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Tokyo Metropolitan Assembly

平成十九年東京都議会会議録第三号

平成十九年二月十五日(木曜日)
 出席議員(百二十五名)
一番遠藤  守君
二番伊藤 興一君
三番きたしろ勝彦君
四番田中たけし君
五番鈴木 隆道君
六番後藤 雄一君
七番福士 敬子君
八番伊沢けい子君
九番そなえ邦彦君
十番原田 恭子君
十一番山口  拓君
十二番伊藤 ゆう君
十三番原田  大君
十四番河野百合恵君
十五番小竹ひろ子君
十六番松葉多美子君
十七番大松  成君
十八番中山 信行君
十九番高倉 良生君
二十番神林  茂君
二十一番早坂 義弘君
二十二番崎山 知尚君
二十三番宇田川聡史君
二十四番石森たかゆき君
二十五番高橋 信博君
二十六番鈴木あきまさ君
二十七番秋田 一郎君
二十八番山口 文江君
二十九番佐藤 広典君
三十番尾崎 大介君
三十一番伊藤まさき君
三十二番松下 玲子君
三十三番野上ゆきえ君
三十四番たぞえ民夫君
三十五番村松みえ子君
三十六番橘  正剛君
三十七番上野 和彦君
三十八番吉倉 正美君
三十九番谷村 孝彦君
四十番矢島 千秋君
四十一番高橋かずみ君
四十二番串田 克巳君
四十三番吉原  修君
四十四番山田 忠昭君
四十五番臼井  孝君
四十六番林田  武君
四十七番野島 善司君
四十八番服部ゆくお君
四十九番大西由紀子君
五十番西岡真一郎君
五十一番吉田康一郎君
五十二番斉藤あつし君
五十三番泉谷つよし君
五十四番くまき美奈子君
五十五番大西さとる君
五十六番増子 博樹君
五十七番かち佳代子君
五十八番植木こうじ君
五十九番長橋 桂一君
六十番野上 純子君
六十一番東村 邦浩君
六十二番小磯 善彦君
六十三番東野 秀平君
六十四番田代ひろし君
六十五番三宅 茂樹君
六十六番高木 けい君
六十七番山加 朱美君
六十八番村上 英子君
六十九番坂本たけし君
七十番川井しげお君
七十一番鈴木 一光君
七十二番吉野 利明君
七十三番いのつめまさみ君
七十四番門脇ふみよし君
七十五番小沢 昌也君
七十六番石毛しげる君
七十七番岡崎 幸夫君
七十八番柿沢 未途君
七十九番初鹿 明博君
八十番清水ひで子君
八十一番古館 和憲君
八十二番松村 友昭君
八十三番藤井  一君
八十四番ともとし春久君
八十五番木内 良明君
八十六番鈴木貫太郎君
八十七番倉林 辰雄君
八十八番樺山たかし君
八十九番近藤やよい君
九十番こいそ 明君
九十一番松原 忠義君
九十二番新藤 義彦君
九十三番古賀 俊昭君
九十四番立石 晴康君
九十五番桜井  武君
九十六番野村 有信君
九十七番酒井 大史君
九十八番花輪ともふみ君
九十九番大沢  昇君
百番大津 浩子君
百一番大塚たかあき君
百二番相川  博君
百三番中村 明彦君
百四番曽根はじめ君
百五番大山とも子君
百六番石川 芳昭君
百七番中嶋 義雄君
百八番石井 義修君
百十番比留間敏夫君
百十一番遠藤  衛君
百十二番高島なおき君
百十三番宮崎  章君
百十四番大西 英男君
百十五番山崎 孝明君
百十六番佐藤 裕彦君
百十七番川島 忠一君
百十八番内田  茂君
百十九番三田 敏哉君
百二十一番山下 太郎君
百二十二番馬場 裕子君
百二十三番土屋たかゆき君
百二十四番田中  良君
百二十五番名取 憲彦君
百二十六番吉田 信夫君
百二十七番渡辺 康信君

 欠席議員 なし
欠員
百九番 百二十番

 出席説明員
知事石原慎太郎君
副知事横山 洋吉君
副知事大塚 俊郎君
副知事関谷 保夫君
出納長幸田 昭一君
教育長中村 正彦君
知事本局長山口 一久君
総務局長大原 正行君
財務局長谷川 健次君
警視総監伊藤 哲朗君
主税局長菅原 秀夫君
生活文化局長渡辺日佐夫君
都市整備局長柿堺  至君
環境局長村山 寛司君
福祉保健局長山内 隆夫君
産業労働局長島田 健一君
建設局長依田 俊治君
港湾局長津島 隆一君
交通局長松澤 敏夫君
消防総監関口 和重君
水道局長御園 良彦君
下水道局長前田 正博君
青少年・治安対策本部長舟本  馨君
東京オリンピック招致本部長熊野 順祥君
病院経営本部長大塚 孝一君
中央卸売市場長比留間英人君
選挙管理委員会事務局長梶原 康二君
人事委員会事務局長高橋 道晴君
労働委員会事務局長押元  洋君
監査事務局長白石弥生子君
収用委員会事務局長中田 清己君

二月十五日議事日程第三号
第一 第一号議案
  平成十九年度東京都一般会計予算
第二 第二号議案
  平成十九年度東京都特別区財政調整会計予算
第三 第三号議案
  平成十九年度東京都地方消費税清算会計予算
第四 第四号議案
  平成十九年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計予算
第五 第五号議案
  平成十九年度東京都母子福祉貸付資金会計予算
第六 第六号議案
  平成十九年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
第七 第七号議案
  平成十九年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
第八 第八号議案
  平成十九年度東京都農業改良資金助成会計予算
第九 第九号議案
  平成十九年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
第十 第十号議案
  平成十九年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
第十一 第十一号議案
  平成十九年度東京都と場会計予算
第十二 第十二号議案
  平成十九年度東京都都営住宅等事業会計予算
第十三 第十三号議案
  平成十九年度東京都都営住宅等保証金会計予算
第十四 第十四号議案
  平成十九年度東京都都市開発資金会計予算
第十五 第十五号議案
  平成十九年度東京都用地会計予算
第十六 第十六号議案
  平成十九年度東京都公債費会計予算
第十七 第十七号議案
  平成十九年度東京都多摩ニュータウン事業会計予算
第十八 第十八号議案
  平成十九年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
第十九 第十九号議案
  平成十九年度東京都病院会計予算
第二十 第二十号議案
  平成十九年度東京都中央卸売市場会計予算
第二十一 第二十一号議案
  平成十九年度東京都都市再開発事業会計予算
第二十二 第二十二号議案
  平成十九年度東京都臨海地域開発事業会計予算
第二十三 第二十三号議案
  平成十九年度東京都港湾事業会計予算
第二十四 第二十四号議案
  平成十九年度東京都交通事業会計予算
第二十五 第二十五号議案
  平成十九年度東京都高速電車事業会計予算
第二十六 第二十六号議案
  平成十九年度東京都電気事業会計予算
第二十七 第二十七号議案
  平成十九年度東京都水道事業会計予算
第二十八 第二十八号議案
  平成十九年度東京都工業用水道事業会計予算
第二十九 第二十九号議案
  平成十九年度東京都下水道事業会計予算
第三十 第百二十六号議案
  平成十九年度東京都一般会計補正予算(第一号)
第三十一 第百二十七号議案
  平成十九年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
第三十二 第三十号議案
  東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例
第三十三 第三十一号議案
  特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三十四 第三十二号議案
  市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三十五 第三十三号議案
  東京都区市町村振興基金条例の一部を改正する条例
第三十六 第三十四号議案
  平成十八年度分の都と特別区及び特別区相互間の財政調整の特例に関する条例
第三十七 第三十五号議案
  東京都組織条例の一部を改正する条例
第三十八 第三十六号議案
  東京都職員定数条例の一部を改正する条例
第三十九 第三十七号議案
  東京都知事等の給料等に関する条例の一部を改正する条例
第四十 第三十八号議案
  東京都知事の給料等の特例に関する条例の一部を改正する条例
第四十一 第三十九号議案
  災害時において応急措置の業務に従事した者の損害補償に関する条例の一部を改正する条例
第四十二 第四十号議案
  東京都国民保護対策本部及び緊急対処事態対策本部条例の一部を改正する条例
第四十三 第四十一号議案
  職員の定年等に関する条例の一部を改正する条例
第四十四 第四十二号議案
  東京都特別職報酬等審議会条例の一部を改正する条例
第四十五 第四十三号議案
  東京都知事等の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
第四十六 第四十四号議案
  東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第四十七 第四十五号議案
  東京都人事委員会委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
第四十八 第四十六号議案
  東京都監査委員条例の一部を改正する条例
第四十九 第四十七号議案
  東京都監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
第五十 第四十八号議案
  東京都公債条例の一部を改正する条例
第五十一 第四十九号議案
  財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例の一部を改正する条例
第五十二 第五十号議案
  東京都都税条例の一部を改正する条例
第五十三 第五十一号議案
  東京都自動車税総合事務所設置条例の一部を改正する条例
第五十四 第五十二号議案
  東京都自動車税事務所設置条例を廃止する条例
第五十五 第五十三号議案
  アメリカ合衆国軍隊の構成員等の所有する自動車に対する自動車税の賦課徴収の特例に関する条例の一部を改正する条例
第五十六 第五十四号議案
  東京都収入証紙条例の一部を改正する条例
第五十七 第五十五号議案
  東京都副出納長設置条例を廃止する条例
第五十八 第五十六号議案
  東京都公益認定等審議会条例
第五十九 第五十七号議案
  東京都スポーツ・文化振興交流基金条例
第六十 第五十八号議案
  東京都私立学校教育助成条例の一部を改正する条例
第六十一 第五十九号議案
  東京都育英資金条例の一部を改正する条例
第六十二 第六十号議案
  東京都教育委員会の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第六十三 第六十一号議案
  東京都学校経営支援センター設置条例の一部を改正する条例
第六十四 第六十二号議案
  学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例
第六十五 第六十三号議案
  都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例
第六十六 第六十四号議案
  東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
第六十七 第六十五号議案
  東京都立学校の授業料等徴収条例の一部を改正する条例
第六十八 第六十六号議案
  東京都立学校校外教育施設設置条例を廃止する条例
第六十九 第六十七号議案
  東京都体育施設条例の一部を改正する条例
第七十 第六十八号議案
  東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
第七十一 第六十九号議案
  東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
第七十二 第七十号議案
  東京都立看護専門学校条例の一部を改正する条例
第七十三 第七十一号議案
  東京都身体障害者更生援護施設条例の一部を改正する条例
第七十四 第七十二号議案
  東京都知的障害者援護施設条例の一部を改正する条例
第七十五 第七十三号議案
  東京都児童福祉施設条例の一部を改正する条例
第七十六 第七十四号議案
  東京都心身障害者福祉作業所条例を廃止する条例
第七十七 第七十五号議案
  東京都心身障害者生活実習所条例を廃止する条例
第七十八 第七十六号議案
  東京都養護老人ホーム条例の一部を改正する条例
第七十九 第七十七号議案
  東京都三宅島災害被災者帰島生活再建支援条例の一部を改正する条例
第八十 第七十八号議案
  東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
第八十一 第七十九号議案
  東京都感染症の診査に関する協議会条例の一部を改正する条例
第八十二 第八十号議案
  東京都結核の診査に関する協議会条例を廃止する条例
第八十三 第八十一号議案
  東京都薬物の濫用防止に関する条例の一部を改正する条例
第八十四 第八十二号議案
  東京都福祉・健康安心基金条例
第八十五 第八十三号議案
  東京都しごとセンター条例の一部を改正する条例
第八十六 第八十四号議案
  東京都立技術専門校条例の一部を改正する条例
第八十七 第八十五号議案
  東京都労働資料センター条例の一部を改正する条例
第八十八 第八十六号議案
  東京都農業関係試験等手数料条例の一部を改正する条例
第八十九 第八十七号議案
  東京都森林整備地域活動支援基金条例の一部を改正する条例
第九十 第八十八号議案
  東京都海上公園条例の一部を改正する条例
第九十一 第八十九号議案
  東京都地球温暖化対策推進基金条例
第九十二 第九十号議案
  都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
第九十三 第九十一号議案
  東京都自然公園条例の一部を改正する条例
第九十四 第九十二号議案
  東京都環境科学研究所手数料条例の一部を改正する条例
第九十五 第九十三号議案
  東京都水防条例の一部を改正する条例
第九十六 第九十四号議案
  東京都公有土地水面使用料等徴収条例の一部を改正する条例
第九十七 第九十五号議案
  東京都立公園条例の一部を改正する条例
第九十八 第九十六号議案
  東京都特定自動車条例の一部を改正する条例
第九十九 第九十七号議案
  東京都給水条例の一部を改正する条例
第百 第九十八号議案
  東京都下水道条例の一部を改正する条例
第百一 第九十九号議案
  警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例
第百二 第百号議案
  警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例
第百三 第百一号議案
  警視庁留置施設視察委員会の設置に関する条例
第百四 第百二号議案
  東京消防庁職員定数条例の一部を改正する条例
第百五 第百三号議案
  特別区の消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
第百六 第百四号議案
  救急業務等に関する条例の一部を改正する条例
第百七 第百五号議案
  都営住宅十八CH─一〇五東(江東区大島九丁目第二・江東区施設)工事請負契約
第百八 第百六号議案
  都営住宅十八H─一〇九東(北区西が丘三丁目)工事請負契約
第百九 第百七号議案
  平成十八年度東京港臨海道路(Ⅱ期)若洲側アプローチ橋りょう鋼けた製作・運搬工事請負契約
第百十 第百八号議案
  包括外部監査契約の締結について
第百十一 第百九号議案
  東京都と神奈川県との境界にわたる町田市と相模原市との境界変更について
第百十二 第百十号議案
  境界変更に伴う財産処分に関する協議について
第百十三 第百十一号議案
  全国自治宝くじ事務協議会への新潟市及び浜松市の加入並びにこれに伴う全国自治宝くじ事務協議会規約の一部の変更について
第百十四 第百十二号議案
  都道の路線の認定について
第百十五 第百十三号議案
  都道の路線の廃止について
第百十六 第百十四号議案
  東京都道路公社が行う八王子中央有料道路事業の変更に対する同意について
第百十七 第百十五号議案
  東京都道路公社の道路の整備に関する基本計画の変更に係る国土交通大臣への認可申請について
第百十八 第百十六号議案
  平成十九年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について
第百十九 第百十七号議案
  平成十八年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担の変更について
第百二十 第百十八号議案
  平成十八年度東京都一般会計補正予算(第一号)
第百二十一 第百十九号議案
  平成十八年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
第百二十二 第百二十号議案
  平成十八年度東京都都市開発資金会計補正予算(第一号)
第百二十三 第百二十一号議案
  平成十八年度東京都公債費会計補正予算(第一号)
第百二十四 第百二十二号議案
  平成十八年度東京都都市再開発事業会計補正予算(第一号)
第百二十五 第百二十三号議案
  平成十八年度東京都臨海地域開発事業会計補正予算(第二号)
第百二十六 第百二十四号議案
  平成十八年度東京都水道事業会計補正予算(第一号)
第百二十七 第百二十五号議案
  平成十八年度東京都下水道事業会計補正予算(第一号)
第百二十八 第百二十八号議案
  東京都障害者自立支援対策臨時特例基金条例
第百二十九 第百二十九号議案
  都と特別区及び特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例
第百三十 諮問第一号
  地方自治法第二百四十四条の四の規定に基づく審査請求に関する諮問について

   午後一時一分開議

○議長(川島忠一君) これより本日の会議を開きます。

○議長(川島忠一君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(川島忠一君) 昨日に引き続き質問を行います。
 四十一番高橋かずみ君。
   〔四十一番高橋かずみ君登壇〕

○四十一番(高橋かずみ君) 当面する都政の課題について質問をさせていただきます。都知事並びに関係局長の誠意あるご答弁をお願いいたします。
 まず最初に、オリンピックの東京招致についてお尋ねいたします。
 昨年十一月に開かれた東京都議会オリンピック招致特別委員会で、私は、オリンピックの理念など基本的な事項を質問させていただきました。同じ月に発足した東京オリンピック招致委員会も、三月初旬までにはNPO法人として法人格を取得する予定と伺っており、いよいよ活動も本格化してまいります。
 そこで、今回は、招致活動のための資金調達について質問をいたします。
 開催都市の国際選考まで三年を切り、アメリカではシカゴとロサンゼルスの争いが本格化しています。アメリカに加え、いまだ開催経験のない南米、アフリカなどの強豪ライバルを破るには、十分な資金を持って、かつ都民、国民に早くから働きかけ、招致に取り組むべきと考えます。
 二〇〇八年大会に立候補した大阪市では、二〇〇〇年の正式立候補都市承認を記念して、二千円以上の寄附者に招致マーク入り大阪市バス模型、いわゆるチョロQを記念品としてプレゼントする企画を行い、市民の大きな反響を呼んだと聞いております。
 現在、開催の九年前ではありますが、大会招致は、招致委員会だけではなく、都民、国民一人一人がともに進めていくという意識を高めるためにも、招致資金の寄附を募るのもよいことだと思います。
 例えば若洲ゴルフリンクスや東京体育館など、まずは都内のスポーツ施設の利用者に対し、百円でも二百円でも寄附を求めるなど、都民レベルの寄附を募り、あわせて機運盛り上げへの参画を図るということは大変有意義だと思いますが、所見をお伺いいたします。
 一方、招致活動を全国に展開するための十分な資金を確保するには、募金に加えて財界や企業からの寄附が中心になるとも考えます。大阪や長野の招致の例を見ると、おおむね半分くらいが財界からの寄附金、残りが地方公共団体等の負担金と聞いております。招致活動に係る経費の都の負担を極力抑えるためにも、財界や企業の協力を得ることが重要なのではないでしょうか。
 資金の調達方法を含め、東京オリンピック招致委員会が財界、企業の協力を得られるよう、都としても積極的に支援すべきと考えます。この点について知事のご所見をお伺いいたします。
 次に、駅ナカビジネスに係る固定資産評価の見直しについてお尋ねいたします。
 この駅ナカビジネスについては、駅前商店街との税負担の公平を図るべきであり、昨年の第二回定例都議会において、我が党が代表質問で取り上げたところであります。
 この間、主税局は、全国の市町村にも影響することから、評価基準を所管する総務省へ働きかけを行っており、こうした積極的な取り組みに対しては敬意をあらわしたいと思います。
 こうした都の努力が国をも動かし、昨年末、この問題について一定の成果があったと仄聞しておりますが、改めて今回の改正に向けた基本的な考え方と今後の見通しについてお伺いいたします。
 次に、道路整備及び連続立体交差事業についてお尋ねいたします。
 道路は、交通の安全、円滑化を図るのみならず、良好な都市景観の形成や環境保全に寄与するなど、多様な機能を担っております。しかし、区部における混雑時の自動車平均旅行速度は十八・八キロメートルと、交通需要に対して道路整備が追いつかない状況にあります。
 首都圏の道路交通の骨格として三環状九放射の高速道路ネットワークが計画されたのは、今からおよそ四十年前であります。しかし、都心部に用がない通過交通の分散を図るための首都圏三環状道路は、いまだに完成しておりません。昨年十二月に都が公表した「十年後の東京」の中では、三環状道路の整備率を十年後に約九割に向上させ、渋滞ゼロを目指しています。
 東京外かく環状道路については、これまでも事業の促進を訴えてきましたが、いよいよ大深度地下を活用した構造へと都市計画変更されると聞いております。しかしながら、地下化への都市計画変更があっても、すぐに事業化されるわけではなく、解決しなければならない課題があります。
 首都圏にとっても、また沿線地域の活性化にとっても欠かすことのできない外環でありますが、国における計画上の位置づけはいまだに予定路線のままであり、早急にその位置づけを高めていく必要があります。その上で、一日も早く事業化を図り、早期完成を目指すべきであると考えますが、事業着手に向けた取り組みをどのように進めていくのかお伺いいたします。
 外環を初めとする三環状道路の整備は進みつつありますが、環状道路と都心方向を結ぶ高速道路の整備は十分とはいえません。次のステップとして、これらの放射方向を担う構想路線が整備されなければ、ネットワークの効用が十分に発揮されません。
 そこで、まず放射方向の部分などを担っている未着手の高速道路の計画、構想路線は、現在、都内にどのような路線があり、どのような位置づけとなっているのかお伺いいたします。
 これらの計画、構想路線は、すべて整備されることが期待されますが、とりわけ整備の必要性が高いのが高速一〇号線であります。都内に建設された高速自動車国道の中で、関越自動車道だけは唯一接続する首都高速道路がなく、目白通りが終点となっていますが、関越道から都心方面への交通需要は依然として高い状況であります。
 また、谷原の交差点は、関越道をおりて都心方面に直進する車と、環状八号線方面に右折する車で渋滞しております。外環が整備されれば、関越道から大泉ジャンクションを経て中央道方面への接続が可能となりますが、都心方面に直進する車の利便性については課題が残ります。
 周辺地域の交通問題を解消するためにも、外環の都市計画変更にめどがついた今、ぜひとも関越道から都心方面への構想路線である高速一〇号線を具体化すべきと考えますが、所見を伺います。
 さらに、都内の渋滞解消を図っていくためには、都内の幹線道路ネットワークも拡充していかなければなりません。しかし、都民の生活に欠くことのできない都市計画道路については、地域によって、その整備率に格差が生じているのが現実であります。十年後、成熟した都市東京となるためには、渋滞解消を進めることが求められており、そのためには、バランスよく都内全域で都市計画道路の整備を進める必要があります。
 私の地元練馬区では、おおむね中心部に笹目通りが南北に貫いており、その笹目通りを境に、東側では環状八号線や放射三五号線の整備が進んでおりますが、笹目通りより西側の練馬区西部では、整備率が区部平均の半分以下と極めて低い状況にあります。とりわけ練馬区北西部の土支田・高松地区や大泉町・大泉学園町地区は、交通不便地域であることから、大江戸線を延伸することを地元は長年待ち望んでおり、また周辺地域の渋滞を緩和するためにも、大江戸線延伸部の導入空間ともなる補助第二三〇号線を早期に整備することが望まれます。
 このような状況の中、補助第二三〇号線の土支田・高松地区では、既に区が区画整理事業を実施しており、また昨年八月には、ほかの区間も都が事業に着手したところであります。
 そこで、残る土支田通りから西側の補助第二三〇号線の大泉町・大泉学園町の区間の今後の具体的な取り組みについて伺います。
 また、渋滞解消に当たっては、都市計画道路の整備とあわせて、いわゆるあかずの踏切を解消するために、鉄道の立体交差化が必要不可欠であります。練馬区では、西武池袋線の桜台駅から練馬高野台駅間で既に鉄道の立体化が完成したところでありますが、引き続き、練馬高野台駅から大泉学園駅間の鉄道立体化が地元住民の悲願であります。
 この区間については、平成十三年度以来、数度にわたって事業化に向けた取り組みなどを伺ってきたところであり、一昨年三月の第一回定例都議会では、平成十九年事業着手を目指すとの答弁を得ております。
 そこで、この区間の踏切解消に向けた連続立体交差事業の取り組み状況と今後の進め方について伺います。
 また、現在の石神井公園駅にはエレベーターがなく、階段の上り下りに苦労している人が多く見受けられます。さらに、踏切があかないため、駅の南北方向の行き来も難しい状況があります。このため、地域住民は早期にバリアフリー化などが図られることを強く望んでいます。
 そこで、工事期間中を含めた石神井公園駅のバリアフリー化と南北方向の自由通路の確保についてお伺いいたします。
 鉄道の立体交差化は、踏切除却による交通渋滞の解消だけでなく、沿線のまちづくりを推進するなど、地域住民の生活向上に非常に大きな効果をもたらす事業であります。都の踏切対策基本方針によると、練馬区内には、西武池袋線の椎名町駅から桜台駅間を初め、大泉学園駅から保谷駅間、新宿線の井荻駅から東伏見駅間の三区間が鉄道立体化の検討区間に位置づけられております。
 これらの区間についても、鉄道の立体化は住民の悲願であります。どうか一日も早く実現することを強く要望しておきます。
 次に、大江戸線の混雑対策についてお尋ねいたします。
 地下鉄などの公共交通機関も、東京の都市活動や都民生活を支える都市インフラであり、その混雑緩和を図り、快適に利用できるようにすることは、大変重要な取り組みであると思います。
 都営地下鉄については、平成十九年度予算で、開業以来初めて経常収支の黒字転換を見込んでおりますが、その好調を牽引する大江戸線は、他社の路線と比べても、引き続き高い伸びを示していると伺っております。
 しかし一方、乗客数の伸びに合わせて、ラッシュ時の混雑が激しくなっております。この春、六本木の防衛庁跡地にミッドタウンのオープンを初め、これからも沿線の開発が進む中で、さらに厳しくなることが予想されます。
 こうした状況を踏まえ、大江戸線の混雑緩和に向けて、輸送力の増強などの対策を講ずべきと考えますが、所見をお伺いいたします。
 次に、河川行政における治水対策と豪雨対策についてお尋ねいたします。
 先ほど申し上げました「十年後の東京」で特に目を引くことは、緑化の倍増と水辺の復活であります。鉄とコンクリートの人工的な都市に潤いや安らぎをもたらし、風格と落ちつきのある都市の形成には、緑や水などの自然的要素が大きな効果をもたらします。
 とりわけ、都市の中での水面や水辺を復活させることにより、多くの都民や訪問者が集い、これまで川に背を向けていた建物が水辺にも向かうようになれば、東京のまちの骨格にも大きな影響を及ぼします。
 川は、緑と異なり、雨を流下させる治水機能をあわせ持ちます。一昨年九月の中野、杉並両区を中心とした大水害では、都内で六千棟もの浸水被害が生じています。世界的な異常気象がますます顕著になり、極端な日照りと豪雨が世界じゅうで繰り広げられております。
 このため、過去には考えられないような大災害となり、多くの人々の生命を奪い、生活の破綻を招いています。東京も決して例外ではありません。水害に遭った多くの都民は、春から秋にかけての時期に集中豪雨の予報があると、安心して眠りにつくことはできません。東京は、オリンピックの正式招致に向けさまざまな取り組みが始まっていますが、これでは、都民として誇りを持って、世界じゅうからお客さんをおもてなしの心で迎えるどころではありません。
 聞くところによると、都内で土砂災害の危険な地域には、十八万人もの都民の皆さんが生活しております。こうした都民の生命を守るため、期限を定め、対策の速やかな提示と実行が強く求められております。
 以上、河川行政に関する考えを述べましたが、「十年後の東京」を見据え、どのような目標を定め事業を進めていくのかお伺いいたします。
 次に、水害の危険の高い神田川など区部の中小河川の計画の内容についてお聞きします。
 現在、都内では五〇ミリ降雨に対する対策が進んでいますが、いまだその整備率は六割にすぎません。このため、私の地元練馬区内でも、一昨年の集中豪雨では、石神井川、白子川などで大規模な被害が発生しています。
 河川の整備には、ふくそうした権利関係の中での用地買収を伴うことなど、大都市特有の困難さがあることは十分理解しておりますが、今後どのような対策を実施していくのか、区部の中小河川整備の具体的な内容についてお伺いいたします。
 さて、一昨年の豪雨は、これまで余り経験したことのないような、局所的に短い時間、猛烈に降る雨でありました。都は、こうした新たな状況に対して適切に対応するため、東京都豪雨対策基本方針の取りまとめを進めていると聞いております。ぜひ最近の豪雨の特性を踏まえた、実効性の高い方針をまとめてほしいと考えております。
 そこで、東京都豪雨対策基本方針をどのようにまとめていくのか、お伺いいたします。
 また、一昨年のような豪雨に対しては、河川や下水道の整備のみならず、浸透ますの設置などにより、河川などに水を流さない取り組みを一層強化するなど、流域全体を見据えた新たな取り組みも必要と考えますが、所見をお伺いいたします。
 最後に、都市農業についてお尋ねいたします。
 我が東京都議会自由民主党の都市農政を考える議員連盟では、一昨年から数回にわたり青壮年農業者との懇談会を開催し、農業者からさまざまな意見を聞きました。これから農業で生きていく若い農業者は、相続を重大な危機としてとらえています。都議会と都が協力して、国に相続税制度等の改善を要望していくべきだと思います。
 一方で、都として独自に取り組めることは、すぐにでも行うべきと思います。
 農地は、耕作されてこそ、都民への食料提供や潤いのある景観が維持されるなど、都市に対してさまざまな機能を果たすことになります。しかし、農業者が相続税納税猶予制度を受けていると、高齢や病気などになっても農地の貸し借りができません。
 このような場合も、農地が遊休化しないように、農地を維持する仕組みを整備すべきでありますが、所見をお伺いいたします。
 都では、「十年後の東京」で、屋上や壁面緑化、さらには校庭の芝生化や都市公園の整備などで緑をふやし、ヒートアイランド現象を緩和しようとしています。しかし、今ある農地を保全することも大切であります。地球温暖化対策推進基金などを使い、積極的な農地保全策をとるべきだと思います。
 環境都市づくりを推進する観点から、農地を初めとする身近な緑の保全について、今後どのように取り組もうとしているのか、所見をお伺いいたします。
 都市の農地には、生産緑地制度の対象とならない五百平方メートル以下の小規模な農地が散在し、これらも相続等により失われていっていると聞いております。都では、従来から生産緑地の指定面積の引き下げを国に要望していると聞いておりますが、当面、都市の農地を保全し、緑を守る観点から、小規模な農地についても保全活用策の積極的な検討などが必要であります。所見をお伺いいたします。
 さまざまな対策を講じて農業者が安心して農業ができるようにすることが、東京の緑を守ることに通じ、さらにはオリンピック招致に向けた良好な都市環境をつくり出すことになると考えております。
 これで私の一般質問を終わらせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 高橋かずみ議員の一般質問にお答えいたします。
 民間企業等の協力を得るための東京オリンピック招致委員会の支援についてでありますが、オリンピックの東京招致を成功させるには、招致の中心となる東京オリンピック招致委員会が存分に活動できる基盤を多角的に構築していくことが重要であると思います。
 中でも資金の確保は、招致活動を展開する上で不可欠でありまして、民間の企業や団体の協力に大きな期待を寄せております。
 都としても、経済団体等に対して東京オリンピック招致委員会への資金の提供を、ご提言にもあるように、きめ細かく、強く働きかけていくつもりでございます。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔東京オリンピック招致本部長熊野順祥君登壇〕

○東京オリンピック招致本部長(熊野順祥君) オリンピック招致に対する寄附及び機運の盛り上げについてお答え申し上げます。
 都民、国民の一人一人から東京オリンピック招致委員会に対する寄附をいただくことは、招致活動の資金を確保するということに加えまして、招致機運の盛り上げを図る上でも大変重要であると考えております。
 ご提案のスポーツ施設利用者からの寄附につきましては、現在、東京オリンピック招致委員会におきまして寄附のさまざまな手法を検討しているところであり、その具体化につきましては、都としても積極的に協力してまいります。
   〔主税局長菅原秀夫君登壇〕

○主税局長(菅原秀夫君) 鉄軌道用地に係る固定資産評価の見直しについてお答えを申し上げます。
 商業施設のある駅と近隣の宅地との間では、固定資産評価に著しい不均衡が生じておりまして、都といたしましては、都議会の皆様方のご支援も賜りながら、税負担の公平性を確保する観点から、その是正に向けまして、国に働きかけるなど積極的に取り組んでまいりました。
 今般、都の主張を踏まえまして、国において評価基準が改正されるとともに、通常の評価替えより二年前倒しの平成十九年度から実施するための税法上の措置が講じられる見通しとなりました。
 このため、都といたしましても、同様の状況にございます全国の市町村と歩調を合わせまして、見直しを実施することといたしました。
 今後は、速やかに鉄軌道用地の新たな評価、課税を実施いたしまして、適正、公平な税の執行に努めてまいります。
   〔都市整備局長柿堺至君登壇〕

○都市整備局長(柿堺至君) 六点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、外環の事業着手に向けた取り組みについてでございますが、外環は、東京の最大の弱点である交通渋滞の克服、国際競争力の向上とともに、快適で利便性の高い都市を実現するため、早期整備が不可欠でございます。
 これまで都は、地下化への都市計画変更を着実に進めるとともに、国に対して、速やかに国土開発幹線自動車道建設会議を開催し、外環を高速自動車国道法の整備計画に位置づけるよう強く求めてまいりました。
 今後とも、引き続き、外環の早期事業化が図られるよう、積極的に働きかけてまいります。
 次に、都内における高速道路の計画、構想路線についてでございますが、平成十三年十月に都が策定した東京の新しい都市づくりビジョンや、平成十八年九月に国が策定した首都圏整備計画において、高速晴海線二期区間、高速一〇号線、第二東京湾岸道路などが、整備について調査検討すべき路線として位置づけられております。
 次に、高速一〇号線でございますが、本路線は、関越自動車道と都心部との連絡を強化するとともに、周辺街路の混雑緩和などに寄与する路線でございます。
 この一〇号線を具体化するに当たっては、ルート、事業主体、採算性などさまざまな課題がございます。今後、都としては、首都圏三環状道路の整備状況や交通需要の動向等を長期的な視点でとらえながら、関係機関と連携し、調査検討を進めてまいります。
 次に、豪雨対策基本方針の策定についてでございますが、都は、平成十七年の豪雨災害の発生を踏まえ、学識経験者などから成る委員会を設置し、検討を進めております。
 委員会では、これからの豪雨対策について、河川や下水道の整備に加え、自助、共助を促進するという観点から、浸水被害を最小限にとどめる減災対策を集中的に推進すべきとの方向が示されております。
 具体的には、豪雨や水害の発生頻度などを踏まえた対策促進エリアを定め、豪雨をできるだけ川に流さない流域対策、地下空間への浸水を防ぐ家づくりなどの促進、水害に関する情報提供による避難の迅速化など、ハード、ソフト両面からの取り組みについて議論が進んでおります。
 今後、こうした委員会での議論を踏まえ、都民や関係機関の意見を聞きながら、基本方針を早急に取りまとめてまいります。
 次に、新たな豪雨対策の取り組みについてでございますが、都としては、豪雨対策の緊急性を踏まえ、具体的な対策を早急に実施していくことが重要と考えております。
 そこで、平成十九年度から、神田川や石神井川など浸水被害の多い四流域を対象に、浸透ます設置費用の助成を区市と連携して行うなど、流域対策の強化を図ってまいります。
 また、地下室などへの浸水被害を防止するため、対策の必要な地区やその方法などを示したガイドラインを作成し、都民みずからの浸水対策を促すなど、都民生活の安全確保に努めてまいります。
 最後に、生産緑地制度の対象とならない小規模農地の保全活用策についてでございますが、都市の農地は、本来の役割に加えて、良好な都市環境を形成していく上で、小規模であっても貴重な緑の資源でございます。
 これまで、屋敷林等の樹林地の保全に対しては、都市緑地法に基づく借地方式の市民緑地制度などが活用され、一定の効果を上げてまいりました。
 今後は、この制度の小規模な農地への適用を検討し、需要の多い市民農園へ活用するなど、区市町村とも連携しながら、身近な緑の保全に積極的に努めてまいります。
   〔建設局長依田俊治君登壇〕

○建設局長(依田俊治君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、補助第二三〇号線の今後の取り組みについてでありますが、本路線は、練馬区北西部の道路ネットワークの形成に寄与するとともに、大江戸線延伸部の導入空間ともなる重要な路線であります。このうち、土支田通りから大泉学園通りまでの区間については、都は、練馬区と連携し、沿道のまちづくりに合わせて整備を進めることといたしております。
 本年二月には、練馬区がまちづくり協議会を設置し、広く地域住民の意見を聞きながら、沿道のまちづくりについて検討を開始いたします。こうした動きを受けて、都は、事業着手に向けて、本年秋から測量を再開してまいります。
 次に、西武池袋線の連続立体交差事業の取り組み状況と今後の進め方についてでございますが、本事業は、西武池袋線練馬高野台駅から大泉学園駅までの二・四キロメートルの区間を連続的に立体交差化することによって、九カ所の踏切を除却し、富士街道などの交通渋滞を解消するとともに、鉄道により分断されている市街地の一体化を図るものでございます。
 現在、平成十九年度早期の事業認可取得に向け、国土交通省などの関係機関と協議を実施しております。事業認可取得後、工事説明会を実施し、夏には、仮駅施設工事や仮線工事に着手する予定でございます。
 次に、石神井公園駅のバリアフリー化と南北方向の自由通路の確保についてでございますが、現在の駅舎は、エレベーターなどによるバリアフリー対応がなされておらず、また、南北の自由通路も設置されておりません。このため、連立事業で高架化する石神井公園駅については、エレベーターやエスカレーターを設置するなどバリアフリー化を図るとともに、南北方向の自由な通行を確保することとしております。
 しかし、完成までに期日を要することから、高架化工事に先立ち施工する仮駅施設においても、駅南北方向に自由な通行ができる仮設の地下通路及び改札口を設けるとともに、仮設エレベーターを設置いたします。
 今後とも、利用者の利便性や安全性に配慮しつつ、西武池袋線を初めとする連立事業を積極的に推進してまいります。
 次に、今後の河川整備の目標についてでありますが、東京を安全で安心できるまちとしていくためには、十年後の河川の明確な目標を設定し、それに向かって事業を推進していくことが重要でございます。
 主要な目標として、中小河川では、護岸や調節池を整備することにより、過去の水害と同規模の降雨による溢水の九割を解消し、残りの一割についても被害の程度を大幅に減少させること、東部低地河川では、伊勢湾台風級の高潮に対する対策や、阪神・淡路大震災を踏まえた外郭堤防と内部護岸などの耐震対策を完了させること、土砂災害の危険のある多摩地域などでは、住民の速やかな避難体制を確立するため、警戒区域の指定や警戒情報を提供するソフト対策を構築するとともに、避難所が立地するすべての危険箇所の安全対策を進めていくこと、さらに、これらの事業を進めるに当たっては、スーパー堤防の整備や多自然川づくりなどにより、景観や緑の視点を取り入れた、安全で潤いのある水辺空間を創出していくことなど、こうした目標を設定し、その達成を目指して積極的に事業に取り組んでまいります。
 最後に、区部中小河川の今後の取り組みについてでありますが、水害から都民の命と暮らしを守るため、過去に水害が発生した箇所や、大規模な浸水被害が発生するおそれのある箇所について、五〇ミリ対策を重点的に実施することが重要であります。これまで進めてきた護岸や調節池の整備をさらに推進し、五〇ミリ降雨に対する治水安全度を向上させ、十年後には、環七に囲まれた中小河川の流域では、治水安全度一〇〇%を目指してまいります。
 この達成に向け、具体的には、妙正寺川などの激特事業を平成二十一年度に完了させるとともに、石神井川など十三の河川で護岸や調節池の整備を推進してまいります。また、近年溢水被害が発生している古川では、新たに地下調節池を整備してまいります。
 今後とも、国費などの財源確保に努め、従来にも増して事業のスピードアップを図り、水害の早期解消に努めてまいります。
   〔交通局長松澤敏夫君登壇〕

○交通局長(松澤敏夫君) 大江戸線の混雑対策についてお答えいたします。
 都営大江戸線の利用者数は、沿線の再開発や利便性が浸透してきたことなどによりまして、現在、一日平均で七十万人を超え、前年度に比べ、五%を上回る高い伸びで推移してきており、当面はこの傾向が続くものと見込まれるところでございます。
 こうした中、ご指摘のとおり、朝夕のラッシュ時間帯では混雑が激しい区間が出ておりまして、その緩和に向けて、輸送力の増強を図ることが必要となってきております。
 このため、今回の新しい経営計画では、まずは新規に車両を二編成増備いたしまして、ラッシュ時において運行本数をふやすとともに、運行間隔をさらに短縮するため、新たな機能を持つ信号通信設備の導入など、抜本的な混雑対策について検討を進めていくこととしているところでございます。
   〔産業労働局長島田健一君登壇〕

○産業労働局長(島田健一君) 農地を維持する仕組みの整備についてお答えをいたします。
 現行の相続税納税猶予制度のもとでは、農地の貸し借りができないため、高齢や病気等で農業者が耕作が困難になった場合、農地が遊休化しがちであります。しかし、農業者が引き続き経営を行う中で、作業を委託することは可能であります。そのため、都では、作業受委託の仕組みを構築し、貴重な都市農地の保全を図ってまいります。
 具体的には、来年度から、農林水産振興財団を活用し、若い農業者や高い農業技術を持っている都民等を組織化して、困っている農家に紹介してまいります。
 今後とも、多様な取り組みにより、東京の農業、農地の保全に努めてまいります。
   〔環境局長村山寛司君登壇〕

○環境局長(村山寛司君) 農地を初めといたします身近な緑の保全についてお答えいたします。
 身近な緑は、大都市東京において貴重なオープンスペースとして防災の機能を果たすとともに、人々の生活に潤いを与え、さらには、ヒートアイランド現象の緩和や生態系を保全するなど、多様な役割を担っております。このような機能の多様性という特質を持つ東京の身近な緑を守り、ふやしていくためには、都政の持つ多様な政策手段を複合的に組み合わせ、総合的に活用していくことが不可欠であります。
 今回、緑の都市づくり推進本部が全庁横断的な組織として設置されました。今後は、ただいま申し上げた観点に立ちまして、各局密接に連携して、緑の東京十年プロジェクトを構築し、農地や屋敷林など、東京の貴重な緑の保全に向けて、積極的に施策を展開してまいります。

○議長(川島忠一君) 九十七番酒井大史君。
   〔九十七番酒井大史君登壇〕

○九十七番(酒井大史君) 初めに、犯罪被害者支援について伺います。
 この問題については、過去四回の一般質問で取り上げ、今回が五回目となりますが、この間、犯罪被害者を取り巻く環境は大きく変化しました。特に国においてはその取り組みは顕著で、平成十六年十二月一日、犯罪被害者等基本法が成立、十七年四月に施行されるとともに、同年十二月には、法に基づく犯罪被害者等基本計画が閣議決定され、平成十八年四月一日より計画が実施に移されています。
 また、刑事裁判においても、被害者に一定の制約はあるものの、証人尋問、被告人質問、求刑をも認めるという、これまでの刑事訴訟制度を大きく変えることになる被害者参加制度を法制審議会がまとめたとの報道もあり、犯罪被害者にもようやく光が当たり始めた感があります。
 東京都においても、この間、警視庁を中心とした取り組みのみならず、医療機関向け犯罪被害者支援マニュアルの作成や、人権教育プログラム(学校教育編)に犯罪被害者やその家族の項目を設けるなど、一定の取り組みをしていただきました。
 しかし、刑法犯の認知件数はここ数年減少し、また昨年は、飲酒運転の厳罰化と取り締まり強化により、交通事故による犠牲者は減少しているものの、毎年一定数の犯罪被害者が新たに発生しています。昨年初めて発行された犯罪被害者白書によると、平成十六年における交通業過を除く刑法犯被害者総数は四万八千百九十人で、うち死者は千三百九十七人、重傷者は三千四百七十九人、軽傷者は四万三千三百十四人ということです。
 これだけ多くの方が毎年新たに被害者になっている状況の中で、これ以上被害者をつくらないための治安の回復のみならず、不幸にも被害に遭ってしまった方やその家族の立ち直りに向けた支援策は、国だけではなく、地方公共団体においても早急に確立していく必要があることはいうまでもありません。現に、犯罪被害者等基本法においては、そのほとんどの項目において、実施主体は国及び地方公共団体としています。
 そこで、今回は、平成十八年四月より犯罪被害者等基本計画が実施に移されたことを受けて、都の取り組みについて何点かお伺いします。
 昨年三月に開催された都道府県・政令指定都市犯罪被害者等施策主管課室長会議において、内閣府は総合的な窓口の整備を要請しましたが、内閣府犯罪被害者等施策推進室長の話では、当時、ほとんどの自治体で、内閣府からの要請を受ける担当窓口すら決まっていない状況であったと伺いました。
 幸いにも、東京都においては総務局人権部が担当しており、要請の受け手としては不都合はなかったことと思いますが、現在、人権部は庁内の総合窓口としてどのような対応をしているのか、まず伺います。
 その上で、国は、犯罪被害者等が再び平穏な生活を取り戻すまでの間、途切れることのない情報提供、支援を受けていくためには、地域の身近な公的機関である地方公共団体の取り組みが重要であるとしています。そして、その取り組みの第一歩として、犯罪被害者等からの問い合わせや相談があった場合に総合的な対応を行う窓口の設置が望まれます。現在、福井県や都内杉並区、日野市では設置されていますが、総務局人権部としては、犯罪被害者等からの問い合わせや相談を受ける体制は確立されているのか、体制整備の現状と今後の取り組み方針を伺います。
 次に、初めにも触れましたが、東京都においては、他府県に先駆けて、平成十五年十月に医療機関向け犯罪被害者支援マニュアルを作成していただきました。このマニュアルは、医療機関における犯罪被害者等に対する二次被害防止にも役立つものであり、大変有益なものです。
 作成当時、健康局は、都内全病院に直接送付するとともに、東京都医師会及び東京都歯科医師会に対して診療所への配布を依頼、都内全病院の管理者を対象とした講習会で直接説明するなど、関係者に周知し、理解の徹底を図っていくと述べられました。このマニュアルについては、継続的に周知を図っていく必要があると考えます。
 マニュアル作成から三年が経過しましたが、この間の周知状況と今後の取り組みについて伺います。
 また、このマニュアルだけではなく、都においては、平成十五年三月発行の人権教育プログラムに、中学校「総合的な学習の時間」に扱う人権課題として、犯罪被害者やその家族の項目を掲載していただきました。犯罪被害者等に対する偏見や差別意識をなくしていくため、このプログラムは大変重要なものであります。
 平成十五年以降、これまで毎年継続的に掲載していただいていますが、公立学校における活用状況について伺うとともに、引き続き人権教育の一環として取り組んでいくべきものと考えますが、所見を伺います。
 以上、今回は、犯罪被害者支援に関して、都の体制整備、二次被害防止に向けての取り組み、犯罪被害者に対する差別意識払拭に向けての取り組みについて伺いました。
 犯罪被害者等基本計画の中には、このほかにも、損害回復・経済的支援等への取り組みとして、損害賠償の請求についての援助、給付金の支給にかかわる制度の充実、居住の安定、雇用の安定が、また、精神的・身体的被害の回復・防止への取り組みとして、保健医療サービス及び福祉サービスの提供など、犯罪被害者等のための具体的な施策として取り上げられています。この中には、都が取り組まなければならない多くの課題があります。
 都として、不幸にも犯罪の被害に遭ってしまった都民の立ち直りに向けて主体的に取り組んでいく、さらにスタンダードな計画にとどまることなく、東京がこの国の犯罪被害者支援をリードしていく姿勢を示すため、東京都としての基本条例として、仮称でありますが、東京都犯罪被害者等支援条例を策定すべきであると考えます。
 この点については、過去何度もご提案申し上げ、知事からも前向きな答弁をいただきながらも、実現には至っておりません。都議会民主党としても、この間、犯罪被害者支援条例プロジェクトチームを設置し、検討を重ね、座長私案として条例案も準備させていただいています。
 東京都として、ぜひ、犯罪被害者等支援条例の制定とあわせて、秋田県が平成十八年二月に総合的な支援計画を策定するとともに、県内の市町村に対しては基本条例や見舞金支給条例の制定を要請している例もあることから、都としても、各局にわたる被害者支援を連携して計画的に行っていくため、総合的な支援計画を策定する必要があると考えますが、本件に関心をお持ちの知事の見解をお伺いいたします。
 さらに、市民生活に身近な市区町村と支援相談窓口の設置に向けて連携していく必要があると考えますが、あわせて所見を伺います。
 次に、児童虐待の防止について伺います。
 近年、子どもを取り巻く悲惨な事件が相次ぐ中で、都民の多くが子どもの安心・安全に大きな関心を抱いています。警察を初め地域の見守りの中、子どもに対する外部からの犯罪については監視の目が広がりつつあるものの、内部、すなわち家庭内での虐待という犯罪から子どもを守ることについては、監視の目が届きにくいこともあり、より深刻な状況にあります。
 平成十六年十月一日に改正児童虐待防止法が施行され、児童虐待への早期対応のみならず、児童虐待の早期発見に向けた通告義務の拡大がなされましたが、状況は一向に改善されず、平成十七年に全国の児童相談所が受けた児童虐待の相談件数は三万四千四百七十二件もあり、平成十八年版犯罪白書によると、そのうち、児童虐待にかかわる検挙件数は二百二十二件、検挙人員は二百四十二人であったということです。もちろんこれは顕在化した事例であり、このほかにも虐待に苦しんでいる子どもがいることは容易に想像されます。
 また、最近問題になっている給食費の未払いも、ある意味で育児放棄、ネグレクトの一種と私は考えています。
 現に虐待を受けている子どもたちが最悪の事態になる前に救出するとともに、虐待を受けることのないような環境を構築していくことも急務の課題であります。先ほど取り上げました犯罪被害者等基本計画の中でも、児童虐待の防止、早期発見、早期対応のための体制整備が盛り込まれております。
 そこで、都としての児童虐待に対する取り組みについて、何点か質問いたします。
 まず初めに、都がこれまで取り組んできた児童虐待に対する取り組み状況と課題について伺います。
 また、新年度予算の中で、児童虐待への対応に関連した新規事業として、医療機関における虐待対応力の強化と専門機能強化型児童養護施設制度を掲げていますが、その具体的な内容を伺います。
 次に、国では与野党が連携して、児童虐待の急増に歯どめをかけるため、親の責任を明らかにし、その上で親権を制限する方向で、児童虐待防止法改正の検討を行っています。具体的には、知事が呼び出し命令を出し、それに応じない場合は、児童相談所が保護者の住居に立入調査できるといった、児童相談所がこれまで以上に迅速に対応する仕組みを創設するものですが、都としてこれをどのように受けとめているのか伺います。
 また、法改正がなされた場合はもちろんのこと、現状においても、児童相談所のさらなる機能強化、人員の確保が必要であると考えます。このことは、東京都社会福祉協議会が行った児童虐待対応及び予防に関するアンケート報告書の中でも、区市町村は、児童相談所に、家庭訪問に同行してほしいなどの支援を求める声が多く上がっていることからもうかがえます。都として、児童相談所の機能強化に向けたこれまでの取り組み状況と今後の方針を伺います。
 さらに、虐待などさまざまな課題を抱えた子どもたちの回復のためには、できるだけ家庭的な環境のもとで安心して養育されることが大切です。そこで、養育家庭制度の充実について、都としての取り組み状況を伺い、次の質問に移ります。
 最後に、自殺者対策について伺います。
 本件に関しては、自殺願望の女性を救助しようとした警察官が命を落とすという大変痛ましい事件もありましたが、毎年三万人以上の方がみずから命を絶ってしまう現状自体が大きな社会問題となっています。
 警察庁生活安全局地域課の資料によると、平成十七年中における自殺者の総数は三万二千五百五十二人で、前年に比べ二百二十七人増加しています。また、原因、動機については、健康問題が四千百四十五人で、遺書ありの自殺者の四〇%を占め、次いで、経済・生活問題が三千二百五十五人、三一・四%、家庭問題が千十一人、九・八%、勤務問題が六百五十四人、六・三%の順となっています。
 このような状況を受け、国では平成十八年六月に自殺対策基本法が制定され、十月に施行されました。また、都においても、これまで、平成十五年度、十六年度において、西多摩地区におけるうつ病対策として自殺防止プロジェクトなどを実施しており、この点については過去の一般質問でも取り上げさせていただき、専門医等によるうつ病対策のみならず、経済的な問題を解決するため、特に中高年世代に向けたきめの細かい就業支援や労働相談、健康相談等、総合的な対策の必要性を指摘させていただきました。
 そこで伺います。
 平成十八年第四回都議会定例会所信表明で、知事は、社会全体で自殺防止に取り組むため、自殺総合対策東京会議を設置すると述べられましたが、その位置づけや役割などについて伺います。
 また、都のこれまでの取り組みがどのように自殺対策に反映されているのか、あわせて伺います。
 次に、この自殺者対策は、国との連携のみならず、他県との連携も重要であると考えます。この点について、平成十八年十一月、お隣の千葉県が、都市勤労者の自殺予防には、地域や家庭における気づきと支援、職場における労働環境やサポート体制の向上が不可欠であると同時に、首都圏においては各都県市間での通勤者が多いため、居住地と勤務地双方での啓発、情報の共有や連携が必要であるなど、課題が考えられることから、八都県市が共通の重要課題である都市型の自殺対策に共同で取り組み、広域的に情報発信していくことで自殺防止の推進に大きな効果が期待できると提案し、具体的には、総合的な自殺対策推進のため、広域的なキャンペーンの実施、経済界への働きかけなどの対策や、地域と職域との連携方策を八都県市共同で調査研究するとともに、必要な経費について十分な財政措置をとるよう国に対し要望していくことなどを掲げました。
 そこで、都としては、この千葉県の提案についてどのように対応していくのか伺います。
 最後に、自殺者対策については、うつ病など医療面からのアプローチのほかに、経済問題を解決していく面でのアプローチもあると思います。遺書あり自殺原因の第二位に経済・生活問題が挙がっておりますが、この中には、今問題になっている悪徳金融業者等の被害に遭っている多重債務者や、法的には支払いの義務のないグレーゾーン金利で苦しんでいる債務者もいるものと考えられます。
 この多重債務者対策については、先般の施政方針の中でも述べられておりましたが、都として具体的にどのような制度を構築するのか伺います。
 また、鹿児島県奄美市では多重債務者対策に積極的に取り組んでいますが、市民に身近な市区町村で行っている弁護士等による市民相談を活用するなど連携して、多重債務者が自殺に追い込まれないような地域ネットワークを構築すべきと考えますが、所見を伺い、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 酒井大史議員の一般質問にお答えいたします。
 犯罪被害者等支援についてでありますが、犯罪発生において、加害者の人権もまた保障されるのは結構でありますけれども、その反面、犯罪被害者や遺族の方々が、精神的、身体的あるいは経済的にも極めて過酷な状況に置かれていることは、まことに理不尽なことであると思います。
 国において、犯罪被害者等基本法及びこれに基づく基本計画が策定され、支援のフレームが整えられたとはいえ、被害者補償制度や刑事手続への関与の拡充など、本来、国の責任において実施すべき施策は、いまだにかなりおくれていると思われます。
 都としては、犯罪被害者の切実な思いにこたえ、適切な支援を図るため、区市町村のみならず、民間団体とも連携し、体系的で実効のある支援プランを策定していきたいと思っております。
 他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。
   〔教育長中村正彦君登壇〕

○教育長(中村正彦君) 人権教育プログラムの活用についてのご質問にお答え申し上げます。
 都教育委員会では、平成十五年以降、教員用の人権教育に関します実践的な手引であります人権教育プログラムに、さまざまな人権課題に関する実践・指導事例や関係資料等を掲載し、都内の公立幼稚園、学校のすべての教員に配布してきたところでございます。
 学校は、この人権教育プログラムを、職員会議や校内研修、指導計画の作成などの際に活用しております。
 また、都教育委員会が行います人権教育に関する教員研修では、内容の周知を図ることによりまして、犯罪被害者やその家族を含むさまざまな人権課題について、正しい理解と認識を深め、学校で積極的に活用できるよう指導しております。
 今後とも、国が策定しました人権教育・啓発に関する基本計画を踏まえるとともに、東京都人権施策推進指針等に基づきまして、人権教育プログラムの内容の充実に努め、学校が人権教育を一層推進することができるよう、引き続き取り組んでまいります。
   〔総務局長大原正行君登壇〕

○総務局長(大原正行君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、犯罪被害者等支援の総合窓口についてでございますが、平成十八年六月、犯罪被害者等支援に関する都としての総合的対応窓口を総務局に設置いたしますとともに、関係各局にも担当の窓口を設置いたしました。
 同年十月には、総合的対応窓口として支援施策を適切に進めていくために、犯罪被害者団体等の意見や要望を把握するための調査を実施し、現在、調査結果の集計、分析を行っております。
 また、十二月には、犯罪被害者等の支援のための啓発用リーフレットを作成し、都民への周知を図っているところでございます。
 次に、犯罪被害者等に対する相談体制の整備についてでございます。
 都ではこれまでも、被害者等からの相談に応じて、関係各局や関係団体等と連携協力して、情報提供、助言などを行ってまいりました。
 今後、被害者等が必要とする支援をより円滑かつ迅速に受けられますよう、情報の共有化など、相談機関相互の緊密な協力体制を整備し、相談事業の充実を図ってまいります。
 また、被害者等の心情や置かれた状況を理解した上で、職員がとるべき具体的な対応などを示しました実践マニュアルを作成し、相談内容のレベルアップに努めてまいります。
   〔福祉保健局長山内隆夫君登壇〕

○福祉保健局長(山内隆夫君) 児童虐待、自殺防止などに関する九点のご質問にお答えいたします。
 まず、医療機関向け犯罪被害者支援マニュアルについてでございますが、都は、医療機関での具体的な対応方法をマニュアルとして取りまとめ、平成十五年十一月に、都内の全病院に配布するとともに、東京都医師会、東京都歯科医師会を通じて診療所に配布したところでございます。あわせて、児童相談所などの関係機関にも配布し、医療機関の対応を周知しております。平成十六年三月には、都内全病院を対象とした病院管理講習会において内容を説明し、周知を図ったところでございます。
 今後とも関係団体との連携のもと、必要に応じて病院管理講習会などさまざまな機会を活用し、周知に努めてまいります。
 次に、児童虐待対策の取り組み状況と課題についてでございますが、都は、近年の急増する児童虐待に的確に対応するため、児童相談所の組織、人員体制の強化はもとより、児童虐待への対応機能を備えた先駆型子ども家庭支援センターの設置を区市に強力に働きかけるなど、相談支援体制の充実に努めてまいりました。
 年々深刻さを増す児童虐待に対し、今後も十分に対応していくためには、児童相談所のさらなる体制強化や児童福祉司の専門性を高めるとともに、区市町村職員や関係者の対応力の向上、関係機関の連携強化による取り組みの推進などが必要と考えております。
 次に、平成十九年度の新規事業についてでございますが、医療機関における虐待対応力強化事業は、日ごろから子どもを診察する機会を持つ医療機関の虐待対応力をより一層高めるための取り組みであります。
 具体的には、虐待の可能性や対処方法などに迷った医師が、都が選定した専門知識を有する医師や弁護士に相談し助言を得るドクターアドバイザーシステムの創設などを行うものでございます。
 また、専門機能強化型児童養護施設制度は、情緒面や心理面などの問題を抱える子どもへの対応を積極的に行っている児童養護施設に精神科医師や臨床心理士を配置し、被虐待児童などの治療的、専門的ケアの充実を図る試行的、先導的な取り組みでございます。
 次に、児童虐待防止法改正の動きについてでございますが、都は、従来から、虐待における児童相談所の立入調査に際しまして、裁判所の令状によるなど、司法機関が関与する仕組みの創設を図り、適正かつ実効性のある手続を制度化するよう、国に対して提案要求しているところでございます。
 現在、国で検討しているいわゆる呼び出し命令を伴った仕組みは、保護者がこれに応じない場合に、児童相談所が住居に立ち入ることが可能となるものでございます。
 こうした国の検討の方向は、都の提案要求の趣旨に沿ったものであり、立入調査に関する手続の明確化が図られる点から、一定の評価はしております。
 今後、国の動向を注視しながら、必要に応じて法改正に関する緊急提案要求を行うなど、適切に対応してまいります。
 次に、児童相談所機能強化に向けた取り組みについてでございます。
 都は、これまで、児童相談所の児童福祉司の増員や非常勤弁護士の配置など、児童相談所の機能強化に向けたさまざまな取り組みを行ってまいりました。平成十九年においても、児童心理司を大幅に増員するなど、さらなる充実を図る予定でございます。
 今後は、児童福祉司や児童心理司の計画的な育成方法の確立や、児童相談所の機能強化に向けた再編整備、また、これと連動した区市町村の相談体制の充実への支援などを進めていく考えでございます。
 次に、養育家庭制度の充実に向けた取り組みについてでございますが、お話のように、虐待などさまざまな課題を抱えた子どもたちは、できるだけ家庭的な環境のもとで健やかにはぐくまれることが望ましいことから、これまでも専門的なケアを必要とする子どもを養育する専門養育家庭の創設など、養育家庭制度の充実に努めてまいりました。
 また、養育家庭の経験年数に応じたきめ細かな研修を実施するなど、資質向上に向けた取り組みも行っております。
 今後ともこうした取り組みを一層推進し、養育家庭制度の充実に努めてまいります。
 次に、自殺総合対策東京会議についてでございますが、自殺は、個人的な問題としてのみとらえるべきものではなく、その背景にさまざまな社会的要因があることから、社会全体で自殺対策に取り組むことが重要でございます。
 東京会議は、自殺対策の推進基盤として、保健医療福祉や経済労働、教育分野の関係団体、自殺防止等に関する活動を行う民間団体、有識者など、幅広い分野からの委員で構成する予定であり、多角的な観点から、自殺対策に関する社会的な推進方策の検討などに取り組んでまいります。
 また、保健所が労働関係機関と連携して実施してきた地域でのうつ病対策など、これまでの精神保健施策における取り組み成果を生かしながら、効果的な施策展開に努めてまいります。
 次に、八都県市首脳会議での千葉県の提案についてでございますが、八都県市首脳会議では、この提案について、次回の首脳会議までに実務レベルでの課題整理や検討を行うこととされたところであります。平成十八年十二月に設置された担当部局による検討組織において、都としても提案内容に関する検討を行っております。
 都としては、今後この検討結果を踏まえ、八都県市による広域的な取り組みについても、適切に対応してまいります。
 最後に、多重債務者対策についてでございますが、来年度創設する多重債務者生活再建事業では、まず債務を把握し、家計改善、債務整理の提案を行った上で、返済見通しが立つ場合には必要な資金を融資し、困難な場合には自己破産等の手続をとるなど、債務者の状況に応じた解決策を提供することとしております。
 多重債務による自殺の防止を図るためには、このような仕組みを通じて債務者が直面する経済的問題を解決するほか、精神保健など多様な観点から社会的支援を行うことが重要でございます。
 このため、都は、今後構築する、区市町村を初め保健医療、労働、法律など幅広い分野の関係機関等による自殺予防のための相談支援ネットワークの中で、多重債務者の自殺防止についても取り組んでまいります。

○議長(川島忠一君) 四十八番服部ゆくお君。
   〔四十八番服部ゆくお君登壇〕

○四十八番(服部ゆくお君) 石原知事、教育長並びに関係局長に対し、五点質問をいたします。
 最初に、魅力ある東京の景観についてお伺いいたします。
 昨年十二月に「十年後の東京」が発表され、水辺空間の魅力向上が東京の発展にとって必要不可欠な重要施策と位置づけられました。
 今月示された東京都観光産業振興プランの素案では、観光資源を活用して、歴史、文化を生かした美しい景観、水辺空間の魅力向上を図るとしています。
 知事は、今回の施政方針の中で、東京には、江戸、明治から続く豊穣な歴史があり、その積み重ねを未来につないでいくことは、後の世代に対する私たちの責務と明言されました。
 幕末から明治にかけての江戸・東京の景観は、当時訪れた外国人により、その美しさと清潔さも世界に紹介されています。かつて、フランソワーズ・モレシャンさんに日本の色を問うたとき、秋になるとたわわに実る稲穂に夕日が映える黄金色ですねと表現されたことがあります。文化行政を推進した当時の内山栄一台東区長は、区政について、ピサロの絵のように、地味ではありますが、区民の生活がにじみ出ている温かい絵に仕上げていきたいと所信表明で述べました。
 魅力ある東京をどのように染め上げようとされるのか、知事の思いをお聞かせください。
 次に、水の都東京再生の取り組みの中でも、舟運の復活は最も重要なものの一つです。
 昨年来、都議会自民党は、水辺空間の魅力を一層推進しようと、「水の都東京」再生議員連盟を設立し、都に対し建設的な提言をし、精力的に取り組んでまいりました。
 知事は、今回の施政方針でも、浅草や両国、芝浦とお台場などを船で結ぶ観光ルートの開発を表明されましたが、さらに羽田やディズニーランドを結ぶなど、舟運ルートの開発が必要です。
 そのためには、利用者にとって利便性の高い舟運拠点が必要であり、桟橋の整備、活用を進めるのはもちろんのこと、アクセスの改善、親水テラスの整備、人々を水辺にいざなうにぎわいの創出など、多岐にわたる施策の展開が求められています。
 浅草を初め、既に取り組みが始まっている地域もありますが、都の中に検討委員会を設置し、関連する行政分野の連携を図り、関係区の取り組みへの支援や国に対する働きかけを行うなど、積極的に推進しなければならないと考えますが、見解を伺います。
 昨年、議員連盟で船から水辺を視察しました。かつてはコンクリートの直立護岸ばかりだった隅田川も、広々としたスーパー堤防や工夫を凝らしたテラスなど、現在では親水性や景観に配慮した整備が進められています。川に背中を向けた街並みから、川に顔を向けたまちづくりの意欲を感じることができました。
 「十年後の東京」での水と緑の回廊などの取り組みも含め、水の都東京の再生に向けた隅田川での具体的な水辺の整備の取り組みについて伺います。
 第二に、新教育基本法と家庭教育支援、学校教育としてのオリンピックムーブメントについてお伺いいたします。
 昨年十二月、戦後六十年を経て、長年の懸案であった新しい教育基本法が成立しました。
 教育の実施に関する基本として、家庭教育について、保護者は子どもの教育について第一義的責任を有すること、及び国や地方公共団体が家庭教育支援に努めるべきことと、本来の教育理念が明文化されました。
 いうまでもなく、社会の基本単位は家庭であります。そして、よりよく生きるための生活共同体であり、人間の精神と身体、性格はここで培われ、人間の活動力と創造力は家庭より生まれます。
 そこで、都教育委員会は家庭教育支援をどのように進めていくのか、家庭教育にかける意気込みを伺います。
 今年度から、都教育委員会は、家庭教育支援策の一環として、子どもの生活習慣確立プロジェクト事業を開始しています。子どもの基本的な生活習慣は、本来、家庭が身につけさせるべきものでありますけれども、子育てや家庭教育に無関心な保護者に対し、生活習慣の確立の必要性を伝え、親としての責任を果たせるような事業としていく必要があるのではないか、所見を伺います。
 この法律を単なるスローガンに終わらせないために、十七条には教育振興基本計画が新設されました。都としては、東京の実情に応じた基本計画策定の準備をしておくべきと考えます。
 また、公立学校で作成する教育課程も、新しい教育基本法や、改正の検討が進んでいる学習指導要領に基づき作成しなければなりません。そのためにも、都教委は、旧基本法との違いを明確に示した方針を策定する必要があります。
 そこで、都が策定している教育目標と基本方針、そして、教育ビジョンも、教育振興基本計画策定にあわせて当然見直されるべきと考えますが、所見を伺います。
 今、東京の招致活動が本格化していますが、クーベルタンがオリンピックによって目指したのは、スポーツがもたらす教育的な効果による人間の変革であり、社会変革でした。「オリンピックで重要なことは、勝つことではなく参加することである。人生で大切なことは、成功することではなく努力することである。」というクーベルタンの演説は、結果よりも過程を重視した考え方を示し、いかなる状況下にあっても、最善を尽くすことの大切さを説いています。
 東京招致決定の五年前、昭和三十四年、ミュンヘンでのIOC総会で、日本の外交評論家平沢和重氏は、小学校六年生の日本の国語の教科書を片手に、次のように述べました。この教科書を見ればわかるように、日本では、オリンピックムーブメントを義務教育の段階からだれもが学んでいると力説し、開催都市の栄誉をかち取りました。
 そこで、オリンピック精神とオリンピックムーブメントの意義を子どもたちに教育していくべきと考えますが、所見を伺います。
 第三に、食品の安全確保について伺います。
 食の安全をめぐる昨今の状況は、ノロウイルスの猛威による食中毒の発生や、大手食品メーカー不二家によるずさんな衛生管理などが報道されています。
 特に、不二家の件については、原料や製品の取り扱いなど、社内での衛生管理の甘さが起因しているとの指摘もあり、改めて事業者の自主管理が重要であると感じます。
 都民が安心して食生活を送れるように取り組むことは都の重要な責務であり、飲食店を初めとする多くの事業者の自主的な取り組みと、都の施策に対する理解と協力があって初めて達成できるものであります。その意味では、個々の事業者と行政とを結ぶ役割としての事業団体の活動は、食の安全確保の面で非常に重要なものであります。
 東京都食品安全条例には、食品の安全確保は、都、都民、事業者の理解と協力により行わなければならないという理念を掲げています。この理念を実現する上で、会員への情報提供や自主的な巡回指導を行うなど、衛生管理の推進に取り組む事業者団体の活動は高く評価されるべきであります。
 しかし、近年、事業者団体への加入率は伸び悩んでいると聞いており、今後、食品の安全確保に向けては、より多くの事業者が事業者団体の活動に賛同し、参加していくことが必要であります。
 そこで、都は、こうした事業者団体の活動をどのように評価し、これらの団体とどのように連携して都民の食の安全を守ろうとしているのか、所見を伺います。
 都は、自主的な衛生管理について積極的に取り組んでいる事業者を認証し、広く都民に公表する制度として、食品衛生自主管理認証制度を創設しています。事業者の自主管理への取り組みを促すとともに、都民もまじめに努力している事業者を知ることができ、都民が安全・安心な食品を選択する方法として、大いに期待しています。
 この制度を広く普及させていくためには、個々の事業者に認証を取得することのメリットや、認証基準を満たすための具体的な方法を理解してもらう必要があります。
 そのためには、申請に至る前の段階で、事業者団体を通じて支援することが、制度の普及を図る都にとっても効果的であり、また、結果として、事業者団体に属する個々の事業者にとっても有益であると考えます。そして同時に、この制度を広く都民に知ってもらうことも重要であります。
 そこで、都は、事業者による自主管理の促進と、都民への食品の安全・安心の確保を図るため、本制度の普及拡大に向けて、事業者や都民などへの周知やPRをどのように進めようとしているのか、伺います。
 四点目は、自動二輪車駐車場についてです。
 自動二輪車は、環境面や交通渋滞の観点からも有効な交通手段と考えますが、ライダーや二輪販売業者などから、自動二輪車駐車場の整備拡充の要望を以前から聞いております。また、自動二輪の歩道等への放置は、歩行者などの安全を確保する点からも問題であります。
 昨年六月の道路交通法の一部改正や、十一月の改正駐車場法の施行により、自動二輪車駐車場の整備拡充の声がますます大きくなってきています。
 そこで、自動二輪車駐車場は絶対数がまだまだ足りないと考えますが、現状について伺います。また、自動二輪車駐車場について、今後どう取り組むのかについても伺います。
 最後に、谷中五重塔再建について伺います。
 かつて、谷中に五重塔がありました。今から二百年以上前の寛政年間に建設されたもので、寛永寺、増上寺、浅草寺、そして天王寺の四基の五重塔は、江戸四塔として知られていました。
 塔は、ケヤキの素木づくりで、浅いそりを持つ端正な姿で、深い軒の雄大典雅なもので、明治に入り、谷中五重塔をモデルにした幸田露伴の不朽の名作「五重塔」は、多くの人々に読み継がれてきました。
 昭和三十二年、惜しくも炎上、焼失するまで、百数十年の間、風雪に耐え、人々に愛され、親しまれてきた貴重な文化遺産でありました。
 この塔は、明治四十一年、谷中天王寺から土地とともに東京市に寄附をされたもので、現在も都有地で、礎石は昔のまま残り、都の史跡に指定されています。焼失した当時は、東京都の管理下にありました。
 東京都は、一昨年、谷中霊園再生のあり方の答申の中で、五重塔跡の広場は地域の人々の心のよりどころとなり得るよう配慮していくことが必要であるとし、昨年五月策定された東京都文化振興指針には、焼失した谷中の五重塔の再建機運と、コラムで取り上げ、歴史と文化を継承していこうとする自主的な住民主体の取り組みは大きな意義があると位置づけられました。
 再建については課題があることは承知していますが、五重塔は、まちの人の心に、谷中に墓参や散策する人の心に、全国の「五重塔」を読んだ人の心に生き続けています。
 ことし七月は、焼失して五十年の節目の年を迎えます。長い間、再建を願ってきた地域の皆さんの機運が盛り上がろうとしています。
 五重塔の実測図は都立中央図書館特別文庫室に保管されており、往時のままの復元は可能であり、再建のための募金活動や資金計画、NPO法人設立などを検討し、地域と区と東京都が連携して取り組むことなど模索しています。
 木造建築の気品とぬくもり、そして宮大工の技術の継承など、伝統的な日本建築の粋を世界にメッセージとして発信することによって、地域の活性化にもつながるものと確信します。
 そこで、地域の皆さんの再建、復元の機運の盛り上がりに対して、知事から応援の心意気をお示しいただければ励みになると思いますが、いかがお考えでしょうか、お伺いいたします。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 服部ゆくお議員の一般質問にお答えいたします。
 東京をどのように染め上げていくかについてでありますが、都庁から議会に渡ってくる、都庁に向かって左側の廊下の都庁側に二枚の写真が飾ってあるのを多分ごらんいただいたことがあると思いますが、一枚は百数十年前、たしか一八六五年、十九世紀末でありますけれども、江戸を愛宕山からイギリス人のカメラマンが撮ったもので、本当に見事なパノラマが写っております。
 しっとりとしたモノクロームの町並みは、対照的に、もう一枚の、都庁の屋上から俯瞰した現在の東京とは比べものにならないほどしっとりと美しいものでありまして、かつてドゴール政権下で文化相を務めた作家のアンドレ・マルローは、すすで汚れたパリを洗い直して、ネオンサインの色を二色か三色に厳しく規制して、美しい街並みを取り戻すことに成功いたしました。
 東京においても、よりよい景観を取り戻すために、一定の規制や制約を設ける必要があると思っております。今後、建物の色彩規制に思い切って踏み込むなど、独自の先進的な取り組みを展開することで、江戸の伝統を受け継いだ美しい都市空間をぜひとも復活していきたいものだと思っております。
 次いで、谷中の五重塔の再建についてです。
 これは本当に大変結構な試みだと思います。谷中の五重塔は、幸田露伴の小説にも取り上げられまして、江戸の建築芸術の粋であったと思いますが、何ですか心中事件に巻き込まれて焼失してしまったということでありまして、私も、いつごろでしたか、とにかくラジオで五重塔が燃えているという中継を聞いて、子ども心に心を痛めた思い出がございますが、のっそり十兵衛といわれた名人の大工が建てたあの五重塔が、暴雨風の中でも揺るぎもせずに建っていたという、文語体でつづられた非常に美しい小説だったのを覚えていますが、こういったものを地元の熱意によって復元しようとする動きは、東京に新しい伝統をつくる上でも、大きな大きな意義があると思います。
 現に、明和九年に焼失したそうでありますけれども、これが復元され、また焼けたわけですが、京都の金閣寺も一回ああいう事件で焼けまして、今、名勝の一つに復元しておりますけれども、いずれにしろ、復元に当たっては、地域のシンボルをつくる活動として、地元の人々が一体となり、熱意と工夫を凝らして取り組むことが重要であると思っております。
 都としても、東京の魅力向上につながるように、非常に大きく期待をしております。
 他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。
   〔教育長中村正彦君登壇〕

○教育長(中村正彦君) 四点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、家庭教育支援についてであります。
 子どもたちの規範意識の低下や生活習慣の乱れ、また、子育てに自信のない親、しつけや教育に無関心な親の増加など、家庭教育の現状は看過できない状況にあります。
 日本の未来を担う子どもたちの健やかな成長のためには、家庭の教育力の向上が喫緊の課題であると認識いたしまして、平成十六年度に策定いたしました東京都教育ビジョンにおきまして、家庭の教育力の向上の重要性を明確に示したところでございます。
 今回の教育基本法の改正におきまして家庭教育の規定が新設されたことは、東京都の施策と軌を一にしたものであるというふうに認識しております。
 都教育委員会は、今後とも家庭教育の現状や重要性を親や社会に強く問題提起し、保護者が子どもの基本的な生活習慣を身につけさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るために、家庭教育を全力を挙げて支援してまいります。
 次に、子どもの生活習慣確立プロジェクトについてでございます。
 本プロジェクトは、都における家庭教育支援の柱といたしまして推進している事業でございます。お話しのとおり、家庭教育に無関心な保護者にも確実に子どもの生活習慣確立の必要性を訴え、改善につなげていくことが何よりも重要であると考えております。
 このため、今年度はすべての保護者に伝わるよう、全公立小学校の入学説明会におきまして、生活習慣の乱れが子どもの心身の発達に与える影響を、科学的根拠に基づきましてわかりやすく説明したビデオを上映するとともに、全保護者にテキストを配布しているところでございます。
 また、本プロジェクト独自のホームページを開設するとともに、ポスターやチラシを活用し、子どもの生活習慣確立の必要性と取り組みを広く社会に問題提起したところでございます。
 さらに、昨年十二月には、親や家庭を社会全体で支援する仕組みとして、子どもの生活習慣確立東京都協議会を設立したところで、今後も、関係各局はもとより、企業、東京都医師会を初めさまざまな団体と連携した多様な取り組みを展開することによりまして、子どもの生活習慣の確立を通じて、家庭の教育力の向上を目指してまいります。
 次に、教育振興基本計画についてでありますが、ご指摘のとおり、国は、今回の教育基本法改正によりまして、教育施策の総合的、計画的な推進を図るため、基本的な方針と構ずべき施策につきまして教育振興基本計画を策定することとし、地方公共団体においても、国の計画や地域の実情に応じた計画の策定に努めることと規定したところでございます。
 都教育委員会では、これまでも、教育目標と基本方針、東京都教育ビジョンなどによりまして、都独自の教育の方向性を明示し、教育基本法に新たに規定されました公共の精神や伝統・文化の尊重などにつきまして、全国に先駆けて都立高校における独自教科・科目であります「奉仕」の必修化や「日本の伝統・文化」の開設などに取り組み、実施してきたところであります。
 都におきます教育基本計画につきましては、これまでの取り組みの成果と時代状況を十分に踏まえまして、今後も全国に先駆けた教育改革を推進していくため、十分に検討してまいります。
 最後に、学校におきますオリンピックムーブメントについてであります。
 我が国の将来を担う児童生徒が、スポーツに親しみオリンピックの精神や理念について学習することは、極めて高い教育的意義がございます。現在、学校教育におきましては、体育を初め社会科や道徳などの授業におきまして、フェアプレーの精神やオリンピックの歴史的な意義、そしてスポーツによる国際親善などを学習しております。
 今後は、そうした学習に加えまして、児童生徒がオリンピック精神やオリンピックムーブメントの意義を正しく理解し、スポーツを通して健全な精神の発達を遂げ、平和な社会の実現に貢献する態度を身につける教育を、オリンピック招致に向けてさらに推進してまいります。
   〔産業労働局長島田健一君登壇〕

○産業労働局長(島田健一君) 舟運拠点の形成に向けた施策連携についてお答えをいたします。
 舟運拠点の形成など水辺空間の魅力向上には、河川、港湾、都市づくり等、関連施策の連携した取り組みが重要であります。そのため、都は、産業力強化会議を活用し、民間による観光桟橋の整備、防災船着き場の平常時利用の促進等、観光の視点から各局連携による取り組みを進めてまいりました。
 お尋ねの魅力ある舟運ルートを開発していくためには、観光資源や交通結節点を結ぶ利便性の高い舟運拠点の形成が求められております。今後、関係局による検討部会を新たに設置し、舟運拠点のあり方も含め、魅力ある舟運ネットワークの形成に向けた施策連携を図ってまいります。
   〔建設局長依田俊治君登壇〕

○建設局長(依田俊治君) 隅田川での水辺の整備についてでございますが、隅田川は古くから人々に親しまれてきた水の都東京を象徴する河川であり、人々が集う魅力ある水辺空間として、さらなる整備が必要でございます。これまでも、日本で初めてスーパー堤防を整備するとともに、耐震性を備えたテラス護岸を八六%整備するなど、安全で潤いのある隅田川の再生に努めてまいりました。
 今後十年を目途に、水辺を散策できるテラスの整備をさらに推進してまいります。また、可能なところでは、公園などまちづくりと連携してスーパー堤防を整備するなど、川の持つ水と緑の魅力を生かした水辺を創出してまいります。
 こうした取り組みにあわせて、地元と連携し、防潮堤をギャラリーとして活用したり、オープンカフェの実施などによりまして、都民や観光客が憩い、にぎわう場となるよう努めてまいります。
 今後とも、水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京の実現に向け、隅田川の整備に取り組んでまいります。
   〔福祉保健局長山内隆夫君登壇〕

○福祉保健局長(山内隆夫君) 食品の安全確保に関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、都民の食の安全についてでございますが、食品による健康被害を未然に防止し、食の安全を確保するためには、製造や販売に直接携わる事業者が、日々、自主的な衛生管理を推進していくことが重要でございます。
 食品関係の事業者団体においては、自主的な衛生管理を進めるため、会員の中から食品衛生自治指導員を選任いたしまして、日常的に営業施設の点検などに取り組んでいるところでございます。こうした事業者団体の活動は、個々の事業者の意識を高めるとともに、全体として食品関係施設の衛生管理水準を向上させる上で大変有意義であると評価しております。
 都は、今後とも事業者団体の食品衛生自治指導員に対する技術指導や、衛生管理に関する最新の情報の提供などによりまして、都民の食の安全の一層の向上を図ってまいります。
 次に、食品衛生自主管理認証制度についてでございますが、この制度は、衛生管理について積極的に取り組み、一定の基準を満たした事業者を都が指定した第三者機関が認証することによりまして食の安全性の向上を図ることを目的として、都が独自に創設したものでございます。これまで、百五十余りの施設が既に認証を取得しておりまして、これらの施設については、認証マークの掲示や、都のホームページでの施設名の公表などを行っております。
 今後、より多くの施設が認証を取得し、都民が安心して安全な食品を選択できるよう、制度の充実を図るとともに、事業者団体を通じて、制度の周知や認証取得に向けた取り組みへの支援を行うほか、区市町村等と連携いたしまして、広く都民への広報に努めてまいります。
   〔青少年・治安対策本部長舟本馨君登壇〕

○青少年・治安対策本部長(舟本馨君) 自動二輪車駐車場につきましてのご質問にお答えをいたします。
 まず、自動二輪車駐車場の現状についてでございますが、都では、区市町村の協力を得まして実施しております放置自転車の実態調査の中で、自動二輪車の状況についても調査をしております。平成十七年度の調査では、都内の駅周辺に放置されている自動二輪車は、約四千台に上っておりました。
 一方、東京都道路整備保全公社が情報提供しております駐車場案内によりますと、自動二輪車駐車場の収用可能台数は、平成十七年度末で約千六百台、平成十八年十二月末で約二千九百台でありまして、自動二輪車駐車場は絶対数が不足しているという状況でございます。
 次に、自動二輪車駐車場につきましての今後の取り組みについてであります。
 駐車場の絶対数が不足している一方で、需要につきましては地域差がありますことから、都では、警視庁と連携をしまして、自動二輪車の放置駐車状況につきましてのより詳細な実態調査を十九年度に実施する予定でございます。
 それとともに、庁内関係部局、警視庁、さらにメーカーや駐車場事業者の関係団体などの参加を得まして、自動二輪車駐車場整備促進検討会を今年度中にも立ち上げ、駐車場の整備拡充方策、駐車場への誘導方策などにつきまして、積極的に検討を行ってまいります。

○議長(川島忠一君) 八十三番藤井一君。
   〔八十三番藤井一君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○八十三番(藤井一君) 初めに、東京型ドクターヘリについて伺います。
 我が党は、昨年の都議会定例会において、一貫してドクターヘリの運用について提案してまいりました。これを受けて、都が消防庁のヘリを活用した救急医療体制のより充実した仕組みを、東京型ドクターヘリとして来年度予算案に計上していることを大いに評価いたします。
 既にドクターヘリを導入した千葉北総病院の調査結果によると、ドクターヘリで搬送され治療した患者は、救急車で搬送した場合と比べて病気の重症化が防げること、入院日数が平均十七日短くなること、入院治療費も約百十万円少なくなることが報告されています。
 そこで、伺います。
 まず、東京型ドクターヘリの特徴及びこれを導入した場合のメリットは何か伺います。
 また、現在、島しょの救急患者をヘリポートで直接受け入れている病院は、都立広尾病院だけであります。そのことについて、我が党の質問に対し、都は、昨年の第四回定例会で、今後、ヘリポートを備える都内の病院に対し、ドクターヘリの受け入れと同乗医師の派遣を依頼すると答弁しましたが、具体的な取り組みについて伺います。
 さらに、島しょ地域の住民が最も望んでいることは、一分一秒でも早く適切な医療機関で治療を受けたいということであります。そこで、東京型ドクターヘリを運用することによって、今までと比べて救急患者の搬送時間についてどれほどの短縮が見込めるのか、伺います。
 次に、介護予防事業について伺います。
 介護保険制度は、昨年四月、大幅な制度改正が行われ、予防重視型の仕組みへと転換が図られました。今後は、介護予防をいかに普及し定着させ、所期の目的である高齢者の自立した生活を実現するかが大きな課題であります。
 公明党は、介護予防十カ年戦略において、介護予防拠点を中学校区に一カ所ずつ整備することを当面の目標に掲げ、また、フィットネスクラブなど民間施設の積極的な活用を提唱してきたところであります。
 そこで、まず、都内における介護予防拠点の整備状況と今後の都の取り組みについて伺います。
 第二に、地域のネットワークづくりについてであります。
 現在、虚弱高齢者である特定高齢者は、区市町村が行う介護予防プログラムを終了すると、多くの方に心身機能の向上が見られ、目標である生き生き生活に近づいていることが予想されます。しかし、その後も地域で介護予防への取り組みを自分で継続できるような受け皿が整備されていません。一人で介護予防に取り組むより、仲間の人たちと楽しく刺激し合う方が効果的であり、高齢者本人が主体的に継続するためには、地域のネットワークが必要と考えます。
 そこで、地域で活動するさまざまな自主グループやサークルなどを地域の介護予防のネットワークに組み入れるよう、都が支援すべきと考えます。所見を伺います。
 第三に、高齢者の介護予防の取り組みを促進するためには、身近な地域にあるさまざまな社会資源を活用して、介護予防に取り組む場を提供することが重要であります。
 例えば、都内には、身近な公園を利用して、ストレッチ体操などができる器具やスロープ、階段等を含めた回遊式の運動コースを設置し、高齢者の介護予防に取り組む場として活用している事例があります。こうした公園は、子どもや若い人など幅広い年代が楽しみながら、身近な健康づくりの拠点としても活用できます。
 そこで、都は、こうした器具を設置する公園等を健康づくり拠点、介護予防拠点として普及するために積極的に支援すべきと考えます。所見を伺います。
 次に、人と環境に優しい消毒対策について伺います。
 プールで泳ぐとき、水中で目をあけると目が痛みます。また、粘膜や皮膚を刺激し、肌を荒らすといわれています。この原因は、プールの水を殺菌消毒するために使用する次亜塩素酸ソーダから発生する塩素によるものです。例えば、次亜塩素酸ナトリウムの原液をさわると、皮膚が侵されます。専門家によると、これらの次亜塩素酸などの化学薬品が入った水では、塩素のにおいが強く、肌が荒れ、毛髪が変色したり、目の障害が起こると報告さています。
 これだけ技術が進んだ今日、十年一日のごとく昔ながらの塩素消毒を行っているのはおかしな話であります。都内にはすぐれた技術力を持った企業が多数あり、その中には、同じ塩素消毒であっても、塩素のにおいがほとんどなく、肌荒れなどの健康被害がない新たな消毒技術があると聞いております。プールの衛生を所管している部署に確認したところ、プール等取締条例で定める塩素剤等による消毒基準に適合していれば、プールで使用することは支障ないとのことであります。
 今、東京は、二〇一六年に東京オリンピック招致を目指して取り組んでおります。そこで、東京の環境への取り組みをアピールするために、より環境や健康に配慮した水を都立体育施設のプールで使用すべきと考えますが、所見を伺います。
 第二に、都は、昨年十二月にまとめた「十年後の東京」構想で、今後十年間で都内の公立小中学校を対象に校庭を芝生化する方針を打ち出しました。既に都は、平成十七年度にモデル事業として都内二十七校の校庭を芝生化しております。芝生化した学校では、生徒が芝生の上をはだしで駆け回ったり、寝ころんだりと、大変好評であると聞いております。
 しかしながら、大きな問題があります。それは、芝生を害虫から守るために農薬や殺虫剤等を使用すると、アレルギーや副作用など児童生徒の健康に悪影響を及ぼすことが懸念されます。いろいろな技術が開発されている現在にあっては、化学農薬等を使うのは可能な限り避けるべきであります。校庭における芝生の維持管理についての都の所見を伺います。
 第三に、石原知事は、昨年十二月二十六日に、校庭を全面芝生化した杉並区立和泉小学校を視察しました。その際、知事は、非常に印象的で、芝生化をこれから都の新規の広範な事業としていくとコメントしています。知事が、先駆的な環境対策として校庭の芝生化を進めていくことは大変すばらしいことだと思いますが、一歩進んで、成熟した都市として、衛生的で、緑が多いということだけではない、さきに述べた芝生やプールの殺菌消毒にも配慮した、真に人と環境に優しい都市を目指すべきではないでしょうか。知事の見解を伺います。
 次に、羽田空港の国際化及び空港跡地利用対策について伺います。
 羽田空港の国際化は、二〇〇九年の再拡張後の供用によって国際定期便が就航することになり、いよいよ名実ともに日本の表玄関としてのゲートウエーになります。
 日本における国際空港として、現在、成田空港、関西空港、中部空港がありますが、いずれも飛行機の発着回数、発着時間、空港使用料などで、中国、韓国、香港の空港と競争力でおくれをとっています。
 とりわけ首都東京の首都圏での空港は、現在の国の計画では、羽田空港が国際化されても追いつかないといわれています。首都東京の国際競争力を向上させ、首都圏全体の発展、ひいては日本の発展のために、羽田空港の機能をもっと向上させる必要があります。
 そこで、当面三万回といわれている羽田の国際線発着便数をもっとふやし、距離的には石垣島までの約二千キロを目安とされている運航距離制限を拡大すべきであると考えます。知事の見解を伺います。
 第二に、羽田空港跡地対策についてであります。
 昨年十二月、国と都と区から成る三者協が開催され、新たに利用できる空港跡地の面積五十三ヘクタールが国から正式に提示されました。国際ターミナル地区のPFI事業者も平成十八年に事業契約が締結され、今回、空港用地外としての跡地が出せる状態となり、いよいよ跡地問題が動き出したという感がいたします。今後、跡地については、国の提示内容が国、都、区の間で合意されれば、三者で共同して検討が行われると聞いております。
 そこで、羽田空港跡地利用の具体的な進め方と、跡地利用基本計画の策定時期はいつごろか、また、開発整備は何年先ごろと考えているのか、今後のスケジュールを明らかにしていただきたいと思います。
 第三に、地元の大田区は、平成十七年に跡地利用のイメージを作成しております。また、大田区は、京急とモノレールの弁天橋周辺の空港跡地の一部を購入して、区民交流施設等の整備を進める計画を明らかにしております。
 都においても、独自の跡地利用計画を策定し、都としての利用を図るべきと考えます。また、都として跡地を購入する意思があるのかどうか、今後の都の跡地利用への取り組みについて伺います。
 最後に、京浜急行連続立体交差事業について伺います。
 私は、都議会定例会で、鈴木、青島、石原知事と三代にわたって京浜急行の連続立体交差、すなわち高架化を進めるべきであると訴えてまいりました。そして、石原知事が国を動かし、平成十二年に事業認可の取得がなされました。ようやく高架化の工事が始まり、現在、建設のつち音が鳴り響いております。工事関係者の皆様の努力に対し、敬意と感謝を表したいと思います。
 区民を初め多くの方が一日も早い京急の高架化の完成を待ち望んでおります。そこで、伺います。
 まず、京浜急行の全線高架化は、平成二十四年度に完成する予定となっております。高架化工事を早期に完成するよう切に望むところですが、現在の工事の進捗状況について伺います。
 また、朝夕を初め一番交通渋滞の激しい環八と京浜急行が交差する踏切部の仮立体化工事が進められておりますが、この工事の見通しを明らかにしていただきたいと思います。
 さらに、京浜急行の沿線に住む住民の方々から、京急が高架化した場合、電車の騒音や振動が現在よりひどくなるのではないかとの不安の声が寄せられております。都は、これらの不安を解消するよう対応すべきと考えます。
 以上、所見を伺い、私の質問を終わります。 どうもありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 藤井一議員の一般質問にお答えいたします。
 人と環境に優しい都市づくりについてでありますが、これからの東京が目指すべき成熟した都市の環境とは、豊かな緑と水が美しい都市空間として存在するだけではなく、子どもから高齢者まで、都市に暮らすすべての人々が、その中で安心して健康に集うことのできるものでなくてはならないと思っております。
 とりわけ、人々が体を動かし、直接緑や水と触れ合う喜びを味わう校庭やプールなどの管理に当たっては、仰せのとおり、薬物の利用などを控えるなど、健康への十分な配慮が求められるべきだと思っております。
 先般、実はもう品川で一部活用されているそうでありますけれども、都もあるライセンスをおろしたそうですが、塩素を軽減して変質させる薬品を開発したという研究所に視察に行ってまいりました。これをもう少し精密に調べて、活用できれば、するべきではないかと思っておりますが、都はこうした配慮も含めまして、東京を一層人に優しく環境のよい都市とするよう、質の高い都市づくりを進めてまいります。
 次いで、羽田空港の国際化についてでありますが、羽田空港は都心から至近の距離に位置していまして、非常に高い便利性を誇る国内最大の空港であります。世界でも、首都にありながら、こんなに便利な空港はないと思いますが、さらにその再拡張後、国際旅客定期便や国際貨物便が就航することにより、ともかく二十四時間利用可能な空港ですから、日本全体の経済活性化や国際競争力の強化につながると思っております。
 したがって、羽田空港の国際化については、世界全体の動き、東南アジアの成熟度など諸情勢を加味して、広範な視点で考えるべきだと思っております。
 このためにも、再拡張後の羽田空港を十二分に活用し、当然国際化を図るよう国にも働きかけてまいりましたが、既に大方の合意は得ていると思います。
 大事なことは、一刻も早く工事を完成させて、あの空港を十二分に活用することだと思っております。
 他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。
   〔教育長中村正彦君登壇〕

○教育長(中村正彦君) 環境、健康に配慮した水の活用についてのご質問にお答え申し上げます。
 東京辰巳国際水泳場など都立体育施設のプールでは、平成十八年度から導入いたしました指定管理者制度のもとで、国や都が定めるプールの水質基準を上回る管理基準を設定いたしまして、運営しております。
 都教育委員会では、環境を優先した東京オリンピックの実現に向けまして、競技会場や練習会場に予定されております都立体育施設の環境対策への取り組みが重要であると考えております。
 プールの水質管理につきましても、現在の水質の状況、環境や利用者の健康面でのメリット、費用対効果等を総合的に勘案し、検討してまいります。
   〔福祉保健局長山内隆夫君登壇〕

○福祉保健局長(山内隆夫君) 救急医療などに関する六点のご質問にお答えいたします。
 まず、東京型ドクターヘリの効果についてでございますが、他県で運用されているドクターヘリは、小型ヘリで、日中の運行に限られております。これに比べ、東京型ドクターヘリは、東京消防庁との連携によりまして、夜間飛行が可能な体制が確保されていること、また、本土から約四百キロの島しょ地域まで飛行可能な大型ヘリであるとともに、広い機内に最新の医療器材を搭載いたしまして、適切な応急処置が実施できることなど、多くの点ですぐれております。
 さらに、これまでの都立広尾病院に加えまして、同乗医師の派遣や搬送患者の受け入れを行う病院を東京型ドクターヘリ協力病院として確保することによりまして、患者搬送時間の短縮が図られるとともに、症状に応じたより適切な病院の選択も可能になると考えております。
 次に、協力病院の確保についてでございますが、東京型ドクターヘリの充実に向け、ヘリに同乗する医師等を派遣し、患者を受け入れる協力病院を確保することは重要でございます。このため、東京消防庁が使用する江東及び立川のヘリポートに近接しているか、あるいは大型ヘリが直接離着することが可能で、救急医療に対応できる病院を十カ所程度確保することを目標に、協力要請を行ってまいります。
 次に、患者搬送時間の短縮についてでございますが、島しょ地域からの患者搬送時間の短縮は島民の大きな願いでありまして、これまでも東京消防庁等関係機関と連携いたしまして、その短縮に努めてきたところでございます。
 東京型ドクターヘリの搬送時間は、ヘリポートに近接する病院やヘリが直接離着陸できる病院など協力病院の確保に加え、ヘリを要請する際の連絡方法の改善やヘリの機体更新によるスピードアップによりまして、現行方式と比べ、最大で一時間程度の短縮を見込んでおります。
 次に、介護予防拠点の整備状況等についてでございますが、これまでに、区市町村が地域の高齢者を対象に介護予防事業を実施する拠点は八百四十五カ所、また要支援と認定された高齢者を対象に介護予防サービスを提供する通所事業者は千四百五十七カ所、両者合わせて延べ約二千三百カ所の介護予防拠点が整備されております。
 これによりまして、都が平成二十年度までに実現を目指す、中学校区などを単位として区市町村が設定する日常生活圏域における介護予防拠点の整備については、おおむね達成されているものと考えております。
 今後は、より身近な地域で、高齢者の状態や希望に合った多様な介護予防プログラムを提供できるよう、都独自の整備費補助とともに、人材養成に引き続き取り組み、拠点整備の一層の促進と内容の充実に努めてまいります。
 次に、介護予防のネットワークについてでございますが、高齢者が介護予防の活動を継続していくためには、区市町村が高齢者の自発的なグループ活動を育成、支援することが重要でございます。都は、こうした取り組みを推進するため、老人総合研究所を活用いたしまして、自主的に介護予防に取り組むグループ等をネットワーク化した、東京の介護予防を進める高齢者の会を発足させるとともに、昨年十一月には、この会とイベントを共催いたしまして、自主グループ等の活動事例を広く紹介するなど、相互交流の促進と普及啓発に努めてまいりました。
 今後、区市町村においてもこのような介護予防のネットワークが構築されるよう、介護予防を地域で担うリーダーを都として養成するなど、高齢者の介護予防活動への主体的な参加を促進してまいります。
 最後に、公園における介護予防の取り組みについてでございますが、介護予防を一層普及し、定着させていくためには、高齢者が身近な地域で、指導員の適切な指導を受けた上で、楽しく取り組める環境づくりが重要でございます。
 このため、ご提案のように、都民の憩いの場である公園にストレッチ体操などの運動器具を設置し、公園を介護予防の場として活用することは、高齢者のみならず、さまざまな年代の都民の健康づくりにも寄与する有意義な方策と考えられるわけでございます。
 このため、都は、今後、介護予防事業に活用する目的で区市町村が公園に器具等を設置する場合についても、新たに独自の介護予防拠点整備費補助の対象とすることによりまして、こうした取り組みの普及を図ってまいります。
   〔環境局長村山寛司君登壇〕

○環境局長(村山寛司君) 校庭の芝生管理における農薬等の取り扱いについてお答えいたします。
 校庭芝生化事業を進めていく上で、芝生の維持管理に当たって、児童生徒の健康に配慮し、できるだけ農薬等の使用を抑える、同時に、除草や病害虫防除を適切に行っていく、この二つをいかに両立させるかが課題でございます。
 この間、既に芝生化を実施した学校にお伺いし、経験などをお聞きしておりますが、多くの学校で農薬等を原則として使用せずに維持管理を行っております。それらの学校では、そのために専門家の知恵をかりたり、日常的な除草作業等に児童生徒を参加させたり、保護者や地域などと連携するなど、さまざまな工夫がなされており、そのことで児童生徒の間に自然を大切にする意識を高める教育効果を生んだり、保護者相互あるいは地域のきずなが深まるなど、当初想定していなかった芝生化の新たな効果の発揮につながっているとのことでございます。
 都は、こうしたノウハウや体験を取りまとめ、区市町村や学校に積極的に情報提供することにより、できるだけ農薬等を使用しない校庭芝生化を進めてまいります。
   〔都市整備局長柿堺至君登壇〕

○都市整備局長(柿堺至君) 羽田空港に関する二点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、羽田空港跡地についてでございますが、昨年十二月、羽田空港移転問題協議会、いわゆる三者協が開催され、国から跡地の範囲と面積が提示されました。これを受け、今後、跡地に関する議論が本格化すると考えております。
 都としては、本年度中に三者協を開催し、跡地利用の基本的な考え方や計画策定の具体的な進め方及び時期などについて協議してまいります。
 また、跡地の開発整備については、再拡張事業の供用開始時期などをにらみながら進めてまいります。
 次に、跡地の利用についてでございますが、跡地は空港に隣接する重要な空間であり、空港機能をサポートするとともに、空港の持つ可能性を活用した利用計画を立てることが重要でございます。
 都は、関係局から成る連絡会議などにより連携を図りながら三者協に臨み、国や地元区と調整し、跡地利用に主体的に取り組んでまいります。
 また、国が所有する跡地の取り扱いについては、今後進められる跡地利用に関する三者協の検討結果を踏まえて、適切に対応してまいります。
   〔建設局長依田俊治君登壇〕

○建設局長(依田俊治君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、京浜急行線連続立体交差事業の進捗状況についてでございます。
 本事業は、京急本線及び空港線の京急蒲田駅周辺約六キロメールの区間にある環状第八号線の踏切など二十八カ所の踏切を除却し、交通渋滞の解消、地域のまちづくりなどに寄与する、極めて重要な事業でございます。
 本事業区間のうち、既設線との取りつけ部や分岐部など約二・五キロメートルの区間では、仮線工法を採用しており、現在、仮線敷設の準備工事を行うとともに、京急蒲田駅部での建設工事を進めております。
 また、その他区間の約三・五キロメートルでは、全体工期の短縮を図るため、用地取得と並行して、既設線の直上に高架構造物を建設することができる直接高架工法を採用しており、現在、おおむね半分の区間において橋脚工事などを実施しております。
 平成十八年度末では、全区間で事業費ベース約五割の進捗を見込んでおり、着実に事業を進めております。
 次に、環八の踏切部における仮立体化工事の見通しについてでございますが、この踏切は環八に唯一残っている踏切であり、深刻な交通渋滞が発生していることから、早急な対応が求められております。
 そこで、環八の交通渋滞を早期に緩和するため、全線の立体化に先立ち、上り線を仮立体化することといたしました。この仮立体化工事は、既設線路沿いの用地を取得した上で、仮設の高架橋を設けるものであり、この整備によって、踏切の遮断時間が、ピーク時一時間当たりおおむね四十分であったものが二十五分に短縮し、交通渋滞が早期に大幅に緩和されるものと考えております。
 これまで難航していた用地取得のめどが立ちましたことから、平成二十年春には、上り線仮立体が完成する予定でございます。
 次に、高架化した後の騒音、振動対策についてでありますが、本事業を実施するに当たっては、高架化した後の電車による騒音や振動などについて、環境アセスメントに基づき、適切な環境対策を行ってまいります。具体的には、遮音壁を設置するほか、騒音や振動の低減に効果のある最も重いレールやつなぎ目が少ないロングレール、改良型のまくら木や道床などを採用しますが、実施する際には、その時点での最新技術を導入することとしております。このことによりまして必要な対応が図られるものと考えております。
 また、高架化完了後は、アセスの事後調査を実施し、その結果によって、追加の環境対策が必要な場合は適切な対応を図ってまいります。
 今後とも、関係住民の理解と協力を得ながら、一日も早い完成を目指し、本事業に積極的に取り組んでまいります。

○副議長(木内良明君) 五十四番くまき美奈子さん。
   〔五十四番くまき美奈子君登壇〕

○五十四番(くまき美奈子君) まず初めに、感染症対策について伺います。
 私は、平成十七年第四回定例会でノロウイルス対策について質問いたしましたが、その後、都は、標準マニュアルやリーフレットを作成し、普及啓発を図ってきたと聞いています。
 しかしながら、この冬は、例年より早く、昨年十月ころから流行開始となり、日本全国で猛威を振るい、過去二十五年間で最大規模の流行となりました。また、今回の流行では、ホテルなどで集団感染がたびたび発生し、都民が感染症の恐ろしさを再認識する機会となりました。
 ノロウイルスの感染力は極めて強く、流行それ自体をとめることはなかなか難しいのが現状とのことですが、手洗いやうがいの徹底、適切な消毒などによって予防できる病気です。
 そこで、都は、今回のノロウイルスの大流行に対してどのような対策を講じたのか、伺います。
 ノロウイルス食中毒及び感染症集団発生を予防し、感染の拡大を予防するためには、都民一人一人が正しい知識や情報に基づいて対応するとともに、感染が明らかとなった調理従事者や介護、看護職員等の就労への配慮なども重要な要因であり、これらを含めて広範な啓蒙活動が必要だと考えます。
 こうした対応は流行が始まったばかりのインフルエンザに対しても有効です。また、現在世界的な脅威になっている、鳥インフルエンザが変異して人から人への感染が広がる新型インフルエンザの発生に対してや、すべての予防対策の基礎となるものです。
 そのためには、どのような予防対策を行えばよいのか、都民に正確な知識を伝えていく必要があります。さらに、都民への正確な情報提供は、感染症の予防や拡大防止にとどまらず、社会のパニックを防ぐ基本でもあります。都は、現在の健康安全研究センターを機能充実させて健康危機管理センターにする方針ですが、感染症について的確に情報提供することは、今すぐにでも取り組んでいく課題であると考えます。
 そこで、都は、都民にインフルエンザなどの感染症に対する知識や的確な情報をどのように提供していくのか伺います。
 次に、今月六日、私の地元板橋区の東武東上線ときわ台駅にて、踏切に侵入した女性と、これを制止し助けようとした警察官の二人ともが電車にはねられるという痛ましい事故が発生しました。女性の救助に当たった警視庁板橋署宮本巡査部長におかれましては、一刻も早い回復をとの願いも届かず、残念ながら十二日午後殉職されました。故宮本警部の正義感と責任感に衷心より敬意を表すとともに、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
 今回の事故については、単純に踏切だけの問題とはいえないさまざまな要因があるものの、いずれにせよ、軌道、車道、歩道が同一の平面にあることの危険性は明白です。近年、鉄道が関係する事故が多発しております。鉄道の安全確保は喫緊の課題であります。
 こうした観点から、次の二点について質問いたします。
 当時、ときわ台駅には、ホームに非常ボタンが設置されていましたが、駅ホームに駅員はいませんでした。また、今回二人が侵入した踏切には、障害物を検知するセンサーはあったものの、踏切内の異常を知らせるための警報ボタンが踏切には設置されていなかったとのことです。
 今回の事故を含め、鉄道にかかわる事故にはさまざまな形態がありますが、安全確保のための対策を拡充していくことが必要だと考えます。
 そこで、駅や踏切での事故を防止する観点から、都が進めているホームドアの設置や警報ボタンなど安全設備の設置を徹底し、さらに、緊急時対策の十分な周知徹底を図るなど、国土交通省、民間鉄道会社、市区町村とも連携した取り組みが重要だと考えます。安全対策の推進について、都の見解を伺います。
 このときわ台駅の踏切は、あかずの踏切ともいわれている場所で、時折遮断機を押し上げて通行していく人がいます。踏切での事故を完全になくすためには、鉄道の高架化などにより踏切を解消することが抜本的な方策であると考えます。
 そこで、ときわ台駅付近における踏切解消に向けた都の取り組みについて伺います。
 次に、適正な救急車の利用について伺います。
 救急出場の件数は全国的に年々増加しています。救急業務の本質と利用する都民の認識との整合を図り、救急車が正しく利用されることが必要です。救急出場が増加する要因の一つとして、少子高齢化や核家族化などの社会環境の変化があると思われます。例えば、急にぐあいが悪くなり、自分ひとりではどうしてよいかわからなかったり、休日でどこの病院に行けばよいかわからなかった場合に、とりあえず一一九番通報して、救急車に来てもらおうとするケースや、安易に救急車をタクシーがわりに利用している事例もあるようです。
 救急業務が、傷病者の身体を守るための緊急の業務であり、住民が等しく利用し得る公共の業務であることを理解し、都民みずからが救急車利用のルールとマナーを守ることが、真に救急車を必要としている傷病者の命を救うことにつながることを再認識することが必要です。
 このような安易な救急車利用を防ぎ、本当に生命の危険が迫っている人のところへいち早く救急車が到着できるように、都民の不安感を払拭する方策を考える必要があると思いますが、所見を伺います。
 次に、都民や来庁者の安全・安心を守る立場から、都庁舎におけるセキュリティー対策について伺います。
 都庁舎は、延べ床面積三十八万平方メートル、一万人以上の職員が働き、毎日二万人もの人々が訪れる、都民に開かれた建物です。特に第一、第二庁舎には各種の申請や相談のための窓口が設けられており、来庁者の出入りも多くなっています。また、東京の観光名所の一つとして、展望室などを中心に、外国人観光客を初め、内外から多くの見学者を迎え入れています。
 このような庁舎の性格から、セキュリティーの確保にはさまざまな工夫や努力を重ねておられると思いますが、いわゆる盗聴などの行為により来庁者のプライバシーが侵害され、安全・安心を損なわれるとすれば、その未然防止に向けた取り組みを強化していかなくてはなりません。
 このような行為に使用される機器類の販売や購入に対する法的規制がない中で、一昨年八月には、都庁舎で盗撮用カメラが、小平市役所では盗聴器が発見されました。都庁舎のケースでは、発見後、直ちに総務局が全庁舎の一斉検索を実施し、他の場所では異常がないことを確認し、連絡を受けた警察が、建造物不法侵入と軽犯罪法違反容疑で捜査を行いました。その後、この種の事案は報告されていないとのことですが、これらの行為は単なるいたずらで済まされないものです。
 一方、首都圏においては、大正十二年の関東大震災以来、大規模な地震災害を経験していません。しかし、いつ大震災が起きても不思議ではないほど事態は切迫しているといわれています。都庁舎には各種の防災設備が整備されているとはいえ、飲食店なども入居している現状から、大震災の際には、火災の危険性がないとはいい切れません。
 また、都庁舎は我が国の首都を代表する建物の一つでもあり、多岐にわたる中枢機能を有しています。そのシンボル性と相まって、社会的な影響力も重大なことから、テロ等の標的にならないとも限りません。
 そこで、このような状況下において、さきに述べた事例のような不審物などへの対策を含め、内外からの多くの来庁者がある都庁舎のセキュリティー対策全般について伺います。
 最後の質問に移ります。
 先日、柳沢厚生労働大臣が女性を子どもを産む機械に例えた発言をして、強い批判を浴びています。この発言は、女性の人格、人権を全く否定したものであり、人として人権感覚が問われ、政治家としての責任をとるべき発言です。
 大臣ご自身はただただ謝罪をされるばかりですが、それで許される問題では到底ありません。機械発言が女性を傷つけたからおわびするとか、撤回するとかの問題ではないのです。謝って済むことではないと、最初からだれもが直感していました。少子化問題の本質を理解していないとの指摘が与党内からも出ていますが、この表現の背景にある首相や柳沢厚生労働大臣の基本的な認識と国民の実感とのずれこそが、これだけ激しい反発を受けているのです。
 ところが、驚くことに、石原知事は定例会見で、この発言に対し、例えの仕方が悪かった、ちょっと短絡的過ぎたんじゃないかなどと、擁護ともとれる発言をしています。柳沢大臣は昭和十年生まれとのことで、石原知事と同年代です。年齢だけで人を判断するものではありませんが、こうした発言のもとになる感覚には、何か世代的な共通点があるのでしょうか。
 一方で、同じく昭和十年生まれの評論家岩見隆夫氏は、コラムの中で次のように述べています。子どもを産む機械、装置という例に加えて、後は一人頭で頑張ってもらうしかないという古くさいいい回しにも、戦前の母親を念頭に置いた柳沢大臣の女性観、母親観がにじみ出ているのではないか。一人頭などという無機質な表現を出産問題で使うとは、何と語彙に乏しい、戦前思考のままとまっている人物か──中略──不適切な閣僚を温存するのは許されることではないと。私も全く同感であります。
 同世代の男性として共感したがゆえのさきの擁護発言かもしれませんが、行政のトップである都知事としては、いささか適切さに欠ける認識といわざるを得ません。
 そこで、以前、都知事も、人の話を引用したとして、文明がもたらしたあしき有害なものはばばあ、女性が生殖機能を失っても生きていけるというのはむだで罪、なるほどとは思うけど、政治家としてはいえないなどと発言されました。
 現在、国際社会では、女性の人権への配慮がその国の成熟度をはかる重要な尺度になりつつあるといわれています。折しも首都東京は二〇一六年オリンピック国内候補都市に決定し、今まさに成熟した都市東京を国際社会に向けてアピールしていくところです。こうしたときに、国際社会や東京都民に対しても知事の発言が与える影響を考えると、はかり知れないものがあります。
 都知事は、この引用したといわれる発言のほかにも、さまざまな物議を醸し出す発言をされました。しかし、知事は、その責任をしばしば引用という言葉を用いて人に押しつけ、責任逃れともとれる対応をしてきました。
 東京都知事という要職にある方が、ご自身の口から発したことについて責任を持つというのは当然のことであり、この際、過去における都知事の発言について、みずから責任を明らかにするべきと考えます。
 知事の見解を伺い、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) くまき美奈子議員の一般質問にお答えいたします。
 私の過去の発言についてでありますが、引用は引用であります。ばばあ発言は、間違いなく私の発言ではなしに、高名なある宇宙学者がおっしゃったので、なるほどなといって、私はそれをある会合で話しましたら、共産党の支持者がいて、それが共産党に知らされて、向こうの紙面に載ったわけでありますけれども、それは理屈としてなるほどなといったわけでありまして、私自身の発言については、私が責任をとります。
 柳沢大臣の発言に関連していいますと、あなた方の党首代行の菅直人さんも、出生率のことを、子どもを産む生産性と、非常に無機的な表現で再三発言しております。一番最近は、平成十九年の党大会、民主党大会でその発言をしておられますけれども、いずれにしろ、どちらの場合も、発言の大意や流れを殊さら無視して、都合のいい部分だけを切り取って揚げ足をとることばかりに執着しているように見えますね。発言の全体像を把握することの方が、よほど重要なのではないかと私は思います。
 私自身は、私自身の発言については責任をとりますが、しかし、内容の改ざんまでしたところがありますけれども、これは、いい逃れしたことは一度もございません。したがって、ご指摘は全く当たりません。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔福祉保健局長山内隆夫君登壇〕

○福祉保健局長(山内隆夫君) 感染症に関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、ノロウイルスによる感染性胃腸炎の流行対策でございます。
 都は、この冬の集団感染の多発や患者報告数の急増など、大流行の兆しを受けまして、都民に注意を喚起するため、いち早く警報を発令したところでございます。
 また、都議会の皆様からもご要望を受けまして、適切な手洗い方法などの感染予防策について、インターネットを初めとするさまざまな広報媒体を通じて情報提供を行ったところでございます。
 さらに、給食施設等に対する食中毒防止のための重点監視に加え、体力が低下した入所者等を抱える高齢者施設や医療機関、さらに、多くの人が利用するホテルなどの事業者団体に対しまして、感染予防のための対応マニュアルを活用し、予防対策を重点的に周知するなど、ノロウイルスによる感染拡大防止の徹底を図ったところでございます。
 次に、都民への感染症に関する情報提供についてでございますが、感染症の蔓延防止に向けて、正しい知識や予防策の普及を図るため、都ではさまざまな感染症に関する情報を広く都民に周知しておるところでございます。また、食品関係者や医療従事者、さらには海外旅行者などへの必要な情報についても、インターネットやリーフレットなどにより的確に提供しております。
 お話のインフルエンザに関しては、流行状況や予防方法などについて、都民や医療機関等に対して幅広く情報提供するため、流行シーズン中、東京都インフルエンザ情報を毎週発行しております。
 さらに、昨年四月、健康安全研究センターに疫学情報室を設置いたしまして、情報収集、分析等に関する機能を強化したところであり、今後とも最新の感染症情報を都民に的確に発信してまいります。
   〔都市整備局長柿堺至君登壇〕

○都市整備局長(柿堺至君) 踏切対策についての二点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、駅や踏切の事故防止についてでございますが、緊急時に列車を停止させるための非常ボタンや障害物検知装置の設置などの安全対策については、基本的には各鉄道事業者が実施しております。
 都としては、都民の安全を確保していく立場から、今後とも、機会をとらえて、鉄道事業者に対し安全対策を徹底するよう働きかけてまいります。
 次に、東武東上線ときわ台駅付近における踏切対策についてでございますが、ときわ台駅から上板橋駅付近については、平成十六年に策定した踏切対策基本方針の中で、鉄道立体化の可能性を検討すべき区間の一つとして位置づけております。
 道路と鉄道の立体化については、地域におけるまちづくりと連動することから、今後、地元区が主体となり、道路と鉄道のあり方や、まちづくりを検討することが必要でございます。
 都としては、地元区の取り組み状況を踏まえ、適切に対応してまいります。
   〔消防総監関口和重君登壇〕

○消防総監(関口和重君) 救急車の利用に関し、都民の不安を払拭する方策についてのお尋ねですが、東京消防庁が実施している消防に関する世論調査では、救急車を要請した理由として、軽症か重症かの判断がつかなかった、診察可能な病院がわからなかったといった回答が多く寄せられています。
 こうしたことから、東京消防庁では、現在テレホンサービスで実施している医療機関案内業務を拡充し、医師の助言のもとに看護師や救急救命士等が応急処置や受診に関するアドバイスなどを行う救急相談センターを平成十九年度において整備いたしまして、都民の安心を図ってまいります。
   〔総務局長大原正行君登壇〕

○総務局長(大原正行君) 都庁舎のセキュリティー対策についてでございます。
 都庁舎には連日多くの都民や内外からの観光客が訪れておりまして、来庁者の安全の確保は最も基本的なものと認識をしております。
 都庁舎では、執務室への職員以外の入室を制限しますとともに、各出入り口や廊下、展望室などでは、巡視及び警備員の立哨、巡回、防犯カメラによる監視などにより、不審者や不審物の早期発見に努めております。
 また、現在、内外の治安情勢等を踏まえ、特別警戒態勢を継続中でありまして、テロや災害等に対する備えを強化しております。
 今後とも、警察や消防等と十分連携を図りながら、都庁舎のセキュリティーの確保に万全を期してまいります。

○副議長(木内良明君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時二十五分休憩

   午後三時四十六分開議

○議長(川島忠一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 六十八番村上英子さん。
   〔六十八番村上英子君登壇〕

○六十八番(村上英子君) 二〇〇七年問題といわれているように、いよいよ団塊の世代が大量に退職期を迎えようとしています。一方、少子化の進行にはいまだ歯どめがかからず、間もなく四人に一人が六十五歳以上の高齢者という超高齢時代がやってまいります。また、家族の世帯構成を見ても、核家族が一層進んでいるばかりではなく、若者から高齢者に至るまで、単身家族がふえ続けています。
 こうした時代だからこそ、私は、家族の果たす役割が極めて重要であると考えます。石原知事は、日本の伝統文化を大切にしようと常々いわれておりますが、その基本は家族のあり方だと思います。
 昔は、おじいちゃん、おばあちゃんとの同居は当たり前、ともすれば、ひいおじいちゃんやひいおばあちゃんとの同居もありました。それがいつのころからか、家つき、カーつき、ばばあ抜き等の言葉の流行とともに、家族の形が変わってまいりました。
 かつては、食事のマナーや社会生活のモラルなどを家庭で教わり、高齢者や小さな子ども、弱い者をいたわる思いやりの心も自然と身についたものです。また、日本の文化、風習なども、四季の移り変わりの中で家族に教えてもらったように思います。
 しかし、最近では、都市化が進む中で、家族そのものが崩壊してきているように思えてなりません。残念なことに、家族内での殺人という痛ましい事件も相次いで発生いたしました。
 また、いわゆる独居老人のような高齢単身者の孤独死という問題も明るみになってきています。家族を持たない単身者は、元気な間は何も問題もなく、気兼ねなく自由に暮らすことが可能ですが、一度疾病などの課題を抱えれば、自分だけでは何も解決できなくなり、医療、介護、住宅など、さまざまな公的サービスを受けざるを得なくなってしまいます。
 元気な高齢者の地域参加を、また待機児童の解消を促すためにも、改めて家族の持つ機能の大切さをとらえ直し、家族の支援に取り組むとともに、身寄りのない都民に対しては、行政が公的サービスによって代替、補充していくことも必要と考えます。
 石原知事は、家族の変容や家族機能の希薄化という現状をどのように認識しておられるのか、ご所見をお伺いいたします。
 先日、医師会の先生方との勉強会の中で、資料を提供していただき、いろいろとお話を伺った中から、幾つかの質問をさせていただきます。
 まず、療養病床について伺います。
 現在、国の医療制度改革の一環として、療養病床の再編成が進められております。療養病床には、医療の必要性が必ずしも高くない患者が多く入院し、実質的に高齢者介護の受け皿となっているという社会的入院の解決は、もとより必要な改革であります。
 しかしながら、患者や医療関係者不在の議論により、平成二十三年度までの六年間に、全国で三十八万床を十五万床にするなどと、病床削減の数だけが先行し、いわゆる介護、医療難民の発生を懸念する声もささやかれております。
 しかも、東京は、全国に比べて療養病床や介護施設の高齢者人口に対する割合が低く、必ずしも国が示しているような割合で一律に療養病床を削減する必要はないのではないかと思います。
 そこで、療養病床再編成に対する都としての対応について、基本的な認識を何点か伺います。
 まず、約五千人余りの都民が埼玉県など近県の療養病床に入院しているとの報道もあり、医療必要度の高い患者を受け入れる医療療養病床については、ふやすことも含めて、必要数を確保していくべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
 次に、療養病床から介護施設などへの円滑な転換についてですが、現行の高齢者保健福祉計画では、都内十三の老人保健福祉圏域ごとに平成二十年度までの介護保険施設の定員数の上限が定められており、都では、国の療養病床再編成の方針を踏まえ、地元区市町村の同意があれば、療養病床がこの計画数を超えて介護保険施設へ転換することができるという運用方針を示しています。
 この対応は、療養病床が介護施設などへの転換を図る上で、現行の枠組みの中では最大限に柔軟な方針と評価いたしますが、しかしながら、区市町村の同意が得られない場合には、転換したくてもできない事態の発生も懸念されるところです。
 そこで、療養病床から介護施設への転換が円滑に図られるよう、高齢者保健福祉計画の改定など、今後の都の取り組みについてお伺いいたします。
 最後に、昨年五月に都が公表した保健医療に関する世論調査によれば、脳卒中の後遺症や末期がんなどで長期の療養が必要となった場合、自宅で療養を続けることを理想と考える方が四五%いらっしゃいますが、しかし、この方々が実際に自宅での療養が可能と考えているのは二〇%にすぎません。その理由として、家族への配慮や住宅事情などとともに、在宅医療体制への不安も大きな割合を占めているのです。
 社会的入院は、単に療養病床を削減するだけでは、本当の意味での解決にはならないと思います。在宅に関しては、平成十九年度の地方税制改革の中で、高齢者や障害者などが住む既存の住宅に関しバリアフリー改修工事を行った場合、固定資産税が減額される特例措置が創設されることとなっております。在宅医療に関しても、サービスを一層充実し、自宅や住みなれた地域で療養生活を続けたいという都民の希望にこたえていく必要があると思います。
 受け皿となる在宅医療を担う医師、看護師などの育成に取り組むとともに、地域で在宅医療に取り組む方々をきめ細かく支援していく必要があると考えますが、ご所見をお伺いいたします。
 次に、平成二十年度から実施される特定健康診査・特定保健指導についてお伺いいたします。
 昨年六月、医療制度改革関連法が成立し、疾病の予防の重視と医療費適正化の観点から、生活習慣病予防が一つの柱として位置づけられました。この改革により、老人保健法は高齢者の医療の確保に関する法律に改正されることとなり、これまで区市町村が住民に実施してきた基本健康診査は、生活習慣病の予防にターゲットを絞った特定健康診査・特定保健指導として引き継がれることになり、区市町村国民健康保険、健康保険組合、政府管掌保険などの医療保険者には、その実施が義務づけられることとなりました。
 特定健康診査・特定保健指導の質の確保は大切な課題であり、都道府県には、医療保険者に対する助言や援助、健診・保健指導のマンパワーの確保や、生活習慣病対策に取り組む地域、職域関係者間の総合調整が求められていると聞いております。
 都はこれまで、区市町村とともに基本健康診査を着実に進めるとともに、糖尿病予防のモデル事業に取り組むなど、生活習慣病対策の新たな取り組みも行っていると聞いています。都は、こうしたこれまでの取り組みを生かし、特定健康診査などの実施体制の整備を進めていくべきと考えます。
 平成十九年度における医療保険者の第一の課題は、特定健康診査等実施計画の策定であります。計画には、健診受診率や糖尿病有病者率の減少等に関する数値目標や、健診などの具体的な実施方法等の記載が義務づけられています。しかし、多くの医療保険者は、健診・保健指導事業の経験が少なく、健診の実施や計画策定を担う専門職も不足しているのが現状であります。
 都においては、円滑な実施に向けて、医療保険者に対し、具体的にどのような支援を行っていくのか、お伺いいたします。
 次に、特定健康診査・特定保健指導実施に伴う人材の確保についてお伺いいたします。
 新たな健診が都民の生活習慣病の予防、重症化防止に有用となるためには、計画の立案、実施から評価までを行う医師、保健師などの養成が必要となります。特に、今回の法改正では、保健指導を適切に行うことができる専門職の確保が必要となります。
 そこで、都は、実施に必要な人材の確保を進めるため、どのようにして質の高い人材を養成していくのか、お伺いいたします。
 次に、特定健康診査・特定保健指導の確実な実施のためには、医療保険者が努力するだけではなく、広く都民や関係者に対し、効果的に生活習慣病予防の普及啓発を行うことが必要と考えます。特に職域においては、労働安全衛生法に基づき、労働者の健康管理を担う事業主の協力が必要不可欠であり、健康づくりに対する事業主の意識啓発に努める必要があります。
 また、特定健康診査などを受診する都民の側にも、健診の意義や健康づくりの実践を継続することの必要性を呼びかけていくべきだと考えます。
 都は、生活習慣病予防の普及啓発にどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
 最後に、都民に身近な、そして都民のだれもが頼りにしております救急業務についてお伺いいたします。
 消防機関の行う救急業務は、昭和三十八年に法制化されて以来、我が国の社会経済活動の進展に伴って、その体制も逐次整備され、住民の安全を確保する上で必要不可欠な行政サービスとして、その重要性はますます高まってきております。
 平成十八年版の消防白書によりますと、十七年中の救急車の出動は、全国で約五百二十八万件に達し、前年に引き続き五百万件を超え、過去最多であったようであります。今後も、高齢化がさらに進展し、都民の意識も多様に変化して、救急車の出動はふえ続け、このままでは、救急要請時に近くに救急車がいないため、より遠くから救急車が来ることになったり、さらには、交通渋滞などにより救急車の到達時間が徐々に遅くなる傾向となっていくことも予想されます。
 首都東京においても、実情は同様であります。昨年の東京消防庁の救急出動件数は、十年前と比較すると、約一・五倍に増加したとお聞きいたしました。
 そこでまず、東京消防庁では、増加してきた救急要請に対し、これまでどのような対策を講じてきたのか、お伺いいたします。
 さらには、マスコミでも取り上げられているように、心ない一部の人には、緊急性のないことで救急車を呼ぶ人や、タクシーのかわりに救急車を使う人もいるようであります。このようなときに、近くで生命に危険が及ぶ、いっときを争うような事故や急病が発生した場合、救える命も救えなくなってしまうことは自明の理であり、都民にとって大きな問題であるといえます。
 東京消防庁では、緊急出動の件数の増加などにより、救急車が現場に到着するまで時間がかかり、今後、緊急への影響が心配されることから、医療関係者や大学教授などの有識者が委員となっている救急業務懇話会に、救急業務における傷病者の緊急性に関する選別(トリアージ)及びその導入のための環境整備について検討していただき、その答申が出されたことと伺いました。
 東京消防庁では、この救急業務懇話会の答申を受け、今後、どのような対策を考えているのか、消防総監のご所見をお伺いいたします。
 また、私の母が、昨年十一月の末に、緊急で広尾病院に入院をいたしました。その折、大変消防庁にはお世話になりました。
 そしてまた、私が申し上げたいのは、広尾ERの救急車の待機の時間でございます。私が知っている限りでも、救急の待機は五台、六台と待機をしておりました。それだけ救急車の要請が多いといわれております。ぜひこのトリアージを大いに活用していただいて、本当に必要とされている患者さんに対応していただきますようにお願い申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 村上英子議員の一般質問にお答えいたします。
 家族の現況についてでありますが、国家が人間同士の連帯の最大のユニットであるように、家族は人間社会における最小の単位でありまして、最も根源的な連帯の形であると思います。その家族が自壊してしまい、機能不全に陥っていることは、今やだれの目にも明らかでありまして、中でも父性の失墜は目を覆うような状況にあります。
 モラルの崩壊や社会規範の希薄化など多くの問題が、家族あるいは親と子の関係に起因しているといわざるを得ず、家族の立て直しこそ、最も差し迫った課題であると思っております。
 でき得れば、おっしゃったように、親子三代が一緒に住むということで、人間同士のかかわりの中で、立場を超えて、時代も超えて、垂直な価値観として伝承されていかなくてはいけないものが伝わりにくくなっている。三代一緒に住めといわれても、家屋の問題、住居の問題なんかもあるでしょうが、こういう状況というものを、何とか何かの形でてこ入れして、立て直していきたいものだと思っております。
 都としても、青少年の健全育成や教育改革はもとより、地域と一体となって家族の再生に取り組んでいきたいと思っております。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔福祉保健局長山内隆夫君登壇〕

○福祉保健局長(山内隆夫君) 福祉医療に関する六点のご質問にお答えいたします。
 まず、医療療養病床の確保についてでございますが、今般の療養病床の再編成は、いわゆる社会的入院の解消に向け、今後は、療養病床は医療の必要度の高い患者を受け入れるものに限定し、医療の必要度の低い患者につきましては、介護施設などで受け入れていこうというものでございます。
 この再編成の中で、急性期の医療を終え、回復期にある患者を受け入れ、密度の高い医学的管理などを行う医療療養病床の役割は、今後とも重要でございます。
 都としても、医療機関の動向を的確に把握しながら、今後策定する地域ケア整備構想を踏まえまして、医療計画の策定の中で適正な病床数について検討してまいります。
 次に、療養病床の転換についてでございますが、療養病床の再編成に当たっては、その受け皿となる介護施設等への転換を円滑に進めることが不可欠でございます。
 このため、都は、本年秋までに策定する地域ケア整備構想において、現在取りまとめ中の療養病床実態調査の結果や、今後国から示される予定の新たな参酌基準に基づきまして、療養病床の転換を含む再編成への対応の方向性を明らかにいたします。
 さらに、これを踏まえ、平成二十一年度に高齢者保健福祉計画を改定いたしまして、その中で、療養病床から介護施設等への転換の動向を適切に見込んだ上で、平成二十三年度までの介護施設等の定員数を定めてまいります。これによりまして、療養病床の転換に支障が生じることのないよう、万全を期してまいります。
 次に、在宅医療への支援についてでございますが、医療を受けながらも、できるだけ自宅や住みなれた地域で療養生活を送りたいというのは多くの都民の願いであり、地域における在宅での療養を支える体制を整備していくことは重要でございます。
 このため、都はこれまでも、在宅医療に取り組む医師向けの研修事業を実施するとともに、来年度は、医師、看護師等の医療従事者向けのマニュアルを作成するなど、一層の支援に取り組んでまいります。
 また、区市町村が地域の医療関係者や患者会等と協議しながら地域の実情を踏まえて取り組む在宅医療の充実策について、新たに創設する医療保健政策区市町村包括補助事業を活用して、きめ細かく支援してまいります。
 次に、医療保険者への支援についてでございますが、平成二十年度から導入される特定健康診査・特定保健指導が円滑に実施されるためには、各医療保険者において適切な特定健康診査等実施計画が策定されることが必要でございます。そのため、都は、都内全医療保険者に対しまして、計画策定に係る企画、立案、評価のための研修を実施することといたします。
 また、これまで区市町村が老人保健事業の中で蓄積してきました地域の医療機関等との連携のノウハウや、効果的な保健指導のためのガイドラインを医療保険者に提供してまいります。
 次に、特定保健指導に係る人材の養成についてでございますが、生活習慣病有病者及び予備群を減少させるためには、確実に生活習慣の改善に結びつく保健指導が重要でございます。そのため、都は来年度から、最新の科学的知見に基づいた指導技法を有する質の高い専門職の養成を行ってまいります。
 具体的には、特定保健指導に携わる医師、保健師、管理栄養士等を対象に、身体活動や食生活について個人の特性に応じた指導が行えるよう、医療保険者の代表により構成する保険者協議会や医師会などの関係団体と協力いたしまして、保健指導に関する専門的な研修を実施してまいります。
 最後に、生活習慣病予防の普及啓発についてでございます。
 都は、平成十七年度に東京都健康推進プラン21後期五か年戦略を策定しまして、糖尿病の予防を重点課題の一つとして位置づけ、生活習慣病対策を積極的に推進しております。
 今後とも、このプランに基づき、広く都民を対象に、特定健診等の意義、疾病の知識、生活習慣改善の重要性などについて理解を促進するため、適切な情報提供を行い、生活習慣病予防の普及啓発に努めてまいります。
 また、職場の健康管理については、地域ごとに、商工会や事業者の代表、医師会等のメンバーにより設置される戦略会議の中で、健康づくりのための具体的な実践方法を検討しまして、生活習慣病予防に対する意識の向上を図ってまいります。
   〔消防総監関口和重君登壇〕

○消防総監(関口和重君) 救急体制に関する二点の質問にお答えいたします。
 初めに、増加する救急需要に対するこれまでの取り組みについてのお尋ねですが、増加する救急要請に対しまして、東京消防庁では毎年、救急車の増強を図るとともに、救急車の適正な利用を促進するため、医療機関の案内やポスターの掲出、プロモーションビデオの放映等の各種広報活動を行ってまいりました。
 さらに、平成十七年度には、緊急性の低い転院、入退院や通院等におきまして、民間の患者等搬送車両や救命講習を修了した乗務員が乗務しているタクシー、サポートキャブの利用が促進されますよう、東京民間救急コールセンターを整備いたしました。
 これらの取り組みにより、平成十八年中の救急出場件数は三十年ぶりに前年を下回りました。
 次に、救急業務懇話会答申を受けての対策についてのお尋ねですが、昨年度の東京消防庁救急業務懇話会答申では、救急需要対策の一環として、救急現場における傷病者の緊急度、重症度に応じたトリアージ制度の必要性が示されました。
 本答申に基づき、東京消防庁では、東京都メディカルコントロール協議会と連携し、一一九番通報により出場した救急隊による容体観察の結果、救急車による緊急搬送の必要性について医学的見地から判断する基準を策定しているところであります。
 この基準により、例えば指先の軽微な負傷のような場合で、意識、呼吸、脈拍に異常がないなど、緊急搬送の必要がないと判断された傷病者に対しましては、現場で応急処置をした上で、必要により医療機関案内などを行い、傷病者自身による通院を促す救急搬送トリアージを、都民の理解を得ながら進めてまいります。

○議長(川島忠一君) 八十二番松村友昭君。
   〔八十二番松村友昭君登壇〕

○八十二番(松村友昭君) どの子も行き届いた教育で豊かに成長してほしいというのは都民の願いです。しかし、現実には、いじめや不登校、学力の格差拡大など、東京の教育は大きな問題を抱えています。
 石原都政の八年間は、国の教育基本法改悪を先取りし、日の丸・君が代強制を初めとした教育現場への管理統制と介入を強めただけではなく、弱肉強食の競争原理を教育に持ち込むなど、子どもと教育の現状を解決するどころか、さらに深刻にするものでした。
 まず、競争教育の問題です。
 都立高校の学区廃止と統廃合を進めたことで、受検生は不安に駆られ、過度の競い合いを強いられています。地元の高校に希望が殺到し、泣く泣く志望校を変えた、交通費を負担できる経済的余裕がない子は行ける学校がないなどの事態が広がっています。入試倍率三倍を目標に受検生集めをする高校もあり、私立を併願できない生徒は本当に厳しい状況です。競争に勝ち抜くための早期からの塾通いも問題になっています。
 やっと入学できたかと思えば、学校の特色として大学進学率の目標を掲げる学校がふえており、本人の進路希望を大事にするよりも、受験勉強を強いられる事態も生まれています。
 かつてのナンバースクールといわれる都立高校を中高一貫校にして、中学校入学段階から差別と選別を強め、競争を激化させています。しかも、露骨にリーダー養成をうたうこれらの一貫校や都の指定する進学重点校には、人の配置や予算も厚く配分するやり方です。こうした一部の人気校とその他の高校の格差が広がっています。
 知事、都立高校受検生の競争を激化させる入試制度や学区制廃止、高校の序列化を進めるやり方は改め、保護者、生徒、教師を含め、都民参加で再検討することが必要です。答弁を求めます。
 公立小中学校も、都教委の一斉学力テストの実施と公表により、学校現場にゆがみと混乱がもたらされています。小学五年と中学二年の冬休みは宿題漬けだとか、三学期はテスト対策ばかり。区の順位を上げるため、一斉学力テストのための模擬テストが広がっています。これは画一的教育の最たるものです。
 あそこの市は最下位だなどと子どもたち同士が傷つけ合ったり、自分がいると成績が下がるとテストの日に欠席したり、どうせ自分はばかだからと、まだ十代なのに将来に希望が持てなくなってしまったり、成績がよい子も、常にプレッシャーを感じている、友達が敵にしか見えないと苦しんでいます。これでは個性も人間性も押しつぶされてしまいます。
 知事が競争と詰め込みが必要だといって推し進めてきたのが、これほど子どもたちを傷つけていることをどう考えているのですか。知事、お答えください。
 国連子どもの権利委員会は、二度にわたり、日本の過度に競争的な教育は改めるよう勧告しているのです。その立場に立ち、一斉学力テストの実施と公表は直ちにやめるべきです。どうですか。
 今、子どもたちに必要なことは、どの子も確かな学力をつけ、自分のことも人のことも大事にし、将来の主権者として成長することです。そのために都がまず行うべきは、三十人学級などの教育条件の整備です。
 日本共産党都議団は、東京を除くすべての道府県が実施している少人数学級について、改めて全国道府県に対する調査を行いました。その全容は近日発表する予定ですが、特徴的なことは、実施した効果として、一人一人の活躍の場が増し、互いのよさを認め合い、自信をつけてきた児童がふえた、学級が落ちついており、子どもがいろいろな活動に集中して取り組んでいるなど、安定した人間関係の中で生き生きと学校生活を送っている様子が挙げられていることです。欠席日数や不登校の減少、トラブル、問題行動の減少も多くの県が挙げています。
 学習面でも、児童生徒の学習意欲が高まり、学力向上につながった、授業につまずく児童が減ったと、よい効果が生まれています。
 多くの県が、事情が許せば三年生以上にも導入したい、三十五人学級で成果が上がっているので、三十人学級への拡大を望む声があると、少人数学級の継続、拡大を検討しており、四十人学級の方がよかったなどといっているところは一つもありません。
 少人数学級を実施している道府県の多くが、学習面でも生活面でも効果を上げているのです。都は、習熟度別授業だけに固執していますが、他県でそんなところは一つもありません。最近まで習熟度別授業のみを実施していた県も、少人数学級を導入しています。都も直ちに踏み切るべきです。少なくとも全国の実践例を研究し、検討を開始すべきだと思いますが、答弁を求めます。
 競争原理を教育に持ち込むことは、弱者切り捨てにつながります。石原都政のもとで一番大きなしわ寄せを受けているのが障害児です。
 障害児学校に在籍する児童生徒は、この八年間で一千六百七十二人、約二五%も増加しています。ところが、石原都政は学校数を一校もふやさない計画で、八年間の障害児学校の施設整備予算は、その前の八年間の約半分にしかなりません。そのため、子どもたちは深刻な教室不足の中で毎日を過ごしています。
 普通教室が足りないために、特別教室をつぶすだけでなく、一つの教室をカーテンで仕切って二学級で使うことも恒常化しています。教室不足は年々ふえ、肢体不自由と知的養護を合わせて、二〇〇二年度には四百七十二教室の不足が、今年度は六百二教室も不足しています。障害児学校だから、これほどの教室不足がふえてもいいと思っているのかと、保護者から怒りの声が上がっているのです。小中高三学部で一校四十学級としても、十五校分ということです。
 障害児学校の増設は待ったなしです。養護学校の大幅な増設と教室不足を早急に解消することが必要です。具体的な増設計画及び今年度不足している六百二教室について、いつまでにどうやって解消するのかを示していただきたい。答弁を求めます。
 重度重複学級の設置が実態とかけ離れていることも大きな問題です。障害の程度が重度の児童生徒数は、肢体不自由と知的養護学校合わせて二千八百五十九人ですが、教員配置が厚い重度重複学級に在籍できているのは一千四百八十二人、約半分の子どもたちしか在籍できていません。
 重度重複学級は、実態との乖離を直視し、教室不足の改善とともに、当面は教員の配置を先行させることを求めます。
 夜間定時制高校も切り捨ての標的にされています。勤労学生とともに、不登校などの事情を抱えた生徒の受け皿となっている夜間定時制高校は、九九年度には九十六校もあったのが、この四月に向け募集を行ったのは、たった三十九校になってしまいました。統廃合したために定員がいっぱいで、入学するのが難しい学校が続出しています。今年度は、一度に十八校も募集停止になったため、また多くの不合格者を生むのではと懸念されているのです。夜間定時制に入れないと、高校進学を断念せざるを得なくなります。
 さらに、夜間定時制は、給食や教科書代、修学旅行費の補助の削減など、徹底した予算削減がされています。
 さまざまな困難を抱えていても、勉強しよう、学びたいという心の変化をきちんと受けとめ、学びの場を保障するのが都の重要な役割ではないのですか。夜間定時制の統廃合計画は見直し、募集再開を含め、生徒の実情に合った配置に改善するよう求めます。
 また、石原都政は、学校に対する管理統制と介入を強め、学校現場をゆがめ、子ども第一の教育を困難にしてきました。卒業式、入学式などの日の丸・君が代の強制は、東京地裁が昨秋、違憲、違法と判決を下した後も、何ら反省することなく強制を行っていることは、断じて認められません。(発言する者あり)
 それにとどまらず、職員会議での挙手による意思確認の禁止や、一年でも異動をさせることが可能な異動要綱の改定により、都教委の意を受けた一方的トップダウンが横行し、意見をいっただけで異動させるとおどかされ、教師がまともに物をいえない状況が生まれています。
 教育は、人間の内面的な価値に関する文化的営みであり、子どもの成長と発達のために、自由で自主的な空間で営まなければなりません。校長や教員に都教委の顔色をうかがわせるようでは、子ども本位の教育はできません。
 日本共産党は、憲法に依拠し、教育の条理に立って、子どもたちの豊かな成長を目指す教育の実現に全力を尽くす決意を表明し、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 松村友昭議員の一般質問にお答えいたします。
 競争と詰め込み教育についてでありますが、人間の社会で競争のない社会、世界はないと思います。だれにも得手、不得手があるわけでありまして、それを競争の中でさらに磨き、競うことが、私は人材を育てるすべだと思っています。
 詰め込みも、私は、感性、情念ができてくる前の小中学校では絶対に必要だと思います。例えばインドの九九は、二十五ですか、三十五まであるわけでして、これは決して掛け算で覚えるのじゃなくて、門前の小僧がお経をわけもわからずに暗唱すると同じように、暗唱することで、それが社会人になったときに非常に活用されて、インド人の数学に関するレベルというものを向上しているわけであります。義務教育は、基礎学力を培うプロセスでありまして、徹底した詰め込み教育でなくてはならないと思います。
 戦後、日本の教育は、行き過ぎた平等主義による画一的な教育が、子どもたちのさまざまな成長の可能性の芽を摘んでまいりました。個性、能力を重視し、それぞれが持つ可能性を存分に発揮させるような教育こそが大切であります。
 学校では、互いに切磋琢磨し、競争しながら成長していくための試練が必要であると思います。
 他の質問については、教育長から答弁します。
   〔教育長中村正彦君登壇〕

○教育長(中村正彦君) 六点についてお答え申し上げます。
 まず、高校の入試制度等の再検討についてであります。
 都教育委員会では、生徒、保護者の多様なニーズにこたえるため、学区の廃止によります学校選択制の拡大や、入学者選抜方法の特色化を進めるとともに、チャレンジスクールや中高一貫教育校などの新しいタイプの学校の設置や、進学指導重点校の指定など、特色ある学校づくりを行い、都立高校の個性化、特色化に努めてまいりました。
 こうした取り組みによりまして、都立高校におきましては、大学進学実績の向上、中途退学者の減少、卒業時に進路が決定していない生徒の減少など、着実な成果があらわれております。
 今後も引き続き都立高校の改革を着実に推進し、生徒、保護者の期待にこたえることが重要でありまして、改革の取り組みを再検討する考えはございません。
 次に、学力調査の実施と公表についてであります。
 都教育委員会が実施している学力調査の目的は、児童生徒の学力の実態を明らかにすることによって、それぞれの教師が授業を改善し、生徒の学力の向上を図ることにあります。また、都教育委員会は、東京都全体の学力水準の維持向上を図るために、区市町村別の調査結果を公表しております。
 今後も、児童生徒の学力の実態を明らかにし、区市町村や学校の取り組みへの具体的な支援を行うために、学力調査を実施し、その結果を公表することで、学力のより一層の向上を図ってまいります。
 次に、学級規模についてですが、都教育委員会としては、教育効果という観点から、都内の少人数指導実施校における取り組みを踏まえまして、基礎学力の向上に配慮し、きめ細かな指導を行っていくためには、教科等の特性に応じた多様な集団を編成できる少人数指導が有効であると考えており、今後ともその充実に努めてまいります。
 一方、生活集団としての教育効果を考えた場合、児童生徒が集団の中で互いに切磋琢磨し、社会的適応能力をはぐくむため、学級には一定規模が必要であると考えておりまして、従来の方針に変わりはございません。
 次に、養護学校における教室の確保についてでありますが、この十年、知的障害養護学校に入学する児童生徒が急激に増加する中、これに対応して必要な教育環境の整備を図ることは極めて重要でございます。
 都教育委員会では、こうした児童生徒の急増に対する教室確保対策として、平成十六年十一月に策定いたしました東京都特別支援教育推進計画に基づきまして、本年度、田園調布養護学校を新設するとともに、葛飾養護学校外九校において校舎増築、改修の工事に着手したところであります。今後、さらに青梅東学園養護学校、仮称でございますが、外四校を新設する予定であります。
 なお、今年度は、学校の改修工事等を行い、必要な教室数を確保しております。
 今後も、教室を確保するための環境整備に努めてまいります。
 次に、重度重複学級の実態についてでございます。
 重度の障害がありましても、普通学級での方が教育効果が上がると考えられる場合は、普通学級に在籍させております。
 重度重複学級は、重度重複学級の教育課程が必要であると認められる児童生徒を対象としております。したがって、重度の障害のある児童生徒のすべてが重度重複学級の対象となるわけではございません。
 また、教職員定数につきましては、国の基準を踏まえ、学級数に応じて必要な定数を措置しております。
 最後に、都立高校の夜間定時制課程についてでありますが、定時制課程につきましては、働きながら学ぶ生徒や不登校経験のある生徒、高校の中途退学者など、多様化する生徒のニーズにこたえるとともに、全定併置校が抱える施設利用や指導時間の制約などの課題を解決し、定時制教育の条件改善を図る必要がございます。
 このため、都立高校改革推進計画に基づき、周辺の夜間定時制課程を統合しながら、昼夜間定時制独立校の整備をしており、今後も着実に計画を推進してまいります。

○議長(川島忠一君) 二十五番高橋信博君。
   〔二十五番高橋信博君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○二十五番(高橋信博君) 初めに、東京オリンピック招致活動について伺います。
 二〇一六年のオリンピック競技大会を東京に招致するためには、まず何よりも都民、国民から幅広い支持を得ることが重要です。
 二〇一六年の開催都市の決定は、二〇〇九年十月にコペンハーゲンで開催されるIOC総会において、IOC委員の投票で決定されます。IOCでは、この総会に先立ち、独自に都市における世論を調査し、オリンピック開催都市決定における判断材料の一つとしています。
 来年、北京で開催される二〇〇八年のオリンピックには、日本から大阪市が立候補しました。この際の大阪市でのオリンピック開催の支持率は五〇%程度と低く、大阪市の敗因の一つだったと指摘する声もあります。
 都においては、昨年八月三十日に国内立候補都市に決定されたものの、率直に感じるところを申し上げれば、招致機運が盛り上がるどころか、都民にオリンピック招致が十分に周知されていないのが現実ではないでしょうか。
 招致活動は、世界の強豪都市との戦いに打ち勝つための綿密な戦略のもと、昨年の十一月に発足した招致委員会を中心に行っていくことは承知しています。しかし、招致委員会の努力にもかかわらず、残念ながらいまだにその成果が見えてこないことは、大変残念なことといわなければなりません。
 来年の夏に開催される北京オリンピックでは、JOCも選手強化に取り組むほか、開催が隣国であることなどから、都民、国民のオリンピックに対する関心はいや応なく高まっていくことが期待されます。
 こうした背景のもと、全国的な視点から招致キャンペーンを展開すべきと考えます。招致委員会の行う招致活動に加え、都としても、都民に対し十分なPR活動を行うべきです。その手段として、例えば都内全域で、人が集まる駅や区市町村を含めた庁舎を活用し、垂れ幕やポスターを掲出するほか、メディアを活用したPR活動などを積極的に展開していくことも有効と考えますが、見解を伺います。
 オリンピック招致活動は、スポーツの魅力を都民、国民に理解していただき、オリンピックムーブメントを広げていく活動にほかなりません。スポーツの魅力を都民、国民に伝えることは、青少年の健全育成や住民の生涯スポーツに対する取り組みを促進させます。こうした招致活動そのものが、都民生活の向上につながっていく活動として、大きな成果をはぐくんでいくことが重要なのではないでしょうか。
 まずは、都内で開催される国際的な競技大会に対して、オリンピック招致の観点から都が支援していくことで、国際競技大会におけるトップアスリートの活躍を身近なものとして感じていただき、スポーツへの関心を高めていくことが有効と考えますが、見解を伺います。
 次に、昭和三十四年以来五十四年ぶりに行われます平成二十五年の東京国体、通称多摩国体について伺います。
 東京オリンピックの三年前に開催される東京多摩国体は、いうまでもなく国内最大、最高のスポーツの祭典であり、東京多摩国体の成功なくしてオリンピックの成功もありません。とりわけ東京多摩国体は、多摩・島しょ地域を中心に開催するという、今までも例がない開催コンセプトを打ち出しています。
 私は、自然の美しさにあふれた多摩・島しょ地域は、首都東京のもう一つの顔であると考えています。そして、多摩・島しょ地域ならではのおもてなしの心で全国から国体選手を迎え入れ、地元の特産物を味わっていただくことは、選手にとっても思い出に残るすばらしい機会となります。この東京多摩国体を契機に、多摩・島しょ地域の魅力を全国に発信し、その後の地域の発展につなげていくことは、極めて意義のある取り組みであります。
 都においては、十九年度に、東京多摩国体への取り組みを多摩・島しょ地域の振興策と連動させるよう、国体の準備組織を教育庁から総務局へ移管する予定であると聞いています。
 そこで、東京多摩国体を多摩・島しょ地域を中心に開催することの意義について、改めて知事の所見を伺います。
 また、東京多摩国体の開催に向けて、地域と連携した取り組みをどのように行っているのか、伺います。
 次に、校庭の芝生化について伺います。
 私は、芝生は、ヒートアイランド対策効果にとどまらず、子どもたちの運動や行動、情緒の面でも好影響をもたらすものと認識しており、多くの小中学校で校庭芝生化に積極的に取り組んでいただきたいと考えています。
 これまでの例では、特に、学校校庭の状態やその地域の気象特性に応じた適切な維持管理が大きな課題といわれ、知識や経験のない各学校等をいかにサポートしていくかが、校庭芝生化の成功のかぎといえます。
 私の地元の小平の小学校では、平成十七年度に校庭芝生化を行いました。昨年七月まで青々とした校庭であったが、八月の暑さの後、雨の多い日が続くなどの気象の変化に適切に対応できなかったこと、利用と養生の適正なバランスがとれなかったことなどにより、維持管理がうまくいかなかったと聞いております。
 ここの校庭は、以前から排水が悪い校庭であったこともありますが、きちんと対応すれば、多少のはげるところはあっても、青々とした芝生が維持できたと思います。技術やノウハウは経験を積まなければできないこともありますが、経験がなくとも、事前に課題や対応方法を認識し、準備するのとしないとでは、大きく違います。小平市は、今回の経験を生かし、本年六月に種まきか張り芝を行い、十分な養生期間を設け、再生を目指すと聞いております。
 東京都は、都内小中学校を対象に校庭芝生化を進めるとしていますが、これから校庭芝生化に取り組む各学校のほとんどが、初めての取り組みとなるはずであります。これまでの多くの取り組み事例を生かし、校庭芝生化に当たって、わかっている失敗をすることのないよう、学校の特性に合った適切な施工や維持管理などの技術やノウハウについて、東京都が区市町村や各学校に伝えていくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、都市農地の保全について伺います。
 私の住む小平市には、約二百五十ヘクタールの農地があります。特に青梅街道や五日市街道沿いには、短冊を南北にすき間なく敷き詰めたような農地が存在しています。これらの農地には、花やブルーベリーの摘み取り農園、農家の直売所、学童農園などがあり、市民に親しまれております。
 しかし、農家に相続が発生すると、農地が瞬く間に壁のように並ぶ住宅に変わり、まとまった農地が分断され、営農環境とともに良好な地域の緑環境も悪化してしまいます。こうして、かけがえのない農地が相続を機に減っていくことは、残念でなりません。
 先日、私が出席した懇談会では、農業者から、相続税を何とかしないと農地がなくなってしまう、息子の代にも農業が続けられるよう、将来に希望の持てる経営にしたいなどの切実な声が聞かれました。都は、こうした状況に対しどのように対応していくのか、所見を伺います。
 次に、都市農地は、作物を生産する場としてだけではなく、温暖化やヒートアイランド対策など都市環境改善機能もあわせ持っております。こうした機能を持つ都市農地の喪失を食いとめるために、環境面からも積極的にとらえ、その保全策を検討すべきと考えます。
 こういう観点から、新環境基本計画の中で、都市農地を緑環境の一部として明確に位置づけるべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、府中所沢鎌倉街道線の整備について伺います。
 都は、多摩南北道路主要五路線について、ことし一月に改定された多摩リーディングプロジェクトでは、多摩重点推進事業に位置づけ、その整備を強力に推し進めています。私は、その中でも、特に神奈川県境から埼玉県境までを結ぶ広域的な骨格幹線道路である府中所沢鎌倉街道線の整備を積極的に推進すべきと考えています。
 そこで、府中所沢鎌倉街道線の現在の整備状況について伺います。
 また、私の地元である小平市では、都市計画道路の整備がおくれているため、府中街道などの数少ない幹線道路に交通が集中し、慢性的な渋滞が発生しています。その渋滞の解消のためにも、府中所沢鎌倉街道線における小平市内の早期整備は不可欠であると考えております。そこで、小平市内の取り組みについて伺います。
 次に、道路整備について伺います。
 今回、地元区市への移管に伴い、都道八王子停車場線と都道堀切橋金町浄水場線の路線廃止が提案されています。私の地元である小平市にも、西武線小川駅付近に小川停車場線という都道があります。これは、小川駅から青梅街道までの、幅が六メートル程度しかない道路です。駅から都道までを結ぶだけの幅が狭い駅前通りのような道路については、都が管理するよりも地元の区市町村が管理した方が、きめ細やかに日常管理等を行えるのではないかと、私は常日ごろ考えています。
 一般的に、都道というと幹線道路、区市町村道は生活道路と認識しているが、東京都では、都道の区市町村への移管について、どのような考え方に基づき行っているのか伺います。
 また、都道の移管に当たっては、移管後、区市町村にすぐに財政負担をかけることのないよう、維持補修等の必要な措置をすることが望ましいと考えるが、都はどのような措置をしているのか伺います。
 区市町村が都道の移管を受ければ、地元住民に身近な、地元密着型の生活道路にふさわしい道路の維持管理をすることができます。特に、駅前の道路は単なる通行のためだけではなく、地域の顔としての役割も持っています。小川停車場線についても、小平市に移管し、小回りのきく管理によって、まちの活性化が図れるよう検討していただくことを要望して、次の質問に移ります。
 最後に、東京都薬用植物園について伺います。
 小平市にある東京都薬用植物園については、平成十七年度の行政評価で抜本的見直しの指摘を受け、現在、施設のあり方を検討しているところと聞いております。この薬用植物園は、戦後間もない昭和二十一年四月、当時不足していた医薬品の原料確保を目的として設置され、以来、我が国の医薬品の品質の向上、特に生薬の振興に大きな功績があった、全国的に見ても特色ある施設であります。
 一方、近年、大麻などの種を海外から入手し、屋内で不法に栽培する犯罪行為も続発しており、薬用植物園は都内で唯一の大麻、ケシの栽培施設として、これら規制植物の鑑定鑑別業務を行っております。
 こうした薬用植物園の果たす機能については、我が党としても高く評価するところであり、都民の安全・安心の確保に必要な施設として、見直しを行うに当たっては、これらの機能を引き続き存続するよう要望したところであります。
 また、四季を通じて多くの都民が来園しており、豊富な薬用植物に触れ合うことができる貴重な施設であることから、私の地元小平市の市長、市議会から、薬事監視の機能に加え、武蔵野の面影が残る薬用植物園の緑を市民の貴重な財産として存続するよう、要望書が出されています。
 このように、薬用植物園については、薬事監視上の試験研究施設であるばかりでなく、小平市民を初めとする都民の憩いの場としても貴重な存在と考えるが、今後どのように見直しを進めていくのか、伺います。
 以上で質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 高橋信博議員の一般質問にお答えいたします。
 東京国体を多摩・島しょ地域を中心に開催することの意義についてでありますが、東京国体は、多摩・島しょ地域のすばらしい自然や産業、観光資源などの魅力を全国にアピールする絶好の機会となると思っております。この機会をとらえて、スポーツだけではなく、幅広く多摩・島しょ地域の振興を図ることは、大いに意義があると考えております。
 今後とも、都議会や区市町村、各競技団体との協力をいただきながら、東京国体を成功させていきたいと思っております。
 他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。
   〔教育長中村正彦君登壇〕

○教育長(中村正彦君) 東京国体開催に向けた地域と連携した取り組みについての質問にお答え申し上げます。
 現在、東京国体の会場地につきまして、区市町村と連携し、開催希望や施設状況、スポーツ振興への取り組みなど、地域の実情を十分に把握した上で選定を行っております。
 また、国体やオリンピックに向け、区市町村の体育協会を通じたジュニア育成地域推進事業や、地域のスポーツクラブと共催しました東京国体スポーツ教室などを実施し、地域に根差したスポーツ振興を図っております。
 今後、東京国体の成功に向けて、競技会の企画や運営、ボランティアなど、幅広い分野において区市町村等との連携を強め、万全の準備を進めてまいります。
   〔東京オリンピック招致本部長熊野順祥君登壇〕

○東京オリンピック招致本部長(熊野順祥君) 二点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、オリンピック招致のPR活動についてでございます。
 都民、国民の招致機運の盛り上がりは、招致活動を進めていく中で極めて重要であると認識しております。
 国内におけます機運の盛り上げ活動につきましては、ご提案の駅や区市町村の庁舎、またマスメディアの活用も含めまして、現在、東京オリンピック招致委員会がその手法、時間軸などを多面的に検討して、PR戦略を作成しているところでございます。都といたしましても、積極的かつ全面的に協力してまいります。
 次に、国際的な競技大会への支援についてでございます。
 都内で開催されます国際競技大会におけるトップアスリートの活躍は、都民に感動を与えるとともに、都民が競技大会を身近なものとして感じるきっかけとなり、また、お話のように、スポーツへの関心を高めていくことも期待できます。
 このため、今後都内で開催される国際競技大会を都が積極的に支援して、オリンピックムーブメントの一つとして招致活動に結びつけてまいります。
   〔環境局長村山寛司君登壇〕

○環境局長(村山寛司君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、校庭の芝生化についてでございますが、現在、校庭を芝生化しようと検討している学校の中には、必要なノウハウの蓄積が十分でないことから、どうしたら最も適した施工や維持管理ができるだろうかと、その方法を模索しているケースも多いと伺っております。
 したがって、既に芝生化に取り組んだ学校の貴重な経験を生かして、これから取り組む学校や地域のために、しっかりと生かしてそれをサポートしていくことが極めて重要でございます。
 このため、現在、維持管理の工夫や地域との連携方法など具体的な実例の収集に努めておりまして、集まったデータについて、日本芝草学会などの専門家の協力を得ながら整理、分析をし、必要な技術やノウハウとしてまとめ、各学校の特色に即して活用できるようにする準備を進めております。
 来月、区市町村や学校などに呼びかけ、説明会を開催し、専門家や先行事例の学校の関係者を招いて、技術的なアドバイスや、体験談などを交えた維持管理に関する実践的な経験交流を行うことを予定しております。
 こうした努力を積み重ねながら、区市町村や学校の校庭芝生化の取り組みを積極的に支援してまいります。
 次に、緑環境における都市農地の位置づけについてでございますが、都市農地は、新鮮で安全な農作物を都民に提供する生産の場として大切な存在であると同時に、東京の緑の中に面積として占める割合を見ても、東京都全体で約一〇%を占めており、農地は東京の緑の中で大変貴重な存在となっております。
 地域別で見ると、最も高い北多摩地域では約三〇%、区部でも約六%を占めております。こうしたことから、今回設置された緑の都市づくり推進本部においては、都市農地を含む身近な緑の保全と創出が検討の重要な柱とされております。
 今後、同本部における施策構築に向けた検討を踏まえ、来年度改定する環境基本計画の中においては、緑環境としての都市農地の保全について、明確に位置づけてまいります。
   〔産業労働局長島田健一君登壇〕

○産業労働局長(島田健一君) 相続により減少する都市農地の保全についてお答えをいたします。
 地価の高い東京におきまして、相続の際に高額な相続税が発生し、多くの農家では、その納税のためにやむを得ず農地を処分している状況にあります。
 現行の税制では、農業経営に必要な作業所、農機具倉庫などの農業用施設用地や屋敷林も宅地として評価され、高額な相続税の一因となっております。このため、これら農業用施設用地等については相続税の負担軽減措置を講じるよう、国に対し強く働きかけてまいります。
 また、農地保全には、円滑な事業継承が不可欠であります。後継者がやりがいを持って農業に従事できるよう、技術の高度化を目指した指導や実習内容を充実するとともに、新たな経営展開への取り組みを積極的に支援してまいります。
   〔建設局長依田俊治君登壇〕

○建設局長(依田俊治君) 道路に関する四点のご質問にお答えいたします。
 まず、府中所沢鎌倉街道線の整備状況についてでございますが、本路線は、神奈川県境から埼玉県境までを結ぶ南北方向の骨格幹線道路であり、交通の円滑化はもとより、多摩地域の自立性向上や都市間連携に資する極めて重要な路線でございます。
 総延長は約二十七キロメートルで、このうち平成十八年度末までに約十五キロメートルが完成しており、町田市や小平市の五カ所で、約三キロメートルが事業中でございます。残る約九キロメートルの未着手区間のうち、国分寺区間の約二・五キロメートルについては、平成十九年度の事業化に向け、現在測量を実施しているところでございます。
 次に、本路線の小平市内における取り組みについてでございますが、小平市内には、本路線が約三キロメートルございます。このうち、青梅街道から西武鉄道小川駅までの約〇・七キロメートルの区間が完成しております。
 小川駅前から東村山市境までの約〇・八キロメートルの事業中区間につきましては、用地をおおむね取得し、今年度から工事を開始いたしました。残りの五日市街道から青梅街道までの約一・五キロメートルの未着手区間につきましては、現道がなく、主に住宅地を通過するため、周辺環境や沿道利用などに配慮した質の高い道路整備を目指しております。
 今後、関係機関などと積極的に協議を行い、あわせて地域住民の理解と協力を得て、事業中区間の整備を着実に進めるとともに、未着手区間の早期事業化を図ってまいります。
 次に、都道の区市町村への移管についてでございますが、道路の管理は、道路法に基づきまして、地方的な幹線道路網を構成する道路は都が、地域内のための道路は区市町村がそれぞれ行うこととなっております。
 この役割分担に基づきまして、同一地域内に起終点を有する道路や、本線機能を持たない駅前広場、また、新たな道路の整備に伴い地域内道路に性格が変化した道路などについては、都と区市町村と協議し、移管を進めてまいりました。これまでに協議が調い移管してきた都道の延長は、約百八十キロメートルでございます。
 最後に、移管に伴う措置についてでございますが、都道の移管に当たりましては、移管後、すぐに区市町村に財政負担が生じることなく、また万全な道路管理が行えるよう、都は、必要に応じた措置を行うこととしております。
 具体的には、移管対象道路について、道路台帳や道路の現況について都と区市町村で確認し、必要な箇所については都が路面の補修などを行っております。
 今後とも、地域内道路化した都道などについては、区市町村と十分に協議し、理解と協力を得ながら、それぞれの役割分担に即した道路管理が行えるよう、都道の移管を着実に進めてまいります。
   〔福祉保健局長山内隆夫君登壇〕

○福祉保健局長(山内隆夫君) 薬用植物園の見直しについてでございますが、現在、薬用植物園では、大麻、ケシなど規制植物の鑑定鑑別を初め、健康食品の植物成分検査、薬事監視員などに対する豊富な薬用植物を活用した専門研修を行うほか、広く都民を対象とした薬用植物に関する普及事業を実施しております。
 今後は、これらの機能を維持しつつ、施設運営のさらなる効率化を図ることとし、将来の民営化も視野に入れまして、来年度から栽培業務、普及啓発事業等について、民間委託を行うこととしております。
 引き続き、ご指摘の点も踏まえ、薬事監視の充実や薬物乱用防止対策推進の観点から、関係団体とも連携して薬用植物園の見直しを進めてまいります。

○副議長(木内良明君) 五十二番斉藤あつし君。
   〔五十二番斉藤あつし君登壇〕

○五十二番(斉藤あつし君) たまたま小平選挙区の議員が続きます。よろしくお願いします。
 質問事項について、資料では、いじめについてになっていますが、ちょっと訂正いたします。いじめによる自殺予告事件の対応について質問いたします。
 昨年十一月十一日にいじめを苦に自殺を予告する手紙が文部科学省に届き、消印を根拠に、豊島区教育委員会等において学校の警戒に当たるという事件がありました。幸いにして、予告どおりの校内での自殺はありませんでしたが、豊島区及び区教育委員会等は、その対応に大変な努力をしたと聞いております。
 新聞報道では、予告日の十一日に備えて学校関係者や警視庁が自殺防止の警戒態勢をしき、都教育委員会も自殺防止の緊急メッセージを発信したとのことです。関係者の皆さん、本当にお疲れさまでした。
 しかし、その最中に、石原都知事は、十日の定例記者会見で、あんなものは大人の文章だとして、いたずらという認識を示しました。さらに、まだ警戒中の十一日夜に、民放の教育特集番組に生出演し、自殺について、やるならさっさとやれと発言いたしました。
 ここで知事に質問なのですが、その一つとして、これら一連の発言と、現場や都教育委員会など各担当部署の対応は一貫しているといえるのでしょうか。一般都民から見れば、教育委員会の方が行政として期待される行動をとったと私は思います。もちろん教育委員会の独立性、中立性というものがありますので、知事は同じことをいわなくてもいいわけですし、十一月十日の知事記者会見では、もう少し意見の背景を語っておりますので、それなりの理解はできます。
 しかし、会見よりも、恐らく多くの都民が目にするであろう民放での知事の発言が、教育委員会の行動とこのように異なっていて構わないのでしょうか。
 そして、その二です。聞けば、区教育委員会職員は、予告日前日の金曜日から月曜日まで役所に泊り込み、警察や警備会社の緊急の連絡に備えたそうです。区内すべての小中学校の校長、副校長が、土日も休まず朝七時から午後十時まで学校に張りついて、その間、多くのPTAや住民が励ましに来校したそうです。この地域で不幸なことを起こさせないという皆の思いが大変ありがたかったと、区の担当者はいっておりました。
 また、この機会に多くの職員や大人が、いじめに遭っていそうな生徒に声をかけたりして、よい効果も大いにあったと聞いております。もちろん東京都教育委員会も、区教育委員会に対して支援を申し出ており、担当者からは、必要ならば人も派遣しますよと早くに申し出ていただいたので、大変心強かったという言葉も聞いております。
 このような状況下で、現場関係者も目にするかもしれない生放送のテレビ番組において、さきの発言は、行政の長として、期待される行政の行動をトップみずからが否定したといえるのではないでしょうか。
 私は、もともと火災現場で働いていた東京都の職員です。火災通報がいたずらや誤報であったとしても、火災を前提で三十キロの重さの装備品に身を包んで、緊張感を持って現場に出て行ったものです。先日も、一線の現場で働く警視庁警察官が殉職されました。謹んで哀悼の意を表します。この方のように、現場で働くすべての職員が、みずからの任務の正しさを信じて行動しているんです。だからこそ、力を発揮できるんです。そんなときに、一番上の上司がこれはいたずらだと決めつけたら、君たちのやっていることは無意味だといわれていることになると思います。
 今回警戒に当たった警察官、都教育庁職員を初めとする現場職員の任務への忠誠や士気は、そがれたのではないでしょうか。番組を見ていた私も、職員OBとしてそれなりに不快感を持ちました。よく知事は現場主義をうたいますが、都の現場職員の気持ちについてはどうでしょうか。今回の発言は、関係者や現場職員の士気を下げたのではないかと思いますが、所見を伺います。
 仮に、企業などでは、経営者側は当然社員の営業活動やサービスを支援する必要があります。このような義務は、民法でいう善良なる管理者として要求される注意義務というものになるかと思います。もしもこの義務を怠れば、社員の統制を乱すことになるでしょう。そして、当然トップとしての自覚や資質に疑問を持たざるを得ませんし、不見識として社員からも信頼を得られないでしょう。
 今回のいじめ予告の手紙については、いろいろな意見や分析があるのは私も当然だと思っています。そして、知事がどう考えるかも自由かと思います。しかし、それでも予告日までは黙っていて、予告日以降の十二日に発言をしてもよかったのではないでしょうか。知事ではない、だれか有識者の方に頼んで、かわりにいってもらってもよかったのではないでしょうか。知事は行政の長であり、みずからの分析を披露するよりも大事なことがあったと思います。なぜあの時点でいわなくてはならなかったのか、知事の見解を伺わせていただきます。
 私は、単に選挙の前だとか、政治だからということじゃなくて、現場職員が一点の曇りもなく現場に任務のために向かうことができるよう、集中できるよう、この質問をいたします。どうぞ誠意ある答弁を、十七万人の都職員みんなが聞いていると思って、知事から伺いたいと思います。
 二番、先ほど都立薬用植物園の話が高橋議員からもありましたが、重ねて話題にすることで、ぜひこの施設を皆さんに関心を持っていただきたいと思って、重ねて質問いたします。
 平成十七年度行政評価で、廃止を含めて検討とされた私の地元小平市の都立薬用植物園については、超党派で存続の要望が出されました。地元の議員として、ご協力いただきましたことに大変感謝を申し上げます。また、近隣住民や遠方の植物愛好家も含めた署名も、一万筆を優に超えております。このときの行政評価対象事業の中で、市民運動に発展したのはこの事業だけと聞いております。
 しかし、平成十八年度事務事業評価の中で、「現時点では見直しが完了したとは言えず、今後も引き続き調査が必要なもの」の中に含まれており、「引き続き大幅に見直しを行う必要があるため」という注意があります。
 薬用植物園の見直しについては、民間委託を視野に運営改善を目指しているようですが、これまでの研究、栽培、都民への広報といった機能は維持されるのでしょうか。
 その二として、旧来の行政評価に入っていた事務事業評価を受けての改善策については、どの段階まで行くと改善が完了したといえるのでしょうか。都民にもわかりやすいように説明をしてください。
 大きく三点目でございます。多摩地域の保健所の少なさ、そして保健衛生業務の薄さに対する懸念についてです。
 現在、多摩地域は、平成十六年四月、保健所再編整備により、二次医療圏に都立保健所一カ所を基本として保健衛生業務を行っております。昨今は、鳥インフルエンザやノロウイルスなど、保健衛生の話題に事欠かない状況であり、衛生管理を要する地域の理容、美容、食品、飲食等の事業者の不安と関心は高い状況です。にもかかわらず、多摩地域の保健所は、四百万人を最初は十七カ所、次に十二カ所、そして七カ所の保健所というふうに、現在、管轄が一カ所について大変大きくなっており、各区に一カ所の二十三区とはかなり事情が異なっております。
 多摩小平保健所でも、統廃合で管轄面積は拡大しております。事業者からは、保健所と接する機会が減っていると聞いております。これまでの統廃合で運営費が幾ら削減され、管轄面積、管轄人口、事業者衛生管理の担当者数はどのように変化していったか伺います。
 ちなみに、多摩小平保健所を例として、管轄面積はどのようになったのでしょうか。
 その二です。私の地元の多摩小平保健所でも五市を管内に抱えており、営業施設の監視指導では、移動に時間がかかり、以前に比べて効率が落ちているということが懸念されております。また、事業者より、以前のような保健所との密な連携や丁寧な相談をする機会が減った印象を受けるとささやかれております。このことは以前にも厚生委員会で私も質問いたしましたが、残念ながらこの懸念はいまだ払拭されておりません。
 現在、営業施設の衛生水準向上のために、理容や美容などの環境衛生関係の事業者団体が保健所の指導のもとで積極的に自主管理活動に取り組んでいると聞いております。これについては、先ほどの服部議員の質問にも、これに触れた部分がございました。しかし、統廃合により保健所に対する距離感や不信が増していることは、こういった活動にも影を落としています。これは、私の地元の多摩小平保健所の努力不足だといっているわけではありません。むしろ、以前以上に広域での活動を余儀なくされる上に、事業者からの風当たりが強くて大変だと思います。その上で、保健所の配置に無理がないというならば、都としても、事業者の信頼をかち得るために、事業者と十分な連携を図り、自主管理活動の活発化により衛生水準の向上を進めていくべきと思いますが、見解を伺います。
 そして四番目、多摩地域全体の話として、多摩地域の将来を東京都はどのように考えているかです。
 かつて、平成六年の多摩地域の東京への移管百周年を記念してつくられた「多摩新時代の創造に向けて」と題するTAMAらいふ21白書は、多摩についての共通の指針として活用するべく作成されたものです。大変厚い本が十三冊という、大きなボリュームのものです。ところが、多くの市町村長がこれを参考に政策をつくっていたということなんですけれども、その後つくられたものについては、多摩地域の展望を総括的に研究したものとして「多摩の将来像二〇〇一」、二百三十ページほどのものですが、これがあるぐらいです。平成十三年の話です。
 この間、東京も多摩の状況も大きく変わってまいりました。昨年十二月に発表された「十年後の東京」の概要版では、東京都の地図を示しながらの説明が多数ありましたが、残念ながら多摩地域は横田基地軍民共用化と多摩シリコンバレー構想のような大枠なものばかりが目立って、住民に身近な施策はよくわかりませんでした。東京都は多摩地域の十年後をどのように考えているのか、改めて伺います。
 その二、スポーツにおいて、多摩地域中心の東京国体が平成二十五年に開催されます。しかし、その一方で、東京大マラソンを伝統ある青梅マラソンの時期と重ねてしまいました。大分参加者募集に青梅マラソンの関係者は苦労されたと聞いております。また、オリンピックについては、競技場はおろか練習場もごくわずか多摩にあるだけという計画になっております。多摩地域のスポーツ振興をどのように考えているか、改めて伺います。
 その三、横田基地の軍民共用化は、既に国家間協議の段階になっているとは思います。都議会民主党の多摩部会としても、ここ数カ月の研究と議論の中で、単に横田基地の民間利用を進めようというだけではなくて、もっと東京都は、基地滑走路の延長線上にある昭島市など、民間機の離発着によって騒音がふえる懸念がある地域や、経済的、商業的配慮をすべきと考える周辺地域の対策をしっかりと行い、軍民共用が始まっても地元が対応できる環境を整えるべきであると考えています。実際、東京都はそのようなことについてどのように考えているのか、伺います。
 その四、多摩地域の東京都の施設は、年々統廃合等で局にかかわらず減少しているようであります。現在、多摩地域にきめ細かく配置されているのは警察署、交番と消防署、消防出張所ぐらいではないかと思います。本当に福祉施設や都立高校以外で都のイチョウのマークを見る機会が減りました。施設統廃合に当たっては、地域との連携が希薄にならないようにバランスをとるような施策、地元市町村と連携をした窓口などを各関係部局が協力してつくっていくことを強く要望いたします。
 五番目、地域の中小事業者の維持について。
 ものづくり産業を担う地域工業の活性化について伺います。
 近年、産業構造の空洞化や東京への人口回帰現象と相まって、私の地元小平市を含めて、老朽化した工場用地がマンション用地として転用される例が目立ってまいりました。特に、準工業地域にマンションが建てられることによって、本当に準工業地域を必要としている中小企業、事業者が用地を確保できないという状況があります。また、以前から開業、操業しているのに、周辺用途地域が変更されて住居専用地域となり、古くなった既存の事業所を建てかえようと思っても、同じ場所では建てかえができない場合があります。クリーニング店などは、周囲に顧客がいるにもかかわらず同じ場所で営業できないということもあり、これは双方にとっても不幸なことです。このことは、私の地元の小平市でも何件か相談を受けております。
 国において、二〇〇八年の法改正に向けて、工場立地規制を緩和することが報じられておりますが、東京都としても工場用地や工業団地、あるいは貸し工場に関する情報の一元的提供、さらには工場集積地に対する基盤整備の支援など、地域工業の活性化に向けて積極的に取り組んでいく必要があります。地域工業の活性化に向けた認識と今後の取り組みについて見解を伺います。
 以上で質問を終わります。よろしくお願いします。
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 斉藤あつし議員の一般質問にお答えいたします。
 私のテレビにおける発言でありますが、あなたはその場面を実際にごらんになったんですか。(「はい」と呼ぶ者あり)実際に見ていたら、こんなばかげた質問はしないと思いますね。あれは、久米宏君がこれは間違いないといい、私は、この文体からして、これは絶対子どもの文章じゃない、これは必ずいたずらだといって断言しました。しかし、現場の職員が万々々が一に備えて、仕方なしに三晩明かりをつけて見回りをするのは当然でしょう、それは。(「危機管理」と呼ぶ者あり)危機管理の問題でしょう。ですから、私も一緒に、その職員と一緒に心配しろというんですか。私のいったとおり、ガセだったじゃないですか。
 とにかく、こういう悪質ないたずらというのは、これから頻発するかもしれない。首都大学の宮台助教授がいっておりますけれども、このいじめに関する最近の報道の仕方は非常にヒステリックで、むしろ子どもたちを自殺に追い込んでいる節がないでもないといいましたが、私はそう思います。今度のこの悪質ないたずらも、この節約の時代に、三晩、とにかくむだな明かりをともさせ、夜回りをさせて、人を疲弊させて、結局愉快犯が陰で笑っている始末じゃないですか。
 いずれにしろ、私たちはこういう事態が二度と起こらないような努力をする必要がありますけれども、あなたのご指摘は全く的外れだと思います。
   〔教育長中村正彦君登壇〕

○教育長(中村正彦君) 多摩地域のスポーツ振興についての質問にお答え申し上げます。
 平成二十五年に多摩・島しょ地域を中心に開催いたします東京国体などで、東京都選手の活躍を目指し、ジュニア選手の発掘、育成、強化を初めとしました競技力向上方策の総合的な推進を図っております。
 また、都民のだれもが年齢や興味に応じて身近な場所でスポーツを実践できる地域スポーツクラブを、東京国体の開催までにすべての区市町村で設立されるよう支援事業を展開し、地域で東京国体を支え、スポーツの振興を図ってまいります。
   〔福祉保健局長山内隆夫君登壇〕

○福祉保健局長(山内隆夫君) 三点のご質問にお答えいたします。
 初めに、薬用植物園の見直しについてでございますが、現在、薬用植物園では、大麻、ケシなど規制植物の鑑定鑑別を初め、健康食品の植物成分検査、薬事監視員などに対する豊富な薬用植物を活用した専門研修を行うほか、広く都民を対象とした薬用植物に関する普及事業を実施しております。
 先ほど答弁しましたとおり、今後の見通しに当たっては、これらの機能を維持しつつ、将来の民営化も視野に入れ、施設運営のさらなる効率化を図ってまいります。
 次に、多摩地域の保健所再編に伴う運営費等についてでございますが、平成十六年四月の保健所再編は、地方分権推進の中で、住民に身近な保健サービスは市町村が提供し、都の保健所は健康危機管理や市町村支援などの拠点として、広域的、専門的、技術的機能を強化することを目的としたものでございます。
 お尋ねの運営費については、再編に伴い、施設の維持管理費等を中心に縮減を図り、管理運営費の予算額は、対前年度比約八千三百万円の削減となっております。
 個々の保健所が管轄する面積、人口はともにふえてはおりますものの、理容、美容、食品等の監視、指導を行う多摩地域の職員定数については従前と同数となっており、引き続き十分な監視、指導体制を確保しております。
 また、お尋ねの多摩小平保健所の管轄面積でございますが、多摩東村山保健所との統合によりまして、約三十六平方キロメートルから約七十七平方キロメートルとなっております。
 最後に、理容所や美容所などの衛生水準の向上についてでございますが、都民が日常生活で利用するこれらの営業施設の衛生状態を良好に保つためには、事業者による自主的な取り組みが重要でございます。このため、都は自主点検のマニュアルを作成し、事業者団体を通じて、営業施設における日々の衛生管理に活用するよう普及を図るとともに、技術的な相談への対応や情報の提供を行っております。
 今後とも、保健所の立入検査の際に自主管理の推進を指導し、営業施設の衛生水準の一層の向上を図ってまいります。
   〔財務局長谷川健次君登壇〕

○財務局長(谷川健次君) 事務事業評価についてでございます。
 事務事業評価は、新たな視点も加え、通常よりも深く掘り下げた分析を行い、事業を検証するための制度でございます。
 事務事業評価において見直すべきとされた事業につきましては、各局において具体的な取り組みを行う必要がありまして、実質的な見直しが実現できて初めて事務事業評価における一連の対応が完了いたすこととなります。
 単年度での見直しが困難な場合は、完了するまで毎年度フォローアップを行うこととなります。なお、見直しの内容やその方向性、進捗状況につきましては、ホームページや冊子を通じて公表いたしております。
   〔知事本局長山口一久君登壇〕

○知事本局長(山口一久君) 二点のご質問にお答えします。
 まず、「十年後の東京」における多摩地域についてでございますが、「十年後の東京」では、都市のインフラの充実はもとより、緑化の推進や耐震化対策など、多摩地域を含む都全域を対象に、機能的で魅力的な東京の近未来像を描いております。
 その中で多摩地域につきましては、横田基地の軍民共用化や多摩シリコンバレーの形成だけではなく、首都大学東京などの産業支援拠点を活用した産学公連携の推進、多摩の恵まれた自然を生かした観光振興など、多摩地域のポテンシャルをさまざま開花させる政策を掲げております。
 次に、横田基地の軍民共用化についてでございますが、都として、基地周辺自治体への説明などを通じまして、地元の理解と協力が得られるよう努力を重ねたところでございます。
 このほど取りまとめました「十年後の東京」におきましても、軍民共用化にあわせて、基地周辺地域の交通アクセスを充実させるため、基盤整備やまちづくりを促進することとしております。日米協議が始まり、軍民共用化が具体化の段階に入った中で、基盤整備のほか、騒音対策など地元と密接にかかわりのある課題への対応はより重要となっております。この点を踏まえまして、国とも連携しながら、軍民共用化の早期実現を目指してまいります。
   〔産業労働局長島田健一君登壇〕

○産業労働局長(島田健一君) 地域工業の活性化に向けた認識と今後の取り組みについてお答えをいたします。
 ものづくり産業の活性化は、雇用の創出はもとより、他の産業への波及効果も大きく、地域経済にとって極めて重要と認識しております。そのため、都はこれまでも工業立地にかかわる規制緩和を行うとともに、中小企業のネットワークを構築するものづくり新集積形成事業などにより、産業集積を進めてまいりました。
 地域工業のさらなる活性化を図るため、既に重点事業として示しておりますが、来年度にはものづくり産業の集積に向けました区市町村の取り組みに対する支援策を検討してまいります。

○副議長(木内良明君) 三十七番上野和彦君。
   〔三十七番上野和彦君登壇〕

○三十七番(上野和彦君) 初めに、都が昨年十二月に策定した「十年後の東京」構想における災害に強い都市づくりの取り組みについて伺います。
 近年、阪神・淡路大震災や新潟、福井の豪雨、新潟県中越地震など、自然災害が多く発生しております。こうした被害による企業の事業中断は、地域経済にも大きな打撃を与えました。また、世界的にも大型台風、大地震や津波、テロなどにより、人命だけでなく、経済や企業活動にも大きな影響を及ぼす事象が多発しております。
 このため、被災後の早期復旧や事業継続のために事前に対応方針を準備しておくBCP、ビジネス・コンティニュイティー・プランといわれる事業継続計画が国際的に注目されております。BCPは主に欧米で普及しており、近く世界基準のISO規格になる見通しであると聞いております。
 我が国を見てみると、首都直下地震が発生し、東京の都市機能が長期にわたり麻痺するような事態になれば、都民生活に多大な影響を与えるだけでなく、世界経済にも深刻な影響を及ぼしかねません。こうした事態を避けるためには、迅速かつ的確な初期対応により被害を最小限に抑え、都市機能と経済活動の早期復旧を図ることが極めて重要であります。また、東京都国民保護計画に基づくテロ災害対策としても、被害の最小化と早期復旧は大きな課題であります。
 そこで、自然災害やテロ災害などに備え、首都東京の信用を高めるためにも、都庁や企業の事業継続計画であるBCPの策定に本腰を入れて取り組むべきと考えますが、知事の所見を伺います。
 次に、BCPの具体的な展開に当たり、二点質問いたします。
 一点目は、BCP策定への誘導策であります。
 政府は、二〇〇六年度防災白書で、今後十年をかけて直下型大地震による経済被害を四〇%減らす防災戦略を示し、その対策として、企業のBCP策定率を大企業でほぼすべて、中堅企業では五〇%以上とすることを掲げております。しかし、大企業のBCP策定率は一〇%弱にとどまり、中小企業に至ってはほとんど行われていないのが現状です。
 東京の経済を支えている中小企業のBCP策定の取り組みを誘発し支援していくことは、行政の役割であります。都は、事業の継続はもとより、従業員、その家族の安全確保の観点をも含めて、中小企業が容易に策定できるような東京版BCPモデルをつくるべきであります。あわせて、都内の中小企業がモデルに沿ったBCP策定に取り組めるように、シンポジウムやセミナーの開催など、多様な支援を行うべきと考えます。所見を伺います。
 二点目は、制度融資を活用したBCPの具体化です。
 中小企業がBCPを策定しただけでは計画倒れになりかねず、防災に資する施設などの整備が伴ってこそ、事業継続が可能になります。その対応策の構築には、金融支援などのインセンティブが不可欠であります。そのために、都の現行制度融資を有効に活用し、BCP策定に取り組む中小事業者を支援する必要があると考えます。見解を伺います。
 次に、災害時の医療体制について伺います。
 大災害時の医療体制には、急性期と慢性期の患者への対応が必要であるといわれております。これまで都は、急性期患者や負傷者を中心にさまざまな対策を講じてまいりました。これに対し、透析を必要とする患者や、病状が慢性期にある患者への対応は十分とはいえず、対策の強化が求められております。
 兵庫県透析医会の調査によると、阪神大震災後の一年間の透析患者死亡率は、震災発生の前年に比べて三〇%も増加しており、阪神大震災、さらに新潟中越地震ともに、地震に伴う直接死よりも慢性疾患患者や高齢者の被災後一年間で亡くなる災害関連死の方が多いと報告されております。このように、人命尊重の視点から、災害時慢性疾患患者への対応は大変に重要であります。
 その一環として、日本透析医会では、独自に日本財団の事業助成を受け、災害時に船舶を医療支援船に転用して、被災地の透析患者を救援、搬送する災害時医療支援船の検証航海を実施しております。船舶は、地上の災害の影響を受けない水、電気、通信施設などのライフラインが確保され、多くの患者を一度に収容し、搬送することができます。
 そこで、都は、災害時の医療対策として、災害時ドクターシップ構想を具体化すべきであります。例えば、水上バスなどの船舶は、河川、運河の防災船着き場を利用した搬送船として活用し、大型客船は医療救護所の機能をあわせ持った医療支援船として利用するなど、慢性期患者の対応も含め、災害時の医療体制を検討すべきであります。所見を伺います。
 次に、浸水対策について伺います。
 地球温暖化の影響への懸念が高まる中、国連気候変動に関する政府間パネル、IPCCの報告によれば、最も温暖化が進むと、今世紀末には海水面は五十九センチ上昇し、洪水、台風の大型化など異常気象が増加すると予測しております。東京の場合、海水面より地盤が低い東部低地帯地域には、約百四十五万人の都民が住んでおり、この地域を高潮や大雨洪水の浸水が襲えば、大規模な被害が予想されます。したがって、東部低地帯の都民の生命と財産を守るための浸水対策は極めて重要であります。
 そこで、第一に必要な対策は、水門や排水機場など、高潮から低地を守る施設の連動性の確立です。河川だけを見ても、水門や排水機場の管理、操作は、国土交通省、東京都、関連区などに担当が分かれているために、緊急時の連携に不安があります。
 建設局では、現在、水門管理システムの改修を進めておりますが、新たな水門管理システムにおいては、関連する水門などの操作状況が全体的に把握できるシステムを構築し、水害に対する危機管理に万全を期すべきであります。所見を伺います。
 第二に、東部低地帯にある都の防災備蓄倉庫の浸水対策の検討です。大規模水害時の浸水想定区域には幾つかの防災備蓄倉庫があり、水害時に機能しなくなる可能性があります。このため、想定されるこうした状況も配慮した対策を講じるべきであります。所見を伺います。
 第三に、東部低地帯は雨水を自然排水できないため、雨水排除を下水道局のポンプに頼っている点です。ポンプ機能を確保するには、停電が発生した場合においても雨水の排除機能を確保できる非常用発電機の設置が不可欠であります。しかし、下水道局の非常用発電機は、本来必要とされる大雨時に排除機能を確保できる容量が不足しており、容量が足りなくなる可能性があると聞いております。このため、ポンプ所などの非常用電源を十分確保できる整備は喫緊の課題であります。見解を伺います。
 次に、ユビキタスネット社会実現への課題について伺います。
 都は今年度、銀座において東京ユビキタス計画・銀座と銘打ち実証実験を実施しており、知事も、将来の観光やユニバーサルデザインに有効といわれております。現在の実証実験を検証した上で、実用化に向けた取り組みが始まるわけですが、ユビキタスネット社会を定着させていくには、民間企業、研究機関、そしてそれを活用する地域住民が一体となった産官学民の連携が不可欠であると考えます。将来的な技術の実用化、普及に向けた都の方針を伺います。
 次に、江戸川区を流れる新川の整備について伺います。
 新川流域の護岸は老朽化し、大地震が発生すれば崩壊する危険があるため、耐震対策が急がれるところであります。一方、江戸川区では、河川沿いに桜を植える新川千本桜構想を策定し、整備に合わせて準備をしております。地元住民にとっては、オリンピック開催時には美しい桜並木で観光客を迎えることが悲願であります。
 こうした状況を踏まえ、都は十年後を見据え、地元区の構想を生かした整備を促進すべきであります。所見を伺います。
 次に、江戸川架橋の整備について伺います。
 江戸川区内では、千葉県境にかかる放射一六号線、補助一四三号線、補助二八六号線の三カ所の橋梁が計画されており、特に第三次事業化計画の優先整備路線に位置づけられている放射一六号線、補助一四三号線については、交通渋滞の解消や大規模災害時の避難ルートとして必要性が一段と高まっております。
 そこで、既に設置されている千葉県との調整会議を現在の隔年開催から毎年開催するなど、事業促進に向け具体的な調整を急ぐべきであると考えます。所見を伺います。
 また、補助二八六号線は、とりわけ防災の面で、江戸川区篠崎公園と対岸の市川市大洲防災公園を結ぶことから、橋梁部が整備されれば、水害時や震災時における避難ルートとして、江戸川区民のみならず、都民や千葉県民の生命と財産を守る、文字どおり生命線ともいうべき路線であります。
 地元江戸川区においては、対岸の市川市と橋梁整備に関する検討を開始する動きもあると聞いており、都としても、本路線の整備実現に向け一層の支援をすべきです。所見を伺います。
 最後に、既設橋梁のバリアフリー化について伺います。
 都内にある橋梁のうち、平面道路と高低差がある高架部では、平面道路におりる場合、階段を利用するか、自転車利用者の利便性を考慮した斜路つき階段を利用することになります。例えば江戸川区の荒川にかかる船堀橋にも、平面道路へのアプローチとして斜路つき階段が設置されておりますが、勾配が急なため、自転車やベビーカーなどの利用に支障を来し、車いすではとても利用できない構造となっております。同じような構造は、都内の他の橋梁にも見られます。
 だれもが安全・安心に利用できる、まち全体のバリアフリー化は、時代の要望でもあるだけに、橋梁部分についても早急に改善すべきであります。所見を伺い、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 上野和彦議員の一般質問にお答えいたします。
 事業継続計画、BCPについてでありますが、これは極めて大事な指摘でありまして、日本はこの点は非常におくれております。というよりも、むしろないに等しいのじゃないでしょうか。
 かつて、霞が関、国会に直下型地震が襲ったときに、その機能をどこでバックアップするかという問題が提唱されましたが、そのうちにそれが拡大されて、実は形を変えまして首都移転になって、結局、肝心な問題はどこかへ行っちゃったんです。
 例の九・一一の同時多発テロの際に、モルガン・スタンレーとかメリルリンチという大きな証券会社は、あらかじめ定めた事業継続計画に基づきまして、数日を待たず事業を再開しておりましたが、そのように危機を想定し、事前に備えることはまことに重要だと思います。
 このため、都は、医療や介護等、都民生活に不可欠なサービスを災害時にも中断することなく一定水準に確保して、早期復旧を図る事業継続計画の策定に着手したいと思っております。
 さらに、東京の経済を支える中小企業がそれなりに事業を継続できるような計画作成も支援していきたいと思っております。
 これらによりまして、行政サービスや企業活動の継続を図り、災害時にも都民生活を維持するとともに、東京の都市機能の確保に努めていきたいと思っております。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔産業労働局長島田健一君登壇〕

○産業労働局長(島田健一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、企業の事業継続計画、BCPについてであります。
 災害発生後、経済の早期復旧のためには、産業を支える中小企業の速やかな事業再開が不可欠であり、BCPの策定は極めて重要と認識しております。
 現在、国におきましてBCP策定運用指針を公開しているほか、商工関係団体においても、中小企業の災害時対応の推進に向けまして取り組みつつあります。しかし、都内の多くの中小企業においてはBCPの策定が進んでいないのが実情であります。
 このため、今後、国や商工関係団体とも連携しつつ、BCPモデルの策定やその普及啓発など、都内中小企業の実情に応じた支援策を検討してまいります。
 次に、BCP策定に対する支援についてであります。
 中小企業がBCPに基づき施設整備や設備改善を進めていくためには、金融面からも積極的に支援をしていく必要があります。このため、都では、耐震化等の防災対策を講じる中小企業者に対して、融資期間が最長十年と長期で、かつ最優遇金利の特定取組支援融資を適用しております。また、大規模災害に伴う復旧のための資金として、保証料の全額を補助する災害復旧資金融資を用意するなど、必要な金融支援を行っております。
 今後、こうした支援が中小企業のBCP策定を促し、施設等の整備につながるよう、周知を図ってまいります。
   〔福祉保健局長山内隆夫君登壇〕

○福祉保健局長(山内隆夫君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、災害時の医療対策における船舶の活用についてでございます。
 船舶は、道路が寸断された場合でも、いっときに大量の搬送が可能であるという利点を持つことから、都は、災害発生時の負傷者等の搬送について、車両、ヘリコプターに加え、民間の船舶協会と協定を締結し、船舶を活用する体制を整備しておるところでございます。
 災害発生時には、緊急性の高い重症患者だけでなく、ご指摘のように、医療機関の被災により医療を受ける機会を失う患者などへの対応も課題の一つでございます。
 今後、お話の透析医会の取り組みなども把握しながら、船舶を活用した災害時の医療活動の有効性について検討を進めてまいります。
 次に、災害備蓄倉庫の浸水対策についてでございますが、浸水が想定される区域の都所管の備蓄倉庫については、現在、アルファ化米やクラッカーなどの食糧を建物の二階以上の階に保管し、浸水被害に対する備えを行っております。
 仮に備蓄倉庫が使用できなくなる大規模水害が発生した場合には、アルファ化米等の食糧の約七割を備蓄している浸水区域外の倉庫を活用し、浸水区域の被災住民を救援していく体制を整えております。
 ご指摘も踏まえ、今後とも、備蓄倉庫の保管方法や緊急時の搬送方法などの点検、改善に努めるとともに、高台や高層階などの倉庫への備蓄を増強するなど、浸水対策に万全を期してまいります。
   〔建設局長依田俊治君登壇〕

○建設局長(依田俊治君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、河川の水門管理システムの構築についてでありますが、河川や東京港の水門は、東部低地帯を高潮から守るための重要な施設でございます。これらの水門は、河川や港湾の各管理者が責任を持って操作しておりますが、水門管理システムなどにより開閉状況を相互に把握し、管理者間の連携を図っております。
 しかし、河川の水門管理システムの機器が老朽化し、更新時期を迎えていることから、現在、最新のIT技術を活用した、より効率的なシステムの再構築を進めております。
 この新システムは、従来と比べ数百倍の情報の伝送が可能となり、他機関の水門も含め、操作状況や河川水位などが一目瞭然で確認できるようになるため、危機管理能力が飛躍的に向上いたします。
 平成二十二年度を目途に新システムを構築し、東部低地帯に暮らす都民の安全確保に努めてまいります。
 次に、新川の整備についてであります。
 新川は、流域の地盤が低く、かつ軟弱であり、地震による水害の危険性が高いことから、水門などで上下流を閉め切り、河川の水位を低下させて安全性の向上を図ってまいりました。
 さらに、平成五年からは、より安全で水辺の散策も楽しめるよう、自然石を配した緩傾斜型の耐震護岸の整備を進めており、平成十八年度末で、計画延長二・九キロのうち、中川合流点からの一・六キロが完成いたします。
 今後とも、残る一・三キロの耐震整備を着実に進めていくとともに、新川千本桜構想を進めている江戸川区とも連携を図り、水と緑の回廊の実現に努めてまいります。
 次に、放射第一六号線及び補助第一四三号線の整備についてでありますが、これらの路線は、千葉県境周辺における道路ネットワークの形成を図り、都市間の連携を強化する上で重要な役割を担っており、区部における第三次事業化計画の中で優先整備路線に位置づけております。
 本事業の推進には、事業手法や取りつけ部の整備など、橋梁の整備にかかわる課題があり、千葉県との調整を図る必要がございます。そのため、平成五年に道路橋梁整備調整会議を設置して以来、継続的に開催し、路線整備についての検討を行ってまいりました。
 今後、事業化に向け、調整会議を一層充実し、事業手法などの課題解決に取り組んでまいります。
 最後に、橋梁のバリアフリー化についてでありますが、都はこれまで、橋梁の整備に当たっては、昭和六十三年に制定された福祉のまちづくり整備指針などを踏まえ、バリアフリー化に取り組んでまいりました。また、それ以前に整備した橋梁についても、かけかえや改修時にスロープを設置するなどバリアフリー化に努めてまいりましたが、いまだ改善すべき階段や勾配が急なスロープのある橋梁が残っております。
 お尋ねの船堀橋では、ご指摘のように、階段に併設された斜路の勾配が急なことなどから、現在、構造上の検討を行っております。今後、検討結果を踏まえ、バリアフリーの基準に適合するよう改善してまいります。
 残る橋梁につきましても、バリアフリー化に向け検討を行い、だれもが安全で安心して利用しやすい歩行空間の確保に努めてまいります。
   〔下水道局長前田正博君登壇〕

○下水道局長(前田正博君) ポンプ所などの非常時電源の確保についてでございますが、下水道局では、電力供給がとまった場合でも、雨水排除機能などを確保することが極めて重要であると考えており、水再生センターやポンプ所で自家発電設備などの非常時の電源確保に努めております。
 また、昨年八月に首都圏で発生いたしました大規模停電を受け、緊急的に西小松川ポンプ所などで自家発電設備の増強を進めているところであり、今回策定いたしました経営計画二〇〇七においても、水再生センターやポンプ所など九カ所の施設で整備することとしております。
 引き続き、非常時の電源確保を進めてまいります。
   〔都市整備局長柿堺至君登壇〕

○都市整備局長(柿堺至君) 二点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、ユビキタス技術の実用化についてでございますが、現在、都は、東京ユビキタス計画・銀座実験を実施しており、観光や店舗案内などの情報を、最先端技術を用いリアルタイムに提供する環境を整備いたしました。
 銀座地区は日本を代表する繁華街であり、電波がふくそうするなど厳しい条件の中、実験では、まちの中で手軽に使える技術としての実用性が確認されております。
 今後は、ハード面での技術の確立に加え、情報提供や設備の運営などソフト面での充実に向け、地元や民間企業など多くの関係者との連携を図る必要がございます。このため、来年度は、銀座地区で整備した実験環境を広く民間に提供し、将来に向けてビジネスモデルの構築を促すことで、この技術の実用化、普及につなげてまいります。
 次に、補助二八六号線の整備についてでございますが、本路線は、都県境周辺の道路ネットワークを形成し、道路の混雑緩和に寄与するとともに、対岸の市川市との連携強化にも資する路線でございます。このうち、江戸川を渡る橋梁部付近については、都はこれまでも、千葉県と開催している道路橋梁整備調整会議において、都県境の道路として、その取り扱いを協議してまいりました。
 今後、本路線の具体化に向けた課題解決など、関係区市の主体的な取り組みを見守るとともに、広域的な視点から千葉県との協議、調整に一層努めてまいります。

○副議長(木内良明君) この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたしします。
   午後五時四十七分休憩

   午後六時六分開議

○副議長(木内良明君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 二十六番鈴木あきまさ君。
   〔二十六番鈴木あきまさ君登壇〕

○二十六番(鈴木あきまさ君) 初めに、文化振興について伺います。
 東京都は、文化振興を推進する体制整備の一環として、昨年十二月に文化条例を改正し、文化振興施策を総合的かつ効率的に推進するため、新たに知事の附属機関として、このたび、東京芸術文化評議会を設置しました。
 評議会の創設については、知事が定例記者会見で東京都文化振興指針の策定を発表した折に、特に重要な取り組みとして言及されたほか、昨年十二月の第四回定例会においては、東京の芸術文化振興の頭脳部と表現されました。そこで、知事は評議員にどのような方々を迎え、評議会にどのような役割を期待しているのか、改めて伺います。
 次に、保護司活動の支援について質問いたします。
 都民の多くが治安対策を求めている今、犯罪のない明るい社会づくりに地域で地道に取り組む保護司の活動はますます重要性を増しております。
 これまでの都と保護司のかかわりは必ずしも十分なものではありませんでしたが、平成十七年十一月、知事が東京都青少年問題協議会に、少年院等を出た子どもたちの立ち直りを地域で支援するための方策について諮問され、昨年十月に出された答申の中核に、保護司活動に対する都の支援の充実強化が位置づけられたことは、大変意義深いものであります。
 究極の治安対策は青少年の健全育成にあると知事は常々述べられていますが、治安対策を求める都民要望にこたえるためにも、この答申に盛り込まれた施策の実現に向け、知事ご自身が先頭に立って、都と保護司とが一体感を持って取り組みを進めていただきたいと強く願うものであります。
 そこで、この答申の実現に向けた知事の決意を伺います。
 また、答申では、少年院を出院した少年の四分の一が、少年院を出てから五年のうちに再び少年院や刑務所に戻るという実態が明らかにされています。罪を犯した少年には、その罪の重さをしっかりと自覚させることが不可欠ですが、まだ若い少年は、みずからの罪を反省して、きちんと立ち直るだけの柔軟性も備えております。だからこそ、少年院を出た少年を地域社会の一員として定着させることが大切になってきています。
 答申では、少年院出院者が抱える困難を踏まえて、就労の支援を初めとするさまざまな都の施策を少年に届けるため、最前線で少年の指導に当たっている保護司の支援を充実することが示されておりますが、都には、答申に盛り込まれた個々の具体的な提言を速やかに実現に移していくことが求められています。
 都は、答申を受けて、保護司とどう連携して少年院出院者の支援対策に取り組んでいくつもりなのか、お伺いいたします。
 次に、ものづくり人材の育成について伺います。
 ものづくりの人材が不足していく要因としては、小さいときからものづくりに触れる機会や、実際に自分で物をつくってみることが少なくなったことなどが考えられます。
 私の小中学校時代には、学校でちり取りや本棚をつくったり、プラモデルのレーシングカーをつくって友達と競争させて、負けたときには悔しくて、車体を軽くするためにナイフや紙やすりで何度も削ったものです。このような小さいころからのものづくりの原体験が大事だと考えております。
 産業界、特にものづくり分野における人材不足、人手不足は深刻で、平成二十七年以降には生産年齢人口が減少に転ずると見込まれており、その対応として、質の高い人材を確保、育成することは重要な課題となっております。
 東京のものづくりの基盤を支える中小企業の後継者不足や、即戦力となる人材の不足が深刻化する中、地元の企業の皆さんからも、優秀な即戦力が欲しい、若い高卒の人材が欲しいとの声が強く聞かれます。
 これまで、高専や工業高校は製造現場の技術者輩出に大きな役割を果たしてきたことは承知していますが、技術の急速な進歩等により、実社会に対応した人材育成に課題が生じているのではないかと危惧しています。また、企業との連携についても、校長先生の人脈で、一人で企業と進めている学校もあると聞いています。
 企業と学校が一体となって教育するデュアルシステムのような取り組みにより、学生に実践力をつけさせるとともに、ものづくり企業の魅力を体感させることが有効です。教育庁や産業労働局、総務局を初め、オール東京都として、デュアルシステムが拡大できるようバックアップすべきです。
 デュアルシステムの拡大や高専と工業高校との連携など、ものづくり教育に具体的にどのように取り組んでいくのか伺います。
 ものづくり人材の育成においては、人材のすそ野を広げるという意味で、早い段階からの一貫教育や複線的な人材育成など、多様な仕組みが求められているとともに、中小企業が持つ高度な技術力を生かし、厳しい競争にも打ち勝つことができる、自立した企業の原動力となるような高度専門技術者の育成も重要であります。
 城南地区には、都立産業技術高等専門学校のほか、今年度開学した産業技術大学院大学がありますが、同大学では今後どのようにものづくり人材の育成に取り組むのか伺います。
 また、城南地域は機械金属工業が集積しており、東京のものづくり産業を支える屋台骨であります。今後ともその役割を担っていくためには、人材の確保、育成への積極的な支援が欠かせないものとなっています。
 都は来年度、我が城南地域を初め四カ所に職業能力開発センターを設置し、関係機関と連携しながら、地域における企業の人材確保、育成を支援していくこととしていますが、同センターでは具体的にどのように関係機関と連携を図っていくのか伺います。
 次に、羽田空港に関連して質問いたします。
 羽田空港は、これまで、国内航空ネットワークの拠点として四十九空港とネットワークを結び、国内航空旅客の約六〇%、約六千三百万人が利用する空港であります。
 今回の再拡張・国際化により、羽田空港は国際空港として再び離陸することとなります。これまでの羽田空港の整備は国内空港としての整備でありましたが、今後は国際空港としての整備が求められます。
 国の羽田空港の国際化の考え方は、発着枠で年間三万回、就航路線については、羽田発着の国内線の距離を目安として、石垣島までの距離千九百四十七キロメートルとしています。この運航距離では、北京や台湾、香港にも行くことはできません。
 この就航路線については、多くの方からもっと遠くへ飛ばすべきであるとの意見が出されています。国際競争力の強化や国際航空路線網の充実の観点から、距離制限はすべきではないと私は考えます。
 このことについて、知事は、一月十二日の記者会見で、私見として、世界の全体の動き、東南アジアの成熟度を考えると、ジャンボで満タンにしてアメリカまで飛ぶことはできないかもしれないが、東南アジアくらいの距離だったら当然すべきだと思うと述べられていますが、就航路線の距離制限があることについて知事はどのように考えておられるのか、改めてお伺いいたします。
 次に、空港周辺の交通アクセスの改善についてお伺いをいたします。
 羽田空港の再拡張により、発着容量は現在の一・四倍となり、人、物が格段に増加していくことが見込まれます。しかし、現状の空港周辺の幹線道路網では、将来空港周辺で大渋滞が発生するのではないかと大変危惧するものであります。
 局所的には、港湾局が大田市場周辺の交差点改良に取り組んでいただいておりますが、抜本的な対策が必要と考えます。現在、京浜臨海部の幹線道路網や羽田空港跡地に関連する基盤整備などについて、京浜臨海部基盤施設検討会で検討中と聞いていますが、羽田空港の再拡張工事の完成時期は現時点で二〇〇九年十二月であり、あと二年十カ月と迫っております。羽田空港の再拡張・国際化は実現したけれども、空港周辺は大渋滞で身動きできない状況では、都市間の競争に打ち勝つことはできません。
 こうしたことから、羽田空港へのアクセス道路である国道三五七号線では、東京港トンネル部が未整備であるために、都心方向の路線で渋滞が慢性化したり、湾岸環八から川崎方面への多摩川トンネルが未整備であるために、神奈川方面への円滑なアクセスがなされていない状況です。こうしたことから、既に都市計画決定されている国道三五七号線について、京浜臨海部の産業の活性化の面からも、東京都として早期整備を図るべきと考えますが、ご見解を伺います。
 次に、羽田空港跡地について伺います。
 昨年の十二月、国、都、地元区から成る羽田空港移転問題協議会、いわゆる三者協において、国から跡地の範囲と面積約五十三ヘクタールの提案がありました。この跡地の利用については、大田区や東京商工会議所大田支部が跡地利用計画案を既に作成しており、昨日、大田区は、跡地の一部を取得整備するために、羽田空港対策積立基金に新たに四十億円を積み立て、約六十八億円とする発表をいたしました。この跡地は、範囲と面積について合意されれば、三者共同による跡地利用計画が検討されることと考えます。
 羽田空港跡地が位置する京浜臨海部は、日本の経済の発展を支えてきた高度な技術や技能を有する研究開発型企業などが多く立地しています。羽田空港の国際化により、新たな人、物、情報の流れが出てきます。臨海部の産業再生を図る上でも、跡地は重要な位置にあると考えます。
 都は、今後、どのような跡地利用を目指して、この三者共同による検討を進めていくのか伺います。また、今後のタイムスケジュールをお示しください。
 次に、空港周辺の景観について伺います。
 今後、羽田空港は、国際化や跡地の開発などにより、その全容を変えようとしています。世界の玄関口となる空港周辺の景観は、世界に誇れるものでなくてはなりません。羽田空港の周辺は、緑が少なく、多摩川や海老取川があるものの、これらが地域の景観に十分生かされているとはいえません。今後、空港跡地などを活用した景観づくりが必要と考えますが、都の所見を伺います。
 次に、下水道の整備について伺います。
 都市化の進んだ今日、雨水流出量の増大により既設の管渠が能力不足となり、都市型浸水被害が多発しています。大田区においても、馬込地区はこれまで多くの浸水被害に悩まされてきました。その馬込地区は、平成十一年度に策定された雨水整備クイックプランの重点地区に位置づけられ、雨水幹線である馬込幹線の上流部の整備を初めとする浸水対策が進められてきました。
 そこで、馬込地区における浸水対策の取り組み状況と、その効果について伺います。
 クイックプランは緊急的な施策であると思いますが、抜本的な浸水対策は幹線やポンプ所などの基幹施設の整備が基本であり、早期に整備を進めるべきです。そこで、下水道局では、今後、浸水被害を軽減するためにどのように幹線やポンプ所の整備を行うのか伺います。
 ところで、私の地元には一・六キロメートルの二級河川である内川があります。この内川は、固有水源のない潮の干満の影響を受ける河川であり、雨天時、最大一秒間に十八トンの下水を放流するはけ口があります。しかし、このはけ口からの下水の放流は、固有水源のない内川の水質に多大な影響を及ぼします。このため、内川への下水の放流をやめてほしいとの地域住民の声をよく聞きます。
 また、この内川の河口に大森東ポンプ所があります。このポンプ所の一画に、合流式下水道の改善対策として、降雨時の初期汚濁雨水を二万五千立方メートル貯留できる施設、雨水貯留池の設置が計画されています。現在、その計画によると、平成二十二年度以降の着手で、整備に五年かかると聞いています。
 この雨水貯留池の予定地は、現在、大田区が水域環境の改善や人と海の接点の回復などの観点から本年四月に開園の予定で整備を進めている、大森ふるさとの浜辺公園の中央部に位置します。そのため、大田区も水域環境の改善に取り組んでおり、おのおのの機会をとらえて合流改善対策について要望を行っていると聞いています。
 下水道局においても、矢口ポンプ所では、約二万立方メートルを貯留する施設が平成十九年度当初より稼働するとのことですが、馬込幹線の下流部の整備や雨水貯留池の早期整備と上部利用、そして水質改善に取り組むことを強く要望します。
 河川や運河などの水質を改善し、水辺と共存した都市空間を創出するためにも、合流改善事業を積極的に進めていかなければなりません。そこで、今後、下水道局としては、合流改善対策にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、内川水門等の改修について伺います。
 現在、内川の本川については順次耐震対策が進められているところですが、水門の改修も急ぐ必要があります。そこで、内川の水門や排水機場などの耐震対策について、今後の取り組みについて伺います。
 一方、都は、平成十五年から水門管理システムの改修に取り組んでおり、センターからの遠隔制御などが強化されることに合わせ、水門の維持管理を地元区へ委託管理すると聞いています。このような委託はやむを得ないものと考えますが、区に委託するに当たっては、従来以上の安全が前提であります。
 そこで、内川水門及び排水機場の大田区への委託管理についての考え方及び円滑な引き継ぎについてお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 鈴木あきまさ議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、東京芸術文化評議会の評議員とその役割についてでありますが、これは従来国にも都にもなかった組織でありまして、主に文化行政のソフトについて論じられ、これからの都の文化政策というものはどうあるべきかという、そういうものを論じて、また、そのサジェスチョンをいただきたいと思っております。
 評議員には、我が国が世界に誇る当代きっての第一人者で、かつまた現役で活躍しておられる方々を十名よりすぐって就任いただくことにしました。建築家の安藤忠雄さん、現代美術作家の杉本博司さん、東京国際フォーラム社長の鳥海巖さん、演出家の蜷川幸雄さん、狂言師の野村萬さん、文芸評論家の福田和也さん、企業メセナ協議会会長の、これは今写真美術館の館長も務めていただいて、非常に成功しておりますが、福原義春さん、デザイナーの三宅一生さん、音楽家の宮本文昭さん、森美術館の理事長の森佳子さんでありまして、東京の芸術文化振興の頭脳部にふさわしい顔ぶれになったと思います。
 評議員には、それぞれの立場から自由に議論していただきまして、独創的で斬新な提言が示されることを期待しております。都は、この提言を踏まえながら、東京ならではの魅力的な文化を戦略的に創造、発信し、世界における文化面でのプレゼンスを確立していきたいと思っております。
 次いで、青少年問題協議会答申の実現に向けた決意についてでありますが、答申は、全国に先駆けて少年院出院者の支援に都が取り組むことを提言するもので、これまで国任せであった分野に一石を投じるものであると思います。
 答申の実現に当たっては、地域で少年を直接指導している保護司との連携を深めることが重要であると考えておりまして、保護司の活動はデリケートで機密性の高いものであるだけに、なかなか広く知られていないところもありますが、答申の実現のため、保護司との連携確保を初め、リーダーシップを持って取り組んでいきたいと思っております。
 次いで、羽田空港の国際化でありますが、羽田空港は都心から至近距離に位置し、高い利便性を誇る国内最大の空港であります。さらに、再拡張後、国際旅客定期便や国際貨物便が就航することによりまして、日本全体の経済活性化や国際競争力の強化につながると思っております。
 したがって、羽田空港の当然の国際化については、世界全体の動き、東南アジアの成熟度など諸情勢を加味し、広範な視点で考えるべきでありますが、ご指摘の就航距離の問題は、やはり世界の中で台頭の著しいASEANには届く、そういうことを念頭に置いて就航の作業をすべきだと思っております。このため、再拡張後の羽田空港を十二分に活用しまして、国際化を図るよう国に積極的に働きかけてまいります。
 他の質問については、教育長及び関係局長から答弁します。
   〔教育長中村正彦君登壇〕

○教育長(中村正彦君) ものづくり教育への取り組みについてでございます。
 国際競争の一層の激化や、団塊の世代の大量退職に伴います熟練技術者の不足が予想される中、技術者教育を中心に担ってきた工業高校や高専の教育をこれまで以上に充実させていくことが求められております。
 産業界が求めます多様な技術技能レベルに対応できる人材を工業高校、高専から安定的に輩出していく方策を検討するため、産業界からも参画を得まして、この一月に教育庁内にものづくり教育推進検討委員会を設置いたしました。
 検討委員会では、デュアルシステムの拡大など、現場の即戦力となる人材を工業高校からより多く着実に輩出するための取り組みについて検討いたします。さらに、より高度な専門技術を習得させるため、工業高校から高専への編入枠の拡大や、工業高校の教育内容の充実などによります複線的な教育システムの構築について、本年六月を目途に検討してまいります。
 また、ご指摘のように、児童生徒に小さいころからものづくりのおもしろさや達成感を経験させる取り組みが必要でございまして、このため、夏季休業中の工業高校を活用いたしまして、小中学生向けのものづくり講座を都全域で展開していく予定でございます。
   〔青少年・治安対策本部長舟本馨君登壇〕

○青少年・治安対策本部長(舟本馨君) 少年院を出た子どもたちの立ち直りを支援するための保護司との連携の強化についてでありますが、都は、少年院出院者の立ち直りを図るため、保護司活動の支援に必要な情報提供や率直な意見交換を行う場として、この四月にも、庁内の関係部局と保護司会、また国の関係機関などから成る協議会を設置する予定にしております。
 この協議会を通じまして、実際に少年の指導に当たっておられる保護司の方々の意見や要望を十分聞きながら、関係部局とともに、協力雇用主の確保や若者向け就労支援事業を活用した就労に関する支援、また、復学や進学を希望する者に対する進学に関する支援など、答申の提言を具体化してまいります。
   〔総務局長大原正行君登壇〕

○総務局長(大原正行君) 産業技術大学院におけます人材育成についてお答えを申し上げます。
 今年度開学をいたしました産業技術大学院大学では、地域産業の振興や活性化に寄与する高度専門技術者を養成するために、企業の第一線で活躍する実務家を教員に迎えまして、実践的なカリキュラムのもとで専門的な教育を実施しております。
 さらに、来年四月には創造技術専攻を新たに開設いたしまして、企業の中堅技術者などの社会人のほか、都立産業技術高等専門学校専攻科の卒業生を受け入れ、高等専門学校との連携による九年間一貫のものづくり教育を行ってまいります。
 この専攻では、企業経営に関する基礎的知識を持ち、製品の機能設計や最適なデザインの選択ができるなど、より付加価値の高い製品開発をマネジメントできる技術者を養成することにしております。
 今後とも、産業技術大学院大学では、特色ある教育をさらに充実させまして、東京のものづくりをリードする人材の育成に努めてまいります。
   〔産業労働局長島田健一君登壇〕

○産業労働局長(島田健一君) 地域における企業の人材確保、育成のための連携についてお答えをいたします。
 来年度開設いたします四つの拠点となる職業能力開発センターでは、地域の産業団体や教育機関等による協議の場を設け、地域特性に応じた人材の確保、育成に連携して取り組んでまいります。
 具体的には、関係機関が協働して就業相談会や求人企業の見学会等を新たに実施するほか、センターの訓練施設や指導員等を活用して行う企業内教育訓練への支援や、工業高校生向け資格取得の指導等を拡充していくなど、多様な取り組みにより人材の確保、育成の支援に努めてまいります。
   〔都市整備局長柿堺至君登壇〕

○都市整備局長(柿堺至君) 羽田空港に関する三点のご質問にお答えいたします。
 まず、国道三五七号の整備についてでございますが、この路線は、東京の臨海部における広域的な道路ネットワークの形成に必要な路線であり、再拡張や国際化が予定されている羽田空港のアクセス道路としても重要でございます。しかしながら、東京港トンネル部や多摩川トンネル部などが未整備であることから、道路交通の円滑化が十分に図られてはおりません。
 都としては、今後とも広域的な視点から、地元自治体等関係機関と調整を重ねるなど、国とともに課題の解決に向けて努力してまいります。
 次に、羽田空港跡地についてでございますが、跡地は、現在建設が進められている国際線ターミナルなど、国際化の拠点施設に隣接する重要な空間でございます。跡地には、今後、再拡張事業の完成に伴い、飛躍的に増大する空港機能をサポートするとともに、空港の持つ可能性を活用した機能が立地されることが望ましいと考えております。
 都としては、本年度中に羽田空港移転問題協議会を開催し、国や地元区とともに跡地利用の基本的な考え方や、計画策定の具体的な進め方などについて協議してまいります。
 最後に、空港跡地などを活用した景観形成についてでございますが、羽田空港は、その周辺を含め、世界に開かれた空の玄関口にふさわしい、洗練された景観形成を図ることが望ましいと考えております。
 都は、今後、国や地元区と跡地の利用計画などを調整する中で、多摩川沿いなどの水辺や緑も生かしつつ、跡地に立地する新たな施設を核として、首都東京の顔となる景観が形成されるよう取り組んでまいります。
   〔下水道局長前田正博君登壇〕

○下水道局長(前田正博君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、馬込地区における浸水対策の取り組み状況とその効果についてでございます。
 下水道局では、雨水整備クイックプランでこの地区を重点地区と位置づけ、馬込幹線の上流区間、馬込西二号幹線及び東二号幹線の整備を進めてまいりました。昨年十二月には対策が完了し、現在、約三万四千立方メートルの雨水の貯留が可能となっております。
 なお、事業効果を早期に発現させるため、平成十六年六月から既に完成した部分を活用して貯留を開始し、以降は浸水被害が大幅に軽減されております。
 今後も引き続き浸水対策事業を推進し、被害の一層の軽減に努めてまいります。
 次に、浸水被害軽減に向けた下水道施設の整備についてでございます。
 現在、大田区内では、基幹施設である矢口ポンプ所の増設や第二下丸子幹線の整備を行っており、これらの施設は平成十九年度当初に稼働する予定でございます。このような幹線やポンプ所などの基幹施設の整備は、浸水対策事業の基本となるものでございますが、その整備には多大な費用と長い期間を要するため、今後とも浸水の危険性の高い地域などを重点化し、優先的に事業を推進してまいります。
 最後に、合流改善の取り組みについてでございます。
 合流式下水道では、大雨が降ると、雨水で希釈された汚水の一部やごみが川や海に放流されます。下水道局は、合流改善対策として、川などに放流される量を減らし、水再生センターでの処理量をふやすため、幹線管渠の増強や、降雨初期の下水を一時的にためる貯留池の整備を図るなどの対策を進めております。
 大田区におきましては、矢口ポンプ所のほかにも、平和島ポンプ所などの施設整備を進めるとともに、ごみなどの流出を抑制するため、雨水のはけ口での対策などを実施しております。
 今後ともこうした施策を着実に推進し、公共用水域の水質改善に努めてまいります。
   〔建設局長依田俊治君登壇〕

○建設局長(依田俊治君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、内川水門及び排水機場の耐震対策についてでありますが、内川水門などは、高潮や地震水害から大田区東部の低地帯を守る重要な河川施設でございます。都は、平成七年の阪神・淡路大震災を契機とした耐震対策基準の見直しを踏まえ、平成九年から計画的に水門や排水機場などの耐震対策を進めております。
 お尋ねの内川排水機場については、基礎部分の耐震補強を予定しており、平成十九年度に設計を行い、二十年度に工事を完了させる予定でございます。引き続き内川水門についても門扉を早期に更新し、耐震性の向上を図ってまいります。
 次に、内川水門などの大田区への委託管理についてでありますが、都はこれまで、高潮による広域かつ甚大な被害を防止する観点から、河川水門などの管理を一体的に行ってまいりました。しかし、都が管理している河川水門の中には、内川水門など管理の範囲が一つの区に限られる水門がございます。これらの水門については、地域防災に責任を持ち、地域を熟知している地元区が、水門操作など日常の管理をすることが適切でございます。
 このため、内川水門、排水機場については、これまで大田区と協議を重ねてまいりまして、本年四月から日常管理を委託することになりました。委託に当たっては、操作、点検の習熟訓練や適切な経費負担などを行うとともに、委託後も二十四時間体制で操作状況を確認するなど、都としても支援をしてまいります。
 今後とも、新たな水門管理システムの構築などバックアップの強化を図り、都民の安全・安心に万全を期してまいります。

○副議長(木内良明君) 七十三番いのつめまさみさん。
   〔七十三番いのつめまさみ君登壇〕

○七十三番(いのつめまさみ君) 石原知事、教育長、関係局長にお伺いいたします。
 まずは、外国人との共生についてです。
 東京都では、かつてニューヨーク市、北京市、パリ市、ニュー・サウス・ウェールズ州、ソウル特別市、ジャカルタ特別市など、多くの姉妹友好都市と多様な国際交流事業を実施するとともに、国際交流部署の予算、人員も充実していた時期がありました。一時は、国際局構想や国際交流センター構想もあったと聞いています。
 その後、平成二年四月には、生活文化局国際交流部から生活文化局国際部となり、石原知事就任後は、平成十三年四月には生活文化局国際部が知事本局秘書部外務課と生活文化局文化振興部地域国際化推進課になりました。平成十四年四月には東京都渉外労務管理事務所の廃止に伴う組織改正により、生活文化局文化振興部地域国際化推進課から事業推進課地域国際化推進係になりました。とうとう平成十八年四月には文化振興部事業推進課地域国際化推進係から都民生活部管理法人課市民交流国際係となりました。知事本局との分担もありますし、部から課に、課から係に縮小されました。
 一方、都内の在住外国人は、現在、約三十七万人と増加傾向にあります。私の地元新宿区では約三万人が外国人登録をしています。住民の一〇%以上を外国人が占めている地域もあります。学校では、保護者への文章を六カ国語で用意するきめ細やかな配慮がされています。
 定住化が進行する中で、在住外国人との多文化共生を進めていくため、地域国際化施策の充実が一層求められている状況の中で、都の現状は逆行しています。これでは十分な取り組みができません。地域国際化施策の充実に向けた対応姿勢の強化が必要と考えます。見解をお伺いします。
 都は、生活文化局長の諮問機関として地域国際化推進検討委員会を設置し、外国人にかかわる重要な課題を検討して施策に反映してきたとのことですが、本年度の新たなテーマ、諮問事項は何か、その内容と今後のスケジュールについて伺います。
 また、東京都は、前回、平成十七年の地域国際化推進検討委員会の答申を受け、平成十八年度の重点事業として外国人に対する防災情報提供対策の強化に取り組んでいるとのことだが、その一環として、去る一月十六日に東京都として初めて在住外国人支援のための防災訓練を実施したとも聞いています。地震を知らない外国人にとって、地震は、何が起こったのかとパニックに陥る人がいると聞いております。
 新宿のハイジアのエントランスにおいて防災訓練のビデオテープを流し広報していますが、そこで、この訓練の実施状況について伺いたいと思います。また、訓練の結果、反省点、今後の課題についてもあわせて伺います。
 外国人が地域の住民として、日本人と同じように生命の安全や快適な生活を保障され、豊かな生活を送れる都市東京をつくっていくことは、東京都が国際都市としての活力を維持し、アジアや世界の中心都市としての魅力を発信していくため、必要不可欠な基盤です。多文化共生は、オリンピック招致にもとても大きな要件と考えます。
 次に、アジアの将来を担う人材の育成支援についてお伺いいたします。
 東京都が昨年十二月に発表した「十年後の東京」では、アジアの将来を担う人材を戦略的に育成支援するとして、アジアの優秀な人材の受け入れを促進するため、渡航費や学費を支給するアジア人材ファンドの創設を挙げています。このアジア人材ファンドに向けた決意がどれほどあるのか、私には大いに疑問です。
 石原知事は、施政方針において、この「十年後の東京」を指して、空想的、抽象的なマニフェストなどではなく、東京の具体的な近未来図であると述べられました。しかし、「十年後の東京」が発表された後、ことし一月に発表された産業振興基本戦略ではどうでしょう。人材確保や人材育成の取り組みに、アジアという視点はどこを読んでも見当たりません。このように、ほかの基本施策に反映されないような「十年後の東京」を、果たして具体的な近未来像といえるのでしょうか。
 現在、東京は、アジア技術者育成事業として、アジア諸都市の中堅技能者に東京の中小企業での研修を実施していますが、地域はハノイ市に限定され、規模も十人以内となっています。私は、アジアの将来を担う人材の育成支援に向けて、広くアジアの地域から優秀な人材の受け入れを進め、アジア人材ファンドやアジア人材バンクの創設に積極的に取り組んでいくべきと考えますが、見解をお伺いします。
 次に、定住外国人の子どもたちへの教育についてお伺いいたします。
 私は、子どもの教育に国境があってはいけないと考えています。どこの国の子であっても、この東京に暮らす以上、学ぶ芽を育てる必要があります。海外で暮らす日本の子も、しっかりと教育を受けてほしいと思います。親の都合で日本に、東京に連れてこられた子どもがいます。その時期が高校受験期に重なったのを不運だったと片づけるわけにはいきません。東京に暮らす世界の子どもたちの学びたい気持ちをサポートする施策を東京でも検討すべきと考えます。
 各国の教育制度の違いにより、来日後、小中学校、高校に進学できず、行き場のない子どもがいます。十分な日本語教育を受けることができず、学校の授業についていくことができない子どもたちがいます。友人もできず、不登校、中退になってしまう子もいます。こうした子どもたちの増加は決して好ましいものではありません。
 多文化共生センター東京の調査によると、二〇〇五年度、東京都の公立中学校の外国籍の子どもは二千百四十五人です。ところが、二〇〇六年度に都立高校在籍の外国籍生徒は九百二十一人で、半数以下です。しかも、定時制における外国籍生徒の割合は日本人生徒の約三倍です。普通高校を希望しているのに、定時制があるから大丈夫というのでは話になりません。二〇〇七年度入試で在京外国人枠募集をするのは、都立では国際高校だけで、定員二十五名、しかも各国一人ずつと難関です。
 また、同調査によると、二〇〇五年度に外国籍生徒や保護者を対象に開催した進路ガイダンスでは、国語の授業が理解できる生徒は六%でした。どこの国の子であっても望んだ教育が受けられる都市が、成熟している国際都市と胸を張れるのではないでしょうか。小中学校に在籍する日本語を話せない外国人の児童生徒に対して、日本語指導加配教員だけでは不足のケースがあり、不足分はボランティアが日本語指導や高校受験の支援を行っています。都教育委員会として、こうしたボランティアに対する助成制度を設けるべきです。見解をお伺いします。
 また、外国人を対象にした進路指導は、保護者の言葉の壁と母国との入試制度の違いから、区立中学校の現場では困難をきわめています。外国人を対象にした進学説明会を、毎年、東京都教育委員会が都全体で開催する対応が必要だと考えますが、所見をお伺いいたします。
 次に、日本語を母語としない生徒が入試直前に来日し、都立高校を受検する際に、試験問題の漢字にルビを振るとか、科目によっては母語での出題とか試験時間の延長など、何らかの措置を講ずる必要があると考えます。所見をお伺いします。
 次に、外国人学校の安全について伺います。
 区立小中学校、都立高校の耐震工事は進んでいます。私立学校の耐震工事への助成も行っています。しかし、これまで専門学校、外国人学校への耐震工事助成は行われませんでした。学校認可をとっている学校は地域住民の避難場所になる可能性があります。例えばインターナショナルスクール、朝鮮人学校、韓国人学校などです。これらの学校に対して耐震工事費の助成を行うべきと考えます。ご見解を伺います。
 東京都では、法務省入管、警視庁とともに、平成十五年十月に首都東京における不法滞在外国人対策の強化に関する共同宣言を出しました。共同宣言では、首都東京の不法滞在者数を五年間で半減させることを示し、不法滞在者の摘発強化や不法滞在者を助長する環境の改善などの対策を強化していくとしました。
 私が朝、新宿区内の駅で街頭演説などをしておりますと、不法滞在者らしき人がワゴン車に乗せられていくのをたびたび見ます。法務省入管の発表によれば、国内の不法滞在者数は、平成十八年一月一日で約二十二万三千人と、共同宣言時の二十五万人と比較し、二年で約二万七千人減少しています。これは、歌舞伎町に入管の新宿出張所の設置や、共同宣言後の重点的な取り組みの成果といえます。
 合法的に来日している外国人とは共生していきたいと思いますが、不法滞在は困ります。新宿区内の医療機関は、人道的見地から、不法滞在者とおぼしき人に対しても医療を施します。容体がよくなると、いつの間にか治療費を払わず逃亡してしまう場合もあり、被害は大きく、病院は頭を抱えています。また、健康保険証の仲間同士での使い回しの不正が行われ、生命にかかわる事故にならないかと懸念されています。
 また、先日の新聞報道を見ますと、在日外国人による犯罪の発生件数は、東京都では減少する一方で、地方の一部では増加しています。これは、東京での摘発が厳しくなったからとの見方もできます。しかし、外国人の入国者は年々増加しており、不法滞在者を減少させるためには、摘発のみならず、東京都としての対策強化が必要です。
 そこで、不法滞在外国人減少に向けた東京都における今後の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、ルールとモラルについて質問いたします。
 企業や個人は、法律や規則といった法令を守るだけでなく、企業倫理や社会的規範を守ることも必要です。企業も社会の構成員の一人として、各種一般法、その他各種業法をすべて遵守し、従業員一同にもそれを徹底させなければなりません。
 昨年はマンションの耐震偽造設計が社会問題となり、最近では洋菓子メーカーが消費期限切れの材料使用、テレビ番組制作会社が捏造記事による番組を制作、金もうけになるなら何でも売ってしまうネット販売もあります。ガス器具会社の動作不良の隠ぺい、嘆かわしいことです。かつて日本人が持っていた誇りはどこに消えたのでしょうか。名こそ惜しけれと、名誉を汚す行為を恥じる文化でした。最近は、たばこのポイ捨て、携帯電話代は払っても子どもの給食費は払わない親、救急車をタクシーがわりに使う人、モラルに反する行為を平気でする人がふえています。
 知事は、ご自分の著書「国家なる幻影─わが政治への反回想」の中、ベトナムから政治への章に、ベトナムで農家の娘にとぎしてもらい、別れにご自分のブリーフを記念に上げた、とても喜ばれた、また、ベトナムで持った情事が何でこれほど官能的なのかと思えたのも、アオザイの手ざわりのせいだけでなく、ウイルスにむしばまれていた体が、周囲は戦場という状況の中でせつなせつなの反応をしていたからに違いないと、帰国後、肝炎で苦しまれたこととともに書いていらっしゃいます。私の道徳観では理解できないことです。
 知事に伺います。現代社会におけるルール違反や道徳心の欠如についてお聞かせください。
 コンプライアンス違反が起きやすい体質は、利益最優先、隠ぺい体質、独裁的な経営、上層部が絶対的な権力を持っているなどです。都庁内でもコンプライアンス違反を防がなければなりません。知事をトップに職員一人一人が自覚を持ち、法令遵守し、道徳心を持ち、社会の要請に柔軟に反応し(発言する者あり)誠実で公正な任務を遂行することが大切です。そのための職員研修や啓発を常に行う必要があると思います。取り組みをお聞かせください。(拍手)
   〔発言する者あり〕
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) いのつめまさみ議員の一般質問にお答えいたします。
 道徳心の欠如についてでありますが、今の日本には、ばれなければ何をしても許されるというあしき風潮が、企業、個人を問わず蔓延しているような気がいたします。私たちは、日本人として失ってはいけない何かをどこかに置き去りにしてきたように思えてなりません。コンプライアンスなどという横文字を持ち出すまでもなく、拝金主義に侵された企業、個人がルール違反を繰り返しているのが現状であると思います。
 なかなか即効薬は見当たりませんが、私たち自身が率先して範を示し、不正を働く者を度外するぐらいのことをしない限り、日本の立ち直りは難しいのではないかと思います。
 それにしても、五十年近く前の、私も当時二十代でしたが、他人の私的な体験談を持ち出して道徳観云々というのは、私にはちょっと理解できませんな。
 なお、他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。
   〔教育長中村正彦君登壇〕

○教育長(中村正彦君) 三点についてお答え申し上げます。
 まず、外国人児童生徒への支援を行うボランティアに対する助成についてであります。
 区市町村立小中学校におきます外国人児童生徒の受け入れに当たりましては、設置者であります区市町村教育委員会が、その判断に基づきまして、日本語学級の設置や日本語指導加配教員の活用を行うとともに、地域の実情に応じまして、語学指導員の配置、通訳補助員の派遣、日本語適応指導教室の設置のほか、ボランティアの活用などの取り組みを行っております。
 都教育委員会といたしましては、既に区市町村教育委員会に対しまして、日本語学級設置にかかわる教員配置及び日本語指導にかかわる教員加配のほか、日本語指導に関する情報提供等の支援を行っているところでございます。
 次に、外国人生徒を対象とした進学説明会についてでありますが、外国人生徒の都立高校への入学に関する相談につきましては、入試相談コーナーや教育相談センターなどで随時対応しております。また、すべての都立高校が参加し、保護者、受検生を対象といたしまして、十一月に二回開催します学校説明会におきましても、入試相談コーナーを設けまして個別の相談に応じるなど、適切に対応しております。
 次に、日本語を母国語としない生徒への受検の際の配慮についてであります。
 都教育委員会では、国際高校において在京外国人を対象とした入試を実施しておりまして、また、他の都立高校におきましても、日本人と同様に、応募資格を満たしていれば、外国人生徒が受検し、入学することは可能でございます。
 また、国際中等教育学校として平成二十年度に設置を予定しております立川地区中高一貫六年制学校におきまして、一般生徒とは別に一定の枠を設け、帰国生徒及び在京外国人生徒についての新たな受け入れ体制を確保してまいります。
 なお、帰国生徒等を対象といたしました入学者の選抜方法については、面接を重視するなど、一定の配慮を行っているところでございます。
   〔生活文化局長渡辺日佐夫君登壇〕

○生活文化局長(渡辺日佐夫君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、地域国際化の充実についてでございます。
 都はこれまでも、外国人も安心・安全に暮らせる東京とするために、地域国際化施策を推進してまいりました。平成十三年度からは、委員の半数を在住外国人とする地域国際化推進検討委員会を設置し、外国人が直面する課題について検討し、施策への反映を図っております。
 具体的には、防災やまちの表記などについて、区市町村や大使館、民間団体等に情報提供しており、本年度は防災DVDやリーフレットの作成、防災(語学)ボランティアの拡充等を行っております。
 今後とも、同委員会の提言を踏まえ、地域国際化施策の推進に取り組んでまいります。
 次に、本年度の地域国際化推進検討委員会についてでございます。
 今回のテーマは、民間団体との連携、協働による外国人都民の社会参加の促進でございます。具体的には、都内在住外国人への支援を行っている民間団体と行政との協力により、コミュニケーション支援や生活支援等を通じ、外国人の自立の促進と社会参加の実現を図る方策とその仕組みの検討を行っております。
 本年七月の提言を目指し、四回程度、委員会を開催してまいります。
 次に、外国人支援のための防災訓練についてでございます。
 都では、災害時に東京都外国人災害時情報センターを設置し、情報収集提供活動を行うこととしております。一月十六日に実施した訓練は、この情報センターが災害発生時に有効に機能するかどうかを検証するために、江戸東京博物館、しんじゅく多文化共生プラザなどを会場とし、新宿区や墨田区など区市の協力を得て実施したものでございます。当日は百名を超える防災(語学)ボランティアや外国人のほか、外国人を支援する団体や在住外国人メディアの参加も得ることができました。
 今後も、災害時に即した、より実践的な訓練となるよう、マニュアルの充実、外国人や通訳ボランティア、使用言語の拡大を図ってまいります。
 最後に、外国人学校に対する耐震工事費の助成についてでございます。
 都においては、児童生徒の安全確保のために、これまでも私立の幼稚園、小学校、中学校、高等学校等に対する耐震工事費の補助を実施しているところでございます。専修学校、各種学校に対しても平成十九年度から耐震工事費を補助する予定でございますので、各種学校として認可されているインターナショナルスクールなどもその対象となります。
   〔知事本局長山口一久君登壇〕

○知事本局長(山口一久君) アジアの将来を担う人材の育成についてのご質問でございますが、東アジアは、今や世界で最もダイナミックに変貌を遂げており、この地域のさらなる発展に向けて、人材育成面で、東京がその知識や技術の集積を生かし、先導的役割を果たしていくことは当然でございます。
 ご指摘されるまでもなく、「十年後の東京」では、アジアの優秀な人材を東京で受け入れ、育成を図る仕組みとして、留学生等に経済的支援を行うアジア人材ファンドの創設や、帰国した留学生に関する人材情報をデータベース化するアジア人材バンクの構築を打ち出しております。
   〔青少年・治安対策本部長舟本馨君登壇〕

○青少年・治安対策本部長(舟本馨君) 不法滞在外国人の減少に向けた取り組みについてでありますが、不法滞在者を減少させるためには、不法就労を許さない環境づくりが重要です。都では、昨年春から新たに、外国人の不法就労が多い業種を中心に、雇用主に対する適正雇用のための講習会を実施してきましたが、十九年度はさらに講習回数をふやしていきます。また、留学生、就学生の違法活動を防止するため、これらを受け入れている専修学校、各種学校などの教育機関に対する啓発指導を引き続き行っていきます。
 今後とも、入国管理局、警視庁等と連携をとり、粘り強く取り組んでまいります。
   〔総務局長大原正行君登壇〕

○総務局長(大原正行君) 都庁内のコンプライアンスとモラルについてでございますが、都におきましては、従前から各執行機関内部で法令審査や事業点検等に取り組みますとともに、監査委員による監査を行っております。
 また、平成十一年度からは、外部の公認会計士による包括外部監査を導入し、業務執行の厳正なチェックを行いますとともに、平成十八年度からは公益通報制度を整備いたしました。さらに、職員の服務規律の確保につきましても、汚職等防止研修を悉皆で行うなど、職員の非違行為の未然防止に万全を期しているところでございます。

○副議長(木内良明君) 五番鈴木隆道君。
   〔五番鈴木隆道君登壇〕

○五番(鈴木隆道君) 質問に先立ち、一言申し上げます。
 先ほど登壇されたいのつめ議員の質問には言葉を失いました。これをルール違反の道徳心の欠如といわずして何というのでありましょうか。石原知事の小説家としての表現を理解し得ないのは、個人の能力の問題であるにせよ、場所をわきまえない発言にはあきれるばかりであります。我々は議場という高邁な場所で議論をしているのであります。加えて、政策提言をすること、政策論争を忘れ、選挙目当ての低劣な嫌がらせを繰り返す態度には、公党としての品格を疑わざるを得ません。(発言する者あり)言論の府である都議会を何と心得ているのでありましょうか。大いに反省を促したいと思います。(発言する者あり)
 以上、質問に入ります。
 先日、第一回の都区のあり方検討委員会及び幹事会が開催されたと伺いました。(「いわされたんじゃないか」と呼ぶ者あり)私が書いた。都区のあり方の検討がいよいよ本格的にスタートしたと感じています。都区のあり方に関して、私はかねてから、特別区が現在の区割りを前提として、福祉施策を中心に突出した給付事業を行うことから脱皮し、区の規模を拡大した上で、まちづくりを初め住宅、病院、高校など、住民生活に密接にかかわる幅広い行政需要に積極的に取り組むべきであり、このような取り組みによってこそ、特別区は名実ともに基礎自治体となることができると主張してまいりました。
 こうした観点から、都区のあり方について二点確認をいたします。
 第一に、都区の役割を踏まえた事務配分についてであります。
 今も述べましたとおり、特別区は、大都市東京を構成する基礎自治体にふさわしい、住民に身近な事務を担う地域の総合的な行政主体となるべきであり、そのためには、区の規模の拡大も含め、行財政能力を高め、住民に身近な行政需要に幅広くこたえていくことが必要であります。一部に、区境を越えて鉄道の連続立体化事業や商店街事業などが行われている例もありますが、いまだ再編の議論にまでは至っておらず、区域の再編の議論を進めるべきであります。
 一方、都においては、大都市東京の経営主体としての役割を主軸としていくことが重要であり、歴史的な経緯からいまだ都が担っている住民に身近な事務を初め、特別区に大胆に事務移管をすべきであります。このような都と特別区のあるべき姿を共通の認識として、都から区への事務移管を進めることが必要であり、都も覚悟を決めて、思い切った事務移管を検討すべきであると思いますが、見解を伺います。
 第二に、特別区の再編についてでありますが、そもそも現在の二十三区は、今から六十年前の昭和二十二年に、一区の人口を二十万人程度にすることを目途として、当時の三十五区を再編したものであります。
 現在、人口四万人余りの区から八十万人を超える区まで、人口の格差は広がり、面積や財源の格差も考慮すると、各区の格差を放置したまま二十三区を同一の制度のもとに押しとどめることは、もはや限界に来ているといっても過言ではありますまい。
 先ほども述べたように、特別区の役割という観点からも、また、このような各区の規模のバランスという観点からも、特別区にとって再編は避けて通れない課題であり、具体的な検討を一刻も早く開始すべきであります。
 特別区の再編については、平成十二年改革の際に、発議権が特別区の権限となっており、実際には特別区議会では、これまでさまざまな議論を行っていますが、特別区長会は、これまで区域の再編について議論したことがないと公言をしており、これでは議論が進みません。このために、都から問題提起を行い、真摯な再編の議論が進むことを大いに期待するところであります。都は、今後どのように検討を進めていくのか、伺います。
 次に、鉄道の連続立体交差事業における都の取り組みについて伺います。
 都内には、いまだ約千二百カ所の踏切が存在し、このうち、ピーク時間の遮断時間が四十分以上のあかずの踏切が約二百八十カ所、実に全国の約半数が東京に集中しております。数多くの踏切は、東京の最大の弱点である交通渋滞や無理な横断による踏切事故などの要因となっており、東京の成長過程で生まれた、まさに二十世紀の負の遺産でもあります。
 鉄道の連続立体交差事業は、数多くの踏切を同時に除去し、踏切の遮断による交通渋滞や地域分断の解消を実現するだけでなく、都市計画道路整備やまちづくりなど、既成市街地における都市空間再編のこの上ない機会を与えるものと認識をしております。
 都は、東急目黒線目黒駅から洗足駅付近、約二・八キロ区間においても連続立体交差事業を進めており、昨年七月には鉄道立体化を完了をいたしましたが、そこでまず、この事業の効果について伺います。
 また、十年後のオリンピックは、成長のステージを経て成熟を遂げつつある東京が、さらに機能的で魅力的な都市に生まれ変わるための絶好の機会でもあります。知事は、施政方針の中で、鉄道の立体交差事業を積極的に進めると表明されましたが、ぜひこの機会を逃すことなく、成熟した都市東京の実現に向け、都市空間再編に資する連続立体交差事業を一層強力に推進していただきたいと考えます。そこで、今後十年間における都の連続立体交差事業の取り組みについて伺います。
 次に、民設公園について伺います。
 東京都は、今、二〇一六年のオリンピック招致に向けて、緑豊かな環境負荷の少ない都市づくりを積極的に進めるため、「十年後の東京」を策定し、水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京を復活させることを目標として掲げました。
 緑豊かな都市東京を形成していくには、昨年一月策定された、みどりの新戦略ガイドラインで示すように、公共の緑である都市計画公園、緑地の整備を計画的に進める一方、民間の活力を上手に活用することが重要と考えます。東京都が昨年五月に創設した民設公園制度は、民間の活力を活用し、早期に公園的な空間を整備し、避難場所として開放していく東京都独自の制度と認識しており、我が党としてもその実現を強く主張してまいりました。
 私は、昨年六月の第二回定例都議会において民設公園への取り組みについて質問し、土地所有者や民間事業者へ十分に周知するとともに、区市町とも連携し、実現を図っていくとの積極的な答弁をいただいております。そこで、その後、民設公園実現に向けどのように取り組み、現在どのような状況かを伺います。
 また、民設公園制度は、緑豊かな都市東京の実現にはなくてはならないものであり、一層の普及を図っていく必要があると思いますが、今後の展開についてのご所見を伺います。
 次に、教育について伺います。
 私の地元である目黒区には、桜修館中等教育学校が設置されておりますが、いうまでもなく、中等教育学校の前期課程と区立中学校は同じ中学課程であり、都立学校、区立中学校の分け隔てなく、大いに連携を推進していく必要があると考えています。
 桜修館中等教育学校も、現在地元中学校等とさまざまな連携を実施していると聞いています。学校関係者のお話では、桜修館中等教育学校の学校運営連絡協議会に区内の小学校長と中学校長が参加し、学校運営について貴重な意見をいただいたり、教師間交流として、目黒区の中学校の教員と桜修館中等教育学校の教員が、生徒に対して情報の共有化を図りながら危険箇所の啓発指導を行うなど、着実に成果が発揮されているようであります。今後とも一層連携を進めていくことが重要であると考えます。
 そこで、お尋ねいたしますが、中高一貫教育校が平成十九年度以降、地元の中学校との連携事業としてどのようなことを検討しているのか。また、その連携事業に対する都教育委員会の支援が必要と考えるが、所見を伺います。
 平成十八年四月に都立の中高一貫教育校が新たに三校開校し、既に開校している学校は全部で四校になりました。今後も、平成二十年四月には新たに二校が開校する予定となっております。
 さらに、本年一月に、平成二十二年度に開校する都立の中高一貫教育校四校の基本計画検討委員会の中間のまとめが出され、都全体で中高一貫教育校を十校設置するといった計画も着実な歩みを進めていると評価しております。
 中高一貫教育校の利点は、高校受験の影響を受けることなく、計画的、継続的な学習指導や進路指導を展開できるなど、ゆとりある安定的な学校生活を送ることができること、さらには、一年生から六年生までの幅広い年齢層の子どもたちによるさまざまな学校活動を通して、厚い友情をはぐくみ、社会性や人間性を育てる教育ができることだと感じています。
 一方で、区市では小中一貫教育校の設置が進むなど、中高一貫教育とは違った形で義務教育の多様化が進んでいるのも事実であります。
 そこで、お尋ねいたしますが、都教育委員会が中高一貫教育校を今後も積極的に設置する意義とねらいについての所見を伺います。
 次に、蛍光管のリサイクルについて伺います。
 現在、循環型社会の形成に向け、各地で資源化、リサイクルの取り組みが進んでいます。都内の事業所から排出される蛍光管の多くは、東京都環境整備公社等が回収、中間処理した後、他県で資源化されています。
 一方、二十三区の家庭から出される蛍光管のリサイクルはほとんど進んでおらず、破砕処理された後、水銀やガラスはそのまま都の中央防波堤外側埋立処分場に埋め立てられているのが現状であります。もちろん都の処分場では、環境や人の健康への影響が生じないように、きちんとした処理を行っていることは十分に承知はしています。
 とはいえ、私たちの社会が持続可能な発展をしていくためには、環境汚染を防止するだけではなく、限りある地球の資源をできる限り大切にする循環型社会を目指し、リサイクルできるものは可能な限りリサイクルしていくことが必要であります。水銀やガラスは、当然資源として再利用すべきであります。
 多摩地域の市町村では、これまでも蛍光管を分別し回収しており、また、他県でも蛍光管のリサイクルが進んでいると聞いています。区部においても、このような事例を参考に蛍光管のリサイクルに取り組んでいくことが望まれます。
 二〇一六年開催のオリンピック招致を控えて、世界で最も環境負荷の少ない都市を目指している都としては、広域的な立場から区市町村と連携し、より望ましい資源循環のあり方を追求していくべきと考えるが、所見を伺います。
 最後に、オリンピック招致について伺います。
 二〇〇八年八月の北京オリンピックの開催に向け、中国では準備が進められています。我が都議会自由民主党は、昨年八月、北京オリンピック組織委員会を訪問した後、複数回にわたり訪中をし、中国とのパイプの拡大に努めてまいりました。その中で北京政府側は、二〇一六年の東京オリンピック招致を中国としても応援することを明言いたしております。都としては、中国の持つさまざまな人脈の活用や北京事務所の設置など、北京側の提案に基づき、北京オリンピック期間中の効果的なロビー活動の展開を図ることが望まれます。
 これに対し、日本ないしは東京の北京オリンピックへの協力体制はいかがでありましょうか。対中関係は、一昨年の冷え切った状況からは脱却したものの、また温家宝首相の訪日も予定されているものの、来年に迫った北京オリンピックを日本が積極的に支援しようという動きは見られません。
 しかし、私は、北京が東京に協力してくれるのであれば、東京も北京に対してさまざまな面での支援をすべきではないかと考えます。その端的な支援内容は、省エネルギー技術であります。
 中国のエネルギー消費量が多い最大の理由は、日本の六倍というエネルギー効率の悪さからであります。そこで、東京都の施設などで実施している省エネ技術を北京オリンピック関連施設に導入することを提案すれば、北京に対する大きな支援策になることは確実であります。そのほかにも、中国の深刻な大気汚染に対するディーゼル車対策やパラリンピック開催に向けたユニバーサルデザインへの取り組みなど、中国に伝えるべき東京の先進的な取り組みは幾つもあるのではないでしょうか。
 来年の北京オリンピックを契機に、北京がアジア大都市ネットワークを離脱したという事態を乗り越え、東京と北京の新たな関係を今こそ再構築すべきときであります。東京と北京の協力体制の構築は、アジアの平和と安定に寄与することは明白であります。
 そこで、東京都の代表である石原知事が、アジアのトップリーダーとして、北京オリンピックに積極的に協力するという姿勢を打ち出すべきと考えますが、知事としての決断を伺い、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 鈴木隆道議員の一般質問にお答えいたします。
 北京オリンピックへの協力についてでありますが、先般申しましたように、世界の大きな流れというものは、欧米による世界支配がようやく終わって、新しい時代、これは私はアジアの時代だと思いますけれども、その到来を告げていると思います。
 ゆえにも、北京と東京との協力関係というのは、単にオリンピックに限らず、これから大事な問題になっていくと思いますが、まずそのオリンピックに関して、東京がアジア各国の幅広い支援を得るためにも、中国の理解と協力を得ることも必要であると思っております。
 ということで、先般、竹田JOC会長がホストを務められました晩さん会にぜひにもということで、これは中国のスポーツ副大臣、それからオリンピック推進委員会の副会長の于さんという方がゲストでありましたが、そこにも私、出席しまして、いろいろ歓談をいたしました。
 同時に、北京オリンピックにもIOCの委員や国際競技連盟の役員などオリンピック関係者が多数集まることもございまして、オリンピック招致の活躍の場としても極めて有効でございます。東京としても、特にご指摘の環境の是正の技術については、日本はすぐれたものを持っておりますし、東京もその経験をしておりますので、請われれば、挙げての協力をするつもりでございます。
   〔教育長中村正彦君登壇〕

○教育長(中村正彦君) 二点の質問にお答え申し上げます。
 まず、中高一貫教育校と地元中学校との連携、支援についてであります。
 お話のありました桜修館中等教育学校を例にとりますと、平成十九年度に向けまして、目黒区内の小中学校と連携した児童生徒によります地域清掃などのボランティア活動、公立中学校が行っております連合体育祭への参加、さらに教員を対象といたしました授業公開、研究協議会の開催などを検討しております。
 都教育委員会は、これまでも中高一貫教育校における地元中学校との連携に対しまして積極的に支援を行っており、今後とも必要な支援を行ってまいります。
 次に、中高一貫教育校の設置の意義とねらいについてでありますが、都教育委員会は、公立学校におきましても都民が中高一貫教育校を選択することができるよう、中等教育の複線化を目的に都立の中高一貫教育校を設置することとし、都民の期待も大きいことから、地域バランスに配慮いたしまして、全都で十校整備する計画といたしました。
 都立の中高一貫教育校では、六年間の継続教育の中で教養教育を行い、確かな学力と豊かな教養を身につけ、社会のさまざまな場面、分野におきまして、人々の信頼を得てリーダーとなり得る人材の育成を目指してまいります。
   〔総務局長大原正行君登壇〕

○総務局長(大原正行君) 都区のあり方に係る二点のご質問にお答えを申し上げます。
 まず、都区の事務配分についてでございますが、都と特別区は、適切に役割を分担しつつ、協力して、日本の首都であり頭脳部、心臓部である東京のさらなる発展を導いていかなければなりません。そのために、都は大都市経営の担い手として、東京の活力を維持向上させますとともに、特別区は幅広く地域の事務を担い、住民サービスの増進と効率的な提供を図ることが求められております。
 今後の検討に当たりましては、こうした都区が果たすべき役割を踏まえまして、ご指摘のように、大都市経営のために必要な事務は都の事務として整理をいたしますとともに、住民に身近な事務は、幅広く、かつ大胆に都から特別区に移管することを検討してまいります。
 次に、特別区の再編についてでございます。
 今後、都区のあり方検討委員会におきまして、事務配分を皮切りに、再編を含む区域のあり方についても具体的に検討をしていくこととなっております。
 区域のあり方の検討に当たりましては、特別区を取り巻く環境の変化、都区間の事務の再配分と区域の関係、効率的な行財政運営などの視点につきまして、都と特別区が共通の認識に立って議論を進めていくことが重要でございます。
 都といたしましては、特別区の区域に係る現状の問題点や再編のメリット等につきまして、できる限り具体的、実証的な問題提起を行いまして、特別区と真摯な議論を重ね、実りある結論が得られるよう力を尽くしてまいります。
   〔建設局長依田俊治君登壇〕

○建設局長(依田俊治君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、東急目黒線立体化による事業効果についてでありますが、連続立体交差事業は、交通渋滞や地域分断を解消し、地域の活性化に資する、極めて効果の高い事業でございます。
 東急目黒線では、平成十八年七月の地下化切りかえにより立体化が完成し、十八カ所の踏切をすべて除却いたしました。これにより、遮断時間がピーク時一時間当たり最大で三十六分、一日で約七時間あったものが解消されました。また、武蔵小山、西小山駅で新たに設置される駅前広場の整備が始まるとともに、線路跡地の利用方法について、区と地元住民が中心となって検討を進めております。
 このように、本事業は踏切渋滞の解消や歩行者及び自転車の利便性、安全性の向上について既に効果を発揮しており、あわせて今後の沿線まちづくりにも寄与するなど、大きな成果が期待されております。
 次に、今後十年間における連続立体交差事業の取り組みについてでございます。
 現在、都は、JR中央線や京急本線など七路線九カ所で事業を進めており、平成十九年度には、新たに西武池袋線練馬高野台駅から大泉学園駅間の事業に着手いたします。今後、これらの箇所の進行管理を的確に行いながら、立体化を順次進め、十年間で百八カ所の踏切を除却する予定であります。
 さらに、平成十九年度には、踏切対策基本方針において鉄道立体化の検討対象になっている全二十区間について、事業効果などの調査を行います。引き続き、事業中箇所の進捗状況を踏まえながら、新たに事業化する区間を検討してまいります。
 今後とも必要な財源の確保に努めるとともに、区市、鉄道事業者など関係者間の連携を強化し、連続立体化事業を一層推進してまいります。
   〔都市整備局長柿堺至君登壇〕

○都市整備局長(柿堺至君) 民設公園についての二点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、民設公園の取り組み状況についてでございますが、民設公園制度は、未整備の都市計画公園内において、民間が民有地の一部を公園として整備し管理するもので、公園の早期整備を目指すものでございます。
 昨年五月に制度を創設したところ、東村山市萩山の土地所有者から、早速、民設公園事業を実施したい旨申請がございました。これを受け、都は、地元市と連携し、事業者への助言や指導を行ってきております。
 現在、事業計画についての審査を経て、都市計画変更及び事業認定の手続を進めております。この計画により、萩山地域の避難場所ともなる約一ヘクタールの民設公園の早期開設が可能となります。
 次に、民設公園制度の今後の展開についてでございますが、東京を早期に緑豊かで美しいまちとしていくためには、公共による整備に加え、民間の活力や協力による緑の確保は不可欠であり、本制度を広く活用していくことが重要でございます。
 このため、今後は、さまざまな地域への展開に向け、計画地の立地条件に応じた工夫を行うなど、制度の拡充に向けた検討を行ってまいります。
 あわせて、区市、民間事業者及び都民に対し、広報やホームページ等を通じて周知を図りながら、本制度の普及に積極的に努めてまいります。
   〔環境局長村山寛司君登壇〕

○環境局長(村山寛司君) 蛍光管のリサイクルについてのご質問にお答えいたします。
 持続可能な循環型社会を実現する上では、資源として有効活用できるものを可能な限り活用し、天然資源の消費を抑制することが重要でございます。
 家庭から出される使用済み蛍光管などにつきましては、従来、取り扱いの困難さや処理コストなどからリサイクルの点で不十分な面がございましたが、今後は、これらの廃棄物に含まれる水銀やガラスなども、有用な資源として適切に活用していくことが求められております。
 こうした観点に立ちまして、都は広域的な立場から、一般廃棄物処理の責任を担う区市町村と連携し、事業者による自己回収など、品目に応じた適切なリサイクルを促進し、省資源化と資源の循環利用をさらに推進してまいります。

○副議長(木内良明君) 二番伊藤興一君。
   〔二番伊藤興一君登壇〕

○二番(伊藤興一君) 初めに、防災対策について伺います。
 都が発表した東京都地域防災計画素案によると、震災時の人的被害を少なくする減災対策の一環として、緊急地震速報システムの活用が盛り込まれております。気象庁などが開発したこの速報システムは、地震の発生をいち早くキャッチし、被害をもたらす横揺れが到達する前に、どの程度の揺れが何秒後に来るかを情報発信するものです。
 私は、十二年前の阪神・淡路大震災の折、倒壊したマンションに閉じ込められた友人のご両親を救い出すため、地震発生の翌日早朝、現地に入りました。しかし、大破した建物を前に、なすすべがなく、救出することができませんでした。もし揺れが発生する数秒前でも事前に知る手だてがあれば、避難する時間的余裕が持てていたならと悔やみました。
 こうした体験と教訓も踏まえ、緊急地震速報システムの導入と活用について質問します。
 まず、都は、公共施設や都営地下鉄などの交通機関への緊急地震速報システム導入に向けて、利用者にパニックや混乱を起こさせない速報提供の方法も含め、早期に具体的な活用を検討し、導入を図るべきと考えます。見解を伺います。
 次に、私は先日、先進的にこのシステムを活用した防災教育を行っている都内の小学校を視察しました。従来の震災訓練、対策は、地震発生後の行動が中心でありましたが、この学校の訓練は、これに加えて、地震の揺れが起きる数秒前から的確な行動をとるものでした。子どもたちや教師から感想を聞くと、数秒でも、事前にわかるので心構えが違う、今まで以上に落ちついて行動ができるとのことでした。
 そこで、伺います。緊急地震速報システムの導入にあっては、まず、子どもたちの命を守るため、学校教育現場にこのシステムを取り入れ、モデル校を設置するなど具体的に推進すべきであります。見解を伺います。
 さらに、すべての学校において、防災教育の一環として、パニック防止対策を身につけさせていくことが重要であると考えます。あわせて所見を伺います。
 次に、住宅用火災警報器の設置促進について伺います。
 近年、住宅火災による死者の数が増加しており、その死亡原因の約六割が、火災発見のおくれなどによる逃げおくれとなっており、しかも、その犠牲者の六割が、六十五歳以上の高齢者という深刻な実態もあります。
 都は、昨年の改正火災予防条例において、平成二十二年四月から、既存住宅でも住宅用火災警報器の設置を義務化するとしています。しかし、東京消防庁の調査によると、現状の普及率はわずか一九・三%にすぎません。
 火災の逃げおくれによる犠牲を防ぐという目的を達成するために、都は全力で設置促進を図るとともに、今まで以上に都民に対し、その必要性を理解してもらう工夫をすべきであります。所見を伺います。
 また、高齢者や障害者も多く居住する都営住宅については、都が設置管理者として全世帯に住宅用火災警報器を早期に設置すべきであります。所見を伺います。
 次に、教育現場改革について伺います。
 知事は、昨年末、学校現場に赴き、直接子どもたちや保護者など都民の声を聞きながらいじめ問題の原因を探り、解決の方向性を見出すために開かれた、いじめ問題緊急フォーラムに出席されました。私は、リーダー自身が直接現場で生の声を聞き、ありのままの実態に触れる中で解決を図っていくことは、何よりも大事な姿勢であると思います。
 そこで、いじめ問題緊急フォーラムに出席した知事の率直な感想を伺います。
 今後の教育改革において根底に据えなければならないのは、現場からの教育改革であると考えます。そして、子どもにとっての最大の教育環境は教師であると思います。教育現場で最前線に立つ一人の教師の人間性や指導力、そして情熱が、子どもたちの能力や将来を大きく左右するといっても過言ではありません。
 教育に対する教師の情熱が薄れているとの指摘がある一方で、熱い情熱を持ち、さまざまな課題を体当たりで乗り越え、解決している東京の熱血教師もたくさんいます。
 都は、すぐれた教師を毎年表彰しておりますが、今後は、こうした教師自身の具体的な体験、実践を発表する東京熱血教師実践報告大会などを継続的に開催し、その実践事例を広く紹介することによって、教師全体への刺激や意識啓発につなげるべきと考えます。見解を伺います。
 次に、子どもの食物アレルギー性疾患対策について伺います。
 都が昨年四月に発表した、都内の三歳児を対象としたアレルギー性疾患に関する調査結果によると、アレルギー症状を起こしたことがある子どもの割合は五割を超えています。特に食物アレルギーは五年前の調査の約二倍にふえており、また、血圧低下や意識障害が生じ、治療がおくれると死亡する危険もあるアナフィラキシーショックを起こすこともあることから、看過できない問題であります。
 我が党は、この事態を重く受けとめ、来年度において直ちに対策を講じるべきと判断し、復活予算を要望しました。その結果、初めて子どもの食物アレルギー性疾患対策を予算化したことは、高く評価するものです。
 食物アレルギーへの対応の第一は、原因となる食物の除去、制限を行うことですが、都の調査では、食物アレルギーがあった子どものうち、八割以上が食物除去や制限を行った経験があり、そのうち約四割は、医師の診断を受けずに、親の自己判断で対処しております。
 こうした誤った食事制限による危惧を解消するため、具体的な対策を講じるべきと考えますが、所見を伺います。
 また、アナフィラキシーショックについては、保育園や学校等でショック症状などの緊急事態が起こった場合、関係者がその対処を熟知していることが重要であります。
 緊急時の対応の一つとして、エピネフリンという自己注射用製剤の使用が平成十七年から認められましたが、この注射は、医師以外には本人か家族しか扱えないと聞いています。そこで、家族と離れる保育園等でのアレルギー問題への的確な対応が必要と考えます。見解を伺います。
 次に、子どもの生命を守ることに関連して、子どもの安全対策について伺います。
 昨年の第一回定例会において、私は、子どもの目線から、幼児視野体験眼鏡を手に、子どもの不慮の事故防止対策の重要性を訴えました。知事にも強い関心を持っていただき、都はこの主張に素早くこたえ、子どもの視野を大人が体験できる東京都版チャイルドビジョンを都道府県として初めて作成したほか、来年度から子どもの事故予防対策を初めて事業化し、子どもの不慮の事故を防止する取り組みが開始されることは高く評価するものです。
 そこで、この事業で作成するとしている子どもの事故防止実践マニュアルと体験的シミュレーションソフトについて、その内容と期待される具体的な効果について伺います。
 あわせて、今後も、事故防止へ向けて、情報収集、研究、対策立案など、継続的に対策の強化を図るべきと考えます。所見を伺います。
 次に、環境対策について伺います。
 都は、二十一世紀の新しい都市モデルを目指し、「十年後の東京」を策定しました。この中に盛り込まれている、人々が集い、にぎわいあふれる水辺空間を創造するというテーマの実現は、水の都東京の魅力を世界にアピールする絶好のツールであります。
 しかし、水上から見たウオーターフロントの景観の魅力を高めるためには、足元である東京湾の河川や運河の水質の浄化、改善が急務の課題であります。
 そこで、伺います。
 まず第一に、私の地元品川区を流れる京浜運河、勝島運河は、汚泥対策などが長年にわたり強く望まれていることから、水質浄化、改善といった環境整備を早期に実現すべきです。今後の取り組みを伺います。
 第二に、都は今後、東京港の汚泥しゅんせつに重点的に取り組むとしていますが、他の手法についても多角的に調査研究を行い、その成果を活用するとともに、都民と一緒に取り組んでいくことも重要です。東京港の水質浄化、改善について、具体的な見解を伺います。
 第三に、さまざまな流域の排水が流れ込む東京湾の水質浄化は、東京都だけで解決できるものではなく、八都県市首脳会議などにおいて、その対策を強く主張すべきであります。
 そこで、環境保全に関する施策の総合的、計画的な推進を図るためには、現在改定作業を進めている環境基本計画の中で、広域連携の考え方を取り入れ、対策の強化を明確に位置づけるべきです。所見を伺います。
 最後に、東京の温暖化対策と危機管理について伺います。
 今月、国連の気象変動に関する政府間パネル、IPCCから、地球温暖化の分析・予測をまとめた第四次評価報告の発表がありました。この報告によると、今、世界各地で発生している異常気象は、人間の営みによるCO2などの温室効果ガスの増加によるものであるとし、警鐘を鳴らしております。
 一方、環境省や国立環境研究所などの予測によると、地球温暖化が今後さらに進んだ場合、我が国の農水産業や、さらには人体にも影響が及ぶと指摘しています。
 今、私たち大人世代は、百年先の子どもたちの責任者として、未来の都市東京と都民の暮らしを展望し、こうした危惧に対し、危機管理対策を講じておく必要があります。
 そこで、都は、温暖化予測のさまざまなステージでの温暖化危機被害想定を立てるべきであります。見解を伺います。
 また、危機を回避するためには、CO2を削減するための行動を都みずからが率先して実行し、民間企業や都民を牽引していくべきであります。
 知事の所見を伺い、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 伊藤興一議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、先般行われました、いじめ問題緊急フォーラムについてでありますが、学校という場所を会場にして、いじめ問題を議論できたことは大変意義深かったと思います。
 コメンテーターから、例えば、いじめや自殺は、実はメディアを通して連鎖しているという指摘、あるいは子ども社会はそのまま大人社会の反映であるという、非常に印象的な意見が幾つもございました。私もコメンテーターの一人として、子どもの教育の最高責任者はあくまで親であると、家庭教育の重要性も訴えたつもりでございます。
 こういった問題が、なかなか時間はかかると思いますけれども、しかし何か有力な手だてを講じて、いっときも早く解決されていくことを願っております。
 次いで、地球温暖化対策についてでありますが、これは、人によって国によって、かなり危機意識が違いまして、アメリカのようにこの問題について非常に鈍感な国でも、ゴア元副大統領が、非常に個人的ではありますけれども、危機感に燃えて、この説得に世界を行脚しているようでありますが、いずれにしろ、よくデータでは五十年先云々という報道がありますけれども、何で十年先のことを考えないのかというような指摘もありますけれども、私もそのとおりだと思います。
 地球温暖化問題は、多量のエネルギーを消費している大都市東京が率先して取り組むべき課題であると認識しております。
 そのためには、まず、都内最大規模の排出事業者である都みずからが先進的な取り組みを実践し、東京全体、ひいては日本全体を牽引していかなければならないと思っております。
 こうした立場に立って、都は来年度から、建築物等の新築、改築時の省エネ化や再生可能エネルギー利用の全面的展開などを率先的に行い、大都市における地球温暖化対策の新しいモデルを提起していきたいと思っております。
 他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。
   〔教育長中村正彦君登壇〕

○教育長(中村正彦君) 三点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、緊急地震速報システムの導入についてでありますが、本システムは、地震による大きな揺れが到着する前に児童生徒が危険回避行動をとることで、被害の軽減が期待できる手段であります。気象庁は、本年秋からの本格運用を予定しており、都教育委員会は、学校に適したシステムの導入に向けまして、情報の提供、訓練の実施などの活用方法を含め、十分に検討してまいります。
 次に、子どもたちへの防災教育についてでありますが、いつ起こるかわからない地震に対しまして、子どもたちが落ちついて安全な行動がとれるような防災教育を推進していくことは重要であります。
 お話のように、本年度、都教育委員会は、モデル的に緊急地震速報を想定した授業を実施してきましたが、子どもたちに、地震発生時に慌てず落ちついて行動することの大切さを理解させる上で有効でございました。
 今後、安全教育の推進校において、新たな技術の開発などの動向を踏まえた授業実践を行うとともに、その成果を普及し、防災教育の一層の充実に努めてまいります。
 最後に、すぐれた教育実践の普及についてでありますが、児童生徒の学力向上や健全育成を図るためには、教員が他の教員のすぐれた教育実践から学び、授業力や実践的指導力を向上させていくことが不可欠であります。
 都教育委員会では、すぐれた教育実践を行っている教員や学校等を表彰するとともに、特色ある教育活動を行っている教員を、都の広報誌に、はつらつ先生として紹介しております。
 今後は、東京都教育の日の関連事業といたしまして、すぐれた取り組みをしている教員の実践発表会を新たに開催し、その実践報告を都のホームページに掲載します。
 また、東京教師道場において授業を公開するなどして、他の教員の模範となるすぐれた授業実践や特色ある教育活動を、教員はもとより、広く都民にも紹介してまいります。
   〔総務局長大原正行君登壇〕

○総務局長(大原正行君) 緊急地震速報システムの導入についてお答えを申し上げます。
 本システムは、地震による大きな揺れが到達する前に、緊急避難や鉄道の運行制御など危険回避行動をとることで被害の軽減が期待できる手段でございまして、気象庁は本年秋からの本格運用を予定しております。
 このため、都としては、まず応急対策活動に当たる本庁防災部門におきまして、初動態勢を速やかに確立することを目的に、試行的に導入をいたします。
 一方、鉄道や病院等の都施設への導入につきましては、現在、関係各局による会議を立ち上げまして、都民の混乱を引き起こさない情報提供のあり方等の課題を整理しているところでございます。
 今後、気象庁とも連携し、都の各施設の特性に応じた効果的な利用方法につきまして十分検討してまいります。
   〔消防総監関口和重君登壇〕

○消防総監(関口和重君) 住宅用火災警報器に関する二点の質問にお答えいたします。
 初めに、住宅用火災警報器の設置促進についてのお尋ねですが、平成二十二年四月一日以降、既存の住宅につきましても住宅用火災警報器の設置が義務となることから、都民への周知を図るとともに、区市町村に対して、給付や助成事業の実施を働きかけております。
 また、町会、自治会等に対して地域ぐるみの設置を働きかけるほか、防火診断などの機会を通じて、直接都民に対し早期設置の呼びかけを行っております。
 今後とも、平成二十二年に向け、職員が一丸となって住宅用火災警報器の普及に取り組んでまいります。
 次に、住宅用火災警報器の必要性の周知についてのお尋ねですが、住宅用火災警報器の普及を図るためには、設置の必要性について都民の理解を得ることが重要であります。
 このため、東京消防庁では、住宅火災による死者の発生状況や住宅用火災警報器の効果及び奏功事例について、新聞、テレビ、プロモーションビデオ、ホームページ等を活用した広報を行うとともに、防火座談会や防災訓練など、都民と接するあらゆる機会を通じて設置促進を図っております。
 今後とも、より一層都民の理解を得られるよう努めてまいります。
   〔都市整備局長柿堺至君登壇〕

○都市整備局長(柿堺至君) 既存都営住宅への住宅用火災警報器の設置についてでございますが、住宅は、都民が日々の生活を営むための基盤であり、火災から生命や財産を守るための安全対策を進めることは重要でございます。
 これまで都営住宅においては、建設に際して、法令に基づき必要な消防設備等を設置してまいりました。昨年三月の火災予防条例改正に伴い、平成二十二年度から既存住宅にも火災警報器の設置が義務づけられることになりました。このため、設置対象となる都営住宅約二十二万戸について、建設年次の古い住宅などから、平成十九年度より三年間で計画的に設置してまいります。
   〔福祉保健局長山内隆夫君登壇〕

○福祉保健局長(山内隆夫君) 子どもに関する四点のご質問にお答えいたします。
 初めに、子どもの食物アレルギー対策についてでございますが、アレルギーを持つ子どもが成長期に必要な栄養を十分摂取できるようにするためには、医師の指導のもと、家庭で原因食物の除去など的確な食事療法を行うことが重要であり、都は、相談事業や講演会を通じて啓発に努めてまいりました。
 来年度は、医師の診断に基づく正しい食事療法を一層促進するため、自己判断による食物制限の危険性も盛り込んだパンフレットを作成し、区市町村と連携して、乳幼児健診などの機会を活用して周知を図ってまいります。あわせて、ホームページ等で、専門的な検査、指導が可能な医療機関の情報提供を開始することとしております。
 今後とも、食物アレルギーを持つ子どもの保護者が的確に食事療法を行えるよう、対策の充実を図ってまいります。
 次に、保育所等での食物アレルギー問題への対応についてでございますが、子どもの食物アレルギーについては、家庭と同様、保育所等でも適切に対処することが必要でございます。
 都はこれまで、保育士、養護教諭等を対象とした研修を実施し、基礎的な知識や対応方法に関する情報の提供を行ってまいりました。
 来年度は、専門の医師や児童福祉、教育関係者などから成る検討会を設置し、家庭との連携の方策や、緊急時、お話しのエピネフリンを迅速に投与するための仕組みづくりなどについて検討を進めてまいります。
 今後とも、子どもの食物アレルギー対策を積極的に推進してまいります。
 次に、子どもの事故予防対策事業についてでございますが、子どもの不慮の事故は、誤飲や窒息、転倒など、子どもの目の高さや行動特性などを大人が十分に把握していないことで起きる場合が多いため、保護者の理解や意識を高める観点からの普及啓発が必要でございます。
 このため、保護者が子どもの目線や行動などをパソコンなどで擬似体験し、日常生活での危険を体感できるシミュレーションソフトを全国で初めて作成いたします。また、この体験が知識として身につくよう、ソフトと一体となった子どもの事故防止マニュアルを作成することとしております。
 今後、こうした生きた教材を、区市町村と連携しながら広く都民に普及を図ることにより、子どもの事故防止に対する保護者の共通理解や意識が深まるものと考えております。
 最後に、今後の子どもの事故予防の取り組みについてでございますが、現在、国においては、子どもの事故予防対策の推進を図るため、全国の事故情報の収集を行い、その原因を分析した上で、安全な製品づくりや保護者への普及啓発などに結びつける検討を行っております。
 子どもが健やかに成長するためには、事故予防も含めて子どもの安全を確保することが重要であることから、都としては、こうした国の動きを引き続き注視し、子どもの事故予防に関する具体的な取り組みに生かしてまいります。
   〔港湾局長津島隆一君登壇〕

○港湾局長(津島隆一君) 水質改善について、二点のご質問にお答えいたします。
 まず、運河における水質改善についてでありますが、都では、運河の水質を改善するため、これまで汚泥の堆積状況や水の汚濁度、水辺の利活用の状況等を総合的に勘案し、計画的にしゅんせつを実施してきております。
 お尋ねの京浜運河については、今年度、品川区八潮団地付近でしゅんせつを行っており、来年度以降も順次実施してまいります。また、勝島運河については、昨年十月に新たに運河ルネッサンス推進地区に指定したところであり、地元の要望を踏まえ、平成二十年度からの事業実施に向けて調整してまいります。
 あわせて、京浜運河の勝島橋北側では、生物の生息にも適した緩傾斜護岸の整備を昨年度から進めており、自然浄化能力の向上にも努めているところでございます。
 次に、東京港における今後の水質改善についてでございますが、都では、潤いのある水環境の再生を平成十九年度の重点事業として位置づけ、汚泥しゅんせつのほかに、水生生物等の浄化作用を利用した幅広い水質改善策を実施していくこととしております。
 具体的には、中央防波堤外側埋立地の東側に、都民の意見を反映させながらいそ浜を整備するとともに、台場地区でカキなどの生物を活用した水質浄化実験などを、地元住民やNPO等と協働で行っていくこととしております。このほかに、護岸に設けました小規模な干潟等の活用を図り、環境学習への支援などを積極的に行ってまいります。
 こうした自然を生かした多角的な取り組みを都民とともに行っていくことにより、東京港のより一層の水質改善を図ってまいります。
   〔環境局長村山寛司君登壇〕

○環境局長(村山寛司君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、東京湾の水質改善対策の強化についてでありますが、人口や産業の集中する首都圏を流域に持つ東京湾の水質改善を進めていくには、個別の自治体の努力と流域の自治体相互の連携の両方が必要でございます。現在、流域の一都三県は、東京湾に流入する汚濁負荷量を一層削減するため、第六次総量削減計画を策定中でございます。
 また、都は、「十年後の東京」で示された、人々が集い、にぎわいあふれる水辺空間の実現に向けまして、東京湾の水質改善を目指す多様な取り組みを展開することといたしております。
 来年度改定を行う環境基本計画におきましては、これらを踏まえて、東京湾の水質改善の課題を明確に位置づけ、首都圏の他の自治体とも連携しながら、この課題に積極的に取り組んでまいります。
 次に、地球温暖化の影響把握についてでありますが、東京における温暖化対策を強化していくためには、集中豪雨の激化、感染症の増加など、今後発生が懸念されるさまざまな影響を、この東京という大都市に焦点を当てて的確に把握することが重要でございます。
 こうした観点から、都は、来年度新たに地球温暖化が東京に及ぼす影響の調査を行い、都市気象や生態系の変化、都市活動への社会的、経済的な影響などを明らかにすることといたします。
 この調査を通しまして、東京の都市環境とそこに生きる次世代の都民に与える温暖化の影響と危機的状況を、広く都民と東京で活動する事業者の共通認識とすることにより、地球温暖化の危機に対応し、その進行を抑制する取り組みの強化を図ってまいります。

○六十七番(山加朱美君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。

○副議長(木内良明君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○副議長(木内良明君) ご異議なしと認め、さよう決定いたします。
 明日は、午後一時より会議を開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後八時四分散会

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