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Tokyo Metropolitan Assembly

平成十四年東京都議会会議録第三号

○議長(三田敏哉君) 九十番樺山卓司君。
   〔九十番樺山卓司君登壇〕

○九十番(樺山卓司君) 初めに、都心から成田空港へのアクセスの劇的な改善を図るためとして浮上した、いわゆる成田新高速鉄道について伺います。
 このことは、都心から空港まで鉄道で一時間を要するという、世界主要国でも類例のないアクセスの悪さを解消するため、一昨年八月の運輸政策審議会第十九号答申の、都心から成田空港まではおおむね三十分を目的とするとした改善案によって策定された、いわゆる弾丸列車構想であります。この構想は二つのルート案から成り、東京駅から都営地下鉄浅草線に合流し、京成電鉄、北総開発鉄道を経由して成田空港に至るルートと、現行の京成上野駅を起点として運行中のスカイライナーを十五分以上短縮しようとするルート案であります。
 しかし、このことによって、単なる通過区である葛飾区がこうむる不利益を考えるときに、まさに頭を抱えたくなる思いがいたします。現行のスカイライナーとは比較すべくもない騒音、振動、電波障害等への不安はいわずもがな、今、地域で重大な関心事となっているのが、この計画が実現すれば、沿線で唯一の踏切となるであろう京成電鉄高砂一号、二号踏切についてであります。つまり、この弾丸列車の登場によって、現在でもラッシュ時一時間当たり五十分間という全国でも有数の悪名高い踏切の遮断時間がさらに増加し、生活と防災への不安はもとより、地域の活性化、一体化がさらに阻害されるのではないかという、むしろ恐怖に近い思いであります。
 このことに関して、かつてない危機感を抱いた当該区である葛飾区、そして隣接して成田線の京成小岩駅と江戸川駅を抱える江戸川区、さらに東京都、京成電鉄の四者による研究会がスタートをして、沿線の踏切対策についての調査検討が行われておりますが、高砂駅に隣接する広大な車庫の存在によって、連続立体交差化が不可能、困難とされている従来までの見解を何としてもここで覆し、弾丸列車の登場によってこうむるであろう地域住民、沿線住民の被害を最小限に食いとめることは、問題の重大性にかんがみ、国、都、区を挙げて取り組まなければならない喫緊の課題であります。
 そこで、この成田新高速鉄道計画の具体的な内容と、高砂一号、二号踏切について、現時点における対策とその認識をお聞かせいただきたいと思います。
 次に、石原知事が日ごろから力説しておられる、いわゆる現場主義についてお伺いをいたします。
 知事は、先日の施政方針演説でも、ことしも積極的に現場に赴き、職員とともに汗をかき、現場からの発想を施策に反映していきたいと述べ、ご就任以来、推進しておられる現場重点の考え方をさらに強く打ち出されたところであります。まことに心強い限りであります。
 また、知事は、その言葉どおり、就任以来、精力的にさまざまな施設を見て回られ、利用者や地域住民に非常に喜ばれているやに聞いております。
 加えて、絶対的な人気を誇る知事が行くところ、多くのマスコミも必ず取り上げ、そのPR効果は絶大であります。足立区に開設した認証保育所第一号は、知事の視察によって、来訪者が引きを切らないほどの評判だそうであります。
 ところで、知事は、昨年の第一回定例会での同僚の鈴木一光議員の一般質問に答え、水元公園にいろいろ構想があるので、近いうちに必ず伺いたいと述べられました。その任期中、ついにただの一度も足を運ばなかった前任の青島知事、そして、選挙のときだけはお見えになられた鈴木知事を初め、なぜか歴代の知事が公式にお見えにならない葛飾区に、いよいよ現職の知事が来訪かと、大いに期待が膨らんだところでありました。
 そして、今月九日、その水元公園にて、自然と森林を守り育てる大自然塾の開設式と、「水元で山しごと」発進大会が行われ、都議会からは三田議長、そして青山副知事にわざわざお越しをいただいたところであります。
 断っておきますけれども、青山副知事が役不足だとは申しておりません。少年期、青年期とお過ごしになられた福永副知事同様、むしろ葛飾区については、私どもが舌を巻くほど造詣が深い方でございます。
 余談でございますけれども、三田議長には、当日、ノー原稿で森林保護、森林の必要性について切々とご立派なごあいさつをいただきました。参加者一同、感銘を深くいたしましたことを、ここにご報告をさせていただきます。ありがとうございました。
 しかし、やっぱりだれが何といおうと、東京都知事は石原慎太郎であります。ちなみに、当日、柴又の寅さん記念館では、開館以来の来場者百五十万人達成のセレモニーが行われ、青山副知事には、達成のその瞬間にもお立ち会いをいただいたわけでございますけれども、ゲストとしてお見えの山田洋次監督、歴代のマドンナ代表の八千草薫さんと並んで、もしこの場に石原慎太郎がいたらなと思ったのは、私一人ではなかったはずであります。
 葛飾区には、西に堀切菖蒲園、東に水元公園、柴又帝釈天、江戸川堤に矢切りの渡しと、ここが東京かと見まがうほどの、豊かな自然と伝統美に裏打ちされた、風情あふれる地域であります。住民も私と同じように純情で素朴な人たちばかりであります。
 しかし、一方で、東京拘置所、葛飾清掃工場、金町浄水場等の必ずしも開放的でない三つの巨大施設をあえて受け入れ、歴史的にも地域住民は、この施設の陰でさまざまな被害を味わってまいりました。今こそ地域住民のその心に思いをいたし、都政の熱い視線がいよいよ注がれなければならない地域の一つであります。任期までいよいよあと一年を残すのみとなられました。精力的に現場主義を貫く石原知事には、この葛飾区の現状をご認識いただいて、近いうちに何としてもご来訪いただきますよう、四十三万区民を代表して、心からお願いを申し上げたいと思います。
 知事の現場主義を葛飾区民に実感させていただければ、石原知事のファンがさらにふえることは必定であります。もうファンなんか要らないなどということはないと思いますので、改めて知事の葛飾区訪問について、この際、ぜひとも前向きのご答弁をお願いいたします。
 次に、銀行業等に対する外形標準課税訴訟に関連してお伺いいたします。
 訴訟は一月十五日に結審し、三月二十六日の判決を待つばかりとなっております。この裁判は、裁判長である藤山雅行判事による独特の法廷指揮等々から、なかなか楽観を許さない厳しい訴訟であると聞き及んでおりますが、条例は都議会の圧倒的多数の賛成で成立し、その背景には都民の強い支持があったことを、いま一度思い起こしたいのであります。
 さて、外形標準課税の税収は、平成十三年度から十七年度にかけて計上されることになっております。景気低迷の影響を受け、来年度の税収見込みがかなり厳しいものになると予想される中で、安定的な収入が見込める外形標準課税による税収は、都民福祉を支え、行政サービスの提供に不可欠な財源として、極めて貴重であります。
 そこで、予定されている五年間での外形標準課税による税収総額をどの程度に予想しているのか、お伺いをいたします。
 昨日、我が党の松本幹事長の代表質問に対し、知事は、都庁を挙げて闘い抜く覚悟であると力強いお答えをされました。都議会も、百二十二対一という圧倒的多数で条例を可決したところでもあり、何としても勝たねばならないこの闘いに向け、連帯して知事を全面的にバックアップすることを改めて表明する次第であります。
 次に、院内感染の防止対策について伺います。
 ことし一月に、世田谷区内の病院で、セラチア菌の院内感染により七名もの患者さんが亡くなるという重大な医療事故が発生いたしました。セラチア菌という、人間の腸内などに通常存在し、健康人にとっては問題のない細菌が猛威を振るったものであり、改めて病院における感染防止対策の重要性を認識させられる事故でありました。
 これからの対策として最も重要なことは、病気を治すために入院した病院で、全く別の原因で死亡するなどという、あってはならない痛ましい事故が二度と起こらないようにすることであります。
 このため、都は、すべての病院が院内感染への認識をさらに深め、具体的、効果的な対策を実施できるよう、都内全病院を対象として、院内感染予防の観点からの医療監視を緊急に実施すべきと考えますが、そのご所見を伺います。
 次に、海上公園について伺います。
 新たに海上公園が整備される予定となっている東京港中央防波堤内側埋立地は、東京、ひいては首都圏に残された貴重で広大な空間であります。我が党はこれまでにも、この空間を活用して、後世に伝え得る緑豊かな平成の森づくりを行うべきであると主張してまいりました。東京の海と空の入り口に当たるこの地に豊かな森を育てていくことは、輝かしい首都東京の未来を約束するものだと信じてやみません。だからこそ、これまでのようなお仕着せの公園づくりを改め、都民とともに、五十年、百年といった長い時間をかけて公園を育てていくことが大切であると考えます。
 そこで、現在予定されている海上公園を今後どのように整備を進めていこうと考えているのか、伺います。
 最後に、都立大学の改革と再編について伺います。
 昨年十一月、東京都大学改革大綱が策定され、都立の大学が社会の要請や都民の期待にこたえ、その存在意義を改めて明確にするための改革の具体策と改革後の大学像が明らかにされました。
 大綱では、さまざまな方策が盛り込まれておりますが、今は変革にスピードが求められる時代であり、平成十七年度の新たな大学の設立を待つことなく、できることからやっていくべきであると考えますが、その所見を伺います。
 都内の企業の現状を見れば、極めて厳しい状況が続いており、そのような中で、大学が産業の活性化に貢献することが強く求められております。都立の大学は、これまでのような待ちの姿勢ではなく、大学が積極的に産学連携に打って出る、そんな取り組みをすべきであると考えますが、どうか。
 そして、これからは、ナンバーワンよりもオンリーワンを目指す企業がグローバルな競争に打ち勝っていくといわれております。東京には独自の技術、製品で世界を席巻している中小企業が数多くあって、このような企業を支援し、新しい産業を創出していくためにも、大学が産学連携に主体的に取り組むべきであります。しかし、中小企業から見ますと、依然として大学の敷居は高いといわれております。
 そこで、これから先、どのようにして大学は企業と連携をしようとしていこうと考えているのか、所見を伺い、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 樺山卓司議員の一般質問にお答えいたします。
 葛飾への視察でありますが、これは必ず参ります。実は、昨年の秋に、水元公園の、内地には珍しいメタセコイアの森林の紅葉時期をねらって行くつもりでした。ちょっと連絡が悪くて、時期を逸しました。それを外してでも、必ず参ります。
 実は、先般、二十三区の区長さんたちとの会議がございまして、そのときにも、都が束ねて――東京の観光は、対象は何も外国人ばかりじゃありませんで、何といっても首都東京でありますから、日本の国民が東京に来て、やっぱりいろいろ見たいものはあると思うんですけど、その案内が不足しておりまして、二十三区に限らず、多摩の市町村の各自治体の特徴というものを束ねて、観光案内を東京が責任を持ってやろうということで、ひとつ各区の特質というものを洗い出していただきたいというお願いもいたしました。
 水元公園に限らず、あそこは菖蒲園もありますし、それから、歌とか映画でなじみの矢切の渡しとか柴又もあるわけでありまして、そういう点では、二十三区の中でも、国民が東京にやってきての観光の対象とする非常にポテンシャルの高い区だと思いますので、そういう観点からも、いいところは最後にとっていたわけでありまして、必ず参ります。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔都市計画局長木内征司君登壇〕

○都市計画局長(木内征司君) 二点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、成田新高速鉄道計画についてです。
 この路線は、京成高砂駅から北総・公団線を経由して成田空港駅に乗り入れる鉄道でございまして、印旛日本医大駅から空港までの新線整備や、北総・公団線の改良などを第三セクターによって実現する内容となっております。
 本路線の整備によって、成田空港と都心及び羽田空港間の所要時間の大幅な短縮が見込まれており、空港アクセスの改善に大きく寄与するものと認識しております。
 次に、京成高砂駅の一号、二号踏切についてでございます。
 これらの踏切は、ピーク時一時間の踏切遮断時間が四十分以上の、いわゆるボトルネック踏切であり、その抜本的な解決が必要でございます。
 しかし、お話のように、京成高砂駅で鉄道が三方向に分かれていることや、駅直近に電車の車庫があることなどから、立体化には幾多の課題がございます。現在、地元区によって鉄道事業者の参加を得た検討会が設置されており、駅周辺のまちづくりと一体となった踏切対策について、関係者とともにさらに議論を重ねてまいります。
   〔主税局長安間謙臣君登壇〕

○主税局長(安間謙臣君) 外形標準課税の税収予想についてのご質問にお答えいたします。
 銀行の業務粗利益の大宗を占める資金利益は、比較的安定した推移を示すと見込まれることから、五年間の外形標準課税による税収合計は、おおむね五千億円程度と予想しております。
 しかしながら、今後の長期金利の動向等によっては、業務粗利益に影響が出てくるおそれもありますので、これらの動向には十分注意してまいります。
   〔衛生局長今村皓一君登壇〕

○衛生局長(今村皓一君) 院内感染防止対策についてでございますが、都はこれまで、病院に対する定例の立入検査の際に、院内感染対策委員会の設置状況や院内感染対策マニュアルの作成状況等を確認するなど、それぞれの医療施設が主体的に取り組むために必要な指導を行ってまいりました。また、毎年開催している病院管理者のための講習会においても院内感染防止対策を取り上げるなど、その啓発に努めてきております。
 ご指摘のとおり、医療における安全確保と信頼の回復を図るため、病院の点検を行うことは極めて重要なことであり、今後、都内の全病院を対象として、院内感染予防対策を主眼とした緊急の立入検査を早急に実施する方向で取り組んでまいります。
   〔港湾局長川崎裕康君登壇〕

○港湾局長(川崎裕康君) 中央防波堤内側埋立地に予定しております海上公園についてでございますが、海上公園審議会答申では、豊かな森のある公園や水辺と触れ合える公園などを構想し、自然環境の再生、ヒートアイランド現象の緩和、多様な生物の生息域の確保などを提案しており、今後はこれに沿って整備計画を策定していく予定でございます。
 ご指摘のとおり、公園予定地は都民に残された貴重な空間であり、具体化に当たりましては、NPO、民間セクターなどとも連携し、企画段階から広範な都民の参加と協力を得るなど、新しい公園づくりのリーディングケースにしたいと考えております。
   〔大学管理本部長鎌形満征君登壇〕

○大学管理本部長(鎌形満征君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、大学改革の取り組み状況についてでありますが、都立の四大学は、平成十七年度を目途に再編統合いたしまして新しい大学を創設いたしますが、ご指摘のように、これを待つまでもなく、改革できるものにつきましては速やかに実施していくことを基本として、大学改革に取り組んでいるところでございます。
 具体的には、大学改革大綱の中でも実施計画としてお示しをしておりますが、四大学間での単位互換制度や、新たな生涯学習機会の提供としての社会人聴講生制度を平成十四年度から導入いたします。また、公開講座や都市研究につきましても、四大学共同で実施してまいります。さらに、都庁舎を活用したビジネススクールの開設を十五年度に予定するなど、改革を着実に進めてまいります。
 次に、大学の積極的な産学連携の取り組みについてでございますが、お話のように、東京の産業を活性化するためには、大学が積極的に企業にアプローチし、社会に貢献することが求められております。
 このため、これまでも大学において特許セミナーや産学交流会を開催し、研究室を開放するなど企業との連携に努めてきたところですが、さらに、大学による企業への新しい支援策として、大学の研究成果をインターネットを通じて提供することにいたしました。これは、都立の大学が行っている工学系を中心とした研究成果、約三百件をデータベース化したものでございまして、だれもが自由にアクセスすることが可能となります。
 今後も提供データ分野を拡大するとともに、内容の充実に努めながら、大学の研究成果を広く産業界に発信するなど、産学の連携に積極的に取り組んでまいります。
 最後に、大学と企業との連携のあり方についてでありますが、大学が企業と効果的な連携を図っていくためには、大学の研究成果を企業にわかりやすく説明するとともに、企業のニーズを的確に大学に伝え、製品化についても、目ききの能力を備えたコーディネート機能の整備が重要でございます。
 そのため、大学が中心となって、技術移転機関でありますTAMA-TLOや都の中小企業を支援している関係部局との連携を強化しながら、大学内に大学と企業とを直接結びつける専門家を配置するほか、共同研究施設などを備えた産学公連携センターを十五年度に設置することを計画しております。
 今後、このセンターを実効性に富んだ産学連携の大きな拠点の一つに育成していきたいと考えております。

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