ロゴ 東京都議会

Tokyo Metropolitan Assembly

平成十四年東京都議会会議録第三号

   午後五時四十六分開議

○議長(三田敏哉君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 四十六番高島なおき君。
   〔四十六番高島なおき君登壇〕

○四十六番(高島なおき君) 私は、東京都議会自由民主党の一員として、都政の課題について何点か質問をいたします。
 まず初めに、デフレによる経済収縮によって、我が国が戦後最大の経済危機に陥っているというのは、もはや異論を挟む余地のない事実であります。いつかはよくなるという淡い期待をも裏切り、これまで我が国の産業の屋台骨であった製造業を初めとして、多くの中小企業は懸命の生き残り策に取り組んでいます。私も多くの中小企業の経営者から話を聞いていますが、中には、社長が夜中に清掃のアルバイトまでして、必死に工場を守っているという例もあります。
 また、雇用情勢も深刻です。戦後最悪の失業率はさらに上がる気配であり、特に若年層の際立った失業は、社会問題としても憂慮すべき事柄です。
 核心はただ一つ、仕事がないということです。これまでは、雇用のミスマッチという、どこかに労働者不足の部門があるという状況の中の失業問題であったのが、今や、どの部門でも余剰人員を抱えているといわれ、全業種不況とも形容すべき状況なのです。
 私は、こうした社会状況の中で、都が全力で、総力を挙げて景気対策、とりわけ仕事をつくるということに取り組むべきだと考えます。総力とは、行政のあらゆる部門が、産業振興や雇用創出の観点から事業執行を見直すことであります。
 東京都も緊急経済雇用対策を二度にわたって実施することなど、その努力は評価いたしますが、産業労働局だけが景気対策を担っているような構図では、残念ながら不十分といわざるを得ません。建設局や港湾局のような公共事業を受け持つ局ばかりではなく、福祉局や環境局といったソフト局の事業実施にも積極的に景気対策の視点を取り入れ、見直す余地があるものと考えます。
 まず、現下の厳しい状況をかんがみ、さまざまな局において、景気対策の観点から事業の執行方法を見直すべきと考えますが、知事の見解を伺いたい。
 例えば、具体的に申し上げますと環境対策、特に自動車の排ガス対策は、石原都政にあって最重要の行政課題であり、ディーゼル車NO作戦を初めとしてさまざまな取り組みを展開され、大きな成果を上げてこられたと評価するところですが、環境改善と経済効果の両面から、もっと効果を上げるための手だてもあるのではないかと思うところであります。
 昨年、環境確保条例の提案に際して環境局は、PM減少装置の装着よりも、ディーゼル車からCNG車などのより低公害な車への買いかえを最優先し、買いかえへのインセンティブが働くような支援策を事業者の要望も十分に踏まえて用意すると、この都議会の場のみならず、事業者にも説明してきました。
 しかし、買いかえ促進のための融資については、予算の執行率が、見込みではありますが、一割にも満たないというではありませんか。融資枠が三百三十七億円も余ってしまっているのです。予算がないのではなくて、余っているというのに融資実績が上がっていないのです。幾ら予算をつけても、使い勝手が悪ければ何の意味もありません。
 調べてみますと、融資条件が厳しくて、実際に借りることができないというのが実態であることがわかりました。少しでも環境によいものを、低公害車で業績の回復をと願うトラック事業者の融資申し込みを、担保力がない、確実な返済の保証がないということで門前払いをしているのです。こんなことで、急激な低公害車の普及ができるでしょうか。
 そこで伺いますが、環境局は、低公害車は経済的に余力のある人のみが買えばよいと考えているのか、伺いたい。
 こうした低公害車の買いかえ促進は、環境に貢献する一方で、景気回復にも大きな効果が見込まれます。車が増産されることにより、関係市場が拡大され、雇用もふえます。そうした波及効果の連鎖は、大きな経済効果を生み出すのです。
 低公害車の買いかえ促進による環境と景気の両面効果をねらう観点から、低公害車の購入者に対して、融資条件を大幅に緩和した特別融資制度を創設すべきと考えますが、見解を求めます。
 私は、何も環境局のみを問題にしているわけではありません。予算担当局も含めて、東京都全体で、政策目標の達成と景気対策の両方をにらんだ事業のあり方を再検討していただきたいのです。理事者の皆さんのご尽力を期待して、この質問は終了させていただきます。
 次に、船舶の不法係留の存在は、公共水域における経済活動や安全性を阻害するとともに、水辺における都市景観や生活環境を損なうものであり、問題が多いと考えます。私の地元である足立区の新芝川や綾瀬川においても、近年、不法係留船が数多く放置されており、都内では千二百隻を超え、減少しておりません。このような状況を改善するため、今回条例案が提出されたところであります。
 今回の条例では、区域を指定して、不法係留に対する規制を行っていくとのことであります。区域指定に当たっては、抑止効果を十分に考慮した上で、タイムリーな指定を行っていくことが肝要かと考えます。今後、どのような方針で地域指定を行っていくのか、伺いたい。
 次に、河川の流域は他県にもまたがっております。流域全体において不法係留を抑止させるためには他県との連携が不可欠と考えますが、他県とはどのような協力体制を築いていくのか伺いたい。
 また、余暇時間の拡大等を踏まえると、プレジャーボートを購入する都民が今後ふえていくものと思われます。不法係留を未然に防ぐため、ボートの購入時点での対応も考えられるが、所見を伺いたい。
 不法係留の抑止に当たっては、区域指定による規制とあわせて、受け皿となる係留施設を内陸部において整備していくことが重要であります。都として今後どのような取り組みを行っていくのか、伺いたい。
 今回の条例は、法律ではカバーできない東京都特有の問題に対処するために制定されるものであり、国をリードするという知事の姿勢のあらわれとして評価できます。ヨットを愛し、海を愛する知事として、今回、不法係留船対策を推進していく上での決意を伺いたい。
 次に、乗合バス事業における規制緩和が、平成十二年五月に改正された道路運送法に基づき、本年二月一日から施行されました。これにより、これまでの需給調整規制を前提としたバス事業の免許制から、既にバス事業が行われているというエリアに新規事業者も参入できることとなりました。また、運賃についても、上限のみを認可とし、その範囲内であれば届け出制に変更されたことから、自由な運賃を設定することが可能となったわけです。
 この結果、今後、都バスの事業エリアにおいても、他の民間バス会社や異業種であるタクシー会社、運送会社等の参入が考えられ、必然的に厳しい競争の時代を迎えることが予想されます。
 例えば足立区では、タクシー会社の日立自動車交通が、区内のコミュニティバスを綾瀬駅―東武西新井駅間で運行を始めていますが、さらに乗客数の増加が見込まれることから、この路線の延長を検討していると聞いています。また、埼玉県吉川市では、トラック運送会社がバス事業に参入し、今後、運行を拡大していく方向であるなどの状況があります。
 そこで伺いますが、都バスの営業エリアでは、規制緩和によりどのような動きが見られるのか、また、都は規制緩和に対してどのような方針で臨んでいくのか、伺いたい。
 次に、交通局は、三カ年の経営計画、チャレンジ二○○一で、職員の採用停止や大幅削減、人件費の削減などに取り組んでいます。また、民営各社も、規制緩和対策として分社化し、人件費や経費の削減に努めるなど、既に規制緩和に備えた事業の効率化対策を実施しております。今後、規制緩和に伴う競争の過程で、さらに赤字路線の縮小や廃止といったことも予想されますが、公営交通事業者である都バスの場合、単に採算性だけではなく、都民の足を確保するという使命もあわせて持っていると考えます。
 経営の効率化による企業体質の強化は、今後の事業存続には当然必要であると考えますが、それだけではなく、規制緩和をビジネスチャンスとしてとらえ、新たな需要を開拓していく必要があるのではないでしょうか。
 例えば、先ほど例示した足立区内の日立自動車交通は、大型の路線バスが通らなかった地域をきめ細かくカバーするコミュニティバスを小型のバスで運行しております。また、大阪市でも、これまでバスが乗り入れできなかった地域をカバーするため、小型ノンステップバスを用いて、通称赤バスといわれるコミュニティバスの路線増設を計画し、既設路線も見直すこととしています。
 私は、都バスもこの際、小型、中型バスを用いて新たな需要を開拓していかないと、競争に勝てなくなるのではないかと危惧をしております。今後、都バスとしてこのような事業を展開する考えはないか、決意を伺いたい。
 次に、私の地元であります西新井駅西口地区は、かねてから店舗、作業所併用住宅や工場等が混在する木造密集市街地であるため、防災まちづくり推進計画の重点地区として整備が進められてきているところであります。
 このたび、当地区は、国の都市再生プロジェクト第三次決定に位置づけられたことから、今後十年間、施策の重点化が図られるため、未整備な都市計画道路や工場跡地等の低未利用地を活用した市街地の整備などが、総合的かつ集中的に実施されるものと期待をしております。また、今国会では、これらのプロジェクトの推進を図るため、日影制限や斜線制限の緩和、土地所有者等による都市計画提案制度の創設など、建築基準法を初めとして、関係法令の改正について審議が行われると聞いております。
 そこで、これらの状況を踏まえた上で、当地区のまちづくりがどのようになるか、伺いたい。
 まず初めに、今後、当地区の防災まちづくり事業を具体的にどのように展開するのか、見解を伺いたい。
 さらに、本プロジェクトの推進に、都、区などの負担軽減や民間等の活用が不可欠と考えるが、どのように具体化を図るのか、見解を伺いたい。
 以上で私の質問を終了いたしますが、積極的な答弁を期待して終了させていただきます。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 高島なおき議員の一般質問にお答えいたします。
 景気対策の観点からの新事業の開発のあり方についてでありますが、おっしゃるとおり、国が考えている景気浮揚策も、非常にステレオタイプの公共事業ということで、主に、つまりハードな仕事を通じての云々でありますが、東京のように非常に多岐にわたる産業が存在し、また、これから新しい種類の産業が発展していく可能性のある地域でありますから、おっしゃるとおり、ソフト関係の業務を扱っている局もまた、そういう仕事を通じて、従来なかった新しい雇用の創出というんでしょうか、そういうものを考えていくべきだと思っております。
 本来は、これは国の責任でありますけど、しかし、やっぱり地域、地域の特色を生かして、東京は東京なりの特殊性を生かしながら工夫をすれば、新しい雇用の創出、あるいはそういうものを通じての景気の浮揚というものが図れると思います。
 役所の発想には限界がありますので、都民を代表する議員の皆さんから、新しい発想がありましたら、こういう仕事があり得るじゃないか、この仕事なんか、こういう形の雇用を考えたらどうかというご意見をぜひいただきたい。それを踏まえて改善を図っていきたいと思います。
 それから、船舶の係留保管の適正化条例についてでありますが、これは、かつて日本が出超で外国からとがめられて、貿易のインバランスを何とか軽減しようというときに、外国製品も含めて、モーターボートの購入に物品税がかかっていたのを撤廃しました。それはよかったんですけど、たくさんそういうものが売れるようになったんですが、肝心の泊地の手当てを全くしませんだったものですから、こういう不法係留がばっこするようになりました。
 私は、船の方の半分専門家でありまして、島も衆議院の選挙区でも抱えておりましたが、ああいうところも、港を一々、岩を削って水面の拡張をする必要はないんで、むしろスペースがあれば、きちっとした船台をつくって、クレーンで揚げて地上に保管する方がはるかに安全でコストもかからない。そういうこともこれから、やっぱりレジャーのためのプレジャーボートというものの販路を拡大するためにも、都としても、そういう方法を考えながら、こういう不法の係留というものが軽減するような措置をとっていきたいと思っております。
 今回のは、全国に先んじて非常に短い、二週間で船舶を移動し、処置をするということで、まずここから始めて、その後の新しい発想での泊地の確保のようなものも、都として考えていきたいと思っております。
 なお、その他の質問については関係局長から答弁いたします。
   〔環境局長赤星經昭君登壇〕

○環境局長(赤星經昭君) 融資制度に関します二点の質問にお答えいたします。
 まず、低公害な車の導入の促進についてでございますが、東京の大気環境の改善を図るため、都は強力にディーゼル車対策を推進しております。
 この対策を効果的に進めるためには、現在、粒子状物質減少装置やCNG車の購入に対する補助を実施しております。また、中小企業向けには、低公害な車への買いかえのための低利の融資あっせん制度を設けまして、負担を軽減するため、利子の二分の一及び信用保証料の三分の二の補助を実施しております。
 平成十三年度の融資枠は約三百六十四億円でございますが、このために、利子及び信用保証料の補助といたしまして、合わせて四億二千万円の予算を計上しているところでございます。
 中小企業の方々が、この制度をより利用しやすくするため、今年度から融資限度額を五千万円から八千万円に引き上げますとともに、提出書類の簡略化など、事務手続の改善を図ってまいりました。
 今後とも、中小企業の方々が低公害な車への買いかえを促進できるように努めてまいります。
 次に、融資制度の改善についてでございますが、中小企業向けの融資あっせんの実績が伸びない原因といたしましては、先生ご指摘のように、最近の深刻な経済状況や企業の置かれております厳しい経営状況の影響に加えまして、ディーゼル車規制に対します不透明な国の動向、都の融資制度の限度額や審査事務手続等も要因になっていると思われます。
 業界や事業者の方々からも、さまざまな意見が寄せられております。これらと、ただいまの先生のご意見も踏まえまして、一気にとはまいりませんが、中小企業の方々に利用しやすい制度となるよう見直しを行い、東京の大気改善のため、低公害車の導入促進に努めてまいります。
   〔建設局長山下保博君登壇〕

○建設局長(山下保博君) 船舶の係留保管の適正化条例に関しまして、四つの質問にお答えいたします。
 まず、適正化区域の指定についてでございますが、放置船舶を規制する適正化区域は、船舶が多数放置されている地域におきまして、地域住民の良好な生活が阻害されている区域、あるいは災害時の避難活動等の確保に必要な区域、さらには港湾での経済活動の確保に必要な区域について指定することとしております。
 今後、放置船舶に対する監視を強化するとともに、地元区や水上交通管理者等と密接な連携をとりながら、時期を失わずに適切に区域指定をしていくこととしたいと思います。
 次に、他県との協力体制についてでございますが、足立区内の新芝川や葛飾区内の大場川など、都県境を流れる河川におきましても、多数の船舶が放置されております。このため、新たに七都県市やその他関係機関と連絡協議会の設置を図るなど、十分に連絡をとりながら、連携をとりながら、係留保管適正化計画の策定や放置船舶の移動措置の実施に取り組んでまいります。
 次に、ボート購入時点での対応ということでございますが、一都三県におけるプレジャーボートの保有隻数は、ここ五年ほど、毎年七百隻程度増加しておりまして、今後もこの傾向が続くものと考えられます。
 放置船舶の新たな発生を防ぐために、船舶の製造、販売事業者等と連携いたしまして、ボート購入者に対し、保管場所を確保するよう啓発活動を行ったり、係留保管施設についての情報提供を行うなど、さまざまな努力をしてまいります。
 また、七都県市が共同いたしまして、引き続き国に対して、保管場所確保の義務化を制度化するよう要求してまいります。
 最後に、係留施設の整備についてでございますが、都内の係留保管施設は、現在、夢の島マリーナなど湾岸部を中心に約千六百隻分が用意されております。今後、内陸部も含めた地域的なバランスや、背後地の土地利用などを勘案しながら、係留保管施設の整備計画を策定してまいります。
   〔交通局長寺内廣壽君登壇〕

○交通局長(寺内廣壽君) 乗合バス事業の規制緩和に関する二点のご質問でございます。
 一点目の規制緩和後の動向についてでございますが、本年二月一日の実施以降、中部、関西地方などにおきまして、一部に新規参入等の申請があったと承知しておりますが、都営バスの営業区域につきましては、現在のところ、特段の動きは生じてございません。
 しかしながら、交通局といたしましては、ご指摘の状況を踏まえながら、地方公営企業として、都営交通ネットワークの維持向上を図る観点から諸施策を推進するとともに、より一層の効率的な経営を行い、規制緩和に的確に対応してまいります。
 二点目の新たな需要の開拓等についてでございます。
 中・小型バスを用いたバス路線の設定に当たりましては、地元区の意向や都民要望を踏まえ、既設路線との整合性や採算性等も勘案しながら対応してまいります。
 交通局といたしましては、ご指摘のように、今回の規制緩和を一つのビジネスチャンスとしてとらえ、公営交通として都民の足を確保する立場から、新たな需要の創出も視野に入れ、積極的に事業展開を図ってまいります。
   〔都市計画局長木内征司君登壇〕

○都市計画局長(木内征司君) 西新井駅西口地区のまちづくりについての二点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、現状についてですが、都市再生による密集市街地の緊急整備が求められる中、地区の主要な開発主体である都市基盤整備公団は、駅前に通じる主要道路の整備を三年間前倒しし、平成十四年度から着手するとともに、必要な代替地を確保することといたしております。また、地元区も補助一三八号線の整備を進めることとしております。
 一方、東京都は、これまでも防災生活圏促進事業や沿道の不燃化促進事業に取り組んできたところでございまして、今後ともこれらの事業を進めるとともに、地元区や公団と協力し、当地区の防災まちづくりを一層推進してまいります。
 次に、都区の負担についてでございますけれども、西新井駅西口地区の開発においては、都市基盤整備公団に加え、今後、再開発組合や大規模土地所有者など、民間の事業者を積極的に活用し、事業の具体化が図られることになっております。
 その際、公共負担の軽減を図るためには、開発者負担制度の導入や国庫補助の拡充などが必要でございます。都といたしましては、国に対して国庫補助の拡充を強く要請してまいります。

ページ先頭に戻る