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Tokyo Metropolitan Assembly

平成十二年東京都議会会議録第十三号

○議長(渋谷守生君) 十九番原環君。
   〔十九番原環君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○十九番(原環君) 初めに、交通ネットワークに関連して伺います。
 東京では、都心部を中心とする交通渋滞の慢性化により、都市活動の低下や膨大な経済損失、さらには大気汚染など、さまざまな問題が生じており、交通渋滞の解消は喫緊の課題となっております。
 このため、都では、区部環状、多摩南北道路などの整備が進められていますが、忘れてならないのが高速道路の整備であります。東京圏の高速道路の整備状況を見ると、放射方向の整備率九割に対して、環状道路の整備が極めて立ちおくれています。この整備のおくれが交通渋滞を日常化させ、知事は、こうした状況を踏まえ、中央環状線を初め三環状道路の広域幹線道路ネットワークの整備などを提言され、二〇一五年ごろまでに首都高速道路の渋滞緩和を図ろうとされていますが、どう具体化するのか、所見を伺います。
 次に、東京における高速道路の料金制度についてであります。
 現在、多摩地域の都民は、首都高速東京線の均一料金である七百円のほかに、中央自動車道の高井戸から八王子間の均一料金である六百円を払っています。同じ都内の高速道路でありながら負担に格差があり、不合理であると考えます。あわせて、知事が提唱されている東京外郭環状道路の整備による交通ネットワークを形成していく場合には、こうした料金体系が問題になってきます。都民の高速道路料金の割高感は解消しなければならないと考えます。所見を伺います。
 次に、地下鉄の一元化についてであります。
 都交通局は、都営大江戸線全線開業を平成十二年十二月十二日と決定し、現在、こんな地下鉄夢でした、また、二十八駅どこでもドア宣言とポスターに明記し、他の鉄道とのアクセス、乗りかえ等の利便性が高いことを広報しております。しかし、利用者にとって、同じ交通手段である地下鉄を利用しても、都営と営団を乗り継いだ場合には料金の割引額が低く、割高感を払拭することはできません。
 営団地下鉄は、平成七年二月の閣議決定において、民営化の方向性が決定しております。一方、交通局も、サービス面を初め、事業の見直しを行っております。都内地下鉄の利用者への利便性を向上させるためには、都は、関係機関との協議の場を早期に設置し、地下鉄一元化の検討を開始すべきであります。知事の所見を伺います。
 次に、都食品衛生調査会から答申された集団給食施設に対する衛生管理対策について伺います。
 現在、集団給食施設のうち、営業以外の場合では、学校、病院、福祉施設等で提供される食事については、食品衛生法の許可の対象となっておりません。そこで、このたび衛生局が食品衛生調査会に集団給食施設に対する衛生管理対策を諮問したことについては、適切なものであったと考えます。
 一方、地域においては、高齢者や障害者に対する生活支援を行うボランティアグループが、活動の一環として給食サービスを行っていますが、今回の答申では、今まで法令許可を必要としない集団給食施設も対象としており、これらボランティアグループも規制対象となると思われます。
 我が党の調査によれば、給食サービスを行っているグループの多くは、地域コミュニティセンターや公民館等の公共施設、また、小規模の場合は自宅のキッチンを利用しているのが実情であります。これらの施設が答申の中にある設備基準に適合しない場合、今後これらの活動ができなくなるのではとの不安の声も多く上がっております。
 食中毒防止対策には、ハード、ソフト両面からの施策が必要と考えます。まず、食品衛生責任者の設置や衛生講習会等、まず管理運営面を整備し、次に施設面での改善を図るなど、工夫によっては集団給食施設の食品衛生向上は可能であると考えます。
 そこで、答申の具体化に当たっては、地域ボランティア活動をしている方々の意見や要望に行政として耳を傾けられることが必要と思います。所見を伺います。
 また、施設の使用や改善などについては、関係区市町村、関係機関の理解、協力が不可欠であると考えますが、都としてどのように働きかけていくのか、所見を伺います。
 次に、住宅施策について伺います。
 東京における高齢化が急速に進展していますが、とりわけ都営住宅入居者の高齢化には著しいものがあります。都はこれまで、シルバーピアの供給や都営住宅のバリアフリー化、エレベーター設置、巡回管理人制度の創設など、都営住宅の高齢化対策に取り組んできたところであります。ただ、廊下型の都営住宅については、順次エレベーター設置が進められてきたところでありますが、階段室型の住宅については、いまだ手つかずの状態にあります。
 我が党は、昨年の第四回定例会において、中層都営住宅の四割を占める階段室型住宅にもエレベーターを設置すべきと強く主張しましたが、都は、都道府県で構成する協議会による階段室型の住宅用エレベーター開発提案の公募結果を踏まえて検討していくと答弁されました。
 そこで、伺います。この公募結果はどのようになっているのか、また、公募結果を受けて、都は今後、階段室型の住宅のエレベーター設置などをどのように進めていかれるのか、さらに、廊下型の住宅で実施しているスーパーリフォーム事業を階段室型の住宅でも展開すべきと考えます。以上三点について所見を伺います。
 次に、スクールカウンセラー制度の充実についてであります。
 今日の学校におけるいじめや不登校などを初め、少年の非行や凶悪犯罪は極めて憂慮すべき状況にあります。こうした問題を解決していくためには、学校における心の教育の充実を図るべきであります。
 そこで、心の問題を抱える子どもたちの相談に乗るスクールカウンセラーをすべての学校に配置し、子どもたちが安心して学び、生活できる学校づくりを進めることが急務であると考えます。
 都はこれまで、文部省の事業だけに頼らず、独自の予算でスクールカウンセラー制度を拡充してきました。その結果、不登校の減少や学校に対する保護者の信頼を高めるなど、子どもや教師、保護者にとって極めて有効な方策であると評価されています。また、国においても、全国一万校、すべての公立中学校に配置する方針を発表しました。
 都は、国の動向を踏まえ、いまだ未設置の学校にスクールカウンセラーを配置するとともに、既に配置されている学校では継続すべきと考えます。所見を伺います。
 また、私は、平成八年の第三回定例会において、スクールカウンセラーの拡充と人材養成を計画的に進めるべきであると質問しました。その後、都はどのような取り組みを行ってきたのか、さらに、今後、スクールカウンセラーの拡大が急務な課題となります。そのために、都は今後どのようにスクールカウンセラーを養成し、人材の確保を図っていくのか、伺います。
 次に、霊園の整備についてであります。
 現在、区部にある青山、雑司ヶ谷、染井、谷中の四霊園は、将来、公園化の計画であるため、青山、谷中の霊園は昭和三十五年以降、また、雑司ヶ谷、染井霊園については昭和三十七年以降は、返還墓所等の再貸付は行っておりません。また、無縁墳墓の整理状況を見ても、雑司ヶ谷霊園は平成六年時点で七百七十二件、青山霊園においても、平成二年時点で四百七十件と、無縁墳墓として使用許可取り消しを行ってまいりました。しかしながら、空き墓地の整理は、四十余年たった現在も一向に進まず、公園化の方向も見えないのが現状であります。
 そこで、今後、区部の霊園を整備し、公園化に向けてどのように具体化していくのか伺います。
 次に、霊園や公園、寺社などを中心に生息しているカラスの対策について伺います。
 東京のカラスは、一九七〇年代の大量消費時代に、区部でえさとなる生ごみの大量発生により、カラスの増加が始まったといわれています。それと同時に、カラスによる被害、苦情が多くなり、都として具体的対策が必要になったと考えます。
 そこで、都は、本年六月に東京のカラス対策を発表し、当面の目標として、カラスの生息数を現在の三分の一、約七千羽程度に誘導するとしていますが、どのように取り組んでいくのか伺います。
 また、産卵時期を迎えたカラスは凶暴になり、被害が特に多くなります。都民のカラスによる苦情処理や相談窓口の設置など、早急に対応すべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、池袋副都心の整備促進について伺います。
 東池袋四丁目市街地再開発は、平成六年の組合設立以来、長引く経済不況の影響を受け、事業が停滞しています。そのため再開発組合は、工事費を初め事業全体を縮減し、みずから削るところは削るなど、事業の大幅な見直しを行い、再構築に向けて努力しているところであります。
 事業の促進に向けて早期に都市計画の変更をすべきと考えますが、今後の見通しはどうなっているのか、また、公共事業の見直しが叫ばれているところではありますが、当該事業のような地元権利者が主体となった再開発事業への補助金確保は、事業の成否を左右するものであります。適正な補助金充当が必要になると考えますが、あわせて伺います。
 最後に、都電荒川線の緑化推進についてであります。
 東京で唯一残っている路面電車が荒川線であります。最近の沿線を見ると、住民の方々が自主的に花や植木などを植えている風景に出会います。住民の方々が荒川線を本当に大事にしているのだなという思いを強くいたします。
 一方、本年九月に出された東京都緑の東京計画中間のまとめを見ると、都民が主役で築く緑として、都民、NPO、ボランティア活動が大事であるとされています。
 このような観点から、都電荒川線もこうした住民の方々と一体となって沿線緑化を進めることが、都電利用者にとっても、緑化推進にも有益ではないかと考えます。
 そこで、沿線の町会やボランティアの方々などが沿線に草花を植えたり、一株運動の推進など、地元と協力して緑化運動を促進することは、まことに意義あるものと考えます。
 都の対応について伺い、私の一般質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 原環議員の一般質問にお答えいたします。
 首都高速道路の渋滞緩和についてでありますが、環状道路の整備率は、ロンドンが十割、パリが七割に対して、東京はわずか二割にすぎません。したがって、首都高速道路等の渋滞を招いているわけであります。このため、首都高速中央環状線、東京外郭環状道路、首都圏中央連絡道路のいわゆる三環状及び第二東京湾岸道路などの整備が急がれているわけであります。これらの環状道路の整備を重点的に進めるとともに、交通需要マネジメントやノンストップ自動料金収受システム等のソフト施策を充実することによって、高速道路の渋滞を何とか緩和させていきたいと思っております。
 次いで、都営地下鉄と営団地下鉄の一元化の検討についてであります。これは、世間で考えれば当たり前のことでありますけれども、なかなか企業の財政内容も違って、貧乏人と金持ちが結婚しにくい状況もありますけれども、いずれにしろ利用者の便利のために、既に新規に、最初は抵抗があったんですけれども、共通した、ポールにつけた大きい、目につきやすいマークを看板状にかけまして、それからまた、二つの会社に共通させて、今度はもっと目につきやすい立体的な地下鉄のロゴマークをつけることにいたしましたが、いずれにしろ、利用者の利便性を考えれば、一元化は当然望ましいと考えます。
 ただ、そのために、経営内容、財政内容、いろいろ問題がございますけれども、いずれにしろ現時点では、申し上げたように、いろいろ案内標識等の共通の設置をいたしまして、さらに二つの会社のどこの駅におりても、決まった場所に決まったフォーマットで、どちらにおりたら何があるかということをわかりやすく説明するような情報の提供も、これからするつもりでございます。
 今後とも、大江戸線環状部の開業を機に、乗り継ぎ運賃制度も拡充するなど、サービスの一体化に取り組んでいきたいと思っております。
 その他の質問については教育長及び関係局長から答弁いたします。
   〔教育長横山洋吉君登壇〕

○教育長(横山洋吉君) スクールカウンセラーに関します二点の質問にお答えします。
 まず、スクールカウンセラーの配置状況でございますが、現在、国の委託事業として、小学校二十九校、中学校九十一校、高等学校十二校、都の単独事業として、中学校百二十校、合わせて二百五十二校に配置いたしております。
 お話しのように、国におきましては、この事業を平成十三年度を初年度とする五カ年の国庫補助事業に改めまして、全国の中学校にスクールカウンセラーを配置する予定でございます。都教育委員会としましても、こうした国の動向を踏まえつつ、スクールカウンセラーの配置について適切に対処してまいります。
 次に、スクールカウンセラーの養成についてでございますが、都教育委員会はこれまで、学校のニーズにこたえられる臨床心理の専門家の養成を国や大学等の関係機関に働きかけてまいりました。社会的なニーズの高まりと相まって、現在、臨床心理士を養成する大学がふえてきております。将来的に需要数の拡大が見込まれるため、今後とも、スクールカウンセラーの養成を関係機関に働きかけてまいります。
 一方、生徒に対する教員のカウンセリング技能の向上を図ることも重要でありますことから、平成十三年度に開設予定の教育庁研修・研究センターにおきまして、教員に対するこうした研修を一層充実させてまいります。
   〔都市計画局長山下保博君登壇〕

○都市計画局長(山下保博君) 高速道路の料金についてでございますが、高速道路は、首都高速道路公団や日本道路公団など、それぞれの設置主体や管理主体ごとに料金を徴収する制度となっております。ご指摘のような乗り継ぎ区間の料金制度は、一部区間の利用者にとって割高感があることも事実でございます。
 今後、都といたしましては、ノンストップ自動料金収受システム、いわゆるETCの普及に合わせ、より合理的な料金体系が実現するよう、国を初めとする関係機関に要請していきます。
 次に、東池袋四丁目地区市街地再開発事業についてでございますが、ご指摘の市街地再開発組合は、平成十一年末に建物用途を業務系中心から住宅系中心へと計画を見直し、現在、組合員の合意形成を図っているところでありまして、平成十二年度中の都市計画及び事業計画の変更を目指しております。
 都といたしましては、事業促進のため、区と協議しながら都市計画の変更等について引き続き組合を指導してまいります。
 また、市街地再開発事業の円滑な実施を図るには、国庫補助金等の導入は不可欠でございまして、事業の進捗に合わせて確保できるよう、関係機関と調整を図ってまいります。
   〔衛生局長今村皓一君登壇〕

○衛生局長(今村皓一君) 集団給食施設に対する衛生管理対策について、二点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、今回の食品衛生調査会の答申では、食品衛生法に基づく許可を必要としない集団給食施設に対して、衛生管理の徹底を図るため、届け出制を導入し、あわせて施設基準や管理運営基準を設定することを提言しております。この答申の具体化に当たりましては、対象となります給食施設の多様な実態や、ご指摘のようなボランティア団体等、及び関係機関のご意見を現在把握している状況でございまして、それらも勘案しながら、今後、適切な対応を図ってまいります。
 次に、区市町村等関係機関への働きかけについてでございますが、給食サービスを実施しているボランティア団体等の中には、公共施設等を利用しているグループがあることは承知しております。今後、答申の具体化に当たりましては、区市町村を初めとする関係機関に対して、趣旨を十分に説明するなど、円滑な実施に向けて努力してまいります。
   〔住宅局長戸井昌蔵君登壇〕

○住宅局長(戸井昌蔵君) 都営住宅の階段室型へのエレベーター設置に関する三点のご質問にお答えいたします。
 まず、公募結果についてであります。
 都道府県等で構成する協議会において実施されました開発提案の公募結果は、応募が三十二件ありました。そのうち、コストや性能などの面から十九件が選定されたところでございます。
 次に、設置の進め方についてであります。
 階段室型は廊下型の場合とは異なりまして、居住者が日常的に利用している階段にエレベーターを設置しますことから、施工方法や居住者が利用する上でさまざまな課題がございます。そのため、今年度は試行的に二団地、二棟程度を対象にエレベーターを設置し、一年程度の期間をかけて諸課題の検討を行う予定であります。
 最後に、スーパーリフォーム事業への展開についてでございます。
 今後の試行結果を踏まえまして、エレベーターの設置が可能な住宅について、廊下型の住宅の場合と同様でございますけれども、建物の長期使用の可能性、事業に要する費用とその効果などを個々に検討の上、適当であると認められるものを対象に、スーパーリフォーム事業を実施してまいります。
 以上でございます。
   〔建設局長古川公毅君登壇〕

○建設局長(古川公毅君) 区部霊園の公園化についてですが、現在、区部の四霊園における空き墓所の総面積は約一万五千平方メートルあり、可能なところから、公園化に向けて植え込み地や園路、広場などに活用してまいりました。今後とも、樹木の整理によるオープンスペースの確保や、地元の協力を得た花壇づくりなどに取り組んでまいります。
 特に本年度からは、無縁墳墓調査整理に着手し、今後五年間で、雑司ヶ谷霊園の約六百平方メートルを初め、区部霊園全体では約三千平方メートルを整理し、オープンスペースを確保する予定です。
 さらに、墳墓の集約化に向けた新たな仕組みづくりの検討を行うなど、区部霊園の公園化を一層推進してまいります。
   〔環境局長中野英則君登壇〕

○環境局長(中野英則君) 都のカラス対策についてでありますが、カラスの生息数を減少させるための根本的な対策としては、カラスが生ごみをえさにできない環境をつくることが必要です。
 このため、現在、清掃事業の実施主体であります区市町村において、ごみ集積所用防鳥ネットの貸し出しやポリ容器によるごみ出しの指導、早朝、夜間収集の拡大などを進めております。
 都は、今後もこれらの取り組みの促進を区市町村に要請していくとともに、都としても、補完的な対策として、増加し過ぎたカラスや人に危害を加えるカラスの捕獲等により、その減少を図ってまいります。
   〔労働経済局長浪越勝海君登壇〕

○労働経済局長(浪越勝海君) カラスによる苦情や相談の窓口についてでございますが、野生鳥獣全般についての相談は当局で受け付けており、カラスについての窓口の役割を果たすとともに、関係八局から成る連絡会を設置するなど、関係機関との連携のもとに対応しているところでございます。
 さらに、霊園や公園などの公共施設の管理者や区市町村においても、苦情等を受け付けております。
 今後とも、区市町村を初め関係機関との連携をさらに密にし、適切に対応できるよう努めてまいります。
   〔交通局長寺内広壽君登壇〕

○交通局長(寺内広壽君) 都電荒川線沿線の緑化推進についてのお尋ねですが、これまで荒川線沿線の緑化を、地元区の協力も得て、積極的に推進してきたところであります。沿線の緑化をさらに進めていくことは、荒川線の景観の向上や活性化にとって大変有意義であると考えております。
 今後は、緑化に協力してくださる町会やボランティアなどの方々の安全確保を図りながら、地元区と調整を行い、沿線緑化のより一層の推進に努力してまいります。

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