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Tokyo Metropolitan Assembly

総務委員会速記録第十五号

平成二十九年十二月十一日(月曜日)
第一委員会室
午後一時開議
出席委員 十五名
委員長菅野 弘一君
副委員長谷村 孝彦君
副委員長中山ひろゆき君
理事内山 真吾君
理事中屋 文孝君
理事荒木ちはる君
山内れい子君
奥澤 高広君
斉藤やすひろ君
福島りえこ君
西沢けいた君
原 のり子君
山田ひろし君
とくとめ道信君
早坂 義弘君

欠席委員 なし

出席説明員
政策企画局局長遠藤 雅彦君
外務長山元  毅君
次長理事兼務岩瀬 和春君
理事小暮  実君
理事松下 隆弘君
理事鈴木  勝君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務横山 英樹君
調整部長佐藤 智秀君
政策担当部長小久保 修君
政策担当部長古屋 留美君
技術政策担当部長森  高志君
戦略広報担当部長報道担当部長兼務古川 吉隆君
海外広報担当部長梅田 弘美君
ホストシティプロジェクト推進担当部長高野 克己君
渉外担当部長裏田 勝己君
国家戦略特区推進担当部長松原 英憲君
戦略事業担当部長田尻 貴裕君
計画部長山下  聡君
外務部長加藤 英典君
外務担当部長丹羽恵玲奈君
青少年・治安対策本部本部長大澤 裕之君
総合対策部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務森山 寛司君
青少年対策担当部長井上  卓君
治安対策担当部長臼井 郁夫君
総務局局長多羅尾光睦君
危機管理監田邉揮司良君
次長榎本 雅人君
理事箕輪 泰夫君
総務部長矢田部裕文君
企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長
オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務
池上 晶子君
訟務担当部長江村 利明君
復興支援対策部長伊東みどり君
復興支援調整担当部長被災地支援福島県事務所長兼務松崎 浩一君
行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務小林 忠雄君
都政改革担当部長小笠原雄一君
都政改革担当部長豊田 義博君
情報通信企画部長情報企画調整担当部長兼務久原 京子君
情報政策担当部長吉野 正則君
人事部長栗岡 祥一君
労務担当部長村岡 教昭君
コンプライアンス推進部長主席監察員
政策法務担当部長訟務担当部長兼務
貫井 彩霧君
行政部長野間 達也君
多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長
事業調整担当部長兼務
山口  真君
区市町村制度担当部長小菅 政治君
総合防災部長梅村 拓洋君
防災計画担当部長西川 泰永君
防災対策担当部長和田 慎一君
統計部長熊谷 克三君
人権部長仁田山芳範君

本日の会議に付した事件
青少年・治安対策本部関係
付託議案の審査(質疑)
・第百六十四号議案 東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例
総務局関係
契約議案の調査
・第百八十八号議案 東京都公文書館(二十九)改築工事請負契約
・第百九十号議案 東京都公文書館(二十九)改築空調その他設備工事請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第百六十五号議案 東京都地方独立行政法人評価委員会条例の一部を改正する条例
・第百六十六号議案 東京都職員の退職管理に関する条例の一部を改正する条例
・第百九十七号議案 公立大学法人首都大学東京定款の変更について
・第百九十八号議案 東京都人権プラザの指定管理者の指定について
・第二百二十四号議案 東京都知事等の給料等に関する条例の一部を改正する条例
・第二百二十五号議案 東京都公営企業の管理者の給料等に関する条例の一部を改正する条例
・第二百二十六号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
・第二百二十七号議案 東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第二百二十八号議案 東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第二百二十九号議案 東京都知事等の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
・第二百三十号議案  職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
・第二百三十一号議案 職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
政策企画局関係
報告事項(質疑)
・「『国際金融都市・東京』構想 『東京版金融ビッグバン』の実現へ 」について

○菅野委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 初めに、契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成二十九年十二月八日
東京都議会議長 尾崎 大介
総務委員長 菅野 弘一殿
   契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
 第百八十八号議案 東京都公文書館(二十九)改築工事請負契約
 第百九十号議案 東京都公文書館(二十九)改築空調その他設備工事請負契約
2 提出期限 平成二十九年十二月十二日(火)

○菅野委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、総務局関係の契約議案の調査、青少年・治安対策本部及び総務局関係の付託議案の審査並びに政策企画局関係の報告事項に対する質疑を行いたいと思います。
 これより青少年・治安対策本部関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百六十四号議案を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○森山総合対策部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 過日の委員会において要求がございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元にお配りしております総務委員会要求資料の一ページをごらんください。
 警視庁が検挙した児童ポルノ事件における被害児童のうち、自画撮り被害に遭った児童数について、平成二十七年及び平成二十八年の人数を掲載してございます。
 次に、二ページをごらんください。
 相談窓口、こたエールに寄せられた相談総数及びそのうち性的画像等に関するものについて、平成二十三年度から平成二十八年度までの件数を一覧化したものでございます。
 以上で要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○菅野委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 それでは、発言を願います。

○奥澤委員 近年、児童ポルノ事犯の被害件数が増加の一途をたどっておりまして、また、先ほどの資料でも相談件数が徐々にふえているということがございました。これは、青少年の健全育成を考える上で、大変ゆゆしき事態となっております。
 中でも、刑法の脅迫や強要に触れない方法で、また、青少年の未熟な判断能力につけ入る要求行為をするという形での被害が多発しており、これは卑劣きわまりないことであるというふうに認識しております。これまで法令上規定されていなかった要求行為についても罰則規定を設けたということは大変重要な意味があるということで、評価をいたしております。
 しかし、一方で、その犯罪としての性質が、判断能力の未熟さ、あるいは法律の抜け穴のようなところを狙っている点について、オレオレ詐欺に代表されるような特殊詐欺に似た様態ではないかというふうに感じております。今後、イタチごっこになる可能性が非常に高いのではないかと懸念しているところでございます。
 本年五月三十日の青少年問題協議会緊急答申におきまして、具体的な対応策について、まず一つ目に、悪意のある者と青少年との遭遇、やりとり開始段階、二つ目に、青少年への撮影、送信の働きかけ段階、そして三つ目に、青少年が画像を送信した後の段階に分けて提言がなされております。
 まず、今の一つ目、悪意のある者と青少年との遭遇、やりとり開始段階についてご質問したいと思います。
 自画撮り被害の七〇%強は、スマートフォンを利用した際に被害に遭っているという調査がございます。青少年インターネット環境整備法改正に伴う本条例の改正によりまして、スマートフォンなどの契約時に、事業者から保護者に対し、青少年有害情報フィルタリング有効化措置等について説明し、特段の理由がない限りは、フィルタリングは有効に機能するというふうに理解をしております。
 それによって、悪意ある者と青少年との遭遇、やりとりを抑止する効果を高めるというところで期待はしておるのですけれども、一点確認をしておきます。
 保護者からの理由書につきましては、提出がなくても契約自体はできるというふうに聞いております。これを、現在、フィルタリングサービスを導入しない親からの理由書について、その理由が適切かどうかの判断基準はどのように示されておりますでしょうか、所見をお伺いいたします。

○井上青少年対策担当部長 青少年健全育成条例施行規則におきまして、保護者が青少年有害情報フィルタリングサービスを利用しない申し出をする際に提出する書面に記載する正当な理由として、四点規定されております。
 第一に、携帯電話インターネット接続役務の提供を受ける青少年が就労している場合において、青少年有害情報フィルタリングサービスを利用することで当該青少年の業務に著しい支障を生じること、第二に、携帯電話インターネット接続役務の提供を受ける青少年が心身に障害を有し、または疾病にかかっている場合において、青少年有害情報フィルタリングサービスを利用することで当該青少年の日常生活に支障を生じること、第三に、保護者が携帯電話インターネット接続役務提供事業者が提供するインターネットの利用状況に関する事項の閲覧を可能とする役務を利用すること等により、青少年がインターネット上の青少年有害情報を閲覧することがないように適切に監督すること、第四に、これらに準ずる正当な理由、以上の四点でございます。

○奥澤委員 ありがとうございます。
 今後のフィルタリング有効化措置の対処においても同様に規定されるものと理解しております。つまりは、就労や心身の障害などの特段の事情がない限りは保護者が監督するという、ある種の制約のようなものが必要ということで、一定のブレーキを果たすことはできるものというふうに考えております。
 今後、フィルタリングは、自画撮り被害の水際対策ともいうべきものであり、有効な手段だというふうに考えております。
 正直、このようなことは考えたくはないのですけれども、説明を怠る事業者、あるいは子供への愛に欠けてしまっている、そういった保護者が存在するということも考えなければいけないことなんだというふうに私は考えております。本条例施行に際しては、事業者への周知を徹底するとともに、今後の動向にも注視をしていただきますよう、お願い申し上げます。
 続きまして、青少年への撮影、送信の働きかけ段階についてお伺いをいたします。
 青少年の判断能力は形成途上であるがゆえに、それが犯罪かどうかの判断すらできない、あるいは、気づいたときには犯罪に巻き込まれているということも少なくはございません。先ほどの資料でも、二十件ほどが自画撮りの被害に遭っているというのがありましたけれども、実際には、あれに入ってこない、自分では気づいていないというケースも多分に考えられるところであると思います。
 ですから、判断能力が十分に形成されるまでの間、社会全体で守らなければならないということはいうまでもないのですけれども、それに加えて、インターネットというのは、当事者間のやりとりで完結することが多い。そのため、青少年自身の判断能力を早期に向上させる必要があるというふうに考えております。
 そこで、青少年の判断能力を育む教育についてご所見をお伺いいたします。

○井上青少年対策担当部長 今回の条例改正では、都の責務として、性に関する健全な判断能力が形成途上であることに起因して青少年の健全な育成が阻害されないように、普及啓発等の施策の推進に努めることを加えました。
 ご指摘のとおり、従前から条例に規定しております、健全な判断能力育成を図るため、普及啓発等の施策の推進に努めることも、変わらず重要であると考えております。
 引き続き、インターネット上の危険性について、青少年みずからが考え、回避できる力がつくよう、学校、警察等とも連携しながら取り組んでまいります。

○奥澤委員 ありがとうございます。
 引き続きの横の連携をしっかりと持って、よろしくお願いいたします。
 続いて、先日の代表質問において公明党さんの方からもご質問があった件なんですけれども、SNSを活用した取り組みについて前向きに進めたいといったお答えがあったかと思います。これについてなんですけれども、例えば長野県、SNSを活用した相談窓口をモデル的に開設したところ、その一日当たりの相談件数が一・八人から百十二・七人に激増したと、そういった調査が出ています。
 確かに、SNSが自画撮り被害やいじめの温床になっているという側面もあるのですけれども、それ自体の問題よりも、青少年のコミュニケーションのツールが変化したということに政治や行政が対応できていない、ここに問題があるというふうに考えております。
 そのような現状を踏まえ、SNSを活用した取り組みや検討方針についてご所見をお伺いいたします。

○井上青少年対策担当部長 ご指摘のとおり、昨今、青少年は、主なコミュニケーションツールとしてSNSを使うようになっております。
 自画撮り画像の要求の多くもSNS上で行われることに着目し、都が開設する青少年のネットトラブル相談の窓口、こたエールでは、新たにSNSを活用してその周知を行うとともに、相談受け付けを行うことを検討するなど、青少年がより相談しやすい環境の整備を図ってまいります。

○奥澤委員 ありがとうございます。より相談しやすい環境づくり、とにかく一刻も早く進めていただきたいということを強く要望しております。
 とはいえ、それまでの間も、今もなお、被害は拡大をしております。すぐにできる対策を進めていただきたいという考えの中で、こたエールというのが今もあると思うのですけれども、こちらへのアクセス件数が昨年に比べて倍増しているということを伺っておるのですけれども、その中にある相談事例や被害の実態を紹介しているページ、こちらについてのアクセス件数についてはいかがでしょうか。

○井上青少年対策担当部長 ネットトラブルの相談窓口であります、こたエールのホームページ上の相談事例ページへのアクセス件数は、今年度に入り、月平均八千件程度で推移しております。
 多くの青少年のインターネットトラブル被害に関する悩み解決の一助になっていると認識しております。

○奥澤委員 ありがとうございます。
 月八千件というとなかなか、かなり数もふえてきているのかなというのを感じるところなんですけれども、先ほども少し触れたのですけれども、青少年自身が、それが犯罪なのかどうかもわからないという中で巻き込まれているケースというのも少なくはないというふうに思っております。
 青少年がその画像の要求を受けた際に、応じる前に立ちどまれるか、これはすごく重要なことだと思っておりまして、これは悪いことなのかどうかというのを判断するには、そういった相談事例のページが有効だというふうに考えております。
 こたエールを利用しての相談事例等の情報発信の強化についてご所見をお伺いいたします。

○井上青少年対策担当部長 自画撮り画像の要求を受けた青少年がホームページ上で類似の相談事例の情報を得ることで、画像を送らずに済むケースもあると考えられます。
 こうしたことから、ホームページでは、新しい相談事例を随時掲載しております。
 引き続き、最新の相談事例等につきまして、わかりやすく掲載するなど、工夫を凝らして積極的に情報発信をしてまいります。

○奥澤委員 ありがとうございます。
 これからもわかりやすい発信を心がけていくといったようなお話がございましたので、あのページ、こたエールを見させていただいた率直な感想といいますか、意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、相談ページというのが、左のところにかなり小さく書かれている状態だったので、あそこを開いてすぐに、あのページにたどり着くというのは、なかなか難しいのかなというのが率直な印象でありました。
 また、相談ページも、ずらっと文章が書かれていて、大人の私でも読むのをためらってしまうような状況であったり、あるいは被害状況が想像しにくいものでした。今の若者というのは、スクリーンショットといって、例えばSNSでやっているやりとりをそのまま画像で見るような形での方法が一番届きやすいと思いますので、そういった形の情報発信もぜひ検討いただきたいというふうに思います。
 また、相談ページを開いてみると、最初の段階でかなり多くのことを質問する形のしつらえになっておりました。これだとなかなか、何を書いていいのか、あるいは、そこでちょっと面倒くさいなと手を引いてしまう青少年も多いんじゃないかなというふうに率直に思います。
 最初の相談の時点では、例えば年齢とか返信先、あるいは、どういったことで困っている、そういったことを聞くぐらいにとどめて、二度、三度やりとりをする中で詳細を確認していくような、そういった考え方もどうかなというふうに思っております。
 先ほどのSNSを使った相談窓口ということも含めてなんですけれども、入り口を開くこと、とにかくインターネットにおける駆け込み寺となるような、そういった場所をつくっていただきたい。そういったことを早急にしていただきたいということをお願い申し上げておきます。
 最後に、青少年が画像を送信した後の段階について、こちらは意見を述べさせていただきます。
 SNSの大手であるツイッター社は、二〇一六年秋以降、児童の性的搾取について、みずから監視体制を構築して、二〇一七年上期に凍結したアカウントの八割は、ユーザー通報ではなく、ツイッター自身がみずから実施したものであるというふうな報道が出ております。
 また、先日の座間市での痛ましい事件を受けまして、LINE、フェイスブックジャパン、ツイッタージャパンなどが加盟する青少年ネット利用環境整備協議会が、十二月六日、ネット上で自殺を誘う行為などを明確に禁止するなどの、加盟事業者に呼びかける緊急提言を発表いたしました。
 自画撮り被害の防止におきましても、インターネットを介しているという性質上、プラットホーム業者に対し、その対応策を課すことの方が有効ではないか、そういった指摘もあるところでございます。
 先般の代表質問において、我が会派からの質問に対して、他道府県にも同様の規制を求めていく、そういった旨のお答えがあったかと思います。行政だけでなく、こういった民間のプラットホーム業者の団体等とも連携を図っていく、それが被害を未然に防ぐ最大の効果を発揮するものだと思っておりますので、そういった要望をさせていただきまして、私からの質疑を終わらせていただきます。

○斉藤委員 自画撮り被害は、被害に遭って画像がインターネット上に流出してしまいますと、その画像を完全に削除することは本当に難しく、その流された画像に関して、青少年に将来にわたって不安を抱かせ続ける大きな問題となっている。これはもう皆さんの共通の認識だと思います。
 このような自画撮り被害の問題につきまして、これまで我が党におきましては、被害の未然防止を大前提としつつ、いかにして青少年に寄り添い、手を差し伸べていく--ちょっと上から目線的な表現ですが、とにかく、青少年に寄り添っていくかという観点から、行政の相談対応のあり方について施策を提言してまいりましたけれども、本委員会においても、私から何点か伺いたいと思います。
 この自画撮り被害への対策については、本年の二月から青少年問題協議会で課題と対策が検討されまして、これまで本委員会でも議論されてきたところであります。重複するかもしれませんけれども、この条例の審議に当たりまして、いま一度、この自画撮り被害を防止するに当たりまして、何が課題で、対策として効果的なものは何なのかを整理していきたいと思います。
 まず初めに、この自画撮り被害の課題としては、インターネット上の一対一という関係、この閉鎖的な関係は外から見えないわけでありまして、こうした環境のもとでやりとりされる画像の要求行為、こういうことが多いために、保護者や事業者がなかなか防ぐことが難しいという課題があると思います。
 つまり、要求を受けた青少年は、自分でその場で判断しなければいけないわけですね、相談するというよりも。ですから、そういう判断をすることが非常に要求される中で、改めて青少年問題協議会の答申を拝見しました。お茶の水女子大学の坂元教授の論文も読ませていただきましたけれども、青少年は、性に関する健全な判断能力が形成途上である、将来のダメージについてよく考慮しなかったり、また、自分の行為がどうなるかということについて過小評価してしまうという、それは学問的な話ですが、発達的な特性があると、青少年を捉えていることがわかりました。
 このような課題を考慮しますと、悪い大人から青少年を守るためには、普及啓発などに取り組むとともに、今回のような規制による対応が必要だと私は考えました。
 ここで一つ伺いますが、この自画撮り被害は、既存の、既にある法規制では防止できないのか、これをまず伺っておきたいと思います。

○井上青少年対策担当部長 自画撮り被害は、画像の要求行為が青少年の判断能力の未熟さにつけ込み、刑法上の脅迫や強要に該当しないやり方で行われることも多く、また、いわゆる児童ポルノ禁止法では、画像が加害者に送信、提供されるまでは規制できないため、現行法令では青少年の画像提供を未然に防止することができません。
 そこで、今般、青少年健全育成条例を改正し、要求行為を罰則をもって禁止することとしたものでございます。

○斉藤委員 今の答弁によりまして、現行の刑法、脅迫等ですね、刑法や児童ポルノ禁止法では、自画撮り被害を事前に、未然に防ぐという対応をし切れないということがわかるわけでありますが、しかし、罰則規定を新たにつくるとなりますと、当然、どのような行為がそれに当たるのか、どの対象に対して罰則をかけるのかということが明確になっていかなければなりません。罪刑法定主義でございますが。
 この禁止行為の明確さをどのように担保しているか、伺いたいと思います。

○井上青少年対策担当部長 ただいまご指摘のとおり、条例上禁止される行為は、明確に規定することが原則でございます。
 禁止行為を定める本規定は、禁止される要求行為の状況、態様につきまして、青少年の性に関する健全な判断能力が形成途上であることに乗じた不当な手段で自画撮り被害につながるおそれの高い、拒まれているにもかかわらず求める方法、威迫する方法、欺く方法、困惑させる方法、対償を供与し、またはその供与の約束をする方法の五つの類型に限定しております。
 加えまして、提供するように求める対象につきましても、既に児童ポルノ禁止法により所持、製造、提供等が禁止されている児童ポルノ及び電磁的記録その他の記録に限定することで明確さを担保しております。

○斉藤委員 今の答弁でも、自画撮りそのものを云々するのでなくて、その対象においては、児童ポルノ禁止法によって既に規定されているものに対象が限定されていますし、それを要求する行為についても類型化して、それは、先生の、また答申などを拝見しましたけれども、実際に起こっている事案を分析して、それぞれ類似の行為を類型化する中で、行為として認められないものを限定的に書いてあることが読み取れるわけでございます。
 今回の禁止規定については、禁止行為の明確性にしっかりと留意していることがわかりましたが、これによりまして、現在、社会問題となっている青少年の自画撮り被害につながる要求行為を、一定の明確性を持って類型--切り取るという表現をするかもしれません--類型化しまして、その他の真っ当な行為については、委縮しないように、影響を与えないように配慮することもわかりました。
 ところで、不当な手法というふうに今ご答弁があったわけですが、この不当な手法として挙げられている禁止される五類型、今ご紹介がありました、拒まれたにもかかわらず求める方法、威迫する方法、欺く方法等、この五類型につきましては、具体的にどのような事例がそういったことに当たるかを伺っておきたいと思います。

○井上青少年対策担当部長 類型ごとに事例をご説明申し上げますと、まず、一つ目の拒まれているにもかかわらず求めるについては、無料通話アプリでやりとりをしていた男性から裸の画像を送るように求められ、初めは断っていたものの、しつこく催促され、断り切れず画像を送ってしまったという事例など、次の威迫するについては、無料通話アプリでやりとりをしていた男性から、唐突にたわいもないことで怒られ、全裸で土下座している写真を送るように申し向けられ、断るとまた怒られると思い、画像を送ってしまったという事例など、三つ目の欺くについては、ゲームアプリで知り合った女性と称した人に、体について相談した際、相談に必要だからという理由で性器等の画像を求められたため、画像を送ってしまったという事例など、また、四つ目の困惑させるについては、インターネット上で知り合った相手から、裸の画像を送ってくれないと死んでやるといわれ、自分が送らないと相手が死んでしまうと気が動転し、画像を送ってしまったという事例など、最後の対償を供与し、またはその供与の約束をするについては、インターネット上で知り合った男性から、お金を支払うかわりに裸の画像を送るように求められ、画像を送ってしまったというような事例等がそれぞれございます。

○斉藤委員 私に対しての今回の条例をめぐっての一般の都民の方のご意見の中には、激しく要求されても、きちんと断ればいいじゃないかということを捉まえて、ここまで罰則をつけてやることはないんじゃないかというご意見も寄せられています。しかしながら、これは学問的にも研究されている分野ですけれども、要求に対して、心理的に、自分が断ること自体が悪いことだと思ってしまう、そこを何とか救うことができないかという議論でありますので、この点は、起こっている事実について、十分にご理解を都民の方にもいただきたいところであります。
 今ご説明があったような事例が実際に起こっているとすれば、非常にこれは問題でございますし、実際起こっていると報道もされております。禁止規定をもって規制をし、青少年を守ることの必要性も理解できたわけでございます。
 さて、これまで禁止規定について焦点を当てて質問してきましたけれども、先ほどご紹介もございましたが、我が党が今回の代表質問でも訴えてきた、この相談窓口の整備について、都が設置している相談窓口、こたエールにおいて、青少年が日ごろから利用しているSNSでの相談受け付けや周知方法を検討するという答弁をいただいたところですが、これはしっかりやっていただきたいと思います。
 LINEの利用など、大変に青少年にふえておりますけれども、このほかにも、子供が相談しやすくなるように普及啓発が重要でございますけれども、その普及啓発の施策の一つとして、新たにDVDを作成するというふうに仄聞しております。
 そこで伺いますが、この新たに作成するDVDについて、作成の狙いと、それを実際に使っていただくその配布先について伺いたいと思います。

○井上青少年対策担当部長 啓発用DVDは、自画撮り被害等の性被害から青少年自身を守るための正しい知識を、青少年及びその保護者に関心を持って身につけてもらうため、SNSを通じて被害に遭った事例を参考にドラマ形式で描き、専門家からのアドバイスも内容に組み入れ、年度内に作成するものでございます。
 この啓発用DVDは、高校生対象のものと保護者対象のものの二種類を作成する予定でございます。
 都内の全高校、区市町村、各警察署等に配布し、普及啓発、教育を行っていく予定でございます。

○斉藤委員 都内の全高校、区市町村、各警察署などに配布して普及啓発、教育を行っていく予定ということでございますが、先ほどお話がありましたけれども、実際にアクセスしたネット上の情報について、そのストーリー性とか、イメージが湧くような、画像とかドラマ仕立てになるのかわかりませんけれども、そういったものを実際に見てイメージを持っていただくことは非常に重要でありますので、まさしく、そういったDVDをせっかくつくられるわけですから、そういったものを広く多くの方に見ていただけるように工夫をしていただきたい。まずは今の範囲から始めて、ぜひともその先、それを中学校の段階までどうしたら届くかとか、さまざま検討を重ねていくことが重要であろうかと思います。
 しっかりとこのような普及啓発を強化してもらいまして、青少年をしっかり守っていくさまざまな取り組みを推進いただきたいと思います。
 最後になりますけれども、この自画撮り被害の防止に向けました本部長の決意をお伺いしておきたいと思います。

○大澤青少年・治安対策本部長 自画撮り被害は、青少年を将来にもわたって苦しめる深刻な問題であります。スマートフォンが普及し、利用者の低年齢化がますます進む中、今、的確な対応を行わなければ、判断能力の未成熟さにつけ込んだ悪質な行為の被害者となる青少年は今後も増加していくことが懸念されます。
 対策に当たりましては、まず、青少年自身の健全な判断能力を育成することが重要であることは論をまちませんが、加えまして、青少年の判断能力が未成熟なことに起因して被害に遭わないよう、青少年自身やその保護者等への普及啓発等の充実、自画撮り画像要求を検知するなどの民間技術の活用及び悪質な要求行為の規制といった取り組みを必要としておりまして、関係機関との連携のもと、総合的な対策を推進していくこととしたいと考えております。
 自画撮り被害の根絶を目指しまして、全力で取り組んでまいります。

○斉藤委員 本部長の決意のもと、しっかりとこの自画撮り被害をゼロ、撲滅していくという決意を伺いました。よろしくお願いしたいと思います。
 警察庁が、自画撮り被害の被害者から、被害に遭った方から聞き取りを行い調査をしているという、データ分析をしていくということを聞いております。どのような青少年が被害に遭いやすいのかは、そういうことがわかれば、より一層対策も講じやすくなるんだろうと思います。
 私もかつて大学で、法科で被害者学という学問を修めましたけれども、この学問、最初は被害に遭う方のタイプとか類型とかを分析する学問なんですが、被害に遭う方の落ち度を指摘して、決して犯罪行為をした人間の責任が減じられたり、違法性が減ったりすることはないのですけれども、実際に、先ほどのお話のとおり、振り込め詐欺等、日常の私たちの常識では、どうしてそういう被害に遭ってしまうんだろうと疑問に思いたくなるような犯罪が最近ふえてきております。こうした観点からは、被害に遭われる方が、一体どういう状況にあってなっているかということをしっかり分析していくことは重要だろうと思うわけであります。
 あくまでも、そうした犯罪行為は犯罪である、これを明確にしていくことが、実際に要求されたときに断る力にもなるわけですので、今回、こういうことを明記したことは非常に重要でありますし、罰則をつけたことに実効性が担保されているということもあると思います。
 青少年の発達段階の話をいたしました。未熟という言葉は、聞き方によっては失礼ないい方じゃないかと。青少年に対して未熟であるということは、大人が子供を非常に軽視しているみたいな、上から目線のような捉え方をしている方も、批判された方におられますけれども、決してそうではなくて、これはあくまでも、実際にさまざまいろいろ研究した結果、なぜこういう被害に遭ってしまうのか、拒否できないのか、拒否すべきことは明確にしていくことが重要だということの一つの答申を受けての条例改正でございますので、私はしっかりと立法事実等を確認させていただきました。
 これはネットの世界ですから、東京都だけでなく、東京以外、全国もそうですし、世界もそうですので、ぜひともまずは全道府県に同様の規定を働きかけて、自画撮り被害から青少年を守るために、保護者や事業者、そして都などの行政機関が連携して、社会全体でこういった協力をして青少年をしっかり健全育成していく、守っていく必要があると思います。その先頭に立って機運醸成を図っていただきたいと要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。

○中屋委員 私からも、この自画撮り被害について、何問か質問をさせていただきたいと思います。
 本年、第一回、そして第二回定例会において、我が自由民主党も、また私も、この総務委員会で続けて質問をしてまいりました。
 私自身、二人の娘を育ててきた親であります。保護者、大人の代表として、この自画撮り被害という社会問題に強い関心を持ってまいりました。
 先日も、北海道の方で、九歳の女子小学生が被害に遭うという事件が発生をしました。また、大阪の方では、中一の少女が脅迫をされ乱暴されたという事件まで発展しております。こうした被害に遭う子供の増加がさらに見込まれる中で、多くの子供を抱える東京都が全国をリードして実効性のある対策を早急にとる必要があると思います。
 東京都は、ことしの二月から青少年問題協議会で対策を議論いたしまして、五月末には緊急答申を発表し、今回、条例改正案を提出するに至ったのでありますが、この難しい問題を非常にスピード感を持って対応されたことは高い評価をするところであります。
 一方、こうした問題を、警視庁ではなくて青少年・治安対策本部が中心となってこの課題に取り組んでいる背景には、取り締まりだけではなくて、社会全体で被害の防止を図ろうという強い思いを感じるところであります。
 そうした観点から、答申以降、東京都は被害防止に向けてどのような取り組みを強化されたのか、伺います。

○井上青少年対策担当部長 現在、多発している自画撮り被害は、青少年にとって喫緊の課題であり、ご指摘のとおり、社会全体で被害の防止を図る必要があるため、当本部が中心となって、関係機関と連携を図りながら対策を進めていかなければならないというふうに考えております。
 都は以前から、ホームページや各種啓発講演会等で、自画撮り被害の現状や危険性、予防策についても周知するとともに、小中学生及びその保護者用の各種リーフレットにおきまして、この現状等を盛り込み、配布することで、広く注意喚起をしてまいりました。
 答申以降は、これに加え、子供たちに自分も被害者となる可能性があるという意識を持ってもらえるよう、年齢の近い世代である大学生を講師として活用したグループワークを開催し、万が一、被害に遭いそうになった際に、すぐに専門機関に相談できるようにするためのアドバイスもしているほか、都内の全高校生向けに自画撮り被害などの性被害防止のための普及啓発用リーフレットを作成、配布し、普及啓発を強化いたしました。
 今後も、関係機関と連携し、子供や保護者等への普及啓発のさらなる充実を図ってまいります。

○中屋委員 条例改正に向けて作業を進める一方、被害防止のため、社会全体で被害の防止を図っていこうということがよくわかりました。
 今回、都の取り組みを強化するに当たり、条例改正が提案されているわけでありますが、特に青少年に裸の画像などの提供を不当に求める行為を罰則をもって禁止するという点が、全国をリードして検討されてきた点であると承知をしております。
 このような禁止規定ができることによって、被害防止にどのような効果が生じるのか、伺います。

○井上青少年対策担当部長 今回の条例改正では、被害の実態を踏まえ、刑法等に抵触しない要求行為を罰則をもって禁止するものでございます。大人による青少年への悪質な働きかけを取り締まりの対象とすることによりまして、そのような働きかけの抑止と被害の未然防止を図ってまいります。
 また、青少年自身には、条例に禁止規定を設けることによりまして、要求を断ることは悪くないという意識の醸成を図ってまいります。そのため、条例の施行に向け、今年度は、ネット利用の危険性をわかりやすく伝えるDVDを都内の全ての高校等に配布することを初め、来年度に向けて青少年や保護者に対する講演会の内容や機会の充実を検討するなど、青少年や保護者等に寄り添った実効性ある普及啓発を一層強化してまいります。
 今後とも、学校、警察等と連携し、総合的な被害防止策に全力で取り組んでまいります。

○中屋委員 要求を受けた子の心情を察してみますと、裸の画像を送ることは何となく危険だとわかっていても、何とか断りたいと思うのですが、他方、これまでネット上で親しく接してくれた相手なので不快に思わせたくない、どうしていいのかわからないという状態になると思います。
 子供は、ネット上で知り合った相手とそのようなやりとりをしていることについて、親には絶対に知られたくないし、友達にも相談しにくい、どうやって断ろうかと戸惑っている間に執拗に要求をされ、脅迫してくるということがあるわけです。今、出ましたけれども、発達途上ですね、青少年の発達途上にある未熟な判断能力につけ込んだ巧妙な手口に屈して、相手に画像を送ってしまうということになってしまいます。
 画像を一度送ってしまえば、その画像を完全に消し去ることは困難でありますし、それだけで、その子は一生悩み、不安を抱きながら生活を送ることになってしまいます。また、相手の要求がエスカレートして、さらなる画像の提供をいわれたり、会うことを強要されたり、性暴力にさらされる事件も発生をしているわけであります。
 このような子供の未熟さにつけ込んで自分の欲望を満たそうとする大人は、私は断じて許すことはできない。警察とも緊密に連携をして、実効性のある取り締まりによって被害の未然防止を行ってもらいたい。
 そのためには、子供が画像を送ってしまう前に、子供のそのような悩みを相談窓口がキャッチすることが大事であります。
 公明党さんが先日の本会議でいわれておりましたが、SNSを活用して防止する案が出ておりました。私からは、そこに、ぜひ生活の中で使いなれているフリーダイヤルも入れてもらうということは大事だというふうに思います。
 そうした悩みをしっかりと受けとめた上で取り締まりにつなげることが肝要と考えますけれども、都はどのような工夫を考えているか、伺います。

○井上青少年対策担当部長 お話のとおり、自画撮り被害を未然に防止するためには、子供が画像を送る前に相談窓口に相談してもらうことが肝要でございます。
 そのためには、青少年自身には、要求を断ることは悪くないという意識を持ってもらい、要求には応じず、窓口に相談をするよう啓発を強化する一方、相談窓口において子供が相談しやすい環境づくりを進め、相談を受けた場合の迅速な対応が大切でございます。
 都が開設する青少年のネットトラブル相談窓口、こたエールでは、子供が相談しやすい環境を整備するため、相談受け付けや窓口の受け付け方法につきまして、子供が最近よく利用しているSNSを検討することや、電話で相談する子供のために、今、お話のありましたフリーダイヤルにすることについても検討してまいります。
 今後は、条例施行に合わせまして、この窓口の周知を強化するとともに、新たに構築することとしております、要求を受けた青少年から相談を受けた際の民間相談窓口を含めた関係機関の相互の連携、連絡体制におきまして迅速に警察につなげるなど、被害の未然防止を図ってまいります。

○中屋委員 最後に、昨今、青少年を取り巻く環境は、本当に急速に変化をしております。青少年を、悩み、惑わすさまざまな課題が生じておりますが、今回議論となっております自画撮り被害のほかにも、いわゆるJKビジネスでは、引き込まれた青少年が性被害に遭ってしまったり、先般は、SNSを悪用した自殺を助長する書き込みによって誘い出された青少年が痛ましい事件に巻き込まれました。これは神奈川の事件ですけれども。
 今回の条例改正の中には、ネット上の危険性から青少年を守るためのアプリケーションの推奨制度が盛り込まれております。この制度は、自画撮り被害のみならず、例えば、先ほど申し上げた事案のようなSNSを悪用した自殺の助長行為などに対しても、防止に有効な民間技術の開発を促進することにつながります。
 このような制度の有効な運用もぜひ検討していただきたいのでありますが、青少年を取り巻く環境が変化し、青少年を、悩み、惑わすさまざまな課題が生じる中で、東京二〇二〇大会に向けて、青少年が社会を支える一員として立派に成長していけるように、警視庁のナンバーファイブをご経験された交通部長の大澤本部長には力を発揮していただいて、この青少年健全育成にかけるその強い決意をぜひここで語っていただきたい、私はこのように申し上げて、質問を閉じたいと思います。よろしくお願いします。

○大澤青少年・治安対策本部長 青少年を健全に育成するためには、青少年を取り巻くあらゆる脅威を許さず、安心して健やかに過ごせる環境を整備していくことが大切であります。
 自画撮り被害は、進展する情報通信技術社会の負の側面ともいえるもので、青少年が現在傷つけられるのみならず、将来にまで影を落とすことになります。
 こうした自画撮り被害の問題に見られるように、時代の変化とともに、さまざまな有害環境が生じてきます。これに対し、警察や学校等の関係機関と緊密に連携して、的確な実態把握と、これに基づく迅速かつ効果的な対策を実施することにより、青少年を守っていきたいと考えております。
 青少年は、これからの東京、将来の日本を担う大切な存在であります。東京二〇二〇大会に向けて、青少年一人一人が活躍できる社会を実現するため、今後とも、都民や区市町村、地域等のさまざまな主体と連携して、青少年が健やかに育つための施策を強力に推進してまいります。

○原委員 それでは、私も何点か伺いたいと思います。
 いわゆる自画撮り被害に絞って幾つか伺いますが、この問題で悩み苦しんでいる青少年は多いと、私自身も実感をしています。今回の改正が青少年を守ることにおいて有効なのかどうかということを一つ一つ確認させていただきたいというふうに考えています。
 一点目ですけれども、今回の改正において、私はとても重要だと思っているのは、第十八条の四です。第十八条の四は都の責務です。この都の責務をどういうふうに捉えて進めていくのかという点が重要だと思います。
 二〇一七年の二月二十一日に東京都青少年問題協議会第一回総会において行われた、お茶の水女子大の坂元章教授の講演に基づく、教授ご自身が補筆されたまとめを読ませていただきましたが、それによりますと、その最後にこういうふうに書いてあります。自画撮り被害の問題に対応するためには、安全な環境の提供と教育啓発のどちらの取り組みも無視できないと考えられる。これが最終的な教授のまとめとなっています。
 私は、この条例改正に当たって、教育啓発という、この言葉を使われているのですけれども、この教育啓発をどのように強化していくのかということが大変重要だと思いますが、この点についての考え方を伺います。

○井上青少年対策担当部長 これまでも、青少年健全育成条例第十八条の四には、都の責務として、青少年の性に関する健全な判断能力の育成を図るために普及啓発等の施策の推進に努めることを規定し、それに資する講演会等を行ってまいりました。
 今回の改正により、性に関する健全な判断能力が形成途上であることに起因して青少年の健全な育成が阻害されないように、普及啓発等の施策の推進に努めることを加えたものでございます。
 自画撮り被害の防止に向け、ホームページや各種啓発講演会等で、被害の現状や危険性、予防策についても周知するとともに、小中学生及びその保護者用の各リーフレットにこれらを盛り込み、配布するなど、あらゆる機会、媒体を通じて、引き続き、広く注意喚起を行ってまいります。

○原委員 自画撮り被害は、青少年の今後の人生にも影を落としかねない、本当に重大なものだと私も思っています。被害に遭わないためには、普及啓発、今おっしゃったとおり、本当に大事ですし、注意喚起をしていくということももちろん重要だと思いますが、先ほどいったように、そこも踏まえた上で、さらに教育啓発が大事なんだといっている点が、私は今回、重要なんじゃないかなというふうに思って伺いました。
 それで、根本的には、人の尊厳を傷つけるようなそういう要求は、相手が誰であっても、たとえ身近な人であっても、それははっきり断っていい、断るべきなんだということや、中には、余り深く考えずに画像を送ってしまう、そういう青少年もまれにいることもまた事実です。もっと自分を大事にする、自分を大切にするということを学んでいく機会なんかも本当に重要だと思います。小さいころから、やはり自己肯定感を育んでいくような、そういう環境づくりというのが非常に重要ではないかというふうに思うんです。
 そういうふうに考えていきますと、そういう教育や環境づくりを進めていく点では、教育委員会や、また福祉保健局など、本当に局も越えて連携をして進めていくということが大事ではないかというふうに考えます。この点について見解を伺いたいと思います。

○井上青少年対策担当部長 今回の条例改正におきまして、十八条の七におきまして禁止規定等を定めるわけでございますが、今回のこの規定改正におきまして、大人による青少年への悪質な働きかけの抑止と、青少年自身に要求を断ることは悪くないという意識が醸成され、被害の未然防止を図れるよう、本規定の周知を図ってまいりたいというふうに考えております。
 具体的には、ホームページや各種啓発講演会等におきまして改正の内容を説明し、改正の内容を盛り込んだリーフレットを青少年及び保護者等に配布するなどして、警察あるいは学校等とも連携いたしまして、あらゆる機会、媒体を通じて十分に周知を図りたいというふうに考えております。
 このような形で、さまざまな機会を捉えまして、教育現場においても普及啓発、教育という形の取り組みを進めていきたいというふうに考えております。

○原委員 あらゆる場面での教育啓発、重ねてお願いしたいと思います。
 そして、次の質問に移りたいと思いますが、十八条の七にかかわって伺いたいと思いますが、もう既にほかの委員の皆さんから、五つに分類をされた、その類型に沿っての詳しいやりとりがありましたので、この点については少し省略をさせていただきまして、具体的に伺いたいと思っています。
 既に児童ポルノ禁止法では、画像を所持しているという時点で、即、それは犯罪ということになっていますので、その法との兼ね合いで、この条例改正がどうなのかということを見ていく必要があるというふうに思います。
 その特徴が、五つに類型をして未然に防いでいくんだという考えだというふうに思うのですが、ちょっと教えていただきたいのは、この五つの類型に基づいた条例違反を犯した場合、それは未然の段階で条例違反になりますよね、画像は手にしていなくても。その後、青少年の自画撮り画像を手にしたという場合には、条例違反と児童ポルノ禁止法違反の両方に該当するということになると思います。
 この場合は、罪数というのはどうなるのか、わかれば教えていただきたいと思います。

○井上青少年対策担当部長 ただいまの委員の方からのご指摘でございますが、今回の規定については、要求をした段階で罰則をするというものでございますが、それが相手の方に届いた段階においては、今度は単純所持、児童ポルノ法でいう単純所持という部分での罰則が適用される形になろうかと思います。
 個別具体の事例については、個別ごとに判断されることになるかと存じます。

○原委員 それでは、例えば、こういう場合はどうでしょうか。一人の大人が複数の青少年に要求している場合の条例違反の件数というのはどういうふうに考えたらいいのでしょうか。

○井上青少年対策担当部長 ただいまのご指摘の点についても、個別事案ごとに判断していくことになろうかと思いますが、一人一人ごとに事案として対応する形になろうかというふうに存じます。

○原委員 一つ一つケースも違うと思いますので、もちろん、それぞれのということなんですが、ちょっと具体的なことで、最後にもう一つ、具体例としてお聞きしたいのは、東京都在住の青少年が他県に行った際に被害があった場合は、この条例違反は適用されるのでしょうか。

○井上青少年対策担当部長 今般、東京都青少年健全育成条例の改正でございますので、基本的には、私どもの認識といたしましては、都内に在住している、あるいは、いる青少年が被害を受けたときに適用されるものだというふうに考えておりますが、個別事案については、また個別事案ごとに判断されるものだと存じます。

○原委員 もちろん、おっしゃるとおり、本当に一つ一つケースが違ってくると思いますので、それぞれに対応して判断をしていくんだと思いますが、一方で、私はなぜ具体的なところを聞いたかといいますと、罰則を設ける以上は、やはり運用については厳正に行わなければならないということでもあると思うんですね。
 ですので、曖昧な点などがあると条例の公正さが揺らぐという場合もあると思いますので、確認をさせていただきましたが、ぜひその点は明確にしていくようにお願いをしておきたいというふうに、この点では求めておきたいと思います。
 それで、次の質問に移りたいと思うのですが、資料も提出をしていただいて、こたエールに相談が多く寄せられているということですが、事前に伺ったところ、平成二十八年度は、相談件数が総件数は千件くらい減っているのですけれども、これは架空請求などの対応がかなり進んできていることがあらわれているのではないかというふうに伺いました。そういう中でも、この性的画像等に関するものの件数が百件を超えているということで、比率も高いということがわかるわけです。
 それで、こたエールに多く相談が寄せられているわけですけれども、その相談のうち、自画撮りの問題ですけれども、画像を送る前に相談をしている事例などはあるのでしょうか。

○井上青少年対策担当部長 ただいまお話のありました、ネットトラブルの相談窓口であります、こたエールに寄せられる性的画像に関する相談事例につきましては、相談者によっては、画像の提供の有無を明らかにすることなく、例えば画像要求に応じた場合のリスクの質問など、画像を送る前か後かが判然としないような事例も多数ございますが、そういうことから、これらを全てつまびらかに分類することは難しゅうございますけれども、現状では、画像を送ってしまった相談の方が多くなっているというふうな状況でございます。

○原委員 わかりました。相談をするという、その行為自体が、青少年の人たちにとって本当に勇気の要ることなので、本当は送ってしまっていても、送っていないような形で相談する場合もあると思いますし、それは今ご答弁にあるとおりかなというふうに思います。そういう点でも、いつでも、どんな段階でも相談していいんだということを周知していくことは、さらに大事なのかなと、今、ご答弁を聞いて思いました。
 それで、この画像をくださいとか、送るようにという不当な要求をするのが必ずしも大人とは限らないということも、またいえると思うんです。青少年問題協議会の答申では、青少年が勧誘した場合は、条例違反になるものの、罰則の適用はないというふうにされています。
 条例改正で、全てその点が私はちょっと読み切れなかったのですけれども、条例改正では、この点についてどのように整理をされているのかということ、あわせて、罰則の適用を青少年にしないとした場合には、教育的な対応というのはどのようになされるのか、伺います。

○井上青少年対策担当部長 青少年健全育成条例では、第三十条におきまして、この条例に違反した者が青少年であるときは、この条例の罰則は、当該青少年の違反行為についてはこれを適用しないと規定しておりまして、今回の禁止規定に違反した青少年についても罰則は適用しないこととなります。
 禁止行為を行った青少年に対しましては、条例上の責務規定に従い、都や保護者は、当該青少年が他人の尊厳を傷つけないことなど、啓発や教育に努めることとしております。
 都といたしましては、青少年の判断能力育成につながるよう、先ほども答弁いたしましたが、学校、教育等とも連携しながら普及啓発等に取り組んでまいります。

○原委員 わかりました。
 十八歳未満の青少年が画像を請求する側に回ってしまっている場合、それについて、きちんと教育的な対応をしていくということですので、そこはぜひお願いしたいというふうに思います。
 そして、今回、やっぱり大事だと思うのは、この改正案が成立をした場合に、周知を都民にしていくというのがもちろん大事なんですけれども、都民全体に対してと、また青少年に対して、それぞれわかりやすく周知をするということが必要になってくるかと思いますが、その点についてはどういうお考えでしょうか。

○井上青少年対策担当部長 ただいまご指摘がありましたように、これまでも都におきましては、普及啓発等のリーフレットにつきまして、青少年用あるいは保護者用、あるいは携帯電話販売店で配ってもらうですとか、さまざま、それぞれ主体ごとに、違いでつくっているというふうな状況でございます。
 今後とも、それぞれ普及啓発する対象ごとに、一番効果的な手法にて普及啓発を図っていきたいというふうに考えております。

○原委員 そして、これもほかの委員の皆さんがご指摘されていたとおり、やはり、こたエールの役割が非常に、ますます重要になってきているということを私も実感しています。こたエールそのものの周知を強めるという点と、また、SNSの活用についても、他の委員の皆さんがご指摘されているとおりで、さらに答申でも強調されている点かというふうに思います。
 こういう点については進める必要があるということを私も指摘させていただきたいと思いますが、具体的に伺いたいことが、携帯電話ショップや家電店で青少年がスマートフォンやタブレットを購入する際に、こたエールの存在を知らせるパンフレットなどを渡したり、また説明をしてもらうよう、お店や関係者と協力して推進をするということもやられているかと思うのですけれども、現状はどのようになっているのか、教えていただきたいと思います。

○井上青少年対策担当部長 都では、都内の携帯電話販売店に、こたエールの案内も掲載したリーフレットを……(資料を示す)ただいまお持ちしましたけれども、このようなリーフレットがございまして、こちらの方につけているものでございますけれども、このように、こたエールの案内も掲載したリーフレットを配布し、青少年が利用するスマートフォン等の購入時等に、その保護者に手渡すなどのご協力を販売店の方にお願いしているような状況でございます。
 引き続き、このこたエールの周知につきましても、携帯電話販売店等に依頼してまいりたいと存じます。

○原委員 わかりました。ぜひよろしくお願いいたします。
 それで、最後になりますけれども、今回の改正案では、未然に被害を防ぐということが主題になっているわけですけれども、実際には、それでもやっぱり画像を送ってしまった、そういうことは今後も起きてくるわけです。送ってしまった場合についての対策の強化というのも、答申でも非常に強調されています。
 都としては、どのように取り組みを強める考えなのか、また、国に対しても対策の拡充を求めるべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○井上青少年対策担当部長 画像を提供してしまった青少年の現在と将来への影響を最小限にするためには、画像の拡散を最小限に抑える必要がございます。
 日ごろから、こたエールの周知を図るとともに、このこたエールにおきまして画像を提供した旨の相談を受けた際には、新たに構築することとしております民間相談窓口を含めた関係機関相互の連携、連絡体制におきまして迅速に警察につなげるなど、被害の拡大を防止することとしております。
 また、国におきましても、児童ポルノ禁止法に基づく取り組みを強化しているというふうに承知しております。

○原委員 わかりました。ぜひよろしくお願いします。
 私は、この条例改正案が成立した場合に、未然に防ぐということが強調されて、送る前に、心配しないで連絡すればいいんだよということは伝わるかなというふうに思うのですが、一方で、もう送ってしまっているという青少年にとっては、手おくれなのかというふうに、どこに相談したらいいんだろうというふうに思う人たちも出てくるのではないかということをまた心配もしています。
 私は、どういう段階であっても相談できるということをぜひ強調していただきたいと思っていまして、送ってしまったという場合でも相談に乗りますよと、青少年に寄り添って継続してケアしていくということも含めて、ぜひそういう点もPRしていただきたいということ、その点を指摘して、質問は終わりたいと思います。

○西沢委員 私からも、この自画撮り被害について幾つかお伺いしていきたいと思いますが、まず最初に、今、原委員からも話がございましたが、都内在住の青少年に対して、都外に行った場合にどうなるのかという話がございましたが、私の方で確認したいのは、この要求行為の禁止規定について、都内の青少年に対して都外の者が--東京都に住んでいない、北海道とか、北海道じゃなくてもいいのですけれども、別のところから要求した場合も適用されるのかどうか、最初にお伺いしたいと思います。

○井上青少年対策担当部長 一般的に、条例は、当該地方公共団体の区域外から区域内に向けての犯罪行為に及んだ場合には、結果発生地の条例が区域外の者にも適用されるものと判例等で示されております。
 規定の適用につきましては、個別具体的な事案に即して判断されるものではございますが、一般論で申し上げますと、都内の青少年に対し、都外の者から要求があった場合には、条例の趣旨からも規定の適用はあるというふうに考えております。

○西沢委員 つまり、東京都に住んでいない方が東京都内の青少年に対して要求行為をした場合も、十分にその適用はあり得るというようなこと、もちろん、規定の適用については、個別具体的な事案に即して判断するということですが、ここは大きなポイントだと思うんですね。
 つまり、これは、例えば痴漢の被害などがあった場合、電車に乗っている間に、東京都で発生した場合は東京都迷惑防止条例が適用される、だけれども、電車が移動して埼玉県に入ったときにそういった事件が起きた場合は、埼玉県の迷惑防止条例違反が適用されるというような形に今なっていると思うのですけれども、例えば、東京都内の青少年が、電車の中で東京都内でそういうアプリを使っていて、埼玉県に入ったときにそういう要求がLINEか何かであったといった場合には、この条例が成立した場合ですけれども、東京都ではこの条例がある、だけれども、埼玉県に入った瞬間に適用がされないというようなことになるわけですね。
 これは、きょうもさまざま議論がありましたけれども、やはり都民しか守らないとかということではなく、東京から発信をしていくということは非常に重要だというように思っております。
 私も、この東京都青少年の健全な育成に関する条例の改正について、その趣旨や意図については大いに賛同するものですし、ぜひこの自画撮り被害の防止、被害をゼロにするということについては進めていくべきだと思っておりますから、こうした意味では、東京都から発信していくということは重要なんだということをまずもって申し上げておきたいというように思います。
 その上で、この条例案を改正するに当たって、懸念事項になる部分については指摘しておきたい、お伺いをしていきたいというように思います。
 一つは、インターネット上で一対一のやりとりを監視することにつながるんじゃないのかという懸念についてです。
 アプリ、LINEとかが一般的だと思うのですけれども、グループLINEなんていうのもありますけれども、要求をする、こういう画像を送ってよというやりとりをするというのは、おおむね一対一のやりとりが多いと思うんですね。この一対一のやりとりを、東京都、まあ青少年・治安対策本部が監視をするのかというような懸念があります。
 お伺いしたいのは、この条例の適用は親告罪みたいなものなのか。つまり、要求行為があって、自分たちからこういう被害があったといって適用されるのかどうかというところを確認したいと思います。通報や相談などで親告されなければ適用できないのかどうか。もしそうであれば、どのように実効性を担保するのか、お伺いをいたします。

○井上青少年対策担当部長 自画撮り被害は、インターネット上の一対一という閉鎖的な環境下でのやりとりに移行した際、その後に画像が要求され、被害に遭うことが多いため、基本的には、要求を受けた青少年自身からの相談等を通じて取り締まりにつながることを想定しております。
 こうしたことから、裸の画像を要求する行為自体が犯罪であるということを青少年に認識してもらい、要求を受けた青少年は、要求に応じず、都のネットトラブルの相談窓口である、こたエール等に相談してもらいたいというふうに考えておる次第でございます。

○西沢委員 つまり、監視を強化していくということではないということを確認させていただきました。となると、今も答弁がありましたけれども、やはり要求を受けた青少年がみずから相談窓口に相談していくというような啓発が大事になるというようなことになると思います。
 この啓発については、きょうもさまざまな方から質疑がありましたけれども、私は、この青少年の育成に、家庭教育に頼るところが大きいと思いますから、保護者に対してどのように啓発をしていくのかというところがポイントだと思います。
 保護者にどのように普及啓発を行っていくのか、お伺いをいたします。

○井上青少年対策担当部長 日常的にスマートフォンでSNSを利用している青少年に比べて、インターネット利用に関する知識を十分に持っていない保護者は多く、家庭で青少年の判断能力を育成するためには、保護者の知識、技能の向上を図る必要がございます。
 そこで、都では、学校や地域単位で保護者向けの講演会を開催し、また、携帯電話販売店等を通じましてリーフレットを配布するなど、普及啓発を行っております。
 引き続き、家庭において保護者が子供と話し合い、子供に対して被害防止のための適切な助言ができるよう、保護者向けの普及啓発内容を充実し、さまざまな機会を通じて普及啓発を行ってまいります。

○西沢委員 この保護者への普及啓発というのはすごく大事だと思うんですね。私、さっきからLINE、LINEといっていますけれども、今、新しいアプリがどんどん出てきていますよね。恐らく、議事録が公開されて、この問題が条例が適用されていくという話になったときに、議事録を見て、LINEといっているよ、古いねというようなことがあるかも知れませんし、逆に、そういった知識が自分があると思っていても、自分の子供や地域のお子さん、青少年は、さらにその上を行っているという認識に立たなければいけないのかなと思っています。
 私は知識があるから、うちの子は大丈夫というようにならないように、保護者向けの啓発というのは、何も全くそういったことを、知識を得ない人が対象ということではなく、ある程度、知識をお持ちの方に向けての啓発というのは大事なんだろうということを申し上げておきたいというように思います。
 続いて、携帯電話端末の推奨についてということをお伺いしたいと思いますが、携帯電話の端末を推奨していくということですが、余りちょっとイメージが湧かないものですから、現行の推奨制度とその実績をお伺いいたします。

○井上青少年対策担当部長 現在の制度におきまして推奨できるものは、携帯電話端末等で有害情報の閲覧を制限できるフィルタリング機能など、青少年の年齢に応じて、それぞれの安全な基準を全て満たした状態で販売されており、青少年の健全な育成に配慮をしているものでございます。
 推奨しようとするときは、外部有識者等で構成し、本部に設置しております推奨携帯電話端末等検討委員会、こちらの方に意見を聞くこととなっておりまして、平成二十三年度の制度創設以来、十六件の推奨を行ってまいりました。

○西沢委員 推奨制度そのものは悪いと思いませんけれども、先ほど申し上げましたように、技術の進歩というのは目覚ましいところがあると思います。
 今回、新たにアプリケーションも推奨していくというようなことで、その辺についてちょっとお伺いしたいと思うのですが、自画撮り被害を技術的に防止するためのアプリケーションを推奨すると。このアプリの推奨というのは、東京都青少年・治安対策本部が推奨するということは、もし、そのアプリが何かしらの不正アクセスや個人情報の流出があった場合、お墨つきのこのアプリが、逆に被害を拡大させてしまうというリスクも十分に私はあると思うんですね。
 最近は、アイフォンであればアップルストアであったり、グーグルであればグーグルプレー、スマートフォンであれば、そういったところからダウンロードするということは、一つのリスク回避にもなるのですけれども、最近はそうでないところからアプリもダウンロードすると。
 そうなると、どういったアプリを推奨するのかというところが大事でもありますし、この危険性というものも十分に私は検討を要すると考えるわけですが、この選定はどのようにしていくのか、お伺いをいたします。

○井上青少年対策担当部長 アプリケーションの推奨に当たりましては、先ほどご答弁いたしました推奨携帯電話端末等検討委員会の意見を聞くこととなりますが、この委員会は、インターネット業界関係者や学識経験者等から構成されておりまして、専門的立場から、インターネットのセキュリティー環境への影響のほか、青少年のプライバシーへの配慮等についても十分に審査していただくこととしております。

○西沢委員 専門家の意見を十分に聞くということだと思います。しっかり聞いていただきたいと思いますし、こういうふうに方針を出したから--私、だめだったら、無理してアプリを推奨しなくてもいいと思っているんですね。ご意見を聞いて、無理やり推奨するぐらいであれば、推奨しないという選択肢も十分にあると思います。
 逆に、いいアプリがあれば、推奨はもちろんしていただきたいと思いますが、東京都が推奨するということは、やはりそれなりのリスクもありますし、お墨つきということになりますし、ぜひそれをご理解いただいた上で検討いただきたいということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

○山内委員 今回の条例改正は、ネットで知り合った相手から、自分で撮影した裸や下着姿の画像を送るよう求められる自画撮りの被害が多発していることから行うものとのことです。
 そこで、自画撮り被害はどのぐらいふえているのか、お伺いいたします。

○井上青少年対策担当部長 警察庁によりますと、平成二十八年に全国で検挙した児童ポルノ事件における被害のうち、約四割が自画撮り被害であり、被害に遭った青少年の数は、平成二十四年と比較すると二倍以上になっております。
 また、都で開設している、こたエールに寄せられる相談におきましては、性的画像等に関する相談件数が、平成二十八年度は平成二十三年度に比べ約四倍となっております。
 そのほか、誰にも相談できずに悩み苦しんでいる青少年も少なくないと考えられ、自画撮り被害は青少年に深刻な影響を及ぼしているものと認識しております。

○山内委員 これまで都では、スマートフォン等のインターネット利用に関する子供たちの性被害の防止のために、さまざまな取り組みを行っていると聞いております。
 それなんですが、なぜ子供たちは自画撮り被害に遭ってしまうのか、お伺いいたします。

○井上青少年対策担当部長 都ではこれまでも、青少年の健全育成に資する取り組みとして、青少年や保護者等に対しまして、インターネットの利用に関する講演会の開催や、性被害防止に関するリーフレットの配布等を通じまして、家庭でのルールづくりやフィルタリングの利用促進等の普及啓発を行ってきております。
 昨今、自画撮り被害が多発している背景には、スマートフォンを使えば、青少年が簡単な操作で自分を撮影し、保護者に気づかれずに画像を送信できることから、SNSのはやりにより、写真をアップすることが日常化していることがございます。
 加えて、青少年は、性に関する健全な判断能力が形成途上であり、将来への影響について、よく考慮しなかったり、将来のダメージを過小評価してしまうなど、リスクを考えない行動が顕著になりやすいという発達過程における特性を持つともされております。
 一方、加害者側は、インターネットを利用することで大勢の青少年と接触することができ、その中で画像を送信してくれる可能性がある青少年を効率的に探せることなどもあり、これらが相まって被害に遭うケースが多いというふうに認識しております。

○山内委員 技術的対応としてアプリケーションを推奨するということなんですが、東京都青少年問題協議会の答申で、セキュリティーの確保及び子供の人権にも配慮した仕組みでなければならないという、ただし書きがされています。
 どのような懸念があり、どのように子供の人権に配慮するのか、お伺いいたします。

○井上青少年対策担当部長 推奨するアプリケーションは、SNSを通じて青少年への画像要求があった場合、保護者に知らせたり、相手方に警告を行うなど、青少年の健全育成上、有益なものを想定しておりますが、インターネットのセキュリティー環境への影響や、青少年のプライバシーへの配慮も必要であるというふうに認識しております。
 推奨に際しましては、外部有識者からの専門的なご意見をいただきながら、青少年の人権にも配慮したアプリケーションを選定してまいります。

○山内委員 推奨アプリによって、子供の書き込み内容が保護者とかにわかってしまうというようなことにはならないよう、子供の人権を守ることに十分に配慮していただきたいと思います。
 次に、子供たちが自画撮り被害に遭うプロセスとして、子供に画像提供を求める行為は、SNS上でつながった相手方と一対一のやりとりをするようになった後であるということが多いといいます。
 今回の改正では、画像を送るよう求めた段階で取り締まりを行えるようにするものですが、提供を求める行為を把握するためには、子供に相談してもらう必要があるということでしたけれども、通信の秘密に守られる一対一のやりとりを監視するものではないということでよいのか、重要なことなので、改めて、確認のためにお伺いいたします。

○井上青少年対策担当部長 お話のとおり、自画撮り被害は、インターネット上の一対一という閉鎖的な環境下でのやりとりに移行した後、画像が要求され、被害に遭うことが多くなっております。
 そのため、基本的には、要求を受けた青少年自身からの相談等を通じて要求行為を把握することになります。

○山内委員 流出してしまった画像等の消去についてお伺いしたいと思います。
 答申には、インターネット上に流出した画像等は回収が困難と書いてございますけれども、完全に消去することは無理でも、削除依頼をして削除することもできると聞いております。
 そこで、画像を送信してしまった子供たちへの支援ということも重要であると考えますが、このような子供たちに対してはどのように対応するのか、お伺いいたします。

○井上青少年対策担当部長 画像を提供してしまった青少年の現在と将来への影響を最小限にするためには、画像の拡散を最小限に抑える必要がございます。
 そのためには、青少年に対して、相談窓口である、こたエールにおきまして、削除要請方法を丁寧に教示するとともに、画像削除要請の窓口を紹介してまいります。

○山内委員 被害に遭った子供たち、ここで青少年ということでは、小中高校生、十八歳未満ということになると思いますが、その子供たちにとって、こたエールのメール相談や電話相談が安心して相談できるような窓口であることが重要です。
 ところが、こたエールのネット相談を検索してみますと、こたエールとはということから始まって、よくある相談、相談事例などが出てきて、とても難しい語句や表現、ある意味、かた苦しい形式で、申しわけないのですけれども、ちょっとお説教がましく感じられました。
 ホームページの相談事例へのアクセス数は増加しているとはいうものの、実際の相談には至っていないというようなご説明もあるかと思いますけれども、相談する事態にはなっていなかったのであればよいのですけれども、相談したくても相談をためらってしまったというならば、こたエールが相談窓口の役割を担えていないということになってしまうかと思います。子供の目線に立って、メール相談とか、相談しやすくするべきだと考えております。
 また、電話相談は、時間帯が、平日は九時から十八時、土曜日は九時から十七時、日曜日や祝日は休みとなっています。東京都教育委員会も協力した民間会社の青少年のネット利用実態把握を目的とした調査というのによりますと、子供たちがスマートフォンを利用する時間帯は十九時から二十三時、高校生では二十二時から二十四時がピークといいます。実態に合わせて、こたエールの利用時間の見直しも必要ではないでしょうか。
 そこで、電話相談の無料化や受け付け時間の見直しを行うほか、ホームページなどの記載については、不安をあおるような表現を避け、わかりやすく、易しい言葉を使うなど検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。

○井上青少年対策担当部長 こたエールにつきましては、これまでもご答弁申し上げましたように、青少年がより相談しやすい窓口の整備を検討しているところでございます。
 また、ホームページにつきましては、トラブルへの対処事例の充実を図っておりまして、相談事例ページへのアクセス件数が、今年度に入り、月平均八千件程度で推移しているところでございます。
 引き続き、青少年の思いに寄り添い、青少年の悩み解決に資するよう、わかりやすい情報発信に努めてまいります。

○山内委員 先ほど例に出しました民間会社の調査によりますと、家庭でネットやスマホの利用についてルールを決めているのは三二・四%にとどまり、そのルールを決めるのは保護者で、当事者である子供と一緒に家庭内で話し合って決めているものは少ないようです。
 また、八〇%の子供たちが、自分ではネットを安全に使っていると考えているといいます。
 そんな中で、誰にも相談できずに被害に遭ってしまう現状があります。このような被害をなくすには、子供たち自身が性に関する理解、判断能力を高め、嫌なことは嫌だといえる力を身につけることが大切と考えます。
 どのように普及啓発に取り組んでいくのか、お伺いいたします。

○井上青少年対策担当部長 自画撮り被害を防ぐためには、まずは青少年に画像を要求されても断るという意識を持ってもらうことが重要でございます。
 このため、青少年に対する講演会やグループワークにおきまして、画像提供による将来へのダメージやそのリスクについて具体的にイメージしてもらうなど、青少年の健全な判断能力の育成に努めてまいります。

○山内委員 ネット、携帯のトラブル相談、こたエールの周知ということは重要だと思いますが、こたエールが思い浮かばない場合でも、例えば、自画撮り、相談とか、自画撮り、どうしたらいいとか、そういう言葉で検索しやすいような、子供にとって検索しやすくて、しかも、先ほど申し上げましたように、休日や夜間も相談しやすいように体制を見直すことを強く求めたいと思います。
 また、被害に遭ってしまった子供の画像の拡散を最小限に抑えるために民間等と連携すること、そして、子供たち自身が、自画撮りは犯罪の危険性があることをしっかり理解して、きっぱり断る勇気を持って行動できるようにすること、情報リテラシーを身につけられるよう、学校や家庭、子供たち同士で話し合う場を設けるよう普及啓発を要望して、私の質問を終わります。

○菅野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○菅野委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で青少年・治安対策本部関係を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
   午後二時三十分休憩

   午後二時四十五分開議

○菅野委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 これより総務局関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第百八十八号議案及び第百九十号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 それでは、発言を願います。

○山内委員 私から、新公文書館の契約案についてお伺いしたいと思います。
 本契約案が二〇一九年度の開館予定で提出されました。国分寺市にある都立武蔵国分寺公園、都立多摩図書館に隣接することから、周辺環境の保全や調和等、市民からの要望も多く、例えば、この地域の湧水に配慮し、地下は設けない構造にするなど反映がなされております。
 さらに今後は、地球温暖化対策として、新設する都立施設には、省エネ、再生可能エネルギーの活用でエネルギー消費量を削減する積極的な取り組みが求められています。
 そこで、新公文書館のハード面の特徴についてお伺いいたします。

○矢田部総務部長 公文書館は、都民共有の財産であります公文書を適切に保存、公開し、都政の評価、検証や歴史的公文書の研究等に資するという重要な役割を有しております。
 新公文書館におきましては、こうした役割を着実に果たしていくとともに、より多くの都民の皆様に利用しやすい施設となるよう整備を進めてまいります。
 ハード面の特徴といたしましては、年間のエネルギー消費量がおおむねゼロとなるゼロ・エネルギー・ビルディング、いわゆるZEB化を都有施設で初めて実現する実証建築として、外壁の二重化、断熱強化や太陽光発電設備など最新の省エネ、再エネ技術を導入いたします。
 こうした技術の活用により最適な温湿度管理を行い、書庫面積の拡大とあわせ、公文書を適切に管理することが可能となります。
 また、ユニバーサルデザインを採用するとともに、多摩産材を積極的に使用することで、多くの都民が利用しやすく、親しまれる施設としてまいります。

○山内委員 新公文書館のソフト面についての特徴をお伺いいたします。

○矢田部総務部長 ソフト面の特徴といたしましては、都民に開かれた公文書館とするために、公文書を初め地図、視聴覚資料などの所蔵資料の電子化を一層進め、検索や閲覧の利便性の向上を図るとともに、SNSなどを活用した情報発信を強化いたします。
 編さん刊行物につきましても、ホームページ上で閲覧できるよう電子化を進め、江戸、東京の歴史に関する調査研究の基礎資料を効果的に提供いたします。
 また、隣接する都立多摩図書館や周辺自治体と連携した企画展を検討するなど、立地を生かした新たな事業の展開を図ってまいります。
 こうした特徴を十分に生かすとともに、さらなる情報公開の推進の要請に応えられるよう、公文書館の機能を強化し、開館に向けた準備を着実に進めてまいります。

○山内委員 ハード面でのご説明の中でございましたZEB、ネット・ゼロ・エネルギー・ビルというのは、建築物や設備の省エネルギー、再生可能エネルギー、未利用エネルギーの活用、地域内でのエネルギーの面的利用をうまく組み合わせることでエネルギーを自給自足し、化石燃料などからのエネルギー消費量をゼロ、あるいはおおむねゼロとする建物のことです。
 都としては、初のZEB化実証実験であり、次に生かしていく必要があると思います。今回の取り組みによるエネルギー削減目標と実際の運用による削減量を検証し、広く市民にも効果がわかるよう情報公開するよう要望いたします。
 そして、今後は、新設だけではなく、改修の場合にも可能かを検討し、ネット・ゼロ・エネルギー化、ZEB化を進めていただきたいと要望いたしまして、質問を終わります。

○菅野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○菅野委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも異議のない旨、財政委員長に報告したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○菅野委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○菅野委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第百六十五号議案、第百六十六号議案、第百九十七号議案、第百九十八号議案、第二百二十四号議案から第二百三十一号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 それでは、発言を願います。

○奥澤委員 私からは、特にフレックス制導入にかかわる働き方改革という観点から、全般についてご質問させていただきたいというふうに思っております。
 先般の代表質問において、我が会派の働き方改革に関する質問に際して、知事の方から、隗より始めよの精神、働き方改革のムーブメントを先導するという決意が示され、また総務局長より、公務職場においても、誰もが活躍できる生産性の高い都庁を目指して、全ての職員がマンパワーを最大限発揮できる職場環境を整備していくという旨のご答弁があったと思います。
 そのような中、今般の制度見直しでフレックスタイム制を導入されたいということなんですけれども、幾つか確認をさせていただきます。
 まず、フレックスタイム制を導入することにより期待される効果についてご所見をお伺いいたします。

○村岡労務担当部長 フレックスタイム制は、職員がみずからの事情に応じて始業及び終業の時刻を設定できる柔軟な勤務形態であり、職員のライフワークバランスを大きく後押しするのみならず、自立的かつ計画的に業務を遂行し、高い士気を持って効率的に勤務できる効果も見込まれ、公務能率の一層の向上にも資するものであります。
 管理監督者による進行管理の徹底や、明確で具体的な指示といった課題も踏まえた上で、来年四月からフレックスタイム制を本格実施することにより、職員にとって時間、場所を柔軟に活用できる働き方の選択肢が大幅に広がり、これを各職場の業務実態に即して効果的に活用していくことで、都庁の生産性向上につながるものと考えております。

○奥澤委員 ありがとうございます。業務効率化を図る上では、職員自身の意識改革が最も重要であるというふうに考えておりますし、十一月七日に都庁トップによる働き方改革宣言がなされたところでありますので、特にトップ層、マネジメント層の意識改革が、現場の仕事ぶり、ひいては都民サービスの向上に大きな影響を与えることになるというふうに思っております。
 フレックス制を導入すると、自宅でも業務に当たってしまう事態、あるいは隠れ残業というようなことを助長してしまうのではないかという指摘が一方でございますけれども、そういった職員の皆さんの労務管理についてはどのような対策を講じるのか、ご所見をお伺いいたします。

○村岡労務担当部長 フレックスタイム制は、職員側の主体的な選択による自立的な働き方を可能とするものでありまして、その制度の趣旨に反するような超過勤務命令が管理者から行われることのないよう努めることが必要となります。
 このため、特にフレックスタイム制を職員が活用する際には、職場において計画的な業務マネジメントを徹底することが必要でございます。また、職員の在庁時間を客観的に管理することも必要不可欠であり、本庁舎においては、現行の退庁時刻の記録を来年にも稼働するセキュリティーゲートを活用して強化し、さらに、事業所においても電子媒体による記録の徹底を図っていくなど、長時間労働や過重労働の問題が生じることのないように取り組んでまいります。

○奥澤委員 私たち議員というのも、ある意味、フレックスのような働き方をしておりまして、どこまでが仕事で、どこからがプライベートかというのがよくわからなくなってくるというのもございます。働き方を柔軟にすることで、かえってそうなってしまわないように、ぜひ気をつけていただきたい。
 特に、今、お話の中で客観的にというお話があったかと思います。自分自身では気づいていない長時間労働や過重労働というものを周りからしっかりと防いでいく、そのような細やかな配慮もぜひお願いしたいというふうに思っております。
 少し視点を変えますと、都庁での勤務におきましては、窓口業務なども多くあると思います。そういったところでは、フレックスタイム制というのは余りなじまない職場というのもあるかとは思うのですけれども、自分には無関係だ、あるいは不公平じゃないか、そういった意見も実は聞こえてきておるところなんですけれども、フレックスタイム制を選択しにくい職場においては、制度運用をどのように進めていくのか、こういったことについてご所見をお伺いいたします。

○村岡労務担当部長 公務の性質上、弾力的な勤務時間設定が難しい職場や、現状のままでは職場単位で一律にフレックスタイム制を選択しにくい職場も想定されます。
 そのため、その職場ごとの実情を踏まえたライフワークバランスの手法が求められているところです。
 具体的には、残業ゼロ、年次有給休暇の完全消化、職場ごとの業務執行体制の工夫など、多様な目標や選択肢を提示することにより、全ての職員が、個々の事情や現場実態を踏まえ、最適なライフワークバランスを選択していけるように取り組んでまいります。

○奥澤委員 個々の事情と現場実態を踏まえというようなお話があったかと思うのですけれども、今般の見直しでは一カ月単位での勤務時間の申請というようなお話を伺っておるのですけれども、子育てや介護などを行う方々にとっては、一カ月単位というのはなかなか使い勝手が悪いというようなご指摘もございます。
 そういったことに対してのご所見をお伺いいたします。

○村岡労務担当部長 フレックスタイム制の申請単位は、業務の計画を踏まえた弾力的な時間配分を効果的に設定していくという観点から、四週間を単位としております。
 しかし、育児や介護などの事情を抱える職員においては、四週間先の予定を事前に立てることが難しいため、計画変更が必要になった場合には柔軟に対応していくなど、状況に応じたきめ細やかな運用ルールを定め、ライフワークバランスの実現を支援してまいります。

○奥澤委員 ありがとうございます。育児、介護、それにかかわらず、特別な事情というのを抱えているのは誰しもだと思います。それに向き合いまして、チームとして最大限の力を発揮していくこと、それをリードしていくことが管理監督者の役割と思います。
 そのような観点から、少し話を変えまして、同じ職場において、対面しないで働く時間というのがふえていくのかなということを考えております。柔軟な働き方が定着している欧米の企業においては、近年、顔を合わせることの重要性が逆にフォーカスされて、テレワークやフレックスというのを選択しない、むしろ顔を合わせることを重視している企業が出てきているというような報道もございます。
 これまでの日本の働き方というのは、総じて同じ時間、同じ職場というのが働き方だったかと思います。こういった旧来の働き方から脱皮して、なお、より強い信頼関係を構築していく、あるいは迅速に情報共有を図っていく、その上で生産性を向上させていく、そういった工夫についてご所見をお伺いいたします。

○村岡労務担当部長 テレワークやフレックスタイムなど柔軟な働き方の活用に際しては、時間、場所を自在に活用し、職員が対面することなく自立的に業務を行うことが可能となる反面、チームワーク確保のためのコミュニケーションや業務の進行管理が一層重要となってまいります。
 そのため、テレワークやフレックスタイムを一律に導入するのではなく、職場の職務の実態に応じて活用を図っていく予定でございます。
 現在、テレワークを活用している職場では、日ごろの業務の進行管理を一層丁寧に行うとともに、テレワーク開始時に、業務の到達目標や作業工程をテレワークを行う職員と上司などで相互に確認することとしており、フレックスタイム制導入に際してもコアタイムを活用し、情報共有を徹底してまいります。

○奥澤委員 ありがとうございます。新しい働き方を取り入れるというのはすごく重要であるし、今の日本、これから少子高齢化に進んでいく中では、生産性向上は大変重要だと思っています。しかし、働き方を変えること、これ自体が目的にならないように、十分に注意をして進めていただきたいということを申し添えておきたいと思います。
 続いて、今の職場環境の整備状況について、次に伺いたいと思います。
 ことしは都庁テレワークデーを実施するなど、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方にも挑戦しておりまして、フレックス制の導入、さらにその方向性は強まっていくものというふうに考えております。
 テレワークデーにおいては、専用パソコンやタブレットを用いたというふうに伺っておりまして、現在の職場環境ではなかなか対応できていない部分もあるのかなというふうに推察するところでございます。
 これから柔軟な働き方を進めるに当たりまして、必要となる職場環境、特にICT環境の整備についてご所見をお伺いいたします。

○村岡労務担当部長 テレワークやフレックスタイムなど柔軟な働き方には、意識及びワークスタイルの変革、勤務時間などの制度面の整備、改善とあわせて、効率的な仕事や柔軟な働き方を実践するためのICT技術など環境面の整備を進めることが必要不可欠でございます。
 具体的には、いつでもどこでも安全な情報へのアクセスや円滑なコミュニケーション、勤務管理もでき、持ち運びが可能な専用端末配備などが前提となるため、今後、計画的、効果的に配備してまいります。

○奥澤委員 ICT技術というのは、本当に日進月歩で日々改良されていることは、当然、皆さんご存じのことだとは思うのですけれども、先日、東京テレワークセンターを視察させていただきましたときに、データ共有だとか、あるいは指示の仕方をするツール、あるいは労務管理やセキュリティーも含めて、思った以上のツールがつくられていて、本当に驚いたところでした。
 働き方改革というのは、必ずしも費用対効果ではかれるものではないとは思うのですけれども、だからこそ各方面にアンテナをしっかり張っていただいて、費用面はもちろん、機能、それから、情報のセキュリティーという部分では、多くの方が不安を感じていると思いますので、多方面から検証して導入していただきますことを要望しておきます。
 次に、都民の目線からお伺いしたいと思います。
 働き方改革というのは、短期的にはその成果が見えにくく、長期的視点に立って、業務効率化やコストカットを目指していかなければいけないというふうに思います。だからこそ、都民に理解されるためには、都民にとってどのような利益があるのか、その手法をしっかりと示していくこと、これは大変重要なことだと思います。
 例えば、私の聞いているところですと、そういったフレックス制があると、窓口業務が延長されるんじゃないかとか、あるいは時間外でも書類を受け付けてくれるんじゃないかと、そういったような期待を受けることもございます。
 しかしながら、そういったことを全て聞いてしまうと、これは際限なく働くというようなことにもつながることでもありますし、悪い意味で過労死という言葉が世界的に注目されてしまった、こういった昨今、絶対、こちらの方には進んではいけないというふうに私は思っております。
 また、職員の方々のお話を伺っておりますと、これまでも時間外に個別に対応していたのではないかなと推察されるような、そういった事案も多々聞いております。
 働き方改革というのが、誰かの犠牲に立って成り立つものではいけないというふうに強く思っておりまして、今後、職員の方々のライフワークバランスを整えつつ、都民にとっても、より利用しやすい都庁を目指す、そういった中で都民にどのような利益がもたらされるというふうに考えているのか、そのご所見をお伺いしたいと思います。

○村岡労務担当部長 現在進めている働き方改革は、社会全体の働き方改革のムーブメントを都から先導すべく、全ての職員がライフステージに応じた働き方を選択でき、マンパワーを最大限に発揮することにより、行政執行の効率化の実現を目指すものでございます。
 具体的には、職員の意欲や能率を高めるとともに、時間、場所を駆使した柔軟な働き方により、課題への即応力や業務継続性が強化され、庁舎の開庁時間外の突発事案、例えば災害時のバックアップ体制の確保など、行政サービスの質、量の向上も図られるものと考えております。
 今後の都庁改革を進めるに当たっては、常に都民サービス向上も視野に入れながら施策展開を図ってまいります。

○奥澤委員 先日の代表質問の答弁におきまして、ペーパー削減数の把握というような話にも、たしか触れられていたかと思います。そういった目に見える形でのコストカットというのも、理解を得る意味では大変重要なことだと思いますので、そういったことも見える形で都民に発信できるように見ていっていただきたいなというふうに思います。
 また、既定の各種調査の活用も含め、生産性向上の動向も視野に入れながら、重層的に取り組んでいくという答弁もございました。ぜひとも都民がどう感じているかという観点を常に頭に入れて取り組んでいただきたいということを強く要望しておきます。
 また、先日、議会改革検討委員会、議会の方でもペーパーレス化などの話も出ておりました。皆さんの働き方改革を進めるに当たって、我々議員の働き方というのも大変重要なことだということを常に頭に置いて、皆さんとも意見交換させていただきながら、自立的な、都庁全体が変わっていけるようにやっていけたらなというふうなことを考えております。
 さて、最後の質問をさせていただきたいと思います。
 働き方改革の目標、業務効率化や生産性向上という話の先には、これまでの他の自治体あるいは民間企業を見ておりますと、人員削減という方向に議論が進んでいくことというのが大変多いかなというふうに思っております。
 しかし、超高齢化を迎える東京にあっては、人にしかできない仕事、対面でする仕事というのは、これからも、むしろふえていくんじゃないかなということを思っているところでございます。
 その中で、働き方改革の先にある都庁の人材育成あるいは人材活用、こういった部分での展望をお聞かせいただきたいと思います。

○多羅尾総務局長 組織にとっての最大の経営資源は、いうまでもなく人であり、都庁においても、まさにそうだというように思っております。
 現在進めている働き方改革は、単なる行政コストの縮減等ではなくて、今後の東京の持続的な成長に向けて、都庁がそれに対応できるように、働く側の価値観やライフスタイルの多様化に対応できる選択肢を広げることによって、経営資源としての人材を育てていく取り組みである、このように考えております。
 例えば、育児、介護など事情を抱える職員が仕事を続け、キャリアを形成していくことが可能となり、これは有為な人材の確保や多様な人材の活躍につながるものと考えております。
 また、職員誰もが生産性を強く意識して、時間、場所にとらわれず、スピーディーに問題解決に取り組むことで、都庁には主任、課長代理、課長、部長とさまざまな職層がございますけれども、各職層のマネジメント力が磨かれて、変化への対応力や機動力が高まるものと考えております。
 さらに、長時間労働から解放され、ライフワークバランスが充実すると、都政の諸課題に対し、職員自身の生活実感や多様な経験、価値観に立って、新たな解決策を発見することも期待できるのではないかと考えております。
 今後もこうした観点から働き方改革を進め、常に時代の先を読み、時宜にかなった行政サービスを効果的に展開していける職員を育て、東京の成長に資する都政、都庁の発展につなげてまいりたいと考えております。

○奥澤委員 ありがとうございます。本当に働き方改革の先にあるものをしっかりと見据えて取り組んでいることは大変評価したいと思います。この働き方改革が成功して、次の時代を見据えた都庁をつくる、そして、そのための人材育成をするんだという思い、大変共感するところでございます。
 特にマネジメント層の皆様においては、これから働き方が変わるというところで、これまでと違った苦労というのも大変出てくるとは思うのですけれども、その一つ一つが誰もが活躍できる生産性の高い都庁の実現に寄与しているという、そういったプライドを持って、ぜひ当たっていただきたいなというふうに思っております。
 そのような意味で、十年先、二十年先を見据えた人材育成、そして、マネジメント能力の向上に資するような各種研修や意識啓発、そういったこともぜひ取り組んでいただきたいなというふうに思っております。
 これはまた、私の個人的な願望でもあるのですけれども、都庁における柔軟な働き方という、特に場所を選ばない働き方が進むことになりますと、例えば、私は選出は町田ですけれども、多摩地域の方にサテライトオフィス、サテライト都庁のようなものを置くようなことも考えられるんじゃないかなというふうに思っております。
 そういったことがあると、皆さんの通勤の疲れを減らすというだけではなくて、満員電車の混雑解消、あるいは、万が一、都庁、ここが被災したときに二次的にバックアップができるような体制がとれる。あるいは、何より現地--多摩格差、そういったものもいわれております。多摩振興という話もありますけれども、多摩の現場でその指揮を振るっていただける、そのような未来も訪れるんじゃないかなというふうに思っております。
 ぜひそういったことが訪れることを願いまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

○早坂委員 退職管理条例について伺います。
 東京都はこれまで、全庁的な事務事業の見直しなどにより、職員定数を大幅に削減してまいりました。大幅にというのがどれくらいかというと、東京都の職員全体から警察、消防、教員を除いたいわゆる行政系職員は、昭和五十四年の八万二千人から平成二十九年の三万八千人へと、実に五七%もの削減を行ってきています。
 近年の都庁における職員の退職者は年間四百人程度であり、それとほぼ見合った数の新規職員を採用して、都庁の労働力人口を確保しています。それが二〇三〇年代に入ると、いわゆる団塊ジュニア世代の退職に伴い、年間の退職者は一千人程度、すなわち、現在の二・五倍まで膨れ上がると見込まれます。
 これまで同様、事務事業の見直しを絶えず行い、都庁のスリム化を行っていくのはもちろんですが、千人規模と見込まれる退職者の穴埋めを、人口減少社会という環境の中で、全て新卒採用で賄うことなど到底できません。そこで、退職した職員の活用による労働力確保が有力な手段になってまいります。
 ところで、現在、都庁職員の定年は六十歳です。年金制度改革により、公的年金の支給開始年齢が段階的に引き上げられており、平成三十三年度末以降に定年を迎える方から、六十五歳になるまで年金が無支給となります。
 平成二十五年に施行された改正高年齢者雇用安定法により、民間企業においては、希望者全員を六十五歳まで継続雇用の対象とすることが事実上義務化されました。その結果、民間企業においては、九九・七%の企業が何らかの形で年金が支給される六十五歳までの継続雇用制度を導入しています。
 雇用と年金の接続については、当然のことながら、民間に限らず、国、都、地方の公務員についても求められるものであります。
 そこで、都庁の労働力確保という側面と雇用と年金の接続という観点から、定年を迎えた都庁職員で働く意欲と能力のある方を定年後も引き続き活用していくことが必要であると考えます。職員人事の責任者である総務局長のご見解を伺います。

○多羅尾総務局長 都庁の守備範囲というのは極めて広範囲でございます。一人の職員に着目いたしますと、採用から退職に至るまでかかわる業務というのは、そのごく一部といっても過言でないかと思います。
 しかし、その職員がかかわってきた各業務におきましては、知識を深め、技術を磨き、経験を積んで、大多数の職員がその分野のプロフェッショナルとして育っていると、このように私は思っております。
 こうした都を退職した職員がこれまでの都庁生活の中で培った、今申し上げましたような知識、経験、能力を退職後も社会にさまざまな形で還元していくことは意義のあるものと考えております。
 とりわけ人口減少社会が到来し、働き手の確保が社会的な課題となっている我が国において、高齢者の一層の活用は、官民問わず求められているものと認識しております。
 都においては、希望者全員雇用という閣議決定の趣旨を踏まえて、定年退職者の積極的活用を図る観点から、非常勤という雇用形態であった再雇用制度を廃止いたしまして、再任用制度に平成二十五年度から一本化いたしまして、また、フルタイム勤務での任用を原則とすることで、さらに積極的な活用を図ることといたしました。
 こうした取り組みによりまして、平成二十八年度末の定年退職者においては、約七割の職員が再任用となっており、新たに再任用となる職員に占めるフルタイム勤務の割合は、平成二十五年度の一五%から、平成二十九年度には八〇%に増加しております。
 今後も、雇用と年金の接続とあわせて、在職中に培った知識や経験が都政に生かせるよう、もちろん都民の理解を得ながらということは当然でございますが、再任用職員の積極的な活用を進めてまいりたいと考えております。

○早坂委員 都庁で再任用される方についてご答弁をいただきました。フルタイムの方は、退職時のおよそ七〇%の給料で働き、再々任用はなく、したがって、最長六十五歳までということになっています。
 一方で、都庁に再任用されるのではなく、民間企業や都庁の外郭団体、監理団体、報告団体に再就職される方もいらっしゃいます。世間でいうところのいわゆる天下りであります。
 ちなみに、退職者全体で見ると、都庁での再任用が七〇%、民間企業や都庁の外郭団体での再就職が二〇%、どこにも就職しない方が一〇%という割合のようであります。
 天下りというと、何か悪いことのように聞こえますが、当然ながらメリットとデメリットの双方がございます。メリットの筆頭は、都庁で得た経験やご見識を民間企業や外郭団体で生かしていただくことです。他方、デメリットの筆頭は、天下りしたOBが古巣との癒着で正当な競争が損なわれるおそれがあるということであります。
 そういったおそれを解消させるために、東京都では退職管理条例を制定し、職員の再就職情報を一元的に管理する都庁版人材バンクを導入しています。その内容について伺います。

○栗岡人事部長 退職する都職員が在職中に培った知識や経験を活用しまして社会に貢献していくとともに、都民から公正な都政運営に疑念を持たれることがないよう、平成二十二年に都庁版人材バンクを整備いたしました。
 具体的には、再就職に関する情報を一元化し、民間企業等からの求めに応じた人材情報の提供や再就職の状況を公表するとともに、再就職先に対して、利害関係業務に従事させないよう文書で誓約を求めてまいりました。
 平成二十七年に制定しました退職管理条例では、従来の都庁版人材バンクの運用に加え、地方公務員法の改正を契機として、法に規定される働きかけ規制はもとより、利害関係企業等への求職活動の禁止や、再就職の届け出について一般職員まで拡大するなど、都独自の取り組みを整備したところでございます。
 あわせて、再就職の公正性をより確保するため、外部有識者で構成されます退職管理委員会を設置し、これらをチェックするなど、第三者の目を通して厳正な運用に努めてございます。

○早坂委員 退職管理条例が制定されて二年となります。
 今般の改正内容について伺います。

○栗岡人事部長 平成二十八年に条例が施行されまして、この二年間で再就職情報を二回公表したほか、退職管理委員会につきましても三回開催し、民間企業等からの求人に対する人材情報の提供や、職員の利害関係企業等への求職活動に関して審議をするなど、適正な退職管理制度の運用に努めてまいりました。
 こうした運用を踏まえまして、今般の都政改革の中で改めて制度を検証し、より一層透明性を高める観点から、他の道府県の取り組み状況も参考としつつ、職場の中核を担う勤続二十年以上の一般職員の再就職情報についても、今年度末退職者から公表できるよう改正を行うものでございます。

○早坂委員 東京都の退職管理制度は、他の道府県と比較してどのような特徴があるのか、伺います。

○栗岡人事部長 都の退職管理制度では、利害関係企業等への再就職、求職活動の制限を設けてございますが、昨年度、他の道府県の状況について調査いたしましたところ、同様の取り組みについて実施している都道府県は、都を含む約半数の二十四団体となってございます。
 また、それらを審議するための外部有識者で構成される第三者委員会を設置している都道府県は、都を含め二団体となってございます。
 再就職状況の届け出義務及び公表は全都道府県で実施してございますが、公表対象を一般職員まで拡大している都道府県は、今回都が実施することによりまして、都を含め四団体となります。
 これらのことから、他の道府県と比較しましても、都は厳格な退職管理制度を整備している状況にあると認識してございます。

○早坂委員 人口減少社会を迎えた我が国において、定年を迎えた人材の有効活用が求められています。本年五月、我が自民党の一億総活躍推進本部において、六十五歳まで完全現役で働ける社会づくりを目指すべく、公務員の定年延長が提言されました。これは六月に閣議決定された骨太の方針にも明記され、現在もその具体的方策が検討されています。
 都庁を定年退職した職員の活用に当たっては、その職員が在職中に培った知識や経験が社会で一層活用されるようにすること、そして、再任用、再就職にかかわる経緯と結果が都民の信頼や理解を損なうものでないこと、この二つが重要であります。
 こうした視点に立って、今後も職員の退職管理について注視、提言してまいります。
 終わります。

○原委員 それでは、私は、第百九十八号議案の人権プラザの指定管理者の指定について何点か伺いたいと思います。
 まず一点目に、指定期間が十年ということですが、なぜ十年という長い指定期間にしたのか、伺います。

○仁田山人権部長 東京都人権プラザは、都が人権啓発の拠点として設置した施設であり、さまざまな人権課題に関する展示、人権に関します図書、ビデオ等を備える図書資料室の運営のほか、都民講座や子供人権教室などの開催、人権相談を行っております。
 こうしたプラザの事業実施におきましては、幅広い人権課題を適切な認識のもとに啓発することが重要であるため、人権啓発の専門人材を安定的に採用、育成し、確保していくことが必要でありますが、そうした専門人材の育成には相当の期間が必須となっております。
 加えまして、幅広い人権課題を扱うプラザにおいて事業を円滑に実現するためには、国や区市町村、多様な人権関係団体等とのネットワークを長期的に維持、継続していくことが必要であります。
 このため、プラザには安定的、長期的な指定管理が必要であります。
 また、東京都指定管理者選定等に関する指針によりますれば、監理団体が管理する特に主要な政策と連動した重要な役割を果たす施設に該当する施設の指定期間は、十年間が原則とされております。
 以上の理由によりまして、プラザを管理、運営する指定管理者の次期指定管理を十年といたしました。
 なお、五年を超える指定管理を設定した場合、指定管理の中間年を目安に事業計画の見直しを行うこと、管理運営状況が極めて不良だった場合等には指定取り消しを実施することとなっております。

○原委員 今、指定期間が十年になった理由をお話しいただいたわけですけれども、お話しいただいた中でかなり大きな理由の一つにされているのが人材の育成という点かというふうに伺いました。
 それで、もしわかったら教えていただきたいのですが、人権啓発センターの職員の方の定着率というのはどのように把握をされているのでしょうか。

○菅野委員長 大丈夫ですか。

○仁田山人権部長 大変遅くなって申しわけありませんでした。
 定着率は出しておりませんが、多くの職員が継続的に勤務している、雇用しているということでございます。

○原委員 指定管理者を特命ということで選定をされているわけですけれども、人材育成が非常に重要だという中では、定着率がどういうふうになっているかというのは把握が必要なのではないかというふうに私は感じています。
 それで、次の質問に移りますけれども、今いいましたように、今回、特命による選定なんですが、ほかに可能性のある団体というのは全くなかったということでよろしいのでしょうか。

○仁田山人権部長 東京都人権プラザは、都の人権啓発の拠点といたしまして、都民の人権意識の高揚を図る重要な役割を担っております。
 その指定管理者には、都の人権施策の方針にのっとり、都と密接に連携してプラザの管理運営を行い、事業実施に当たり中立性、公平性を確保できること、人権に関する展示室、図書資料室等のプラザに類する施設の管理運営や人権に関する相談業務において良好な実績を有することが求められております。
 こうした要件を踏まえまして、非営利で活動し、公共性の高い東京都内のNPO法人等を調べたところ、女性、子供、障害のある方など、特定の人権課題を活動領域とする団体は存在いたしますものの、東京都人権施策推進指針に掲げる人権課題全般にわたる活動実績を有するとともに、人権に関します展示室、それから図書資料室等のプラザに類する施設の管理、運営等の実績を有する団体は確認できませんでした。
 一方、公益財団法人東京都人権啓発センターは、都の監理団体として、人権全般にかかわる教育及び啓発、人権相談等の事業を多角的に推進し、都の指導監督のもと、中立公平な立場から業務を遂行できる唯一の団体でございます。また、これまでもプラザの指定管理者として良好な実績を上げてまいりました。
 こうしたことなどから、同センターを指定管理者候補者として特命により選定することといたしました。

○原委員 中立公平な立場から業務を遂行できる唯一の団体だということを、さまざまな団体も含めて調べながら、選定をするということになったということです。
 それで、伺いたいのですけれども、指定管理者の選定方法について資料をいただいていますが、この選定方法の中にも、今おっしゃるとおり、さまざまな人権課題に中立公平に対応するということが載っています。
 ところが、人権啓発センターの定款は、第三条に、同和問題を初めとする人権問題の解決に資するためということが冒頭に書いてあります。同和問題が特に取り出しをされているというふうに見受けられます。これは矛盾しているのではないかというふうに感じます。
 東京都としては、同和事業については特別の位置づけをしているということなのでしょうか。

○仁田山人権部長 公益財団法人東京都人権啓発センターは、人権に関する教育、啓発及び人権の擁護等の事業を多角的に実施しておりまして、都民の人権意識の高揚を図ることを目的としている都の監理団体であります。
 また、啓発事業の実施に当たっては、都の考え方や目指すべき方向性を確実に反映させるとともに、中立性、公平性が確保されております。
 また、同センターの事業執行を決定する理事会及び最高議決機関でございます評議員会の構成員は、学識経験者や弁護士など幅広い分野から選出されており、さまざまな人権課題に中立公平に対応しております。これまでの事業におきましても、軽重をつけることなく、さまざまな人権課題に取り組んでおり、矛盾はないと考えております。
 また、都における同和問題の位置づけでございますが、都は、東京都人権施策推進指針に同和問題を含みます十七の人権課題を掲げ、総合的な人権施策を推進しております。十七の人権課題は、いずれも重要な課題でありまして、軽重がつけられるものではないと考えております。

○原委員 人権課題に優劣、軽い、重いはないということでお話があったわけですが、全ての人権課題を公平に扱うということであれば、そう記されるのが普通ではないかというふうに思うんです。
 同和問題を初めとするという位置づけをしていることで、これはよしあしというよりも考え方なんですけれども、この法人の特色を出しているんだと思うんですね。あえてこれを書かれているというふうに読むのが普通だというふうに思います。
 私たち共産党の都議団では、以前にもこの問題を議論していますけれども、この定款でそういう位置づけになっていますということは指摘をしてきています。今回の指定の議案に当たっても、この定款は変わっていないということをこの場では確認しました。
 あわせて確認をしたいのは、人権啓発センターが、今回、指定管理者の事業計画書を出されているわけですけれども、今後の事業をどうやっていくのかということの中には、東京都の人権施策について、展示で人権施策を展示していくと。これは十七の人権課題だと思います。
 その下に五つの人権課題というのがあります。これは、私も人権プラザに行っていますのでわかっていますが、現在もそのようになっていますけれども、改めて確認したいのですが、この五つの人権課題を十七から抜き出すというのは、東京都の方針に基づいているものなのでしょうか、それとも指定管理者の判断なのでしょうか。

○仁田山人権部長 東京都の判断で選定しています。

○原委員 済みません、東京都の判断ということは、この五つの人権施策については、特にそのような記載といいますか、十七のうち、特に五つという取り出しがしてあるものというのは、どこに書いてあるものなのでしょうか。

○仁田山人権部長 人権指針等には十七の課題がありまして、そのうち、特に五の課題を取り上げているわけでございませんが、展示をするときに、その時点の話題があったものとか、法律がつくられたものを挙げているということでございます。

○原委員 そこは、私は初めてこの場で確認をさせていただいたのですが、今まで東京都のご答弁ですと、十七の人権施策はどれも優劣があるものではないということがいわれていて、それで、五つを特に取り出しているのは、私の判断では、指定管理者が判断をして五つ取り出しをされているのかなと思いましたが、そうではないということがわかりましたので、またこの点については今後議論したいというふうに思います。
 それで、最後の質問になりますけれども、人権啓発センターの事業概要の一ページには、現在の職員体制が示されているのですけれども、ここには特定相談員四名と記述があります。この方たちは、現在、台東区の人権プラザ分館で実施をされている同和とアイヌの特定相談を担当されているのだと思います。東京都の計画では、今年度末をもって人権プラザ分館は閉館となっています。
 分館についての今後の利活用などについては、さまざま私自身も意見がありますが、これは、きょうはこの場にはふさわしくないので、もちろん議論しませんが、人権プラザとしての機能は三月末で終えるというのが都の方針になっています。
 そういうもとで、特定相談については今後どのようにされるのでしょうか。

○仁田山人権部長 今お話のありました特定相談につきましては、繰り返しになりますが、プラザ分館が、東京都人権プラザ条例の一部改正によりまして二十九年度末に廃止されますので、その廃止に伴いまして特定相談も終了いたしますけども、一般相談や法律相談を含め、相談事業全体のあり方について、これまでの実績や都民のニーズ等を踏まえまして必要な見直しを行っておりまして、平成三十年度から、従来の指定管理業務ではなくて、これは仮称でございますけども、同和問題に関する専門相談事業として、業務委託により実施する予定でございます。

○原委員 私も、実はホームページを見て、ちょっと驚いたわけですけれども、指定管理者の事業ではなく、東京都として業務委託をして同和問題に関する専門相談事業をやるということですので、これは形を変えての継続ともいえるのかというふうに思いますが、それで伺いたいのですけれども、先ほどいったように、人権啓発センターの中で特定相談が位置づけられていて、その中では、同和だけではなくてアイヌの人々の相談も受けているということですよね。
 今いったように、同和問題に関する専門相談事業は業務委託によってやるんだと。そうなると、アイヌの方々の相談、特定相談としてやられていたものはどのようにされるお考えなのでしょうか。

○仁田山人権部長 アイヌに関する相談につきましては廃止いたしますけども、国のセンターの方で対応しているというふうに聞いております。(「聞こえないよ。ちょっとはっきりいって」と呼ぶ者あり)申しわけございません。アイヌに関する相談につきましては、東京都といたしましては終了いたしますが、国のセンターの方で行っているということでございます。

○原委員 同和事業については、先ほどいったように、特定相談は終了するけれども、専門相談事業として委託をする。しかし、アイヌは廃止なんですね。これは、今ここで初めて聞きました。
 アイヌと同和を今まで取り出しをされてきたけれども、私たちが今まで指摘をしてきたのは、それらも含めて人権相談全般を充実させていくということが大事なんじゃないかといってきました。でも、今のお話だと、アイヌは国の方でということにもなっているので、これはどういうことか、改めてご説明をいただきたいというふうに思いますが、ちょっと時間の関係で、もう一つ指摘をしておきたいと思います。
 専門相談事業として、今度は指定管理者の事業から離して東京都が実施をする同和問題の相談なんですけれども、一方で、指定管理者の事業計画を見ますと、旧人権プラザ分館周辺のフィールドワークなどを中心とする学習会も引き続き実施というふうにあるんですね。これは、伺ったところ、同和の関係でのフィールドワークなんだということを聞いています。
 しかし、これはどういう事業実績があるのかというのを事業概要で見ても、これ自身の実績はないんですね、わからないんです。
 ただ、実際に、指定管理者には、そこは継続してもらいますということもいいながら、一方で、同和の相談事業は東京都から直接委託をしますということでは、これはかなり大幅な変更といいますか、人権相談全体を充実させていく、見直しをしていくというにしても、余りにも大きな変動だというふうに思います。
 改めて私は、もう一度原点に立って、十七の人権施策に優劣はないのだから、先ほどいっていた専門相談事業などという形で取り出しをするのではなくて、全体の人権相談を充実させていく、そういう立場に立つべきではないですか。そのことを最後に伺いたいと思います。

○仁田山人権部長 繰り返しになりますけども、都といたしましては、指針に定めました十七の人権課題につきましては軽重がないものというふうに考えております。
 特定相談につきましては、依然として同和問題に関する相談実績があるということ、それから、これまでの実績や都民のニーズ等を踏まえまして必要な見直しをした上で、先ほどお話しさせていただいたように、平成三十年度より、仮称でございますけども、同和問題に関する専門相談事業を実施する予定だというふうにご説明をさせていただきました。

○原委員 私は、同和の相談についても、前回の総務委員会で質疑をしたときに、同和の方の相談を受けると、同和問題に限らず、本当に問題がたくさんある、多方面にわたっているので、それをさまざまな相談につないでいるというお話もありました。それが相談件数に反映しているということも前回確認をしています。
 そういうことも含めて、人権相談全体を充実していくということを位置づけることこそ、幅広い相談に応じることができるのではないかということを指摘して、質問は終わります。

○西沢委員 私からは、まず最初に、人権プラザについてお伺いしたいと思います。
 個別具体的な相談内容というよりは、人権プラザの相談事業のあり方という観点で質問させていただきたいというように思います。
 この人権に関する相談というのは、非常に広範な領域を扱いまして、解決も容易ではないということは承知をしております。必ずしも相談者の望むどおりの解決に至らないということも少なくはないとは思います。
 ただ、相談に来られた方が、どのように真摯に対応してくれるのかというようなところを、しっかりと相談に寄り添うような形でお返しをするということが重要なんだと思います。
 聞いたところによると、相談に行かれた方からのご相談ですけども、相談員の方は、名刺をくださいといっても名刺は渡さないですし、話は聞くんだけども、メモもとらないので、本当に相談に乗ってくれているのかというふうに、不信に思われたという方のご相談をいただきました。
 名刺についてなんですけども、年金の問題について、消えた年金問題があったとき、当時の社会保険庁では名刺を渡さなかったわけですね。ところが、今、年金相談に行くと、今、社会保険庁ではなくて日本年金機構になっていますけども、みんな名刺を渡しますよね。名刺を渡して、私がしっかりと責任を持って相談に乗っていますよ、私がしっかり対応しますよというような姿勢を示していると思うんです。
 ですので、この人権プラザでも、こういう形で、相談内容はメモして、お名刺を渡すなど、私がしっかり対応していますよという姿勢で臨む、示すことが大切ではないかと考えますが、見解をお伺いいたします。

○仁田山人権部長 東京都人権プラザでは、相談者に対する助言等を通じまして、さまざまな人権問題の解決を図るため、人権相談に関する事業を実施しております。
 人権プラザの一般相談につきましては、過去にトラブルが発生したこともあり、相談員の氏名を告げないこととしておりました。しかし、相談者の気持ちに寄り添うという観点から、今後、検討してまいります。
 なお、面接中は、相談者への心理的圧迫とならないよう配慮し、メモを控える場合もありますが、相談内容は、相談後に全て確実に記録しております。

○西沢委員 名刺を渡すことで、逆にトラブルになったという過去もあるようですから、今、相談者の気持ちに寄り添うというご答弁もありました。しっかりと検討していただければというように思います。
 また、メモに関しても、確かにメモをとられると、人権問題というのは非常にナーバスな問題をはらんでいる場合もありますから、そのメモがどのように保管されるのか、どういった形でシェアされるのかというのを、逆に心配になる方も確かにいらっしゃると思いますから、そうしたことを察して、メモに関しては、とった方がいいかとか、もしくは、メモはとっていなくても、しっかりと記録はさせていただきますというような、相談にしっかりと応じているという姿勢を示すことが重要ではないのかなというように思います。
 そして、この相談業務でありますけども、相談内容に応じて適切な相談機関の情報を提供すること、これが人権プラザの役割ですね。つまり、相談に来た方に対して、人権プラザで解決をするということじゃなく、人権プラザは別の相談窓口を紹介するというようなことです。
 つまり、いってみれば、人によっては、別のところで相談をして、そこで人権プラザに行ってと。その相談者もそうだったんですけど、また違うところに行ってくれと。少したらい回しのように感じる方もいらっしゃると思いますし、違うところで相談したからここに来て、ここで、また同じところに相談してくれというふうにいわれた方もいらっしゃいます。そうした部分から、どうしても不信感を招きかねないような状況があると思うんですね。ですので、この相談事業は、相談を別の相談窓口に紹介するという事業ですから、やはり他の相談機関、他団体や他の相談組織との連携を深めるべきだと思います。
 相談者に寄り添う対応が必要という観点から、こうした連携を深めるべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○仁田山人権部長 一般相談では、さまざまな問題を抱えた都民の方などから寄せられる相談に対応しております。その内容は複雑多岐にわたっておりまして、こうした中で、まず相談者からの相談をしっかりとお聞きし、内容や状況を的確に見きわめ、助言を行い、困難な事案については、必要に応じて適切な公的相談機関などへ紹介するなどして迅速な救済保護につなげております。
 相談事業におきましては、相談者の気持ちに寄り添うという観点は重要であると認識しておりまして、これまでも努めてきたところであります。今後も、カウンセリング研修などの受講により、相談員の一層のスキルアップに努めるなど、相談の質のさらなる向上を図ってまいります。
 また、適切な相談機関を紹介するため、関係機関の事業内容や動向などの情報を日常的に把握するなど、関係機関と一層密接な連携に努めてまいります。

○西沢委員 ぜひ関係機関と一層密接な連携に努めてほしいと思います。
 相談内容を話しただけで気持ち的に負担が軽くなるという方もいらっしゃると思いますから、そうしたことも進めていただきたいと思いますが、例えば青少年・治安対策本部では若ナビという相談窓口をつくりました、ことしの夏に。ちょっと選挙の最中だったこともあって、視察に行ったのはつい最近なんですが、すぐそこ、モノリスビルでやっていますけども、そこでは、例えば若者に対する相談を受け付けています。ひきこもりに関して、保護者が直接相談するというケースもあります。
 そうした場合に、違うところに相談してくださいという、相談先を紹介するだけではなくて、その相談を受けた方、専門知識を持っている方が、例えば地元の基礎自治体に対して、こういう窓口がある。例えば児童相談所、例えば民間のNPO団体、最適な相談窓口に対して、みずからかわりに連絡をとってくれて、必要があれば、こういう相談者が、若ナビ、うちの方に来ているんです、そちらでこういった相談を受け付けてもらえないだろうか、こうした解決方法があるので、ちょっと一緒に行きましょうとか、そういった形で、相談者側にとって一緒に問題解決をしていくというような事業を行い始めました。
 この効果についてはまた別の機会で、若ナビについては見ていきたいと思いますが、一つは、こういった相談者に寄り添う相談事業ということで参考にしてみてはいいのかなというように思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 そして、この相談者に寄り添うという観点から、相談業務に対してどのように相談者が思っているのかというアンケートの実施をするべきなんじゃないかなと思います。
 人権プラザそのものについてのアンケート調査というのはやっているということでありますが、実際に相談をされた方が、相談事業、面談をして相談をして、その声が、相談をした方がどう思っているのかというアンケート調査は今やっていないということなんですね。
 私は、アンケートの実施をぜひ検討していくべきだと思いますが、今後の対応についてお伺いいたします。

○仁田山人権部長 事業の充実には、利用者の生の声を把握し、さらなる改善に反映させていくことが重要でございます。
 今お話がありましたとおり、現在、人権プラザでは、来館者や個別のイベント等の参加者にアンケートを行い、企画の満足度等を調査し、今後の運営に生かしているところでございますが、相談業務におきましても、事業の質の向上を図る観点から、相談者の意見やニーズの把握は必要であると考えておりまして、他の相談機関の実施事例なども参考にしながら、アンケート等の実施を検討してまいります。

○西沢委員 アンケートの実施を検討するというご答弁でした。
 確かに、来館者アンケートとかは、満足度は比較的高く出る傾向はあると思うんですね。それは人権プラザに限らず、ほかの企画展なんかもそうですけども、でも、相談事業について、やっぱり解決しないということについては、満足しないというアンケート調査結果は出ると思います。ただ、アンケートについて、それはそれでいいんじゃないかなと私は思うんですね。
 私の知り合いの民間企業を経営されている方で、不満足アンケートというのをとっている方がいらっしゃいます、会社の経営者で。やっぱり、どこが不満足だったのかというのを逆に知ることが大事なんだという観点です。
 ですので、解決しなかったから不満足、単純にそれであればそうですし、そうではなく、相談員の対応が悪かったとか、そういったことであれば改善につなげることもできますから、この面接に関しての、面接相談事業についてのアンケート実施は、改めてぜひ前向きに検討していただくようにお願いをさせていただきたいと思います。
 この人権プラザの運営については、公益財団法人東京都人権啓発センターに、監理団体に委託をしているわけでありますし、今回、指定の審議をしているわけでありますが、この相談事業を含めた、誰がやっているのかということですが、監理団体ですから、情報に関しては、契約状況、受託契約についてはホームページで見ることができます。
 手元に五年分の運営状況報告書がありますので、これに基づいて質疑をしていきたいと思いますが、この人権プラザの運営に当たっては、三つの三大支出がありまして、一つが労働者派遣委託で、これが相談事業ですね、相談員。だから、相談員は委託しているわけですね。相談員は、株式会社アヴァンティスタッフという、みずほ銀行や丸紅さんが出資している会社の人材派遣会社に委託していると。これと、日伸ファシリティー株式会社に建物の管理の委託をしていると。もう一つは、人権啓発ラジオ番組の放送委託。この三つが一番大きな支出ですね、この人権プラザは。
 一つずつ見ていきたいと思うのですが、このアヴァンティスタッフが受託している労働者派遣委託についてですが、これは特定契約、つまり随意契約になっているわけですね。過去五年分を見ても、ずっとアヴァンティスタッフが受託している。この理由についてお伺いいたします。

○仁田山人権部長 人権啓発センターが株式会社アヴァンティスタッフとの間で締結しております労働者派遣委託契約は、同センターが指定管理者として管理運営を行っております東京都人権プラザの相談業務の受け付け等を担当する職員の派遣を委託するものでございます。
 同センターによれば、当該契約の特命理由につきましては、プラザの受け付け業務は、人権相談を利用する方々を初めとしたさまざまな来館者と最初に接し、相談窓口など適切な担当につなぐ役割を担っております。中でも人権相談につきましては、人権課題が広範であり、相談内容が多岐にわたります。このため、受け付け業務を行うに当たりまして、相談者のプライバシーや心情、立場を十分理解した上で適切な接遇が行える知識や経験が不可欠でございます。
 こうしたことから、受け付け担当の職員につきましては、人権にかかわる施設での接遇実績が豊富な人材を配置する必要がございます。
 アヴァンティスタッフは、同センターに、プラザの受け付け担当の職員等として、長年の間、継続的に質の高い人材を派遣しており、良好な実績をおさめているところであります。
 このため、人材を確保するという観点から、同社への人材派遣委託を行ってきたものでございます。

○西沢委員 相談事業はやっていなくて、受け付けをやっているということですね。私も、先日、実はお伺いしてまいりましたが、受け付けでも、当然、そういった相談を受けたりとかすることもあると思います。引き続き、これは、アンケートの実施なんかは来館ということでやっていると思いますけども、その個々の対応についてもきめ細かくしていくことも重要ではないかなというように思います。
 次に、建物の管理委託でありますが、日伸ファシリティー株式会社が受託しているのが東京都人権プラザ建物管理委託でございます。建物管理委託も、過去五年、全て特定契約という形になっております。
 建物の管理というのは、私は競争でもできるんじゃないかなと思ったりするのですが、なぜ特定契約になっているのか、その理由をお伺いいたします。

○仁田山人権部長 公益財団法人東京都人権啓発センターが日伸ファシリティー株式会社との間で締結いたしました東京都人権プラザ建物管理委託契約は、同センターが指定管理者として管理運営しております台東区橋場にございます現在の東京都人権プラザ分館について、機器の保守、清掃、警備等の建物管理業務を委託するものでございます。
 同センターによれば、当該契約の特命理由は、次のとおりでございます。
 プラザ分館の建物管理契約は、平成二十三年度に、競争契約によりまして、指定管理期間に合わせて五年間の基本協定を結んだ上で、毎年度、同一業者と契約をしておりました。
 平成二十八年度につきましては、新たに基本協定を締結する必要がある年度でございましたが、二十八年度中にプラザ移転が予定されていたことから、基本協定は結ばず、単年度ごとに、施設の特性や利用者の状況等を熟知している同社に業務を委託することといたしました。
 また、同社は、平成二十三年度からプラザ分館の機器保守等の建物管理を受託しておりまして、契約の履行において良好な成績をおさめております。

○西沢委員 二十三年から五年間の契約なので、二十七年度までやって、昨年度、二十八年度については、移転を予定していたためにというようなことだと思います。それはホームページにも出ている監理団体のにも、平成二十九年度は、長年にわたる利用者との廃止に向けた対応が求められる中、施設の特性や利用者の状況等を踏まえた適切な対応ができるのは日伸ファシリティー株式会社のみであると特定理由が書いてありますけども、本当にその対応がこの会社だけなのかというと、私はほかの会社でも十分できるような気もするんですね、これだけ見るとですけども。
 ただ、今回、基本協定を結ばなかった理由はそれだとして、そうすると、来年以降に関しては新たに考えていけるということですから、これから競争入札も十分あり得ると。何やかや理由をつけて、ことしはこうです、来年はこうですという形で特定契約が進んでいくことではないというような答弁だったと理解をして、次の質問に行きたいと思います。
 続いては、人権啓発ラジオ番組の放送委託です。これについては、これも特命にしているわけでありますけども、特命理由は、ラジオ番組の放送枠にかかわるスポンサー調整を株式会社博報堂が代行しているからということであります。
 つまり、このままだと株式会社博報堂以外の業者が受託することができなくなる、スポンサー調整をやっているからということであれば、未来永劫、これは博報堂に頼む以外できないということになってしまうのじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

○仁田山人権部長 公益財団法人東京都人権啓発センターでは、マスメディアを活用した人権啓発として、さまざまな人権問題をテーマにわかりやすく身近な話題を取り上げる「人権TODAY」というラジオ番組を提供しております。
 この「人権TODAY」は、TBSラジオにおいて毎週土曜日の朝八時二十分ごろから五分間放送しておりまして、放送を開始した平成九年から数えますと、ことしで二十一年目を迎えます。
 都民に対する啓発に当たりましては、毎週同じ曜日、同じ時間帯に継続して放送していくことが効果的であると考えておりまして、このことから、TBSラジオの現ラジオ番組の時間帯を確保している広告代理店と、博報堂でございますが、契約することといたしました。
 なお、放送する番組の曜日や時間帯等を変更するなどの事情が生じた場合には、競争入札など、適切な契約を実施することになるということでございます。

○西沢委員 放送する時間や曜日を変更すれば競争入札をやるよということですが、逆にいうと、放送曜日を同じにすれば、これからも特命にしますよということだと思うんですね。
 スポンサーの調整と番組制作を別にすれば、これは競争入札も可能だと思うし、コンペなんかも考えられると私は思うのですけども、見解をお伺いいたします。

○仁田山人権部長 先ほどもお答えしたとおり、公益財団法人東京都人権啓発センターがラジオ番組「人権TODAY」を現在の放送局、それから曜日、時間帯等において継続するためには、番組制作に関することも含めまして、株式会社博報堂と契約することが必要でございます。

○西沢委員 実質的に博報堂以外は無理だというようなことを確認したわけですね。
 次に行きますけども、もう一つは人権啓発行事の制作委託についてですが、これは毎年、特定契約ですね。毎年、随意契約しているんだけども、業者が年度ごとに違っているというわけですね。
 これは逆に、業者が変わるのであれば競争入札ができるということなんじゃないかと思いますが、理由は何か、お伺いをいたします。

○仁田山人権部長 公益財団法人東京都人権啓発センターは、毎年度、ミュージカルやコンサートなどを通じまして幅広い層の都民などを引きつけながら、人権の大切さを伝えるため、人権啓発行事を実施しております。
 同センターでは、毎年度、センターみずからが行事を企画し、出演者や実施するための演目、シナリオを決定しておりまして、より効果的な人権啓発につなげるためには、企画どおりに実施することが重要でございます。
 その際、出演者やその所属事務所などからイベント制作業者を指定される場合がございまして、そうした場合、同センターは、毎年、その指定された業者と契約を締結することになります。

○西沢委員 さまざま議論してまいりましたが、私は、今もそうですが、企画から見直しを、工夫するということで、特定ではなくて、競争でも可能ではないかと思われる点が幾つかあるんじゃないかなというように思いました。
 ですので、当然、これだけではないと思いますが、いずれにしても、この監理団体については情報公開をされているわけですから、なので、こういったことがわかっている。今後、引き続き、来年に関しても、今、指摘をしたような、私が今取り上げたようなテーマで、当然、契約の情報というのも上がってくると思います。
 引き続き注視をしていきたいと思いますので、経費の削減であったり、よりよいものをつくっていくというところも含めて、ぜひ取り組まれていただきたいということを申し上げて、次の質問に行きたいというように思います。
 今の人権啓発センターもそうなんですけども、職員の再就職についてお伺いします。
 こうした監理団体を含めて、たくさんの方が東京都庁を退職された後にさまざまな形で活躍をされています。先ほど局長の答弁でも、退職後、知識、経験を生かすというようなことは東京都にとっていいことであると。これは私もそう思います。
 ただ、その知識、経験を生かすことができていない場合であったりとか、逆に行政をゆがめてしまうというようなことがある。そのために、こうした条例の改正、今回は勤続二十年以上の一般職が新たに公表の対象として加えられているというふうに感じております。
 情報公開の観点から、公表対象の拡大というものは大いに歓迎するものでありますが、そもそも何で二十年以上としたのか、逆に十五年じゃなくて、二十五年でもなくて、公表対象を勤続二十年以上とした理由についてお伺いをいたします。

○栗岡人事部長 都はこれまで、全ての管理職並びに定年勧奨退職者及び勤続二十年以上の一般職員が再就職する場合には、再就職情報の届け出を義務づけてございまして、このうち管理職については、その情報を公表してまいりました。
 今回の改正案におきましては、同じく届け出対象者である一般職員につきましても、管理職に準じて公表することとしたものでございます。
 勤続二十年以上の考え方につきましては、新卒採用者が、大卒になりますけども、定年を迎えるまでの勤続年数である三十八年の折り返しを経過し、都政の諸施策に通じ、課長代理等として現場の中核を担う職員が多数存在することなどを考慮したものでございます。
 なお、長期勤続した職員が対象となる勧奨退職の年数要件も、勤続年数二十年以上とされてございます。

○西沢委員 都政の中核を担う職員が多数存在することなどを考慮して公表対象を拡大したということがわかりました。ぜひ都民からの信頼と透明性の向上を期待したいというように思います。
 さて、以前、長く都庁に勤務していたOBが現役職員に不正に働きかけを行い、汚職につながった事件があったかと記憶をしております。私も議会で取り上げたことがございますが、この条例が通ることが前提ですが、それが防げたかどうかという観点からお伺いしたいのですけども、過去、元職員による不正な働きかけとしてどのような事件があったのかをお伺いいたします。

○栗岡人事部長 過去十年間の元職員による不正な働きかけに関する事案は一件ございました。これは、現役の職員が契約の最低制限価格に関する情報を元職員に漏えいし、平成二十六年度に懲戒処分を行った事案でございます。
 なお、平成二十八年施行の改正地方公務員法上、元職員が現職職員に対して働きかけをした場合には十万円以下の過料、元職員が現職職員に対して不正な行為をするように働きかけた場合は一年以下の懲役または五十万円以下の罰金とされてございます。
 本事案は、退職管理に関する法及び条例施行前に発生してございますけども、施行後は、働きかけに該当する事案は発生してございません。

○西沢委員 もちろん、たらればの話ですから、法律が改正されて、この条例があったら、こういうことがなかったかどうかは当然わからないわけでありますが、一定の歯どめにはなる効果が期待されるのではないかというようなことをぜひ期待したいと思います。
 この問題については、水道局の話ですけども、以前、私も取り上げましたが、働きかけについては、OBの職員が何か働きかけをしたけども、それに応じた職員は、何か見返りを求めるものではなかったというところが大きな問題であるということを指摘しました。
 通常、情報漏えいをしろ、情報を教えろ、そのかわり、例えば金銭、お金を上げるからというようなことではなく、少なくとも、OBの人にいわれたから、ちょっと断りづらいということで、その職員の方が情報を漏えいしてしまったと。特に見返りがあったわけではなくて、そういった雰囲気、空気があった、このことが都庁内部にあるということが問題だということを指摘いたしました。
 ぜひこういった制度をつくっていくということは前提ですが、その風土づくりというものも重要であるということを申し上げておきたいというように思います。
 そして、この風土、空気の中で、今回、フレックスタイム制が導入をされたわけでありますが、二問お伺いする予定でしたが、既に幾つか議論が出ているので、ちょっとまとめて一問でお伺いをしたいと思います。
 既に先ほどメリット、デメリットの話が出ていますので、この背景についてお伺いしたいと思いますが、そもそもなぜフレックス制を導入するのかということで、さっきもありましたけども--皆さん、公務員のイメージ、九時、五時とか、九時、六時とか、今はそんなことはないと思いますけども、皆さん残業しないようにとか、取り組まれていると思いますけども、特に、都庁ではなくして区市町村の現場に行きますと、区民の皆様、市民の皆様から、直接、働いている現場というのはすぐ見えるんですね。
 つまり、九時に行けば窓口があいて、その前からやっていますけども、とにかく職員の方はいらっしゃる。逆に、六時ぐらいに行くと会えないというようなイメージがありますし、対応が悪いと、区市町村の役所は、行くと、区民の方から、直接、仕事をしている現場が見えますから、少しぴりっとした緊張感があると思うんです。
 そうした中で、都庁の出先であったりとか、許認可でやっている部署は、窓口があって都民の皆様から見える位置にあると思いますけども、そうでないところは、なかなか目につきづらいところがあると思うんです。
 そうした中でフレックス制を導入するということに対して、これが都民の皆様にとっていいことなのか、悪いことなのか、ちょっとわかりづらいと思いますから、フレックス制の導入の背景についてお伺いをいたします。

○村岡労務担当部長 都は、働く側の価値観やライフスタイルの多様化に対応できる選択肢を広げていく働き方改革を先導するとともに、生産性の高い都庁を実現する観点から、残業ゼロの取り組み、テレワークなどの柔軟な働き方、勤務間インターバル、年休取得促進による休養休暇の確保など、さまざまな試みを重ねております。
 フレックスタイム制は、職員が自立的かつ計画的に四週間を単位に始業、終業の時刻を設定できる柔軟な勤務形態であり、職員のライフワークバランスを大きく後押しするのみならず、公務能率の一層の向上に資するものでございます。
 このため、来年四月から本格実施することによって、職員にとって時間、場所を柔軟に活用できる働き方の選択肢を大幅に拡大し、各現場の実態に即した効果的な活用を図り、都庁の生産性向上につなげていきたいと考えているところでございます。
 なお、フレックスタイム制につきましては、四月からは本庁職場を基本として導入していきたいというふうに考えているところでございます。

○西沢委員 生産性の向上につなげていきたいというご答弁で、ぜひ進めていただきたいと思います。
 最近は、民間企業でも、働き方に関しては、フリーアドレスとか、席を決めないとか、会議については立ったまま行うとか、さまざまな働き方が提案をされております。だけども、民間企業と都庁、役所との大きな違いは、民間企業は効率的な仕事ができなければ倒産をしてしまう。だけども、役所というのは、いってみれば絶対に倒産することがありませんから、ある程度、誰かがおかしなことがあったときにおかしいぞといえる場、それは一つは議会だと思いますけども、そうしたところがあると思います。
 その働き方であったりとか、フレックスタイム制も含めて、ぜひその成果というものを後ほど改めてご報告いただけるようお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。

○菅野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○菅野委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で総務局関係を終わります。

○菅野委員長 これより政策企画局関係に入ります。
 報告事項、国際金融都市・東京構想-東京版金融ビッグバンの実現へについてに対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 それでは、発言を願います。

○福島委員 では、国際金融都市・東京構想についてご質問させていただきます。
 我が会派、都民ファーストの会の代表質問の答弁で、知事が、東京が世界に冠たる国際金融都市としての地位を取り戻すには今回がラストチャンスであり、これからは具体的な行動につなげていく段階にある、今後、構想に掲げる施策を可能な限り速やかに展開することで、東京を再びアジアナンバーワンの国際金融都市に導いていくというふうに答えています。
 また、政策企画局長は、本構想に書かれた施策内容に関して、金融手続の相談体制や英語対応の強化、東京金融賞の創設、そして、官民一体となったプロモーション組織の設立、新興資産運用業者育成プログラム、EMPの創設などの具体的な施策の実施に向けて検討と述べておられます。
 そこで質問なんですけれども、これらの具体策を実施することで、例えば国際金融センターインデックス、GFCIで、現状の五位から、シンガポール、香港を抜いてアジアナンバーワンになる、この見通しについて伺います。

○田尻戦略事業担当部長 国際金融センターインデックスは、資金調達、人材、インフラ、ビジネス環境などの十の分野について、世界の主要都市を評価した指標であり、その合計において、本年九月現在で、東京は香港、シンガポールに次いで五位という位置にございます。
 都といたしましては、構想に掲げた各施策を実施することにより各分野の改善を図り、アジアナンバーワンの評価を得られるようにしたいというふうに考えているところでございます。

○福島委員 アジアナンバーワンの国際金融都市になるというのであれば、オリンピック・パラリンピック東京大会が開催される二〇二〇年までに、GFCIでアジアナンバーワンの評価を得るという意気込みを持ってほしいし、その達成を目指して全力を尽くしていただきたいということを申し上げて、次の質問に移ります。
 国内波及効果に関して、二点ご質問させていただきます。
 東京、日本ならではの国際金融センターとしての魅力を問う我が党の代表質問に対して、一千三百万人を超える東京都の人口、百兆円近いGDPに代表される巨大市場、約一千八百兆円に上る個人金融資産という金融市場としての規模、世界に誇る治安のよさ、そして、高い技術力を有する中小企業を初めとする産業の厚みの存在が東京の強みであるとの局長答弁がありました。
 一方、韓国の釜山においては、先ほどのインデックス、GFCIにおいて、前回の二十八位から二十四位へと四ランクアップした理由は、アジアをつなぐ海運のハブ港の利点を生かした海洋関連の金融インフラ整備が評価されたためというふうに聞いています。
 つまり、港をハブ化するという経済戦略と相まって金融センターとしての魅力を高めているというふうに考えられますが、先ほどのご答弁にありました、東京における魅力ある投資対象であると考えられている高い技術力を持つ中小企業と金融を結びつけるための戦略について伺います。

○田尻戦略事業担当部長 海外の金融系企業の東京への進出を促進するために、都は今年度から、市場調査、ビジネスプランの策定等に関する無償コンサルティングなどの取り組みを実施しているところでございます。
 こうした金融系企業の中でも資産運用業は、中小企業を初めとする都内企業に対し、出資という形で資金を供給し、資金調達手段の多様化を促すことから、重要な誘致対象と考えているところでございます。
 そのため、都では、金融ライセンス登録手続に関する英語解説書の整備や新興資産運用業者育成プログラムの導入など、資産運用業者の誘致、育成に焦点を当てた取り組みを展開しているところでございます。

○福島委員 金融系企業からすれば、中小企業を初めとする都内企業が魅力的な投資先であり、中小企業を初めとする都内企業からすれば資金調達手段がふえるという双方のメリットがあること、そして、両者を結びつけるための無償コンサルティングを初めとした資産運用業者の誘致、育成のための取り組みをご紹介いただきました。
 私としては、そこでさらに、中小企業を初めとする都内企業がより魅力的な投資先になるための工夫を期待したいと思います。
 例えば東京には、少子高齢化や二〇二五年以降の人口減少、老朽化したインフラの維持管理といった、ある意味、世界に先駆けて発生しているさまざまな課題があります。
 先日、高齢者のデータの蓄積が日本にあることを魅力として訴えることで、海外の医療関係のAIを開発するベンチャー企業と業務提携できたという話を、事例を聞きました。
 東京金融賞がその役目を負うとは聞いていますが、東京ならではの社会課題解決や、日本人投資家になじみの薄いESG投資の拡大につながるといった観点について、もう一歩踏み込んだ取り組みもぜひ検討していただきたいと思います。
 次に、都民からすると、金融というふうに聞くと、ともすると金融系企業や機関投資家など限られたプレーヤーによる世界のイメージが強いと思います。
 都がまとめた国際金融都市・東京構想は、一部の大企業や富裕層、外国人投資家のみが利益を得る施策であってはならないということはいうまでもなく、都民ファーストの観点から、さきに述べた都内の中小企業に加え、金融以外の産業、さらには都民にもひとしく利益を得る施策でなければならないというふうに考えます。
 そこで、構想の実現による都民のメリットについて所見を伺います。

○田尻戦略事業担当部長 今回の構想では、資産運用業とフィンテック企業に焦点を当てた施策を展開する予定でございます。
 資産運用業の活性化は、都民の資産運用に係る選択肢の拡大、充実につながり、また、フィンテックの成長によって、決済分野など新たな金融サービスの提供を通じた都民の利便性向上も期待できると考えているところでございます。
 国際金融都市東京の実現に向けた取り組みを推進することで、以上申し上げたような都民のメリットを実現し、都内経済の活性化、さらには東京の持続的成長を目指していきたいと考えているところでございます。

○福島委員 都民にもメリットがあるというお話を確認いたしました。
 では、次に、これまでの取り組みとの関係に関して、二点お伺いしたいと思います。
 東京が国際金融都市の地位を取り戻すという構想については、過去にも同じような構想が浮かんでは消えてきました。知事答弁にあったとおり、今回の国際金融都市・東京構想が、ある意味、ラストチャンスというふうに考えるのであれば、これまでの構想との違いは何なのか、そして、この構想を成功させるためには、例えば、将来のフィンテック市場規模や外国企業の対内直接投資残高などの具体的な数値目標の設定と、その目標に沿った進捗状況の管理が必要だと考えますが、所見を伺います。

○田尻戦略事業担当部長 東京を国際金融都市にするという試みについては、これまでも類似の検討が繰り返されてきましたが、必ずしも効果的な成果につながってこなかったという経緯に鑑み、今回は、具体的な行動をスピード感を持って実施し、東京は変わりつつあると国内外に示していくことが重要であると考えているところでございます。
 また、数値目標につきましては、昨年十二月に策定をした都民ファーストでつくる「新しい東京」におきまして、二〇一七年度から二〇二〇年度までの四年間で金融系外国企業四十社の誘致を目標として掲げているところでございます。
 また、構想に掲げた施策の推進に当たりましては、進捗状況等を適宜都民に公表することで、構想に対する都民の理解を得られるよう、努力してまいる所存でございます。

○福島委員 本来、国際金融都市・東京構想にかける予算を検討するためには、将来のフィンテック市場規模や外国企業の対内直接投資残高などの目標値があることが望ましいとは考えますけれども、容易ではないことはよくわかります。
 そして、そのかわりとして、リーマンショック前の外国企業の東京市場への年間の参入数を参考に、二〇二〇年までの四年間に、毎年平均十社ずつ、計四十社、日本で新たに事業展開する海外企業を誘致するという項目を設けたというふうに伺っています。
 具体的な行動をスピード感を持って実施し、東京の変化を海外に示すというご趣旨のご答弁でしたけれども、これまでの構想の反省を踏まえ、東京が変わったという成果をぜひ実現していただきたいと思います。
 次に、国際金融都市・東京構想に先立つ東京都による外国企業誘致の取り組みであるアジアヘッドクオーター特区でありますが、国際金融都市・東京構想の施策とアジアヘッドクオーター特区における取り組みには連続性が保たれるべきというふうに考えます。
 そこで、アジアヘッドクオーター特区のこれまでの取り組み状況と国際金融都市・東京構想との連続性について伺います。

○松原国家戦略特区推進担当部長 アジアヘッドクオーター特区におけるこれまでの取り組み状況についてでございますが、アジアの統括拠点または研究開発拠点を特区内に設置する外国企業につきましては、平成二十八年度末までの五年間で、目標でございました五十社の誘致を実現したところでございます。
 また、将来的にこれらの拠点の設立意志がある外国企業につきましても、三十社誘致したところでございます。
 これまでの外国企業誘致の取り組みで得たノウハウなどを生かし、資産運用業及びフィンテック企業の誘致を加速化することで、金融関係の新たなプレーヤーの東京市場への参入を促進することを国際金融都市・東京構想に位置づけまして、さまざまな施策を推進しております。
 具体的には、海外三都市に設置した誘致活動の窓口、アクセス・ツー・トウキョウを一層活用するとともに、市場調査の無償コンサルティングサービスなどを実施し、今年度から四年間で金融系外国企業四十社の誘致を目指してまいります。

○福島委員 今回の国際金融都市・東京構想で、アジアヘッドクオーター特区の取り組みを通じて有効性を確認できたアクセス・ツー・トウキョウの一層の活用や、ニーズに応える市場調査の無償コンサルティングサービスを導入し、さらにはアジアヘッドクオーター特区で実績がある年間十社という数値目標を維持した形で、資産運用業及びフィンテック企業を誘致するということを理解いたしました。
 しかしながら、アジアヘッドクオーター特区も、今回の国際金融都市東京も、誘致する外国企業の数は最終目標ではなく、本当に東京の経済成長に寄与するかどうかが重要であることはいうまでもありません。
 私は、これらの取り組みは、ある意味、社会実験であるというふうに考えています。いずれの取り組みも、施策の進捗を適宜都民に公表するということですけれども、二〇二〇年までの取り組みはもちろん、これまでの取り組みで招致した企業のその後の評価がより大切になるというふうに考えています。
 繰り返しになりますが、関連する市場規模や対内直接投資残高など、多角的かつ数値での状況把握を長期的に実施し、都と都民に構想の成果を報告していただきたいというふうに思っています。
 次に、外国企業が来たときの働く方の生活環境に関するご質問を二点したいと思います。
 誘致した外国企業で働く人たちに目を向けると、生活環境の整備の取り組みも大切になります。今回の国際金融都市・東京構想と関連し、外国企業で働く駐在者の生活環境の整備、具体的には特区制度を活用した外国人家事支援人材の確保があるというふうに伺っています。
 この外国人家事支援事業の内容と活用に至った経緯について伺います。

○松原国家戦略特区推進担当部長 家事支援外国人受入事業につきましては、平成二十七年七月の改正国家戦略特区法に盛り込まれたものでございまして、女性の活躍推進などのため、家事支援サービスを提供する外国人受け入れ企業に対する地方自治体と国による一定の管理のもと、受け入れ企業に雇用される外国人について入国、在留を可能とする特例でございます。
 都では、法改正後、特区活用の意向がある家事支援サービスを提供する企業と外国人受け入れ予定人員や実施時期などについて検討を重ね、昨年八月の国家戦略特別区域会議におきまして、女性活躍の推進や金融系などの高度外国人材の誘致推進の観点から特区認定の提案を行い、実現したところでございます。

○福島委員 特区を活用した外国人家事支援事業についてご説明いただきました。
 加えて、生活環境の維持となると、医療環境や、そして、家族とともに駐在する外国人の人材のことを考えると、子供たちが通う学校も重要なのではないかというふうに考えます。
 金融機関に勤める友人から聞いた話では、例えば学校についてだと、香港では学校にあきが少なく、入学するのに待たされることもあるのに対し、シンガポールは、インターナショナルスクールの選択肢が多いことが、家族連れで転勤する外国人に駐在先として好まれる理由の一つになっているとも聞いております。
 海外の金融系外国人材が東京で生活しやすい環境を整備するために、医療や教育などの特区を活用したどのような取り組みを展開しているかを伺います。

○松原国家戦略特区推進担当部長 国際金融都市の実現に寄与する生活環境の整備につきましては、今年度、インターナショナルスクール、多言語対応の医療施設などを整備する東京駅周辺、虎ノ門地区などの都市再生プロジェクトについて、都市計画法の特例などの認定を受けたところでございます。
 また、外国人医師が、自国民に限らず、外国人一般に対する診療が可能となる外国人医師の特例につきましても、聖路加国際病院及び聖路加メディローカス、また、今年度認定を受けた東京メディカル・アンド・サージカルクリニックにおいて活用されているところでございます。
 今後とも、特区制度等を活用し、金融系外国人材が東京で安心して生活できる環境整備に取り組んでまいりたいと考えております。

○福島委員 インターナショナルスクール、そして外国人医師に関しても、特区制度を活用して対応しつつあるという状況を伺いました。東京が外国人材にとって、より魅力的な都市になるために、そのニーズを捉えた取り組みも今後も継続していただきたいと思います。
 伴う課題に関して、一点ご質問させていただきます。
 ここまで海外金融系企業の誘致を進めるための方策について質問してまいりましたが、一方で、外国系企業が東京で事業することに伴う課題にも目を向けることは大切です。
 十一月三十日に開催されたフィンテックビジネスキャンプ東京デモデーでプレゼンした外国系企業八社は、東京で事業をスタートするに当たり、さきの回答であった日本の約千八百兆円に上る個人金融資産や、言葉の壁があったために、ある意味、ドメスティックであった日本人のデータに着目したプレゼンが多くされていました。
 見方を変えると、東京、ひいては日本の資産やデータが外資系企業に吸い取られてしまうのではないかという懸念を抱かざるを得ません。データを制する者は市場を制すとまでいわれている昨今、市場原理に基づいた競争が行われることが望ましいことは理解できますが、東京が出資してまで誘致するからには、何らかの対策があってもよいのではないかというふうに考えます。
 そこで、誘致した外資系企業に東京や日本の個人金融資産とデータをとられるだけにならない工夫、さらには、世界の金融資産やデータが、東京、ひいては日本に集まるための工夫についてお伺いいたします。

○田尻戦略事業担当部長 都民が安心して資産形成を行うことができるよう、東京市場で活動する全ての金融機関等が、資金や情報の獲得などの自社の利益追求だけでなく、投資家や顧客目線に立った業務運営を実行することが必要であると考えております。
 そのため、都は、構想において、金融による社会的課題解決への貢献を掲げまして、今後、投資家、顧客ファーストを徹底する企業等を後押しする予定でございます。
 具体的には、金融庁と連携いたしまして、金融系企業に対し、顧客本位の業務運営の定着を促進するほか、日本取締役協会が実施するコーポレートガバナンス・オブ・ザ・イヤーに今年度から後援を行い、都知事賞を創設するなどの取り組みを推進していくつもりでございます。
 これらの取り組みを通じまして、東京市場のイメージを向上させ、国内外から人材、資金、情報、技術を集める契機としたいと考えているところでございます。

○福島委員 コーポレートガバナンス・コードやスチュワードシップ・コードに基づいた健全な市場育成を目指すという方向性を伺いました。とはいえ、国際金融センターインデックス、GFCIで上位の国であれば当たり前の取り組みであり、私としては、繰り返しますが、もう一段上の取り組みを期待したいと思います。
 先ほどから述べていますが、課題先進都市である東京にある、そして東京だからこそ集められるデータを適切な外国企業の協力を得て分析し、東京の課題解決につながる新しい事業を創出し、そこに世界の資金を呼び込むという観点で、引き続き国際金融都市・東京構想の戦略を充実させていただきたいと思います。
 最後に、関連する国際交流に関して、一点ご質問をさせていただきます。
 国際金融都市・東京構想を実現するためには、民間に任せるだけでは不十分であり、官民一体となった取り組みが欠かせないと考えます。
 知事の海外出張時のトップセールスは、官民一体の推進策として非常に重要だと考えますが、知事の十一月のシンガポール出張における成果と今後の取り組みに関してお伺いします。

○田尻戦略事業担当部長 十一月のシンガポール出張において、小池知事は、構想策定後、最初のプロモーション活動として、アジアパシフィックサミットやフィンテックフェスティバルなどの場で、世界の投資家や企業幹部等に対し、国際金融都市東京の実現に向けた都の施策を紹介するとともに、東京を国際金融都市として復活させるための決意を示してまいりました。
 また、十二月四日には、ロンドンにおける金融の中枢であるシティ・オブ・ロンドンと金融分野におけるMOU、合意書を締結するなど、構想策定後、直ちに国際金融都市東京の実現に向けた行動を実施したところでございます。
 今後、構想に掲げる各施策を、国内外の関係機関との連携のもと、官民一体でスピード感を持って推進することで、国際金融都市東京の実現を目指していくつもりでございます。

○福島委員 先行する都市、ある意味、ライバルでもある都市に関する情報収集、関係構築、そして、情報発信を知事みずから先頭に立って行っていることを伺いました。
 本構想は、東京の経済の将来に向けた重要な施策であるというふうに考えています。なぜなら、二〇二五年には東京都も人口減少社会となり、そして、そのままでは税収減につながることは確実です。そのような中、東京の経済の競争力向上のための施策にこの時点で取り組むというのは、まさにラストチャンスであるというふうに考えられます。
 今回のこの構想を東京の経済成長につなげるために、知事、職員一丸となって取り組んでいただきたいということを述べて、質問を終えさせていただきます。

○菅野委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後四時三十九分休憩

   午後四時五十四分開議

○菅野委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 それでは、質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○斉藤委員 今回の報告事項、国際金融都市・東京構想について質問したいと思います。
 公表は先月でございますが、先ほどの福島委員の質疑も伺いながら、踏まえながら、続けて質問したいと思いますが、東京を再び世界に冠たる国際金融都市にしようという試みについては、先ほどの質疑にもございましたが、何回もこれまでもあったと記憶しております。
 その試みがうまくいかなかったという、そういう評価の中で、東京は、現在、ロンドン、ニューヨークどころか、香港、シンガポールにも、その順位ということでいえば、抜かれているのが現状であるということです。
 問題は、その原因であります。その原因は何かと考えてみますと、東京を国際金融都市にすることの意義について、なぜ東京が国際金融都市としてナンバーワン、上位を目指すのかという意義について、参入する事業者は当然ですが、都民、国民の理解、共感を得ることができていなかったのではないかということが背景としてはあると思っております。
 今回の都の構想につきましても、都民は日々生活に非常に忙殺されておりまして、さまざまな報道と情報に接することはなかなかない方も多いわけですけども、先ほどの話にありました、自分とは別の世界の話じゃないかというような感覚の中で、今後、この構想に掲げるさまざまな施策を推進するに当たりましては、これは都の税金、都税を投入するわけでございますので、それに対する理解が非常に重要であるというふうに考えるわけです。そこをクリアしないといけないと。
 そこで、本委員会の質疑では、都の国際金融都市・東京構想につきまして、構想策定の背景や構想に書かれた施策の内容につきまして確認をする形になろうかと思いますが、報告書は二十ページ以上にわたっておりますけども、わかりやすく、都民にわかるように質疑を進めていきたいと思います。
 まず、この東京をロンドン、ニューヨークに並ぶ国際金融都市にするとの目的ですけれども、当構想では、金融は経済の血液であり、その活性化は、東京が国際間の競争に勝ち抜きまして、成長していくために必須の要素としているわけですが、この取り組みについて都民の理解と共感を得るためには、より都民の生活に根差した具体的な意義、効果を明らかにしていく必要があると思います。
 先ほどの質疑の答弁では、なかなか都民の方は共感することに当たらないのではないかと思いますので、もう少し具体的に都民にもたらされるメリット、具体的な例示も含めまして伺いたいと思います。

○田尻戦略事業担当部長 東京において、金融産業を活性化し、国際金融都市を実現していくことで、都民に対して次のようなメリットがもたらされると考えております。
 まず、国内外から新たに多くの金融商品が都民に提供されることで、国の進める貯蓄から投資へという流れを後押しし、都民の健全な資産形成に寄与すること。
 次に、銀行からなかなか融資を得ることができない有望なベンチャー企業などに対して資産運用業者が出資を行うことで、その成長、発展を促し、もって都民の雇用や給与の充実が実現すること。
 さらに、フィンテックの活性化を通じて、携帯電話を活用した決済サービスなどが都民に提供されることで、時間や手数料等の節約につながり、都民の利便性が向上すること。
 以上のような都民に対するメリットの実現を常に意識しながら、構想に掲げる施策に取り組んでまいりたいと考えております。

○斉藤委員 今のお話を聞いて、なるほどなという都民の方はどれほどいるかということは、これはなかなか私は疑問であろうなと思いますが、ただ、事業を展開する専門家や経済の成長を真剣に考えている方にとってみれば、今回の報告書は、真剣にさまざまな議論を得て、発言もあったようでございますので、その判断というのがいい悪いということは、私はいうだけの分析がまだちょっとできておりませんが、ただ大事なことは、日本は貯蓄が非常に得意な国柄でございますので、先ほどの会議での一千八百兆に対する国際的な関心の高さは、これはもう論をまちません。かねてからいわれております。
 日本の国策として、今の内閣の方向性も、成長なくしてこれからの高齢社会を乗り越えることはできないという、そういう観点から、大きなところからの具体的な一つの戦略として、この国際金融都市となっていく、勝っていくということが位置づけられるということでございますので、今後も、この点は、都民に対して、なぜそうなのかということについては理解いただけるように努力していく必要があるのかなと思いますので、その点、要望しておきます。
 構想の中身が大事だと思いますが、この構想に書かれたさまざまな施策の中から、ポイントになるのではないかと思うものについて取り上げて確認したいと思いますが、初めに言語の問題でございます。
 やはり東京がロンドン、ニューヨークなど他の国際都市と大きく異なるのは、英語で対応できるかどうか。言語の問題は非常に大きいのではないかと。言葉の壁という表現が先ほどありましたけども。中でも公的機関ですね、英語で対応できる公的機関があるか否かということは、これは事業をする上でスタートラインから必須のことでございますので、とても重要ではないかと思います。
 金融取引で必要な公的書類は全て日本語で提出せよと、こんなふうにいわれたのであれば、海外で英語を駆使して世界を舞台に戦っている事業者からすれば、何で日本だけとなってしまいます。海外の金融系企業の中でも、大手であれば、それでも自力で手を打つこともできますが、例えば日本人を雇って対応するなどできますけれども、中堅どころ、この世界は非常に裾野は広いわけですから、中堅以下の規模の企業にとっては、東京進出のハードルはやはり高いというふうになってしまいます。
 今回の構想におきましても、金融系行政手続の相談体制及び英語化対応の強化という項目がございます。その中で幾つか施策を掲げているわけでありますが、中でも私が注目していますのは、東京開業ワンストップセンターでございます。大事な施策だと思います。開業に当たりまして、さまざまな役所を回るのではなくて、一カ所でワンストップで手続ができるというのは、特に海外の企業にとっては有益なことであろうと思います。
 そこで、この東京開業ワンストップセンターの活用に向けた現状、どのような利用状況にあるのかということと今後の取り組みを伺っておきたいと思います。

○松原国家戦略特区推進担当部長 東京開業ワンストップセンターは、平成二十七年の四月、国と都が共同で赤坂に開設いたしまして、外国人を含めた開業を促進するため、法人設立などに係る各種手続の支援を総合的に行っており、開設後もさまざまな利便性向上の取り組みを実施しているところでございます。
 具体的には、昨年十二月に、これまで相談のみ対応しておりました商業登記や国税に係る手続について、その申請受け付けを開始するなど、機能を拡充しております。また、今年度は、渋谷、丸の内にサテライトセンターを設置したところでございます。
 こうした取り組みによりまして、利用者数は、平成二十七年度の月平均約七十名に対し、平成二十九年度は月平均百九十名を超えるなど、順調に伸びてきたところでございます。
 さらに、本年十二月一日より、国税と都税に関する税務手続について、英語申請への対応を開始したところでございまして、センターの周知とあわせて、今後とも利便性の向上に取り組んでまいります。

○斉藤委員 ただいま答弁がございましたが、せっかく都が頑張って、二年前、二十七年ということで、今回は、相談だけじゃなくて、申請受け付けを開始する機能を持ってきているということもございます。
 東京開業ワンストップセンターでの英語申請を可能にしたわけですから、もっと利用がしていただけるように、ぜひともしっかりとPRもして、その存在と利便性を、日本進出を考えている海外の企業に発信していくべきだろうと思います。
 海外から来る世界を舞台に戦っている金融の世界の人材にとりまして、言葉の問題と並んで重要なのは生活の問題でございます。
 東京は、世界に誇る安全な都市として、これは非常に誇るべきものですけれども、安全な都市ですけれども、日本にやってくる外国人、そしてその家族にとっては、住まいの問題や教育の問題、医療の問題といった課題について、日本でビジネスを行うに当たりまして重要な事項になってきます。
 家族に対する考え方、そういったことも、こういった金融業で働いている方々にはあるわけでございますけども、都ではこれまでも、特区制度を活用しまして、外国人材の生活環境整備に関する取り組みを進めてきておりますが、今後、海外から優秀な金融人材を東京に呼ぶ上で、きめ細かな生活面のサポートが大切になろうかと思いますが、その内容について伺いたいと思います。

○松原国家戦略特区推進担当部長 国際金融都市の実現に寄与する生活環境の整備につきましては、国家戦略特区の都市計画法の特例などを活用して迅速に進めていくことが重要でございます。
 このため、今年度は、東京駅周辺、虎ノ門地区など四地区で国際水準の都市再生プロジェクトの特区認定を受けたところでございます。
 これらのプロジェクトの中では、住まいの面で、例えば住宅のほか、中短期など外国人の多様な滞在ニーズに対応したサービスアパートメントを整備するほか、ライフスタイルを支える多言語によるコンシェルジュ機能などを提供することが計画されております。
 教育面では、外国人子女を対象に高水準の教育を提供するインターナショナルスクールを整備するほか、多言語対応可能な子育て支援機能や地域交流活動などを提供することが計画されております。
 また、医療面では、多言語対応の医療施設を整備する予定でございます。
 今後とも、特区制度等を活用し、金融系外国人材が東京で安心して生活し、活躍できる環境整備に取り組む所存でございます。

○斉藤委員 大変にさまざまな生活環境課題に対する手だてをしているようですけども、これを都民が聞いたときに、何でこの方々だけ、何で私たちの税金を使ってここまでといわれないようにすることが重要なわけですね。
 都が、外国人とその家族の生活環境整備のため、幅広い取り組みを行っていることは理解できるわけですけども、まさしく、この委員会の中だけでなく、こうした取り組みで金融で働く方々が日本に長期滞在することで、ビジネスを行って、それが結局、回り回って都民に還元されていく、日本の経済に寄与していくという、そのつながりをしっかり都民に理解していただくことは重要であろうと思います。
 例えば、障害のある方が家族にいた場合に、私の先輩ですけど、国際的にロンドンを舞台に活躍した方が、リーマンショックで世界的なリストラに遭って日本に再び帰ってきました。しかし、障害のある家族はロンドンにいます。
 それはなぜかというと、日本よりもロンドンでの方が安心して任せられるからだという、そういう価値観を持った方が、世界を舞台に、どこが一番暮らしやすいか、障害に優しいか等も含めながら都市間競争をしているわけですが、できれば、こうした日本の、東京の取り組みが各国の話題となって、それがやはりスタンダード、底上げしていくような、そういう政策的なプラスもあるんだということも、まずは成功しないとだめですけども、ぜひともその先、期待をしたいところであります。
 次に、海外金融系企業の誘致に向けた取り組みについて伺いたいのですが、構想では、誘致企業に対するインセンティブの付与、アクセス・ツー・トウキョウを活用したスピーディーな誘致活動の展開、そしてプロモーション組織の設立といった施策が並んでおりますけども、私が注目しているというか、これは何なんだと思ったのが東京金融賞の創設であります。
 構想に仮称とある以上、詳細な制度設計はこれから進めていかれると思いますけれども、東京都がわざわざこうした表彰制度を創設する以上は、この賞が都民にとってもメリットがある賞にならなければ成功しない、このように思うわけであります。
 そこで、東京金融賞の内容と創設の意義について伺いたいと思います。

○田尻戦略事業担当部長 アジアの国際金融都市であるシンガポールには、国民からの課題に対し、金融のツールを用いた解決策を対象とする表彰制度というものが存在いたしますが、東京にはそのような金融分野の賞が存在してございません。
 そのため、平成三十年度中にも、国際金融都市東京の象徴として、都民目線や持続可能な都市づくりを視点に取り入れた表彰制度を創設する予定でございます。
 具体的には、都民ニーズの解決に資する金融商品、サービスなどの提供、開発を行う金融事業者や、世界的に注目をされているESG投資の普及を実践する金融事業者を表彰することを考えているところでございます。
 国内のみならず、海外の事業者も広く表彰対象とすることで、受賞者の東京への誘致につなげるとともに、受賞者の提供、開発する商品、サービスにおいて都民生活の利便性の向上を図っていきたいと考えているところでございます。

○斉藤委員 シンガポールに同じような賞があるということですが、シンガポールにあるから東京でやるということでなくて、こういう賞は、まさしく国際金融都市東京のシンボルになるものだということでございます。
 これがやはり、まさしく都民から差し上げたくなるような、そうした事業者が出てくることが望まれるわけですが、この金融という手法を通じまして都民ニーズの解決に資する企業を表彰するというのは、この構想が、金融系企業のみならず、都民そのものを一つの、都民の生活の向上を意義として考えているという一つの証左になるのかなということがわかりました。
 都としましては、この東京金融賞を国際金融都市東京の象徴とするということであれば、どの企業が第一号の受賞者となるかが重要です。受賞者が賞の価値やイメージを決めるといっても過言ではありません。ノーベル賞もそうです。
 ですから、この賞を持った企業が、確かにそうだなと都民から思っていただけるような事業者をぜひとも選んでいただきたいと思うわけでございますが、ユニークな金融技術を有する企業が受賞することによって、海外の金融系企業に東京金融賞への関心を持っていただいて、それを目指そうじゃないかというような流れが出てくるといいなと。そして、東京に進出してくるようになれば、よき流れができ上がります。それが都民の暮らし向上にもつながるという、こういう流れを期待しての賞だということですが、この賞を通じまして、金融系企業誘致に都が税を投入することの意義が都民に理解され、共感されていくように、今後、制度設計を進めるに当たっては、十分にその点を意識して検討を進めていかなければならないと思います。要望しておきます。
 次に、フィンテック企業の育成について伺いたいと思いますが、フィンテックというのは、皆様ご存じのとおり、ファイナンス、金融とテクノロジー、技術を合わせた造語でありまして、その範囲は非常に広いと思います。中でも、その代表として取り上げられるのがビットコインに代表される仮想通貨であります。
 この仮想通貨につきましては、銀行を通すことなく、世界中で簡易に決済が行えるというなどの利便性がある一方で、仮想通貨自体の価値が激しく上下することがあるなど、現在、一般の都民にとっては簡単に手を出すことができない金融商品となっていると私は思います。
 また、中国政府が仮想通貨取引に対する規制をかけたり、それにまた戻ってきたり、さまざま国家レベルでも、この仮想通貨取引については考え方がまだ定まってないところもあるようですけれども、仮想通貨に対する警戒感も発生しているところであります。特に、この数日間のネットなどの情報等を見ましても、仮想通貨の是非をめぐるさまざまな意見が交錯しているような状況です。
 一方で、東京が世界における仮想通貨の主力取引地になることができれば、世界における仮想通貨やその決済などに伴う物の流れを握ることができる。そうした野心も湧いてくるわけでございます。その経済的メリットは非常に大きいものがあります。
 今回の構想において、フィンテック産業の育成という項目を掲げておられますけども、このフィンテックという範囲に仮想通貨は含まれているのか、また、都として考えるフィンテックの発展に向けた取り組みの方向性とその効果について伺いたいと思います。

○田尻戦略事業担当部長 フィンテックと呼ばれる技術につきましては、ビッグデータ、人工知能、ロボアドバイザーといったさまざまな分野が存在しており、委員ご指摘の仮想通貨もその一つでございます。
 都としましては、さまざまな技術を活用したフィンテック企業を海外から東京に誘致するとともに、都内でフィンテックのイノベーションが活性化されるような環境を整備することでフィンテックの集積、発展を促し、もって都内経済の活性化につなげていきたいと考えているところでございます。

○斉藤委員 この仮想通貨は、フィンテックの中でも代表的な分野でありますが、仮想通貨が今後世界における物の流れを変える可能性があることは指摘されております。それが定かかどうかはわかりません。
 都民に対してどのようなメリットを与えることができるかということが前提ではございますけども、東京都は、今後、フィンテック企業の育成を進めるに当たりまして、この仮想通貨という分野を意識した取り組みを進めていったらいいんじゃないかなと。現時点で断定はできませんが、現在の金融状況を見ますと、私はそれは賛同できるところがございます。
 さて、構想では、さまざまな施策を推進するポイントの一つとしてコラボレーションを挙げておられますけれども、先ほど述べた仮想通貨について、金融庁では仮想通貨を法定通貨と交換する業者の登録制度を開始するなど、政府も金融庁がそのようなことを行っているわけですが、この仮想通貨取引のかかわりを強めていると認識できますが、都が今後、構想に掲げる施策を推進する上で、金融庁との連携は極めて重要です。それが新たな金融分野でのイノベーションにつながることが期待される。それは先ほどご答弁がございましたけども、イノベーションというのは大事なんです。
 一方で、金融庁というのは、過去の金融監督のあり方を見ればわかるのですが、規制官庁の側面を持っているわけであります。
 イノベーションと規制、この両者のバランスをとるのが難しい。危険だから規制、これでは、やる気のある人が逃げていってしまう。しかし、それを野方図にすると、おかしなものが入ってきてしまう。国民が大きな損害を得てしまうことになりかねない。
 このバランスをとることが難しいということですが、今後、施策の実現に当たり、都の意見が国と食い違う場面もあるかもしれません。しかし、東京が再びアジアナンバーワンの国際金融都市になるには、オールジャパンの意識を持って金融庁と連携することがイノベーションと規制のバランスをとり、健全な市場を創造していく、この東京の成長に大きくそれが寄与することになると考えます。
 そこで、今後、構想を推進するに当たりまして、具体的な金融庁との連携のあり方について伺っておきたいと思います。

○田尻戦略事業担当部長 構想に掲げる各施策は、東京都だけで実現できるものではなく、国や民間事業者などとの連携が不可欠と考えております。
 特に金融庁との間では、構想策定に当たり、随時、情報交換を行ってきたことに加えまして、この九月には、金融庁監修のもとで金融ライセンス登録に関する英語解説書を整備するなど、既にコラボレーションを実現しているところでございます。
 さらに、今後、都の職員を金融庁に派遣するということの検討も行っているところでございまして、これらを含めまして、金融庁とは幅広い分野で密接な連携を図っていきたいと考えているところでございます。

○斉藤委員 私も今回の報告書を拝見するに当たりまして、まあ勉強が足りないわけですけども、金融行政の方針というものもちょっと拝見してみました。東京のこの施策については非常に期待をしている、特出しされておりましたので、これはまさしく金融庁とよく連携をとって、現場としての東京の役割、ぜひとも成功させていかなければいけないのかなと。しかし、非常に難しい問題もございますので、その構想の内容と目的など、きょうはわずかな時間ですが、質疑を通じまして確認をいたしました。
 今後は、この構想に書かれた施策の実現に向けて、予算化もあります、また、制度設計もこれからということもあります。その際には、知事が言葉だけでなく、真の意味で東京がロンドン、ニューヨークと並ぶアジアナンバーワンとなることが都民のためになるということもしっかりとPRしていくこと、その実が大事であろうかと思います。施策の実現によって都民にどのようなメリットがもたらされるのかという意識を持って、今後進めていただきたいと思います。
 そして、この構想の実行によりまして--この実行が今まで伴わなかったから成功できなかったという分析があるわけですから、その実行によって目的を達成したかどうかは、まさしくPDCA体制、このフォローアップ、チェックも必要だと思います。それをしっかり行っていただきたいということを要望しまして、私の質問を終わります。

○とくとめ委員 私も国際金融都市・東京構想について質問いたします。
 知事は、所信表明において、アジアナンバーワンという国際金融都市の地位を取り戻す、その道のりを確実に歩むと述べて、新たな構想について所信表明を行われました。官民一体の金融プロモーション組織の設立や新興資産運用業者の育成プログラムの導入など、日本発となるものを含めた具体的な取り組みを打ち出すというものでした。
 知事のこの構想は、目玉政策だとメディアも注目をしています。一方で、前のめりではないかという報道も耳にします。
 この構想は、東京版金融ビッグバンの実現へというサブタイトルがついています。しかし、過去の日本のビッグバンは、バブルの崩壊とかリーマンショックなどと結びついて連想されて、金融の混乱とか、投資や金融業界への不安や不信のイメージが強いのではないかというふうに思います。
 二〇〇〇年以降、小泉内閣などのもとで叫ばれた貯蓄から投資への政策誘導の流れが今日でも広がらないという要因にも、こうした不信や不安が根底にあるのではないかというふうに思います。
 そういう中で、国際金融都市・東京構想は、一体、都民にとってどういう内容になっていくのか。都民の暮らしや福祉の拡充を本来の役割とする自治体の東京がリスクの大きい投資など金融業ともいえる事業に乗り出すことが、自治体として本当にいいのか、都民にとって本当に利益をもたらすことになるのか、こうした観点から幾つか質問します。
 まず最初に、金融都市・東京構想の中には、文章に産業全体の発展、都民の暮らしの向上につながっていくと明記をされていますが、都民にとっての意義と役割はどういうものになるのか。自治体本来の役割である都民の暮らしや福祉の向上、安心、中小零細業者の営業の安定に、本当にこの金融都市・東京構想が効果やメリットがあるのか。この構想の報告をよく読んでも、余りにも具体的な事例が少ない、実感ができないというのが率直な気持ちでございます。
 都民の目線で見て、どういう効果やメリットがあるのか、伺いたいと思います。

○田尻戦略事業担当部長 今回の構想は、金融業の中でも資産運用業とフィンテックに焦点を当てた施策を展開するつもりでございます。
 資産運用業の活性化により、都民にとって資産運用の選択肢の拡大、充実につなぐとともに、中小企業を初めとする都内企業への成長資金の供給による経済の活性化が見込まれます。また、フィンテックの活性化を通じて新たな金融サービスが提供されることにより、都民生活の利便性の向上につながります。
 以上のような点が都民や中小企業にとってのメリットであるというふうに考えているところでございます。

○とくとめ委員 都民にとって資産運用の選択肢の拡大とか充実とか、中小業者など都内企業への成長資金の供給といわれてみても、多くの都民の暮らしの実態は、個人消費が長期にわたって落ち込んでいる、実質賃金は下がり続けて低迷のまま、中小業者にとっては、売り上げが伸びない、景気回復の実感がないという、こういう状況の中で、資産運用の拡大、充実という状況どころではないという気がします。余りにも実態からかけ離れているのではないか、そういう気がします。もっと都民全体の懐を暖める実体経済の拡大とか、個人消費を元気にする内需の拡大こそが、本当に、国民の立場から見て、都民の立場から見ての経済の成長戦略の土台ではないかというふうに思います。
 そこで二つ目の質問ですけれども、国際金融都市・東京構想では、世界に冠たる金融都市東京へ、今回がラストチャンスとの危機感を持って、構造的、本質的な課題に踏み込み、抜本的な克服策を見出していかなければならないと、危機感を持って書かれています。
 しかし、これまで、猪瀬都政、舛添都政の時代にも目指していた東京国際金融センターなどの構想が成功せずに、長期にわたって低迷してきた要因は、どのように分析をされているのでしょうか。

○田尻戦略事業担当部長 国際金融都市東京の活性化に向けた取り組みについては、これまでも何度もさまざまなレベルで議論、検討されてまいりましたけれども、必ずしも効果的な成果には結びつけてこなかったというふうに考えております。
 その間に、同じアジアの香港、シンガポールが国際金融都市として急速に発展したということが、東京の厳しい現状となっているのではないかというふうに考えているところでございます。

○とくとめ委員 私は、今の答弁にあった、その要因分析が問題ではないかと思うんですね。これまで何度もさまざまなレベルで検討されてきたが、必ずしも効果的な成果に結びつかなかった、その間に、同じアジアの香港、シンガポールが国際金融都市として急速に発展したといわれた。これは、うまくいかなかった要因でも何でもなくて、ただ、うまくいかなかった、そういう事実の経過と、その結果を述べているだけではないか、そんな気がするんですね。
 二〇一三年前後、国際金融センター構想にかかわる各種の報告でも、読んでみますと、今回と同じように危機感があおられているんですよね。しかも、具体的な対策については、今回と同じようなものが、既に三年、四年前から同じにいわれています。世界に冠たる金融都市東京とかアジアナンバーワンというスローガンを掲げれば簡単に実現できるものではないと思います。
 最も自己責任が問われる投資とか、企業活動をめぐって、今、世界とアジアでは、中国がもう、GDPでは世界のトップクラスに台頭している、アメリカは、トランプ大統領が出てアメリカファーストという動きがある中で、本当に今度の国際金融都市・東京構想を成功に導くためには、今までのうまくいかなかった要因をしっかりと分析することが決定的に重要だと思うんですね。そういう意味では、スローガンだけではなくて、その分析を踏まえた慎重な対策が必要だというふうに考えます。
 そこで、今回の構想では、千八百兆円に及ぶ日本の個人金融資産と都民一人一人の持つ金融資産の有効活用に触れています。これまた、都民の実感と大きくかけ離れているのではないかというふうに思います。
 都民一人当たりの金融資産と貯蓄の実態、都民の中での個人投資家の実態はどうなっているのか、お答えいただきたいと思います。

○田尻戦略事業担当部長 平成二十六年の総務省全国消費実態調査によりますと、東京都の二人以上の世帯の一世帯当たりの家計資産は六千五十八万円、貯蓄は千九百七十万円となってございます。
 都民の中での個人投資家の実態につきましては、千九百七十万円の貯蓄に占める有価証券の割合が二割程度となっており、全国平均の約一四%は上回ってございますが、個人金融資産の四割強を投資に回しているアメリカなどと比べますと、依然として、投資を行う割合、金額は低いというふうに考えております。

○とくとめ委員 あくまでも都民全体の中での平均の実態が今の数字だと思うんです。巨額の個人金融資産を所有している少数の富裕層によって、平均が大きく引き上げられているというのがリアルなところだと思うんですね。しかも、個人資産家で二〇%程度が投資に参加をしているというのが今の報告ではないかと思うんです。
 少数の力のある個人投資家を除けば、都民の多くは、リスクを伴う個人資産の活用、投資を呼びかけても、投資リスクへの不安が残ってちゅうちょするのが実際のところではないかというふうに思います。ここが、貯蓄から投資へと、小泉内閣も含めて二〇〇〇年以降ずっといわれてきても、なかなか投資への流れになっていかない、そういう背景があるのではないかというふうに思います。
 そこで、この国際金融都市構想の具体化に当たって、法人税、相続税の見直しが検討されているようですけれども、どういう内容が検討されているのでしょうか。都の税収への影響はどのように見込まれているのでしょうか。

○田尻戦略事業担当部長 都税である法人二税につきましては、資産運用業及びフィンテック企業の新規参入の促進につながるよう、政策減税を検討しているところでございます。その早期の実施を目指し、具体的な制度設計を進めてまいります。
 政策減税による都の税収への影響につきましては、今後、税源涵養の考え方に基づいて、具体的な制度設計の中で検討する予定でございます。
 一方で、日本の法人実効税率のほとんどは国税でありまして、その抜本的な引き下げには国の協力が不可欠でございます。したがいまして、国家戦略特区における所得控除の対象に資産運用業及びフィンテック企業を加えるよう、国に働きかけをしているところでございます。
 また、相続税につきましては、外国の高度金融人材に安心して日本で仕事をしてもらえるよう、日本に長期滞在をしている外国人に対する課税要件の見直しについて、国に働きかけを行っているところでございます。

○とくとめ委員 今、答弁の中で、政策減税とか税源涵養という言葉をいわれましたけども、一体、これはどういう内容を示しているのでしょうか。

○田尻戦略事業担当部長 政策減税についての考え方は、まず、我々で今のところ検討しているものにつきましては、資産運用業及びフィンテック企業というような特定の業種に対して、かつ新規参入の促進につながるというような観点からの時限的なものというものを検討してございますが、詳細なものについては今後検討を進めてまいります。
 また、税源涵養の考え方ということにつきましても、将来的にこれによって新規参入が促進し都税が拡大をしていく、そのような制度設計になるように我々の方としても考えている、そういう現状でございます。

○とくとめ委員 法人税の減税についてお聞きしますけれども、東京都が独自にできる減税と国が行う減税があると思いますけども、この構想の中には、シンガポールや香港との関係で、一〇%ぐらい東京の法人税減税が高いということも紹介されておりますけども、この減税をちゃんとやるという見通しをしっかり持っていらっしゃるのでしょうか。これからの国との相談、検討ということでしょうか。

○田尻戦略事業担当部長 委員ご指摘のとおり、法人税全体の引き下げにつきましては国の協力が不可欠ということでございまして、国の方に、その働きかけというものを同時に行っております。つまり、都でできる部分と国でやっていただく部分、両方ございますので、国の部分については国に協力をお願いし、都の部分については都税、都でできる部分ということで検討を進めているというところでございます。

○とくとめ委員 国際金融都市・東京構想の事業費については、全体でどれくらいの規模になると見ておられるのでしょうか。今いわれた法人税の減税も、当然、東京都の税収減少につながっていくと思うんです。そういう事業費に都民の皆さんの税金を投入して、その費用対効果というのは、どういうふうに見られているのでしょうか。
 よくオリンピックなんかを招致すると何十兆円とかいうふうにいわれるのですけれども、この国際金融都市・東京構想の実現に向かっていけば、どういう効果が生まれるというふうに判断されているのでしょうか。

○田尻戦略事業担当部長 本事業に関しまして、平成三十年度の予算要求といたしましては約五億円というものを要求しているところでございます。それを最終的に議会にご了承いただいた後、その予算に基づいて構想に掲げる各施策を推進していくということで、アジアナンバーワンの国際金融都市の実現につないでいきたいというふうに考えております。
 その先、平成三十一年度以降につきましては、三十年度の取り組みの効果を検証しつつ、必要な事業費を精査していきたいというふうに考えているところでございます。

○とくとめ委員 資産運用分野での取り組みを促進するために、プロモーション組織として官民運用資金百億円規模の財団を創設して、その半分の五十億円を都が拠出するとマスコミでも報道されています。どういう中身なのでしょうか。

○田尻戦略事業担当部長 ただいまご指摘のあった報道については、私どもも承知をしてございますが、都として、そのような内容を決定した事実はございません。
 プロモーション組織につきましては、平成三十年度中に、その体制、担う業務の範囲とその対象、財源を含む収支スキーム等に関して、今後、官民の実務担当者の間で検討を行いまして一定の合意を目指していく、そのような予定でございます。

○とくとめ委員 そういう検討は事実でないといわれますけども、この報告の中には、ちゃんと今後検討ともいっていますし、プロモーション活動を強化することも明記され、知事も既にトップセールスで先頭に立っている状況です。
 そのための組織は不可欠であるというふうに思いますが、報道のような内容は検討もしていない、事実無根だということですか。

○田尻戦略事業担当部長 繰り返しになるかもしれませんけども、プロモーションの組織につきましては、まだ現時点では、そのものについては当然存在はございませんので、それを、今のところ私どもの構想の中では、平成三十年度中に、その体制、担うべき業務の範囲、その対象、財源を含む収支スキーム等に対して、官民の実務担当者の間で検討を行いまして一定の合意を目指していく、そのような予定で考えているところでございます。

○とくとめ委員 来年度の政策企画局要求の予算の中で、当面具体化する予定の三つの事業が掲げられています。その内容の詳細はどういうものになっているのでしょうか。

○田尻戦略事業担当部長 政策企画局の平成三十年度予算要求概要においては、国際金融都市の実現に係る事業として三つの事業を掲げてございます。
 まず、一つ目、先ほどご指摘のあった海外プロモーション組織の設立に向けた検討ということにつきましては、平成三十年度に、官民実務担当者の間でプロモーション組織の体制、担う業務の範囲等を検討するための調査の経費ということで予定しております。
 次に、二つ目、東京金融賞の創設というものにつきましては、都民のニーズ等の解決に資する画期的な金融商品、サービスの開発、提供を行う金融事業者や、ESG投資の普及を実践する金融事業者を表彰する、そのような事業の実施の経費でございます。
 最後に、三つ目、東京版EMP創設のための補助というものにつきましては、国内機関投資家に対して、新興資産運用業者向け運用資金を提供するためのインセンティブとしての補助金を予定しているところでございます。

○とくとめ委員 今述べられたことが、来年度予算、局要求で五億円となっていると思いますけれども、一つ一つが具体化されていけば、さらに予算規模は拡大していくのではないかと思います。
 そこで、構想の幾つかの具体化の内容について伺います。
 特区を利用した職住近接化プロジェクト等の推進については、どういう中身を指しているのでしょうか。

○松原国家戦略特区推進担当部長 特区を利用しました職住近接化プロジェクトにつきましては、都市計画法の特例等を活用し、生活環境整備を進めることとしており、今年度は、インターナショナルスクール、サービスアパートメントなどを整備する東京駅周辺、虎ノ門地区などのプロジェクトについて特区認定を受けたところでございます。
 また、外国人医師が、自国民に限らず、外国人一般に対する医療を可能とする特例につきましても、今年度、一施設で認定を受けたところでございます。

○とくとめ委員 この職住近接化プロジェクトも、東京駅周辺、虎ノ門など都心部を中心にして進められている巨大再開発事業と結びついて、外国から参入する企業に、特別の待遇、条件づくりが進められているということであります。関連事業もどんどん膨らんでいくのではないかと心配になります。
 そこで、幾つか具体的な中身で、既にほかの委員が触れられておりますので、高度金融人材等による家事使用人利用の促進については質問を取り消して、次に、性差別でもあるLGBTの高度金融人材の活躍促進とも明記されていますけども、これはどういう内容を指しているのでしょうか。

○松原国家戦略特区推進担当部長 高度金融人材の受け入れ促進による金融系外国企業などの進出の加速化、LGBTの方々も活躍できるダイバーシティー実現の観点から、同性パートナーについても同性婚の配偶者と同様に在留を認める特例を創設するよう、国に対して提案しているところでございます。

○とくとめ委員 国際金融都市・東京実現のために、LGBTの方々も活躍できる見地から、同性パートナーについても同性婚の配偶者と同様に在留を認める特例の創設によって活躍できるようにするというふうに聞いております。
 小池知事も、オリンピックの理念を東京中に生かすために条例化しようという答弁が本会議でありました。本当にダイバーシティーの実現を目指しているんだったら、特定の地域だけに特定の人だけ、局地的な、一部の人だけの人権ではなくて、やっぱりこういう事業を進めるのであれば、誰でも人権を尊重する、まさにダイバーシティー見地での対応が必要ではないか、ぜひそれも含めて検討していただきたいということを要望しておきます。
 国際金融都市・東京構想を中心に、持続可能な社会の実現に貢献することについて、この報告書の中に国連の責任投資原則の提唱について明記をされていますけれども、どういうことを指しているのでしょうか。

○田尻戦略事業担当部長 責任投資原則とは、金融機関などが投資の意思決定を行う際に、投資先となる企業の環境、社会問題、企業統治といった、いわゆるESGへの取り組みを考慮、反映すべきとの原則のことでございまして、国際連合が公表しているものでございます。
 都といたしましては、来年度にも創設を予定しております東京金融賞におきまして、ESG投資の普及を実践する金融事業者を表彰するなど、ESG投資の普及拡大に貢献してまいりたいと考えております。

○とくとめ委員 なぜ、今の世界の金融業界の活動にとって、環境、社会、企業統治を尊重する、考慮するESG投資が重要なのか、それから、国連の責任投資原則が重要なのかというのは、やっぱり投資活動がもたらすいろんなゆがみ、そういうものが世界的に広がっているということから、国連も含めて、こういう原則を重視することを訴えています。
 そういう意味では、いろんな問題を抱えながらこの国際金融都市・東京構想を進めるのであれば、こうした国際的な原則に基づいた具体化が、都民的にも共感を得る、理解を得る上で絶対不可欠だということを強調して、質問を終わります。

○西沢委員 私からも報告事項を質問していきたいと思いますが、東京都にどのようなメリットがあるのかというところは、きょう何度も議論になったところでありますので、あえて質問を避けますけども、この報告事項にある国際金融都市・東京構想、目指す趣旨も意義もわかるのですけども、まだイメージが湧かないといいますか、どうしてもまだ違和感があるというのが現状の率直な感想でもあります。
 それで、東京都というか、東京都民にとってどのようなメリットがあるのかというのは、もう何度も質問があって、私もやっぱり、都民お一人お一人にとってどういうふうな還元があるのかということが重要であるということは、まず最初に申し上げておきたいというように思います。
 この中にあるフィンテック外国企業の誘致についてですけども、この企業がどういった企業なのか。東京都が誘致するわけでありますけども、この誘致企業がどれだけすぐれているのかということ、何か賞をとっているのだとか、もしくは表彰を受けているのであるとか、はたまた、この企業が例えば反社会的勢力とつながりがあるとか、そういったことをどのようにこの企業の質を担保するのか、まず最初にお伺いしたいと思います。

○松原国家戦略特区推進担当部長 フィンテック系の外国企業の誘致に当たりましては、誘致候補企業が提供する利便性の高いサービスにつきまして、ヒアリングあるいは競合他社との比較などによりその特性を把握して、その優位性を判断することとしております。加えまして、事業規模や資金調達の状況など、安定性についても確認することとしております。
 これらの点につきまして、フィンテックに関し専門的知見を有する民間事業者の分析結果をもとにして誘致企業を決定し、その質の確保を図ることとしております。

○西沢委員 このフィンテックに関して専門的知見を有する民間事業者の分析結果をもとにしていくということです。もちろん、それは大前提だと思いますけども、これも、きょうも議論が出ていますけど、少しわかりづらいと思うんですね。この報告事項も、後ろに用語解説が書いているぐらい、なかなかイメージが湧きづらいところがあると思うんです。
 コーポレートガバナンス・コード、スチュワードシップ・コードの徹底に向けた取り組みというのは、多分、地元に説明しても、わからないという方も多くいると思うんですね。そうした中で、しっかりと説明できるということは何よりも重要であるということを申し上げておきたいと思います。
 それと、新興資産運用業者育成プログラム、EMPについてですけども、そもそも投資に向けて官が手を出すということに、少し私は違和感があります。本来、投資というのは自己責任で行うというのが前提ですし、市場の原理というものがあります。その中で、いわゆる新興資産運用業者、若手のファンドマネジャーへ投資を促すものでありますから、基本的にその投資はリスクを負うものですよね。リスクが高いファンドマネジャーに投資を促す。
 つまり、東京都がそこに補助もするわけですから、投資家からすれば、リスクがあるけども、東京都がやってくれているから、だからやろうじゃないかというようなインセンティブが働くというように思います。
 東京都が補助をして、そして育成した事業者が、万が一、運用に失敗した場合は、東京都に対して、機関投資家からは、どうしてくれるんだと責任を問う声が上がってくるかもしれません。東京都はどこまで責任をとるのか、お伺いをいたします。

○田尻戦略事業担当部長 東京版EMPにつきましては、現在、予算要求中の来年度事業でございまして、詳細な設計は現在検討中ではございますが、都の役割といたしましては、日本では前例のないEMPの導入を促進するために、機関投資家に対してインセンティブを与え、新興資産運用業者への資金拠出を後押しするということを想定してございます。
 具体的には、新興資産運用業者に資金を拠出する機関投資家等を都が公募し、機関投資家みずからが選んだ運用業者に支払う経費の一部を補助する仕組みというものを検討してございます。
 したがって、この仕組みのもとで創設された東京版EMPの運用結果の責任につきましては、都ではなく、運用業者を選んだ機関投資家が負うということになってございます。
 都としましては、このインセンティブが呼び水となりまして、多くの機関投資家がEMPを導入し、ひいては東京の資産運用業を量と質の両面で充実してまいりたいというふうに考えております。

○西沢委員 当然、東京都は責任は負わないと思います。
 もちろん、機関投資家みずからが運用業者を選ぶということですから、その手数料などに東京都が補助をしていく。制度はこれから検討中ということですが、そんなスキームだということです。
 もちろん、最終的に自分で判断するわけですけども、そもそもは、安定するファンドマネジャーではなく、ちょっとリスクのある若手のファンドを選んでくれ、こちらを選ぶ場合は補助しますよということですから、やはりどうしても東京都がお墨つきを与えるということにつながると思います。
 ですから、呼び水として、そもそもそういう制度なんだといってしまえばそれまでですけども、新銀行とは違うと思いますけども、どうしても私は金融に官が手を出すということにすごく違和感があります。
 そうした中で、繰り返しほかの議員の先生方も質問していたように、都民にとってどのようなメリットがあるのかというのを、やはりさらに明確にしていく必要があると思います。
 そして、この国際金融都市、こうした官が主導して金融に手を伸ばすということで国際金融都市を目指すというよりは、本来でもあります規制緩和、それから、国と協調して、この環境をつくっていくということが重要ではないかと思いますが、見解をお伺いいたします。

○田尻戦略事業担当部長 構想に掲げます施策は、都だけで実現することはできず、国や民間事業者等との連携が不可欠でございまして、中でも国とは、これまでも積極的に連携を図ってきたところでございます。
 例えば、都が国内外の金融系企業やそこに働く有能な人材にとって魅力的なビジネス面、生活面の環境整備を推進するために、国に対して、国家戦略特区制度を活用して在留資格の特例の創設を求めるなど、規制緩和の提案をしているというところでございます。
 今後とも、官民、国内外のコラボレーション体制のもと、国際金融都市東京の実現に向けた取り組みを推進してまいる所存でございます。

○西沢委員 じゃ、これで終わりますが、都民生活の利便性の向上であったりと、そうした部分について進めることは大いに歓迎したいとは思いますが、その一方で、そのリスクについてもしっかりと都民に説明できるようにお願いしたいということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

○菅野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○菅野委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で政策企画局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時五十二分散会

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