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Tokyo Metropolitan Assembly

平成二十三年東京都議会会議録第七号

平成二十三年六月十七日(金曜日)
 出席議員 百二十六名
一番小林 健二君
二番加藤 雅之君
三番小宮あんり君
四番吉住 健一君
五番桜井 浩之君
六番山崎 一輝君
七番福士 敬子君
八番土屋たかゆき君
九番山内れい子君
十一番小山くにひこ君
十二番くりした善行君
十三番西沢けいた君
十四番田中  健君
十五番畔上三和子君
十六番斉藤やすひろ君
十七番栗林のり子君
十八番遠藤  守君
十九番大松あきら君
二十番野田かずさ君
二十一番鈴木 章浩君
二十二番菅  東一君
二十三番きたしろ勝彦君
二十四番田中たけし君
二十五番星 ひろ子君
二十六番関口 太一君
二十七番柳ヶ瀬裕文君
二十八番淺野 克彦君
二十九番新井ともはる君
三十番佐藤 由美君
三十一番中村ひろし君
三十二番たきぐち学君
三十三番田の上いくこ君
三十四番島田 幸成君
三十五番大島よしえ君
三十六番中山 信行君
三十七番高倉 良生君
三十八番橘  正剛君
三十九番松葉多美子君
四十番鈴木 隆道君
四十一番神林  茂君
四十二番早坂 義弘君
四十三番高木 けい君
四十四番宇田川聡史君
四十五番鈴木あきまさ君
四十六番矢島 千秋君
四十七番西崎 光子君
四十八番しのづか元君
四十九番滝沢 景一君
五十番中谷 祐二君
五十一番笹本ひさし君
五十二番山下ようこ君
五十三番神野 吉弘君
五十四番鈴木 勝博君
五十五番興津 秀憲君
五十六番岡田眞理子君
五十七番古館 和憲君
五十八番かち佳代子君
五十九番伊藤 興一君
六十番吉倉 正美君
六十一番上野 和彦君
六十二番谷村 孝彦君
六十三番野上 純子君
六十四番山加 朱美君
六十五番吉原  修君
六十六番三宅 正彦君
六十七番石森たかゆき君
六十八番高橋 信博君
六十九番山田 忠昭君
七十番服部ゆくお君
七十一番伊藤 ゆう君
七十二番原田  大君
七十三番佐藤 広典君
七十四番伊藤まさき君
七十五番尾崎 大介君
七十六番山口  拓君
七十七番松下 玲子君
七十八番野上ゆきえ君
七十九番西岡真一郎君
八十番今村 るか君
八十一番たぞえ民夫君
八十二番清水ひで子君
八十三番小磯 善彦君
八十四番長橋 桂一君
八十五番藤井  一君
八十六番ともとし春久君
八十七番こいそ 明君
八十八番遠藤  衛君
八十九番中屋 文孝君
九十番村上 英子君
九十一番林田  武君
九十二番三原まさつぐ君
九十三番田島 和明君
九十四番樺山たかし君
九十五番吉田康一郎君
九十六番くまき美奈子君
九十七番大西さとる君
九十八番いのつめまさみ君
九十九番門脇ふみよし君
百番小沢 昌也君
百一番石毛しげる君
百二番大津 浩子君
百三番大塚たかあき君
百四番相川  博君
百五番大山とも子君
百六番鈴木貫太郎君
百七番東村 邦浩君
百八番中嶋 義雄君
百九番木内 良明君
百十番古賀 俊昭君
百十一番高橋かずみ君
百十二番野島 善司君
百十三番三宅 茂樹君
百十四番川井しげお君
百十五番吉野 利明君
百十六番宮崎  章君
百十七番比留間敏夫君
百十八番斉藤あつし君
百十九番増子 博樹君
百二十番泉谷つよし君
百二十一番山下 太郎君
百二十二番酒井 大史君
百二十三番大沢  昇君
百二十四番中村 明彦君
百二十五番馬場 裕子君
百二十六番和田 宗春君
百二十七番吉田 信夫君

 欠席議員 なし
 欠員
    十番

 出席説明員
知事石原慎太郎君
副知事佐藤  広君
副知事猪瀬 直樹君
副知事吉川 和夫君
副知事村山 寛司君
教育長大原 正行君
東京都技監都市整備局長兼務河島  均君
知事本局長秋山 俊行君
総務局長比留間英人君
財務局長安藤 立美君
警視総監池田 克彦君
主税局長荒川  満君
生活文化局長並木 一夫君
スポーツ振興局長笠井 謙一君
環境局長大野 輝之君
福祉保健局長杉村 栄一君
産業労働局長前田 信弘君
建設局長村尾 公一君
港湾局長中井 敬三君
会計管理局長新田 洋平君
消防総監新井 雄治君
交通局長金子正一郎君
水道局長尾崎  勝君
下水道局長松田 二郎君
青少年・治安対策本部長倉田  潤君
病院経営本部長川澄 俊文君
中央卸売市場長岡田  至君
選挙管理委員会事務局長宮川 雄司君
人事委員会事務局長多羅尾光睦君
労働委員会事務局長山本 洋一君
監査事務局長三橋  昇君
収用委員会事務局長藤井 芳弘君

六月十七日議事日程第一号
第一 第百七号議案
平成二十三年度東京都一般会計補正予算(第一号)
第二 第百八号議案
平成二十三年度東京都都営住宅等事業会計補正予算(第一号)
第三 第百九号議案
平成二十三年度東京都病院会計補正予算(第一号)
第四 第百十号議案
平成二十三年度東京都中央卸売市場会計補正予算(第一号)
第五 第百十一号議案
平成二十三年度東京都臨海地域開発事業会計補正予算(第一号)
第六 第百十二号議案
平成二十三年度東京都港湾事業会計補正予算(第一号)
第七 第百十三号議案
平成二十三年度東京都水道事業会計補正予算(第一号)
第八 第百十四号議案
平成二十三年度東京都下水道事業会計補正予算(第一号)
第九 第百十五号議案
都と特別区及び特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
第十 第百十六号議案
東京都都税条例の一部を改正する条例
第十一 第百十七号議案
都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
第十二 第百十八号議案
東京都高等学校等生徒修学支援基金条例の一部を改正する条例
第十三 第百十九号議案
警視庁の警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する条例の一部を改正する条例
第十四 第百二十号議案
警視庁航空隊江東飛行センター(二十三)改築工事請負契約
第十五 第百二十一号議案
東京国際展示場(二十三)電気設備改修工事請負契約
第十六 第百二十二号議案
都庁舎(二十三)昇降機設備改修工事その一請負契約
第十七 第百二十三号議案
都庁舎(二十三)昇降機設備改修工事その二請負契約
第十八 第百二十四号議案
消防艇「みやこどり」の製造請負契約
第十九 第百二十五号議案
地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター定款の変更について
第二十 第百二十六号議案
エックス線検査装置の買入れについて
第二十一 第百二十七号議案
複合多重化装置外五種の買入れについて
第二十二 第百二十八号議案
旅券法関係手数料条例の一部を改正する条例
第二十三 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都教育委員会の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
第二十四 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例の報告及び承認について

   午後一時開会・開議

〇議長(和田宗春君) ただいまから平成二十三年第二回東京都議会定例会を開会いたします。

〇議長(和田宗春君) この際、開議に先立ちまして、このたびの東日本大震災により亡くなられた方々のご冥福を祈るため、黙祷をささげたいと存じます。

〇議会局長(白石弥生子君) 全員ご起立願います。
   〔全員起立〕

〇議会局長(白石弥生子君) 黙祷をお願いいたします。
   〔黙祷〕

〇議会局長(白石弥生子君) 黙祷を終わります。ご着席願います。

〇議長(和田宗春君) これより本日の会議を開きます。

〇議長(和田宗春君) まず、議席の変更を行います。
 議席変更の申し出がありますので、会議規則第二条第三項の規定により、お手元配布の議席変更表のとおり、議席の一部を変更いたします。
(別冊参照)

〇議長(和田宗春君) 次に、去る四月十日執行されました東京都議会議員の補欠選挙において当選されました小宮あんりさんの議席を、会議規則第二条第二項の規定により、三番に指定いたします。

〇議長(和田宗春君) 次に、会議録署名議員の指名を行います。
 会議録署名議員は、会議規則第百二十四条の規定により、議長において、
   十一番 小山くにひこ君 及び
   七十番 服部ゆくお君
を指名いたします。

〇議長(和田宗春君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

〇議事部長(鈴木省五君) 平成二十三年六月十日付東京都告示第九百六十二号をもって、知事より、本定例会を招集したとの通知がありました。
 また、同日付で、本定例会に提出するため、議案二十二件の送付がありました。
 次に、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都教育委員会の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例外一件の報告及び承認について依頼がありました。
 次に、平成二十三年第一回定例会の会議において同意を得た収用委員会委員及び収用委員会予備委員の任命について、発令したとの通知がありました。
 次に、平成二十二年度東京都一般会計予算外三件の明許繰越について、平成二十二年度東京都一般会計予算外五件の事故繰越について及び平成二十二年度東京都病院会計予算外八件の繰り越しについて、それぞれ報告がありました。
 次に、地方自治法第百八十条第一項の規定による議会の指定議決に基づき専決処分した訴えの提起、損害賠償額の決定及び和解に関する報告がありました。
 次に、監査委員より、例月出納検査の結果について報告がありました。
 また、監査結果に基づき知事等が講じた措置に関する報告がありました。
 次に、包括外部監査の結果に基づき知事が講じた措置の通知内容について、提出がありました。
(別冊参照)

〇議長(和田宗春君) この際、報告いたします。
 このたびの東日本大震災により被災された方々に対し、衷心よりお見舞いを申し上げます。
 本議会は、岩手県、宮城県及び福島県の県議会議長並びに知事に対し、見舞状を添えて、全議員の拠出による見舞金を贈呈いたしました。

〇議長(和田宗春君) 次に、文書質問に対する答弁書について申し上げます。
 第一回定例会に提出されました文書質問に対する答弁書は、質問趣意書とともに送付いたしておきました。ご了承願います。
文書質問趣意書及び答弁書は本号末尾(八ページ)に掲載〕

〇議長(和田宗春君) 次に、閉会中の議員の退職について申し上げます。
 去る四月十七日、世田谷区選出花輪ともふみ君は、公職選挙法第九十条の規定により、退職となりました。

〇議長(和田宗春君) 次に、新たに当選されました小宮あんりさんをご紹介いたします。
 三番小宮あんりさん。
〔三番小宮あんり君登壇〕

〇三番(小宮あんり君) 先般、杉並選挙区において行われました補欠選挙で選出をいただきました自由民主党の小宮あんりと申します。どうぞよろしくお願いします。(拍手)

〇議長(和田宗春君) 以上をもって紹介は終わりました。

〇議長(和田宗春君) 次に、閉会中の常任委員の所属変更について申し上げます。
 去る四月二十八日付をもって、小沢昌也君より、公営企業委員から総務委員へ常任委員の所属変更の申し出がありましたので、委員会条例第五条第三項ただし書きの規定により、議長において、同日付をもってこれを許可いたしました。

〇議長(和田宗春君) 次に、閉会中の常任委員の選任について申し上げます。
 委員会条例第五条第四項の規定により、去る四月二十八日付をもって、議長において、新たに当選されました小宮あんりさんを総務委員に指名いたしました。

〇議長(和田宗春君) 次に、閉会中の議会運営委員の辞任及び選任について申し上げます。
 去る四月二十八日付をもって、今村るか君より辞任願が提出されましたので、委員会条例第十一条第一項ただし書きの規定により、議長において、同日付をもってこれを許可いたしました。
 なお、委員の欠員を補充するため、委員会条例第五条第四項の規定により、議長において、同日付をもって大山とも子さんを指名いたしました。

〇議長(和田宗春君) 次に、閉会中の東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する特別委員の欠員の補充について申し上げます。
 議員の退職に伴い、同委員に欠員が生じましたので、委員会条例第五条第四項の規定により、議長において、去る四月十八日付をもって佐藤由美さんを指名いたしました。

〇議長(和田宗春君) 会期についてお諮りいたします。
 今回の定例会の会期は、本日から七月一日までの十五日間といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(和田宗春君) ご異議なしと認めます。よって、会期は十五日間と決定いたしました。

〇議長(和田宗春君) この際、知事より発言の申し出がありますので、これを許可します。
 知事石原慎太郎君。
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 平成二十三年第二回都議会定例会の開会に当たりまして、都政運営に対する所信の一端を申し述べ、都議会の皆様と都民の皆様のご理解、ご協力を得たいと思います。
 戦後、我々は、アメリカ依存の平和に安住しながら繁栄を謳歌し、かつてない物質的な豊かさと引きかえに、日本人としての価値の基軸を失ってまいりました。目先の欲望の成就のみを願いながら、いかなる負担をも責任をも忌避し、あまつさえ自分の肉親が亡くなっても弔いもせずに放置して、その年金を詐取するやからさえあらわれております。
 目を外に転じれば国際競争は厳しさを増しており、内向きになって困難な課題を先送りし続けることはとても許されません。少子高齢化という構造変化を冷静にとらえて、社会保障や税制を痛みに耐えても立て直しながら、世界と伍す戦略と戦術を構えることを求められております。
 にもかかわらず、肝心の国の政は、みずからの保身のために国民の顔色をうかがうばかりであります。もはや財政は実質的に破綻しており、国家としての命運はこの数年で決せられるところまできわまってきております。
 こうした状況のもとで、東日本大震災は発生いたしました。
 今回の巨大地震と大津波では、東北のまちはどこまでも続く瓦れきと化し、産業も大打撃を受けました。私も被災地を訪れ、みずからの目で確かめましたが、まさに地獄絵、言葉もありません。亡くなられた方々のご冥福を心からお祈りするとともに、被災された方々、そして原発事故によって避難を余儀なくされている方々に心からお見舞いを申し上げます。
 原発事故によって日本の安全神話は消えることになりました。国際社会からも危機管理能力が問われ、信頼を失っております。このままでは日本自体が見限られ、ジャパンパッシングが加速し、経済は疲弊し、人材、企業、技術は流出していきかねません。
 国難のもとでも、なお、国は誤った政治主導で官僚組織を全く使いこなせず、対応が後手後手に回っております。未曾有の事態を辛うじて救っているのは、名もなき現場の日本人たちなのであります。
 歯を食いしばりながらも、ささやかな援助にすら涙して感謝する被災者に、医療、福祉スタッフやボランティアが寄り添っております。原発事故では、命を差し出す覚悟で自衛隊員、警察官、消防隊員、企業の現場作業員が奮闘してきました。都庁舎にも義援物資を持った都民が長蛇の列をなし、都に寄せられた義援金は約六億円にも上っております。
 これらは、豊穣な四季に恵まれながらも、厳しい自然や天変地異と隣り合わせにある我が国の風土、歴史が培った日本人の美質にほかなりません。政治は、義援金がいまだ十分に行き渡らないような、国民の誠意が生かされない状況をそのままにしていてはなりません。呼び覚まされた忍耐、自己犠牲、同胞への連帯の心を、我が国の真の復活に向けた力にかえていかなければならないのであります。
 政治は、ただ右往左往し、場当たりを繰り返すのではなく、大震災からの復興を一日も早く実現するとともに、従前から直面する課題にも挑んで、戦後の安易な他力本願や目先の利益追求を反省し、社会を修復へと導かなければなりません。
 とりわけ、首都を預かる都政が何をなすかが我が国の将来を決します。国家にも匹敵する力を持った東京から、大震災を乗り越え、将来への確固たる展望を示し、信頼を回復するメッセージも世界に発信しなければなりません。
 ゆえにも、政治、行政、都民、国民のあらゆる力を結集し、東京だからできる総力戦を展開いたします。日本を再び立ち上がらせるために、大震災にあって果たすべき東京の役割に全力を尽くし、国家の行き詰まりを打破する道筋も示してまいります。
 まずもって、眼前の危機に迅速に対処しなければなりません。
 東京は、福島の電力を初め、被災地の農林水産物や工業製品などに負ってきました。東京が、刻苦しながら再び立ち上がらんとする方々を全面的に支援するのは当然であります。
 これまでも福島、仙台、盛岡に現地事務所を設置し、ニーズを的確にとらえ協力してきました。今後も、被災地、被災者のため、実務にたけた技術職員やこころのケアチームなど、必要な人材をできる限り派遣いたします。
 被災地の復旧に立ちはだかる瓦れきについては、区市町村や民間と共同して都内に受け入れ、処理に協力してまいります。
 経済の立て直しも急がれておりまして、風評被害にさらされる農林水産物について、安全性を消費者に正確に伝え販売を後押しするなど、巨大な消費地である東京を復興のために提供いたします。また、売り上げの減少が深刻な被災地の中小企業の受注回復につなげるため、都内中小企業等との商談会を現地で開催いたします。
 都内に退避された方々も支えてまいります。現在、約五千人の方々を都営住宅等で受け入れておりまして、福祉相談や孤立化を防ぐ個別訪問、就業支援や子どもの就学支援など、生活全般をサポートいたしております。
 大震災の影響が都内にも及んでおりまして、都民、事業所を確かな手だてで守らなければなりません。
 震災により直接、間接に被害を受けて厳しい状況にある中小企業に対して、制度融資の新たなメニューを追加して、資金繰りに万全を期してまいります。経営が急速に悪化した中小企業に専門家を派遣し、立ち直りを支援いたします。雇用面において、東京しごとセンターに離職を余儀なくされた方々のための専門窓口を設置して、就職を後押ししてまいります。
 放射能への不安も広がっておりまして、測定体制を強化し、結果をホームページや街頭ビジョンで公表いたします。都民の不安を払い、冷静に行動する手がかりとなるよう、情報をわかりやすく迅速に提供してまいります。
 電力不足の中での猛暑にも備えて、自治会、民生委員等の地域の力で高齢者を見守り、熱中症対策緊急病床も確保してまいります。
 大震災では、東京は被災地に比べはるかに小さな揺れであったにもかかわらず、都市機能は麻痺いたしました。帰宅困難者の問題が現実となり、相次ぐ余震や電力不足に伴う計画停電などで不安心理が高じ、被災地に最優先で送られるべきガソリンや水、食料品などの買い占めも起こりました。
 ふだんは当たり前と思っている都市の機能がいかにもろいかが明らかになったことから、災害対策を根底から見直してまいります。
 帰宅困難者が駅から締め出されるような事態が再び起こらぬよう、事業者などおのおのの役割分担、責任を明確化し、燃料や生活必需品の備蓄のあり方も抜本的に見直します。直下型地震への備えを固め直し、東京にも大きな影響が懸念される東海、東南海、南海三連動地震への対策も新たに加えた東京都防災対応指針を十一月を目途に策定いたします。
 専門家の指摘によれば、東京では体に感じないものも含めて、地震が実に十分間に一回は起きておるそうです。世界最大の火山脈の上にある地震大国の首都を守るためには、まち自体を災害に強くしなければなりません。これまでも阪神・淡路大震災の教訓などを取り入れ、道路や橋梁、ライフラインなどの耐震性を高め、液状化対策にも取り組んできました。これを強化しながら、津波、高潮に備えて、区部東部に広がるゼロメートル地帯や臨海部を守るインフラについて総点検いたします。
 もとより、災害に強いまちづくりは、ひとり行政だけではできません。人間は、死が不可避であるにもかかわらず、自分自身の死を信じないのと同様に、地震が起きても自分だけは大丈夫だと考えがちであります。これを改め、地震を我がこととしてとらえなければ、肝心の建物の耐震化は進まず、危険な木造住宅密集地域は残り続けます。
 さきの定例会で決まった緊急輸送道路沿道の建物に耐震診断を義務づける条例に基づき、対象となる路線を速やかに指定いたします。また、建物の耐震性がわかるマークの表示制度を創設して、条例を効果的に運用してまいります。
 木造住宅密集地域には専門家を派遣して、建物倒壊の恐怖や火災が津波のように広がる危険性を示し、住民の意識を変えてまいります。まちづくり施策や税制、建てかえ時の生活支援策なども総動員した新たな手法も編み出し、壊れず燃えないまちへの歯車を大きく回していきたいと思っております。
 一連の取り組みによって、いかなる災害に直面しても都民の生活が確実に守られ、一刻たりとも日本の頭脳、心臓がとまらないように、高度な防災力を備えた都市を造形してまいります。
 なお、国は、国家における首都の役割を全く考慮せず、ただみずからの場当たりな財政運営を糊塗するために、本来地方税である法人事業税の税収を東京から一方的に奪っております。東京がつぶれ、日本が崩壊するようなことがあってはならず、東京の金を東京を守るために東京が使おうという我々の意思を国が阻む道理は全くありません。法人事業税の暫定措置の即時撤廃を、改めて強く要求してまいります。
 我が国が真に立ち直るには、単にこうむった被害の復元にとどまらず、再起を通じて生活様式や価値観を転換し、次なる日本への道筋をつける必要があります。こうした観点に立って、東京はいかなる都市を目指し、社会や仕組みを率先して構築すべきか申し上げたいと思います。
 原発事故に伴い、電力不足に直面しております。国は、節電の目標数値は定めても、あとは企業、国民にげたを預けており、何への遠慮か産業活動や国民生活を考えたみずからの権限行使に極めて極めて消極的であります。先般のサミットでは、実現への具体策も示さずに、一千万世帯に太陽光発電パネルを設置するとやみくもに打ち上げました。これを見ても、国は、国家存立の生命線である経済やエネルギーについて、定見を持ち合わせておるとは到底思えません。
 今必要なのは、電力不足の長期化や災害の発生はもとより、地球の温暖化も見据えた上で、環境と経済とが高度に両立した社会をつくり上げることであります。節電を機に生活や意識を変え、CO2を削減しつつ、必要なエネルギーは低炭素で高効率なものへと多様化、分散化して確保していく戦略的な思考が求められております。
 それゆえ、節電は夏を乗り切るだけではなく、こうこうと輝くネオンやまちじゅうに林立する自動販売機に表象される過剰なエネルギー消費に痛痒を感じない社会や、過度の便利さになれた生活を見直し、二十一世紀にふさわしい低炭素型社会に転換する、またとない機会にしなければなりません。
 まず、都庁舎が率先して政府の目標を大幅に上回る二五%の節電を実行しております。そして、地球温暖化対策で培ってきた省エネ、節電のノウハウをフル活用し、企業の具体的で実効性のある取り組みを後押ししてまいります。公立小中学校では節電教育を実施し、家族ぐるみで家庭の暮らしを見直すことを促してまいります。
 一方、電力不足によって、遠隔地の大規模発電所からの送電に頼り切ってきたもろさが明らかになったことから、東京という日本のダイナモが麻痺してとまらぬように、打つべき手を果断に打たなければなりません。
 電力供給への不安により産業が停滞し空洞化することを防ぐため、首都圏の電力自給能力を高めてまいります。これに極めて有効な天然ガス発電所の新規建設に向け、民間とも連携し、行動を開始いたします。
 また、人命を預かる病院などの必要不可欠な電力は、いかなる事態にあっても確保しなければならず、自家発電設備の導入を支援いたします。
 さらに、家庭への太陽光発電パネルの普及を後押しするほか、大規模開発では地域エネルギー供給システムの導入を促進するなど、東京の隅々に発電装置を分散して配備し、危機にあっても東京が動き続けることを可能にしてまいります。
 エネルギー政策を都市政策の柱に据え、東京発の環境エネルギー戦略を展開し、国に提起してまいります。
 大震災からの復興を考えるに際して、関東大震災の復興を担った後藤新平に脚光が当たっております。後藤新平は、モータリゼーションの隆盛を見越したかのように、環状道路などの重要な都市インフラを構想し、東京を本格的な近代都市へと導きました。
 それから九十年を経て、平成二十五年度に中央環状線がようやく全線開通し、彼の卓見が一つの形として実を結びます。我々は、先見性あふれた大きな構想力に大いに学ぶべきであります。同時に、文明工学的視点を欠いた政治と行政が続いたがために、実際の道路整備はおくれ、交通渋滞や大気汚染という多大な損失を生んだ現実も忘れてはなりません。
 都市インフラの整備は、未来につながる財産を築く極めて重要な営みであります。これまでも「十年後の東京」計画に基づいて、投資効果の高い事業に力を注いできました。今後とも、東京と日本のさらなる発展のために、大きな流れにかなった都市インフラをたゆみなく整備いたします。
 ただいま述べた中央環状線の開通を初め、今年度の東京港臨海道路の完成、いよいよ工事着手となる外環道の整備などにより、二十世紀の負の遺産である交通渋滞を大幅に解消いたします。圏央道の整備はもとより、来年度の府中清瀬線、新滝山街道の開通などで多摩の発展にも拍車をかけてまいります。さらに、新しい大動脈をつくって、文明発展の原動力である人、物、情報の交流を革新的に高めるために、品川を、世界と日本を結ぶ羽田空港と我が国の三大都市圏を約一時間で結ぶリニア中央新幹線との結節点にしてまいります。
 着々と整備が進む都市インフラを跳躍台に、東京は金の卵を産む鶏として日本経済を牽引し続けなければなりません。成長の旗を振り、雇用を生んで若者の就職を確保し、福祉を充実させる富も生む循環を導かなければ、大震災からの復興はおくれます。少子高齢化に伴う財政負担の増大も到底乗り越えることはできずに、日本は沈むしかありません。
 東京の高度な集中、集積を堅持し、世界じゅうから人、物、金融、情報を吸い寄せる磁力を維持すべく、首都としての防災力、危機管理能力を向上させて国内外の信頼を高めるとともに、放射線測定値も広く発信して国際的な風評被害を払拭してまいります。
 また、外国企業のアジア本社や研究機関を誘致するために、国の規制や競争上のハンディキャップを乗り越える総合特区制度を活用いたします。これを起爆剤として、外国の頭脳と日本の頭脳が刺激し合って新たな価値を生む舞台を整え、集積の底力を引き出し、アジア諸国にはまねのできない研究開発や新技術、新サービスの創出を促してまいります。多摩シリコンバレーの形成も加速すべく、産業技術の新たな教育機関も整備いたします。正確無比な公共交通システム、多彩な食文化、世界自然遺産登録目前の小笠原を初めとする豊かな自然といった東京ならではの魅力もさらに高めるなど、都市政策や産業政策、交通政策等を重層的に展開し、アジアのヘッドクオーターへと東京を進化させてまいります。
 大震災にあって、同じ被災者同士が支え合い、秩序正しく行動する姿は世界を瞠目させました。人間は他者とのかかわりなくして生きてはいけず、血縁で結ばれた家族から始まる連帯が、会社や地域などを通じて広がり、堆積重層してエネルギーを生むこの世の中の公理を改めて悟らされました。社会の安全と安心には、行政による子育て施策や高齢者福祉といった公助の充実だけではなくて、地域の力などの共助も不可欠であります。
 東京は全国から人が集まり、核家族化が進み、価値観も多様化して、しがらみもなければきずなも希薄であります。そればかりか、親殺し、子殺しといったおぞましい事件も後を絶ちません。ならばこそ、大震災を機に人間のきずなの価値を再認識し、大都市にふさわしい連帯の形をつくり上げる必要があります。これは、過度の権利を主張し、責任は軽視する戦後のあしき風潮を変えることにもなるに違いありません。
 まずは、住宅街で近所のつながりを結び直します。また、ネットの中でつながる若者を地域での現実の人の輪へと橋渡しをいたします。区市町村とも連帯し、防災隣組ともいうべき新たな共助のきずなを張りめぐらすことにより、常日ごろから周りを気遣い、声をかけ合い、孤立とは無縁な、災害時に一人でも多くの人が救われる東京へと転換してまいります。
 いわゆる失われた二十年に生まれ育った今の子どもたちは、停滞、衰微する日本しか知りません。そんな子どもたちに大震災があったとはいえ、さらに大きな重荷を背負った国家を残すことは許されません。我々には、環境と調和した社会や良質な社会資本、強い経済、連帯に裏打ちされた安全と安心を次の世代に引き継がせる責務があります。そして、複雑さと厳しさを増す国際社会を生き抜く力を与えなければなりません。
 四方を激しい海に囲まれ、外に出て行くことが極めて困難であった日本の国土は、受動的で自己主張が苦手な日本人の性情を形づくってきました。こうした民族的DNAに加え、昨今の若者は過保護に漬かって抵抗力を欠き、ひ弱な内向き志向も見られます。しかし、既に手にした繁栄もむなしい夢に終わりかねない今、この閉塞を打ち破り、国家の希望となり得るのは若者しかありません。
 世界に飛び出し、摩擦、相克の中で明確に意思表示もしながら、独自の才能を開花させていくような若者こそが求められております。かわいい子には旅をさせよといいますが、世界を舞台に活躍する力強い若者を育成すべく、海外武者修行や留学を直接応援する新たな仕組みを構築したいと思います。
 あらゆる摩擦、相克に耐えるためにも、脳幹を鍛えていかなければなりません。その効果的な方法であるスポーツを通じて、若者に成長する喜びを実感させ、強靱な肉体や健全な精神を養ってまいります。
 国際化の時代に必須な論理的思考力や、他者と十二分に意思を交わす言語の技術といった言葉の力も身につけさせます。
 戦後、我が国は、正当な歴史を教えることもせずに、官僚に表象されるような先行事例を学び、追いかけることにたけた人材を効率よく生み出すための教育が惰性のように続き、子どもから個性や想像力の芽を摘んできました。
 このままでは、子どもに海図、チャートもなしに二十一世紀の海へ乗り出せということになりかねません。知力、体力、人間力を備え、自信と誇りを持って世界と渡り合える人材を育てるために、従来の制度や常識、慣行にとらわれない新しいシステムが求められております。
 そこで、破壊的な教育改革を議論し発信してまいります。高い見識とたぐいまれな人生経験を持ち、国際感覚も豊かな方々から成る教育再生・東京円卓会議を設置いたします。
 あわせて、ただいま申し上げた産業技術の新たな教育機関で次代のものづくり人材を育成するなど、これからの我が国を担う人材を東京から輩出してまいりたいと思います。
 これまで述べた施策を強力に推進するために、すぐに着手すべきことを東京緊急対策二〇一一にまとめ、とりわけ早期の予算措置が必要な施策は補正予算に計上し、本定例会に提案しております。年末には「十年後の東京」計画を改定して「二〇二〇年の東京」を策定し、東京を一段と高い次元で成熟させる新たな政策を構築してまいります。
 次に、オリンピック・パラリンピック招致について申し上げます。
 一九六四年十月十日、世界じゅうの青空を持ってきたかのような快晴のもと、神宮の森に聖火がともりました。戦後の焼け野原から立ち上がり、国際社会に復興した姿を示した瞬間でありました。
 世界史的にもかつてない今回の大震災からの復興は、戦災からの復興にも匹敵する苦難の道のりでありましょう。しかし、必ずや立ち直り、九年後の日本の姿を披瀝するならば、世界じゅうから寄せられた友情や励ましへの何よりの返礼となるに違いありません。次代を担う若者に夢と希望を贈るためにも、日本開催を目指すたいまつを消さずにともし続けることは、我が国の将来にとって大きな意義があると思います。
 招致成功には、国やスポーツ界、経済界など国家の総力が結集され、機運が盛り上がることが不可欠であります。都民、国民の皆様にもぜひ、被災地を初め広く日本全体とスクラムを組んで、東京にオリンピック・パラリンピックを再び招致することを考えていただきたいと思います。招致に向けて、日本が一つになることを強く期待しております。
 さきの選挙では皆様のご支援を賜り、四たび都政のかじ取りを担うことになりました。内憂外患に呻吟する日本にとって、この四年間は正念場でありましょう。かつて福沢諭吉が、立国は私なり、公にあらず、この強い言葉で示した国家を動かす個々人の強い意思が、未曾有の危機にある今ほど必要なときはありません。政治は大きな目標を掲げ、現実を変える具体の手だてを通じて、個人の強い意思を連帯させ、大きな潮流にしていかなければならないのであります。
 それができる現場を持つ東京からこそ、この国の再生を先導しなければなりません。そのためにも被災地と肩を組み、首都圏と連合し、全国の自治体とも手を携えます。国には権限と財源の移譲や規制の改革を迫りますが、国の動きを待つだけでなく、必要とあらば民間とも手を携え、海外からの資金も活用してまいります。
 都議会の皆様とはともに首都を預かる政治家として議論を重ね、後の子孫が我々を顧みて、この四年間から日本は再び立ち上がったと認めてくれるような決断をし、施策も生み出したいと思います。身命を賭して都政運営に当たる決意であります。一層のご理解、ご協力をお願いいたします。
 なお、本定例会には、これまで申し上げたものを含め、予算案八件、条例案六件など、合わせて二十四件の議案を提案しております。よろしくご審議をお願いいたします。
 以上をもちまして所信表明を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

〇議長(和田宗春君) 知事の発言は終わりました。

〇七十四番(伊藤まさき君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会し、明十八日から二十二日まで五日間、議案調査のため休会されることを望みます。

〇議長(和田宗春君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(和田宗春君) ご異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれをもって散会し、明十八日から二十二日まで五日間、議案調査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、六月二十三日午後一時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後一時三十七分散会


文書質問趣意書及び答弁書

23財主議第69号
平成23年4月22日
東京都知事 石原慎太郎
東京都議会議長 和田宗春殿
文書質問に対する答弁書の送付について
 平成23年第一回東京都議会定例会における下記議員の文書質問に対する答弁書を別紙のとおり送付します。
     記
中村ひろし議員
清水ひで子議員

平成23年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 中村ひろし

質問事項
一 保育園の待機児童解消への全庁的な取組について

一 保育園の待機児童解消への全庁的な取組について
 現在、保育園の待機児童については大きな問題となっている。私は、さる2月28日の厚生委員会で来年度予算に関して、福祉保健局に対して保育園の待機児童の解消について質問した。都では、平成22年1月に副知事をリーダーとした「東京都少子化打破・緊急対策本部」として緊急対策を発表したように、少子化対策は全庁的な取り組みが必要である。引き続き進捗管理やさらなる取り組みを含めて全庁的な横断的な取り組みが必要である。とりわけ深刻な保育園の待機児童の解消についても、福祉保健局だけではなく全庁的なさらなる取り組みを求めて以下、質問する。
1 都議会民主党は、平成21年の都議会議員選挙のマニフェストで「仕事と家庭生活との両立支援に取り組む中小企業への支援策を、平成23年度までに2,000社以上で利用されるよう周知徹底します。」としてワークライフバランスに配慮した労働環境の整備を公約し、それに向けて取り組んでいる。選挙直後の9月14日に行われた都議会平成21年第3回定例会の本会議代表質問で、幹事長から中小企業両立支援推進事業の目標時期の前倒しを求めたところ、答弁では500社以上の申請があるとのことだった。より一層の推進を要望する。あらためて、平成22年度の実績、23年度の目標を伺う。あわせて23年度の目標達成に向けての取り組みについて伺う。
2 増え続けるニーズに対応して保育所の拡充に取り組むことも必要だが、同時に、特に不足している、0、1歳児については、育児休業取得等の労働分野でのワークライフバランスが進めば保育所には預けず、在宅で子育てをする家庭も増えていくかもしれない。少子化対策と言う側面だけではなく、むしろ勤労者の働き方の在り方として、都はどのような社会を目指しているのか。
3 昨年、東京都が実施した「東京しごとの日」のイベントを見学した。多くの企業が出展し、多くの方が来場した様子は見た。講演では、ワークライフバランスを実現する会社はむしろ業績が伸びるという意見もあった。一足飛びに東京都全体に波及させることが難しいことは承知しつつも、都庁でのイベントがどこまで効果があるのかも検証することが必要である。「東京しごとの日」のイベントの効果と課題、今後の取り組みについて伺う。
4 東京都では、企業における従業員の育児休暇の取得状況をどのように把握しているか。また、取得が進んでいない要因をどのように考え、都としてどのような対策を行っているのか所見を問う。
  また、東京都産業労働局は、中小企業の視点から政策を行っているが、その政策の中で、主体的に子育て支援を行う必要がある。福祉的なマインドを持った産業振興の行政が必要である。育児休暇の取得人数の目標を立てて、それに向けてどのような政策が必要か立案することが必要であると考えるが所見を問う。
5 小さな会社だと育児休暇の取得による事業運営上会社の負担が重く、それがかえって採用の見合わせになってしまっては本末転倒になってしまう。家計の状況から働かざるを得ない人もいるが、自分で子どもを育てたいのに休めないという人も多くいるとすれば、育児休暇の取得が促進されるよう取得させた会社への経済的な支援を強化することも検討されてよいかと思う。国にはたらきかけたり、都独自の制度の創設も検討すべきかと考えるが所見を問う。
6 育児休暇の取得に際し、昇進・昇格・昇給などを考えると、まだまだ取得しにくい雰囲気があるという声を聞くことがある。育児休業法では育児休暇の取得による不利益な扱いをしてはならないとされ、法の遵守のためのさらなる普及啓発が必要である。そこで、近年法改正が行われたが、その内容を含め、都として普及啓発への取り組みを伺う。

平成23年第一回都議会定例会
中村ひろし議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 保育園の待機児童解消への全庁的な取組について
1 中小企業両立支援推進事業の平成22年度の実績、23年度の目標を伺う。あわせて23年度の目標達成に向けての取組について伺う。

回答
 中小企業両立支援推進助成金については、平成22年度に509社の申請があり、累計で1,675社となりました。平成23年度においても500社の支援を行う計画となっています。
 「「10年後の東京」への実行プログラム」において、平成23年度までに2,000社以上に支援を行うという目標を掲げ、確実に取組を進めており、引き続き、都ホームページや助成事業説明会等を通じて普及啓発を行っていきます。

質問事項
一の2 少子化対策という側面だけではなく、むしろ勤労者の働き方のあり方として、都はどのような社会を目指しているのか。

回答
 都は、仕事と家庭生活を両立できる社会の実現を目指しています。平成22年1月の「「少子化打破」緊急対策 最終報告」においても、ワークライフバランスの実現を具体的に進展させることとしています。
 都では、働き方の見直しについて広く社会に発信し、社会的気運の醸成を図ることにより、都内企業のワークライフバランス実現に向けた雇用環境の整備を進めています。

質問事項
一の3 「東京しごとの日」のイベントの効果と課題、今後の取組について伺う。

回答
 平成22年度の「東京しごとの日」(8月6日)に都庁舎において開催したイベントでは、ワークライフバランスに関するセミナーやパネルディスカッション、企業の取組の紹介等を行い、5,000人を超える来場者がありました。来場者に対するアンケートによれば、半数以上の方が「イベントに来場してワークライフバランスへの理解が深まった」と回答しており、効果があったと考えています。
 イベントの実施にあたっては、より多くの都民の関心を高め、ワークライフバランスへの理解を深めてもらえるよう、効果的な内容としていくことが重要であると認識しています。
 そのため、平成23年度についても「東京しごとの日」を設け、平成22年度の取組を踏まえて普及啓発イベントを実施するとともに、従業員の家族の職場訪問を受け入れる「ファミリーデー」に取り組む企業等の拡大に努め、ワークライフバランス推進に向けた気運を醸成していきます。

質問事項
一の4 東京都では、企業における従業員の育児休業の取得状況をどのように把握しているか。また、取組が進んでいない要因をどのように考え、都としてどのような対策を行っているのか所見を問う。育児休業の取得人数の目標を立てて、それに向けてどのような政策が必要か立案することが必要であると考えるが所見を問う。

回答
 都の平成20年度の男女雇用平等参画状況調査によれば、従業員規模30人以上の企業において、育児休業取得率は男性が対象者の1.3%、女性が90.9%となっており、男性の育児休業取得率が極めて低い状況にあります。この背景として育児休業者の代替要員確保の困難さや育児休業中の賃金保障の低さなどがあると考えられます。
 このため、都は、従業員が育児休業を取得し、職場に復帰できるよう、中小企業が代替要員に要した経費の一部を助成する「育児休業応援助成金」を設け、従業員が働きながら育児をしやすい職場環境の整備を図っています。また、雇用保険法に基づく育児休業給付の支給率の引き上げについても国に提案要求をしています。
 さらに、平成22年6月に見直された国の「仕事と生活の調和推進のための行動指針」では、男性の育児休業取得率を2020年までに13%にするという目標を立てており、都としても、この指針を踏まえ、「育児休業応援助成金」による支援や企業における先進的な取組事例の公表等を通じ、今後も働きながら安心して子どもを産み育てられるよう、中小企業における育児休業取得を働きかけていきます。

質問事項
一の5 育児休業の取得が促進されるよう取得させた会社への経済的な支援を強化することについて、国に働きかけたり、都独自の制度の創設も検討すべきかと考えるが所見を問う。

回答
 育児休業の取得については、企業の自主的な取組を促進する各種の支援策を講じるよう国に提案要求を行っているほか、都独自の制度として、従業員が育児休業を取得し、職場に復帰できるよう、中小企業が代替要員に要した経費の一部を助成する「育児休業応援助成金」を設け、従業員が働きながら育児をしやすい職場環境の整備を支援しています。

質問事項
一の6 育児・介護休業法の改正が行われたが、その内容を含め、都として普及啓発への取組を伺う。

回答
 平成21年7月に、子育て中の短時間勤務制度及び所定外労働の免除の義務化、父親の育児休業の取得促進、法の実効性を確保するため紛争解決の援助等の仕組の創設などを内容とする育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律が改正されました。これを受け、都では、労使双方に対して、改正法をわかりやすく解説した冊子やリーフレットを作成し、配布しているほか、改正部分を重点的に説明するセミナーを開催して、普及啓発を行っています。

平成23年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者  清水ひで子

質問事項
一 未就職卒業者緊急就職サポート事業について
二 買い物困難者支援について

一 未就職卒業者緊急就職サポート事業について
 都民のくらし、雇用がいっそう深刻さをましているもとで、東京都が総力をあげて都民施策の拡充にとりくむことが求められています。日本共産党都議団は、大学、高校などを卒業して就職できていない人たちへの就職支援策を繰り返し提案してきました。そうした中、来年度の予算で中小企業への就職支援策の取組みが始まります。
 たとえば2011年度予算で提案されている未就職卒業者緊急就職サポート事業ですが、都の発表によれば、都が民間派遣事業者に事業委託するというものになっています。すでに行われた入札結果によると、委託先はマンパワー・ジャパン株式会社、アデコ株式会社になっています。実際の事業は、その事業を受託した派遣元となる企業が、未就職者と雇用契約を結び、派遣契約をする派遣先企業で未就職者が体験就労するというものです。
 こうした事業が、より充実した支援事業、正規雇用に役立つ事業になるのかが問題です。そこで何点か質問します。
 日本共産党では、国会議員事務所が、すでに昨年12月に各県の担当課に、同様な事業内容としてとりくまれている地域人材育成事業の一つである「学卒未就職対策」について聞き取りをおこないました。
 その結果、愛知県では、派遣会社が未就職者を一定期間雇用して、そこから別会社に派遣して体験雇用をして、その派遣先と未就職者が合意できれば正規雇用するというものです。賃金などの費用は国が負担します。実際に事業をおこなっている派遣会社は、パソナ、アデコ、インテリジェンスなど3社です。県は5億円で委託し、200人目標で半年間雇用し、研修・実習を実施し、対象者には賃金として14万4千円(交通費別)が支給されるというものです。その雇用実績ですが、2010年7月から2011年2月までの研修に200人(応募600人)が参加し、3月に就職対策をおこなうというもので、12月の段階で就職は3人という話しでした。
 千葉県は、同様にパソナ、マンパワージャパン、インテリジェンスに210人募集、7.5億円の事業として委託さしています。受託した派遣会社は、各派遣会社で「座学」が1~2ヶ月、派遣会社からの派遣先企業での実習が3~4ヶ月をおこなわれ、雇用期間中に委託された派遣会社が就職相談にのるという事業になっています。しかし、座学後の実習先は派遣会社が開拓した派遣先企業しか選択できず、希望職種がないなど、全体の1/3近い61人が11月を過ぎても実習にいけない事態が生まれていました。
 こうした、人材派遣会社等に希望者を有期雇用させ、募集から別会社での体験就労と相談まで一括した事業として委託するという取組みは、2010年度に20道府県でおこなわれました。雇用数(予定を含む)は3774人、予算額は68億円でした。
1 都の未就職卒業者緊急就職サポート事業を実施するにあたって、前述の国の「地域人材育成事業」を活用した他県の取り組についてどのように認識していましたか。実施するにあたって、どのような検証をしましたか。
2 都の事業によると、未就職卒業者が希望就職先とする企業は、全国の事業と同様に派遣元企業が契約している派遣先になってしまうという限界があります。かつ、この事業は派遣事業としてとりくまれますから、派遣先は法律によって職種が限定されています。したがって、これでは就職者が体験就労できる企業は限られてしまいます。これでは、未就職卒業者が希望する職種、企業を十分確保できるかどうか心配です。
  都は、こうした問題についてどのように認識し、どのようにして未就職卒業者が希望する職種、就職希望先を十分確保、保障しようとしていますか。
3 未就職卒業者が生活できる賃金を確保できるようにする必要があります。都として派遣元にどのような契約内容で、それを保障させていますか。
4 未就職者の正規雇用就職について、派遣企業まかせでは実績が上がらないと思います。都として派遣元にどのような契約内容で、正規雇用就職を確保し、保障させていますか。
5 都として、未就職卒業者緊急就職サポート事業を利用する未就職者からの様々な問題、要望にたいして、どのようにくみ上げ、いち早く改善し、解決させるためにどのような体制をとるのですか。
二 買い物困難者支援について
1 日本共産党都議団は、いわゆる「買い物難民」、「買い物困難者」の問題をいち早くとりあげ、都の認識、きめ細かな実態調査、支援策などについて質してきました。
  「買い物困難者」への支援策について、当初、産業労働局の答弁は、「既に『新・元気を出せ!商店街事業』などの様々な商店街振興策を通じて、地域の住民が便利で安心して買物ができるよう対応を進めています」というものでした。その具体化が急がれますが、その後、この支援策について、どのような取組みをする予定ですか。
  日本共産党都議団は、区市町村議員団の協力を得て、買い物困難者が起きている各地域の実情も調べています。
  買い物困難者問題が起きている要因は、中・大型量販店の出店による地域商店街の衰退、そうした地域からの中・大型量販店の撤退、団地・地域の高齢化、団地の建替えにともなう商店の撤退など、様々です。
2 産業労働局は、「これまでも地域の実態を十分に把握したうえで商店街の振興に取り組んでいます」といいますが、都はこれらの実態は産業労働局の事業範囲を超えた問題があるとの認識はお持ちですか。都として、各局が連携して実態を把握する必要性についての認識はお持ちですか。
3 産業労働局は「身近な区市町村がその実態を把握するなどの対応を行うことが適切である」としていますが、それぞれの問題が起きている所は、必ずしも単一自治体に限られる問題だけではありません。また、要因として多くの地域が上げている中・大型店の出店は、広域性があるものです。したがって、産業労働局のこの認識は十分ではないと思いますがいかがですか。都は、区市町村まかせにできる問題だけではないとの認識はありませんか。
  各地では、すでに買い物困難者を支援するための、様々な自主的取組みがされています。そうしたところからは、商店街の配達サービスへの助成、コミュニティバスやデマンドタクシーへの運行経費の助成、移動販売車や店舗誘致への支援、買い物送迎のボランティアへの支援、地元農業者などによる朝市・夕市開催への支援など、様々な要望があがっています。
4 買い物困難者が生まれている実態にあわせて問題を解決するためには、今後、問題に応じて関係各局等と連携しながら、打開策を検討する必要あると思いますが、いかがですか。

平成23年第一回都議会定例会
清水ひで子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 未就職卒業者緊急就職サポート事業について
1 都の未就職卒業者緊急就職サポート事業を実施するにあたって、国の「地域人材育成事業」を活用した他県の取組についてどのように認識していたか。実施するにあたって、どのような検証をしていたのか伺う。

回答
 他県の取組は承知しており、それぞれの地域の実情に応じて施策を実施し、成果を上げていると認識しています。
 都においては、今春の厳しい就職状況や、人材を求める中小企業に学生の目が向きにくくミスマッチが生じている現状を踏まえ、新たに都内中小企業と未就職卒業者を効果的に結びつける実効性の高い事業を開始することとしたものです。

質問事項
一の2 都の事業によると、未就職卒業者が希望就職先とする企業は、全国の事業と同様に派遣元企業が契約している派遣先になってしまうという限界があり、かつ、この事業は派遣事業としてとりくまれることから、派遣先は法律によって職種が限定されており、就職者が体験就労できる企業は限られてしまう。これでは未就職卒業者が希望する職種、企業を十分確保できるかどうか心配だが、都は、こうした問題についてどのように認識し、どのようにして未就職卒業者が希望する職種、就職希望先を十分確保、保障しようとしているのか伺う。

回答
 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律によれば、労働者派遣は第4条に定める港湾運送などの一部を除く幅広い業務で認められています。
 本事業の実施に当たっては、受託事業者が今後新たに受入企業の開拓を行い、未就職卒業者がその希望や適性に応じて就職先を選択することができるよう、幅広い業種・職種の都内企業を確保していきます。

質問事項
一の3 未就職卒業者が生活できる賃金を確保できるようにする必要があるが、都として派遣元にどのような契約内容で、それを保障させているのか伺う。

回答
 本事業の支援期間中の賃金は、雇用主である受託事業者が未就職卒業者に明示し、労働契約に基づき決定されます。
 賃金について、都は委託契約の中で、受託事業者が市場実勢や法令等を踏まえた適切な水準とするよう定めています。

質問事項
一の4 未就職者の正規雇用就職について、派遣企業まかせでは実績が上がらないと考える。都として派遣元にどのような契約内容で、正規雇用就職を確保し、保障させているのか伺う。

回答
 本事業は、未就職卒業者の正規雇用化に向けた実効性のある支援策を民間事業者のノウハウを活用して実施するものです。
 都は、委託契約の中で、受託事業者が実施する研修や、就業体験先企業とのマッチング、企業での就業体験、職場定着に向けたフォローアップ等の支援内容を定めており、これにより未就職卒業者の正規雇用化の促進を図っていきます。

質問事項
一の5 都として、未就職卒業者緊急就職サポート事業を利用する未就職者からの様々な問題、要望にたいして、どのようにくみ上げ、いち早く改善し、解決させるためにどのような体制をとるのか伺う。

回答
 本事業の実施に当たっては、受託事業者が雇用するキャリアカウンセラーが、未就職卒業者に対するカウンセリングを実施するほか、必要に応じてメールや電話でも随時相談ができる体制を整備します。
 また、企業での就業期間中も、キャリアカウンセラーが職場を訪問し、相談に応じるなど、未就職卒業者に対してきめ細かいサポートを行っていきます。

質問事項
二 買い物困難者支援について
1 「買い物困難者」への支援策について、当初、産業労働局の答弁は、「既に『新・元気を出せ!商店街事業』などの様々な商店街振興策を通じて、地域の住民が便利で安心して買物ができるよう対応を進めている」というものであり、その具体化が急がれるが、その後、この支援策についてどのような取組をする予定か伺う。

回答
 既に「新・元気を出せ!商店街事業」などの様々な商店街振興策を通じて、地域の住民が便利で安心して買物ができるよう対応を進めています。

質問事項
二の2 産業労働局は、「これまでも地域の実態を十分に把握したうえで商店街の振興に取り組んでいる」とのことだが、都はこれらの実態は産業労働局の事業範囲を超えた問題があるとの認識を持っているのか。都として、各局が連携して実態を把握する必要性についての認識を持っているのか伺う。

回答
 都は、これまでも地域の実情を十分に把握したうえで商店街の振興に取り組んでいます。
 各地域の実情については、住民により身近な区市町村がその実態を把握するなどの対応を行うことが適切であると考えています。

質問事項
二の3 産業労働局は「身近な区市町村がその実態を把握するなどの対応を行うことが適切である」としているが、それぞれの問題が起きている所は、必ずしも単一自治体に限られる問題だけではなく、また、要因として多くの地域が上げている中・大型店の出店は、広域性があるものであることから、産業労働局のこの認識は十分ではないと考えるが見解を伺う。都は、区市町村まかせにできる問題だけではないとの認識があるのか伺う。

回答
 中・大型店の出店に際しては、大規模小売店舗立地法に基づき当該区市町村の意見を聴取し適切な法運用に努めています。

質問事項
二の4 買い物困難者が生まれている実態にあわせて問題を解決するには、今後、問題に応じて関係各局等と連携しながら、打開策を検討する必要があると考えるが、見解を伺う。

回答
 各地域の実情については、住民により身近な区市町村がその実態を把握するなどの対応を行うことが適切であると考えています。

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