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Tokyo Metropolitan Assembly

平成二十九年度公営企業会計決算特別委員会第二分科会速記録第四号

平成三十年十月二十六日(金曜日)
第二委員会室
午後一時開議
出席委員 十一名
委員長藤井  一君
副委員長柴崎 幹男君
副委員長斉藤まりこ君
副委員長関野たかなり君
滝田やすひこ君
田村 利光君
うすい浩一君
おときた駿君
あかねがくぼかよ子君
つじの栄作君
増田 一郎君

欠席委員 なし

出席説明員
下水道局局長小山 哲司君
技監神山  守君
総務部長安藤  博君
職員部長白川  敦君
経理部長久我 英男君
計画調整部長池田 匡隆君
施設管理部長佐々木 健君
建設部長猪八重 勇君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務鈴木  豊君
技術開発担当部長袰岩 滋之君
施設管理担当部長井上 佳昭君
流域下水道本部本部長中島 義成君
管理部長飯田 一哉君
技術部長小団扇 浩君

本日の会議に付した事件
平成二十九年度東京都公営企業各会計決算の認定について
下水道局関係
・平成二十九年度東京都下水道事業会計決算(質疑)

○藤井委員長 ただいまから平成二十九年度公営企業会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、下水道局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより下水道局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十九年度東京都下水道事業会計決算を議題といたします。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○久我経理部長 さきの分科会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の平成二十九年度公営企業会計決算特別委員会第二分科会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 恐れ入りますが、一ページをお開き願います。二十三区における主な浸水被害状況の推移でございます。
 平成二十五年度から二十九年度までの浸水棟数を二十三区別にお示ししてございます。
 二ページをお開き願います。監理団体への委託内容と委託料の推移でございます。
 当局が所管しております監理団体、東京都下水道サービス株式会社への主な委託内容と過去十年間の委託料をお示ししてございます。
 三ページをごらん願います。再生可能エネルギーによる主な発電設備の規模と発電量の実績の推移でございます。
 項目ごとに、設備の所在する施設名、施設規模及び平成二十八年度、二十九年度における年間発電電力量をお示ししてございます。
 四ページをお開き願います。下水道マンホールと下水道管の接続部の耐震化が完了した施設数の推移と仮設トイレの設置ができるマンホールの数(区部)でございます。
 マンホールと下水道管の接続部の耐震化が完了した施設数の実績の推移及び仮設トイレの設置ができるマンホールの数を平成二十九年度末現在でお示ししてございます。
 五ページをごらん願います。下水道料金の減免実績(区部)でございます。
 平成二十九年度に減免措置を実施しました使用件数と減免額の実績をお示ししてございます。
 六ページをお開き願います。下水道事業における公共雨水浸透ますの設置状況(区部)でございます。
 平成六年度から平成二十九年度までの設置個数をお示ししてございます。
 資料の説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○藤井委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○滝田委員 よろしくお願いいたします。
 当委員会は平成二十九年度の決算を審査するものでありますが、振り返りますと、平成二十九年度は、小池都知事が就任後初めて編成された予算に基づいた事業執行であります。下水道事業においても、都民ファースト、ワイズスペンディング、情報公開の三つの観点を重視し、取り組まれてきたものと存じます。
 特に昨年十二月末に報告された下水道事業の見える化改革の報告書は、長期的な事業の重要性を議論する上で土台となる情報をわかりやすく分析し、数字で示しております。他の事業分野においても参考となる内容と評価をしております。
 都政改革本部が本年度より職員主体の自律改革に移行したことで、より一層、改革の中身が問われることになります。特別顧問にいわれなくても改革が進められると証明していくこと、今後もご尽力をお願いしたいと思います。
 本日は、大きく四つのテーマについて、順に質問をいたします。長期的な経営の持続性、災害対策、水質の改善、多摩地域の課題についてお伺いしてまいります。
 東京都内は、多摩地域も含めて下水道の普及率はほぼ一〇〇%に達しており、東京の今後の下水道事業の最大の課題は、老朽化するインフラの計画的な更新であります。
 後ほどの質問にて数字を確認してまいりますが、今後の更新需要に膨大な資金が必要であることから、単年度の決算が黒字かどうかだけを見ても妥当性がいえません。見える化改革の報告書に既に示されている部分もありますが、下水道事業の長期的な経営の持続性について、まず質問してまいります。
 区部の下水道管の計画的な更新に当たっては、法定耐用年数から三十年延命化することで、平均費用が最小となる経済的耐用年数八十年をサイクルに更新計画を策定していると理解しています。
 そこで、現行の経営計画五年間における建設費について、総額及び再構築、浸水対策、災害対策など施策ごとの年間平均事業費を伺います。
 また、老朽化した下水道管の更新、いわゆる再構築事業について、完了までの概算の総事業費をお伺いいたします。

○池田計画調整部長 経営計画二〇一六の計画期間でございます平成二十八年度から平成三十二年度までの五カ年の年間平均総事業費は約一千七百八十億円です。
 各施策の年間平均事業費は、再構築が約八百十億円、浸水対策が約四百億円、震災対策が約二百四十億円、汚泥処理と合流式下水道の改善、エネルギー、地球温暖化対策などを合わせた事業費は約三百三十億円でございます。
 下水道管の再構築は、アセットマネジメント手法を活用し、計画的かつ効率的に事業を実施しています。
 具体的には、適切な維持管理により、経済的耐用年数まで延命化するとともに、中長期的な事業の平準化のため、区部を下水道管の整備年代により三期に分けて進めています。
 再構築に当たっては、道路を掘削せず、比較的短い工期で、かつ低コストで下水道管をリニューアルできる更生工法を活用し、効率的に事業を実施しています。
 なお、区部全域の小さな下水道、いわゆる枝線の再構築に必要な今後の概算総事業費については、地域の条件や設置する下水道管の大きさなどを加味せずに、これまでの事業費の平均値などによって算定した概算ですが、約二兆二千億円程度と想定しております。

○滝田委員 詳細にご説明ありがとうございます。大まかには年間千八百億円弱の事業費が必要で、そのうち八百億円が老朽化した下水道の更新分となる。そして、この八百億円のうち、下水道管の更新費用部分を今後累積していくと、二兆二千億円という巨額が必要になるということであったかと思います。
 東京都区部では、歴史的背景や狭小な道路地下空間など物理的状況もあって、下水と雨水を同一の下水道管で流す合流式の下水道となっています。先ほどの概算、二兆二千億円は、この合流式で更新をしていく場合に想定される事業費と理解をしています。
 合流式下水道では、降雨が多いときに一部汚水を河川に放出することになるため、環境面を考えると分流式が望ましいのではないかとの議論もあります。
 分流式ではなく合流式下水道での再構築を行う方針と理解していますが、この方針の根拠となる、分流式化した場合と合流式下水道の改善を進めた場合の事業費の比較についてお伺いします。
 また、合流式下水道の改善事業の内容について伺います。

○池田計画調整部長 仮に区部の合流式下水道区域を分流式下水道に改築する場合の概算事業費は、総額で約十兆三千億円程度と想定しています。
 なお、そのほかに、宅地内の排水設備を分流式に改造する経費は、都民の負担となります。
 また、今後、区部の合流式下水道区域で貯留施設の整備などにより合流式下水道の改善を行う場合は、総額で約七千億円程度と想定しています。
 それぞれの概算事業費については、地域の条件や設置する下水道管の大きさなどを加味せずに、これまでの事業費の平均値などによって算定いたしました。
 合流式下水道は、大雨の際には、まちを浸水から守るため、汚水まじりの雨水を河川などへ放流するという仕組みですが、汚水まじりの雨水のうち、降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設の整備などを進め、合流式下水道の改善に取り組んでまいります。

○滝田委員 分流式化にしても合流式の改善にしても、先ほどの二兆二千億円に対して追加でかかる費用であります。
 特に分流式で整備を行う場合には、合流式のまま改善を行う場合に比べ、桁の違う費用が上乗せでかかるということであり、現実的ではないということであります。
 合流式のまま改善を行う事業とは、ご説明のありましたとおり、貯留施設を整備することにより降雨初期の汚水を河川に放出させないようにするということ、これで相当程度の改善が可能であると聞いております。
 後ほど改めて確認いたしますが、合流式の改善事業をある程度進めて、下水道法施行令に対応する水準を平成三十六年度までに達成するということは現時点で決定している、一方、その後については定まっていないと理解しています。
 仮に整備費用をその後もかけていくのであれば、合流式の改善によって分流並みの水質を目指すこともできるとは聞いています。しかしながら、かける費用と求める水質のバランスの問題であり、今後も費用と効果を検証し、冷静に三十六年度以降の方針を検討していく必要があると考えます。
 次に、一般会計からの繰入金に関連して質問をしたいと思います。
 区部の平成二十九年度の財政収支の状況と主な収入について伺います。
 一般会計繰入金については、雨水処理分の維持管理費と資本費の内訳もお伺いいたします。

○安藤総務部長 区部の平成二十九年度の財政収支は、収入が約四千八百十億円に対して、支出が約四千八百四億円であり、差し引き約五億五千万円の黒字となってございます。
 これは、経営計画二〇一六の収支計画、約六億円の赤字に対して、施設の補修費や電気料金などの維持管理費等の縮減により、約十一億円の収支改善となったものでございます。
 主な収入としましては、下水道料金が約一千七百十一億円、一般会計繰入金が約一千六百十五億円でございます。
 一般会計繰入金のうち、雨水排除に要する経費に係る繰入金は約一千五百二十七億円であり、そのうち、維持管理費分は約二百三十一億円、資本費分は約一千二百九十七億円となっております。

○滝田委員 一般会計から多額の繰り入れがあるわけですが、その点について伺っていきます。
 区部では、汚水の処理に関しては、徴収した下水道料金によって維持管理費の支払いや施設の更新等に必要な企業債の返済、いわゆる資本費の支払いを行っています。
 一方、雨水の処理に関しては、広く公益を目的としているため、一般会計から維持管理費や資本費の支払いを行っていると理解しています。
 維持管理費及び資本費において、汚水処理及び雨水処理の負担割合並びに割合の算出方法について概要をお伺いします。

○安藤総務部長 下水道事業では、汚水処理に要する経費は下水道料金により賄い、雨水排除に要する経費は一般会計が負担することが全国的な原則となっておりまして、雨水排除に要する経費など一般会計が負担する経費の考え方や算出方法につきましては、総務省の基準で定められてございます。
 当局におきましては、この基準をもとに、電気料金や補修費などの経費ごとに汚水分と雨水分の割合を算出した上で、維持管理費と資本費のおのおのについて負担割合を算定しております。
 現行の負担割合は、維持管理費は汚水分が七六%で、雨水分が二四%、資本費は汚水分が三九%で、雨水分は六一%となっております。

○滝田委員 維持管理費については汚水分の割合が高いが、資本費については雨水分の割合が高い。これは、維持管理費は汚水の浄化処理のウエートが高いためであり、資本費は、管渠、つまり下水道管の整備費用のウエートが高く、かつ一時的に大量に流入する雨水を排除するために管径が大きく設計されているためであると理解しております。
 次の質問で、より詳細に伺いたいと思います。
 先ほどご説明のあった維持管理費及び資本費の割合について、管渠、ポンプ所、水再生センターごとに算出方法をお伺いいたします。
 なお、維持管理費については、主な費用に関してご説明願います。

○安藤総務部長 汚水私費、雨水公費の原則のもとで、主な費用がどのように案分し、算出されるかにつきましてお答え申し上げます。
 管渠については、維持管理費のうちの補修費と、そして資本費については、合流式下水道の区域において汚水管渠と雨水管渠をそれぞれ整備したと想定した場合の建設費の比率で案分してございます。
 ポンプ所については、維持管理費のうちの電気料金は汚水と雨水をくみ上げる量の比率で、資本費は汚水ポンプと雨水ポンプの能力の比率で案分してございます。
 水再生センターにつきましては、維持管理費のうちの電気料金は汚水と雨水の処理水量の比率で、資本費は汚水関連施設と雨水関連施設の資産額の比率で案分してございます。

○滝田委員 算出の考え方について詳細を理解することができました。
 下水道料金という利用者による負担と、広く都民のお金を使う一般会計の繰り入れによる負担にて分担していることから、適切に計算していくことが求められます。
 消費税の増税分を除くと、下水道料金は、平成十年以降の約二十年間、変わっていないと聞いております。
 今後、二〇二五年以降には、東京も人口減少していくことが予見されており、加えて、長期的な更新需要や災害対策などに係る費用は増大していく可能性が高いものと見受けられます。
 ついては、将来の見通しを踏まえた下水道料金の設定となっているのか、お伺いをいたします。

○安藤総務部長 当局におきましては、主要施策それぞれについて中長期的な事業目標を明らかにした上で経営計画を策定してございます。
 経営計画においては、計画期間内に実施する事業を定めて、施設の建設及び維持管理等の総費用と、料金や一般会計繰入金等の総収入を見積もり、コスト縮減や資産の有効活用など最大限の企業努力を加味した上で、財政収支を見積もっているところでございます。
 お話の下水道料金を含めまして、将来を見据えた経営計画を策定し、下水道事業を運営してきてございます。

○滝田委員 下水道管を長寿命化させて八十年をサイクルにする、とても息の長い事業であります。これだけ長期の将来を見通すことは困難であるとは承知をしております。
 一方で、繰り返しとはなりますが、更新費用などの増大と人口の減少期を迎えていくという中で、事業の安定性、持続性に危機が訪れる可能性を懸念しています。そのようなことのないように、今の段階から備えなければいけません。
 今後の下水道事業のあり方をどのように検討していくのか、お伺いをいたします。

○安藤総務部長 今後とも下水道事業を安定的に実施していくため、将来の見通しを踏まえ、下水道局と監理団体であります東京都下水道サービス株式会社との役割分担の見直しとあわせまして、直営や現在の業務委託も含め、包括的民間委託やコンセッション方式などのさまざまな施設運営手法につきまして、経済性だけでなく、安定的なサービスの提供といった観点も重視しまして、平成三十年度から三十二年度までの三カ年にわたり幅広く検討していくものでございます。

○滝田委員 ご説明ありがとうございました。持続的な下水道事業を進めていく上で、企業努力を積み上げていくとともに、余力のあるうちに運営のあり方をしっかり検討していくことが肝要です。説明にありました三カ年にて、検討内容を明らかにしていくことを改めて強く要望いたします。
 次のテーマに移り、災害対策について確認していきます。
 ゲリラ豪雨と呼ばれるような猛烈な雨が降ることがふえております。一方で、東京は都市化が進み、地表面で雨水を吸収できる割合は、下水道整備が進んだころと比べて大きく減少していると聞いています。昨今の豪雨災害も踏まえ、対策を強化していく必要性があります。
 また、震災時に被害を軽減するための施策も求められております。
 まず、浸水対策ですが、見える化改革の報告書等でも示されているとおり、五十ミリ対策について優先度を踏まえて進めるとともに、七十五ミリ対策についても地区を定めて重点化する。そのようにすることで、事業費用を抑えながら、緊急度の高い地域を効率的に整備していく方針であると理解しています。
 この時間七十五ミリ降雨に対応する施設整備について、その経緯をお伺いいたします。

○池田計画調整部長 東京都ではこれまで、昭和六十一年の東京都における総合的な治水対策のあり方についての報告に基づき、既定計画として時間五十ミリ、長期計画として時間七十五ミリ、基本計画として時間百ミリに対応すべく、順次、レベルを向上させるものとしています。
 この報告を踏まえ、平成十九年に策定した東京都豪雨対策基本方針では、おおむね三十年後の長期見通しとして、河川や下水道の流下施設、貯留施設、流域対策や家づくり対策をあわせ、おおむね時間七十五ミリの降雨までは、床上浸水や地下浸水被害を可能な限り防止することを目標として浸水対策を進めてきました。
 さらに、近年の降雨特性や浸水被害の発生状況を踏まえ、対策を一層効果的に進めるため、平成二十六年に東京都豪雨対策基本方針が改定されました。下水道整備については、時間五十ミリの対策を基本としつつ、甚大な被害が発生している地域などを重点化し、下水道管や貯留施設などの整備により、時間七十五ミリの降雨に対し浸水被害を防止することが目標とされております。

○滝田委員 地域ごとの特性も鑑みた上で、下水道以外の施策も組み合わせて対応水準を上げていくということと理解いたしました。
 時間七十五ミリ対策について、どのような考え方で重点化する地区を定め、対策を実施しているのか、お伺いいたします。

○池田計画調整部長 下水道局では、区部全域での時間五十ミリ降雨への対応を基本とし、くぼ地、坂下など浸水の危険性の高い対策促進地区や、かつての川を利用している浅く埋設された幹線の流域などの重点地区を選定し、対策を実施しています。
 また、浸水被害が発生した場合、人命にかかわる重大な被害につながるおそれのある地下街や、過去に甚大な浸水被害が発生した市街地を雨水整備水準のレベルアップを図る地区として選定し、最大で時間七十五ミリ降雨へ対応する対策を進めております。

○滝田委員 整備を進めていく上で、用地の確保などに課題はあると理解いたしますが、迅速に整備を進めて、大規模な災害を未然に防げるように今後も尽力をいただきたいと思います。
 次に、耐震対策について伺います。
 第三回定例会の我が会派の代表質問において、帰宅困難者対策として、一時滞在施設等に関連する下水道管に対しても耐震対策を拡充するよう伺いました。これに対し、新たな指定約五百カ所にも耐震対策を進めていくとの方針が示されました。
 下水道管の耐震化について、これまでの事業期間及び平成三十二年度の目標値に対する現在の進捗状況並びに一施設当たりの事業費をお伺いいたします。

○猪八重建設部長 下水道管とマンホールの接続部の耐震化につきましては、阪神・淡路大震災を契機に開発いたしました既設マンホールの耐震化工法を導入し、平成十二年度より本格的に事業を実施しております。
 現在の進捗状況についてでございますが、当初は避難所などを対象としており、平成二十五年にはターミナル駅や災害復旧拠点などに対象を拡大いたしまして、現在では約四千六百カ所を対象として対策を進めております。
 このうち、経営計画二〇一六の最終年度でございます平成三十二年度末までに四千百五十五カ所を完了させる予定でございまして、平成二十九年度末時点で約九〇%の箇所の対策が完了いたしました。
 今後、帰宅困難者が一時的に待機できる一時滞在施設など約五百カ所にも対象を拡大し、下水道管の耐震化の充実を図ってまいります。
 お尋ねの一カ所当たりの事業費につきましては、これまでの実績から平均いたしますと、約七百万円でございます。

○滝田委員 施工場所によっても費用は異なると思いますので、これまでの事業費で単純計算はできないと思いますが、今回の追加的な対策に係る費用は数十億円なのだろうと規模感は理解できます。
 下水道管の耐震化に加えて、マンホールの浮上抑制対策を実施していますが、事業期間と平成三十二年度の目標値に対する現在の進捗状況につき、お伺いをいたします。

○猪八重建設部長 交通機能を確保するマンホールの浮上抑制対策でございますが、マンホールの浮き上がりの被害が深刻であった十勝沖地震を契機にいたしまして開発したマンホールの浮上抑制工法を導入いたしまして、平成二十年度より本格的に事業を実施しております。
 当初は緊急輸送道路などを対象としておりまして、平成二十三年度からは緊急輸送道路と避難所などを結ぶ道路に対象を拡大いたしまして、現在では約一千二百五十キロメートルを対象として対策を進めております。
 現在の計画は、平成三十二年度末までに事業を完了させる予定でございまして、現在の進捗状況につきましては、平成二十九年度末までに約九五%の箇所の対策が完了いたしました。

○滝田委員 これら耐震対策について、工法の工夫や費用の縮減に努めながら、今後も計画的、着実に進めていただきたいと思います。
 また、過去の被災事例を参考に、想定される問題と対処法について不断の検証を重ねていくことをお願いいたします。
 次に、水質の改善について質問していきます。
 さきの質問で、合流式を引き続き採用する事業面での根拠について説明がありました。
 降雨初期の下水が河川に放流されないように貯留施設を整備するなど、合流式下水道の改善対策を進めることにより、どの程度の水質になるのか、お伺いをいたします。

○池田計画調整部長 下水道法施行令における雨天時放流水質基準は、平成三十六年度時点において、水の汚れをあらわす生物化学的酸素要求量、いわゆるBODが、処理区の平均で一リットル当たり四十ミリグラム以下と定められています。この基準は、雨天時において、合流式下水道の雨水はけ口などから公共用水域に放流される放流水の水質基準です。
 下水道局では、この下水道法施行令の基準を達成するよう、合流式下水道の改善を進めております。

○滝田委員 続いて、合流式下水道の改善対策の進捗状況と見通しについてお伺いいたします。

○池田計画調整部長 合流式下水道の改善対策として、下水道局では、雨天時に河川などに放流されていた降雨初期の特に汚れた下水を水再生センターで処理するための下水道幹線の増強や、一時的に貯留する施設の整備、雨水はけ口やポンプ所から流出するごみなどを削減するための対策などに取り組んでいます。
 下水道幹線の増強や、はけ口などでごみの流出対策については、おおむね完了しています。
 また、降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設については、平成三十六年度における下水道法施行令の基準を達成するために必要な貯留量、百七十万立方メートルの整備を進めています。
 平成二十九年度末までに、累計約百十六万立方メートルの貯留施設の整備を完了しました。
 経営計画二〇一六期間中に、下水道法施行令対応に必要な貯留量の約九割に相当する貯留施設の整備を完了する見込みでございます。

○滝田委員 これまで下水道の整備が進むにつれ、河川や東京湾の水質は大幅に改善されてきました。
 一方で、東京湾で発生している赤潮の発生数などは、現在、横ばいの状況で推移しています。今後、さらに良好な水環境を形成するためには、赤潮の発生原因である窒素やリンを削減していくことが有効であります。
 ついては、下水道局で進めている窒素やリンをより多く除去するための高度処理について、具体的な取り組み状況をお伺いいたします。

○池田計画調整部長 下水道局では、窒素やリンを大幅に削減できる高度処理を導入してきました。しかし、高度処理の導入には多くの時間と費用が必要であり、電力使用量も増加するという課題がありました。
 そこで、既存の施設の改造により、水質改善効果を早期に高めることができ、かつ電力使用量が少ない準高度処理及び東京都下水道サービス株式会社などと新たに開発した高度処理技術の導入を進めることとしました。
 平成二十九年度末までに、水再生センター全体の計画処理能力に対して、準高度処理と高度処理を合わせた割合を四五%まで向上させております。

○滝田委員 窒素やリンを除去しつつ、エネルギー消費も抑える取り組みを進めていることはわかりました。
 一方で、都民理解という観点では、窒素やリンがどういう数字になったというだけではわかりにくく、どういう環境になるのか、もう少しイメージがわかるとよいと思います。
 高度処理の今後の計画について伺うとともに、それによって東京湾がどのように変わるのか、見解を伺います。

○池田計画調整部長 東京湾の全窒素及び全リンの環境基準値は、年間を通して、二枚貝などの底生生物が生息できるような値として定められています。
 環境局の調査結果によると、東京湾の全窒素及び全リンは、緩やかな減少傾向にありますが、環境基準値を達成していない年もあります。
 下水道局では、水再生センター全体の計画処理能力に対して、経営計画の最終年度である平成三十二年度末までに、準高度処理と高度処理を合わせた割合を五五%まで向上させる計画でございます。
 一方、東京湾への窒素及びリンの排出量のうち、東京都が占める割合は約四〇%であり、東京湾の水質改善には関係自治体との連携も重要です。そのため、これまでも、東京湾の水質改善に向けて、総合的な施策を推進するために設置された、国と関係自治体で構成する東京湾再生推進会議を通じて連携を図っています。
 今後も、高度処理の導入を推進するとともに、関係自治体とも連携することで、東京湾の良好な水環境の創出に貢献してまいります。

○滝田委員 少し答えにくい質問だったかと思いますが、お答えいただきましてありがとうございます。
 都市化の流れの中で、海、河川、水辺といったものは犠牲にされてきたように思います。これからの東京は、そうした海、河川、水辺を人の手に取り戻す、そして活用できるようにしていく、そのような転換期にあると考えています。
 また、別な観点ですが、政策立案において、アウトプットとアウトカムの違いを認識する必要があるといわれています。施策に対する直接的な結果であるアウトプットの数値目標も重要ではありますが、その施策によって、どういった問題をどの程度解決するのか、つまり、成果であるアウトカムを意識して、そこから逆算して政策立案をしていく。そうしなければ、お金に限りがある中で、どれぐらいのお金をかけて何を解決していくか、都民のコンセンサスの形成は難しくなっていると考えています。
 続いて、関心が高まっているマイクロプラスチックに関して質問します。
 海洋中のマイクロプラスチックについて関心は高まっておりますが、原因物質や流出経路の特定、あるいはマイクロプラスチックによって具体的にどのような悪影響が起こるのか、現時点では判明していないことも多いというような認識をしています。
 下水道も一つの経路にすぎないと考えていますが、例えば水再生センター等で調査をすることは、事実解明に有効な手段になると考えます。
 マイクロプラスチックそのものの除去に関する法的な基準がないことは承知しておりますが、固形物の一種であることから、現時点で、水再生センターにおいて下水中の小さな固形物の除去に関する基準があるのか、伺います。
 あわせて、マイクロプラスチックに関する下水道局の取り組みについて伺います。

○佐々木施設管理部長 下水道法におきましては、委員ご指摘のとおり、下水中のマイクロプラスチックそのものの除去に関する基準はございません。
 お尋ねの下水中にある微細な固形物につきましては、下水道法で浮遊物質という項目が定められており、その基準は、放流水一リットル当たり四十ミリグラム以下とされております。
 当局の水再生センターにおける水質測定の結果では、この基準を満足しており、浮遊物質の九割以上が除去されております。
 また、現在の当局の取り組みといたしましては、マイクロプラスチックの調査方法などに関する情報収集に努めているところでございます。

○滝田委員 水再生センターの処理対象にマイクロプラスチックはないということではありますが、下水の処理システムにおいて浮遊物質が除去される過程では、相当程度、マイクロプラスチックも除去されると推測されます。
 また、河川などの流域により、マイクロプラスチックの含有量が異なることも想定されます。
 こうしたことを明らかにするためにも、関係各局や国と連携して、下水道における調査を見据えた情報収集に努めてもらいたいと思います。
 最後に、流域下水道事業について幾つか伺います。
 多摩地域の下水道には、流域下水道のほかに、市町村が単独で下水道事業を行う単独公共下水道があります。このうち、私の地元である八王子市や立川市など、市が管理する単独処理場は、老朽化が顕著になっているものの、敷地が狭く、施設の更新などへの対応が困難な状況にあります。そのため、流域下水道への編入に向けた取り組みを進めていると聞いています。
 そこでまず、単独処理区を流域下水道に編入するメリットについて改めて確認するとともに、取り組み状況について具体的に伺います。

○小団扇技術部長 単独処理区を流域下水道へ編入するメリットにつきましては、これまで単独処理区の処理場で困難であった施設の更新や高度処理などが可能となるとともに、スケールメリットを生かして、施設整備に係る建設事業費の軽減や維持管理に関する費用の縮減を図れることでございます。
 このことから、八王子市、立川市などの単独処理区を流域下水道に編入するため、関係市や関係機関と協議しながら、必要な手続や施設整備などを進めております。
 平成二十九年度は、八王子市の単独処理区につきましては、平成三十二年度の全量編入に向けまして、八王子水再生センターで水処理施設などの整備を進めています。
 また、立川市の単独処理区につきましては、平成三十五年度の編入に向け、北多摩二号水再生センターで下水を受け入れるために必要なポンプ棟の建設工事に着手いたしました。
 引き続き、関係市と連携し、編入事業を着実に進めてまいります。

○滝田委員 今後も単独処理区の編入を着実に進めていただきたいと思います。
 多摩地域の市町村は、下水道担当職員の減少や、財政状況も、より厳しい状況にあり、下水道事業のさらなる効率化が必要になってくると考えられます。これに対応するためには、単独処理区編入のようなハード面の対策に加えて、都と市町村が連携するソフト面の対策もあわせて行うことが有効です。
 そこで、多摩地域の下水道事業の効率化に向けた市町村との広域連携に対する取り組み状況について伺います。

○小団扇技術部長 委員お話しのとおり、多摩地域の市町村の効率的な下水道事業の運営には、都と市町村がより一層連携を深めることが重要でございます。
 このため、具体的な取り組みとして、それぞれの市町村が水質監視の目的で実施していた公共下水道での水質検査につきまして、流域下水道と五市との間で平成十二年度から共同で開始し、平成二十八年度に全三十市町村に拡大し、平成二十九年度も継続して実施してまいりました。
 また、最新の技術情報や市町村の先行的な取り組みなどに関しての情報を共有するとともに、市町村の下水道担当職員を対象に、流域下水道本部からメールマガジンを定期的に配信しております。これらを通じて人材育成を支援しております。
 引き続き、市町村との連携強化を図り、多摩における下水道事業の効率化を図ってまいります。

○滝田委員 多摩地域の下水道事業の効率化に向けた都の取り組み状況がよくわかりました。引き続き、市町村との連携を強化し、多摩地域の安定的な下水道事業運営の形成に努めていただきたいと思います。
 さまざまな質問をしてきましたが、下水道事業の長期的な持続性に対して健全な危機感を持ち、今後とも、見える化改革でも取り組んでいただいているように、都民ファースト、ワイズスペンディング、情報公開の三つの観点で進めていただきたいと思います。
 本日の質疑の中でもお答えいただきましたが、下水道局と監理団体である東京都下水道サービス株式会社との役割分担の見直しや、包括的民間委託やコンセッション方式などのさまざまな施設運営手法について、適切に検討いただきたいということを最後に申し添えまして、私からの質問を終わります。

○うすい委員 よろしくお願いします。
 私から、委員会に提出のあった東京都下水道事業会計決算の概要と東京都下水道事業会計決算書の資料に記載のありました浸水対策や東京下水道の応援団獲得などに関連をして、何点か質問させていただきます。
 本年七月、西日本を中心に広い範囲で強い雨が数日間継続し、多くの地点で、二日間あるいは三日間の降雨量が観測史上最大値を更新し、さらに場所によっては最高記録になるなど、甚大な被害が発生したところであります。
 また、九月には、非常に強い勢力を持った台風二十一号が上陸をし、各地に被害が発生するなど、本年はこれまでに五つの台風が上陸しました。
 東京においても、八月末の局地的な集中豪雨により、区部の西部を中心に浸水被害が発生したわけであります。
 そこでまず、下水道局は、区部においてどのように浸水対策を進めてこられたのか、下水道局の見解を伺います。

○池田計画調整部長 下水道局では、東京都豪雨対策基本方針などに基づき、区部全域において時間五十ミリ降雨への対応の施設整備を行うことを基本に、早期に浸水被害を軽減するために、地区を重点化し、下水道幹線やポンプ所などの基幹施設の整備を進めています。
 また、浸水被害の影響が大きい大規模地下街などでは、雨水整備水準のレベルアップを図る対策も推進しています。
 五十ミリの対策地区としては、繰り返し浸水被害が発生している地域など、浸水の危険性が高い地域を対策促進地区として二十地区選定しています。
 さらに、かつての川を下水道幹線として利用している浅く埋設された幹線の流域などでは、下水道幹線内の水位が地表面に近く、浸水被害が発生しやすいため、重点地区として十五地区選定しています。
 整備水準のレベルアップを図る地区は、大規模地下街のほか、甚大な浸水被害が発生した地区など、十九地区を選定しております。

○うすい委員 浸水の危険性が高い地区などに重点化をし、効率的に浸水対策を進めていることがわかりました。
 浸水対策は、区部全域で時間五十ミリ降雨への対策を基本として、地区を重点化して対策を進めているとのことでありました。
 そこで、時間五十ミリ降雨の対策を進めている対策促進地区と重点地区のそれぞれの進捗状況について伺います。

○猪八重建設部長 対策促進地区二十地区につきましては、これまでに十三地区が完了しており、このうち、平成二十九年度には新宿区新宿地区が完了いたしました。現在は、足立区千住地区など、残る七地区で施設整備を進めているところでございます。
 また、重点地区十五地区につきましては、現在七地区で施設整備を進めておりまして、このうち、平成二十九年度には大田区田園調布地区に着手をいたしました。

○うすい委員 今答弁がありましたが、私の地元の足立区は、東京東部の低地帯に位置をし、たびたび内水氾濫による被害を受けてきたわけでございます。
 下水道局では、足立区千住地区を対策促進地区として位置づけ、対策を進めていただいております。
 そこでまず、足立区千住地区における浸水対策の施設整備の状況について伺います。

○猪八重建設部長 足立区の千住地域におきましては、早期に浸水被害を軽減するため、主要枝線を先行整備し、平成七年度から暫定貯留管として順次稼働させております。
 さらに、浸水に対する安全性をより一層向上させるため、足立区千住地区を対策促進地区の一つに位置づけまして事業を実施しております。
 具体的には、先行整備した主要枝線などから雨水を取り込む、隅田川幹線と千住関屋ポンプ所の整備を進めております。
 隅田川幹線は、口径四・七五メートルから五・五メートルにわたる総延長約三千四百メートルの規模でございまして、また、千住関屋ポンプ所は、隅田川幹線で集めた雨水を毎秒約三十七立方メートルの排水能力で隅田川に放流する雨水ポンプ所でございます。
 これらの整備により、流域全体の雨水排除能力の増強を図ってまいります。

○うすい委員 ありがとうございます。下水道の幹線、ポンプ所は、いずれも非常に大規模な施設であり、雨水を強制的に隅田川に排水するポンプの能力が流域の全体で増強されることで、完成後には大きな効果を発揮するものと期待しております。
 そこで、隅田川幹線と千住関屋ポンプ所の平成二十九年度末時点での工事の進捗状況について伺います。

○猪八重建設部長 平成二十九年度末時点で、隅田川幹線は、延長約三千四百メートルのうち約三千二百メートルの区間が完了しております。
 また、千住関屋ポンプ所については、地下のポンプ所施設を築造しているところでございます。
 いずれの施設の工事も、大規模で、かつ軟弱な地盤の中での工事でございまして、慎重な施工が求められております。
 引き続き、地元の皆様のご理解、ご協力をいただきながら、早期の完成に向けて鋭意工事を進めてまいります。

○うすい委員 この足立区千住地区の浸水対策に大きな期待を寄せております。一刻も早い浸水被害の軽減は長年の悲願であります。いずれにしても、大規模な工事であり、大変だと思いますが、今後も、早期完成に向けて着実に事業を進めていただくことを要望させていただきたいと思います。
 さて、近年は雨の降り方も変化してきており、都民の生命と財産を守るためには、下水道施設の整備などのハード対策だけではなく、ソフト対策も重要であります。
 下水道局は、さまざまなソフト対策に取り組んでいると思いますが、私が特に注目したのは東京アメッシュであります。東京アメッシュを実際に使ってみますと、雨の様子がとてもわかりやすく、利用しやすいと実感しているところであります。
 そこでまず、東京アメッシュの導入の経緯と特徴について伺います。

○佐々木施設管理部長 下水道局では、気象情報を迅速に把握し、雨水を排除するポンプの運転管理に活用することを目的として、降雨情報システムを昭和六十三年に導入いたしました。
 平成十四年度からは、降雨情報システムの観測データを東京アメッシュとしてインターネットで配信しております。
 その後、設備耐用年数が経過し老朽化したことに加え、観測精度の一層の向上を図るため、最新型レーダーへの再構築工事を行い、平成二十八年度から、従来観測できなかった降り始めのわずかな雨も観測できるようになり、より精度の高い降雨情報の提供を開始いたしました。
 具体的には、都内ほぼ全域で百五十メートルと細かい区画で降雨状況を表示するとともに、降雨強度を十段階に細分化したことで、よりきめ細かな降雨情報の配信が可能となっております。

○うすい委員 都民に精度の高い情報を提供することは、自助を促すためにも重要であり、より多くの都民に東京アメッシュを利用していただきたいと考えます。
 東京アメッシュは、配信開始から既に十年以上が経過しております。私も東京アメッシュを利用しておりますが、まだまだ利用されていない都民もいるのではないかと思います。東京の昼間人口は約一千五百万人といわれており、また、海外からの訪問者も多数おります。東京アメッシュが、外国人等も含め、さらに多くの皆様に利用されるように取り組むべきではないかと考えます。
 そこで、昨年度の取り組み状況と今後の展開について伺います。

○佐々木施設管理部長 最新型レーダーを導入した東京アメッシュを活用して、より精度の高い降雨情報をリアルタイムで配信し、お客様みずからの浸水への備えを支援することは重要と考えてございます。
 平成二十九年度には、より多くのお客様に利用していただけるよう、スマートフォン版の配信を開始するとともに、GPSによる現在地表示機能や、希望する二地点の登録が可能となる機能を追加いたしました。
 また、東京アメッシュのこれらの機能や使われ方の事例を紹介したリーフレットを作成し、配布するなど、利用者拡大に取り組んできております。
 その結果、平成二十九年度には約五千九百万件のアクセス数となり、前年度と比べて約八百万件の増加となりました。
 今後は、海外からの訪問者などにも利用拡大を図るため、既に対応済みである英語版に加え、中国語版、韓国語版についても多言語化を進めてまいります。

○うすい委員 スマートフォン版の配信により手軽にアクセスできるようになり、外出先での行動に役立てることができるので、大変に便利であります。また、外国語も、中国語、韓国語とふやしていただけるということでありますので、大変に有効であると思います。今後も、利用者の拡大に向けて取り組んでいただくことを要望させていただきます。
 また、近年多発する局地的な集中豪雨に対応するためには、このような降雨情報の提供のほか、さまざまな機会を活用し、都民の豪雨への備えの意識を高めていくことも重要であります。
 そこで、降雨情報の提供のほか、自助を支援するため、下水道局はどのような取り組みを行っているのか、伺います。

○佐々木施設管理部長 豪雨時でもお客様の安全を守るためには、下水道施設の整備や降雨情報の提供などに加え、土のうや止水板の準備、雨水ますを塞がないなど、お客様の自助による取り組みも重要でございます。
 下水道局では、毎年六月を浸水対策強化月間として下水道施設の総点検を行うとともに、浸水への備えについて、区や市などと連携し、お客様へ呼びかけております。
 具体的には、ホームページや広報誌、デジタルサイネージを活用した注意喚起や、現場見学会で模型を実演し、自助の取り組みの効果について理解を深めていただくなど、お客様みずからの取り組みを支援しております。
 引き続き、施設整備を推進するとともに、お客様への呼びかけをさらに充実させるなど、ハード、ソフト両面から浸水に対する安全・安心を確保する取り組みを進めてまいります。

○うすい委員 下水道施設や工事現場などを広く都民に見てもらい、また、さまざまなイベントの開催などを通じて、下水道を多くの都民に理解していただき、豪雨への備えの意識が高まるようにしていただきたいと思います。
 次に、被災地の支援に関して質問をいたします。
 委員会の資料によりますと、東日本大震災の被災地支援のため、職員を派遣しているとのことであります。
 大規模な災害では、自治体間の支援も必要であり、東京の保有する技術力、機動力を生かした支援を積極的に行うべきと考えます。
 そこで、被災地に対する下水道局の支援体制について伺います。

○池田計画調整部長 大規模地震などで被災した自治体が単独で対応が困難な場合に備えて、下水道事業関係者の広域的な支援体制が整えられています。
 具体的には、大都市間で締結している災害時相互応援に関する協定や、公益社団法人日本下水道協会が定めた下水道事業における災害時支援に関するルールなどにより、自治体間で相互支援を行うこととしています。
 これらの協定やルールは、被災状況や支援活動に関する情報連絡体制、被災都市側の支援隊の受け入れ体制などを具体的に定め、迅速かつ円滑な相互支援活動を行うための仕組みを構築しています。
 これら協定やルールに基づき、下水道局では、北海道、東北、中部、近畿の政令指定都市が被災した際に、情報連絡総括都市として被災情報を収集し、国等の関係団体に伝達するとともに、迅速に先遣隊や支援隊を派遣するための大都市間の調整を行う役割を担っております。

○うすい委員 災害時における自治体間の支援体制が整備されていることがわかりました。
 本年はこれまで、西日本における豪雨や大阪府北部の地震、北海道胆振東部地震といったさまざまな災害が発生いたしました。
 そこで、東日本大震災以降、下水道局が行った、主な下水道事業に関する被災地支援の実績について伺います。

○鈴木企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 まず、平成二十三年三月に発生いたしました東日本大震災では、発災直後に、仙台市へ二次にわたり職員四十名を派遣し、下水道施設の被害状況の調査を行いました。続いて、平成二十三年度から三カ年にわたり、宮城県及び仙台市に職員延べ八名を派遣し、設計や施工管理業務の支援を行いました。平成二十六年度からは、石巻市に職員二名を現在に至るまで継続して派遣し、復興の支援を行っております。
 また、液状化被害のありました千葉県浦安市及び香取市に対しましては、発災直後に、被害状況の把握などの支援を東京都下水道サービス株式会社や協力団体と連携して行いました。浦安市につきましては、引き続き、平成二十六年度まで東京都下水道サービス株式会社の社員を派遣いたしました。
 次に、平成二十八年四月に発生いたしました熊本地震では、五次にわたり職員三十三名を熊本市に派遣し、被害状況の調査を行いました。
 本年九月に発生いたしました北海道胆振東部地震では、発災後、直ちに札幌市へ職員二名を派遣し、現場の情報収集を支援いたしました。

○うすい委員 下水道局が有する技術力や機動力を生かして、被災地支援に積極的に取り組んでいることがよくわかりました。
 さまざまな事態に備え、災害のときは助け合いの行動が大切でありますので、他の都市との連携も引き続き進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 次に、汚泥の処理について伺います。
 本年は、大阪府北部を震源とした地震や平成三十年北海道胆振東部地震による被害も発生したところであり、下水道局では、下水道管や水再生センター、ポンプ所等の施設の地震対策を着実に進めておりますが、下水の処理の過程で発生する汚泥を安定して処理できるようにすることも極めて重要であります。
 足立区には、中川水再生センターのほか、汚泥処理施設を有するみやぎ水再生センターもあります。
 そこで、震災や故障などにより汚泥処理機能が停止した場合に備えて危機管理を強化しておくなど、汚泥処理を安定して行えるように取り組み、信頼性を高める必要があると考えますが、見解を伺います。

○池田計画調整部長 下水道局では、区部十三カ所の水再生センターで発生する汚泥を五カ所の汚泥処理施設に集約し、処理を行っています。
 東日本大震災では、沿岸部の汚泥処理施設が一時停止し、他の水再生センターへ汚泥を迂回させ処理を行わざるを得なかった経験から、非常時に逆方向への送泥ができる相互送泥施設の整備や、迂回ルートを確保するための送泥ルートの複数化などの取り組みを実施し、汚泥処理の危機管理対応の強化に取り組んでいます。
 平成二十九年度には、みやぎ水再生センターと三河島水再生センター間で相互送泥施設の整備を完了させました。これにより、計画した五区間のうち、三区間で相互に送泥する施設が完成しました。
 残る二区間においても、着実に整備を進め、汚泥処理の信頼性を高めてまいります。

○うすい委員 五つの汚泥処理施設は、いざというときには汚泥処理施設同士で相互に融通し合うこともできるような対策に取り組んでいるということで、より信頼性が高まるものと期待をしております。
 ところで、汚泥処理施設というのは規模が大きいわけですから、大量のエネルギーを消費していると思います。
 そこで、汚泥処理過程における新たな技術を活用する省エネルギー対策などの下水道局の取り組みについて伺います。

○池田計画調整部長 下水道局では、下水道事業におけるエネルギー基本計画であるスマートプラン二〇一四に基づき、エネルギー使用量の削減を積極的に推進してまいりました。
 汚泥処理における省エネルギー対策としては、省エネルギー型の濃縮機、脱水機のほか、焼却時の補助燃料を削減する第二世代型焼却炉を導入してきています。
 平成二十九年度は、主に、みやぎ水再生センターで第二世代型焼却炉であるターボ型流動焼却炉の整備を進めたほか、葛西水再生センターでは、焼却した廃熱により発電できる第三世代型焼却炉の整備に着手いたしました。

○うすい委員 汚泥の処理はなかなか都民にはわかりにくいですが、汚泥の処理は水処理と連動していて、安定して効率的に汚泥処理するとともに、省エネルギーを図ることが非常に重要だと思います。引き続き取り組みを続けていただくことをよろしくお願いいたします。
 今答弁のありました足立区のみやぎ水再生センターに関してでありますが、みやぎ水再生センターでは、処理施設の上部を区の宮城ファミリー公園として、平成十六年より一般に開放しているところであります。
 この上部公園については、私が足立区議会議員のときに、足立区、地元の皆様、下水道局で構成された協議会で十分に協議を重ね、事業が進められてきた経緯があります。しかし、開園から十四年が経過をし、利用者のニーズも変わってきており、さまざまな意見をいただいております。
 現在は、バスケットボールやスケートボードなどを行える状況にありますが、今後、上部公園の改修などの議論が出る場合には、地域の皆様や足立区の意見も踏まえ、下水道局にも可能な限りの協力をしていただきたいことを強く要望させていただいて、次の質問に移ります。
 都では、下水道が普及したことにより、下水道はあって当たり前の施設と捉えがちになり、下水道に対する都民の関心が低下している実態も少なからずあると聞いております。そこで、下水道局は、本年三月に東京下水道見せる化アクションプランを策定し、東京の下水道を知ってもらう取り組みを進めているとのことであります。
 そこで、東京下水道見せる化アクションプランを策定するに至った背景や、プランの意義について伺います。

○安藤総務部長 これまでも、施設見学会などを通じまして、日ごろ目に触れにくい下水道の見える化に取り組んでまいりましたが、見える化だけでは、お客様が目にする機会は限られてしまい、さらなる工夫が必要でございました。
 そこで、見える化をより体系的で効果的な取り組みへと深化させ、より積極的に東京下水道の役割や課題、魅力を発信していく見せる化を推進することとしまして、具体的な実施計画として、東京下水道見せる化アクションプラン二〇一八を策定いたしました。
 プランに基づきまして、誰に何をどのようにの視点で、大人、子供、若者のターゲットごとに戦略的に見せる化を展開しまして、下水道事業の認知度や理解度、イメージ向上に取り組み、お客様満足度向上につなげてまいります。

○うすい委員 円滑な事業の推進には、都民の理解と協力が不可欠であります。そのために、東京下水道の役割や課題、魅力を積極的に見せていこうとするこの取り組みは重要になると思います。
 特に、次世代を担う子供たちに下水道の大切さを知ってもらうことが最も大切ではないかと考えます。
 そこで、最後に、東京下水道見せる化アクションプランの中では、こうした子供たちへの教育の観点からどのように取り組んでいくのか、また、現在までの取り組み状況について伺います。

○安藤総務部長 下水道局では、次世代を担う子供たちが未来の水環境について主体的に考えることができるよう、下水道についての学習機会を通じて環境学習の場を提供してございます。
 昨年度より、出前授業、小学生下水道研究レポートコンクール、夏休み親子見学ツアー、副読本「みんなの下水道」の各事業を有機的に連携させるとともに、下水道教育に関する情報を一元的に提供するウエブサイト、下水道アドベンチャーを制作、公開するなど、コンテンツやPRを充実させた上で都内小学校への働きかけを強化いたしました。
 この結果、昨年度の出前授業の実施校は、前年度比一〇%増の三百十二校、小学生下水道研究レポートコンクールの参加者数は、前年度から約二倍にふえ、五千二百三十人でございました。
 これまでの取り組みや参加者の意見を踏まえまして、さらに実施校や参加者数がふえるよう、引き続き、下水道教育の一層の充実に取り組んでまいります。

○うすい委員 浸水対策の質問のところでも述べましたが、出前授業、見学ツアーやイベントの開催など、下水道への理解がより深まるような取り組みを引き続き実施していただくことを要望しまして、私の質問を終わります。

○田村委員 私からは、自然災害への備えの観点から、平成二十九年度の取り組みを中心に幾つか確認いたします。
 まずは、私からも浸水対策について伺います。
 本年は、豪雨や台風による浸水災害が日本各地で発生しました。我が党では、第三回定例会の代表質問でも、豪雨災害が相次ぐ近年の気象状況を踏まえ、浸水被害の軽減に向けた下水道局の取り組みについて確認したほか、これまでも、さまざまな機会を通じ、豪雨に打ちかつ安全・安心、強靱な都市づくりを目指し、浸水対策の重要性について提言してきました。
 下水道局ではこれまで、豪雨対策基本方針や経営計画二〇一六に基づき、地区を重点化し、時間五十ミリの降雨や時間七十五ミリなどの降雨に対応できるよう、ポンプ所や大規模な幹線、貯留施設等の整備を進めています。
 そこでまず、平成二十九年度の区部における時間五十ミリ降雨への浸水対策の取り組み状況について伺います。

○猪八重建設部長 区部では、時間五十ミリ降雨への対策を進めることを基本といたしまして、くぼ地や坂下など浸水被害が発生しやすい地区に重点化して施設整備を実施しております。
 平成二十九年度には、新宿区新宿地区で第二戸山幹線の整備を完了いたしますとともに、練馬区田柄、桜川地区で第二田柄川幹線の整備を進めるなど、大規模な幹線や貯留施設の整備を着実に実施いたしております。
 このような施設整備によりまして、平成二十九年度末で、区部の七〇%の地域で時間五十ミリ降雨への対応が完了いたしました。

○田村委員 着実に対策が進められていることがわかりました。
 ところで、本年七月の西日本で発生した豪雨は、気象庁も、過去の豪雨災害と比べて極めて大きなものであったとコメントするなど、大変激しいものでありました。
 また、本年は、東京でも、数年に一度しか降らないような短時間の大雨を観測したときに発令する記録的短時間大雨情報が出されるなど、雨の降り方は明らかに変化してきていると思われます。
 下水道局では、過去に甚大な浸水被害が発生した地区等において、整備水準を七十五ミリ等にレベルアップした施設整備を進めています。
 そこで、整備水準のレベルアップを図る地区の進捗状況について伺います。

○猪八重建設部長 整備水準のレベルアップにつきましては、過去の浸水発生状況などにより、五十ミリ拡充対策地区、七十五ミリ降雨対策地区としての地下街対策地区及び市街地対策地区を定め、事業を実施しております。
 五十ミリ拡充対策地区は、既存の貯留施設を活用することなどにより、時間五十ミリを超える降雨に対応する地区として六地区を選定いたしまして、平成二十九年度末までに一地区が完了しております。
 残り五地区のうち、現在、四地区で施設整備を進めておりまして、平成三十年度には、残る一地区にも着手をする予定でございます。
 七十五ミリ降雨対策地区のうち地下街対策地区では、浸水被害の影響が大きい大規模地下街九地区を選定しておりまして、平成二十九年度末までに四地区で、また、平成三十年度に入り、既に一地区の計五地区で施設整備を完了いたしております。
 残り四地区につきましては、引き続き施設整備を進めてまいります。
 また、市街地対策地区は、平成二十五年に甚大な浸水被害が発生した四地区を選定し、全地区で施設整備を進めているところでございます。

○田村委員 こうした取り組みが大変重要ですが、最近の豪雨の状況を踏まえ、スピード感を持って各地区の施設整備を進めていただき、浸水被害の軽減に向けて取り組んでいただきたいと思います。
 ところで、近年、時間五十ミリを超える局地的な集中豪雨が、約四十年前に比べ四割程度増加しており、本年八月末にも、区部の西部を中心に時間五十ミリを超える豪雨があるなど、浸水に対する危険性は増していると思われます。
 そこで、浸水に強いまちづくりを推進していくため、このような降雨の状況や浸水被害の状況を踏まえ対策に取り組む必要があると考えますが、今後の取り組みについて伺います。

○池田計画調整部長 近年の豪雨では、整備した雨水貯留施設などが満水になるなど、効果を発揮しております。
 また、浸水被害が発生した地区でも、既に施設整備に着手しているところでは、今後、被害の軽減が期待できます。
 時間七十五ミリ降雨への対策を実施している市街地対策地区などにおいては、一部完成した施設を暫定的に稼働させるなどして、被害の早期軽減が可能となるよう取り組みを進めております。
 今後は、最新の流出解析シミュレーションの技術を活用して下水道施設の能力を検証するなどして、安全・安心なまちづくりを推進してまいります。

○田村委員 下水道施設の能力を検証していくとのことであり、さらなる浸水被害の軽減につながるよう、この取り組みに期待します。
 さて、下水道管が大雨の際にも確実に効果を発揮するためには、雨水を排除するための新しい下水管の整備のほか、今ある下水道管を確実に機能を発揮させるための取り組みが重要です。
 東京の下水道管は、高度成長期以降にかけて整備したものが多く、今後、一斉に更新時期を迎えるため、下水道管の老朽化対策を着実に進めていくことが必要です。
 そこでまず、区部における下水道管のうち、枝線と呼ばれている比較的小さな管渠の老朽化対策の取り組みとその進捗状況について伺います。

○池田計画調整部長 老朽化した枝線の再構築に当たっては、ライフサイクルコストの最小化を図るアセットマネジメント手法を活用し、計画的かつ効率的に事業を実施しております。
 具体的には、下水道管の状況を調査し、適切な維持管理を行うことで、経済的耐用年数である八十年程度まで延命化を図っております。
 また、中長期的な事業の平準化を図るため、区部を下水道管の整備年代により三つのエリアに分け、そのうち最も整備年代の古い都心部の約一万六千三百ヘクタールを第一期再構築エリアとし、優先的に再構築を進めております。
 平成二十九年度までに、第一期再構築エリアの約五割に当たる約八千ヘクタールで再構築を完了させました。
 これらにより、第一期再構築エリア内の道路陥没件数は、平成七年度のピーク時と比較し、約八割程度減少いたしました。

○田村委員 都心部の約半分で下水道管をリニューアルしたということで、道路陥没件数が八割減少し、下水道局の取り組みが着実に成果をあらわしており、継続して取り組んでいただきたいと思います。
 さて、規模が大きい下水道幹線は、老朽化による破損が発生すれば、甚大な道路陥没だけではなく、多くの家庭や事業所等で下水道が使えなくなるなど、深刻な社会的影響が考えられます。
 そこで、区部における下水道幹線の再構築の進捗状況について伺います。

○猪八重建設部長 区部の下水道幹線は、約千百キロメートルの延長がございますが、その中から、経過年数や健全度などによりまして、再構築を実施する対象を選定しております。
 具体的には、昭和三十年代以前に建設した整備年代の古い四十七幹線や、調査に基づき対策が必要と判明した三十七幹線など、約三百キロメートルを対象として優先的に整備を進めております。
 平成二十九年度には、戸山幹線など約五キロメートルで再構築が完了し、累計では、これまでに約七十キロメートルの再構築が完了しております。

○田村委員 下水はいっときもとめられないため、枝線に比べて水量の多い下水道幹線の工事は苦労もあると思いますが、大規模な道路陥没を未然に防ぐ重要な取り組みであり、積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 さて、本年は、豪雨や台風による水害だけでなく、大阪府北部を震源とする地震や、北海道胆振東部地震による被害も発生しており、北海道ではいまだに余震が続いております。
 特に北海道胆振東部地震では、道内で大規模停電が発生する、いわゆるブラックアウトといわれる事故も生じました。震災時等に停電が発生しても、重要なライフラインである下水道が機能することはとても重要です。
 私の地元である福生市を含む多摩地域では、各家庭から下水道幹線までの比較的小さい下水道管は市町村が管理していますが、規模の大きい下水道幹線及び水再生センターは都が管理しています。これらの下水道施設の機能確保は、都民の安全を守り、安心な生活を支える上でも大切な取り組みです。
 そこで、多摩地域と区部における停電時の電力確保に向けた取り組み状況について伺います。

○佐々木施設管理部長 下水道局では、震災時などにおける停電の際にも、水処理機能や雨天時のポンプ排水機能を維持するため、多摩地域で九施設、区部で九十八施設、全百七施設の水再生センターやポンプ所で非常時の電力設備の整備を推進してございます。
 多摩地域におきましては、全九施設で非常用発電設備を導入済みでございます。
 また、区部においては、天王洲ポンプ所及び東雲南ポンプ所で非常用発電設備が完成し、これにより、平成二十九年度末において九十六施設で非常用発電設備が導入され、残り二施設についても、電力確保に向けた取り組みを推進しております。

○田村委員 停電時においても電力を確保するための取り組みが行われていることが確認できました。
 さて、非常用発電機を動かすためには燃料が必要となりますが、過去の震災の際には、燃料の調達が困難になった状況が発生しました。
 非常用発電設備が確実に機能するためには、燃料調達が困難な状況に対する備えも重要だと考えますが、その取り組み状況について伺います。

○佐々木施設管理部長 東日本大震災の際に発電燃料の調達が困難であったことから、燃料の確保に向けた取り組みを実施しております。
 具体的には、都と石油関係の組合との間で、大規模災害時における石油燃料の安定供給に関する協定を締結してございます。
 また、東日本大震災では、耐震性にすぐれている中圧の都市ガス管からのガス供給には支障がなかったことから、灯油や重油のほかに都市ガスにも対応できるデュアルフュエル型の非常用発電設備を設置可能な水再生センターに導入してございます。
 平成二十七年度には中川水再生センターで完成し、二十九年度には、八王子水再生センターや中野水再生センターなどで工事に着手いたしました。

○田村委員 災害時の燃料確保について、ソフトとハードの両面から取り組みが進められていることがわかりました。これらの取り組みを着実に進め、震災時における安定的な下水道機能の確保をお願いいたします。
 次に、流域下水道について伺います。
 先ほども若干触れましたが、多摩地域の下水道は、東京都の流域下水道と市町村の公共下水道が一体となって機能を発揮するため、市町村との連携が極めて重要です。
 多摩地域の市町村においても、今後、区部と同様に下水道管の老朽化が顕在化します。
 そこで、市町村が管理する下水道管の老朽化に対する都の支援について伺います。

○小団扇技術部長 多摩地域の下水道普及率は九九%を超え、市町村が管理する下水道管は、平均経過年数が三十年を超えるものが約四割を占めるなど、維持管理、更新の時代に移行しておりまして、今後、下水道管の再構築が主要課題となると認識しております。
 流域下水道本部では、維持管理、危機管理などの技術支援やノウハウ提供などを目的に設置した、都と市町村による下水道情報交換会の場を活用して、市町村の課題解決を支援しております。
 平成二十九年度は、下水道管の再構築工事で採用している更生工法に関する講習会の開催とともに、実際の機材を用いた工事の実演を行いました。
 今後も、都が保有する再構築のノウハウを生かした技術提供や人材育成など、市町村への支援をより一層充実してまいります。

○田村委員 下水道は、二十四時間三百六十五日、いかなるときもとめることができません。下水道が絶えず機能を発揮し続けるためには、下水道管の老朽化対策に加えて、地震などによる災害に対し、都と市町村が連携して備えておくことが大切です。
 そこで、多摩地域の震災時などにおける都と市町村との連携について伺います。

○小団扇技術部長 多摩地域では、地震などの災害時に市町村単独では対応が困難な場合におきまして、職員派遣などの相互支援を行うため、流域下水道本部と市町村などとの間で、多摩地域の下水道事業における災害時支援に関するルールを定めております。
 さらに、被災した下水道管などを速やかに復旧するため、流域下水道本部、市町村及び下水道のノウハウを持つ協力団体と、多摩地域における下水道管路施設の災害時復旧支援に関する協定を平成二十八年度末に締結し、支援体制を強化してまいりました。
 平成二十九年度は、この協定を円滑に機能させるため、情報伝達訓練を実施しました。
 今後も、市町村と連携して危機管理能力の向上を図り、震災時などにおける多摩地域の下水道機能の確保に努めてまいります。

○田村委員 市町村への技術支援が着実に行われていることに加え、災害時の復旧支援体制が強化されていることがわかりました。引き続き、市町村との連携を強化し、相互支援体制を構築することで、多摩地域の安全・安心を確保していただきたいと思います。
 さて、近年は、下水道事業に関心を持つ都民の割合が低く、浸水対策など必要な事業への理解が得られないことが、事業を円滑に進める上での課題と聞いています。
 そこで、下水道に対する都民の関心はどのような状況にあるのか、伺います。

○安藤総務部長 平成二十九年二月に下水道局が実施いたしました下水道事業都民意識調査の結果、下水道に関心を持っていないと答えた都民の割合は一七・六%、関心がある、ないのどちらともいえないが五八・四%、関心を持っているとお答えいただいた割合は二三・三%にとどまってございます。
 また、下水道の役割の認知度におきましては、汚水処理による生活環境の改善や公共用水域の水質保全と比べまして、雨水排除による浸水の防除が低い傾向にございます。

○田村委員 ただいまの答弁を聞いて、改めて都民の下水道事業への関心を高めていく必要があると感じました。
 下水道事業は、浸水対策や震災対策、老朽化対策など多岐にわたり、どれも都民の安全を守り、安心で快適な生活を支える重要な取り組みであります。このような下水道事業を円滑に進めていくためには、下水道の役割のほか、事業の目的、効果をわかりやすく都民へ情報発信していくことが必要であると考えられます。
 そこで、下水道局の情報発信の強化について、これまでの状況と今後の展開について伺います。

○安藤総務部長 下水道局では、局一丸となって、より積極的に東京下水道の役割や課題、魅力を発信していく見せる化を推進することとし、ことし三月に東京下水道見せる化アクションプランを策定したところでございます。
 その中で、例えば浸水対策工事につきましては、これまでも工事現場の見学会や仮囲いを活用した情報発信を行ってきたところではございますが、平成二十九年度には、工事現場の見せる化として、お客様により深く事業を理解していただけるよう、現場見学会に加えまして、局ホームページに大規模事業の概要や特徴などをわかりやすく解説したページを公開してございます。
 今後も、東京下水道見せる化アクションプラン二〇一八に基づき、局ホームページの充実やSNSなどの新たな手法も活用しまして、積極的に東京下水道のPRに取り組んでまいります。

○田村委員 本委員会では、自然災害への備えの観点から、平成二十九年度の取り組みを中心に実施状況を確認いたしました。
 本日確認した浸水対策や老朽化対策などを着実に進めていただくことに加え、先ほどの質疑にもあった、多摩地域における市町村との連携にあるような行政間の連携や都民への情報発信も重要な取り組みであり、ハードとソフトの両面から、都民のために、引き続きしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 ラグビーワールドカップまで一年を、また、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック大会まで二年を切りました。こうした大会が安全に行われるように下水道の面から支えることはもとより、その先の東京都を見据えて、下水道サービスを安定して提供しながら、状況の変化に応じて政策をより充実していただくことを期待して、私の質問を終わります。

○藤井委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間の休憩といたします。
   午後二時二十九分休憩

   午後二時四十九分開議

○藤井委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○斉藤委員 資料の提出をありがとうございました。
 私からは、下水道管から起因する道路の陥没対策と浸水対策、震災対策について伺います。
 まず、道路陥没対策についてです。
 東京では、高度経済成長期以降に大量に整備した下水道管が、今後、一斉に耐用年数を迎えることになります。整備年代の古い下水道管の更新を着実に進めていくことは、下水道機能を安定的に確保するため、また、陥没などの事故を起こさないためにも重要です。
 そこでまず、下水道管に起因する最近の道路陥没件数の推移について伺います。

○佐々木施設管理部長 下水道管に起因する道路陥没の主な原因は、老朽化や衝撃などにより下水道管が破損し、周りの土が管の中へ流れ込むことで、道路の下に空洞が発生することによるものと考えられます。
 お尋ねの区部における道路陥没件数につきましては、平成十二年度には、陥没の兆候である路面の落ち込みも含めて、約千五百件を超えておりました。
 下水道局として、道路陥没対策を計画的に進めてきた結果、直近の平成二十九年度は、区部全体で三百七十三件となっており、平成十二年度の四分の一以下に減少しております。

○斉藤委員 二〇〇〇年には約一千五百件を区部だけで超えていたという陥没発生件数が、昨年、二〇一七年度には三百七十三件と、四分の一以下に減らしてきたということです。今後は、陥没発生がなくなるように、着実に対策を進めていただきたいというふうに思います。
 この下水道管に起因する道路陥没ですが、基本的には管路が老朽化していることが起因しているのだと思いますが、どのような要因で、どのような場所で起きているのか、改めて伺います。

○佐々木施設管理部長 道路陥没の多くは、家庭などからの排水を受けて下水道管につなぐ取りつけ管の破損に起因しており、下水道管に起因する道路陥没の発生件数全体の約七割を占めております。
 その理由は、平成元年までに整備された取りつけ管の多くが陶器製で衝撃に弱いことや、比較的浅い位置に埋設されていることから、車両通行による振動の影響を受けやすいことが要因と考えてございます。

○斉藤委員 家庭等からの排水から下水道管につなぐ取りつけ管で発生件数全体の七割を占めているということ、また、取りつけ管の多くが衝撃に弱い陶器製だということです。
 その道路陥没対策として、下水道局はこれまでどのように取り組んできたのか、伺います。

○佐々木施設管理部長 現在、整備年代の古い都心部の処理区を第一期再構築エリアとして下水道管の再構築を推進しており、老朽化した下水道の更新などとあわせて、陶器製の取りつけ管を衝撃に強い硬質塩化ビニール管へ取りかえる取り組みを行っております。
 さらに、道路陥没が多い地区などを道路陥没対策重点地区として位置づけ、優先的に硬質塩化ビニール管へ取りかえるなど、道路陥没対策を実施してございます。

○斉藤委員 整備年代の古い都心部の処理区を、今、第一期再構築エリアとして下水道管の再構築を推進し、あわせて、陶器製の取りつけ管を衝撃に強い硬質塩化ビニール管へ取りかえる対策を行っているということです。
 私の地元の足立区では、千住地域が第一期再構築エリアとして管路の更新に取り組まれていますが、その千住地域では、二〇〇八年に、小学校の前の道路で、下水道管から起因する陥没が起きたということがありました。住民の方が早朝に気がついて、所管の下水道局に対処してもらったということで事故はありませんでしたが、一歩間違えれば事故が起きていてもおかしくない状況でした。
 家庭等の排水から下水道管につなぐ取りつけ管ということで、道路の部分が発生件数の多くを占めているということではないかもしれませんが、道路陥没につながる事故、これは小さなものでも事故やけがを招くことがあるので、こうしたことが起きないように対策を強化していただきたいと思います。
 次に、浸水対策について伺います。
 ことしは大型台風や集中豪雨が各地で相次ぎ、七月には西日本でこれまでに経験のない大雨によって甚大な被害が発生し、誰もが、これから首都圏でも起こり得る集中豪雨、大規模災害に対する対策の必要性の認識を新たにしていることと思います。
 下水道局では、浸水対策として、地区を重点化し、大規模な幹線や貯留施設などの整備を推進しているところです。区部全域で一時間五十ミリ降雨に対する対策と、浸水被害の影響が大きい地区への七十五ミリ対策が行われていますが、その対策の取り組みについてはこれまでにも質疑がありました。
 この対策を着実に進めていくことが重要だというふうに思いますが、同時に、下水道局は、経営計画の中で、都市化の進展による下水道への雨水流入量の増加に伴い、場所によっては雨水排除能力が不足しているということを課題として挙げています。
 都市化が進んで地表がアスファルトに覆われることで、雨を地下に浸透、涵養する力が失われている状況ですが、それだけに下水道局としては、地表から雨水をのみ込む入り口部分の対策も強化していくことが求められていると思います。
 総合治水対策について検討する東京都総合治水対策協議会には下水道局も参加をしていますが、区や建設局などとの連携の中で、浸水対策について、下水道局はどのように取り組んでいるのかを伺います。

○佐々木施設管理部長 下水道局は、道路管理者と協力して、雨水ますの増設やグレーチングぶたへの取りかえなど、現場状況に応じた対策を実施してございます。
 豪雨対策下水道緊急プランで小規模緊急対策地区とした六地区においては、これらの対策やバイパス管の設置などを実施し、平成二十九年度に全ての地区で対策を完了しました。
 さらに、区や市などが主催するイベントに積極的に参加し、地域の皆様へ浸水に対する備えを呼びかけているところでございます。

○斉藤委員 区や道路管理者と協力して、雨水ますの増設やグレーチングぶたへの取りかえなどを実施しているということです。
 きょう、資料要求で出していただいた二十三区における主な浸水被害状況の推移を見てみますと、二〇一三年に浸水の被害が多かった目黒区、大田区、世田谷区、杉並区といったところで、今、五十ミリや七十五ミリ施設の整備に着手をしているということですが、未完成ということで、残念ながら、ことし八月二十七日の大雨によって、こうしたところで浸水被害が起きました。
 貯留型施設の整備はこれから拡充していくところだと思いますが、下水道管につながる雨水ますの増設などでも早急に対策をとっていただきたいと思います。
 また、区が主催するイベントに積極的に参加し、地域の皆様への浸水に対する備えを呼びかけているというご答弁がありましたが、具体的には、雨水ますの上部のふたの上に物を置かないことや、落ち葉などでふたが塞がれないように清掃することなどを都民に向けて呼びかけをしているということでした。
 いざというときに、雨水ますから下水道管に雨水がちゃんと流れていくようにしておくことは重要です。特に梅雨や台風、大雨のシーズンの前には、きちんと清掃していくことが必要です。
 雨水ますにたまるごみの清掃を行うのは、区や建設局などの道路管理者ということですが、下水道局としても、浸水の被害を確認しながら、関係所管と連携して、下水道管の機能、能力をきちんと発揮できるように取り組みを強化していただきたいと思います。
 次に、震災対策について伺います。
 ことしは、六月に大阪府北部を震源とした地震、そして、九月には北海道胆振東部を震源とした震度七を記録する巨大地震が発生しました。大阪北部地震では、老朽化した水道管の破裂が三つの市で起こり、北海道の胆振東部地方の地震では、液状化によってマンホールが道路から大きく突き出した映像も目に飛び込んできました。改めて、震災時のライフラインの確保と安全の確保という観点から、下水道管路や施設の耐震対策が重要であるということを認識させられました。
 東京都では、これまでの阪神・淡路地震や東日本大震災からの教訓も踏まえて対策に取り組んでいるところだと思いますが、改めて、区部における下水道管の耐震化はどのような施設を対象に取り組んでいるのか、伺います。

○池田計画調整部長 下水道管の耐震化につきましては、震災時の下水道機能の確保及び震災直後から避難、救助を初め物資供給等の応急活動を行うための緊急輸送道路などの交通機能の確保という二つの面から取り組んでおります。
 下水道機能の確保としては、避難所や避難場所に加え、ターミナル駅、災害復旧拠点、地域防災計画に定められている防災上重要な施設などを対象に、これらの施設から排水を受け入れる下水道管とマンホールの接続部の耐震化を実施しています。
 また、交通機能の確保としては、地盤の液状化現象が生じるおそれのあるエリアの緊急輸送道路に加え、緊急輸送道路と避難所などを結ぶ道路を対象に、地盤の液状化現象によるマンホールの浮上を抑制する対策を実施しております。

○斉藤委員 下水道機能の確保として、下水道管とマンホールの接続部の耐震化、そして、交通機能の確保として、マンホールの浮上抑制対策を実施しているということです。震災時においても下水道機能と交通機能を確保することは、都民のライフラインを支えるとともに、迅速な救助活動を支えるためにも重要な取り組みだと思います。
 下水道機能と交通機能を確保するために重要なこの二つの対策ですが、一般の都民の方々にはなかなか知られていない対策でもあると思います。
 具体的にはどのような対策なのか、技術的な視点から伺います。

○袰岩技術開発担当部長 下水道管は、大規模な地震が発生いたしますと、構造が異なる下水道管とマンホールは、地震の揺れに対して別々に動くため、その接続部が外れて破損することがございます。
 そこで、下水道管とマンホールの接続部を柔軟性のある構造に変更し、地震の揺れによる力を吸収することで耐震性の向上を図り、排水を受け入れる下水道機能を確保する対策を実施しております。
 また、マンホールは、地震により液状化現象が発生すると、地盤の内部で地下水圧が上昇し、その圧力でマンホールが浮上することがございます。地下水圧が上昇した場合に、その地下水圧をマンホール内に逃す装置を設置することでマンホールの浮上を抑制し、交通機能を確保する対策を実施しております。
 どちらの技術につきましても、当局が監理団体である東京都下水道サービス株式会社や民間企業と共同で開発したものであり、道路を掘り起こすことなく、マンホールの中で工事が行えるため、周辺の交通などに大きな影響を与えることなく、効率的に工事を行うことができるものでございます。

○斉藤委員 詳しい説明をありがとうございました。
 下水道管とマンホールの接続部は、別の構造物が震災時には別々に動くことにより破損が起きるために、接続部を柔軟性のある構造に変更しているということで、ちょうどビルの接続部でも使われているような免震構造の考え方かというふうに認識いたしました。
 マンホールの浮上対策は、揺さぶられた土壌から発生する水の圧力を避けるために、地下水をマンホール内にのみ込む装置を設置しているということです。
 いずれも、監理団体のTGSなどとの共同開発だということですが、私は、議員になる前でしたが、前任の議員と一緒に砂町の水再生センター内にある下水道技術実習センターに伺わせていただいたことがあります。震災対策についても、模型でわかりやすく示されていました。こうした技術の継承や技術革新を公営企業としての下水道局が行うということには大きな意義があると思っています。もうけのためではなく、必要なところに技術を普及し、公衆衛生や公共の福祉、安全対策に資する役割を果たすことができるのは、公営企業としての下水道局の仕事のだいご味ではないかと思います。
 その肝心な取り組みについてですけれども、下水道管の耐震化の二〇一七年度時点での取り組み状況について、改めてお願いいたします。

○猪八重建設部長 下水道管とマンホールの接続部の耐震化につきましては、経営計画二〇一六の最終年度でございます平成三十二年度末までに、避難所や災害復旧拠点など四千百五十五カ所の対策を完了させる予定としております。
 これに対しまして、平成二十九年度には二百三十四カ所で対策を実施いたしまして、累計では、全体の約九〇%に当たります三千六百九十二カ所の対策が完了してございます。
 また、マンホールの浮上抑制対策につきましては、同じく平成三十二年度末までに、緊急輸送道路など約一千二百五十キロメートルの対策を完了させる予定としております。
 これに対しまして、平成二十九年度末には、三十五キロメートルで対策を実施いたしまして、累計では、全体の約九五%に当たります約一千百九十キロメートルでの対策が完了してございます。

○斉藤委員 ありがとうございます。下水道管とマンホールの接続部の耐震化は、二〇二〇年までの目標の九〇%、マンホールの浮上抑制対策は、二〇二〇年までの目標の九五%まで完了させているということです。
 足立区でも、液状化が起こる可能性がある箇所は区内全域に点在していますが、ここでもマンホールの浮上抑制対策は、九〇%以上が目標に対して完了しているということです。着実に取り組みを進めて、一〇〇%まで完了していただきたいと思います。
 また同時に、これまで相次いだ大規模災害の発生を受けて、東京都として、これまでの延長線上にない目標の引き上げ等についても検討していく必要があると思います。
 首都圏では、今後三十年以内にマグニチュード七クラスの首都直下型地震が起こる確率が七〇%以上ということが想定されています。
 下水道管との接続部の耐震化やマンホールのふたの浮上抑制対策の目標の引き上げについても検討し、さらに対策を進めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。

○池田計画調整部長 下水道局はこれまでも、地域防災計画の見直しなどに伴い、避難所等が追加された場合には、下水道管の耐震化の対象となる施設を拡大してまいりました。
 また、マンホールの浮上抑制対策の対象となる緊急輸送道路と避難所を結ぶ道路を追加するなど、適切に対応してまいりました。
 引き続き、対象となる施設の地域防災計画における位置づけなどを考慮し、優先度を定めて計画的に対策を実施してまいります。

○斉藤委員 各自治体の地域防災計画の見直しに合わせて、避難所等の追加の際には、耐震化と浮上抑制の対策を行っているということ、これはとても重要だと思います。
 都としても、甚大な被害が続く今の自然災害の発生状況に鑑みて、現状の目標に甘んじることなく対策を強化していただくことを求めて、私からの質疑を終わりにいたします。

○おときた委員 私からは、初めに、東京都下水道サービス株式会社、以下TGSとさせていただきますが、その障害者雇用についてお伺いをいたします。
 障害者雇用につきましては、国の水増しが問題になったことをきっかけに、法定雇用率の達成に向けた取り組みについても、さまざまな議論がなされているところであります。
 TGSについては、私も公営企業で取り上げ、また、当委員会でも例年のように、障害者雇用の未達成について指摘が続いているところであります。
 改めて、TGSにおける障害者雇用率の推移、これは昨年度までの三年間と最新の状況をお伺いいたします。

○安藤総務部長 東京都下水道サービス株式会社の障害者雇用率は、同社によりますと、各年度六月一日時点において、平成二十七年度は一・七一%、平成二十八年度は一・六〇%、平成二十九年度は一・三二%でございます。平成三十年度につきましては、一・八七%に上昇してございます。

○おときた委員 雇用率が上昇したとはいえ、目標がいまだに達成されていないということは非常に残念です。
 TGSは公益性の高い監理団体なわけですから、強い危機感を持って、早急に法定雇用率の達成をしていただきたいと思います。
 そこで、障害者の法定雇用率達成に向けて、TGSでは具体的にどのようなことを行っているのか、TGSの障害者雇用促進の具体策についてお伺いをいたします。

○安藤総務部長 東京都下水道サービス株式会社では、従前より公共職業安定所などの関係機関からの情報収集を図るとともに、障害者の配属職場の確保に努めるなど、障害者の法定雇用率達成に向け取り組みを実施しております。
 しかしながら、同社が行っている下水道管や処理施設の維持管理などの業務は現場が中心であり、その現場は地下や高所であるなど、身体障害者で車椅子やつえ等の補助具が必要な方は、作業に携わることは困難な場合が多いという現状もございます。
 当局におきましては、同社の障害者の雇用を促進していくため、障害者雇用促進法を踏まえた総務局の通知に基づき指導を行うとともに、今後も引き続き、情報提供等に努めてまいります。

○おときた委員 現場が中心であって、身体障害者雇用が困難だということでございますが、体を動かす作業は、精神障害者の方の方がマッチするということもよくいわれております。
 もちろん、高度な技術を要するなど、特殊な事情もあるとは思われますが、ただいまのご答弁から推察するに、まだまだ現場における理解は硬直的であって、障害者雇用についての理解が必ずしも進んでいないのではないかとも思います。障害者雇用は、採用に至るまでの前段階として、現場や採用側の理解促進が必要です。この点についても、ぜひ丁寧に行っていただきたいと思います。
 そして、例えば就労移行支援事業所の見学会に参加し、精神障害者を中心とした雇用を進めたり、民間の障害者雇用業者と提携し、面接等の機会を実施するなど、柔軟な取り組みで障害者雇用の促進を進めていただくことを強く要望いたします。
 二点目として、資産の有効活用の観点から質問をいたします。
 平成二十九年十二月二十六日に都政改革本部が出した見える化改革報告書には、下水道事業の今後の事業方向性における基本スタンスとして、資産の有効活用を挙げております。
 人口減少による料金収入減や設備更新ニーズの増大を考えると、将来的に下水道事業は大幅な赤字に陥る可能性があることは、都政改革本部も指摘しているとおりであります。まずは、企業努力として資産を有効活用していく、その必要があることに私も賛同いたします。
 具体的な取り組みとして、第一に、芝浦水再生センターの活用があるということですが、この芝浦水再生センター上部に建設された品川シーズンテラスからの収入の推移について、まずはお伺いいたします。

○久我経理部長 品川シーズンテラスは、当局所有施設である芝浦水再生センターの雨天時貯留池の上部に定期借地権を設定し、民間事業者に貸し付け、その民間事業者が建設、運営している業務商業ビルでございます。
 当局は、事業者から土地賃貸料とオフィスフロアの賃料を得ており、収入は、合わせまして、平成二十七年度は約三十一億円、二十八年度は約五十四億円、二十九年度は約六十九億円と年々増加しております。
 これは、品川駅から徒歩六分という好立地を背景に、オフィスビルの入居が進み、稼働率が上昇したためでございます。

○おときた委員 品川シーズンテラスは、今後、山手線の新駅が近くに誕生する見込みでもあるということで、より一層の収益を確保できることになろうかと思います。
 定期借地権であるということではございますが、改定時期には地価変動などにも柔軟に対応するなど、収益確保により一層の努力をしていただきたいと思います。
 次に、同様の資産有効活用の取り組みとして、常盤橋街区再開発プロジェクト、この概要と、下水道局が参画するに至った経緯についてお伺いをいたします。

○久我経理部長 常盤橋街区再開発プロジェクトは、国家戦略特別区域の認定事業として、東京駅周辺の敷地、三・一ヘクタールを国際金融都市等の拠点に再生するものでございます。
 超高層タワーを含む四棟のビルや大規模広場等を、平成二十九年度から平成三十九年度まで、段階的に整備する計画となってございます。
 当局は、当該街区に都心部の下水を送水する重要な施設である銭瓶町ポンプ所を所有していますが、稼働から五十年以上が経過し、老朽化してございます。しかし、民間ビルと一体になっているため、ポンプ所機能を維持しながらの再構築が課題となっておりました。
 本プロジェクトでは、再開発区域内を段階的に整備することにより、既存の銭瓶町ポンプ所を稼働させながら、新たなポンプ所の用地を確保し、建設を進めることが可能であったことから、当局は参加したものでございます。

○おときた委員 既存のポンプを稼働させながらの段階的な整備による再開発が可能ということでございまして、効果が算定でき、経営安定に寄与する見通しが具体的にあるということであれば、これは評価できる取り組みではないかと思います。
 そこで、具体的に、常盤橋街区再開発プロジェクト参画における資産の有効活用の効果についてお伺いをいたします。

○久我経理部長 再開発区域内にある当局が所有する銭瓶町ポンプ所及び下水道事務所等の土地建物を平成二十九年度に権利変換したことによりまして、新たに建設されるポンプ所等の土地建物に加えまして、新たに建設されます民間ビルの一部にオフィスフロア等の権利を取得いたしました。
 権利を取得しましたこの民間ビルの竣工後は、オフィスフロアの賃料収入を得ることにより、下水道事業経営の安定化に資することとしております。

○おときた委員 現時点では数値による具体的な見通しはわかりかねますが、東京駅前の一等地ということで、品川同様に収益確保が期待できる取り組みではないか、その可能性は十分にあると思います。PRの仕方を工夫するなどして、より一層の、ぜひ前向きな努力をしていただきたいと思います。
 一方で、以上質問した品川と東京駅前の事例は、一等地であるがゆえに行えた資産活用事例ではないかと思います。下水道局が有している資産のほとんどは、このような一等地ではなく、川沿いの、残念ながら一等地とはいえない土地であるということも承知をしております。
 そして、先ほど述べましたように、下水道事業は大幅な赤字に陥るという可能性もあるのでありまして、先ほどの二つの事例で収益を確保するだけでは、到底、経営を安定化させることは難しく、一方では抜本的な運営の見直しを図るべきであると考えます。
 具体的には、都政改革本部やそれに携わった特別顧問も、見える化改革報告書や二〇二〇改革プランなどで何度も指摘しているように、コンセッション方式の導入が今後は必要不可欠であると考えます。
 そこで、三点目として、コンセッション方式導入の進捗状況についてお伺いをいたします。
 前提といたしまして、区部の平成二十九年度の財政収支状況と今後の見込みについて教えてください。

○安藤総務部長 区部の平成二十九年度の財政収支は、収入が約四千八百十億円に対して、支出が約四千八百四億円であり、差し引き約五億五千万円の黒字となってございます。
 これは、経営計画二〇一六の収支計画に対して、施設の補修費や電気料金などの維持管理費等の縮減により、約十一億円の収支改善となったものでございます。
 平成三十二年度までの現経営計画期間中においては、引き続き、労務単価や電気料金の上昇などにより維持管理費が増加傾向にあるなど厳しい経営環境にありますが、建設から維持管理までのトータルコストの縮減や資産の有効活用など、できる限りの企業努力を行うことで、収支均衡の安定的な財政運営が可能と考えております。

○おときた委員 現在、直近は黒字であり、今後も安定的な財政運営が可能と考えているというお答えではありますが、一方で、さきに述べているように、都政改革本部は、将来の財政収支については厳しい見通しを示しています。
 例えば、見える化改革報告書、下水道事業の財政収支の将来推計によると、二〇五〇年には四百五十八億円の累積資金不足となっておりますが、これは将来の見込みとはいえないのでしょうか。見解をお伺いいたします。

○安藤総務部長 見える化改革報告書にある財政収支は、コスト縮減など、通常行う企業努力の対策を何も講じないことを前提として複数の試算を行っており、中でも、料金収入の減少や、労務単価、電気料金など支出の増加について、より収支が厳しくなる推計を採用しております。
 この推計は、さらなる企業努力や新たな視点での見直しについて幅広く検討するために、あえて企業努力などの収支改善を加味せず、将来の事業環境を厳しく設定したものでございます。

○おときた委員 企業努力などを加味せず、何も対策を講じないと資金不足になる、そういう見解だったわけでございます。
 しかしながら、都政改革本部も、もちろん、意味もなくこうした指摘をしているわけではなく、これが企業努力だけで解消されるという意味ではないと思います。
 そのために、都政改革本部は、二〇二〇改革プランにおいて、大幅な収支改善のためには、設備更新のやり方を抜本的に見直す必要があると述べた後、そこも関連しまして、コンセッションを積極的かつスピーディーに導入することが有効というふうに明言をしているわけであります。
 そこで、こうした二〇二〇改革プランや見える化改革報告書、下水道事業で掲げていた施設運営手法、具体的にはコンセッションの導入について、現在の検討状況をお伺いいたします。

○安藤総務部長 下水道事業における施設運営手法の検討につきましては、平成三十年度から三十二年度までの三カ年にわたり実施することとしております。
 検討期間の初年度に当たる今年度は、予備的調査を実施し、平成三十一年度、三十二年度は、前年度までの調査結果を踏まえ、詳細な調査を実施する予定でございます。
 現在、予備的調査として、国内、国外における他都市、他事業の文献調査などを実施しているところでございます。

○おときた委員 一連のお答えから、調査及び予備的調査が今後も続くことが懸念され、コンセッションの導入には、財政状況のご答弁を踏まえましても、消極的であるように感じられます。
 コンセッションの導入については、先ほども申し上げましたように、都政改革本部はスピーディーに導入するということを既に提案しており、小池知事からも意欲的な発言が過去に出たこともありました。
 また、浜松市では既に導入済みであって、国土交通省も、ガイドラインの整備、情報やノウハウの共有、財政的支援まで含めた推進策をとっており、既にコンセッション導入については、導入するかしないかを慎重に検討する段階ではなく、導入を前提に、前向きに検証していく段階ではないかと考えます。
 少なくとも、アセットマネジメント計画を策定すること、そして財務シミュレーションなどを行うなど、導入に向けた具体的な検証段階に来ているのではないでしょうか。
 先日、病院の独立行政法人化の際にも申し上げましたが、こうした新たな手法の導入については、最後は政治が強いリーダーシップを発揮し、スピーディーに推し進める必要があります。
 コンセッション導入に慎重な姿勢をとるのではなく、検討のあり方をスピード感ある形へと抜本的に見直し、そして、コンセッション導入の前向きな方針へと転換されることを強く要望、提案いたしまして、私の質問を終わります。

○藤井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で下水道局関係を終わります。
 以上をもちまして第二分科会における決算の審査は終了いたしました。
 なお、本分科会の審査報告書については、分科会委員長において取りまとめた上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして第二分科会を閉会いたします。
   午後三時二十四分散会

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