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Tokyo Metropolitan Assembly

平成十四年東京都議会会議録第四号

○議長(三田敏哉君) 二十一番串田克巳君。
   〔二十一番串田克巳君登壇〕

○二十一番(串田克巳君) 質問の機会をいただきましたので、何点かお伺いいたします。
 まず、小児病院問題については、過去に何人かの議員から質問されておりますが、私も地元の議員として、その後の経過等を踏まえ、質問させていただきます。多くの都民の、特に小さいお子さんを持つお母さん方の意見を知事に素直にお伝え申し上げたいと思います。
 一点目に知事にお伺いしたいことは、知事が次世代を担う子どもたちを何より大事にしていると考えている多くのお母さん方がいるという、その確認についてであります。
 知事は、過日、府中療育センターという障害児施設に視察に行かれました。あるお母さん方によりますと、石原知事がこうした施設に行かれたこと自体、極めて大きな驚きと大きな喜びであったようです。そこでの発言が新聞等で問題になったようですが、そんな発言はどうでもよく、あの忙しい石原知事が障害者施設に行かれ、みずからその人たちに会われ、医療従事者たちを励ます姿を見て、本当に感激し、涙すら流す方もいたそうです。本当はとても優しい方なのだというのが、私が会ったお母さん方の意見でした。
 そこで、まず知事にお伺いいたします。知事は、次世代を担う子どもたちの健全育成のための教育、福祉、医療等の施策と、都市開発等、他の施策と比べ、どのように重く受けとめておられるか、お伺いいたします。
 二点目にお伺いしたいことは、今回の八王子小児病院移転統合の点についてであります。
 私も他の議員同様、今回の改革会議報告による府中キャンパス内の小児総合医療センター構想を大きく評価し、歓迎するものであります。総合的な医療整備基盤を背景に小児専門施設を置くことは、その医療機能をさらに広げ、極めて多くの小児医療の需要にこたえることができると考えるからであります。
 しかし、幾ら立派な小児総合医療センターをつくるとしても、それをつくるための手段として、医療施設の少ない多摩地域の施設を廃止してつくるというところに今回のプランの問題があるように思います。
 先ほどの府中療育センター障害者施設の知事の視察に感激したお母さんたちも、八王子小児病院の移転統合により、小児総合医療センターを設けるという改革会議報告書を見ながら、移転した後、この地域に小児医療をどうしていくのか明らかにされず、ただ移転だけを述べている点に不信感を持ち、これは改革会議報告としてはちょっと不備があるのではないかと考えているわけであります。
 ここで正確に述べておきたいのは、改革会議報告に不信感を持っているということで、石原知事に不信感を持っているのではないということであります。
 そこでお伺いいたしますが、都立病院改革においては、八王子小児病院が実態として担ってきた地域医療の確保策についてどのように議論されたのでしょうか。地元の皆さんが注目をしておりますので、誠意ある明確な答弁をお願い申し上げます。
 三点目にお伺いしたい点は、改革会議報告の後に出されたマスタープランについてであります。
 これは、前にも述べました改革会議報告と違い、行政側が出したものであり、つまり知事が出したものであります。残念なことに、このマスタープランの内容は、改革会議報告とほとんど基本的な部分は同じであります。
 ただ、年次的整備とか、廃止までの間も施設改修等は行うとか、若干詳細な部分には触れておりますが、先ほども述べましたとおり、八王子小児病院の移転後の医療対策が極めて不十分であります。新生児救急、特にNICU、新生児集中強化治療施設やドクターカー等を初めとする三次医療的な機能が八王子市内からなくなるということは、八王子だけの問題ではなく、八王子以西の西多摩地域にとっても重大な問題であります。
 特に、年間五百件のドクターカーの出動実績を考えると、この地域の新生児死亡率が悪化することになるのではないかと危惧しております。地元の皆さんの具体的心配というのは、このあたりにも大きくあるわけでございます。
 マスタープランでは、小児総合医療センターと地域とのシステムを組むことで対応するような極めて抽象的な記述がされていますが、これでは多摩都民の理解はほど遠いものがあります。
 さらに、病院改革会議報告を受けて知事が出すマスタープランでは、もう少し地域の不安にこたえた、知事の次世代の子どもたちに配慮した優しい思いやりが表現されていると期待していたそうですが、若干がっかりしたようでございます。
 そこでお願いしたいのが、このマスタープランの持つ不十分な点について、地域の不安を解消し、期待にこたえるような具体策を知事のリーダーシップのもとに明らかにすることであります。そのためには、まず、住民に最も身近な自治体である地元市との十分な協議が不可欠であります。
 先ほど述べました病院改革会議報告、マスタープランの不十分な点はあるにしても、問題は、今後の都と八王子市との協議の中で、地域で行うことができない専門的小児医療について十分な配慮を都が示していくことであると思います。
 八王子地区では、この三月には東海大学八王子病院が開院されます。地元八王子市は、これに合わせて保健医療計画を定め、市内にある二大病院を八王子市中核病院と位置づけ、毎年多額の財政支援を行い、地域医療の拡充を図っていくと聞いております。
 しかし、知事もご承知のとおり、小児科ドクターが少ないとか、不採算な面が多いとか、市レベルの対応では不可能な面が多いのです。地域では、それなりの精いっぱいの努力をしております。
 私は、地域の代表として、市の努力が図れるよう、指導助言を行ってまいりますが、他方では、都の地域を支援するための誠意ある具体的協議が最も大切であります。多摩地域の石原知事を支援するお母さん方の熱い視線を思い浮かべるとき、私は、何としても次世代を担う子どもたちを健全にはぐくむために、我々大人たちが地域によい小児医療制度を残してあげたいと考えます。
 そこでお伺いいたします。病院改革会議報告やマスタープランは、我々から見て、地域医療確保策について不十分な点もありますが、その点をカバーすべく、今後、八王子市と都が地域の要望を踏まえて十分な具体的協議をする必要があると思いますが、その点について、発展的な、明快な、多摩地域の次世代を担う子どもたちを支援するという力強い答弁を期待して、次の質問に移ります。
 次に、多摩地域の下水道事業のあり方についてお伺いいたします。
 私の住んでいる八王子市は、下水道の普及率が七七%に達したところでありますが、いまだに下水道未普及の地域を広く抱えております。また、早期に下水道事業に着手した関係から、北野下水処理場という、市が単独で運営している処理場を持っております。しかし、北野下水処理場の維持管理費や、今後必要となってくる高度処理施設の建設経費など、市の財政を圧迫し、さらには経験豊富な職員の不足など、人材面に問題があると聞いております。
 そこで、八王子市の下水道を中心にお伺いいたします。
 八王子市内の十六の河川の水質は、三河川が都内のワーストテンに入っています。これは、下水道が未整備で、生活排水が川に流れ出ているためであります。しかし、下水道未整備の地域は川沿いの細長い地形で、個々の住居も離れているため、下流から公共下水道の整備が行われてきてはいますが、なかなか整備が進まないのが現状であります。
 河川の水質改善に早急に取り組むためには、下水道未普及地域で早期に汚水処理施設の整備を進める工夫が必要であると考えますが、都としてどのように考えているのかお伺いいたします。
 第二点は、多摩地域では、単独処理場を持つ市がありますが、八王子市を例にとってお伺いいたします。
 八王子北野下水処理場は、昭和四十四年に運転を開始し、既に三十年が経過していますが、今後は、施設の更新や高度処理施設等への対応が必要であり、相当な費用負担が予想されます。また、同じ八王子市内でも、北野処理区と流域下水道の処理区では処理単価が異なるなど、市でも苦慮していると聞いております。そこで、将来の水質向上の取り組み、経費の低減のために、八王子市の北野下水処理場を流域下水道に編入することについてどのような考えか、お伺いいたします。
 第三点は、下水道は、日常生活や都市活動から排出される汚水や雨水を受け入れて、適切に処理して、公共用水域に還元するという重要な役割を担っております。市の公共下水道においても、管渠の老朽化対策や悪質下水の規制など、維持管理の取り組みがますます重要となっており、下水道機能を将来にわたって永続的に維持していくためには技術的な対応に迫られておりますが、多くの市町村では実務経験の豊富な職員が不足していると聞いております。
 そこで、市町村の技術向上に、豊富な経験を持つ職員のいる都は、積極的に貢献していくべきと考えますが、都の考えをお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 串田克巳議員の一般質問にお答えいたします。
 子どもたちの健全育成のための施策についてでありますが、だれしも子どもたちの健やかな成長を願う気持ちは変わらないと思います。先日も養育家庭を訪問して、非常に強い印象、感動を得ましたが、子育ては家庭が中心となるべきものとはいえ、行政の果たすべき役割も非常に大きいな、重いなという感じがいたしました。
 都では、子どもが健やかに成長し、未来に希望の持てる社会をつくるということを重要施策の政策課題に掲げて、今後とも国にも先駆けて、教育改革や福祉医療改革など、子どものためのさまざまな施策を推進していきたいと思っております。
 同時に、子どもたちが将来に希望を持てるように、東京が環境の危機や交通渋滞、雇用、産業問題などを克服して、都市としての活力を取り戻していくことが子どもたちのためにも不可欠であると思います。
 このように、子どものためにも総合的、複合的に取り組んでいくことが将来を担う子どもたちのための真の福祉の拡大にもつながるものと考えております。
 ご質問の中に、子どものじかの養育というんでしょうか、それに必要な施設と、一般の社会資本とどっちが先かというようなご質問があったと思いますが、これは決してどちらが先ということでもなくて、合わさって、それが充実していくことが子どもの将来につながっていくと思うんです。
 ついでに申しますと、都立病院改革の中での既存の小児病院の移転の問題ですけれども、先般も申しましたが、地元の方にとってみると、いろいろな不満、不安というのは人情だと思いますが、先ほど申しましたように、例えば交通渋滞というものを、社会資本を充実して、道路整備して解消していくことで、多少、今まである病院も、距離が離れても、そこで従来の病院以上に高度な治療ができる、対処ができるということにもなると思いますので、プランはプランでありますが、これからもいろいろな条件というものを勘案しながら、地元の方にも、あるいはより多い、多くの方がいらっしゃる、都全体の方にも納得していただける、そういう措置を講じていきたいと思います。
 他の質問については関係局長から答弁します。
   〔衛生局長今村皓一君登壇〕

○衛生局長(今村皓一君) 都立小児病院についてお答えいたします。
 まず、都立病院改革会議における議論についてでございますが、改革会議では、八王子小児病院についても、これまでの経緯を踏まえた上で、さらにその実態を十分に把握するために、現場での意見交換や視察も行った上で熱心なご議論をいただいたものであります。
 その結果、小児医療基盤の集約化によるパワーアップ、小児患者の成人後の継続治療機会の合理性、広域行政を担うべき都の役割などを総合的に勘案いたしまして、小児三病院を移転統合し、小児総合医療センターを設置すべきとの結論に至ったものであります。
 あわせて、八王子小児病院が実態として担ってきた地域医療についても、地元自治体等との役割分担を踏まえて、支援策について配慮する必要がある等との議論があったことでございます。
 次に、都と八王子市との協議についてでございますが、都立病院改革マスタープランにおいては、地元自治体や地域住民等からのご要望を踏まえながら、お話の地域医療の確保についてもその考え方を盛り込んだところであります。
 今後、数年後に想定されております八王子小児病院の移転統合に向けて、これまで同院が実態として担ってきた地域の小児医療の最も望ましい確保策につきまして、都と地元自治体との役割分担を踏まえ、ご指摘の八王子市を初め、関係者とさまざまな機会をとらえて協議してまいりたいと考えております。
   〔都市計画局長木内征司君登壇〕

○都市計画局長(木内征司君) 八王子市の下水道についての二点のご質問にお答えします。
 まず、その整備についてでございます。
 八王子市は中心部の整備をほぼ完了し、今後は周辺の丘陵地帯での整備へ移行する段階にございます。これらの地域では、地形や住宅配置等の関係から、効率的な整備が進みにくいことが予想されます。そのため、今後、これら地域の人口動向や整備費、維持管理費などを総合的に勘案して、公共下水道だけでなく、合併処理浄化槽等、地域に合った適切な整備手法を選択する必要がございます。
 今後、地元市とともに既定の下水道計画についても必要な見直しを行い、未普及地域の早期解消に努めてまいります。
 次に、北野処理場に関するご質問です。
 八王子市の下水道は、市単独の北野処理区のほか、流域下水道の浅川処理区など三つの処理区で構成されております。
 昨年、都と関係市町村で設置した多摩地域の下水道事業のあり方に関する検討会では、北野処理場を市が単独で再整備するよりも流域下水道に編入した方が、建設費、維持管理費とも低減できるとの試算も示されております。
 今後、こうした場での議論を重ねながら、さらに放流先の変更に伴う河川への影響や、都と関係市町村との適正な経費負担など総合的に検討してまいります。
   〔下水道局長鈴木宏君登壇〕

○下水道局長(鈴木宏君) 市町村の技術向上への貢献についてでございますが、都ではこれまでも、市町村が実施する下水道の整備や管渠の維持管理へのさまざまな技術的支援を行うとともに、水質検査の共同化を通じまして、水質規制業務に関するノウハウを提供してまいりました。
 また、平成十二年度からは関係市町村に呼びかけまして、局が実施する職員研修に市町村の職員を受け入れるなど積極的かつ、きめ細やかな技術面における支援を行っているところでございます。
 今後とも、都の持つ技術や経験を生かしまして、市町村の技術向上を支援することで、多摩地域全体の下水道事業の円滑な推進に努めてまいります。

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