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Tokyo Metropolitan Assembly

平成十四年東京都議会会議録第十九号

○副議長(橋本辰二郎君) 九十二番山本賢太郎君。
   〔九十二番山本賢太郎君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○九十二番(山本賢太郎君) ご清聴のほどをお願い申し上げます。
 市ヶ谷の自衛隊で、日本は経済的繁栄にうつつを抜かして、精神的に空っぽになってしまっている、君たちにそれがわかるかと絶叫し、憂国の思いを吐露した三島由紀夫が四十五歳を一期に自決したのは、今から三十二年前の十一月二十五日でありました。
 また、北朝鮮のものと見られる不審船が繰り返し、繰り返し日本の領海に侵入してきていたのが四十年前からだといわれます。それ以来、このたび帰国されている五人の方々を初め、多くの方々が拉致されてきております。今になって見れば、経済的繁栄のみに心を奪われ、自国の国民も守れない、何とおかしな国、世界でも珍しい国だと、内外の心ある人々は思っております。
 国家の三要素は主権、領土、国民であり、国家は、この三つの要素を守ることが国家存立の基本であります。これが万一侵害されたら、断固排除することが国家の最大の使命でもあります。国家として基本的な要素である領土に関して、日本固有の領土である竹島、尖閣列島、北方領土について、外国がその領有権を主張し、国際問題となっているが、日本の対応は果たしてこれでよいでしょうか。また、自国民の保護は、拉致問題を含めて、これでよいだろうか。国益は守られているでしょうか。現代における国家の危機には、大規模な災害、国家間の戦争、テロ攻撃、広範囲な環境汚染などがあります。今の日本に、これらの危機に対処するための体制と心構えができているかといえば、私は極めて心もとない状況にあると思います。
 四年前に発刊された、麻生幾という人の書いた「宣戦布告」という本があります。最近映画化され、知事もごらんになられたようでありますが、その中で、十一名の北朝鮮兵士が敦賀半島に上陸したことによって、日本の警察、自衛隊、海上保安庁の出動についての指揮命令系統の煩雑さ、未熟さによって、自衛隊員が殺される場面があります。敵を追い詰めても、敵が撃ってこない間は発砲するなという命令のために、むざむざ数人が殺傷されてしまいます。日本の緊急事態における指揮命令の混乱を、危機管理の拙劣さを風刺し、責任を負って辞職することになる総理大臣は、この国は異常であるといっております。
 日本の危機意識を希薄にさせている原因の一つは、アメリカの軍事的庇護のもとに長く置かれていたから、自分の国は自分で守るという気概が育たなかったと指摘する人もおります。
 そしてもう一つは、一九四六年、日本はアメリカから占領政策の一環として、即製の憲法を与えられました。そして半世紀、その場、その場でつじつまを合わせて守ってきた憲法の存在を否定することはできません。
 対照的に、日本と同じく敗戦から出発したドイツは、両ドイツ統一前後を含めて、四十六回も基本法、すなわち憲法を改正しております。常に自分の国はどうあるべきかを問い続け、再軍備をし、完全な独立国として非常事態に対処し、軍事的対応ができるようになっております。
 翻って、我が国では本年の四月に、武力攻撃事態対処法案が国会に提出されましたが、これまでの議論の経過を見ると、日本及び日本人の危機意識の希薄さを痛感せざるを得ません。知事の危機に対する認識はどういうものですか。
 また、日本人の危機意識について、知事はいかがお考えですか。
 さらに、国防の最大重要法案をよく審議もせず、またまた来年の通常国会に先送りをしている。このような状況では、国家の主権と国民を適切に守れないと思います。現在、仮に悪意を持った国が、海外での日本人の拉致、その他この他、我が国に危害を加えるような行動に出た場合、憲法が足かせとなって思うような行動がとれない事態が想定されますが、このような憲法について知事はいかがお考えですか。
 さて、知事は、先月、アジア大都市ネットワーク21で共同の危機管理を提言し、さらに、来年四月を期して東京に危機管理監を置くことは、まさに時宜を得た大英断と存じます。
 最も新しい都政モニターのアンケートによれば、九四・四%の人々が、犯罪の増加傾向について懸念し、最近、都内の防犯や治安の面で不安を感じている人々も九六・三%おります。そして、その予防や治安対策としての主な意見は、パトロールの強化と交番の充実であります。残念ながら、都民の治安への危機意識が高まっております。
 昨年九月の米国の同時多発テロで大活躍したニューヨークのジュリアーニ市長は、任期中、最大の成果は犯罪の激減にあったといわれます。市長就任時のニューヨーク市は、殺人事件二千件、それに強姦、強盗、傷害、家宅侵入、窃盗、自動車泥棒を加えた七つの重犯罪は、約四十万七千件だったと伝えられます。これに対して市長は、組織改革を行い、事務職員を減らし、現場に出る制服警官を六年間で八千三百七十一名増員し、総数四万七十八名にしたといいます。その結果、四十万七千百四十一件の犯罪が、二十万二千百六件に激減したといいます。
 私は、何もニューヨークのまねをせよといっているのではありません。ニューヨークはニューヨーク、東京は東京であります。しかし、制服警官を都民の中に溶け込ませること、今都民が一番望んでいることは、交番にお巡りさんがいることであります。まちでお巡りさんに会うことであります。地方交付税の不交付団体である東京都、政令による警察官の配当数もわかります。厳しい財政難にあることは十分承知しておりますが、知事の英断によって、財源を何とかして捻出してでも警察官の増員を図り、安心の首都東京を確保すべきと思いますが、ご所見をお伺いいたします。
 次に、中央卸売市場について、生鮮食品流通について伺います。
 近年、産地による独自ブランド農産物への取り組み、農産物の契約栽培の拡大、外食産業による需要の多様化など、流通構造の変化や取引形態の多様化が進み、卸売市場を取り巻く環境は大きく変化をしてきております。こうした状況の中で、卸売市場が今後とも生鮮食品流通の中心的役割を担っていくためには、国の制度や規制を見直し、卸売市場制度に活を入れることが必要であります。そのために、規制のあり方を積極的に見直すなど、流通環境の変化に柔軟に対応できる効率的な卸売市場制度へと改革していく必要があると思いますが、ご所見を伺います。
 次に、BSEや食肉などの偽装表示問題及び中国産野菜における残留農薬、さらには無登録農薬の使用など、最近、食の安心、安全を揺るがす事件が発生しております。これまでも、東京都は市場を流通する食料品についての安全、安心を確保するため、さまざまな対策を講じてきておりますが、卸売市場に対する都民の信頼をより一層高めるためには、制度面でのさらなる対策が必要と考えます。このため、地方分権の趣旨に沿って、都として新たな規制も必要と思います。卸売市場の開設者として、食の安全、安心を図るために、条例改正等、制度面での検討も視野に入れて、都民、消費者のニーズに対応すべきと思いますが、お考えをお伺いいたします。
 次に、東部低地帯における耐震対策について伺います。
 東京の東部地帯は、地盤沈下により海面下となった地域が多く、過去に大きな水害を受けております。特に戦後の昭和二十四年九月に来襲したキティ台風は、江東デルタ地区と呼ばれる、墨田、江東、江戸川などの地域を中心に甚大な被害を及ぼしました。
 一方、昨年来襲した第十五号台風は、このキティ台風並みの高潮を発生させましたが、三百万人の都民が住む東部低地帯において、被害が全くなかったと伺います。これは多年の高潮対策が功を奏したものだと思います。しかし、地盤が低く、また、軟弱である東部地帯では、かつての阪神・淡路大震災のように、地震によって堤防破壊が発生する可能性があります。そこで、この地域の耐震対策はどうなっておりますか。
 また、隅田川や江東内部河川などにおいて、耐震対策とあわせて、親水性が確保されるスーパー堤防や親水護岸の整備を進めるべきと思います。東京都における耐震対策の進捗状況と今後の進め方についてお聞かせいただきます。
 東京の都市再生に幅広く取り組むには、都市の再生緊急整備地域を対象にしているだけでは不十分であり、例えば防災都市づくり推進計画における重点地域など、まちづくりの課題を抱えるさまざまな地域においても、地域の実情に即した都市再生がなければならないと思います。
 東京都は、この夏公表した、身近な都市再生のための新たな仕組みの中で、民間が取り組む身近な都市再生を支援するため、新たな制度の条例化を目指すといっております。では、密集市街地における都市再生を一層幅広く進めていくためには、新たな条例をいつ制定し、どのように取り組んでいくかをお伺いいたします。
 私の地元、墨田区の東墨田地区は、住工の混在する密集地帯であります。当地区では防災まちづくりに向けた活動として、国土交通省荒川工事事務所の働きかけにより、高規格堤防の整備とあわせたまちづくりの検討が進められ、平成八年より、地元住民の発案によるまちづくり構想を検討する東墨田地区防災まちづくり協議会が設立されております。平成十三年末、同協議会の整備計画検討会で整備計画案が策定され、住民に対して提示されたところであります。
 こうした状況の中で、本年七月、国土交通省において、木造密集市街地等の安全、環境整備や、大河川の根幹治水対策を都市再生の重要課題としてとらえ、高規格堤防と市街地整備に対する新たな事業スキームが示されたと聞きますが、どのようなものですか。
 また、東墨田地区において、住民の合意形成や地権者と行政機関との連絡調整の場として、まちづくり協議会を含めた東墨田まちづくり連絡会議がこの十一月に発足し、民意を踏まえたまちづくりが具体的に進められていることは大変喜ばしいことであります。そこで、こうした機運をつかまえて、積極的に事業を推進すべきと思いますが、いかがでございましょうか。
 以上をもって私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 山本賢太郎議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、危機意識についてでありますが、私は危機意識とは、つまるところ想像力の問題だと思います。いいかえますと、今とは違う、今がいかに安定、安寧の状況にあろうと、必ず事態は変わるんだという、そういう想定をするということ。お釈迦様は色即是空といわれましたが、これは、物事はすべて変わるということの意味でありまして、すべての物事は変わるわけです。徐々に変化するものもありますし、突然変化することもございます。クライシスというのは危機ということでしょうけれども、原語のギリシャ語は、東京都の志方参与、この緊急事態の危機管理の参与として迎えた志方さんの言によりますと、語源のギリシャ語は、ある事態が突然変わる、全く違う事態が到来するということの意味だそうでありまして、まさに私たちはそれに備える必要があるわけです。
 しかし、日本人は、防衛の問題を含めてアメリカ依存、そこから発した他力本願、他力依存に徹してきまして、そういう意味では、自分の身の回りに突然起こった厄介な出来事を自分の力で処理するという意欲、意識が極めて希薄であります。この十年間に限っても、阪神大震災、このときも、現地の知事がなぜか自衛隊の発動を望まなかったために、余計に人がたくさん死んだ。あるいは地下鉄サリン事件、こういったものが現実に起こっているわけでありまして――特に私、昨年、ワシントン滞在中にあの多発テロが起きました。
 先ほども申しましたが、前日に行ったペンタゴンが目の前で燃えているのを朝眺めて唖然としましたが、いたずらに費やしたその後の数日の間に、私の招待者でありましたハドソン・インスティチューションの幹部が、こうやって起こってみると、日本が経験したあのサリン事件は大変なものだったと思うけれども、ぜひその後何をしたかということを教えてほしいといわれましたが、いわれてみて、あの後日本は何をしたかというと、答えようがない。やったのは合同慰霊祭と裁判ぐらいでありまして、そういったら向こうは信じなかったわけでありますが、いずれにしろ、こういった危機に的確に対応していくには、海外のテロの動向なども十二分に注視しまして、いずれにしろ、この日本が持っているこれまでの甘い認識を一掃する必要があると思います。
 次いで、憲法についてでありますが、先日も実は「ニューズウイーク」から依頼されまして、向こうの本紙に日本の憲法についての論文を載せました。短いなりに要約して、向こうでは好評だったようでありますけれども、要するに、この憲法が歴史的に、我が国家・民族にとって正当性があるかないかということを、もうそろそろまともに考えたらいいと思います。
 あの敗戦という、私たちが近代国家として初めて味わった処女体験、その敗戦の日、向こうの八月十四日に、アメリカの「ニューヨークタイムズ」という代表的な新聞の論説を読みますと、漫画が添えてありまして、大きな、醜悪な、クジラより大きな怪物が、あんぐり口をあいて倒れている。その口の中に、アメリカ兵が三人やっとこを持って入って、そのきばを抜いている漫画が添えられておりました。
 そしてその論説は、この怪物は倒れはしたが、我々はこれから永久にかかってでもこの骨ときばを徹底して抜かなくてはならない。これはこの怪物を倒す作業よりもっと困難かもしれないが、アメリカのために、世界のためにやるんだと。
 これは、数カ月前にドイツが降伏したときの論調とは全く違いまして、何をいっているかというと、つまり、有色人種で唯一、日本人がつくった近代国家が、白人の近代主義にとっていかに目ざわりで恐ろしいものであったかという証左であります。そういう意識のもとに、日本の永久なる占領が始まった。
 ところが、冷戦構造がすぐに始まって、朝鮮戦争が起こり、アメリカの日本に対する認識というか、その価値観も違ったわけでありまして、そのころ急遽つくられた憲法というものは、大体、日本を永久に占領するつもりでつくったわけで、しかもその統治は、非常に戦争中の日本の軍閥による激しい言論統制のもとに行われました。
 そして、それを正当化するために、片っ方では、一つのおもちゃとして、それを糊塗する道具として憲法はつくられた。しかし、その憲法は、やがて日本は変えるだろうというもとに彼らは想定したのでしょうけれども、しかし、占領下においてこれを変えさせることはまかりならぬということで、五十六条でしたか何条でしたか、憲法改定の条項がありまして、これはもう非常に至難のことであります。
 それにおびえてか、戦後も、独立後も、日本はその作業をしなかったわけでありますが、しかし、私、世の中に割と早く出たものですから、文壇とのかかわりが深かった白洲次郎さんと、よく一緒につき合わせていただきました。一緒にゴルフをしながら、一体ああいうばかな憲法を何でつくったのか、何で変えなかったのか、あの日本語は一体何なんだといいましたら、おれは、確かに君にいわれるとおり、日本語より英語の方がうまい。そのおれが二日間かかって仲間と一緒に日本語に訳した。あんなものが日本語として間違っていないわけはない。こんなものをさっさと変えない日本人はばかなんだと。私は、単独講和、講和条約をやった後、当然変えると思ったけど、まだ日本人は変えないんだなということをいわれまして、私は非常に強い印象を受けましたが、とにかくあの憲法の性格を規定している、決してこれは間違いじゃありませんけれども、あの前文の醜悪な日本語、私は小説家としてあの文章を許すわけにいかない。助詞が二つも三つも間違って使われています。
 事ほどさように、非常に醜悪な日本語でつづられた憲法というものは、助詞一つを直すにしても、国会で三分の二以上の議決、そして国民投票で過半の投票を得なければ、憲法の一字一句も変わらないという規定というものを、私たちはなぜか盲信してきたわけで、そういう条文にとらわれることなくて、もっと大きな見地で歴史的にこれを反省し、占領されているという異常な事態の中でああいう形で行われた憲法が、今日の日本にとって、日本人にとって、歴史的な正当性を持つか持たないかということを、私は国会で決めたらいいと思う。私がもし総理大臣だったら、この提案をしますね。そしてもしそれが五十一対四十九で可決されたならば、国民の総意として、この憲法は歴史的な正当性を持たないということですから、あとはそれをもとに、五十六条などは無視して、私は新しい憲法をつくるという作業は、改定ではなしに行われるべきだと思う。つまり、国会がそういう議決をすれば、私たちは、国家として、民族としてこの憲法を破棄できるわけであります。そこから私は本当の独立が始まっていくと思っております。
 次いで、警察官の増員についてでありますけれども、先般も質問が出ましたが、本当に東京の治安というものは、刻一刻悪くなりつつあります。警察官は警察官で必死の努力をしておりますけれども、なかなか犯罪の総数に対して、警察官の手が回らない。もっともっと一般人がそれを分担するような部門もあると思います、例えば駐車違反の整理とかその他。
 これをここでいい出しますと、警察庁が好まなくて、私はもうちょっと市民の警察活動にできるところは参加を要望したらいいと思うし、許したらいいと思うのですが、それはそれにしても、ジュリアーニがやった実績にならいますと、前に申しましたが、これはやっぱり警察を思い切ってコンピュータライズして、非常に時間がたくさんできた。その警察官としての可処分時間を、軽犯罪の要するに摘発に向けたために、それが引き金になって起こってくる大きな犯罪というものは事前に抑止されたといういい結果になったそうでありまして、この、警察官の増員と、もう一つ、お巡りさんたちの時間というものの幅を持たせる、生み出すIT化というものを、都庁もおくれておりますけれども、この首都の警察が、いかなる部門にも先んじて行うべきではないか。増員とあわせて、私たちそれを積極的に考えていきたいと思っております。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔中央卸売市場長碇山幸夫君登壇〕

○中央卸売市場長(碇山幸夫君) 生鮮食料品流通に関します二点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、卸売市場制度の改革についてのお尋ねでございます。
 生鮮食料品流通の根幹をなすべき卸売市場でございますが、画一的な規制の現行法のもとで、ご指摘のような、時代の変化に即応できない面もございます。都といたしましても、規制緩和などの制度改革要求に早急に取り組む必要があると認識しております。
 このため、全国五十六都市の中央卸売市場の開設者とともに、消費者の多様なニ-ズに対応しました品ぞろえ、あるいは物流の効率化など、法制度に係ります七項目の改善案をまとめ、先般、国に提言を行いました。
 この提言でございますが、法令による画一的な規制から、地域の実情に応じました規制緩和、それと、食の安全性と安心を確保するための新たな規制などを基本といたしまして、時代の風にかなった卸売市場制度の構築を目指したものでございます。
 今後とも、引き続き市場の制度改革に取り組み、柔軟で効率的な市場流通システムの実現に向けまして努めてまいります。
 次に、市場におきます食の安全、安心を確保するための取り組みについてであります。
 東京都中央卸売市場条例は、その第七十五条で、人の健康を損なうおそれのある物品が市場に搬入されることがないように努めると規定されております。これまで、BSE発生時におきます、と畜牛育成履歴申告書の提出の義務づけなど、この規定によりまして都独自の取り組みを行ってきたところでございます。
 今後、食の安全、安心をより確保するために、市場開設者として、この規定の実効性をさらに高めるための方策が必要であると考えております。制度面の見直しなどにつきまして、ご指摘の趣旨を踏まえまして、検討してまいります。
   〔都市計画局長勝田三良君登壇〕

○都市計画局長(勝田三良君) 密集市街地における都市再生等に関します三点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、密集市街地における都市再生を進めるための取り組みについてでございますが、敷地の細分化が進んだ密集市街地では、個別の建てかえによる合理的な土地利用が困難でございまして、また、権利関係が複雑で多岐にわたるため、再開発の合意が得られにくい状況にございます。
 こうした密集市街地の再編整備を進めるためには、地域の実情に即して、小さな規模の再開発を段階的に実施していくための方策が必要でございます。
 そこで現在、このような地権者等の意欲を生かした都市づくりを推進するための新たな条例案を、平成十五年第一回都議会定例会に付議すべく、準備を進めております。
 次に、国の平成十五年度重点施策に位置づけられました水辺都市再生事業についてでございますが、これは、治水上の安全性の向上と木造住宅密集市街地の緊急的改善を図るため、高規格堤防、いわゆるスーパー堤防でございますが、スーパー堤防とその周辺市街地を一体的に整備する土地区画整理事業を、都市基盤整備公団を活用して推進するものでございます。
 現在、国及び東京都、公団等により、それぞれの役割分担や費用負担ルールの明確化など、事業の円滑な推進に必要な事項の調整を行っている段階でございます。
 最後に、事業推進に向けた取り組みについてでございますが、東墨田地区については、環境改善計画事業により地域環境の整備を進めてきたところでございますが、今後は、新たに創設される水辺都市再生事業により、密集市街地の改善とスーパー堤防を一体的に整備することが効果的であると考えております。
 都といたしましては、これまでの経緯や地元の意向等を踏まえ、本年十一月に発足した東墨田まちづくり連絡会議に積極的に参画するとともに、都有地活用の検討を含め、事業の円滑な推進に努めてまいります。
   〔建設局長小峰良介君登壇〕

○建設局長(小峰良介君) 東部低地帯についての二点の質問にお答えいたします。
 まず、東部低地帯における河川の耐震対策についてでございますが、これまでも、震災時に東部低地帯に居住する都民の生命と財産を守るため、隅田川や旧江戸川などでは、耐震対策と水辺環境の改善を目的として、スーパー堤防の整備を進めるとともに、小名木川や竪川など江東内部河川においても、耐震護岸の整備を行ってまいりました。
 加えて、平成七年の阪神・淡路大震災において、大阪の淀川などで液状化による堤防の被害が生じたことから、隅田川、中川などの外郭堤防や水門について緊急対策を実施しております。
 これらの事業を総合的に進めることによって東部低地帯の大地震に対する安全性を確保してまいります。
 次に、耐震対策の進捗状況と今後の進め方についてでございますが、スーパー堤防については、計画延長二十三キロのうち、平成十三年度末までに十キロが完成しており、今後も、民間事業者などによるまちづくりと連携し、整備を進めてまいります。
 江東内部河川の耐震護岸につきましては、計画延長二十三キロのうち、十三年度末で十四キロが完成しており、今後も背後地盤の低い箇所から着実に進捗を図ってまいります。
 緊急対策につきましては、計画延長十七キロが十五年度に完了する予定でございます。
 また、液状化の判定基準の改定により、新たに対策が必要となる中川などについても、引き続き、耐震対策に積極的に取り組んでまいります。

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