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Tokyo Metropolitan Assembly

平成十四年東京都議会会議録第十七号

平成十四年十二月三日(火曜日)
 出席議員(百二十五名)
一番谷村 孝彦君
二番東村 邦浩君
三番秋田 一郎君
四番矢島 千秋君
五番北城 貞治君
六番山加 朱美君
七番柿沢 未途君
八番後藤 雄一君
九番福士 敬子君
十番伊沢けい子君
十一番執印真智子君
十二番馬場 裕子君
十三番初鹿 明博君
十四番山下 太郎君
十五番河野百合恵君
十六番長橋 桂一君
十七番小磯 善彦君
十八番野上じゅん子君
十九番ともとし春久君
二十番萩生田光一君
二十一番串田 克巳君
二十二番小美濃安弘君
二十三番吉原  修君
二十四番山田 忠昭君
二十五番臼井  孝君
二十六番野島 善司君
二十七番服部ゆくお君
二十八番中西 一善君
二十九番山口 文江君
三十番真木  茂君
三十一番花輪ともふみ君
三十二番酒井 大史君
三十三番清水ひで子君
三十四番かち佳代子君
三十五番小松 恭子君
三十六番織田 拓郎君
三十八番東野 秀平君
三十九番中嶋 義雄君
四十番松原 忠義君
四十一番田代ひろし君
四十二番三宅 茂樹君
四十三番川井しげお君
四十四番いなば真一君
四十五番近藤やよい君
四十六番高島なおき君
四十七番吉野 利明君
四十八番倉林 辰雄君
四十九番遠藤  衛君
五十番新井美沙子君
五十一番相川  博君
五十二番樋口ゆうこ君
五十三番富田 俊正君
五十四番福島 寿一君
五十五番大塚 隆朗君
五十六番古館 和憲君
五十七番松村 友昭君
五十八番丸茂 勇夫君
五十九番鈴木貫太郎君
六十番森田 安孝君
六十一番曽雌 久義君
六十二番石川 芳昭君
六十三番土持 正豊君
六十四番野田 和男君
六十五番三原 將嗣君
六十六番中屋 文孝君
六十七番真鍋よしゆき君
六十八番林田  武君
六十九番高橋かずみ君
七十番樺山 卓司君
七十一番大西 英男君
七十二番田島 和明君
七十三番野村 有信君
七十四番大河原雅子君
七十五番林  知二君
七十六番土屋たかゆき君
七十七番青木 英二君
七十八番河西のぶみ君
七十九番中村 明彦君
八十番大山とも子君
八十一番吉田 信夫君
八十二番曽根はじめ君
八十三番橋本辰二郎君
八十四番大木田 守君
八十五番前島信次郎君
八十六番桜井良之助君
八十七番比留間敏夫君
八十八番古賀 俊昭君
八十九番鈴木 一光君
九十番こいそ 明君
九十一番星野 篤功君
九十二番山本賢太郎君
九十三番花川与惣太君
九十四番立石 晴康君
九十五番清原錬太郎君
九十六番小山 敏雄君
九十七番大山  均君
九十八番藤田 愛子君
九十九番坂口こうじ君
百番名取 憲彦君
百一番藤川 隆則君
百二番小林 正則君
百三番東ひろたか君
百四番池田 梅夫君
百五番渡辺 康信君
百六番木内 良明君
百七番石井 義修君
百八番中山 秀雄君
百九番藤井 富雄君
百十番桜井  武君
百十一番新藤 義彦君
百十二番宮崎  章君
百十三番山崎 孝明君
百十四番松本 文明君
百十五番佐藤 裕彦君
百十六番川島 忠一君
百十七番矢部  一君
百十八番内田  茂君
百十九番三田 敏哉君
百二十番田中 晃三君
百二十一番大西由紀子君
百二十二番尾崎 正一君
百二十三番田中  良君
百二十四番和田 宗春君
百二十六番木村 陽治君
百二十七番秋田かくお君

 欠席議員(一名)
三十七番 藤井  一君
 欠員
百二十五番

 出席説明員
知事石原慎太郎君
副知事福永 正通君
副知事青山  侑君
副知事浜渦 武生君
出納長大塚 俊郎君
教育長横山 洋吉君
知事本部長前川 燿男君
総務局長赤星 經昭君
財務局長田原 和道君
警視総監石川 重明君
主税局長安間 謙臣君
生活文化局長三宅 広人君
都市計画局長勝田 三良君
環境局長小池 正臣君
福祉局長川崎 裕康君
健康局長長尾 至浩君
産業労働局長有手  勉君
住宅局長橋本  勲君
建設局長小峰 良介君
消防総監杉村 哲也君
港湾局長高橋 信行君
交通局長松尾  均君
水道局長飯嶋 宣雄君
下水道局長鈴木  宏君
大学管理本部長鎌形 満征君
病院経営本部長櫻井  巖君
中央卸売市場長碇山 幸夫君
選挙管理委員会事務局長押切 重洋君
人事委員会事務局長高橋  功君
地方労働委員会事務局長立花 壯介君
監査事務局長藤堂 義弘君
収用委員会事務局長平井 健一君

十二月三日議事日程第一号
第一 第二百二十号議案
  市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第二 第二百二十一号議案
  職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
第三 第二百二十二号議案
  東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例
第四 第二百二十三号議案
  東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例
第五 第二百二十四号議案
  東京都都税条例及び東京都における銀行業等に対する事業税の課税標準等の特例に関する条例の一部を改正する条例
第六 第二百二十五号議案
  東京都都税事務所設置条例の一部を改正する条例
第七 第二百二十六号議案
  東京都再開発地区計画等の案の作成手続に関する条例の一部を改正する条例
第八 第二百二十七号議案
  東京都駐車場条例の一部を改正する条例
第九 第二百二十八号議案
  東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の一部を改正する条例
第十 第二百二十九号議案
  東京都立成東児童保健院条例を廃止する条例
第十一 第二百三十号議案
  東京都小規模貯水槽水道等における安全で衛生的な飲料水の確保に関する条例
第十二 第二百三十一号議案
  クリーニング業法施行条例
第十三 第二百三十二号議案
  化製場等の構造設備の基準等に関する条例の一部を改正する条例
第十四 第二百三十三号議案
  東京都営住宅条例の一部を改正する条例
第十五 第二百三十四号議案
  東京都特定公共賃貸住宅条例の一部を改正する条例
第十六 第二百三十五号議案
  東京都公営企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例
第十七 第二百三十六号議案
  東京都給水条例の一部を改正する条例
第十八 第二百三十七号議案
  都立新宿地区単位制高等学校(十四)改築工事請負契約
第十九 第二百三十八号議案
  都立豊島地区商業高等学校(十四)改修・増築工事請負契約
第二十 第二百三十九号議案
  平成十四年度新海面処分場Gブロック西側護岸建設工事(その一)請負契約
第二十一 第二百四十号議案
  平成十四年度新海面処分場Gブロック西側護岸建設工事(その二)請負契約
第二十二 第二百四十一号議案
  東雲一号橋(仮称)鋼けた製作・架設工事(十四―放三十四支一)請負契約
第二十三 第二百四十二号議案
  新交通臨海線延伸部鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事(その四)請負契約
第二十四 第二百四十三号議案
  当せん金付証票の発売について
第二十五 第二百四十四号議案
  都道の路線の廃止について
第二十六 第二百四十五号議案
  職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
第二十七 第二百四十六号議案
  職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第二十八 第二百四十七号議案
  職員の給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
第二十九 第二百四十八号議案
  職員団体のための職員の行為の制限の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三十 第二百四十九号議案
  学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
第三十一 第二百五十号議案
  学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第三十二 第二百五十一号議案
  学校職員の給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三十三 第二百五十二号議案
  義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例の一部を改正する条例

   午後一時二分開会・開議

○議長(三田敏哉君) ただいまから平成十四年第四回東京都議会定例会を開会いたします。
 これより本日の会議を開きます。

○議長(三田敏哉君) まず、会議録署名議員の指名を行います。
 会議録署名議員は、会議規則第百二十四条の規定により、議長において
   六番   山加 朱美さん 及び
   六十五番 三原 將嗣君
を指名いたします。

○議長(三田敏哉君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

○議事部長(稲熊明孝君) 平成十四年十一月二十六日付東京都告示第千三百二十四号をもって、知事より、本定例会を招集したとの通知がありました。
 また、同日付で、本定例会に提出するため、議案三十三件の送付がありました。
 次に、知事より、平成十四年第三回定例会の会議において同意を得た東京都監査委員の任命について、発令したとの通知がありました。
 次に、東京都監査委員より、平成十四年中における東京都議会説明員の委任変更について、地方自治法第百二十一条及び会議規則第四十二条の規定に基づき通知がありました。
 次に、知事より、地方自治法第百八十条第一項の規定による議会の指定議決に基づく専決処分について、報告が二件ありました。
 内容は、訴えの提起、損害賠償額の決定及び和解に関する報告について並びに警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例の報告についてであります。
 次に、監査委員より、平成十四年度事業評価手法による行政監査及び例月出納検査の結果について、それぞれ報告がありました。
 また、監査結果に基づき知事等が講じた措置に関する報告がありました。
(別冊参照)

○議長(三田敏哉君) この際、議員の表彰について報告いたします。
 平成十四年十月三十一日付をもちまして、全国都道府県議会議長会において、自治功労者として表彰を受けられました方をご報告申し上げます。
 在職二十五年以上、桜井武君。
 ここに敬意を表し、心からお祝い申し上げます。
   〔拍手〕

○議長(三田敏哉君) 次に、文書質問に対する答弁書について申し上げます。
 第三回定例会に提出されました文書質問に対する答弁書は、質問趣意書とともに送付いたしておきました。ご了承願います。
   〔文書質問趣意書及び答弁書は本号末尾(八ページ)に掲載〕

○議長(三田敏哉君) 次に、先般の人事異動に伴い、異動のありました説明員をご紹介いたします。
 監査事務局長藤堂義弘君。
   〔理事者あいさつ〕

○議長(三田敏哉君) 以上をもって説明員の紹介は終わりました。

○議長(三田敏哉君) 会期についてお諮りいたします。
 今回の定例会の会期は、本日から十二月十八日までの十六日間といたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(三田敏哉君) ご異議なしと認めます。よって、会期は十六日間と決定いたしました。

○議長(三田敏哉君) この際、知事より発言の申し出がありますので、これを許します。
 知事石原慎太郎君。
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 平成十四年第四回都議会定例会の開会に当たり、都政運営に対する所信の一端を申し述べ、都議会の皆様、都民の皆様のご理解とご協力を得たいと思います。
 高円宮憲仁親王殿下におかれましては、十一月二十一日、薨去されました。ここに都民を代表して哀悼の意を表し、心よりご冥福をお祈りいたします。
 さて、私たち人類は、有史以来の歴史の中で、文明の発展に針を重ねて成長を遂げてまいりました。しかし、発展、進化の過程で、限界をはるかに超えて無理やむだを続けた結果、さまざまな矛盾やひずみが露呈しております。
 ここ東京では、世界で最も集中、集積が進んだ大都市となりましたが、多くの欲求を満たしてきた場所になると同時に、多くのものをも失ってきた場所ともなりました。その一つが自然環境であり、特に大気は、ここで歯どめをかけなければ回復不可能な段階にまで汚染が進んでおります。
 東京の大気汚染の元凶は、自動車の排気ガスであります。一日で五〇〇ミリペットボトル十二万本分が吐き出される粒子状物質を初め二酸化窒素、ベンゼンなどが東京の空気を汚しております。とりわけ深刻な問題は、ディーゼル車が及ぼす影響であります。都内の肺がん死亡者のうち、二割以上はディーゼル車からの排出粒子が原因であるとされており、都道府県の中では日本で二番目に高い比率となっております。私たちは、車社会によって便利な生活を享受する一方、その代償として日々命を削っているのであります。
 アメリカの作家で二十世紀を代表する科学者でもありましたレイチェル・カーソンは、半世紀前、「沈黙の春」という本の中で、環境を破壊する人間の行為は、結局は我が身を滅ぼすことになると繰り返し訴えております。この偉大な予言者の警告は、まさに今、現実の問題として目の前に出現しております。東京は大いなる危機に瀕しております。もはや環境問題は、経済とのトレードオフではなく、生命とのトレードオフの関係にあることを、私たちは等しく認識すべきであると思います。
 このような中、十月二十九日に、大気汚染公害訴訟の第一審判決がありました。大気汚染が原告の方々を初め多くの都民の生命と健康をむしばんでいることに対しては、行政の対応がこれまで不十分であった点を重く受けとめ、心からおわびを申し上げます。
 これも、しかし、ひとえに、国が正当な現況認識を持たないまま、無為無策を続けてきたことに起因しております。そこに問題の本質があるにもかかわらず、今回の判決は、国の排出ガス規制責任を一切認めておりません。最も重大な論点に目をつぶったものといわざるを得ず、到底承服できるものではありません。
 しかし、その一方で、だれもが被害者であると同時に加害者でもある大気汚染は、裁判で対応可能な範囲を超え、社会全体の問題としてとらえるべき段階を迎えております。これ以上裁判を長期化させても大気汚染を解決することはできず、健康被害者の救済を先送りするだけであります。今必要なことは、裁判で原告の方々と論争することではなく、国と直接対決し、国の政策を転換させることであります。
 したがって、判決内容を不服とする中での異例の措置とはなりますが、抜本的な解決を優先させるため、控訴しないとの判断を下しました。
 今後は、大気汚染の早期解決に向け、さまざまな角度から対策を講じるつもりであります。最大の課題は国を動かすことであります。歴史認識がなく、保身と体面だけを気にする国の官僚からは根強い抵抗が想定されますが、現況を放置することは、国民の生命を守る責任を放棄することにほかなりません。政治の決断が求められる局面であり、総理大臣に対しては、先般、大気汚染対策の強化を直接要請いたしました。
 国は、判決後、不正軽油対策の検討をようやく開始いたしました。小さな改善ではありますが、その動きは極めて緩慢で、まだまだとても満足できるものではありません。都議会の皆様、都民の皆様とともに世論を形成しながら、今後とも国の責任ある対応を強く求めていきたいと思います。
 東京都独自の取り組みも、これまで以上に加速したいと思います。来年十月から開始するディーゼル車への規制は大気汚染の軽減に必要な最低限の措置であり、すべての事業者が遵守する必要があります。経済的に苦しい立場に置かれている小規模零細事業者には、新しい融資制度の創設や、補助制度の充実を通して、車両の買いかえ、改良を支援いたします。
 規制を円滑に行うには、粒子状物質除去フィルターDPFの装着態勢を一層充実していくことも必要であります。このため、都内千カ所の整備工場で働く整備士を対象として、来年三月までに、大田など五校の技術専門校において、DPFの装着に関する講習を無料で実施したいと考えております。
 また、社会活動に比べて道路の絶対量が不足しているため、大気汚染がさらに悪化していることも、見逃すことのできない東京固有の問題であります。東京では、道路整備は、走行時間の短縮など直接の経済効果だけではなく、大気汚染の軽減など外部不経済の解消にもすぐれた効果を発揮いたします。中でも環状方向の道路は整備がおくれており、その開通は首都圏全域に高い波及効果をもたらします。
 さきに実施したアンケート調査でも、首都圏に暮らす多くの住民が外環道の開通を待ち望んでいることが明らかになりました。今月二十五日には、首都高速中央環状王子線が開通し、都心環状線北側の渋滞が緩和される見込みであります。着工以来十六年の歳月を要しましたが、それだけの価値を持つ東京に不可欠な路線であり、引き続き三環状道路の全線開通を目指して整備を促進いたします。
 ほかにも、渋滞の激しい交差点で違法駐車対策など渋滞対策を集中的に実施し、車の流れを円滑化することで、大気への負担を減らしていきたいと考えております。
 幹線道路の整備に代表されるような地域を超えた広域的課題が増加する中で、国を動かし、政策を実現していくには、都市と都市との合従連衡が重要であり、東京は内外大都市との連携を強化しております。
 七都県市から成る首都圏は、相互に補完しながら一体的に生活圏、経済圏を形成しており、三千三百万の住民が都道府県の垣根を意識することは非常にまれであると思います。現在、七都県市の間では、住民意識を追いかける形で自治体相互の交流が強まりつつあります。住民サービスの向上のためには七都県市の連携が不可欠であり、この先も今の流れを大切にすべきであります。
 首都圏のリーダーが集まる七都県市首脳会議は、お互いの認識を共有する場として、ますます重要性を高めていると思います。先月の首脳会議で危機管理体制について新しい合意が生まれたことは、大きな成果でありました。首都圏のような過密地域で大規模災害が発生した場合、被害を最小限に抑えるために、自治体の連携は欠かすことのできない取り組みであります。合同での防災訓練を充実するほか、さまざまな課題に素早く対応するため、新しい組織を設置し、常設の事務局を東京都に置くことで協議が調いました。
 危機管理に関しては、東京都単独の取り組みも強化いたします。情報を迅速にくみ上げ、指揮命令を混乱なく行うために、来年四月、局長級のポスト、危機管理監を新設いたします。警察、消防、自衛隊などとも常時連絡をとり合う予定であり、これまでにない対策を組み込みながら、都民の生命、財産を守る覚悟であります。
 このほか、さきの首脳会議では、ディーゼル車対策、都市再生などについて進展を見ることができました。ディーゼル車対策としては、国における健康被害者救済制度の創設を緊急提言したほか、推進本部を設置し、来年十月の条例の施行に向け連携体制を強化いたしました。首都圏の再生についても協力して取り組むことを改めて確認するなど、有意義な会議であったと思います。
 今後は、さいたま市を含めた首都圏八都県市での枠組みが広域行政の基本となります。しかし、状況に応じてきめ細かく対応していくためには、新しいパターンによる連携にも積極的に乗り出す必要があり、神奈川、大阪などと共同で行動を起こしております。
 その一つとして、神奈川県、横浜市、川崎市とは、国に対し、東京湾の臨海部を対象に経済特区を創設し、減税などを通じて集中投資を促すことを提案いたしました。
 他方、西日本の最大の自治体である大阪府とは、大都会での絶対的に不足している道路整備を促進するため、道路財源の充実などをともに訴えました。日本を代表する二つの経済圏は、車の両輪として国全体を牽引することが求められており、さらに今後は、より大きな形での連携を考えながら、国家の再生に貢献していきたいと思います。
 東京は、国内だけでなく、海外、なかんずくアジアの大都市と強いつながりを築いております。先月二十一日から二十二日にかけて、インドのデリーで開催されたアジア大都市ネットワーク21の第二回総会は、共同宣言を取りまとめて閉会となりました。各都市代表の間で環境をテーマに忌憚なく意見交換したほか、共通の重要課題である危機管理についての検討を開始するなど、実りの多い二日間でありました。
 共同事業として東京が提唱しております中小型のジェット旅客機の開発促進は、国や民間企業を巻き込んで活発な議論を重ねております。関係する都市の間でも次第に意欲が高まってきたことは、何よりの進歩であります。
 このほか、さきの総会では、観光事業の連携、ITを活用した遠隔教育などについても熱心な議論がありました。アジアの大都市が植えた政策の苗は、着実に育っていると思われます。
 また、総会に先立ち、共同事業とも深く関連する航空機メーカーやIT関連企業を現地で視察し、アジアのポテンシャルの高さを目の当たりにすることができました。アジアの各都市、各国が協力すれば、欧米に伍して世界の三極の一つを形成することは十分可能であり、アジア発展のため、連携の必要性をますます強く感じた次第であります。
 この秋は、ヨーロッパを代表する都市、ロンドン、ベルリンに対しても、新しい関係の構築に向け、行動を開始いたしました。これまで、この二つの都市に限らず、都民がヨーロッパを訪れることは一般的な観光として定着していながら、逆に、ヨーロッパからは限られた数の市民しか東京を訪問しておりません。最先端の科学技術や伝統芸能が併存する東京は、外国人にも十分な満足を提供できる都市であり、条件さえ整えば、多くの外国人が東京を訪問するようになると思います。
 まず必要なことは東京の魅力をPRすることであり、先般、民間事業者と共同してシティーセールスのミッションをロンドン、ベルリンに派遣いたしました。海外の都市における本格的なシティーセールスは、地方自治体としては初めての試みであります。どちらの都市でも関心は高く、セミナーや商談会には、現地の旅行会社などから二百五十名、百社を超える参加がありました。実際にツアーの商談が成立した事例もあり、早くも具体的な成果が上がっております。今後も積極的にシティーセールスを展開し、外国人旅行者の誘致に努力したいと思います。
 東京都は、世界最大の地方政府として、人、物、金の別を問わず、多くの資源を保有しております。しかし、巨大な体を制御できないまま、全体の戦略を描き切れずにいるのが現実の姿であります。その上、長年にわたりしみついた仕事のライン化や、職員の縦割りの意識など、制度疲労と呼ぶべき構造的な弊害が体質改善を妨げております。都政の基盤は依然として脆弱であるといわざるを得ません。
 先日策定した重要施策では、こうした問題を解決するため、すべての分野を網羅する計画ではなく、都政の危機が顕著にあらわれている七つの分野に限定し、課題と目指すべき方向を明らかにいたしました。そこからさらに来年度の重点事業として選定した二十二のプロジェクトには、集中的に資源を投入する予定であります。
 例えば、食の安全は、失われた信頼を回復するために立て直しが必要であり、独自の取り組みを充実いたします。輸入食品倉庫などの監視を強化するほか、消費者などからの発信される情報をいち早く収集、検証し、健康被害を未然に防ぐ手だてを講じます。また、衛生管理に関する認証制度を創設し、民間の自主的な取り組みを支援いたします。
 多岐多様な生産、流通、消費の過程を監視することは、非常に困難な仕事でありますが、安心、安全を守る努力を重ねていきたいと考えております。
 温暖化の阻止に向けても、大規模な事業所に対する二酸化炭素排出量の削減義務など、先進的な取り組みを検討し、都民の生活環境を守っていきたいと思います。
 そのほか、まちづくりの面では、画一的な規制を見直すことで、事業を促進する仕組みを構築いたします。大規模な都有地が存在する地域においては、地域の特性に応じて規制緩和などを集中的に実施し、民間事業者の手で優良なプロジェクトを推進したいと思います。
 福祉に関しては、高齢者、障害者などが住みなれた地域で暮らしていけるよう、グループホームや生活寮の整備を重点的に進めます。独自の支援策としましては、今後三年間で三千人分の障害者施設を整備するほか、社宅などを改修して高齢者向けのグループホームに転用する場合には、特別の助成を考えております。
 今回の一連の取り組みは、都庁の仕事の進め方についても根本から見直しを図る大きな改革であります。今後、重要施策を通じて育つ新しい執行体制を庁内に広め、構造改革を浸透させたいと思っております。
 人間の感性のたまものである文化、芸術は、都市にとって潤いを醸し出す貴重な存在であり、活力の源泉ともなっております。一方、アーチストは、多くの市民の厳しい評価、視線にこたえることで、自身の芸を磨いてまいりました。都市と文化は、お互いに切り離すことのできない関係にあると思います。
 九月から開始したヘブンアーチスト事業は、東京都の審査に通った大道芸人やミュージシャンに、歩行者天国、都立公園など公共の場で活動の機会を提供するものであります。出演者、観客、どちらからも好評を博していることから、現在、二回目の審査を行っており、アーチストの数をふやしていく予定であります。あわせて、商店街や歩行者天国での実施を増加し、より多くの方々に演技をごらんいただきたいと考えております。
 良好な居住環境を確保することは、日常生活の基本であります。東京の住宅にとって必要なことは質の改善であり、これまでの蓄積を活用することで、居住水準の向上を目指していきたいと考えております。
 アメリカと比較した我が国特有の住宅事情としては、転居の回数が極めて少ない点が挙げられます。その一因は、中古住宅の市場取引が少ないことであり、多くの消費者は、中古住宅の品質に不安を抱いているため、購入をちゅうちょしております。
 転居に対する不安や抵抗が少なくなれば、家族構成などが変化した場合、転居することで、希望にかなった住宅を選択できる可能性が拡大いたします。消費者の不安解消に向けた最初の取り組みとして、一定の水準を確保したマンションを登録し、広く都民に知らせる優良マンション登録表示制度を開始いたします。今年度じゅうに準備を終え、来年四月より稼働させる予定であります。
 マンションの建てかえに対する支援も、まだまだ不十分であります。民間のマンションには老朽化が進んでいるものが多く、容積率の緩和など建てかえ支援策を講じております。しかし、建てかえ期間中の仮住まいを確保できないため、建てかえに踏み切れない事例が幾つもあります。マンション建てかえの際、都営住宅を一時的に提供することは、所得の少ない方々にとって強力な支援となると思います。
 また、若年ファミリーへの住宅支援は、少子化対策の面からも重要であります。若年世帯では、都心など便利な地区の需要が多く、より公平にこたえていくためには、入居期間を限定する必要があります。
 昨年、国の制約が及ばない都営住宅を対象に、我が国で初めて導入した期限つき入居制度は、都民の関心が極めて高く、充実を求める声が多く寄せられております。国に対しては、地域の実情に応じ、期限つき入居制度を実施できるよう、これまでも繰り返し法改正を要求しております。しかし、国には、今のところ全く動きがないことから、可能なものについて、国の対応を待つことなく、独自に拡大に踏み切るべきと判断いたしました。
 本定例会には、若年ファミリー層やマンション建てかえに伴う一時的な住宅困窮者など緊急性の高い世帯を対象として、国の制約を受ける都営住宅についても、期限つき入居制度を広げる条例改正を提案しております。
 住宅は、都市の重要な社会資本でもあります。新しい取り組みを通じて、住宅市場を活性化し、立ちおくれている東京の居住環境を改善していきたいと思っております。
 国は、とまらないデフレ経済を前に、補正予算の編成や金融対策に追われております。しかし、この間の議論を聞く限り、危機的状況にある日本経済を本気で立て直そうとする切迫感は余り伝わってまいりません。経済対策のおくれによって深刻な影響をこうむるのは、都民、中小企業であります。都内の完全失業率は五・八%を記録し、企業倒産件数は最多となるなど、雇用、中小企業対策は一刻の猶予もならない事態に直面しております。
 先般、中小企業に対しては、年末の資金需要に向け、つなぎ融資や借りかえ融資を新設し、総額二千億円の金融対策を実施いたしました。今後、企業の再生、再建に重点を置いた新規融資を開始するほか、来年度の制度融資は過去最大の規模とする予定であります。同時に、提供する求人情報の大幅な増加や、区市町村と連携した相談会の実施など、就業支援策も強化し、都民の雇用と中小企業の活動を支えたいと思います。
 また、企業が保有している技術を広く活用することも重要な課題であります。中小企業には、世界トップレベルの技術を開発しながらも、販路がないばかりに認知されていない技術や製品が多数埋もれております。いかに卓抜した技術であっても、製品となって売れなければ、産業を活性化する力とはなり得ません。
 来年度からは、中小企業の技術を製品化に導く新しい手法として、ビジネスナビゲーター制度を導入いたします。これは、海外勤務や今までの営業活動での豊富な経験、人脈を生かし、商社やメーカーなどの大企業OBに、中小企業の製品販売や技術提携をあっせんしてもらう制度であります。この事業が実を結ぶよう、ナビゲーターに対しては、成果主義を徹底いたします。都内の中小製造業を対象に、新製品、新技術の掘り起しを図り、産業の再生につなげていきたいと思います。
 今日の景気の低迷に対応するには、産業政策ばかりでなく、税制面などからも複合的に中小企業を支援する必要があります。二十三区の商業地では、他の地域に比べ、固定資産税、都市計画税が過大な負担となっていることから、現在、小規模な非住宅用地を対象に減税を実施しております。また、新築住宅と小規模住宅用地についても軽減措置を講じることで、経済波及効果の大きい新築住宅の建設などを誘導しております。
 税の軽減は今年度をもって終了となりますが、現況を眺めた場合、都民に負担の増加を強いる時期ではないことから、来年度も、三つの措置については、区の協力を受け、いずれも継続したいと思います。
 東京都の財政は、都税収入の落ち込みが避けられず、非常に厳しい環境にありますが、土地税制に対する公平性の確保や景気に対する配慮を継続すべきと考え、判断したものであります。
 ところで、外形標準課税については、まことに不本意ながら、課税対象である金融機関の一部より訴訟を提起されております。
 その控訴審が、三回の口頭弁論をもって、去る十一月五日に結審いたしました。外形標準課税は、地方自治の本旨にのっとった正当な課税であり、東京都は、関係職員が一致協力して対応し、一審判決の不当性や条例の適法性を訴えてまいりました。地方税法の立案に携わった奥野誠亮衆議院議員を初め、多くの専門家の方々からいただいた意見書は、東京都の主張を裏づけする極めて有力な証言であると思います。控訴審を通じて、国の有権解釈と東京都の見解が一致していることが明確になったと考えております。
 来月一月三十日にはいい渡される判決では、東京都の主張に沿った結果が得られるものとかたく信じております。この間、一貫して支援していただいた都議会の皆様を初め、都民、国民の皆様、関係者の皆様のご理解とご協力に対し、心から感謝を申し上げます。
 ことしもまた、社会の好転する兆しが一向にないまま、時間だけがいたずらに過ぎ、早くも師走となりました。それにつけても、このごろとみに感じるのは、日本全体がなぜか非常にひ弱になっているという気がしてなりません。
 社会の活気を生み出す原動力は、前を見て突き進む冒険心や、横にそれる遊び心の中からわき出すものであります。しかるに、その主役となるはずの若者は、そうした思考や発想を小説やゲームの中だけに閉じ込め、現実の世界で跳びはねる活力を余り持ち合わせておりません。
 これは何も若者だけが責めを負う問題ではなく、そのような育て方しかできなかった上の世代、我々にこそ重い責任があります。豊かな生活になれた国民は、小さな失敗を恐れる余り、大きな成功をつかむきっかけをみずから放棄しております。その結果、社会はダイナミズムを失い、縮んでいくばかりであります。
 今は、いつしか狂ってしまった歯車を修正できる最後の段階を迎えていると思います。小柴昌俊さん、田中耕一さんの今回のノーベル賞同時受賞を引き合いに出すまでもなく、日本人は、本来、高い能力を備えております。必要なことは、みずからの能力や将来の可能性を信じて、一人一人が持てる力を出し切ることであります。たとえ難題に直面したとしても、決して逃げることのないたくましい行動力が、再生を推し進める力になるものだと思います。
 東京都は、新しい道に進むことで、新しい活力を生み出していきたいと考えております。
 首都圏における空のアクセスの拡充は、対応のおくれが、そのまま国家再生の致命傷となる焦眉の課題であります。そのためにも、羽田空港の再拡張、国際化は、一日も早い着手、完成が必要であり、東京都の働きかけによって、この問題は大きく前進しております。これより先、国は速やかに事業に着手し、財源の問題も含め、みずからの役割を自覚して、総力を挙げてこの国家プロジェクトを推進すべきであると思います。
 首都圏の再生策をめぐって、昨日、日本経団連の奥田会長と会談した中でも、羽田空港については、あくまでも国の責任のもと、早期に再拡張、完成すべきであるとの見解で一致いたしました。財界のトップが羽田空港の再拡張にようやく強い賛意を示したことは、首都圏の自治体にとってもまことに心強い限りであります。強力な援軍が出現したことで、事業に大きな弾みがつき、我が国の将来に多大な利益をもたらすと思います。
 東京都は、引き続き国の対応に厳しく目を光らせながら、再拡張を早期に実現させたいと考えております。それが都民、国民に対する責務であるとも思います。
 また、今回提案している人事、給与に関する幾つかの条例は、みずからの立場を冷静に見直し、内側から都政を改革しようとするものであります。職員給与については、マイナス給与改定に合わせて、二%の上乗せ削減を平成十六年三月まで実施したいと考えております。職員団体の活動に対しても、都民の理解が得られるよう、原則に立ち返り、新しい労使関係を築いていきたいと思います。
 都議会の皆様、都民の皆様の一層のご理解とご協力をお願いいたします。
 なお、本定例会には、これまで申し上げたものを含め、条例案二十五件、契約案六件など、合わせて三十三件の議案を提案しております。よろしくご審議をお願いいたします。
 以上をもちまして所信表明を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

○議長(三田敏哉君) 以上をもって知事の発言は終わりました。

○六十七番(真鍋よしゆき君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会し、明四日から九日まで六日間、議案調査のため休会されることを望みます。

○議長(三田敏哉君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(三田敏哉君) ご異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれをもって散会し、明四日から九日まで六日間、議案調査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、十二月十日午後一時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後一時三十四分散会


文書質問趣意書及び答弁書

一四財主議第四〇九号
平成十四年十一月二十五日
         東京都知事 石原慎太郎
 東京都議会議長 三田 敏哉殿
   文書質問に対する答弁書の送付について
 平成十四年第三回東京都議会定例会における左記議員の文書質問に対する答弁書を別紙のとおり送付します。
     記
   後藤雄一議員
   河野百合恵議員
   酒井大史議員
   清水ひで子議員
   新井美沙子議員
   松村友昭議員
   秋田かくお議員

平成十四年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

 提出者 後藤雄一

質問事項
 一 情報公開のすき間について
  1 賠償金・示談金について
  2 東京都職員共済組合、地方公務員災害補償基金東京都支部について
  3 公園協会について
  4 配車予定表は「メモ」か?
 二 社会福祉法人西原樹林会の「補助金適正化法違反問題」について
 三 日比谷公園の管理について
  1 使用料の徴収について
  2 賃借料と占用料の徴収に付いて
  3 駐車料金に付いて
 四 児童センターの兼業問題
 五 耐震について
 六 小平鈴木町都営住宅建設の「約束違反!」について

 今回の文書質問は、東京都のデタラメ状態、職員の意識の欠如を正すことを最大の課題としている。
一 情報公開のすき間について
 1 賠償金・示談金について
  ア 都議会図書館にある「議会の定例都議会本会議議案書」に、知事が専決した知事部局の賠償金支払の項目で「金額・氏名」、つまり、賠償金額と支払先氏名が記載され公開されている。しかし、同じ賠償金支払いの情報を上記定例都議会本会議議案書に掲載される前に情報公開請求すると、個人情報保護条例により「支払先氏名は非公開(当然、住所は非公開になる)」になる。
    右のごとく、都は個人情報の扱いを「ダブルスタンダード」で行っているが、行革一一〇番は好ましくないと考える。都の見解を伺う。
  イ 行革一一〇番が、二十三区の状況を電話で調査したところ、各区の対応はバラバラであるが、その中でも個人情報を考慮しているのが、世田谷区の手法である。
    世田谷区に於ては、議会に対する報告の際には、「住所・氏名・金額」まで提示し、図書館等に置く閲覧用の「本会議議案書」には、個人情報保護条例の見地から金額、そして、住所は、「**町**丁目」まで記載し、氏名を公表していない。
    世田谷区の氏名を記載する代わりに、住所の「**町**丁目」との記載で事案を特定するシステムのほうが、個人情報保護条例の見地から望ましいものと考えるが、都の見解をお伺いする。
  ウ 交通局、水道局、下水道局、の三公営企業、及び、都立病院は、議会に対して、賠償金・示談金支払について、管理者の専決事項の報告義務はない。
    十三年度で支払われた賠償金・示談金は、交通局六千八百二十一万九千一円、水道局九千百二十五万四千五百八十一円、下水道局二億七千七十五万六千六十二円、そして、都立病院は、平成十年~十四年六月までに最高額八千百八十万円、最低額二万六千五百二十円、合計三十一件、総額四億九千百三十六万一千九百六十円、平均一千五百八十五万三百八十五円の示談金が支払われている。
    地方公営企業法第四十条第二項の趣旨は承知している。しかし、下水道局が平成十四年七月に支払った示談金について行革一一〇番に寄せられた情報のもとに調査したところ、駐車場の回りに設置されているブロック塀が、下水道局の工事により沈下したとして、土台から新規に作り直す費用等で約六百万円が支払われていた。しかし、行革一一〇番が現地調査をしたところ、ブロックのひび割れは数箇所確認できたが、沈下とは理解できないものであった。示談金支払いの適否は別にしても精査に値する事案である事が判明し、調査を続行中である。
    また、都立病院は、報告義務がないことを良いことに、議会に報告もせず、八千万円を越える示談金を支払っている。
    都立病院の示談金支払は、医療ミスが生じたことの証であり報告すべきと考える。
    公営企業および、都立病院も、示談金・賠償金について、議会に対し、報告義務はなくとも説明責任は生ずると考える。法律の根拠ではなく、説明責任を果たす為に、報告(法律の定めによらず)すべきだと思うが、見解をうかがう。
 2 東京都職員共済組合、地方公務員災害補償基金東京都支部について
   行革一一〇番は、『今年三月三十一日で閉院された職員共済組合「清瀬病院」職員が、閉院が決まっているにもかかわらず、ディスクトップ型のパソコンを購入し、職員(医師)に配付していた(自宅に持ち帰っていた)』。との内部情報に基づき、情報公開請求したところ、東京都職員共済組合が情報公開の対象になっていないことを理由に、拒否された。
   そこで、直接に職員共済組合の担当者に調査を依頼したところ、昨年の六月に二台、今年の三月に一台、合計三台のパソコン等を購入している事実が判明した。閉院の二十日前にパソコンを購入するなどいくら言い訳しても通用しない。
   一方、昭和五十九年三月に東京都情報公開懇談会提言「情報開示制度確立に向けて」、五ページに「東京都職員共済組合及び地方公務員災害補償基金東京都支部は、都とは別個の法人格を有する団体であることから、これらをこの制度の実施期間に含めることは不適法である。しかし、これらの団体の職員は、実体的にはほとんど都の職員であり、その業務は都の職員に対する給付及び福祉事業であることから、関係機関と協議の上、都に準じて同旨の制度を設け、実施することを期待したい。」と書かれている。
   当初から右提言があるにも係わらず、東京都職員共済組合及び地方公務員災害補償基金東京都支部は十八年間も放置していたことになり情報公開の目的に反するものである。
   知事は東京都職員共済組合及び地方公務員災害補償基金東京都支部も速やかに、「情報公開に務める法人として指定した法人」に組み入れるべきだと考えるが、見解をお伺いする。
 3 公園協会について
   行革一一〇番が「(前)理事長がハイヤーで毎日、自宅から職場まで送迎されている。そして、理事長が上野グリーンサロンを度々私的に利用し、その支払について公園協会職員が苦慮している。」との内部告発に基づいて調査を開始した。
   公園協会の十三年度の会議費の支出内訳を調べてみると、一般会計・・八十一万二千八十四円、緑化基金特別会計・・一万六千七百三十一円、公園管理受託特別会計・・三万七千百九十九円、河川管理受託特別事業・・三千八百九十九円、水辺事業特別会計・・十四万六千八百六十円。そして、公園事業特別会計・・六百二十五万八千二百六十六円である。
   そこで、公園協会の十三年度分の会議費の領収書を情報公開請求したところ、領収書のレストラン等の店名が非公開とされた。
   また、「公園事業特別会計・・六百二十五万八千二百六十六円」に対する会議費の領収書は、公園協会の収益事業という理由で「一括非公開」とされた。
   しかし、知事の権限で公園協会は、「情報公開に務める法人として指定した法人」となっている。公園協会の情報公開の規定は、都の情報公開条例に準拠している。当然、会議費についても都と同様に公開のはずである。そして、収益事業と言えども公開が原則である。都の外郭団体の会議費等の使い方が、平成八年以前、都が不正に支出していた会議費と同じだとする関係者の話であったが、本件公園協会の会議費の使い方は、行革一一〇番が摘発した監査事務局の会議費不正事件と全く同じである。
   公園協会は不祥事を隠蔽するために、非公開としているのは明白であり、建設局は、公園協会の会議費の使い方を精査し、指導監督すべきである。
   建設局は公園協会の所管局として、情報公開について指導監督し、本件を公開させる責任があると考えるが、見解を伺う。
 4 配車予定表は「メモ」か?
   財務局輸送課は、都議の庁有車・ハイヤーの配車の手配を担当している。
   都議が車を利用する場合、輸送課に車の手配を電話で依頼する。輸送課職員は「配車受付表」に記載し、庁有車、又は、ハイヤーを手配し、電話で都議に連絡する。
   行革一一〇番が、右「配車受付表」を情報公開したところ、「メモであり情報公開の対象文書でない、また、毎日廃棄しているので不存在!」との理由で非開示決定を受けた。
   しかし、「配車受付表」はA4サイズで書類の形式を有しており、メモでないことは明らかであった。
   そこで、毎日、廃棄する前に情報公開請求をしたところ、輸送課の担当者から「配車予定表をメモ扱いせず、保存期間を一年にする」と通知してきた。
   情報公開の対象文書の扱いがこんなズサンなことで良いのだろうか?情報公開は都民との信頼関係のきずなである。何故、メモ扱いしたのかといえば、都議の庁有車・ハイヤーの利用が一目瞭然になるのを隠すためということは明白である。
   都議への配慮で「メモ扱い」、そして、当日廃棄! この行為は、情報公開制度を歪めるものである。(議会局でも同様に、ハイヤー乗車票を会派の手元において、情報公開の対象から外している。)
   職員にメモの定義、廃棄等の情報公開に対する基本的事項を徹底することを望むが、見解を伺う。
二 社会福祉法人西原樹林会の「補助金適正化法違反問題」について
  社会福祉法人西原樹林会が経営する特別擁護老人ホーム「青い鳥」は新青梅街道沿いにあるマンション風の施設だ(理事長等がマンションを建設しようとしたが、金がないので特養ホーム? を考えたとのこと)。入居者は五十人で、内訳は、西東京市が三十人、目黒区が二十人となっており、両自治体は優先入居代として建設費補助金を払っている。
  新聞報道によると、今年五月十四日、特別養護老人ホーム建設をめぐり、国の補助金十二億四千万円のうち、三億六千万円を不正受給したとして、埼玉地検は社会福祉法人西原樹林会の理事長等、そして、不正を知りながら、国に補助金を申請するよう決定した「前東京都福祉局長で都社会福祉事業団理事長の神藤信之」を逮捕した。この舞台となったのが特別養護老人ホーム「青い鳥」だ。
  検察側は「巨額な背任罪に等しい」として懲役刑を求刑したが、十月八日、西原樹林会理事長等に実刑判決をくだった。神藤被告は十月半ば判決予定である。
  そこで質問だが、
 1 神藤元局長の弁護人が裁判所で意見表明しているように、「東京都は西原樹林会に対し、適切な措置先を見つける指導をし、その後に補助金の返還を求める方針を決定している」というが、都はそのような決定を下しているのか? 見解を伺う。
 2 本件裁判の過程で、神藤元局長が明らかにしたように、「当時の荻野福祉局長は偽造の残高証明等の事実をしり、被告人(神藤元局長)から法人(西原樹林会)の解散の求めを受けながら、(荻野局長が)法人の解散の判断をしなかった」というが事実か否か?
   また、事実だとしたら、解散の判断しなかった理由は何か?
三 日比谷公園の管理について
  日比谷公園には、設置許可の飲食店四店(なんぶ亭、松本楼、日比谷パレス、日比谷パークセンター)、管理許可の飲食店二店(日比谷サロー、日比谷グリーンサロン)、その他売店が営業を行っている。
  行革一一〇番が現地調査で発覚したデタラメな建設局公園緑地部の管理を指摘し、改善をもとめるものである。
 1 使用料の徴収について
   設置許可を受けている飲食店四店は、使用料を払い営業を行う。土地面積に条例で定められた一平方メートル当たりの使用料(一ヶ月あたり三千六百二円)を乗じて使用料を計算し徴収している。にもかかわらず、土地面積を確定するのに不可欠な地境の杭を打れていないのが現状である。
   杭が打たれていないだけでなく、現況と図面が全く違うのがレストラン「なんぶ亭」だ。行革一一〇番が現場調査をしたところ、「なんぶ亭」に対し建設局が許可した図面と、現況の形状すらが全く違う、そのうえ、厨房の脇の部分が増築されている、という始末だ。図面を修正するには「測量」しか考えられない。
  ア そこで、日比谷公園で使用料を徴収している物件の測量を行い、適正な使用料を徴収すべきと考えるが、見解を伺う。
  イ また、過去にさかのぼり過小に評価していた部分が判明した場合は、請求するべきと考えるが、見解を伺う。
 2 賃借料と占用料の徴収に付いて
   民間でいう店舗の賃貸契約の様なものを「管理許可」と呼ぶ。借り主は、借りた土地・建物の賃借料を支払うことになる。
   また、公園施設以外の工作物その他の物件又は施設を「占用物件」といい、これら占用物件を設置する際、占用許可をとり、東京都立公園条例施行規則で決まっている占用料をしはらう。営業専用スペースは、占用許可の対象にならないと担当者は説明する。
  ア 行革一一〇番が情報公開で得た図面のもとに現地調査をしたところ、占用料が支払われている場所にテーブル・椅子が置かれ、営業がなされている。その上、占用申請も出されていないにもかかわらず、同じくテーブル・椅子が置かれ、営業がなされているケースがある。建設局のズサンナ体質がより鮮明になった。
    例を上げると、「日比谷サロー」の建物(店の部分)は都が所有し、賃貸料を徴収している。店の前には都が作ったタイル張りの広いスペースがある。このタイル張りの部分の一部を占用申請し、占用料を払い、テーブル・椅子・パラソルを設置し営業スペースとして使っている。そのうえ、その他のタイル張り部分については、申請もせず無許可でテーブル・椅子・パラソルを設置し営業スペースに使っている。
    これでは、「公園内の芝生の上で、無許可で堂々と営業している」のと同じだ。
    驚く事に、占用の申請は三ヶ月に一度行わなければならないことである。つまり、建設局は三ヶ月に一度申請書類をチェックしているにもかかわらず、違法状態を放置し、適正な料金を徴収していなかったのである。
    松本楼を調査したとき、建設局は三十年前の図面を示し説明したのである。これには、私も唖然としてしまった。信じられないが、これが東京都の電子都庁の実態である。
    違法な占用の状態を速やかに解消するために測量し、正確な図面に基づき、料金の徴収をするべきと考えるが、見解を伺う。
  イ しかし営業スペースを占用の対象スペースとして料金を徴収するのには無理があると思われる。
    日比谷パークセンターは設置許可だ。土地面積は五百十一平方メートル、このうち建物部分が百二十六平方メートル、のこり約三百平方メートルをガーデンテラスとして営業している。このテラス部分も設置許可として一平方メートル当たり三千六百二円の使用料が支払われている。しかし日比谷サローは、日比谷パークセンター同様に、テラスで営業しているにもかかわらず、占用料として一日一平方メートル当たり二十二円、つまり、一ヶ月約六百六十円と言うことになる。その差額は約三千円である。
    条例の改正を含め、営業スペースの料金徴収方法を改めるべきと考えるが、見解を伺う。
 3 駐車料金に付いて
  ア 日比谷公園は都市公園法が適用され、車の通行が出来ないはずである。にもかかわらず、松本楼の広告には、駐車場があると書かれている。公園入り口「霞口」の車止めポールは外されたままになっており、松本楼の利用客を乗せたタクシーが公園内を走行し、自家用車の利用客は、松本楼前のスペースに無料駐車場のごとく車を駐車させ食事をしている。また、レストラン正面右には、松本楼専用と思われる駐車場まで出来ている。
    松本楼まで車の乗り入れを禁止するのは勿論のこと、公園入口の車止めの管理を徹底させるべきと考えるが、見解を伺う。
  イ また、日比谷公園には地下駐車場がある。地下駐車場には大型車は駐車できないので、大型車を日比谷公園内に駐車させている。この駐車料金の計算根拠が占用料の施行規則「その他の占用」の一平方メートル・一日当たり二十二円としている。民間駐車場と比較して安すぎる。
    駐車料金を占用料の「その他の占用」の項をあてはめて徴収するのは無理と考える。条例等の改正も含めて改正するべきと考えるが、見解を伺う。
四 児童センターの兼業問題
  児童センターの医師が兼業届を提出し、帝京大学の講師等をおこなっている。十四年度の兼業申請書の内容を見てみると、開原久代副所長は帝京大学医学部に「講義・・年二回(金曜日 十三時から十五時)、臨床指導・・月二回(木曜日 九時から十二時)」。
  同じく、伊藤ゆたか医長は帝京大学医学部精神科に「平成十四年4月5日、4月19日、5月10日、5月24日、の九時から十四時まで」。と、同じく同校に「平成十四年六月十四日から平成十五年三月三十一日までの、月二回木曜日を原則とする、九時から十五時まで」。
  と書かれている。経緯を調査したところ、副所長は知人から帝京大学を紹介され、相当以前から帝京大学の講師を行っていた。そして、医長は、副所長から紹介され、同じく帝京大学に通うようになった。また、以前は有償であったが、改正され現在は無償である。大学の授業内容は、子供の精神障害であり、大学の研究の成果を児童センターに生かしている。」と、担当者は説明する。しかし、当然のことだが、児童センターの方が事例がおおく大学側に事例を提供しているのが現状のようだ。
  兼業先の帝京大学では、生徒から授業料を徴収している。都職員である副所長、医長の行為そのもの無償である以上、本件は帝京大学に対する利益供与になっていると判断せざるを得ない。
  帝京大学のように利益を目的としている兼業先からは、講師料等を取り、都の収入に上げるべきと考える。見解を伺う。
  また、兼業先が利益を目的としている本件のようなケースが、どのくらいあるのか個別に教えて頂きたい。
五 耐震について
  行革一一〇番が、東京都の調査につづいて、豊島区・杉並区の区立小中学校の耐震診断結果を各区の情報公開を利用し調査したところ、IS値が〇・〇七、〇・〇四という非常に低い値が書かれている施設が見つかった。そして、IS値〇・三以下の学校施設が多く存在することが解った。
  都教育委員会は、行革一一〇番の要請に基づいて、都立高校の校長にIS値の周知を徹底したと聞いている。しかし、今回の調査でも都内の公立小・中学校の校長はIS値を承知していないのが現状である。
  地震がいつ起こってもおかしくないと言われている。
 1 ならば、都教委は、都内の区市町村教育委員会に対し、校長にIS値を周知させるように指導させるべきと考えるが、見解をうかがう。
 2 また、都立高校の耐震診断、耐震補強工事の経過、そして、各校の地震に対する取り組みの現状を報告願いたい。
六 小平鈴木町都営住宅建設の「約束違反!」について
  都住宅局は、小平市鈴木町に都営住宅を建設した。建設に着手する際、近隣住民に都営住宅西側に六・五メートルの道路を新設することを口頭であるが約束した。その後もこの約束は何度となく公言している。
  今年十月七日に、六・五メートルの道路の開設のメドは立っていないにもかかわらず、入居が開始されることが決まり、都住宅局は近隣住民に通知した。
  当然、近隣住民は納得せず、現地事務所、都住宅局に抗議したが、入居の日時をずらすことはしなかった。
  都住宅局は、本件約束が守れなかったことを行革一一〇番後藤が同席した会で認めている。
  近隣住民との約束を破る都住宅局に、都営住宅を建設する資格はない。
  二度と本件のような約束違反を犯さないようにするために、本件の責任の所在を明確にすることが必要と考える。見解を伺う。そして、責任ある立場のものから、近隣住民に謝罪すべきとかんがえるが、見解を伺う。

平成十四年第三回都議会定例会
後藤雄一議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 情報公開のすき間について
  1 賠償金・示談金について
   ア 知事が専決した賠償金支払いについて、都議会定例会議案書には、金額・氏名が掲載されているが、掲載前に情報公開請求すると個人情報保護条例により、氏名が非開示となる。個人情報の扱いをダブルスタンダードで行っているが、好ましくないと考える。見解を伺う。

回答
  知事が専決処分する賠償金支払について、本来、議会で議決する事件であることを考慮し、案に必要な情報として相手方氏名を議案書に掲載することは、個人情報をみだりに公にするものではありません。
  東京都情報公開条例第七条第二号は「個人に関する情報で特定の個人を識別することができるもの」は非開示と規定しており、個人の氏名は原則非開示となりますが、同条同号ただし書では、「法令等の規定により公にされ、又は慣行として公にされている情報」は、非開示の適用除外としています。議案として議会に報告された情報は「公にされている情報」に該当するため、情報公開条例により請求があった場合、ただし書の規定により開示されるものです。

質問事項
 一の1のイ また、世田谷区議会の閲覧用の議案書では、丁目までの住所を記載し、氏名は公表していない。このシステムが望ましいと考えるが、見解を伺う。

回答
  地方自治法第九十六条第一項第十三号の規定による議決事件(損害賠償額の決定)については、和解内容(損害賠償額)及び相手方は、議会が審議を行うための最低限必要な情報と考え、議案の内容としてきました。
  また、同法第百八十条第一項の規定により指定議決されている事件(目的の価額が三千万円以下の損害賠償額の決定)を知事が専決処分した場合、同条第二項に基づき、議会に報告を行うこととなっておりますが、その報告内容は、本来議会で議決する事件であるということを考慮し、議案として必要な情報である決定年月日、損害賠償額及び相手方としております。
  以上のような現状を踏まえ、議会の会議公開の原則を基本としつつ、個人情報保護の観点も考慮し、今後、議会と相談してまいります。

質問事項
 一の1のウ 公営企業及び都立病院も示談金・賠償金について、議会に対し報告義務はなくとも説明責任は生ずると考える。法律の根拠ではなく、説明責任を果たすために報告すべきだと思うが、見解を伺う。

回答
  公営企業及び都立病院における賠償金及び示談金の額の決定に関する議会への報告等については、これまでも都議会等に対する説明責任の重要性は十分理解し、事業運営等に関する説明において適時、適切に行ってきております。
  今後とも、地方公営企業法第四十条第二項の趣旨に鑑み、対応してまいります。

質問事項
 一の2 東京都職員共済組合及び地方公務員災害補償基金東京都支部も速やかに、「情報公開に努める法人として指定した法人」に組み入れるべきと考えられるが、見解を伺う。

回答
  東京都情報公開条例では、都が出資その他財政支出等を行う法人であって実施機関が定めるものは、情報公開に努める旨、定めています。この法人とは、東京都監理団体指導監督要綱に定める東京都監理団体を言います。
  東京都職員共済組合は、地方公務員等共済組合法に基づき設立された都とは別個の法人格を有する団体であり、同組合員と同組合を構成する地方公共団体とが同法に基づき分担拠出する財源によって運営されているものです。従って「都が出資その他財政支出等を行う法人」ではないため条例上の「情報公開に努める法人」には当たりません。なお、同組合では情報公開の趣旨に鑑み、現在自主的に、平成十四年中を目途に情報公開制度の策定を行っているところです。
  一方、地方公務員災害補償基金東京都支部については、平成十四年十月一日施行の「独立行政法人等の情報の公開に関する法律」において、地方公務員災害補償基金が実施機関に定められていることから、同法に基づく情報公開制度が実施されているところです。

質問事項
 一の3 建設局は東京都公園協会の主管局として、情報公開について指導監督し、会議費について公開させる責任があると考えるが、見解を伺う。

回答
  「財団法人東京都公園協会情報公開要綱」は、東京都情報公開条例の趣旨を踏まえ、都からのモデル要綱の提示などによる指導に基づき、都との協議を経て制定されたものです。
  財団法人東京都公園協会は、これまで同要綱に基づき、自主的に情報公開に取り組んできております。

質問事項
 一の4 配車予定表について、職員にメモの定義、廃棄等の情報公開に対する基本的事項を徹底することを望むが、見解を伺う。

回答
  東京都情報公開条例において「公文書」とは、「実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているもの」と定義されています。
  「配車受付表」については、公用車の申込み受付時に、担当者が備忘のために作成しているもので、公文書ではなく、メモとして取り扱ってきたものです。
  情報公開に係る公文書の取扱いについては、東京都情報公開条例の制定趣旨に沿って運用してきたところであり、今後とも引き続き、適正な運用を職員に指導してまいります。

質問事項
 二 社会福祉法人西原樹林会の「補助金適正化法違反問題」について
  1 神藤元局長の弁護人が裁判所で意見表明しているように「都は西原樹林会に対し、適切な措置先を見つける指導をし、その後に補助金の返還を求める方針を決定している」というが、そのような決定をしているのか、見解を伺う。

回答
  福祉局では、関係部課長を構成員とする「社会福祉法人西原樹林会に係る対策検討委員会」を平成十四年十月十五日に設置しました。今後、当該法人に対する、施設設備費補助金の返還等については、国とも協議の上、入所者処遇に留意しつつ、適切に対応します。

質問事項
 二の2 神藤元局長は、「当時の荻野福祉局長は、偽造の残高証明の事実を知り、被告人から法人の解散の求めを受けながら、法人の解散の判断をしなかった」と言うが、事実か伺う。また、解散の判断をしなかった理由を伺う。

回答
  ご指摘の事実の有無については、承知していません。

質問事項
 三 日比谷公園の管理について
  1 使用料の徴収について
   ア 日比谷公園の「なんぶ亭」は、建設局の許可図面と現状が全く違う。日比谷公園で使用料を徴収している物件の測量を行い、適正な使用料を徴収すべきと考えるが、見解を伺う。

回答
  日比谷公園における許可施設については、実態調査を行い、必要な措置を講じてまいります。

質問事項
 三の1のイ 過去にさかのぼり、過小に評価していた部分が判明した場合は、請求するべきと考えるが、見解を伺う。

回答
  実態調査の結果を踏まえ、適切に対応してまいります。

質問事項
 三の2 賃借料と占用料の徴収について
    ア 日比谷サローは、占用申請をしていない部分を営業スペースに使っている。違法な占用の状態を速やかに解消するために測量し、正確な図面に基づき、料金の徴収をすべきと考えるが、見解を伺う。

回答
  日比谷公園における占用については、実態調査を行い、必要な措置を講じてまいります。

質問事項
 三の2のイ 条例改正を含め、営業スペースの料金徴収方法を改めるべきと考えるが、見解を伺う。

回答
  営業スペースの許可の取扱いについては、実態調査を行い、適切に対応してまいります。

質問事項
 三の3 駐車料金について
    ア 松本楼まで車の乗り入れを禁止し、公園入り口の車止めの管理を徹底させるべきと考えるが、見解を伺う。

回答
  都立公園内への車両の乗り入れは、公園利用者の利便性や当該公園の特性を総合的に勘案して、個別に判断しています。
  松本楼の関係車両の取扱いについては、こうした点を踏まえて、必要な範囲で駐車を認めるなど、適切に対応してまいります。

質問事項
 三の3のイ 駐車料金を占用料の「その他占用」の項をあてはめて徴収するのは無理と考える。条例等の改正を含めて改正すべきと考えるが、見解を伺う。

回答
  日比谷公園内でのテレビ中継や映画撮影等は、占用許可を受けて行っています。
  したがって、これらの資材運搬のための大型車両の駐車についても、占用手続によることが適当と判断しています。

質問事項
 四 児童センターの兼業問題について
   児童センターでは、医師が兼業届けを提出し、帝京大学で講師等を行っている。帝京大学のように利益を目的としている兼業先からは、講師料を取り、都の収入に上げるべきと考えるが、見解を伺う。
   兼業先が利益を目的としている本件のようなケースが、どのくらいあるのか、個別に伺う。

回答
  職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない、と定められています(地方公務員法第三十八条第一項)。
  例外的に任命権者が許可を行うに当たっては、「職員の占めている職と当該営利企業との間に特別の利害関係又はその発生のおそれがなく、且つ、職務の公正円滑な執行に支障がない場合その他法の精神に反しないと認められる場合」を許可の基準として判断しています(「営利企業等の従事制限に関する規則」第三条)。
  現在、都では、兼業・兼職全体について見直しを進めており、この中で質問の点も含め、あり方について検討を行ってまいります。

質問事項
 五 耐震について
  1 都教委は、区市町村教育委員会に対し、校長にIs値を周知させるように、指導させるべきと考えるが、見解を伺う。

回答
  学校の震災対策を進めるためには、東京都や区市町村の防災計画に基づく対策とともに、各学校がそれぞれ校舎の耐震性等も考慮のうえ、児童・生徒の避難体制や緊急時の教職員の対応方法等について準備しておくことが重要です。
  都立学校については、本年度中に耐震性に問題のある学校に対して構造耐震指標(Is値)を周知し、各学校において震災対策の整備を図るとともに、説明会の開催やパンフレットの配布などにより、児童・生徒、保護者に学校の震災対策の周知・徹底を図ることとしています。
  公立小中学校の震災対策については、設置者である区市町村が計画・実施すべきものであり、都教育委員会は、区市町村がこうした都の対応も参考としながら学校の震災対策を適切に推進するよう、必要な助言をしていきます。

質問事項
 五の2 都立高校の耐震診断、耐震補強工事の経過、そして、各校の地震に対する取り組みの現状を伺う。

回答
  現在、都立高校において、耐震補強工事を要する学校は二十四校であり、このうち、今年度、耐震設計を九校、耐震工事を二校実施します。また、耐震診断調査を要する学校は三十一校であり、現在、三宅高校を除いた三十校について耐震診断調査を進めています。この診断結果をもとに、今年度中に、都立高校の耐震補強工事計画を策定し、十八年度に同補強工事の完了を目指してまいります。
  なお、各学校における震災対策の主なものは、校舎の耐震状況の生徒・保護者への周知、避難経路・避難誘導体制の点検・整備、備品等の転倒防止点検の実施などです。

質問事項
 六 小平鈴木町都営住宅建設の約束違反について
   住宅局は、小平鈴木町都営住宅建設に際し、近隣住民に対し道路新設の約束を行ったが、開設の目途が立たないまま、入居の開始通知を行った。二度と本件のような約束違反を犯さないようにするために、責任の所在を明確にすることが必要と考えるが、見解を伺う。そして、責任ある立場のものから、近隣住民に謝罪すべきと考えるが、見解を伺う。

回答
  小平市の第二鈴木新田住宅の建替えにあたって、団地西側の新設道路を整備するため用地買収を完了しましたが、道路工事着工の段階で用地内の残存物の撤去について関係者の協力が得られませんでした。
  このため、去る平成十四年九月二十七日、十月二日及び同月七日の三日間、近隣住民に対して説明会を開催して、都としてこの間の事情と今後の予定などを説明し、住民の理解を求めたところです。今後とも、近隣住民に対して誠意を持って対応し、理解を得られるよう努めてまいります。
  なお、道路整備は着工可能な部分から順次進めており、できるだけ早期に完了させることとしています。

平成十四年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

 提出者 河野百合恵

質問事項
 一 江戸川区内の都施行区画整理事業について

一 江戸川区内の都施行区画整理事業について
 1 東京都が、江戸川区内で施行している三カ所の区画整理事業のうち、瑞江駅西部地区および篠崎駅東部地区の事業は、一九八〇年代末の事業着手から十数年が経過したにもかかわらず、当初の計画から大きな遅れを生じ、関係住民からつよい不安の声があげられています。
   江戸川区内では、これまで、都営新宿線沿線の一之江駅、瑞江駅、篠崎駅の三駅周辺でいくつかの区画整理事業が平行してすすめられてきましたが、都施行の瑞江駅南部地区および「瑞江一期地区」は、約十年の事業期間で完成し、瑞江駅北部地区および一之江駅西部地区の二つの江戸川区施行事業についても、従前地権者の移転が順調にすすみ、予定の二〇〇八年および二〇〇九年までに、それぞれ事業が終了する見通しとなっています。
   一方、残された二つの事業について、都は一昨年、計画の延長をおこない、瑞江駅西部地区については、完成年度を当初の計画より十年延期して、二〇一四年度に、篠崎駅東部地区についても、十三年延期し、二〇一七年度までに延長され、当初の計画段階からすると、それぞれ、二十年から二十三年もの事業期間を要することになりました。
   このように、事業が長期化するなかで居住者の高齢化がすすむとともに、長期不況と社会保障制度の連続的後退の影響など、関係住民は、将来への不安を募らせています。
   関係住民からは、「隣の地区の区画整理はどんどんすすんでいるのに、同じ時期にはじまった私たちの地区は、どうしてこんなに遅れてしまうのか?」とか、「定年退職になり、いつまで元気でいられるか、わからない、いつになったら移転の時期が来るのか心配でたまらない」などの切実な声が寄せられています。
   施行者の東京都が、責任を持って、事業の見通しを明らかにして、将来の生活設計が立てられるようにして欲しいというのが、関係住民の切なる要望です。
   知事、この関係住民の声に、率直に耳をかたむける必要があるのではありませんか。
   また、なぜ、このふたつの事業だけが、大幅に立ち遅れているのか、理由を明確に説明することが欠かせないと思いますが、あわせて、答弁を求めます。
 2 この二つの事業がすすまない原因に、事業費が大幅に削減されてきたことがあげられます。
   この事業を所管している建設局第一区画整理事務所では、もともと百億円前後の一般会計予算が計上され、そのおおくが区画整理事業にあてられてきました。
   ところが、二〇〇〇年度から、同事務所の事業に、臨海副都心開発関連の事業がくわえられることとなり、一般会計予算が七十億円台に削減されるとともに、予算の配分もおおきく変化することとなりました。
   このため、一九九九年度には、六十数億円あった区画整理事業費が翌年の二〇〇〇年度には、約三十億円まで削減され、一方、減額になった分がまるごと、臨海都市基盤関連街路整備費にあてがわれることになったのです。
   また、第一区画整理事務所の総予算としては、百億円前後を維持しているにもかかわらず、臨海開発の特別会計もあわせると、予算の約三分の二が臨海関連予算で占められるという異常な事態となっています。
   今年の区画整理事業の予算は、二十四億円が配分されただけで、瑞江駅西部地区の予算は、二億二千万円、篠崎駅東部地区は七億八千万円にすぎません。
   このため、今年度移転が可能となるのは、両地区あわせても二十六棟ということです。
   移転対象建物は、約千六百戸あり、この予算規模では建物の移転だけで、五十年以上もかかってしまうではありませんか。
   「いまのような状況では、延長した完成予定年度すら守れないのではないか」という住民の心配は当然です。
   一方、江戸川区は、区画整理事業を区の重点政策に位置づけ、区施行の事業に、毎年、それぞれ約三十億円の予算を確保することで、計画通りの完成をめざしているのです。
   都政をめぐる経済情勢はひきつづききびしいものがありますが、問題は、税金の使い方です。都は、臨海副都心開発について、“税金は使わない”、“都民に迷惑はかけない”などといってきましたが、現実に破たんが明らかになるなかで、関連街路建設などに都財政を投入することで、延命をはかろうとしています。また、石原知事は、目玉としている「都市再生」で、センターコア内の開発にお金を重点的に投入しようとしていますが、それらの大型開発優先の都政運営のしわ寄せをうけているのが、二つの江戸川区での区画整理事業にほかなりません。
   知事、「都市再生」というのであれば、木造密集地域や地震被害が予想される地域などの整備や、住民密着型のまちづくり再生こそ、いそがれているのではありませんか。
   必要な予算を確保して、区画整理の早期の事業完了をもとめる住民の要望に応えるべきと考えますが、あわせて答弁を求めます。
 3 瑞江西部地区の減歩の緩和も切実な要望です。
   この地区の平均減歩率は、一九・〇九%とされており、一五・七%の瑞江駅南部地区、一六・九二%同北部地区と比べて、高く設定されています。同じ、公共施行の区画整理なのに、「不公平ではないか」という声は、当然と思いますが、都として減歩率の引き下げに努める考えはないのか、見解を求めます。
 4 次に、事業の正確な情報を提供する問題です。
   区画整理事業は、複雑な仕組みであることから、事業をスムーズにすすめるうえで、関係住民への情報の提供を重視し、住民の理解をもとめることは欠かせません。
   かつて、瑞江南部地区では、借地権者が「権利申告」の手続きを知らなかったため、仮換地通知を受け取る段階になって、あわてて施行者や地主と交渉を重ねたということがありました。他の地区でも、店舗を借りている小売店主に区画整理事業のことが知らされず、家主への通知だけになっていたため混乱した、ということもありました。
   問題の二つの都施行の区画整理事業でも、「自分の住んでいる所は、いつ移転の時期がくるのか」ということをはじめ、移転補償や手続きの方法など「わからないことだらけ」というのが、住民の現状です。
   また、地区内に住んでいなくて、工場や店舗を一時借りしている人達に対しての情報提供もきちんとおこなうことも欠かせません。
   施行者である東京都が、区画整理の仕組みや今後の事業スケジュールなどについて具体的に正確な情報を提供することは、住民の不安を少しでも解消していくうえで、きわめて重要です。地区内のすべての住民及び権利者を対象に、正確な情報の周知・徹底につとめることを求めるものです。答弁を求めます。

平成十四年第三回都議会定例会
河野百合恵議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 江戸川区内の都施行区画整理事業について
  1 瑞江駅西部地区及び篠崎駅東部地区の事業は、一九八〇年代末の事業着手から十数年が経過したにもかかわらず、当初の計画から大きな遅れを生じ、関係住民から強い不安の声があげられている。知事、この関係住民の声に、率直に耳を傾ける必要があるが、所見を伺う。また、大幅に遅れている理由を明確に説明すべきだが、所見を伺う。

回答
  瑞江駅西部地区及び篠崎駅東部地区については、地権者の生活再建に関する要望に対処するため、事業着手以来、減歩緩和のための用地取得を進めるとともに、分散している宅地の集約化など地権者の意向等を換地設計に反映し、事業を進めてきました。
  また、まちづくりニュースの発行や土地区画整理審議会への説明などの機会を通じて、事業計画の変更について関係住民への周知徹底を図ってきました。

質問事項
 一の2 今年の区画整理事業の予算規模では、建物の移転だけで五十年以上かかる。知事、都市再生というのであれば、木造密集地域や地震被害が予想される地域などの整備や、住民密着型のまちづくり再生こそ、急がれているのではないか。所見を伺う。また、必要な予算を確保して、区画整理の早期の事業完了を求める住民の要望に応えるべきと考えるが、所見を伺う。

回答
  江戸川区内の都施行区画整理事業は、防災性の向上、良好な住環境の形成などを目的として実施してきています。
  厳しい財政環境のもとではありますが、計画的な事業執行を図るため、適切な予算の確保に努め、事業期間内での完了を目指し取り組んでいきます。

質問事項
 一の3 瑞江西部地区の減歩率は、瑞江駅南部地区及び北部地区と比べて、高く設定してある。都として、減歩率の引き下げに努める考えはないのか、見解を伺う。

回答
  瑞江駅西部地区は、施行前の公共用地率が低く、道路及び公園の整備により良好な居住環境を確保するため、所定の減歩率となりました。

質問事項
 一の4 区画整理の仕組みや今後の事業スケジュールなどについて、具体的に正確な情報を提供することは、住民の不安を解消していくうえで重要である。地区内の全ての住民及び権利者を対象に、正確な情報の周知・徹底に努めることを求めるが、見解を伺う。

回答
  事業の実施に際しては、引き続き、説明会の開催、まちづくりニュースの発行、個別相談の実施などを通じて関係住民への事業内容の周知徹底を図っていきます。

平成十四年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

 提出者 酒井大史

質問事項
 一 犯罪被害者支援と自死遺児対策について
 二 多摩の交通と多摩都市モノレールについて

一 犯罪被害者支援と自死遺児対策について
  犯罪被害者支援については、昨年の第三回定例都議会一般質問にて、質問を行い、その折りの答弁から石原都知事も一定の関心を持っていただけているものと推察します。本年より犯罪被害者支援策の一つとして、犯罪被害者の初診料負担が導入されたことも都が被害者支援の重要性を認識されていることの現れとして、大変心強く思っています。また、都内においては平成十二年四月一日に設立された「社団法人 被害者支援都民センター」が他県に先駆けた活動を行い、本年上半期において一千二百七十六件(同センターHPより)の相談を受けています。このことは、都民にとって万が一の時の心のよりどころとなっているばかりではなく、被害者支援の重要性・必要性を裏付けるものであると思います。世界有数の警察である警視庁が犯罪捜査と撲滅に日々奔走しているにもかかわらず、重要犯罪認知件数のみでも、本年一月から八月において一千七百十一件(前年同月一千七百四十九件)と全国一万三千七百四十四件の実に一二%が都内で発生しています(警察庁HPより)。この他、傷害や暴行等を加えると相当な数になります。この数字は都民の犯罪を許さないと言う決意を新たにし、警視庁の犯罪捜査と犯罪撲滅活動に協力していく必要性を示しているのみならず、犯罪の被害に遭い苦しんでいる都民への支援をさらに進めていく必要性を物語っていると思います。そこで、犯罪被害者支援策について、都の現状と認識、そしてこれからの取組について伺います。
  また、近年、経済状況が悪化し続ける中で、働き盛りの中年層の自殺が社会問題化していると思います。中年層は働き盛りであるのみならず子育ての真っ最中でもあります。この中年層の自殺の裏には、犯罪被害者の遺児と同じように、ある日突然、親を失ってしまった自死遺児の問題があります。この自死遺児への支援についても併せて伺います。
 1 経済的支援について
  ア 今年度より犯罪被害者の初診料を負担することとなり、被害者支援が一歩進んだと思うが、その額は一件一万円を上限とし、七百二十件分である。前段で示した数字からもさらなる拡充が必要であると考えるが、診断書料とあわせて初診料負担の拡充について、今後の計画を伺う。
  イ 現在、被害者の経済的損失(たとえば医療費や休職中の生活費など)について、加害者に求償出来る場合は良いが、加害者に資力がない場合、現行の制度では被害者がその負担まで負う状況になっている。この状況を都としてどのように考えるか。また犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律でカバー出来ない被害者への経済的支援の必要性について都の考え、取組みを伺う。さらに仕返し等を恐れ加害者に求償出来ない被害者への支援として、都が被害者に代位して加害者に求償出来る制度を作っていく必要もあると考えるが都の見解を伺う。
  ウ 経済的支援の一つの方策として、都内の市町村等で行っている交通災害共済制度のような共済保険制度の犯罪被害者版を都内の自治体に働きかけ創設していく考えはないか伺う。
 2 心のケアと組織の整備について
  ア 都においては、犯罪被害者対策として、警視庁の犯罪対策支援室を中心に活動を行い、また被害者支援都民センターが活動を行っているが、八月に視察を行った佐賀県警では、被害者支援の相談業務をNPO法人に委託している。都において、今後犯罪被害者の特に精神的負担を軽減していくための対策拡充に向けNPO法人を活用していく考えはあるのか伺う。またNPO法人の育成についてはどのように考えているのか伺う。
  イ 都内における犯罪被害者支援を進めていくため、都内自治体との連携も必要と考えるが、現在、都として自治体との連絡調整はとっているのか。また警察署を中心としたネットワーク以外に連絡体制が取れていない場合、現状認識を進めることや役割分担など、具体的実質的な対策について自治体と連携をとっていく必要があると考えるが見解を伺う。
  ウ 都庁において警視庁以外に、犯罪被害者支援を担当するセクションは存在するのか。また存在しない場合、経済的支援・自治体との連絡・医療機関との連携を取るための担当を創る必要があると考えるが見解を伺う。
  エ 学校教育の中で、生徒が被害者の人権について考える時間を持つよう、指導はしているか。被害者支援・人権に関する教育の必要性について都の見解を伺う。
 3 医療機関との連携について
  ア 犯罪被害者支援と犯罪捜査の観点から、都立病院等との連携は取れているのか伺う。
  イ 都立病院の中に犯罪被害者のための配慮はされているのか伺う。
  ウ 都立病院や他の医療機関に対し、被害者への対応マニュアル等(たとえばレイプ患者への基本的な対応方法など)を作り、提示しているのか。もし行っていない場合その必要性について都の見解を伺う。
 4 自死遺児対策について
  ア 現在、凶悪犯罪とともに景気低迷が長引く中で働き盛りの方々の自殺も増えている。そのような中で、都として自殺者予防への対策を考えているのか伺う。
  イ 交通事故による遺児と違い、保険による保証もない自死遺児に対する経済的支援について都としてはどのように考えているのか。また同様に、心のケアについて都としての対応、今後の計画を伺う。
二 多摩の交通と多摩都市モノレールについて
  多摩地域においては、長年二十三区内と比べ、交通網の整備が遅れてきた。しかし近年ようやく、中央線の高架化事業が始まり、南北交通を遮断してきた踏切解消に向け光が見えてきた。また南北を縦断する軌道として多摩都市モノレールが全線開業したことにより、多摩地域の住民の通勤・通学そして生活の足がようやく整備されつつある。これと併せて、多摩地域の各自治体は、地域住民の足を確保するため地域コミュニティバスの導入に取り組んでいる。このような状況の中で、都をはじめ沿線各市が出資し、経営支援をしている多摩都市モノレールは、開業当初における利用者の伸び悩みからようやく脱しつつあるが、さらなる経営努力により、利用者の利便性を確保し、利用者増を図ることにより、今後始まる自治体への借入金返済に向け、対応していかなければならないことは都としても十分認識されていることと思う。そこで、都の退職者が社長を務めている点からも大変繋がりの強い多摩都市モノレールを中心とする多摩の交通網整備と多摩都市モノレールの経営努力の一つである車体広告について以下何点か伺う。
 1 多摩都市モノレールと多摩の交通網整備について
  ア はじめに都として、多摩都市モノレールを中心とする多摩の交通網整備についての基本的な見解を伺う。
  イ 多摩都市モノレールの今後の利用者拡大の一つの方策として、他の交通機関との連携があげられると思う。そこで、利用者等の利便性拡大・乗車客拡大のため、沿線市で導入し、また新たに導入しようとしている地域コミュニティバス等との連携について、都としての基本的な見解を伺う。
  ウ 特に地域コミュニティバスとの連携は、利用者の利便性の向上のみならず、双方にとっても利用者の誘因になると考えるが、これまで、都としてイニシアチブをとって沿線自治体や多摩都市モノレールと協議の場を持ったことがあるか。若しくはこれから協議の場を持つ考えはあるか。
  エ 具体的な政策として、多摩都市モノレールの各駅を起点または停車する地域コミュニティバス網の整備、それに伴う両者の乗り継ぎ料金適用や共通カード化について検討の場を作っていく考えはないか伺う。またその際における自治体支援等について都の見解を伺う。
 2 多摩都市モノレールの広告について
  ア 多摩都市モノレールは経営努力の一環として、車体広告の募集なども行っているが、まず、この車体広告に対する規制について確認の意味で伺う。また現在、この申込状況はどのようになっているのか伺う。
  イ この車体広告について、商業広告に関する東京都の掲出基準(車体各面ごとに10分1の以下)に反する広告(通常はシルバーの車体にもかかわらず、車体を白色にペイントした上で企業広告が掲載され、全体として企業のイメージカラーとなっている)もあるようだが、都として実態を把握しているのか。
  ウ もし把握しているのであれば、多摩都市モノレールに対してはこの基準は緩和されるのか。あるいは多摩都市モノレールに対して指導をしているのか回答を求める。また把握していないのであれば、今後どのように対応するのか明確な回答を求める。
  エ この車体広告については、ルールに従ってより多くの企業に広告主になっていただくことが会社の経営改善にも繋がり、出資者である都や沿線自治体にとっても利益になることである。しかし、公益性が高く、都も出資をし、都の退職者が社長を務めている会社がルールを守っていない、ましてやホームページで堂々と写真を掲載し募集していることは、社会的にも許されず、それを都も見過ごしているとすると、都に対する信頼も失墜することになる。それ故、毅然とした対応処分が必要と考えるが多摩都市モノレールの代表者へはどのような対応をするのか明確な見解を求める。

平成十四年第三回都議会定例会
酒井大史議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 犯罪被害者支援と自死遺児対策について
  1 犯罪被害者の経済的支援について
   ア 今年度より、犯罪被害者の初診料を負担することになり、被害者支援が一歩進んだと思うが、その額は一件一万円を上限とし、七百二十件分である。前段で示した数字からもさらなる拡充が必要であると考えるが、診断書料とあわせて初診料負担の拡充について、今後の計画を伺う。

回答
  警視庁では、平成十二年度から、犯罪事実を立証するための疎明資料として、被害者に診断書の提出を求めた場合には、被害者の請求に基づき診断書料を支出しております。
  これまで、被害者が犯罪行為を誘発するなど、診断書料を支出することが社会通念上適切ではない場合や、他の公的給付により診断書料が支出された場合を除き、請求のあった被害者には全て支出しており、当面、拡充の必要性はないものと考えております。
  また、診断書を作成するための診察料についても、平成十四年四月からその一部を負担しておりますが、同制度を運用して間がないことから、今後の運用状況を見据えながら、拡充の必要性の有無について検討を行ってまいりたいと考えております。

質問事項
 一の1のイ 被害者の経済的損失について、加害者に資力がない場合、被害者がその負担まで負う状況になっているが、この状況について、都の見解を伺う。また、犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律でカバーできない被害者への経済的支援の必要性についての都の考え方と、取組について伺う。都が被害者に代位して加害者に求償できる制度を作る必要もあると考えるが、見解を伺う。

回答
  加害者側から損害賠償が得られない犯罪被害者又は遺族に対しては、国の犯罪被害者給付金制度に基づいて経済的支援が行われています。平成十三年には、「支給対象の拡大」「支給額の増額」など、内容の大幅な拡充が図られています。
  犯罪被害者給付制度の支給対象等の拡大や、行政が代位して加害者に求償できる制度の創設については、国の犯罪被害者給付金制度の中で検討されるべきと考えております。

質問事項
 一の1のウ 経済的支援策として、交通災害共済保険制度のような共済制度の犯罪被害者版を自治体に働きかけ、創設していく考えはないか、伺う。

回答
  自治体の共済制度は、各自治体が、必要性、加入者の見込み、財政状況等を勘案して、事業運営を行っています。
  犯罪被害者版の共済制度を創設することについては、区市町村において、対応すべきものと考えております。

質問事項
 一の2 犯罪被害者の心のケアと組織の整備について
    ア 今後、犯罪被害者の特に精神的負担を軽減していくための対策拡充に向け、NPO法人を活用していく考えがあるのか、伺う。また、NPO法人の育成については、どのように考えているのか、見解を伺う。

回答
  都においては、民間の非営利被害者支援団体として、社団法人被害者支援都民センターが平成十二年四月に設立されております。この団体は、平成十四年五月に、都公安委員会から、「犯罪被害者等早期援助団体」として指定を受け、警察から情報提供を受け、能動的に被害者にアプローチし、早期に精神的支援を行うなど、各種支援活動を行っております。
  なお、都は、NPO法人など社会貢献活動を行う団体等について、行政との協働を推進していくという観点から、総合的な支援策を講じています。

質問事項
 一の2のイ 犯罪被害者支援を進めていくため都内自治体との連携も必要と考えるが、現在、自治体との連絡調整はとっているのか、伺う。また、警察署を中心としたネットワーク以外に連絡体制がとれていない場合、現状認識を進めることや役割分担など、具体的実質的な対策について自治体と連携を取っていく必要があると考えるが、見解を伺う。

回答
  警視庁では、東京都の各部局をはじめ、東京地方検察庁、社団法人被害者支援都民センター、社団法人東京都医師会、東京弁護士三会等による「東京都犯罪被害者支援連絡会」や、三宅島署を除く全ての警察署に、市区町村等の公的機関、病院、不動産業者等からなる九十六の「警察署犯罪被害者支援ネットワーク」を設立し、緊密な連携を図りながら、情報交換や被害者支援活動を行っております。
  引き続き、会員の被害者支援意識の高揚を図るとともに、関係機関・団体等との連携による被害者支援活動の充実に努めてまいりたいと考えております。

質問事項
 一の2のウ 都庁において、警視庁以外に、犯罪被害者支援を担当するセクションは存在するのか、伺う。経済的支援、自治体との連絡、医療機関との連携をとるための担当を創る必要があると考えるが、見解を伺う。

回答
  東京都においては、警視庁犯罪被害者支援室のほか、犯罪被害者の支援については、個別具体的な事案に即して、所管する局で対応しております。
  また、東京都犯罪被害者支援連絡会のもとに関係者が協力して、被害者相談等の支援活動への取組を強化しています。
  都としては、今後とも、警視庁、所管各局、関係機関相互の連携の強化を図りながら、犯罪被害者対策の充実に取り組んでいきます。

質問事項
 一の2のエ 学校教育の中で、生徒が被害者の人権について考える時間を持つよう、指導はしているか。被害者支援・人権に関する教育の必要性についての都の見解を伺う。

回答
  都教育委員会は、教育目標・基本方針に基づき、「人権の理念を広く社会に定着させ、あらゆる偏見や差別をなくすため、『《人権教育のための国連十年》に関する国内行動計画』を踏まえるとともに、『東京都人権施策推進指針』等に基づき、人権教育を推進する。」ことを、平成十四年度の主要施策としています。そして、「人権施策推進指針に示された、女性、子ども、高齢者、障害者、同和問題、アイヌの人々、外国人、HIV感染者等、犯罪被害者やその家族、その他の人権問題などの課題について、学校教育や社会教育等を通じて、人権教育を効果的に進める。」こととしております。
  これらを踏まえ、人権施策推進指針に示された課題について、児童・生徒の発達段階に応じて指導するよう学校を指導しています。
  さらに、今年度末に全教員に配布する教員用指導資料の中に犯罪被害者やその家族についての指導事例等を掲載し、児童・生徒が犯罪被害者やその家族を支援する態度を育てるよう各学校に働きかけていく考えです。

質問事項
 一の3 医療機関との連携について
    ア 犯罪被害者支援と犯罪捜査の観点から、都立病院等との連携は取れているのか、伺う。

回答
  警視庁では、三宅島署を除く全ての警察署に九十六の「警察署犯罪被害者支援ネットワーク」を設立して、その殆どに都立病院をはじめとする病院や診療所が加入しており、被害者の立場からの支援策として、医療機関との連携を図っております。

質問事項
 一の3のイ 都立病院の中に犯罪被害者のための配慮はされているのか、伺う。

回答
  都立病院においては、すべての患者に対し、精神的及び身体的状況に十分配慮した適切な医療の提供に努めており、診療の過程で得た個人情報の秘密を守り、プライバシーが侵されることのないよう厳正に取り扱っています。
  このことは、犯罪被害者の方々においても同様です。
  なお、都立病院では、犯罪被害者の方々への支援等に資するため、福祉指導職を中心に、健康局が主催する医療社会事業従事者研修に参加しているところです。
  今後とも犯罪被害者の方々に対し、十分配慮してまいります。

質問事項
 一の3のウ 都立病院や他の医療機関に対し、犯罪被害者への対応マニュアル等を作り、提示しているか。また、行っていない場合、その必要性について見解を伺う。

回答
  都としては、犯罪被害者に対して身体的、精神的に様々な支援が必要であると考えています。
  現在、医療機関に対する犯罪被害者への対応マニュアルについては作成していませんが、これまで医療従事者を対象とした研修の中でも犯罪被害者の支援に関連したテーマを取り上げ、意識啓発を行ってきたところです。
  医療機関向けの対応マニュアル等の作成についても、必要な支援の一つであると考えており、今後、関係機関と調整しながら積極的に検討していきます。

質問事項
 一の4 自死遺児対策について
    ア 働き盛りの方々の自殺も増えているが、自殺者予防への対策は考えているのか、伺う。

回答
  自殺の背景としては、家庭や職場でのトラブルやストレス、金銭などの経済的問題、本人の病気など様々なものがあり、また、自殺者の多くは、心の悩みや抑うつ状態、うつ病など精神医学的な問題を抱えていることが知られています。
  これらの心の病気の多くは、現代医学では治療が可能であり、このため本人はもとより、家族や周囲の人々が本人の呈する兆候を早期に察知し、相談機関や医療機関に相談し、早期の受診、治療に結びつけることが何よりも重要です。
  そこで都では、精神保健福祉センターや保健所において、関係機関とも連携を図りつつ、心の病気の早期発見、早期治療の援助や心の健康づくりなどについて、電話相談、面接相談、訪問相談や都民を対象としたうつ病に関する講演会等、各種事業を行っているところです。
  今後とも、パンフレットの配布やインターネットなどを活用し、広く都民の方々にきめ細かくこれら事業の周知を図っていきます。

質問事項
 一の4のイ 自死遺児に対する経済的支援に関して所見を伺う。

回答
  自死遺児に対する経済的支援につきましては、国の制度の遺族年金や児童扶養手当の支給、さらに、都独自の制度の児童育成手当の支給などにより対応しています。
  そのほかに、母子福祉資金やひとり親家庭私立高等学校入学金など、就業資金や子どもの進学などのための貸付けを行っています。
  また、不測の事態に直面した自死遺児が適切な支援を受けられるよう、「ひとり親家庭のしおり」の配布や警察等関係機関への制度の周知を図っています。
  都といたしましては、親を亡くした原因にかかわらず、すべての遺児が安心して生活ができるよう、多様な施策の展開を図っているところであり、今後とも適切に対処してまいります。

質問事項
 一の4のウ 遺児の心のケアについて、都としての対応と今後の計画を伺う。

回答
  都では、精神保健福祉センターや保健所等においてPTSD(心的外傷後ストレス障害)などの心の病や心の健康づくり等についての相談を行っており、自死遺児に対する心のケアについても、この相談の中で対応しております。
  また、都民の方々に、この相談事業を周知するとともに、併せて、遺族の方々が、接すると思われる関係機関へのパンフレットの配置を検討していきます。

質問事項
 二 多摩の交通と多摩都市モノレールについて
 1 多摩都市モノレールと多摩の交通網整備について
  ア 多摩都市モノレールを中心とする多摩の交通網整備についての基本的な見解を伺う。

回答
  多摩地域においては、社会経済情勢の変化を踏まえつつ、核都市の育成など地域の発展に資するよう、南北方向の交通ネットワークの充実やボトルネック解消策などが必要と認識しています。

質問事項
 二の1のイ 多摩都市モノレールの利用者拡大の一つの方策として、地域コミュニティバス等との連携について都としての基本的な見解を伺う。

回答
  コミュニティバスは、本来、交通不便地域の解消や交通弱者対策としての目的を持つものですが、駅と結節する事で、公共交通の利便性向上にも資するものと考えられます。

質問事項
 二の1のウ 地域コミュニティバスとの連携について、沿線自治体や多摩都市モノレールと、協議を行ったか、伺う。また、今後は、協議の場を持つのか、伺う。

回答
  コミュニティバスは地域内交通を担う公共交通機関であることから、地元自治体が主体となって取り組むべき課題であると考えます。
  今後、地元自治体などから申入れがあり、必要性があれば都としても協力を行っていく考えです。

質問事項
 二の1のエ モノレール各駅を起点または停車する地域コミュニティバス網の整備、それに伴う両者の乗り継ぎ料金適用や共通カード化について検討の場を作っていく考えはないか伺う。その際の自治体支援等について、見解を伺う。

回答
  多摩都市モノレールは、既に私鉄、地下鉄各社と連携してパスネットカードを導入済みです。
  乗り継ぎ料金の導入や共通カード化については、検討すべき課題が多いと考えられますが、今後要請があれば、都としても適切な助言を行っていく考えです。

質問事項
 二の2 多摩都市モノレールの広告について
    ア 多摩都市モノレールは、車体広告の募集を行っているが、車体広告の規制について、伺う。また、現在の申込状況について伺う。

回答
  電車の車体利用広告につきましては、車体の一つの外面に表示する広告物の面積の合計が、当該外面面積の十分の一以下となっています。
  ただし、非営利広告物、電車を利用した催物又は行事を表示する広告物で表示期間が六箇月以内のもの、自家用広告物及び国又は地方公共団体が地域振興を目的として表示する広告物につきましては、十分の三まで表示可能です。
  また、平成十三年十二月から現在までの実施状況につきましては、四件となっています。

質問事項
 二の2のイ 多摩都市モノレールの車体広告に、都の掲出基準に反する広告もあるようだが、都として実態を把握しているのか伺う。

回答
  多摩都市モノレールの車体利用広告の状況については把握しており、東京都の基準にすべて適合しております。

質問事項
 二の2のウ 多摩都市モノレールに対して、基準は緩和されるのか、指導をしているのか、伺う。今後、どのように対応するのか、伺う。

回答
  多摩都市モノレールの車体利用広告について、特に基準を緩和した事実はありません。

質問事項
 二の2のエ 広告掲載基準に反する車体広告について、毅然とした対応処分が必要と考えるが、多摩都市モノレールの代表者へは、どのような対応をするのか、見解を伺う。

回答
  多摩都市モノレールの車体利用広告は、基準に適合しております。

平成十四年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

 提出者 清水ひで子

質問事項
 一 都立高校統廃合計画について

一 都立高校統廃合計画について
 1 教育庁が六月に発表した「都立高校改革・新配置計画案」にたいして、この間、定時制高校の関係者、産業高校設置予定の関係者、都民などから厳しい批判が出されてきました。しかし、教育庁はそうした声に耳を貸さず、十月の新実施計画決定を強行しようとしています。今定例会の代表質問でも指摘しましたが、決定を急ぐのではなく、これまですすめてきた改革計画の未実施分をふくめて時間をかけて広く都民的な議論をつくすべきであるという立場から、あらためて伺います。
   今回の「計画」には、多くの問題点がありますが、私は、八王子に予定されている第二商業高校と八王子工業高校を統廃合し、産業高校を設置しようとしている問題と、中高一貫校についてしぼって質問するものです。
   統合の対象とされている都立第二商業高校は、創立八十二年の歴史と伝統をもつ都内有数の伝統校です。「商業科」「情報処理科」の六学級の都立商業高校の中で、もっともレベルが高い商業高校という評価をうけています。
   数年前までの生徒応募状況の低迷や、中途退学者の増加にたいする危機感のなかで、学校改革計画を策定し、近年、充実した商業教育で成果をあげてきました。経済産業省主催の国家試験、システムアドミニストレーター(情報処理技術者試験)では、都内高校生の合格者の約半数を二商生で占めるほどの実績をあげるまでになり、都内では最高、全国的にみてもトップレベルの成果をあげています。
   充実した情報処理設備を有効に生かし、急速な情報技術の進展にも対応できるよう、コンピューターを利用する側の立場での専門性を生かした情報処理教育に内容を変更し、ビジネスの世界で情報通信技術に精通し、経営、財務の知識も豊富な人材の育成に努め、その取りくみは海外からも評価され、名実ともに東京のIT教育先進校となっているのです。
   このような成果が中学生にもひろがり、入学を希望する中学生が増え、この二年間では、毎年一月に発表される中学校長会の志望校調査や推薦入試、二月の一般入試の受験者数でも、都内有数の競争倍率が記録されています。そして、卒業生は、八王子を中心に社会のさまざまな方面で活躍し、同窓会が活発に活動し、母校の支援に取りくんでいるのです。
   都立八王子工業高校は、百十五年の歴史を持ち、都立高校では二番目に古い学校です。地元八王子の染織業界が創設し、「応用デザイン科」「カラーリングアーツ科」「工業化学科」「機械科」「電気科」などきわめてユニークな内容を持ち、地域文化的価値もある学校です。
   二つの学校、特に第二商業高校関係者は、今回統廃合の対象とされたことに大変驚き、怒りの声が出され、関係方面へ反対のはたらきかけを行い、都への要望書も一万五千人を超えて提出されました。八王子工業高校の生徒や卒業生は、「百十五年の歴史があるのが自慢だった。学校で最初に教わったのが伝統です。八王子で大事にされてきた学校ではないか」と、個人で全都を訴えてまわっています。
   こうした声にこたえて、八王子市議会でも、第三回定例会で「都立第二商業高校の措置に対し、見直しを求める意見書」を採択しました。
   七月二十七日に行なわれた都立二商の説明会では、卒業生、PTA関係から配置計画にきびしい批判が出されました。「専門高校検討委員会報告書の検討経過のなかで、いつの時点で二商が産業高校とされたのか。現在の二商をどのように評価しているのか。報告書は、専門高校の問題点を指摘しているが、二商にはあてはまらない。情報処理教育の先進校で、こんなすばらしい学校を、あなたはつぶそうとしているのですよ。先生方は研究を重ねてトップクラスにした。一時は低迷したこともあったが、校内改革をしてがんばってきた。お金が必要なときには同窓会が援助して、先生方は夏休みも冬休みもないくらいがんばってきた。二商のよさを中学生にわかってもらおうと、やってきた。都内で唯一の学校をなぜつぶすのですか。二商をつぶさなくてはならない、どんな問題があるのか教えてください。」
   集まりは、予定時間を超えて質問があいつぎました。この間「新配置計画案」に関し、数十か所の説明会が開かれましたが、そのなかで最も多い四百人以上が参加したことは、二商を対象校とすることに、関係者が非常に大きな批判を持っていることの証明でもあるのではないでしょうか。
  ア このような「計画」にたいする批判、説明会でだされた関係者の声をどのように受け止めるのですか。
  イ 改革に取りくみ、大きな成果を上げ、地域に密着した歴史ある二校をなぜ統合するのですか。
  ウ 統合で、両校の伝統やこの間の成果を、確実にひきつげる保証があると考えているのでしょうか。それぞれ答弁をもとめます。
  エ 産業高校の学科については、今後検討をするとしていますが、すでにモデルとして示されている履修内容に対して、関係者からも卒業生からも、疑問がだされています。
    高等学校の学科は、学校教育法関連法規によって定められていますが、〔1〕普通科、〔2〕専門学科(商、工、農、家庭、水産、美術、音楽、体育、国際)、〔3〕総合学科であり、産業科は現在含まれていないのではないですか。
    しかも〔2〕の専門学科は、専門の科目を一定以上習得しないとその学科を卒業できませんが、産業高校のモデル履修授業内容では、専門学科は十単位程度の履修となっています。これでどうして専門学科といえるのですか。
  オ モデルとされている科目の履修で、どんなことを高校で学ぶのかが不明確であり、普通科目の単位数が少なく、国民が等しく学ぶ共通の教養さえ履修しないことになります。専門的な教科目も、科学的理論的に体系だっておらず、すぐに役に立つが、すぐに役に立たなくなる雑多な科目の寄せ集めで、卒業後に自分の進路を切り開く力も、中途半端な科目学習のみで、就職、進学が一層困難になると指摘されているのではないですか。現在の都立高校の共通の目標は、どの生徒にも共通の学力、教養を保障することではないのでしょうか。
    また、説明会では、卒業生から、「こんな勉強をしていたのでは、システムアドミニストレーターは取れない。」という発言もありました。
    第二商業高校が進めてきた教育内容に比較して、都が予定している産業高校の内容では、求められている「産業人」としての力量を身につけることは不可能ではないですか。
  カ 「都立二商を情報高校として発展させることによって目的が達成できるのではないか」という関係者の意見に耳を傾けることが重要です。都立二商と八王子工業の統合計画を見直すべきであると考えますが、どうですか。
  キ また、重大なことは八王子地区の中学生の高校進学にも大きな影響が予想されることです。これまでの都立高校改革第二次計画で、すでに都立館高校・都立高陵高校の統廃合計画が実施され、入学枠が削減されてます。そのうえ、さらに南多摩高校の中高一貫校が実施されれば、合計二・五校分の定員の削減となるものです。これでは地域の高校進学状況が大きく変化し、中学生にとっては一層の狭き門となり、大きな負担となることが予想されます。
    中学生の数がいま、減少傾向にありますが、これは受験競争の緩和や教育条件整備のチャンスとなるものです。にもかかわらず、これだけの統廃合をすすめてしまったら、高校受験の競争は、いまよりもっと激しいものになってしまうのではないでしょうか。伺います。
 2 次に中高一貫校について伺います。
   「新配置計画」では中高一貫校を九校開校するとしています。すでに都立大附属高校と千代田区が計画している一校も加えれば十一の中高一貫校が新設されることになります。
   しかし、都教委が中高一貫のねらいとして中等教育の「複線化」を掲げていることや、私立の小中学校教育への影響など、既存の中等教育のシステムの大きな変更をもたらすものになるにもかかわらず、それにふさわしい都民と関係者の合意はまったく図られていません。
   八王子の都立南多摩高校が中高一貫校になれば、日野、町田、八王子をはじめ、京王線・JR中央線沿線の小学生が入学を希望することが予測されます。府中や調布などからも通学可能でしょう。中学部の定員は、三学級なら百二十人、四学級なら百六十人です。一方、日野、町田、八王子の小学校だけでも百二十数校あります。平均すれば小学校一校から一人の児童が入学できるかどうか、という狭き門です。たとえ学力検査はおこなわなかったとしても、激しい学力競争にまきこまれることは必至ではないでしょうか。八王子市でも学校選択制の導入が検討されていますが、「中高一貫校に入りやすい小学校」などと宣伝され、小学校入学段階から激しい競争にまきこまれることが予想されます。
   また、南多摩高校の隣には八王子市立五中があり、都立中と市立中が隣り合わせにできることになりますが、こうしたことの影響も含めて、該当の市教委をはじめ、小中の校長会、PTAなど関係団体と合意は図られていません。
   このように現行の初等、中等教育システムに大きな影響をもたらし、市立の小中学校教育にも多大な影響を及ぼす中高一貫校の導入は、慎重な上にも慎重を期すべきです。まして都民と関係者の合意がないもとでは、導入を見合わせるのが常識と思いますが、答弁を求めます。
 3 今年二月の都立高校の入試倍率は一・二六倍。一九九九年、二〇〇〇年に次いで過去三番目の高倍率で、入学辞退率は過去最低の一・六%でした。しかも経済的理由で都立高校しか受験できない生徒が増えています。
   全日制高校に行きたくても行けない中学生が毎年二千人以上出ているのに都立高校の統廃合をすすめるのは異常です。
   東京の高校教育に求められているものは子どもの学ぶ権利に答えることであり、高校進学を希望するすべての中学生の願いにこたえることではないでしょうか。そして、三十人学級など、ゆきとどいた教育条件を整備して豊かな高校教育をおこなうことです。
   「都立高校改革・新配置計画案」は、その方向とはまったく反対の方向をめざすものです。しかも計画の作り方も周知の仕方も一方的です。加えて一次、二次の計画の総括も教訓も出されていません。今定例会の代表質問で、教育長は「今後とも関係者の理解を得るように努める」と答弁しましたが、現状では都民の合意も関係者の理解も得られていません。十月の決定を延期し、都民参加で再検討することを求めるものです。見解を伺います。

平成十四年第三回都議会定例会
清水ひで子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 都立高校統廃合計画について
  1 第二商業高校と八王子工業高校の統廃合計画について
   ア 第二商業高校の統廃合に関して、一万五千人を超える要望書が提出され、八王子市議会でも見直しを求める意見書が採択された。また、新配置計画案の説明会では、都内最多の四百人以上が参加した。このような、計画に対する批判、説明会でだされた関係者の声をどのように受け止めているのか、伺う。

回答
  新配置計画(案)に対する意見として、厳粛に受け止めています。
  今後とも平成十四年十月に都教育委員会で策定した都立高校改革推進計画・新たな実施計画について、関係者の理解を得られるよう、努めてまいります。

質問事項
 一の1のイ 改革に取り組み、地域に密着した、歴史ある二校をなぜ統合するのか、伺う。

回答
  専門高校が様々な課題を抱える中で、商品の生産から流通・消費に至る過程に関する知識や技術を身に付ける産業高校は、専門高校の活性化のための有効な手法と考えられます。第二商業高校と八王子工業高校を統合して、産業高校としてさらに発展させていくことは、八王子地区、ひいては東京都の専門高校全体の活性化につながるものであると考えています。

質問事項
 一の1のウ 統合で、両校の伝統やこの間の成果を確実に引き継げる保証があると考えるのか、伺う。

回答
  新しい学校についての基本となる計画を策定するに当たっては、地元産業界などの地域関係者や、対象となる両校の校長、教員も加わった基本計画検討委員会を設置して検討する予定であり、両校の協力のもとに、教育課程を工夫して成果を引き継いでいくことができるものと考えています。

質問事項
 一の1のエ 学校教育法関連法規によると、専門学科は、専門の科目を一定以上習得しないとその学科を卒業できないが、産業高校のモデル履修内容では、専門学科は十単位程度の履修内容となっている。これで、どうして専門学科といえるのか、伺う。

回答
  「高等学校学習指導要領」の総則では、専門学科における専門教科・科目の必履修単位数を二十五単位以上と定めています。
  また、「高等学校設置基準」では、都道府県教育委員会は、普通科、農業、水産、工業、商業、家庭に関する学科を置く高等学校以外の高等学校について、この省令に示す基準に基づいて、必要な定めをなすことができるとあります。同基準に基づき、都教育委員会は産業高校の設置を想定しています。
  専門高校検討委員会報告書の中では、参考資料として産業高校の教育課程編成例を示しました。この例示の中では、学習指導要領に示された工業や商業の専門科目及び産業学科(仮称)としての学校設定科目等を示しており、三年間で最低三十七単位以上の専門科目を履修することを想定しています。
  本教育課程編成例は、参考資料としての例示であり、具体的な教育課程については、今後設置される基本計画検討委員会において検討されます。

質問事項
 一の1のオ 第二商業高校が進めてきた教育内容に比較して、都が予定している産業高校の内容では、求められている「産業人」としての力量を身につけることは不可能ではないか。見解を伺う。

回答
  八王子地区産業高校(仮称)の教育内容については、今後、基本計画検討委員会の中で検討していくが、産業高校は生産から流通・消費まで産業全般にかかる基礎を学んだうえで、さらに専門分野を深めていく学校であり、「産業人」としての力量を十分身につけることができると考えています。

質問事項
 一の1のカ 第二商業高校と八王子工業高校の統廃合計画を見直すべきと考えるが、見解を伺う。

回答
  八王子地区産業高校(仮称)は第二商業高校と八王子工業高校の実績を発展させて、幅広い視野と確かな勤労観に裏づけられた職業人の育成や、商工業の知識をもとに、将来自ら起業を目指そうとする志あふれる人間を育成するものであり、新たな実施計画の中で推進してまいりたいと考えています。

質問事項
 一の1のキ 八王子地区では、都立高校改革第二次実施計画と南多摩高校の中高一貫の実施と合わせて、二・五校分の定員削減になる。高校受験の競争は、今より、もっと激しいものになってしまうのではないか。見解を伺う。

回答
  都立高校では、平成十四年十月の規則の施行により、平成十五年度入学者選抜から学区を廃止しています。都立高校全体では公立中学校卒業生に対し、公私分担のもとで受入枠を確保しており、八王子地区における都立高校の削減がそのまま受検倍率の上昇につながることはないと考えています。

質問事項
 一の2 中高一貫校へ変更を予定している南多摩高校の隣には八王子市立五中があるが、市教委をはじめ、校長会、PTAとの合意は図られていない。現行の初等、中等教育システムに大きな影響を及ぼす中高一貫校の導入は、慎重を期すべきである。都民と関係者の合意がないもとでは、導入を見合わせるのが常識と考えるが、見解を伺う。

回答
  新配置計画については、関係する区市町村教育委員会をはじめ、東京都中学校長会、東京都公立中学校PTA協議会等に説明しているところです。南多摩高校を中高一貫校とすることについては、八王子市教育委員会に対して説明を行っており、理解をいただいているところです。
  今後も新しい学校づくりに当たっては、学校関係者や地域の声を反映させてまいりたいと考えています。

質問事項
 一の3 都立高校改革・新配置計画案は、十月の決定を延期し、都民参加で再検討することを求めるが、見解を伺う。

回答
  都立高校改革の新たな実施計画策定に当たっては、改革の対象となる学校の新配置計画(案)を計画決定に先立って平成十四年六月に発表し、保護者、同窓会、教職員等の学校関係者や地元自治体等への説明を積極的に行って、この十月に計画を決定したものです。
  今後とも関係者の理解を得るよう努め、計画を推進してまいりたいと考えています。

平成十四年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

 提出者 新井美沙子

質問事項
 一 補助金制度について
 二 監査委員制度について

一 補助金制度について
  国庫補助金、地方交付税、税源委譲を含む税源配分のあり方を三位一体で検討する、という国の基本方針がやっと示されました。しかし補助金が廃止され、地方の自主財源になるまでにはまだまだ遠い道のりがありそうです。
  その間、国が使途を限定して自治体に交付することにより事業をコントロールするという現行の補助金のあり方を少しでも見直し、無駄の無い、市民のニーズにあった事業を実施できるよう変えて行かなければなりません。これに関しては国都補助金だけでなく、東京都単独の補助金についても同様のことが言えます。
  私はこれまで様々なNPO活動を実践すると同時にNPO支援の活動にも携わる過程で、市民のニーズにあった事業を実施しようとすればするほど経営が困難になっていくたくさんのNPOを見てきました。今回、それらのNPOの中で都の補助金を受給している数団体と自治体の担当者数名に、補助金のあり方に関してのヒアリングを行ったところ、いくつかの問題点が見えてきましたので、質問をさせていただきます。
 1 地域福祉推進事業について
  ア 都の補助要綱策定が八月と遅いため、四月末に申請するにもかかわらず、九月末に交付決定、実際の交付が十一月から十二月になるため、事業計画を立て、実施するのに無理があります。もっと早く要綱を策定できないか、伺います。
  イ この補助金を受けているのは小さな団体が多いのですが、単年度事業なので繰越ができず、資金繰りが大変です。例えば三ヵ年連続事業として補助できないか、伺います。
  ウ 事業内容や実績を評価してもらえないとの声があります。その点についてどうお考えでしょうか。
  エ 小額の補助金は人件費を考えると無駄であり、団体にとっても使い勝手が悪いので、包括的なものにすべきではないでしょうか。
 2 高齢者いきいき事業について
  ア 都の補助要綱策定が五月、交付が十月以降で、1のアと同じ問題があります。もっと早く要綱を策定できないか、伺います。
  イ 選択・独自・先駆的事業の位置付けがわかりにくい、との声があります。先駆的事業で認められても翌年度には独自事業や選択事業にカウントされ、補助額が少なくなってしまう可能性もあるため、新しい事業の仕組みを立ち上げるには躊躇がある、と聞きました。継続制を持たせるためには例えば三ヵ年連続事業として交付できないでしょうか。
  ウ 交付申請書に補助対象のポイントが書かれていないため、申請しにくいとの声があります。申請後のやりとりに係る時間を考えれば、交付申請書に明記すべきではないでしょうか。
 3 介護予防・生活支援事業
  ア 要綱が年度ごとに部分的に変化するにもかかわらず、策定時期が遅いため、申請に困る、との指摘があります。国に要綱策定を早めるよう促すとともに、都も努力をすべきと考えますが、いかがでしょうか。
  イ 単年度事業なので次年度計画が立てにくく、繰越も出来ないため、資金繰りが大変と聞きます。やはり数年間の事業として補助の決定をする方が良い事業が安定的にできるのではないでしょうか。
 4 障害者自立生活支援事業
   実施しているのは立川市のみですが、進まない理由をどのように考えているか、見解を伺います。また推進するための工夫が必要ですが、いかがでしょうか。
 5 障害者地域自立生活支援センター支援事業
   実際にピアカウンセリングなど実施している団体がすでにあるのに、社会福祉協議会やB型センターが事業委託されている場合があります。委託基準を市区町村に周知徹底し、実績のある団体への委託を勧める必要があると考えますが、いかがでしょうか。
二 監査委員制度について
  地方自治体のチェック機関として監査委員制度は議会と並んで大きな二本の柱となっていますが、巷ではその機能に疑問を抱かれている感があります。その構成員などの実態について伺います。
 1 過去二十年間の監査委員の構成について
   委員のうち識見を有するものの人数と都庁OBの人数(退任後五年以上経過しているものも含む)と議員の人数。常勤者と非常勤者の内訳についてお示しください。
 2 監査委員の選任方法について伺います。
 3 現在の監査委員制度の課題をどのように捉えているか伺います。
以上

平成十四年第三回都議会定例会
新井美沙子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 補助金制度について
  1 地域福祉推進事業について
   ア 補助要綱策定が八月と遅いため、事業計画を立て、実施するのに無理がある。もっと早く要綱を策定できないか、伺う。

回答
  地域福祉推進事業は、区市町村が、地域の実情に応じて、民間団体等の行う福祉サービス等の事業計画を策定して主体的に実施することを支援するために、都が補助を行うものです。
  都の補助要綱は、予算の議決後に、前年度における区市町村の事業実績等を把握したうえで策定しておりますが、都予算の概要については、区市町村の事業執行上、支障をきたさないよう、区市町村に対して前年度中に説明しております。
  今後とも、区市町村とも十分に連携し、円滑な事業実施に努めてまいります。

質問事項
 一の1のイ 単年度事業なので繰り越しができず、資金繰りが大変である。例えば三ヵ年連続事業として補助できないか、所見を伺う。

回答
  地方自治法に定める予算制度上、予算は単年度主義を原則としているため、複数年度の事業としての採択は困難であり、各年度ごとに単年度事業として補助を実施しております。

質問事項
 一の1のウ 事業内容や実績を評価してもらえないとの声があるが、所見を伺う。

回答
  実施するサービス、対象団体、補助額等につきましては、区市町村が地域の実情に応じて判断し実施しており、都としては区市町村の実施する内容に基づき、支援を行っています。

質問事項
 一の1のエ 小額の補助金は人件費を考えると無駄であり、団体にとっても使い勝手が悪いので、包括的なものにすべきと考えるが、所見を伺う。

回答
  地域福祉推進事業は、メニュー方式を導入した区市町村に対する補助事業であり、区市町村は、地域の実情に応じ、都のメニューを活用してNPOなど団体への補助を実施しています。

質問事項
 一の2 高齢者いきいき事業について
    ア 都の補助要綱策定が五月、交付が十月以降で、1のアと同じ問題がある。もっと早く要綱を策定できないか、伺う。

回答
  高齢者いきいき事業は、区市町村が、地域の実情に応じて、独自のアイデアや創意工夫による事業計画を策定して主体的に実施することを支援するために、都が包括的な補助を行うものです。
  都の補助要綱は、予算の議決後に、関係部署とも調整したうえで策定しておりますが、都予算の概要については、区市町村の事業執行上、支障をきたさないよう、区市町村に対して前年度中に説明しております。
  今後とも、区市町村とも十分に連携し、円滑な事業実施に努めてまいります。

質問事項
 一の2のイ 選択・独自・先駆的事業の位置付けがわかりにくい、との声がある。先駆的事業で認められても翌年度には独自事業や選択事業にカウントされ、補助額が少なくなってしまう可能性もあるため、新しい事業の仕組みを立ち上げるには躊躇がある、と聞いている。継続性を持たせるためには例えば三ヵ年連続事業として交付できないか。

回答
  高齢者いきいき事業の事業区分は、共通、選択、独自、先駆的事業の四区分であり、それぞれの事業内容については、実施要綱で具体的に示しています。
  また、地方自治法に定める予算制度上、予算は単年度主義を原則としているため、複数年度の事業としての採択は困難であり、各年度ごとに単年度事業として補助を実施しております。

質問事項
 一の2のウ 交付申請書に補助対象のポイントが書かれていないため、申請しにくいとの声がある。申請書に明記すべきだが、見解を伺う。

回答
  交付申請書の様式そのものは、補助要綱のなかで別紙様式として規定していますが、その補助対象となる事業については、実施要綱、補助要綱、実施細目に詳細に記載してあります。
  また、その内容等については、区市町村の事務担当者に対して行っている説明会において説明しており、不明な点などがあれば、常時、個別の相談にも応じています。

質問事項
 一の3 介護予防・生活支援事業について
    ア 要綱が年度ごとに部分的に変化するにもかかわらず、策定時期が遅いため、申請に困る、との指摘がある。国に要綱策定を早めるように促すとともに、都も努力すべきと考えるが、いかがか。

回答
  介護予防・生活支援事業は国庫補助事業であり、国の要綱と同一内容で都の要綱を策定し、実施しています。
  都は、国の要綱ができしだい、区市町村にその写しを速やかに配布するとともに、都の要綱をできる限り早く改正し通知しています。
  例年、国から一月、二月にかけて予算(案)の概要、要綱改定の素案等についての説明が行われており、都は国の説明後、区市町村の事業執行上、支障をきたさないよう、速やかに区市町村への説明会を開催し、周知を図っています。
  今後とも、区市町村とも十分に連携し、円滑な事業実施に努めてまいります。

質問事項
 一の3のイ 単年度事業なので次年度計画が立てにくく、繰越もできないため、資金繰りが大変と聞く。やはり数年間の事業として補助の決定をする方が良い事業が安定的にできるのではないか。

回答
  本補助事業は、国の要綱に基づき実施しており、また、予算制度上、単年度事業として採択せざるを得ないので、複数年度の事業としての採択は困難と考えます。

質問事項
 一の4 障害者自立生活支援事業を実施している自治体は、立川市のみだが、進まない理由をどう考えているのか、見解を伺う。

回答
  障害者自立生活支援事業については、現在、立川市一市において実施されていますが、これは、障害者の自立生活支援活動を行っている団体の運営基盤や活動状況に差があること、都の補助基準に伴う区市町村の負担が大きいことなどが、その要因と考えられます。
  今後は、実施箇所の拡大が図られるよう、事業のあり方を検討するとともに、区市町村に対し、事業の実施に向けて積極的に働きかけていきます。

質問事項
 一の5 障害者地域自立生活支援センター事業について委託基準をはっきりさせて、実力のある団体に委託すべきと考えるが、見解を伺う。

回答
  障害者地域自立生活支援センター事業の委託先については、都の運営要綱により、施設を運営する社会福祉法人、相談・援助活動を実施している社会福祉協議会、障害者の自立生活を支援するNPO法人等のサービス供給団体であって、適切な事業運営ができると認められるものと定めています。
  事業の実施に当たっては、実施主体である区市町村の判断により、適切な団体に委託されているものと考えています。

質問事項
 二 監査委員制度について
  1 過去二十年間の監査委員のうち、識見を有するものの人数、都庁OB(退任後五年以上経過しているものも含む)の人数、議員の人数、および常勤者と非常勤者の内訳について伺う。

回答
  監査委員は、地方自治法により必置とされ、公正で効率的な行財政運営を確保するため、極めて重要な役割を果たしており、識見を有する者及び議員のうちから、四人を選任することとされています。
  都においては、識見委員、議員選出委員それぞれ二人を選任することとされています。
  また、識見委員のうち、一人以上は常勤でなければならないとされ、議員選出委員は非常勤とされています。
  過去二十年間では五十二人の方が委員に選任されております。
  そのうち識見委員は八人で、東京都のOBは七人です。また、議員から選任された委員は四十四人です。
  次に、常勤の委員と非常勤の委員の内訳についてですが、常勤委員は七人、非常勤委員は四十五人です。

質問事項
 二の2 監査委員の選任方法について、伺う。

回答
  監査委員の選任方法ですが、監査委員は、地方自治法に基づき知事が議会の同意を得て選任することとされております。

質問事項
 二の3 現在の監査委員制度の課題について、伺う。

回答
  監査委員制度は、平成三年の地方自治法の改正により、〔1〕選任前五年間、当該普通地方公共団体の職員であったものの選任禁止、〔2〕合議制の導入、〔3〕職務執行に当たっての公正不偏な態度の保持等の規定が整備されるなど、独立性の確保が図られ、また、一般行政事務に関する監査、いわゆる行政監査の規定が加えられるなど監査委員の職務権限の拡大強化が図られています。
  さらに、平成九年の法改正では、地方自治体のOBからの選任は一人とする制限の強化が図られ、監査委員制度の充実策として、監査の結果に基づく改善措置についての執行機関からの通知及び監査委員による公表が義務づけられています。
  このように法改正の都度、独立性の確保と職務権限の強化などが図られてきており、現行の監査委員制度は、地方公共団体の行財政運営の適正性、効率性等の確保に十分貢献できる制度だと考えています。
  このような中で、監査委員は、都の行財政運営の適正性の検証のみならず、都の事務事業について、経済性・有効性・効率性の観点からの検証を更に一層深めることが課題であると認識しています。

平成十四年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

 提出者 松村友昭

質問事項
 一 アニメ産業振興について

一 アニメ産業振興について
  日本のアニメは、宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」がベルリン映画祭で最高賞を受賞するなど、世界的な注目を集めています。
  すでに、世界の子供たちが見ているテレビ・アニメーションの約六割、ヨーロッパでは八割以上が日本のアニメと言われるほどです。このアニメを生み出している中心は、文字通り東京です。私の住む練馬区にある東映アニメや虫プロダクションをはじめ、杉並区、新宿区、さらにジブリがある武蔵野市などに国内のアニメ製作会社の七割以上が集中しており、アニメ関連産業は東京の地場産業となっているのです。
  ところが、子どもたちに夢や希望、感動を与え、また、あこがれの仕事として映るアニメ産業の実態はどうでしょうか。
  アニメ関係団体は訴えています。「日本のアニメーションは、“日本の貧困地帯”と紹介されるほどの劣悪な制作労働条件のなかでも制作に携わる人々の情熱に支えられ、いわば“自助努力”で世界から注目される日本文化として成長を遂げてきました」。ところが、「一見活況に見えるアニメ業界も極端な人材不足で危機的事態」に直面しているというのです。そして、このような日本のアニメ産業の“極端な人材不足”“劣悪な制作労働環境”の要因は、“欧米の五分の一”と言われるテレビアニメの低制作費にあるとしています。
  なぜ、テレビアニメの低制作費が生まれるのか。それは、アニメ産業は、中小零細企業が多く、社会的には著名であっても、資本力が乏しく、経営的に安定していないところに、著作権の権利侵害問題、不安定な受注環境と低額の下請代金が横行しているなどからです。
  この実態について、経済産業省の報告や都中小企業対策審議会答申でも、「本来プロダクションにある著作権、あるいは二次利用に関する権利を放送局が一方的に自社に帰属させる」「アニメ業界では、制作費を負担するTV局や玩具メーカーなどが著作権を確保している」と指摘しています。
  不明瞭な契約の横行や下請代金遅延防止法や下請け中小企業振興法という法律がありながら、元請けプロダクションがつぶれて、その下請けプロダクションへの代金未払いなど、違反行為がまかり通っているのです。
  都中小企業対策審議会答申では「アニメ産業を東京都の戦略産業として位置づけ育成する」と明記しています。
  私は、アニメ制作現場を身近に見てきた、また、アニメーターたちの生活実態を知る一人として、東京が世界に誇るアニメ産業を育成するには、このようなアニメ産業の構造を放置しておいてアニメ振興はあり得ないと考えます。
 1 アニメ産業は、東京の産業として、教育、文化振興、まちづくりに大きな役割を果たしていますが、その実態は、緊急の改善が求められています。そのために、都として、人材育成、技術、経営、契約・取引改善、文化振興支援など総合的で体系的な産業振興策をたてるべきだと思います。
   そこで、まず、都が他の産業分野で策定されているようなアニメ産業振興プランを策定することを提案するものですが、見解を求めます。
 2 また、都として、著作権の保護や親会社のルール破りを規制し、アニメ制作者側に正当な報酬が確保される仕組みなどルールづくりをおこなうつもりはないか。
 3 さらに、下請け業者などの告発を待つのでなく、行政の側から系統的に「立ち入り検査」を行い、ルール破りが発見されたら、大企業・親会社にペナルティーを課すなど罰則を強化し、是正させること、発注元企業の責任を下請け全般にも及ばせること、一方的な発注の打ち切りや大幅な発注削減にも罰則が適用されるようにすることなど、国に規制強化を強く働きかけるべきではありませんか。それぞれ見解を求めます。
 4 アニメ関係の主要な労働組合で結成している「アニメ共闘会議」が九四年、九六年、九九年とアニメ労働者の実態調査をおこなっています。その調査で明らかになったことは、九四年と九九年を比較すると、平均年齢が三十・〇歳から二十八・六歳。平均経験年数が八・七年から七・二年と若くて経験を積んだ労働者が減っています。一日平均労働時間は、九四年が九・六時間。九九年になると十・八時間と増えています。ところが、平均年収では、二百五十五万円から二百四十七万円に減少しています。そしてアニメ労働者の全体の四九%が年収二百万円以下であり、雇用保険未加入者も五五%と言う状況にあることが明らかになりました。
   アニメ労働者のこのような実態が放置されたままで、アニメ産業を振興していくことは極めて困難です。
   そこで、アニメ産業労働者の長時間、低賃金、社会保険未加入などの問題を解決していくためにも、都として、アニメ産業労働者の実態調査をおこなうべきだと思いますが、見解を求めます。
 5 経済産業省アニメーション産業研究会の昨年の報告書(中間のまとめ)では「アニメプロダクションの中でのクリエイティブな人材の不足は大きな問題である」「従来のアニメクリエーター育成の過程が空洞化しつつある」とし、「今後、将来のクリエーターを養成していくためには、アニメ業界を目指すものがいても、現状ではプロダクションは自社で人材を養成するための資金的余裕がない。この状況を打開するためには、アニメ制作者側に十分な報酬を確保し、各プロダクションが自社で人材育成を行っていくための十分な資金が確保されることが不可欠であり、そのためにはプロダクションに十分なインセンティブが行く仕組みを構築することが必要である」しています。
   都が発表した、「転換期にあるアニメーション産業 競争力にあふれる国際拠点作りに向けて」では、「キー・アニメーターとなるには、まず動画マンとなって、経験を積む必要がある。しかし、動画工程のほとんどを外注してきた結果、国内で経験を積む機会が減っており、将来的に影響がでてくる、と懸念される。また、『昔のように社内で人材を育成するだけの余裕が、今の制作会社にはなくなっている』ともいわれている」としています。
   そこで、さしあたっての人材育成には、アニメーションの技術者を育成するための支援の仕組みづくりが重要だと思いますが、見解を伺います。
 6 私は実際に制作にかかわっている関係者から聞きましたが、民間養成機関の数や定員数は一定の規模があるが、一部の学校では、実技で必要な設備が十分でない、また「実技」と称して制作会社から仕事をやすく請け負うなどの実態や、また、広告代理店は、専門学校と連携して、学生を声優と使うため、実際の仕事では、製作者側があらためて養成しなければ使えないなど、制作に非常に苦労するとのことです。
   こうした現状を踏まえ、アニメ関係者からは、アニメーション制作会社が集中する東京に、アニメーターを養成する公教育機関を設置する必要性が訴えられています。
   アニメ産業を振興するうえで、公立で、十分整った設備、経験豊かな講師陣、十分な時間を確保した教育をおこない、優秀な人材を育成すれば、私立を含めたアニメ教育機関全体の水準向上につながります。
   先の都の報告で、「最近では、『東京よりソウルの方がアニメーターの数は多い』と言われるほど、動画工程の下請けをしてきた韓国では人材が育ってきた。それゆえ『いつか日本のアニメ制作も韓国に追い越されるのではないか』との懸念が業界には台頭している」としています。その韓国では、国営のアニメ学校があり、見学した人は「設備も整っている」と言っています。
   そこで、日本においてもアニメーターを養成する公立の教育機関を設置する必要性があるのではないでしょうか。又、少なくとも、都立工芸高校をはじめ、工業高校、高専高校などにアニメーションの専科を設けて、アニメーションの技術者を育成するとともに、都立職業訓練校にアニメーターの養成科目を設けてはどうでしょうか。それぞれ見解を伺います。
 7 アニメ産業の振興にとって、技術の継承や文化の伝統を保存する場、アニメミュージアムの存在は欠かせません。そういう場が存在することによって、新たな振興策の発展が可能となるのではないでしょうか。
   ところが、現実的には、アニメ業界の仕事がデジタル化されるなかで、これまで使用していた機器類が次々処分されてきて、あの「鉄腕アトム」を撮ったカメラなどがスクラップになってしまう事態に直面しています。
   また、古い作品の保存なども、これまで個人の熱意で収集が行われています。しかし、そうした個人の方々の高齢化や個人では保存の物理的限界も来て、このままでは貴重な文化遺産の消失にもつながりかねない状況となっています。
   こうしたなか、日本初のTVアニメシリーズ「鉄腕アトム」を誕生させた練馬区を中心にアニメミュージアムを創る会の住民運動も大きな拡がりを見せ、行政の支援を求めています。
   都としてもぜひアニメミュージアム建設をとの要望に応えていただきたいと思いますが、見解を求め、質問を終わります。

平成十四年第三回都議会定例会
松村友昭議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 アニメ産業振興について
  1 アニメ産業は、東京の産業として、教育、文化振興、まちづくりに大きな役割を果たしているが、その実態は、緊急の改善が求められている。
    そのため、総合的体系的な産業振興策をたてるべきである。都が、他の産業分野で策定しているような、アニメ産業振興プランの策定を提案するが、見解を伺う。

回答
  日本のアニメは、世界市場の約六割を占めると言われ、その制作会社の約七割は東京に集積し、東京の重要な地場産業の一つです。
  しかし、制作や流通過程において様々な問題を抱えています。
  そこで、都では、平成十四年六月に、業界関係者や学識経験者からなる「アニメ産業振興方策検討委員会」を設置し、著作権問題、人材育成、デジタル化など、様々な課題と対応策について検討を行っているところです。

質問事項
 一の2 著作権の保護や親会社のルール破りを規制し、アニメ制作者側に正当な報酬が確保される仕組みなどルールづくりを行うつもりはないか伺う。

回答
  昨年度、経済産業省は、「アニメーション産業研究会」において、ビジネスのあり方等を検討し、モデル契約書を発表しました。
  現在、公正取引委員会においても、「デジタルコンテンツと競争政策に関する研究会」を設置し、著作権等について検討しています。
  これらの動きを見守り、適切に対応します。

質問事項
 一の3 行政側から系統的に「立ち入り検査」を行い、ルール破りが発見されたら、大企業等にペナルティーを課すなど罰則を強化し、是正させること、発注元企業の責任を下請け全般にも及ばせること、一方的な発注の打ち切りや大幅な発注削減にも罰則が適用されるようにすることなど、国に規制強化を強く働きかけるべきではないか。見解を伺う。

回答
  経済産業省や公正取引委員会など、国の動きなどを慎重に見守り、適切に対応します。

質問事項
 一の4 アニメ産業労働者の長時間、低賃金、社会保険未加入などの問題を解決していくためにも、都として、アニメ産業労働者の実態調査を行うべきだが、見解を伺う。

回答
  アニメ産業従事者については、作品ごとの請負やアルバイトなど就業形態が多様であることから、一般の雇用労働者として捉えられない面があり、労働条件等の一律的な把握は困難であると考えています。

質問事項
 一の5 都が調査した「転換期にあるアニメ産業」では、「社内で人材を育成するだけの余裕が、今の制作会社にはなくなっている」としている。
    そこで、アニメーションの技術者を育成するための支援の仕組みづくりが重要だと思うが、見解を伺う。

回答
  現在、「アニメ産業振興方策検討委員会」において、今後の人材育成方策についても議論しているところです。

質問事項
 一の6ア 動画工程の下請けをしてきた韓国では人材が育ってきた。日本においてもアニメーターを養成する公立の教育機関を設置する必要があるのではないか。少なくとも都立工芸高校をはじめ、工業高校、高等専門学校等にアニメーションの専科を設けて、技術者を育成してはどうか。見解を伺う。

回答
  現在、工芸高校では、首都圏の高校で唯一のグラフィックアーツ科を設置しており、生徒は、画像・映像・動画などのクリエイティブな制作も学習しています。卒業後は、アニメーション関係の専門学校へ進学する生徒もおり、グラフィックアーツ科の学習は、アニメーション関係の基礎的な技術を学ぶうえで有意義な内容となっています。
  都教育委員会は、今後も、生徒の進路希望に応えることのできる教育内容の充実に努めていきます。

質問事項
 一の6イ 都立技術専門校にアニメーターの養成科目を設けてはどうか。見解を伺う。

回答
  アニメーターの仕事の内容については、作画監督やキャラクターデザイン、原画制作、動画制作など多様な作業工程に分かれています。このようなアニメ産業への人材は、民間専門教育機関において数多く供給されているところです。
  これらの状況から、都立技術専門校において公共職業訓練を行う必要性はないと考えています。

質問事項
 一の7 練馬区を中心にアニメミュージアムを創る会の住民運動も大きな拡がりをみせ、行政の支援を求めている。都としても、アニメミュージアム建設をとの要望に応えていただきたいが、見解を伺う。

回答
  「アニメ産業振興方策検討委員会」において、貴重な資料の収集、保存及び活用方策についても議論しているところです。

平成十四年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

 提出者 秋田かくお

質問事項
 一 商店街振興について

一 商店街振興について
  東京の商業は、十年を超える長期の不況と、国の大規模小売店舗法の廃止などのもとで、衰退をかさね、ピーク時の一九八二年には十六万二千五百店あった商店が一九九九年には、二割減の十二万八千五百店にまで減少してしまいました。
  商店は、地域経済の核であると同時に、地域社会をささえるおおきな役割を果たしています。また、おおくの商店や商店街は、自らの生きのこりのために、必死の努力を重ねています。その商店と商店街の生きのこりを支援することは、東京都にとって、最重要な課題の一つというべきものです。
  この点について、二〇〇〇年に発行された東京都中小企業白書・小売業編は、「商店街に占める生鮮食品店と一般小売店の大幅な減少は、商店街機能の低下の大きな要因である」としたうえで、「それが、買い物環境としての商店街機能を損ない、商店街離れを加速させ、集客力や活力の低下につながっている。こうした傾向は、小規模商店街ほど顕著。集積の再構築が求められる」と、商店街の再構築の必要を提示しています。
 1 都は、昨年三月に、「二十一世紀商店街づくり振興プラン」を策定しましたが、区市町村の振興プランの策定と、それにもとづく都の「商店街活性化総合支援」のスキームが提案されているだけで、実際に役立つ振興策はまったく提示されていません。
   しかし、商店街をめぐる環境は、さらなる消費不況のふかまりと、大規模店舗立地法の制定や、コンビニストアの増大などめまぐるしく変化しており、都段階での、こうした変化をふまえた個々の商店の支援とその集積である商店街のそれぞれに着目した支援がいそがれています。
   そこでまず、都として、都内商業の現状を正確にとらえ、今日の状況に見合った支援策を確立するための、商業振興プランの策定を提案するものですが、見解を求めます。
 2 現在、都は二〇〇三年度予算の編成をおこなっていますが、商業関係予算の拡充は、商業関係者のつよい要望となっています。
   今年度の都の商業関係予算は、制度融資などを除いた「地域商業の活性化」の予算に中小企業振興基金事業のなかの商店街活性化事業をくわえても、わずかに二十三億五千万円程度にすぎません。
   このため、「元気を出せ商店街支援事業」の改善と拡充、「商店街活性化総合支援事業」の実施予算の計上などが、昨年の予算編成にあたってつよく要望されていたにもかかわらず、見送られてしまいました。
   問題は、お金がないからではありません。税金の使い方ではありませんか。
   都は、今年度予算で「都市再生」を重要施策の目玉にしていますが、今年度の「都市骨格を形成する幹線道路の整備費」は、八百二十七億円の予算が配分されており、その額はなんと商業関係予算の三十五倍です。
   また、本来、東京都が負担する必要のない、国の直轄事業負担金には、昨年度だけで、商業関係予算の十八年分にあたる四百三十四億円つぎこまれました。同じく、首都高速道路公団への無利子貸付金には三百四十四億円も投入されました。
   これらと比べて、いかに商業関係予算が少ないかは明らかではありませんか。
   東京の経済の活性化をはかるのであれば、何をおいても、中小企業予算、そして商業関係予算を大幅に増やして、施策の抜本的拡充をはかるのが筋道ではありませんか。見解を求めます。
   つぎに、具体的な施策について、何点か提案するものです。
 3 まず、地域の商店街が、大型店や駅ビルなどの商業集積と対抗していくうえで、おおきな力となるポイントカードシステムの普及についてです。
   私の地元、品川区の武蔵小山商店街は、全国的にも「横綱級」と言われていますが、その武蔵小山商店街がいちはやく、とり組んできた事業の一つが、ポイントカードです。
   同商店街で、ポイントカードの導入以来、十年がたちますが、カードの所有者は十八万人にのぼり、ポイントカード加盟店一店舗あたり千二百人の固定客を獲得したことになり、商店街の活性化におおきく役立っています。
   また、戸越銀座・銀六商店街では、ノーレジ袋運動と連携したポイントカードが導入され、買い物客が手提げ袋をつかって、レジ袋をもらわない場合は、二円分のポイントを加算したり、ペットボトルや空き缶をもってきた場合にも、一円分を加算するあたらしいシステムを導入して、注目をあつめています。
   しかし、このようなシステムを導入するには、費用もかかり、商店街の事務体制も確立しなければなりません。そのため、全都的な導入状況は、一割にとどまっています。
   そこで、中小商店街でも積極的に活用できるようにするために、都として、商店街が共通して利用できるような汎用性と同時に、商店街ごとに違う規模や特性、顧客ニーズにあわせた活用が可能なシステムの開発につとめること、また、それらのシステムを廉価で提供できるような支援を早急に具体化することを提案するものです。
 4 また、単独では導入困難な商店街が、連携して活用できるようなサポートシステムも、喜ばれるものです。あわせて答弁を求めます。
 5 武蔵小山商店街の場合には、システムの老朽化がすすみ、毎年、端末機の修理代に三百万円もかかっていることから、あらたなシステム開発にせまられています。
   そこで、同商店街は、都に対しシステムの更新を申請しましたが、都のポイントカードの施策は、新規事業のみを対象としているため、拒否されるという事態においこまれました。
   このことは、今後、システムの普及にともない、システムの更新に対する助成が、あらたな課題として必要となることを示しています。でなければ、将来の更新のための負担が心配で、新規の導入を手控えることになりかねません。
   ポイントカード普及のためにも、武蔵小山商店街のシステム更新の要望に応えるべきではありませんか。答弁を求めます。
 6 都が区市町村に計画策定を求めている「商店街活性化総合支援事業」についてです。
   日本共産党都議団は、この間、区市から聞き取り調査をおこないましたが、そのなかで、明らかになったことは、本当にこの事業が役立つものになるのかということでした。同事業は、これまでの個別補助事業ではなく、区市町村がたてた計画に財政支援をするという包括補助方式とされていますが、区市からは、「都がどれくらい予算をつけてくれるのかわからない」「包括補助の代わりに、これまでの個別補助がなくなるのは困る」などの意見や疑問がよせられました。
   そこで、なにより、必要な実施予算の財源を十分に確保することが必要です。また、「商店街活性化総合支援事業」の導入を理由にして、これまでの個別の支援事業や補助金をうちきるようなことがあってはなりません。明確な答弁を求めます。
 7 「元気を出せ商店街支援事業」は、商店街にとって使いやすく、これだけ歓迎されている事業はありません。ところが都は、補助の見直しをおこない、個々の商店街への助成額を削減してきました。また、来年度予算で、都が助成を半減するのではないかという、心配の声が寄せられています。
   必要な財源を確保し、希望するすべての商店街に助成するようにすべきです。また、助成のしくみも、最初の助成制度にもどし、商店街の負担の軽減をはかることが必要ですが、答弁を求めます。
 8 都がモデル事業として実施した空き店舗対策事業が終了しましたが、依然として、商店街振興にとって重要な事業であることに代わりはありません。
   昨年、東京都が実施した商店街実態調査によると、空き店舗がある商店街は、実に全体の六二%に達しています。同時に、それらの商店街のうち、対策を講じているとした商店街はわずかに四分の一にすぎません。
   とりわけ、生鮮三品をあつかう商店がなくなることは、商店の核店舗を失うことになり、対策がいそがれるものです。
   そもそも、全都に約三千もある商店街のうち、わずか数ヵ所のモデル事業ですませようと言うのでは、話になりません。効果をあげるには、一定の規模での事業展開が欠かせません。
   空き店舗対策事業については、モデル事業の際に指摘されていた、補助率のひきあげや補助期間の延長、地元負担の軽減をはじめバックヤードを補助対象とすることなど、実効性を確保するための改善をおこない、全都でいっせいに事業展開できるよう、本格的な事業として再構築すべきではありませんか。見解を伺います。

平成十四年第三回都議会定例会
秋田かくお議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 商店街振興について
  1 昨年、都は、「二十一世紀商店街づくり振興プラン」を策定したが、実際役に立つ振興策はまったく提示されていない。都内商業の現状を正確にとらえ、今日の状況に見合った支援策を確立するための商業振興プランの策定を提案するが、見解を伺う。

回答
  「二十一世紀商店街づくり振興プラン」は、今日の都内商店街をめぐる様々な環境変化や課題を明らかにした上で、二十一世紀型商店街づくりへの戦略的取組みを示すとともに、都の考え方、都と区市町村との役割分担を明確にした総合的なプランです。
  なお、このプランに基づき、現在、各区市町村において「商店街振興プラン」の策定に取り組んでいるところです。

質問事項
 一の2 今年度の商業関係予算は、制度融資を除いた「地域商業の活性化」の予算に中小企業振興基金事業のなかの商店街活性化事業を加えても、二十三億五千万円程度にすぎない。東京の経済の活性化を図るのであれば、中小企業予算、そして商業関係予算を大幅に増やして、施策の抜本的充実を図るのが筋道ではないか。見解を伺う。

回答
  長引く消費の低迷、商品の低価格化など商店街等の経営を取り巻く環境は、一段と厳しさを増しています。
  こうした状況を踏まえ、今後とも、限られた予算の中で、意欲ある商店街等の取組に対する施策の充実に努めてまいります。

質問事項
 一の3 中小商店街でもポイントカードを積極的に活用できるようにするために、商店街が共通して利用できるような汎用性と同時に、商店街ごとに違う規模や特性、顧客ニーズに合わせた活用が可能なシステムの開発につとめること、また、それらのシステムを廉価で提供できるような支援を早急に具体化することを提案するが、見解を伺う。

回答
  都は、「活力ある商店街育成事業」及び「中小企業振興基金事業」により、商店街等が提案するポイントカード事業等の意欲ある取組について支援しているところです。
  今後とも、商店街が提案する自発的、意欲的な取組を支援してまいります。

質問事項
 一の4 ポイントカード事業を単独では導入困難な商店街が、連携して活用できるようなサポートシステムの整備について、見解を伺う。

回答
  法人商店街を補助対象とする「活力ある商店街育成事業」は、法人商店街と未組織商店街とが共同して同一の事業を一体的かつ統一的に実施することを可能としており、ポイントカード事業も補助対象として、商店街が連携して事業に取り組んだ事例もあります。
  また、「中小企業振興基金事業」においても、区の商店街連合会が個々の店舗の参加を募り、区内共通ポイントカード事業を実施した場合に、支援した事例があります。
  今後とも、商店街が提案する自発的、意欲的な取組を支援してまいります。

質問事項
 一の5 品川区武蔵小山商店街では、ポイントカード事業を導入し商店街の活性化に大きく役立っている。しかし、システムの更新を申請したが、都の施策は新規事業のみを対象にしているため拒否された。ポイントカード普及のためにも、同商店街のシステム更新の要望に応えるべきだが、見解を伺う。

回答
  平成十四年度の「活力ある商店街育成事業」については、商店街組合等から申請された事業計画について外部の学識経験者も委員とする「東京都活力ある商店街育成事業審査会」において審議し、その結果を参考に補助対象事業を決定したところです。

質問事項
 一の6 商店街活性化総合支援事業は、包括補助方式のため、必要な実施予算の財源を充分に確保することが必要である。また、同事業導入を理由にこれまでの個別の支援事業や補助金を打ち切るようなことがあってはならない。見解を伺う。

回答
  「商店街活性化総合支援事業」は、「二十一世紀商店街づくり振興プラン」に基づき、各区市町村の平成十三年度及び平成十四年度における商店街振興プランの策定に対する補助事業であり、希望するすべての区市町村の計画づくりを支援する予算を確保してきたところです。
  なお、この事業に関して個別の支援事業等を廃止した経緯はありません。

質問事項
 一の7 「元気を出せ商店街事業」は、商店街にとって使いやすく歓迎されているが、都は助成額の削減を行っている。必要な財源を確保し、希望するすべての商店街に助成すべきである。また、助成の仕組みも最初の助成制度に戻し、商店街の負担軽減を図ることが必要だが、見解を伺う。

回答
  「元気を出せ商店街事業」は、当初予算額では、いずれの年度も前年度予算額を下回っておらず、また、平成十年度及び平成十一年度においては、補正予算を組んで対応してきており、これまで「元気を出せ商店街事業補助金交付要綱」の条件に合致するすべての商店街に助成をしてきたところです。
  なお、現行の制度は、平成十二年度に補助率等を改正したものですが、これは限られた財源の中、より多くの商店街が事業を活用できるよう改めたものです。

質問事項
 一の8 空き店舗対策事業は、モデル事業の際に指摘されていた、補助率の引き上げや、補助期間の延長、地元負担の軽減をはじめバックヤードを補助対象とすることなど実効性を確保するための改善を行い、全都で一斉に事業展開できるよう、本格的な事業として再構築すべきだが、見解を伺う。

回答
  「商店街空き店舗活用推進事業」については、モデル事業として実施してきているところですが、平成十四年度をもって事業終了を予定しており、すでに新規の指定を終了しています。
  なお、空き店舗の解消が顧客吸引力の上昇や売上げ増加などにより、商店街全体の活性化に寄与すると考えられるため、空き店舗対策については、今後も引き続き研究してまいります。

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