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Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会 管外視察報告

平成30年7月3日(火曜日)から7月4日(水曜日)
委員長 伊藤こういち(公明党)

 初めに、平成30年7月豪雨により亡くなられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。

 厚生委員会では、社会福祉事業の推進や、社会保障、医療対策、都立病院の運営整備など、都民の生活に密着した分野を所管しております。

 その中において、今回は、地域包括ケアシステム、土砂災害被災者への心のケアや子供の貧困対策の取組などを調査するため、広島県において視察を実施いたしました。

 以下、その概要について、ご報告いたします。

広島県議会

 1日目は、初めに広島県議会を訪問いたしました。

 初めに、広島県における地域包括ケアシステムについて、説明を伺いました。

 広島県は高齢化率が27.9%とのことで、高齢化率はほぼ全国平均とのことですが、県内の高齢化の進行には市町ごとに違いがあり、既に進んでいる地域、これから急速に進む地域があることから、生産年齢人口の減少に伴う担い手の確保は深刻な状況になっているとの説明がありました。

 また、広島県では平成24年に地域包括ケア推進センターを設置し、実施主体である市町の後方支援だけでなく、県内125の日常生活圏域への専門職の派遣を行い、構築手法の類型化、評価指標の作成やロードマップの策定などにより、昨年度末までに県内全ての日常生活圏域で地域包括ケアシステムをおおむね構築されたとの説明がありました。

 説明後の質疑では、コストバランスや類型化について質疑が行われました。

 東京都においても65歳以上の高齢者人口は既に300万人を超えており、さらに進行する超高齢社会に向け、介護や医療が必要になっても住み慣れた地域で暮らしていけるよう、地域包括ケアシステムの構築は欠かせないとの認識を持ちました。

 次に、広島県における災害派遣精神医療チーム(DPAT)の取組について説明を伺いました。平成26年8月豪雨よる土砂災害では死者74名、住宅も全半壊や浸水など4,700棟を超える被害があり、多くの方が避難所での不便な暮らしを余儀なくされました。

 この豪雨による土砂災害では、県全体ではなく広島市内に被害が集中していたことから、他の病院への患者搬送するような対応ではなく、災害のストレスによって生じた様々な問題に対応することが中心であったとのことで、保健師を中心とした公衆衛生チームと連携して精神医療のニーズ把握をしていたとの説明がありました。

 また、心のケアは特別なことではなく、環境を整え、安心していただくことであるとのことで、タイムリーな情報提供、過ごしやすい環境づくり、そして身近に感じられるような支援の取組が大事であることを学びました。

 説明後の質疑では、DPAT自身へのケア体制や平時の民間病院との連携について質疑が行われました。

 次に、子供の貧困対策「朝ごはん推進モデル事業」について説明を伺いました。

 広島県による生活実態調査では、朝食の摂取と学力・体力に相関関係があるとの結果があり、学力を身に付けるための生活の基盤づくりとして、今年度「朝ごはん推進モデル事業」を実施するとのことです。

 近年、子ども食堂は全国的な広がりを見せておりますが、その多くは「夕食」の提供がメインであり、広島県のモデル事業のような朝食の提供を前提としたものではありません。また、学校への通学路を外れて子ども食堂へ寄ることは現実的ではく、地域住民が学校の家庭科室で朝食を提供するスキームで考えられているとの説明がありました。

 説明後の質疑では、事業に関する保護者への説明について質疑が行われました。

 子供が持つ可能性を伸ばし、貧困の世代間の連鎖を断ち切るための食事の重要性について、改めて認識いたしました。

広島県議会を訪問 広島県議会を訪問

広島平和記念資料館

 次に、都における被爆者援護の取組に関連して、広島平和記念資料館を訪問いたしました。

 初めに、平和記念公園にて、死没者を慰霊するとともに、永遠の平和を祈念し、厚生委員会として献花を行いました。

 広島平和記念資料館は、原爆の被害、被爆の実情を後世に広く伝えていくために昭和30年に開館された施設です。被爆に関する資料や遺品などが展示されており、被爆の惨状を再認識いたしました。

 また、高齢化する被爆者の声を後世に伝えていくため、被爆体験伝承者の養成・育成に取り組んでいるとのことでした。唯一の被爆国として、被爆の惨状を風化させないためのこの取組は、これからの未来を生きる子供たちに平和の大切さを伝えていくものと考えております。

平和記念公園 広島平和記念資料館

尾道市立総合医療センター 公立みつぎ総合病院

 2日目は、尾道市立総合医療センター 公立みつぎ総合病院を訪問いたしました。

 尾道市の地域包括ケアシステムには「尾道(医師会)方式」、「因島医師会方式」、「みつぎモデル」の3つがありますが、今回は、地域包括ケア発祥の地である公立みつぎ総合病院において「みつぎモデル」について説明を伺いました。

 急速な高齢化が進んでいく中、介護が必要になっても住み慣れた地域で暮らし続けることが出来るようにするためのサービス提供体制である「地域包括ケアシステム」は、今でこそ様々な自治体で取組が進められています。

 しかし、公立みつぎ総合病院では、地域包括ケアシステムという言葉がまだなかった昭和49年から「寝たきりゼロ作戦」、「病院と行政のドッキング」、「介護等関係施設の併設」など様々な取組を通じて、地域包括ケアシステムを作り上げ、提唱されてきました。

 在宅や施設入所、介護・医療の必要性の有無など、本人の様々な状態に対応し、医療機関と介護施設どこにいても、行政や医療・介護などの専門職、地域住民がシームレスに連携して受け入れていく点が特徴であるとの説明がありました。

 地域包括ケアシステム成功のためには、行政の情熱、多職種による連携、地域住民の協力、そのどれもが欠かせないということを認識いたしました。

 説明の後の質疑応答では、現場の労働環境や地域ケア連携会議の運営について質疑が行われました。

 また、その後、院内及び関係施設を視察いたしました。院内ではリハビリに励む患者や、関係施設で楽しく過ごされている利用者の姿が見られ、活気にあふれていました。


 以上、限られた2日間という日程の中での視察ではありましたが、現地での取組を直接拝見し、貴重なお話を伺うことができましたことは、今後の委員会活動を進めていく上で、大変、参考になりました。こうして得た成果を、今後の委員会活動を通して都政へと役立ててまいります。

 最後になりますが、この度の視察に際し、御多忙の折、懇切丁寧に対応していただきました広島県議会、広島市議会、尾道市議会及び公立みつぎ総合病院の関係者の皆様に、心から感謝とお礼を申し上げます。

地域包括ケアシステムの説明を伺う 尾道市立総合医療センター 公立みつぎ総合病院

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