都はそれを受けて、平成十八年三月に、武力攻撃事態や大規模テロ等から都民の生命、財産を保護し、都民生活への影響を最小とするための東京都国民保護計画の策定をしたわけです。
 危機管理の常識、それは国民に対する最大の危機を想定した上で、それよりも小さな危機に対処することです。つまり、大きな危機の想定なきところに小さな危機の克服もない。いいかえれば、国防体制が明確になっていない国家においては、災害等の非軍事的な危機にも対応できないということであります。それは、あの阪神・淡路大震災、今回の東日本大震災における政府の対応を見ても明らかであります。
 軍事について語れば、右翼だとのレッテルを張られる戦後の時代でありますが、あえて東京の防災対策を考えるに当たって、外国からの軍事攻撃に対処する東京都国民保護計画を再点検することは意義あることと考え、以下の質問をさせていただきます。
 都は、東京都国民保護計画の中で、本計画の具体的な運用のために必要なマニュアルや基準、体制、関係機関との協定等を速やかに整備するとうたっているわけですが、これまでの取り組みと国際情勢の変化に伴う今後の見直し等、方向性を伺います。
 私は、東京に対して武力攻撃をしかける可能性が最も高いのは北朝鮮だと考えます。金正日が再び南への侵攻を決断するときは、必ずコミットしてくるアメリカ軍の戦闘能力をそぐため、まず最初に物資の補給基地となる日本に攻撃をしかけ、これを無力化する。この朝鮮戦争の教訓に金正日が忠実に従うと思っているからです。これまでも北朝鮮は、彼らがいうところの人工衛星を発射し、日本列島を飛び越えさせてきました。当然、ミサイルを東京に着弾させることも可能なはずです。その弾頭に核が積まれていれば、東京は一瞬にして壊滅です。
 核攻撃を受けた際、本計画によれば、熱風等による直接の被害を受ける地域の都民を近くの堅牢な建物、地下施設へと避難をさせ、一定時間経過後、放射線の影響を受けない安全な地域にさらに避難をさせるとあります。また、直接の被害は受けないけれども、放射線の被害を受けるおそれがある地域については、放射線の影響を受けない安全な地域へと避難を呼びかけるとあります。
 しかし、大気中の放射線量がどの程度になれば表に出て避難できるのかが明確に書いてありません。放射線の影響を受けない安全な地域の放射線量の目安はどれぐらいなのか、放射線量を計測する体制の整備を含め、核攻撃に対する都の体制を伺います。
 今回の質問をするに当たって、スイス政府発行の「民間防衛」という冊子を参考にいたしました。スイスでは、全国民にこの冊子が配布され、外国からの軍事攻撃への対処法を教育しています。この「民間防衛」には、核攻撃を受けたときの放射線量の半減期の目安、その放射線量の人体への影響が政府見解として盛り込まれ、国民の共通認識となっています。
 福島原発事故でも明らかになったように、我が国は放射能被害について、国家としての対策をこれまで何も講じてきませんでした。これは、我が国が再び外国から核攻撃を受けることを全く想定していなかった証拠であります。
 スイスを初め、どの国でも核攻撃に対処するため、放射能被害の研究を行っています。それに比べ我が国は、唯一の被爆国であるということを強調しさえすれば、世界は同情して核を落とさないと考えていたんです。お涙ちょうだいは冷徹な国際社会では通じません。被爆国だからこそ、国民を二度とあの悲劇に遭わさないよう守るべきでした。
 東京には、地下街、地下鉄、さらには地下の高速道路を初めとして、数多くの地下施設があります。本計画でも、熱風を防ぐため地下施設への避難を呼びかけています。それは正解なんですが、直接の熱風は防げても、降下する大量の放射線がその地下施設に侵入することを妨げなければ、施設内に避難をした都民は全滅です。
 また、ミサイルの弾頭にサリンなどの化学兵器や生物兵器が積まれていた場合でも結果は同じ。施設の入り口を封鎖する分厚いコンクリートの扉を設け、放射能を通さない空気清浄機を設備しなければ都民の命を守ることはできません。つまり、核シェルターとしての機能を備えた地下施設をつくらなければならないんです。
 財団法人日本核シェルター協会の資料によれば、スイス、スウェーデンの核シェルターの普及率は一〇〇%であるのに比べ、日本のそれは〇・〇二%。スイス、スウェーデンは、ほぼ全国民が核攻撃から身を守る体制ができ上がっているにもかかわらず、日本ではこれまで考慮された形跡が全くありません。
 また、本計画では有事の際の司令基地は都の防災センターとなっています。しかし、核攻撃を受けた際、放射能は空から降ってきます。ビルの上に行けば行くほど危険度は高いわけです。避難施設にも、そして司令基地にも核に対する防御機能を検討すべきであります。核の恫喝に屈しない東京をつくるべきです。
 生命尊重を声高に叫び続けてきた日本の戦後政治は、実は国民の命を守ることには極めて冷淡でした。繰り返しになりますが、最大の危機である外国からの軍事攻撃に対処する体制を整えてこそ、非軍事的危機である自然災害から国民、都民を守ることができます。
 その意味で、東京都国民保護計画を絵にかいたもちにせず、国任せにせず、不断の見直しを行っていくべきと考えますが、都の決意を伺って、次の質問に移ります。
 東京都における外国人登録者数は、平成十八年、三十六万五千人だったものが、平成二十二年には四十一万八千人、毎年大きな伸びを記録しています。国策としての移民政策をとっているわけではないのに、なし崩し的に外国人の数が伸びています。このペースで進めば、近い将来、この外国人問題が東京の大きな不安定要因になるとの問題意識から、都の外国人政策について幾つかの質問をさせていただきます。
 都の進める人権施策の中の人権課題には外国人が挙げられ、差別はいけないと強調しています。外国人に対する我々日本人の偏見、外国人との理由だけで賃貸住宅への入居が拒否をされるなどの差別が大きな問題だとの認識が示され、宅建業者に対して、賃貸住宅への入居時に使用する申込書には国籍欄を設けてはいけないとの行政指導もなされています。
 しかし、文化も習慣も違う外国人が入居することで起きる将来のトラブルを心配して入居をちゅうちょする大家さんの警戒心は、果たして悪なんでしょうか。実際、現場では、ごみ出しのルールを守らなかったり、近所づき合いの行き違いが大きな問題となるケースも聞こえてきます。
 賃貸業の事業者である大家さんにとって、入居希望者の個人情報は、事業リスクを軽減するための重要な判断です。日本人なのか外国人なのかも当然その一つ。外国人であるという事実は、賃借人としての将来のさまざまな事業リスクを考えれば、決してプラスではありません。その事業にかかわる情報さえ、外国人への差別だ人権だといって開示させないならば、日本人にはリスク判断の権利さえ認めないことになります。国籍欄のない申込書を使用させている理由について伺います。
 都が発行する「みんなの人権」という冊子では、言語、文化、宗教、生活習慣の違いや、これらに対する無理解から外国人に対する差別や偏見が見られるとしています。
 しかし、最近の風潮を見ますと、外国人の人権だけが声高に叫ばれ、我々日本人の人権はどうなっているのかと思わざるを得ません。ここは日本です。外国人であっても、日本にいる以上、日本の文化や習慣、社会のルールを尊重するのは当然ではないでしょうか。都が目指す真の国際化のためには、外国人だけでなく、我々日本人の人権も尊重するというバランス感覚が必要と思いますが、見解を伺います。
 先般視察に行ったある中学校夜間学級では、五十人の生徒のうち三十一人が中国人。それこそ、あいうえおの読み書きから教師に丁寧に指導を受けていました。現場を見て、これほどたくさんの日本語が全くわからない中国人が東京で生活していることに衝撃を受けました。校長先生のお話では、夜間学級に来ることができる中国人は恵まれている方で、現実にはもっと多くの日本語が全くわからない中国人が存在しているとの事実にさらに大きな驚きを感じました。
 ヨーロッパにおける移民問題の発端は、多くの移民が移民先の国の文化や習慣を十分に理解せず、自分たちだけの排他的なコミュニティをつくり、移民先の国民との衝突を繰り返したことにあり、結果として大きな混乱が生まれました。その火種が既にこの東京にもくすぶり始めています。
 日本においては、移民政策の議論はなされていません。移民に対する具体的な対策は一切検討されていません。しかし、さまざまな制度を利用して、今、東京に大量の中国人が入り込んでいます。しかも、我々都民の認識もない中で。東京の将来の治安に対する危機管理上、看過できない深刻な事態と受けとめています。友好や親善といったきれいごとでは済まされない現場がこの東京には存在しています。
 都の人権教育における外国人問題では、日本の子どもたちに外国の文化、習慣を学ばせ、親しませるとともに、正しい知識を身につけさせる、外国人への偏見、差別をなくすとあります。しかし、中国人を初めとする言葉もわからない外国人の急増を受けて、これから必要となるのは、逆に外国人児童生徒の方に日本の文化、習慣を学ばせ、日本社会に適応させるプログラムではないでしょうか。
 反日教育を受けた中国人の中には、日本人に対する敵対心をむき出しにする者も多いと聞きます。そんな嫌いな日本になぜやってくるのかとも思いますが、言葉も文化、習慣もわからずやってきた日本で疎外感を持った中国人が、彼らだけの社会をこの東京につくるのは大きな脅威です。外国人の人権をおもんぱかる前に、日本人の安全と人権を守ることを念頭に置いた教育施策を講ずるべきです。
 外国人児童生徒に日本の文化、習慣を教え、日本社会への適応を促す指導を行い、日本を好きになる、日本に来てよかったと思えるようにすることが大切です。
 今後、一層増加していく外国人児童生徒を日本の学校生活や社会生活に適応させるよう、都教育委員会はどのような取り組みを行っているのか伺います。
 これまでの東京の外国人問題が大きくさま変わりしつつあります。言葉も文化、習慣も理解しない中国人の急増を受けて、今後、外国人との共生をどうするのか、知事の所見を伺って質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 神野吉弘議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、シナ人の急増を受けての外国人問題ですが、私が中国人のことをシナ人というと、日本人の中で非難する人がいる。これ、おかしな話なんですよ。なぜ日本人がシナをシナといっちゃいけないんですか。これ、孫文がつくった言葉ですよ。しかも、英語ではチャイナ、チャイニーズ、フランス語ではシーヌ、シノワ、スペイン語ではチーヌ、チノでしょう。何でシナ人のことを中国人といわなきゃ──これはとっても奇異な、中国人が、シナ人がこれを好まないというのも、逆に日本に対する差別じゃないんでしょうかね。中国というのは、私にいわせると広島県と岡山県のことですよ。
 いずれにしろ、アクセスが飛行機を含めて非常に発達しまして、世界が時間的、空間的に狭小となって、かつ現代文明の所産としてIT技術が進んで情報がはんらんしますと、非常に逆境にある後進国の人たちも、途上国の人たちも、情報だけは得て、自分たちの生活とかなり格差のある先進国にあこがれを感じる、これはしようがないと思います。
 しかも、それを保障するアクセスというのが非常に簡単になって、船の速度も速くなりましたから、これはやっぱりかつてなく人の往来が激しくなって、新しい国、新しい社会でチャンスや可能性を求めて人の流れが激しくなるということは必然だと思います。
 日本、とりわけ東京にも世界じゅうから多くの人たちが集まってきていますが、その中には好ましからざる人が多いのも確かであります。かつては、この都庁の展望台がただなものですから、たくさんのお客が来る中に、中国人、シナ人がいましたが、あの人たちは平気でそこへつばを吐くけど、これは衛視が注意して、彼らは最低そのマナーだけは守るようになりましたけれども、いずれにしろ、これは清潔を好む日本人にとっては迷惑千万な話でありました。
 私が非常に印象的でショックを受けましたのは、大分以前でありますけど、知事になりまして、池袋にありますシナ人まちを視察いたしました。いろんな彼らしか食べない食べ物もありましたが、中に多種類の新聞が出ておりました。中には部数が数万、十万近いものも二種類ぐらいありましたけれども、手にとってみましたら、まあ彼らは漢字を壊しておりますけど、しかし、日本人にも通じる漢字もありまして、私が広告欄を見ましたら、そこに探偵募集という大きな広告があった。これは一体何ですかと聞いたら、日本に日本語を習いに来ているシナ人の学生たちがアルバイトを欲しているんで、それを提供する広告だと。
 日本語のわからない日本語を勉強しているシナ人の若者が探偵の捜査という仕事をどうやってするのかなといったら、いや、実はそれは違います、これは泥棒の見張りですということでありました。その日当は、一晩、一、二万円、彼らにとってみるとかなりの額です。重機を使って高級な、要するに装飾品なり宝石類を置いてある店にとにかく強引に入って物を争奪する、そして香港にあるマーケットにこれをかける、その作業の見張りはその数倍するそうでありますが、これは決して日本にとって好ましいものではない。
 それから、なぜかその情報は封じられているようでありますけれども、放射線のおかげで退去を余儀なくされた、まさにゴーストタウンになった、あのまちに空き巣で入っているのは、組織的な中国人だと。しかも、中には津波にやられた部分もありまして、死体が放置されている、警察の手もまだ届かないうちにそこに行って、その死体のしている指輪を指を切り落として持っていく、こういう所業というのは、ちょっと日本人にはできませんな。
 こういった事実がある一方、しかし、彼らはまた日本にやってきて日本の文化、文明というものを享受すれば、やはり本質的な自分の祖国と日本との格差を感じて、本当の自由というものが何かということを感じ取るでありましょう。
 専門家に聞きますと、日本からシナに帰った、本土に帰ったかつての留学生を、シナの当局は非常に厳しく管理し、尋問し、場合によっては拘束するという事態もあるようでありますが、いずれにしろ、シナ人も含めて日本にやってくる、もっとほかの人種もありますけれども、覚せい剤の販路とかその他の手助けをして、日本の安全とか治安が脅かされ、国民もスポイルされるということは、これは許されるべきじゃありませんし、これまでも不法滞在者の取り締まりなどを徹底して行ってもきましたが、そういう意味でも、人手不足の入管にも、かつては職員を数十人派遣して手伝いもさせました。
 ご質問にあるシナ人についても、本国ではいわゆる反日教育を受けた人もたくさんいるようであります。
 いずれにしろ、こういったものを本質的に防ぐ、全面的に防ぐことはできないわけで、ヨーロッパは、また彼らがかざしているキリスト教なり、その辺の宗教というものは、友愛を説き、愛情を説き、友情を説いているならば、やってくる善良な移民を受け入れざるを得ない。その数がふえると、こうやって摩擦が起きて、この間も大変な問題が起こっていますが、いずれにしろ、私たちも、要するに善良な友人を受け入れるために、やはりきちっとした条件をつけて、社会のルールというものを守ってくれなければ、これは日本そのものが毀損されるわけであります。
 いずれにしろ、ことしに入って、アフリカや中東で相次いで独裁体制が崩壊しておりますが、こういった事態が中国で起こるかもしれない、起こらないかもしれない。私は、中国に政治的に激変が起きるとすると、これは農民に力がありませんから、やっぱり中産階級と、ある情報を持った若い人たち、特に学生たちが社会を大きく変える機動力になると思っています。また、そう期待もしております。
 私は、やっぱり、中国と敵対するんじゃなしに、かつてはいろんな文化を享受した相手でもありますし、そういう意味で、彼らが社会を開いた形で繁栄していくことを望まざるを得ないと思います。
 そして、もう一つ、恐らく総務局長の返事があると思いますが、東京の防衛に対しては、決して無防備ではありません。ある時期に、ご存じの方も多いと思いますけど、自衛隊から相談されて、私は、もっと目につくところに置けといったんだ。できれば皇居の前に置きなさいと。日本はどこが攻めてくるかわからない。そのミサイルというのは、地対空ミサイルを配備している。東京にも数基置いております。
 それは皆さん、考えてみてください。北朝鮮とか、中国とか、シナとか、ロシアとかね、三つとも核を保有し、ミサイルを持っている国。しかも、北朝鮮は日本から、状況証拠からいったら百人を超す同胞を拉致していて殺した。
 中国は、わけのわからぬ主張で日本の領土を侵犯しようとして、事件を起こしている。領海は侵犯される、無断で日本の島と島の国境、海峡を潜水艦が通過して、日本の政府はこれに対して手も出せない。
 一方、ロシアは、敗戦後のどさくさに乗じて、日本の北方四島をかすめ取って、いまだに返さない。こういった国が国境を接して三つも取り囲んであるシチュエーションの国家というのは、世界で今日本しかないですよ。
 私たちは、それを踏まえてこの国の防衛ということを真剣に考えないと、これはいつ、何がどんなふうに起こるかわからない。
 蛇足になるかもしれませんけど、総務局長の答弁も重なるかもしれませんが、以上申し上げます。
 他の質問については、教育長及び関係局長から答弁します。
   〔教育長大原正行君登壇〕

〇教育長(大原正行君) 外国人児童生徒に対する教育についてお答え申し上げます。
 外国人児童生徒が日本の社会に適応できるようにするためには、学校において、日本語の習得や日本文化の理解などに取り組ませることが重要でございます。
 このため、都教育委員会では、外国人児童生徒が日本語を学ぶためのテキスト「たのしいがっこう」を平成五年以降作成、配布するとともに、今年度、教員向けの指導資料であります日本語指導ハンドブックを都内の全公立小中学校等に配布いたしました。これらを活用した日本語指導を通して、あいさつなどの基本的な生活習慣を身につけさせ、日本固有の文化を理解させております。
 今後とも、こうした教材等の活用を促進し、外国人児童生徒が学校生活や社会生活に適応する力をはぐくむ指導を一層充実してまいります。
   〔総務局長笠井謙一君登壇〕

〇総務局長(笠井謙一君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、東京都国民保護計画の取り組み状況についてでございますが、国民保護法は、外国からの武力攻撃や大規模テロ等から国民の生命、財産を保護することを目的として制定されたものであり、緊急通報の発令、住民への避難指示、救援、救護などについて、国、都道府県、区市町村が行うべき基本的な事項を定めております。
 同法に基づき策定いたしました東京都国民保護計画は、世界の首都や大都市で大規模なテロが多く発生している状況を踏まえ、大規模テロ等への対処を重視した計画としてつくられております。
 都は、この本計画に基づきまして、これまでに核や生物化学兵器を用いたテロに対するマニュアルを整備した上で、毎年、大規模テロ等を想定した訓練を実施しております。また、警視庁、事業者等との連絡会議や区市町村向けの危機管理研修の実施などにより、企業を初めさまざまな関係機関との連携を図っております。
 こうした取り組みの検証を踏まえ、今後、必要に応じてその内容を見直してまいります。
 次いで、核攻撃に対する都の体制でございますが、先ほど知事も申し上げましたとおり、東京には自衛隊の基地にそれに対するミサイルが配備されておるわけでございますが、核による武力攻撃の事態が見込まれる場合、都は、国からの指示に基づき、東京都国民保護対策本部を設置し、国や関係機関と連携して、国民を保護するための措置を講ずることとしております。
 具体的には、住民を地下施設や放射線の影響を受けない安全な地域に避難させるよう区市町村に指示するとともに、そのための移送手段の確保や、食料や物資の供給などの支援を行います。
 なお、核攻撃のような大規模な特殊な武力攻撃の事態が生じた場合の放射線量の計測等は、国民保護法により国が行うものとされております。
 次いで、国民保護の取り組みの推進についてでありますが、武力攻撃や大規模テロ等から都民を保護し、都民生活への影響が最小となるように努めることは都の重要な責務であります。
 このため、都は、先ほども申し上げましたが、核や生物化学兵器を用いたテロに対するマニュアルの整備や大規模テロ等の状況を想定した訓練の実施など、住民の避難、救済等の措置を迅速かつ的確に実施できるよう、さまざまな取り組みを進めてまいりました。
 本計画は、国の基本指針の変更や国際情勢の変化、訓練の成果等を踏まえ、不断の見直しを行うこととしております。今後とも、国や関係行政機関と連携し、国民保護の取り組みを着実に推進してまいります。
 最後に、外国人との共生についてでございますが、首都であり国際都市である東京には外国人が暮らしており、外国人登録者は本年七月現在、四十一万人を超えております。
 さまざまな国から東京に集まる人々は、多様な文化や価値観、ライフスタイルを持ち、この多様さが東京の伝統文化と相まって、自由で豊かな国際都市東京の魅力を醸し出し、活力を生み出しております。
 一方、国際化が進む中で、生活習慣の違いから、個々の主張が衝突するなどのトラブルも発生しております。
 こうした問題に対しては、これまで、東京都人権プラザなど都の人権相談機関や区市町村の生活相談の場で相談を受けるとともに、一方で、東京における社会生活のルールなどの啓発も行ってまいりました。
 今後とも、外国人と日本人がお互いを尊重し合いながら共生できる環境づくりに努めてまいります。
   〔都市整備局長飯尾豊君登壇〕

〇都市整備局長(飯尾豊君) 賃貸住宅の契約申込書でございますが、民間賃貸住宅は、だれもが豊かに暮らすことができる社会を実現する上で大きな役割を担っております。都は、外国人についても入居の機会が制約されることのないよう、国籍欄のない契約申込書の指導をしてきております。
 一方、円満な賃貸借関係を維持するためには、居住者が生活マナーを守ることが不可欠であり、都は関係団体や区市町村と連携し、外国人に対しごみ出しなどの生活ルールを周知するなど、外国人の入居の円滑化を図っているところでございます。
 今後とも、入居機会の確保と円滑な賃貸借関係の両立に努めてまいります。

〇議長(和田宗春君) 十六番斉藤やすひろ君。
   〔十六番斉藤やすひろ君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

〇十六番(斉藤やすひろ君) 初めに、交通基盤整備について質問します。
 東京の公共交通ネットワークは高度に発達しているものの、バスの乗りかえや乗りおりに不便な駅は依然として多く残されております。このため、移動手段が限定されている高齢者や障害者、あるいはベビーカーを使う子育て世代などにとって、スムーズな移動に支障を来すケースが多く見受けられます。
 また、道路構造の整備はいまだ不十分であり、特に都内随所に見られる車道と歩道の分離されていない生活道路などでは、歩行者が常に危険にさらされております。
 こうした状況を踏まえて、二〇〇九年に改定された東京の都市づくりビジョンは、歩いて暮らせるまちづくりの推進を掲げ、区市町村や交通事業者などとともに、地域における公共交通の充実や利便性向上、自転車走行空間のネットワーク形成、コミュニティインフラの整備やバリアフリー化を促進し、だれもが円滑に地域の移動や施設の利用ができるまちづくりを推進するとの方向性を打ち出しました。
 以来、我が党の一貫した主張もあり、鉄道駅のエレベーター設置や可動式ホームさくの設置などのユニバーサルデザイン化、区市町村が行う移動等円滑化基本構想の策定費用の補助事業などが重点的に進められました。引き続いて、歩いて暮らせるまちづくりを推進し、構想を一層具体化させるには、人の移動しやすさに力を入れていく必要があります。
 そこで、公共交通機関の乗りかえの円滑化や、車いす、ベビーカー、自転車などを乗せられるバスや鉄道車両の導入に取り組むなど、人が移動しやすい最先端の交通基盤整備を行うべきと考えます。ユニバーサルデザインの観点から、鉄道駅を中心とした交通基盤整備について知事の所見を伺います。
 次に、自転車政策について質問します。
 欧州では、生活道路における速度規制導入などの工夫に見られるように、歩行者と自転車の共存や道路空間を共有するという考えが広まっています。同時に、自転車がCO2を排出しないことや気軽に行動できることから、地球温暖化防止と地域の活性化を組み合わせた複合的政策として、自転車政策が位置づけられています。さらに、自転車道の整備が人身事故の減少という効果をもたらしています。
 翻って、我が国には、総合的、複合的な交通戦略がなく、都市交通における自転車の位置づけもあいまいなために、自転車の関係する事故が大きな社会問題になっております。
 こうした状況の中で、都の自転車政策については、本年二月の第一回定例会の代表質問や予算特別委員会で、我が党が条例制定の必要性を強調したのに対し、都は、自転車総合政策検討委員会を設置し、検討を開始したと聞いています。
 そこで、委員会の目的、当面する検討テーマと議論の方向性について明らかにすべきです。そして、都としての自転車政策を総合的に再構築し、自転車にかかわる分野それぞれの責務と政策目標を明らかにした東京都自転車条例を、議会と当局が連携して策定するべきです。あわせて都の見解を伺います。
 次に、都が昨年九月に策定した高齢者の居住安定確保プランについて質問します。
 私は、このプラン策定に先立つ平成二十一年十二月の第四回定例会の一般質問で、都が高齢者の住まいの整備を担う計画を早急に策定し、実行に移すよう求めました。東京における高齢者の住まいと介護の問題が極めて深刻な事態になっていることを痛感したからであります。
 プラン策定後、高齢者住まい法の改正により、サービスつき高齢者向け住宅が制度化され、国においては補助の仕組みを構築し、目標戸数を明示するなど、高齢者の住まいの整備に本腰を入れつつあります。さらに、都においては、今年度に住宅マスタープランや高齢者保健福祉計画が改定され、区市町村でも次期介護保険事業計画が策定されます。
 これに基づいて、建設費や家賃助成の実施主体である区市町村による供給促進に向けた積極的な取り組みや、事業のさらなる周知が重要と考えますが、区市町村の取り組みにはかなりの温度差があります。したがって、都には、みずからが区市町村に出向き、丁寧に制度の活用助言を行う責務があります。また、一義的には、区市町村が担う福祉政策との連携を深め、都と区市町村がそれぞれの役割をしっかり果たしていくべきであります。
 そこで伺います。
 法改正や諸計画の見直しなどの状況変化を踏まえ、高齢者の居住安定確保プランを改定する必要があると考えます。あわせて、その際、これまでさまざまなタイプに分かれていた高齢者向けの住まいが、サービスつき高齢者向け住宅として統一されるなど、高齢者向け賃貸住宅制度も変わったことから、都としては、わかりやすいパンフレットを作成するなど、区市町村や事業者へのPRが必要と考えます。見解を求めます。
 次に、児童養護施設入所児童の学力の向上について質問します。
 先日、都内の児童養護施設に学習ボランティアを派遣し、児童に個別学習指導を行っているNPO法人3keysという団体の話を伺いました。その中心者である森山誉恵代表理事は、ほとんどの子どもたちは、児童養護施設に来たときには既に大幅に学習がおくれており、自信や意欲の低下だけでなく、将来の目標や希望を持つことを妨げていると語っておりました。
 都が八月に発表した、東京都における児童養護施設等退所者へのアンケート調査報告書によると、児童養護施設の子どもたちは中学卒業の学歴にとどまっている割合が高く、その結果、正規雇用の割合が低いとの分析を行っております。また、調査では、機会があれば高校や大学などに行きたい、行き直したいとの回答も多く、施設において学習環境を整える重要性を浮き彫りにしております。
 そこで都は、施設入所児童らへの学力向上のためには、施設における学習支援の充実とあわせ、民間団体や協力企業と積極的に連携すべきと考えます。見解を求めます。
 次に、都がこのほど策定した都立動物園マスタープランについて質問します。
 動物園、水族館には種の保存、調査研究、環境教育、観光レクリエーションの四つの機能がありますが、とりわけ都立動物園は、種の保存と調査研究で国内の動物園、水族館の中心的な役割を果たしてきました。
 私はことしの二月の予算特別委員会で、都立動物園、水族館ならではの中長期ビジョンとして、野生動物の保全のためのズーストック構想を策定すべきと主張いたしました。この点について、マスタープランで、飼育繁殖技術を世界に発信し、東京、日本はもとより、世界の野生動物の保全に貢献する動物園を目指すと明記したことは高く評価するものであります。
 今後、都立動物園の有するホルモン分析やDNA解析など、高度な飼育繁殖技術を活用して、都立動物園ならではの取り組みにより、世界の野生動物保全の拠点としていくべきと考えます。都の見解を求めます。
 また、マスタープランの策定を機に、大都市東京の中で、都立動物園、水族館が種の保存や地球の生物多様性の維持に貢献していることを子どもたちが誇りに思えるよう、積極的に都民に情報発信を行うべきと考えます。見解を求めます。
 次に、放射性物質を含む下水汚泥の取り扱いについて質問します。
 放射性物質を含む下水汚泥について、都下水道局は、セメントなどへの資源化を見合わせ、区部では全量埋立処分し、多摩地区では施設内に保管するなど、適切に管理を行っていると説明してきました。
 そこでまず、現在の取扱状況について改めて説明を求めます。
 ふえ続ける下水汚泥の保管場所の確保は、一段と深刻化しつつあります。その緩和策の一つである焼却後の下水汚泥の資源化は、東京湾での埋立処分量を減少させ、資源循環型社会構築の面でも非常に重要な取り組みであります。
 そこで、現在見合わせている下水汚泥の資源化について、都民の理解を得ながら、早急に方向性を打ち出すべきと考えます。都の見解を求めます。
 次に、路地状敷地の大規模長屋について質問します。
 私の住んでいる目黒区や隣接する世田谷区では、最近、路地状敷地に、十数戸で一棟という長屋形式の大規模な集合住宅が相次いで建築されています。この建築形態は、道路に接する間口部分は狭いものの、その奥が広くなっている、いわゆる旗ざお型の敷地を活用したものであります。
 東京都建築安全条例では、路地状敷地の長屋に対して安全を確保するための制限を加えているものの、規制の網をすり抜けるような建設が進められています。
 例えば、間口部分の道路が狭いため災害時の避難に危険が伴い、緊急車両による活動も制限されるほか、避難通路がごみ置き場で狭められていて危険などの問題が指摘されております。現状のままでは、このような長屋がさらにふえる可能性があります。
 そこで都は、完了検査などの機会をとらえ、条例を厳格に適用するよう区市と連携をとるとともに、路地状敷地に建設される大規模長屋については、条例改正も含め、防災面から規制を強化すべきと考えます。都の見解を求め、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 斉藤やすひろ議員の一般質問にお答えいたします。
 鉄道駅を中心とした交通基盤整備についてでありますが、東京の鉄道網は、世界に類を見ない高密度で正確、安全な公共交通でありますが、障害のある方や高齢者を対象としたバリアフリー化をさらに発展させ、だれにでも安心で安全に動けるようにするために、いわゆるユニバーサルデザインの観点から、外国人なども含むすべての人にとって、東京をより一層快適なまちにしていくことが必要であると思います。
 二十三区に限っていいますと、あれだけの面積に、地下鉄も含めてあれだけ数の多い都市というのは世界にございません。
 このため、渋谷駅などで鉄道駅の再整備と周辺まちづくりを一体的に行って、段差を解消するなど、駅とまちを連続的につないでおります。これは安藤忠雄さんのデザインによるものですが、だれもが一目でわかる案内サインも整備しまして、安全で快適な歩行空間を創出しております。
 新しい技術が文明を変えてきましたが、だれにでも通用のできるユニバーサルデザインにおいても、ユビキタスなど先進技術を活用して、すべての人が安心して不自由なく移動できる都市を世界に先駆けてつくってまいりたいと思います。
 ユニバーサルデザインの先進都市東京の実現を目指して、さまざまな施策を重層的、複合的に展開していきたいと思っております。
 他の質問については、技監及び関係局長から答弁いたします。
   〔東京都技監村尾公一君登壇〕

〇東京都技監(村尾公一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、都立動物園、水族園を世界の野生動物保全の拠点としていくことについてでございますが、都立動物園、水族園は、高度な飼育繁殖技術を活用して、希少野生動物の繁殖や生育地の保全活動に取り組むだけでなく、国内外の動物園、水族館などに対する支援を行っております。
 例えば、佐渡トキ保護センターへの技術協力のほか、マレーシアやマダガスカルの野生生物公園や動植物園など、海外の動物園から研修生の受け入れを行い、人材育成にも寄与するなど、その活動は国内にとどまるものではありません。
 世界じゅうで野生動物の絶滅の危機が深刻化する中、今後とも、都立動物園、水族園は、世界の野生動物の保全において日本を代表する先導的な役割を果たしてまいります。
 次に、種の保全、保存の取り組みについて積極的に都民に情報発信を行うことについてでございますが、都立動物園、水族園は、大都市東京で多くの人たちが最初に野生動物と出会う場であり、来園者に多様な野生動物の行動や生態、生息環境を伝え、野生動物の保全に取り組むことの意義を訴えております。
 具体的には、保全フォーラムや時宜を得た企画展の実施などの取り組みを行っております。例えば、本年六月から約三カ月にわたり、世界自然遺産に登録された小笠原諸島に生息するアカガシラカラスバトなどの希少動物の保全活動を紹介するキャンペーンを行ってまいりました。
 今後とも、都は、さまざまな機会を通じて、都民を初め多くの人たちにわかりやすく都立動物園、水族園の取り組みや成果を発信していくことにより、野生動物の保全活動の理解者をふやしていくとともに、将来の担い手をはぐくんでまいります。
〔青少年・治安対策本部長樋口眞人君登壇〕

〇青少年・治安対策本部長(樋口眞人君) 自転車総合政策検討委員会についてでありますが、本委員会は、第一回定例会における自転車条例制定のご提案を受け、今後の自転車政策の総合的な推進のために、自転車の安全利用に関する課題や方策を検討することを目的として、本年六月に設置したものであります。
 警視庁を初め関係各局のほか、区市町村、交通安全協会等の関係団体や業界団体の参加を得て、自転車の安全利用の推進や自転車走行空間の確保などのテーマについて、条例制定に当たっての課題を含め、今年度末を目途に検討を進めていくこととしております。
 この検討結果を踏まえて、都は区市町村、民間事業者との連携により、自転車をめぐるさまざまな課題を解決するための仕組みづくりなど、総合的な自転車政策の構築に取り組んでまいります。
   〔都市整備局長飯尾豊君登壇〕

〇都市整備局長(飯尾豊君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、高齢者の住まいでございますが、都は、猪瀬副知事を座長とするプロジェクトチームの検討結果に基づき、高齢者向けの賃貸住宅の供給促進を図っております。
 国は、都の先駆的な取り組みを受け、本年四月に関係法を改正したところでございます。高齢者の居住安定確保プランは、この法律に基づき、昨年九月に住宅部門と福祉部門の連携により、高齢者の居住安定のための施策等を示したものでございます。
 都では、住宅政策審議会の答申や区市町村の意見などを踏まえた上で、住宅マスタープランを改定するとともに、年度内に次期高齢者保健福祉計画も作成することを予定しております。
 高齢者の居住安定確保プランについては、法改正やこうした上位計画の策定状況を踏まえながら、改定に向けた検討を行ってまいります。
 また、高齢者向け賃貸住宅の供給促進には、区市町村との連携強化や事業者への制度の周知が不可欠であり、都独自の基準や支援策をわかりやすく示すなど、効果的な方法により積極的に取り組んでまいります。
 次に、路地状敷地の大規模長屋でございますが、東京都建築安全条例では、安全上、防火上の観点から、建築基準法の規定に加え、路地状敷地における建築を制限しております。
 共同住宅は、条例により路地状敷地での建築を原則禁止しております。長屋はこれと異なり、共有の廊下や階段などがなく、各住戸の出入り口から直接屋外への避難が可能であり、道路へ通じる通路を確保することなどにより、条例に適合いたします。
 しかし、お話のあった路地状敷地の大規模長屋については、周辺住宅地への圧迫感や安全性などの面から、近隣住民と紛争に至る事例も報告されており、安全上、防火上の観点から、敷地の形態や長屋の戸数、配置などについて調査し、実態を把握してまいります。
 また、通路の有効幅員の確保など、建物完成後の適正な管理について、区市と連携し、建築主に対する指導の徹底を図ってまいります。
   〔福祉保健局長杉村栄一君登壇〕

〇福祉保健局長(杉村栄一君) 児童養護施設における学習支援につきましてお答えを申し上げます。
 施設に入所しております児童は、虐待を受けるなど、それまでの養育環境の影響によりまして、学習習慣や基礎的な学力が身についていない場合も少なくございません。このため施設では、自習室の設置など学習環境を整えますとともに、学校と連携を図りながら、一人一人の児童の状況に合わせた学習支援を行っております。
 また、学力を補い、進学を支援するため、中学生に対しては平成二十一年度から学習塾代が支給されております。こうした支援は、学力向上に効果がございますため、都は、高校生も支給対象とするよう国に働きかけております。
 さらに、お話のように、学習支援を行う民間団体などの協力を得ることも有効でございますことから、今後、施設と団体等との連携を促してまいります。
   〔下水道局長松田二郎君登壇〕

〇下水道局長(松田二郎君) 下水汚泥に関する二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、放射性物質を含む下水汚泥の現在の取り扱いの状況についてでございますが、区部では、専用の施設内で焼却灰にセメントと水をまぜ、飛散防止措置を施した上で、開閉式のふたがついたトラックを用いて運搬し、全量を埋立処分しております。
 多摩地域では、灰を袋に詰めて、敷地内に適切に保管をしております。
 一方で、焼却灰は毎日排出されることから、保管場所に限りがある多摩地域においては、適切な最終処分方法などについて、関係者と協議を進めているところでございます。
 なお、脱水汚泥、焼却灰及び焼却時の排ガスに含まれる放射性物質につきましては、専門機関により測定し、結果を引き続きホームページで公表しております。
 また、下水汚泥を処理する施設の敷地境界の空間放射線量の公表については、測定を二週間に一回であったものを六月から毎週とし、さらに測定箇所をふやすなど、きめ細かい情報提供に努めております。
 なお、汚泥焼却時の排ガスから放射性物質は検出をされておらず、また、空間放射線量の測定結果は、都内の他の地域と変わらない数値となっておりまして、周辺環境への影響はないと考えております。
 次に、下水汚泥の資源化再開についてでございますが、セメントへの再利用については、六月に国から示された安全性の評価方法などを参考に、汚泥の焼却灰に含まれる放射性物質の濃度が徐々に下がってきている現状を踏まえ、今後、濃度が比較的低い値の焼却灰から順次受け入れを再開できるよう、セメント会社と調整を進めております。
 また、セメント以外の製品では、これまで、シールドトンネルを構成するセグメントや鉄筋コンクリート管などの材料として、市場に流通させることなく、下水道工事に使用してまいりましたが、これらの製品化の早期の再開に向け、現在、材料の安全性の評価を独自に行っております。
 都が資源化再開の道筋をつけることで、汚泥の取り扱いに困窮する他の自治体を牽引してまいります。
 今後とも、環境負荷の少ない都市の実現に大きな役割を担う下水汚泥の資源化の一刻も早い再開に向けて、多くの都民の皆様のご理解を得ながら、関係者との協議を精力的に行ってまいります。

〇副議長(鈴木貫太郎君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
   午後五時十八分休憩

   午後五時三十五分開議

〇議長(和田宗春君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 三十二番たきぐち学君。
   〔三十二番たきぐち学君登壇〕

〇三十二番(たきぐち学君) 初めに、観光振興に関連して質問をいたします。
 石原知事は、知事に就任した平成十一年第二回定例会で、人口減少時代における東京の活力向上のために、訪都外国人をふやし、経済波及効果の大きい観光・コンベンション関連産業の振興に努めていくと決意を述べ、都は、観光振興プランを策定するなど、取り組みを進めてきました。その結果、約二百七十万人だった訪都外国人は、昨年、過去最高の約五百九十四万人に達し、一定の成果があらわれていると認識をしています。
 しかし、ロンドンやパリ、ニューヨークなどと比べて、都市産業における観光の占める比重は依然として低く、日本あるいは東京の国際旅行収支の赤字は解消されていません。加えて、東日本大震災の影響で観光客は激減し、先般、観光事業審議会から特別提言が出されたところです。
 都は「十年後の東京」への実行プログラムで、年間一千万人の外国人旅行者が訪れる世界有数の観光都市を目指していますが、人数もさることながら、観光収入の増加を図るべく質を高め、外国人観光客の滞在日数や消費単価を上げて最終消費額をふやすことが重要です。東京の成長戦略の柱として、観光による都内の経済効果を官民が共有し、海外から人や金を呼び込むための戦略を官民一体となって推進すべきと考えます。
 昨日の我が会派の代表質問に対し、MICEに積極的に取り組んでいくと答弁がありました。観光を産業振興の成長分野と位置づけ、都が安全性と魅力を世界に再発信することが、インバウンドの回復につながり、日本を牽引する力になると考えます。知事の見解を伺います。
 先般、ベトナム・ホーチミンを訪れ、ホーチミン市議会、総領事、ジェトロ、航空会社支店長らと意見交換を行ってまいりました。アジアの経済成長は、数千万人ともいわれる富裕層を生み出しましたが、毎年七%前後の経済成長を続けるベトナムも例外ではなく、ベトナムから日本を訪れた団体が、しにせの和菓子屋一店舗分の商品を買い占めたという話も伺いました。
 しかし、歴史的には、親日国でありながら日本の存在感は薄く、韓国企業、文化の進出が目立っているのに対し、カントリーセールス、シティーセールスの不足を痛感いたしました。
 訪日外国人は、韓国、台湾、中国で約六割を占めます。三大市場への戦略的な観光予算の投下と、ベトナムのような潜在的市場の開拓を図るには、市場調査に基づいたシティーセールスの強化が必要です。成長著しいアジア市場からどのように観光客を呼び込むのか、見解を伺います。
 また、欧米市場については、都はこれまで、ロサンゼルスやロンドン、パリなど十都市で、海外在留邦人に東京のセールス活動を委託する東京観光レップを設置し、シティーセールスに取り組んできました。これまでの成果を踏まえて、東京観光レップについて伺います。
 昨年の訪都外国人が過去最高を記録した背景に、昨年十月の羽田空港の国際線拡充があります。一方で、昨年七月に成田空港─日暮里間も三十六分で結ばれました。東京首都圏の空港容量不足が指摘され続けてきた中で、羽田の再拡張、国際化と三年後の成田の発着枠拡充によって、航空行政は、従前の内際分離から新たな時代に入りました。
 観光とビジネス、機能分化を図りながら、羽田、成田両空港の内際ハブ化の強化に向けて航空戦略を推進するべきと考えますが、見解を伺います。
 また、都は、平成十二年に航空政策基本方針を発表しました。策定から十一年を経た今、両空港の機能拡充に加えて、オープンスカイ、LCCの出現など、航空情勢が激変している状況を踏まえ、航空政策基本方針の見直しの時期にあるかと考えますが、見解を伺います。
 羽田の玄関口が品川や蒲田であるならば、成田の都内への玄関口は日暮里であります。スカイアクセスの開通などによって増加している京成の日暮里駅利用客は、実は京成上野の約二倍であります。都は、都庁、羽田空港、上野の三カ所で観光情報センターを運営していますが、より外国人が情報を収集しやすい場所にインフォメーション機能を置くなど、ホスピタリティーの充実を図ることが必要だと考えています。
 一度きりの観光地からリピーターをふやす都市へと進化するためには、受け入れ体制の整備が不可欠です。外国人旅行者の受け入れ体制の整備をどのように進めていくのか伺います。
 昨年一月、政府の会議で初めてスポーツ観光が取り上げられ、スポーツ・ツーリズム推進連絡会議が発足しました。ことし六月に示された基本方針では、日本の復興にスポーツと観光の果たす役割は大きく、これまで別の概念として認識されていた両者を意図的に融合させることで、今までにないスポーツ産業、観光産業の新しい収益構造を生み出すことができるとしています。
 再来年に予定しているスポーツ祭東京二〇一三は、国体としては五十四年ぶりの東京開催です。主な来場者が選手と関係者だけという状況から脱するために、会場となる六十を超える自治体と連携して、観光要素を付加した複合的なスポーツツーリズムとして集客モデルをつくり出していくべきだと考えます。世界体操や東京マラソンなど、国際大会も予定されていますが、都のスポーツ振興に当たり、観光振興の視点からスポーツツーリズムの取り組みが必要だと考えますが、認識を伺います。
 次に、災害対策について伺います。
 阪神・淡路大震災では、死者の約八割が建物の倒壊による圧死、東日本大震災では、津波によって多くのとうとい命が奪われました。関東大震災では、発災直後に火災が発生し、百三十四カ所で出火、四十六時間にわたって延焼が続いたと記録されています。火災による死者数は九万人を超え、百カ所以上で炎の竜巻である火災旋風が発生し、本所被服廠跡一カ所で三万八千人が亡くなったとされています。
 「三陸海岸大津波」などの著書で知られる荒川区出身の作家、故吉村昭氏は、その著書「関東大震災」で、火災旋風の筆舌に尽くしがたい様子を記しています。八十八年前とは、不燃化や消防力が格段に進む一方、高層建築物が建ち並ぶ都心では、都市型風害という新たな対処すべき課題も出ています。火災旋風のメカニズムを研究し、火災の怖さ、この教訓を生かさなければなりません。
 都は、高度防災都市づくりを目指し、延焼遮断帯の整備や建築物の不燃化、難燃化、住宅、マンションの耐震化を進めてきました。とりわけ、地域危険度の高い荒川、隅田川沿いの下町地域、荒川区を初め足立区南部、台東区東部、葛飾区西部、墨田区、江東区北部などにおける木造密集地域では、旧耐震基準の木造家屋の耐震化、建てかえに区と連携して取り組んでいます。
 しかし、居住者の高齢化や敷地の狭さ、狭隘道路の存在などを理由に、遅々として進んでいないのが現状です。
 知事は所信表明演説で、木密地域不燃化十年プロジェクトを実施し、これまでの取り組みを加速させると決意を述べられました。これまで進んでこなかった課題をいかに克服し、木造密集地域の不燃化促進に取り組んでいくのか、都の考えを伺います。
 先月末に発生した台風十二号は、気象庁のスーパーコンピューターでも読み切れなかったスピードの遅さで日本列島を縦断し、死者、行方不明者九十人を超える平成最悪の被害をもたらし、激甚災害に指定されました。和歌山、奈良両県の死者、行方不明者のうち約半数が、避難指示、避難勧告が出なかった地域の住人だったことも明らかになり、警戒避難体制の重要性が改めてわかりました。
 都は、区部五百九十二カ所、多摩二千七百四十一カ所、島しょ部三百八十五カ所を土砂災害危険箇所として公表していますが、法的な位置づけはありません。このため、平成十三年四月に施行された土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域及び特別警戒区域の指定をするべく、現在、危険箇所の多い西多摩地区から基礎調査を実施していると聞いております。
 山間部ではない都心部では、二十三区のうち、六つの区を除く十七区で危険箇所が抽出されています。しかし、土砂災害に対する意識は希薄であり、区市町村が作成するハザードマップにこれらの危険箇所を反映しているのは、新宿区と台東区など、わずかな区に限られているのが現状です。
 けさの読売新聞でも、警戒区域指定の低い実態が報じられました。今なお余震が続く中、地盤が緩んだ上に台風やゲリラ豪雨なども予想される中、一瞬で人の命を奪う土砂災害に対して、区市町村との連携の視点に立ち、土砂災害警戒区域の指定などソフト対策をどのように進めるのか伺います。
 最後に、中小企業支援について伺います。
 ことし上半期の直木賞受賞作品である「下町ロケット」、大田区のまち工場が取得した最先端特許をめぐる理不尽な訴訟に対して、中小企業が意地とプライドで立ち向かうという感動的な小説でありますが、改めて、知的財産保護の重要性を認識させられました。
 海外数カ国で特許を取得している地元の企業経営者に話を伺ったところ、中国、韓国で自社の製品を模倣され、アメリカでも類似品への対応を検討しているが、訴訟の前の仮調査だけでも一万ドルのコストがかかり、裁判となると、二年間で一億円はかかるだろうといわれ、苦悩されていました。
 生き残りをかけ、多くの企業が製品開発力や技術力にも磨きをかけて、国内外のマーケットでの競争力強化に力を注ぐ一方で、自社の製品や技術力が模倣されて、瞬く間に市場での競争力を失ってしまう例は後を絶ちません。研究開発の成果などを特許などの知的財産として確実に保護していくことが必要です。
 しかし、特許を取得するには、出願、審査請求、登録、維持にコストがかかり、海外で出願する場合には、限られた期間内に各国の言語への翻訳も必要であり、中小企業の負担は小さくありません。加えて、訴訟ともなれば、莫大なコストで経営基盤を揺るがしかねません。それ以前に、特許出願のノウハウがわからなくて対応できていない企業もあります。
 都は、知的財産の保護に向けて、中小企業がノウハウ、知識を習得するとともに、コスト負担の軽減を図るべきだと考えますが、所見を伺います。
 知人の弁理士の話では、中国、韓国、ベトナム、インドなどアジア市場で特許出願するケースがふえているが、欧米と比べて、アジアにおける独特の商慣習や特許侵害への対応が難しく、逆に訴えられるケースもあり、情報を取得しにくい現状があるとのことでした。海外に活路を見出す中小企業にとって、特許取得と同時に販路開拓が重要で、そのためには、現地の事情や各種手続などに精通した専門家による支援が不可欠です。
 都はこれまで、海外展示会出展への助成や、ベトナム、中国、インドネシア向けの販路開拓セミナーを実施するなど、海外販路拡大へのサポートをしてきましたが、商社OBの海外販路ナビゲーターによるきめ細かな支援のさらなる強化、拡充を図り、中小企業の海外展開を後押ししていくことが必要だと考えます。都の見解を伺います。
 昨年夏から進んだ円高は、極めて深刻な状況です。中小企業は、経営のあり方を抜本的に見直し、業績改善を目指すことが不可避の段階にあり、専門家の継続的な助言を求める声も聞きます。
 歴史的な円高に直面する中小企業をどのように支援をしていくのか見解を伺い、私の質問を終えます。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) たきぐち学議員の一般質問にお答えいたします。
 観光振興についてでありますが、文明が成熟し、人々の欲求が高まるにつれ、異なる文化や社会との交流、遠方への移動が活発化するのは必然的な流れでありまして、観光は、今世紀大きな成長が確実であります。
 東京は、豊穣な歴史と文化の堆積、多彩な食、正確な鉄道など、世界を引きつける魅力にあふれております。さらに、江戸しぐさという他人を思いやる伝統も残っておりまして、自動販売機がまち中に多数置かれていることに表象される良好な治安など、たぐいまれなる都市であると思います。
 都は、観光を重要な産業と位置づけておりまして、国に先駆けて、その振興に力を入れてきました。これまでの積極的な取り組みによって、東京を訪れる外国人旅行者は着実に増加して、昨年は六百万人に近づきましたが、しかしながら、東日本大震災後の外国人旅行者は大きく落ち込んでおります。
 そこでまず、正確な情報を繰り返し発信し、東京の姿を正しく知ってもらうためにも、海外の旅行事業者を東京に招いて、東京の安全性をみずからの目で確かめてもらうことが必要だと思います。
 私自身も、既に四十の国と地域の五千に上る旅行関係者に対して、東京が既に日常を取り戻していること、そして旅行者を歓迎していることを直接訴えてまいりましたが、やはり世界を駆けめぐっているこのあしき風評というものが、大きなマイナスになっておると思います。
 あわせて、観光は都市の活力の源泉であるとの認識に立ちまして、新たな観光資源を開発するとともに、世界に誇る東京の魅力を十分に生かしたシティーセールスを展開するなど、今後とも観光振興に取り組んでいきたいと思っております。
 他の質問については、技監及び関係局長から答弁いたします。
   〔東京都技監村尾公一君登壇〕

〇東京都技監(村尾公一君) 区市町村との連携の視点に立った土砂災害に対するソフト対策についてでございますが、都はこれまで、土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域などを、危険箇所が多い西多摩地域から順次指定しており、平成二十二年度末までに二千六百九十一カ所を指定しております。
 この指定に伴い、区市町村には土砂災害ハザードマップの作成や災害時における要援護者施設利用者への情報提供などが義務づけられることから、地域の警戒避難体制の整備が着実に促進されることとなります。
 また、区部では、危険箇所のうち、対策のとられていない自然斜面百七十五カ所について、がけの表面や湧水の状況など、経年変化の調査を今年度実施いたします。
 この調査結果に基づき、当該箇所の危険の度合いを区と共有することによりまして、区の施策を促し、住民の安全な避難行動につなげてまいります。
 今後とも、身近な行政を担う区市町村と連携し、安全・安心な都市東京の実現を目指してまいります。
   〔産業労働局長前田信弘君登壇〕

〇産業労働局長(前田信弘君) 六点のご質問にお答えいたします。
 まず、アジアからの旅行者の誘致についてでありますが、アジア諸国では、旅行目的地としての東京の認知度が既に高いことから、旅行者や旅行事業者への直接的な働きかけが有効であります。このため、各国の旅行市場の動向に合わせまして、旅行博覧会への出展や商談訪問などを実施してまいりました。
 加えて、訪日旅行者が大幅に減少いたしました震災以降は、現地のメディアを活用して、東京の正確な情報発信や旅行意欲の喚起などを図るとともに、現地の旅行事業者を東京に招聘するなど、商品造成や販売につながる取り組みを強化しております。
 引き続き、各国の市場動向などを踏まえつつ、アジアでのさらなる旅行者誘致を進めてまいります。
 次に、東京観光レップについてでありますが、都では、東京の観光情報が不足しており、また現地の旅行動向が入手しにくい北米、欧州及び豪州地域の十の都市に東京観光レップを設置しております。レップは、各都市でのニーズの収集を行い、これにこたえる東京の情報を現地旅行事業者に提供するセールス活動を実施しております。こうした活動を通じ、東京向け旅行商品の造成が促進されるなど成果を上げております。
 今後とも、東京観光レップを活用して、さらなる旅行者誘致を図ってまいります。
 次に、外国人旅行者の受け入れ体制の整備についてでありますが、都や区市町村、民間事業者などがそれぞれの役割を分担しながら、連携して取り組みを進めております。
 都では、三カ所の観光情報センターや、区市町村、宿泊施設等の窓口を活用した観光案内窓口を開設しており、都内のハンディガイドやハンディマップなどを無料で配布しております。
 また、多言語による歩行者用観光案内標識を都内約八百カ所に設置しているほか、観光ボランティアによるガイドサービスつきツアーを実施するなど、広域的な観点から、外国人旅行者の利便性や満足度の向上を図っております。
 今後も、引き続きこうした取り組みを推進し、外国人旅行者の受け入れ体制のさらなる充実を図ってまいります。
 次に、中小企業の知的財産の保護についてであります。
 中小企業がすぐれた技術力を生かし、市場での競争力を維持するためには、知的財産の保護を確実に行うことが必要であります。
 都では、平成十五年に知的財産総合センターを設けまして、中小企業向けに知的財産に関する相談やセミナーを行い、特許の取得に必要な知識などを提供しております。
 また、中小企業の特許出願の負担を軽くするため、出願費用の一部を助成したり、知的財産の侵害の状況を調査する経費の助成を行うなどの支援を実施しております。
 こうした取り組みを通じまして、中小企業の知的財産の保護を着実にサポートしてまいります。
 次に、海外販路開拓の支援についてでありますが、アジア市場は今後とも大きな成長が見込まれることから、都は、商取引のニーズの高い分野の海外販路ナビゲーターを増員いたしまして、現地のビジネスデスクからの情報も活用しながら、中小企業の販路開拓の相談に応じるとともに、海外展示会に出展する機会の確保にも取り組んでおります。
 こうした施策を通じ、中小企業の海外販路の開拓を支援してまいります。
 最後に、中小企業の経営見直しへの支援についてでありますが、円高によります深刻な経営への影響を乗り越えるため、経営のあり方を根本的に見直す中小企業をサポートすることは重要と考えております。
 都は、既に今年度より、円高対応・企業変革アシストプログラムを開始いたしまして、中小企業に経営の専門家を派遣してアドバイスを行うなどの支援を進めております。
 具体的には、資金繰りの改善や販路の開拓などの課題を明らかにした上で、その計画的な解決を図るプランや対応策をつくり、企業経営の見直しをサポートしております。
 こうした取り組みを着実に実施することで、現在、円高で厳しい経営環境に直面している中小企業を支援してまいります。
   〔都市整備局長飯尾豊君登壇〕

〇都市整備局長(飯尾豊君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、羽田及び成田の両空港の航空戦略でございますが、昨年、国際定期便が就航した羽田空港では、年間発着枠が平成二十五年度に現在より昼間三万回増加し、九万回となります。
 これにより、深夜早朝枠に限定されていた欧州便が昼間の時間帯にも可能になるなど、都心に至近で二十四時間利用可能な羽田空港の機能が高まってまいります。
 一方、成田空港では、現在の二十二万回の発着枠を三十万回までふやすことで地元合意が整っており、従来からの国際ハブ空港としての機能がさらに強化されます。
 このような羽田と成田の両空港のそれぞれの特徴を生かし、一体的な運用を図ることにより、首都圏の国際ハブ空港としての機能を高めていくことができます。
 今後も、国際競争力の向上に向け、首都圏空港の一層の機能強化を国に求めてまいります。
 次に、航空政策基本方針でございますが、この方針は、羽田空港の国際化や横田飛行場の民間航空利用など、首都圏の空港機能の充実に向けて、都が取り組む施策をまとめたものでございます。
 都では、世界の航空需要を踏まえ、昨年度、首都圏におけるビジネス航空の受入れ体制強化に向けた取組方針を策定し、この分野に関して航空政策基本方針を補完いたしました。
 今後も、都として対応が必要な諸課題について、適宜こうした取り組みを進めてまいります。
 次に、木造住宅密集地域の不燃化でございますが、都はこれまで、区とともに木密地域の改善に取り組んでまいりましたが、居住者の移転先の確保が困難なこと、敷地が狭小であることなどの課題があり、なかなか改善が進んでまいりませんでした。
 このため、十年プロジェクトでは、まず、木密地域に住む人々が、我が身に迫る危険性をみずからの問題として認識する必要があることから、防災の専門家による講演会などを開催し、住民の意識啓発に取り組んでまいります。
 また、延焼遮断帯となる道路の整備と建物の不燃化を一体的に進めていくことが重要との考えのもとで、建物の不燃化に有効な、条例に基づく防火規制の区域拡大を図るとともに、都有地等を活用した効果的な生活再建支援など、新たな誘導策の検討を進めてまいります。
 これらを地域の実情に応じて組み合わせ、地元区と連携しながら積極的に実施することにより、木密地域の改善に取り組んでまいります。
   〔スポーツ振興局長細井優君登壇〕

〇スポーツ振興局長(細井優君) スポーツツーリズムについてでございますが、議員お話しのような国際的なスポーツイベント等の開催は、東京の魅力を国内外に発信する好機でございまして、オリンピック・パラリンピック招致などのスポーツ振興に当たり、観光振興の視点は極めて重要であると認識しております。
 一方、観光庁が本年六月に発表した基本方針においては、オールジャパンのスポーツツーリズム連携組織を今後創設し、地域における国際競技大会の招致開催など、さまざまな取り組みを支援することとしております。
 都としても、東京マラソンや東京大マラソン祭りなどで培ったノウハウを生かしまして、庁内各局はもとより、スポーツ団体や地域の観光協会、企業などとの連携を深めながら、観光や文化、産業など幅広い視点を持って、さらなるスポーツ振興に取り組んでまいります。

〇議長(和田宗春君) 二十一番菅東一君。
   〔二十一番菅東一君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

〇二十一番(菅東一君) まず、債権管理の取り組みについて伺います。
 平成十八年度の年次財務報告書において、資産の中に多額の未収債権が存在していることが明らかとなったことを受け、都は、全国に先駆けて債権管理条例を制定し、債権管理の適正化を進めてまいりました。
 改めて申し上げるまでもありませんが、これら本来歳入されるべき債権が回収されないということは、自治体経営の観点からも許されることではなく、都が有する資産を減少させることにもつながっているといえます。
 また、もはや回収が困難となった債権がそのまま管理され続けると、本来都民サービスに向けられるべきエネルギーが、不要な業務に割かれてしまうこととなります。都財政を取り巻く環境が不透明な今だからこそ、貴重な財源として債権の回収を強化するとともに、徴収に係る費用などコスト感覚を加味して債権管理に取り組んでいくことが重要であると考えます。
 これまでの取り組みを踏まえ、さらなる債権管理の適正化に向けた取り組みをいかに進めていくべきか、所見を伺います。
 次に、防災対策について伺います。
 まず、木造密集地域対策についてであります。
 知事は、今定例会の所信表明において、木造密集地域の防火性を向上させるため、新たに木密地域不燃化十年プロジェクトを立ち上げ、その取り組みの一環として、地元自治体も巻き込みながら都民に訴えていくと発言されました。
 防災都市づくり推進計画の重点整備地域に位置づけられている私の地元、板橋区大山駅周辺地区では、今年度から、都と区によるまちづくりや道路整備のための調査が始まりました。この地区には、都内でも有名なハッピーロード大山商店街があり、店舗や住民との合意を図りながら、延焼遮断帯となる都市計画道路の整備や建物の不燃化などに取り組まなければなりません。
 このように、地元の合意を得ながら整備を進める木密地域は、山手線の外側に数多く残されています。
 こうした木密地域の不燃化を進める上では、そこに住む住人たちがみずからの問題として危機意識を持つことが必要であり、そのためには、都が積極的に意識啓発の働きかけを行う必要があると考えますが、知事の所見を伺います。
 次いで、東日本大震災の被災地支援について伺います。
 未曾有の大震災から半年が経過し、被災地では主なインフラが復旧するとともに、応急仮設住宅への入居も進むなど、復興への歩みが進められています。
 しかし、放射線汚染への対応や具体的な復興計画の推進、地域経済の再建など、大きな課題は残されたままであり、この国難とも呼ぶべき悲惨な状況を前に、有効な対策を打てない国に対し、被災自治体はいら立ちを募らせております。
 一方、都内には八千名を超える方々が避難されていますが、いつになったらふるさとに帰れるのかという思いを胸に、生活再建への不安を抱えながら長期にわたる避難生活が続いております。
 三月十一日の大震災前の日々に戻ることは当分の間は難しいとは思いますが、被災地の復興とともに、こうした都内に避難されている方々が一日も早くもとの生活を取り戻せるよう、東京都もしっかりと支えていくべきだと思います。
 先般、都は、総務局に復興支援対策部を立ち上げ、復興支援に取り組む体制を整備したとのことですが、発災から半年が過ぎ、本格的復興に向けて歩もうとする被災地、そして都内での避難生活を余儀なくされている方々をどのように支援していくのか、今後の東京都の取り組みについて、まず伺います。
 都は、発災直後から岩手、宮城、福島の三県に現地事務所を設置し、現地のニーズをくみ上げながら、全国の自治体のリーダーとして先頭に立って、積極的な支援を行ってきました。
 例えば、人的支援では、現在においても他の道府県を大幅にしのぐ職員数を派遣しております。
 こうした支援の裏には、混乱の中で現地ニーズを把握し、被災自治体と調整してきた現地事務所の職員の方々の努力があります。また、実際に被災地に派遣された多くの職員についても、なれない土地での活動でさまざまな苦労があったことと思います。着のみ着のままで都内に避難された方々を都内施設に受け入れるために奔走し、お世話をした職員にも同様の苦労があったと聞いております。このような都職員の経験は、必ずや今後の都政に還元できるものと考えます。
 そこで、これまでの被災地における具体的な活動実績を、何らかの形で取りまとめておくべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、防火対策について伺います。
 防災対策においても、火災への備えは重要であります。
 四十四名の方々が亡くなった新宿歌舞伎町ビル火災から、ことしの九月で十年が経過いたしました。東京消防庁が火災発生後、直ちに緊急特別査察を実施し、また、その後も各種対策を継続的に実施するなど、小規模雑居ビルに対する防火安全対策を積極的に推進してきたことは評価いたします。
 しかし、火災への備えに終わりはありません。今後も、建物管理者の防火意識の向上に向けた取り組みや建物の安全を使用者みずから確認することの奨励など、各種対策を継続的かつ多角的に展開する必要があると考えます。
 そこで、歌舞伎町雑居ビル火災等の教訓から進められてきた小規模雑居ビル対策とその現状について伺います。
 次に、動物園マスタープランについて伺います。
 都は、去る九月七日、都立動物園マスタープランを策定し、公表いたしました。今後、都は、このマスタープランに基づいて、都立動物園の目指す姿の実現に向けて、さまざまな取り組みを展開していくことになります。
 その中で、特に重視しなければならないのは、未来を担う子どもたちが、動物や自然との触れ合いを通じて、生命のとうとさなどについて学ぶことのできる教育活動の場としての都立動物園の取り組みであります。
 そこで、都は、都立動物園の教育機能について、どのように認識しているのかを伺います。
 また、各園の施設の再整備に当たっては、動物の飼育、繁殖や展示機能の充実はもとより、教育機能を最大限発揮できるようにすべきと考えますが、所見を伺います。
 ぜひ、これまでの延長線にとどまるのではなく、完全に生まれ変わった新たな都立動物園の姿を我々に示してもらうことを楽しみにしております。
 次に、第二十九回全国都市緑化フェアTOKYOについて伺います。
 全国都市緑化フェアTOKYOでは、主な基本方針として、第一に、緑のつながり、広がりを体感、発信するフェア、第二に、新しい緑や都市観光の創造につながり、技術にこだわるフェア、そして第三に、東日本大震災で被災された方々に力強い支援の輪を広げるフェアにすることを掲げていますが、都民や国、自治体、民間事業者などと広く連携して、緑のムーブメントを東京から全国に発信していただきたいと大いに期待しております。
 フェアは、来年の九月二十九日から開催されますので、くしくもきょうがちょうど一年前に当たりますが、フェア開催に向け、これから徐々に機運を高めていく必要があると思います。
 都は、緑化フェアの事前周知を図るため、被災地支援も兼ねたプレイベントを開催すると聞いておりますが、現在の取り組み状況について伺います。
 最後に、浸水対策について伺います。
 近年、地球温暖化に伴う気候変動などにより、一時間五〇ミリを超える集中豪雨が頻発しております。
 私は、本年の予算特別委員会で、浸水対策として、下水道幹線や雨水を排水するポンプ所などの基幹施設を計画的に整備していることを確認いたしました。
 最近のゲリラ豪雨による浸水被害状況を見ると、さまざまな機能が集積し、地下利用が進む東京においては、浸水リスクが高まっており、浸水に対する安全性をより一層向上させることが求められると思います。
 そこで、浸水被害軽減に向けた下水道局の今後の取り組みについて伺います。
 私の地元である板橋区高島平地区では、かつては大雨が降るたびに大規模な浸水被害が発生していましたが、下水道幹線の整備などにより被害が劇的に軽減いたしました。
 そこで改めて、板橋区におけるこれまでの下水道の浸水対策について伺います。
 浸水対策においては、下水道幹線などの整備に加え、局地的な浸水に対してきめ細かい対応も必要であると考えます。
 板橋区内において、昨年七月五日に一時間一一三ミリを記録した豪雨により、石神井川沿いの大谷口北町地区や白子川沿いの成増地区で浸水被害が発生しました。川の水位が急激に上昇し恐怖を感じたと地元の人から聞いております。ことしに入っても、先月二十六日に関東地方を襲った集中豪雨により、大谷口地区などで浸水被害が発生いたしました。
 そこで、大谷口北町地区や成増地区における今後の浸水対策の取り組みについて伺います。
 最後に、一時間一〇〇ミリを超える豪雨が発生している状況があり、浸水被害の軽減に向けたこれまで以上の取り組みも求められており、雨水を貯留する施設の整備を強く要望して、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 菅東一議員の一般質問にお答えいたします。
 木造住宅密集地域における都民の危機意識についてでありますが、私は、阪神・淡路大震災の直後に、運輸省に頼まれまして、主に被害に遭った港湾の視察に行きました。ついでに、一番被害の多かった東灘区と長田区も視察してきましたが、まず港湾で感じましたことは、戦後つくられた港湾は、キリンと呼ばれる大きなクレーンも含めて全滅しておりましたけれども、不思議なことに、対岸の古い様相の岸壁だけがちゃんと残っていました。案内した地元の役人に聞いたら、あれは戦前のもので、耐震性でつくられましたと。ではこの新規はどうなんだといったら、にやにや笑って答えませんでしたが、まさに耐震性のない岸壁を体裁だけつくって全滅したわけでありますけれども、長田区でも東灘区でも感じましたことは、木造の住宅は全滅しておりましたけれども、かなり年月のたっている様相の鉄骨の住宅も鉄筋の住宅も、全部残っておりました。
 ということは、やはり木造の建築はいかに大きな震災に弱いかということの証左でありますけれども、先般も一部の木密地域を視察に行ってきましたけれども、行ってみますと、まちも、ちまちま細かく狭いところですけれども、それだけに人間性があって、肌で触れ合う人たちがたくさんいまして、木密地域は住みやすい人情の細やかなまちだということを痛感しましたが、同時にそれはやっぱりまちの構造からいって、非常に災害には弱いまちだということにもなると思います。
 これはかねてから私も気にしたことですから、災害のときに、特に夜間の災害のときに、最低、自分の命だけは守ってもらおうということで、寝ている寝室の安上がりの補強策というものを何通りか開発しまして、皆さんにお見せしてるんですが、余りそれを採用した方は今までいませんですな。とにかく自分だけは大丈夫だと、何となく皆さん思うだけでなく確信していらっしゃる。これは非常に行政にとって厄介なことでありまして、説得するもしないも、とにかくここは大丈夫だといわれれば、いやそうでもありませんよといっても、とにかく応答にならない。
 そういう意味で、都は自助、共助の重要性を伝えるために、近く防災の専門家、いろんな資料を映像的には持っていますから、そういう方や、あるいは被災の体験者を招いて、その地域地域で小さくても講演会を開きまして、その地域の都民の方々に、一たん緩急、地震が到来したときの、その木密地域の怖さというものをまず自覚していただくことが大切だと思っております。
 そういうことを、住民の意識、危険意識を喚起して、防災隣組の構築にもつなげていきたいと思っております。これを手始めに、地元区も巻き込みながら、十年プロジェクトを推進して、高度な防災力を備えた都市の実現を目指していきたいと思っております。
 他の質問については、技監及び関係局長から答弁いたします。
   〔東京都技監村尾公一君登壇〕

〇東京都技監(村尾公一君) 三点のご質問にお答えいたします。
 初めに、都立動物園の教育機能についてでございますが、都立動物園、水族園は、種の保存、調査研究、教育、レクリエーションの四つの機能を有しております。このうち教育の機能としては、子どもから大人まで、多くの人たちが生命力に満ちた躍動感のある野生動物の行動や生態を目の当たりにし、多様な生命の存在や、その輝きを見詰めることで、生態系の一部である人間の存在を感じることができ、そのための環境を提供することが求められております。
 とりわけ、動物や自然との触れ合いの機会が減少している子どもたちが、そうした多様な生命の存在や、これら生命の未来につないでいく営みを肌で感じ、自己の存在や他者とのかかわりについて学んでいくことは、次世代を担う子どもたちの育成にとって不可欠であると考えております。
 次に、教育機能の発揮についてでございますが、都立動物園、水族園は、これまでも、子どもたちの動物や自然に対する感性をはぐくむため、動物観察や飼育体験などのサマースクールや、学校への出張授業の実施、さらには、オランウータンのスカイウオークやツキノワグマの冬眠展示を初め、葛西臨海水族園において、南極周辺に生息するジャノメコオリウオを本年八月から世界で初めて飼育展示するなど、さまざまな取り組みを行ってまいりました。
 今後、都立動物園マスタープランに基づき、各園の施設の再整備を行うに当たっては、多様な教育プログラムと、それを支える環境づくりとともに、野生動物の行動や生態の再現にとどまらず、来園者が、あたかも野生動物の生態環境の中にいるかのような体験ができ、動物や自然への想像力をかき立てられるよう、教育機能を一層向上させてまいります。
 次に、全国都市緑化フェアTOKYOの取り組み状況についてでございますが、多くの来場者を迎え、緑に対する意識の高揚や普及啓発を促し、緑あふれる東京を次世代に継承していく契機となるよう上野恩賜公園や井の頭恩賜公園を初めとした各会場での具体的な実施計画の策定を進めております。
 また、プレイベントにつきましては、国、民間事業者、関係各局などの協力、協賛を得ながら、メーン会場の一つである昭和記念公園を皮切りに、七月から開催してきております。延べ十会場で約七十万人の来場者に対しPRを行いました。とりわけ、十月二十二日から九日間開催され、例年十万人が訪れる日比谷公園ガーデニングショーは、メーンのプレイベントでございます。宮城県の国営みちのく杜の湖畔公園と茨城県の国営ひたち海浜公園とも連携して、被災地からの声や現地への応援メッセージを交換する復興応援メッセージガーデンなどの展示を行います。
 さらに、日比谷公園ガーデニングショー以降も多様なプレイベントを行い、民間事業者等との連携をも強めながら、一年後の開催に向け、機運を一層高めてまいります。
   〔財務局長安藤立美君登壇〕

〇財務局長(安藤立美君) 債権管理についてお答え申し上げます。
 平成二十年七月の債権管理条例の施行にあわせて、各局ごとに債権管理者を置き、全庁横断的な会議組織を設置するなど、債権管理の適正化を進めるための体制を強化してまいりました。この体制のもとに、債権の発生から回収に至るまでのノウハウ等を共有化し、マニュアルや債権管理台帳を整備するなど、都全体として取り組みの底上げを図ってまいりました。
 また、徴収努力を尽くしてもなお、回収不能な私債権については、債権放棄の基準を明確化し、欠損処理を適切に行ってきたところでございます。
 今後は、公平性の観点に加え、回収コストも考慮した対応を検討するなど、局ごとの実情に応じた取り組みをいかに進めていくかが重要と考えております。
 各局の取り組みを支える立場にある財務局といたしましても、引き続き支援の充実を図ることで、徴収強化や滞納の未然防止、適切な欠損処理など、実効性の高い債権管理体制の構築に努めてまいります。
   〔総務局長笠井謙一君登壇〕

〇総務局長(笠井謙一君) まず、被災地及び都内避難者支援についてでございますが、震災発生から半年がたち、国の対応のおくれから、インフラ整備の本格復旧や被災地の産業再生など、復興への足取りは重く、現地の実情に即した対策を早急に講じることが重要であります。
 このため、都は現地事務所を通じ、被災地のニーズを的確にとらえ、まちづくりに関する専門技術を有する職員の長期派遣や、被災地産品の物産展、都内企業と被災地企業との商談会の開催などを通じ、被災地が本格的な復興に向け踏み出す歩みを力強く後押ししております。
 また、都内に避難された方々に対しましては、関係機関とも十分連携し、被災地の行政情報や、都の支援情報を定期的に提供するほか、避難者間の交流会を開催するなど、ふるさとや同郷の方々とのきずなを保つ取り組みを進めるとともに、就労、就学支援や福祉相談など、生活全般にわたる支援を引き続き、きめ細かく行ってまいります。
 次いで、支援活動の実績の取りまとめについてでございますが、都はこれまで延べ二万四千人を超える職員を被災地に派遣するとともに、約四千人の避難者を都内施設に受け入れるなど、総力を挙げて支援に取り組んでまいりました。
 現在、被災地での活動状況は、都のホームページに、被災地派遣レポートとして掲載をしております。今後、現地事務所の職員や被災地に派遣された職員、都内で避難者の受け入れに当たった職員の活動報告とあわせた支援活動実績集を取りまとめるとともに、報告会を開催し、知識、経験の共有化や職員の防災意識の向上に努めてまいります。
 今回の震災で支援活動に携わった職員の体験は極めて貴重であり、万一、都内で災害が発生したときや、新たに被災地支援に取り組む際などに大いに役立ててまいりたいと思っております。
   〔消防総監北村吉男君登壇〕

〇消防総監(北村吉男君) 小規模雑居ビルの火災安全対策についてでありますが、当庁では、歌舞伎町ビル火災を契機に、消防法令の改正を受け、階段、廊下等に置かれた障害物の即時撤去の徹底や、新たに自動火災報知設備の設置が義務となった小規模な建物に対する設置の促進を図るとともに、出火危険や人命危険の高い建物から優先的に立入検査を実施するなど、火災安全対策を推進してまいりました。
 こうした状況下、一昨年、高円寺南雑居ビル火災が発生し、その後、当庁が実施した緊急一斉立入検査の結果、多くの雑居ビル等では、テナントの入れかわりが頻繁で、建物関係者の防火意識が希薄であり、建物の使用を開始するに当たって届け出がなされていないことが明らかになりました。
 このため、当庁の対応として、深夜時間帯も含めた立入検査を強化するとともに、改正された火災予防条例に基づき、本年四月から、消防用設備等の未設置の建物や防火管理等に係る法令違反を繰り返している建物を公表する制度により、広く都民に安全情報を着実に提供しております。
 今後とも、公表制度の周知徹底を図るとともに、関係行政機関や地元の商店街など地域との連携を密にし、事業所の自主的な取り組みの向上を促すなど、引き続き火災安全対策の万全を期してまいります。
   〔下水道局長松田二郎君登壇〕

〇下水道局長(松田二郎君) 下水道の浸水対策についての三点のご質問にお答えいたします。
 まず、浸水被害の軽減に向けた今後の取り組みについてでございますが、下水道局では、下水道幹線やポンプ所などの基幹施設を計画的に整備し、雨水を排除する能力を向上させることで、浸水被害の軽減に努めております。
 これまで区部で一時間五〇ミリの降雨に対応する施設の整備を進めておりますが、その完了した割合は六二%でございます。現在、特に浸水の危険性の高い二十地区を対策促進地区として重点化し、平成二十九年度までの完了を目指し対策を進めております。
 また、浸水被害による影響が大きい大規模地下街などの周辺では、一時間七五ミリの降雨に対応できる貯留施設などの整備を進めております。これまで新宿駅周辺などの四地区について整備が完了しておりますが、今後、渋谷駅東口、東京駅丸の内口、新橋・汐留駅、銀座駅、上野・浅草駅周辺の五地区を実施することとし、このうち、渋谷駅東口周辺については、街区基盤整備事業の中で貯留施設の整備を行うもので、今年度中に工事に着手をいたします。
 次に、板橋区におけるこれまでの下水道の浸水対策についてでございますが、板橋区においては、一時間五〇ミリの降雨に対応するため、志村坂下一号や新浮間などの下水道幹線と、浮間水再生センター内に雨水を排除する能力を増強するためのポンプ室を整備してまいりました。
 また、高島平地区で整備してきた高島平一号幹線は、平成十一年度に一部で貯留を開始した後、平成十五年度に全区間を完了させ、八万八千立方メートルの雨水を貯留する能力を有しております。これらの基幹施設の整備により、浸水被害は大幅に軽減をしてきております。
 また、浸水被害が多発をしておりました板橋区大山金井町・中丸地区では、できるところからできるだけの対策を図る雨水整備クイックプランの重点地区として選定し、既設の谷端川幹線を補完増強するため、内径三メートル延長約千三百メートルの新たな下水道管を並行して整備したことにより、浸水被害が軽減しております。
 次に、大谷口北町地区や成増地区における今後の浸水対策の取り組みについてでございますが、大谷口北町地区は、くぼ地のため雨水がたまりやすい地形であることから、既設下水道管同士を連結し、雨水を分散させるループ化の手法や、流下能力が不足をしている一部区間の下水道管の能力を補完するバイパス管の設置などにより、効率的に対策を講じるための工事に今年度着手をいたしました。
 なお、下水道管に雨水を取り込みやすくするため、地元区と連携して実施した雨水ますの増設や、ますのグレーチング化については既に完了いたしております。
 また、成増地区は、坂下で急激に雨水が集まりやすい地形であることから、百々向川緑道の下の貯留施設を整備をしてきたところでございますが、雨水を取り込みやすくするため、昨年度から、区と連携をいたしまして、雨水ますの増設を図っており、今年度中には完了させる予定でございます。
 今後とも、板橋区内の浸水被害の軽減に向けて着実に積極的に取り組んでまいります。

〇副議長(鈴木貫太郎君) 七十七番伊藤まさき君。
   〔七十七番伊藤まさき君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

〇七十七番(伊藤まさき君) 東京は、都心から多摩地区、臨海地区へとその都市機能を拡大し、世界一の都市に成長いたしました。しかし、現在、その成長も飽和状態となりつつありますが、東京には、まださまざまな可能性が残されております。その中でも最も有望視されるべきなのは東京の海だと思います。
 東京は、豊穣な海へと乗り出していくことにより、二十一世紀においても引き続き、日本だけでなく世界の都市を牽引していく役割を果たしていけると確信をいたします。
 まず、日本そして東京の海が、いかに大きな可能性を秘めているかご紹介をいたします。
 日本の国土の大きさは三十八万平方キロメートル、世界第六十位であることに対し、領海と我が国が他の国を排除して、さまざまな経済的権益を持つ排他的経済水域は四百四十七平方キロメートルで世界第六位の規模を誇ります。お隣の中国と比較をすると約五倍の海を持つ、世界に冠たる海洋国家であります。
 その中でも、伊豆・小笠原諸島を擁する東京は、四十七都道府県の中でも最大の海域を持っております。広いだけではありません。この日本の海には、世界じゅうの海に生息をする生物の約一四・六%、三万三千六百二十九種類もの海洋生物が確認をされており、世界でも有数の漁場も有しております。さらに、海底資源も豊富に存在していることが近年、明らかになっております。
 私は先日、独立行政法人海洋研究機構海底資源研究プロジェクトのチームリーダーを務める木川栄一博士を訪ね、最新の取り組みを聞かせていただきました。水深三百メートルを超える海底には、燃える氷と呼ばれるメタンハイドレートが多数分布しており、そのメタンガスの量は、国内消費量に換算すると百年分あるといわれ、伊豆諸島や小笠原諸島の一帯にはレアメタルや金、銀、銅、鉛などを含んでいる海底熱水鉱床があり、その含有量は陸上でとれるものよりも品位が高く、銀で約十倍、金や銅では約二倍の含有量を誇る有望な鉱床があると報告をされております。
 沖ノ鳥島や南鳥島付近には、マンガンやコバルト、ニッケルやプラチナを含有するコバルトリッチクラストが存在をしていて、含有量、存在する海底の深さともに、商業化が十分検討されるといっております。その他二酸化炭素をメタンガスに変える夢のような研究も今後本格的に進めていくようであります。
 このように、海の可能性は技術の進展に伴いますます広がっております。海底調査船を使ってボーリング調査をすれば、こうした有望と推測される海域にどれぐらいの資源があるのかが把握できます。
 しかし、残念なことに、東京の海域の詳細な調査は十分に行われていない状況であります。こうした調査は、本来、国や企業が対応すべきことでありますが、国の計画では、沖縄海域を最優先とし、伊豆・小笠原海域は二の次という状況で、企業はリスクをとることに及び腰で、積極的な投資を行えていないのであります。
 その一方、外国のベンチャー企業が東京の海での調査をしたいと申請をしている動きもありますし、アメリカやロシアだけでなく、中国や韓国なども積極的かつ旺盛に投資をしております。
 特に中国は、この日本の豊かな海を虎視たんたんとねらい、軍事的にもさまざまな行動を盛んに起こしております。
 先日、都議会民主党として、野田総理大臣に対し、領土と主権の保全に関する申し入れをし、レアアースなど戦略物資についての確保などについて強く要望してまいりました。私は、今こそ都が、国の施策を後押しし、海底資源の開発を東京の海域で積極的に行われるようにするべきであると考えます。
 岩手県では、国の情報を積極的に収集し、県としてできることを具体的に検討している例もあります。伊豆・小笠原海域を、海底資源の開発のベース基地とすれば、投資を呼び、雇用を増進し、活性化の新たな柱となります。
 日本の海にこれだけの資源があるのはなぜか、それは地震を引き起こす要因となる三つのプレートが集中し、火山活動が活発的なことと裏腹なのであります。我々日本人は、有史以来、多くの震災に襲われ、多くの人命と生活の糧を奪われてきました。三月の震災でも一万五千人以上の死者、約二十兆円ともいわれる経済的被害が出ております。海底資源を開発することの意義は、単に資源を得るという経済的な意義だけでなく、これまで亡くなった方々に報いるために、犠牲と引きかえとされているともいえるこの豊富な恵みを、我々日本人が日本人の手で、十二分に活用していくことに大きな意義があると私は考えます。
 平成十七年に、みずから沖ノ鳥島を訪れ、以来、当地における漁業支援を国に先駆けて行い、永続的経済活動を実現し、排他的経済水域を維持することに力を注いできた石原都知事にお尋ねいたします。
 現在、都には、海底資源を所管する組織が存在をしておりませんが、島しょ地域の振興をさらに積極的に進めるためにも、将来有望な海底資源の開発を検討するべきと考えるが、海底資源の開発に対する知事の所見を伺います。
 ことし六月に、小笠原諸島が念願の世界遺産に登録をされました。開発か自然の保護かといった二者択一ではなく、持続可能でバランスのとれた島しょ振興を行うべきであります。現在、各局がそれぞれ施策を展開しておりますが、それらを総合的に結びつけ、地域の特性を生かしながら、総合的な島しょ振興をするべきだと考えますが、所見を伺います。
 公文書の管理についてお伺いいたします。
 行政のあらゆる活動は、意思決定過程の透明性、住民への説明責任の明確性、運営の一体的持続性と安定性が求められることから、文書主義の原則で運営をされております。公文書の管理は大変地味な分野ではありますが、すべての行政活動の基礎、基本であり、適正な文書作成と管理を行うことはとても重要であることは論をまちません。
 公文書の適正な管理を怠れば、例えば消えた年金問題、また、薬害肝炎患者リストの放置問題など、人々の生活や生命をも脅かす重大な問題を引き起こすのであります。
 ことし四月に公文書管理法が国において施行され、我が国の公文書の管理は、新たな段階へと踏み出しております。
 都においては、昭和六十三年の公文書館法施行の二十年前、昭和四十三年に都政史料館と総務局の文書課の機能の一部を統合し、東京都公文書館を設立し、平成十一年には、東京都文書管理規則を制定、施行しております。法制定前に先進的な取り組みを重ねていることは評価をいたしますが、他の自治体や国の取り組みには、より先進的なものが出てきております。
 公文書管理法施行に当たり、いま一度、都の文書管理を見直しする絶好の機会と考え、以下、質問並びに提案いたします。
 公文書管理法第三十四条には、地方自治体においても、この法律の趣旨にのっとり、必要な措置を講ずるよう努める義務を課しております。都ではこの法の趣旨をどのようにとらえ、施策を実行していくのか所見を伺います。
 都では、国と違い、これまで総務局を中心に文書の一元管理をしてきました。しかし、長期保存文書については、公文書館への引き継ぎが義務づけられているにもかかわらず、二割程度しか引き継ぎは行われておりません。神奈川県では六割から七割の引き継ぎが行われていることを見れば、低いといわざるを得ません。さらに、各局での引き継ぎの状況はかなりの差があります。この点についての所見と、局横断での取り組みの強化が必要と考えますが、所見を伺います。
 大阪市では、公文書管理条例において、地方独立行政法人や住宅供給公社等については、市と同様の規定を設けることを義務づけ、出資等法人については、必要な指導等の実施に努める、指定管理者についても努力義務を明文化しております。都では、各所管の局が監理団体を指導しておりますが、都においても、条例で必要な定めを置くべきと考えますが所見を伺います。
 文書管理については、ルールや仕組みをつくるだけでなく、日々業務を行っている職員の能力の向上が何より重要と考えます。従来は業務に精通しているベテラン職員が知識や経験を継承し、人材育成を担っていたようだが、職員が大量退職している状況であります。人材育成への継続的な取り組みが必要と考えますが、所見を伺います。
 これまで指摘したことについては、東京都文書管理規則には触れられておりません。時代の変化に対応すべく、条例に格上げし、都民に対し、都の説明を明確にすべきであります。
 文書の管理と情報の公開は車の両輪です。情報公開については、法に基づき、情報公開条例が施行されていることからも、人材育成や文書管理の範囲拡大などを明確に規定する条例を制定するべきです。所見を伺います。
 公文書館について伺います。
 先日、私は、東京都公文書館を視察してまいりました。館長以下各責任者の皆様からつぶさに取り組み状況をお聞きいたしました。明治、大正時代の記録資料だけでなく、江戸時代の貴重な歴史的資料が大量に保管管理をされており、大変興味深く拝見をいたしました。その中でも、とりわけ安政大地震や関東大震災の関連資料は、被災状況や各地から寄せられた救援物資、避難所の名簿など、当時の状況を生々しく伝えており、これからの防災対策を考える上でも貴重なものだと思います。公文書の適切な管理の必要性を改めて感じました。
 そこで伺います。
 現在の公文書館は、建設から四十三年たち、更新時期を迎えております。都有施設の移転更新に合わせて、民間のノウハウを活用したまちづくりを進める都市再生ステップアップ・プロジェクトに伴い、来年の四月に、世田谷区の旧都立玉川高校の校舎を改築し仮移転をされ、平成二十八年以降に本移転をする予定となっております。
 公文書館の年間利用者の約三割は都の職員であります。業務の効率化を考えれば、都庁に近く、利用者の利便性向上のためにも、交通状況がよい方が望ましいと思います。また、公文書の効率的な収集、保管をすべく、中間書庫も設けるべきと思います。新設される施設の内容など、今後の整備をどのように行うのか所見を伺います。
 次に、電子化への対応について伺います。
 公文書管理法においても、都の規定においても、紙媒体の公文書管理を中心としておりますが、電子文書による管理という抜本的な対策が必要と考えます。それと同時に、膨大な資料を都民が容易に検索できるシステムを現在構築中とのことでありますが、歴史的に重要な絵図などもネット上で閲覧できることが重要と考えますが所見を伺います。
 公文書館にある重要な、貴重な資料をより多くの都民に活用してもらえる環境づくりが必要と考えます。
 都立図書館や江戸東京博物館など、他の機関との連携強化や、本庁にある都政情報コーナーに資料が閲覧できる出先機関を設けるなど、積極的な対応が必要と考えますが、所見をお伺いいたしまして質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 伊藤まさき議員の一般質問にお答えいたします。
 海底資源の開発についてでありますが、世界的な資源獲得競争が激化する今日、この日本を囲む海の重要性はご指摘のようにますます高まってきていると思います。近隣の国々は、すきあらば我が国の領土や、あるいは排他的経済水域をかすめ取ろうとしている、これが国際社会の厳しい現実であります。こうした現実に、民主党政権は全く対応できているとは思えません。
 日本列島は日本人だけの所有物ではない、日本列島は日本人の所有物ではないと発言する売国的な総理がいたと思えば、我が国の領海を侵犯した者をつかまえながら、北京政府の圧力にやすやすと屈してその責任を地方の一検事に背負わせた総理もいました。こうしたやからがトップに立つ国が存在感を失っていくのは自明の理であります。
 東京の沖ノ鳥島も、シナの政府は一方的にただの岩と呼び、日本の排他的経済水域を否認しております。これに対して、広大な海を抱える東京は、沖ノ鳥島に関しては、小笠原の卓抜な漁業のリーダーであります菊池組合長にも相談しまして、操業のための船を新規に進水もさせましたし、それによって漁礁もつくって、活発な漁業活動をあの周りで行っております。こういう経済活動を行うことで、今まで勝手にやってきていた外国の漁船も姿を消したようでありますが、ひとり東京のみならず、これは日本を守るための行動だと思っております。
 今、危機に瀕している尖閣諸島も、実は私が国会議員時代に仲間と図って拠金して、最初に、関西の大学の冒険部の学生に頼んで、簡単な灯台をつくりまして、その後、ある政治団体が立派な灯台をつくってくれましたが、いずれにしろ、こういったことを示すことで、私たちはやっぱり領土を辛うじて守ることができているんじゃないかという気がいたします。
 国政の大眼目は、国民の生命、財産を守ることであります。領土と排他的経済水域を守り、そこに眠る可能性をいかに引き出すかは、まさに国が責任を持って進めることだと思います。国が重い腰を上げるのであれば、都としてこれに協力することはやぶさかではありません。
 しかし、最近も日本が開発計画を進める沖縄トラフでの中国からの調査申し込みに安易に同意して、尖閣諸島付近で中国の調査船が、事前通報と異なる海域を航行するという事態も頻発しております。あるいは、国内の海域をシナの潜水艦が無断で通過する、これに対して日本は何の警告もしないでいる。これ、もし日本の潜水艦が、例えば、北朝鮮あるいは中国、あるいはロシアの国内の海域を潜水して無断で通過したら、これ、爆雷落とされますな。あるいは韓国の領域を潜水艦が侵しても、恐らく爆雷を投下されるでありましょう。
 こういったことに全く何の反応も示さない国家というのは、世界で珍しいものだと思いますけれども、まず、みずからの領土を守るという国の姿勢が、これは最重要だと私は思います。それなくして、都が乗り出して云々ということではならない。
 ご質問を聞いていても、非常にこの問題について熱意のあるあなたなら、ここで質問だけじゃなしに、ぜひ、とにかく民主党として、彼らが政権の座にある限り、これは極めて重要な日本の海洋資源を守るために、あなたが本当に頑張って国を実際に動かしていただきたい。
 その他の問題では、総務局長から答弁いたします。
   〔総務局長笠井謙一君登壇〕

〇総務局長(笠井謙一君) 九点のご質問にお答えをいたします。
 まず、総合的な島しょ振興についてでございますが、豊かな水産資源や自然環境に恵まれた島しょ地域の振興に当たっては、自然環境の保全と開発を両立させることにより、その持続的な発展を図っていくことが重要でございます。
 このため、都は、島しょ地域に関する総合的な計画であります東京都離島振興計画や小笠原諸島振興開発計画を策定し、豊かな自然を保全するとともに、これを地域の財産として有効に活用することで、観光を初めとした産業振興などに取り組んでまいりました。
 今後も、東京の島々が有する潜在的な魅力を引き出し活用するとともに、財産として守り育てていくことにより、地域の特性を生かした島しょ振興を積極的に行ってまいります。
 次いで、都における文書管理についてでありますが、いわゆる公文書管理法は、これまで国において文書管理の運用が各省庁任せであったことなどにより、不適切な文書管理が行われていたことを踏まえ、まちまちだった各行政機関での文書管理について統一的なルールを定め、適切な文書の管理体制の確立を目指すために制定されたものでございます。
 一方、都では、既に平成十一年に制定いたしました情報公開条例におきまして、公文書の適正な管理の必要性を規定するとともに、文書の発生から廃棄までを統一的なルールで統制するため、文書管理規則等を整備しております。今後とも、こうした文書管理の仕組みを適切に運用してまいります。
 次いで、長期保存文書の引き継ぎについてでございますが、長期保存文書につきましては、事業の性質によって各局ごとに文書量が異なっており、さらに、当面、手元にある方が事務執行上適当な文書もあることから、公文書館への引き継ぎにつきましては、文書管理規則等に基づき一定期間の適切な時期に行えるものとされております。こうしたことから、各局の引き継ぎ状況に相違が生じているものと考えております。
 今後とも、全庁を対象とした説明会の開催など、さまざまな機会を通し、引き継がれるべき長期保存文書について、公文書館への適切な引き継ぎを促進してまいります。
 次いで、監理団体の文書管理にかかわる規程のあり方についてでありますが、都におきましては、従来から監理団体に対し、監理団体指導監督要綱等において情報公開の推進を求め、それに必要な文書管理がなされるよう指導を行ってまいりました。これにより、それぞれの団体において、文書管理に関する規程が整備され適切な運用がなされております。
 今後とも、各団体において適正な文書管理が図られるよう、引き続き必要な指導に努めてまいります。
 次いで、人材育成への取り組みについてでございますが、文書事務は、ベテラン職員のみならず、すべての職員が担うべきものであり、都政を取り巻く課題が多様化、複雑化する中、都においては、平成二十年に文書・政策法務の能力向上・人材育成方針を策定いたしました。この方針に基づき、自己学習を支援する手段の提供や研修の充実を図るとともに、文書管理についての職員の能力向上にも努めております。
 今後とも、適正な文書管理に向け、人材育成に継続的に取り組んでまいります。
 次いで、条例の制定についてでありますが、都におきましては、情報公開条例や文書管理規則等により適正な文書管理を行うとともに、人材育成についても方針を定め、職員の能力向上を図っております。こうした取り組みを進めることにより、都民の都政に対する理解や信頼の確保などに努めてまいります。
 次いで、公文書館の整備についてでございますが、現在、竹芝地区にある公文書館は、民間の活力や複数の都有地の有効活用を図る都市再生ステップアップ・プロジェクトが進められることに伴い、平成二十四年四月から、仮移転先の旧都立玉川高等学校において業務を行う予定となっております。その後の本移転に向けては、利用者の利便性や保存していくべき文書量の推移等を考慮しながら、今後、検討を行っていくこととしております。
 次いで、資料の電子化についてでありますが、公文書館においては、これまでも利用頻度の高い文書等を対象として、マイクロフィルムからデジタル媒体への変換作業を行っています。さらに、歴史的に重要な絵図等、原本による閲覧が困難な資料については、電子画像化を進めております。
 今後とも、利用者サービスの向上に向け、着実に取り組んでまいります。
 最後に、資料の積極的な活用についてでありますが、公文書館では、従来から都立中央図書館や江戸東京博物館等と連携し、普及事業の一環として所蔵資料展やセミナーの開催、所蔵資料の貸し出し等を実施しております。
 今後とも、関係機関と積極的に連携し、公文書館の所蔵文書がこれまで以上に多くの都民の皆様に活用されるような環境づくりを進めてまいります。

〇議長(和田宗春君) 十番山内れい子さん。
   〔十番山内れい子君登壇〕

〇十番(山内れい子君) まず初めに、災害対策について伺います。
 東日本大震災から半年が過ぎ、復興に向けて歩み始めた被災地ですが、被災地ではまだ瓦れきの処理や液状化対策、道路、鉄道などの復旧、さらには、被災者の生活再建に向けての継続的な支援が求められています。
 都はこれまで、発災直後から被災三県に現地事務所を設け、被災地のニーズを酌み取りながら的確な支援を行っており、その取り組みについては評価するものですが、被災地の現状を踏まえた今後の被災地支援のあり方について、知事のご所見を伺います。
 東日本大震災は、岩手、宮城、福島、茨城まで六百キロにわたって広域な被害が発生したため、実態把握や支援がおくれました。今後、首都圏でも、東海、東南海、南海の連動地震等が起きた場合、被害想定も広域にわたり、これまでの九都県市の連携では対応し切れないことも考えられます。
 今回、いち早く支援に動いた姉妹都市連携や、物資の供給や輸送に日ごろから関係性を持つ生協などの活動が有効だったとの事例も多く聞かれていますが、広範な自治体との災害協定や支援体制の構築及び民間事業者との連携強化などについて見解を伺います。
 次に、放射能対策については、感受性の高い子どもへの影響を最小限に抑えるため、子ども独自の基準を設け、放射能測定を継続していく必要があります。
 都は、都内百カ所の測定を行い、線量計の貸し出しなどを行っていますが、自治体や住民がはかった結果、いわゆるホットスポットが明らかになり、子どもが遊ぶ公園などに関心が高まっています。自治体が所有する公園や学校については、自治体ごとに測定されていますが、都立公園では三十七公園に砂場のある子どもの広場があり、砂場の放射能を気にしている保護者も多いのです。
 特に二十三区東部地域の都立公園については、管理者としての都の責任において、一度は砂場の放射線量をはかるべきと考えますが見解を伺います。
 空間線量が安定してきた今、気になるのは食品に含まれる放射能ですが、これをはかれる測定器は数が少なく、精度の高い測定を行うには時間もかかります。都民が安心して食材を購入し利用するためには、保健所、学校などに測定器を置き、支援する人がいれば、食材を持ち込んでみずから測定することが望ましいと考えます。
 チェルノブイリでは学校に測定器を置き、牛乳などを持ち込んで調べている様子をテレビで見ました。また小金井市では、チェルノブイリ事故以来、測定器を設置して市民が測定できるようになっており、今回も多くの市民が利用しています。
 今後、長期にわたる放射能監視が必要ですが、機材購入への支援について見解を伺います。
 次に、ことし八月、再生可能エネルギー特措法が成立し、大規模設備や商業用設備では全量買い取りとなったことから、今後、ビルやマンション等で設置が加速されることが見込まれます。環境確保条例では、一定規模の建築物に再生可能エネルギーの検討が義務づけられましたが、これまでの東京都の積極的な取り組みを踏まえて、特措法を契機に爆発的な導入促進が実現するよう、対象建築物の面積の見直しや検討の義務づけだけではなく、導入を義務づけるソーラーオブリゲーション制度の導入について見解を伺います。
 二〇〇九年度に始まった東京都地球温暖化対策推進のための区市町村補助金の提案プロジェクトは、先駆的な事業に初期経費を都が出す取り組みです。例えば、先日小金井市に、この制度を活用してエクセルギーハウス、雨デモ風デモハウスがオープンしました。
 省エネタイプの建物を体験型のモデルハウスとして市民団体が運営していくこの取り組みは、今後の普及が期待できます。温暖化対策については、将来的には自治体の自立を促すとしても、震災で、ともすれば足踏みしかねない中、不断に着実に地域の温暖化対策が進むよう、こうした事業はもうしばらく継続すべきと考えます。
 そこで、区市町村補助制度について、この二年半に行った事業の成果と課題を伺います。
 次に、団塊の世代が二〇二五年には七十五歳以上に到達し、高齢者のひとり暮らしも増加する状況の中で、住みなれた地域で暮らし続けるためには、医療と介護の連携、高齢者の住まいの確保、見守りや配食など多様な生活の支援が必要であり、地域の介護力を高めていくことが求められています。
 都は、現在、高齢者保健福祉計画を策定中ですが、この計画は、区市町村の介護保険事業計画を支援する性格もあわせ持っています。区市町村とも協力しながら、今後どのように地域包括ケアシステムを構築していくのか伺います。
 医療的なケアが必要な高齢者がふえており、介護現場においては、たんの吸引などの必要なケアをより安全に提供し、利用者と介護職員等の双方にとって安心できる仕組みが求められています。今回、法改正により、介護職員等は一定の条件のもとに、たんの吸引などの行為を実施することになりました。
 今後、介護職員等は、たんの吸引などを行うに当たり、国が定める基準に沿った研修を受講する必要がありますが、この仕組みと現時点における都の取り組み状況について伺います。
 次に、社会的課題や地域課題の解決に向けては、行政の対応だけに期待するものではなく、市民が具体的な対応を生み出そうとする力を活用していくことが必要です。特に、東京にはソーシャルビジネスの担い手を目指す多くの人材が存在します。こうしたビジネスの機運を高め、効果的な活動を後押しするため、ソーシャルベンチャーセンターを設立して支援したと聞いていますが、これまで都は、ソーシャルビジネスの分野でどのような考え方で取り組みを展開してきたのか伺います。
 こうした社会的事業は、地域雇用の創出にもつながり、地域を元気にする新たな事業として期待されます。しかし、立ち上げ時には経営に関する知識や事業分野の専門性にも乏しいことなどから、十分な事業経費や人件費を得ることは容易ではありません。事業として継続していけるよう、さまざまな角度からの支援や社会的仕組みが墨田で始まっています。私の地元多摩地域でも、市民が主体となった事業が芽吹いており、多摩地域への開設を要望するものです。
 ソーシャルビジネスを展開する団体に対し、活動拠点の確保や事業運営に必要なスキルを磨く拠点や機能を提供するような努力を積極的に行うべきと考えますが、所見を伺います。
 最後に、教育行政について伺います。
 このたび示された都立高校白書では、全日制普通科で五・五%、定時制では三八・九%の生徒が中退していることが明らかになりました。
 生活者ネットワーク・みらいは、以前から夜間定時制高校に勤労青少年が通学する実態が一割未満であり、本来、日中学べるはずの子どもたちが夜間に通わなければならない現状を指摘してきました。高校無償化により都立高校への期待がますます高まる中、経済状況などさまざまな困難を抱えていても、都立を希望するすべての生徒一人一人の自己実現に寄与すため、柔軟で門戸の広い高校教育を望むものです。
 都が進めてきた中高一貫、エンカレッジ、チャレンジ、国際科など特色のある学校を数校設置するだけではおさまり切れるものではなく、今後の都立高校のあり方について見解を伺い、生活者ネットワーク・みらいの質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 山内れい子議員の一般質問にお答えいたします。
 今後の被災地支援のあり方についてでありますが、この半年を振り返ってみますと、つくづく国は硬直しておりまして、現場を知らずに、肝心なところに手が届いていない感を否めません。
 例えば、震災の何日後でしたかしら、一週間ぐらいの後に、私、気仙沼に行きまして、そうしたら気仙沼の漁業組合長も、何とかとにかく港を復旧したい、漁業をしたいというから、それは、しかしこれだけ壊滅したら大変でしょうと、特に水揚げしたいんだというから、船も壊れてしまってだめじゃないですかといったら、いやうちは遠洋漁業ですから全部船は外で生きていますと、水揚げするところがないという。私、聞いてびっくりしまして、三崎の、市長にお前のところで引き受けてやれといったら、喜んでやりますということで、次の日に現場に職員を送ってくれましたが、そのころ、私、かつての僚友でありましたので、農水大臣の鹿野君に、ちょっと君、こういうこと知っているかといったら、いや知りません、詳しく教えてあげてくださいというから行きました。
 そうしたら、後ろに農水省の幹部がぞろぞろ並んでいましたけれども、私の話を聞いて、顔見合わせて、ああ気仙沼の船、生きているんだ、よかったなと。お前らちょっとそれは遅いんじゃないかと。水産庁の役人、そのまま真っ先に出かけていって組合長の話を聞くのが君らの仕事じゃないの、現場をばかにしたらいかんよということをいったんですが、これも本当に一つの事例でしかありませんで、こういう例がもう枚挙にいとまがない。
 そういう中で東京都は、福島、仙台、盛岡に現地事務所を設置しまして、現地のニーズを受けとめて新しいスキームをつくっていきました。
 例えば、民間の運送事業者のノウハウをかりて、滞留した倉庫に積み上げられた物資を避難所や福祉施設に確実に届ける仕組みを構築しましたし、今後もインフラの本格復旧や被災地の経済再生など、山積する現地の課題に対して、現実に解決するための手立てを差し伸べて、機を逸することなく協力していくつもりでもあります。
 現に岩手県の災害がもたらした瓦れきを、処置に困っているので、東京が引き受けて、東京で焼却することにしましたし、一昨日も、現地の知事から感謝の電話がかかってきましたが、これも東京が先んじてやったことでありますけれども、いずれにしろ、その東京が持つ大都市としての力を奮って、一日も早く生活や経済活動の基礎を復活させるために、港湾施設や道路の整備に当たる専門性を備えた技術職員や、子どもたちに寄り添い健やかな育ちを導く教員などを長期に派遣することにしております。
 また、被災地の中小企業の受注回復につなげるための商談会も開催しておりまして、被災地、被災者が復興に向けて、みずから踏み出す歩みを強力に後押ししていきたいと思っております。
 他の質問については、教育長、技監及び関係局長から答弁します。
   〔教育長大原正行君登壇〕

〇教育長(大原正行君) 今後の都立高校のあり方についてお答え申し上げます。
 都教育委員会は、全日制、定時制を問わず、さまざまな学科や新しいタイプの高校を設置し、多様な生徒を受け入れてまいりました。また、都立高校への進学を希望する意欲と熱意のある生徒を一人でも多く受け入れられるよう、生徒数の推移や中学生の進学希望率等を考慮し、全体の募集枠を設定しております。
 今後とも、各都立高校の教育活動の特徴や具体的な入学者選抜方法等についての情報提供など、中学校における進路指導の支援を行いますとともに、地域バランスを考慮した募集枠を設定し、希望する生徒を適切に受け入れてまいります。
   〔東京都技監村尾公一君登壇〕

〇東京都技監(村尾公一君) 都立公園における砂場の放射線量の測定についてでございますが、都が本年六月に放射線量の測定をした百カ所の中には、都立公園五カ所が含まれております。
 また、常時計測を行うモニタリングポストは七カ所に増設することとしており、増設箇所には、足立区の舎人公園と江戸川区の篠崎公園も含まれております。
 本年八月三十日に公布された放射線物質汚染対処特別措置法を施行するために、国では現在、除去すべき土壌の範囲、収集、運搬や保管のあり方の検討をしており、今後とも国の検討経緯を注視してまいります。
   〔総務局長笠井謙一君登壇〕

〇総務局長(笠井謙一君) 広範な自治体や民間企業との連携についてでありますが、首都直下地震などの広範囲に及ぶ被害が発生した場合には、都県域を超えた自治体同士の相互連携が重要であり、これまでも九都県市においては、物資支援や職員派遣など、発災時の情報連絡体制や相互連携の強化に努めてまいりました。
 また、災害時における物資の供給や輸送につきましては、民間事業者や業界団体などと協定を締結し連携を図っております。
 先日公表いたしました東日本大震災における東京都の対応と教訓におきましては、九都県市に加え、全国知事会等との広域的な連携協力の重要性などを明らかにいたしております。
 今後は、首都圏を超えた自治体や民間事業者など、多様な主体との連携をより一層図ってまいります。
   〔福祉保健局長杉村栄一君登壇〕

〇福祉保健局長(杉村栄一君) 三点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、食品の放射能測定機器の購入支援についてでございますが、農産物等の放射性物質を検査して安全を確認するには、作付状況や出荷時期が把握できる生産地において、出荷前に検査をすることが最も確実でございます。
 現在、生産県では最大限の検査を実施しており、都においても、都内産農産物等の検査を行うほか、他の生産県の検査にも協力をいたしております。また、都の検査体制につきましても、検査機器の整備など充実強化を図っております。
 区市町村が検査機器の整備を行う場合には、国の交付金により都が設置をいたしました東京都消費者行政活性化基金を活用できるほか、独立行政法人国民生活センターから機器の貸与を受けることができます。
 次に、地域包括ケアシステムについてでございますが、高齢者が住みなれた地域で暮らし続けるためには、地域包括ケアの視点に立って、医療や介護、生活支援サービス等を日常生活の場で切れ目なく提供していくことが重要でございます。
 このため都は、区市町村と協力をいたしまして、介護サービス基盤の整備を進めますとともに、包括補助事業を活用して、医療と介護の連携の推進、地域住民が主体となって高齢者を支え合う仕組みなどの普及に取り組んでおります。こうした取り組み状況を踏まえ、第五期の高齢者保健福祉計画の改定にあわせまして、区市町村への支援策について検討してまいります。
 最後に、介護職員等によるたんの吸引等の実施についてでございますが、今般の社会福祉士及び介護福祉士法の改正によりまして、平成二十四年四月から、医師、看護師との連携など一定の条件のもとに、介護職員等がたんの吸引等を行うことができるようになりました。
 介護職員等がこれらの行為を行うためには、国のカリキュラムに沿った都道府県研修を受講することが要件の一つになっております。このため、現在都は、介護現場におけるたんの吸引等の円滑な実施に向けまして、研修講師の養成や実地研修の受け入れ施設の確保など、関係機関と調整しながら準備を進めております。
   〔環境局長大野輝之君登壇〕

〇環境局長(大野輝之君) 二点のご質問でございます。
 まず、再生可能エネルギーの導入促進についてでございますが、都は、建築物環境計画書制度によりまして再生可能エネルギーの導入検討義務づけなどの取り組みを進め、これまで一割程度であった大規模建築物における太陽光発電の設置率が二〇〇九年度には約三割となるなど、着実に成果を上げてきております。
 今後の導入促進策につきましては、昨日もご答弁したとおり、環境審議会におきまして議論を開始しており、建築物に対する太陽エネルギー利用機器の導入義務づけ制度など、先進事例についても活発な議論が交わされております。
 都は、今後とも建築物環境計画書制度の適切な運用を図るとともに、審議会の議論も踏まえて再生可能エネルギーの導入促進策を検討してまいります。
 次に、区市町村補助制度の成果と課題についてでございますが、この制度は、区市町村の地域特性に応じた地球温暖化対策等の取り組みの一層の推進を図ることを目的としております。
 本制度の創設によりまして、例えば、家庭の省エネルギー機器の導入に対する補助事業を実施する区市町村数が倍増するなど、地域の取り組みが着実に広がっております。
 一方、一部の自治体におきましては、地球環境分野を担当する職員の育成が追いついておらず、新たな事業構築が難しいといったことが要因となりまして、区市町村ごとの取り組みに差があることが課題となっております。
   〔産業労働局長前田信弘君登壇〕

〇産業労働局長(前田信弘君) 二点のご質問にお答えいたします。
 ソーシャルビジネスへの支援についてでありますが、ソーシャルビジネスは社会的な課題の解決に資するとともに、新事業の創出にもつながるため、その育成を図ることが必要であります。
 このため都は、一昨年にソーシャルベンチャーセンターを設置し、ソーシャルビジネスに関して相談業務を行うとともに、その起業に関心を持つ潜在層を対象としたセミナー等を実施しております。
 また、同センターでは、ソーシャルビジネスの事業者とその潜在層との交流を図り、両者のパートナーシップをつくり上げることができるよう支援しております。
 次に、ソーシャルビジネスの活動拠点についてでありますが、創業して間もないソーシャルビジネスの団体が、低廉なコストで活動の拠点を確保し、事業の展開に必要な知識も学べる仕組みを整備することは必要と考えております。
 そのため、都は、本年七月に、ソーシャルインキュベーションオフィス・SUMIDAを設置いたしまして、創業直後のソーシャルビジネスの担い手に、賃借料を低く抑えたスペースを貸し出し、企業経営などのノウハウを提供する専門家を配置する支援を実施しております。
 こうした取り組みにより、ソーシャルビジネスの創業の支援を進めてまいります。

〇議長(和田宗春君) 七番福士敬子さん。
   〔七番福士敬子君登壇〕

〇七番(福士敬子君) 三・一一の福島原発事故災害は、半年が過ぎた今も、多くの人々の心も生活もずたずたにしています。当初は、何があっても安全、安全というご用学者の言葉をただ垂れ流したマスコミは、今になって真実の一部を少しずつ公表しています。
 その事実から、事故や震災の想定外はなく、すべてが想定されていたのに、原子力発電推進政権、マスコミ、その上、司法の場でも対策を切り捨ててきたことがわかりました。日本最大の人災以外の何物でもありません。
 それでもなお原発にしがみつく議員や経済界があります。目先の利益がいかなるものであれ、事故処理とそれによる人々への補償の金額を考えると、目先の利益すら吹き飛ぶはずです。今や、経済の下落による利益減は、国も企業も都でさえも、何らかの影響をこうむっています。
 この原発事故後、脱原発及び新エネルギー政策、それに必要な発送電分離を発言した菅総理は、原発を推進してきた保守政権に加え、マスコミからも総攻撃で総理の座をおりました。今後のかじ取りがどうなるのかという中で、知事は、九月九日、新内閣への建言として国へ申し入れをされました。
 オリンピック招致、膨大なエネルギーを要する建設と、最終処理すら未知であることにふたをした原発依存のエネルギー政策、建言には入っていませんが、八ッ場ダムなど、大きいことはいいことだとする知事の方向性は、知事自身提案された分散型エネルギー、地域の自立経済のあるべき姿とは根本的に異なる方向性と思われます。
 さきの台風で、都心の一極集中に疑問を持った人々もふえました。この建言では、国への依存を強め、東京から国を変える自負が見えません。何を期待されたのか、知事ご自身の見解を求めます。
 次に、特定規模電力事業者、いわゆるPPSの導入ですが、この夏、電力需給の逼迫が叫ばれ、ピークカットや電力の見える化、節電などの取り組みで、計画停電なしに乗り切りました。原発依存体質から脱却するためにも、東電だけに頼らないエネルギー政策が求められます。
 立川市では、二〇一〇年度の立川競輪場の電力供給契約をPPSに変更したところ、電力使用料金が二六・五%も削減したとのことでした。
 都は、二〇〇三年より三施設でPPSを導入してきましたが、二〇一一年度の見積もり合わせでは、結果として東電からの購入になっています。それでも、PPS導入は、価格低下と同時に、東電だけに頼るリスクを分散する可能性を秘めています。
 二〇一〇年度のPPSからの電力購入比率は、全国の自治体が九・一%であるのに対し、都はわずか一・九%です。
 PPS導入の場合、五百キロワット以上で負荷率三〇%以下が参入意欲が出るといわれています。庁舎関連の該当施設数は把握されていないようですが、今後、エネルギー政策の一環として、PPSとの契約をより多くの施設に広げるべきと考えますが、見解を伺います。
 また、拡大に当たっては、統一的な導入マニュアルなどが必要と思われますが、いかがでしょうか。
 環境への配慮では、入札参加業者をCO2排出係数によって選ぶとともに、再生可能エネルギー導入を義務化するのが都のグリーン購入方針です。先進性は評価します。しかし、発電時のみを評価するCO2排出係数では、原子力発電を行う会社が有利になってしまいます。
 CO2排出係数の算出に当たっては、原発の負の面、例えば事故時の人体及び環境への悪影響、建設、廃炉時の環境負荷、廃棄物処理によるCO2排出は考慮すべきです。
 原発は、事故が起きると、放射線漏れ、放射能汚染水の垂れ流しなど、人体、環境に関して重大な悪影響を与えることが証明されました。また、建設時や半減期が十万年といわれる核廃棄物の処理についても、都の係数では考慮されていません。都が基準値の参考としている国が公表する数値には、原発の負の面はなく、原発依存率が高いほど数値がよくなることになっています。
 全国市民オンブズマン連絡会議では、自治体電力購入についてアンケートを行い、分析をしています。その中で、いまだ放射能汚染について考慮せず、電力会社のクリーンエネルギーキャンペーンをそのまま受け入れただけのような環境配慮項目は無意味というばかりか、事実を評価しない点で有害ですらあると講評しています。
 都は、率先して全国的に模範となる調達を導入すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 CO2排出量以外にも、環境に関する影響を考慮した電力の総合評価型の調達方法も検討され、国へも申し入れるべきと考えますが、見解を伺います。
 六月の所信表明で、知事は、天然ガス発電所建設を提案されました。また、副知事は、独占的な電力市場を弾力性のある市場に変えられるのか、都が国に示していくと新聞でコメントされました。電力事業育成の意味からも、是としたいところです。
 ただ、電力市場の独占打破には、発送電分離が欠かせません。都として、どのように進めていくのか伺います。
 次に、ことしの四月、震災瓦れきの処理について各自治体に問い合わせがあり、都も含め、全国で五百以上の自治体が受け入れに手を挙げました。その時点で、都は、今年度の約十六万トンを初め、三年間で約五十万トンの処理を行うとの方針を示しました。
 当初、都は、震災瓦れきの受け入れを財団法人東京都環境整備公社が一括して行うとのスキームを出されましたが、その後、廃棄物に付着する放射線をめぐる状況が全国的に問題となり、都内の区市町村には都民から懸念の声が寄せられました。
 国の基準では、焼却施設への搬入規制はなく、焼却灰の埋立基準八千ベクレル以下が示されているだけです。これは従来のクリアランスレベルの八十倍です。さらに、八月末には隔離層の設置等によっては十万ベクレル以下まで最終処分可能と十倍以上も引き上げる見解まで出されました。
 山形県では、焼却灰は四千ベクレル以下、搬入は二百ベクレル以下という独自の基準を設定していますが、都も独自基準を設定する考えはありますでしょうか。
 国基準に従った場合、十万ベクレル弱の灰を都内で最終処分することも可能ですが、それを認めるのでしょうか。
 焼却の際も、バグフィルターがあれば大丈夫との国の見解です。しかし、一〇〇%信じてよいのか、疑問を呈する声もあります。私は、危険性のある瓦れきは、予防原則の観点から受け入れるべきではなく、放射線被害を日本各地に拡散させるべきではないと考えています。
 一方で、震災復興支援のためには、放置できない現状もあります。瓦れきを受け入れた場合、受け入れない場合について、データ分析をもとに徹底議論すべきと思います。市民に説明責任を果たすための方策をどのように考えておられますか。
 特に、都民の瓦れきによる放射線被害拡散への危機意識に対して、どう説明をしていくおつもりか伺います。
 次に、九月二十四日、八ッ場ダム建設予定地の視察をしてきました。現地では、つけかえ道路などの工事が行われていましたが、火山性の地質で地盤がもろく、あちこちで崩落が起きていました。移転住宅の背後にある土どめの赤さびは一層広がっており、酸性土をボルトで土どめができるか心配です。
 奈良県の大滝ダムでは、建設前から地すべりが予測され、近隣の集落では、住民が全戸移転の必要をいい、その訴えは無視され続けてきましたが、慰謝料など損害賠償請求を求めた訴訟で、今回住民側が勝訴しています。そして、現在でもダムは本格運用に至っていません。
 このように、地元住民の知恵が正しく、行政側の予測が間違う例は各地で起きています。
 大滝ダムだけではなく、滝沢ダムにおいても、試験湛水のたびに地すべりを起こし、追加工事が必要となりました。地すべりのデパートともいわれている八ッ場ダムでは、それ以上のトラブルが発生する可能性があります。
 都は、地すべり対策等の追加工事の増加により、ダム完成後も本格運用に至らない可能性が高いと思われることに対し、どのように対応されるのでしょうか。
 今回、八ッ場ダムの検証作業は、事業主体だけで行っています。九月十三日の第一回会合は、建設推進の声のみで、地すべりの危険性は検討すらされなかったとのことです。
 しかしながら、市民を交えた場では、ダムの必要性、安全性や経済性、建設の妥当性についてさまざまな視点から疑問が出されています。大規模な事業は、大滝ダムの轍を踏むことがないよう、真摯に検証する必要性があると思います。水需要予測と供給量の乖離は年々大きくなり、台風対策とされた数値も疑問が出されています。
 このように、むだで危険なダムとの指摘に対し、まず建設ありきの視点ではなく、問題点の徹底検証を行うよう国に申し入れるべきだと考えますが、いかがですか。
 次に、都は、二〇二〇年オリンピック招致に立候補、十五万ドルの申請料も払いました。
 一八年冬季五輪が韓国の平昌に決定し、福島で原発事故が起きるなど、開催都市に選ばれる可能性は低いという説もあります。さらに、震災復興を掲げたオリンピック招致には、市民の多くが疑問を持っています。
 九月の日本世論調査会の調べでは、サッカー日本女子代表がロンドン五輪出場を決めた直後ということもあり、招致賛成が六二%となりましたが、そのときも、地元都民の賛否はほぼ半々です。
 八月に行われた朝日beモニターアンケートでは、招致できると見る人はわずか六%、実現しても観戦したくない人が四一%もあります。
 都職員調査でも、反対多数でした。招致委員会の会長である知事自身は、もっと国を動かす力量のある人がトップに座ればと発言されています。市民や都職員の支持も得られず、知事自身が会長としての活動に消極的な状況で、何のために手を挙げられたのでしょうか。
 知事は、前回、招致失敗直後の記者会見で、二〇年五輪招致再挑戦は民意をしんしゃくする、一方的に決めることではないといわれました。
 しかし、ことし八月の記者会見では、政府が踏み込んでもいない中で戦っても結局敗戦になるので、民意を問う前の準備が必要とも答えられています。これは、知事自身が、民意をしんしゃくする段階ですらないことを認められたと思えます。
 民意を問う前の準備とは一体どう考えておられるのか。また、いつどのような形で民意のしんしゃくをされるのか伺います。
 最後に一言、さきのbeアンケートでは、知事の五輪提案主題である、被災地の復興につながるに共鳴したのは、全回答四千四十五人中わずか二百七十四人です。民意との乖離の上で使われる財政をぜひ考えていただきたいものです。
 運動場もなく時間もない一般の人々に、運動できる環境を整えることこそスポーツの優先課題であると思います。ご感想があれば伺います。
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 福士敬子議員の一般質問にお答えいたします。
 新内閣への建言についてでありますが、質問を聞いていますと、大きいことはいいことだとか、国への依存を強めるとか、東京から国を変えるという自負が見えないとか、一体何をもってそのようにいっているのか、私には全くわかりませんですな。
 いずれにせよ、建言の趣旨をご理解いただけないようなので、いま一度申し上げますけれども、まずエネルギーについてですけれども、そもそも原発依存だとか、脱原発とかいった、短絡的意見には全く意味がないんだ。ゆえにも、複合的かつ現実的な戦力を構えるように国に建言したんです。
 また、オリンピック・パラリンピックは、国民が一つになって日本の復興、再生に取り組むきっかけともなると思います。招致実現のためには、国家を挙げた総力戦に臨まなければならなくて、かつての東京オリンピックのときに池田内閣では、池田さんが自分の後継者ならんとしていた佐藤栄作氏を通産大臣でしたかな、とにかく担当大臣ということで指名もしました。私はそういうシフトが推進のためには大事だと思いますよ。
 それから、八ッ場ダムについては、先日、新しい国交大臣に早期の完成を直接申し入れました。今回の千年に一度といわれる災害を見てもわかるように、コンクリートから人へなどというセンチメントでは、国民の生命、財産、とても守れません。
 しかるに、民主党の前原政調会長は、国交大臣時代、みずから国土交通省の検証に基づいて大臣がこれを判断するといっていましたが、自分の思惑と違う、要するに結論が出れば、これはとにかく不愉快だといってうそぶく。そしてまた、この判定というのは、決断を延ばそうとするんでしょうけれども、これは国民にとってもまさに不愉快な話ですな。
 ご質問の意味では、いまだにわかりませんが、政治家の役割は、いたずらに捏造した資料をもとにして非難をするんじゃなくて、現実に真正面から向き合って、なすべきあらゆる手だてを尽くして、沈んでいこうとしているこの国を少しでも浮かび上がらせることではないんでしょうか。
 他の質問については、関係局長から答弁します。
   〔環境局長大野輝之君登壇〕

〇環境局長(大野輝之君) 五点の質問にお答えします。
 まず、都施設における東京電力以外からの電力調達についてでございますが、電力会社以外で電気の小売を行っている特定規模電気事業者、いわゆるPPSですが、この中には、環境性能の悪い石炭や石油コークスなどで発電し、多量のCO2を排出している事業者もあり、PPSからの電力調達を無条件に進めることは、温暖化対策の観点から適切ではございません。
 このため、都は、PPSからの電力調達の入札参加条件として、CO2排出係数の値が一定以下であることとするグリーン電力購入マニュアルを整備し、平成二十年度から運用しております。
 次に、さまざまな環境影響を考慮した電力の調達方法の検討についてでございますが、CO2排出量以外の環境影響を考慮した電力調達につきましては、入札制度に反映する形で、その影響を客観的に評価することは現実的ではないため、検討は予定しておりません。
 次に、発送電分離についてでございますが、都は、既に本年六月、九都県市として発送電分離の早期の検証を国に提案したほか、新内閣に対しても、民間事業者等が容易に電気事業に取り組めるよう、実質的な参入障壁を解消し、電力自由化をさらに推進すべきとの建言を行っております。
 次に、災害廃棄物の受け入れ基準についてでございますが、ご質問の八千ベクレルから十万ベクレル以下という基準は、特別な措置を講ずれば埋立処分ができるとされる基準でございまして、広域処理の受け入れ基準ではございません。
 国が本年八月に策定しました災害廃棄物の広域処理の推進に係るガイドラインでは、広域処理の実施に当たっては、受け入れ側で通常の廃棄物と同様に埋立処分ができるようにするため、焼却した灰の放射性セシウム濃度が一キログラム当たり八千ベクレル以下となる災害廃棄物が受け入れの対象であるとしております。
 最後に、災害廃棄物の受け入れに当たっての対応についてでございますが、国の災害廃棄物の処理方針によりますと、バグフィルターに加えまして、排ガス洗浄装置などを有しているごみ焼却施設では、放射性物質により汚染された災害廃棄物を安全に処理することができるとしております。
 これまで、都におきましては、率先してダイオキシン対策に取り組んできましたので、都内の多くの清掃工場はこれらの高性能の排ガス浄化設備を有しており、こうした設備を有する清掃工場等を対象に受け入れを図ってまいります。
 また、放射能の測定に関しましては、国のガイドラインを踏まえ、搬出側での放射性物質濃度の再確認や受け入れ施設におけるモニタリングを行い、その測定結果等をわかりやすく公表してまいります。
 これらの取り組みによりまして、災害廃棄物の処理を進め、被災地の復興を積極的に支援してまいります。
   〔都市整備局長飯尾豊君登壇〕

〇都市整備局長(飯尾豊君) 八ッ場ダムに関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、八ッ場ダムの安全性でございますが、国は、地質や地すべりの専門家から成る検討委員会を設置し、貯水池周辺の地盤の性質や状態、地すべりの可能性について調査検討を行い、必要な対策を講じることとしております。
 さらに、平成二十一年に地すべり調査や対策に関する指針を定めたことから、八ッ場ダムについても、最新の技術を用いて今後詳細な調査を行い、対策を決めるとの方針を示しております。
 これらのことから、地すべりに対する安全性は、国の責任において確保されると考えております。
 なお、実際の施工に当たっては、引き続きコスト縮減や工期短縮に対して努力すると聞いております。
 次に、八ッ場ダム建設事業の検証でございますが、一切の予断を持たずに検証するとの方針のもと、有識者会議の提言に基づき、国がダムの検証主体や進め方を決定し、検証を進めてきたものでございます。
 国は、八ッ場ダムにかわる複数の治水や利水の対策案を検討した上で、コストや実現性のみならず、環境や地域への影響等も含め総合的に評価した上で、八ッ場ダムが治水、利水の両面から最も有利であるとの検証結果を得たものでございます。
 都は、国に対して、直ちにダム本体工事の着工を決断し、予定どおり平成二十七年度までに完成させるよう強く求めてまいります。
   〔スポーツ振興局長細井優君登壇〕

〇スポーツ振興局長(細井優君) オリンピック・パラリンピック招致についてでございますが、今回の立候補は、スポーツ界、経済界、被災県等からの強い要請や賛否を含めた都民の意見、さらには、震災からの復興や再生に向けて、オリンピックの開催が国民を一つにする夢や目標となることなどを踏まえまして決定したものでございます。
 オリンピック・パラリンピックの招致活動には、国やスポーツ界、経済界などオールジャパンで臨み、先般の世論調査会の支持率六二%でございましたけれども、さらに都民、国民の支持が拡大するよう、あらゆる機会をとらえ、その効果や必要性の理解促進を図ってまいります。
 なお、申請都市としての世論調査は、申請ファイルを提出する前に実施する予定でございます。
   〔七番福士敬子君登壇〕

〇七番(福士敬子君) ただいまのお答えの五輪についてお伺いします。
 被災県からの強い要望があったというお話がありました。いつ、どのような形で、本当に三県からあったのか、お答えいただきたいと思います。
   〔スポーツ振興局長細井優君登壇〕

〇スポーツ振興局長(細井優君) 被災県からの要望でございますけれども、今回の立候補を決定する以前に、県知事の方から要望がございました。
 今回のオリンピック招致につきましては、震災復興の目標となる二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの開催は国民が一つになる夢であり、日本再生の原動力にもなるものでございます。さまざまな意見もございますけれども、オールジャパンで招致をかち取るため、その意義や理念を今後とも国内外へ広く訴えてまいりますので、よろしくお願い申し上げます。

〇議長(和田宗春君) 以上をもって質問は終わりました。

〇議長(和田宗春君) これより日程に入ります。
 日程第一から第二十一まで、第百三十号議案、災害時において応急措置の業務に従事した者の損害補償に関する条例の一部を改正する条例外議案二十件を一括議題といたします。
 本案に関し、提案理由の説明を求めます。
 副知事佐藤広君。
   〔副知事佐藤広君登壇〕

〇副知事(佐藤広君) ただいま上程になりました二十一議案についてご説明申し上げます。
 初めに、第百三十号議案から第百三十七号議案まで及び第百四十九号議案の九議案は条例案でございまして、すべて一部を改正する条例でございます。
 第百三十一号議案、東京都都税条例の一部を改正する条例は、東日本大震災に対する地方税制上の法令改正に伴い、原子力災害に係る不動産取得税の特例措置を講ずるなど、規定の整備を行うものでございます。
 第百三十三号議案、東京都高齢者円滑入居賃貸住宅登録手数料条例の一部を改正する条例は、サービスつき高齢者向け住宅事業の登録制度が創設されることに伴い、条例の名称を改正するなど、規定を整備するものでございます。
 第百三十四号議案、東京都立学校設置条例の一部を改正する条例は、東京都特別支援教育推進計画に基づき、都立特別支援学校を三校設置することに伴い、規定を整備するものでございます。
 第百三十六号議案、警視庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例及び第百三十七号議案、東京消防庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例は、東日本大震災に伴う災害派遣に係る特殊勤務手当について、自衛隊員及び国家公務員に支給される手当が改められたことを踏まえ、支給要件及び支給額の上限の特例を定めるものでございます。
 このほか、法令の改正に伴い規定を整備するものが四件ございます。
 次に、第百三十八号議案から第百四十六号議案までの九議案は契約案でございます。
 第百三十八号議案、警視庁志村警察署庁舎(二十三)改築工事請負契約など、契約金額の総額は約百七十六億二千万円でございます。
 次に、第百四十七号議案、第百四十八号議案及び第百五十号議案の三議案は事件案でございます。
 第百四十七号議案は、首都高速道路株式会社が行う高速道路事業の料金などの事業計画変更について、道路管理者として同意するものでございます。
 第百四十八号議案は、原子力災害発生時において警察活動に従事する警察官の被曝を防ぐため、防護服セット等を買い入れるものでございます。
 第百五十号議案は、都立特別支援学校の教員の過失による誤嚥事故に伴う損害賠償額を決定するものでございます。
 上程になりました二十一議案の説明は以上でございますが、このほか人事案を送付いたしております。
 まず、東京都教育委員会委員でございます。
 九月三十日に任期満了となります竹花豊氏につきまして、再任いたしたいと存じます。
 次に、東京都監査委員でございます。
 十月十四日に任期満了となります金子庸子氏につきまして、再任いたしたいと存じます。
 次に、東京都収用委員会予備委員でございます。
 九月三十日に任期満了となります西道隆氏につきまして、再任いたしたいと存じます。
 以上で説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
(議案の部参照)

〇議長(和田宗春君) 以上をもって提案理由の説明は終わりました。
 なお、本案中、地方公務員法第五条第二項の規定に該当する議案及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律第五十五条第四項の規定に該当する議案については、あらかじめ人事委員会及び教育委員会の意見をそれぞれ徴しておきました。
 議事部長をして報告いたさせます。

〇議事部長(鈴木省吾君) 人事委員会の回答は、第百三十六号議案及び第百三十七号議案について、いずれも異議はないとの意見であります。
 また、教育委員会の回答は、第百四十九号議案について、異議はないとの意見であります。
二三人委任第五八号
平成二十三年九月十四日
東京都人事委員会委員長 関谷 保夫
 東京都議会議長 和田 宗春殿
「職員に関する条例」に対する人事委員会の意見聴取について(回答)
 平成二十三年九月十四日付二三議事第一九二号をもって照会があった議案に係る人事委員会の意見は、左記のとおりです。
       記
   提出議案

一 第百三十六号議案
警視庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
二 第百三十七号議案
東京消防庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例

   意見

異議ありません。
二三教総総第八八三号
平成二十三年九月十六日
東京都教育委員会委員長 木村  孟
 東京都議会議長 和田 宗春殿
「都道府県教育委員会の権限に属する事務の一部を、市町村が処理することとする条例」に対する教育委員会の意見聴取について(回答)
 平成二十三年九月十四日付二三議事第一九一号により照会があった議案に係る教育委員会の意見は左記のとおりです。
       記
一 提出議案
第百四十九号議案 東京都教育委員会の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
二 意見
一について、異議ありません。

〇議長(和田宗春君) お諮りいたします。
 ただいま議題となっております日程第一から第二十一までは、お手元に配布の議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(和田宗春君) ご異議なしと認めます。よって、日程第一から第二十一までは、議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。
(別冊参照)

〇議長(和田宗春君) 日程第二十二、平成二十二年度東京都各会計歳入歳出決算の認定についてを議題といたします。
   〔鈴木議事部長朗読〕
一、平成二十二年東京都各会計歳入歳出決算の認定について
二三財主議第二九三号
平成二十三年九月二十一日
東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 和田 宗春殿
平成二十二年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
 このことについて、地方自治法第二百三十三条の規定により、左記のとおり送付しますので、東京都議会の認定をよろしくお願いします。
       記
一 平成二十二年度東京都各会計歳入歳出決算書
二 平成二十二年度歳入歳出決算事項別明細書
三 平成二十二年度実質収支に関する調書
四 平成二十二年度財産に関する調書
五 平成二十二年度東京都各会計歳入歳出決算審査意見書
六 平成二十二年度主要施策の成果
七 平成二十二年度東京都決算参考書
八 平成二十二年度東京都決算参考書財務諸表
(決算書等省略)

〇七十四番(西岡真一郎君) 本件は、三十一人の委員をもって構成する平成二十二年度各会計決算特別委員会を設置し、これに付託されることを望みます。

〇議長(和田宗春君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(和田宗春君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、三十一人の委員をもって構成する平成二十二年度各会計決算特別委員会を設置し、これに付託することに決定いたしました。
 委員は、委員会条例第五条第一項の規定により、議長からお手元に配布の名簿のとおり指名いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(和田宗春君) ご異議なしと認めます。よって、委員は、お手元に配布の名簿のとおり選任することに決定いたしました。
 なお、本日の本会議終了後、役員互選のため、委員会を第十二委員会室に招集いたしますので、ご了承願います。
〔平成二十二年度各会計決算特別委員名簿は本号末尾(一五八ページ)に掲載〕

〇議長(和田宗春君) 日程第二十三、平成二十二年度東京都公営企業各会計決算の認定についてを議題といたします。
   〔鈴木議事部長朗読〕
一、平成二十二年度東京都公営企業各会計決算の認定について
二三財主議第二九四号
平成二十三年九月二十一日
東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 和田 宗春殿
平成二十二年度東京都公営企業各会計決算の認定について
 このことについて、地方公営企業法第三十条第四項の規定に基づき、左記のとおり送付しますので、東京都議会の認定についてよろしくお願いします。
       記
一 平成二十二年度東京都病院会計決算書及び同決算審査意見書
二 平成二十二年度東京都中央卸売市場会計決算書及び同決算審査意見書
三 平成二十二年度東京都都市再開発事業会計決算書及び同決算審査意見書
四 平成二十二年度東京都臨海地域開発事業会計決算書及び同決算審査意見書
五 平成二十二年度東京都港湾事業会計決算書及び同決算審査意見書
六 平成二十二年度東京都交通事業会計決算書及び同決算審査意見書
七 平成二十二年度東京都高速電車事業会計決算書及び同決算審査意見書
八 平成二十二年度東京都電気事業会計決算書及び同決算審査意見書
九 平成二十二年度東京都水道事業会計決算書及び同決算審査意見書
十 平成二十二年度東京都工業用水道事業会計決算書及び同決算審査意見書
十一 平成二十二年度東京都下水道事業会計決算書及び同決算審査意見書
(決算書等省略)

〇七十四番(西岡真一郎君) 本件は、二十三人の委員をもって構成する平成二十二年度公営企業会計決算特別委員会を設置し、これに付託されることを望みます。

〇議長(和田宗春君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(和田宗春君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、二十三人の委員をもって構成する平成二十二年度公営企業会計決算特別委員会を設置し、これに付託することに決定いたしました。
 委員は、委員会条例第五条第一項の規定により、議長からお手元に配布の名簿のとおり指名いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(和田宗春君) ご異議なしと認めます。よって、委員は、お手元に配布の名簿のとおり選任することに決定いたしました。
 なお、本日の本会議終了後、役員互選のため、委員会を第四委員会室に招集いたしますので、ご了承願います。
〔平成二十二年度公営企業会計決算特別委員名簿は本号末尾(一五八ページ)に掲載〕

〇議長(和田宗春君) これより追加日程に入ります。
 追加日程第一、東京都教育委員会委員の任命の同意についてを議題といたします。
   〔鈴木議事部長朗読〕
一、東京都教育委員会委員の任命の同意について一件
二三財主議第二八五号
平成二十三年九月二十一日
東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 和田 宗春殿
東京都教育委員会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成二十三年九月三十日任期満了となるため、再び任命したいので、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     竹花  豊

      略歴
現住所 東京都小金井市
竹花  豊
昭和二十四年五月十八日生(六十二歳)
昭和四十八年三月 東京大学法学部卒業
昭和四十八年四月 警察庁入庁
昭和六十一年三月 在オーストリア日本国大使館一等書記官
平成二年四月   警察庁刑事局捜査第二課暴力団対策室長
平成四年八月   警察庁刑事局保安部薬物対策課長
平成六年八月   大分県警察本部長
平成八年八月   警視庁地域部長
平成九年四月   警察庁長官官房参事官(金融・不良債権関連事犯担当)
平成十一年二月  警視庁生活安全部長
平成十二年四月  警察庁長官官房首席監察官
平成十三年九月  広島県警察本部長
平成十五年六月  東京都副知事
平成十七年八月  警察庁生活安全局長
平成十九年一月  警察庁退職
平成十九年三月  松下電器産業株式会社参与
平成二十二年四月 パナソニック株式会社常務役員
現在       パナソニック株式会社常務役員

〇議長(和田宗春君) 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、知事の任命に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(和田宗春君) 起立多数と認めます。よって、本件は、知事の任命に同意することに決定いたしました。

〇議長(和田宗春君) 追加日程第二、東京都監査委員の選任の同意についてを議題といたします。
   〔鈴木議事部長朗読〕
一、東京都監査委員の選任の同意について一件
二三財主議第二八六号
平成二十三年九月二十一日
東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 和田 宗春殿
東京都監査委員の選任の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成二十三年十月十四日任期満了となるため、再び選任したいので、地方自治法第百九十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     金子 庸子

      略歴
現住所 神奈川県茅ヶ崎市
金子 庸子
昭和十一年十二月十一日生(七十四歳)
昭和三十年三月  神奈川県立平塚江南高等学校卒業
昭和三十年四月  資生堂小田原販売株式会社入社
昭和三十五年六月 株式会社資生堂本社へ移籍
昭和五十四年八月 株式会社資生堂商品開発部商品情報担当課長
平成二年六月   株式会社資生堂コンシューマーズセンター所長
平成四年六月   株式会社資生堂監査役(常勤)
平成九年七月   株式会社資生堂顧問
平成十二年十月  中央労働委員会委員
平成十四年六月  株式会社資生堂顧問退任
平成十九年十月  東京都監査委員
現在       東京都監査委員

〇議長(和田宗春君) お諮りいたします。
 本件は、知事の選任に同意することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(和田宗春君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、知事の選任に同意することに決定いたしました。

〇議長(和田宗春君) 追加日程第三、東京都収用委員会予備委員の任命の同意についてを議題といたします。
   〔鈴木議事部長朗読〕
一、東京都収用委員会予備委員の任命の同意について一件
二三財主議第二八七号
平成二十三年九月二十一日
東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 和田 宗春殿
東京都収用委員会予備委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成二十三年九月三十日任期満了となるため、再び任命したいので、土地収用法第五十二条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     西道  隆

      略歴
現住所 東京都西東京市
西道  隆
昭和十六年二月九日生(七十歳)
昭和四十三年三月 中央大学法学部卒業
昭和四十三年四月 入都
昭和五十五年四月 司法修習終了
昭和五十五年四月 東京都総務局法務部法務副主幹
昭和六十年七月  東京都総務局法務部訟務室副参事
平成二年四月   東京都総務局法務部訟務室副参事(統括課長)
平成三年四月   東京都総務局参事
平成七年六月   東京都総務局訟務担当部長
平成十三年三月  東京都退職
平成十三年四月  弁護士登録
平成二十年十月  東京都収用委員会予備委員
現在       弁護士

〇議長(和田宗春君) お諮りいたします。
 本件は、知事の任命に同意することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(和田宗春君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、知事の任命に同意することに決定いたしました。

〇議長(和田宗春君) 請願及び陳情の付託について申し上げます。
 受理いたしました請願二件及び陳情十五件は、お手元に配布の請願・陳情付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
(別冊参照)

〇議長(和田宗春君) お諮りいたします。
 明三十日から十月六日まで七日間、委員会審査のため休会いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(和田宗春君) ご異議なしと認めます。よって、明三十日から十月六日まで七日間、委員会審査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、十月七日午後一時に開きます。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後七時五十六分散会

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