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Tokyo Metropolitan Assembly

平成二十一年東京都議会会議録第十四号

平成二十一年九月十五日(火曜日)
 出席議員 百二十五名
一番小林 健二君
二番加藤 雅之君
三番吉住 健一君
四番桜井 浩之君
五番野田かずさ君
六番鈴木 章浩君
七番福士 敬子君
八番山内れい子君
九番くりした善行君
十番西沢けいた君
十一番中村ひろし君
十二番田中  健君
十三番関口 太一君
十四番小山くにひこ君
十五番畔上三和子君
十六番斉藤やすひろ君
十七番栗林のり子君
十八番遠藤  守君
十九番伊藤 興一君
二十番きたしろ勝彦君
二十一番田中たけし君
二十二番鈴木 隆道君
二十三番神林  茂君
二十四番早坂 義弘君
二十五番星 ひろ子君
二十六番柳ヶ瀬裕文君
二十七番淺野 克彦君
二十八番新井ともはる君
二十九番佐藤 由美君
三十番たきぐち学君
三十一番田の上いくこ君
三十二番島田 幸成君
三十三番しのづか元君
三十四番滝沢 景一君
三十五番大島よしえ君
三十六番大松あきら君
三十七番上野 和彦君
三十八番吉倉 正美君
三十九番松葉多美子君
四十番高木 けい君
四十一番石森たかゆき君
四十二番高橋 信博君
四十三番中屋 文孝君
四十四番村上 英子君
四十五番矢島 千秋君
四十六番高橋かずみ君
四十七番西崎 光子君
四十八番中谷 祐二君
四十九番笹本ひさし君
五十番山下ようこ君
五十一番神野 吉弘君
五十二番鈴木 勝博君
五十三番興津 秀憲君
五十四番岡田眞理子君
五十五番伊藤 ゆう君
五十六番原田  大君
五十七番古館 和憲君
五十八番かち佳代子君
五十九番中山 信行君
六十番高倉 良生君
六十一番橘  正剛君
六十二番谷村 孝彦君
六十三番野上 純子君
六十四番山加 朱美君
六十五番山田 忠昭君
六十六番山崎 一輝君
六十七番菅  東一君
六十八番宇田川聡史君
六十九番林田  武君
七十番三宅 茂樹君
七十一番佐藤 広典君
七十二番尾崎 大介君
七十三番山口  拓君
七十四番松下 玲子君
七十五番伊藤まさき君
七十六番野上ゆきえ君
七十七番西岡真一郎君
七十八番今村 るか君
七十九番吉田康一郎君
八十番斉藤あつし君
八十一番たぞえ民夫君
八十二番清水ひで子君
八十三番小磯 善彦君
八十四番長橋 桂一君
八十五番藤井  一君
八十六番ともとし春久君
八十七番遠藤  衛君
八十九番吉原  修君
九十番野島 善司君
九十一番鈴木あきまさ君
九十二番田島 和明君
九十三番樺山たかし君
九十四番古賀 俊昭君
九十五番泉谷つよし君
九十六番くまき美奈子君
九十七番大西さとる君
九十八番増子 博樹君
九十九番いのつめまさみ君
百番門脇ふみよし君
百一番小沢 昌也君
百二番花輪ともふみ君
百三番大津 浩子君
百四番相川  博君
百五番大山とも子君
百六番鈴木貫太郎君
百七番東村 邦浩君
百八番中嶋 義雄君
百九番木内 良明君
百十番吉野 利明君
百十一番こいそ 明君
百十二番服部ゆくお君
百十三番川井しげお君
百十四番宮崎  章君
百十五番比留間敏夫君
百十六番川島 忠一君
百十七番石毛しげる君
百十八番大塚たかあき君
百十九番和田 宗春君
百二十番山下 太郎君
百二十一番酒井 大史君
百二十二番大沢  昇君
百二十三番中村 明彦君
百二十五番馬場 裕子君
百二十六番田中  良君
百二十七番吉田 信夫君

 欠席議員 二名
八十八番  三原まさつぐ君
百二十四番 土屋たかゆき君

 出席説明員
知事石原慎太郎君
副知事菅原 秀夫君
副知事佐藤  広君
副知事猪瀬 直樹君
教育長大原 正行君
東京都技監建設局長兼務道家 孝行君
知事本局長吉川 和夫君
総務局長中田 清己君
財務局長村山 寛司君
主税局長熊野 順祥君
警視総監米村 敏朗君
生活文化スポーツ局長秋山 俊行君
都市整備局長河島  均君
環境局長有留 武司君
福祉保健局長安藤 立美君
産業労働局長前田 信弘君
港湾局長比留間英人君
会計管理局長新田 洋平君
交通局長金子正一郎君
水道局長尾崎  勝君
消防総監新井 雄治君
下水道局長松田 二郎君
青少年・治安対策本部長倉田  潤君
東京オリンピック・パラリンピック招致本部長荒川  満君
病院経営本部長中井 敬三君
中央卸売市場長岡田  至君
選挙管理委員会事務局長矢口 貴行君
人事委員会事務局長泉本 和秀君
労働委員会事務局長関  敏樹君
監査事務局長三橋  昇君
収用委員会事務局長野口  孝君

九月十五日議事日程第三号
第一 第百三十一号議案
  東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
第二 第百三十二号議案
  東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
第三 第百三十三号議案
  東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
第四 第百三十四号議案
  警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例
第五 第百三十五号議案
  警視庁本所警察署庁舎(二十一)改築工事請負契約
第六 第百三十六号議案
  東京都健康安全研究センター新館B棟(二十一)新築その他改修工事請負契約
第七 第百三十七号議案
  都立総合芸術高等学校(仮称)(二十一)改築及び改修工事請負契約
第八 第百三十八号議案
  都立武蔵野北高等学校(二十一)改修工事請負契約
第九 第百三十九号議案
  都営住宅二十一CH─一〇二東(葛飾区高砂四丁目・葛飾区施設)工事請負契約
第十 第百四十号議案
  環二地下トンネル(仮称)築造工事(二十一 一─環二新橋第二工区)請負契約
第十一 第百四十一号議案
  備蓄用抗インフルエンザウイルス薬(オセルタミビルリン酸塩カプセル)の買入れについて
第十二 第百四十二号議案
  備蓄用抗インフルエンザウイルス薬(ザナミビル水和物吸入剤)の買入れについて
第十三 第百四十三号議案
  折り畳み式簡易ベッドの買入れについて
第十四 第百四十四号議案
  個人防護具(ガウン等セット)外六点の買入れについて
第十五 第百四十五号議案
  東京都道路公社が行う第二多摩川原橋有料道路事業の変更に対する同意について
第十六 第百四十六号議案
  東京都道路公社解散に係る設立団体の同意について
議事日程第三号追加の一
第一 東京都公安委員会委員の任命の同意について(二一財主議第二七六号)
第二 東京都人事委員会委員の選任の同意について(二一財主議第二七七号)
第三 オリンピック・パラリンピック招致特別委員会設置に関する動議

   午後一時開議

○議長(田中良君) これより本日の会議を開きます。

○議長(田中良君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(田中良君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 一番小林健二君外百十四名より、オリンピック・パラリンピック招致特別委員会設置に関する動議が文書をもって提出されました。
 また、知事より、東京都公安委員会委員の任命の同意について外人事案件一件がそれぞれ提出されました。
 これらを本日の日程に追加いたします。

○議長(田中良君) 昨日に引き続き質問を行います。
 五十六番原田大君。
   〔五十六番原田大君登壇〕

○五十六番(原田大君) 私からは、再生可能エネルギーの普及促進について、ITの活用と業務改善について及び河川感潮域における水質改善について質問いたします。
 まず、再生可能エネルギーの普及促進に関して、エネルギー安全保障について伺います。
 東京の持続可能な発展のためには、大都市のさまざまな活動を支えるエネルギーの確保が必要です。これまで人類は石油等の化石燃料に依存した文明を築いてきましたが、最近では、石油にかわる新しいエネルギー源として、太陽光、太陽熱や風力、バイオマスなどの再生可能エネルギーやメタンハイドレートなどの資源開発に注目が集まっています。
 新エネルギー政策は、地球温暖化等の環境問題への対応という政策目的を持っていますが、同時に、石油からの脱却は、石油の確保をめぐって争われてきた従来の国際政治の枠組みからの脱却をも意味するのであり、安全保障上の意味をも持つのであります。よって、エネルギー政策を考える場合、環境のみならず総合的な観点を持つ必要があります。
 諸外国の例を見ると、例えばアイスランドでは、同国内に豊富に存在する地熱と水力を活用し、水素の生産と燃料電池の活用を行うことによってエネルギー自給率一〇〇%を目指す取り組みが進められています。このアイスランドの新エネルギー政策には、エネルギー源を輸入に頼らないという明確なビジョンがあり、よって、バイオエタノールなど、同国として輸入に頼らなくてはならない新エネルギーは、最初から検討対象に入っていません。
 東京都でもさまざまな新エネルギー支援策に取り組んでいますが、単に環境問題からの視点のみならず、安全保障等を含めた総合的な観点からのエネルギー戦略を持たねばなりません。知事は、都のエネルギー戦略についてどのようなビジョンを持っているのか伺います。
 新エネルギーの中でも太陽光などの再生可能エネルギーは、鉱物資源に乏しい東京においても、自給がある程度可能なエネルギーです。新エネルギーの普及促進に当たっては、エネルギー自給率を高める観点からの取り組みが大切であり、再生可能エネルギーはその手段として位置づけることが必要だと考えますが、都では、再生可能エネルギーの普及促進に向けてどのような戦略をもって取り組んでいるのか伺います。
 次に、スマートグリッドについて質問します。
 これまで、電力の供給は国が中心となり、エンドユーザーには一方的に電力を届ける形で行われてきました。しかし、太陽光発電や風力発電によって、一般家庭も含めたさまざまな主体が電力の供給側に立てるようになったのです。東京都でも、さまざまな再生可能エネルギーに対する支援策を実施しておりますが、実用面でこれらを生かそうと思えば、再生可能エネルギーが既存の送電網の中にしっかり組み込まれるようにすることが必要であり、そのことを踏まえて再生可能エネルギーの普及策を構築する必要があります。
 電気は、水が高いところから低いところに流れるように、電圧の高いところから低いところへ流れます。よって、例えば一般家庭が設置した太陽電池から送電網に電力を供給する場合、電力会社の系統よりも高い電圧にして既存の送電網に流すのですが、電気事業法施行規則では、家庭用百ボルト電源への供給側の電圧の上限は百七ボルトと定められています。よって、系統の電圧が上限の百七ボルトだと、太陽電池から系統に電気が流れません。この制約から、せっかく家庭で太陽電池を設置しても、思ったように電気が売れない、太陽電池パネルの設置コストが回収できないといった事態が実際に起こっています。こうした事態が続けば、風力を初めとした商業ベースの新エネルギー事業者の参入も妨げられてしまいます。
 再生可能エネルギーの普及のためには、個別の技術分野に対する支援だけを行っていても効果は限定的であり、送電網の開放を関係各所に働きかけていくべきですが、都の取り組みについて伺います。
 送電網の開放を促していくためには、送電網の安定を保つためのインフラ整備も重要です。IT技術を駆使して電力の需給調整を行うスマートグリッド、スマートメーターの導入はもちろん、送電網の中に電気に絡む新技術、例えば電気自動車などを絡めていくことも効果的です。
 電気自動車は大型のバッテリーを搭載しており、充電中で送電網に接続された電気自動車は、電圧の変動を和らげるための市中のバッテリー設備として大きな役割を果たし得るのであります。本年、複数のメーカーから電気自動車が一般向けにも発売されました。まだまだ普及台数は少ないですが、プラグインハイブリッド車も含めて、今後、台数の増大が見込まれます。
 東京都も電気自動車等に対する支援を行っているところではありますが、単に自動車施策の枠内で施策を完結させるのではなく、再生可能エネルギーの普及に向けての東京の送電インフラ整備という視点も含めて、電気自動車を広く普及させていくべきだと考えますが、所見を伺います。
 次に、ITの活用と業務改善について質問します。
 まず、CIOの活動とIT統制について伺います。
 東京都では、平成十九年四月に副知事をCIO、情報統括責任者とし、七月にシステム評価委員会がつくられました。
 IT戦略は、業務改善と一体であることが重要です。私は平成十八年第一回定例会の一般質問において、IT化による改革とは、今までの業務プロセスを最新の技術を駆使して根本的に見直すことであり、既存の業務プロセスを単純にコンピューターを利用したプロセスに置きかえるものではないこと、したがって、IT化を担当する責任者は、単にコンピューター技術者のトップではなく、情報化戦略を組織全体の経営戦略に組み込んでいく役割を果たすべきことについて申し上げ、都の対応をただしました。
 その後、計画段階では理事級とされていたCIOに、部局の壁を超えた副知事級がなったことは、大変意味のあることであったと評価しております。
 そこで、副知事がCIOとなったことにより、実際にどのような効果があったのか、副知事がどのような役割を果たしてきたのか伺います。
 次に、IT調達について質問します。
 平成二十年六月にはシステム評価委員会の取り組みが報告され、現在は、全庁最適化計画、個別最適化計画の策定に向けての作業が進んでいます。今後、最適化計画に基づいて、さまざまなシステムの調達が行われることとなります。
 私は、平成十八年第一回定例会では、知事部局と公営三企業、警視庁、東京消防庁において、共通化できるシステムは共通の仕様を設定する、あるいはハードについては調達を一元化するなど、総合的な視点で調達を行う取り組みが必要と指摘し、対応を求めました。
 そこで、今後の最適化計画策定に当たって、これらの業務改善について現在の具体的な進捗状況及び今後の見通しについて伺います。
 IT調達については、公共工事の入札ほど制度が整っておらず、過去にもITゼネコンによる不適当に高額の契約が見受けられました。例えば、開発段階で請負業者が自社にしか対応できない仕様を盛り込むなどにより、保守運用をその業者しか請け負えないような状況とし、開発ではいわゆる一円入札を行って、その後の保守運用で稼ぐというビジネスモデルがまかり通っていました。
 こうした状況を排し、適切なIT調達制度を構築するために、新たな調達、契約制度の構築を見据え、システム調達、運用の各プロセスで競争が働く仕組みづくりを行うことが重要でありますが、所見を伺います。
 次に、国や自治体との関係について伺います。
 麻生政権下の平成二十一年度補正予算で、突如、自治体クラウド構想が登場しました。クラウドとは、利用者が情報システムをみずから開発、保有、管理することなく、外部に構築された情報システムを、インターネット等を通じてサービスとして利用する形態であります。課題はあるものの、外部に構築されたシステムを複数の利用者が共同で利用することにより、各利用者にとって、情報システムの開発、管理のコストの大きな低減が図られるとともに、利用者間で業務、サービスが標準化、共通化され、相互の連携も容易になることから、利用者全体でサービスの向上、業務効率化が進むといわれています。
 このように、クラウドという考え方そのものについてはメリットがあるものの、総務省主導の事業に安易に乗るのは、e─JAPAN戦略で行われた、むだで非効率なIT公共事業の再来になりかねず、クラウド化については、自治体としてIT投資戦略をしっかりと持った上で取り組むべきと考えます。
 そこで、都として国の自治体クラウド構想をどのようにとらえているか伺います。あわせて、ITを活用した自治体間の連携による行政の効率化について、今後どのように取り組んでいくのか、所見を伺います。
 以上、ここまで申し上げてまいりましたとおり、業務の見直しを行なわないIT化は、無意味などころか税金のむだ遣いであります。産業技術総合研究所の微生物の特許出願に関する電子申請システム、外務省の旅券電子申請システムなど、数千万から数十億円をかけながら、既存の方法の方がいい、もしくは電子申請だと余計に手間がかかる等の理由で、利用件数がゼロ、もしくは数えるほどといった事例が山のようにあります。
 また、組織ごとに類似の情報システムを整備することは、二重投資につながるものであり、縦割りの弊害でもあるため、改善していくべきであります。
 さらに、システム開発会社主導のシステム導入は、システムありきとなりがちで、使われない機能や冗長なシステム構成など、過剰投資を生み出す要因となっています。
 これらの問題点を踏まえながらも、ITを活用し、業務プロセスを職員と都民にとってよりよいものにしていくことは大変大きな課題であります。それでも課題を乗り越え、行政サービスの質と量の向上、都民満足度の向上を図っていかなくてはなりません。
 そのためにはCIOである副知事のリーダーシップが重要ですが、今後、ITを活用した業務改善にどのように取り組んでいくのか、CIOである菅原副知事に伺います。
 次に、河川感潮域における水環境の改善について質問します。
 河川の水環境は、ここ数年あるいは十数年でかなり改善してきました。しかし、流れの部分の水環境はそれなりによくなってきていますが、潮の満ち干の関係で水の流れが滞る河川感潮域の水環境にはまだまだ問題が目立ちます。実際、北区の石神井川、品川区の立会川などでは取り組みが進められています。河川感潮域の水環境悪化問題の解決のためには、都が積極的な取り組みをする必要があると考えます。
 そこで、河川の水環境の改善に当たっては、特に感潮河川の環境改善に向け、臭気対策を進めるべきと考えますが、所見を伺います。
 私の地元、北区の石神井川では、これまでも夏場を中心ににおいが発生し、周辺の住民の方々から多くの苦情が寄せられておりました。そうした中、ことし三月にJR王子駅の汚水流入問題が判明したわけですが、そもそもこの場所は感潮域であって、余り水が流れない、あるいは下流の隅田川から流れが逆流してきているのではといった憶測から、汚水流入という事態の発見がおくれたという事情もあるのであります。また、実際に、汚水の流入がなくなった現在でも、気象条件等により相変わらず臭気の発生等が見られます。
 現在、北区では、水質の詳細な調査と対策の検討等について取り組みを進めておりますが、都としてもこの問題に積極的に取り組むべきであります。
 そこで、石神井川の臭気対策に今後どのように取り組んでいくのか伺います。
 さきに申し上げましたとおり、河川の水環境は、ここ数年あるいは十数年でかなり改善してきましたが、それは通常時の水環境についてであります。河川感潮域においては、雨天時には合流式下水道から流入した汚水がたまる、あるいは夏季には悪臭が多発するなど、住民は実感としてはまだまだという印象を持っています。
 汚れがたまりやすい河川感潮域では、汚水の流入がより大きな影響を生じるであろうことから、こうした区間においては、合流式下水道から河川への流入について特に改善対策を進めるべきですが、所見を伺います。
 石神井川下流域においては、王子第二ポンプ所の建設など、合流式下水道の改善等が計画されています。これらの対策によって、どのような改善効果を見込んでいるのか伺います。
 環境局が水質汚濁防止法に基づき行った平成二十年度の都内河川の水質調査結果を見ると、BODを指標として、すべての河川で環境基準を達成したとされています。しかしながら、石神井川や立会川などの感潮域付近の住民は、川がいまだにきれいになってはいないと感じています。BODを測定することによって観測されている水質と、住民の水のきれいさの感覚にずれが生じています。
 こうした水質を初めとする環境測定は、河川の現状を把握し、問題点を突きとめ、改善につなげていくところに意味があります。そこで、このような感潮河川の水環境の現状についてどのように把握し、考えているのか伺います。
 河川の水環境改善には、河川全体を考慮した取り組みが必要です。悪臭等が問題となっている河川において、特定の区間だけを抱える地元区ばかりに任せていては、区域を越えた全体的な取り組みができません。
 河川の水環境改善のための水質浄化実験を行っている区もありますが、抜本的な対策には、悪臭等が発生する河川のメカニズムの解析や、それを踏まえた水質改善対策の立案が不可欠です。水環境に関する情報の把握や区に対する情報提供、技術支援などを行うべきと考えますが、所見を伺います。
 以上で私の一般質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 原田大議員の一般質問にお答えいたします。
 エネルギー政策についてでありますが、現代文明は、化石燃料のもたらす膨大なエネルギーを消費し、今日の便利で豊かな生活を実現してはまいりました。しかしながら、化石燃料への依存は、温暖化による気候変動の危機をもたらすとともに、資源の枯渇と国際供給体制の不安定化によりまして、国際的な平和や安全をも脅かすという事態を引き起こしているわけであります。
 再生可能エネルギーへの転換を軸とする低炭素型社会の実現こそ、現代文明が直面するこれらの問題を解決する最大の方策であると思います。
 都は、こうした観点から、太陽エネルギーの利用拡大を初めとする先駆的な再生可能エネルギー施策を展開し、今後とも低炭素型社会への転換を先導していきたいと思っております。
 東京が世界の中で都市として唯一参画しましたICAPは、これはヨーロッパの首相によるCO2削減のリーグでありますけれども、先般、オリンピック招致のためにIOCの委員の集まる世界陸上に参りましたときに、ドイツ、ポーランドの上を飛びましてつくづく感じましたのは、やっぱりヨーロッパはこの問題で相当強い危機意識を持っている。
 例えば、平野という非常に恵まれた条件もありますけれども、至るところに非常に数の多い風力発電の風車が見えました。それから、自転車の普及率というのは、少なくともドイツに関しては恐らく東京の数倍の自転車が普及しているので、感心もいたしました。
 一方、私、運輸大臣のときに手がけて、現在の実験線に移しました、山梨県に移しましたあの日本の誇るべき低温超電導の技術は、これはリニアモーターカーのために開発したものでありますけれども、専門家に聞きますと、現在の送電線による電力の供給というのは非常に途中でロスが多いそうですけれども、これを活用しますと、非常に高度な、ほとんど漏電のないバッテリーができるようでありまして、例えば一万トンの船そのものをバッテリーにすることで、電力のない僻地にその船を横づけすることで砂漠に電力がもたらされるといったような、そういった効用もあるわけでありますが、いずれにしろ、私たち、こういったものを総合的に活用しまして、エネルギー対策をすることでこの地球の危機というものを救うべきだと思っております。
 他の質問については、副知事、東京都技監及び関係局長から答弁いたします。
   〔副知事菅原秀夫君登壇〕

○副知事(菅原秀夫君) ITを活用いたしました業務改善への取り組みについてお答えを申し上げます。
 IT化は、業務の効率化あるいはコスト削減、コミュニケーションの円滑化、情報の共有化に大きな効果をもたらすことから、官民を問わず経営に不可欠な手法となっております。
 一方、都におきましては、これまでの紙ベースの業務をそのままIT化するなど、仕事の進め方の見直しが不十分でございまして、業務の効率化には限界がございました。そのため、全庁横断型の戦略会議といたしましてIT業務改革会議を設置いたしまして、情報統括責任者といたしまして、業務改善を踏まえた戦略的なIT化への取り組みを進めてまいりました。
 取り組みに当たりましては、単に業務をシステム化するのではなくて、既存業務をより効率的な形に見直すとともに、知事部局、公営企業局の垣根を超えた、最も望ましい情報システムへと整備をしていくこととしております。
 情報システムを組織のあり方、仕事の進め方を抜本的に変えていく戦略的な手法と位置づけをいたしまして、情報統括責任者といたしまして、引き続き業務と情報システムの最適化の取り組みを進めてまいります。
   〔東京都技監道家孝行君登壇〕

○東京都技監(道家孝行君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、感潮河川における臭気対策についてでありますが、潮の干満の影響からヘドロが堆積しやすい感潮河川においては、しゅんせつなどの対策によって臭気の発生を防止することが重要であります。今年度は目黒川など五河川で、河川管理者である地元区が臭気対策としてしゅんせつを実施する予定であります。
 一方、都におきましても、船舶による機械施工が可能な隅田川などの四河川におきまして既にしゅんせつを実施しており、引き続き日本橋川など六河川で順次実施してまいります。
 今後とも、都と区は連携し、それぞれの役割分担に基づき計画的にしゅんせつを行い、良好な河川環境の確保に努めてまいります。
 次に、石神井川における臭気対策についてでありますが、都では、建設局を初め関係各局が、河川管理者である北区とともに、石神井川の河川環境の改善を図るため、臭気対策の検討会を開催し、今後の取り組み内容と役割分担を取り決めてまいりました。これに基づき、まず都は、臭気対策として、緊急に河川しゅんせつを実施し、七月に完了させました。
 現在、北区は、臭気の発生原因調査を都の特例交付金によって行っており、この調査結果をもとに、平成二十二年度から二年にわたり、臭気対策実験を行う予定でございます。
 都は、これまで得た技術的な知見を用いて、調査や実験の方法について支援を行っております。
 今後とも、都は河川管理者である北区と連携いたしまして、臭気対策に取り組んでまいります。
   〔環境局長有留武司君登壇〕

○環境局長(有留武司君) 五点についてお答えいたします。
 まず、再生可能エネルギーの普及とエネルギー自給率の向上についてでございますが、都は、再生可能エネルギーの普及拡大を気候変動対策の重要な柱と位置づけ、取り組みを進めております。中でも太陽エネルギーや都市の廃棄物を活用したバイオマスは、CO2を増加させないクリーンなエネルギーであると同時に、都外に供給を依存しない、いわば地産地消のエネルギーでもあります。こうした観点を含め、東京の持続可能な成長を実現するため、再生可能エネルギーの導入を進めてまいります。
 次に、再生可能エネルギーの普及における送電網への優先接続についてでございます。
 風力発電などが事業として成立するためには、電力の送電系統への接続が必要であり、これを保障する送電網への優先接続の仕組みの確立が再生可能エネルギーの安定的な供給拡大を図る上で極めて重要であります。しかしながら、我が国においてはこうした優先接続の仕組みが確立されておらず、再生可能エネルギーのポテンシャルが十分に生かされておりません。
 都は、既に国への提案要求の中で、国のエネルギー政策の中に送電系統への優先接続を位置づけるよう要請しており、今後とも、八都県市とともにこうした働きかけを続けてまいります。
 次に、電気自動車の普及についてでありますが、電気自動車は走行中に二酸化炭素排出がなく、環境負荷が小さいことから、その普及を図ることは地球温暖化対策を進めていく上で重要であります。そのため都は、各種支援策等を講じて電気自動車の普及を図っております。
 また、電気自動車の普及は始まったばかりでありますが、民間事業者においては、再生可能エネルギーの導入拡大に向け、電気自動車などが持つ蓄電機能に着目しまして、その機能を活用した電力の安定供給を図るシステム構築を目指す実験の動きもあります。都としては、こうした取り組みの動向も見守りつつ、電気自動車の幅広い普及促進に努めてまいります。
 次に、河川における水環境についてでございますが、都内の五十二河川で毎月実施している水質測定の結果、平成二十年度は、石神井川や立会川など、都内のすべての河川において、水の汚れの指標である生物化学的酸素要求量、BODが環境基準を達成しておりまして、経年的に見ても水質の改善は着実に進んでおります。
 しかし、地形の関係で流れが悪いところは、流れがあるところと比較しまして泥やごみがたまりやすいことから、悪臭等が発生し、住民にとって必ずしも快適な水環境とはいえない場所が生じることは承知しております。
 最後に、水環境に関する区への情報提供等についてでございますが、都は、流域の自治体による水質情報の共有化を図るため、都及び区市町村それぞれが行っている水質測定の結果を取りまとめるとともに、必要に応じて解析し、区市町村に提供しております。
 また、立会川など城南地区の河川で地元区が行っている浄化実験や石神井川で北区が行っている臭気発生の原因調査等の取り組みにおきまして、関係区に対し、採水地点、分析項目などの調査方法や浄化手法等に関する技術的な支援を行っております。
 今後とも、都内河川の水環境の改善に向けて、区市町村に対し、こうした情報提供や技術的な支援に努めてまいります。
   〔総務局長中田清己君登壇〕

○総務局長(中田清己君) ITに関します四点のご質問にお答えします。
 まず、副知事がCIO、情報統括責任者となったことによる効果と役割についてでございますが、副知事の情報統括責任者のもと、全庁横断型のIT・業務改革会議を設置し、業務改善を踏まえた都のIT化全体の最適化に取り組む体制が整備されました。
 また、外部の専門家も入れたシステム評価委員会におきまして、現在稼働している主要な情報システムを対象としたシステム総点検を実施し、システムの更新時期を踏まえた類似システムの統合や費用対効果を高める道筋を示しました。
 これらは、副知事が情報統括責任者の役割を担い、縦割りを打破し、組織全体を見渡すことにより達成できたものと認識しております。
 次に、業務改善に係る進捗状況及び今後の見通しについてでございますが、事務用パソコンにつきましては、これまでも都全体で利用している端末の一括調達を行っているほか、標準仕様書をもとに、本年度は都立学校の教員向け端末につきましても一括調達を行いました。
 また、複数の局で個別に運営している電子調達システムの統合など、既存の情報システムにつきまして、局横断的な共通利用の実現に向け支援するとともに、新規に導入する場合のパッケージソフトの推奨など、より低廉で高品質な情報システムの導入を支援しております。
 引き続き各局に対します支援を行うとともに、これらの取り組みを今後策定する最適化計画に反映させてまいります。
 次に、システム調達、運用の各プロセスで競争が働く仕組みづくりについてでございますが、システム調達の段階におきましては、将来の更新時にも適正な競争が働くよう、調達に必要な項目を明確にした参考仕様書を整備して各局に提供しております。
 また、運用段階におきましては、維持管理経費が高どまりすることがないよう、運用業務の内訳を精査するとともに、具体的な業務項目を明確化することにより競争性を確保する取り組みを進めております。
 あわせまして、これらの取り組みに当たりましては、外部の専門家を入れたシステムアセスメント制度の中で、費用対効果の観点などから、客観性を担保するとともに、妥当性につきましても評価を行っております。
 最後になりますが、自治体クラウド構想等についてでございますが、国の自治体クラウド構想は、財政面等の脆弱な小規模自治体などが情報システムを共同利用することによりまして、住民サービスの向上と行政運営の効率化を低コストで実現しようとするものであると認識しております。
 都におきましては、同様の趣旨で、既に平成十六年度から都内区市町村とともに電子申請システムなどの共同運営事業を実施しております。
 都としましては、ITを活用した自治体間の連携につきまして、当面この都内の自治体との共同運営事業をさらに充実させていきますが、一方、自治体クラウドの開発実証で試みられる都道府県域を超えた共同利用に関しましても、費用対効果やセキュリティー対策など、その成果と課題を見きわめた上で適切に対応してまいります。
   〔下水道局長松田二郎君登壇〕

○下水道局長(松田二郎君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 感潮域における合流式下水道の改善対策についてでございますが、合流式下水道から一年間に放流される総汚濁負荷量を分流式下水道と同程度とすることを目標として、合流改善対策を進めております。この対策を進めることにより、潮の影響を受け、よどみやすい水域も含め、水質改善に寄与してまいります。
 具体的には、雨天時において河川などに放流される汚水まじりの雨水の量を減らし、水再生センターでの処理量をふやすための下水道の幹線の増強や、はけ口におけるごみやオイルボールの流出を抑制するための施設の改善、降雨初期の汚れた下水を貯留し処理する貯留池の整備などに取り組んできております。
 水再生センターでの処理量をふやすための幹線の増強についてはおおむね完成しておりまして、はけ口における施設の改善についても、来年度末にはおおむね完了いたします。
 貯留池については、これまでに約八十三万立方メートルが稼働しておりますが、さらに整備を進めてまいります。
 今後とも、地元区、河川管理者と連携を図り、合流式下水道の改善対策に取り組んでまいります。
 次に、石神井川下流域の対策の効果についてでございますが、王子駅から下流側の石神井川には四つのはけ口がありますが、そのうち三つのはけ口の対策としては、王子西一号幹線、堀船一号幹線や王子第二ポンプ所を新たに整備いたします。この整備により、雨天時に放流される汚水まじりの雨水を石神井川を経由することなく直接隅田川へ放流するとともに、王子第二ポンプ所には、降雨初期の汚れた下水を貯留し、みやぎ水再生センターに送水して処理するための貯留池を整備いたします。
 残る一つのはけ口の対策としては、貯留池を計画しており、新たに用地の確保が必要であることから、地元区などの協力を得ながら整備を進めてまいります。
 これらの対策により、雨天時に石神井川へ放流される汚濁物質の大幅な削減が可能となります。今後とも、石神井川の水質改善に向け、施設の整備を進めてまいります。

議長(田中良君) 四十六番高橋かずみ君。
   〔四十六番高橋かずみ君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○四十六番(高橋かずみ君) 当面する都政の課題について質問をいたします。都知事及び技監並びに関係局長の誠意あるご答弁をお願いいたします。
 まず最初に、東京外かく環状道路の整備推進についてお尋ねいたします。
 東京外かく環状道路について、昨日の我が党の代表質問では、国家戦略及び首都圏の諸課題の観点からお尋ねし、事業推進に向けた答弁をいただきましたが、私からは、地元の状況も踏まえた質問をいたします。
 さて、去る九月七日に、私の地元、練馬区議会の超党派による外かく環状道路建設促進議員連盟主催の外環整備促進大会が、多くの地域住民が参加して開催され、地元においても早期整備への機運が高まっております。
 練馬区西部地域は、都市計画道路の整備が極めておくれている上に、首都高に接続していない関越道と外環の二つのインターチェンジから、一日に合わせて約八万台の車両が出入りしております。このため、当地域の幹線道路の交通渋滞や生活道路の交通安全性の低下が地域にとって喫緊の課題となっており、その解消が地域住民の切なる思いとして大会でも訴えられております。
 既に韓国のソウルでは環状道路が完成しておりますが、中国においても、九月十二日に北京の五環状道路が全線開通したというニュースが飛び込んできております。中国建国六十周年に当たる本年、国威の宣揚の象徴的な開通記念式典が挙行されたと聞いております。
 これに対し、我が国では、三環状道路の整備率はいまだ約四四%であり、首都圏の環状道路整備の面で、大きく韓国や中国に水をあけられているのが現状であります。
 四十年間凍結され、いよいよ事業化された地域住民の悲願である外環について、改めて今後の事業推進に向けた知事の不退転の決意をお伺いいたします。
 次に、地域課題に対する対応の方針についてお伺いいたします。
 外環の整備に当たっては、大深度地下方式による地下構造を基本としておりますが、既設の高速道路との連結部であるジャンクションやインターチェンジを設置する地域においては、地下への出入り口や周辺のまちづくりが大きな課題になっております。
 そこで、国と都では、これらの地域で開催した地域課題検討会などで沿線住民から寄せられた意見や要望に対する取り組みを、対応の方針として四月に取りまとめております。
 外環事業を円滑に進めるためには、ジャンクションなどが設置される地域におけるさまざまな意見や課題に対して、対応の方針を着実に実行することが重要であります。
 都として、対応の方針の実行に向けてどのように取り組むのか、お伺いいたします。
 次に、連続立体交差事業についてお尋ねいたします。
 都内にある数多くの踏切は、交通渋滞や市街地の分断による都市の活力低下の要因となっております。連続立体交差化は、数多くの踏切を同時に除却する極めて効果的な事業であり、私は本事業の積極的な推進を求めてまいりました。
 昨日、我が党の代表質問に対して、事業中の七路線八カ所のうち、JR中央線三鷹駅から国分寺駅間の高架化を本年十二月に完成させ、この区間の踏切すべてを除却するとの答弁がありました。このことは、地域住民の長年の悲願がかなうことであり、実に喜ばしいことであります。この区間に引き続き、その他の箇所についても、一日も早い踏切解消に向けた事業の推進が必要であります。
 そこで、現在事業中の連続立体交差化の取り組みについてお伺いいたします。
 都内を運行する鉄道の中でも、西武新宿線や池袋線は、あかずの踏切が最も多く、連続立体交差化が急がれる路線であります。練馬区では、西武池袋線練馬高野台駅から大泉学園駅間の整備が進められております。とりわけ石神井公園駅付近では、高架橋もほぼでき上がり、地元も、踏切がなくなるときを心待ちにしております。
 そこで、この区間の進捗状況と今後の取り組みについてお伺いいたします。
 また、西武新宿線の井荻駅から東伏見駅付近については、連続立体交差化の事業候補区間として検討が進められていると伺っております。上石神井駅周辺を初め沿線の地域では、まちづくりの取り組み意欲が高く、踏切解消に地元住民は大きな期待を寄せております。この区間についても連続立体交差化を早期に実現されるよう、強く要望しておきます。
 次に、都市の緑の保全についてお尋ねいたします。
 都では、さきに公表された東京の都市づくりビジョンにおいて、より一層環境や緑を重視する方向性を明らかにいたしました。二〇一六年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を目指している現在、東京の緑をふやし、低炭素社会を構築するためにも、まさにこうした視点が重要であります。
 二十三区内でも特に練馬区では、貴重な緑を守っていくため、みどり30推進計画を策定し、緑で覆われる割合、すなわち緑被率を三〇%にふやす取り組みを推進しているほか、世田谷区においても同様に、緑の確保に向けた施策が強化されていると聞いております。こうした取り組みは、これからの東京のまちづくりにとって大いに期待されているところであります。
 しかしながら、都全域に目を転ずると、農地や樹林地など今もなお減少しており、都の取り組みは十分であったとはいえないのであります。
 本年の予算特別委員会では、我が党の質問に対して、都は、既存の緑を保全するために、区市町村と合同で、緑確保の総合的な方針の策定に積極的に取り組むとしております。
 そこで、この方針は現在どのような方向で検討が進んでいるのか、お伺いいたします。
 また、こうした既存の緑を保全するにしても、大半が民有地であることを考えると、樹林地等の所有者の理解と協力を得なければなりません。しかし、樹木の剪定や落ち葉の清掃などの維持管理が十分に行えないという問題ばかりでなく、一本の保護樹木の保全には、地上部の枝張りや地下部の根の広がりを考えると、三十から五十坪の土地について、土地所有者は固定資産税や都市計画税を負担しなければならないという課題が生じております。このような状況では、所有者の理解は広がりません。
 今後、所有者に対するさまざまな負担軽減策が必要でありますが、まず、維持管理などの観点からはどう取り組んでいくのか、お伺いいたします。
 また、所有者が緑を保全していくためには税の軽減も必要だと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
 最後に、都市農業の振興についてお尋ねいたします。
 現在、日本の農政は、食料自給率の向上に向けた農業生産の強化が喫緊の課題となっております。このたびの衆議院議員選挙で第一党となった民主党は、この課題に対し、農家の経営規模にかかわらず、米、麦、大豆等を生産、販売している農家に、販売価格と生産費の差額を基本とする所得補償を行う農業者戸別所得補償制度を創設することとしておりますが、具体的な内容がわからず、農家は不安を感じております。
 また、諸外国との自由貿易協定を促進する政策については、我が国の農業へ壊滅的な影響を与えるとの農業団体からの反論により、マニフェストを変更しましたが、いまだに、食の安全、安定供給、食料自給率の向上、国内農業、農村の振興と両立できるとは考えられないとの批判があります。
 さらに、相続税についても、遺産課税方式を検討することとしておりますが、農業団体では、この方式が課税強化につながり、相続税を支払うために今以上に農地を処分せざるを得ず、事業承継ができなくなるのではないかと懸念しております。
 私は、日本各地で熱心に経営に工夫を加え農業生産に取り組んでいる農業者の方々の意欲を大切にし、将来の日本農業発展の礎となる政策を考えるべきだと思います。
 我が都議会自民党は、平成十五年に東京都議会自由民主党都市農政を考える議員連盟を結成し、東京の農業団体や農業者の方々と意見交換を重ねるとともに、将来の夢を折に触れお聞きしてまいりました。そして、農地の相続税、農家の担い手、市街化区域内の農地保全などの課題に対し、多くの政策提言を行ってまいりました。
 東京都も、このような我が党の提言を真摯に受けとめ、施策を構築し、東京の農業振興に取り組んでおり、その成果として、農地と担い手のマッチングや都庁内の局横断的な農地保全への取り組みが進んでおります。
 そこで、都市農業の発展に向けたこれまでの都の取り組み、そして、今後どのように都市農業の振興に取り組んでいくのか、お伺いいたします。
 これで私の一般質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 高橋かずみ議員の一般質問にお答えいたします。
 外環道についてでありますが、外環道は、東京から全国に延びる高速道路をつなぐハブの役割を担う環状道路でありまして、費用対便益が全国でもトップレベルの道路であります。
 ちなみに、 そのコスト・アンド・ベネフィットの指数は二・九という、予定されているプロジェクトでは最高のものでありますが、四十年余りの間、計画を放置してきたことによって失われたものは、はかり知れないと思います。
 国が平成十三年に凍結解除してから八年余り、このたびようやく事業化をさせ、東京の弱点克服と国家的経済ロスの解消に向けて一歩一歩着実に前進はしております。
 新政権においても、事業中の外環道のこうした国家的役割と環境改善の効果を十分に認識して、国として安定的な財源確保と早期完成を目指し、事業の推進を図るように、これからも強く求めてまいります。
 他の質問については、技監並びに関係局長から答弁します。
   〔東京都技監道家孝行君登壇〕

○東京都技監(道家孝行君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、現在事業中の連続立体交差化の取り組みについてでございます。
 連続立体交差事業は、数多くの踏切を同時に除却することにより、交通渋滞や地域分断を解消し、地域の活性化にも資する極めて効果の高い事業であります。
 これまで、東急目黒線など三十三カ所で事業を実施してきておりまして、二百九十八カ所の踏切を除却してまいりました。
 現在、七路線八カ所で整備を進めており、平成二十七年度までにさらに百八カ所の踏切を除却する予定でございます。
 JR中央線では本年十二月に十三カ所の踏切を除却し、京浜急行本線・空港線では平成二十二年春に上り線全区間を高架化するなど、事業の推進に積極的に取り組んでおります。
 今後とも、必要な財源確保に努めるとともに、地元区市や鉄道事業者と連携し、連続立体交差事業を一層推進してまいります。
 次に、西武池袋線練馬高野台駅から大泉学園駅間の進捗状況と今後の取り組みについてでございますが、本事業は、延長二・四キロメートルの区間を高架化し、九カ所の踏切を除却することにより、富士街道などの交通渋滞の解消を図るものでございます。
 このうち、練馬高野台駅から石神井公園駅付近までの延長一・二キロメートルの区間につきましては、上り線の高架構造物がおおむね完成し、現在、軌道や電気設備の工事を進めており、今年度中に上り線を高架化いたします。これにより、この区間の踏切の遮断時間が約三割減少することが見込まれ、交通渋滞が緩和されるものと考えております。
 引き続き下り線の工事を進め、平成二十三年度までに高架化を完了し、この区間の踏切をすべて除却する予定であります。
 また、石神井公園駅付近から大泉学園駅までの延長一・二キロメートルの区間につきましても、平成二十四年度の工事着手に向けて用地取得を着実に進めてまいります。
 今後とも、関係住民の理解と協力を得ながら一日も早い完成を目指し、本事業に積極的に取り組んでまいります。
   〔都市整備局長河島均君登壇〕

○都市整備局長(河島均君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、外環整備に関する対応の方針の実行についてでございますが、国と都では、沿線区市で開催した地域課題検討会やオープンハウス等を通じて寄せられたさまざまな意見や要望への対応の方針を取りまとめ、四月に公表いたしました。
 今後、都は、事業を進めるに当たりまして、この方針に示した外環整備を契機とした周辺のまちづくりへの支援や協力などを着実に行ってまいります。
 また、沿線区市への情報提供や意見交換を行う場である連絡会などにおきまして、国の取り組み状況について、適宜、区市とともに確認を行い、外環事業の円滑な推進が図られるよう、国に対し、対応の方針の確実な履行を求めてまいります。
 次に、緑確保の総合的な方針についてでございますが、本方針は、緑の保全を一層強化するために、既存の緑の望ましいあり方や保全の取り組みの方向を明らかにし、区市町村とともに新たな施策の展開を目指すものでございます。
 昨年、緑の現状の調査に着手いたしまして、本年、有識者会議や都と区市町村による合同検討委員会を発足させ、検討を開始いたしました。
 具体的には、崖線の緑など保全すべき対象を明らかにした上で、特別緑地保全地区の指定を一層推進することや、民間による支援策も含め、社会全体で屋敷林の緑を保全する仕組みの構築等、新たな視点による検討を積極的に行っております。
 年内には、これらを盛り込んだ素案を作成し、パブリックコメントを実施した上で、年度末までに方針を取りまとめ、貴重な緑の保全を強力に推進してまいります。
 最後に、樹林地の所有者に対する負担軽減策についてでございますが、市街地に残る樹林地を保全し、良好に維持していくためには、お話のとおり、落ち葉の清掃など管理の問題に的確に対応していくことが重要でございます。
 このため、樹林地の管理を行うボランティア団体の育成やその活動に対する支援につきまして、有識者や区市町村の意見を踏まえながら、新たな仕組みの構築に取り組んでおります。
 また、都や区市町村が土地所有者等と契約をいたしまして緑地を公開する市民緑地の制度につきましてもより一層の普及を図るなど、樹林地の所有に対する負担軽減に向けた施策の検討を積極的に進めてまいります。
   〔主税局長熊野順祥君登壇〕

○主税局長(熊野順祥君) 緑の保全のための税の軽減についてお答えいたします。
 緑の保全は、都にとりまして重要な政策課題の一つであり、補助制度など他の施策とあわせて税制を活用していくことも有効であると考えております。
 二十三区内におきましては、既に一定の要件を満たす特定保存樹林地の固定資産税等を減免する制度がございますが、今後、緑の保全を図るために税制をどう活用していくかにつきまして、関係局と連携を図りながら、鋭意検討してまいります。
   〔産業労働局長前田信弘君登壇〕

○産業労働局長(前田信弘君) 都市農業に関するご質問にお答えいたします。
 都市農業の振興への取り組みについてでありますが、東京の農業と農地は、新鮮で安全・安心な農産物を都民に提供するだけでなく、農業との触れ合いや体験の場の提供、都市環境の保全、災害時の避難場所の提供など多面的な機能を持ち、都民生活において重要な役割を果たしております。
 都はこれまで、都市農業の振興に向け、農業経営の向上や担い手の育成などの観点から、生産施設の整備支援、後継者に対する技術指導や研修の実施など、さまざまな施策を展開してまいりました。また、都市農地保全に向けては、農業、農地を生かしたまちづくり等、都独自の施策を展開するとともに、国に相続税制度や都市農地制度の改善を強く働きかけてまいりました。
 今後とも、これらの施策を着実に推進するとともに、経営改善への支援や遊休農地活用のための農業への都民参加の仕組みの充実を図るなどして、都市農業の一層の振興に努めてまいります。

副議長(鈴木貫太郎君) 三十四番滝沢景一君。
   〔三十四番滝沢景一君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○三十四番(滝沢景一君) それでは、一般質問を始めさせていただきたいと思います。
 まず初めに、高齢者介護についてお伺いいたします。
 首都圏、特に東京都の高齢化は極めて急速に進みつつありますので、都民が安心して暮らしていくために、医療と介護の環境を整えることは必須のことであります。
 医療や介護は、人が人を支えることによって成り立つ究極のマンパワー産業であり、多様な雇用の場が提供される環境からも、公的資源の投入に値する重要な分野、成長産業でもあります。
 片や、医療や介護の問題といった場合、治療や介護が必要な家族を抱え、就業継続の断念を余儀なくされ、経済的負担に耐え切れず、生活保護あるいは虐待、自殺といった負の連鎖が顕在化しているのが今の社会であります。
 いま一度、生活者視点の原点に立ち返り、五つの視点から都政の果たすべく役割について明らかにしていきたいと思います。
 まず一点目、東京都の独自性を踏まえた支援、援助についてであります。
 介護保険制度は、介護保険法に基づき、基礎自治体が保険者となって、半分は税金を投入しての事業運営である以上、公平公正の観点から、全国同一の基準で運営されることは当然のことでありますが、一方で、現場を抱える保険者は、被保険者の実情を十分把握し、独自の工夫をもって地域に見合った運営を行うことも必要であります。
 法では、都道府県の役割を、サービス事業者の指定、指導監督を初め、保険者による保険事業運営が健全かつ円滑に行われるよう、必要な助言及び適切な援助を行うものとされています。
 私は、この点について、特に東京都の場合、他の道府県とは違った、首都としての高度成長期に極めて特異な都市開発が進められた広域自治体として、独自の支援、援助のあり方があってしかるべきだと考えております。
 介護保険制度が創設されて十年目、これまでの経過を見ると、サービス提供者は民間でという制度設計に従い、介護サービスは基本的に民間事業者が直接担う形で発展してきました。しかし、幾度かの制度改正を経て、この重要な担い手であるサービス事業者は、一定規模以上の大事業者でしか生き残ることができないという実態があるのも事実であります。
 東京都は、極めて狭いエリアの中に高齢者が密度高く存在し、基礎自治体も多くは極めて面積的に小規模であり、多数の保険者がそれぞれに制度運営を担っています。一方、道路交通、公共交通網が整備されている中、多くのサービス事業者は複数の保険者のエリアをまたいでサービス提供を行っています。
 居宅介護支援においても、介護保険外のさまざまな福祉資源を含めたサービスが各地域ごとに展開される地域事情に精通していて、そういう保険外のサービスの補完的な活用を前提にしたケアプランづくりを行うことが、サービスを受ける側にとっても、新たな雇用創出にとっても、都市型超高齢社会におけるコミュニティ醸成という面からも望ましいといえます。
 全国レベルで事業展開する大規模事業者に席巻されるような形ではなく、ごく限定されたエリアで質の高い、特色のあるサービス提供ができる市民企業型サービス事業者の育成にも力を入れることが、東京の介護環境向上のために望ましいと考えます。
 そこで、大規模事業者だけでなく、限定的なエリアで質の高い、特色のあるサービス提供ができる小規模な事業者の育成にも力を入れるべきと考えますが、見解を伺います。
 二点目は、介護事業者の円滑なサービス提供を支援する配慮であります。
 まず、幾つかの点について現状確認をしたいと思います。
 個々の介護従事者の処遇改善も重要でありますが、介護サービス事業者がサービスの質を向上していく上でネックになっている課題は多くあります。その代表的な例を挙げれば、一つにはサービス提供時における事業車両の駐車場の問題であり、もう一つは法令や運営基準に付随する事務コストの問題であります。
 まず、駐車場問題でありますが、平成十八年に行われた道路交通法の一部改正以降、駐車車両に対する取り締まりが厳しくなったことから、居宅介護支援や訪問介護など、訪問系介護事業者から悲鳴が上がっているとのことを仄聞しています。訪問介護に伴う駐車許可については、地元警察署に申請を行うことになっていますが、定期的な訪問時については一定の配慮がなされるようになったとの一方で、一部の警察署においては緊急時の例外的な対応に違いがあるなど、サービス事業者にとっては極めて切実な問題であるとも聞いています。
 訪問系介護事業者だけを特別扱いできないということはあるかと思いますが、利用者から緊急の呼び出しの対応など命にかかわるケースもあり、訪問介護事業者の人道的使命ということをかんがみても、ぜひこの点について柔軟な対応に努めていただくよう要望いたします。
 次に、事務コストの問題でありますが、介護サービス事業者に、サービス内容や運営状況に関する情報の公表が義務づけられているところであります。このため、経費負担は小規模事業者にとっては非常に重いものになっています。
 このことに象徴されますように、サービス提供そのものではなく、付随する義務的な事務作業に多大な負担がかかることが、地域に寄り添って満足度の高いサービスを提供したいという良心的な個人事業者、市民事業者を結果的に淘汰してしまう事態となっています。
 そこで、付随する義務的な事務に対する財政的な支援ないし事務の見直しが必要と考えますが、見解をお伺いいたします。
 三点目は、特別養護老人ホーム等の広域型施設の整備についてであります。
 先般の群馬県渋川市における高齢者施設の火災で、介護を要する高齢者、特に低所得者や単身者のための施設の絶対的不足が改めてクローズアップされました。ことし三月に策定された東京都高齢者保健福祉計画によれば、都内特養入所希望者数は三万八千人とのことであり、施設整備の緊急性、重要性は明らかであります。
 東京都においても、要介護高齢者の入所施設を中心に、介護基盤整備促進を自治体に対して強く働きかけていると聞いていますが、広域型の特別養護老人ホームや介護老人保健施設の整備については、広城自治体としての責任において東京都が主導的に進めるべきと考えますが、お答えください。
 四点目には、地域密着型サービスヘの支援であります。
 各自治体で進めるべき地域密着型サービスについても、特に今後の在宅介護支援において重要な役割を果たすと期待されている小規模多機能型居宅介護事業所については、既存の介護報酬、運営基準等の枠組みの中での単独での事業展開は極めて困難であり、計画的な整備が進まない状態にあります。
 保険者独自の報酬設定や支援という選択肢はあるにせよ、各自治体とも財政的な支援を継続的に実施することは非常に困難な状況にあります。現場からは、イニシアルコストの支援よりランニングコストの支援が必要だという声が聞かれます。
 小規模多機能型居宅介護事業者は、既存の民家の活用によるサービス提供も可能であり、用地確保や費用負担の面で困難性が高い入居施設よりも整備が容易であり、適切に整備されていれば、比較的介護度の低い施設入居希望者数を減らしていくことも可能になります。
 そこで、小規模多機能型居宅介護事業者へのランニングコストヘの財政的支援の必要性についてお答えください。
 さらに、現在の雇用状況の中で、緊急雇用対策として離職者に対する職業訓練が行われており、その一環として介護労働者への就業を目的とする職業訓練がある。確かに、現在の介護福祉現場は、とりわけ民間を中心に人手不足の状況であり、他業界からの雇用シフトについては促進すべきである。
 しかし、現在の介護福祉労働者の雇用は極めて不安定であり、安定的な継続雇用が行われていないのが現状です。その実態は、非正規化と低賃金化が進み、この結果、離職者が絶えず、さらには労働条件が悪化するという悪循環の状況になっています。
 現在の介護保険施設などにおける介護職員の雇用環境は不安定な状況にあるため、今後、より安定的かつ継続した雇用の改善が望まれます。そこで、介護保険施設など現場で働く介護職員の離職防止や安定促進に向けた都の取り組みについて伺います。
 五点目は、医療と介護の連携強化のため、東京都の主導的役割であります。
 今後、特に重要となると考えられる医療と介護の連携、機能強化について触れておきます。
 要介護認定を受けるまでのプロセスとして、必ずしも徐々に老化が進んでということではなく、年齢にかかわらず元気で生活をしていて、介護とは無縁と思っていた方が、突然、脳血管障害であったり転倒による骨折であったりということで、まず入院し、何の準備もないままに退院しなければならなくなり、大きな不安、不便を抱えて在宅介護生活に入るというケースが多く見受けられます。
 特に、脳血管障害のように退院後もリハビリテーションが必要であったり、末期がんのように在宅介護であっても医療的なケアが必要であったり、医療と介護のサービスが切れ目なく提供されることが求められています。また、高齢者の介護の問題では、認知症への対応も極めて重要な問題であり、介護という視点から、医療関係者の理解の度合いが今後の環境整備を左右するといえます。
 高齢者医療に深い理解をお持ちの医療関係者が既に各地域で介護の分野でご尽力されていることは承知しておりますが、一方で、まだまだ理解が十分ではなく、ケアマネジャーが現場で大変な苦労をしているとも聞いております。
 医療と介護の密接不可分な関係性を十分に踏まえ、医療関係者が介護保険制度の基本的な仕組みを理解し、円滑な連携が図られるため、東京都として今後どのように取り組んでいくのか、高齢者介護の質問をこれで最後にしたいと思います。
 次に、小児地域医療についてお伺いいたします。
 都議会民主党は、地域住民の生命、安全を守り、そして責任を持つ立場から、八王子小児病院、清瀬の小児病院、梅ケ丘病院の府中への移転及び統合に当たっては、小児地域医療が確保されることが確認されなければ、この間、三つの病院を存続されるべきと主張をしています。一方、地域における小児医療体制の維持、充実から、小児病院の存続の必要性を求めている住民のいることも承知しております。
 また、八王子市としては、平成十三年十二月、都立病院改革マスタープランを基点とした一連の計画の流れ、小児総合医療センターの工事着工、小児病院跡地利用といったさらなる地域医療への取り組み環境へと努力されていることも承知しています。しかし、八王子市民を初め、八王子小児病院を必要としている人たちにとっては大変重要な問題でもあります。
 まず、現状についてお聞きしたいと思いますけれども、八王子小児病院移転後、地元自治体が取り組む小児地域医療への対応を例に、これは清瀬の小児病院移転後の清瀬市にもいえると思いますけれども、東京都の役割、責任を明らかにされていません。
 移転の前提として、さきに述べたように、移転後の地域における小児医療体制の継続、さらには充実していくことが、地元自治体の課題として残されました。いいかえれば、移転後、小児地域医療体制が後退するようなことがあれば、八王子小児病院は存続されなければならないということであります。
 行政においては、福祉保健局、病院経営本部、そして八王子市を構成員とする八王子地域における小児医療に関する協議会を設置し、平成二十年九月、八王子地域における小児医療体制についてを取りまとめました。この協議会のまとめには、小児医療体制の確保、充実に向けた基本的な方向性が示されています。
 八王子小児病院が担ってきた入院医療については、市内の大学病院である二つの中核病院が受け入れることとしておりますので、小児病床数の拡充が要請されてきます。また、中核病院が移転後の二次医療すべての受け皿になることを考えた場合、入院の必要な救急患者用の病床確保や感染症患者用の個室化などへの対応が中核病院に求められてきます。 八王子小児病院が診てきた患者を中核病院で円滑に受け入れる医療体制が構築されるために、東京都はどのような支援を実行していくのか、お答えください。
 国においてNICUの整備目標を引き上げていくことにより、都は、今後さらなる整備を進めていくことになりました。八王子小児病院はNICU九床を設置しておりましたが、中核病院においてNICUを整備する場合、どのような支援策が予定されているのか、お答えください。
 次に、八王子小児病院跡地整備への財政支援についてお伺いいたします。
 八王子市は、病院の跡地、施設を活用し、小児医療、障害児、障害者の療育事業を展開し、移転後の医療体制を確保する計画を立てています。
 八王子小児病院の建物譲渡に対し、地域医療を後退させないという趣旨からすれば、本来的には無償譲渡が望ましいと考えますが、どのような配慮がなされているのか、お答えいただきたいと思います。
 また、既存の施設について、解体や大幅な改修が必要とされ、その上新たな医療機器を整備というように、地元には大きな財政負担がかかってきます。このため、財政問題は福祉保健局で協議されているとお聞きしますが、現実は既存制度の枠の中での議論にとまっているようです。しかし、八王子小児病院の移転は、八王子市に新たな地域医療政策を求める特殊事情でもあることを考慮すれば、既存制度に加え、新たな制度が必要と考えておりますが、お答えいただきたいと思います。
 長年培ってきた八王子小児病院の実績や地域での小児医療の果たしてきた役割は、とてつもなく大きいものです。ぜひとも八王子小児病院と清瀬、梅ケ丘を継続し、地域の小児医療を担うとして、府中との連携により広域的な対応を構築してこそ、三多摩の医療が前進したと思いますけれども、東京都の考え方をお伺いし、私の質問を終わります。(拍手)
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) 滝沢景一議員の一般質問にお答えをいたします。
 まず、高齢者介護に関する六点についてお答えをいたします。
 最初に、介護サービス事業者の育成についてでありますが、都は、小規模な事業者が事業を安定的に継続することができるよう、人材の確保、育成を支援するため、職員の資格取得の取り組みに対する支援や、訪問介護事業所のサービス提供責任者に対する研修などを実施しております。
 今後とも、小規模な事業者を含め、介護事業者が質の高いサービスを提供できるよう支援をしてまいります。
 次に、介護サービス事業者の負担軽減についてでありますが、介護サービス事業者の事務負担について、昨年度、国により事務手続や書類を削減、簡素化する見直しが行われ、負担軽減が図られております。また、都では今年度、介護サービス情報の公表制度にかかわる手数料額を四万七百円から二万六千三百円に引き下げ、事業者の負担を大幅に軽減いたしました。
 今後とも、国に対し事業者の負担軽減を図るよう改善を求めてまいります。
 次に、介護サービス基盤の整備についてでありますが、都は、特別養護老人ホームなどの整備について、保険者である区市町村が地域の介護ニーズを踏まえて算定したサービス見込み量に基づき、計画的な基盤整備に努めております。また、整備に当たりましては、平成二十年度から、高齢者人口に比べ整備状況が十分でない地域の補助単価を最高一・五倍に加算するなど、多様な手法を活用しながら着実な介護基盤の整備に努めているところであります。
 次に、小規模多機能型居宅介護事業所に対する支援についてでありますが、地域密着型サービスである小規模多機能型居宅介護事業所につきましては、区市町村が地域の実情に応じ、独自の高い介護報酬の設定が行える仕組みとなっております。また、今年度の介護報酬改定により、事業開始後一定の期間、登録者数が定員の八割に満たない事業所に対し、事業開始時支援加算制度が創設をされました。
 このように、小規模多機能型居宅介護事業所に対する介護報酬額については一定の改善が図られており、都独自の運営費補助は考えておりません。
 次に、介護職員の離職防止や定着促進に向けた取り組みについてでありますが、介護人材の確保等については、既に本年度、特別養護老人ホームなどの施設を対象として、求人、採用活動経費、職員の資格取得経費などについても補助を実施しております。さらに、経営コンサルタントを活用した雇用管理の改善策の検討や、職員の負担軽減を目的とした福祉機器の導入などにより、介護人材の定着促進に取り組む事業者を支援しているところであります。
 次いで、医療関係者の介護保険制度に対する理解の促進についてでありますが、都では、介護保険制度における要介護認定に必要な意見書を作成する主治医に対し研修を実施しており、平成二十年度は千八十人が受講しております。また、病院スタッフと在宅療養生活を支える医師や訪問看護師、ケアマネジャー等が顔の見える連携づくりに取り組むモデル事業を今年度四カ所で行うこととしております。今後とも、これらの取り組みを通じて医療と介護の連携を図ってまいります。
 次に、医療に関しまして、八王子地域の小児医療についてであります。
 八王子小児病院移転後の小児医療の中核を担う東海大学八王子病院及び東京医科大学八王子医療センターにおいて、それぞれ六床、計十二の小児病床を新たに確保できる見込みとなっております。都においては、両中核病院が小児の休日・全夜間診療事業の参画医療機関でありますことから、この設備整備に対する補助を予定しております。
 次に、NICUの整備についてでありますが、八王子地域における小児医療に関する協議会のまとめでは、NICUを整備することにつきまして、八王子市は両中核病院と検討を行っていくとともに、将来的に両中核病院がNICUを整備する際には、八王子市と東京都が必要な支援を行うこととしております。
 今後、両中核病院が周産期母子医療センターとしてNICUを整備する際には、必要な支援を行ってまいります。
 最後に、八王子小児病院移転後の地域の小児医療体制の確保についてでありますが、都は、両中核病院における小児医療部門の整備に対する支援に加えまして、今年度、小児科医師数が少ない多摩地域などを対象として、小児の二次救急医療に参画する医療機関や、この医療機関などへ医師を派遣する大学を支援いたします小児医療体制緊急強化事業に取り組むこととしているところでございます。
   〔病院経営本部長中井敬三君登壇〕

○病院経営本部長(中井敬三君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、八王子小児病院の土地及び建物についてでありますが、平成二十年九月の八王子市との協議会のまとめにおいて、市が事業を実施するに当たって、都は支援を行うこととしております。しかしながら一方で、病院会計は地方公営企業法において、常に企業の経済性を発揮するという基本原則が課されております。いずれにいたしましても、引き続き市と精力的に協議をし、結論を出してまいりたいと思います。
 次に、小児三病院の継続についてでありますが、今日、小児科、新生児科、産科などの医師は極めて深刻な不足状況にあります。また、看護師も全国的、慢性的に不足しております。このような中では、初期、二次、三次医療の役割発揮と互いの連携により、限られた医療資源を最大限に有効活用することが不可欠でございます。こうした考えに基づき、小児病院を移転統合して小児総合医療センターを整備し、多摩地域の小児救命救急や周産期医療等の一層の充実を図ることとしております。
 小児病院の転出に当たっては、当該地域の小児医療体制を確保することが非常に重要であり、これまでも、小児科医の増員、小児病棟の開設や小児病床の確保、初期救急医療の充実など、さまざまな対策を講じてきております。
 今後も、地元自治体や医師会などと連携しながら、小児病院が転出する地域の小児医療体制の確保等に努め、地域の方々が安心して医療を受けられる体制整備に全力で取り組んでまいります。

議長(田中良君) 十九番伊藤興一君。
   〔十九番伊藤興一君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○十九番(伊藤興一君) 二〇〇九年度版の交通安全白書によると、昨年度、全国の交通事故による負傷者数は四年連続、死者数は八年連続で減少し、十年ぶりに死傷者が百万人を下回りました。しかし、いまだ多くのとうとい命が失われているのが実態であり、依然として憂慮すべき交通情勢であります。とりわけ死者数のうち、六十五歳以上の高齢者が占める割合が四八・五%と最も高くなっていることは決して看過できない事態であり、高齢者や障害者などいわゆる交通弱者を守っていくことは、都政の大事な使命であります。
 こうした中、高齢者からは青信号の時間が短く横断歩道を渡り切れないといった声や、視覚障害者からも盲人用信号機がないため何度も危ない思いをしたなど、安全対策の強化を求める声が数多く寄せられております。
 私たちは、横断歩道で、黄色いボックスの赤ボタンを押すと信号が変わる押しボタン式信号機をよく目にします。一方、白いボックスに赤ボタンの交通弱者用信号機を注意深く調べてみると、盲人用、身体障害者用、高齢者用とさまざまあり、ボタンを押すと音が鳴るものや青時間が延長されるもの、また遠隔操作ができるものなど、その機種、機能が数種類にわたっていることがわかります。
 急速に進行する高齢社会に対応し、また障害者の積極的な社会参加を促進支援し、そして、だれもが安心してまちを往来できるよう、時代状況に対応した交通バリアフリー環境を整えていくことが重要であります。そのために、都は、ユニバーサルデザインのわかりやすい交通弱者用信号機を積極的に設置促進していくべきであります。
 また、前述の数種類の交通弱者用信号機の役割を知らない都民が、誤ってボタンを押すことで不要な時間延長となり、交通渋滞の原因になることも考えられます。そこで、交通弱者用信号機の機能をわかりやすく表示するなどして、その効果を発揮できるようにすべきであります。
 交通バリアフリーの促進について、警視庁の所見を伺います。
 次に、駐車違反取り締まりについてですが、民間の駐車監視員の導入による駐車違反の確認、取り締まりが始まって三年になります。この改正法の実施においては、当初、悪質、危険、迷惑な違反に重点を置き、また地域住民の意見、要望等を踏まえて策定、公表されたガイドラインで示された場所、時間帯を重点にめり張りをつけて取り締まりを行うことや、違反の確定まで数分かかると聞いておりました。
 しかしながら、本制度導入以来、日を追うごとに、決して悪質、悪意ではなく、車を離れてあっという間に標章を取りつけられてしまい、大変に困惑しているというドライバーの声が相次いでおります。とりわけ運送、配送事業者などは、免許保有者の二名乗務や駐車許可の取得など、苦慮をしながら法令を遵守しておりますが、大変な人件費と時間を要します。
 また、昨今、女性乗務員もふえているタクシー事業者などからも、幹線道路から外れた公園やコンビニなど、急を要するトイレに寄っている間でさえ標章を取りつけられてしまい、仕事が継続できないといった切実な声や、自動二輪車利用者からも同様の声が寄せられております。
 都内物流、輸送の円滑な事業継続を確保する意味でも、こうした事業者などの困惑に対し何らかの対応を検討すべきことを要望いたします。
 また、古来、大名行列でさえ唯一横切ることが許されていたのはお産婆さんであったという史実もあります。少子化が進行する中、社会の宝である子どもの出産にかかわる助産師が、急な往診時にも即座に対応できるよう、駐車禁止等除外標章が交付されている医師と同様に、助産師についても駐車禁止の除外対象に加えるよう要望いたします。
 次に、駐車問題に関連して、障害者用の駐車場利用について質問します。
 近年、公共施設や高速道路のパーキングエリアまたショッピングセンター、コンビニなどの一般商業施設などに障害者用駐車スペースの整備が進んでおります。しかし、せっかく設置された障害者用駐車スペースに健常者が駐車しているケースも多く、その場所を本当に必要とする車いす使用者などの歩行困難者が利用できないという実態があります。
 その対策の一つとして、最近、パーキングパーミットという制度が広がりつつあります。この制度は、身体障害や難病また高齢で歩行が困難な方や、加えてけが人や妊産婦など一時的に歩行が困難な方に対して、共通するパーキングパーミット、障害者用駐車場利用証を交付することで専用駐車枠を利用できる人を明らかにし、駐車スペースを確保する制度であります。
 東京都福祉のまちづくり条例を改正して整備を推進する都が、このような制度を参考に適正利用に向けた取り組みを行えば、障害者支援についてこれまで以上に広く都民の理解を得られ、マナーの向上につながり、すべての人が安心して出かけられる大都市として全国をリードすることができると考えます。見解を求めます。
 次に、社会全体で障害者を支援する取り組みについて質問します。
 私たちは、急な災害に見舞われれば、必要な情報を迅速的確に把握して、災害から自身を守るために安全な場所へ避難するなど、最低限度必要な行動をとることができます。しかし、高齢者や障害者、難病患者、妊婦、乳幼児、外国人などの災害時要援護者は、一人では災害に対処することが困難であり、きめ細かな防災支援体制の強化を図る必要があります。
 特に大都市東京においては、帰宅困難者対策と同様に、広域的な立場から調整を図らなければ支援の手が差し伸べられないことがあります。例えば特別支援学校高等部に通う生徒は自立に向けて一人通学が推進されており、区市町村をまたぎ、広い地域から電車、バスを利用して通学しております。また、障害者の就労が促進される中、一人で交通機関を利用し、頑張って通勤している人も数多くおります。
 しかし、通学、通勤の途中で、ゲリラ豪雨などの自然災害時や、先日の二十九万人が影響を受けた東京メトロ東西線事故のときのように、交通ダイヤの混乱時など、ふだんとは違う状況に遭遇すると、駅やまち中で立ち往生してしまったり、パニックや迷子になってしまうという事例も少なくありません。こうしたことがもし大災害時であったならば、本人も家族も周囲の人も、大変な事態となってしまうことが想定されます。
 そこで、障害者の自立、社会参加を促進する都として、災害や不測の事態に遭遇した障害者自身が助けを求めたいときに、周囲の人が気づき、支援しやすい環境を整えるべきであります。
 そのためには、例えば障害者が本当に困ったときに、意思表示をすれば、都内どこでも、だれでも一目でわかるような共通のヘルプカードを普及したり、交通事業者など支援をする人がどのように対応すればいいのかを示したガイドラインを作成して普及啓発するなど、広域的、実効的な対策を早急に講じるべきであります。見解を求めます。
 また、特別支援学校においては、社会自立へ向けて、家族や地域の協力を得ながら生徒自身が安全に通学できる力を身につけるための安全教育が重要と考えます。見解を求めます。
 そして、卒業後も安心して積極的に社会参加ができるよう、来年度策定予定の特別支援教育推進計画第三次実施計画の中に、学校で学んだ災害や不測の事態への対処方法を社会生活につなぐ取り組みとして加えるべきと考えます。あわせて見解を求めます。
 最後に、少子高齢社会への対策について質問いたします。
 私は先日、地元の品川区が先駆的に進めた高齢者向け優良賃貸住宅と介護予防拠点、保育園が一体となった複合施設、ヘルスケアタウンにしおおいを視察しました。
 この施設は、区の小中一貫校の推進によりあいた小学校の校舎を耐震改修して活用し、ことし三月に開設されたものです。二階、三階部分は介護施設と一体になった高齢者向け住宅で、四十二世帯全室個室となっており、家庭に近い環境を整備しています。また、一階には待機児童解消へ向けて定員百名の認可保育園ができ、さらに建物の中心には触れ合い広場があり、地域の子どもや近隣の高齢者も自由に交流できるようになっています。
 高齢者の住宅や施設と小さな子どもたちの施設が同じ建物の中にあることに心配はないかとお聞きしたところ、施設長からは逆に、ほかの施設で寝たきりであった百三歳の老婦人がこの施設に入居して、子どもたちの元気な声や姿に勇気づけられ、次第に歩けるようになったというエピソードを伺いました。
 この複合施設は、地域住民の意向も尊重しつつ既存の建物を活用したことで、コスト削減とともに短時間で事業実施が図られ、さらには、区が事業者に公有地を無償貸与したことも反映して、地価の高い東京において比較的に利用しやすい家賃設定になっております。そして、何よりも現下の喫緊の課題である少子高齢社会の問題に同時に対応しているのが最大の特徴であります。
 こうした有効な事業例も視野に、都は今後、モデル事業を推進し、都内各地に積極的に誘導しながら、直面する課題である少子高齢社会の課題解決へ向けて対策を加速させるべきと考えます。見解を求めます。
 また、今後、ますます進展する高齢社会において、介護福祉施設の整備はもとより、在宅高齢者の住まいとケアの問題と、少子化対策、子育て支援の拡充への取り組みは、同時に解決を図らなければ時代の変化の速度に対応できません。この二つの大きな課題をどう解決していくのか、知事のビジョンと決意を伺い、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 伊藤興一議員の一般質問にお答えいたします。
 少子高齢化対策についてでありますが、我が国では、世界でも例を見ない速度で高齢化が進む一方、少子化の流れはいまだに反転する兆しが見えません。ちなみにこの日本の高齢化の速さというのは、人口に占める高齢者のパーセンテージが七%から一四%に達するまでに要した年数は、日本は二十四年、フランスは百十五年、イギリスは四十七年、ドイツは四十年という、こういう数値であります。
 少子化は国家経済のパイを縮小させ、年金や医療、インフラの維持を困難にする、また、高齢化によるひとり暮らしや夫婦のみの高齢者が増加しておりまして、介護が必要な場合の住まいやサポート体制が大きな課題となっております。
 こうした少子化や高齢化の課題に対応するため、猪瀬副知事と佐藤副知事をそれぞれヘッドとする、それをさらに横ぐしに結ぶ検討組織を設置しまして、対策の立案を指示いたしました。
 今後、これまで力を注いできた福祉、保健、医療サービスの拡充はもとより、あらゆる分野の政策を総動員して、国の縦割りの壁を破る重層的、複合的な施策を構築していきたいと思っております。
 これから結婚し、子どもを産む若者や子育て中の家庭が真に安心して子どもを産み育てられる社会、また、高齢者が安全で安心に満たされて明るい第二の人生を送れる社会をあわせて実現し、確かな安心を次の世代に引き継いでいきたいと思っております。
 なお、他の質問については、警視総監、教育長及び関係局長から答弁いたします。
   〔警視総監米村敏朗君登壇〕

○警視総監(米村敏朗君) 高齢者や障害者等に配慮をした交通バリアフリーの促進についてお答えをいたします。
 当庁では、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、いわゆるバリアフリー新法に基づき、まず市区町村が作成した基本構想における重点整備地区を中心に、信号機や道路標識、標示の整備等を推進しているところであります。
 とりわけ視覚障害者用信号機及び高齢者等感応式信号機の整備に当たっては、視覚障害者用信号機等であることを示す標示板を設置したり、あるいは操作ボタンにわかりやすいデザインを施すなど、高齢者や障害者等の利便性に配慮した設置促進に努めているところであります。
 今後とも、高齢者や障害者等の移動等の円滑化の促進につながる交通のバリアフリー化を推進するとともに、信号機の機能や操作方法等の周知にも鋭意努めてまいりたいと考えております。
   〔教育長大原正行君登壇〕

○教育長(大原正行君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、特別支援学校における安全教育についてでございます。
 これまで都教育委員会は、安全教育プログラムを作成し、危険を予測し回避する能力や態度の育成を図る安全教育を推進してまいりました。
 特別支援学校におきましては、安全教育プログラムに基づき、電車やバス等の公共交通機関の安全な利用の仕方などの指導を行っております。さらに高等部においては、障害の程度に応じて、本当に困ったときに自分の意思を適切に伝えるなどして、一人で通学できるよう、家庭の協力を得ながら年間を通じて段階的な指導を行っております。また、お話のように、登下校時の安全を確保するには地域の協力が不可欠であることから、特別支援学校は、安全に関する行事などを通しまして、障害のある生徒に対する地域の人々の理解を深めております。
 都教育委員会は、今後とも家庭、地域と連携し、社会自立へ向けて、災害時や不測の事態に遭遇したときにも、安全に通学できる力を生徒が一層身につけられるよう、特別支援学校を指導してまいります。
 次に、学校で学んだ災害や不測の事態等への対処方法を卒業後の社会生活につなぐ取り組みについてでございます。
 都教育委員会は、特別支援教育推進計画におきまして、生徒が在学中に身につけた力や、必要とする支援等の情報を企業等の進路先や生徒の居住地域につなぐ、個別移行支援計画を開発し、生徒の卒業後の生活を支援しております。
 ご指摘のように、災害や不測の事態への対処方法につきましては、家庭や地域はもとより、広域的な支援を受けやすい環境をつくっていくことが重要でありますことから、来年度策定予定の第三次実施計画において、生徒が卒業後も安心して社会生活を送れるよう、安全教育の充実や災害等への対処方法のあり方について検討をして、個別移行支援計画に反映をさせてまいります。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) 二点についてお答えをいたします。
 まず、障害者用駐車施設の適正利用についてでありますが、都は、福祉のまちづくり条例により障害者用駐車施設の整備促進を図っており、ご指摘の適正利用に向けた一層の取り組みも必要と考えております。その方策の一つとしてパーキングパーミット制度もございますが、大都市東京で導入するには、対象者の多さなどのさまざまな課題があります。
 このため、都としては、多様な広報媒体の活用による利用者の理解促進とマナーの向上や、事業者団体の連絡会等を活用した意識喚起など、障害者用駐車施設の適正利用に向けた普及啓発を広く行ってまいります。さらに、都独自の取り組みとして、包括補助事業を活用し、区市町村が地域の実情に応じて実施する先駆的な取り組みを積極的に支援をしてまいります。
 次に、災害時等における障害者支援についてでありますが、地域での要援護者支援は区市町村の役割であることから、都はこれまで、災害時の支援を示した指針の中で周囲に助けを求めるための防災手帳などを例示し、区市町村における取り組みを働きかけてまいりました。既に幾つかの区市や民間団体、施設などでも独自に手帳やカードを作成しております。
 こうした取り組みが有効に機能するためには、日ごろから支援する側である交通事業者や都民に広く認識されていることが重要であります。今後、お話のヘルプカードやガイドラインも参考として、関係局や交通事業者など関係者の意見を聞きながら広域にわたる効果的な普及啓発について検討してまいります。
   〔都市整備局長河島均君登壇〕

○都市整備局長(河島均君) 少子高齢社会に対応する住まいについてでございますが、都はこれまでも、事業の主体となる区市と連携しながら高齢者向け優良賃貸住宅の供給促進を図ってまいりました。お話の品川区の事例は、高齢者向け優良賃貸住宅に保育所等を併設したものでございまして、既存ストックの活用により入居者負担の軽減を図ったものでございます。
 都では現在、プロジェクトチームを設置し、少子高齢時代にふさわしい新たな住まいの検討を進めておりますが、こうした先駆的でモデル的な取り組みにつきまして、区市等に積極的に情報提供を行うとともに、良質なケアの提供や子育て支援施設の併設、既存ストックの活用などの視点を十分に踏まえながら、事業コストや入居者負担の軽減のための環境整備を図り、高齢者向け優良賃貸住宅の一層の供給促進に努めてまいります。

副議長(鈴木貫太郎君) 二十番きたしろ勝彦君。
   〔二十番きたしろ勝彦君登壇〕

○二十番(きたしろ勝彦君) まず最初に、昨日、我が党の代表質問で、川井幹事長から新しい学習指導要領の完全実施が間近に迫っていることについての質問がありました。新しい学習指導要領は、約六十年ぶりに改正された教育基本法の精神を受け、伝統と文化を尊重し、それをはぐくんできた我が国と郷土を愛し、公共の精神をとうとび、他国を尊重し、国際社会の平和と発展や環境の保全に貢献する主体性ある日本人を育成することが明記されていると伺っています。
 それを踏まえて、私は、伝統と文化の継承について質問をさせていただきます。
 最近の人を見ていると、個人が果たすべき役割や責任を軽視する自己中心的な行動が目につきます。他人を尊重する、目上の人を敬うといった日本人の精神が受け継がれず、道徳や日本の伝統、文化などの内容が軽んじられてきた結果、基本的人権の尊重と個人主義が履き違えられ、利己主義の傾向が強まっていると感じております。
 本来、我々日本人は、勤勉、おおらか、親切で、何より礼儀正しく節度をわきまえた世界に誇る道徳観の持ち主だったはずであります。国家主義の反省として戦後教育から抹殺された日本古来の伝統的なもの、精神的なものを見詰め直すべきであると思います。
 そのような中で、知事が提唱して推進してきた心の東京革命を、私は高く評価をしております。私は、精神的な価値を軽んじてきた戦後教育に警鐘を鳴らし、日本人のあるべき姿を取り戻すこと、日本人のアイデンティティーやモラルを大切にする心を見詰めなおすこと、それが心の東京革命の原点なのだと思っております。
 都が取り組む教育行政、青少年対策あるいは心の東京革命を推進するに当たっても、日本人の心を大切にするという原点を忘れずに取り組んでほしいと考えております。そして、どんなに社会や時代が変わろうと、継承して取り組むべき大切なものだと思っております。
 そこで、日本の伝統と文化を継承することについて、知事のお考えをお伺いいたします。
 次に、東京港への客船誘致についてお伺いをいたします。
 東京港はコンテナ貨物の取扱量が平成十年から十一年連続して日本一となるなど、首都圏の経済と産業を支える物流拠点として重要な役割を果たしてまいりました。また、昨年来、東京、川崎、横浜の京浜三港連携により、国際競争力の強化を目指した取り組みが進められているところであります。
 一方、東京港や臨海部は、都民や国内外からの来訪者にとっても魅力的な観光拠点であることも忘れてはなりません。特に「クイーンエリザベスⅡ世号」クラスの客船は、観光資源として目を引きます。客船が晴海ふ頭に着岸している優美な姿は、心を打つものだと思います。
 この地域には台場や豊洲など景観にすぐれたまち並みが広がり、浜離宮やレインボーブリッジなどの観光名所が点在しております。これらの観光資源を船や水辺の散歩道から楽しむことができる国内有数の観光スポットの一つでもあります。多くの方々に東京港を見て歩き、楽しんでいただくことで、東京港の役割や魅力を効果的にPRし、にぎわいのある千客万来の港にしていくことが大切だと思います。
 外航客船が寄港すれば、多くの人が客船を見るために港を訪れるだけでなく、海外から東京に訪れる観光客の増加にもつながります。また、マスコミにも広く取り上げられ、高いPR効果が期待できると思います。
 一方、東京港への客船の寄港数は、十年前と比べ大幅に減少しております。昨年は外国籍の客船の寄港が四隻というふうに聞いております。客船誘致は東京全体の観光振興にも効果があることを踏まえ、物流機能の強化に向けた取り組みと同様、客船誘致にさらに力を入れるべきだと考えております。
 そこで、お伺いいたします。東京港は昭和十六年に国際貿易港として開港し、再来年の平成二十三年には開港七十周年を迎えるわけであります。その節目の年に向けて外航客船を誘致する取り組みを強化することが必要と考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、東京港における水質改善についてお伺いをいたします。
 東京港の魅力をさらに高めていくには、人々が水辺に親しみやすい港とすることが重要であり、そのためには、海の水質を改善していくことが不可欠であります。しかし、東京港の水質改善を進めるには、海だけを考えるのではなく、そこに流入する河川や下水道、ひいては私たちのライフスタイルまでさかのぼって考えなくてはならない問題であります。
 このような視点に立つとき、本年七月三十一日に、菅原副知事を座長とする全庁的な東京湾水質改善プロジェクトチームを結成し、陸域、水域双方の対策を同時に進めるとともに、都民とも協働して水質の改善を図ろうとする都の取り組みは大いに評価できるところであります。特に、東京港の運河域は市街地に近く、都民の身近な水辺であるとともに、運河ルネッサンスにより観光資源としても積極的に利用が進められているが、夏場にはにおいが発生することもあるなど、地元からはさらなる水質改善に向けて強い要望が寄せられております。
 そこでまず、東京港における運河の水質改善に向けて、その取り組みについてお伺いをいたします。
 下水道局では、品川駅に隣接する芝浦水再生センターにおいて、その立地条件を生かし、老朽化した施設の再構築に合わせ、水再生センターの上部空間を有効利用して、合築の手法により業務・商業ビルの建設、運営を行う事業に着手したと聞いております。建設されるビルは、最高水準の環境性能を有する環境モデルビルを目指し、品川駅周辺のまちづくりに貢献する取り組みであると大いに期待しているところであります。
 芝浦水再生センターの位置する芝浦・港南地区では、近年の相次ぐ大規模マンションの建設等により人口が急増しており、特に、幼児の人口が五年前と比べ約二倍以上に増加し、今後も高い水準で推移すると見込まれております。このため、保育所等への入所が困難な待機児童が急増し、地元区ではその解消は喫緊の課題になっているわけであります。待機児童対策として、水再生センターに建設予定のビルに保育施設を設置してはいかがかと思うわけであります。
 こうした東京都がかかわるビル建設については、各局ともに地元区市と連携し、そして相談をして、ビル事業にかかわる地域貢献の一つとして保育施設の設置が行われるよう、事業者との調整を進めていただくことを要望しておきます。
 下水道局では、下水道本来の役割である、下水をきれいにして川や海に返すことに積極的に取り組んでいただいていると認識しております。
 そこで、芝浦水再生センターの再構築に合わせ、センターの放流先である高浜運河の水質改善に向けての具体的な取り組み内容についてお伺いをいたします。
 また、水質改善ということでいえば、ことしの第一回定例会で我が党の古賀議員が、知事に対し、皇居内堀の状況について、その認識や改善への決意を伺ったところです。内堀の水質改善について、下水道の取り組み状況は現在どのようになっているのか、お伺いをいたします。
 次に、超高層住宅の震災対策についてお伺いします。
 東京では、近年、都心部や臨海部を中心に超高層住宅が増加しております。超高層住宅では、大地震が発生した場合、建物自体は無事でも、エレベーターが停止すれば、高層階の住民は地上との行き来が困難になるなどの特有の問題があります。その対策が急務であると考えます。
 超高層住宅において、震災による停電時には非常用エレベーターを活用することになると思いますが、これを稼働させるには、非常用発電機を使い、電力を供給する必要があります。しかし、燃料の備蓄にも限界があり、今数時間しかもたないと聞いております。安定的な燃料の供給が必要になってまいります。
 この燃料の供給については、私自身もいろいろと手だてを考えているところですが、例えば、内陸部の超高層住宅についてはガソリンスタンドを活用する、また臨海部の超高層住宅は、万が一、橋が通行できない場合、船舶燃料を利用していくことなどがあります。このように、非常用発電機の燃料の供給は、超高層住宅の震災対策の中でも非常に重要な課題と考えますが、都の災害時における燃料供給の考え方について見解をお伺いいたします。
 超高層住宅では、ライフラインやエレベーターが復旧するまでの間、自宅内にとどまって生活することが考えられ、一般の住宅よりも水や飲料、簡易トイレなどを多目に備蓄する必要があります。このため、超高層住宅の震災対策に先駆的に取り組んでいる区では、超高層住宅を新築する場合、一定階ごとに防災備蓄倉庫の設置を義務づけようとする動きが見られます。有効な対策であると思いますが、分譲価格の上昇など、消費者の負担増加を招くことも考えられます。
 そこで、超高層住宅への防災備蓄倉庫の設置を進めるためには、建築に際して防災備蓄倉庫の床面積を容積率に算入しないなどの方法が考えられますが、所見をお伺いいたします。
 十月二日、オリンピック・パラリンピックが決定されます。知事を初め、議長以下、オリンピック、デンマークに行かれる方、最後の努力をお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) きたしろ勝彦議員の一般質問にお答えいたします。
 日本の伝統と文化の継承についてでありますが、おっしゃるとおり、かつての日本には、謙虚、自己犠牲、真の勇気といった、武士道に表象されるさまざまな美徳がありました。これについては、十九世紀の終わりごろ日本にやってきた、アジアをあちこち旅行してやってきた、例のトロイの発掘で有名なシュリーマンの旅行記がありますが、非常に自分たちから見て同じような顔に見えるアジア人の中で、何で日本人だけがこれほど高貴な気質を備えて、すばらしい美徳を備えた民族なんだろうかと感心した記述がございます。また、有名なルース・ベネディクトの「菊と刀」にも、菊の花に象徴される日本人の高貴な気質について描かれておりますが、それが残念ながら色あせて失われてきているという現実は、否定するわけにいかないと思います。
 戦後、立場を超えて、世代を超えて持ち続けるべき垂直な価値の機軸なるものが毀損されまして、履き違えられた自由と権利が日本全体を損なってきたということは否めないと思います。
 日本人の美徳を子どもたちにどう評価し教えていくかは、学校の教師の職分でもありますが、同時に、日々家庭にあって、親たちがそれぞれの経験、体験、挿話を通じて教えることこそが確かな伝承につながっていくと思います。日本の伝統や文化を子どもに自信を持って語り伝えるためには、これはあくまで、先生よりも親自身がよく学び、みずからの子どもを厳しく強くしつけていく、それを行うことが肝要であると思います。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔港湾局長比留間英人君登壇〕

○港湾局長(比留間英人君) 東京港に関する二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、外航客船の誘致についてでございますが、客船は港の花ともいわれ、東京港のイメージアップに加え、国内外からの観光客の増加につながることから、東京の観光振興にも大きな効果があると認識をしております。
 都では、クルーズ各社にセールス活動を行っており、ことしはイタリアの豪華客船「コスタ・クラシカ」が初入港をいたしました。また、ことし六月には、都民が客船の寄港を歓迎する東京港・客船歓迎サポーターを試行するなど、客船誘致を進めております。
 今後は、こうした取り組みに加え、シャトルバスの臨時運行による都心へのアクセス確保や、クルーズ会社に東京の観光名所を紹介する活動を強化し、再来年に開港七十年を迎える東京港が国際港としてさらに発展するよう、客船誘致の取り組みを一層充実してまいります。
 次に、運河の水質改善についてでございますが、都ではこれまで、悪臭の原因となる汚泥を除去するため、しゅんせつを継続的に実施いたしますとともに、生物の持つ浄化能力に着目し、カニ護岸や磯場を整備してまいりました。現在では、クロダイやスズキなどの魚も回帰するなど水質の改善が進んできており、例えば、港区の新芝南運河での測定結果によれば、この三十年間で透明度が約三倍に向上してございます。
 しかし、その一方で、夏場になりますと臭気が発生している箇所があり、その改善が急務となっております。このため、今後、汚泥しゅんせつの一層の推進や、新たな浄化技術を検討するとともに、お話の東京湾水質改善プロジェクトチームにおきまして、関係局との連携のもと、運河のさらなる水質改善を積極的に推進してまいります。
   〔下水道局長松田二郎君登壇〕

○下水道局長(松田二郎君) 水質改善についての二つのご質問にお答えをいたします。
 高浜運河の水質改善に向けた具体的な取り組み内容についてでございますが、芝浦水再生センターでは、老朽化した施設の再構築に合わせ、降雨初期の汚れた下水を貯留し処理するための雨天時貯留池の増設や、窒素、燐を除去する高度処理の導入などを行うこととしております。
 そのうち、貯留池については既に一万九千立方メートルが稼働しておりますが、今回建設するビルの地下にさらに七万六千立方メートルを平成二十六年度までに整備いたします。これにより、雨天時に放流される汚濁物質の大幅な削減が可能となります。
 今後とも、水再生センターの再構築に合わせまして、貯留池のさらなる増設などを行うことで、高浜運河などの水質改善に努めてまいります。
 次に、内堀の水質改善についてでございますが、現在、内堀には、降雨時に汚水まじりの雨水が流入する四つのはけ口があり、このうち、千鳥ヶ淵、桜田濠にある三つのはけ口については、第二溜池幹線を延伸することで放流先を隅田川へ変更し、内堀への放流をなくすとともに、幹線を活用して降雨初期の汚れた下水を貯留することで、隅田川への汚濁物質の流入も削減させます。第二溜池幹線の延伸工事は、既に昨年度一部着手し、本年七月にはトンネル本体工事の契約を行ったところでありまして、平成二十七年度までに対策を完了させる予定であります。
 また、清水濠にある一つのはけ口については、汚水と雨水を分ける分流化を行うことで、内堀への放流を雨水のみといたします。公共下水道の分流化工事については、来年秋の完成を目指して、現在、設計作業を行っております。また、公共下水道の利用者みずからが実施する、それぞれの敷地内の排水設備の分流化については、おおむね了解が得られております。このことから、公共下水道の分流化工事の完成後、利用者の排水設備工事が済み次第、清水濠への汚水まじりの雨水の流入はなくなります。
 今後とも、これらの対策の完了に向け、全力で取り組んでまいります。
   〔総務局長中田清己君登壇〕

○総務局長(中田清己君) 災害時における燃料供給の考え方につきましてお答えいたします。
 大規模災害時におきまして、応急対策活動や都民生活に必要な燃料を安定的に供給することは極めて重要でございます。このため都は、昨年十一月、全国に先駆けて、元売を含んだ業界団体と大規模災害時における石油燃料の安定供給に関する協定を締結し、災害時におきまして都民に燃料を販売するガソリンスタンド等に対する供給体制を整備いたしました。こうした取り組みを都民の方々に周知していくとともに、ご指摘のエレベーターの利用が不可欠な超高層住宅には、災害時においても必要に応じて燃料供給が行われるよう、業界団体へ要請してまいります。
   〔都市整備局長河島均君登壇〕

○都市整備局長(河島均君) 超高層住宅の防災備蓄倉庫に関する容積率の取り扱いについてでございますが、都はこれまでも、総合設計制度などを適用して建設される高層住宅等におきまして、地元自治体の要請がある場合には、公的な防災備蓄倉庫を容積率制限の緩和の対象としてまいりました。
 近年、一部の区では、高層住宅を建設する場合、居住者用の防災備蓄倉庫の設置を条例で義務づけるなどの対策を始めております。都といたしましては、こうした地域の防災対策が円滑に進むよう、今後、自治体の条例等に基づき、居住者用の防災備蓄倉庫が設置、管理される場合なども容積率緩和の対象とすることを検討してまいります。

○副議長(鈴木貫太郎君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時六分休憩

   午後三時二十六分開議

○議長(田中良君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 十四番小山くにひこ君。
   〔十四番小山くにひこ君登壇〕

○十四番(小山くにひこ君) 議席番号十四番、都議会民主党の小山くにひこです。四件について質問をいたします。
 一件目は、地方分権の推進と地域主権の確立という観点から、東京都が目指すべき姿を石原知事にお伺いいたします。
 猪瀬副知事が委員を務めておられる地方分権改革推進委員会において、地方分権改革推進に当たっての基本的な考え方として、地方が主役の国づくりを掲げ、地方自治体を、自治行政権のみならず、自治立法権、自治財政権をも十分に具備した完全自治体にしていくとともに、住民意思に基づく地方政治の舞台としての地方政府に高めていくこと、これを地方分権改革の究極の目標としました。
 そして、地方分権改革推進のための基本原則の筆頭に基礎自治体優先の原則をうたい、国と地方自治体と呼びなれてきたものを中央政府と地方政府と呼びかえ、広域自治体である都道府県は広域地方政府、基礎自治体である市町村は基礎地方政府とし、地方自治体を地方政府と呼ぶにふさわしい存在にまで高めていくためには、何よりもまず、住民に最も身近で基礎的な自治体である市町村の自治権を拡充し、これを生活者の視点に立つ地方政府に近づけていくことが求められるとしています。
 また、私ども民主党の分権調査会においても、基本理念として基礎的自治体重視の新しい「国のかたち」を掲げ、地方分権国家の母体を住民に一番身近な基礎的自治体とし、生活にかかわる行政サービスを初め、基礎的自治体が対応すべき事務事業がすべて行えるよう、立法権や執行権を初めとする権限と財源を大幅に移譲し、国と基礎的自治体による新たな「国のかたち」を目指すとしています。
 さらに、基礎的自治体が担えない事務事業については当面広域自治体が、広域自治体が担えない事務事業については国が担うという補完性の原理を徹底するとしています。つまり、国と地方自治体の役割を明確にし、基礎自治体に大幅に権限移譲した上で、基礎自治体でなし得ない事務事業を広域自治体が担うということであります。
 知事はこれまで、国に対し、地方分権の推進をさまざま試みてこられたと思いますが、区市町村への分権については明確に示されておりません。
 そこで、地域主権確立に基づく国と自治体のあり方について所見を伺います。
 さらに、基礎自治体だけではなし得ない事務事業として、私は、医療体制や警察業務、幹線道路の整備などが広域自治体の事務として考えられますが、知事は、広域自治体のあるべき役割についてどのような見解をお持ちでいるか、お伺いいたします。
 また、首都である広域自治体としての東京都のあるべき姿について所見を伺います。
 二件目は、東京都の教育についてお伺いいたします。
 教育は国家百年の大計です。日本における資源は人です。有為な人材を産み育てることが日本の国力、命運を左右します。首都東京の人づくりは、まさしく日本の未来を切り開くといっても過言ではないでしょう。
 しかしながら、公教育の教育現場は崩壊の危機に瀕しております。東京都教育委員会の委員も次のように述べています。
 ある学校の校長先生が、学級崩壊の問題解決に疲れ、自律神経失調症で校長職を離れざるを得ないという報告を受けました。ますます多くの問題の解決を期待されるようになっている学校の現状を考えると、まじめな先生ほどこうした問題で傷つけられることは想像にかたくありません。地域社会の協力を得ながら、こうした問題の解決に努めていただくことは当然のことではありますが、校長先生を初めとする先生方の負担を少しでも軽くするために、外部人材の教育活動への積極的な活用を真剣に考えなければいけないと考えます。
 文部科学省の調査によれば、教職員総数に占める教員以外の専門スタッフの割合が、アメリカでは四六%であるのに対し、日本では二四%と約半分なのですと提言しています。
 現場の小中学校では、子どもの学力向上や豊かな心の育成、安全な学校づくり、地域住民との協力、保護者からの相談など、さまざまな問題に対応しなくてはならない現状があり、教員の多忙感が深まっているとの指摘があります。このような教員の多忙感についての東京都教育委員会の認識と見解、さらに、多忙感を軽減するための取り組みを早急に講ずるべきと考えますが、所見を伺います。
 また、特に中学校の教員においては、本年四月から、新しい学習指導要領の移行措置に伴い、教科によっては授業時数が増加することにより、教材研究や校務運営に困難な状況が生じ、多忙感が増していると聞いております。このような状況を踏まえ、新しい学習指導要領の全面実施に向けて、持ち時数の軽減をすることが必要と考えますが、所見を伺います。
 次に、司書教諭の配置についてです。
 子どもの読書活動は、人生をより深く生きる力を身につけていく上で欠くことのできないものであり、読書離れ、活字離れが叫ばれている今日、学校での司書教諭の果たす役割は大変大きくなっております。
 そこで、司書教諭が子どもの読書活動を推進するためには、各学校に専任の司書教諭を配置すべきと考えますが、所見を伺います。
 三件目は、東京都の医療についてです。
 先ほど滝沢議員より、多摩地域の小児医療についての質問がありましたので、重複する部分があろうと思いますが、多摩地域において大変重要な課題ですので、視点を変えて改めて質問させていただきます。
 今から九年前の二〇〇〇年におけるWHO、世界保健機関のレポートによれば、日本の健康寿命は世界第一位、平等性において世界第三位で、健康達成度の総合評価は世界第一位でありました。また、乳幼児死亡率及び平均寿命においても世界一位であることが示されていました。
 しかしながら、近年、我が国の医療をめぐる状況として、産科や小児科など特定科目の医師不足や勤務医の激務等が大きな社会問題として取り上げられています。医師不足は、医師の絶対数の不足と医師の偏在が大きな要因となっています。医師の絶対数の不足については、OECD平均で人口千人当たりの医師数が三人に対して、我が国は二人であり、人口規模で計算すると、十二万人から十三万人が不足しているといわれております。
 また、今日の医療技術や機器の進歩による医療の高度化、複雑化とあわせて、高齢化社会における合併症を伴う手術など難易度の高い症例の増加は、医師の高い専門性と業務負荷の増大を要求し、結果的にこれらの医療を担う医師が不足する事態を招いています。
 業務負荷は、さらに近年の医療で求められるインフォームド・コンセントや、多くの書類の必要性による事務作業の増加などによっても増大しています。
 つまり、医師の絶対数に変化が生じなくても、総労働時間に対する医師の必要数が不足するという事態が発生しており、医師への負荷が加速度的に増大している危機的状況に陥っております。
 医師、特に勤務医の過重労働をできるだけ減らすことが急務です。都立府中病院のERには、昼夜を問わず、また症状の軽重を問わず患者が訪れており、医師の勤務は厳しいものとなっています。勤務医の労働条件の改善は必須であり、焦眉の急です。
 一方、医師の偏在という点では、診療科偏在と地域的な偏在という二つの要素があります。特に、診療科偏在による医師不足が顕著な小児医療や周産期医療、救急医療などは、都民の安心・安全を確保するための基盤となる医療ともいえ、そのような医療に携わる医師をいかに確保していくかが極めて重要です。
 また、地域的な偏在については、二〇〇六年における多摩二十六市の医師数の平均は二百八十人、二十三区の医師数の平均は千二百三十二人、病床数については、二〇〇七年の数値で、多摩二十六市の平均は千九百二十四床、二十三区の平均は三千七百十四床となっています。二十三区と多摩二十六市におけるそれぞれの人口を勘案したとしても、医師の偏在は明らかであり、これも長年いわれ続けてきました三多摩格差の一例ともいえます。
 とりわけ小児医療については、年少人口に対する小児科医師数が、区部において千対三・〇人であるのに対し、多摩地域は千対一・八人であるという直近のデータが示すとおり、多摩地域の医療資源の偏在が顕著となっています。
 次代を担う子どもの命を守り、多摩のあすを展望するためには、多摩地域の小児医療体制の強化を急ぐべきと考えます。また、その強化に当たっては、医師の偏在を克服することと医療の提供体制を確保するという二重の視点で施策を講ぜられるべきと考えますが、所見を伺います。
 本来、医療は安心・安全な暮らしを守るセーフティーネットであり、社会インフラとして整備することが大変重要です。このインフラがあってこそ、活発な経済活動や社会活動を営むことができるのであります。
 それでは、今、地域において何ができるのか。まず、病院勤務医の負担を軽減し、病院機能を守ることが差し迫った課題です。そのためには、特定の病院などに患者が集中しないように、地域全体での医療連携を進めることが必要です。
 これからの医療再生には、地域全体の人口動態、疾病構造から医療需要をつかみ、それを満たすため、今ある医療資源を最大限に生かすような、連携に基づく効果的な医療供給体制をつくり上げることが不可欠であります。
 医療連携によって、軽症患者や慢性期のフォローアップなどを地域の開業医が担い、手術や高度な医療を病院が担うことで、勤務医が専門性に特化した業務に集中できる環境を整える必要があります。それが結果として、勤務医の労働環境を改善して医師の流出に歯どめをかけることにつながります。
 さらに、医師を疲弊させる原因として患者のモラル低下があります。安易に医療機関にかかるいわゆるコンビニ受診や医師への過大要求など、このような患者の行動をいかに減らすかも、地域医療を再生する上で取り組むべき課題となっています。自治体や病院、開業医、医師会が一体となって、住民に対し、病院のかかり方や、シャープ七一一九など救急車の適正利用等を周知していくことが重要です。
 また、住民側も、自分たちで自分たちの医療を守らないと自分たちが困るということに気づき、受診の仕方を改善しようとする気持ちを持つことが医療再生の第一歩となります。この意識の醸成は、産科、小児科などの医師不足の顕著な診療科における医師確保という観点からも非常に大切なことです。
 兵庫県立柏原病院の小児科は、多忙をきわめる医師の現状を知ったお母さんたちがみずから医療を学び、不要不急の受診を控えようと立ち上がったことで、一時は一名にまで減った小児科医が、その後五名にまでふえたと聞いています。
 このように安心の医療を確保するには、医療提供側における医療連携などの取り組みはもちろんのこと、それに加え、医療を受ける側の変容が不可欠であり、住民に対する普及啓発の重要性がますます高まっていると考えます。
 そこで、都として住民に対する普及啓発にどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
 四件目は、多摩シリコンバレーについて伺います。
 都は「十年後の東京」において、多摩シリコンバレーの形成を目標とし、多摩地域の一部を研究開発型企業集積ゾーンと位置づけ、産業振興と産学連携を促進する施策の展開を図られています。
 多摩地域における新事業創出活動をより促進するためには、産学公連携に金融の機能を加えることが必須であると考えます。知事からも本定例会の所信表明で、産学公に金融機関も加えたネットワークを構築し、半導体や計測機器の分野での新事業創出を支援していくとの発言がありました。
 ぜひとも積極的な施策展開を求めるとともに、金融機関も加えたネットワーク構築について、多摩地域に根差した金融機関を主とした連携が図られるべきと考えますが、所見を伺います。
 以上、四件につきまして、東京都が抱える喫緊の課題に対し、都として的確なる対策、対応を強く要望し、私の一般質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 小山くにひこ議員の一般質問にお答えいたします。
 広域自治体としてあるべき役割についてでありますが、東京は、千三百万人の人々が住み、さらに日中には三百万人を超える人々が近隣から流入するとともに、これに対応する公共交通や上下水道などの都市インフラが整備された世界に類を見ない大都市であると思います。
 都はこれまでも、大都市特有の課題でありますディーゼル車の排出ガス規制や急がれる震災対策など、広域的な行政課題に取り組み、成果を上げてきました。
 また、平成十二年に策定しました第二次東京都地方分権推進計画に基づき、難病患者の医療費助成に関する事務や、騒音や悪臭の規制に関する事務など、住民に身近な事務については区市町村への権限移譲を実施しております。
 その一方では、一部触れましたが、災害対策、環境対策などは、東京だけではなしに、神奈川県、埼玉県、千葉県といった四都県で、かつて存在しなかった新しい広域行政を首都圏において行ってきました。
 今後とも、広域自治体として、東京にふさわしい自治のあるべき姿の実現に向けて、国等の動向も見据えながら都の役割を十全に果たしていきたいと思っております。
 他の質問については、教育長、関係局長から答弁いたします。
   〔教育長大原正行君登壇〕

○教育長(大原正行君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、小中学校教員の多忙感についてでございます。
 小中学校は、いじめや不登校への対応、地域との連携など、学習指導面のほかにも多種多様な課題への対応が求められており、教員に対する期待も高まっております。また、校内の業務分担が不明確なために、特定の教員に業務が集中したり、学校の小規模化により、一人の教員の担う役割が増加している学校も多い状況でございます。
 このようなことを背景に教員の多忙感が深まっていると認識をしており、都教育委員会として改善していく必要があると考えております。
 このため、まず学校全体の事務量を縮減することを目的に、教育委員会等から各学校への調査報告依頼を縮減するためのモデル校実態調査などを行い、改善に取り組んでおります。
 また、本年四月から、主幹教諭を補佐する主任教諭制度を導入し、組織的に課題解決を図ることができる体制の整備を行ったところでございます。
 さらに、学校を支える仕組みとして、昨年度から退職教員を活用した非常勤教員制度を導入し、学習指導や校務分掌を担わせるなど、学校支援を行っております。
 今後もこうした取り組みを進め、教員の職務改善に努めてまいります。
 次に、新学習指導要領の全面実施に向けた中学校教員の授業持ち時数軽減の取り組みについてでございます。
 平成二十年三月に中学校学習指導要領が改訂され、総授業時数が増加し、言語活動や理数教育、外国語教育などの充実が図られております。
 新学習指導要領の全面実施は平成二十四年度からでございますが、平成二十一年度から一部先行実施しており、この移行措置期間中において、選択教科等の授業時数が減少する一方、数学、理科の授業時数が増加しております。
 都教育委員会では、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律に基づき、学級数に応じた教員数を配置しているところでございますが、新学習指導要領の先行実施に伴い、教員の週当たりの標準持ち時数を超える教員が生じる場合には、各学校に対して非常勤講師を適切に措置することとしております。
 新学習指導要領の全面実施に当たっても、学習活動が円滑に実施できるよう非常勤講師を適切に措置してまいります。
 次に、小中学校に専任の司書教諭を配置することについてでございます。
 学校において、子どもが読書に親しむ態度を育成し、子どもの主体的な読書活動を充実させることは、子どもが人生をより深く生きる力を身につけていく上で欠くことのできないものでございます。
 読書活動は、各学校において全教職員の協力体制のもと組織的に取り組んでいるところでございますが、その中で司書教諭は読書活動を推進するための重要な役割を担っております。
 現在、司書教諭は、学校図書館法において教諭等をもって充てると規定をされており、都教育委員会では、限られた教員定数の中で専任の司書教諭の配置は困難であると考えておりますが、司書教諭が学校で読書活動を推進することができるよう、週当たり二時間、授業持ち時数を軽減しております。
 また、都教育委員会では、本年三月、第二次東京都子供読書活動推進計画を策定したところであり、今後、司書教諭を支援するために、モデルとなる読書指導計画案の開発や読書活動推進事例の積極的な発信、都立図書館による推薦図書の情報提供などに取り組んでまいります。
   〔知事本局長吉川和夫君登壇〕

○知事本局長(吉川和夫君) 地方分権に関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、国と自治体のあり方についてでございますが、地方分権改革推進法によりますと、地方分権改革の推進に関する基本理念は、国と地方公共団体それぞれが分担すべき役割を明確にし、地方公共団体の自主性及び自律性を高めることによって、みずからの判断と責任において行政を運営することなどとされております。
 役割分担の具体化に当たりましては、まず国の役割を限定した上で、地方が担う役割について都道府県と区市町村とで分担することが大切であると考えます。
 その際、都と区市町村との役割分担におきましては、近接性、補完性などの原則だけでなく、大都市特有の行政課題を総合的、一体的に解決するという視点が不可欠でありまして、東京の実態、地域特性を十分に踏まえることが必要でございます。
 今後とも、これらの観点から、都として強力に地方分権改革に取り組んでまいります。
 次に、首都である広域自治体としての東京都のあるべき姿についてでございますが、東京は都民の生活の場であると同時に、三百万人を超える昼間流入人口を抱え、人材や企業が高度に集積する一方、諸外国の大都市と比較してもはるかに良好な治安を保つなど、首都として世界に類を見ない都市でございます。
 都は、区市町村との役割分担のもと、大都市の一体性を確保しつつ、交通渋滞など大都市特有の諸課題を迅速かつ効果的に解決し、将来にわたり、首都東京の持つ潜在能力を十二分に発揮できるようにする必要がございます。
 東京の活力は、単に東京にとどまらず、日本全体を発展させる原動力であります。今後とも、都は先進的な取り組みを行い、首都として日本を牽引していくとともに、国際社会における東京の魅力をより一層高めてまいります。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) 二点についてお答えを申し上げます。
 まず、多摩地域の小児医療についてでありますが、医師の確保を図るとともに、医療機関相互の連携に努めることで小児医療体制を強化することが重要であります。
 このため、今年度、小児科医師数が少ない多摩地域などを対象として、小児の二次救急医療に参画する医療機関や、この医療機関などへ医師を派遣する大学を支援いたします小児医療体制緊急強化事業に取り組むこととしております。
 また、来年三月、小児総合医療センターが開設となりますが、当センターを中核として地域の医療機関がそれぞれの機能を発揮し、重層的に連携を図ってまいります。こうした取り組みを行うことにより、安心・安全な小児医療を確保してまいります。
 次に、住民に対する普及啓発についてでありますが、都はこれまでも、医療機関の利用方法などをわかりやすく説明した暮らしの中の医療情報ナビを作成するなど、都民の適切な受療行動を促してまいりました。
 また、八月末に開始いたしました救急医療の東京ルールにおいて、医療に対する都民の理解と参画が重要であることを掲げ、救急医療週間に合わせて、シャープ七一一九の活用や、より重症な患者を優先診療するトリアージなどの広報活動を集中的に実施いたしました。
 今後とも、機会あるごとに都民に対し医療の適切な利用を促してまいります。
   〔産業労働局長前田信弘君登壇〕

○産業労働局長(前田信弘君) 産学公と金融の連携についてのご質問にお答えいたします。
 都はこれまでも、多摩地域における産学公連携に取り組み、共同研究や共同開発などを促進してまいりましたが、さらに、これに地域の金融機関を加えることで、中小企業にとって円滑な製品開発資金の調達や当該金融機関の持つ広範な情報を活用した販路開拓等、大きなメリットが期待できます。
 このため、今年度より都市機能活用型産業振興プロジェクト推進事業を創設し、企業、大学、公的機関及び金融機関によるいわゆる産学公金のネットワークの形成を支援しております。
 このネットワークによりまして、今後重点的に育成すべき産業である半導体・電子デバイス、計測・分析器、ロボットの三分野について、新事業の創出に向けた共同研究開発や共同販路開拓等の活動を促進してまいります。

議長(田中良君) 百一番小沢昌也君。
   〔百一番小沢昌也君登壇〕

○百一番(小沢昌也君) 初めに、地球温暖化対策について伺います。
 地球温暖化、気候変動は、集中豪雨や竜巻などの異常気象をもたらし、生態系に影響を与え、洪水、土砂災害、農作物への損害など大きな被害が生ずる原因となっており、私たちの生命、財産を危険にさらしています。
 しかしながら、国の対策は遅々として進んでおらず、石原知事もことし五月のソウルでのC40世界大都市気候変動サミットで、あるものに関しては、ポイント・オブ・ノーリターン、引き返すことのできない時点を通り過ぎていると思うと発言しており、温室効果ガス排出量の削減に向けて、より積極的な対応が求められています。
 都は、二〇二〇年までに二〇〇〇年比二五%の温室効果ガス排出量の削減を目指し、世界で最も環境負荷の少ない先進的な環境都市を実現するため、カーボンマイナス東京十年プロジェクトを推進しています。
 平成二十年度には条例を改正して、大規模事業所に対する総量削減義務と排出量取引制度を導入し、中小規模事業所に対しても地球温暖化対策報告書制度を創設するなど、まさに国に先駆けた取り組みを進めております。
 持続可能な都市を構築し、地球温暖化に立ち向かっていくためには、こうした先駆的な取り組みを進めるとともに、都民一人一人の環境問題に対する意識の醸成に努める取り組みを積極的に推進していかなければならないと考えます。
 特にこれからの時代を担う若い世代は、初等教育から環境問題が社会科や理科などの授業科目で取り上げられ、危機意識は大人世代よりも向上しております。しかし、知識としての環境問題と実生活及び社会の中での環境課題を認識し、行動することがまだまだ結びついていないのが現実であると考えます。
 将来世代の子どもたちが、環境問題の現状や課題、解決策について気づき、考え、行動する大人になることが必要です。すなわち、この地球規模の環境問題をこれからの人類の共通認識ととらえ、それぞれの社会的役割の中で行動できる人材の育成が求められていると考えます。
 そのためには、知識だけでなく、感動、体験を重視し、子どもの自発性を引き出すような学習を実施する必要があります。
 こうした認識に立ち、今後一層の環境学習の強化が必要と考えますが、知事の所見を伺います。
 都は、都立高校において、省エネ型照明器具の設置や雨水利用を進めてきたことに加え、太陽光発電設備の導入や屋上緑化、壁面緑化などの施策を明確な数値目標とともに進めております。
 これらの取り組みについてはさらに積極的に推進していただきたいと考えますが、都立高校における温暖化対策についての取り組み状況と今後の見解を伺います。
 生徒たちにとって、一日の大半の時間を生活する高等学校において、環境対策の施設や制度が充実されつつある都立高校は、環境教育において実践的な学びの場となると考えます。
 例えば、既に行われている各校の環境教育実績、成果をウエブサイトなどで情報提供したり、環境への実践的な取り組みを表彰するコンテストの実施、また、推進校制度でこれから活動を始めようとする高校に対する側面支援を行うことなど、現在行われているハード面の施策とソフト面の施策を有機的に結びつける取り組みが重要であると考えます。
 そこで、都立高校におけるさまざまな環境施策の意義と効果を積極的に生徒たちが学ぶことができる環境教育や、さらに、高校生が社会人になったときに必要とされるべき意識を芽生えさせるよう、一歩踏み込んで、生徒たちが行う環境活動への支援を推進すべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、薬物依存対策について伺います。
 昨日の代表質問でも都議会民主党は、薬物乱用防止対策について質問させていただきました。芸能人などによる薬物乱用のニュースが毎日のように報道され、社会的にも薬物問題に関心が高まっている現在こそ、都は、さらなる薬物乱用防止に向けた対策を進めていくべきだと考えます。
 薬物乱用防止対策については、啓蒙活動への拡大と充実、指導取り締まりの強化、薬物問題を抱える人への支援という三つの対策がありますが、私は、薬物依存者の治療、社会復帰の支援について伺いたいと思います。
 薬物依存症は、依存者本人の身体的、精神的健康の阻害だけにとどまらず、家族や周囲の方々の人生をも破壊しかねません。さらに、幻覚、妄想等による凶悪な犯罪や重大な交通事故など、社会に与える甚大な被害ははかり知れません。
 薬物乱用は低年齢化の傾向にあり、比較的手に入りやすいといわれている大麻に至っては初犯者が八五・五%を占めており、二十歳代の若年層が六割以上となっています。薬物乱用のない社会を実現するためには、薬物乱用防止への啓発と教育、取り締まりの強化とともに、薬物依存者の治療や社会復帰に積極的な支援を行う必要があると考えております。
 薬物依存者の治療、社会復帰を実現するためには、早期の相談、早期の治療が重要です。薬物依存症になると、使用をやめようと思っても自分でコントロールすることが困難になり、回復には長い時間が必要とされています。薬物依存者の薬物乱用を防ぐためには、問題解決の第一歩として、早期に専門家に相談すること、さらに、医療とあわせて、薬物に頼らない生活を身につけるリハビリテーションなどが重要と考えます。
 薬物乱用が発生してから、本人や家族などが相談機関へアクセスするまで、数年を要しているのが実情です。薬物の乱用が悪化している中、早期に相談につながり適切な支援を受ける体制を構築することが重要であると考えます。
 薬物依存者は、本人が否認する場合が多いと思われ、家族や周囲の人々が早期に相談機関につながることができるよう、効果的な啓発を行っていかなければなりません。
 そこで、再乱用防止に向けたより一層の周知を推進すべきであると考えます。今後の取り組みについて見解を伺います。
 医療としての薬物依存対策としては、都立松沢病院が、平成二十三年度末開設予定の新病棟の開設にあわせて、精神科特殊医療の一つとして薬物依存症の専門医療の充実を図るとしています。体内から有害薬物を取り除き、幻覚や妄想などの精神病症状の改善をすることが医療本来の役割ではありますが、医療とリハビリテーションプログラムの相互連携は重要であると考えます。
 そこで、松沢病院では現在どのような取り組みを行い、今後どのように取り組んでいくのか伺います。
 都内に三カ所ある精神保健福祉センターの一つである多摩総合精神保健福祉センターは、平成十九年より、薬物依存者を対象とした認知行動治療のプログラムを試行実施しています。新聞報道によると、平成十九年度に延べ百人だった参加者が、翌二十年度には延べ四百九十三人に急増していると伝えられています。
 薬物依存症の回復においては、実際の生活環境の中でいかに断薬を継続していくかが大きな要因となることから、地域生活に身を置きながら回復していくことも重要です。海外では、認知行動治療は再発防止などにおいて一定の成果を得られていると聞いており、こうした取り組みは積極的に支援し、拡充していくべきだと考えます。今後の取り組みについて見解を伺います。
 次に、中小企業対策について伺います。
 一年前のリーマンショックに端を発した世界的な金融危機は、日本国内の実体経済に深刻な影響を与え、多くの中小企業が非常に厳しい状況に置かれております。都内の中小企業の倒産件数は二十一年一月から八カ月間で二千件を超え、増加の一途をたどっています。倒産に至らないまでも、受注量の急激な減少や資金繰りの悪化など、多くの中小企業が苦しんでいるのが現状です。
 東京都の経済を活性化するためには、都の事業所数の九九%を占める中小企業の経営回復が必須であります。そのためにも、中小企業の経営基盤を強化し、新たなビジネスチャンスに向けた支援を積極的に推進していくことが重要であると考えます。
 都は、下請取引の適正化を図るべく、昨年度、財団法人東京都中小企業振興公社に下請取引紛争解決センターを設置するとともに、国内の自治体関係機関としては初めて、法務大臣のADR認証を取得し、解決困難な紛争についても、弁護士などの専門家の意見、助言を受け、公正かつ迅速な対応に努めていると聞いています。下請企業からの苦情紛争相談件数は、十九年度八十件に対し、昨年度は四百六十四件とおよそ六倍に増加し、不当な取引に苦しむ中小企業の救済に一定の効果を上げています。
 しかし、物価の下落や親企業の業績悪化により、代金の支払い遅延、不払い、不当な値引きや取引契約など下請いじめが増加しており、まだまだ適正化に向けた取り組みが十分であるとはいえません。
 不況下の今こそ、親企業と下請企業の双方が、相互理解と信頼のもとに、より一層の協力関係を構築し、ともに発展していくことが重要であると考えます。産業全体の底上げを図るためには、下請企業の適正化をさらに推進していかなければなりません。
 ADRが苦情紛争の問題解決に実績を上げていくことで、中小企業への不当な取引に対する抑制が働き、下請企業の適正取引が推進されます。さらなる企業へのPR活動の展開や相談の積み重ねによる対策の強化を進めていかなければならないと考えます。
 そこで、こうした取り組みについて周知を図るとともに、取引そのものの適正化をより一層推進することが必要と考えますが、見解を伺います。
 また、こうした不況下にある今こそ、新たなビジネスの創出を目指す中小企業に対して積極的な支援を行っていくべきだと考えます。
 東京は、少子高齢化、環境問題、安全・安心の確保など、日本を象徴する社会的課題が顕著にあらわれています。こうした課題を解決するためには、都内各地に存在する企業や人材の技術やノウハウを最大限活用して、社会的な課題を解決する新しいビジネスを創造することが重要です。また、各地域の観光資源や特産物を活用した、それぞれの地域ならではのビジネスの振興は、地域の魅力向上に不可欠であります。
 都は、地域のニーズや特性に応じた新たなビジネスを数多く生み出していくための中心的な施策として、東京都地域中小企業応援ファンドを昨年度から開始し、地域中小企業、NPO、住民など多種多様な主体が行う地域の課題解決や魅力向上を図る取り組みを支援しています。この東京都地域中小企業応援ファンドが、産業の振興と都民生活の向上を両立させ、雇用の創出にもつながる事業として発展していくことを期待します。
 しかし、この施策の効果を高めるためには、地域に存在する新たなビジネスの芽を継続的に掘り起こして支援していくことが必要であると考えます。東京都地域中小企業応援ファンドの今年度の実績と今後の取り組みについて伺います。
 最後に、都立横網町公園についてお伺いします。
 関東大震災から八十六年、東京大空襲から六十四年が経過しようとしており、当時の凄惨な被災体験を生の声としてリアルに伺う機会も減少してきております。震災や戦争の残す傷跡の大きさを多くの方々が再認識することで、その悲惨な史実を風化させることなく、平和の大切さと、地震を初めとする自然災害に対する備えの重要性の認識が促進されていくものと考えます。
 私は以前、-般質問において、都立横網町公園により多くの方々が訪れやすいよう、復興記念館の展示や案内方法に工夫を加え、広報を充実すべきとの指摘をさせていただきましたが、現況と今後の取り組みについてお伺いし、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 小沢昌也議員の一般質問にお答えいたします。
 地球温暖化対策についてでありますが、温暖化がもたらす危機の深刻さは極めて明確になっておりまして、これを防止するためには、とにかくまずCO2を大幅に削減する必要があります。
 こうした認識に立って、都は、世界初の都市型キャップ・アンド・トレードの導入など先駆的な施策に取り組んでおりますが、地球温暖化を克服していくためには、都民一人一人が省エネ、節電行動を実践することも重要であります。そのためには、環境について学び、考え、行動する契機となる環境学習の取り組みを推進していくことも必要であると思います。
 都は、環境学習の一環として、本年六月をCO2削滅アクション月間と位置づけ、これにより、都内の小学校五年生が家庭で一週間、省エネ行動に取り組みました。
 今後とも、環境学習の強化を図るなど、都民、事業者を巻き込んだ施策を展開し、低炭素型社会の実現に取り組んでいきたいと思っております。
 しかし、この問題については、東京だけではなしに国家全体がその気になって動きませんと、しょせん東京だけでは蟷螂の斧にすぎないと思います。
 ことしあるいは昨年のG8サミットでは、環境問題はほとんど問題になりませんでした。専ら話題は、議題は経済のリセッションにかまけたと思いますけれども、その後、何人かの首脳に、周りが、環境問題について少しは合議が進展したかと聞かれて、ことしも去年も答えは半歩前進ということでありました。一昨々年のバリ島のあの会議を見ても、あの結果も半歩前進でありました。三年かかって一歩半では、これはとてもじゃないけれども、このあしき変化に、私は追いついていかないと思います。
 そういう危機感というものを私たちがもう少し強く持ち合うことで、この問題についてきめの細かい具体的な対処というものを重ねていかないと、下手をすると地球はもたないんじゃないかという懸念を私は非常に持っております。
 他の質問については、教育長、東京都技監及び関係局長から答弁します。
   〔教育長大原正行君登壇〕

○教育長(大原正行君) 二点のご質問にお答えを申し上げます。
 まず、都立高校における温暖化対策の取り組み状況と今後の見解についてでございます。
 都教育委員会は、都立高校における温暖化対策として、改築や大規模改修時期に、太陽光発電設備、省エネ型空調設備、気密サッシ、複層ガラス、断熱塗料の導入、雨水の再利用などに計画的に取り組んでまいりました。既存校舎に対しましても、省エネ型器具や設備の導入のほか、ヒートアイランド対策の一環として、校庭の芝生化、屋上緑化、壁面緑化などを計画的に進めており、太陽光発電設備は、今年度末までに二十一校に設置の予定でございます。
 今後とも、都立高校の省エネ化や自然エネルギーの積極的な活用を通じて環境負荷の低減を図りますとともに、生徒の環境への関心や意識を高めてまいります。
 次に、都立高校における環境教育についてでございます。
 各学校では、教科や総合的な学習の時間の中で環境保全や地球温暖化等について指導し、環境を大切にする態度の育成を図っております。
 こうした教科等での学習に加えまして、現在、多くの都立高校では、節電や節水、ごみの減量等の活動に取り組んでおります。また、太陽光発電を取り入れている学校においては、発電量を校内に表示することによりまして、クリーンエネルギーの使用に関する生徒の関心を高めております。
 さらに、関係機関に呼びかけまして、高校生環境サミットを実施したり、ISO一四〇〇一やエコアクション21の認証を受けたりするなど、CO2削減に関する実践的な取り組みを進めている学校もございまして、都教育委員会では、こうした取り組みをフォーラムで紹介したり、表彰するなどしてまいりました。
 都教育委員会は、今後もこうしたすぐれた取り組みの普及啓発に努めるなどして、都立高校における環境教育を推進してまいります。
   〔東京都技監道家孝行君登壇〕

○東京都技監(道家孝行君) 都立横網町公園の復興記念館についてのご質問にお答えいたします。
 復興記念館では、関東大震災や東京大空襲の惨事を後世に伝えるため、写真や絵画、遺品などの資料を展示しております。これまでも、多くの保管資料を限られたスペースの中でわかりやすく展示することや、震災、戦災に関する映像資料の閲覧コーナーの設置、レイアウトの見直しによる展示スペースの拡大など、展示の改善を進めてまいりました。また、ボランティアによる東京大空襲の体験の紹介や、近隣の文化施設との連携によるPRにも取り組んできたところでございます。
 今後とも、多くの方に訪れていただけるよう、さらに展示を工夫するとともに、ホームページやパンフレットの内容を見直すなど、広報活動の充実にも努めてまいります。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) 二点についてお答えを申し上げます。
 まず、薬物依存症の相談についてでありますが、都では、薬物依存症に関する専門相談を精神保健福祉センターや保健所等で実施をするとともに、相談業務に携わる関係機関職員の人材育成を行ってまいりました。
 しかし、薬物依存症については、本人や家族が薬物問題を正しく認識できていないことなどから、相談機関につながりにくいといわれております。
 このため、都では、薬物乱用の危険性や早期相談の重要性、相談窓口等について、薬物乱用防止のイベント等の機会を通じ周知に努めてまいりました。
 今後も、精神保健福祉センターを中心に、引き続き人材の育成を行うとともに、区市町村とも連携しながら、薬物依存症者の社会復帰を支援してまいります。
 次いで、薬物依存症者を対象とした回復プログラムについてでありますが、多摩総合精神保健福祉センターにおきましては、平成十九年度から、在宅で薬物依存症からの回復を目指す方を対象とした回復プログラムを試行的に実施しております。
 今後の事業の充実につきましては、プログラムの内容や効果を十分に評価、検証した上で検討してまいります。
   〔病院経営本部長中井敬三君登壇〕

○病院経営本部長(中井敬三君) 都立松沢病院における薬物依存症の専門医療についてお答えいたします。
 薬物依存症の急性期においては、精神症状を安定させる治療薬の投与などの精神科治療と同時に、薬物解毒を行う身体的治療を行っております。
 また、回復期に入りますと、薬物依存を克服するためのグループ療法や作業療法に加え、社会復帰を支援する民間の自助グループ活動や家族会への参加プログラムなどを行っております。
 今後は、平成二十三年度末に完成予定の新病棟の開設にあわせて、新たに外来部門において薬物デイケアを実施するなど、薬物依存症に対する専門的医療の一層の充実を図ってまいります。
   〔産業労働局長前田信弘君登壇〕

○産業労働局長(前田信弘君) 中小企業対策にかかわる二点のご質問にお答えいたします。
 まず、下請取引適正化の推進についてでありますが、現下の厳しい経済状況のもと、中小零細企業にとりまして下請取引の適正化は切実な課題でございます。
 このため、都は、下請法講習会や業界団体との情報連絡会、下請センター東京の取引適正化相談員の企業巡回などによりまして、下請法やADRの周知を図り、下請取引の適正化を推進しております。
 また、本年六月には、親企業団体で構成される協議会及び下請企業団体で構成される協議会の合同会議を開催いたしまして、都及び両協議会の連名で、下請取引の適正化に向けた共同宣言を行い、親企業と下請企業が協力関係を一層進め、下請取引の改善に努めていくことといたしました。
 今後とも、下請法やADRの普及に取り組み、下請取引の適正化を推進してまいります。
 次に、東京都中小企業応援ファンドについてでございます。
 都は昨年度から、地域資源を活用した新たなビジネスを立ち上げまして、地域の魅力向上や課題解決に取り組む中小企業などを、このファンドによりまして支援しております。
 今年度上半期には、こうした中小企業等の提案を受け、地域の高齢者の裁縫技術を活用し、古着や端ぎれ等を再利用したファッション性あふれるアクセサリーを開発する事業など二十事業を選定し、助成を行うことといたしました。また、経験豊富な企業OB等を地域応援ナビゲータとして配置し、事業の進捗状況に応じたきめ細かなアドバイスを行っております。
 今後は、初年度に選定したプランが事業化を迎えることから、販路開拓までを一貫して支援することにより、事業の成功に結びつけてまいります。

議長(田中良君) 二十四番早坂義弘君。
   〔二十四番早坂義弘君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○二十四番(早坂義弘君) 日本一の山である富士山は、我々の心のふるさとであります。その富士山は、実は活火山であり、専門家によると、噴火の可能性が十分あるといいます。現に、東京都が本年六月に修正した、この東京都地域防災計画火山編において、富士山噴火の章が新しく加えられたばかりです。
 そこで、富士山が噴火した場合の東京都における影響と対策について伺います。
 富士山の噴火の歴史を振り返ると、最近二千年の間に少なくとも七十五回の噴火が発生しています。平均すると三十年に一回以上の頻度で噴火している計算になります。後ほど述べる三百年前の一七〇七年、宝永の大噴火以来、一度も噴火していないということは、この間、十回分のマグマが地下に蓄積されている可能性が高いといえます。そして、間もなく活発な火山活動期に入るという有力な予測があります。
 災害はしばしば、我々の想定を大きく超えて発生します。その代表例が、十八世紀初頭の二つの大地震と一つの噴火であります。一九二三年、大正十二年に発生した関東大震災の一つ前の関東地震は、一七〇三年、元禄十六年に発生しました。これは元禄地震と呼ばれ、江戸時代の絶頂期ともいわれる元禄時代を終わらせることになりました。極めて甚大な被害が発生したので、元禄から宝永に改元せざるを得なかったのです。この地震は、大正十二年のときよりも、さらに一回り大きいものだったと推定をされています。
 その元禄地震からわずか四年後、一七〇七年、宝永四年に、我が国が歴史時代に体験した最大規模の地震である宝永地震が発生したのです。東海地方から紀伊半島、さらには四国にかけて大災害をもたらし、人口の少ない当時でも二万人を超える死者が発生をいたしました。今でいう東海地震、東南海地震、南海地震が同時に発生したのであります。
 さらに続いて四十九日後、富士山が大噴火を起こしました。これが宝永の大噴火です。これはたまたま偶然に地震と同じころに噴火をしたのではなく、大地震が噴火を誘発したというのが専門家の見解です。
 この宝永の大噴火では、直径四、五十センチの火山弾、焼け石が山ろくに絶え間なく降り注ぎました。その焼け石は、地表に落下すると、粉々に砕けて燃え上がり、周囲を焼き尽くしました。さらには、その焼け石が三メートル以上も降り積もり、家や畑があっという間に埋まり、川をせきとめました。つまり、噴出物による直接的な被害と、それによる飢饉の発生、そして大水害という甚大な被害をもたらしたのであります。
 一方、富士山の火口から百キロ離れている江戸にも、偏西風に乗って数センチの火山灰が降り積もりました。江戸のまちは日中でも真っ暗になったといいます。
 このように、大正十二年の関東大震災や平成七年の阪神・淡路大震災をもはるかにしのぐ超巨大地震がわずか四年の間に連続して発生したこと、そしてそれが誘引となって二カ月後に富士山が大噴火を起こし、これまた甚大な被害をもたらしたこと、地震と噴火発生のサイクルから考えると、前回から三百年が経過した今日、地震も噴火も、そろそろ起きておかしくはないと考えられます。そして、もし同じことが今日発生したら、東京は、そして日本はどうなるかと震撼せざるを得ません。
 歴史の話はこれくらいにして、今日、富士山にこれと同レベルの噴火が発生した場合の被害について考えてみます。
 一つは、交通インフラの全面麻痺であります。東名高速道路、東海道新幹線はもとより、航空機もストップとならざるを得ません。これにより、我が国の経済は大打撃に直面します。
 そのほかに、火山灰が成層圏に達した場合の地球環境への影響が考えられます。
 東京都内でも、降灰による気管支炎などの健康被害。パソコンなど精密機械への影響。火山灰が河川や下水道に流入することによって生ずるせきとめなどの影響。農地や山林など都市の緑に対する影響。そして、降り積もった膨大な量の火山灰の処理をどうするか。東京に五センチ積もっただけで、都内だけで東京ドーム七十二杯分になると想定されます。これをだれが集めて、どこに捨てるのか。その場合、民有地は自己責任か。
 こういった一つ一つの影響を指折り数えていくと、富士山噴火による火山灰の影響は、百キロ離れた東京においても、とてつもないものだということがわかります。しかも、こうした事態に対して、我々はどう対処すべきかという経験を持っていないのです。
 もちろん、これだけの事態には、ひとり東京都だけの対策で処理できるはずもなく、国を挙げて、さらには官民一体となっての対策が求められます。
 危機管理は、被害の甚大さと発生可能性との掛け算で考えるべきであります。被害の甚大さでいえば、例えば、台風や地震の被害は比較的局所に限られるのに対し、富士山の噴火は、影響する地域が極めて広く、かつ甚大な被害が予想される。しかも、航空機も含めた交通インフラの全面麻痺によって、救援の手が届きにくい状況が想定されます。
 一方、発生可能性は、今日直ちに噴火の兆候があるというわけではありませんが、いつ起きてもおかしくないとされる東海地震に誘発される可能性は否定し得ません。
 また、二〇〇〇年、平成十二年には、富士山直下で、マグマの活動を示す低周波地震が相次いで観測されました。そして、それがきっかけとなり、国が中心となっての富士山ハザードマップが作成されたのであります。
 こう考えると、富士山噴火への備えは、決して絵そらごとではなく、今すぐ起きるという切迫性こそないにせよ、知事、私たちが生きている間に起こり得るものとして、十分に検討に値するものだと考えます。
 本年六月に修正された東京都地域防災計画火山編にある内容は、あくまで総論のみであって、いかに対処するかという各論の作成が今後必要だと考えます。
 いうまでもなく、溶岩流に巻き込まれて犠牲者が発生することの想定ではなく、火山灰による甚大な社会的影響についての検討です。都内に数センチの雪が降り積もっただけで都市機能に影響があります。ましてや火山灰は微細で、どこにでも入り込み、かつ、消えてなくならないのです。
 東京都は、世界で最も多くの活火山を有する自治体です。というのも、全世界におよそ八百の活火山がありますが、そのうちの百八は我が国にあり、さらにそのうちの二十一が東京都にあるからです。そういう立場から、先駆的な火山噴火対策を講じていくのは、世界の自治体のトップリーダーである東京都の役割としてもふさわしいものと考えます。
 そこで、富士山噴火に対する知事のご見解を伺います。
 次に、土砂災害防止対策について伺います。
 都内には、土砂災害が発生するおそれのある危険な箇所が多数あり、東京都はこれまでも、急傾斜地崩壊対策事業や砂防事業などを行っています。しかし、土砂災害の危険がある箇所すべてでハード対策を行うことは、時間的にも費用的にも困難であります。
 こうした状況のもと、被害を軽減するため、東京都は土砂災害防止法に基づき、土砂災害警戒区域の指定を進めていますが、現在までにどれぐらい指定したのか、また、今後の見通しについて伺います。
 本年七月、山口県防府市では、土石流により、特別養護老人ホームの一階が土砂で埋まり、入所者七名が死亡しました。
 社会福祉施設は、比較的大きな土地を必要とし、建設に当たっては地域住民との調整も必要であるという事情もあり、地域住民の少ない山間地や、急峻な地形のところに建てられる場合が少なくないようであります。
 施設の管理者は、立地などの特徴を十分に理解し、日ごろより職員や利用者の防災意識を高めるとともに、被害が予想される場合には、早目の適切な避難行動が求められます。そのためには、住民に身近な基礎的自治体である区市町村の取り組みが重要であります。
 そこで、現在、都内の土砂災害の危険がある区域に存在する社会福祉施設などの入所者の安全確保のために、東京都は区市町村を支援すべきと考えます。ご見解を伺います。
 次に、新型インフルエンザ患者の救急搬送について伺います。
 都内における救急車は、昨年、平成二十年度には、およそ六十万人の傷病者を医療機関に搬送しています。
 多くの病人やけが人を搬送する救急車が、新型インフルエンザの流行期において、インフルエンザ感染の有無が未確認の人を意図せず搬送することも考えられます。
 狭い救急車内において患者に密接した救急活動を行う救急隊員は、何の対策も講じなければ、非常に高い罹患の可能性があることは否めません。救急隊員の感染を防止し、新型インフルエンザの流行期においても、救急車の活動を確保することは極めて重要であります。
 先般、厚生労働省は、新型インフルエンザのワクチン接種についての素案を発表しました。その中では、優先接種対象者の第一優先として、救急隊員を含む医療従事者が考えられています。
 しかしながら、予防接種により、一〇〇%の感染防止、流行阻止が保障されるものではありませんから、予防接種だけでなく、複数の対策を実施すべきであります。
 また、救急車は、毎日、何人もの患者や同乗者が利用します。こうした人々が、救急車内を媒介にして感染する可能性も否定できません。救急車を利用した人々への感染拡大の防止も重要な課題です。
 そこで、東京消防庁では、救急活動における新型インフルエンザ感染防止として、どのような対策を講じているのか伺います。
 厚生労働省から示された新型インフルエンザの流行シナリオによれば、新型インフルエンザに感染し、かつ発症する確率は、通常のインフルエンザの二倍であり、国民全体の二〇%から三〇%の発症を見込んでいます。さらに、都市部では発症率がより高くなる可能性も指摘されています。都内において新型インフルエンザの患者数がふえれば、救急搬送の要請もふえるだろうと想定されます。
 そこで、感染拡大の懸念が高まっている中、新型インフルエンザ流行期における救急車出動要請増加への対応体制と、救急活動の感染防止策の準備状況について伺います。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 早坂義弘議員の一般質問にお答えいたします。
 聞くだに恐ろしい質問でありますけれども、富士山の噴火についてでありますが、日本は、アラスカ、カムチャツカに発して、アリューシャンを経て日本列島で分岐して、片方はフィリピン、片方はマリアナに至る世界最大のファイアリング、環太平洋火山帯の上に位置しているわけでありまして、我々日本人は、火山列島の上に住んでいることを忘れてはならないと思います。
 万葉集にも火を噴く山と歌われておりました富士山は、おっしゃるとおり、三百年前、そう遠い昔でもありませんが、宝永年間に爆発して、いわゆる宝永山ができたわけですけれども、今日、一たび噴火すれば、広域な地域に甚大な被害をもたらすことは必定であります。
 国の富士山ハザードマップ検討委員会報告によりますと、都内では大体二センチから十センチ程度の降灰があるだろうということでありますが、これは都民生活だけでなくて、社会経済活動が停滞し、国家の機能の維持にも非常に致命的な大きな影響を与えかねません。
 実は、私、就任してすぐ起こりました三宅島の噴火のときにも、いろいろ相談をいたしました地震学の権威の人たちが一番気にしたのは、あの地震が富士山と連脈があるかないかということで、これは実際にはありませんでした。そういうふうに、専門家はやっぱりいつもこれに注目しているわけですけれども、この大自然の営みであります噴火災害には、国、自治体、関係機関のみならず、地域や都民の一人一人の役割として対策をそれぞれが講じること、その積み重ねが不可欠であると思います。
 都としては、総合的な降灰対策の策定を国に対して働きかけていくとともに、自助、共助、公助の連携のもとに、噴火による被害を最小限に抑えるために、人知を尽くして必要な取り組みを進めていきたいと思いますが、しかし、この時代、いつ起こるかわからぬ大災害にどうやって備えていいか、これはなかなか、非常に難しい問題でありますな。
 他の質問については、技監及び関係局長から答弁いたします。
   〔東京都技監道家孝行君登壇〕

○東京都技監(道家孝行君) 土砂災害警戒区域の指定についてのご質問にお答えいたします。
 土砂災害から都民の命を守るためには、土砂災害の危険性を都民に周知するとともに、避難体制の基礎となります土砂災害警戒区域の指定を進めることが重要でございます。
 指定に当たりましては、現地調査などにより詳細な区域案を作成した後、住民の皆様の理解と協力を得るために、地元自治体とともに町会ごとにきめ細かな説明を行っております。このため、調査から指定までにおおむね三年を要します。
 都は平成十七年度から、土砂災害の危険箇所が多い西多摩地域から区域指定を進めておりまして、これまでに六百八十三カ所の指定を完了しております。
 二十一年度は、区域指定のスピードアップを図るため、事業の推進体制を拡充しまして、既に約四百カ所分の地元説明を終えており、これまでに指定した数の倍に当たる約千二百カ所を指定していく予定でございます。
 引き続き、八王子市や町田市など、指定する地域を順次拡大しまして、二十六年度に都内約八千カ所の区域指定の完了を目指してまいります。
 今後とも、地元自治体と連携して土砂災害警戒区域の指定を推進し、都民の安全確保に努めてまいります。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) 土砂災害警戒区域等の施設入所者の安全確保についてでありますが、都内の警戒区域に存在する社会福祉施設等は十一施設ございます。
 都は、今回の防府市における事故後、速やかにこれら十一施設に対して個別に連絡し、入所者の安全確保に努めるよう、改めて要請をいたしました。
 また、地元市におきましても、指定された警戒区域や土砂災害の起こる可能性がある地域の施設に対し、説明会を開催するなど、きめ細かな取り組みを行っている例もございます。
 今後、関係局とも連携し、風水害時における施設入所者の安全確保が図られるよう、区市町村に対する支援を検討してまいります。
   〔消防総監新井雄治君登壇〕

○消防総監(新井雄治君) 救急活動における新型インフルエンザ対策に関する二点の質問にお答えをいたします。
 初めに、新型インフルエンザ感染防止対策についてでありますが、救急活動における感染防止対策は大変重要であると認識しております。
 このため、当庁では、平素からの感染防止対策に加え、新型インフルエンザの特性を踏まえまして、すべての救急活動にゴーグル並びにN95マスクを携行し、新型インフルエンザが疑われる傷病者で、激しいせき症状を呈している場合や、器具を用いた気道確保などの感染危険が増大する救急処置を行う場合には、直ちに着装することとしております。
 また、新型インフルエンザが疑われる傷病者とその同乗者に対しましては、サージカルマスクを着用していただき、感染防止の徹底を図っております。
 さらに、搬送後におきましては、救急車内及び使用資器材の消毒を確実に実施するなど、救急活動における感染防止対策の万全を期しております。
 次に、新型インフルエンザ流行期における救急活動についてでありますが、当庁では、増大が予想される救急要請への対応といたしまして、一一九番通報受信体制の強化、非常用救急隊の編成、高機能な新型感染防止衣の導入などにより、活動の万全を期することとしております。
 また、救急活動に必要な感染防止用資器材といたしまして、本年九月現在、N95マスク五十八万枚、消毒薬六万八千本などを備蓄しており、さらに計画的に整備を進めているところであります。
 今後とも、総合的な感染防止対策の徹底を図ってまいります。

副議長(鈴木貫太郎君) 十七番栗林のり子さん。
   〔十七番栗林のり子君登壇〕

○十七番(栗林のり子君) 初めに、薬物問題について質問します。
 青少年に多大な影響力を持つ有名芸能人の薬物事件が相次ぎ発覚し、警察庁長官による異例のコメントが発表され、また、行政と芸能業界との意見交換会が初めて開催されるなど、薬物対策の強化はこれまでにも増して重要な課題となっております。
 公明党の主張を受けて、都はこれまでに、取り締まり強化、司法機関などとの連絡会設置、また、全国初の脱法ドラッグ規制条例の制定、人体に健康被害をもたらすものを知事指定薬物と定めることで製造、販売禁止するなどの取り組みをしてまいりました。加えて、製造や販売、授与などにも罰則が科せられるようになっております。
 こうした取り組みを高く評価するものですが、薬物汚染の低年齢化という、若者を取り巻く環境は、ますます危険ゾーンに陥っております。都内で薬物乱用防止に取り組むボランティア団体が、本年三月、十代から三十代までの二千名を超える若者に薬物意識調査を行いましたが、その結果は、とても衝撃的なものでありました。このアンケートでは、薬物の使用経験者は六・九%、薬物使用の誘いを受けた経験者は一八・六%。そして、身近に使用している人がいると答えた人は一七・一%、さらに十人に一人が、みずから使用してみたいと思ったことがあると答え、どこで入手できるか知っているかとの問いには、五人に一人が知っているという驚くべき結果となっております。
 二〇〇七年の国立精神・神経センターの調査でも、大学生の二・九%が薬物使用経験があると答えており、大麻検挙者の約九割は十代から三十代の若者という実態で、想像以上に若者に薬物が蔓延していることを示しております。全庁挙げてのさらなる薬物防止に向けた緊急対策が必要です。
 知事は二十三歳の若さで文壇デビューされ、当時の若者に戦後新時代の風俗やモラルを提示され、当時の若者文化を牽引し、新しい時代を切り開かれました。今日、危険情報がはんらんする中で、薬物から若者の命と未来を守るという観点から、知事の所見を伺います。
 薬物に手を染める若者は、好奇心から手を出すケースが多いと指摘されておりますが、その若者の好奇心を押さえ込み、怖さ、恐ろしさ、そして何よりも薬物使用は犯罪であるということを教育の現場でまず教えていく一次予防策が重要であります。
 現在、小中学校や高等学校では、それぞれの授業の中で、酒、たばこ、薬物について取り上げており、さらに学校によっては、授業とは別に、薬物乱用防止教室を開催しております。中には、警察官が学校に出向き、実際の検挙、補導事例や、ビデオ、アルバム、薬物見本を紹介したり、キャラバンカーを活用するなど、生徒の心にインパクトを与えているとのことです。薬物汚染の低年齢化を学校現場で防ぐためにも、各学校の判断で開催しているこの薬物乱用防止教室を全校で一〇〇%実施するとともに、さらに内容を充実させていくことが必要と考えますが、都の見解を求めます。
 薬物対策にとって大事なことは治療後の予防策であります。薬物に手を染めた後、何とか更生した人たちが二度と薬物に手を出さないためには、更生した人たちを支えるサポート体制の整備が必要であります。
 先日、全国に五十カ所の施設を運営するダルクという薬物依存症のリハビリ施設を視察させていただきました。運営するスタッフがかつては薬物依存症だったという経験を生かし、入所者と病気の分かち合いをしながら回復、成長を進め、リハビリ後の就職までサポートする取り組みをしており、大きな効果を上げております。こうした民間団体を都として強力なパートナーとして位置づけ、施設の整備や運営面での財政支援も拡充すべきであります。見解を求めます。
 あわせて、女性専用のリハビリ施設も不足しております。子育て中の母親の場合は、子どもの保育場所や心のケアなど、よりきめ細かな支援も必要です。多角的な支援を要望しておきます。
 次に、若者の相談体制についてであります。
 昨今の若者は、やり場のない不安や孤独感、人間関係の悩みなどを抱え込んでいる人が少なくありません。このような悩みが原因となり、薬物使用だけでなく、さまざまな非社会的行動が引き起こされています。若者の過度の不安や深刻な悩みを解消することは、極めて重要な課題であります。
 都は、公明党が提案した東京都若者総合相談、いわゆる若ナビを七月にスタートさせました。主に十八歳以上の若者を対象に、人間関係の悩みや漠然とした不安、孤独感など、さまざまな相談に電話で対応しています。相談に応じてくれる時間は午前十一時から午後八時とのことですが、その時間では十分な受け皿となりません。夜回り先生として有名な児童福祉運動家の水谷修先生は、みずからの経験上、若者からの相談は午前二時前後が多いと指摘しています。
 そこで、若ナビにおいては、電話受け付けだけでなく、若者が利用しやすく、深夜でも相談事を受信できる、メールでの相談体制も早急に確立する必要があります。その上で、制度の利用状況から、電話相談受け付け時間の拡充も検討するべきであります。今後の都の取り組みを伺います。
 また、こうした相談体制については、若者への周知が必要です。大学やカラオケ店、ライブハウスやネットカフェ、コンビニなどの若者が手にしやすい場所に若ナビカードを設置するなど、周知の拡充が必要です。見解を求めます。
 次に、保育所待機児童の解消策について質問します。
 都は、保育所待機児童の解消に向けて、多様な保育サービスを組み合わせ、年齢別の保育ニーズに見合ったサービスを提供するなど、平成二十年度から三年間で一万五千人分を整備する保育サービス拡充三カ年事業をスタートさせております。特に今年度は、当初予定の五千三百三十五人の目標を八千人に拡充し、取り組みを強化したことを高く評価するものであります。
 その上で、今年度の整備目標八千人の達成に向けては、サービスの担い手の確保や専門職の能力アップなど、質の向上も重要と考えます。都の見解を求めます。
 さて、待機児童については、ゼロ歳から二歳までの待機児童が全体の九割を占めていることなどから、その解消策には、地域特性に応じた保育サービスの提供がより重要となってまいります。
 私の地元世田谷区では、先駆的な取り組みとして保育室制度を立ち上げ、待機児童の解消を進めてまいりました。都は、この保育室を認証保育所へと移行するように進めておりますが、施設面積などの要件に当てはまらず、現在残された保育室については、認証保育所への移行が難しい現状であります。これまで地域の中で保育室が担ってきた待機児童解消の実績も踏まえ、移行が困難な保育室が引き続き保育サービスを継続できるような新たな対応策を検討することを要望して、次の質問に移ります。
 次に、特別支援教育について質問します。
 都は、平成十六年度に東京都特別支援教育推進計画を定め、これまで第一次、第二次と、障害のある児童生徒の多様なニーズにこたえる教育環境の整備に努めてきました。しかしながら、知的障害の児童生徒数の急増に伴い、教育環境改善の取り組みが追いついていない実態があるのも否めません。
 先日視察をした矢口特別支援学校では、三十五年前学校建設されたときは二十八学級規模でつくられていましたが、現在五十六学級となっており、当時から比べると二倍近くに達している状況でした。中野特別支援学校においても同様で、もはや教室不足は避けては通れません。それぞれの学校では、図書室や美術室、または相談室を普通教室に転用し、最後は転用する教室がなく、普通教室をカーテンで仕切るなどして対応している現状であります。
 障害のある児童生徒数の増加等について都としてきちっと調査を行い、実態に合った対応を第三次計画にも盛り込み、具体的な改善策を示すべきであります。見解を求めます。
 最後に、区市町村の保健医療施策への支援について質問いたします。
 このたび、都立梅ケ丘病院が府中に移転することを踏まえ、区部の小児精神医療の新たな機能を確保するため、都立大塚病院に児童精神外来が開設されました。また、世田谷区では、国立成育医療センターの敷地内に発達障害相談・療育センターを設置するなどの整備を推進したところです。
 いよいよ来年三月には梅ケ丘病院が移転となる予定ですが、人口八十四万人の世田谷区にとって、この移転後の跡地を有効利用して保健福祉サービスの拡充が進められることに区民からも大きな期待が寄せられております。
 現在、世田谷区では、子ども初期救急医療診療所や新たな保健センターの設置、介護老人保健施設、通所リハビリテーションや療養通所介護施設、また、障害者の地域生活支援拠点である地域生活支援型入所施設や短期入所療養型施設、自立訓練施設など、さまざまな保健医療福祉サービスを提供する機能を一体的に整備する検討をしております。
 このように、サービスの利用者である住民に最も身近な区市町村が、実情に応じた、区の独自性あふれる主体的な施策を展開することは、これまで以上に重要になってきています。都においては、従来の保健医療の基本となるサービスに加え、区市町村の創意工夫による先駆的な事業を積極的に支援していく必要があると考えます。
 具体的な支援策を伺いまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 栗林のり子議員の一般質問にお答えいたします。
 若者の薬物乱用についてでありますが、薬物の乱用は、心身をむしばみ、次代を担う若者の一生を台なしにするばかりでなくて、学校、職場、社会の秩序を乱すものでありまして、その害悪というのははかり知れないと思います。
 昨今、芸能人やスポーツ選手による薬物事犯が相次いでいることや、インターネットの上で有害な情報がはんらんしていることは、若者の薬物への好奇心を助長するなど、極めて憂慮すべき事態であると思っております。
 こうした状況を踏まえて、若者が安易に薬物に手を出さないよう、青少年を対象とする徹底した啓発活動、インターネット取引といった乱用実態に対応した指導、取り締まりなど、対策を一層強化していくべきだと思います。
 今後とも、行政、警察、地域が一体となりまして、薬物の恐ろしさをあらゆる機会をとらえて繰り返し訴えるなど、薬物乱用の根絶に全力を尽くしていきたいと思っております。
 他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。
   〔教育長大原正行君登壇〕

○教育長(大原正行君) 二点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、薬物乱用防止教室についてでございます。
 現在、児童生徒は、小学校の段階から、保健の授業において、飲酒、喫煙、薬物乱用による健康被害について学習をしております。
 また、授業の内容を深め、より実践的な態度を養う効果がありますことから、多くの学校で外部の専門家などを講師に招いて薬物乱用防止教室を実施しておりますが、全校の実施には至っていない状況でございます。
 学校現場においてはより一層の対策強化が必要でございまして、今後、一〇〇%、すべての公立学校において、薬物乱用防止教室や薬物乱用を取り上げたセーフティー教室を必ず年一回実施するよう指導してまいります。
 さらに、こうした教室の実施に当たりましては、児童生徒が薬物乱用をしないという意思決定や行動選択ができるようにしていくことが必要でございます。お話のように、講話や映像教材の活用など、指導方法の工夫を積極的に働きかけ、内容の充実を図ってまいります。
 次に、都立特別支援学校の教育諸条件の整備についてでございます。
 都教育委員会は、障害のある児童生徒の一人一人のニーズに応じた教育環境の充実や、自立と社会参加に向けた教育の充実などを基本理念といたします、東京都特別支援教育推進計画を平成十六年度に策定をいたしました。現在、第一次、第二次の実施計画を着実に推進しているところでございますが、この間、発達障害者支援法、障害者自立支援法や改正学校教育法の施行など、特別支援教育の役割、重要性も増加し、特別支援学校への都民の期待も高まりつつあります。
 こうした中で、知的障害のある児童生徒数の増加傾向が著しいことから、各学校の現況や、今年度実施いたします推計調査などを踏まえまして、来年度策定予定の第三次実施計画において、学校施設や設備などの教育諸条件など、特別支援教育の充実策について検討してまいります。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) 三点についてお答えを申し上げます。
 まず、薬物依存症者を支援する民間団体についてでありますが、薬物依存症からの回復を目指す人たちに対して、現在、NPOなどの民間団体がきめ細かな支援を行っており、都はこれらの団体が運営する入所施設や通所施設に対して運営費などの補助を行っております。
 回復の過程においては、薬物の入手経路を完全に断つなど、かつての住環境から遠く離れることが効果的な場合もあることから、これらの施設は都道府県を超えて利用されております。このため、国に対して薬物依存症からの回復をより広域的に支援する総合的な対策を提案要求しており、今後も引き続き働きかけてまいります。
 次いで、保育サービスの担い手の確保と質の向上についてでありますが、都は今年度、保育人材確保事業を創設いたしました。本事業では、離職した保育士の再就職支援研修と就職相談会を一体的に行うほか、新たに配置する保育士再就職支援コーディネーターによりまして、求人、求職双方のニーズを調整し、円滑な再就職を支援することといたしております。
 また、人材育成の新たな取り組みとして、認証保育所の施設長に対する研修を開始したほか、保育士等の専門職を活用した認証保育所の運営指導など、サービスの質の向上にも取り組んでおります。
 引き続き保育サービスの拡充に積極的に取り組んでまいります。
 最後に、区市町村の保健医療施策への支援についてでありますが、都は、地域の実情を踏まえたきめ細かい福祉、保健、医療サービスの展開を支援するため、福祉保健区市町村包括補助事業を実施しております。特に、区市町村の創意工夫による先駆的事業につきましては重点的な支援を行っており、住民が主体的に取り組むメタボリックシンドローム対策や、在宅療養患者のリハビリテーションなどの取り組みが行われております。
 さらに、こうした先駆的な事業をまとめた事例集の作成や事例発表会の開催など、普及啓発に努めているところであります。
 今後とも、地域のニーズを踏まえた区市町村の施策展開を積極的に支援してまいります。
   〔青少年・治安対策本部長倉田潤君登壇〕

○青少年・治安対策本部長(倉田潤君) 東京都若者総合相談についてであります。
 都は、主に十八歳以上の若者の不安や悩みの解消を図り、ひきこもりや若年無業者などの非社会的行動を未然に防ぐことを目的として、東京都若者総合相談、通称若ナビを本年七月に開設し、電話による相談を行っております。この間、二十代及び三十代を中心とする若者から、自分に自信が持てない、人間関係がうまくいかないなど、さまざまな相談が寄せられております。
 電話相談の受け付け時間は、若者の生活実態を踏まえ、午前十一時から午後八時までとしておりますが、今後、メールによる相談につきまして、相談状況の推移を踏まえて検討してまいります。
 また、広報につきましては、事業開始時にイベントを開催し、集まった若者に電話番号等を記載した携帯カードの配布等を行いましたほか、ポスターを関係機関や大学等に配布し、相談窓口の周知を図りました。
 今後はさらに民間事業者の協力を得て周知を進めますとともに、都内各地の若者が集まる場所で広報活動を実施するなど、あらゆる機会を通じて積極的に広報を展開してまいります。

○副議長(鈴木貫太郎君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後五時五分休憩

   午後五時二十二分開議

○議長(田中良君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 四十九番笹本ひさし君。
   〔四十九番笹本ひさし君登壇〕

○四十九番(笹本ひさし君) 当面する諸課題について質問いたします。
 一部質問が重複もありますが、明快なご答弁を期待いたします。
 初めに、ついせんだってのある地方選挙の街頭演説のさわりの部分をご紹介いたします。
 きょうは雨の日ですが、まことにもって恵みの雨といえます。なぜならば、この宇宙空間、百三十七億年前にできたこの宇宙空間で、このように雨の降る星はありますか。ありません。いいかえると、水の惑星はこの美しい地球のみであります。したがって、これを面倒だというのは東京の人たちです。なぜかというと、東京には水も土も欠けている。それと比べると、静岡はどうでしょうか。富士山、日本一美しい霊峰富士山があります。そして南アルプスがある。そこから流れ下る安倍川、富士川、天竜川、これらの水ですばらしい緑の木立、果樹園が育ち、田畑が洗われ、命の水となって駿河湾、遠州灘に注いでいきます。それは栄養たっぷりな水です。そしてすばらしい漁場が豊穣と広がっています。
 中略します。
 東京の食料自給率はわずかに一%、いいかえると、九九%を他府県に依存しています。しかも、東京はコンクリートジャングルで、それをリサイクルすることができない。したがって、捨てている。捨てている量たるや、世界の飢えている人九億人に対して全世界が食料援助をしている三倍の量に及んでいます。このような東京から我々は脱却しなければなりません。それがこの静岡であります。
 そして、以下続きます。これは現静岡県知事の川勝平太氏の演説の冒頭であります。
 東京に暮らし、東京に生きる私たちにとっては少々耳の痛い部分はありますが、首都東京に暮らす我々が、この先もずっと子どもたち、さらに次の世代へとつないでいく責任と使命を重く受けとめ、都民の皆様に負託を受けた今こそ強く認識し、国民、都民の生活が第一を貫き、都政に真っすぐにひたむきに邁進をしなくてはなりません。
 さて、質問に入ります。
 初めに、都立墨東病院にかかわる周産期医療体制について質問をいたします。
 平成二十年十月四日土曜日、江東区内のかかりつけ産婦人科医を受診した妊婦の転院搬送に関し、同医院等が都立墨東病院を含め八医療機関に受け入れ可否の連絡をするも、受け入れ困難となる事案が発生しました。その際、他の周産期医療センターに依頼する方が迅速かつ適切な処置ができると都立墨東病院は判断し、伝達するものの、すべての医療機関での受け入れも拒絶され、一時間後の再度の要請にて受け入れました。子どもは緊急帝王切開で無事出産するも、母親の妊婦は三日後に亡くなられました。
 同様の事案が江東区の事案のわずか数日前にも調布市内でも発生していました。
 東京都では、周産期医療協議会での集中的な検討を経て、スーパー総合周産期センターや周産期コーディネーターの設置など具体化し、つらい教訓が制度に反映されたことに、庁内周産期医療体制整備PTに評価と、安全で安心な医療体制の構築にさらなる期待をするものです。
 思えば、昨年二月二十七日、墨田、江東、江戸川の三区の医師会長及び産婦人科医会長名にて、都立墨東病院並びに東京都病院経営本部に対して、城東地区における周産期についてと銘打った、難問が多い周産期医療を都民が安心できる体制との緊急要望が出されておりました。このとき、命の危険のある患者が出た場合を予見した緊急の要望書であっただけに、東部地区に暮らす都民としては、昨年の事案は残念でなりません。
 そこで、改めて現況の墨東病院についてお伺いをいたします。
 ERの一部として産婦人科のあり方と今後の見通し。
 産婦人科常勤医師の人数について。平成十五年八人、平成十六年七名、十八年六名、十九年五名、平成二十年度には四名から三名になったと指摘されていました。そして昨年七月には、土日には当直体制が一名体制となっていました。数年にわたって減少しているにもかかわらず、産科非常勤医師の補充ができなかった最大の要因は何でしょうか。勤務時間や報酬など、処遇にこそ原因があったと推察をいたしますが、いかがでしょうか。
 つけ加えますと、本年三月より、墨田、江東、江戸川の医師会の協力連携により、区東部二次保健医療圏における都立墨東病院を中心とした産科診療協力医師登録制度が始まりましたが、地域医療の連携に大いに期待をしたいと考えます。
 ここで、先ほど触れましたが、東京都の周産期医療体制についてお伺いいたします。
 少子化の時代とはいえ、都内では毎年十万人もの赤ちゃんが生まれています。私の住む江戸川区でも毎年七千人近くの赤ちゃんが生まれています。一方、低出生体重児の増加、母体合併症の状況など、昨年のような周産期の救命事案の起こる可能性はあると思います。
 東京都は、昨年秋より東京都周産期医療協議会において集中審議を行い、既存の医療資源を有効に活用してさまざまな取り組みを始めたと理解をいたしております。猪瀬副知事を座長とするプロジェクトチームが結成され、提言もなされました。
 昨年の事案の発生から一年がたちますが、東京都は新たにどのような取り組みを行い、周産期医療の充実に取り組んできたのかをお伺いいたします。
 産科救急の最後のとりでになる周産期母子医療センターには、あらゆる事態を想定した、高度で多岐にわたる診療機能が備わっていることが望まれるのはいうまでもありません。極端な医師の不足している産科や、また小児科、経営面で採算が難しい救急医療、人員や施設整備の拡充は難しく、現実的には幅広い連携により周産期医療の弱点をカバーしなくてはなりません。命を守る最前線と強く意識をし、お伺いをするものです。
 続きまして、特別養護老人ホームなど、介護基盤整備についてのご所見をお伺いします。
 本年三月、群馬県渋川市の未届け高齢者施設の火災で入居者十名が犠牲になるという痛ましい事故が発生しました。その事故を教訓にすべきとの提言が社会評論家の安田千恵子氏から区部の区長、執行部に寄せられました。その内容を閲覧すると、傾聴すべき内容があり、その提言の趣旨をご紹介し、大都市特有の事情を抱えた東京区部での高齢者施策の一助になり得ると考え、質問いたします。
 東京の高齢者が地方の高齢者施設に入所する最大の要因は、大量の高齢者が存在するにもかかわらず、国の政策、すなわち総量規制などによる高齢者施設や介護つき有料老人ホームなど特定施設入居者生活介護の制限や、在宅介護や地域介護が機能し得なかったことが最大の要因です。軽い認知症ならともかく、老老介護や認認介護など、二十四時間のつきっきり介護など、家族にも地域にもしょせん無理なのはわかっていたはずです。
 地域の小規模多機能型居宅介護事業所も採算がとれず、資金力に乏しいNPO法人などが運営していくには余りにも収支バランスが厳しいのが現実です。地域包括支援センターも、介護保険でできるサービスを勧める程度で、根本的な問題解決には至っておりません。重症者には二十四時間のケアができる施設が必要なのに、区部などでは極端に不足し、入所することができないのが現実ではないでしょうか。
 平成十九年の特別養護老人ホームの入所希望者数調査によれば、要介護四、五の人数は約七千三百人。老老介護など、在宅介護が困難な高齢者に強制をするから悲劇が起こるのではないでしょうか。このままでは国も自治体も悲劇を放置していることにはなりませんか。社会基盤である介護基盤の安全網の構築を、国や自治体が補助金をつけ民間に任せる方式では、おのずと限界が見えてきます。
 東京の都心、特に区部の地価は高く、広大な用地の確保も容易ではありません。原則的には身近な地域で介護も受けられることがよいのはいうまでもありません。現実は、東京固有の事情を考えると困難な例も多いのは当然であります。そこで、郊外の用地に大都市の高齢者施設を整備し、都市が抱える介護事情の解消の一因にならないものかと考えるわけです。都心部には施設での専門的な介護が必要な要介護高齢者は大量にいらっしゃいますが、多くの方が施設への入所を希望しています。
 施設整備の用地としては、公共用地、学校跡地の再利用にも期待はいたしますが、地価の高さ、利用できる土地にも制約があることなど、さまざまな事情で施設整備は容易ではありません。大都市の高齢者が地方の施設に入り、住民票を移すと、その地方の人たちの負担がふえるので、高齢者が嫌がられる一因にもなります。
 現実的には、住所地特例により受け入れ地域の負担は発生はしませんが、地域介護や在宅介護の流れで、排除とはいわないまでも歓迎されないのが現状だと思います。勢い、事故を起こした未届けの高齢者施設に入居させざるを得ない現実に目を背けることはできません。
 事故のあった未届け施設においては、生活保護対象者が入居していたという事実も、大都市の複雑な事情の一面をかいま見る思いです。都心に足りない、広くて安い土地や自然。地方に行けば土地も安く、自然もあります。今の介護報酬では十分な働き手の確保はすぐには期待できないかもしれませんが、雇用創出にも効果が期待できるかもしれません。大都市と地方が手を組み、多くの要介護高齢者のために貢献できないものかと考えます。都市と地方のパートナーシップ、公設民営の施設や高齢者介護分野の企業誘致、地方の雇用環境改善、医師不足の解消にも効果が期待できるのではないかと考えます。
 つけ加えますが、水害や土砂崩れなどの自然災害には細心の注意が必要です。公がなすべきことは多いはずです。群馬県渋川市のような悲惨なケースを二度と繰り返してはなりません。喫緊急務の課題です。
 そこで質問です。都内の未届け有料ホームの把握、管理、指導の現状についてお伺いします。
 東京固有の事情により、都民のために都外の用地を活用して特別養護老人ホームの整備について検討する場合、具体的な障壁は何でしょうか。
 都外に設置された特別養護老人ホームへ都民の方々が入所している状況についてどのように認識をしていますか。
 あわせて、指導はどのように行われておりますか。
 この質問の最後に、大都市東京の都心区のように用地の確保がそもそも困難な場合、今後もふえ続ける要介護高齢者に備え、都は介護基盤の整備をどのように促進していくつもりでしょうか、ご見解を伺います。
 続きまして、直轄事業の東京都負担金の国に対する返還請求についてお伺いをします。
 このたびの衆議院選挙の民主党のマニフェスト、政権公約の五つの原則の第一に、国の総予算の徹底効率化、不要で急を要さない事業の根絶を掲げました。川辺川ダムや八ッ場ダムの中止を掲げたマニフェストは、国民の皆様の圧倒的なご支持をいただきました。
 いうまでもなく、マニフェストは有権者との契約、すなわち約束であります。約束である公約は実行されなければなりません。かつて、公約を守らないぐらいのことは大したことではないと明言をした首相がいましたが、政権交代が国民の意思で具現化され、民主主義の精神である国民主権の政治が貫かれた今では、そのような言葉はしょせん通用するわけはありません。
 さて、全面的な見直しの対象である国の大型直轄事業である八ッ場ダムの建設中止の場合、知事は、東京都負担金の既に支払い済みの四百五十七億円を返還請求するつもりとのご発言をされております。特定多目的ダムを根拠とされてのご発言とは思いますが、そのとおりで変更はございませんでしょうか。
 昨日、知事は、都議選は衆議院選挙の前哨戦に位置づけられ、国政の影響を受けたとのご発言がありました。しかしながら、都議選の直後の衆議院選挙のマニフェストにおいても、八ッ場ダムの中止を掲げ、都議選を上回る国民の皆様からのご支持をいただき、政権交代が起こりました。政権を選択された国民の皆様とのそごはお感じになりませんか。それとも、しょせん専門的な知見や情報を持ち得ない国民世論には、新銀行や築地移転同様に、判断は難しいとお考えでしょうか。私は、国民、都民の皆様が納得できるすべての情報公開をすべきだと考えます。
 以上で質問を終わります。(拍手)
   〔病院経営本部長中井敬三君登壇〕

○病院経営本部長(中井敬三君) 笹本ひさし議員の一般質問にお答えいたします。
 墨東病院の産科医師が数年にわたり補充できなかった主な要因についてでありますが、産科医については、墨東病院に限らず、全国的な不足状況にあります。その要因としては、分娩に伴う昼夜を問わない過酷な勤務状況や、訴訟リスクが高いといったことが挙げられますが、これに加え、平成十六年度から導入された医師臨床研修制度を契機に、派遣元である大学医局への入局者が減少し、新たに産科医師を派遣できるだけの余裕がなくなったことがこの不足に拍車をかけたと考えられます。
 こうした中で、都は、都立病院の厳しい勤務に見合う処遇改善や、増加する女性医師のための育児短時間勤務制度の導入、あるいは院内保育室の二十四時間化などの勤務環境の整備を行うなど、総合的、重層的な医師確保定着対策に全国に先駆けて取り組んでまいりました。この結果、墨東病院産科の常勤医師は、昨年九月の三名から現在七名に増加しております。これに加えて、地域の医師会との連携も始まり、現在は安定的な診療体制が確保されている状況にあります。
 なお、都立病院全体の常勤産科医師数についても、昨年の九月の十九名から現在は二十六名と、約四割の増加となっております。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) 五点についてお答え申し上げます。
 まず、周産期医療についてでありますが、都は本年三月、救命処置が必要な重症妊産婦を必ず受け入れる、いわゆるスーパー総合周産期センターを三カ所確保し、これまでに十九件の母体救命に対応し、成果を上げております。
 また、ミドルリスクの妊産婦に対して緊急診療を行う八カ所の周産期連携病院を整備いたしました。
 これらの取り組みを効果的に機能させるため、都内全域を対象に妊産婦や新生児の救急搬送を調整する周産期搬送コーディネーターを先月末に東京消防庁指令室に配置いたしました。
 こうした重層的な取り組みにより、周産期医療の充実を着実に進めております。
 続いて、未届け有料老人ホームの把握等についてでありますが、都は、高齢者施設での火災事故を踏まえ、都内の未届け施設に対し、関係機関と連携して届け出指導を行ってきた結果、本年八月末までに六件の届け出がございました。今回新たに社会福祉士や消防署員、区市の建築指導担当職員等から成る緊急対策チームを適宜編成し、施設設備やサービス提供の実態を調査するとともに、届け出促進に向けた指導を強力に行っております。
 また、未届け施設の情報の共有化等を図るため、東京消防庁や区市と連絡協議会を設置するなど、今後とも関係者間で連携しながら指導を徹底してまいります。
 次いで、他県における都民専用の特別養護老人ホームの整備についてでありますが、特別養護老人ホームの運営基準において、施設は正当な理由なくサービスの提供を拒んではならないとされており、利用者を特定した特別養護老人ホームを設置することは認められておりません。都民専用の施設の設置はこの運営基準に抵触するとされており、困難でございます。
 次に、他県にある特別養護老人ホームの都民の入所状況や指導についてでありますが、入所状況につきましては、保険者である区市町村が住所地特例の管理事務として把握をしております。
 また、施設に対する指導については、介護保険法に基づき、当該施設が所在する都道府県が行っております。
 最後に、介護サービス基盤の整備についてでありますが、都では、介護サービス基盤整備のため、未利用の都有地の減額貸付を行うとともに、区市町村みずからが学校跡地などを事業者に貸し付けた上で独自に整備費を補助した場合は、包括補助事業による補助を行うなど、区市町村有地の活用を促しております。
 さらに、平成二十年度から、特別養護老人ホーム等について、高齢者人口に比べ整備状況が十分でない地域の補助単価を最高一・五倍に加算するなど、地域バランスを勘案しながら整備の促進に努めているところであります。
   〔都市整備局長河島均君登壇〕

○都市整備局長(河島均君) 八ッ場ダムの建設費負担金についてのご質問にお答えいたします。
 八ッ場ダムは、特定多目的ダム法に基づきまして、流域の一都五県の合意のもと、国により建設が進められております。関係都県の知事が事業継続の意見を表明しているにもかかわらず、国の方針としてダムを中止する場合には、国は法に基づき建設費負担金を返還することとなっております。
 仮に事業が中止されるような場合には、都民に損害を与えないよう、国に納付額の返還を請求することは、法的にも至極当然のことでございます。
 八ッ場ダムは関係都県のすべてが必要不可欠としている施設であり、都としても、国に対し事業の継続と早期完成を強く求めてまいります。

議長(田中良君) 四番桜井浩之君。
   〔四番桜井浩之君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○四番(桜井浩之君) 都議会自由民主党の桜井浩之です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 最初に、東京都の観光振興について伺います。
 現在、世界的な金融危機による景気後退に加え、新型インフルエンザ発生の影響などを受けて、観光は極めて厳しい状況にあるといえます。しかし、世界観光機関によると、世界観光客数は現在の九億人から、二〇二〇年には十五億六千万人に増加すると予測されております。また、来年十月には羽田空港の新滑走路が開設、国際化され、さらに、成田新高速鉄道の開通により、成田と都心が最短で三十六分で結ばれるなど、東京を訪れる旅行者にとって利便性が飛躍的に向上します。こうした機会をとらえて、都ではどのように観光振興の取り組みを行っていくのか、所見を伺います。
 また、現在、都内の各地域においても、観光振興の取り組みは活発になっております。私の地元墨田区においても、国際観光都市すみだを目指し、昨年一月、墨田区観光振興プランの策定がなされました。また、本年四月には、区民、事業者、行政が総力を挙げて観光振興に取り組むための牽引役となる、二十三区内で初めての観光協会を法人化するなど、観光振興に向けた機運が急速に高まっております。
 東京が世界有数の観光都市となるためには、地域におけるこうした機運を的確にとらえ、地域の観光資源の活用に対する取り組みを支援していく必要があると考えます。今後、都は、地元区市町村などと連携した取り組みをどのように推進していくのか、所見を伺います。
 前述の質問も踏まえ、平成二十四年春には、六百メートル級の東京の新たなランドマークタワーとなる東京スカイツリーが墨田区押上・業平橋地区に開設されます。現在は百三十メートル、ことし十二月には二百メートル規模まで建設が進むと報告を受けております。石原知事におかれましては、私みずからがご案内いたしますので、ぜひ一度視察においでいただけることを要望申し上げます。
 これは、東京タワー開設から五十年、テレビの地上デジタル化の対応もさることながら、観光資源として半世紀に一度というビッグチャンスが訪れることとなります。こうした機会を活用し、一層の観光振興に取り組むべきと考えますが、知事のご所見をお伺いします。
 次に、指定管理者制度について伺います。
 昨年度の第三回定例会以来、都議会自由民主党は、これまでの量にウエートを置いた行革は、都庁のむだをなくし、スリム化するという大きな成果があったが、アウトソーシングの推進に関しては、真に住民サービスは向上しているか、行政としてコントロール責任を果たしているか、実態に応じた検証が必要であることを指摘してきました。
 指定管理者による施設の管理運営状況については、先般、平成二十年度の評価結果が公表され、個々の施設において適切な管理運営がなされていることは理解いたしましたが、制度が本格的に導入されて三年が経過し、今後多くの施設が指定期間の更新期を迎える中、制度自体についても検証し、見直していくことが必要です。
 都は、これまでの我が党の指摘を踏まえ、指定管理者制度についての検証に取り組んでいると聞いておりますが、その具体的な取り組み内容と評価について伺います。
 指定管理者制度については、行政の責任や役割を果たすという大きな視点から、都の政策と連動した指定管理事業への監理団体の活用のあり方等について議論を進めてきました。監理団体については、見直すべきところは見直しつつ、都政の現場を担う重要なパートナーとして、人材交流を深めていくなど有効に活用していくべきという認識のもと、この六月に我が党の報告書をまとめたところでございます。
 今後、報告書の提言内容や検証結果を踏まえ、どのような考え方やスケジュールで指定管理者制度の見直しを進めていくのか、所見をお伺いいたします。
 次に、自転車の都規則改正について伺います。
 平成二十一年七月一日施行された東京都道路交通規則の一部改正についてでありますが、都民の中には、自転車が道交法上、軽車両という位置づけにあり、規則が定められていることに認識がない方が多いと感じます。 したがって、このたびの都規則改正に伴い、この改正点と自転車が軽車両である旨を周知するために、現在行われている交通安全運動等を活用し、チラシ等を配布したり、警告書による警告を積極的に行うなど、周知強化をすべきであると考えますが、警視庁としてはどのような広報啓発方法を実施していこうと考えているのか、警視総監のご所見を伺います。
 次に、自転車運転のマナーが悪く、そして警察官の警告等にも従わないような、いわゆる悪質な運転者をまち中でよく見かけます。警視庁がこれらの取り締まりを行っていることは十分承知をしておりますが、マナーの悪い悪質な者に対しては毅然とした対応をすべきであると考えますが、今後の取り締まり強化対策としてどのように取り組まれるのか、警視総監の所見を伺います。
 また、自転車利用者に対する広報啓発や悪質な運転の取り締まりとあわせて、歩行者と自転車がともに安全で快適に通行できる道路環境を整備することも重要と考えます。
 都は、自転車走行空間の整備に力を注いでおり、例えば、私の地元区内の浅草通りでは歩行者と自転車がともに安心して通行できる空間ができ、大変喜ばれております。都は、こうした自転車走行空間の整備を一層推進すべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、違法駐車取り締まりについて意見を申し上げます。
 平成十八年、道路交通法改正により、放置違反金制度の創設、短時間駐車の違反車両に対する取り締まりの強化、放置車両の確認及び関連事務の民間委託が実施、継続されております。改正の根拠は万民に理解できるとともに、交通渋滞の緩和や事故件数の減少として成果が顕著にあらわれているのは、周知の事実であります。
 しかしながら、改正の根本は、悪質な駐車違反や放置車両をしっかりと取り締まるということであると考えます。現代の車社会の中で、車の使用目的は千差万別でありますが、経済活動を考えた中では、行き過ぎた規制というものは、場合によっては大きなマイナス要因を生み出すこともあると私は思います。
 これは、都内各地の地域性も大きくかかわるものであり、駐車場完備が進まない地域、商店やまち工場が密集している地域、特に下町などは、古くからのまち並みが形成されていることから、道路の幅員の問題、交通の利便性の悪さからも、車の使用に当たっては、譲り合いなどコミュニケーションを図りながら、気を使っているわけであります。
 したがって、一律一斉取り締まり強化というものが都民にとって本当によいのか、疑義を生じる場面も多々あります。目下不況にさらされている中小零細企業、また、家内工業や商店におきましては、大変厳しい経済環境にさらされており、その中で、この規制強化によって顧客を失っているところも多く見受けられるところであります。
 従来よりありました交通巡視員さんの一声、これが大変優しさを感じるのは私だけでしょうか。民間委託の監視員の方々は一生懸命使命を果たしていることも、よくわかっております。しかし、まち場に根差した各警察署による、地域性を考えた、心ある取り締まりを切に要望するものであります。
 次に、高齢者対策について伺います。
 石原知事は、さきの所信表明において、自宅で暮らす都民が、必要とする介護などの支援をより幅広く受けることができるよう、従来の在宅と施設の両者の長所をあわせ持ったケアつき住まいの新しいモデルについて言及されました。
 私の地元墨田区では、ことし三月に発生しました静養ホームたまゆらの火災事故で、墨田区からの入居者が多く犠牲となりました。当時、私は区議会の所管委員でもあり、大きな衝撃を受けるとともに、区としても大問題になったわけであります。
 今回の事故の背景には、都内において、低所得で介護が必要な高齢者を受け入れる施設が不足していることが挙げられます。そして、地価が高い東京において、この対象となる福祉施設の整備を進めることは、今日非常に困難な状況にあるといえますが、しかし、今後、高齢化が一層進む東京において、二度とこうした悲劇を繰り返さないためにも、一定の水準を確保しつつ、低所得で要介護の高齢者を受け入れる、いわば認証高齢者施設とも呼ぶべき施設を都内において早急に確保すべきであると考えますが、所見を伺います。
 最後に、子育て支援について伺います。
 近年、離婚をする世帯が増加し、子育て支援施策にも、その対応に課題が生じていると考えます。その中で、父子家庭に対する支援は、母子家庭と比べて十分でないのではないかと私は思っております。父子家庭は、総じて母子家庭より平均収入が高いとされておりますが、個々の家庭を見れば、母子家庭と同様の収入しかない家庭もあるわけです。母子家庭に限らず、父子家庭に対しても、支援を必要とする家庭に対しては同様の支援をすべきではないか、所見を伺います。
 以上で私からの一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 桜井浩之議員の一般質問にお答えします。
 スカイツリーの開設を踏まえた観光振興についてでありますが、東京には欧米の都市にない日本独自の伝統文化や、近未来的な都市空間並びに先端技術の集積に加えて、多摩や島しょ地域の自然、豊かな水辺空間など、さまざまな観光資源が存在しております。
 スカイツリーは新たな観光資源となるものでありまして、東京全体の観光振興に非常に大きな寄与をするものと期待しております。既に地元の墨田区やその周辺地域では、新たな観光名所となるスカイツリーの開設を、旅行者を呼び込む絶好の機会ととらえ、観光振興に取り組む機運が高まっていると聞いております。
 また、近隣には隅田川などがありまして、その水辺空間は観光資源としてさらなる活用が可能であります。
 実は、先般、建築家の安藤さんと一緒に、隅田川の再開発といいましょうか、もうちょっと積極的な観光化のために参りましたときに、あの建築現場を見てまいりました。
 こうした地域の特色や新たな観光資源など、地域の魅力を生かした観光振興を、今後とも推進していきたいと思っております。
 しかし、加えて大事なことは、ローカル放送の既存のルールでは、その地域のローカル放送というのは、その地域に存在するタワーでしか電波を飛ばせないんだそうですね。これはね、今度、このスカイツリーができますと、少なくとも東京にあるローカル放送というのは、ほとんど関東一円、恐らく遠くは山梨、静岡、群馬まで電波が飛ぶでしょう。そうすると、東京におけるローカル放送の意味合いとか価値が変わってきまして、かなり大きな変化がもたらされるんじゃないかという気がいたします。これも非常に大きなメリットになるのではないかという気がいたします。
 他の質問については、警視総監、東京都技監及び関係局長から答弁いたします。
   〔警視総監米村敏朗君登壇〕

○警視総監(米村敏朗君) 東京都道路交通規則の一部を改正する規則の今般の改正内容の周知強化方策など二問のご質問にお答えをいたします。
 初めに、東京都道路交通規則の改正内容及び先ほど議員がご指摘をされました、そもそも自転車は道路交通法上、軽車両であるということを踏まえた上での通行ルール、自転車利用ルール、この周知徹底ということが極めて肝要であろうかというふうに思っております。
 したがいまして、これにつきましては、警視庁ホームページや東京都公報等への掲載を初め、各警察署、運転免許試験場における交通安全教育や各種講習会、あるいはさまざまなイベントなどなど多くの機会を通じて、幅広く広報、啓発に努めているところであります。
 また、街頭における警察活動においても、自転車利用者の違反者といいますか、危険な利用者に対して指導警告カードを交付するなど、積極的にその注意を促しているというところであります。ちなみに、ことしは八月末現在で、この種の指導警告カードというのは十万二千件を超えて交付をしているという状況であります。
 いずれにしましても、自転車は車であるということをよくよくご理解をいただいて、その上で通行ルールを守っていただくということについて、都民の皆様にわかりやすい広報啓発活動を引き続き行っていきたいというふうに考えております。
 その上で、悪質な自転車利用者の交通違反に対する取り締まりの強化についてでありますが、当庁では、各種の警察活動を通じて恒常的に自転車の利用者に対する交通指導取り締まりを行っているほか、全署一斉の自転車指導取り締まり強化日を毎月指定するなどして、集中的な指導警告や取り締まりを実施をしております。
 そうした中で、議員ご指摘の警察官の指導警告に従わない悪質な交通違反者については、自転車といえども交通切符を適用するなどして厳格に対処をしているところであります。
 まずは自転車利用者のマナー向上につながる、この種の広報啓発、指導警告、さらには取り締まりということを今後とも継続してまいりたいというふうに考えております。
 以上です。
   〔東京都技監道家孝行君登壇〕

○東京都技監(道家孝行君) 自転車走行空間の整備についてのご質問にお答えいたします。
 自転車は広く都民に利用される重要な交通手段の一つでございまして、歩行者と自転車がともに安全で快適に通行できる空間の整備が重要であると考えております。都は、「十年後の東京」への実行プログラムに基づき、浅草通りや国際通り、東八道路で広い歩道を活用して、また、環状第六号線や調布保谷線などでは、道路の新設や拡幅に合わせて、歩道内で自転車が走行できる空間の整備を進めております。さらに、旧玉川水道道路では、交通管理者と連携いたしまして、車道部分に自転車レーンを整備しております。
 今後も、区市町村との連携を図りながら、多様な手法を用いて、安全で快適な自転車走行空間の整備を積極的に推進してまいります。
   〔産業労働局長前田信弘君登壇〕

○産業労働局長(前田信弘君) 観光振興に係る二点のご質問にお答えいたします。
 まず、羽田空港の国際化の進展等を踏まえた観光振興の取り組みについてでありますが、羽田空港の再拡張、国際化によりまして、訪日外客数の七割強を占めるアジアを中心に、さらに多くの旅行者が見込まれます。また、成田空港のアクセス向上と増便は、世界各国からの旅行者誘致を促進するものと考えております。
 都はこれまで、観光プロモーションやウエブサイトによる情報発信など、外国人旅行者の誘致に向けてさまざまな観光施策を展開してまいりました。こうした中、今回の好機を着実に外国人旅行者誘致の促進に結びつけるため、アジア地域等に対し、旅行の目的地としての東京の魅力をより強く発信していくとともに、観光情報センターの羽田空港新国際線ターミナルビルへの移転を予定するなど、受け入れ体制整備を推進してまいります。
 次に、観光振興における区市町村等との連携についてでありますが、都内各地において、地域の観光振興のための主体的な活動を展開する区市町村や地域団体が増加しつつあります。東京の観光振興を図るには、こうした地域の取り組みが極めて重要であります。
 都はこれまでも、ものづくりや伝統工芸など各地の特色ある産業を生かした観光ルートの整備や、情緒あるまち並みの保全、創出に取り組む地域団体に対しまして地元自治体と連携して支援するなど、旅行者を引きつける魅力づくりを推進してまいりました。
 今後も、意欲的に観光振興を進める区市町村や団体と連携し、その取り組みを支援してまいります。
   〔総務局長中田清己君登壇〕

○総務局長(中田清己君) 指定管理者制度に関します二点のご質問にお答えいたします。
 まず、指定管理者制度の検証についてでございますが、制度を所管する総務局におきまして、全事業者を対象としたアンケート調査や複数の事業者に対するヒアリング、現場調査などを実施してまいりました。事業者からは、制度自体についておおむね高い評価を得ておりますが、一方で、質の高い行政サービスを安定的に供給する視点も重視すべきであるといった意見もいただいております。
 こうしたことから、制度自体は適切に運用されていると考えておりますが、都民サービス向上の観点から、現場の声を的確に吸い上げ、運用面でのさらなる改善が必要と認識しております。
 次に、指定管理者制度の見直しについてでございますが、ただいま申し上げました検証結果を踏まえ、現在、制度の対象となる公の施設につきまして、おのおのの特性に応じた適切な運用や継続的な管理運営の実施に向け、検討を進めております。
 具体的には、都の施策との連動性が高い施設などには、行政支援、補完機能を担う監理団体を適切に活用することや、良好なサービスを安定的に提供するため、指定管理者へのインセンティブ確保を図る仕組みを導入するなど、運用の見直しを進めております。
 今後、報告書の提言や都議会での議論、関係局との協議などを踏まえながら、平成二十一年度中を目途に、指定管理者の選定等に関する指針の改定を行ってまいります。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) 二点についてお答えを申し上げます。
 低所得で要介護の高齢者のための施設についてでありますが、都では、先般の未届け施設における火災事故などを踏まえ、高齢者が住みなれた地域で安心して住み続けられるよう、プロジェクトチームを設置して検討を進めております。地価が高い都市部において高齢者住宅や福祉施設などを確保するためには、国が全国一律で定めた面積基準等の緩和が必要であることから、国に対して提案要求を行いました。
 今後、国の動向やプロジェクトチームでの検討も踏まえ、保険者である区市町村と協力し、低所得者でも利用が可能で緊急時対応や安否確認等の機能などを備えたケアつき住まいのモデルの実現に取り組んでまいります。
 次に、父子家庭への支援についてでありますが、都は、父子家庭に対して、日常生活の相談や就業支援、家事や育児の支援などを行うとともに、都独自の児童育成手当についても、母子家庭と同様に支給をしております。
 一方、国制度である児童扶養手当等については、対象を母子家庭に限定しているため、国に対し、父子家庭も対象とするよう提案要求しており、今後とも強く働きかけてまいります。

副議長(鈴木貫太郎君) 百二番花輪ともふみ君。
   〔百二番花輪ともふみ君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○百二番(花輪ともふみ君) まず、都営住宅の地域福祉への活用について伺います。
 私は、都内各所で実施されている老朽化した都営住宅を建てかえる機会に合わせて、お年寄りや障害者のグループホーム、また保育園など、地域の実情に応じた福祉施設の整備を積極的に進めるべきだと考えています。
 先日、障害者のグループホームを運営するNPO法人の方から、次のようなことをいわれました。都営住宅の建てかえに合わせて市区町村や社会福祉法人が福祉の施設をつくる場合には都は敷地を貸してくれるけど、NPOがつくろうとすると貸してくれないとのこと。局に確認したところ、都は建てかえに当たり要綱をつくり、市区町村が福祉施設の設置主体になる場合は敷地を無償で貸し付け、社会福祉法人が主体になるときには三〇%減額で貸し付けるとしています。しかし、そもそもNPO法人は想定していないとのことでした。
 そもそもNPO法人を想定していないということも問題なんですが、市区町村ならただなのに、社会福祉法人だとお金を取るということにも疑問を感じます。
 これまでは役所が福祉の担い手の中心でした。しかし、近年、社会福祉法人やNPO法人、医療法人、株式会社などへと、その担い手は変わってきています。例えば、障害者のグループホームの都内設置状況を見たとき、居住者全体の七百九十五のうち、社会福祉法人は五百十四、NPO法人は二百三十八、そのほかは三十五、区市町村はわずか八にすぎません。
 また、各法人が区から土地を借りて施設をつくる場合は、都営住宅の土地と違って無償が多いとも聞いています。
 さきの要綱は、平成十二年に改定されたままです。しかし、社会を取り巻く福祉の環境、その役割分担は大きく変わってきています。取り残されることのないよう、時代に合わせた対応をすべきと考えます。
 さらに、今後、大規模な都営住宅の集約、高層、建てかえにより新たに生み出される余剰地は、十年間で六十ヘクタールともいわれています。大変広大で、福祉にとっては魅力的です。これらの土地が各地域の福祉施策の一層の増進に役立つよう、建てかえに際しては、福祉保健局など各局との調整はもちろんのこと、さまざまな地域福祉の担い手や地元自治体、また、地域住民の意見にしっかりと耳を傾けていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、外郭団体について伺います。
 外郭団体のうち監理団体の改革については、石原知事就任以降これまで、積極的な取り組みをなされていると認識をしています。団体数は、平成十一年度の六十四団体に対し、現在三十三団体と、三十一団体削減し、契約情報や幹部職員の再就職情報なども、徐々にではありますが、透明化が進んでいます。
 しかし、先日、私が局に、削減された三十一団体はどこに行ってしまったんですか、会社を清算したり、または解散したんですかと伺ったところ、幾つかは統合もしましたが、多くは報告団体になりましたということです。報告団体とは、都からの出資比率が二五%未満で、自立的経営を行っていて、全庁的指導を行う必要がない団体とのことです。
 この間の改革の中で、報告団体へと指定解除された元監理団体の数は二十一団体。削減したはずの三十一団体のうち二十一団体は、名前を変えただけのようにも見えます。監理団体と報告団体は、どのような考え方で区分けを行っているのか、お聞かせください。
 次に、これら報告団体の情報開示について伺います。
 報告団体は、全部で五十二団体。監理団体に比べ都の出資割合が低いとはいえ、税金から多額の出資がなされています。また、都との関与が低いといいますが、都の幹部職員の再就職、いわゆる天下りはたくさんあります。その数は六十五人。監理団体への五十五人を上回っています。
 私は今回の質問を行うに当たり、議会局を通じ各局へ、報告団体が行う随意契約、さらに、報告団体が出資する子会社、また、子会社への都幹部職員の再就職状況の報告を求めましたが、ほんの一部を除いて、当該情報を把握していないとのお答えでした。
 監理団体に関しては、何度となく質疑を行い、一定の情報開示が進んでいます。しかし、その陰で、改革という名のもと、監理団体が報告団体という報告しなくてよい団体へと衣がえしてしまっていたのでは、改革の中身そのものが疑われます。監理団体だった団体が、わざわざ都からの出資を基準の二五%未満に落としたり、また、子会社ばかりでなく孫会社までつくっている、そんな団体もあると聞きます。自立的経営を行っていて、関与が低いほうがいいというのであれば、出資も天下りも引き揚げてはいかがですか。
 私は、報告団体についても、監理団体と同様の情報開示を進めるべきと考えますが、お答えください。
 国では、省庁の仕事を天下り先が随意契約で受け、その天下り先がつくった子会社がその仕事を受け、またその子会社がなどという形で多くの税金がむだに使われていることが明らかになり、天下りに関する社会の認識も厳しさを増しています。天下りをなくしてほしい、これも国民の思いです。こうした状況にあって知事は、幹部職員の天下りについてどのようにお考えか、所見を伺います。
 次に、八ッ場ダムについて伺います。
 八ッ場ダムの建設中止を公約に掲げた民主党の総選挙勝利を受け、今、国民の目が八ッ場ダムに向けられています。そこで、八ッ場ダムの必要性について伺います。
 まず、その治水の効果についてです。
 そもそもの八ッ場ダムの計画は、昭和二十二年のカスリーン級の台風の再来に備えるため、利根川の上流に治水ダムをつくる、そういう必要があるということから始まりました。ところが、昨年六月の衆議院における政府の答弁書で、国交省は、カスリーン級の台風が再来した場合、利根川の洪水ピーク量は、八ッ場がある場合も、ない場合も同じで、八ッ場ダムによる治水効果はゼロであることを明らかにしています。
 一方、国交省は、八ッ場ダムは二百年に一度の大雨に備えるため、どうしても必要だといっています。ダムがないと、東京だけで九十九万人、七十七平方キロメートルに及ぶ被害が発生し、その被害額は一兆三百四十四億円ふえるということです。もし、これがそのとおりであるなら、大変なことです。
 しかし、私が伺った中では、それでは二百年間安心にするために、八ッ場ダム級のダムは、あと幾つあればいいのですかとの問いに対する明確な答えはないようです。国交省では、コンピューターで難しい計算をしているし、その道の専門家である学者の先生たちが検討して出した結果だから、予測に疑う余地はないとしています。であれば、あとどれだけダムをつくれば安心になるのか、示してほしいものです。
 日本の公共事業は、つくりたい側の意思が働き、えてして過大に見積もられます。日本で最大級のダム計画にかかわる自治体として、治水におけるダムの必要性を、このような国交省任せにせず、みずからの責任において検証し、明らかにすべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、利水について申し上げます。
 東京の水の需要は、この三十年間、右肩下がりです。八ッ場ダムが完成するといわれている平成二十七年には、都も人口減少の時代に入ります。しかし、都が作成している水の需要予測は古いデータに頼ったもので、右肩上がりに水の需要はふえ続け、水が足りないのでダムがもっと必要だというものです。
 水の需要予測は、ダムの建設の是非を論じるに当たって大変基本となるデータです。私たちは、この間幾度となく、最新のデータに基づく水の需要予測を求めてきました。しかし局は、現時点では過去のデータとの乖離が認められない、予測を見直す必要はないとの一点張りです。今回もお尋ねしましたが、考えは変わらないということなので、答弁は求めませんが、これを機に、最新のデータに基づく需要予測を行い、ダムの必要性を示すべきと申し上げておきます。
 次に、事業費について伺います。
 事業費については、予定している四千六百億円のうち、既に三千二百億円も使っており、さらに、ここで中止をすれば、国は、都や県がこれまで負担している負担金を返還しなくてはいけないから、やめる方が余計にお金がかかる、だから続けた方がいいのではないかと主張する声があります。しかし、このまま工事を続けた場合、本当に四千六百億円で済むのでしょうか。
 平成十三年、国交省は、八ッ場ダム事業の工期を十年間延長しました。そしてその三年後、事業費を二千百十億円から四千六百億円とはね上げました。さらに昨年、工期をまた五年延長しています。
 建設工事などでは、工期が延びれば事業費も増加するということは常識であると聞きます。また、地すべりなどの危険箇所の対策に、当初予定していなかった費用が必要になってくるというようなことも明らかになっているようです。このまま工事を続ければ、事業費が再増額される可能性が大変強いかと思います。心配です。
 さらに都は、負担金に対して、これまでどのような工事に幾ら使ったか、またどのような調査に幾ら使ったか、それぞれの道路の進捗状況はどれほどか、それらをしっかりと把握してきたのでしょうか。毎年、国交省から送られてくる請求書どおりに、その明細確認もせずに負担金を支払っていたということはないのでしょうか。
 また、国交省任せに支払ってきた負担金を返還させる、させないは、あくまで国と自治体のお金のやりとりの問題であって、行政間で調整すればいい話です。事業をやめたら地方にお金を返すから余計お金がかかるというのはおかしな話で、国民のお財布には関係ない話です。
 さきの総選挙での国民の願いは、必要のない公共事業で自然を破壊したり、税金のむだ遣いをすることをやめてほしいということなんです。
 今後の事業費についても、新しい政府に情報の開示を求め、徹底的に検証すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 私は、八ッ場ダム事業を見直した場合、ダム中止後における地域の人々の生活再建は何にも優先して進めるべきだと考えています。
 ダムの本体工事が中止になったからといって、やりかけている道路や鉄道のつけかえ工事も取りやめて、今のまま放置するというわけにはいきません。それについては、しっかりとやり遂げることが必要だと思います。しかし幸いなことに、ダムの本体工事にはまだ一ミリも取りかかっていません。今なら間に合います。
 民主党は、八ッ場ダム建設の中止の公約に先立って、ダム事業の廃止等に伴う特定地域の振興に関する特別措置法案の骨子案を発表しています。
 これは、ダム事業がないと、地域活性化も望めないという現状を改め、事業をやめても、その地域に住み続ける人が希望を持てるようにするための法案です。
 今、地元地域の皆さんは、ダム事業の中止という新たなる不安に悩まされています。私は、事業が中止になった場合でも、このような法律に基づき、ダム計画により、手を入れることがずうっとできずにきて老朽化してしまった家屋などの新改築、生活再建のための物心両面の支援、衰退した地域の産業の再生、移転した方々を呼び戻すためのこれまで買収してきた土地の安価での譲渡など、地域へのさまざまな取り組みを、間を置かずに住民の皆さんとひざ詰めで話し合いながらなされなければならないと思っています。
 そしてそれは、一度決めてしまったからといって、ないよりはあった方が安心だとか、情報の開示をそういうことで拒み続けてきた、また、社会の状況が変わっているとわかっているのに事業の再評価を怠って地元の人々を半世紀以上も苦しめてきた国、そして国に追従してきた下流都県が、しっかりと責任を持って進めていくべきものと考えています。
 そこで伺います。鳩山次期総理は八ッ場ダム事業の見直しを表明しています。
 笹本議員からも申し上げましたが、さきの総選挙での国民の意思を尊重し、都も、新しく発足する政府に協力して八ッ場ダム事業を見直して、あわせて地域住民の生活再建を速やかに進めていくべきと考えますが、知事の答弁を求めます。
 私は、この八ッ場ダムの問題が、さまざまな苦難の道を強いられてきた住民の皆さんの思いを振り返り、そこに心を寄せ、これまでの日本の国の公共事業のあり方を反省し役所の仕事の仕方を問い直すものになること、これを願ってやみません。
 以上で質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 花輪ともふみ議員の一般質問にお答えいたします。
 都幹部職員の再就職についてでありますが、早期に退職の勧奨を受け、渡りを繰り返す国家の公務員とは違いまして、都の幹部職員は、定年またはその直前まで働いた後、監理団体等でその知識、経験を生かして活躍しております。
 また、知事就任直後に監理団体の退職金を全廃するなど、不断の改革に取り組んでおりまして、都における再就職は、国の天下りとは大きく質的にも違っていると思います。
 監理団体などにおいて業務を遂行するには都政にかかわる知識、経験が必要不可欠でありまして、退職後の都幹部の職員を活用することは、各団体の適切な運営に寄与すると考えております。
 一方、いうまでもなく、公務員に対して都民、国民の厳しい目があることは承知しております。都幹部職員の再就職に関する透明性の向上など、正すべき点があれば直ちに正すよう常々厳命しております。
 部課長級の再就職情報の公表についても、相手先の意向、相手先での役職等も勘案しながら検討するよう既に指示をしておりまして、今後とも必要な見直しは進めてまいります。
 次いで、八ッ場ダム事業についてでありますが、八ッ場ダムの建設により利水と治水の恩恵を受ける関係都県はいうまでもなく、今では水没地の関係住民も一致団結して、一日も早いダムの完成とこれを前提とした生活再建を切望しております。
 地元では、ダム事業は公共事業ではなく、失った五十数年の生活を取り戻す生活福祉事業ととらえております。ダム湖を中心とした新しい観光地づくりに取り組もうとしております。ダムを中止して生活再建だけを進めることは、こうした地域住民の心情を全く無視するものであると思います。
 選挙の公約について申されますが、選挙というのは非常に複合的、重層的なものでありまして、特に今度の総選挙は、その一番のモーメントはエニシング・バット・自民党ということであったと思います。ゆえに民主党は大勝されたわけでしょうが、しかしその結果が、民主党の公約のすべてを国民が是としたことでは絶対ないと思います。
 今すべきことは、関係都県によるこれまでの生活支援策を継続しながら、ダムを一日も早く完成させることである。ダムの事業の中止は全く考えておりません。
 恐らくこの問題は、七割完成しているプロジェクトというものをこれからどうするか、かかった費用も膨大でありますが、私は、メディアを通じて国民の討論、批判の対象になり得るものと思っていますし結果がどうなるか予測し切れませんけれども、国民はこの問題についてごくごく妥当な世論というものを形成して結果を待つと思います。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔都市整備局長河島均君登壇〕

○都市整備局長(河島均君) 都営住宅及び八ッ場ダムに関する三点の質問にお答えいたします。
 まず、都営住宅建てかえ時の福祉施設の整備についてでございますが、建てかえに当たって、老朽化した住宅を更新するとともに、地域のまちづくりに配慮しながら事業を進めることが重要でございます。
 これまでも都営住宅建設に関連する地域開発要綱に基づき、地元区市と連携し、保育所、高齢者在宅サービスセンターなどの施設を整備しております。
 また、建てかえで創出する用地につきましても、事業に支障のない範囲で、地元区市の要望を踏まえ関係局とも連携しながら、多様な主体による福祉施設の整備を支援しております。
 今後とも、建てかえに合わせ、福祉施設の整備を積極的に支援することにより、地域のまちづくりに寄与してまいります。
 次に、八ッ場ダムの治水面での必要性についてのご質問でございます。
 都は、八ッ場ダムの建設に関する基本計画の策定や変更に際しまして、国から必要な資料の提供や説明を受け、その都度内容が妥当であることを確認しております。
 なお、お話の中で、政府答弁書において、カスリーン台風が再来した場合、八ッ場ダムの治水効果はゼロであるとしているとのご指摘がございました。
 これは、昭和二十二年のカスリーン台風の際にたまたま吾妻川の上流域における降雨が少なかったためでありますが、このことをもってこの流域に建設される八ッ場ダムの治水効果を否定することは、今後同程度の規模の台風が吾妻川流域に豪雨を降らせた場合における洪水発生の可能性に目をつぶることになります。
 国におきましては、豪雨がどのように降るかあらかじめ特定できないことから、過去のさまざまな降雨パターンを用いて気象条件を踏まえた検討を行っておりまして、その結果、八ッ場ダムの治水効果はあるとの結論を得ております。
 さらに、さきの東京地裁の判決におきましても、ダムの治水対策上の必要性が認められているところでございます。
 最後に、八ッ場ダムの事業費についてでございますが、都は平成十六年に国との間で、コスト管理等に関する連絡協議会を設置いたしました。その後、国と一都五県へと拡大された同協議会の場におきまして、国から必要な資料の提供や説明を受け、コスト縮減について検討を行ってまいりました。
 こうした取り組みにより、これまで橋梁の施工計画の見直しや仮排水トンネルの延長の縮小など、さまざまな工夫による工事費の圧縮が図られております。
 今後とも、コスト管理の徹底に努めながら事業を推進するよう、引き続き国に強く求めてまいります。
   〔総務局長中田清己君登壇〕

○総務局長(中田清己君) 監理団体等に関します二点のご質問にお答えします。
 まず、監理団体と報告団体の区分けについてでございますが、監理団体は、都政の現場の一翼を担うなど行政を支援、補完する団体であり、一方、報告団体は、公益性があるため都からの出資等を行っているものの、都政との直接的な関係は薄く、みずからの経営責任のもと自主的な経営を行う団体でございます。
 このため、監理団体に対しましては所管局のみならず総務局が全庁的な立場から指導監督を行う一方、報告団体に関しましては所管局が決算や職員数など運営状況に関する報告を受け、出資者等の立場から関与を行っております。
 個々の団体の区分けに当たりましては、単に出資比率のみではなく、都政との関連性などを勘案し判断しております。また、状況の変化に応じまして、監理団体から報告団体、報告団体から監理団体、こういった区分けの変更も行っております。
 次に、報告団体に関します情報開示の推進についてでございますが、報告団体は、先ほど述べましたように、公益性の観点から都からの出資等の必要性はあるものの、都政との直接的な関係は薄い団体でありまして、その情報公開に関しましては、みずからの経営責任における判断のもとで実施すべきものであると考えております。
 このため、監理団体と同様に、都から報告団体へ契約情報の公開などを求めることは、報告団体の自主性を尊重する観点から適切ではなく、またその事業執行にも多大な影響を与えかねません。
 一方、都が実施します都幹部職員の再就職情報の公表に関しましては、知事の答弁にありましたように、今後、相手先の意向、役職等も勘案しながら、透明性を一層向上させるべく適切に取り組んでまいります。

議長(田中良君) 八番山内れい子さん。
   〔八番山内れい子君登壇〕

○八番(山内れい子君) 私はこれまで、国立市で、歩行者、自転車のための道、まちづくりにかかわる市民活動をしてまいりました。それらの活動を通して、市民が計画から実施まで各段階で主体的に参画することは、まだまだ少ないと感じております。
 そこで、特に、これからの道路つくりにおける市民参加のあり方について伺います。
 とかく賛否両論がある道路建設では、住民説明会は開かれても合意形成に至るまでは難しいことが多いようです。しかし、十分な市民参加でつくられた道路には、市民の愛着もわくのではないでしょうか。
 例えば、調布保谷線では、調布地区において市民参加で環境施設帯整備が行われ、すばらしい歩行者、自転車環境が整い、これから三鷹地区の整備に着手するとのことです。私も実際に歩いてみて、地域の方々と東京都が一体になって道をつくり、守り、育てていくまちづくりの姿勢を感じました。住民参加で環境に配慮した道路整備の事例として、各地から視察が相次いでいるとも聞いております。ここをモデルとした道づくりが広がっていくことを望みます。
 そこで、東京都の道づくりの試みとして高く評価できる調布保谷線における、これまでの市民参加の取り組みと今後の進め方について伺います。
 次に、自転車利用の促進について伺います。
 ヨーロッパの諸都市では、自転車利用促進の仕組みが広がっています。パリでは、自動車削減計画と公共交通機関の整備の両面から進め、道路についても現行の規制を強化し、路上駐車スペースの削減、自転車道の整備などを進めた結果、自転車道は一九九五年には八キロしかなかったのが、二〇〇八年には三百七十キロメートルにまで延長されました。こうした取り組みの結果、温室効果ガスの削減など大きな成果を上げているとのことです。
 環境省も温暖化対策として自転車利用に着目しており、札幌市と千代田区丸の内で、レンタサイクルの社会実験を始めるそうです。東京のまち中で自転車利用促進をさらに具体化していくことは環境面からも効果のあることと考えますが、環境局の取り組みについて伺います。
 これまで道路は、自動車交通需要に対応することを重点として整備が進められてきました。その一方で、世界に類を見ないほど公共交通網が整備された東京では、車への依存を減らし、環境負荷を軽減させていくことが可能ではないかと思います。また、身近な生活道路では、人や自転車が安全に通行できる道づくりが必要です。
 知事は、雑誌の対談で東京の魅力を語り、若い人の間でも車を持つことがステータスシンボルではなくなっている、自転車利用についても、かつて霞が関周辺で車のかわりに自転車を使おうとしたと述べています。
 時代を先取りし、先見的な取り組みを行った知事の感性に敬意を表した上で、改めて環境の世紀における道路のあり方について、知事の所見を伺います。
 次に、新型インフルエンザについては、今後、秋冬に向けて、季節性のインフルエンザを大きく上回る感染者が発生することが予想されます。感染拡大を防ぐ意味で、都民への感染予防の周知を行う必要があります。
 既に、学校における予防策については、新学期スタートに合わせ児童生徒など関係者への予防策が進められていますが、高齢者や障害者などの小規模事業所を含む福祉施設への対応も求められています。どのように感染予防の周知徹底を図るのか、伺います。
 また、在宅サービスを提供する事業所は小規模なところが多く、新型インフルエンザへの対応についても不安に感じているところが少なくありません。今後の対応を要望しておきます。
 都民への情報提供という意味では、一般的な予防方法や医療機関の受診の仕方について周知が行われています。また最近は、重症患者の発生や、ワクチンの国における対応など、刻々と情報が伝えられています。こうした情報について、情報弱者と呼ばれる障害者の人たちに対しても、きめ細かく配慮した情報提供は必要だと考えます。
 また、医療機関での対応がスムーズにできないために不安を抱えている人たちもいます。
 特に聴覚障害のある方からは、医療機関での受診の際に医師や看護師に症状を伝えられるのか、医師の指示を理解できるのかといった心配の声が聞かれます。不安を払拭するような対応が必要と思いますが、あわせて都の所見を伺います。
 次に、消費者問題について伺います。
 多くの食品を海外に依存している日本では、消費者は、いつ、どこで、だれが、何を、どうつくったかを確かめてから食品を選びたいと考えています。
 ところが、現在の食品表示は、それに十分こたえる制度にはなっていません。消費者の知る権利、選択できる権利を保障するために、食品表示は基本的な情報です。国において、二〇〇六年に原産地表示を義務化する品目が拡大しましたが、あらゆる加工食品にも原料原産地表示を義務づけてほしいという要望が多く寄せられています。
 歩みの遅い国に対して、東京都では、ことしの六月より調理冷凍食品の原料原産地表示が実施されています。調理済み冷凍食品という限られた食品が対象ですが、最大の消費地である東京都が取り組む意味は大きく、評価するものです。現在の調理冷凍食品の原料原産地の表示の実施状況をお聞かせください。
 東京都の消費生活センターに寄せられた相談のうち、契約、解約に関するものは全体の七割以上、私の地元の国分寺市の消費者相談でも五百七十件中三百七十四件と群を抜いて多くなっています。
 二〇〇七年の国の認定を受けた適格消費者団体が個人にかわって訴訟ができる消費者団体訴訟制度が創設されました。年々悪質商法の手口が巧妙になり、被害の拡大防止と差しとめ請求を行う適格消費者団体の役割はますます重要になってきます。しかし、弁護士や司法書士、消費生活アドバイザーなど、高い専門知識と経験を必要とする活動でありながら、極めてボランタリーな活動に頼っているのが現状です。
 国では、ようやく消費者庁設置法案等の附帯決議において、適格消費者団体等に対する支援のあり方について検討を行うことが盛り込まれました。
 都内には二つの適格消費者団体があると聞いています。都としても、これらの団体に対して、積極的な支援を行うべきと考えますが、所見を伺います。
 最後に伺います。
 昨年、東京都消費生活基本計画を十一年ぶりに改定し、庁内の関係各局から成る横断的な組織をつくり、幅広い施策に取り組んでいます。消費生活対策審議会は都民にどれだけ役に立ったかという視点から、事業実績の確認、評価をするとしており、大いに期待するものです。
 深刻な消費者問題に対応するためには、一人一人の都民が賢い消費者として力をつけていくことが何よりも重要です。消費者被害を未然に防止していくには、高齢者や若者など悪質商法にねらわれやすい消費者に対する的確な情報提供が重要と考えますが、所見を伺い、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 山内れい子議員の一般質問にお答えいたします。
 環境の世紀における道路のあり方についてでありますが、首都東京の骨格を形成する幹線道路の整備は、交通の流れを円滑化し、自動車から排出されるCO2の削減に大きく寄与するなど、低炭素型の都市づくりの推進に極めて重要な役割を担っていると思います。
 このため、就任以来一貫して三環状道路の必要性を訴え、国を動かし、その実現に取り組んでまいりました。外環の都内区間が整備されますと、CO2は年間三十万トン、例の浮遊粒子状物質──すすですね、SPMは、ペットボトル約二十万本分が削減されるなど大きな効果があるはずであります。
 幹線道路の整備により、環境負荷の低減はもとより、ゆとりのある都市空間を創出し、街路樹などの豊かな緑や快適な歩行者、自転車のための空間など、多様な機能を都市の中に発現させていきたいと思っております。
 環境の世紀にあって、幹線道路のネットワークとあわせて質の高い都市環境の形成を図り、世界の範となる環境先進都市東京の姿を国の内外に発信していきたいと思っております。
 なお、他の質問については、技監並びに関係局長から答弁いたします。
   〔東京都技監道家孝行君登壇〕

○東京都技監(道家孝行君) 調布保谷線における市民参加の取り組みと今後の進め方についてのご質問にお答えいたします。
 調布保谷線は、多摩地域の活性化のみならず、神奈川県、埼玉県両県と広域的な連携を強化する南北方向の骨格幹線道路であります。加えて、幹線道路ネットワークを形成することによりまして、交通の円滑化を図り、CO2の削減など広い範囲での環境改善に大きく寄与するものでございます。
 川崎街道から埼玉県境に至る延長十四・二キロメートルのうち七キロメートルが完成または概成しておりまして、現在残る七・二キロメートルで事業中でございます。沿道地域の環境に配慮するため、四車線の車道の両側に十メートルの広幅員の環境施設帯を設け、幅員三十六メートルの道路整備を進めております。
 本年三月に交通開放いたしました調布区間の環境施設帯につきましては、都と地元市、市民から構成されます協議会を設置して、沿道利用のための副道の有無、ゆとりある歩道や自転車走行空間、緑豊かな植樹帯の配置などを検討し、整備してまいりました。
 今後、本格的な整備に着手いたします三鷹─武蔵野区間におきましても、環境施設帯の形態につきまして、住民等との協議会を設置し、検討する予定であります。
 引き続き財源の確保に努め、地元の理解と協力を得ながら、調布保谷線の早期完成を目指し、着実に整備を進めてまいります。
   〔環境局長有留武司君登壇〕

○環境局長(有留武司君) 自転車利用の促進についてお答えいたします。
 地球温暖化対策を進めていくためには、自動車に過度に依存しない交通行動への転換を推進することが必要であります。こうした観点から、都は、環境に優しく、身近で便利な交通手段である自転車の利用を促進しております。
 今後とも、自転車走行空間の整備、交通ルールの遵守などの取り組みとあわせ、地域特性に応じて区市町村等とも連携しながら、先進的な自転車利用の取り組み事例の周知や都民への幅広い普及啓発などを展開してまいります。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) 三点についてお答えを申し上げます。
 まず新型インフルエンザに関し、社会福祉施設等における感染予防の周知徹底についてであります。
 都はこれまでも、直接あるいは区市町村を通じて、感染予防などに関する情報提供を行ってまいりました。本格的流行期を前に、感染予防に加え、施設において発症者が出た場合の感染拡大防止策などを徹底するため、八月から社会福祉施設等に対する説明会を十六回実施し、約三千五百人の方の参加を得ております。
 今後とも、「広報東京都」や月刊「福祉保健」などの広報誌や新たに作成するDVD等も活用しながら、きめ細かな情報提供を行い、周知徹底に努めてまいります。
 次に、障害者の方々への対応についてでありますが、新型インフルエンザの一般的な予防対策や受診方法を示したパンフレットについて、視覚障害者用音声コードを付したものや、知的障害者用にルビを振ったものを関係障害者団体などに配布しております。聴覚障害者につきましては、保健医療情報センターで実施しているファクス相談を関係団体に周知するとともに、区市町村に対し、医療機関受診時に手話通訳や要約筆記者の派遣制度を円滑に利用できるよう働きかけております。
 今後とも、関係障害者団体や区市町村等と連携し、引き続き適切に対応してまいります。
 最後に、調理冷凍食品の原料原産地表示についてでありますが、都は制度の円滑な導入に向け、事業者説明会の開催やパンフレットの配布など周知に努めてまいりました。本制度は六月から本格実施されたところであり、今月中に包装への表示や事業者のホームページなどによる情報提供の実施状況について調査を行う予定であります。
 なお、六月に行いました調査では、この時期は本格実施以前に製造された製品が数多く流通する時期でありましたが、既に七割を超えた商品について制度の趣旨に沿った情報提供がなされておりまして、都の制度は着実に普及しつつあることを確認しているところであります。
   〔生活文化スポーツ局長秋山俊行君登壇〕

○生活文化スポーツ局長(秋山俊行君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず適格消費者団体への支援についてでございますが、都は、消費者団体訴訟制度が効果的に機能するよう、都内の二つの適格消費者団体と市区町村代表等から成る連絡会を設置し、消費者被害の実態等について定期的に意見交換を行うとともに、適格消費者団体と覚書を締結いたしまして、差しとめ請求権を行使するに当たり必要となります都及び市区町村の消費生活相談情報につきまして、適切に提供しているところでございます。
 さらに、国に対しても、適格消費者団体が活動しやすい環境整備に努めるよう提案要求を行ってきております。
 今後とも、適格消費者団体が期待される役割を十分果たすことができるよう支援してまいります。
 次に、消費者に対する的確な情報提供についてでございますが、悪質商法の被害を防止するためには、効果的な取り締まりとともに、都民一人一人に悪質商法に関する情報を十分に提供していくことが重要であるという認識をしております。
 このため都は、悪質事業者の処分を行った場合には、その手口や事業者名を公表し、注意喚起を行うとともに、さまざまな消費者問題について、都のホームページや消費生活に関する総合情報誌、「東京くらしねっと」などの広報媒体を活用して、情報を提供しているところでございます。特に被害に遭いやすい高齢者や若者向けには、通常の消費生活相談に加えまして、被害防止キャンペーンや特別相談を実施するなど特段の対策を講じております。
 今後とも、消費者被害の防止に向けて、効果的な情報発信に努めてまいります。

○議長(田中良君) 以上をもって質問は終わりました。

議長(田中良君) これより日程に入ります。
 日程第一から第十六まで、第百三十一号議案、東京都立学校設置条例の一部を改正する条例外議案十五件を一括議題といたします。
 本案に関し、提案理由の説明を求めます。
 副知事菅原秀夫君。
   〔副知事菅原秀夫君登壇〕

○副知事(菅原秀夫君) ただいま上程になりました十六議案につきましてご説明申し上げます。
 初めに、第百三十一号議案から第百三十四号議案までの四議案は条例案でございまして、すべて一部を改正する条例でございます。
 第百三十一号議案、東京都立学校設置条例の一部を改正する条例は、都立高校改革推進計画等に基づき、東京都立富士高等学校附属中学校など九校の設置に伴い、規定を整備するものでございます。
 第百三十二号議案、東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例は、歯科技工士法の改正に伴い、規定を整備するものでございます。
 第百三十三号議案、東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例は、女性福祉資金貸付事業の充実を図るため、貸付利率、保証人等の規定を改めるものでございます。
 第百三十四号議案、警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例は、銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律の施行に伴い、認知機能検査に係る手数料等を新設するとともに、銃砲刀剣類所持許可申請手数料等の額を改めるものでございます。
 次に、第百三十五号議案から第百四十号議案までの六議案は契約案でございます。
 第百三十五号議案、警視庁本所警察署庁舎(二十一)改築工事請負契約など合計六件を予定しております。契約金額の総額は約百五十八億円でございます。
 次に、第百四十一号議案から第百四十六号議案までの六議案は事件案でございます。
 まず、第百四十一号議案から第百四十四号議案までの四議案は、新型インフルエンザ対策として、いわゆるタミフル、リレンザなどの抗インフルエンザウイルス薬、折り畳み式簡易ベッド及び個人用防護具等を買い入れるものでございます。
 次に、第百四十五号議案及び第百四十六号議案の二議案は、東京都道路公社が国土交通大臣等に対して行う事業変更及び同公社の解散の申請について同意するものでございます。
 それぞれ地方自治法などの規定に基づき議決をお願いするものでございます。
 上程になりました十六議案の説明は以上でございますが、このほか人事案を送付いたしております。
 まず、東京都公安委員会委員でございます。
 十月二十三日に任期満了となります太田芳枝氏は再任いたしたいと存じます。
 次に、東京都人事委員会委員でございます。
 十月二十七日に任期満了となります内田公三氏の後任には青木利晴氏を選任いたしたいと存じます。
 同意につきまして、よろしくお願い申し上げます。
 以上で説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
(議案の部参照)

○議長(田中良君) 以上をもって提案理由の説明は終わりました。
 お諮りいたします。
 ただいま議題となっております日程第一から第十六までは、お手元に配布の議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(田中良君) ご異議なしと認めます。よって、日程第一から第十六までは、議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。
(別冊参照)

○議長(田中良君) これより追加日程に入ります。
 追加日程第一、東京都公安委員会委員の任命の同意についてを議題といたします。
   〔鈴木議事部長朗読〕
一、東京都公安委員会委員の任命の同意について一件

二一財主議第二七六号
平成二十一年九月七日
東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 田中  良殿
   東京都公安委員会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成二十一年十月二十三日任期満了となるため、再び任命したいので、警察法第三十九条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     太田 芳枝

      略歴
現住所 東京都目黒区
太田 芳枝
昭和十七年九月一日生(六十七歳)
昭和四十一年三月 慶應義塾大学経済学部卒業
昭和四十一年四月 労働省入省
昭和五十年十月  山形労働基準局賃金課長
昭和六十年四月  大阪婦人少年室長
昭和六十二年三月 婦人局婦人政策課長
平成二年七月   大臣官房政策調査部総合政策課長
平成三年十二月  石川県副知事
平成六年七月   労働省大臣官房政策調査部長
平成七年六月   婦人局長
平成九年十月   女性局長(名称変更)
平成十年六月   労働省退職
平成十年七月   財団法人二十一世紀職業財団理事長
平成十四年六月  目黒区男女平等・共同参画オンブーズ
平成十五年二月  芝浦工業大学評議員
平成十七年七月  財団法人二十一世紀職業財団顧問
平成十七年七月  株式会社国際研修サービス代表取締役社長
平成十九年六月  株式会社日立製作所取締役
現在       財団法人二十一世紀職業財団顧問

○議長(田中良君) お諮りいたします。
 本件は、知事の任命に同意することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(田中良君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、知事の任命に同意することに決定いたしました。

○議長(田中良君) 追加日程第二、東京都人事委員会委員の選任の同意についてを議題といたします。
   〔鈴木議事部長朗読〕
一、東京都人事委員会委員の選任の同意について一件

二一財主議第二七七号
平成二十一年九月七日
東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 田中  良殿
   東京都人事委員会委員の選任の同意について(依頼)
 このことについて、東京都人事委員会委員内田公三は平成二十一年十月二十七日任期満了となるため、後任として左記の者を選任したいので、地方公務員法第九条の二第二項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     青木 利晴

      略歴
現住所 東京都世田谷区
青木 利晴
昭和十四年三月二十一日生(七十歳)
昭和三十七年三月 東京大学工学部電気工学科卒業
昭和四十二年三月 東京大学大学院数物系研究科電子工学専門課程博士課程修了
昭和四十二年四月 日本電信電話公社入社
昭和五十二年八月 日本電信電話公社ニューヨーク海外駐在事務所専門調査役
昭和六十二年七月 日本電信電話株式会社交換システム研究所交換方式研究部長
平成二年六月   日本電信電話株式会社理事通信網総合研究所長
平成四年六月   日本電信電話株式会社取締役通信網総合研究所長
平成八年六月   日本電信電話株式会社常務取締役研究開発本部長
平成九年六月   日本電信電話株式会社代表取締役副社長研究開発本部長
平成十一年一月  日本電信電話株式会社代表取締役副社長
平成十一年六月  株式会社エヌ・ティ・ティ・データ代表取締役社長
平成十五年六月  株式会社エヌ・ティ・ティ・データ取締役相談役
平成十六年十月  東京都公立大学法人評価委員会委員
平成十七年六月  株式会社エヌ・ティ・ティ・データ相談役
平成十七年六月  三井不動産株式会社社外取締役
平成十七年十月  東京都地方独立行政法人評価委員会委員
平成二十一年六月 株式会社エヌ・ティ・ティ・データシニアアドバイザー
現在       株式会社エヌ・ティ・ティ・データシニアアドバイザー

○議長(田中良君) お諮りいたします。
 本件は、知事の選任に同意することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(田中良君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、知事の選任に同意することに決定いたしました。

○議長(田中良君) 追加日程第三、オリンピック・パラリンピック招致特別委員会設置に関する動議を議題といたします。
 案文は、お手元に配布いたしてあります。
 朗読は省略いたします。

   オリンピック・パラリンピック招致特別委員会設置に関する動議
 右の動議を別紙のとおり提出します。
  平成二十一年九月十五日
(提出者)
小林 健二  加藤 雅之   吉住 健一
桜井 浩之  野田かずさ   鈴木 章浩
くりした善行 西沢けいた   中村ひろし
田中  健  関口 太一   小山くにひこ
斉藤やすひろ 栗林のり子   遠藤  守
伊藤 興一  きたしろ勝彦  田中たけし
鈴木 隆道  神林  茂   早坂 義弘
柳ヶ瀬裕文  淺野 克彦   新井ともはる
佐藤 由美  たきぐち学   田の上いくこ
島田 幸成  しのづか元   滝沢 景一
大松あきら  上野 和彦   吉倉 正美
松葉多美子  高木 けい   石森たかゆき
高橋 信博  中屋 文孝   村上 英子
矢島 千秋  高橋かずみ   中谷 祐二
笹本ひさし  山下ようこ   神野 吉弘
鈴木 勝博  興津 秀憲   岡田眞理子
伊藤 ゆう  原田  大   中山 信行
高倉 良生  橘  正剛   谷村 孝彦
野上 純子  山加 朱美   山田 忠昭
山崎 一輝  菅  東一   宇田川聡史
林田  武  三宅 茂樹   佐藤 広典
尾崎 大介  山口  拓   松下 玲子
伊藤まさき  野上ゆきえ   西岡真一郎
今村 るか  吉田康一郎   斉藤あつし
小磯 善彦  長橋 桂一   藤井  一
ともとし春久  遠藤  衛  三原まさつぐ
吉原  修  野島 善司   鈴木あきまさ
田島 和明  樺山たかし   古賀 俊昭
泉谷つよし  くまき美奈子  大西さとる
増子 博樹  いのつめまさみ 門脇ふみよし
小沢 昌也  花輪ともふみ  大津 浩子
相川  博  鈴木貫太郎   東村 邦浩
中嶋 義雄  木内 良明   吉野 利明
こいそ 明  服部ゆくお   川井しげお
宮崎  章  比留間敏夫   川島 忠一
石毛しげる  大塚たかあき  和田 宗春
山下 太郎  酒井 大史   大沢  昇
中村 明彦  土屋たかゆき  馬場 裕子
田中  良
東京都議会議長 田中  良殿

   オリンピック・パラリンピック招致特別委員会設置に関する動議
 次の要綱に基づきオリンピック・パラリンピック招致特別委員会を設置されたい。
   オリンピック・パラリンピック招致特別委員会設置要綱
一 名称
 オリンピック・パラリンピック招致特別委員会とする。
二 設置の根拠
 地方自治法第百十条及び東京都議会委員会条例第四条による。
三 目的
 二〇一六年に開催される第三十一回オリンピック競技大会及び第十五回パラリンピック競技大会の東京招致に関する調査審議及び必要な活動を行う。
四 委員会の組織
 委員の定数は、十七名とし、委員長一名、副委員長三名及び理事三名を置く。

○議長(田中良君) お諮りいたします。
 本件は、動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(田中良君) ご異議なしと認めます。よって、オリンピック・パラリンピック招致特別委員会設置に関する動議は可決されました。

○議長(田中良君) ただいま設置されました特別委員会の委員は、委員会条例第五条第一項の規定により、議長からお手元に配布の名簿のとおり指名いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(田中良君) ご異議なしと認めます。よって、委員は、お手元に配布の名簿のとおり選任することに決定いたしました。
 なお、本日の本会議終了後、役員互選のため、委員会を第四委員会室に招集いたしますので、ご了承願います。
   〔オリンピック・パラリンピック招致特別委員名簿は本号末尾(一〇一ページ)に掲載〕

○議長(田中良君) 請願及び陳情の付託について申し上げます。
 受理いたしました請願一件及び陳情六件は、お手元に配布の請願・陳情付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
(別冊参照)

○議長(田中良君) お諮りいたします。
 明十六日から二十四日まで九日間、委員会審査のため休会いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(田中良君) ご異議なしと認めます。よって、明十六日から二十四日まで九日間、委員会審査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、九月二十五日午後一時に開きます。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後七時散会

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