ロゴ 東京都議会

Tokyo Metropolitan Assembly

平成二十年東京都議会会議録第九号

平成二十年六月十八日(水曜日)
出席議員 百二十三名
一番遠藤  守君
二番伊藤 興一君
三番米沢 正和君
四番鈴木 章浩君
五番きたしろ勝彦君
六番後藤 雄一君
七番福士 敬子君
八番伊沢けい子君
九番そなえ邦彦君
十番西崎 光子君
十一番西岡真一郎君
十二番伊藤 ゆう君
十三番原田  大君
十四番河野百合恵君
十五番小竹ひろ子君
十六番松葉多美子君
十七番大松  成君
十八番中山 信行君
十九番高倉 良生君
二十番田中たけし君
二十一番神林  茂君
二十二番早坂 義弘君
二十三番高木 けい君
二十四番崎山 知尚君
二十五番宇田川聡史君
二十六番高橋 信博君
二十七番原田 恭子君
二十八番佐藤 広典君
二十九番尾崎 大介君
三十番山口  拓君
三十一番伊藤まさき君
三十三番野上ゆきえ君
三十四番たぞえ民夫君
三十五番村松みえ子君
三十六番橘  正剛君
三十七番上野 和彦君
三十八番吉倉 正美君
三十九番谷村 孝彦君
四十番村上 英子君
四十一番鈴木あきまさ君
四十二番秋田 一郎君
四十三番山加 朱美君
四十四番串田 克巳君
四十五番吉原  修君
四十六番山田 忠昭君
四十七番田代ひろし君
四十九番山口 文江君
五十番今村 るか君
五十一番吉田康一郎君
五十二番斉藤あつし君
五十三番泉谷つよし君
五十四番くまき美奈子君
五十五番大西さとる君
五十六番増子 博樹君
五十七番かち佳代子君
五十八番植木こうじ君
五十九番野上 純子君
六十番東村 邦浩君
六十一番長橋 桂一君
六十二番小磯 善彦君
六十三番三宅 茂樹君
六十四番高島なおき君
六十五番鈴木 一光君
六十六番菅  東一君
六十七番石森たかゆき君
六十八番矢島 千秋君
六十九番鈴木 隆道君
七十番こいそ 明君
七十一番倉林 辰雄君
七十二番遠藤  衛君
七十三番大西由紀子君
七十四番いのつめまさみ君
七十五番門脇ふみよし君
七十六番小沢 昌也君
七十七番石毛しげる君
七十八番岡崎 幸夫君
八十番清水ひで子君
八十一番古館 和憲君
八十二番松村 友昭君
八十三番東野 秀平君
八十四番ともとし春久君
八十五番鈴木貫太郎君
八十六番石川 芳昭君
八十七番三原まさつぐ君
八十八番田島 和明君
八十九番林田  武君
九十番野島 善司君
九十一番高橋かずみ君
九十二番樺山たかし君
九十三番新藤 義彦君
九十四番古賀 俊昭君
九十五番立石 晴康君
九十六番桜井  武君
九十七番初鹿 明博君
九十八番酒井 大史君
九十九番花輪ともふみ君
百番大津 浩子君
百一番大塚たかあき君
百二番相川  博君
百三番中村 明彦君
百四番曽根はじめ君
百五番大山とも子君
百六番藤井  一君
百七番中嶋 義雄君
百八番木内 良明君
百九番石井 義修君
百十番宮崎  章君
百十一番服部ゆくお君
百十二番川井しげお君
百十三番吉野 利明君
百十四番野村 有信君
百十五番比留間敏夫君
百十六番佐藤 裕彦君
百十七番川島 忠一君
百十八番内田  茂君
百十九番三田 敏哉君
百二十番馬場 裕子君
百二十一番大沢  昇君
百二十二番山下 太郎君
百二十四番田中  良君
百二十五番名取 憲彦君
百二十六番吉田 信夫君
百二十七番渡辺 康信君

 欠席議員 二名
 三十二番 松下 玲子君
百二十三番 土屋たかゆき君
 欠員
    四十八番 七十九番

 出席説明員
知事石原慎太郎君
副知事谷川 健次君
副知事菅原 秀夫君
副知事山口 一久君
副知事猪瀬 直樹君
教育長中村 正彦君
知事本局長大原 正行君
総務局長押元  洋君
財務局長村山 寛司君
主税局長熊野 順祥君
警視総監矢代 隆義君
生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君
都市整備局長只腰 憲久君
環境局長吉川 和夫君
福祉保健局長安藤 立美君
産業労働局長佐藤  広君
建設局長道家 孝行君
港湾局長斉藤 一美君
会計管理局長三枝 修一君
交通局長島田 健一君
消防総監小林 輝幸君
水道局長東岡 創示君
下水道局長前田 正博君
青少年・治安対策本部長久我 英一君
東京オリンピック招致本部長荒川  満君
病院経営本部長秋山 俊行君
中央卸売市場長比留間英人君
選挙管理委員会事務局長梶原 康二君
人事委員会事務局長矢口 幸一君
労働委員会事務局長有留 武司君
監査事務局長白石弥生子君
収用委員会事務局長中田 清己君

六月十八日議事日程第三号
第一 第百三十二号議案
 東京都恩給条例の一部を改正する条例
第二 第百三十三号議案
 雇傭員の退職年金及び退職一時金等に関する条例の一部を改正する条例
第三 第百三十四号議案
 東京都都税条例の一部を改正する条例
第四 第百三十五号議案
 東京都収入証紙条例を廃止する条例
第五 第百三十六号議案
 土地収用法関係手数料等に関する条例の一部を改正する条例
第六 第百三十七号議案
 東京都教育委員会の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第七 第百三十八号議案
 東京都営住宅条例の一部を改正する条例
第八 第百三十九号議案
 東京都福祉住宅条例の一部を改正する条例
第九 第百四十号議案
 東京都医師奨学金貸与条例
第十 第百四十一号議案
 東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
第十一 第百四十二号議案
 東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
第十二 第百四十三号議案
 東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例
第十三 第百四十四号議案
 東京都地方卸売市場条例の一部を改正する条例
第十四 第百四十五号議案
 東京都港湾管理条例の一部を改正する条例
第十五 第百四十六号議案
 都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
第十六 第百四十七号議案
 温泉法に基づく温泉の保護に係る手数料に関する条例の一部を改正する条例
第十七 第百四十八号議案
 特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
第十八 第百四十九号議案
 都立多摩養護学校(二十)校舎増築工事請負契約
第十九 第百五十号議案
 東京都多摩産業支援拠点(仮称)(二十)新築及び改修工事請負契約
第二十 第百五十一号議案
 警視庁赤坂警察署庁舎(二十)改築工事請負契約
第二十一 第百五十二号議案
 中央環状品川線大井地区トンネル工事請負契約
第二十二 第百五十三号議案
 中央環状品川線シールドトンネル工事―二請負契約
第二十三 第百五十四号議案
 ヘリコプターの買入れについて
第二十四 第百五十五号議案
 ヘリコプターの買入れについて
第二十五 第百五十六号議案
 大型ヘリコプター用エンジンの買入れについて
第二十六 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した損害賠償請求事件の控訴提起に関する報告及び承認について
第二十七 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき平成二十年三月三十一日専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
第二十八 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき平成二十年四月三十日専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認について

議事日程第三号追加の一
第一 東京都教育委員会委員の任命の同意について(二〇財主議第六三号)
第二 東京都公安委員会委員の任命の同意について(二〇財主議第六四号)
第三 東京都公安委員会委員の任命の同意について(二〇財主議第六五号)
第四 東京都監査委員の選任の同意について(二〇財主議第六六号)
第五 議員提出議案第十三号
 公立の小学校及び中学校の耐震化促進のための助成に関する条例
第六 議員提出議案第十四号
 東京都子どもの医療費の助成に関する条例

   午後一時開議

○議長(比留間敏夫君) これより本日の会議を開きます。

○議長(比留間敏夫君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(比留間敏夫君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 議員より、議員提出議案第十三号、公立の小学校及び中学校の耐震化促進のための助成に関する条例外条例一件、知事より、東京都教育委員会委員の任命の同意について外人事案件三件がそれぞれ提出されました。
 これらを本日の日程に追加いたします。

○議長(比留間敏夫君) 昨日に引き続き質問を行います。
 六十七番石森たかゆき君。
   〔六十七番石森たかゆき君登壇〕

○六十七番(石森たかゆき君) それではまず、緑の創出と保全について何点かお尋ねいたします。
 先月末に、地球温暖化に伴う将来の日本への影響について、国立環境研究所や東京大学、茨城大学など十四研究機関でつくるプロジェクトチームによる研究結果が公表されました。
 気温上昇予測では、今世紀末には、日本の平均気温は一九九〇年比で四・八%上昇し、青森、秋田県にまたがる世界遺産である白神山地のブナ林が消失することが予想されております。
 また、特に深刻なのが水問題で、海面が三十六センチ上がり、沿岸の多くの砂浜が消滅するとともに、高潮時には百三十七万人が浸水被害を受け、集中豪雨が多発することによって、洪水被害が今より年一兆円増加するとしています。
 今定例会でも、地球温暖化の進行が明らかになる中で、より実効性のある温暖化対策を図るため、規模の大きい事業所に対して温室効果ガスの排出削減を義務づけ、排出量取引制度を導入する環境確保条例の改正案が提出されたところであります。
 地球温暖化対策については、温暖化物質の発生源対策と吸収源対策の二つに大きく分けられますが、京都議定書内でも、この吸収源として、一九九〇年以降の植林及び森林減少にかかわる排出及び吸収を限定的に考慮するとしております。
 地球温暖化対策としての森林の果たす役割は極めて大きいものがあるといえますが、都内の森林面積の七割を占める多摩の森林整備に対する重要性について、知事はどのようなお考えをお持ちか、まずお聞かせいただきたいと思います。
 今さら申し上げるまでもなく、森林には、CO2を吸収するだけではなく、水を蓄え、土砂流出を防止し、人々に安らぎを与えるなど、さまざまな公益的機能を有しております。
 しかしながら、この貴重な森林も、これまで、安い外国産材の流入や木材価格の低迷による林業不振により、手入れができずに管理放棄された森林が増加するなど、森林の荒廃が進んでいる状況にあります。
 そこで、東京都では、このような現状を踏まえ、平成十四年度より、森林の公益的機能を回復させることを目的として、手入れのされていない多摩の杉、ヒノキの人工林について都が間伐を実施する森林再生事業を行っております。
 こうした中、森林組合や長年林業に携わっている地元の方の話によると、近年、森林管理に無関心な森林所有者、あるいは相続が発生しても、名義変更しなかったために権利関係が整理できていない森林等が増加していると聞いております。
 多摩の森林の公益的機能を維持向上させていくためには、こうした問題にも対応し、森林再生事業のさらなる推進を図っていくことが重要と考えますが、都の見解をお尋ねいたします。
 林業を復活させるには、原木を供給する一方の林業と、原木を利用する側の木材産業の連携、いわゆる川上と川下の連携を進めるとともに、製材品の利用拡大に向けて、流通並びに加工環境を整えていくことが必要となります。
 さらに、木材利用を促進するためには、製材品への利用だけでなく、林業で発生する規格外の細い丸太や樹皮などの未利用材の有効活用も不可欠であります。
 こうした中で、関係局が連携して、新たな木材の利用方法として、多摩産材の未利用材などの木質系バイオマスを、下水汚泥を焼却する際の補助燃料として利用を進めておりますが、本事業の内容について改めてお聞かせいただきたいと思います。
 また、下水道局では、温室効果ガスを削減するため、従来のやり方にとらわれず、あえて扱いづらい木質系バイオマスを使用する積極的な姿勢を高く評価したいと思います。
 この木質系バイオマスの利用により、都市ガスの使用を抑制するとのことですが、事業の実施における工夫と得られる効果についてお伺いいたします。
 先日、花粉議連で、花粉症で苦しむ古賀会長のもと、江東区新木場の東京木材市場を視察いたしました。木材の流通は外材が中心で、残念ながら多摩産材は見当たりませんでしたが、ここ数年、国内需要の低迷によって外材丸太の入荷が激減しておりますし、外材製材についても、原油価格の高騰やユーロ高の影響で大きく値上がりしていることから、国内の木材自給率を上げるには絶好の機会であるといえます。
 東京の森林の重要性に対する都民の関心も高まっておりますし、今後あらゆる機会を通じて、東京都森林組合とも連携しながら、森林、林業の活性化を図っていただきますよう要望しておきます。
 また、東京の森は、西側から山の森、丘陵の森、街の森、海上の森、そして島の森と五つに区分されますが、比較的緩やかな傾斜地である丘陵の森で、特に近年問題視されているのが、建設発生土の埋立処分による環境変化であります。貴重な里山の消失や動植物の生息環境の悪化が進むと同時に、周辺住民にとっては、いつ土砂災害が発生するかわからないといった危険にさらされることになります。
 建設残土は、土地造成材料として使用される資源という位置づけのため、廃棄物処理法の対象となる建設汚泥とは異なって、排出や投棄を規制する法律がないことから、多摩地域では、これまでにたびたび問題が発生している状況にあります。地元自治体においても対応に苦慮しているところでありますから、都も、許可した以上は頻繁に監視をして、計画と異なる部分が判明したり問題が発生した際には即座に対処するよう要望しておきたいと思います。
 次に、校庭の芝生化について伺います。
 都市における緑は、都民に潤いや安らぎを与えるだけでなく、都市防災やヒートアイランド対策などの都市環境の改善、美しい都市景観の創出、生態系の保存への寄与など、その役割がますます多様に、かつ重要になっております。東京を緑豊かな都市としていくためには、緑の創出と保全を図るための施策をこれまで以上に積極的に推進することが求められておりますが、緑の創出の代表的な施策としては校庭の芝生化が挙げられます。
 都のこれまでの取り組みでは、当初想定したヒートアイランド対策以外にも、子どもたちの教育環境の向上にさまざまな効果があることがわかってまいりました。芝生化した学校の教師からは、真夏でも、以前より学校全体が涼しく感じられる、あるいは子どもたちが校庭で活発に運動するようになったなどの声が寄せられ、環境面に限らず、教育面においても、この事業の重要性を再認識したところであります。
 しかしながら、芝生の維持管理の主体となる学校、PTA、そして地域の中には、専門知識のなさなどからくる維持管理に対する不安の声が少なからず存在いたします。
 都では、二〇一六年までにすべての公立小中学校の校庭芝生化を目標に掲げておりますが、こうした学校現場の不安解消に向けては今後どのような支援を行っていくのか、お尋ねいたします。
 次に、東京に残された貴重な里山の保全について伺います。
 谷戸の田んぼや雑木林で構成される里山は、長い歴史の中で、さまざまな人間の働きかけを通じて特有の自然環境が形成されてきたもので、多くの野生動物の生息基盤として、生態系保全の観点からも大事な財産といえます。
 しかし、都の調査によれば、一九八七年から二〇〇〇年の間に、少なくとも七十カ所の谷戸が開発により消滅していて、一度失われた自然の回復は不可能に近いと思います。
 国においても、昨年十一月に策定した第三次生物多様性国家戦略で里山保全を基本戦略の一つとしていて、里山保全の重要性はますます高まっていると考えますが、都の保全に対する認識をお伺いいたします。
 私の地元八王子市の堀之内地区には、地権者の皆さんの努力によって、開発の危機から逃れて、奇跡的に残された非常に良好な里山があります。この里山は、国や都のレッドデータブックにも掲載されているトウキョウサンショウウオなどの貴重な動植物も生息、生育するなど、東京に残された、まさに貴重な自然であります。
 この里山については、以前から、東京都も交え、地元八王子市やNPO、ボランティア団体などと協働で保全を行っていることは承知しておりますが、都としては、これまでの取り組みを一歩前進させ、自然保護条例による里山保全地域に指定して、将来にわたって守っていくべきだと考えますが、ご見解をお聞かせいただきたいと思います。
 続きまして、横断歩道橋について都の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
 現在都が管理をしている横断歩道橋は六百余りとお聞きしておりますが、これらの歩道橋については、昭和四十年代にその八割が整備され、既に四十年ほどが経過しているところであります。現在では、当時とは社会状況が大きく変化していて、この間、近くに横断歩道が設置されるなど、場所によっては利用者が激減して、その役割を終えた歩道橋もあり、これらについては随時撤去を進めていくべきだと思います。
 この横断歩道橋の撤去について、これまでの状況と今後の取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。
 また、撤去を進める一方で、他に道路などを横断するすべがなく、将来にわたり、歩行者の安全確保のため、真に必要な歩道橋もあります。その中には、高齢者や障害者の利用が多い歩道橋もあり、階段の上りおりに苦労している人も見受けられることから、エレベーター等を設置するなど、バリアフリー対策を進めるべきと思います。
 しかしながら、なかなか歩道橋へのエレベーター等の設置は進んでいない状況にあります。その要因としては、歩道上や沿道にエレベーター等を設置するスペースがないなど物理的な制約もさることながら、エレベーター等の維持管理を地元自治体で行うこととしていることが大きいと考えられます。
 そこで、高齢者や障害者などの利用に配慮するとともに、公共施設のバリアフリー化といった時代の要請にこたえていくためにも、都の役割を改めて見直し、真に必要な歩道橋のバリアフリー対策を今後は都として積極的に進めるべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、観光振興について伺います。
 近年、観光産業の経済波及効果が注目され、世界的に観光行政に重点を置く国々が増加しておりまして、自国の政府観光局が、ホームページ等を駆使し、国民や海外旅行客を呼び込もうと知恵を絞り、それぞれ努力をしているところであります。
 日本においても、昨年、観光立国推進基本法が制定され、観光産業の国際競争力の強化が図られ、観光立国実現に向け、一歩前進したところでありますが、都では、「十年後の東京」で、東京を訪れる外国人旅行者を現在の倍となる一千万人にふやすため、東京の魅力を最大限生かしたさまざまな取り組みをスタートさせました。
 ただ、観光振興を目的とした拠点整備は、どちらかというと二十三区に偏りがちでありますが、外国人旅行客を倍増させるとなると、多摩地域への観光客誘致は欠かせません。
 そのような中、私の地元八王子には、ミシュラン三つ星観光地に認定された高尾山がありまして、認定されたことによって注目度も増して、外国人旅行客も急増している状況にあります。これらの外国人旅行客に対応するため、外国語版観光パンフレットを作成したり、ツアーガイドを養成しているところでありますが、一自治体での取り組みには限界があります。
 東京の観光名所の一つでもある高尾山を初めとして、多摩地域において、もっと積極的な観光振興策を検討していただきたいと思いますが、見解を伺います。
 多摩各地それぞれ、魅力あふれる観光スポット、観光資源を持ち合わせておりますから、それらを最大限生かせる取り組みを今後さらに推し進めていただきますよう要望して、私の一般質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 石森たかゆき議員の一般質問にお答えいたします。
 地球温暖化対策としての森林整備についてでありますが、最近の温暖化について鋭い発言を繰り返していらっしゃいます東大の研究所の山本教授がまとめられました、文明がもたらした悪い循環の結果、現代の世界に何が起きているかということで、一秒間に何が起こっているかという数々の統計の本に、例えば、一秒間に人間が二人誕生する、一秒間に一・五台車がつくり出される、その他いろいろデータがございましたが、その一つに、一秒間に大体テニスコート四十面分の森林が消滅している、一秒間にですよ。そういう恐ろしいデータが記されておりました。
 森林は、木材の供給のみならず、水源の涵養や地球温暖化の原因となる二酸化炭素の吸収、貯蔵など、多面的な機能を持った、かけがえのない人間の財産であります。
 東京には、都市部に隣接して、二十三区の面積に匹敵する五万ヘクタールもの貴重な森林が存在しております。しかし、木材の輸入自由化などの影響によりまして、外材の方がはるかに廉価なものでありますから、林業が衰退し、多摩の森林は、長年にわたり放置されて荒廃することとなりました。
 森林には、伐採、活用、植林、保育という、森を育て木を生かす循環が必要でありまして、五十年、百年という長い期間を見据えた森づくりが不可欠であります。
 地球温暖化対策という命題の解決に向けて、改めて森の恵みを顧みて、かつての豊かな多摩の森林を取り戻し、次の世代に継承していきたいと思っております。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔環境局長吉川和夫君登壇〕

○環境局長(吉川和夫君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず初めに、森林再生事業の推進についてでございますが、森林再生事業は、東京の緑の大きな部分を占める多摩の森林を間伐するなどして再生し、豊かな森として将来世代に引き継いでいくために重要な取り組みでございます。
 都は、平成十四年から事業を開始し、昨年度までの六年間で、東京ドーム八百五十個分の面積に相当する約四千ヘクタールの森林再生に取り組んでまいりました。
 一方で、お話のように、事業を進めていく上での課題も明らかになってきており、森林再生事業を効果的に実施していくため、森林所有者の皆様の意向や学識経験者の意見などを踏まえ、今後の事業のあり方について検討を行ってまいります。
 次に、校庭の芝生化に係る支援についてでございますが、校庭の芝生化は、緑化の推進、熱環境の改善や砂ぼこり防止だけでなく、子どもたちの運動意欲の増進や情緒安定、環境を考えるきっかけづくり、さらには地域のコミュニティの形成促進といった効果がございます。
 校庭の芝生化を進めていく上で、その維持管理は課題の一つであり、ご指摘のとおり、維持管理の主体である学校やPTAなどの関係者の中には、専門的知識に関して不安を抱えているところもあることは承知しております。
 都は、こうした学校関係者などの不安を解消するため、今年度から新たに、専門的なアドバイスを行う校庭グリーンキーパーの派遣を行うとともに、維持管理に中心的に携わる方に必要な知識を習得していただくための講習会を開催いたします。
 引き続き、校庭芝生化の一層の推進に努めてまいります。
 次に、里山の保全についてでございますが、里山は、集落を取り巻く雑木林や水田、ため池などで構成される地域であり、その自然環境は、絶滅危惧種を含む多様な生物の生息、生育空間であるとともに、特に都市近郊では、都市住民の身近な自然との触れ合いの場としての価値が高まってきており、将来にわたり保全していくべき大事な自然環境であると認識しております。
 このため、都は、平成十八年には、都内で最大の谷戸群である横沢入地区を第一号の里山保全地域に指定し、その回復、保全を図るなど、地元自治体やボランティア団体などと連携を図りながら里山の保全に努めております。
 最後に、八王子市堀之内の里山についてでございますが、都はこれまでも、用地取得や維持管理などについて、みずから積極的な役割を担って地域の貴重な緑を守ろうという地元自治体と連携し、保全地域制度を活用して、里山を含む東京の緑を守る取り組みを行っております。
 お話の里山は、開発が進む多摩ニュータウンにあって、絶滅危惧種が生息、生育するなど貴重な自然が多く、都はかねてから、地元八王子市やボランティア団体などと協働で保全に努めており、次の世代へと引き継いでいくべき都民共有の財産であると認識しております。
 今後、保全地域の指定について、地元八王子市との調整や自然環境保全審議会への諮問など、諸手続を進めてまいります。
   〔産業労働局長佐藤広君登壇〕

○産業労働局長(佐藤広君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、木質系バイオマス事業の内容についてですが、本事業は、農林業から発生をいたします未利用の木質系バイオマスをエネルギーとして有効活用することによりまして、農林業の振興と温室効果ガスの削減を図るものでございます。
 具体的には、花粉発生源対策で発生をいたします多摩産材の未利用材や、植木を剪定して切り落とした枝などをチップ化したものを水再生センターで下水汚泥と混合いたしまして、燃えやすくすることで都市ガスの使用を抑制するものでございます。
 今年度、チップ化施設の整備を行い、来年度当初から本格実施する予定でありまして、関係局とも連携を図りながら、本事業を着実に推進してまいります。
 次に、多摩地域における観光振興策についてですが、多摩地域は、都心の近くにありながら、豊かな自然など、多くの魅力ある観光資源に恵まれております。こうした資源を有効に活用する取り組みは重要であるというふうに認識をしております。
 都はこれまでも、高尾山周辺など多摩地域において、観光案内標識の整備や観光ルートマップの作成など、地元自治体による観光振興の取り組みを支援してまいりました。また、地域の観光協会などに対しまして、観光まちづくりの方策等について助言をいたしますアドバイザーを派遣しております。さらに、海外でのシティーセールスにおきましては、高尾山を初めとする多摩の自然や文化の紹介に力を入れ始めたところでございます。
 今後も引き続き、多摩地域の観光の魅力を積極的にアピールするとともに、地元の主体的な取り組みを支援してまいります。
   〔下水道局長前田正博君登壇〕

○下水道局長(前田正博君) 木質系バイオマスと下水汚泥の混合焼却事業における工夫と効果についてでございますが、この事業は、多摩産材の利用拡大に貢献しつつ、温室効果ガス削減につなげるものであり、実施に当たりましては、木質系バイオマスを燃えやすいようにチップ化するとともに、その形状や含水率を均質にする必要がございます。そこで、実際の焼却炉を使用して実証実験を繰り返し、最適なチップ形状や含水率などを定め、活用にめどをつけました。
 これを踏まえまして、多摩産材の産出地に近い多摩川上流水再生センターにおいて、木質系バイオマスと下水汚泥との混合焼却という全国初の事業を行うこととし、平成二十一年度の稼働に向けまして、今年度、チップを下水汚泥と均一に混合して焼却炉に供給する施設整備を行います。
 木質系バイオマスを活用することで、都市ガス使用量を年間約百万立方メートルから半分の約五十万立方メートルに抑制できます。これによりまして、代々木公園五つ分の面積に相当いたします森林が吸収する量に当たります、年間約一千トンのCO2が削減できます。
   〔建設局長道家孝行君登壇〕

○建設局長(道家孝行君) 歩道橋に関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、都が管理する横断歩道橋についてでありますが、歩道橋は、交通安全対策上の緊急措置として昭和四十年代に集中的に整備いたしましたが、当時とは利用状況が変化し、役割を終えたものについては撤去することとしております。
 歩道橋の撤去に当たっては、平成十年に横断歩道橋の取り扱いについての基本方針を策定し、利用者が少ない、近傍に横断歩道が設置されている、通学路でないなど一定の条件を満たし、かつ地元自治体や住民などの合意が得られたものから撤去を進めており、平成十九年度末までに四十二橋を撤去いたしました。
 今後は、歩道橋を撤去する条件を緩和して対象範囲を広げるとともに、地元住民や交通管理者などの合意を得て、横断歩道橋の撤去に一層取り組んでまいります。
 次に、バリアフリー対策についてでありますが、近傍に横断歩道など他の横断施設がなく、高齢者や障害者等の利用が多い歩道橋については、エレベーター等の設置などバリアフリー対策が必要と考えております。
 これまでは、歩道橋にエレベーター等を設置する場合、地元に密着した施設であることから、地元自治体が管理することを条件として整備を進めてまいりました。
 平成十八年にバリアフリー新法が施行され、バリアフリー対策をさらに推進する必要があることから、現在、都の役割を見直し、鉄道や河川等をまたぐ歩道橋や、高低差のある箇所を通行するために必要な歩道橋、法に基づく特定道路上の歩道橋に設置するエレベーター等については都が管理していくことを検討しております。
 今後、横断歩道橋について、その役割を終えたものは、地元住民や交通管理者などの合意を得て撤去を進めるとともに、これからも必要なものについてはバリアフリー対策を推進するなど、適切な管理に努めてまいります。 

〇議長(比留間敏夫君) 百番大津浩子さん。
   〔百番大津浩子君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○百番(大津浩子君) 初めに、昨日の大沢議員の代表質問に対しまして、石原知事より、これまでの都議会民主党の協力を無視する、極めて礼をわきまえない発言がありました。
 都議会民主党は、これまでオリンピック招致決議に賛成し、オリンピック招致議員連盟を通じて各県議会の協力を求めるなどの招致活動を進めてきました。昨日の知事発言は、これを無視するものであり、熱心に招致活動に取り組んできた者ほど怒りを禁じ得ず、容認できるものではありません。
 昨日の撤回と謝罪要求には発言がありませんでした。知事があくまでそのような態度をとられるのであれば、私たちもまた一つの判断を示さなければなりません。
 その前に、ここで改めて知事発言の謝罪と撤回を求めるものですが、知事の所見をお伺いします。
 さて、岩手・宮城内陸地震では、大きな被害が発生しました。被災者の方々に心からお見舞いを申し上げます。
 岩手・宮城内陸は、地震はゼロ%予測でしたが、国の地震調査研究推進本部の調査では、東京を含む南関東でマグニチュード七規模の地震は三十年以内に七〇%の確率で起きると予測され、既に三年が経過しています。もしも、あした十八時に東京でマグニチュード七・三の直下型地震が発生したらと想定をし、お伺いをいたします。
 まず、道路は瓦れきの山となる可能性があり、瓦れきの除去から始まり、消火、救助となります。指揮官とスピードのある正しい意思決定が決め手となり、自衛隊、消防庁、警視庁の三機関が、それぞれの指示系統の中で強みを発揮することが重要です。
 日ごろから訓練をし、地震が起きたときには、災害対策の本部長である石原知事が直ちに指揮、采配を振るわれるべきと考えますが、知事の所見を伺います。
 瓦れきの山となった道路では、道を開かないと緊急物資の輸送や救助活動ができないため、民間からの協力を得て建設資機材や作業員を確保し、瓦れき等の障害物を除去しなくてはなりません。都道における瓦れきなどの障害物の除去対策について所見を伺います。
 また、海に面した都市としては、救援の人、物資、重機の受け入れは、遮断をされた陸路よりも早いのは、むしろ水路、空路からです。東京湾から、川から、運河から、遊覧船の船着き場からも受け入れができるように、緊急時の水路、空路の活用について所見をお伺いします。
 救援体制のきずなとして、立川広域防災基地などがある副都心立川、多摩地域との連携や、他県や八都県市間の広域支援が大切です。被災時の救援体制について所見を伺います。
 これまでの大震災での教訓は、人の命は三日間、七十二時間の法則です。先日、ハイパーレスキュー隊の方から、救助するためには、実は日ごろからの訓練が一番大切、発生してしまったら冷静な対応をと教えられました。ハイパーレスキュー隊は、昨年、一部隊ふえて四部隊となり、内外からその活躍が期待されています。
 あした大震災が発生した場合の東京消防庁の活動について、改めてお伺いします。
 備えあれば憂いなし、地道にできる予防は耐震対策です。学校や病院、水道、下水道など、都市インフラ施設の耐震化を進めているところです。ガス漏れは都市特有の出火原因となるため、ガス導管の耐震化は、二次災害となる火災予防の観点から、特に重要といえます。
 阪神・淡路大地震では、火を余り使わない朝五時台にしては、火災が広く発生をしました。神戸では、ガス導管の亀裂と火災の分布図が一致したとも聞いております。
 ガス導管の耐震化について認識をお伺いします。
 神戸市の一万人アンケート調査では、大震災の起きた、平成八年には非常食や水などを備えをしている人が六〇%でしたが、十年経過した平成十八年には、たった二四%へと下がってしまいました。天災は忘れたころにやってくる、あした地震が来てもおかしくないという心の糸を緩めず、きずなを持って、自助、共助で大切な命を自分たちで救っていきたいものです。
 次に、CO2の削減義務化、環境確保条例の改正についてお伺いします。
 地球温暖化現象が加速し、北海道のオホーツクでは年々流氷が薄くなり、氷の上で出産するアザラシの生態系に支障を来し、一方では、南の小笠原諸島では、海面が上昇し砂浜が狭くなり、砂浜で産卵する海ガメの生態系が危機にさらされています。
 暑い地球に一刻も早く手を打つべく、都のCO2の削減義務化は世界初の制度であり、この円滑な導入には公平や公正さが欠かせません。
 削減義務化を補完する仕組みとして導入される排出量取引制度については、努力もせずにCO2削減をお金で解決をしたり、排出量を投機の対象にすることが、今後あってはなりません。排出量取引による義務履行よりも、やはりみずから削減をして義務履行することが制度の基本とすべきと考えます。
 そこで、努力して削減した者が、排出量取引によって義務履行した者よりも有利になるような仕組みが必要だと思いますが、所見をお伺いします。
 次に、事業者への公平公正な評価についてですが、既に削減の実績のある事業者には、これまでの削減努力に配慮して基準排出量を決めるとともに、エネルギー効率がトップレベルにあるなど、すぐれた削減をしている事業所に対しては削減義務率を軽減していくと聞いています。
 これに加えて、都は、優良事業所を評価、公表する仕組みを構築するなど、事業者がより削減意欲を高めてもらえる、何らかのメリットを得られるようにしていくべきと考えますが、見解を伺います。
 一方、CO2排出量の二六・二%を占めるのが家庭部門で、この取り組み強化も欠かせません。例えば、都内全六百万世帯が一個ずつ、十ワットの白熱球から電球形蛍光灯へ交換しただけで、一年間で約二十万トンのCO2が削減されるという試算があります。この間、小さくとも大きな成果を上げる白熱球一掃作戦が展開され、主要メーカーも製造中止宣言を始めました。
 電球形蛍光灯の普及啓発の成果と、今後の取り組みについてお伺いします。
 このほかにも、だれでもすぐにできることは、使用していない機器の電源スイッチをまめに切るなどの徹底です。これらは、消費電力のピークカット運動として、省エネ対策を大いに都民に呼びかけていただきたいと考えます。
 また、産業界も、技術立国日本の環境技術を中国やインドへ世界発信し、技術をもって世界のCO2削減へ貢献することを期待しております。
 次に、公務員交通使用基準について伺います。
 このところ、国において、公務員の夜間の交通利用基準について検討されていますが、都でも、平成八年、飲食を伴う随時の会議、食料費問題を機に、都庁の慣例、慣行について見直されました。以来十二年たち、現在はどのような指導や予防策を行っているのか、取り組みを伺います。
 次に、河川の再生についてです。
 今月、東京は、オリンピック正式立候補都市に一位で承認をされました。十四日には、めでたく副都心線が開業、渋谷駅周辺では、初日、二倍近く売り上げが伸びたコーヒーショップもあり、活況を呈しています。
 思い返せば、昭和三十九年、オリンピック直前に首都高速道路を通し、高度経済成長期に都市機能が集積するにつれ、地表はアスファルトとコンクリートにがんじがらめに覆われ、雨は地中に浸透せずに、都市の地下は砂漠化されてしまいました。そこで、水が地下を潜る構造が必要です。
 先日、環境・建設委員会では、釧路湿原の釧路川をもとの蛇行した川に戻すという河川の自然再生事業を視察しました。平成九年、河川法が改正され、治水、利水に加え、環境が法の目的に取り入れられたからこそ実現をした事業です。
 都市の地下砂漠化には、水が地下を潜る構造が必要で、東京では、三面、四面コンクリートの川があります。ふたをし、太陽が当たらないと、酸素なしでしか生てきいけない生物がふえ、ヘドロやメタンガスがたまり、負のスパイラルとなります。たとえふたを外しても、横と底と横の三面コンクリートに覆われた川は、水はけが悪く、生態系は復活しません。太陽が当たり、植物が生え、酸素が発生し、生物がすみ、水質浄化ができるのです。
 炭素繊維による河川浄化に成果を上げた国立群馬高専の小島教授は、川底は、水を吸収し、微生物が汚れを分解する土が一番です、川底を透水性のコンクリートにかえるだけでも生態系は復活しますと提唱しています。
 来るオリンピックに向け、東京の魅力を高めるためには、河川の環境整備が重要であると考えますが、所見を伺います。
 副都心線の渋谷駅には空調がなく、外の風を自然に通し、太陽光を取り入れています。年間千トンのCO2も削減する予定です。快適な地下から上がると地上はコンクリートジャングルだったということのないよう、エコ駅舎の地下と地上は、連動した水と緑の首都東京の玄関口をつくるべきと考えます。
 そこで、「春の小川」の唱歌で有名な渋谷川は駅の地下暗渠に流されていますが、渋谷川・古川流域連絡会やパブリックコメントなどからもわかるように、渋谷駅の再編整備においては、現在、駅の地下を流れている渋谷川のうち、せめて一部だけでも地表に上げて、せせらぎを再現すること、または、昔の渋谷川にちなんだ水辺空間を取り入れることなどを望む声が多いのですが、都の見解を伺います。
 渋谷川の並木橋から恵比寿地区にかけては、平常時においても水量が確保されています。水辺に人が憩えるように、川沿いの恵比寿東公園の親水公園化など、渋谷川における拠点整備について、どのような考え方で整備を行うのか、お伺いいたします。
 次のオリンピックでは、まちづくりも重要です。
 都が管理をする歩道橋は、平成十八年度末で六百五十一橋であり、その八六%が、昭和三十九年の東京オリンピックから昭和四十八年の第一次オイルショックまでの十年間に架設されています。
 整備から四十年経過した大方の歩道橋は、かけかえ時期を迎えます。これを機会ととらえ、交通安全機能に加え、人の流れやバリアフリー、景観に配慮すべきと考えますが、所見を伺います。
 また、道路上の電柱は、道幅を狭め、通行の妨げになるとともに、張りめぐらされた電線が景観を損ねています。
 そこで、次のオリンピックに向け、都道だけでなく、区市町村道も含めた面的な無電柱化を推進すべきと考えますが、所見を伺います。
 どうやら川の再生は人の再生へとつながるようです。オリンピック誘致のためにも、東京の川の生態系を復活させて、水と緑と土と風の道と、そして太陽の首都東京、CO2削減のコンパクトなまちづくりがかぎだと考えています。十年後の東京五輪の際には、ものづくりの国として、昭和のシンボル勝鬨橋を天空に大きくつり橋を開いて、世界の平和を祈り、世界の来賓に江戸のおもてなしができるような日が実現できるようなことを夢を見て進んでまいります。
 以上で結びとさせていただきます。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 大津浩子議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、私の昨日の発言についてでありますが、さきの知事選における、民主党が擁立されました民主党候補のオリンピックについての言動について述べただけでありまして、また、それに対する私や民主党を支持する都民の疑義についても述べました。ゆえにも、撤回しなければならないいわれはありませんし、ましてや、謝罪しなければならない内容もないと思います。
 次いで、震災対策についてでありますが、大地震が発生し、一刻を争う救出救助が必要な事態では、警察、消防、自衛隊が連携して応急活動を迅速に開始することが極めて重要であります。
 このため、都は、ビッグレスキュー東京二〇〇〇以来、実際の災害時を想定し、私の指揮のもとに、警察、消防と陸海空三軍が連帯して、救出救助に当たる実践的な訓練を積み重ねてまいりました。
 ゆえにも、どうか大津さんも、この九月一日に行われます総合演習をぜひ見ていただきたいと思います。
 今後とも、都民の生命と財産を守り、大地震による被害の軽減を図るため、都としては災害対応力の強化に取り組んでまいります。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔建設局長道家孝行君登壇〕

○建設局長(道家孝行君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、震災時における都道の障害物除去についてでありますが、これは東京都地域防災計画の中で定めておりますが、応急対策の中枢を担う拠点を結ぶ道路や、被災者の救援、救護活動、緊急物資の輸送などに必要な道路について、国等と分担し、緊急輸送道路として確保することとしております。
 そのため、都道については、兵庫県南部地震を契機として、建設業団体等と資機材や労力の提供等に関する協定を結び、緊急輸送道路における障害物除去作業の体制を既に整えております。
 今後とも、国など関係機関と連携し、民間の協力を得て、救援、救護活動等に必要な経路を速やかに確保できるよう努めてまいります。
 次に、河川の環境整備についてでありますが、「十年後の東京」の実現に向け、東京の魅力を高めるためにも、河川の治水機能を確保しつつ、潤いのある豊かな水辺空間を創出することは重要な課題であります。
 これまでも河川の環境整備に当たっては、管理用通路の緑化、水辺に近づける階段護岸の整備や、魚や水鳥にも優しい多自然川づくりを進め、緑豊かな川づくりに努めてまいりました。
 今後とも、安全で、水と緑に包まれた美しいまち東京の実現に向け、河川の整備に取り組んでまいります。
 次に、渋谷川における親水公園などの拠点整備の考え方についてでありますが、渋谷川につきましては、これまで一時間五〇ミリの降雨に対処する護岸を整備するとともに、湧水等の水源がないことから、下水の再生水などを活用して日常の流れを確保する取り組みも進めてまいりました。
 さらに、河川環境の向上を図るためには、川沿いにビルや家屋が林立し、空間の確保が極めて困難であることから、さまざまな工夫が必要であります。
 今後は、関係機関と連携し、区立恵比寿東公園など河川に隣接する公共用地の活用を検討するなど、良好な河川環境の創出に努めてまいります。
 次に、横断歩道橋についてでありますが、都が管理する歩道橋は、交通安全対策上の緊急措置として昭和四十年代に集中的に整備し、これまで歩行者の安全確保と自動車交通の円滑化に寄与してまいりました。
 管理に当たりましては、常に良好な状態を保つよう、日常点検や五年に一度の定期点検などにより、損傷や塗装の劣化等の早期発見に努め、必要に応じて適切な維持補修を行っております。
 一方、利用状況の変化により役割を終えた歩道橋は、地元住民や交通管理者などの合意を得て撤去しております。
 今後、横断歩道橋を更新する必要が生じた場合には、都市景観との調和やバリアフリーにも配慮してまいります。
 最後に、面的な無電柱化の推進についてでありますが、安全で快適な道路空間を確保し、良好な都市景観を創出するためには、都道だけではなく、区市町村道と連携した面的な無電柱化が必要であります。
 都道におきましては、センター・コア・エリア内やオリンピック関連施設周辺はもとより、周辺区部や多摩地域においても、緊急輸送道路や主要駅周辺などで無電柱化を推進しております。
 また、区市町村に対しては、これまで、設計や施工などにかかわる技術的支援に加え、平成二十年度から新たに補助制度を創設いたしました。
 今後、この制度を活用して、区市町村と連携した面的な無電柱化を推進することにより、安全で美しいまち東京の実現に取り組んでまいります。
   〔総務局長押元洋君登壇〕

○総務局長(押元洋君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、緊急時の救援の受け入れについてでございますが、大地震の際に都外から物資や人員などを受け入れるには、陸路、空路、水路を最大限に活用することが必要でございます。
 このため、都は、地域防災計画で緊急輸送ネットワークを定め、トラックターミナルやヘリポートなどを陸路、空路の拠点に、また、ふ頭や防災船着き場を水路の拠点に指定しております。
 さらに、これらの拠点を活用し、自衛隊や民間の船舶などにより輸送された物資や人員の受け入れ訓練を毎年実施しております。
 今後とも、船舶による輸送など、緊急時の受け入れ体制の整備に取り組んでまいります。
 次に、救援体制についてでございます。
 大地震が発生した場合、都内のあらゆる防災施設を活用するとともに、広域応援を受け入れ、応急対策に当たる必要がございます。
 このため、地域防災計画において、多摩地域の立川地域防災センターや災害医療センターなどを応急対策の活動拠点として位置づけております。
 また、全国知事会などと応援協定を締結するほか、八都県市で物資の支援や職員の派遣を迅速に行う仕組みを盛り込んだ広域防災プランを策定してまいりました。
 総合防災訓練では、これら拠点を活用した応急対策活動や、他県の警察、消防部隊の受け入れ、八都県市の相互応援など、広域応援の実効性について検証しております。
 今後とも、訓練を積み重ね、救援体制の整備に努めてまいります。
 次に、ガス導管の耐震化についてでございます。
 ガス導管の耐震化を図ることは、震災時に火災を防止するとともに、ガスを継続的に供給するためにも重要でございます。
 このため、都は、地域防災計画において、ガス導管の耐震化や緊急遮断装置の整備など、施設の安全対策を事業者の役割と位置づけ、その促進に努めてまいりました。
 また、ガスなどの供給が停止した場合、早期復旧に向け、全国の事業者から成る応援部隊が円滑に活動できるよう、ライフライン復旧活動拠点を確保してまいりました。
 今後とも、耐震化など安全対策の推進を事業者に働きかけるとともに、早期復旧の支援に取り組んでまいります。
 最後に、公務員の交通使用に関する予防策や指導についてでございます。
 都は、タクシー使用の透明性を確保する観点から、平成八年度に、クーポンからチケットへと使用方式を見直し、緊急の用務や深夜帰宅など、職務上の必要に基づいて使用することを徹底いたしました。
 また、チケットに領収書を添付し、乗車時間を記入するなど、一層の適正化を図るとともに、自己検査や予防監察などにより、事後的なチェックを行っております。
 なお、このたび、国のタクシー使用が問題となっていることから、改めてすべての職員に対し、都民の誤解を招く行為がないよう、強く注意喚起を行いますとともに、タクシー使用の状況を客観的に把握するため、全庁的な調査に着手したところでございます。
   〔消防総監小林輝幸君登壇〕

○消防総監(小林輝幸君) 大地震が発生した場合の消防活動についてでありますが、東京消防庁では、都内に震度五強以上の地震が発生した場合、全消防職員及び全消防団員を招集いたしまして、消防活動体制を確保することとしております。
 活動に当たりましては、道路啓開重機や人命探査装置、画像探査装置といった高度な救助資機材を有しますハイパーレスキュー隊による救助活動のほか、特別救助隊、消防ヘリコプター機動部隊、特別消火中隊を初めといたしますポンプ隊、救急隊、消防艇、可搬ポンプ隊に加えまして、非常用ポンプ車や非常用救急車などを投入し、総力を挙げて消火、救助、救急活動を実施いたします。
 また、必要により、他県からの緊急消防援助隊を要請いたしまして、万全を期すこととしております。
   〔環境局長吉川和夫君登壇〕

○環境局長(吉川和夫君) 環境確保条例の改正に関する三点のご質問にお答えいたします。
 まず初めに、削減義務と排出量取引についてでございますが、都内のCO2排出量を減少させていくためには、対象事業所自身がその排出を削減させることが極めて重要でございます。
 みずからの事業所で省エネ投資を行い、排出量を削減した場合には、将来にわたって光熱費の節減が可能となるだけでなく、義務量を超えて削減した場合には、排出量取引を活用して他者への売却ができるなどの経済的なメリットがございます。また、次期計画期間への繰り越しも可能としており、みずからの事業所における削減を誘導する制度設計としております。
 次に、事業者への評価、公表制度の活用についてでございますが、現行の地球温暖化対策計画書制度では、対象事業所の提出した計画書や報告書に基づいて、都が温暖化対策への取り組みを評価し、事業所名とその主な取り組みについてホームページなどで公表しており、今月上旬には、優良事業者に対する初めての知事表彰を行いました。
 また、よい評価を受けた事業所に対しましては優遇金利を適用する金融商品も生まれるなど、評価、公表制度は、事業者の取り組みの促進に一定の効果があったものと認識しております。
 新しい削減義務制度の効果的な運用のためにも、積極的に削減に取り組む事業者が社会的に評価されることが重要であり、これまでの経験を踏まえ、評価、公表制度の活用を図ってまいります。
 最後に、電球形蛍光灯の普及啓発についてでございますが、都は、昨年夏から、都内の電器店やコンビニエンスストアなどと連携し、白熱球一掃作戦を展開しております。この取り組みを開始して以来、電球形蛍光灯の販売個数が大幅に増加し、コンビニエンスストアにおいてもメーカー希望小売価格の半額程度で販売されるようになるなど、普及拡大が進んできております。
 今月末からは、都内の地下鉄各駅やコンビニエンスストアなど約一千店舗で、電球形蛍光灯への取りかえを促すポスターを掲示し、PRを行う予定でございます。
 今後、電球形蛍光灯の製造販売事業者や、先般設置した地球温暖化防止活動推進センター及び区市町村と連携し、より一層の普及啓発に努めてまいります。
   〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕

○都市整備局長(只腰憲久君) 渋谷川の再現についてでございますが、渋谷駅周辺では、交通結節機能の強化などが課題となっておりまして、都は、地元区などと駅施設等の再編整備の計画について検討を行っております。
 お話の渋谷川の水を地表に流すことなどにつきましては、駅前広場の機能の確保や治水上の観点などから、技術的な課題が多いものと考えられます。
 本地区の渋谷川のあり方につきましては、引き続き、さきの検討の中で、地元区などと研究してまいります。 

〇副議長(石井義修君) 四十五番吉原修君。
   〔四十五番吉原修君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○四十五番(吉原修君) それでは、来月開催されます北海道洞爺湖サミットについてお伺いをいたします。
 八年ぶりに日本で開催される今回のサミットでは、世界各地にさまざまな災害を引き起こしている地球温暖化への対策、アメリカのサブプライムローン問題に端を発した世界経済の減速、原油を初めとする資源の高騰、急速に深刻さを増してきた食糧問題など、世界で直面している喫急の問題について激しい議論が行われるものと思います。
 世界共通の課題解決に向けて、世界をリードする国々が一歩でも二歩でも前に踏み出すために、議長国である日本の力が試される場になるのではないでしょうか。
 日本はこれまで、独自の技術革新を続け、環境や省エネ技術など、さまざまな分野で世界の繁栄に責献してきたことや、ODAなどを通じ、発展途上国に対する経済協力にも積極的に取り組んできました。今回のサミットによって、福田首相が議長国としてその役割を果たし、成果を出すことができれば、日本がこれまで果たしてきた実に多くの国際貞献が結果的に再認識され、日本に対する評価は大きく変わることになると思います。
 同時に、二〇一六年オリンピック・パラリンピックの立候補都市に決定した東京が、これから臨む厳しい招致レースへの大きな追い風にもなると思います。政府には、議長国としてのでき得る限りの采配を振るってほしいと期待をしているところです。
 そこで、知事に、間もなく開催されます洞爺湖サミットに対しての所見をお聞かせいただきたいと思います。
 次に、スポーツ振興について伺います。
 知事は所信表明で、スポーツ振興基本計画を夏に策定すると発表いたしました。スポーツを軸とした都市づくり、だれもがスポーツに親しむ社会の実現という理念のもとに基本計画を策定されることと思います。
 当然、障害者スポーツもこの計画の範疇に入るものと思われますが、基本計画を策定されるに当たり、障害者スポーツをどのような形で位置づけるのか、お伺いをいたします。
 世界に通用するトップアスリートを育成する方策や、また、子どもから高齢者までの多くの都民がスポーツに親しみ、楽しめる方策に加え、顕著な成績やスポーツ振興に功績を残した対象者に対する表彰制度の充実も大変重要であります。見解を伺います。
 スポーツの祭典、オリンピック・パラリンピックでは、人種、障害の有無に関係なく、トップアスリートの目覚ましい活躍に世界が熱く沸きます。それは、想像を超えて大きな勇気と希望を感じ、多くの感動を覚えるからです。
 四年前、石原知事は、間髪を入れず、早速アテネオリンピックでの都民の金メダリストに東京都栄誉賞を贈り、表彰いたしました。都民のだれもが異論なく、結果を出した金メダリストに拍手を送り、栄誉をたたえたものです。
 パラリンピックの精神は、すべてのスポーツの礎です。そして今やパラリンピックは、競技性が高く、おせっかいな感情を必要としない大会であります。自立をし、社会参加を見事に果たしながらのパラリンピック金メダリストの活躍も、数々の障害を克服してきた結果ではないでしょうか。
 健常者であろうと障害者であろうと、レベルの高い技術や並外れた強い精神力を競技を通じて発揮して、結果を出したパラリンピック金メダリストには同等の価値があり、同等の称賛を送るべきと考えます。
 間もなく開催される北京オリンピックでの東京都栄誉賞の選考時には、表彰規則にのっとって、オリンピックの金メダリストはもちろんのこと、パラリンピックの金メダリストにも、同様の表彰をして栄誉をたたえるべきと思います。見解を伺います。
 次に、観光政策について伺います。
 都は、観光を新たな産業として観光産業振興プランを策定し、二〇一六年までに年間一千万人の外国人旅行者が訪れる東京を目指して、世界に誇る東京の魅力を発信しています。東京には、江戸以来の独自文化や、近年、外国人にも気軽に受け入れられてきた豊かな食、ナノテクノロジーを初めとする世界最高の技術など、多様な集積があります。
 昨年、外国から見た日本の観光スポットとして、ミシュランの日本版旅行ガイドが初めて出版されました。都内では、三つ星がついたスポットが九つ、二つ星が三十二、一つ星が三十、無印が百三ありました。中でも、この都庁舎や国際フォーラム、明治神宮、高尾山など、近代的なものから伝統的なものまでありました。特に高尾山は、外国人にとっても大きな魅力のスポットであることを知らされました。
 このように海外から日本の観光スポットを評価されるのはまれでありまして、海外から見た東京のイメージを、今後、海外セールスに生かしていくことも大変重要であると思います。
 そこで、外国人から見た評価を都としてどのように受けとめているのか、また、今後、観光にどのように生かしていくのかをお伺いいたします。
 また、都内には、まだまだ十分知られていない観光資源がたくさんあると思います。例えば、行政が直接かかわりを持っている文化財でも、国指定や都の指定、さらに、区市町村指定を合わせると約六千三百件にもなります。こうした貴重な観光資源を精査して、外国人旅行者向けにもっとPRするとともに、施設の入場料の割引なども含め、訪れやすい環境をつくることは、都の役割が最も大きいものです。
 各局連携して全庁的に検討していくべきと思いますが、見解をお伺いいたします。
 同時に、直接外国人旅行者とかかわりを持つ旅行事業者の役割も大変重要であり、都内にある観光資源をいかに理解をしてセールスしてもらえるかが大切だと思います。日本の宿泊事業者が外国人宿泊者にアンケート調査をした結果、断トツに多かった回答が、もっと広告や情報を提供し、プロモーションすべきとのことでありました。
 観光資源を幅広く知り得ている都として、シティセールス時以外にも、旅行専門業者と定期的に情報を共有する取り組みをしていくべきと考えますが、所見をお伺いいたします。
 次に、公営交通について伺います。
 地元の大きな期待を乗せて、荒川区の日暮里駅と足立区の見沼代親水公園駅を結ぶ新交通日暮里・舎人ライナーが、去る三月三十日に開業いたしました。開業日は、マスコミにも大きく取り上げられていましたが、始発前から駅に長い行列ができるほどの人気で、その日の利用は約七万人を超えたとのことです。
 そこで、ライナー開業後の利用状況と今後の見通しも含め、見解をお伺いいたします。
 開業して実際にライナーを利用したからこそ出てくる多くの改善要望もあろうかと思います。我が党でも、ライナー沿線の足立、荒川、北区の各地元の都議から、ダイヤ改正に関して強い要望が出ております。開業前の公営企業委員会の質疑においても、我が党の高島議員から、早朝やラッシュ時間帯などのダイヤについては、開業後の実態利用に合わせ、早期の改正も検討していくべきではないかと問題提起をいたしました。
 そこで、開業後の利用状況を踏まえ、交通局としてライナーの運行ダイヤについてどのように考えているのか、ダイヤ改正の予定があるのかどうなのか、伺います。
 公共交通にとっては、利用者本位のサービスの提供はもちろん重要ですが、安全・安心の確保は何よりも大切です。
 来月七日からは洞爺湖サミットが開催されますが、今回のサミットは、平成十三年のアメリカでの同時多発テロ事件以降、国際的なテロの脅威が高まっている中での開催となります。サミットはテロリストにとって格好の攻撃対象であり、我が国がテロの標的となる可能性も否定できません。
 平成十七年のイギリスのグレンイーグルズサミットでは、首都ロンドンにおいて地下鉄、バスをねらった同時多発テロ事件が発生したことがありました。今回のサミットにおいても、開催地から離れた首都東京が標的となる危険性があります。
 東京都も、先日、都議会も参加してのテロ防止東京会議を開催し、知事を本部長とするテロ警戒推進本部を設置して、サミット開催に向けて、行政と地域団体、公共機関、事業者団体などによる官民一体となった警戒の強化に取り組んでいます。
 首都東京の交通網の一角を担う交通局としても、輸送の安全確保のために、サミットに向けての万全のテロ対策をとる必要があると思いますが、所見を伺います。
 次に、生物多様性の保全について伺います。
 東京は、世界的にも有数の大都市であるにもかかわらず、奥多摩などの山地、丘陵部の谷戸、里山、市街地の雑木林、島しょの原生的な自然など、多種多様な自然環境があります。
 しかし、開発など緑の減少に伴う生物の生息、生育地の減少などによって、生物の多様性が脅かされています。特に希少野生動植物については、絶滅の危機に瀕している種もあり、確実に保護していかなければなりません。国のレッドリストや東京都のレッドデータブックは、まさに希少野生動植物を保護するための基礎資料です。
 町田では、平成十五年、桜の新種でホシザクラが発見されました。ホシザクラは絶滅の危機に瀕している種として、昨年、国のレッドリストに早速掲載されました。
 都では、平成十年三月、レッドデータブックを作成いたしましたが、作成以来改定することなく十年が経過しています。
 そこで、こうしたホシザクラのような都内の希少野生動植物の新たな情報を都民に広く知っていただくために、早期に改定すべきだと思いますが、今後の取り組みについて伺います。
 改定するに当たっては、希少野生動植物の現状を可能な限りきめ細かく把握して、精度を高めていくことが重要だと思います。そのためには、文献情報の収集や整理に加え、都内の各地域において、希少野生動植物に関しての情報を都民や団体、研究者などから広く集めることも必要ではないでしょうか。
 現在でも、ホシザクラについて、町田市在住の地域の皆さんがグループをつくり、保護、保全をしたいという目的を持って分布状況を調査し、まとめています。このように、他の地域でも都民が新しい貴重な情報を整理している可能性も十分にあると思います。
 そこで、今回の改定作業の中では、こうした希少野生動植物に関する情報についてどのように把握していくのか、伺います。
 希少野生動植物を守り、生物多様性を保全することは、東京の貴重な自然環境を次代に引き継いでいく上で極めて重要なことであります。
 希少野生動植物の保護をしていくためには、レッドデータブックを改定することはもちろんでありますが、開発などの危機にさらされるような場合には、都としても強い配慮を求めるなど、希少野生動植物の生息、生育環境を確保していくことが必要であると考えます。
 見解をお伺いいたしまして、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 吉原修議員の一般質問にお答えいたします。
 洞爺湖サミットについてでありますが、サミットの重要テーマである地球温暖化問題に限っても、日本は、太陽光発電や東京の驚異的に低い漏水率など、世界をリードできる高い技術を保有しております。
 また、東京メトロ副都心線の安藤忠雄さんのアイデアによる新しい渋谷駅のように、冷暖房の装置を装着せずに、自然換気のための巨大な吹き抜け穴を持つような、非常に斬新なすばらしいアイデアも備えております。
 そうしたみずからの力を、正確な文明観に基づいて正確に認識し、それを踏まえた上で国家としての戦略を展開していくことが必要であると思います。
 サミットでは、各国がそれぞれの国益を構えて厳しい交渉になると予想されますが、政府には、議長国として、日本と世界の将来を切り開く覚悟を持って洞爺湖サミットのかじ取りを担ってもらいたいものだと思います。
 また、主題の環境問題に加えまして、ご指摘のように、原油、穀物、諸物価の高騰を引き起こしている市場原理主義にのっとった金融の過剰なマネーゲームの動向なども、これはやはり先進国が合議して、ある抑制をする、規制をするといったことも積極的に考えて、具体的な施策も講じてもらいたいと思っております。
 なお、他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君登壇〕

○生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君)
 スポーツ振興に関する三点の質問にお答えいたします。
 まず、スポーツ振興基本計画における障害者スポーツの位置づけについてでありますが、これまでも、障害のある方々の健康増進や社会参加を促進するため、関係局と連携し、障害者スポーツの振興を位置づけてきました。
 今回の計画では、これに加え、平成二十五年に開催される全国障害者スポーツ大会や、その三年後に控えたオリンピック・パラリンピックの招致を見据え、障害者アスリートの競技力向上についても、関係局と検討し、明確に位置づけてまいります。
 こうした取り組みを通じて、障害の有無にかかわらず、だれもが分け隔てなくスポーツに親しむことができる社会、スポーツ・フォア・オールの実現を目指す所存でございます。
 次に、スポーツ表彰の充実についてでありますが、世界のトップアスリートが競うオリンピック・パラリンピックで活躍し、優秀な成績をおさめることは、多くの都民に夢と感動を与えるものであり、アスリートを目指す人々の励みともなるものでございます。
 一方、スポーツ・レクリエーションの普及振興に長年にわたり貢献した功績をたたえることは、スポーツの振興を図る上で重要なことであります。
 今後、障害者も含めた、だれもがスポーツに親しめる社会を目指す観点から、関係局と連携し、スポーツ表彰の充実を図ってまいります。
 最後に、東京都栄誉賞表彰についてでありますが、東京都栄誉賞は、特に顕著な業績により、広く都民に敬愛され、社会に明るい夢と希望と活力を与え、東京都の名を高めた者に対して、その栄誉をたたえて表彰する制度であります。
 ご指摘のとおり、オリンピックの金メダリストと同様、パラリンピック金メダリストも、一人のアスリートとして、その持てる力を最大限発揮し、都民及び社会に大きな夢と希望を与えてくれた点では同じであると認識しております。
 北京オリンピック・パラリンピックにおいて、こうした優秀な成績をおさめた該当者がいる場合には、東京都栄誉賞の選考の対象となるものと考えているところでございます。
   〔産業労働局長佐藤広君登壇〕

○産業労働局長(佐藤広君) 観光振興に関する三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、外国人から見た東京の観光スポットの評価とその活用についてですが、ミシュランガイドにおきまして都内で三つ星のついたスポットは、近代的建築物から豊かな自然にまで及んでおりまして、東京の多様な魅力が改めて評価されたものと認識をしております。
 これまでも都では、シティーセールスやコンベンション誘致などのさまざまな場面におきまして、海外からの評価を踏まえ、東京の多様な魅力を発信してまいりました。
 これらに加えまして、今年度は、魅力ある都内の観光スポットや旅行者向けの支援策につきまして、新たに都内在住の外国人から意見や提案をお聞きしまして、観光資源のPRや受け入れ体制の整備に生かしてまいります。
 次に、観光資源の活用についてですが、東京には、外国人にとって魅力ある貴重な文化財などが多数ありますことから、これらを観光資源として活用していくことは極めて重要であります。これまでも、多言語化したウエブサイトや、ハンディーガイドにより文化財の紹介などを行いますとともに、美術館や博物館など、施設の入場料の割引も行ってきたところであります。
 今後、ウエブサイトのより一層の充実や割引施設の拡充を図るほか、文化財などを活用した誘致促進策について関係各局で検討いたしまして、外国人旅行者がより訪問しやすい環境を整備してまいります。
 最後に、民間事業者との情報の共有についてですが、外国人旅行者の誘致を促進するためには、行政と民間が一体となった観光振興策を展開していくことが重要であります。海外へのシティーセールスの実施に当たりましては、都と観光事業者がともに開催地に赴きまして、海外の旅行会社との商談会やセミナーを行っております。
 また、毎年、海外の観光関連出版社や旅行事業者などを東京に招きまして、東京の観光の魅力に直接触れる機会を提供することによりまして、現地のメディアによる情報発信や旅行商品の開発を促してきているところでございます。
 今後、ご提案のありました国内の旅行業者などとの定期的な情報交換の場を設けまして、民間事業者との連携を一層強化して、外国人旅行者の誘致を促進してまいります。
   〔交通局長島田健一君登壇〕

○交通局長(島田健一君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、日暮里・舎人ライナー開業後の利用状況と今後の見通しについてであります。
 開業当初は、新聞、テレビなどマスコミに大きく取り上げられ、また、地元区主催の記念イベントが開催された影響などもあり、予想を超える多くの方々にご利用いただきました。その結果、四月の利用者数は月間で約百六十万人となり、順調なスタートを切ることができました。
 今後は、開業当初に比べ、利用者数も落ちついていくものと思われますが、引き続き、多くのお客様にご利用いただけるよう、PRやサービスの向上に努めてまいります。
 次に、日暮里・舎人ライナーの運行ダイヤの考えとダイヤ改正の予定についてであります。
 日暮里・舎人ライナーのダイヤにつきましては、各駅の需要予測、車内の混雑率等を考慮するとともに、夜間の保守作業に必要な時間を確保して設定したものであります。
 しかし、開業後約二カ月間の利用状況を見ますと、朝夕の一部ラッシュ時間帯の混雑率が高い状況にあります。また、早朝、夜間のダイヤの見直しを求めるお客様の声も多くいただいております。
 こうしたことから、お客様の利便性の向上を図るべく、始発時間の繰り上げ、朝夕ラッシュ及び夜の時間帯の増発を内容としたダイヤ改正を、七月を目途に実施してまいります。
 最後に、サミットに向けてのテロ対策についてであります。
 交通局では既に、今回のサミットに向けまして、都のテロ警戒推進本部の発足に合わせ、局長の私をトップとする交通局テロ警戒推進本部を設置し、対策を段階的に強化しているところであります。
 具体的には、警察、消防等と合同で実践的なテロ対策訓練を実施するとともに、駅構内、列車内において警備員を大幅に増強し、早朝から深夜まで、きめ細かく巡回等の警備を実施してまいります。また、都バスにおきましても、車内やターミナル等での警戒を強化し、不審物等の早期発見に全力を挙げてまいります。
 今後とも、国や警察、消防等の関係機関や、東京メトロなど他の交通事業者とともに、密接に連携を図り、テロ対策に取り組んでまいります。
   〔環境局長吉川和夫君登壇〕

○環境局長(吉川和夫君) 生物多様性の保全に関する三点のご質問にお答えいたします。
 まず、レッドデータブックの改定に向けた取り組みについてでございますが、東京都版レッドデータブックは、平成十年に、希少野生動植物の保護を図っていくことを目的に策定いたしました。その後、一定の年数が経過している中、希少野生動植物の生息、生育状況も変化していると考えられるため、今般、レッドデータブックを改定することといたしました。
 今後、希少野生動植物に関する情報の分析、評価等を行うため、できるだけ早期に、研究者等で構成する検討会及び野生動植物の分類に応じた専門部会を設置し、文献調査、必要に応じた現地調査などの重層的な調査を行い、より精度の高い改定版を策定してまいります。
 なお、国が策定したレッドリスト等につきましても、都のホームページを活用いたしまして、都民に情報提供してまいります。
 次に、希少野生動植物に関する都民等の情報の把握についてでございますが、希少野生動植物について独自に現地調査を行った都民、団体、研究者等が有する情報は、レッドデータブックの精度を高めていく上で有益でございます。また、希少野生動植物に関する情報提供を広く都民等に呼びかけ、協力を得ていくことは、野生動植物の保護の機運を高めていくことにもつながるものと考えております。
 そこで、今回の改定作業に当たっては、都がみずから実施する文献調査に加え、この秋から、希少野生動植物に関する情報を都民等から広く募集し、複合的な情報収集を行っていくことで、東京都版レッドデータブックの精度をより一層高めてまいります。
 最後に、希少野生動植物の生息、生育環境の確保についてでございますが、都はこれまで、東京都版レッドデータブックを基礎資料として活用し、自然保護条例に基づく開発許可制度や保全地域の指定により、希少野生動植物の生息、生育環境の確保に努めてまいりました。
 今後とも、開発により希少野生動植物の生息、生育環境が脅かされるような場合には、開発許可制度により、開発計画そのものにまでさかのぼって希少野生動植物に対して配慮を求めるなど、強く事業者を指導し、東京に残された希少野生動植物の保護に努めてまいります。 

〇議長(比留間敏夫君) 八十三番東野秀平君。
   〔八十三番東野秀平君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○八十三番(東野秀平君) 初めに、財政運営に関連して質問します。
 平成十年度決算で一千億円を超える赤字を計上するなど、危機に瀕していた都財政は財政再建を達成し、ようやく十年後の東京を見据えた施策が展開され始めました。一方で、昨今の社会経済環境は、景気の減速が鮮明になり、都財政が再び厳しい局面に陥ることが懸念されるとともに、生活必需品の値上がりが生活費を圧迫するなど、都民生活にも悪影響が及んでいます。
 このような中にあって、都財政には、財政再建の成果を積極的に活用して、将来に目を向けた施策を戦略的に展開することとあわせ、都民生活を守るために喫緊の課題に的確にこたえていくことが重要であります。さらには、過去の経験を教訓として、今後予想される困難な局面への適切な備えを行うという、一見相反し、複合する課題に同時に対応していくことが求められています。
 私は、こうした課題を解決するには、限られた財源で実施する事業が、むだなく、都民生活のために最大限の効果を発揮できるよう、施策の実効性を高めていくことが重要なかぎであると考えますが、所見を伺います。
 また、備えという点では、これまでの厳しい財政再建の取り組みにおいては、巨額の財源不足の解消に主眼が置かれていました。今後は、質に重点を置いた改革に軸足を移し、生活者であり、サービスを受ける都民の視点から日常業務を検証し、改善していく不断の取り組みが必要であります。
 我が党が主張してきた新たな公会計制度や事務事業評価などは、これら質に重点を置いた改革を行うために大変に有効なツールであります。
 こうしたツールを活用した成果として、債権管理条例が本年第一回定例会で制定されました。債権管理条例が施行されれば、貸付金等のうち、的確に回収が進むものや、放棄せざるを得ないものの状況が正確にわかります。一例として、十八年度決算で初めて明らかになった百八十九億円の不納欠損引当金など、いわゆる焦げつきの金額を含めた都の資産の状況を、都民の前により明確に示していくことも可能となるはずであります。
 債権管理の一層の適正化に向けては、庁内が一丸となって、債権の発生から回収までの取り組みを強化するとともに、やむを得ず債権を放棄する場合であっても、その透明性を確保していくため、議会への報告が必要であると考えますが、今後の債権管理の取り組みについて見解を伺います。
 次に、周産期医療について伺います。
 都内の分娩取扱医療機関は、平成二年九月の三百九十四施設から、平成十七年九月には百九十二施設へと半分以下に激減しています。さらに、分娩機能を取りやめたり、産科の入院医療を休止する病院が出ています。こうした現状を打開するための具体策について、三点お尋ねいたします。
 出産にかかわるさまざまな医療機関等は、適切に役割分担し、妊娠から出産、新生児への対応などを地域全体で支えていくという体制が大変に重要であります。
 都のモデル事業として、港区にある愛育病院においては、通常の妊婦健診等は地域の産科医院などが行い、急変時の対応等の医療提供は病院が行うという連携がとられています。これにより、妊娠、出産の安全を確保しながら双方の負担を減らすことができたと聞いております。
 こうした取り組みを都内全域に拡大していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、安心・安全のお産には、産科医、新生児科医の存在が欠かせません。しかし、過酷な労働環境や訴訟リスクの増加などが医師不足に拍車をかけ、解決に向けた即効薬は見出せません。
 こうした中で、即効性の高い取り組みとして期待されるのが女性医師への支援です。都立病院や公社病院では、本年七月より、子育て中の女性医師や看護師を対象とした、当直免除や短時間勤務の導入などが始まります。
 また、大阪の厚生年金病院では、院長の強力なリーダーシップのもと、休暇制度の充実や短時間勤務の導入を積極的に推進し、女性医師や看護師が働きやすい病院ということで全国的に有名になっています。
 こうした事例などを踏まえ、都としても、安心・安全のお産の場を確保していくためにも、女性医師の定着や再就業のための施策を一層充実させ、女性が働きやすい環境、職場をつくり、後押ししていくことによって医師の確保を図るべきと考えますが、見解を伺います。
 一方、産科における医師不足に対応していくためには、助産師に対する期待が日ごとに高まっています。院内助産所は、緊急時の対応ができる医療機関において助産師が分娩を扱うもので、妊婦にとって安心してお産ができるというメリットがあります。また、専門職として助産師の活躍の場が広がり、従来よりも多くの妊産婦に対応できるなど、医師不足を補える効果も期待できます。
 実際、昨年十月、我が党の提案で、公社荏原病院にこの院内助産所が開設しました。これまで既に五件の分娩があり、利用した妊婦さんから、同じ女性の目線で細かい相談ができたとか、ふだん、なかなか聞けないことが安心して聞けたなどの声が寄せられています。
 このように、院内助産所の活用など助産師の活躍の場を広げていくことは非常に大切であると考えますが、都の見解を伺います。
 次に、視覚と聴覚の重複した障害のある盲ろう者について何点か伺います。
 およそ十五年前、盲ろう者の福祉向上に取り組まれていた、東京盲ろう者友の会の活動の草分け的存在であった福島智さんから初めて連絡をいただき、その苦労に満ちたお話を通訳者を介して伺いました。
 視覚と聴覚の重複障害といえば、ヘレン・ケラーのことが思い浮かびます。サリバン女史というかけがえのない理解者、通訳介助者を得て、生涯にわたり、世界じゅうの人々に大きな感動を与える活動を展開しました。このことは、知事もよくご存じと思います。
 コミュニケーション手段が著しく限られる重複障害の方々。光もなく、音もない海の底に生きるような存在であると自身を表現される彼らに対する知事の思いをまず伺います。
 十五年前には、盲ろう者の存在そのものが社会によく認知されておらず、まして、ボランティアの通訳介助者による指点字、指文字と呼ばれるコミュニケーション手段だけで、辛うじて意思疎通の道が保たれている実態もほとんど知られていませんでした。
 都議会公明党は、この問題の重要性と支援の必要性を強く意識し、いち早く平成六年及び平成七年、都議会本会議の質問において強く支援を求め、平成八年度より、全国で初めて、盲ろう重複障害者への通訳介助者の派遣、養成補助事業が開始されました。
 その後、平成十三年度に補助事業から委託事業に切りかえられる等の見直しが行われました。見直しの目的と内容、さらに、派遣や養成実績の推移を明示していただきたいと思います。
 さて、この事業の開始から十年余りが経過し、この間、医療制度などの大幅な改革が行われ、また、交通機関や消費生活など、社会生活環境の変化も目覚ましいものがあります。今日のこうした状況を勘案し、派遣団体の自主事業とされてきた通訳介助者の養成を都が支援するよう我が党から求めたところ、早速、先ごろ実現の運びとなりました。
 そこで、今回、本年度予算に上乗せする形で養成事業を支援することに至った理由、経緯を明らかにしていただきたいと思います。
 さらに、都の養成事業において重要なことは、通訳介助者が盲ろう者のよりよき理解者となることであり、また養成講習においては、通訳介助者の資質の向上が着実に達成されなくてはなりません。所見を伺います。
 今後とも、通訳介助者の継続的な養成確保に向けた、都の安定的かつ持続的な支援を強く要望しておきます。
 次に、チャレンジ支援貸付事業について質問します。
 都議会公明党は、ことし三月の予算特別委員会において、都が平成二十年度からの三カ年で約三百億円を投じて実施する低所得者生活安定化プログラムについて、その重要性を指摘し、充実と継続を求めました。都はこれにこたえ、利用者の心理に配慮し、名称を生活安定化総合対策事業に改めるとともに、低所得世帯の子どもたちの塾代等の貸し付けを内容とするチャレンジ支援貸付事業の実施に向け、窓口となる区市町村との協議を進めていると仄聞しています。
 貧困から貧困への負のスパイラルを断ち切るためには、子どもたちが親の所得に左右されることなく、将来自立した生活を営めるよう、意欲や能力に応じて必要な支援と機会が提供されることが重要です。
 現状からの脱却を目指して、額に汗して働く人々の未来に希望の光をともす意味でも、都は早急にチャレンジ支援貸付事業の内容を明らかにすべきです。都の説明を求めます。
 また、貸し付けである以上は、返済が伴うことは当然であります。しかし、低所得状態にある家庭の子どもたちへの支援であることを考慮すると、例えば、意欲を持って取り組んだ姿勢が認められた場合、返済免除の条件が緩和されれば、大いに励みになると考えます。都の見解を求め、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 東野秀平議員の一般質問にお答えいたします。
 視覚と聴覚の重複した障害者についてでありますが、我々は日常、視覚と聴覚を駆使しながら他者とコミュニケートしているわけであります。その両方を欠く、いわば二重、三重苦を負うたヘレン・ケラー女史が世界の人々に大きな感動を与えたことは、人間の可能性の奥深さを物語るものであると思います。
 私も子どものころ、戦後間もなくでしたけれども、ニュース映画で来日したヘレン・ケラーさんの映像を見て、非常にショックを受けたのを今でも覚えております。
 こうした障害のある方々に、一人一人が我が身になぞらえて思いを至らせ、支援の手を差し伸べていくことが大切であると思います。
 都としても、コミュニケーションの確保を支援して、これらの方々の社会参加を一層促進していきたいと思っております。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔財務局長村山寛司君登壇〕

○財務局長(村山寛司君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、実効性の高い施策の構築についてでございますが、財政再建を達成した現在、都財政には、将来の東京を見据えた施策を積極的に推進するとともに、都民生活が直面する課題にしっかりと対応していくことが従来にも増して求められております。
 これを財政面から裏打ちする上では、財源の確保はもとよりでございますが、予算の編成や執行の過程を通じて、事業目標の達成度や費用対効果をつぶさに分析し、事業の実効性を一層高めていくことが重要となります。
 今後の財政運営に当たりましては、お話のように厳しい局面も想定されるわけでございますが、そうした財政環境の変化のもとにあっても、必要な都民サービスの水準を確保し、都政が果たすべき役割を着実に担っていけますよう、お話のございました事務事業評価などを活用いたしまして、財源を最大限有効に生かせるよう、施策を継続的に磨き上げていく取り組みをより一層強化してまいります。
 次に、条例制定に伴う債権管理の取り組みの強化についてでございますが、現在、七月の条例施行に合わせまして、各局に債権管理者を置くとともに、副知事をトップとした局横断的な会議組織を設置し、庁内の連携や情報の共有化を図るなど、全庁的な債権管理の体制強化に向けて準備を進めております。
 こうした体制のもと、今後、従来にも増して徴収努力を行っていくわけでございますが、最大限の努力を尽くしてもなお回収不能となった債権につきましては、条例に基づき放棄の手続を行い、適切に欠損処理を行うことといたします。
 また、債権放棄の内容につきましては、放棄を行った年度の決算の提出とあわせ、第三回定例会において議会への報告を行い、行政としての説明責任を果たしてまいります。
 今後とも、債権管理条例に基づきまして、債権管理の一層の適正化に全庁を挙げて取り組んでまいります。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) 八点についてお答えをいたします。
 まず、周産期医療における連携についてであります。
 お話の都のモデル事業を通じて、地域の診療所と、比較的リスクの高い分娩を扱う病院とが機能に応じた役割分担と連携を進めることは、出産の安全性の確保や、医療機関の負担軽減などの観点から有効であるというふうに認められたところでございまして、このため、都におきましては、こうした医療連携を進めるためのツールとして、本年三月に連携ガイドラインを作成いたしました。
 今後、都内各地域で、この連携ガイドラインを基本に、周産期母子医療センター、病院、診療所、助産所等によるネットワークグループを立ち上げまして、地域の医療施設等が協力して安全・安心な周産期医療を提供する体制を構築してまいります。
 続きまして、女性医師が働きやすい環境づくりについてであります。
 女性医師が働き続け、また、離職しても容易に復職できることは、医師確保対策においても重要なことと考えております。
 都においては、今年度から、医師勤務環境改善事業として、短時間勤務の導入や当直体制の見直しなどの勤務環境の改善、離職中の医師一人一人のキャリアや状況に応じた研修の実施など、女性医師確保のための医療機関の取り組みを支援してまいります。
 また、こうした医療機関の主体的な取り組みを進めていくためには、管理者の理解が不可欠なことから、秋には管理者に対する講習会を開催いたします。
 次に、院内助産所の活用についてであります。
 緊急時対応が可能な医療機関で行う院内助産は、医師の業務軽減に資するほか、助産師という専門職種が妊産婦にきめ細かくサービスを提供できるという面で重要な役割を担っていると考えております。
 このため、都は、今年度から院内助産所の施設整備補助を行うなどの支援を行ってまいります。
 なお、助産師を含めた医療人材の活躍の場の拡大について、国に対して提案要求をしてまいります。
 次に、盲ろう者通訳介助者の派遣、養成事業の実績についてでありますが、この事業は、平成八年度に、実施団体への補助事業として開始をしたものであります。
 その後、利用者の増加に対して適切に対応するため、平成十三年度に、通訳介助者の派遣について、その規模を拡大し、都からの委託事業とするとともに、養成につきましては、事業を安定的に継続する上で必要な通訳介助者が確保されたことから、団体の自主事業といたしました。
 事業の実績を平成八年度と平成十八年度で比較いたしますと、利用登録者数は三十人から七十四人へ、通訳介助者の登録数は百六十四人から三百九十人へ、延べ派遣時間数は約千八百時間から約二万三千七百時間へと着実に増加をしております。
 次に、通訳介助者養成事業への支援についてであります。
 これまで、通訳介助者の派遣時間数を拡大し、一定の成果が上がってまいりましたが、お話のように、近年、社会の諸制度や生活環境に大きな変化が生じてまいりました。視覚障害と聴覚障害が重複するために、コミュニケーション手段が特に限られる盲ろう者にとっては、これらの社会変化を正しく理解し、的確にこたえられる通訳介助者による支援の必要性が高まってきております。
 このため、高い資質を持った通訳介助者の養成が急務と判断し、改めて事業への支援をすることといたしました。
 次に、通訳介助者の養成講習についてでありますが、養成に当たりましては、盲ろう者の困難な日常生活について十分理解することが重要でございます。その上で、通訳介助者の資質の向上を図るためには、高度な通訳技術に加えて、障害者自立支援法によるサービスの利用方法や利用者負担などについて正しい知識を習得すること、さらに、医療保険、年金などの社会保障制度や消費生活に関する知識なども必要となってまいります。
 このため、都は、盲ろう者に必要な情報を事業実施団体に提供するなどして、幅広い知識を持った通訳介助者を養成することができるように支援をしてまいります。
 次に、チャレンジ支援貸付事業についてであります。
 この事業は、将来の自立に向け、意欲的に取り組む子どもたちに、文字どおりチャレンジする機会を与え、支援することを目的としてございます。具体的な内容といたしましては、高校三年生、中学三年生がいる低所得世帯を対象に、子どもたちの学習塾や通信講座などの受講料、また大学受験料を無利子で貸し付けるものであります。
 事業の実施に当たりましては、東京都社会福祉協議会が区市町村の相談窓口を通じて申請を受け付け、貸し付けを行うこととしており、現在、区市町村等と緊密に連携しながら、早期の実施に向けた準備を進めております。
 最後に、ただいまの貸付金の返済についてでありますが、ただいま申し上げた本事業の趣旨を踏まえ、お話のように、本人が高校や大学等に入学するなど、一定の要件を満たす場合には返済を免除することについて検討してまいります。 

〇副議長(石井義修君) 十二番伊藤ゆう君。
   〔十二番伊藤ゆう君登壇〕

○十二番(伊藤ゆう君) 初めに、東京都が年に一千台から一万台程度契約するパソコンリース契約について伺います。
 私は、行政が導入しているパソコン費用の妥当金額を調査するため、比較検討しやすい目黒区と世田谷区の入札事例を調査いたしました。平成二十年、目黒区は六百三十台のパソコンを九千八百二十二万円、一台当たりにすると十四万八千七百円で契約していることがわかりました。対して、世田谷区では三百七十台を二千四百七十五万三千円で契約しており、一台当たり、何と六万六千九百円の安値であったほか、ネットで調べた限りでも、台東区、足立区、葛飾区が一台当たり十万円を切って導入しております。
 そこで、平成十九年度に東京都が行った入札結果を調べたところ、都は、一千六十一台のパソコンを二億四千七百九十三万円余りで契約しており、一台当たりにすると二十三万四千円余りになることがわかりました。
 ソフトや契約内容の違いが金額差を生んでいるものと思いますが、パソコン経費にこれほどの影響が出るほど、都と区の行政事務の違いはあるのでしょうか。これほど高額になる理由を伺います。
 パソコンリース業界では、メーカーからの仕入れがすべてといわれております。大規模な案件になればなるほど、メーカーとの連携力が物をいうため、台数が大口の入札では、大手電化メーカー傘下の大手リース会社しか応札できない事情があると聞きます。
 世田谷区では、三百七十台という規模の小さいものだったために、在庫を抱えた小規模リース会社が廉価で応札できたものと考えられます。大規模一括発注が、かえって市場の競争を阻んでいるのではないでしょうか。
 世田谷区の事例に倣い、少しでも安く購入できる方策を再度検討し直すべきだと考えますが、所見を伺います。
 次に、東京しごと財団について伺います。
 財団では各種印刷物を発行していますが、「気軽にストレッチ体操」というパンフレットがございます。このパンフレットは、インストラクターがストレッチの方法を紹介する全十六ページのフルカラーですけれども、製作コストは八十万円、一部当たりにすると一千六百円程度でした。十六ページのものが一部千六百円とは高額ですけれども、発行部数と配布先を聞き、不可解に思いました。
 発行部数はわずかに五百部。配布先は、都内五十八カ所のシルバー人材センターや四十六の道府県連合本部など計百九十三カ所で、残りの三百七部は財団に残す仕組みとなっております。
 つまり、実質必要な百九十三カ所のために八十万円以上の支出を行っており、これを一部当たりに換算すると、一部四千百四十五円の冊子ということになります。ストレッチしているのは体ではなくて、むだな支出ではないかと思うほどであります。書店ではストレッチ体操というタイトルの専門書が売られていますが、これは一部一千二百円で百四十四ページもあります。
 財団がわざわざ仕事をふやし、発注する理由がどこにあるのでしょうか、伺います。
 百九十三カ所の配布先で、どのように活用されているのか調べてみました。配布先の区の担当者に、今どのように保管されているのか問い合わせたところ、もう既に廃棄したということでありました。また、別の配布先の千葉、神奈川両県のシルバー人材センター連合会では、郵送されてきた記録も残っていないといいます。せっかくつくったこのパンフレットは、行く先々で廃棄処分されています。
 五百部刷ったこのパンフレットは、一体だれの何のために制作されているのでしょうか、伺います。
 さらに、財団は、このパンフレットの印刷業者と販売委託契約を結び、パンフレット一部につき二百円で二万部以上販売させています。しかし、書店で販売されているわけでもないこのパンフレットを一体だれが購入しているのでしょうか。多くは、東京しごと財団に連なる市区町村のシルバー人材センターのようであります。つまり、財団がつくった冊子を市区町村のシルバー人材センターが買う仕組みになっているのであります。
 ストレッチ体操の方法は、ネットで調べれば星の数ほど出てきます。わざわざ財団がつくり、市区町村が税金で買う仕組みをつくる必要はないものと思います。
 ほかの監理団体においても、印刷物、広報物、研修などに隠れたむだがないか、徹底した見直しが必要と思います。所見を伺います。
 次に、都のシティーセールスについて伺います。
 日本は既に人口減少社会に入り、二〇八〇年には人口六千万人に半減するといわれています。アジア一だった日本の市場価値は、人口減少社会にあって下降線をたどり、ほうっておいても人、物、金が海外から押し寄せてくる時代は終わろうとしています。
 市場価値が減退する中で、いかにすれば外国人が東京に足を運ぶかを真剣に考える時期に来ています。仕事をするなら東京で、外国人にこのように思わせるシティーセールスが求められていますが、物を売るには、何を売るかと同時に、だれに売るかというマーケティングが当然問われます。
 ある調査によれば、この十年間に訪日したアメリカ人は六十万から八十万人の微増、イギリス人、フランス人は十万から二十万人前後の横ばいである一方、中国人は二十六万人から八十一万人と三倍増になり、韓国人は百万人から二百万人に倍増し、圧倒的一位でありました。
 シティーセールスとは、相手あってのことであります。「十年後の東京」で一千万人の外国人旅行者を目指すならば、漠然とした外国人ではなく、どの国の人たちにどれくらい来てほしいかと考えるのか、具体的なターゲットと数値目標を設定するべきではないでしょうか。都の考えを伺います。
 「十年後の東京」が指摘するとおり、今後、著しい伸びが見込まれる東アジアへの旅行者をどれだけ東京に誘致できるのかが大きなテーマであります。都内宿泊施設の英語対応は進んでいますが、韓国語、中国語に対応できる宿泊施設は、一部の高級ホテルに限定をされています。外国人旅行客にとって言語の壁は大きな問題であります。
 都の観光部では、東アジアからの旅行者誘致に取り組み始めたと聞いていますが、どのホテルが韓国語、中国語対応になっているのかわからないのでは、話になりません。韓国語、中国語に対応するホテルの実態調査は行われているのか、伺います。
 また、多言語対応施設の一覧表やマップづくりも有効と思いますが、所見を伺います。
 香港、マカオ、ソウル、上海、台北、シンガポールなどアジアの諸都市は、東アジア人旅行者をターゲットにしのぎを削り、各都市の強みを生かしております。韓国は、タクシーの初乗りが百六十一円、ソウル市内にカジノを建設し、集客を図っています。もはや、ひとりよがりのシティーセールスは通用しません。各都市と東京都の比較調査が重要と思います。
 ところが、都の観光部では職員の海外調査がなく、年に二回の東京のプロモーションに伴い海外出張した際も業務に追われ、その都市の特徴もつかめぬまま帰国しているのではないかと思います。
 せめて観光部門の都職員には、東京のプロモーション機会に海外滞在時間を延ばし、諸都市の強みを体験させ、比較検討させる必要があるのではないでしょうか。所見を伺います。
 人口減少社会で東京の市場価値が低下する中、世界のビジネスマンをいかに東京に引き寄せるかは喫緊の課題であります。アジア五都市のビジネスマンの意識調査によれば、現在のビジネスの中心都市はとの問いに、香港、上海、東京、シンガポールの順に二、三〇%で横並びですが、五年から十年後のアジアの中心都市を尋ねたところ、五五%のビジネスマンが上海と答えています。
 上海圧勝と見る背景には、急速なインフラ整備と貿易センタービル群の大建設にあります。貿易中心地域では、わずか十七年で六本木ヒルズの十倍以上の面積を再開発し、国際空港まで七分のリニアモーターカーでつなぎ、各国の金融機関を誘致しています。
 自分の国の金融機関のない地域に進出をする海外の企業は多くありません。特に成長目覚ましいインドなどアジアの企業誘致には、アジアの金融機関の誘致が不可欠であります。そこで、東京に支店を持つアジアの金融機関を調べてみました。その結果、中国の銀行が三行、証券会社はゼロ社、インドの銀行が二行、証券会社はゼロ社、韓国の銀行が二行、証券会社は一社と極めて低調、これが世界の東京かと疑いたくなる結果でありました。
 対して上海では、現時点で既に、韓国の銀行が五行、証券会社は三社、インドの銀行四行が進出し、東京を凌駕しています。このように、上海は国際金融都市を標榜し、急速なインフラ整備と再開発により、アジアから多くの人々や企業を迎え入れるべく、総合的な施策を展開し、その存在感を増しつつあります。
 一方、知事は、早くからアジアの可能性に注目し、アジア大都市ネットワーク21をつくり、東京が牽引役となって、都市連携による地球環境への取り組みを初めとするさまざまな問題に取り組み、東京の存在感を高めてきました。
 二十一世紀は都市の世紀といわれ、既にさまざまな分野で都市間競争が激しくなってきています。アジアの企業や人々が魅力を感じ、訪れたくなる東京を目指していくことが必要と考えますが、知事の所見を伺います。
 次に、盗聴行為について伺います。
 個人のプライバシー保護が強化される中、重大な見落としが盗聴行為にあります。電気街に行けば、八百屋が野菜を売るように盗聴器が陳列され、一個三万円前後の高性能をうたった盗聴器が堂々と売られています。販売台数は四十万台に達し、売買を禁止している韓国など、海外にも大量に輸出されているのが実態であります。
 盗聴器は個人のプライバシーを侵すばかりではなく、ストーカー犯罪の助長にもつながる卑劣な機器ですが、日本には盗聴行為を規制する法律がなく、取り締まりは、高出力波を使用したときの電波法違反か住居侵入罪に限られ、低出力波の盗聴は、ラジオを聞くのと同じ合法行為になっています。
 例えば、別れ際の男性が交際女性の自宅に仕掛け、女性の私生活を盗み聞きしていた場合、女性の許可を得て住居に入っていますので、住居侵入罪での立件が簡単でないものと一般に受けとめられています。この男が、盗聴によって新しい交際男性の登場を知って激高し、女性に危害を加える可能性も大いにあります。また、被害女性は、盗聴に気づいても、取り締まり条例がないため、警察への相談をためらう人が多いといいます。
 警視庁は、こうした実情を踏まえ、被害相談を含めてどのような対応をとれるのか、伺います。
 また、悪質業者が盗聴器の発見を偽装し、高額な撤去料金をだまし取るという事例も出ているそうであります。こうした手口に対する注意喚起を要望いたし、質問を終了したいと思います。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 伊藤ゆう議員の一般質問にお答えいたします。
 魅力のある東京の実現についてでありますが、アジアは近年目覚ましい経済発展を遂げ、米国、EUとともに世界経済の一つの極をなしつつあります。
 アジアの地域間競争が激化する中にあっても、東京は、持っているポテンシャルをこれまで以上に生かし、経済成長の著しいアジアにおけるリードオフマンとしての役割を果たしていくべきだと思いますが、どうも国全体の施策のおくれというものは非常に、ご指摘のように、東京に出店している銀行の数、証券会社の数の他市との比較を見ても、極めておくれておりまして、私たち折節に、じだんだを踏む思いもしておりますが、なかなかこれがリカバーできません。
 東京から提唱して発足したアジア大都市ネットワークも、地球温暖化対策、危機管理、感染症対策など、アジアの直面する喫緊の課題解決に向けて、国境を越えた都市間連携を先導してはきました。
 今後さらに、東京のすぐれた技術や経験をアジアの高度な人材育成に生かすなど、東京の存在感を高めていきたいと思いますが、やはり都市の時代とはいえ、国そのものがそういう意識を持ちませんと、都市の努力も生きてはきません。
 東京だけではなしに、ご指摘にもあったように、幾つかすぐれた日本の技術というものは、世界にこれから普遍する可能性を持っていながら、どうも日本人というのは、自分の長所、特性というものを説明し、いい意味で喧伝する姿勢というものを持ち合わせておりません。
 非常に歯がゆい思いを私たちはしているわけでありますが、今後とも、例えばこのアジア大都市ネットワークなどを活用しまして、各都市との結びつきを深めるとともに、羽田空港の国際化や横田基地の軍民共用化を通じて、何といっても人の行き来、国際的な行き来が物を運び、知識を運び、財を運ぶわけでありまして、そういう点では、東京の空のアクセスというのは非常に、他の大都市に比べて劣っていると思いますから、羽田も強引に新しい滑走路をつくらせましたし、横田も今、腐心しているわけでありますが、いずれにしろ、そういった都市発展、国家発展のための文明工学的、基本的なアクセスというものも、国が本気になって動いてくれませんと、都市一つの力では、なかなかままならぬものがございます。
 いずれにしろ、今後も、人と物の流れを一層活発化することによりまして、すぐれたビジネス環境を構築し、東京が誇る多彩な魅力を広く発信していくことで、アジアの企業や人々があこがれ、訪れたくなるような都市である東京を実現していきたいと思っております。
 現に、都庁の二階のフロアを見ましても、展望台に上がる方々の中のほとんどの人がアジアの方々でありまして、これも非常に心強い表示ですけれども、しかし、それをただ眺めて満足するだけでは済まない問題でありまして、今後も多角的に努力をしていきたいと思います。
 他の質問については、警視総監及び関係局長から答弁いたします。
   〔警視総監矢代隆義君登壇〕

○警視総監(矢代隆義君) 盗聴行為への対応についてお答えいたします。
 盗聴行為は、個人のプライバシーを侵害するだけでなく、ストーカー犯罪等の助長にもつながる悪質な行為であります。
 警視庁では、盗聴に至る一連の行為の中で、犯罪の構成要件に該当する事案があれば、当然これを検挙することとしており、これまでにも、他人の住居に無断で侵入して盗聴器を設置した行為を、住居侵入罪及び電波法違反事件として検挙しているところであります。
 盗聴行為については、今後とも、あらゆる法令を適用して取り締まりに努めるとともに、これに関する相談につきましても、適切に対応してまいります。
   〔総務局長押元洋君登壇〕

○総務局長(押元洋君) パソコンの調達に関するご質問にお答えいたします。
 まず、都のパソコンの調達単価についてでございますが、パソコン等の調達に当たりましては、パソコンだけの単体で調達をするのか、必要なソフトウエアなども含めて調達するのかといったことや、リースか買い取りかの違いなどにより、当然価格が異なってくるものでございまして、結果としての調達価格だけで単純に価格の高低を比較できるものではないと考えております。
 具体的には、都におきましては、業務執行に必要なアプリケーションソフト、セキュリティーに万全を期するためのウイルス対策ソフト、保守サポート契約などを含めたリース調達となっているなど、お話のありました自治体とは調達内容が大幅に異なっております。
 なお、パソコンだけの単体価格を計算して比較した場合、都の調達価格は、他の自治体と比べても問題のない水準となっていると考えております。
 いずれにいたしましても、都のパソコン調達は、WTO案件の手続に基づき、必要な調達仕様を広く公開し、競争入札を経た公正なものでございまして、適正な価格であると認識をしております。
 次に、パソコンの調達方式についてでございますが、都庁の共通ネットワークシステムで使用するパソコンにつきましては、統一的な管理、運用の確保、調達事務の効率化、確実性といった観点から、全庁で一括して調達することを原則としております。こうした大規模一括発注は、スケールメリットを生かした合理的かつ経済的な手法であると認識をしております。
 今後とも、パソコン技術の進展や市場の動向なども踏まえ、経済的かつ効率的な調達に努めてまいる所存でございます。
   〔産業労働局長佐藤広君登壇〕

○産業労働局長(佐藤広君) 七点のご質問にお答えをいたします。
 まず、東京しごと財団におけるパンフレットの作成についてですが、パンフレット「気軽にストレッチ体操」は、シルバー人材センターの会員の方が事故なく安全に就業できるよう、一般向けの専門書と異なりまして、ストレッチ体操を高齢者向けにわかりやすくコンパクトに解説をし、広く普及させるため、独自に作成したものでございます。
 作成に当たりましては、財団の自主事業として有償頒布をしていくということといたしまして、これまでに約三万部を販売しております。
 なお、財団が支出した八十万円は、このパンフレットの企画、編集費やPR用に作成した分の印刷経費でありまして、有償頒布したことによりまして、既に作成コストを上回る収入を確保しております。PR用に作成した部数のみをもって、一部当たり四千百四十五円であるとか、むだな支出だとするご指摘は当たらないものと考えております。
 パンフレットを作成した目的についてですが、財団が印刷した五百部は、都内外のシルバー人材センター等に広く普及させるとの観点からPR用として配布すること、また、関係機関からの問い合わせにこたえて、随時見本として提供することなどを目的として作成したものでございます。
 さきに申し上げましたとおり、有償分で既に約三万部が販売されているのは、こうしたPRの結果でありまして、ストレッチ体操を通じて安全就業を促進するという当初のねらいは達成されていると考えております。
 パンフレット作成の必要性についてですが、このパンフレットは、各シルバー人材センターの自主的な判断に基づき購入をされており、約三万部が販売されたことから見ましても、作成の必要性は十分あったものと考えております。
 なお、しごと財団を初めとする監理団体が、経費の支出に当たり、むだがないように努めることは当然のことでありまして、これまでも各種経費が合理的、効率的に支出されるよう指導監督をしております。
 次に、外国人旅行者の誘致についてですが、外国人旅行者の誘致活動は、訪日旅行者数や旅行目的地としての東京への関心度など、誘致活動の対象となる国や各地域の実態に即した手法で取り組むことが効果的であると考えております。
 都はこれまで、東京への関心が比較的低い欧米、オセアニアに対しましては、都内観光事業者とともに赴きまして、現地の旅行業者を集めた商談会やセミナーを独自に開催することなどを内容とするシティーセールスを実施してまいりました。
 一方、東京への関心が高く、既に観光事業者間で一定のビジネスが成立しておりますアジア地区におきましては、都内観光事業者の現地旅行会社への訪問を支援してまいりました。今年度からさらに、現地旅行会社向けに東京の観光スポットの写真素材集を提供するなど、事業者の取り組みを支援することによりまして、東京への旅行者数の拡大を図ってまいります。
 次に、韓国語、中国語への対応についてですが、都内の多くのホテルにおきましては、英語による外国人旅行者対応を基本としておりますが、最近では、新たに韓国語、中国語に取り組むホテルも増加していると聞いております。
 都としましては、韓国語、中国語など四言語併記の外国人旅行者向け応対・標記事例集などを作成いたしまして、都内の宿泊施設の求めに応じて配布するとともに、実務に即した接遇研修を実施してきたところでございます。
 次に、多言語対応施設の一覧表やマップについてですが、多くの外国人旅行者を迎え入れるためには、多言語による受け入れ体制の整備が必要であります。都は現在、八言語によるハンディーガイド、ハンディーマップを作成いたしまして、その中で、観光施設等のホームページでの対応言語の状況を掲載しております。
 最後に、海外諸都市の実態把握についてですが、海外からの旅行者誘致活動に当たりましては、各都市の実情や旅行者に関する情報を踏まえた取り組みを行うことが重要であります。
 これまで、シティーセールスの実施都市につきましては、事前のマーケティング調査や関係機関等から必要な情報の収集を行ってまいりました。
 今後も、外国人旅行者の誘致促進を図るため、海外諸都市の情報収集に努めまして、効果的な誘致活動を展開してまいります。

○副議長(石井義修君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
 午後三時九分休憩

 午後三時三十一分開議

○議長(比留間敏夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 二十六番高橋信博君。
   〔二十六番高橋信博君登壇〕

○二十六番(高橋信博君) 初めに、横田基地の軍民共用化について質問をいたします。
 先日、国土交通省が首都圏空港における国際航空機能拡充プランを発表いたしました。その中で、増大する航空需要に対応するため、成田空港と羽田空港を首都圏空港として一体的に運用、活用していくことが打ち出されております。
 このプランを裏づけるデータとして、昨年六月に発表されました国土交通省の報告書によれば、二〇〇五年から二〇一二年までの航空需要の年平均伸び率は、国内旅客が一・一%、国際旅客が三・六%、国際貨物が三・九%となっております。
 このような航空需要の増大に対して、国土交通省は当面、二〇一〇年の羽田再拡張等による発着枠の増枠で対応するようですが、その後おおむね十年後には、再び空港容量が満杯になると予想しております。
 つまり、羽田と成田の二空港だけでは首都圏の航空需要を受けとめ切れないため、横田基地の軍民共用化を実現し、首都圏の空港機能を補完する必要があるわけでございます。
 また、両空港の位置は首都圏の東部に偏っており、首都圏の適正な空港配置という観点からも、首都圏西部に位置する横田基地の活用は不可欠でございます。
 これについては、山梨県からも、横田は羽田や成田に比べ格段に近く、県民だけでなく、本県を訪れる多くの観光客にも大きなメリットがあるとして、横内山梨県知事みずからが先頭に立ち、軍民共用化の実現を強く要望されております。
 このように、横田基地もあわせて首都圏空港と位置づけ、軍民共用化を実現することによりまして、世界じゅうから、もっとたくさんのお客様を迎えることができ、東京や山梨、埼玉、神奈川などの航空利用者の利便性が飛躍的に向上いたします。したがって、軍民共用化の実現は喫緊の課題です。
 一方、軍民共用化に関する日米協議については、引き続き継続されるとはいえ、米側の態度はかたくなで、進展が見られない状況です。
 この困難な状況のもとで、改めて横田基地の軍民共用化に向けた石原知事の決意を伺います。
 首都圏の航空需要が増大傾向にある中、横田基地の軍民共用化の意義はますます高まるばかりです。最近、周辺の武蔵村山市が、軍民共用化の効果について調査結果を発表したところです。その報告書によれば、空港関連産業の立地や新規雇用の増加に加え、民間ターミナルビルの整備や交通インフラの整備による経済波及効果などが期待されております。
 軍民共用化は、多摩に空の玄関を開き、人と物の流れを活発化させていくだけでなく、地域産業の活性化や雇用の促進にもつながるものです。軍民共用化が実現すれば、基地周辺の道路などの交通インフラ整備が加速されることに私自身も大きな期待を寄せております。
 このように、本プロジェクトが地域の振興にもたらす多大なメリットを発信して、広範な理解を得ながら、軍民共用化の実現を図っていくことが重要と考えますが、所見を伺います。
 次に、緑の創出と農地保全についてお聞きいたします。
 都では、「十年後の東京」への実行プログラム二〇〇八で緑の創出に取り組んでいますが、その際、東京産の緑化用植木を積極的に活用する取り組みを進めていくと聞いております。いわゆる緑の地産地消でございます。
 緑化用植木は、都市に潤いを与えることは当然です。加えて、緑化用植木を都内で生産し、公共事業などで使用することは、生産地からの輸送距離が短く、温暖化ガスの排出が少ないことや、植木が二酸化炭素を吸収、固定することなど、地球温暖化防止に効果のある取り組みとして評価に値するものと考えます。都内のすべての公共事業で必要な緑化用植木を都内の生産量で賄うことは難しい状況ではありますが、少しでも多く都内産で賄うことが大切です。
 そこで、今後、都は、都内の緑化用植木の生産をどのように拡大していくのか、伺います。
 また、東京の緑化を推進するためには、農地を保全することも極めて重要であります。
 現在、十分に利用されていない農地、いわゆる遊休農地は、そのままにしておくと、農地でなくなる可能性が高くなります。このような遊休農地を活用し、農地を保全するためには、地域住民の協力を得ることも一つの方法だと思います。
 例えば私の地元小平市では、菜の花プロジェクトとして、市と市民と農家の三者で協力し、人手不足の農地で、花が楽しめ、菜種油も搾れる菜の花の栽培をしており、このような取り組みも参考にしていただければと思います。
 都内には、四百ヘクタールを超える遊休農地が存在しております。農地の保全の観点から、都では遊休農地対策にどのように取り組んでいるのか、伺います。
 次に、玉川上水の周辺など、多摩地域の平地部に残された緑の保全について伺います。
 私の地元小平市などを流れる玉川上水は、江戸時代初期に江戸市中への給水を目的としてつくられた延長四十三キロメートルに及ぶ上水で、平成十五年に、江戸、東京の発展を支えた歴史的価値を有する土木施設、遺構として、国の史跡に指定されております。そして、史跡であると同時に、水と緑の空間として都民に親しまれ、学校教材にも取り上げられるなど、非常に貴重な都民の財産であります。
 しかし、残念ながら近年、玉川上水の周辺の雑木林が宅地開発などにより失われつつあります。かつて上水沿いには、短冊状に雑木林や農地が広がっていました。緑が減少しているのは、何も玉川上水だけの問題ではありません。特に多摩地域の平地部の緑が減少しているのではということを実感しております。
 一度失われた雑木林などの緑を回復させることは不可能といっても過言ではありません。しかし、私は、今ならまだ手の打ちようがあると思います。
 都は、このように多摩地域の平地部に残された、貴重な面的にまとまりのある雑木林などを後世に残していくために、積極的に保全していくべきと考えますが、ご所見を伺います。
 多摩地域には、やはり減少傾向にあるとはいえ、丘陵地や斜面地などに、まだ相当の広さの雑木林などが残されております。私は、こうした雑木林などを守るために、幾つかの制度について調べてみました。
 一例を挙げますと、都内のほとんどの自治体が持っている保存樹木、保存樹林制度があります。これは、一定以上の大きさの樹木や一定面積以上の樹林地について、所有者の申請に基づいて自治体が指定し、その維持管理費相当分を補助するというものです。
 ところが、この制度では、指定の解除が所有者の意思に任されているのが実態であり、相続などの際に指定解除され、樹林地が売却されるケースが多くあります。
 そのほかにも市民緑地制度がありますが、これも強制力の弱い、最終的には開発から守ることが難しいものです。
 そうした中にあって、都の自然保護条例に基づく保全地域制度は、一度指定されると永久的に開発から守られ、最終的には土地所有者の申し出に基づいて都が土地を公有化するという、樹林地を守る上で極めて強い制度であります。
 もちろん、都の財政負担などの問題はありますが、私は、東京に残された緑を守るために、保全地域制度を積極的に活用すべきと考えますが、ご所見を伺います。
 ただいまは、開発からいかにして緑を守るかということを述べてきましたが、次の段階として、開発が行われる場合の対応についてです。
 当然のことながら、すべての開発がよくないということではありません。我々の社会生活をよりよいものにしていくためには、再開発事業や区画整理事業などは有効な都市開発手法であり、今日の東京の発展は、こうした開発の上に成り立っております。しかし、私は、こうした開発の際にも、可能な限り多くの緑を残していくべきであると思います。
 開発に際して緑を守る制度としては、自然保護条例に基づく開発許可制度があります。いわば緑を守る最後のとりでともいうべき制度ですが、この制度の強化も視野に入れた見直しを行うべきと考えますが、ご所見を伺います。
 緑の重要性については、議論の余地はありません。ぜひとも東京都の積極的な対応をお願いいたします。
 次に、伝統文化、郷土芸能に対する支援について伺います。
 都内各地域には、国の重要無形民俗文化財に指定されている江戸の里神楽を初めとして、神田ばやしや武蔵御嶽神社太々神楽など、長い歴史の中で生まれ、保存、継承されてきたさまざまなおはやしや神楽、和太鼓などが存在しております。
 郷土芸能は、親から子へ、子から孫へというように、地域社会の中で受け継がれてきたものであります。地域のお祭りなどは、生活の一部となっています。
 ところが、社会の少子高齢化や生活様式の変化などに伴い、近所づき合いも希薄化している今日では、その継承が難しくなってきております。
 一つは、後継者問題であります。お祭りに積極的に参加し、太鼓やおはやしをやってみようという子どもたちが減ってきています。子どもの絶対数が少なくなっている状況の中において、都としての取り組みが必要と考えます。
 二つ目は、それを教える指導者の高齢化という問題もあります。きちんと教える人がいなくなれば、伝統は途絶えてしまいます。
 初めに、こうした郷土芸能の保存、継承について都の認識を伺います。
 次に、今後、こうした貴重な郷土芸能を継承していくためには、後継者や指導者の確保、育成が重要であると思いますが、都として支援する考えはないか、見解を伺い、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 高橋信博議員の一般質問にお答えいたします。
 横田基地の軍民共用化についてでありますが、軍民共用化は、我が国の国際競争力を強化し、国力を維持するために不可欠な国家プロジェクトだと思います。
 横田基地においても、平時は余裕のある滑走路を民間利用することは、日米関係の強化につながる極めて象徴的な取り組みでありまして、日米双方の国益にもかなうものであると思います。
 にもかかわらず、交渉の土壇場まで来まして、米側は、特に軍でありますけれども、基地の軍事運用上の課題を指摘して、軍民共用化に積極的に対応しようとしませんが、これはいずれも、分析してみますと、解決可能な事項ばかりであります。
 ことし三月末、杉山委員会が主催した横田基地軍民共用化推進セミナーでも、米国の国防総省のOB、これは元の将軍であります。また、国務省のOB、これはヨーロッパの有力な国の大使を務めた人ですが、これらのスタッフが、こうした課題に的確に対応していけば、軍民共用化は実現可能であると示唆してもくれました。
 日本側としても、今までの交渉の基本的姿勢をちょっと変えまして、ウィン・ウィン、つまり相手側の取り分も考えるという姿勢で、今後交渉を推進していきたいと思っております。
 国とともに、基地周辺の活用も視野に入れまして、米側からの指摘にも適応できる、対応できる説得力のある具体案を検討し、米側に早急に提示していきますが、何分、向こうの政権も終えんの寸前でありまして、これはやはり、具体的な交渉は新しい政権が誕生してからのことと思っております。
 先日、外務省の新旧事務次官と意見の交換を行いました。日米協議を前進させることの必要性を再確認いたしました。
 今後とも、国と都が一枚岩となって米側に働きかけ、軍民共用化の早期実現を図っていきたいと思っております。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔知事本局長大原正行君登壇〕

○知事本局長(大原正行君) 横田基地の軍民共用化が地域にもたらす効果について申し上げます。
 軍民共用化の実現は、首都圏西部地域の航空利便性の向上はもとより、横田基地周辺の産業活性化や雇用の増大などにつながるだけでなく、多摩地域が首都圏の中核拠点として発展していくことにも大きく寄与いたします。
 また、空港アクセスなど交通網の整備や周辺のまちづくりが促進されまして、これらの効果は、多摩地域のみならず、横田に近接いたします埼玉、神奈川、山梨にも波及してまいります。
 ご指摘のとおり、軍民共用化は、こうした点で地域振興に大きな効果をもたらすものと考えられます。
 都といたしましては、騒音対策等の課題への対応に配慮しつつ、今後とも、積極的な広報や意見交換などを通じまして、地域にもたらす効果を広く訴え、地元を初め広範な理解と協力を得ながら、軍民共用化の早期実現を目指してまいります。
   〔産業労働局長佐藤広君登壇〕

○産業労働局長(佐藤広君) 緑の創出と農地の保全に関する二点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、緑化用植木の生産拡大についてですが、都内で緑化用植木の生産をふやすことは、地球温暖化防止や農業振興の観点から大変重要であるというふうに考えております。
 都では、苗木の生産供給事業におきまして、緑化用植木の公共事業への供給量を、現在の二十五万本から来年度は三十万本へ拡大をしてまいります。また、今年度からは、都内産緑化用植木の利用を促進するため、都内産の種類や数量等の情報を関係する事業者に積極的に提供してまいります。
 現在、都市の狭い空間への植栽が可能な植木の研究を行っておりまして、今後、この普及にも努めてまいります。
 都は、これらの施策に加えまして、引き続き栽培施設の整備支援を行いますとともに、生産者に対する技術指導を強化し、都内産緑化用植木の生産拡大を図ってまいります。
 次に、遊休農地対策についてですが、農地保全のためには、農地の遊休化防止と遊休農地の再生利用を図ることが極めて重要であります。
 このため、都は、高齢や労働力不足などで耕作が困難になった農家に対しまして、農作業を受託する団体などをあっせんをし、農業が継続できるよう支援するとともに、農業体験を希望する都民には遊休農地を紹介しております。
 こうした取り組みによりまして、ソバや小麦の栽培、また市民農園の開設などの成果があらわれてきております。
 今後とも、区市町村や農業団体との連携を深めるとともに、農家や都民への情報提供、助言など、遊休農地対策の取り組みを強化してまいります。
   〔環境局長吉川和夫君登壇〕

○環境局長(吉川和夫君) 緑の保全に関する三点のご質問にお答えいたします。
 まず初めに、多摩地域の緑についてでございますが、ご指摘のとおり、東京の緑は減少傾向にあり、多摩地域などの平地部に残された緑は特に貴重であると認識しております。
 このため、都は、緑あふれる東京の再生を目指し、現在、緑の東京十年プロジェクトを全庁横断的に推進しており、今ある緑の保全と新たな緑の創出に積極的に取り組んでおります。
 今後とも、武蔵野の面影を残す玉川上水沿いの雑木林など、多摩地域の平地部の貴重な緑を保全するため、関係局と連携しながら多角的な取り組みを進めてまいります。
 次に、保全地域制度の活用についてでございますが、東京の緑を守るためには、都がさまざまな施策を重層的に展開する必要があるのはもとより、あわせて、地元自治体や住民の参画が大切でございます。
 お話の保全地域制度は、指定区域内の開発行為を原則として認めず、自然の保護と回復を図り、最終的に地権者の意向により都が公有化する、緑を守る上で非常に強力な制度でございます。
 今後とも、都は、地域の緑の実態と価値を熟知する地元自治体に、用地取得や維持管理などについて一定の役割を担っていただくことにより、保全地域制度を有効に活用し、多摩地域などにおける緑の保全に一層積極的に取り組んでまいります。
 最後に、開発許可制度の見直しについてでございますが、緑あふれる東京を実現するためには、都民、企業等、さまざまな主体と協働して、あらゆる工夫により緑を創出するとともに、今ある緑の減少をできるだけ食いとめ、保全していくことが重要でございます。
 都はこれまで、自然保護条例に基づく開発許可制度により、開発により損なわれる自然を最小限にとどめるなど、緑の確保に努めてまいりました。
 現在、開発に際し、できるだけ多くの緑を確保していくため、東京都自然環境保全審議会において、開発時に緑地として確保すべき面積の基準の引き上げを含め、開発許可制度の見直しについての検討が進められておりまして、今後、その結果を踏まえ、制度の充実強化を図ってまいります。
   〔生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君登壇〕

○生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君)
 伝統文化、郷土芸能に関する二点の質問にお答えいたします。
 まず、郷土芸能の保存、継承についてでありますが、おはやしや神楽、和太鼓などの郷土芸能は、各地域で受け継がれ、はぐくまれてきた貴重な伝統文化であり、地域のきずなを深める上でも重要な役割を果たしてきたところでございます。
 しかしながら、ご指摘のとおり、生活様式等の変化に伴い、子どもたちがこうした郷土芸能に触れる機会も減少し、指導者など地域の担い手も不足するなど、その保存、継承が難しくなってきております。
 郷土芸能は、それぞれの地域に根差した特色ある貴重な伝統文化であることから、都としても、東京に残された多彩で豊かなこれらの文化を保存、継承していくことは重要であると認識しております。
 次に、郷土芸能の後継者や指導者の確保、育成に向けた支援についてでありますが、伝統文化の継承、発展は、東京の文化の魅力を高める上でも重要であり、都は、後継者を育成するため、次代を担う子どもたちが伝統文化に触れ、身近に感じることを目的とした参加体験プログラムを実施しております。
 一方、郷土芸能は地域に根差したものであり、その保存、継承については、区市町村を中心とする各地域の取り組みが重要であります。
 今後、郷土芸能の後継者や指導者の確保、育成などについて、地元区市町村と連携しながら検討してまいります。 

〇議長(比留間敏夫君) 五十八番植木こうじ君。
   〔五十八番植木こうじ君登壇〕

○五十八番(植木こうじ君) 地球温暖化問題について質問します。
 今、世界規模で、地球温暖化に起因する異常気象や氷河の溶解による海面上昇などが自然環境と世界経済に深刻な打撃を与え、東京においても、時間当たり一〇〇ミリを超える集中豪雨や酷暑が日常茶飯事になっています。
 こうしたもとで、世界の国々が人類の未来をいかに救うかという立場に立って、緊迫感を持った温室効果ガス削減の取り組みを開始していることに注目する必要があります。
 EUを中心とした先進国では、バリ合意に基づいた二酸化炭素の野心的な削減目標を掲げた取り組みが進められています。イギリスは、京都議定書の基準年である一九九〇年比で一五・七%、ドイツは一八・七%も削減し、ロンドンは二〇二五年までに六割削減するという意欲的な取り組みを開始しました。
 ところが、京都議定書の会議を主催した日本の場合、長期的取り組みではラストランナーと酷評されているように、取り組みは大きく立ちおくれています。
 また、東京も、こうしたEU諸国、諸都市の取り組みに比べて、二酸化炭素が減るどころか、ふえ続けています。それは、石原都政のもとで、都市再生による大規模開発が推進され、見るべき地球温暖化対策が進められてこなかったからにほかなりません。知事、一九九〇年と比べて、既に一四・三%もふえている現状をどう認識し、反省しているのですか。
 また、都は、二酸化炭素削減の基準年を二〇〇〇年としていますが、EUではこんなことをやっていません。東京都がトップランナーとなるにふさわしいレベルを目標とするために、EU諸国やロンドンなどに学んで、基準年を一九九〇年にすること、二〇二〇年の削減目標を少なくとも三〇%以上に、二〇五〇年目標は七〇%程度とするべきではありませんか。
 さらに、ことしからスタートした二〇一二年までの京都議定書の第一約束期間中に、少なくとも六%削減に努めるべきではありませんか。知事、それぞれお答えください。
 東京都で二酸化炭素が減るどころか、ふえ続けている原因の第一は、石原都政が進める都市再生路線が挙げられます。このために、業務部門、オフィスビルでの二酸化炭素排出量は二〇〇〇年比で七%削減という低い目標ですから、二〇二〇年までの削減目標を達成できたとしても、九〇年比で見れば一二%も増加することになってしまいます。
 さらに、運輸部門は、都の見込みとは違い、都市再生で都心での自動車交通が十四万台もふえますから、減るどころか大幅に増加する危険があります。
 日本弁護士連合会は、提言で自動車総量抑制を掲げ、CO2排出削減を渋滞解消に求め、このための道路建設を進めるべきとする議論は有害なものといわなければならないと指摘しています。今求められているのは、サステイナブルシティー、すなわち持続可能な都市づくりです。
 知事、低炭素都市を実現するというのなら、都市の成長をコントロールすることは避けて通れないではありませんか、違いますか。
 具体的な取り組みに当たっては、部門別のきめ細かな対策が欠かせません。
 まず、業務部門についていえば、個々の大規模ビルの削減義務化は当然のこととして、大規模ビルの環境負荷を考えれば、少なくとも九〇年比で三割以上の削減目標とすることが必要です。そのためにも総量規制を行うべきです。
 また、スクラップ・アンド・ビルドの促進でなく、ニューヨークのように、新規建設を抑制し、大規模改修による長寿命化など修復型や、ビル建設時の廃棄物の抑制、再利用や、建物の断熱性能の拡充などによる省エネルギー型都市づくりへの転換を提案するものです。それぞれ答弁を求めます。
 ふえ続ける自動車対策は待ったなしです。ところが、今回提案された環境確保条例の改正案では、事前の環境審議会の答申で条例化を提案していたにもかかわらず、盛り込まれませんでした。環境確保条例に、自動車から排出される二酸化炭素対策を入れるべきです。
 さらに運輸部門では、都の基礎データを正す必要があります。それは、都市開発でふえる自動車の増加分を反映する必要です。
 もう一つは、石原都政になって基礎数から外してしまった、国際、国内線の航空機と船舶を算定することです。とりわけ航空機と船舶は、現実に全体の六%に当たる二酸化炭素を排出しているわけですから、排除する理由はありません。知事、きちんと積算して、それに基づく対策を講じるべきではありませんか。
 昨年、パリで開催された環境グルネル会議では、環境負荷の少ない交通体系への抜本的な転換として、貨物輸送の鉄道へのシフト、高速道路建設の凍結、排出量の少ない自動車への奨励金付与、航空輸送機は二〇二〇年までに四〇%削減など、具体策が提案されました。このように、自動車依存型からの脱却が世界の流れです。
 知事は就任直後に、山手線内側の自動車乗り入れ規制、ロードプライシングを提案しましたが、一体どうなったのですか。お手本にしたロンドンでは、公共交通への転換とあわせて、既に電気自動車の無料駐車場や無料充電スタンドなど、矢継ぎ早に対策を進め、自動車を減らしています。このように効果あるものをなぜやろうとしないのですか。
 また、交通対策は、貨物輸送へのシフト、バスレーンの確保、自転車専用道の設置などこそ重点にすべきではありませんか。それぞれ答弁を求めます。
 エネルギー対策も立ちおくれています。排出の大きな事業の一つが火力発電です。都内には、品川、大井の二カ所ありますが、削減義務の対象になっていません。
 国は今、燃料の石油を石炭にかえて、化学的処理を加えることで二酸化炭素ゼロ発電にする実験を行っています。都としても、化石燃料からの転換、再生可能エネルギーの拡充などを踏まえ、EUで効果が上がっている電力業者への削減義務化を導入すべきと考えますが、どうですか。
 都市を支えるエネルギーを地方や海外に依存するのでなく、みずから確保することが二酸化炭素削減の決め手となります。EUでは、再生可能エネルギーはほとんど域内で調達しているとのことです。
 東京のエネルギー自給率の目標を立て、太陽光、風力、バイオマス発電などを大胆に導入する取り組みを進めることが不可欠と考えますが、どうですか。
 世界都市を標榜する東京は、二十四時間の経済活動、社会活動が営まれるエネルギー消費都市となっています。東京を省エネルギー都市にするためにも、経済社会活動のあり方を再検討すべき時期に来ていると思いますが、どうですか。
 便利最優先のライフスタイルの改革も必要です。コンビニやスーパーなどの深夜営業の自粛、自動販売機や過度なネオンサイン、広告照明の抑制などに取り組むことを検討すべきと思います。
 また、各家庭でのソーラーパネルの取りつけへの支援、外断熱や地中熱の利用など、省エネ建築物の普及のための助成が求められています。さらに、低所得者世帯へのエコ電球の無料配布を行うべきと思います。それぞれ答弁を求めます。
 中小企業分野は、省エネを進める上でかぎを握っています。しかし、多くの中小企業は、原油、物価高騰などで経営が圧迫されており、環境対策に取り組む余力がないのが現状です。
 そこで、商店のLEDなどの省電力照明への切りかえ、工場や事業所の省エネ装置の導入のための改修などへの補助や、超低利の融資の拡充を進めることが温かい支援になりますが、どうですか。
 二酸化炭素を吸収する緑の喪失を食いとめることなしに、温暖化をストップすることはできません。ところが、石原都政のもとで、二酸化炭素を吸収する緑の対策はほとんど棚上げされてきました。二酸化炭素を排出するビルや自動車がふえ続ける一方、二酸化炭素を吸収する緑は減り続けています。
 かつて東京は、緑の倍増計画で、二十年間で一億本の樹木を提案したことがあります。また、横浜市では、苗木を配り、百五十万本植樹行動を呼びかけています。都として苗木供給を大幅に拡充し、都民参加で緑の倍増に取り組むべきではありませんか。
 都民一人当たり六平米しかない都市公園の倍増計画を立てるとともに、生産緑地の追加指定を積極的に行うことを提案するものです。また、南山などの里山開発は中止すべきです。
 最後に、全庁的な取り組みの問題です。
 都は、一九九五年に地球温暖化防止の推進計画をつくりましたが、石原都政のもとで棚上げされ、その後策定された環境基本計画と東京都気候変動対策方針も実効性に乏しいものです。改めて、法に基づいて中長期の目標、都の責務、分野ごとの年次計画、財源の裏づけなどを明確にした地球温暖化防止計画を策定することを提案します。
 知事の答弁を求め、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 植木こうじ議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、温暖化対策についてでありますが、都は、平成十二年に環境確保条例を制定し、全国に先駆けて、地球温暖化対策計画書制度や建築物環境計画書制度を導入いたしました。
 さらに、平成十七年に計画書制度を充実強化するとともに、家電の省エネラベルやマンション環境性能表示などを、国や他の自治体に先駆けて導入してまいりました。
 こうした取り組みと相まって、設備機器の省エネ化が進んだ結果、東京は既に、先進国の大都市の中ではエネルギー効率が最も高い都市になっております。
 ちなみに、東京の一人当たりのCO2の排出量は、ロンドンやニューヨークに比べ、二割から三割低くなっております。
 都は、このCO2をさらに大幅に削減するため、国に先んじて掲げた、二〇二〇年までに二五%の温暖化ガスを削減するという具体的な中期目標達成に向けて、今回、条例を改正するなど、実効性のある施策を着実に推進してまいります。
 次いで、温暖化防止の推進についてでありますが、都は、「十年後の東京」においてCO2削減の中期目標を設定し、全庁を挙げてカーボンマイナス十年プロジェクトを推進しております。今回提案しております削減義務化などの取り組みについては、国内外から高い評価を受けておりまして、実効性に乏しいというご指摘は全く当たりません。
 ちなみに、先般東京で行われました……(発言する者あり)黙って聞け。先般行われました東京でのシンポジウムで、同席しましたトニー・ブレア前英国首相は、東京都の気候変動に対する取り組みに敬意を表したい、世界的に見て、最も見るべきものがあると発言してくれました。
 都は、昨年度設置した地球温暖化対策推進基金を活用しながら、本年三月に策定した環境基本計画に基づき、今後とも取り組みを強力に推進してまいります。
 なお、お話の計画を策定する考えはございません。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔環境局長吉川和夫君登壇〕

○環境局長(吉川和夫君) 十二点のご質問にお答えいたします。
 まず、削減目標の基準年についてでございますが、基準年については、事業者などの取り組みを促進する上で最も合理的な年次を設定すべきであり、都は、条例の制定により大規模事業所のエネルギー消費量などを正確に把握できるようになった二〇〇〇年を基準年度といたしました。
 本年一月に発表されたEU委員会の新たな包括政策案におきましても、同様の理由により、二〇〇五年を基準年とした二〇二〇年目標が新たに導入されております。
 いずれにしても、 現在、国際社会において最も重要な課題は、中期目標の明確化と、それに向けた着実な取り組みでございます。
 次に、京都議定書の第一約束期間における地球温暖化対策についてでございますが、都は、今回提案しているCO2排出量の削減義務化と排出量取引制度を初め、我が国で最も強力な温暖化対策を推進しております。これらは、全国を牽引する先駆的なものであり、京都議定書の全国レベルでの六%削減にも大きく貢献するものと考えております。
 次に、業務部門の削減についてでございますが、このたび全面改定した環境基本計画において、二〇二〇年までに二〇〇〇年比で二五%削減するという東京全体の総量削減目標とあわせ、部門別の中期的な削減目標も設定いたしましたが、設定に当たっては、削減目標年である二〇二〇年に向けた、事務所ビルなど業務床の増や世帯数の増加、自動車交通量の動向なども見込んでおり、東京の都市活力の維持とCO2の大幅削減の両立を図ってまいります。
 次に、運輸部門の二酸化炭素排出量についてでございますが、都が取り組む気候変動対策は、都内の都市活動に伴う温室効果ガスの排出抑制を対策の対象とするため、航空、船舶では、排出量算定の国際ルールに準じ、都内運航量を基準に算定しております。
 なお、自動車のCO2排出量は、燃費の改善などにより、一九九七年度をピークに減少傾向となっております。
 次に、自動車交通のCO2削減の取り組みについてでございますが、CO2削減を進めるに当たっては、それぞれの都市の構造や交通状況等に応じた取り組みが効果的でございます。
 都は、世界最高水準の公共交通機関網を有しており、自動車への依存度が低いものの、その特徴を生かし、これまでも自動車交通量の抑制を進めるほか、低燃費車の普及等にも積極的に取り組んでまいりました。
 なお、ロードプライシングについては、迂回交通の確保など難しい課題がございますが、引き続き検討を行ってまいります。
 次に、削減義務の対象についてでございますが、東京はエネルギーの大消費地であり、都内CO2の排出量を減少させるためには、生産側ではなく、需要側でエネルギー消費を低減させる施策を進めることが効果的でございます。
 今回の条例改正案におきましても、この観点から、オフィスや工場など業務、産業部門の大規模CO2排出事業所への削減義務の導入を提案しているものでございます。
 次に、再生可能エネルギーの拡大についてでございますが、都は既に、昨年十二月に発表した「十年後の東京」への実行プログラムの中に、太陽エネルギーの導入拡大を目指す三カ年プロジェクトを位置づけ、太陽光発電や太陽熱機器についても飛躍的な普及を図っております。
 次に、経済社会活動のあり方についてでございますが、超高密な大都市である東京におけるさまざまな経済社会活動は、多くの企業や住民、あるいは東京を訪れるいわゆる昼間都民など、多くのエネルギッシュな行動の積み重ねであり、このあり方は、行政が一様に定められるものではございません。
 しかしながら、地球環境の危機にかんがみ、環境負荷の少ない都市の実現を目指すことが重要であるとの認識に立ち、本年三月に策定した環境基本計画では、東京において、都市間競争の中で人や企業に選択され続ける低炭素型の都市モデルの実現を目指すこととしております。
 次に、ライフスタイルの改革についてでございますが、知事が繰り返し表明しているとおり、既に都は、広告用照明の消灯など、省エネ、節電につながる具体的行動の実践に向けて、関係業界団体等と協議を進めております。
 次に、家庭に対する省エネ促進についてでございますが、都は既に、太陽光発電や太陽熱利用機器の拡大を図る仕組みづくりや、高効率給湯器の導入を図るための認定制度の構築と支援策の導入に取り組んでおります。
 なお、省エネはすべての家庭で行われることが望ましく、ご指摘のような施策を行う考えはございません。
 次に、中小企業の省エネ対策への支援についてでございますが、昨日も繰り返しお答えしておりますが、中小企業の省エネ支援策については、今後、具体的に検討してまいります。
 最後に、緑の都市づくりについてでございますが、都は現在、緑あふれる東京を目指して、緑の東京十年プロジェクトを全庁を挙げて積極的に推進しております。
 この取り組みは、都民、企業等と協働しながら、海の森の整備、街路樹の倍増、校庭の芝生化等による新たな千ヘクタールの緑の創出や今ある緑の保全などを行うものであり、今後とも、このプロジェクトを推進してまいります。
 なお、苗木の配布については、都民参加型のイベントなどで行っております。
   〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕

○都市整備局長(只腰憲久君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、低炭素型都市の実現に向けた取り組みについてでございますが、東京が環境と調和した国際競争力を有する都市であり続けるためには、計画的な都市施設の整備や都市機能の更新が不可欠でございます。
 こうした取り組みによりまして、慢性的な交通渋滞が解消され、CO2の削減が図られるとともに、建物の省エネ化や開発に伴う緑の創出などが促進され、都市活動に伴う環境負荷が低減されるものと考えております。
 今後とも、都市の更新を適切に進め、環境に十分配慮した高度な都市機能を備えた東京の実現を推進してまいります。
 次に、修復型や省エネルギー型の都市づくりについてでございますが、都はこれまでも、東京都建設リサイクル推進計画に基づき、建設廃棄物の再利用や建設発生土の少ない工法の採用など、積極的な発生抑制に取り組んでまいりました。
 また、都市の更新におきましては、建物の高断熱化を初め、効率の高い熱源機器の導入や下水熱の利用など、最先端の省エネ技術や未利用エネルギーの導入を積極的に促進しております。
 今後も、これらの施策を推進し、環境負荷の少ない都市を実現してまいります。
 次に、交通対策についてでございますが、東京には既に、世界に類を見ない高密度な鉄道ネットワークが形成されておりまして、環境負荷の軽減に大きく貢献しております。
 また、東京の最大の弱点でございます交通渋滞を解消することがCO2の大幅な削減につながることから、三環状道路の整備の促進などを推進しております。
 これらに加えまして、お話にありましたバスレーンや自転車走行空間の確保、荷さばき施設の整備など、物流の効率化にも既に取り組んでおります。
 最後でございますが、都市の緑についてでございます。
 水と緑の回廊に包まれました美しいまち東京を復活させるためには、あらゆる都市空間で緑の創出と保全に取り組むことが重要でございます。
 これまで都は、都市公園等の整備、緑のネットワーク化を目指す環境軸の形成、生産緑地の指定拡大などを進めるとともに、お話の稲城市南山の土地区画整理事業などにおきましても、緑の保全に取り組んでおります。 

〇議長(比留間敏夫君) 二十番田中たけし君。
   〔二十番田中たけし君登壇〕

○二十番(田中たけし君) 初めに、まちづくりについてお伺いいたします。
 現在の多くのまちは、鉄道の駅を中心に街並みが形成されております。駅があって、まちが形成され、まちとの協調があって駅も機能すると思います。
 そこで、鉄道事業者との連携によるまちづくりについて何点か質問いたします。
 まず、連続立体交差事業に関してお伺いをいたします。
 現在、都内の各所で連続立体交差事業が行われております。連立事業の目的は、いうまでもなく、あかずの踏切の除却による渋滞や交通事故の解消、線路で分断されていた地域の一体化を図ること、鉄道輸送の安全性の向上などであり、二十三区においては、事業費の八六%を税負担により、一四%を鉄道事業者の負担により行われております。
 一方、連立事業で得られたスペースは、その大半を鉄道事業者が利用することとなり、そのスペースは鉄道事業者の費用負担分といわれております。
 とはいえ、この取得したスペースに駅ビルをつくり、自社系列のスーパーを入れ、さらには、周辺商店街と競合するようなテナントを平気で入れ、駅構内にもコンビニエンスストアを入れるなど、顧客の囲い込みを行っております。
 また、公立中学校の門の向かい側に時間貸し駐車場をつくるなど、周辺地域への配慮をすることなく、露骨な利潤追求の動きをしているように強く感じられます。
 周辺商店街など住民感情として、巨額の税金を注入して連立事業を行い、工事中は地元として協力をしていながら、駅前、駅ナカという最良の商業スペースを、鉄道事業者がみずからの利潤追求にのみ使用されることに強い疑問を感じております。
 そこで、巨額の税金注入により行う連立事業から生じるスペースの利用に関し、近隣商店街との連携を図るよう求めるなど、一定の指導をすべきと考えますが、都のご所見をお伺いいたします。
 次に、大崎短絡線についてお伺いをいたします。
 現在の湘南新宿ラインは、横須賀線を通り、西大井駅と大崎駅の間の蛇窪信号場から、貨物線を利用し、迂回するようにして大崎駅へ入り、新宿方面へと向かいます。蛇窪信号場で、湘南新宿ラインの上り線と横須賀線の下り線が平面交差するため、両線の時間調整の必要から鉄道本数に制限があり、増発のためには平面交差の解消が必要となります。そのため、湘南新宿ラインの上り線を、貨物線による迂回ルートを通さず、直接、大崎駅へつなげる大崎短絡線が計画されております。
 しかし、この大崎短絡線は、以前、JR西日本で悲惨な事故があった福知山線の事故現場以上の急カーブであり、安全性に疑問があることや、騒音に懸念があること、既存の街並みが分断されてしまうこと、大崎駅前の道路の位置を大幅に変更されること、都営住宅の敷地を削られてしまうことなどの課題があります。JR東日本には、地域住民の理解を得るよう強く求めます。
 この大崎短絡線が開通すると、西大井駅周辺の踏切の遮断時間がさらに長くなるのは確実であります。また、西大井駅には改札口が片側にしかなく、駅利用者の不便が一層増すことになります。
 輸送力増強など運行計画の変更は、利用者サービスの改善や事業者の収益増加につながる一方で、踏切遮断時間が延び、歩行者の利便性の阻害になり、地域の分断や踏切事故など、地域住民にとって不利益となります。
 こうした観点も踏まえ、巨額の税金投入を行い、あかずの踏切解消のため連立事業を各地で行っている中、鉄道事業者としては、踏切遮断時間の短縮に向けた対策を積極的に行うべきと考えますが、都のご所見をお伺いいたします。
 次に、鉄道事業者と周辺商店街の連携についてお伺いいたします。
 先ほども申し上げましたように、鉄道の駅を中心に商業地域が発達し、街並みが形成されております。つまり、商店街への入り口は、それぞれの駅であるともいえます。新しい駅ができるときや、駅の改良工事などが行われる際、その駅の改札口の位置がどこになるかは、商店街にとって大変重要な問題であります。また、改札口のあいている時間帯も大きな影響を与えます。
 以前、同僚の高木けい議員より、王子駅の改札時間に関する質問がありましたが、私の地元のJR京浜東北線大井町駅においても、東口は、現在、午後九時には閉められてしまい、地元商店街への影響が大変大きく、JR東日本に対しての不信感が増大しております。私も、乗降客の利便性や、災害発生時の乗客誘導ルートの確保の視点からも疑問を感じます。
 経費削減の措置からとはいえ、公共交通機関を運営する鉄道事業者としての社会的責務として、また、周辺商店街との連携の観点からも、改札時間をもとに戻すべきだと考えます。
 鉄道事業者の管理監督は国土交通省が行っているため、都による直接的対応を求めていくのは難しいとは思いますが、鉄道事業者が地域において果たす役割、影響は大変大きく、周辺商店街など地域に影響を与える鉄道事業者の輸送サービスの変更などに際しては、地域への配慮を十分に行うべきと考えますが、都のご所見をお伺いいたします。
 次に、道路特定財源の一般財源化による影響についてお伺いをいたします。
 政府は、道路特定財源の一般財源化を閣議決定いたしました。これまでも、機会あるごとに東京においての道路整備の必要性を訴え、その財源確保に向け運動を展開してまいりましたが、今後も、一般財源化の影響を受けることなく、引き続き都内の道路整備等のための財源確保に向けご尽力をいただくよう求めます。
 中央環状品川線は、石原知事が強く建設促進を主張されている三環状道路の一つであり、その建設に向けては一般財源化の影響はないものと思いますが、沿線上に建設される換気所の性能に影響を与えることがあっては決してならないと考えます。
 中でも五反田地区では、建設予定の換気所に関し、これまでの環境被害を受けてきた経験から、環境確保に向け、並々ならぬ努力を積み重ねてきております。一般財源化が換気所の性能に影響することなく、地域環境の維持を最優先にした対応を強く望むものでありますが、ご所見をお伺いいたします。
 次に、国有地の活用についてお伺いをいたします。
 国家公務員宿舎等の国有地の払い下げについては、国の財政健全化に資するとともに、その有効活用を掲げ、財務省において、平成十八年一月より、学識経験者等の有識者会議において検討が開始されております。検討内容は、宿舎及び庁舎の移転、再配置計画や売却方針であります。
 平成十九年十一月には、この有識者会議において、宿舎・庁舎の跡地の有効活用の基本方針を打ち出し、その跡地の類型ごとに処分方針などを取りまとめております。
 国は今後、資産、債務改革を推進するために、この方針に沿って跡地処分を進めていくとしておりますが、大量に国有地の払い下げが行われようとしている中、都は、まちづくりに資する跡地の有効活用についてどのように検討を進めてきたのか、お伺いをいたします。
 六月十四日、岩手・宮城内陸地震が発生し、多くの犠牲者が出てしまいました。亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、行方不明者の一刻も早い救出、負傷された方々の回復と、被災地の早期復興を願うものであります。
 改めて地震の恐ろしさを感じ、いつ起こるかわからない地震に対する備えの必要性を痛感するところであります。
 今回の移転、再配置計画によって示された国有地は、都市再生に大きく貢献されることが期待されます。例えば木造住宅密集地域などでは、防災公園など安全なまちづくりに活用していくことが極めて重要であると考えます。
 地元品川区においても、都市計画目黒公園、開園名、林試の森公園と一体となって、約八万人もの地域住民を受け入れる避難場所となっている小山台住宅の宿舎が移転対象となっております。こうした宿舎の移転用地を生かして、避難機能の強化のために、機を逸することなく、目黒公園の計画の変更を行うなどの検討を進めるべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
 次に、下水道事業についてお伺いをいたします。
 都では、高度成長期に深刻な水不足を経験したことから、水源の確保はもとより、水資源の有効活用に積極的に取り組んでまいりました。中でも下水道局では、安定的に大量の下水を処理していますが、この処理水を高度処理した再生水を都市の貴重な水資源として活用してきております。
 地元品川区でも、再生水は目黒川の清流復活用水として活用されているほか、トイレ用水としても、大崎地区に加えて、今年度からは東品川地区にも再生水の供給が開始する予定だと伺っております。
 今後も利用拡大すべきと考えますが、再生水の利用状況と今後の取り組みについてお伺いをいたします。
 世界に目を向けると、アジア、アフリカなどの新興国の都市では、経済発展により水需要が増大する一方で、地球温暖化の影響により水資源の減少が予想され、渇水被害の増大が懸念されております。
 十月にはC40気候変動東京会議が開催されますが、下水道局は、再生水利用の豊富な経験を生かし、こうした場で先進的な技術や施策などについて情報発信するなど、積極的に国際貢献すべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
 次に、水道事業についてお伺いいたします。
 六月五日に、二〇一六年のオリンピック開催候補都市が四都市に絞られ、東京都は最高の評価で選ばれました。今後、国内におけるオリンピックやパラリンピックの招致機運の盛り上げや、国際的なプロモーション活動が重要だと思います。
 石原知事は評価に関して、記者会見などで、技術的には最高の点がついた、首都圏全体がやっている環境の行政でも評価を受けた、地道にやってきた成果が評価を受けている、空気、再生水、東京の水道は世界一だ、世界的に見てもこんなきれいな水はないと、水道にも触れております。
 また、昨日の我が党のC40気候変動東京会議に関する代表質問で、知事は、東京は世界一安全でおいしい水道水の供給のノウハウを、あるいは世界最高水準の技術による漏水防止など、高度な先進技術を世界に伝えていくと述べたところであります。
 世界一安全・安心な東京の水道水は、まさにオリンピック・パラリンピックの開催都市にふさわしいものであり、東京の魅力の一つとして改めて積極的にアピールしていくべきと考えます。この点について石原知事の率直なお考えをお伺いいたします。
 ところで、世界では、約十一億人の人々が安全な飲料水を利用できない状況にあります。国連ミレニアム開発目標では、安全な飲料水及び衛生施設を継続的に利用することのできない人を二〇一五年までに半減させるとしております。私も、さきの予算特別委員会では、気候変動が水道事業へ与える影響について取り上げたところであります。
 気候変動に対しては、国内外の専門家と交流を図り、情報の収集や影響の分析に努めることが重要であると考えます。
 また、東京水道が持つ高度な技術の中には、世界各国における水問題の解決に役立つものも多いと考えます。
 そこで、気候変動を初めとした諸課題について、国内外の水道専門家等と連携した取り組みが重要と考えますが、ご見解をお伺いいたします。
 以上で私の質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 田中たけし議員の一般質問にお答えいたします。
 東京の水道を東京の魅力の一つとしてアピールすることについてでありますが、都市の発展に水が欠かせないことは歴史が証明しております。しかし、世界の主要都市においても、直接蛇口から水を飲める都市は極めて少ないと思います。
 昨年、ニューヨークで行われました大都市の首長によります環境問題の会議で、私も招かれて出席しましたが、技術的な点では参考になることは一つもありませんでした。席上、私のアドレスの後に、同伴しました東京の水道局長のブリーフィングは、一番みんなの高い関心で傾聴されたと思います。
 東京がオリンピックの開催候補都市に選ばれたのは、なすべきことを地道にやってきた成果でありまして、すばらしい水道水も採点に大きく寄与しているものと思います。
 国際的な東京の評価を効果的に高めていくため、世界に誇れる安全でおいしい水を東京の魅力の一つとして、あらゆる機会を通じて積極的にアピールしていくつもりであります。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔建設局長道家孝行君登壇〕

○建設局長(道家孝行君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、連続立体交差事業により生じる高架下等の利用についてでございますが、高架下等の利用計画策定に当たりましては、都は検討会を設置し、沿線区市及び鉄道事業者と調整を行ってまいりました。
 その中で、都は、商業施設の配置を含む沿線区市のまちづくり構想などとの整合を図るとともに、駐輪場や緑道など公共公益施設の設置について、利用計画に反映させてまいりました。
 一方、商業施設の具体的な規模などについては、建築する際に適用される法令等の手続を通じて、事業者に対して区などが指導を行っているところでございます。
 今後とも、沿線のまちづくりや地元要望等を勘案しながら、連続立体交差事業を積極的に推進してまいります。
 次に、中央環状品川線についてでございますが、品川線は中央環状線の最後の整備区間であり、渋滞緩和や環境改善を図る上で効果が極めて大きく、都は、首都高速道路株式会社と共同で事業を進めております。
 整備に当たりましては、沿道環境への影響が小さい地下構造を採用しており、換気所の設置が不可欠であります。
 これらの換気所におきましては、大気浄化施設として除じん装置を設置するとともに、低濃度脱硝装置の導入が必要となった場合でも、設置が可能となるスペースを確保しております。
 今後、道路特定財源の一般財源化が行われようとも、中央環状品川線の整備に必要な財源の確保を国に強く求め、引き続き、住民の理解と協力を得ながら、平成二十五年度開通に向けて着実に事業を推進してまいります。
   〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕

○都市整備局長(只腰憲久君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、踏切遮断時間の短縮に向けた対策についてでございます。
 都では、平成十六年に踏切対策基本方針を策定しまして、鉄道立体化による抜本対策を計画的に実施するとともに、踏切システムの改善や踏切道の拡幅など、早期に実施可能な対策を促進することとしております。
 このうち、踏切システムの改善を進めるには、急行列車や各駅停車などの列車の種別に応じまして遮断時間を短縮する、いわゆる「賢い踏切」というような対策でございますが、それが有効でございます。
 今後とも、鉄道事業者に対しまして、こうした踏切システムを採用いたしまして踏切遮断時間の短縮が図られるよう、さまざまな機会を活用して働きかけてまいります。
 次に、鉄道事業者の役割についてでございます。
 鉄道事業における輸送サービスの内容につきましては、基本的には各鉄道事業者の判断により決められております。
 一方、鉄道は、お話にもございましたように、都民の日常生活や経済活動に不可欠な都市基盤でございまして、沿線の商店街など、まちの活性化にも深くかかわるものと、私ども認識をしております。
 都といたしましては、今後とも、鉄道事業者に対しまして、輸送サービスの変更などに際しましては、地元や利用者への適切な情報提供を行うよう働きかけてまいります。
 次に、国家公務員宿舎等の跡地の払い下げについてでございます。
 宿舎等の跡地の国有財産は、東京の都市再生やまちづくりを進める上で貴重な空間でありまして、その有効活用が重要というふうに認識してございます。
 このため、都は、国の有識者会議の動きに合わせまして、関係局による検討部会を設置するとともに、関係二十区との連絡調整会議を設け、都市基盤の整備やまちづくりへの利活用の方法について検討を行いまして、成果を昨年九月、国に提示をいたしました。その内容は、有識者会議が十一月に出しました宿舎・庁舎の跡地の有効活用の基本方針に反映されております。
 現在、関係機関におきまして、この基本方針を踏まえ、具体的な跡地の利活用について検討が進められております。
 最後でございますが、目黒公園の計画変更に係る検討についてでございます。
 公園に隣接する国家公務員宿舎は、国が設置した有識者会議の報告におきまして、平成二十二年度に廃止する計画としておりますが、廃止後の具体的な処分年度は確定しておりません。
 都といたしましては、目黒公園及び隣の国家公務員の宿舎跡地を、お話にありましたように震災時の避難場所として指定をしておりますことから、跡地の利活用に当たりましては、避難場所としての機能を継続させることが重要というふうに考えております。
 このため、宿舎移転の動向等を見定めつつ、目黒公園の都市計画の見直しなどについて、地元区を初め関係者と連携しながら検討を進めてまいります。
   〔下水道局長前田正博君登壇〕

○下水道局長(前田正博君) 二点のご質問にお答えいたします。
 再生水の利用状況と今後の取り組みについてでございますが、再生水は、ビルなどのトイレ用水や河川などの清流復活用水のほか、ヒートアイランド対策の道路散水用水としても利用しております。これに水再生センター内で使用している冷却用水などを加えますと、一日当たり平均五十万立方メートルを再利用しております。
 トイレ用水といたしましては、これまでの西新宿、汐留、霞が関地区など六地区に加えまして、この九月からは新たに東品川地区で、ショッピングセンターやオフィスビル等を対象に再生水の供給を開始する予定でございます。
 また、隣接いたします八潮地区につきましても、清掃工場などに供給するための整備を進めております。
 今後とも、大規模な開発地域などを対象に供給地区の拡大を図るとともに、機会をとらえまして、既存供給地区のビル所有者に対しても利用を働きかけ、都市の貴重な水資源である下水再生水の利用拡大に取り組んでまいります。
 次に、再生水利用の経験を生かした国際貢献についてでございますが、下水道局ではこれまでも、さまざまな用途に再生水を供給するとともに、水質向上やコスト縮減を目指したろ過技術の開発など先駆的な取り組みを進め、こうした技術情報につきまして、国際協力機構やアジア大都市ネットワーク21などを通じて、海外からの研修生や視察者等に提供してきております。
 今後も、海外における再生水利用の一層の促進に向け、当局の持つ最先端の技術や豊富な経験を、C40気候変動東京会議等を通じまして積極的に発信してまいります。
   〔水道局長東岡創示君登壇〕

○水道局長(東岡創示君) 国内外の水道専門家等と連携した取り組みについてでございますが、水道局では本年二月に、国際水協会、いわゆるIWAなどと協力して、気候変動が水道事業に与える影響について会議を開催し、各国の専門家とともに、乾燥地域や低地などのそれぞれの地域の状況等について、情報や意見の交換を行ったところであります。
 気候変動がもたらす水問題につきましては、国内外の水道関係者や研究者と広く連携して、情報や技術、経験を分かち合っていくことが重要であると考えております。
 今後、水の専門家が集まる国際水協会世界大会や、各国の閣僚級が参加する世界水フォーラムなどの国際会議が予定されておりますが、こうした機会をとらえて、当局が有する安全でおいしい水の供給や漏水防止などの技術や施策を伝えるとともに、海外の諸都市とも、知識や経験、取り組みなどについての情報を共有し、連携を図ってまいります。 

〇議長(比留間敏夫君) 三十番山口拓君。
   〔三十番山口拓君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○三十番(山口拓君) 初めに、新銀行東京についてお伺いいたします。
 四百億円の追加出資を決め、設立当初からの中小企業支援のための銀行であるということを知事は改めて宣言されました。新銀行東京の行く末についても、都民も注目をしているところであります。
 しかし、新銀行東京の動向を見ると、極端な縮小を初め、中小企業が厳しいときに、自身が苦しくて融資ができない、事実上の貸し渋りがふえている状態であったり、さらには、融資の両輪たる債権をバルクセールによってサービサーに売却をしたり、新たな事業展開といっても、当初救うといわれた中小企業支援とは乖離したファンドを用いたベンチャー支援を初め、これまでの取引中小企業とは縁のない事業展開ばかりで、当初の理念から、かけ離れたものばかりであります。
 これでは、本当に中小企業のために継続をしていくのかどうかという疑問の声が上がってくるのは当然でありますし、これまで信頼して取引をしてきた中小企業や都民への最大の裏切りともとられかねないとは、知事はお思いになられませんか。
 そこで、お伺いいたします。そもそも新銀行東京は、この先どうなっていくのでしょうか。そして、だれのための銀行なのでしょうか。また、今後はどのような理念を持っていくのでしょうか。この基本的なことを改めて知事に確認したいと思います。所見をお伺いいたします。
 さらに、五月十六日からは新銀行東京に対して金融庁の検査が入っており、検査にはおおむね一カ月、検査の結果が通知されるのは三カ月以内ともいわれています。金融庁検査の結果次第では、さらなる引当金の積み増しなどを迫られる可能性も当然あるわけであります。
 そこで、お伺いいたします。金融庁の結果を待たないまま、六月下旬の株主総会において、東京都が株主として新銀行の減資に賛意を示すのは、常識的に考えても、余りにも時期尚早であり、疑問を投げかけざるを得ません。都の見解を伺います。
 続いて、少子化対策と子育て支援についてお伺いいたします。
 自治体にとって、少子化対策にいかに取り組むかは、極めて難しい課題であります。しかしながら、我が国の未来を考える上で、今まさに対策を講じ、未来に安心と希望を伝え残していかなければならないことは、日本人だれもが思い望んでいることであります。
 統計数値を見てみると、東京都の合計特殊出生率は、平成十七年の一・〇〇から平成十九年の一・〇五へ、都内の出生数を見ても、平成十七年の九万六千五百四十二人から平成十九年の十万三千八百三十七人へと伸びを見せていますが、このことをもって少子高齢化の流れに歯どめがかかったと楽観することはできません。
 もちろん、単純にこうした数値のみで少子化対策の成果ととらえるべきでないことも承知をしております。もとより少子化問題は個人の価値観による部分が大きく、行政が産めやふやせやという強要まがいの施策を展開するべきでないことは、衆目の一致するところであります。
 都が明確なビジョンを打ち出し、子どもを安心して産み、育てやすい環境を着実に整備する施策を地道に積み重ねることで、結果として少子化の進行の歯どめにつながるのが理想なのではないでしょうか。
 そこで、お伺いいたします。都としては、個人の価値観による部分が大きい少子化問題をどのようにとらえ、ここまで進めてきた少子化対策について、今後はどのような姿勢で取り組んでいくべきと考えているのか、所見を伺います。
 次に、具体的な施策の展開についてですが、十年の時限立法とされた次世代育成支援対策推進法は、早いもので、もうじき折り返しを迎えます。後期の次世代育成支援行動計画を具体的に詳細に作成する時期が近づいているわけですが、都においては、これに先立ち、昨年十二月に、子育て応援都市東京・重点戦略を定めました。
 そこで、お伺いいたします。子育て応援都市東京・重点戦略において重点的に取り組む施策の内容と、それをどのような形で都民の協力を得ながら推進をしていくのか、ご所見を伺います。
 少子化の要因は単純でなく、一つの問題を解決すれば改善が見込めるとか、現状を劇的に変えるような特効薬があるというものではありません。区市町村では、サービスの拡充をそれぞれが独自に提案し、現状打破に努めており、地域特性のあらわれともいえる保育などのサービスはいいとしても、国民がどこに住んでいても受けられるべきである、例えば妊婦健診や医療費の助成についても、自治体による違いが大きく目につき始めています。
 都内における妊婦健診の実施状況を見てみると、自治体の公費負担回数は、国が最低基準として設けた五回と、望ましい数である十四回にほぼ二分されているという結果になっており、公費負担回数においては、自治体による格差が生じています。
 また、子どもの医療費の助成についても同様で、都の義務教育就学児医療費助成制度に区市町村が独自に上乗せをして無料化できる自治体と自己負担がある自治体が出てくるなど、実施状況に差が生じています。
 自治体が提供する行政サービスは、各自治体の努力や財政状況による性質があるため、妊婦健診や子どもへの医療費助成などについては、本来は、国が根本から画一的に取り組むべき事項と考えております。
 そこで伺います。そうはいっても、現実に妊婦健診や義務教育就学児医療費助成制度などの子育て支援において、都内自治体間で実施状況に格差が生ずるこの状態を、東京都としてはどのように認識をしているのでしょうか、お伺いいたします。
 続いて、小児救急医療について伺います。
 小児傷病者の搬送状況については、本年三月の国の全国調査によると、都内でも受け入れ先病院がなかなか決まらないケースがあることがわかりました。平成十九年の一年間の都内の小児傷病者搬送人数は、転院搬送三千三十一人を含む四万九千八百九十九人でありました。その大部分は一回、二回の照会で受け入れ医療機関が決まっていますが、五回以上照会を要した場合が九百十九件ありました。
 また、現場滞在時間については、三十分以上病院が決まらないケースも一千四百二十七件あり、六十分以上が六十二件、九十分以上十三件、百二十分以上も五件という実態でありました。
 こういった実態を目の当たりにすると、いざというときへの不安感や、ひいては出産や子育てへの不安を増幅している可能性も否定をできません。そして、いかなる事情があろうとも例外が許されないのが、この救急医療の宿命だと思います。
 そこで、お伺いいたします。このような小児救急患者の搬送の実態について、都としてどのように認識をされているのか、あわせて、今後どのように取り組んでいくのか、所見をお伺いいたします。
 一方、救急医療の現場が置かれている厳しい状況もまた現実であり、救急医療機関を適切に利用することが、いざというときに円滑に救急医療が受けられることにもつながります。救急医療機関を夜間や休日に利用した小児救急患者のうち、入院に至ったのは五%程度というデータもあります。
 しかし、実際にお子さんのぐあいが悪くなったときには、若いご両親などはあわててしまいますし、その病状が重いのか軽いのか、一般の都民には判断のしようがありません。このために、事前に子どもの病気やけがの対応について学習する機会や、ぐあいが悪くなったときに相談できる体制があることが重要になってきます。
 都はこれまでも、医療機関案内「ひまわり」や母と子の健康相談室、東京都こども医療ガイドなどを実施してきました。さらに、昨年六月からは、東京消防庁で救急相談センターを開設し、お子さんの病気やけがなどの相談を多く受け、保護者に安心を与えていることと評価をしております。
 そこで、お伺いいたします。都民が子どもの病気等について学習する機会を広げたり、このような相談事業を広く普及していくことが重要と考えますが、都の所見をお伺いいたします。
 最後に、三軒茶屋駅周辺まちづくりについてお伺いいたします。
 三軒茶屋の交差点は世田谷区の玄関口に当たり、近隣三軒茶屋、太子堂地域を初め重要な生活拠点であり、核となる交差点であります。国道二四六号線から都道、通称世田谷通りと区道茶沢通りが三方に伸びる交差点で、その上には首都高速三号線が高架で通り、地下には田園都市線三軒茶屋駅があるなど、高架、地下とも複雑な構造としても特徴的な交差点であります。
 この交差点の横断歩道を歩行者や自転車が渡り切るためには、三つの通りと中州の部分、二四六号線二十五メートルと、中州の部分十一メートルを通り抜け、世田谷通り十四メートルと茶沢通り六メートルに分かれております。
 中でも、世田谷通りから二四六号線の横断歩道約五十メートルを二十三秒で渡り切らなければならない状態でありました。この秒数では一度で渡り切れない構造であり、一度で渡り切るためには、危険な横断歩道のない交差点内をショートカットするか、駆け足で渡るしかありませんでした。さらにいえば、障害をお持ちの方や子連れの方などは、中州部分で一度あきらめ、二度か三度に分けて渡らなければならなかったのです。
 私は、この状況を再三にわたり警視庁に説明をし、信号の問題改善、ひいては、この三軒茶屋の交差点改革を求めてまいりました。その結果、本年六月十日から、この横断歩道の青信号での通行時間がこれまでの二十三秒から三十二秒に延長され、地域や歩行者のだれもが安心して渡り切れる横断歩道として生まれ変わることになりました。
 さらには、新たに、直接二四六号線を渡り切れる横断歩道、信号機の設置も、平成二十年度を目途に実施をしていただけることになりました。
 これらは、長年にわたり、私も、また地域の皆様も要望した念願であり、評価したいと思います。しかし、この交差点が地域において安全かつ安心の交差点かといえば、まだまだ多く課題が残っています。
 そこで、お伺いいたします。三軒茶屋の交差点は、地上のほか、三軒茶屋駅の地下通路により、南北の横断が可能となっています。しかし、バリアフリー化されているのは、交差点から少し離れたパティオという広場に設置をされているエレベーターだけであり、お年寄りや障害をお持ちの方々等の移動が容易ではありません。
 三軒茶屋駅周辺のまちづくりを考える上で、こうしたエレベーターの設置等のバリアフリー化を進めることなどの改善は重要な課題の一つであると考えますが、都としてはどのように取り組んでいくおつもりか、所見を伺います。
 これまでの三軒茶屋は、この巨大交差点により、まちも商店街も大きく三つに分断をされ、人や自転車の動線も確保されなかったことから、共存し、繁栄していくことがなかなか難しい状況でありました。
 また、交差点にほど近い二四六号線沿いの昭和女子大学が広域避難場所に指定をされており、多くの住民が、緊急災害時に本当に二四六号線を横断して避難できるかどうか、今もなお常に不安な状態であります。
 防災訓練などにより、横断訓練などが行われておりますが、さらに安全な横断の確保のためには、三軒茶屋の交差点の構造改革は喫緊の課題であります。実現をした信号と横断歩道の大きな二つの改善に加え、さらにバリアフリーの観点からも、この先の問題が解決をされれば、さらなるまちの発展と充実、さらに安全・安心が地域にもたらされることでしょう。
 地元地域の悲願でもあるこの交差点改革に、関係各局ともにぜひご協力をいただき、実現をしていただくよう強く要望し、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 山口拓議員の一般質問にお答えいたします。
 新銀行東京の理念についてでありますが、これを論じる前に、世にいういわゆる中小企業のコンセプトに対して正確な認識を持っていただきたい。それは、中小企業と申しましても、ピンからキリまであるわけです。このピンの方の中企業は、例えば、東京が初めてやりましたローン担保証券、社債担保証券の対象になるような企業でありまして、これは一兆円ほどのマーケットになりました。しかも、その中から七十数社の会社が持ちこたえて、上場にまでこぎつけました。
 しかし、東京が創設しました新銀行東京が対象としたものは、そうした企業じゃなくて、いわゆる小零細企業、なかんずく本当に二人、三人、五人という少人数でやっている、しかもそれが大事な大事な下請の正確な部品をつくっている、そういう企業であります。
 よくいわれますが、この銀行についての批判の中で、金融事情が例の公金の投入によって好転した後、いわゆる大手の金融機関が中小企業にも中企業にも融資するようになった。それは確かにそうであります。しかし、あの金融事情が好転した後、いわゆる大手の金融機関の中で、二人、三人でやっている企業に融資した会社は一つもありません。一つもありません。
 ゆえに、私たちはそれを対象にしてきたわけでありまして、例えば、私のかつての選挙区でありました大田区蒲田に、これは日本に知られた削りの名人、岩井さんという人がいます。この人は夫婦二人でやっていらっしゃる。奥さんは機械に手を挟まれて左手が不自由になった。その岩井さんが二人で何を削っているか。あるとき行きましたら、何とそれは、原子力発電所の、原子力の、要するに軸でありました。そういった企業が、実は本当の底辺の底辺の底辺で日本の産業を支えているわけであります。
 ゆえにも、私たちはそれをサポートしなくちゃいかぬということで、つまり、高い事業意欲がありながら、技術がありながら資金繰りに窮する、中小企業じゃない、小零細企業を支援するためにこれを設立したものであります。
 原油や原材料価格の高騰などによりまして日本の経済の減速感が強まる中、小零細企業を支援していくという新銀行の理念には、一向に変わりはございません。
 ただ、それを今後も遂行して、これから金融事情がますます悪化していくであろう状況の中で、この銀行をもともとの理念にのっとって持続していくためには、やはり経営というものを基本的に考え直さなくちゃならないことを痛感しております。
 まず、足元を固めるために再建計画を策定いたしました。経営の安定化に向けては、この再建計画だけでは必ずしも十分と考えていませんが、今はまず、多角的な施策を講じて早期に再建を果たすことが何よりも重要であり、都としても全力でこれを支援してまいります。
 ちなみに、 従来の経営陣は、数千億という預金というものがありながら、そのアセットを活用する方法を全く考えつきませんで、それに考え及ぶことができませんでした。こういったものを反省しての、大きな動きが、要するに拠点でありまして、そういうものを踏まえて、私たちは、繰り返して申しますけれども、早期に再建を果たすことが何よりも重要だと思って、都としても全力でこれを支援してまいります。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔産業労働局長佐藤広君登壇〕

○産業労働局長(佐藤広君) 新銀行東京の減資に関するご質問にお答えをいたします。
 新銀行東京では、決算によりまして解消すべき損失額が確定したこの時期に減資を実施する意向であります。
 今回の減資は、過去の負の遺産である繰越損失を一掃し、財務体質の改善を図ることができることから、都としては、新銀行東京から提案があれば、前向きに受けとめてまいります。
 なお、金融庁の検査は、資産内容など銀行業務全般について行われておりますが、その結果が出される時期は明らかにされておりません。
 都といたしましては、再建に取り組む環境を一日も早く整えるために減資を実施しようとする新銀行の意向を尊重したいというふうに考えております。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) 五点についてお答えをいたします。
 まず、少子化問題等についてでありますが、少子化の背景には、子育てに関する経済的、心理的負担の増加や、仕事か育児かの二者択一を迫られているなど、さまざまな原因があると考えられております。
 結婚や出産は、個人の価値観や人生観にかかわるものであり、行政の役割は、子どもを産み育てたいと望むすべての人たちが、安心して子育てすることのできる環境を整備していくことであると考えております。
 次に、子育て応援都市東京・重点戦略についてであります。
 都は昨年十二月、子育て応援都市東京・重点戦略を策定し、働きながら子育てできる環境の整備や保育所待機児童の解消、子育てに優しい環境づくりに重点的に取り組んでおります。
 こうした取り組みを着実に進めていくためには、行政はもとより、多くの関係者がそれぞれの分野で力を合わせることが必要でございます。このため、企業、NPO、マスコミなど幅広い分野の団体で構成いたします子育て応援とうきょう会議を活用し、参加団体の自主的な活動を積極的に促しながら、社会全体で子育てを支援してまいります。
 次に、妊婦健診などの実施状況に関する認識についてでございますが、お話のような個々の施策につきましては、基本的には、実施主体である区市町村が、地域の実情に応じまして独自の判断によって行っているものと考えております。都は必要に応じ、こうした区市町村の取り組みを支援しております。
 次に、小児救急患者搬送の実態等についてであります。
 都はこれまでも、休日・全夜間診療事業を実施するなど、小児救急医療の確保に努めてまいりました。こうした中、今回の国の調査では、大都市部の救急患者搬送を取り巻く厳しい状況が改めて示されたものと考えております。
 都では、都内の救急医療の現況を踏まえまして、本年の二月から、救急医療対策協議会において、地域の医療機関が相互に協力、連携して、速やかに患者を受け入れる仕組みづくりなどの検討を進めております。
 さらに、この六月から、多数の来院患者の中から緊急性の高い重症患者へ優先して医療を提供する小児救急トリアージ普及事業をモデル事業として実施しております。
 こうした検討の成果を踏まえ、また、モデル事業の効果を検証することによりまして、迅速かつ適切な救急医療の確保に取り組んでまいります。
 最後に、子どもの医療に関する相談事業等の普及についてでございます。
 都としては、お話のありました事業のほかにも、冊子やインターネットで医療に関する情報をわかりやすく提供いたします「知って安心 暮らしの中の医療情報ナビ」、あるいは電話とファクシミリで乳幼児の事故防止や急病時の対応策等に関する情報提供を行いますTOKYO子育て情報サービスなど、さまざまな取り組みを行っているところでございます。
 今後とも、これらのサービスがより多くの都民に広く利用されるよう、関係機関と協力して普及に努めてまいります。
   〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕

○都市整備局長(只腰憲久君) 三軒茶屋駅周辺のバリアフリー化についてでございますが、世田谷区では平成十八年に、いわゆる交通バリアフリー法に基づきまして、三軒茶屋駅周辺地域の基本構想を作成しておりまして、その中で上下移動の円滑化が課題とされております。
 お尋ねのエレベーター等の設置は、事業手法を初め、用地の確保、管理主体等さまざまな課題があるものと考えられます。
 都といたしましては、区などの取り組み状況を見ながら、必要に応じ適切に対応してまいります。 

〇副議長(石井義修君) 五十九番野上純子さん。
   〔五十九番野上純子君登壇〕

○五十九番(野上純子君) 初めに、今月一日施行された改正道路交通法に関連して、安全対策について質問いたします。
 自転車は、手軽な交通手段として、環境、渋滞緩和、健康増進などの観点からも利用の価値が高まっています。一方、自転車利用の拡大とともに、自転車による交通事故が増加しており、都内では十年前の一・五倍の約二万六千件に達し、死亡者は昨年一年間で五十二人に上っています。中には、母親の目の前で自転車事故に遭った幼児が亡くなるという悲惨な事例もあり、ご家族の悲しみはいかばかりか、はかり知れません。
 こうした背景から道路交通法が改正され、自転車に関する規制が強化されましたが、同時に、安全な自転車交通の環境整備、そして自転車利用者のマナー向上とルールの遵守が喫緊の課題となっております。自転車の安全で快適な利用が可能な、だれもが安心できる交通安全都市東京の実現を目指す必要があります。
 そのためには、何よりマナー向上とルールの遵守が重要であると考えます。知事の所見を伺います。
 このたびの法改正では、一部条件を除いて、十三歳以上の人が乗る自転車は車道を走ることが義務づけられました。それに伴い、都民の関心と期待が高まっているのが自転車走行空間の整備です。しかし、現状では、歩行者と自転車の通行分離が行われているのは都道全体で十八・三キロメートルにとどまり、自転車交通の環境整備は緒についたばかりです。
 したがって、今後は、都と区市町村、交通管理者がより一層連携を強化し、車道への自転車専用レーン設置などの新たな手法も活用して、自転車走行空間の整備を加速させていくべきと考えます。所見を伺います。
 次に、自転車利用者のマナー向上とルールの周知徹底のため、各地域において活発に自転車安全教室が行われていますが、次代を担う中高生を対象とした交通安全教育も重要な課題です。自転車利用者のマナー低下が重大事故の誘因となり、生徒が一瞬にして被害者にも加害者にもなり得る危険性があり、子どもたちをこうした事態に直面させないことが重要です。
 そこで、学校と関係機関が連携し、中高生が事故に遭遇した場合の対処や、義務、責任についての指導を行い、また、スタントマンなどを活用して事故の実例を再現し、ルール違反の危険性を教えるなど、実践的な交通安全教育に取り組むべきです。所見を伺います。
 また、改正道路交通法では、十三歳未満の児童、幼児にヘルメットを装着させることが保護者の努力義務となっています。とりわけ幼児については、保護者と一緒に自転車に乗り交通事故に遭った場合、その六割が頭部にも負傷しており、子どもの生涯に深刻な影響を与えかねません。
 そこで、まず都は、子どもの自転車用ヘルメットの普及、着用状況についての実態調査を行うべきであります。
 また、練馬区など四つの区では、ヘルメット購入のための助成制度をスタートさせており、こうした先行事例を広く情報発信するなど、都は区市町村の取り組みを支援し、安全対策を促進すべきであります。
 あわせて、保護者が子どもたちの安全を常に心がけることができるように、例えば交通安全宣言手帳などを配布して、事故防止の啓発を効果的に実施すべきであります。所見を伺います。
 次に、ものづくりを担う人材の育成について質問します。
 日本の首都である東京は、ものづくりの分野でも日本の産業をリードしてまいりました。そのものづくり技術を維持し、さらに発展させていくためには、専門的知識と高度な技術を習得した後継者の育成が不可欠です。そこで、都立工業高校の生徒に焦点を当てた、ものづくり人材の体系的な育成策を本格的に展開すべきと考えます。
 第一点は、都立工業高校からの多様な進路、進学先の開拓です。現在、工業高校から都立の高等専門学校、いわゆる高専へは編入学制度がありますが、欠員が生じた場合の補充程度であり、昨年ではわずか二名にすぎないという狭き門でした。また、欠員が出なければ、編入学の募集そのものがありません。
 工業高校の生徒がたとえ旺盛な進学意欲を持っていても、それにこたえる制度がないため、生徒の意欲が生かされていません。これでは、ものづくり産業の担い手育成支援としては心細い限りといわざるを得ません。
 この編入入学枠を大幅に拡大し、工業高校卒業後、高度な技術の習得に情熱を燃やす生徒たちが、ものづくり産業発展の担い手となる人材育成ルートを拡大すべきです。見解を伺います。
 既存の枠にとらわれない東京ならではの豊かな発想で、将来的には、高校三年間、大学四年間までの七年間、工業系の高大一貫で学ぶことができる教育機関をつくり、技術立国日本の強固な基盤づくりを行うべきです。新たな仕組みの教育機関の創設を提案して、次の質問に移ります。
 次に、ネット被害、犯罪対策について伺います。
 国では、六月十二日に有害サイト規制法が成立しました。子どもたちが日常的に使う携帯電話やパソコンのインターネット上には、出会い系やワンクリック詐欺、薬物、毒物売買などの有害サイトがあふれています。
 ブログやプロフなど、自分たちだけのコミュニケーションの手段として、大人には内緒の秘密基地のような楽しさもある反面、学校裏サイトと呼ばれるホームページが全国に三万八千もあり、教師や同級生らを匿名やなりすましで誹謗や中傷記事を掲載し、それが原因で、いじめやひきこもり、自殺などにつながった事件もふえています。葛飾区でも、学校裏サイトが原因で殺人未遂事件がありました。
 子どもたちが犯罪や事件に巻き込まれるだけでなく、加害者にもなり得るのがこのネットの世界です。ネットいじめの最大の特徴は匿名性の悪用であり、顔の見えない恐怖であります。親も教師も把握しにくいので、子どもたち自身が危険回避の知識や意識を身につけておくことが重要と考えます。
 情報モラル教育の徹底、子ども自身が被害者にも加害者にもならないような指導が重要です。教育庁の今後の対策について伺います。
 また、都として、フィルタリングの普及など、各局が連携して、ネット被害、犯罪から子どもたちを守るための対策や、親への啓発を具体的に講じていくことが必要だと考えます。青少年・治安対策本部の所見を伺います。
 次に、農作業を活用した障害者の就労機会の創出について質問します。
 公明党はさきに、秋田県の知的障害者の都外施設、合川新生園などを視察し、果物や野菜の栽培に取り組む笑顔にあふれた入所者の姿に触れ、日差しを浴びて農作業に従事することの効用を実感しました。
 都の特別支援教育においても、作業学習に農園芸を取り入れていますが、さらに積極的な導入を図るとともに、関係機関と協議し、就労の場の開拓にも取り組むべきと考えます。見解を求めます。
 また、障害者の農作業への就労を考えるとき、農地の緑地としての役割に着目する必要があります。折しも福祉保健局では、緑の東京十年プロジェクトの一環として、二十年度から障害者による地域緑化推進事業を開始します。これは、障害者への就労の機会を提供するために区市町村が緑の創出事業を実施する場合に、工賃や必要経費を区市町村とともに都が助成する制度です。この制度の活用を、緑地や農地の創出を通して温暖化防止に貢献しようと考える企業などに周知していけば、企業にとっても、福祉的就労の場の拡大を望む福祉施設にとっても、極めて有効な方策となります。
 そこで、福祉保健局は、本制度の積極的な活用を促すために、区市町村に対してだけでなく、直接、企業や福祉施設に働きかけていくよう改善すべきです。都の見解を求めます。
 次に、都立高校の農業体験活動について伺います。
 近年、若者が働くことの意義や目的を実感できる機会が少なくなっており、ニートやフリーターがふえている原因となっています。そんな中、生徒が自然豊かな農村に宿泊して農業体験を行うことにより、働くことや学ぶ目的、また、将来の自分について考えるようになるなど、大変すばらしい教育効果を上げている都立蒲田高校の例があります。こうした体験活動は、前向きな勤労観や職業観を育成する上で有効であると考えます。
 そこで、都は、都内のインターンシップだけでなく、農山漁村での体験活動も、他の都立高校に広げていくべきと考えます。所見を伺います。
 最後に、受動喫煙防止について述べます。
 おいしそうにたばこを吸う人の陰で、煙の臭さに嫌気が差し、健康被害におびえている人もいます。人間関係が壊れてはいけないと気を使い、たばこを吸っている人の前で平気な顔をしていても、心は微妙に苦しんでいます。
 受動喫煙は、子どもではぜんそくなどの呼吸器疾患等と関連があり、妊婦に対しては、流産、早産、低体重児など胎児への影響が指摘されています。
 健康増進法が施行されてから、公立学校、図書館、病院など公共の施設内の全面禁煙が進んでいます。しかし、多くの人が利用するレストラン、喫茶店などは、一部、分煙対策を講じていても、流れてくる煙での受動喫煙の被害が問題になっています。また、小さな飲食店では、分煙できるスペースがなく、昼の時間帯だけ禁煙にして工夫しているところもあります。
 例えば、禁煙、喫煙、分煙の店などの表示マークがあれば、利用する立場の人は店を選択しやすくなります。
 まず手始めに、都民の健康増進を図るため、都内の飲食店での受動喫煙防止に向けて、都として積極的に取り組むべきです。所見を伺い、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 野上純子議員の一般質問にお答えいたします。
 自転車利用者のマナー向上等についてでありますが、東京には、戦中もありましたな、かつて江戸しぐさという他人を思いやる伝統がありました。雨の日、狭い道で行き交うときに、傘をかしげる何げないしぐさでありますとか、あるいはエレベーターや電車でどうぞお先にと、言葉はなくて手だけのいわゆるボディーランゲージというものがありました。これは大都市ならではの気配りで、それがやはり都市の品格をあらわす一つの表象でもありました。
 最近、どうもこのような他人に対する思いやりや気配りが薄れまして、非常に自己中心的な風潮が蔓延しておりますが、これは、交通ルールやマナーを守らない自転車による事故が多数発生している要因の一つとも考えられます。
 ただ、東京という混雑、非常に不便なまちでは、自転車は非常に有効な交通手段でありますが、しかし、自転車を私も時々乗りますけれども、乗る人間にとってみると、いかにも道が狭過ぎる。これは地勢学的にやむを得ないことかもしれませんけれども、そういったものをやはり考慮しながらも、東京を、ハード面の都市機能だけではなく、思いやりと優しさに満ちた真に成熟した都市とするために、今後も、マナーの向上やルールの遵守を都民に強く訴えてまいりたいと思います。
 他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。
   〔教育長中村正彦君登壇〕

○教育長(中村正彦君) 四点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、実践的な交通安全教育の推進についてでありますが、生徒の交通マナーや安全に対する意識を向上させるためには、学校での交通安全教育を通じ、生徒に法令等を理解させるとともに、自他の安全に配慮した行動を体験的に身につけさせることが重要であります。
 都教育委員会は、今回の道路交通法の改正に伴い、自転車に関する通行ルール等の規定についてわかりやすく説明した資料を配布するなど、都立学校及び区市町村教育委員会の取り組みを支援してまいりました。
 また、都立高校におきましては、交通安全講話等に加え、青少年・治安対策本部と連携して行っております高等学校の交通安全教育事業を活用いたしまして、自転車の実技講習など、体験的な交通安全教室を実施している学校もございます。
 今後は、お話のスタントマンを活用した交通安全教室を、警視庁と連携いたしましてモデル的に都立高校で実施したり、自転車運転者の義務と責任等の指導事例を示した自転車交通安全教育マニュアルを活用した指導を行うなど、参加体験型の実践的な交通安全教育の普及拡大を図ってまいります。
 次に、情報モラル教育についてでありますが、インターネットや携帯サイトの有害情報が子どもたちを取り巻く中、子ども自身が被害者にも加害者にもなることなく、安全に生活するための能力を身につけることは極めて重要でございます。
 都教育委員会は、指導資料として、非行防止・犯罪被害防止教育推進指導資料を配布し、各学校の取り組みを支援するとともに、都内小中高校生及び教員を対象としたハイテク犯罪対策シンポジウムを開催して、子どもたちの意識啓発を図ってまいりました。
 ネット被害、犯罪対策については、教育委員会だけの取り組みではおのずと限界はありますが、今後は、インターネットや携帯サイトに関する実態調査を行い、この結果を公表することによりまして、子どもたちの意識啓発をなお一層図っていくとともに、本年度作成いたします安全教育プログラムや情報モラルに関する指導資料に具体的な方策を示し、区市町村教育委員会とも連携して、すべての学校における情報モラル教育の充実に努めてまいります。
 特別支援学校におきます農園芸作業の取り組みと就労の場の確保についてであります。
 農園芸に関する実習は、農作物の成長や収穫の喜びを実感しながら、働く意欲や態度をはぐくむことができる大変重要な実習活動の一つでございます。
 このため、現在、都立の知的障害特別支援学校におきましては、高等部の職業教育の一環として、約八割の学校で農園芸に関する実習を実施しております。
 今後は、来年度開校を予定しております仮称都立青梅東学園に生徒全員の就労を目指す知的障害教育部門高等部職業学科を設置いたしまして、その中に農園芸に関するコースを設け、地域の農家や関係機関、企業と連携した職業教育の充実と就労の拡大を図ってまいります。
 また、他の知的障害特別支援学校におきましても、地域の関係機関等と連携を図り、農園芸にかかわる就労先の拡大に努めてまいります。
 最後に、農山漁村での体験活動についてでありますが、生徒に勤労観、職業観をはぐくむためには、各学校において、さまざまな機会に職業に関する体験活動を行うなど、キャリア教育の充実を図ることが重要でございます。
 これまで、多くの都立高校におきまして、地域の企業でのインターンシップ等の職業に関する体験活動を実施してまいりました。
 また、お話のように、農山漁村での職業に関する体験活動を通しまして、勤労観、職業観をはぐくむことはもとより、自然や環境への理解を深めさせる機会ともなっている学校もございます。
 今後、都教育委員会は、こうした農山漁村におけるすぐれた実践事例を、キャリア教育の協議会や全教員に配布するリーフレットで紹介するなどして他の都立高校にも広め、キャリア教育の一層の充実を図ってまいります。
   〔建設局長道家孝行君登壇〕

○建設局長(道家孝行君) 自転車走行空間の整備についてお答えいたします。
 自転車は、都市内の有効な交通手段の一つであり、歩行者と自転車がともに安全で快適に通行できる空間の整備が重要であると考えております。
 このため、「十年後の東京」への実行プログラムにおいて、区部では浅草通りや国際通りなどで、多摩地域では調布保谷線や東八道路などで、広い歩道を活用した自転車走行空間の整備を推進することとしております。
 また、今回の道路交通法の一部改正も踏まえ、本年三月には交通管理者と連携して、渋谷区内の旧玉川水道道路の車道の部分に自転車専用レーンを整備し、現在、効果の検証を行っているところでございます。
 今後は、こうした多様な手法を用いて都道での取り組みを加速させるとともに、区市町村に担当者会議などで整備手法の情報を提供し、その活用を働きかけてまいります。
 引き続き、だれもが安心して利用できる道路空間の実現に向け、区市町村や交通管理者と連携を図りながら自転車走行空間の整備を推進し、ネットワークの拡大に努めてまいります。
   〔青少年・治安対策本部長久我英一君登壇〕

○青少年・治安対策本部長(久我英一君)
 まず、子どもの自転車事故防止についてでありますが、ご指摘のとおり、事故から子どもを守るため、子ども用ヘルメットの普及啓発は重要でございます。
 都では、自転車安全利用キャンペーン等を実施し、ヘルメットの着用を初め、自転車に関する交通ルール、マナーの遵守などについて啓発活動を行っております。
 また、毎年、区市町村の交通安全事業の調査を行っておりますが、今後、先進的な取り組みを都のホームページに掲載するなど、ヘルメットの普及啓発のための情報発信に努めてまいります。
 ヘルメットの着用状況等の実態調査につきましては、国がことし一月に実施いたしましたが、都といたしましても、改正法が施行された六月以降の普及状況等を把握するため、調査を実施してまいります。こうした調査等を踏まえまして、保護者に対するさらなる啓発を創意工夫して推進し、事故防止に全力を挙げてまいります。
 次に、インターネットの有害情報から子どもを守る対策についてでありますが、この問題は、フィルタリングの普及など法規制だけでは解決が困難であり、親と子どもに対する意識啓発が緊急の課題でございます。
 都ではこれまでも、親がインターネットに関する正しい知識を持ち、家庭内でのルールをつくれるよう、ファミリeルール講座の開催等を行ってまいりましたが、家庭や学校の取り組みをより効果的に推進するため、四月に、関係局、教育庁及び警視庁の間でネット・ケータイに関する関係局連絡会議を設置し、情報の共有化など、連携を強化しております。
 今後、各局等が連携してシンポジウムやイベントを実施するほか、新たにインターネットの適切な利用に関する啓発リーフレットを作成、配布するなど、子どもたちを有害情報から守る対策の充実を図ってまいります。
   〔総務局長押元洋君登壇〕

○総務局長(押元洋君) 都立の工業高校から高等専門学校への編入枠の拡大についてでございますが、ものづくりに意欲のある工業高校の生徒が、さらに高度な専門教育を受ける機会を安定的に確保するため、高等専門学校への編入枠の設定について、平成二十一年度の編入分から試行を開始することとしております。
 具体的には、八つございます高等専門学校のすべてのコースで編入生を受け入れるべく、準備を進めてまいります。
 この試行の結果を踏まえまして、さらなる編入枠の拡大も視野に入れ、今後、本格実施を目指してまいります。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) 二点についてお答えをいたします。
 まず、障害者による地域緑化推進事業についてであります。
 この事業は、福祉施設を利用する障害者が、まちの中で地域の人々に見守られながら植栽などを行うものであり、就労機会の拡大や工賃アップとともに、東京の緑化推進にも寄与するものであります。本事業の実施主体である区市町村が、地域の実情に応じた創意工夫を凝らして取り組むよう、都は包括補助事業により支援をしております。
 この事業の一層の推進に向け、都としても、ビルの屋上など、緑化スペースの提供について民間企業の協力が得られるよう、積極的な事業のPRに努めてまいります。
 次に、受動喫煙防止についてであります。
 都はこれまでに、受動喫煙防止ガイドラインを策定するとともに、健康影響についての普及啓発を行うなど、公共の場所や職場での受動喫煙防止対策の推進に努めてまいりました。
 平成十八年度に都が実施をいたしました調査では、飲食店で受動喫煙を経験したと回答した人が約七割に上り、未成年者や妊婦等も利用する場所であることから、飲食店での防止対策が課題となっております。
 このため、今年度、都は、飲食店関係団体や学識経験者等で構成される検討会を設置し、飲食店における受動喫煙防止の方策等について検討を行ってまいります。

○副議長(石井義修君) この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
 午後五時三十二分休憩

 午後五時四十七分開議

○議長(比留間敏夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 九十一番高橋かずみ君。
   〔九十一番高橋かずみ君登壇〕

○九十一番(高橋かずみ君) 当面する都政の課題について質問をいたします。知事並びに関係局長の誠意あるご答弁をお願いいたします。
 まず最初に、温暖化対策についてお尋ねいたします。
 大規模排出事業所に対する削減義務の制度について、私はさきの予算特別委員会において、制度化に当たっては事業者の意見をよく聞くことを強く求めました。加えて、今回の条例改正により、制度の大枠は定まりますが、CO2の総量削減義務という我が国初の試みが大きな成果を上げるためには、二〇一〇年度の制度開始に向けて事業者が十分な準備の時間を持てるよう、規則や指針などをできるだけ早く具体化していくことが重要であります。
 条例制定後、円滑な制度開始を目指し、どのような準備をどのようなスケジュールで進めていくのか、お伺いいたします。
 今回の制度案では、削減義務を補完するものとして、他の事業所などによる削減量を調達することで義務の履行を可能とする排出量取引制度を導入するとしております。EUの制度とは異なり、実際に削減した量だけを取引の対象としておりますが、これは、排出量取引がいたずらに投機的なものとならないようにするための措置と考えております。
 その上で、率先して削減に取り組む事業者に経済的なメリットがあるものとするためには、実際に削減した量を円滑に売却するための工夫が必要だと考えますが、所見をお伺いいたします。
 また、温暖化対策のためには、再生可能エネルギーの普及も重要であります。先日発表されたいわゆる福田ビジョンでは、国も太陽光発電の飛躍的な普及を目指すとしておりますが、知事は、太陽光だけではなく、太陽熱利用機器も含めて拡大すると本定例会の所信表明で述べられました。
 具体的にどのような方策で太陽熱利用の拡大を図っていくのか、お伺いいたします。
 今月初め、東京は見事に二〇一六年オリンピックの立候補都市に選ばれました。中でも環境に対する評価が高かったと仄聞しております。また、削減義務と排出量取引の制度を本定例会に条例提案するという知事の発表が、ロイター通信を初めとする海外の有力メディアで報道され、東京の先駆的な取り組みが世界に紹介されておりました。
 今後、世界における東京の地歩をより一層確固たるものとするため、都の環境に対する積極的な取り組みを広く世界に発信していく必要があると考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。
 次に、土壌汚染対策についてお尋ねいたします。
 過去にアメリカでは、汚染された工場跡地が放置され、大きな問題となっておりましたが、二〇〇二年に汚染の状況に応じた適切な対策をとることが制度化され、解決が図られております。東京においても、質の高い都市環境を実現する上で、工場跡地などが適切に有効利用されることが重要であります。
 一方、国の審議会では、平成十五年に施行した土壌汚染対策法の抜本的な改正の議論が始まりました。この改正には、工場廃止時だけでなく、土地改変時にも調査、対策を義務づけてきた都の環境確保条例の考え方を取り込んでいくと聞いております。
 このような内外の動向も踏まえ、都として土壌汚染施策のさらなる充実を検討すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、中小企業に対する融資制度についてお尋ねいたします。
 都内中小企業の経営は厳しい状況が続いておりますが、都の制度融資は、こうした中小企業にとって重要な資金調達の仕組みであります。昨年十月には、保証協会と金融機関との間で責任共有制度が導入され、金融機関が一定のリスクを負担することになりました。
 制度導入の初年度である十九年度の制度融資の実績についてお伺いいたします。
 厳しい経済環境の中、企業経営と環境への取り組みを両立するべく、懸命に頑張る中小企業の経営者がおりますが、こうした前向きな取り組みを支援していく視点も大切であります。
 どのような中小企業に対して積極的に資金を供給していくのか、二十年度の制度融資を初めとする金融支援策の特徴についてお伺いいたします。
 現在、原油、原材料価格の高騰や建築基準法の改正の影響を受けている都内中小企業を対象に最優遇金利の特別融資を実施しております。このうち、建築関連の特別融資は、その受け付け期間が六月末までとなっておりますが、ひところの最悪な状況は脱したものの、依然厳しい状況が続いております。
 建築関連の特別融資は引き続き維持すべきであると考えますが、所見をお伺いいたします。
 次に、都市農地の保全についてお尋ねいたします。
 私の地元の練馬区の農地は、平成七年の四百十二ヘクタールが、この十年間で約三割、百十一ヘクタールも減少しました。都市農地の減少は、国の農地制度と相続税制度が大きな要因となっております。
 我が東京都議会自由民主党都市農政を考える議員連盟も、国会議員等へ強くこれらの制度改善を要求するとともに、都にも独自の農地保全策を実施するよう要望してまいりました。
 これを受け、都では「農業・農地を活かしたまちづくりガイドライン」を策定しました。都市農地は、農産物の供給はもとより、都市の環境保全や防災など多面的機能を持っており、その保全は、今や喫緊の課題であります。開発することが前提の市街化区域内において、まちづくりの観点から都市農地を残そうという取り組みは、大変画期的であると考えます。
 そこで、このガイドラインの目的と特徴についてお伺いいたします。
 また、このガイドラインを絵にかいたもちで終わらせてはいけません。区や市が、農業、農地をまちづくりに生かすためのプランを作成することが重要であります。区や市は、さきの五月に第二回都市農地保全自治体フォーラムを開催しており、都市農地保全への機運も非常に高まっております。
 今後、都は、このガイドラインを活用して、農業、農地を生かしたまちづくりにどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
 次に、東京外かく環状道路についてお尋ねいたします。
 知事は、本定例会の所信表明で、外環の平成二十一年度の事業着手に向けた速やかな対応を改めて国に要求し、強い決意を表明しております。
 道路整備の財源問題が厳しい状況下であっても、外環の着実な整備が不可欠と考えますが、今後の都の取り組みについてお伺いいたします。
 また、外環の整備には大量の事業用地の取得が必要であります。知事も、さきの予算特別委員会で、用地取得が重大な課題であると述べております。
 外環の工程促進に向けて、国に対し用地の取得をどのように働きかけていくのか、都の所見をお伺いいたします。
 加えて、着手に当たっては、地元への配慮も重要であります。先月、東京都議会外かく環状道路建設促進議員連盟では、外環と同じ地下方式である首都高速中央環状新宿線の工事現場を視察いたしました。ここでは、換気所に低濃度脱硝設備を導入するなど、地域の環境対策が十分にとられていることを見てまいりました。
 現在、私の地元練馬区内を初め沿線各地において、環境対策やまちづくりなど、外環整備に伴う課題について住民との話し合いが進められております。
 そこで、練馬区内におけるこれまでの話し合いの状況と今後の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、東京アスリートの功績をたたえる仕組みの充実についてお尋ねいたします。
 北京オリンピックの開幕を控え、日本選手への期待が高まっております。オリンピックやパラリンピックで優秀な成績をおさめる東京アスリートの活躍は、都民を初め多くの人に夢を与えます。
 そこで、先ほど我が党の吉原議員の質問に対する答弁にありましたスポーツ表彰を充実することに加え、さらに、その感動を都民全体で共有するためにも、功績を長く都民の記憶にとどめる場をつくるべきと考えますが、所見をお伺いいたします。
 また、スポーツ表彰の充実は、後に続くジュニア選手に明確な目標を示すことにもつながります。
 これまで我が党は、ジュニア選手を育成強化することの重要性を提言してまいりました。そのためには、競技団体や地区体育協会がジュニア選手の育成強化に取り組む環境整備が求められます。
 東京国体まで余すところ五年、東京オリンピックまでは八年と差し迫っており、早急に対応が必要であると考えますが、都としてのジュニア選手育成強化への取り組みについてお伺いいたします。
 次に、都立石神井公園におけるスポーツ施設の整備についてお尋ねいたします。
 「十年後の東京」に掲げられた、水と緑で包まれた美しいまち東京の復活や、災害に強い都市をつくり、首都東京の信用を高めることを実現する上で、まとまった土地を取得し、公園整備を推進することは意義深いことであります。
 その一環として、都は、石神井公園の計画地内にある三井住友銀行所有のグラウンドを昨年度取得いたしました。私はこれまで、このグラウンドの早期取得を主張してきましたが、これで石神井公園の防災機能が充実されることになり、地元は大変喜んでおります。
 ところで、このグラウンドでは、今まで地元にテニスコートが開放されており、引き続き利用を望む声が強く寄せられております。都は、防災公園としての機能を高めるために、広場などを整備するとのことでありますが、緑豊かな公園の中でスポーツに親しむことは、都民が心身をはぐくみ、健康を増進する上でも重要なことであります。
 東京が二〇一六年オリンピックの立候補都市に選ばれた今、石神井公園の整備においても、テニスコートなどスポーツ施設の充実を図るべきと考えますが、所見をお伺いいたします。
 次に、中小河川の治水対策と、白子川、石神井川の整備についてお尋ねいたします。
 近年では、地球温暖化の影響などもあり、水害による被害が甚大化する傾向が顕著となっております。改めて、首都東京における予防的な治水対策の重要性を痛感しております。都内中小河川の五〇ミリ降雨に対する治水安全度は、平成十九年度末で七五%まで向上しております。一日も早く五〇ミリ対策を完了させるよう、一層の努力を望みます。
 そこで、都の「十年後の東京」への実行プログラムでは、今後三年の間で中小河川の整備にどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
 去る五月に、二十年の歳月と約一千億円の費用を投じて完成した神田川・環状七号線地下調節池は、神田川の水害を格段に減少させ、大きな効果を上げております。
 一方、私が住む練馬区を流れる白子川は、流域の開発が進んでいるにもかかわらず、五〇ミリ降雨に対する治水安全度はいまだ五五%であり、下水道からの雨水排水を河川でのみ込めずに発生する内水被害が頻発しております。
 しかし、白子川の五〇ミリ対策の切り札ともいうべき白子川地下調節池の整備は、現在中断された状態であります。この調節池は、都道目白通りの地下空間を利用して約二十一万立方メートルの洪水を貯留するトンネル式の地下調節池であります。白子川の五〇ミリ対策にこの白子川調節池は不可欠であり、早期に整備を再開し完成させるべきであります。
 また、私は、さきの第一回定例会予算特別委員会で、時間七五ミリの降雨も視野に入れた区部中小河川の次期整備のあり方について質問をいたしました。この白子川調節池をさらに延長して、既に完成している環七地下調節池と連結させれば、白子川だけでなく、石神井川、神田川流域など広範囲な地域を水害から守ることが可能となります。ぜひこうした効果的な治水対策を早急に検討し、首都東京の安全度を高めるべきであります。
 そこで、こうした治水対策の向上も視野に入れ、現在中断している白子川調節池の整備再開を含めた白子川の五〇ミリ対策に今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
 水害軽減には事前の対策が重要であり、白子川においても、護岸に加えて、地下調節池の整備推進を強く望みます。
 これで私の一般質問を終わらせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 高橋かずみ議員の一般質問にお答えいたします。
 都の環境施策の世界への発信についてでありますが、今回の条例改正案で二〇一〇年度から導入を予定しているCO2の総量削減義務は、オフィスをも対象とする世界で初めての試みでありまして、低炭素型都市への転換の道筋を具体的に示すものであります。
 都は、本年十月に東京で開催しますC40気候変動東京会議や、今後の参加予定の国際炭素行動パートナーシップ、ICAPの場においても、総量削減義務を初めとする都の先進的な温暖化対策を積極的にアピールしていくつもりでございます。
 都の取り組みは、地球の未来に新しい航路を開こうとするものであると自負し、先駆的な都市モデルを示していくことで、日本や世界の環境施策を牽引していきたいと思っております。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔環境局長吉川和夫君登壇〕

○環境局長(吉川和夫君) 環境施策に関する四点のご質問にお答えいたします。
 初めに、削減義務制度の実施に向けたスケジュールについてでございますが、まず、制度内容の事業者に対する説明につきましては、今月の三十日に開催を予定しております環境都市づくりシンポジウムを皮切りに、順次説明会などを行い、十分な周知に努めてまいります。
 また、削減義務率につきましては、CO2削減対策に関する知見を持つ専門家などによる検討会をこの秋に設置し、規制開始の一年前となる今年度末を目途に、削減義務率や削減期間など詳細を定める規則を制定してまいります。
 さらに、排出量の算定、検証ガイドラインなど各種指針につきましても、規則制定後、できる限り早い時期に作成の上、説明し、事業者が十分な準備期間を確保できるよう努めてまいります。
 次に、排出量取引の円滑な実施についてでございますが、都の制度においては、五年間程度の削減期間について定められる義務量を超えて削減した量を売却可能としていますが、同時に、削減に努力した事業者が速やかに削減量を売却し、メリットが得られるような仕組みも必要だと認識しております。
 このため、削減期間の終了前においても、各年度において義務量の一定割合を超える削減実績を上げた事業者は、その削減実績の売却が可能な仕組みとすることを考えております。
 また、都のホームページ上に情報公開サイトを設け、対象事業所の各年度の排出量や削減状況に関する情報を公表していくことを予定しており、こうした工夫も通して、円滑な排出量取引の推進を図ってまいります。
 次に、太陽熱利用の拡大についてでございますが、家庭でのエネルギー需要の中では、給湯や暖房のように余り高温ではない熱の需要が多く、太陽熱を住宅で使うことは、むだのない理にかなった利用法であり、CO2排出削減にも大きく寄与いたします。
 しかし、我が国においては、太陽熱温水器が、石油ショックを契機として一度は大きく普及したものの、その後の石油価格の安定化により経済的なメリットが薄れ、メーカーの撤退などもあり、環境面でのメリットが十分に理解されないまま、普及の低迷が続いております。
 そこで、都は、「十年後の東京」への実行プログラムの中に、太陽エネルギーの導入拡大を目指す三カ年プロジェクトを位置づけ、太陽光発電とともに、太陽熱機器についても飛躍的な普及を図ることといたしました。
 また、グリーン電力証書など、普及に向けた仕組みが既に整っている太陽光発電と比べて、太陽熱については、その利用によるCO2排出削減などの環境価値を評価し証書化する仕組みがまだ整っていないことから、都は、国に先駆けて、太陽熱の利用拡大に向けたグリーン熱証書検討会を今月中に立ち上げることといたしました。この証書化を通して、環境商品としてのイメージアップと同時に、経済的メリットを高め、太陽熱の利用拡大を実施してまいります。
 最後に、土壌汚染施策の充実についてでございますが、土壌汚染のおそれのある工場跡地等を調査、対策せず放置することは、環境への影響の懸念とともに、土地の有効利用や地域の活性化の観点からも課題であると認識しております。
 このため、工場跡地等を貴重な都市の財産としてとらえ、事業者が汚染の状況や周辺の土地利用等に応じた適切な対策を実施するよう促すことが必要でございます。
 このような観点から、これまでも、この春に法律改正の考え方を取りまとめた国の懇談会において都の意見を主張してまいりました。また、都が平成十八年五月に設置した、土壌汚染に係る総合支援対策検討委員会においても議論してきております。
 引き続き、独自の土壌汚染施策の充実に向けて検討してまいります。
   〔産業労働局長佐藤広君登壇〕

○産業労働局長(佐藤広君) 五点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、平成十九年度における制度融資の実績についてですが、平成十九年十月から責任共有制度が導入をされまして、金融機関が信用リスクの二割相当を新たに負担し、保証協会と連携して中小企業者の支援を担うこととなりました。
 制度導入に当たりまして、中小企業者の円滑な資金調達を確保するため、例えば、小規模事業者に対する小口融資については保証協会が全額を保証するなど、必要な措置を講じたところでございます。
 この結果、融資目標額の一兆七千五百億円を上回る一兆九千六百六十五億円の実績を上げており、大きな混乱はなく資金供給が行われていると認識をしております。
 次に、平成二十年度の金融支援策の特徴についてですが、本年度は特に、環境に配慮した経営など、中小企業者の意欲ある取り組みを支援することに力点を置きまして施策を実施してまいります。
 まず、制度融資の最優遇金利を適用した産業力強化融資の対象といたしまして、都の指定する省エネ診断を受けた企業を新たに追加いたしました。また、中小企業者における環境負荷の低い設備の導入を促進するため、企業の環境評価に応じて金利を優遇する環境配慮取り組み支援融資を創設いたします。このほかにも、都内への企業立地を促進するため、工場等の新増設を図る企業を対象に、最長十五年の長期かつ低利な融資を創設したほか、創業や企業再生に向けた取り組みに対する支援の充実を図っております。
 次に、建築関連の特別融資についてですが、本年四月の都内の住宅着工戸数は、前年同月比一五・七%の減少となっておりまして、全国平均の八・七%の減少幅を大きく上回っている状況にあります。昨年九月の最悪の状況からは持ち直したものの、いまだ都内の住宅着工の回復のおくれが際立っております。
 このような情勢を踏まえまして、売り上げの減少などに直面している企業の資金調達を引き続き支援していく観点から、今月末に受け付け期間が終了いたします建築関連中小企業者支援融資につきましては、これを延長いたします。
 次に、「農業・農地を活かしたまちづくりガイドライン」を策定した目的と特徴についてですが、都市農地の保全には、区や市が、まちづくりの計画に農業、農地の必要性を明確に位置づけることが重要であります。
 このガイドラインは、都市と農業、農地の共生という基本的な考え方のもと、区や市が農業者や地域住民とともに取り組みを推進するための指針として策定をしたものでございます。
 特徴といたしましては、農業、農地を生かしたまちづくりのモデルを具体的な五つのタイプに類型化をいたしまして、それぞれの将来像を示すとともに、区市のまちづくりに当たって参考となるよう、都内の優良事例を多数紹介したことであります。
 今後、このガイドラインを活用して、区や市とともに、貴重な都市農地の保全に努めてまいります。
 最後に、ガイドラインを活用した今後の取り組みについてですが、農業、農地をまちづくりに生かすためには、このガイドラインを参考にして、区や市が実効性のあるプランをつくることが大切なことであります。
 このため、都は今年度から、モデルとなる区や市を選定いたしまして、農業者や地域住民などで構成する協議会の設置、運営に対する補助や、きめ細かなアドバイスなど、区市のプランの作成に向けてさまざまな支援を行ってまいります。
 さらに、モデルとなりました区や市の取り組みの成果やノウハウを継続的に発信していくなど、多くの区市がこのガイドラインを活用し、農業、農地を生かしたまちづくりに取り組むよう、積極的に働きかけてまいります。
   〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕

○都市整備局長(只腰憲久君) 外環に関する三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、外環の事業着手に向けた都の取り組みについてでございます。
 外環を平成二十一年度に事業着手するためには、国において、今後見直される道路の中期計画に外環を位置づけるとともに、国幹会議を開催して整備計画を定めることが必要でございます。
 加えて、新規事業となりますので、予算の確保や現場の執行体制の確立が不可欠でございます。
 都といたしましては、外環の早期着工が、国が最大限の協力を約束した都の重要施策の一つであることを踏まえまして、これらを着実に実行するよう、国に対して強く働きかけてまいります。
 次に、外環の用地取得についてでございますが、外環事業では、インターチェンジは四カ所ございまして、合わせて約四十ヘクタールの土地の取得、それと約千棟の家屋の移転が必要でございます。
 外環は、国がその責任において整備すべき路線ではございますが、工程促進に向けましては、国と都が協力して、優先度の高い箇所から、順次、用地の確保に取り組むことが重要でございます。
 このため、都は現在、協力の具体的な内容につきまして国と協議を重ねており、できるだけ早期に合意が得られるよう取り組んでまいります。
 最後に、練馬区内における話し合いの状況と今後の取り組みについてでございますが、外環の事業着手に向けては、沿線の各地域において、国や関係区市と連携して、地元の理解と協力が得られる環境を整えることが重要でございます。
 お話にございました練馬区内では、大泉ジャンクション地区において、約百二十名の住民の方が参加するワークショップをこれまで二回開催いたしまして、環境対策や周辺交通対策など、外環整備に伴う地域の課題について意見交換を行っております。
 また、青梅街道周辺地区においても、話し合いの場の設置の準備を進めております。
 今後、それぞれの地域において課題への対応方針を明らかにして、事業実施に反映させてまいります。
   〔生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君登壇〕

○生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君)
 スポーツ振興に関する二点の質問にお答えいたします。
 まず、東京アスリートの功績を記憶にとどめる場についてであります。
 鍛え抜かれた世界のアスリートがわざと力を競う国際大会で東京アスリートが活躍する姿は、都民に大きな夢と感動を与え、社会に活力をもたらすものでございます。
 今後、スポーツ表彰を充実するとともに、オリンピックやパラリンピックで顕著な成績をおさめた東京アスリートの栄誉をたたえ、その功績を長く都民の記憶にとどめる場を用意し、広く都民に発信していきたいと存じます。
 次に、ジュニア選手の育成強化についてでありますが、東京都競技力向上基本方針・実施計画に基づき、東京国体及びオリンピックでの活躍が期待されるジュニア世代の競技力向上に積極的に取り組むことが重要であります。
 このため、今年度から、競技団体によるジュニア特別強化事業の対象を、二十競技から国体の全四十競技に広げるとともに、地区体育協会によるジュニア育成地域推進事業の種目や参加人数の拡大を図ったところでございます。
 さらに、ジュニア強化選手や国体選手強化指導員を認定するなど、競技団体や都及び地区の体育協会などと連携しながら、選手強化体制の整備を進めてまいります。
   〔建設局長道家孝行君登壇〕

○建設局長(道家孝行君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、石神井公園におけるスポーツ施設の整備についてでありますが、石神井公園は、東京都地域防災計画で震災時の避難場所やヘリコプター活動の拠点に位置づけられており、防災公園としての機能を向上させる必要がございます。
 また、平常時には都民がレクリエーションとしてスポーツを楽しめるよう、スポーツ施設の充実を図ることも大切であり、これまで野球場三面を整備し、都民に提供してきたところでございます。
 このため、平成十九年度に取得した二・二ヘクタールの用地の整備に当たりましては、震災時にはヘリコプターによる救出救助や物資輸送が円滑に行えるよう、主に広場として整備するとともに、地元におけるこれまでのスポーツ施設の利用実態を考慮して、テニスコートなどの整備も検討してまいります。
 次に、中小河川の今後三年間の取り組みについてでありますが、都は、水害から都民の命と暮らしを守るため、平成二十七年度までに、過去三十年間に水害をもたらしたものと同規模の降雨による洪水の九割を解消することを目標に中小河川の整備を進めております。
 こうした目標の実現に向け、「十年後の東京」への実行プログラムでは、神田川や渋谷川・古川、白子川などの豪雨対策促進流域において、護岸や調節池の整備を重点的に進めることとしております。これらの整備により、対策促進流域では、今後三カ年の間に、五〇ミリ降雨に対する治水安全度を四ポイント向上させ、平成二十二年度末には八四%にすることを目指してまいります。
 今後とも、国費などの財源確保に努め、中小河川における水害の早期軽減に取り組んでまいります。
 最後に、白子川における今後の河川整備についてでございます。
 都はこれまで、下流から順次、護岸整備を進めるとともに、中流部には比丘尼橋上流調節池及び下流調節池を完成させるなど、水害の早期軽減に努めてまいりました。
 平成十九年度末における白子川の五〇ミリ降雨に対する治水安全度は五五%となっております。
 お尋ねの白子川地下調節池は、五〇ミリ対策に必要な施設として、既に発進立て坑が完成しており、洪水を貯留するトンネル部分の工事着手については、事業箇所の進捗状況や財政状況などを勘案しながら検討してまいります。
 今後とも、実行プログラムに基づき、護岸の整備を着実に推進し、白子川の五〇ミリ対策を早期に完成するよう全力で取り組んでまいります。 

〇議長(比留間敏夫君) 九十七番初鹿明博君。
   〔九十七番初鹿明博君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○九十七番(初鹿明博君) 先月、私の地元江戸川区の閑静な住宅街に、知的障害者グループホームが新しく開設されました。このグループホームの運営母体は、障害者の親が中心となって設立されたNPO法人で、チャリティーコンサートを開催して資金を集めるなど、約二年にわたって準備を進めてきました。グループホームの開設に当たっての最大の課題は場所の確保であって、このNPOも、場所を見つけるのに大変苦労したそうです。
 このNPOは、区や都の福祉保健局、都市整備局などの協力で、一時は、都営住宅の空き家を活用する制度により、区内の都営住宅で開設する準備を進めていました。しかし、残念なことに、同じ棟の住民の反対に遭い、結果として、民間の一軒家を借りて開設することになりました。
 今回の事例でも明らかなように、都営住宅の空き家が利用できるからといって、簡単にグループホームの開設ができるものではありません。現在の都民の障害者に対する理解や意識を考えると、既に居住者がいるところで住民の理解を得ていくことは容易でないことが想像できます。
 現在、都営住宅の建てかえが各地で行われておりますが、建てかえ時に、最初からグループホームが整備されていれば、事前にわかった上で入居してくることになるのですから、居住者からの反対の声も上がりにくくなり、住民の反対により開設が見送られるということがなくなると考えられます。
 また、グループホームとして整備することで、複数の他人が共同生活するグループホームにふさわしいような、個人の個室と共用スペースとがうまく配置された間取りにすることができ、使い勝手もよくなるのではないかと感じます。
 このような観点から、都営住宅の建てかえ時に、グループホームをあわせて整備すべきだと考えますが、所見を伺います。
 先ほど例に挙げたグループホームの件でも明らかなように、現在でも、障害者に関連する施設の計画が持ち上がると、心ない近隣住民から反対の声が上がることがしばしばあります。車の出入りが多くなり危険だとか、人の出入りが多くなるなどと、もっともらしい反対理由を前に出しますが、根底にあるのは障害者に対する差別や偏見だと感じます。
 私はこれまで、一昨年の第二回定例会の代表質問、昨年の第一回定例会の一般質問で、障害者に対する差別や偏見をなくす取り組みについて知事に質問してきました。
 知事は、障害者の差別をなくすため、都は、あらゆる機会をとらえて、障害のある方とない方との交流を広げ、障害に対する都民の理解を深めてきた、また、我が国には元来、人間の存在を慈しみ、とうとぶという独自の価値観があり、障害のある人もない人も、社会の一員として互いに尊重し支え合いながら、ともに生きる社会を実現するための土壌が、文化的にも伝統的にも、日本人の情念としてありますと答弁をしていますが、残念ながら、都の取り組みが届いていない都民が多くいるのが現実ですし、また、知事がいう日本人の情念が備わっていない方も多いのが事実です。
 障害者に対する差別や偏見が心の中に生まれてしまうのはどうしてなのか、また、このような感情を持っている人の考え方を変えるためには何が必要だと思うか、知事のお考えをお聞かせください。
 健康ブームを象徴してなのか、ストレスの多い社会になっていることが原因なのか、ちまたには、クイックマッサージ、足裏、タイ式、英国式など、あまたのマッサージ店が存在します。これらマッサージ店の多くは、国家資格である、あんまマッサージ指圧師の資格を有する従業員が全くおらず、素人が簡単な研修を受けただけでマッサージを行っているのが現実です。
 そもそも、あんまマッサージ指圧を業とするためには、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律、いわゆる、あはき法に基づき、三年間の養成学校などを卒業し、国家資格に合格しなければなりません。
 無資格者が行う法定外医業類似行為については、最高裁の判決により、健康に害を及ぼすおそれがない場合は、禁止処罰の対象とはならないとされています。しかし、国は、人の健康に害を及ぼすおそれの基準は明確にしていません。
 さらに、あはき法では、国家資格である、あんまマッサージ指圧師が行うマッサージの定義もなく、マッサージという名称の独占使用も規定していないために、このような無資格者のはんらんを招いています。
 また、資格者には法律で広告の規制がされていますが、法の対象外の無資格者は広告宣伝が自由にできることも公平性を欠いているといわざるを得ません。
 あんまマッサージ指圧師は、はり、きゅうと並んで、視覚障害者のつく職業として長い伝統があり、多くの視覚障害者の暮らしを支えてきた仕事であります。都内のあんまマッサージ指圧師約二万六千人のうち、約一八%の四千七百人が視覚障害者です。現在でも、文京盲学校の専攻科には、国家資格取得を目指して多くの視覚障害者が通っており、十八年は二十一名、十九年は二十九名というように、毎年、資格を取得して卒業生が巣立っています。
 無資格者のはんらんが視覚障害者の職を奪うことにつながっていることを考えても、早急に対策が必要です。
 厚生労働省はホームページ上で、無資格者によるあんまマッサージ指圧業等の防止のため、有資格者による施術を受けるようにと呼びかけていますが、法整備については重い腰を上げていません。
 国家資格を有するあんまマッサージ指圧師が、無資格者の増加により職域を侵されることがないように、無資格者の取り締まりの強化並びに医業類似行為の範囲の明確化などの法改正を国は早期に行う必要があります。
 都は、国に対して、早期に法整備するよう働きかけていく必要があると考えますが、所見を伺います。
 無資格マッサージを防止するために、多くの自治体がホームページで、有資格者からの施術を受けるように呼びかけを行っていますが、残念ながら、無資格マッサージが最も多いと考えられる東京都のホームページには、このようなページはありません。都は、都民が重大な健康被害に遭わないようにするためにも、法の内容を周知し、有資格者の施術を受けるよう、普及啓発を行うことが必要です。
 また、ホテルや旅館などに派遣されるマッサージ師は有資格者とするように、業界団体に要請することも必要だと考えますが、東京都の取り組みについて所見を伺います。
 一部の派遣会社の法令違反に端を発して派遣労働が社会問題化し、派遣労働自体が格差の元凶であるかのような誇張した報道が多く見受けられるようになっていますが、私は、派遣労働を希望している方の雇用の機会を奪い、多様な働き方が制限されることのないようにしなくてはならないと思います。
 実際に、都が昨年行った派遣労働に関する実態調査によると、派遣の仕事を選んだ理由として、約四三%の方が、自分の都合に合わせて働けることを理由に挙げています。
 しかし、その一方で、正社員として適当な仕事がなかったと回答した方は約三八%で、このように、正社員で働くことを望みながらも、正社員になれずにとりあえず派遣で働いているという方に対しては、その道を開くための支援制度の整備が必要だと考えます。
 派遣先による直接雇用を促進する紹介予定派遣も増加していますが、正社員になることが確約されたものではありません。
 都は、正社員として働くことを希望している派遣社員などが働きながら就職支援を受けられるような取り組みを進めるべきと考えますが、所見を伺います。
 また、派遣労働をめぐっては、契約時に派遣元が十分に契約内容を明示していなかったり、労働者の側の知識不足により契約内容を理解していなかったりということにより、契約内容、契約の中途解除、契約更新などのトラブルが後を絶ちません。最近では、派遣社員も加入できる労働組合も組織されていますが、派遣労働者は勤務先が雇用主ではなく、雇用主である派遣元が職場でないために、労働組合への加入も難しく、どこにも相談できず、ひとり泣き寝入りしてしまっている労働者が多くいると考えられます。
 そこで、派遣労働の契約上のトラブルや契約内容の可否について相談のできる窓口の周知を図るべきだと考えます。特に、契約の更新時期となる春や秋には、派遣労働一一〇番と銘打って電話相談キャンペーンを張るなどして、労働者がひとりで思い悩むことのないような充実した相談体制をとるべきだと考えます。
 派遣労働に関する相談体制について、都としてどのように取り組みを進めていくのか、所見を伺います。
 地球温暖化の防止が喫緊の課題であることはいうまでもありません。東京都が今定例会に環境確保条例の改正を提案したことは、時宜にかなったことと思います。
 CO2の削減をより進めるために、この改正案で示された取り組みに加えて、何点か提案させていただきます。
 まちを歩くと自動販売機を目にしないことがないように、我が国は自動販売機大国であります。飲料用だけでも全国で二百六十八万台、都内では、推計で二十二万台もの飲料用自動販売機が設置されているといいます。
 海外では、世界最大の台数を設置しているアメリカを除き、自動販売機を町中で目にすることはほとんどありません。
 自動販売機は、ここ数年の技術革新の結果、十五年間で一台当たりの消費電力は半減していることも承知していますが、住宅街の奥の奥まで数メートル間隔で何台も設置されていたり、二十四時間のコンビニの隣にまで設置され、深夜までこうこうと照明がついている状況を目の当たりにすると、エネルギーのむだ遣いだといわざるを得ません。
 いきなり台数制限を課すことは、営業上の問題もあり、早急には難しいでしょう。しかし、日本全体が省エネに取り組んでいる中で、自販機だけはこれまでどおり何台も並んで、こうこうと明かりをともし続けるというわけにはいかないと思います。
 そこで、自販機に対して何らかの対策が必要であると考えますが、所見を伺います。
 次に、都庁内、都庁職員の取り組みについて伺います。
 今回提案されている環境確保条例改正案では、CO2の大規模排出事業所に削減義務を課すという、国際的にもトップレベルの取り組みを求めています。このような民間に厳しい努力を求める以上は、東京都並びに都の職員の皆さんも、より一層の努力を行うべきだと考えます。
 これまでも東京都は、温暖化防止への取り組みを行ってきていることは承知していますが、都民の目に明らかに対策を講じているとわかり、民間の模範となるような取り組みがこれからは必要だと思います。
 特に、都の職員全員が、都庁の中だけでなく日常的に行動していくことが都民全体への啓発にもつながると感じます。
 例えば、私は毎日マイはしを持ち歩き、割りばしを使わないようにしています。マイはしです。(実物を示す)
 割りばしは間伐材を利用しているから、環境破壊にはつながらないとの反論をする方もいますが、間伐材なら別の用途での使用促進を図るべきで、少なくとも、使い捨ての割りばしは、物を大切にする心には反しますし、ごみとなり焼却されることによりCO2を排出するのですから、使用量を減らしていくことは必須だと考えます。
 また、マイはしやマイバックを持つことで、環境に対する意識が大きく変わります。公共広告機構のCMでも、「しっているを、しているへ。」といっているように、一人一人が身近なところから、こつこつと取り組んでいく必要があるのです。
 都庁を初め都の施設には、多くのテナントが入っています。こうした店舗に対して、飲食店では割りばしの使用を禁じ、塗りばしを使うようにする、物品を販売する店舗は、原則レジ袋は渡さないことなどを義務づけるべきだと考えます。
 また、自動販売機に関しても、台数の整理を行い、少しでも電力使用量を削減するべきです。
 加えて、都の職員全員でマイはし、マイバック運動を行えば、世論に対する大きなアピールになるはずです。
 仮に、都の職員約十七万人のうち、毎日一割がランチで割りばしを使うとすると、一週間で八万五千ぜん、一年間の勤務日数を二百日とすると、三百四十万ぜんもの割りばしが一年間でごみとして焼却されていることになります。
 都庁舎で働く一万二千人の職員で同様に考えても、一週間で六千ぜん、一年間で二十四万ぜんものごみが出されていることになります。
 このような現実も踏まえ、都庁みずから、都職員全員で積極的な取り組みを進めていくべきだと考えますが、知事の所見を伺います。
 世論に大きな影響力を持つ石原知事、ぜひ、きょう、マイはしを進呈いたしますので、知事もお使いいただきますようにお願いをしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔初鹿明博議員、知事に実物を渡す〕
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 初鹿明博議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、障害者に対する差別や偏見についてでありますが、人間は、どんなハンディキャップを負っていようと、それぞれ異なる個性、能力を持って、はかり知れない可能性を持っておるものでありまして、それを相互に認め合えば、差別や偏見は生まれてこないと思います。そのためにも、積極的に障害者と話し合うということが私は大事じゃないかと思います。
 繰り返して申しますけれども、あらゆる機会をとらえて、障害のある方とない方との交流を広げ、障害者に対する理解を広めていくことが大切であると思います。
 都は、障害者を支える人々、さらに区市町村などと力を合わせながら、障害のある方々が地域の中で自立し、安心して暮らせる社会を実現していきたいと思っております。
 次いで、省エネ、節電の都庁みずからの取り組みについてでありますが、東京における大幅なCO2削減を実現するためには、都民、事業者などあらゆる主体に、その役割と責任に応じた積極的な取り組みを行うことが求められると思います。
 都庁や都職員みずからの行動においても、都民、事業者の模範となるよう、省エネ、節電を率先垂範すべきであることはいうまでもありません。
 まさに、そうした努力が、ちりも積もれば山となるわけでありまして、都は、平成十九年にカーボンマイナス都市づくり本部を設置し、大幅なCO2削減に向けた十年プロジェクトの取り組みを開始しましたが、その中で、都有施設における省エネ、節電、再生可能エネルギーの導入などの取り組みを全庁的に推進しております。
 今後とも、積極的に都庁の率先行動を進めてまいりたいと思います。
 他の質問については、関係局長から答弁します。
   〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕

○都市整備局長(只腰憲久君) 都営住宅建てかえ時のグループホームの整備についてのご質問でございます。
 建てかえに際しましては、必要な住宅を整備することを基本とした上で、福祉サービスの充実など、地域のさまざまな課題に配慮することとしております。
 グループホームにつきましては、都営住宅建設に関連する地域開発要綱に基づきまして、地元区市と協議し、知的障害者グループホームなど、地域の特性に応じた整備を支援しております。
 今後とも、都営住宅敷地の状況などを勘案しながら、地元区市や関係局と連携し、適切に対応してまいります。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) 二点についてお答えをいたします。
 まず、あんまマッサージ指圧業の法整備についてであります。
 都は、適切な指導取り締まりを行うことができるよう、国に対しまして、次の三点を明らかにすることを繰り返し求めてまいりました。
 第一に、法定の医業類似行為と、それ以外の行為の判断基準、第二に、法定外の医業類似行為が人の健康に害を及ぼすおそれがある場合の判断基準、第三に、行政として、法定外医業類似行為を行う施設に対しとり得る対応とその根拠についてであります。
 しかしながら、国は、いまだ何らの対応もしておらず、都としては、引き続き国に要求することといたしております。
 次に、無資格者によるあんまマッサージ指圧業の防止についてでありますが、都では、ホテル、旅館の業界団体に対しまして、あんま、マッサージ、指圧に従事する者を雇用する際には免許証の提示を求めるなど、無資格者がこれらの行為を行うことのないよう、依頼をしております。
 また、法令を所管する厚生労働省が、ホームページにより注意喚起を行っているところでありますが、都としてもこれを活用しながら、都民に対して、ホームページ上で周知をしてまいります。
   〔産業労働局長佐藤広君登壇〕

○産業労働局長(佐藤広君) 派遣労働に関する二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、派遣社員などへの就職支援についてですが、都では、派遣社員などの方々が働きながら支援を受けられるよう、しごとセンターにおきまして、夜間や土曜日にもキャリアカウンセリングや職業紹介を行っているほか、セミナーや合同就職面接会等を実施しております。
 また、能力開発への支援につきましては、職業能力開発センターにおきまして、夜間や土日にも職業訓練を実施しております。
 これらの支援策は、就職情報誌や都のホームページ等によりまして、離転職者に広く行き渡るよう周知に努めております。
 今後とも、こうした取り組みによりまして、派遣社員などとして働く方々を支援してまいります。
 次に、派遣労働に関する相談体制についてですが、都では、都内六カ所の労働相談情報センターにおきまして、さまざまな労働相談を受け付けております。
 センターの相談窓口は、働いている方々が利用しやすいよう、夜間や土曜日にも開いておりまして、ホームページ等で広く周知を図っております。
 また、毎年五月と十月に、新宿駅を初めとする街頭で労働相談を行っているほか、十一月を強化月間として、派遣労働等の非正規労働に関する相談会などを集中的に実施しております。
 今後とも、こうした取り組みによりまして、相談体制の充実に努めてまいります。
   〔環境局長吉川和夫君登壇〕

○環境局長(吉川和夫君) 自動販売機の省エネ対策についてでございますが、CO2削減の観点から、利便性のみを追い求めてきたライフスタイルの見直しが必要となっております。
 このため、都におきましては、ビジネススタイルやライフスタイルの転換に向け、深夜にこうこうとともる広告用照明や百貨店等の深夜営業時間の短縮などとともに、自動販売機の消灯についても、省エネ実践行動に向けた協議を関係事業者と進めております。 

〇副議長(石井義修君) 九十番野島善司君。
   〔九十番野島善司君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○九十番(野島善司君) 最初に、組織を支える人づくりについて伺います。
 今、いわゆる団塊の世代の大量退職期を迎え、官民を問わず、核となる人材の確保、育成が喫緊の課題となっております。
 今年度の都職員の採用PRのキーワードは首都公務員でした。
 また、採用情報ホームページでの知事の動画メッセージからも、人材確保、人材育成への熱い思いを感じました。
 また、ことしの入都式において、知事は、東京が日本という国家の中でどのような意味合いを持つかということを改めて考えてほしいというメッセージを送られました。
 首都東京は、さまざまな機能が集積した都市であり、広域行政はもちろん、大都市行政、そして、社会を構成するさまざまな主体との協働などの役割を担い、地方政府の雄として国を動かしていく気概も必要です。
 その行政を遂行する公務員は、旧来の役人の概念を越えたものでなければならないと考えます。
 ここで改めて、今後の都政を担う人材としての首都公務員像について、知事の思いをお聞かせください。
 また、これまで都は、血のにじむような内部努力を重ねてきたところですが、今こそ次代を担う職員を積極的に投資し、その付加価値を高め、ひいては、都庁外でも通用する人材の確保、育成に大きく軸足を移すべきと考えます。知事のいう首都公務員を標榜するなら、なおさらでございます。
 地球規模での施策を国に先駆けて行っている都政においては、高度な業務に対応できる能力、創意、フットワークなどを兼ねた人材が不可欠でございます。
 こうした要請にこたえ、都政を支える核となる人材の確保、育成に必要な投資をすべきと考えますが、今後の人づくりに対する基本的な考え方と取り組みの方向について見解を伺います。
 次に、平成二十五年に多摩・島しょ地域を中心として開催する東京国体については、間もなく内定とのことでありました。
 本大会につきましては、今日までも、競技種目、会場、施設整備等について区市町村との協議も積み重ねられてきたところでありますが、内定を機に、なお一層着実な取り組みが求められます。
 この東京国体、並びにこの国体とあわせて開催予定の全国障害者スポーツ大会についてお尋ねをいたします。
 私は、去る五月三十一日に東京都障害者スポーツ大会の、六月八日にはスペシャルオリンピックス日本・東京夏季地区大会の開会式に出席いたしました。
 選手宣誓では、支えてくださったすべての方々のために、たとえ勝てなくても、出場できた喜びにとの言葉が印象的でありました。この言葉に、挑戦する心、支えられることへの感謝、ともに支え合っていくことへの喜びなど、障害者スポーツの振興の大切さを痛感いたしました。
 来年の東京二〇〇九アジアユースパラゲームズに大いに期待をいたしております。
 ところで、私は、さきの予算特別委員会において、東京国体開催年に行われる全国障害者スポーツ大会に当たっては、企画段階から障害者の方々にもご参画をいただき、開催プロセスを通じてさまざまな交流が織りなされるよう創意工夫すべき旨要望いたしました。この四月一日の組織改正により、両大会を担当する部署が設けられました。
 そこで、東京国体の今後のスケジュールと開催基本構想について伺うとともに、国体と全国障害者スポーツ大会をどのように開催、運営していかれるのかをお伺いいたします。
 次に、保育サービスについて伺います。
 保育サービスは、保育に欠ける子に対する措置的なサービスから、子育てと仕事の両立を支援し、ワークライフバランスを実現するための基幹的な子育て支援サービスへと、その役割が大きく変わってきています。
 働く女性の多くが仕事と子育ての二者択一を迫られる状況を打破し、日本の活力の維持向上のためにも、労働力人口を確保するための政策転換が必要です。
 国は、昨年末に、子どもと家族を応援する日本重点戦略を取りまとめ、今後の少子化対策の基本方針として、働き方の見直しによるワークライフバランスの実現と、新たな次世代育成支援の枠組みの構築の二つの取り組みを車の両輪として進めていくことを発表いたしました。
 これを受けて、本年三月から、社会保障審議会少子化対策特別部会において、新たな次世代育成支援のための具体的な制度設計の検討が開始され、今般、次世代育成支援のための新たな制度体系の設計に向けた基本的考え方が取りまとめられました。
 この中では、保育サービスの利用要件のあり方や、保護者とサービス提供者の契約など利用方式のあり方などについても触れられています。
 また、時を同じくいたしまして、地方分権改革推進委員会の第一次勧告が出され、この中でも、保育所の入所要件の見直し、直接契約の導入、全国一律の設置基準の見直しなどが盛り込まれています。
 新しい仕組みの導入には、保育サービスの量の拡大と、それを裏づける財源の確保が不可欠であり、まだまだ解決すべき課題は多い状況でありますが、都が独自に創設した認証保育所で実践し、国に提案要求してきたことが、ようやく実現に向けて動き始めた感がいたします。
 そこで、保育サービスの規制改革に関する現在の国の動向について、都の見解をお伺いします。
 希望するすべての人が安心して子どもを預け、働くことができるようにするためにも、保育サービスの量的拡大だけでなく、質の維持向上も重要でございます。
 認証保育所は、大都市の保育ニーズに対応したサービスとして、都民から広範な支持を得て、設置数は着実に増加し、今後も、保育サービス拡充緊急三カ年事業により、三年間で六千五百人分の整備が予定されております。
 引き続き、保育の実施主体である区市町村との連携を強化し、設置促進とともに事業者指導を適切に行うなど、サービスの質の向上にも努めていただきたいと思います。
 次に、既存マンションの流通促進について伺います。
 政府の二百年住宅構想にもあるように、良質な住宅を長期にわたり活用するストック重視の住宅施策を展開していくためにも、住宅の適切な評価と、円滑に取引される既存住宅の流通市場の整備は重要な課題です。
 都においては、昨年七月に、戸建て住宅向けの「安心して住宅を売買するためのガイドブック」を作成し、広く都民や関係業界に活用されていると聞いております。
 さて、東京においては、分譲マンションがこの十年間で倍増し、百四十万戸を超えました。かつての一戸建てに至る住みかえ過程の住宅としてではなく、戸建て住宅、あるいはほかのマンションからの住みかえ対象として取得されることも多くなってきているようでございます。
 こうした状況を踏まえ、私は、既存分譲マンションについても、都民が安心して売買できる環境づくりを目指し、関係業界と連携し取り組むべきと考えます。
 都においても、マンション向けのガイドブックの検討をされると聞いておりますが、その検討状況について伺います。
 一般的に、マンションは管理を買えといわれます。申すまでもなく、分譲マンションは、区分所有の共同住宅であることから、みずから維持管理できる専有部分と、そうでない共有、専用使用部分があります。そのため、取引に当たっては、管理規約や修繕計画など、維持管理に関し多くの留意すべき事項があると思われます。
 また、築後年数や管理状況により、耐震性を初めとする建物の性能、品質や劣化状況が異なる実情にございますので、これらの確認、適切な評価を促す流通の環境づくりも大切です。
 ガイドブックの特徴と今後の取り組みについて伺います。
 次に、林業振興について伺います。
 先般、私は、先ほどの石森議員ともども、木材の流通状況調査のため江東区新木場に赴きました。現在、新木場で流通している木材は、ほとんどが外国産とのことでございました。
 昨今、中国やインドの経済成長により木材需要が大幅に伸び、世界的には木材貿易量は増加しています。一方、ロシア政府は、丸太の輸出税を段階的に引き上げることを表明いたしております。
 木材輸入を取り巻く状況下、国産材の利用が見直される、こんなふうに思っております。
 こうした中、都が進めている花粉症対策により、今後、広範囲の森林が伐採されることから、多摩産材の利用拡大のチャンスでもあります。加えて、先ほど石森議員も指摘されました、地球温暖化対策にも有効でございます。
 そのためにも、木の伐採、木材の有効利用、跡地への植林、保育という森林の循環を取り戻し、林齢構成の適正化をしていかなければなりません。今こそ、国産の木材、特に多摩産材を大いに利用しなければなりません。
 私ども都議会自由民主党も、野村有信会長のもと森林・林業・木材産業活性化促進議員連盟を再起動させ、川上から川下までの振興策に取り組むことといたしました。
 そこで、多摩産材の利用、とりわけ需要の多い民間利用拡大に今後どのように取り組むのか、お伺いをいたします。
 次に、産業振興について伺います。
 荒々しい世界経済のうねりの中、日本が新しい産業を創造する力を問われています。国内の各地域においては、地域産業の活性化を目的に、企業誘致の地域間競争が繰り広げられています。
 東京は、研究開発機能を初め、すぐれた都市機能の集積の利点がある反面、地価高などの制約もあります。こうした中にあっては、地域が主体性を発揮し、それぞれの持つ強みを生かした地域産業振興に取り組むことにより、企業や人材、技術、情報の集積と集中が促され、新産業が創出されるものと考えております。
 都においては、今年度から、区市町村と連携して企業立地促進を図っていく、創造的都市型産業集積創出助成事業を実施するとしております。本事業を進めるに当たっての考え方について伺います。
 最後に、私の地元であります北多摩北部地域の小児医療についてお伺いをいたします。
 都では現在、都立病院改革マスタープランに基づき、三つの都立小児病院を移転、統合し、心と体を総合した医療を提供する東京における小児医療の拠点として、小児総合医療センターの建設が平成二十二年三月の開設を目指して進んでおります。
 一方、地元にとっては、移転後の小児医療体制をどのように確保していくのかが大きな課題でございます。これに対し、北多摩北部二次医療圏の構成市は、地元医師会の協力のもと、共同事業としての準夜間救急事業の開始、拡充に今日まで努めてまいりました。
 一方、多摩北部医療センターについては、小児二次救急医療にご努力をいただいているということを承知をいたしております。
 全国的に小児科医が不足している中で地域の小児医療体制を構築するためには、それぞれの医療機関の役割分担と連携を強化し、重層的な医療体制を整備していくことで地域医療の充実を図っていかなければなりません。
 一方、小児総合医療センターがみずからの役割を果たしていくためには、関係局、機関と連携し、都民から安心を得られる体制を構築していかなければなりません。
 清瀬小児病院の移転まで二年足らずとなった今、改めて、北多摩北部地域の小児医療におけるそれぞれの医療機能の役割分担と連携強化策について、これまでの地域との協議会、取り組みも踏まえ、小児医療センターを開設する立場からのご見解お伺いいたしまして、私の一般質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 野島善司議員の一般質問にお答えいたします。
 東京の公務員、首都公務員像についてでありますが、東京は、世界を代表する成熟を遂げた大都市でありまして、日本の頭脳部、心臓部であると思っております。
 今後の東京の発展が、日本の命運そのものを左右するといっても過言ではないと思います。
 ゆえにも、都職員は、このような首都東京の現場を直接担う、プロ中のプロでありまして、また、日本の未来を切り開くフロントランナーでなくてはならないと思います。
 その立場は、国家公務員でもなく、地方公務員でもない、まさに首都公務員というべきものであると思います。
 それゆえに、都職員は、日本全体を牽引していく気概や、既存の枠組みに縛られない大胆でかつスピーディーな行動力、発想力、そして、現場を持つ強みを生かして独自の政策を企画、実行する能力などが強く求められると思います。
 同時に、地方政府のリーダーとして、国に対して、はっきり物をいうことも必要であります。
 私も国会に長くおりまして、何度か閣僚しましたが、そのたびに国の官僚がいうことは、石原さんは非常に官僚に対して批判的でありますけれども、我々の特質はコンティニュイティーとコンシステンシー、つまり継続性と一貫性であると、なぜかこっけいに自負しているんですが、この変化の激しい時代に、継続性、一貫性に終始していたら、とても行政というものは現実の変化に追いついていかないと思います。
 都はこれまでも、国の硬直したキャリア制度とは異なる独自の能力業績主義によりまして、優秀な職員を育成し、公会計制度の構築など、全国に先駆けた数々の取り組みを行ってきております。
 さらに今後も、オリンピック招致活動の国際舞台への展開や、国に先んじた具体的な地球温暖化対策の実施など、さまざまな課題に取り組まなければなりません。
 これらの重要課題に職員一人一人が積極的に挑戦し、首都公務員としての資質に一層の磨きをかけていくことを期待しております。
 特に、やはり都が抱えている行政の大きなイシューに直接関係のある局に所属している職員だけではなくて、やはり他の局の局員もその問題に視線を当てて、いわば局をまたいだ、ラインをまたいだ協力をしてもらいたいと思うんですが、なかなかそうもいかない節がございまして、例えばオリンピックのキャンペーンに関係のある、ささいでありますけれども、かなり派手な行事をやりましたが、なぜか知らぬけれども、局がばらばらにやりまして、二回のイベントをするという。これ、一緒にやればずっと効果があるのに、そういったものを束ねる発想というのか、能力というのか、気がきかない。それはやっぱり、これから首都公務員として淘汰していかなくてはいけない資質だと思います。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔総務局長押元洋登壇〕

○総務局長(押元洋君) 二点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、今後の人づくりに対する考え方等についてでございますが、都政を取り巻く環境がさまざまに変化する中、首都公務員として都政を支える気概と能力を持ったプロ職員の確保、育成はますます重要な課題となっております。
 都はこうした認識のもとに、これまでも、各職場における研修、OJTの推進に向けた体制の構築や、海外研修等高度な業務に対応できる研修の充実など、人材育成施策の強化を図ってまいりました。
 今後はさらに、職員が高度で多様なスキルの習得にみずから進んで取り組むことができる自己啓発促進の仕組みづくりなどを進めてまいります。
 またあわせて、外部人材の積極的登用や、意欲と能力のある人材の確保に向け、採用活動の強化も図ってまいります。
 こうした取り組みを着実に進め、活力ある都政の実現に引き続き努めてまいります。
 次に、東京国体と全国障害者スポーツ大会についてでございます。
 第一回定例会においていただきました国体の開催決議を添えて、去る六月四日、開催申請を行ったところでございまして、七月には、平成二十五年の東京での開催が内定する予定と聞いております。
 現在、東京国体を国内最高のスポーツ大会と位置づけ、スポーツへの関心を高めていくとともに、東京の多様な魅力をアピールする大会となるよう、新しい国体像を発信していく開催基本構想を策定しているところでございます。
 また、総務局では今年度から、東京国体に加え、第十三回全国障害者スポーツ大会の開催準備を担うことといたしました。
 この大会は、障害者スポーツの全国的な祭典として、平成十三年以降毎年開催され、障害のある選手がスポーツの楽しさを体験するとともに、国民の障害に対する理解を深め、障害者の社会参加の推進に寄与しております。
 都におきましては、スポーツを通じて、障害のある人とない人の連帯の輪を広げるため、平成二十五年の両大会を、ともに支え合う一つの祭典として開催できますよう、検討を進めてまいります。
 全国障害者スポーツ大会も、国体と同様、都議会や区市町村、競技団体など、各界各層の皆様方にご参加をいただきながら、開催準備に万全を期してまいります。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) 保育サービスの規制改革についてお答えをいたします。
 都は、独自に認証保育所制度を創設するとともに、保育に欠けるという入所要件の見直しや直接契約の導入など、保育所制度の抜本的改革を国に提案要求してきましたが、国はこれまで、改革に踏み出すことはございませんでした。
 今般、お話のありましたように、社会保障審議会や地方分権改革推進委員会が、相次いで規制改革による新たな保育サービス提供の必要性を示したことは、これまでの都の主張に沿うものであり、保育所制度の改革が実現に向けて前進したものと考えております。
 今後とも、認証保育所が果たしてきた役割や成果などを踏まえ、国に対し、保育所制度の改革実現を粘り強く働きかけてまいります。
   〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕

○都市整備局長(只腰憲久君) 既存マンションを売買するためのガイドブックについてでございます。
 既存の住宅ストックを有効に活用し、住宅取得の選択肢を広げるためには、広く普及しております既存マンションを安心して売買できる環境をつくることが重要でございます。
 そのため、不動産流通団体や住宅検査機関等で構成される中古住宅流通促進連絡会と連携いたしまして、マンションの取引に際し、必要な情報を売り主、買い主等が共有することなどを目指したガイドブックの検討を進めてまいりました。
 本ガイドブックは、昨年公表した戸建て住宅編に続きまして、取引に当たり確認すべき事項のチェックリストや、売買契約における留意事項などを盛り込む予定でございまして、近々公表いたします。
 次に、ガイドブックの特徴についてでございますが、マンションの購入に際しましては、先ほどご指摘いろいろございましたように、区分所有や管理の仕組みなどに関するマンション特有の知識が必要なことから、専有部分や共用部分の権利関係、管理規約、長期修繕計画などの内容につきまして、わかりやすく説明しております。
 また、耐震性能を確認することの重要性を示すとともに、住宅履歴の備えや住宅検査の実施を推奨いたしまして、売り主、買い主等により、マンションの性能、品質等に関する情報の確認が適切に行われることを促しております。
 今後の取り組みといたしましては、ホームページを活用するほか、パンフレットを作成しまして、区市町村や不動産流通団体等を通じて配布するなど、ガイドブックの内容を都民や管理組合等に広く普及させてまいります。
   〔産業労働局長佐藤広君登壇〕

○産業労働局長(佐藤広君) 二点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、民間での多摩産材の利用拡大についてですが、多摩産材の利用促進には、都みずからが積極的に利用することはもとより、お話のとおり、木材利用において大きな比重を占めます民間での需要拡大が不可欠と考えております。
 このため、今年度から新たな取り組みといたしまして、多摩産材の利用促進に向け、モデルルーム等の設置や利用普及のイベントなどについて、広く民間からアイデアを募集し、提案者が実施する際の経費の補助を行ってまいります。
 また、多摩産材の用途の拡大を図るため、合板の材料に利用できるよう、合板工場での乾燥機や皮むき機の整備に対する支援を新たに実施いたします。
 今後とも、多面的な取り組みによりまして、民間における多摩産材の利用拡大に努めてまいります。
 次に、区市町村と連携した企業立地の促進についてですが、東京の発展を支える産業の集積や企業立地を促進していくためには、産業支援拠点の整備など、都が実施をいたします広域的な視点に立った施策に加えまして、地域の強みや特性を熟知し、それらを十分に生かして、域外から企業進出を促すなどの区市町村の取り組みも重要であると認識しております。
 そこで、創造的都市型産業集積創出助成事業では、みずから積極的に企業誘致や操業環境の整備等を行います区市町村を重点的に支援していくことといたしました。
 本事業を契機といたしまして、都と区市町村が重層的に企業立地に取り組むことによりまして、地域における新産業の集積と創出を図ってまいります。
   〔病院経営本部長秋山俊行君登壇〕

○病院経営本部長(秋山俊行君) 北多摩北部地域の小児医療についてでございますが、地域の小児医療体制を確保するためには、ご指摘のとおり、各医療機関が、初期、二次、三次それぞれの機能に応じた役割分担のもとに連携を強化していくことによりまして、限りある医療資源を有効に活用していくことが重要であると認識しております。
 お話の北多摩北部地域の初期救急事業は、地元四市が五医師会の協力を得て、都も参加する協議会を設置し、検討を重ねた結果、先駆的な取り組みとなりました複数市による共同事業として開始され、現在、実施日を拡大するなど、多摩北部医療センターとの連携のもとで事業の充実を目指しているところでございます。
 また、地域の二次医療を担う多摩北部医療センターにつきましては、清瀬小児病院との医師の交流によりまして、既に小児神経及び内分泌の専門外来を拡充したところでございまして、今後、三次医療を担う小児総合医療センター開設一年前を目途に、清瀬小児病院からチームとして医師を派遣する予定でございます。
 このように、各医療機関の機能に応じた役割分担と連携のもとに、地域の小児医療体制の確保、充実に取り組んでまいります。 

〇議長(比留間敏夫君) 四十九番山口文江さん。
   〔四十九番山口文江君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○四十九番(山口文江君) 中国四川省の大地震に続いて、我が国でも岩手・宮城内陸地震が発生しました。多大な被害の模様を目の当たりにし、被災地の皆様に心からお見舞いを申し上げますとともに、震災は、いつどこで起きても不思議ではないことを痛感しました。改めて、さまざまな角度から震災対策を点検することを要望します。
 初めに、安心・安全対策について伺います。
 築地市場移転問題は、一九六二年に、市場の取扱量と車両の増加等に伴い狭隘となったため、周辺の用地買収や移転等の検討が始まったことに端を発しています。八六年には現在地での再整備を決定し、三百九十億円を投入して工事に着手したものの、営業を行いながらの工事は困難をきわめ、現在地での再整備は断念されました。既に議論開始から四十六年もの歳月がかかっています。
 食の安全に取り組んできた生活者ネットワークは、市場の衛生管理だけではなく、環境改善を求める上でも築地では限界があり、移転はやむなしという立場できましたが、豊洲の深刻な汚染状況が明らかになった今、再考せざるを得ません。
 専門家会議では、費用のことを考えなければ、徹底的な安全対策は可能としています。しかし、土壌対策費は一千億円を超えるともいわれており、費用対効果から、改良工事の現実性について多くの疑問が残ります。
 現段階で多額の税金を投入して豊洲への移転を強行するのか、他の移転先を提示するのか、築地での再整備を行うのか、三つの選択肢が考えられますが、知事は、どのようなプロセスを経てどう決断するのか、伺います。
 次に、消費者行政についてです。
 政府の消費者行政推進会議は、六月十三日、消費者庁の創設を柱とする報告書を首相に提出しました。我が国の行政モデルを消費者重視に転換することを期待しています。
 消費者庁が消費者行政の司令塔として各省庁の取り組みを強力に推進するにしても、現場である都道府県や区市町村における適切な取り組みなくして、消費者トラブルの迅速な解決は不可能です。新組織の創設とあわせて、地方分権を基本としつつ、地方の消費者行政を強化する必要があります。
 そこで、都としても、こうした国の動きを視野に入れて、新しい時代の要請によりよくこたえるためには、計画的かつ総合的に消費者行政を進めていく必要があります。
 このたび、都は、十年ぶりに消費生活基本計画を改定するということですが、どのような基本的考え方に立って、いつまでに改定を行う予定なのか、伺います。
 次に、環境問題について伺います。
 今議会に提案された環境確保条例は、温室効果ガスの中でもCO2の削減を大きく打ち出したことが特徴といえます。特に、原油換算でいうと千五百キロカロリー以上消費する大規模事業者へは削減量を義務づけた上で、削減できなかった分を、多く削減した事業所から買い取る排出量取引制度が創設されます。国に先駆けて導入した排出量取引制度は、その対象にオフィスビルをも含め、あくまでも削減計画を補完するものとして計画された点で、世界でも初の試みとして注目されています。
 この制度の導入については事業者からの強い反発があり、昨年末には、経団連外十四団体から導入反対の要望が出ていますが、その後、大規模事業者の理解が得られているのでしょうか。
 多くの事業者の協力を得て、世界の先進モデルをつくり上げてほしいと考えますが、実現に向けての見通しについて伺います。
 一方、中小企業においては、省エネ対策の効果は認識しても、設備投資への資金に手が回らない現状もあり、東京都の積極的な支援策が求められていると考えます。具体的な支援策について伺います。
 さらに、家庭部門のCO2がなかなか削減できない中で、家庭用電気機器等にかかわる温室効果ガスの排出削減という項目を立て、省エネ家電製品の購入促進をうたっています。
 基本的に、買いかえるときに省エネ製品への転換をと考えているようですが、より手軽な方法として、新しい商品を売り出すだけでなく、例えば部品の交換で、より省エネ機能が付加される技術開発を業界に求めるべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、圏央道建設について伺います。
 高尾山国定公園は、一九六七年、明治百年を記念して国定公園に指定された、標高五百九十九メートル、公園面積七百七十ヘクタールの日本一小さな国定公園です。この公園は暖帯林と温帯林が混在し、植物千三百種、昆虫五千種、野鳥百五十種と、多種多様な動植物が生息している自然の宝庫といえます。
 昨年、ミシュランの観光ガイドブックで最高の三つ星を得たこともあって、観光客、特に外国人観光客でにぎわっています。
 そこで、この高尾山の貴重な自然を、都民としても再認識し、守っていくことが必要です。
 特に知事は環境に関心がおありで、現場主義ということで、みずからガラパゴスやツバルを視察しておられます。都会に近い貴重な山、高尾山を守るために、ぜひ視察をしていただきたいと思いますが、見解を伺います。
 昭和六十三年、国が首都圏中央連絡道路を建設するに当たり、当時、環境アセス法がない中、東京都の条例に基づき環境評価書が作成されました。この評価書を発表するに当たり、当時の鈴木知事は、環境保全のための措置について、可能な限り対策を講じ、万全を期すように努めるべきであるという意見をつけています。
 圏央道工事差しとめ要求への昨年六月の判決は、原告にとっては敗訴になりましたが、御主殿の滝がれについては、八王子城址トンネル工事の影響を認め、北坑口付近でのオオタカや景観の影響については好ましくないという見解を言明しています。今後、高尾山のトンネル工事が進んでいきますが、より慎重な進行管理が求められます。
 特に、平成十六年度、石原知事が国土交通省、日本道路公団あてに出した十項目の留意点に関して、都としての対応を伺います。
 次に、福祉保健に関連して何点か伺います。
 昨年十二月、発表された東京都地域ケア体制整備構想の基本方針では、地域ケア体制の整備に当たっては、介護保険による施設サービス、在宅サービスのほか、高齢者向けの住まいと見守りサービス、多様な住まいでの療養生活を支える在宅医療を基本的施策として位置づける必要があると示されています。
 平成二十三年度末で介護型の療養病床が廃止される状況の中で、高齢者が地域において安心して療養生活を送るためには、切れ目のない診療、看護を地域で確保することなど、在宅医療の基盤整備を行う必要があります。
 在宅医療に関して、地域の実情に応じたさまざまな取り組みが進められていると聞いていますが、都はどのような支援を行っているのか、平成十九年度の状況について伺います。
 在宅医療の中心を担うと期待されている在宅療養支援診療所は、都内で千百カ所以上届け出されていますが、二十四時間三百六十五日在宅医療を支えるためには、かかりつけ医と他の医師との連携や訪問看護ステーションとの連携など、体制整備が求められています。
 また、訪問看護ステーションについても、多様な在宅療養者のニーズに、質、量とも的確にこたえることのできる看護技術の向上や人材が不足するため、十分にこたえることができないなどの課題も多く残されています。
 全体的に看護師が不足している中で、看護師確保の課題解決も含め、今後、在宅医療の推進に向けて、都はどのように取り組んでいくのか、伺います。
 次に、周産期医療体制についてですが、出産はリスクが伴うものとして、大きな病院への集中化が進んできた結果、地域の開業医や助産所などが減少し、妊娠、出産に関する医療体制全体が危機的な状況を迎えています。こうした中で、都議会でも、助産師を出産の担い手として、もっと活用するようにとの質疑も行われてきました。
 本年三月、東京都周産期医療協議会は、周産期母子医療センター、病院、診療所等を中心にした顔の見える連携を図るために、周産期医療機関連携ガイドラインを策定しました。
 周産期医療を行う機関の一つとして助産所が位置づけられた意味は大きく、診療所や助産所が二次、三次の医療機関と緊密な連携を図り、オープンな関係を築きながら、地域において妊婦健診や出産後のケアなどを行い、地域のお産を担っていくことが重要と考えますが、都の見解を伺います。
 産科を担う医療機関の減少は、一人一人の医師の激務を生み、社会問題になっています。院内の助産師の自立や、出産もできる助産所がふえることで、医師の負担を軽減し、出産の選択肢が広がることにつながります。
 助産所の開業支援など、今後検討していくことが必要ですが、まずは病院内の助産師が助産師本来の役割を十二分に発揮できるよう、病院における助産師主導のバースセンター、院内助産所の設置の取り組みを都としても積極的に後押ししていくべきと考えますが、見解を伺います。
 最後に、教育行政について伺います。
 先月、第二次教育ビジョンが発表されました。経済格差の拡大、固定が子どもたちの教育にまで及んでいます。
 一方、日本の学校教育は、社会に都合のよい人材をつくることをもとに、効率と競争という市場原理による学校運営が進められてきました。子どもたちは、一人一人の違いが尊重されることなく、競争にさらされ、自信を喪失し、未来に希望が持てなくなっています。
 このような青少年をめぐる社会状況を、東京都としてはどのようにとらえ、第二次東京都教育ビジョンを策定したのか、伺います。
 都が目指すこれからの教育の柱の一つに、生きる力をはぐくむ教育を推進することが挙げられており、生活者ネットワークは、子どもの自立を支援する取り組みを最優先にしていくべきと考えます。そのためには、子どもの教育に直接携わる教員に負うところが極めて大きい学校現場で、教師自身が意欲を持って取り組むことができる職場環境が求められています。
 しかるに、国旗・国歌の強制、職員会議における挙手による決定を禁じるなど、都教委の姿勢は強権的と評されています。
 いじめ、不登校などの問題、さらにモンスターペアレントへの対応などと、教員の責任は重くなるばかりであり、病気休職者など、心身の健康面で不安を持つ教員も増加していると聞きます。
 そこで、教員へのエンパワーメントについて、都はどのように考えているのか伺い、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 山口文江議員の一般質問にお答えいたします。
 築地市場の移転問題についてでありますが、豊洲新市場予定地において、約四千百カ所の詳細調査の結果、一カ所ではありますが、基準値の四万三千倍というベンゼンが検出されました。
 そうした高濃度の汚染の範囲は極めて限られておりまして、あたかも敷地全体に及んでいるかのような風評が広まることがあってはならないと思います。事実を正確に把握し、冷静に対処していくことが必要であると思います。
 現在の築地市場は、老朽化、狭隘化が限界に来ているだけではなく、衛生面での課題やアスベストの問題もありまして、一刻も早い対応が必要であります。これも都民の健康のためであります。
 豊洲地区の土壌汚染については、専門家会議の提言が七月に予定されておりまして、都としては、各分野の方々からの提言を幅広く受けとめまして、既存の枠にとらわれず、汚染除去のための工法、新技術や、そういったものの可能性を探りながら、早期に具体的な計画を取りまとめていくつもりでございます。
 次いで、高尾山の視察についてでありますが、行政を預かる者として、現場に赴き、つぶさにこれを見聞きすることは大変重要であり、実際に私もそうしてまいりました。高尾山については、既に視察も行っております。
 今後も、必要に応じ現場を視察することは当然であり、私の判断で適切に対応してまいります。
 他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。
   〔教育長中村正彦君登壇〕

○教育長(中村正彦君) 二点についてお答え申し上げます。
 まず、青少年をめぐる状況をどのようにとらえ、教育ビジョンを策定したかについてであります。
 子どもたちの現状には、規範意識の低下や、他者との人間関係をつくることが不得手であるなどの課題が見られます。
 東京都教育ビジョンの第二次では、施策展開の視点の一つに、子ども、若者の未来を応援するを掲げ、次代を担う子どもたちに、自分への自信を深め、進んで社会に貢献し、他者とともによりよく生きようとする自覚や態度、さらには、さまざまな人たちと豊かな人間関係を築いていく力を身につけさせる取り組みが重要であることを示しました。
 具体的な推進計画として、子どもの自尊感情や自己肯定感を高めるための教育の充実などを示し、学校教育において、子どもたちが未来をたくましく切り開いていく力を身につけるよう努めてまいります。
 次に、教員へのエンパワーメントについてでありますが、国旗・国歌の指導については、学習指導要領に基づき、教員が児童生徒に国旗・国歌の意義を理解させ、尊重する態度を育成することは当然のことであります。
 また、職員会議は、学校教育法施行規則においても任意設置と定められておりまして、議決機関でないため、挙手等の方法を用いる採決を行うことは不適切であります。
 次に、教員の健康面での支援策についてでありますが、都教育委員会は、疾病の早期発見、予防に努めるとともに、心の健康につきましては、学校訪問相談、精神保健講習会、啓発資料の配布など、体系的な対策を実施しております。
 今後とも、教員の心と体の健康づくりを推進し、良好な職場環境の維持に努めてまいります。
   〔生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君登壇〕

○生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君)
 東京都消費生活基本計画の改定についてですが、十年間の計画期間が終了し、この間、消費者を取り巻く状況が大きく変わってきたことを踏まえ、これらの変化に適切に対応した計画に改めることといたしました。
 現在、東京都消費生活対策審議会において、消費者被害の防止、救済、悪質事業者の取り締まり強化、商品、サービスの安全性の確保などを重要な課題とし、安全で安心できる都民の消費生活を実現するという基本的な考えに立って審議が行われております。
 今後、七月末には審議会から答申が出される見込みであり、その後、速やかに計画を改定する予定でございます。
   〔環境局長吉川和夫君登壇〕

○環境局長(吉川和夫君) 環境問題に関する四点のご質問にお答えいたします。
 まず、削減義務制度導入に対する事業者の協力についてでございますが、都は、今回の条例提案に至るまで、幅広い事業者等の参加を得たステークホルダー会議の開催を初め、さまざまな形での意見交換を行い、東京商工会議所からは、先月、条例改正への取り組みについて評価する旨の意見書をいただきました。
 今後とも、多くの事業者のご協力を得て、CO2の総量削減に向けた取り組みを進めてまいります。
 次に、中小企業の省エネ対策の支援についてでございますが、省エネ対策はエネルギーコストの削減に寄与するものであり、適切に取り組まれれば、本来、企業にとって経営上のメリットになるものでございます。
 このため、都は現在、東京都地球温暖化防止活動推進センターとともに、地域の経済団体等に働きかけ、省エネ診断の普及を進めております。
 今後は、こうした施策を含め、中小規模事業所のさまざまな省エネ支援策の検討を進めてまいります。
 次に、家庭製品の部品交換による省エネ向上についてでございますが、エアコン、テレビ等の家電製品においては、外装も含め、組み込まれた設備機器や電子回路などが一体となって設計されており、修理を目的とした同一部品の交換以外は、現在のところ実施されておりません。
 部品交換による動作保証や安全性及びコスト面など、課題が多いものと考えられ、その必要性については、今後、情報収集に努めてまいります。
 最後に、高尾山トンネルについてでございますが、国等が国定公園の特別地域などにおいて工事を施工する場合、都道府県知事に協議することとなっており、その際、本件についても、他の案件と同様に、工事に係る環境保全対策についての留意事項を付しております。
 都としては、引き続き、高尾山の自然に配慮した工事を行うよう、国等に求めてまいります。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) 四点についてお答えをいたします。
 まず、在宅医療に関する都の支援状況についてであります。
 都は、区市町村が在宅医療の基盤整備を一層促進できるように、平成十九年度から包括補助事業を活用した支援を開始いたしました。
 取り組みの具体的なものといたしましては、在宅療養の支援や関係機関の連携のあり方などを検討する協議会の設置や、在宅療養者が急変時に緊急入院できる病床の確保、さらには在宅療養に関する相談窓口の開設など、地域の医療資源や住民ニーズを踏まえた体制整備が進められております。
 次に、今後の在宅医療の推進についてであります。
 在宅医療の提供におきましては、医師、看護師やケアマネジャーなどの関係者が、患者の状況や医療ニーズ等の情報を共有するなどの連携が必要であります。
 このため、都は今年度から、二十四時間の連携体制の構築を目指します在宅医療ネットワーク推進事業をモデル実施をし、この中で、都の地域特性を踏まえた在宅医療のあり方について検討してまいります。
 また、看護職員地域確保支援事業におきます復職支援研修において、訪問看護ステーション等での研修を導入し、在宅医療の担い手である看護師の確保に努めてまいります。
 次に、地域における診療所や助産所の役割についてであります。
 地域の診療所や助産所がみずからの機能と役割を踏まえ、リスクの高い分娩に対応可能な病院と緊密に連携することは、地域のお産を支えていく上で重要であります。
 このため、都におきましては、こうした医療連携を進めるためのツールとして、本年三月に連携ガイドラインを作成いたしました。
 今後、都内各地域で、この連携ガイドラインを基本に、周産期母子医療センター、病院、診療所、助産所等によるネットワークグループを立ち上げ、地域の医療施設等が相互の信頼関係のもと、協力して周産期医療を提供する体制を構築してまいります。
 最後に、院内助産所についてであります。
 緊急時の対応が可能な医療機関で行う院内助産は、医師の業務軽減に資するほか、助産師という専門職種が妊産婦にきめ細かくサービスを提供できるという面で重要な役割を担っていると考えております。
 このため、都は今年度から、医師勤務環境改善事業におきまして、院内助産所の施設整備費補助を行うなどの支援を行ってまいります。

〇副議長(石井義修君) 九番そなえ邦彦君。
   〔九番そなえ邦彦君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○九番(そなえ邦彦君) 通告に従いまして、障害者の就労支援について一般質問したいと思います。
 先ほど、野上議員の方からも障害者の就労について、そしてまた、初鹿議員の方からも障害者の対応について言及されておりますけれども、私の方からは、別の角度から、改めて障害者の就労支援についてお聞きしたいと思います。
 近年、ノーマライゼーションが叫ばれて久しくなっております。障害者も健常者も、地域で企業でともに生活できるように、行政も企業も、関係団体等それぞれが努力をしつつあります。
 先日、都営地下鉄浅草線大門駅で、発達障害がある人たちが働く、焼きたてパン店がオープンいたしました。これは都が直接オープンさせたということではありませんが、都と港区、民間が協力して障害者の働く場を広げるということから、都として、店舗スペースを実費を除いて無料で貸し出すということであり、画期的であり、民間鉄道にもその輪が広がりつつあり、一歩前進といえます。
 一方、平成十八年に障害者自立支援法が施行され、二年が経過しました。福祉の現場には混乱や不安がありましたが、一昨年に引き続き、昨年十二月に、厚生労働省も、障害者自立支援法の抜本的な見直しに向けた緊急措置を提示することとなりました。そして、ことしから、利用者負担のさらなる軽減や、特別対策による事業者の経営基盤が強化されたところでありますが、それでも、作業所等の施設運営者や障害者自身に対する負担は残っております。
 そういう状況のもと、先日、現在、特別支援学校に通われている十六歳の少女の母親が来訪され、親亡き後の問題もさることながら、娘の卒業後の就労について、とても心配だと切々と話されていきました。なかなか東京都だけでは解決できない面もありますが、もっともだと聞いておりました。
 現在、障害者雇用促進法によって定められた法定雇用率を上回る数の障害者を雇用しなければならないことになっておりますが、都内における実態は、まだまだの状態です。
 東京労働局が公表した資料によりますと、都内における民間企業の障害者雇用率の推移は、平成十五年の一・三三%から平成十九年には一・四六%と改善はしているものの、いまだに法定雇用率の一・八%を下回っております。また、百人から二百九十九人規模企業では〇・八六%、五十六から九十九人規模企業では〇・六九%となり、特に中小企業において雇用率が低い状況となっております。
 都でも、いろいろと施策の展開に努力しており、「十年後の東京」においても、障害者雇用の三万人の増加を目指すこととし、「十年後の東京」への実行プログラム二〇〇八では、平成二十二年までに一万人の増加を目標として定めております。
 こうした中で、民間企業に対して、バリアフリー化の促進を含め、障害者の就労促進を働きかける立場の東京都みずからが、障害者の雇用促進に率先して取り組むことが今まさに重要ではないでしょうか。
 私の住む府中市役所では、法定雇用率は二・三八%と、二・一%をクリアしていますが、平成十九年に一人、二十年に一人の採用と、まことに微々たる状況であります。
 東京労働局が公表した資料によりますと、平成十九年六月現在の都の機関の障害者雇用率は二・九〇%となっております。しかし、都としてたゆまぬ行財政改革の中で、全体の職員数が減少している中で、形式上、地方公共団体が達成すべき法定雇用率である二・一%を上回るものでありまして、このことをもってよしとするだけでなく、今後も引き続き、都みずからが率先して、関係機関を含め、障害者の職員採用に取り組んでいくべきと考えます。
 そこでまず、都における障害者の職員採用に当たっての具体的な取り組み状況について伺います。
 一方、都内の民間企業の方に目を向けますと、大企業では、特例子会社を創設するなど障害者雇用の促進が進んでおりますが、先ほど申し上げたように、中小企業において雇用率が低いことから、法定雇用率には達していない状況であります。私が聞いたところでは、雇うより罰金を払った方がよいという企業もあるということです。
 そこで、民間企業における障害者雇用の促進、特に中小企業には特別の対策が重要であると考えますが、都の取り組みについてお伺いします。
 また、障害者雇用の促進に当たっては、特別支援学校の存在も重要です。先ほど申し上げた、特別支援学校に通われている十六歳の少女のお母さんの例を初めとして、現在、特別支援学校高等部に在籍する生徒の保護者には、自分の子どもの将来の一般就労について心配されている方が多くいる一方で、都立永福学園の設置などの取り組みの成果に期待されている方も大勢いらっしゃいます。
 そこで、都教育委員会として、軽度の知的障害者の一般就労の促進を図るため、東京都特別支援教育推進計画において、このような職業学科の整備を今後どのように計画しているのか、見解をお伺いします。
 次に、区市町村が実施している就労支援についてお伺いします。
 現在、区市町村でも独自の就労支援に乗り出しつつありますが、東京都も、区市町村と連携して障害者の就労支援を進めているとお聞きしております。
 障害者の就労支援は、就職がゴールではなくて、就職してから安定して働き続けるために生活全般をサポートしていくことが大事であります。現場の方々の声を聞いてみると、働く職種が偏っていたり、長続きしないでやめていくことが多いということであります。
 そこで、障害者が住んでおられる身近な区市町村において支援が受けられることは大変意義があると思いますが、障害者の就労支援の窓口である障害者就労支援センターの役割はどのようなものなのか、また、都がどのように支援をしているのか、お伺いします。
 最後に、今話題になることも多くなってきております、脳卒中や事故等で記憶障害や人格が変わるなどの後遺症を負った、いわゆる高次脳機能障害の方々について触れておきます。
 都の調査によれば、高次脳機能障害の方が都内に五万人いると推計され……(発言する者あり)うるさいよ、ちょっと。現在、手帳の関係で就労していない方のうち、半数の方が就労を希望しております。この高次脳機能障害の方の就労支援についても、今後、都としても真剣に取り組んでいかなければならない課題であるということを指摘しておきます。
 障害を持つ家族、障害を見守る関係団体の方々は、どんなに障害が重くても、生まれ育った地域の中で安心して働き、豊かに暮らしたいという思いでいっぱいです。ぜひ東京都としても、この思いにこたえるべく、全力で障害者の就労支援にさらに取り組んでいただくよう要望し、私の質問を終わります。
 若干、早目ですけれども、皆さんお疲れですから、これで私の質問を終わります。答弁、よろしくお願いします。(拍手)
   〔教育長中村正彦君登壇〕

○教育長(中村正彦君) そなえ邦彦議員の一般質問にお答え申し上げます。
 特別支援学校における職業学科の整備計画についてであります。
 都教育委員会は、東京都特別支援教育推進計画に基づきまして、知的障害が軽い生徒を対象に、将来の職業的自立に向け、専門的な教育を行うことを目的としました高等部職業学科設置校といたしまして、平成十九年度に永福学園を開設いたしました。
 今後、地域バランスを考慮いたしまして、青梅地区、南多摩地区、板橋地区、葛飾地区に、平成二十七年度までに四校設置することとしております。
 これらの学校では、流通、サービスや家政等の系列を設け、就業体験の導入等を行うことによりまして実践的な職業技術の習得を図り、生徒全員の一般就労を目指した教育を行ってまいります。
   〔総務局長押元洋君登壇〕

○総務局長(押元洋君) 都における障害者の職員採用についてお答え申し上げます。
 都では、障害者の雇用の促進等に関する法律の趣旨にのっとり、昭和五十六年から、一般の競争試験とは別枠で、身体障害者を対象とした職員採用選考を実施しており、本年四月一日までに、累計で五百九十八名を採用しております。
 このほか、採用試験の受験方法につきましても、点字受験、拡大文字、ワープロによる受験を認めるなど、各職種の職務内容に照らして、可能と思われる範囲で最大限配慮した対応を行っております。
 今後とも、こうした取り組みを通して障害者の計画的な採用を進めてまいります。
   〔産業労働局長佐藤広君登壇〕

○産業労働局長(佐藤広君) 民間企業における障害者雇用の促進に向けた取り組みについてお答え申し上げます。
 都ではこれまで、障害者雇用促進ハンドブックの作成や、企業向け普及啓発セミナーの開催などによりまして、企業に対して障害者雇用の理解促進に努めてまいりました。
 また、障害者雇用を目的とする特例子会社を設立した企業に対する助成制度を創設するとともに、特に中小企業に向けた支援策といたしましては、障害者を雇用した企業に対する賃金助成を創設したところであります。
 今後とも、これらの取り組みを通じまして障害者雇用の促進を図ってまいります。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) 区市町村障害者就労支援センターについてお答えをいたします。
 このセンターは、身近な地域において、就労面と生活面の支援を一体的に提供することにより、障害者の企業等への就労を促進することを目的としております。
 また、地域開拓促進コーディネーターを配置し、就労先企業の開拓などにも取り組んでおります。
 都は、このセンターが平成二十三年度までにすべての区市町村で設置されることを目指しており、区市町村に対して運営費の補助を行うなどの支援をしているところでございます。

○議長(比留間敏夫君) 以上をもって質問は終わりました。

〇議長(比留間敏夫君) これより日程に入ります。
 日程第一から第二十八まで、第百三十二号議案、東京都恩給条例の一部を改正する条例外議案二十四件、専決三件を一括議題といたします。
 本案に関し、提案理由の説明を求めます。
 副知事谷川健次君。
   〔副知事谷川健次君登壇〕

○副知事(谷川健次君) ただいま上程になりました二十八議案についてご説明申し上げます。
 第百三十二号議案から第百四十八号議案までの十七議案は条例案でございます。
 新設の条例は、第百四十号議案、東京都医師奨学金貸与条例の一件でございます。
 医師が不足している地域や特定の診療科に対応した医師確保対策として、奨学金制度を新たに設けるものでございます。
 次に、一部を改正する条例でございます。
 第百三十四号議案、東京都都税条例の一部を改正する条例は、法人事業税の一部国税化に伴い、標準税率が引き下げられたため、超過課税を含めた税率を見直すなどの改正を行うものでございます。
 第百四十一号議案、東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例は、介護サービス情報の調査手数料について額を改定するとともに、介護保険法施行規則の改正により追加となった項目の調査手数料を新たに設けるものでございます。
 第百四十三号議案、東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例及び第百四十四号議案、東京都地方卸売市場条例の一部を改正する条例は、中央及び地方卸売市場から暴力団を排除する規定を設けるとともに、卸売市場法の改正に伴い、中央卸売市場において卸売業者が手数料を定めることができるように改めるものでございます。
 第百四十五号議案、東京都港湾管理条例の一部を改正する条例は、指定管理者に管理を行わせることができる施設に岸壁及び桟橋を加えるとともに、港湾施設に清掃施設を追加する規定を設けるものでございます。
 第百四十六号議案、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例は、地球温暖化対策を推進するため、大幅なCO2排出削減の取り組みとして、大規模事業所への温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度の導入などの規定を設けるものでございます。
 第百四十七号議案、温泉法に基づく温泉の保護に係る手数料に関する条例の一部を改正する条例は、温泉法の改正に伴い、温泉の採取の許可等に係る手数料の規定を設けるものでございます。
 このほか、法令改正に伴い所要の改正を行うものが八件ございまして、一部を改正する条例の合計は十五件でございます。
 廃止する条例は、第百三十五号議案、東京都収入証紙条例を廃止する条例の一件でございまして、住民サービスの向上と行政事務の効率化を図るため、収入証紙を廃止するものでございます。
 第百四十九号議案から第百五十三号議案までの五議案は契約案でございます。
 都立多摩養護学校(二十)校舎増築工事請負契約など、契約金額の総額は約六百七十六億円でございます。
 第百五十四号議案から第百五十六号議案までの三議案が事件案でございます。
 更新時期を迎えたヘリコプターを買いかえるものなどでございます。
 次に、専決でございます。
 まず、損害賠償請求事件の控訴提起は、控訴期間内に議会を招集する時間的余裕がないと認め、専決処分を行ったものでございます。
 次に、東京都都税条例の一部を改正する条例の二件は、施行までの間に議会を招集する時間的余裕がないと認め、それぞれ三月三十一日、四月三十日に専決処分を行ったものでございます。
 上程になりました二十八議案の説明は以上でございますが、このほか人事案を送付いたしております。
 まず、東京都教育委員でございます。
 七月十二日に任期満了となります中村正彦教育長の後任には、大原正行知事本局長を任命いたしたいと存じます。
 次に、東京都公安委員会委員でございます。
 七月二十三日に任期満了となります鴨下重彦氏につきましては、再任いたしたいと存じます。
 また、同じく七月二十三日に任期満了となります豊藏一氏の後任には、児玉公男氏を任命いたしたいと存じます。
 次に、東京都監査委員でございます。
 七月六日に任期満了となります筆谷勇氏につきましては、再任いたしたいと存じます。
 同意につきまして、よろしくお願いいたします。
 以上で説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
 (議案の部参照)

○議長(比留間敏夫君) 以上をもって提案理由の説明は終わりました。
 なお、本案中、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第五十五条第四項の規定に該当する議案については、あらかじめ教育委員会の意見を徴しておきました。
 議事部長をして報告をいたさせます。

○議事部長(大村雅一君) 教育委員会の回答は、第百三十七号議案について異議はないとの意見であります。

 二〇教総総第四六三号
 平成二十年六月九日
 東京都教育委員会委員長 木村  孟
  東京都議会議長 比留間敏夫殿
 「都道府県教育委員会の権限に属する事務の一部を、市町村が処理することとする条例」に対する教育委員会の意見聴取について(回答)
  平成二十年六月三日付二〇議事第五九号により照会があった議案に係る教育委員会の意見は左記のとおりです。
        記
 一 提出議案
 第百三十七号議案 東京都教育委員会の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
 二 意見
  一について、異議ありません。 

○議長(比留間敏夫君) お諮りいたします。
  ただいま議題となっております日程第一から第二十八までは、お手元に配布の議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(比留間敏夫君) ご異議なしと認めます。よって、日程第一から第二十八までは、議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。

○議長(比留間敏夫君) これより追加日程に入ります。
 追加日程第一、東京都教育委員会委員の任命の同意についてを議題といたします。
   〔大村議事部長朗読〕
 一、東京都教育委員会委員の任命の同意について一件

二〇財主議第六三号
平成二十年六月十日
          東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 比留間敏夫殿
   東京都教育委員会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、東京都教育委員会委員中村正彦は平成二十年七月十二日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     大原 正行

      略歴
                大原 正行
昭和二十五年十二月八日生
昭和五十年三月  中央大学法学部卒業
昭和五十年四月  入都
昭和六十三年八月 立川高等職業技術専門校庶務課長
平成四年四月   都市計画局総務部副参事(人事担当)
平成五年七月   財務局主計部予算第三課長
平成七年六月   財務局管財部総合調整課長(統括課長)
平成十年七月   総務局参事(都区制度改革担当)
平成十二年十月  労働経済局商工計画部長
平成十五年六月  総務局人事部長
平成十六年七月  総務局理事(職員研修所長兼務)〈総務局人事部長事務取扱〉
平成十八年七月  総務局長
平成十九年六月  知事本局長

○議長(比留間敏夫君) 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、知事の任命に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(比留間敏夫君) 起立多数と認めます。よって、本件は、知事の任命に同意することに決定いたしました。

○議長(比留間敏夫君) 追加日程第二及び第三、東京都公安委員会委員の任命の同意について二件を一括議題といたします。
   〔大村議事部長朗読〕
一、東京都公安委員会委員の任命の同意について二件

二〇財主議第六四号
平成二十年六月十日
          東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 比留間敏夫殿
   東京都公安委員会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成二十年七月二十三日任期満了となるため、再び任命したいので、警察法第三十九条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     鴨下 重彦

      略歴
現住所 東京都台東区
               鴨下 重彦
昭和九年三月十三日生(七十四歳)
昭和三十四年三月  東京大学医学部卒業
昭和三十九年三月  東京大学大学院生物系研究科修了(医学博士)
昭和三十九年七月  南カリフォルニア大学医学部研究員(ロスアンジェルス小児病院病理部)
昭和四十二年八月  アインシュタイン医科大学神経科研究員
昭和四十三年十月  東京大学医学部小児科助手
昭和四十四年九月  東京大学医学部小児科講師 外来医長
昭和四十五年十二月 東京大学医学部助教授
昭和四十九年四月  自治医科大学教授
昭和六十年四月   東京大学医学部教授
平成三年四月    東京大学評議員
平成四年四月    東京大学医学部長
平成六年四月    国立国際医療センター病院長
平成七年五月    東京大学名誉教授
平成八年四月    国立国際医療センター総長
平成八年四月    日本医師会学術企画委員
平成八年五月    日本病院会参与
平成九年七月    日本学術会議第七部会員(第十七期)
平成十二年四月   国立国際医療センター名誉総長
平成十二年七月   社会福祉法人賛育会賛育会病院院長
平成十二年七月   日本学術会議第七部副部長(第十八期)
平成十三年一月   厚生労働省社会保障審議会委員
平成十三年三月   厚生労働省医道審議会臨時委員
平成十三年六月   最高裁判所医事関係訴訟委員会委員
平成十三年九月   日本小児医学研究振興財団設立準備委員長
平成十五年九月   日本学術会議第七部長(第十九期)
平成十七年三月   自治医科大学理事
平成十八年七月   社会福祉法人賛育会理事
平成二十年四月   財団法人小児医学研究振興財団理事長
現在        国立国際医療センター名誉総長

二〇財主議第六五号
平成二十年六月十日
          東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 比留間敏夫殿
   東京都公安委員会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、東京都公安委員会委員豊藏一は平成二十年七月二十三日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、警察法第三十九条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     児玉 公男

      略歴
           現住所 東京都新宿区
               児玉 公男
昭和十二年一月二十四日生(七十一歳)
昭和三十五年十月 司法試験合格
昭和三十六年三月 東京大学法学部卒業
昭和三十八年三月 司法修習終了
昭和三十八年四月 弁護士登録(第一東京弁護士会)
昭和五十二年四月 第一東京弁護士会副会長
昭和五十六年八月 建設省中央建設工事紛争審査会委員
昭和五十九年四月 日本弁護士連合会常務理事
昭和六十年五月  第一東京弁護士会人権擁護委員会委員長
平成二年五月   日本弁護士連合会編集委員会委員長
平成四年六月   日本弁護士連合会財務委員会委員長
平成七年四月   第一東京弁護士会会長
平成七年四月   日本弁護士連合会副会長
平成七年四月   国有財産関東地方審議会(大蔵省)委員
平成九年七月   日本弁護士連合会犯罪被害回復制度等検討協議会座長
平成十年四月   財団法人公庫住宅融資保証協会理事
平成十年七月   住宅・都市整備公団法律顧問
平成十一年十月  都市基盤整備公団監事
平成十二年二月  社団法人被害者支援都民センター理事
平成十三年六月  日本弁護士連合会憲法委員会委員長
平成十四年五月  日本弁護士連合会弁護士推薦委員会委員長
平成十四年六月  日本弁護士連合会犯罪被害者支援委員会委員長
平成十六年七月  独立行政法人都市再生機構法律顧問
平成十七年九月  最高裁判所司法修習生考試委員会委員
現在       弁護士

○議長(比留間敏夫君) お諮りいたします。
 本件は、いずれも知事の任命に同意することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(比留間敏夫君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、いずれも知事の任命に同意することに決定いたしました。

○議長(比留間敏夫君) 追加日程第四、東京都監査委員の選任の同意についてを議題といたします。
   〔大村議事部長朗読〕
一、東京都監査委員の選任の同意について一件

二〇財主議第六六号
平成二十年六月十日
      東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 比留間敏夫殿
   東京都監査委員の選任の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成二十年七月六日任期満了となるため、再び選任したいので、地方自治法第百九十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     筆谷  勇

      略歴
現住所 千葉県船橋市
                 筆谷  勇
昭和十一年八月十日生(七十一歳)
昭和三十五年三月 東京大学農学部卒業
昭和四十四年五月 公認会計士登録
昭和四十四年八月 監査法人太田哲三事務所入所
昭和五十八年八月 監査法人太田哲三事務所公企業会計部長
昭和六十二年七月 太田昭和監査法人代表社員
昭和六十二年八月 日本公認会計士協会公会計委員会委員長
平成二年八月   日本公認会計士協会租税調査会副委員長
平成十一年四月  東京都包括外部監査人
平成十三年七月  新日本監査法人代表社員
平成十四年七月  中央大学大学院教授
平成十六年七月  東京都監査委員
現在       公認会計士、東京都監査委員

○議長(比留間敏夫君) 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、知事の選任に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(比留間敏夫君) 起立多数と認めます。よって、本件は、知事の選任に同意することに決定いたしました。

○議長(比留間敏夫君) 追加日程第五及び第六、議員提出議案第十三号、公立の小学校及び中学校の耐震化促進のための助成に関する条例外条例一件を一括議題といたします。
 案文は、お手元に配布いたしてあります。
(議案の部参照)

○六十七番(石森たかゆき君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第十三号及び第十四号については、趣旨説明を省略し、第十三号は文教委員会に、第十四号は厚生委員会にそれぞれ付託されることを望みます。

○議長(比留間敏夫君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(比留間敏夫君) ご異議なしと認めます。よって、議員提出議案第十三号及び第十四号は、趣旨説明を省略し、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。

○議長(比留間敏夫君) 請願及び陳情の付託について申し上げます。
 受理いたしました請願四件及び陳情十二件は、お手元に配布の請願・陳情付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。

○議長(比留間敏夫君) お諮りいたします。
 明十九日から二十四日まで六日間、委員会審査のため休会いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(比留間敏夫君) ご異議なしと認めます。よって、明十九日から二十四日までの六日間、委員会審査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、六月二十五日午後一時に開きます。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後七時五十八分散会

ページ先頭に戻る