ロゴ 東京都議会

Tokyo Metropolitan Assembly

平成十二年東京都議会会議録第十二号

○副議長(五十嵐正君) 十一番林知二君。
   〔十一番林知二君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○十一番(林知二君) 私は、都議会民主党を代表し、当面する都政の主要課題について知事並びに関係局長に伺います。
 まず、冒頭に都民の皆様におわびを申し上げなければなりません。かつてこの都議会に籍を置き、私たちの同志でもありました山本前代議士が、去る九月四日、東京地検特捜部に詐欺容疑で逮捕、二十二日起訴されました。このような疑惑を持たれ、逮捕にまで至ったことだけでも、政治家として、その罪万死に値するといわなければなりません。
 私たちは、このたびの事態を深刻に受けとめ、二度と再びこのようなことを繰り返すことのないよう、我が身を、我が党を厳しく律していく決意であります。
 また、都議会各会派の皆様には、私どもの議員の行為によって政治不信を高め、ご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げます。
 さて、三宅島の火山活動及び新島・神津島近海の地震は、六月二十六日に緊急火山情報が発せられてから三カ月を経た今も続いています。約一万四千回にも及ぶ有感地震とがけ崩れ、地割れなどの中で不安な日々を送られている新島、神津島など各島の島民の皆様、とりわけ、相次ぐ噴火で火山灰に厚く覆われ、島外への避難を余儀なくされた三宅島の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。そして、繰り返される地震と落石等の危険の中で、ライフラインの維持、確保、復旧工事に当たられている皆様、そして、この三カ月の間、状況の変化に対応して、次々と迅速に対策を講じられている東京都職員の皆様に敬意を表したいと思います。
 私たちも一日も早く地震活動がおさまることを祈りつつ、国に対して強力な支援を要請するとともに、微力ながら、都内各地で伊豆諸島災害救援カンパを呼びかけ、支援ボランティアの派遣を進めています。
 今後も、国や東京都とも連携して、島民の皆さんの生活再建、復興対策に全力を挙げたいと考えています。
 そこで伺いますが、知事はさきの所信表明で、この先も万全の体制を整え、島の再生に全力を尽くすと述べられましたが、これは新たな予算措置、補正予算の編成をも含めてと理解するものですが、見解を伺います。
 さて、現在、石原都政の長期構想である東京構想二〇〇〇の策定作業が進められていますが、この構想では、目指すべき東京の将来像の中で、六十五歳から七十四歳の層を現役世代である五十代シニアの延長、すなわち、円熟したシニアととらえ、蓄積した知識、経験、技術を生かして働き続けることで、豊かな人生を送るとしています。そして、取り組みの方向性の中では、求人時の年齢制限の禁止の法制化などを国へ強く働きかけるとしています。
 どれもが理解できるものですが、求人時の年齢制限の禁止を実効あるものとするためには、企業等がこれまでの年功序列的賃金体系を能力・成果主義の賃金体系に転換していくことになります。
 これまでの賃金体系は、就職、結婚、出産、育児、教育など人生のステージに合わせて上昇していく生活給でもありました。しかし、この体系を能力・成果主義の賃金制度に転換していくことは、こうした人生の各ステージにおける負担を、個々の企業にではなく、社会に求めることになります。雇用保障も個々の企業ではなく、労働市場全体を通じて保障していかなければなりません。
 円熟シニアが、真に蓄積した知識、経験、技術を生かして働き続けることで、豊かな人生を送るためには、労働市場全体で雇用を保障し、出産、育児、そして教育などの人生の各ステージにおける負担を社会的に保障していく、そのような社会を目指さなければならないと考えますが、所見を伺います。
 また、この構想では、十五年後の東京の望ましい姿を、長い歴史に根差す文化と伝統を持ち、国際都市にふさわしい活力と魅力に満ち、国内外の人々を引きつけ、多くの人が交流する都市であるとしていますが、今の東京は、質の高い住宅の不足や道路の慢性的渋滞、都市の風格の欠如など、都市の魅力が外国の都市と比べて相対的に整っていないのが現状であります。
 この現状から、十五年後の東京の望ましい姿を実現していくための核となるのが、山手線の内側、この構想でいうセンター・コア・エリアをどうしていくかであろうと思います。
 このエリアには、多様な業務機能が集中しているだけではなく、都心周辺には六義園や小石川植物園、谷中、雑司ヶ谷の霊園や寺社、歴史を感じさせる地名、坂道など、歴史、自然、文化を感じさせる各種の資源が残されています。また、都心を取り巻く都心近接居住推進地域では、用途別床面積の半分を住宅が占めています。
 この構想でも都心居住の推進が掲げられていますが、私は高度の業務機能を取り巻く都心近接居住推進地域に歴史的、文化的資源と共存する良好な住環境を整備することが、東京の魅力を高めるキーになると考えるものですが、所見を伺います。
 次に、東京都の外交について伺います。
 私たちは、日ごろの知事の外交問題に関する発言に相当の危惧の念を抱いております。知事は、本会議答弁などでも平然と、北京に友好を感じないなどと発言され、これまで日中の友好に尽力してきた多くの都民をがっかりさせました。北京に対する過激なまでの批判など、知事の台湾への接近とも相まって、知事の立場を利用して特定の価値観を宣伝しているとしか思えないような発言が目立ちます。
 私たちは、決して台北市との都市交流そのものを否定するものではありません。むしろ、交流は積極的に進めるべきと考えています。ただし、これまで先人たちが築き上げてきた都市交流の歴史を踏まえ、世界都市東京としての冷静かつ長期的視野に立った対応が必要であると主張するものであります。
 これまで何度も議会で取り上げてきましたが、改めて、二十年来の友好都市である北京市との関係をどうするつもりなのか、東京都知事としての見解を伺います。
 さて、東京都が主唱して世界の大都市の首長が顔を合わせるものに、世界大都市サミット会議があります。三年に一回開催されるこの会議は、ことしはちょうどあしたから北京で開催されます。石原知事は、日程の都合で欠席ということになりました。本来であれば、主唱者であり、会長である東京都知事が、隣国であり、友好都市である北京市主催の今回の会議に一部分なりとも出席すべきでありました。知事が北京にみずから赴かれることが、これまでの険悪なムードを多少でも改善できる絶好の機会でもあったと思われ、非常に残念であります。
 知事は、今回の世界大都市サミット会議の欠席について、いかなる所見を持たれ、また今後、このサミット会議にどのように関与していくおつもりか伺います。
 ところで、この八月にアジア大都市ネットワーク共同提唱都市首長会議が行われ、共同で取り組むテーマなどについて話し合われました。今後、他のアジアの諸都市に参加を呼びかけることとなっているわけですが、先般の会議の結果を踏まえて、今後どのようにアジア大都市ネットワークを展開していくのか伺います。
 次に、産業振興ビジョンについて伺います。
 ことし七月に東京都産業振興ビジョンの最新報告が発表されました。都民によるチャレンジプロジェクトの提案やメーリングリストの活用など、これまでにない手法を取り入れるとともに、内容的にも示唆に富むものも見られ、まさに都民の英知を集結したものとなっています。
 今後、この報告書の趣旨を踏まえ、産業振興策を着実に実施していくためには、国に規制緩和を働きかけ、東京都も新たな財政措置を講じていかなければなりません。
 そこで、まず石原知事に、この産業振興ビジョンをどのように評価し、どのように実行していくのかを伺います。
 東京都産業振興ビジョンでは、産業インフラの整備が重要な課題であるとしていますが、その中でも、私たちは情報通信インフラの整備が急務であると考えます。しかし、幾ら情報通信インフラを整備しても、多くの情報や許認可権を持つ行政庁の対応がおくれていては、インフラの効果を十分に発揮することはできません。
 東京都が九月八日に発表した都庁改革アクションプランの中間のまとめでは、年度内に電子都庁推進計画を策定するとしていますが、計画策定を待たずに、実施できるものは早期に実施していく必要があるのではないでしょうか。
 インターネットを通じて都民が入手することができる情報量の拡大や、ワンストップサービスの早期実現など、都民サービスの向上のために大胆にIT化を進めるべきと考えますが、電子都庁の推進に向けた決意を伺います。
 一方で、東京都が関与して整備された施設の中に、都民が快適な環境で情報通信を利用できない事態も生じています。
 例えば、都営住宅においては、ケーブルテレビなどの導入が認められてはいるものの、建物によってはインターネット及びケーブルテレビ電話を利用できない場合があるのです。私は、より多くの都民が快適な環境で情報通信を利用できるよう、都営住宅においてもケーブルテレビを利用したインターネット及びケーブルテレビ電話の利用が可能になるよう、適切に対応すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、中小企業への総合的な支援について伺います。
 近年、東京における民間企業の開業率が年々低下し、廃業率を下回るなど、産業の新陳代謝機能の低下が指摘されています。これらを克服するためにも、ベンチャー企業などへの総合的な支援を通じて、東京の産業を活力あるものにしていかなければなりません。
 東京都でも、今年度から新産業育成総合支援事業を創設し、創業期から各成長段階に応じて直面する経営課題に対して、弁護士等の外部専門家を派遣するなどの取り組みを行っております。しかし、順調に成長段階を歩むものは少数であり、経営の革新期を迎える企業に対しても、積極的に支援をしていく必要があります。
 私は、現在、東京都が行っている各種支援機関等をネットワーク化し、ベンチャー企業を初めとする中小企業に対して、民間とも連携しながら、総合的な支援体制を構築していくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、中小企業制度融資についてです。
 先日、東京都商工指導所が発表した都内中小企業の資金調達に関する調査によれば、貸し渋りはほぼ鎮静化したと分析しています。また、中小企業の景況も、回復基調にあるといわれるものの、依然として借入金返済が困難な状況も続き、東京都信用保証協会の代位弁済額も一千億円を超える大変厳しい状況にあります。
 したがって、公的融資への期待度も高いのでありますが、私は地域の中小企業に対する、これまでの間接金融としての制度融資については、区市町村が主体となりつつ、東京都においては直接金融を通じた資金調達への支援や、企業の技術力や将来性などを積極的に評価する制度融資など、政策誘導的な取り組みに重点をシフトすべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、商店街の振興について伺います。
 地域コミュニティの核である商店街の振興は、東京の活力に欠かせない課題であります。しかし、後継者難や高齢化などの問題により、多くの商店街が衰退の危機に直面しているのが現状です。また、近年の規制緩和による大規模小売店の無秩序な出店が、この傾向にさらに拍車をかけ、良好な住宅地の環境悪化やコミュニティの停滞など、地域のまちづくりにも影響を与えています。
 九月二十日に発表された二十一世紀商店街づくり振興プランでは、区市町村の主体的な取り組みを求めておりますが、そのためには、まず区市町村において、商店街をまちづくりの中でしっかりと位置づけ、地域の人たちと連携しながら、経営革新を含めた商店街の振興にどのように取り組んでいくのかといったプランを持つことが重要です。
 私は、各区市町村が商店街の振興に向けてのプランが策定できるよう、東京都としても情報提供や財政的な支援などを積極的に講じていくべきと考えますが、見解を伺います。
 また、このような面的な取り組みとあわせて、商店街の経営革新を支援していくことも重要です。既に東京都においては、商店街の活性化のために、活力ある商店街育成事業や中小企業振興基金事業などにより、情報化推進事業を実施しているところですが、電子商取引、Eコマースなど、昨今のIT化に対応していくためには、財政的な支援のみならず、人的あるいは技術的支援も講じていく必要があります。
 私は、商店街情報推進化事業を拡充し、IT化時代における商店街の活性化についても適切に対応していくべきと考えますが、見解をお伺いします。
 次に、労働行政についてです。
 総務庁が八月二十九日に発表した七月の労働力調査によると、完全失業率は四・七%、完全失業者数は三カ月連続で減少しているとはいえ、三百七万人で、依然高い水準にあります。
 産業振興により、地域の雇用を創出、確保していくことも重要でありますが、一方で新規求人数がIT関連を中心に伸びているという中にあって、雇用ミスマッチの解消も緊急の課題です。ミスマッチを解消するためには、職業訓練の充実などに取り組んでいく必要がありますが、当面、雇用にかかわるさまざまな情報を収集し、提供していくことも必要ではないでしょうか。
 私は、公共職業安定所や民間の職業紹介機関、使用者団体などが持つ情報と、労働組合などが持つ情報とを連携させながら、雇用にかかわる情報に都民が容易にアクセスできる労働ネットワークシステムを構築することが必要であると考えますが、見解をお伺いいたします。
 次に、労働行政の転換について伺います。
 先ほど、年功序列的賃金体系の転換に触れましたが、もう一方では、日本的雇用慣行である終身雇用も崩れ、労働者を取り巻く環境は、今、大きな転換点にあります。これまでのように、経済成長に伴い、民間企業に雇用される労働者の比率が高まっていく中では、産業政策と労働政策が一体的に進められることは理解できます。しかし、これからは、戦後の、食べるために働くから、よりよく生きるために働くことに重点が移っていくことになります。
 そのときに、働く場は、従来の企業への就職から、NPOやワーカーズコレクティブなど、営利を求めない分野にも広がっていくことになります。企業への就職においても、一社で定年までから、みずからの能力を生かして複数の就業人生を送るようになってきます。
 こうした新しい働く環境のもとでは、産業政策と一体化した労働行政ではなく、産業政策からは独立し、働くことの価値に着目した労働行政を目指すべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、心の東京革命について伺います。
 今回の心の東京革命行動プランに書かれてあることは、どれもまことにごもっともという内容であり、いわば当たり前のことであるがために、このようなことを行政が提唱しなければならないことに、いささかの違和感をさえ覚えます。家庭や地域での教育の取り組みをバックアップするという意味で、東京都がこれをあくまで参考として提示するのはよいと思いますが、行政からの、させよう、しようばかりでは、子育てをかた苦しくし、かえって都民の反感を買い、逆効果になるのではないでしょうか。
 そこで幾つか伺いますが、まず、日々子どもと接しているのは家庭であり、学校であり、地域であります。当然ながら、住民に最も身近な自治体である区市町村の役割は大変重要です。そこで、この心の東京革命行動プランを作成するに当たって、区市町村との話し合いをどのように進めてきたのか、また、今後どのように連携を図っていくのか、お伺いいたします。
 行政がやるべきバックアップとしては、家庭や地域の子育てに直接立ち入ることではなく、社会環境の整備であろうと思います。例えば、私たちがこれまでも繰り返し訴えてきた有害情報から子どもを守る問題は、過度の情報化社会において、これまでに経験したことのないほどの注意と努力が必要と考えます。
 行動プランにある有害情報についての認識は記述のとおりであると考えますが、マスコミが有害情報を流さないようにするというのは、何が有害であるかという共通の認識とマスコミによる自主的な規制が必要で、マスコミ等の理解、協力が不可欠であると考えます。非常に難しい問題であると思いますが、どのようにこれを推進しようとするのか、見解を伺います。
 子どもに対する教育力を幾ら強調したところで、大人社会がけじめのないことでは、何にもならないばかりか、かえって子どもの混乱と反発を招くことでしょう。例えば、子どもにとっての有害情報のはんらん、公共媒体における行き過ぎた表現、あるいは酒、たばこがだれでも簡単に購入できる状況の放置など、早急に取り組まなければならない課題が山積しています。これまでも私たちが繰り返し求めてきた、コンビニエンスストアなどにおける有害図書の区分陳列や電車の中づり広告などの問題について、改めて東京都の対応の進捗状況と認識について伺います。
 次に、環境問題について伺います。
 ことしの夏も非常に暑く、真夏日、熱帯夜が長期間続きました。東京都心部の気温は、この百年で約二・九度上昇しており、熱帯夜は昭和三十年代と比べて倍増しているということであります。約三十年後の都心部は四十度を優に超える日が多くなるとの予測もあります。東京の温度が高い原因は、地球の温暖化現象と、いわゆるヒートアイランド現象の両面が考えられます。最近では、局地的なスコール型の集中豪雨がふえ、雨水が一気に地下室に流れ込むなどの都市型水害が発生しています。これなども、ヒートアイランド現象との関連が指摘されているところであります。
 ところで、東京では旺盛な事業活動が展開されていますが、これを支えていくためには膨大なエネルギーを必要とします。事業活動が活発であることは、東京の活性化にとって望ましいことではありますが、大量のエネルギー消費、すなわち二酸化炭素の排出のもとで、温暖化防止の対策を進めるのは非常に難しい問題であると考えます。東京都は、この温暖化防止の対策についてどのように取り組むのか、伺います。
 二酸化炭素は排出の抑制が最も重要なことですが、その一方で、二酸化炭素の吸収、すなわち緑をふやす取り組みも積極的に進めるべきと考えます。先日、東京都は緑の東京計画中間のまとめを作成しましたが、これまでの緑の倍増計画と比べて、ヒートアイランドの緩和や温暖化防止の視点が入っているのは評価できると思います。そこで、改めて、今後東京の緑をふやすためにどのような施策を展開しようとしているのか、お伺いをいたします。
 また、先般、自然環境保全審議会から、いわゆる自然保護条例の改正について答申が出されました。そこでも、ヒートアイランド対策として、市街地の緑化の推進が提案されています。中でも、特に建築物の屋上などの緑化が挙げられており、私たちはこれを積極的に推進すべきものと考えます。東京都は、この答申を受けて、屋上の緑化などの事業をどのように進めようとしているのか、お伺いをいたします。
 ところで、自然保護条例改正の答申では、ほかにも幾つかの興味ある提案がなされています。その一つに、里山保全地域の新設があります。
 里山は、昔から人の生活とのかかわりの中で多様な生物がはぐくまれ、独特の生態系を有する貴重な場所であります。しかし、多摩の丘陵地の里山は、開発の進行や農林業を取り巻く環境の変化から、急激に失われつつあります。こうした里山を新しいタイプの保全地域に指定し、守っていくという答申の提案は評価できます。東京都は、その実現に向けて、具体的にどのように取り組もうとしているのか、お伺いをいたします。
 以上で都議会民主党を代表しての質問を終えます。知事並びに関係局長の誠意ある答弁をお願いいたします。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 林知二議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、災害関連の補正予算の編成についてでありますが、三宅島を初めとする伊豆諸島の災害関連の対策については、まさに喫緊の課題でありまして、都としても万全の体制を整え、島の復旧と再生に全力を尽くす決意であります。
 ただ、三宅島では現在も噴火が続いておりまして、災害対策が日々進行中の状況にあります。具体的な対応については、災害状況等の動向を踏まえながら、繰り返して申しますけれども、ある時点でめどをつけて、補正予算も含め、必要な財政措置を講じていくつもりであります。
 次いで、円熟シニアを含め、人々が豊かな人生を送ることのできる社会づくりについてでありますが、東京構想が目指す社会像は、個人や企業が、その持てる能力を最大限発揮できるよう、そういうシステムの整備された社会であると思います。すなわち、結果の平等ではなく、積極的な挑戦を促す、機会の平等とその成果を正当に評価する新しい公正の原理が重視されるべき社会であると思います。
 そのためには、みずからの行動の責任は自分がとるということを前提としながらも、一度挑戦に失敗したことや、あるいは疾病に陥って自助では対応できなくなった場合など、その後立ち直れなくなるといった致命的な事態に陥らないよう、それを社会的に保障するセーフティーネットを構築しておく必要があると思います。
 次いで、北京市との友好関係でありますが、世界の各地域と交流を行い、友好を深めることは好ましいことであります。北京市とは、これまでも二十一年にわたり、姉妹・友好都市の一つとして、青少年交流やスポーツ・文化交流、技術交流などを実施してまいりました。これらの経緯を踏まえ、必要な交流事業を続けていくべきだと思います。
 これに付随して、私の外交スタンスについてのご批判がございましたが、お互いに、都議会議員として、都知事として、都市の外交というものを考えるならば、そのかかわりの実態、相手の実態というものを冷静に把握する必要があると思います。
 私が嫌いなのは、北京市じゃないんです。北京の政府なんです。共産党の、要するに共産主義が嫌いなんです。共産党の、要するに独善的な支配による、そういう政治が嫌いなんです。(「そうだ」と呼ぶ者あり、拍手)ですからね、(「知事だからそういうことをいうんじゃない」と呼ぶ者あり)いや、知事だからこそいうんですよ。(「そうだ」「とんでもないよ」と呼び、その他発言する者あり)
 いいですか、沖縄までが中国の領土であるなんという要人が、このごろ向こうの政府にいる。しかも、その国に私たちの税金から延べ三兆のODAを貢いで、しかも、相手は水爆をつくっている。しかも、核弾頭で装備した戦術ミサイルを、ネパールで百万人以上の人を殺して、チベットで殺して、インド向けに配備している。これは、明らかにインドの核の保有というものを促している。さらに、それがパキスタンに……。私たちが最も忌み嫌う核の拡散の引き金を引いているのは、北京じゃないですか。
 私は、だからそういう政府を認めないといっているわけでありまして、私は中国人も、北京の市民も、要するに北京市も、それはやっぱり友好の対象としますけれども、私が要するに北京についてコメントするのは、そういうスタンスであります。(発言する者あり)
 次いで、世界大都市サミットの会議についてでありますけれども、世界大都市サミット北京会議は、都議会開会中のことでもあり、副知事を代理として派遣するものであります。
 世界大都市サミット会議は、今回で六回目となります。発足以来十五年が経過しておりますが、今後は、加盟各都市等の意向も考慮して、時代の要請に応じた会議のあり方を考えていきたいと思っております。
 次いで、産業振興ビジョンの評価と実行についてでありますが、今回の産業振興ビジョンでは、ITを活用して、中小企業を初めとする広範な都民からの政策提言を受け、都民の英知を結集して策定したものであります。
 このビジョンは、民間、行政を含めた、これからの産業振興の基本戦略となるものと考えております。今後、ビジョンの基本方向と政策目標に基づき、着実に事業を推進し、産業の活性化と雇用の創出を図っていきたいと思います。
 なお、その他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔政策報道室長安樂進君登壇〕

○政策報道室長(安樂進君) センター・コア・エリア内に良好な住環境を整備することについてのお尋ねでございますが、東京に欠けているといわれるものに、良好な住環境と風格ある町並みということがよくいわれます。
 東京構想では、山手通り内側のいわゆるセンター・コア・エリアにおいて、計画的な土地の有効利用や高度利用を進めながら、業務機能、商業機能などと複合した形で、居住機能の創出に努めることとしております。
 こうした有効利用や高度利用によって、新たなオープンスペースを大量につくり出し、緑を確保するとともに、まだ残っている良好な住環境の保全を進め、歴史的文化資源を生かした、首都としてふさわしい風格のある都市づくりを行うことができると考えております。
 また、環状道路の整備や交通需要マネジメントの実施により、交通渋滞や自動車公害を改善し、こうした面からも良好な居住環境の確保を目指していきます。
   〔生活文化局長高橋信行君登壇〕

○生活文化局長(高橋信行君) アジア大都市ネットワーク21の今後の展開についてでありますが、今回の四都市から成る共同都市首長会議では、他のアジア各地域の代表的な都市に参加を呼びかけることに合意いたしました。今後、これら共同提唱都市と連携を図りながら、他都市への呼びかけに着手をしてまいります。
 また、共同プロジェクトについては、来年東京で開催する全体会議に向け、参加各都市との協議を重ね、また、産・官・学の連携を図る取り組みなどを通じて、効果的な事業の構築を目指してまいります。
 次に、心の東京革命行動プランの作成及び今後の推進に当たっての区市町村との連携についてでありますが、心の東京革命は、広く都民や地域団体等の参加を得て、家庭、学校、地域等において具体的な行動を実践していく運動であります。このため、住民に身近な区市町村の役割は大変重要であり、これまでも、行動プランの策定に当たりまして、心の東京革命推進会議や連絡会議などにおいて、種々意見交換に努めてきたところであります。
 今後とも、区市町村において、心の東京革命の趣旨を踏まえたさまざまな取り組みが実施されるよう、積極的に働きかけを行っていくとともに、行動プランの推進に向けて、十分連携を図ってまいります。
 次に、青少年の健全育成に係るマスコミ等への対応についてでありますが、都としては、これまで、東京都青少年の健全な育成に関する条例に基づき、出版等関係業界に自主規制を要請するとともに、定期的に情報交換の場を設けているところであります。
 今後、心の東京革命の推進に当たり、推進協議会へのマスコミ関係者の参加を呼びかけるとともに、さまざまなキャンペーン活動を通じ、関係業界に対して一層の理解と協力を求めていきます。
 最後になりますが、有害図書などの問題に対する都の認識と対応状況についてでありますが、昨今、青少年に好ましくない有害な情報のはんらんは、大変憂慮すべき状況と認識しております。都における調査でも、コンビニエンスストアについて、成人向け図書の区分陳列の未実施の店舗が多く、何らかの対策を求めている都民が八割を超えているとの結果が出ております。
 こうした状況もあり、現在、不健全図書類の効果的な規制のあり方などについて、青少年問題協議会で検討中であり、年内を目途に答申をいただき、必要な条例の改正を行っていきたいと考えております。
   〔総務局長大関東支夫君登壇〕

○総務局長(大関東支夫君) 電子都庁の推進につきましてお答えいたします。
 都の施策にITを大幅に取り入れ、情報提供や各種申請等の電子化を進め、都民サービス向上を図っていくことは、都政にとって緊急の課題と認識しております。
 このため、本年十月には、都庁の情報基盤であるTAIMSをインターネットに接続いたしまして、都民との双方向の情報交流を充実していくところでございます。
 また、既に九月に都庁のホームページを改善いたしまして、入手できる申請用紙等の範囲を大幅に拡大しました。今後は、可能なものから、手続そのものをIT化にふさわしいものに改善するなど、さらに都民にとって利用しやすいものにしていきたいと思っております。
 また、今年度中に電子都庁推進計画を策定いたしまして、全庁挙げての総合的なIT施策を迅速に展開していきたいと考えております。
   〔住宅局長戸井昌蔵君登壇〕

○住宅局長(戸井昌蔵君) 都営住宅における、ケーブルテレビによるインターネットなどの利用についてでございますが、まず、ケーブルテレビの回線を使用したインターネットの利用につきましては、ケーブルテレビが普及した地域におきましては、既存住宅を含めまして、最近では導入が可能となりました。
 また、この回線を使用した電話につきましては、住棟単位で一括して加入する場合など、導入の可能性は考えられますけれども、技術的問題、また既設電話事業者との調整などがございますので、今後、検討をしてまいりたいと考えております。
   〔労働経済局長浪越勝海君登壇〕

○労働経済局長(浪越勝海君) 産業振興ビジョンに関します六点の質問にお答えいたします。
 まず最初に、中小企業に対する総合的な支援体制の構築についてでございますが、ベンチャー企業など中小企業の育成には、技術、経営、資金面などの支援を、企業の成長段階に応じて行っていくことが重要でございます。そのため、東京都中小企業振興公社を核に、産業技術研究所や大学、民間等をネットワーク化し、多面的な支援を行う総合支援機構を構築することとしております。
 現在、本年六月に設置した推進協議会において、各種支援策を一カ所で紹介できる窓口の設置、企業の成長段階に応じた支援策の実施など、中小企業を総合的、継続的に支援していく仕組みを検討しているところでございます。
 次に、中小企業制度融資についてでございますが、都はこれまで、創業支援融資など中小企業振興施策と連携した政策支援融資を創設するとともに、民間金融機関から自力で融資を受けることが困難な中小企業者に対しても、間接金融としての制度融資を行ってきたところでございます。
 また、債券市場の創設や、中小企業投資事業有限責任組合の設立など、直接金融による中小企業の資金調達の多様化にも努めているところでございます。
 今後とも、制度融資については、融資の実態や、都と区市町村の役割分担も踏まえつつ、社会経済環境の変化に的確に対応してまいります。
 第三に、区市町村の商店街振興プランづくりに対する支援についてでございますが、商店街の振興に当たっては、地域の実情に精通し、商店街とのかかわりが強い、基礎的自治体である区市町村の果たす役割は極めて大きいものと考えております。
 このたびの、二十一世紀商店街づくり振興プランの中間のまとめにおいても、区市町村が主体的にプランを策定することの重要性が位置づけられているところでございます。
 今後、都としても、区市町村のプランづくりを支援していくため、基本的な指針の提示や新しい支援策について検討し、地域コミュニティの核である商店街の活性化が図られるよう努めてまいります。
 次に、IT化時代における商店街の活性化についてでございますが、情報技術の活用は、ホームページの作成や顧客ニーズの把握、電子商取引など、商店街の活性化を図る上で重要な要素となっております。
 都としても、こうした動向を踏まえ、活力ある商店街育成事業や中小企業振興基金事業を積極的に活用し、商店街の情報化の推進に努めてきたところでございます。
 今後、IT関連人材の育成や研修事業などにも取り組み、商店街の活性化と地域活力の再生に向け、積極的に支援してまいります。
 次に、労働ネットワークシステムについてでございますが、お話のように、きめ細かな雇用関連情報の提供は、雇用のミスマッチを解消する上で有効な手段の一つであると考えます。このため、都が独自に収集する中小企業や公共機関の求人情報を初め、ハローワークなどのさまざまな職業紹介機関の持つ情報と連携した、総合的な雇用関連情報を提供するためのシステム開発に、現在、取り組んでいるところでございます。
 今後、求人企業の開拓や連携する機関の拡大を図りつつ、より効果的なシステムとなるよう努めてまいります。
 最後に、これからの時代の労働行政についてでございますが、産業構造の変化と、働く人々の価値観の多様化の中で、複雑化する雇用・就業問題に対応していくためには、都民の就業ニーズを的確に把握するとともに、雇用の場をつくり出していく産業政策とも十分連携して、労働政策を展開していくことが重要であります。
 こうした中では、NPOやワーカーズコレクティブなどの多様な働き方の増加や、働く人々の職業能力、いわゆるエンプロイアビリティーの向上にも適切に対応することが不可欠と考えております。
 今後とも、働く人々を取り巻く環境の変化に対応した幅広い労働行政を展開してまいります。
   〔環境局長中野英則君登壇〕

○環境局長(中野英則君) 環境問題四点についてお答えいたします。
 まず、地球温暖化対策についてでありますが、都市活動は、多量のエネルギーの消費によって支えられておりますが、一方で、限りある資源を有効に活用することや、環境への負荷を低減していくことが強く求められております。
 このため、広く都民に意識改革を求めていくとともに、事業者に対してもエネルギー消費の抑制を促していくことが重要であります。
 今後、改正を予定しております公害防止条例において、地球温暖化の最大の要因であります二酸化炭素の排出量の抑制を初めとした、環境負荷低減計画書の作成などについて、一定規模以上の事業者への義務づけを検討してまいります。
 次に、緑をふやすための取り組みについてでありますが、今後の東京の緑づくりにおいては、緑の持つ都市環境改善などの機能を最大限に活用していくことが必要であります。
 このため、緑の東京計画中間のまとめにおいては、気象緩和や地球温暖化の抑制などの機能を持つ水と緑を総合的にとらえ、新たな指標として、緑率を設定いたしました。
 今後は、この緑率の向上に向けて、今ある緑の保全はもとより、公共施設や民間施設の緑化、道路や河川などの整備に合わせた緑の創出、身近な生物の生息場所であるビオトープの設置などにより、市街地の緑の回復を図ってまいります。
 次に、屋上等の緑化についてでありますが、ヒートアイランド対策として、市街地の緑化は重要であり、積極的に進める必要があります。とりわけ屋上等の緑化は有効であり、都は、全国に先駆けて本年四月から指導を開始いたしましたが、一層の普及を図るためには、その推進に向けた仕組みづくりと、都民の理解と協力が必要と考えております。
 今後、東京都自然環境保全審議会の答申を踏まえ、届け出義務の条例化を検討するとともに、設計者、建設業者等の関係者による推進会議を設けるなど、屋上等の緑化を積極的に推進してまいります。
 最後に、里山の保全についてであります。
 里山は、農耕が営まれてきた谷戸や湧水、周辺の雑木林が相まって、季節に応じた動植物が多様な生態系を形成する貴重な自然であることは、ご指摘のとおりでございます。
 そのため、東京都自然環境保全審議会の答申を踏まえ、新たな制度として、里山保全地域の条例化を検討するとともに、多くの都民の参加を図りながら、里山の自然の積極的な回復と保護に努めてまいります。
   〔十一番林知二君登壇〕

○十一番(林知二君) 再度、質問をさせていただきます。
 知事と議論したら、恐らく――恐らくじゃなくて、間違いなく私が一〇〇%負けるとは思いますけれども(発言する者あり)一言。
 知事の答弁の中にありますように、東京都が北京市と友好関係を持って二十一年になるわけであります。やはりその歴史も大事にしていただきたい。
 そしてまた、東京の町場の中では、民間ベースで、あるいはそれぞれの立場で、中国と友好関係を築いていこうという立場で活動している人たちがたくさんいるわけでありますから、ぜひとも知事としての発言のときには、そうした人たちにも配慮をしていただきたい。そういう発言をお願いしたいという意味で申し上げたわけでありますので、ご理解をいただきたいと思いますし、おのずと自治体としての外交のあり方もあろうかと思います。そうしたことをお伝えしたかったわけでありますので、答弁がありましたら、お願いをしたいというふうに思います。(発言する者あり)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) おっしゃることの意味はよくわかりましたけれども、格段それについてお答えすることはございません。(発言する者あり)

○六十七番(三宅茂樹君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこの程度にとどめ、散会されることを望みます。

○議長(渋谷守生君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(渋谷守生君) ご異議なしと認め、さよう決定いたします。
 明日は、午後一時より会議を開きます。
 念のため申し上げます。
 ただいまご着席の方々には改めてご通知いたしませんから、さようご了承願います。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後六時四十七分散会

ページ先頭に戻る