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Tokyo Metropolitan Assembly

平成十四年東京都議会会議録第十八号

   午後一時一分開議

○議長(三田敏哉君) これより本日の会議を開きます。

○議長(三田敏哉君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(三田敏哉君) これより質問に入ります。
 百十二番宮崎章君。
   〔百十二番宮崎章君登壇〕

○百十二番(宮崎章君) 謹んで申し上げます。
 高円宮憲仁親王殿下におかれましては、去る十一月二十一日、薨去されました。ここに謹んで哀悼の意を表します。
 さて、私は、東京都議会自由民主党を代表して、都政が抱えている重要課題について質問をいたします。
 平成十四年も間もなく暮れようとしております。本年の我が国は、日朝国交正常化交渉など、いや応なしに国際関係の厳しい現実に直面する一方、国内に目を転じれば、株価はバブル崩壊後、最安値を記録し、企業倒産件数や失業率は依然高水準に張りつくなど、デフレの圧力にあえぐ一年でありました。
 このような中、都財政はこれまで財政再建に向けた懸命な努力の結果、四年連続、実質収支赤字を続けているものの、十三年度決算ではかなり縮小され、いま一歩というところまで来ております。
 しかし、昨年夏以来の都税収入の低迷や来年度以降の厳しい状況が見込まれることを踏まえれば、都財政のあすを楽観視することはできません。さらに気を引き締めて、都財政の再建回復に向けての取り組みを強化する必要があります。
 その一方、都民の健康や暮らしに直結する課題には、最優先で取り組む必要があります。特に、ディーゼル車対策や中小零細企業対策は当面する緊急課題です。限られた時間の中で、零細事業者に対するきめ細かな対策が何より求められております。
 それでは、まずディーゼル車対策についてお伺いをいたします。
 十月二十九日に、東京大気汚染公害訴訟の第一審判決がありました。この判決は、道路設置管理者に賠償を命じるだけで、国の排出ガス規制責任を認めないという大変安易な、事の本質を見誤ったものであります。
 本来、大気汚染対策は、国が責任を負うべき問題であります。しかしながら、国は必要な策を講じることなく、ここまで大気汚染を拡大せしめてしまいました。しかし、ディーゼル車に対する規制を強化するために、国は改正した自動車NOx・PM法の適用開始時期を、昨年、一たん公表した後に本年三月、最大二年半も大幅におくらせたことは、無反省、無責任以外何物でもありません。
 こうした経緯を踏まえ、都は国に対して、大気汚染対策の強化や、事業者が規制への対応を進めるに当たって必要な支援策の充実を強く求めるべきと考えますが、石原知事のご所見をお伺いいたします。
 また、国の排出ガス規制が弱いことをいいことに、自動車メーカーは環境対策に十分な社会的責任を果たしてこなかった点を指摘しなければなりません。自動車メーカーの責任について、知事はどのようなお考えかお聞かせください。
 動きの遅い国をしり目に、都は首都圏を構成する三県とともに、来年十月から条例によるディーゼル車規制の開始を予定いたしております。去る十一月十三日に開催された七都県市首脳会議では、首都圏の住民の命と健康を守るため、ディーゼル車規制が円滑に開始できるよう連携して強力に進めていくことが共同宣言されました。
 国に先んじてディーゼル車規制を実施するという首都圏の試みは、その心意気の高さにおいては評価するものでありますが、規制の円滑な実施に向けて、第三回定例会で我が党が指摘したように、幾多の課題があります。
 これらの課題を克服するために、ただ共同宣言を発するだけでなく、七都県市の緊密に連携した実践的な取り組みを行うことが必要と考えます。そこで、ディーゼル車規制の開始に向け、今後、七都県市連携のもと、具体的にどのような施策を展開していくのか、お伺いをいたします。
 ディーゼル車規制の実施に向けた多くの課題の中でも、最も重要なのは、零細事業者に対する支援をいかに強化するかという問題であります。我が党には、大気汚染対策の重要性はわかるし、できるものなら排出ガスのきれいな新しいディーゼル車に買いかえたいが、買いかえ資金が調達できないという多くの切実な訴えが寄せられております。
 都は、先日発表した重要施策の中で、規制を円滑に実施するための緊急対策として、既存の融資制度の活用策と新たな融資制度の創設を打ち出しました。この方向性自体は、これまでの我が党の要求を踏まえたものではありますが、具体的にどのように融資制度の改善が図れるのか、いまだ不明確といわざるを得ません。規制に対応したいが、対応できないという零細事業者の苦しい経営実態に即した支援策とするためには、融資規模の拡大、貸付期間の延長、利子補助期間の延長などの措置がとられることが必要であります。
 冒頭に述べたように、大気汚染対策の責任は本来、国にあり、国が規制の先送りをしたことにこそ問題があります。しかしながら、そうした状況下において、都があえて都民の健康を守るため、国に先んじて規制を実施するという意欲的で大胆な決断をするのであれば、零細事業者への支援についても、従来の枠組みを超えた、思い切った支援策を講じるべきであると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。
 さて、環境問題は規制ばかりでなく、もっと広い視点からの対策も必要です。森林資源林地残材等の生物資源、いわゆるバイオマス資源の有効活用や、また、CO2の排出抑制に大きな効果があるといわれている燃料電池等の実用化や普及など、環境に優しいエネルギー社会を進めていくことを要望しておきたいと思います。
 次に、商店街振興施策について伺います。
 今日、商店街は、デフレ状況下における売り上げの減少、大型店の出店に伴う影響などにより、崩壊の危機に立たされております。
 しかしながら、これまでの商店街振興策は、縦割りで複雑でわかりにくく、区市町村との連携が希薄であることなどから、我が党は商店街振興議員連盟を結成し、総合的な振興策となるよう、元気を出せ商店街事業を核とした施策の再構築に取り組んできました。
 ところで、都の単独商店街振興事業としては最大の事業費を占める元気を出せ商店街事業は、年間九百もの商店街が活用し、継続を望む声も強く、その名称も多くの人々に知られている事業であります。
 いうまでもなく、商店街の振興は個々の商店ばかりではなく、地域の方々の理解と協力がなければ成果が上がりません。そのためには、多くの方々に認知され親しまれる事業名称であることも重要であります。
 そこで、今回の再構築は、元気を出せ商店街事業を核とする商店街振興策なのですから、名称は、我が党の中屋議員が委員会で申し上げました新・元気を出せ商店街事業とすべきですが、見解を伺います。
 商店街振興は、何よりも地域の商店街が自主的、自立的に取り組むことが重要であります。実情に精通した区市町村が支援し、東京都がバックアップしていくことが必要です。この三者は、それぞれの責任を分担し、実情に応じて、その得意分野でカバーするという関係もあるはずです。
 そこで、さまざまな地域において意欲的な商店街が、この新・元気を出せ商店街事業を活用することができるよう、経費の負担の配慮を考えるべきではないかと思いますが、見解を伺います。
 次に、中小企業融資について伺います。
 政府は十月三十日、経済財政諮問会議において、総合デフレ対策を決定いたしました。二○○四年度までには、主要銀行の不良債権比率を半分程度に引き下げることを目標に掲げております。
 しかし、不良債権処理が進むことにより、中小企業の資金繰りの悪化が懸念されるのであります。例えば、不良債権処理の過程で債権が整理回収機構に売却されますと、その企業が新たな融資を受けることは難しいのが実情でございます。金融機関が確実に回収できる保証協会の保証つき債権でさえ、整理回収機構に売却されるものがあると聞いております。
 また、金融機関の貸出債権の査定強化が行われようとしています。中小企業への融資が、不良債権化の懸念からますます縮小され、いわゆる貸し渋り、貸しはがしの助長につながりかねません。
 去る十一月二十五日には、都内商工六団体による中小企業危機突破・東京総決起大会が開催されました。経営の窮状を訴える声が相次ぎ、実効性あるデフレ対策の実施などを求める緊急アピールが採択されました。
 我が党は、さきの第三回定例会において、東京の中小企業の活力なくして首都東京の再生はあり得ずと、力強い金融支援策を求められているとの認識のもと、直ちに緊急対策を打ち出すべきであると主張したところであります。これを受けて都は十月、総額二千億円の年末金融対策を実施しました。知事の迅速な決断を高く評価するところでありますが、どのような実績が上がっているのか、お伺いをしたいと思います。
 ところで、中小企業への円滑な融資は、信用保証の裏づけとなる信用保険制度が盤石でなければなりません。いうまでもなく、この制度は受益者である中小企業の払う保証料を基礎とするものですが、制度の運営については国が責任を持つべきであります。
 そこで、我が党は第三回定例会において、大幅な支出超過に陥っている国の保険制度を立て直し、中小企業向けの融資を積極的に進めていくために、都としての国費の追加投入を国に対して求めるよう主張したところです。以後、どのような進展が見られたのか、お伺いをいたします。
 また、信用補完制度は、国と企業者の双方で支え合うものとはいえ、保証料を支払う企業者の負担が過度であってはなりません。保証料の値上げの動きがあるやに聞いておりますが、都の見解を伺います。
 さて、先般、国は中小企業信用保険法を改正し、法的再建手続等において、再生計画の認可された中小企業者に対する保証への道筋を明らかにしています。我が党が働きかけ、都が国に要望してきた制度が実現するわけであります。先ごろ発表した重要施策にも、この制度を踏まえ、事業再生融資が盛り込まれたところですが、その実施を急ぐべきではないでしょうか。都の対応についてお伺いをいたします。
 中小企業への金融支援と同様に、東京の農業を支える事業者への金融支援も重要であります。地域の農業者や事業者への資金調達に主な役割を果たしているのは、農協であります。現在のJAであります。その業務や会計の状況について、都が検査を行っております。検査に当たっては、都市銀行と同じ基準の金融検査マニュアルを適用し、厳しい指導が行われていると聞いております。農協の金融機関としての規模や、地域に果たしている役割を踏まえるとともに、農家など借り手側の経営の実情を十分しんしゃくし、きめ細かな配慮がなされなければならないと考えます。
 そのためには、金融検査マニュアルの機械的、画一的な運用を避け、より適切な検査に努めるべきではないでしょうか。所見をお伺いします。
 次に、重要施策について伺います。
 今回の重要施策は、七月に発表された基本方針において、中長期的視点に立ち、都政の課題と取り組むべき方向を明らかにするなど、昨年とは異なった考え方が示されました。
 発表された重要施策を見ましても、従来と比べて事業を大幅に絞る一方、都政の制度疲労を克服し、直面する課題の解決に取り組もうとする姿勢が強く出ており、これまでの総合的な計画とは大きく考え方を変えております。
 そこでお伺いしますが、今回の重要施策はなぜこれまでの位置づけと変えたのか、また、重要施策によって都政の何を変えようとしているのか、その考え方を知事にお伺いします。
 また、重要施策の実現のため、十五年度において二十二の重点事業に取り組むとしております。
 事業を厳選したとはいえ、まちづくり、産業、福祉、教育、さらには環境対策など、都政が直面する課題を的確に取り上げ、ポイントを絞った事業を掲げており、また、局横断的な取り組み、現場重視の姿勢、広域的な取り組みなど、事業の実施に当たって、従来の仕事のやり方を変えようという意図がこれまでになく強く感じられます。重要施策は、策定して終わるものではなく、実施してこそ意味があります。重要施策の策定に携わってきた知事本部は、今後、その実現に向けてどのような役割を果たしていくのか、お伺いをいたします。
 次に、都財政について伺います。
 十五年度の都税収入は、長引く景気の低迷による深刻な影響を受け、十四年度に引き続き低水準と予想されております。加えて、十四年度国税収入は二兆五千四百億円の税収不足が見込まれると報じられていますが、地方の動向は、国税と一年間のタイムラグがあるわけですから、十五年度の都税収入への影響が懸念されます。
 財政再建推進プランの最終年度である十五年度予算は、こうした大変厳しい状況下での編成であり、まずは歳入の根幹をなす都税収入を的確に見積もることが求められるわけですが、十四年度及び十五年度の都税収入の見通しをお伺いいたします。
 都は、十四年度予算までに財政再建推進プランの目標の八割に当たる財源を着実に確保してきましたが、この中から銀行業等に対する外形標準課税による一千億の収入を差し引いた場合、財政再建推進プランの達成率は六割にとどまるとのことです。
 また、十五年度予算では、財政再建推進プランに基づく成果の外側で税収の大幅な落ち込みが見込まれ、要求段階で財源不足が三千六百億を超えるとのことです。このように、財政再建推進プランの最終年度において、なお財政再建道半ばという状態では、財政再建の手を休めることは一刻たりとも許されるものではありません。
 一方で、首都東京の再生やディーゼル車対策、中小企業対策などへの取り組みも、いうまでもなく待ったなしであります。いかに財政が厳しくとも、都として速やかに万全の手だてを講ずる責務があります。
 財政再建の根本は、収支のつじつまを合わせるだけではなく、東京の活力の再生につながり、都民生活を豊かにする施策の展開を可能にするものであることを踏まえれば、財政再建と緊急課題に対応する施策の展開は相矛盾するものではありません。
 徹底した内部努力を実行するとともに、国庫支出金の確保、都債の適切な活用など、歳入歳出の両面にわたり、ぎりぎりの努力を行った上で、都政が直面する緊急課題に対応するためにも避けられない特別な財源対策を講じつつ、都財政の再建の道のりを着実に歩み続け、財政構造改革をあわせて進めることが求められるのではないでしょうか。
 十五年度予算においては、財政再建の取り組みはしっかり進めながら、ディーゼル車対策や中小企業対策を初めとする現下の緊急課題に的確にこたえていくことが必要と考えますが、この二兎を追う予算編成にどう取り組んでいくのか所見をお伺いいたします。
 次に、十四年度補正予算について伺います。
 まず、十四年度の都税収入の見込みは厳しいものと見られる上、企業業績の伸び悩みから還付金の急増がふえております。今後、予算の執行見込み等を精査し、財源の捻出を図る必要があります。
 国は、雇用、中小企業のセーフティーネット対策、構造改革、都市再生を推進する公共投資促進を主な内容とする補正予算の骨格を固め、年明けの通常国会へ提出することにしたところであります。
 都における経済情勢を見ましても、景気低迷の長期化と、これに伴う失業率の高どまりなど、雇用対策や中小企業の経営支援策は焦眉の急となっております。また、公共投資においても、連続立体交差などの都市基盤整備、地球環境問題への対応など、投資効果の高い社会資本を着実に整備し、都民の生活の質を向上していくものであり、都の考え方と軌を一にする施策であります。
 都は、この国の補正予算に対応し、雇用・中小企業対策や都市再生の取り組みを速やかに進めていくため、最終補正予算において積極的な対応を図ることが必要と考えますが、所見をお伺いします。
 次に、義務教育費国庫負担金をめぐる動きについて伺います。
 国の十五年度予算編成において、義務教育費国庫負担金のうち、教職員の退職手当などの経費を削減する動きがあります。国庫補助負担金、地方交付税、税源移譲、いわゆる三位一体の改革から、国庫補助負担金の削減のみを先行させるような動きが早くも出てきました。
 義務教育についての国の責任や関与のあり方を深く検討することなく、地方に裁量に余地のない教職員の退職手当のような経費が国庫負担対象経費から外される一方、その財源措置や税源移譲の検討は、逆に先送りされる動きであります。国の十五年度予算において、義務教育費国庫負担金について、一方的な削減は許されるはずがありません。
 都は、義務教育費国庫負担制度見直しについて、国に対して提案要求を行ったと聞いておりますが、こうした国の義務教育費国庫負担金の見直しの動きについて、どうお考えかをお伺いいたします。
 次に、福祉改革についてお伺いします。
 まず、要介護高齢者対策についてですが、さきの介護保険事業支援計画の中間のまとめでは、今後の五年間で要介護高齢者が六六%増加し、四十万人を超えることが予想されています。今後、ますます高齢化が進む中で、要介護高齢者へのこれまで以上の対応策が求められています。
 私は、この要介護高齢者対策は、大きく分けて二つの柱があると思います。
 一つの柱は、そもそも要介護高齢者とならないような予防的な取り組みを地域において積極的に進めていくことであります。
 要介護高齢者の大幅な増加は、本人や介護者の負担となるばかりか、介護保険給付費や老人医療費など、国や地方公共団体の財政圧迫や保険料等の住民負担増を招くことになります。
 まず、介護予防の重要性について、都としてどのように認識しているのか、また、今後どのような取り組みを行っていくのか伺います。
 二つ目の柱は、たとえ介護が必要な状況になっても、住みなれた地域の中で安心して普通に暮らしていける環境を整備することであります。
 都は現在、要介護高齢者が地域の中で住み続けられるよう、グループホームの整備をリーディングプロジェクトとして推進しておりますが、私は、このグループホームは極めて有益なサービスであると思います。しかし、まだまだ高い地価などがネックとなり、その整備が思うように進まないのが現状であります。
 このため、都は今回、重点事業として、痴呆性高齢者グループホームの整備に当たり、土地、建物オーナーに対する改修費の補助制度の創設を打ち出しました。この施策により、資金力がなく、初期経費を負担しづらいNPO等にかわってオーナーが整備することで、これまで以上に社員寮や空きオフィスなどを活用した整備が進むことが期待されます。
 また、従来型の事業者への補助金による設置促進だけではなく、公有地の活用や都営住宅の建てかえ時、大規模な再開発時の整備、さらに、民間企業やNPOなどの多様な事業者の参入を促進するための税制面の支援など、局を超えた横断的なアプローチを展開し、グループホームの設置を強力に推し進めるべきであると考えますが、知事の所見を伺います。
 次に、障害者支援費制度について伺います。
 来年四月の支援費制度導入まで、三カ月余りとなりました。これまでの措置制度のもとでは、行政がサービスの利用を特定し、サービス内容を決定していましたが、支援費制度という新しい制度においては、利用者である障害者がみずからサービス提供主体を選択することとなります。
 また、支援費制度における利用者負担は、負担能力に応じた適切な応能負担であり、事業者との対等な関係に基づき、契約によって利用するもので、障害者の自立を促進するものと考えます。
 そこでまず、この支援費制度について、都としてどのような認識を持っているのか、お伺いをいたします。
 支援費制度を真に障害者の暮らしを支える制度として定着させていくためには、まず選択、利用できるだけのサービスの質と量が確保されなければなりません。都は独自に地域におけるサービス基盤の整備を支援する取り組みが必要と考えますが、所見を伺います。
 さらに、利用者がサービス提供事業者と直接契約を結ぶことになりますので、都として、積極的な情報提供や適切な契約を促すための仕組みづくりなどの利用者に対する支援を早急に進めていく必要があると考えますが、所見をお伺いいたします。
 次に、食の安全、安心確保に向けた都独自の仕組みの構築について、何点か伺います。
 先日発表された都民生活に関する世論調査では、都政への要望として、医療と衛生対策が第一位になりました。食品の安全確保には、まず事業者自身が、消費者に提供する食品の安全性に細心の注意を払うことが前提とされなければなりません。しかし、現在の都の食品安全施策全体の指針である食品安全基本方針には、事業者の責務や食品安全施策全体を貫く体系的な考え方が必ずしも明確になっておりません。
 そこで、初めに、重要施策でも取り上げている食品衛生自主管理認証制度について伺います。
 食に関するさまざまな違反や事故が相次いでおり、都民の食に対する信頼は著しく低下しています。こうした中で、第一に、事業者の自主的な努力を評価する制度は、都民の食品関係事業者に対する理解を深める上で大変有効であると思いますが、なぜ今、この食品衛生自主管理認証制度を推進していこうとしているのか、制度創設のねらいと具体的な仕組みなどについて伺います。
 第二に、この制度が広く普及していくには、店舗などを含む事業者や消費者である都民にとって、実際にメリットが実感できる制度でなければなりません。また、認証を受けようとする事業者の参加意欲が高まらない制度では、継続性のある制度とはなっていかないことは明らかでございます。
 そこで本制度が、対象者である食品関係事業者や受益者である都民にどのようなメリットがあるのか、具体的にお伺いをいたします。
 食の安全を確保するために、事業者の果たすべき責任が今後一層大きなものとなっていくことは間違いありません。しかし、都内には食品を取り扱う膨大な数の施設が集中しており、その種類も多岐にわたっています。このような環境のもとで、この新しい制度を着実に普及させていくためには、計画的な普及戦略が必要だと思います。
 今後、この新しい制度を都の食品安全行政の施策の柱として、どのように定着させていくのか、都の考え方を伺います。
 次に、仮称食品安全条例について伺います。
 都が現在の食品安全基本方針にとどまらず、条例制定の検討を行うとの方針を明らかにしたことは評価しますが、その内容は必ずしも明確になっておりません。
 既に国においては、食品安全基本法制定の方針が明らかにされており、食品衛生法の改正骨子も発表されております。法律と条例の関係等、難しい問題もあるとは思いますが、都の条例はできるだけ早く、早期に制定していく必要があると考えます。条例制定について、知事の所見を伺います。
 次に、都営住宅制度改革について伺います。
 現在の都営住宅制度は、公営住宅法の制定以来、約五十年が経過し、その役割も大きく変化し、現在は住まいのセーフティーネットとして供給することが政策目的となっております。
 しかしながら、その役割の変化に都営住宅制度そのものが追いついておりません。我が党は、こうした認識のもと、これまでも都営住宅制度の改革を訴え、知事も真摯に受けとめ、着実に成果を上げてまいりました。
 我が党の提案で、昨年十二月に一部の都営住宅に導入した期限つき入居制度は、都民の関心も高く、その拡大を求めており、今回、知事は法改正を待たずして都独自の条例改正を行うことを決断いたしました。これは、東京を預かる知事として、東京の住宅事情を踏まえた果敢な決断であると考えております。
 そこで伺いますが、このように決断した理由は何か、また、その意義をどう考えているのか、知事に伺います。
 さらに、今回の条例改正において、法改正を待たずに行うことにより制約があると考えますが、条例改正の内容、公営住宅法との関係についても伺います。
 都営住宅は、真に住宅に困窮する人に的確に供給するとともに、都民に公平に、かつ都民全体のニーズを踏まえた政策にも活用していく必要があります。
 これまでも我が党の指摘により、滞納整理や高額所得者明け渡しの強化、使用承継制度の見直しなどの改革を着実に実施してきましたが、引き続き都営住宅制度改革の徹底を図っていくことが必要であると考えますが、所見を伺います。
 次に、マンション施策についてですが、都民の居住形態として広く定着している現在、知事の都民ニーズに的確に取り組む姿勢が見られます。そこで、維持管理も含め、都のマンション施策に対する基本的な考え方及び今回発表された建てかえ支援策の内容について伺います。
 また、住宅市場の活性化をにらんで、優良マンション登録表示制度を実施するとしていますが、そのねらいと効果についてもあわせてお答えをいただきます。
 次に、都施行の土地区画整理事業についてお伺いをいたします。
 区画整理事業は、都市再生の主要な手法として、都心部では汐留など大規模跡地を中心に、周辺区部では瑞江駅西部地域など良好な居住環境の形成を目的に実施されております。
 しかし、経済の低迷に伴い、周辺区部の区画整理事業については十分な予算が確保できず、事業が遅延し、住民と約束してきた当初計画に支障を来しています。地域の住民から、これでは生活再建のめどが立たない、早く事業に着手してほしいという事業促進に向けた切実な要望が出されています。
 こうした現状を受け、北、足立、江戸川、三区の都議会議員は、都施行区画整理事業の一層の促進を図るため、去る十月十一日、超党派の議員から成る東京都議会土地区画整理事業促進議員連盟を設立したところです。
 低迷している我が国経済を牽引していくためには、確かに都市再生特別措置法に基づく緊急整備地域に指定されている都心部の開発を進めることは必要であります。しかし、東京を再生するという観点から、またバランスのとれたまちづくりを進める上から、周辺区部の市街地整備も不可欠と考えます。
 都施行区画整理事業の推進に向けた今後の考え方と決意をお伺いいたします。
 次に、スーパー中枢港湾指定への取り組みについて伺います。
 先般のアメリカ西海岸の十一日間にわたる港湾封鎖は、米国に大きな経済損失をもたらしたばかりでなく、我が国の輸出産業にも大きな影響を及ぼしました。経済のグローバル化が進む中で、物流機能の拠点である港の重要性を改めて我々に知らしめました。
 翻って我が国は、これまでの経済力に安住し、貿易政策に力点を置いてきたものの、世界を視野に入れた戦略的な港湾政策の展開には余り関心を示してきませんでした。そんな結果、日本の港湾はアジア諸港との競争力を失ってしまったのです。
 こうした危機をやっと国も認識し、港の国際競争力強化を国家的命題として、アジア諸港との競争に勝ち抜くため、従来の分散型の港湾整備のあり方を見直し、選択と集中の視点から主要港をスーパー中枢港湾として育成していくことにしました。
 前回の第三回定例会において、我が党の提案に答える形で、東京港もこのスーパー中枢港湾に立候補することを表明しましたが、ぜひともこの指定を受け、引き続き首都圏四千万人の生活と産業を支える港としての機能を維持していくべきと考えます。
 そこで、まず躍進著しいアジア諸港は、我が国港湾と比較して、港湾物流における仕組みや機能の側面でどのような優位性があるのか伺います。
 また、都はスーパー中枢港湾の指定を受けるに当たって、国に対してどのような働きかけを行ってきたのかもお伺いします。
 さらに都は、このスーパー中枢港湾の指定を受け、東京港をアジア諸港に対抗し得る港にするため、どのような取り組みをしようとしているのかも伺います。
 次に、羽田空港の再拡張について伺います。
 羽田空港の再拡張は、日本の運命を左右する重要な事業であり、あくまで国の責任によって早期に実現されるべきであると考えます。早期着手、推進に向けて、財源問題を含めて知事の所見をお伺いします。
 次に、多摩地域における道路整備状況について伺います。
 東京の道路整備の状況は、都市計画道路の完成率を見ても、都全体で五三%にとまり、都の中で区部は五七%に対し、多摩地域は四九%と格差があります。東京の活力を高め、国際都市間競争に勝ち抜いていくためには、多彩な特性を持った地域から形成されている多摩地域全体の活力を高めていく必要があります。多摩地域は、多くの大学、豊富な人材を有し、先端技術産業や研究機関が集積するとともに、豊かな自然と良好な居住環境を持った地域であり、これらの特性を生かして発展していくことを求められています。
 しかしながら、多摩地域の各地域を結ぶ幹線道路、特に南北道路の整備が不十分であり、各地域が自立しつつ、それぞれの機能を効率的に結びつけ、交流を深めていくためにも、南北道路の整備を早急に進める必要があります。多摩各市の連携を図る南北道路の整備の現状と今後の取り組みについてお伺いをいたします。
 また、多摩地域南北道路は、交通の流れを確保し、各地域の連携を図る多摩地域の重要な道路です。整備に当たっては、沿道の環境に配慮することはもちろん、多摩の特性を生かした良好な町並みが形成できるような道づくりを進めるべきと思いますが、整備に当たっての考え方をお聞きします。
 多摩地域の自立と連携を図るためには、広域的なネットワークを形成する東西南北の骨格幹線道路に加え、地域の幹線道路もあわせて整備していく必要があります。特に駅周辺や公共施設へのアクセスとなる都道は、地域住民の生活を支える重要な道路であります。現在、市町村が取り組んでいる活力と魅力に満ちた地域づくりを実現するためには、整備区間を限定してでも、このような都道を早期に整備し、地域の利便性や安全性の向上を図る必要があります。
 このように、各地域において住民の生活を支え、まちづくりにも深くかかわる都道の整備について、都と市町村がそれぞれの役割を踏まえて、協力して取り組むべきと考えます。
 そこで、市町村と連携した道路整備の進め方についてお伺いをいたします。
 次に、東京スタジアムのネーミングライツについてお伺いをします。
 先日発表された東京スタジアムにおけるネーミングライツのスポンサー企業の決定は、全国のスポーツ施設などの運営のあり方を変えるものであります。
 日本サッカー協会の川淵会長から、全国の他のサッカースタジアムにも明るい展望を与え、大きな励みになるとの賛辞が寄せられているとのことであり、各界の期待がいかに大きいか推察されます。
 ぜひともスポンサーである味の素株式会社と一致協力し、地域から一層愛され、全国のよき見本となるスタジアム運営を実現していただきたいと願っておりますが、今回の決定について知事はどう評価されているのか、所見をお伺いします。
 次に、毎年、市町村の公共施設や都市施設を整備する際に、国の起債制度を補完するものとして大きな役割を担っているのは、区市町村振興基金であります。
 これまで我が党の議員を初め、多摩の議員が振興基金の金利負担軽減を定例会や委員会で繰り返し繰り返し強く申し上げてまいりましたが、その成果がようやく実り、平成十三年度には借りかえ制度が導入されたのであります。
 これは、高金利時代に借りた資金を一たん繰り上げ償還し、その償還財源経費を新たな借換債として現在の低い金利で借りる制度で、市町村にとっては高金利負担から解放される道が開けたわけであります。昨年度の振興基金借りかえの実施について、市町村から大きな歓迎の声が上がりました。市町村の財政健全化を図るためにも、極めて適切な措置であったと理解をいたしております。
 市長会、町村会からの要望があるように、ぜひとも借りかえ対象利率のさらなる引き下げを実施すべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。
 次に、伊豆大島の波浮港沖で座礁、炎上した自動車運搬船の対策について伺います。
 十月の台風二十一号の影響で座礁事故を起こした自動車運搬船は、先般十一月二十六日、火災を起こし、油の流出による環境汚染及び漁業被害を拡大させました。事故を起こした船主が責任をとり、漁業補償や漁場の回復を速やかに行うことは当然のことであります。
 現在、漁協や漁業者は、定置網漁業、貝類の採取漁業、イセエビ刺し網漁業等の操業を停止している状態であり、漁業収入の道を閉ざされ、極めて厳しい状況に直面しております。これから年末にかけて漁の盛んな時期であり、死活問題であるといっても過言ではありません。
 自動車運搬船座礁事故による環境汚染や漁業被害などに対して、今後、都として全庁挙げて取り組むべきと考えますが、知事の所見を伺います。
 また、漁協や漁業者が操業できずに苦慮しており、経営資金の融資を緊急にすべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、教育問題について伺います。
 現在、国において教育基本法の見直しが行われており、今まさに、戦後五十年の教育のあり方を見直す転換期にあります。こうした中で、教育委員会では、人事考課制度や主幹制度の導入、都立高校改革の推進など、さまざまな教育改革を行っていますが、教育改革の成否は、まさに教員の意識改革と資質向上にかかっているわけであります。
 教員には、日本の未来を担う子どもの人格形成にかかわるという社会的役割の重さがあります。そのため、子どもへの深い愛情と教育に対する使命感、高い識見と指導力が求められています。子どもから尊敬され、保護者からも信頼されるいわば聖職者としての期待があるわけです。
 しかしながら、現状では、教員には学校特有の横並び意識というあしき風土があり、上司の校長や教頭の指導に耳をかさなかったり、教育委員会が主催する研修会に否定的であったりするなど、教育の自由を守るという美名のもとに、みずからの職責に対する自覚に欠ける教員も少なくないという実態があります。
 こうした中で、都教育委員会は、来年度から教員の研修体系を改善すると聞いておりますが、新しい研修体系の基本的な考え方についてお伺いをいたします。
 研修体系の改善により、一人一人の能力が組織的に生かされるよう、学校運営組織の確立が必要であると考えます。そのためには、来年度から導入される主幹の役割が重要であると考えます。
 主幹制度を適正に機能させるためには、新たな給与表と役職を設けるだけではなく、主幹としての資質、能力の向上のための適切な実績管理を行っていくことが必要であると考えますが、所見を伺います。
 次に、ながら条例について伺います。
 我が党は、本年三月の予算特別委員会や六月の第二回定例会代表質問において、職員団体のための職員の行為の制限の特例に関する条例、いわゆる、ながら条例を改正し、準備行為を削除すべきとの見解を表明しました。
 勤務時間中の職員団体活動は、地方公務員法で定められた職務専念義務の例外中の例外であり、都民の皆様方の理解や納得を得るためには、旧自治省準則に規定されていない準備行為を絶対に認めるわけにはいかない考えだからです。
 こうした我が党の主張を受け、条例制定以来三十六年間にわたって認めてきた、ながら条例が、労使交渉を重ね、都庁職とは去る十一月十五日に、勤務時間中の職員団体活動の抜本的見直しについて合意しました。その後、都教育委員会関係団体とはおおむね合意したということです。本来、交渉の準備と称して勤務時間中に組合活動を行っていることは大きな問題です。
 今回の、ながら条例改正の意義について、知事の所見を伺います。
 今回の抜本的な見直しは、勤務時間中の職員団体活動を適法な交渉に限定し、準備行為は認めないという内容ですが、従来の準備行為がそのまま適法な交渉に読みかえられて運用されるのでは何の意味もありません。
 適法な交渉の範囲について、どのように考えているのか、条例所管局である総務局長の所見を伺います。
 また、今回の準備行為を削除することによって、水面下でやみの活動や脱法的な行為が蔓延するならば、かえって昭和四十年代のあのやみ専従の横行に逆戻りすることになります。時間内組合活動制度の今後の厳格な運用についてどのように取り組むのか、所見を伺います。
 この問題の発端は、何といっても学校現場です。全国的に見ても、勤務時間中の職員団体活動への参加手続に適切さを欠く教職員の事例が多数報道されております。児童生徒への教育活動より組合活動を優先させて、恥じることなく平気でいる教師がいるとすれば、断じて許すことはできません。
 また、何かあっても、いつでも身近に先生がいることで、安心してお子様を学校に出しておられる親御さんたちの学校への期待を足げにするものであります。学校や先生方への信頼を裏切らないためにも、学校現場における勤務時間中の職員団体活動の見直しは急務と考えますが、教育長の所見を伺います。
 最後に、人事委員会勧告に基づくベースダウンと、特例条例による給与削減措置についてですが、職員の給与の取り扱いについては、昨年の第四回定例会及び本年の第一回定例会において激しい議論が行われた問題であります。
 我が党は、この問題について、これまで一貫して、都民感覚を正しく認識した対応を理事者側に求めてまいりました。先行き不透明な景気の中で、民間企業がばたばたと倒れ、都民は日々の生活を維持するために必死に努力を続けています。
 今回、理事者側から提案された二つの条例案を見るに、給与削減率は四%から二%に圧縮したものの、削減期間を八カ月延長し、あわせて、人事委員会が勧告したマイナス改定一・六四%や特別給の削減を実施するという、一定の評価ができる内容であります。理事者におかれましては、今後も都民の声によく耳を傾け、社会経済情勢を十分に踏まえ労使交渉に臨むことを要望しておきたいと思います。
 なお、本日は厳しい課題の質問ばかりでしたが、このような中で、去る十月には大きな明るいニュースもございました。小柴昌俊氏のノーベル物理学賞と、田中耕一氏のノーベル化学賞という、我が国初の二人の受賞がありました。とりわけ、小柴氏の研究を支えた企業の功績や、民間企業の一研究員である田中耕一氏が受賞されることに、産業の活性化や人材の育成を最重点課題の一つと位置づけている我が党は、大変喜ばしいことと受けとめております。
 もともと資源小国の我が国にとって、田中氏のような独創的な研究は極めて重要です。東京は、ものづくりに励む企業がたくさんあります。このため、我が党は、産学公の連携を強化し、第二、第三の田中氏を目指す環境整備に精いっぱい努力していくことをお誓いして、自由民主党を代表しての質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 宮崎章議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、大気汚染対策の強化などに関する国への働きかけについてでありますが、かねて主張してまいりましたように、大気汚染の根本的な責任は、排気ガスの規制というものの責任のある国の怠慢でありまして、東京の大気汚染の現況は深刻で、一刻も猶予がならないものと思います。
 これを早期に根本的に解決するためには、国を最大動かすことでありまして、先般、総理にも会いましたときに、いつもテレビなどで私見せております、五〇〇ミリ入りのちっちゃなプラスチックのボトルに満杯の粉じんを見せまして、これが一日十二万本東京に蔓延しているんだといいましたら、一万二千本じゃないのかというから、冗談じゃない、十二万本だといったら、あの人、突然絶叫しまして、わかった、とにかく、じゃあ、政府は世界で一番厳しい規制をするといったんですけど、次の日どうなったかよくわかりませんが、これはやっぱり後で追い込んでいかなくちゃいけないと思っておりますけれども、今後も、都議会を初め都民の皆様とともに広く世論を形成しながら、国の責任のある対応を求めて、強く求めてまいりたいと思っております。
 次いで、その自動車メーカーの責任についてでありますけれども、国の大気汚染、東京の大気汚染の根本的な責任は、国の、繰り返して申しますけど、自動車排気ガス規制の怠慢にあります。しかし、その自動車排出ガスが大気汚染の原因である以上、自動車メーカーにも法的な責任が、あるかないか微妙なところでありますが、いずれにしろ、排出ガスの低減に努める社会的責任があることはもう否定できません。
 ただ、この問題について、私、今、経団連の会長、トヨタの社長時代の奥田氏と話したときに、彼は、うちはできるんだ、うちはできるけど、ほかがどうかわからないがという、一種の自負に満ちた言葉を吐いておりましたけれども、ならば、トヨタだけでもとにかく、大きなシェアを持っている会社でありますから、やってもらいたいものだと私申しましたが、いずれにしろ、日本の技術の水準は、十分この要望にたえる能力を持っていると思いまして、こうした観点からも、今までも自動車メーカーに対して、低公害車の早期開発、販売を強く要請してまいりましたが、今後も、先般の大気汚染公害訴訟一審の判決を契機として、国に健康被害者救済制度の創設について申し込んでまいりましたし、その際、メーカーの費用負担も含めて検討するように強く求めてまいりました。
 自動車排出ガスによる大気汚染の問題の解決が、人間の生命にかかわる問題としてクローズアップされている今、自動車メーカーには環境保全についてより大きな社会的責任を負うことが求められる、これが時代の要請であると認識しております。
 次いで、ディーゼル車規制に伴う零細事業者への支援策についてでありますが、大気汚染などの環境問題は、もはや経済とのトレードオフ、つまり取りかえっこの問題ではなくて、まさに命との、生命とのトレードオフの関係になっておると思います。
 この十年間、ともかく乳幼児のアトピーが倍以上ふえたというのも、深刻なその証左でありまして、来年十月から開始するディーゼル車への規制は、大気汚染の軽減に必要な最低限の措置、すべての事業者が遵守する必要があると思います。
 既存の融資制度を利用できない小零細企業者には、緊急対策としての都独自の新たな融資制度を創設いたしまして、これらの支援策を活用し、ディーゼル車規制への円滑な対応を促進していきたいと思っております。
 次いで、重要施策についてでありますが、就任以来、東京から、この日本の首都である東京から日本を変えようということで、スタッフ以下衆知を集めて、まちづくり、福祉、環境などさまざまな分野で、あえて自負すれば、国に先駆けて幾つかの改革に取り組んでまいりました。まだ軌道の途中でありますけれども、これからは、こうした取り組みを次の段階に発展させ、都庁全体の力を束ねて都政を飛躍させていくことが必要であると思っております。そのためには、これまでのように、これもあれもという網羅的な総花的な計画では、ただ字面に終わってしまうわけでありまして、政策からその執行体制まで含めた戦略が必要であると思っております。
 重要施策のとらえ方は、こうした考え方から、都政の構造改革をも推進する戦略、戦術の指針として規定をいたしました。
 また、重点事業は、当然複合的、重層的な視点で、改革の先鞭をつける事業に絞って選定をいたしました。
 今後、重要施策に取り組むことを通じて、制度疲労を起こしている都政の組織体質や既存のさまざまな仕組みを本当に改革し、構造改革を都庁全体に浸透させていきたいと思っております。
 次いで、平成十五年度予算編成についてでありますが、都財政を取り巻く環境は、景気の先行きに予断を許さない今日の状況の中で、都税収入は昨年度に引き続き低い水準にとどまると予測されまして、厳しい状況が続いております。
 こうした中で、十五年度は、財政再建推進プランの最終年度でありまして、より一層の財政構造改革の取り組みが必要であります。
 また、一方では、中小企業、雇用対策、ディーゼル車対策など、現下の緊急課題に果敢に対応するとともに、首都東京を再生し、都民の安心、安全を確保するため、万全の手だてを講じていかなければなりません。ご指摘がありましたように、まさに二兎をあえて追わなくてはならない状況でありますが、それをあえて意識して、現在編成を進めております十五年度予算においては、徹底した内部努力や聖域のない施策の見直しなどを強力に進める一方、あらゆる工夫を行って財源を確保し、都が直面する緊急かつ重要な政策課題に積極的に取り組んでいきたいと思っております。
 次いで、国の補正予算への対応についてでありますが、お話のとおり、国は、雇用対策の強化、中小企業対策の充実などによるセーフティーネットの構築と、都市再生の推進を初めとする公共投資促進などを柱に補正予算を編成することを明らかにしております。
 これは、小渕内閣のころから私が建言して、ようやく三代目の今の内閣で形になってきたわけでありますけれども、都は、現下の深刻な経済状況を踏まえて、既に十月から経済・雇用緊急プロジェクトを実施しておりますが、今後さらに、国の補正予算の内容を十分に把握した上で、厳しい財政状況の中、財源の確保を図りながら、最終補正予算において適切に対応してまいりたいと思っております。
 次いで、痴呆性高齢者グループホームについてでありますけれども、私も先般、二カ所、このグループホームを視察しまして、非常にいろんな示唆を受けました。
 一見普通のお年寄りに見えるんですけど、話しているうちに、同じことを何度も何度も繰り返される。家族はさぞつらいだろうなと思いますが、ぼけた同士というんでしょうか、痴呆にかかった方々だけだと、それが、何というんでしょうか、余り抵抗に感じられず、皆さんとても仲よく住んでいらっしゃるというのは、ある意味で地域というものの中にあり得る共助の姿勢かなと思いました。
 こういう意味で、グループホームは、家庭的な環境の中で共同生活を高齢者が営んで、生き生きと暮らすことのできる場でありまして、その設置の促進は極めて重要と心得ております。
 グループホームに対する固定資産税などの減免措置といった税制面での支援や、都有地を活用した民間事業者の整備への支援などは、既存の補助制度と相まって、有効な設置促進施策となり得ると思います。今後、こうした組織の垣根にとらわれない取り組みを総合的に展開することによりまして、都独自のグループホーム増設策を講じていきたいと思っております。
 次いで、食品安全条例制定についてでありますが、何といっても東京は日本最大の消費地でありまして、この問題が先鋭にあらわれてくるスポットでもあります。
 そういう意味で、国がどういう形の法律をつくってくるかわかりませんが、場合によってはその枠をはみ出してでも、都民の負託にこたえられるような、ある意味で厳しい、しかも迅速な対応のできる内容のものにしていきたいなと思っております。
 食への信頼が揺らいでいる今日だからこそ、都が率先して、食品安全にかかわるこのような条例を制定することは、日本の社会全体にとっても意義のあることだと思っております。制定に当たりましては、解決しなきゃならない問題もたくさん残っておりますが、早期に条例制定が行えるよう、一生懸命検討していきたいと思っております。
 次いで、期限つき入居制度の一般都営住宅への拡大についてでありますが、期限つき入居制度を導入できるよう、国に対して法改正を提案要求してまいりました。
 しかし、国は今のところ全く動きがありません。国の対応を待つことなく、可能なものについては独自に制度拡大に踏み切るべきだと判断いたしました。
 この制度によりまして、都民共有の財産である都営住宅の利用機会の公平性の確保を図るとともに、地域の活性化にも寄与するものと考えております。
 そもそも、国が考えている国全体、日本全体の平均的な住宅事情と、都は明らかに違っておりまして、それならそれに、その特性というのを踏まえた対応が必要だと思いますので、国が今後どういう動きを持つかわかりませんが、都は独自の積極的な対策をしたいと思っております。
 次いで、羽田空港の再拡張についてでありますけど、これは森内閣時代に私からいい出しまして、政調会長の亀井君と二人でかなり強引に国家のプロジェクトとして登録いたしましたが、ことしようやくこの問題が現実の問題と……(発言する者あり)本当にいうとおりだね。肝心なところだったのにな。(笑声)
 ようやく予算措置という段階になりましたが、ちょっと都とのやりとりの中で、危うく、国交省にちょっとちょろまかされて、ひどい目になりそうな仕組みがありまして、これは、浜渦副知事を直接扇大臣にぶつけることで、結果としては着工のはっきりしためどがつきました。
 その前に、こういう問題の国家的な意味合いについて、国の役人も国会議員も、社会的、文明的な認識がない。非常に歯がゆく思っておりましたが、ようやく財界筋が動き出しまして、先般、経団連の会長の奥田さんがみずから事務所に来てくれまして、これは私が責任持って政府にぶつけるといって、総理に直接会談し、強く要請しまして、それも踏まえて、さらに突っ込んだ話をしてまいりましたが、その過程で、東京からいい出したことであるから、東京だけでも金を出せ、関係のある首都圏を構成している七都県市が金を出せなんていうことが、わけのわからぬ形で、財務省と思っておりましたが、国交省の中から出てきまして、これは非常に拙劣というか強引というか、国のすべき努力もせずに、それなら東京だけでもとりあえず金出せみたいなばかな話でありまして、これははっきり拒否して、つぶしました。
 いずれにしろ、何度かの交渉の結果、今限りの結論として、とりあえず、とにかく着工準備の調査の予算は国費から出して手を染めると。その作業とは、環境アセスメント、それから漁業実態調査、それから船舶航行安全調査。これは、私たちの案と違って、国の方が、その方がより好ましいんですけれども、従来ほとんど不可能でありました、建設省の河川局が頑として譲らなかった、多摩川の河口に桟橋を直角に設けるということは未曾有のことでありますが、これはむしろ国交省の方から、この方がB滑走路に平行して、一〇〇%羽田を使えることになるということで、大変結構なことですけど、かなりいろいろな問題があります。コンテナ船の航路にもかかっておりますし、埋め立ても一部削らなくちゃいけないところが出てきますが、いずれにしろ、そういった設計にかかわる船舶航行安全調査。それからボーリングの土質調査、それから技術基準策定調査など、これらの着工準備の調査の予算を国費から出して、一歩二歩事が前進するはずであります。
 次いで、東京スタジアムのネーミングライツについてでありますが、厳しいこの経済環境の中で、五年間で十二億円という契約については、シアトルのイチローが活躍しておりますセーフィコフィールドなど、海外での事例にも比肩する内容でありまして、世界的に優良な企業であります味の素株式会社と契約できたことは非常に大きな成果があったと思います。
 そもそも、私、就任しまして三、四カ月のときに、いきなり、この東京スタジアム、とてももうからないから損切りさせてもらいたいというんで、右から左へ判をつくわけにいきませんので、ちょっと預けてくれということで、三カ月ほど預かって、知人の金融関係の専門家の手にゆだねて相談しましたが、とてもこんなものを債権にして買うばかはいない、絶対もうからぬということで、結果としては損切りにしましたが、しかし、それでもなお、やはり補えるものは補わなくちゃいけないということで、ネーミングライツをあそこで適用して行いました。
 都が抱えているほかの公共施設、例えば上野の文化会館などもそうですけど、こういったスポーツに限らない公共の施設というものを、採算とるためにも、こういった試みをスポーツに限らず、私はやっぱりやっていくべきではないかと思っております。
 いずれにしろ、東京スタジアムが先鞭をつけましたことで、日本じゅうの会場が、運営改革の有力な手法としてこれを取り入れ、日本全体に波及していくことを期待しております。
 次いで、区市町村振興基金の借りかえについてでありますけれども、都はこれまでも、都内市町村の財政健全化を図るために、調整交付金などにより財源補完を行い、適切に対応してまいりました。しかし、多くの市町村の財政状況は依然として厳しい状況であります。
 このために、高利率となっている振興基金の既貸付分の借りかえ対象利率の引き下げにつきましては、市町村の財政状況や貸付金利の状況などを見きわめながら、来年度の実施に向けて考えていきたいと思っております。
 次いで、伊豆大島の座礁船事故についてでありますが、都は、十月一日の事故発生当初から、大島町が設置した対策本部に参加し、海上保安庁などの関係機関とともに、油防除などの対策を行ってまいりました。
 また、十一月二十六日の座礁船火災発生の直後に、都の関係八局で構成する座礁船事故連絡会議を設置し、波浮地区の大気測定や住民の健康被害調査、海底調査などを実施しております。
 今後とも、船主側に対して環境汚染や漁業被害の拡大防止と損害賠償を求める、町、漁協を全庁挙げて支援していくつもりでございます。
 最後に、いわゆるながら条例の改正についてでありますが、従来、非常に陳腐で浅薄なイデオロギーに踊らされていた教員組合が、すべてとはいいませんけれども、日本の、都に限らず、教育を混乱させ、荒廃させてまいりました。
 その一つの事例が、このいわゆるながら条例でありまして、これを、当然のことでありますけど、修正し、都民の納得できるものに直すことは、日本の教育の荒廃を救うための一つの手だてであるとも思っております。
 そのため、適法な交渉の範囲が明確ではありませんでしたが、今回の条例改正により、その範囲を明確にし、準備行為は認めないことにいたしました。これによりまして、職員団体の活動に対しても都民の理解が得られるよう、原則に立ち返り、あくまでも原則に立ち返り、新しい労使関係を築いていきたいと思っております。
 なお、その他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。
   〔教育長横山洋吉君登壇〕

○教育長(横山洋吉君) 教育に関します四点の質問にお答え申し上げます。
 まず、国の義務教育費国庫負担制度の見直しについてですが、義務教育費国庫負担制度は、憲法に基づきまして、国と地方がともに協力をして義務教育に責任を負う制度でございまして、それゆえに国庫負担金とされているものでございます。
 それにもかかわらず、地方分権改革推進会議など、現在の国における議論は、負担金と補助金を必ずしも明確に区別せずに、単なる国の予算編成上の都合によって、専ら財政論としてなされているように見受けられ、このまま国庫負担金が縮減ないしは廃止されることになりますれば、都財政はもとより、地方財政へ負担を転嫁するものとなるのみならず、全国的な義務教育の機会均等と、その水準の維持向上が困難になるのではないかと危惧をいたしております。
 教育は国の基盤をなすものでございまして、特に義務教育は、国民として必要な基礎的資質を養うために必要不可欠なものでございます。このため、国は、所要の財源を確保し、国庫負担制度を引き続き堅持をして、義務教育に責任を果たしていくべきものと考えております。
 次に、教員の新しい研修体系の基本的な考え方でございますが、教員の資質向上をより効果的に進めるためには、一人一人の課題に応じて能力開発を行うことが重要でございます。
 このため、都教育委員会は、教員の研修体系を見直しまして、必修研修と選択課題研修を柱としまして、必修研修には、初任者研修と新たに法律で義務づけられた十年経験者研修を、選択課題研修にはキャリアアップ研修などをそれぞれ位置づけまして、人事考課と連動した一人一人の能力や課題に応じた研修を行ってまいります。
 また、教員のライフステージを三つの段階に分けまして、各段階において、各教員が、人事考課に基づく校長の指導助言を受け、それぞれの課題に応じた研修計画をキャリアプランとして策定することを義務づけまして、これに基づいて資質向上を図ってまいります。
 次に、主幹制度を適正に機能させることについてですが、都教育委員会は、主幹を、教頭を補佐し教員を指導監督するなど、教員のリーダーとして学校運営上重要な役割を果たす職として位置づけております。
 このため、主幹選考合格者に対する任用前研修や任用後の研修を実施しまして、主幹としての意識を高めますとともに、職務に必要な資質、能力の向上を図ってまいります。
 また、各都立学校において、学校経営の中枢となる企画調整会議で主幹が十分役割を発揮するよう徹底を図りますとともに、来年度から導入する学校経営計画の策定に主幹を参加させることなどによりまして、学校経営の改善、充実が図られるものと考えております。
 ご指摘のように、他の教員に対する指導監督や人材育成など、職務を実際に遂行しているか否かを評価することが重要でありますことから、人事考課の中で、主幹制度が適正に機能するよう、業績管理を行ってまいります。
 最後に、教職員にかかわる職員団体活動の見直しについてでございますが、学校現場におきましては、勤務時間内の職員団体活動のために授業や児童生徒の指導に影響があってはならず、教職員にとって職場を離れることの重みは行政系と全く異なっていると考えております。
 このため、都教育委員会は、学校現場の特殊性を踏まえまして、適法な交渉の範囲の中で認める職員団体の機関運営を支部レベルについては認めないなど、知事部局と比較しましてより一層縮減した内容に改め、厳正に実施をしてまいります。
   〔環境局長小池正臣君登壇〕

○環境局長(小池正臣君) ディーゼル車対策についてのご質問にお答えいたします。
 ディーゼル車規制の開始に向けた七都県市連携による施策の展開についてでございますが、ディーゼル車規制を円滑に推進するため、本年十一月十三日、七都県市首脳会議のもとにディーゼル車対策推進本部を設置いたしました。
 直ちに国に対し、粒子状物質減少装置の装着に係る支援措置を要求するとともに、全国業界団体等約七百団体や自動車整備業界に規制内容の周知等の協力を要請いたしました。また、十二月六日には、国に対し、自動車NOx・PM法の当初予定どおりの適用、さらに不正軽油対策などについて要求いたしました。
 今後も、七都県市が連携協力し、粒子状物質減少装置の共同指定など、対策推進のための条件整備を行いますとともに、ラジオなどを活用した全国的な広報活動や、規制対応に関する事業者への働きかけ等を幅広く展開してまいります。
   〔産業労働局長有手勉君登壇〕

○産業労働局長(有手勉君) 商店街振興など八点のご質問にお答えいたします。
 まず、再構築後の商店街振興策における事業名称についてでございます。
 事業の効果を高めていく上で、事業名称は極めて重要な役割を果たしていると認識しております。
 商店街振興策の再構築に当たっては、元気を出せ商店街事業のこれまでの成果を踏まえ、事業の継続性やわかりやすさなどにも留意していくべきであると考えます。こうした観点から、本事業の名称については、ご提案も踏まえ、検討してまいります。
 次に、本事業に係る経費負担についてでございます。
 商店街振興に当たっては、区市町村と連携して、商店街の自助努力を支援することが都の役割と考えております。
 地域のそれぞれの現状を見ると、商店街、区市町村ともに、経費の負担の面で取り組みに相違があるものと認識しております。そこで、意欲的に取り組むどの商店街も、新たな商店街振興策を活用することができるよう、都が一定の配慮をすることも必要と考えております。
 次に、年末金融対策の実績についてであります。
 新設した二つの融資制度の十一月末現在の実績は、即応型資金融資、いわゆるつなぎが一万七百七十二件、四百二十五億円余、企業活性資金融資、いわゆる借りかえが八百六件、百二十二億円余となってございます。また、複数借入金の一本化につきましては、十月、十一月の二カ月で一千六百五十八件、二百六十五億円余となっております。
 この実績は、都が信用保証協会や金融機関等に対し積極的な対応を要請し、協会等も迅速にこたえた結果であり、中小企業の年末における資金需要に貢献しているものと認識しております。
 次に、国の信用保険制度についてでございますが、都は本年十一月、中小企業向け融資を積極的に進めるため、その根幹となる信用保険制度の充実強化に向けて、国費の追加投入を求め、国に提案要求いたしました。経済産業省は、今年度補正予算において、信用補完制度の財政基盤の強化のため、二千五百億円を要求したと聞いております。
 次に、保証料についてでございます。
 国は、保証料を来年度から現行より〇・三%引き上げる方向で検討していると聞いております。仮に、金額五百万、返済期間五十カ月の融資で、保証料が〇・三%上がった場合を試算してみますと、保証料は一カ月当たり六百八十七円の増となります。
 ご指摘のとおり、信用保険は、受益者である中小企業の支払う保証料を基礎とするものであり、制度の安定のため、保証料の改定は考慮されるべき事項と考えます。
 小口融資の保証やセーフティーネットに関する保証など、一定の配慮を要する保証については、過度の負担を招かないように国に積極的に働きかけてまいります。
 次に、事業再生融資についてでございます。
 民事再生法等の手続を行う中小企業が、金融支援を受けることにより事業の再生を果たすことは、雇用の場の確保や地域の活性化に結びつくものであり、東京の産業再生にとっても有効でございます。
 このため、都は、都議会の意見を踏まえ、この制度の実現を国に要望してまいりました。十一月の法改正後、国は現在、保証の具体的な内容を検討中であり、その内容が確定次第、都としても迅速に対応してまいります。
 次に、農協に対する施設検査の実施についてでございますが、都は、農協の業務の健全性や適切性を確保する観点から検査を実施しておるところでございます。
 信用事業については、各農協の規模や特性、債務者の経営実態等を十分踏まえ、金融検査マニュアルの機械的、画一的な運用に陥らないよう配慮して検査を行っております。
 今後とも、農協の正常な事業運営を促進するため、農協との十分な意見交換を通じて、公平かつ適切な検査の実施に努めてまいります。
 最後に、伊豆大島の座礁船事故に絡みます漁協や漁業者に対する資金融資についてでございます。
 自動車運搬船の座礁事故以来、波浮港漁業協同組合や漁業者は操業停止を余儀なくされまして、漁業収入が途絶えておりまして、大変苦しい状況にあると認識しております。
 このような被害をこうむっている漁協や漁業者に対して、都といたしましては、まず漁業近代化資金を活用し、今月中に漁業経営の運転資金の融資を実行いたします。さらに、年明けにも、新たな特別融資制度を設け、低利の資金融資の措置を講ずる予定でございます。
 今後とも、漁協や漁業者の適切な支援に努めてまいります。
   〔知事本部長前川燿男君登壇〕

○知事本部長(前川燿男君) 重要施策と知事本部の役割についてお答え申し上げます。
 私ども知事本部の役割は、都政が直面する重要課題の解決に向けて、都庁の潜在的な力を十分に発揮させることにあると考えております。そのためには、ともすればライン化しがちな各局の仕事を横断的、総合的に調整し、取りまとめていくことが重要でございます。
 お尋ねの重要施策は、政策から執行体制に至るまで、都庁の全組織を挙げて構造改革に総合的に取り組む戦略指針として策定したものでありますが、策定の過程におきましても、知事本部と各局が議論を積み重ね、相互にフィードバックを繰り返しながらつくり上げてまいりました。
 今後は、こうした各局を総合調整する知事本部の役割をさらに充実強化することが必要と考えております。重要施策の推進はもちろん、都政全般にわたる重要課題の解決のため、各局と力を合わせながら全力を尽くしてまいります。
   〔主税局長安間謙臣君登壇〕

○主税局長(安間謙臣君) 平成十四年及び十五年度都税収入見通しについてのご質問にお答えいたします。
 十四年度当初予算におきましては、都税収入額を前年度実績に対し七・九%減と厳しく見込んだところでありますが、十月末現在の対前年同期比は一〇・二%減と、当初見込みを二・三ポイント下回る減収となっております。一部に企業収益回復の兆しが見られるものの、今後この差を上回る税収の伸びは期待できないと思われることから、当初予算額の確保は難しいものと考えております。
 十五年度は、リストラ等による企業収益の改善が見込まれますが、我が国経済は、株価の低迷や金融システムなどの不安要因を抱えていること、また、海外経済も先行き不透明なことなど、内外経済の減速が懸念されます。
 これらのことを勘案いたしますと、十五年度の都税収入額は、十四年度当初予算額を下回るものになると考えております。
   〔福祉局長川崎裕康君登壇〕

○福祉局長(川崎裕康君) 福祉に関します四点にお答えいたします。
 まず、高齢者の介護予防についてでございます。
 高齢者が元気で生き生きと暮らし続ける上で、また、介護に要する社会的コストを抑制していくためにも、介護予防への取り組みは極めて重要であります。
 介護予防を効果的に進めていくためには、区市町村において、要介護となる可能性の高い高齢者などを把握し、それぞれの状況に即した予防プログラムを実施していくことが重要でございます。
 そのため、介護予防・生活支援事業や高齢者いきいき事業による区市町村への助成を充実するとともに、都としましても、保健、医療、福祉が連携した有効な介護予防メニューの開発、区市町村への技術支援などに積極的に取り組んでまいります。
 次に、障害者に係ります支援費制度の認識についてでございます。
 支援費制度は、これまでの行政による措置制度にかえて、利用者が事業者と対等に契約を結び、サービスを利用するという新たな仕組みであり、利用者本位のサービスの提供を目指す点におきまして、東京都が現在進めております福祉改革の選択と競い合いという理念と一致するものであると認識をしております。
 この制度を真に利用者本位の制度とするためには、利用者の選択を支えるサービスの基盤整備や、この制度を安心して利用できる仕組みづくりなど、都独自の取り組みが重要でございます。
 次に、サービス基盤整備の支援についてでございます。
 障害者が必要なサービスを選択し、利用する支援費制度におきまして、ご指摘のとおり、サービスの質と量の確保は大変重要な課題でございます。
 そのため、東京都は、支援費制度に移行する平成十五年度を初年度とした障害者地域生活支援緊急三カ年プランを重点事業として新たに作成いたしました。その中で、生活寮など地域における居住の場の大幅な増設や、地域生活支援機能を持った入所施設の集中的な整備を進めるため、特別に助成を行うことといたしました。
 今後とも、障害者の地域生活を支えるサービス基盤の拡充に全力で取り組んでまいります。
 次に、サービス利用者に対します支援についてでございます。
 障害を持った方が、みずから事業者を選択し安心してサービスを利用するためには、ご指摘のとおり、利用者支援の仕組みづくりが極めて重要でございます。
 そのため、都は、独自に事業者の役割やモデル契約書などを盛り込んだ事業者向けガイドラインを来年一月に策定するとともに、来年度から福祉サービスの第三者評価を本格実施し、評価結果も含めた総合的な情報を福祉情報総合ネットワークを通じて提供してまいります。
 また、障害者がサービスを適切に利用できるよう、区市町村におけるサービスプランの作成や支給申請を支援するモデル事業を、来年度新たに創設いたします。
   〔健康局長長尾至浩君登壇〕

○健康局長(長尾至浩君) 食の安全に関します三点の質問にお答えを申し上げます。
 まず、食品衛生自主管理認証制度についてでございますが、食の安全を確保するために、多くの食品関係事業者は、日々、自主的に衛生管理に取り組んでおります。しかし、こうした努力は第三者には見えにくく、評価されることが少なかったという面もございます。
 このため、今回、事業者の自主管理への努力をこれまで以上に推進するための新たな制度として、食品衛生自主管理認証制度を導入することといたしました。本制度は、食品の製造、販売等を行う事業者が、みずから実施する衛生管理の内容が都の定める基準を満たす場合に、認証機関の審査を受けて認証を取得できるようにするものでございます。
 次に、本制度導入のメリットについてでございますが、制度の導入と普及によりまして、都内の食品関係営業施設の衛生管理水準が全体として向上し、食の安全性の向上が図られることが挙げられます。また、事業者の自主管理への取り組みが多くの都民に明確に認められるようになることによりまして、事業者に対する社会的信頼が向上するというメリットもございます。さらに、都民にとっても、信頼できる食品関係事業者の増加は、何といっても好ましいものと考えております。
 次に、新しい制度の定着についてでございますが、食品衛生は、事業者の自主的な衛生管理への取り組みを基本とし、その上で行政による監視、指導が行われ、確保されるものでございます。都といたしましては、食品衛生自主管理認証制度を、今後の食品安全行政施策の柱の一つとして計画的に普及を図ってまいります。
 具体的には、ご指摘のように、今回の制度の対象となる施設は約三十万件にも及ぶため、食中毒が発生した場合に大きな影響があると考えられる業種を優先しながら、計画的、段階的に拡大を図り、本制度の定着に努めてまいります。
   〔住宅局長橋本勲君登壇〕

○住宅局長(橋本勲君) 都営住宅制度改革等に関する四点のご質問にお答えします。
 まず、都営住宅条例の改正についてでございますが、これまで都は、事業主体が地域の実情を勘案して期限つき入居制度を導入できるよう、国に提案要求してまいりました。
 今回の条例改正に当たりましては、若年ファミリー世帯を対象に利便性の高い地域の住宅を提供するとともに、公営住宅階層の居住の安定に配慮しております。また、マンションの建てかえに伴い、公営住宅階層の一時的な住宅困窮者への仮住居として都営住宅を提供することとしております。
 こうしたことから、今回の制度は、公営住宅法の趣旨に沿ったものと考えております。
 次に、都営住宅制度改革の徹底についてでございますが、都営住宅は都民共有の財産であり、都民の理解と支持を得ていくためには、都民の不公平感を解消することが極めて重要であると考えております。
 今回、利用機会の公平性の一層の確保を図るため、期限つき入居制度を一般都営住宅へ拡大することといたしましたが、今後とも、真に住宅に困窮する方が入居できるよう、管理制度の見直しを徹底してまいります。
 さらに、都営住宅の敷地を活用して、立地にふさわしい多様な機能を整備するなど、都民全体のニーズを踏まえた都営住宅制度の抜本的な改革に着実に取り組んでまいります。
 次に、都のマンション施策についてでございますが、マンションは東京における居住形態として広く定着しており、今後、良質な住宅ストックとして維持していくとともに、老朽マンションの円滑な建てかえを図ることは、良好な都市環境の形成のためにも重要な課題であると考えております。
 このため、都は、適切な管理や円滑な建てかえを支援するためのマンション施策を総合的に推進してまいります。
 今回、建てかえや改修についてアドバイスする制度の創設、仮住居としての都営住宅等の提供、区市町村と連携した相談体制の整備や情報提供など、幅広い支援策を講じることといたしました。
 最後に、優良マンション登録表示制度についてでございますが、この制度は、建物の構造と管理の両面から一定の水準を確保しているマンションを認定、登録し、広く都民へ情報を提供するものでございます。
 このことにより、管理組合みずからがマンションを適正に維持管理するように誘導し、良質な住宅ストックの形成を図っていくとともに、都民が安心して住宅を購入できる市場を整備し、マンションの流通を促進してまいります。
 この制度の普及により、都民が求める住宅の選択範囲が一層拡大するものと考えております。
   〔建設局長小峰良介君登壇〕

○建設局長(小峰良介君) 区画整理事業など四点の質問にお答え申します。
 まず、都施行区画整理事業の推進についてでございますが、都は、震災復興以来、東京の防災性の向上や快適な住環境の形成を図るため、区画整理事業により、道路、公園等の都市基盤や宅地の整備を進めてまいりました。
 ご指摘のとおり、周辺区部の区画整理事業は、都心部の事業と相まって、東京全体をバランスのとれた都市に再生していく上で極めて重要でございます。
 今後、周辺区部の事業を計画的かつ着実に進めていくため、コスト縮減など創意工夫を図るとともに、事業進捗に合わせた適切な予算の確保に努め、早期事業完了を目指し、取り組んでまいります。
 次に、多摩の南北道路の整備の現況と今後の取り組みについてでございます。
 南北道路は、交通の円滑化はもとより、多摩地域の自立性の向上や豊かな都民生活を支える上で不可欠な幹線道路でございます。調布保谷線や府中所沢線など、五路線の整備を重点的に進めているところでございます。
 全体の整備状況は、計画延長八十キロのうち、平成十三年度末で三十九キロ、四九%が完成しております。現在二十八カ所、二十五キロにおいて事業中でございます。
 今後とも、国費等の財源確保に努めながら、地元の理解と協力を得て、南北道路の整備を引き続き積極的に推進してまいります。
 次に、多摩の地域特性を生かした道路整備についてでございますが、多摩地域は、水と緑に恵まれ、良好な住宅地が形成されているなど、魅力あふれた地域でございます。
 調布保谷線の整備に当たりましては、車道の両側に十メートルの環境施設帯を設け、地域の特性に応じたゆとりある歩道、自転車道、緑豊かな植樹帯及び沿道利用のための副道等について、地元市や沿道の方々と協働し、具体的な構造の検討を進めております。
 今後、府中所沢線などにおいても、このような取り組みを進め、多摩地域にふさわしい道路づくりを推進してまいります。
 終わりに、市町村と連携した道路整備の進め方についてでございますが、現在都では、市町村のまちづくりを支援するため、平成十一年度より、みちづくり・まちづくりパートナー事業を実施しております。
 この事業は、地域のまちづくりに密接に関連する都道を、都と市町村が役割を分担し、協力して整備を進めていくものであり、地元の期待も大きく、市町村からも促進を強く要望されております。今後とも、この事業を積極的に活用し、市町村と連携してまちづくりが円滑に進められるよう、道路整備の促進に努めてまいります。
   〔港湾局長高橋信行君登壇〕

○港湾局長(高橋信行君) 東京港の国際競争力を増すためのスーパー中枢港湾指定に関連した三つの質問にお答えいたします。
 まず最初に、アジア諸港の我が国港湾と比較した優位性についてでありますが、アジア諸国では、特定の港湾に集中投資が行われており、水深の深い高規格コンテナターミナルが一つの港に多数整備され、大量のコンテナを効率的に取り扱っております。
 また、荷役料やタグボート、水先人などの船舶関係費用等が安いことにより、コンテナ一個当たりの取扱料金が低い水準にあります。
 さらに、港湾物流のIT化が進んでいること、コンテナターミナルが二十四時間三百六十五日オープンしていることなどにより、入港してから短時間で貨物が搬出できるなど、港湾サービスが充実している点にあります。
 次に、スーパー中枢港湾の指定を受けるに当たって、国に対しどのような働きかけを行ってきたかでありますが、これまで国に対して新規の整備だけでなく、大井等の既存高規格ターミナルを活用すること、東京湾全体を視野に入れ、首都圏の暮らしと産業を支えている東京港を指定することなどを主張してまいりました。
 さらに、東京港振興促進協議会の中に、スーパー中枢港湾検討部会を設置し、官民一体となって指定に向けた取り組みを行っているところであります。この結果、今回発表される選定基準には、既存ふ頭の活用、港湾の広域的な連携などの考えが盛り込まれる見込みであります。
 最後に、アジア諸港に対抗するための取り組みでありますが、スーパー中枢港湾は、コストの三割削減や、入港から貨物搬出までを一日程度に短縮することを目標としております。このため、まずコンテナの取扱料金を引き下げるため、貨物量増加に努めるとともに、ターミナル運営の共同化など効率化の推進、それから公共や民間の料金の見直しに取り組んでまいります。
 また、ITを活用し、船舶の入港から貨物の搬出までの所要時間の短縮を図るとともに、ターミナルのフルオープン化を目指してまいります。さらに、取扱貨物量の増加に対応するため、ターミナル外にコンテナ置き場などを設置してまいります。
 また、今後とも、ポートセールスを積極的に行い、東京港がアジア諸港に対抗できるよう、官民一体となって取り組んでまいります。
   〔総務局長赤星經昭君登壇〕

○総務局長(赤星經昭君) ながら条例の改正に伴います質問にお答え申し上げます。
 まず、適法な交渉の範囲についてでございますが、今回の見直しに当たりまして、条例制定後三十六年にわたりまして、有給職免として認めてまいりました時間内職員団体活動の全体を改めて精査いたしました。その結果、職員団体の機関運営のうち、交渉と一体とみなし得る必要最小限度の機関運営は適法な交渉に位置づけますが、その他、これまで認めてまいりました準備行為は、勤務時間内には認めないことにいたしました。これによりまして、条例適用となります機関運営は、三分の一以下となります。例えば、従来、準備行為として認めてまいりました分会の機関運営は一切認めないことになります。
 次に、時間内組合活動制度の運用についてでございますが、今回の見直しによりまして、適法な交渉の範囲とする職員団体の機関運営は、あくまで交渉との関連において認められるものであります。
 個別の機関運営の開催に当たりましては、ご指摘のようなご懸念がないよう、事前に議題を確認した上で承認していくなど、職務専念義務免除の手続面においても、その適正化に万全を期してまいります。

○議長(三田敏哉君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後二時五十四分休憩

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