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Tokyo Metropolitan Assembly

平成二十二年東京都議会会議録第二号

平成二十二年三月二日(火曜日)
 出席議員 百二十六名
一番小林 健二君
二番加藤 雅之君
三番三宅 正彦君
四番吉住 健一君
五番桜井 浩之君
六番野田かずさ君
七番福士 敬子君
八番土屋たかゆき君
九番山内れい子君
十番くりした善行君
十一番中村ひろし君
十二番西沢けいた君
十三番田中  健君
十四番関口 太一君
十五番畔上三和子君
十六番斉藤やすひろ君
十七番栗林のり子君
十八番遠藤  守君
十九番伊藤 興一君
二十番鈴木 章浩君
二十一番きたしろ勝彦君
二十二番田中たけし君
二十三番鈴木 隆道君
二十四番神林  茂君
二十五番星 ひろ子君
二十六番小山くにひこ君
二十七番柳ヶ瀬裕文君
二十八番淺野 克彦君
二十九番新井ともはる君
三十番佐藤 由美君
三十一番たきぐち学君
三十二番田の上いくこ君
三十三番島田 幸成君
三十四番しのづか元君
三十五番大島よしえ君
三十六番大松あきら君
三十七番上野 和彦君
三十八番吉倉 正美君
三十九番松葉多美子君
四十番早坂 義弘君
四十一番高木 けい君
四十二番石森たかゆき君
四十三番高橋 信博君
四十四番中屋 文孝君
四十五番村上 英子君
四十七番西崎 光子君
四十八番滝沢 景一君
四十九番中谷 祐二君
五十番笹本ひさし君
五十一番山下ようこ君
五十二番神野 吉弘君
五十三番鈴木 勝博君
五十四番興津 秀憲君
五十五番岡田眞理子君
五十六番伊藤 ゆう君
五十七番古館 和憲君
五十八番かち佳代子君
五十九番中山 信行君
六十番高倉 良生君
六十一番橘  正剛君
六十二番谷村 孝彦君
六十三番野上 純子君
六十四番高橋かずみ君
六十五番山加 朱美君
六十六番山崎 一輝君
六十七番菅  東一君
六十八番宇田川聡史君
六十九番山田 忠昭君
七十番林田  武君
七十一番原田  大君
七十二番佐藤 広典君
七十三番尾崎 大介君
七十四番松下 玲子君
七十五番山口  拓君
七十六番伊藤まさき君
七十七番野上ゆきえ君
七十八番西岡真一郎君
七十九番今村 るか君
八十番吉田康一郎君
八十一番たぞえ民夫君
八十二番清水ひで子君
八十三番小磯 善彦君
八十四番長橋 桂一君
八十五番藤井  一君
八十六番ともとし春久君
八十七番三宅 茂樹君
八十八番遠藤  衛君
八十九番吉原  修君
九十番野島 善司君
九十一番鈴木あきまさ君
九十二番三原まさつぐ君
九十三番田島 和明君
九十四番樺山たかし君
九十五番斉藤あつし君
九十六番泉谷つよし君
九十七番くまき美奈子君
九十八番大西さとる君
九十九番増子 博樹君
百番いのつめまさみ君
百一番門脇ふみよし君
百二番小沢 昌也君
百三番花輪ともふみ君
百四番大津 浩子君
百五番大山とも子君
百六番鈴木貫太郎君
百七番東村 邦浩君
百八番中嶋 義雄君
百九番木内 良明君
百十番古賀 俊昭君
百十一番こいそ 明君
百十二番服部ゆくお君
百十三番川井しげお君
百十四番吉野 利明君
百十五番宮崎  章君
百十六番比留間敏夫君
百十七番相川  博君
百十八番石毛しげる君
百十九番大塚たかあき君
百二十番和田 宗春君
百二十一番山下 太郎君
百二十二番酒井 大史君
百二十三番大沢  昇君
百二十四番中村 明彦君
百二十五番馬場 裕子君
百二十六番田中  良君
百二十七番吉田 信夫君

 欠席議員 一名
四十六番 矢島 千秋君

 出席説明員
知事石原慎太郎君
副知事菅原 秀夫君
副知事佐藤  広君
副知事猪瀬 直樹君
教育長大原 正行君
東京都技監建設局長兼務道家 孝行君
知事本局長吉川 和夫君
総務局長中田 清己君
財務局長村山 寛司君
主税局長熊野 順祥君
警視総監池田 克彦君
生活文化スポーツ局長秋山 俊行君
都市整備局長河島  均君
環境局長有留 武司君
福祉保健局長安藤 立美君
産業労働局長前田 信弘君
港湾局長比留間英人君
会計管理局長新田 洋平君
交通局長金子正一郎君
水道局長尾崎  勝君
消防総監新井 雄治君
下水道局長松田 二郎君
青少年・治安対策本部長倉田  潤君
東京オリンピック・パラリンピック招致本部長荒川  満君
病院経営本部長中井 敬三君
中央卸売市場長岡田  至君
選挙管理委員会事務局長矢口 貴行君
人事委員会事務局長泉本 和秀君
労働委員会事務局長関  敏樹君
監査事務局長三橋  昇君
収用委員会事務局長野口  孝君

三月二日議事日程第二号
第一 第一号議案
平成二十二年度東京都一般会計予算
第二 第二号議案
平成二十二年度東京都特別区財政調整会計予算
第三 第三号議案
平成二十二年度東京都地方消費税清算会計予算
第四 第四号議案
平成二十二年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計予算
第五 第五号議案
平成二十二年度東京都母子福祉貸付資金会計予算
第六 第六号議案
平成二十二年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
第七 第七号議案
平成二十二年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
第八 第八号議案
平成二十二年度東京都農業改良資金助成会計予算
第九 第九号議案
平成二十二年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
第十 第十号議案
平成二十二年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
第十一 第十一号議案
平成二十二年度東京都と場会計予算
第十二 第十二号議案
平成二十二年度東京都都営住宅等事業会計予算
第十三 第十三号議案
平成二十二年度東京都都営住宅等保証金会計予算
第十四 第十四号議案
平成二十二年度東京都都市開発資金会計予算
第十五 第十五号議案
平成二十二年度東京都用地会計予算
第十六 第十六号議案
平成二十二年度東京都公債費会計予算
第十七 第十七号議案
平成二十二年度東京都多摩ニュータウン事業会計予算
第十八 第十八号議案
平成二十二年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
第十九 第十九号議案
平成二十二年度東京都病院会計予算
第二十 第二十号議案
平成二十二年度東京都中央卸売市場会計予算
第二十一 第二十一号議案
平成二十二年度東京都都市再開発事業会計予算
第二十二 第二十二号議案
平成二十二年度東京都臨海地域開発事業会計予算
第二十三 第二十三号議案
平成二十二年度東京都港湾事業会計予算
第二十四 第二十四号議案
平成二十二年度東京都交通事業会計予算
第二十五 第二十五号議案
平成二十二年度東京都高速電車事業会計予算
第二十六 第二十六号議案
平成二十二年度東京都電気事業会計予算
第二十七 第二十七号議案
平成二十二年度東京都水道事業会計予算
第二十八 第二十八号議案
平成二十二年度東京都工業用水道事業会計予算
第二十九 第二十九号議案
平成二十二年度東京都下水道事業会計予算
第三十 第三十号議案
東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例
第三十一 第三十一号議案
特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三十二 第三十二号議案
市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三十三 第三十三号議案
東京都区市町村振興基金条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
第三十四 第三十四号議案
東京都区市町村振興基金条例の一部を改正する条例
第三十五 第三十五号議案
都と特別区及び特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例
第三十六 第三十六号議案
平成二十一年度分の都と特別区及び特別区相互間の財政調整の特例に関する条例
第三十七 第三十七号議案
東京都知事等の給料等に関する条例の一部を改正する条例
第三十八 第三十八号議案
東京都知事の給料等の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三十九 第三十九号議案
東京都公営企業の管理者の給料等に関する条例の一部を改正する条例
第四十 第四十号議案
東京都附属機関の構成員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第四十一 第四十一号議案
職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
第四十二 第四十二号議案
職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例
第四十三 第四十三号議案
職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第四十四 第四十四号議案
東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第四十五 第四十五号議案
職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
第四十六 第四十六号議案
非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第四十七 第四十七号議案
東京都職員定数条例の一部を改正する条例
第四十八 第四十八号議案
東京都人事委員会委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
第四十九 第四十九号議案
東京都選挙管理委員の報酬及び費用弁償条例の一部を改正する条例
第五十 第五十号議案
東京都選挙管理委員会関係手数料条例の一部を改正する条例
第五十一 第五十一号議案
東京都監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
第五十二 第五十二号議案
東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例
第五十三 第五十三号議案
東京都都税条例の一部を改正する条例
第五十四 第五十四号議案
東京都固定資産評価審査委員会の委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第五十五 第五十五号議案
東京都固定資産評価員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第五十六 第五十六号議案
東京都収用委員会委員等の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第五十七 第五十七号議案
東京都美術館条例の一部を改正する条例
第五十八 第五十八号議案
東京都写真美術館条例の一部を改正する条例
第五十九 第五十九号議案
学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例
第六十 第六十号議案
学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
第六十一 第六十一号議案
東京都教育委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第六十二 第六十二号議案
東京都教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例
第六十三 第六十三号議案
学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第六十四 第六十四号議案
学校職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第六十五 第六十五号議案
東京都教育委員会職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第六十六 第六十六号議案
都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
第六十七 第六十七号議案
東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
第六十八 第六十八号議案
東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
第六十九 第六十九号議案
東京都高齢者円滑入居賃貸住宅登録手数料条例の一部を改正する条例
第七十 第七十号議案
東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
第七十一 第七十一号議案
東京都原子爆弾被爆者等の援護に関する条例の一部を改正する条例
第七十二 第七十二号議案
心身障害者の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
第七十三 第七十三号議案
東京都国民健康保険調整交付金条例の一部を改正する条例
第七十四 第七十四号議案
東京都児童福祉施設条例の一部を改正する条例
第七十五 第七十五号議案
東京都身体障害者更生援護施設条例の一部を改正する条例
第七十六 第七十六号議案
東京都知的障害者援護施設条例の一部を改正する条例
第七十七 第七十七号議案
東京都障害者支援施設等に関する条例
第七十八 第七十八号議案
東京都立病院条例の一部を改正する条例
第七十九 第七十九号議案
東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例の一部を改正する条例
第八十 第八十号議案
東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例
第八十一 第八十一号議案
東京海区漁業調整委員会委員及び東京都内水面漁場管理委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第八十二 第八十二号議案
東京都海上公園条例の一部を改正する条例
第八十三 第八十三号議案
東京都営空港条例の一部を改正する条例
第八十四 第八十四号議案
東京都労働委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第八十五 第八十五号議案
東京都駐車場条例の一部を改正する条例
第八十六 第八十六号議案
東京都道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例
第八十七 第八十七号議案
東京都霊園条例の一部を改正する条例
第八十八 第八十八号議案
東京都葬儀所条例の一部を改正する条例
第八十九 第八十九号議案
東京都河川流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例
第九十 第九十号議案
東京都公営企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例
第九十一 第九十一号議案
インターネット端末利用営業の規制に関する条例
第九十二 第九十二号議案
警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例
第九十三 第九十三号議案
東京都公安委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第九十四 第九十四号議案
警視庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第九十五 第九十五号議案
東京消防庁の設置等に関する条例の一部を改正する条例
第九十六 第九十六号議案
東京消防庁職員定数条例の一部を改正する条例
第九十七 第九十七号議案
東京消防庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第九十八 第九十八号議案
火災予防条例の一部を改正する条例
第九十九 第九十九号議案
東京都美術館(二十一)改修工事請負契約
第百 第百号議案
東京都子ども家庭総合センター(仮称)(二十一)新築工事請負契約
第百一 第百一号議案
都立江東地区第二養護学校(仮称)(二十一)改築工事請負契約
第百二 第百二号議案
東京都美術館(二十一)改修電気設備工事請負契約
第百三 第百三号議案
東京都美術館(二十一)改修空調設備工事請負契約
第百四 第百四号議案
環二朝潮運河橋りょう(仮称)下部工事(二十一 一─環二築地)請負契約
第百五 第百五号議案
包括外部監査契約の締結について
第百六 第百六号議案
東京都と神奈川県との境界にわたる町田市と相模原市との境界変更について
第百七 第百七号議案
境界変更に伴う財産処分に関する協議について
第百八 第百八号議案
全国自治宝くじ事務協議会への相模原市の加入及びこれに伴う全国自治宝くじ事務協議会規約の一部の変更について
第百九 第百九号議案
土地の買入れについて
第百十 第百十号議案
平成二十二年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について
第百十一 第百十一号議案
平成二十一年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担の変更について
第百十二 第百十二号議案
平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第四号)
第百十三 第百十三号議案
平成二十一年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
第百十四 第百十四号議案
平成二十一年度東京都公債費会計補正予算(第一号)
第百十五 第百十五号議案
東京都緊急雇用創出事業臨時特例基金条例の一部を改正する条例

   午後一時一分開議

○議長(田中良君) これより本日の会議を開きます。

○議長(田中良君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(田中良君) これより質問に入ります。
 百二十三番大沢昇君
   〔百二十三番大沢昇君登壇〕

○百二十三番(大沢昇君) 私は、都議会民主党を代表して、都政の主要課題について知事並びに関係局長に伺います。
 昨年の都議会議員選挙を経て、第十八期都議会としては初の、そして、三期目を最後の任期とする石原知事にとっては最後の本格予算となるであろう平成二十二年度予算案を審議する都議会を迎えました。
 もとより議院内閣制とは異なり、知事も私たち議員も、それぞれが都民の審判によって選ばれ、都民福祉の向上、民主主義の発展、活力ある東京の実現に努める責務を担っています。石原知事には知事選挙での公約があるのと同様、私たちもまた、昨年の選挙で掲げたマニフェストがあります。このマニフェストに盛られた施策の実現が、都民に対する約束であります。私たちは、この都民との約束を守るため、今後も全力でマニフェスト実現に取り組んでまいります。
 石原知事との間では、互いに取り組める課題もありますが、中には、新銀行東京の問題や築地市場再整備、八ッ場ダムなど見解の異なる課題もあります。これらについても私たちは、異なる意見を問答無用と切り捨てるのではなく、真撃に議論を積み重ね、都民にとってよりよい方向に都政を前進させていきたいと考えます。
 私たちのそうした決意にもかかわらず、提出予定案件もまとまり、施政方針表明を終えた二十六日の記者会見において石原知事は、副知事四人制について意向を示したと報じられています。強いチームをつくるとも述べられたようですが、任期途中の副知事をこれほどかえられた知事も珍しく、かつ、残る任期一年足らずで強いチームをつくることは可能なのでしょうか。
 しかも、本来、知事を内側から支えるべき特別秘書が、各種事業や庁内組織運営に何ら責任を負う立場にないにもかかわらず、副知事然として振る舞っており、そのことが、だれが副知事になっても強いチームにならない最大原因との指摘が、数多く私たちの耳に入ってくるような状況です。知事はどう認識されているのでしょうか。
 さらに、石原知事みずからが、私たちの総会に出席し同意を求めた副知事が一体何をやっているのかも見えません。このような中で、副知事四人制、強いチームについて、まず知事の真意を伺います。
 その上で、提案された各議案については、最終的に、だめなものはだめと決断させていただきますが、それまではともに汗をかくことを誓い、質問に入ります。
 次に、平成二十一年度補正予算案と平成二十二年度予算案、そして「十年後の東京」実行プログラムについて伺います。
 平成二十二年度予算案における都税収入の見込みは、福田総理と石原知事の会談を経て決められた法人事業税の一部国税化の影響もあり、二年で一・一兆円の大幅な減収となりました。月例経済報告では、景気は持ち直しているが、自律性に乏しく、失業率が高水準にあるなど、依然として厳しい状況にあるとして、その先行きは持ち直しの傾向が続くことが期待される一方、下押しリスクの存在にも留意すべきとしています。
 都内経済において、全国地方銀行協会の「地方経済の状況」では、乗用車販売、輸出、生産活動などが持ち直し、公共工事が堅調なものの、個人所得の減少や企業収益の伸び悩みから、個人消費、住宅建設、設備投資が引き続き低調であると評価しています。
 こうした中、都は今後の景気動向と税収見通しをどう見ているのか、所見を伺います。
 都は、二十一年度、企業収益の悪化に伴う五千二百十三億円の税収減を受け、平成十年度、十一年度に匹敵する減収補てん債を発行するとともに、東京都住宅供給公社からの貸付金の繰り上げ償還を受け、財政調整基金を取り崩すなどして、二千十九億円の歳入を確保いたしました。
 歳出では、計画どおり進捗しない事業や予定とした規模に及ばない事業などを精査、減額し、都債の借りかえの抑制をやめるなどして、三千百九十四億円を削減いたしました。こうした歳出削減が都民サービスに支障を来すことは可能な限り避けなければなりません。
 都は、最終補正予算案の編成において留意した点について、所見を伺います。
 また、国の二次補正予算を計上することによって、この補正予算にどのような効果を期待しているのか、所見を伺います。
 アメリカ発金融危機による都民生活や都内中小企業への影響に対して、都は、平成二十年度から二十一年度の期間で、予算規模が約一千七百十三億円の緊急対策を行っております。その中身は、緊急融資制度の拡大や信用保証料補助などの中小企業支援、ネクストジョブ事業や五十万人分の公的雇用を生み出す雇用確保対策、再就職を目指す離職者への緊急無利子融資、小中学校の耐震化など都民の不安にこたえる生活者支援、公共工事の年度内発注量をふやすなど、中小企業活用による都市インフラの整備です。
 都は、その財政機能を発揮し、都民生活や都内経済の安定を図ってきたところですが、これらの緊急対策によって、都民の不安がどのように解消され、企業が下支えされてきたのでしょうか。都の緊急対策の効果について、所見を伺います。
 一般会計は、二十一年度当初予算と比較して五・一%減の六兆二千六百四十億円となりました。規模としては、平成二十年度から二年連続の減となり、石原都政の初年度である平成十一年度当初予算と同レベルの予算案となりました。
 十七の特別会計は、税収減による地方消費税清算会計などの減、償還が減ったことによる公債費会計の減など、六・八%減の三兆九千九百億円となりました。
 十一の公営企業会計は、豊洲新市場の用地取得などによる中央卸売市場会計の増、大江戸線建設の企業債償還増による高速電車事業会計の増などにより、一一・〇%増の二兆一千六百八十三億円となりました。
 そして、全会計の合計は三・二%減の十二兆四千二百二十三億円で、東京の現在と将来に対して都がなすべき役割を積極的に果たしていくこととしています。
 都議会民主党も、今後も引き続き、都民の命と生活を守る都政の前進に努めていく考えですが、石原知事が本予算案において特に重視した点は何か、所見を伺います。
 税収が今後も伸び悩むと予測される中、都は健全な財政運営を行う必要があります。二十二年度の予算編成においては、歳出のさらなる精査や事務事業評価、財政調整基金の慎重な繰り入れなどが行われました。今後は、包括外部監査報告の指摘、意見にもあったような、例えば監理団体の業務や公共事業などにも聖域のない評価を行うことで、事業を効率化し、事業範囲を再構築していくことが大切です。また、基金や都債も有効に活用していく必要があります。
 一方、二十年度から続く緊急対策のように、都民に還元する投資や、経済の構造改革につながる環境整備といった経済政策を実施するなど、予算を最大限確保していくことも大切です。
 これらの都民に対する施策の前進と健全な財政運営に引き続き取り組むことで都民福祉の向上につなげていくことが重要と考えますが、所見を伺います。
 また、中長期的に都政の重要課題に取り組むため、人材や組織の活用にも配慮する必要があり、これらの基本的な考え方についても所見を伺います。
 都が単年度予算の欠陥を補う「十年後の東京」計画を策定してから三年が経過いたしました。オリンピック招致色も一掃され、住みやすい、魅力ある都市東京に向けての取り組みが期待されます。
 昨年十二月、この「十年後の東京」計画に対して都政モニターアンケートが行われ、施策の関心では、一位が震災対策、二位が高齢者への対応、医療の充実の結果となりました。いつか来る震災と東京の現状、少子高齢社会が急速に進む東京、そして医療問題と、都民の関心が高い事項をよく理解できます。
 しかし、建物の耐震化や高齢者施設の整備、待機児童対策など、なかなか進捗しない施策が散見されます。都は実行プログラム二〇一〇を公表しましたが、今後も、都民や区市町村などと共通認識を持つような連携や、違った新たなアプローチ方法などを取り入れ、計画の実現を図っていくべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、築地市場について伺います。
 二月十八日、現在地再整備を求める市場関係者を初め、おすし屋さんや料理学校の理事、あるいは築地を愛してやまない人たちが、二十一世紀築地プロジェクトを立ち上げ、現在地再整備の具体案を発表いたしました。
 青果だけを一時仮移転させる案だけでなく、水産、青果の一部をあわせて仮移転させる案や、あるいは、仮移転ではなく、転配送などの物流機能を築地と切り離して移転させる案も示されました。そして、それぞれの案について、具体的なローリング手法や事業費、整備スケジュールも示されるなど、少なくとも検討のたたき台となるには十分な案ではないかと考えます。
 また、都議会民主党のプロジェクトチームは、著名な建築家の方からも別の具体案についてヒアリングしております。
 こうした案をベースに検討を開始するならば、世界から多くのアイデアや具体案が寄せられるものと確信をしています。
 石原知事は、土壌汚染対策の技術会議でも、民間からの英知を募り、最新の技術、工法によって困難な問題を乗り越えようとしました。同様に、私たちも、現在地再整備という困難な課題が解決できないのかどうか、もう一度、多くの英知を集めるなどして、再検討をすべきであると考えます。
 私は、築地市場の現在地再整備の再検討について、石原知事の所見を伺います。
 私たちは、シンポジウムや公開討論会など、都民の声を幅広く聞く場を設けるべきだと主張してまいりました。昨年十二月の私たちの代表質問に対して、東京都は、わかりやすい都民説明会の開催など、都民の一層の理解が得られるよう努力していくと答弁していますが、私たちの主張は、説明するにとどまらず、都民の意見を聞くべきだということです。
 例えば、生活文化スポーツ局の前身である生活文化局では、平成十五年九月十八日に、新銀行はどうあるべきかなどとした新銀行創設のeモニターアンケートを実施しています。新銀行でできて築地市場でできないわけはありません。東京都の実施する世論調査やモニターアンケートにおいて、築地市場の移転に関して都民の意見を聞くべきだと考えますが、所見を伺います。
 また、市場関係団体六団体のうち五・五団体が移転推進派だという話も聞きますが、水産仲卸は現在地再整備という機関決定を変更したわけではありませんし、加えて、青果の仲卸は、業者の数でいえば移転反対の方が多いのではないかともいわれています。築地市場の関係業者は、水産では卸で七社、仲卸で七百六十社、売買参加者で三百二十七社おり、青果では、卸、仲卸、売買参加者で九百社、関連事業者で百六十七社、買い出し人を含めるとさらに多くの業者が関係業者といえるでしょう。
 私は、こうした市場関係業者に対して意向調査を実施し、市場関係業者の本音を把握すべきであると考えますが、所見を伺います。
 次に、平成二十二年度の豊洲関連予算案について伺います。
 予算案は、豊洲関連予算として、用地購入費の一千二百六十億円を初め、土壌汚染対策費や関連工事費などで計一千二百八十一億円が計上されています。しかしながら、現在地再整備ができるのかできないのかの再検討さえされない中では、到底認めることができません。また、用地取得に関しては、汚染原因者である東京ガスの負担さえ明らかではありません。
 私は、東京ガスからの用地購入費を提案するのであれば、まずは、汚染原因者である東京ガスの負担がどうなったのかを明確にすべきであると考えます。昨年二月十九日に当時の副知事が東京ガスに協議を申し入れて一年がたちますが、東京ガスとの協議はどのようになっているのか、いつごろ明確になるのか、所見を伺います。
 次に、環状二号線について伺います。
 環状二号線の中央区晴海四丁目から銀座八丁目までの区間については、そもそも地下方式で整備される計画でしたが、築地市場の移転を前提に地上化に変更されたという経緯は、前回の代表質問でも触れました。
 ところで、今定例会では、この晴海四丁目から銀座八丁目までの区間である晴海五丁目付近の朝潮運河橋梁の工事が提案されています。仮にこの工事を認めると、現在地再整備の再検討の選択肢を狭めるのではないかと懸念するものであります。築地地区の道路構造を地下方式に再変更した場合でも朝潮運河橋梁の工事には影響がないのか、所見を伺います。
 豊洲関連の質問の最後に、土壌のコアサンプルについて伺います。
 この間、経済・港湾委員会では、参考人招致による活発な質疑を通じて、専門家の方々からさまざまな意見を伺ってきました。特に、専門家会議の座長であった平田健正先生からは、これまでの東京都の説明や見解と食い違う発言もありました。詳しくは予算特別委員会に譲りますが、例えば、土壌のコアサンプルの保全と開示について、平田座長は、互いに話し合いの場を持って同じ情報を共有するのが一番の基本で、そういう意味では、十分な説明は必要だし、説得ではなく、相手に理解をしていただく取り組みが必要だと述べています。かたくなに開示を拒んでいる東京都とは大きく認識が違うように思います。
 私は、コアサンプルの廃棄について、裁判で争うのをやめ、その保全と開示に取り組んでいくべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、新銀行東京について伺います。
 去る一月二十九日、新銀行東京は、元代表執行役である仁司泰正氏及び元執行役である丹治幹雄氏に対してようやく損害賠償請求訴訟を提起いたしました。まさにようやくといった感があります。
 石原知事は定例の記者会見で、訴訟は結構なこと、厳粛に見守りたいと述べました。しかし、新銀行東京の失敗については、見守るだけではなく、旧経営陣の責任はもとより、設立時における過大なマスタープランを初め、新銀行設立以降も拡大路線を強要し続けた東京都の責任など、徹底的に検証していかなければなりません。
 仁司氏、丹治氏による反論は、いずれ裁判を通じて明らかになってくるものと考えますが、石原知事はこれまで、旧経営陣の責任だということを強弁されてきたわけですから、例えばみずからが証言に臨んだり、東京都に証拠書類を提出させるなどして、真相究明に積極的に協力していくべきであると考えますが、石原知事の所見を伺います。
 また、昨年二月十七日、新銀行東京は、そのほかの取締役七名に対する報酬の自主返納を発表しました。取締役についても善管注意義務違反に基づく責任があるとした上で、その責任については一定の限度があるとして、訴訟によらず自主的に解決する道をまず設けることがふさわしいとの理田によるものです。二月十六日の新銀行特別委員会において、東京都は、全員の返納が終わっていないという報告を受けていると答えていますが、そもそも取締役の人選についても東京都は承知していたはずであり、早期に返納させるべきではないでしょうか。
 新銀行東京の旧経営陣のうち、自主返納を拒んでいる状況について、石原知事はどのように認識しているのか伺います。
 二月十六日の特別委員会の質疑において、東京都は、主要株主の責任として、監視を含めて株主責任はあると答弁しました。その上で、経営に関与する度合いは、経営者、取締役会、株主とは異なり、まずは旧経営陣の責任が追及されるべきとの認識を示しました。まずは旧経営陣ということで、いずれ東京都の責任も明らかにするともとれなくもありませんが、少なくとも東京都には、今回の訴訟の対象となっていない、開業から旧経営陣が善管注意義務違反に問われる間のデフォルトの責任や新銀行東京の過大なインフラの設備投資など、挙げればきりがない多額の損失を招いた責任についても、外部の専門家などを活用し徹底的に検証すべきと考えますが、都の所見を伺います。
 次に、産業振興について伺います。
 昨年末、鳩山政権は、新成長戦略の基本方針を閣議決定し、政治的リーダーシップにより、環境・エネルギー、医療・介護などの健康という日本の強みを生かせる分野で、需要からの経済成長を目指すとしています。
 東京都においても、新規に都市課題解決のための技術戦略プログラムとして、医療、環境や福祉などでの課題を解決するための製品の開発から実用化、販路開拓まで一貫した支援を行うこととしています。
 今後、ロードマップの策定が期待されますが、東京都として、環境・エネルギーあるいは医療・介護などの健康分野で成長産業の支援に何を期待し、どのように取り組んでいくのか、所見を伺います。
 また、東京には、健康やアニメ産業などに見られるように、一定の地域における産業集積が見られ、これらをネットワーク化するとともに、それに見合った企業や研究機関などの誘致を支援するなどして、地域の特性に合った産業の振興に取り組んでいくべきと考えます。
 例えば、報道機関などを臨海部に誘致し、汐留やお台場などと連携したメディア産業の集積という大胆な構想も、いずれは検討されるべき課題だとは思いますが、当面は、健康や医療・福祉、アニメなど、地域の特性に合った産業の集積に取り組む区市町村に対して積極的に支援するとともに、地域の特性に合った産業の創業を促すためのインキュベーション施設の整備についても積極的に支援するなど、地域における産業集積に積極的に取り組んでいくべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、多摩シリコンバレーの形成について伺います。
 二月二十二日、産業サポートスクエア・TAMAの開所式が行われました。平成二十三年度に江東区青海で開設が予定されている区部産業支援拠点とともに、あらゆる企業ニーズに対応できる、頼られる産業支援拠点となることを期待するものです。
 この産業サポートスクエア・TAMAでは、計測・分析器、半導体・電子デバイス、ロボットなどの多摩地域の産業特性に応じた技術支援を行うと聞いていますが、こうした取り組みは、多摩シリコンバレーを形成していく上でも極めて重要であると考えます。
 そこで、多摩シリコンバレーの形成に向けて、この二月に開所した産業サポートスクエア・TAMAはどのような役割を担っていくのか、所見を伺います。
 次に、中小企業融資について伺います。
 明るい兆しが見えつつあるなどとはいえ、海外の下振れ懸念など、今後の社会経済状況が不透明な中で、東京都としても、中小企業の資金需要に適切に対応していかなければなりません。
 私たちは、使われぬ基金を積んだまま放置するのであれば、一時的にでも民間の金融機関に預託金として預け、中小企業の資金需要に役立てるべきと主張するとともに、百年に一度といわれる経済状況の中で、さらなる中小企業の負担軽減を求めてまいりました。
 東京都は、二十二年度予算案における制度融資の規模や中小企業の負担軽減策について十分であると考えているのか、所見を伺います。
 また、昨年九月からスタートした東京都と地域の金融機関とが連携して実施する金融支援については、私たちの要望に沿う形で取扱金融機関も拡大していると、前回の代表質問でも申し上げました。予算案では、この融資規模を百億円上乗せし、六百億円にまで拡大しており、資金繰りに苦しんでいる中小企業を積極的に支援していこうという姿勢がうかがえます。
 そこで、東京都と地域の金融機関とが連携して実施する金融支援に対する評価と今後の取り組みについて、所見を伺います。
 次に、雇用対策について伺います。
 一昨年秋の世界的な金融危機により落ち込んだ景気は、いまだ回復への足取りが重く、雇用情勢も依然として厳しい状況が続いております。都は、今回拡充する基金を有効に活用して、雇用創出事業をさらに積極的に実施し、離職者の方々の当面の雇用の場をしっかりと確保していくべきと考えます。
 また、離職者に対する支援は、雇用の確保のみならず、生活や住居など生活面での支援、さらには職業訓練や就業支援など多様な支援策が用意され、国においても各種の施策が講じられておりますが、その反面、どこでどんな支援が受けられるのかわかりにくい状況も生まれているのも事実であります。
 国は昨年、都や地元自治体の協力により、離職者の相談に一元的に応じるワンストップサービスデーを実施しましたが、都としても、必要な方に必要な支援が届くよう離職者向け広報を一層強化して、的確な情報をいつでも提供できるような方策を検討すべきであります。
 そこで、緊急雇用創出事業の今後の取り組みと離職者向け広報の強化について、あわせてお伺いいたします。
 このような離職者に対する支援とともに、働いている方々への支援も大変重要なことであります。厳しい雇用状況が続く中、給料の未払いが三カ月間続いている、経営悪化を理由にボーナスが支給されない、長年勤めた会社から突然解雇通告を受けたなど、生活基盤を脅かす問題が労働者を直撃しております。これから年度末に向けて、解雇や雇いどめ、退職強要、賃金未払いなどが増加するのではないかと危惧するところであります。
 こうした労働者が置かれた深刻な状況に対して、行政の支援が不可欠であり、都は、相談などの支援を充実強化していくべきであります。
 また、雇用をめぐるトラブルの多くは、労働法令が守られていないことに起因をしております。労働法令の改正が繰り返される中、その内容を正しく理解することが困難な中小企業もあります。このため、都はさまざまな手法を使って企業に対して積極的に法令の周知を図っていくことが重要であると考えます。
 そこで、解雇や賃金不払いなど、こうした厳しい状況に直面している労働者への支援の強化や企業の法令遵守の徹底について都はどのように取り組むのか、所見を伺います。
 次に、環境政策について伺います。
 温室効果ガス排出量削減のため、東京都を低炭素型都市として転換させる必要があることは多くの人が認めるところであり、知事もたびたびこの点について触れられています。そのためにも、環境政策とエネルギー政策の融合が極めて重要と考えます。
 東京は、エネルギー利用の密度が高い、大規模な開発が多い、都市排熱を含めた未利用エネルギーがまだまだ豊富にあるなど、大都市ならではの特性があります。これらの特性を最大限活用するためには、複数のビル、街区単位での効果的なエネルギー融通による効果的な省エネ、省CO2、再生可能エネルギーや未利用エネルギーのさらなる積極活用など、エネルギーの地域での有効利用やネットワーク的利用が極めて重要であると考えますが、所見を伺います。
 このような、東京にふさわしい再生可能エネルギーや未利用エネルギーの活用を強力に推進していくためには、民間事業者による利用促進を図ることはもとより、都内最大の事業者である東京都みずからが、全庁一丸となって再生エネルギーなどの積極的な活用を推し進めるべきであると考えます。既に都は、副知事を筆頭としたカーボンマイナス都市づくり推進本部という全庁横断型の組織のもと、都有施設に再生可能エネルギーなどの導入を図る施策を進めていますが、これまでの取り組み状況と今後の展開について伺います。
 一方、都は昨年四月、住宅用太陽エネルギー利用機器の補助制度を設け、その利用拡大を進めています。こうした身近な再生可能エネルギーを普及していくことは、都が進める気候変動対策として大変有効だと思いますが、住宅だけでなく、産業や業務部門での太陽エネルギー利用機器の普及を拡大していく必要があると考えます。
 そこで、間もなく一年を迎える住宅用太陽エネルギー利用機器補助制度のもたらした効果とともに、さらなる太陽エネルギー利用機器の普及拡大に向けての所見を伺います。
 気候変動の緩和、低炭素社会への転換に向けては、再生可能エネルギーの活用が切り札として考えられます。現在、東京都は、太陽エネルギーや風力など再生可能エネルギーの利用拡大の取り組みを行っておりますが、さらなる再生可能エネルギーの利用拡大を進めるべきと考えます。
 そこで、今後の再生可能エネルギーの利用拡大に向けて、改めて知事の認識を伺います。
 次に、木材の利用について伺います。
 この間、国において、例えば赤松農水大臣が公共建築物に国産木材の使用を義務づける公共建築物木材利用促進法案を通常国会に提出する意向を示し、コンクリートから木へというスローガンを使っているようです。東京都においても、現在、多摩産材の公共利用について、道路のさくや公園のベンチあるいは都営住宅などでの木材利用が進められていますが、温暖化対策などさまざまな社会的要請がある中で、さらに踏み込んだ取り組みが必要であると考えます。
 そのためにも私は、官公庁などの内装材はもとより、リラックス効果などの効用が求められる、例えば学校などの教育施設を初め病院や保育所などの施設では、木材の利用検討を義務づけるなど、木材の公共利用をさらに一歩進めるべきだと考えます。多摩産材の公共利用の拡大について都の所見を伺います。
 また、私の地元江東区には、木場という、まさに江戸時代から東京の木材需要を担ってきたまちがあり、地域の関係者からは、木材利用を大胆に進める上での象徴として、建設が予定されている木場、新木場、臨海部の消防署あるいは消防施設で木材を利用できないかという提案もなされていると聞いています。
 そこで、火に弱いイメージのある木材を、あえて防火を担っている消防庁舎、とりわけ木場、新木場、臨海地域で利用していくことで、木材の公共利用拡大の先駆けとなっていただきたいと考えるところです。木場、新木場、臨海部地域の消防庁舎への木材の利用について所見を伺います。
 温暖化対策が急務となっている中で、カーボンニュートラルなエネルギーである木質バイオマスの活用も強く求められています。東京都では、下水の汚泥を焼却する際に木質バイオマスの活用を図り、都市ガス使用量の削減に取り組んでいますが、大量に発生している間伐材など林地残材については、ほとんど利用されてない状況にあると聞いています。これら利用を進めるに当たっては、大口需要者への供給体制の確立が求められるところですが、公共施設や一般家庭など小口需要者の開拓を進め、すそ野を広げていくことも重要です。
 先日、山形県の村山市で、市庁舎や小中学校などで使う電気の大半を、間伐材などを燃やして発電することで賄うとしたことが報じられていました。東京都においても、多摩産材の木質バイオマスを活用した温暖化対策を進めることで、地域の産業振興に大きく役立つと思われますが、区市町村と連携した木質バイオマスの利用促進に向けて都の所見を伺います。
 次に、交通政策について伺います。
 現在、羽田空港では、再拡張事業がことし十月の供用開始を目指して進められています。供用開始後には、国際定期便については、昼間だけでなく、騒音問題によって成田空港が閉鎖されている二十三時から翌六時の深夜、早朝時間帯においても就航され、成田空港とあわせて首都圏空港一体として国際空港機能の二十四時間化、いわゆるハブ空港化の実現が目指されています。
 しかし、私たちは、空港機能だけが二十四時間化されたのでは都市の交通機能全体としては不十分であり、鉄道やバス、そして機動的なタクシーなどの公共交通機関も、その特性に合わせて連動して二十四時間化に対応すべきではないかと考えます。そもそも、どれだけの需要があるのかどうかを初めとして、さまざまな課題があることは承知をしておりますが、これらの課題を含め、羽田空港のハブ化に伴う深夜、早朝便に対応した空港アクセスについて検討すべきと考えます。新滑走路供用開始後の当面の対応について所見を伺います。
 東京港は、首都圏四千万人の生活と産業を支える国際拠点港であり、コンテナ取扱数は十一年連続して日本一であります。背後圏のインフラも充実しており、既にポストパナマックス船に対応した港湾計画も策定されています。
 知事は、さきの施政方針において、東京港、川崎港、横浜港の三港が一体となって港湾施設の利用コストを低減し、利便性も向上させるとともに、国内各地と有機的に結びつく道路など国内ネットワークを形成することで貨物の集荷を強化し、港湾機能をさらに高めていくことに言及されました。
 国では、港湾整備の選択と集中を図るべく、平成十六年度に、京浜港、阪神港、伊勢湾をスーパー中枢港湾として指定しましたが、昨年十月に、これをさらに絞り込み、国際戦略港湾として育成することを表明しております。私たちは、首都圏のみならず、日本全体の経済を支えるという観点からも、この国際戦略港湾に京浜港が選定されるべきと考えますが、京浜港の国際戦略港湾としての選定に向けた今後の取り組みについて所見を伺います。
 京浜港、羽田空港での国際物流機能の強化とあわせて、首都圏三環状道路など広域的な道路網整備を進め、陸海空による広域物流ネットワークを構築することも重要であると私たちは考えます。
 特に、国際海上物流に使われる貨物用コンテナの大型化が国際的に進む中で、陸揚げ後の国内輸送に対応するための道路網整備のおくれが問題になっています。現在、日本で主力となっている海上コンテナはISO規格の四十フィート背高が主流ですが、日本の最大の貿易相手国であります米国や中国の間では四十五フィートコンテナが急速にふえております。
 しかし、日本の道路では、この四十五フィートコンテナはおろか、現在の四十フィート背高でさえコンテナ物流ネットワークとして十分に機能していないのが現状であります。今後の国際コンテナ物流に対応した道路網整備について所見を伺います。
 東京の地下鉄は都営地下鉄と東京メトロの二つの事業者によって運営されています。
 このため、例えば情報案内がわかりにくくサービス内容が異なるなど、利用者の利便性を損なっている面があります。都営地下鉄では、ICカード乗車券PASMOの導入により乗り継ぎの円滑性が飛躍的に向上しましたが、さらなる地下鉄利用者の利便性向上のため、例えば乗り継ぎ割引制度の拡充や情報案内の統一など、都営地下鉄と東京メトロの地下鉄サービスの一体化をより推進すべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、防災対策について伺います。
 さきの施政方針の中で知事は、国の平成二十二年度予算案に関して、苦しい財政をやりくりして取り組んできた区市町村もはしごを外されたとしかいいようがないなどと、公立学校施設の耐震化のための予算を民主党政権が大幅に削ったかのような発言をなされました。
 しかし、これは事実と全く異なります。公立学校施設整備費の総額は、平成二十一年度当初予算の一千五十一億円に対して、二十二年度の概算要求額は三十五億円増額要求しています。これに対する査定の結果、二十二年度予算案は一千三十二億円で、前年度比二%の減額となっておりますが、公立学校施設整備費の概算要求額が査定後減額されたということについては、自民党政権時代とも同じです。また、このうち耐震化関連予算は、平成二十一年度当初予算の七百八十三億円に対して、二十二年度予算案は九百十億円、前年度比一六%増の、耐震化棟数も、二十一年度の約千九百棟から二十二年度は約二千二百棟と、耐震化に重点化されていることは明らかであり、昨年度と比較して耐震化により重点を置いた予算配分になっています。
 知事は、平成二十一年度当初予算の公立学校整備費一千五十一億円に補正予算の二千七百七十八億円を加えた三千八百二十九億円と比較しているのかもしれませんが、これはそもそもその比較の仕方がおかしいとしかいいようがありません。
 また、補正予算に関しては、今月二日の衆議院本会議において鳩山総理大臣は、平成二十二年度予算の早期成立後、その執行状況を踏まえ、二兆円の経済対策枠などの活用を明言し、今後の補正予算の編成の可能性についても触れております。一体どのような根拠に基づき、どのような意図を持ってさきの発言をなされたのか、石原知事の所見を伺います。
 都内における木造住宅密集地域は、現在、約一万六千ヘクタールに及びますが、都の防災都市づくり推進計画では、七千ヘクタールを震災時の甚大な被害が想定される整備地域として指定しています。この選定基準は、地域危険度のうち、建物倒壊危険度が五及び火災危険度が五に相当し、老朽木造建物棟数率が四五%以上の町丁目を含み、平均不燃領域率が六〇%未満である区域とその連担する区域となっております。
 都は、整備地域内における木造住宅の耐震化について助成を行っていますが、私たちはこれまで、対象の拡大に向けた第一段階として、建物倒壊危険度五の地域すべて、もしくは建物倒壊危険度と火災危険度がともに五である地域すべて、制度の適用対象地域として取り扱うよう求めてまいりました。
 地域危険度は、平成十四年公表の第五回地震に関する地域危険度測定調査報告書のデータから、平成二十年公表の第六回地域危険度測定調査結果のデータに更新され、これに合わせて防災都市づくり推進計画もこのほど改定されています。この見直しの結果、建物倒壊危険度と火災危険度がいずれも五である二十五地域のうち、整備地域に指定されなかった地域は一地域だけとなりました。
 一方で、建物倒壊危険度五に該当する地域は八十四地域ありますが、このうち二十三地域が整備地域になっていません。これらの地域も木造住宅の耐震診断、耐震改修助成制度の適用対象地域として取り扱うよう、対象地域を拡大すべきと考えますが、都の所見をお伺いいたします。
 知事は施政方針の中で、民間建築物の耐震化は現在の法律では努力義務にすぎず、その実施が建物所有者にゆだねられていることから、対策の進展に限界があるため、震災時の応急活動に及ぼす影響が大きい建物について、耐震診断の義務化など都独自の規制誘導策の検討を進めるべきと述べられました。検討の対象は緊急輸送道路沿いの耐震化助成に絞られるようですが、耐震化助成制度の利用が進まないのは、基本的には、耐震化にかかる費用の自己負担をどこまで軽減できるかが大きな要因となっているであろうことはおおむね共通をした認識ではないでしょうか。
 この認識は、緊急輸送道路沿いの建物に限らず、木造住宅の場合でも同様であり、そうであるならば、民間建築物全体を検討の対象とすべきと考えます。建築物の耐震化促進に向けた規制誘導策の検討を進めるに当たっての都の基本的な考え方について所見を伺います。
 こうした地震に強いまちづくりを進めると同時に、震災時にどのように行動するのか、特に災害弱者への対応はなかなか実効性のある取り組みが進みにくい課題です。災害時、自力での対応が困難であると考えられる高齢者や障害者など、いわゆる災害弱者を円滑に避難誘導し安全を確保することは、避難をどのように行うのかを想定した計画を立てて備えていくことが欠かせません。
 ところが、災害弱者の避難計画策定は、これまでのところ、都内区市町村の三分の一しか済んでいません。区市町村を強力に支援し、早急にすべての区市町村で策定されるようにすべきです。あわせて、計画に実効性を持たせるため、区市町村における主体的取り組みをも支援していくべきと考えますが、都の所見を伺います。
 聴覚障害者にとって、音声による情報を把握することは困難であり、外見上は障害を持っているのかどうかわかりにくいため、周囲の人たちも支援の手を差し出しにくい状況があります。そのため、円滑な避難誘導及び安全を確保できるよう、情報を的確に提供するなど一層の対策が必要です。一つの方策として、公共機関の建物に、光による警報装置や事態の状況を知らせる文字表示装置など、障害者に配慮した避難誘導設備を整備することは、聴覚障害者に災害などの緊急事態発生を知らせ、迅速に避難誘導するため、極めて有効な方策であり、これらを普及させていく上で、都が導入を支援していくことは大変効果的であると考えます。
 そこで、区市町村が公的機関の建物に聴覚障害者に配慮した警報装置や避難誘導設備を設置した場合、都として支援を行うべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、医療施策について伺います。
 まずは東京ルールの検証についてです。
 東京ルールにより、都民にとっては、いわゆるたらい回しや搬送調整に長時間を要する案件をなくし、でき得る限り迅速に診察を受けられることを目指しています。しかし、医療現場にとっては、医師不足などの状況は従来と急には変わらない中での新たな枠組みであります。
 そこで、東京ルール稼働からの実施状況を踏まえ、効果と課題を検証することが必要と考えます。この仕組みをより効果的に運用するため、地域救急医療センターに対するさらなる支援や、医療機関同士の情報共有システムなどベストな環境を提供できるよう、さまざまな方策を真摯に検討していくべきと考えます。所見を伺います。
 長い時間かかって進行してしまった医療崩壊、医師不足はすぐには解決することはできません。そうした中で、国においては、現在、医療の立て直しに向けて診療報酬改定が行われており、チーム医療推進に向けた検討も進められております。
 中でも、医師が担っている業務のうち、医師でなくともできる業務をクラークや看護師などのほかの医療従事者と分担し、負担軽減を図り、医師としての仕事に専念できる体制を構築していくことは非常に重要なテーマです。
 例えば、チーム医療の一員として自立的に動いたり、救急医療におけるトリアージを担うことのできるいわゆるNPや、救急や感染症など各分野ごとに専門性を高めた看護師は、今後ますます医療現場で必要性が高まる人材であります。医師確保、医師の離職防止対策を進めるとともに、次なる施策として、臨床能力の高い医療スタッフを育成、配置することで、病院の医療の質を高め、生産性を高めていくことを都としても支援することが必要と考えます。チーム医療の推進に向け、積極的に検討をすべきであると考えますが、所見を伺います。
 NICUの整備について伺います。
 従来、新生児人口一万人に対して二十一床でしたが、国基準が一万人対二十五から三十床と見直されました。東京都はこれまで、NICUを拡充していくという方針は示していたものの、具体的な目標値を明らかにしておりませんでしたが、国の基準見直しに伴い、ようやく目標を明らかにし、整備を進めることとしました。
 民主党はかねてより、低体重出生児の動向に合わせて目標値を定め、少なくとも一・五倍にすべきと求めてきたところであり、都としても整備目標を従来の一・五倍としたことを歓迎いたします。この目標を達成していくためには、現在の小児科医師不足、病院勤務医師の激務という状況下で、手厚い人員を必要とするNICUへの人員確保が課題となります。都としてどのように取り組むのか、伺います。
 NICUへの長期入院児の中には、GCUやPICUを初めとした後方病床の不足や、小児訪問看護などの在宅医療環境の不備などが理由となっている子どもも多くいるといわれております。また、スムーズな移行を促進するためには、医師、看護師、保護者のコミュニケーションギャップを解消したり、福祉制度や地域医療との連携などのマネジメントを行い、トータルケアの体制を構築していかなければなりません。NICUの長期入院児の退院促進と地域移行支援は、貴重な医療資源の有効活用、健康上課題のある新生児の適切な療育、育成環境確保といった観点から一層推進していかなければなりませんが、都の取り組みを伺います。
 次に、がん対策について伺います。
 がん対策は、まず何といっても早期発見により早期治療につなげることが大切であります。受診率をアップし、目標の五〇%に向けて取り組むとともに、その検診において早期発見につなげるためには、検診医のブラッシュアップが大切であり、全力を挙げることが必要です。
 中でも、民主党は、ワクチンで発症を防ぐことのできる唯一のがんである子宮頸がんワクチンの接種推奨と公費助成を求めてきました。
 子宮頸がんは若年女性に多く発症するがんであり、最近増加傾向にあります。二十二年度予算の復活要望でも、唯一予防できるがんである子宮頸がんワクチンへの公費助成と、その効果や必要性に関する普及啓発を行うための予算を求めました。全国で年間約一万六千人以上が罹患し、約二千五百人が死亡していると推定されていますが、この原因は、女性の七から八割が感染するといわれるヒトパピローマウイルスのうち、子宮頸がん全体の六から七割の原因である種類のウイルスに有効とされています。改めてHPVウイルスワクチンへの助成と接種を推奨するための取り組みを求めるものですが、都の所見を伺います。
 専門的ながん診療機能の充実を図るため、都内には、地域がん診療拠点病院、都道府県認定がん拠点病院が設置されております。都民に安心かつ適正ながん医療を提供することを目的としています。これらの病院は、都内のがん医療水準向上を牽引する役割を果たすものであり、現在の拠点病院十四カ所、認定病院十カ所から大幅な拡充が必要と考えますが、所見を伺います。
 がん専門医の認定が行われ、一定以上の資質を持つ医師が登録、公表されました。ここ数年で、医療の均てん化、すなわち都内全域における質の高いがん医療の提供体制に向け、さまざまな進展が見られています。
 その中で、拠点病院と地域医療機関との連携によるシームレスながん医療、療養等についても体制整備を進めていかなければなりません。医療機関同士の連携ツールとしてクリティカルパスがありますが、がん医療の場合、これに加えて、患者側の説明と納得を求める気持ち、闘病生活への不安にこたえていくためのツールとしても活用できる形で東京都版がん手帳を作成し、活用していくことが求められています。
 都はさきごろ、試行版として東京都地域連携クリティカルパスを作成し、今後、全都展開する予定と聞きますが、どのようなものとし、どのように活用していくのか、所見を伺います。
 平成十八年のがん対策基本法策定時より、どこに住んでいても標準的なあるいは高度ながん医療を受けられるようにする、そして、地域ごとのがんの特性に応じた対策を推進していくために、院内がん登録の標準化と精度向上、さらには地域がん登録を早急に実現することを求めてきました。都は、平成二十五年度以降の地域がん登録を目指しており、地域によって異なるがんの発生動向やその対策を進めることが期待されています。一部自治体では、がん条例を制定し、自治体を挙げての対策に動き出しているようです。都では、院内がん登録のデータ収集を行うとともに、がん登録の普及啓発を行うと聞いています。地域がん登録の実現、院内がん登録の精度向上について都の取り組みを伺います。
 次に、子育て支援について伺います。
 まずは待機児童解消に向けた対策についてです。
 都は、保育サービスの整備計画について前倒しをし、実施してきました。私たちは、さらに保育サービス拡充緊急三カ年事業の期間延長、計画を上回る保育所整備を求めてきました。雇用情勢は改善せず、サラリーマン家庭の所得も減少している中、主婦のパート労働や求職活動に伴い、保育ニーズは引き続き増加し続けており、待機児童数もふえております。そこで、来年度以降の保育サービスの拡充について伺います。
 次に、認証保育所の定員拡大について伺います。
 認証保育所は、直接契約、十三時間以上開所、スポット利用など、都民が抱える多様な保育ニーズに対応する新たな公的保育として定着し、拡大し続けています。しかし、補助単価などの面で課題があり、そのポテンシャルを十分に生かし切れてない部分があったことも事実です。
 すなわち、定員三十一名を超えると急激に補助単価が下がるため、施設面で余裕がありながら、定員を三十名としている施設がありました。待機児童がふえ続ける一方で、このような状況を放置することは得策ではなく、既にある施設を活用し切るための見直しが求められています。都の所見を伺います。
 子どもを持つ親にとっては、やっと保育所に入れたと思っても、病気のときに利用できないという強い不満、悩みがあります。東京都福祉保健基礎調査では、この回答は、平成十四年には二四・六%でしたが、平成十九年度は三四・九%と一〇ポイント上昇しております。
 病児、病後児保育の国補助単価が平成二十一年度に見直され、利用率の高いところは手厚く補助されることになりました。その結果、利用率の低い施設では大変な赤字となり、区市町村によっては独自でカバーしたところもあると聞きます。利用率の高い施設に報いるような仕組みでインセンティブを付与することは必要ですが、もとよりニーズが非常に不安定で、病児、病後児施設数が不足している中では、施設の経営安定化も重要な視点であり、病児、病後児保育の拡充には欠かせません。
 また、利用する保護者からすると、病児を抱えて利用できる施設を探すことも大変な負担であります。サービスコーディネートを積極的に行うことで、こうした保護者の負担も軽減でき、施設利用率のアップにもつながります。病児、病後児保育施設を拡大させていくため、都としても強力に支援すべきですが、都の所見を伺います。
 次に、教育政策について伺います。
 まず初めに、公立、私立高校間の学びの機会均等に関して伺います。
 私たちは、私学助成の拡充で公立と私立高校の授業料格差を縮小し、だれもが教育内容で学校を選び学べるよう、学びの機会均等を促進すべきと考えています。今回の高校実質無償化により、私立高校生に対しても、公立高校の授業料年額に相当する約十二万円の支給と、さらに低所得世帯の生徒に対して約十八万から二十四万円が支給予定であり、より手厚い措置となっています。
 しかしながら、都内私立高校の平均授業料が約四十二万円であることを考えれば、さらなる保護者負担軽減が必要です。この点に関して、都は国の就学支援金制度に合わせて、特別奨学金補助を上乗せするような形で補助を考え、来年度予算に前年度比約十億円増しの約四十三億円を要求しており、このことは評価いたしたいと思いますが、私学に進学を希望する生徒が経済的理由で希望校を断念することのないよう、さらに公私間格差を縮小するべきと考えます。都の所見を伺います。
 次に、高校受験生の塾代サポート支援について伺います。
 高校実質無償化により、高校の教育費用における格差は縮小されます。一方、高校に入学する以前の入試段階で、高校受験生を持つ親の年収と相関した学力格差の問題があります。
 公立中学の三年生を持つ家庭が、二〇〇八年度、学習塾や習い事などに支出した一人当たりの学校外活動費が過去最高の約四十万円に上り、平均を上げているのは富裕層といわれています。所得によって塾に行ける子と行けない子の学力に差ができて、高校受験に影響を及ぼすことは避けなければなりません。
 この点に関し、東京都の低所得者への塾代支援を行うチャレンジ支援貸付事業は、対象の低所得者家庭にとって大変助かるものであり、来年度は補助単価の引き上げも考えているとのことで、評価したい事業です。
 しかしながら、この支援の対象は生活保護水準の一・一倍の低所得家庭に限られています。対象外の家庭でも塾代まで負担することが困難な家庭は多く、今後、補助対象枠を広げていくべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、キャリア教育に関して伺います。
 現在の若者の就業状況において、総務省の労働力調査によると、十五歳から三十四歳の非労働力人口で家事も通学もしていない若年無業者の全国人数は、平成二十一年平均で六十三万人と、平成十四年からほぼ横ばいの状態であり、深刻な問題となっています。
 また、若者のパート、アルバイト及び希望者、いわゆるフリーターの人数は、平成二十一年平均で百七十八万人であり、前年比八万人ふえ、六年ぶりの増加で、フリーター問題も一向に改善されている状況にありません。
 このような状況を踏まえますと、経済不況の影響による正規雇用の縮小で、若者の勤労意欲の減退やプロフェッショナルな意識が薄れ、国力の低下を招くおそれがあると考えられます。
 そこで、義務教育の段階から、子どもたちに生きる目標や進路意識を明確にし、社会的、職業的自立に導くキャリア教育を充実していくことが重要と考えますが、東京都においてはキャリア教育をどのように進めてきたのか、伺います。
 また、我々は、キャリア教育の一つとして、ものづくり人材の育成を推進すべきであると考えています。工業高校を初めとする専門高校は、これまで、ものづくり企業に優秀な人材を多数輩出し、我が国の経済成長を支えてきました。
 しかしながら、中小企業において団塊の世代が大量退職し、人材不足が進みますと、我が国の産業に多大なる影響を与えかねません。そのため、すぐれた技術を持つ地元企業が継続的に若者に技術を伝承することが重要ですが、リーマンショックを契機とした世界同時不況の大変厳しい経済環境の中で、そのような人材育成に余裕を持てない企業が多数存在するとも聞いています。
 そこで、即戦力となるものづくり人材の育成のため、都立工業高校において、若者に企業実習の取り組みを今後充実させるべきであると考えますが、所見を伺います。
 次に、青少年育成について伺います。
 現在、携帯電話は多くの子どもたちに普及していますが、保護者の多くがそうした子どもたちの利用状況を把握していないことも明らかになっています。
 そして、子どもたちと保護者に携帯電話やPHSを利用した感想を聞いたところ、友人とのコミュニケーションがふえたなど、よい環境も感じていますが、保護者は暴力的、性的、反社会的な内容を含むサイトにアクセスすることを心配し、子どもたちのインターネット利用に不安を感じてもいます。
 都は今回、状況が深刻化している現状認識から、フィルタリングサービス解除手続の厳格化や推奨制度の創設を行うとしています。
 一方、昨年四月に施行した青少年インターネット環境整備法は、子どもたちがインターネットを適切に活用する能力を育成していく考え方に立っています。私たちも、子どもたちに段階的に有害情報への対応方法を教え、情報を見る目を育てる情報モラル教育、そして情報を使いこなす力を持つ情報リテラシー教育を重視すべきと考えます。子どもたちの情報モラルと情報リテラシーの向上への取り組みについて、都の所見を伺います。
 また、携帯電話を持っている小学六年生の約半数は、保護者から持つように勧められたものです。このうち、携帯電話を利用するに当たってのルールを決めていない家庭が、小学六年生で約二割、中学二年生で約三割となっています。
 都では、平成十九年三月から、ネットなどのトラブルから子どもたちを守るため、親子で家庭のルールをつくるファミリeルール講座の実施をしています。しかし、携帯電話のルールがない、いまだ理解が不十分な家庭がふえているのが現状で、しかも、こうした保護者は講座に出席していません。
 そこで、講座に参加しない、あるいは参加できない保護者に対して、都はどのような取り組みを行い、事態を改善していくのでしょうか、都の所見を伺います。
 そして、青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにするための青少年インターネット環境整備法の基本理念の一つは、国及び地方公共団体は、民間における自主的かつ主体的な取り組みを尊重していくというものです。そして、有害情報の例示については、第二条の四で示されている三つの情報となっています。
 都は民間における取り組みを尊重する立場ですが、今回の青少年健全育成条例改正案において新たに定義される違法、有害情報に関して、懸念を表明する人たちがおります。「自己若しくは他人の尊厳を傷つけ、違法若しくは有害な行為を行い」の後につけ加えられる「犯罪若しくは被害を誘発することを容易にする情報」とは、どのような情報を想定しているのでしょうか。また、条例の運用によって広く解釈されることはないのでしょうか、都の所見を伺います。
 今回、都内における児童ポルノの根絶の機運醸成を議論するに当たって、私たちは児童買春、児童ポルノ法改正の動向を注目しております。都は、現在も国に青少年を守る施策の実現を提案していますが、要望するに当たっては、国会で議論となった、単純所持の問題で免罪を生むのではないかといった懸念を払拭するための提案を行っていくべきと考えますが、都の所見を伺います。
 一昨年の秋、自分の娘の裸体の写真や動画を携帯電話のインターネットサイトに送信し、販売した母親らが、児童買春、児童ポルノ禁止法違反で宮城県警、警視庁に検挙されました。
 平成二十一年度には、ネットや携帯電話を利用した児童ポルノ事件により、八人が都内で検挙されています。このポルノグラフィーの被写体などを子どもに強要することは、児童虐待の中の性的虐待に当たります。
 ところで、都内の児童相談所で受けた児童虐待の相談、通告の件数は近年ふえ続け、平成二十年度は三千百五十七件と、十年前の四倍強となっております。その中でも、性的虐待の件数は九十五件あったそうですが、性的虐待については、子どもの心に大きな傷を残すと聞いており、性的虐待を受けた児童への対応が重要になります。
 こうした子どもたちの保護、回復、そして保護者に対する指導などについてどのように対応しているのか、都の所見を伺います。
 最後に、オリンピック・パラリンピック招致について伺います。
 先月二十四日、オリンピック・パラリンピック招致活動を取りまとめた招致活動報告書が招致委員会によって公表されました。しかし、日本体育協会会長になった森元総理からの協力要請を初めとして、平成十八年三月当時の主要関係施設検討候補地図、都とロンドン市の政策提携、瑞穂町議会によるオリンピック招致決議の否決、北京オリンピック実地調査によるメディアセンター施設の変更、過去の招致において皇室が関与していないことなど、二〇一六年招致に関して必要な説明が記載されていないことや、コメントなどの掲載が多くないことから、二〇一六年招致の全容を理解するには不十分と考えます。
 また、一九六四年東京大会から四十三年ぶりの招致の取り組みは、順風満帆なものではなく、困難の道のりであり、そうした招致関係者の汗と苦労がうかがえるものとはなっていません。そして、総括が終わらない段階であり、この報告書は日本の再挑戦の海図となり得ないと考えます。都の見解を伺います。
 招致活動を終えて、残された課題の一つが、国際スポーツ界における日本のプレゼンスの向上です。この課題は、招致が始まる前から、スポーツ関係者の間で既に認識されており、IOC委員やJOC国際委員会メンバーなどで構成された国際専門委員会や二十名の海外コンサルタントなどの活用により、その対応が図られてきたはずです。
 そして、リオの招致委員会会長でIOC委員でもあるヌズマン会長がIOC委員たちと関係を構築してきたことが、今回の勝因の一つと記されていますが、そもそも東京は、ロンドン・オリンピック組織委員会から、招致活動は民間主導、IOCは政治家主導による招致活動を嫌うとした提言を受けていたはずです。
 知事は、トップセールスは必ずしも十全に通用しない、手分けしないと厄介だといい切り、ヨーロッパやパンアメリカン、アフリカ地域のオリンピック委員会に欠席をしました。こうした国際招致舞台にトップの不在が続いたことをどう評価するのでしょうか、都の所見を伺います。
 過去の招致活動のノウハウという課題については、昨年十二月の第四回定例会で都議会民主党が、先人の歴史を知らない石原会長がIOC委員たちに支持を求めていたとすればあきれる、そして、JOCの責任とした知事の発言をたしなめました。
 民主党は平成十九年十一月に、国際招致活動においては、過去を学び、IOC委員や他都市の動向を知り、招致活動に生かすべきと質問をいたしました。荒川オリンピック・パラリンピック招致本部長も、それは大変重要である、我々は招致戦略づくりを行っていると述べたため、その後の招致活動に期待していました。そこで、この課題の対応について、都の所見を伺います。
 IOCが実施した東京の世論調査が、他都市と比べて支持が低いことがネガティブなイメージを与えたとした論評がありました。平成十九年十二月、招致委員会の世論調査で、都内での支持が六〇%であったことから、平成二十年度の都の予算算定では、招致における負担は十五億円から百億円に増額されました。招致経費は総計百五十億円で約三倍、都の負担は六・七倍にふえました。オリンピックムーブメント経費も別経費で計上、九十五億円となりました。
 招致経費をめぐっては、招致の失敗後、都議会において議論の俎上に上りました。招致終了後に行われた都と区市町村によるオリンピックムーブメント共同推進事業や学習読本七十七万冊の活用の工夫、IOC総会費用などであり、石原知事も、積極的に招致経費を含めたその実態を都民の目の前に明らかにすると述べるなど、その公表を期待したところです。これら都議会におけるオリンピック招致議論の報告書への反映について、都の所見を伺います。
 招致委員会の今後のあり方についても指摘があるべきでした。かつて都は、東京が民間資金を引き出せる都市であることを誇示していました。それが現在、招致委員会は寄附、協賛金が集まらず、赤字分六億八千七百六十七万円を電通から借り入れることを公表しました。IOC総会の費用の減額交渉を行っていた話が、なぜ借り入れの話になったのか、招致終了後もなぜ組織を存続させるのか、議会に対しても十分な説明が必要であります。
 借り入れを議決する招致委員会理事会は、元都議会議員を初め、財界のトップなどそうそうたるメンバーです。その全理事が共同責任を負うことになるわけで、果たしてどのような返済計画を策定していくのでしょうか。
 そして何より、招致委員会がNPO法人としての目的、招致に失敗したことから、NPO法第三十一条により、所轄庁の認定を得れば、招致委員会は解散せざるを得ないと考えます。
 招致委員会の存続意義と電通からの借入金の経緯、理事会の責任のとり方、そして返済の方法についてどのように聞いているのか、都の所見をお伺いいたします。
 東京招致の責任者である石原知事は、国際招致に関しては、なかなか厄介な、私じゃなしに他の人にいわせると魑魅魍魎の世界ですなとした発言や、情報が入ってこない、総力戦をできなかったうらみはありますと述べるなど、責任を他に転嫁するような発言を続けてきました。
 知事において、二〇一六年招致における総括、戦い抜いての反省と課題はどのようなものなのでしょうか。私が一番汗をかいてきたとも自負している知事に、二〇一六年招致の失敗の総括、そして課題に向けた所見を伺います。
 以上で、都議会民主党を代表しての質問を終えます。
 なお、答弁によっては再質問を留保いたします。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 大沢昇議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、副知事人事についてでありますが、会見で記者から質問があったので答えたまででありますけれども、副知事にはこれまでも適任者を選任し、議会の同意を得て任命し、十二分に補佐してもらってまいりました。
 特に民間から招致いたしました猪瀬副知事には、周産期医療や高齢者の住まいの問題など、役所にはない発想でいろいろアドバイスをいただき、補佐してやってもらっています。
 条例で定めた副知事の枠は四つでありまして、今後とも、都政の発展のためにこの枠を最大限活用していく考えに変わりはありません。現時点では具体案はございませんが、今後必要と判断すれば、手続に沿って議会にお諮りいたします。
 次いで、二十二年度予算についてでありますけれども、今回の予算編成では、大幅な税収減に直面し、今後も厳しい財政環境が想定される中にあって、いかにして現下の閉塞感を打破し、将来を切り開く手だてを講じていくかが大きな課題でありました。このため、みずからを厳しく律した上で、これまで培ってきた財政の対応力を駆使し、東京の現在と将来に対し、都がなすべき役割を積極的に果たすことを基本として予算を編成いたしました。
 これによって、二十二年度予算は、雇用対策や中小企業支援、小児科医療や救急医療体制の充実など、現下の危機に的確に対処するとともに、少子化対策など国を先導する都独自の取り組みや都市インフラの整備など、東京の可能性を引き出す戦略的な投資を行うなど、都民の期待に十分こたえるものになっていると確信しております。
 また、今後に備えて、一兆円を超える基金残高を維持するなど、将来にわたり継続的、安定的に都政の役割を果たし得る強固な財政力を確保しております。
 この予算を原動力として、東京がその底力を遺憾なく発揮し、都民が抱える不安を払拭するとともに、将来に向け新たな活力を創造すべく、積極果敢に都政運営に当たってまいります。
 なお、先ほどの質問の中で、東京が一方的にこうむりました非常に大きな被害であります、法人事業税の分割基準を一方的に政府が変えた措置、あなたのお言葉だと、私と福田総理は同意したとありますが、これは全く事実ではございません。同意するもしないも、そんな権限は東京にないわけで、これは財務省の典型的な場当たりな、一方的な措置として講じられたものであります。
 しかし、これは反論しても反論し切れないし、弁護士にも相談しましたが、訴訟を起こしても必ず負けるということで、負けるのを覚悟でやろうといったら、四千億円を対象に訴訟を起こすと、四億円証紙を張らなくちゃいかぬということで、これはまた非常に損害でありますから、そこで、転んでもただで起きまいと思って、東京にとって絶対に必要な外環道の整備などについての約束をもらいましたが、これは今度の政府でどうなっちゃうかよくわからないんですけれども、いずれにしろ、私と福田総理が合意したということは全く事実誤認でありまして、都政の名誉のためにも申し上げておきます。
 次いで……(発言する者あり)静かに聞きたまえ。築地市場の現在地再整備の再検討についてでありますが、そもそも市場は生鮮食品の流通施設でありまして、そこで営業する多くの市場関係者が納得するものでなければ、どのような再整備案も机上の空論にすぎないと思います。
 現在地再整備については、鈴木都政の時代、平成三年から八年にかけて、六年に及んで四百億の巨費を投じて、仮設工事や、その他の整備費を投じて工事を推進しましたが、営業への深刻な影響などがわかりましたので中断をした事実でございます。
 その経緯について、あなたも、大沢議員も、五年から八年、この議会に在籍しておられたわけでありますから、いかなる理由でこれが中断したかということはご存じだと思います。
 その後もさまざまな案を検討したものの、再整備は実現困難との結論に至って、関係者の大多数が、経済性も考え、最も合理的な選択として最終的に豊洲への移転を合意したものでありまして、この豊洲への移転方針については、民主党はもともと賛成しておりましたね。
 その後に高濃度の土壌汚染が見つかって、民主党も驚いたでしょうけれども、東京都もびっくりしたんです。しかし、各分野の……(発言する者あり)黙って聞きなさいよ。日本人が開発した技術についてやっているんだから。日本人が日本の技術を信じないでどうするんだ。しかし、各分野の最高権威の学者の方々で構成される技術会議で、日本の先端技術を活用し、人が生涯この土地に住み続けても健康への影響はない、そういう土壌汚染対策を取りまとめていただくことができました。
 現在、現地で実験を行い、この対策の有効性を確認しておりますが、私は日本の科学技術は信頼すべきものであり、十分な有効性を持つと確信しております。
 豊洲移転は、この対策の実施により汚染が除去されることが前提であります。したがって、汚染が除去された暁には、もともと賛成していた民主党は移転に反対する理由はないんじゃないんでしょうか。
 ところが、民主党は現在地再整備を再検討すべきと主張しておられます。老朽化が限界に来ている築地市場の現状を踏まえると、与えられた時間は多くありません。先般、わずかな地震で一部が崩落しました。中にアスベストがありました。また、過去に一度否定された現在地再整備についても、早期に業界の合意を得ることは非常に難しいと思います。しかし、民主党に妙案があるというならば、具体的な再整備案を党として責任を持って示していただきたい。その上で議論することはやぶさかではありません。
 ただ、ろくな検証もせずにマニフェストにうたって、あの八ッ場ダムについても同じように大見えを切って、振り上げたこぶしをどこにおろしていいかわからないような、そういう大恥はかかないように気をつけられたらいいと思います。(発言する者あり)余り興奮しないで、冷静に物を考えなさいよ。
 次いで、株式会社新銀行東京の旧経営陣に対する訴訟についてでありますが、新銀行東京は、これまで必要かつ十分な準備を行い、この一月に旧経営陣に対して損害賠償請求訴訟を提起しました。
 経営悪化の原因と責任については、公正かつ中立的な司法の場において明らかにされることが重要であり、この裁判を刮目してまいります。なお、株主として必要な協力は絶対に惜しみません。
 株式会社新銀行東京の旧経営陣の責任についてでありますが、新銀行東京は、外部の専門家に委託して行った調査に基づき、元代表執行役外一名については訴訟を提起しました。また、それ以外の取締役については、社外取締役であったとはいえ、一定の責任があるとして、報酬の自主的な返納を求めております。
 これらはいずれも新銀行東京がみずから主体的に決めたことでありまして、新銀行東京は引き続き、全員の自主返納に向けて取り組んでおりまして、都としては、この銀行の取り組みを見守ってまいります。
 次いで、再生可能エネルギーの利用拡大についてでありますが、化石燃料の多量消費は膨大なエネルギーを生み出し、便利で豊かな生活を実現してきましたが、その一方で、地球環境の限界をはるかに超える二酸化炭素の排出により、深刻な気候変動の危機をもたらしております。
 化石燃料から再生可能なエネルギーへの転換を軸とする低炭素型社会の実現は、気候変動の危機を回避する最大の方策でありまして、多量のエネルギーを消費する都市こそ、再生可能エネルギーの利用拡大を主導すべきものと思っております。
 都はこうした観点から、太陽エネルギーの普及を初めとする先駆的な再生可能エネルギー政策を展開しておりまして、今後とも低炭素型社会への転換を先導してまいります。
 次いで、施政方針の発言についてでありますが、学校施設の耐震化は、子どもの生命を守るための緊急性の高い、極めて重要な事業であります。平成二十二年度当初予算案では、全国の自治体の事業計画の約四割しか計上されておらず、国庫補助を受けて耐震化事業を実施する予定の区市町村は、確実に事業を実施できるのか、不安定な状況に置かれております。このため、施政方針表明において、国政に対し速やかに必要な手だてを講じるように求めたものであります。
 なお、詳細については教育長から答弁いたします。
 次いで、オリンピック・パラリンピック招致についてでありますが、今回の招致活動を振り返りますと、東京はいいチームを組んで戦ったと思います。私自身、先頭に立って、可能な限り数多くのIOC委員と懇談、面会し、東京への招致を訴えました。しかし、残念ながら招致には至りませんでした。
 オリンピック・パラリンピック招致は、さまざまな見えざる力が働く国同士の熾烈な戦いであります。勝者のリオデジャネイロがそうであったように、国やスポーツ界、経済界など各界が総力を結集し、国としての一体感を持って臨んでこそ初めてかち得るものであると改めて思い知らされました。
 また、日本発祥のスポーツである柔道を初め、国際競技連盟における日本人の会長職は、今やゼロであります。そして、彼らが勝手にルールを変える。今日オリンピックで行われている柔道が、あれが果たして本来の柔道でありましょうか。また、聞くところ、東洋人が非常に強いピンポンは、我々の背の低さが利しているということで、一部ではあのピンポン台を数十センチ高くしようという案が提案されたけれども、荻村代表がこれを拒否しました。しかし、もう荻村さんもおられません。
 いずれにしろ、日本のスポーツ界は、おのおのの競技団体を通じてIOCや国際競技連盟の要職に発言力のある強力な人材を送り込み、国際的な影響力を高めていかなければ、招致の獲得は非常に不可能、難しいと思います。
 招致に向けた機運の醸成についても、都民、国民がみずから主体的に招致に賛同し、応援していただくことが大きな力となります。今回のバンクーバー・オリンピックや二年前の北京オリンピックで多くのメダルを獲得した国々と日本では、選手強化にかける費用がけた違いであります。国家としての連帯感を養うためには、スポーツ予算を大幅にふやすことも必要であると思います。日本人選手が活躍すれば、さらに招致に対する機運も盛り上がるでしょう。
 これまでも、都議会を初め多くの方々に支えられて取り組んできましたが、今回の経験や教訓を日本の貴重な財産として確実に引き継ぎ、世界の平和と地球環境の未来のためにも、また、日本の閉塞感を打破し、若者たちに夢と勇気を与えるために、日本が再びいつの日か招致を目指すことを願っております。
 他の質問については、教育長、東京都技監及び関係局長から答弁いたします。
   〔教育長大原正行君登壇〕

○教育長(大原正行君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、知事の施政方針についてでございます。
 都と区市町村は、地震防災対策特別措置法に定められた地震防災緊急事業五箇年計画を踏まえ、保護者、地域住民の要望や文部科学省の要請にこたえ、公立小中学校及び幼稚園の耐震化に取り組んでおります。
 昨年八月、文部科学省は、全国の自治体に提出を求めた事業計画をもとに、平成二十二年度予算として五千棟分の概算要求を行いましたが、平成二十二年度当初予算案では、事業計画の約四割に当たる二千二百棟分しか計上されておりません。
 厳しい財政状況の中、区市町村は国庫補助を受けずに耐震化事業を行うことは困難であり、また、国では補正予算の可能性について言及されているものの、詳細が明らかにされていないために、計画どおりの事業を実施できるかどうか、区市町村には不安が広がっております。
 知事の発言は、こうした状況を踏まえ、区市町村の耐震化事業に支障が出ないよう、速やかに必要な手だてを講じることを国に求めたものでございます。
 次に、これまでの東京都におけるキャリア教育の取り組みについてでございます。
 子どもたちが将来において社会的自立、職業的自立を果たしていくためには、小学校、中学校、高等学校等のそれぞれの段階に応じて、児童生徒に望ましい勤労観、職業観を身につけさせる必要がございます。
 現在、小学校では、生活科や社会科において地域のお店や働く人々の職業を調べる活動などを行っており、中学校では、総合的な学習の時間等を活用した職場体験を行うなど、発達段階を踏まえて計画的にキャリア教育を実践しております。都立高校においては、各学校が年間指導計画を作成し、大学への体験入学や企業における就業体験などを取り入れ、教育活動全体を通じてキャリア教育を推進しております。また、都教育委員会は、指導資料集を作成、配布するとともに、職場体験発表会やフォーラム等を開催し、すぐれた実践事例の普及啓発を図ってまいりました。
 今後とも、こうした取り組みを通して、キャリア教育の一層の推進を図ってまいります。
 次に、工業高校における企業実習の取り組みの充実についてでございます。
 お話のとおり、工業高校において即戦力となるものづくり人材を育成することは重要と考えております。
 都教育委員会はこれまで、全国に先駆けて都立六郷工科高校において学校と企業が連携して生徒を育成するデュアルシステムを導入し、企業実習を通じて即戦力となるものづくり人材を育成しており、卒業生の半数以上が協力企業に就職するなど、地域企業の後継者育成として高い評価をいただいております。
 こうした成果を踏まえ、今後、実践的な人材育成が可能なデュアルシステムを他の工業高校へ導入するため、教育課程や実習受け入れの企業開拓等の検討を始めておりまして、企業ニーズや企業集積地等の地域バランスを勘案し、平成二十三年度入学生から順次拡大をしてまいります。
 次に、情報モラルと情報リテラシーの向上への取り組みについてでございます。
 インターネットや電子メールなどを使う際のマナーや相手への配慮などの望ましい態度、いわゆる情報モラルや、情報機器を使いこなして情報を主体的に選択、活用するなどの能力、いわゆる情報リテラシーを育成することは極めて重要でございます。
 都教育委員会はこれまでも、こうした態度や能力の育成のため、教員研修の実施、指導資料の配布、ハイテク犯罪対策シンポジウムの開催などを通して各学校の取り組みを支援してまいりました。
 また、昨年六月から実施した学校非公式サイト等の監視結果によりますと、不用意に自分や他人の個人情報をインターネット上に公開している事例が多いことから、昨年十一月には各学校で適切に指導するよう通知し、注意喚起したところでございます。
 今後とも、子どもたちが被害者にも加害者にもならないように、児童生徒の情報モラルと情報リテラシーの向上に向けた取り組みを一層充実してまいります。
   〔東京都技監道家孝行君登壇〕

○東京都技監(道家孝行君) 環状第二号線の整備についてお答えいたします。
 現在、未整備となっております豊洲から虎ノ門までの区間において事業中であります。
 この区間の整備は、臨海部と都心部との連絡強化や地域交通の円滑化を図るとともに、緑豊かな都市空間ネットワークを形成する上でも極めて重要であります。
 このうち晴海四丁目から銀座八丁目までの区間については、平成十三年の第七次東京都卸売市場整備計画により市場の豊洲移転が決まったことに伴い、築地、勝どき、晴海地区間の連絡強化、勝どき地区における避難経路の拡充など、道路機能や防災性の向上を図るため、平成十九年十月、地下式から地表式及びかさ上げ式に都市計画変更を行い、事業を進めております。
 一方、臨海副都心や晴海、勝どき地区などで新たなまちづくりが進んでおります。これらの地区を結ぶ主要な道路は、現在、晴海通りだけであり、開発に伴い発生する交通需要に対応するためにも、環状第二号線の早期整備が必要であります。
 晴海地区と勝どき地区をつなぐ朝潮運河橋梁の整備は、周辺のまちづくりにとって必要不可欠なことから、早急に整備を進めてまいります。
 お話のように、仮に築地地区の道路構造が変更になった場合でも、朝潮運河橋梁に影響はありませんが、勝どき地区でさらなる用地取得が必要となるなど、現計画をもとに進められてきた周辺の開発に影響を与えます。さらに、都市計画変更や環境影響評価の手続に時間を要し、完成が大幅におくれることなどから、道路構造の変更は極めて困難であります。
 今後とも、環状第二号線の平成二十七年度全線開通を目指し、整備に取り組んでまいります。
   〔主税局長熊野順祥君登壇〕

○主税局長(熊野順祥君) 今後の景気動向と都税収入の見通しについてお答え申し上げます。
 我が国経済は、景気に持ち直しの動きは見られるものの、その足取りは緩やかであり、雇用、所得の改善が著しくおくれているなど、本格的な回復に至るまでにはなお相当の時間を要するものと考えております。
 こうした状況に加え、海外景気の下振れ、デフレによる需要低迷、雇用情勢の一層の悪化などのリスクが存在すること、さらには、この間の企業の繰越欠損金による税収減や、税の原則をゆがめ、地方分権に逆行する法人事業税の一部国税化による影響なども考慮すれば、都税収入は当面厳しい状況が続くものと認識しております。
   〔財務局長村山寛司君登壇〕

○財務局長(村山寛司君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、最終補正予算の編成における留意点でございますが、今回の補正予算の一つの柱は、急激な企業収益の悪化に伴い、都税収入等が当初予算に比べて約一割、五千二百億円も大幅に減収となるという事態に対しまして、都民サービスに支障を生じさせないことを前提に、どう対応するかという点でございました。
 そのため、歳入歳出の両面にわたって、全庁を挙げて徹底した洗い直しを行ったわけでございますが、その際、まず歳出面では、給与費の不用額や契約差金など都民サービスには直接影響を及ぼさない経費や、事業の進捗状況から今年度は不用となることが明らかな経費などについて、精査の上、減額いたしました。
 また、歳入面では、東京都住宅供給公社からの貸付金の繰り上げ返済を受けるなどにより新たな収入確保を行うとともに、財政の健全性を損なわない範囲で減収補てん債を発行し、それでもなお不足する額につきましては、財政調整基金の活用により必要な財源を確保いたしました。
 このような取り組みを通じて、都税収入の大幅な減収が生じる中にあっても、都民サービスを低下させることなく予算上の対応を行うことができたものでございます。
 次に、国の二次補正予算に関連する都の対応についてでございますが、今回の最終補正予算のもう一つの柱は、国の補正予算に関連して、区市町村の事業計画などに基づき、都民の安全・安心にかかわる事業など必要な事項について、所要の経費を計上することでございました。
 具体的には、子育て支援や雇用創出のための基金の拡充を行うとともに、インフラ整備事業の実施、新型インフルエンザ対策など、現時点で実施可能な事業について必要な予算を計上しております。
 これらの措置を講ずることは、都がこれまで独自に実施してきた取り組みと相まって、都民生活の安全・安心に資する効果があるものと期待しております。
 次に、平成二十年秋以来、都が実施してきた緊急対策についてでございますが、当時、アメリカ発の金融危機が世界規模の不況へと発展する中にあって、東京においては、金融機関の貸し渋りや中小企業の倒産の増加、さらには新型インフルエンザの大流行への不安の広がりなど、都民生活は危機的状況に至りました。こうした状況に一刻も早く具体的な手だてを講じ、都民の不安を払拭すべく、東京都は二度にわたり都独自の緊急対策を実施したものでございます。
 具体的には、中小企業制度融資の融資目標額の引き上げ、いわゆるゼロ都債の活用による公共工事の端境期の解消、抗インフルエンザ薬の備蓄増強や小中学校等の耐震化対策等の公共事業など、いずれも現場感覚を生かした事業であり、予算規模は合わせて千七百十三億円でございます。
 これらの各施策の実施により、平成二十年度に中小企業制度融資として実施した経営支援融資は、経営緊急分を含め、全体で前年度の六倍を超える一兆円規模に達しております。また、平成二十一年一月から三月に発注された道路の維持工事の実績は、前年同期のおおむね三倍の百五十億円程度の規模となっております。これらの施策はいずれも、中小企業を下支えする上で大きな役割を果たしたと考えております。
 また、東京においては、抗インフルエンザ薬の先行備蓄や医療体制の整備などにより、いち早く新型インフルエンザ流行発生時の対応体制が整備されました。また、小中学校等の耐震化事業への独自補助により、二十一年度中に耐震化率が九割近くに達する見込みでございます。これらは、広範な都民に大きな安心を与えるものとなっております。
 このように、平成二十年度以降都が実施してきた緊急対策は、危機的状況の中において、都民の不安を払拭する上で大きな効果があったものと考えております。
 最後に、都民施策の充実と健全な財政運営についてでございますが、二十二年度予算が、大幅な税収減の中にあっても、今日都がなすべき役割を果たすことができたのは、都がこれまで堅実な財政運営に継続的に取り組み、財政の対応力を培ってきたからでございます。
 景気の低迷が長引くことも想定される中、都民のためになすべき施策を今後とも着実に実行していくためには、それを支えるに足る財政の健全性を堅持していくことが不可欠でございます。
 そのため、歳入歳出両面にわたる徹底した洗い直しや事務事業評価の取り組みの強化など、みずからを律する取り組みを通じて財政の対応力を一層高め、その上で都債や基金を計画的に活用することにより、将来にわたって強固な財政力を確保してまいります。事務事業評価制度におきましては、監理団体等を通じて実施している都の事業も対象としてまいります。
 今後とも、都民福祉の向上を支えるにふさわしい財政基盤の構築に向け、堅実な財政運営に引き続き取り組んでまいりたい。
   〔総務局長中田清己君登壇〕

○総務局長(中田清己君) 人材や組織の活用についてお答え申し上げます。
 急激な社会情勢の変化が続く中、職員の育成と活用、柔軟な組織体制の構築は、重要な課題となってきております。
 都の職員は、柔軟な発想力、果断な行動力、斬新な企画力を持ち、都政を支える気概と首都東京の現場を担うプロフェッショナリティーを備えなければならないと考えております。
 都は、こうした認識に立ちまして、平成十八年三月に策定いたしました東京都人材育成基本方針に基づきまして、海外研修やeラーニング導入等の職員研修の充実、職員の強みを引き出し、能力を活用する配置管理の実施など、さまざまな取り組みを行っております。あわせまして、中長期的な課題や新たな政策課題に対して、機動的かつ総合的に対応できる執行体制を整備しております。
 都財政は厳しい状況を迎えておりますが、今後とも粘り強く職員の育成を継続し、都政を支えるプロとしての人材の育成と活用により、重要課題に迅速かつ的確に対応できる執行体制を構築してまいります。
   〔知事本局長吉川和夫君登壇〕

○知事本局長(吉川和夫君) 「十年後の東京」計画の実現についてでございますが、これまで都は、「十年後の東京」計画で掲げた目標を実現するため、三カ年の到達目標と年次計画を明示した実行プログラムを毎年度改定してまいりました。
 改定に当たりましては、すべての施策の進捗状況や効果を検証し、真に実効性が上がるよう再構築してきておりまして、今回の実行プログラム二〇一〇では、建築物の耐震化を促進するための規制誘導策の検討や都独自の保育サービスの拡充策など、社会情勢などの変化も踏まえた新たな施策を盛り込んでおります。
 また、都民や区市町村の意見や要望を施策に反映するため、計画に関する世論調査や都政モニターアンケートを実施するとともに、区市町村への意向調査やヒアリングを実施しております。今年度は、特に緑化の推進、道路等の整備などについて区市町村から数多くの提案、要望が寄せられまして、その中から新たな事業も生まれました。
 こうした工夫を今後も行うとともに、都民や企業など幅広い意見に耳を傾け、連携を一層強化しながら、「十年後の東京」計画で掲げた目標の実現に向けた取り組みを着実に進めてまいります。
   〔生活文化スポーツ局長秋山俊行君登壇〕

○生活文化スポーツ局長(秋山俊行君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、世論調査やモニターアンケートについてでございますが、東京都が実施いたします世論調査やモニターアンケートは、都政の課題につきまして、統計的手法やインターネットにより都民の皆様のご意見、ご要望を把握し、都政に反映させるために行っているものでございます。
 実施に当たりましては、毎年度定期的に行っているものを除きまして、事業を直接実施している各局の要望に基づき、テーマを選定しております。
 次に、高校における授業料の公私格差についてでございますが、都ではこれまでも、公私格差の是正を図る観点から、私立高校への基幹的補助でございます経常費補助を通して授業料の抑制を図りますとともに、特別奨学金制度を実施してきたところでございます。
 この特別奨学金制度は、一定所得以下の保護者を対象に、所得に応じて授業料の一部を補助するものでございまして、所得制限を設けずに私立高校生全員を対象として支給する国の就学支援金制度とは、その考え方、内容ともに異なるものでございます。
 今回、都の特別奨学金に加えまして国の新たな制度が実施されますと、一部では私立高校の平均授業料を上回る補助額となることから、これまでの都の考え方を変えずに、既存の財源の範囲内で補助額を調整するなど、都の制度の組みかえを実施いたします。その結果、来年度予算案では、生活保護世帯につきまして都内の平均授業料を全額カバーできるなど、補助対象となる全所得階層で保護者負担額の軽減が図られることから、限られた都の財源を効果的、効率的に活用できるものと考えております。
 なお、予算が前年度より約十億円ふえておりますのは、昨今の社会経済状況を踏まえて、経済的理由によりまして就学困難な生徒が増加すると見込んだためでございまして、国の就学支援金への上乗せを行ったものではございません。
 都といたしましては、都内高校生の約六割が通学する私立学校が公教育に果たしている役割は重要であるというふうに認識しておりまして、保護者負担の軽減だけでなく、経常費補助などを通じて学校経営の安定化を図ることも重要だというふうに考えております。
 今後とも、基幹的補助である経常費補助を初めとして、特別奨学金や育英資金などの幅広い施策を総合的に活用し、公私格差の是正も含め、私学振興に努めてまいります。
   〔中央卸売市場長岡田至君登壇〕

○中央卸売市場長(岡田至君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、市場関係業者に対する意向調査についてです。
 築地市場の豊洲への移転は、現在地再整備の検討が手詰まりとなる中、業界団体との協議において最終的に意見集約されたものであり、その後も、基本構想から施設計画に至る各段階において、業界団体と幾度となく協議を重ね、その意向を反映し、取りまとめてまいりました。
 築地市場の六つの業界団体のうち、水産仲卸業者の組合は移転の可否について意見が分かれておりますが、それ以外の五団体は豊洲への早期移転を切実に希望しております。
 さきの参考人招致において、業界団体の代表が、新市場の実現に希望を託し、計画推進に一致協力し、準備を進めてきた、業界の多くが意見を一つにしていると述べるとともに、先月、現在地再整備の主張は築地市場を再びあの泥沼に陥れるものであり、容認できない、現在地再整備の議論に立ち戻ることなく、豊洲新市場の建設の一日も早い実現を強く望むとする内容の声明が、水産の卸、青果の卸、仲卸、関連事業者及び買い出し人など、業界団体の大多数から都議会に提出されました。
 都としましては、業界団体の大多数が移転整備の意思を明らかにしており、それはそれぞれの団体を構成する組合員の総意と考えていることから、個々の市場関係業者に対しまして、改めて意向調査を実施し、移転の是非を問う考えはございません。
 次に、土壌汚染対策経費の負担に関する東京ガス株式会社との協議についてです。
 これまで東京ガス株式会社は、都との合意に基づき、豊洲新市場予定地におきまして土壌汚染対策を実施し、平成十九年に環境確保条例上の手続を完了しております。
 一方、平成二十年に専門家会議の提言に基づき都が行った詳細な土壌汚染調査によりまして、都市ガス製造の操業に由来する高濃度の汚染物質の存在が確認されたことを受けまして、昨年二月、副知事から同社に対し、都が実施する土壌汚染対策の経費の一部負担につきまして、協議の申し入れを行いました。この間、都からは、詳細調査の結果や昨年九月に公表いたしました環境確保条例第百十七条に基づく調査結果などにつきまして説明を行っております。
 今後も、都が実施いたします土壌汚染対策の詳細な内容や、現在豊洲予定地で行っております実験の結果などについて説明を行い、これらを踏まえ、さらに協議を進めてまいります。都といたしましては、今後、東京ガス株式会社との協議を終えた上で、用地を購入してまいります。
 最後に、土壌のコアサンプルの保全と開示についてであります。
 土壌コアサンプルは、汚染物質を分析するとともに、土質や地層の状況を確認するために採取しているものでございます。
 コアサンプルから得られた分析結果、ボーリング柱状図につきましては、ホームページ上で公表するなど、情報の共有化を図っております。
 また、ホームページを見た都民からの調査内容や分析結果に対する問い合わせに対しましても、十分に理解していただけるよう、丁寧にわかりやすく説明しております。
 先日の参考人招致におきまして、専門家会議の座長は、コアサンプルは、チェックを行い、試料を採取した段階で役割は終えており、汚染物質を含んでいるため、早く適切に処理すべきである、また、コアサンプルを廃棄するに当たっては、十分な説明を行い、理解をいただく取り組みが必要であると述べております。この見解は、都の認識やこれまでの取り組みと変わらないと考えております。
 こうしたことから、コアサンプルの保全と開示は必要ないと考えておりますが、係争中であるため、引き続き一定期間保管してまいります。
   〔産業労働局長前田信弘君登壇〕

○産業労働局長(前田信弘君) 九点のご質問にお答えいたします。
 まず、新銀行東京の経営悪化の責任についてでありますが、新銀行東京は、既に外部の専門家に委託し、不良債権の問題のほか、システムの関連を含め、さまざまな調査分析を十分に行い、その結果を踏まえて、このたび旧経営陣に対し訴訟を提起したものでございます。
 新銀行東京の経営悪化の原因と責任については、今後、司法の場で明らかになることが重要であり、改めて都が外部の専門家などにより検証を行う必要はないと考えております。
 次に、成長産業の支援に向けた取り組みについてでありますが、環境、医療、福祉などの成長分野で活用の期待できる中小企業の製品開発や事業化を支援していくことは、東京の産業の発展につながるのみならず、中小企業のすぐれた技術の力で、大都市東京が抱える課題を解決することにも寄与するものと認識しております。
 このため、来年度から実施する、都市課題解決のための技術戦略プログラムでは、都政の現場の声などを集約し、開発テーマや目標を定め、これに沿った中小企業等の新製品、新技術の開発及び事業化を支援してまいります。
 次に、地域における産業集積への支援についてでありますが、「十年後の東京」計画で示した創造的都市型産業の集積を促進していくためには、都が実施いたします広域的視点に立った施策とともに、地域の産業特性や立地環境等を生かした区市町村の主体的な取り組みが重要であります。
 このため、都は、平成二十年度から創造的都市型産業集積創出助成事業を開始いたしまして、都の基本方針に沿って、企業誘致や産学公連携を推進する区市町村を重点的に支援しております。
 また、これまでも、区市町村が行うインキュベーション施設の整備を支援することで、地域の特色に合う産業の新たな担い手の創出を促してきております。
 今後とも、都と区市町村が重層的に支援を行うことで、地域における新産業の集積と創出を図ってまいります。
 次に、産業サポートスクエア・TAMAについてでありますが、都は、先端技術を有する企業や大学、研究機関が多数集積する多摩地域の高いポテンシャルを生かし、研究開発の促進や新産業、新技術の創出を図るとともに、広域的な産学公連携を活発化させる中核拠点として、新たな産業支援拠点の整備を進めてまいりました。
 先週、この産業支援拠点として開設いたしました産業サポートスクエア・TAMAにおきましては、多摩地域の産業特性に応じた、技術、経営の両面からの支援や、産学公連携のコーディネート機能、インキュベーション機能などを発揮し、中小企業を強力に支援してまいります。
 こうした取り組みを展開することで、多摩シリコンバレーの形成を目指してまいります。
 次に、中小企業の資金需要への対応等についてでありますが、都は、制度融資の目標額の設定に当たりましては、利用実績はもとより、各種の景況調査や、信用保証協会及び金融機関などとの意見交換を踏まえて、都内中小企業の生産、売り上げや資金繰り等の動向をとらえ、資金需要の的確な把握に努めております。
 したがいまして、平成二十二年度の融資目標額は適正なものと考えております。
 また、制度融資の最優遇金利は、金融機関が最も信用力のある企業に適用する貸出金利であります短期プライムレートとほぼ同水準まで引き下げられております。
 加えて、平成二十年度から、経営支援融資等において、小規模企業者に対し、保証料の二分の一を補助するという過去最高水準となる都独自の対応を行っております。
 来年度予算案におきましても、これらの措置の継続を盛り込んだところでございまして、都は他の道府県と比べても格段に手厚い措置を講じております。現下の厳しい経済情勢のもと、引き続き都内中小企業の負担の軽減を図ってまいります。
 次に、都と地域の金融機関が連携して実施する金融支援についてでありますが、都内中小企業は依然として厳しい経営環境に直面しており、緊急保証制度によりましても資金調達が困難な企業が存在しております。
 こうした中にあって、この支援策は、高い技術力やすぐれたビジネスプラン等を持ち、この難局さえ乗り切れれば将来的に展望が開ける企業を見出し、資金面から支援していくことを目的に創設したものでございます。
 現在、取扱金融機関を十三まで順次拡大し、当面の事業継続に必要な運転資金等の確保に困窮する企業の資金需要にこたえてまいりました。
 引き続き、取扱金融機関の拡大を図るとともに、来年度の融資規模を拡大し、利用促進を図ってまいります。
 次に、緊急雇用創出事業の今後の取り組みと離職者向け広報の強化についてであります。
 都は本年度、区市町村と協力して緊急雇用創出事業に積極的に取り組んでおります。
 しかしながら、雇用情勢は依然として厳しいことから、本年度最終補正予算におきまして緊急雇用創出事業臨時特例基金をさらに拡充することといたしました。平成二十二年度は、この基金を最大限に活用して、本年度を上回る雇用の創出を図ってまいります。
 また、離職された方々の生活や就業に関する支援策については、国の取り組みを含め、求人情報紙への広告、コンビニエンスストアを活用したパンフレットの配布など、必要とする方々の目に触れやすい方法により、通年で広報を実施してまいります。
 次に、労働者への支援の強化と企業の法令遵守の徹底についてでありますが、都では、都内六カ所の労働相談情報センターにおきまして、労働相談を通じて、厳しい状況に直面している労働者に対する支援を行っております。
 相談件数は、ここ数年、五万件を超え、その内容を見ますと、雇用情勢を反映して、解雇や賃金不払い等の深刻な相談が増加しております。センターでは状況に応じて特別相談会を実施してきておりまして、年度末を迎え、雇いどめなどの増加が懸念されますことから、この九日と十日にも特別相談会を開催することとしております。
 また、雇用をめぐるトラブルの未然防止には、事業主が労働関係法令を遵守することが重要であり、このため、センターの職員が企業を直接訪問し、労働法令を周知するとともに助言を行っております。さらに、セミナーの開催や啓発資料を発行しているほか、来年度は使用者向けe─ラーニングを開始いたします。
 今後とも、労働相談の充実を図るとともに、労働法令等の積極的な普及啓発に努めてまいります。
 最後に、多摩産材の公共利用の拡大についてであります。
 多摩産材の利用拡大は、東京の林業を振興し、伐採、利用、植栽、保育という森林の循環を再生する重要な取り組みであります。また、地球温暖化防止にも貢献するものであります。
 このため、都は、平成十八年に多摩産材利用推進方針を策定し、みずから全庁的に公共施設などでの利用拡大を図っております。その結果、平成二十年度の都におきます利用実績は、方針策定前の平成十七年度に比べ約一・八倍にふえ、標準的な杉の木で約二万本に相当する約一千八百立方メートルとなっております。
 さらに、「十年後の東京」への実行プログラム二〇一〇におきましても、都立学校の書架や都立施設の内装等に多摩産材の利用を拡大することとしております。
 今後とも、都みずから多摩産材の一層の利用拡大に努めるとともに、区市町村に対しても引き続き働きかけるなど、多摩産材の公共利用の拡大に取り組んでまいります。
   〔環境局長有留武司君登壇〕

○環境局長(有留武司君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、エネルギーの有効利用の取り組みについてでございますが、都は、気候変動対策強化のため、延べ面積五万平方メートルを超える規模の開発を対象に、地域におけるエネルギー有効利用計画制度を創設し、本年一月に施行いたしました。
 この制度では、開発の企画構想段階で事業者にエネルギー有効利用計画書の作成を求め、省エネルギー性能目標値の設定を義務づけております。また、その際に、事業者には、太陽光、太陽熱、近隣の清掃工場の廃熱等の利用設備や地域冷暖房の導入検討を義務づけております。
 さらに、既存の地域冷暖房施設についても、毎年度の実績報告の中でエネルギー効率の評価を行い、効率化を促すこととしております。
 新たに開始したこの制度を活用することによりまして、今後、地域におけるエネルギーの有効利用を促進してまいります。
 次に、都有施設への再生可能エネルギー等の導入に係る取り組み状況と今後の展開についてでございます。
 都はこれまで、都営住宅や浄水場など、数多くの都有施設に太陽光発電システムなどの再生可能エネルギーの導入を進めるとともに、廃棄物埋立処分場から発生するメタンガスによる発電など、未利用エネルギーの活用にも取り組んでおります。
 今後は、味の素スタジアムへの太陽光発電の導入や、メタンガス発電の取り組みを拡大するほか、講習会などを通じまして、都庁における省エネ・再エネ設備の導入ノウハウを区市町村職員に広めることなどにより、再生可能エネルギー利用を一層拡大してまいります。
 次に、太陽エネルギー機器の普及拡大についてでございますが、都が先進的に補助事業の創設を打ち出し、国や他の自治体もこれに続いたことから、今日では全国的に太陽光発電市場が活性化しております。
 補助事業の開始により、国全体では導入ペースが従来の二倍強になっているのに対しまして、独自の補助事業を行う都ではおよそ五倍の伸びを示しており、都施策の効果は極めて高いものとなっております。
 今後、さらなる普及拡大に向けまして、大規模建築物における再生可能エネルギー導入検討の義務づけ、大規模事業所における総量削減義務の履行手段としての活用、また、省エネ促進税制など、新たな施策を活用し、太陽エネルギー機器の一層の普及拡大を図ってまいります。
 最後に、区市町村と連携した木質バイオマスの利用促進についてでございます。
 都は今年度、地球温暖化対策等推進のための区市町村補助制度を活用しまして、バイオマスボイラーの導入など、多摩産の木質バイオマスの利用拡大に向けた檜原村や奥多摩町の取り組みを支援しております。
 平成二十二年度からは、木質バイオマスの利用を家庭や中小企業などにも普及させるため、区市町村が行う木質バイオマスを利用した暖房機器への補助について、新たに支援する予定でございます。
   〔消防総監新井雄治君登壇〕

○消防総監(新井雄治君) 消防庁舎への木材利用についてでありますが、防災対策上特に重要な建築物として耐震性や耐火性の強化が求められております消防庁舎には、主要な構造部に木材を用いることは困難でございますが、木場地域においては、その特性を踏まえ、庁舎の内装の一部などへの木材の利用について検討してまいりたいと考えております。
 今後とも、住民から親しまれるとともに、防災拠点として地域の安心・安全を一層高められるような消防庁舎の建設に努めてまいります。
   〔都市整備局長河島均君登壇〕

○都市整備局長(河島均君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、羽田空港の深夜、早朝便に対応した空港アクセスについてでございますが、二十四時間利用が可能となる羽田空港では、再拡張後、深夜、早朝時間帯に多くの国際定期便が就航し、利用者が飛躍的にふえることが見込まれるため、これに対応した公共交通手段を確保することが重要であります。
 このため、本年十月の供用開始時に、京浜急行及び東京モノレールの新駅が開設予定でございますが、このほかにも、バスを含む公共交通の運行時間帯の拡大や本数の増加などについて、国が中心となり、都や交通事業者なども参画して、検討、調整を進めております。
 供用開始に向けて、深夜、早朝便に対応した使いやすい公共交通手段を確保するなど、空港アクセスの充実に取り組んでまいります。
 次に、国際コンテナ物流に対応した道路網整備についてでございますが、今日、貨物用コンテナの大型化が進む中、東京の物流機能を高めるためには、貨物用コンテナの陸上輸送に対応した、高速道路を中心とする道路網の整備が重要であります。
 現在、外環や中央環状線等に一部未整備の区間があるため、東京港を使用する大型コンテナ車の大半が環状七号線や環状八号線等の一般道路に集中し、効率的な輸送を妨げるとともに、沿道環境に負荷を与えております。
 このため、三環状道路の完成や国道三五七号の整備促進、高速へのアクセス道路の整備などにより、大型コンテナ車が円滑に走行できる道路網の整備を推進してまいります。
 次に、木造住宅耐震化助成制度についてでございますが、この制度は、防災都市づくり推進計画に定める、特に老朽化した木造建築物が集積した区域が連担するなど、震災時に大きな被害が想定される整備地域を対象としております。
 このような地域では、震災時に住宅が倒壊した場合、道路閉塞や出火により、避難、応急活動が妨げられるとともに、大規模な市街地火災につながるおそれがあるため、耐震診断や耐震改修などに対する公的助成を行っております。
 都としては、財源を効率的、効果的に活用する観点から、今後とも重点的に取り組む必要のある整備地域に的を絞って木造住宅の耐震化助成を行ってまいります。
 なお、耐震化助成の対象である整備地域につきましては、本年一月に改定した防災都市づくり推進計画におきまして、最新の地域危険度調査の結果等を踏まえ、約七千ヘクタールに拡大いたしました。
 最後に、耐震化促進に向けた規制誘導策の検討を始めるに当たっての基本的な考え方でございますが、緊急輸送道路は、発災時の広域的な救援、救護活動を支えるとともに、復旧、復興のための動脈ともなるものでございまして、建物倒壊による道路閉塞を防ぐことは、多くの都民の生命、財産を守るため、極めて重要であります。
 都は、沿道の建物所有者の耐震化に向けた具体的な行動を促すため、耐震診断費用の五分の四を補助する助成事業や低利融資制度など、他の地域に比べ手厚い支援を実施しております。
 さらに、一千棟を超える緊急輸送道路沿道の対象建物に対し、地元自治体とともに戸別訪問等を行い、所有者に直接、耐震化の早期実施を働きかけてまいりました。
 しかし、多くの所有者は、耐震化の必要性を認識している一方で、具体的な行動を起こすまでには至っておりません。
 耐震化への取り組みは、建物所有者の意思にゆだねられていることから、所有者の行動を促すためには、これまでより一歩踏み込んだ仕組みが必要であると考えております。
 そこで、耐震診断の義務化など、新たな規制誘導策の検討を開始し、緊急輸送道路沿道の建物の耐震化を一層促進してまいります。
   〔港湾局長比留間英人君登壇〕

○港湾局長(比留間英人君) 京浜港の国際戦略港湾選定の取り組みについてでございます。
 京浜港は、コンテナ貨物取扱量が我が国最大の港であり、アジア諸港の躍進が著しい中にあって、三港が連携し、国際競争力の強化を図っているところでございます。
 先月、今後の施策の方向性を示す京浜港共同ビジョンを川崎市、横浜市と連携して作成したところであり、港湾利用コストの低減や地方港との連携による国内貨物の集荷など、施策の実現に向け、着実に取り組んでまいります。
 今後、このビジョンに基づき、国際戦略港湾の選定に京浜港として応募いたしますが、京浜港は当然選定されるべき港であると考えておりまして、この指定を受け、激化するアジア諸港との競争の中で、京浜港の存在を確固たるものにすべく、全力で取り組んでまいります。
   〔交通局長金子正一郎君登壇〕

○交通局長(金子正一郎君) 地下鉄サービスの一体化についてお答えをいたします。
 交通局では、これまで、東京メトロと共同で、お客様の利便性向上のため、サービスの一体化に取り組んでまいりました。
 運賃については、普通券及び定期券の乗り継ぎ割引を実施し、普通券については、順次割引額を拡大しております。また、共通一日乗車券やICカードPASMOの導入などにより、乗り継ぎの円滑性の向上に努めてまいりました。
 情報案内については、共同で駅ナンバリングを導入するとともに、東京メトロと統一したデザインのホーム案内板を設置しております。
 乗り継ぎ割引をさらに拡充することにつきましては、経営に与える影響が大きいことから、慎重に検討する必要があると考えておりますが、情報案内の統一に向けて、現在行っております統一したデザインの駅案内サインへの改良を計画的に進めていくなど、今後とも東京メトロと共同して、利便性を高め、使いやすい地下鉄の実現に努めてまいります。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) まず、防災対策に関しまして、災害時要援護者の避難計画策定等への支援について申し上げます。
 各区市町村では、国の通知に基づき、平成二十一年度中を目途に、災害時要援護者対策の取り組み方針を明らかにした全体計画の策定に取り組んでおります。
 平成二十一年十一月一日現在、都内区市町村の三七%が策定済みであり、六三%が策定中でございます。
 都としましては、区市町村に対して、災害時要援護者への災害対策推進のための独自の指針を示すとともに、避難計画策定の手順を紹介した事例集の作成や、福祉、防災担当者向け研修などを通じ、働きかけを行ってまいりました。
 また、要援護者の名簿作成など、区市町村の主体的な取り組みにつきましては、包括補助制度により支援をしてございます。
 次に、聴覚障害者のための緊急時避難誘導設備についてでありますが、聴覚障害者への緊急時の情報支援については、昨年改正いたしました東京都福祉のまちづくり条例に基づく施設整備マニュアルにより、光や文字等による情報伝達設備の整備を促すとともに、都の指針に基づき、災害時のための情報伝達手段の整備に関する区市町村の取り組みを促進しております。
 区市町村における聴覚障害者に配慮した情報支援の取り組みをさらに促進するために、公的機関の建物への警報装置や避難誘導設備の設置について、包括補助制度を活用した支援を検討してまいります。
 次に、医療政策について、まず、救急医療の東京ルールについてでありますが、昨年八月末の運用開始以来、東京ルールとしての事案は、本年二月末までに五千五百五十六件となっております。地域の救急医療機関相互の協力連携や、コーディネーターによる地域を超えた調整により、救急患者は確実に受け入れられており、東京ルールの仕組みは定着をしてきていると考えております。
 来年度は、東京ルールの中心となる地域救急医療センターに対し、診療体制のさらなる強化を図るため、医師確保について、より一層の支援を行います。
 また、都内すべての救急医療機関の診療情報について、リアルタイムでの表示をしている東京消防庁の救急医療情報システムを、昨年四月に、地域の医療機関が相互に診療体制を参照できるように改善をしております。
 こうした取り組みにより、東京ルールの円滑な運用を図るとともに、実績を踏まえた検証を進め、救急医療体制の一層の充実に努めてまいります。
 次いで、チーム医療についてでありますが、質の高い医療を実現するためには、多種多様な医療スタッフが専門性を発揮し、チームとして互いに連携、補完し合って医療を提供していることが重要であり、医師不足の状況にあっては、その推進は急務であります。
 都はこれまでも、医師勤務環境改善事業などを通じて、助産師外来や医療クラークなどの配置を促進してまいりました。
 現在、東京都地域医療対策協議会において、医療スタッフの役割分担や連携など、チーム医療のあり方について検討を行っており、今後、国の状況も踏まえつつ、さらに議論を深めてまいります。
 次いで、NICUへの人材確保についてでありますが、産科、新生児科の医師の確保が厳しい状況にある中、NICUの整備を進めるためには、都としても即効性のある対策に取り組む必要があります。
 このため、NICUを有する周産期母子医療センターにおいて、必要な医師を確保し、安定的な運営が図れるよう、運営費補助による支援を格段に充実させることといたしました。
 加えて、周産期医療等に従事する意思を有する医学生に対して、平成二十一年度から奨学金を貸与しており、中長期的な視点からの医師の養成にも着実に取り組んでおります。
 次に、NICUの長期入院児に対する取り組みでありますが、都は、NICUから在宅療養へ円滑な移行を支援するモデル事業を、区東部地域において、都立墨東病院を中心に来年度から実施いたします。
 この事業は、コーディネーターを配置し、入院中から在宅への移行に向けた支援を行うとともに、退院後は、訪問診療や訪問看護等の各種サービスを提供するほか、家族間の交流会を開催するなど、在宅療養に必要な支援を行い、その効果を検証するものであります。
 モデル事業を通じて、NICUからの円滑な退院に必要な支援の仕組みを築いてまいります。
 次に、がん対策について、まず子宮頸がんについてでありますが、子宮頸がんは、その原因であるヒトパピローマウイルスのワクチン接種と、がん検診の受診をあわせて促進することにより、死亡率の減少が期待できます。
 このため、ワクチンの接種について、公費による助成を行う区市町村に対して、包括補助事業の活用も含め、都として支援を行うことを検討してまいります。
 あわせて、区市町村と連携して、ワクチン接種の有効性等について普及啓発に努めてまいります。
 次に、がん診療連携拠点病院等についてでありますが、都では現在、拠点病院十四カ所が指定されており、都独自の認定病院については十カ所認定をしております。
 平成二十二年度の拠点病院の指定更新に当たりまして、二病院を追加で国に推薦し、その結果、十六病院すべての指定が了承されました。また、認定病院についても、十六カ所に拡大する予定であります。
 次に、地域連携クリティカルパスについてでありますが、都は、すべての拠点病院、認定病院や東京都医師会の協力のもと、都内共通の地域連携クリティカルパス、東京都医療連携手帳の整備を進めております。
 手帳には、診療計画や診療記録などが記載され、患者が診察や検査など医療機関を受診する際に提示することで、専門医とかかりつけ医が情報共有でき、より適切な診療が可能となります。
 また、患者自身も、今後の診療計画を知ることで安心して治療に臨むことができます。
 手帳を普及させることにより、切れ目のないがん医療の提供を推進するとともに、がん患者の療養生活の質の向上を図ってまいります。
 次に、がん登録についてでありますが、都では、拠点病院及び認定病院におきまして院内がん登録を実施しており、今年度、実務者連絡会を設置し、レベルアップを図る研修を実施するなど、精度向上に努めております。
 また、院内がん登録を進め、将来的な地域がん登録につなげるため、本年一月、東京都がん登録推進検討会を立ち上げました。
 来年度は、がん登録センターを創設し、拠点病院等における登録データの収集、分析を行うなど、都におけるがん登録の推進を図ってまいります。
 続きまして、子育て支援について、まず保育サービスの拡充についてでありますが、都は平成二十年度から保育サービス拡充緊急三カ年事業に取り組み、保育ニーズの増大に対応してまいりました。
 来年度以降は、少子化打破緊急対策事業の実施期間であります平成二十四年度までの三年間で、保育サービスの利用児童数を二万二千人ふやすこととしております。
 パートタイム労働者向け保育サービスの拡大などの新たな取り組みを行い、引き続き、保育サービスの拡充に積極的に取り組んでまいります。
 続きまして、認証保育所の定員拡充についてでありますが、待機児童の解消に向けては、新規施設の設置だけではなく、既存施設の定員規模の拡充は有効な方策でございます。
 このため、来年度から、認証保育所の運営費補助単価の最も高い適用区分を、従来の定員三十人までから四十人までに広げることで、既存施設の定員拡充や規模の大きい認証保育所の設置を促進してまいります。
 次に、病児、病後児保育施設への都支援についてでありますが、病児、病後児保育事業は、本年度、これまでの定額補助からサービス提供実績に応じた補助となり、利用者ニーズへの積極的な対応を促す仕組みに改善をされました。
 また、都は、病児、病後児保育施設が、地域の子育て支援施設等に、病気の子どものケアに関する普及啓発を図る事業や、子どもの症状に応じて保育と送迎を組み合わせる等の事業を行う場合に独自の補助を行っております。
 今後とも、区市町村と連携して、施設の積極的な取り組みを促進し、病児、病後児保育施設の拡充に取り組んでまいります。
 次に、チャレンジ支援貸付事業の所得要件についてでありますけれども、本事業は、低所得世帯の子どもを支援するため、学習塾等の受講などに必要な資金を貸し付ける事業であり、賃貸住宅へ入居している方の所得につきましては、一定額を限度に家賃を収入から減額して算定するなど、利用者の生活実態により即した運用を行っております。
 また、国の来年度予算案には、子ども手当の創設や公立高校の授業料無償化など、子育てに関する新たな支援策が盛り込まれているところであり、本事業の所得要件のさらなる緩和については、慎重に対応すべきと考えております。
 最後になりますが、虐待を受けた児童への支援等についてであります。
 児童相談所は、児童虐待の通告に基づき、迅速に児童の安全を確認し、必要な場合には親から分離して一時保護を行います。
 性的虐待に限らず、虐待を受けた児童に対しましては、児童精神科医や心理職などによる心のケアを行い、児童の心身の回復に努めているところであります。
 また、保護者に対しましては、精神科医等からの面接指導やグループカウンセリングなどにより、みずからの問題に向き合えるよう指導し、家族関係の改善に向けて継続的な支援を行っております。
   〔青少年・治安対策本部長倉田潤君登壇〕

○青少年・治安対策本部長(倉田潤君) 三点のご質問についてお答えいたします。
 まず、家庭内のルールづくりを促進するための講座に参加できない保護者等に対する取り組みでありますが、都は、携帯電話やインターネット等の利用に関する家庭内でのルールづくりを促進するため、ファミリeルール講座を実施しております。
 保護者の受講機会の増加を図るため、来年度は、その実施規模の拡大や、就労等により平日の参加が困難な保護者に配慮した夜間、休日における受講機会の拡大などに取り組むこととしております。
 さらに、同講座への自発的参加が期待できない保護者層が存在することにかんがみ、携帯電話等事業者に、青少年が使用する携帯電話の契約時における、インターネット利用に伴う危険性等の説明を促すなど、広く保護者一般に対する啓発機会の拡大を図ることとしております。
 次に、青少年健全育成条例改正案における「犯罪若しくは被害を誘発することを容易にする情報」についてでありますが、この情報の典型例としては、犯罪の具体的な実行の呼びかけや、いわゆる援助交際の相手を求める書き込みを想定しております。
 また、いわゆる青少年インターネット環境整備法における青少年有害情報の定義、これは、インターネットを利用して公衆の閲覧に供されている情報であって青少年の健全な育成を著しく阻害するものでありますが、この解釈を拡大するものではなく、その個別具体的な判断は、法と同様、事業者の判断にゆだねられているものであります。
 なお、この情報に係る規定は、法施行後も、フィルタリングにより除外されていないサイトを通じて青少年が犯罪被害に遭う事例が見られることを踏まえ、関係事業者に対し、青少年の被害防止に向けたフィルタリングの実効性確保に関する一層の取り組みを促すために置くものであります。
 次に、児童ポルノの単純所持の禁止に関する国への要請についてでありますが、第二十八期青少年問題協議会の答申においては、頒布や販売等の目的以外でのいわゆる単純所持について、処罰化の対象となる行為等の検討に当たっては、意図せざる所持が処罰の対象とならないよう配慮することは当然などとした上で、都において国に対し処罰化の実現に向けた迅速な取り組みを要望すべき旨が示されております。
 児童ポルノの単純所持に限らず、免罪の絶無を期すべきことは当然であり、都としては、答申を踏まえ、国において処罰の対象となる行為等の定義について十分に検討するなど、免罪の防止にも留意した上で、児童ポルノの根絶に向け、単純所持の処罰化を早期に実現するよう、国に対して求めてまいります。
   〔東京オリンピック・パラリンピック   招致本部長荒川満君登壇〕

○東京オリンピック・パラリンピック招致本部長(荒川満君) 五点の質問にお答えいたします。
 まず、招致活動報告書についてでございますが、この報告書は、平成十七年に知事が正式に都議会に招致を表明した時点をスタートに、昨年のIOC総会までの四年にわたる活動を記録したものでございます。質問でご指摘のあった点につきましても、可能な限り記載をしております。
 具体的に申し上げますと、まず、メーンスタジアム等の主要施設に関しましては、平成十八年四月に公表いたしました当初の配置計画図も含めて、検討、決定過程を記載しております。
 また、ロンドン市との政策提携は、オリンピック招致に直接関係はございませんが、報告書では、知事のロンドン市及びロンドン・オリンピック組織委員会訪問時に、招致活動について情報交換したことを記載しております。
 また、瑞穂町の招致決議に関しましては、決議をいただいている旨を記載しております。
 また、メディアセンターに関しましては、北京オリンピック時の視察の成果を立候補ファイルの作成に生かしたこと並びに立候補ファイルでの予定地変更とその理由を、それぞれ記載をしております。
 また、皇室の関与に関しては、宮内庁長官の見解などを含め、経過を記載しております。
 このほか、会場建設や運営に関する詳細な計画や膨大な保証書を初めとしたIOCの多大な要求への対応、各界の総力を挙げた評価委員会の受け入れ、IOC総会などについては、関係者の努力や試行錯誤の過程が読み取れるよう、可能な限り詳しく記載いたしました。
 そして、それを踏まえて、招致活動の成果と課題を分析して、今後に向けての提言を記述しております。
 このように、この報告書は、招致活動を従来になく詳細に記録し、分析、検証、総括したものでございまして、将来に引き継がれ、日本の再挑戦の際の海図となることを期待するものでございます。
 次に、国際プロモーション活動についてでございますが、東京は、すべての主要な国際スポーツ大会や国際スポーツ会議を最大限に活用して、招致委員会幹部がチームプレーにより直接プロモーション活動を展開し、約百人に及ぶすべてのIOC委員と接点を持つようにいたしました。
 その中で、キーマンである知事には、IOC委員に東京の開催計画や都市の魅力を効果的に訴えるため、国際舞台での活動を戦略的に行ってもらうことが作戦でありました。
 具体的には、招致過程において最も重要なIOC主催の公式行事に一番の重点を置きまして、まず、昨年四月の評価委員会対応を皮切りに、六月のローザンヌでのテクニカルプレゼンテーション、そして十月のコペンハーゲンでのIOC総会において、知事みずから先頭に立って、プレゼンテーションのほか、IOC委員との個別面会を積極的に実施いたしました。
 また、八月の世界陸上ベルリン大会では、ベルリン市から姉妹友好都市の首長として招待されたという機会を最大限に活用しまして、知事は多くのIOC委員に東京招致を訴えました。
 一方、大陸別のオリンピック委員会の総会については、いずれもIOC主催ではなく、また、主な出席者は、IOC委員というよりは各国のオリンピック委員会メンバーであるため、これに対しては、国際スポーツ界に精通した招致委員会幹部が分担してプレゼンテーションに対応いたしました。
 そのうち、シンガポールでのアジア・オリンピック評議会総会については、日本がアジアの一員であり、アハマド会長による東京招致への支持表明が期待できたことから、特に知事が出席してプロモーション活動を行ったものでございます。
 次に、過去の招致活動のノウハウについてでございます。
 以前ご答弁申し上げたとおり、招致活動は、過去の経験や他都市の動向の分析が重要であり、このことは十分認識しておりました。
 そこで、大阪や長野などの過去の報告書を入手して分析しますとともに、国内、海外における開催都市、立候補都市の招致関係者とも直接面会するなどして、その後の招致活動に役立てるように努めました。
 そこでは、開催計画の内容、国による財政保証、評価委員会視察時における交通渋滞への対応などの課題を把握することができました。
 しかしながら、IOCからのさまざまな要求事項や国際競技連盟との調整事項、IOC委員に対するプロモーション活動の方法などが記録として整理していなかったため、東京の招致活動に役立てるのに必ずしも十分ではなかったのが実情でございます。
 そのため、本報告書においては、今回の貴重な経験や課題を将来にしっかりと継承するため、可能な限り記載して残すことといたしました。
 なお、IOC委員や他都市の動向の把握につきましても、知事を初め国際招致チームが国際競技大会や国際スポーツ会議に参加してIOC委員と個別面会し、また、在外公館や専門コンサルタントを通じて情報収集、分析を行い、実際の戦略づくりに生かしております。
 次に、これまでの都議会における議論の報告書への反映についてでございますが、可能な限り項目を立てて反映させております。
 まず、区市町村との共同事業は、招致機運の醸成とともに、招致にかかわらずスポーツへの関心を高め、オリンピズムの普及啓発を図ることを目的として実施してまいりました。
 このうち、開催都市決定後に実施した一事業については、オリンピズムの普及という目的を最大限に達成するため、地元自治体の意向を踏まえ、その地域最大のイベントと時期を合わせて実施したものでございます。
 報告書には、この一事業を含め、共同推進事業の実績や経費、参加者から寄せられた感動の声などについて記載をいたしております。
 また、オリンピック学習読本については、平成二十年九月から順次配布いたしまして、平成二十一年、翌年には、学習指導要領にオリンピック教育が取り入れられましたことに合わせて、すべての都内公立小、中、高等学校を初め、多くの学校に配布しており、また、活用されている旨を記載しております。
 加えて、IOC総会の経費につきましても、項目別に金額の内訳を明らかにするとともに、項目に沿って実施した事業内容を説明しております。
 このように、招致推進活動経費の全体を示すなど、都議会での議論を踏まえて招致活動報告書を作成しております。
 最後に、招致委員会の借入金についてであります。
 招致委員会は、当初、民間から五十億円の資金を調達することを目標としておりましたが、百年に一度の世界的な金融危機と、それに伴う景気後退の影響を受け、民間からの寄附金、協賛金収入が当初の目標に到達しなかったため、経費の圧縮を図るとともに、値引きなどの協力を受けた上で、なお不足する六億九千万円の資金を株式会社電通から借り入れることとしました。
 今後、招致委員会は、報告書にも記載してありますように、蓄積された多くの財産を活用しまして、東京、日本のスポーツ振興のための民間ベースによる事業を行っていくことを現在検討しており、こうした活動に賛同する企業、団体からの寄附金収入や事業収入により借入金を返済していく予定でございます。
 最終的な法人の意思は、今後開催される招致委員会理事会の中で決定される予定でございます。
 なお、借入金返済のために東京都が公費の投入を行うことはございません。
   〔百二十三番大沢昇君登壇〕

○百二十三番(大沢昇君) それでは、再質問をさせていただきます。
 築地市場の移転問題について、石原知事は、民主党に妙案があるのであれば、党として責任を持って出すべきだと答えましたが、全くの筋違いだと思います。
 私たち議会の役割の一つとして、都民の声を伝え、それを実現させることだと認識をしています。都民の声を無視し、移転を前提に既成事実を積み重ねている執行機関こそ批判されるべきであります。
 民主党は、かねてより、関係団体の合意を得るべく、執行機関に再三取り組みを求めてきましたが、いまだに六団体の合意は得られておりません。
 また、答弁で、過去に一度否定された現在地再整備について、早期に業界の合意を得ることは困難といっていますが、しかし、移転合意派の方々の多くは、現在地再整備は無理とのかたくなな都の姿勢が一方的に伝えられているからではないのでしょうか。
 加えて、大家である東京都がいっているのだからやむを得ないと、市場関係者からの声も聞かれます。
 知事の答弁で、私も当時議会に身を置いていたのだから認識しているといわれましたが、当初、市場関係者の声の大多数は、築地での営業継続を望んでいたと記憶をしています。
 石原知事もびっくりしたというように、高濃度の土壌汚染が見つかった段階で、改めて現在地再整備ができないかどうかを再検討するべきだったのではないでしょうか。
 既に二十一世紀築地プロジェクトを初め民間建築家からも、具体的かつ実現可能であると思われる案が示されており、今後も、こうした案が提案されることが予想されます。
 また、答弁での、どのような再整備案も机上の空論との答弁は聞き流すことができません。発言の撤回を求めます。
 専門家会議や技術会議でも見られたように、在野には多くのアイデア、技術があふれています。改めて現在地再整備の再検討について、石原知事の見解を伺います。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 政治家にとって確かに選挙というのは大事なものでしょうが、選挙のための公約かマニフェストか知りませんが、そういった余り論拠もなしにとにかく、八ッ場もそのいい例ですけれども、打ち出したマニフェストの言葉にがんじがらめにならない方がいい。迷惑するのは都民ですよ。
 あなたは、こういうプロジェクトに関して、事実というものの堆積というものを踏まえて物をいえとおっしゃったけれども、まさにそうじゃないですか。四百億という巨費を投じて、あそこでとにかくやろうと思って失敗したんだ。完全にこれはむだをしたんですよ。それを踏まえて、共産党はどうだったか知りませんけど、民主党も含めて、とにかく豊洲に移そうという合意をしたんだ。ところが、そこへとんでもない物質が出てきたんで、みんなびっくりした。
 だけど、これは何とかなるか、ならないかということで、日本の最高権威の学者たちを集めて検証してもらって、できますと、既にもう成功した事例もあるから、事例を踏まえて、とにかく例があるということじゃ事は済まないでしょうから、とにかくその方法を使ってもう一回豊洲で実験をしてみようと。六月にその結果が出るんですよ。出たら、それを踏まえて飛び越しゃいいじゃないですか。

○議長(田中良君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時三十八分休憩

   午後三時五十五分開議

○副議長(鈴木貫太郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 百十三番川井しげお君。
   〔百十三番川井しげお君登壇〕

○百十三番(川井しげお君) 平成二十二年第一回東京都議会定例会に当たり、東京都議会自由民主党を代表して質問いたします。
 新政権は、地域主権を掲げてまいりました。しかしながら、八ッ場ダムの問題でも、関係自治体や長年苦労してきた地元の人々の意向を一切無視し、一方的に建設中止を強行しております。子ども手当についても、地方の強硬な反対論を押し切って、間答無用で地方に財政負担を負わせており、廃止されるべき児童手当制度を存続させるというこそくな手段を使ってまでマニフェストの実現を図るという無節操な姿勢からは、地域主権を本気で考えているとは到底思えません。
 さらに、本来自由に行われるべき団体や地方自治体の国への陳情、要望活動を抑圧し、民主党幹事長室に一元化していることは、まさに民主主義の破壊であります。政党のフィルターをかけ省庁への接触を制限するというのは、政党による行政の私物化にほかならず、憲法に定められた国民の請願権すら侵すことになりかねません。
 民主党は、地域主権などと美辞麗句を並べながら、実は法治国家としての基本を踏み外し、政府を支配し、地方自治体をも支配下にして、権力を壟断しようとしているのです。昨年の選挙で、国民は民主党に白紙委任をしたわけでもありませんし、独裁的に振る舞うことを許したわけでもありません。
 加えて、親から十二億円を超える現金をもらいながら、知らなかったといっている総理や、秘書が三人も起訴されながら、秘書の責任にする与党幹事長。現下の政治情勢について、地方自治体のリーダーである石原知事に所見を伺います。
 ハトが小まめに首を振るかのように、首相みずから発言がぶれ、よろず迷走する政権とは対照的に、都政では、「十年後の東京」計画で未来図をしっかりと描き、これを目指して揺るぎなく政策が進んでおります。
 地球の未来がかかった温暖化対策として、国に先んじて、この四月からキャップ・アンド・トレード制度がスタートいたします。また、昨年、我が党が日本の将来を憂いて提案した少子化対策を正面から受けとめ、緊急対策に踏み出します。
 このように、知事が十年先の東京を見据え、さらに日本と地球の行く未までも展望し、国に先んじた政策を展開していることは、この国の政治と行政のあるべき姿を示しています。
 今後も、東京ならではの長期的な視座を持った政策展開を推し進めていかなければなりません。そのためには、計画や個々の施策の隅々にまで、先を見据える視点、意識をより徹底することが肝要です。全庁の総合調整機能を持つ知事本局に所見を伺います。
 今回の予算案は、この厳しい環境の中にあって、石原知事就任以来、我が党が知事とともに行財政改革により、むだを省き積み上げてきた都財政の底力を余すところなく発揮されたものとなっており、高く評価するものであります。
 その第一は、大幅な税収減の中、都民が現在直面している危機に加え、将来への展望が見えないことに対する不安にもしっかりと対応していることです。歳出総額が減少する中においても、一般歳出は増額を確保し、少子高齢化、雇用、中小企業対策など、足元の課題への対応に加え、東京の未来を切り開くハード、ソフト両面からの取り組みといった、都がなすべき課題に対し積極的に予算措置を講じています。
 とりわけ特筆すべきは、経済成長や雇用創出の促進に高い効果を有する投資的経費を四・七%増加させ、石原都政初の八千億円台としたことであります。国が二割近くも削減したのとは対照的であります。
 評価すべき第二点は、厳しい財政環境が続くことも想定される中にあって、あらゆる手を尽くして、将来を見据えた財政の健全性を堅持していることです。みずからを厳しく律し、むだを徹底して廃止した上、これまでの堅実な財政運営で培った財政の対応力を適切に活用することで、必要な施策を着実に推進しつつ、財源として活用可能な基金残高は一兆円を確保しております。今回の予算案は、我が党の思いをまさに具現化したものであります。
 そこで、予算編成の基本的な考え方を知事に伺います。
 一方、現下の厳しい財政環境は、景気の二番底のリスクが指摘されているなど、今以上に悪化する可能性も否定できません。そのような状況に置かれても、都がなすべき役割を継続して果たしていくための努力をさらに高めていくことが求められていると考えます。
 これまで都は、財政再建の道のりの中で、厳しい施策の見直しを国に先駆けて積極的に行ってきました。その上で、それらの取り組みを事務事業評価という制度にして定着を図ってきました。今回の予算編成では、効率的で実効性の高い施策を構築するため、事務事業評価の取り組みをさらに強化しています。
 今後起こり得るさらなる荒波にも対応していくためには、こういった取り組みをもう一段進化させることも必要ではないかと考えます。都民から預かった貴重な税金が効率的に使われているか常に検証していく視点が、これまでにも増して必要であります。
 近年は、行政を補完する役割を担う行政のパートナーたる監理団体が行う業務なども増加しています。こうした分野なども含め、もう一段の進化を果たしていくべきと考えますが、見解を伺います。
 我が党は、昨年の秋、新政権発足以降、国の予算編成や財政運営が地方行政に与える悪影響を強く懸念しています。現に二十二年度の予算においても、小中学校の耐震化関連予算を概算要求時から大幅に六割ほど削減し、地方に不安が広がるなど、少なからぬ影響を与えています。
 さらに、国が借金に頼り切った財政運営を行う中にあって、今後、新たな地方負担が生じないという保証はどこにもありません。引き続き国の動向を注視し、都民に悪影響が及ぶようなことのないよう、必要な手を速やかに打っていかなければなりません。
 さらに間題であるのは、かねてより我が党が即時撤廃を主張してきた法人事業税の暫定措置であります。これは、税の原則に反し、地方分権に明らかに逆行するものであり、都議会を挙げての働きかけにもかかわらず、今回の税制改正では撤廃を実現することができませんでした。
 引き続き知事と議会が一体となり、強く訴えていく必要があると考えています。暫定措置の撤廃に向けた知事の決意を伺います。
 都はこれまで、業務の民間委託や指定管理者制度の導入など、官民の役割分担を見直すとともに、職員の人材育成を推進するなど、少数精鋭の効果的な執行体制を構築してきました。今後とも、雇用や少子化への対応、環境対策など、山積みする課題や新たな行政ニーズに的確に対応していくためには、効率的な執行体制を維持していくことはもとより、都と監理団体、民間との役割分担を絶えず見直しつつ、三者が連携しながら、総体として質の高い行政サービスを提供していくことが必要です。
 アウトソーシングについては、我が党はこれまで、真に住民サービスは向上しているのか、行政としてのコントロール責任は果たし得ているのか、実態に応じた検証を行い、必要であれば再整理を行うべきであると主張してきました。
 昨年六月には、プロジェクトチームの検討結果をまとめたところであります。現在、都において進められている指定管理者制度の運用見直しについては、都の施策と連動性などの高い施設への監理団体の活用など、我々がまとめた検討結果とも軌を一にするものであり、都民サービスの安定的供給にも資するという意味で、評価に値するものと認識しております。
 二十二年度未には、全体の八割近い約百六十施設で現行の指定管理者の指定期間が終了することから、来年度、新たな指定管理者の選定が始まることになります。これらの施設の次期管理者の選定に向けた見直しの内容とその効果についてお伺いをします。
 指定管理者制度の運用見直しは、アウトソーシングの方向を改めて示すものですが、一方でアウトソーシングに関しては、行政のコントロール責任を果たすという視点も重要であります。
 そのためには、発注者として業務を監督する都側の技術、ノウハウの継承や人材育成が不可欠ですが、都職員が業務経験を積む現場が少なくなっている状況においても、実際に業務を担う監理団体をより積極的に活用していくことが必要と考えます。
 しかし、先日公表された包括外部監査報告書では、監査対象団体に対し、さらに適切な管理運営を行うよう厳しい指摘などを受けたところです。監理団体が都政の現場を担っていく以上、都民との信頼関係は必要不可欠であり、今回の指摘などを真摯に受けとめ、見直すべきところは見直すとともに、都は、これまで以上により適切な指導監督を行い、団体において、情報公開により都と同様の透明性を確保するなど、自律的に適正な運営を確保するための仕組みづくりが求められております。
 加えて、監理団体が都の業務を着実に担っていくためには、核となる固有職員を確保、育成するなど、団体自身の事業遂行力を高めていくことも必要です。
 今後、公の施設の管理運営にとどまらず、こうした多面的な観点から、都の事業全般においてどのように監理団体を位置づけ活用していくべきか、考え方を整理すべきと考えますが、見解を伺います。
 また、国において、外郭団体に対する天下りなどの問題が盛んに議論されていますが、都の監理団体に関しては、都を退職し監理団体に再就職した課長級以上の職員の氏名等が既に公表されており、また、都の行政支援、補完の役割として、まさしく都政の現場を担う重要なパートナーであり、国の外郭団体とは性格においても大きく異なるものであります。
 さらに民間企業への再就職についても、監理団体と同様に、都での在職中に培った知識や経験を社会に還元するものであり、意義があることと考えます。しかしながら、間違っても都政の公正な運営に疑念を持たれるようなことがあってはならないということはいうまでもありません。都幹部職員の再就職について、知事の所見を伺います。
 次に、子育て支援について伺います。
 政権交代による影響は、私立幼稚園にも及んでいます。都内の幼稚園の園児十七万人のうち、九割を超える園児が私立幼稚園に通っています。私立幼稚園園児の保護者負担軽減については、一定の所得以下の世帯を対象に、国の就園奨励費補助や、東京都の園児保護者負担軽減事業などがあり、園児の約三分の二が対象となっています。
 国の就園奨励費については、自公政権のもと、対象となるすべての所得階層において補助単価を引き上げるとしておりました。しかし、民主党政権にかわると、子ども手当の創設を理由に低所得者への給付を重点化したため、七割に上る多くの世帯で補助単価が大幅に減額されることになりました。
 この見直しに対して、保護者から悲鳴に近い要望が寄せられ、我が党としても、この理不尽な変更について、さきの定例会で、すべての世帯において負担増にならない配慮を国に求める意見書を提案しましたが、民主党の反対で断念せざるを得ませんでした。
 政府予算案では、減額幅は若干圧縮されたものの、多くの世帯が約二万円もの大きな負担増となることに変わりはありません。これは国の制度変更によるもので、本来、国において是正を図るべきですが、我が党は、保護者の負担軽減の緊急性、重要性から、都に対して激変緩和のための事業を要望しました。
 これを受け、都は、来年度予算案に総額九億二千五百万に及ぶ私立幼稚園等就園奨励特別補助を創設しています。
 そこで、この事業の基本的な考え方と国制度の変更に対する今後の対応について伺います。
 少子化は、経済的給付だけで解決する問題ではなく、子育てサービスの充実、働き方の見直し、仕事と家庭の両立支援などの施策を総合的に展開する必要があります。
 昨年の第二回定例会における我が党の求めに応じ、都は、副知事をトップとする対策本部を設置、本年一月には最終報告を取りまとめたところであります。
 我が党としても、昨年九月に少子・高齢化政策推進本部を立ち上げ、国、都、区市町村、民間事業者などとの積極的な意見交換も行いながら、党を挙げて施策を練り上げ、都に具体的な提言を行ったところであります。こうした経過を経て、都の来年度予算案には、実効性の高い多くの先進的施策が盛り込まれております。
 都は、今後、少子化の流れにどのように対応していくのか、知事の所見を伺います。
 国は、一月末に少子化社会対策の基本方針となる子ども・子育てビジョンを公表し、平成二十六年度までの五年間に、保育サービスを全国で二十六万人ふやすとしています。
 都は、先般発表した少子化打破緊急対策の最終報告において、平成二十四年度までの三年間で保育サービス利用児童数を二万二千人ふやすとしました。現在策定中の後期の次世代育成支援行動計画では、潜在的な保育ニーズを踏まえて、今後五年間における保育サービスの整備目標を設定すると聞いております。
 後期行動計画策定に当たっての理念及び保育サービスの目標量をどの程度と考えているのか伺います。
 これまで国は、認可保育所のみを財政支援の対象としてきましたが、今年度から、認可基準を満たす認証保育所についても開設準備経費などが国の補助対象となりましたが、我が党が支援してきた認証保育所制度を国が一部認めたもので、大きな前進であります。
 また、国においては、地方分権改革の観点から、保育所の設備基準などを都道府県の条例に委任することや、新たな保育制度設計のため、保育に欠けるという入所要件の見直しなどについて議論がなされています。さらに今般、認可保育所の定員弾力化に関する通知が発せられたところであります。
 このような国の動きの背景にあるのが、待機児童解消という課題であります。待機児童の解消に向けて、都は、今後どのように取り組んでいくのか所見を伺います。
 次に、パートタイム労働者向けの保育サービスの拡大であります。
 昨年四月、都内の待機児童七千九百三十九人の保護者の状況を見ると、約三分の二はパートタイム労働者や求職者であります。こうした方々を対象とする国制度の特定保育事業については、都内では十四施設でしか実施されていないという実情を踏まえ、都が独自の取り組みに踏み切ったことは評価するものであります。
 そこで、改めて、都は本事業にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、学童クラブについてであります。
 六時を過ぎて開所しているクラブは全体の二割程度にとどまり、子どもの小学校入学とともに保護者が働き方の見直しを迫られるなど、いわゆる小一の壁が問題となっています。
 時間延長の実施率は、民設民営のクラブが約九割であるのに対し、公設公営のクラブは一割にも満たないと聞いております。また、指導員については、保育所のような資格基準は設けられておらず、サービスの質の確保に向けた課題もあります。
 こうした状況を踏まえ、我が党は昨年十二月、開所時間延長に対応できる学童クラブの増設を緊急提案しました。
 都は、独自の手法による学童クラブの増設に取り組むこととしていますが、本事業により期待される効果について所見を伺います。
 次に、高齢化対策について伺います。
 昨年、我が党が設置した少子・高齢化政策推進本部は、特別養護老人ホームにおける医療的ケアに対し、新たな支援策を講じるよう提言しました。これを受けて、都は、特別養護老人ホーム経営支援事業に医療対応強化のための加算項目を新たに設けることとしました。
 ところで、昨年末、国は、特別養護老人ホームの入所申込者が全国で約四十二万人、東京で約四万三千人いることを明らかにしました。もちろん、申込者のすべてが入所を必要とするとはいえませんが、このうち、在宅で生活する要介護度四、五の重度の方が約八千五百人いるという事実は、しっかりと受けとめるべきであります。
 現行の介護保険事業支援計画における約五千人分の特養整備では、これらの方々の入所希望にはこたえられません。引き続き、特養の着実な整備が必要であると認識しています。
 加えて、特養に地域の高齢者が二十四時間安心して生活できるための仕組みを付加すれば、在宅高齢者に対するサービス拠点としての役割を果たせることを指摘しておきます。
 さらに、我が党は、都民の多様な選択が可能になるような施策についても提言してきました。先般、都は、実行プログラム二〇一〇において、ケアつき住まいという新たな選択肢の整備促進を挙げました。着眼点としては時宜を得たものと考えております。団塊の世代が後期高齢者になる十五年後の平成三十七年を見据え、今から備えを固めることが政治の責務です。
 そこで、特別養護老人ホームやケアつき住まいなど基盤整備をどのように進めていくのか、知事の所見を伺います。
 我が党の少子・高齢化政策推進本部では、住みなれた地域で医療を受けながら暮らしを続けるための在宅医療の推進について、地域住民や医療関係者の生の話も聞き、検討を重ねてきました。
 そこで見えてきたことは、十分な医療提供が可能なのか、特に、病院を退院し在宅療養生活に移行するに当たり、スムーズに医療が引き継がれるのかという、患者やその家族の不安にこたえていかなければならないということです。
 そのためには、患者個々人の病状や生活環境に合った医療やケアが提供されるよう、病院が地域の医師や訪問看護師あるいは介護事業者などと円滑に連携することが重要であると考えますが、都としてどのように取り組んでいくのか伺います。
 続いて、周産期医療体制についてであります。
 都は、さきに出された少子化打破緊急対策の最終報告や「十年後の東京」への実行プログラム二〇一〇で、周産期医療体制を強化するとしており、具体的な取り組みを進めております。
 その一つとして、周産期医療体制整備計画の策定が挙げられますが、計画作成の目的、ねらいについて伺います。
 周産期医療体制を強化していくためには、NICU病床の増床に取り組むとともに、妊産婦や新生児のリスクに応じた医療体制の構築が必要です。そこで、二十二年度の具体的な取り組みを伺います。
 次に、都立病院について伺います。
 小児総合医療センターが、昨日、三月一日に開設しましたが、この開設に当たり、昨年の第四回定例会前に、民主党において、小児三病院の存続条例を提案する動きがありました。万が一、数の上でこの条例が通れば、小児総合医療センターの開設は大幅なおくれを来たし、多摩地域の小児医療の充実どころか、深刻な混乱と停滞を招いたであろうことは明白であります。
 この計画が公表された当初から、地元医師会や議会、行政において、さまざまな議論がありました。しかし、我が党は、これまで一貫して、限られた医療資源を有効に活用して医療水準を確保するためには、一次、二次、三次の医療機関が互いに緊密な連携を図るべきと主張し、地域医療確保のための具体策を提案してきました。現実的な政策選択に目をそむけ、選挙民に耳ざわりのよい言葉を並べ立てるのは、政治的無責任以外の何物でもありません。
 そのことを指摘した上で、今回の開設に当たり、都立病院改革の到達点をどう認識し、今後どのように展開していくのか、見解を伺います。
 一方、ハード整備と一体不可分の医療人材の確保、育成も極めて重要であり、わが党が積極的に支援してきた東京医師アカデミーなど、これまでの取り組みをより発展させることが必要です。
 そこで、都立病院における総合的な医療人材の確保、育成策について伺います。
 次に、立川市立看護専門学校の廃止に伴う今後の対応について伺います。
 立川市では、昨年十月に、看護専門学校の廃止条例を可決し、平成二十五年三月末、立川市立看護専門学校を廃止することになりました。同校は、これまで立川市を初めとする多摩地域を中心に看護師を送り出し、地域の保健医療に寄与してきました。しかしながら、看護人材育成を継承するには、一基礎自治体である立川市では、おのずと限界があること、また、現下の厳しい財政状況において、看護学校の運営は極めて厳しいことなどから廃止することとしたと聞いております。
 立川市立看護専門学校は、移転した都立北多摩看護専門学校を引き継ぐ形で開校した経緯があるだけでなく、多摩の地域の医療に貢献すべく、これまで毎年卒業生を送り出し、その果たしてきた役割は非常に大きいものと考えております。
 そこで、公的な看護師養成の継承という観点から、立川市立看護専門学校が果たしてきた役割を、今後、近接する都立北多摩看護専門学校に都として引き継ぐべきと考えます。都立北多摩看護専門学校の学生の定員増について、ご所見を伺います。
 東京外かく環状道路について伺います。
 外環は、昨年五月に事業化されましたが、その後、民主党政権のもとで、見直しにより、外環の用地・補償費が執行停止になり、事業の進捗に大きな影響が及んでいるところであります。
 これに対して、超党派で構成する東京都議会外かく環状道路建設促進議員連盟は、政府などに対して、来年度予算の確保と事業説明会の早期開催など要請活動を行いました。これらの活動もあり、十二月には事業説明会が開催されましたが、九つの会場で、計二千名以上の参加者があり、外環の事業着手に対する地元の関心の高さがうかがえます。
 さらに、本年一月からは、現地にて地質調査なども実施され、いよいよ事業が動き出しました。このような状況の中で、用地の買い取りを求める地権者の声が多く上がっていると聞いております。
 国は、外環の重要性、地元住民への影響を十分認識し、来年度早期に用地取得を行い、整備促進を目指すべきであります。
 そこで、外環整備について、今後、都の取り組みについて伺います。
 次に、羽田空港の再拡張、国際化について伺います。
 我が党は、知事と連携し、これまで羽田空港再拡張、国際化の推進を国に対して強く働きかけてきました。多くの困難な課題もありましたが、長年の努力が実を結び、本年十月には、新しい滑走路が供用開始の運びとなります。既に滑走路となる部分がほぼでき上がるなど、工事もいよいよ最終段階に入っています。新しい管制塔も完成し、一月からは、この羽田において、成田を含めた空域の一元的な管制が始まりました。
 羽田空港は、我が国の成長力を高め、閉塞感を吹き飛ばすために必須の社会資本でありますが、本格的な国際空港として羽ばたこうとしている今、この羽田空港を、首都東京の基幹的なインフラとしてどのように生かしていこうとしているのか、知事の所見を伺います。
 次に、港湾の国際競争力の強化について伺います。
 港湾の国際競争力がますます激化する中で、日本最大の京浜港といえども、基幹航路を釜山港などに奪われ、貨物の積みかえの必要な枝線の航路しか寄港しない港、いわゆるフィーダーポートに転落するおそれがあります。こうした危機的な状況を打破するために、都は、知事のリーダーシップのもとに、既に二年前から川崎港、横浜港とともに三港連携に取り組んでいます。
 一方、国は、最近になって、我が国港湾の国際競争力の強化に向けて、国際戦略港湾の選定に着手し、さらなる投資の重点化を図るとのことです。京浜港の先駆性やコンテナ取扱実績をかんがみれば、選定されてしかるべきと考えるが、こうした国の国際戦略港湾の公募、ひいては京浜港の国際競争力の強化に向け、どのように取り組むのか、知事の見解を伺います。
 また、先日、三港が発表した京浜港共同ビジョンでは、京浜港と欧米を結ぶ基幹航路を確保し、東アジアの国際ハブポートを目指すという具体的な目標を示し、さまざまな実践的方策を示しています。
 そこで、今回の京浜港共同ビジョンの策定の意義について、都の見解を伺います。
 次に、多摩振興について伺います。
 多摩地域は、四百万人を超える都民が住むとともに、圏央道や多摩南北道路の整備を機に、埼玉、神奈川、山梨との連携が深まるなど、人、物、情報の結節点であり、さらなる発展と個性の発揮により、東京のみならず首都圏全体の発展のかぎをにぎる地域であります。
 この多摩地域の振興の基本施策である多摩振興プロジェクトが策定されて一年が経過しました。この振興プロジェクトは、都が、ハード、ソフト両面にわたる諸課題を踏まえ、総合的な多摩振興策として取りまとめた施策であり、その着実な実現には、多摩地域三十市町村の都民が大きな期待を寄せております。
 そこで、多摩振興プロジェクトについて、二十一年度の成果はどのようなものであったか、また、二年目となる二十二年度はどのような姿勢で取り組むのか、その基本的な考え方について伺います。
 次に、産業、景気対策について伺います。
 我が国経済は、アジアへの輸出の伸びなどにより、一部では、回復途上にあるとされているものの、都民の生活、中小企業の業況、雇用情勢、どれをとってみても景気回復の実感は全くありません。一昨年の世界的な金融危機から端を発した今回の不況も、世界が回復局面へ向かう中、我が国経済の深い落ち込みや回復力の弱さは、まさに国の経済政策、産業政策の問題であり、我が国経済の危機と認識しなければなりません。
 加えて、緩やかなデフレ傾向が続いていることが、我が国経済の大きなおもしとなっています。マクロ経済のかじ取りは国の責務ですが、これまでデフレに有効な対策は打ち出されておらず、経済政策がないといわれる現政権のもとで、望むべくもありません。子ども手当のばらまきやマニフェストに書かれた政策だけでは、日本経済が陥っている状況を変えることはできないのは明らかであります。
 しかし、こうした状況のもとでも、都は、都民や中小企業のために必要な施策をやり抜いていかなければなりません。
 二十二年度予算案では、今年度に比べ、中小企業対策や雇用対策を担当する産業労働局の予算が二四%の高い伸びとなっています。厳しい経済状況のもとで、苦しんでいる都民や中小企業に温かい手を差し伸べるものであり、これまで我が党が繰り返し要望してきたことにこたえるものとなっていることを高く評価するものであります。産業、雇用就業施策は、首都東京の成長や日本経済全体の活性化の基盤となるものであり、まさに都政の大きな柱の一つといえるものであります。
 そこで、来年度予算における産業、雇用就業施策に関する知事の基本的な考え方を伺います。
 我が党は、一昨年秋の金融危機以降、中小企業への資金繰り対策や受注機会の増加策に加え、雇用対策においても、国に先駆けた雇用創出策など緊急対策を都に要請し、さまざまな施策の実現に大きく寄与してきました。
 しかしながら、雇用情勢は依然として極めて厳しい状況です。今後も、国が有効な施策を打ち出さないまま、景気回復の足取りが弱い状況が続けば、企業がさらなる人件費のカットや人員削減に踏み切り、失業率が再上昇するおそれがあります。また、前途ある若者が就職できないという就職氷河期の再来は、我が国の未来に深刻な影響を及ぼしかねません。
 こうした厳しい雇用情勢に対応していくためには、雇用創出の取り組みを一層強化し、都民の雇用の場の確保に努めるとともに、職業訓練や就業支援のさらなる充実が必要であり、一人一人の適性や状況を踏まえたきめ細かな支援を進める必要があると考えます。今後の都の緊急雇用対策について所見を伺います。
 雇用の場の七割は中小企業が生み出しており、中小企業の活力維持は、雇用の確保という点からも極めて重要であります。しかしながら、長引く景気低迷の中、都内中小企業は、生き残りをかけた厳しい経営を迫られています。こうした状況を打開していくためには、中小企業の経営力を向上させ、企業体質を強化していくことが不可欠であります。
 我が党の提案を受けて、都が今年度取り組んでいる経営力向上支援事業では、二千社の中小企業へ訪問して、経営力向上のためのアドバイスを行い、既に事業改善の取り組みに着手する企業が数多く出てくるなど、大きな成果を上げていると聞いております。
 加えて、我が党の要望により、昨年六月から開始した受注開拓緊急支援事業は、多くの中小企業に利用され、来年度も継承してほしいと、強い要望もあります。これらの施策の成果を踏まえ、中小企業の経営力向上や受注開拓をより一層強力に支援していくことが必要であると考えますが、所見をお伺いします。
 長引く景気低迷は、各地の商店街にも大きな打撃を与えています。商店街はこれまで、消費者ニーズの変化に対応するほか、大規模小売店との競争の激化などに打ち勝つため、アーケードやカラー舗装の整備、イベントの開催など、集客力の向上に取り組んできました。
 また、都においても、我が党の継続的な要請を受け、施設整備による活性化やイベントに取り組む商店街に対し、新・元気を出せ商店街事業により多角的に支援をしてきました。商店街は、地域住民の消費生活を支えるとともに、地域コミュニティの核として重要な役割を担っています。商店街の活性化を図る取り組みを一段と強化していくことが、今まさに求められています。
 東京には、すぐれた農林水産物、食品、工業製品などが数多く生産されています。我が党は、こうした東京の産品を商店街の魅力向上に活用すべきであると考えております。
 例えば、都内産品を商店街の空き店舗で販売することにより、商店街としての品ぞろえに特徴と幅を持たせることができれば、商店街の大きな魅力となります。また、こうした取り組みは、商店街だけでなく都内の農林水産業者やものづくり中小企業にとっても、消費者への販路拡大という大きなメリットも生まれます。
 そこで、都も、都内産品の商店街への新たな流通ルートの構築について支援すべきであると考えますが、所見を伺います。
 一方、中小企業の資金繰り支援も重要であります。都は、我が党の要請を受け、数度にわたって補正予算を編成し、緊急保証に対応した融資枠の拡大、信用保証料補助の充実など支援の強化を図ってきました。
 さらに、高い技術力などにより、この難局さえ乗り切れば、将来的に展望が開ける企業に対し、資金供給の促進を図るため、地域の金融機関と連携した新たな融資制度の取り扱いを昨年十月から開始し、取扱金融機関を順調に拡大してきました。
 しかし、来年度になっても中小企業を取り巻く経営環境は厳しいと予想される中で、徐々に体力が奪われ、資金繰りが逼迫する企業も出てくるおそれがあります。今後とも、現在実施している制度融資の経営緊急を中心に、資金ニーズに一層的確にこたえていくとともに、地域の金融機関と連携した新たな融資制度の拡大が必要であります。
 今後の金融支援の具体的取り組みについて伺います。
 都が、厳しい経済雇用情勢に迅速に対応し、これまでにさまざまな緊急対策を進めていることは評価しますが、東京と日本の経済が新たな発展に向けて歩みを進めていくためには、産業政策を投資という観点でとらえ、中長期的な視点に立脚し、将来の経済成長に向けた政策を打ち出していくことが不可欠であります。
 具体的施策の一つとして、我が国の財産ともいうべき中小企業の技術や創造力に着目し、新事業を生み出す活動を支援していくことが極めて重要であります。企業ニーズに的確に対応した技術支援や経営支援、さらに企業間の連携や交流を促進させるなど、積極的な産業振興策を展開していくことが今こそ求められています。
 都内には、区部にも多摩地域にも、技術や経営にすぐれた中小企業が数多く存在しており、こうした中小企業の長所を最大限に発揮させる支援を積み重ねていくことが、産業の活性化に直結すると考えております。
 都は、先月開設した産業サポートスクエア・TAMAを初め、二十三年度には区部の産業支援拠点の開設も予定しているなど、中小企業の支援を行うために、拠点づくりに取り組んでいます。今後、区部や多摩の拠点にどのような機能を持たせ、中小企業の支援に取り組んでいくのか伺います。
 将来の産業発展には、中小企業の新技術、新製品の開発が大きな原動力となりますが、社会の変化や技術進歩を的確にとらえた開発を実施しなければ、事業化には結びつきません。このため、都が産業技術の動向を押さえた上で、中小企業にとって開発可能かつ有望な技術を示すことで、新製品、新技術開発を後押ししていくことが重要であります。
 また、環境、安全・安心等の社会的課題に対する技術を示すことで、これらの課題の解決にもつながると考えます。
 そこで、環境分野など特定の産業分野で、都が技術の発展動向を踏まえ、今後開発すべき技術を把握して、中小企業に示しながら、事業化を見据えた新製品、新技術開発を促進する新たな取り組みを構築すべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、豊洲新市場整備について伺います。
 豊洲移転に関する予算を審議するに当たり、まず、移転反対の主張に対し、その論点に沿って我が党の考えを申し述べます。
 最初に、土壌汚染問題についてですが、都は、汚染が除去されることが、豊洲移転工事に着手する前提だといっています。そのためには、専門家の提言のもと、最先端技術に基づく土壌汚染対策方針を決定し、その有効性を確認するための現地での適用実験も開始しています。この実験方法に疑問があるならば、その検証の中で問題点を具体的に指摘すべきです。検証することもなく、予算案自体に反対というのでは、どのような有効な対策が施されても反対ということになり、はなはだ無責任といわざるを得ません。
 次に、業界内に移転反対の意見があるという主張についてですが、業界団体の皆さんは、移転に必ずしも賛成でない人が団体の中にまだいることを十分承知した上で、合意に至ったのであります。それは、新市場の整備が、もはや待ったなしの状況だからです。
 かつて美濃部都知事時代の橋の哲学を持ち出すまでもなく、一人でも反対があればというわけにはいかないのであります。普天間基地や八ッ場ダムの例を出すまでもなく、そこに政治、行政の意思決定の難しさと責任があるのであります。
 既に、業界団体としての決定がなされ、残された時間がない中で、移転を前提としつつ、諸般の事情を十分考慮し、業界全体にとって最善策を真摯に考えることこそ、今、政治に求められているのではないでしょうか。
 最後に、いわゆる築地ブランドという論点です。
 東京市場は、昔から築地にあったわけではありません。江戸、明治、大正に至る三百年間は日本橋にあり、昭和十年に今の築地に移転したのです。日本橋の顔、魚河岸が築地に移転したことで、日本橋が寂れたのか、日本橋のブランド価値が廃れたのかというと、そんなことはなかったはずであります。すし、てんぷら、ウナギなど魚河岸ならではの名店が軒を並べ、老舗も数多く存在するなど、日本橋は今なおにぎわいを続けております。そもそも都市の発展とは、そういうものではないでしょうか。
 都市は生き物であります。常に変貌し、新たな活力を得て成長していくのです。これから築地を一層すぐれたブランドとして成長させる方策を考え、努力していくことこそが、我々が求められていることなのです。
 今大切なことは、新市場整備に向けて建設的な議論をし、政治の責任を果たしていくことであります。この都議会の場で議論の対象とできるような具体性のある案で、また残された時間が少ないという現実を踏まえたものであるならば、我々としても論議に参加する用意があることを申し上げておきます。
 しかし、議会にいまだそのような責任ある対案が示されないまま結論だけを先延ばしされ、市場で働く方々は、これ以上もたないという悲鳴を上げております。市場業界の大多数は、現在地再整備について、机上の議論だ、過去の長い年月と費用をかけた経過から、現実的には無理なんだと話されていることは、現実を見据えた極めて重い発言であると考えます。
 こうしたことを踏まえ、喫緊の課題である新市場整備のあり方について知事の所見を伺います。
 次に、緑確保の総合的な方針について伺います。
 東京をこれまでにない成熟した都市としていくためには、緑を一層重視したまちづくりを進めていく必要があることはいうまでもありません。都では、現在千ヘクタールの緑の創出に向け、着実に取り組んでおりますが、都内の屋敷林や崖線の緑など、地域に根差した貴重な緑を確実に守っていくことも重要であり、我が党はこうした緑の保全の必要性を繰り返し主張してきました。
 昨年第三回定例会においても、我が党の質問に対し、都は、保全に有効な特別緑地保全地区の指定促進や、樹林地の所有者に対するさまざまな負担軽減策など、緑確保の総合的な方針を策定する中で積極的に検討していくと答えています。
 本年二月には、我が党の主張を盛り込んだ、都と区市町村合同の方針案がまとまり、都民へのパブリックコメントを実施しているとのことですが、緑の保全策について、今後具体的にどう展開していくのか伺います。
 かつて、国が太陽エネルギーの支援を打ち切り、普及率が低下したとき、我が党は、都が独自に支援する制度を提案し、都内における太陽エネルギー利用機器の普及が格段に進んだ経緯があります。
 ところで、現下の厳しい経済情勢の中での温暖化対策について伺います。
 温暖化対策は都政の重要課題でありますが、経済の活性化にも配慮する必要があります。無理を強いるだけの規制を行ったり、単なる補助制度を設けても、それらの規制や補助を受けた個々の企業や個人だけの取り組みにとどまりがちになり、なかなか社会全体としての対策に広がらないという問題があります。
 都は、来年度予算案の柱の一つとして、環境施策の推進を通じた産業の活性化を掲げ、知事も予算案発表の記者会見で、産業活性化を目指した戦略的な政策を実行する旨の発言をされました。
 こうした中、いよいよことし四月から世界初の都市型のキャップ・アンド・トレードがスタートします。この制度が実際に動くと、CO2削減のための設備投資の経済波及効果に加えて、排出量取引が糸口となり、義務を担う大規模事業者以外にも経済的効果が波及することが期待されています。中小企業や一般都民に普及がおくれている省エネ設備や太陽エネルギー機器等の導入に対して都が行う補助制度は、企業や個人の光熱費削減ばかりでなく、これらが生み出す環境価値を、義務を負う大規模事業所に譲渡することにより、新しい形で経済的メリットをもたらす点に着目した仕組みです。
 こうした補助制度と都市型キャップ・アンド・トレードを組み合わせ確実に運用していくことが、新しいモデルを社会に具体的に示し、浸透させ、大都市東京の温暖化対策の推進と新たな経済の成長につながるものと考えますが、知事の所見を伺います。
 次に、生物多様性の確保について伺います。
 ことし、平成二十二年は国際生物多様性年と位置づけられております。生物多様性に対する関心が今後一層高まるものと考えております。この地球上で、生態系の破壊などにより絶滅に瀕している生物種は少なくなく、多様な生物とその生育環境を守り、これを将来の世代まで伝えていくことは、我々に課せられた大きな責務であります。
 生物多様性の確保は、環境を考える上で地球温暖化対策と並ぶ重要な概念であります。都は、独自の生物多様性地域戦略を策定していく方針を明らかにしましたが、これまで取り組んできた緑の東京十年プロジェクトの実績なども踏まえた、東京ならではの戦略とすべきであります。策定に向けての基本的な考え方と今後の進め方について伺います。
 次に、青少年健全育成条例の改正について伺います。
 近年、児童ポルノ蔓延を初め、大人が青少年を性的対象として扱うあしき風潮が顕著であり、都内でも、母親が金と引きかえに我が子の児童ポルノ写真を撮影させるという許しがたい事件が発生しています。このような風潮は、自己の欲望を満たすためには子どもの心身に傷を負わせ、犠牲にすることもいとわない、大人のエゴにほかなりません。
 また、水着姿の幼い子どもの局部を執拗に強調する写真集に、我が子を売り込んで金を得る保護者がいたり、子ども相手の強姦や近親相姦を描いた漫画など、容易に子どもの目に触れる状況にあることも憂慮されます。考えられないことだからね。
 今回の条例改正案は、こうした現況から青少年を守るためのものであると強く認識していますが、改正案に込めた知事の決意を伺います。
 次に、青少年のインターネット利用の環境整備についてでありますが、都は、国や他の自治体に先駆けてフィルタリングの普及と青少年への教育啓発に力を入れてきたものと承知しています。しかしながら、いじめや誹謗中傷、自分の裸の写真の掲示など、保護者の関知しないところで、青少年がインターネットを利用して、被害者のみならず加害者ともなる例もいまだ多く見られております。
 我が党としては、このような状況の改善のためには、青少年を監護する責任を負う保護者の役割が重要と考えますが、今回の条例改正案ではどのように対応しようと考えているのか伺っておきます。
 次に、水事業について伺います。
 日本では蛇口をひねれば安全な水を飲むことができますが、世界の水事情を見ると、衛生的な水を利用できない人口が、発展途上国を中心に十一億人に達していると国連は指摘しています。今後、世界の人口は急増し、十五年後の平成三十七年には八十億人に達する見込みで、途上国の経済発展に伴う水需要の増加予想に伴い、水問題の解決が急務となっております。
 一方、世界の水ビジネス市場は、平成三十七年には約百兆円に達すると試算があります。民間企業が海外で事業を展開することができれば、不況にあえぐ日本経済の活性化にもつながります。しかし、日本の企業は国際展開するまでには十分な実績を有していないのが現状であります。
 都では、これまで途上国の技術協力など国際貢献を行ってきましたが、こうした現状を踏まえ、新たに、株式会社である東京水道サービスと民間企業とが提携し、水ビジネスを含めた国際貢献を目指すことを打ち出しました。
 これは、我が党が三、四年前から訴えていたことでございます。特にこのことは、将来起きるであろう食料難に対しても、その解決は水であろうかと思います。その水事業に対して、ODA等を通して、この東京が世界に対して、途上国中心にアジア、アフリカに対して貢献することは、やがて日本の経済、産業に必ず結びつくものと、こう思っての提案をしてまいりました。
 この水ビジネスを含めた国際貢献を目指すことを打ち出した東京都、その東京の強みを生かしたこの新たな取り組みをぜひ成功させるべきと考えますが、知事の所見を伺います。
 アジア諸国では漏水率が軒並み三〇%を超えています。また、漏水防止対策が急務な国もあれば、水道水質の向上が課題となっている国もあると聞いております。その課題もさまざまでありますが、新たな国際貢献において、ニーズに合ったビジネスモデルを策定することが重要だと考えておりますが、見解を伺います。
 本年一月に発表された東京水道経営プラン二〇一〇では、飲料水の直結給水モデル事業の対象を公立中学校に拡大するとともに、実施期間を二十八年まで延長することが明らかにされました。昨年の第三回定例会での我が党の提案を具現化したものであります。我が党は、十九年度の事業開始以来、このモデル事業を都と一体となって強力に推進してきました。今回の対象拡大により事業の対象となる学校は大幅に増加し、一層効果が期待されます。
 一方、都内には、私立学校で学ぶ子どもたちも少なくありません。次世代を担う子どもたちに水道水のおいしさを実感してもらうという目的を推進するためには、公立だけでなく私立にも対象を拡大すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、東京国体について伺います。
 平成二十五年、東京国体まで残すところ三年となりました。経済情勢も不透明な中にあって、五十四年ぶりに首都東京で開催する国体を成功させるためには、競技会場となる施設の整備など万全の準備を整えなければなりません。そのためには、都ももちろんのこと、競技会の運営を実際に担う区市町村においても着実に準備を進めていただく必要があります。
 そこで、区市町村における競技施設の整備と都の財政支援状況について伺います。
 東京国体の競技会場は、区市町村の施設ばかりでなく、メーン会場となる味の素スタジアムを初め、都のスポーツ施設として東京体育館や東京辰巳国際水泳場なども活用することになっています。これらのスポーツ施設は、東京国体の会場としてふさわしい機能を備えているのはもちろんのこと、多くの都民が身近にスポーツを楽しむ場所として重要な役割を担っています。
 しかしながら、ユニバーサルデザインを採用しておらず、全体的に老朽化も見られ、特に年間百万人が利用する駒沢オリンピック公園総合運動場は、四十五年前の東京オリンピック以降、本格的改修がなされていません。
 そこで、東京国体を契機にスポーツ施設を大胆に改修し、都のスポーツ振興の拠点として整備すべきと考えておりますが、所見を伺います。
 次いで、優秀な教員の養成について伺います。
 これまで我が党は、教員の資質向上の責務は任命権者にあるという考えのもと、一定の力量を持つ学生を採用し、職として安定させた上で、みずからの資質を一層向上させる教員免許の更新制を初め、優秀な教員を育成していくための施策を実現してきました。
 しかし、民主党はこのシステムを全く逆転させようとしています。教員を目指す学生に個人の負担で資質向上させ、任命権者はそれを採用するだけという教員養成課程六年制をマニフェストに掲げました。これは任命権者としての責務を学生に押しつけているとしかいいようがありません。
 学生は、二年間長く大学で学んだとしても採用が保証されるわけではありません。不安感は増大し、経済的負担も多くなることから、教員志望者が大幅に減少することが危惧されます。あわせて、開放制の教員養成が困難になることから、教員養成系学部以外の学部での教員志願者の減少につながり、多様な人材確保ができなくなります。
 一方、延長された養成課程は実習を中心に行うといいますが、貴重な児童生徒の授業をまだ免許を持たない、教員になるかどうかもわからない学生が一年間も受け持つことになれば、保護者は一定の教育レベルが保証されるか不安になるでしょう。また、受け入れる学校も不十分な授業の補てんをしなければならなくなりますが、この補てんにも限界があります。
 そもそも大学の教員養成課程は、四年間で一定の力量を確保して送り出すためにありますが、現実には大学の教員の専門領域を中心にした授業が多く、学校現場の課題に十分対応していない、講義中心で実習等が十分でない、教職経験者が授業に当たる例が少ないなど、実践的指導力の育成が必ずしも十分でないといった課題があると聞いています。教員の資質向上という目的のためには、現在の大学四年間の授業の質を向上させることこそが必要なのではないでしょうか。
 都では、教員の大量退職に伴って、大量に採用される小学校教員の一定の力量確保が急務となっています。こうした喫緊の状況も踏まえ、都教育委員会は、大学の養成課程でどのような力を、どこまで身につけておくべきなのか、採用する側の立場として分析し、積極的に大学に対して発信していくべきであると考えます。教育長の所見をお伺いします。
 以上で私の質問を終えます。五十六秒あるところでかねが鳴ったということは、後ほどまたゆっくり教えていただきたい、こう思っております。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 川井しげお議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、現下の国政の状況についてでありますが、随分の期待を受けて発足した政権でありますが、どうも期待にこたえているとはいえない感じがいたしますな。そもそも首相と与党第一党の幹事長がそろって、べらぼうな額の政治資金について国民の疑念を払拭し切れていないのは極めて異常な事態だと思います。その金権性に国民はとにかくうんざりしているのに、なぜ与党の中からはっきりした批判の大きな声が出ないのかなと思いますね。
 私たち、同じ自民党でありましたが、田中角栄さんという、非常にすぐれてはいたけれども、とんでもない金権の政治をやった権勢並びなき、ある意味で恐ろしい存在であった総理大臣にあえて盾突いて、青嵐会を結成しましてね、金権を批判しました。その最初の論文を書いた私は告訴されましたが、それでも──ロッキードじゃないんです、田中さんが倒れたのはその批判で倒れたわけであります。まあ、今の国会の民主党にそれを期待できるのかできないのか、わかりませんが。
 加えて、鳩山政権が掲げた地域主権、地方主権というのは、地方分権じゃなしに、地方主権という新しい強いイメージでありました。これにも随分期待しましたけれども、今となっては裏切られた思いがするのは、多分、地方の首長の中で私だけではないと思います。
 一つの事例として、地方の時代に逆行して、税の原則にももとる、あの法人事業税の暫定措置を継続したことは、恐らく都議会の党派を超えて皆さんが容認できないと思いますね。長い知己でありました菅副総理に、私このことを申し込みましたが、菅さんも苦笑いして、何分急なことだったので、来年度にはとにかく努力しますということでしたが、議会の民主党の諸君も頑張って、国会でも随分たくさんの議員が、これ反対してやっているんです。議事録を持っていますけれども、私、菅君にもそれを見せましたが、こういったものは、本当に日本を壟断してきた財務省の役人が一方的に決めた、こういう悪法というものは、即時やっぱり廃止すべきだと私は思います。
 また、現下の不況に対して、何もケインズを一々持ち出すつもりはありませんが、やはり経済の常識として即効薬となる公共事業を、費用対効果や経済の還流を吟味せずに大幅に削減した。この間、地方には全く相談もなく、現場では将来を見据えて進めてきた事業をこのまま続けることができるのかできないのか、懸念が広がっております。これでは、地方主権は単なるお題目でしかないんじゃないかと思いますな。
 さらに、その財源のめどがつかないままに、高福祉低負担の幻想を振りまいている。これは、こんなことが常識で成り立つんでしょうか。これは何も現政権だけの問題でなしに、従来の自民党にも責任があるわけでありますが、私たちやっぱりこれは、国民は国民で権利もありますけど、責任があるわけですから、やはり税制の思い切った改革をしませんと、この国はもたないと思いますよ。
 また、普天間基地の問題でも、どうもいうことがくるくる変わるし、発言があちこち出てきて、国民は戸惑うばかり。この国の安全保障の根幹にもかかわる日米問題を揺るがしかねない、非常に懸念を感じます。どうも現政権には確固とした国家観、あるいは国家運営の基軸というものがいささか欠けているんじゃないかという気がいたします。
 参院選も近いようでありますけど、余りそれを意識した動きも好ましくない。現に、この間の長崎と町田市という大事な、大きな地方の選挙がありましたが、その後、投票者が、やってきた民主党の幹部たちが露骨な利益誘導をするのに辟易したというコメントを流していましたけど、これはやっぱり、私たちもっと自戒しなくちゃいけない大事な問題だと思います。
 次いで、二十二年度の予算についてでありますが、今回の予算編成では、大幅な税収減に直面し、今後も厳しい財政環境が想定される中にあって、いかにして現下の閉塞感を打破し、将来を切り開く手だてを講じていくかが大きな課題でありました。このため、みずからを厳しく律した上で、これまで培ってきた財政の対応力を駆使して、東京の現在と将来に対して都がなすべき役割を積極的に果たすことを基本として予算を編成いたしました。
 これによって二十二年度予算は、都財政の健全性を堅持しつつ、中小企業支援や雇用対策など都民生活の不安に対応する取り組みや、少子高齢化対策を初めとする国を先導する都独自の取り組みを進めるとともに、都市インフラの整備や環境施策の推進など、東京の可能性を引き出す戦略的な投資を行うなど、都民の期待に十分こたえるものになったと思っております。
 また、必要な公共事業については、厳しい景気状況も考慮いたしまして、道路の維持補修、病院や学校の耐震化など、新たな需要の創出にもつながる事業を中心に積極的に推進することにいたしました。我が国全体が危機に直面している今だからこそ、この予算を原動力として、東京が先陣を切って、将来に向けた新たな活力を創造すべく全力を尽くしてまいりたいと思っています。
 次いで、法人事業税の暫定措置でありますが、都税収入は二年間で一兆円以上も落ち込む中で、理不尽に東京の財源を奪い続けることはとても容認できるものではありません。これは従来の財務省の非常に典型的な場当たりのやり口でありまして、こういったものが存続すること自体が私は国政の大きなゆがみというものを象徴していると思います。
 都財政をめぐる厳しい財政環境は今後も当分続くものと見込まれますが、その中にあっても我が国を牽引し続けることが都政の役割であると思っています。そのためにも、何としてもこの不当な制度を直ちに撤廃しなくてはならないと思います。
 今日、地方は困窮しておりますが、だからといって都市から奪った財源を地方に回しても、何ら問題の解決にはなりません。今問われているのは、地方の税財政制度を抜本的に改革し、地方が自立して自治体の役割を果たせる仕組みをいかにつくるかであります。その意味で、暫定措置の撤廃は地方主権の理念を実現する上でも極めて重要なものと思っております。
 民主党も含めて、都議会の皆様から、この課題の実現に向けて、従来、力強い支援をいただいておりますが、今後とも皆さんと手を携えて、法人事業税の暫定措置の即時撤廃に向けて、ともに邁進していきたいと思います。民主党も頼みますよ。
 都幹部職員の再就職についてでありますが、都の幹部職員が退職後、在職中に培った知識や経験を社会のさまざまな分野で活用することは、極めて意義あることと思います。
 監理団体や地方独立行政法人は、いずれも都の行政運営を支援、補完する重要な機能を持っておりまして、また、報告団体は、その公益性にかんがみて都が出資等を行っている団体でもあります。これらの団体については、その適切な運営に寄与するよう都の判断で適切な人材を推薦していきたいと思っております。
 なお、都は、国と異なりまして、監理団体の適正かつ効率的な運営を確保するため、包括外部監査を活用しております。これは国はやっておりません。従来やっておりません。やっているのは会計検査院の監査だけでありますから。これはとてもじゃないが、こんなものは物足りない。自分たちで法律をつくって地方に押しつけておきながら、国は外部監査をやらない。こんなばかな財政運営ってあるんでしょうかね。
 一方、民間企業等への再就職については、いわゆる天下りを押しつけているというような懸念を持たれることのないように、また、公正な都政運営を損なうことがないように十分に配慮することが必要であります。
 今後はこうした企業などへの再就職の状況について、相手先の意向などを勘案しつつ、一層透明性を向上させるとともに、都庁版の人材バンクを整備することでその手続も明らかにし、都民に対する納得性を高めていきたいと思っております。
 次いで、今後の少子化対策についてでありますが、少子化は現金給付的な施策だけで解決できるものではなくて、都民が選択できるサービスを質、量ともに拡充していかなければならないと思います。
 都議会自民党からは、待機児童解消に向けた認証保育所の定員拡大や開所時間延長に対応できる学童クラブの増設など、貴重な提言をいただきました。これをやりますと、一挙にまず二千人の児童を収容することができますので、ぜひやりたいと思っております。これを平成二十二年度の予算にも盛り込みました。
 国家の行く末を案じ、互いに知恵を絞り議論を深め、保育、医療、雇用、住宅などの施策を束ねて緊急対策を講じることができたと思います。今後この対策を着実に進め、国に対しても省庁の縦割りを超えた対応を迫りまして、すべての都民が安心して子どもを産み育てられる東京を実現していきたいと思っております。
 特別養護老人ホームなどの基盤整備についてでありますが、都においては、世界に類を見ないスピードで高齢化が進展しておりまして、特別養護老人ホームやケアつき住まいなどの整備を急いで進めなければならないと思います。都は、独自の補助制度により施設整備に努めてきましたが、これからは従来の、住宅か、施設かとかいう選択肢に加えて、猪瀬副知事からの発案を踏まえまして、大都市の実情に応じた基準を設け、新しい高齢者の住まいを実現していきたいと思っております。
 今後、住宅政策と福祉政策に横ぐしを通して、民間の力も活用しながら基盤整備を進めるとともに、在宅の高齢者を二十四時間体制で支援するなど、高齢者が安心して生活できる都市モデルを創造していきたいと思っております。
 羽田空港をどのように生かすかについてでありますが、羽田は、国際線と国内線をあわせたハブ空港として我が国の経済を活性化し国際競争力を強化するなど、我が国の将来を左右する極めて重要なインフラであります。
 森内閣のころでありましたが、政調会長をしております亀井静香君と話しまして、彼の部屋から国交省に電話しまして、半ばおどして、最初は航空局長は抵抗しましたが、次官を呼び出しておどしまして、予算の編成期でありましたけど、調査費を四番目の滑走路のためにつけさせました。これは三十分で済んだんですが、その後、決まった工事をどういう工法で行うかで時間がかかり過ぎました。これは業界がみんな思惑で談合して、三つ工法があったんですけどね、どの予算を聞いても同じ額が出てきて、本当に判断がつかない。
 それで、座長に、当時IBMの会長ですが、顧問でした椎名さんを頼みまして、椎名さんも往生しましたが、この工法を決めるのに時間がかかり過ぎて今日になったわけであります。本来ならもっと早く、あれは完成しているわけでありますが、その時点で実は、やっぱり国際線も飛ばして、要するに、日本で確固としたハブ空港にしようということを国交省とも内々決めて臨んできました。とにかくダウンタウン、中心街に、これほど至近でアクセスも備えている空港は、世界にめったにないと思います。
 今、アメリカを初め各国が日本に、オープンスカイという、つまり、もっと航空機を入れろという要求をしております。既に四十カ国ぐらいがウエーティングしておりますが、アメリカやほかの先進国はもっと便数をふやせといっておりますけれども、これはなかなか、いうに易しいが実際行うに難しいものでありますけれども、特に彼らがいっているオープンスカイというのは、これはあくまでも首都圏の空なんですね。幾ら、名古屋に新しい飛行場をつくったり関西につくっても、これだけ集中、集積が進んでしまった首都圏に主なビッグビジネスがあるわけでありますから、やっぱり首都圏がその気になってやらないとだめなんです。
 ということで、横田の問題も手がけてきましたが、これはなかなか壁が厚くて、最後にはアメリカは本音でしょうけれども、あの飛行場は使ってないかもしれないが、第二次世界大戦の戦勝品だということまではっきりいうんです。そういう相手ですから、なかなかとにかく難しいと思いますけれども、粘り強く続けていく必要がございます。
 いずれにしろ、羽田にはまだまだスペースがありますから、四番目の滑走路もつくり、さらに今のCランでしょうか、あれを延伸して、フルにお客を乗せ、満タンにした飛行機が北米の東海岸まで飛んで行けるような、そういう整備もしなくてはならないと思っております。
 先日、新しい管制塔の管制室から空港全体を見渡しましたが、羽田が大きく変わりつつあることを実感いたしました。
 昨年十二月の日米航空協議によって、羽田に、日米双方で一日八便就航することが合意されました。あわせて、航空会社が原則自由に路線の設定等ができる、いわゆるオープンスカイがようやく実現、いささか実現することになったと思います。
 これにより、航空会社間の競争が進み、路線やダイヤの自由度が増すなど、我が国に発着する国際線が利用者にとって、より利便性の高いものになると期待されております。
 生まれ変わる羽田空港により、米国のほか、欧州やカナダ、シンガポール、香港、台湾、韓国など世界の多くの都市と首都東京とをダイレクトに結びつけることが可能になりました。観光、ビジネスの両面でも、その果たす効果ははかり知れないと思っております。
 羽田空港の一層の活用を図るには、先ほど申しましたが、C滑走路の延伸工事の完成や、さらなる容量拡大を早期に実現するなど、世界との行き来をより円滑なものにしていくとともに、外環を初めとする広域的交通ネットワークを有機的に連携しませんと、肝心の飛行場が生きてこないと思います。
 都心に近く、世界で比類のない便利な空港でありますから、この羽田の価値を最大限に発揮できるよう、それに付随したインフラの整備も鋭意進めていきまして、首都東京の国際競争力を一層高めていきたいと思っております。
 次いで、京浜港の国際競争力の強化についてでありますが、日本の港湾がアジアの諸港との熾烈な競争にさらされる中で、これまで国は京浜港、伊勢湾、阪神港をスーパー中枢港湾に指定する一方で、全国にくまなくコンテナターミナルを整備するというちぐはぐな港湾政策に終始してきました。
 こうしたことから、日本を発着するコンテナ貨物約百万個が釜山を経由して積みかえられておりまして、我が国の港湾の地位の低下に拍車をかけております。
 これは荷主にとってみますと、釜山で積みかえて──わざわざ釜山まで運んで積みかえる方が、アメリカを例えば例にとりますと、アメリカの西海岸に行くにも二日ぐらいおくれるそうでありますけれども、何しろ、向こうの方の一箱分のコンテナ分の単価が安いというので、結局、そっちが事を優位に進めて、我が国が劣勢にさらされているわけであります。
 今般、国が進めている国際戦略港湾については、全国のコンテナ取扱量の四割を占め、既に三港連携に取り組んできている京浜港が最もふさわしいことは自明でありまして、本来、改めてこんな公募をするまでもないことだと思います。現に民間の事業者から、何でまた今さら屋上屋を重ねるようなことがあるんだと、わけのわからない港が名乗り出てきて、ますます混乱するじゃないかという声が、東京だけじゃなしに、名古屋やあるいは阪神の港の当事者からも上がっているんですが、こういったものが果たして今の政府にどれだけ通じるかどうか、これからのことだと思います。
 既に国としての公募を開始したとのことでありますが、実施するならば、港湾経営の現場をよく知る地方自治体の提案を真摯に受けとめて、その実現に最大限努力をすべきであると思います。
 いずれにしても、釜山港とのコスト差を埋めるのは容易ではありませんが、官民の知恵を結集してコスト縮減と港湾機能の向上を図り、東アジアのハブポートを目指し、アジア諸港との競争に勝ち抜いていきたいと思っております。
 次いで、産業、雇用就業施策についてでありますが、東京の活力の基盤は、高度な技術を持つ小零細企業や優秀な人材の集積であります。
 我が国は現在、深刻な経済危機からの回復軌道を見出せずにおりますが、日本の頭脳部、心臓部であります首都東京の産業力を維持し、現在の危機から、脱却と未来の成長の道筋を見出していくためには、必要な産業、雇用就業施策を適時的確に実施していくことが求められております。
 このために、厳しい雇用情勢に対応した雇用創出や就業支援、小零細企業に対する資金繰り支援など、足元の対策に万全を期すとともに、環境、医療を初めとする成長性の高い産業分野の育成や技術開発の促進など、将来の成長を見据えた施策を積極的に展開し、多面的、重層的な取り組みを行っていきたいと思います。
 次いで、新市場整備のあり方についてでありますが、築地市場の老朽化は、先日わずかな地震でも崩落事故が発生したように、既に限界に達しております。災害時における耐震性やアスベストなど、安全性の面からももはや一刻の猶予もならない状況であると思います。
 豊洲地区への移転は、二十年をかけて、再整備を含めて、その間、先ほど申しました四百億も結局むだなお金をかけてさまざまな案を検討し、議論を尽くした結果、関係者の大多数が、経済性も考え、最も合理的な選択肢として最終的に合意したものであります。
 こうした状況を踏まえると、結論を先延ばしするのではなく、現実的な判断をするのが行政の責任を果たすことになると思います。
 新市場予定地の土壌汚染対策については、各分野の最高権威の学者の方々で構成される技術会議で、日本の先端技術を活用した、安全性に不安がなく信頼性の高い対策をまとめていただきました。現在、現地での実験を行っているところでありまして、この実験の結果を踏まえて、次のステージに進むべきであると思います。
 都としては、対策の有効性を確認した上で、速やかに平成二十六年度中の開場に向け、豊洲新市場を新たな基幹市場として整備していきたいと思っております。
 次いで、地球温暖化対策についてでありますが、気候変動の危機回避に向けて着実にCO2削減を実現するためには、企業などの行動を確実に低炭素型社会への転換につなげるよう、規制と誘導の両面から強力な施策を導入しなければならないと思います。
 大規模事業所に対するキャップ・アンド・トレードは、削減目標を明確に示すことにより省エネ投資を活性化させ、我が国の環境技術を十二分に活用する契機となり、新たな環境産業や経済成長を生み出す源泉ともなるものであると思います。
 また、中小規模の事業所への省エネ機器導入補助等と連動した環境価値創出の仕組みは、温暖化対策に弾みをつける重要な役割を果たすものであると思います。
 都は、国に先駆けて導入した、規制と誘導を総合するこれらの手法を活用しまして、環境の世紀のトップランナーとして経済の成長を生み出しながら、地球温暖化対策を進める低炭素型の都市のモデルを示していきたいと思っております。
 次いで、青少年健全育成条例の改正についてでありますが、児童ポルノや子どもへの強姦などを描いた漫画の蔓延を、見て楽しむだけなら個人の自由である、いかなる内容であっても表現の自由であると許容することは、これらの自由の履き違えでまさにありまして、青少年を守り育てる大人としての責任と自覚を欠いた未成熟な人間の自己保身にほかならないと思います。
 また、保護者が幼い子どもを性的写真集の被写体として売り渡す行為も、子どもを使って自己の欲望や利益を満たそうとする、大人として親として、卑劣というかあるまじき下劣な行為であると思います。
 このような、児童ポルノや青少年をみだりに性の対象として扱う風潮から、次代を担う青少年を守らなければならないと思います。このため、青少年健全育成条例を改正し、児童ポルノの根絶とこの種の図書類の蔓延の防止に向けて、都が、都民、事業者と一体となって取り組み、現存のおぞましい状況にこの東京から決別していきたいと思っております。
 次いで、水道事業の国際貢献についてでありますが、日本には原子力発電や電子技術など、世界に誇るべき比類のない技術があります。海外に日本の力を示すことができるのは、まさにこうしたすぐれた技術でありまして、それを活用して国の進展を図ることこそが国家の役割であると思います。
 日本のODAは、建設資金を拠出するのみで、日本の貢献がよく見えない。水道に限っていいましても、世界で、蛇口をひねって安心して水が飲める国はわずか十一カ国しかありません。たった十一カ国です。
 東京は、漏水率三・一%を達成した漏水防止技術や、世界に誇る高度な水質管理の技術を有しております。先般も申しましたが、先年、ニューヨークのC40の会議に招じられてまいりました。
 内容のない会議で、私はこんな会議をやって意味がないんじゃないかといって、例えばということで、私たちが売り出している「東京水」、これは水道の水を売っているんだ、買う人がたくさんいるんだ、ミネラルよりずっと安いんだ、ずっと安全なんだ。そして、あと水道局長にディテールを話させましたら、そのときだけえらいみんな感心して、メモをとりながら聞いていましたがね。
 日本のそういう水道技術というものは、本当に世界最高のものと思います。そういった技術を持ちながら、総体的な評価というものは非常に乏しい。
 これらの技術を海外でも活用することによって発展途上国の水事情の改善に貢献するとともに、日本経済の活性化のためにも、東京の技術力を世界に示していきたいと思っております。
 他の質問については教育長、東京都技監及び関係局長から答弁いたします。
   〔教育長大原正行君登壇〕

○教育長(大原正行君) 大学の教員養成課程の見直しについてでございます。
 都教育委員会は、優秀な教員の確保、育成という観点から、大学における四年間の養成課程、採用、そして採用後の育成を一体のものとしてとらえて検討すべきと認識しております。
 このため、都教育委員会は、採用選考における他県との連携や、若手教員を三年間で育成していくための研修体系の改善など、任命権者の責務として採用選考及び採用後の育成の充実に着手をいたしました。
 教員養成については本来大学が行うものでありますが、これまで都教育委員会は、各大学の要請に応じて、指導主事を派遣して特別講義を行うなどの支援を行ってまいりました。しかしながら、大学を卒業してすぐに学級担任となる小学校教員については、お話のように、大量退職に伴う大量採用が続くために、質の確保が喫緊の課題であることから、大学が、教員養成課程の段階から早期に実践的な指導力を身につけさせていくべきであると考えます。
 そこで、都教育委員会は、小学校の新人教員が現実に抱えているさまざまな課題を解決し、養成段階のさらなる改善充実を大学とともに進めていくために、本年二月、検討委員会を設置したところであり、今後、八月を目途に各大学に対して、学部四年間の具体的なカリキュラムの改善に係る方策を提言していくこととしております。
   〔東京都技監道家孝行君登壇〕

○東京都技監(道家孝行君) 外環の整備に向けた都の取り組みについてお答えをいたします。
 外環は、東京の最大の弱点である交通渋滞の解消のみならず、我が国の国際競争力の向上や首都圏の環境改善など、ひとり東京のためだけではなく、広く国全体にその便益が及ぶ重要な幹線道路であります。特にCO2排出量は一都三県において年間約三十万トンが削減され、東京が目指す環境先進都市への飛躍にもつながるものであります。
 石原知事就任後、直ちに外環の整備を都政の最重要施策として位置づけ、平成十三年には扇国土交通大臣とともに現地視察を行い、長年の事業凍結を解除いたしました。これまで地元との話し合いを四百八十回以上も重ね、昨年五月に事業化に至り、十二月には事業説明会が開催され、一月からは測量、地質調査などが始まり、いよいよ現地において事業が動き出しました。
 こうした中で、地元地権者の皆様からは用地の買い取りを求める声が多く寄せられており、都としては執行体制を整え、国から受託する大泉ジャンクション部の用地取得を積極的に進めてまいります。
 今後とも必要な事業費の確保を国に強く求めるとともに、国と連携して、用地取得を重点的に行い、早期着工、早期完成に向け全速力で取り組んでまいります。
   〔知事本局長吉川和夫君登壇〕

○知事本局長(吉川和夫君) 長期的な視座を持った政策展開についてでありますが、ご指摘のとおり、計画や個々の施策を立案する上では、将来を見据える視点を常に持つことが重要でございます。「十年後の東京」計画は、まさにこうした考え方に立って、二〇一六年の東京の姿とそれに向けた政策展開の方向性を明示した都市戦略でございます。
 今回策定した実行プログラム二〇一〇におきましても、計画で描いた近未来図を実現するために、これまでの取り組みを緻密に検証し、真に実効性のある施策を重点的に展開することとしております。
 また、知事が施政方針演説で述べましたように、東京の未来のためには、今後とも常に十年先を見据えながら、五十年先、百年先にもつながる取り組みを進めていくことが必要でございます。
 そのために、国に先駆けて導入した複式簿記・発生主義会計から得られます資産、負債等のストックの状況や、将来にわたるコストパフォーマンスの分析結果なども活用しながら、計画や施策の隅々にまで将来を見据える視点を徹底するよう、関係各局と連携し、全庁的な調整を行ってまいりたいと思います。
   〔財務局長村山寛司君登壇〕

○財務局長(村山寛司君) 事務事業評価の取り組みについてのご質問にお答えいたします。
 都は、石原知事就任後、財政再建に取り組む過程におきまして、二次にわたる集中的な事業見直しを実施し、合わせて八千億円の財源を確保してまいりました。これが今日の都の財政対応力の礎を築いたものと考えております。
 事務事業評価は、この事業見直しの努力を財政再建の後も継続して実施していくための制度として立ち上げたものであり、定着に向け、この間取り組んできております。
 この取り組みは、都が実施する事業を、その仕組みや実績等の分析に基づき、一つ一つ事後検証し、その結果を事業の見直しや改善につなげていくというものでございまして、根気の要る地道な作業ではございますが、事業を担当する各局の協力を得ながら、ここに来て何とか予算編成過程における重要なツールとして定着させることができたと考えております。
 同時に、お話のように、今後都が継続的、安定的に果たすべき使命を考えると、この事務事業評価制度の持つ、都民から負託を受けた貴重な税金が効率的、効果的に活用されているのかを検証する機能を高めるために、今後、評価対象のさらなる拡大や評価手法の一層の充実など、もう一段のステップアップが求められております。
 具体的には、例えば、従来、評価対象は、都が直接実施する事業としておりましたが、今後は、これに加えて、監理団体等を通じて実施している都の事業についても、関係局と連携しながら評価を行ってまいります。また、一般会計と区分して計理されている二十二の特別会計について、そのあり方などを検証してまいります。さらに、従来、歳出が評価の中心でございましたが、歳入につきましても、新たな視点から検証を行ってまいります。
 こうした努力を積み重ねることによりまして、今後とも各局と密接に連携しながら、事務事業評価を活用して、都が実施する一つ一つの施策が都民にとって一層役立つものになるよう、積極的に取り組みを進めてまいります。
   〔総務局長中田清己君登壇〕

○総務局長(中田清己君) 四点のご質問にお答えします。
 まず、指定管理者制度の運用見直しについてでございますが、公の施設の管理運営に民間の能力を活用する指定管理者制度の運用におきましては、経費の節減のみならず、都民サービスの向上という観点が重要であると考えております。
 そのため、指定管理者の候補者を選定するに当たりましては、おのおのの施設の特性を踏まえた適切な管理がなされるよう、これまでの議会での議論を踏まえ、制度運用の見直しを進めております。
 主な内容といたしまして、施設の機能を最大限発揮させるため、都との密接な連携による運営が求められ、かつ民間では対応困難な場合などにつきましては、行政支援、補完機能を有する監理団体を特命で選定できるものとする。また、より良好な運営へのインセンティブと優良な管理者の再選定につなげるため、管理運営状況評価の実績を次期選定の審査に反映する、こういった内容でございます。
 これらの見直しを行うことによりまして、施設の良好で安定的な管理運営による一層のサービス向上とともに、指定管理者による長期的視野に立った人材確保や育成等にも資するものと考えております。
 以上の内容を踏まえまして、本年度内に見直しを行い、平成二十二年度末に指定期間が終了いたします多くの施設の次期指定管理者の選定から実施してまいります。
 次に、監理団体の考え方についてでございますが、監理団体は公共性の高い分野などにおきまして、質の高いサービスを効率的かつ効果的に提供し、行政支援、補完機能を発揮する都政の重要なパートナーであり、都と同等の信頼性の確保が求められているものと認識しております。
 そのため、今般、包括外部監査でいただきました指摘、意見につきましては、対象団体にとどまらず、他の団体も含め検証し、正すべき点は正すことはもとより、都からの受託事業にかかわります契約情報や職員給与の支給状況などにつきましても、団体の柔軟な経営などに留意しつつ、都に準じた情報公開を推進し、透明性の向上を図ってまいります。
 また、ご指摘の監理団体の固有職員の育成につきましても、都が実施いたします研修にも参加できる機会を設けるなど、監理団体の行政支援、補完機能をより一層強化する観点から、今後も引き続き支援してまいります。
 こうした取り組みにあわせまして、これまでの都、監理団体、民間の役割を改めて検証し、その存在意義と各団体に対します指導監督のあり方を明確にいたします監理団体活用方針を本年夏を目途に策定いたします。
 次に、多摩振興プロジェクトについてでございますが、多摩地域はその特性やポテンシャルを生かし、「十年後の東京」計画で描きました首都圏の中核拠点としての発展が期待される地域でございます。
 二十一年度は、JR中央線の三鷹─国分寺間で踏切を解消するとともに、産業支援拠点でございます産業サポートスクエア・TAMAや、多摩総合医療センター、小児総合医療センターを開設するなど、さらなる振興に向け、基盤の整備や医療福祉の充実などを着実に進めてまいりました。
 二十二年度におきましては、その発展を加速させるため、西国分寺─立川間の踏切解消や多摩南北道路の整備などのほか、森林の循環再生や地域医療体制の強化、スポーツ振興など幅広い分野におきまして、市町村とも十分連携しながら、多摩プロジェクト事業を積極的に推進してまいります。
 今後とも、事業促進に向けた国等への働きかけや市町村への支援とあわせまして、多摩地域の一層の振興に都庁一丸となって取り組んでまいります。
 最後に、東京国体の競技会場施設整備についてでございますが、東京国体は多摩・島しょを中心に、東京都全域で開催することとしており、多くの区市町村におきまして、競技会場の整備を進めていただいております。
 既に平成二十一年度までに整備を終了した施設もあり、来年度以降、さらに多くの区市町村で施設整備に着手していくこととなっております。
 都におきましては、区市町村の競技施設整備に対する財政支援を実施しておりまして、二十一年度からは、福祉のまちづくりにつながるような整備につきましても、財政支援の対象に加えるなど、きめ細かい対応に努めております。
 今後も、区市町村の整備計画を詳細に伺いまして、平成二十五年の国体開催に向け、万全の準備を整えてまいります。
   〔生活文化スポーツ局長秋山俊行君登壇〕

○生活文化スポーツ局長(秋山俊行君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、私立幼稚園等就園奨励特別補助についてでございますが、都は、私立幼稚園に対する経常費補助により、教育条件の維持向上と保護者負担の軽減を図るほか、一定所得以下の園児保護者に対して、所得状況に応じて保育料の一部を補助する私立幼稚園等園児保護者負担軽減事業を実施し、国の幼稚園就園奨励費補助などとあわせて、これまで保護者の負担軽減を図ってきたところでございます。
 しかしながら、国の補助制度については、来年度予算案で、対象となる四つの所得階層のうち、年収三百六十万円を超え六百八十万円以下の世帯の補助単価だけが三割も減額される事態となっております。
 この所得階層は、補助対象園児の七割を超える最大の階層でございまして、補助単価の減額は、現下の経済状況の中、多くの保護者にとって大きな負担増となり、深刻な影響を与えるものと受けとめております。
 また、ただいまご質問の中でお話がございましたとおり、私立幼稚園関係者の方々や都議会からも負担増に対する激変緩和の要望が寄せられておりますことから、都としては、緊急的、臨時的措置として、私立幼稚園等就園奨励特別補助を創設することといたしました。
 この事業は、従来の都の補助制度とは別に、国の制度変更による保護者負担の激変を緩和するために行うものでございまして、具体的には、負担増となる世帯に負担増額の三分の二に相当する一万二千四百円を補助するものでございます。
 今回は、都として新たな補助制度を創設いたしましたが、そもそも国の制度は、負担増となる所得階層の年収幅が三百六十万円から六百八十万円を一くくりとし、著しく広いため、対象者も多く、きめ細かい補助を必要とする現場の実態に合っていないものというふうに考えております。
 そのため、今後国に対して、所得階層の分割とあわせて、補助対象であるすべての保護者について負担増とならないよう、補助制度の改善を強く要望してまいります。
 次に、スポーツ施設の整備についてでございますが、東京体育館や東京辰巳国際水泳場などの都立スポーツ施設につきましては、全体に老朽化が見られるため、東京都スポーツ振興基本計画や主要施設十カ年維持更新計画に基づきまして、改修を実施してまいります。
 改修に当たっては、ユニバーサルデザインの導入はもちろんのこと、東京国体の競技会場となることから、先月策定された環境指針に基づき、再生資材の活用や省エネタイプの設備の採用など、環境にも十分配慮していく計画でございます。
 とりわけ東京国体のテニス及びソフトテニス会場となります駒沢オリンピック公園総合運動場につきましては、築四十五年以上が経過し、老朽化が著しいことから、来年度初めには十年程度を実施期間とする改修計画を策定する予定でございます。
 今後も、スポーツ都市東京の実現に向けて、都立スポーツ施設をスポーツ振興を支える重要な拠点として位置づけ、着実に整備をしてまいります。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) 八点についてお答えを申し上げます。
 まず、後期の次世代育成支援行動計画策定に当たっての理念等についてでございますが、本計画は、次代を担う子どもたちが健やかに生まれ、かつ育成される社会の形成を目指すとの考えに立って策定をしております。また、これまでの実績や社会情勢の変化を踏まえて、新たな重点課題として、ワークライフバランスの実現、在宅子育て家庭を含むすべての子育て家庭に対する支援等を取り上げております。
 保育サービスの目標量につきましては、本計画の最終年度である平成二十六年度までの五年間で利用児童数を三万五千人ふやすという目標を検討しております。
 また、この目標は、潜在需要も考慮した上で、国の新待機児童ゼロ作戦の最終年度である平成二十九年度までに、就学前の子どもの保育サービス利用率を現在の三〇・五%から四四%程度に引き上げることを目指しているものであります。
 続きまして、待機児童の解消についてでありますが、都は、保育サービス拡充緊急三カ年事業により、保育所等の整備を着実に進めておりますが、今年度からは事業者と区市町村の負担を大幅に軽減する独自の支援策を講じております。
 来年度も新規施設の設置を促進するとともに、新たにパートタイム労働者向け保育サービスの拡大や、認証保育所補助単価の見直しによる定員拡充など取り組みを強化してまいります。さらに、認可基準の範囲内で、定員を超えて入所を受け入れる定員弾力化の活用も、区市町村及び事業者に働きかけてまいります。
 引き続き、東京ならではの多様な手法を総動員し、待機児童の解消に向けて積極的に取り組んでまいります。
 続きまして、パートタイム労働者向けの保育サービスの拡大についてでありますが、待機児童の解消を図るためには、待機児童の保護者の過半を占めるパートタイム労働者や求職者に対する保育サービスの充実も不可欠であります。
 一方、これらの方々を対象とした国の制度である特定保育事業は、実施主体が認可保育所等に限定をされておりますことなどから、十分な整備が進んでおりません。
 このため、都は、認証保育所や家庭福祉員などに実施場所を拡大するとともに、パートタイム労働者の就労実態に合った保育時間及び保育料の設定ができる定期利用保育事業を独自に開始をいたします。
 今後、区市町村と連携して本事業を強力に推進することにより、都民一人一人の働き方に応じた適切な保育サービスを提供してまいります。
 続きまして、都型学童クラブ創設の効果についてでありますが、都型学童クラブは、保護者の時間延長ニーズに対応し、午後七時以降までの開所とあわせ、指導員に保育士等の有資格者を配置することなどを義務づけ、その運営に係る経費を都独自に補助するものであります。
 ご指摘のような小一の壁問題に加え、利用希望者が増加している現状もあり、今回の新たな制度により、民間事業者の参入を促し、学童クラブの量的、質的な拡充を図ってまいります。
 これにより、子どもが一層安心・安全に放課後を過ごせる場所を確保し、就学前に引き続き、就学以降も切れ目のない保育サービスを提供する体制を整備してまいります。
 次に、在宅医療についてでありますが、都は、これまで地域の病院が中心となって、在宅医療を担う医師や訪問看護師、ヘルパーなどの連携を支援する取り組みや、病院のスタッフと在宅医師との相互理解を図るための研修などを実施してまいりました。
 今後、さらに在宅医療を充実していくためには、地域に医療や介護資源を十分把握した窓口を設け、病院やケアマネジャー等からの相談を受け、各患者に最適な在宅医療を提供できるよう調整する仕組みが必要であります。
 このため、都は、来年度、地区医師会や訪問看護ステーションなどに調整窓口を設置するモデル事業を都内四カ所で実施をし、入院患者が在宅療養に円滑に移行し、療養生活を継続できるよう支援をしてまいります。こうした取り組みの検証や普及を通じ、それぞれの地域に合った在宅療養生活を支える仕組みを築いてまいります。
 次に、周産期医療体制整備計画についてでありますが、この計画は、地域における周産期医療の適切な提供を図るため、都として中長期的な周産期医療体制の整備方針を示すものであります。
 その中心的な内容であるNICU病床の整備につきましては、出生一万人対三十床を基本に、平成二十六年度末までに三百二十床に増床する目標を本計画に位置づけてまいります。
 さらに、今後、診療機能や連携等の実態調査を実施するとともに、周産期医療協議会の意見を伺いながら、本年夏ごろを目途に、母体、新生児搬送調整の機能強化や、NICUに長期に入院している新生児等に対する退院支援などを含め、周産期医療全般に係る計画を策定してまいります。
 次に、周産期医療における平成二十二年度の具体的な取り組みについて申し上げます。
 都は、NICUの安定的な運営及び整備促進を図るため、運営費補助や増床を伴う場合の整備費補助を大幅に拡充をいたします。
 回復途上の新生児を受け入れるGCUについても、新たに補助制度を創設するなど、周産期母子医療センターに対する支援を格段に充実してまいります。また、スーパー総合周産期センターの指定を三カ所から四カ所に拡大するとともに、周産期連携病院についても、指定の拡大を図ってまいります。
 多摩地域におきましては、NICUによる管理は必要としませんが、比較的リスクの高い新生児を受け入れる病院を、新たに多摩新生児連携病院として指定をいたします。
 さらに、それぞれの地域においてネットワークグループを構築し、リスクに応じた役割分担と連携を進めてまいります。
 こうした取り組みを通じて、安心して妊娠、出産できる医療提供体制の強化に努めてまいります。
 最後になりますが、立川市立看護専門学校についてお答えを申し上げます。
 これまで同校は優秀な人材を送り出し、多摩の地域医療体制を支えてまいりました。
 また、ご指摘のとおり、都立北多摩看護専門学校が東大和市に移転したことに伴い、その施設を引き継ぐ形で開校したという経緯もあります。
 こうしたことから、立川市立看護専門学校の廃止時期を踏まえつつ、都立北多摩看護専門学校の定員増について検討してまいります。
   〔病院経営本部長中井敬三君登壇〕

○病院経営本部長(中井敬三君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、都立病院改革の到達点と今後の展開についてでありますが、一連の再編整備事業の中でハード面で最大規模となる多摩・小児総合医療センターの開設は、周産期医療や救急医療の充実など、現下の都の医療課題に的確にこたえるものであり、平成十三年の都立病院改革マスタープランの策定以来、都議会のご支援をいただきながら進めてきた都立病院改革の大きな成果であります。
 今後は、子どもから大人に至る幅広い医療の提供など、両病院の特性を十分に発揮しながら、これまでもご指摘いただいてきた地域の医療機関等との緊密な連携を着実に進め、多摩地域の医療水準の向上に寄与していく考えでございます。
 さらに、現在、順次ハード整備を進めている駒込病院、松沢病院において、がん、精神科に関する高度専門的な医療水準の一層の向上を図るとともに、合併症医療や緩和医療など、近年の医療ニーズ動向を踏まえた医療サービスの充実にも努めてまいります。
 今後とも、各都立病院がそれぞれの医療分野や地域において、先導的、中核的役割を果たせるよう全力で取り組んでまいります。
 次に、都立病院における総合的な医療人材の確保、育成策についてでありますが、都立病院が行政的医療を初め、都民ニーズを踏まえた幅広い医療を提供するためには、ご指摘のとおり、ハード面の整備に加え、質、量ともに十分な医療人材を安定的に確保していく必要があり、これまでさまざまな取り組みを行ってまいりました。
 その結果、医師については、東京医師アカデミーの創設により、来年度には、全国的に不足状況にある産科について十六名、小児科について四十三名の研修医を擁する見込みとなるなど、明るい材料がふえつつあります。
 今後は、一段と高い臨床能力、研究能力を兼ね備えた人材を育成するクリニカルフェローコースを平成二十三年度に開講し、人材育成体制の一層の強化を図ってまいります。
 また、看護師についても、組織を挙げた取り組みにより、本年四月には例年の約二倍の看護師を採用できる見通しとなっております。
 さらに、来年度は専門試験の廃止や年齢制限の緩和等、選考の実施方法を大幅に見直すとともに、資格取得支援の充実などを図る東京看護アカデミーの運用を開始し、看護師の人材確保、育成体制の一層の充実を図ってまいります。
 医療人材の不足は、依然として深刻な状況にありますが、都立病院の使命を十全に果たすため、今後とも医療人材の確保、育成に、都立病院の総力を挙げて総合的、重層的に取り組んでまいります。
   〔港湾局長比留間英人君登壇〕

○港湾局長(比留間英人君) 京浜港共同ビジョンの策定の意義についてでございます。
 これまで国の港湾政策は、施設整備中心の施策体系でございまして、我が国港湾の国際競争力の強化には必ずしも結びついているとはいえませんでした。
 アジア諸港の躍進に伴い、京浜港への国際基幹航路の寄港数が減少する中で、都は、一昨年、危機感を共有した川崎市、横浜市とともに、京浜三港連携を開始し、コンテナ船の入港料の一元化を初めとして、さまざまな取り組みを展開してまいりました。
 今般策定した共同ビジョンは、京浜港の国際競争力強化に向けて、国内貨物の集荷を図るため、地方港との連携強化により内航海運を活性化すること、広域幹線道路の整備促進を国に働きかけ、京浜港の背後圏をより広域化することなど、国内貨物輸送網全体を視野に入れた具体性のある総合的な対策でございます。
 このような構想を、地方自治体が連携して、新たに打ち出したことに意義があると考えてございます。
 今後、この共同ビジョンに基づき、国際戦略港湾の指定を受け、激化するアジア諸港との競争の中で、京浜港の存在を確固たるものにすべく全力で取り組んでまいります。
   〔産業労働局長前田信弘君登壇〕

○産業労働局長(前田信弘君) 六点のご質問にお答えいたします。
 まず、緊急の雇用対策についてでありますが、都は、これまでも厳しい雇用情勢に対応し、国に先駆けた雇用創出に取り組むとともに、職業訓練の大幅な拡充や求職者に対する就業支援の充実など、さまざまな対策を講じてまいりました。しかしながら、雇用情勢は依然として厳しく、一層の取り組みが求められております。
 このため、まず、雇用創出事業については、本年度最終補正予算において、緊急雇用創出事業臨時特例基金をさらに拡充し、平成二十二年度には、緊急雇用創出事業とふるさと雇用再生特別基金事業を合わせて、本年度の約一万人を大幅に上回る約一万七千人の規模で雇用創出を図ってまいります。
 また、離職者に対する職業訓練については、人材需要の高い介護分野の定員をふやすとともに、多様なメニューを展開するなど、より多くの就職に結びつくよう効果的に実施してまいります。
 さらに、新規学卒者の採用動向は予断を許さないことから、未内定の学生さんを対象とする合同就職面接会については、来年度、参加企業の規模を拡大するほか、キャリアカウンセラーを配置した個別相談コーナーを充実させるなど、きめ細かく対応してまいります。
 今後とも、雇用創出に加え、職業訓練、就業支援などの対策を適切に講じることにより、求職者一人一人の適性や状況に応じた支援を行ってまいります。
 次に、中小企業の経営力向上と受注開拓支援についてであります。今年度から開始した経営力向上支援事業では、都内中小企業二千社を対象に、商工会議所等の経営指導員と中小企業診断士が直接企業を訪問し、経営課題の改善に向けた助言を行っております。
 また、この助言を行う中で販路開拓が必要な企業については、受注開拓緊急支援事業を活用して、既に三百社以上の中小企業が展示会に出展するなど、新たな取引先の拡大につなげてまいりました。
 しかし、中小企業を取り巻く経営環境は依然として厳しく、都内の中小企業からも一層の支援を求める声をいただいております。このため、来年度も延べ一千社を対象に経営力向上を支援してまいります。
 実施に当たりましては、これまでの取り組みを踏まえ、より効果的かつ迅速な経営改善が図られるよう、経営診断時に活用するチェックシートの内容を見直すとともに、フォローアップが必要な企業には、個々の経営課題に即した専門家の派遣など、さらなる支援を行ってまいります。
 今後とも、都は、東京商工会議所などの中小企業支援機関と密接な連携を図り、経営基盤の強化に向け努力を続ける都内中小企業に対し、経営改善から販路開拓まで、切れ目なく強力に支援してまいります。
 次に、都内産品を活用した商店街の活性化についてであります。
 にぎわいと活気に満ちた商店街づくりには、これまで支援してまいりました施設整備やイベントなどの実施に加えまして、個々の商店街が魅力的な商品を数多く取りそろえることで集客力を高めることが重要と考えております。
 そのため、都内にある優良な農林水産物や工業製品などで、販路に課題があった都内産品の新たな流通ルートを開拓し、これを商店街の活性につなげていくことは、ご指摘のとおり大変有効な方策であります。
 そこで都は、平成二十二年度から、都内産のすぐれた商品の販路開拓を支援する都内産品販売活動支援事業を実施いたします。
 具体的には、商店街の空き店舗などを活用し、都内産品の販売に取り組む事業者やバイヤー向けの展示即売会を開催する事業者に対して支援を行います。こうした民間事業者のノウハウを活用し、都内産品の新たな流通ルートの開拓と商店街のにぎわいを創出することで、地域経済の活性化を図ってまいります。
 次に、今後の中小企業に対する金融支援についてでありますが、制度融資では、国の緊急保証制度に対応し、最優遇金利を適用した経営緊急を中心に、厳しい経営環境にある中小企業を資金面から支援してまいりました。
 本年度における一月末までの経営緊急の保証承諾実績は七千八百六億円となり、多くの中小企業の資金繰りに役立っております。来年度も、引き続き経営緊急を中心に、制度融資を積極的に推進してまいります。
 また、地域の金融機関と連携して都が独自に実施している新たな保証つき融資制度についても、現在、十三の金融機関において取り扱いを開始しており、本年一月末までの約三カ月間で保証承諾実績は七百六十三件、六十九億円となっております。
 引き続き、取扱金融機関の拡大を図るとともに、来年度の融資規模を拡大し、利用促進を図ってまいります。
 ご指摘のとおり、中小企業を取り巻く経営環境は引き続き厳しいものと予想されますので、これらの金融支援策により、中小企業の資金繰りの対応に万全を期してまいります。
 次に、区部や多摩の拠点での中小企業支援についてであります。
 都は、東京の発展を支える産業力の強化を図るため、都内中小企業の技術開発を支援する中核的機能を担うものとして、区部と多摩にそれぞれ産業支援拠点を整備することとしております。
 平成二十三年度に、臨海部に開設予定の区部の産業支援拠点では、現在、北区にございます都立産業技術研究センターを再編し、超精密技術等の先端技術の支援や最新評価機器を駆使した基盤的技術支援、企画から試作、製品化に至るまでの総合的なデザイン支援の充実を図ってまいります。
 また、先週開設いたしました多摩地域における産業支援拠点、産業サポートスクエア・TAMAでは、エレクトロニクス分野など多摩の産業特性に対応した技術支援を行うとともに、平成二十三年度に開設予定の多摩職業能力開発センターと既設の東京都農林総合研究センターをあわせて、商工、雇用、農林の各支援機関が緊密に連携し、経営、技術、人材等の課題解決に向けてワンストップサービスを展開してまいります。
 さらに、圏央道の全線開通等を見据え、都域を超えた広域的産業交流や産学、産産連携の促進を図るため、八王子市に産業交流拠点の整備を計画しております。
 今後、これらの拠点を中心として、都内外の支援機関と連携を図りながら、区部や多摩の中小企業のニーズに的確にこたえ、経営力向上や新技術、新製品の開発、新産業の創出等に向けて総合的な支援を行い、東京の産業の持続的な成長を実現してまいります。
 最後に、中小企業の新技術開発を促進する新たな仕組みについてであります。
 個々の中小企業にとって、将来の産業技術の発展動向を見きわめて、新製品、新技術の開発テーマを選定し、実行するということは容易なことではございません。このため、将来、事業化が有望な開発テーマを都が示すことは、中小企業の技術開発の促進などに大きく資するものと考えております。
 また、開発テーマは、環境、少子高齢化、安全・安心など、都政の課題解決につながるものとすることで、庁内の各局と連携した成果の普及促進も可能となります。
 このため、都では、来年度から都市課題解決のための技術戦略プログラムを実施いたします。
 まずは環境分野において、都政の現場の声や首都大学東京等の知見などを集約し、開発テーマや目標を定めた技術戦略ロードマップを平成二十二年度前半を目標に都が策定、公表いたします。
 これに沿った中小企業の新製品、新技術の開発及び事業化を、庁内各局との連携を深めながら重点的に支援してまいります。
   〔都市整備局長河島均君登壇〕

○都市整備局長(河島均君) 緑確保の総合的な方針の具体的な展開についてでございますが、この方針では、都内に残された屋敷林や崖線などを対象といたしまして、将来に引き継ぐべき緑を選定し、このうち三百ヘクタールにつきましては、今後十年間かけて都と区市町村が確実に守る手だてを講じるとともに、保全を推進する新たな施策を展開することといたしました。
 具体的には、民有地の緑の保全に有効な都市計画の特別緑地保全地区につきまして、土地の買い取りが生じた場合には、区市町村の財政負担を軽減する一定の補助を都が行うことにより、指定の拡大を図ってまいります。
 また、樹林地の維持管理につきましても、所有者の負担を軽減するため、都と協定を結んだ民間基金から市民団体に活動費を助成できる仕組みをつくりまして、落ち葉の清掃等の活動を支援してまいります。
 これに加え、遊休化した農地を借り上げて、市民農園よりも区画が大きく、菜園に限らず、ガーデニングも楽しめる新たな都市型農園の仕組みづくりを進め、農地の活用と保全を図ってまいります。
 今後は、現在実施しておりますパブリックコメントでの都民の意見等を踏まえ、本年五月に最終的な取りまとめを行い、本方針に基づき、区市町村とともに緑の保全に積極的に取り組んでまいります。
   〔環境局長有留武司君登壇〕

○環境局長(有留武司君) 生物多様性についてお答えいたします。
 多様な生物とその生育環境を守り、これを将来世代に伝えていくことは、人々が安心して健康的に暮らす基盤の確保ともなる重要な取り組みでございます。
 都は、生物多様性東京戦略の平成二十三年度策定に向けまして検討に着手しましたが、策定に当たりましては、お話のように、世界有数の大都市でありながら、一方で多摩地域や島しょを中心に豊かな自然が残る東京の特性を生かした戦略といたします。
 また、これまでの緑施策などを踏まえた具体性のある内容とするとともに、他の環境施策はもちろんのこと、庁内の各施策とも連動した複合的な取り組みとし、さらには発信力があるメッセージ性の高いものとしてまいります。
 そのため、今後、有識者等からも意見を聞くなど、幅広い検討を進めるとともに、シンポジウムの開催などにより、都民、事業者を巻き込んだ普及啓発を展開してまいります。
   〔青少年・治安対策本部長倉田潤君登壇〕

○青少年・治安対策本部長(倉田潤君) 青少年健全育成条例改正案における青少年のインターネット利用環境に係る保護者の役割についてでありますが、保護者の多くは、青少年のインターネットの利用状況や、その危険性についての関心や知識が不十分であったり、またインターネットに係る青少年の被害やトラブルを回避するために有効なフィルタリングを安易に解除したりしがちであります。
 このため、改正案においては、保護者がその責任を自覚し、青少年のインターネット利用を適切に監督する責務を定めるとともに、フィルタリングの安易な解除を防止するため、解除手続の厳格化を図ったところであります。
 また、青少年の健全育成に配慮した携帯電話の推奨制度を創設するなどして、保護者の適切な監督を支援していくこととしております。
   〔水道局長尾崎勝君登壇〕

○水道局長(尾崎勝君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、水道事業の国際貢献におけるビジネスモデルの設定についてでございますが、当局では、これまで海外研修生の受け入れや職員派遣等の国際貢献に取り組んでまいりました。今後は、こうした取り組みに加え、世界的な水問題への対応など、我が国の水道技術に対して高まる期待を踏まえ、株式会社である東京水道サービスを活用した新たな国際貢献を実施していくことといたしました。
 アジア諸国では、漏水防止が急務な国、水道水質の向上が必要な国など、さまざまなニーズがあり、また風土や国民性、財政状況も国によって異なっております。
 このため、今後、ミッション団を派遣し、各国の実情を調査するとともに、海外事業調査研究会におきまして国内外の情報を精力的に収集、分析してまいります。
 さらに、対価の支払い方法などの契約条件の工夫や、リスクを最小限に抑えるための政府保証の活用を検討するなど、幅広い視点でニーズと実情に応じたビジネスモデルを設定してまいります。
 このような取り組みを通して、新たな国際貢献を積極的に推進してまいります。
 次に、水飲み栓直結給水化モデル事業の私立学校への対象拡大についてでございますが、本モデル事業は、蛇口から水を飲むという水道文化を次世代を担う子どもたちに継承することを目的として、平成十九年度から公立小学校を対象に実施してまいりました。
 これまでに実施した百九十八校の児童や教職員から、おいしい、安心、冷たい等の高い評価をいただいております。
 こうした声や区市町からの要望等を踏まえ、平成二十八年度まで期間を延長するとともに、公立中学校においても事業を実施することといたしました。
 本モデル事業は、実効性を考慮し、区市町との連携が可能な公立学校を対象としてまいりましたが、ご指摘のとおり、公立、私立にかかわらず、子どもたちに直結給水化された水のおいしさを実感してもらうことは、事業の意義をより高めるものと考えられることから、私立学校におきましても本モデル事業を実施することを検討してまいります。

○副議長(鈴木貫太郎君) この際、議会局長から発言の申し出がありますので、これを許します。

○議会局長(白石弥生子君) お許しをいただきまして発言の機会をいただきました。
 ただいまの自由民主党川井議員の代表質問の際に、質問時間の終了を知らせる振鈴を、五十六秒間残り、終了時間に到達していないにもかかわらず、鳴らしてしまいました。
 誤りのない議事運営──をつかさどるべき議会局長といたしまして、このような重大な間違いをいたし、川井議員はもとより、議場の先生方に多大なご迷惑をおかけし、大変申しわけございませんでした。深くおわびをいたします。
 今後、このようなことがないよう十分注意してまいります。本当に大変申しわけございませんでした。

○副議長(鈴木貫太郎君) 以上をもって発言は終わりました。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
   午後六時十六分休憩

   午後六時三十六分開議

○副議長(鈴木貫太郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 百八番中嶋義雄君。
   〔百八番中嶋義雄君登壇〕

○百八番(中嶋義雄君) 公明党を代表して質問をいたします。
 最初に、都財政について質問いたします。
 このほど提示された平成二十二年度予算案の特徴は、二年間で一兆一千億円減収という前代未聞の厳しい財政環境の中にあって、一般会計の規模こそ対前年五・一%減となったものの、政策的経費である一般歳出総額では一・九%増の四兆六千二百八十九億円とし、さらに景気対策としても重要な投資的経費を四・七%増の八千百三十七億円としたことであります。
 とりわけ、福祉と保健の予算が構成比で過去最高の二〇%とされたことを評価したいと思います。
 我々は、この数字から、都民生活の現在と将来に責任を持つという都庁全体の意思を読み取りたいと思います。また同時に、厳しい経済環境の中で、なぜこれほどの積極的な予算が可能になったのかという点に注目すべきであると強調したいと思います。
 いうまでもなく、それは知事を初めとした都庁全体の十年来に及ぶ行財政改革の努力の結果であり、またその果実が今年度、一兆三千億円にも上った活用可能な基金、そして七%台にとどまっている起債依存度、これらが示す財政の健全性であります。
 そして、それを可能とした重要な要素の一つが、実は公会計制度の改革であります。都議会公明党が強く主張し、知事もかねてからその必要性を認識していた複式簿記・発生主義会計を東京都は国に先駆けて導入いたしました。いささか大げさにいえば、これは明治の太政官政府以来の抜本的な公会計制度の改革であります。
 具体的には、バランスシートなどの財務諸表の導入、活用によって、一兆円を超えた、いわゆる都の隠れ借金を顕在化させ、さらにその原因の分析を通して解消策を見出し、平成十九年度には隠れ借金がゼロとなりました。同時に、発生主義会計の導入によって減価償却の概念を取り入れ、例えば公の建造物の更新費用を、企業の内部留保のように社会資本等整備基金に積み上げることが可能になり、その額は平成二十一年度末で四千五十七億円に上っております。
 財政の健全性回復の背景には、こうした公会計制度の改革があったということを、ぜひ広く都民に知っていただきたいと思います。基金が積み上がったのは、使うべき資金を使わなかったからだなどという批判がいかに的外れであるか、明らかであります。
 改めて知事に伺います。国に先駆けて複式簿記・発生主義会計の導入による公会計制度の改革を行って、都財政の再建を果たし、今また厳しい経済環境の中で、都が果たすべき役割を果敢に達成しようとする平成二十二年度予算案を提示された決意、あるいはここに至るまでの思いについて、まず答弁をいただきたいと思います。
 一方、国は、二十二年度予算編成の過程において、事業仕分けを行いました。結果的にパフォーマンスとして注目を集め、予算編成過程に国民の関心を喚起した意義は認められましたが、むだの排除あるいは財源の発掘には十分な効果がありませんでした。
 都は、既に二次にわたる財政再建プランを実行に移し、すべての事業を対象にして事業効果の点検、見直しを行ってまいりました。今後、さらにむだを排除し、財源を確保しながら施策を効率的に推進していくためには、事業の集中的な点検、検証を日常化し、その成果を継続的にすべての事業に反映させていく仕組みへと発展させる必要があります。
 新たな公会計制度には、日々の会計処理自体にむだや非効率を排除する仕組みが内部化されているはずであります。これを活用しながら事務事業評価を進化させることが重要であります。
 二十二年度予算編成における事務事業評価の活用の成果、また今後のさらなる制度の進化とその効果について、都の見解を求めたいと思います。
 次に、雇用対策について質問いたします。
 雇用全般に厳しい状況が続いています。中でも直近の問題は、かつての就職氷河期を上回るともいわれる新卒者の就職難であります。我々公明党は、さきの第四回定例会でも、この問題を指摘し、対策の強化を求めました。
 中でも、深刻な状態にあるのが高卒者の問題であります。昨年十二月末時点の高校生の就職内定率は、前年同期比で七・五ポイント減の七四%にとどまり、四人に一人が内定をとれないという状況でした。働く意欲のある若者が社会の入り口で参加を拒絶されるなどということは、そもそもあってはならないことであります。
 いよいよ三月を迎え、卒業式シーズンに入ります。苦境に立たされている高校の新規学卒者の支援について、都は対応を強化すべきであります。見解を求めます。
 一方、大学生については、都議会公明党が提案した首都圏合同就職面接会の第二回目が二月十六日に開催されました。卒業まであとわずか一カ月半という時期にもかかわらず、二千四百人を超える大学生等が面接に訪れました。求人動向が厳しい中でも、百四十四社の参加企業と約九百人の求人を確保したことは評価したいと思います。
 また、一月には多摩地域の大学と、しごとセンター多摩が連携して、新たな形態の合同就職面接会を実施しました。学生の就職状況の厳しさを各大学から聞き取り、しごとセンター多摩が大学と一体となって行ったこの取り組みは、画期的であります。
 こうした都と大学の連携による就職支援は、二十三区でもエリアごとに行うなど、取り組みの拡大を図っていくべきであります。都の見解を求めます。
 社会参加の重要な入り口が就職であります。これは何も新卒者に限りません。倒産、破産、リストラなどで再チャレンジが必要な人に対して、再度の社会参加のチャンスを提供することは、昨今の社会経済状況の中では、自治体にとって重要な仕事であります。
 そこで、知事も施政方針で触れられましたが、国のハローワークなどの無料職業紹介事業は、地域の実情に精通している地方自治体に移譲すべきであります。改めて、都の見解を伺いたいと思います。
 次に、地球温暖化対策について質問いたします。
 地球温暖化は、もはや一刻の猶予もならない喫緊の課題であるにもかかわらず、政府の動きは依然として緩慢であり、二〇二〇年までに一九九〇年比二五%削減の目標の達成に向けたロードマップもいまだ示されておりません。
 一方、都は、いよいよ四月から大規模事業所を対象にしたキャップ・アンド・トレードを開始いたします。オフィスビルなど業務系施設をカバーする制度としては、世界初の試みであり、全国レベルでのキャップ・アンド・トレードの制度設計をリードするものとなります。
 都市の世紀といわれる今日、東京は世界への先進的な環境対策の発信拠点として、その存在感を示すべきであります。制度のスタートに万全を期すとともに、東京だけではなく、世界総体のCO2削減に向けての情報発信となるように体制を整え、さらに今後のシステムの洗練化に取り組むべきであります。見解を求めたいと思います。
 次いで、都庁における環境対策について質問いたします。
 都庁内全部局の中で、最も温室効果ガスを排出するのは下水道局であり、その割合は四〇%に上ります。既に下水道局は、アースプラン二〇一〇を策定し、二〇二〇年度までに対二〇〇〇年度比で温室効果ガスを二五%以上削減する目標を明示いたしました。
 そこでまず、このアースプラン二〇一〇における温室効果ガス削減の手法について説明を求めたいと思います。
 下水道局が排出する温室効果ガスで特徴的なのは、汚泥処理の過程でCO2の三百十倍の温室効果を持っているN2O、一酸化二窒素が発生することであります。このN2Oの発生抑制に取り組めば、大変に大きな効果が上がります。下水道局の見解を求めます。
 続いて、住宅問題について質問いたします。
 自治体は、保健、福祉、医療ほか、広範で多様な行政サービスを提供することが大きな責務であります。そして、そうした行政サービスの提供が意味を持つためには、居住の安定が不可欠であります。つまり、住宅はすべての行政サービスの基盤であるといっても決して過言ではありません。したがって、東京都に限らず、多くの大都市型自治体では、住宅難が一般化していた高度成長期から今日に至るまで、住宅困窮者用の住宅を公営住宅として建設し、供給してまいりました。
 我々都議会公明党は、歴史的にこの都営住宅の整備充実の必要性を一貫して強調してまいりました。そして今、高度経済成長期の住宅難とは全く違った意味で、介護や子育て、雇用、就労対策、独居高齢者、高齢者のみ世帯支援などにおいて、住宅のセーフティーネットが強く要請されています。
 研究者の報告によると、イギリスでは、一九八〇年代に公営住宅不要論が力を持ち、公営住宅の払い下げや地方自治体による建設供給制度が後退し、良質な公営住宅のストックが著しく減少したそうであります。
 ところが、その後、二〇〇七年に出された住宅緑書、いわゆるグリーンペーパーでは、全く逆の提言がなされ、政策の方向は一転し、低所得者向け公営住宅の大幅な供給に取り組まざるを得なくなりました。つまり、都市生活の安定性の確保には公営住宅が必要であると、イギリスでは改めて認識されたということであります。
 したがって、安定性、継続性が重要な住宅困窮者向け住宅の供給、子育てから介護までさまざまなニーズに適合した住宅の供給、さらに、福祉的な配慮を必要とする居住者への対応などを含め、都が直接建設し供給する都営住宅を柱にして住宅政策を組み立てることが最も妥当であります。
 今後とも、住宅困窮者に対しては、都営住宅を中心とした住宅政策を展開すべきでありますが、都の見解を求めたいと思います。
 また、今後、老朽化した都営住宅の建てかえが続きます。この建てかえの際こそ、介護、子育て支援住宅の都市モデルの構築、環境負荷の低いまちづくりや防災まちづくりなどを実現する絶好のチャンスであります。都営住宅の建てかえに当たっては、老朽化した住宅の更新だけではなく、環境、福祉、防災まちづくりに配慮しながら事業を推進するべきであります。都の見解を求めたいと思います。
 ところで、現実の都営住宅の現場では、著しい高齢化に伴い、共益費の自主回収すら困難な状況になっております。従来、都営住宅では、共用部分の維持管理費用などを、共益費として自治会費と合わせて徴収してまいりました。その共益費の中から、例えば共用部分の電気代や補修費などを賄っているわけでありますが、そうした徴収の手間や、維持、補修にかかわる手続自体が、高齢化による自治機能の低下によって困難になっております。
 こうした高齢化による自治機能低下を補う工夫が必要であります。共益費の回収負担の軽減やコミュニティ機能の維持向上のための支援策について、方針を明らかにしていただきたいと思います。
 続いて、住宅と介護について質問をいたします。
 住まいの観点から介護問題にアプローチするには、都営住宅の活用のほか、小規模多機能型居宅介護事業の充実が不可欠であります。我が党は、昨年十一月から十二月にかけて、全国の三千名を超える議員が介護総点検を実施し、在宅介護による家族の心身の負担や介護施設の不足に関する意見など十万件を超える声をまとめ、政策提言として、新・介護公明ビジョンとして発表いたしました。
 今回の介護総点検で改めて必要性が浮き彫りとなったのは、特別養護老人ホームなどの介護施設の増設とともに、在宅介護を、通い、宿泊、訪問などのサービスでサポートする小規模多機能型居宅介護事業の拡充でありました。小規模多機能型施設や特別養護老人ホームの増設に向けた都独自の支援策を強化すべきであります。所見を伺います。
 関連して、介護についていえば、療養病床の確保も重要であります。我が党は、これまで数次にわたり、その拡充を訴えてまいりました。こうした中で都は、平成二十四年度までに二万八千七十七床を確保するという目標を立て、独自に療養病床整備に対する助成を行っております。
 しかし現状は、医療機関にとって余りにも不確定な要因が強く、積極的に整備に乗り出す環境にはなっておりません。したがって、医療機関の意欲を促す療養病床整備のための支援策が必要であります。都の見解を求めます。
 さらに、介護に関連して、高齢の要介護者を生み出す最大の原因である脳卒中について質問をいたします。
 脳卒中は六十五歳以上の患者が多いことから、今後の急速な高齢化、特に団塊の世代の高齢化に伴い、患者の急増が懸念されます。したがって、効果的な医療体制の整備など、脳卒中対策は喫緊の課題であります。
 脳卒中における救命や後遺障害の軽減には、発症後の早期の対応が重要であります。特に脳卒中の七割近くを占める脳梗塞には、血栓を溶かすtPAという特効薬が登場し、発症後三時間以内の投与で、患者の約四割は後遺症を残さず、もとの身体状態に戻るとされております。したがって、脳卒中はまさに時間との闘いであります。
 この闘いに勝つためには、患者となる本人や家族並びに周囲の人たちの脳卒中に関する正しい知識が不可欠です。そこで第一に、脳卒中の兆候についての知識やその確認方法の周知など、早期対応を可能とするための意識啓発や知識の普及に努めることが重要であります。都の見解を求めます。
 また、脳卒中は、急性期の早期にリハビリテーションを開始し、引き続き回復期においても専門的なリハビリを集中的に行います。その際、急性期病院の入院期間は短く、すぐに転院を求められるケースが多く、患者と家族の不安を取り除くためには、順調に転院できる環境を整備しなくてはなりません。
 都内の回復期リハビリテーション病床数は、人口十万人当たり平均二十九床。全国平均の四十一床と比べ、十分とはいえません。そこで、回復期リハビリ病床の増床に積極的に取り組む必要があります。見解を求めます。
 また、患者や家族に安心感をもたらし、治療効果を上げるためには、急性期から回復期へ円滑に医療機関を移り、さらに在宅療養においても継続的な治療を保障するシステムが必要であります。そのための重要なツールが、脳卒中地域連携パスと呼ばれるものであります。これは、患者の病状の推移や治療の経緯、治療目標などの診療計画をデータとして記録し、医療機関や医師がかわっても、このパスを確認すれば、継続的で安定的な医療を受けられる仕組みであります。
 しかし、残念ながら、こうしたパスの存在はほとんど知られておりません。この地域連携パスの活用を促進し、要介護高齢者の発生を防ぐためにも、パスを活用した医療機関のネットワークを拡大して、都民への周知を図るべきであります。都の見解を求めます。
 次に、保育所待機児童の解消について質問をいたします。
 都は、一月に少子化打破緊急対策を発表し、平成二十二年度からの三年間で二万二千人分の保育サービスをふやすとしています。
 ところが、都の待機児童の状況を分析したデータによれば、都内の約一万人の待機児童は、その九割がゼロ─二歳児であり、さらに、その保護者の六〇%がパートタイム勤務や職探しの最中の方々であります。フルタイムの勤務ではないこうした方々は、入園のためのポイントが極めて低く、幾ら待っても入園できず、また逆に、入園の可能性を高めるために、あえて長時間労働に従事する例もあります。
 こうした矛盾を解消するには、パートタイムや勤務時間の一定しない自営業者あるいは求職中の人々、さらに一時保育希望者などが利用しやすくて弾力的な保育サービスが必要であります。
 そこで提案は、ゼロ―二歳保育を専門とし、ニーズに柔軟に対応することができる保育ママ、つまり家庭福祉員の活用であります。
 保育ママは、自宅でも賃貸住宅でも保育することが可能であります。例えば、三人の保育ママが家賃補助を受けて三LDKのマンションを借り、時間が不ぞろいな定期利用のゼロ―二歳児を九人預かり、さらに各人が補助員を雇用すれば、合計で十五人の保育が可能となります。こうしたいわば合同保育室が各地域に設置されれば、即効性の高い待機児解消策になります。
 これは、都の少子化打破緊急対策における定期利用保育事業と保育ママによる共同実施型モデル事業の二つの施策を組み合わせれば十分実現可能であります。見解を求めたいと思います。
 また、いずれ待機児童の増加はピークを過ぎます。そのときに都や区市町村の施策が過剰とならないような配慮も必要であります。そのために有効な方策は、既存の施設の活用であります。
 例えば品川区では、複数の小学校の余裕教室を利用して隣接する保育園の年長児を受け入れる、保育園、幼稚園、小学校連携の新たな取り組みが始まります。ここではプレスクールの意味も込めて学校給食も提供され、子どもたちがスムーズに学校生活に移行できるよう工夫されています。
 さらに、五歳児が小学校の余裕教室に移行した保育園では、その部屋を一歳児用に転用することで受け入れ児童をふやし、待機児解消につなげる方針であります。
 都は、こうした事例を広く周知するとともに、区市町村の取り組みを支援すべきであります。見解を求めます。
 次に、我が党が一貫して取り組んできた社会的弱者に対する支援について質問をいたします。
 まずは、盲ろう者支援であります。
 石原知事は、三月号の雑誌「文學界」に、光と音を失い、盲とろうの二重の障害を持つ東京大学の福島智教授を題材とした小説「再生」を発表いたしました。凡庸な我々には想像もつかない障害を背負いながら積極的な生を営む人物に関する石原知事の感受性をうかがわせる作品であります。
 二重の障害を持つ福島教授と知事との出会いから誕生したのがこの小説であり、もう一つが東京都盲ろう者支援センターであります。昨年五月に全国で初めて開設され、盲ろう者の方々の支援拠点として、さまざまな相談や訓練などの事業が行われています。既に今年一月までに二百六十件を超える相談があり、コミュニケーション訓練、生活訓練についても現在二十九名の方々が取り組んでいます。さらに、通訳・介助者派遣事業においても新たな利用者が増加し、開設以来の実績には目をみはるものがあります。
 平成十八年の国の推計によると、盲ろう者の方々は全国で約二万三千二百人、都内ではその一割、およそ二千名を超える方々が存在すると考えられます。しかし現在、障害者手帳を持ち、継続的に通訳や介助等の支援を受けている方は都内で八十七人、依然として数多くの方々が支援の手から抜け落ちています。
 そこで、今後取り組むべき課題は、支援センターの都内への複数配置であります。二重の障害を持って、例えば多摩地域から浅草橋の支援センターに通うには、負担が大き過ぎます。都内全域を視野に入れ、支援センターによるネットワークの形成に取り組んでいただきたいと思います。見解を伺います。
 同時に必要なことは、コミュニケーション訓練や生活訓練を行う専門指導員の養成であります。国は来年度より宿泊型の盲ろう者支援のモデル事業を実施する方針です。これと連携し、盲ろう者のための専門指導員の養成と、その専門指導員養成の基準となる養成プログラムの開発を急ぐべきであります。都の見解と方針を明らかにしていただきたいと思います。
 また、必要な人に必要な支援を行うために、区市町村と連携して支援センターの存在の周知を図り、支援の輪を拡大すべきであります。大田区では、区内在住の盲ろう者に対して個別に支援センターの案内を送付したところ、相談につながった事例が存在します。区市町村と連携しての支援拡大について、見解を伺います。
 続いて、高次脳機能障害者支援について質問をいたします。
 この障害は、交通事故など不慮の災害や脳血管疾患により脳が損傷を受け、その結果、言語や記憶等に障害が生じるものであります。外見からはわかりにくいため、周囲からの理解が得られにくく、見えない障害ともいわれております。
 都議会公明党は、平成十年第四回定例会の代表質問において初めてこの問題を取り上げ、各種対策の実施を求めてまいりました。これを受けて都は、その後、二度にわたる実態調査やニーズ調査を実施し、支援のための冊子の発行、また診断・リハビリテーションマニュアルなどを発行し、さらに心身障害者福祉センターを支援拠点として活用する事業を行ってまいりました。
 また、実態調査によると、平成十一年度では四千人余りだった障害者が、十九年度では、調査方法や対象が異なるとはいえ、約五万人となっております。こうした状況に対応するため、現在、新たにリハビリテーション拡充のためのモデル事業の実施が予定されております。
 今後、地域におけるリハビリ提供体制を充実していくためには、医療機関や相談支援機関など関係機関の連携体制の強化が不可欠であります。新たに実施するモデル事業の内容並びに関係機関の連携強化について、都の見解を求めます。
 さらに、高次脳機能障害者の相談に適切に対応していくためには、障害を持った経験のある人やその家族が相談員となる、いわゆるピアカウンセリングの活用が有効であります。見解を求めます。
 次いで、多摩地域の小児医療体制の整備について質問をいたします。
 昨日、多摩総合医療センターと小児総合医療センターが本格的に業務を開始しました。今後大事なことは、統廃合される地元区市町村の小児医療体制を後退させないことであります。都議会公明党は一貫してこれを主張し、都も我が党の主張を受け、統廃合される地元区市とのたび重なる協議を行い、小児医療体制の支援策を明らかにしてまいりました。
 昨年の第四回定例会においては、小児総合医療センターと各地元との医療連携を強く求めましたが、予算を審議する本議会においては、地元区市の小児医療に対する財政的支援も含めた総合的な支援策の実施を求めたいと思います。都の見解を伺います。
 また、都は、梅ケ丘病院の移転に伴い、昨年十月一日、都立大塚病院内に新たな児童精神科外来を開設いたしました。二十三区内の発達障害、自閉症などの専門外来であり、半年近く経過した現在、初診の予約が殺到する状況が続いております。したがって、大塚病院内の児童精神科外来の体制強化と医師の増員を図るべきであります。局の見解を求めます。
 一方、開設された小児総合医療センターは、小児専門のERや集中治療室を新たに設け、小児救急医療の拠点となる子ども救命センターの役割を果たすことになります。また、隣接する多摩総合医療センターの産科と連携をして、ハイリスクの母体搬送の受け入れから新生児の管理までを横断的にケアをする、都内最大の総合周産期母子医療センターの機能も果たすことになります。
 そこで重要なのは搬送手段であり、その役割を果たすのが小児ドクターカーと新生児ドクターカーであります。しかし、二十三区の二倍以上という広大な面積の多摩地域では、ドクターカーとあわせ、東京消防庁の東京型ドクターヘリの活用を我が党は強く主張し、都においても開業当初から活用できるよう準備を行ってまいりました。
 ところが、一部のマスコミが、東京型ドクターヘリの活用は開業に間に合わないとか、ドクターヘリとしての機能を果たさないなどとの報道がなされたため、一部から不安の声が上がりました。そこで改めて、東京型ドクターヘリの活用と有効性について、都の見解を明らかにすべきであります。
 また、「十年後の東京」実行プログラムには、多摩地域にスーパー総合周産期センターを設置すると明記されています。まさに多摩総合医療センターと小児総合医療センターこそ、スーパー総合周産期センターの一翼を担うべきであります。都の見解を求めます。
 さらに、小児総合医療センターには、新生児集中治療室、NICUが二十四床整備され、従来よりも九床増床となります。今後、都は、さらに多摩地域のNICUの整備に力を注ぐべきと考えますが、都の見解を求めたいと思います。
 続いて、がん対策について質問をいたします。
 日本人の男性は二人に一人、女性は三人に一人ががんになるといわれ、もはやがんは日本の国民病といっても決して過言ではありません。したがって、がん医療の充実は焦眉の急を要する喫緊の課題であります。
 我々はこれまで、さまざまな角度からがん対策の強化を主張してきました。そこでまず第一に、開設された多摩総合医療センターにおける今後のがん医療の強化について、まず答弁をいただきたいと思います。
 また、公明党は、地方議会と国が連携をして、がん予防のための検診体制強化を一貫して求めてまいりました。その結果、無料クーポンによる乳がん、子宮がん検診の受診促進策の実現やマンモグラフィー機器の整備など、近年特に女性のがん予防対策を強力に具体的に推進してまいりました。
 特に子宮頸がんについては、その原因であるヒトパピローマウイルスに対するワクチンが発症予防に有効であり、ワクチンの販売開始とあわせて、接種費用の助成を行うべきであると議会でも繰り返し主張してまいりました。昨年十二月、ようやくこのワクチンの国内販売が開始されました。したがって、接種費用の助成を早期に実施すべきであります。
 子宮頸がんは、二十歳代、三十歳代の若い女性の発症が増加しており、全国で毎年約二千五百人の女性が亡くなっています。このことを重くとらえ、都議会公明党は、子宮頸がん予防ワクチン接種に対する公費助成を強く訴えてまいりました。先日も申し入れを行ったばかりでありますが、平成二十二年度中にも都内の一部区市町村でワクチン接種に対する公費助成が開始されます。都は、接種促進のため、区市町村に対する財政支援を速やかに実施すべきであります。答弁を求めたいと思います。
 次に、都立高校改革について質問いたします。
 都はこれまで、総合学科高校、チャレンジスクール、中高一貫教育校など新しいタイプの学校を設置するとともに、既設校を進学指導重点校やエンカレッジスクールに指定するなど、都立高校改革を進めてまいりました。
 その間、各学校の個性化が進み、また中途退学者が減少するなど、成果も上がっています。そして、都立高校改革はいよいよ総仕上げの段階を迎えますが、これまでの成果と今後の高校改革の取り組みについて、方針を伺いたいと思います。
 さて、新たなタイプの高校の中でも評価と人気が高いのがチャレンジスクールであります。平成十九年に教育庁は、新しいタイプの高校における検証委員会報告を発表しましたが、その中でもチャレンジスクールは、不登校傾向のある生徒が立ち直るなど、その役割が評価されております。
 しかし同時に、課題も指摘をされています。不登校や退学経験のある生徒に関しては、校内での相談事例にしても解決が困難なケースが多く、それに対応できるスクールカウンセラーの配置などが求められています。
 また、学校運営が、生徒は三部制、教師は二部制のため、放課後に生徒が相談しようとしても教師が授業中で対応できないという、三部制ならではの課題もあります。
 こうした学校運営の難しさ、生徒の相談内容の重さなどから、今後はさらに教職員の質的向上が必要とされています。高校改革十年目を迎え、チャレンジスクールなどの課題解決に向けた都の取り組みについて見解を求めます。
 また、都立高校改革における今後の重要な課題は学力向上であります。都教育委員会は、都内の公立小中学校においては都独自に学力調査を実施し、授業改善推進プランを作成するなど、児童生徒一人一人の学力向上に取り組んでいます。都立高校においては、進学指導重点校などの指定を行い、学力向上に取り組んでいますが、それ以外の高校においても小中学校と同様、生徒がどれだけの学力を身につけたのかを検証して、実効性のある学力向上対策を実行すべきであります。都の見解を求めます。
 次に、青少年健全育成条例の改正について質問をいたします。
 昨年、児童ポルノ犯罪の摘発件数は、全国で前年比約四割増の九百三十五件と過去最多となりました。児童ポルノの根絶は今や一刻の猶予も許されない課題であります。ところが、他人への提供を目的としない、いわゆる単純所持が処罰の対象とならないのは、G8では日本とロシアのみとなってしまいました。
 我が党は、単純所持処罰化のための児童ポルノ法改正法案を自民党とともに国会に提出するなど、児童ポルノの根絶に向けて党を挙げて取り組んでまいりました。確かに単純所持の処罰化は国民合意のもとに実施されるべきであります。しかし、この瞬間にも、児童ポルノの被写体となり心身に傷を負う子どもがいることを、手をこまぬいて見ているわけにはまいりません。
 今回の条例改正案には、何人も児童ポルノを所持しない責務を有するとの規定を初め、児童ポルノの根絶に向けた意欲を強く感じます。さらに、今後は罰則規定の導入などを検討すべきであります。改めて知事の所見を伺います。
 次に、昨年四月に施行された青少年インターネット環境整備法においては、青少年が利用する携帯電話については原則としてフィルタリングを提供することとしていますが、法施行後もフィルタリングの使用率は都内の中学生で約五四%にとどまり、子どものいいなりにこれを解除する親すら見られます。
 こうした状況を改善し、より一層のフィルタリングの普及定着を図るため、都の実効性のある取り組みが不可欠であります。特に首都圏においては、通学等による都県を越えた移動も多く、近隣三県とも連携をとりながら、広域的な取り組みを行っていくべきと考えますが、都の見解を求めます。
 次に、羽田空港の国際化について質問をいたします。
 ことし十月、いよいよ羽田空港の四本目の滑走路や国際線旅客ターミナル、国際貨物ターミナルが供用開始となり、国際定期便は昼夜合わせて年間約六万回の増便となります。また、昨年十二月にはアメリカとの就航が決まり、欧米やアジアとの間で人、物、情報が活発に行き交うようになります。羽田に国際貨物ターミナルも新たに整備され、生鮮食品や高付加価値の製品の行き来が活発化し、物流面でも高い効果が期待できます。
 まずは、改めて最近の情勢の変化も踏まえ、羽田の国際化、ハブ空港化に対する知事の所見を伺いたいと思います。
 ところで、現在の臨海部のインフラ整備は、実は羽田空港の四本目の滑走路は前提に含まれておりません。新滑走路の運用開始後は、昼間の発着枠で約四十万七千回、深夜、早朝で約四万回に達します。これにより、新たに年間一千万人近い方々が羽田空港を利用すると想定され、その結果、羽田へのアクセスを初め、臨海部のインフラは限界を超えるおそれがあります。
 こうした事態へ対応するためには、臨海部のインフラ整備の新たな青写真を描く必要があります。これは極めて有効な公共事業であり、高い経済効果が期待できます。そこで、まず羽田空港の国際化に伴う経済効果と雇用拡大について、展望を示していただきたいと思います。都の所見を伺います。
 また、これは観光振興の絶好の機会でもあります。都は、二〇一六年に一千万人の外国人旅行客を迎え入れることを目標にしていますが、今こそ観光都市東京の多彩な魅力を効果的に海外に発信すべきであります。所見を伺います。
 観光客の受け入れ体制を整備するためにも、交通アクセスの改善は避けて通れません。具体的には、広域幹線道路である国道三百五十七号線の延伸、大鳥居交差点の立体交差化、そして臨海副都心とのアクセスの改善が急務であります。
 さらに、都営浅草線の東京駅への接続、東京駅までのモノレールの延伸など検討すべき課題は山積しています。空港アクセスの改善について、都の取り組み状況を伺いたいと思います。
 次に、駐車違反取り締まりについて質問をいたします。
 話題を呼んだ民間の駐車監視員による駐車違反確認事務が始まって四年になります。実施に当たっては、悪質、危険、迷惑な違反を重点的に取り締まるとし、また結果としては交通事故件数の減少など一定の効果があったと認識しておりますが、これが警視庁の警察活動全般に対してどのような効果があったのか、警視総監の見解をまず伺いたいと思います。
 我々の調査によると、交通事故件数の減少など一定の効果は認められるものの、極めて短時間で確認標章が張られてしまい、配送業務等に支障を来し、どのように対処すればよいか困惑しているという物流業者を初め、業務車両を運行する多くの事業者から困惑する声が寄せられているところであります。
 また、タクシー事業者からは、うかつにトイレにも行けないなどの悲鳴にも似た訴えや、子どもの出産にかかわる助産師からは、急な往診に対応できないなどの苦情も寄せられています。
 こうした声を受け、都議会公明党はたびたび規制緩和の要望を重ねてまいりました。現在、警視庁では、こうした要望を受け、配送業務等の駐車禁止規制の見直しを進めていますが、その内容及び進捗状況について明らかにしていただきたいと思います。また、あわせて東京における今後の駐車規制の見直しについて所見を伺います。
 昨日、バンクーバー・オリンピックが閉幕し、近くパラリンピックが開幕になります。時節を合わせたかのように、都では過日、二〇一六年オリンピック・パラリンピック競技大会の招致活動報告が公表されました。そこでまず、報告書で分析している活動の成果や課題、さらに再度招致を目指す場合には、今回の教訓をいかに生かしていくべきか、まず知事の見解を伺います。
 今回の招致活動においては、当初に比べ、しり上がりに機運が高まりました。その影響もあり、既に東京商工会議所は、二〇二〇年の招致に再挑戦するよう求める決議を行っております。今後、改めて招致を目指す場合は、行政だけでなく、こうした民間の主体性を最大限に尊重する運動論が展開されていくべきであります。知事の認識を伺います。
 招致活動費については、先般の本会議で、一般財源分の百億円に関しては、東京都監査委員から、特定業者に契約が集中しており、業者選定方法について慎重に検討すべきなどの留意事項はあったものの、おおむね適正に執行されていることが認められたと報告がありました。
 一方、民間資金の四十九億円については、外部監査法人の公認会計士による監査が行われておりますが、現段階における年度別の監査状況を明らかにしていただきたいと思います。
 さらに、民間資金については、当初計画どおりの寄附が集まらず、六億九千万円の借り入れを行うとしております。この返済方法についても明らかにすべきであります。都の説明を求めたいと思います。
 今回の招致活動を通し、スポーツ振興に対する都民の関心が高まったことは大きな財産にほかなりません。都は、今回の招致活動を通して得た財産を生かすために、スポーツに対する関心が高まっている今こそ、スポーツ振興策を総合的に推進し、日本全体のスポーツ振興をリードすべきであります。都の見解を求めます。
 次に、築地市場の整備について質問をいたします。
 過日、築地市場の現在地再整備案なるものが記者会見で示されたと聞いております。これは果たしてだれが責任を持って提示した案であるのか、また工期や費用の算定の根拠は示されているのかどうか、我々には全くわかりません。
 ただ、その内容を仄聞すると、晴海への仮移転が前提となっているそうであります。そうすると、晴海での環境アセス、土壌調査、住民合意の形成などの課題が当然出てまいります。局の見解はいかがか。
 あるいはまた、仮移転した後は、築地における再整備のための同様の作業が必要となると考えられます。とりわけ土壌調査が問題となりそうでありますが、これについても局の見解はいかがか。
 いうまでもなく、開設から七十五年を経た築地市場は、昨年十一月の震度二の地震による鉄製ガラリの落下、同じく十二月の大雨によるひさしコンクリートの崩壊などを挙げるまでもなく、耐震性の脆弱さ、老朽化、狭隘化で限界状況を呈しています。
 また、高度な品質、衛生管理が困難であり、多くの制約から市場機能の強化を図ることができず、生鮮食品の取扱量は大きく減少をしています。
 築地市場の問題は、こうした客観的な事実、具体的な状況認識に基づいて議論を重ね、単なる引き延ばしに終始することなく、合理的な判断を下すべきであります。
 また、新たに整備される市場は、向こう五十年間は使用される施設であります。この議場にいる我々の大多数が存在しなくなる時代まで続く施設の整備であります。それを決める我々の責任は極めて重大であります。間違っても都知事選挙の争点にするなどといった無責任な姿勢で議論すべきではありません。
 事の発端は土壌汚染であります。食の安全から万全を期すことは当然であり、その意味で、技術会議、専門家会議、汚染処理の施工例を持つ手法の公募、そして屋上屋をいとわずに決めた汚染土壌処理の実証実験、これらの一連の流れは、率直に見れば十分に評価に値します。あとは、実験の結果とそのデータをありのままに公表することであります。
 このような我々のごく当然の見解を踏まえ、新市場整備に関する展望、所見を伺い、代表質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 中嶋義雄議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、二十二年度予算についてでありますが、今回の予算編成では、大幅な税収減に直面する中にあって、いかに現下の閉塞感を打破し、東京都を衰運に赴かしめないように将来を切り開く手だてを講じていくかが大きな課題でありました。
 二十二年度予算は、東京の現在と将来に対し、都がなすべき役割を積極的に果たすべく、現下の危機に的確に対処するとともに、東京の可能性を引き出す戦略的な投資を行うなど、都民の期待に十分こたえるものになったと思っております。
 このような予算を編成できたのも、今までに都議会の協力を得ながら財政再建を達成し、その後も堅実な財政運営に徹することにより、強固な財政の対応力を培ってきたからにほかならないと思います。
 その過程で導入した複式簿記・発生主義による新しい公会計制度は、長い目で見て、役所の本質を一変させ、おっしゃったように、明治の太政官制度以来続く、官の主導のこの国のあり方そのものを本質的に変える起爆剤としての役割を果たし得るものだと思っております。
 これがあれば、国も今さら事業仕分けなどせずに、新しい会計制度できちっとした財務諸表が出てくるわけでありますから、余計な苦労をせずに済むわけですから、そういうことで、私も政権が変わりました後、長い知己であります菅副総理、それから地方自治体の所管をしております原口総務大臣にも、ぜひ新しい政権で思い切って、財務省にいろいろな抵抗はあるかもしれないが、とにかく先進国でどこでもやっている、日本だけやっていない新しい会計制度を取り入れるべきであるということを建言いたしました。
 今後とも、都政に課された使命を将来にわたり確実に果たしていくために、新しい会計制度も活用して、さらなる財政体質の強化に取り組み、積極果敢に都政を展開すべく全力を尽くしていきたいと思っております。
 次いで、児童ポルノの根絶についてでありますが、児童ポルノは、青少年に対する性犯罪や性的虐待の現場を写したものにほかならず、その存在自体が許されるべきものでは絶対にございません。
 この問題については、国においても議論がなされておりますが、その間にも児童ポルノの被害者児童は大きく数として増加しておりまして、これ以上、こうしたポルノの蔓延を放置し、被害を受けた青少年の苦しみを看過することはできないと思います。
 まずこの東京から、児童ポルノは絶対に許さない、青少年をその被害に遭わせないという毅然とした態度を示して、その根絶に先鞭をつけるために、青少年健全育成条例の改正案を提案したものであります。
 なお、いわゆる単純所持の処罰化については、問題の国際性や、インターネット上のはんらんを効果的に規制する観点から、国が全国一律に実施する必要がありまして、都としては、国に対し、その責任を果たすよう強く求めてまいります。
 次いで、羽田の国際化、ハブ空港化についてでありますが、羽田空港は、我が国の経済を活性化し、国際競争力を強化するなど、我が国の将来を左右する極めて重要なインフラであります。
 羽田が成田と一体となってということは、成田にも国内線を飛ばす、そしてそこで乗り継いで国際線に乗るという、そういう機能を成田も受け入れるべきだと思いますし、そういう意味で、成田と一体となって、欧米、アジアの主要都市へのアクセスの拠点となり、国際ハブ空港として機能を高めることが絶対に必要だと思います。
 先ほども申しましたが、先進国が日本に強く要求しているオープンスカイというのは、当然この首都圏にフォーカスをしたものでありまして、そういう意味でも、羽田というものはその意味合いで重要な意味を持ってくると思います。
 いずれにしろ、羽田のまだ配分先が決まっていない昼間の発着枠の活用や、さらなる空港容量の拡大によりまして、昼間の国際線を極力ふやして就航都市を拡大する必要があります。
 また、供用開始時には、国際線貨物ターミナルも開設されまして、新たに年間五十万トンの国際航空貨物を取り扱うことが可能になります。これにより、深夜、早朝時間帯にも運航できる羽田の特性を生かし、速達性を求められる航空物流において大幅な時間短縮を実現できると思います。
 この羽田の機能を生かすには、首都高速道路など広域的な道路ネットワークの整備をあわせて促進することが不可欠であります。
 旅客と物流の両面において、二十四時間利用が可能で、都心に近く、世界に比類のない便利な空港でありますから、この羽田の優位性を生かして、国際競争力の向上など首都東京の活性化につなげていきたいと思います。
 なお、ついでに申しますと、エネルギーの節約のためにほかの国がやっている夏時間を日本ができないのは、成田が結局、飛行時間に非常に厳しい制約を要求しているもんで、そういう意味では、羽田が国際的に活用されれば、ぎりぎりでひっかかる、羽田にやってくる航空便は羽田で乗りかえるということで、日本全体がエネルギーの削減のためにも、夏時間ができることになると思います。
 次いで、パラリンピック・オリンピック招致についてでありますが、今回の招致活動は、開催権こそ獲得できませんでしたものの、日本の未来につながる重要な役割を果たしたといいますか、いろんな収穫があったと思います。
 招致活動を通じて、都民のスポーツ振興やアスリートとの交流による青少年の健全育成、世界に対する地球温暖化対策のアピール、最先端技術や文化の発信による東京、日本のプレゼンスの向上など、さまざまな分野で多岐にわたる成果を得られたと思います。
 今後、これらの成果を跳躍台として、二十一世紀の都市モデルの造形を一層進めていくことが重要であると思います。
 一方、招致は、さまざまな見えざる力が働く、国同士の熾烈な、しかし陰にこもった戦いでありまして、各界が総力を結集し、国としての一体感をもって取り組んでいくことが絶対に必要であると思います。
 また、日本発祥のスポーツである柔道を初め、国際競技連盟における日本人の会長職は今やゼロになりました。先ほど申しましたが、そういうことで、柔道も実体を本質的に変えてしまいましたし、卓球は、東洋人が得意だということで、卓球台を高くしろとか、それから日本人が得意なスキーのジャンプなども勝手にルールが変えられて、日本がいろんなハンディキャップを負うようになった。オリンピック競技ではありませんけれども、F1もそうであります。
 ということなら、私にいわせれば、背の高い外国人が得意なバスケットボールなんか、あのかごを三十センチ高くしたら、ダンクシュートができなくなるわけですから、それぐらいの反論をするような政治力といいましょうか、そういう主張する力というものをIOCという大事な場で持つような、そういう整備というものを日本のスポーツ界全体がしませんと、なかなかこういった問題に対する日本の優位というものは獲得できないんじゃないかという気がいたします。
 昨年十月のIOC総会前後に行われた内閣府の調査では、オリンピックなどの国際競技大会を我が国でも開催することを望む国民の割合が何と九〇%となりました。調査を開始した平成三年以降、過去最高となっております。
 先日の東京マラソンでも三十一万人の応募がありましたし、沿道には何と百六十万人以上の観衆が集まりました。まさに東京が一つになった日でありまして、都民、国民のスポーツへの関心の高さがうかがえました。
 こうした期待の高まりにこたえて、今回の招致活動で得た貴重な経験や教訓を生かして、日本でのやがてオリンピック・パラリンピック開催という大きな夢を実現していくことを願っております。
 次いで、招致運動の盛り上げについてでありますが、今回の招致では、当初、世論の支持は必ずしも高くありませんでした。結果として、最近、東京商工会議所を初めとする経済団体や運輸、観光、流通業界など多くの団体に主体的に取り組んでいただくことで、IOC総会直前には世論の高い支持を得ることになりました。
 こうした経緯を踏まえると、再度招致を目指す際には、自発的な行動を起こすさまざまな民間団体が早い段階から相互に連絡を取り合って、幅広く招致機運を醸成することが大切であると思います。それがやがて大きなうねりとなって、都民、国民の盛り上がりを加速させ、招致獲得の力強い後ろ盾になると思います。
 なお、質問にはありませんでしたが、都内に二千人、全国で二万人いるという目も見えず、耳も全く聞こえない盲ろう者がいるということを、質問者であった中嶋幹事長のおかげで、私、その象徴的な人物であります福島智さんにお目にかかることで、今までそういうものに見えなかった目が開かれました。
 都としては、ささやかではありますけれども、そういう人たちのために日本で初めてああいう施設をつくることができました。これは本当につくづくよかったなと思いますし、都としても満足のできる奉仕だったと思います。この場をおかりして感謝いたします。
 他の質問については、警視総監、教育長及び関係局長から答弁いたします。
   〔警視総監池田克彦君登壇〕

○警視総監(池田克彦君) 道路交通法の改正による効果など三件のご質問にお答えいたします。
 初めに、道路交通法の改正による効果についてであります。
 駐車監視員制度の導入により、警察官は、より悪質、危険な交通違反を重点的に取り締まることが可能となったほか、振り込め詐欺、ひったくり対策など、都民が不安に感じている重要で身近な治安課題への対応に、より多くの時間を充てることができるようになりました。
 その結果、依然として厳しい状況であるものの、都内における交通死亡事故死者数や刑法犯認知件数などが、従前に比べて減少するなどの効果があらわれているところであります。
 次に、駐車禁止規制の見直しに関する取り組み内容と進捗状況についてであります。
 物流車両等に配意した駐車規制の緩和に関しましては、平成十八年六月の新駐車対策法制が施行される以前から、交通実態等を踏まえた、めり張りのきいた駐車規制となるよう見直しを行い、これまでに築地市場、日本橋問屋街など十三地区において、貨物自動車等を対象に段階的に規制緩和を実施してきたほか、裏通りなどにおける駐車規制の解除を行ってきたところでございます。
 しかしながら、さらなる規制緩和の要望があることを受け、昨年、都内一円を調査いたしました結果、荷さばきなどの需要が多く、緩和の必要性が高いと思われる約四十区間が浮上し、現在、規制緩和の可否等について、さらに詳細な調査を行っているところであります。
 今後、道路利用者及び地域住民の皆様のご意見を踏まえながら、規制緩和が妥当と判断された場所において、貨物自動車等を対象に規制時間を緩和する方向で準備を進めてまいりたいと考えております。
 最後に、東京における今後の駐車規制の見直しについてでございます。
 駐車規制は、必要不可欠な駐車需要に配意しつつ、良好な駐車秩序を確立し、交通の安全と円滑を確保するため実施しているものでございます。
 その見直しに当たりましては、都内の限られた道路空間が秩序正しく適正に活用されるよう、道路利用者及び地域住民の皆様のご意見を踏まえながら、交通状況、駐車需要等に応じたきめ細かな配慮のもとに行ってまいりたいと考えております。
 また、関係機関等に対し、道路外の駐車スペース整備の働きかけを継続するとともに、物流業界が進めている共同配送などの取り組みなどとも連携し、交通の安全、円滑を図ってまいる所存でございます。
   〔教育長大原正行君登壇〕

○教育長(大原正行君) 三点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、これまでの都立高校改革の成果と今後の取り組み方針についてでございます。
 都教育委員会は、都立高校改革推進計画に基づき、新しいタイプの高校の設置や既設校の特色化、学校経営計画の策定、学校施設の整備拡充など数々の施策を実施してまいりました。これにより、応募倍率の上昇、入学辞退率や中途退学率の低下、進学指導重点校における難関国公立大学合格者数の増加など、着実に成果を上げてまいりました。
 平成二十二年四月には、中高一貫教育校四校など合計七校を開校することで、新しいタイプの高校の設置は残すところ一校のみとなります。また、多くの高校において初めての卒業生を輩出することから、これを機に新しいタイプの高校における成果検証を実施いたします。
 このように、都教育委員会は、都立高校がそれぞれの特色に応じて進めてきた改革の具体的な成果を検証した上で、明らかになった課題の改善を図り、さらなる質の向上に取り組むことで、今後も都民の期待にこたえる高校づくりを一層推進してまいります。
 次に、チャレンジスクールの課題解決に向けた今後の取り組みについてでございます。
 チャレンジスクールは、不登校や中途退学を経験した生徒等を主に受け入れる高校であり、開校以来、個に応じた指導内容、方法の充実、体験学習の重視、スクールカウンセラーの優先配置等に取り組んでまいりました。
 こうした取り組みにより、学習進度に応じたわかる授業、興味、関心を引き出す体験学習やボランティア活動は着実な成果を上げており、生徒も高く評価しておりますが、引き続き学力レベルの個人差への対応や、単位の確実な取得に向けた指導の徹底などに取り組んでいく必要がございます。
 都教育委員会は、今後も各校が創意工夫し、生徒の特性に応じた指導の実施、スクールカウンセラーと養護教諭、教員が連携した相談体制の充実を図りますとともに、教員の資質向上のため、校内研修の充実に取り組むことで、生徒が目標を持ち、充実した学校生活が送れるよう支援してまいります。
 次に、都立高校における総合的な学力向上策についてでございます。
 多様な進路希望を持って都立高校に入学してくるすべての生徒に対して、一人一人の希望が実現できるよう学力を向上させることは、保護者、都民の切実な願いでございます。
 これまで都教育委員会は、都立高校改革を着実に進め、進学指導重点校やエンカレッジスクールを指定し、進学指導の充実や基礎学力の定着に取り組んできたところでございます。
 今後は、お話のようにすべての都立高校で入学から卒業までの到達目標を明らかにして、生徒の学力を向上させる取り組みを進めていく必要がございます。
 このため、都教育委員会は、来年度新たに、学力向上に向けて実践的な研究を行うモデル校として、学力向上開拓推進校を指定いたします。推進校においては、高校入試の成績や各学校で開発した学力調査問題の実施結果を踏まえ、到達目標を定めた学力向上推進プランを作成し、これに基づいた授業を実践してまいります。
 平成二十三年度には、すべての都立高校が推進校の成果をもとに学力向上推進プランを作成して、生徒の学力を向上させる取り組みを組織的、計画的に行うよう一層支援してまいります。
   〔財務局長村山寛司君登壇〕

○財務局長(村山寛司君) 事務事業評価の活用の成果と今後の取り組みについてのご質問にお答えをいたします。
 二十二年度予算編成におきましては、今後想定される厳しい財政環境も踏まえ、事務事業評価の取り組みを強化いたしたわけでございますけれども、その主な点は次の三つの点でございます。
 一つは、各局と連携し、評価結果を公表する対象事業を前年度比で二倍を超える二百七十一件にふやしたことでございます。また、評価の結果、見直し、あるいは再構築を行った事業数も前年度に比べ大幅に増加して百四十件となり、これにより約二百億円の財源確保につながっております。
 もう一つは、事務事業評価の切り口を多面化させたことでございます。具体的には、現在十年計画で進めております施設の改築、改修プロジェクト、それに今や業務遂行上のいわば不可欠なインフラとなっております情報システムの開発及び運用、この二つの事業につきまして、担当部署と連携しながら、専門的な見地から検証を行うこととしております。
 第三には、新しい公会計手法の活用を拡大したことでございます。マクロ的な視点での活用はもとよりでございますが、個別事業ごとのいわばミクロ的視点からの検証におきましても、事業の特性に応じ、従来にもまして積極的な活用を図りました。具体的には、民間との比較における効率性の検証や人件費も含めたフルコストの把握、あるいは財産利活用効率の分析などにおきまして、新しい公会計手法をより有効に活用しております。
 このように、現在、事務事業評価は、二次にわたる集中的な事業の点検、見直しを、お話のように日常化させて、継続的な事務事業改革に発展させていくという、いわば事後検証システムとして定着しつつございます。
 今後は、次のステップといたしまして、監理団体等を通じて実施している都の事業や、あるいは特別会計を評価対象に加えるなど、対象範囲を拡大するとともに、内容面でも充実をさせてまいります。その際には、新しい公会計をいかに一層多角的に活用するかということが大変重要な課題であるというふうに認識をいたしております。
 今後とも、こうした観点に立って、各局と密接に連携しながら、事務事業評価制度をさらに発展させ、これを活用することによって、都が実施する一つ一つの施策が都民にとって一層役に立つものになるよう、積極的に取り組みを進めてまいります。
   〔産業労働局長前田信弘君登壇〕

○産業労働局長(前田信弘君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、高校新規学卒者の就職支援についてであります。
 高校生の就職活動につきましては、学校現場がハローワークと連携して行っております。産業労働局としては、これまでもしごとセンターによる進路指導者向けセミナーの開催など、学校と連携した支援を実施してまいりました。
 しかしながら、今春卒業の高校生の就職状況は厳しく、さらなる緊急支援が必要と認識しております。このため、来週三月九日と十日に実施する特別相談会では、高校三年生や保護者の方々などを対象に、今後の就職活動の進め方等に関し、面談及び電話により相談に応ずることとしております。
 さらに、三月中にも飯田橋と多摩のしごとセンターそれぞれに新卒緊急応援窓口を新たに設けまして、卒業後も就職活動を継続する高校新卒者に対しまして、一人一人に応じたきめ細かい緊急支援を実施いたします。
 こうした取り組みを着実に進めることにより、一人でも多くの高校新卒者が早期に就職できるよう、適切に支援してまいります。
 次に、大学と連携した合同就職面接会の拡大についてであります。
 一月に初めて開催いたしました多摩地域大学合同企業説明会は、しごとセンター多摩が開設以来進めてまいりました大学との連携を基礎といたしまして、また大学生の厳しい就職環境への対応を求める多摩地区の大学の強い意向を踏まえて実施したものでございます。約二百人の学生さんが参加し、企業との面接に臨まれました。
 こうした取り組みの二十三区への拡大につきましては、各大学の意向等を踏まえながら今後検討してまいります。
 次に、無料職業紹介事業についてでありますが、職業安定法においては、雇用対策としての無料職業紹介事業については国のハローワークの所管とされ、地方自治体が実施する場合には、福祉サービスなどの施策に附帯する業務として限定的に認められることとなっております。
 しかし、地域のニーズに即した就業支援を行っていくためには、地域の産業施策や福祉施策を担う地方自治体が一元的に実施していくことが効果的かつ効率的であります。都は、国に対して無料職業紹介事業を移譲するよう提案要求してまいりました。
 現在、国においては、国の出先機関の改革を含む地域主権の確立に向けた検討を進めておりまして、都としては、国のこうした動向を注視していくとともに、引き続き提案要求を行ってまいります。
 最後に、羽田空港の国際化に合わせた観光振興の取り組みについてであります。
 これまで順調に増加してまいりました訪都外国人旅行者数が、世界的な景気後退などの影響を受け伸び悩む中、ことし十月の羽田空港の再拡張、国際化は、外国人旅行者拡大の好機であります。
 このため、観光プロモーションや八つの言語によるウエブサイトなどにおきまして、羽田空港の国際化による利便性の向上など、東京の魅力のPRを充実するとともに、四つの言語の表記による案内標識の増設を初めとした受け入れ体制の整備などをさらに展開してまいります。
 また、羽田空港の再拡張、国際化に合わせまして、観光情報センターを新国際線ターミナルビルに移設し、その営業時間を延長するとともに、案内窓口ではこれまでの英語に加え、また中国語及びハングルによる対応を行います。さらに、開設の十月には国際化を記念したイベントを実施することとしております。
 こうした取り組みにより外国人旅行者数の増加を図り、東京の観光振興を一層推進してまいります。
   〔環境局長有留武司君登壇〕

○環境局長(有留武司君) キャップ・アンド・トレード制度についてお答えいたします。
 都は、大規模事業所に対しまして各種説明会の開催や、ヘルプデスクによる個別相談の実施など、着実に準備を進めてきており、現在、総量削減義務の対象となる事業所の指定作業を三月末の完了を目指して行っております。
 既に事業所側では、既存の同規模のオフィスビルに比べCO2を五○%削減する次世代オフィスビルの建築が始まるとともに、既存のビルでも省エネ改修の試みが始まっております。また、オーナーとテナントが協議会をつくり、CO2の大幅な削減を目指すなどの取り組みも進められております。
 都はこれまで、都市型キャップ・アンド・トレードの先駆者として、国内のみならず海外の多くの地方政府等の求めに応じまして、大都市における温暖化対策のノウハウを提供してきました。
 今後、この制度によって確実に削減実績を上げまして、その成果をもってキャップ・アンド・トレードのノウハウを積極的に国や世界の都市に提供してまいります。
   〔下水道局長松田二郎君登壇〕

○下水道局長(松田二郎君) 下水道事業の温暖化対策についての二つのご質問にお答えいたします。
 まず、アースプラン二○一○における温室効果ガスの削減についてでございますが、今回新たに策定したアースプラン二○一○では、二○二○年度までに温室効果ガスを二五%以上削減することを目標としております。
 この目標達成に向けて、下水汚泥の処理過程で大量の温室効果ガスを発生させていることから、これを大幅に削減するために、日本初となる汚泥ガス化炉や、新たに開発した燃焼方式による多層型流動焼却炉などを導入するとともに、汚泥を火力発電所の代替燃料などとして活用する炭化炉を増設いたします。
 さらに、汚泥の水分を効率よく減少させることで電力消費量を大幅に削減できる汚泥脱水機など省エネ型機器の積極的な導入や、太陽光発電など再生可能エネルギーの活用にも努め、二五%以上の削減に向けて全力を挙げて取り組んでまいります。
 次に、N2O、一酸化二窒素の排出抑制についてでございますが、ご指摘のように、CO2の三百十倍の温室効果を持つN2Oの削減が極めて重要であることから、これまで下水道局では、汚泥の高温焼却などによりN2OをCO2換算で一九九○年度の五十六万トンから三十九万トンまで大幅に削減し、京都議定書が目標とする六%以上の温室効果ガス削減に大きく貢献をしてまいりました。
 温室効果ガスの二五%以上の削減に向けては、汚泥処理過程で発生するN2Oをこれまで以上に削減できる最新技術の先導的な導入とともに、これまで未解明であります水処理から発生するN2O排出抑制技術についても研究開発を進めてまいります。
 これによりまして、二○一○年度から二○二○年度までの間にN2Oでさらに十一万トン削減し、CO2と合わせて十三万トンの温室効果ガスを削減し、温暖化対策を着実に進めてまいります。
   〔都市整備局長河島均君登壇〕

○都市整備局長(河島均君) 五点のご質問にお答えいたします。
 初めに、住宅困窮者に対する都営住宅を中心とした住宅政策の展開についてでございますが、都営住宅につきましては、現在、老朽化した住宅の建てかえを年間三千二百戸実施するとともに、入居者の募集を年間七千戸行っております。
 少子高齢化が進展し、厳しい経済状況が続く中で、これらの取り組みにより、市場において自力で適切な水準の住宅を確保することが困難な世帯に対して、確実かつ継続的に住宅を供給し、居住の安定を確保することは重要であります。
 今後とも、都営住宅につきましては、建てかえ等により年齢や世帯構成に応じた良質な住宅の供給を推進するとともに、子育て世帯の入居機会を拡大することなどにより、住宅セーフティーネットの中核としての機能を的確に果たせるよう、引き続き積極的に取り組んでまいります。
 次に、都営住宅の建てかえによる地域のまちづくりへの貢献についてでございますが、都営住宅につきましては、都民の住宅セーフティーネットとしての機能を保持するため、建てかえを適切に進めるとともに、敷地の有効活用により用地を生み出し、地域のまちづくりに活用する必要があると認識しております。
 こうした考えから、建てかえにつきましては、管理戸数の抑制を図りながら、昭和四十年代以前に建設された住宅を対象といたしまして事業を推進しておりますが、これにより、バリアフリー化された住宅への更新を進めるとともに、創出用地の活用による社会福祉施設などの整備を支援しているところでございます。
 来年度は、事業規模を三千四百戸に拡大する予定でございまして、建てかえに合わせた敷地の有効活用をさらに促進いたしまして、地元の区市とも連携しながら、緑の創出、子育て支援拠点の拡充、木造住宅密集地域の整備など、地域のまちづくりに寄与してまいりたいと考えております。
 次に、都営住宅の居住者の高齢化に伴うコミュニティ機能支援のための取り組みについてでございますが、近年、都営住宅では、居住者の高齢化が進行し、共用部分の清掃などを担ってきた自治会の活動に参加する人が減少するなどの影響が生じております。
 こうしたことから、都は、これまでも巡回管理人を設置し、窓口にみずから出向くことができない高齢者に対する相談や申請書類の取り次ぎなどのほか、希望者に対する定期訪問、自治会役員との連絡調整、居住者の住まい方についての調査確認などの取り組みを行っております。
 今後も高齢化の一層の進展が予想されることから、都営住宅のコミュニティ機能を支援するための仕組みづくりに向けまして、巡回管理人の業務内容や共用部分の管理に要する経費のあり方などにつきまして、地元区市町や自治会等との適切な役割分担のもと、それぞれの団地の実情を勘案しながら、幅広く検討してまいります。
 次に、羽田空港の国際化による経済波及効果と雇用拡大の効果についてでございますが、国土交通省では、再拡張、国際化に伴う地域への経済波及効果につきまして、平成十五年に空港関連産業の売り上げや外国人の消費なども含めまして総合的に試算しております。
 それによると、羽田空港に年間三万回の国際線を導入した場合、年間生産額は都内で約一兆六百九十億円、一都三県で約一兆二千億円、雇用は都内で約七万五千人、一都三県で約十一万二千人、それぞれ増加するとしております。
 その後、国は、都の強い要請を受けて、試算時よりも多い年間六万回の国際線を就航することを決定しておりまして、国土交通省の試算をさらに大きく上回る経済波及効果や雇用拡大の効果が発生するものと推測しております。
 最後に、羽田空港のアクセスの改善についてでございますが、羽田空港は都心から至近距離に位置し、高い利便性を誇る空港でございまして、このポテンシャルを十分に生かすためには、幹線道路や公共交通など空港アクセスの一層の強化が重要でございます。
 このため、環状八号線と国道一五号との南蒲田交差点で国が実施している立体交差事業を促進するとともに、羽田空港周辺の道路の拡幅整備を図るなど、アクセス道路の改善を進めております。
 羽田空港と臨海副都心などを結ぶ幹線道路であります国道三五七号は、今年度、東京港トンネル部が本格着工しておりまして、引き続き整備促進を国に強く要請してまいります。
 また、公共交通につきましては、鉄道輸送力増強のため、京急蒲田駅の改良事業を進めているほか、京浜急行及び東京モノレールの国際線ターミナル新駅も、十月の供用開始時に合わせて開設される予定でございます。
 深夜、早朝時間帯の利用者への対応につきましても、公共交通の運行時間帯の拡大や本数の増加などについて、国が中心になり、都も参画して検討を進めております。
 今後も引き続き、国や関係自治体との連携を図りながら、羽田の機能強化や広域ネットワークの形成も視野に入れた空港アクセスの強化に着実に取り組んでまいります。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) まず、小規模多機能型居宅介護や特別養護老人ホームの整備についてでありますけれども、小規模多機能型居宅介護は、高齢者やその家族の安心感を確保しながら、高齢者の住みなれた地域での生活を支える有効なサービスであります。
 都はこれまで、宿泊定員数に応じた整備費補助など独自の制度により、事業の実施主体である区市町村を支援するとともに、安定した事業運営が行われるよう、認知症高齢者グループホームにあわせて整備する場合に加算措置を講じてまいりました。
 来年度からは新たに、区市町村みずからが公有地を貸し付け、特別養護老人ホーム等と併設して整備する場合、包括補助制度を活用して支援を強化するなど、今後とも積極的に区市町村を支援してまいります。
 また、特別養護老人ホームについても、区市町村有地活用による加算の充実を図るなど、多様な手法により整備の促進に努めてまいります。
 続きまして、療養病床の整備についてでありますが、都はこれまでもその増床に取り組んでまいりましたが、数度にわたる国の方針転換があり、経営見通しが不透明なことなどから、一般病床からの転換等が進んでおりません。
 そこで都は、独自の施設整備費補助について、来年度、補助率を現行の二分の一から四分の三に引き上げることといたしました。また、療養病床を有する医療機関が患者の多様なニーズにこたえるための機能を強化し、あわせて経営の安定化も図れるよう、がん患者の疼痛管理や在宅療養患者の緊急入院受け入れなどに関する研修の充実に努めてまいります。
 さらに、今回の診療報酬改定の影響を把握するとともに、国に対して明確な方針を示すよう求めるなど、必要な働きかけを行ってまいります。
 続きまして、脳卒中対策についてでありますが、まず普及啓発についてであります。
 脳卒中の患者の救命や後遺症の軽減を図るためには、発症後、速やかに一一九番通報し、適切な専門治療につなげることが重要であります。
 そこで都は、脳卒中の発症が疑われる具体的な症状、例えば突然あらわれる顔のゆがみや手足の麻痺などをわかりやすく示したポスターを、東京都脳卒中医療連携協議会の専門家の監修のもとに作成し、今月末から医療機関や公共施設、健康保険組合などの医療保険者に協力を呼びかけ、広く都民に広報する予定であります。
 また、再発リスクの高い患者とその家族に対し、かかりつけ医が効果的に指導を行うためのリーフレットも作成して、東京都医師会と連携しながら普及啓発を推進してまいります。
 次いで、回復期リハビリテーションの病床についてでありますが、都は、回復期におけるリハビリテーション医療を確保するため、今年度から独自に病床整備費補助を開始いたしました。
 また、診療報酬の改善などを国に提案要求してまいりましたが、今回の診療報酬改定で亜急性期病棟における回復期リハビリテーションが新たに評価されるなど、リハビリ関連の診療報酬が引き上げられ、医療機関が増床に向けて前向きに検討することが期待できます。
 都は、こうした機会をとらえ、独自の施策である病床整備事業の活用を医療機関に対して積極的に働きかけ、回復期リハビリテーション病床を確保してまいります。
 次いで、地域連携パスについてでありますが、地域連携パスは患者の状態に応じて切れ目なく医療を提供するための効果的なツールであります。都内では、複数の脳卒中医療機関が独自に地域連携パスを開発し、それぞれにネットワークを形成しております。
 このネットワーク間相互の連携が、患者の転院や在宅への移行を円滑なものにすることから、都は、パスを活用するすべての医療機関を対象に合同会議を開催し、顔の見える関係を築いてまいりました。
 引き続き来年度も、都内全域におけるネットワーク間の連携を充実強化してまいります。
 あわせて、都民に対し、地域連携パスの仕組みやパスを活用している医療機関について、都のホームページや都民向けの小冊子「暮らしの中の医療情報ナビ」などでわかりやすく紹介してまいります。
 次いで、保育所待機児童の解消について、まず、家庭福祉員を活用した定期利用保育事業の実施についてでありますが、パートタイム労働者向けの定期利用保育事業は、認可保育所に限らず地域のさまざまな場所で、一時預かり事業など他の施策とともに実施をすることとしております。
 また、待機児童の九割以上が三歳未満児でありますことから、こうした児童を対象にして保育を行っております家庭福祉員が、定期利用保育事業に取り組むことも有効であります。
 このため、来年度から実施するパートタイム労働者向けの定期利用保育事業と共同実施型家庭福祉員モデル事業とを組み合わせて行うことについても、区市町村に対して積極的に働きかけてまいります。
 次いで、区市町村独自の保育サービスについてでありますが、都内では、待機児童解消に向けて既存の施設等を活用して保育サービスの整備を行う自治体もふえております。例えば、お話のような小学校の余裕教室を利用して、隣接する保育所の年長児を保育する試みや、区が所有する施設等の空きスペースを活用した小規模保育室の設置などがございます。
 都は、区市町村が独自に行う取り組みについて、他の区市町村にも情報提供するとともに、待機児童解消区市町村支援事業により整備費を補助しております。
 来年度は、さらに区市町村が独自の取り組みにより定員増を図る場合にも、この支援事業の中で積極的に評価をして、補助率を引き上げるなど支援を強化してまいります。
 次に、東京都盲ろう者支援センターについてでありますが、昨年五月に事業開始した支援センターでは、通所による各種相談、訓練を実施するほか、手話や指点字などのグループ学習会及び交流会などを都内各地域で実施しております。また、利用者の希望や訓練内容によっては、利用者の自宅などで訓練を行うこともあります。
 今後、区市町村と共同した学習会や交流会の開催、職員を対象とした講習会を実施することなどにより、身近な地域での相談、支援に応じられるよう区市町村と連携を深めてまいります。
 次に、盲ろう者のための専門指導員の養成等についてでありますが、支援センターにおいて通訳技術のレベルアップや、歩行訓練等のリハビリテーション指導などの専門研修を開始し、現在、約五十人が必要な技術の習得に取り組んでおります。引き続き、盲ろう者のニーズに合った支援ができる人材の養成を進めてまいります。
 また、支援センターでは、学識経験者や盲ろう当事者の参加も得て、専門人材養成のためのプログラム開発に着手しており、平成二十二年度は、お話のありました国のモデル事業とも連携して、全国で初めてとなる体系的な人材養成プログラムの作成に取り組んでまいります。
 次に、盲ろう者支援センターの周知についてでありますが、支援センター開設以来、盲ろう者の方々に直接対応する区市町村や民生委員、児童委員に対しまして、さまざまな機会を活用して普及への協力を働きかけてまいりました。
 今後は、拡大文字や点字による利用案内など、盲ろう者本人や家族に直接情報が伝わるよう工夫するとともに、区市町村との連携を一層密にし、多くの方々に支援センターを利用していただけるよう福祉保健局として最大限努力してまいります。
 次に、高次脳機能障害についてでありますが、まずリハビリテーションの普及モデル事業についてであります。
 この事業は、区部及び多摩の二つの二次保健医療圏におきまして、高次脳機能障害者のリハビリテーションを担う中核病院が専門スタッフを配置し、地域の医療機関等に対する技術的指導や専門職種に対する研修を実施するほか、医療機関や福祉サービス事業所等との連携強化のための連絡会の開催などを行うものであります。
 今後、モデル事業を通じてリハビリテーション技術の普及や人材育成を進めるとともに、関係機関の連携を促進することにより、地域におけるリハビリテーション提供体制の充実を目指してまいります。
 次に、ピアカウンセリングの活用についてであります。
 高次脳機能障害のように、周囲から理解されにくい障害者への支援手法としてピアカウンセリングは有効とされております。このため、心身障害者福祉センターにおいて、従来から実施している専門相談事業に加えて、平成二十一年度から当事者及び家族による特別相談事業を実施するとともに、同様の取り組みを行う区市町村に対しても財政支援を実施しております。
 ご指摘の趣旨を踏まえ、身近な地域でピアカウンセリングが受けられるよう、引き続き各区市町村の取り組みを支援してまいります。
 次に、小児医療体制の整備について、まず地域の小児医療確保への支援についてでありますが、都はさまざまな取り組みを行っております。
 まず昨年、多摩北部医療センターにおきましては、平日準夜帯での初期救急医療を週三日から週五日に拡大するとともに、小児病床数を十三床から三十五床に拡充いたしましたが、今月から小児救急を二系列で実施しております。
 さらに、小児総合医療センターと多摩北部医療センターの間で、情報システムを活用した診断支援などの医療連携に取り組んでまいります。
 また、八王子市の中核病院に対しましては、設備整備の補助を行うなど、新たに十二床の小児病床を確保いたしますが、さらに市内の南多摩病院が外来、救急、入院医療を行う小児科を来年度早期に開設できるよう、都としても施設、設備整備や医師確保について財政的な支援を行います。
 あわせて、八王子市が小児病院の跡地と建物を活用して行う、小児初期救急医療や重症心身障害児通所事業の整備について補助を実施するとともに、八王子小児病院が担ってきた地域の小児医療機能を実質的に承継することになる小児外来診療や、障害者歯科診療を実施するための整備についても、包括補助制度等を活用して支援を行ってまいります。
 また、世田谷区では、梅ケ丘病院の跡地を利用して保健医療福祉サービスの拠点整備を計画しており、その計画が具体化された場合は、都としても協力してまいります。
 今後とも、都民の方々が安心できる小児医療体制の確保に全力で取り組んでまいります。
 次に、東京型ドクターヘリについてでありますが、都におけるドクターヘリは、他県で運用されている小型ヘリと異なり、東京消防庁航空隊のヘリコプターを活用することにより、遠距離運航や夜間飛行、複数患者の同時搬送を行うことが可能であり、二十四時間三百六十五日の運航を行っております。
 ヘリに添乗する医師については、都立病院のほか十カ所の協力病院と協定を結び、円滑な確保を図っております。
 多摩地域について申し上げますと、立川に常時配備したヘリコプターがいつでも出動できる体制を整えております。
 また、小児総合医療センターでは、ヘリの離発着訓練や医療スタッフによる実地訓練などを既に行い、三月一日の開設と同時に、ヘリコプター搬送による患者受け入れが可能となっております。
 この小児総合医療センターにおける東京型ドクターヘリによる搬送受け入れ体制については、リーフレットを作成し、本年二月に多摩地域の住民に対し新聞折り込みを初めとした広報を行っております。
 今後とも、適切な患者搬送体制の確保に努めてまいります。
 次に、スーパー総合周産期センターについてでありますが、今般開設した都立多摩総合医療センター及び小児総合医療センターは、母胎、胎児を集中管理するM―FICU九床とNICU二十四床を備え、都内最大の周産期医療機能を有するものであります。
 今後、東京都周産期医療協議会に諮り、来年度早期には、多摩地域で二番目となる総合周産期母子医療センターとして指定してまいります。
 スーパー総合周産期センターについては、区部で既に運営している三つのセンターとの役割分担などを勘案した上で、多摩地域におけるスーパー総合周産期センターとして指定してまいります。
 次に、NICUの整備についてでありますが、都は、低出生体重児の増加などを踏まえ、NICU病床を出生一万人対三十床を基本に、東京都全域を一つの圏域として、平成二十六年度末までに三百二十床に増床することとしております。
 今後、NICUの安定的な運営を図るための運営費補助や、増床する場合の施設整備費補助を大幅に拡充するとともに、回復途上の新生児を受け入れるGCUについても新たに補助制度を創設するなど、周産期母子医療センターへの支援を格段に充実し、NICUの整備を加速してまいります。
 さらに、多摩地域については、スーパー総合周産期センターや周産期連携病院の指定を拡大するとともに、NICUの管理を必要としませんが、比較的リスクの高い新生児を受け入れる病院を、多摩新生児連携病院として四カ所指定いたします。これらの医療機関が中核となり、ネットワークグループにおけるリスクに応じた役割分担と連携を推進してまいります。
 こうした取り組みにより、多摩地域を含め、都における周産期医療提供体制の一層の充実を図ってまいります。
 最後になりますが、子宮頸がんについてお答え申し上げます。
 子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルスのワクチン接種の促進については、お話のように、これまでも都議会等においてたびたびご提案、ご要請をいただいてまいりました。
 ワクチンの接種とがん検診の受診をあわせて促進することにより、子宮頸がんによる死亡率の減少が期待できます。このため、子宮頸がん予防ワクチンの接種について、公費による助成を行う区市町村に対して、包括補助事業の活用も含め、都として支援を行うことを検討してまいります。
   〔病院経営本部長中井敬三君登壇〕

○病院経営本部長(中井敬三君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、都立大塚病院の児童精神科外来についてでありますが、大塚病院では、梅ケ丘病院の小児総合医療センターへの移転統合に伴い、区部における小児精神科医療の確保を図るため、昨年十月一日から児童精神科の外来診療及びデイケアの運営を開始いたしました。外来診療については、開設後間もないこともあり、診療に長時間を要する初診患者が多い状態となっております。
 こうした状況を踏まえ、今後、初診、再診の診療枠の設定の仕方など運営方法の工夫を図るとともに、専門医師の増員など診療体制の強化に向けた検討を行ってまいります。
 次に、多摩総合医療センターにおけるがん医療についてでありますが、がんは、長年、日本人の死因のトップを占め、ご指摘のように、統計的に多くの都民ががんにかかる可能性を有するなど、都民の関心は極めて高いものがあります。
 そのため、新センターの建設に当たっては、がん医療の充実に資するハード面の整備に力を入れてまいりました。
 具体的には、需要が増加している外来化学療法に対応するため、ベッド数を八床から二十七床に大幅にふやし、外来化学療法センターとして運営していくことといたしました。
 また、リニアックを一台増設して二台体制とし、さまざまな放射線治療を実施できる体制を整えております。
 これに加え、がん治療のデータを整理、集積する院内がん登録を府中病院時代の平成二十年度から開始しておりますが、引き続き取り組んでまいります。
 今後は、これらハード、ソフト両面からの取り組みを着実に発展させ、多摩地域のがん医療の水準の向上に貢献してまいります。
   〔青少年・治安対策本部長倉田潤君登壇〕

○青少年・治安対策本部長(倉田潤君) 携帯電話のフィルタリングの普及定着のための広域的な取り組みについてでありますが、子どもの求めに応じて安易にフィルタリングの解除を申し出る保護者が多いことから、今回の条例改正案では、保護者に対し、解除の申し出に際して、青少年が有害情報を閲覧しないよう監督するなどの正当な理由を記載した書面を提出する義務を課すこととしております。
 ご指摘のとおり、首都圏では通学などで都県境を越えた移動が常態化しており、この規定の実効性を向上させるためには広域的な取り組みが不可欠であります。
 今般、埼玉県と連携し、同県も同様の条例改正を議会に提案したところであります。今後、千葉、神奈川の両県とも連携を進め、一都三県の広域的取り組みにより、フィルタリングの確実な普及定着を図ってまいります。
   〔東京オリンピック・パラリンピック招致本部長荒川満君登壇〕

○東京オリンピック・パラリンピック招致本部長(荒川満君) 招致委員会の外部監査及び借入金についてお答えいたします。
 招致委員会では、役員であります監事による監査に加え、平成十九年度から外部の監査法人と契約しまして、会計事務について助言指導を受けますとともに、平成二十年度からは本格的な監査を受けて会計事務を適正に処理してまいりました。
 平成二十一年度につきましても、活動報告書を作成するに当たりまして、主要な契約、会計処理について検証を受けたところでございます。その結果、契約及び会計処理は適正に行っており、書類の紛失や使途不明金のような問題はございません。
 また、招致委員会においては、蓄積した財産を活用し、民間ベースによる東京、日本のスポーツ振興事業を実施するなど、来年度の事業計画について、現在、検討を行っているところであります。
 借入金につきましては、これらの活動の趣旨に賛同する企業、団体からの寄附金収入や事業収入により返済していく予定であり、東京都が借入金返済のための公費の投入を行うことはございません。
 最終的な法人の意思は、今後の理事会で決定する予定であります。
   〔生活文化スポーツ局長秋山俊行君登壇〕

○生活文化スポーツ局長(秋山俊行君) スポーツ振興施策の推進についてでございますが、都は、平成二十年七月に東京都スポーツ振興基本計画を策定し、身近でスポーツに親しむことのできる環境づくりから、世界レベルで活躍できる選手の育成や国際的なスポーツ大会の開催まで、さまざまなスポーツ振興事業を総合的に実施しているところでございます。
 具体的には、身近にスポーツを始められる場として、地域スポーツクラブの設立支援を進めておりますが、来年度は、新たにアドバイザー制度を導入いたしまして支援策を拡充してまいります。
 また、人々に感動を与えるオリンピックなどでの選手の活躍を目標に、今年度、ジュニアアスリートとして発掘した中学二年生を対象としまして、来年度から東京版アスリート育成事業を実施していくとともに、ジュニアスポーツアジア交流大会などのスポーツを通じた国際交流も引き続き実施していく予定でございます。
 さらに、都は、全世界が熱狂するサッカーワールドカップの二○一八、二○二二年大会の国内開催都市として立候補しておりまして、日本への招致に向けた活動に協力していく考えでございます。
 今後とも、関係各局や競技団体などとの連携を強め、総合的なスポーツ振興施策を積極的に推進してまいります。
   〔中央卸売市場長岡田至君登壇〕

○中央卸売市場長(岡田至君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、晴海への仮移転を前提とした現在地再整備についてです。
 晴海に仮移転する場合には、利用できる用地が限られており、売り場などの基幹施設を一体配置することはできず、市場としての基本的な機能が確保できないことに加えまして、業界が整備する施設や移転の経費が二重にかかることから、市場業者の負担がふえ、業界の合意を得ることは困難であります。
 手続面では、市場の整備による周辺地域に対する環境影響評価などが必要になり、これらに係る調査、分析、評価には相当の時間が見込まれます。
 さらに、幹線道路から市場へアクセスする道路が限られておりまして、市場の搬出入車両が深夜から早朝にかけてこの道路に集中するだけでなく、清掃工場が隣接しているため、清掃車両と市場の車両が錯綜し、近隣における交通混雑や騒音の影響も懸念されます。
 こうしたことから、晴海地区周辺の住民の理解を得ることは大きな課題となることが想定されます。
 また、築地で現在地再整備を行う場合は、同様に環境影響評価の手続が必要となるほか、三千平米以上の土地の改変となるため、環境確保条例、土壌汚染対策法に基づき、土地利用の履歴により土壌汚染調査が求められることになります。
 次に、新市場整備に関する展望についてであります。
 築地市場は、既に施設の老朽化、狭隘化が限界に来ており、震災時における耐震性やアスベストの問題に加えまして、高度な品質、衛生管理が困難など、多くの課題を抱えており、このままでは、生鮮食料品を安定供給する役割を十分果たせなくなるおそれがあります。このため、一刻も早く移転整備を進める必要があります。
 新市場の整備に当たりましては、そこで営業活動を行う市場関係者の要望を取り入れていくことが重要であるため、基本構想から各段階におきまして、都は業界と協議を重ね、その意向を反映させた上で、五十年先を見据え、時代のニーズにこたえる新たな機能を備えた基幹市場として施設計画を取りまとめてまいりました。
 具体的には、施設を温度管理のできる閉鎖型とし、品質、衛生管理の高度化を図るとともに、駐車場、荷さばきスペースを十分確保することなどにより、効率的な物流を実現してまいります。さらに、顧客ニーズに対応するため、加工、パッケージ施設などを整備してまいります。
 こうした市場機能の強化によりまして、集荷、販売力を高めるとともに、国内最大級の屋上緑化や太陽光発電の導入など、環境対策にも積極的に取り組んでまいります。
 都といたしましては、万全な土壌汚染対策を確実に講じた上で豊洲新市場を整備していくことが、将来にわたり都民への責任を果たすことになると考えております。

副議長(鈴木貫太郎君) 八十二番清水ひで子さん。
   〔八十二番清水ひで子君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○八十二番(清水ひで子君) 日本共産党都議団を代表して質問します。
 経済危機と貧富の格差が深刻化する中で、都民生活は底なしに悪化しています。それだけに、今、都民の暮らし、福祉、命を守るために、東京都があらゆる手だてを尽くすことが求められています。
 ところが、石原知事の施政方針は、国政を批判するだけで、都政が都民生活の危機をどう打開していくのか、その戦略も決意も見るべき対策も示しませんでした。そればかりか、みずからの都政が危機に迅速に対処してきたとか、日本の新たな発展のよすがなどと自賛したのです。
 一体知事が進めてきた都政とは、どのようなものだったのでしょうか。何よりも、福祉はぜいたくといって、都民に痛みと負担を押しつけてきました。高齢者への福祉手当、医療費助成制度を廃止し、特養ホームに対する整備費補助を十一年間で五分の一にまで激減させ、歳出総額に占める老人福祉費の割合を全国最下位にまで後退させました。
 また、百数十に上る都立施設の廃止、民営化や、福祉事業への営利企業の参入を進めることなどによって、都民サービスを後退させるとともに、都の事業に携わる労働者の間に非正規雇用を拡大させ、大量のいわゆる官製ワーキングプアを生み出してきました。
 その一方で、国際競争力の強化、都市再生の名のもとに、三環状道路など幹線道路や超高層ビル建設を初めとした大型開発を優先するという、ゆがんだ財政と都市の構造をつくり上げてきたのです。
 知事、あなたが進めてきた都政は、自民党の小泉構造改革路線を都政において先取りしてきたものにほかなりません。こうした路線は、昨年の総選挙で国民によって退けられたものではありませんか。
 さらに都政を、国をあるべき航路へと引き戻す羅針盤とまで豪語したのにはあきれました。知事は、都の老人福祉費の割合を全国最低にしたこと、大量の官製ワーキングプアを生み出していることが、あるべき航路への羅針盤だというのですか。お答えください。
 本議会に提案されている来年度予算案も、全体としては都民の願いとはかけ離れたものです。教育庁予算はこの十二年間で最低に減らされました。福祉保健局予算は増額されたとはいえ、安心こども基金など、そのほとんどは国の事業を予算化したものにすぎません。緊急雇用創出事業についても、都独自の事業は充実どころか廃止するものになっているではありませんか。
 その一方で、一メートル一億円もかける外かく環状道路について、初めて事業化の予算を七十七億円も計上するなど、投資型経費は石原都政になって最高、全体で一兆円を上回る巨額なものとしています。
 私は、こうした予算案と都政の問題点をただし、都民の暮らし、福祉を充実させる立場から、以下の質問を行います。
 まず、築地市場問題です。
 都は、来年度予算案に豊洲新市場予定地の用地購入費用を含む千二百八十億円を計上しました。都議選で築地市場移転反対の審判が下されたにもかかわらず、あくまで市場移転を強行する予算であり、絶対に認められません。
 市場整備に当たって最も重視すべきは食の安全です。にもかかわらず、なぜ知事はわざわざ土壌汚染が存在している豊洲地区に市場を移すのですか。知事は、豊洲移転は自分が就任する前に決まっていたといい張っていますが、ごまかさないでください。豊洲移転は二○○一年二月の都議会で、知事自身が初めて新しい市場の候補として言及したのです。そして、知事の諮問を受けて、この年の十二月に豊洲移転が決定されたのです。だれがどう考えても、豊洲移転を決めたのは知事自身ではありませんか。
 しかも、移転決定の約一年前には、所有者である東京ガスが移転用地の土壌汚染を公表しているのです。にもかかわらず、豊洲移転を決めた知事の責任は重大です。少なくとも、知事は汚染の実態を全面的に調査し、安全な対策ができ得ることを確認するまでは決定すべきではなかったのです。それぞれ知事の明確な答弁を求めます。
 その後、高濃度の汚染が明らかになっても、知事はそれを極力隠し通し、おざなりの対策をとるだけで済まそうとしてきました。
 今も知事は、専門家会議の報告に基づき汚染土壌を掘削し、浄化すれば汚染はなくなるといっています。しかし、この立場は、環境学会を初め土壌汚染対策の専門家から厳しい批判を受けています。有楽町層を不透水層と称し、それより深いところは調査もせず、汚染は広がっていないと決めつけていることや、対策としても、大量の土壌処理や地下水の管理、浄化は技術的に困難であることから、絵にかいたもちだといわれているのです。
 専門家会議の平田座長も、この地域に埋設されている一万八千本余りのくいが土壌汚染の通り道になる可能性がないとはいえないと発言しています。専門家会議の報告を受けて技術会議が選定した工法についても、安価だが安全を確保できないと厳しく指摘されています。
 知事、多くの専門家がさまざまな異議、意見を表明しているのに、なぜこの声に耳を傾けないのですか。
 知事は批判に押されて、実証実験した上で進めるといい出しました。都も技術会議が定めた技術、工法を現地の汚染や土質状況に即して適用し、確実に無害化が可能であることを実証すると報告していました。しかし、実際に業者に示された仕様書では、実証実験はせず、適用実験をするとすりかえられてしまったのです。
 技術会議の矢木氏は、土壌を安全にできるかどうかを実証する実証実験とは違うとはっきりいいました。工事が順調にできるかどうかなどを実験するものだというのです。
 実証実験をやるという知事の都民に対する約束はなぜすりかえられたのですか。結果として知事の発言は偽りだったといわざるを得ないではありませんか。知事、答えてください。
 豊洲の土壌が安全になるかどうかのきちんとした実証実験もやらないで、用地購入を進めることは許されません。知事、計上された用地費購入の予算は撤回する決断をすべきです。
 私は、現地再整備を実施した札幌中央卸売市場を訪ねてきました。築地市場とのさまざまな条件の違いはありますが、業者間の合意形成を進め、ローリング方式で、一日も営業を休まず、十年で完成させました。すべての関連業者でつくる再整備委員会、小委員会で何度も審議を重ね、合意を形成したそうです。
 このほか、多くの地域で現在地再整備は成功しているのです。もちろん、かつて築地での再整備も、長い期間をかけて検討されてきたことは承知しています。しかし、技術は進歩しています。都のイニシアチブで民間を含めた公募を実施し、検討を行うならば可能なのです。
 これまでも、いろいろな提案があり、最近、民間団体も現地再整備案を提案しました。こういう案の検討も含め、都の責任で進めることが重要です。韓国の可楽市場では、現在地再整備のため、民間からの公募を十件受けて決定しています。
 知事は、土壌汚染対策については、世界に誇る最高の技術があるからできるといいました。であるならば、再整備でもそれは可能ではありませんか。知事自身、新しい案が出てきたら検証するにやぶさかじゃないと発言しているのです。知事、現在地再整備案の公募を実施すべきです。これさえやらないというのでは、都民は絶対に納得しません。お答えください。
 次に、都立三小児病院の問題です。
 都立三小児病院という都民の声は、おさまるどころか、ますます大きくなっています。駅頭での署名は、今でも一時間で二百筆、三百筆が集まり、きょうも都議会前では、子どもたちの命を守ってと、座り込みが行われました。
 私たちは、都立三小児病院を廃止したら、地域の医療、とりわけ小児救急やNICUに大穴があき、小児精神科医療の大後退が起こることを指摘してきました。今、三つの小児病院で病棟の縮小、外来の閉鎖が進められる中で、残念ながら既に指摘したとおりのことが起こっています。
 清瀬小児病院の代替といっている多摩北部医療センターは、今いつも込み合っています。電話がなかなかつながりません。やっとつながっても、百人くらい待っているといわれ、結局、四十度にも熱が上がった子どものそばで、心配しながら朝まで待つしかなかったお母さんもいます。既にこの地域の小児救急は、パンク状態にあるのではありませんか。
 八王子小児病院の代替とされている二つの大学病院も常に混雑しています。だから、これまでだって、大学病院で受けられない救急患者をむしろ八王子小児病院で受けてきたのです。この二月末まで八王子小児病院も二つの大学病院も、救急患者は受け入れられないという時間帯が生まれていました。これで八王子小児病院を廃止したら、一体どうなるのですか。南多摩病院に新たに小児科を設置するといいますが、休日、夜間救急のめどは立ったのですか。それぞれお答えください。
 小児総合医療センターができれば、多摩地域の小児医療は格段に向上するといいますが、事実をゆがめるものです。清瀬小児病院や八王子小児病院廃止であいた小児救急の穴は、小児総合医療センターができても解決しないではありませんか。
 ダウン症などで二十を過ぎた患者の行き場がないことも重大です。三小児病院なら、何歳になっても主治医がずっと診てくれました。しかし、小児総合医療センターでは二十以上は診ません。そもそも、大人の内科でダウン症を診る医師はいないのです。二十代の多くの方々が白内障であることや、女性は甲状腺、男性は痛風になる人が多いなど特有の問題がたくさんあります。だからこそ、小児病院で継続して診ていたのです。八王子小児病院の廃止で、二十を超えたダウン症の患者は行き場を失っています。この方たちは、府中のセンターでこれまでのような診療を受けられるのですか。
 梅ケ丘病院廃止の影響も重大です。児童、青年精神科の医療機関はもともと少ないのですから、病院探しは深刻です。発達障害を診てもらえるクリニックをやっと探したけれど、二十分で七千円もかかったことなども報告されています。世田谷区内のクリニックは、梅ケ丘病院の移転が公表された昨年の夏ごろから患者がふえ始め、現在は受診するのに半年待ちです。都は、この事態をどう受けとめているのですか。
 小児総合医療センターが開設されても、遠くて通い切れないことや、精神科の建物が独立していないための混乱が起きるなどの問題は解決しません。梅ケ丘病院の存続を求める家族と都民の会の皆さんは、先日、わずか二カ月で集まった八千七十九筆もの署名を東京都に提出し、梅ケ丘病院の場所に最低限のリハビリ施設と男女一病棟ずつでも残してほしいと求めたのです。世田谷のクリニックの医師も、外来だけでも残すことが必要だと述べています。これらは当然の願いではありませんか。ぜひこの声に耳を傾けてください。いかがですか。
 知事は、NICUを三百二十床にすると目標の引き上げを表明しました。しかし、その一方で清瀬小児病院と八王子小児病院の貴重なNICUをなくし、新たに空白地域をつくろうとしています。国の新しい整備指針でも、NICUの整備は二次医療圏ごとに整備することが望ましいとしているときに、知事がやろうとしていることは、まさに逆行です。
 小児総合医療センターにドクターカーが配備されても、生まれたばかりの赤ちゃんは分単位で容体が変わる、NICUが地理的に遠いのは重大だと、小児科の医師は一様に指摘しています。清瀬、八王子小児病院の廃止で生じるNICUの空白をどう埋めるのですか。それも示さずに廃止するなどということは許されません。お答えください。
 今の事態は、どこからどう見ても、何らかの形で三小児病院を存続しつつ、小児総合医療センターの診療規模は段階的に広げていくべきことを示しています。来年度の定数配置は、小児総合医療センターに医師百三十人、看護要員五百六十四人となっています。三小児病院より、医師四十八人、看護要員八十七人多いのですから、そのことは可能です。知事、いかがですか。
 東京は、大学病院などが集中する一方で、中小病院の閉鎖、縮小が進み、人口十万人当たりの一般病床数は全国で四十二位という深刻な事態です。とりわけ小児科の病院、診療所の減少は深刻で、二〇〇〇年以降、小児科は三十五施設以上も廃止しているのです。そんな中で、地域の中核病院としてしっかりと役割を果たしている八王子、清瀬小児病院と梅ケ丘病院を廃止することが、いかに誤りであり、巨大な小児総合医療センターだけにしてしまうことが、いかに逆行しているかは明らかです。
 今、公立病院の統廃合、拠点集約化の流れは、地域医療を破壊するものだという声が全国に広がっています。銚子市では、市民病院を休止した市長を市民がリコールし、市民病院の再開を公約した市長を当選させ、まず診療所から再開されることになりました。川崎市は、三つ目の市立病院を新たに設置しました。
 東京でも、小平市にある、地域で中核的な役割を果たしていた緑成会病院が医師不足と経営難で一時は閉鎖しましたが、再開しました。それは、民間病院であっても、やはり地域の住民の皆さんの再開の願いをしっかりと受けとめたからです。
 知事、地域医療を守るために、都立病院統廃合という方針を改める勇気を持つべきです。都民の切実な声に耳を傾け、都立三小児病院存続を願う圧倒的多くの都民の意思を受けとめていただきたいと思いますが、お答えください。
 次に、福祉の充実です。
 知事は、日本の現状について高福祉低負担だという、現実と正反対の発言を繰り返しています。高福祉も間違いで、低負担も間違いです。OECDも、日本の税と社会保険料の低所得者の負担は、イギリス、ドイツなどに比べて重く、給付は少ないことを指摘し、日本政府もこのことを認めざるを得なくなりました。知事はどう認識しているのですか。
 東京の高齢者の四人に一人は年収百万円未満で、国民年金の平均額は月五万三千円にすぎません。ところが、特別養護老人ホームでさえ、新しい施設では月七万円から十五万円もかかる現実のどこが低負担なんですか。特養ホームの待機者が都内で四万三千人を超え、低所得者が行き場を失い、貧困ビジネスに頼らざるを得ない現実のどこが高福祉なんですか。知事は、日本の現状が高福祉で低負担だというみずからの発言は間違いであることを認めて、福祉の充実と所得の少ない人の負担軽減を進めることが必要です。知事の答弁を求めます。
 私がまず提案したいのは、国民健康保険料の軽減です。都民は、高い保険料に悲鳴を上げています。東京都の保険料収納率は全国最低で、滞納世帯は六十六万世帯を超え、加入世帯の二割に及びます。滞納で保険証がもらえない人や無保険の人がふえています。国民健康保険に加入している人は、不況に苦しむ中小業者、年金生活の高齢者、非正規や派遣の若者、リストラされた失業者です。にもかかわらず、二十三区では来年度一人当たり年額六千二百円に及ぶ大幅値上げが予定されており、怒りと驚きが広がっています。加入世帯の八割が値上げとなり、年収二百万円の給与所得者で年間十万四千円もの保険料になります。
 二十三区の今回の国保料の値上げは、後期高齢者医療制度とともに創設された前期高齢者交付金が多過ぎたため、国に二百億円を返納することになったうち、五十億円を保険料で賄うとしていることが理由です。都が二十三区に対し五十億円の貸し付けをすれば、保険料の値上げは避けることができます。どうですか。
 第二に、後期高齢者医療の保険料値上げをしないで済むよう手だてを尽くすことです。高齢者差別の医療制度に対する国民の厳しい批判の中で、民主党は廃止を公約したにもかかわらず、政権に着くと先送りにし、来年度の保険料は値上げにならない予算措置をするという約束まで破りました。二重の約束違反であり、絶対に許されません。
 都の対応が注目されましたが、財政安定化基金交付金の増額で均等割の値上げを抑えるにとどまりました。このため、加入者の四割が値上げになります。今でも東京の保険料滞納者は五万五千人に及び、滞納者の比率は全国最高で、五%を超えているのです。事態の深刻化は避けられません。群馬、茨城など多くの県が後期高齢者医療の保険料を据え置いています。埼玉県は、平均二千六百円の値下げを決めています。都として、全国のこうした動向をどう把握していますか。百五億円あれば、保険料を値上げしなくて済むのです。都として財政措置を求めるものです。
 また、保険料の滞納者に対する資格証発行の心配が広がっています。資格証となれば、窓口で十割払わなければならないのです。まさに、命にかかわる問題です。保険料が払えない人への資格証発行はしないよう、都と区市町村が力を合わせて取り組むべきです。それぞれ見解を伺います。
 雇用対策も急務です。今、正社員の有効求人倍率は、製造職では五人に一人です。製造現場で働いて職を失った人の再就職は極めて困難で、都内の失業者は三十四万人、前年よりも七万人以上ふえています。ハローワークに行って長時間並んで相談しても、ほとんどの人は職にありつけない、これが厳しい現実です。
 年末年始に国と都が取り組んだ公設派遣村にも、十八歳から八十歳まで約九百人が利用せざるを得なかったのです。そして、ボランティアなどの援助もあり、約五百人が生活保護を受け、生活再建に踏み出しました。
 私たちは何度も派遣村に行き、利用者の話を伺いました。トヨタの組み立て工場で派遣で働いていた青年は、ある日の朝礼で突然解雇を通告され、その日のうちに寮を出るようにいわれたそうです。アルバイトで何とか一年間つないできたものの、とうとう手持ちのお金を使い果たし、公設派遣村に来る数日前には路上生活となっていました。証券会社の契約社員をしていた男性は、病気になったら即解雇され、貯金も底をついたといいます。多くの人が不安定雇用のもとで苦しい体験を重ねており、何とか安定した仕事につきたいと希望していました。それでも、まず、住まいと当座の生活費がないと就職することもできません。体を壊しているのに、保険証がなく医者にかかれない人も少なくありませんでした。
 ところが、石原知事は、公設派遣村について、国から頼まれてやったことなどといい、利用者についても、つらい仕事は嫌だ、生活保護をくれというのは甘えた話だなどの発言を繰り返しています。知事、派遣や非正規で紙切れ同然に切り捨てられた人たちが、今度こそ安定した仕事につきたいと思うのは当然のことではありませんか。派遣切りやリストラで仕事も住まいもなくし、その日のお金も底をついた人が、生活保護を受けることなしにどうやって生活を立て直すのですか。援助が必要な人を冷たく突き放し、その上、むち打つような知事の発言は撤回し、深く反省することを厳しく求めるものです。それぞれ知事の答弁を求めます。
 都は、貸付偏重の第二のセーフティーネット制度などについては、その問題点を把握しているはずですが、いかがですか。都としても、住宅手当や就職支援資金の支給など、今日の失業者の実態に見合った支援策を打ち出すことを求めます。住宅を失った人に、せめて他の道府県並みに都営住宅を提供することはもちろん、公社住宅、民間住宅などを借り上げて提供してはどうでしょうか。
 雇用を創出するために企業に働きかけるとともに、都独自に緊急雇用創出事業を進めることが不可欠です。高卒、大卒未内定者などを都として一定期間雇用し、実習体験や職業訓練を行いながら、ハローワークとも連携して就職につなげる事業を立ち上げてはいかがですか。
 緊急雇用創出事業については、全国の自治体がやっているようにホームページでリアルタイムに募集状況、連絡先を情報提供してはどうですか。
 また、東京都が正規職員の採用をふやすとともに、臨時や非常勤の職員の時間給、時間単価を引き上げ、通勤手当を支給するよう求めるものですが、答弁を求めます。
 次に、ものづくりの技術を守る問題です。
 我が党は、日本が誇るものづくりの集積地である大田区の工場や企業の実態を伺いました。金属加工一筋で頑張ってきたが、売り上げは以前の二割も出ない、近くの貸し工場で金属加工をやっている人が、もう家賃も出ないといって今月廃業してしまったなどの声が多数寄せられました。仕事が激減している上、大田区のまち工場の半数近くは貸し工場であるため、家賃や機械のリース代などが払えずに廃業に追い込まれる工場がふえているのです。
 ある業者は、二台ある機械のうち一台はリース代で月二十八万、もう一台は融資の返済で月十四万円、工場の家賃が月二十七万円、これらの固定費だけで約七十万円かかるといいます。ところが、仕事がピーク時の半分になってしまった上、単価が切り下げられ、月の売り上げは百五十から二百万円でしかない。このため、自分たちの給料はほとんどない状態だと話しています。このままでは、廃業に追い込まれてしまう都内の業者が続出します。今後景気が回復しても、技術は失われたということになりかねません。
 この問題を我が党の志位委員長が取り上げたところ、鳩山首相は、まち工場は日本の宝であり、灯を消してはならないと答え、工場の家賃や機械のリース代などの固定費に対する直接補助に踏み出すべきだとの求めに対しては、まち工場の機械リース代への支援を検討してみたいと答えました。
 知事、大田区を初めとするものづくりを担う中小零細企業の現状をどう認識していますか。都として、機械のリース代支援、家賃の支援などの直接補助に踏み切ることを求めるものです。
 東京都には、都民要望にこたえた施策を展開する力は十分にあります。来年度の都税収入が減る見込みであるとはいえ、なお石原都政十二年間の平均的都税収入に匹敵する四兆三千四百七十一億円と巨額です。しかも、二〇一六年オリンピック招致のためにため込んだ四千億円を初め、都民のために使うことができる基金も一兆円以上あるのです。これを計画的に使えばよいのです。問題は、知事と議会がその気になるかどうか、むだ遣いを一掃し、不要不急の事業にメスを入れられるかどうかにかかっているのです。この立場から、私は二つの問題に絞って質問します。
 第一は、知事が都民の批判の強い外かく環状道路建設を初めとする三環状道路建設などの骨格幹線道路や、国が中止を打ち出している八ッ場ダム建設に千七百億円もの予算をつけたことです。
 三環状道路についていえば、裁判所も三つの高速道路が必要なのかと疑問を投げかけ、東京都自身、外環道がなくても、ほかの二つができれば都内は渋滞もなく、正月のようにどこでもすいすい車が走れるとしていたのです。全体で三兆五千億円以上もの財源を投入する外環道建設はやるべきではありません。むしろ、国際競争力とか都市再生の名でオフィスビルを乱立させ、人も、物も、お金も、車も東京に集中させる高度成長期の遺物ともいうべき政策を改めることこそ求められていると思いますが、どうですか。
 第二の問題は、オリンピック招致の名によるむだ遣いをきっぱりやめることです。東京都とオリンピック招致委員会は、先日、二〇一六年オリンピック招致の活動報告書を発表しました。私は、大きくいって二つの重大な問題があると思います。
 一つは、招致関連活動に湯水のごとくお金を使い、浪費を続けてきたことに都民の批判が高まっているにもかかわらず、その実態は明らかにしないばかりか、一言の反省もないことです。
 招致経費は、当初ロンドン・オリンピック並みの五十五億円とされていましたが、盛り上がらない招致機運の引き上げを図るため百五十億円にも膨れ上がり、それでも足らないため、スポーツイベントの開催などの名目でさらに五十億円、実質的には合計二百億円にもなったのです。知事などの海外出張だけで二億円、IOC総会でのプレゼンテーションで一回しか使わない高額なスーツを購入し、十分間の映像の制作費に五億円、区市町村へのばらまきなど、際限のないむだ遣いが行われました。
 にもかかわらず、知事と招致委員会が、次の招致活動を勝利に導くための貴重な投資であったと正当化していることは、断じて許されません。正しかったといい張るのなら、二百億円のお金の使い道の詳細な中身をなぜ明らかにしないのですか。知事、お答えください。
 報告書自身、問わず語りにむだ遣いを認めた部分があります。例えば、国際コンサルタントの活用について、縮小できると述べています。どのような理由で、どの程度縮小できるのですか。
 二つ目の問題は、報告書を二〇二〇年オリンピックへの日本の再挑戦の海図だと位置づけて、再立候補への道を開こうとしていることです。知事、都民の暮らし支援に少しでも多くの財源を振り向けるべきときに、またまた招致活動に湯水のように税金をつぎ込むことが許されると思っているのですか。
 しかも知事は、都の長期計画である「十年後の東京」計画の推進とオリンピックは一体として位置づけ、オリンピック招致の名で外環など都市インフラの整備を推進しようとしてきました。二〇二〇年招致をてことして、外環道を初めとする八兆円から十兆円にもなる大型開発をごり押しすることは、断じて許されません。
 オリンピックを口実に積み立ててきた四千億円の基金は温存するのではなく、直ちに目的を変え、都民の暮らし、雇用、医療、福祉を守るために計画的に使うべきですが、どうですか。
 再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 清水ひで子議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、都政運営についてでありますが、その前に、何をもって構造主義といわれているのかわかりませんが、小泉君がやった構造改革の基盤にあるものは、市場原理主義と心得ております。私は本来、市場原理主義には非常に批判的でありました。私の発言を踏まえてお考えになっていただきたいと思いますが、昨年の政権交代をとらえて、自分たちの構造改革路線批判が正しかったといわんばかりの共産党の主張は、いささかご都合主義ではありませんかな。
 ならば、昨年の都議選で十三議席から八議席に議席を激減させた日本共産党東京都議団は、ただいまの質問の論法をレトリックに倣えば、都民によって、その主張を退けられたことになりますね。いずれにして、いわれなく他人に向かってつばを吐くと、結局自分にかかってきますよ。
 いずれにせよ、構造改革路線にせよ、コンクリートから人にせよ、スローガンが踊るのではなく、行政というものは、実効性のある政策をいかに実現するかが問われているわけでありまして、国とは異なり、都は財政破綻のふちからよみがえり、国と比べてはるかに健全な財政状況にあります。同時に、動きの遅い国を待つことなく、共産党はいまだに反対しておりますが、都民には大変喜ばれている認証保育所の創設など、民の力も生かしながら都民のニーズに確かにこたえてきました。今後も直面する危機に迅速に対処し、都民、国民の未来を開く手だてを揺るぎなく講じてまいります。
 また、共産党はかたくなに認めようとしませんが、都民福祉をさらに向上させるためにも、三環状道路の整備などは費用対効果の高い投資が必要であります。金の卵を産む鶏である東京を、より機能的で快適な都市にすることで我が国経済は発展し、都民福祉の裏づけでもある財政も強化されるわけであります。こうして東京から日本を変える挑戦をさらに推し進め、この国の羅針盤ともなっていくと。共産党には、批判のための批判ではなく、建設的な議論を求めたいと思います。そうでないと、政党としてそのうち消滅してしまいますぞ。
 次いで、豊洲移転の決定についてでありますが、築地市場の現在地再整備については、老朽、狭隘化等の問題を解消するため、平成三年から四百億円を投じ工事を推進してきましたが、営業への深刻な影響からあきらめました。平成十年に、市場業界団体から臨海部への移転可能性についての検討要望があり、その後も業界と協議を重ねて、最終的に都として平成十三年に豊洲地区への移転を決定したものであります。
 このように、大きなプロジェクトは独断で決定したり実現できるものではありません。築地市場の問題は、鈴木都政の時代から二十年をかけて議論し、都議会でも十分審議した上で豊洲地区への移転を決定したものでありまして、この問題に対する経緯をよく認識していただきたいと思います。
 小児病院の統合と小児総合医療センターの開設についてでありますが、国の医療政策の失敗が招いた全国的な医療人材不足の中で、とりわけ小児科医の不足は深刻な状況にあります。こうした中にあって小児医療水準の向上を目指すには、限られた医療人材を集約し、それを最大限有効に活用することが必要でありまして、小児総合医療センターは、この考え方を具現したものであります。
 この病院では、都内最大規模の総合周産期母子医療センターを開設するとともに、我が国初の小児ERを運営するなど、日本を代表する小児専門医療機関となります。昨日オープンしたこの病院の能力を十分に生かし、これまでの方針どおり、東京の小児科医療水準の向上を実現してまいります。
 次いで、我が国の社会保障制度についてでありますが、急速な高齢化による問題を乗り越え、日本が成熟した国家として存続していくためには、負担と給付のバランスの議論を避けて通ることはできません。
 昨年の第二回定例会でも答弁しましたが、高福祉低負担の発言は、こうしたことに言及したものでありまして、その上で、生活向上への意欲があるにもかかわらず、低所得の状態からなかなか抜け出せない方々に対しては支援が必要であると考えております。都は、独自に生活安定化総合対策など各種の支援策を講じております。
 次いで、年末年始の生活総合相談の利用者に関する発言についてでありますが、失業した場合は、雇用保険の給付、次いで新設された第二のセーフティーネットで受けとめ、さらに食や住まいに困窮した場合の最後のセーフティーネットとして生活保護があります。その第二のセーフティーネットで仕事をいろいろあっせんしても、あれは嫌、これは嫌ということでは、これはどうにもならない。
 この生活保護にあっても、就労して自立できる方には自立していただくことが基本理念でありまして、私の発言はこのことを申し上げたにすぎません。発言を撤回するつもりは毛頭ありません。
 次いで、ものづくりを担う中小零細企業の現況についてでありますが、東京には高度で多様な技術を有する小零細企業が数多く集積しておりまして、東京のみならず、日本の経済を牽引していく原動力となっております。
 しかし、長引く不況の影響により、小零細企業は資金繰りの悪化や受注の減少など厳しい状況にあります。このまま放置すれば、東京の活力は失われかねません。こうした状況を踏まえ、これまでも制度融資を初め小零細企業の資金繰りに万全を期するとともに、新たな取引先の開拓も強力に支援してまいりました。今後とも企業現場の実情に即した施策を展開し、東京の産業力を維持強化してまいります。
 次いで、オリンピック招致についてでありますが、招致活動経費の総額は、招致活動報告書にも記載のとおり約百四十八億五千万円でありまして、既に監査を受け、適正に執行しております。各局がみずからの事業を実施する上で、都政の最重要課題であるオリンピック招致に協力することは当然のことでありまして、各局の事業経費まで招致活動費に含めるべきではありません。
 次いで、二〇二〇年の招致についてでありますが、再挑戦については、都民、国民の意向を十分にそんたくし、東京都として結論を出していくべきものと考えております。
 他の質問については、技監及び関係局長から答弁いたします。
   〔東京都技監道家孝行君登壇〕

○東京都技監(道家孝行君) 外環の建設についてお答えをいたします。
 首都圏の広域的な高速道路ネットワークを構成する三環状道路の一つである外環は、東京の最大の弱点であります交通渋滞の解消のみならず、我が国の国際競争力の向上や首都圏の環境改善など、ひとり東京のためだけではなく、広く国全体にその便益が及ぶ重要な幹線道路であり、まさに必要な道路でございます。
 外環の関越道から東名高速間は、昨年五月に整備計画が決定し、その概算事業費一兆二千八百二十億が示され、事業化に至ったものでございまして、十二月には事業説明会が開催され、一月からは現地において測量、地質調査などが行われております。地元地権者からは用地の買い取りを求める声が多く寄せられており、都は、国と連携して用地取得を重点的に行い、外環の早期完成に向け全力で取り組んでまいります。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) まず、老人福祉費の割合についてでありますが、各都道府県の歳出規模は、行財政制度や大都市としての特性などの違いに加え、その時々の行政需要や税収、財政運営上の判断により大きく変動するものであります。したがいまして、決算額に占める老人福祉費の割合を比較することや、その割合によって都道府県の順位づけを行い、福祉水準を論ずることに全く意味はないと考えております。
 都の政策は、予算編成の過程を通じて具現化されますが、平成二十二年度予算案におきましては、福祉と保健の予算割合は二〇・〇%で過去最高となっております。その中で高齢者分野では、都独自の補助制度による認知症高齢者グループホームの大幅増設や、新しい高齢者の住まいの整備、地域における二十四時間三百六十五日ワンストップサービスの窓口となるシルバー交番(仮称)などさまざまな施策を展開しており、福祉の後退という主張は全く当たらないと思います。
 次に、南多摩病院についてでありますが、同病院は、外来、救急、入院医療を行う小児科を来年度早期に開設できるよう、現在、施設設備の整備等準備を進めております。
 次に、NICUについてでありますが、都は、東京都全域を一つの圏域として、平成二十六年度末までに三百二十床に増床することとしております。今般開設した都立多摩総合医療センター及び小児総合医療センターでは、NICU二十四床を備えるとともに、M─FICU九床を新たに整備し、都内最大の周産期医療機能を持つ病院となります。また、新たに新生児も搬送できる小児用ドクターカーを小児総合医療センターに配備し、多摩全域を網羅いたします。
 さらに、多摩地域においては、周産期連携病院の指定を拡大するとともに、NICUの管理を必要としませんが比較的リスクの高い新生児を受け入れる病院を、多摩新生児連携病院として新たに指定いたします。
 これらも含め、総合周産期母子医療センターが中心となり、多摩全域を対象としたネットワークグループを構築し、リスクに応じた役割分担と連携を推進します。こうした取り組みにより、多摩地域を含め都における周産期医療体制の一層の充実を図ってまいります。
 次に、高福祉低負担についてでありますが、先ほど知事がお答えしたとおり、将来にわたって安心できる社会を実現するためには、根本的な課題として、我が国の社会保障制度における負担と給付のバランスの議論は避けて通ることができないものと考えております。
 また、福祉の充実につきましては、都は来年度予算案の一般歳出ベースで過去最高の福祉保健費を計上し、高齢者の住まいの整備や保育サービスの拡大など独自施策を盛り込んでおります。低所得者の負担軽減についても、国の軽減策に加え、都独自に介護保険や障害者サービスの利用者負担の軽減などを実施しております。
 次いで、国民健康保険についてでありますが、国民健康保険事業は、保険者である区市町村の判断により運営されており、来年度の保険料については、既に特別区長会で了承されております。都として、保険料の値上げを避けることを目的とする資金貸付を行う考えはございません。
 次いで、長寿医療制度の保険料改定の動向についてであります。
 本年四月以降の保険料については、既に決定した広域連合もあれば、いまだ審議中の広域連合もございます。各広域連合の保険料については厚生労働省において集約をしておりますが、現在のところ、その結果は公表されておりません。
 次いで、広域連合に対する財政措置についてでありますが、保険料は東京都の広域連合が自主的な判断により設定するものであります。都は、既に国や区市町村とともに応分の負担を行っており、新たな財政支援を行う考えはございません。
 次いで、長寿医療制度の資格証明書についてでありますが、高齢者の医療の確保に関する法律において、被保険者が特別な事情なく保険料を滞納している場合には資格証明書を交付することとされており、十分な収入等があるにもかかわらず保険料を納付しない悪質な場合に限って交付するよう、国から運用について通知が出されております。現在まで、都広域連合において資格証明書が交付された事例はございません。
 次いで、住居を失った離職者の生活支援についてでありますが、国は、住居を喪失した就労意欲のある離職者等に対し、住宅手当などの第二のセーフティーネットを整備したところであり、都は、こうした制度や生活安定化総合対策事業など国に先駆けて講じた支援策で対応しております。さらに、第二のセーフティーネットでは、生活の立て直しが困難で困窮している場合には、生活保護で対応しております。
 次いで、第二のセーフティーネットについてでありますが、都は既に、第二のセーフティーネットが一層機能するよう国に対して緊急提案を行い、住宅手当の収入要件の緩和などが行われました。お尋ねのようなセーフティーネットは、基本的には国の責任で対応すべきと考えます。
 最後に、住居を失った離職者への民間住宅等の提供についてでありますが、都は、ホームレスの自立支援センターにおいて民間住宅を借り上げるとともに、介護人材育成確保緊急対策において、民間住宅にあわせて都営住宅などの公的住宅の活用により当面の住宅を確保し、生活、就労にかかわる一貫した支援を実施しているところであります。
   〔総務局長中田清己君登壇〕

○総務局長(中田清己君) 二点のご質問にお答えします。
 まず、官製ワーキングプアについてでございますが、都では、個々の職務内容や業務量等を十分に勘案した上で、非常勤職員、臨時職員、人材派遣等を適切に活用し、スリムで効率的な執行体制を確保しております。いわゆる官製ワーキングプアを生み出しているとの指摘は当たらないと考えております。
 次に、都職員の採用等についてでございますが、都の事業は、ご案内のとおり基本的に都民の税金で賄われており、常に最少の経費で最大の効果を発揮することが強く求められております。
 この考えを基本に据えまして、まず職員の採用についてでございますが、事業執行に必要な人員の確保や職員の退職動向などを総合的に勘案して行っており、今後の採用につきましても適切に対応してまいります。
 次に、臨時職員の賃金でございますが、毎年度の予算見積もりにおきまして、通勤費相当分を含む適切に算定した賃金の参考単価を財務局が各局に通知しております。
 最後でございますが、非常勤職員の報酬につきましては、職務内容や職責等を踏まえ適切に設定しており、通勤費相当につきましては、正規職員に準じて支給しております。
   〔中央卸売市場長岡田至君登壇〕

○中央卸売市場長(岡田至君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、豊洲新市場予定地における安全性の確認についてです。
 東京ガス株式会社は、平成十年から十一年にかけて、当時の環境庁の土壌・地下水汚染に係る調査・対策の指針などに基づき土壌汚染調査を実施し、環境基準を超える土壌汚染について都に報告するとともに、平成十三年一月に、その調査結果と対策の内容を公表しております。
 同年四月には、東京都卸売市場審議会から、豊洲地区を移転候補地として検討する旨の答申がなされました。都はこの答申を踏まえ、東京ガス株式会社が環境局の指導を受けて土壌汚染対策を進めており、その安全性が確認できること、さらに四十ヘクタールの敷地の確保、良好な交通アクセス、築地の商圏との継続性などの諸条件を総合的に勘案し、十三年十二月に、第七次東京都卸売市場整備計画におきまして築地市場の豊洲地区への移転を決定したものです。
 次に、さまざまな意見などに耳を傾けることについてです。
 豊洲新市場予定地の土壌汚染対策は、我が国を代表する学識経験者により構成された専門家会議、技術会議という二つの会議体が、科学的見地から複合的、重層的に検討を行い、まとめていただいたもので、市場用地としての安全・安心を十分確保する万全な対策であります。この土壌汚染対策に関する調査や対策の内容につきまして意見があることは承知しており、先日の参考人招致におきましても、複数の専門家からさまざまな意見を伺いました。
 さまざまな意見に耳を傾けないのかとのお尋ねでございますが、都はこれまで、専門家会議での意見交換や提言に対する意見募集、専門家からの質問に対する回答、議会での論議などを通じて対応しております。今後とも、都に寄せられた意見につきましては可能な限り回答するなど、引き続き都の土壌汚染対策に対する理解を求めてまいります。
 次に、豊洲新市場予定地における実験についてです。
 豊洲新市場の整備におきましては、土壌汚染対策の有効性を確認した後、速やかに事業を推進することとしております。この有効性を確認するために行う今回の実験は、実際の土壌汚染対策と同様に、汚染物質の種類などに応じまして都が採用する技術などを適用し、汚染物質の最適な処理を行うための諸条件を把握するとともに、確実に無害化することが可能であることを具体的なデータにより確認するものであります。
 したがいまして、実験の目的は当初から何ら変わっておらず、契約の仕様書におきましても、現地の汚染や土質状況に即して、技術会議が定めた技術、工法を適用し、汚染物質を処理し、所期の効果を事前に確認することと明記されております。
 次に、用地購入費の計上についてですが、今回の予算案は、現在実施している実験において土壌汚染対策の有効性を確認した後、速やかに事業に着手し、二十六年度中の開場ができるよう必要な予算を計上したもので、撤回する考えはありません。
 最後に、現在地再整備案の公募についてです。
 卸売市場は、生鮮食料品などの円滑な流通のために市場業者が営業活動を行う業務施設であることから、その整備に当たりましては、業界の理解や意向を踏まえずに行うことはできません。築地市場の現在地再整備につきましては、平成三年から約四百億円を投じて工事を推進いたしましたが、営業への深刻な影響などから、平成八年中断いたしました。その後もさまざまな案を検討したものの、再整備は実現困難との結論に至り、業界の大多数は、最終的に豊洲への移転に合意したものであります。
 また、築地市場は老朽化が既に限界に達し、耐震性やアスベストなど安全性にも問題があり、一刻の猶予もない状況にあることから、早期移転による抜本的な改善が必要となっております。そのため、先ほども述べましたが、現在実施しております実験において土壌汚染対策の有効性を確認した後、速やかに事業実施することができるよう、来年度予算案に必要な経費を計上いたしました。このことから、現在地再整備案の公募については考えておりません。
   〔病院経営本部長中井敬三君登壇〕

○病院経営本部長(中井敬三君) 小児病院に関する七点の質問にお答えいたします。
 まず、北多摩北部地域における小児救急医療体制についてでありますが、多摩北部医療センター小児科では、これまで清瀬小児病院が実態として担ってきた地域の小児医療を確保するため、二次医療の拠点として、昨年から病床の拡充や医師の確保など体制の整備を進めてまいりました。また、地元自治体や医師会、他の中核病院との連携協力も密に行っております。
 清瀬小児病院は、二月二十八日に府中に移転しましたが、この移転前後から昨日にかけて、多摩北部医療センターでは、休日、昼夜を通して小児救急の患者さんを問題なく受け入れ、診療できている状況にあります。お話にあった患者さんが百人も待つといった状況は、もちろんありません。地域の小児救急はパンク状況にあるといった指摘は当たりません。
 次に、八王子地域における小児救急医療体制についてでありますが、八王子市と協力し、来月から中核病院である二つの大学病院で新たに小児病床を十二床ふやすとともに、小児総合医療センターから医師を派遣するなど、二次救急医療体制の強化を図ります。また、八王子小児病院の近くにある南多摩病院において新たに小児科が設置されるほか、八王子市も小児病院跡地を活用した小児医療体制の整備に取り組んでまいります。
 このように、地元市や医師会、大学病院等との連携協力により、地域の小児医療体制の確保は十分に図られます。
 次に、二つの小児病院転出後の地域の小児救急医療体制についてでありますが、都は、地元市や医師会、中核病院などと連携協力を行いながら、それぞれの地域の小児医療体制の確保策を講じてまいりました。その結果、小児病院の転出前後において、両地域における患者さんの受け入れ、診療等に大きな問題は生じておらず、安定的に状況は推移しております。
 一方、昨日、小児総合医療センターが開業したことにより、周産期や小児救命救急など多摩地域の小児医療水準の向上は、いよいよ現実のものとなります。事実をゆがめるとの指摘は当たりません。
 次に、八王子小児病院の成人のダウン症患者さんへの対応についてでありますが、年齢や疾病にかかわらず、八王子小児病院を受診している患者さんについては、病院の医師が患者さんの症状などを踏まえ、ご家族とよく相談しながら、小児総合医療センターや地元の医療機関、福祉施設等を紹介しております。これらの調整を通して、府中の医療センターで診療することになるケースは当然あり得ます。
 次に、梅ケ丘病院移転の影響についてでありますが、都は、梅ケ丘病院移転に先立って、昨年十月、大塚病院に児童精神科外来を開設し、これにより区部の外来需要の受け皿を整えました。また、世田谷区でも昨年四月に、発達障害の支援を推進するための中核的な拠点施設を開設しており、区内における発達障害児への施策の充実も図られております。
 なお、現在梅ケ丘病院を受診している患者さんについては、八王子小児病院と同様、病院の医師がご家族等とよく相談しながら、個別に適切な対応を行っております。
 次に、梅ケ丘病院の一部機能の存続についてでありますが、入院を含む小児精神科の医療体制については、小児精神を専門とする医師等が極めて少ないことや医療レベルの確保といった観点から、府中と梅ケ丘に分散配置することは望ましくありません。また、梅ケ丘病院移転に伴う区部の小児精神科外来機能の確保については、昨年十月、大塚病院で児童精神科外来を既に開設しております。
 最後に、小児総合医療センターと小児三病院の併存についてでありますが、この案には数々の問題がありますが、一例を挙げますと、三病院を併存させた場合、小児総合医療センターに配置できる新生児科や救急、その他特定分野の専門医は、皆無もしくは極めて少数となり、多摩地域の方々が待ち望んでいた周産期医療や救命救急医療、その他の専門医療の立ち上げが困難となります。小児三病院併存案は多摩地域の小児医療を低迷させるものであり、とり得るものではありません。
   〔産業労働局長前田信弘君登壇〕

○産業労働局長(前田信弘君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、派遣等非正規労働者の解雇についてでありますが、派遣等非正規による働き方は、労働者のそれぞれの事情などにより選択されたものと考えますが、非正規労働者の解雇が安易に行われることは好ましいことではなく、軽々に行うべきではないと考えております。
 次に、新規学卒未内定者に対する就職支援についてでありますが、都は、既に企業に対して都内の経済団体を通じて採用拡大の要請を行ったほか、二回にわたって合同就職面接会を開催しております。さらに、しごとセンターにおいて新たに新卒緊急応援窓口を設置し、支援を行うこととしております。また、緊急雇用創出事業において実施する人材育成事業では、新規学卒未内定者も対象としております。
 次に、緊急雇用創出事業の情報提供についてでありますが、緊急雇用創出事業として実施する事業につきましては、都のホームページにおいて、すべての事業計画の内容、実施期間、募集人数、連絡先等の情報を掲載しておりまして、適宜更新しております。引き続き、わかりやすい情報提供に努めてまいります。
 最後に、貸し工場の家賃助成などについてでありますが、都は既に、経営困難な中小企業に対しまして、事業承継・再生支援事業で相談や経営支援を行うとともに、資金面でも制度融資により対応しております。したがいまして、お話の家賃補助などについて行う考えはございません。
   〔都市整備局長河島均君登壇〕

○都市整備局長(河島均君) 都市再生などの都市づくり政策についてお答えいたします。
 都はこれまで、三環状道路の整備や空港機能の強化、都心部の更新など、首都圏全体を視野に入れ、集積のメリットを最大限に生かす環状メガロポリス構造の実現に取り組んでまいりました。特にセンター・コア・エリアでは、質の高い業務や商業、文化、交流機能などが高密度に集積した拠点の形成を図り、活力やにぎわいのある市街地の再編を進めてまいりました。
 今後も引き続きこうした取り組みを積極的に推進し、東京を、国際競争力はもとより、成熟した都市にふさわしい、環境、文化、生活など多様な魅力を備えた都市へと再生してまいります。
   〔東京オリンピック・パラリンピック   招致本部長荒川満君登壇〕

○東京オリンピック・パラリンピック招致本部長(荒川満君) 招致推進活動経費についてお答えいたします。
 このたびの招致活動は、過去の招致ノウハウの継承が必ずしも十分でない中で、国同士の熾烈な競争を勝ち抜くために、費用対効果を勘案の上、実施すべきと考えられるものは可能な限り実施してまいりました。そして、こうした取り組みを通じまして、招致のノウハウ、国際スポーツ界との人的ネットワーク、映像等の成果物など、多くの有形無形の財産を蓄積することができました。
 海外コンサルタントにつきましても、今回の招致活動で築き上げた海外とのつながり、人脈を活用して、今後はみずから情報収集することができ、また、コンサルタント料の国際的な相場やコンサルタントを活用すべきタイミングも経験的にわかりましたので、今後、効率的、効果的な活用が可能でございます。
 将来、我が国が招致に再び挑戦する際には、こうした経験と判断に基づいて、より一層費用対効果の高い活動を選択し、招致推進活動の経費の総額も相当程度圧縮することが期待できると考えております。
   〔財務局長村山寛司君登壇〕

○財務局長(村山寛司君) 東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金の取り扱いについてでございますが、これにつきましては、オリンピック・パラリンピック再挑戦についての今後の論議などを見定めつつ、適切に対応してまいります。
 なお、都は、福祉、医療、教育はもとより、中小企業対策や外環道の整備等の都市機能の充実など、都民にとって必要な施策に的確に財源を振り向け、都民の期待に十分にこたえてきておりまして、二十二年度予算においても同様でございます。
   〔八十二番清水ひで子君登壇〕

○八十二番(清水ひで子君) まず、知事に再質問します。
 三小児病院廃止について、知事の答弁は、医師不足だから仕方ない、医師不足は国の責任だという情けないものでした。
 第一に、最近になって医師不足を口にしますが、都立病院再編の理由は財政問題にあると、二〇〇〇年の知事の諮問文に書いてあります。要は、お金を出したくないということじゃないんですか。違いますか、お聞きします。
 第二に、しかも今後、医師不足が打開できても、そのときは地域に病院がないことになります。これでは、地域医療の立て直しができないではありませんか。
 知事、以上二点についてお答えください。
 次に、NICUについて、局長の答弁は、多摩地域でふやしていく姿勢が全くありませんでした。府中のセンターでふやしても、まだ五十床を多摩でふやす必要があります。どうやってふやすのか今後検討するとさえいえないのですか、答弁を求めます。
 築地市場について、知事が豊洲の土壌汚染対策について実証実験をするという約束を違え、適用実験にすりかえてしまったことを私がただしたのに対し、市場長は、実験の目的は変わっていないと強弁しました。あなた方自身、議会に対して、技術会議が定めた技術、工法を現地の汚染や土質状況に即して適用し、確実に無害化が可能であることを実証すると報告していたじゃありませんか。
 ところが、技術会議の報告は、実証実験はしないといっているんです。仕様書も、適用実験としかいっていないのです。変わっていないというなら、都が今やっている実験は、無害化を証明する実証実験なのか否か、はっきり答えてください。
 最後に、昨年の都議選では七十万人を超える都民が日本共産党に支持を寄せていただいたことを述べておきます。
 終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 多摩三病院の廃絶についてであります。
 別にお金が惜しくてじゃないんです。幾ら箱をつくっても、中身が伴わなきゃしようがないじゃないですか。多摩地域は広いようで狭い、狭いようで広い。ですから、そのために運搬というものを考えて、要するに患者さんの医療に効率を上げるために新しい病院に集約したわけでありまして、決してそれによって地域医療が無視されることはございません。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) NICUについてお答えいたしますが、都は、東京都全域を一つの圏域として、平成二十六年度末までに三百二十床に増床することとしておりまして、府中では新たに今回の整備によりまして、都内最大の周産期医療機能を持つ病院となるわけであります。これに小児用ドクターカーを加え、さらには多摩新生児連携病院も新たに指定し、ドクターヘリも用意し、これらも含めて周産期母子医療センターが中心となって、多摩全域を対象としたネットワークグループを構築して、リスクに応じた役割分担と連携を推進してまいります。
 また、今般はNICUの安定的な運営を図るための運営費補助や増床する場合の施設整備費補助を大幅に拡充をしたところでございまして、こうしたことも整備に対する後押しになるというふうに考えております。
   〔中央卸売市場長岡田至君登壇〕

○中央卸売市場長(岡田至君) お答え申し上げます。
 技術会議で実証実験は必要はないと、こういうふうになっておりますが、これは提案された技法につきまして、これは既に実証性があり、実績があるものということになりまして、具体的に提案された場合につきましては、実証データをつけることを条件にしておりまして、それをそれぞれの専門家が判断し、最もふさわしい工法を選定したということですので、技術会議では実証実験は要らないというふうになっております。
 また、原島座長はさきの参考人招致におきまして、この工法を用いれば確実に汚染物質が除去できるというふうにいっております。今回、私どもが実際に実験としてやっておりますものは、現地の汚染や土質に即しまして技術会議が定めた技術、工法を適用して汚染物質を処理し、確実に無害化が可能であることを具体的なデータにより確認するものと、こういうものが実験でございまして、適用なのか実証なのかという言葉ではなく、この実験の目的、このものがどうであるかということでご理解いただければと思います。

○七十四番(松下玲子君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。

○議長(田中良君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(田中良君) ご異議なしと認め、さよう決定いたします。
 明日は、午後一時より会議を開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後九時四十二分散会

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