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Tokyo Metropolitan Assembly

平成十九年東京都議会会議録第十八号

平成十九年十二月十二日(水曜日)
 出席議員 百二十四名
一番遠藤  守君
二番伊藤 興一君
三番米沢 正和君
四番鈴木 章浩君
五番きたしろ勝彦君
六番後藤 雄一君
七番福士 敬子君
八番伊沢けい子君
九番そなえ邦彦君
十番西崎 光子君
十一番西岡真一郎君
十二番伊藤 ゆう君
十三番原田  大君
十四番河野百合恵君
十五番小竹ひろ子君
十六番松葉多美子君
十七番大松  成君
十八番中山 信行君
十九番高倉 良生君
二十番田中たけし君
二十一番神林  茂君
二十二番早坂 義弘君
二十三番高木 けい君
二十四番崎山 知尚君
二十五番宇田川聡史君
二十六番高橋 信博君
二十七番原田 恭子君
二十八番佐藤 広典君
二十九番尾崎 大介君
三十番山口  拓君
三十一番伊藤まさき君
三十二番松下 玲子君
三十三番野上ゆきえ君
三十四番たぞえ民夫君
三十五番村松みえ子君
三十六番橘  正剛君
三十七番上野 和彦君
三十八番吉倉 正美君
三十九番谷村 孝彦君
四十番村上 英子君
四十一番鈴木あきまさ君
四十二番秋田 一郎君
四十三番山加 朱美君
四十四番串田 克巳君
四十五番吉原  修君
四十六番山田 忠昭君
四十七番田代ひろし君
四十九番山口 文江君
五十番今村 るか君
五十一番吉田康一郎君
五十二番斉藤あつし君
五十三番泉谷つよし君
五十四番くまき美奈子君
五十五番大西さとる君
五十六番増子 博樹君
五十七番かち佳代子君
五十八番植木こうじ君
五十九番野上 純子君
六十番東村 邦浩君
六十一番長橋 桂一君
六十二番小磯 善彦君
六十三番三宅 茂樹君
六十四番高島なおき君
六十五番鈴木 一光君
六十六番菅  東一君
六十七番石森たかゆき君
六十八番矢島 千秋君
六十九番鈴木 隆道君
七十番こいそ 明君
七十一番倉林 辰雄君
七十二番遠藤  衛君
七十三番大西由紀子君
七十四番いのつめまさみ君
七十五番門脇ふみよし君
七十六番小沢 昌也君
七十七番石毛しげる君
七十八番岡崎 幸夫君
七十九番柿沢 未途君
八十番清水ひで子君
八十一番古館 和憲君
八十二番松村 友昭君
八十三番東野 秀平君
八十四番ともとし春久君
八十五番鈴木貫太郎君
八十六番石川 芳昭君
八十七番三原まさつぐ君
八十九番林田  武君
九十番野島 善司君
九十一番高橋かずみ君
九十二番樺山たかし君
九十三番新藤 義彦君
九十四番古賀 俊昭君
九十五番立石 晴康君
九十六番桜井  武君
九十七番初鹿 明博君
九十八番酒井 大史君
九十九番花輪ともふみ君
百番大津 浩子君
百一番大塚たかあき君
百二番相川  博君
百三番中村 明彦君
百四番曽根はじめ君
百五番大山とも子君
百六番藤井  一君
百七番中嶋 義雄君
百八番木内 良明君
百九番石井 義修君
百十番宮崎  章君
百十一番服部ゆくお君
百十二番川井しげお君
百十三番吉野 利明君
百十五番比留間敏夫君
百十六番佐藤 裕彦君
百十七番川島 忠一君
百十八番内田  茂君
百十九番三田 敏哉君
百二十番馬場 裕子君
百二十一番大沢  昇君
百二十二番山下 太郎君
百二十三番土屋たかゆき君
百二十四番田中  良君
百二十五番名取 憲彦君
百二十六番吉田 信夫君
百二十七番渡辺 康信君

 欠席議員 二名
八十八番 田島 和明君
百十四番 野村 有信君
 欠員
四十八番

 出席説明員
知事石原慎太郎君
副知事谷川 健次君
副知事菅原 秀夫君
副知事山口 一久君
副知事猪瀬 直樹君
教育長中村 正彦君
知事本局長大原 正行君
総務局長押元  洋君
財務局長村山 寛司君
主税局長熊野 順祥君
警視総監矢代 隆義君
生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君
都市整備局長只腰 憲久君
環境局長吉川 和夫君
福祉保健局長安藤 立美君
産業労働局長佐藤  広君
建設局長道家 孝行君
港湾局長斉藤 一美君
会計管理局長三枝 修一君
交通局長島田 健一君
消防総監小林 輝幸君
水道局長東岡 創示君
下水道局長前田 正博君
青少年・治安対策本部長久我 英一君
東京オリンピック招致本部長荒川  満君
病院経営本部長秋山 俊行君
中央卸売市場長比留間英人君
選挙管理委員会事務局長梶原 康二君
人事委員会事務局長矢口 幸一君
労働委員会事務局長有留 武司君
監査事務局長白石弥生子君
収用委員会事務局長中田 清己君

十二月十二日議事日程第三号
第一 第百八十六号議案
  職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第二 第百八十七号議案
  東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三 第百八十八号議案
  東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
第四 第百八十九号議案
  職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
第五 第百九十号議案
  職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
第六 第百九十一号議案
  東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第七 第百九十二号議案
  東京都育英資金条例の一部を改正する条例
第八 第百九十三号議案
  東京都私立学校教育助成条例の一部を改正する条例
第九 第百九十四号議案
  学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
第十 第百九十五号議案
  学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第十一 第百九十六号議案
  都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例
第十二 第百九十七号議案
  都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
第十三 第百九十八号議案
  東京都児童相談所条例の一部を改正する条例
第十四 第百九十九号議案
  東京都心身障害者扶養共済制度条例
第十五 第二百号議案
  大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
第十六 第二百一号議案
  東京都海上公園条例の一部を改正する条例
第十七 第二百二号議案
  東京都立公園条例の一部を改正する条例
第十八 第二百三号議案
  公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例
第十九 第二百四号議案
  性風俗営業等に係る不当な勧誘、料金の取立て等及び性関連禁止営業への場所の提供の規制に関する条例の一部を改正する条例
第二十 第二百五号議案
  東京都安全・安心まちづくり条例の一部を改正する条例
第二十一 第二百六号議案
  警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例
第二十二 第二百七号議案
  東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)Ⅰ期新築電気設備工事請負契約
第二十三 第二百八号議案
  東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)Ⅰ期新築空調設備工事請負契約
第二十四 第二百九号議案
  富士見橋鋼けた製作・架設工事請負契約
第二十五 第二百十号議案
  瑞穂大橋鋼けた製作・架設工事請負契約
第二十六 第二百十一号議案
  平成十九年度東京港臨海道路(Ⅱ期)中防側アプローチ橋りょう鋼けた製作・架設工事請負契約
第二十七 第二百十二号議案
  当せん金付証票の発売について
第二十八 第二百十三号議案
  東京都立小峰公園の指定管理者の指定について
第二十九 第二百十四号議案
  東京都立明治公園外一公園の指定管理者の指定について
第三十 第二百十五号議案
  東京都立大神山公園の指定管理者の指定について
第三十一 第二百十六号議案
  東京都立横網町公園の指定管理者の指定について
第三十二 第二百十七号議案
  東京都水道事業の事務の委託の廃止及び八王子市公共下水道使用料徴収事務の受託について
第三十三 第二百十八号議案
  東京都水道事業の事務の委託の廃止及び立川市公共下水道使用料徴収事務の受託について
第三十四 第二百十九号議案
  東京都水道事業の事務の委託の廃止及び町田市公共下水道使用料徴収事務の受託について
第三十五 第二百二十号議案
  東京都水道事業の事務の委託の廃止及び国分寺市公共下水道使用料徴収事務の受託について
第三十六 第二百二十一号議案
  東京都水道事業の事務の委託の廃止及び福生市公共下水道使用料徴収事務の受託について
議事日程第三号追加の一
第一 東京都教育委員会委員の任命の同意について(一九財主議第三四四号)
第二 東京都監査委員の選任の同意について(一九財主議第三四五号)

   午後一時開議

○議長(比留間敏夫君) これより本日の会議を開きます。

○議長(比留間敏夫君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(比留間敏夫君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 知事より、東京都教育委員会委員の任命の同意について外人事案件一件が提出をされました。
 これらを本日の日程に追加をいたします。

○議長(比留間敏夫君) 昨日に引き続き質問を行います。
 六十九番鈴木隆道君。
   〔六十九番鈴木隆道君登壇〕

○六十九番(鈴木隆道君) 初めに、東京ビッグトークについてお伺いをいたします。
 ことしも、親が子どもを、あるいは子どもが親を殺すという事件が相次ぎ、多くの都民の皆様が暗たんたる気持ちで年の瀬を迎えていることと思います。これらを見るにつけ、目先の金銭や快楽を優先する社会の風潮、一時の衝動を抑えられない大人たちの姿が子どもたちをスポイルしつつあるのではないかと強く感じます。
 先ごろ私は、こうした崩れつつある社会を再生する手がかりに出会いました。十一月二十一日、かつて日本じゅうに熱い感動を与えた有森裕子さんらオリンピック選手を迎えて東京ビッグトークが開催されました。会場は六百人を超える都民で埋まり、多くの十代の若者が参加をいたしまして、そして、それぞれの競技をきわめたアスリートがみずからの実体験に基づき熱く語り、会場は大いに盛り上がったとのことであります。
 そして、それに参加した高校生たちの感想文を拝見したところ、会場の熱気がそのまま乗り移ったようでありまして、オリンピック選手の話を聞き、大きな夢をかなえるために日々精進しようと思う、オリンピックは日本じゅうの人が日本のことについて考えるよい機会だなどと、若者らしい純粋で率直な感動や興奮がつづられておりました。こういった感動や興奮を一人でも多くの子どもたちに体験させることこそが社会を再生することにつながっていくと思います。
 また、「十年後の東京」でも、子どもたちが健全に成長し、夢を持って生き生きと生活できる都市へと東京が変わっていく道筋が描かれており、これを着実に実現していく必要があります。
 いつの時代のどんな社会であっても、子どもは宝物であります。子どもを健やかに育てることができなければ、その社会は滅びるしかありません。
 そこで、東京の、そして日本の未来を託す子どもたちに、今こそどんな夢と希望を与えていくべきか、知事の率直なお気持ちをお伺いしたいと思います。
 次に、東京が果たすべき都市外交について伺います。
 私は先般、都議会海外調査団の一員として、エジプト、スペイン、フランスを訪問してまいりました。私が強く印象づけられたのは、我々日本人が思っている以上に、世界からの日本への関心や評価が高いということでありました。
 例えばスペインのマドリード市は、二〇〇三年以降、国際化に力を入れています。空港の拡張、環状道路、鉄道の整備など国際都市にふさわしい都市インフラの整備を推進し、二〇〇七年には国際活動戦略本部、マドリードグローバルを設立し、成長したマドリードの姿を世界に発信をしようとしています。
 そして、マドリードの国際化の最大のターゲットは、実は東京であります。担当官によれば、東京の文化、技術、食、環境との共存などは非常に魅力的ととらえられており、東京はマドリードにとって巨大なライバルであり、模すべきモデルであり、また協力すべきパートナーと考えているそうであります。マドリード市は、在スペインの日本大使館やジェトロ、日本からの進出企業、日系の旅行者団体と意見交換を重ね、日本からの投資また観光誘致計画であるプラン・ハポンを策定し、日本、特に東京に熱烈なラブコールを送っています。
 また、在スペイン大使館でも、最近の日本ブームについてお伺いをいたしました。スペインでは、社会が急速に成熟する中で、観光、食文化、アニメなどを通じて日本への評価、関心は非常に高く、さらに高まっていくと予想されるものの、日本に関する情報はまだまだ不足をしているようであります。このような日本、東京の文化や観光などに対する関心は、世界の他の地域でも同様なのではないかと思います。
 また、観光、文化だけではなく、東京都の先進的な政策は世界に誇れるものだと思います。知事も出席したニューヨークの大都市気候変動サミットで、東京の環境対策や水道技術が世界に驚嘆されたことは、いまだに記憶に新しいところであります。
 アジアでは、石原知事の提唱で設立されたアジア大都市ネットワーク21を通して、東京のリーダーシップのもと、危機管理対策、観光振興、文化交流、感染症対策、地球温暖化対策などさまざまな分野で連携が進み、共通の都市問題の解決に役立っています。
 都のすぐれた取り組みを紹介したり、観光、文化などの交流を進めていくことは、アジアに限らず、先ほどのマドリードの例のように世界じゅうから歓迎されるものと思います。そして、このような活動が世界における東京の評価を高め、オリンピック招致の実現にも大いに役立つのではないかと思います。
 東京や東京都政に対する国際的な関心をどのようにとらえているか、そして、どのように対応していくのか、都市外交全般の観点から見解を伺います。
 このように、世界から寄せられる、東京のことを知りたい、東京と交流したい、東京から学びたいという要望にこたえていくためには、世界とのネットワークづくりが必要だと考えます。現在のネット社会においては、ホームページの充実による海外への情報発信も大きな柱ですが、さらに重要なのは、人と人とのネットワークだと思います。
 世界に向けて、ニーズに合った貢献を行い、東京を効果的にアピールしていくためには、現地の状況をよく把握している人々と都庁との間でネットワークを形成し、必要な情報を迅速適切に収集、伝達することが必要であります。
 オリンピック招致のためには、情報だけでなく、環境対策やスポーツ振興などで世界に貢献したいという東京の情熱を世界に知ってもらわねばなりません。熱意を伝えるには、直接的なコミュニケーションにまさるものはありません。オリンピック招致をも視野に入れて、世界と東京との間でどのように人のネットワークづくりに取り組んでいくのかをお伺いいたします。
 東京の魅力、東京の先進的な政策は世界に誇れるものであり、世界から求められています。しかし、だからといってオリンピック招致をかち取るのは容易ではありません。厳しい競争を勝ち抜くためには、世界と交流し、世界に貢献していこうという東京の強力なメッセージを今まで以上に積極的に発信していくことが必要です。
 もちろん、世界への貢献は、オリンピック招致のためだけに行うものでないことはいうまでもありません。むしろ東京が果たすべき責務ではないかと思います。石原知事には、環境、観光、先端技術などさまざまな分野において、アジアだけでなく、世界でもリーダーシップをとって世界に貢献し、東京そして日本の国際的評価をさらに高めていただきたいと考えています。
 石原知事は、これまで先進的な政策でアジア大都市ネットワークにおいて新たな国際ネットワークの姿を示してまいりました。また、この九月には、地球温暖化によって深刻な影響を受けているツバルにみずから足を運び、地球環境の危機をアピールいたしました。
 今、世界が直面しているさまざまな課題に立ち向かうためには、国の外交だけに頼るのではなく、従来の枠組みにとらわれずに世界の都市を連携させ、都市から世界を変えていかねばなりません。今後、東京の都市外交をどのように進め、世界でどのような役割を果たしていこうとしているのか、知事の考えを伺います。
 次に、教職員の人事権移譲について伺います。
 現行制度においては、区市町村立小中学校の教職員の給与負担と人事権については、より財政力が安定し、広域的な人事配置が可能な都道府県が持つことにより、義務教育の質の維持向上を図ることとされています。
 しかし、このことは、教員の区市町村への帰属意識を失わせるとともに、区市町村が地域の特性を生かした独自の展開をしていくことを難しくしている現実があります。近年、一層複雑多様化する学校教育における課題に迅速的確に対応し、教育改革を積極的に進めていくためには、区市町村の掲げる教育理念の実現に向けて、学校と地域が連携してともに子どもを育てていくことが重要であります。
 子どもたちは、勉強はもちろん、音楽、スポーツなどさまざまな分野において無限の可能性を持っています。子どもたちの興味、関心を引き出し、その才能を開花させ、個性豊かな子どもたちを育てていくためには、何よりも教員が創意工夫による特色ある授業を展開できるような教育環境が欠かせません。情熱を持って地域の教育に積極的に取り組む優秀な人材の確保や教員の意識改革を進めるために、地域に根差す意識の高い教員を区市町村ごとに採用、配置できるようにすることが有効であります。
 しかし、本年三月に出された中央教育審議会答申「教育基本法の改正を受けて緊急に必要とされる教育制度の改正について」においては、人事権の移譲については、依然として関係者間での意見の隔たりが大きく、すべての市町村において一定水準の人材確保を図る上で支障が生ずるという懸念が大きい、そのために、広域での人事調整の仕組みや給与負担のあり方などとともに引き続き検討すると先送りにされてしまいました。
 個性豊かな教育を展開するために、人事権移譲はぜひとも実現すべき課題であり、全国的な人事権移譲の実現が早急には望めない現状にある今こそ、東京都が先陣を切って進めていくべきであると思います。
 区市町村が地域に根差した優秀な人材を確保、育成し、特色ある学校教育を展開していくためには、区市町村が教職員の人事権を持つことが必要不可欠であると考えますが、区市町村立小中学校教職員の人事権の移譲について、都教育委員会の見解を改めて伺います。
 次に、踏切対策について伺います。
 東京は、都市機能の集中、集積を競争力の源泉とし、世界を代表する成熟を遂げた都市としてその地位を確立してまいりました。しかしながら、都市の骨格を形成する基盤施設はいまだ整備の途上であり、交通渋滞などの都市問題が発生しています。
 この原因の一つが踏切であります。さまざまな問題が都民生活に多大な影響を与えています。
 まず、人や物の流れの面からは、あかずの踏切によりバス等の定時性確保が困難となるほか、物流効率化の妨げとなっています。また、安全・安心なまちづくりの面からは、無理な横断が死傷事故を引き起こしています。さらに、環境の面からは、踏切を待つ自動車からの排気ガスが都市環境、ひいては地球環境を悪化させる原因ともなっています。
 まさに踏切問題は二十世紀の負の遺産であり、早期に解消すべきであります。東京を真に世界の範となるようなさらに高いレベルの成熟都市とするためには、踏切対策のさらなる加速が不可欠と考えます。そこで、踏切対策の推進に向けた今後の都の取り組みについて伺います。
 こうした踏切対策の実施に当たっては、多額の事業費を要することから、安定的な財源の確保が何より不可欠であります。しかし、現在、政府・与党内では道路特定財源をめぐりさまざまな議論があり、予断を許さない状況が続いております。道路特定財源は、受益者負担の原則に基づく合理的かつ安定的な財源として暫定税率を延長し、緊急の課題である踏切対策等道路関係施策に重点的に投入すべきと考えます。
 また、国の調査によれば、あかずの踏切などの緊急に対策の検討が必要な踏切は全国に千九百六十カ所、このうち約半数の九百六十七カ所が実に関東ブロックにあります。神奈川県、千葉県、埼玉県など首都圏の自治体でも踏切問題が深刻な事態となっています。
 昨日、石原知事が福田総理と会談された際、知事から、首都の交通網を分断しているあかずの踏切の早期解消を含め、首都東京の重要施策に対し国も力を尽くすよう求めたところ、総理は前向きの返答をされたとのことであります。
 そこで、日本の社会問題である踏切問題の解消に向けて、東京から、また首都圏から先駆的な取り組みを推進していくべきと考えます。そこで、都は、踏切対策の加速に向けて、首都圏の自治体と連携をして国に働きかけていくべきと考えますが、都の見解を伺い、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 鈴木隆道議員の一般質問にお答えいたします。
 子どもたちにどんな夢と希望を与えていくべきかについてでありますが、ご指摘のとおり、子どもたちを取り巻く現況には我々としても危機感を抱かざるを得ません。
 戦後、我々は平和で豊かな時代を享受してきましたが、その代償として、子どもたちは物や情報におぼれて、みずからがみずからの意思でどう行動していくかがわからなくなり、大人たちもしっかりと子どもをしかることができなくなりました。それゆえにも、子どもそのものが耐性、つまりこらえ性を失って、本質的に非常にひ弱になったと思います。
 本来、子どもたちは、中でも十代の青春にある子どもたちは、個性の表象であります感性や情念において、大人に比べてもはるかに鋭く、すぐれたひらめきを持っております。彼らはまた、まさに日本の将来を担う原石でありまして、本物に出会った感動に触発され、みずからを鍛え、磨いていく機会を積極的につくることで人生を豊かにし、一生の糧となるような夢と希望を彼らに与えるべきだと思っております。それがまさに子どもあっての親としての我々の責任ではないかと思います。
 東京オリンピック招致は、その大きなよすがになると思っております。すぐれた競技者たちが国を背負ってみずからの肉体を限界的に駆使して、極限のドラマをつくり上げていくオリンピックは、実体験を伴わないバーチャルなテレビ等による情報からはとても得ることのできない、人生を左右する大きな重みやすばらしさを持っていると思います。そこから子どもたちに夢と希望を、さらにかけがえのない宝物となる心の財産を与えていきたいものだと思っております。
 次いで、今後の東京の都市外交についてでありますが、東京には都市問題の解決には必要な技術、人材、ノウハウなどが集積しております。こうした資源を生かして、大都市が共通して抱える具体的な課題に連携して取り組むことを通じまして、世界に貢献していきたいと思っております。それが私の考える都市外交であります。
 これまでも、アジア大都市ネットワークやロンドンとの政策提携など、単なる儀礼的な友好親善にとどまらない実質的な都市外交を展開し、成果をそれなりに上げてきました。今後とも、東京の持てる力を最大限に活用しまして、世界の都市と知恵や経験を分かち合いながら都市問題の解決に当たることによりまして、東京の国際的評価をさらに高めていきたいと思っております。
 こうした取り組みの積み重ねがオリンピックの招致にもつながると思っておりますし、また、首都東京の都市外交のためにも、例えば羽田空港の一層の国際化が不可欠だと思っております。昨日も福田総理にそのことを念を押してまいりました。
 その他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。
   〔教育長中村正彦君登壇〕

○教育長(中村正彦君) 区市町村立学校教職員の人事権移譲についてのご質問にお答え申し上げます。
 都教育委員会は、昨年度、人事権移譲に関する見解を取りまとめ、文部科学省に示したところでございます。区市町村立学校教職員の人事権につきましては、必要な法改正を行った上で、すべての区市町村に対して給与の負担とあわせて移譲すべきでありまして、その際、採用や異動、昇任等につきまして区市町村間の不均衡を生じさせないための広域的な調整を図る仕組みを整備する必要があるとともに、区市町村が給与の負担を行うため、適切な財源の確保が不可欠であると考えております。
   〔知事本局長大原正行君登壇〕

○知事本局長(大原正行君) 都市外交に係る二点のご質問にお答えを申し上げます。
 まず、東京に対する国際的関心と対応についてでございます。
 東京には伝統的な文化から先端技術、現代美術までさまざまな魅力が集積をしており、海外からも多くの観光客が訪れております。同時に、都が進めてまいりました治安、危機管理、環境対策などの先進的な施策は、共通の問題を抱える多くの大都市の関心を集めております。
 こうした東京の魅力を世界に発信し、交流の礎にいたしますとともに、先進的な施策を広く国際社会に向けてアピールをし、世界に共通する都市問題の解決に貢献していくことが東京の都市外交の大きな役割であり、この積み重ねがオリンピックの招致にもつながっていくものと考えます。今後とも、都庁一丸となって都市外交に積極的に取り組んでまいります。
 次に、都庁と世界をつなぐ人的ネットワークづくりについてのお尋ねでございます。
 現代のようなIT社会におきましても、人と人との直接的なコミュニケーションは依然として大きな役割を担っており、人的なネットワークの構築が必要であることはご指摘のとおりであろうと思います。
 都はこれまでも、アジア大都市ネットワークの取り組みなどを通じまして、海外都市との間に緊密な人間関係を構築してまいりました。さらにこれからは、東京マラソンや環境技術に関する実務者会議など大きな国際イベントや国際会議を開催いたしますとともに、海外からの研修生や留学生を積極的に東京に受け入れまして、そこで培った人間関係を将来にわたり維持していくことが重要であると思います。
 これまで築き上げてきた人的ネットワークを継続、深化させますとともに、ネットワークのすそ野を広げることで、オリンピック招致の実現にもつなげてまいりたいと考えております。
   〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕

○都市整備局長(只腰憲久君) 踏切対策に関する二点のご質問にお答えを申し上げます。
 まず、踏切対策の推進についてでございますが、交通渋滞や地域分断を解消し、快適で利便性の高い都市を実現するためには、踏切対策の推進が必要でございます。
 抜本的な対策でございます連続立体交差事業につきましては、踏切対策基本方針に掲げました検討対象二十区間のうち、新たな取り組みである区施行を含めた三区間で計画の具体化を図ってまいります。その他の区間につきましても、地元区市とともに、沿線のまちづくりを含め検討を深めてまいります。
 また、早期に実施可能な対策として、踏切道の拡幅、踏切システムの改善などをあわせて促進いたします。
 今後とも、区市町、鉄道事業者など関係者間の連携を一層強化し、効果的な踏切対策に積極的に取り組んでまいります。
 次に、踏切対策に関します首都圏の自治体との連携についてでございます。
 ご指摘もございましたけれども、首都圏には遮断時間が長く自動車交通量が多い踏切が集中しておりまして、踏切対策による効果が非常に大きいことから、重点的な推進が必要であるというふうに考えております。そのためには、暫定税率の延長による道路整備特定財源の確保や国庫補助制度の充実などを国に求めていくことが重要でございます。
 都は、これまでも、一都七県で構成する首都圏整備促進協議会として提案要望を行ってまいりましたが、引き続きこうした場を通じて、首都圏の自治体とも連携しながら、踏切対策の推進に向け国に強く働きかけてまいります。

○議長(比留間敏夫君) 九十八番酒井大史君。
   〔九十八番酒井大史君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○九十八番(酒井大史君) 多摩地域における高付加価値産業の創出と地域振興、それに伴う交通基盤整備について質問をいたします。
 まず初めに、高付加価値産業の創出について伺います。
 都は、「十年後の東京」並びに多摩リーディングプロジェクト改訂版の中で、圏央道の開通や横田基地の軍民共用化を契機とした多摩地域における産業拠点の地位向上に向け、多摩シリコンバレーの形成を提唱しています。この多摩シリコンバレーは、多摩が有する潜在的な能力を生かし、多摩地域における高付加価値産業の創出にもつながることであり、大いに期待をしております。
 そこで、現状における本計画のイメージを確認させていただいた上で、具現化に向けての課題について質問をさせていただきます。
 まず、多摩シリコンバレーのイメージについて、「十年後の東京」におけるイメージ図を見ると、多摩北西部から南西部にわたる広いエリアを想定しているようですが、都が考える多摩シリコンバレーは具体的にどのエリアまでを想定しているのか、また、どのようなコンセプトを持って形成をしようとしているのか明らかになっていません。
 この広いエリアには、先端技術を有する企業や工業団地、大学が存在し、都立短大の跡地には多摩における都の産業支援の拠点も建設されています。これら既存の企業や研究機関等を核として、新規事業の創出や高付加価値産業の集積、それに伴う雇用の創出までをも目指した一大産業集積地としてのシリコンバレーを目指すのか、それとも、この地域は先ほど述べたような既存企業、施設が点在していることから、とりあえずこの地域を多摩シリコンバレーと呼んでしまおうというものなのか、ぜひとも前者であってほしいと思いますが、都のイメージ、コンセプトをお伺いいたします。
 このシリコンバレーの形成に当たっては、一つの参考事例として、スウェーデンのストックホルム市を中心に形成しているシスタ・サイエンスシティーを紹介させていただきたいと思います。これは、先般の海外調査報告でも、原田大議員より報告をいたしましたが、本年十月に現地調査を行ってきたものです。
 このシスタ・サイエンスシティーは、ストックホルム市が二〇〇〇年にIT構想を打ち上げたことを契機に二〇〇一年より建設が始まりました。二〇〇三年からはエリクソンも本社をシスタに移し、現在、総面積二百万平方メートルを有し、千三百五十社が活動しています。
 また、このサイエンスシティーの特徴としては、住居エリアを併設していることであり、これにより、研究開発エリアという側面だけではなく、ショッピングセンターをも有する一大先進都市を形成していることにあります。それに伴い、エリア内外を結ぶバス路線や道路が整備され、さらに高速市電も整備されつつあります。
 行政のかかわりとしては、行政主導によって進められ、当初の一、二年は関係するコミューンが補助金を出し、その後、ストックホルム市や企業等が参加する財団が設立され、運営株式会社とともに運営しております。ストックホルム市においては、土地を十年間無償で貸し付けているとともに、企業等が立地しやすいよう、不動産が投機の対象にならないような配慮をしているとのことでした。
 このような取り組みにより、二〇〇三年時点でのシスタ・サイエンスシティーにおける雇用者総数は三万人を有し、さらに二〇〇七年にはICT企業だけでも二万人に達しています。また、ICT企業は、二〇〇五年四百二十七社であったものが、二〇〇七年には五百二十社と、二〇%も増加している状況にあります。
 以上のように、北欧のシリコンバレーといわれるシスタ・サイエンスシティーは、ストックホルム市のイニシアチブによって世界有数の産業集積地となり、世界のITを牽引しているのみならず、域内の雇用や住宅需要の喚起にも貢献していることは、多摩シリコンバレーにも大いに参考になるものと思います。
 都も、多摩シリコンバレーを形成する以上、世界のシリコンバレーとまではいわないまでも、アジアのシリコンバレーたらんとの気概を持って取り組んでほしいと思いますが、そのためにはさまざまな課題があります。具体的には、産業集積を図り新事業を創出していくためには、都がインセンティブを与えるようなことも考えていかなければなりません。
 ストックホルム市とは不動産に関する状況が異なるので、同様な対策は不可能でありますが、税制の面での優遇やまちづくりの点での配慮は可能なのではないかと思います。
 また、インフラについては、高速通信網の充実を初め、交通インフラの充実も欠かせない課題です。都も国道一六号線の拡幅を指摘しておりますが、この地域の物流インフラは不足していますし、都が建設している、昭島、立川の市境に位置する多摩産業支援拠点とのアクセスについても課題があると思います。
 さらに、シスタ・サイエンスシティーでは、ITに特化し、世界のITをリードするための大学として、ITユニバーシティーが二〇〇一年に設立され、産学連携が活発に行われています。こうした産学連携の取り組みも多摩シリコンバレーの課題であり、海外の先進事例に学ぶ点が多いと考えますが、以上、都としての多摩シリコンバレー形成に向けての課題についてお伺いをいたします。
 次に、多摩地域におけるもう一つの課題である横田基地の軍民共用化に関して、これが実現に至ったときのインフラ整備について伺います。
 横田基地の軍民共用化については、騒音の問題等、地域住民への配慮が必要なことはもちろんでありますが、これが実現に至ったときの地域に与える効果は、多摩地域のみならず、隣接する県の住民の利便性拡大、さらには多摩シリコンバレーとも連携しつつ、地域経済の活性化、雇用創出など、はかり知れないものがあります。現在外交交渉中のため、具体的な進展が目に見えてこない状況にありますが、石原知事の所信表明等の中でも、改めて早期実現に向けての強い意思表示がなされたことに大いに期待するものであります。
 そこで、都としても外交交渉を見守り、また、共用化に向けてのアクションを起こしていくのとあわせて、共用化が実現した際、取り組まなければならないインフラ整備などの課題についてどのように想定しているのか、質問をいたします。
 このインフラ整備については、軍民共用化が実現し、ターミナル等の位置が確定するまでは具体的な想定は難しいのかもしれませんが、インフラ整備には時間もお金もかかることですので、何通りかの想定をしておくことも必要と考えます。横田基地の軍民共用化が実現し、民間空港として活用することになった場合、一般的には、ターミナルの建設のほか、鉄道や道路などのインフラ整備が必要となります。横田基地の軍民共用化により、国内あるいはアジア地域との航空利便性は飛躍的に向上することが予想されますが、一方、横田基地へのアクセスという面から見ると、現状の道路計画、整備状況では不十分といわざるを得ない状況にあると思います。
 また、国内外の都市における空港を見てみますと、その多くにおいて、空港近くまで鉄道及び自動車専用道路が整備されています。現実に諸外国では、空港からインターチェンジへ十分以内で到達できるところも多いことから、空港と直結した鉄道や自動車専用道路の整備も必要と考えます。
 そこで、横田の軍民共用化に当たり、都としては横田基地へのアクセスを中心とした交通網整備についてどのように考えているのか、知事にお伺いいたします。
 以上、多摩地域における二つの課題について質問いたしましたが、いずれにおいても、その計画が現実のものとなったときに必要とされるのは、人、物、経済の流れをつかさどる道路を初めとした交通網の整備であります。
 都も、多摩リーディングプロジェクトの中で幹線道路の整備促進などをうたっていますが、多摩地域の道路整備はまだまだ進捗していない状況にあります。平成十六年度末時点で、多摩の都市計画道路は延長千四百二十五キロメートルが計画されていますが、完成率は五一%にとどまっています。そのため、多摩地域の交通は、ピーク時旅行速度が時速十五キロメートルを下回る区間も多いことから、移動に多大な時間とエネルギーをかけざるを得ない状況になっています。
 私の地元である立川市には広域防災基地がありますが、この中央を通る都道の南進計画も実現のめどが見えず、防災基地への陸路の確保という点では、機能的に不十分な状況にあります。
 そこで、多摩地域における都市計画道路の整備について、今後どのような計画を持って取り組んでいくのか、見解をお伺いいたします。
 以上、何点かにわたり質問をいたしましたが、本日取り上げた課題に対応するための一つのアイデアとして、自動車専用道路の建設を提案させていただきます。もちろん、自動車専用道路については、一般的には国等が主体となって行う事業でありますが、都も都市計画決定等に関与する場合もあるので、一つのアイデアとしてお聞きいただきたいと思います。
 この自動車専用道路の具体的な路線は、パネルをごらんいただきたいと思いますが、中央自動車道国立府中インターチェンジ付近から、広域防災基地、横田基地を通り、圏央道青梅インターチェンジを地下で結ぶものです。総延長は約二十一キロメートル、地下道路の仕様としては、道路構造令に準拠し、設計速度は時速八十キロ、道路区分は第二種第一級とします。
 土地買収費を極力かけないルートとして、当初、多摩川堤防下、残堀川地下を通るプランを考えましたが、現行法のもとでは河川下の道路構築は非常に難しいとのことですので、都道下や大深度地下を活用し、図にもあるように、大型車も通行可能な直径十三メートル口径の大型トンネル一本、あるいはIT技術を活用し、フランスのA八六号線のような規格の、乗用車や四トン小型貨物車のみが通行可能な直径六・六メートル口径の小型トンネルを二本建設するものです。
 この地下自動車専用道路の建設により、横田基地へのアクセスが確保されると同時に、現在、国立府中インターから青梅インターチェンジ間の延長約二十一キロにおいて、時速三十キロ走行時七十分かかる所要時間が、控え目に見積もっても、八十キロ走行により所要時間三十分と、四十分も短縮することができ、その結果、来年開催予定の洞爺湖サミットにおけるテーマの一つと想定されるCO2排出量の削減も可能となります。
 建設費の想定に関しては、シールドの断面積によって変わってきますが、専門家の話では、先ほど紹介した大型トンネル一本で掘った場合、用地買収費やシステム費を除き、約三千八百億円。また、小型トンネルを二本掘った場合は、約半分の一千八百億円とのことです。
 いずれにしても、膨大な建設費であり、都が単独で行い得る事業ではありませんが、大口径のトンネルについては、走行面下の余剰空間を防災基地における防災機能の向上にも活用できるメリットがあり、また、小口径トンネルについては、我が国においては新たなチャレンジとなりますが、建設コストを削減できるメリットとともに、事故発生時の避難用トンネルとしてもう一方のトンネルを活用できることから、防災面でも注目すべきトンネルとなります。
 いずれの計画にしても、平成十七年度道路交通センサスを参考に推定をすると、中央自動車道の国立付近では毎日約四万五千台が通行しており、そのうち、仮に三〇%程度が利用するだけでも、現状で一日一万台の利用が想定されることから、十分利用度の見込める道路と考えられます。横田基地へのアクセス道路、多摩地域の交通網拡充の一つのアイデアとして、知事におかれましては、ぜひご記憶にとどめていただければと思います。
 以上、質問事項に対する知事並びに関係局長の答弁を求め、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 酒井大史議員の一般質問にお答えいたします。
 横田基地の軍民共用化に伴う交通網整備についてでありますが、航空機の利点は、遠距離の目的地に短時間で到達できることでありまして、出発地から空港までのアクセスが十分に確保されていなければ、この利点を生かすことはできません。
 横田基地は都心から約三十八キロメートルと、成田の半分程度の距離に位置しておりまして、周辺には既に鉄道や幹線道路が整備されております。
 軍民共用化の具体化に当たりまして、こうした横田周辺の既存の交通インフラも生かしながら、空港までの到達時間を可能な限り短縮して、利用者にとっていかに便利な空港とするかが重要な課題であります。
 この問題を左右するのは、例えばもっと大規模に空港が軍民共用化で活用されたときに、恒久的なターミナルを基地のどちら側に使うかによってかなり条件が違ってくると思いますが、また、軍民共用化が実現すれば、地元の多摩地域や横田に近接する隣県の活性化が促進されまして、人や物の動きが従来以上に活発になることが見込まれます。このために生じる新たな交通需要にも対応していくことが必要だと思います。
 今後は、軍民共用化の日米協議の進捗に合わせまして、国とも連携しながら、軍民共用化に伴う交通網整備について検討を進めてまいります。
 他の質問については関係局長から答弁いたします。
   〔産業労働局長佐藤広君登壇〕

○産業労働局長(佐藤広君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、多摩シリコンバレーについてでありますが、多摩地域は大学や研究機関、先端技術を有する企業が集積しており、また、都内製造品出荷額の五割以上を占めるなど、大きなポテンシャルを有しております。
 圏央道の全面開通や横田基地の軍民共用化により、産業のポテンシャルが高まる広域多摩エリアを多摩シリコンバレーととらえ、この地域を、アジアを代表する高度で多様なものづくり産業の集積地として発展させることを目指しております。
 次に、多摩シリコンバレーの形成に向けた課題でありますが、多摩シリコンバレーの形成に当たりましては、圏央道や多摩南北道路など、産業を支える都市インフラの整備を契機といたしまして、産学公連携をより一層活発化させることなどによりまして、新事業の創出を図っていくことが重要であると考えております。
 このため、平成二十一年度開設予定の多摩産業支援拠点におきまして産学公の交流センターを設置し、コーディネート機能を拡充していくとともに、中小企業に対する技術、経営両面からの支援を強化してまいります。
   〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕

○都市整備局長(只腰憲久君) 多摩地域の都市計画道路についてでございますが、都は、多摩の二十八市町と共同して、昨年四月に、多摩地域における都市計画道路の整備方針を策定いたしました。
 この整備方針におきましては、都市計画道路の計画的な整備を進めていくため、交通混雑の緩和、防災機能の強化、物流を支える道路網の形成などの評価項目に照らしまして、第三次事業化計画として、平成二十七年度までに優先的に整備する路線を選定してございます。
 今後とも、関係市町と連携し、多摩地域の発展に資するよう、骨格幹線道路を初めとする都市計画道路ネットワークの早期形成に努めてまいります。

○副議長(石井義修君) 九十四番古賀俊昭君。
   〔九十四番古賀俊昭君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○九十四番(古賀俊昭君) まず、祖国未曾有の国難に際し、とうとい命をささげられた沖縄県民戦没者並びに戦陣に散華された英霊への畏敬と慰霊の心をもって、沖縄決戦と教科書検定についての質問を行います。
 ことし三月、文部科学省は、平成二十年度から使用する高校歴史教科書の検定結果を公表し、沖縄集団自決について、日本軍に強制された旨の記述がある七冊の教科書に対して、誤解するおそれのある表現との検定意見をつけ、修正が行われました。
 これまで、沖縄タイムス社編「鉄の暴風」等の著作物では、昭和二十年三月、慶良間列島にある渡嘉敷島、座間味島への米軍上陸の際に、駐屯部隊の隊長が島民に自決を命じたと記述されてきました。だが、これを原資料とする教科書記述は不適切とするものであります。この検定意見に対して、沖縄の報道機関や新旧左翼勢力は執拗に、もとに戻せと要求を繰り返し、歴史の虚説に事寄せて、日本軍は県民を守らなかった、日本軍に殺されたとの表現を貫く目的の政治運動を扇動しています。
 実際には、沖縄を守るために多くの特攻隊員が散華し、また、戦艦「大和」などの沖縄を守る作戦も展開されたことは皆さんもご承知のとおりです。可能な限りの策を実行しています。「沖縄県民斯ク戦ヘリ」と有名な決別電報を打った大田實少将など、牛島司令官も沖縄県民への心からの献身への感謝を述べて自決をしています。
 本来、検定終了後の教科書は、誤字、脱字等のほかは訂正申請は認められていません。にもかかわらず、文科省は、いわゆる十一万人集会、引き続く検定意見撤回を求める政治的圧力に押されて、学習上の支障なるこじつけの専門用語を持ち出して訂正申請を誘導したのです。学問的根拠のないうそに迎合することは、検定制度の崩壊にもつながる暴挙であり、決して許されるものではありません。
 そもそも今回の検定意見でも、悲惨な集団自決は従前どおり記述されています。沖縄の報道機関等は、集団自決の史実が削除されたかのごとく伝えていますが、誤解を県民に拡大させるだけで、正しい報道とはいえません。検定意見は、隊長からの自決命令、隊長からの強制によって自決が行われたとの記述のみを是正したのであります。
 自決を決定したのは村の幹部であることは、沖縄県史に、村長、前村長、現学校長等々で決めましたとの証言があり、沖縄県警察史でも、渡嘉敷村駐在の調査記録にも同じような表現があります。住民を避難させたところ、巡査が自決をやめるよう指示したが、聞き入れられなかった、そういう状態であったと伝えています。死におくれた村民が武器を求めて軍部隊に押し寄せたために、軍はそのとき初めて自決の事実をつかんだのです。県史には、このとき隊長は、早まったことをしたなと述べたことも書かれています。
 座間味村史の軍命ありが沖縄県史に転載されていますが、軍命令ありとしなければ、戦傷者戦没者遺族援護法で補償金が交付されないため、軍命ありと記載したとする情報提供者からの修正申し出が出され、その後、軍命令はなかったと訂正されています。
 沖縄県集団自決の軍命令説は、昭和四十八年に曽野綾子さんの「ある神話の背景」が出版されたことを機に、ほとんどの文献が訂正、削除または絶版をいたしました。その中で唯一残っているのが、大江健三郎氏の「沖縄ノート」と沖縄タイムスの「鉄の暴風」であります。これは米軍の占領政策の影響を受けたと考えられます。米軍は、沖縄侵攻作戦に先立つ昭和十九年、「琉球列島の沖縄人」と題する心理作戦計画案をまとめていますが、これを見ると、沖縄人と他の日本人との亀裂を利用すると書かれています。真実の歴史を歪曲してでも軍命令ありとしなければ納得しない勢力の存在は、この巧妙な、また悪らつな占領政策を抜きには考えることはできません。
 ここで、十一万人と発表された宜野湾集会の実際の人数をテイケイ株式会社が科学的な検証を行っておりますので、ご紹介いたします。
 そもそも琉球新報で会場の全景写真が出ています。スポーツ新聞のような見出しが躍っています。(写真を示す)この写真は非常に精密であり、何人いたかというのは数えればわかるわけです。実際にこの升目を、百四の升目に区切って、一つ一つシールを張って人数を数えた結果、果たして、いた会場の人員は何名なのか。目で見ることが確認できた者は一万八千百七十九人であります。
 この面積は、公園の面積として、花壇や樹木等が省かれている面積の中にこれだけの人がいたということになれば、恐らく実際の人数は、他の見えない人も含めて二万人を超えることは絶対なかったということであります。東京ドームの面積、観客席も三万三千平方メートル、目いっぱい観客が入っても五万五千人、それより狭い場所に十一万人が入るはずは到底あり得ないのです。
 そこで質問をいたします。
 集団自決に軍の命令、強制、関与がなかったことは実証された史実でありますが、知事の所見を伺います。
 政府・文部科学大臣は、いわゆる十一万人集会が報じられるや、方針転換を示唆して、政治介入に屈する発言を行いましたが、知事の教科書検定制度とこの虚報十一万人集会報道についての所見をお聞かせください。
 次に、仮称海の森について質問を行います。
 私は五年前、平成十四年の予算特別委員会において、中央防波堤埋立地八十八ヘクタールに計画されている海上公園、海の森構想を取り上げ、インドのタゴールの日本精神への期待や、ペリーが称賛したかつての東京湾の美しさを紹介しながら、日本人の自然観、精神文化に基づく平成の森づくりを提言いたしました。石原知事は、うっそうとした森づくりのために、一握の土、一本の苗木の持ち寄りを全国の皆さんにお願いすると答弁されました。
 続いて、平成十六年六月議会では、南方熊楠の自然と人間観を紹介して、森の名称を平成鎮守の森を提案し、石原知事は、明治神宮の森の例を挙げ、子孫への大切な贈り物として全力で実現すると明言されました。
 本年七月、いよいよ石原知事も出席して植樹式にこぎつけ、あわせて、苗木の費用に充てる海の森募金も始まりました。
 我々人間は、他の動物とは比較にならないすぐれた頭脳を駆使して、生活に便利なもの、快適にしようとするものを数々文明の利器として生み出しました。しかし、同時にそれは、環境を破壊し、人間の精神までむしばんでいます。この物質科学文明の暴走を象徴するのが、まさに東京湾のごみの島であります。
 「歴史の研究」を著したアーノルド・トインビーは、我々が選んだ人類の名称はホモファベル、工作人ではなく、ホモサピエンス、賢い人であると、著書「未来を生きる」の中で述べ、現代文明の危うさを突いています。
 物質文明のツケは、人類の賢さで克服するほかありません。その賢さは、自然との和解、共生を超えた畏敬の念という心の姿勢であり、日本の伝統文化の観点からすれば、鎮守の森の考え方ではないでしょうか。つまり仮称海の森構想は、日本人の自然観、宗教観に基づく森づくりでなければならないのです。
 知事もご承知のとおり、あの土地には、平成八年に天皇皇后両陛下が全国植樹祭で植樹され、御製の碑が建てられています。また、都にドングリを贈り続けている全国氏子青年協議会を通じて、三笠宮寛仁親王殿下から来年八月に苗木を贈りたいとのご意向も仄聞しています。皇室や多くの国民から寄せられるこうした気持ちは、日本人の自然観を象徴するものであります。
 かかる伝統的価値観あってこそ、日本の地球環境問題解決への提言を世界に向けて訴えることができ、また、私ども日本人が失った日本の心を取り戻すことができるのではないでしょうか。この日本の姿こそ、オリンピック日本招致にも大きな誘引力となるはずであります。動き出したこの大事業の意義について、知事の認識を改めてお聞かせください。
 去る十月二十二日の会合で、安藤忠雄氏は、明治天皇が崩御して明治神宮の森がつくられた、だから、またあのような森ができるのではないかと述べました。明治神宮の森には、当時の国家、国民の心が宿っており、今に継承されています。つまり神が宿る森となったということです。
 ごみの島を単に埋立公園にすることは、物理的にはだれでもできることでありますが、そこにいかなる精神を込めるかが森づくりの大きな岐路となるのです。そのためには、海の森という名称は余りにも平板で味気がなく、文学的でもありません。
 平成の日本人が、そして東京が、科学的技術文明による危機感から、世界に向けて、神々の宿る森を後世への貴重な財産として創成した、平成鎮守の森の言霊を配した名称、例えば平成海の森にすれば、その知恵は次代へと継承されます。改めて名称の検討を求め、見解を伺います。
 加えて、将来的にはこの場所を、中央防波堤内側に限らず、外側、そして新海面処分場も取り込んだ大森林構想を検討されるべきだと考えます。現在の海の森の整備状況と今後の計画を伺います。
 また、平成八年度に行われた全国植樹祭の跡地でもわかるように、植樹の後の管理が大事です。今後、清掃や除草等の協力を申し出る団体が予想されますが、こうした希望にはどのように対応されるのか伺います。
 次に、公園整備について伺います。
 都は、平成十九年六月に策定した緑の東京十年プロジェクト基本方針において、都市公園をこれから整備することを数値を挙げて掲げています。その目標の達成のために、都と市区町それぞれが公園整備に積極的に取り組むべきと考えますが、まず、都はどのような取り組みを行うのか伺います。
 ところで、私の地元、日野市程久保三丁目においても、長年にわたり地元自治会や住民が市や都に対して公園緑地にしてほしいという、約三千三百平方メートル、千坪の場所があります。
 当該地は、今日まで十年間、民間業者が宅地や宗教施設等の種々の開発計画を示すたびに、地域住民に不安をもたらした、いわくつきのところであります。
 この土地は、多摩丘陵北部近郊緑地保全区域等の区域内にあって、明星大学があることから明星団地と一般に呼ばれている、約八百世帯のまとまった住宅地であるにもかかわらず、公園、広場がないのです。ゆえに、同地の公園等の整備を長年の課題として、住民は、当該民有地の公有化を市や都に求めてまいりました。しかし、この土地が都市計画公園・緑地の位置づけがないことから、今日まで未解決のままとなっているのです。
 本件土地には都有地が隣接しており、一部は都から無償で借用した遊び場、ほどくぼ地区広場と接しており、市の公園となることはごく自然なことであり、大きな意義があります。
 そこで、市町村が公園整備する際に都はいかなる支援ができるのか伺い、私の一般質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 古賀俊昭議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、集団自決と日本軍の命令についてでありますが、沖縄戦の混乱の中で集団自決が行われ、多くのとうとい命が失われたことは、私たち日本人としても忘れてはならないことと思います。
 しかし、集団自決が日本軍の命令であったかについては賛否両論ありまして、曽野綾子さんの「ある神話の背景」はもとより、最近になって軍命令説をはっきり否定する新たな証言も出ております。軍命令説に基づく「沖縄ノート」の著者大江健三郎氏と岩波書店に対して、出版を差しとめる、損害賠償を求める訴訟が行われておりまして、先日、その大江氏の証言の一部でしたが新聞に載っておりましたが、それを読む限り、私には非常にたどたどしい印象にしか見えませんでした。あの人の政治性は、かつて防衛大学の学生を非難して、本当の青年の将来は北朝鮮にしかないという発言がありまして、これはどこかへいっちゃいましたが、谷沢永一氏が非常に鋭く指摘しておりましたけれども、いずれにしろ、軍命令説を断定的に記述する状況にはないと思われます。
 よって、先般の教科書検定制度と十一万人集会の報道についてでありますが、私は沖縄の方々がこれに反発する気持ちはわからないではありませんけれども、あの写真を見まして、集まった人の数が十一万というのはちょっと大げさだなと。ちらっと見ても、あの地域にそれだけの人が集まるスペースはとてもないと思いますし、丁寧な方が一つ一つ数えたそうでありますけれども、大体ああいう集会や労働組合のデモを見ましても、主催者と警察側の発表は大分食い違っていまして、せいぜいあれの四分の一、三分の一が妥当なところじゃないかと思いますが、いずれにしろ、検定意見の撤回を求める沖縄県民の集会のあの写真の印象に左右されて、政府の対応が揺らぐ、教科書検定が左右されるというのは、非常に思わしくないと思います。
 公教育における歴史教科書は、事実の堆積としての歴史を正確に伝えることが必要でありまして、政治的な思惑で歴史事実を書きかえることは許されてはならないと思います。
 海の森事業の意義についてでありますが、都は「十年後の東京」で、水と緑の回廊に包まれた美しいまち東京を復活させることを第一の目標としておりますけれども、海の森の整備はその第一歩となるものであります。
 ごみと残土の埋立地を緑の島に生まれ変わらせ、東京湾から都心に向かう風の道をつくり出していくこの事業は、地球環境問題への取り組みとなる、世界でもかなりユニークなプロジェクトであると自負しております。東京湾に創造される緑あふれる島は、日本人が持っている豊かな自然観を次世代に伝える贈り物となると考えております。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔港湾局長斉藤一美君登壇〕

○港湾局長(斉藤一美君) 海の森に関します三点のご質問にお答え申し上げます。
 まず初めに、海の森の名称についてでございますが、都は、平成十七年二月に港湾審議会から海の森基本構想の答申を受けまして、本年二月、海上公園計画に海の森を位置づけ、整備に着手したところでございます。
 今後、都民の協力を得ながら着実に整備を進めてまいりますが、開園に向けました名称につきましては、この事業がごみと残土の埋立地を緑あふれる大きな森とする歴史的な事業であることや、募金、苗木づくりなどの先行事業の中で海の森という名称を使用し、都民に一定程度定着していることを考慮に入れながら検討してまいります。
 次に、海の森整備の現状と今後の計画についてでございますが、都はこれまで、海の森の整備に向けた準備といたしまして、小学生による苗木づくりや街路樹の剪定枝葉等を活用した堆肥生産を行ってまいりました。本年七月には、広く都民の参加を呼びかける海の森募金キックオフイベントを開催し、海の森予定地でこの間育成してきた苗木による記念植樹を行いました。
 来年度からは、幅広い都民参加による植樹を本格的に開始することとしておりまして、今後三年間は、潮風の影響を緩和するために、南側斜面を中心として森づくりを進め、十年程度で海の森を概成させる予定でございます。
 最後に、海の森への協力を申し出る団体への対応についてでございますが、海の森は、苗木づくりから植樹、森の管理まで、森づくりの各段階で広範な都民の参加を得て進めていく事業でございます。このため、植樹の進展に伴って清掃や除草等の森の管理が重要な課題となってまいります。
 したがいまして、今後、森の管理につきましても、個人や団体の参加を積極的に受け入れる必要がございまして、公募方法や参加受け入れの仕組みを早急に検討してまいります。都民の協力を積極的に受け入れることによりまして、都民がみずからの手でつくり、育てる森と実感できる海の森をつくってまいります。
   〔建設局長道家孝行君登壇〕

○建設局長(道家孝行君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、緑の東京十年プロジェクト基本方針に掲げる目標達成に向けた公園整備の取り組みについてでありますが、緑の東京十年プロジェクト基本方針において、緑の拠点となる都市公園の整備は、水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京の復活や、既存の緑のネットワーク化などを進めていく上で、重要な取り組みの一つに位置づけております。
 このうち、都立公園の整備に当たりましては、道路や河川と一体的に緑の軸を形成する公園、防災の拠点となる公園、里山の自然環境を保全する丘陵地の公園などを積極的に整備してまいります。
 このため、整備に必要な用地については、一団のまとまりのある大規模な用地や、既に開園している地区に近接する用地など、整備効果の高い用地を戦略的かつ着実に取得するとともに、丘陵地の公園などでは借地公園制度を活用してまいります。
 次に、市町村が公園を整備する際の都の支援についてでありますが、都立公園整備とともに、市町村が行う公園整備は緑の拠点づくりとして重要であります。
 このため、都は、市町村への支援として、技術面においては、市町村が緑地保全や緑化の推進の目標などを定める緑の基本計画の策定に際して助言を行うとともに、防災公園やバリアフリー化などの整備計画や内容について指導を行っております。
 また、財政面においては、市町村土木補助により支援を行うとともに、国庫補助金を市町村が受けられるよう国に対して強く働きかけております。
 今後とも、都立公園の整備を積極的に進めていくとともに、市町村による公園整備の促進を図り、緑の東京十年プロジェクト基本方針に掲げる目標の達成に向けて取り組んでまいります。

○議長(比留間敏夫君) 三十七番上野和彦君。
   〔三十七番上野和彦君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○三十七番(上野和彦君) 初めに、高齢者虐待防止について質問いたします。
 高齢社会の進展とともに、高齢者に対する虐待問題が看過できない事態となっております。
 厚生労働省が行った昨年度の高齢者虐待に関する調査によると、家族など養護者による相談・通報一万八千三百九十三件のうち、虐待行為と判断された事例は一万二千五百七十五件もありました。一方、高齢者関係施設の職員による施設内虐待も多く発生し、厚労省の調査で判明しているだけでも昨年度は四百九十八件と、事態の深刻さを浮き彫りにしております。
 こうした状況を背景に、昨年四月に施行された高齢者虐待防止・養護者支援法や、改正介護保険法では、高齢者の尊厳保持が事業者の責務に追加されました。
 しかし、立法趣旨と高齢者の安全・安心や権利擁護とはほど遠いのが実態であります。今後は、高齢者施設の通報体制とその対応体制、さらには広く都民への意識啓発などが重要と考えますが、これからの高齢者虐待防止のあり方について知事の認識を伺います。
 高齢者施設内での虐待の未然防止、早期発見・早期対応には、現場に従事する職員の資質向上が不可欠であり、そうした観点からの職場内研修の実施を事業者に徹底すべきであります。都の見解を伺います。
 また、施設における虐待に早期に対応するためには、施設職員からの通報と、その通報を受けた後に迅速かつ的確に対応できる体制を全区市町村で整備すべきであります。見解を伺います。
 さらに、養護者による虐待に対応できる専門性の高い人材も必要であり、そうした人材は都が育成を担い、区市町村に配置する体制を構築すべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、在宅医療廃棄物の扱いについて伺います。
 医療技術、医療機器の進歩や医療分野の規制緩和もあって、近年、注射による治療薬の自己投与、カテーテル使用、点滴など、自宅で患者自身が治療を行う在宅医療が普及しております。
 現在、在宅医療の実施件数は、この十年間で三倍以上に増加しております。今後、療養病床の削減などによって在宅医療への移行が加速すれば、在宅医療廃棄物が急速に増加することが予測されます。
 都はこれまで、針刺し事故などを防止するため、全国に先駆けて平成十四年度から、東京都薬剤師会と協力して薬局での注射針の回収事業を開始し、十七年度には都内全域に拡大しました。薬局で回収するこのシステムは、薬剤師会が回収容器や処分費を負担しており、今後、在宅医療廃棄物の増加に伴い、薬剤師会の費用負担が重くなることが懸念されます。
 そこで、拡大生産者責任の観点から、製造事業者にも注射針の回収容器の提供など一定の役割を果たすよう働きかけていくべきと考えますが、見解を伺います。
 また、在宅医療廃棄物の危険性に関する情報が不足していることから、一部の区市町村では感染を恐れて回収しないケースがあります。また、回収している区市町村でも、回収方法が在宅患者にとってわかりにくいとも聞いております。
 そこで、何が危険で何が危険でないかについて区市町村に情報提供するとともに、住民や在宅患者に正しい排出方法を普及啓発するよう区市町村を指導すべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、中小企業の事業継続計画、BCP作成への取り組みについて伺います。
 本年七月に発生した新潟県中越沖地震で、同県柏崎市内の自動車部品メーカーが被災し、自動車生産が一時停止状態になりました。その際、企業活動における事業継続計画、いわゆるBCPの重要性が改めてクローズアップされました。
 こうした中、東京商工会議所は、十二月五日に、都内中小企業のための東京版BCP策定支援ガイドを作成し、東京都中小企業振興公社もBCP作成セミナーを開催するなど、本年第一回定例会で我が党が指摘した取り組みがようやく動き出しました。
 そこで、都は、東京の経済を支える中小企業のBCP策定を誘発、支援し、本格的に普及啓発に取り組むべきであります。所見を伺います。
 東京には小規模な企業や商店が数多く存在しています。こうした中小企業が一たび被災すれば、経営体力の面からも早期に営業を再開することは極めて困難であります。そうした中小企業こそBCPを作成することが必要であります。
 しかし、小規模な企業にBCPの重要性がなかなか認識されておりません。小規模な中小企業が策定するためには、都だけではなく、地域の中小企業に近いところで経営支援を行っている区市町村の役割も大きなものがあります。
 そこで、都は、区市町村と連携して、企業のBCP策定を推進していくべきであります。所見を伺います。
 BCPと同様、緊急時の対応に関連し、水道施設の復旧対策について伺います。
 都の水道管は二万六千キロメートルもあり、阪神・淡路大震災を契機に、さらに耐震性の強い継ぎ手管への取りかえを進めております。
 都は、平成十八年に首都直下地震による東京の被害想定を発表し、その中では、マグニチュード七・三の東京湾北部地震が発災した場合、東京二十三区の断水率は四六・三%にも及ぶとのことであります。
 東京は首都中枢機関が集積していることから、各種都市機能を維持したり、医療救護活動を担う病院などへの給水も欠かすことができません。
 そこで、公明党が重要施設への供給ルートを優先的に整備することを提案してきたのに対し、水道局は、首都中枢機関及び三次救急医療病院などの整備を優先的に取り組むことを明らかにしました。
 しかし、耐震化が進んだとしても、水道施設への影響は避けられず、断水をなくすことはできないと思われます。首都機能と都民の暮らしへの影響を最小限に抑えるためには、早期復旧への初期活動の強化が極めて重要であります。見解を伺います。
 次に、エレベーターの安全・安心対策について二点伺います。
 一点目は、都営住宅エレベーターへの防犯カメラの設置についてであります。
 江戸川区の小松川の団地で、ことしの九月にエレベーター内で女性が痴漢に遭ったとの報告があり、ほかの団地でも同様の事件が多く発生していると聞いております。このため、東京都では東京都安全・安心まちづくり条例に基づく住宅における犯罪の防止に関する指針を改定し、共同住宅における防犯カメラの設置を推進することとしています。犯罪防止を進めていくためには、都営住宅においても率先して進めていく必要があると考えます。
 そこで、都営住宅内、とりわけエレベーター内への防犯カメラの設置など安全対策を施すべきであります。見解を伺います。
 二点目は、震災時のエレベーターの閉じ込め防止機能の向上についてであります。
 首都直下地震の被害想定では、都内で最大約九千二百台のエレベーターの閉じ込めが発生すると想定されています。この被害を最小限にとどめるためには、都市型災害対策の一環として、エレベーターの閉じ込め防止策の強化が必要です。
 具体的には、地震の本震であるS波の前に到達するP波を感知した際に最寄り階に停止する装置を設置することにより、エレベーター利用者の閉じ込め防止を図ることが有効となります。そこで、都営住宅や公社住宅などのエレベーターにそうした機能を持つP波感知器を設置すべきであります。見解を伺います。
 次に、木造住宅の耐震対策について伺います。
 首都直下地震が迫る中、木造住宅の耐震化はまさに東京の喫緊の課題であります。しかし、古い木造住宅の耐震化は進んでいないのが現状です。
 国は、災害発生時の犠牲者ゼロの政策のもと、来年度から住宅の耐震改修補助を拡大し、対象住宅の制限撤廃の方針を決めたと聞いております。
 東京でも耐震改修促進への何らかの対策が急がれますが、耐震改修を促進する上で一番のネックとなっているのは費用負担の問題であります。古い木造住宅に居住している高齢者からは、収入が低く、自分の老い先を考えると、大金をかけてまで耐震改修したいとは思わないといった声を耳にします。
 しかし、災害の犠牲者の多くは高齢者などの災害弱者であります。都は何よりも都民の命を守ることを最優先にした施策を講じるべきです。
 最近では、三十万円程度で設置できる耐震シェルターや防災ベッドなどもあり、それらの普及を図るなど、住宅の倒壊から命を守るための取り組みを今まで以上に進めていくことが必要であります。
 渋谷区では、先月から耐震シェルターや防災ベッドへの助成を開始いたしました。ほかの区や市も強い関心を示していると聞いています。そこで、耐震シェルターなどについて、区市町村単独では効果が薄いため、都としても新たな助成制度を創設し、一層の普及促進を図るべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、江戸川都県境の橋梁整備について伺います。
 江戸川区では、千葉県との都県境の橋梁が少ないため、特に防災面では、低地帯である江戸川区での水害時の避難路や震災時における帰宅困難者のルート確保が脆弱であり、江戸川区に計画されている放射一六号線、補助一四三号線、補助二八六号線の橋梁整備はいずれも重要であります。
 そこで、地域住民の防災性の向上の視点からも、都は放射一六号線、補助一四三号線の早期事業化に取り組むとともに、地元区が主体となる補助二八六号線の整備に向け、積極的に支援すべきであります。これら路線の橋梁整備について都の所見を伺います。
 次に、区部東部低地における水害対策について伺います。
 東京都地域防災計画(風水害編)によると、大河川が決壊した場合、低地帯において浸水域が広範囲にわたり、既存の避難所が使用できず、都県境を越えて避難しなければならない事態の発生も予想されるとしております。その際、多くの避難者が集まることができる場所が必要となります。水害時においても、震災時の避難場所のように、公園など面的な広がりを持つ避難者の受け入れ場所が必要不可欠です。
 そこで、東京都地域防災計画(風水害編)において、震災時と同様、区部に広域的な避難場所を災害予防計画で規定し、水害対策上の役割を位置づけるべきと考えますが、所見を伺います。
 江戸川区は区内の約七割がゼロメートル地帯であります。一たん浸水被害を受けると、その浸水は長期間にわたります。また、大水害になると、一部の地域を除き避難する高台がありません。特に、篠崎地域は避難できる高層住宅が少なく、千葉県へ逃げる橋もありません。
 そこで、現在事業化が計画されている篠崎地区のスーパー堤防事業にあわせ、防災拠点篠崎公園を緊急の避難場所になる強固で高さのある広い公園として、スーパー堤防と連携した整備をすべきであります。都の見解を伺い、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 上野和彦議員の一般質問にお答えいたします。
 高齢者虐待についてでありますが、人は必ず老いるものでありまして、老いてこそ人生の終盤の時代をより充実させたいと思うものであります。
 昨今、そのような思いとは裏腹に、家族間の折り合いの悪さや介護疲れによるストレス、あるいは社会からの孤立感などが重なり合って、高齢者の尊厳を著しく損なう痛ましい事件が頻発しております。
 人生のよき先達でもある高齢者に対し、敬愛の念を持って接することができる社会こそ豊かな社会であると思います。今後、介護に携わる家族、施設職員のみならず、都民や地域社会が一丸となって虐待の予防、早期発見に取り組み、高齢者が安心して暮らせる社会を実現していきたいと思っております。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) 高齢者虐待防止に関して三点お答えを申し上げます。
 まず、高齢者施設内での虐待に関する研修についてであります。
 高齢者虐待防止・養護者支援法において、現場に従事する職員に対して法の仕組みや虐待防止・権利擁護に関する研修を行うことは、事業者の責務とされております。都としましては、各事業者が法の趣旨を正しく理解し、日々の事業所運営を行うよう、すべての事業者を対象として管理者向けの研修を今年度から順次実施をしております。
 今後、各事業者において、高齢者の尊厳を尊重した適切なケアやサービスが提供されるよう、施設内研修の実施を徹底させてまいります。
 次に、虐待の通報に関する体制整備についてであります。
 事業者の管理者向け研修において、施設従事者等の通報義務や通報による不利益処分の禁止についても周知徹底しております。
 また、都は、施設従事者等による虐待について、区市町村が迅速かつ適切に対応できるよう、これまでも施設への立入検査等に関する研修を行ってまいりましたが、今年度から新たに、相談・通報を受けた後の事実確認等の方法について、区市町村職員向けの研修を開始いたしました。
 今後も、こうした研修や個別事例に関する助言を通じて、区市町村の対応力の向上に努めてまいります。
 最後に、養護者の虐待に対応できる専門性の高い人材についてであります。
 こうした虐待について区市町村が適切に対応するためには、関係機関が情報の共有と連携を図り、虐待か否か等の適切な判断ができるようにすることが必要でございます。
 都はこれまでも、高齢者虐待対応マニュアルを策定し、区市町村の体制づくりを支援してきましたが、今年度から、区市町村及び地域包括支援センター職員向けに、居宅への立入調査などの適切な権限行使等に関し、事例検討も交えた研修を実施しております。
 今後とも、虐待の確認、立入調査などの各段階において適切な判断ができる専門性の高い人材を育成し、体制の強化を図ってまいります。
   〔環境局長吉川和夫君登壇〕

○環境局長(吉川和夫君) 廃棄物対策に関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、在宅医療廃棄物の適正処理についてでございますが、今後、増加する在宅医療廃棄物を将来にわたって安定的かつ安全に回収していくことは重要でございます。そのためには、針刺し事故や感染を防止する観点から慎重に取り扱う必要のある注射針を安全に回収するための安価な専用容器の普及に加えて、針刺し事故が起きないキャップの開発や、そのまま回収容器にも使えるこん包容器の開発などが必要であると認識しております。
 これまでも、都といたしまして、医療用器具の製造事業者に対し回収容器の提供を要請してまいりましたが、今後、新たに東京都薬剤師会とも連携して、回収容器の提供の協力や製品開発について要請してまいります。
 次に、区市町村への在宅医療廃棄物に係る情報提供などについてでございますが、在宅医療廃棄物のうち、注射針などについては医療関係機関が処理し、点滴バッグなど感染のおそれがないものについては、在宅患者の負担にならないように、家庭ごみとして区市町村において収集することが適切でございます。
 都は、このような考えのもと、現在、日本医師会で進めている患者・家族向けの在宅医療廃棄物取扱マニュアルの検討動向も踏まえ、今後、区市町村に対し、どのような在宅医療廃棄物に感染の危険性があるのかなどについて基礎的情報を提供するとともに、その排出方法をわかりやすく住民に普及啓発するよう指導してまいります。
   〔産業労働局長佐藤広君登壇〕

○産業労働局長(佐藤広君) 中小企業の事業継続計画、いわゆるBCPに関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、普及啓発等についてでございますが、災害発生後の中小企業のいち早い事業再開は、都内産業全体の復興を図る上で極めて重要と認識しております。このため、都は、東京商工会議所の東京版中小企業BCPステップアップ・ガイドの策定に際しまして、中小企業が災害や事故等に備えてBCPを比較的容易に作成できるよう、検討段階から支援を行ったところでございます。
 今後、商工関係団体や中小企業振興公社などの関係機関と連携いたしまして、中小企業が具体的にBCP策定に取り組めるようセミナーを開催するなど、積極的にBCPの普及啓発に取り組んでまいります。
 次に、BCP策定に関する区市町村との連携についてでございますが、中小企業のBCP策定を推進するためには、都や商工関係団体、中小企業振興公社などの関係機関のみならず、各地域の中小企業の実情に明るい区市町村もBCP策定の意義を理解し、地域の中小企業に対してその策定を促すことが重要かつ効果的であると認識しております。
 こうした認識のもと、都は、区市町村の経済主管課長会等に働きかけを行いまして、中小企業のBCP策定を推進してまいります。
   〔水道局長東岡創示君登壇〕

○水道局長(東岡創示君) 震災時における初期活動の強化についてでありますが、水道は、都民生活と首都東京の都市活動を支える重要なライフラインであり、給水機能が停止した場合、その影響ははかり知れないものがあります。
 特に、震災時の首都中枢機能維持の観点からも、一刻も早い現場状況の把握とともに、通水作業の迅速化など、首都中枢機関や三次救急医療機関等への供給ルートの早期復旧に向けた取り組みが重要であります。
 本年七月の新潟県中越沖地震の際に、多くの職員や工事施工業者を派遣し、水道施設の応急復旧を支援した経験からも、震災時における資材の確保や情報収集などの的確な初期活動が重要であることを改めて認識いたしました。
 そこで、首都中枢機関などの重要施設への復旧を三日以内、都内全域を三十日以内に復旧するという目標の実現をより確実なものにするため、災害時の相互応援協定を締結している主要都市と連携し、合同訓練を定期的に実施することなどに加え、首都中枢機関や三次救急医療機関などへの供給ルートの早期復旧を図るため、いわば水道緊急隊といったような組織を来年度に設置することを検討してまいります。
   〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕

○都市整備局長(只腰憲久君) 防災対策についての三点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、都営住宅への防犯カメラの設置についてでございますが、お話にもございましたけれども、近年の犯罪動向を受けまして、本年改正されました都の住宅における犯罪の防止に関する指針におきまして、エレベーターにおける防犯カメラ設置が犯罪防止に配慮した設備として盛り込まれております。
 防犯カメラの設置は、都営住宅の居住者等の安全・安心を確保する上で有効な手段であると認識しており、今後、建てかえ等を行う都営住宅のエレベーター内には防犯カメラを設置してまいります。
 次に、都営住宅や公社住宅におけるエレベーターの震災時の閉じ込め防止装置設置についてでございます。
 従来から、エレベーターの地震時管制運転装置として、本震を感知し停止させるS波感知器を設置してまいりましたが、この装置のみでは、本震到達時に安全装置が作動し、エレベーター内に閉じ込められる可能性がございまして、防災上の課題となっておりました。
 このため、本震が到達する前の初期微動を感知し最寄り階に停止させる機能を持つP波感知器を、新規のエレベーターにつきましては直ちに、既存のものにつきましては順次計画的に設置していくことで、地震時における閉じ込め防止性能を向上させて、震災時の安全・安心を確保してまいります。
 最後に、耐震シェルター等の普及についてでございます。
 大震災の切迫性が指摘される中、都はこれまで、木造住宅の耐震改修を促進する一方、応急対策として、住宅の倒壊から命を守り、経済性にもすぐれた耐震シェルター等を公募により選定し、展示会やパンフレット等で広く都民に紹介してまいりました。
 今後とも、区市町村との連携を強化し、住民に身近な地域で展示会を開催するなど、取り組みの充実を図ってまいります。
 また、地震発生時に迅速に避難することが困難な高齢者等への対応が特に重要であることを踏まえまして、耐震シェルターの普及を促進するための効果的な方策を検討してまいります。
   〔建設局長道家孝行君登壇〕

○建設局長(道家孝行君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、江戸川区と千葉県との境に位置します放射第一六号線外二路線の橋梁の整備についてでありますが、これらの橋梁については、都県境特有のさまざまな課題があるため、千葉県との道路橋梁整備調整会議の場を活用し、その取り扱いを協議してまいりました。
 このうち、都は、放射第一六号線と補助第一四三号線の橋梁を、優先的に整備する箇所として第三次事業化計画に位置づけております。
 整備に当たりましては、事業手法や取りつけ部の整備時期などの課題があり、事業化に向け、今後とも千葉県と粘り強く調整をしてまいります。
 また、補助第二八六号線の橋梁整備につきましては、具体化に向けた地元区の主体的な取り組みに対しまして、都としても、千葉県との広域的な協議、調整を進めるなど、必要な支援を行ってまいります。
 次に、スーパー堤防と連携した篠崎公園の整備についてでありますが、河川に隣接する公園をスーパー堤防と一体的に整備することは、洪水時にも公園の機能を確保することができ、また、公園から河川へのアクセスが容易になるとともに、眺望も開け、水と緑に親しめる空間の創出を図ることができることなど、意義のあるものと考えております。
 これまで都立公園では、江戸川に隣接する水元公園や隅田川に隣接する尾久の原公園において、スーパー堤防事業により、その事業範囲にある園地について、盛り土によるかさ上げを行っております。
 今後、篠崎公園においても、国が行う予定のスーパー堤防事業の状況を踏まえ、取り組みを検討してまいります。
   〔総務局長押元洋君登壇〕

○総務局長(押元洋君) 東部低地帯におけます水害対策についてお答えを申し上げます。
 想定外の巨大な台風等により利根川など大河川の堤防が決壊した場合には、ご指摘のとおり、東部低地帯において浸水域が広範囲にわたりまして、広域避難が必要な事態も予想されます。
 都県境を越えた広域避難につきましては、昨年度、八都県市で、八都県市広域防災プラン(風水害編)を策定いたしまして、現在、その実施に向けて、隣接する都県市で協議中でございます。
 一方、中央防災会議では、大規模水害時の被害想定を策定中でございまして、これに基づき、来年度を目途に国の大規模水害対策をまとめることとしております。
 これらを踏まえまして、今後、広域避難場所等を含む総合的な対策を検討し、地域防災計画の必要な見直しを図ってまいります。

○副議長(石井義修君) 二十八番佐藤広典君。
   〔二十八番佐藤広典君登壇〕

○二十八番(佐藤広典君) まず初めに、横田基地について伺います。
 横田基地の共用化については、引き続き米側と協議を継続することとなりましたが、多摩地域を含めた首都圏西部地域の航空利便性の向上と地域の活性化にとって不可欠でありますから、粘り強く交渉することにより、早期実現を目指していくべきであります。
 軍民共用化に当たっては、民間空港施設やアクセス交通などのインフラ整備が必要となりますが、今のところ、都の具体的な整備計画が明らかになっているわけではありません。
 しかし、これまで知事本局や都市整備局において、軍民共用化に伴うインフラ整備にかかわる委託調査を実施していると聞いております。知事本局については、十五年から十八年の四年間で六千四百七十五万四千円、都市整備局については、十三年から十八年の六年間で四千六十二万五千円を使って調査を行っております。
 日米交渉の途中の段階で、その調査結果をオープンにすることは難しいとしても、今後、共用化の協議の進展とあわせ、調査結果を十分に横田基地整備のビジョンに生かし、それを発表し、地元の意向も十分に踏まえた上で、大いに議論をすることにより、インフラ整備の具体化を図っていただくよう要望いたします。
 また、今後、横田基地が軍民共用化された場合の交通網の整備について、基本となるプランがありません。交通網整備の基本プランをつくり、インフラ整備の具体化を図っていただくよう要望いたします。
 首都圏における航空需要は、今後、国際航空、国内航空ともに増加すると見込まれております。これに対応するためには、羽田空港の再拡張による発着枠拡大、国際化とともに、横田基地の共用化が必要不可欠です。
 羽田空港には、多くの国際ビジネス航空やコミューター航空の乗り入れ需要がありますが、利用に当たり制約が多く、要望に十分こたえられない状況だと聞いております。
 そこで、横田基地の軍民共用化により、旅客定期便の運航だけではなく、羽田空港では対応できない、こうした国際ビジネス航空やコミューター航空の乗り入れ要望に柔軟に対応し、多様な航空サービスを提供すべきと考えますが、見解を伺います。
 また、多摩は製造業が多く立地しておりますから、貨物便が利用できるようになれば、地域の発展に役立つものと考えます。中小型のチャーター機と貨物に関しても利用できるよう検討していただくことを要望いたします。
 首都圏の空港の状況を見てみますと、既に成田空港と羽田空港には多くの旅客定期便が飛んでおり、既に飽和状態です。万が一大規模災害が起きて、どちらかの空港が使えない状況になり、長期間復旧のめどが立たないような事態が起きれば、ほかに受け皿となる空港が必要です。
 しかし、首都圏にある大規模な空港は限られておりますから、横田基地が空の玄関口として受け皿となるしかありません。成田空港と羽田空港に対して、横田基地はある程度距離があるため、補完的な役割を果たすことが可能ではないでしょうか。お互いに距離のある三つの空港が同時に被災することは少ないといえますから、お互いの補完的な機能を持つよう準備をしておくことが有効であると考えます。
 軍民共用化が実現する前であっても、災害時の首都圏航空受け入れ体制に欠陥が出てはなりません。災害時における横田基地の有効活用に向け、都は総合防災訓練の実施に当たり、横田基地を利用する協定を、その都度、在日米軍と結んでおりますが、災害時に特に重要なのは航空機の受け入れ体制です。災害が発生したとき、直ちに横田基地が使えるよう、航空機の受け入れ体制を含めた協定を在日米軍とあらかじめ結ぶべきと考えますが、見解を伺います。
 今申し上げましたように、災害に対しての備え、そして離発着枠の確保、産業振興と、横田基地の軍民共用化は、都の利益だけでなく、首都圏及び国益のためにもぜひとも実現すべき課題です。引き続き粘り強く交渉していただくことを要望いたします。
 続きまして、中小企業再生の施策についてお伺いいたします。
 現状では、中小企業にとっては依然として景気回復を実感できない状況にあります。受注先からのコストダウン要請や、原油を初めとした原材料価格などの上昇分を価格に転嫁できないことなどにより、利幅が急激に縮小し、資金繰りが逼迫した企業が増加をしております。
 東京都における最近の調査でも、中小企業の倒産は増加の傾向にあるなど、景気回復の恩恵を受けるどころか、むしろ再生支援の必要性が高まっております。早急に、中小企業の経営安定化のための施策を打ち出していくことが必要です。
 都の中小企業施策の一つとして、厳しい経営環境下にある中小企業を支援するために設立されたのが新銀行東京です。しかしながら、十一月三十日発表の中間決算によれば、非常に厳しい経営状況に陥っております。不良債権比率は一〇・一七%になり、不良債権処理額は半期で七十一億円に上ります。これでは、金融機関として中小企業を支援する融資を続けていくことは困難です。
 このような事態に陥った要因の一つに、新銀行東京が信用リスクの高い企業に多くの融資を行っていたということが挙げられます。融資先の多くが、経営再建が必要なほど経営的に厳しい中小企業が多かったがために、経営破綻等によりデフォルトが相次いだのではないでしょうか。このことは、新銀行東京が融資先企業の再生が適切にできていなかったということを意味します。新銀行東京が適切に融資先に対する再生支援を行っていれば、デフォルトを抑え、ここまで新銀行東京の財務内容が悪化しなかったのではないでしょうか。
 金融機関による再生支援策は、金利減免や返済期限の延長といった条件変更といわれる金融面での支援が当然主となりますが、これには限界がございます。経営再建の際に必要なのは、資金だけでなく、銀行等の債権者間の調整や事業改善そのものに携わる人材です。つまり、新銀行東京の事例は、地域金融機関が自前で企業再生をするには限界があり、企業再生の支援には、融資元の金融機関とは異なる企業再生の支援組織が必要だということを意味しております。
 都が、中小企業支援、とりわけリスクの高い企業への経営支援を行おうとするならば、経営再建の支援体制を整備することが不可欠です。
 都は、企業再生の取り組みとして、平成十六年十月創設の投資事業有限責任組合東京チャレンジファンドに二十五億円を出資し、地域金融機関などの出資と合わせて七十五億円規模のファンドで中小企業の再生を支援しております。このファンドは、中小企業の中でも、過剰債務を抱える非常にリスクの高い企業に投資をするわけですから、財務状況や今後の収支見通しなどを詳細に調査し、資本注入や社債の引き受けなど、通常の金融機関では容易に対応できない専門的な再生手法を使っているとのことです。
 しかしながら、この東京チャレンジファンドは、情報開示が適切になされていないため、だれが幾ら出資をし、どこへ幾ら投資をされたか、二十五億円という予算を使いながら、その状況が明らかにされておりません。そのため、運用者が出資者である地域金融機関や東京都といかに連携して支援を行っているかなど、このファンドが企業の再生に対して有効に活用されているかどうかが明確に示されてはおりません。
 投資先である中小企業に対する風評リスクの懸念から、ファンドの情報開示には限界があるのでしょうが、この東京チャレンジファンドの出資者として、都がどのような監視を行い、連携をしていくのか、示す必要があると思います。見解を伺います。
 また、さきにも申し上げましたが、企業再生には、資金だけでなく、金融機関を初めとする債権者間の調整や事業再生ができる人材が欠かせません。ところが、中小企業の再生は、経済効率性の観点からも、なかなかビジネスになりにくく、この分野の人材が不足をしております。早急に人材の育成を図るべきであります。
 中小企業の再生を行える人材の育成を行うに当たって、このファンドが所有するノウハウも活用できると考えますが、見解を伺います。
 原油や原材料価格の高騰により体力の低下した多くの中小企業を救うには、この再生ファンドだけではまだまだ十分とはいえません。むしろ、中小企業はその資金調達のほとんどを融資に依存しているのですから、都は制度融資の強化を図るべきであります。
 都の制度融資は、平成十八年度実績で約十五万七千件、一兆九千九百七十九億円の資金を供給するなど、都内中小企業にとって最も一般的なセーフティーネットであり、中小企業の経営の安定化を図るものであります。
 しかしながら、本年の十月からは、国の信用補完制度の見直しにより、責任共有制度が導入され、一部の制度を除き、金融機関が信用リスクの二〇%相当を負担することとなりました。そのため、金融機関にとって、信用リスクの高い企業に対する融資はますます困難な状況となり、貸し渋りが懸念をされております。中小企業への安定的な資金供給が断たれることは、ただでさえ原油価格の高騰などにより体力が低下しております中小企業を倒産へと追い込むことになってしまいます。これは、東京の経済活力にとって大きな損失を招くことになります。
 そこで伺います。都は、この責任共有制度の導入に当たり、再生に向け努力をする企業に対してしっかりとした対策をとるべきと考えますが、見解を伺います。
 経営状況が苦しく、資金繰りに窮した、担保も信用力もない中小企業の再生は、かなりリスクが高く、民間の金融機関では対応が困難な状況にあります。しかし、そういった企業に対して、都が民間のノウハウを活用し、中小企業の再生を支援していくことは、都の経済活力を支えていく上で大きな効果があると思います。
 国では、中堅企業や第三セクターの経営再建を支援する地域力再生機構を創設しようとしております。それでは中小企業の再生は進みません。
 東京チャレンジファンドや制度融資による支援にとどまることなく、中小企業に関する多くの再生専門家を集め、金融機関を初めとした債権者間の調整も強力に進める東京都産業再生機構を創設し、中小企業の再生に取り組むよう要望いたします。
 最後に、都の契約制度について伺います。
 公共工事発注・契約の適正化のため、国を初め都においても、一般競争入札の拡大や総合評価方式の拡大に取り組んでおります。適正な品質のものを適切かつなるべく安く買うという姿勢は、都民からの税金を使う以上当然のことです。しかし一方で、一般競争入札などでは、いわゆる低入札の問題が発生しているといわれております。
 低入札で問題となるのは、何といっても、まず工事の品質の確保、そしてダンピングです。不良不適格業者の参入などによる無理な受注によって、工事における安全管理がおろそかになったり、下請会社などへの低価格の押しつけが発生しているともいわれております。これに対して、都では、低入札価格調査制度を設けて対応しておりますが、入札契約全体の透明性のさらなる向上が必要ではないでしょうか。
 国土交通省では、昨年度に入札ボンド制度を試行し、ことしの三月には各地方整備局に対し、WTOの政府調達協定の対象となる予定価格七億二千万円以上の工事すべてに入札ボンドを導入するよう求めております。
 入札ボンド制度は、入札参加者の契約履行能力を金融機関などが入札前に保証する仕組みで、入札参加者が入札ボンドを申請すると、金融機関などは、入札参加者の財務的な履行能力を審査し、履行を保証できる場合に入札ボンドを発行するものです。
 国の制度では、入札に参加をしたい場合、応札額の五%に相当する額の入札ボンドを金融機関などに発行してもらいます。国でもまだ試行段階であり、その効果を議論するには時期尚早ではありますが、契約履行能力が著しく劣る建設業者の排除や、与信枠の制約による業者の絞り込み、ダンピングの抑止などに効果が期待されております。
 現在、都の登録の際に、さまざまな項目を提出させているということでありますが、都がそれを一つ一つ調査するのは非常に大変なことでありますし、二年に一度しか資料を出しません。財務内容をよく知っている金融機関が客観的な評価を行うことは有効なのではないかと思います。
 同様の試みが、既に宮城県や埼玉県で導入されているほか、岩手県、兵庫県でも今年度から導入されました。都でも入札ボンド制度導入に向けた検討を行うべきと考えますが、見解を伺い、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事本局長大原正行君登壇〕

○知事本局長(大原正行君) 佐藤広典議員の一般質問にお答えをいたします。
 まず、横田基地における多様な航空サービスの提供についてでございます。
 コミューター航空やビジネス航空は、小型の航空機による小回りのきく運航を特徴とするものでございまして、きめ細かい地域的な航空輸送や機動的な経済活動を支える航空サービスでございます。これらの航空サービスによる羽田空港への乗り入れは、大きなニーズがございますものの、現在、発着枠がほぼ満杯であるために、著しい制約を受けております。
 横田基地の軍民共用化が実現した場合に、通常の旅客定期便に加えまして、コミューター航空やビジネス航空を横田で受け入れることができれば、現状では首都圏で十分に対応することができない航空サービスの提供が可能となり、首都圏の活性化に寄与することができます。軍民共用化の具体化に当たりましては、こうした点も踏まえまして検討してまいります。
   〔総務局長押元洋君登壇〕

○総務局長(押元洋君) 災害時における横田基地の使用についてお答えを申し上げます。
 災害が起きた場合、広域的な航空機の活動拠点として横田基地を活用することは、極めて重要でございます。
 このため、都は、平成十三年度以来、総合防災訓練の会場として横田基地を使用し、広域的な応援隊の受け入れや、傷病者の後方搬送訓練等を実施してまいりました。
 また、訓練の成果等を踏まえ、災害時における米軍基地使用に関する協定を締結することを、本年全面的に見直した地域防災計画に明記し、現在、国及び在日米軍と協議をしております。
 今後とも、協定の早期締結に向け取り組んでまいります。
   〔産業労働局長佐藤広君登壇〕

○産業労働局長(佐藤広君) 中小企業再生施策に関する三点のご質問にお答えいたします。
 東京チャレンジファンドに対する都の監視及び連携についてでありますが、このファンドは、再生支援が適切と判断された事業者に投資をするとともに、実施に当たりましては、都のリバイバル支援事業や国の再生支援事業との連携を図るなど、都の中小企業再生支援策の一翼を担っております。
 また、監視につきましては、ファンドの運営状況等につきまして定期的な報告を受け、中小企業に対する再生支援が出資目的に沿って適正に行われているかといった観点から、必要な意見を述べることなどによりまして、対応を行っております。
 今後とも、このファンドの活動が中小企業の再生のための有効な支援策となるよう、出資者として適切な働きかけを行ってまいります。
 次に、中小企業の再生を行える人材育成についてでありますが、東京チャレンジファンドは、中小企業に対する再生支援を行うほかに、その専門的なノウハウを活用して、地域金融機関において再生を担う人材の育成を行うことも、その目的の一つとしております。
 そのため、ファンドでは、各金融機関の担当者を対象に再生支援に関する勉強会を開催するとともに、持ち込まれた再生案件につきまして、関係金融機関と共同で再生計画を作成するなど、再生手法の普及に努めております。
 今後とも、ファンドがその機能やノウハウを活用し、再生支援に携わる人材の育成を図るよう、働きかけてまいります。
 最後に、再生に向け努力する中小企業に対する金融支援についてでありますが、経営状況が悪化している中小企業者に対しては、経営支援融資におきまして資金繰りを支援しております。
 また、民事再生法に基づく再生手続等に入った企業に対しましては、金融機関が適時適切に資金を供給していく必要がございます。
 このため、既に都は、責任共有制度が導入された本年十月に再建企業向け融資を見直しいたしまして、保証割合を一〇〇%とするとともに、融資限度額をこれまでの一億円から二億円へ引き上げ、融資期間も一年から十年へ延長したところでございます。
 引き続き、中小企業者の資金調達の円滑化に努めてまいります。
   〔財務局長村山寛司君登壇〕

○財務局長(村山寛司君) 契約制度についてお答えをいたします。
 お尋ねの入札ボンド制度は、本来、入札参加者について、財務内容のほか、過去に行った工事の実績などを評価し、当該工事を遂行する能力を総合的に審査しようとするものでございます。
 しかし、現在、国等で試行されている入札ボンドは、これを引き受ける金融機関等に技術面等の工事遂行能力などを判断するノウハウが不足しておりますことから、結果的に財務面のみに着目した制度となっております。
 したがいまして、現時点において国と同様な形で入札ボンドを導入しても、不良不適格業者の排除等の効果は不十分なものとならざるを得ず、なお研究が必要な状況にあると考えております。
 今後とも、真に効果的な審査方法のあり方を含めまして、総合的な入札、契約制度の改革に取り組んでまいります。

○副議長(石井義修君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後二時五十四分休憩

   午後三時十九分開議

○議長(比留間敏夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 二十二番早坂義弘君。
   〔二十二番早坂義弘君登壇〕

○二十二番(早坂義弘君) なぜ東京はオリンピックに立候補したのか。それは、都民にとって利益があるからです。オリンピックは、たった二週間の開催でしかありませんが、それは単なるスポーツの祭典ではなく、開催国の発展にとって、時代を画する極めて大きな意義を持っています。
 昭和三十九年、東京オリンピックの開催を契機に新幹線ができ、首都高速道路ができ、そして環状七号線もできました。カラーテレビの普及やどぶ川の一掃など、どれをとっても今日の、四十年後の我が国の骨格部分がこのとき形成されました。
 そして、インフラ整備以上に大きな遺産として残ったものがあります。それは、戦後、奇跡の復興を遂げた我が国が、平和の象徴であるオリンピックを開催することで、名実ともに国際社会へ復帰したという国民全体の自信、高揚感、そして誇りであります。
 では、今日二〇一六年、東京オリンピックへの立候補は都民にとってどんな利益があるのか。その答えの幾つかは「十年後の東京」に書いてあります。
 かつて、ケネディは、国家があなたのために何をしてくれるかではなく、あなたが国家のために何をできるかを問おうではないかと訴えました。
 オリンピックは、都市を進化させるための最大の起爆剤であり、国民に大きな夢を与えることを改めて確認した上で、私はケネディに倣い、あえて、こう問いかけたいと思います。オリンピックが東京のために何をしてくれるかでなく、東京がオリンピックのために何をできるだろうか。
 オリンピックは世界最高のスポーツの祭典ですから、端的にいえば、競技者に世界最高の競技環境を提供することが、その答えの第一です。このことは、各競技団体の意見を十分に取り入れ、かつ、我が国の技術力をもってすれば、ライバルの諸都市には決して負けません。莫大な費用をかけて派手に会場をしつらえるということではなく、質素で機能重視の高規格なものをつくることは、まさに我が国の得意とするところです。
 また、競技場のコンディションという狭い意味の競技環境にとどまらず、例えば世界的感染症から選手を守ることなど、広い意味での競技環境の整備についても同じです。つい先日発行されたミシュランガイドブックでは、東京は世界一の美食のまちという高い評価を受けました。また、ハリウッドスターが来日して一番感激するのは、おもしろいことに、トイレのウォッシュレットだそうです。つまり、競技場のコンディションと選手を取り巻く生活環境のどちらをとっても、東京は世界最高の競技環境をオリンピックに提供できること、これが第一の答えです。
 東京がオリンピックに対してできることの二つ目は、オリンピックの収益金の活用です。
 かつて、スラム街の映像で、一つのサッカーボールを中心に、子どもがだんごになって集まっている姿を見て、大変強い印象を受けました。あるいは、どんな戦争を行っている国でも、子どもたちは砲撃の合間を縫って遊びを探します。
 そこで、二〇一六年東京オリンピックでもたらされるであろう収益を、発展途上国や、戦争を行っている国々の子どもたちのスポーツ支援のために使うことを提案します。赤十字があらゆる戦地や途上国に乗り込んでいくように、オリンピックもそこに乗り込んで子どものスポーツを支援する、これはオリンピック憲章の崇高な理念である青少年の教育で世界平和をつくることにかない、二〇一六年東京大会が、オリンピックに貢献できる大きな一つだと考えます。
 三つ目の答えは、地球規模での環境問題の解決です。
 我が国は、従来から世界に最新技術を発信してきました。特に、省エネルギー技術は群を抜いています。一定のエネルギーでどれだけのGDPを生み出すかというエネルギー原単位ではヨーロッパの一・五倍、アメリカの二倍であり、世界一の効率を誇っています。
 地球全体の炭酸ガスを削減するには、世界のCO2の五%を排出する我が国が、みずからの排出量を削減するだけでなく、四カ国で世界の五〇%のCO2を排出する、アメリカ、中国、ロシア、インドの排出量削減のために我が国の技術を提供しないことには解決しません。
 東京オリンピックを、我が国の省エネルギー技術を全世界に発信する場であると位置づけることは、オリンピックに対する最大の貢献になろうかと思います。有形無形を問わず、それが都民の利益になるからこそ、東京はオリンピックに立候補しました。「オリンピックを日本に、二〇一六年!」では、東京がオリンピックに対して何をできるか、石原知事にお伺いをいたします。
 次に、浸水対策について伺います。
 近年、大型台風や局所的集中豪雨による被害が各地で多く発生しています。
 一昨年の九月四日には、一時間に一〇〇ミリを超える集中豪雨により、我が杉並区などを中心に五千棟を超える浸水被害が発生しました。この豪雨災害では、私自身も腰までつかる経験をし、都市型水害の恐ろしさを目の当たりにしました。
 このような集中豪雨による都市型水害の特徴は、河川のはんらんにとどまらず、下水道の能力を超えて浸水が発生することにあります。河川の被害は想像しやすいですが、下水道に関する被害は、都市の中心部など、思わぬところで発生するところに恐ろしさがあります。
 集中豪雨直後の一般質問でも取り上げました和田弥生幹線が、十五年の歳月と五百億円の費用をかけ、本年五月に本格稼働を始めました。この完成により、今後、周辺の浸水被害が軽減されると確信しています。
 災害対策の本質は、インフラ整備にこそあります。東京都は、一昨年の集中豪雨を契機に、都市整備局、建設局、下水道局の三局で今後の豪雨対策のあり方の検討を進め、本年八月に東京都豪雨対策基本方針を策定しました。この方針の中で下水道局はどのような対策を行うのか、伺います。
 我が杉並区内で繰り返し浸水被害を受けている地域に、JR阿佐ヶ谷駅周辺があります。今後、この地域の豪雨対策をどのように実施するのか、伺います。
 次に、安全教育について伺います。
 子どもたちは、日々、犯罪のみならず、自然災害や交通事故など、さまざまな危険に取り囲まれています。
 我が党は、これまで防犯カメラの設置や防犯パトロール、交通安全運動の実施など、社会が子どもたちを守るための仕組みづくりを行ってまいりました。一方で、子どもたちにも、だれかに守ってもらうということだけでなく、みずからも率先して、地域の安全を守るための力や態度を身につけさせる必要があります。事件や事故が発生した際に、各学校で一斉に注意を喚起することは必要ですが、常日ごろから安全教育を行い、事件や事故にとっさに反応できる気づき、すなわち反射神経のようなものを養うことが重要です。
 安全教育には、防犯、防災、交通安全のみならず、例えば詐欺、薬物乱用、伝染病対策など、さまざまな分野があります。幾つかの分野と方法を組み合わせて行う必要があろうかと思います。
 さて、学校教育において必ず指導すべき内容は、国が定める学習指導要領に示されています。ところが、現状では、安全教育の内容に定めはありません。そのため、学校での安全教育は、何か事件や事故が起こったときの応急的な対応になっているのです。
 そこで提案ですが、国の基準がないのならば、東京都が、都内の子どもたちに最低限これだけは教えるべきとする、学校の安全教育に関する東京版安全指導基準を具体的に定めることが有効だと考えます。ご見解を伺います。
 地域の安全は、警察や消防に任せておけば事足りるというものではありません。地域の構成員それぞれが、自分たちの安全は自分たちで守るのだという決意が必要です。そのためにも、ある一定レベルの安全教育を学校で、警察、消防はもちろん、町会、商店会、あるいは医師会など関係機関とも連携して行うことは、将来、安全に関する地域力を向上させることにつながると考えます。ご見解を伺います。
 次に、救急救命について伺います。
 東京消防庁管内における救急出動件数は、年間で七十万件に迫ろうとしています。出場件数の増加に伴い、救急車が現場に到着する時間も遅くなっています。
 昨年の救急車の平均現場到着時間は六分十秒ですが、これは十年前と比較すると五十秒以上も遅くなっており、一刻を争う患者の搬送にとって、大きな問題になっています。
 世論調査の結果によれば、救急車を呼んだ理由の中に、救急車で病院に行った方が優先的に診てくれると思ったというものや、通院の交通手段がなかったというものが含まれ、本来、救急車が必要でない場面での安易な利用が、出場件数をふやす理由になっています。それゆえ、明らかに緊急性がない場合については患者自身の力で通院をしてもらう、救急車の適正利用が必要ではないかと考えます。
 そこで、東京消防庁では、本年六月から救急搬送トリアージを始めています。これは、現場に到着した救急隊が緊急性がないと判断した患者に関しては搬送しないというものです。その実績について伺います。
 一方、救急車を呼んだ理由の中に、重症か軽症かの判断がつかなかった、夜間、休日で診察時間外であったというものがあります。これは、都民自身が救急車を呼ぶほどではないと考えていても、状況に対応できる相談窓口が不十分であったために、結果的に救急車を呼んだケースだと思われます。
 東京消防庁では、東京都医師会などの協力を得て、本年六月からシャープ七一一九という短縮電話番号により、医師や看護師が都民からの相談を受け付ける救急相談センターを開設しました。このセンターについて、今後さらなる制度の拡充が必要だと考えます。ご見解を伺います。
 最後に、都立文化施設について伺います。
 上野の東京都美術館は八十年間に及ぶ歴史を有し、日展や院展など、広く全国から作品を募る公募展、また、新聞社やテレビ局などと共同して行う共催展の開催場所として、多くの都民、国民に親しまれてきました。
 しかしながら、築後三十年以上が経過し、改修の時期に来ています。総事業費百億円をかけて、平成二十二年度から二年間休館し、工事を行うことになっています。
 社会の変化に伴い、美術館に求められるニーズも多様化しています。利用者の声を十分に酌み取り、今後の具体的な設計に反映させていくべきであります。改修のチャンスを最大限に生かし、東京都美術館をさらに魅力的なものとしていくため、どのように改修を進めていくのか、伺います。
 本年一月、東京都美術館と同様の機能を持った国立新美術館が開館しました。強力なライバルを迎えたわけですが、リニューアル後においても、伝統と実績を生かし、今後も公募展会場としての機能はしっかりと継続していくべきと考えます。ご見解を伺います。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 早坂義弘議員の一般質問にお答えいたします。
 オリンピックについてでありますが、早坂議員から健全な発想のご提言をいただきました。
 東京がオリンピックに対して何ができるかを示すことは、オリンピック招致をかち取る上でも重要なことだと思います。人と地球の可能性を追求し、今までにない新しいオリンピックを実現していきたいと考えております。
 大切なことの第一は、東京、日本が持つ世界最高の水準の技術の活用であります。アスリートが最高の力を発揮できるよう、また観客が競技を心から楽しめるよう、ユビキタスやロボットなど、科学技術の粋を集めた競技会場を整備してまいります。
 第二は、オリンピック開催を機に、新しい都市モデルを提案し、地球環境を再生することでもあります。世界で最も環境負荷の少ない都市を実現し、地球の健康を取り戻す具体的な道筋を世界に示していきたいと思っております。
 第三は、スポーツを通じて人々に夢と希望を与えることでありまして、国内はもとより、アジアやアフリカの子どもたちや青少年のスポーツ活動を支援する仕組みをつくり上げていきたいと思っております。
 東京から地球社会への贈り物という開催意義を高く掲げて、オリンピック・パラリンピックの開催を実現したいと思っております。
 他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。
   〔教育長中村正彦君登壇〕

○教育長(中村正彦君) 二点についてお答え申し上げます。
 安全教育の基準を定めることについてであります。
 安全に関して必ず指導する事項を明確に示し、すべての学校が年間を通じて意図的、計画的に指導できるよう支援していくことが重要であり、これまで都教育委員会は、生活安全、交通安全、災害安全の課題ごとに指導資料を配布するなどいたしまして、各学校における安全教育の充実を図ってまいりました。
 今後、都教育委員会は、基本的指導事項を体系的に示した安全教育のプログラムの開発を進め、年度内には教員研修会を実施するとともに、リーフレットを全教員に配布して、安全教育が体系的に行われるよう、各学校を支援してまいります。
 次に、地域力を向上させるための安全教育の充実についてでございます。
 学校における安全教育を充実させていくために、各地域において、警察署、消防署などの関係機関と連携することは大変重要であります。これまで都教育委員会は、各学校が関係機関の協力のもとに実施するセーフティー教室、交通安全教室、防災訓練などの取り組みを支援してまいりました。
 今後、関係機関との連携を重視して、安全教育のプログラムを開発し、子どもたちが将来、安全で安心なまちづくりに貢献する人材へと成長するよう、区市町村教育委員会とともに、各学校の安全教育の充実を図ってまいります。
   〔下水道局長前田正博君登壇〕

○下水道局長(前田正博君) 豪雨対策基本方針における下水道局の対策についてでございますが、下水道局は、一時間五〇ミリの降雨に対応できる幹線やポンプ所などの基幹施設の整備を計画的に進めてまいりました。しかし、これらの基幹施設の整備には長い年月と多くの費用を要し、雨水整備率は、現在、約六割にとどまっております。
 今回策定されました豪雨対策基本方針の中では、浸水予想区域図などをもとに、浸水の危険性が高い流域や、繰り返し浸水が発生している二十地区を、対策促進地区として選定いたしました。対策促進地区では、今後十年間で一時間五〇ミリメートルの降雨に対応できる基幹施設の整備を完了させることといたしました。
 また、地下街などがあり、浸水時には重大な被害が発生する危険性が高い地区を六地区選定いたしまして、一時間七〇ミリメートルの降雨に対応できるよう、施設を整備いたします。
 次に、JR阿佐ヶ谷駅周辺の豪雨対策についてでございますが、当該地区は、起伏が多いといった地域特性から、地盤の低いところで繰り返し浸水被害が発生しております。このため、豪雨対策基本方針の中では、この地区を二十ある対策促進地区の一つとして選定し、対策を実施することといたしました。
 具体的には、内径二・八メートル、延長四百五十メートルの貯留管を新たに設置し、約二千四百立方メートルの雨水を貯留する計画で、早期完成を目指し、積極的に整備を進めてまいります。
 今後とも、豪雨対策基本方針の施策を着実に実施し、浸水被害の軽減を図ってまいります。
   〔消防総監小林輝幸君登壇〕

○消防総監(小林輝幸君) 救急に関する二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、救急搬送トリアージについてでありますが、東京消防庁では、真に救急車を必要とする都民に迅速に対応できるよう、救急現場において、医学的知見による基準に基づき、明らかに緊急性がないと判断したものにつきまして、傷病者自身での医療機関への受診を促し、同意が得られた場合には医療機関案内などを行った上で搬送しないこととする、救急搬送トリアージの試行を本年六月一日から実施しております。
 救急搬送トリアージの実績でございますが、十一月末日までに緊急性がないと判断した件数は百六十二件、うち同意を得て搬送しなかったものは百件であり、他の搬送したものにつきましても、すべて軽症でございました。
 今後は、試行状況を踏まえ、基準の検証や都民の理解を得まして、本格運用を目指してまいります。
 次に、東京消防庁救急相談センターの制度の充実についてでありますが、本年六月一日から十一月末日までの総受け付け件数は十二万六千七百九件で、そのうち医療機関案内は十一万三千四十二件、医師もしくは看護師が対応した救急相談は全体の約一割に当たる一万二千二百八十六件で、その相談内容は多岐にわたりますとともに、電話が集中するなど、かけ直しをお願いする場合も発生しております。
 今後は、こうした実態を踏まえまして、受け付け体制を充実しますとともに、東京都医師会、東京都福祉保健局などで構成する東京消防庁救急相談センター運営協議会におきまして、救急相談への対応の質をさらに高めてまいります。
   〔生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君登壇〕

○生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君) 東京都美術館に関する二点の質問にお答えいたします。
 まず、東京都美術館の大規模改修についてでありますが、東京都美術館は、竣工以来三十年以上が経過しており、施設設備の深刻な老朽化への早急な対応が課題となっております。そこで、空調、電気等設備の全面更新を図ることといたしました。環境への負荷も考慮し、都民に親しまれている現在の建物を残しながら、二カ年かけての大規模改修を予定しております。
 また、ご指摘のとおり、美術館に求められるニーズは一層の快適さや楽しさなど多様化しており、利用者の声を反映させ、エスカレーターの設置やエレベーターの増設、また、一部の展示室について天井高を上げる工事や、レストランの複数整備などを行うことといたしました。
 今後の設計においても、利用者へのヒアリングを重ねて、美術館の魅力向上に努めてまいります。
 次に、東京都美術館の公募展会場としての機能についてでありますが、美術団体が主催する公募展は、これまで新人の登竜門として、また美術界のすそ野を拡大し、芸術文化を支えるインフラとしての役割を果たしてきました。
 東京都美術館は、長年にわたりこれらの美術団体に展覧会の場を提供し、日本の美術の発展に寄与してきました。今回の改修においても、多様な芸術文化活動の発表の場としての機能を引き続き担えるよう、公募展を開催する建物は、現在の構造を生かすこととしております。
 リニューアル開館後も、美術団体の意見を十分聞きながら、施設運営を行ってまいります。

○議長(比留間敏夫君) 五十八番植木こうじ君。
   〔五十八番植木こうじ君登壇〕

○五十八番(植木こうじ君) 住宅の問題について伺います。
 今、東京では、生活の基本であり、豊かな文化的な生活を支える基礎となる住宅が確保できなかったり、家賃が高くて生活費を切り詰めて、何とかしのいでいる都民がふえています。
 とりわけ、若者は、厚生労働省のネットカフェ調査でも、都内だけで二千人の若者が住宅を借りることができず、ネットカフェやバーガーショップで寝泊りしている実態が明らかにされました。
 また、わずかな年金で暮らしている高齢者の場合も、庶民増税や負担増のもとで、条件の悪いアパートで我慢したり、家賃を払った後、生活費の節約のため、値上がった灯油を買わずにじっと我慢している人など、深刻です。
 ある人は、都営住宅に二十回申し込んだが当たらず途方に暮れているといい、またある方は、年金が月十五万円なのに家賃が七万三千円と、収入の半分が家賃に消えてしまうと嘆いていました。
 私の地元の中野のある不動産業者は、住宅分野でも格差社会になっているといい、六本木の超高級マンションが即売となる一方で、安い家賃を探す人がふえているといっていました。
 知事、このように住宅に困っている都民がふえている実態についてどう認識し、どう対応しようと考えていますか。また、今日の事態は、収入が低く、住宅に困窮している人のための都営住宅に行政の光を当てる必要性を改めて浮かび上がらせていると考えますが、知事の見解を伺います。
 そこで、都営住宅にかかわって何点か伺います。
 まず、都営住宅の建設です。
 東京都は、この間、入居を希望する都民がふえ続けているのに、都営住宅の新規建設を打ち切り、募集戸数は、石原都政の八年間で三分の一に減らされているのです。
 こうしたもとで、特別区議会議長会は、公営住宅への入居希望者は依然として多いとして、公営住宅の建設促進を図られたいという要望書を知事に提出しました。知事は、この要望をどう受けとめているのですか。お答えください。
 ここで私が強調したいのは、東京都には都営住宅を建設する財源も土地も十分にあるということです。財源についていえば、この間、大幅税収増で三千億円も積み立てている基金を回せばよいことであり、用地は五百六ヘクタールもある未利用の都有地を活用すればよいことです。
 このように、新たに土地を購入しなくても都営住宅を建てるための都有地はあります。税収も大きく伸びており、新規に建設できる条件はかつてなく広がっています。答弁を求めます。
 また、東京都は、新規に都営住宅を建てようとしないだけでなく、建てかえに当たって住宅を集約化して生み出した用地を、住宅は充足しているといっていながら、マンション開発業者などに売却することまでしています。少なくとも都営住宅を廃止して用地を民間の開発業者に売却することは改めるべきだと考えますが、見解を伺います。
 既存の都営住宅を有効に活用することで、入居の希望にこたえることも可能です。日本共産党は、都民の方から都営住宅の空き家がふえているという告発を受け、調査を行いました。日野市の多摩平アパートでは、百六十戸のうち六十一戸が空き家となっています。中には何年間も使われていないものもあります。私も現地を見ましたが、空き家には日やけどめのシートが張られており、一目瞭然です。地元の中野区の江古田住宅では、七十六戸のうち九戸が空き家になっています。このような住宅は、空き家は、都内にたくさんあります。
 知事、これらの空き家を活用すれば都民の要望にこたえることは可能です。公募にかけるべきと考えますが、答弁を求めます。
 都営住宅を安心して住み続けられる住まいにすることは、東京都の責任です。この問題では、東京都が都営住宅の使用承継をこれまで親子間まで認めていたものを、原則として配偶者に限定し、誓約書まで書かせ、追い出そうとしている問題を指摘しないわけにはいきません。
 この問題では、生活と健康を守る会の方々が都と交渉を行いましたが、そこでの都の対応は冷たいものでした。十一月に親を亡くした知的障害四度の方は、相談に行ったら、障害の等級を上げられないのかと非常識なことをいわれたと怒りの声をぶつけていました。交通事故で足を引きずりながらパートで働いている方は、退去したくてもアパート代もない、それでも出ていけというのなら死ぬしかないと悲痛な声を上げていました。
 知事、これらの方は、都営住宅の収入基準以下の方たちです。当然、都営住宅に住む権利のある方をなぜ追い出さなければならないのですか。答弁を求めます。
 東京都が、六カ月たったら明け渡すことを約束させる誓約書を書かせることも、許されません。ある方は、父の死亡を届けたら、事情を聞くこともなく誓約書が送られてきました。そこには、六カ月たって退去しない場合、損害賠償として高い民間家賃を払うこと、明け渡し訴訟を起こすことなど、受け取った方を追い詰めるような文言が書かれています。大阪府を初め全国で誓約書を書かせている自治体はほとんどありません。親を亡くして嘆き悲しんでいるときに、このような非人道的な文書を送りつけることを許すことはできません。誓約書の強制は中止すべきですが、どうですか。
 また、これまでどおり一親等まで承継を認めること、少なくとも障害者や病弱者については承継を認めるべきです。答弁を求めます。
 住宅の改善も課題です。
 居住者の強い要望の一つが、ヘルパーさんやお孫さんが来ても座るところがない狭過ぎる単身用住宅の改善です。単身用住宅の面積を広げること、少なくとも、今後配置を改善するなど住みやすいようにすべきと思いますが、いかがですか。
 また、高齢者の移動と社会参加を促進するために、エレベーターの未設置の解消を急ぐこと、設置が困難な住宅から低層階やエレベーターのある住宅への転居を待っている居住者も多く、要望に積極的にこたえることも必要です。それぞれ答弁を求めます。
 家賃の負担の軽減も切実な願いです。年金や社会保障の改悪や医療費など相次ぐ負担増で、生活を脅かされている方が多くなっています。こうした深刻な事態を踏まえて、減免制度を家賃の原則免除を含めたものに復活するよう求めるものですが、答弁を求めます。
 高齢者が多数を占めることとなった都営住宅では、お年寄りが地域社会から孤立した生活を強いられる場合もあり、草刈りや自治会活動などに支障を来すことが少なくありません。大規模団地の管理人の常駐や巡回管理人の制度の拡充、さらには計画的に若年層や子育て世代などの入居を促進し、高齢者を支える仕組みづくりを進めるなど、さらには地域での見守りシステムとの連携を提案するものですが、いかがですか。
 最後に、都営住宅の資格を持ちながら、応募しても入れない人がたくさんおり、対策が急がれています。こうした人たちに対して家賃の一部を補助することは、所得の再配分機能の一つとして有効であると考えますがどうか。
 再質問を保留し、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 植木こうじ議員の一般質問にお答えいたします。
 住宅に困窮する都民への対応についてでありますが、東京における居住水準は着実に改善してきておりますが、なお住宅に困窮する都民に対しては、既存の都営住宅などの公共住宅のストックを有効に活用し、居住の安定を確保してきました。
 さらに、公共住宅に加え、民間住宅も含めた重層的な住宅セーフティーネット機能の構築に取り組んでおります。今後とも、都民が真に豊かさを実感できる社会を実現するため、時代に即した住宅政策を総合的に展開してまいります。
 他の質問については、関係局長から答弁します。
   〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕

○都市整備局長(只腰憲久君) 都営住宅等にかかわる十三点のご質問にお答えいたします。
 まず、住宅困窮者のための都営住宅についてでございますが、都はこれまでも、高齢者や子育て世帯に対する優先入居を実施するなど、真に住宅に困窮する都民に公平かつ的確に供給してまいりました。今後とも引き続き適切に対応してまいります。
 次に、公営住宅の建設促進に関する特別区議会議長会からの要望についてでございます。
 地域の住宅政策の推進に当たりましては、区市町村の役割が重要でございまして、都と区市町村は役割を適切に分担しながら、それぞれ主体的に取り組んでいく必要があると考えております。
 次に、都営住宅の新規建設でございますが、既に都内の住宅の数が世帯数を一割以上上回っておりまして、さらに将来の人口減少社会の到来が見込まれていることなどを踏まえまして、都営住宅につきましては、新規の建設を行わずに、ストックを活用して公平かつ的確に供給してまいります。
 次に、都営住宅の用地についてでございますが、都民共有の貴重な財産であることから、建てかえにより生み出した用地につきましては、民間事業者の創意工夫も引き出しながら、地域の特性を生かしたまちづくりなどを進めていくことが必要と考えております。
 次に、都営住宅の空き家でございますが、現在、都営住宅の建てかえを年間三千戸、スーパーリフォーム事業は千九百戸を実施しております。移転先としては、一定数の空き家が必要でございまして、その確保をしております。
 このほかにつきましても、修繕や入居手続等のために一時的に空き家となっているものでございまして、公募によりまして年間約七千戸の入居が行われております。
 次に、都営住宅の使用承継制度についてでございます。
 都営住宅の入居は公募によることが原則でございまして、今回の制度の見直しでは、入居者・非入居者間の公平性を確保するため、国の通知も踏まえ、名義人が死亡した場合等の使用承継を、原則として配偶者に限ることといたしました。
 施行に当たりましては、使用承継できない場合の退去猶予期間を、従来の原則三カ月から六カ月に延長したほか、賃貸住宅の募集情報の提供、区市町村の福祉の窓口を紹介するなど、きめ細かい対応に努めております。
 次に、お話の誓約書についてでございます。
 名義人の死亡等の届け出があった場合に、名義人と同居していた親族が承継の許可基準に該当しない場合や承継を希望しない場合でありましても、六カ月は退去を猶予するよう配慮してございます。このことを確認する意味で、対象者から、猶予期限を明記した誓約書を提出していただいております。
 使用承継の範囲でございますが、入居を希望している都民が多数いる一方で、長年にわたり同一親族が居住し続けることになりますと、都営住宅の利用機会の公平性を著しく損なうことから、承継を一親等には認めないこととしたものでございます。
 ただし、高齢者、障害者、病弱者で、特に居住の安定を図る必要のある方につきましては、名義人の三親等まで許可することとしております。
 次に、都営住宅の建てかえで供給する住宅についてでございますが、建てかえに当たりましては、居住者の世帯人数により基準を設け、住みやすい間取りとなるよう工夫しながら、適切な面積規模の住宅を供給しております。
 次に、エレベーターの設置でございますが、既設都営住宅におきましては、平成三年度から一定規模以上で、設置が可能な住宅棟のうち、居住者の合意が得られたものから順次進めておりまして、昨年度末までに千基以上のエレベーターを設置してまいりました。
 また、エレベーター設置が困難な住宅から低層階などへの住みかえにつきましては、年間約五百件程度実施しておりまして、適切に対応しているものと考えております。
 次に、家賃の減免制度でございますが、都営住宅の減免制度は、使用料の負担をより公平なものとする観点から、平成十二年度に抜本的な見直しを行っております。この見直しは、原則として免除を廃止し、使用料の減額を定額から定率方式に改めることにより、住宅の応益性や入居者の負担能力をより正確に反映できるようにしたものでございます。現在の制度は適切であり、元に戻すことは考えておりません。
 次に、高齢者を支える仕組みづくりでございます。
 巡回管理人制度は、従来の常駐型の専任管理人制度を改め、より効率的かつ効果的にしたものでございます。また、子育て世帯の入居機会の拡大を図るため、若年ファミリー世帯向け定期使用住宅の募集などを既に実施しております。今後とも、これらの制度を的確に運用してまいります。
 一方、地域での見守りシステムにつきましては、地元区市町等によります緊急通報システムなどが用意されておりまして、都営住宅におきましても、居住者の方々がこのようなサービスを利用することが可能となっております。
 最後になりますが、家賃補助でございます。
 家賃補助は、生活保護制度との関係や財政負担のあり方など、多くの課題がありますことから、都として実施することは考えておりません。
   〔五十八番植木こうじ君登壇〕

○五十八番(植木こうじ君) 二点の再質問を行います。
 知事は、居住水準は改善している、ストックは充足していると答えましたが、私が聞いているのは、所得の低い人や若者が入れる住宅が足りないことをどう考えているのかということです。
 現実に、この十年間に収入が三百万円に満たない世帯が一五%から三一%に倍加しました。都営住宅階層の世帯は、全世帯の三割以上にもなり、二百万世帯をはるかに超えているのです。都営住宅戸数の八倍近い世帯です。だから都営住宅の応募者がふえ続け、知事が就任した一九九九年の平均十一倍から、実に三十五倍へと急増し、年間二十万人を超えているではありませんか。なぜ、これらの人たちのための住宅が不足していることを認めないのですか。お答えください。
 また、空き家を活用する問題です。
 入居者と非入居者との公正をというなら、入居できない人が大量に生まれているのは、都営住宅の絶対量が足りないということです。
 さらに、戸数が足りないだけではない。私どもが調査したら、何と一万一千四百七十六戸も空き家があります。もちろんこの中には、建てかえのための事業用住宅も含まれていますが、四・四%という空き家率は異常です。公正をというのだったら、新規建設を再開するとともに、少なくともこの空き家の活用を図るべきではないですか。お答えください。
 以上で再質問を終わりにします。(拍手)
   〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕

○都市整備局長(只腰憲久君) 先ほど知事からご答弁申し上げましたが、東京における居住水準につきましては、最低居住水準未満の世帯数の割合が、この十年間で半減するなど着実に改善をしてきております。
 しかしながら、一方で、現に住宅に困窮している都民に対しましては、居住の安定を確保するため、管理の適正化等の取り組みによりまして、都営住宅などの公共住宅のストックを有効に活用するとともに、入居制限を行わない民間賃貸住宅の供給促進など、民間住宅も含めた重層的なセーフティーネット機能の構築に取り組んでまいります。
 次に、都営住宅の空き家でございますが、これは先ほどの繰り返しの答弁になりますが、建てかえあるいはスーパーリフォーム事業を実施するためには、移転先としての一定数の空き家が必ず必要でございます。そのための確保をしているところでございます。
 また、七千戸の公募による入居を行っているわけでございますが、そのためには、前の方がお出になった後の修繕並びに入居の手続のために、一時的な空き家はどうしても必要ということでございます。
 以上でございます。

○議長(比留間敏夫君) 六十八番矢島千秋君。
   〔六十八番矢島千秋君登壇〕

○六十八番(矢島千秋君) 石原知事の施策は、興味尽きないものであります。一億人の、世界では中規模国家である日本の一首都が、その活力を将来にわたり担うためには、内向きの都市であることは許されず、まさに現在行われている東南アジア諸都市との交流、協力の取り組みは、そのための重要な要素であります。
 東京には、台湾の前総裁、李登輝氏が、ある雑誌のインタビューに答え、日本文化は非常に高い精神性を持ち、自然との関係が密接で、自然と人間の間の調和を大切にするとの発言をしておりますように、新時代にふさわしい素地があるだけに、この取り組みは、東京はもとより日本の将来のあり方を示すものとして大いに期待するものであります。都市間協力のかなめとして、東京の役割の今後の方向性について、知事のご見解をお伺いいたします。
 しかしながら、江戸城の無血開城以来、明治時代の市街地改造、関東大震災、甚大な戦災被害と、戦後の混乱をくぐり抜けてきた東京でありますが、一方、大きな課題を抱えているように見えます。
 これまで多くの地方出身者のフロンティアから、東京生まれが増大し、都市住民の主流を形成する生活のまちとなりつつあり、また多くの人が活動する多元多様な様相と、一方、開発により一元的な様相を呈するホットスポットと林立する高層マンションが散在する都市に姿を変えています。この状況にあって東京は、矛盾に満ちた複雑多様な性格を包含した部分とを、どのようにか併存させることが、大都市の魅力を深めるものと考えます。そして、このかぎは、多様な解釈を許す共通の文化にあると思います。
 東京の魅力の源泉となる都市の混沌と、世界都市東京のまちづくりの可能性について、お考えをお伺いいたします。
 私もこの十月、海外調査団の一員として幾つかの都市に赴いてまいりました。このうち、首都であり、経済の中心都市でありますマドリード、パリでは、市街地の交通対策の柱として自動車専用環状線の整備を進めております。特にパリは、ナポレオン三世治下の時代、十七年かけ、オースマンの超過収用の活用と、建物の高さ、密度の厳しい規制により、既存都市の改造がなされ、シャンゼリゼの見通し線と並木、街並みの美しい風格のある花の都パリが形づくられました。そして現在の市長は、市街地での自動車の使用をあきらめさせる方針で取り組んでいると聞いております。
 一方、東京は、石原知事がリーダーシップを発揮した広告規制もそうでありますが、東京のまちの将来にかけて凍結されていた三環状道路の整備を進めており、このことは単に交通円滑化の改善にとどまることなく、知事の東京のあり方の理念にかかわる施策展開とも思えるのであります。
 その意味では、三環状の整備は、東京のまちの姿の次へのステップであるだけに、人々がおのおのの時間の過ぎ行くペースで充実した生活のできる東京に向け、その姿を理念に一層近づける、次の施策を展開する段階に来ているのではないでしょうか。お考えをお伺いいたします。
 次に、財務局所管に移りました事務事業評価についてお尋ねいたします。
 平成十七年度末に、東京の行政評価が、重要施策などを対象とした政策評価と財務局所管の事務事業評価に区分されました。財務局から各局への事務事業評価実施の通知によりますと、事業の実施結果を重視する予算編成の仕組みの一環として実施するとありますが、各ツールを集約化し、毎年一定のサイクルのもとで予算編成に資することは、待望久しいものであります。
 しかし、平成十八年度事務事業評価を踏まえ、二十年度の予算編成に臨むことになりますので、評価内容を予算編成に結びつけるには一年間のタイムラグがあるだけに、事業の必要性などを含めた基本に戻っての評価を考えるべきであります。そこで、財務局の決算分析、予算編成査定など、従来の方法に事務事業評価を加えることにより、どのような効果を生むかお伺いいたします。
 一九八八年に設立された科学者と政府担当者による気候変動に係る政府間パネルが、第四次報告書を出した本年、ノーベル平和賞を受賞しました。この機関の活動は公開され、報告書も関係各国政府が最終的に承認を与えた信頼性の高いものであり、科学的に地球温暖化の問題を決着させたといわれております。しかし、地球環境問題は深刻化を増すばかりで、もう引き返せないところに来ている危機感の中にあるのも事実であります。
 そのような折、東京都税制調査会の中間報告が、この十一月二十九日発表されました。その中で、環境税制について幾つかの課題が示され、検討が必要と報告されております。
 環境税の中間報告は、去る新聞報道で、第一面で期待を持って報道されたほど重要な施策と評価できるものですが、財源確保もさることながら、環境税の目的は、人為的に進んできた温暖化を、わずかの可能性の中でも理念と意思を持って取り組む東京のシンボルともいえる税制ではないかと思うのであります。環境税の審議の状況と、これらの点について、お考えをお伺いいたします。
 次に、二十一世紀の国づくりでの重要課題、大きな危機の中にある少子化対策について、税制支援の立場からお伺いいたします。
 この点について、報告書の中で、少子化対策として扶養控除にかえ税額控除を行うとの議論があるが、住民税への導入は、還付を行う場合、歳出増などの課題があり、検討が必要と触れられております。この問題は、アメリカ、イギリス、カナダ、オランダなどの国のように、給付つき税額控除である必要はなく、たとえ減税は納税額までであってもモデル世帯平均の七百万以下の勤労収入に限るなど、子育て支援の立場から、低所得者に恩恵が行き渡る減税は可能であり、それだけに効果は大きいのであります。
 これらの税制からの取り組みは、石原都政の意思を示す、重い腰を上げない国に先駆けた重要な施策であると思いますが、お考えをお伺いいたします。
 組織にとって強力な監査体制は、力を弱めるものではなく、モラルを上げ、効率化を果たさせる有用な手段であります。現在の合理化と効率化の観点から進められている人員削減の状況にあっても、監査業務はその重要性から見るべきものであって、過剰な減員は機能を損ねるものとなりかねません。自治体みずからこの点の強化は進めにくいと思いますので、議員として定数所管局に意見を申し述べておきます。
 さて、地方自治体の監査は、平成三年に行政監査が可能となり、同九年には包括外部監査が導入されました。一方、監査では、定例、随時、行政、決算、援助団体等、工事の各監査が行われ、平成十年度以降、指摘、意見等は年間二百件を挟む水準で推移しております。
 このうち、平成十七年度の指摘、意見等は二百十四件あり、措置されたものが二百八件でしたが、平成十八年度は二百二十件のうち百五十四件が措置され、この実績は少しく措置の状況が遅いように思われます。措置に至らないものを公表してはいけないとの規定があるわけでありませんから、この促進のため適切な早い時期に公表する必要があるかと考えます。
 また、監査後、必要に応じ、指摘、意見の表明までの手続がとられることになりますが、特に意見は、手順の変更にまで踏み込んだ業務改善につながるものであるだけに、意見の視点とその改善状況についてお伺いいたします。
 さらには、この意見による業務改善は、今後進めなければならない内部統制の観点からの業務過程監査として重要と思います。内部統制に対する取り組みの状況と今後の課題についてお伺いいたします。
 東京都は、国体開催、オリンピック招致に合わせ、スポーツ事業の展開をスポーツ・フォア・オールの立場から進めようとしております。東京都では、昭和三十六年制定、スポーツ振興法に基づき、翌年、条例が制定され、調査、審議し、知事に建議を行う東京都スポーツ振興審議会が設置され、四十五年を経過しております。
 この間、数多くのスポーツ振興に係る有用な意見が審議会から出されております。そして、この十月には性格を新たにした所管のもとで、第二十二期のスポーツ振興審議会が立ち上げられ、スポーツ振興戦略の策定に向け検討を開始したと聞いております。本来であれば、知事の諮問に答えることが望ましいのでありますが、実際、審議会では、スポーツと行政に見識の深い専門家がフリーにディスカスすることにより、幅広く、かつ踏み込んだ意見が寄せられることから、今後もこれを極力尊重し、新たなスポーツ振興戦略の策定に結びつけていかねばなりません。計画策定に向けた展開についてお伺いいたします。
 次に、体育施設整備についてお伺いいたします。
 スポーツは、ルールと施設がなければ成り立たないものであります。各区市町村も、大変整った施設を持つところもあり、団体使用、大会開催に限らず、個人公開を進めるなど、多くの都民の支持を受けております。東京都も広域自治体として大型施設を擁し、都民大会、各競技の全国大会などに提供しております。
 しかし、東京都の施設はわずかであり、その利用率は基本的に大変高く、生活文化スポーツ局所管の東京体育館は、平成十八年度稼働率は、メーンアリーナで九九%、サブアリーナで九八%に至っております。若干郊外の駒沢オリンピック公園総合運動場屋内施設でも九〇%以上の稼働状況であります。この体育館など屋内施設は、全国大会、世界大会が行われますと、多くの選手、役員、応援団が東京を訪れる集客施設でもあるだけに、施設不足ともいえる現在の状況は、機会損失と見えなくもありません。
 東京の体育施設は、都民が積極的に活動し、スポーツをみずから楽しみ、あるいは観戦し、また、施設で行われる大会には世界各地から東京を訪れる経済波及効果の大きい重要施設として位置づけ、新設も含め、計画的に整備を進めるべきものと考えますが、お考えをお伺いいたします。
 最後に、子どもの安全対策の取り組みについてお伺いいたします。
 ご承知のように、都民の皆さんの都政への要望は、治安が四年続いて第一位であり、特に子どもに対する犯罪が起こりにくい環境の整備が求められております。過去に大阪の池田小学校、さきの加古川の事件など見るまでもなく、小さな子どもを持つ親の心配は尽きないのであります。都政の重要な課題であります子どもを犯罪から守るため、どのような取り組みを都で行っているか、お伺いをいたします。
 また、地域では、自主的パトロールや警察、自治体の支援による防犯ボランティア団体が以前に比べれば格段にふえておりますが、まだまだ活動の余地は大きく、新たな防犯活動に取り組みたいという声も聞くのであります。このような中、地域での防犯活動の機運を醸成しつつ、効果的な防犯活動ができるようにするためには東京都の支援は不可欠であります。東京都は、こうした地域における防犯活動に対してどのような支援を行っているのか、お伺いいたします。
 しかし、形を変え犯罪を繰り返す、子どもを取り巻く社会環境に対するためには、現下の対応に加え、たゆまぬ家庭と地域への働きかけが重要であり、まさにここでは社会のあり方が問われるということになります。子どもを犯罪から守るためには、この点への働きかけを強化すべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
 以上をもちまして、私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 矢島千秋議員の一般質問にお答えいたします。
 世界との交流、協力における東京の役割についてでありますが、我が国には、世界に誇る歴史、民族固有の伝統、文化がありまして、それが有形、無形の国力になっていると思います。それがさらに集中、集積しているのがこの東京だと思っております。例を挙げれば、世界で最も有名なミシュランのガイドブックが、先般、東京を世界一の食の都と評価いたしました。星をもらったレストランがパリでは八十台、ニューヨークでは五十に満たなかったのが、東京では百五十を超えたわけでありまして、これによって、東京を世界一の食の都と評価してくれたわけであります。
 一つの器の中に一つの小宇宙をつくり出してみせ、芸術の域にまで高めていく日本の食事の繊細さや、他国の料理であっても、独特の工夫を加えまして、本家以上に磨き上げていく探究心などが世界を魅了したのだと思います。
 こうした豊かな才能はもとより、礼儀正しさやもてなしの心、あるいは自然を愛する姿勢などが生み出す日本の特質を認識して、東京から世界に発信していくことが、日本と世界のコミュニケーションを深めることになると思っております。
 極めてナショナルなるものこそが初めてインターナショナルになるという、これは文化の原理だと思います。その意識を強く持ちまして、現在、招致を目指して、オリンピックもその意識にのっとって、それを実現していきたいと思っております。
 また、アジア大都市ネットワーク21を通じました交流、協力の取り組みをさらに進めるとともに、文化、産業、環境、観光などの都政の各分野を通じて世界のかけ橋となるように、幅広い施策を展開してまいりたいと思っております。
 他の質問については関係局長から答弁いたします。
   〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕

○都市整備局長(只腰憲久君) まず、東京のまちづくりの可能性でございますが、東京をより一層魅力ある都市とするためには、国際競争力を備えることに加えまして、歴史や文化、あるいは人々の価値観を踏まえまして、地域の特性を生かしたまちづくりを進めることが必要でございます。例えば都心部では、業務、商業、文化、居住など、多様な機能が効果的に組み合わさった、活力と魅力のある地域を形成していくことが重要であるのではないかというふうに考えております。一方、下町などでは、伝統的なコミュニティを継承しつつ、活気あふれる暮らしやすいまちを目指していくことが重要ではないかと思います。こうした東京の多様な魅力を引き出しながら、今後さらに高いレベルの成熟を遂げた都市の実現を図ってまいります。
 次に、将来の東京のまちの姿についてのご質問でございます。
 三環状道路の整備を初めとする陸海空のネットワークの強化によりまして、渋滞のない、効率的で利便性の高い東京が実現するものと考えております。同時に、都市再生によって創出されます機能的な業務、居住空間、潤いのある水と緑のネットワークの形成などによりまして、人々が心豊かに暮らせる時間と空間のゆとりが生まれるものと期待しております。あわせまして、先進的な環境負荷の少ない都市づくり、震災対策の一層の推進によります災害に強い都市づくりなどを進めまして、東京を、安全・安心なまちの実現を目指してまいります。
   〔財務局長村山寛司君登壇〕

○財務局長(村山寛司君) 事務事業評価についてのご質問にお答えいたします。
 都財政を取り巻く環境にさまざまな変動要因がある中で、事業の積極的かつ着実な改善を図る上では、事業の実施状況について、実態や効果を具体的に点検し、その質を高めていく努力が重要でございます。こうした観点に立ちまして、十九年度予算から事務事業評価を予算編成過程の中に組み込み、よりきめ細かい事後検証を実施し、その結果をモデルとして取り上げて、公表することといたしております。
 今後とも、予算編成の中において事務事業評価の仕組みを定着させ、活用範囲を広げていくことによりまして、事後検証の結果を反映した、より効率的、効果的な事業の構築を図ってまいります。
   〔主税局長熊野順祥君登壇〕

○主税局長(熊野順祥君) 二点についてお答え申し上げます。
 まず、環境税についてでございますが、東京都税制調査会は、東京都気候変動対策方針の推進を支援するための独自税制につきまして鋭意検討を行ってまいりました。その結果、先月の中間報告においては、揮発油税など、既存の税制との整合性など課題もあり、さらなる検討が必要であるとされております。
 気候変動対策は我が国の喫緊の課題でもございますので、今年度の検討の成果を踏まえつつ、CO2排出抑制のインセンティブなど幅広い角度から、東京都税制調査会において引き続き積極的な検討をお願いしたいと考えてございます。
 次に、子育て支援税制についてでございます。
 政策課題解決のために、減税など税制を活用することは有効な手段の一つでございます。しかしながら、税は財政の基盤であることから、減税の効果、税の公平とのバランス、税以外のより効果的な手法の可能性、税収への影響等を踏まえ、慎重に検討すべきものであると考えております。
 お話の子育て支援のための住民税の活用につきましては、住民税が自治体の基幹税であることなど課題も多うございます。少子化対策は都の重要施策の一つでもございますので、今後の研究課題とさせていただきます。
   〔監査事務局長白石弥生子君登壇〕

○監査事務局長(白石弥生子君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、監査の結果としての意見、要望についてでございます。
 監査の結果には、指摘と意見、要望があり、このうち指摘は、合規性の観点を中心に、明らかに不適切な状況の是正、改善を求めるものでございます。
 一方、意見、要望は、事務事業の制度や仕組みにつきまして、事業環境等を踏まえ、経済性、効率性、有効性の観点から、さらに是正、改善ができないか検討を求めるもので、お話のとおり、各局の業務の改善に資するものと考えております。
 改善状況ですが、年二回、各局から報告を受けまして、改善されていない場合には、二年間継続して是正に向けての措置を各局に促しております。この間、状況の変化などによりまして、一部の改善にとどまるものや措置に期間を要するものもありますが、大部分は改善されております。
 次に、内部統制の観点からの監査についてでございます。
 業務手順の明確化、チェック体制の強化など、内部統制の整備は民間企業と同様、都の事業執行においても重要であります。これまでの監査におきましても、例えば昨年の定例監査におきまして、内部統制に着目し、未収金徴収の事務手続について改善を求める指摘を行いましたほか、ことしの工事監査では、内部統制上の重要な課題であるチェック体制を重点監査事項としております。
 内部統制の整備運用に当たりましては、事業環境や事業運営などに係る組織のトップの認識が肝要でありますので、今後、監査委員が直接各局の幹部職員に面談するトップインタビューの導入を検討しております。
 今後とも内部統制の重要性を認識し、監査の充実に努めてまいります。
   〔生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君登壇〕

○生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君) スポーツの振興に関する質問にお答えいたします。
 まず、新たなスポーツ振興戦略の策定についてでありますが、十月にスポーツ振興審議会を立ち上げ、計画策定に向けた審議を開始したところでございます。第一回審議会においては、「十年後の東京」の実現に向けた八つの目標とスポーツ振興のかかわりを軸に、長期的視点に立った議論が交わされました。今後は、具体的なスポーツ振興施策について各委員の専門分野を中心にご意見を伺う予定でございます。
 審議会での議論とご意見を十分に踏まえ、だれもがスポーツに親しめる社会を目指して、新たな戦略となるスポーツ振興基本計画を策定し、来年の夏をめどに発表したいと考えております。
 次に、都立体育施設の整備についてでありますが、都立体育施設では、全国的、国際的なスポーツ大会にふさわしい大規模施設として多くの大会が開催されております。また、アマチュアスポーツ活動の拠点として、都民のスポーツ・レクリエーション振興の中心としての役割も担っております。体育施設には老朽化しているものもあることから、これらの体育施設の機能を十分に発揮できるよう、適時適切な施設の改修に努めてまいります。
 また、今後、スポーツ振興審議会での議論や、大規模大会の施設需要、都民のスポーツニーズ、財政状況等を踏まえ、計画的な整備も検討してまいります。
   〔青少年・治安対策本部長久我英一君登壇〕

○青少年・治安対策本部長(久我英一君) 子どもを犯罪から守るための取り組みについてでございますが、都では、自分で守る、学校で守る、地域で守るという三つの視点から、子どもの安全確保に取り組んでおります。
 具体的には、子どもたち自身が通学路などの安全を点検して、みずからを守る力を育成するための地域安全マップづくりの普及、公立小中学校等へ設置した防犯カメラを活用することによる学校内の安全性の向上、保護者や地域の方が通学路を見守る子ども安全ボランティア活動の推進等に取り組んでおります。また、今年度は、通学路の見守りをさらに強化するため、青色防犯パトロールの普及にも努めております。
 次に、地域における防犯活動に対する支援についてでありますが、都内では、ここ数年で住民自身による自主防犯活動の機運が高まり、現在では三千を超える防犯ボランティア団体がさまざまな活動をしております。都では、このような地域の防犯活動に対する支援として、ボランティア団体の立ち上げや相互交流の促進を図るため、大東京防犯ネットワークという都のホームページを通じた情報提供や、防犯活動で使用する腕章等装備品の支給などを行っております。
 また、十一月を子ども安全ボランティア推進月間として位置づけ、学校、PTAや地域のボランティアなどを対象に、子どもの安全確保に関するスキルアップと相互のネットワークづくりを図るため、子ども安全フォーラムを実施したところであります。
 最後に、家庭と地域への働きかけについてであります。
 子どもを取り巻く地域社会では、都市化、核家族化、情報化等の進展により人間関係が希薄になり、子どもを守り育てるコミュニティの機能が低下しております。そこで都では、家庭や地域で親と大人が責任を持って次代を担う子どもをはぐくむため、心の東京革命やあいさつ運動など、さまざまな取り組みを推進しております。また、町会、自治会や共同住宅の住民が連携して防犯活動を行うことにより、地域の防犯力を高める地域防犯モデル事業を実施しております。
 都といたしましては、今後とも重層的、複合的に諸対策を推進して、家庭や地域のきずなを強め、地域で子どもを犯罪から守り、育てる力の回復、向上に努めてまいります。

○議長(比留間敏夫君) 五十一番吉田康一郎君。
   〔五十一番吉田康一郎君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○五十一番(吉田康一郎君) まず初めに、少子化対策・子育て支援について伺います。
 一昨年の十二月八日、私は初めての一般質問においてこの問題を取り上げ、社会保障・人口問題研究所の我が国総人口に関する推計において、最も悲観的な低位推計では、二一〇〇年には我が国人口は現在の三分の一の四千六百四十五万人になり、その後も減っていくと述べました。これは平成十四年一月推計によります。ところが、同研究所が昨年十二月に公表した新たな推計は驚くべきものです。二一〇五年の人口は中位推計で四千四百五十九万人、低位推計では三千四百五十二万人、わずか四年で中位推計で約二千万人、低位推計で一千二百万人の下方修正がなされたのであります。二年前、私は、百年後に我が国の人口は今の三分の一になると訴えましたが、今は四分の一になると訴えざるを得ません。都の出生率も残念ながら改善していません。これまでの枠を超えた取り組みが必要だと考えます。
 こういう観点から、まず、日本の家族関係社会支出の対GDP比と比べて、子育て支援の先進国であるスウェーデン、フランスはどの程度の差があるのか、また、出生率にはどの程度の差があるのか、そして、家族関係社会支出の対GDP比と出生率の間には有意な相関関係があると思いますが、見解を伺います。
 次に、東京の出生率が日本の中で最も低いことについてどのように認識しているのか、伺います。
 都は、一昨年十二月に私が訴えて後、昨年から国に対して子育て支援のための財源を確保するよう提案要求しており、これは高く評価します。引き続き、国に対して積極的に働きかけを行うべきです。所見を伺います。
 十九年版少子化社会白書によりますと、結婚後ゼロから四年の若い夫婦では、理想的な子どもの数は二・三人、平均予定子ども数は二・〇五人と〇・二五人の差があります。平均理想子ども数を持てるようにすべきと考えますが、所見を伺います。
 本年十二月の時点で、少なくとも十二の県が保育料について補助あるいは無料化を実施しており、都内の十四の区市が独自の手当を支給し、三十三の区市町村が認可保育所及び認可外保育に係る保育料等への補助あるいは無料化を実施しています。都としてぜひ、児童手当の加算、あるいは都独自の手当を創設すべきです。また、保育料の減免など、区市町村が独自に行っている支援事業に対して、二分の一助成など行うべきと考えます。強く要望します。
 次に、家庭内労働及び育児を行う者と外で働く者とで、どちらかが他者に比べて不利益をこうむること、差別的な取り扱いを受けることがないようにすべきです。また、国は保育に欠ける児童とそうでない児童を分けて施策を展開していますが、分け隔てなく保育に欠けない子も支援すべきであります。見解並びに取り組みを伺います。
 昨日、国が都から三千億円規模の財源を召し上げることになりました。約一千九百億円あれば、都内の子どもに毎月一万円ずつ十五歳まで給付できることを考えれば、本当に残念でなりません。現在、子育て応援戦略会議でさまざまな施策を検討しているとのことですが、従来の延長線上でない、抜本的な施策が望まれます。知事の所見を伺います。
 次に、河川の整備について伺います。
 河川事業の担う最も重要な役割は、水害から都民の生命、財産を守ることですが、他方、河川は地域住民に潤いや安らぎを与える場所でもあります。都は昨年十二月に「十年後の東京」を発表し、水と緑の回廊で包まれた美しいまち、水辺空間の再生をうたっています。東京の河川における親水空間の整備についての基本的な考え方及びこれまでの取り組みについて伺います。
 特に、私の地元の神田川や妙正寺川など、区部西部の中小河川は稠密な市街地を流れており、深い掘り割り構造となっていて、水際までおりることができない区間が多いのですが、このような区部の中小河川における親水空間の整備について、今後どのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、海岸保全事業について伺います。
 近年、海岸の浸食が激化し、貴重な国土が失われ、このままの状況で推移すると、国全体で、十五年後には新島に匹敵する面積が、三十年後には三宅島に匹敵する面積が失われると予想されています。沖ノ鳥島を初め、伊豆・小笠原諸島など、都の島しょは我が国全体の排他的経済水域の約四五%を占めており、その保全は重要であります。
 都では、海岸保全事業を昭和三十年代から実施していますが、その整備率はいまだ四割であり、今のペースだと、完成まであと半世紀かかることになります。その間どんどん失われていくわけであります。また、海岸保全区域以外の一般公共海岸においても、毎年一メートル以上も海岸線が後退しているところがあるとのことであります。既に保全区域に指定されている海岸については重点投資して浸食対策を早く進め、いまだ指定されていない海岸についても、浸食の状況や対策の必要性を調査するなどの取り組みが必要だと考えます。
 そこで、国土及び経済水域を守るために、一般公共海岸における調査も含め、今後、海岸保全事業にどのように取り組んでいくのか、伺います。
 次に、今の時代にふさわしい都立公園の改修について伺います。
 都立公園は、都市における貴重なオープンスペースであるとともに、日常生活の中で自然の美しさや季節の移り変わりを感じ、心がいやされる場所として都民に愛されています。しかし、社会経済状況が変化する中、都立公園を将来に向けて生かしていくため、新たに求められる機能に適切に対応した改修が必要と考えますが、都としてどのように取り組んでいるのか、伺います。
 都では最も古い都市公園の一つである上野恩賜公園において、上野公園グランドデザインの検討を行っていると聞いています。今後どのようにまとめられるか、期待しているところであります。
 一方、日比谷公園では、大噴水と日比谷公会堂の間にある洋風形式の第二花壇に周りの園路との段差があり、幼児が一回転して転げ落ちたという話も聞きました。幸いけがはなかったとのことでありますが、大事に至る可能性も否定できません。従来以上に安全についてのニーズが高まっている今日、古い時代につくられた歴史のある公園についても、今日まではぐくまれてきた景観を大切にしつつ、幼児から高齢者まで、より安心して快適に利用できる今の時代にふさわしい公園にしていくべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、生物多様性の保全について伺います。
 希少な野生動植物を含め、多様な生物種と生態系は、人間にとって有用なさまざまな価値を現在及び将来の世代にもたらすものであり、その保全が必要ですが、そのためにはまず都として基礎的な情報を把握することが重要です。都は、平成十年に都内の希少野生動植物のリストである、いわゆる東京都版レッドデータブックを策定しましたが、その後、改定を行っていません。一方、国では、動植物を種類ごとに、例えば哺乳類では平成十年に策定したものを、昆虫類では平成十二年に策定したものを、植物では平成九年に策定したものを、それぞれ平成十九年に改定しています。自然環境もさまざまな要因で変化していく中、都としても改定を行うべきです。所見を伺います。
 そして、平成十年の策定の際は文献情報の整理を中心に行ったようですが、希少生物種の保護を図っていくためには、その現状をきめ細かく調べることが重要であり、今後、改定する際には、文献調査のみならず現地調査を行うとともに、都民、団体、研究者等から情報が都に提供されるような仕組みをつくり、情報を把握していくべきだと考えます。所見を伺います。
 次に、環境税について伺います。
 実効性のある温暖化対策の一環として、環境税の導入は大きな期待が寄せられるものであります。しかし、期待どおりの効果をもたらし、意図せざる弊害を生じさせないためには、幾つかの原則を踏み外さないことが重要だと考えます。すなわち、まず温暖化の負荷の量に従った課税とすること、例えば化石燃料について炭素含有量を基準に課税する、あるいはメタンなど他の温室効果ガスも含め、温室効果量を基準に課税するということです。そして、導入時点において税収中立の制度設計とすること、目的税としないこと、なるべく広域的な税制とすることであります。さらに、適切な激変緩和措置を設けることも必要です。都税調はこれらの点を踏まえて環境税制を引き続き検討していくべきだと考えますが、所見を伺います。
 次に、自転車の安全な利活用対策について伺います。
 都は温暖化防止対策を進めるため、カーボンマイナス東京十年プロジェクトに取り組み、CO2を二五%削減する目標を掲げています。この目標を達成するため、他の部門とともに、運輸部門においても削減努力が求められます。さまざまなTDM施策の推進など、総合的な対策を講じていくことが必要ですが、特に自転車は身近で手軽な交通手段であるとともに、CO2を排出しないことから、より一層利用を促進していくことが効果的です。
 都は、本年一月に自転車の安全利用推進総合プランを策定し、自転車は、鉄道、自動車、徒歩などと並ぶ都市における主要な交通手段の一つとして位置づけました。そこで、今後、都は自転車の利用促進にどのように取り組むのか、また、利用を定着させるために進捗状況を取りまとめ、都民に周知することが必要だと考えますが、あわせて伺います。
 特に、歩行者と自転車、自動車を可能な限り分離して、それぞれが安全快適に利用、走行できるような道路の整備を進めていくことが必要です。そこで、都道において、また、港湾局所管の臨海副都心において、安全で快適な自転車走行空間の整備にどのように取り組んでいくのか、伺います。
 また、安全性確保のためにこれまで以上に踏み込んだ取り組みが必要だと考えます。自転車と自動車の事故は漸減傾向にありますが、残念なことに自転車と歩行者の事故は増加傾向にあります。私の身近でも、私の母が自転車の事故に遭いまして、顔と手と足をけがして、今足を引きずっております。最近では、歩行者が自転車にひかれて亡くなる死亡事故も起きています。
 自転車事故発生件数を年齢別に見てみると、二十代の件数が最も多く、次いで三十代、十代となっています。二十代に焦点を当てた自転車のルール遵守等の普及啓発を実施していく必要があると考えます。所見を伺います。
 自動車やオートバイ等ではナンバープレート、正式には自動車については自動車登録番号標、軽自動車、自動二輪車、原動機付自転車などについては車両番号標、課税標識といいますが、それを表示させることで安全対策に効果を上げています。自転車についてもナンバープレートを表示させることは、危険な運転や犯罪の抑止に有効と思われます。自転車には防犯登録制度があり、自転車法によってすべての自転車に登録が義務づけられています。罰則規定はないため、貼付率は七六%程度とのことでありますが、この防犯登録番号を周囲から見やすく表示する、いわばナンバープレートとすることで、自転車利用の安全性が高まるのではないか、そして、利便性が高まるのではないか、導入を検討するべきではないかと考えます。所見を伺います。
 次に、歩道のバリアフリー対策について伺います。
 平成十二年、東京都福祉のまちづくり条例が施行されて以降、まちづくりのさまざまな場面でバリアフリーの考えが定着してきています。道路については、特に高齢者などの利用を考え、歩道は勾配が緩やかなセミフラット形式が都道の新設や拡幅工事において採用されてきていますが、既設の都道についてもセミフラット形式をさらに推進すべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、アニメ・アーカイブ事業について伺います。
 世界で放送されているアニメの六割は日本製といわれています。その日本のアニメ制作会社の八割は東京に集積しています。都は、平成十三年度から東京国際アニメフェアを開催するなど、アニメ関連産業の振興、人材育成に取り組んできました。その一環として中野区の旧労働資料センターの四階において、私も六月に視察しましたが、アニメ制作会社からアニメ制作に係る貴重な資料等の提供を受け、収集、整理、保管を行うアニメ・アーカイブ事業を実施しています。これらの文化遺産ともいえる貴重な資料等は、都が保存を支援しなければ廃棄されていたものであり、まことに意義のある重要な事業だと考えます。そこで、現在までの取り組み実績について伺います。
 他方、アニメの制作現場では、動画部門の海外移転や技術革新が進むなど、急激な変化が起きており、従前の先輩が後輩を個別指導するような人材育成が難しくなってきています。そこで、収集した貴重な資料は将来のアニメ産業を担う人材育成などにも活用すべきだと思いますが、今後の方策について伺います。
 また、この施設においてぜひ貴重な資料の一部でも常設展示することを要望します。
 次に、都営地下鉄の安全対策について伺います。
 十月二十三日に発生した都営大江戸線の停電事故について、当日現場に居合わせた者の一人として二点伺います。
 停電の発生は朝のラッシュ時の八時八分、その十二分後には新江古田駅の手前二百メートルに停止した列車から乗客の救出を始めています。避難誘導マニュアルに従い、運転席前方の非常扉から避難させたことは判断として間違いではなかったと考えます。しかし、一千三百人、最後の乗客の救出まで二時間もかかったのは改善が必要です。今回の事故を受けて、今後の避難誘導時間の短縮についてどのように考えているのか、伺います。
 今回の事故では、多くの警察、消防関係者が出動し、私も心強く思いました。今後同じような事故が発生した場合、避難誘導を含め、交通局と警察、消防が連携を強めていくことが重要です。取り組みについて伺います。
 以上をもちまして、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 吉田康一郎議員の一般質問にお答えいたします。
 子育て支援の推進についてでありますが、次代を担う子どもたちの健やかな育ちを支えることは親だけではなくて社会全体の責務であると思います。都は、これまでも大都市特有の保育ニーズに対応した認証保育所の創設などに取り組んできました。これに加えて、現在、仕事と家庭生活の両立が推進されるよう企業の取り組みを支援しております。今後、子育て応援とうきょう会議を活用しながら、社会全体で子育てを支援していくムーブメントを巻き起こし、子育ての喜びを真に感じることのできるような東京にしていきたいと思っております。
 しかし、肝心なことは、人間が結婚し、家庭で子どもを持つという人間社会の進展のために基本的な価値観の問題じゃないかと思います。これをどうやって培っていくかということは、もはや金目の問題で済まない、もっと基本的な多岐にわたる試みが必要じゃないかと思っております。
 他の質問については警視総監及び関係局長から答弁いたします。
   〔警視総監矢代隆義君登壇〕

○警視総監(矢代隆義君) 自転車防犯登録の表示についてお答えいたします。
 自転車の防犯登録については、自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律において、国家公安委員会規則の定めるところにより都道府県公安委員会が指定する者が行うこととされておりまして、都内では東京都自転車商防犯協力会が指定され、その業務を行っております。
 自動車やオートバイのナンバープレートのような形で防犯登録の番号を表示させることは、議員ご指摘のように、自転車の盗難防止や安全な利用に資するものと考えますが、そのためには自転車の構造の変更や新たなプレートの作成、防犯登録情報の管理等、新たな措置が必要であります。このような形で防犯登録番号の表示義務を課すことは、自転車利用者に新たな負担を課すものであり、法令の改正が必要であります。
 また、新たな義務を課すこととした場合、その担保措置が必要でありますが、現行の法律では、防犯登録自体、登録しなかった場合の罰則は規定されておらず、義務の履行を法的にどう担保するかという検討も必要であります。
 このような諸条件を考えますと、ご提案のような制度を導入することはなかなか困難であるかと思われますが、今後自転車の利用者その他関係者の意見を踏まえ、制度的な対応が可能かどうか、関係向きと協議してみたいと考えております。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) 子育て支援に関しまして六点についてお答えいたします。
 まず家族関係社会支出の対GDP比、合計特殊出生率及び両者の相関関係についてであります。OECDでの調査によれば、二〇〇三年のOECD基準の家族関係社会支出の対GDP比はスウェーデンが三・五四%、フランスが三・〇二%であり、日本の〇・七五%と比べて四倍以上であります。また、合計特殊出生率は二〇〇六年でスウェーデンは一・八五、フランスは二・〇〇であり、日本の一・三二と比較して一・五倍程度であります。
 なお、最近の合計特殊出生率の推移で比較すると、スウェーデン及びフランスの上昇幅は日本よりも大きくなっております。
 次に、東京都の合計特殊出生率についてであります。平成十八年の出生率は一・〇二となっております。出生率が低いことの直接的な原因は、未婚率の上昇、晩婚化などが考えられます。こうした現象の背景には、価値観の多様化や子育てに対する負担感の増大などの要因が指摘されております。
 次に、財源の確保についてでありますが、都では地域における子育て環境の整備やワークライフバランスの実現のため、子育て支援に対する財源確保を国に対して提案要求しており、今後も引き続き要求してまいります。
 次に、子どもの数についてでございますが、出産は個人の価値観や人生観に深くかかわるものであり、行政の関与にも限界がございます。しかしながら、子どもを産み育てることを望む人たちが、安心して子育てができ、次代を担う子どもたちが健やかに成長していく環境を整備することは必要でありまして、行政を初め社会全体で取り組むべき課題であると考えております。
 次に、子育て家庭に対する支援についてでございますが、子どもたちを健やかに育成するためにはすべての子育て家庭への支援策を推進していくことが重要であります。このため、都では、一時保育などの在宅サービス事業のほか、地域の相談拠点である子ども家庭支援センターや親同士の交流を目的とする子育てひろば事業など、すべての子育て家庭のニーズに対応したサービスの提供に努めております。
 最後に、保育の要件についてでありますが、国は認可保育所における保育の実施基準として、児童の保護者が昼間の就労を常態としていることなど保育に欠ける要件を規定しております。しかしながら、保護者の就労形態が多様化し、社会、地域、家庭の状況が大きく変化してきている中、この要件は大都市特有の保育ニーズにこたえ切れておりません。このため、都は、認証保育所を創設するとともに、国に対し、保育に欠ける要件の見直しのほか、施設と利用者との直接契約や施設による保育料設定など、保育所制度の抜本的な改革を提案しているところでございます。
   〔建設局長道家孝行君登壇〕

○建設局長(道家孝行君) 七点のご質問にお答えいたします。
 まず、河川における親水空間の整備についての基本的な考え方でありますが、河川の整備においては、治水機能を確保しつつ、地域の特性や周辺状況に応じて、にぎわいのある緑豊かな水辺空間を創出していくことが重要であります。例えば東部低地帯の隅田川などでは、水辺を散策できるテラスやまちづくりと一体となった緑の空間を生み出すスーパー堤防の整備を進めており、花火大会やレガッタなどのイベントにおいても、多くの人々が集い、にぎわっております。また、緑が多く残る多摩地域の鶴見川や平井川などでは、魚など水辺の生き物にも優しい多自然川づくりを進めており、子どもたちが水遊びを楽しむなど自然と触れ合えるような水辺環境を創出しているところであります。
 次に、区部の中小河川における親水空間の整備についてでありますが、市街地を流れる河川は都市における水と緑の貴重なオープンスペースであります。都はこれまでも地元区などと連携し、河川の管理通路を緑化して遊歩道として活用するとともに、可能な箇所では水辺に近づける緩やかな傾斜の護岸を整備しているところです。こうした取り組みの結果、石神井川や目黒川などでは、桜の季節を初め多くの都民が川沿いの散策を楽しんでおります。今後とも神田川や妙正寺川など市街地の河川整備においては地元区と連携し、公園などの川沿いの公共用地の活用を図り、水辺景観を向上させ、人々が憩いにぎわう親水空間の創出に努めてまいります。
 次に、海岸保全事業の取り組みについてでありますが、国土を保全し、島民の命と暮らしを守るため、台風や季節風などによる波浪から海岸の浸食を防止することは極めて重要であります。このため、都は波浪被害のおそれの高い地域や海岸の浸食が著しい伊豆諸島などの二十六海岸を海岸保全区域に指定し、護岸や人工リーフなどの海岸保全施設の整備を進めております。
 また、伊豆・小笠原諸島の海岸保全区域以外の一般公共海岸については、平成二十五年度完了を目標に、現地踏査や航空測量による地形や土地利用状況などの調査を進めており、浸食状況の把握に努めております。今後とも財源の確保に努め、着実に海岸保全事業を進めてまいります。
 次に、都立公園における改修についてでありますが、都はこれまで、社会経済状況の変化などに伴う都民のニーズに対応して、公園の魅力向上や安全で快適な公園づくり、防災機能の向上などの観点から、計画的に施設の改修に努めてまいりました。例えば上野恩賜公園では、歴史的な景観に配慮した樹木の再配置、園路の段差解消などのバリアフリー化、わかりやすい案内サインの設置など、再生整備に取り組んでまいりました。
 また、震災時の防災拠点となる城北中央公園などでは、ヘリコプターが安全に離着陸できる広場の改修や、大型車両に対応した出入り口の拡幅など、救出救助活動拠点としての改修を行ってきたところです。今後ともそれぞれの都立公園に求められる魅力や機能の向上に向け、公園の改修を着実に進めてまいります。
 次に、安心・快適に利用できる公園づくりについてでありますが、日比谷公園を初めとする歴史ある公園において、その基本となる設計思想を生かしながら、さまざまな世代の人々に親しまれ、より安心して快適に利用できるように公園を改修していくことは重要であります。
 例えば日比谷公園においては、入り口などの段差解消、車いす利用者や高齢者が使いやすいトイレへの改築や園路灯の改修を図るなど、安心して利用できる施設整備に努めてまいりました。また、来園者が公園の景観を楽しみながら快適にくつろげるよう、公園のシンボル的空間である大噴水や花壇の周りに思い出ベンチを設置してまいりました。
 今後とも都民の声も受けて必要な施設の改修などを行い、歴史ある公園を一層魅力あるものにしてまいります。
 次に、都道における自転車走行空間の整備についてでありますが、自転車は近距離の移動にすぐれるとともに、環境への負荷の少ない都市内の有効な交通手段の一つであり、歩行者と自転車がともに安全で快適に通行できる空間の整備は重要であります。このため、これまで多摩湖自転車道などの自転車道を整備するとともに、有効幅員が四メートル以上の広い歩道を活用して、自転車が走行する部分をカラー舗装により視覚的に分離するなど、モデル地区を定めて自転車走行空間の整備を進めているところです。
 今後も既存の広い歩道を活用した整備をモデル地区において推進するとともに、区部の環状六号線や多摩の調布保谷線など、道路の新設や拡幅に合わせて安全で快適な自転車走行空間の整備に努めてまいります。
 最後に、歩道のセミフラット形式の推進についてでありますが、都はこれまでバリアフリーの考え方に基づき、さまざまな方法で歩道の段差や勾配の改善に取り組んでまいりました。このうちセミフラット形式の歩道は、車道との高低差が少なく、すりつけ勾配が緩やかになるため、高齢者や障害者などの移動に有効な構造であり、道路の新設や拡幅工事において、現在は原則としてセミフラット形式を採用しております。
 既設の都道における車道や歩道の改修の際にも、沿道住民の理解と協力を得て、セミフラット形式を積極的に採用し、安全で快適な歩行空間の確保に取り組んでまいります。
   〔環境局長吉川和夫君登壇〕

○環境局長(吉川和夫君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず希少野生動植物のリストである、いわゆるレッドデータブックの改定についてでございますが、東京都版レッドデータブックは、平成十年に希少野生動植物の保護を図っていくことを目的に策定いたしました。前回の策定から一定の年数が経過している中、希少野生動植物の生息、生育状況も変化していると考えられますので、現在レッドデータブックの改定に向けて検討を進めております。
 次に、都民等からの情報提供の仕組みづくりについてでございますが、希少野生動植物に関する情報提供を広く都民等に呼びかけることは、レッドデータブックの精度をより高めていく上で有益だと認識しております。次回の改定に向け、文献調査、研究者等からの聞き取り調査、必要に応じた現地調査に加え、現在、都民等から希少野生動植物に関する情報提供を受ける仕組みの構築についても検討しており、これら多様な取り組みにより都内の希少野生動植物の情報把握に努めてまいります。
 最後に、自転車の利用促進についてでございますが、自転車は環境に優しく、都民に身近で便利な交通手段であることから、都はこれまで、TDM東京行動プランに基づき自転車道の整備など自転車活用対策を実施してまいりました。現在、環境審議会において、世界で最も環境負荷の少ない先進的な環境都市の実現を目指し、自動車に過度に依存しない交通行動への転換についても議論されております。こうした議論を踏まえ、自転車利用の促進が図られるよう検討するとともに、今後、自転車活用対策の進捗状況を適宜取りまとめ、都民に周知してまいります。
   〔主税局長熊野順祥君登壇〕

○主税局長(熊野順祥君) 環境税についてでございますが、東京都税制調査会の平成十九年度の中間報告は、環境問題は広域的な問題であるが、都市生活と密接な関係を有しており、エネルギーを大量に消費する東京が、税を含め、国に先駆けた取り組みを進めていく意義は大きいとしております。その上で、都独自の環境税制については、揮発油税など既存の税制との整合性、課税の公平性、税収の使途などの課題もあり、さらなる検討が必要としております。環境税につきましては、東京都税制調査会において、環境負荷を基準とした課税の仕組みや負担のあり方など、幅広い角度から引き続き積極的な検討をお願いしたいと考えております。
   〔港湾局長斉藤一美君登壇〕

○港湾局長(斉藤一美君) 臨海副都心における自転車走行空間の整備についてお答えいたします。
 自転車は環境に優しく身近な乗り物でありまして、都市の中での有効な交通手段の一つと認識しております。臨海副都心ではこれまで、まちづくり推進計画に基づきまして安全で快適な歩行者・自転車空間を確保するため、ゆとりある幅員の歩道の整備や駐輪場の設置などによりまして、自転車が利用しやすいまちづくりを行ってまいりました。
 今後、自転車利用を促進するため、さらなる自転車走行空間の確保に向けた検討を進めていくとともに、地元区や臨海副都心の進出事業者で構成されますまちづくり協議会、交通管理者などとも連携して、自転車利用のルールづくりや利用者のマナー向上などの安全対策を図ってまいります。
   〔青少年・治安対策本部長久我英一君登壇〕

○青少年・治安対策本部長(久我英一君) 自転車利用者のルール遵守等の普及啓発についてでありますが、都は、春と秋の全国交通安全運動や自転車の安全利用に関するあん・あん自転車TOKYOキャンペーン等により、自転車利用者のルールの遵守、マナーの向上に努めております。
 また、将来の交通社会を担う中学生、高校生に対する普及啓発を一層推進するため、現在、自転車交通安全教育マニュアルを作成しているところであります。
 自転車による人身事故の件数は十代から三十代の事故が全体の約半数を占めている実態も踏まえ、今後、自転車の安全利用に関するキャンペーン等の中で若者に対する意識啓発を強化してまいります。
   〔産業労働局長佐藤広君登壇〕

○産業労働局長(佐藤広君) アニメ・アーカイブ事業に関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、取り組み実績についてでありますが、本事業は、アニメの制作工程がアナログのセル画からデジタル方式に急速に移行する中で、貴重な資料や機材の散逸を防ぎ、その先人たちの知恵やわざを次代に残すことを目的としております。現在までにアニメ制作工程における絵コンテ、原画、セル画など、十四社から三万点以上の資料提供を受け、整理、保管をしております。
 次に、人材育成などへの活用についてでありますが、アニメ産業の発展には作品をつくり出す若手クリエーターの育成が重要であります。このため、収集した資料の中から利用可能なものにつきましては、著作権者と調整の上、人材育成への活用を検討しているところであります。
   〔交通局長島田健一君登壇〕

○交通局長(島田健一君) 大江戸線の停電事故に関します二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、避難誘導時間の短縮についてでございます。今回の停電事故の後、交通局では直ちに安全対策推進委員会を開催し、原因の究明と対応策の検討を行い、その内容を過日公営企業委員会に報告したところであります。
 今回の事故の際は、安全を第一とし、規程に従いましてお客様には列車前面の非常扉からはしごを使い降車していただきましたが、今後は事故の状況によりまして、複数箇所からの降車も検討し、避難誘導時間の短縮に努めてまいります。具体的には、後続列車の安全を確認後、列車後部からの降車、また、スペースが許せば、列車側面からの降車、さらにはホーム上へ複数のはしごを使った避難誘導方法等について検討してまいります。
 次に、事故時における交通局と警察、消防との連携についてであります。今回の停電事故では、警察、消防関係から多数出動いただき、避難誘導や車内で気分の悪くなったお客様の救助救急活動等を行っていただきました。交通局では日ごろから警察、消防と連携を図ってきたところでありますが、今回の事故を踏まえまして、実践的な訓練を積み重ねていくなどして、さらに連携を強めてまいります。

○副議長(石井義修君) 二番伊藤興一君。
   〔二番伊藤興一君登壇〕

○二番(伊藤興一君) 初めに、乳幼児突然死症候群、SIDSの予防について質問いたします。
 元気だった赤ちゃんが眠っている間に突然死亡してしまうSIDSは、平成七年以来、一歳未満の乳幼児の死亡原因の第三位であり、昨年一年間で百九十四人が亡くなっています。また、都においては、事故、中毒、窒息といった外的要因を除き、一歳未満の乳幼児がSIDSなどの心肺停止状態で救急搬送された件数が過去五年間で二百七十一件に及んでいます。家族を深い悲嘆に突き落とすSIDSや子どもの突然の事故、病気については、その予防対策に全力を注がなければなりません。
 厚生労働省の通知を受けて、都は、SIDSを原因不明の病気とした上で、発症の危険性を低減するため、仰向け寝、母乳育児、喫煙防止の三点について母子健康手帳を通して、注意を呼びかけています。
 一方、アメリカ国立小児学会は、睡眠時の厚着や毛布のかけ過ぎを避け、室温を上げ過ぎないようにすべきと、昨年からその危険因子を追加して警鐘を鳴らし始めています。
 こうした状況を踏まえ、都はSIDSを含めた原因不明の乳幼児の突発的な事故、病気について今まで以上に踏み込んだ対策を講じ、かけがえのない幼い命を守るべきであります。都は、昨年度、私が提案した東京都版幼児視界体験眼鏡を作成して都民に配布し、今年度は同じく提案した子どもの事故予防対策を事業化して、日常生活での危険を体験できるシミュレーションソフトが全国で初めて作成されます。
 そこで、SIDSの予防についてもこのソフトの中に取り入れるべきと考えます。このソフトの概要とともに、所見を伺います。
 次に、子育て支援について質問いたします。
 公明党が昨日の代表質問でも取り上げた児童虐待の背景には、子育て家庭の孤立化という問題が潜在しています。特に在宅子育て家庭にとって子育ての負担感が大きいという調査結果や、地域との積極的なかかわりを好まない子育て家庭が多くあることなどに着目し、都は孤立化や虐待を起こさせない社会基盤を整備すべきであります。
 そこで、大事なことは、日常の中で心強い相談相手となる親や親戚、地域の方々のみならず、保育園などの施設も含め、だれもが身近なところに子育てのパートナーを持つことであります。そのために、例えば、母子健康手帳とともにマイパートナーカードやパートナーガイドを作成、配布するなど、すべての子育て家庭を対象とした支援施策をモデル的に実施、検証し、孤立化防止を着実に推進していくべきと考えます。見解を伺います。
 次に、高齢者を支える介護保険制度について伺います。
 今後、高齢者の人口は急激に伸び、平成十七年を基準とした二十年後には、全国平均で約二十三万人の増に対し、東京都は五倍の約百十三万人の増が予測されています。そうした中、高齢者を支える介護保険制度は一層重要性を増すことから、高齢者が安心して利用できる介護制度を確立していくことが重要であります。
 介護サービスは、いうまでもなく、介護事業を行う事業者と現場で働くヘルパーなどの従業員が最前線で制度の土台を担っています。許しがたい悪質事業者は介護保険制度から退場させなければなりませんが、多くの事業者は誠実に、そして従業員の方々は一生懸命に、誠意を持って利用者の介護に当たっているのが現実です。
 しかし、平成十二年に介護保険制度がスタートして以来、制度の見直しや介護報酬の改定がたびたび行われ、一人の高齢者の介護メニューを一つ実施するためにも、場合によっては数十枚の書類を作成しなければならず、報酬も実態に合っていないなど、介護の現場は極めて厳しい対応に追われています。また、介護従事者が八千人も減少しているという現実もあります。こうした事態が続けば、介護事業者や従事者の存続が危ういという事態になることは目に見えております。
 都は、事業者に対して、法令遵守など適正な事業運営を求める立場にあります。しかし、一方的に求めるだけでなく、介護現場の実情や抱える問題など、まさに事業者や従事者といった現場の人たちの声を、さまざまな機会をとらえて直接聞いていくべきであります。所見を伺います。
 以上、少子高齢分野に絞って伺いましたが、生まれてくる子どもを社会全体で守り、また、高齢者を支える介護事業者や従業員が抱える課題にも目を向けていくことが大切であります。
 そこで、福祉分野の最後に、今後の東京の福祉の最大の課題となる少子高齢社会対策について、知事の所見を伺います。
 次に、特別支援学校について質問します。
 第三回定例本会議の代表質問において、都議会公明党は、初めて特別支援学校における放課後の居場所づくりについて取り上げました。教育長からは、実現可能な仕組みを具体的に検討していくとの答弁があり、多くの保護者から喜びの声が寄せられております。
 先日公表された東京都特別支援教育推進計画第二次実施計画では、新規施策として、都立特別支援学校における児童生徒等の放課後の居場所づくりについて、外部の教育力を生かした仕組みづくりを検討していくとしています。放課後の居場所づくりについては、障害の種別や家庭の事情などさまざまな課題がありますが、制度のはざまで対策がおくれていた子どもたちや保護者にとって、選択肢が広がるということは画期的であります。
 そこで、都教育委員会は、特別支援学校における障害児の放課後の居場所づくりに向け、来年度から早速モデル事業を開始すべきであります。見解を伺います。
 一方、公明党が提唱し、今年度創設された放課後子ども教室は、地域のすべての小学生を対象とするものですが、受け入れ規模は実施主体である区市町村の判断によるため、現状では特別支援学校の児童の受け入れはほとんど進んでおりません。特別支援教育の理念からも、居住する地域においても子どもたちが放課後子ども教室に参加できるよう、都としても受け入れの促進を図るべきと考えます。所見を伺います。
 次に、公共交通の利便性の向上について質問いたします。
 「十年後の東京」では、交通インフラのゆとりを生かし、快適で環境に負荷をかけない都市生活を実現するとしています。その実現のためには、発達した東京の交通機能を最大限に活用して、公共交通の利便性をさらに高め、利用促進を図っていくことが重要であります。
 首都圏では、ことしの三月からICカード乗車券PASMOが導入され、ほとんどの鉄道とバスが一枚のカードで利用できるようになり、現在では、Suicaと合わせて二千九百万枚も普及しております。一枚のICカードは、交通のみならず、電子マネーなどさまざまな情報・利便拡充の可能性があります。こうしたICカードをさらに活用するなど、サービスの充実により公共交通の質の向上を図っていくことが重要であると考えます。所見を伺います。
 都営交通では、PASMOの導入に伴い、電子マネー機能を生かして花粉症対策に活用しております。こうした取り組みをさらに発展させ、ICカードを利用したサービスとして、都の施策と都民のニーズを合致させた利点をICカード乗車券に付加し、都営交通の利用を促進していくべきです。
 東急電鉄や小田急電鉄では、PASMOを利用して、子どもが改札機を通ると、その情報を保護者等に伝えるサービスを行っておりますが、都営交通においても、こうしたサービスを、子どもだけでなく、ストーカー被害が心配される女性や高齢者、障害者の見守りシステムの一環としてサービスの拡充を検討すべきであります。見解を伺います。
 次に、小笠原振興について伺います。
 私は、去る十月、都議会公明党調査団の一員として、小笠原諸島振興開発計画の進捗状況の確認を行い、世界自然遺産登録のほか、村民の目線から諸課題について現地調査をしてまいりました。
 世界自然遺産に向けては、小笠原の自然が恒久的に保全されていくような取り組みの強化が大切であると痛感いたしました。何より外来種対策が喫緊の課題ですが、特定の外来種根絶までには相当の年数がかかるため、対策は世界自然遺産登録後も視野に入れ、実効性を高めていく必要があります。また、村民や島を訪れる人が遺産について理解を深め、自然を守っていこうという意識の向上も図っていくべきであります。あわせて所見を伺います。
 都は、ことし六月、二十五年ぶりに南硫黄島の調査を行いました。都は、ここで得られた成果を小笠原の自然価値の証明だけに活用するのではなく、ありのままの自然の姿を子どもたちや多くの都民にも積極的に伝え、発信していくべきであります。所見を伺います。
 次に、小笠原村の情報通信について伺います。
 現在、村の各家庭に光ケーブルが配備され、村の情報ネットワークが推進されております。しかし、肝心な内地との通信体系は、インターネット、テレビ放送ともに依然として衛星に頼っております。
 インターネットにおいては、速度が遅く、時間がかかり、通信料も高額となっています。村民との懇談の中で、ある教員からは、授業の中で情報を活用するための資料を生徒とともに検索するが、時間がかかり、検索だけで授業時間が終わってしまったという事例や、島内でだれかが大容量の通信を行うと、他の通信が非常に遅くなってしまうといった問題点が出されました。また、テレビ放送については、二〇一一年のデジタル化に向け、整備が間に合うのか非常に心配です。こうした情報通信の課題を一刻も早く解決するためにも、海底ケーブルの設置など、具体的な整備に都と国が全力を尽くすべきであります。見解を伺います。
 また、父島に唯一の扇浦浄水場は、かなり老朽化しており、さらに海面に近い位置にあり、津波などによる水没の危険が指摘をされております。二千人の島民と来島者などの生命の源となる安全な飲料水の確保について、都は着実な支援を行うべきであります。所見を伺います。
 次に、島しょ振興に関連して、三宅島のモーターサイクルイベントについて伺います。
 このイベントには、都議会公明党からも三名が三宅島に行きましたが、エキサイティングな走行や、声援を送る島民の姿に大きな感動を覚えたとのことでした。このイベントは初めての試みでありましたが、事故もなく、十分に成功したといえます。島の復興の観点から、今回の具体的成果について所見を伺います。
 復興の起爆剤にとの趣旨からすれば、今後も継続して実施し、島の名物として定着を図る必要があります。例えば、子どもたちが参加できる内容を新たに盛り込むことや、よりショーアップする工夫などにより、イベントの魅力はさらに増すと思います。継続実施に向け、都は、企画内容を含めて島の取り組みを積極的に支援すべきであります。所見を伺い、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 伊藤興一議員の一般質問にお答えいたします。
 少子高齢化対策についてでありますが、人口減少時代がもう現実のものとなりまして、人口の右肩上がりを前提とした我が国の社会システムというものを、新しい時代に見合ったものへと変革していかなきゃならない時期に差しかかってまいりました。これはもう焦眉の問題だと思います。
 都はいち早く、サービスの利用者を重視した福祉や医療の改革を進めてまいりましたし、民間、地域、行政それぞれの力を最大限に生かした効率的、効果的な施策を展開してきたつもりでございます。
 今後、将来を担う子どもたちが健やかに育ち、高齢者も安心して暮らせる社会の実現に向けて、大都市東京にふさわしい福祉・保健・医療サービスをさらにきめ細かく充実し、確かな安心を次の世代に引き継いでいきたいと思っております。
 他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。
   〔教育長中村正彦君登壇〕

○教育長(中村正彦君) 二点についてお答え申し上げます。
 まず、放課後の居場所づくりの実施に向けた検討についてであります。
 お話のとおり、都立特別支援学校における放課後の居場所づくりを含め、外部の教育資源を活用した特別支援学校を支援する仕組みづくりを第二次実施計画で新規に打ち出したところであります。
 児童生徒等の自立と社会参加を促進するに当たっては、教員だけでは限界がありまして、学校を利用した放課後の居場所づくりや、土曜日、日曜日、長期休業中の余暇活動など、さまざまな場面を通じて幅広い社会の多様な人々の支援を受け、交流や連携を進めることが重要であります。
 これらの事業につきましては、早急にモデル事業を実施し、その成果を踏まえ、都立特別支援学校が地域の理解と協力を得ながら定着していくことを目指してまいります。
 次に、地域の放課後子ども教室での受け入れ促進についてであります。
 都教育委員会では、平成十九年度においても、東京都放課後子ども教室推進委員会を活用いたしまして、障害児の受け入れに関する課題検討を行うとともに、放課後子ども教室を支えるコーディネーターや安全管理員等を対象に、障害児理解をテーマとした研修を実施してきたところでございます。今後も、引き続きこうした取り組みを充実させるとともに、各区市町村の障害児の受け入れの先進的な取り組み事例などを紹介するなど、情報提供を拡充してまいります。
 さらに、国に対しても、放課後子ども教室の制度趣旨の徹底を図るとともに、障害児の受け入れ促進につながるバリアフリー化や介護への補助等の条件整備を行うよう、強く要望してまいります。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) 少子高齢化問題など四点についてお答えをいたします。
 まず、子どもの事故予防のためのシミュレーションソフトについてでございますが、このソフトは、子どもの目線の疑似体験などを通じて、保護者が身近な日常生活で起こり得る子どものさまざまな事故の予防策をわかりやすく学べる内容で、来年一月に完成する予定であります。完成後は、子育て中の親が地域でソフトを利用できるよう、区市町村における事故予防教室の開催や、事故予防コーナーの設置などの取り組みを支援し、普及啓発に努めてまいります。
 乳幼児突然死症候群、いわゆるSIDSの予防策につきましてもソフトの中に取り入れ、保護者の注意を喚起してまいります。
 次に、子育て家庭の孤立化防止についてであります。
 核家族化や近隣関係の希薄化が進む中、子育て家庭の地域での孤立化を防ぐためには、身近で相談できるパートナーを持つことが有効であります。このため、都は、あらかじめ登録を行った子育て家庭が、民間保育所で育児相談、保育所体験などのサービスを受けるパートナー保育登録制度を創設いたしました。
 また、ご提案の子育てのパートナーを明示するカードや、パートナーの手引書の作成などについて、地域の実情に応じて自主的に取り組む区市町村を支援するとともに、こうした先駆的な取り組みについて周知を図ってまいります。
 今後とも、都は、子育て家庭の孤立化の防止に向け、実効性のある施策を着実に推進してまいります。
 次に、介護サービス現場からの意見の把握についてでありますが、都はこれまでも、介護サービス事業者の団体からの提言や要望、また、区市町村が実施をしている事業者連絡会での情報などを含め、介護サービス現場の現状把握に努めてまいりました。
 さらに、平成十八年の介護保険法の改正により、事業所の指定更新制度が導入されましたことから、都は今月から、更新対象事業所の管理者等を対象とした研修会を順次開催することとしており、この機会を活用し、ご指摘の事業者の意見や現状を把握するためのアンケートを実施いたします。これらにより得られた意見等を、介護保険制度の円滑な運営や、国への提案要求の際の参考としてまいります。
 最後に、父島における安全な飲料水の確保についてであります。
 父島におきましては、小笠原村が経営する簡易水道事業により飲料水を確保しており、都はこれまでも、村の水道施設の整備への財政的、技術的支援を行ってまいりました。また、現在、村に対しまして、安全な水の供給確保など、水道事業の目指すべき将来像と具体的な方策や工程を示す長期計画であります地域水道ビジョンを平成二十年度までに策定するよう指導しております。
 今後とも、小笠原村が安全な飲料水を提供できるよう、この地域水道ビジョンに基づき実施をする老朽化した浄水場の施設整備等に対しまして、必要な支援を行ってまいります。
   〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕

○都市整備局長(只腰憲久君) 公共交通の質の向上についてでございます。
 公共交通は、都民の日常生活や経済活動にとって大変重要な都市インフラでございます。都はこれまでも、交通事業者とともに、駅施設のバリアフリー化や地下鉄の駅ナンバリング導入など、利便性の向上に努めてまいりました。
 お話のICカード乗車券でございますが、首都圏のほぼすべての公共交通機関で利用できるなど、利便性の高さから広く普及しておりまして、その多様な活用の可能性につきまして、国や鉄道事業者などと情報の交換をしていくことが有益であると考えております。
 今後とも、ハード、ソフト両面にわたる総合的な観点から、東京における公共交通の質の向上を推進してまいります。
   〔交通局長島田健一君登壇〕

○交通局長(島田健一君) PASMOなどのICカード乗車券を利用したサービスについてお答えいたします。
 交通局ではこれまでも、ICカード乗車券について、都の行政施策に活用できるものにつきましては、検討の上、その実現を図ってまいりました。具体的には、都立施設の入園料の支払いや都営地下鉄駅構内の店舗等での買い物にICカード乗車券を利用していただきますと、その料金の一部が花粉の少ない森づくり運動に寄附される取り組みであります。このように、行政施策と連携が可能なものにつきましては、引き続き協力してまいります。
 ご指摘の東急電鉄等のサービスにつきましては、今後の利用状況や費用対効果等を把握するなど、総合的に勘案し、検討してまいります。
   〔環境局長吉川和夫君登壇〕

○環境局長(吉川和夫君) 小笠原諸島の自然に関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、世界自然遺産についてでございますが、小笠原諸島の自然を遺産として登録し、登録後も適正に保全していくためには、これまで以上に実効性の高い外来種対策の実施と、地元住民などの自然遺産への理解と協力を深めることが不可欠であると認識しております。
 外来種対策につきましては、現在の種ごとの対策に加え、新たに、環境省、林野庁、小笠原村と共同して、島ごとに重点的に取り組む内容を取りまとめ、きめ細かに連携をとりながら実施してまいります。
 また、地元住民や来島者の意識を高めていくため、今年度、遺産としての価値を解説したパンフレットを作成し、村の全世帯や客船の乗客などに配布して普及啓発に努めておりますが、来年は小笠原返還四十周年に当たることから、この機をとらえ、小笠原村と連携し、さらなる普及啓発に努めてまいります。
 次に、南硫黄島自然環境調査結果の活用についてでございますが、独自の進化を遂げている新種のカタツムリが生息するなど、世界でも類を見ない南硫黄島の自然環境は、世界自然遺産に値するだけでなく、人間の影響を受けていない生態系の姿などを学ぶことのできる貴重な自然教材であると認識しております。
 現在、手つかずの自然の様子をホームページで公開するとともに、各種イベントでも紹介しておりますが、今後、詳細分析した内容も加え、その生態系のすばらしさなどについて、次世代を担う子どもたちを初め多くの都民の理解が深まるよう、調査隊員の体験談や動画を活用するなど、より一層工夫して情報発信してまいります。
   〔総務局長押元洋君登壇〕

○総務局長(押元洋君) 島しょ振興に関する三点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、小笠原における情報通信体系の整備についてでございます。
 地理的条件、経済性などから、本土と小笠原間のブロードバンド化が進んでいない状況にありまして、都といたしましては、小笠原の情報格差の解消を重要な課題と認識しております。この問題につきましては、国の検討会が、小笠原の情報通信環境の整備に関して基礎資料を取りまとめたところでございまして、今後は関係機関の間で具体的な調整を図ってまいります。
 次に、小笠原村のテレビ放送につきましては、平成八年四月から通信衛星を利用した地上波放送の視聴が可能となっておりますが、ご指摘のとおり、平成二十三年の七月に予定をされております地上波デジタル化への完全移行に伴い、現行の設備では視聴することができなくなります。
 このため、本年四月に、国、都、小笠原村、放送事業者等関係者から成る専門部会を設置いたしまして、今後のあり方について協議を開始したところでございます。現在、技術的課題などの調査を行っておりまして、平成二十三年の完全移行に向け、伝送方法、事業主体、運営方法などにつきまして、関係者間で具体的な検討を進めているところでございます。
 次に、三宅島モーターサイクルフェスティバルの成果についてでございます。
 イベント期間中は、関係者を含め一千人近くの方が島を訪れました。オープニングパレードでは約千六百人もの島の方が沿道で声援を送るなど、参加者との親密な交流が繰り広げられまして、最終日には島民の熱烈な見送りが桟橋で行われるなど、大きな盛り上がりを見せたところでございます。
 このイベントの成果といたしまして、三宅村では、かつてない大規模なイベントを成功させたことが島民に強い自信となったこと、また、島の復興ぶりと観光地としての魅力を広く全国にアピールすることができたことなどを挙げております。東京都といたしましても、今後、多くの観光客を呼び込み、島を活性化させる大きな足がかりになったものと考えております。
 最後に、三宅島モーターサイクルフェスティバルに対する支援についてでございます。
 今回イベントに参加した方々からは、ぜひ来年も開催してほしい、三宅島へまた来たいという声が相次いでおりました。また、島民の間でも、継続して実施することへの期待が高まっております。三宅島では、今回の成果を踏まえ、来年はさらに、島の内外を問わず、子どもたちを含めた幅広い年齢の方々が楽しめるようなイベントとなりますよう、次回の企画を検討すると聞いております。
 都といたしましても、観光振興に大きく貢献する三宅島ならではのイベントとして定着をするように、こうした取り組みを引き続き積極的に支援してまいります。

○副議長(石井義修君) この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後五時二十九分休憩

   午後五時四十一分開議

○議長(比留間敏夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 四十四番串田克巳君。
   〔四十四番串田克巳君登壇〕

○四十四番(串田克巳君) 昨日の我が党の代表質問では、今後の人事執行体制のあり方について質問いたしましたが、人材の確保と育成について伺います。
 昨今の報道では、新規採用確保のための求人では、多くの企業が採用予定数を伸ばすなど、就職氷河期は終わり、求人難の時代に入ったといわれています。民間企業の中には、就職内定者に来年の求人活動の応援を呼びかけ、少しでも早く優秀な人材を確保しようという活動がなされているとのことです。
 都においても、団塊の世代の大量退職期を迎え、高度成長期を支えてきたベテラン職員が一気に職場を去る時期になりました。一方で、都はこの間、財政再建推進のため、組織のスリム化を目指し、職員採用を極力抑制する方策を進めてきました。国でも、官民一体となった構造改革によって公務員を減らし、小さな政府の実現が目標となっています。
 しかし、行政に寄せられる住民ニーズは多様化、高度化し、また複雑化しています。またさらには、行政改革などによって行政事務の民間への移譲が進んでいますが、構造設計偽装事件やコムスン問題などが発生し、行政庁による監視の強化が必要とされています。つまり、公務員には行政事務の受け皿となる民間を指導育成する能力も求められているのであります。また、東京は我が国の首都であり、大都市でもあることから、他の自治体とは異なるさまざまな行政課題を抱えており、都職員はこうした課題にも取り組まなければなりません。
 このように、公務員、とりわけ都の職員には、高い能力や職務に対する使命感といったものが求められる事例は幾つでもあると思いますが、さまざまな課題に果敢に挑む副知事を含めた都職員に求められる資質について、知事のお考えを伺います。
 都の職員採用については、毎年、全国自治体の中でもトップクラスの応募倍率であったと聞いておりますが、先ほども申し上げましたように、民間でも求人難が懸念される中で、優秀な人材の確保について都としてどのような対策をお持ちか、伺います。
 年金保険料の横領や官製談合事件など、公務員による不祥事も問題となっていますが、私は、都議会議員としての活動の中で、現場から本庁まで、まじめに骨身を惜しまず働く多くの職員の姿を見てきましたから、一部の不心得な人間の行動が許せない思いでいっぱいです。しかし、公金を扱う以上、一部であってもこのようなことが起こってはならないのも公務員であります。採用の段階で間違いのない人材を選ぶことも重要ですが、採用後の職員の資質の向上策も必要だと思います。
 また、地球温暖化への対応や観光、技術交流など、外国諸都市との都市間交流がますます重要となる中、職員の国際感覚を養うことも急務であります。都の人材育成の方策について伺います。
 次に、多摩地域の豪雨対策について伺います。
 最近、都内では、ヒートアイランドによる影響が一因ともいわれている集中豪雨がたびたび発生しており、くぼ地などの水はけの悪い場所や改修が進んでいない河川の付近などを中心に床上浸水等被害が生じています。また、ことしは七月の集中豪雨や九月の台風九号などにより、多摩地域でも浸水被害が発生しました。
 このような浸水被害は、区部、多摩地域を問わず、どこにでも同じように発生する危険性があり、多摩地域における対策についても区部同様重要であると考えます。
 東京都では、ことし八月に東京都豪雨対策基本方針を発表し、河川や下水道の整備はもとより、浸透ますの設置などの流域対策や水害に強いまちづくり、家づくりなど、ハードとソフトの両面から施策を推進しています。
 これらの施策を効果的、効率的に実現していくために、対策促進エリアが選定されていますが、この対策促進エリアの多くが区部にあることも事実です。河川流域としては野川流域などを含む七流域が選定されていますが、その選定理由について伺います。
 次に、豪雨対策を効果的に進めるに当たっては、河川や下水道に入る前に雨水の流出を抑制する雨水浸透ますなどの流域対策を進めていくことが大切です。この点、東京都豪雨対策基本方針では、豪雨による浸水被害が頻発している流域を対象に、区市が行っている個人住宅への浸透ます設置に対し助成額の一部を補助していくとしています。
 雨水浸透ますの設置については、以前に、我が党の遠藤議員が、野川流域の総合的な治水対策の雨水流出抑制施設の設置に関する今後の取り組みについての質問に対し、都庁内及び地元区市などと連携し、この取り組みを進めていくための連絡会を設置して検討を行うとの答弁がありました。
 そこで、この連絡会や多摩地域の関係市との検討を踏まえ、浸水被害が多い野川流域など流域対策に今後どのように取り組もうと考えているのか、具体的な内容について伺います。
 次に、豪雨対策においてその根幹となる河川整備ですが、平成十七年九月の集中豪雨では、中野区や杉並区など区部を中心に浸水被害が発生し、特に被害の多かった妙正寺川や善福寺川については、現在、河川激甚災害対策特別緊急事業が実施されています。多摩地域においても、近年、河川からの溢水による浸水被害が発生しており、区部同様、より一層の河川整備を進めていく必要があると考えます。
 そこで、多摩地域の河川整備の状況と今後の方針について伺います。
 多摩地域には四百十万の都民が居住しており、東京の産業や都市活動の重要な部分を担っています。豪雨等による浸水被害から都民の生命や財産を守り、これからも安心して住み続けられるよう、多摩地域においても今後とも豪雨対策を積極的に進めてもらいたいと考えます。
 次に、圏央道について伺います。
 圏央道については、本年六月に、あきる野インターチェンジから八王子ジャンクションまでの間が開通し、中央道と関越道がつながりました。このことにより、都内や近県からのアクセスが大幅に向上しました。この開通により、日の出町では企業進出により約二千人の雇用が増加するなど、地域や産業の活性化に大きな整備効果を上げています。
 しかしながら、圏央道の料金は他の高速道路に比べて割高であり、利用しにくいという声が、地元からも物流業者からも上がっています。六月の開通直前には、八王子市長が高い料金に抗議し、開通プレイベントをボイコットする出来事もありました。
 圏央道の利用促進に向け、八月から、国は料金割引の社会実験を実施しておりますが、この社会実験の成果が出ているか、また、都はそれに対してどのように評価しているのか伺います。
 せっかく整備した圏央道が有効活用されなければ、意味がありません。今回の社会実験の成果を踏まえ、圏央道をもっと使ってもらえるような料金体系を考えるべきと思いますが、都の所見を伺います。
 使いやすく、より機能的な首都の高速道路ネットワークをつくる上では、利用しやすい料金体系とすることはもちろんですが、東京方面へのハーフインターとなっている圏央道八王子西インターについて、埼玉県方面へもアクセスできるようフルインター化することが必要であります。
 地元市でもアクセス道路の整備に着手するなど、物流拠点の整備を目指して着々と準備を進めています。また、八王子西インターにおける埼玉県方面の交通需要は、計画当初よりも高まっています。圏央道八王子西インターのフルインター化実現に向けて、早期に着手することを強く要望し、次の質問に移ります。
 水道事業について伺います。
 今月の初めの新聞各紙に学校フレッシュ水道のことが掲載されているのを目にしました。学校フレッシュ水道とは、我が党がかねてから実施を促してきた公立小学校の水飲栓を直結給水化するモデル事業のことであります。記事によりますと、モデル事業を実施した小学校では、教員の水道水に対する満足度が大幅に上昇するとともに、水道水を飲む児童も増加したとのことです。東京の水道水のおいしさが着実に広まっていることを大変うれしく思います。
 そこで、モデル事業の現在までの実施状況と今後の見通しについて伺います。
 次に、水を供給する段階での新たな取り組みについて伺います。
 水道局はこれまで、高度浄水処理の導入を初めとしたおいしい水対策を推進してきました。平成二十五年度末までには利根川水系の全浄水場において、高度処理できるようになるとのことであり、都民も私も心待ちにしております。
 一方、安全でおいしい水を安定的に供給するためには、水を送り出すためのポンプ運転などで膨大なエネルギーを必要としています。水道局では、これまでも環境計画などを策定し、環境負荷低減への取り組みを進めていますが、それでもなお、都内の電力使用量の約一%を使用しています。
 水道施設をつぶさに見ますと、浄水場などにおいては、エネルギー使用量の抑制に向けたさまざまな対策が見られますが、給水所や約二万六千キロに及ぶ配水管に着目した取り組みには、まだ余地があるように感じます。こうした意味で、配水施設における残留塩素の低減化に取り組み始めたことは、大いに評価します。
 そこで、おいしい水対策に、よりエネルギー負荷の少ない方策を加えた新たな水供給の仕組みを構築すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、交通局が取り組んでいる観光客の誘致を促進するための新たな路線バスについて伺います。
 都では、観光を有力な産業としてとらえ、各種施策を実施しているところですが、今後は、東京オリンピックの誘致の観点からも、国内外へ東京の魅力を発信し、これまで以上に旅行者誘致に取り組んでいくことが必要であると考えます。
 東京は、いうまでもなく、江戸以来の独自の文化や豊かな食などの多様な魅力が集積されるなど、観光面でのポテンシャルが高いと思われます。このポテンシャルを生かす取り組みが求められているのではないでしょうか。
 本年二月の予算特別委員会において、我が党の質問に対し、交通局長から、これまでの都営バスは主に通勤や通学など都民の身近な足として役割を果たしてきたが、今後は観光客の誘致や利用を促進する新たな路線バスを導入する必要があるとの答弁がありました。
 新たな路線バスについては、観光客の誘致に貢献できるとともに、地元振興にも寄与する重要な取り組みであると考えます。
 この新たな路線バスについての取り組み状況についてお伺いし、私の質問を終わります。
 どうもありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 串田克巳議員の一般質問にお答えいたします。
 都職員に求められる資質についてでありますが、東京は世界を代表する成熟を遂げた大都市であり、日本の頭脳部、心臓部でもあります。今後の東京の発展が日本の命運そのものを左右するといっても過言ではないと思います。
 都職員は、このような首都東京の現場をじかに行政を通じて扱う、いわばプロ中のプロでなくてはならず、また、日本の未来を切り開くフロントランナーでなくてはなりません。その立場は、国にも他の自治体にもない首都公務員というべきものでありまして、それゆえに都職員は、日本全体を牽引していく自負や、既存の枠組みに縛られない大胆かつスピーディーな行動力、発想力、そして現場を持つ強みを生かして、独自の政策を企画、実行する能力などが強く求められると思います。
 同時に、地方政府のリーダーとして、国に対してもはっきり物をいうことも必要であります。
 都はこれまでも、国の硬直した、いわゆるキャリア制度とは異なる独自の能力業績主義制度によりまして優秀な職員を育成し、公会計制度の構築など、全国に先駆けた数々の取り組みを行ってきております。
 今後も、オリンピックの招致など、直面する重要な課題に職員一人一人が積極的に取り組み、ラインをまたいで積極的に取り組み、首都公務員としての資質にさらなる磨きをかけるとともに、夕張市への職員派遣を初めとしまして、他の地方自治体への人的協力などにも一層力を入れていきたいと思っております。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔総務局長押元洋君登壇〕

○総務局長(押元洋君) 人材確保に関する二点のご質問にお答えを申し上げます。
 まず、人材確保についての対策でございますが、ご指摘のように人材獲得競争が激しさを増す中で、意欲と能力のある人材を確保するには、より幅広く希望者を募り、有為な人材を選抜していくことが不可欠でございます。
 このため、都では、今年度の採用試験から、大学院卒など公務に有用な経験を有する者を対象とした新たな試験区分の設定や、高い専門性を有する人材を確保するための試験を実施するなど、さまざまな取り組みを進めてまいりました。
 さらに今後は、都への就職希望者そのものをふやすことにも力を入れていく必要がございます。このため、ホームページや車内広告等のさまざまな媒体による情報の発信やインターンシップ制度の充実、大学への働きかけの強化など、都職員の魅力を伝えるための取り組みをこれまで以上に積極的に展開してまいります。
 次に、都の人材育成の方策についてでございますが、都は現在、昨年策定した東京都職員人材育成基本方針に基づきまして、人材育成を基軸に据えた人事管理を積極的に推進しているところでございます。
 具体的には、職員一人一人の意欲を引き出し、強みをはぐくむ配置管理を推し進めるとともに、OJTの徹底や自己啓発支援の強化、さらには研修の一層の充実などに取り組んでおります。
 また、オリンピック招致活動に代表されるように、高度な国際関係業務が増加をしておりますことから、今年度から、職務遂行力が高い職員を選抜し、語学力強化の研修を開始いたしました。
 さらに、今後は、首都公務員として必要な高度な語学力と国際感覚を養うため、海外に職員を派遣することなども検討してまいります。
   〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕

○都市整備局長(只腰憲久君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、豪雨対策促進エリアの選定理由についてでございますが、本年八月に策定した東京都豪雨対策基本方針では、効果的、効率的な豪雨対策を実現するため、都内全域を対象にしまして、浸水被害や降雨特性を踏まえ、河川流域や地下街などの地域単位で対策促進エリアを選定してございます。
 河川流域といたしましては、流域の特性や土地利用の状況などを踏まえまして、集中豪雨による被害が多い七流域を選定しておりまして、このうち多摩地域では、野川流域や石神井川流域などが含まれております。
 次に、流域対策の今後の取り組みについてでございますが、豪雨対策基本方針では、野川流域などの七流域におきまして流域対策を重点的に行うことによりまして、時間五ミリ相当の降雨に対する流出抑制効果を発揮させることとしております。
 これまでも都は、一定の条件を満たす開発行為に対しまして、区市と連携しながら、貯留槽や浸透ますなどの設置につきまして必要な指導を実施してまいりました。
 新たに今年度からは、浸水被害が頻発している地域を対象にしまして、個人住宅への浸透ます設置費用の一部を区市に対して助成をしております。
 さらに、七流域ごとに、総合治水対策協議会などを活用しまして、流域の特性に合わせたきめ細かな対策を進めていくため、豪雨対策計画を策定してまいります。
 次に、圏央道の料金割引社会実験についてでございます。
 圏央道では、高速道路網のさらなる有効活用に向け、料金引き下げによる交通量の変化を把握することを目的としまして、八月から、関越道、中央道間を全線利用する場合と中央道と連続利用する場合の二つにつきまして、料金割引社会実験が実施されております。
 十一月に国が発表しました速報によりますと、実験前と比較しまして、全線の利用交通が一六%、中央道との連続利用につきましては一三%、それぞれ増加をいたしております。
 都といたしましては、今回の社会実験の成果から、こうした料金施策が高速道路網の利用促進に大きく寄与するものと評価してございます。
 最後になりますが、料金体系についてでございます。
 本年七月、一都三県が共同いたしまして、環状道路の利用促進など首都圏の高速道路網を最大限利活用する料金政策につきまして、国策として実施するよう提言を行いました。
 十一月に国土交通省が発表いたしました道路の中期計画素案におきましては、利用しやすい高速道路の料金体系の構築が盛り込まれたところでございます。
 一方、都県の提言に盛り込まれました料金施策を実現するためには、原資となります安定した道路特定財源の確保が不可欠でございます。
 都といたしましては、引き続き、財源の確保とともに、圏央道を初め首都圏の高速道路につきまして利用しやすい料金体系とすることを国に強く求めてまいります。
   〔建設局長道家孝行君登壇〕

○建設局長(道家孝行君) 多摩地域の河川の整備状況と今後の方針についてでありますが、水害から都民の命と暮らしを守るため、多摩地域においても区部と同様に、河川整備を進めていくことは重要でございます。
 これまで、護岸や調節池などの整備を鋭意進めてきた結果、五〇ミリ降雨に対する治水安全度は平成十八年度末で七四%になっております。
 引き続き、空堀川や野川など過去に溢水による被害が発生した河川や、鶴見川や湯殿川など流域の開発等により大規模な浸水被害が発生するおそれがある河川の整備を重点的に進めて、水害の早期解消に努めてまいります。
 整備に当たっては、治水機能を向上させ、安全を確保した上で、地域の自然に配慮し、緩やかな傾斜の護岸など水辺に近づける工夫をするとともに、水辺の生き物にも優しい多自然川づくりを進めてまいります。
 今後とも、地元自治体の協力や住民の参加を得て、安全で潤いのある川づくりに取り組んでまいります。
   〔水道局長東岡創示君登壇〕

○水道局長(東岡創示君) 公立小学校の水飲栓直結給水化モデル事業についてでありますが、各区市町と協議を重ねてきた結果、夏休み期間を中心に二十五校において直結給水化を完了し、年度末までには三十一校が実施される予定となっております。
 実施校におきましては、教職員の立場から、水道水に満足しているとの回答が三割から六割へ増加し、学校の水道水を飲むと答えた児童も八割を超えるなど、大きな効果があったものと考えております。
 来年度末までに、全体の約三割に相当する四百校を対象として実施していく予定でございますが、モデル事業の効果につきまして、さまざまな広報によりPRに努めるとともに、引き続き、区市町と調整を重ねてまいります。
 次に、新たな水供給システムの構築についてでありますが、これまで、高度浄水処理の導入などおいしい水対策に取り組んできた結果、東京は、世界でも数少ない高いレベルの安全でおいしい水を供給しております。
 今後、このレベルを高め、さらにおいしい水を供給するため、残留塩素の低減化に向けて、送配水段階での追加塩素注入設備を整備してまいります。
 さらに、送配水施設のエネルギー管理に着目して、水道施設全体のエネルギーの使用状況を瞬時に把握し、送配水経路の最適化を図るなど、従来の水量、水圧をコントロールする水運用システムに、高い次元でのエネルギー対策を加えた水供給を目指してまいります。
 従来の水運用に、こうしたおいしさとエネルギー管理の視点を融合させた水供給段階での取り組みについて、新しい東京モデルの水供給システムとして構築してまいります。
   〔交通局長島田健一君登壇〕

○交通局長(島田健一君) 観光客などの誘致を促進するための新たな観光路線バスの取り組み状況についてお答えをいたします。
 この路線バスは、東京にある観光スポットを点から線へと結びつけ、東京の魅力を満喫できるよう導入するものであり、下町ルートと都心ルートを予定しております。このうち下町ルートにつきましては先行して実施することとし、外部有識者の意見を踏まえ、東京駅から秋葉原、上野、浅草などを経由して、両国までの経路としております。
 また、車両につきましても、首都大学東京との連携によりまして、観光路線バスと一目でわかる斬新なデザインといたします。
 今後、この下町ルートにつきましては、平成二十年度早期の運行開始に向けて取り組んでまいります。

○議長(比留間敏夫君) 九十七番初鹿明博君。
   〔九十七番初鹿明博君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○九十七番(初鹿明博君) まず、子育て支援について伺います。
 我が国において少子化は、解決すべき大きな課題の一つです。子どもを産まないのは、経済的な問題と同時に、育児に伴う肉体的、精神的負担が大きいことも要因の一つと考えられます。東京は核家族が多く、子育ての悩みを相談する相手がいないなど、育児を母親が一人で抱え込み、無意識のうちにストレスがたまっているにもかかわらず、余暇などで気分転換をすることもままならないという方が多くいます。子育て中でも余暇や趣味などに時間を使うことができれば、精神的な負担を軽減することができると考えます。しかし、子どもを預かってくれる祖父母などが近くにいない場合は、子ども抜きで外出することが難しいのが現実です。
 子どもが生まれる前にはコンサートや展覧会に行くことが趣味だった方も、子どもが生まれてからは全く行かなくなったということをしばしば耳にします。子連れで行くこともできないことはないのでしょうが、子どもが途中で飽きてしまうのではないか、騒いでしまうのではないかなどの心配が先に立ってしまい、結局やめてしまうという方が大半だと思います。
 私も、美術館に子どもを連れていったことがありますが、途中で飽きてしまい、もう帰ろう、早く帰ろうとだだをこね、周りの人の迷惑になっているのではと落ち着いて絵を見るどころではなくなったという経験があります。子どものときから本物の芸術に触れさせたいという親の心は、なかなか子どもには伝わらないようです。
 このような心配をせずに芸術鑑賞ができるように、子どもを預かってくれる託児サービスがあれば、子ども連れで外出しても、子どもを預けて親だけでコンサートや美術館に立ち寄って落ち着いて芸術鑑賞ができ、育児のストレスも解消し、心身のリフレッシュにつながると思います。
 東京都は、東京芸術劇場や東京文化会館というコンサートホールや東京都現代美術館や江戸東京博物館などの美術館、博物館を持っています。芸術劇場や文化会館で開催されるコンサートの中には、主催者が託児サービスを行っているものも一部ありますが、すべての公演というわけではありません。現代美術館や江戸東京博物館などでも託児サービスがあれば、子育て世代も気軽に芸術鑑賞ができ、大変喜ばれると同時に、利用者増にもつながると考えますが、所見を伺います。
 東京は、世界に誇れる文化都市にふさわしく、都の施設以外にも、多くの美術館、博物館、コンサート会場があり、マスコミでも大きく取り上げられるような展覧会やコンサートも頻繁に開催されています。これら都の施設以外で行われるコンサートや展覧会でも同様のサービスが提供されるようになることが望ましいと考えます。
 芸術鑑賞に限らず、行政も民間もともに、子育て中の方々が気軽に外出しやすい環境を整えていくことが求められているのです。子どものいない方も子どもが欲しいと思うようになり、わずかではあるかもしれませんが、少子化の解消につながるのだと思います。東京都は民間とも協力しながら、子育て中でも外出しやすい環境をどのようにつくっていくのか、所見を伺います。
 次に、バリアフリーのまちづくりについて伺います。
 ハートビル法や交通バリアフリー法の施行により、駅や公共施設、商業施設のバリアフリー化が進み、町中で障害を持つ方々を多く見かけるようになりました。東京都も平成七年に東京都福祉のまちづくり条例を制定し、バリアフリーのまちづくりを積極的に進めており、高齢者、障害者のみならずすべての方が暮らしやすい環境をつくっていこうとするユニバーサルデザインの考え方も徐々に浸透しています。
 バリアフリー新法が制定され一年がたとうとしていますが、さらなるバリアフリーを進め、障害のある方もそうでない方も今以上に暮らしやすい東京をつくるという観点で何点か質問をいたします。
 視覚障害者がまちを歩く上で、点字ブロックが重要な役割を果たしていることはいうまでもありません。現在、道路や駅、公共施設、商業施設への点字ブロックの設置が進み、視覚障害者も安心してまちを歩くことができるようになりました。私たちもまちを歩いていて、角々に点字ブロックが設置されている交差点を目にすることが多くなりました。この点字ブロックによって、視覚障害者は交差点に差しかかったことがわかり、危険がないか注意して交差点を横断することができるようになっています。
 しかし、横断歩道内には点字ブロックがないために、横断歩道を斜めに横断してしまい、反対側の歩道にきちんとたどり着くことができないことがあると聞きます。特に、スクランブル交差点や、横断歩道が歩道に対して直角ではない道路などを横断することは、視覚障害者には非常に難しいのだろうと思います。
 そこで、視覚障害者が安全に道路を横断できるようにするために、横断歩道上に点字ブロックを取りつける、いわゆるエスコートゾーンの設置を進めることが必要だと考えます。エスコートゾーンの設置に関して、交通管理者である警視庁の所見を伺います。
 視覚障害者のうち、全盲の方は二割程度で、大半の方は光を感じることができるなど、わずかながらも視力が残っています。点字ブロックが黄色なのは、弱視の方もどこに点字ブロックがあるのかを識別できるようにと配慮されてのことです。しかし、黄色く彩られた点字ブロックも、夜暗くなると、どこに設置されているのか識別が難しくなってしまいます。最近では、夜暗くなったときにも設置場所がわかるようにと、光る点字ブロックというものもつくられるようになりました。光る点字ブロックの設置が進めば、視覚障害者が夜暗くなった後でも、今まで以上に安心してまちを歩くことができるようになると考えます。
 先日、この光る点字ブロックが設置されている埼玉県の蕨駅に行き、実際にこの目で見てきました。思った以上に明るく、二秒間隔で点滅もしているため、視覚障害者だけでなく、だれもが点字ブロックの存在に気がつくという効果があると感じました。点字ブロックがあることに気がつくことで、点字ブロックの上に看板を置いたり、自転車を放置したり、点字ブロックにつまずいたりということも少なくなると期待できます。
 東京都においても、この光る点字ブロックの都道への設置を検討すべきと考えますが、所見を伺います。
 八月から障害者の駐車禁止除外制度が変わり、車両に対してではなく、障害者本人に駐車禁止除外標章が配布されることになりました。一部対象から外れてしまう方がいるという問題点はあるものの、対象者も拡大し、障害者にとって利用しやすい制度となったことにより、今まで以上に多くの障害者が車を利用してショッピングやレジャーなどに出かけることが予想されます。
 今では、公共施設のみならず、ホテルやデパート、スーパーなど、人の集まる施設に障害者用の駐車スペースの整備が進み、出入り口近くに駐車することができるようになっています。しかし、駐車スペースの整備は進んできていますが、障害者がいざそこに駐車しようと思っても、健常者が車をとめていて、肝心の障害者がとめられないことが多くあると聞きます。海外では、障害者用駐車スペースを利用できる者を特定したり、健常者が駐車した場合に罰せられる国もありますが、我が国では、個々人のモラルに任されているだけです。
 先日、関越道のサービスエリアにトイレ休憩で立ち寄った際、トイレの前に設置された障害者用駐車スペースに国産の高級車がとめられていました。とめた方も多少の後ろめたさがあったのか、小走りで車に戻ってこられ、さっと飛び込むように車に乗り込んでその場を立ち去っていきました。経済的に豊かそうな方が、心が豊かだとはいえないような行動をした場面に直面して、私は大変寂しい気分になりました。
 このように、障害者用の駐車スペースに健常者がとめてしまうことなどをなくす試みとして、佐賀県では、利用証を交付することで障害者用駐車スペースを利用できる方を明らかにするパーキングパーミット制度を全国で初めて導入しました。この制度は、歩行が困難な方として、身体に障害のある方のみならず、けが人や妊産婦など一時的に歩行困難になった方に対しても、一年未満の有効期間を設けて利用証を発行することとしています。こうした制度を東京都においても取り組んでいくべきと思いますが、所見を伺います。
 次に、物流と地球温暖化対策について伺います。
 大井ふ頭は、東京港の外貿コンテナ取扱個数の六割を取り扱う日本を代表するコンテナふ頭であり、一大物流拠点です。日本を代表するコンテナふ頭であるがゆえに、当然ながら、多くのコンテナ車両が集中しています。
 先日、ふ頭内で働く方々と一緒に、この大井ふ頭周辺を車で通過する機会がありました。ちょうどコンテナ船の荷おろしが始まったところに遭遇したのか、周囲の道路はコンテナ車両が長蛇の列をつくり、ひどい混雑を生み出していました。ほとんどがふ頭のゲートに入るために並んでいる車両でしたが、道路左側に寄せてエンジンをかけながらとまっている車両も多く見受けられました。中には、ドライバーが足をほうり出して熟睡をしている車両もありと、相当数の車両がアイドリングしたままとまり、混雑の原因となっていると同時に、地球温暖化の原因であるCO2をまき散らしていました。
 コンテナ車に周りを囲まれてしまい、前方の状況を確認しようと窓をあけて顔を出したところ、都内の空気は排ガス規制の効果できれいになっているはずですが、ここの空気はというと、強烈な排気ガスのにおいが鼻をつくほどで、大変驚きました。コンテナ車両は、ゲートの状況に応じて少しずつ進まなければならないため、アイドリングを完全にとめることは難しいでしょうが、この状態は、地球温暖化防止の観点からすると非常に問題があると感じました。
 また、この周辺道路は当然一般車両も通行しますし、路線バスも走っています。曜日や時間帯により混雑状態は異なりますが、ふ頭とは直接関係のない車両の通行にも大きな支障を来すことがあるのは望ましいものではありません。
 このような状況を踏まえて、都はコンテナ専用レーンをつくり、一般車両の分離を図るなどの努力をしていることも承知をしておりますが、わずかずつでもこの混雑を改善していく必要があると考えます。
 そこで、大井ふ頭周辺道路の交通渋滞の解消に向け、さらなる取り組みが必要であると考えますが、所見を伺います。
 さて、この道路状況を見ていて、アイドリングと地球温暖化の関係について改めて考えさせられました。都では、駐停車する際のアイドリングストップを義務づけていますが、エンジンをとめたくてもとめられない状況もあるということも考慮しなくてはなりません。
 高速道路のサービスエリアなどで、長距離トラックのドライバーが車内で仮眠をとっているところを目にすることがしばしばあります。長距離、長時間運転するドライバーが休息、とりわけ仮眠をとることは、健康管理や事故防止の観点からも必要なことだと思います。車をおりて室内で横になることができればベストでしょうが、施設の有無やコストの面から考えても、車内で仮眠をとることはやむを得ないのが現実です。車内での仮眠は、冷暖房を使用するためにアイドリングしっ放しになります。駐車中はエンジンをとめる方が望ましいとは思いますが、暑い夏や寒い冬にアイドリングストップし、冷暖房を我慢しろというのはちょっと酷だと思います。
 先日、東京電力と日野自動車が共同開発し、運用が始まった外部電源式アイドリングストップ給電システムを視察してまいりました。このシステムは、駐車中のトラック等の空調のため、駐車場に設置された給電スタンドから車両に電力を供給するシステムで、エンジンをかけずに冷暖房を使うことができるので、CO2の削減だけでなく、燃料費のコストダウンにもつながり、運送事業者にとってもありがたいものです。しかし、このシステムを使用するには、外部電源を使用できる冷暖房装置を装着する必要があり、事業者の負担が大きいという課題があります。
 このシステムの高速道路のパーキングエリアなどへの設置が進めば、長距離ドライバーが休息時にアイドリングをストップすることとなり、自動車から排出されるCO2が削減され、地球温暖化の防止につながると考えます。自動車からのCO2の削減を進めるためにも、都としても給電スタンドの設置補助や車両への外部電源式の冷暖房装置装着に対する補助制度を創設することを提案しますが、所見を伺います。
 さて、東京都は「十年後の東京」で、二〇二〇年までに二〇〇〇年比でCO2を二五%削減することを打ち出しています。この目標を達成するためには、新たな技術開発が進むことが不可欠です。地球温暖化防止に向けた取り組みを進めるためにも、都として民間事業者の新たな取り組みを促進していく必要があると考えますが、知事の所見を伺い、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 初鹿明博議員の一般質問にお答えいたします。
 地球温暖化防止に向けての取り組みについてでありますが、地球温暖化の危機はもう現実のものとなっておりまして、今後十年程度の間に思い切った対策を打たなければ、ポイント・オブ・ノーリターンを過ぎてしまって、地球に破局的な事態を起こしかねないというのが通説になってまいりました。例えば、NASAのハンセンという学者、教授は、このままでいくと十年後には北極の氷は全部溶けるだろうということをいっています。
 こうした事態を回避するためには、行政はもとより、民間事業者など、すべての主体がその役割と責任に応じて、我が国の有するすぐれた環境技術を最大限に活用し、温暖化対策の強化に取り組むことが必要であると思います。
 都は、大規模事業者への排出削減義務づけなど、実効性の高い施策を実施することによりまして、技術開発を促進し、最新の省エネ対策や再生可能エネルギーの活用を全面的に展開していきたいと思っております。
 ご指摘の大型トラックのアイドリングシステムにしましても、こうした環境にかかわる技術、商品が環境にプラスするという、そういう製品、技術に関しては、結果としてそれが非常にもうかるという経済社会を構築していく必要があると思います。
 他の質問については、警視総監及び関係局長から答弁します。
   〔警視総監矢代隆義君登壇〕

○警視総監(矢代隆義君) いわゆるエスコートゾーンの設置についてお答えいたします。
 エスコートゾーンは、視覚障害者の方々が、横断歩道上を方向を見失うことなく最短距離で歩行できるよう設置する点字ブロックであり、平成十八年十二月に施行されたバリアフリー新法により全国的に整備が進められようとしているものであります。
 当庁におきましても、横断歩道における視覚障害者の安全性を向上させるため、その整備を推進することとしており、法に基づき区市町村が基本構想を策定した二十一区市、五十の重点整備地区について、基本構想の目標年次であります平成二十二年度に向け、三カ年計画で計三百九十五カ所の横断歩道に整備していくべく、予算要求しているところであります。
   〔生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君登壇〕

○生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君) 美術館、博物館の託児サービスについての質問にお答えいたします。
 音楽会やコンサート会場の託児サービスは既に一部で行われておりますが、美術館では極めてまれでございます。そうした中で、今年度、現代美術館で開催された展覧会において、母の日、父の日に託児サービスを実施いたしました。利用者は、二日間で合わせて九人と少ない人数ではありましたが、久しぶりに気兼ねなく楽しむことができたと大変好評でございました。
 今後の託児サービスの実施につきましては、託児スペースの設定、確保、安全対策、費用負担などの課題を考慮すると、簡単ではございませんが、展覧会の主催者とも協議しながら検討してまいります。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) 二点についてお答えをいたします。
 まず、子育て中でも外出しやすい環境づくりについてであります。
 子ども連れでも気軽に外出できる環境づくりは、親の育児のストレスを軽減するとともに、子育て家庭の地域での孤立化を防ぐためにも重要であります。
 都は、先般、社会全体で子育てを応援する機運を一層高めていくため、行政、企業、NPO、マスコミなどで構成する子育て応援とうきょう会議を設置いたしました。この会議を活用して、子ども連れでも利用しやすい施設等の情報を幅広く紹介することなどによりまして、子育てしやすい環境づくりに取り組んでまいります。
 次に、障害者用駐車スペースについてであります。
 都におきましては、高齢者や障害者を含めたすべての人が安心して快適に過ごすことのできるユニバーサルデザインの考え方に立った福祉のまちづくりを推進しております。
 都としては、こうした考え方のもと、障害者用駐車スペースの整備促進を図るとともに、一般の車が駐車することがないよう、利用者マナーの向上など適正利用について一層の普及啓発に努めてまいります。
 なお、お話のパーキングパーミット制度を巨大都市に導入するには、課題があるというふうに認識をしております。
   〔建設局長道家孝行君登壇〕

○建設局長(道家孝行君) 都道への光る点字ブロックの設置についてでありますが、都は、福祉のまちづくりを推進するため、歩道の勾配や段差の改善、視覚障害者誘導ブロック、いわゆる点字ブロックの設置などのバリアフリー化に取り組んでおります。
 点字ブロックにつきましては、東京都福祉のまちづくり条例の整備基準に基づき、弱視の方にも配慮した黄色のブロックを原則として設置しております。
 ご提案の光る点字ブロックにつきましては、通常のものと比べコストや耐久性の面で課題があるため、その有効性も含め、今後研究してまいります。
   〔港湾局長斉藤一美君登壇〕

○港湾局長(斉藤一美君) 大井ふ頭周辺の交通渋滞解消に向けました取り組みについてお答えいたします。
 東京港における物流効率化と環境対策の観点から、渋滞の解消は喫緊の課題であると認識してございます。
 このため、平成十七年度に既存道路を改良してコンテナ車両の専用レーンを新設し、ふ頭背後の道路とコンテナターミナル間のスムーズな動線づくりを行うとともに、一般車両との分離を図ったところでございます。
 また、道路の主要な地点三カ所にウエブカメラを設置し、交通情報をリアルタイムに提供することによりまして、特定時間帯へのコンテナ車両の集中を避けるなどの対策を講じてまいりました。
 今後も、こうした取り組みに加え、コンテナターミナルの外に空コンテナ置き場等を整備することによりまして、コンテナ車両の分散化を図るなど、大井ふ頭周辺の交通渋滞の解消に向けまして、関係事業者と連携し取り組んでまいります。
   〔環境局長吉川和夫君登壇〕

○環境局長(吉川和夫君) トラックのアイドリングストップについてでございますが、お話のシステムは、トラックが駐車時にエンジンをかけずに外部の電力を使うことにより車内の冷暖房装置を動かすものであり、CO2の排出削減に効果がございます。
 長距離トラック等は、駐車の際にエンジンを動かしながら休憩していることが多いことから、このシステムを開発した事業者は、全国四十カ所のトラックステーションや高速道路のサービスエリアなどを今後の導入候補地としております。
 これを踏まえ、国におきましては、広域的観点から、今年度、主なトラックステーション等を対象に、このシステム事業への補助を開始しました。
 都といたしましては、この事業の進捗を見守っていくとともに、引き続きアイドリングストップの普及及び指導に努めてまいります。

○副議長(石井義修君) 二十三番高木けい君。
   〔二十三番高木けい君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○二十三番(高木けい君) 最初に、産業振興について伺います。
 都は、「十年後の東京」の実現を産業振興の面から推進する産業振興基本戦略を本年三月発表し、これを着実に具体化するための指針を近々策定すると聞いています。東京の中小企業は、都内事業所の九九%を占め、従業者の七割が働く場であるなど、ものづくり、流通、サービス等産業活動全般にわたり、東京の活力の源となっています。つまり、東京の産業を支える圧倒的多数の中小企業の活性化なくして、東京の産業の発展はないといえるでしょう。
 ところが、国際競争が激化する中、中小企業は今、大変厳しい経営環境にさらされています。十月の民間調査機関の報告によると、販売不振など不況型倒産の増加により、全国の倒産件数は対前年比十三カ月連続で増加していますが、一方で、負債総額は減少傾向にあります。これは、同報告で負債一億円未満の倒産が前年比二三%増加していることも指摘しているとおり、中小零細企業の倒産が特に深刻化していることを示しています。加えて、現在の原油価格の高騰は、中小企業の経営環境悪化に追い打ちをかけ、先月、経済産業省が発表した調査結果でも、原油、石油製品価格の上昇により収益が圧迫されている中小企業の割合は九二・五%に上っています。
 都の税収を見ても、景気は確実に回復基調にあるといわれていますが、一方で、中小企業にその恩恵は届いておらず、大企業との格差は確実に拡大しています。私は、今、都に求められているのは、産業のすそ野を支える中小企業が直面している厳しい経営環境を現場に即してしっかり掌握し、その活力を少しでも高めていくことだと考えます。
 そこで、石原知事に、この現状を踏まえ、今後の東京の産業政策をどのように進めていくのか、伺います。
 次に、緑化対策について伺います。
 都が重点的に進めている緑化対策の柱の一つに、都内のすべての小中学校を対象に、二〇一六年までに三百ヘクタールの新たな緑のスペースを創出する小中学校の校庭芝生化事業があります。校庭の芝生化は、町の緑被率、緑視率の向上はもとより、夏場の体感温度の低下に加え、子どもたちが元気に遊び回るようになること、身近な自然が心をいやしてくれること、維持管理を子ども、地域住民、保護者が協働で行う仕組みをつくることで、親と子、学校と地域のコミュニケーションが大変に深まることなど、ただ単に東京の緑を創出するだけでなく、さまざまな効果を生み出す投資効果の高い事業であるといえ、既に芝生化が実施された都内の小学校の中には、地域に愛される学校をつくり、芝生を活用した授業などで全国の模範となるケースも出てきています。
 昨日の新聞に報道された都政モニターのアンケート調査では、「十年後の東京」構想の中で、今後重要と考える具体的政策の第四番目が校庭芝生化であったように、多くの都民はその政策に期待し、実現を心待ちにしていると考えられます。
 しかしながら、校庭芝生化をさらに普及させるには、克服しなければならない課題があることも事実です。私は先般、校庭芝生化で成功している学校を視察し、お話を伺う機会がありましたが、大きく二つの課題をご指摘いただきました。一つは、通年緑の芝生を維持しようとすると、春に夏芝の回復期間で約五十日、秋に冬芝の種まきと発芽、生育までに約二十日、合計年間約七十日間は確実に校庭が使えないこと。二つ目は、芝生の維持管理には、子どもと保護者及び教職員を初め、学校に関係するかなり多くの地域の方の情熱と物心両面での協力が不可欠であることであります。
 既に述べたように、校庭芝生化のメリットは多く、その政策は広く都民に理解されていると思いますが、今申し上げた二つの課題が多くの学校関係者に不安を抱かせています。したがって、都が定めた芝生化の目標を達成するには、養生期間の短縮と適切な時期の選定、維持管理に必要な造園技術の的確な指導助言、そして地域の協力を得ながら学校が円滑に維持管理を行っていくためのさまざまな支援策が必要であると考えますが、見解を伺います。
 次に、壁面緑化についてです。
 校庭芝生化の補助事業では、芝生化とセットで校舎等の壁面緑化も補助対象としています。先般発表されたオリンピック・パラリンピック開催基本計画においても、多様な生命が生きる、緑と水に囲まれた美しい都市東京を目指すことが宣言されていますが、学校などの壁面緑化は、目で見て緑を実感しやすい場所に設置され、広い面積を確保でき、なおかつ校庭芝生化よりも経費が安く、技術的にも容易な対策であることから、私はもっと高い評価がなされるべきで、将来に向けてより一層進めていくべき優先順位の高い政策であると考えます。
 そこで、壁面緑化は校庭芝生化とセットでの補助事業ではなく、単独での補助事業として、その普及に努める必要があると考えますが、その認識と今後の取り組みについて見解を伺います。
 続いて、緑化技術の開発促進とその活用についてです。
 先日、私はある民間の方から、植物の持つ光合成の仕組みを最大限引き出す技術の開発で、一本の親木から丈夫で成長の早い優良な苗木を大量に生産できる研究成果を伺いました。この技術を応用すると、例えば、歴史的価値が高く絶滅の危機に瀕している貴重な樹木から丈夫に育つ苗木を大量に生産することができるわけで、先月、その技術と成果が出展されたアグリビジネス創出フェア二〇〇七を視察し、そうして生産されたエドヒガンザクラ、センゲンシダレザクラなど、桜の中でも国立遺伝学研究所にしか残っていない希少品種の幾つかを拝見させていただきました。
 私は、このような技術こそ、石原知事が日ごろよくおっしゃる、たとえあした地球が滅ぼうとも、君はきょうリンゴの木を植えるの精神を、今確実に具現化できる手法ではないかと考えます。
 また、噴火によって緑が喪失してしまった雲仙普賢岳の緑の回復では、高度な緑化技術が使われたと聞きましたので、現在復旧作業が行われている三宅島の緑の回復にも最新の緑化技術が役に立つのではないかと考えます。
 そこで、緑化技術という点では、先ほど述べた学校の校庭芝生化においても、東京の環境に適した、耐久性にすぐれ、養生期間の短い、なおかつ維持管理もしやすい学校校庭用ともいうべき芝生の研究開発をまずは早急に進めるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 既に、芝刈りをしなくても済むよう、四・五センチ以上成長しない芝生も開発されています。これらの緑化技術の開発動向を踏まえて、都としてさらに必要な技術開発に積極的に関与し、その成果を、二〇一六年に向けた東京の緑化対策に活用すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、まちづくりの諸課題について、まず北区十条地区防災まちづくりについて伺います。
 長年にわたって災害に強いまちづくりを目指してきた私の地元、北区十条地区は、まさに典型的な木造住宅密集地域で、地震による家屋倒壊だけでなく、火災も含めた防災性向上が急務といわれています。そこで、十条地区全体の防災まちづくりについて、まず、これまでの取り組みと成果を伺います。
 また、木密地域を効果的に改善するため、スピード感を持った事業として、都区連携で取り組んでいる補助八三号線沿道一体整備事業の促進は、極めて重要であります。都は、十条地区の重要な避難路ともなる八三号線の整備について今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。
 あわせて、八三号線に隣接して、JR京浜東北線東十条駅周辺のまちづくりについてですが、ここは木造住宅が密集しているばかりでなく、交通結節機能を担う駅前広場がなく、バリアフリー化も不十分な状況であるため、北区では、八三号線沿道まちづくりに合わせた駅前にふさわしい空間の創出を目指して、周辺の整備を今後のまちづくりの方針として掲げています。そこで、同路線整備の機会をとらえ、駅前広場の設置を初めとした東十条駅周辺のまちづくりについても、都区連携で積極的に取り組んでいただきたいと考えますが、見解を伺います。
 さて、十条地区の防災まちづくりにとって、木密地域解消とともにもう一つのメーンテーマは、JR埼京線十条駅付近立体化の課題です。これは長年の北区の懸案であるだけでなく、東京の大動脈の一つである埼京線全体にかかわる重要な課題でもあります。
 現在の埼京線は、朝夕のラッシュアワー時に乗車率二〇〇%を超える混雑著しい路線であり、その混雑率を緩和するためにはひとえに十条駅の形態を変えなければならないことは、残念ながら余り知られておりません。十条駅は、踏切と踏切の間に駅ホームが設置されているため、今以上ホームを延伸することができず、したがって鉄道車両の増結ができません。そして、一方の踏切は都道補助八五号線と交差し、最長で一時間当たり四十分間閉まっている、いわゆるあかずの踏切であるため、車両の増発もできません。つまり、十条駅の形態がこのような状況であるため、埼京線は増結も増発もできず、全体の混雑率の緩和、輸送力増強ができない状態が続いているのです。
 そこで、北区では、埼京線十条駅付近の立体化が長年にわたってまちづくりの課題となってきたわけですが、ここへ来て本年八月には、区の都市計画マスタープラン及び十条地区まちづくり基本構想に位置づけられている十条駅西口の再開発準備組合が立ち上がり、さらに来年度から、北区が持つまちづくり基金の中に、埼京線立体化に向けた十条まちづくり基金を創設する動きがあるなど、いよいよ地元区と住民が中心となって、まちづくりと鉄道立体化の機運が高まってまいりました。
 そこで私は、都としても、東京の大動脈の一つである埼京線全体の課題として、十条駅付近立体化について北区と連携して積極的に進めるべきであると考えますが、今後の見通しを伺います。
 最後に、まちづくりにおける鉄道事業者の役割と行政とのかかわりについて伺います。
 本年四月一日、私の地元であるJR王子駅南口改札口の開設時間が、およそ一カ月前の一方的な通告により、午後十時以降朝六時まで閉鎖されることになりました。この事件は、南口改札前に北区が駅前広場をつくり、いよいよ完成というやさきの出来事であったため、地元住民、北区、区議会挙げて反対運動が起こりました。それは当然のことで、北区と住民のまちづくりへの努力が、鉄道事業者の一方的な経営方針によってむだになってしまったからで、このようなことは今後どこにでも起こる可能性があります。
 鉄道事業者、特にJRは、折に触れて、民間事業者であるから利益を追求するのは当たり前で、自由にやって何が悪いといわんばかりの主張をしますが、私は、たとえ民間事業者であっても、その社会的責任を顧みず、自社の経営方針がすべてに優先するという主張は全く正当性を持たないと考えます。
 例えば、民間建設業者が一定の大きさの建物を建てるとき、近隣に対する住民説明会を行いますが、このような限られた範囲での影響しか考えられない民間事業であっても、最低限の説明責任が伴うのです。それに比べて、公共的な責任を大きく負っている鉄道事業者が、例えば改札口の開設時間の短縮、みどりの窓口の閉鎖など、不特定多数の方が影響を受けると思われる変更について、または地域のまちづくりへの努力が無になるような変更について、地元自治体や近隣住民の意見聴取も行わず、何の説明責任も負わないまま、その方針を進めることができる現状は、明らかにどう考えても間違っているとしか思えません。知事、そう思いませんか。
 そういうことがまかり通ってしまうのは、それは法が不備だからであって、地域のまちづくりとそごを来さないように、例えば駅改札口や開設時間の変更、大幅なダイヤ改正、その他地域に対して影響があると思われる重要な改変がある場合などには、鉄道事業者と地元自治体との協議を義務づけるなど、私は、都がそのルールをつくるべきと考えますが、見解を伺います。
 以上で、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 高木けい議員の一般質問にお答えいたします。
 産業振興についてでありますが、東京の、いや日本の産業活力を支えているのは、東京のすぐれた技術力と人材を抱えた中小企業であると思っております。しかし、この中小の世界でも、今日、景気の動向に左右されて、優劣の二分化が進んでおります。
 都内には、大企業にない技術や発想力を持つ中小企業が多数集積しておりまして、地域ごとに特色のある発展をしてまいりました。例えば私の選挙区であります品川区などは、かつては豆電球、イルミネーションに使われる、ああいうものの圧倒的な生産地でしたが、香港に追い上げられて、もう、一年のうちに変わってしまいましたので、そのかわりの事業を開発しておりますが、しかし、中小企業は基本的に経済環境の変化のしわ寄せを最も敏感に受ける存在でありまして、国際競争、今日の原油高などの中で、現在は厳しい経営環境の中に置かれております。
 東京の産業の発展には、こうした中小企業の底上げが極めて重要でありまして、技術、経営はもとより、資金調達や人材の育成など、多面的な方策を講ずる必要があります。
 都はこれまでも、ベンチャー企業の育成やナノテクノロジーセンターの設置のほか、CLO、CBOなど新たな債券市場の創設によりまして、既に中で、六十六社が上場を果たすなど、独自の施策も展開してまいりました。
 今後とも、中小企業の実態をつぶさに把握しまして、現場感覚を持って、時期を逃さず大胆な発想で産業政策を展開し、東京の産業を一層発展させていきたいと思っております。
 他の質問については、関係局長から答弁します。
   〔環境局長吉川和夫君登壇〕

○環境局長(吉川和夫君) 緑化対策に関する四点のご質問にお答えいたします。
 まず、校庭芝生の維持管理への支援についてでございますが、都内の学校において校庭芝生化を全面的に進めるには、都の技術的支援を強化するとともに、幅広い企業や団体等のさまざまな支援を結集することが重要でございます。
 このため、本年十月に開催した校庭芝生化に関するフォーラムにおきまして、日本サッカー協会や日本芝草学会等の賛同を得て、維持管理を行うボランティアの派遣や代替運動場の提供などの支援を行う東京芝生応援団の結成を呼びかけました。
 さらに、直接学校に出向いて芝生の維持管理に関する専門的なアドバイスを行う校庭グリーンキーパー派遣制度の創設をできるだけ早期に進め、東京芝生応援団の活動とあわせ、多くの学校が安心して校庭の芝生化に取り組めるよう、都として積極的に支援してまいります。
 次に、学校等の壁面緑化の促進についてでございますが、壁面緑化は、人の目に触れることも多く、緑を身近に実感する手法として有効なものであると考えます。
 中でも、学校における壁面緑化は、夏の日差しを遮って教室内の環境を改善するとともに、植物の成長過程を観察できるなど、環境学習の素材としても活用が図られることから、区市の小学校を中心に取り組みが進み、平成十八年度は約三十校、十九年度は約八十校と、年々実施する学校が増加してきております。
 学校の壁面緑化はさまざまな方法で実施されており、今後、都は、緑化に用いる植物の種類、施工方法や経費等の情報を把握し、その結果を区市町村に還元してまいります。また、こうした技術情報の提供を含め、効果的な促進策のあり方について検討してまいります。
 次に、校庭の芝生に関する研究開発についてでありますが、校庭芝生化を円滑に進めていく上では、まず各学校の立地環境などを踏まえ、適切な芝生の品種を選定することが重要であり、都はこれまで、シンポジウムや説明会などを通じて、専門家によるアドバイスを行ってまいりました。
 このような都の校庭芝生化の取り組みを契機として、民間企業におきましては、校庭に適した芝生の品種や土壌に関する研究開発の動きが始まっております。
 今後は、こうした研究開発の成果を積極的に活用するため、民間の動向などについて、都内の大学や研究機関等の協力を得ながら情報を集約し、データベースを構築するとともに、今後策定を予定している校庭芝生化のガイドラインに反映してまいります。
 最後に、緑化技術の積極的な活用についてでございますが、「十年後の東京」で示された緑あふれる東京を実現するためには、緑化技術の成果を活用していくことが極めて有用であると考えております。
 都はこれまでも、狭小な場所でも植栽が可能である横への広がりの少ない樹木や、屋上、壁面緑化を促進する植物素材など、東京の地域特性から必要となる緑化技術の成果を活用してまいりました。
 今後とも、各局と連携し、企業、大学、研究機関などの緑化技術の動向について情報収集を進め、東京の緑化に有用な技術を活用しながら、緑の創出、保全に取り組んでまいります。
   〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕

○都市整備局長(只腰憲久君) 五点のご質問にお答えをいたします。
 まず、十条地区の防災まちづくりに関する取り組みと成果についてでございます。
 重点整備地域でございます十条地区では、都と区が連絡会を設置しまして、連携を強化しまして、不燃化促進事業や木密事業等によりまして、環七沿道を含めまして三百七十戸を超える住宅の不燃化や、六カ所の公園、広場の整備等を推進してまいりました。
 また、昨年度は、木密事業の区域を約二十ヘクタールから四十七ヘクタールに拡大いたしまして、また本年六月には、建物の不燃化を促進する新たな防火規制を全域で導入いたしました。
 さらに、地区の西側では、今年度末を目途に、いわゆるミニ延焼遮断帯の形成等を図ります防災街区整備地区計画の都市計画決定手続を進めるなど、事業と規制、誘導策を重ね合わせ、当地区の安全性向上に取り組んでいるところでございます。
 次に、補助八三号線の整備に向けた取り組みについてでございますが、延焼遮断帯や避難路となる道路整備にあわせまして、沿道のまちづくりを進める沿道一体整備事業は、地域の防災性を早期に向上させる手法として、当地区におきましても有効性は高いと認識をしております。このため、都は、本年八月に、補助第八三号線の事業化につきまして地元説明会を開催し、現在、測量作業を実施しております。
 今後、沿道の権利者の意向調査をするなど、沿道まちづくりの具体化を進め、早期の事業着手を目指して積極的に取り組んでまいります。
 次に、東十条駅周辺のまちづくりについてでございます。
 当駅周辺におきましては、防災まちづくりとともに、バリアフリー化などの推進が課題でございます。このため、地元北区では、駅南口に接続します老朽化した区道の跨線橋のかけかえや駅前広場の設置などにつきまして、今年度、検討を進めております。
 今後、都といたしましても、区が主体となります駅周辺のまちづくりにつきまして、必要な技術的支援を行ってまいります。
 次に、JR埼京線十条駅付近の立体化についてでございます。
 都は、踏切対策基本方針におきまして、本区間を鉄道立体化の検討対象区間に位置づけております。道路と鉄道を立体化することで、道路交通の円滑化や地域分断の解消、お話がございました鉄道輸送の改善などが図れるものと考えております。
 一方、立体化による事業効果を高めるためには、まちづくりとの連動が重要でございまして、本地域におきましては、地元区がまちづくり構想を策定するとともに、その具体化に向けた検討を進めております。
 都といたしましては、こうしたまちづくりの進捗を見ながら、都区連絡会の場で、道路と鉄道の立体化につきまして議論を重ねてまいります。
 最後になりますが、鉄道事業者と行政とのかかわりについてでございます。
 鉄道事業における輸送サービスの内容は、基本的には、国の一定の関与のもと、各鉄道事業者の判断により設定されることとなっております。一方、お話のように、都市における鉄道は、都民の日常生活や経済活動に不可欠な都市基盤でございまして、そのあり方は都民の安全や利便性にもかかわるものと認識をしております。
 都といたしましては、鉄道事業者に対しまして、公共交通事業者としての社会的使命を十分に踏まえまして、輸送サービスの変更などに際しましては、地元や利用者に対しまして適切な情報提供を行うよう働きかけてまいります。

○議長(比留間敏夫君) 四十九番山口文江さん。
   〔四十九番山口文江君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○四十九番(山口文江君) 石原知事は、都知事選の公約として掲げた低所得者の都民税軽減策を取り下げ、進化したものとして、低所得者生活安定化プログラム、緊急総合対策三カ年事業を発表しました。改選直後の公約取り下げは、公約違反という批判は免れないにしても、低所得者に対するセーフティーネットの機能の必要性を認識しての政策と歓迎するものです。
 そこで、この三カ年プランを提示するに至った基本的な知事の見解を伺います。
 このプランでは、若年層、母子家庭、中高年、住居不安定就労者などを対象としています。現在の貧困の構造は、所得の格差が教育の格差を生み出し、差別化が促進されているといわれています。高校への進学率は大変高い水準を示してはいますが、進学を希望しても入学できなかったり、希望する学校に入れなかったために中退してしまう子どももいます。
 教育庁では、教育相談センターでリスタートプレイスを設置し、相談業務やチャレンジスクールへの説明会も開催しているということです。しかし、このチャレンジスクールへの希望者も多く、受検生の半数は入学できない状況です。この再チャレンジへの意欲を持つ子どもへの救済を何らかの形で行うべきと考えます。こうした生徒や中途退学者に対する将来の進路相談の受け皿の充実が求められていると思いますが、見解を伺います。
 東京都は、二〇〇〇年から、ホームレスの自立支援システムを立ち上げ、支援事業を展開しています。テント生活から脱却し地域生活への移行を目標に、公園での面接相談からスタートし、民間宿泊所、借り上げ住居への入居、一般生活へと段階的な支援を示し、二十三区の協力を得て展開しているところです。
 今後、その経緯を踏まえ、新システムへの移行を示していますが、この特徴は、アパート借り上げで自立に向けての準備にリアリティーを持たせている点、また、自立後も巡回しながら相談に応じるバックアップ部門の強化という点では評価したいと思います。
 しかし、現在、路上生活者は減少しているということですが、長期化、高齢化に伴い、就労意欲の減少が見られ、その支援の内容が問われています。この現状をとらえ、今後の対策について伺います。
 現在進行している貧困は、さまざまな事件に象徴されるように、深刻な段階に来ています。この対策で、共通でかつ重要な対策は住宅政策と考えます。住まいの保障こそ基本的人権の保障につながるのです。都市整備局は住宅政策におけるセーフティーネットの展開をどのように考えているのか、伺います。
 今、食品表示の偽装や耐震偽装、高齢者をねらった詐欺商法、子どもの安全を脅かす商品など、生活への安心・安全を脅かす問題が次々と起きています。しかし、国においては、二〇〇三年に独立行政法人となった国民生活センターについて、その機能を縮小する案が提案されており、大きな問題となっています。
 最近の報道によれば、直接相談窓口の廃止は、消費者団体等の強い反対を受け、ようやく撤回したものの、商品テストの一部外部委託化の方針は依然として変えていません。福田首相は所信表明において、消費者保護のための行政機能の強化に取り組むと明言しており、本来なら、直接相談窓口ももっと拡充してしかるべきです。
 自治体の中には消費者行政に十分手が回らないところもあることから、国が消費者に直接かかわる組織を縮小することになれば、消費者の権利が侵されかねない状況を招きます。
 こうした中で、これまでも日本の消費生活行政をリードしてきた東京都は、まかり間違っても消費者保護のための行政機能を低下させてはならないと思います。このようなときこそ、消費者被害の未然防止、拡大防止を一層図るため、東京都消費生活総合センターの機能強化を図るべきと考えますが、見解を伺います。
 東京都消費生活条例は、消費者の権利をうたった画期的なものであり、それに伴って、一九九七年二月、東京都消費生活基本計画を策定しました。しかし、その後、消費者を取り巻く状況は大きく変化しており、策定後十年を経過した消費生活基本計画の改定を行うべきと考えますが、見解を伺います。
 ことしは、不二家からスタートし、しにせメーカーや有名メーカーによる食品偽装問題が次々と発覚し、消費者の食への不安、不信が後を絶たない状況が続いています。
 食の安全には、食料自給率を高めることが不可欠です。しかし、日本の食料自給率は、今やカロリーベースで三九%と、自給率向上は夢のまた夢となってしまいました。経済のグローバル化によって日本の農業はどうなっていくのか、私たちの食料はどうなっていくのか、農業従事者は当然のこととして、多くの人が不安に感じています。
 食料自給ができない国は常に国際的圧力と危険にさらされている国であるとは、アメリカのブッシュ大統領の発言ですが、石原知事も、都内において有害物質が検出された輸入食品が多く流通している事態に対して憂慮し、食の安全確保は都政の重要な役割であると明言されています。大消費地東京の知事として食料問題をどうとらえているのか、知事の見解を伺います。
 東京には、コマツナやウド、キャベツ、アシタバなどの特産野菜、島しょで生産されるレザーファンなどの花き、観葉植物のように、産地化され市場出荷されている品目が多くあります。一方、市街化区域では、果実や鉢花、多品目の野菜の直売などが大きな比率を占めるなど、大都市としての機能を持ちながらも、都市農業として健闘しているのです。
 都は、二〇〇一年、東京農業振興プランを策定しました。現在、都市農業検討委員会を設置し、東京農業振興プランの改定を目指していますが、東京における都市農業の課題と展望について伺います。
 都内の農地の約六割が市街化区域にあり、貴重な緑地空間として、ヒートアイランド現象の緩和や災害時の避難場所、子どもたちの食育の場となるなど、都市農地ならではの役割を担っています。
 二〇〇五年度に行った都政モニターアンケートでも、東京に農業、農地を残したいと思う人は八一%、農作業の体験をしたいと思う人が六一%に上っており、都民の都市農業に対する関心と農地保全に対する期待は大きいものです。
 幸いにも、人口減少時代の到来などにより、農地の宅地化を前提とするまちづくりは終えんとすべき社会状況になっています。都市農業の継続を危うくしている要因として相続税等の問題があり、国の対応が待たれるところですが、国の農業政策が農村を基調としているのは当然としても、大消費地東京においては、生産面からとらえた農業のあり方だけでは十分とはいえません。東京における農地は、都市の生活者にとってある意味で公共性を持つものと考えられ、独自の都市農業推進条例を検討すべき時期に来ているのではないかと思いますが、条例制定までには時間がかかります。
 そこで伺います。大都市東京では、都市農業をきちんと位置づけた上での施策が必要と考えますが、都では現在どのように施策展開を図っているのか伺います。
 子どもの育ちが社会問題として取り上げられるようになって久しくなります。子どもが思いっきり遊ぶ時間と空間、そして仲間が失われて、子ども自身が生き生きできる環境が奪われています。こうした現状に気づいた大人が、大人の規制により管理されて遊ぶのではなく、子どもたちが想像力で工夫して遊びをつくり出し、自分の責任で自由に遊ぶことができる冒険あそび場・プレーパークを始めました。一九七九年、東京都世田谷区の羽根木プレーパークを皮切りに、この運動が日本でも広がりを見せています。
 このプレーパークを都立公園において実施したいという市民の声にこたえて、戸山公園を初め、石神井公園、光が丘公園、東村山中央公園など六公園で行われていますが、現在の活動状況について伺います。
 プレーパークの活動は、遊びを通して発見や創造する喜びが味わえ、子どもが自分の人生を切り開いていく力、すなわち生きる力をつけていく場でもありますが、親が主体的に活動にかかわることによって、親たちの育ちの場にもなっているという声が届いています。今後、こうした活動の回数をふやしていくことが求められています。
 しかしながら、この活動は親やボランティアの負担が大変大きく、少しでも軽減できるように、子育て支援を担当する地元区市はもとより、都も公園管理者として、親やボランティアの声に積極的に耳を傾け、活動しやすいように支援をしていく必要があると思いますが、見解を伺います。
 今や、国を挙げて子どもの居場所づくりが進められていますが、子どもたちが生活している、それぞれの地域に合った子どもの目線の施策が大切であり、都としても、プレーパーク活動の啓発にも努めていただくよう要望し、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 山口文江議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、低所得者生活安定化プログラムについてでありますが、現在、我が国では、額に汗して懸命に働いているにもかかわらず低所得の状況から抜け出せない方々や、就職氷河期を経験した世代を中心として、職にも恵まれず、住居の確保もままならない人々も存在しております。
 今回のプログラムでは、収入の数字づらではなくて、真に困っている都民の一人一人に手を差し伸べ、将来に向かって明るい展望が開けるよう、多様な施策を重層的に講じるものであります。
 この取り組みによりまして、こうした方々がみずからの生活安定への道を切り開き、社会を支える力となることにより、豊かで活力のある東京を実現していきたいと思っております。
 次いで、我が国の食料問題の認識についてでありますが、今、世界的に食料危機が叫ばれている中、我が国の食料の自給率は、主要先進国の中でも最低のレベルにありまして、国家としての基本的な不安要因となっております。
 地球の温暖化が進んでまいりますと、当然、大飢饉が頻発いたします。現にオーストラリアでは干ばつが続いて農業が衰退し、荒廃し、多くの農民の自殺者も出ております。ゆえにも、食料の確保とそれを支える農業の再生は、我が国にとって極めて重要であります。
 しかし、東京の農業を見ますと、その基盤である都市農地は、相続などの問題で年々減少し続けております。東京の農業は、全国に誇れる農産物が数多く、また、大消費地に近接した有利性も持っております。
 さらに、農業、農地は、食料の生産だけではなく、食文化の伝承や緑の保全、災害時の避難場所の確保、憩いの場の提供などの面からも極めて大切であります。
 このため、都は、農業を重要な産業と位置づけ、今後とも都市農地の保全と農業の振興に努めていきたいと思っています。
 他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。
   〔教育長中村正彦君登壇〕

○教育長(中村正彦君) 高校を不合格になった生徒や中途退学者からの相談についてのご質問にお答え申し上げます。
 生徒一人一人の将来の希望の実現を図るために、相談事業を充実することは極めて重要であり、現在、教育庁内に都立高校入試相談コーナーを開設し、常時、相談を受け付けております。
 また、都教育相談センターでは、電話や来所等によります高校進級・進路・入学相談や、中途退学者への支援を図る青少年リスタートプレイス、進路相談会において相談を受けております。
 今後とも、都教育委員会は、これらの相談窓口をパンフレットやホームページ等によりまして周知するとともに、生徒がみずからの生き方について考え、主体的に進路選択ができるよう、相談事業の充実を図ってまいります。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) 路上生活者に対する今後の対策についてであります。
 都はこれまでも、特別区と共同で自立支援システムや、地域生活移行支援事業におきまして就業や住宅に関する相談などを行い、地域での自立した生活への支援を推進してまいりました。その結果、本年八月の二十三区内の路上生活者数は、調査開始以来最も少ない約三千二百人まで減少いたしました。
 今後とも、これまでの事業の評価、検証を踏まえ、利用者の状況に応じた支援に努めてまいります。
   〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕

○都市整備局長(只腰憲久君) 住宅政策におけるセーフティーネットについてでございますが、都はこれまでも、都営住宅におきまして高齢者や子育て世帯等に対する優先入居などを実施するとともに、入居制限を行わない民間賃貸住宅の供給促進などに取り組んでまいりました。
 今後とも、都営住宅などの公共住宅に加え、民間住宅も含めました重層的な住宅セーフティーネット機能の確保に向けて取り組んでまいります。
   〔生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君登壇〕

○生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君) 消費生活行政に関する質問にお答えいたします。
 まず、東京都消費生活総合センターの機能強化についてでありますが、都は、これまでも急増する架空・不当請求や深刻化する高齢者の消費者被害に対応するため、架空請求一一〇番や高齢者被害一一〇番を開設し、専門相談員を配置して、相談体制を整備してまいりました。
 また、悪質、巧妙な手口による消費者被害に適切に対応するためには、住民に身近な区市町村の相談部門との連携強化が極めて重要であることから、被害の傾向や相談処理に関する幅広い情報を積極的に提供するとともに、区市町村の相談員の資質の向上に役立つよう、各種研修を実施しております。
 今後とも、消費者被害を未然に防ぎ、拡大を抑えるとともに、消費者被害の救済のため消費生活総合センターの機能強化に努めてまいります。
 次に、東京都消費生活基本計画の改定についてでありますが、近年、詐欺的商法が横行し、表示の偽装が相次ぐなど、消費生活を取り巻く環境はご指摘のように大きく変化してきており、都の消費生活基本計画もこうした変化に的確に対応できるよう、改定する必要があると考えております。
 このため、本年七月の消費生活対策審議会において、消費生活基本計画改定に向けての考え方をお示しし、平成二十年度を初年度とする五カ年の計画期間など、計画改定の基本的事項について了解をいただきました。
 現在、都の消費生活関連施策について関係各局のヒアリングを行っており、今後、審議会に対し、来年度の早い時期に基本計画改定の諮問ができるよう、準備を進めてまいります。
   〔産業労働局長佐藤広君登壇〕

○産業労働局長(佐藤広君) 都市農業に関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、都市農業の課題と展望についてでありますが、東京の都市農業は、都民に新鮮で安全な農産物を供給するだけではなく、生産活動を通じて貴重な緑地空間やレクリエーションの場などを提供しております。
 しかし、都市農地は毎年減少が続いており、これらを保全することが大きな課題となっております。このため、都は、都市農地の保全に必要な相続税等の制度改善を国に継続して要望するとともに、高齢や労働力不足などにより耕作が困難な農家を支援する農作業受委託推進事業など、独自の取り組みを進めております。
 今後とも、大消費地を抱える東京農業の特性や優位性を生かした多様な取り組みにより、都民や農業者にとって魅力と活力あふれる都市農業の実現に取り組んでまいります。
 次に、都市農業の施策展開についてでありますが、都では、東京の農業振興の方向性を明らかにするとともに、計画的に施策を推進するため、平成十三年に東京農業振興プランを策定いたしました。
 また、十八年度には、社会情勢の変化を受けまして、このプランの個別施策の検証を行い、重点的に取り組むべき課題や地域の特性を踏まえたきめ細かい施策に取り組んでおります。
 今後とも、時代の変化に対応しながら、東京農業振興プランに基づきました都市農業の振興策を着実に進めてまいります。
   〔建設局長道家孝行君登壇〕

○建設局長(道家孝行君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、都立公園におけるプレーパークの活動状況についてでありますが、プレーパークは、たき火や穴掘りなど、公園では通常できない遊びを、子どもたちが自分の責任で生き生きと行える場であり、子どもたちの健全な育成に寄与するとともに、公園利用の活性化の面からも意義があると考えております。
 こうしたことから、都立公園では、平成十六年度から活動の場を提供しており、ボランティア団体が地元自治体の支援を受けながら、さまざまな活動を行っております。
 現在、プレーパークを開設している戸山公園や光が丘公園など六公園では、焼き芋づくり、泥遊びや樹木を利用したロープ遊びなど、工夫を凝らした遊びが盛んに行われており、この六公園における利用された延べ日数は、十七年度に二百十三日、十八年度には三百七十九日となっております。
 次に、プレーパーク活動に対する支援についてでありますが、都立公園におけるプレーパーク活動への支援は、基本的には地元自治体が子育て支援や社会教育活動の一環として行うものであると考えております。都としては、公園管理者として積極的に場の提供を行うとともに、用具の貸し出しなどの支援に努めてまいりました。
 今後とも、ボランティアが地元自治体と行う意見交換の場などに参画し、親やボランティアの声の把握に努めるとともに、地元自治体と連携して、公園管理者として可能な支援を行ってまいります。

○副議長(石井義修君) 七番福士敬子さん。
   〔七番福士敬子君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○七番(福士敬子君) まず、オリンピックについて伺います。
 オリンピック主要三施設のうち、メーンスタジアムを中央区晴海に、また、選手村を江東区有明の埋立地に建設する予定になっています。ここは、昨年出された東京都防災会議の首都直下地震による東京の被害想定報告書でも、液状化の発生可能性のある地域とされています。地震がいつ来ても不思議ではないといわれている今日、わざわざこの地域に世界有数のアスリートや観客を呼び寄せる危険性をどうとらえているのか。都財政をつぎ込んでも、この場所に会場を決定された知事にお伺いいたします。
 また、この場合の安全対策についてはどうなっているのか、あわせてお尋ねします。
 オリンピック実施のために、都は大型施設の建設をさらに行おうとしています。しかし、一方で既存インフラの老朽化が急速に進み、放置しておくと崩壊のおそれもあり、都民生活に大きな支障を来すことになります。
 橋梁については、国の三カ年プログラムでは、東京都管理のうち百八十橋に耐震補強が必要とされていますが、二〇〇七年度末で対策済みの橋梁は七五%にとどまっています。大型の新規事業に投入する資金と人的、物的余裕があるのなら、それを集中的に橋梁の耐震補強対策に回すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、橋梁かけかえのピークは十数年後に予測され、オリンピック終了後にちょうど当たるのではないかと考えられています。一般的にはオリンピック閉幕後は大方の開催諸国で、ポストオリンピック不況と呼ばれる景気の落ち込みが発生しています。不況により税収落ち込みが予測される時期に、多額のコストが発生する橋梁更新のピークを迎えるおそれがあると考えますが、橋梁の更新について見解を伺います。
 オリンピック招致委員会と東京都の関係では、NPO法人である東京オリンピック招致委員会が都庁施設を借り、事業を行っています。役員に経団連会長も参加され、民間施設も使うことが可能だと思われるNPO法人への施設借用を認める根拠を伺います。
 さらに、さまざまな招致委員会のパンフレットなども、実際の配布は教育庁及び都の部局などで行っています。都と招致委員会の役割分担が明白ではないように感じますが、都と招致委員会どちらがオリンピック招致の主体なのか、それぞれの役割分担及び責任分担について伺います。
 NPO法人東京オリンピック招致委員会の署名活動では、教育委員会や都の部局を使って署名用紙を回しています。しかも、都の招致本部からのお願いでは、任意であること、ご協力いただける範囲でとされていますが、署名用紙にはその項目が書かれていません。そのため任意であることが署名者に伝わっていませんが、これについての見解を伺います。
 また、招致本部の文章には個人情報保護の点で、取り扱い及び管理についても細心の注意を払うとありますが、地域の町会、自治会では署名を回覧板などで回すという事例があります。これは、だれが署名をしたかしないか、はっきりわかります。個人情報保護の観点から問題ではないか、見解を伺います。
 署名活動が、上意下達の形で、教育関係では学校職員のみならず、PTAまでおろされていると聞きます。特に町会、自治会の署名活動は、地域差があった場合、チェックされ強制されるのではと心配していらっしゃる方もいらっしゃいます。
 かつての国家総動員の中で、非協力者は村八分といった事例を思い出し、不安を感じているようです。このように意識的強制力を感じ、署名しておけば無難と、賛成の有無にかかわりなく署名をした例もあるようです。署名活動はまだまだ続くとのことですが、実績が少なかった地域において再度の集約を考えているのか、伺います。
 このたび、開催概要計画が見直されました。オリンピックの施設整備費では、当初の宿泊施設などを入れても二千八百七十一億円から、新しい開催基本計画では三千二百四十九億円にふえています。ロンドンや北京オリンピックにおいても大幅なコスト増が報道されており、オリンピックが当初予定額の範囲内でおさまることは困難だといわざるを得ません。
 今回の開催基本計画では、施設整備費は示されていますが、運営経費は示されておりません。運営経費を幾らと見積もっているのか、伺います。
 あわせて、経過途中の変更ごとに諸々の諸経費も公表すべきと考えますが、見解を伺います。
 予算については、産業労働局の新・元気を出せ商店街事業において、オリンピック招致フラッグ掲示の補助金が出されています。このように一般事業の枠でオリンピック招致や周知のために使われている予算があると、オリンピックという一時的な予算が見えにくくなります。
 また、オリンピック招致関連の経費が、各部局の事業持ちでばらばらに支出されると、オリンピック関連予算を一括して把握することが困難となります。東京都の予算の中で、オリンピックにかかわる予算とそれ以外を区別するため、オリンピック特別会計をつくり、予算を一括管理し、外部に情報公開すべきと考えますが、見解を伺います。
 開催概要計画書には、オリンピックの招致経費として五十五億円が見込まれ、そのうち都の負担は十五億円とあります。これは立候補ファイル作成の予算と同額ですが、招致活動には他に多くの予算が支出されています。これらの予算を積算すると、東京都の負担分は開催概要計画書に記されている十五億円を大きく上回ることになります。オリンピック招致における都の負担分はどのようになるのか、伺います。
 道路については、八〇年代に私がドイツに行った折、既に環境への配慮から一般道を削り、自転車交通を進める、あるいは公共交通への移行が考えられていました。十二月四日の本会議で行われた海外の視察報告でも、高速道路を取り払い、清流を復活させた例や、自転車や公共交通などを進める例がありました。このように、諸外国では道路をつくればよいという考え方から脱却しつつあります。
 知事は、東京を成熟した都市とし、今回のオリンピックで、世界最高水準の環境技術と政策で、環境オリンピックを目指すといいながら、外環道などの建設を進めようとしています。これは、もはや発想が古いのではと思われます。後世に財政や環境破壊のツケを回さないためにも、道路整備のあり方を、その是非も含め再考すべきと考えますが、見解を伺います。
 今回、オリンピック招致に対する世論調査が行われ、賛成六割強、反対二割強という結果が得られました。今回の調査は、あらかじめ登録されたモニターに対し、インターネット上で調査を行うというものです。この手法は、サンプルに非常に偏りがあるといわれています。あらかじめ登録されたモニターは、社会問題に対し賛否を表明することに積極的な傾向を持っているため、無関心層の比率が反映されず、一般的傾向を見る調査には適しません。
 独立行政法人労働政策研究・研修機構による報告書においても、インターネットを使った社会調査の問題点が指摘されています。調査は、従来の対面聞き取り、郵送による調査を行い、なおかつ、アンケートの回答率をオリンピックに対する関心の有無にフィードバックする調査手法で行ったものを使う必要があると考えますが、見解を伺います。
 続いて、介護事故に関して伺います。
 一九九五年、ドイツで開始した介護保険制度は、二十年間も検討し、家族も準ヘルパーの労働として認め、どちらかを選べるなど、さまざまな現実に基づき考えられていました。しかし、日本では、介護の社会化との趣旨から家族ヘルパーを認めない一方、家族との同居者に対しては認定を厳しくし、結局、家族介護を強いるなど矛盾に満ち、ヘルパー不足の中で保険料を払う利用者は置き去りにされています。
 今回、人材確保対策で厚労省はフィリピンからの介護福祉士を国家試験不要のまま認めることになりました。質の問題がないがしろにされ、ここでも人手不足を安易に外国に求めるだけで、真剣に対策をとる意思は見えません。
 これほどまで混乱している福祉現場の中で、今回は民間事業者及びヘルパーのあり方について、介護事故を中心に伺います。
 介護事故を防ぐには、事業者の姿勢とヘルパーの質の向上が欠かせません。しかし、現実はヘルパーの雇用形態も正社員、派遣社員、時には違法とも思われる日雇い派遣などさまざまであり、その形態や人によって労働条件や知識に極端な差が生じています。
 介護事故の中には周辺に広がる感染症もあり、都内のすべての区市町村は感染症を事故の範囲に組み込んでいます。そして、看護師などは感染症に対する知識も深く、感染症の事故対策として、個人で損害賠償保険に入っている例もあります。しかし、前述のようにヘルパーの知識の差は大きい上、雇用者側でも民間などは反応が鈍く、保険に加入しているかどうかの知識すらないところも見られます。
 感染症にかかったヘルパーが知らないまま労働を続ければ、二次感染、三次感染の危険性もある上、在宅介護の場合、事故報告もうやむやになりがちです。介護保険施設や在宅における介護事故の報告について、都は保険者や事業者に対しどのような指導助言をしているのか、伺います。
 都では、ことし三月、保健局専門技術会議において介護保険施設・リスクマネジメント参考マニュアルを出しています。ここでは、ハインリッヒの法則に従って事故防止策が考えられています。この法則は、一つの重大災害の背景には、二十九の事故と三百の冷やりとしたり、はっとしたりしたことがあるというものですが、マニュアルはこの考え方に基づいているようです。この報告集は、素人の私でもわかりやすく、もっと利用を進めてもよいと思われます。
 ところが、配布は特養や老健など介護保険施設に限っており、注意書きにもわざわざ、すべての施設において取り組みを展開することを求めるものではないと断っています。せめて、このマニュアルを生かしてほしいという前向きな注意にすべきだと考えます。
 このような事故防止のための行動指針はどのくらい施設に浸透しているのか、また、都が収集した事故情報をどのように活用しているのか伺います。
 感染症の危険については、事業者から利用者の健康状態をヘルパーに伝え、対策をとることが重要となります。ところが事業者は、ヘルパーに対し、ケース記録の情報伝達をしないだけでなく、その必要性の認識もないところもあると聞きます。したがって、ヘルパーへの情報伝達が悪く事故に至った例は、感染症以外にも苦情相談白書に出ています。
 感染症対策では、施設系サービスでは注意喚起と対応が図られていると思いますが、在宅系サービスの提供事業者に対し、都はどのように指導助言しているのか伺います。
 以上です。
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 福士敬子議員の一般質問にお答えいたします。
 オリンピックに関しては、何でもかんでもけちをおつけになりたいようでありますが、まず、オリンピックにおける選手や観客の安全対策について申し上げます。
 オリンピックスタジアムや選手村などの主要施設の予定地は、水と緑に囲まれ、建設用地も十分にある臨海地域といたしました。
 いずれの予定地も、都が行った地域危険度測定調査では、地震に対する総合危険度ランクは、五段階のうち、最も低い評価の地域であります。
 オリンピック会場には、多くの選手、観客などが集まるので、災害発生時のリスクマネジメントの観点から、建物の耐震性や円滑な避難経路の確保など、総合的な安全対策を講ずることは当然のことであります。
 他の質問については関係局長から答弁いたします。
   〔建設局長道家孝行君登壇〕

○建設局長(道家孝行君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、橋梁の耐震補強についてでありますが、都は、国の耐震補強三か年プログラムで耐震補強の対象としている緊急輸送道路上の橋梁百八十橋のうち、主要な防災拠点と市街地を結ぶ優先ルートにかかる百十八橋については、計画的かつ集中的に対策を実施しており、すべて今年度中に完了いたします。
 また、優先ルート以外の橋梁については、今年度中に二十橋の耐震補強を完了し、残りの橋梁についても計画的に耐震補強を行ってまいります。
 次に、橋梁の更新についてでありますが、都は、都民の貴重な財産を次世代に継承していくため、橋梁に資産管理の手法であるアセットマネジメントを活用した予防保全型管理を既に導入しております。
 これまで実施してきた橋梁の健全度調査の結果から、将来の損傷や劣化を予測し、適切な時期に橋梁の耐久性を向上させる長寿命化を進めることにより、かけかえ時期の平準化と総事業費の縮減を図ってまいります。
 今後とも、「十年後の東京」の実現のため、幹線道路などの都市基盤整備を積極的に進めるとともに、橋梁の耐震補強や長寿命化など、社会資本の適切な維持管理に全力で取り組んでまいります。
   〔東京オリンピック招致本部長荒川満君登壇〕

○東京オリンピック招致本部長(荒川満君) 六点についてお答えいたします。
 まず、東京オリンピック招致委員会の都庁施設の使用根拠についてでございますが、招致委員会は、都政の最重要課題でありますオリンピック・パラリンピック招致並びにオリンピックムーブメントの推進について中心的な役割を果たす組織でございます。
 事業の円滑かつ効率的な推進のためには、都の組織と緊密な連携を図る必要があり、都庁舎内に招致委員会の事務所を設置することが最適でございます。
 こうした理由から、いわゆる行政財産の目的外使用許可を定めた地方自治法第二百三十八条の四第七項及び東京都公有財産規則第二十九条の二第八号に基づき、招致委員会は都庁施設の使用許可を得ております。
 次に、都と招致委員会の役割及び責任の分担でございますが、招致委員会は、ただいま述べたように、招致活動を推進する中心的な組織でございます。具体的には、申請ファイルや立候補ファイルの決定、国際的な招致活動、全国における広報啓発事業の推進などを行います。
 都は、招致委員会が事業を円滑に実施できるよう支援してまいります。具体的には、開催計画の作成、国及び区市町村等との連絡調整、各局事業に関連した招致機運の醸成などでございます。
 次に、署名活動についてでございます。
 町内会、自治会を初め、都民、国民の皆さんにお願いした署名の用紙の冒頭には、タイトルとして大きな字で「署名活動へのご協力のお願い」と記載し、あくまでも任意で署名をお願いしているものでございます。
 また、用紙の下段にはアンダーラインを引きまして、「ご記入いただいた個人情報は、厳重に管理し、署名活動以外の目的には使用しません」と明確に記載をしております。
 また、署名実績が少なかった地域は、再度の署名をお願いすることは考えておりません。
 次に、オリンピック競技大会の運営経費についてでございます。
 昨年六月に国内選考向けに策定した開催概要計画書では、約三千億円と見込んでおります。
 運営経費は、立候補ファイルに記載することになっておりまして、現在、IOCの新しい基準等を踏まえまして、運営計画の内容を精査しているところでございます。
 次に、招致経費の都の負担分についてでございますが、昨年六月に策定した開催概要計画書におきましては、招致経費全体を五十五億円、うち都負担分を十五億円としておりましたが、現在、他都市に負けない計画の策定、それに基づいたファイルの作成、国内外における効果的、効率的な招致活動の展開を推進するため、経費を精査しているところでございます。
 最後に、世論調査についてでございます。
 世論調査はさまざまな手法がございまして、調査に要する費用、時間、調査書の回収率、調査に含まれる誤差などを比較考慮して、調査目的に応じて実施するものでございます。
 インターネットの設置が全国の家庭の九割にまで普及している今日、インターネット調査は最も一般的な調査方法となっておりまして、短期間で安価、かつ確実に国民、都民の意見を集約することができることに特徴がございます。
 さらに、今回実施した世論調査は、都内や全国の人口構成を反映した提携モニターから無作為に抽出した対象者、都内二千人、全国六千人という十分な標本数を用いて実施したものであり、公正で客観的に行われたものと認識しております。
   〔財務局長村山寛司君登壇〕

○財務局長(村山寛司君) オリンピック招致経費の予算上の取り扱いについてのご質問でございます。
 この経費は、オリンピック招致本部予算に計上されることとなります。したがいまして、区分は明確であり、特段、特別会計を設置する必要はないと考えております。
 なお、オリンピック招致は、現下の都政の重要課題の一つでございますので、これを本来目的とはしない各局事業におきましても、その実施に当たって、オリンピック招致に資するよう意を用いることは当然でございます。
   〔都市整備局長只腰憲久君登壇〕

○都市整備局長(只腰憲久君) 道路整備のあり方を再考すべきとのご質問でございましたが、改めていうまでもございませんが、道路は人や物の円滑な移動を確保するばかりではございませんで、先ほどもご答弁申し上げましたとおり、防災性の向上や緑豊かな都市空間の形成を図る上で不可欠な都市基盤でございます。
 このため、都はこれまでも、外環を初めとする首都圏三環状道路など高速道路ネットワークや都市計画道路の整備に鋭意取り組んでまいりました。
 先ほど建設局長からも答弁ございましたように、今後も必要な道路整備を着実に推進して、東京の活力と魅力を高め、安全で利便性の高い都市の実現を図ってまいります。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕

○福祉保健局長(安藤立美君) 介護保険制度における事故対策に関して、三点お答えを申し上げます。
 まず、介護事故の報告についてでありますが、介護保険施設や在宅での介護サービス提供時などに事故が発生した場合、法令に基づき、介護サービス事業者は、保険者である区市町村に報告することになっております。
 都では、区市町村が事業者からの事故報告を迅速かつ的確に聴取できるよう、事故報告の標準的な書式や基準等を定めております。
 さらに、都は独自に、施設における死亡事故や感染症など重大な事故について、事業者が都に直接報告することも求め、施設利用者の安全確保や事故の未然防止に努めております。
 次に、事故防止のための指針の整備状況と事故情報の活用についてでありますが、介護保険施設は、平成十八年の介護保険法の改正により、事故発生時の対応と事故防止のための指針の整備が求められており、現在、特別養護老人ホームの約七割、介護老人保健施設の約九割において整備済みでございます。
 また、未整備の施設につきましては、指導監査等において整備を行うよう指導をしております。
 都が収集をいたしました事故情報については、既に本年四月から分析を進めており、今後、事業者がより効果的な事故防止対策に取り組めるよう、その結果を事業者に提供することとしております。
 最後に、居宅サービス事業者における感染症対策についてでありますが、都では、居宅サービス、施設サービスを問わず、すべての事業者に対し、流行を繰り返すノロウイルスなどの感染症に関する対応マニュアルを配布してございます。また、介護サービス事業所の管理者等を対象とした研修会においても感染防止の取り組みを働きかけております。
 今後とも事業者に対し、情報の提供や予防対策を周知するなど、適切に対応してまいります。
   〔七番福士敬子君登壇〕

○七番(福士敬子君) オリンピック会場ですが、東京湾北部地震の場合、マグニチュード七・三で、ガス、上下水道への影響が高いとなっています。液状化部分の点在とともに、歴史的に新しい埋立地で、内陸より本当に危険度は少ないのか、再度お伺いいたします。
 また、世論調査で、ネットモニターは情報通信に関心が高い層が多く、高齢単身者の回答は得られないと思われますが、いかがでしたか。回答率もお示しください。
 今回の調査で、一%ですが、どちらでもないが減り、その分、反対がふえました。このような中で、賛成値を上げるために、今後、署名活動の強化、押しつけに走る心配はないのか伺います。
 運営経費及び招致経費の都負担分は精査中とのことですが、いつごろ出るのか、期限もお示しください。
 ありがとうございました。
   〔東京オリンピック招致本部長荒川満君登壇〕

○東京オリンピック招致本部長(荒川満君) 今、大分早口でご質問なさったので、聞き取れなかったところがあるのですが、まず最初に安全対策のところでございます。
 先ほど知事から、オリンピック会場には多くの選手、観客などが集まるので、総合的な安全対策を講ずることは当然のことであるという答弁があったとおりでございまして、しかもIOCからは、安全対策については万全を尽くすよう求められているところでございます。ライバル都市に勝つためにも、当然、安全対策はしっかりと行ってまいります。
 それから、世論調査の数字についてでございますけれども、現在、数字については分析中でございまして、適切な時期に、内容については報告をしたいというふうに思っております。
 済みません、あともう一つ何か……(発言する者あり)以上でございますが。
   〔発言する者多し〕

○議長(比留間敏夫君) 以上をもって質問は終わりました。

○議長(比留間敏夫君) これより日程に入ります。
 日程第一から第三十六まで、第百八十六号議案、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例外議案三十五件を一括議題といたします。
 本案に関し、提案理由の説明を求めます。
 副知事谷川健次君。
   〔副知事谷川健次君登壇〕

○副知事(谷川健次君) ただいま上程になりました三十六議案についてご説明申し上げます。
 初めに、第百八十六号議案から第二百六号議案までの二十一件が条例案でございまして、新設する条例が一件、一部を改正する条例が二十件でございます。
 まず、新設する条例についてご説明申し上げます。
 第百九十九号議案、東京都心身障害者扶養共済制度条例は、保護者が死亡した場合などに障害者に終身年金を支給する全国制度の共済に参加するための条例を設けるものでございます。
 次に、一部を改正する条例についてご説明申し上げます。
 第百八十六号議案、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例から第百九十一号議案までの六議案及び第百九十四号議案から第百九十六号議案までの三議案は、東京都人事委員会勧告及び各種制度の見直しに伴い、職員の給与等に関して所要の改正を行うものでございます。
 次に、第百九十八号議案、東京都児童相談所条例の一部を改正する条例は、東京都小平児童相談所の老朽化及び狭隘化に伴い、同相談所を東京都多摩小平保健所庁舎へ移転するため、規定を整備するものでございます。
 次に、第二百号議案、大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例は、東京大気汚染訴訟の和解成立に伴い、医療費助成の対象者を拡大するため、所要の改正を行うものでございます。
 次に、第二百一号議案、東京都海上公園条例の一部を改正する条例は、東京都立芝浦南ふ頭公園の新規開園などに伴い、規定を整備するものでございます。
 次に、第二百三号議案、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例は、都民生活の平穏を保持するため、立ちふさがりやつきまといによる執拗な客引きやキャバクラへのスカウト行為等を規制するため、所要の改正を行うものでございます。
 次に、第二百四号議案、性風俗営業等に係る不当な勧誘、料金の取立て等及び性関連禁止営業への場所の提供の規制に関する条例の一部を改正する条例は、性風俗営業を営む者がキャバクラへのスカウト行為の規制に違反して勧誘された者を雇うことを規制するため、所要の改正を行うものでございます。
 このほかに六件ございますが、いずれも法令等の改正に伴い所要の改正を行うものでございます。
 続きまして、第二百七号議案から第二百十一号議案までが契約案でございます。
 東京都医学系総合研究所(仮称)(H十九)Ⅰ期新築電気設備工事など合計五件を予定しております。契約金額の総額は、約八十一億七千万円でございます。
 続きまして、第二百十二号議案から第二百二十一号議案までの十件が事件案でございます。
 まず、第二百十二号議案は、平成二十年度の宝くじ発売限度額について議決をお願いするものでございます。
 次に、第二百十三号議案から第二百十六号議案までの四議案は、都立公園の利用者サービス向上等を図るため、都立小峰公園ほか四施設の指定管理者を指定するものでございます。
 次に、第二百十七号議案から第二百二十一号議案までの五議案は、多摩地区の五市に対する東京都水道事業の事務の委託を廃止するとともに、公共下水道使用料徴収事務を受託するものでございます。
 上程になりました三十六議案の説明は以上でございますが、このほか人事案を送付いたしております。
 まず、東京都教育委員会委員でございます。
 十二月二十日に任期満了となります米長邦雄氏の後任には、瀬古利彦氏を任命いたしたいと存じます。
 次に、東京都監査委員でございます。
 同じく十二月二十日に任期満了となります三栖賢治氏につきましては、再任いたしたいと存じます。
 同意につきまして、よろしくお願いいたします。
 以上で説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○議長(比留間敏夫君) 以上をもって提案理由の説明は終わりました。
 なお、本案中、地方公務員法第五条第二項の規定に該当する議案については、あらかじめ人事委員会の意見を徴しておきました。
 議事部長をして報告をいたさせます。

○議事部長(大村雅一君) 人事委員会の回答は、第百八十六号議案から第百九十一号議案、第百九十四号議案及び第百九十五号議案について、いずれも異議はないとの意見であります。

一九人委任第九〇号
平成十九年十一月三十日
東京都人事委員会委員長 内田 公三
 東京都議会議長 比留間敏夫殿
   「職員に関する条例」に対する人事委員会の意見聴取について(回答)
 平成十九年十一月二十七日付一九議事第二九一号をもって照会があった議案に係る人事委員会の意見は、左記のとおりです。
       記
   提出議案
一 第百八十六号議案
  職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
二 第百八十七号議案
  東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
三 第百八十八号議案
  東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
四 第百八十九号議案
  職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
五 第百九十号議案
  職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
六 第百九十一号議案
  東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
七 第百九十四号議案
  学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
八 第百九十五号議案
  学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
   意見
異議ありません。

○議長(比留間敏夫君) お諮りをいたします。
 ただいま議題となっております日程第一から第三十六までは、お手元に配布の議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(比留間敏夫君) ご異議なしと認めます。よって、日程第一から第三十六までは、議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定をいたしました。

○議長(比留間敏夫君) これより追加日程に入ります。
 追加日程第一、東京都教育委員会委員の任命の同意についてを議題といたします。
   〔大村議事部長朗読〕
一、東京都教育委員会委員の任命の同意について一件

一九財主議第三四四号
平成十九年十二月四日
東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 比留間敏夫殿
   東京都教育委員会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、東京都教育委員会委員米長邦雄は平成十九年十二月二十日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     瀬古 利彦

      略歴
現住所 東京都渋谷区
瀬古 利彦
昭和三十一年七月十五日生(五十一歳)
昭和五十五年三月 早稲田大学教育学部卒業
昭和五十五年四月 ヱスビー食品株式会社入社
平成元年四月   ヱスビー食品株式会社陸上部監督
平成十四年二月  社団法人東京陸上競技協会理事
平成十七年四月  財団法人日本陸上競技連盟理事
平成十八年四月  ヱスビー食品株式会社スポーツ推進局局長
平成十九年四月  財団法人日本オリンピック委員会理事
現在       ヱスビー食品株式会社スポーツ推進局局長

○議長(比留間敏夫君) 本件は、起立により採決をいたします。
 本件は、知事の任命に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(比留間敏夫君) 起立多数と認めます。よって、本件は、知事の任命に同意することに決定をいたしました。

○議長(比留間敏夫君) 追加日程第二、東京都監査委員の選任の同意についてを議題といたします。
   〔大村議事部長朗読〕
一、東京都監査委員の選任の同意について一件

一九財主議第三四五号
平成十九年十二月四日
東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 比留間敏夫殿
   東京都監査委員の選任の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成十九年十二月二十日任期満了となるため、再び選任したいので、地方自治法第百九十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     三栖 賢治

      略歴
現住所 東京都練馬区
三栖 賢治
昭和十五年七月二十八日生(六十七歳)
昭和三十四年三月 警視庁採用
昭和五十年二月  警察大学校卒業
昭和六十三年八月 警視庁神田警察署長
平成元年八月   警視庁警務部人事第一課理事官
平成三年三月   警視庁警務部人事第二課長
平成四年八月   警視庁渋谷警察署長
平成五年九月   警視庁総務部企画課長
平成六年八月   警視庁公安部参事官
平成七年二月   四国管区警察局公安部長兼総務部長
平成九年二月   警視庁警察学校長
平成九年九月   警視庁生活安全部長
平成十一年四月  自警会事務局長
平成十四年十月  株式会社弥生共済会代表取締役社長
平成十五年十二月 東京都監査委員
現在       東京都監査委員

○議長(比留間敏夫君) 本件は、起立により採決をいたします。
 本件は、知事の選任に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(比留間敏夫君) 起立多数と認めます。よって、本件は、知事の選任に同意することに決定をいたしました。

○議長(比留間敏夫君) 請願及び陳情の付託について申し上げます。
 受理いたしました請願二十四件及び陳情十六件は、お手元に配布の請願・陳情付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託をいたします。

○議長(比留間敏夫君) お諮りいたします。
 明十三日から十八日まで六日間、委員会審査のため休会いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(比留間敏夫君) ご異議なしと認めます。よって、明十三日から十八日まで六日間、委員会審査のため休会することに決定をいたしました。
 なお、次回の会議は、十二月十九日午後一時に開きます。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後七時五十四分散会

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