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Tokyo Metropolitan Assembly

平成十四年東京都議会会議録第三号

   午後一時一分開議

○議長(三田敏哉君) これより本日の会議を開きます。

○議長(三田敏哉君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(三田敏哉君) 昨日に引き続き質問を行います。
 七十番野田和男君。
   〔七十番野田和男君登壇〕

○七十番(野田和男君) 初めに、都市環境と下水道についてお伺いいたします。
 東京は、一千二百万都民が生き生きと暮らす生活の場であるとともに、世界の国際都市として、世界じゅうの人、物、情報などが活発に行き交う活力と魅力にあふれた千客万来の世界都市を目指しております。その実現のためには、世界都市にふさわしい快適な都市環境、居住環境を創出していく必要があります。
 そのような中で、都市環境の快適性を損なわせている問題の一つに、町の中の臭気の発生があります。先日、テレビ番組の中で全国的な話題として、下水道施設の老朽化とともに、臭気の発生が頻発し、都市環境の悪化や市民に不快感を与えていると報道がありました。
 この臭気にかかわる都民などからの苦情は、下水道局だけでも、毎年千二百件以上も寄せられており、常に苦情の中でトップと聞いております。また、この臭気発生の原因調査によれば、発生源の多くが地下室を有するビルに設置されている排水槽、いわゆるビルピットからのものでございます。
 この問題は、直接的には雨水ますやマンホールなどから臭気が発生するものの、その発生源が個別のビルであったり、臭気がすぐ消えてしまうことから、発生場所の特定がなかなかできないなど、対応が難しい面があります。
 このような厄介な問題に対し、下水道局では、お客様サービスの向上に向けて、町中の臭気の解消を目指して、本格的な取り組みを行っていくとのことです。下水道使用者である都民の方々をお客様と呼び、きめ細かなサービスを提供していこうとする姿勢は大いに期待しているところです。
 そこで、まずお伺いいたしますが、町中の臭気の解消を図るには、臭気発生時の対応とともに、予防といったことが何よりも重要と考えられます。これまで下水道局では、どのような取り組みを行ってきているのか、お伺いいたします。
 次に、実効性のある対策を効果的に進めるためには、下水道局だけの取り組みでは限界があります。臭気発生にかかわる関係者がそろって、東京の町中から不快な臭気をともになくそうといった目的意識の共有と、その実行が担保できる体制を整備することが極めて重要と考える次第です。
 例えば、地元の区やビルのオーナーが都民と手を携えた取り組みをすべきと考えるところでございますが、考え方、取り組みについてお伺いいたします。
 一方、潤いや安らぎといった東京の都市環境を形成している水辺環境に目を移すと、強い雨の日には、合流式下水道から下水の一部が放流され、水域を汚濁しているといった現実があります。特に、このことに起因して、油の固まりが都民の憩いの場であるお台場海浜公園に漂着し、悪臭を放ったりするなど、本来、快適性や潤いを与えるべき水辺において都民を不快にさせております。
 既に下水道局では、この問題に速やかに対応するために、合流改善クイックプランを策定し、油やごみなどの流出防止のため、施設整備や清掃などの事業を緊急的に進めていることは承知しているところでございます。
 そこで、合流改善クイックプランの進捗状況と効果についてお伺いいたします。
 次に、先ほどの油の固まりは、家庭や飲食店などから下水道に流された油が冷やされて、下水道管の内面などに固着し、徐々に大きな固まりとなったものが雨の日に流出したものと考えられております。
 下水道は、都市の排水すべてを受け入れざるを得ない施設です。このような下水道から油を流出させないためには、お客様である下水道使用者の方々に、油などを下水道に流さないよう協力してもらうことが重要と考える次第です。また、下水道に流れ出ないような技術的な対応なども合わせた総合的な取り組みが効果的と考えるものですが、見解をお伺いいたします。
 次に、水道事業経営問題についてお伺いいたします。
 水道局では、平成十二年に策定した経営プランに基づき、安定給水に尽力するとともに、職員定数の大幅な削減に加え、PFIなどの新しい経営手法を積極的に導入しております。また、私がさきの一般質問でも取り上げましたが、鉛製の給水管問題への対応など、都民の安全を守る対策にも取り組んでおり、その経営姿勢については一定の評価をしております。
 しかしながら、かつて経験したことがない社会経済状況を考えますと、今後とも都民の期待にこたえていくためには、経営努力はもとより、さらに一歩踏み込み、水道事業経営のあり方について大胆に見直していく必要があると考えております。
 こうした点などを踏まえ、先般、水道局では、外部の有識者による経営問題研究会を設置いたしましたが、研究会の概要と設置に至った経緯について改めてお伺いいたします。
 また、社会経済状況が激変していることに加え、都民の意識が大きく変化する中で、水道局では、さまざまな経営努力によりまして、平成十五年度まで通算で十年間、水道料金を据え置くこととしております。
 しかしながら、水道料金を何とか据え置いてきた一方の結果として、基本水量制や逓増度の見直しについてもこの間見送ってきた、このように私は理解しております。
 したがって、基本水量制や逓増度について幅広く検討し、都民の使用実態に合わせた方向で見直していくべき時期に来ていると思いますが、見解をお伺いいたします。
 次に、国有資産等所在市町村交付金についてお伺いいたします。
 ご案内のとおり、国などが所有する固定資産については、その公益性にかんがみまして、固定資産税及び都市計画税が非課税とされております。
 しかし、国が所有する固定資産の中には、職員住宅など、使用の実態が民間所有のものと類似しているものもあります。そうした資産については、国などが固定資産税にかわるものとして、当該資産所在の市町村に対して、交付金を交付する仕組みとなっております。
 都に対する平成十三年度の交付金額は約百二十億円。職員住宅のほかに、相続税の支払いのために物納された住宅や土地で、国がそのまま住宅や駐車場として民間に貸し付けているもの、地下鉄の地上出入り口用地や電信・電話、送電設備用地として貸し付けているもの、空港の用に供する固定資産等が主な交付金の対象資産となっております。
 この交付金は、昭和三十一年、地方財政が悪化し、窮状を放置することができなくなっていた中で、市町村の自主財源を確保するとともに、国などが所有する固定資産であっても、市町村の消防、道路、その他の施設から受益を受けていること等を踏まえ、固定資産税が課せられる一般の固定資産との均衡を図る観点から設けられました。しかし、この交付金制度は、さまざまな点で問題があると考えております。
 一つは、交付金の率であります。
 現在、交付金の率は、固定資産税の標準税率と同じ一・四%とされております。二十三区の一般の土地家屋には、固定資産税と合わせ、〇・三%の都市計画税が課せられておりますが、交付金には、この都市計画税分が含まれておりません。都に対する平成十三年度の交付金額は、先ほど申し上げましたように百二十億円ですが、新たに都市計画税相当分が交付された場合は、約十七億円の増収となります。
 都の都市計画税収は、平成十四年度予算で約二千億円であり、環状八号線や二号線など幹線道路の整備、連続立体交差事業、城北中央公園など都市公園の整備、北新宿地区を初めとする市街地再開発事業などの都市計画事業を進める上で、欠かすことのできない財源となっております。国が所有する職員住宅なども、一般の土地家屋と同様、これらの事業の恩恵を受けているものであります。応分の負担を求めていくことが必要であると考えます。
 もう一つは、都区財政調整の関係であります。
 交付金は、先ほど申し上げたように、昭和三十一年に固定資産税にかわるものとして制度化され、昭和三十九年度以降、地方自治法に基づきまして、市町村の歳入予算上においても、固定資産税収入の一部として取り扱われております。創設から四十数年を経過した今、事実上、交付金は国と地方のいずれも固定資産税として認知されているにもかかわらず、都区財政調整の財源となっていないのは、均衡を欠いていると考えます。
 私は、平成十年第一回定例会でもこの問題を取り上げ、国有資産等所在市町村交付金の交付率に都市計画税分を含むべきだと主張いたしました。しかし、その後調べていく中で、問題を根本的に解決していくためには、現在の交付金対象となっている固定資産について、固定資産税、都市計画税を課税できるよう、制度そのものを見直していくことが不可欠でございます。
 このような経緯、現状を踏まえて、国などが所有する固定資産であっても、他の固定資産と状況が類似しているものについては、原点に立ち返り、市町村がみずから課税権に基づいて課税できるようにすべきであると考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。
 以上をもちまして私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 野田和男議員の一般質問にお答えいたします。
 国有資産等所在市町村交付金についてのご質問でありますけれども、国などが所有する固定資産にかかわる交付金制度を改めて、固定資産税などを課税できるようにすべきであるというご提言でありますが、地方における一種の天領のような国有の資産に関する税の問題は、やっぱり地方の主権というものが唱えられ出した今日、そういった眼目も踏まえて、多角的な検討が必要であると考えております。
 税制上、国などが非課税とされている趣旨、交付金制度の目的や現況、現状も踏まえながら、多角的な検討が必要であると考えております。今後、東京都の税制調査会で積極的に検討していきたいと思っております。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔下水道局長鈴木宏君登壇〕

○下水道局長(鈴木宏君) 四点のご質問にお答えいたします。
 最初に、町中の臭気発生時の対策と予防についてでございますが、まず発生時の対策といたしましては、臭気の出口となっております雨水ますへ防臭装置を設置するなどの応急的措置を行いますとともに、臭気の主な発生源であるビルピットへの対策といたしまして、新たに策定いたしました対応マニュアルにより、迅速な調査と改善指導を実施しているところでございます。
 また、予防対策といたしましては、ビルピットの適切な維持管理を促すためのリーフレット等を関係局とともに作成いたしまして、ビル関係者などへのPRに努めているところでございます。
 次に、臭気対策の地元区などとの連携についてでございますが、これまでもビルの所有者などと連携いたしまして、臭気発生の原因究明と対策を行ってまいりました。
 これらの実績を踏まえまして、本年度から、新たに臭気の発生が多い地区のうち、西新宿地区の約百十ヘクタールを対象といたしまして、地元区と臭気対策にかかわる協定を締結いたしました。既に、区との役割分担の調整も整いまして、地元町会やビルの所有者への説明会なども実施するなど、臭気解消に向けた新たな取り組みを進めているところでございます。
 引き続き、地元区と連携した対策を強化するとともに、このような連携方式を他の地区にも拡大してまいりたいと考えております。
 次に、合流改善クイックプランの進捗状況とその効果についてでございますが、本年度末までに、油やごみの流出を防止するため、処理場やポンプ所のスクリーンの改造二十九カ所、オイルフェンス三十四カ所などを整備するとともに、油を多く使用する繁華街の下水管約四十五キロメートルの清掃など、重点的な維持管理を行っているところでございます。
 今後とも、合流改善事業を着実に推進することで、河川や東京湾への油の固まりなどの流出を抑制できるものと考えております。
 最後に、総合的な取り組みについてでございますが、都民に油を下水道に流さないよう協力を要請するため、「油・断・快適 下水道」キャンペーンを展開いたしまして、昨年十一月には飲食店や町会への戸別訪問などを実施いたしました。さらに、今月には第二弾といたしまして、都内の駅や学校等にポスターの掲示を行うなど、多様な取り組みを行っているところでございます。
 また、技術面では、クイックプランに対応した技術開発行動計画を策定いたしまして、飲食店等からの油の流出を抑制する機器の改善について、民間企業と共同で開発に取り組んでおります。
 今後とも、このような総合的な対策を進めることで、油の固まりの流出防止に努めてまいります。
   〔水道局長飯嶋宣雄君登壇〕

○水道局長(飯嶋宣雄君) 水道事業経営問題研究会にかかわる二点の質問にお答えいたします。
 研究会の概要と設置に至った経緯についてでございますが、水道局では、水道事業経営プラン二○○○に基づき、質の高い給水サービスの提供に努めておりますが、水道法の改正により、第三者委託制度が創設されるとともに、都市構造の変化や景気の悪化に伴う需要の低迷など、水道事業を取り巻く環境は大きく変化しております。
 こうした事業環境の変化に的確に対応していくため、今月二十二日、学識経験者、消費者団体、都民代表など十名の委員で構成する東京都水道事業経営問題研究会を設置いたしました。本研究会では、今後の水道事業経営のあり方に関する調査研究を幅広く行っていただくこととしております。
 次に、基本水量制や逓増度などの見直しについてでございますが、水道事業は、地方公営企業として、独立採算を経営の基本原則としており、水道料金のあり方は、経営上の重要な課題でございます。
 水道料金は、これまで都民の使用実態を踏まえながら定めてきたところでございますが、近年、社会経済状況の変化に伴い、水需要構造や都民の意識が大きく変わってきております。こうしたことから、節水を促す仕組みを基本に、より公平でわかりやすい料金システムを構築していく必要があると考えております。
 そこで、経営問題研究会で幅広い立場からのご意見をいただきながら、ご指摘の基本水量制や逓増度も含め、総合的な視点から検討してまいります。

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