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Tokyo Metropolitan Assembly

総務委員会速記録第三号

平成二十九年三月二十一日(火曜日)
第一委員会室
午後一時開議
出席委員 十五名
委員長ともとし春久君
副委員長新井ともはる君
副委員長ほっち易隆君
理事三宅 正彦君
理事野上ゆきえ君
理事曽根はじめ君
和泉ひろし君
遠藤  守君
おときた駿君
中村ひろし君
谷村 孝彦君
早坂 義弘君
中屋 文孝君
崎山 知尚君
清水ひで子君

欠席委員 なし

出席説明員
政策企画局局長長谷川 明君
外務長山元  毅君
次長理事兼務潮田  勉君
理事報道担当部長事務取扱浜 佳葉子君
理事松下 隆弘君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務小池  潔君
調整部長山下  聡君
政策担当部長小久保 修君
政策担当部長古屋 留美君
政策担当部長田尻 貴裕君
技術政策担当部長森  高志君
戦略広報担当部長政策担当部長兼務小沼 博靖君
海外広報担当部長川崎  卓君
渉外担当部長佐藤 直樹君
国家戦略特区推進担当部長山本 博之君
計画部長小室 一人君
外務部長横山 英樹君
都市外交担当部長角南 明彦君
国際事業担当部長梅田 弘美君
青少年・治安対策本部本部長廣田 耕一君
総合対策部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務森山 寛司君
青少年対策担当部長稲葉  薫君
治安対策担当部長臼井 郁夫君
選挙管理委員会事務局局長福田 良行君
人事委員会事務局局長松山 英幸君
任用公平部長矢岡 俊樹君
試験部長櫻井 和博君
審査担当部長小澤 達郎君

本日の会議に付した事件
選挙管理委員会事務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十九年度東京都一般会計予算中、歳出 選挙管理委員会事務局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第三十六号議案 東京都議会議員及び東京都知事の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例
人事委員会事務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十九年度東京都一般会計予算中、歳出 人事委員会事務局所管分
青少年・治安対策本部関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十九年度東京都一般会計予算中、歳出 青少年・治安対策本部所管分
報告事項(質疑)
・第三十一期東京都青少年問題協議会について
政策企画局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十九年度東京都一般会計予算中、歳出 政策企画局所管分
報告事項(質疑)
・「都民ファーストでつくる『新しい東京』 二〇二〇年に向けた実行プラン 」について
・知事の海外出張及び公用車の運用について

○ともとし委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 初めに、予算の調査について申し上げます。
 平成二十九年度予算は予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成二十九年三月十六日
東京都議会議長 川井しげお
総務委員長 ともとし春久殿
   予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、三月十六日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二十三日(木)午後五時

(別紙1)
総務委員会
 第一号議案 平成二十九年度東京都一般会計予算中 歳出 債務負担行為 総務委員会所管分
 第二号議案 平成二十九年度東京都特別区財政調整会計予算
 第四号議案 平成二十九年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計予算

(別紙2省略)

○ともとし委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、選挙管理委員会事務局、人事委員会事務局、青少年・治安対策本部及び政策企画局関係の予算の調査、選挙管理委員会事務局関係の付託議案の審査並びに青少年・治安対策本部及び政策企画局関係の報告事項に対する質疑を行います。
 これより選挙管理委員会事務局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、平成二十九年度東京都一般会計予算中、歳出、選挙管理委員会事務局所管分及び第三十六号議案を一括して議題といたします。
 本案について、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○早坂委員 私からは、住民投票について伺います。
 今日、我が国を初め、世界中で間接民主主義が行われています。すなわち、選挙という手段に民主的な正当性を与えて、そこで選ばれた首長や議員に政策の決定権を委ねています。広範な範囲に及び、そして高度に専門化した各種政策課題を、その都度、国家や自治体の構成員全員から賛否を問うことは現実的ではありません。それゆえ、正当な選挙で選ばれた首長と議会に政策の決定権を委ねることは合理的であります。
 しかしながら、直接民主主義、すなわち構成員全員からの賛否を問うこと自体の意味は極めて重く、それゆえに、我が国の最高法規範である憲法改正のプロセスにおいて国民投票が義務づけされているのは当然の帰結であり、間接民主主義を補完する役割として、限定的に直接民主主義が採用されています。
 ここは東京都議会ですので、本日の質疑を、首長は知事、議会は都議会、住民は都民として議論を続けます。
 これまで東京都もしくは都内区市町村で行われた住民投票がどのようなものであったか伺います。

○福田選挙管理委員会事務局長 住民投票につきましては、東京都として実際に行われた例はございませんが、都内区市町村における直近の事例として、平成二十五年の小平市のものがございます。
 これは、都市計画道路の見直しの是非について市民の意向を確認することを目的とした住民投票条例の制定を求める直接請求が、地方自治法第七十四条に基づく必要数を超える署名を集めて市長に対して行われ、市議会が条例案を可決したことにより実施されたものでございます。
 この住民投票については、投票率が約三五%にとどまり、条例に定める成立要件の投票資格者の二分の一に達しなかったことから、不成立となっております。

○早坂委員 住民投票に関しては、都民の側から発案するイニシアチブという方式と、知事や都議会の側から全都民に意思決定の採否を仰ぐレファレンダムという二つの方式があります。今お話がありました平成二十五年の小平市は、住民請求によるものでございますので、イニシアチブという方式です。
 きょう、私は、ここでは知事や議会の側から都民に意思決定の採否を仰ぐレファレンダムという方式について伺ってまいります。
 まず、総論的観点から、住民投票の長所と短所について申し述べます。
 住民投票の長所には、住民側にとって大きく三つが挙げられます。
 第一には、政策決定過程の透明化です。
 住民投票によって争点は明確化され、人々の間で、また政治家と有権者との間で活発に議論が行われ、議論を通じて結論に至るという過程が明確になることが期待されます。
 第二には、政治的有効性感覚の向上です。
 私たちの判断が自治体の決定にどのような影響を及ぼすのかがわかりやすく、政治参加の達成感が得やすくなります。
 第三には、政治リテラシーの向上です。
 住民投票に参加することで、それまでの傍観者としての立場から、より能動的、積極的立場に変化することが期待されます。また、その過程において、政策に関するさまざまな情報に主体的に接触し、読み解き、判断する能力が養われると期待されます。
 そのほかにもメリットはあるでしょうが、ここでは三つを紹介するにとどめます。
 一方で、住民投票の短所には、以下の二つを紹介したいと思います。
 第一に、住民投票の結果の法的拘束性です。
 憲法九十三条を受け、地方自治法では二元的間接民主主義を採用しているため、知事や都議会を法的に拘束するような住民投票条例は地方自治法違反であるというのが通説だとされています。私が調べた範囲では、我が国で実施された条例に基づく住民投票で、法的拘束力を持たせたものは一つもありませんでした。したがって、住民投票の結果は、あくまで知事や議会の参考にすぎません。
 もちろん、法的拘束力はなくても、事実上の極めて大きな拘束力を持つことに異論はありません。しかし、それはあくまで事実上であって、絶対ではありません。
 平成九年に沖縄県名護市で行われた、在日米軍基地返還に伴う代替海上ヘリポート建設の是非を問う住民投票、これは住民からの請求によって行われたものですが、ここでは建設反対が過半数を占めたものの、市長は建設受け入れを決め、その直後に辞任したという事例がございました。ちなみに、法的分類では、住民投票の結果が拘束的か諮問的かと二つに大別をされます。
 第二に、歴史上、住民投票による政策決定は感情に流れやすく、正しい決定に致命的ダメージを与えてきたという事実であります。
 その代表的事例が、一九三四年のヒトラー総統の誕生です。国民投票の圧倒的多数で、総理大臣と大統領を兼ねる絶対的地位、これが総統でありますが、この総統にヒトラーは就任いたしました。その強烈な反省から、ドイツでは、第二次世界大戦終戦以降、国民投票の制度は徹底的に排除されています。
 また、英雄ナポレオンが皇帝に就任したのも、国民投票で一〇〇%近い賛成を得た結果でありました。
 昨年のイギリスのEU離脱、ブレグジットも、この文脈で語られる一つかもしれません。
 住民投票の短所には、まだ幾つもありますが、本日はこの二つの紹介にとどめておきます。
 さて、実際に住民投票を行うに当たっての課題、各論の検討に入ります。
 現在、東京都には住民投票条例がありません。もし住民投票を実施するとなれば、住民投票条例を策定しなくてはなりません。
 第一に、住民投票を行う発議権を誰が持つかという点です。
 常識的にいえば、条例でありますから、知事及び議会に提案権があり、その提案を都議会で可決して住民投票が実施されるという仕組みが考えられます。しかし、あくまで法的拘束力を持たない諮問的意見集約にすぎないのだから、議会の決定を経ずして、知事の裁量で住民投票を行うことができると定めることも可能です。
 第二に、問題設定の方法です。
 ある政策課題について都民の賛否を問うならば、賛成か反対かの二択が想定されます。
 平成二十七年に大阪市で行われたいわゆる大阪都構想に関する住民投票では、大阪市における特別区の設置についての投票について、マルかバツではなく、漢字か平仮名か片仮名で、賛成もしくは反対と書く方法がとられました。
 そこで、この大阪都構想に関する住民投票の概要について伺います。

○福田選挙管理委員会事務局長 いわゆる大阪都構想の是非を問う住民投票は、大都市地域における特別区の設置に関する法律を根拠に、大阪市を廃止して五つの特別区に分割することについて住民の賛否を問うために行われたものでございます。
 この住民投票では、賛成六十九万四千八百四十四票に対し、反対七十万五千五百八十五票と、得票率〇・八ポイントの差で、特別区設置に反対の投票数が上回る開票結果となっております。

○早坂委員 この問題の設定方法は、簡単なようで、なかなか難しいものと思います。全くの例え話としてお聞きください。
 例えば、築地市場の現在地再整備に賛成か反対か、二択で住民投票を行うとします。その場合、築地市場を現在地再整備するには、アスベストの飛散のおそれがあり、一定期間、ある部分を閉鎖せざるを得ません。その際に、市場機能の一部停止をやむなしとするか、あるいはその改修期間だけ豊洲に仮移転するかなど、さまざまな選択肢があります。そういった細かでかつ重要な政策決定の一部を一切はしょって、築地市場現在地再整備に賛成か反対かと二択で問うのは、相当乱暴な感じがいたします。
 反対に、豊洲新市場への移転に賛成か反対かを二択で住民投票を行うとします。その場合、地下水の水質基準を飲み水と同じ程度までの環境基準を達成した上での賛成なのか、それとも、専門家会議の発表どおり、地上部分の安全は担保されているのだから、今すぐ無条件で移転賛成なのか、同じ賛成は賛成でも、そういった細かでかつ重要な政策決定の部分を一切はしょって、豊洲新市場への移転に賛成か反対かと二択で問うのは、これまた随分乱暴な感じがいたします。
 では、三つ目、問題設定の方法を築地か豊洲かとしたとしても、同じように、その前提となる細かで重要な政策決定の部分を一切はしょっての二択での問いは、そんなつもりで投票したのではないと、どちらに投票した人からも不満が出てきそうです。これでは住民投票を行う意味がありません。
 また、その結果を、知事なり都議会が自分の都合のよい方向に解釈する懸念も残ります。
 したがって、問題の設定方法を二択でなく三択以上にするという方法も考えられますが、選択肢をふやせば今申し上げた懸念が直ちに解消するかといえば、そうではありません。
 問題の設定方法は、かように、簡単なようで、実はなかなか難しいものと思います。
 第三に、都民に対して政策判断の材料をどうやって提供するかです。
 私たちの選挙では、選挙公報を発行して、有権者の公平な判断の材料を提供しています。住民投票の場合、もし同じような公報を発行する場合、賛成派の意見と反対派の意見は誰が書くのか。
 私たちの選挙であれば、自分自身が立候補しているので、自分が書きます。一方で、住民投票の場合、立候補者はいません。政党やマスコミがそれぞれの政策説明を行うのでしょうが、選挙公報のようなものを発行する必要があるのかないのか、そのボリュームは、新聞紙程度なのか、それとも冊子形式でまとまった情報を提供できるようにするのか、ポスターの公営掲示板をつくるのか、つくらないのか、都民に対する政策判断の材料提供にも、さまざまな議論が予想されます。
 そのほか、細かい部分については、公職選挙法の規定を読みかえるという方法が最も現実的だろうと思います。しかしながら、住民投票ならではの、例えば投票権を十六歳にまで引き下げることや、案件によっては永住外国人の参加を求めるなど、さまざまな点において特徴づけることが可能だと思いますが、それには、現在ある有権者名簿にその部分をつけ加えなくてはなりません。そのための事務的な準備には、丁寧な作業と時間を必要とします。
 第四に、費用です。
 新しい投票方法ですので、その周知に一定の費用がかかります。また、どこまで住民投票の公営を認めるかによりますが、住民投票の実施には、当然ながら費用がかかります。何をする、何ができるかも何も決まっていない以上、費用の算定はできません。
 そこで、参考まで、都知事選と都議選のそれぞれの選挙執行費用がどれくらいだったのか伺います。

○福田選挙管理委員会事務局長 昨年七月に執行した都知事選挙については、まだ決算が確定しておりませんので、平成二十六年二月に執行した都知事選挙費の決算額で申し上げますと、四十六億一千万余円でありました。
 また、平成二十五年六月に執行した都議会議員選挙費の決算額は、四十一億四千万余円でございます。

○早坂委員 第五に、一事不再理です。
 全都民の意見を聞くということは、大変重たいものです。知事や都議会が選挙で新しくなるたびに、住民投票でもう一度都民の最新の意見を聞こうということになれば、政策の継続性や、そもそも間接民主主義の機関としての議会の役割が著しく損なわれます。ある政策課題に関する再度の住民投票に関しても、決まりを設ける必要があります。
 以上、住民投票の長所、短所、総論と各論について、事務当局への質問を交えながら、現在考えられる問題点について意見を申し述べました。
 住民投票を実際に行うとなると、細かな部分まで条例で定めなければならず、その準備と合意に相当程度の時間を必要とします。
 なお、都庁内のどの部局がその事務を担うかというと、選挙管理委員会の役割は、決められたルールに従って淡々と住民投票事務を進めるのが役割であって、住民投票条例、すなわちルールを定めるのは、政策企画局か総務局か、あるいは市場移転のことを問う住民投票なら、中央卸売市場がその役割を果たすのか、そういった整理も必要です。
 以上のことを指摘して、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○新井委員 一票の格差の是正に向けまして、政府の衆議院議員選挙区画定審議会が進めます選挙区の境界線の見直しは、今後の東京におきます選挙に大きな影響を与えると考えております。全二十五選挙区のうち、格差が二倍を超えます選挙区も複数存在しておりまして、ほぼ全選挙区の境界線が変わる可能性があると思っています。
 新聞記事によりますと、あたかも確定する区割りがあるかのような報道もされておりますが、総務省の担当者によりますと、その衆議院議員選挙区画定審議会が検討する分割案は複数ありまして、そこに委員の意見が加わりますから、必ずしも報道のとおりにはならないということです。
 そこで、衆議院議員選挙区画定審議会が内閣総理大臣に対しまして改正案を勧告する期限と、改正法が施行される時期についてお伺いします。

○福田選挙管理委員会事務局長 現在、衆議院議員選挙区画定審議会で検討されている小選挙区の区割りの改定案の内閣総理大臣に対する勧告の期限につきましては、衆議院議員選挙区画定審議会設置法及び公職選挙法の一部を改正する法律に、施行日から一年以内に行うものと規定されておりまして、端的にいいまして、ことしの五月二十七日が勧告の期限となるものでございます。
 この勧告を受けて行われることとなる区割りを改定するための改正公職選挙法の施行時期につきましては、現時点で国からの情報提供はなされておりません。しかしながら、一部マスコミによっては、現在開会中の第百九十三回通常国会で成立した場合、公布後、約一カ月程度の周知期間を経て、早ければ夏ごろには施行される見通しとの報道もなされているところでありまして、都としても審議会の動向を注視しているところでございます。

○新井委員 都内の選挙区で、二倍を超えて改定される見込みの選挙区の状況についてお伺いします。

○福田選挙管理委員会事務局長 現在審議会で検討されている区割り改定は、東京都の選挙区二十五は変更せず、今後の五年間を通じて人口が最も少ない鳥取県の選挙区の人口の二倍未満に抑えることを大原則として行うこととされておりまして、手法としては、選挙区の境界線の変更で対応することとしているところであります。
 都内では、全二十五選挙区のうち、十三選挙区が二倍を超えるものとされております。現在、これらの十三の選挙区の人口を二倍未満に抑えるため、隣接する選挙区との調整、すなわち境界線の変更案を審議会で検討しているわけですが、この調整により、二倍を超えていなくても見直される選挙区もあるため、影響を受ける選挙区は十三を超え、相当数になるであろうと考えております。

○新井委員 答弁でありましたように、東京都は、全二十五選挙区のうち十三選挙区で格差が二倍を上回っておりまして、大変、その作業がいろいろと難航することが予想されます。隣接する選挙区を含めますと、全選挙区が見直し対象になるということでございます。
 そこで、改正法施行後に見込まれます都選管の対応についてお伺いします。

○福田選挙管理委員会事務局長 東京都選挙管理委員会の具体的な取り組みにつきましては、改正法の成立後に、改正内容に応じて行うことになりますが、今回の区割りの改定によって隣接する選挙区に編入されるなど、改定前とは異なる選挙区となる有権者への周知を、関係自治体と連携し、混乱が生じることのないよう、対策を重点的に行っていく必要があるというふうに考えております。
 また、これまで一選挙区であった自治体が、今回新たに選挙区が分割される場合については、二つの選挙区の運営を行う必要性から、当該自治体にとっては大きな負担が生じることになります。選挙区別となる期日前投票所での投票や、投票所入場券及び選挙公報の配布など、選挙の管理運営がミスなく適切に行われるよう、都選管としても、該当する自治体の選挙管理委員会に対する助言や指導について検討しているところでございます。

○新井委員 平成三十二年以降は、同年の国勢調査をもとに、人口比をより反映しますアダムズ方式が採用されまして、東京の選挙区は確実にふえることが予想されます。区割りにつきましては衆議院議員選挙区画定審議会が進めるので、都は直接的に対応はできませんが、大変、有権者からしますとわかりづらく、混乱する可能性がございます。
 それぞれの選挙区に特殊な事情もございますし、東京都は問題の規模も大きゅうございますから、その事務作業もミスのないようにしっかりとやっていただきたいことを要望しまして、私の質問を終わりにします。

○ともとし委員長 他に発言はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で選挙管理委員会事務局関係を終わります。

○ともとし委員長 これより人事委員会事務局関係に入ります。
 予算の調査を行います。
 第一号議案、平成二十九年度東京都一般会計予算中、歳出、人事委員会事務局所管分を議題といたします。
 本案について既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 異議なしと認め、予算案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で人事委員会事務局関係は終わります。

○ともとし委員長 これより青少年・治安対策本部関係に入ります。
 予算の調査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第一号議案、平成二十九年度東京都一般会計予算中、歳出、青少年・治安対策本部所管分及び報告事項、第三十一期東京都青少年問題協議会についてを一括して議題といたします。
 本案及び本件については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○中屋委員 私の方からは、いわゆる自画撮り被害への対策について何点か質問させていただきます。
 ネット利用に起因する子供の被害、トラブルの相談が増加し、そのうち児童ポルノ等の性的画像に関する相談が急増していると聞いております。子供の性的画像を入手した者は児童ポルノ法違反になるのでありますが、最近の新聞によると、児童ポルノ被害者の四五%が、いわゆる自画撮り被害であると報道されております。
 この自画撮り被害は、おどされたり、だまされたりして、子供が自分の裸をスマートフォンで撮影させられ、メールなどで送信させられてしまうというものであります。
 私にも二人の娘がおりますけれども、親としても、このような悪質な行為で子供たちが傷つけられることは断じて許せません。被害に遭った子供は、不登校や将来の夢を諦めざるを得ない状況に追い込まれたり、将来にわたって不安を抱き続けることになったりするなど、この問題は、今後の社会を担う子供の今と将来に大きな傷を残すことになります。子供やその保護者の方のことを考えますと、大変、心が痛む思いであります。都としても、日本としても、看過できない問題であり、緊急の対策が必要であると思います。
 我が党は、東京を世界で一番の都市にの実現を目指し、日本の将来を担う子供の育成を支援することや、日常のあらゆる危険、ネット犯罪を含めた身近な犯罪の被害から都民を守ることなど、各種政策を提言しているところであります。ぜひ、子供を多く抱える東京都が先頭に立って取り組んでもらいたい。
 そこで質問いたします。
 都では、第三十一期東京都青少年問題協議会に、この自画撮り被害についての対策を諮問し、審議を開始したところでありますが、まず、このような状況がなぜ生じているのか伺います。

○稲葉青少年対策担当部長 スマートフォンの急速な普及やインターネット利用の低年齢化により、地域や世代を超えて人的交流が広がる一方で、子供がSNS等で知り合った他者とのトラブルに巻き込まれるケースがふえております。
 特に自画撮り画像を要求する働きかけは、他者との一対一のやりとりの中で行われ、また、他者に成り済ます、執拗に行うなど、子供の判断能力の未熟さにつけ込む悪質な方法で行われています。
 そのため、保護者や事業者による警戒が難しく、子供の判断力のみに頼らざるを得ない現状にあること、また、現行法制度では規制対象にならないケースも多いことから、被害を未然に防ぐことが困難となってございます。

○中屋委員 今後、スマートフォンの普及やインターネット利用の低年齢化がますます進むことが見込まれております。早急に実効性のある対策を行いませんと、被害はさらに拡大すると思われます。
 今、答弁がありましたように、自画撮り画像を要求する働きかけ自体は、現行法制度では規制対象にならないケースも多いとのことであります。働きかけがあった時点で、警察も対応が難しいのかもしれませんが、自画撮り被害に子供が苦しむことのないように、何らかの防止策を早急に検討する必要があると思います。
 そこで、どのような対策を検討しているのか伺います。

○稲葉青少年対策担当部長 ネット上に流出した画像の回収は事実上困難でございまして、被害を防止するためには、画像を送らせないようにすることが肝要でございます。
 そこで、青少年問題協議会では、自画撮り画像を要求する悪質な働きかけ行為自体を条例で規制することも含め、実態に即した効果的な未然防止策をご検討いただいてございます。
 また、学校関係者や警察等とも連携しながら、このような働きかけに子供が安易に応じることのないよう、ネット利用の危険性に関する子供や保護者への普及啓発を強化するなど、実効性のある対策を推進してまいります。

○中屋委員 早急に検討を進めてもらいまして、実効性のある対策を行っていただきたいというふうに思います。
 次に、青少年問題協議会で審議が行われている間にも、子供たちが被害に遭わないように、今すぐにでもやれることをやるべきと考えます。具体的にどのようなことが行えるのか伺います。

○稲葉青少年対策担当部長 都はこれまでも、都のホームページや各種啓発講演会等において、児童ポルノなどの性被害の現状について広く周知を図ってきました。
 今後は、子供たちにより当事者意識を持ってもらえるよう、年齢の近い世代である大学生を講師として活用したグループワークを開催し、万が一、被害に遭いそうになった際に、すぐに専門機関に相談できるようにするためのアドバイスも行ってまいります。
 さらに、子供の性被害防止に向け、小中高生に配布するリーフレットの内容を改定するとともに、新たに普及啓発用のDVDを作成、配布し、学校や警察等と連携しながら、子供を性被害から守るためのさまざまな取り組みを強化してまいります。

○中屋委員 子供を健全に育成すること、そして、全ての都民が安心して暮らせるように全力で施策を進めてきた我が党としても、未来のある子供がこのようなことで悩み苦しむことがないよう、実効性のある対策を推進していただきたいと思います。
 これまで質問してきましたとおり、青少年を性被害から守る取り組みについて、平成二十九年度に強化していくとのことでありましたが、一方、二十九年度予算を見ますと、私が事務事業質疑で要望していた防犯カメラの設置補助について、補助率の引き上げや、区市町村立公園への対象拡大といった制度の拡充が図られるなど、地域の防犯力向上への取り組みも強化されております。
 東京では、刑法犯認知件数が戦後最少を更新し、東京の治安は改善しているとはいえ、二年後の二〇一九年にはラグビーワールドカップ、三年後には二〇二〇年東京大会と、国際的なイベントがいよいよ間近に迫っております。
 こうした中で、安全・安心の確保こそ最も重要な課題であり、安全・安心を所管する青少年・治安対策本部には、青少年、治安、交通安全の三つの分野全てにおいて取り組みを加速していくことが期待されております。
 そこで、最後に、将来にわたって東京の安全・安心を確保していくため、ハード、ソフトの両面から取り組みを強化していくべきと考えますが、本部長の所見を伺います。

○廣田青少年・治安対策本部長 世界に誇る東京の治安を持続可能なものとし、誰もが安全・安心を実感できる東京を実現していくことは、全ての都民の願いであり、重要な課題でございます。
 二〇二〇年東京大会を控え、平成二十九年度におきましては、ご指摘の防犯カメラの設置に係る補助率の引き上げを行うとともに、新たに区市町村立公園の防犯カメラの設置補助を開始し、地域の防犯力強化を一層推進してまいります。加えて、特殊詐欺対策に有効な自動通話録音機の設置促進や、試行的に実施している自転車安全利用指導員の拡大など、各種施策を加速させていくこととしております。
 また、施策の実施に当たっては、町会、自治会を初めとする地域団体や、区市町村、警視庁等の関係機関との連携を強化し、効果的な展開を図ってまいります。
 今後も、時々刻々と変化する社会情勢等を踏まえ、新たな課題にもより迅速かつ的確に対応し、都民の安全・安心の向上に全力で取り組んでまいる所存でございます。

○新井委員 私からは、交通安全対策についてお伺いいたします。
 交通事故によります死者数をゼロに近づけ、究極的には交通事故のない安全・安心な都市東京を実現していくために、昨年四月、第十次東京都交通安全計画を策定し、さまざまな交通安全対策を推進しているところだと思っております。
 最近は、高齢ドライバーによります事故や自転車と歩行者の交通事故が新聞等をにぎわすことが多く、都民の方々からも、交通安全への関心が高まっているように感じております。
 そこで、高齢ドライバーによります事故や自転車と歩行者の事故など、都内の交通事故の発生状況について、五年前と昨年でどのように変化しているのか、お伺いいたします。

○臼井治安対策担当部長 平成二十八年中に都内で発生した交通事故全体の件数は三万二千四百十二件であり、五年前に比べ一万五千十七件減少しております。このうち自転車事故につきましては一万四百十七件でございまして、五年前に比べて六千六百六十一件減少しております。
 しかし、高齢ドライバーによる事故や自転車と歩行者の事故につきましては、それぞれの事故全体に占める割合が高まっております。
 具体的には、六十五歳以上の高齢ドライバーに主な過失や違反があった事故の件数は五千七百三件でございまして、五年前に比べ八百九十七件減少しておりますが、全事故に占める割合につきましては、一三・九%から一七・六%へと増加しております。また、自転車と歩行者の事故の件数は七百二十三件であり、五年前に比べ百九十二件減少しておりますが、自転車事故全体に占める割合につきましては、五・四%から六・九%へと増加しております。

○新井委員 都内の高齢ドライバーの事故は、件数自体は減少しているということでしたが、事故全体に占めます割合は高まっているということでございます。
 今後、高齢者が増加することに伴いまして、高齢ドライバーの事故増加が懸念されます。政府や各自動車メーカーなどは、踏み間違い防止装置や自動ブレーキの開発、普及を進めています。また、ドライバーの異常時対応システムの開発も進んでいると聞いております。また、国や高速道路各社、警察においては、高速道路の逆走対策も講じられております。都としても、こうした動向を踏まえ、高齢ドライバー自身に対し、交通安全を呼びかけることが重要だと考えております。
 そこで、高齢ドライバーの交通安全対策としてどのようなことを行っているのか、お伺いいたします。

○臼井治安対策担当部長 高齢者の運転免許保有者数は年々増加しており、都内では、現在、百十五万人となっております。
 本年三月十二日からは、高齢ドライバーの交通安全対策を推進するため、認知機能検査制度などを強化した改正道路交通法が施行されております。
 都におきましては、この施行に合わせ、自動ブレーキを備えた先進安全自動車の利用や運転免許自主返納制度などにつきまして、警視庁と連携したイベントや街頭ビジョンで広く呼びかけを行うほか、四月の春の交通安全運動でのリーフレットの配布など、高齢ドライバーへの啓発を強化しております。
 また、警視庁と連携し、さまざまな企業に対し、高齢者運転免許自主返納サポート制度への参加を働きかけるとともに、自動車事故対策機構や日本自動車連盟の協力を得て、高齢ドライバー向けの交通安全教室を実施しております。
 今後とも、こうした取り組みによりまして高齢ドライバーの交通安全対策を進めてまいります。

○新井委員 高齢ドライバーの交通安全対策は非常に重要であります。一人でも多くの方々に行き届くよう、引き続き取り組んでいただきたいと思います。
 次に、自転車と歩行者の事故について確認したいと思います。
 先ほど、自転車の対歩行者事故の件数は減っているものの、自転車事故に占める割合としましては高まっているとの答弁がございました。自転車事故を起こさないようにするためには、ルール、マナーをより一層周知徹底することが重要だと思っております。
 加えて、対歩行者事故の場合、一般的に自転車は加害者であり、事故の際には、被害者の方の治療費など、損害をきちんと賠償する責任がございます。事故によっては一億円近い損害賠償事例も発生しておりまして、保険に加入することは大変重要だと思っております。
 保険加入は、万が一の事故に備えるとともに、保険に加入すること自体が、自転車に乗る際、ルールを守って、気をつけて乗らなければならないと認識するきっかけにもつながると思っています。
 そこで、先月施行した改正自転車安全利用条例も踏まえ、自転車利用者の保険加入を促進するために、都はどのような取り組みを行っているのか、お伺いします。

○臼井治安対策担当部長 自転車利用者が加害者となる事故が発生し、相手方の身体、財産等に損害を与えた場合には、その損害を賠償する責任が生じることとなり、高額の賠償を命じられた事例もあることから、事故への備えとして損害賠償保険の普及が必要でございます。
 そこで、都は、自転車安全利用条例において、自転車利用者等に対し損害賠償保険に加入する努力義務を規定し、自転車安全利用に関するリーフレット等を通じ、保険の重要性について普及啓発を実施しております。
 さらに、条例改正により、自転車販売時の交通ルール等の啓発を義務化したことを踏まえ、先月から、交通ルールやヘルメット着用、保険加入の重要性等を確認できるチェックシートを作成し、自転車販売店を通じ、全ての自転車購入者への周知を図っております。

○新井委員 損害賠償保険の加入もなかなか進まないという声も聞きます。さらに交通ルールや保険加入の重要性の普及啓発を進めていただくことを要望しまして、私の質問を終わりにします。

○おときた委員 私からは、報告事項について、簡潔に一点だけお伺いをいたします。
 今般、知事の諮問を受けて、青少年問題協議会では児童ポルノの自画撮り被害防止対策の検討が開始されます。児童ポルノという用語が使われていることから、一部では、これが創作活動を抑制する、表現の自由に影響を与えるものではないかとの危惧が示されています。具体的には、この検討が社会における児童ポルノの根絶を目指すという目的で行われるのだとすれば、今回の協議会での議論が、同じ東京都青少年の健全な育成に関する条例に基づく不健全図書類の指定の範囲の拡大などにもつながっていくのではないかと懸念する声です。
 自画撮り被害を防ぐことは最重要である反面、こうした議論が、表現の自由に重大な影響を与える図書類の規制を強化する方向などにも作用するのだとすれば、慎重な対応が必要になります。
 今回の対策は、そのような図書類の規制を強化するものではないと考えてはおりますが、念のため、この点を確認いたします。

○稲葉青少年対策担当部長 近年、子供たちがおどされたり、だまされたりするなどして、自分の裸体等をスマートフォンなどで撮影させられた上、メール等で送らされる、いわゆる自画撮り被害が増加してございます。
 こうした状況を踏まえ、青少年問題協議会では、自画撮り画像を要求する悪質な働きかけ行為を条例で規制することを含め、取り組むべき対策について審議をしていきます。
 具体的には今後検討されることになりますが、自画撮り被害に遭い、悩み苦しむ子供を一人でも減らすための未然防止策を検討する予定であり、表現の自由の議論となるような不健全図書類の指定に関する規制の強化に直接つながるものではございません。

○おときた委員 ご答弁をいただきまして、児童ポルノという単語がついているものの、あくまで自画撮り画像を要求する行為を規制するためのものであることが確認できました。
 青少年問題協議会では、子供たちを性被害から守るためのさまざまな審議が行われます。子供たちの安全確保は最重要である一方、それとは本来は無関係である創作活動などの自由、表現活動の自由には影響を与えないよう、引き続き適切な対応をしていただくことを要望いたしまして、質問を終わります。

○ともとし委員長 ほかに発言はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 異議なしと認め、予算案及び報告事項に対する質疑は終了いたします。
 以上で青少年・治安対策本部関係を終わります。

○ともとし委員長 これより政策企画局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い幹部職員の交代がありましたので、局長より紹介があります。

○長谷川政策企画局長 さきの人事異動に伴いまして就任いたしました当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 外務長の山元毅でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○ともとし委員長 紹介は終わりました。

○ともとし委員長 次に、予算の調査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第一号議案、平成二十九年度東京都一般会計予算中、歳出、政策企画局所管分及び報告事項、都民ファーストでつくる「新しい東京」二〇二〇年に向けた実行プランについて外一件を一括して議題といたします。
 本案及び本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、要求委員と理事者との調整の結果、取り下げられておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○中屋委員 我が国経済は、アベノミクスの取り組みによって、雇用環境は、有効求人倍率が史上初めて全都道府県で一・〇倍を超え、所得環境についても、今世紀に入って最も高い水準の賃上げが三年連続実現するなど、着実に改善しており、経済の好循環が生まれてきているところであります。
 この好循環を確かなものとするためには、我が国GDPの約二割を占め、アベノミクスを支える成長エンジンである東京の役割が重要となります。まさに東京の成長なくして我が国の成長はあり得ません。
 都は、二〇二〇年に向けた実行プランにおいて、GDP百二十兆円へ挑戦するとしておりますが、この果敢な挑戦を実現すべく、着実な取り組みを進めなくてはなりません。
 東京の成長戦略の方向性としては、経済に活力と成長をもたらすイノベーションの創出が重要な課題と考えます。
 イノベーションの歴史を振り返りたいと思います。
 まず、十八世紀末、人々が石炭を使い、蒸気機関により動力を獲得したことから、第一次産業革命が始まります。そして、二十世紀初頭の第二次産業革命では、蒸気機関から電力やモーターへと動力が革新し、一九七〇年代初頭からの第三次産業革命では、コンピューターにより自動化が進みました。そして今、イノベーションは、IoT、ビッグデータ、人工知能に代表される新技術の活用により、新たなビジネスモデルが生まれております。これが第四次産業革命といいます。
 本日は、昨今のイノベーションを代表する最先端技術である自動走行を取り上げるとともに、イノベーションを生み出す環境づくり、とりわけ海外からの人材、企業の取り組みについて伺いたいと思います。
 まず、自動走行について伺います。
 自動走行は、いわゆる第四次産業革命を実現するための主要な技術の一つとして、世界各国で、その実現に向け、激しい競争が行われていると承知をしております。
 海外においては、自動車メーカーのみならず、IT企業、大学からスピンアウトしたベンチャー企業など、日夜その技術開発にしのぎを削り、技術革新は日進月歩で進んでおります。私の地元の文京区でも、自動走行の開発において重要な役割を果たしている大学などの研究機関やベンチャー企業が、実用化に向けた取り組みを行っております。
 このような中、都は、羽田空港周辺地域等において、自動走行システムの実用化を加速化するために、国家戦略特区を活用した検討の枠組みの設置を提案いたしまして、今月十一日に第一回目の会合が開催されたと聞いております。
 そこで、まず、都が自動走行システムの実用化支援に取り組む意義について伺います。

○田尻政策担当部長 自動走行システムは、日本の基幹産業である自動車産業の競争力の向上や関連市場の拡大など、我が国の成長戦略として大きな意義がございます。また、交通量の多い東京において、渋滞の解消や交通事故の減少が期待でき、交通弱者の移動手段にもなるなど、多くの社会的課題を解決できるポテンシャルを有している、そのように考えております。
 国内外の開発競争が激化する中、委員からご指摘のあった文京区を初め、自動走行に関係する多くの民間事業者が集積をしている東京において、最先端技術の実証実験を円滑に行うことができる環境づくりを進めるということは、極めて重要な意義を持つと考えております。
 また、二〇二〇年東京大会を見据えまして、日本の玄関口である羽田空港の周辺地域等で自動走行の実証実験を行うことは、我が国の最先端技術を国内外に発信する絶好の機会となると考えております。
 このような背景から、今般、国家戦略特区制度を活用し、民間事業者を初め内閣府、経済産業省、国土交通省、警察庁といった関係省庁など自動走行の関係者が一堂に会する検討体制として東京都自動走行サンドボックス分科会を設置し、自動走行システムの実用化支援に着手したところでございます。

○中屋委員 このような自動走行に関する関係者が一堂に会する場というのは、自動走行のような新技術の実用化に向けて、非常に意義があると考えております。民間事業者のニーズをよく聞き、都がリーダーシップをとって、関係省庁などとしっかり調整をしていただき、支援を進めていただきたいというふうに思います。
 次に、さらに関係者が多い中でありますけれども、自動走行の実現に向けて国際的な競争が激化する中で、スピード感を持って取り組む必要があります。
 これまで幾つかの都市で公道での実証実験が行われてまいりましたが、事業者は、場所、時間などについて多くの制約が課されております。関係機関との事前調整に煩雑な手続を要するといった声も上がっていると聞いております。
 政府においても、最先端の実証実験を迅速に行うため、安全性に十分配慮しつつ、特区制度を活用した事前規制、手続を抜本的に見直す仕組みを検討していると聞いております。
 都は、このような仕組みも活用しながら、自動走行の実証実験をスピーディーに実施していくべきと考えますけれども、見解を伺います。

○田尻政策担当部長 東京都の課題の解決に向けてさまざまな可能性を有する自動走行システムを一刻も早く実現するため、スピーディーに実証実験を進めるということが重要というのは、委員ご指摘のとおりでございます。
 先日開催された第一回の分科会においても、委員からご指摘のあった特区制度を活用した事前規制、手続を抜本的に見直す仕組みについて、具体的な制度設計に取り組んでいくということが確認をされました。
 また、自動走行システムの実証実験に関しましては、多岐にわたる法令や省庁が関係してくるということから、民間事業者向けに法令手続の相談や情報提供を行うワンストップサービスが重要と考えておりまして、この分科会においても、早期実現について検討を進めることとなりました。
 これらの取り組みを通じまして、最先端の実証実験を行う民間事業者の挑戦を後押ししてまいりたい、そのように考えております。

○中屋委員 今ありましたように、最先端技術の開発は、民間事業者のみでは実現できません。行政のサポートが不可欠であり、両者が両輪で進むことで初めて進むものと思います。
 答弁にありましたように、特区制度の仕組みの構築やワンストップセンターの設置を早期に実現し、民間事業者のニーズに対するきめ細かなサポートを行うことで、東京の、ひいては日本の技術革新を力強く支援していただきたいというふうに思います。
 次に、外国企業誘致の取り組みについて伺いたいと思います。
 現在、世界的に都市間競争が激化している中、イノベーションを生み出す人材や企業を誘致することは、ビジネス機会の拡大や雇用創出等の都内経済の活性化につながるものであり、今後さらに充実させていく必要があると思います。
 一方で、我が国の状況としては、日本の対内直接投資残高の対GDP比率は、先進国として、唯一、一〇%を下回る状態が続いております。
 そのような中、戦後最大のGDP六百兆円などを目指す安倍政権の成長戦略である日本再興戦略二〇一六において、対内直接投資誘致の強化を掲げております。具体的には、自治体の戦略的な外資誘致活動に向けた支援の充実、中堅、中小企業と外国企業との出資、業務提携促進、外国企業を呼び込む上で障害となる事業環境、生活環境の抜本的改善の取り組みを進めております。
 東京都は既に、訪日外国人がふえる中、外国人が安心して暮らせるように、外国語対応可能な医療機関やインターナショナルスクール等の整備などの外国人受け入れのための生活環境改善に向けた取り組みを行っております。
 そうした中、東京都は、外国企業誘致推進事業として、平成二十五年度からアジアヘッドクオーター特区内への外国企業誘致に数値目標を掲げ取り組んでおりますが、最終年度である今年度の目標達成状況や経済効果について伺います。

○山本国家戦略特区推進担当部長 ご指摘のとおり、東京都は平成二十五年度から、目標設定のもと、アジアヘッドクオーター特区内にアジアにおける業務統括拠点、研究開発拠点を設置する外国企業の誘致に取り組んでいるところでございます。
 これまでの誘致実績でございますが、特区内にこれらの拠点を設置する外国企業につきまして、昨年十二月までに、目標である五十社の誘致を実現しているところでございます。また、将来的にこれらの拠点の設立意思がある外国企業につきましても、三十社誘致しているところでございます。
 次に、これらの経済効果でございますが、誘致企業の事業実施に伴う人件費等の直接的な投資額は、本年一月末までで約百七十五億円、新たに約六百人の雇用が創出されたところでございます。

○中屋委員 外国企業誘致の目標達成をさせ、約六百人の雇用創出効果を上げ、都内の経済活性化を図られたことは評価すべきものであります。
 熾烈化する国際的な都市間競争を考えれば、今後は、これらの取り組みをますます加速化させていく必要があります。
 そうした中、東京都は、二〇二〇年に向けた実行プランにおいて、東京におけるさらなるイノベーションの創出を図るため、IoT、ビッグデータ、人工知能等の第四次産業革命に関連した技術を持つ外国企業を四年間で四十社誘致する目標を掲げておりますが、今後の具体的な取り組みについて伺います。

○山本国家戦略特区推進担当部長 ご指摘のありました、IoT、ビッグデータ、人工知能などの第四次産業革命に関連する技術を有する企業は、誘致企業の約半数を占めており、これまで都内経済の活性化に一定の貢献があったものと認識しております。
 その一方で、第四次産業革命関連の先端技術は、現在、欧米を中心に加速度的に進化しており、これらの技術を有する企業誘致に向けた都市間競争は、今後ますます激化していくものと認識しております。
 そうした中、東京都は来年度より、北米や欧州の主要都市に、大使館、商工会議所等の海外ハブ組織との連携窓口を設置するとともに、世界各国との情報ネットワークを有するジェトロとの情報交換等の連携強化を図ることとしております。
 このような情報収集体制の強化を通じまして、欧米のすぐれた技術を有する企業のスピーディーな誘致交渉に取り組み、イノベーションの創出、都内経済のさらなる活性化につなげてまいる所存でございます。

○中屋委員 IoT分野等の外国企業誘致に向けた取り組みについては理解をいたしました。目標達成に向けて、しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。
 次に、我が国の経済活性化のためには、その基盤となる資金供給を担う金融の分野を活性化していくことが重要と考えます。特に、今後の国内における金融サービスの高度化や成長産業の発展に向けて、金融分野のみならず、さまざまな分野において新たなビジネスの手法を提供するフィンテックの産業の育成が不可欠であります。
 東京都では、都、金融庁、民間事業者等で構成されました海外金融系企業の誘致促進等に関する検討会におけることをもとにいたしまして、海外金融系企業による日本への進出、進出後の手続、生活環境の各段階にわたる支援に関する当面の対応を昨年十二月に取りまとめていただきました。
 この当面の対応を踏まえ、二〇二〇年に向けた実行プランにおいては、東京をアジアナンバーワンの国際金融都市を実現するため、フィンテック分野などの金融系外国企業を四年間で四十社誘致する新たな目標を掲げておりますが、誘致に向けた具体的な取り組みについて伺います。

○山本国家戦略特区推進担当部長 ご指摘のフィンテック企業でございますか、これまでも、英国政府との連携による現地セミナー開催、東京への訪問団派遣等を通じました企業誘致に取り組んできたところでございます。今後とも、これらの取り組みを充実強化してまいりたいと考えております。
 来年度はさらに、海外ですぐれた技術を有するフィンテック系のスタートアップ企業と国内金融機関、ITベンダー、投資家等とのビジネスマッチングイベントを都内各拠点で実施してまいりたいと考えております。
 これらに加えまして、さまざまなインセンティブの創設、金融庁と連携した手続面での金融ワンストップ支援サービスの開始や、英語解説書の作成、さらに、ご指摘のありました生活環境の整備等、こういった取り組みを総動員しまして新規目標の達成を目指してまいる所存でございます。

○中屋委員 第四次産業革命関連企業、金融系企業の誘致に向けて、今後、しっかりと取り組んでもらいたいと思います。
 次に、都内中小企業等の成長を図るためには、これらの誘致企業と都内中小企業等とのビジネスマッチングを活性化させ、誘致企業のすぐれた技術、ノウハウを取り込んでいくことが重要と考えます。
 そうした中、二〇二〇年に向けた実行プランでは、外国企業と都内企業との引き合わせ件数を四年間で一千件という目標を掲げており、東京都としてビジネスマッチングを強化させる姿勢を打ち出しておりますが、まずは、これまでの都の取り組みについてお伺いをいたします。

○山本国家戦略特区推進担当部長 これまで誘致企業と都内国内企業との間で、四年間で二百三件のビジネスマッチングが成立したものと把握しております。例えば、都内の中小企業におきましては、ドイツのゲーム会社との日本の人気キャラクターを活用したゲームの共同開発、米国のロボット開発企業との英語教育プログラムの共同開発など、収益性の高い製品開発に向けた取り組みが進んでおります。
 今年度は、これらの取り組みを促進させる観点から、外国企業十六社、都内中小企業等四十八社の参加によるマッチング商談会を二回開催したところでございます。その結果、延べ八十五件の引き合わせが行われたところであり、営業提携等につながる交渉に発展している事例もございます。

○中屋委員 今後、これらの取り組みを加速化させるためには、産業労働局や都内自治体との連携など、政策企画局が先頭に立って推進させていく必要があると思います。
 最後に、こうした取り組みについての局長の決意をお伺いして、質問を終わりたいと思います。

○長谷川政策企画局長 ただいま中屋委員からお話がございましたとおり、世界的に都市間競争が激化しているという中で、東京が持続的な成長を遂げて我が国の成長を支えるエンジンとしての役割をも担っていくためには、さまざまな努力が必要だと思いますけれども、その中で、成長という意味合いでは、第四次産業革命関連企業や金融系の企業などを、より多く誘致を努力していく、さらには、これらの誘致企業と中小企業を初めとする都内の企業等とのマッチングを活性化させて、都内企業等の成長促進を図るということが重要だと考えております。
 そのため、先ほど部長から答弁がございましたビジネスマッチングの事例のように、今後、こうした誘致企業と都内企業の双方が持つ技術などを組み合わせて高付加価値の製品やサービスを生み出すという事例をぜひともふやしてまいりたいというふうに考えております。
 こうした観点から、産業労働局との連携により新たなマッチング機会を創出いたしますとともに、中小企業支援機関や都内区市町村等との連携を図りまして、都内各エリアの産業特性をも踏まえたマッチングイベントを開催いたしますなど、都内経済の活性化に貢献できるよう、政策企画局として積極的に取り組んでまいります。

○新井委員 私からは、中屋さんと同じような分野で質問するんですけれども、なるべくかぶらないように質問していきたいと思っています。
 まず初めに、都におきます成長戦略の方向性についてお伺いしたいと思います。
 企業の成長の動きというのは、いまだ私は本格的にはなっていないと思っております。その上、日本は、世界に先駆けまして少子高齢化、そして本格的な人口減少の社会に突入して、大きな課題もこれからすごく多くなってくるんじゃないかなと思っています。
 また、先進国の経済も、新たな需要創出や成長力というのも伸び悩んでおりまして、中国など新興国の経済も先行きが不透明でございます。経済的にも勢いを失っていると思っております。
 そこで、こういった状況の中、今般、都が成長戦略の方向性を打ち出した意義についてお伺いいたします。

○小室計画部長 東京は、さまざまな業態の本社機能や、世界的にも高度な技術を有する中小企業の集積もあり、国内総生産の約二割を生み出す、まさに我が国の成長のエンジンでございます。
 二〇二五年をピークに、東京においても人口の減少が見込まれますが、こうした局面におきましても、生産性の向上やイノベーションにより成長力を高めていくと同時に、AI、IoTの技術革新がもたらす新たな市場を開拓し、日本の持続的成長を支え続けることは東京の責務でございます。
 また、大きな経済波及効果をもたらす二〇二〇年東京大会は三年後に迫っており、大会の成功をてこに、東京、さらには日本全体の発展につなげていかなければなりません。そのためには、東京のさらなる成長創出に向けた方向性を明確にする必要性があります。
 こうした認識に立ちまして、二〇二〇年に向けた実行プランでは、東京の成長戦略の方向性として、都内GDP百二十兆円など四つの挑戦を掲げ、それに向けた具体的な戦略といたしまして、ファイナンス・金融、イノベーション・革新、ライズ・強みを伸ばす、サクセス・誰もが活躍、テクノロジー・最先端技術の五つを立て、その頭文字をとってFIRST戦略として提示しました。これは、東京が世界で一番になる、我が国の成長創出のために東京が先頭に立って挑戦するという都の姿勢を示したものでございます。

○新井委員 国が名目GDP六百兆円の実現を目指しております。その中で、東京は、日本の成長エンジンとして、東京発の強い経済をつくり上げていかなくてはならないと思っています。そして、その構造的な改革や、潜在的な需要を掘り起こして、新たな有望な市場への創出、拡大を目指していかなきゃならないと思っています。
 東京都が継続的な成長戦略を実現するためには、産業構造の変化に対応していかなくちゃならないと思っています。
 インターネットの世界では、今や海外企業との差が、これは大変開いているといわれています。例えば、検索大手のグーグルとデータ保有量で比較しますと、日本の最大手の会社を比較しますと、十四倍近く、このデータ保有量が差が開いているといわれています。また、小売のアマゾンと日本の大手の企業とを比べますと、小売では七倍も差が開いているといわれています。今から全く同じ土俵で勝負するというのは、さすがに困難な状況だと思っています。
 都では、国際金融、経済都市の実現、特区を活用した外国企業の誘致、中小企業の技術力による付加価値の高い製品開発の支援などを実施しておりますが、これから成長が見込まれます第四次産業革命に対応していくことは欠かせないと思っています。
 そこで、第四次産業革命について、どのように成長戦略の方向性に反映していくのか、お伺いします。

○小室計画部長 東京が世界のメガシティーとして、日本の首都、経済のエンジンとして国際的な都市間競争に勝ち抜くためには、IoT、AIなどの革新的な技術が切り開く第四次産業革命への対応が不可欠でございます。
 そこで、FIRST戦略におきましては、世界トップレベルの人材、技術、投資を呼び込み、AIやロボット技術等による大きなイノベーションを起こしていくという方向性を示すとともに、IoTやAIなどのテクノロジーを活用し、生産性の抜本的な向上や新たな有望成長市場の創出、拡大を積極的に推進していく姿を示しました。
 今回示した成長戦略の方向性のもと、機を逸することなく、都がなすべき政策をスピーディーに前進させていくとともに、刻々と変化する社会経済情勢に的確に対応した政策展開を図ることで、東京の持続的な成長を実現してまいります。

○新井委員 答弁では、IoTとかロボット、AIというキーワードが出てきました。これらの分野は、単独的に発展するんじゃなくて、ともに発展する必要性があるのかなと思っています。つまり、IoTとかロボットが、リアル空間でいろんなところのセンサーとか機器の膨大なデータを取得して、そのデータをビッグデータとして、サイバー空間でAIの人工知能を用いて分析をする。そして、その分析した結果を、またIoTとかロボットの方に活用するということでございます。つまり、このフィジカル的な、物理的なリアルの空間とサイバーデジタル空間との連関が大きな新しい社会的価値を生み出すと考えております。
 そこで、二〇二〇年に向けた実行プランにおいて、外国政府等との連携強化により、IoT、ビッグデータ、AI等の先端技術を持つ多国籍企業のアジア業務統括拠点及び研究開発拠点の誘致を加速するとありますが、これまでの実績とともに、今後の取り組みについてお伺いします。

○山本国家戦略特区推進担当部長 これまで東京都は、特区内にアジアにおける業務統括拠点、研究開発拠点を設置する外国企業の誘致につきまして、平成二十五年度から二十八年度までに、目標である五十社の誘致を実現したところでございます。また、将来的にこれらの拠点の設立意思がある外国企業三十社も誘致したところでございます。
 これらの誘致企業のうち、IoT、ビッグデータ、人工知能などの第四次産業革命に関連する技術を持つ企業は約半数を占めております。
 その一方で、第四次産業革命関連の先端技術は、現在、欧米を中心に加速度的に進化しており、これらの技術を有する企業誘致に向けた都市間競争は、今後ますます激化していくものと認識しております。
 そうした中、東京都は来年度より、北米や欧州の主要都市に、大使館、商工会議所等の海外ハブ組織との連携窓口を設置するとともに、ジェトロとの連携強化を図り、第四次産業革命関連企業のスピーディーな誘致交渉、イノベーションの創出につなげてまいる所存でございます。

○新井委員 将来的にこれらの拠点の設立意思のある外国企業三十社を入れますと、外国企業の誘致は八十社になるという答弁でございました。その八十社のうち、約四十社が第四次産業革命関連の先端技術を持つ企業だということです。また、八十社のうち三十八社が日本へ初めて進出した企業だということです。
 イギリスやフランスの商工会議所との連携もやっているということです。また、フランスでは、フレンチテックというスタートアップ企業を支援するというものがございまして、そういった海外ハブ組織とうまく連携して、これからの成長が期待できる外国企業の誘致を実施していただきたいと思います。
 そして、外国企業を誘致しましたら、都内中小企業への結びつきをしていかなければなりません。そのためにも、外国企業と都内企業のマッチングが必要だと考えております。
 そこで、二〇二〇年に向けた実行プランにおいて、外国企業と都内企業とのビジネスマッチング機会の創出を図るとし、四年間で引き合わせ件数千件実施という目標を掲げておりますが、今後の取り組みについてお伺いします。

○山本国家戦略特区推進担当部長 誘致企業と、ものづくり産業等も含めた都内中小企業等とのビジネスマッチングを活性化させることは、都内中小企業等の成長を図る上で重要施策と認識しているところでございます。
 これまで誘致企業との間で、四年間で二百三件のビジネスマッチングが成立したものと把握しております。例えば、米国のロボット開発企業と都内中小企業との英語教育プログラムの共同開発など、収益性の高い製品開発に向けた取り組みが進んでおります。
 今年度は、これらの取り組みを促進させる観点から、都主催によるマッチング商談会を二回開催し、その結果、延べ八十五件の引き合わせが行われたところでございます。
 来年度以降は、四年間で引き合わせ件数千件の目標達成を目指しまして、中小企業支援機関や自治体等との連携による都内各エリアの産業特性を踏まえたマッチングイベント開催数の増加等に取り組んでまいる所存でございます。

○新井委員 先ほど答弁がございました、米国ロボット開発企業と都内中小企業との英語教育プログラムの共同開発ということでございますが、これは、アメリカの人工知能の企業、AKAが開発します英語学習用ロボット、ミュージオというもののことだと思っています。このミュージオというのは、ネーティブな英語をしゃべることができまして、日本の家庭に外国人がホームステイに来たような、そういった感覚でロボットを招き入れることができるということです。ミュージオとの英語会話、そういったことは会話に基づくもので、より自然な英語力が身につくということでございます。
 第四次産業革命を実現するためには、特区を活用した実証実験も必須だと考えています。次に、ドローンや自動運転、最先端技術の開発を促進するための実証実験についてお伺いいたします。
 特に、多摩地域でのドローン活用が注目されております。国家戦略特別区域会議が、多摩地域での小型無人機、ドローンを活用した土砂災害調査の実証実験を行う事業が承認されました。
 そこで、ドローン特区を活用しました実証実験の具体的内容と、今後、その成果をどのように活用していくのか、お伺いしたいと思います。

○田尻政策担当部長 今回の実証実験は、ドローンの新たな利活用を検討するため、多摩地域におきまして、土砂災害により孤立する地域が発生したことを想定いたしまして、その被害状況、例えば道路の寸断状況であるとか住民の安否などをドローンで確認する、そういうものでございます。
 実施に当たりましては、ドローンから高画質な画像をリアルタイムで伝送するというふうな手法を用いる予定でございまして、その際に必要となります電波法上の無線局免許が即日に発給されるドローン特区を活用して、実証実験を効果的かつスピーディーに行うこととしております。
 来年度からこのような実証実験を開始するに向けて、現在、民間事業者や実施場所である奥多摩町、檜原村、あきる野市と準備を行っているというところでございます。
 また、この実証実験の成果につきましては、多摩地域のほかの自治体に幅広く展開をいたしまして、ドローンの技術や新たな利活用の可能性に関しての理解を深めていくということが重要であると考えております。したがって、今回の実証実験におきましても、多摩地域のほかの自治体に対してオブザーバーの参加を促すとともに、検証結果の報告会へも幅広く参加を呼びかけるということを考えているところでございます。

○新井委員 先ほど答弁がございましたこの実証実験、早ければことしの四月中旬に予定されているということです。私もぜひ見ていきたいなと思っています。
 東京都あきる野市や奥多摩町などの土砂災害警戒区域で、民間事業者が、人が近づけないような場所をドローンで撮影するということです。レーザーで照射して地面の状況を調査するということです。レーザーで測定しました元データを加工して、3Dの映像にまたやり直すということもできまして、撮ったときには木が生い茂っているんですけれども、レーザーをいろいろと分析して加工し直すと、木を取った状態で、またその映像を見ることができると。また、例えば、災害で地割れなんかがあった場合には、木で実際見えないんですけれども、そういった状況も確認できるということです。
 災害時の捜索経路とか地面の状況を把握しまして、住民の安否確認手法の検証など、さまざまな可能性があるのかなと思っています。
 また、これ、実験では高画質なデータを転送するということでございます。通常では、帯域でいうと二・四ギガヘルツの周波数を使ってやっているんですけれども、そうしますと、送れる画像というものが限られていまして、より高度な画像を転送するために五ギガヘルツの帯域を使うということです。
 通常ですと、この帯域を許可するのには、かなり時間がかかるというものでございますが、今回のこの特区によって、申請をすれば、即日に許可が出るということでございました。
 また、奥多摩町でございますと、いろいろなことをこれからやるということでございますが、災害時の救助、支援とか観光振興、また高齢者施策だとか、いろいろな目的に応じた活用を検討しているということです。
 また、国立情報学研究所、通称NⅡ、ここと共同研究をすることによって、赤外線カメラを使った、いろいろとドローンの活用もやっているということです。
 先日、自然環境審議会に私出たのですけれども、その中でもいろいろと話題になりましたが、多摩地域での獣害対策、例えば、奥多摩には猿だったりとか鹿だったりとかカモだったりとかいうものがいるんですけれども、そういった獣害対策をいろいろと対策しているんですが、実際のところ、その頭数というのはきっちり確認することができません。それを、ドローンで赤外線を使うことによって、例えば夜間でもできますし、また、動物は映像だとなかなか見えないんですけれども、赤外線を使うことによって、そこに動物がいるということが的確にわかるようになりますので、より正確な頭数の把握だったりとか、また獣害対策ということができるようになるといわれております。
 次に、平成二十九年三月十一日に東京都自動走行サンドボックス分科会第一回目が羽田空港、大田区で開催され、小池知事も出席いたしました。
 今後、分科会を活用しながら、都はどのように自動走行の実証実験について取り組むのか、お伺いいたします。

○田尻政策担当部長 都は本年二月、国家戦略特区制度を活用いたしまして自動走行の実証実験を検討するため、東京都自動走行サンドボックス分科会の設置を提案いたしまして、今月の十一日に第一回の会合を開催いたしました。
 本分科会は、民間事業者のほか、内閣府、経済産業省、国土交通省、警察庁といった政府の関係省庁など自動走行の関係者が一堂に会した会議体というふうになっておりまして、自動走行システムの実用化を推進する大きな原動力となると期待をしているところでございます。
 第一回の会合では、先端的な実証実験が早期に実施できるように、民間事業者に具体的な実証実験の検討を依頼するとともに、実証実験を行う民間事業者向けに自動走行関係の法令手続に係る相談や情報提供などを行うワンストップセンターの設置を提案したところでございます。
 今後、この分科会を活用しながら段階的に実証実験を実施いたしまして、民間事業者の技術開発を積極的に後押しするとともに、二〇二〇年大会を見据えて、日本の玄関口である羽田空港周辺地域などで最先端技術を国内外に発信していきたいというふうに考えているところでございます。

○新井委員 この自動走行運転につきましては、日本の産業を支える基盤産業ですね、この基幹産業を支えます自動車産業の競争力向上に大変これは寄与する、我が国の成長戦略として大きな柱だと思っております。
 また、高齢者だったりとか、障害者だったりとか、移動するのが大変困難な方々の移動についても、これの活用が見込まれると思っています。
 また、羽田空港だけじゃなくて、その周辺で今後いろいろな実験が行われると思いますが、例えばお台場でいいますと、歩道と車道が分離されていますから、比較的、この実証実験というものがやりやすいというふうにいわれていますから、最先端のこういった実験を積極的にやって、都が先導して最先端の技術を国内外に発信していくことを強く要望しまして、私の質問を終わりにしたいと思います。
 ありがとうございます。

○曽根委員 昨年の十二月に、小池知事のもとで、知事の海外出張のあり方の改革、そしてまた、公用車利用の改革の内容が都政改革本部で定められました。この内容について、まず簡潔にお聞きします。

○小池総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 舛添前知事の海外出張や公用車の利用が都民からの厳しい批判を招いたことを受けまして、こうした事案を再発させない仕組みをつくるため、都政改革本部の内部統制プロジェクトチームで検証を進めてまいりました。その結果を、昨年十二月二十二日の都政改革本部会議において報告をいたしました。
 海外出張に関しましては、前知事時代の実態を確認した上で、一、出張目的の明確化と事前公開、二、経費削減の徹底と出張体制の縮小、三、経費と成果の情報公開の三つを柱として基本ルールを策定すべきという内容になっております。この内容を踏まえまして、事務手続上の要素も盛り込んだ東京都知事の海外出張に関する運用指針を策定したところでございます。
 また、公用車に関しては、遠隔地への頻繁な送迎の問題、長時間に及ぶ立ち寄りの問題、用件の公務性に係る問題、知事の裁量と情報公開の問題について検証し、あるべき対応を基本ルールとして運用していくことといたしました。加えて、公用車の適正な運用を担保するため、先月より知事の公務日程を東京都ホームページに掲載しております。
 小池知事は、就任以来、海外出張、公用車ともに、こうしたルールの内容に即した運用を行っているところでございます。

○曽根委員 私たちは点検してみたのですけれども、たしか昨年の四月に私たちが調査して発表した、特に舛添知事の海外出張、そのときまでは八回行っていたのですけれども、その内容についてどこを改革すべきか、是正すべきかということを提案いたしましたが、我が党の提案内容と小池知事が昨年末に定めた改革内容はほぼ一致しています。この点では、私どもの提案、内容的には当然のことなんですけれども、受け入れられたことを評価したいと思うんです。
 そうしますと、私たちは改めて、舛添前知事の九回にわたる海外出張の余りに過剰な出費と、また、これは単年度しか記録が残っていないんですが、二〇一五年度の公用車利用の百五十五回にわたる政務利用ですね、中身がわからないもの、こういうものが、やっぱり知事が知事専用車を利用する以上は、どこに行ったのかわからない、こういうことはあってはならないということで、この改善を求めてまいりましたが、今回、小池知事のもとで定められたこの改革の内容に照らして、例えば海外出張、舛添知事の場合、どの程度違ってくるのか。公用車利用についても、どの程度違ってくるのか。
 これは、当てはめて適用してみた場合どうなるのかということを、その差額をお知らせいただきたい。

○小池総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 報告書におきましては、例えばパリ、ロンドン出張の際の航空賃で、ファーストクラスとビジネスクラスの差額が約百六十万円程度生じることを記載しております。また、宿泊料につきましては、条例規定額で宿泊した場合と比較して、一泊十五万七千円程度の差額が生ずる、そういうような記載もしております。
 しかし、これはあくまで仮定を置いた上での試算でありまして、将来に向けて削減の可能性を検討したものでございます。したがいまして、実際の削減可能額を示したものではございません。
 また、公用車につきましても、今回の見直し内容は、前知事時代に問題となったような疑念を呼ばないよう、今後の厳格化した運用ルールとして定めたものでございます。これを前知事の運用に適用して、個々の使用状況から具体的な額を算出することはできないものと考えております。
 したがって、いずれも差額として算出することは困難であるというふうに考えております。

○曽根委員 実際は、一定の仮定を置けば差額は計算できるんですよ。割合、簡単に出てくるんです。
 例えば、舛添前知事がファーストクラスを常に使っていたと。ビジネスクラスとの差額が、今お話しのように、一回分、大体百六十万円程度の差が生じるということや、スイートルーム一泊を、条例の規定で四万何がしの宿泊料に変えた場合は十五万七千円程度の差が生じると。
 場所、都市によって若干の違いはありますが、こうした一定の仮定を置いて計算しますと、例えば海外出張の費用でいうと、九回分で、舛添知事の場合は、知事個人だけで三百三十五万円かかっていますが、実際は、条例でいうと九十二万円程度になりますから、差額は二百四十三万円ぐらいの差があるということになります。
 それから、さらに大きいのは、随行職員がたくさんいたということによって、またその随行職員が知事と同じホテルに泊まらなければならないという、余り理由のない、根拠のない理由によって、それぞれが都の職員の旅費規定を大幅に超える宿泊をしていたということで、これも規定どおりにやれば、二千六百七十八万円かかった職員の方の宿泊費用が八百八十五万円で済むわけですので、この差額が千七百九十三万円以上あると。
 合計すると、海外出張のスイートルームと職員の分、ファーストクラスの分だけで、二千三十七万円の差額ということになります。この差額が、この規模で節約が可能になっているということだと思います。
 それで、公用車の方も、これは単年度しか記録は残っていませんが、二〇一五年度では、年間で百五十五回、政務利用がされていました。そのうち、ご存じのように、三回分だけ、野球観戦とNHKコンサートに出かけたんじゃないかと、私が昨年六月の総務委員会で具体的に示したということから、その三回分だけ、監査委員会が舛添前知事に請求をして、六万五千円だけ返ってきたと。あと百五十二回分は闇の中ということですので、この計算で単純に考えても、三百万円以上の差額が出てくるだろうというふうに思われます。
 合計すると約三千万円、彼が持っていった退職金や夏のボーナスなどの合計額よりもかなり多い額の過剰な海外出張や公用車利用での浪費をしていたということは、私は、もちろん概算ではありますが、はっきりさせることができると思います。
 これは、改めて舛添前知事には--今、東京都は何も、三回の公用車利用のみ請求して、その後は何ら追及していないんですが、都民的には、これ、このまま葬り去っていいのかという声は、今でも私たちのところに届きます。
 何らかの前知事に対する返還を求める、もしくは公表する、何らかの働きかけというのはできないのかどうか、都の見解をお聞きします。

○小池総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 海外出張につきましては、定められたルールや手続に反して執行したものとはいえず、また、公用車の運用につきましても、先般の監査結果や過去の裁判例等で示されておりますように、およそ公務と関連しないことが明らかな場合を除き、原則として知事の裁量に従うということが認められております。したがいまして、いずれについても返還を求めるということは困難と考えております。
 今回の見直しの趣旨は、前知事時代に問題となった事案を再発させない仕組みをつくることでございます。都民の皆様から批判を受けたことを真摯に反省しまして、報告書や指針の内容にのっとった運用を行っていくことで、前知事時代の問題が繰り返されることのないよう、より一層適正化に努めてまいりたいと思います。

○曽根委員 前知事が批判された内容を繰り返さないために、大きくいえば二つ方法があるんですね。
 これからの知事による公用車利用や海外出張をやはり厳しく律することです。これは今回、今日的には一定の前進をしました。
 しかし、同時に、過去の浪費を不問に付すということでは、まだまだ不十分だと私たちは考えております。したがって、何らかの方法で、舛添前知事もしくはその前の歴代知事も含めて放置しないというような、今の行政の姿勢が求められているということを申し上げて、質問を終わります。

○中村委員 それでは、来年度の新規事業の外国人家事支援人材受け入れ事業への支援について伺います。
 知事は施政方針で、外国企業誘致の促進として、国際金融都市に向けた人材を集めるため、ビジネス面だけではなく、生活面まで細かくサポートすると述べられました。この事業は、既に昨年八月に国家戦略特区として都から提案されたものですが、この事業は、国際金融都市のためということ以上に、女性の活躍推進に力点が置かれているようにも見受けられます。女性の活躍推進は、大変重要な政策ではあります。もちろん、今回の政策だけで大きく改善するほどのものではないようですが、一つの取り組みとしてということかと思います。
 そこで、改めて今回の事業の意義、家事支援活動の対象範囲について伺います。

○山本国家戦略特区推進担当部長 人口減少、少子高齢化が進む中、日本を活力のある社会とするためには、女性のより一層の活躍推進に資する環境整備が我が国の最重要課題と認識しております。このためには、働き方の見直しとともに、家庭における負担を軽減させることが重要であり、家事支援サービスの利用促進は、そのための有効な手段と認識しております。
 そうした中、今回の国家戦略特区による家事支援外国人受入事業は、家事支援サービス分野の裾野を広げるものであり、女性の活躍推進に貢献するとともに、海外の高度金融人材等の誘致推進にもつながるものと認識しております。
 次に、家事支援活動の対象でございますが、炊事、洗濯、掃除、買い物に加えまして、これらに付随する児童の日常生活の世話等になっております。

○中村委員 この事業に関しては、今年度は規制緩和だけで予算は計上されていませんでしたが、既に新規参入事業者を、知事みずからが副大臣立ち会いのもとで基準に適合していることを通知したとのことです。
 改めて、新年度は新規事業として予算を計上するとのことです。その狙いと内容について伺います。

○山本国家戦略特区推進担当部長 現時点で、事業に参加する民間事業者は六者、外国人の受け入れ人数は九十二名でございますが、東京の市場規模からは、今後、より一層の活用の余地があるものと認識しております。
 この観点から、来年度予算におきまして、都民、海外の高度金融人材、さらには事業者に対する今回の事業のメリット等を啓発するセミナー等の開催、外国人材の日本語能力を向上させるための研修に対する補助につきまして、必要な経費を計上させていただいているところでございます。
 今後、これらの事業実施を通じまして、今回の特区事業に対する需要者、供給者ニーズを掘り起こし、事業の活用実績を着実に伸ばしてまいりたいと考えております。

○中村委員 一般的に、規制緩和というときのこの規制ということについては、新規参入を抑制するだけの守るべき利益があるからこそ規制がされていたわけですが、今後、少子高齢化に伴い、生産年齢人口の減少が見られ、これまで外国人の単純労働者を受け入れるかどうかについては、治安の悪化や不法移民などの一方、労働力の確保、国際化など、メリット、デメリットがあり、国民の間にも賛否両論があり、十分な議論が今できているというわけでもないと思います。
 今回の事業は、単純労働を受け入れることによる労働力の確保というメリットと、不法就労等のリスクや働く人そのものの人権が守られるかなどのリスクが生じやすい分野とも思われます。その点はどういった対策が講じられているのか伺います。

○山本国家戦略特区推進担当部長 まず、今回の特区事業の適切な実施を確保する観点から、東京圏国家戦略特別区域会議のもとに、東京都、内閣府、東京入国管理局、東京労働局、関東経済産業局により構成される第三者管理協議会が設置されております。
 この協議会におきまして、外国人材の受け入れ企業の基準適合性の確認に加えまして、例えば外国人材を利用世帯の住居に住み込ませてはならないこと、家事支援活動以外の業務はさせてはならないこと、外国人材の報酬は、同等の家事支援活動に日本人が従事する場合の報酬と同等額以上とすることなどの事項が遵守されているか、少なくとも年一回は監査を行うこととしております。これらに加えまして、受け入れ企業に対しまして、外国人材が相談できる窓口の設置を義務づけているところでございます。
 今後、東京都としましては、協議会構成員として、関係機関との緊密な連携のもと、厳正な監査等による適切な事業実施の確保に取り組んでまいる所存でございます。

○中村委員 新規の制度を取り入れても、監査の制度にも新たなコストがかかります。今回の規模からして、そこまでの社会的インパクトがあるほどのものではなさそうですが、今後、必ずこの外国人労働者や移民の問題は国民的な議論になります。もちろん、国の課題とは思いますが、こうした国の特区制度を活用した事業を行う以上は、今後に向けて、都としても、影響や都民の意見を調査する必要があるということは述べさせていただきます。
 最後にもう一つ、先ほどもありましたが、知事の海外出張及び公用車の運用のあり方に関する報告についても、少し述べさせていただきます。
 舛添前知事の豪華な海外出張や公用車の使い方というのは、大変大きな問題がありました。今回、こういった報告に対応して、小池知事が迅速な対応をされたということは評価したいというふうに思っています。
 ただ、このことそのものは、都市外交そのものを縮小させるというものではないだろうと思っています。豪華な出張はいけないというだけであって、今後、国際交流等、必要な点は多々あると思っています。
 私は、先日の予算特別委員会で、知事に対して、多文化共生社会の実現という点で質問もしました。知事の答弁だったのですが、所管局は生活文化局ではありました。今後、都市外交がトップ外交にとどめずに、草の根交流につなげていただきたいということも述べてまいりました。
 特に、石原都知事のとき以来、国際交流そのものの事業が低調になっていますし、各部門に担当も分かれています。
 今、企業誘致とか観光客の誘致ということでは注目はされていますが、そこだけが国際化でもないとも思っています。豪華な出張は問題ですが、国際化の進展、ましてこれからオリンピックの開催もありますので、都市外交と国際交流を、都としてのあり方をもう一度この機会に再検討して活発化していただきたいというふうに思っています。
 このことそのものは、先ほども質問もしましたが、外国人労働者の問題を議論するときにも当然関係もしてくるんだろうというふうに思っています。世界が分断へという動きもあるようですけれども、国際化の波はとめられるものでもありません。国際平和の実現ということは、友好促進ということも大きく関係もしてきます。外務長も新たにかわられたということもあります。今後、この都市外交ということが所管だと思いますけれども、都庁を挙げて国際交流ということにつなげていくといったような対応をもう一度検討していただくということも要望いたしまして、質問を終わります。

○野上委員 私からは、海外企業誘致の加速化について伺いたいと思っております。
 都は、国家戦略特区制度を活用して、IoTやあるいはAI、人工知能などの第四次産業革命関連や金融系の外国企業の誘致を加速化させ、東京から日本経済を活発化、活性化していくとしております。
 これまで外国企業発掘、誘致活動については、産業分野の種別なく、一社ごとに外国企業を誘致してきました。今後は、都は、経済成長が見込める産業分野を絞り込んで、都内産業とのマッチング効果を狙った複数の企業を対象とすることで、このたび新しく、来年度にはアクセラレータープログラムを実施するというふうに伺っております。
 そこで、来年度実施予定の都によるアクセラレータープログラムの特色について伺います。

○山本国家戦略特区推進担当部長 まず、今回のアクセラレータープログラム事業でございますが、先進的な技術を有する外国スタートアップ企業と、国内金融機関等、多数のプレーヤーとのマッチングによるビジネスプランの作成等を通じまして、イノベーションの創出、外国企業の都内進出を後押ししようとするものでございます。
 この観点から、今回のフィンテックにおける事業プログラムでございますが、まず、事業に参加するすぐれた技術を有する外国スタートアップ企業の募集、選定を行います。次に、外国企業と国内金融機関、ITベンダー等とのマッチングを行い、ビジネスプランの作成を支援します。最後に、都内投資家、企業等が参加するビジネスプランの発表会を開催し、都内進出を後押ししてまいります。
 これらのプログラムを三カ月という短期間において集中的に実施し、できる限り多くの分野におけるイノベーションの創出、都内経済の活性化につなげてまいりたいと考えております。

○野上委員 このアクセラレータープログラムは、メンター、指導する役割の方ですね、相談、アドバイスをしたり、あるいは人材育成をしたりして、革新的なビジネスの早期の立ち上げを支援する起業家向けのプログラムとして、これまでもメガバンクや地域の信用金庫や、あるいはカード会社などでも行っているところであります。
 東京都は、今回、二十九年度の新規事業を計画しておりますけれども、この予算額や開催数について改めて伺います。

○山本国家戦略特区推進担当部長 今回のアクセラレータープログラムは年三回実施する予定でございまして、実施に係る予算額は総額約一億九百万円でございます。
 第一回目は、フィンテック分野において実施する予定でございます。第二回目以降は、人工知能、ビッグデータ分野等における実施を現時点では想定しているところでございます。

○野上委員 先ほども申し上げたとおり、このアクセラレータープログラムというのは、メガバンクであるとか、あるいは金融機関において、二〇一五年ごろから本格的に導入をされ、そして、起業家あるいは金融機関を結びつけるプログラムとして大々的に始められたところでありますけれども、ですので、一方では、やはり民間の市場でこのプログラムを進めることがいいというふうにもいわれております。
 そこで、海外の都市での開催事例についてなんですけれども、アクセラレータープログラム、海外の行政においてどのように展開されてきたのか、事例についてお示しをいただきたいと思っております。

○山本国家戦略特区推進担当部長 例えば、英国政府の公式ホームページによりますと、二〇一五年から、政府機関におきましてIT分野でのアクセラレータープログラムが実施されております。それ以外にも、ロンドン市、ニューヨーク市、香港における、フィンテック分野におきまして、行政の関与のもと取り組んでいる事例も把握しているところでございます。

○野上委員 先ほどの答弁では、今回のプログラムは年三回、総額約一億九百万円の予算額ということでありますが、やはり海外企業向けのアクセラレータープログラムですので、回り回っていえば、やはり都民あるいは都内企業にもメリットがなくてはいけませんし、特に二〇二〇年に目標を据えたこの事業ですので、きちんと結果を出さなくてはいけないというふうに考えております。
 そこで、アクセラレータープログラムの実施によりまして、都民や都内企業に対してどのようなメリットがあるというふうに考えているのか伺います。

○山本国家戦略特区推進担当部長 今回の事業実施によるメリットでございますが、まずは、事業に参加する外国企業のすぐれた技術を生かしたイノベーションの創出による都内経済の活性化、都民生活の利便性の向上が挙げられます。また、今回の事業によりパートナーを結成しました都内企業のビジネスチャンスの拡大も挙げられます。さらに、参加外国企業の東京進出につなげまして、雇用創出、都内中小企業のビジネスチャンスの拡大等の展開も期待されます。
 今後、東京都としましては、これらのメリットが最大限発揮されるよう、効果的な事業運営に取り組んでまいる所存でございます。

○野上委員 海外の外国の起業家のみならず、やはり日本の起業家にとっては、信用力の向上であるとか、あるいは出資の融資であるとか、人材の支援をどういうふうに受けるであるとか、あるいは事業の連携をどういうふうに行っていくかということは共通の課題であると思います。
 こうした外国の企業向けの、起業するという意味でのアクセラレータープログラムを展開されていくということでありますけれども、来年度は取り組みの初年度として、フィンテック企業、これは金融関係の企業でありますけれども、フィンテック企業等を対象に実施するということでありますけれども、その後、将来的な事業展開、ほかの分野にも展開をされていくのかどうかなどについてどのようにお考えになっているのか伺います。

○山本国家戦略特区推進担当部長 来年度は、先ほど答弁申し上げたとおり、フィンテックに加えまして、人工知能、ビッグデータ分野等における事業展開を想定しているところでございます。
 将来的には、今回の都の事業が契機となりまして、IT、環境、ヘルスケア、クリエーティブコンテンツ分野も含めまして、外国スタートアップ企業と都内企業との連携により、さまざまなイノベーションが創出される環境が整備されていくことが重要と考えております。
 そういった将来像を見据えまして、来年度における事業成果等を踏まえ、今後の展開について検討してまいりたいと考えております。

○野上委員 革新的なビジネスを展開する、そして、早期にビジネスを展開するという意味では非常に期待をしているところでありますが、また一方で、このプログラムは海外の企業のスタートアップ事業であります。やはり都内の企業と連携をしていただいて、そして、先ほども他の委員からもありましたけれども、付加価値を生み出すように、ぜひ事業を大きくしていただいて、そして結果を出せるように取り組んでいただくよう要望いたしまして、私からの質問を終わります。

○ともとし委員長 他に発言はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 異議なしと認め、予算案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で政策企画局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会は閉会いたします。
   午後三時散会

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