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Tokyo Metropolitan Assembly

平成十四年東京都議会会議録第十九号

○議長(三田敏哉君) 一番谷村孝彦君。
   〔一番谷村孝彦君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○一番(谷村孝彦君) 初めに、災害時の危機管理体制について伺います。
 知事は、本定例会所信表明で、新しく都に危機管理監を設置することを表明されました。また、七都県市では、仮称広域防災・危機管理対策会議を組織し、その常設事務局を都に設置することになりました。これまで、東京版FEMAを提唱し、首都圏FEMAを推進してきた者の一人として、高く評価するものであります。
 米国はこのたび、国土安全保障省を設置し、その中にFEMA、連邦危機管理局も、沿岸警備隊やシークレットサービスなどとともに統合されることになりました。危機管理の体制は、常に状況に応じて機能し効果が発揮されるよう改編していく必要があります。
 先日、私は、四十七都道府県の中で唯一、危機管理の担当官を特別職として配置している兵庫県に赴き、任命された防災監青砥謙一氏にお会いしてまいりました。危機管理監に与えられる権限について、例えば警察、消防、自衛隊に対する関与、また、電気、ガス、水道等のライフライン組織に関する指揮権などについて、法律上の制約がある中で、青砥氏が精いっぱい努力されている様子を伺ってまいりました。発足して六年、危機管理監にとって一番の課題は何かとの私の問いに、同氏は即座に、何といっても危機管理監のもとに実動部隊が存在していないということであり、現状では、指示、要請はできても、命令はできないと答えられました。
 都が危機管理監を配置するに当たっては、その権限を明確にし、危機管理監のもとに実動部隊を配置し、知事を強力に補佐できる体制を整える必要があります。見解を伺います。
 さらに、危機管理監は、平常時には各局の危機管理体制を調整しながらも、緊急時には、直接、各局の危機管理対応部門に迅速な指揮命令ができる体制が必要であります。そして、情報統括部門には、警察、消防、自衛隊からの人材の配備もすべきであります。このような危機管理監の役割と権能及びその直属組織の体制について、知事の見解を伺います。
 次に、都立高校の修学旅行について伺います。
 私は、都立高校関係者との懇談の中で、毎年実施をされている修学旅行に、経済的理由で参加できない生徒が必ずいること、長引く経済不況の中で、そうした生徒がふえている実態を知りました。残念なことには、経済的理由で中途退学を余儀なくされる生徒の多くは、修学旅行への不参加が退学への直接的な契機になるという、切実な声を耳にいたしました。まことに憂慮すべき事態であります。確認したところ、経済的理由で修学旅行に参加できなかった生徒は、中途退学した生徒を差し引いても、昨年度、都内全体で四百十九人もおりました。
 教育庁は、平成十一年度末に、国内修学旅行の保護者負担は税別で八万五千円以下とする旨の通知を出しております。しかし、翌平成十二年度では、百三十八校でこの上限額を上回る保護者負担金を徴収しており、昨年度、十三年度でも、五十一校がこの通知違反をしております。
 平成十三年度各会計決算特別委員会での質疑の結果、教育庁は改めて今年度の実態調査をすることになりましたが、今年度においても、この上限額を上回る高校があると聞き、学校関係者の対応には深い憤りを持つものであります。
 修学旅行については、ここ数年で旅行業界全体の価格破壊が進行し、かなり安価になっているにもかかわらず、修学旅行だけは依然として高い費用を強いられているといった数多くの批判が上がっております。
 私の調査によれば、その原因は二つあります。一つは、教育庁が定めている保護者負担の上限額が高いということであり、もう一つは、旅行業者の選定状況であります。
 まず第一に、設定されている保護者負担の上限額、税別で八万五千円については、例えば愛知県では六万五千円、三重県では税込み六万六千円で、北海道や沖縄へ行っております。それに比べて、東京は二万円以上も高い設定なのであります。
 大手旅行会社などが企画している旅行ツアーの場合、都立高校で実施している修学旅行と同条件で同時期のものであっても、三万八千八百円から四万、五万、六万円台の費用で、北海道、沖縄へのツアーが組まれております。まして修学旅行の場合、二人部屋に五人程度の生徒が宿泊をし、食事もさほど高価なものではなく、旅行会社やホテル業者からしてみれば毎年の固定客でもあり、むしろ逆に割引がなされてもおかしくない状況なのであります。
 したがって、教育庁が設定している上限額は現状と乖離しており、生徒や保護者のさまざまな事情を考慮するならば、この際、上限額を引き下げるべきであります。明快な見解を伺います。
 第二に、旅行業者の選定方法についてであります。
 都立高校においては、通常、ほとんどが二年時に修学旅行を実施しており、行き先を決定するのは、一年時の一学期にPTA総会などで了解を得て、学校長が決定をしております。しかし実際は、修学旅行の行き先はほぼ決定済みで、PTA総会は、形式的に保護者の了解を得る、単なるセレモニーの場にすぎません。したがって、毎年多額の費用負担を強いられる保護者や生徒の希望をもっと取り入れてほしいとの声が強く上がっております。
 事情をよく調べると、新学期前の三月に、新入生の担任や学年主任が決まった段階で、一年以上も先の修学旅行の行き先を、旅行業者からの情報提供だけでほぼ行き先を決定してしまうのだという声が、修学旅行に携わっている学校関係者から寄せられております。それを裏づけるように、昨年修学旅行を実施した都立の全日制高校百九十八校のうち、実に九五%の学校が、特定の旅行業者によって取り扱われているという事実が判明したのであります。都内全域の都立高校の生徒約四万五千人、加えて教師約二千六百人が参加することによってもたらされる、総額約四十億円の都立高校の修学旅行産業の寡占化、そこに保護者負担額が下がらない原因があったのであります。
 教育庁が策定した学校徴収金取扱要綱では、修学旅行の契約は、複数の業者から見積書を出させ、業者選定委員会を設けて決定をすることとなっておりますが、現状は、とても競争性が確保されているとは思えません。学校教育の透明性、健全性の視点からも、見直すべきであります。明快な今後の対応を伺います。
 なお、文部科学省の通達では、多くの生徒が修学旅行に参加できるようにすべきであるとしておりますが、都立定時制高校では、昨年、参加率が五〇%を切る学校が十二校もあり、全体で三割、七百三十三名の生徒が不参加となっております。特に定時制高校の修学旅行については、高い費用の見直しや実施期間等も含めて根本的に見直しを行い、一人でも多くの生徒が参加できるようにすべきであります。見解を伺います。
 次に、国民健康保険証の個人カード化について伺います。
 国民健康保険証を世帯員全員に一枚ずつ発行することは、平成十三年の法改正で既に決まっております。しかし、その際、当分の間は従前のままでよいとされたため、今日までその実施が見送られてまいりました。
 国民健康保険証が世帯員全員に発行されれば、家族が同じ日に別々の医療機関にかかることが可能となり、また、家族が地方へ行く場合などにコピーを持たせるような不都合が解消されると同時に、カード化によって携帯しやすくなるなど、被保険者の利便性は大きく向上します。
 来年度は国民健康保険証の書きかえ時期であり、まさに個人カード化すべき絶好のタイミングであります。国民健康保険証の個人カード化導入の進捗状況と今後の見通しについて伺います。
 最後に、多摩都市モノレールについて伺います。
 平成十年十一月、立川北から上北台までの一期区間が開業しましたが、先日、延べ乗客数が一億人を突破したとの発表がありました。モノレールの開業は、地域住民の利便性の向上はもとより、まちづくりにも大きく貢献するなど、多摩の発展に欠かせない効果をもたらしてきました。そこで、改めて、多摩都市モノレールの地域に果たしてきた貢献について、具体的に伺います。
 また、箱根ヶ崎への延伸については、二市一町の長年の悲願であり、モノレール導入のための土地区画整理などに努力を重ねております。先ほど、倉林議員への質問に対する答弁もありましたが、地元住民は、新青梅街道拡幅が始まることを心待ちにしております。この沿線地域では、日産村山工場の跡地開発計画の検討が進み、仄聞するところによりますと、この跡地北西部には大規模商業施設などの建設が検討をされております。横田基地の活用も視野に入れるならば、公共輸送機関の確保は不可欠であり、箱根ヶ崎への延伸は、交通不便地域の解消にとどまらず、地域開発の受け皿、そして都市活動を支える基幹的交通インフラとして、新たな意味合いを持ってくると思います。
 地域住民の悲願である将来の多摩都市モノレールの延伸について、引き続き取り組んでいただくことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 谷村孝彦議員の一般質問にお答えいたします。
 この日本自身のうちにも、また世界全体にも、いろいろな危機が現実に起こっているわけでありますが、翻って我が身を眺めますと、驚くほどそれに対する準備といいましょうか、対策が講じられておりません。
 私も、繰り返して申しましたが、横田の問題で昨年ワシントンに参りまして、前日ウォルフォヴィッツと訪ねたペンタゴンが、翌朝、目の前で物すごい火炎を上げて燃えているのを見て慄然といたしましたが、そういう体験も踏まえてですね、この日本に限って見ましても、驚くほど過去の経験や知見の整理がついておりません。それがなくして、どうして十全な対策ができるかと思うんですが、例えば東京周辺を眺めてみますと、首都圏を構成している七都県市の個々の県なり政令指定都市と政府を結ぶ電話線はあっても、県対県、市対市のネットワークというのは全然確保されておりませんで、何かのときに一体どこへ、だれに電話していいかわからぬ状態であります。
 そういうものもきちっと整理し直そうということで、自然災害を初めとする多様な危機から都民の生命と財産と、そして首都の機能を守るためには、これは全庁的な危機管理体制を整備することが急務であると認識いたしました。このため、平常時から情報を一元的に集約して、危機に際して指揮命令を混乱なく行えるように、来年四月、新たに局長級の危機管理監を設置いたすことにしました。また、現在の災害対策部門を抜本的に見直して、危機管理監直属の組織体制を構築するつもりでございます。
 先ほど兵庫県の例をいわれましたが、知事には、警察なり消防の監督権はありますけど、自衛隊に対する指揮権はございませんで、これは要請という形で、できるだけ早く協力を取りつけるつもりでおりますけれども、いずれにしろ、肝心のネットワークが、あるようでなかったというのは重大な欠陥でありまして、そういうものの整備から、都民、国民の負託にこたえるような管理体制を造成していきたいと思っております。
 他の質問については、教育長及び関係局長から答弁します。
   〔教育長横山洋吉君登壇〕

○教育長(横山洋吉君) 都立高校の修学旅行に関します三点の質問にお答え申し上げます。
 まず、修学旅行経費の上限額についてですが、修学旅行の生徒一人当たりの経費につきましては、平成十二年三月に、保護者負担の軽減などを図る観点から、学校徴収金取扱要綱を策定しまして、上限額を税別で八万五千円以下と定めたところでございます。
 しかし、お話のとおり、経済的な理由で参加できない生徒がいることや、他県において既に八万五千円を下回る上限額を定めている状況もありますことから、修学旅行の意義や目的に留意をしながら、早期に上限額の見直しを行ってまいります。
 また、各学校に対しては、定められた上限額を超えることのないよう指導を徹底してまいります。
 次に、修学旅行の契約方法についてですが、修学旅行の契約に当たりましては、学校内に設置をしました業者選定委員会において複数の指名業者を選定した上で、東京都契約事務規則に準拠して、入札等により業者を決定しておりますが、今後、より一層の競争性を確保するために、都におきます入札・契約制度改善のための実施策を参考としながら、指名業者に対して個別に仕様説明を行う方法とするなど、契約手続の改善を図ってまいります。
 最後に、定時制課程の修学旅行についてですが、修学旅行は、学校の教育課程に位置づけられた教育活動でございますことから、本来、すべての生徒が参加するものでございますが、お話のように、夜間定時制におきましては、仕事や経済的な理由などから参加できない生徒がいることは承知をいたしております。
 都教育委員会としましても、今後とも、修学旅行の趣旨を損なうことなく、生徒が参加しやすい日程を工夫したり、パック旅行等の活用によりまして費用の低額化を図るなどして、一人でも多くの生徒が参加できるよう、各学校を指導助言してまいります。
   〔総務局長赤星經昭君登壇〕

○総務局長(赤星經昭君) 危機管理体制の整備についての質問にお答え申し上げます。
 自然災害を初めといたします多様な危機に対処するためには、迅速的確な指揮命令のもと、庁内各局の危機管理部門が連携して取り組む体制を構築する必要がございます。このため、来年四月、災害時に知事を直接補佐する危機管理監を設置いたしまして、そのもとへ、各局への指揮命令、調整機能を持つ実動指令部門を設け、総合的な防災体制の向上を図ってまいります。
   〔福祉局長川崎裕康君登壇〕

○福祉局長(川崎裕康君) 国民健康保険被保険者証の個人カード化についてのご質問にお答えいたします。
 都内の区市町村及び国民健康保険組合を合わせた八十四保険者のうち、既に個人カード化を実施しておるのは三保険者でございます。被保険者証の次の更新時期でございます平成十五年四月に実施を予定しておりますのが三十一保険者でございます。
 都としては、個人カード化が被保険者の利便性の向上に資するものであることから、できるだけ早期に個人カード化が図られるよう、保険者に対し助言、指導をしてまいります。
   〔都市計画局長勝田三良君登壇〕

○都市計画局長(勝田三良君) 多摩都市モノレールの地域の発展に対する効果についてのお尋ねにお答え申し上げます。
 乗客数は着実に伸びてきておりまして、先月半ばには累計で一億人を達成いたしました。このことは、モノレールが通勤通学の足として定着してきたものと認識しております。
 沿線では、宅地開発や住宅建設が進み、人口も増加傾向にございまして、立川駅地区では、再開発などの効果と相まって、来訪者がこの四年間で一六%増加をいたしました。このように、多摩都市モノレールは沿線地域の発展に寄与しているものと受けとめております。

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