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Tokyo Metropolitan Assembly

平成二十一年東京都議会会議録第三号

平成二十一年二月二十五日(水曜日)
 出席議員 百二十三名
一番遠藤  守君
二番伊藤 興一君
四番鈴木 章浩君
六番後藤 雄一君
七番福士 敬子君
八番伊沢けい子君
九番そなえ邦彦君
十番西崎 光子君
十一番伊藤まさき君
十二番伊藤 ゆう君
十三番原田  大君
十四番河野百合恵君
十五番小竹ひろ子君
十六番松葉多美子君
十七番大松  成君
十八番中山 信行君
十九番高倉 良生君
二十番菅  東一君
二十一番きたしろ勝彦君
二十二番田中たけし君
二十三番鈴木 隆道君
二十四番神林  茂君
二十五番早坂 義弘君
二十六番高木 けい君
二十七番原田 恭子君
二十八番佐藤 広典君
二十九番尾崎 大介君
三十番山口  拓君
三十一番松下 玲子君
三十二番野上ゆきえ君
三十三番西岡真一郎君
三十四番たぞえ民夫君
三十五番村松みえ子君
三十六番橘  正剛君
三十七番上野 和彦君
三十八番吉倉 正美君
三十九番谷村 孝彦君
四十番石森たかゆき君
四十一番高橋 信博君
四十二番鈴木あきまさ君
四十三番矢島 千秋君
四十四番高橋かずみ君
四十五番吉原  修君
四十六番林田  武君
四十七番野島 善司君
四十八番服部ゆくお君
四十九番山口 文江君
五十番今村 るか君
五十一番吉田康一郎君
五十二番斉藤あつし君
五十三番泉谷つよし君
五十四番くまき美奈子君
五十五番大西さとる君
五十六番増子 博樹君
五十七番かち佳代子君
五十八番植木こうじ君
五十九番野上 純子君
六十番東村 邦浩君
六十一番長橋 桂一君
六十二番小磯 善彦君
六十三番田代ひろし君
六十四番川井しげお君
六十五番こいそ 明君
六十六番崎山 知尚君
六十七番宇田川聡史君
六十八番秋田 一郎君
六十九番村上 英子君
七十番倉林 辰雄君
七十一番遠藤  衛君
七十二番三原まさつぐ君
七十三番大西由紀子君
七十四番いのつめまさみ君
七十五番門脇ふみよし君
七十六番小沢 昌也君
七十七番石毛しげる君
七十八番岡崎 幸夫君
八十番清水ひで子君
八十一番古館 和憲君
八十二番松村 友昭君
八十三番東野 秀平君
八十四番ともとし春久君
八十五番鈴木貫太郎君
八十六番石川 芳昭君
八十七番田島 和明君
八十八番樺山たかし君
八十九番山加 朱美君
九十番山田 忠昭君
九十一番串田 克巳君
九十二番新藤 義彦君
九十三番古賀 俊昭君
九十四番立石 晴康君
九十五番桜井  武君
九十六番吉野 利明君
九十七番初鹿 明博君
九十八番花輪ともふみ君
九十九番大津 浩子君
百番大塚たかあき君
百一番相川  博君
百二番中村 明彦君
百三番馬場 裕子君
百四番曽根はじめ君
百五番大山とも子君
百六番藤井  一君
百七番中嶋 義雄君
百八番木内 良明君
百九番石井 義修君
百十番宮崎  章君
百十一番鈴木 一光君
百十二番三宅 茂樹君
百十三番高島なおき君
百十四番野村 有信君
百十五番比留間敏夫君
百十六番佐藤 裕彦君
百十七番川島 忠一君
百十八番内田  茂君
百十九番三田 敏哉君
百二十番山下 太郎君
百二十一番酒井 大史君
百二十二番大沢  昇君
百二十三番土屋たかゆき君
百二十四番田中  良君
百二十五番名取 憲彦君
百二十六番吉田 信夫君

 欠席議員 二名
三番    米沢 正和君
百二十七番 渡辺 康信君
 欠員
五番 七十九番

 出席説明員
知事石原慎太郎君
副知事谷川 健次君
副知事菅原 秀夫君
副知事山口 一久君
副知事猪瀬 直樹君
教育長大原 正行君
知事本局長吉川 和夫君
総務局長中田 清己君
財務局長村山 寛司君
主税局長熊野 順祥君
警視総監米村 敏朗君
生活文化スポーツ局長秋山 俊行君
都市整備局長只腰 憲久君
環境局長有留 武司君
福祉保健局長安藤 立美君
産業労働局長佐藤  広君
建設局長道家 孝行君
港湾局長斉藤 一美君
会計管理局長三枝 修一君
交通局長金子正一郎君
消防総監小林 輝幸君
水道局長東岡 創示君
下水道局長今里伸一郎君
青少年・治安対策本部長久我 英一君
東京オリンピック・パラリンピック招致本部長荒川  満君
病院経営本部長中井 敬三君
中央卸売市場長比留間英人君
選挙管理委員会事務局長矢口 貴行君
人事委員会事務局長中村 晶晴君
労働委員会事務局長関  敏樹君
監査事務局長白石弥生子君
収用委員会事務局長野口  孝君

 二月二十五日議事日程第三号
第一 第一号議案
  平成二十一年度東京都一般会計予算
第二 第二号議案
  平成二十一年度東京都特別区財政調整会計予算
第三 第三号議案
  平成二十一年度東京都地方消費税清算会計予算
第四 第四号議案
  平成二十一年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計予算
第五 第五号議案
  平成二十一年度東京都母子福祉貸付資金会計予算
第六 第六号議案
  平成二十一年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
第七 第七号議案
  平成二十一年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
第八 第八号議案
  平成二十一年度東京都農業改良資金助成会計予算
第九 第九号議案
  平成二十一年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
第十 第十号議案
  平成二十一年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
第十一 第十一号議案
  平成二十一年度東京都と場会計予算
第十二 第十二号議案
  平成二十一年度東京都都営住宅等事業会計予算
第十三 第十三号議案
  平成二十一年度東京都都営住宅等保証金会計予算
第十四 第十四号議案
  平成二十一年度東京都都市開発資金会計予算
第十五 第十五号議案
  平成二十一年度東京都用地会計予算
第十六 第十六号議案
  平成二十一年度東京都公債費会計予算
第十七 第十七号議案
  平成二十一年度東京都多摩ニュータウン事業会計予算
第十八 第十八号議案
  平成二十一年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
第十九 第十九号議案
  平成二十一年度東京都病院会計予算
第二十 第二十号議案
  平成二十一年度東京都中央卸売市場会計予算
第二十一 第二十一号議案
  平成二十一年度東京都都市再開発事業会計予算
第二十二 第二十二号議案
  平成二十一年度東京都臨海地域開発事業会計予算
第二十三 第二十三号議案
  平成二十一年度東京都港湾事業会計予算
第二十四 第二十四号議案
  平成二十一年度東京都交通事業会計予算
第二十五 第二十五号議案
  平成二十一年度東京都高速電車事業会計予算
第二十六 第二十六号議案
  平成二十一年度東京都電気事業会計予算
第二十七 第二十七号議案
  平成二十一年度東京都水道事業会計予算
第二十八 第二十八号議案
  平成二十一年度東京都工業用水道事業会計予算
第二十九 第二十九号議案
  平成二十一年度東京都下水道事業会計予算
第三十 第三十号議案
  東京都安全・安心まちづくり条例の一部を改正する条例
第三十一 第三十一号議案
  特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三十二 第三十二号議案
  市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三十三 第三十三号議案
  東京都区市町村振興基金条例の一部を改正する条例
第三十四 第三十四号議案
  都と特別区及び特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例
第三十五 第三十五号議案
  住民サービスの向上と行政事務の効率化を図るために住民基本台帳ネットワークシステムの本人確認情報を利用する事務等を定める条例の一部を改正する条例
第三十六 第三十六号議案
  東京都知事等の給料等に関する条例の一部を改正する条例
第三十七 第三十七号議案
  東京都知事の給料等の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三十八 第三十八号議案
  東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第三十九 第三十九号議案
  東京都職員定数条例の一部を改正する条例
第四十 第四十号議案
  東京都人事委員会委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
第四十一 第四十一号議案
  東京都監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
第四十二 第四十二号議案
  東京都都税条例の一部を改正する条例
第四十三 第四十三号議案
  東京都都税事務所設置条例の一部を改正する条例
第四十四 第四十四号議案
  東京都育英資金条例の一部を改正する条例
第四十五 第四十五号議案
  東京都教育委員会の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第四十六 第四十六号議案
  学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例
第四十七 第四十七号議案
  教育職員免許法関係手数料条例の一部を改正する条例
第四十八 第四十八号議案
  学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
第四十九 第四十九号議案
  学校職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第五十 第五十号議案
  東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
第五十一 第五十一号議案
  東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
第五十二 第五十二号議案
  東京都屋外広告物条例の一部を改正する条例
第五十三 第五十三号議案
  東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
第五十四 第五十四号議案
  東京都医師奨学金貸与条例の一部を改正する条例
第五十五 第五十五号議案
  東京都福祉のまちづくり条例の一部を改正する条例
第五十六 第五十六号議案
  東京都介護福祉士等修学資金貸与条例の一部を改正する条例
第五十七 第五十七号議案
  東京都三宅島災害被災者帰島生活再建支援条例の一部を改正する条例
第五十八 第五十八号議案
  東京都介護保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例
第五十九 第五十九号議案
  東京都身体障害者更生援護施設条例の一部を改正する条例
第六十 第六十号議案
  東京都知的障害者援護施設条例の一部を改正する条例
第六十一 第六十一号議案
  東京都立病院条例の一部を改正する条例
第六十二 第六十二号議案
  東京都と地域の金融機関とが連携して実施する金融支援に関する条例
第六十三 第六十三号議案
  東京都入港料条例の一部を改正する条例
第六十四 第六十四号議案
  東京都海上公園条例の一部を改正する条例
第六十五 第六十五号議案
  東京都漁港管理条例の一部を改正する条例
第六十六 第六十六号議案
  東京都営空港条例の一部を改正する条例
第六十七 第六十七号議案
  都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
第六十八 第六十八号議案
  東京における自然の保護と回復に関する条例の一部を改正する条例
第六十九 第六十九号議案
  東京都自然公園条例の一部を改正する条例
第七十 第七十号議案
  鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律関係手数料条例の一部を改正する条例
第七十一 第七十一号議案
  高圧ガス保安法関係手数料条例の一部を改正する条例
第七十二 第七十二号議案
  液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律関係手数料条例の一部を改正する条例
第七十三 第七十三号議案
  火薬類取締法関係手数料条例の一部を改正する条例
第七十四 第七十四号議案
  東京都駐車場条例の一部を改正する条例
第七十五 第七十五号議案
  東京都立公園条例の一部を改正する条例
第七十六 第七十六号議案
  警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例
第七十七 第七十七号議案
  警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例
第七十八 第七十八号議案
  警視庁留置施設視察委員会の設置に関する条例の一部を改正する条例
第七十九 第七十九号議案
  東京消防庁職員定数条例の一部を改正する条例
第八十 第八十号議案
  火災予防条例の一部を改正する条例
第八十一 第八十一号議案
  東京都医学系総合研究所(仮称)(二十)Ⅱ期新築工事請負契約
第八十二 第八十二号議案
  東京都医学系総合研究所(仮称)(二十)Ⅱ期新築電気設備工事請負契約
第八十三 第八十三号議案
  東京都医学系総合研究所(仮称)(二十)Ⅱ期新築空調設備工事請負契約
第八十四 第八十四号議案
  都立産業技術研究センター(仮称)(二十)新築電気設備工事(その二)請負契約
第八十五 第八十五号議案
  都立産業技術研究センター(仮称)(二十)新築空調設備工事(その二)請負契約
第八十六 第八十六号議案
  環二地下トンネル(仮称)築造工事(二十一─環二西新橋工区)請負契約
第八十七 第八十七号議案
  平成二十年度ドラグサクション式しゅんせつ船製造請負契約
第八十八 第八十八号議案
  包括外部監査契約の締結について
第八十九 第八十九号議案
  清掃工場建設工事に係る損害賠償等請求控訴、同附帯控訴事件に関する和解について
第九十 第九十号議案
  全国自治宝くじ事務協議会への岡山市の加入及びこれに伴う全国自治宝くじ事務協議会規約の一部の変更について
第九十一 第九十一号議案
  土地の売払いについて
第九十二 第九十二号議案
  首都高速道路株式会社が行う高速道路事業の変更に対する同意について
第九十三 第九十三号議案
  平成二十一年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について
第九十四 第九十四号議案
  平成二十年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担の変更について
第九十五 第九十五号議案
  多摩川流域下水道野川処理区の建設に要する費用の関係市の負担について
第九十六 第九十六号議案
  多摩川流域下水道多摩川上流処理区の建設に要する費用の関係市町の負担について
第九十七 第九十七号議案
  多摩川流域下水道多摩川上流処理区の維持管理に要する費用の関係市町村の負担について
第九十八 第九十八号議案
  平成二十年度東京都一般会計補正予算(第四号)
第九十九 第九十九号議案
  平成二十年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
第百 第百号議案
  平成二十年度東京都一般会計補正予算(第五号)
第百一 第百一号議案
  東京都消費者行政活性化基金条例
第百二 第百二号議案
  東京都安心こども基金条例
第百三 第百三号議案
  東京都妊婦健康診査支援基金条例
第百四 第百四号議案
  東京都障害者自立支援対策臨時特例基金条例の一部を改正する条例
第百五 第百五号議案
  東京都ふるさと雇用再生特別基金条例
第百六 第百六号議案
  東京都緊急雇用創出事業臨時特例基金条例
第百七 諮問第一号
  地方自治法第二百三十八条の七の規定に基づく審査請求に関する諮問について

 午後一時一分開議
〇議長(比留間敏夫君) これより本日の会議を開きます。
〇議長(比留間敏夫君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。
〇議長(比留間敏夫君) 昨日に引き続き質問を行います。
 九十五番桜井武君。
   〔九十五番桜井武君登壇〕

○九十五番(桜井武君) 私からは、墨田区の押上・業平橋地区において行われる新タワー建設事業、いわゆる東京スカイツリーに関連して質問させていただきます。
 スカイツリーは、十八年三月に押上・業平橋地区に建設することが決定し、現在、平成二十四年春のオープンを目指して工事が進められております。オープン後は、世界じゅうから観光客が訪れる都市型観光の広域交流拠点として、初年度には約五百四十万人もの観光客が訪れる、地域の誇りとなるまちに生まれ変わるものと大いに期待されているところであります。
 新しい集客拠点となるこの地域では、周辺の道路、河川、公園などに関連する公共施設の整備やグレードアップが必要と考えられます。
 そこでまず、河川の整備について伺います。
 東京スカイツリーが建設される箇所のすぐ南側に、北十間川が流れています。この川の東武橋より東側の区間は、背後の地盤が特に低いため、水門で締め切り、川の水位を低下させて、高潮に対する安全性を確保しています。
 同じように水位を低下させている河川には旧中川がありますが、旧中川は護岸の耐震化をする工事が進められており、その中で、安全性を向上させるだけでなく、高いかさ上げ護岸を撤去し、非常に魅力のある水辺空間が現在でき上がりつつあります。
 北十間川についても、旧中川と同様に、かさ上げ護岸を撤去するなど、良好な河川環境を創出していく必要があると考えます。
 東京スカイツリーへのアクセスの一つとして、河川を生かした舟運を活用することも必要ではないかと思いますが、残念ながら、樋門により締め切られており、隅田川からの船の通り抜けが現在できない構造になっております。
 このような現状にある北十間川については、水辺空間の整備を初め、船の通過を可能とするなど、スカイツリーのそばを流れる川にふさわしい整備を行う必要があると考えます。
 そこで、北十間川の整備状況と今後の取り組みについて伺います。
 次に、東京スカイツリーのある押上・業平橋地区から錦糸町方面に流れる河川で、横十間川があります。北十間川の東側や旧中川と同じように水位低下がなされた河川ですが、護岸の耐震対策が必要な河川と聞いております。
 この川も、北十間川や旧中川と同様の考え方で整備することにより、東京スカイツリーから錦糸町方面へ、まちとまちをつなぐ新たな歩行者ルートの確保という点からも期待されるところです。
 そこで、横十間川の今後の整備について伺います。
 次に、道路整備について伺います。
 放射第三二号線のうち、押上駅付近から明治通りの区間は、通称押上通りと呼ばれておりますが、押上・業平橋地区と墨田区北部を結ぶ重要な幹線道路でありながら、朝夕の交通渋滞が慢性化しており、早期整備を求める声が高い路線であります。
 また、歩道も狭く、電柱が林立しており、今後、スカイツリーの完成により、観光拠点エリアが形成される観点からも、来訪者の回遊性に配慮した歩行空間の整備も必要であると考えますが、放射第三二号線の事業化に向けた今後の取り組みについて伺います。
 また、押上通りの南側、いわゆる四ツ目通りは、スカイツリーと錦糸町駅を連絡する道路でありますが、歩道が狭い上に電柱もあります。さらには街路樹もまばらで、歩行者にとって快適な空間とはいえません。
 せっかく新しい観光資源ができることから、この資源を生かす都市基盤の整備が必要であると考えますが、この路線は、都と区が平成十六年三月に策定した第三次事業化計画の優先整備路線に選定されておりません。
 観光で訪れる来訪者の利便性向上はもとより、歩行者の安全性や地域の景観の向上のためにも、ぜひとも次期事業化計画を策定する段階では、四ツ目通りを最優先整備道路に位置づけし、道路の拡張整備とあわせて電線の地中化を進めるよう、意見を申し述べておきます。
 最後に、東武伊勢崎線第二号踏切の解消についてお尋ねします。
 現在、東京都内には約千百六十カ所もの踏切があり、東京の最大の弱点である交通渋滞を初めとするさまざまな問題が発生しています。このため、踏切問題は二十世紀の負の遺産とまでいわれており、その解決は、都における喫緊の課題といえます。
 東京スカイツリーの建設用地付近にある東武伊勢崎線第二号踏切もその一つであり、区道の桜橋通りの慢性的な交通渋滞を引き起こすなど、地域生活に大きな影響を与えています。
 また、世界じゅうから観光客が訪れる拠点にふさわしいまちづくりを実現していく上からも、東武伊勢崎線の立体交差化により本踏切を除却し、交通渋滞や市街地分断を解消していくことが不可欠であります。
 そこで、東武伊勢崎線の立体交差化に向けた都の取り組みについて所見を伺います。この踏切ができない場合は、都バスの観光はお断りになりますね。
 次に、来月二十二日、第三回目の大会となる東京マラソン二〇〇九が開催されます。
 東京マラソンは国内外の多くの市民に支持され、今回の大会には二十六万人もの応募があったと聞きます。非常に人気のある、まさに日本を代表するマラソン大会になりました。このような人気のマラソンコースとするには、いろいろな点を考慮して決めたと思うのでありますが、東京を代表する河川である隅田川をぜひ渡ってもらいたいと考えています。
 平成二十四年春には、墨田区押上に東京スカイツリーが開業し、新たな東京の観光名所、世界的な観光名所になることも期待されます。ぜひ東京マラソンのコースについて、ここに立ち寄ることを考えていただきたい。都の見解を伺います。
 次に、医療基盤の整備について伺います。
 病床数は、地域ごとの適正配置の促進と適切な入院医療の確保を目的として、二次保健医療圏ごとに定められる基準病床数が設定されています。このような基準病床数を踏まえながら、東京の急速な高齢化の進展に伴う医療ニーズの増加に備える必要があります。高齢者が都民の四分の一を占めると予想される平成二十七年は間近に迫っています。
 高齢患者の場合、複数の疾患を抱え、長期にわたり医学的管理を必要とするケースもふえております。その一方で、東京都の人口十万人当たりの療養病床数は全国ワーストファイブを推移しており、都外の療養病床に入院している都民は約五千二百人に上ると推定されております。こうした状況から、東京都は、平成二十四年度末までに、療養病床を約二万八千床までふやす目標を立てました。
 厚生労働省の平成十八年の医療施設調査によると、東京都における病院病床の状況は、一般病床が八万四千床、療養病床が二万一千床と、療養病床は一般病床の四分の一にすぎません。平均入院日数を見ると、一般病床が十七日であるのに対し、症状安定期の療養病床は百九十六日と、一般病床の約十二倍に当たります。
 一般病床、療養病床それぞれが、患者の状況に応じた医療を行っている姿が見えてくるわけですが、現実には、急性期を過ぎた後、引き続き医療を必要とする患者の行き場がない問題が、特に高齢者の場合、顕著です。病床の利用率でいえば、一般病床は七六%なのに対して、療養病床は九二%と満床に近い状態です。こうした事実から、急性期病院を退院した後の受け入れ先として、療養病床が強く必要とされているものと思われます。
 着実に地域の中で療養病床を確保していくためには、現在の一般病床のうちから療養病床へ転換が可能な場合には、きちんと支援することが必要です。改めて都の取り組みを伺います。
 療養病床の確保だけでなく、退院後、住みなれた地域で療養生活を送る都民の支援も不可欠であります。
 墨田区は、東京都リハビリテーション病院を拠点として、診療所の医師が連携して、退院後の在宅療養生活におけるリハビリテーションを支える在宅リハビリテーション支援事業をスタートさせました。高齢者が安心して生き生きとした生活を送る上で、リハビリテーションの充実は重要であり、全国的にも先進的な取り組みとして注目を集めています。
 このような在宅医療体制の整備は、都民の高齢化に伴い、ますます重要性を増しております。都内でそれぞれの地域の医療資源や特色を生かした在宅医療が進むよう、東京都として基盤整備を推進すべきと考えますが、所見を伺います。
 最後に、東京都財政について石原知事に申し上げたいと思います。
 石原知事の財政運営の成果は、私がこれまで接しました多くの知事の中で抜群に秀でていると私は思います。就任当初、一千億円を超える赤字であった都財政のかじ取りを任され、知事も述懐したとおり、とんでもないところに嫁に来たわけでありますが、知事はそのとんでもないところを見事に改革し、新たな公会計の導入を初め、内部努力、施策の見直し、歳入確保と、あらゆる手だてを尽くして財政の健全化をなし遂げました。さらに、隠れ借金や負の遺産をみずから公表し、きちんと解消しています。現在、大阪府の取り組みが話題になっていますが、はるかはるか前に石原知事はその先鞭をつけていたのであります。
 石原知事の財政運営がすぐれているのは、財政再建をなし遂げると同時に、新たな施策展開を充実させつつ、さらには借金を減らしていることであります。なすべき施策をやらずに、借金を返さないで後世にツケを回せば、毎年度の収支は楽になります。しかし、石原知事は、ディーゼル車の排ガス対策や認証保育所など先駆的な施策を実施し、東京から日本を変えています。加えて、東京都の借金である都債残高についても、一兆円以上減らしています。
 個々の施策を取り上げて、殊さらあれこれいう向きもあるわけではありますが、一方できちんと先進的な取り組みを進めながら、同時に、借金を減らしつつ財政再建を達成し、健全な財務体質を確立してきたことは正当に評価されるべきものでありまして、私は称賛に値するものと思います。
 今回の過去最大の税収減の中にあって、やるべきことを迅速かつしっかりとやる予算が組めるのも、これまでの財政再建の取り組みがあったればこそであります。しかし、今後、都市インフラの更新や少子高齢化の進展など、東京都の財政需要はますます大きくなり、都政のかじ取りはますます難しくなってまいります。石原知事にはぜひ、これまでのスタンスを変えることなく、都民の期待にこたえ続けられるように、財政運営をこれからも堅実に運営していただくことをお願いしたいと思います。
 知事に今後の財政運営に向かう決意を伺いまして、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 桜井武議員の一般質問にお答えいたします。
 財政運営について過分なお褒めをいただきまして、ありがとうございます。これはあくまでも議会の協力あってのことでございますが。
 なお、今後の財政運営についてでありますけれども、就任以来、議会と手を携えて都財政の再建に取り組み、それをなし遂げたのは、いかなる状況にあっても、都政に課された使命をしっかり果たすためにほかなりません。
 今日の経済危機のもと、今後ますます厳しい財政環境が想定される中にあっても、これまで同様、都民生活が直面する課題に適切に対応するとともに、東京の将来をつくり上げていく歩みを着実に進めていかなければならないと考えております。
 こうした役割を将来にわたっても確実に果たしていくためには、施策を支え得る強靱で弾力的な財政体質を確保していくことが重要であります。だからこそ、これまでの財政再建で培った蓄えを有効に活用すると同時に、これに安易に頼ることなく、新たな公会計制度も活用いたしまして、財政体質の強化に取り組んでまいりたいと思います。
 今後とも、短期、中期の両面から都がなすべき役割を果たすことによりまして、都民を覆う不安や閉塞感を何とか払拭し、東京の未来を切り開いていけるように、堅実な財政運営を行っていくつもりでございます。今後の都政の取り組みに、引き続き強力なご支援を願いたいと思います。
 その他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔建設局長道家孝行君登壇〕

○建設局長(道家孝行君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、北十間川の整備状況と今後の取り組みについてでありますが、江東内部河川の東側については、周辺の地盤が低いことから、水門等で締め切り、水位を低下させ、水害に対する安全性を向上させてまいりました。
 北十間川については、この水位低下に引き続き、護岸の耐震化工事を行い、延長三・一キロメートルのうち二・一キロメートルが完成しております。このうち、横十間川合流部付近の三百メートルについては、護岸の緑化や散策路などの整備を進め、都民に親しまれる水辺環境を創出しております。
 お話にありました隅田川からの船の航行につきましては、地元区の強い要望があり、将来の検討課題であると認識をしております。
 今後は、押上・業平橋地区を中心に、水面を望むことができる、緑豊かな北十間川の整備を行ってまいります。
 次に、横十間川の今後の整備についてでありますが、横十間川は、過去の地盤沈下に対応するため、かさ上げしてきた護岸が老朽化しており、再整備を必要としている河川であります。このため、地盤改良などの耐震化工事を行い、安全性を向上させるとともに、川沿いの植栽や水辺の散策路を設置するなど、親水性にも配慮した整備を進めることとしております。
 横十間川については、平成二十二年度に完成を予定している旧中川に引き続き、整備に着手できるよう、二十一年度から調査、設計などの準備を進めてまいります。
 今後、北十間川の整備とあわせ、護岸の安全性を高め、押上・業平橋地区から錦糸町方面への散策も可能となる、にぎわいのある横十間川の整備を目指してまいります。
 最後に、放射第三二号線の事業化に向けた取り組みについてでありますが、本路線は、江東区塩浜から墨田区京島に至る延長六・三キロメートルの骨格幹線道路で、このうち四・九キロメートルが完成または概成、江東区内の〇・五キロメートルが事業中でございます。
 未整備区間であります押上駅付近から明治通りまでの八百六十メートルにつきましては、現道の幅員が十一メートルと狭く、交通の円滑化や防災性の向上を図るため、区部における第三次事業化計画の優先整備路線に位置づけております。また、安全で快適な歩行空間の確保や良好な都市景観の形成を図る上でも、早期整備が必要であります。
 このため、平成二十一年度から道路の幅員構成を検討するなど、事業化に向けて取り組んでまいります。
   〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕

○都市整備局長(只腰憲久君) 東武伊勢崎線の立体交差化についてでございますが、お話の伊勢崎線第二号踏切は、平成十六年六月に都が策定いたしました踏切対策基本方針では、鉄道立体化の検討対象区間二十区間には位置づけられてはおりませんが、いわゆる重点踏切の一つとしては選定されております。
 地元墨田区では、東京スカイツリー建設を契機とした地域の整備を進める上で、区道と交差する本踏切の解消が必要であるとしまして、道路と鉄道の立体交差化に向けたまちづくりの課題等について検討を行っております。
 都といたしましては、こうした地元区の動向を見ながら、技術的な支援を検討してまいります。
   〔生活文化スポーツ局長秋山俊行君登壇〕

○生活文化スポーツ局長(秋山俊行君) 東京マラソンについてでございますが、東京マラソンは、三万五千人の大規模市民マラソンと、世界のトップランナーによるレースが融合した大会でございまして、そのコースにつきましては、国際大会の条件を満たしつつ、東京のさまざまな観光名所をめぐる設定としているところでございます。
 本大会は、まだ創設から間もなく、まずは世界有数の大会としての地位を確立することが最も重要であるというふうに考えておりまして、そのため、現在、国際陸上競技連盟によるゴールドラベルの取得を目指しておりまして、来月開催される第三回大会から、成績により賞金を授与するとともに、女子のトップランナーによるレースも始めることといたしました。
 したがって、お話の点につきましては、今後の研究課題と考えております。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) 二点についてお答えをいたします。
 まず、療養病床の確保についてでありますが、療養病床は、急性期を脱した後も医学的管理を必要とする患者の療養の場であるとともに、在宅療養患者の症状急変時における一時入院先としての機能も担うなど、その確保は今後ますます重要となります。
 このため、都は、一般病床から医療療養病床への転換などを促進するため、独自の施設整備費補助を実施しており、来年度も引き続き、療養病床の増床に向けた支援を行ってまいります。
 また、国に対し、医療療養病床を安定的に確保できるよう、診療報酬上の評価の充実について、引き続き提案要求をしてまいります。
 次に、在宅医療の推進についてでありますが、都は平成十九年度から、包括補助事業を活用して、在宅医療相談窓口の設置など、各区市町村における在宅医療推進の取り組みを支援しております。
 また、今年度から、在宅医療ネットワーク推進事業として、墨田区におけるがん患者の在宅療養支援に向けた地域連携体制の整備を初め、豊島区、国立市を加えた都内三地域で、おのおの特色のある取り組みをモデル実施をしております。
 さらに、来年度、在宅療養患者を支える地域の病院と在宅医療を担う医師や訪問看護師などとの顔の見える連携づくりを目指します在宅医療拠点病院モデル事業を、区部と多摩部、計四カ所で実施をいたします。拠点病院には、急性期型、療養型、また、その両者をあわせ持つ、いわゆるケアミックス型など、異なるタイプの病院を選定する予定であります。
 これらのモデル事業を通して、地域における在宅医療の基盤を整備してまいります。

議長(比留間敏夫君) 百三番馬場裕子さん。
   〔百三番馬場裕子君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○百三番(馬場裕子君) まず冒頭、一言申し上げます。
 昨日の私どもの代表質問における知事発言の指摘に対して、知事より、いった覚えがありません、招致委員会に対する大きな侮辱との発言がありました。
 都民、国民の理解を妨げる、招致委員会の努力に水を差すような発言、行動をしてきたのは一体だれなのか、知事みずから、胸に手を当ててお考えになった方がよろしいのではないでしょうか。
 また、法的措置もということですが、それはそれで結構です。まずは、新銀行東京の旧経営陣からおやりになる、それが都民のためであるといっておきます。
 質問に入ります。
 東京未来塾は、首都大学東京特別推薦入学選抜において、今年度四十九名中五名の不合格者を出しました。十二月三日、不合格者五名は、所属高校から連絡を受け、非常に大きな衝撃を受けました。学校も保護者も、特に全員を推薦した未来塾も想定外であったようで、保護者は、適切な塾生へのフォローがほとんどないと感じて、家族の精神的な痛みは今も続いております。なぜ不合格となったのか、首都大は採点基準を説明していません。未来塾は五十名程度の入塾生を選抜し、首都大は、塾生を対象に五十名の推薦枠を設けております。
 受験勉強よりリーダー育成を目的に、百日程度の出席とその成果が選抜の資料となるとの説明で、五名の塾生も過密スケジュールを頑張りました。首都大特別入試に関しても、学部指定枠への調整も受け入れ、全員が推薦されています。
 未来塾は、教育長を塾長、指導部長を副塾長とする教育庁指導部の事業であり、首都大からは、学長初め多くの講師が講座を担当しています。倍率の高い中、入塾できれば、所属高校は入塾生の進路は首都大確実と思ったようです。
 こうした教育庁設置という強い後ろ盾に、首都大と所属高校との強い連携があるとなれば、だれもが信頼します。そこでの不合格の烙印は、将来のリーダーとなる夢を壊してしまうことになったと認識され、五名の塾生をしっかり支援していただきたい。
 今、来年度の塾生選抜中です。せめて今後の塾生に同じ思いをさせないよう、また一般の高校生との不平等とならないよう、各関係機関の連携を急ぎ見直していただきたい。
 未来塾は、東京都教育ビジョンの中の大学入試のあり方と高校教育の質の向上の実現例とされていますが、それをなし得ているとは思えません。今後、未来塾は、特別推薦入学選抜があるということを売りにするのはやめ、首都大と連携し、広く大学生に対象を広げたリーダー育成に見直されたいと考えます。
 五年が経過して、ここで課題を整理し、設立当初の目的である、日本の将来を担い得る改革型リーダーとしての資質を持つ人材を育成するという理念が実現できるよう、しっかりと検討すべきと考えますが、ご見解を伺います。
 私は、十数年前から、日本語支援の必要な子どもたちを支える民間市民団体とともに活動してまいりました。義務教育に次ぐ課題は、高校生の受け皿が少ないことでした。もう一刻も待てないと要望を重ね、やっと昨年、都教育委員会はルビ振り入試を導入し、今年度は五十七名が入学、来年度入試の申し込みは百二十七名という状況ですが、一方で、非漢字圏の子どもたちはさらに深刻です。高校に入学したい外国人生徒には、未来を開くチャンスをつかみたい、バイリンガルを生かして将来教師になりたい、夢と希望を持つ生徒がふえています。学びたい生徒を卒業までしっかりサポートする体制をつくらなければなりません。
 日本語指導の必要な外国人生徒に対しては、都立高校入学後の早い時期からきめ細かな支援が必要であると考えます。ご見解を伺います。
 世界的な景気の悪化により、我が国の雇用情勢も大変厳しい状況になっています。高校生の就職内定率は、十二月末現在では、全国が八二・三%、東京は七七・六%と、前年に比べて下降ぎみです。また、卒業を目前に高校生の内定取り消しもあると聞いています。 都立高校における内定取り消しの状況と都教委の対応について伺います。
 高校生にも内定取り消しがあるような厳しい経済状況の中で、生徒が自己の進路を安易に選択してしまわないようにすることも大切です。生徒に目的意識や勤労観、職業観を持たせるキャリア教育が重要であると考えます。都教委のご見解を伺います。
 都は、平成十八年三月、東京都立学校教職員のこころの健康づくり計画を策定し、訪問相談など体系的なメンタルヘルス対策を進めています。しかし、教育の現状は想定以上に厳しく、この十八年新規採用教員二名が自殺されました。うち一名のご遺族は、その原因を、過重労働、公務上のストレス、学校内のサポート不足として公務災害認定請求をし、地方公務員災害補償基金東京都支部は、本部との協議を踏まえ、これを公務外と認定しました。ご遺族は納得されておられません。
 精神疾患による公務災害認定は極めて難しい状況です。ご遺族による公務災害認定請求書によると、当該学校は単学級であり、新規採用教員でも、一年目から、クラス担任のほかに学習指導部、生活指導部、給食事務部、渉外部、各種委員会、クラブ活動等の職務があり、長時間労働が続き、加えて、保護者からのクレームにより精神的な負担が大きくなったことなど、幾つもの要因が重なったことが自殺へと追い詰めた原因と主張されています。
 再びこうした痛ましい状況をつくってはなりません。二十年度は、都内小学校約千三百校に対して、新規採用教員は約千四百五十人という状況です。
 このパネルをごらんください。ちょっと小さいんですが、教育庁の資料から、東京都公立学校教員の年齢分布を示しています。縦軸が教員数、横軸が年齢です。
 上が平成十五年のグラフ。青い線が全体、赤い線の小学校ともに、四十代、五十代の教員が多くいることがおわかりになると思います。
 下のグラフは、五年後の平成二十年のものです。全体、小学校ともに、二十代、四十代後半から五十代の教員が多くなっています。
 今後十年で、このピークに位置する教員が退職していきますと、人数が少ない三十代半ばの教員が、新たに大量採用されてきた二十代の教員をリードしなければなりません。
 今後十年、大量退職により急増する小学校新規採用教員に対しては、特に多様なサポート育成支援が必要です。教育委員会の対応について伺います。
 平成十九年度の文部科学省調査によりますと、都内の公立学校休職者は六百二人で、うち精神疾患による休職者は四百十六人と七割を占め、全国的にも増加傾向にあり、十年前の三倍になったと聞いています。
 特に、新規採用教員や人事異動などで職場環境が大きく変わった教員など、新たな環境の変化に対応できない教員への疾病の予防が必要です。
 このような状況において、教員へのメンタルヘルス対策のより一層の充実を図る必要があると考えますが、どのような対策を行っているのか、伺います。
 ことし四月より、国の教員免許更新制が始まります。当初は不適格教員の排除が目的とされましたが、施行時には教員の資質向上に、また対象者も、現職にある者のみに変更されました。
 都では、私学や都外流入の方も含めて、対象者は約七千五百人程度と試算していますが、全国関連自治体や大学など受け入れ側も大変な状況ですし、幼稚園から高校まで対象となる多くの現職教員は、三十時間をやりくりし、この間、学校現場から離れることになります。
 だれのための、何のための法制度か、大きな疑問ですが、やらなければならないのであれば、大事な時間は有効に使わなければなりません。本来、教育現場を子どものために整える研修であるべき原点に立ち返り、都として、十年研修や内容が重なる研修との整合性について検討し、実のある教員人材育成基本方針並びに教員研修制度の整備を強く要望いたします。
 次に、都の平和施策と平和の日の意義について伺います。
 昭和二十年三月十日未明の大空襲により、東京では一夜にして多くの命が失われ、至るところ焼け野原と化しました。この間、東京への空襲実態や遺族の状況、被災者名簿の作成などに積極的に取り組んできたのは、被災者を中心とした市民団体でした。やっと平成十五年に遺族会が結成され、毎年、石原知事あてに支援の要請をしています。国に対しては、戦後六十二年目にして、被害者百十二名による第一次集団提訴、続いて昨年三月十日に二十名が第二次提訴をしております。
 この訴訟の目的は、国との雇用関係がないという理由で軍人と民間人を差別し、民間人被害者に対して何らの援助をせず、切り捨て、放置した国への謝罪と損害賠償を求めるものです。提訴は、国が一貫して民間人被災者への補償を認めず、一方で軍人、軍属等へのみ年間一兆円を超す国家補償をしていることは、法のもとでの不平等と訴えています。
 東京への大空襲は、三月十日だけでも十万人、続いて五月二十四日、二十五日、八月十三日にも死者二十九名と、終戦の日の青梅空襲まで続き、集団疎開などで生き残った戦争孤児約三万五千人は、状況もわからず、戦後の復興の中で家族や財産を失い、精神的、経済的に多大な苦難を受けました。
 折しも三月十日が近づく中で、平和の日の意義について知事に伺います。
 東京大空襲に関する現在の所管は、生活文化スポーツ局が、平成十三年に建立した東京空襲犠牲者を追悼し平和を祈念する碑と犠牲者名簿の作成、建設局が都立横網町公園、東京都慰霊堂及び遺骨名簿の管理と分かれています。
 遺族関係者は、平成七年から、アンケート調査を初め犠牲者名簿の作成など、議会に働きかけをしながら積極的に活動してこられました。犠牲者の氏名を記録することは、空襲の実相を記録するという大きな意味があり、犠牲者の存在のあかしです。また、被災時住所ごとの統計をとることによって、東京空襲がいかなるものであったかがはっきりわかるはずです。
 空襲から六十四年を経て、被害の実態が見えにくくなり、関係者の高齢化も進んでいます。少しでも早い対応が必要です。都の空襲犠牲者名簿の到達点は七万八千四百四十名と、まだ道半ばです。名簿作成の周知、申し出の呼びかけをさらに積極的に行う必要があると考えます。
 また、遺骨名簿からは、遺骨を引き取った犠牲者名は除籍され、空襲犠牲者名簿には登載されていないのではないかと聞いております。せめて名前だけでも記したいという関係者の思いにこたえるために、関係局の連携を密にするなど、工夫により、犠牲者名簿の整備に一刻も早く努めるべきと考えますが、ご見解を伺います。
 次に、都市計画決定の手続以来、西五反田地域の住民を中心とした近隣三十町会九団体で、高速品川線問題近隣町会合同連絡会を組織し、環境や景観保全の観点から、道路の真ん中に建つ巨大な換気塔を何とか見直してほしいと、換気所をなくすアイデアを全国公募するなど、独自で運動を展開してきました。
 品川線の都市計画決定から約四年がたち、これまでの排出ガス対策に対応し、ハイブリッド車が増加するなど、自動車の性能は大幅に改善されつつあります。
 このような状況にあって、五反田換気所建設工事に当たり、工事中の沿道への影響の軽減や換気塔の規模縮小などについて、都はどのように対応していくのかお伺いし、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 馬場裕子議員の一般質問にお答えいたします。
 東京都平和の日の意義についてでありますが、東京は、昭和二十年三月十日の大空襲により、一夜にして焦土と化し、多くの生命が失われました。
 戦後六十年以上にわたり、日本は一貫して平和を堅持し、東京は世界有数の大都市となりましたが、今日の平和と繁栄が多くの都民の犠牲の上に築かれていることを決して忘れてはならないと思います。
 そのために、東京都では、戦争の惨禍を再び繰り返さないことを誓いまして、三月十日を東京都平和の日と定めております。
 他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。
   〔教育長大原正行君登壇〕

○教育長(大原正行君) 六点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、東京未来塾についてでございますが、東京未来塾は、首都大学東京と東京都教育委員会が連携しまして、都内すべての高等学校三年生を対象とし、日本の将来を担い得る改革型リーダーとしての資質を持つ人材を育成することを目的に、平成十六年四月に開設をいたしました。
 未来塾の塾生は、東京都教職員研修センターにおきまして年間七十日間、各界の第一人者を招聘した特別講義の受講、みずから課題設定して探求活動を行う課題解決学習、首都大学東京と連携したゼミナールや企業等での体験学習を通して、課題解決能力や幅広い教養、社会貢献の志をはぐくんでまいりました。
 なお、首都大学東京への進学を目指す塾生は、在籍する高校の校長の推薦を受け、首都大学東京が実施する特別推薦入学選抜試験に合格しますとともに、未来塾の全課程を修了した場合に初めて入学が可能となるものでございます。また、生徒の希望による他の大学進学を否定しているものではございません。
 昨年までの四年間で、未来塾を卒塾したすべての生徒は、選抜試験である大学入試を経まして、首都大学東京を初めとする大学に進学し、未来塾で学んだことをもとに、専門的な課題に意欲的に取り組んでまいりました。
 本年三月には、未来塾の第一期生が大学を卒業することになりますが、官公庁、民間企業への就職を初め、大学院への進学などが報告されております。
 このようにして、本事業を通して、二十一世紀の東京の創造的発展を担い得る若い人材の育成に努めてきたところでございますが、今後とも、首都大学東京や在籍高等学校との連携を一層図りまして、未来塾で実施している特別講義やゼミナール等のさらなる改善に努めてまいります。
 次に、日本語指導の必要な外国人生徒についてでございます。
 日本語の習得状況が多様な外国人生徒に対しましては、個別の状況に応じた適切な日本語指導を行うことが重要でございます。
 都立高校におきましては、日本語指導の必要な外国人生徒に対する個別指導、いわゆる取り出し授業や、放課後あるいは夏季休業日における補充指導などを実施しております。
 また、都教育委員会は、取り出し授業のための非常勤講師の配置や、日本語指導に関する教員研修の実施などを行ってまいりました。
 平成二十一年度には、こうした取り組みに加えまして、これまで十六カ国語で作成してまいりました外国人児童生徒用のテキストを二十二カ国語に拡充しますとともに、入学後の早い時期からの活用を促進し、都立高校における日本語指導の充実を図ってまいります。
 次に、就職内定取り消しの状況とその対応についてでございます。
 都立高校生の内定取り消しは、平成二十一年二月六日現在で九名でございまして、そのうち八名が他の事業所等への進路を決定しており、残り一名も今年度中に決定する見込みでございます。
 都教育委員会は、昨年十二月に全都立学校へ通知文を発出いたしまして、内定取り消しがあった場合、速やかに報告するとともに、ハローワーク等との連携により生徒へのきめ細かな就職指導を行うよう、学校を指導いたしました。
 また、ハローワークによる当該生徒への迅速な就職支援と、内定取り消し事業所への指導を東京労働局に依頼をしたところでございます。
 今後とも、内定取り消しがあった場合には、同様に関係機関と連携し、各学校における就職指導を支援してまいります。
 次に、キャリア教育についてでございます。
 生徒が将来にわたる生き方を考え、主体的に進路を選択していく能力と、望ましい勤労観や職業観を身につけることは大変重要でございます。
 都教育委員会は、平成十八年度から、すべての都立高校に対し、年間指導計画を作成し、教育活動全体を通じてキャリア教育を推進するよう指導してまいりました。
 また、キャリア教育の実践連絡協議会やフォーラム等を開催し、すぐれた実践事例の普及啓発を図りますとともに、生徒が企業等で就業体験を行うインターンシップ事業を実施するなど、都立高校におけるキャリア教育の推進に努めてまいりました。
 今後とも、こうした取り組みを通して、各学校におけるキャリア教育の一層の推進を図ってまいります。
 次に、小学校新規採用教員の育成支援についてでございます。
 小学校の新規採用教員は、初年度から学級担任として学級経営や保護者対応を行いますことから、円滑に教育活動をスタートできるよう支援することが重要でございます。
 都教育委員会は、区市町村教育委員会と連携いたしまして、平成十九年度新規採用教員から、正式採用前の三月の段階で、四月から勤務する学校に出向いて、授業参観や児童との交流など学級担任として役立つ実践的な活動を体験いたします任用前学校体験や、管理職OB等が各学校を巡回して助言し相談に応じる教育アドバイザー制度を実施しております。
 また、平成二十一年度からは、昨年策定いたしました東京都教員人材育成基本方針に基づきまして、新たに任用する主任教諭が若手教員に対して指導方法の工夫、改善を助言するとともに、保護者との対応、地域との連携の進め方などについてOJTを通じて指導するなど、学校現場における人材育成の取り組みを進めてまいります。
 さらに、区市町村教育委員会はそれぞれ独自に、例えば校長OBを活用して授業の進め方を指導したり、土曜日に新規採用教員のための相談室を開いたりするなどの取り組みを行っております。
 このように、新規採用教員の育成につきましては、都と区市町村が連携いたしまして、万全を期して取り組んでいるところでございます。
 次に、教員へのメンタルヘルス対策についてでございます。
 都教育委員会では、新規採用教員への啓発資料の配布、臨床心理士や精神科医による個別相談、区市町村教育委員会が主催する研修会への講師の派遣、ストレス対策等の精神保健講習会や、管理職を対象とした事例研究会の開催など、疾病の早期発見、予防に努めております。
 また、精神疾患で休職した教員が職場復帰する際には、医療機関における訓練のほかに、学校における訓練を実施しております。学校における復帰訓練を行う際には、教育相談員や心理相談員が学校を訪問し、個別具体的な相談に応じるなどの支援を行っております。
 今後とも、教員のメンタルヘルス対策の充実に努めてまいります。
   〔生活文化スポーツ局長秋山俊行君登壇〕

○生活文化スポーツ局長(秋山俊行君) 東京空襲犠牲者名簿についてでございますが、都では毎年、「広報東京都」や記念行事のポスター、チラシなどを通じて、名簿登載への呼びかけを行っているところでございます。
 また、区市町村や他の道府県に対しましても、周知について協力の依頼を行っているところでございます。
 今後とも、名簿の整備方策については検討してまいります。
   〔建設局長道家孝行君登壇〕

○建設局長(道家孝行君) 中央環状品川線五反田換気所建設工事における沿道への影響の軽減や換気塔の規模縮小などについてのご質問にお答えいたします。
 中央環状線は、渋滞緩和や環境改善を図る上で極めて効果が高い路線であり、その機能を十全に発揮させるために、品川線の早期完成が求められております。
 整備に当たりましては、沿道環境への影響が最も小さい地下構造を採用しているため、換気所の設置が不可欠でございます。
 これまで、換気所の規模縮小や沿道への影響の軽減について、さまざまな検討を重ねてまいりました。この間、ディーゼル車規制など排出ガス対策が進み、国は昨年十月に道路トンネルの換気基準を改定したところでございます。
 この新基準に基づき見直しを行った結果、換気所の地下部分の大きさを約三分の二に縮小し、換気塔の太さを約四分の一にスリム化するなど、計画を変更いたします。
 これにより、工事中も、おおむね現在の歩道幅員が確保できるなど、工事による沿道への影響を大幅に軽減できると考えております。
 これらのことを、お話にありました地元町会等で構成される連絡会へ、先般、説明いたしました。
 今後とも、住民の理解と協力を得ながら、五反田換気所建設工事を着実に進め、品川線の平成二十五年度開通に向け、事業を推進してまいります。

副議長(石井義修君) 百十六番佐藤裕彦君。
   〔百十六番佐藤裕彦君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○百十六番(佐藤裕彦君) 東京都議会本会議で、私にとりましては最後の質問をさせていただきますが、日ごろから疑問に感じながらも、今さらこんなこと聞けないよと口に出せなかった問題も含めて質問をしたいと思います。
 私が初当選の栄を賜ったのは、昭和六十年の七夕選挙でありました。当時の私は、弱冠二十七歳、独身、体重は今より十五キロ軽い、紅顔の美少年ならぬ美青年でありました。初登庁のときに、史上最年少都議ということもあり、マスコミの皆さんに質問攻めにされたことを、きのうのように思い起こします。
 そのときの質問の一つに、東京都の将来あるべき姿とはどんなものを考えるかというものがありました。この質問に対し、私は、東京都の究極の目的はなくなることでしょうと答え、びっくりされたものでありました。この考え方は、二十四年を経た今日でも基本的には変わっておりません。
 どういう意味かと申しますと、現在、都区間におきまして、都区のあり方について、なかなか進まない協議が続けられておりますけれども、都として、まだ事実上内部団体扱いの二十三特別区を、独立した自治体として名実ともに本来の姿で自立させ、世界じゅうでも余り例のない、二十三区を横並び平等の中で独自性を競わせるような都区の財調制度等を見直し、もっとシンプルな形を目指して、都内の区市町村の再編を促し、行政の効率を上げることを考えていくべきであろうということを言外に込めたわけであります。
 もっと簡単にいえば、都は本来の大都市行政に徹し、区市町村にできることは区市町村に任せ、都は、区市町村の補完に徹した方がよいといったわけであります。
 知事は、これからの東京都のあるべき姿、果たすべき役割についてどのように考えておられるか、ご所見を伺いたいと思います。
 ちなみに、こんなことをいうと怒られるかもわかりませんが、私は、二十三区は幾つかの政令指定都市へと発展解消し、多摩は四十八番目の県として大きく羽ばたいていただきたい、このように思っております。
 さて、私が丸の内にあった東京都議会本会議場の演壇に初めて立ったのは、昭和六十年十二月の第四回定例会でありました。当時の議事堂は、四隅に茶色く雨漏りの跡が残り、照明も薄暗く、天下の東京都議会としては、まことにつつましいものでありました。自民党控室も同様で、全議員が一堂に会せるのは執務机が置いてある部屋だけで、その狭い机で資料に埋もれながら弁当をつついたのも、今はよい思い出であります。
 平成三年に、大議論の末、ここ新宿に移転してはや十八年、雨漏りや空調のふぐあい等、私同様、経年劣化が進み、改修の必要性を感じているところであります。
 去る二月十日に、財務局より、都庁舎の設備更新等に関する方針が発表されました。十年間にわたるとはいえ、七百八十億円を投じて、第一、第二本庁舎、そして議会棟の大規模改修が初めて行われるというものであります。
 私からいうまでもなく、この都庁舎は千五百六十九億円で建ったものであります。その半分の費用をかけて今、改修を行うことについて、改修費用は建設費の五〇%以下で、民間ビルの大規模改修と比べても過大投資ではないとコメントがありました。
 今日までのメンテナンスに問題はなかったとは思いますが、都民の目からすれば大きな金額であります。加えて、現下の厳しい経済情勢もあります。
 また、都有地の売却などで財源を賄い、一般財源は投入しない方向とありますが、都有地も都民の貴重な財産であります。この大規模改修に当たっては、都民の皆様の理解を十分に得られるよう、その必要性をわかりやすく説明をしていただきたいと考えますが、ご所見を伺います。
 次の質問に移ります。
 喫煙は死を招きます、あなたの喫煙は他人に有害です。これは、オーストラリアのたばこ警告文であります。我が国に比べて随分強烈であります。
 日本人男性の喫煙率は、昭和四十三年の八三・七%をピークに、平成十八年には四〇%を切りました。女性の喫煙率は横ばいでありますけれども、一〇%前後でありますが、二十代から三十歳代が高くなっているのが気になるところであります。
 昨年三月四日に、日本学術会議が「脱タバコ社会の実現に向けて」という提言を行いました。その中で、喫煙のもたらす直接的健康被害に関しては議論の余地はない、受動喫煙についても、科学的根拠に基づく健康障害を引き起こすことが明白になった、国民皆保険の日本にあっては、たばこによる健康障害に要する費用は国民全体で負担しているため、喫煙は国民全体の医療経済問題であり、単に個人的嗜好の問題とはみなされないといっております。
 東京都内においても、路上喫煙禁止に始まり、我が控室を除きましては、さまざまなところで嫌煙、分煙が確立されつつあることは、まことに喜ばしい限りであります。
 いまだに、体を張って税金を払っているのに文句があるかという人がたまにいます。確かに、区市町村分を合わせて東京都全体で一千三百五十億円の税収は大きい。だからといって、喫煙を野放しにしてよいというわけにはいきません。
 喫煙による死亡者は、日本の年間死亡者数百万から百十万人のうち、二十万人に上るといわれております。たばこを吸っているご本人が早くあの世へ行くのは勝手ですが、道連れはご免であります。受動喫煙の被害をなくすためにも、禁煙策あるいは分煙策を積極的にとるべきと考えますが、今後の取り組みについて意欲を伺います。
 WHOは、平成十五年にいわゆるたばこ規制枠組み条約を採択し、我が国も平成十七年に批准をしていますが、昨年は、たばこ税の値上げが見送られたり、たばこは二十になってからというような、裏を返せば二十になったらたばこを吸おうというように聞こえるキャンペーンのごとく、はっきり禁煙に踏み込めないのはなぜか。
 幾ら税金が入るからといっても、たばこは百害あって一利なしを物心がついた時期から教えるべきでありますし、成人に対しても、もっと広く詳しくたばこの恐ろしさを知らしむるべきと考えますが、具体策について、あわせてご所見を伺います。
 平成十九年にがん対策基本法が制定され、東京都でも昨年三月にがん対策推進計画を策定いたしました。残念なことに、その双方に喫煙率削減の数値目標がありません。二十二の道県では、それぞれのがん計画の中に数値目標を盛り込んでいます。がんの原因の一番最初に喫煙が挙げられており、がん予防においてはたばこ対策を進めることが重要と書かれていながら、三年以内に未成年の喫煙をゼロにするという当たり前のことが書いてあるだけで、成人に対する数値目標がない。
 東京都は、都民の健康を守り、医療費の面からも喫煙率削減の数値目標を明確にし、その責務を果たすべきと考えますが、いかがでありましょう。
 喫煙に対する日本の取り組みのおくれは各国に比べて歴然としているとの指摘もある中、地方自治体の雄である東京都の禁煙に対する取り組みの一層の強化を期待するものであります。
 しかしながら、ただ禁煙を推し進めればよいというものではありません。今日まで国策に従ってたばこ関連の仕事をされてきた方々のことも十二分に配慮をし、かつ、これまでも、やめたくてもやめられない、やめるといらいらするという極めて依存性の高いものを高額の税金を取って売りつけ続けてきた行政の責任をしっかりととるべきものと考えます。
 さて、去る平成十八年の第一回定例会で首都高品川線の質問をいたしました。あれから三年、私たち品川区選出の四名の都議会議員は、党派を超えてこの問題に取り組んでまいりました。現在、品川線は、大井立て坑が竣工し、先月にはシールドマシンが発進したと聞きました。いよいよ五反田換気所も着工が近くなりました。この工事を含めて予定どおりの開通をするためには、住民の皆様の理解を得ることは不可欠であります。
 今後の五反田地区の大気や景観など、沿道環境保全に対しての対応を伺います。
 次に、交通違反の取り締まり等交通問題について、基本的な考え方について質問をしたいと存じます。
 まず伺いますが、交通違反の取り締まりは、交通事故を未然に防ぐために行っていると理解してよろしいでしょうか。
 だとすれば、飲酒運転などはもってのほかでありますが、うっかりミスによる一時停止違反等は、取り締まる以前に、まさに制服による抑止力を使ってドライバーの注意を促し、違反に至らないようにして事故を未然に防ぐ方向にすべきと考えますが、ご所見を伺います。
 一昨年の六月に駐車違反の摘発が民間にもできるようになって一年八カ月が過ぎました。実施以来、渋滞が目に見えて減ったということは大変大きな成果であります。最近は大きなトラブルも聞かなくなりましたが、どうしても腑に落ちないことがあります。それは、どんなに邪魔なところにとまっている車両でも、人が乗っていれば摘発をせずに、知らぬ顔で通り過ぎてしまうことであります。民間業者にその権限は与えられていないとのことでありますが、都民感情としてはなかなか理解ができません。
 法改正等が必要だとは思いますが、せめて移動を促すことができる権限を付与する必要があると考えますが、いかがでしょう。見解を伺います。
 違法駐車を一掃することは、東京の自動車交通の円滑化に大きく寄与するものと考えますが、これだけ車に依存する社会ができ上がってしまっている以上、ただやみくもに駐車を取り締まるだけでは、必ずどこかにひずみが出ます。
 マドリードの旧市街のように、午前十一時までは一時的な荷さばき等の駐車は認めたりするような社会の実情に合わせたフレキシブルな対応や、必要量の安価な駐車場をきちんと行政の責任で整備することが必要と考えますが、ご所見を伺います。
 去る一月十九日、長崎に全国初の地域生活定着支援センターが開設をされました。刑務所を出た知的障害者の社会復帰を支援する施設であります。
 ある刑務所の技官経験者の方の言葉を引用します。障害者の脱施設化が進む一方で、社会に居場所がない人が刑務所に来ている。福祉の光に浴することができない人々の最後のとりでが刑務所になってしまっている現状を端的に示している言葉ではないでしょうか。
 法務省によれば、毎年、新規受刑者の二割は知的障害者であり、服役中の知的障害者の七割が再犯であるといわれています。すなわち、刑務所を出た後の社会復帰は就労することが前提となっている我が国では、出所後の知的障害者にとっては大変厳しい実情の社会が立ちはだかっているため、生活苦から犯罪を繰り返すことが多いのであります。その人たちの支援を、少しの支援があれば、長い間不幸だった人も幸せに生活を送ることができる、こういう信念のもとにオープンしたのが冒頭の長崎の施設であります。
 二十一年度中には、長崎の施設と同種の地域生活定着支援センターを、初めは国が設置をするといったにもかかわらず、いつの間にか都道府県に丸投げをして設置することになりました。これがどのような施設になるのか、都はどのような体制で臨むのか、伺います。
 また、知的障害があるために自立できず、しかも生活支援がなされず、療育手帳も持たずに犯罪を繰り返さざるを得ない人たちにどう対処していくべきなのか、東京都の基本的な考え方を伺います。
 先進国では、知的障害者は人口の二%前後といわれています。単純計算をすれば、我が国では約二百五十万人ということになりますが、実際に療育手帳を持っている知的障害者の方は約五十万人といわれています。東京都の現状はどのようになっているでしょうか。また、この現状をどう受けとめておられるのか、伺います。
 療育手帳取得の少なさの原因の一つに、そのハードルの高さがあるといえます。年齢が高くなってからの申請は、十八歳までに知的障害が発症したことが必要なため、子ども時代を知る人の証言を求められる場合があると聞きます。何年も前のことを証言してもらうことは、大変に気の重いことであります。療育手帳がなく、福祉サービスが受けられないことで犯罪を繰り返さざるを得ない知的障害者をこれ以上ふやさないために、また、一人でもこういった不幸な状況に陥らざるを得なかった人々を減らしていけるように、都としての格段のご尽力をお願いしたいと存じます。知事のご決意のほどをお伺いいたしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 佐藤裕彦議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、これからの東京都のあるべき姿や果たすべき役割についてでありますが、我が国の首都である東京は、人々の生活の場であると同時に、三百万人を超える昼間流入人口を抱えまして、これに対応するさまざまなインフラが整備された都市でもありまして、人材や企業が高度に集積する世界に類を見ない大都市であります。
 都は、区市町村との役割分担のもと、大都市としての一体性を確保しつつ、交通渋滞などの課題を迅速かつ効果的に解決し、将来にわたり、首都東京の持つ可能性を十分に発揮できるようにしなければならないと思います。
 また、東京が直面する広域的な行政課題について、首都圏という大きな枠組みの中で政策を展開していくことも必要でありまして、都はこれまで、ディーゼル車排出ガス規制など、あるいは災害時の県をまたいでの協力体制など、その構築には着実に成果を上げてきたつもりでございます。
 今後とも、日本の頭脳部、心臓部としてその持てる力を遺憾なく発揮し、都民のみならず、首都圏住民にとっても真に実効性のある取り組みを進め、その役割を十全に果たしていくべきだと思っております。
 次いで、法に触れる行為を繰り返す知的障害者についてでありますが、成育の途上で障害が適切に把握されずに、本来必要な支援がなされなかったことなどによりまして、法に触れる行為を行い、家庭や地域での生活に適応することが難しい知的障害者が大勢おられます。
 しかし、こうした障害者についても、ハンディキャップ、成育環境などを的確に把握し、必要な支援につなげていくことが大切であると思います。
 都は、区市町村や障害者を支える人々と力を合わせながら、知的障害者が、さまざまな支援のもとに地域の中で安心して暮らしていける社会を実現していきたいと思っております。
 他の質問については、警視総監及び関係局長から答弁いたします。
   〔警視総監米村敏朗君登壇〕

○警視総監(米村敏朗君) 交通違反の取り締まり外二件のご質問にお答えをいたします。
 初めに、交通違反の取り締まりについてでありますが、何のために交通違反の取り締まりをやるのか、この点については、まさしく議員ご指摘のとおり、要は、都民一人一人が交通ルールを守り、交通事故を起こさないようにするということであります。
 したがいまして、交通事故の発生実態等を踏まえて、悪質、危険性、迷惑性の高い違反に重点を置いた取り締まりを行う一方で、できるだけ多くの制服警察官を街頭に配置し、見せる警戒活動等を行うことによって、交通違反そのものの抑止や、あるいは交通事故の抑止に努める必要があろうかというふうに考えております。
 したがいまして、今後とも、今申し上げた交通事故の発生を未然に防止するため、重点を指向した取り締まりとともに、見せる警戒活動を継続してまいりたいというふうに思います。
 次に、駐車監視員の権限あるいは活動に関するご質問についてでありますが、公安委員会の登録を受けた受託法人の駐車監視員には、法律上、放置車両の確認及び標章の取りつけができるというふうにされておりますが、議員ご指摘のとおり、違法駐車車両のドライバーに対して移動を命ずる権限、これは付与されておりません。
 しかしながら、悪質、危険性あるいは迷惑性が高い違法駐車車両等に対しましては、放置車両の確認行為の中で移動を促すとともに、極めて危険性が高い場合などにつきましては、直ちに警察署長、いわゆる警察署に通報するなどの必要な措置を要請するよう指導をしているところであります。こうした対応を適正に行わせることによって、道路交通上の安全と円滑を一層確保してまいりたいというふうに考えております。
 最後に、駐車規制に関するご質問についてでありますが、荷さばきに配意した駐車対策として、築地市場、日本橋問屋街につきましては平成十八年五月から、大田市場については平成十九年五月から、それぞれ時間と場所を限定して、集配中の貨物自動車を駐車禁止規制の対象から除外するなどの措置を講じているところであります。また、平成二十年九月からは、浅草地区の外九地区においても、同様の規制緩和を試験的に実施しているところであります。
 今後とも、地域住民の意見等に配意をしながら、荷さばき等による駐車の必要性というものに配意しつつ、あわせて交通の円滑化との調和を図りながら、地域の実情に応じたきめ細やかな、いわばフレキシブルな駐車規制を実施してまいります。
 なお、駐車場の整備拡充につきましては、引き続き関係機関等に働きかけてまいりたいと考えております。
   〔財務局長村山寛司君登壇〕

○財務局長(村山寛司君) 都庁舎の設備更新についてのご質問にお答えいたします。
 お話のように、平成三年に開庁した都庁舎は、ことしで築後十八年になるわけでございますが、体はもちろん何の問題もありませんが、ここ数年、設備系の故障がふえております。空調設備で見ますと、年間七百件前後、一日平均二件程度の故障が発生しております。また、昨年は議会棟での水回りの配管の断裂事故が発生し、議員の皆様方にも大変ご迷惑をおかけいたしました。
 一般に、高層の建築物の場合では、おおむね築後二十年前後が空調機等設備の更新期といわれておりますけれども、ビルとしての機能維持という点から、現在は更新に着手すべき時期にあると考えております。
 一方、都庁舎の機能は、いわゆるオフィスビルとしての機能だけではなく、災害時に防災拠点としての役割を果たす必要がございます。都政のBCPでは、災害発生後七十二時間以内に通常の五〇%の職員が参集し、災害への対応業務等に当たることとされております。これに必要な電力を停電が長期に及んだ場合でも確保するためには、非常用発電機などの設備の能力を現在よりも六割方強化することが必要となります。
 もう一つは、都庁舎から排出されるCO2を削減する課題でございます。都は、二十二年四月から都内大規模事業所へのCO2排出量削減を義務化するということで、今、方針で進めているわけでございますが、都庁舎は、この政策の目標達成に向け、先導的な役割を果たす建築物にしなければならないと考えております。そのため、できるだけ早期に空調機、照明器具などの省エネ機能を大幅にアップいたしまして、これにより、都庁舎から排出されるCO2を年間約八%、二千四百トン削減することを目標といたしております。
 都庁舎の設備更新をこの時期から開始する必要があると考えている主な理由は、こうした点でございます。
 この設備更新に必要な額につきましては、現時点で、十年間合計で七百八十億円程度と見込んでおります。超高層の建物である都庁舎は、三棟合計の延べ床面積が約三十八万平方メートル、霞が関ビルの約二・五倍でございます。庁舎内の設備について見ますと、空調機が約千台ございまして、照明器具が約六万台、配管類の延長は約五百二十キロメートルに及んでおります。費用がかさむ理由の一つには、こうした建物の規模がございます。
 一般に、高層ビルの設備更新には建設費用の半分以上を要するといわれておりまして、都庁舎の場合にはそれを下回ってはいるわけでございますが、絶対額としては、確かにご指摘のように大きいと感じさせる額でございます。しかも、更新のための財源は、都民の貴重な財産である都有財産の利活用による収入で賄うことといたしております。設備更新費用には決してむだがあってはならないと考えてございます。
 したがいまして、今後、この所要額につきましては、設計段階等におきまして、さらに一層圧縮に努めてまいります。さらに、毎年度の予算編成の中でも改めて精査をいたしまして、都民の負担を少しでも減らせるよう、努力してまいります。
 よろしくご理解を賜りますよう、お願いをいたします。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) 六点についてお答えをいたします。
 まず、禁煙及び分煙に関する取り組みについてでありますが、厚生労働省の検討会報告書によれば、たばこは、がん、心筋梗塞、肺気腫等の原因の一つであり、喫煙者はもとより、受動喫煙による周囲の人への健康影響も明らかであるとされております。
 都では、平成二十年三月に策定をいたしました東京都健康推進プラン21新後期五か年戦略の中で、禁煙希望者への支援や喫煙及び受動喫煙の健康影響についての普及啓発を行うことを目標として掲げておりまして、この計画に基づき、引き続きたばこ対策を進めてまいります。
 次に、たばこの健康影響に関する周知についてでありますが、都は、喫煙による健康影響が大きい未成年者の喫煙防止リーフレットを作成し、都内の全中学生に配布するとともに、小中高校生を対象にポスターを募集し、優秀作品を表彰するなど、年少時からの喫煙防止に取り組んでおります。また、成人に対しても、喫煙及び受動喫煙の健康影響などについてホームページで周知し、妊産婦の喫煙についても、胎児の発育や乳児の健康に影響を及ぼすことを記載したリーフレットを配布するなど、広く都民に普及啓発を行っております。
 次に、喫煙率削減の目標についてでありますが、都は、昨年三月に策定した東京都がん対策推進計画におきまして、平成二十四年度までの目標として、未成年者の喫煙率ゼロ%を目指すことや成人の喫煙率を下げることを掲げてございます。
 今後とも、区市町村や関係機関等と連携し、その達成に向けて努力をしてまいります。
 次に、地域生活定着支援センター(仮称)についてでありますが、本センターは、刑務所出所者等のうち知的障害のある方などが、出所後直ちに障害者手帳の発給や社会福祉施設への入所などの福祉サービスを利用できるよう、刑務所入所中からニーズの把握や受け入れ先の調整等を行うものであります。
 当初は、国が直接社会福祉法人等に委託する予定でありましたが、昨年十二月、都道府県を実施主体とするとの方針が示されました。本事業の詳細につきましては、現在、国において検討中であります。都といたしましては、その内容が明らかになった段階で適切に対応してまいります。
 次に、法に触れる行為を行った知的障害者への対応についてでありますが、知的障害者につきましては、生活を支援する主体である区市町村におきまして、療育手帳、年金の申請や障害者サービス、生活保護などを行い、自立した生活ができるよう支援していくことが基本でございます。法に触れる行為を行った知的障害者についても同様と考えております。
 こうした方のうち、帰る場所がないため支援を受けられない方につきましては、まず、居住地を確保できるよう国の矯正機関などが適切に支援し、その上で区市町村の福祉サービスにつなげていくべきものと考えております。
 最後に、療育手帳の交付状況についてでありますが、療育手帳に相当するものとして、都では愛の手帳制度があり、平成十九年度末現在の交付数は約六万二千件であります。
 福祉サービスを受ける上で手帳は重要なものであるため、都はこれまで、さまざまな広報手段により手帳制度について周知を図ってまいりました。今後も、必要な方が手帳を所持できるよう、引き続き周知に努めてまいります。
   〔建設局長道家孝行君登壇〕

○建設局長(道家孝行君) 最後に、中央環状品川線五反田地区の大気や景観など、沿道環境の保全についてのご質問にお答えいたします。
 中央環状線は、渋滞緩和や環境改善を図る上で極めて効果が高い路線であり、その機能を十全に発揮させるために、品川線の早期完成が求められております。
 整備に当たりましては、沿道環境への影響が最も小さい地下構造を採用しているため、換気所の設置が不可欠であります。
 お話のございました三年前のご質問は、今でも記憶に残っております。これまで、品川線沿道の大気状況を継続して把握してまいりましたが、経年の変化を踏まえると、改善されつつあるものの、依然として二酸化窒素の環境基準が達成できない大気観測所があるなど、厳しい状況が続いていると考えております。
 また、平成十九年十二月に供用した新宿線に低濃度脱硝装置が設置され、一年間の計測の結果、九〇%以上の高い脱硝効果があることが確認できました。これらを踏まえ、低濃度脱硝装置の設置が必要と考えております。
 また、道路トンネルの換気基準改定に伴い、換気塔の太さを約四分の一にスリム化することで、景観への影響が大幅に緩和されます。これらのことを、地元町会等で構成される連絡会へ先般説明いたしました。
 今後とも、住民の理解と協力を得ながら、五反田換気所建設工事を着実に進め、品川線の平成二十五年度開通に向け、事業を推進してまいります。

議長(比留間敏夫君) 三十八番吉倉正美君。
   〔三十八番吉倉正美君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○三十八番(吉倉正美君) 最初に、東京の住宅政策、とりわけ都営住宅の今後のあり方について質問いたします。
 東京が都市として発展してきた歴史的経過の中で都営住宅が果たしてきた役割は、極めて大きなものがあります。ヨーロッパの都市が市街地に集合住宅を確保してきたように、東京の都市形成の過程の中で、人々が住み続ける都営住宅が都市の核をなしてきたことは事実であります。
 都市とは、そこに人が住んでいることが基本であり、住宅は都市を形づくる重要な要件であります。今や、都民が安心して住める住宅の提供、住環境の整備は重要な政策課題となっております。
 現在、東京には、都営住宅を初めとする公共住宅のストックが多く存在しております。人口減少や少子高齢化、環境問題への対応が求められる中、こうした公共住宅ストックも視野に入れ、今後の東京の住宅政策について、知事の所見を伺います。
 今日、多くの都営住宅では高齢化が進み、住民の過半数が六十五歳以上で、単身高齢者の方が多いため、緊急時の対応を初め、防犯や清掃活動などの自治会活動に携わる役員の方々が大変苦労されている実態があります。例えば新宿区の百人町アパートなど、建てかえにより建設された大規模な団地では、こうした状況が顕著であることから、限界集落などとやゆされておりますが、その対応には、広くまちづくりの視点に立った取り組みが不可欠であると考えております。
 入居者の高齢化が進む現状を踏まえ、大規模な住宅の建てかえにおいては、人々が安心して住み続けられる住環境の多面的、総合的な整備を進めるべきであります。見解を伺います。
 また、大規模な都営住宅の建てかえに当たっては、定期借地権の活用とともに、民間活力の導入を積極的に行うなど、都営住宅の敷地内に診療所や食品スーパー、あるいはコンビニ等を誘致できるような環境づくりを推進すべきであります。
 こうした取り組みにより、住民の交流を含めた地域コミュニティの再生が可能となり、生き生きとした都営住宅に生まれ変わることができると考えております。
 昨年完成した港区の港南四丁目地区では、都営住宅の建てかえとあわせた民活プロジェクトの実施により、分譲マンション約八百戸の建設と同時に、スーパー、診療クリニック等の施設を住宅敷地内に整備しており、大変喜ばれていると聞いております。
 この民活プロジェクトにより整備された施設は、高齢化が進む都営住宅の居住者や地域住民にとって、日常生活の利便性を大きく向上させるものであります。
 都は今年度から、建てかえ対象となる都営住宅の範囲を昭和四十年代建設の団地まで拡大したところですが、港南四丁目のような民活プロジェクトが可能な大規模団地は、新宿区の戸山ハイツを初め、都内各所にあり、今後、積極的に取り組みを進めていくべきであります。見解を伺います。
 都営住宅の居住者の高齢化の進展に対しては、建てかえ時の公共施設の整備や民間施設の誘致など、ハード面での対応だけではなく、ソフト面における血の通った施策を的確に実施していくことが重要であります。
 その対策の一つが、高齢者世帯と子ども世帯が近くに住めるようにすることです。高齢の親の近くに子ども世帯が住むことで、高齢者も元気になり、子どもの育児の応援もしてもらえる、家族のきずなも一層深めることができる。このように、都営住宅に、大きな意味で家族という概念を組み入れるべきだと考えます。
 都は、親子触れ合い住みかえ募集を年間四十戸実施しておりますが、募集する住宅の立地条件や規模などが希望と合致しない場合が多く、募集した住宅で入居まで至る件数は半分程度にとどまっている実態があります。今後、この制度がさらに要望に即して活用されるよう、きめ細やかな対応と工夫をすべきであります。見解を伺います。
 次に、障害者の雇用と就労について伺います。
 都の障害者雇用率は、五年前の一・三%台から、現在一・五%と改善の兆しを見せてはいるものの、依然として法定雇用率の一・八%には達しておりません。景気が急速に後退し、戦後最大の経済危機がいわれる中で、さらなる雇用情勢の悪化が懸念されています。こうした状況だからこそ、弱い立場の障害者の雇用の維持、拡充を積極的に推進していくことが強く望まれており、とりわけ都は、そのリーダーシップをとるべきであります。
 今、知的障害者と精神障害者の雇用を促進する都のチャレンジ雇用制度が期待されています。そこで、都のチャレンジ雇用の今年度の実績と来年度の目標、さらに、都の今後の障害者の雇用、就労に向けた取り組み方針を伺います。
 チャレンジ雇用により、障害者の方々が仕事に対する自信と挑戦する意欲を身につけることができますが、その経験とスキルを、さらに就職先企業といかに結びつけるかが大きな課題であります。
 現在、企業とのマッチングは、都独自の事業として区市町村に障害者就労支援センターを設置して支援の効果が期待されていると聞いておりますが、まだ都内すべての区市に設置されているわけではありません。今後、全区市に障害者就労支援センターの設置が促進されるよう、具体的な支援を実施すべきであります。
 また同時に、就職先企業に対してセンターの支援内容を丁寧に紹介するなど、広報面での取り組みも進めるべきであります。あわせて見解を伺います。
 平成十七年第四回定例会で、私は、知的障害者の方々の働く場を都が率先して提供すべきであるとして、都営地下鉄の駅構内に障害者団体の出店を提案いたしました。昨年の港区の大門駅に続き、あす二十六日には、新宿区の若松河田駅に、障害者の方々が働くパンとコーヒーの店がオープンする運びとなっています。これは障害者の方々の自立と雇用を支援する取り組みが一歩前へ進むものとして、高く評価するものであります。
 今後も、障害者の方々の働く場が一層拡大されることを強く要望するものでありますが、あわせて、平成二十一年度における駅構内の店舗の設置予定について明らかにされたいと思います。
 次に、中小河川の整備について伺います。
 都心の暴れ川といわれた神田川は、これまで五〇ミリ対策が着実に進められてきており、水害被害の減少と安全性の向上が図られております。しかし、平成十七年九月に発生した、時間雨量最大一一二ミリ、総雨量二六三ミリの記録的な集中豪雨では、濁流がうねりを上げて護岸を襲い、川が決壊するなど、周辺住民に大きな被害と恐怖を与えました。
 こうした状況に対して、現在、急ピッチで河川激甚災害対策特別緊急事業が進められております。そこで、神田川、妙正寺川のこれまでの整備状況と、妙正寺川の激特事業の進捗並びに今後の見通しについて伺います。
 ハード対策は着実に進められておりますが、近年、時間雨量五〇ミリを超える豪雨の回数は増加しており、決して安心できる状況ではありません。
 平成十七年の豪雨災害の教訓として、河川水位の上昇を予測し、洪水のおそれを知らせる洪水予報があれば、どれほど不安と被害が軽減できたかとの切実な声が今なお多く寄せられています。都は、神田川において洪水予報の準備を進めていると聞いておりますが、ぜひ早期に運用を開始すべきであります。
 また、こうした防災情報は、住民にいかに迅速かつ的確に伝えるかが重要であり、NHKを初め民放各社のテレビを活用して広く周知することも極めて効果的であります。早期の実現を図るべきと考えます。あわせて所見を伺います。
 最後に、淀橋市場について伺います。
 私の地元新宿区の淀橋市場は、昭和十四年から業務が行われている、長い歴史を持つ卸売市場であります。新宿副都心に隣接していることから、利便性が高く、青果物の市場としては、大田、築地市場に次ぐ都内第三位の取扱量を誇る市場であります。
 まず、淀橋市場のこれまで果たしてきた役割と都民生活における重要性について、都の認識を伺います。
 淀橋市場は住宅地にあり、敷地も狭く、施設の老朽化が進んでおります。卸売市場整備計画では、場内動線や仲卸業者、売り場等の配置を見直し、必要な施設整備を行うとしておりますが、市場機能の活性化のためにも、できる限り早期に、関係する業者の要望を踏まえながら建設に着手すべきであります。具体的な整備内容とスケジュールを明らかにされたいと思います。
 生鮮食料品の流通にあっては、その品質管理が最も重要であり、生産から消費に至る中間地点である卸売市場におけるコールドチェーン、すなわち低温を保つ物流方式の保持が不可欠であります。
 淀橋市場では、卸売業者が卸売り場の一部の低温化を進めておりますが、全体の取扱量に比べて、現状の設備規模は決して十分とはいえません。コールドチェーンに対応した施設整備が早期に可能となるよう、都は積極的に支援すべきであります。
 見解を伺いまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 吉倉正美議員の一般質問にお答えいたします。
 今後の東京の住宅政策についてでありますが、少子高齢化や環境問題などのさまざまな課題解決を図るためには、公共住宅を含む既存住宅のストックを有効に活用することが重要であります。
 都はこれまでも、都営住宅の適切な維持更新を図るとともに、その建てかえに際し創出した用地について、民間事業者の活力を生かしながら、良質な住宅供給や良好な住環境の形成に取り組んでまいりました。
 また、民間住宅が長期にわたり活用される市場環境の整備などにも努めてまいりました。
 今後とも、公共住宅ストックを活用したセーフティーネット機能の向上など、都民の住まいの安全・安心を確保するとともに、世代を超えて住み継がれる住宅まちづくりを推進するために、住宅政策を総合的に展開していきたいと思っております。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕

○都市整備局長(只腰憲久君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、大規模な都営住宅の建てかえ時の住環境の整備についてでございますが、大規模な都営住宅は地域のまちづくりの拠点となることから、建てかえに当たっては、老朽化した住宅を更新するとともに、高齢化の進展に対応した福祉サービスの充実など、地域の課題に配慮し、住環境の整備を図ることが重要でございます。
 このため、都はこれまでも、地元区市と連携し、地域のコミュニティ活動の拠点となる集会所等を整備するとともに、高齢者在宅サービスセンターなどの整備を支援してきました。
 今後とも、敷地の有効利用により生み出された用地を生かし、まちづくりと連携した事業の推進に取り組んでまいります。
 次に、大規模な都営住宅の建てかえにあわせた民間活用事業の推進についてでございますが、建てかえにより生み出した用地については、都民共有の貴重な財産であることから、民間事業者の創意工夫も引き出しながら、地域の特性を踏まえたまちづくりに活用していくことが重要でございます。
 これまで四地区において民間活用事業を実施しており、現在は中央区の勝どき一丁目地区で実施しておりまして、良質な賃貸住宅の供給とあわせ、地域に開放された子育て支援施設、診療所、商業施設などの整備を行い、にぎわいと活力にあふれたまちづくりに取り組んでおります。
 今後とも、団地の状況を勘案しながら、民間活用事業を積極的に行うことにより、地域のまちづくりを推進してまいります。
 最後に、親子触れ合い住みかえ募集の活用促進についてでございますが、この制度は、一定の条件のもとで都営住宅の居住者に住宅変更を認めることにより、親世帯と子世帯の近居を可能にするもので、平成十二年度から実施し、これまで募集の回数や戸数をふやし、制度の拡充に努めてまいりました。
 今後とも、この制度について一層の周知を図るとともに、立地条件や規模等について、利用希望者の実情をより細かく踏まえた募集を行うことなどにより、この制度の活用が一層進むよう努めてまいります。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) 二点につきましてお答えいたします。
 雇用にチャレンジ事業についてでありますが、今年度、福祉保健局と産業労働局の両局におきまして、知的障害者と精神障害者十二人を四カ月間雇用いたしました。来年度は、雇用人数を十六人に、雇用期間を六カ月に拡充してまいります。
 また、これまで、区市町村にも雇用にチャレンジ事業の実施を働きかけ、一部で実施されており、今後、民間企業等にも取り組みを促してまいります。
 さらに、昨年十一月に策定いたしました東京都障害者就労支援行動宣言に基づきまして、ハローワーク、就労支援機関、特別支援学校、企業などにより地域の就労支援ネットワークを構築し、障害者の就労を一層促進してまいります。
 次に、区市町村障害者就労支援センターについてでありますが、現在、四十三区市で運営されており、都は、設置区市に対しまして、運営費の補助を行うなどの支援を行っております。
 このセンターでは、就労面と生活面の支援を一体的に提供し、障害者の企業等への就労を促進するとともに、地域開拓促進コーディネーターを配置し、就労先企業の開拓などにも取り組んでおります。
 今後、平成二十三年度までに、すべての区市町村での設置を目指してまいります。
 また、来年度は、センターの支援内容などを紹介するDVDを作成し、企業等へ周知することにより、センターの活用を促進してまいります。
   〔交通局長金子正一郎君登壇〕

○交通局長(金子正一郎君) 障害者が働く駅構内店舗についてお答えをいたします。
 障害者の方々が自立した社会生活を営む上で、就労の場を確保することは重要なことであり、交通局では、経営計画において、都営地下鉄駅の構内に障害者が働く店舗を三年間に三店舗設置する目標を掲げ、地元区等と連携して取り組みを進めてまいりました。
 ただいまお話がありましたように、平成十九年度には、第一号店を大江戸線大門駅に設置いたしましたが、第二号店は、明日、大江戸線若松河田駅に開店する予定でございます。
 平成二十一年度は、三田線高島平駅と浅草線人形町駅への設置を目指し、現在、関係区と協議を進めておりまして、これにより、合計で四店舗設置できる見込みでございます。
   〔建設局長道家孝行君登壇〕

○建設局長(道家孝行君) 河川に関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、神田川、妙正寺川の整備状況と、妙正寺川激特事業の進捗並びに今後の見通しについてでありますが、神田川などの中小河川におきましては、河道の拡幅に加え、分水路や調節池の設置により、五〇ミリ降雨に対する整備を進め、水害の早期軽減を図ってまいりました。この結果、平成十九年度末の治水安全度は、神田川が九二%、妙正寺川が四九%となっております。
 妙正寺川激特事業につきましては、環七から新宿区の落合調節池までの三・九キロメートルの区間で順調に工事を進めております。当該事業区間は二十一年度に完了し、十七年九月と同規模の豪雨に対応できることになります。このことで、妙正寺川全体における治水安全度は、五六%へと七ポイント向上いたします。
 次に、神田川における洪水予報の運用と効果的な周知についてでありますが、神田川では、これまで水害が発生しており、洪水時における都民の避難行動などに役立つ情報を迅速かつ的確に提供することが必要であります。
 このため、都は、急激に水位が上昇する神田川において、一時間後の河川水位を予測し、洪水のおそれがあるときに気象庁と共同で発表する効果的な洪水予報の準備を進めてきており、本年三月から運用を開始いたします。
 都民への周知につきましては、共同発表を受け、地元区市が防災行政無線や広報車で行うほか、放送各社により、テレビテロップ等で広く情報提供される予定であります。
 今後とも、河川整備を推進するとともに、洪水予報などのソフト対策を充実し、都民の安全確保に努めてまいります。
   〔中央卸売市場長比留間英人君登壇〕

○中央卸売市場長(比留間英人君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、淀橋市場のこれまで果たしてきた役割とその重要性についてでございます。
 淀橋市場は、新宿や中野、杉並など、城西地域を中心とする都内有数の消費エリアを背景として、昭和十四年の開設以来、都民に新鮮な青果物を供給し、伝統ある卸売市場として発展してまいりました。特に昭和三十年以降は、都の西部地域における人口増加や新宿副都心の業務需要に対応するなど、地域の中核市場としての役割を果たしてきております。
 淀橋市場は、現在、取扱数量が平成二十年の実績で二十七万トンと、都内中央卸売市場の一二%を占めており、また、売買参加者が約八百人と利用者も多く、重要な卸売市場でございます。
 次に、淀橋市場の整備内容とスケジュールについてでございます。
 淀橋市場では、市場の活性化に向けた物流改善及び環境対策を目的として、リニューアル整備事業を計画してございます。
 この整備事業では、老朽化した仲卸業者売り場棟を改築し、その跡地を駐車場として活用することにより、場内の物流改善を図ります。また、防音壁の改修や屋上緑化など、周辺環境にも十分配慮してまいります。
 スケジュールは、平成二十一年度から既存スロープの解体工事、埋蔵文化財調査などを行った上で、平成二十三年度から仲卸業者売り場棟の建設に着手することとしております。
 敷地狭隘の中での工事となるため、今後、関係業界の理解と協力を得ながら、円滑に整備ができるよう努めてまいります。
 次に、淀橋市場におけるコールドチェーンに対応した施設整備についてでございます。
 生鮮食料品を取り扱う卸売市場におきましては、食の安全・安心を確保するため、品質管理の高度化が重要であり、商品特性に応じた温度管理を可能とする施設整備の推進が今日求められております。
 淀橋市場では、平成十七年度に、都が電力増強の工事を行った上で、卸売業者が保冷設備の工事を行うなど、都と関係業界が協力して低温卸売り場の整備を進めており、卸売り場の約二〇%が低温化されております。
 市場取引にとって不可欠な卸売り場の低温化を早期に進めるため、現在、コールドチェーンに対応した施設整備のあり方を検討しており、その結果を踏まえ、淀橋市場を初め、各市場の卸売り場の低温化に取り組んでまいります。

副議長(石井義修君) 七十五番門脇ふみよし君。
   〔七十五番門脇ふみよし君登壇〕

○七十五番(門脇ふみよし君) 昨年の秋に発生した都立墨東病院での不幸な出来事については、第四回定例会や関係委員会で多くの質問がなされ、都としても、緊急的、そして中長期的な対応を進めています。
 元来、医療は不確実なものであり、医師が最善を尽くしても、助けられない命もあります。しかし、助けられる命をできる限り助ける医療制度をつくっていかなければなりません。そこで、私は、東京都における救急医療体制について、幾つかの項目についてお尋ねをいたします。
 まず、救命救急センターの整備についてであります。
 国民、都民の命を守る救命救急センターの設置数については、かつては、厚生労働省の指針により、おおむね百万人に一カ所という単位で整備を図ることとされてきました。
 現在、国においては、その考え方の見直しが進んでおり、昨年夏に出された中間取りまとめでは、実態として既存の救命救急センターと同等の役割を果たしている施設については、センターとして位置づけていくことが適切ではないかとしています。新たに病院をつくるなど、いわゆる箱物整備ではなく、既存の施設の有効利用を考えていくという、現状を踏まえた適切な方向性でしょう。
 さて、都内には、現在、二十三カ所の救命救急センターがあり、数の上からは十分な確保がなされていると思いますし、またさらに、都として、一昨年は東京医科歯科大学医学部附属病院を、そして昨年は日赤医療センターを追加で指定されています。東京都の積極的な姿勢のあらわれでしょう。
 都民に安心できる医療を提供するため、質が高く、やる気――ここが重要ですが――のある病院をきちんと評価し、救命救急センターとして整備していくという方針を、今後もさらに積極的に進めるべきであると考えています。
 そこで、知事に質問です。知事には、都の救命救急に関するご自身の基本的な考えや姿勢といったものを、改めてここで教えていただきたいと思います。
 しかし、安易に一定レベル、一定規模の病院を救命救急センターとするだけでは、地域性の問題は解決できません。
 冒頭お話しいたしましたように、かつての国の指針では、おおむね百万人に一カ所という設置基準でしたから、この計算式では、一千三百万人都民人口で十三カ所ということですが、現状は二十三カ所です。他の道府県から見れば、ある意味、うらやましい数字でしょう。
 しかし、数的には十分な整備がなされているように見える救命救急センターですが、その現実の配置状況を見ると、地域的な偏りが見られることも事実であります。作成したパネルを使って簡単に説明をいたします。
 (パネルを示す)例えば、私が住んでいる杉並区、それから隣接する練馬区、中野区、そして世田谷区、ここには救命救急センターが設置されておりません。もちろん、杉並区、中野区、そして新宿区で構成をされている二十三区西部医療圏としては、どちらも新宿区内の東京医科大学病院と東京女子医科大学病院が指定されています。
 私はこのことを問題にしているわけではありません。つまり、現状の医療圏や都の保健医療計画を否定するものではありません。しかし、杉並区の人口は五十四万人、練馬区は七十一万人、そして世田谷区は八十六万人、合わせて二百十一万人の皆さんが住み暮らしている、いわゆる一般的にいわれている山の手地域、ここの三区内に救命救急センターが一つもありません。
 昨年、二十年度の興味深い数字で説明しましょう。杉並区民とは限りませんが、昨年一年間の中で、杉並区から救急出動し、収容先医療機関が救命救急センターの搬送人員です。
 先ほどお話しいたしましたように、杉並区は区西部医療圏ですが、実際にこの医療圏の、さきに述べた二つの病院に搬送された患者の数は三百七十六名でありました。一方、三鷹市、調布市などの北多摩南部医療圏の病院に搬送された数は四百六十八名でした。このように、医療圏の枠を超えて多くの患者が搬送されていることがわかります。
 各医療圏でもこのような数値を調査すれば、これからの医療圏を見直す上での参考になる可能性は高いような気がします。いかがでしょう、お答えをいただきたいと思います。
 救命救急センターを持っている総合病院の中では、大学医学部附属病院が過半数以上であり、どうしても都心に集中をしている現状は理解をしています。しかし、最も緊急性の高い患者の診療に当たる救命救急センターが、山の手地域のような人口の多いエリアにないということについて問題だと思います。このことについて所見をお答えください。
 さて、杉並区では、平成二十一年度予算において二百万円という異例の調査費を計上し、区内において必要な医療機関の規模や診療機能などについて検討を進める予定です。余談ですが、私も二十二年間、杉並区議会議員を務めさせていただきましたが、新規事業準備のための調査研究費は、一般的に五十万円から百万円です。
 杉並区長の記者会見資料では、次のようにアナウンスをしています。医療については、国や都だけに任せるのではなく、区民の命は基礎的な自治体である区の責任で守る必要があるとの考え方に立ち、二十四時間三百六十五日、区民が安全・安心に暮らせるよう、高次機能を有する病院の誘致や整備について、その条件等を多角的に調査研究し、救急医療体制を含む地域医療体制の充実に努めてまいります。以上であります。
 また、最近では、四月に開業が予定されております台東区の病院、五年以内にオープンを目指していると聞いております江東区の病院、それから、順天堂練馬病院のほかに、もう一つ病院を整備すると伝えられている練馬区など、各区の動きが活発のようであります。
 杉並区でも、調査研究費のほかに、新年度から、医療政策担当のスタッフ部長、参事ですね、それから、医療基盤担当の課長、副参事を新設し、平成二十二年度までに一定のめどをつけたいと予定いたしております。もちろん、高次救急を進めることは、基礎的自治体である区だけでできることではありません。東京都と区が連携して、初めて実現可能になることであります。
 そこで、整備が順調に進み、救命救急センターとして遜色のない病院となった場合には、都としても救命救急センターとして認めていくお考えがあるのかどうか、お伺いをいたします。
 次に、二次救急医療機関の強化についてお尋ねします。
 救命救急センターが本来の役割を十分に果たすことができるようにするためには、救急医療機関の大半を占める二次救急医療機関の充実を図っていくことが大変重要であり、このことについては異論のないところでしょう。
 東京都が指定した二次救急医療機関は、現在二百五十九あります。その中で、杉並区の状況を見ると、七つの病院がありますが、ベッド数や診療科目数もかなり異なっております。
 このように、診療機能に違いのある二次救急医療機関をさらに強化していくためには、個々の救急医療機関に対する一律な支援を行うよりも、それぞれの機能や役割に基づいた救急医療機関同士の連携協力体制の仕組みが進むような対策をつくることが重要であると思います。
 昨年十一月の救急医療対策協議会報告書では、地域救急センターを整備し、救急医療機関の地域ネットワークを構築していくとされています。このことについては、先日の石原知事の施政方針表明でも次のようにいわれております。昨年末には、現場に精通した医師などから成る救急医療対策協議会で、救急医療の東京ルール、いわゆる東京ルールを策定しました。都内二十四カ所に、地域の病院間の連携や患者搬送の調整を行う東京都地域救急センターを整備するほか、消防庁の指令室に、地域間の病院搬送を集中的に調整するコーディネーターを配置します。以上であります。ご承知のとおり、とても注目をされているネットワークシステムの新設です。
 私は、これから始まる、しかも、全国的にも大変注目をされているこの新ネットワークシステムに大きな期待を持っております。全国のモデルとなるようなシステムを構築していただきたいと切に願っております。
 そこで質問です。救対協の報告書の中にあるネットワークイメージ、全体はよくわかります。ただ、本当にこのネットワークシステムを機能させるためには、その準備が大切であると感じました。医療機関も新たな枠組みの中で責任を求められますし、患者側も、一たん三次救急に搬送されても、症状によっては二次救急病院や一般病院に転送されることもあり得ることを理解してもらわなければなりません。医療体制を立て直すためには必要なことです。
 このことも含め、ネットワークを機能させていくために今後どのような体制づくりを進めていくのか、お聞かせください。
 また、地域救急センターと並んで重要な役割を果たすであろうコーディネーターのことですが、これについては一点だけ伺います。 それは、東京消防庁との連携です。報告書には、ある程度具体的に書かれていますけれども、都の施策となった今、東京消防庁との組織的、人的連携を含めての対応をお伺いいたします。
 最後の質問です。来月スタートする脳卒中救急搬送体制についてお伺いいたします。
 今回の脳卒中救急搬送体制は、脳卒中急性期治療を行える水準の各医療機関が、脳卒中の疑いのある患者を受け入れられる時間帯や曜日を組み合わせ、参加する百五十五カ所の医療機関全体として受け入れ体制を確保するものであり、限られた医療資源を最大限有効活用する上で極めて有効なシステムです。
 脳卒中は、都民の死亡原因の第三位であり、また麻痺などが残りやすい疾患ですが、tPA製剤による発症三時間以内の急性期治療により、後遺障害の軽減が期待できます。
 そこで、実際にこの仕組みが有効に機能し続けるためには質の確保が不可欠ですが、どのように運用していくのか、お伺いいたします。
 以上で質問を終わりますが、私は、三次救急病院、二次救急病院、一般病院、そして個人が、それぞれ助けられる命は助けるというコンセンサスのもとに、互いを尊重した連携がとれることが大切だと考えています。それぞれが、何をしてもらえるかと考えるのではなく、自分たちが自分たちの立場で何ができるのかという視点に立って、これらの問題に取り組むことが大切だと思っています。
 一人でも多く助けられる命を助けたいと望むのは、私だけではなく、ここにいらっしゃる皆さんの総意と思います。病院、都民、そして行政が一丸となって東京ルールを成功させ、医療機関の偏在を解消し、東京の救急医療体制が整えられることを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 門脇ふみよし議員の一般質問にお答えいたします。
 救命救急医療についてでありますが、重症、重篤な患者に対して緊急医療を行う救命救急センターは、命を救う最後のとりで、最後のきずなであります。
 救急医療の現場は、救急患者の増加や医師不足による厳しい状況が続いておりますが、今般、日夜奮闘している医療関係者の発案で、救急医療の東京ルールを定めることができました。
 ちなみに、これはごく当たり前のことでありますけれども、ルール一は、救急患者の迅速な受け入れ、地域の救急医療機関が相互に協力連携して救急患者を受け入れる。
 二は、トリアージの実施であります。救急医療の要否や診療の順番を判断するトリアージを、救急のさまざまな場面で実施いたします。
 第三は、都民の理解と参加でありまして、都民は救急医療が重要な社会資源であることを認識していただきまして、救急医療を守るため、適切な利用を心がけていただきたい。いわゆるコンビニ医療、コンビニ救急というものは避けていただきたいということであります。
 現在、東京ルールの具体化を図っておりまして、その成果を得て、迅速、適切な救急医療体制を構築していきたいと思っております。
 他の質問については、福祉保健局長から答弁いたします。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) 救急医療に関します六点の質問にお答えいたします。
 救急医療の確保は、都民の生命に直結する都政の最重要課題の一つであると認識をしております。その立場で、まず二次保健医療圏についてお答えいたします。
 今日の二次保健医療圏は、住民の日常生活の行動の状況、交通事情、保健医療資源の分布等、圏域の設定に必要な要素を総合的に勘案の上、定めております。お話の救急搬送患者の動向につきましては、地域の救急医療の状況を理解する上で参考になるものと考えております。
 次に、救命救急センターにおける地域性についてでありますが、救命救急センターは、一刻を争う重症、重篤な救急患者を受け入れる医療機関であり、どの地域からも短時間に搬送できるように救命救急センターが確保されることが望ましいと思っております。
 このため、救命救急センターの整備については、地域の状況も十分に勘案して進めているところであります。
 次に、救命救急センターの認定についてでありますが、お話のように、従来、百万人に一カ所を目途に整備をされてきましたが、昨今、厚生労働省においても、今後のあり方についてさまざまな検討がなされております。 いずれにいたしましても、救命救急センターと同等の能力や体制を有する病院は、それにふさわしい役割を担っていただくことが望ましいと考えております。
 次に、救急医療の東京ルールについてでありますが、東京ルールに基づき救急患者を迅速に受け入れるためには、新たに指定する東京都地域救急センター(仮称)を中心に、地域の医療機関が顔の見える連携協力体制を構築することが不可欠であります。
 また、都民の理解と協力を得るため、救急患者の一時受け入れや転院搬送、病院における救急トリアージなど、東京ルールの具体的内容を盛り込んだガイドラインを作成し、広く周知していく必要がございます。現在、東京ルールの具体化を図っておりまして、必要な条件が整い次第、実施をしてまいります。
 次に、東京消防庁との連携についてでありますが、救急搬送コーディネーターは、救急医療に関する情報が集約されております東京消防庁指令室に配置するものであります。コーディネーターは、救急医療の現場に精通した専門職を予定しておりますが、指令室に配置をされております救急指導医と連携しながら業務を行うこととしております。
 東京ルールの実施に当たりましては、コーディネーターの設置を初め、東京消防庁との連携が不可欠であり、今後とも、組織的、人的な協力をさらに深めてまいります。
 最後に、脳卒中救急搬送体制についてであります。都は、脳卒中の急性期医療体制を定めた認定基準を満たし、かつ脳卒中救急搬送体制に参加する意思を表明した医療機関を、東京都脳卒中急性期医療機関として認定をいたしました。これらの医療機関は、二次保健医療圏を基本として互いに連携し、脳卒中の疑いのある救急患者を受け入れることとしております。
 今後、この仕組みが有効に機能するよう、救急搬送や医療機関の受け入れ状況の評価、検証を行い、その結果を踏まえ、救急隊や医療機関と連携して、搬送体制の質の向上に努めてまいります。

○副議長(石井義修君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
 午後三時五分休憩

 午後三時二十五分開議

○議長(比留間敏夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 四十一番高橋信博君。
   〔四十一番高橋信博君登壇〕

○四十一番(高橋信博君) まず初めに、産業振興について伺います。
 我が国の心臓部である首都圏では、陸海空などさまざまな分野でインフラ整備が進みつつあり、今後、大幅に都市機能が向上することが期待されます。来年秋には、都心に近接した羽田空港から、昼間はソウルなどアジアの近隣都市へ、夜間はパリやロンドンなど世界の主要都市へ、国際定期便の就航が見込まれております。横田基地の軍民共用化の実現も待ち望まれており、空港機能の拡充によって、人や物の行き来がより一層活発になるものと予想されます。
 また、三環状道路や多摩を南北に結ぶ幹線道路などの整備が進み、東京港の機能向上が図られることにより、空港機能の拡充と相まって、首都圏を取り巻く陸海空のネットワーク効果が格段に向上いたします。このようなインフラ整備の進展は、ビジネス環境の改善や企業間交流の活発化など、産業の発展に大きく寄与すると考えます。
 そこで、こうしたインフラ整備の成果を今後の産業振興にどのように活用していくのか、知事の見解を伺います。
 次に、農地制度の動向について伺います。
 世界的な穀物価格の高騰や諸外国における輸出規制などにより、食料事情が大きく変化している中、日本の食料自給率の確保は非常に重要であります。しかしながら、日本の農業の基盤である農地は、農業従事者の減少、高齢化等で耕作放棄地がふえている状況です。
 このため、国は、国内の食料供給力の強化と食料自給率の向上を目指し、昨年暮れに、農業生産、経営の基礎的な資源である農地の確保、貸借を通じた農地の有効利用を柱とした農地改革プランを打ち出しました。これは全国の農業振興地域が中心となりますが、東京都にも影響があると思います。
 そこで、平成の農地改革ともいわれる農地改革プランが都内の農地に与える影響について伺います。
 このように、国では農地制度の見直しを図っていますが、都の農地の六割を占める市街化区域内農地は、宅地化など市街化が前提となっていることから、農地の保全については、農地制度ばかりでなく、相続税制度はもちろん、都市計画制度などが大きくかかわっています。国が進めようとしている農地制度の改革の中で、都市農地の位置づけも変わらなければならないと思います。
 国の農地制度改革の中で、都市農地を保全するための制度改善に向け、都はどのような取り組みを行うのか、伺います。
 次に、多摩地域の振興について伺います。
 多摩振興プロジェクトの策定によって、多摩の振興に資する事業が拡充されたことは、多摩地域の発展に大いに意義があります。三本柱の一つである市町村への支援についても、景気の悪化で財政環境が一段と厳しい市町村に対する財政支援として、市町村総合交付金が大幅に増額され、多摩振興の充実が図られました。都の市町村に対する姿勢を大いに評価するものであります。
 今後とも多摩振興をさらに積極的に展開していくため、多摩地域の総合的な振興策として多摩振興プロジェクトを取りまとめた所管局として、多摩振興に取り組む決意を伺います。
 次に、多摩振興プロジェクトに位置づけられた道路整備について伺います。
 多摩地域は、区部や埼玉県、神奈川県に隣接していることなどから、私はかねてより、三多摩は首都圏の中心、三多摩は首都圏の中心であると主張してきました。
 多摩が首都圏の中心的役割を果たすためには、都市間の連携を支える道路ネットワークが不可欠ですが、多摩の道路整備の状況を見ると、例えば私の地元である小平市を含む北多摩地域では、都市計画道路の整備率が四割にも満たない状況です。
 多摩振興プロジェクトの中にも、南北道路や東西道路、連続立体交差などの道路整備が位置づけられており、これらを着実に進めていく必要があると考えますが、所見を伺います。
 次に、多摩地域の周産期医療連携について伺います。
 周産期医療連携についてですが、来年三月、府中市に多摩総合医療センターと小児総合医療センターが開設され、両センターが一体となって、NICU二十四床、M─FICU九床を持つ総合周産期母子医療センターとして運営されます。
 特に、ハイリスクの妊婦に対応するM─FICUが、現在、多摩には十二床という状況の中、大変待ち遠しい周産期医療の拠点の誕生であり、歓迎するものです。しかし、広大なエリアの多摩地域で、この拠点を生かし、限られた医療資源を効率的に活用するためには、それぞれの医療機関が連携していくことが不可欠です。
 今回発表された多摩振興プロジェクトには、周産期医療ネットワークグループを構築し、的確な周産期医療を提供できる体制の整備を図るとしています。今後、多摩地域に新たに総合周産期母子医療センターが整備される中で、多摩地域の周産期医療ネットワークグループの構築の方向性について伺います。
 次に、私の地元小平市を流れる玉川上水について伺います。
 これまでも繰り返し述べてきたように、玉川上水は、都民やここを訪れる人々にとって、身近で快適な水と緑の空間であると同時に、国の史跡に指定されるなど、文化遺産としても極めて重要なものであります。
 文豪、国木田独歩の名作「武蔵野」には、林と野がかくもよく入り乱れて、生活と自然がこのように密接しているところがどこにあるか、と描写されています。玉川上水は、昔日の武蔵野の面影を残す雑木林と水辺が一体となって独特の風情を呈するとともに、春には、小金井公園の桜と水路沿いの山桜並木が調和した景観が訪れる者の目を楽しませてくれるなど、今も昔も広く人々に親しまれております。
 また、玉川上水は、学校教材にも取り上げられるなど、郷土史を学ぶ上でも非常に重要なものと位置づけられており、私のもとには、玉川上水を愛してやまない地元の方々から、名勝小金井桜の保護や良好な武蔵野の緑の保全など、さまざまな要望が寄せられております。
 玉川上水には、江戸時代のにしき絵にも描かれた小金井橋を初め、由緒ある橋が多くかかり、風景のアクセントになるとともに、水路の眺望を楽しむビュースポットになっています。しかし、成長し、生い茂った樹木に視界を遮られたり、貴重な水と緑の空間を十分に楽しめない場所もあり、残念に思っております。
 例えば、小金井橋からの水路の眺望を確保するなど、玉川上水の歴史的価値を身近に感じられる空間を整備すれば、これまで以上に都民から親しまれる玉川上水になるのではないでしょうか。
 玉川上水を憩いの場として一層都民に親しまれる空間とするためには、日々の生活の中で身近に玉川上水のすばらしさを実感してきた地元住民の声を反映しながら整備を行っていく必要があると考えますが、所見を伺います。
 玉川上水は、東京の成長過程で失われた水と緑に囲まれた都市空間を再生する上で、現在のみならず、将来においても重要な役割を担うものと考えます。都は、玉川上水が平成十五年に国の史跡に指定されたことを受けて、関係各局が連携し、地元自治体とともに協力しながら、平成十九年には保存管理計画を策定するなど、玉川上水を適切に保存管理するための取り組みを進めており、こうした積極的な都の姿勢は大いに評価できます。
 将来に向けて、玉川上水の整備を継続的に進め、江戸東京の発展を支えた歴史的遺産である土木施設、遺構と名勝小金井桜を含めた水と緑の自然豊かな憩いの空間を多くの都民に伝えていくことは、極めて意義あることと考えます。
 そこで、史跡玉川上水を次世代に良好な状態で引き継いでいくための基本的な考え方を伺います。
 次に、生涯スポーツの推進について伺います。
 スポーツを通じた健康づくりや体力の向上が、子どもたちの心身のバランスのとれた発育、発達に不可欠であるにもかかわらず、子どもたちの体力低下に歯どめがかからない状況が続いています。このことは、将来的に国民全体の体力の低下につながり、生活習慣病の増加や社会全体の活力が失われるような事態になることも懸念されるところであります。
 こうした中で、都は昨年七月に、スポーツ・フォア・オールを基本理念とする東京都スポーツ振興基本計画を策定しました。この計画では、都民のスポーツ実施率を平成二十八年度までに六割以上に引き上げる目標を設定し、さまざまな施策を総合的に展開して行おうとしています。
 この計画を推進し、すべての都民が生涯にわたってスポーツに親しめる社会を実現していくことは、子どもから高齢者まで幅広く体力の向上に役立つと同時に、スポーツムーブメントを高め、東京オリンピック・パラリンピック招致や東京国体の成功にもつながると考えます。
 しかしながら、都民のスポーツ実施率が四割にとどまっている現状からすれば、生涯スポーツ社会に至るまでには、まだ道半ばであるといわざるを得ません。そこで、基本計画の目標の達成に向け、さらに強力に生涯スポーツの振興を図っていくべきと考えますが、どのように取り組んでいくのか、伺います。
 また、生涯スポーツの振興に有効な取り組みとして、都は、日常的にスポーツを楽しむことができる地域スポーツクラブの設立、育成を支援しています。仕事で忙しい人にとっては、身近で気軽にスポーツができる場として、また高齢者にとっては、健康の増進や地域の交流の場として利用できる地域スポーツクラブをふやしていくことは、大変重要であります。
 都も、スポーツ振興基本計画において、平成二十八年度までに百以上のクラブの設立を目指しておりますが、地域スポーツクラブの現在の設立状況と今後の取り組みについて伺います。
 最後に、住宅用火災警報器の普及への取り組みについて伺います。
 火災により亡くなられた方の八割から九割は住宅における火災によるもので、ここ数年、その傾向は続いています。そして、その大半は高齢者であります。これらの多くは、就寝中で火災に気づかず逃げおくれたものと聞いております。住宅火災に重点を置いた防火対策は、火災による犠牲者を減らす一番の近道であると考えます。
 この住宅防火対策の一つとして注目されるのは、各住居への住宅用火災警報器の設置であります。住宅用火災警報器は、火災の煙や熱を感知し、警報音や音声で火災の発生を知らせるものです。これにより、就寝中など火災の発生に気づきにくい場合でも、初期消火や避難などの行動が起こせる時点で火災を認知することが期待できます。
 私の地元小平市においては、昨年、父親の留守中、隣に住む娘さんが住宅用火災警報器の警報音に気づき、鏡に反射した光の収束により着火した火災を最小限で消しとめたなど、二件の奏功事例があります。
 既存の住宅における住宅用火災警報器の設置は、火災予防条例で平成二十二年四月一日から義務化されますが、残すところ一年余りであります。住宅用火災警報器の設置義務化については、かなりの方々に周知されてきたと感じております。しかしながら、住宅用火災警報器の普及は、まだその周知の度合いに及んでいないというのが、都民の方々と接しての私の実感であります。
 また、高齢者でひとり暮らしであることから、住宅用火災警報器の活用を考えても、取りつけることが難しく、設置をちゅうちょしてしまうという声もあります。
 こうした中、住宅用火災警報器の速やかな普及のためには、より一層広く都民に設置の義務化について周知していくことはもとより、実際の取りつけ作業も考慮するなど、実効性のある取り組みが期待されます。
 そこで、東京消防庁では、住宅用火災警報器の設置義務化に向け、今後どのように住宅用火災警報器の普及に取り組んでいくのか、伺います。
 以上で質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 高橋信博議員の一般質問にお答えいたします。
 インフラ整備の成果と今後の産業振興についてでありますが、世界全体が時間的、空間的に狭くなっている今日の社会で、日本の頭脳部、心臓部であります東京のインフラ整備は、国家の繁栄、成熟のために不可欠であると思います。
 これまでも、国を先導して、羽田空港の再拡張、東京港の港湾機能の向上や京浜三港連携、三環状道路の整備など、陸海空の交通、物流ネットワークを強化してまいりました。 こうしたネットワークの強化は、物流コストの低減はもちろんのこと、効率的な人、物、情報の往来や、ビジネスチャンスの拡大などを実現して、産業の活性化に大きく貢献するものであると思います。
 これまでも、圏央道の整備や羽田空港の国際化を見据え、先端基礎研究の集積地であるつくばとの産業交流による新事業の創出や、アジアとのネットワークの強化を背景に、東アジア圏の中でも成長著しいベトナムなどへの都内企業の進出等を後押ししてまいりました。
 今後とも、整備されたインフラを産業振興に最大限生かしまして、広域的、国際的な産業交流や国際コンベンションの誘致等を積極的に展開することで、産業都市東京としてのプレゼンスを確立していきたいと思っております。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔産業労働局長佐藤広君登壇〕

○産業労働局長(佐藤広君) 農地制度の動向に関する二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、国の農地改革プランによる都内の農地への影響についてでありますが、本プランは、農地の確保と有効利用を目的としたもので、都内の農地を保全する観点から、効果的であると考えております。
 具体的には、農地の農地以外への転用規制が厳格化されることによりまして、多摩及び島しょ地域の農業振興地域などで農地の保全が図られるものと考えております。
 また、農地の貸借要件が緩和され、企業などが農業へ参入しやすくなることから、農地の有効活用が促進され、とりわけ遊休農地の多い島しょなどでは、農地を有効利用する方策の一つになると考えております。
 今後、農地改革プランの実現に向けた法制度などの詳細を検討し、都の農業施策に反映をさせていきます。
 次に、都市農地保全のための制度改善に向けた都の取り組みについてであります。
 市街化区域内の農地は、農地制度だけでなく、都市計画制度の影響を大きく受けるものであります。国は現在、都市計画制度の見直しの中で、農地に係る制度上の位置づけや、保全、利用のあり方の検討を始めております。
 詳細は明らかになっておりませんが、都は今後、その動きに合わせまして、国に対し、従来からの要望に加えて、農業団体や区市の意見も踏まえながら、都市計画制度における市街化区域内の農地保全に向けた制度改善を働きかけてまいります。
 また、農業・農地を活かしたまちづくり事業など、現行の制度内での都独自の農地保全策につきましても、さらなる充実を図ってまいります。
   〔総務局長中田清己君登壇〕

○総務局長(中田清己君) 多摩地域の振興についてでございますが、都はこれまでも、多摩リーディングプロジェクトにより、首都圏の中核をなす多摩の実現に向け、都市基盤整備を初めとする多摩重点推進事業の着実な推進に取り組んでまいりました。
 しかしながら、社会情勢等の変化によりまして、これまでの多摩重点推進事業ではとらえ切れなかったさまざまな課題も生じております。
 こうしたことから、今回の多摩振興プロジェクトでは、新みちづくり・まちづくりパートナー事業や街路樹の整備、地域医療の強化、スポーツ振興の推進など、新たな課題や、市町村からの要望に対応した施策を盛り込み、事業数を二十五から六十事業に拡充させたところでございます。
 今後とも、この多摩振興プロジェクトを活用し、関係局や市町村とも十分に連携を図りながら、多摩振興を総合的に推進してまいります。
   〔建設局長道家孝行君登壇〕

○建設局長(道家孝行君) 多摩地域の道路整備についてのご質問にお答えいたします。
 多摩振興プロジェクトが目指す首都圏の中核をなす多摩を実現するためには、道路整備を推進することにより、交通の円滑化とともに都市間連携の強化を図ることが不可欠であります。
 都はこれまで、府中所沢鎌倉街道線を初めとする南北主要五路線の整備や、JR中央線などの連続立体交差事業を重点的に実施してまいりました。昨年五月の八王子村山線の全線開通や、本年一月のJR中央線の下り線高架化完了、また、三月末に予定しております調布保谷線の中央道から東八道路付近までの四車線化など、着実に道路整備を進めております。
 さらに、多摩地域の魅力と活力を高め、区部との連携を強化するため、新青梅街道など東西主要四路線を新たに多摩振興プロジェクトに位置づけ、整備を推進してまいります。 引き続き、財源の確保に努めながら、多摩地域の道路ネットワークの整備に積極的に取り組んでまいります。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) 多摩地域の周産期医療ネットワークグループについてでありますが、高度な周産期医療を担う医療機関の数が限られております多摩地域におきましては、周産期母子医療センターの整備の推進とあわせて、地域の診療所等と比較的リスクの高い分娩を扱う病院とが、機能に応じた役割分担と連携を進めることが極めて重要であります。
 都においては、今月、町田市民病院を新たな地域周産期母子医療センターとして認定をいたしました。また、来年三月開設予定の多摩総合医療センターと小児総合医療センターを多摩地域の拠点となる総合周産期母子医療センターとして一体的に運営してまいります。さらに、ミドルリスクの妊産婦に対して緊急診療を行う周産期連携病院を来月指定いたします。
 今後、こうした周産期母子医療センターや周産期連携病院を核として、多摩地域におけるネットワークグループの構築を進め、地域の実情に応じた周産期医療提供体制を整備してまいります。
   〔水道局長東岡創示君登壇〕

○水道局長(東岡創示君) 玉川上水の整備に地元住民の声を反映することについてでありますが、玉川上水を都民の散策や憩いの場として一層親しまれる空間としていくためには、整備について地元住民の意見を聞き、その反映に努めていくことが大切であると考えております。
 昨年、玉川上水にかかわる地元団体に対して説明会を二回開催しましたが、その中で、樹木の植生管理などについての貴重な意見をいただきました。現在、こうした意見や専門の学識経験者などの意見を踏まえながら、具体的な整備方策について検討を進めており、本年七月を目途に整備活用計画を策定いたします。
 今後、関係機関とも協議しながら、この整備活用計画に基づき、玉川上水の整備を着実に推進してまいります。
 次に、史跡玉川上水を次世代に良好な状態で引き継いでいくための基本的な考え方についてでありますが、玉川上水は、首都東京の誇る貴重な文化遺産であり、緑に囲まれた土木遺構を適切に保全するとともに、その歴史的価値を広く伝えていくことが重要であります。
 平成十九年三月に策定した保存管理計画において、現状維持を基本に、史跡としての適切な保存を図ることといたしました。また、多くの人々が触れ合いを通じて保存への理解を深められるよう史跡の公開を推進することといたしました。
 こうした考え方に基づき、水路、のり面の整備のほか、樹木の適正管理や名勝小金井桜の樹勢回復、橋からの眺望を確保する空間の整備などの取り組みを継続的に実施することにより、都民から親しまれる水と緑の空間として、次世代に継承してまいります。
   〔生活文化スポーツ局長秋山俊行君登壇〕

○生活文化スポーツ局長(秋山俊行君) スポーツ振興に関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、生涯スポーツの振興についてでございますが、だれもが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツをすることができる環境づくりは、都民の豊かな生活を支える上で重要な取り組みであるというふうに認識しております。
 そのため都は、市区町村と連携して、幅広い世代の都民が身近でスポーツを楽しむことができる地域スポーツクラブへの支援や、多摩川ウオーキングフェスタのように都民が気軽に参加できますスポーツイベントなどを開催してきたところでございます。
 今後も、東京都スポーツ振興基本計画に掲げた目標の達成を目指しまして、ウオーキング大会など都民参加型のイベントを四月から連続して開催するとともに、テレビやインターネットを活用してスポーツ振興に関する情報を提供するなど、さまざまな施策を積極的に展開してまいります。
 次に、地域スポーツクラブについてでございますが、都はこれまで、地域スポーツクラブ設立支援協議会の設置やクラブの設立モデル事業等を通じて、クラブの設立、育成支援に取り組んでまいりました。その結果、今年度新たに十ものクラブがふえ、一月末現在、六十二クラブが活動を行っているところでございます。
 来年度は、これまで取り組んでまいりました地域スポーツクラブ設立の核となる人材の育成等に加えまして、新たに、クラブの未設置地域を対象にスポーツニーズに関する調査を実施いたしますほか、行政担当者向け研修会を開催するなど、地域の実情に応じたクラブの設立を支援していくこととしております。
 こうした施策を積極的に推進し、スポーツ振興基本計画に目標として掲げました、平成二十八年度までに百以上のクラブが設立されるよう取り組んでまいります。
   〔消防総監小林輝幸君登壇〕

○消防総監(小林輝幸君) 住宅用火災警報器についてお答えいたします。
 東京消防庁では、火災による死者を減少させるために、住宅用火災警報器を早期に普及させることが喫緊の課題であると認識しております。
 このため、先般、本庁及び各消防署に住宅用火災警報器設置推進本部を立ち上げ普及に努めているところであり、従来のポスターやホームページ、広報ビデオなどに加え、新たに、全住戸へのお知らせの配布やテレビによるコマーシャル、ラッピング車両などを活用した効果的な広報活動を展開し、住宅用火災警報器の有効性を周知することといたしました。
 また、各消防署に相談窓口を開設し、購入方法や設置場所、ひとり暮らし高齢者からの取りつけに関する要望など、都民からの相談や問い合わせにきめ細やかに対応していくことといたしました。
 今後とも、区市町村と連携を図りますとともに、消防団員を初め地域の方々の協力も得ながら、住宅用火災警報器の早期普及に庁を挙げて取り組んでまいります。

議長(比留間敏夫君) 三十四番たぞえ民夫君。
   〔三十四番たぞえ民夫君登壇〕

○三十四番(たぞえ民夫君) 最初に、都立梅ケ丘病院の廃止問題です。
 世田谷区にある梅ケ丘病院は、全国最大の子どもの心の専門病院です。児童虐待による情緒障害、自閉症を初めとした発達障害、統合失調症などの子どもたちの治療には、落ちついた環境と温かい人間関係が欠かせません。低層の病棟で、樹木の緑や土の香りなど、息遣いの感じられる広い敷地の中でゆったりと治療をしています。外来患者は年間四万人で、年々ふえています。入院は長期に及ぶことが多く、退院後の支援も必要です。六十年という長い歴史の中で、地域の人たちとの温かい関係もつくられています。梅ケ丘病院の職員は白衣を着ていません。入院前の生活の場と大きく違わないようにするためです。こういう病院だからこそ、存続を求める署名が十七万人から寄せられているのです。
 ところが、石原知事は、その梅ケ丘病院を廃止して、小児総合医療センターに移転統合する条例案を今議会に提出しました。子どもの精神科病院はふやさなければならないのに、頼みの綱の梅ケ丘病院をなくすなんて考えられない、六十年の歴史でつくり上げた大切な病院の医療を解体しないでという声が広がっています。梅ケ丘病院の元院長は、梅ケ丘のように一つの病院が子どもの精神科の病院という形は世界的にも貴重なもの、なくすことは、東京都にとっても国にとっても大きな損失だと語っています。
 小児総合医療センターは府中病院の隣に建設中ですが、府中病院は救急車の受け入れ台数は日本一で、年間一万台を超えています。新しいセンター整備により、この台数がさらにふえることは明らかです。しかも、八王子市との協議により、ドクターヘリを使うことも検討されています。年間一万台を超える救急車が出入りし、発着に爆音を伴うドクターヘリまで飛来する環境が、重度の精神疾患や環境変化への適応が難しい発達障害の子どもたちの療養環境として好ましいものだと考えているのですか。
 そもそも、梅ケ丘病院と清瀬、八王子小児病院の統廃合計画案をまとめた有識者らによる都立病院改革会議の小委員会では、梅ケ丘病院をどこかへやってしまうわけにはいかない、本当に清瀬小児病院がなくなっていいのか、八王子小児病院を府中と一緒にするには無理があるなどの異論が続出したのです。それを抑え込んだのが、委員長代理の、財政問題から発しているものですから、何かしないことには、経営の効率化も大きな課題になっているという発言でした。
 都は、小児総合医療センターで心と体の一体の医療が提供できるといいますが、そんなことは後からつけた理屈にすぎません。オリンピックの立候補ファイルによれば、東京都みずからが現在十一の都立病院を運営しており、患者中心の医療の実現など質の高い医療サービスを都民に提供していると書いてあります。それをこれから八カ所に減らすのは、欺瞞といわざるを得ません。世界に十一の都立病院を売り込んだのですから、少なくとも十一の都立病院を都立として充実していくことが世界への責任ではないですか。答弁を求めます。
 次に、私立幼稚園への支援について伺います。
 幼児期は、心も体も大きく成長する時期であり、幼稚園は、家庭ではできない貴重な体験を積み重ねていく場となっています。集団生活を通じ、子どもたちの内面には、仲間との連帯や自分が必要とされ役に立つことへの誇りなど、人間らしい成長、発達への強い思いがはぐくまれているのです。また、子育ての相談や交流を通じ、親も成長できる場所となっています。
 知事、人格の基礎を形成する上でも、子育て支援としても、幼稚園は欠かすことができない重要な役割を果たしていると思いますが、いかがですか。
 東京都では、幼稚園の八割が私立幼稚園で、三歳から五歳の幼児の五五%に当たる十六万三千人が通っています。都は私立幼稚園に対し、全国的にも高い水準の助成を行い、子どもたちがよりよい教育を受けられるよう支援を行ってきました。ところが、この十年間は助成が伸び悩み、何とか充実できないかとの要望が大きくなっています。
 都が実施している私立幼稚園経常費補助の園児一人当たりの単価は、一九九九年度に比べて一万円近く減り、九九年度には全国で第三位だったのに、二〇〇七年度は四十六位に急落してしまいました。ここまで経常費補助の単価が下がった原因は何なのですか。大事な役割を果たしている幼稚園への補助がこんなにも下がってしまったことをどう考えているのですか。
 例えば、公立幼稚園の園児一人当たりの支出は八十二万円、保護者の支払う保育料を除いても七十数万円になります。一方、私立幼稚園への経常費補助の園児一人当たりの単価は十四万五千円しかありません。余りにも安過ぎるではありませんか。経常費補助の総枠を拡大する必要があります。
 私立幼稚園経常費補助は重要だと思いますが、どうですか。また、今後どう充実していく考えなのか、伺います。
 幼稚園が幼児教育の専門機関として、保育の質を高め、子育ての相談にも乗り、さらに若手を育成するためには、経験のある保育者が一定以上の割合でいることは大切な要素です。民間教育研究所が行ったアンケート調査によると、現在幼稚園が抱える教育上、経営上の最大の課題は、教員の質の維持と向上でした。その中でも、特に私立では経験年数が短いのが課題であると分析されています。都内でも、平均勤続年数は六年程度で、それより長く勤めている人は激減してしまうのが実情です。
 幼稚園教諭が経験を積んで働き続けることは重要だと思いますが、どう考えていますか。
 私は、ある園長先生から、本当は若手からベテランまでバランスよく教員を雇用したいが、現在の補助では、何ともそれが難しいと苦悩の訴えを聞きました。人件費に相当する補助単価は百六十六万円で、若い先生を安い給料で雇わなければ経営が成り立たないのです。
 幼稚園教諭の補助単価を小中高校の単価に近づけることや、経験年数に応じた単価に設定することが必要だと考えますが、どうですか。
 保育の質の向上には、クラスの規模と教員の配置も重要です。欧米の多くの研究では、保育者の配置状況やクラスの規模が子どもの発達に大きな影響を与えていることが明らかになっています。アメリカの調査では、クラス規模が小さいほど、考えて工夫する行動と協力する行動がふえ、目当てのない行動など消極的な行動が減っています。
 三歳児から五歳児まで、一クラスが三十五人で担任一人の現行基準では、子どもの発達段階にも合いません。実際に多くの私立幼稚園では、一クラスの人数を少なくしたり、複数担任制をとっています。こうした努力を現場に任せるだけでなく、都として支援することが求められます。
 一人一人の子どもたちの力を伸ばす上でも、保護者への対応を十分にする上でも、一クラスの人数を少なくすることが重要だと思いますが、どうですか。
 三歳児就園促進補助、チーム保育推進補助を増額することや、障害児のための加算を充実させること、預かり保育の補助の単価を増額することが現場から要望されていますが、この要望にどうこたえるのですか。
 保護者負担の軽減も切実です。私の地元、世田谷区私立幼稚園PTAの子育て支援に関する意識調査では、私立幼稚園の保護者に対する現在の助成金について、十分ではない、少な過ぎるが、合わせて六割にもなります。経済的負担が重いので、三年保育は我慢して一年分の保育料を節約することにしたなどの話も珍しくありません。
 都内の私立幼稚園の入園料と保育料を合わせた初年度納付金は、平均四十四万円を超えています。これとは別に、入園時には制服などの費用、入園後も通園バス代や遠足代、暖房費、教材費など負担をしなければなりません。そんなにかかるとは思わなかったと、悲鳴の声が上がっています。
 私立幼稚園の保護者負担軽減を行うことは重要だと思いますが、どうですか。また、今後どう充実させていくのですか。答弁を求め、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) たぞえ民夫議員の一般質問にお答えいたします。
 私立幼稚園についてでありますが、子どもの教育については、私立幼稚園のみならず、公立、私立を問わず、また学校の種類も問わず、幼稚園は極めて重要なものであると存じております。
 他の質問については、関係局長から答弁します。
   〔病院経営本部長中井敬三君登壇〕

○病院経営本部長(中井敬三君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、小児総合医療センターの療養環境についてでありますが、センターでは、患者さんが安心して治療を受けられるよう、国分寺崖線など周辺の恵まれた自然環境との調和を図り、緑のいやしの空間である庭園の設置や、院内のアメニティーへの配慮を行っており、患者さんにとって好ましい療養環境が整備されることとなっております。
 お話の救急車については、構内においては消音することとしており、また、緊急時にヘリコプターの発着がある場合でも、事前に患者さんに周知するなどの対応をとることとしておりますので、療養上の問題はないと考えております。
 次に、オリンピック立候補ファイル中の都立病院の記載についてでありますが、これはIOCからの、貴都市及び貴地域で現在実施されている医療制度の一般的な概要を示してくださいという質問項目の回答として、現時点における東京全体の医療サービスを紹介する中で、都立病院の現況を記載したものであります。
 したがいまして、十一カ所を八カ所に減らすのは欺瞞だとの指摘は当たりません。
 都立病院改革は、これまでの方針どおり、着実に進めてまいります。
   〔生活文化スポーツ局長秋山俊行君登壇〕

○生活文化スポーツ局長(秋山俊行君) 私立幼稚園に関する七点のご質問にお答えをいたします。
 まず、経常費補助についてでございますが、私学助成の中でも基幹的な補助でございます経常費補助につきましては、教育条件の維持向上、保護者負担の軽減、学校経営の健全化を目的として、標準的な運営費の二分の一の補助を堅持し、私立幼稚園の振興に努めております。
 園児一人当たりの単価につきましては、経常費補助を算定するに当たり、補助対象とする幼稚園教職員数の基準を設けたことなどを反映し、平成十一年度との対比で、平成十七年度には約一万七千円下がり、十三万六千円となりましたが、その後は増加いたしまして、平成十九年度は十四万五千円となっております。
 次に、経常費補助の重要性等についてでございますが、幼稚園児の九割以上が通う私立幼稚園は、その建学の精神に基づき、個性的で特色ある教育を展開し、都民の期待にこたえており、東京の幼児教育に大きな役割を果たしております。したがって、その運営を支える経常費補助は重要だと考えております。
 また、経常費補助につきましては、私立幼稚園の振興を図るため、これまでも充実に努めてきており、これまでどおり適切に対応してまいります。
 次に、幼稚園教諭についてでございますが、幼稚園教諭としての経験を積むことを一概に否定するものではございませんが、それ以上に、幼児教育を担う教諭の資質及び専門性の向上が求められておりまして、国も、幼児教育振興アクションプログラムにおいて、施策の柱の一つとしているところでございます。そのため、私立幼稚園においては、独自の研修、研究活動を実施しており、都では、それらに対して支援を行っております。
 なお、先ほど、都内の私立幼稚園の教諭の在籍年数が六年程度というご指摘がございましたが、文部科学省が行っております学校教員統計調査、これは三年に一度で十六年度のデータしかございませんが、都内の私立幼稚園の教員の在職年数は、十六年度八・二年となっております。
 次に、幼稚園教諭の補助単価の設定についてでありますが、経常費補助の算定に当たり導入している標準的運営費方式は、それぞれの学種ごとに標準的な運営費を算出し、その二分の一を補助単価として設定するものであり、適切な算定方式であるというふうに考えております。
 次に、幼稚園一クラスの人数についてでありますが、国の幼稚園設置基準では、一学級の幼児数は三十五人以下を原則としており、都の基準においても同様であります。この基準のもと、各私立幼稚園の一学級の人数については、設置者がそれぞれの教育方針などに基づき判断しているものと承知しております。
 なお、東京都が二十年五月一日現在の状況を調査いたしましたところ、園の八三・四%が三十人以下の学級でございました。
 次に、補助の充実に関する要望についてでありますが、都は、三歳児就園促進補助や預かり保育補助などについて、これまでも補助単価を増額するなど、その状況に応じて充実に努めてきたところでございます。これまでと同様、私立幼稚園を取り巻く環境等を適切に勘案しながら対応してまいります。
 最後に、保護者負担の軽減についてでありますが、私立幼稚園に入園を希望する幼児の就園を容易にするため、保護者負担軽減は重要であると考えております。
 都はこれまでも、園児保護者負担軽減事業費補助の充実を図っており、経常費補助や国の就園奨励費、区市町村の補助等の施策とあわせて、これまで同様、保護者の負担軽減に適切に対応してまいります。

議長(比留間敏夫君) 二十一番きたしろ勝彦君。
   〔二十一番きたしろ勝彦君登壇〕

○二十一番(きたしろ勝彦君) まず最初に、戦後教育により失われた日本人の伝統文化を大切にする心についてお伺いいたします。
 ある情報企業が平成十八年に行った調査によれば、最も多くの人が日本人が失いつつあると感じているものが、礼儀正しさであり、謙虚さ、思いやりの気持ちなどでありました。高齢者に対する、許すことができない、いわゆる振り込め詐欺が後を絶たない状況を考えると、犯人自身の問題はともかく、自己の利益のみを重視し、他者の利益を軽視、無視する考え方の広がり、また、このような考え方を何ら問題視しない現代社会の風潮にあると考えざるを得ません。
 かつては、日本人の美徳に感謝の気持ちがありました。人は、決して一人では生きられない。さまざまな人間関係の中で、厚意や善意を受けて成長していきます。これらの多くの人々の厚意や善意をありがたいと思い、それらに何とかこたえたいと願うことが感謝の気持ちです。
 人々に支えられ、助けられて自分が存在するという認識に立ったとき、初めて相互に尊敬と感謝の念が生まれるのです。それは、日々の生活、さらには自分の存在に対する感謝へと広がり、生命尊重や人間尊重の精神の支えとなるものであります。
 先人の努力により、我が国は急速な経済発展を遂げ、人々の生活は申し分のないほど快適になり、多くの情報や物があふれる中で、やりたいことはいつでもできる、欲しいものはどこでも手に入れることができる、自分だけで何でもできると錯覚し、傲慢になった日本人がふえてしまいました。これが利己的、せつな的な風潮を生み、日本人の美徳である感謝の気持ちを失わせてしまったのです。(発言する者あり)だれがいっているんだ。イエローカード出すぞ。
 さて、日本人は古来より、おかげさま、ありがたい、もったいない、いただきます、人に迷惑をかけないなどという言葉で、他人やみずからが所属する集団や社会、そして自然や崇高なものに対して感謝の気持ちを持っていました。
 しかし、戦後教育の義務なき自由や履き違えた個人主義の教えの状況をかんがみたとき、あるいは、学校において一部の教員は、昭和三十年代に展開された、みずからを聖職者ではなく労働者とした日教組による道徳特設反対闘争など、戦前の価値観のすべてを否定し、人として当然持つべき感謝の気持ちを含めた日本人の美徳を教えなくなりました。
 古今東西のあらゆる社会において、人間としての美徳があるはずであり、それを教えることは学校教育の使命であります。
 また、子どもたちに礼儀作法や基本的生活習慣を教えることは、本来家庭の役割であることはいうまでもありません。親は、子どもに対して徹底的に教え込まなければならないものですが、残念ながら家庭の教育力は低下しております。
 その結果として、自分さえよければという利己主義や規範意識を喪失した子どもが増加したのは当然ともいえます。行動の基準を、善悪ではなく損得に置く子どもがふえ、きちんとしたしつけを受けていない子どもたちが大人になったとき、自分の子どもにだけしか目が行かず、周囲への感謝の気持ちなど全く持ち合わせることなく、自分の権利の主張に終始する身勝手な親が続々と出現してしまったのです。
 我が国の社会基盤は、今このような状況にあるのです。
 そこで、今後ますます変化する我が国の社会状況の中で、日本人の美徳を受け継ぎ、真に豊かな国づくりに尽くす子どもを育てる教育のあり方について、知事の所見をお伺いいたします。
 今日求められる教育の目的や理念をかんがみて、教育基本法が六十年ぶりに改正され、公共の精神の尊重、豊かな人間性と創造性の育成、伝統の継承など、新たな文言が加えられました。この改正教育基本法のもと、昨年三月に新しい学習指導要領が告示され、東京都教育委員会では、同年五月に教育ビジョンを策定しました。
 こうしたことを踏まえて、今後、学校教育で心の教育をどのように進めていくのか、所見をお伺いいたします。
 次に、環状第二号線は、臨海部から神田に至る都心部の環状道路であります。このうち、虎ノ門から新橋にかけては、昭和二十一年の都市計画決定以降、半世紀以上も事業化が図られなかったが、現在整備が進められているところです。また、本区間の地上部については、緑豊かな広い幅員の道路が整備されると聞いております。
 一方、都は昨年十二月、当該地区を含めた環状第二号線と晴海通りを中心軸とする環境軸推進計画書を策定いたしました。これは私が提唱する、水と緑の都、環境に優しいガーデンシティー東京の実現にふさわしい施策だと考えております。
 そこで、改めて、環状第二号線が担う役割についてお伺いをいたします。
 この環状第二号線、新橋 │ 虎ノ門間の地上部道路の整備については、沿道住民が長い間待ち望んできた事業であります。現地では家屋の移転が進んできており、もうすぐ東京の顔となるような魅力あふれる道路空間ができていく期待に、地域全体に都市再生の機運が高まってきております。沿道住民などと何度も話し合いを重ねてきていると聞いておりますが、どのような道路整備となるのか、楽しみにしております。
 周辺の地域にも波及効果が広がるよう、地域の交流やにぎわいの創出の視点を大事にすべきと考えております。札幌の大通公園が、道路の中で多くの札幌市民に愛され、全国的な名所となっているのを見ると、この地上部道路の整備を議論する中でも多様な事例を研究し、地域の発展の起爆剤となるような整備を進めていってもらいたいと思います。
 そこで、地元との地上部道路整備の取り組みについてお伺いをいたします。
 また、地上部の道路空間の整備に加えて、その周辺においても、道路空間を生かした活気とにぎわいのあるまちづくりを進めることが重要であると思います。
 現在この地域は、裏側の路地は狭く、中小の敷地で老朽化したビルも多く、地元ではこの機会をまちづくりのチャンスととらえ、まちづくりの協議会を立ち上げております。この地域を、全国でも例を見ない、すばらしいまちにしようとする意気込みで進めておられます。
 しかし、まちづくりを具体的に進めていくためには、地元住民や区だけの取り組みだけでは限界があり、都からの支援も必要不可欠であると思います。
 今後、都として沿道周辺のまちづくりにどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。
 次に、渋谷駅周辺の再編整備について伺います。
 渋谷駅は、大正時代から増改築が繰り返され、老朽化し、ハチ公広場は人があふれるほど混雑しているなど、さまざまな課題を抱えています。
 このたび、都と渋谷区において、駅前広場、道路、鉄道などの再整備に関する都市計画手続が始まり、いよいよ渋谷駅の大改造計画が実現に向けて動き出しました。この大改造が起爆剤となって、駅周辺の再開発も促進されることとなり、副都心渋谷のさらなる発展が期待されるところです。
 そこで、都は今後、渋谷駅周辺の再編整備の実現に向けてどのように取り組むのか、お伺いをいたします。
 また、今回の都市計画案では、土地区画整理事業において、国道二四六号南側の渋谷川に隣接する区域について、水辺空間用地を設けるとされています。
 渋谷川は、「春の小川」のモデルにもなりましたが、現在では、その面影もありません。都内には、玉川上水や野川公園のように蛍を鑑賞できる水辺がありますが、渋谷のような都心においても、こうした自然と触れ合うことができる水辺環境づくりが期待されているのではないでしょうか。
 そこで、都は、今回の渋谷駅周辺の再編整備における水辺空間の創出についてどのように進めるのか、お伺いをいたします。
 次に、客待ちタクシーの待機列による渋滞の解消についてお伺いをいたします。
 新橋や銀座地区においては、深夜の時間帯を中心に、客待ちをするタクシーによる長蛇の待機列が発生しています。場所によっては、タクシーが二重、三重に並び、一般の車両のみならず、緊急車両の通行も困難な状況になっていると聞いております。
 都はこれまでも、駅前や高架下の都有地をタクシーの待機場所とするタクシー待機列対策を実施しているが、今回、銀座地区において、一般の駐車場を活用する新たな方式による実証実験を行ったと聞いております。
 タクシー待機列は、交通渋滞の緩和とともに、待機中のアイドリングによるCO2排出削減からも、その解消が求められております。
 そこで、この実証実験の結果と今後のタクシー待機列解消に向けた取り組みについて、所見をお伺いいたします。
 次に、臨海地域における病院の整備についてお伺いをいたします。
 臨海副都心開発については、次々と進出事業者が決まり、まちの完成までもう一歩という段階に達しておりますが、一方で、隣接する豊洲・晴海地区においても再開発が進展するなど、臨海地域では、ウオーターフロントの魅力を生かしたまちづくりが進んできているところです。
 まちづくりに当たっては、開発コンセプトに従うことは当然でありますが、長期にわたるプロジェクトを実施する中で、開発の成果を高めるためには、必要な見直しを行うなど柔軟性を発揮することも重要であります。
 先般、江東区では、人口の急増に伴う医療サービス水準の低下を危惧し、豊洲地区において総合病院を整備する計画を打ち出しました。
 成熟した都市では、充実した都市基盤施設、恵まれた自然環境といった快適性が求められますが、同時に、安心・安全面も大変重要であり、十分な医療資源の確保はぜひとも必要であります。
 この病院整備計画は、豊洲地区のまちづくりにおいて、機能的に厚みを持たせるものであり、都としても、できるだけ地元のニーズを尊重し、柔軟な対応をすべきと考えますが、所見をお伺いいたします。
 次に、安全対策についてお伺いいたします。
 都営地下鉄、とりわけ大江戸線のこのところの混雑ぶりには驚愕するものがあります。大江戸線は、東京の都市活動を支える重要なインフラとして、平成十二年十二月に全線開業しました。最近は、大江戸線沿線の開発と相まって利用者の増加も著しく、区間によっては山手線にも匹敵する混雑があると聞いています。このことは、収入の面から見ますと、交通局には経営的に大きなメリットもあるものと考えます。
 しかし、電車に乗っていて気にかかることがあります。つい一年半ほど前の大江戸線の停電事故では、暗いトンネルの中を、満員の乗客約千三百人に、ホームまで歩いて避難していただくという事例が発生しました。最後の方がホームに上がるまで、二時間かかったと聞いております。大江戸線を利用している者として、このようなことが起きたらと思うと、他人事とは思えません。
 そこでまず、二度とあってはならない事故でありますが、交通局として、この教訓を生かし、乗客の避難誘導などにどのような対策をとっているのか、お伺いをいたします。
 都営地下鉄は、今や一日二百三十万人ものお客様を運ぶ首都東京における重要な交通機関として、大手民営鉄道と比べても上位に入るほどに成長しています。利用者の増加は、都営地下鉄の収支にも大きな影響を与え、今もって莫大な累積欠損金があるものの、ここ二年続けて黒字化を達成しています。
 その一方で、社会的責任や影響は、過去と比べ物にならないほど大きくなっており、できる限り安全対策に投資すべきと考えます。
 そこで、公営企業管理者、経営者として、局長は都営交通の安全対策をどのように考えているのか、所見をお伺いをいたします。
 ところで、停電時の安全対策は、都営交通に限ったことではありません。東京では、首都直下型地震の発生が予測されていますが、地震時の対策も必要です。
 都民は、震災火災が発生した場合、火災の状況により避難場所などに避難しますが、停電した際には、夜間の避難場所は真っ暗であり、避難者は不安に駆られることと思われます。例えばソーラー蓄電式の街灯などが備えられていると、避難する都民に明かりを見せることで安心を与えることができると考えます。
 都は、安全な避難場所を指定しておりますが、停電時の避難安全対策についても、何か取り組めることはないのかお伺いをして、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) きたしろ勝彦議員の一般質問にお答えいたします。
 教育のあり方についてでありますが、申し上げたいことはたくさんございますけれども、第二次世界大戦、日米戦争の開戦直前に、当時のルーズベルト大統領が、有色人種の中で、かくも短期間にこれだけの強大な軍事国家をつくった日本について、自分は実は余りよく知らないということで、女性でありましたけれども、有名なルース・ベネディクトという社会学者に日本人についての分析を依頼しまして、有名な「菊と刀」という著書がございます。
 これには、実に正確な、本質的な日本人の分析が披瀝されておりまして、タイトルのように、菊の花に象徴される非常に高潔さ、それからまた、すばらしく切れる、美術品にも見まがわれる日本刀に象徴される潔さと勇気、その責任感、そういったものが描かれておりますが、これはいかにも今日希薄になってきたという気がいたします。
 かわりに、身分、立場、価値観を超えて、いわば垂直に継承されなくちゃいけない価値の軸というんでしょうか、それすらが毀損されて、失われてきたような気がいたします。これも、履き違えられた自由と権利というものが、この日本全体を損なってきたのではないか。その一つの例として、ご指摘のように感謝というものがなくなりましたし、他人に対する思いやりもなくなりました。
 ご指摘のような、日本人一種独特の、汎神論ともいえる万物の恵みに対する感謝や、他人や社会のために尽くす自己犠牲は希薄になりました。これは、やはり立場を超えて子どもたちに伝えていかなくちゃならない、教えていかなくちゃならない、人間の一番重要な美徳であると思います。
 しかし、残念ながら結果として、今日では個人を支える共同体への帰属感が希薄になりまして、個人主義や平等主義を履き違えた、非常に自己中心的な生き方が蔓延しております。
 教育は、国家、社会の発展の基礎となる重要な作業でありますが、現状を見ますと、どうも世の親や一般の大人たちも、学校にこれを任せ切っているような気がしておりますが、実は年に一度、幼稚園から大学までの都立の教育機関の園長先生から学長まで、教育の場の最高責任者を集めた大会がございまして、私、いつも毎回同じことを申し上げますが、やはりあなた方が教育の場の最高責任者の責任としていっていただきたいのは、学校は、要するに教育の場ではあるけれども、しかし最高の、一番重要な場所ではない、子どものしつけ、教育というものの最高責任者は、先生でもなければ学長、園長でもない、親であるということを、あなたの責任でいってくださいということを申しておりますが、教育の原点はあくまでも家庭でありまして、親と一般の大人も、子どもの教育についての責任を自覚し、その役割をしっかり果たすべきであると思っております。
 しかし、なかなかこれは、いうに易しくて、昨今の風潮といいましょうか、人間の価値観というものを踏まえますと、国家、社会として至難なわざになってきたような気がいたしてなりません。
 他の質問については、教育長及び関係局長から答弁します。
   〔教育長大原正行君登壇〕

○教育長(大原正行君) 心の教育の進め方についてでございますが、子どもたちの豊かな人格を形成していくことは、学校教育の重要な責務でございます。
 都教育委員会では、道徳授業地区公開講座の実施や道徳教材の開発を行いますとともに、奉仕体験活動の推進に取り組んでまいりました。
 昨年五月に策定をいたしました、お話のございました東京都の教育振興基本計画であります東京都教育ビジョン(第二次)におきまして、これらの取り組みの充実を図ることに加えまして、新たに、人間関係を築く基礎となる自尊感情や自己肯定感を高める指導内容、方法の開発、我が国の伝統文化を尊重する態度を養うためのカリキュラム開発などを位置づけておりまして、今後とも豊かな人格形成を目指した教育を推進してまいります。
   〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕

○都市整備局長(只腰憲久君) 七点のご質問にお答えをいたします。
 まず、環状第二号線が担う役割についてでございますが、この路線は、都心に集中する交通を適切に分散するなど、道路交通の円滑化を図る上で重要な役割を担う区部の環状道路の一つでございます。
 このうち、現在整備中の有明から虎ノ門までの区間につきましては、都心部の幹線道路ネットワークの充実、都心部と臨海部との連絡強化などの機能を担うとともに、周辺地域の都市再生が促進をされます。
 また、お話のとおり、本路線を中心として臨海部から皇居周辺にかけて、広がりと厚みのある豊かな緑を創出する環境軸の形成が進められます。
 さらに、オリンピックが開催された際には、オリンピックスタジアム、選手村のアクセス道路として重要な役割を果たすものと期待されます。
 次に、地上部道路の整備の取り組みでございますが、都は、地元区や沿道住民と環状二号線地上部道路計画検討会を設置し、既に十一回の話し合いを行ってまいりました。この中で、魅力ある景観の形成、地域の交流やにぎわいの創出を目指し、さまざまな事例や整備イメージ図などを参考に整備案を検討しております。
 今後とも、地元住民と十分協議を重ねながら、関係機関と調整を図り、緑豊かで魅力ある道路空間の創出に取り組んでまいります。
 次に、環状第二号線沿道のまちづくりについてでございますが、地上部の道路整備を契機に、昨年、沿道の地権者等によるまちづくり協議会が設立されておりまして、こうした機運をとらえて、市街地の更新を適切に誘導にしていく必要がございます。
 都はこれまで、地区整備の方針に従い、建築物の建てかえ等を行う場合には、容積率の緩和も可能となる街区再編まちづくり制度を設け、地域の再編整備を促進してまいりました。本年四月からこの制度の適用要件を緩和し、お話のような地域の意欲的な取り組みをさらに促すこととしておりまして、今後、地元区と連携して、街路樹の緑と沿道のまち並みが調和した、東京の新しい顔となるまちの実現を支援してまいります。
 次に、渋谷駅周辺の再編整備についてでございますが、本計画は、駅前広場や鉄道などの整備と駅ビルの再開発を一体的に行うものでありまして、さまざまな事業が長期間にわたって展開していくことから、段階的に整備効果が発現されるよう着実に推進していくことが重要でございます。
 現在、東西駅前広場の再編、銀座線の移設などの都市計画手続を行うとともに、土地区画整理事業などの事業化に向けた準備を進めております。
 次の段階では、駅周辺の再開発と連携を図り、駐車場や歩行者のネットワークを充実させるなど、まちづくりと一体となった整備を進めていく予定でございます。
 都としては、駅周辺が渋谷のさらなる発展を牽引するリーディングコアとなるよう、国、地元区、鉄道事業者などの関係機関とともに、着実に整備を推進してまいります。
 次に、渋谷川の水辺空間の創出についてでございますが、今回の駅周辺の再編整備では、国道二四六号線南側において、東急東横線の地下化によりまして生み出される線路跡地を、土地区画整理事業の手法を用いて公共用地として確保しまして、渋谷川と一体となった水辺空間を創出することとしております。
 また、昨年十月に公表された渋谷川・古川河川整備計画では、生物の多様な生息、生育空間など良好な水環境の創出、保全、それから、潤いのある都市空間の形成などが示されております。
 今後、都は、周辺のまちづくりと連携を図り、多くの人々から親しまれる水辺空間の創出に向け、その構造や整備の手法などについて、関係機関とともに検討を進めてまいります。
 次に、タクシー待機列解消に向けた取り組みについてでございますが、都はこれまで、渋滞対策ハイパースムーズ作戦の一環として、関係機関と協力しまして、駅前や高架下の都有地などを活用した渋滞列解消対策を進めてまいりました。
 本年一月下旬から三週間、銀座地区におきまして、一般の駐車場を待機場所として、ETCを活用して配車するという新たなシステムによる実証実験を実施いたしました。
 実験では、ピーク時八百メートルにも及ぶ待機列が解消されまして、一般車などの走行時間の短縮が図られるとともに、アイドリングストップによるCO2の削減効果も上がるなど、大きな成果が確認されました。
 今後は、本システムの本格的導入に伴う技術面や費用負担などの課題について検討を行うとともに、タクシー業界などとの連携を図りながら、待機列の解消に向けて取り組んでまいります。
 最後になりますが、避難場所における安全対策でございます。
 震災被害などにより夜間に停電した場合にも電気供給が可能となるよう、避難場所内の照明灯に非常用電源を用意しておくことは効果的でございます。
 避難場所の指定及び運用に関しましては、これまでも、都と区の防災担当者で構成する避難場所連絡協議会において、情報交換をしながら検討しております。
 今後とも、こうした場などを活用しまして、避難場所を運用する区に対しまして、より一層安全対策を講じるよう、関係機関とともに意識啓発に努めてまいります。
   〔港湾局長斉藤一美君登壇〕

○港湾局長(斉藤一美君) 臨海地域開発における地元ニーズへの対応についてのご質問にお答え申し上げます。
 臨海副都心を初め大型の開発では、まちづくりの骨格となるコンセプトを開発プロセスの根幹に置き、全体として整合性のある都市開発を一貫して進めていくことが重要でございます。
 ご指摘のとおり、まちづくりは長期にわたるプロジェクトであることから、周辺地域の開発の進展状況を見据えた上で、その時々の地元ニーズを取り入れながら、開発の成果を高めていくことも必要でございます。
 このため、都は、江東区の要望がございます豊洲五丁目の病院用地につきまして、同区で策定予定の病院整備の基本方針を、今後の臨海地域の開発の観点ともあわせて勘案した上で、適切な土地利用のあり方を検討してまいります。
   〔交通局長金子正一郎君登壇〕

○交通局長(金子正一郎君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、大江戸線の停電事故の教訓を踏まえた乗客の避難誘導などの対策についてでございます。
 この事故では、千三百人の方の避難完了までに時間を要したことから、お客様の安全を確保しつつ、いかに避難時間を短縮するかが大きな課題となっておりました。
 このため、列車の前面だけでなく、側面からも避難誘導を行うこととし、非常用のはしごなど避難器具の改良や増備を行うとともに、さまざまな機会をとらえて訓練を行ってまいりました。
 今月初めには、終電後の深夜から早朝にかけ、停電事故が発生したところと同じ場所で、局職員や消防からの参加も得て、約二百五十人で訓練を実施いたしました。この訓練では、新たな避難誘導方法の習熟を図るとともに、職員みずからが乗客役となり、お客様と同じ体験をする中で、避難誘導方法の改善状況をつぶさに検証いたしました。
 次に、都営交通の安全対策への取り組みについてでございますが、交通事業者にとりまして、安全は経営の基本であり、最優先で取り組むべき課題であると認識しております。
 都営地下鉄の経営状況は、多額の累積欠損金はあるものの、ここ数年好転しつつあり、大江戸線へのホームさく設置など、ハード面における必要な安全対策に万全を期してまいります。
 また、都営交通は一日平均三百万人のお客様にご利用いただいておりまして、さまざまな緊急事態を想定したマニュアル訓練など、ソフト面からの安全対策の充実も不可欠でございます。
 今後とも、こうしたハード、ソフト両面からの安全対策を推し進め、より一層安心してご利用いただける公共交通機関となるよう、一丸となって取り組んでまいります。

議長(比留間敏夫君) 十二番伊藤ゆう君。
   〔十二番伊藤ゆう君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○十二番(伊藤ゆう君) 「東京都が監理団体を活用する意義は、採算性・市場性を欠く分野、公共性の高い分野などにおいて、民間の資金・人材・ノウハウなどを活用し、弾力的な運営を行うことにより、都が直接実施するよりも質の高いサービスを効率的・効果的に提供することです」。これは、平成十六年に東京都が監理団体改革を行うに当たって発表した監理団体改革の第一章第一項に記された監理団体の意義であります。つまり都は、採算がとれない、市場が成熟していない分野だけは監理団体は必要であると定義しています。
 以下、その旨を踏まえて、東京都の監理団体である財団法人東京都道路整備保全公社について伺います。
 同公社の具体的業務は、東京都にかわって都道用地を取得する道路整備事業と、都有地を借り上げて行う駐車場経営の二本柱であります。
 前者の用地取得事業については、道路用地買収という公共性の観点から、同公社が業務を担う意義を認めることができます。
 しかし、都有地を活用した二百三カ所、約一万一千台の駐車場経営については、必然性と利益の使い道に疑問を呈さざるを得ません。
 まず初めに、公社が都民還元事業と称して支出している、駐車場経営から得た利益、約三億円の使い道について触れます。
 ここに、駐車場における芝生舗装の実験調査委託と題した調査報告書があります。これは、平成十九年度に公社が民間コンサルタント会社に随意契約で委託調査させた四十六ページにわたる報告です。中身はといえば、試験的に駐車場で芝生舗装を行い、育成観察から得られた基礎データを紹介する内容ですから、ヒートアイランド対策といえば聞こえがいいかもしれません。
 しかしながら、公社が管理する駐車場の多くは都有地であるために、例えば都道の高架下や日本橋、八重洲、都庁など地下駐車場が多く、日当たりに恵まれた駐車場は少ないのです。にもかかわらず、同様の調査が平成十七年から十九年まで三年連続して行われ、十九年度だけでも、この調査委託費に六百万円が支払われております。
 ならば、公社では、当然いずれかの駐車場で芝生の舗装を行ったものと思い、問い合わせたところ、回答は、実験を行った駐車場以外では、どこも芝生舗装は行っていないとのことでありました。調査に三年の月日と予算をかけながら実施をしないというならば、公社はどのような目的でこの調査委託を実施したのか、目的を伺います。
 また、調査報告書は、この後どのような活用をされたのでしょうか。公社の説明によれば、ほかの民間駐車場事業者にも得られた基礎データが資するように調査を行ったといいますが、この調査結果は、民間事業者に配布されたわけでもなく、公社の閲覧可能な資料室に保管されているだけで、どれくらい閲覧されたかもわかりません。公社が芝生舗装したわけでもない、民間事業者の目にとまったかも疑わしいとすれば、この調査報告書によって都民が還元されたものは一体何だったのでしょうか、伺います。
 さらに、首をかしげたくなるのは、公社が平成十五年から始めたP-Pass事業であります。P-Pass事業とは、駐車場利用者に、Edyカード機能を伴ったこのP-Passカードを利用して(実物を示す)駐車場料金をキャッシュレスで支払ってもらおうという取り組みでありました。
 公社は、これまで設備投資などの経費に五千四百万円を投じ、十五カ所での利用を可能にしましたが、その後の拡大が一向に進んでいません。その理由は、カード申込者が極端に少ないからであります。利用台数が年間三百万台を超える公社の駐車場であるにもかかわらず、P-Pass会員数はわずかに二千二百十五人で、P-Pass可能な駐車場でも、P-Pass利用率は、何と〇・三%でしかありません。
 不採算事業と呼ぶ以外ありませんが、公社は撤退どころか、毎年、P-Passキャンペーンと称して、会員獲得キャンペーンを広告代理店にプロデュースさせています。平成十九年には、駅前でのチラシの配布などに百八十六万円もの予算を投じ、二カ月間のキャンペーン期間中に得られた会員は、たったの三百九人でした。一人の会員を獲得するのに六千十九円かかった計算になります。このコストパフォーマンスをどのように認識しているのでしょうか、伺います。
 また、今後も予算を伴う会員獲得キャンペーンを続けていくつもりなのか、伺います。
 ここまで会員獲得に予算をかけているのですから、当然、公社の職員はP-Pass会員になっていると思い、公社職員に占める申込者数を調べてみました。その結果、公社の職員数四百三十九名に対し、登録料が無料にもかかわらず、会員になっているのはたったの六十三名であることが判明し、唖然としました。
 予算をかけて広告代理店にキャンペーンをさせるのであれば、まずは身内の職員から会員を募るのが道理ではないでしょうか。それとも、公社の職員さえも申し込まないようなカードのために会員獲得キャンペーンを続けてきたのでしょうか、所見を伺います。
 そして、何より問題視したいのは、公社の経営体質です。
 実は、このP-Pass事業には、計画開始から現在に至るまで、事業の損益分岐点などを予測したマスタープランが存在しません。唯一存在するこの基本計画は(実物を示す)目標利用者数も導入コストも書かれていない、A4一枚のぺらで、まさにどんぶり勘定で見切りスタートしたとしか、いいようのないものです。結果、損益分岐を判断できず、中途半端な事業継続を行っているのであります。
 公社は、なぜ損益分岐を想定した事業計画書をつくらなかったのか。また、事業を不採算事業とみなしているのか、伺います。
 また、建設局は、P-Pass事業開始時に、この事業計画に目を通したのか、伺います。
 これまで申し上げてきた支出だけでも問題意識を持っていただいたことと思いますが、以上は、ほんの序の口であります。肝心の駐車場経営そのものに高コスト体質がありました。
 まず、私は、二百三カ所の駐車場のうち、立地に恵まれた比較的規模の大きい八重洲、日本橋、宝町、新京橋、東銀座、六本木の六つの駐車場の事業所別損益計算書を公社に作成させ、精査いたしました。その結果、六つの駐車場の損益は、年間八百五十二万円の赤字であることが判明しました。日本で最も地価の高い、人の往来の激しい場所で赤字経営であります。
 その一つ、年間三百四十四万円の赤字を出す東銀座駐車場に注目したいと思います。ここは、銀座東武ホテルの正面、昭和通りの地下に掘られた、百八十車両を収容可能な駐車場であります。日本一の立地である駐車場が、なぜ赤字を出すのか。そのからくりは、駐車場管理人に年間四千万円以上かかる膨大な人件費にありました。
 実際に東銀座駐車場に車を駐車してみましたが、駐車場は機械などを一切使わない平面駐車で、料金の支払いは自動精算機ですから、通常、利用者が管理人を必要としない場所でありました。ところが、この駐車場には、日中三人、夜間一人の管理人が二十四時間体制で置かれています。しかも、管理人には公社の嘱託職員が含まれており、その年収は平均四百五十万円だといいます。なぜ年収四百五十万円もかかる管理人がかように必要なのでしょうか。
 さらに、八重洲、日本橋、宝町、新京橋も、管理人が三人体制であることがわかりました。八重洲を除く四つの駐車場は、昭和通りの地下でつながっており、その距離は最長で一キロの距離ですから、緊急のときには、だれか一人がすぐに駆けつけられる位置関係です。にもかかわらず、全長たった一キロの地下トンネルに管理人が十二人もいることになります。これでは、幾ら車が入っても黒字になるわけがありません。
 日中三人も管理人が必要な理由を伺います。一体どのような方々が公社の嘱託職員になっているのでしょうか、伺います。
 さらに驚くのは、これら直接経費と本社でかかる経費のほかに存在する営業所経費と呼ばれるものであります。営業所経費とは何かと尋ねたところ、駐車場が都内広範囲にあるため、三つの営業所があり、日常のメンテナンスや料金回収を行っている経費だといいます。
 そこで、三つの営業所の所在地と経費を改めて調べてみました。東部営業所は墨田区にあり、二十五名の人員で一億五千万円の経費がかかり、西部営業所は新宿区歌舞伎町にあり、二十六名の人員で一億九千万円の経費を要しています。
 ここで不思議なのは、新宿の西部営業所です。駐車場の所在地が広範囲だから営業所が必要といいながら、道路保全公社の本社は新宿区西新宿にあります。営業所から徒歩十五分圏内であります。駐車場経営を全国展開している三井リパークでさえ、事業本部以外、都内に営業所を持っていません。
 なぜ本社から徒歩十五分圏内に家賃のかかる営業所が必要なのでしょうか、伺いたいと思います。
 こうした営業所経費や人件費が経営を圧迫し、東銀座でさえ赤字経営になっていることは明らかであります。営業所の見直しをする必要があると思いますが、所見を伺います。
 果たして、民間事業者が公社にかわって同じ駐車場を経営するとどうなるのか。私は、ある民間駐車場事業者に、さきの六つの駐車場の実地検証を依頼し、駐車場スペースと車の出入りなどから、本来どれほどの利益を上げられるのか調べてもらいました。
 アークヒルズにほど近い六本木駐車場の場合、現在、年間で四十六万円しか生まない利益が、民間経営なら、何と少なくても二千万円の利益を生み、さきの六つの駐車場で八百五十二万円の赤字が三億円以上の黒字に変わるということです。民間事業者からは、営業所経費なんて考えられない、どうするとこんな高コストな駐車場経営になるかわからないと、あきれ声でありました。
 これまで公社は、民間事業者による経営助言など、外の意見を入れた経営見直しを行ったことがあるのか、伺いたいと思います。
 このほかにも、この一千四百万円をかけてつくった五百ページにも及ぶカラー地図一万部を(実物を示す)無料で配布したり、時間貸し駐車場利用者に蛍光ペンセットを無料配布するなど、大盤振る舞いの支出が数多く並んでいることがわかりました。なぜこのような放漫な経営がされているのでしょうか。
 それは、都有地の活用により安定的な利益が生まれ、その利益を消化する目的で支出先が決められているからにほかなりません。
 この際、公社の支出については、民間市場に照らして第三者による総点検を行う必要があると思いますが、所見を伺います。
 冒頭に紹介したとおり、監理団体とは、採算性、市場性を欠く分野の活動が求められています。そのため、公社は、財団法人として法人税の減免措置を受けてきました。本来、駐車場事業者が払う法人税は収益の三〇%ですが、公社は二二%の法人税で許され、附帯して固定資産税なども減免されてきたのです。
 果たして、銀座の一等地で行う駐車場経営が公益事業でしょうか。税制優遇を受けた上に、高コスト体質で利益を圧迫し、三億円の利益はむだ遣いに費やしている、これが公社の実態です。
 知事、公社の行う駐車場事業は、採算の面でも市場の面でも、民間事業が十分に成熟している分野です。なぜ法人税などの税制優遇を受ける監理団体が行わなければならないのでしょうか。
 仮に、一万一千台分の駐車場スペースが民間事業者にゆだねられれば、都は大きな法人税収入を得られるばかりか、今よりも高額で都有地の貸し付けを行えば、得られた収入は一般財源となり、それこそ都民に還元できます。
 私からは、この際、道路保全公社の駐車場部門は徹底的に見直し、民営化することを提案いたしたいと思います。
 知事は、就任以来、平成十六年の監理団体改革を初め、外郭団体の改革には常に積極姿勢を示してきましたが、こうした状況を踏まえ、今後どのように公社の改革を行うのか、知事の所見を伺い、答弁によっては再質問を留保して、質問を終えさせていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 伊藤ゆう議員の一般質問にお答えいたします。
 質問の回答なるものが来ておりますけれども、今のお話を聞いていますと、これはちょっとやはり、徹底して洗い直す必要があるんじゃないかという気がいたします。
 実は、これは外部監査の対象になったと聞いておるんですけれども、外部監査人は非常に努力を毎回してもらっていまして、非常に厳しい指摘を今まで受けてきました。直すところはやっぱり直してきまして、随分いろんなものが向上したと思いますが、この問題については、私自身もう一回、事実というものを調査し直して、踏まえてからお答えいたします。(拍手)
   〔建設局長道家孝行君登壇〕

○建設局長(道家孝行君) 東京都道路整備保全公社についてのご質問にお答えをいたします。
 ただいま知事が冒頭で、知事としても検証する必要があると、私自身、検証する必要があると答弁いたしましたので、今後そのように検証をしていきたいと思いますが、今のご質問に対して、一つ一つお答えをさせていただきたいと思います。
 十三点ございますが、まず一点目の、公社が実施した芝生舗装の実験調査の目的でございます。
 その前に、東京都道路整備保全公社の意義を少し説明させていただきますと、この保全公社は、交通渋滞の解消等を目的として駐車場運営を行うとともに、都道の無電柱化、それから用地取得、工事監督補助業務を通じて都の道路行政を補完しておりまして、「十年後の東京」を実現するためにも欠かせないパートナーでございます。
 また、公社は、渋滞解消目的で、採算がとれず民間が参入しない条件であっても、その箇所で必要となる駐車場があれば、それを設置しまして違法駐車を解消する取り組みや、収益を活用いたしまして、民間の駐車場の位置情報あるいは満空情報などを一般の利用者にインターネットで提供するs─parkという仕組みですが、こういうs─parkなどの都民還元事業を展開しております。
 さらに、カーシェアリングの事業の支援や、民間がなかなか手を出さない自動二輪駐車場の整備など、総合的駐車対策に役立つ先駆的な駐車場の取り組みを行っているというふうに認識しております。
 お尋ねの駐車場における芝生舗装の実験調査は、公社が進める先駆的な取り組みの一つでございまして、具体的には、都の施策でございますヒートアイランド対策に貢献するために、駐車場への芝生舗装の適用の可能性を探り、民間駐車場が同じように芝生舗装する際の参考としても役立ててもらうために実験を行ったものでございます。
 この実験の結果、舗装の表面温度の低減効果は確認できましたが、維持コストの面からなど、民間への普及はいまだに課題がある状態でございます。このため、現在、さらに低コストで維持管理ができるクローバーを使った緑化の実験を行っております。
 次に、調査報告の都民等への還元についてでございますが、この四十六ページに及ぶ調査報告書の概要版を平成二十年七月に同公社のホームページに掲載いたしまして、この効果や課題を広く一般に公開するとともに、駐車場事業者の団体でございます社団法人全日本駐車協会発行の機関紙にも調査内容のあらましを掲載することで、全国の駐車場事業者などに周知を行うなど、広報にも努めておるところでございます。
 この結果、調査概要のホームページからのダウンロードの数は、四十六ページのかなり大きなボリュームであるにもかかわらず、半年で九千七百件にもなっております。かなり関心があるというふうに認識をしております。また、自治体や民間事業者からの問い合わせもありまして、利点や課題等が見えてきたことで、各事業者が駐車場緑化を進める際の参考として役立っていると考えております。
 次に、P-Pass事業のコストパフォーマンスについてでありますけれども、P-Passは、電子マネーであるEdyに駐車場の出入庫とポイントカードとしての機能を持たせたものであります。これによって駐車料金の精算や出入庫がスムーズになり、利用者の利便性向上に資するものであると考えております。
 また、駐車場を利用した金額の一〇%ポイント還元の仕組みがございまして、この仕組みで地域の店舗と連携することで地域振興を促進するものであるということも考えております。
 さらに、駐車場事業者にとっても、キャッシュレス化による安全管理の強化、磁気式カードからICカードへの転換による偽造の防止、利用状況の把握の迅速化が可能になるなど、多くの効果があると考えております。
 公社は、この仕組みを広く他の事業者に普及させることを目指しまして、先駆的、公益的事業として導入しております。
 同じP-Pass会員獲得キャンペーンの今後の予定についてでございますけれども、公社が行うキャンペーンに加えまして、日常の駐車場利用者への直接PR、管理人が直接PRすることや、他の団体が主催するイベント等に参加して、さまざまな機会を通じてカードの利点を周知し、利用拡大してまいりたいと思っております。
 次に、P-Pass会員獲得キャンペーンの公社職員への働きかけについてでございますけれども、P-Pass事業は、公社駐車場を利用していただく利用者の利便のために導入した仕組みでありまして、公社職員であるという理由での利用は考えておりませんでした。
 一方、会員獲得キャンペーンは、さきに申し上げたとおり、P-Passの利便性を理解していただくため、より効果的な取り組みにしていく必要があると考えております。
 次に、P-Pass事業の事業計画についてでありますが、公社は、ITを活用したP-Passの導入など、民間が先導して実施することが困難な事業でありましても、先駆的に取り組むことにより、民間を牽引する役割を果たしていくことが求められると考えており、P-Pass事業は、公社の平成十五年度事業計画に位置づけて開始し、段階的に取り組みを拡大してきたものでございます。
 次に、P-Pass事業の事業計画に建設局として目を通したかというお尋ねでございますが、P-Pass事業は、毎年度協議をしている公社の事業計画がございます。この中に公社の独自事業として盛り込まれているものであり、建設局として協議を受け、全体として承認しているものでございます。
 今後とも、P-Passの普及拡大が図られるよう、引き続き公社を適切に指導してまいります。
 次に、東銀座駐車場などの管理人の人数についてのお尋ねがございました。
 日本橋、宝町、新京橋、東銀座の四つの駐車場は、いずれも昭和通りの地下にありますが、それぞれ駐車場は車道で遮断されて独立した駐車場でございます。駐車場の管理には、車両の誘導、場内巡回、接遇、料金の回収やプリペイドカードの販売など、多くの業務があり、それぞれの駐車場で三人の配置は必要な体制であると考えております。
 公社は、違法駐車による渋滞を解消するなど、公益的な観点で駐車場経営を行っておりまして、これらの中には、自動二輪駐車場など非採算部門、必ずしも採算の合わない駐車場もありますが、収益的に優良な駐車場もあわせて経営することで、駐車場事業全体としては健全な経営を確保している、こういう仕組みになってございます。
 次に、駐車場管理に従事する嘱託員についてのお尋ねがございました。
 各駐車場には、責任者として、豊富な知識と経験を持つ嘱託職員を置いております。その他の担当者は臨時職員を充てております。嘱託職員の構成といたしましては、公社自身のOBを四割強、それから民間からの一般採用を四割強、そして都職員OBが一割程度でございます。
 なお、公社の嘱託員の平均的な年収は約四百五十万でありますけれども、臨時職員の平均年収は実は約二百五十万ほどでございまして、したがって、管理人の平均年収は、お話の四百五十万ではなく、三百万程度であるということでございます。
 それから、次に、西部営業所の必要性についてでありますが、西部営業所は、区部から多摩まで百二駐車場の無人管理駐車場の巡回、集金の業務や駐車場の定期利用契約事務、回数券販売など、駐車場の直接的な管理運営を行っております。
 一方、本社は、公社全体の組織運営や企画策定等の業務を行っておるわけでありまして、本社と営業所がそれぞれ果たす役割は当然違いますので、同一の建物に置く必然性はなく、床を借りるというか、事務所を借りる経費面などからのメリットも特にないというふうに考えております。
 次に、営業所の見直しの必要性についてでありますけれども、公社の駐車場は、東は江戸川区から、西は八王子の高尾まで広範囲に点在していることから、適正な管理を行い、利用者の要望に迅速に対応するために、都内に三カ所の営業所を設置しており、現在の営業所は効果的に機能していると考えております。
 今後とも、公社の駐車場が健全で効果的な運営が図れるよう、引き続き経営改善に努めてまいります。
 次に、外部意見による経営の見直しについてでございます。
 経営の見直しについては、平成十四年度に、駐車場事業も含めました全事業について都の包括外部監査を受け、経営の効率化を進めてまいりました。また、公社は、平成十四年度から、毎年、公社事業全般に対する監査法人による外部監査を実施し、臨時職員の活用、夜間警備のアウトソーシング、有人管理所の無人化への転換などによりまして、日々健全な経営に努めているところでございます。
 今後とも、外部監査を活用し、効率的、効果的運営が図れるように努めてまいります。
 最後でございますが、第三者による総点検の実施についてであります。
 先ほど申し上げたとおり、公社は、監査法人による外部監査を既に実施、導入しておりまして、その結果を踏まえて、みずから健全経営に努めているところでございます。
 ご指摘のありました駐車場マップでございますけれども、年間百万件以上アクセスがあるs─park、先ほど申し上げた、一般の都民の方が携帯等で駐車場の空き状況あるいは位置を知る情報ですが、こういう仕組みとともに、この駐車場マップは、都内の民間駐車場、公社だけではなく、民間の駐車場も含めた駐車場の位置を利用者にわかりやすく記したものでございまして、こういう情報を提供することによりまして、その方が目的地に行くときに、そのそばに駐車場があることで、違法駐車をしない、違法駐車の防止に寄与することを目的として作成しておりまして、公社本来の役割を果たすための必要な経費であると考えております。
 以上、そんなことでございまして、道路整備保全公社は、総合駐車対策に役立つ先駆的駐車場づくりや、道路用地、無電柱化などの道路行政推進の支援などにより、交通渋滞や都市機能の増進に寄与する団体という認識でございます。そうでありますが、今後とも、効率的、効果的な経営を図るというのは当然のことでございますので、不断の改革に取り組んでまいりますし、先ほど冒頭、知事が答弁されたとおり、今後、私どもも検証し、知事に適切に報告し、ご判断をいただくこともあろうと思っております。
 以上でございます。
   〔十二番伊藤ゆう君登壇〕

○十二番(伊藤ゆう君) 知事からは、明確に見直しについて言及がありました。ところが、局長からの答弁は、いずれも苦しいいいわけにしか聞こえませんでした。局長は知事と見解を一にしているんでしょうか、改めて確認をしておきたいと思います。
 また、聞こえのいい、経営の見直し、不断の改革という言葉が聞かれましたが、具体的な改革案が示されない以上、我々は納得することができません。どのような新たな取り組みをするつもりなのか、局長に所見を伺いたいと思います。(拍手)
   〔建設局長道家孝行君登壇〕

○建設局長(道家孝行君) 個々のご指摘についてのそれぞれの見解については、監理団体としての道路整備保全公社を管理監督する建設局としての考えでございます。局長の考えということで結構でございますが、全体として、知事がやはり内容をもう一度よく徹底して調査をして検証する必要があるとおっしゃっておりますので、そういうことでやっていきたいと思っておりますし、私としては、何としてもいいたいことは、この道路整備保全公社が、主要な業務である駐車場を経営しているわけですけれども、その経営採算がいいところと悪いところを抱き合わせで経営しているというところがポイントでございまして、駐車違反はどこでもあるわけでございまして、民間が導入しないような駐車場を道路整備保全公社が設置することによって、その部分の違法駐車が減って、その結果、道路の渋滞が解消する、こういう大きな目的を持って進めておりますので、その点はぜひ、私としては変わらず強調させていただきたいと思いますし、もう一方の東京都の「十年後の東京」計画、これはもう大計画でございまして、三年間のアクションプログラムは、建設局が予算の半分ぐらいを担っております。ハード事業を進めるに当たりましても、やはりこの道路整備保全公社による電線類地中化の事業でありますとか、用地買収の事業でありますとか、それから、不足がちの監督員、工事監督員の補助の事業でありますとか、こういうものはぜひ道路整備保全公社に期待し、という意味でパートナーと申し上げました。このところは期待しております。
 といいながら、経営の不効率な面、そういう面については引き続き検証し、当然改善すべきところは改善し、知事にご報告し、判断をいただくということになります。よろしくお願いいたします。

副議長(石井義修君) 三十七番上野和彦君。
   〔三十七番上野和彦君登壇〕

○三十七番(上野和彦君) まず初めに、事業継続計画、BCP関連について質問をいたします。
 都議会公明党は、地震のBCP策定の必要性をいち早く主張してきました。それを受け、知事は、平成十九年第一回定例会において、策定に着手する旨を表明し、その後、精力的な検討の上、都政のBCP地震編を、全国の自治体の中で先陣を切って策定したことは高く評価するものであります。
 災害時には、避難所の運営など住民に身近な応急対策業務や、日常生活に直結したサービスの継続が不可欠であり、区市町村においてもBCPを策定することが極めて重要であります。
 そこで、都は、都政のBCPに基づき、着実に体制づくりを進める一方、区市町村における地震のBCP策定を支援するなど、災害に強い東京の実現に取り組んでいくべきであります。知事の所見を伺います。
 次に、新型インフルエンザに関する都政のBCP策定についてであります。
 新型インフルエンザは、いつ発生してもおかしくない国家的な危機といわれ、特に首都東京では甚大な被害が想定されております。
 我が党は、平成二十年予算特別委員会において、議会では初めて、新型インフルエンザ対策としてのBCP策定を急ぐよう強く主張いたしました。これを受けて都は、本年度中に抗インフルエンザウイルス薬を四百万人分備蓄するとともに、新型インフルエンザのBCPの検討に着手するなど、全国に先駆けた取り組みを始めたところであります。
 新型インフルエンザの被害は、人への感染が時間経過とともに拡大することや、その感染による被害が、流行の第一波だけでも八週間に及ぶなど、長期化すると予測されており、BCPの策定に際しては、このような課題への対応策が不可欠であります。
 そこで、都は、BCPの策定方針と策定時期を明らかにすべきであります。見解を求めます。
 また、新型インフルエンザ発生時の医療機関の事業継続について質問いたします。
 新型インフルエンザが発生した場合には、都民が安心して診断や治療を受けられる体制を確保することが最も重要な課題であります。パンデミック期には、医師や看護師だけでなく、薬剤師や検査技師などの医療スタッフ、また清掃や調理従事者などを含め、医療に携わるすべての関係者が医療機関に参集し、全力で治療に専念できることが理想でありますが、医療機関内でも新型インフルエンザに罹患する職員が相当数出てくることが想定されます。
 この想定のもとに、医療機関として患者の治療を継続できるようにするためには、それぞれ個別の医療機関が事前にBCPを策定することが極めて重要と考えますが、都の見解を求めます。
 次に、大規模水害対策について質問いたします。
 国の中央防災会議では、昨年、荒川などの大河川破堤による大規模水害の被害想定を策定しました。これによれば、東京の東部低地帯は広範囲に浸水し、最悪のシナリオの場合、都内で約七十三万人もの孤立者が想定されるなど、多くの被害が出るとされております。
 私の住む江戸川区は、区内の約七割がゼロメートル地帯であり、一たん浸水すれば、多くの住民が避難を余儀なくされます。水害が発生するほどの大雨の中、住民が限られた時間で安全に避難するには、震災時同様、身近なところに多くの住民が避難できる場所を確保する必要があります。
 そこで、都は、地域防災計画の見直しに当たり、大規模水害対策として、広域避難に加え、地域の実態に合わせた避難体制を計画に位置づける必要があると考えますが、見解を求めます。
 また、現在事業化が計画されている篠崎地区のスーパー堤防事業に合わせ、防災拠点篠崎公園を水害発生時の緊急避難場所となるよう、スーパー堤防の事業範囲だけではなく、広く盛り土を行い、公園を整備すべきと考えますが、都の見解を求めます。
 次に、豊洲地区における病院の整備について質問いたします。
 東京都保健医療計画では、江戸川区、江東区、墨田区が区東部保健医療圏を構成していますが、圏内全体の人口増加が続く中で、人々が包括的な医療サービスを受けられる体制をより整備する必要があります。
 三区の中でも、江東区の南部地域では、マンション建設が相次ぎ、年間一万人以上の人口が増加している状況となっています。
 この一帯は、将来的に人口が十万人を超えると見込まれている中で、関係の地域では、救命救急医療や周産期医療などを含めた総合的な医療サービスを十分に確保できる状況とはなっておりません。
 こうした中、江東区では、先般、豊洲地区において、民間事業者を誘致し、総合病院を整備、運営する計画を打ち出しました。その整備計画では、今年度に基本方針を策定し、来年度以降に、病院事業者の決定や都市計画変更等の手続を経て、将来の開設を目指すとされています。
 この計画において、病院の整備予定地として豊洲五丁目の都有地が予定されており、豊洲地域において、病院を整備する上で適当な規模の用地はこの都有地以外にはないとのことですので、都としても、地元の要望にしっかりとこたえていくべきと考えます。
 ところで、この都有地ですが、土地利用計画の上では、港湾計画を初め、一定の用途制限があるものと理解しています。
 そこで、当該地において病院を整備することが可能となるよう、現行計画を変更すべきと考えますが、都の見解を求めます。
 また、事業者の選定の後には、病床の確保という手続が必要になります。現在、区東部医療圏における病床は充足状況にあり、都においては、この江東区の計画実現に向け、特段の協力をされるよう求めるものであります。
 これらを含め、今後幾つかの課題はありますが、都としても、この地域病院の整備に最大限の協力を行い、区東部保健医療圏の医療体制整備を重ねて強く要望いたします。
 次に、環境対策について質問いたします。
 都議会公明党は、地球温暖化防止に向け、温室効果ガス削減について、都が国をリードすべきであると一貫して主張してきました。都は、みずから先導的な役割を果たすため、実際に温室効果ガスを削減する対策に積極的に取り組んでいるところであります。特に下水道局は、大量の下水を処理するため、大量のエネルギーを消費せざるを得ないことから、いち早くアースプラン二〇〇四を策定し、バイオマス発電の導入など、京都議定書に基づく六%以上の温室効果ガス削減に向け、率先して取り組んできたところであり、高く評価するものであります。
 そこで、来年度が最終年度となるこの計画は、確実に目標が達成できるのか、見通しを伺います。
 都では、二〇二〇年までに、二〇〇〇年比二五%のCO2排出削減を目標に掲げ、果敢に取り組んでおります。下水道局はこれまで、六%削減に取り組んできましたが、さらに、その四倍にもなる二五%の削減目標を達成することは、決して容易なことではありません。
 そこで、これまでも民間と連携して技術開発してきたように、今までのノウハウを生かし、産学と連携した新たな技術開発を行うなど、一層の工夫を凝らし、低炭素型都市実現に貢献する必要があると考えますが、見解を求めます。
 次に、都県境の橋梁整備について質問いたします。
 江戸川区内では、千葉県との都県境において、千葉街道の市川橋から新大橋通りの今井橋までの区間、約八キロメートルにわたり橋梁がありません。そのため、交通渋滞の解消や大規模災害時の避難ルートとして、放射第一六号線、補助第一四三号線、補助第二八六号線の早期整備が喫緊の課題となっております。
 一方、都県橋の橋梁整備に当たっては、自治体間の財政状況も踏まえた調整や国の積極的な支援が必要であります。その上で、都と千葉県との間で既に設置している調整会議を活用し、放射第一六号線、補助第一四三号線の早期事業化に取り組むべきであります。見解を求めます。
 また、地元区が主体となる補助第二八六号線の橋梁は、江戸川区内の避難場所である篠崎公園と対岸の市川市大洲防災公園を連絡する重要な橋梁であり、水害時の避難路、震災時における帰宅困難者のルート確保のために優先的に整備が必要な路線として、これまで私は、都議会の場において繰り返しこの橋梁の重要性を主張してきました。
 そこで、本路線の整備を実現するためには都の支援が不可欠と考えますが、見解を求めます。
 次に、船堀橋のバリアフリー化について質問をいたします。
 船堀橋は、平面道路へのアプローチとして斜路つきの階段となっており、勾配が急なため、高齢者やベビーカーなどの利用に支障を来し、車いすではとても利用できない構造になっています。地元住民は、バリアフリーの観点からの改善を強く要望しております。都は、こうした要望にこたえ、一刻も早く工事に着手すべきであります。見解を求めます。
 次に、首都高速道路ネットワークの整備について質問いたします。
 首都高速道路は、東京都区部だけでなく、隣接県との間でも多くの人や物資の移動に利用され、一日約百十五万台の交通量を処理しています。また、区部における国道、都道の総延長のうち、首都高は一五%にも満たないものの、一般道路の二倍以上の交通、物流を受け持っており、まさに首都東京の重要な都市基盤になっています。
 今月十二日には、オリンピック立候補ファイルがIOCに提出され、首都高速道路では、中央環状新宿線や品川線、晴海線の完成がオリンピックに必要であることが示されました。しかしながら、首都高速道路の渋滞は、依然として利用者の最大の不満となっております。
 そこで、オリンピック開催時までに渋滞解消を実現するため、首都高速道路ネットワークの整備を推進すべきであります。知事の所見を伺います。
 また、首都高の渋滞対策アクションプログラムでは、中央環状線と高速七号線を結ぶ小松川ジャンクションを新設するとしています。首都高速道路ネットワークの機能が強化されることはもちろん、江戸川区民にとっても使いやすい高速道路となるよう、早期に具体化させる必要があると考えますが、都の見解を求め、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 上野和彦議員の一般質問にお答えいたします。
 都政のBCPについてでありますが、日本は世界有数の地震国でありまして、東京においては、首都直下型地震がいつ起きてもおかしくない地政学的な条件だと思います。
 地震が発生した際、都民の生命や生活を守り、都市機能を維持するためには、事前対策として事業継続計画を策定しておくことが極めて重要であります。
 このため、都は、全国に先駆けて、災害時に優先すべき業務や必要な人員体制などを盛り込んだ都政のBCPを策定いたしております。
 今後、計画の着実な推進を図るとともに、住民に身近な区市町村においてもBCPの策定が進むよう積極的に支援するなど、東京全体の災害対応力の強化に取り組んでいきたいと思っております。
 次いで、首都高速道路ネットワークの整備についてでありますが、東京の最大の弱点であります渋滞を解消し、我が国の国際競争力を強化するため、首都高速道路など道路ネットワークの早期整備が不可欠であります。
 首都高速道路は、オリンピックの開催にも際して、選手や大会関係者の移動ルートとしても極めて重要な役割を担うことになります。
 三環状道路の一つであります中央環状線については、平成二十五年度の全線完成に向けて全力で取り組むとともに、交通の流れをより円滑にするためのジャンクション改良を積極的に推進してまいります。
 さらに、先ごろ部分開通した晴海線につきましては、都心と臨海部を結ぶ機能をより一層強化するため、都心環状線までの延伸の早期事業化を国に働きかけてまいります。
 なお、他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔総務局長中田清己君登壇〕

○総務局長(中田清己君) 新型インフルエンザに関する都政のBCP策定についてお答えします。
 都は、昨年十月、BCPの策定に着手し、都民の健康を守り、都市機能を維持するという方針のもと、現在、感染拡大防止のため休止する業務と、都民生活に不可欠な継続すべき業務の選定を進めております。また、パンデミック期に最大四〇%の職員が欠勤しても必要な業務が実施できるよう、全庁的な応援体制を検討しております。
 本年七月には中間のまとめを行い、二十一年度中に新型インフルエンザに関します都政のBCPを策定してまいります。
 次に、大規模水害対策についてでございますが、荒川など大河川の堤防が決壊した場合、都内においても、浸水域が広範囲にわたり、大きな被害が発生するため、避難体制を整備することは極めて重要でございます。
 このため、都は、平成十八年に策定しました八都県市広域防災プラン風水害編に基づきまして、現在、荒川をモデルとしまして、荒川に隣接する区市に周辺の県市や国を加えまして協議会を設置し、大規模はんらんに備えた避難方法のあり方や流域自治体の緊急連絡網の整備など、広域的避難体制について検討を進めております。
 今後、この協議会での検討結果や国が策定する大規模水害対策等を踏まえながら、実効性のある避難体制について検討し、必要な対策を地域防災計画に盛り込んでまいります。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) 医療機関におけるBCPの策定についてお答えいたします。
 新型インフルエンザ発生時の医療体制を確保するためには、すべての医療機関が適切な診療を行えるよう、BCPの策定を初め、十分な準備を進めておくことが極めて重要であります。
 このため、都は、新型インフルエンザ発生時における関係機関の役割などを検討しております地域協議会や、地区医師会向けの説明会等において、各医療機関における事前の体制整備についても周知を図っております。
 今後とも、こうした場を活用し、既にBCP策定に取り組んでいる医療機関の事例を紹介し、情報の共有化を進めるなど、医療機関のBCP策定に向けた取り組みを支援してまいります。
   〔建設局長道家孝行君登壇〕

○建設局長(道家孝行君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、スーパー堤防事業と連携した篠崎公園の整備についてでございますが、河川と隣接する公園をスーパー堤防と一体的に整備することは、既存の堤防部分を公園として利用することができるようになるだけでなく、公園から河川へのアクセスが向上し、眺望も開けるなど、意義あるものと考えております。
 国が篠崎公園で施行するスーパー堤防事業では、既に公園として利用されている約三ヘクタールにおきまして、盛り土によるかさ上げを計画しておりまして、影響範囲にある施設の再整備が必要となることから、国と調整を始めたところであります。
 お話のスーパー堤防事業の範囲を超える部分の公園敷地のかさ上げにつきましては、今後、都の地域防災計画の見直しの結果を踏まえ、必要な取り組みを検討してまいります。
 次に、放射第一六号線及び補助第一四三号線の都県境の橋梁整備についてでありますが、これらの路線は、千葉県境付近における道路ネットワークの形成を図り、渋滞の緩和や都市間連携を強化する上で重要な役割を担う路線であります。
 江戸川区内の放射第一六号線は、橋梁部を除いて整備済みであります。また、補助第一四三号線は、篠崎街道から旧江戸川までの延長五百三十メートルが事業中であり、現在、約八割の用地を取得しております。
 両路線の橋梁部につきましては、区部における第三次事業化計画の優先整備路線に位置づけておりまして、千葉県と設置した道路橋梁整備調整会議において、事業手法や取りつけ部の整備時期などの協議を行っております。
 今後とも、事業化に向け、調整会議を活用し、千葉県と粘り強く協議するとともに、国に対し、整備に必要な財源を求めてまいります。
 最後に、船堀橋におけるバリアフリーの観点からの改善についてでございますが、お尋ねの船堀橋は、主要な幹線道路の一つである新大橋通りの道路橋で、荒川をまたいで江戸川区と江東区を結んでおり、近傍に代替ルートがなく、自転車の通行が多いという特徴を有しております。橋の西側にはスロープが設置されておりますが、東側は勾配の急な斜路つき階段となっているため、バリアフリーの観点から対策が必要と考えております。
 そこで、高齢者やベビーカーの利用者などに配慮するとともに、自転車利用者の利便性、安全性の向上も図った、勾配の緩やかなスロープの設置などについて、現在基本設計を行っているところであります。
 平成二十一年度は、早期の工事実施に向け、交通管理者や地元区等と調整を図りながら、詳細設計を行う予定でございます。
   〔港湾局長斉藤一美君登壇〕

○港湾局長(斉藤一美君) 豊洲地区における江東区の病院整備計画に対する現行計画の変更についてのご質問にお答え申し上げます。
 豊洲地区は、港湾施設と隣接する地域であるため、港湾計画などにより土地利用が定められてございます。
 現在、江東区が病院の整備を予定してございます豊洲五丁目の都有地につきましては、こうした計画に基づく制限がございまして、病院の整備を可能とするためには一定の手続が必要となります。
 都といたしましては、今年度内に策定される予定の同区の病院整備の基本方針につきまして、港湾計画を初めとする現行計画との整合性などを勘案した上で、計画変更の検討を行ってまいります。
   〔下水道局長今里伸一郎君登壇〕

○下水道局長(今里伸一郎君) 下水道事業におきます地球温暖化防止に関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、アースプラン二〇〇四の目標達成の見通しについてでございますが、下水道局ではこれまで、京都議定書に基づき、温室効果ガス排出量の六%以上の削減を目標といたしまして、平成二十一年度までに九十五・六万トン以下に排出量を削減する具体的な取り組みを定めましたアースプランを策定し、さまざまな地球温暖化防止対策を推進してまいりました。
 対策の実施に当たりましては、民間技術やPFI方式などの新たな事業スキームを活用して、汚泥の高温焼却やバイオマス発電などを導入し、排出量の削減に努めてまいりました。また、昨年度には、汚泥を蒸し焼きにいたしまして石炭火力発電所の代替燃料とする汚泥炭化事業も開始しており、排出量を、既に目標以下の八十五・七万トンまで抑制しているところでございます。
 こうした着実な取り組みによりまして、アースプランの目標であります六%以上の削減を実現する見通しでございます。
 次に、低炭素型都市実現に向けた今後の取り組みについてでございますが、下水道局では、現場を持つ強みを生かしまして、施設や下水汚泥などの実験材料を民間に提供し、共同研究に取り組み、温室効果ガスを大幅に削減する汚泥ガス化炉の開発などを行ってまいりました。しかし、現在ある技術だけでは、十年後の二五%削減はかなり困難な側面もございます。
 そこで、産学と連携した技術開発を強化する拠点といたしまして、下水道技術研究開発センターを昨年七月にオープンし、将来の温室効果ガス削減につながる新たな技術の開発を行うなど、より効果的な削減対策を検討しております。
 今後とも、こうした技術開発を積極的に進め、カーボンマイナス東京十年プロジェクトの目標達成に向け、着実に計画的に取り組んでまいります。
   〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕

○都市整備局長(只腰憲久君) まず、補助第二八六号線についてでございますが、本路線は、千葉県との都県境を越えました道路ネットワークを形成し、対岸の市川市との連携を強化するとともに、道路交通の混雑緩和にも寄与する路線でございます。
 本路線の整備に当たりましては、江戸川にかかる橋梁が、当然のことながら都県境にまたがることから、整備手法や施行区分などの課題について検討を進める必要がございます。
 都といたしましては、主体的な取り組みを行う地元区との連携を図るとともに、お話にございました千葉県との調整会議を活用しまして、本路線の整備実現に向けて、これらの課題につきまして広域的な視点から協議、調整を進めてまいります。
 次に、小松川ジャンクションの新設についてでございます。
 中央環状線の機能を一層強化するためには、江戸川区の小松川付近において、首都高速七号線と連結させましてネットワークを充実させていくことが有効でございます。
 都はこれまで、比較的多くの需要が見込まれます七号線の千葉方向と中央環状線の北方向を結ぶ連結路につきまして、首都高速道路株式会社とともに、地元区、交通管理者、河川管理者などと、線形や構造の検討を行ってまいりました。
 今後、関係機関との協議を進めまして、来年度、都市計画手続に着手できるよう、鋭意取り組んでまいります。

○副議長(石井義修君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
 午後五時四十一分休憩

 午後六時二分開議

○議長(比留間敏夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 二十二番田中たけし君。
   〔二十二番田中たけし君登壇〕

○二十二番(田中たけし君) まず初めに、築地市場の移転についてお伺いいたします。
 これまで、豊洲新市場予定地の土壌は、東京ガスが環境確保条例に沿って調査をした結果、ベンゼンやシアンなどの有害物質が確認され、東京ガスみずからの操業に伴う有害物質の処理は東京ガスにより既に行われ、他の操業によらない土壌汚染は東京都が処理を行うこととし、さらに二・五メートルの盛り土をするため安全であるとの説明を伺ってまいりました。
 しかし、平成十九年に行われた都知事選の直前に、急遽、石原知事の英断で、土壌汚染対策等を検証する専門家会議が設置されることとなり、選挙後、専門家による調査が開始されました。そして、法律で定められている以上の土壌調査が行われた結果、東京ガスが既に処理をしたとされている範囲も含め、環境基準を超えるベンゼン、シアン、砒素、鉛の有害物質が検出されました。しかし、それらは全体の一部分であり、より安全な新市場の建設に向け、処理をすべき土壌の全容が明確にされたものと、前向きに受けとめております。
 その後、さらに別組織として設置された技術会議において、公募によりさまざまなアイデアが提案され、その中から土壌処理方法が検討され、当初想定していた一般的な工法よりも三百八十七億円も安く、しかも、工期も二カ月短縮され、土壌処理が行われることが判明いたしました。
 専門家会議や技術会議を設置したことは、新市場予定地の土壌処理の客観性、専門性が担保され、法律で定められている以上の処理が行われることとなりました。また、結果として、最良で、しかも経費をも節約できる工法が見出され、都民や消費者に対して安全・安心のメッセージを伝えることとなり、石原知事の英断はまさに正しかったと思っております。
 そこで改めて、専門家会議や技術会議の設置をどのように評価しているのか、石原知事のご見解をお伺いいたします。
 発がん性物質であるベンゾ(a)ピレンが検出されたことが、平成十九年十一月、専門家会議に報告されておりました。翌平成二十年六月に、前年報告されていたときの百十五倍ものベンゾ(a)ピレンが検出されておりましたが、このときは公表せず、ことしの一月に新聞各紙によりその記事が掲載され、初めてその事実が公になりました。
 食品の偽装表示事件など、食に対する不安を感じる事件が相次いでいる中、多くの都民は、食品の安全性に対して非常に神経を使っております。また、安全だといわれる食材であっても、安心できなければ、その食材を口にする人は少ないと考えます。つまり、消費者は食品に対する安全性を求め、さらにそれ以上の安心を求めております。
 土壌汚染対策法の対象となっていない物質であり、また、技術会議で示してきた処理方法で対応できるため、専門的見地から安全であるとはいえ、都民の安心を得るためには、より適切な対応が求められます。法令に定められていないから公表するとかしないとかではなく、毎日消費者の口に入る食品を扱う場所として、豊洲新市場を安心してもらえるかどうかが大きなポイントであります。都民に安心してもらうためには、都庁と都民の信頼関係が大切であり、適切な情報対応が必要であります。
 そこで、専門家会議や技術会議により安全性が確保される中、都民から安心され、信頼される豊洲新市場の開場に向け、改めて中央卸売市場のご決意をお伺いいたします。
 次に、観光事業についてお伺いいたします。
 羽田空港の再拡張、国際化が、平成二十二年十月末の第四滑走路の供用開始を目指し、進められております。これにより、年間発着能力が二十九・六万回から四十・七万回へと増強され、国の内外からより多くの観光客が東京を訪れることは確実であります。
 観光客が確実に増大する中で、東京都としても、観光施策に対し、より積極的に取り組むべきであり、多くの観光資源の拡充が必要であると考えます。そのためには、中でも外国人の関心の高い文化、歴史的建造物や景観などの保護や保存を行うべきであり、また、新規観光資源の発掘や拡大支援が必要であると考えます。
 そこでまず、特に外国人旅行者誘致のために、これまで以上に文化資源を活用する取り組みがぜひとも必要と考えますが、ご所見をお伺いいたします。
 また一方で、都内各地域には、観光客を呼び込む可能性を秘めた、埋もれた観光資源がまだまだたくさんあると思っております。私の地元品川区の京浜急行立会川駅付近には、かつて土佐藩の下屋敷があり、幕末のころ、黒船来航に備えて砲台を築いた跡も残っております。そこで若き日の坂本龍馬も警備に当たっていたといわれており、坂本龍馬が立会川で生活をしていたことから、地元商店街では、坂本龍馬と各種イベントを関連させるなど、新たな観光資源の発掘に取り組んでおります。また、高知市長から坂本龍馬像を贈っていただくなど、高知市との交流にもつながっております。さらに、この地区では、近くの勝島運河を活用し、水辺に親しむ運河ルネッサンス事業も行っており、相乗効果による地域のさらなる魅力づくりに取り組んでおります。
 一方、現在、羽田空港と都心とを結ぶ交通アクセスの一つである京浜急行は、羽田空港へ最速で行ける快速特急がふえたため、既存の横浜方面への快速特急と合わせると、昼間の運行ダイヤのうち半分が、品川区内のすべての駅を通過する快速特急となっております。既に、羽田空港へのアクセスの視点から、品川区内は通過地域になりつつあり、羽田空港の拡張に伴い、この傾向がさらに強まることを心配しております。そしてその結果、羽田空港拡張に伴う経済的効果においても、品川区内が通過地域となってしまうことを懸念しております。そのためにも、立会川駅付近の取り組みを初め、品川区内では新たな観光事業の発掘、強化が必要だと考えております。
 そこで、羽田空港の再拡張、国際化も見据え、地域での新たな魅力や歴史的物語を見つけ出し、発信していくことは重要であり、新たな観光資源の発掘の観点から、地域の取り組みを支援し、観光振興を一層推進させることが重要であると考えますが、ご所見をお伺いいたします。
 次に、港湾事業に関してお伺いいたします。
 現在、東京都は、首都圏四千万人の生活や産業を支えていくメーンポートとして、東京港の国際競争力強化のため、機能拡張や京浜三港との連携に取り組んでおります。
 一方、港湾地域には、私の地元品川区の八潮団地など、物流地域に隣接して一般の都民が居住し、生活している地域もあります。今後、港湾物流機能が強化されていく中、物流機能と生活機能との調和を図り、安全で快適なまちづくりが重要な課題であると認識しております。
 都では、八潮団地の周囲に緑道公園を配置し、港湾労働者の福利厚生施設を一般に開放しているほか、みなとが丘ふ頭公園に来年度から区のキャンプ場を受け入れたり、大井ふ頭緑道公園も、品川区立八潮公園との一体的管理によるさらなる公園機能の充実を図るため、品川区への移管が検討されているなど、地域貢献への一定の取り組みを行っています。しかし、より一層快適で魅力的な空間へと導くため、東京港の持つ環境、景観資源を生かしたさらなる取り組みが望まれております。
 そこで、八潮地区は、京浜運河沿いにある特性を生かし、周辺住民が水辺に親しめる取り組みを進めることが重要であると考えますが、ご所見をお伺いいたします。
 次に、水道事業についてお伺いいたします。
 水道事業の使命は、将来にわたり安全でおいしい水を安定的に供給することであります。この使命を果たすため、水道局では、安定した水源の確保、おいしい水の供給のための高度浄水処理の導入、さらには水道施設の耐震化、老朽化した管路の更新などに計画的に取り組んできました。
 これまで、材質的にもろい老朽管や腐食が進んだ管は、強度的にすぐれるダクタイル鋳鉄管に、また、これらの管路から分岐して宅地内に引き込む給水管も、耐食性や強度にすぐれるステンレス管へ全面的に取りかえるなど、先進的な取り組みが進められてきました。この結果、三十年前には約一六%であった漏水率が、今や三・三%という非常に低い数字となっております。
 漏水の防止は、水資源の有効活用になり、水道事業に伴うエネルギーの節約、ひいては地球温暖化防止にも貢献する非常に重要な取り組みであります。そのためには、引き続き管路の整備を適切に進める必要があります。
 一方、私道内に布設する給水管はお客様の財産であることから、お客様の負担で整備、管理することとされたため、私道には複数の細かくて長い給水管が多数存在し、水の出が悪い、漏水しやすいといった問題が生じてまいりました。そこで、現在、一定の要件を満たした私道を対象に、私道内の給水管の整備に取り組んできていると聞いておりますが、水道局の施策の中で、こうした給水管の整備はどのように位置づけられており、取り組まれているのか、お伺いをいたします。
 私は、今後とも、より一層、私道内の給水管整備に積極的に取り組むことが重要であると考えます。そのためには、さらなる事業対象範囲の拡大が求められ、このことが、景気低迷の中で業界の活性化にもつながるものと考えます。
 そこで、事業の対象範囲のさらなる拡大についてのご見解をお伺いいたします。
 次に、給水装置工事の電子申請についてお伺いいたします。
 引っ越しのときなどは、水道の使用に関する手続が、お客さまセンターやインターネットを通じて簡単にできるようになりました。ところが、給水装置工事の申請は、一回の工事につき、工事施行の申し込み、手数料等の納入、工事検査の申し込みなど、何度も工事店が水道局へ足を運ぶ必要があり、負担となっているという声も聞きました。
 このため、こうした手続にインターネットを利用した電子申請の導入を検討していると伺っております。このような申請方法が導入されれば、工事店にとって大きなメリットとなることから、積極的に検討すべきと考えます。
 また一方で、昔からのやり方の急な変更にうまく対応できない工事店も出てくるのではないかと心配されます。
 そこで、電子申請の積極的な導入に向け、すべての工事店が円滑に対応できるよう、フォローする方策も用意する必要があると考えますが、ご見解をお伺いいたします。
 次に、オリンピック招致活動についてお伺いいたします。
 アメリカに端を発する金融不安は実体経済に及び、今や戦後最悪ともいわれる不況が全世界に急激に浸透しております。
 こうした中、先日就任したオバマ大統領は、温暖化など地球環境問題への対応に消極的であったこれまでの政権の姿勢をまさにチェンジし、環境分野への大規模な投資を進めるグリーン・ニューディール政策を軸として、この苦境を乗り切ろうとしております。
 これは、ガソリン垂れ流しのアメリカの大型車よりも、燃費もよく自然に優しい日本のハイブリッド車の方がより多く売れ、アメリカ経済の象徴ともいわれていたビッグスリーすべてが破綻の危機に直面している現状を目の当たりにし、ようやく環境対策の必要性を痛感し、方針転換したものだろうと認識しております。
 一方、京都議定書を締結した京都会議の議長国である日本は、他の国に比べ、既に多くの環境対策を実行しております。そして、さらにその国に先駆け、東京では、石原知事の強いリーダーシップのもと、ディーゼル車排ガス規制、環境確保条例に基づくCO2削減の取り組みなどを初め、積極的に環境対策に取り組んでおります。
 先日、IOCに提出した立候補ファイルは、まさに世界トップクラスの環境対策に力を入れている東京にふさわしい、環境最優先のオリンピックとすることがうたわれております。
 地球温暖化が進み、ポイント・オブ・ノーリターンが一刻一刻近づく中、世界全人類に対する力強いメッセージを訴えていく世界最高の場となることを期待しておりますが、これがまさに日本だからできるオリンピックであり、東京だからできるオリンピックだろうと考えます。
 そこで、立候補ファイル提出を行った今、改めてオリンピック招致に関する石原知事のご所見をお伺いいたします。
 二〇一六年オリンピック開催都市決定まで既に一年を切り、これまでのさまざまな招致活動の成果により、世論調査の結果も支持率が七〇%を超えるなど、招致機運が盛り上がってきたと実感しております。私の子どもは現在小学生ですが、保護者の方々より、多くの子どもたちが、身近なところで世界トップアスリートたちが競い合うオリンピックが開催されることを本当に楽しみにしていると聞きます。
 世論調査の結果も、十五歳から十九歳の支持率が一番高い結果が出ており、大人以上に子どもや若年層からの支持が高いことを強く実感し、その子どもたちの期待にこたえ、夢や感動を与えてあげられるオリンピックをぜひとも東京で開催したいと強く願います。
 一方、開催支持率が七〇%を超えたことは大変喜ばしいことでありますが、都民の意見と都民以外の意見を比較すると、開催都市であるにもかかわらず、都民の方がオリンピック開催を希望する割合が低く、希望しない割合が高いことが気にかかります。
 そこで、これら世論調査の結果をどのようにとらえており、招致実現に向け、どのように生かしていこうとしているのか、お伺いいたします。
 私は、多くの子どもたちに夢や感動を与え、地球温暖化に積極的に取り組む環境最優先のオリンピックの開催を強く待ち望んでおります。しかし、このオリンピック開催に向けた国民の意思を明確に示す国会決議が急遽見送られたことは、大変残念でなりません。
 オリンピック招致活動が政治の駆け引きに使われ、政局の道具にされたとするならば、世界の祭典オリンピックの理念に反し、断固あってはならないと思います。
 野球界のオリンピックともいわれるワールド・ベースボール・クラシックがいよいよ開幕いたします。原監督のもと、これまでペナントレースを互いに競い合っていた選手同士が結束し、世界一を目指し、チームがスタートいたしました。まさにこれがスポーツ精神に基づく姿勢であります。
 スポーツの祭典オリンピックを目指すに当たり、我々もWBCと同様、一致結束が必要であると考えます。石原監督のもと、自民党選手も民主党選手もともに結束し、優勝であるオリンピック招致をかち取ろうではありませんか。共産党選手の参加も大歓迎であります。そして、時には、チーム結束のため、勝利を得るためには、石原監督にも我慢していただく場面があるかもしれません。子どもたちが楽しみにしているオリンピックの招致活動も、子どもたちに模範となるような姿勢が必要であります。
 いずれにしても、東京が、日本が一致結束し、十月二日に勝利をかち取ることを強く願い、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 田中たけし議員の一般質問にお答えいたします。
 専門家会議及び技術会議に対する評価についてでありますが、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策については、専門家会議と技術会議という二つの会議体を設置し、科学的な見地から、土壌汚染対策の内容とそれを実現する具体的な技術、工法について検討していただきました。
 こうした複合的、重層的な方法を採用したことによりまして、二重、三重のチェックが働き、食の安全・安心を高いレベルで確保しながら、経費及び工期が大幅に縮減できたと考えております。
 技術会議の原島座長が、今回採用した技術、工法の特色は、広い許容性を持っており、想定していない事態にも十分対処が可能なことであるといわれましたが、これは、今後、対策工事を進めていく上で大変心強い内容であると思います。原島さんのお言葉では、これは実に、自分たちにとっても、学者としてもいい勉強になったということであります。
 技術というものは、日々進歩、開発されておりまして、それゆえに人間の文明も進んできたわけであります。これが歴史の原理であります。それを信じていない手合いは、ただの守旧でしかありません。
 日本の技術を信頼して、新たな発想で検討を行ったことにより、想定よりはるかによい結果を出すことができ、都民や市場関係者の方々にも安心していただけるものと確信しております。
 次いで、オリンピック・パラリンピックについてでありますが、人類の存続を揺るがす地球環境の異変が世界各所で顕在化している今日、国際社会が連携して、温暖化対策などの問題解決に取り組むことが強く求められております。
 東京は、立候補都市の中で唯一、条例を整備してICAPへの加盟を目指すなど、環境への先進的な取り組みを積み重ねてきておりますが、その取り組みの成果を、二〇一六年のオリンピック・パラリンピックにおいて全世界に披瀝していきたいと思っております。
 東京が目指す大会は、海の森などの新しい環境計画や自然エネルギーを生かした競技施設、無公害、低公害車の導入など、日本が誇る最先端の環境技術を動員し、オリンピック史上、最も環境に優しい、世界初のカーボンマイナスオリンピックを実現したいと思っております。
 このように、日本だからこそできる環境優先の新しいオリンピック・パラリンピックをぜひとも開催し、世界に対しても強いメッセージを発信していきたいと思っております。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔中央卸売市場長比留間英人君登壇〕

○中央卸売市場長(比留間英人君) 都民から安心、信頼される豊洲新市場の開場についてでございます。
 今回、技術会議で取りまとめた土壌汚染対策は、専門家会議の提言を確実に実現するなど、安全・安心を高いレベルで確保するとともに、複合的な汚染の一括処理、新構造の遮水壁など、最先端の技術、工法を採用することにより、施工の確実性と経費、工期の縮減を実現しております。さらに、汚染土壌を都内で処理するなど、環境にも十分配慮した内容となってございます。
 都としては、こうした土壌汚染対策の内容について、広報誌やホームページの活用、わかりやすいパンフレットの作成、きめ細かな説明会の開催などにより、都民、市場関係者に正確に理解してもらうよう努めてまいります。
 また、リスクコミュニケーションの観点から、現在実施しております環境確保条例第百十七条調査などの結果を、報告を受けた後、速やかに公表するとともに、今後実施いたします工事の内容についても、安全性に配慮しながら、できる限り現地を公開してまいります。
 こうした方策を積み重ねることにより、豊洲新市場整備に都民の信頼と安心が得られるよう努めてまいります。
   〔産業労働局長佐藤広君登壇〕

○産業労働局長(佐藤広君) 観光事業に関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、文化資源を活用した外国人旅行者誘致の取り組みについてであります。
 外国人旅行者の誘致を促進するためには、外国人の関心が高い伝統文化などの魅力を一層活用することが重要であります。都はこれまで、シティーセールスなどを通じまして、日本や東京の伝統文化や芸能などを海外に積極的にPRしてまいりました。
 来年度は、現在、観光資源として活用されていない文化資源の掘り起こしや、新たな観光モデルルートづくりについて調査を行いますとともに、外国人旅行者が多い都庁舎におきまして、茶道や生け花など伝統文化を気軽に体験できるプログラムを、外国語の解説をつけて実施いたします。
 これらの調査結果や体験プログラムの効果につきまして区市町村に情報提供いたしますとともに、それぞれの地域の文化資源を活用した取り組みを支援するなど、外国人旅行者が一層文化を楽しめる環境づくりを推進してまいります。
 次に、地域の観光振興の推進についてでありますが、東京には、さまざまな史跡やイベントなど、観光資源が豊富にあり、それらを発掘、発信する地域の取り組みを推進していくことが重要と考えております。
 都はこれまでも、ウエブサイトにより各地の観光情報を多言語で発信いたしますとともに、それぞれの資源を生かしたイベントや観光マップの作成に取り組む団体に専門家を派遣するなど、各地の観光まちづくりを支援してまいりました。
 お尋ねの品川地域につきましては、羽田空港の国際化に伴って増加する旅行者を積極的に迎え入れていくため、品川、大田両区の観光協会等が連携して行う観光ガイドの充実や観光PRなどの取り組みを、広域観光まちづくり事業として支援をしてまいります。
 今後とも、地域における観光振興の一層の推進を図ってまいります。
   〔港湾局長斉藤一美君登壇〕

○港湾局長(斉藤一美君) 品川区八潮地区の魅力的な水辺空間の創出についてのご質問にお答え申し上げます。
 都は、臨海地域の開発では、東京港の物流機能の充実とともに、海上公園の整備や護岸の遊歩道化など、水辺を生かした憩いや潤いのあるまちづくりを進めてございます。
 お話の八潮地区の京浜運河につきましては、護岸の老朽化対策とあわせまして、景観にも配慮した緩やかな傾斜の石積み護岸を整備するとともに、背後に位置する既存の緑道公園との一体化を図り、合わせて約八ヘクタールの公園に再編することで、都民が水に親しみ、海辺を体験できる場といたしまして、来年度早々に開放してまいります。
 今後も、こうした取り組みを、八潮地区を核にいたしまして京浜運河沿いに拡大することによって、品川ふ頭南端部から大井ふ頭南端部までの延長約五キロメートルに及びます水と緑のネットワークづくりを進めてまいります。
   〔水道局長東岡創示君登壇〕

○水道局長(東岡創示君) 給水管整備事業の位置づけとその取り組みについてでありますが、漏水を防止し、貴重な水資源の有効活用を図る観点から、公道内に布設されている老朽化した配水管を、強度的にすぐれたダクタイル鋳鉄管に計画的に取りかえるとともに、これらから宅地内に分岐している給水管についても、ステンレス管に取りかえてまいりました。
 一方、私道内には複数の長距離給水管が残存し、漏水や出水不良の原因となっておりました。このため、平成六年度より、三本以上の給水管が布設されている私道を対象に、私道内に配水管を布設し給水管を整理する私道内給水管整備事業を開始いたしました。
 さらに、平成十九年度からは、その対象を拡大し、公道下の配水管から取り出している給水管が三本に満たなくても、これらの給水管から分岐し水道を使用しているお客様が十五世帯以上ある私道についても整備を進めることといたしました。
 これらにより、区部におきましては、平成十九年度末までに約四百七十キロメートルの事業を実施いたしました。
 次に、私道内給水管整備事業の対象範囲の拡大についてでありますが、この事業は、これまでの取り組みからも、漏水防止の点で大変高い効果を上げていることから、今後はさらに事業の対象範囲を拡大し、積極的に取り組んでいきたいと考えております。
 このため、平成二十一年度より、お客様が十五世帯以上ある私道というこれまでの要件をさらに緩和し、十世帯以上とすることにより、事業を拡大し、対象となる私道延長を約三百キロメートル増加させ、事業を推進してまいります。
 最後に、給水装置業務への電子申請の導入についてでありますが、これまで、指定給水装置工事事業者が設計審査や完成検査などの申し込みの都度、水道局に来所して行ってきた手続を、インターネットを利用して行うことにより、申請手続の簡素化や水道局への来所回数が軽減されるなどのメリットがあり、また、給水装置業務全体の効率化を図ることも可能になります。
 このため、現在、電子申請の導入に向けた検討を行っているところでありますが、申請方式の変更にすぐには対応できない指定事業者が一部出てくることも想定されます。
 こうしたことを踏まえまして、現行の申請方式も一定期間並行して継続するとともに、講習会の開催や相談窓口を設置するなど、指定事業者にとって負担とならないよう留意しつつ、早期の導入に向け、検討してまいります。
   〔東京オリンピック・パラリンピック招致本部長荒川満君登壇〕

○東京オリンピック・パラリンピック招致本
部長(荒川満君) 世論調査の結果についてでございます。
 本年一月に招致委員会が実施いたしました世論調査では、東京オリンピックの開催を希望する人は約七割という結果を得ることができました。一年前の同じ調査や昨年六月のIOC調査に比べまして、一割近く増加しております。オリンピック招致に対する支持率は着実に増加しておりまして、これまでの招致活動や、都議会を初め多くの方々のご支援、ご協力の成果であると認識しております。
 特に、二十未満の支持率が高くなっておりまして、これは、七年後のオリンピック大会の主役になり得る次代を担う若者が招致に大きな期待を寄せている証左の一つとして、改めて勇気づけられるものであります。
 今後、より幅広い年齢層からさらに高い支持を得られるよう、世代に応じたさまざまな工夫を凝らして広報PRを行ってまいります。
 また、都内の支持率は、全国に比べて、わずかですが低くなっておりますが、これは、東京にさまざまな情報や文化、スポーツを楽しむ機会があふれていることが影響しているのではないかと思っております。
 このため、都内各地域の実情に精通している区市町村と連携したオリンピックムーブメント共同推進事業などを一層充実しまして、開催意義のPRを効果的に実施するなどして、都内全域で招致機運を盛り上げてまいります。
 今後とも、招致実現に向けまして、都議会の皆様と一体となって、世論のさらなる支持率向上が図られるよう、全力で取り組んでまいります。

議長(比留間敏夫君) 九十九番大津浩子さん。
   〔九十九番大津浩子君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○九十九番(大津浩子君) 初めに、首都高速五号線の事故と安全対策についてお伺いをいたします。
 二月の十四日に、上下二層から成る首都高速五号線の上層部に走る上り線、熊野町カーブ付近において海上コンテナ車が横転する事故が発生しました。昨年八月にも、同じ線の下層部に当たる下り線で、軽油を満載したタンクローリーが横転し、大火災が起きました。同一路線における事故が連続したことから、完全な事故対策が必要と考えます。
 そこで、昨年八月に起きた事故を受け、首都高では当該箇所にどのような対策を講じたのか、伺います。
 急カーブなどの危険地点の事故対策は、あらゆる予防策が重要です。今回のような国際海上コンテナの陸上輸送時は、ドライバーには、覆われたコンテナの中身や荷物の重心の位置すら知らされていないことが多いのです。実際、官民協議会の報告によりますと、国際海上コンテナを陸上輸送する際、内容物がわからないコンテナを積み、運転した経験が三四%に上り、ほかにも、片荷に気づいたことがある四五%、荷崩れや重量超過の問題も起きています。
 海外からのコンテナの場合、何がどのように入っているのかわからないのも危険なんですが、タイヤへの荷重の重心だけでも、せめてドライバーへ事前に情報を伝えることができれば、例えば、積んだコンテナの荷物の重心が右の上に偏っていたら、右カーブでは右に横転しやすくなりますので、荷重の重心に配慮をした安全運転ができるようになるのではないでしょうか。貴重な現場のドライバーの声を聞くことができました。
 このほかにも、こうした重心対策や、危険箇所を見落とさないように、該当場所から通常は百メートル手前にある注意を促す滑りどめカラー舗装等をもっと手前に移動する注意喚起区間の延長策、あるいは、高速上に設置されている音センサーを活用し、ETCから危険箇所を音声で知らせる音声防止策等、さまざまなドライバーの生の声を聞くことができました。
 そこで、今回の事故箇所に対してどのような再発防止対策を検討しているのか、また都はどのように考えているのか、お伺いします。
 国内や海外から初めて走る人も安全に走ってもらえるよう、一人の命こそを大切にできる首都東京の高速道路の安全対策を望みます。
 次に、繁華街の盛り場総合対策についてお伺いします。
 警視庁では、盛り場総合対策推進本部を設置し、渋谷、六本木、新宿歌舞伎町、池袋の四地区を中心に盛り場総合対策を推進しています。
 だれもが安全で安心して楽しめるような盛り場をつくっていくためにも、二十四時間見守ることのできる街頭防犯カメラを設置促進していくことが特に有効であると考えられます。
 また、渋谷地区は若者のまちとして知られ、センター街を中心に多種多様な風俗店や飲食店が集中しており、風俗店へ案内をする無料風俗案内所が点在しております。
 このような環境から青少年を非行や犯罪から守るため、渋谷地区における盛り場総合対策の取り組み状況と、無料風俗案内所に対してどのような対応をとっているのか、警視総監に伺います。
 次に、持続可能都市の環境について、次世代自動車の温暖化対策をお伺いします。
 今議会に、低公害、低燃費車の導入促進などを盛り込んだ条例改正案、電気自動車などの次世代自動車導入支援のための補助の予算案や環境減税などが提案をされています。
 世界的な景気後退を受け、車の売り上げ台数が大幅に減少している中、新しく販売をしたハイブリッド車は、売り上げが好調であるとも聞いております。
 環境によい低公害、低燃費車の普及は、このような状況の中で普及の好機とも考えられますが、都はどのようにエコカー普及に取り組んでいくのか、見解を伺います。
 並行して、既存の自動車の燃費の向上に取り組んでいくことも忘れてはなりません。最近では、エコ車検といって、エンジン内部にたまったカーボンやスラッジなどの汚れを洗浄し燃費改善を図る有償点検を売りにしている自動車整備工場などもあります。
 プロドライバーだけでなく、一般ドライバーの運転する自動車からの環境負荷を低減するためには、日常的に幅広く点検や整備も行われるようにしていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 温暖化対策を進めるためには、車の性能をよくするだけでなく、運転の仕方を変えることも重要です。このような中、独自のエコドライブ普及のプロジェクトを進めている運送等の事業団体があり、燃費効果やCO2削減効果だけではなく、三年間取り組んだその取り組み前後では、交通事故が四三・六%も削減したという効果が出ていると聞いています。
 こうした業界団体の自主的取り組みは高く評価すべきであり、ほかの多くの業界にも、それぞれの業態に合わせて広げていくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、太陽エネルギーの普及拡大について、四月から太陽光発電と太陽熱利用機器の導入補助が始まります。二年間で四万世帯という意欲的な目標と、九十億円の補助予算を前倒しで補正予算化をし、いよいよ自然エネルギー、太陽の季節が到来したと思います。
 普及のためには、都民が太陽光発電の導入に向けた道筋が具体的にわかりやすい説明が必要と考えますが、所見を伺います。
 標準的な太陽光発電の導入に対しては、都から三十万円、国からは二十一万円の補助が得られるとともに、この四月から補助を行う区市町村もふえてきているようです。
 きょう現在、把握できる範囲で、区市町村の補助金実施状況と今後の実施の見通しについてお伺いします。
 さて、太陽光発電の導入によって、家庭の中では、節電等の意識の変化や環境教育の効果も上がっています。この効果を最大限に生かすためにも、補助金制度を始めるこの機会に、申請受付の窓口では、申請書類を受け取るだけでなく、環境の意識の向上に役立つパンフレットなどを用意して手渡しすべきではないでしょうか。見解をお伺いします。
 昨年の六月、大幅な条例改正に続き、今回も環境確保条例の改正が提案されており、地球温暖化の防止に向け、小さいものでも積み重ねを続けることが、持続可能な環境都市東京をつくるために必要です。
 石原知事が日ごろ口にされる、たとえあす地球が滅びるとも、君はきょうリンゴの木を植えるという言葉のように、東京で実現した温暖化防止の例が世界に普及して、世界じゅうで効果を上げることが期待できます。
 そこで、知事にお伺いします。太陽エネルギーの普及拡大をリードし、世界じゅうに影響力を持つ都市環境政策を実現をさせ、世界規模で二酸化炭素排出削減に向かって進まれる知事の抱負と決意をお示しください。
 次に、多重債務問題について伺います。
 金融庁の発表によると、消費者金融等からの借り入れが五件以上ある多重債務者は、ことしの一月末現在で全国約七十六万人との高い数字で、深刻な事態です。
 多重債務は、突然のリストラや病気など不測の事態により、だれもが陥る可能性があり、膨らんだ数百万円の返済に苦しみ、命を落とす方も後を絶ちません。警察庁の資料によりますと、平成十九年に多重債務を原因とする自殺者は全国で約二千人となっています。
 このような多重債務に苦しむ人を一人でも多く救済するには、早い段階で相談ができ、専門家による適切なアドバイスを受けられる仕組みを整えることが重要であると考えますが、所見を伺います。
 次に、生活の中の安全について伺います。
 子どもたちが不慮の事故に遭遇するケースも後を絶ちません。コンニャクゼリーをのどに詰まらせ死亡、樹脂製のサンダルをエスカレーターに挟み、足の指を負傷、おふろの玩具で幼児が深刻なけがをする、ウエハースやビスケットやあめ等のベビーおやつをのどに詰まらせてしまう事故、これら幼児が取り返しのつかない事故に遭うことのないよう、対策を講じていくべきです。
 都は、商品等安全対策協議会で、乳児用のおやつによる窒息事故について取り上げました。おやつを上げた母親は自分を責めてしまい、どこにも相談しない人がほとんどです。しかし、もともと食品や商品の大きさや形状が、どこかしら人体に無理があったのではないでしょうか。子どもたちの安全を守れるよう、協議会の報告を具体的な安全対策に結びつけ、実効性あるものとすることが大切です。
 都のこれまでの取り組みと成果について伺います。
 子どもばかりでなく、高齢者もさまざま、屋内での転倒や骨折事故も見逃せないものがあります。ベッドの転落防止用のさくの六センチのすき間に首が挟まれ死亡した事故もあります。ふだん使われている生活の商品にどんな危険が埋もれているのか、早く把握をし、危険の芽を摘むことが大切です。
 事故の未然防止のために、身の回りの危険を掘り起こし、商品にかかわる危害、危険に対する情報を的確に把握すべきだと思いますが、見解を伺います。
 次に、仕事と生活の調和についてお伺いします。
 日本では、第一子出産後に約七割の女性が離職します。子どもを産み育て、親の介護をしながら長時間労働、長時間通勤で働く難しさをあらわしています。育児、介護休業や休暇制度の充実、再雇用制度などの雇用環境の整備も重要です。
 そこで、都が今年度から創設した、ワークライフバランスに取り組む中小企業の認定制度の目的と内容についてお伺いをいたします。
 昨年二〇〇八年は、ワークライフバランスの元年。男女がともに仕事、家庭生活、地域活動をバランスよく担える社会への転換を目指し、都は普及啓発にどのように取り組んでいくか、具体策を伺います。
 最後に、防災拠点の耐震化について、病院、公立小学校、中学校、防災拠点、この三つの公共施設等についてお伺いします。
 震度六強の地震で倒壊の可能性があるという耐震指標Is値〇・六未満の事例について、国全体では、病院は千十病院、全病院の一一%、公立小中学校は四万三千百九棟、全体の三三%、防災拠点となる公共施設は三万三千五百二棟、全体の一七%となっていますが、東京都全体では、この倒壊の危険性があるIs値〇・六未満の事例、及びさらに危険のあるIs値〇・三未満の事例は幾つあるのか、各内訳はどんなものか、お伺いします。
 地震が怖くない首都東京を目指して、避難所や防災拠点となる重要な施設の、予定よりも前倒しの早急な耐震化工事が望まれます。これらの耐震化一〇〇%への耐震進捗状況と目標時期について伺います。
 都の世論調査では、優先して耐震化するべきと回答した防災上重要な公共建築物のトップは、病院が八一%、次いで小中学校でした。公立小中学校は、耐震診断結果を公表している区市町村と未公表の区市町村がありますが、どのように対応しているのか、お伺いします。
 東京の特徴としては、民間病院も多く、耐震化の推進が難しい側面がありますが、阪神・淡路大震災の例もあり、病院の耐震化は急務であります。民間病院の耐震補強について、都の支援体制はどのように強化していくのか、お伺いします。
 国内総生産が三十五年ぶりに一二・七%減少したと報道されましたが、輸出に依存していたため苦境に陥っている日本の内需拡大のためにも、強化すべき耐震工事を次々と前倒しに施策を打っていただき、ひいては日本の優秀な耐震技術や環境技術をもって世界に発信して貢献していけることを願って、質問の結びとさせていただきます。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 大津浩子議員の一般質問にお答えいたします。
 太陽エネルギー利用拡大によるCO2排出削減についてでありますが、地球環境問題は人類の存亡にかかわる課題でありまして、多量のエネルギーを消費する都市でのCO2の削減の取り組みは決定的に重要だと思います。
 太陽のエネルギーは、地球上至るところに降り注いでおりまして、その徹底した活用は、現代文明を化石燃料への依存から解放し、気候変動の危機からも脱却させる現実的な可能性を有していると思います。
 東京が太陽エネルギーの普及を先導し、劇的にCO2を削減する低炭素型都市の姿を実際に示すことによりまして、世界の気候変動対策の強化に貢献していきたいと思っております。
 他の質問については、警視総監、教育長及び関係局長から答弁いたします。
   〔警視総監米村敏朗君登壇〕

○警視総監(米村敏朗君) 渋谷地区における盛り場総合対策の取り組み状況についてお答えをいたします。
 警視庁では、だれもが安全で安心して楽しめる盛り場環境を実現する、これは以前にも申し上げましたけれども、要は、そういった盛り場から、怖いとかひどいとか、あるいは気味が悪いとか、場合によっては汚いとか危ないとか、そういう印象を持つ、そういった要因をいかに排除していくかという観点から、重点的かつ戦略的な盛り場の総合対策を関係機関とも連携しながら実施しているところであります。
 渋谷地区におきましても、一つには、これまでに多数の暴力団員あるいは来日外国人犯罪者等を検挙、摘発をしております。また、数多くの違法風俗店やカジノ店などを閉鎖に追い込んでいるところであります。
 さらに、条例を整備いたしまして、客引き行為の規制強化、また、先ほどご質問がありましたけれども、無料風俗案内所に対する規制、これは条例といたしまして、歓楽的雰囲気を過度に助長する風俗案内の防止に関する条例ということでございまして、一定の行為を禁止し、取り締まっているということであります。いずれにしても、盛り場環境の改善に努めているところであります。
 また、ご質問のありました防犯カメラについてでありますが、現在は、渋谷宇田川町地区で十台の街頭防犯カメラを運用いたしております。
 今後は、風俗店が密集する道玄坂二丁目地区、ここにも街頭防犯カメラ十台を増設いたしまして、防犯環境の一層の整備を図ってまいりたいというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、盛り場対策、渋谷地区につきましても、今後とも、東京都を初めとする関係機関、団体、あるいは、とりわけ地元の商店街等の方々と連携をとりながら、渋谷の特殊性である若者のまちというのが生きるように、さまざまな角度から施策を強化してまいりたいと考えております。
   〔教育長大原正行君登壇〕

○教育長(大原正行君) 三点の質問についてお答えを申し上げます。
 まず、公立小中学校の耐震性の現状についてでございます。
 平成二十年四月現在、大規模地震によって倒壊等の危険性がある建物、すなわちIs値〇・六未満の棟数は一千六百二十六でございます。そのうち倒壊等の危険性の高い建物、すなわちIs値〇・三未満の棟数は三百五十六でございます。
 次に、公立小中学校の耐震化の進捗状況等についてでございます。
 平成二十年四月現在の耐震化率は七六・七%となっております。
 学校施設は、児童生徒の学習、生活の場であり、災害発生時には避難場所となるなど重要な役割を担っており、耐震化を早急に完了する必要がございます。
 このため、都教育委員会は、Is値〇・三未満の建物については平成二十二年度までに、Is値〇・六未満の建物については、現行計画を三年前倒しして平成二十四年度までに耐震化を完了することを目標といたしまして、本年度から区市町村に対して財政支援及び人的支援を行っております。
 今後とも、区市町村とさらに連携を深め、早期に公立学校施設の耐震化を完了するよう努めてまいります。
 次に、公立小中学校の耐震診断結果についてでございますが、地震防災対策特別措置法によりまして、公立小中学校の設置者である区市町村は、その学校の校舎等について耐震診断を実施し、結果を公表することを義務づけられております。
 都教育委員会は、耐震診断結果を公表していない区市町村に対しまして、早急に公表するよう要請しているところでございます。
   〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕

○都市整備局長(只腰憲久君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、首都高速五号線の事故対策でございますが、昨年八月に起きたタンクローリー事故によりまして激しい渋滞が発生し、長期間にわたり、都民生活や経済活動に甚大な影響を及ぼしました。
 事故後の復旧工事は、首都高速道路株式会社の懸命な取り組みによりまして、約二カ月で全面的に完了しましたが、復旧時にあわせまして、本事故の発生したカーブ区間におきまして、注意喚起板や滑りどめカラー舗装の増設などが実施されました。
 これに加えまして、自動車メーカーやトラック輸送業者の団体に対しまして、危険物車両への横転防止安全装置の普及や安全運転の徹底について要請を行ったと聞いております。
 次に、今月の十四日、今度は上り線でございますが、で発生しました事故の対策でございます。
 首都高速道路株式会社では、当該区間における大型車横転事故の再発防止対策を検討するため、先週、学識経験者、警視庁、その他関係機関により構成されます対策会議を設置いたしました。
 初回会合では、カーブ進入速度の抑制が効果的であると推定されることから、速度超過車両に対しまして減速を促す対策などにつきまして、今後、検討していくことといたしました。
 都といたしましては、この会議における検討状況も踏まえながら、会社に対し、事故の再発防止に万全を期すよう働きかけてまいります。
 次に、防災拠点となる公共施設の耐震化についてでございますが、平成十九年度末の総務省消防庁の調査では、都内における一万一千六百四十一棟のうち、耐震性がないと見込まれるIs値〇・六未満の建物は一千七百七十一棟ございまして、その内訳の主なものは、文教施設や社会福祉施設でございます。
 最後に、耐震化の進捗状況についてでございますが、都では、平成十九年三月に耐震改修促進法による東京都耐震改修促進計画を定め、これに基づき、災害時の避難所や応急活動拠点となる都立施設につきまして耐震化整備プログラムを作成するとともに、区市町村に対しても、計画的に耐震化を取り組むよう要請してまいりました。
 今後、警察署、消防署などの防災上特に重要な都立施設につきましては、建てかえ対象等を除きまして平成二十二年度までに、その他の防災上重要な公共施設につきましては、平成二十七年度までに一〇〇%の耐震化を目指してまいります。
   〔環境局長有留武司君登壇〕

○環境局長(有留武司君) 六点のご質問にお答えいたします。
 低公害、低燃費車の普及についてでございますが、自動車部門の地球温暖化対策をさらに推進していくためには、低公害、低燃費車の普及を図っていくことが重要でございます。
 低公害、低燃費車の中でも、電気自動車等の次世代車は、CO2排出がより少なく、環境負荷が低いことから、発売の機会をとらえて導入支援を行うとともに、急速充電器の整備促進を図り、その普及を促してまいります。
 今後、こうした取り組みに加えまして、低燃費車の利用を促すガイドラインの策定などにより、低公害、低燃費車の一層の利用、導入促進に努めてまいります。
 次に、環境負荷を低減させるための点検、整備についてでございますが、自動車からのCO2削減を進めていくためには、環境性能の高い車の導入を促進することに加えまして、現に使用されている車の燃費を高めることも必要でございます。
 このためには、日常的に簡易な点検や整備を適正に行うことが重要であることから、今後、都としても、適正な点検や整備がなされるよう、取り組みの促進を図ってまいります。
 次に、事業者団体が行っているエコドライブの取り組みの普及についてでございますが、エコドライブは、燃費の向上により、自動車から排出されるCO2の削減に大きな効果が期待できます。
 こうしたエコドライブの推進の取り組みを行っている事業者団体の中には、CO2の削減などの具体的な目標に向け、教育訓練や検証などを組織的かつ体系的に行い、エコドライブの定着に大きな成果を上げているものもございます。
 都としては、このような先駆的な取り組みが他の業界や事業者などにも普及し共有されるよう、幅広く取り組み内容の周知などを図ってまいります。
 次に、太陽光発電の効果と導入への道筋についてでございます。
 四人家族の標準世帯に三キロワットの太陽光発電を設置した実際の例によりますと、年間約十三万円かかっていた電気代のうち七万円分が太陽光発電で賄われ、電気代の支払い額は年間六万円程度になっており、家計の電気代負担がおおむね半減しております。
 太陽光発電の導入については、ホームセンターや工務店などでの取り扱いが広がっており、都は、これらの販売店とも連携し、都民に身近な場所で連続的に見本市を開催しております。これらの場においては、導入に向けた手続についても具体的に案内しております。
 今後は、地域ごとの問い合わせ先をわかりやすく示すなど、多くの都民にきめ細かな情報提供に努めてまいります。
 次に、区市町村による太陽エネルギー補助の実施状況と今後の見通しについてでございますが、太陽光発電導入補助は、平成二十年度に二十の区市において実施されてきましたが、平成二十一年度には二十三の区市での導入が予定されており、これに加えまして、十の区市において導入に向けた検討が行われていると聞いております。
 また、太陽熱利用機器の導入補助は、平成二十年度に九つの区市で実施されてきましたが、平成二十一年度には十六の区市で導入が予定されており、これに加えて、七つの区市において導入に向けた検討が行われていると聞いております。
 最後に、補助金申請受付の窓口を活用した環境政策の普及啓発についてでございますが、太陽光発電を導入した家庭では、発電量や電力消費量への関心が高まり、省エネ、節電の取り組みが徹底されるようになるなどの事例が、さまざまな媒体で数多く紹介されております。
 申請受付の窓口を活用した省エネ対策などの普及啓発は、環境意識の高い家庭に対して直接の情報提供を行うことから、有効な手法と考えられます。
 こうした手法も含めまして、今後、環境政策の普及策について検討してまいります。
   〔生活文化スポーツ局長秋山俊行君登壇〕

○生活文化スポーツ局長(秋山俊行君) 四点の質問にお答えをいたします。
 まず、多重債務に係る相談体制についてでございますが、都は、平成十九年に設置いたしました東京都多重債務問題対策協議会におきまして関係機関と協議を進め、消費生活相談窓口から弁護士会や司法書士会などの法律相談窓口に確実につなぐ仕組みを構築し、昨年一月から既に多重債務相談に活用しているところでございます。
 また、区市町村とともに特別相談、多重債務一一〇番を実施するなど、多重債務問題を抱える都民の皆様が一人でも多く相談できる体制の整備に努めているところでございます。
 今後とも、関係機関と積極的に連携を図りながら、多重債務問題の解決に取り組んでまいります。
 次に、商品等に起因する子どもの事故防止についてでございますが、都は、商品テスト等により調査分析を行うとともに、消費者、事業者、学識経験者から成る商品等安全対策協議会で検討するなど、子どもの事故防止対策を進めてまいりました。
 これまで、子ども用の衣類やアクセサリー、折り畳みいす、家庭用掃除機、ベビー用おやつ等幅広いテーマについて、事故の実態や事故原因等を分析し、国や事業者団体等へ提案、要望を行ってきたところでございます。
 その結果、国は安全基準の見直し等を行い、また事業者団体においては安全のためのガイドラインの策定に取り組むなど、成果を得ているところでございます。
 次に、危害、危険に関する情報の収集についてでございますが、都は、消費生活センターの相談情報や、東京消防庁など関係機関からの事故情報、さらに海外の事例などについて収集し、分析を行っております。
 事故の未然防止を図るためには、こうした取り組みに加え、生活の中に潜んでいる危害、危険の情報を積極的に掘り起こすことが必要であると考えておりまして、このため、来年度には、インターネットアンケートによりまして、商品を使用しているときのヒヤリ・ハット体験を直接都民の皆様から収集し、きめの細かい安全対策に取り組んでいく計画でございます。
 最後に、ワークライフバランスの普及啓発についてでありますが、都は、平成十九年に改定いたしました男女平等参画のための行動計画におきまして、ワークライフバランスの実現を掲げ、その推進に取り組んできたところでございます。
 また、現在、ワークライフバランスに積極的に取り組んでいる都内企業四十社の実践例等に基づき、具体的な取り組み方策を提示するワークライフバランス実践プログラムを作成中でございます。
 この実践プログラムや毎年実施をしておりますシンポジウムなどによりまして、広く普及啓発に努めてまいります。
   〔産業労働局長佐藤広君登壇〕

○産業労働局長(佐藤広君) ワークライフバランスに取り組む中小企業の認定制度についてのお尋ねにお答えいたします。
 都は、働き方の見直しの社会的機運醸成と中小企業の雇用環境の底上げを図るため、今年度、すぐれた取り組みを実施している中小企業を東京ワークライフバランス企業として認定する制度を創設いたしました。
 認定に当たりましては、育児、介護休業制度充実など四つの部門を設けまして、四十社を超える応募の中から、独自の短時間勤務制度や法定を超える子どもの看護休暇の付与、誕生日休暇の設定等の先進的な取り組みをしている十二社を認定し、二月に開催をいたしましたワークライフバランスフェスタ東京で表彰をしたところでございます。
 今後は、認定企業のすぐれた取り組みをホームページや企業向けセミナー等で広く紹介することによりまして、多くの都内企業への普及に努めてまいります。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) 三点についてお答えいたします。
 まず、病院の耐震化の状況でありますが、平成二十年五月現在、患者が利用する建物のすべてが新耐震基準を満たしていない病院は百五十病院であり、都内全病院の二三・二%に当たります。
 次に、病院の耐震化一〇〇%の目標時期についてでありますが、都においては、「十年後の東京」計画などにおいて、平成二十七年度末までに一〇〇%耐震化することとしております。
 最後に、耐震化に向けた取り組みについてでありますが、都はこれまで、救急医療機関である民間病院について、その耐震化を促進するため、耐震診断や耐震補強の補助を実施してきました。
 また、今般、耐震化の一層の推進を図るため、昨年十二月に耐震診断事業の補助率を三分の二から五分の四に引き上げたところでありますが、さらに来年度から、耐震補強事業の補助率を〇・六六から〇・八三に引き上げることとしております。

副議長(石井義修君) 二十番菅東一君。
   〔二十番菅東一君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○二十番(菅東一君) 昨日の我が党、高島幹事長の代表質問、先ほど同僚の田中議員の質問がありましたけれども、別の観点から、二〇一六年オリンピック・パラリンピック東京招致についてお尋ねをいたします。
 今月十二日、スイス・ローザンヌのIOC本部に立候補ファイルが提出されました。ファイル作成に当たった職員の皆さん、本当にご苦労さまでございました。また、作成にご協力いただいた関係者の皆様方にも感謝申し上げます。
 オリンピック・パラリンピックは、知事がおっしゃるとおり、人間がつくり出す劇の中で最も美しい劇であり、世界を一つに結びつけるものであることは疑いがありません。また、日本の将来を担う若者たちにとって人生の大きな糧となり、この国を背負っていくための心の財産となるものだと思います。
 こうした大会開催に対する都民、国民の期待は、日を追うごとに高まってきており、一月の調査では、大会招致に賛成の人の割合が七〇%、先日の読売新聞の調査では七四%と、当初、東京の唯一の課題とされた支持率は徐々に改善しております。
 しかし、このような国民の多くが期待している競技大会開催について、一部に、計画の中身を理解することなく、膨大な浪費的事業であるとか、競技施設の建設が将来への大きなツケを残すとか、招致に対して反対の声を上げている方々がおられます。
 立候補ファイルによれば、大会運営経費や仮設施設の整備費などオリンピック組織委員会の必要経費三千百億円は、IOCからの分配金やスポンサー収入、チケット収入などで賄われ、税金は投入されません。
 また、競技会場も、前回の一九六四年大会のときに整備した施設など、既にある施設を最大限に使用する計画となっており、新設する競技会場も、大会開催後には、スポーツや文化の拠点として、将来の都民、国民に有効に利用されるという考え方が示されております。
 したがって、二〇一六年の東京大会は、浪費的な事業などという批判は全く当たらず、着実な財政計画に基づいて開催され、日本じゅうを元気にするとともに、世界が直面している課題の解決策である、二十一世紀の新しい都市モデルを示す絶好の機会であると思います。
 立候補ファイルを提出し、開催都市決定まで二百日余りとなった現在、知事は、こうした東京大会の意義、そして東京、日本、世界の人々にもたらす恩恵を訴え、オリンピック・パラリンピック招致への賛同の輪をさらに拡大すべきと考えますが、知事、先ほどお話がありました石原監督の見解を伺います。
 次に、成長産業の育成に向けた取り組みについて伺います。
 私は、現下の経済危機を突破して、中長期的な経済発展と豊かな暮らしを実現し、あわせて東京都の財政基盤を強固なものにしていくためには、今後成長が期待される産業に重点的かつ積極的に投資をしていくべきと考えます。
 二十一年度予算においても、予算の三つの柱の一つとして、危機克服への新たな活力を生み出す先駆的な取り組みという視点が掲げられております。
 そこで、まず初めに、当面の不安解消策とは別なものとして、今回の予算で新たな柱を設けた考え方について、まず伺います。
 また、海外に目を転じましても、アメリカのオバマ新大統領はグリーン・ニューディール政策を発表し、今後成長が見込まれる環境産業に重点的に政策資源を投入する方針を表明しております。
 都は、「十年後の東京」の中で、今後の東京の将来を支える産業として、環境、健康などの社会的課題を解決する産業分野を掲げ、その育成に向けた取り組みを既に講じてきていると聞いておりますが、厳しさを増す経済情勢を踏まえ、さらに取り組みを強化すべきと考えます。
 地球温暖化問題に代表される環境問題や、高齢化の進行に伴うさまざまな社会的課題については、東京の持つ豊かな産業力を活用して解決を図っていくことが有効であり、都としても、民間が行う技術開発や新事業創出に向けたチャレンジに対し、積極的に支援を行うべきであります。
 環境産業や健康関連産業の育成に向けた都のこれまでの取り組みと今後の方向性について伺います。
 また、「十年後の東京」の中では、航空機産業も重点的かつ戦略的に育成すべき産業として挙げられております。
 航空機の部品点数は約三百万点にも及ぶといわれており、大企業のみならず多数の中小企業も含む、すそ野の広い産業分野であり、加えて、航空機産業で培われた技術がスポーツ用品の素材や住宅の断熱材などに応用されていることから、波及効果の高い産業でもあります。
 昨年三月には、大手重工メーカーが、我が国では初めてとなる国産ジェット旅客機の事業化を決定したことから、さらなる部品需要の拡大も見込まれております。私は、この機会を着実にとらえ、中小企業の航空機産業への参入支援を拡充すべきと考えます。
 航空機産業への都内中小企業の参入に向けた都のこれまでの取り組みと今後の方向性について伺います。
 次に、地デジ完全移行へ向けた取り組みについてお尋ねをいたします。
 平成二十三年七月のテレビ放送の地デジへの完全移行まで、あと二年半を切ったところであります。テレビ放送でも、画面右上に、アナログ波受信の場合はアナログと表示されるようになり、そのままでは、アナログ放送の停止に伴いテレビが見られなくなることのスポット放映も目につくようになりました。
 しかし、総務省の調査によれば、地デジ対応テレビの普及率は、本年一月の緊急調査の結果、依然として五〇%に満たず、このままでは対応が間に合わず、アナログ放送停波に伴いテレビが見られなくなる人が出てくるのではないかと危ぶむ声も聞かれます。
 もとより、地デジ移行は、電波行政の一環としての国の施策であり、基本的には国や放送事業者が責任を持って対応していくべきものであることはいうまでもありません。しかし、テレビは今や都民の暮らしに不可欠なものであり、都としても、都民への周知、広報などに取り組んでいくべきであると考えます。
 そこで、地上デジタル放送への移行を円滑に行うために、現在どのような取り組みが行われているのか。国の施策とあわせて、都の取り組みについてもお伺いいたします。
 また、地デジ対応を進める際に、経済的な理由で準備が困難な世帯や、新しい機械に弱い高齢者などにも十分な配慮が必要であります。電気店の組合でもデジタル一一〇番を設けて相談に乗っているそうでありますが、どうしたら地デジが見られるようになるかといった基本的な疑問に対する相談体制がまだ行き届いていないということも聞いております。
 行政としては、関係団体とも連携しながら、きめ細かな情報や施策が、社会的弱者などを含め都民に広く円滑に行き渡るように努めていく必要があると考えますが、見解を伺います。
 次に、主要施設の維持更新について伺います。
 都の保有している施設は、都民生活に直結するさまざまなサービスを提供するための拠点として、都政運営においても極めて重要な機能を担っております。
 これらの施設は、昭和四十年代や平成一けた台の時期にその多くが整備されてきたところであります。経年劣化の進行により、改築や設備機器などの改修が必要な時期を迎えております。このままの状況が続けば、施設の機能不全や安全性の低下により、都民サービスに対しても大きな影響を与えかねません。
 現在、そして次世代の都民に対し、安全・安心を初めとした質の高い行政サービスを適切に提供していくためには、真に手を加えていくことが必要な施設については、必要な時期にきちんと整備を行わなければなりません。苦しいからといって先送りを繰り返せば、かえって施設に大きな負担をかけ、機能面、安全面、コスト面で将来に大きな禍根を残しかねません。経費の縮減を図りつつ、最も適切な時期に適切な維持更新手法により着実に施設の整備を進めていかなければなりません。
 また、施設の整備に当たっては、単に従前の機能を維持するだけではなく、今日の都政が直面するさまざまな課題に対しても、あわせてしっかりと向き合い、こたえていく必要があります。
 そこで、都は、主要施設の維持更新についてどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。
 主要施設の改築や改修を進めていくためには、多くの時間と経費が必要であります。今回示された維持更新計画では、計画期間が十カ年、概算経費で全体で八千三百億円となっております。時代の変化が著しい今日の状況を考えれば、十カ年のうちには社会的環境も大きく変化し、当初計画において想定していた状況から大きく乖離するケースも多々あると思われます。さらに、こうした変化を受け、都民の都政に対するニーズも大きく変わってくることも考えられます。このような中にあって、これまで必要と考えてきた施設の維持更新が不要になるケースや、当初想定していなかった施設の統廃合が必要となるケースなどが生じる場合もあります。施設の維持更新に当たっては、これらの状況変化に敏感に対応し、適切な対応を図っていくことが必要であります。
 また、都の財政構造の特徴の一つは、景気変動の影響を受けやすい仕組みとなっていることでありますが、先行き不透明な今日の経済状況のもとにあって、都財政も予断を許さない状況にあります。施設の維持更新に当たっては、こうした都財政の状況変化に対しても弾力的に対応していかなければなりません。
 このように、主要施設の維持更新計画を着実に進めていくためには、今後の社会環境の変化や都財政の変化などに適切に対応していく必要があります。
 そこで、社会経済情勢の変化と主要施設の維持更新の取り組みとのバランスをどのようにとっていくのか、見解を伺います。
 次に、大山地区の東武東上線の立体化とまちづくりについて伺います。
 大山地区では、ラッシュ一時間のうち約五十分も閉鎖されているあかずの踏切が多数あり、歩行者や自転車の回遊性、利便性が著しく阻害され、地域で生活する区民は大変な不便を強いられております。このため、東武東上線を立体交差化し、踏切を解消することは、地元区民の悲願となっております。
 これを受け、昨年十二月、板橋区議会は、東京都に対し、立体交差化の一日も早い実現を求める意見書を提出したところであります。
 東京都は、踏切対策の推進に向け、平成十六年六月、踏切対策基本方針を策定し、この中で、鉄道立体化の検討対象区間二十区間を選定いたしました。大山地区もその一つに位置づけられており、立体交差化の実現に向け、都も積極的に取り組んでいく必要があると考えます。
 また、当地区に計画されている補助二六号線は、板橋区内では、川越街道から東武東上線までの区間が唯一未着手のままであり、この整備に関して、商店街など地元との調整が必要であります。
 そこで、大山地区の東武東上線の立体化とまちづくりについて、都の所見を伺います。
 次に、地域産業への支援について伺います。
 都内有数の工業集積地域であり、光学精密機械加工や印刷関連業などの分野で高度な技術を有する企業が集積しております。
 しかし、国際的な競争激化や操業環境の悪化などにより、かつては五千を超えていた工場数が半減するなど、産業集積の維持が大きな課題となっております。
 こうした課題に対応するため、板橋区は、平成十七年十二月、産業振興構想を策定し、この構想において、新河岸・舟渡地区を新産業育成ゾーンとして位置づけ、ゾーンの核として新産業育成プラザの整備について提言いたしました。
 新産業育成プラザの整備は板橋区の実施計画にも位置づけられ、技術支援機能と企業誘致機能を二本柱として、平成二十年度中に基本構想を策定し、開設に向けて積極的に取り組むこととしております。
 こうした板橋区の地域産業の活性化に向けた取り組みは、都が進めている産業振興の方向とも合致するものであり、新産業育成プラザが開設されれば、区はもとより、東京都の産業振興全体に大きな効果をもたらすものと考えます。
 都は、こうした区の取り組みを積極的に支援すべきと考えますが、所見を伺って質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 菅東一議員の一般質問にお答えいたします。
 オリンピック・パラリンピックについてでありますが、最近のこの日本には、うっとうしい、あるいは嫌な出来事ばかりが目立ちまして、しかし、日本の映画が二本アカデミー賞をとったのは慶賀にたえませんけれども、何ていうんでしょうか、心身ともにじんとくるような出来事がなくなりましたな。そういう意味では、オリンピックというのは、やっぱり自分たちのホームタウンで我が国の代表が外国に勝つということは、これは民族とか愛国とかそういうものを超えて、私たちの人生に残る大きな感動を与えてくれると思います。
 そういう意味でも、半世紀ぶりの開催を目指す二〇一六年の東京大会は、口でいえない、形にならない大きなものをもたらしてくれると思いますし、ひいては世界の平和にも貢献し、オリンピック史上初のカーボンマイナスオリンピックを東京の努力で実現することで、新しいオリンピックのパターンを示すことになるかと思います。
 また、昨今、都民を覆う閉塞感を打破し、繰り返して申しますけれども、日本人に大きな夢と希望をもたらすイベントになってくれると思います。
 いずれにしろ、成熟した都市の中心で開催する、相対的にも世界一コンパクトな会場計画では、六四年の前回大会の遺産でもあります既存の施設を最大限活用いたしまして、新規施設にしても、環境負荷を極力低減してつくっていきたいと思っています。
 また、施設整備も、大会後の需要を踏まえて、経費を最小限に抑制することを目指していきたいと思っております。
 さらには、国の内外に対して新しいビジネスチャンスを提供し、経済波及効果も、全国で最低でも三兆円に及ぶことが期待できると思います。
 今後とも、こうした意義を都民、国民の皆様に訴え、オリンピック・パラリンピックの日本招致に対する共同の輪を大きく広げていきたいと思っております。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔財務局長村山寛司君登壇〕

○財務局長(村山寛司君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、二十一年度予算についてでございますが、都民に安心をもたらし、希望を指し示していくという編成方針を予算として具体化していく上では、直面する危機への対応において、不安の解消に向けた迅速な対応をするのはもとよりでございますが、同時に、危機を克服する原動力となり得る施策にも力点を置くことがあわせて重要となります。
 今回の予算におきまして、危機克服への新たな活力を生み出す先駆的な取り組みの推進ということを柱の一つとして位置づけ、環境施策の推進を通じた先進技術支援による産業の活性化や、東京の国際競争力、経済活力を高める戦略的な取り組み、さらには、耐震化など都市づくりの取り組みを通じた新たな需要の創出などの先進的な施策を戦略的に展開することとしておりますのは、こうした考え方に基づくものでございます。
 次に、主要施設の維持更新についてでございますが、都有施設は、お話のとおり、昭和四十年代及び平成一けたの時期にその多くが整備されてきております。
 前者につきましては、施設の経年劣化により改築期を迎えておりまして、後者につきましては、設備を中心とした更新時期を迎えており、これらにどう対応するのかというのが今日の主要施設の管理上の大きな課題でございます。
 これら同時期に集中する維持更新需要に対しまして、仕事の進め方や財源確保の面を含め適切に対応していく上では、計画的に改築、改修を進める必要があることから、このたび、主要施設十カ年維持更新計画を策定したものでございます。
 維持更新を進めるに当たりましては、今日の都政が直面する課題に適切に対応するという観点に立ちまして、まず、耐震化整備プログラムに基づき、避難や救護、応急復旧や保健衛生などの拠点となる施設の耐震化を実現すること、それから、都が推進するCO2排出量削減の先導的な役割を果たすために、最高水準の省エネ仕様である省エネ東京仕様二〇〇七を全面適用すること、さらに、将来コストを縮減するため、建物そのものの長寿命化や高効率機器の導入により運用管理費の低減を図ること、そして、都有財産の効率的、効果的な活用による都民サービスの向上や魅力と活力のあるまちづくりなどに十分留意して取り組みを進めていくことといたします。
 最後に、今の問題と関係いたしまして、社会経済状況の変化と主要施設の維持更新の取り組みとのバランスについてのお尋ねでございます。
 都有施設は、行政サービスを適切に提供するための施設でございますので、当然のことながら、維持更新を実施するに当たりましては、計画期間中における社会環境の変化や施設に対する行政ニーズの変化をしっかりととらえ、計画の執行について弾力的に対応する必要がございます。
 したがいまして、本計画では十カ年の計画期間でございますが、それを三期に分けまして、期ごとに見直しを図り、施設を取り巻く諸状況の変化に的確に対応できるようにしております。
 また、個々の施設の維持更新の手法につきましても、改築や改修あるいは民間ビルの活用など、むだのない最も適切な手法を検討し、その時点その時点において最も適切なものを選択していくことといたしております。
 財源につきましては、ご指摘いただきましたように、景気変動の影響を受けやすい都財政の特質を踏まえまして、今年度、追加的に積み立てました社会資本等整備基金の積み増し分や発行余力の範囲内で都債を活用するなどして、年度ごとの一般財源投入額を著しく増加させる必要が生じないように、財政負担の平準化あるいは世代間負担のバランスに極力配慮しながら、本計画を着実に推進してまいります。
 これらによりまして、ご指摘いただきました厳しい財政環境のもとにあっても、都有施設が真に都民のために役立ち続けられるよう、適切に維持更新を進めてまいります。
   〔産業労働局長佐藤広君登壇〕

○産業労働局長(佐藤広君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、環境産業及び健康関連産業の育成に向けた取り組みについてであります。
 環境、健康といった産業分野は、これからの東京の経済を牽引する重要な柱として期待をされております。
 このため、都は、社会的課題解決型研究開発助成事業や重点戦略プロジェクト支援事業等で、これらの分野における中小企業の新製品、新技術の開発を支援しております。
 これらに加え、来年度からは、こうした成長分野において開発されました革新的な技術を早期かつ確実に事業化に導くため、新事業の創出に挑む中小企業に対しまして、実証データの取得費用の助成と専門家の継続的なアドバイスによる支援を実施してまいります。
 次に、中小企業の航空機産業参入支援についての取り組みと今後の方向性についてであります。
 航空機産業は、将来にわたって成長が見込める産業分野でありますが、安全性を確保する観点から、高い技術力と厳しい品質管理が強く求められる産業でもあります。
 このため、都は、航空機産業に参入を図る中小企業の製造技術を向上させるための研究会を実施いたしますとともに、航空宇宙産業特有の品質管理規格でありますJISQ九一〇〇の認証取得経費助成等を行っております。
 今後は、高められた技術力等を航空機メーカー等に直接認知してもらうため、国内外の展示会への出展支援を行ってまいります。
 最後に、産業の活性化へ向けた地域の取り組みに対する支援についてでございます。
 産業集積の維持発展のためには、都による広域的な視点に立った施策の実施に加えまして、区市町村による各地域の強みや特性を踏まえた施策を重層的に講じていくことが重要であると認識しております。
 このため、都は、産業集積の創出や活性化に計画的に取り組む区市町村に対しまして、創造的都市型産業集積創出助成事業によりまして、最大三年間、一億五千万円を上限に助成し、その取り組みを積極的に支援しております。
 お話の板橋区の取り組みにつきましても、今後とも区と連携を密にしながら、本事業の活用可能性を検討してまいります。
   〔総務局長中田清己君登壇〕

○総務局長(中田清己君) 地上デジタル放送に関します二点のご質問にお答えします。
 地上デジタル放送へ向けた国や都の取り組みについてでございますが、国では、昨年七月、総務大臣を本部長とする地上デジタル放送国民運動推進本部を設置し、放送事業者やテレビメーカーを初めとする関係団体が一体となって地デジ対応を推進する国民運動を展開しております。また、テレビ受信者からの相談対応や支援を行うためのテレビ受信者支援センターを本年一月に全都道府県に設置しました。
 都はこれまで、国に対して、地デジへの円滑な移行に向けて適切な措置を講じるよう要望するとともに、「広報東京都」を活用した都民への周知、広報を図ってまいりました。さらに、昨年十一月には、地上デジタル放送移行に係る都区市町村連絡会議を設置し、国や区市町村、放送事業者等関係団体との連携の強化に努めております。
 次に、地デジ移行に向けました情報等の都民への普及についてでございますが、国では、来年度から、生活保護世帯などを含むNHK受信料免除世帯を対象に、地デジチューナーの配布、アンテナ工事等の支援を行う予定でございます。また、都内の二カ所に設置されている、先ほど述べましたテレビ受信者支援センターでは、今後、地域の町内会等を対象にした説明会の開催や個別訪問の実施などを予定しております。
 都としても、区市町村との連絡会議などを通じまして、テレビ受信者支援センターや、地域の実情に詳しい電気店の組合などとも十分な連携を図りながら、きめ細かな施策や情報が社会的弱者などの方々を含め都民に広く行き渡り、地デジへの移行が円滑に進むよう努めてまいります。
   〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕

○都市整備局長(只腰憲久君) 大山地区のまちづくりについてでございますが、本地区では、第三次事業化計画の優先整備路線である補助第二六号線が、東武東上線と交差し、また商店街を横断する計画となっております。
 このため、同路線と鉄道との立体化の検討に当たりましては、商店街の再編など、地域のまちづくりと一体的に進めていく必要がございます。
 昨年五月、大山駅周辺における総合的なまちづくりを進めるため、大谷口・大山地区の都区連絡会を立ち上げておりまして、今後とも、都といたしましては、こうした場などを活用し、地元区とともに検討を深めてまいります。

議長(比留間敏夫君) 三十六番橘正剛君。
   〔三十六番橘正剛君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○三十六番(橘正剛君) 初めに、ことし九月に東京で開催される東京二〇〇九アジアユースパラゲームズについて質問します。
 アジアの四十の国と地域から、障害のある若者やスタッフ合わせて約千人が参加する今回のユースパラゲームズは、二〇〇三年の香港大会以来、六年ぶりの開催となります。この祭典は、障害者スポーツの競技レベル向上に寄与するとともに、障害の有無にかかわらず、同世代の若者に夢や希望を与える絶好の機会になると期待しております。
 石原知事は、今定例会の施政方針表明の中で、オリンピックについて、人間がつくり出す劇の中で最も美しい劇でありますと、その感動を美しい文学的表現で強調されました。
 パラリンピック、ユースパラゲームズについても同じ思いであろうと思いますが、東京で初めての開催となるアジアユースパラゲームズの意義を踏まえて、この祭典に対する知事の認識と決意を伺います。
 ユースパラゲームズでも、大会の成功を支えるのは、いうまでもなく障害者スポーツボランティアであります。近年、障害者スポーツに親しむ個人や団体がふえ、競技レベルも高度化する傾向にある中で、一緒にトレーニングをしたり、技術的なアドバイスや健康管理面の助言もできるボランティアへの期待が高まっております。専門的な知識や技術を持つボランティアを育成することは、選手層のすそ野を広げ、その中から、パラリンピックやユースパラゲームズを目指す選手も数多く輩出されていくと思います。
 そこで、東京都が区部と多摩地域に一カ所ずつ設置している障害者スポーツセンター等を活用し、介助だけでなく、競技技術やトレーニング方法など専門的な知識を身につけたボランティアの養成に積極的に取り組むべきと考えますが、所見を伺います。
 障害者スポーツの振興に関連し、区部のスポーツ拠点として利用されている東京都障害者総合スポーツセンターの交通利便性について質問します。
 北区にある同スポーツセンターは、鉄道駅から離れているため、JR池袋駅と王子駅を経由する送迎バスを運行させておりますが、スポーツセンターの利用者からは、電車の乗りかえや移動の負担が軽くなるよう、経由する駅をふやしてほしいとの声が寄せられております。
 路線を拡大すれば、利用者の利便が図られ、スポーツセンター利用者の増加にもつながると思います。停留所を新たに設置するには、道路管理者の許可や、乗降者、通行者の安全確保のための施設整備など、課題は当然ありますが、利用者の居住地やスポーツセンターへの経路を把握した上で、経由する駅をふやすべきと考えます。見解を求めます。
 次に、雇用対策について質問します。
 雇用不安が大きく社会問題化する中で、失業や定年前の退職等を契機に、技能を身につけて安定した就業を目指したいと考える人が多くなっております。
 都は、正規雇用に向けた技能習得訓練機会の提供や、仕事との両立が可能な夜間訓練の新設など、多様なニーズにこたえるための取り組みを進めておりますが、訓練期間、年齢、訓練中の生活費確保など、要件が適合せず、断念せざるを得ないケースも見受けられます。
 例えば、勤めていた会社の倒産により、三十歳代後半で失業し、退職金なし、マンションのローンを抱え、家族も養わなければならない状況の中で、再び失業しないために技能を身につけようとしても、条件が合わず、結局、職業訓練を受講できなかったという相談が寄せられております。ほかにも類似した事例を幾つか耳にしており、さらにきめ細かな職能開発支援策が不可欠であると考えます。
 そこで、職業訓練が三カ月から一年と比較的長期間にわたるもののほかに、一カ月程度の短期間の訓練メニューの提供、企業と連携して、仕事の現場を体験した上で就業できる制度、さらには、希望する職種の現場見学によるスキルアップ意欲の啓発など、支援メニューを一層多様化する必要があると考えます。今後の対応について見解を求めます。
 また、技能習得期間中は、安心して訓練に専念できる生活支援策の強化も必要と考えますが、所見を伺います。
 一方、都の職能開発支援の拠点として職業能力開発センターがありますが、職業訓練に励み、技能を身につけたとしても、雇用先が見つからなければ、その技能を生かすことができず、生活の安定にはつながりません。
 同センターでは、ハローワークとの連携や、独自に雇用先の開拓を推進しておりますが、今後の就職支援として、受講生をより多くの求人企業と直接結びつけられるような場の提供や、企業OBなどを活用した企業訪問による雇用先の開拓等に力を入れるべきと考えます。見解を伺います。
 次に、がん対策について質問します。
 医学の進歩により、早期発見や早期に治療を開始した場合、がんにかかることが即、命を落とすことを意味するものではなくなってきたとはいえ、依然として命を脅かす病気であることに変わりはなく、がんと診断された患者や家族の心の不安、動揺は想像にかたくありません。
 こうした方々を応援するため、都内のすべてのがん拠点病院、認定病院には、がん相談支援センターが設置されておりますが、相談できる時間帯は、おおむね平日の日中のみとなっております。仕事を持ちながら、がんの治療を続けている方など、平日の日中にはなかなか相談に訪れることができない人にとって、夜間や休日でも相談に対応してもらえる体制は不可欠であります。早急な具体化が必要と考えますが、見解を求めます。
 がんの患者や家族からは、同じようにがんに罹患し、不安を抱えながら治療を続けている方などと心の悩みや体験を語り合うことによって、不安が解消された、安心感につながったといった体験例も聞きます。
 そこで、拠点病院等において、がんの患者や体験者同士が語り合い、交流できるスペースをつくるための支援も重要であると思いますが、所見を伺います。
 次に、都営地下鉄のバリアフリー化について質問します。
 公明党が成立を主導した、平成十二年の交通バリアフリー法、平成十八年十二月のバリアフリー新法の施行などを経て、鉄道、バスなど公共交通機関のバリアフリー化が進んでおります。
 私の地元板橋区の中心部を走っている都営三田線には十一の駅がありますが、地上からホームまでエレベーター等によるワンルートが確保されていない駅は五つもあり、利用者からは設置要望が強く出されております。早期に整備を実現すべきであります。ワンルート確保の見通しについて見解を求めます。
 都営地下鉄におけるバリアフリー化は、エレベーター設置にとどまらず、さらに細やかな配慮が必要であります。例えば、小さな段差は、高齢者や急いでいる人のつまずきの原因になりますし、雨などで通路がぬれて滑りやすいところでは、転んでけがをするケースもあります。また、トイレ内に取りつけられているフックの位置が高いために、高齢者がハンドバッグやコートなどをかけることができないのも、バリアの一つであると思います。
 健常者が普通に利用していれば障害とならないような、こうしたいわゆるプチバリアはまだ多く残っており、高齢者や障害者、妊婦や子どもの目線に立って着実に整備すべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、都営地下鉄の混雑緩和について質問します。
 低炭素型社会への都民の意識が高まる中で、車の利用を控え、公共交通機関を利用する人が今後増加することが予想されます。現状でも通勤通学時の混雑が激しい都営地下鉄は、利用者増によってさらなる混雑が危惧されます。
 都交通局は現在、都営地下鉄四路線のうち、新宿線、大江戸線の混雑緩和策を講じつつありますが、増便のための車両の発注、待機させる車両基地の確保など、計画から配置まで数年を要すると聞いております。このため、人口増が見込まれる沿線の乗客予測なども含め、今後の利用者増を想定して、早目に混雑緩和策を講じる必要があると考えます。見解を求めます。
 次に、都立豊島病院の公社化に関連し、医療サービスの充実について質問します。
 同病院は、この四月から東京都保健医療公社に運営が移管されることになりました。地域に密着した医療を提供してきた豊島病院の公社化について、利用者にとっての一番の関心事は、提供される医療サービスがどう充実され、公社移管後も安心して受診できるのかということであります。
 豊島病院が公社に運営移管することによって、地域住民や地域の開業医がこれまで以上に利用しやすくなり、同病院の持つ医療機能も生かされるようにすることが重要であると考えます。
 そこで、豊島病院が公社病院としての特色を生かし、地域の医療機関と機能連携を進めていく中で、相互のネットワーク化を積極的に推進し、利便性が高まるような仕組みづくりを進めていくべきと考えます。見解を求めます。
 次に、豊島病院における産科機能の充実について質問します。
 豊島病院では、昨年十月から、リスク管理を必要とする分娩を中心に受け入れを再開し、今後、段階的に受け入れ対象や件数を増大するとしております。産科医療を取り巻く情勢が厳しい中、分娩の再開は大きな安心となっており、公社移管後も、産科を初めとする周産期医療に対応していくことは大変意義深いものと思います。
 豊島病院における新生児医療体制を充実させていくべきと考えます。見解を求め、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 橘正剛議員の一般質問にお答えいたします。
 アジアユースパラゲームズについてでありますが、この大会は、アジアの障害のある若いアスリートたちが集って競技を繰り広げる国際大会でありまして、日本で初めての開催となります。
 障害のある若者たちが、ハンディキャップを乗り越え、全力で競技に挑み、競い合うことは、大きな喜びと将来への糧となります。眺めていても、人間とは本当にこんなに強いものかなという感銘を与えてくれると思います。
 参加選手のみならず、多くの都民、国民にも、そういう意味で夢と感動をもたらす舞台となるよう、この大会をぜひとも成功させたいと思っております。
 この大会により、東京がオリンピック・パラリンピックの開催にふさわしい、魅力のある都市であることを世界にアピールしていきたいと思っております。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) 四点についてお答えいたします。
 まず、障害者スポーツボランティア養成についてでありますが、現在、都は、障害者スポーツセンターにおきまして、障害者スポーツの技術的指導や競技者の安全、健康管理など専門的知識を持つ指導員やボランティアを育成しております。また、こうした方々は、障害者スポーツボランティアとして人材バンクに登録され、さまざまな場面で障害者スポーツの振興に寄与していただいております。
 今後、こうしたボランティアがさらに高い専門的知識や技術を身につけ、積極的な助言や主体的な活動ができるよう、リーダー講習及びコーディネーター講習などの充実に取り組んでまいります。
 次に、東京都障害者総合スポーツセンターの送迎バスについてでありますが、現在、スポーツセンターと王子駅及び池袋駅間で送迎サービスを行っておりますが、両駅とも複数の鉄道路線が乗り入れ、駅構内もバリアフリー化されているため、利用者にとって利便性が高いものと考えております。
 しかし、経由駅をふやすことが可能であれば、より利用者の利便が増すものと考えられますので、今後、改めてセンター利用者の希望や居住地等からの交通経路などを把握した上で、駅のバリアフリー化の状況、バス停スペースの有無、道路占用許可基準との適合性などについて調査をしてまいります。
 次に、夜間や休日におけるがんの相談対応についてでありますが、仕事をしながら治療を行う患者さんやその家族の利便性に配慮し、夜間や休日に療養上の不安などについて相談できる窓口を確保することは、患者さんや家族の療養生活を支援していく上で重要であります。
 このため、夜間、休日における相談を、がん診療連携拠点病院及び東京都認定がん診療病院の相談支援センター三カ所で、来年度早期からモデル実施をする予定であります。
 今後、このモデル事業の成果を踏まえ、拠点病院及び認定病院における相談支援体制の充実に努めてまいります。
 次に、がん患者や体験者同士が交流できる場の整備についてでありますが、がん患者等がみずからの悩みや闘病体験を語り合い、励まし合うことは、患者、家族が病気に向き合う際の大きな支えとなります。
 このため、都は来年度、拠点病院及び認定病院において、がんに関する情報収集や交流を行える、がん患者、家族交流室の整備を支援することとし、患者、家族の不安の軽減と療養生活の質の向上を図ってまいります。
   〔産業労働局長佐藤広君登壇〕

○産業労働局長(佐藤広君) 雇用対策に関する三点のご質問にお答えいたします。
 まず、職業訓練におけるメニューの多様化についてでありますが、社会経済情勢の変化に伴い、求職者のニーズは多様化しており、職業訓練の実施に当たっては、訓練科目、訓練期間、実施方法などにさまざまな工夫を凝らすことが必要であると認識しております。
 都はこれまでも、ニーズの変化に応じた科目の見直しや、三カ月から二年までの訓練期間の多様化、各年齢層向けの訓練コースの設定、さらには、現場実習を伴うデュアル訓練や、現場見学を行う、ものづくり体験塾などを行ってきたところでございます。
 来年度は、非正規労働者向け訓練において短期コースを設定するなど、今後とも、多様なメニューにより求職者を支援してまいります。
 次に、職業訓練での技能習得期間中の生活支援策についてでありますが、職業訓練の受講生に対しては、安心して訓練を受けられるよう、受講生それぞれの状況に応じまして、雇用保険の延長給付、障害者や母子家庭の母等を対象とした訓練手当、今年度から開始いたしました就職チャレンジ支援事業における受講奨励金などの支援策を講じております。
 また、こうした支援を受けられない方に対しては、技能者育成資金制度による貸し付けがございまして、この制度については、都がその拡充等を国に要望してきており、今年度、対象者の拡大や返還免除制度の創設など、大幅に拡充をされております。
 今後、こうした制度について一層の周知徹底を図り、受講生を支援してまいります。
 最後に、職業能力開発センターの受講生に対する就職支援についてであります。
 都は、職業訓練の受講生と求人企業とのマッチングを図るため、平成十九年度から、業界団体等と連携をいたしまして、合同企業説明会を開催してまいりました。来年度は、この企業説明会の回数をふやして、都内すべてのセンターで開催をいたします。
 また、センターには、人材アドバイザーとして、現場に精通している企業OBを配置いたしまして、企業の人材ニーズの把握や求人開拓等を行っており、ご指摘を踏まえまして、今後、人材アドバイザーなどによる企業訪問件数をふやしてまいります。
 こうした取り組みによりまして積極的に雇用先を開拓するなど、受講生の就職を支援してまいります。
   〔交通局長金子正一郎君登壇〕

○交通局長(金子正一郎君) 都営地下鉄に関する三点のご質問にお答えいたします。
 まず、都営地下鉄のバリアフリー化についてでございますが、交通局では、人に優しい公共交通機関を目指し、エレベーター等により地上からホームまでのワンルートを確保するなど、さまざまなバリアフリー対策を進めております。
 お尋ねの三田線の板橋区内におけるエレベーター整備につきましては、平成二十年度末、板橋区役所前駅でエレベーターの供用を開始する予定となっておりまして、これによりまして、十一駅中七駅でワンルートが確保される見込みでございます。残る四駅のうち二駅は既に工事に着手しており、他の二駅も、設計や関係者との協議など、工事着手に向けた準備を進めております。
 引き続き、一日も早い整備に向け、全力を挙げて取り組んでまいります。
 次に、地下鉄駅の小さなバリアについてでございますが、健常者が普通に利用していれば障害とならないような小さなバリアへの対応といたしまして、交通局では現在、駅構内の小さな段差の解消や、手すりが連続していない箇所の解消などを進めております。
 事業の推進に当たっては、年度ごとに重点路線を定めて、各駅の実情を詳細に調査した上で必要な改善を行っております。
 引き続き、高齢者や障害者などの目線に立ったきめ細やかな対応に努め、だれもが自由に円滑に移動できる公共交通機関を目指して取り組んでまいります。
 最後に、都営地下鉄の混雑緩和についてでございますが、お客様に都営地下鉄を快適にご利用いただくためには、適正な輸送力を確保していくことが重要であると考えております。
 都営地下鉄の四路線のうち、朝のラッシュ時間帯において混雑が特に激しい大江戸線と新宿線につきましては、車両の増備を予定しております。このほかの浅草線、三田線につきましても、引き続き混雑状況をきめ細かく把握するとともに、乗客数の推移等も勘案し、適切に対応してまいります。
 今後とも、さまざまな社会状況の変化に対応できるよう、将来を見据えた事業運営に努めてまいります。
   〔病院経営本部長中井敬三君登壇〕

○病院経営本部長(中井敬三君) 豊島病院に関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、公社移管後の豊島病院の医療機能についてでありますが、豊島病院は、移管後も現行の診療科及び診療機能を継続することとしており、地域の医療機関との連携を一層強化し、救急医療や脳血管疾患医療、がん医療に重点的に取り組んでまいります。
 特に脳血管疾患医療では、都の認定する脳卒中急性期医療機関として、脳梗塞発症後三時間以内に投与すると大変効果のあるtPAによる血栓溶解療法を行うなど、発症直後の急性期患者に専門的な治療を実施してまいります。
 また、急性期を脱し、回復期や在宅療養を必要とする患者に対しては、地域の医療機関とともに、病状に応じた診療計画としてあらかじめ定めた地域連携クリニカルパスを活用してまいります。
 このことにより、豊島病院で行う専門的な治療から、リハビリ機能を持つ病院での日常生活の動作訓練へ移行するなど、地域の医療機関と連携した、患者の経過に応じた切れ目のない医療サービスの提供が可能となります。
 豊島病院では、こうした患者を中心とした地域医療機関とのネットワークづくりに取り組むことにより、公社の役割である地域に根差した病院として、地域の方々が安心できる医療の提供に一層努めてまいります。
 次に、新生児医療体制についてでありますが、豊島病院が昨年十月に分娩を再開した際には、まずリスク管理が求められる分娩を中心に、双子、三つ子といったケースや低出生体重児等に対応してまいりました。
 一方で、医師の確保についても努めてきており、この一月より、常勤の新生児専門医を新たに一名確保し、常勤の産科医を五名、新生児専門医を三名といたしました。これにより、新生児対応の当直体制が新たに可能となるなど、徐々に診療体制が充実されてきております。
 こうしたことから、公社に移管される本年四月には、二十四時間体制で新生児の医療的管理を行うGCUを再開する予定としており、現在、その準備を鋭意進めております。
 今後とも、分娩や新生児医療を初めとする、地域から求められる医療を的確に提供し、住民の方々に一層信頼され、頼りにされる病院となるよう努めてまいります。
〇六十七番(宇田川聡史君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。

○副議長(石井義修君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○副議長(石井義修君) ご異議なしと認め、さよう決定いたします。
 明日は、午後一時より会議を開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後八時三分散会

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