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Tokyo Metropolitan Assembly

平成十四年東京都議会会議録第十八号

   午後三時十七分開議

○副議長(橋本辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 百二十四番和田宗春君。
   〔百二十四番和田宗春君登壇〕

○百二十四番(和田宗春君) 質問に先立ちまして、今般の同僚議員の不祥事を、議場の皆さん、そして都民の皆様に心より深くおわびを申し上げます。
 私は、都議会民主党を代表して、都政の主要課題について、石原知事並びに関係局長に伺います。
 まず冒頭に、今後の都政運営に対する知事の決意を伺わなければなりません。
 この間、松形宮崎県知事、平松大分県知事、北川三重県知事、井本佐賀県知事、そして岡崎神奈川県知事など、府県行政のリーダーとなってきた方々の知事選不出馬表明が相次ぐなど、来春の知事選挙に関連してさまざまな動きが出てきています。
 石原知事に関しても、国政に対する絶望感から、石原新党、石原総理に対する期待が再三マスコミをにぎわし、いつ国政に復帰するのかが焦点になる一方で、知事は出馬する、いや知事選に再選出馬してもいつやめるかわからないとの声が出るなど、さまざまな思惑が飛び交っております。
 しかし、既に知事の示した方針によって平成十五年度予算編成作業が進められ、今月五日から、知事自身による査定作業が進められています。これは当然、平成十五年度も石原知事が責任を持って予算を執行するとの意思表明と受けとめるべきでありましょう。
 そこで伺いますが、現在編成中の予算は、来年の春に都民の審判を経たならば、知事自身の責任で執行されるお考えか、また、次期も知事の任につかれるならば、任期を全うされるお考えか、石原知事の決意を伺います。
 さて、上場企業の九月中間決算では、金融を除く全産業の連結ベースの経常利益は、前年同期比約四〇%の増益で、純利益は二倍以上に増加をしております。しかし、不良債権処理の加速やイラク情勢など不透明な要素がメジロ押しであり、来年度の日本経済は名目成長率のマイナス幅を広げる予測が大半を占めています。政府がいかにデフレ対策を進めるかが、今後の日本経済の動向を大きく左右することになります。
 知事は、現在の経済情勢をどのようにとらえ、政府のデフレ対策をどのように評価しているのか、伺います。
 デフレに立ち向かうには、東京都は選択肢の限られた自治体ではありますが、経済再生効果の高い事業を多数抱えた自治体でもあります。堅実な財政運営も大事ではありますが、それに余り固執していては、緊縮財政が経済の後退を招き、さらに緊縮を招く悪循環に陥りかねません。
 さきに審議された十三年度一般会計決算では、不用額が実に一千四百七十八億円も出ています。限りある財源も、それがフルに活用されなければ、所期の成果を上げることはできません。予算編成時に見積もった事業については、確実にその進捗を図り、事業を通じて都民に対して施策の効果を還元すべきであります。
 また、社会経済は生き物であり、時々刻々と状況が変化していきます。そうした状況の変化に対応するために、必要な事業に対しては、投資効果の高いものを中心に重点的な財源配分を行うとともに、年度中においても柔軟な予算執行を図るのはもちろんのこと、必要ならば、補正予算を組んででも対応すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、都区財政調整制度にかかわる固定資産税の減免について伺います。
 我が国の景気、経済は、個人消費や企業の設備投資の低迷を受けて、特別区を取り巻く財政事情も極めて厳しいものがあります。しかし、特別区には人口回復を受けての行政需要の増大、少子高齢化社会への対応、電子自治体への整備、資源循環型社会への移行など、緊急に取り組むべき課題が山積しております。この特別区の財源の多くは、都区財政調整制度によって調整税の五二%が交付される調整交付金によって賄われております。
 この調整税の財源である固定資産税について、知事は、さきの所信表明において、特別区の協力も受けて減免を継続すると述べられました。確かに現在の経済情勢を踏まえれば当然の措置であり、固定資産税の減免は東京都の所管するところではありますが、同時に、同税は特別区の税源でもあります。特に、小規模非住宅用地の減免については特別区から要請も出されていますが、東京都は、平成十五年度に向けて、この減免についてどのように位置づけをしようとしているのか、見解を伺います。
 なお、小規模な非住宅用地を対象とする固定資産税、都市計画税の減免措置は、平成十四年度予算編成後に唐突に打ち出され、特別区を困惑させたものであります。この経緯を踏まえ、都区協議には誠意を持って臨まれるよう求めておきます。
 次に、食品安全の問題について伺います。
 昨年の牛海綿状脳症いわゆるBSE事件以来、食の安全をめぐる問題がさらけ出されました。この事態を受けて、政府は、食品安全行政の全面的見直しに着手し、来年の通常国会では、食品安全基本法、食品安全委員会設置法、食品衛生法、その他の改正案が提出されるとのことであります。これらの法律は、リスク分析という新しい考えを導入するとしております。
 私たちも、第二回定例会の代表質問で、知事の姿勢について伺ったところであります。また、知事は、来年度予算の重要施策に食品の安全を掲げています。この知事の姿勢を大いに歓迎し、以下、質問をいたします。
 リスクコミュニケーションは、これまでの行政にはなかった新しい手法であります。これは一方的な情報提供や普及啓発ではなく、医療におけるインフォームド・コンセントと同様に、リスク評価やリスク管理を消費者の納得を得て進めていくというものであります。したがって、新しい制度そのものがリスクコミュニケーション、すなわち消費者の参加を得て進められなければなりません。新しい制度の提案、食品安全確保対策基本方針の改定、さらに、安全性評価、管理体制の制度設計などの全過程にリスクコミュニケーションが必要であると考えますが、見解を伺います。
 東京都は、食品の安全条例を評価し、リスクコミュニケーションを進める機関として、食品安全情報評価委員会を設置するとしています。この委員会の概要を早い時期に都民に示し、さらに消費者の参加をきちんと確保すべきと考えますが、見解を伺います。
 一方、食品安全条例の制定に当たっては、食品安全情報評価委員会の設置根拠を盛り込むとともに、リスク評価やトレーサビリティー表示の実施についても規定するなど、強力に食の安全確保施策を推進すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、江戸開府四百年事業について伺います。
 私は、来年に予定されている江戸開府四百年事業を、東京の元気を取り戻すきっかけとなる事業として展開すべきであると考えます。知事は、民間が中心になって四百年事業を展開してもらいたいといっていますが、その民間が、低迷する景気の中で四苦八苦しています。こうしたときこそ、行政が主導権をとってしかるべきではないでしょうか。特に、知事は観光政策を重視してまいりました。江戸以来の財産を観光資源として、観光振興の視点から江戸開府四百年事業を積極的に推進すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 民間レベルでは、東京商工会議所が事務局となって江戸開府四百年事業推進協議会を発足し、去る十月には基本計画を発表いたしました。その基本計画によりますと、挑戦を続けるフェニックス都市などのテーマのもとに事業を実施することとしていますが、これに東京都がいかにかかわり、どのように参加しようとしているのかが、全く見えてきていません。江戸開府四百年事業への東京都としての具体的な取り組みを伺います。
 さて、東京都では、伝統工芸品産業の保護育成を図るため、東京都伝統工芸品認定制度を設けています。平成十四年一月には、八年ぶりに新品目の認定を行い、江戸ガラスなど三品が加わって、合計四十品目となりました。同時に後継者育成のため、伝統工芸士の認定資格基準を改定し、認定人数をふやすことになりました。
 しかし、江戸以来のいわゆる伝統工芸は、それぞれの業種としては生き続けてはいるもの、それだけでは成り立たなくなっているのが現実ではないでしょうか。このまま放置していれば、その業種自体が消えていくおそれがあります。私は、江戸開府四百年を機に、伝統工芸のさらなる振興を図っていくべきと考えますが、見解を伺います。
 東京都内では、都市再生を旗印とした再開発が活発であります。しかし、その一方で、歴史的な町並みが減りつつあります。江戸の名残を残す寺町谷中などにもどんどんマンションが建ち、また、国会議事堂の背後には高層ビルがそびえ立って見えるという、他の先進都市ではあり得ないような景観破壊が起こっております。
 東京都では、歴史的建造物の周辺百メートルの地域において、この景観をできるだけ遮らないように、周辺の建築物の配置を工夫するよう指針を定めております。十一年十一月二十七日には、柴又帝釈天題経寺の大客殿などを新たに歴史的建造物に選定しており、私は、こうした歴史的景観を保全する取り組みをさらに充実させるべきと考えます。
 また、古い町並みだけなく、広告のはんらんや、ばらばらの壁面線あるいは電柱や電線などがあふれる粗悪な町並みを、デザイン的に統一された町並みに誘導していくことも必要であります。
 東京都では、景観形成を図るべきエリアにおいて、まちづくり専門家である町並みデザイナーを派遣する事業を検討しておりますが、私は、この事業に、ハード面の町並み整備だけでなく、例えば街角にヘブンアーチストが立つことなどのにぎわい空間をコーディネートすることで、より文化的で魅力ある町並みが創設できるのではないかと考えるものであります。
 私は、このように歴史的な景観の保全と新たな町並みの形成に、より重点的に取り組み、東京の都市の魅力を高めていくべきと考えますが、見解を伺います。
 最後に、東京のような成熟した都市は、道路や交通などのハードの都市づくりに加え、芸術文化や都市文化の振興を通じて、まちの美しさや楽しさを大事にした都市づくりが必要と考えます。千客万来は、人間的な触れ合い、楽しさなど、精神的な充実への期待があるからこそ、人々はまちを訪れるのであります。
 景気が悪くなって東京に人が来なくなるのは、東京に人を魅了する、いわゆる文化に欠けるものがあるからではないでしょうか。にもかかわらず、今回の重要施策、重点事業には文化が欠けております。文化振興のための環境整備は、東京再生に欠くべからざる重要な要件と考えますが、今回の重要施策、重点事業になぜゆえ文化を盛り込まなかったのか、芸術家、文化人でもある石原知事の見解を伺います。
 次に、障害者の地域生活基盤の整備促進と自立支援策について伺います。
 国は、十月に新障害者基本計画の骨子案を公表、十二月下旬には本計画を策定し、これまで行ってきた措置から契約への移行、欠格条項の見直しに続いて、今後十年間にわたる障害者施策において、障害者の社会参加、参画を一層推進し、施設入所から地域での生活への移行や自立支援策を充実させるとのことであります。
 東京都は、既に国に先駆ける形で、今年二月に福祉改革STEP2を策定し、地域での自立を支える新しい福祉の実現に向け、施設入所中心の福祉からの脱却を図っております。また、来年度からは、支援費制度の実施により、障害者の自己選択と自己決定によるサービスの提供が行われていくこととなり、そのために十分な資源を地域に用意することが求められております。
 施設入所中心の福祉から脱却するには、施設から地域への移行を積極的に進めるとともに、地域においては、障害者の生活を支えるさまざまなサービス基盤を充実する必要があります。こうした視点で、施設から在宅への流れを確実にする施策の推進に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 自立した生活の実現には、経済的基盤の確立が欠かせません。平成十年度「障害者の生活実態」によりますと、年金等を含めた収入が百五十万に満たない人が、身体障害者で五〇・三%、知的障害者で七七・九%、精神障害者で七七・九%となっております。この低収入という障害者の自立生活を阻害している大きな要因として、就労の問題があります。こうした現状にかんがみ、自立して生活するに十分な収入が確保できるよう、障害者の就労に関して積極的な対策を講ずる必要があると考えますが、見解を伺います。
 また、真に利用者本意の制度を構築し、適切な制度運営を行うために、新しい制度の導入で新たに生じるニーズを的確に把握する調査を実施すべきと考えますが、見解を伺います。
 障害者の生活の質をより高いものにするためには、学校卒業後の社会参加、自立に向けて、低学年の段階から、社会生活に必要である基本的な生活習慣や知識、技能などについての教育を十分に行うことが必要であります。このため、ライフステージの各段階における社会参加、自立を目指した適切な教育のあり方を検討していく必要があると考えますが、見解を伺います。
 次に、子ども施策についてお伺いをいたします。
 社会経済情勢の急激な変化により、家族のあり方も変化し、子育てに不安を抱える親がふえてきています。東京都は従来から、こうした不安を抱える子育て中の親に対し、いつでも気軽に相談できて、ほかの親たちと話をしたりする中で、地域における子育て機能の補完や強化を図るという子ども家庭支援センター事業を進めてまいりました。しかしながら、虐待の深刻化に歯どめがかからない現況に対応し、より高度なニーズにこたえ得る機能が求められております。今後とも、子ども家庭支援センターの整備促進とともに、センター機能の一層の充実を図るべきと考えますが、見解を伺います。
 東京都は、二十九年前から全国に先駆け、養育専門里親制度を推進してまいりました。子どもの成長と自立を促す場所として、一定期間、家庭を開放する新しい形の里親制度は、子どもの権利条約にも通ずる先見性があり、今日、世界各国が、虐待された児童に家庭的環境での養育を進めていることとも合致する革新的なものであり、高く評価したいと思います。
 しかし、革新的な制度である養育家庭制度は、残念ながら十分活用されてきませんでした。現在は、東京都の保護が必要な児童の実に九割以上が施設で生活をしております。
 福祉局では、里親のケアとサポートを行ってきた九カ所の養育家庭センターを廃止いたしました。里親や里子は生活を送る上でさまざまな困難を抱えており、ケアやサポートを強く求めております。専門的な支援と、里親や民間の力をも結集したきめ細かな支援を行って、幅広く里親をサポートする体制の整備が不可欠であります。
 里親専任部署の設置、児童福祉司の積極的な関与など児童相談所の体制を充実するとともに、里親研修の充実や里親交流など、養育家庭を総合的に支える取り組みが必要と考えますが、見解を伺います。
 去る十一月三日、栃木県宇都宮市で、里親が乳児院から引き取った三歳の女の子に暴行し、死亡させるという痛ましい事件が置きました。こうした事件を東京で起こさないためにも、養育家庭に子どもたちを委託したら、例えば一週間後には必ず児童相談所の職員が家庭訪問すること、また、それが可能となるような体制を整えて、養育家庭に直接足を運ぶ回数をふやすよう、最後に強く要望を申し上げておきます。
 次に、地球温暖化対策について伺います。
 東京におけるエネルギー使用量の増大は、都市のあり方そのものに起因をしており、とりわけ、都市再生を旗印にビル建設などの都市開発が進み、都市活動が活発になれば、それに比例して東京の消費エネルギーはふえることになります。
 持続可能な発展のためには、今回の、都市と地球の温暖化阻止に関する基本方針でも述べられているように、東京全体を省エネルギー型の都市構造に転換していくことが必要であり、この観点から、都市づくりと温暖化対策との連携は極めて重要な課題であります。
 個々の建築物においてより高い省エネルギー性能の達成を進めるとともに、大規模な開発など都市づくりの中でも温暖化対策の観点が貫かれるべきと考えますが、見解を伺います。
 省エネルギー対策に加え、これからの温暖化対策にとって大きなウエートを占めるのが、化石燃料から再生可能エネルギーへの利用転換であります。太陽光発電、バイオマスなどの再生可能エネルギーの代表選手である風力発電は、欧州では急速に市場規模を拡大してきており、今日では、主要な成長産業の一つとして注目されてきているのであります。再生可能エネルギーは、環境に優しいだけではなく、新たなビッグビジネスとして、経済活性化に重要な役割を果たし得るものであります。
 東京都では、今年度、臨海部で風力発電の整備を進めていますが、単に施設整備を行うだけではインパクトがありません。私は、その稼働をも一つの契機として、東京から再生可能エネルギーの市場拡大を目指す一大キャンペーンを展開すべきと考えますが、見解を伺います。
 東京都における温暖化対策としては、都市づくりと連動した省エネ施策、再生可能エネルギーの開発に加え、都民生活全般の見直しも不可欠であります。
 消費者に省エネ情報が伝わる仕組みとして、私たちは、省エネラベル実施を果たさせ、その拡充などを求めてまいりましたが、都民生活を見直すてことして、未来の環境行動家を育てていくことも重要であります。そのためには、都内の小中学校などとも連携していくことが大切であると考えます。
 都民生活全般の見直しに向け、温暖化問題に関する普及啓発を今後どのように進めていくのか、見解を伺います。
 既に東京都は、平成十三年三月に、地球をまもる都庁プランを策定し、その中で、温室効果ガスの削減目標も決めています。しかし、その目標水準は、温暖化対策などが都政の重要施策となった今日、もはや十分なものとはいえなくなりました。また、同じように、グリーン購入基準として東京都が策定した、環境に配慮した物品調達ガイドなども見直しが必要な時期に来ていると思います。
 そこで、私は、これらの計画や基準を、今日的に求められる温暖化対策の観点から見直し、強化すべきであると考えますが、見解を伺うものであります。
 東京都の中でも下水道局は、事業活動に伴う温室効果ガス排出量が多く、東京都の事務事業で排出する温室効果ガスのうち実に四六%、約半分を占め、都内で消費される全電力の一%を消費しております。
 下水道局では、技術の効率化、採算性といった二つの課題に対応するために、バイオマスエネルギーの一つである、汚泥消化過程で発生する消化ガス、これを最大限に活用した常用発電事業に取り組んでおり、日本の下水道事業では初めてのPFIによる事業化に向けて、先ごろ契約を締結したと聞いております。
 そこで、このPFI事業により得られる環境効果と採算性にかかわるコスト縮減効果についてどのように考えているのか伺います。
 また、地球環境問題への取り組みは、それぞれの事業活動のあらゆる場面で継続的に実施していかなければなりません。地球温暖化対策をさらに効果的に進めていくためには、新技術の開発、導入に加え、処理場等の既存施設の改善など、総合的な対策を進めていくことが必要であると考えます。今後の取り組みについて見解を伺います。
 次に、地域における産業振興について伺います。
 まず、中小企業対策についてでありますが、石原知事が重要施策の中で、中小企業の制度融資目標額を過去最大の一兆七千五百億円としたほか、事業再生融資の新設や自律経営を促すための融資へのクイック型の制度の新設を初め、セーフティーネット型資金など既存制度の拡充を図ったことは、時宜を得たものと評価するものであります。
 しかし、知事がこのような努力をする中で、金融機関の役割とは一体何であるかを改めて考えさせられるのであります。
 自己資本比率の高い金融機関が都民にとってよい銀行であるとは限りません。地域の経済活動にいかに貢献しているかが、都民にとってよい銀行であるはずであります。国会で民主党が提案している金融アセスメント法案は、公共性に基づいた銀行の情報公開のルールを設定し、銀行が利用者を意識した経営を行うよう促すものであり、この法律の制定によって、地域と中小企業への円滑な資金需給を図ることや、貸す側と借りる側との公正な取引関係をつくることなどを目指しております。
 石原知事あてにも、中小企業団体からは、同様の趣旨で金融アセスメント条例の制定について要望があると思われますが、知事は、銀行が貸し渋りや貸しはがしをせず、みずからが地域経済に貢献していくような手法についてどのように考えていらっしゃるのか、見解を伺います。
 また、石原知事は、当選以来、中小企業の資金調達の多様化について取り組んでまいりました。
 中小企業向けの債券市場の創設では、CLOの発行で、これまで約五千二百企業に、発行総額一千九百億円を超える資金供給の実績を上げ、先月には、行政主導による日本で初めてのCBOの募集を始めているのであります。
 また、平成十二年九月には、自治体が出資したものとしては最初の、中小企業投資事業有限責任組合を設立し、将来性のある中小、ベンチャー企業に株式取得などの形で投資するなど、支援を行っております。
 このように、中小企業の資金調達の多様化を図ることは極めて意義が大きく、特にベンチャーキャピタルファンドについては、若い企業への投資の呼び水となることが期待されています。私は、このベンチャーキャピタルファンドを活用してものづくり関連企業への投資を通じることなどによって、さらに東京の産業の活性化を図っていくべきと考えますが、見解を伺うものであります。
 次に、商店街の振興について伺います。
 これまで私たちは、元気を出せ商店街事業は、区市町村が策定したプランに基づいて展開されるハード、ソフト両面にわたる包括的な施策として再構築すべきだと主張してまいりました。
 今回、産業労働局が示したはばたけ商店街事業などは、これまでの私たちの主張に沿ったものであり、これが十五年度予算で実現すれば、各商店街や未組織商店街、NPOなどは、区市町村との連携のもと、より有効で効果の高い商店街振興策を選択し、実施していくことが期待されます。
 また、商店街対策としては、新たに、個店の改善、活性化が求められており、人材育成でも、若い人に着目した取り組みが求められております。
 私は、個店対策や人材育成の創設を図り、より包括的で充実した商店街振興策を展開すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、地域における特色ある産業の振興について伺います。
 石原知事のもとでは、杉並区や練馬区など中央線、西武線沿線におけるアニメ産業、あるいは秋葉原におけるIT産業などの集積、振興に取り組んできたところであります。
 しかし、今申し上げた地域や産業以外にも、東京には、魅力のある地域の産業の集積が見られます。例えば城北地区では、特に板橋区において精密機械や光学機器などの産業が集積しておりますし、多摩地域では、電子計算機や通信機械器具などの電気機械にかかわる産業が集積をしております。
 私は、こうした地域の産業を生かすために、地域からの発意を促し、まちづくりや文化振興と絡めながら、地域の資源を活用した産業振興に積極的に取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺います。
 産業振興を図る上で、NPOの役割も決して小さくはありません。産業労働局が今年まとめた、産業活性化に向けた企業とNPOの協働に関する調査報告書でも、NPOは今後の発展成長との関係では大きな可能性を秘めていることを指摘し、産業活性化に向けたNPOへの支援の方向を打ち出しています。
 私は、この報告書にもあるとおり、NPOとの協働による産業活性化に向けた支援として、マネジメント能力の向上を初め、NPOと企業との情報の共有やマッチングの機会づくりなど、企業とNPOとの協働推進に向けた環境整備について積極的に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、物流対策について伺います。
 今日の非効率的な物流機能を改善し、物流の高コスト構造を是正していくことは、産業を活性化させる上で極めて重要であります。また、物流の効率化は、産業の活性化だけでなく、自動車公害などの外部不経済を解消していくものとしても期待されているのであります。
 重要施策の中の具体的な取り組みでは、羽田空港や中央環状新宿線などの三環状道路の整備、東京港の効率化、道路の改善といった陸海空それぞれの物流機能について触れられているものの、トラックから海運、鉄道へ輸送方式を転換するモーダルシフトの推進、あるいは複数の交通機関の連携による交通施策を推進するマルチモーダルなど、物流全体のあり方についてはしかるべき方向が示されていないのが気になるところであります。
 私は、陸海空の個々の物流機能の効率化はもちろんのこと、モーダルシフトなどを含めた総合的な物流対策についてもその具体的な方向を示し、それに基づいた対策を展開していくべきと考えますが、見解を伺います。
 物流対策として、自動車による物流対策について絞って伺います。
 東京都の交通需要マネジメント対策は、ロードプライシングやパーク・アンド・ライド、駐車対策などでありますが、欧米各国で進められている交通量抑制政策は、自動車使用を抑制する土地利用のあり方のコントロールにまで及んでおります。私たちのことしの予算議会での質問に対し、東京都も、都市づくりと関連する長期的かつ総合的なTDM施策についても検討を進めると答弁しており、私は、引き続き、都市づくりを含めた交通需要マネジメント施策について検討していただくことを要望しておきます。
 今回、東京都の重要施策では、大型トラックの動態調査の実施による物流実態の的確な把握を打ち出しておりますが、こうした動態調査を踏まえた総合的な物流対策が求められます。その内容は、物流拠点の整備やボトルネックとなっている道路、橋梁の整備は当然でありますが、交通需要管理という観点からも、自動車による物流対策に取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺います。
 自動車による物流対策としては、三環状道路の早期整備も重要であります。
 中でも、外郭環状道路については、石原知事の強い働きかけのもと、三十年以上も凍結されていた計画が動き出そうとしています。私たちも、民主党都連を挙げて、十二月五日、外環の早期整備について国に要望したところであります。
 一方、先月二十九日には、東京環状道路有識者委員会が、インターチェンジのない地下案を検討の基本とすべきとする最終提言をまとめたことに対し、PI外環沿道協議会のメンバーからは批判の声も上がっています。
 私たちは、お互いの合意形成を図っていくことが何よりも重要であると考えますが、外環の整備について、インターチェンジのあり方や協議会との進め方も含め、今後の取り組みについて伺います。
 外環だけでなく、渋滞の原因となっている都内の幹線道路を整備、改善していくことは、自動車による物流の効率化に大いに資するものであると考えます。重要施策では、通過に十分以上要するなど渋滞が激しい交差点を中心に、五年間でおおむね百カ所程度の渋滞改善を目指すことを目標としたスムーズ・アンド・スピードアップ東京作戦を掲げております。
 既に十一月に渋滞対策検討部会を設置し、百カ所の選定やその改善策を検討しているところでありますが、私は、これらの小さな投資で大きな効果を上げ、かつ短い期間で事業を完結することで、事業の効果が都民にも見えやすい施策については、百カ所などといわず、大胆に、かつ重点的に実施すべきと考えますが、見解を伺います。
 自動車による物流対策に関連して、ディーゼル車規制について伺います。
 重要施策では、既存の融資制度を利用できない小規模零細事業者に対する新たな融資制度の創設などを打ち出し、また、知事の所信表明でも、DPFを装着する自動車工場の整備士に無料講習会を実施すると述べられました。
 私は、こうしたご努力を多としながらも、さらに補助金や融資の手続で事業者が利用しやすい工夫ができないものかと考えるものであります。例えば、ディーゼル車の事業者は整備工場でDPFを装着するのですが、その場合、補助金の申請はそれぞれ事業者が手続しなければならず、また、その際の支払いは事業者の立てかえ払いとなり、補助金が交付されるまでの間の資金繰りで無用の負担をかけることになります。事業者からも、整備工場などが一括して補助を受け、事業者はDPF装着時に補助金を差し引いた実額だけを支払うような仕組みができないものかといったような声が寄せられています。
 私は、ディーゼル車規制に当たり、現在の補助金の手続などについてさらに事業者が利用しやすくなるよう改善していくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、危機管理についてであります。
 自然災害はもとより、NBC、いわゆる核物質や生物剤、化学剤による災害への備えについては、最悪を想定しての事後対策も含め万全を図るべきことは当然なことであります。この認識は、知事の目指すところと軌を一にするものと考えております。その意味からも、石原知事がさきの所信表明で明らかにされた、危機管理監の新設を含めた災害対策部門の改編が、危機管理体制の強化に効果あらんことを期待するものであります。知事は、改編後の災害対策部門などをどのようにイメージしているのか、見解を伺います。
 さて、震災時に対する危機管理の強化は当然のことでありますが、それ以上に喫緊なる対応の強化が急がれるのが、都民の日常生活における危機管理の問題であります。
 殺人、強盗など、都民生活に不安の影を落としているいわゆる重要犯罪として警視庁が認知した件数は、十月末現在で二千二百十六件となっております。この件数は、昨年同期に比べますと、認知件数としては百二十一件マイナスとなっています。検挙率も昨年の五三・〇%に対し五六・七%と上がっており、現場警察官の努力の跡がかいま見え、その労はねぎらいたいと思います。
 しかし、この数値はほんの一部であり、軽犯罪にかかわるものまで思考するならば、日常における都民生活の不安が解消の方向にあるとはいいがたい状況にあることは、私が指摘するまでもなく、警視総監を筆頭に、その対策の任に当たっている皆さんが最も強く認識していることと思います。石原知事は、都民の安全、安心を守る警察官の現行四万一千七百七十三人の条例定員の増員についてどのように考えているのか、見解を伺います。
 ご推察のとおり、私が日常生活における危機管理についてるると申し上げましたのは、これら発生した犯罪件数の向こう側には、それだけの数の犯罪被害者の存在があることを明らかにしたかったからであります。その多くの犯罪被害者に対する支援については、我が都議会民主党の提言のもとに、本年から、ようやく犯罪被害者の初診料負担制度が導入されました。料額の面で改善の余地を残しているとはいえ、一歩前進と評価いたしますが、それでよしと済ませておける問題ではないと考えます。この十二月八日、岡村勲弁護士が会長を務める全国犯罪被害者の会が開催した、被害者の刑事手続への参加を目指してというシンポジウムの中で、ドイツ、フランスといった諸外国の先進的な事例が紹介されておりました。
 犯罪被害者の受ける負担は、事件が解決したからといって終わるものではありません。犯罪被害者が負わされた経済的損失については、確かに、加害者から損害賠償が得られない場合は、被害者または遺族に対し国が経済的支援をする犯罪被害者給付制度がありますが、それだけで済ませてよいものでありましょうか。
 初診料負担制度の導入をもってよしとするのではなく、都としても、それに続く支援制度の創設を考えるべきと思いますが、見解を伺います。
 以上で、都議会民主党を代表しての質問を終わります。石原知事並びに関係局長の誠意ある答弁をお願いいたします。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 和田宗春議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、私の出処進退についてでありますが、改めて申し上げるべくもなく、しかるべき時期には明らかにさせていただきたいと思います。
 ただ、就任以来、公約にも申しました幾つかの政策の苗を植えてきたと思いますし、育ちつつあるものもあり、一応実ったものもありますし、また、花が咲き実がなるまでかなり時間のかかるものもございますが、それを見届けるのは私の責任だと思います。一方、他県の知事さんの去就については、私は事情をよく存じませんけれども、私は基本的に多選は好ましくないと思いますが、再選は多選とはいえないと私も思っております。
 次いで、現在の経済情勢についてでありますけれども、日本が今巻き込まれているデフレスパイラルの構造はかなり特異なものでありまして、供給過剰という非常に厄介な本質を持っています。先般、ある席で、イトーヨーカ堂の現社長の鈴木さんと同席しましたときに、鈴木さんが、自分は流通の仕事を担当しているけれども、いろいろなものを扱っておりますが、少なくとも新しくてよいものなら必ず売れるといっていました。それが、実はあるようでない。
 しからば、現代の日本の社会の中で一番需要のあるものは何かというと、戸数としては過剰になっておりますけれども、しかし、その単価の割に内容の乏しい、貧しい住宅でありまして、私、議員時代から、思い切って時限立法で、リニューアルも含めて、住宅の建設はいろんなものを再生させるので減税というものの大きな対象にすべきではないかといいましたが、これはもう端的に大蔵省が、不公平であるという非常に社会主義的な発想で是としませんで、実現しませんが、今、政府は減税をしきりに考えているようですけれども、もっとそういうデフレというものの本質的構造を見きわめた上での減税というものを考えるべきではないかという気がいたします。
 いずれにしろ、構造改革と景気対策は違ったステージのものではないので、構造改革がすなわち景気対策になるというのは、これはちょっと乱暴な論でありまして、何で二つの政策を並行してやらないのか、私にはちょっと理解に遠い問題でありますけれども、いずれにしろ、今回の補正予算案や金融政策などの一連の経済政策によって我が国の経済がスムーズによみがえるということを余り信じている国民は少ないんじゃないかという気がいたします。
 国会にも昔の仲間がたくさんおりますし、知っている官僚もおりますが、どうも自分の小さな立場ばかりに固執して、もっとマクロで国全体の大きな経済のうねりというものを取り戻そうという発想がないような気がいたします。
 例えば先般も、東京が大きなかかわりを持ちます、三行を合併してできたみずほの実態についてもようやく都なりの調査ができましたが、こういった実態を、当時は柳沢君が主務大臣でしたけれども、彼が代表する金融庁なる新しい役所が全然把握していないというのは、私にとっていささか驚いた実態でございました。
 いずれにしろ、この国の経済を再生するために何よりも必要なことは、責任のある立場の政治家など国をリードすべき人たち、とりわけ総理がリーダーシップを発揮して、もう少し具体的に着実な方法というものを講じていく必要があるんじゃないかという気がいたしております。
 次いで、財政運営のあり方についてでありますが、都はこれまで予算編成に当たっては、厳しい財政状況の中でも、限られた財源を重点的、効率的に配分して、首都東京の再生や都民の安全、安心を確保するための課題など投資効果の高い事業に積極的に取り組んできたつもりであります。また、予算の執行についても、最少の経費で最大の効果を上げるよう努めるとともに、社会経済状況の変化を十分に踏まえて、補正予算の編成も含め、必要に応じた適正な対応を図ってきたと思います。
 現在、十五年度予算の編成中でありますが、それぞれの事業について、過去の決算状況を徹底的に分析し、実績を十分に踏まえたものとするなど、限られた財源を効果的に活用することによって、都民のために真に必要な課題に的確に対応していきたいと思っております。
 次いで、江戸開府四百年事業についてでありますが、いずれにしろ四百年に一度のことでありますから、これを大いに活用し、東京、江戸のキャンペーンをすべきだと思いますけれども、ただ、もうちょっと都庁がイニシアチブをとって云々といわれましたが、お役人の考え出すパーティーとかお祭りというのはおもしろいことがあったことはないのです。
 ですから、これはやっぱり、もっと多岐にわたる発想力を持った民間の人が、いろんなアイデアを出してもらいまして、それについて都ができるだけの助成をするとかしないとか、私はやっぱり、こういうイベントというものは、結局都に発想力がないと、そういったイベントを担当する会社に依頼する。その会社も、イクステンポラリーなことでありますから、東京都をそれほど大事なクライアントと心得ておりませんし、実におざなりな企画しか出てこないのが常でありまして、これはやっぱり、商工会議所など民間の方々が、多岐にわたった発想で多岐にわたる企画を立てていただき、都はそれを都の立場で選択するというのが好ましいのではないかという気がいたします。
 次いで、重要施策における文化の位置づけについてでありますが、これはちょっと和田議員と私は見解を異にしまして、大体、行政が主導してやった文化なんてろくなものはない。今日の日本の文部省のやっているていたらくを見ると、あれが一体本当の文化事業か、芸術事業かといったら、これはナンセンスでありまして、余り行政が主導してでき上がった文化というのは、例えばヒトラーとかスターリンがやった、彼らなりの芸術復興でしょうけれども、今眺めればちゃちなものでしかありません。
 もともと文化とか芸術というものは、芸術を含めて文化は、感性あるいは情念が収れんされてでき上がる所産でありまして、それを都庁という行政機関がどうこう左右し切れるものでもありませんし、また、そうした感性、情念のある人は、それぞれの文化の専門家なり芸術の専門家になっているでしょうから、これは、私は文化というものの社会工学の中での本質から考えて、政策という形で取り上げるのはいささか仰々しいし、むしろ逆に文化にとって、マイナスとまでいいませんけれども、余りろくな結果にはならないんじゃないかという気がいたします。
 次いで、銀行が地域経済に貢献する手法云々についてでありますが、先ほどもちょっと付言いたしましたけれども、東京都が都税を預けている今日のみずほ銀行、かつての富士銀行を含めて幾つかの金融機関がございますけれども、これが、私たちが非常に懸念を持って眺めている各地域のむしろ中小の企業にどれだけ貢献し得ているかというと、これはほとんど絶望的であります。
 先般、私のアドバイザリーボードであります、議員のころ知っていた、大方が次官を務め、あるいはそれに近いところまでいった有能な、私なりに選別した仲間との定期的会合を開いておりますが、つい最近やりましたその会合でも、たまたま大蔵省の元次官が三人おりました、通産の次官もいました、その連中がひとしくいうことは、日本は金がある、金はふんだんにある、ただそれを使えない、動かせない、そういう矛盾といいましょうか、組織的な破綻というものが、日本の特に銀行を中心にした金融業界に到来しているわけでありまして、ゆえにも、私たちは、そういった銀行が、貸し渋りどころか貸しはがしをせざるを得ない。これはまた銀行法の中で、結局、ある条件を満たさない金融をあえてして損害をこうむった場合には、それを貸した主体者の、支店なら支店の支店長が背任で問われるような非常におかしな規制がありまして、そういったものががんじがらめになって、銀行は今身動きもできない。ゆえにも、私たちはやはり、末端に近い金融機関のスキンシップによる、本当にインティメートな金融というものに期待するわけですけれども、これがまた、私の前任者の時代に、いろんな形が集積して不祥事として到来したために、信用組合の監督権というのはまた中央集権に戻されて、金融庁が監督するようになった。
 私は、その結果何が起こっているかというと、非常に印象的なテレビをこの間見ましたが、東京都のある区の、東京では代表的な、本当に親子三人あるいは夫婦二人でやっている、しかし優秀な技術を持った零細企業が、このごろ機械が古くなってディフェクトが出だした。親会社からいわれて、機械を購入した。それも七、八千万の機械を入れた。その会社そのものは、せいぜい資本金二百万ぐらいの有限会社ですから、その機械の償却を始めれば、すぐにその月から債務超過になるわけです。そういう企業には一切貸しちゃいかぬという融資基準というものを金融庁がつくった。それをいかにかいくぐって、この将来性のある企業にお金を――金融庁への報告をむしろある意味でごまかして報告するかということで、信用組合の支店長と二人の所員が三人して鳩首してその企業を助けようと思っているという、そういうルポルタージュでありました。
 一方、その当時の主務大臣である柳沢君が最後に出てきて、眼鏡を下げたまま、我々が決めた金融基準に該当しないものは、貸した方も借りた方もこの世界から消えていってもらいたいということを冷然という。これはもう、国というものの金融の最高責任者が、日本の底辺で産業経済を支えている中小企業というものの実態を全く理解していない、非常に酷薄な認識だなと私は思って見ましたが、都は、限りある力でありますけれども、そういう現況の中で、これからもいろいろ策を講じて、東京が抱えている小・零細企業の、特に金融の面でのサポートに腐心していきたいと思っております。
 次いで、危機管理体制についてでありますが、大震災などの自然災害のみならず、近年新たな脅威となっておりますNBC災害などの危機に対応するには、従来の各局の個別の対応ではもう限界がありまして、そのために、平常時から情報を一元的に集約して、危機に際して指揮、命令を混乱なく行えるように、来年四月、新たに局長級の危機管理監を設置することにいたしました。また同時に、現在の災害対策部門を抜本的に見直して、総合的な防災対策に対応できる組織体制を構築し直したいと思っております。この体制のもとに、警察、消防、自衛隊などとも連携を強化して、都民の生命、財産と首都の機能を守るために努力していきたいと思います。
 次いで、警察官の増員についてでありますけれども、国も総体、警察官の増員というものを考えておりまして、その中で、東京はある部分引き受けて、できる限り警察官の増員を実現したいとは思いますけれども、同時に、かつてニューヨークは非常に治安が絶望的であったのに比べて、ジュリアーノが市長になって行ったことは、これは決して警察官の増員だけではなくて、増員もいたしましたが、警察の機能を極めてIT化することで、従来、タイプライターとか電話でやっていた作業というものを非常に合理化することで時間の余裕ができまして、その時間を、警察官がまちに出て、今まで手が回らずに見過ごしていた軽犯罪、それをその段階で取り締まるということで、それがさらにエスカレートしていく重犯罪というものを抑制したと聞いております。そういう試みも、私たちやはり現代のこの文明のスキームの中で意識して心がけなければならないと思っております。
 いずれにしろ、都民の生命、財産の安全を確保するために、政令に定められた基準に従いまして警察官の定数を措置してきましたが、十五年度においても、現在進められている国の予算編成における政令の取り扱いに応じて、適切に対処していきたいと思っております。
 なお、その他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。
   〔教育長横山洋吉君登壇〕

○教育長(横山洋吉君) 社会参加、自立を目指した心身障害教育のあり方についてのお尋ねでございますが、都教育委員会としましては、これまでも、障害のある児童生徒の社会参加、自立を目指しまして、基礎的、基本的な知識、技能、態度や生活習慣をはぐくむ教育を進めてきたところでございます。
 児童生徒の社会参加、自立に向けた教育を推進するためには、小学部から高等部までの各段階に応じた教科指導、生活指導、進路指導、職業教育などを一層充実していく必要がありますことから、これらの課題を含めまして、一人一人の能力や可能性を最大限に伸ばし、社会参加、自立の基盤となる力を育成するために、東京都心身障害教育改善検討委員会を本年七月に設置いたしまして、教育内容、方法の充実や教育環境の整備のあり方などを総合的に検討しておりまして、来年五月を目途に報告を取りまとめる予定でございます。
   〔主税局長安間謙臣君登壇〕

○主税局長(安間謙臣君) 小規模非住宅用地にかかわる固定資産税等の減免措置についてのご質問にお答えいたします。
 この減免措置は、現行固定資産税制が抱える矛盾のもとで、東京二十三区の商業地の固定資産税等の負担が他の地域に比べ過大となっており、現下の厳しい経済状況において、特に中小企業の経営を圧迫していることに配慮し、実施したものであります。
 中小企業への税制上の配慮は、区と都が連携して取り組むべき課題であり、都財政は厳しい状況にありますが、区の協力も受けて、平成十五年度も減免措置を継続するものでございます。
   〔健康局長長尾至浩君登壇〕

○健康局長(長尾至浩君) 食品安全に関する三点の質問にお答え申し上げます。
 食品安全行政におけるリスクコミュニケーションの必要性についてでございますが、食品安全行政の推進には、消費者を初め、食の安全にかかわるすべての関係者が危害情報を共有し、食の安全確保に向け、互いに協力し合っていくことが必要でございます。
 都は、全国に先駆け、食品保健懇話会を設置するなど、これまでもリスクコミュニケーションに努めてまいりましたが、今後とも、関係者との対話を通じた食品安全対策の推進に努めてまいります。
 次に、食品安全情報評価委員会についてでございますが、この委員会は、危害の未然防止に重点を置いた食品安全対策を推進していくために重要な役割を果たすものでございます。現在、委員会設置に向けた検討を開始したところでございまして、内容がまとまり次第、その概要を明らかにしてまいります。
 また、より広い視点からの検討を行うため、化学などの専門家のほか、消費者代表の参加を求めることにしております。
 次に、食品安全条例に規定すべき内容についてでございますが、食品安全条例は、今後の都における食品安全行政の基本的な指針となるものでございます。その内容につきまして、現在国において進められている食品安全基本法の検討状況なども踏まえる必要があり、また、解決すべき課題もたくさんありますが、早期に条例制定が行えるよう検討してまいります。
   〔生活文化局長三宅広人君登壇〕

○生活文化局長(三宅広人君) 江戸開府四百年事業に対する都としての具体的な取り組みについてのお尋ねにお答え申し上げます。
 まず、東京商工会議所が中心になって設立いたしました江戸開府四百年事業推進協議会に都も参加しております。民間団体と協力して事業の企画や広報の推進に努めているところでございます。
 この協議会では、去る十月に江戸開府四百年事業基本計画を発表いたしまして、東京を再生し、活力を取り戻すことを目指して、民間、区市町村、東京都、合わせて四百の事業を実施することを目標としております。
 また、東京都といたしましては、区市町村との間に連絡会議を設け、地域の事業を掘り起こすために、相互に密接な連携を図っております。
 さらに、都庁内においては各局連絡会議を設置いたしまして、文化や観光、産業振興、都市づくりなどの各局事業を活用した四百年事業の盛り上げを図っております。
 今後、都の広報媒体によるPRやイベントカレンダーの活用などを積極的に行い、江戸開府四百年事業の幅広い展開を目指してまいります。
   〔産業労働局長有手勉君登壇〕

○産業労働局長(有手勉君) 産業振興など六点のご質問にお答えいたします。
 まず、伝統工芸の振興についてでございますが、伝統工芸品産業は、時代を超えて受け継がれた東京を代表する地場産業でございます。都民生活に豊かさと潤いを与えるものでございます。
 このため、都では、お話しのとおり、伝統工芸品の追加指定を初め、伝統工芸士の認定、展示会の開催、後継者の育成など、各種の振興策を講じてきているところでございます。
 また、観光資源としても重要でございまして、江戸開府四百年事業への参加も含めて、今後とも、さまざまな角度から伝統工芸品産業の振興を図ってまいります。
 次に、障害者の就労の促進についてでございますが、自立した生活の実現には安定した就労が重要であると考えます。
 このため、都は、障害者の職業能力開発、第三セクター方式による重度障害者雇用モデル企業の育成、企業に対する障害者雇用の普及啓発など、就労機会の拡大に努めているところでございます。
 さらに、今年度から、国が新たに設けました地域求職活動援助事業を活用し、合同就職面接会などの就労支援を開始したほか、地域の企業と協働した職場体験実習も計画しております。
 今後とも、国や関係機関と密接に連携を図りながら、障害者の就労の促進に一層努めてまいります。
 次に、ベンチャーキャピタルファンドについてのお尋ねでございますが、ものづくりを初めとした東京の産業の活性化を図るためには、すぐれた技能や発想をもって新規事業分野への進出を目指すベンチャー企業を育成していくことが極めて重要であります。
 このため、都はこれまで、CLO、CBOの発行やベンチャーキャピタルファンドへの出資などを行い、中小企業の資金調達の多様化を進めてまいりました。
 今後とも、資金調達の多様化を推進し、創造的な事業活動に取り組む中小企業の支援に努めてまいります。
 次に、商店街振興策についてでございますが、商店街が行う多種多様な取り組みを支援していくためには、現行の縦割りで複雑な振興策を、わかりやすく、選択の幅が広いものに改める必要がございます。
 また、商店街の活力の源泉である魅力ある個店づくりや商店街を支える人づくりに着目して振興策を考える必要がございます。
 そのため、商店街の活性化に向けたさまざまな取り組みを総合的に支援することができるよう、施策の再構築を図ってまいります。
 次に、地域資源を活用した産業振興についてでございます。東京の各地域には、特色ある産業集積のほかに、観光、文化、大学、研究機関、人材など、多様な資源が存在しております。産業活性化のためには、これらの地域資源を最大限に活用していくことが重要であると思います。
 こうした観点から、平成十五年度重点事業として、区市町村と連携し、地域の実態を十分に踏まえ、地域と一体となって実施する地域資源活用型産業活性化プロジェクト事業を推進することにいたしました。都としては、本事業を推進することにより、地域資源を総合的に活用し、地域産業の一層の活性化を図ってまいりたいと思います。
 最後に、企業とNPOとの協働の推進についてでございますが、NPO法人には、産業活動の担い手や産業活動を支援する主体として、産業活性化に一定の役割を果たすことが期待されております。このようなことから、都においては、商店街の振興に当たって、NPOも参加しやすくなるように施策を再構築するなどの検討を行っているところでございます。
 NPOと企業との協働推進に向け、今後とも環境整備に努めてまいります。
   〔都市計画局長勝田三良君登壇〕

○都市計画局長(勝田三良君) 二点のご質問にお答え申し上げます。
 歴史的な景観の保全と新たな町並み形成の取り組みについてでございますが、都は、東京都景観条例に基づき、歴史的建造物の選定や建築行為を行う事業者に対し、都市景観への配慮を求めるなど、良好な景観形成に取り組んでおります。
 また、地域の歴史と文化を継承しながら身近なまちづくりを進めていくことが重要であり、都は、新たな仕組みとして、町並みデザイナーを活用した制度を検討しております。この制度の導入により、建築物や広告物を含めた一体的な景観形成を図るとともに、魅力とにぎわいのある町並みを形成してまいります。
 次に、外環の今後の取り組みについてでございますが、十一月二十九日に東京環状道路有識者委員会から最終提言が出され、その後、各方面から、この提言に対し、さまざまな意見が寄せられております。
 都といたしましては、最終提言やこれらの意見を十分掌握し、PI外環沿線協議会での議論を進めることに加え、インターチェンジ設置や地上利用のあり方についても、国とともに、地元区市の意見を十分聞きながら進めてまいります。
   〔福祉局長川崎裕康君登壇〕

○福祉局長(川崎裕康君) 障害者福祉など四点にお答えいたします。
 まず、在宅重視の障害者福祉施策の推進についてでございます。都は、障害者が可能な限り地域の中で必要なサービスを利用しながら自立した生活を送ることができるよう、国に先駆けて福祉改革に取り組んでまいりました。
 さらに、施設入所者の地域生活への移行を支援する自活訓練事業を大幅に拡充するとともに、障害者地域生活支援緊急三カ年プランを平成十五年度重点事業として新たに策定し、地域生活を支えるサービス基盤の整備を促進するため、特別助成を行うことといたしました。
 今後とも、こうした取り組みを積極的に推進し、施設から地域生活への移行を確実なものとしてまいります。
 次に、新たに生じます障害者福祉ニーズの把握についてでございます。利用者本位のサービスを提供するためには、社会状況や制度の変化に伴う新たなニーズの把握が重要でございます。都は、制度の利用が困難な障害者を支援する支援費制度利用援助モデル事業を独自に実施し、検証、評価を行う中で、障害者のニーズを把握してまいります。
 また、福祉サービスの利用状況など障害者の生活実態を把握するために、平成十五年度に東京都社会福祉基礎調査を実施する予定ですが、その中で制度移行に関する調査項目についても検討をしてまいります。
 今後とも、こうした取り組みを含めて、区市町村と連携し、障害者の的確なニーズ把握に努めてまいります。
 次に、子ども家庭支援センターについてでございます。子ども家庭支援センターは、現在三十五の区市町に開設されており、今後、平成十六年度までにすべての区市町村に設置する計画でございます。
 また、そこで働く職員の専門的な知識や実践的な対応能力を高めるため、今年度から児童相談所職員との人事交流や派遣研修生の受け入れを行うとともに、虐待防止区市町村ネットワーク事業を実施するなど、その機能の充実を図ってまいりました。
 今後とも、こうした取り組みに加え、新たに児童相談所とともに虐待防止の機能を担う先駆型子ども家庭支援センターを創設し、機能の一層の充実を図ってまいります。
 次に、養育家庭への支援についてでございます。都は、家庭的養護を推進するため、本年度から養育家庭に対する指導、支援を児童相談所が中心となって行う体制に改めるとともに、養育家庭制度を充実強化するための専管組織を児童相談センター内に設置いたしました。
 また、児童相談所と協力しながら、養育家庭の相互の交流を図る拠点となる養育家庭支援センターや、悩み事などを気軽に相談できる養育家庭支援員の制度も整備いたしました。
 これらに加え、養育家庭の経験や知識などに応じてきめ細かく研修を体系化し、研修内容の充実も図りました。
 今後とも、社会的養護の一翼を担う養育家庭を支え、制度を充実していくための取り組みに努めてまいります。
   〔環境局長小池正臣君登壇〕

○環境局長(小池正臣君) 地球温暖化対策など五点のご質問にお答えいたします。
 まず、都市づくりと温暖化対策の連携についてでございますが、現在の東京は、二つの温暖化の進行がさらなるエネルギー使用量の増大を招くという状況に陥っておりまして、こうした悪循環を断ち切るためには、環境配慮が内在化された社会システムを構築していく必要があると認識しております。
 こうした観点から、都市を構成する個々のビルにおける省エネ対策を推進いたしますと同時に、面的なヒートアイランド対策として、保水性舗装の推進、まとまった緑や水面などクールスポットの確保や連続した緑の軸の形成を進めることなどによりまして、省エネルギー型都市構造への転換を目指してまいります。
 次に、再生可能エネルギーについてでございますが、現在、中央防波堤内側埋立地で建設中の二基の風力発電施設は、東京の海の玄関に設置されるものでありまして、東京における再生可能エネルギーの利用拡大の象徴的な存在として期待されるものでございます。
 また、この地域では、燃料電池自動車のための水素供給ステーションの建設も進められておりまして、都といたしましては、こうした施設が完成する前後のさまざまな機会をとらえまして、実施企業、NGO、関係機関等と連携し、再生可能エネルギーの利用拡大に向け、積極的に情報発信してまいりたいと思います。
 次に、温暖化問題に関する普及啓発についてでございますが、温暖化問題の解決には、都民一人一人がこの問題をみずからの課題として受けとめ、行動することが必要でございます。都は、地球温暖化阻止東京作戦の中で「少エネ商品拡大キャンペーン」等を実施いたしますとともに、七都県市と連携した広域的な取り組みとして、環境家計簿の普及促進や温暖化防止関連施設見学会等を実施するなど、温暖化問題の重要性を都民に訴えてまいりました。
 今後の取り組みといたしましては、特に次世代を担う子どもたちへの働きかけが重要であり、区市町村等と連携しまして、地域や学校などの場を通じ、温暖化問題に関する普及啓発に努めてまいります。
 次に、都の率先行動の見直し強化についてでございますが、都は、これまでも都庁舎におきまして、エレベーターの運転方法の見直しや節電など、運用面での対策を中心とした取り組みによりまして、この十年間で電気使用量を約二割削減するなど、率先して省エネルギーに取り組んでまいりました。
 今後は、基本方針の策定を機に、地球を守る都庁プランを充実するとともに、グリーン購入基準につきましても、省エネルギー型の家電製品や低燃費型自動車の指定を追加するなど、温暖化対策の視点から改定してまいります。
 最後に、ディーゼル車規制に関する補助金の手続についてでございますが、粒子状物質減少装置の装着に係る補助金につきましては、東京都補助金等交付規則に基づき、事業者からの申請、実績の報告、請求の手続を経て交付しております。
 ご指摘のように、厳しい経済環境の中で事業者が資金繰りに苦労していることは十分認識しております。このため、事業者が装着代金を支払った後、速やかに補助金が交付できるよう、運用面での改善を検討してまいります。
   〔下水道局長鈴木宏君登壇〕

○下水道局長(鈴木宏君) 地球温暖化対策に関する二点のご質問にお答えいたします。
 まず、PFI事業により得られる環境効果とコスト縮減効果についてでございますが、今回の事業内容は、再生可能エネルギーである消化ガスを燃料とした発電と、ナトリウム硫黄電池――通称NaS電池との組み合わせによって常用発電システムを整備、運営するものでありまして、極めて効率的かつ環境保全型の事業であると考えております。
 この事業による環境効果は、森ケ崎処理場で発生する未利用の消化ガスを全量利用することや、世界最大である八千キロワットのNaS電池の使用により、二酸化炭素に換算して年間約四千八百トンの排出量を削減することができます。これは、代々木公園の約二十五倍の森林効果に相当するものでございます。
 また、コスト縮減効果は、NaS電池の再利用品の使用を初め、その他の創意工夫により、設備コストや燃料費を抑制した結果、二十年間で約百三十億円になると見込んでおります。
 次に、地球温暖化防止に向けた今後の取り組みでございますが、膨大な施設を抱える下水道事業において、温室効果ガスを効果的に削減していくためには、目標を定めた総合的な取り組みと計画的な事業運営が重要でございます。このため、温室効果ガスを大量に排出している焼却炉や水処理施設に重点化した削減対策を計画的に実施してきております。
 また、日常業務の中でも、施設ごとの削減目標を設定し、現在運用している環境マネジメントシステムに引き続き反映させていくことが有効と考えております。
 今後とも、これまで取り組んできている施策の充実を図るとともに、目標管理を徹底することで地球温暖化防止対策を積極的に推進してまいります。
   〔知事本部長前川燿男君登壇〕

○知事本部長(前川燿男君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、総合的な物流対策でありますが、重要施策で取り上げた物流対策は、大きく二点ございます。
 最も重要な課題は、当然ながら、絶対量が不足している基幹的な交通インフラをできるだけ早く整備することであります。今後、羽田空港再拡張、三環状道路の整備、東京港の運営の効率化等について、さらに積極的に取り組んでまいります。
 二点目は、広域的視点に立って、そしてまた現場の実態に即して、こうした交通インフラのネットワークの強化と慢性的な渋滞解消に向けた具体的な対策を推進することであります。そのため、物流ボトルネック対策における近隣自治体との協議の推進、局横断的、集中的な対応による新たな渋滞対策の実施などに取り組んでまいります。
 こうした観点から、より実効性の高い物流対策を実施してまいります。
 次に、自動車物流対策についてでありますが、ただいまお答えいたしましたように、自動車による円滑な物流を実現するためには、まず、三環状道路を初めとして、東京で絶対的に不足している道路整備を重点的に進める必要があります。ただ、これに加えて、既存の道路ストックを十分に機能させるためには、自動車物流の実態に即した効果的な対策を実施する必要があるのは、ご指摘のとおりでございます。
 このため、重要施策におきましては、これまで十分に把握されてこなかった大型トラックの物流動態の実態を調査することといたしました。調査の結果は、ボトルネック箇所の整備に反映させるなど、東京の物流対策に幅広く活用してまいります。
 次に、渋滞対策についてでありますが、これまでも、交差点すいすいプランやスムーズ東京21など、さまざまな対策が実施され、効果を上げてまいりましたが、都内にはいまだ通過に十分以上を要する交差点が八十三カ所存在いたしております。
 渋滞対策に関する新しい重点事業は、これらの交差点や顕著な渋滞区間を中心として、現地調査もした上で、ハード、ソフト両面に立ったさまざまな対策を、局横断的かつ先行的、集中的に実施しようとするものであります。実施に当たっては、効果を検証しながら進めていくことが重要であり、こうした考えから、当面の目標を五年間で百カ所程度としたものでございます。
 最後に、犯罪被害者への支援制度についてでありますが、犯罪被害者に対しては、行政の積極的な支援が必要であり、近年、加害者から損害賠償を受けられない場合の給付金の支給、あるいは被害者への精神的な支援を行う相談体制の整備など、さまざまな面で充実が図られております。
 東京都におきましても、現在、警視庁を中心として、関係する局が連携して、ご指摘があった初診料負担を初め、各種の支援活動を行っております。
 経済的支援は、基本的には国が対応すべき問題でありますが、ご提案の件につきましては、一つの問題提起として、きちんと受けとめさせていただきたいと存じます。

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