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Tokyo Metropolitan Assembly

環境・建設委員会 管外視察報告

令和元年6月24日(月曜日)から6月25日(火曜日)
委員長 栗下善行(都ファースト)

 平成30年7月、西日本を中心に広い範囲で記録的な大雨となり、各地で河川の氾濫や土砂災害が相次ぎ、家屋被害や200名を超える死者・行方不明者が発生するなど、平成に入って最悪の豪雨災害となりました。中でも、岡山県及び広島県では、堤防の決壊による浸水被害や、豪雨災害による多量の災害廃棄物が発生するなど、甚大な被害を受けました。

 そこで、河川の整備や廃棄物対策を所管する環境・建設委員会では、平成30年7月豪雨災害を受けた治水対策や災害廃棄物処理について調査を行うため、6月24日から25日にかけて、岡山県及び広島県への視察を実施いたしましたので、概要についてご報告いたします。

倉敷市芸文館・岡山県真備緊急治水対策事業現地

倉敷市芸文館

 1日目は、初めに、岡山県(倉敷市芸文館)を訪問し、岡山県備中県民局から、平成30年7月豪雨災害の概要について説明を受けました。

 平成30年7月5日から本州付近に停滞する梅雨前線の活動が活発になり、中国地方では、降り始めからの総降水量が450ミリを超え、昭和47年7月豪雨以来の記録的な豪雨を観測しました。同月7日には、高梁川水系小田川沿川の倉敷市真備町で、堤防の決壊により浸水面積が約1,200ヘクタールとなる甚大な被害が発生しました。

 国の堤防調査委員会が行った各河川の被災要因の検証によると、決壊の主たる要因は、3河川(末政川・高馬川・真谷川)とも、小田川からの背水影響により「越水」したことであり、「浸透」が堤防の決壊を助長した可能性もあるとのことです。また、末政川左岸(小田川との合流点から400メートル上流)については、越水ではなく、小田川からの背水影響により橋梁部から「溢水」したことが主たる要因とのことでした。

 岡山県は、国と連携し災害復旧及び再度災害防止を図るため、おおむね5年間(2018年度から2023年度)で、小田川(国管理)の水位を引き下げる合流点付替え事業、岡山県管理の末政川・高馬川・真谷川の堤防嵩上げ・堤防強化などを行う真備緊急治水対策を実施しているとの説明がありました。

 質疑応答では、背水現象(バックウォーター現象)が起きた原因、上流域(ダム)の対策、合流点の付替え事業、ハザードマップの整備、用地買収などについて、質疑が行われました。

真備緊急治水対策事業現地

 倉敷市芸文館での説明聴取の後、真備緊急治水対策事業現地である、末政川及び高馬川を視察しましたが、現地付近の住宅では、1年経った今も、1階が浸水してしまったために、人が住まうことができずに、窓を開け放った無人宅が数多く見られました。

 末政川及び高馬川では、平成31年2月から本復旧工事に着手し、令和元年6月12日に既設堤防高まで復旧が完了し、真谷川では、平成31年1月から本復旧工事に着手し、令和元年6月5日に既設堤防高まで復旧が完了したとのことです。引き続き、3河川とも、真備緊急治水対策プロジェクトに基づき、重点的な堤防整備(嵩上げ・堤防強化)を進めるとの説明がありました。

北新地グラウンド管理事務所・広島県災害廃棄物処理現地

北新地グラウンド管理事務所

 2日目は、初めに、広島県(北新地グラウンド管理事務所)を訪問し、広島県環境県民局から、平成30年7月豪雨災害の概要や県受託分の坂町二次仮置場管理運営業務について説明を受けました。

 岡山県と同様、記録的な大雨により、平成30年7月6日から7日にかけて、河川の氾濫による浸水、斜面の土砂崩れ、土石流による被害が、広い範囲で同時多発的に発生しました。

 県内では、この豪雨災害により、広範囲に約119万トンの災害廃棄物が発生し、訪れた安芸郡坂町においては、人口当たりの発生推計量が県内最大となっています。

 災害廃棄物は一般廃棄物であるため、処理主体は市町であるが、市町単独での実施が困難な業務については、県が地方自治法に基づき事務の委託を受け、処理を行っているとの説明がありました。

 災害廃棄物の仮置場については、発災後、速やかに十分な仮置場を確保できた市町が少なかったことや、発災直後から多くの人的・物的支援があったが、これらを活かして処理体制を構築するのに時間を要したことなど、仮置場の確保、支援・受援体制などに関する課題を伺うことができました。

 質疑応答では、災害廃棄物の一時仮置場・二次仮置場の設置時期、人的支援に係る受入体制、県外産業廃棄物処理施設などについて、質疑が行われました。

災害廃棄物二次仮置場を視察

 北新地グラウンド管理事務所(安芸郡坂町)での説明聴取の後、北新地グランド内に設置されている、災害廃棄物二次仮置場を視察しました。

 二次仮置場では、県が町からの委託を受けて、坂町で発生した災害廃棄物を受け入れ、選別する業務を実施しています。実際に業務に携わる方のお話を伺うこともできましたが、今もなお、災害廃棄物が山積みとなっている現場を視察し、豪雨災害の規模の大きさを改めて感じることができました。

 広島県では、安芸郡坂町のほか、甚大な被害が発生した東広島市黒瀬町、呉市安浦町、竹原市などの状況をバスの車窓から見ることができましたが、現地を通過する際には、呉市出身のバスガイドさんから、被災当時の経験談を含め、貴重なお話も伺うことができました。


 以上、2日間という限られた日程ではありましたが、平成30年7月豪雨災害からの復旧・復興に向けた取組について、直接ご説明を伺い、現地を視察できましたことは、大変、貴重な機会となりました。こうして得た成果については、今後の委員会活動を通じて、都政へと役立ててまいります。

 今回、岡山県及び広島県の皆様方には、お忙しい中、懇切丁寧に対応していただき、有意義な視察が出来ましたことに、心から御礼申し上げます。各所において、都のこれまでの支援に対する御礼のお言葉を頂戴し、視察を歓迎してくださいましたことは、大変ありがたく思うとともに、今回の視察を通じて、水害に強い東京に向けて、今後も継続的に取り組んでいく重要性を実感したところでございます。

 最後になりますが、環境・建設委員会といたしまして、あらためまして、平成30年7月豪雨で亡くなられた方々とそのご遺族に、深く哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。また、被災地の一日も早い復旧、そして復興が成りますように、心からお祈り申し上げ、環境・建設委員会管外視察の報告とさせていただきます。

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