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Tokyo Metropolitan Assembly

警察・消防委員会速記録第三号

平成十五年二月二十七日(木曜日)
第十一委員会室
   午後一時四分開議
 出席委員 十四名
委員長吉野 利明君
副委員長大木田 守君
副委員長坂口こうじ君
理事樺山 卓司君
理事清原錬太郎君
理事秋田かくお君
中村 明彦君
花川与惣太君
小山 敏雄君
大山  均君
石井 義修君
藤井 富雄君
内田  茂君
田中  良君

 欠席委員 なし

 出席説明員
警視庁警視総監石川 重明君
総務部長佐藤 正夫君
警務部長岩橋  修君
交通部長渡邉  晃君
警備部長池田 克彦君
地域部長濱口 征三君
公安部長米村 敏朗君
刑事部長米田  壯君
生活安全部長友渕 宗治君
組織犯罪対策本部長宮本 和夫君
総務部企画課長関根 榮治君
総務部会計課長鹿倉 則彰君
東京消防庁消防総監杉村 哲也君
次長人事部長事務取扱白谷 祐二君
総務部長関口 和重君
警防部長尾崎 研哉君
防災部長鈴木 正弘君
救急部長水崎 保男君
予防部長鈴木 淳雄君
指導広報部長櫻岡 正規君
装備部長福田 市郎君
総務部企画課長佐藤 行雄君
総務部経理課長稲葉 義行君

本日の会議に付した事件
 警視庁関係
  予算の調査(質疑)
  ・第一号議案 平成十五年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 警視庁所管分
  付託議案の審査(質疑)
  ・第百二十五号議案 警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例
 東京消防庁関係
  予算の調査(質疑)
  ・第一号議案 平成十五年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 東京消防庁所管分
  付託議案の審査(質疑)
  ・第百二十六号議案 東京消防庁職員定数条例の一部を改正する条例

○吉野委員長 ただいまから警察・消防委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、警視庁及び東京消防庁関係の平成十五年度予算の調査並びに付託議案の審査を行います。
 この際、予算の調査について申し上げます。
 平成十五年度予算については、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成十五年二月二十四日
      東京都議会議長 三田 敏哉
警察・消防委員長 吉野 利明殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、二月二十四日付で予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
  記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 二月二十八日(金)午後五時

(別紙1)
警察・消防委員会
 第一号議案 平成十五年度東京都一般会計予算中 歳出 債務負担行為 警察・消防委員会所管分

(別紙2省略)

○吉野委員長 これより警視庁関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員の交代がありましたので、石川警視総監から紹介があります。

○石川警視総監 先般の人事異動により、幹部の交代がございましたので、ご紹介申し上げます。
 生活安全部長から交通部長に転じました渡邉晃、生活安全部長の友渕宗治、以上の二名でございます。どうぞよろしくお願い申します。
〔理事者あいさつ〕

○吉野委員長 紹介は終わりました。

○吉野委員長 次に、予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、平成十五年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、警視庁所管分及び第百二十五号議案、警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例を一括して議題といたします。
 本案については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○吉野委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○吉野委員長 異議なしと認め、予算及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で警視庁関係を終わります。

○吉野委員長 これより東京消防庁関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、平成十五年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、東京消防庁所管分及び第百二十六号議案、東京消防庁職員定数条例の一部を改正する条例を一括して議題といたします。
 本案については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○清原委員 初めに、韓国の地下鉄放火事件に関連して、何点かお伺いいたします。
 去る二月十八日午前、韓国第三の都市、大テ邱グ市で地下鉄火災が発生し、死者百八十二人以上、負傷者百四十六人などを出す大惨事の災害に発展しました。火災による犠牲者を拡大させた原因として、だれしも予想しがたい、電車内にガソリンをまいて火をつけた放火犯の行為はもとより、車両の素材や安全装置の不備、避難措置の不徹底などの複合要因が重なったことにより大惨事を招いたと新聞で報道されておりました。
 外国で起きた地下鉄放火事件だと簡単に片づけていいはずはありません。もし私たちが住んでいる、この東京の地下鉄で同様の火災が起きた場合、身の毛がよだつ思いがいたします。地下鉄は密閉性が高く、一たん火が出ると煙が充満し、熱が放出されにくい構造で、しかも乗客の避難や消火活動は困難をきわめると思います。
 そこで、伺います。韓国と同様な火災が発生した場合、東京消防庁では総力を挙げて消防活動を展開されると思います。私は、地下鉄駅という悪い環境のもとで消防活動が強いられることを思うとき、乗客の安全確保のため、避難誘導や救助、救出などについて、事前の活動対策を講じておくべきと考えます。どのような活動対策がとられているのか、まずお伺いいたします。

○尾崎警防部長 今回の韓国大テ邱グ市の火災を見てもわかるとおり、地下鉄火災は、出入り口が限られ、進入する消防隊の数が制限されるほか、避難方向と濃煙、熱気の流動方向が消防隊の進入路と競合するなど、消防活動は極めて困難であります。また、複雑な建物構造は、乗客などの避難を難しくするとともに、消防隊員は閉鎖的空間に充満した濃煙、熱気の中での長時間の消防活動を余儀なくされます。
 東京消防庁では、過去の火災事例と火災実験結果を踏まえ、組織活動による人命救助を最優先とした地下鉄道火災消防活動基準、多数傷病者発生時の救助救急活動基準と、各駅の実態に合わせた特殊消防対象物警防計画を樹立しています。
 さらに、消防隊により、地下鉄の駅などの調査や視察を行うとともに、鉄道関係者と連携した消防活動訓練を実施しております。

○清原委員 次の質問に移ります。
 一般的に地下鉄駅に設置され、消防隊が活用できる設備には、排煙その他、重要なものが多くあると思いますが、どんなものがあるのか、まず教えていただきたい。
 また、地下鉄火災に対応する消防隊の活動用の装備にはどのようなものがあるのか、お伺いいたします。

○尾崎警防部長 消防活動上の設備としては、一般的に排煙設備、連結送水管及び無線通信補助設備があり、非常コンセント設備、連結散水設備も一部のところに設置されています。
 また、消防隊の活動用の装備として、空気呼吸器、酸素呼吸器などの呼吸保護具、携帯警報器などの安全器具を整備するとともに、排煙車、投光器、煙の中でも火源探知に活用できる熱画像直視装置などを整備しております。引き続き、今回の地下鉄火災の状況を踏まえ、装備、資器材の性能の向上などについて検討してまいります。

○清原委員 次の質問に移ります。
 韓国の地下鉄火災発生からまだ九日目でございます。したがって、東京消防庁でも十分に整理され尽くしてはいないと思いますけれども、もし東京でこのような地下鉄火災が発生した場合、どのように対応されるのか、お伺いいたします。

○尾崎警防部長 東京で同種の火災が発生した場合は、地下鉄道火災消防活動基準、多数傷病者発生時の救助救急活動基準と、各駅の実態に合わせて樹立している特殊対象物警防計画に基づき、人命救助を最優先として、所要のポンプ隊のほか、救助活動の専門部隊である消防救助機動部隊、特別救助隊及び救急隊などの消防部隊を出場させます。
 現場活動においては、鉄道関係者と連携し、火災の状況や逃げおくれた人などの実態を早期に把握します。
 さらに、駅に設置されている連結送水管などの設備、排煙車、排風機などの装備、資器材を有効に活用して、火勢制圧、排熱排煙を行い、庁の総力を挙げて消火・救助・救急活動を実施してまいります。

○清原委員 次に移ります。
 テレビで報道しておりましたけれども、東京消防庁では、韓国の地下鉄火災を受け、直ちに職員を派遣したとのことであります。派遣の目的と現地の災害状況はどのようなものであったのか、お伺いいたします。

○尾崎警防部長 今回、東京においても同種火災の発生が危惧されることから、東京消防庁の消防活動に反映させるため、直ちに職員を派遣いたしました。報告によれば、地上の出入り口から地下三階のプラットホーム部分にかけて、壁、天井に大量のすすが付着し、案内板などが溶け落ちるなど、火災時に高温の煙が充満した状況が推測されました。プラットホーム前の軌道上部の天井は、長時間高温の炎にさらされ、コンクリートが剥離落下し、内部の鉄筋がむき出して垂れ下がっている状況でありました。
 さらに、火災が発生した車両は、外部が著しく変色し、内部は、内壁、座席シート、床など、内装材が完全に燃え尽きて原形をとどめていない状況でありました。
 今回の地下鉄火災における火煙の激しさを実感するとともに、消防活動の困難性を再認識したところであります。

○清原委員 次に移ります。
 韓国と東京の地下鉄駅の設備状況や車両構造の違いがあるにせよ、今後検証すべき点が多々あります。今回の地下鉄火災を踏まえ、現時点で東京消防庁として、東京の地下鉄駅における消防活動上や防火管理上などの面で充実すべき事項があるとしたら、どのようなことが考えられるのか、お伺いいたします。

○尾崎警防部長 派遣した職員の報告では、猛烈な火と煙により、消防隊員の進入が阻まれ、逃げおくれた人が多数発生したことと相まって、長時間かつ困難な消防活動を余儀なくされたとのことであります。東京消防庁では、今回の火災を踏まえ、地下鉄火災に対する消防活動体制の一層の強化を図ることとしております。
 当面、地下鉄火災の燃焼性状の研究をさらに進めるとともに、現有のものより長時間使用可能な呼吸保護具や耐熱性にすぐれた防火衣や誘導ロープの導入、迅速な人命検索を行うための暗視装置、高機能の携帯警報器の整備が急務であると考えております。
 また、鉄道関係者と連携した厳しい活動環境を想定した訓練や、地下鉄や長大な自動車トンネルなど、閉鎖的空間での火災を実体験できる訓練のあり方などについて検討を進めてまいります。
 防火管理面については、車両座席シートに放火などをする悪質な行為が多発したことにかんがみ、平成十三年二月に鉄道事業者各社に対して、防火安全対策などを指導しました。
 再度、この春の火災予防運動期間を中心にして、地下鉄火災発生時の初動措置を重点とした自衛消防訓練を推進させるとともに、消防計画に定められている消火、通報及び避難訓練の実施、消防用設備等の点検、火気の管理、避難施設の維持管理などの事項について、鉄道事業者に対して強く指導し、安全対策の万全を期すこととしております。

○清原委員 次に移ります。
 東京では、テロによるNBC災害や地下鉄火災などの災害が、いつどこで発生するか予想しがたい状況にあります。こうした災害から私たち都民の安全を守るため、大都市東京の防災対策に取り組む消防総監の決意のほどをお伺いいたします。

○杉村消防総監 今回の韓国大テ邱グ市地下鉄火災により、数多くのとうとい市民の生命が失われたことに対し、心から哀悼の意を表します。
 東京において同種災害が発生した場合の消防活動に反映するため、早速職員を派遣いたしましたが、発災直後の混乱する現場の中にあって、当庁職員を受け入れ、案内していただいた韓国の消防当局には、協力していただいたことに対し心から感謝を申し上げております。
 また、極めて困難な災害現場において、懸命な救助活動に従事した消防隊員に対しても、深甚なる敬意を表しておきます。
 ご指摘のように、テロによるNBC災害や地下鉄火災などを想定して備えることは極めて重要であると思っております。東京消防庁では、大規模かつ特異な災害に対する各種事前対策や実戦的な訓練などを一層充実させてまいります。
 また、万一このような災害が発生した場合には、東京消防庁が有する消防力を最大限に発揮して、消防団や関係機関と連携を図りながら消防活動を実施することにより、都民の負託にこたえていく所存であります。

○清原委員 東京消防庁は、韓国の地下鉄火災発生後、直ちに職員を現地に派遣されたとのことでございますが、適切な処置であったと思います。東京においては、深さ四十メートルを超えるホームを有する駅が既に幾つかあると伺っております。どうぞ先見性を持って、事前に適切な対策を立て、万全を期せられるようお願いして、私の質問を終わります。

○坂口委員 今、清原理事の方から体系的に質疑がありました。ほとんど重複しますので、私の方からは、意見表明と要望をさせていただくにとどめたいと思います。
 今ございましたように、三百名を超える死傷者が出ました大テ邱グの事件であり、また被害状況でございます。やはり、ただ対岸の火としてだけ見ているわけにはいかないというのが東京の実態ではないかと思います。確かに日本の地下鉄というのは、車両も含めてそれなりの安全性を講じられているのではないかと思いますが、大テ邱グにも増して多くの路線が錯綜しておりますし、近年の傾向としまして、先ほども清原理事と話していたわけでございますが、六本木の駅に象徴されますように、四十メートルを超えるような深いところ、私も先般、用事がありまして六本木の駅を利用したわけでございますが、そういう駅も珍しくなくなってきたという状況でございます。大テ邱グ市よりも危険なところも、場合によってはあるのではないか、そのように考えざるを得ないと思うのです。
 そこで、先ほどもありましたように、五名の東京消防庁の職員を派遣して現地の調査までしてこられた。また、この事故を契機に、都内のいろんな地下鉄の状況についても調査を始めているのではないかと思います。
 もちろん、この責任といいますのは、一番きちんとやらなければならないのは、鉄道事業者であることは間違いないわけでございます。また、所管でいいますと、国土交通省がきちんとその指導をしなければならないというわけでございますが、サリン事件でも、または新宿の西口でのバスの放火事件などもありましたけれども、やはり被害が出た場合に、まずイの一番に駆けつけて飛び込んでいかなければならないのは消防庁でございますし、また、その被害に遭うのは利用者であるわけでございまして、この際、徹底的な調査と分析、それから対応策が必要になってくるのではないかと思うのです。取り組んでいる最中でございますので、答弁は求めませんけれども、その調査と検討の結果がわかり次第、できれば本委員会で報告をしていただければ、それが私の思いでございます。
 これは消防庁として取り組むべきことだけではなくて、鉄道事業者に要請すること、また国に対して物申していかなければならないこと、それから何よりも利用者に対して、我々は、もう安全なものだと信じ切って日々利用している向きがあるわけでございますが、一朝有事の際には、決してそういうことではないのだということも自覚しながら利用する必要があるのではないか。それが大テ邱グの教訓ではないかと思っておりますが、ぜひ調査、分析の結果がまとまり次第、理事会でもまた諮らせていただきたいと思いますけれども、できるだけ早い時期にご報告をいただければと思います。
 以上でございます。

○秋田委員 私は、ひとり暮らしのお年寄りなど、災害弱者を火災から守る問題についてお伺いをしたいと思います。
 二〇〇二年度版の「消防行政の概要 二十一世紀 新たなる前進 首都東京の防災」、この中では、「自主防災行動力を高めるために」、この項で災害弱者対策が掲げられております。その第一に高齢者対策が取り上げられています。ここには、近年六十五歳以上の高齢者の火災による死者は全体の半数以上を占めていますと、こういうふうに記されております。私の地元、品川区の三つの消防署で、ことしに入って、残念ながらいずれの署でも火災による死亡者が出た。総数で五人の方が亡くなりました。そのうち高齢者世帯、あるいはひとり暮らしのお年寄りが三人です。先日、区内の三つの署をお訪ねして、署長さんから災害弱者に対する対応を伺ってきました。いずれも熱心に努力をされているのですが、残念な結果になってしまったのであります。
 荏原消防署管内で、ことしの正月四日に、障害を持ち、リフトをつけて二階でひとり暮らしをしていた七十八歳の方は、着衣に電気こたつの火が引火して亡くなられました。荏原署では、それまでの千四百九日に及ぶ焼死者ゼロの記録に終止符が打たれてしまったということになりました。署長さんを初め、署員の皆さんも大変残念がっておられますが、また、気持ちを持ち直して、そして、このことを町の掲示板などにも知らしめて協力を得るというようなことで、こんな大小さまざまなポスターをつくって、町会にもお願いをし、各町内の掲示板に、荏原消防署管内で火災による死傷者発生と、ひとり暮らしのお年寄りが亡くなったということを知らせて注意を喚起しているのですね。こんなことをやっておられますし、また、さまざまな宣伝もやって注意を喚起しているわけなんですね。みずからも、今回の焼死者を出したということから教訓を得て、そして新たな焼死者ゼロの記録を求めて挑戦をしているというのが今日の現状です。
 また、一月二十四日に亡くなった品川消防署管内の八十四歳の方は、きれいに片づいたアパートの一室で、電熱器に当たりながらテレビを見ていた。その折、電熱器に着衣が触れて引火をして、座布団も周囲も一切燃えていないのに、みずからの衣服だけが燃えて、それに自分で水をかけたりしている様子があるけれども、亡くなられてしまったというのであります。考えられないようなことでお年寄りが火災で亡くなっているというのが、こうした事例で知ることができました。
 これらをなくすために、大井消防署では、こういう立派なパンフレットだとか、こういうチラシをつくって、やっぱり早く知らせて逃げて、そしてみんなに伝えてくださいよ、ということをやっているわけなんですね。品川消防署でも、いろんなこういうチラシをさまざまつくって、どうする、火事、逃げる、知らせる、こういうことを町の人に知っていただくような努力をなさっております。
 こういうことは、何も品川の三署に限ったことではないだろうというふうに思うのですね。都内のすべての消防署で、その地域の実情に合ったさまざまなこういう試みをされているんだろうということは十分承知の上で、以下、何点かお伺いをさせていただきたいと思います。
 まず、高齢者が犠牲になった火災が過去三年間にどのくらいあり、また、主な出火原因はどんなものがあったのか、お伺いをしたいと思います。

○櫻岡指導広報部長 平成十二年から平成十四年の三年間の当庁管内におきます火災による高齢者の死者は、放火自殺者を除きまして百二十五人発生しております。そのうち、住宅、共同住宅などでの火災による死者は百二十三人であります。主な原因は、寝たばこや飲酒時のたばこの不始末などによるものが四十四人、ガス器具により着衣に着火したものなどが九人、就寝中、布団が電気ストーブに接触したものなどが九人、体が不自由な方のマッチの不始末などが四人、仏壇の火のついたろうそくに着衣が触れ出火したものなどが四人となっております。

○秋田委員 私たちが生活をしている住宅の防火責任というのは、当然、まず住民が負うべきであることはいうまでもありません。あわせて消防署を含め行政機関は、住民の防火、安全の向上に支援をするという役割を負っていると思います。ところが、災害弱者といわれる単身高齢者などは、ふだん余り周りの人とのつき合いも少ないし、そういう人が多いというのが特徴だと思うんですね。こうした人が、隣の助けが得られないとか、さまざまな要因によって特に危険だというふうにいっておられましたし、私もそう思いますが、そういうようなことに対して、どのような対策を講じられているのか、お聞かせをいただきたい。

○櫻岡指導広報部長 単身高齢者などの実態把握につきましては、プライバシー等の関係もあり、東京消防庁のみでは困難な実情にもありますが、各消防署においては、町会・自治会及び関係行政機関、民生委員、福祉関係団体などの代表者で構成しております住宅防火等推進協議会を設置いたしまして、地域と一体となった高齢者対策を検討して推進しているところでございます。

○秋田委員 それは、当然行っていただかなければならないことだと思います。しかし、先日、私の地元の品川区のある町会で、モデル地域を定めて一定の区画、町会でいえば班とか組とかというのがありますが、そういうモデル地域を定めて、車いすの障害者と寝たきりの方を、実際に震災などのときに一時避難場所を指定されておりますが、学校などですね、そこに搬送する体験訓練を行って、階段など障害物を避けていくために、その町会では、この二人の搬送順路地図というのをつくったんですね。今、この体験結果と成果が、品川区役所の防災センターに掲示をされているんです。この町内では、今後も同様に、災害弱者のすべての人の順路地図を、実際の訓練を通してつくる計画だといっております。こうして、本人とサポートする人が体で覚えて、自分で地図をつくっておくというのは非常に有効だと思いました。
 私は、この訓練に、消防署は参加しましたかと聞いてみました。そうしたら回答は、いえ、こちらが消防署に知らせませんでしたから、消防署も当然参加しませんでした、こういうことでありました。今お答えでは、いろいろ関係機関と連携をとりながらというふうにおっしゃっておりましたが、こうした訓練の際に、やっぱり消防署に声がかからないというのは、町の住人にとっては、まだ消防署は遠い存在であるのかなというような印象を受けました。そして、町の方たちは常に、防災に関しては、消防署を意識してもらうことが必要ではないかということも思いました。
 幸い荏原消防署では、そうした視点を大切にするために、こういうチラシを配っているんですね。消防と話そう、消防と語ろうというのを掲示をしたり、事業者に配ったり、町会へ配ったり、回覧板で回す、いろいろしていただいておりまして、このスローガンのもとに、高齢者クラブや町会のさまざまな催しの際に大小座談会を、昨年一年間で百回以上、そして四千五百人の方と話し合ったり、ひざを交えて語り合ったというふうに署長さんはおっしゃっておられました。この積み重ねが、私は非常に大事だというふうに思いました。
 町の人たちは、自発的なこうした、さっきいったような訓練を行うときに、やっぱり専門家である消防署の方にも参加をしてもらおう、そういうことは非常に有効だと思うんですね、また、さまざまなことをやるにしても。ところが、余り気軽に声をかけられないというような感じであったのか、どういうことかよくわかりませんが、実際には参加していただかなかったということでありますから、もっと気軽に消防署と住民との接点ができるように、そういうふうにすることが必要だというふうに思いました。そんな気持ちになれば、消防署にも気軽に声をかけようということになるのではないかというふうに思いますけれども、消防庁としてはどうでしょうか。

○櫻岡指導広報部長 東京消防庁の各消防署で、地域の方々が集まる場所に積極的に参加し、防火に関するさまざまな情報を提供するとともに、地域に密着した防火対策を行っていくということは、非常に有意義なものと認識しております。今後は、このような形で地域の方々と語り合うことを一層督励していきたいと思っております。

○秋田委員 ぜひよろしくお願いをしたいというふうに思います。
 災害弱者を災害から守るためには、早期発見、早期通報に有効な手段として、緊急通報システムや火災安全システムの機器を設置促進していくことが極めて重要だというふうに思います。東京消防庁はこれらのシステムから通報を受信する業務を担当する部署でありますが、都内における緊急通報システムと火災安全システムの現在の登録利用者数と昨年の受信件数及びその対応状況はどうなっているのか、お伺いをしたい。

○櫻岡指導広報部長 平成十四年十二月末日現在の東京消防庁管内の緊急通報システムの登録者は一万三千六百三十名であり、平成十四年中の総受信件数は一万四百八件で、内訳といたしまして、救急二千四百四十七件、救助六件、危険排除二件、安否確認の調査出向四十九件、その他テスト受信などが七千九百四件でございます。
 また、火災安全システムの東京消防庁管内の登録者は八百七十一名であり、平成十四年中の火災安全システムの総受信件数は四百二十二件で、内訳といたしましては、火災二件、危険排除一件、火災の未然防止二十件、その他火災試験受信など三百九十九件でございます。

○秋田委員 福祉局所管に東京都高齢者緊急通報システム事業実施要綱、それから東京都高齢者火災安全システム事業実施要綱という二つがあります。いずれもその中で、東京消防庁が主として行う役割が規定をされております。一つは、本事業の受信業務及び技術的支援に関すること、いま一つは、東京消防庁は、本事業に関して、東京都福祉局、区市町村などの関係者から成る連絡会議を設置するものとすると規定をされていますが、技術的支援とはどんなことをするのか。
 また、連絡会議の開催状況及び主な協議の内容についてお伺いをいたします。

○櫻岡指導広報部長 東京消防庁の技術的援助は、区市町村等関係機関へのシステムに利用可能な機器の通知、専用通報機と電話線との接続方法の指導、緊急通報の方法の指導、試験通報の受信などでございます。
 また、連絡会議につきましては、必要の都度開催することとされておりますが、現在は、関係局間の体制も整備されたことによりまして、高齢者、障害者等の人命安全を確保する目的で、現在各署に設置されております地域安全対策会議の中で、システムの運営に関すること、システムの有効活用に関すること等について協議が行われております。

○秋田委員 火災安全システムの利用者は、痴呆性高齢者などが利用要件になっているようですけれども、火災防止、危険排除などには極めて重要なシステムだと思います。先ほど利用件数をご答弁いただきましたが、このシステムからの通報によって功を奏した事例があれば、顕著なものを示していただきたい。

○櫻岡指導広報部長 火災安全システムの奏功事例といたしましては、早期に発報をされたためにぼやで済んだという事例や、調理中にその場を離れたために過熱放置状態となりまして、火災安全システムが作動いたしまして通報され、出場した消防隊がその火源を遮断して大事に至らなかったというような事例がございます。

○秋田委員 緊急通報システム及び火災安全システム設置には、東京消防庁の許可が必要と聞きました。許可願の手続の方法と所要日数などについて、どの程度かかるのかお知らせいただきたい。

○櫻岡指導広報部長 緊急通報システム及び火災安全システムにかかわる事務につきましては、東京都の要綱によりまして、区市町村が利用者の決定及び機器の設置等を、東京都が事業にかかわる財政援助、そして東京消防庁が受信業務及びそれにかかわる一連の事務という分担になっておりまして、東京消防庁は、区市町村から利用者決定の通知を受領し、データを入力してから通報者を特定するための番号を付して区市町村へ送付しているものであります。当庁が事務処理に要する日数は、平均的には約十日程度でございますが、利用者の決定を行う区市町村及び機器を設置する業者など、それぞれの役割の中においてある程度の日数を要することもあると聞いております。

○秋田委員 これについて、私は品川区役所の高齢福祉課などを訪問して聞いてみました。東京消防庁直結方式のシステムと、民間の警備保障会社などと契約する二種類があります。東京消防庁方式は無料ですけれども、区の設置基準を満たしており、受け付けてからそれを設置してもらうために、消防庁に申請をし、今お話があったように、消防庁から登録番号をもらわないと工事の発注ができない。発注しても、業者と利用者の間で工事日の打ち合わせなどの期間もあって、今お話があったように、約二カ月ぐらいかかるのが普通なんだそうです。
 利用者の方は、緊急通報システムや火災安全システムを申し込むときは、もうこのまま放置しておくと事故や災害の危険性がある、そういうふうに本人もしくは周りが察知をして申し込むのが普通だそうです。したがって、一日も早い設置を願っているんだそうです。そうすると、申し込めば登録と設置を同時に進めてくれる、そしてまた、地域協力員も要らない、二週間程度で設置してくれる民間業者の方へ、月千八百円支払っても申し込む率が高くなってきているということでありました。
 品川区の場合、私が訪問した二十五日現在で、一昨日ですけれども、緊急通報システムの利用者の割合は、東京消防庁方式の利用者が昨年末の二百八十五世帯から二百六十九世帯に減っているのに、民間の方は八十四世帯から百十世帯にふえているというんですね。年金暮らしなどの高齢者には無料の消防庁方式の方がいいに決まっているんですね。ところが、協力員の人数がそろわないとか、あるいは工事に時間がかかるとか、さまざまなことがあって、そういう方向に行ってしまうというんですね。したがいまして、登録申請があれば速やかに登録されるように、私は東京消防庁に望みたいと思いますが、いかがでしょうか。

○櫻岡指導広報部長 東京都におきましては、現在、協力員の要件を緩和する方向で見直しを行っていると私どもは聞いております。また、高齢者の安全確保のためにも、速やかな事務処理は大切なことでありますので、今後とも、関係機関と協力して、できるだけ速やかに処理ができるよう努力してまいりたいと思っております。
 なお、緊急通報システムの受信内容の中には、多数の相談事案等も含まれておりまして、民間事業者には、この種の事案に対するサービスが提供できるという利点などもありますことから、利用者側の選択肢の一つでもあろうかとは思われます。

○秋田委員 私は、その相談は極めて重要だと思うんですね。火災の中には、さっきの韓国の地下鉄事故もそうですが、自損火災というのがあるんですね。極めて他人迷惑なことでありますけれども、そういう火災が多々あるんですよ。したがって、心のケアというか、自分が火をつけて自殺をしようなどと思っているときに、そんなことをしないでという相談に乗るのも、これまた非常に重要な役割を果たすものではないかというふうに思うんですね。東京消防庁ではそれをやってないんですか。

○櫻岡指導広報部長 東京消防庁では、通報いただいた方には接触がありますので、その内容の中ではできるんですが、直接接触がないと、どうしても最初に接触したところでそういった事案が発生するという意味でございます。

○秋田委員 高齢者は年金も少ないですし、そして先行きの不安も抱えております。火をつけて死にたいという人もいると思います。したがって、民間の方ではやっているから、そっちの方が多くなるんだというようなことではなしに、東京消防庁でもしっかりとやってもらいたいというふうに思いますけれども、いずれにしましても、高齢者、障害者などの災害弱者の安全を確保するために緊急通報システム、こういうものを普及促進することは当然必要だというふうに思います。直接普及主体は区市町村でありますけれども、災害から都民の生命や身体、財産を守る責務を持つ消防庁の立場から、積極的に都民や関係機関に働きかけて連携をとって、その責任を果たすべきだと考えますけれども、最後に、それらを含めて消防総監の決意を伺いたいと思います。

○杉村消防総監 緊急通報システムなどにつきましては、災害弱者の安全確保に極めて有効なものと認識をしております。また、現在行っておりますシステムを含めまして、東京消防庁がかねてから、各区市町村に強く働きかけ、その有用性を福祉局等が認めて、現在の給付制度というふうになったものでございます。そういう意味で、東京消防庁といたしましては、この制度を創設してきたという自負を持っているものでございます。今後とも、都民の安全確保のため、区市町村等と連携を図りながら、その普及に努めてまいります。

○秋田委員 とてもすばらしいことを創設されたと思っております。都民の安全にとって極めて貴重なものであるということは、今のご質疑を通してもわかったと思うんですが、緊急通報システムの登録者が一万三千六百三十人というお話でした。火災安全システムの登録者は八百七十一人、合計して一万四千五百一人ということになりますが、都内の対象となる高齢者のうち、単身高齢者だけでも二〇〇〇年の国勢調査によると、三十八万八千三百九十六人いるんですね。単身率で二〇・三%にも及んでおります。その中には、当然元気なお年寄りもたくさんいるでしょう。しかし、同時に、引っ込みがちであったり、病気をお持ちであったりする方がたくさんおられると思うんですね。これらの利用システムの利用方法もわからずに不安な生活を送っているというお年寄りはまだ多くいると思います。実施主体である区市町村を初めとして、福祉局などとも密に連携をとって、そして、より多くのお年寄りが安心して過ごせるように創設者らしい貢献をされることを求めまして、私の質問を終わります。

○吉野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○吉野委員長 異議なしと認め、予算及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で東京消防庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を曜日)
   午後一時五十五分散会

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