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Tokyo Metropolitan Assembly

平成十二年東京都議会会議録第十三号

○副議長(五十嵐正君) 四十五番遠藤衛君。
   〔四十五番遠藤衛君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○四十五番(遠藤衛君) 私は、第三回定例都議会における石原知事の前向き、かつ大変力強い所信表明をお聞きいたしまして、安心と同時に、今日までの都の抱えている課題が解決に向かって大きく前進するものと期待をするところでございます。
 このような観点に立って、以下、知事並びに教育長、関係局長に質問をさせていただきます。
 東京都は、都公害防止条例の全面的見直しを十二年度中を目途に作業中であると聞いております。また、九月はオゾン層保護対策推進月間でもあります。
 そこで、フロンによる環境破壊について何点かお伺いをいたします。
 フロンによるオゾン層の破壊は、地球を死滅させるといわれるほど深刻な環境問題であります。
 私たちはオゾン層なしでは生きていけないといわれております。しかし、有害紫外線は毎年〇・三%ずつふえており、気象庁の発表によれば、ことしの九月には、南極上空のオゾンホールと呼ばれるオゾンの減少した領域が南極大陸の約二倍と、過去最大の大きさにまで拡大をしているといわれております。
 また、有害紫外線はあらゆる生物の遺伝子に重大な影響を与えます。幼児期の日光浴も皮膚がんの発生率を高めるといわれております。オーストラリアのブリスベーンでは、子どもの白内障が多く、サングラスが制服の一つになっております。私たちもオーストラリアに行ったときに、この紫外線の強さを経験をしております。
 オゾン層保護対策は、CFC――クロロフルオロカーボン、あるいはHCFC――ハイドロクロロフルオロカーボンといったオゾン層破壊物質の生産規制を基本として、国際的に協調して進められております。
 今、これだけオゾン層破壊を引き起こしているフロンの量は、過去に全世界で生産された二千数百万トンのうち一〇%にすぎないといわれております。残り九〇%は、これからオゾン層に達するといわれております。
 先進国では、一九九五年末には、主要オゾン層破壊物質の生産が全廃されておりますが、過去に生産された冷蔵庫、カー・エアコン等の機器の中に充てんされた形で存在するCFC等を、これらの機器の廃棄の際に回収、破壊することが、オゾン層保護対策を進める上で大変重要であります。
 フロン回収における日本の現状としては、今のところ、法律上、生産を段階的に規制するまでであって、欧米のようなフロン放出禁止やフロン回収を義務づけた規定がなく、各自治体が環境保全の観点から個別に回収などを進めているのが現状であります。
 その結果、欧米に比べて日本においては、フロンの放出は野放し状態といってもいい状況であります。この点については、条例で検討するのか、別に何かお考えがあるのか、お聞かせをいただきます。
 ところで、フロンの中には、オゾン層を破壊しないものの、温暖化物質として問題になるものもあります。二酸化炭素が温暖化物質として主要なものでありますが、代替フロンであるHFCもその一つなのであります。
 温暖化問題は、オゾン層破壊の問題とあわせて、現代の地球環境を考える上で重要であります。
 例えば、温暖化がこのまま進行すれば、二十一世紀後半には海面が一メートル上がる。そうすれば、東京二十三区のうち、いわゆるゼロメートル地帯、これが水没をしてしまうといわれております。このようなことが起きれば、このたびの名古屋の洪水どころではないわけであります。
 そのほかにも、次のような影響が考えられます。
 気象の変動により強力な台風が発生する。現在の建築基準法の見直しも必要だといわれております。また、水不足、水資源への影響、農業特産物が変わる、これは気象の変化によって産地が変わるということだそうでありますが、このように、地球温暖化の問題は全地球的に進行しております。
 東京都においては、温暖化防止の観点も入れて、条例の全面的な見直しを行おうとしておりますが、一番早かったのは兵庫県で、平成八年に施行しております。
 しかし、今日、一番しっかりと条例で規制をしなければいけない代替フロンが規制の対象とはなっておりません。環境審議会の答申では、CFCとHCFCのみが規制対象で、HFCは規制対象外であります。これを受けて東京都は見直し作業中でありますが、一歩進めて、検討の俎上とすべきでないかと思います。
 特定フロンのうち、CFCは既に九五年には生産終了、HCFCは二〇二〇年に生産終了となっております。代替フロンはオゾン層破壊係数はゼロでありますけれども、温暖化係数は、CO2一とした場合、一三〇〇と高く、これからも生産が続けられるため、二酸化炭素と並んで、温暖化への影響が懸念される物質であります。
 本来ならば、代替フロンについては、これにかわる物質への転換を進めるべきであります。例えば、現在、日本では、炭化水素を使用した冷蔵庫は、いざというときの爆発等の心配から製品化されておりません。ドイツでは、完全ノーフロンの炭化水素を冷媒として使用した冷蔵庫がほぼ一〇〇%使用されております。このような中で、HFCを規制対象外とすることは、温暖化現象を指をくわえて見ているようなものといわざるを得ません。
 そこで、代替フロンについても条例の規制対象とすべきであると思いますが、いかがでしょうか。ご見解をお聞きいたします。
 次に、環境教育は、子どものころから身近な問題を地球規模で考え、行動することが大切であると痛感をしております。今、学校ではいろいろな環境教育に取り組んでいることは承知しておりますけれども、改めて、学校教育の場における環境教育の内容及び今後の取り組みについてお伺いをいたします。
 本年の第一回定例会におきまして、知事は、我が党の吉野議員の質問に対しまして、東京の農地が重要であり、その維持、確保に努めていくと表明をされました。こうした中で、本年七月、東京都農林漁業振興対策審議会から、二十一世紀の東京農業が果たすべき役割と振興の方向についての答申がございました。
 まず、都として、今回の答申の特徴をどうとらえられておるのか、お聞きをいたします。
 あわせて、今後、都としても本答申の提言を踏まえ、積極的な農業振興策を講ずるべきと思いますが、その対応についてのお考えをお伺いいたします。
 次に、私は相続税という制度に大きな疑問を持っております。そのうち、生産緑地の納税猶予制度についてお伺いをいたします。
 この制度は、農地をそのままの状態で使うこと、つまり直接耕作をすることが条件となっておりますが、今日的な都市農業の経営展開に合致しない点が幾つかございます。
 例えば、集約的な施設園芸である鉢花生産や水耕栽培などについても、施設の構造によっては納税猶予の制度の適用が受けられない状況にあります。また、都も積極的に推進をしている有機農業に必要な畑にある堆肥置き場、これに基礎をしっかりと打ってしまうと、この制度が受けられない。全くその振興の方向と合致していないわけであります。これは農林漁業振興対策審議会の答申でも強く提言されている都市農業の持続、振興などとも大きく矛盾をしているわけであります。
 都は、東京都農業振興プランや、多摩格差の現状分析など、さまざまな場面で、新鮮な野菜を供給することはもとより、環境、防災、ヒートアイランド現象の緩和など、都市農業の果たしている役割を十分認め、その振興をうたっております。名実ともに都市農業をしっかりと定着、発展させるために、都は、この相続税納税猶予制度の改善を国に強く求めるべきであると思いますが、いかがでしょうか。見解をお聞かせいただきます。
 次に、多摩地域の抱えている課題への取り組みについてお伺いいたします。
 現在、多摩地域は大きく変貌を遂げようとしております。本年一月、多摩都市モノレールが開通し、来年三月には東京スタジアムのオープンが予定をされております。これらにより、地域が活性化され、今後の多摩は活力に満ちた地域となることが期待をされております。
 その一方、基本的な行政サービスを見ると、多摩地域は区部と比較してまだまだおくれているのではないかという市民の声をよく耳にいたします。
 そうした視点に立って、何点かお伺いをいたします。
 まず、IT革命の進行に対応し、情報通信の充実を図ることが不可欠であります。その際、基本となるのが電話の料金設定であります。
 多摩地域のNTT電話の単位料金区域は、市区町村の行政区域と一致をしていないため、例えば私の住んでいる調布などにおきましては、三つの単位料金区域に分かれております。同一行政区域内の通話にもかかわらず市外通話料金が取られるという、不合理ともいえる状況であります。
 そこで、利用者の利便性向上と料金格差是正に向けて、都全域を一つの大きな単位料金区域とすることなどについて、長年、国及びNTTに働きかけてきましたが、一向にその実現を見ないのであります。
 この問題については過去にも質問されており、私も都が努力をしていることは承知をしておりますが、なかなか実現しない理由は具体的に何なのか、お尋ねをいたします。
 次に、首都高速道路と中央道の料金の問題であります。
 現在、首都高速道路は、都民を初め、人や物の移動に大きく貢献をしているところであります。ところが、中央道に接続する首都高速道路四号線は高井戸が終点となっており、多摩地域から都心へ行くためには、中央高速と首都高速道路の料金を二度支払う必要があり、このような料金体系の改善に向けて、首都高速道路を八王子インターまで延伸する等、対応がぜひとも必要であると考えますが、これまでこの問題が解決されなかった理由と、今後の取り組みについてお伺いをいたします。
 三点目は、京王線連続立体交差事業についてお伺いします。
 この京王線・相模原線調布駅付近連続立体交差事業は、踏切の除去により、慢性的な交通渋滞を解決するとともに、地域分断を解消し、南北一体となったまちづくりを総合的に推進するためには大変重要な事業であります。
 沿線住民の悲願である本事業は、地元市を初めとする関係者の努力により、本年二月には都市計画素案説明会が開催されるなど、事業化に向けて着実に第一歩を踏み出したところでございます。
 そこで、早期事業実施に向けての取り組みの状況と、今後の見通しについてお伺いをいたします。
 次に、墓地行政に関してお伺いします。
 今定例会に提案されている墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例の一部改正は、現下の墓地を取り巻く困難な状況に対応すべく、墓地等の経営許可の適正化を図るため、許可基準や許可手続等について見直すものであり、まさに時期を得たものでありま
す。
 そこで、今回新たに規定された内容についてですが、墓地の構造設備基準、墓地開発による隣接住民とのトラブル防止のための制度などにより、地域の環境とも調和した墓地経営が可能となるのか、お伺いをいたします。
 また、墓地開発に伴う地域住民とのあつれきは、その地域の特性や住民感情等も相まって、さまざまな態様が想定されます。解決に向けた道筋はなかなか容易ならざるものがありますが、今回導入する、いわゆる事前周知制度により、こうした問題にどれだけ有効なものになるのか、見解をお伺いいたします。
 以上で質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 遠藤衛議員の一般質問にお答えいたします。
 フロンに対する規制の問題でございますが、これは相手が見えないし、余りにおわないので、非常に厄介な存在だと思います。
 私が環境庁におりますときに、やっとこれが問題になりまして、アメリカがまた厄介なことをいい出したと、ほとんどの役人が問題にしてなかったんですけれども、あれからわずかしか時間たちませんが、地球全体を損ないかねない危険な存在になってまいりました。
 国は法律でフロンの生産を段階的に規制しておりますけれども、その回収や、フロンそのものの破壊は、関係業界の自主的な取り組みに任されておりまして、回収率は依然として非常に低い水準にとどまっております。
 こうしたことからも、今後改正を予定しております公害防止条例において、フロンの回収及び破壊を義務づけたいと思っております。国に先んじて東京都がやはりこういう問題に取り組むべきではないかと思っております。
 その他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。
   〔教育長横山洋吉君登壇〕

○教育長(横山洋吉君) 環境教育の内容と今後の取り組みについてですが、お話のように、環境教育では、身近な問題から地球規模の問題を考える学習が重要であると認識いたしております。
 学校教育におきましては、学習指導要領に基づきまして、総合的な学習の時間を初め、さまざまな授業の中で、リサイクルや自然観察等の体験的な活動を通して、大気汚染や水質問題等の環境学習を行っております。
 都教育委員会としましても、環境教育の推進、充実を図るため、児童生徒用副読本の作成、体験活動発表会の開催、研究校の指定などを行っているところでございますが、今後とも、発達段階に応じた、広い視野に立った環境教育を充実をしてまいります。
   〔環境局長中野英則君登壇〕

○環境局長(中野英則君) 代替フロンであるHFC、ハイドロフルオロカーボンの規制についてでありますが、代替フロンは、CFC、クロロフルオロカーボンにかわるものとして広く使用されてきております。
 ご指摘のとおり、このHFCはオゾン層は破壊しないものの、地球温暖化への影響が懸念されており、今後、大気中への放出が大きな問題となってまいります。このため、代替フロンについても、改正を予定しております公害防止条例において規制を検討してまいります。
   〔労働経済局長浪越勝海君登壇〕

○労働経済局長(浪越勝海君) 都市農業に関する三点のご質問にお答えをいたします。
 まず最初の農林漁業振興対策審議会の答申の特徴についてでございますが、東京の農業、農地を、都民が都市生活を送る上で重要な機能と位置づけ、その振興と保全に対する行政の積極的な支援とともに、農業者の自覚や都民の参加の重要性を挙げていることが特徴でございます。
 その振興に当たっては、都民が求める安全や環境に配慮した持続性の高い農業の確立や、都民とのパートナーシップに基づく交流型農業の展開など、都民の視点や期待を一層重視し、多様な経営の方向が提言されております。
 次に、今回の答申を踏まえた農業振興策についてでございますが、答申では、豊かな都民生活の実現に向け、ITを活用した直売所ネットワークの構築や、新たな分野にチャレンジする農業への支援など、産業として魅力ある東京農業を展開するためのさまざまな振興の方向が打ち出されております。
 都は、この答申を受け、中長期的な農業振興計画でございます東京農業振興プランの改定を進めるとともに、提言に盛り込まれた振興策について順次着手してまいります。
 最後に、農地にかかわる相続税納税猶予制度の改善についてでございますが、都市農業の中心的な基盤となっている生産緑地については本制度が適用されていますが、ご指摘のとおり、農業施設用地の一部や市民農園用地などについては適用されていない状況にあります。
 都としても、今後の都市農業の振興を着実に推進するためには、農地の確保、保全が不可欠であると考えております。納税猶予措置が適用されない農地についても対象になるよう、今後とも国に制度の改善を強く働きかけてまいります。
   〔政策報道室長安樂進君登壇〕

○政策報道室長(安樂進君) 多摩地域の電話料金の一本化についてのお尋ねでございますが、多摩地域から例えば都内に電話したような場合に市外通話料金を取られるのは、東京が社会的、経済的に一体であることからいって、大変不合理であると思います。
 東京都は、これまで再三にわたり、郵政省、NTTに、都内全域を単一料金、すなわち市内料金とするよう要請してまいりましたが、いまだに実現しておりません。
 実現できないその理由でありますが、NTTは、電話回線の改修に経費がかかること、市外通話料金が取れなくなり減収になることなどを挙げております。
 しかし、こうした中でNTTは、平成九年から、隣接の区域にかける市外通話について割引制を導入したり、また本年十月からは、同一都道府県内の市外通話料金を値下げするなど、要望にこたえようとする動きも見られるようになってきております。
 こうした動きを加速する意味でも、今後はNTTへの働きかけをさらに強め、都全域の市内料金化を目指して、さらに努力してまいります。
   〔都市計画局長山下保博君登壇〕

○都市計画局長(山下保博君) 中央道と首都高速道路を利用する際の料金問題についてでございますが、この両路線は、設置主体や管理主体等が異なっていること、また中央道は国土開発幹線自動車道として全国プール制の料金体系となっていることなど、料金問題の改善に向けて困難な課題がございます。しかしながら、このような料金体系は、利用者にとってご指摘のような割高感があることも事実でございます。
 今後、都といたしましては、ノンストップ自動料金収受システム、いわゆるETCの普及に合わせ、より合理的な料金体系が実現するよう、国を初めとする関係機関に要請してまいります。
   〔建設局長古川公毅君登壇〕

○建設局長(古川公毅君) 京王線調布駅付近の連続立体交差事業についてですが、本事業は平成十年に新規着工準備箇所として採択され、本年二月に都市計画素案の説明会を開催したところ、地元の熱い期待を反映し、関係住民約千二百名もの参加を得ました。現在、環境影響評価書案提出の準備を進めており、年内には都市計画案及び環境影響評価書案の説明会を開催する予定です。
 今後とも地元住民の要望にこたえ、地元市及び鉄道事業者など関係機関の協力を得ながら、連続立体交差事業の早期事業化に向け努力してまいります。
   〔衛生局長今村皓一君登壇〕

○衛生局長(今村皓一君) 墓地行政について、二点のご質問にお答えします。
 まず、今回の条例改正案では、墓地の適切な管理運営のために必要な管理事務所や駐車場等の設置、一定規模の緑地の確保など、墓地の構造設備に関する新たな基準を設けております。また、墓地の建設に際して、隣接住民等から意見の申し入れがあった場合には、申請予定者に対して、隣接住民等との事前協議を指導するなどの規定を設けております。これらの規定を適用することにより、地域の環境と調和のとれた墓地経営に資するものと考えております。
 次に、事前周知制度の効果についてでございますが、墓地等の経営許可申請に先立つ事前周知制度は、墓地等の計画に関する標識の設置、説明会の開催、隣接住民等からの意見の申し入れによる協議の指導、またこれらの指導に従わないときの公表などを内容としております。このことによりまして、申請予定者と周辺住民とのあつれきの未然防止に大きな効果があるものと考えております。

○議長(渋谷守生君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時二十五分休憩

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