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Tokyo Metropolitan Assembly

公営企業委員会 管外視察報告

平成30年4月25日(水曜日)から4月26日(木曜日)
委員長 清水孝治(自民党)

 公営企業委員会は、交通事業、電気事業、水道及び工業用水道事業並びに下水道事業の経営などを所管しております。

 全国的に都市の人口減が起こっている中、福岡市は東京都と同様に人口の増加を続ける街となっているそうです。

 今回は、東京都同様に、人口増に対応する更なる取組をおこなっている福岡市において、渇水、洪水、交通をテーマとして調査をするため、公営企業委員会として視察を実施いたしましたので、その概要を報告いたします。

長谷ダム

渇水対策を聴取

 1日目は、初めに、長谷ダムを視察し、渇水対策について調査いたしました。

 福岡市では、昭和53年と平成6年に長期的な給水制限を伴う渇水を経験しました。

 平成6年は、年間降水量が福岡管区気象台の観測史上最も少なく、昭和53年を上回る厳しい気象状況で、給水制限日数は295日間に及び、昭和53年を上回りました。しかし、給水制限延べ時間は、昭和53年を下回り、また、給水自動車の出動もありませんでした。

長谷ダム

 これは、昭和53年以降の筑後川からの導水をはじめとする水資源開発、浄水場からじゃ口までの水の流れや水圧をコンピューターで制御する配水調整システムの構築、そして何より市民の節水意識の向上によるものとのことです。

 この水資源開発の代表例である、長谷ダムは、通常のダム構造である上流からの河川流入ではなく、川の下流にある取水場からポンプで水を汲み上げ、ダムに貯水をする全国的にも珍しい貯留ダムでした。降雨の多い時期に貯水し、渇水時に浄水として利用する仕組みについて説明を聴取しました。当日は、ポンプで水を汲み上げている様子も見ることができ、ダムの構造も確認することが出来ました。

 また、ダムの内部にも入り、水圧に耐えうるための構造や、ダムのゆがみなどリアルタイムで計測する装置なども視察し、万が一の出来事が起こらないよう、常日頃からの監視を行っていることが確認できました。

 一級河川が無く、東京都以上に渇水対策に取り組んでいる福岡市の事例は、大変参考になるものでありました。

山王雨水調整池

山王雨水調整池を訪問

 次に、福岡市博多区にある、山王雨水調整池を訪問し、浸水対策について、説明を聴取しました。

 博多駅周辺で過去に2度、甚大な浸水被害が発生した経験から、福岡市では、博多駅周辺を三度浸水させないように「博多駅地区緊急浸水対策事業・雨水整備レインボープラン博多」を策定し、平成16年度から取り組んでいます。その主要施設のひとつとして、山王雨水調整池を完成させました。

 同施設は、地上部を約1.8メートル掘り下げて作った野球場となっている山王1号雨水調整池と、グランド地下に整備した山王2号雨水調整池の2つの調整池からなっており、2つの調整池を併せて約30,000立法メートルの雨水を一時的に貯留できる施設です。

 特に、地下施設は、地中深くまで掘り下げた、大規模な地下空間となっておりました。

 大量の雨水の貯留を可能とした構造に目を引くものがあり、ゲリラ豪雨や台風などによる浸水被害の軽減へ向け、参考となる取り組みでありました。

ぽんプラザ

ぽんプラザを訪問

 次に、福岡市博多区にある、ぽんプラザを訪問し、ハイブリッドポンプ場について、説明を聴取しました。

 当施設は、市街地中心部にある向島ポンプ場の上部に小規模なコンサートホールが併設されていることから、「ハイブリッドポンプ場」とされています。

 可動席108席を常設し、音楽・演劇などの活動の場として、市民文化や地域コミュニティ活動の振興に寄与しています。

 市街地中心部にあり、交通の便の良さと、比較的安い基本料金の設定から、稼働率の高い人気の施設となっていました。

 施設内には下水道PRコーナーも設置し、下水道事業の広報の場として、下水道の仕組みや役割をパネルなどで分かりやすく展示し、下水道に関する情報提供を行っています。

 市街地中心部にある下水道施設に、コンサートホールと下水道PRコーナーを併設し、ポンプ場の有効的な空間利用を行っている事例として、参考となる取り組みでありました。

七隈線橋本車両基地

七隈線橋本車両基地を視察

 2日目は、初めに、福岡市西区にある、七隈線橋本車両基地を視察いたしました。

 七隈線は、平成30年現在、わが国で唯一の建設中の地下鉄路線であります。また、東京都と同様に人口が増え続けている福岡市として、天神-博多間の延伸事業や利便性の向上などに取り組まれているとのことです。

 都営地下鉄大江戸線と同じくリニアモーター式で、車両の大きさなども、ほぼ同等の規格の同路線は、開業前に都交通局から様々な助言を受けられたと伺いました。

橋本車庫内 車両工場を視察

 更なる営業時間の延長には、保守点検の時間の確保などの課題もあるとのことでした。

 次に、橋本車庫内にある、車両工場を視察いたしました。

 騒音軽減をする車輪や、台車の整備状況などを伺いました。

 また、車両の中にも入り、状況を確認しました。七隈線は、完全自動運転を目標とした構造になっており、運転席と乗降客との仕切りがほぼ無い構造となっている特色があります。

 利用者に親しみやすく、車内快適性の確保や安全対策など様々な工夫を凝らされた七隈線は、大変に参考になるものでした。

 今回、福岡市の水道、下水道及び交通の現場を視察させていただき、福岡市の皆様からの貴重なお話を伺うことができましたことは、大変に参考になり有意義なことでありました。

 最後になりますが、この度の視察に際し、御多忙の折、懇切丁寧に対応していただきました福岡市の水道局、道路下水道局及び交通局の関係者の皆様に、心から感謝とお礼を申し上げます。

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