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Tokyo Metropolitan Assembly

環境・建設委員会 管外視察報告

平成30年7月18日(水曜日)から7月19日(木曜日)
委員長 田の上いくこ(都民ファーストの会)

 環境・建設委員会は、環境局と建設局の事業に関する事項を審議する委員会です。

 環境局の事業は気候変動対策や都市エネルギー施策のほか、廃棄物対策、自然の保護と回復など都民の暮らしや健康と密接に関連しています。また、建設局の事業は道路・河川、公園緑地・霊園など首都・東京の都市基盤の整備と維持管理の分野を担っています。

 そこで、今回は、無電柱化の推進及び都市公園の賑わい創出などについて調査を行うため、7月18日から19日にかけて、石川県及び富山県への視察を実施いたしました。

 以下、その概要についてご報告いたします。

金沢市議会・金沢方式無電柱化整備地区

 1日目は、初めに金沢市議会を訪問し、金沢方式無電柱化の推進について説明を受けました。

 金沢市は、昭和43年に景観関連条例としては全国初となる「金沢市伝統環境保存条例」を制定するなど、良好な景観形成の保存に対して積極的な取組を行ってきました。

無電柱化整備地区を視察

 景観施策の一翼を担うべく、昭和61年から武家屋敷跡界隈などの歴史的景観地区などから無電柱化の取組を進めており、平成21年度には「金沢方式無電柱化推進実施計画」を策定し、この計画に基づき段階的に無電柱化を実施しています。

 この計画は、金沢らしいまちなみの特徴を活かし、かつ、地域の実情にあわせた整備手法を組み合わせた無電柱化に関する事項を示し、金沢市の無電柱化事業の推進に資することを目的としております。

 無電柱化には、電力・通信の幹線ケーブルを地中化し、変圧器などの機器を地上に設置する「完全地中化方式」の他に、電線類(高圧線を除く)の一部を軒下や壁面に設置する「軒下配線(壁面配線)方式」、無電柱化したい当該道路の裏通りや、脇道から電線を架線する「裏配線・脇道配線方式」、低圧分岐機器の一部を照明柱に埋め込む、または照明柱に開閉器・変圧器を添架する「ソフト地中化(柱状型機器)方式」など、様々な整備手法があります。対象路線の道路構造や沿道の土地利用、建物状況などの条件に応じ、これらの整備手法を組み合わせて、整備を推進しているとのことでした。

 また、無電柱化をより一層推進するためには、住民や電線管理者などの関係者の理解と協力や、広報・啓発活動の充実、技術開発などの推進などが重要であるとの説明を受けました。

 質疑応答では、軒下配線における土地所有者などとの合意内容や、ソフト地中化方式や軒下配線方式のコスト面、道路管理者間の連携、設備の安全性などについて、質疑が行われました。

無電柱化整備地区を視察

 金沢市議会での説明聴取の後、無電柱化の整備事例として、主計町地区及び東山地区を視察しました。

 重要伝統的建造物群保存地区である主計町地区は、道路幅員が1.5メートルから2.0メートルと非常に狭く、地下にはライフライン及び消雪の送水管が埋設されており、従来の完全地中化方式だけでは工事が困難であったことから、住民の協力のもと軒下配線方式を採用したとの説明を受けました。

 東山地区では、ひがし茶屋街や東山木町通りなど、その地区の条件により、完全地中化やソフト地中化、裏配線・脇道配線などの様々な手法を組み合わせて整備している事例を視察し、無電柱化の推進により、金沢らしい美しい景観が創出されている状況を確認することができました。

西部環境エネルギーセンター

西部環境エネルギーセンターを視察

 次に、西部環境エネルギーセンターを視察しました。

 西部環境エネルギーセンターは、かなざわ次世代エネルギーパークを構成する拠点施設の一つであり、「見て・ふれて・学べる」環境学習コーナーを備えた施設です。

 同施設では、環境教育施設としての役割のほか、ごみ焼却に伴い発生する熱を有効利用するため、ボイラーにより蒸気を発生させ、蒸気タービン発電機(7,000キロワット)による発電や場内給湯、下水汚泥乾燥熱源、場外施設への熱源供給に使用していること、自動燃焼制御装置により焼却炉内で高温燃焼を行い、ダイオキシン類の発生抑制を行うなど、公害防止に万全の処置を採っていることなどについて説明を受けました。

 説明聴取の後、計量棟をはじめ中央制御室、蒸気タービン発電機など西部環境エネルギーセンターの館内を視察しました。

 その後、質疑応答では、ペットボトルの再資源化やプラスチックごみの処理方法、蒸気タービン発電などについて、質疑が行われました。

富山県議会・富岩運河環水公園

「都市公園の賑わい創出事業」について聴取

 2日目は、初めに「都市公園の賑わい創出事業」について説明を聴取するため、富山県議会及び富岩運河環水公園を訪問しました。

 富山県には、2,018箇所の都市公園があり、総面積は1,618ヘクタール、一人当たりの公園面積は15,3平方メートル(全国平均は10,4平方メートル)で、都道府県別一人当たり都市公園等整備現況では、全国11位となっております(平成28年度末時点)。

 富岩運河環水公園は、県内に9つある県立都市公園の一つで、とやま都市MIRAI計画のシンボル的な位置づけとして、昭和63年に整備着手されました。昨年度は、約265万人が利用するなど、日本海側トップクラスの観光拠点として、県内外問わず多くの方が利用する公園であります。

 公園の目の前には、昨年オープンした富山県美術館があり、園内には世界で最も美しいと評判のスターバックスコーヒーや、国登録有形文化財の牛島閘門、環境に配慮した運河クルーズ船を運航する富岩水上ラインなど、多くの施設があります。

 平成20年に富岩運河環水公園内で営業を開始したスターバックスコーヒーは、全国で初めて都市公園内に出店した店舗になります。その誘致の経緯について、環水公園の賑わい空間としての活用策を検討するため「環水公園等賑わいづくり会議」を設置し、その最終報告において「公園内に休憩・軽食ができる施設が必要である」という提案を受け、飲食店の公募を行い、スターバックスコーヒーが選定されたとの説明を受けました。

 また、富岩運河を活用したクルーズ船の運航や様々なイベントの開催により、公園を中心とした賑わいを創出する取組について、事例を紹介していただきました。

 質疑応答では、スターバックスコーヒーとの契約の概要や、公園の防災機能、指定管理者、民間事業者との関わりなどについて、質疑が行われました。

富岩運河環水公園

 その後、富岩運河環水公園へ移動し、県議会にて説明を受けたスターバックスコーヒーや富岩水上ラインなど、現地を視察しながら、整備の経緯や環境への配慮、イベントの開催など、公園に賑わいを呼び込む様々な工夫について説明を受けました。


とやま都市MIRAI計画
 富山市の玄関口である富山駅北地区において、鉄道跡地や運河舟だまりなどの遊休地を有効活用し、さらに民間活力の積極的な導入を図りながら、21世紀における富山県・富山市の産業・文化を先導するとともに賑わいと品格のある都市拠点を形成する計画。


富山市エコタウン

 次に、富山市エコタウンに向かいました。富山市は、平成26年に国際連合のSustainable Energy for All(万人のための持続可能なエネルギー)における、「エネルギー効率改善都市」に国内で唯一選定されるなど、環境政策に積極的な取組を行ってきました。

 エコタウン事業とは、ある産業から出る全ての廃棄物を新たに他の分野の原料として活用し、あらゆる廃棄物をゼロにすることを目指す「ゼロ・エミッション構想」を基軸に、地域の振興を図りながら環境と調和したまちづくりを推進する事業です。

 今回訪れた富山市エコタウンは、資源循環施設の拠点として、約18ヘクタールの「エコタウン産業団地」内にリサイクル施設を集約するとともに、エネルギー利用も含め、団地内のゼロ・エミッション化を進めております。

リサイクル施設を訪問

 初めに、エコタウン交流推進センターにて概要の説明を受けた後、生ゴミ及び剪定枝リサイクルの施設及び、木質系廃棄物リサイクル施設を訪問し、リサイクルの現場を視察しました。

 生ゴミ及び剪定枝リサイクルの施設では、スーパーや食品工場から発生する食品廃棄物を年間約1万トン受入れ、バイオガス化技術でメタン発酵処理し、発生したバイオガスの一部を隣接する企業に売却するとともに、余剰のバイオガスは、発電して電気エネルギーとして利用していることや、バイオガス発電には定量の廃棄物が必要であるが、契約の下、常時一定量が確保されていることなどの説明を受けました。

 また、木質系廃棄物リサイクル施設では、解体された家屋などの廃木材やダムの流木などの木質系廃棄物を炭化処理し、各種用途の木炭製品や、木炭ボード、土壌改良剤などを製造し、販売まで行っていることなどの説明を受けました。


 以上、2日間という限られた日程ではありましたが、今回の視察での貴重な見聞や、活発な意見交換ができましたことは、今後の委員会活動を通じて、都の今後の政策・施策に十分に活かされるものと確信しております。

 最後に金沢市議会、西部環境エネルギーセンター、富山県議会並び富山市エコタウンの皆様方には、お忙しい中、懇切丁寧に対応していただき、有意義な視察が出来ましたことに、心から御礼申し上げ、環境・建設委員会管外視察の報告とさせていただきます。

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