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Tokyo Metropolitan Assembly

総務委員会速記録第四号

平成二十三年三月一日(火曜日)
第一委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長高倉 良生君
副委員長吉原  修君
副委員長松下 玲子君
理事小山くにひこ君
理事谷村 孝彦君
理事吉田 信夫君
小林 健二君
西崎 光子君
鈴木 勝博君
三宅 正彦君
服部ゆくお君
中屋 文孝君
花輪ともふみ君
大沢  昇君

 欠席委員 なし

 出席説明員
知事本局局長秋山 俊行君
儀典長高原 寿一君
次長理事兼務井澤 勇治君
理事小林  清君
総務部長大井 泰弘君
調整担当部長山中 康正君
地方分権推進部長松下 隆弘君
自治制度改革推進担当部長松浦 慎司君
外務部長中山 正雄君
国際共同事業担当部長長澤  徹君
基地対策部長市毛 良之君
横田基地共用化推進担当部長新美 大作君
政策部長野村 俊夫君
計画調整部長武市  敬君
計画調整担当部長瀬口 芳広君
総務局局長比留間英人君
危機管理監加藤 英夫君
理事塚田 祐次君
総務部長醍醐 勇司君
訟務担当部長和久井孝太郎君
行政改革推進部長土渕  裕君
情報システム部長高橋 宏樹君
首都大学支援部長宮本  哲君
人事部長中嶋 正宏君
労務担当部長内藤  淳君
主席監察員清宮眞知子君
行政部長岸本 良一君
多摩島しょ振興担当部長高木 真一君
区市町村制度担当部長堤  雅史君
事業調整担当部長榎本 雅人君
総合防災部長中村 長年君
企画調整担当部長細渕 順一君
統計部長三田村みどり君
人権部長荒井  浩君
監査事務局局長三橋  昇君
監査担当部長並木 勝市君

本日の会議に付した事件
 監査事務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十三年度東京都一般会計予算中、歳出 監査事務局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第四十号議案 東京都監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 知事本局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十三年度東京都一般会計予算中、歳出 知事本局所管分
報告事項(質疑)
・「十年後の東京」への実行プログラム二〇一一について
 総務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十三年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 総務局所管分
・第二号議案 平成二十三年度東京都特別区財政調整会計予算
・第四号議案 平成二十三年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第二十九号議案 東京都知事等の給料等に関する条例の一部を改正する条例
・第三十号議案  東京都知事の給料等の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第三十一号議案 東京都附属機関の構成員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
・第三十二号議案 非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
・第三十三号議案 東京都職員定数条例の一部を改正する条例
・第三十四号議案 特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第三十五号議案 市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第三十六号議案 都と特別区及び特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例
・第三十七号議案 東京都区市町村振興基金条例の一部を改正する条例
・第九十五号議案 包括外部監査契約の締結について
・第九十六号議案 公立大学法人首都大学東京が徴収する料金の上限の認可について
報告事項(質疑)
・平成二十三年度都区財政調整の概要について

○高倉委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、監査事務局、知事本局及び総務局関係の予算の調査並びに監査事務局及び総務局関係の付託議案の審査、並びに知事本局及び総務局関係の報告事項に対する質疑を行います。
 これより監査事務局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、平成二十三年度東京都一般会計予算中、歳出、監査事務局所管分及び第四十号議案を一括して議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際、資料要求はいたしておりませんので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○高倉委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高倉委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で監査事務局関係を終わります。

○高倉委員長 これより知事本局関係に入ります。
 予算の調査及び報告事項の質疑を行います。
 第一号議案、平成二十三年度東京都一般会計予算中、歳出、知事本局所管分及び報告事項、「十年後の東京」への実行プログラム二〇一一についてを一括して議題といたします。
 本案及び本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、要求委員と理事者との調整の結果、取り下げとなりましたのでご了承願います。
 それでは、本案及び本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○鈴木委員 私からは、十年目を迎えましたアジア大都市ネットワーク21について何点かご質問をさせていただきます。
 アジア大都市ネットワーク21は、石原知事が提唱しまして、これまで十年間実績を積み重ねてまいりました。現在は、アジアの主要都市十一都市が参画をしておりまして、さまざまな大都市の課題に取り組んでいるところでございますが、昨年十一月には東京で総会も開かれまして、私も都民広場のイベントを視察しましたけれども、多くの方が参加されて大変盛況にとり行われてもおりました。
 まさに二十一世紀はアジアの時代でございまして、政・官・民が一体となってアジアとの関係強化に注力することが昨今大変注目されている中、こうした大都市間のネットワークによる活動の積み重ねは大変重要であると考えておるところです。
 そこで、アジア大都市ネットワーク21の十年間の取り組みと成果について、改めてお伺いいたします。

○長澤国際共同事業担当部長 アジア大都市ネットワーク21は平成十三年の発足以来、危機管理、産業振興、感染症対策など、さまざまな分野で実績を積み重ねてまいりました。
 例えば、中小型ジェット旅客機の開発促進事業では、昨年秋から製造を開始しました我が国初のジェット旅客機MRJ三菱リージョナルジェットの設計、製造に、台湾の航空機メーカーAIDC社と、インドのIT企業であるインフォシス社の参画が実現いたしました。
 また、感染症対策の分野では、新型インフルエンザの発生などに備え、専門家間で情報を共有するネットワークを構築するとともに、アジアにいまだ蔓延する結核をテーマに共同研究に取り組んでおります。
 こうした具体的な取り組みを通じて、各都市との協力関係を強化し、アジア地域の発展に貢献してまいりました。

○鈴木委員 今ご答弁をいただきましたように、この十年間で、アジア大都市ネットワーク21では多様な分野の共同事業を実施してきており、多くの成果を上げてきていることがわかりました。
 都市外交は、とかくイベントやあるいは文化交流の開催に偏りがちでございますけれども、アジア大都市ネットワーク21は、実に多くの都市問題に取り組んできたことが大変価値のある外交であると思っております。
 特に感染症や自然災害など、人々の生命に直結する危機管理の分野での国際連携は、これからのアジアの中では特に東京が他の大都市に貢献できる大変重要なテーマであると考えております。
 さきのニュージーランドのクライストチャーチの地震でも、邦人を含む多数の被害が発生し、今現在でも二百名を超す方々が安否不明であって、国の国際緊急援助隊には東京消防庁の隊員も参加し、懸命な救助活動が現在も行われていると聞いております。地震や集中豪雨など、アジアは自然災害のリスクが大変高く、都市間においても危機管理の経験や技術を共有し、災害発生の備えを十全にしていくことが有用であるとも思います。
 また、今回被災された方の中には、日本を初め、アジアからのニュージーランドへの留学生が多く含まれていると聞いております。今後、アジア域内の人材交流がますます盛んになることを考えれば、アジアの大都市間での災害への危機管理体制を、より強化していく必要があると考えます。
 そこで、特に共同事業の一つである危機管理ネットワークについてお伺いいたします。

○長澤国際共同事業担当部長 危機管理ネットワークでは、東京都の総合防災訓練に、アジア大都市ネットワーク21の会員都市からソウル、シンガポール、台北の救助隊が参加し、東京消防庁の救助隊と合同で訓練を実施しております。各都市で異なる救助技術や資機材に関する知識を共有することによりまして、実際に災害が発生した際に、相互に円滑な救助活動を行うことができるものと考えてございます。
 また毎年、実務者が集まりますアジア危機管理会議を開催し、震災対策や洪水対策など、各都市の最新の危機管理の事例や経験を共有するとともに、各都市の防災担当者を結ぶ危機管理連絡網を整備いたしまして、常日ごろより災害情報や危機管理情報の交換に活用しております。
 今後とも、アジア各都市の実情やニーズに応じた事業を着実に実施いたしまして、各都市の危機管理体制の強化に結びつけてまいります。

○鈴木委員 まさに、今回のニュージーランドでの地震災害は、私たちに多くの教訓をもたらした痛ましい災害でございます。
 いまだ行方がわからない二十八名の日本人の一刻も早い救助を願う一方、大都市東京で直下型地震がいつ起きても不思議ではないということもございます。それを考えますと、これは知事本局の所管ではございませんが、都の防災対策のさらなる強化と、そしてまた、東京に住みます多くの外国人の方、今、東京で仕事をされている方はたくさんいらっしゃいますが、そういった方々の防災対策もあわせてご検証いただいて、改めてその強化についてご要望させていただき、次の質問に移らせていただきます。
 都はこれまで、大都市間の共同事業を通じて、着実にさまざまな成果を上げてきたことはよく理解できました。こうした都市間の信頼関係をもとに、今後は新たな取り組みを行っていくことも重要であると思います。
 私は、昨年の第一回定例会でも、一般質問の中で、アジアへの経済を重視した外交の重要性について、知事にも質問させていただいてご答弁もいただきました。昨年の東京総会でも、東京とアジアとの経済交流に力を入れたとのことですが、東京の成長戦略という視点からは、極めて重要なテーマであると思います。先ほど共同事業として取り上げられましたMRJ事業などは、まさに日本の航空産業の大きな成長戦略となる取り組みであり、今後もこのような経済交流によるプロジェクトを、ぜひとも手がけていただきたいと思います。
 さらに、新たなアジアの交流として、経済はもちろん、幅広く重層的に都市外交を展開する必要があると思います。
 そこで、アジアとの経済交流に力を入れた今回の東京総会の成果を踏まえ、アジア大都市ネットワーク21の今後の展開についてお伺いいたします。

○長澤国際共同事業担当部長 アジア大都市ネットワーク21では、これまで共同事業を通じて一定の成果を上げてまいりました。
 今後、深刻化する環境問題など、アジアの都市が抱える課題を克服していくためには、これまでの都市間の取り組みに加えまして、例えば東京の中小企業が持つすぐれた技術など、民間の力を生かしていく必要がございます。
 このため、昨年十一月の東京総会では、同じく十一月に東京ビッグサイトで開催された産業交流展にアジアの企業が参加するアジアゾーンを設置したり、各都市の首脳が出席したレセプションに都内の中小企業が参加するなど、東京とアジアとの経済交流を図ってまいりました。
 また会議では、行政だけではなく、企業や住民など多様な主体の活力を取り込み、経済、文化、人材育成など、幅広い分野での都市間交流を進めていくことが合意されました。
 今後、総会で採択しました東京宣言にも盛り込まれておりますが、次回のソウル総会に向けて、実務担当者による部会を設けまして、官民連携の具体策や、各都市の産業や技術を相互に紹介する機会の設定などについて、検討を進めてまいります。

○鈴木委員 ありがとうございます。
 繰り返しになりますが、二十一世紀はアジアの時代といわれております。アジアの中で、日本が経済や安全保障、あるいは文化や芸術などのあらゆる分野でどのような貢献ができるか。まさに、日本の未来はアジアとともに発展していくことであると、そのように思っております。ですから、アジア大都市ネットワーク21の役割、これからますます大きく期待されるところでございます。
 アジアの各都市とさまざまな分野で人材交流が進み、都市特有の課題を共有し、それに立ち向かっていく共同作業を通じて都市外交が展開されることは、まさに日本の、そしてアジア全体の平和にも大きく寄与することになります。
 せんだって、順天堂大学の理事長とお話をする機会がございまして、医療は最大の平和産業であるということをお話しいただいて、改めて平和外交とは何かということについて考えさせられたところでございました。
 都市の危機管理体制を共有したり、伝染病についての研究などを通じて多くの人材が交流することは、まさにそれぞれの国々を理解し、助け合う精神が養われるということでございます。
 今後のアジア大都市ネットワーク21が、重層的、複合的に機能し、さらに多くの大都市にも今後加わっていただいて、アジアの平和に大きく貢献することを期待しまして、私の質問を終わります。

○三宅委員 私からは、「十年後の東京」への実行プログラム二〇一一について幾つか質問させていただきたいと思います。
 都は現在、「十年後の東京」計画を羅針盤に、都市インフラを初め、環境、産業、福祉など幅広い分野で先進的かつ実効性のある施策を展開していますが、いまだ景気回復が見込めず社会に閉塞感が漂う中、「十年後の東京」計画は、都民、国民に将来への展望を指し示す未来図でもあります。都民、国民が希望を見出せず不安を募らせているこうした時期だからこそ、計画を遅滞なく着実に推進することが極めて重要であると思います。
 こうした意味からも、厳しい財政環境の中での二十三年度予算編成において六千三百億円に及ぶ計画額全額を予算化し、ハード、ソフトの両面において、目標の確実な達成に向け、引き続き施策推進を図る姿勢を示されたことについて高く評価するとともに、私も都議会議員の一人として施策の推進に力を尽くしていきたいと考えています。
 「十年後の東京」計画も、平成十八年の策定から四年が経過し、東京を取り巻く社会経済状況も変化していますが、まずこうした変化の中、今回の実行プログラム改定に当たってどのような点に留意したのかを伺います。

○武市計画調整部長 実行プログラムの改定に当たりましては、「十年後の東京」計画で掲げた八つの目標の確実な達成に向けまして、これまで取り組んできた施策を充実強化するとともに、若者に対する就業支援や局地的な集中豪雨への対策など、今まさに都民、国民が直面している喫緊の課題につきまして緊急重点事業と位置づけ、その打開に向け、現場を持つ東京都ならではの取り組みを集中的、重点的に推進していくこととしております。
 加えまして、お話にもございましたとおり、「十年後の東京」計画も策定から四年が経過し、計画期間の半ばに差しかかったこともありまして、今後の政策展開を検討する上で長期的な展望を持つことが必要との認識から、東京の将来像の一端を将来への指針としてお示ししております。
 こうした新たな視点での記述を加えたことが、今回の改定に当たりましての主なポイントと考えております。

○三宅委員 局地的な集中豪雨への対策など、災害対策について緊急重点事業と位置づけ、強力に推進していくとのことですが、先日もニュージーランドで大地震が発生し、甚大な被害が出ております。
 また、新燃岳の噴火もいまだ続いております。これらは決して他人ごとではなく、いつ起きてもおかしくない地震を初めとする災害への備えに、万全を期する必要性を改めて感じているところです。
 災害に対しては、未然防止の視点と、被災した後いかに早く復興できるかといった視点の両面が重要だと考えます。そこで、実行プログラムではどのような対策を講じることにしているのか伺います。

○武市計画調整部長 災害への備えはまさに喫緊の課題でありまして、今回は二つの事業を緊急重点事業に位置づけてございます。
 その一つは、近年頻発しております局地的豪雨への緊急対策で、建設中の地下調節池の工期の短縮でございますとか、大規模地下街などの下水道施設整備を前倒しするなど、浸水被害の危険性が高い地域の対策を集中的に進めていくこととしております。
 緊急重点事業の二点目は、災害時の応急活動や復旧作業におきまして大きな役割を果たします主要幹線道路を閉塞することがないように、その沿道の建築物の耐震化につきまして強力に施策推進を図ることとしております。
 このほかには、小中学校や病院などの耐震化を引き続き促進するとともに、新規事業といたしましては、被災者が早期に生活再建を図る上で必要となります罹災証明を迅速かつ正確に発行できますように、システム構築を行います区市町村への支援を始めてまいります。
 このような取り組みを通じまして、いつ起こるともわからない災害に対し十全の備えを講じ、災害に強い都市の実現を目指してまいります。

○三宅委員 災害に対処するには、まずは自助、そして共助が基本であると思います。
 しかし、被害を最小限に抑え、被災者が早期に生活を再建できるよう、ぜひ区市町村への支援も含め、行政の公助の面についても万全の備えをお願いしたいと思います。
 次に、将来への指針について伺います。
 私も、行政運営においては目先の課題だけではなく、常に長期的な展望を持って、先を見通した政策展開を行うことが不可欠だと思います。
 この将来への指針の特色の一つは、分野別のほか、多摩・島しょ地域について地域ごとに将来の姿を描いていることだと思います。
 そこで、島しょ地域についてはどのような将来像を考えているのか。また、いつごろの姿を描いたものなのか、伺います。

○武市計画調整部長 まず、ご質問の一点目の島しょの将来像についてでございますが、東京が将来に向けてさらに成長を遂げていくためには、区部とともに、大きな可能性、潜在力を有します多摩・島しょの地域のさらなる発展が不可欠でございます。
 将来への指針の策定に当たりましては、この両地域が自然や緑、良好な生活環境など、地域ならではの個性を備えており、このエリアが持つ特色を生かした将来像を描くことで、よりわかりやすく多摩・島しょ地域の将来の姿を伝えられると考えまして、分野立てとは別に地域別の将来像をお示ししております。
 ご質問の島しょ地域につきましては、例えば、島しょの方々の日々の生活に着目いたしまして、航路あるいは航空路の就航率向上により、安定的な島外交通の確保や、医師、看護師の安定的確保などによりまして、安全・安心の暮らしが実現している姿を描きましたほか、観光振興という切り口では、多様な観光資源の活用によりまして多くの来島者を集め、観光立島として発展している姿を、さらには海洋資源開発などに伴い国家的な役割が一層高まっている姿などを描いております。
 またご質問の二点目、将来への指針で描いた将来像の目標年次でございますけれども、ここで示した将来像は中期的なものから長期的なものまでさまざまなものを記載してございますが、全体としては、おおむね今から十年後の、二〇二〇年ごろから二十一世紀半ばごろまでに想定される東京の姿を描いております。

○三宅委員 ありがとうございます。
 今、答弁にあった将来像は、まさに島しょ地域で暮らす方々が切に願う理想の島の姿だと思います。絵にかいたもちに終わらせることのないよう、ぜひとも実現に向けた取り組みをお願いいたします。
 今回、将来への指針で描いたすばらしい都市へと東京が進化するためにも、まずは「十年後の東京」計画で掲げた目標の確実な達成が重要であります。計画期間も後半に突入しますが、「十年後の東京」計画を描いた近未来図の実現に向けた局長の決意を最後に伺いまして、質問を終わります。

○秋山知事本局長 「十年後の東京」計画は、交通渋滞や環境問題など、二十世紀から残された負の遺産、これを解消すること。そしてまた、二十一世紀の新しい都市モデルとして、より機能的で魅力的な東京の姿を明らかにするということをねらいとして策定したものでございます。
 さらに、この計画を着実に実現していくということのために、三カ年のアクションプランとして実行プログラムというものをつくっております。
 このプログラムは、毎年改定する、いわゆるローリング方式としておりまして、それまでの取り組みを検証することで具体的な成果を上げてきたものというふうに考えております。これまでも認証保育所やディーゼル車対策などを初めといたしまして、国をも動かす施策を講じてまいりましたが、これまでの取り組みを十分検証した上で、引き続きこうした大都市という現場の特性を踏まえた政策を実行するということで、二十一世紀に真にふさわしい、成熟を遂げた都市の実現を目指すことができるものというふうに考えております。
 また今回、実行プログラムの改定に当たりまして、「十年後の東京」のさらに先の、近未来における都市東京の将来像の一端を、将来への指針という形でお示しをさせていただきました。この指針をも活用しながら、都政にかかわる多くの方々のご意見を広く伺い、新たな政策の展開を検討いたしますとともに、「十年後の東京」計画で描いた近未来図の実現に向けて、全力で取り組んでまいります。

○小林委員 私の方からも、「十年後の東京」への実行プログラム二〇一一について、三点ほどお伺いさせていただきます。
 私、昨年十月二十六日の総務委員会におきまして、「十年後の東京」における三つの取り組みと、計画の全体を貫く三つの視点について基本的な考え方を確認させていただきましたけれども、平成十八年に策定された「十年後の東京」計画も本年折り返しとなる年となり、実行プログラムの改定も今回で四回目となります。
 実行プログラム二〇一一の知事の巻頭言におきまして、東京の責任という点に触れまして、その責任を果たすために、現場を踏まえて改革を先導し、官民の積極的な連携によって新たな飛躍の機会を見出すというふうにございました。
 私、現場を踏まえてという点が、大変重要な視点であるというふうに思います。現場を知らない、また知ろうとしないところにすべての行き詰まりが生じ、都民の心との乖離が生まれてくると思います。
 真に都民のための政治を行うためには、まず現場を知り、現場の声をいかに都政に反映していくのかが最重要の課題であり、行政の執行機関、そして議会に議席をいただいている私たちは、常に現場第一主義でなければならないと思います。
 昨年十月の総務委員会の質疑で、過去三回の実行プログラムの改定のポイントについてお伺いしましたが、このたびの二〇一一の改定では、現場の社会状況という点においてどのような社会情勢への認識を持って改定されたのか、お伺いいたします。

○武市計画調整部長 東京都では「十年後の東京」計画の目標を確実に達成するため、平成十九年度以降、毎年度、施策の進捗状況やその時々の社会状況を踏まえまして、実行プログラムの改定を行っております。
 今回の改定に当たりましては、一つには、大卒者の就職率が過去二番目に低かった昨年度をさらに下回る勢いで推移しておりまして、一段と厳しい就業環境にあること。また二つ目には、待機児童の増加が続いていること。さらには、災害や震災や集中豪雨がもたらす大都市特有の災害リスクが依然高いこと。こういったことが、今、都民、国民が直面している喫緊の課題だろうと考えたところであります。
 こうした社会情勢を踏まえまして、これまでの取り組みを検証し、従前からの施策を充実強化するとともに、新たに、雇用、少子化対策、災害対策につきまして緊急重点事業を策定し、現場に立脚した東京都ならではの取り組みによりまして、都民の不安を打開するため、施策を強力に推進することとしております。

○小林委員 ありがとうございます。
 喫緊の課題について、緊急重点事業として強力に推進していくとのことでございますけれども、緊急課題として位置づけるからには、やはり目に見える形での結果が求められてくることでありますので、ぜひとも全力で取り組みをお願いしたいというふうに思います。
 今回の実行プログラムの中で、先ほども触れられましたが、「十年後の東京」のさらに先の東京の姿の一端を提示した、将来への指針が掲げられています。
 この将来への指針について石原知事は、「十年後の東京」が計画期間の半ばに差しかかったことから、これまでの取り組みを総括した上で、さらにその先を見据え、近未来の東京をデッサンしましたと述べておりますが、これまでの取り組みを総括するということは、ある意味、歴史を振り返るということであると思います。
 少し次元は違うかもしれませんが、かつて小説家の吉川英治氏が、歴史小説を自動車のバックミラーみたいなものだといっておりました。歴史を振り返る大切さを、バックミラーで後ろを確認しながら前に進む車の運転に例えたものでありますけれども、未来を切り開いていくには、歴史から知恵を酌み取り生かしていくことが、極めて大事なことであると思います。
 その意味で、東京の未来を描く将来への指針を掲げるために、これまでの取り組みをどのように総括されたのか、お伺いいたします。

○武市計画調整部長 将来を展望するには、委員ご指摘いただきましたように、その前提といたしまして、これまでの取り組みを総括する必要がございます。
 そうしたことから、実行プログラム二〇一一では、おおむね二〇〇〇年から二〇一〇年の十年間における取り組みにつきまして、都政の軌跡として取りまとめを行ったものでございます。
 具体的に何点か申し上げますと、全国初の複式簿記・発生主義会計の導入を初めとする都庁の行財政改革の断行、羽田空港の国際化や三環状道路の整備といった、快適で利便性の高い都市を実現する首都東京の再生、オフィスビルを対象とした世界初の都市型キャップ・アンド・トレードの導入や、水と緑に囲まれた都市空間の復活による、東京から発する環境革命などについて記載をさせていただいています。

○小林委員 都政の軌跡として取りまとめられたということでございますけれども、これからも都政の歩みは続くわけでありますので、今までの軌跡から何を学び、未来の東京を構築していくために何をなすべきなのか。先ほどの例えにあるように、常にバックミラーで後ろを確認しながら都政を前進させるという心を持って取り組んでいただきたいと思います。
 今回の指針では、さらなる進化を遂げる近未来の東京として「経済活動と環境を高次元で両立させており、満足の高い都市」、また「これまでの蓄積の上に技術進歩を重ね、アジアのリーダーとしての地位を持続」、そして「誰もが安心して、安全・健康に暮らす」ということが示されておりますけれども、この近未来の東京を実現するために、東京の進化を支える三つの礎というものが掲げられておりますが、これはどのような位置づけになるのか、お伺いいたします。

○武市計画調整部長 将来への指針では、二十一世紀半ばまでにおけます、進化を遂げた近未来の都市東京の姿、これはプロセスというよりはむしろゴールの姿というものを示しております。
 今後、理想の都市像の実現に向けましては、都政を取り巻く環境の変化を十分に踏まえまして、都政にかかわる多くの方々の意見を参考にしながら、最善最適のプロセスを検討することが必要になってまいります。
 ただその際、いかなる将来像を目指し、いかなるプロセスを選択するにしましても、東京がさらに成長していく上で必要な基盤というものがございます。
 その一つは、時代おくれとなった規制の廃止や緩和を、現場を持つ東京から国に強く迫り制度改革を先導すること。二つ目は、都民ニーズに細かく対応するため、官民の連携を積極的に推進すること。三つ目としましては、世界をまたにかけるたくましい人材を育成すること。この三点を、今回は東京の進化を支える三つの礎としてお示しいたしました。

○小林委員 ありがとうございます。
 今回の実行プログラム二〇一一は、「十年後の東京」の目標である二〇一六年を目指し、施策を一段と加速させるとともに、さらに二十一世紀半ばまでの東京の姿をイメージしたところに特徴があると思いますけれども、未来を見据えた取り組みに欠かすことのできない力が、若い力、そして青年の力であると思います。
 昨年十月の総務委員会質疑の最後に、私は、若手都庁職員の提案や、東京に住む青年の意見や声を積極的に都政に反映していっていただきたいと要望させていただきました。
 実行プログラム二〇一〇の改定の際には、都庁の若手職員の提案を施策に取り入れておりましたが、この取り組みは今でも継続して行われていると伺っております。
 昨年いただいたご答弁の中では、若手職員の柔軟な発想力、創造力は、都庁の貴重な資源ともいわれておりました。これから実行プログラムに掲げられた将来への指針を具体化していく作業に入っていくかと思いますが、若い力を取り入れなければ東京の未来はないとの覚悟で、今後とも、都庁若手職員はもとより、東京じゅうの若い力、青年の力を糾合して、ともに輝かしい未来の東京をつくり上げていっていただきたいと改めて強く要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございます。

○吉田委員 私も、初めに報告事項「十年後の東京」実行プログラム二〇一一についてお伺いいたします。
 まず、この実行プログラムの扱いに関して伺います。
 この二〇一一は、知事選の直前に発表されるという結果となりました。そこでお伺いいたしますけれども、目前に迫った知事選で新しい知事が誕生した場合、次期知事はこのプログラムに拘束されるのかどうか。
 また、新しい知事が新しい計画を策定した場合、当然本計画は極めて短命になるという可能性がありますけれども、まずこの点についてどのようにお考えですか。ご答弁お願いいたします。

○武市計画調整部長 この実行プログラムでございますけれども、ぜひともご理解をいただきたいのは、現在の東京都の長期計画「十年後の東京」がございまして、実行プログラムはそのアクションプラン、実施計画、そういう位置づけになっていると。そういう性格のものでございます。
 そうした中にありまして、実行プログラム二〇一一における二十三年度の事業費につきましては、一〇〇%予算化してございます。そうしたことから、現在審議中の予算案に、二十三年度事業費は全額計上されておりまして、予算案が可決された際には、着実に実施をしていくことが執行機関としての務めであると考えております。

○吉田委員 二十三年度は具体的に予算が計上されてますから、これは新しい知事のもとでも執行されるのは当然です。
 しかし、新しい知事が誕生した場合に、その知事のもとで新しい計画が策定される可能性というのは極めて強いものであり、今回の計画は結果的には短命になる可能性もはらむものだと思います。
 しかも、ローリングを重ねてきているという経過が今ご説明ありましたけれども、そもそも、三カ年計画が終了して新たな三カ年を立てないと継続性が担保されないというものではないと思います。
 前期計画である実行プログラム二〇一〇は、二〇一〇、一一、一二年度、平成年度でいえば二十二、二十三、二十四の三カ年計画を示しています。したがって、来年度は三カ年計画の中間点であり、まだ一年しか経過していないと。そうした中で、あえてこのような形で、しかも単に来年度だけではなく、将来の指針、近未来図まで描くということには、極めて疑問を感じざるを得ません。
 次にお伺いしたいのは、本報告と概要版との関係についての疑問です。
 一般的にはピンク色の薄い冊子が出ていますが、あれが概要版だとすると、本来ならば概要版は本報告の要約版ないしダイジェスト版というのが通例だというふうに思います。しかし、本報告とこのピンク色のものを比較しますと、本報告にないものがピンク色の冊子には書き込まれています。それが、いわゆる参考という形はとっていますけれども、二〇〇〇年から二〇一〇年、都政の軌跡というものとなっています。
 なぜ、本報告で全く記述されてない要素が概要版で盛り込まれているのか。それも、これまでのプログラムを総括し、中間点検をするという趣旨ならばわからないわけではありませんけれども、この軌跡のスパンは、ちょうど石原知事になってからのスパンで報告されていると。私からすると極めて異例な形だと思いますが、なぜこのようになったのか、ご答弁お願いいたします。

○武市計画調整部長 まず、今回の改定に当たりましては、現時点で必要な検証とか見直しを反映させたものでありまして、例えば雇用対策ですとか災害対策などの緊急重点事業として取り上げましたものは、前の実行プログラム二〇一〇の計画の終了を待つことなく直ちに行動を起こす必要があるものでありまして、そういった内容を含んだ実行プログラム二〇一一を例年どおりローリング、改定したものでございます。
 その概要版の中に都政の軌跡というのがございまして、そこで、都政の軌跡で取り上げた過去十年間の取り組みにつきましては都民の方々へも掲載をして広く周知をすることが重要であろうという認識に立ちまして、しかもその内容をよりわかりやすくお示しをすることが必要だろうということで、図や写真等を用いてお示ししてございます。
 そういった図や写真等を多用しているものは、本体版というよりは概要版の中に参考として掲載した方がより多くの方の目に触れるであろうという形で、本体版ではなく概要版の方に、両方に載せますと重複するということもございますので、概要版に載せたものでございまして、それ以上の何か他意があるものではございません。
 なお、今回のその期間、都政の軌跡の期間でございますが、おおむね西暦二〇〇〇年から二〇一〇年の十年間を対象期間としてございますが、これは「十年後の東京」の計画を起点といたしますと、まだ計画期間の途中でもありまして、成果を総括する期間としてはやや短いといったことがございます。
 また二〇〇〇年という年が大きな節目となる、そういう年でもありまして、さらには、英語でいえば、例えばワンディケードあるいは十年一昔、そういった言葉がございます。
 また、「十年後の東京」と現計画でもお示ししていますように、十年間という期間というのは一つの区切りのいい期間であるというふうなこともございますので、そういった点を総合的に勘案いたしまして、二〇〇〇年から二〇一〇年の期間を、今回都政の軌跡という形でお示ししております。

○吉田委員 ピンクの冊子については概要版という認識だと思うんですけれども、いろいろご説明がありましたけれども、概要版ならば本報告の概要版というのが当然であって、重複を避けるかのようないい方がありましたけれども、重複して当然のことだと思うんですね。
 しかも、絵や写真でというご説明もありましたけれども、そもそも本報告自身が非常にふんだんに絵や写真を使っているということから見ても、本報告にないものが突然概要版でこのような形で示されるというのは、不自然な印象をぬぐえないというふうに思います。
 しかも、実行プログラムからだと期間は短いんだ、やはり一つの区切りとしてちょうどいいんだということがありました。たとえそうであったとしても、この概要版に掲載されている都政の軌跡は、この間の都政を冷静、客観的に分析をするというふうにいえるでしょうか。全体を見れば、石原都政のもとでこれもよかった、あれもよかったというオンパレードではないでしょうか。
 この間の取り組みの中で、先日、私、予算特別委員会でも取り上げましたけれども、介護基盤の到達がどうであったかだとか、あるいはさまざまな問題点や反省、欠点などについてはほとんど記述をされてない。私は、やはり行政としての文書がそういう形であってはならないのではないか、そういう印象を改めて強く持つものであります。
 さらに、計画の前提として疑問の点があるんですが、それは、都民の意見、要望がどのように反映されているのかということです。この策定に当たって都民の意見集約はどのように行われているのか、ご答弁お願いいたします。

○武市計画調整部長 「十年後の東京」計画の実現に向けましては、都民の参加、協力を得ながら東京全体で取り組みを進めることが重要でございますので、これまでの実行プログラムの改定に当たりましては、都民からの意見を集約、反映してきたところでございます。
 実行プログラム二〇一一の改定に当たりましても、世論調査ですとかインターネット、都政モニターアンケートなどによりまして、都民の皆様からのご意見やご要望を幅広く集約し、施策に反映させております。

○吉田委員 世論調査や都政モニターで、この二〇一一に都民意見を反映しているというお答えがありました。
 しかし、私、見てみましたけれども、世論調査は単にこの二〇一一を示して意見を聞くというのではなくて、今までの毎年行われている世論調査を参考にするという立場ですよね。そして、具体的に二〇一一について示したのかどうか、ちょっと確認がとれませんけれども、少なくともこの実行プログラムについての都民のモニターアンケートの分母の数はわずか五百人ですね。
 しかも、この「十年後の東京」計画についての都政モニターの質問項目は全部で十五項目ありますけれども、全般的な意見がありますが、例えば自転車については全体の十五項目のうち三問、気候変動について二問、多摩・島しょについて三問、スポーツについて二問というふうに、その中でも極めて特定分野に絞って意見を聞くという形になっていて、これで果たして本当に、都民意見を聞いて、都民とともに進めていくというスタンスといえるのかという点については、極めて疑問であるということも指摘しておきたいと思います。
 さらに、基本問題についてもう一つお聞きいたしますけれども、やはり計画の基本は、さまざまな課題がありますけれども、都民生活をいかに豊かにし向上させていくのかという視点が貫かれることが何よりも重要だと私は思います。
 行政の計画ではさまざまな課題がありますけれども、こうした、何よりも都民の生活水準をいかに引き上げていくかが重要課題だと私は思いますけれども、どのようなご判断でしょうか。

○武市計画調整部長 「十年後の東京」計画は東京都の中では最上位の計画でございますので、幅広く都政へのご意見をいただくということが、「十年後の東京」なり実行プログラムへの都民の皆様からのご意見をいただくということになろうかというふうに考えております。また、区市町村などに対しましても個別に意見聴取などを行いまして、幅広い形でご意見というのは伺っております。
 ただいま理事がおっしゃいました都民の生活水準というものでございますけれども、これは、いわゆる広義の都民福祉ということであれば、まさにおっしゃるとおり非常に重要な課題であろうかというふうに思っております。ただし、どのような指標をもちまして、その地方自治体が対象といたします生活水準ととらえるかにつきましてが、そこはポイントになってくるのかなと考えておりまして、その辺の指標のとり方についてはさまざまな考え方などもあるのかなと思っております。
 いずれにいたしましても、地方自治法にも定められておりますとおり、地方公共団体は住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施するという役割を広く担うものとされておりまして、その役割を果たしていくことが重要であろうと考えております。

○吉田委員 それならば、私は軌跡の問題について指摘しましたけれども、ただ知事の自慢話ではなくて、少なくとも一定の期間のスパンで到達点を明確にするというならば、やはりこの間の都民生活がどういうふうに推移したのかということに着眼して分析することが必要だと思います。
 そもそも知事は、国際的な都市間競争に打ち勝って、多国籍企業などの東京集中を図れば東京は成長し、その東京の経済の発展が、全国さらには都民をも潤すものだということを繰り返し主張してきたと思います。この間の東京都の計画はそういう視点で貫かれていると思います。
 そのために、都心部をセンター・コアというふうに位置づけて、規制緩和、超高層ビル建設を促進する。またそれとあわせて、三環状を同時促進するということを優先課題として進めてきました。
 そうした結果、本当に都民の生活水準は向上したのか。さまざまな指標のとらえ方があるんだというお話がありましたけれども、改めてそこでお聞きいたしますが、例えば一九九九年ないし二〇〇〇年と比較できる最近の数値を見たときに、東京への大企業、海外企業などの集積がどう進んだのか。そしてその結果、例えば東京の勤労世帯の賃金水準、あるいは小売業の売上高、さらに製造業の売上高や一事業所工場当たりの売上高が伸びてきているのか、この十年間になって。この点いかがでしょうか。

○武市計画調整部長 ご質問のございました事項につきまして、入手可能な直近の統計データと、一九九九年ないしは二〇〇〇年の数字を比べてまいりました。
 まず、一点目のご質問の本社機能の関係でございますが、都内で本社機能を持つと思われます事業所の数は一九九九年では五十九万カ所でございますが、二〇〇六年では五十三万カ所となってございます。
 二点目の勤労世帯の賃金水準といたしまして、一人当たりの平均月額、平均の月間給与総額は、二〇〇〇年が五十一万三千百七十九円で、二〇〇九年は四十九万四千六百二十一円でございます。
 三点目の都内の小規模小売業者の販売額でございますが、一九九九年が十・八兆円でございまして、二〇〇七年は十・四兆円でございます。
 四点目の都内の製造業者の売り上げであります出荷額は、二〇〇〇年が十八兆円で、二〇〇八年が十兆円、それを一工場当たりに直しますと、二〇〇〇年が三億円で、二〇〇八年は二・六億円となってございます。
 ただし、これらの指標の増減をもちまして、住民の福祉の増進あるいは都政を総括する第一義的な指標ととらえるかどうかにつきましては、慎重な検討、分析が必要なのかなと考えます。

○吉田委員 もちろん経済的な指標というのは、国の政治の責任、経済のかじ取りの責任が極めて大きいものであることは当然のことです。
 しかしそういう中にあっても、知事は、都市間競争に打ち勝つ世界都市をつくることによって東京経済が発展し日本をリードするんだといって、さまざまな施策を進めてまいりました。
 もちろん、今の数値のみですべてを判断するということは適切さに欠ける面があるかもしれませんが、勤労世帯の賃金水準、あるいは小売業の売上高、さらに製造業に至っては、二〇〇〇年と二〇〇八年で十八兆から十兆円にも後退をするというのが現実の姿です。
 指標であえて聞きませんでしたけれども、例えば生活保護世帯は、私の調査では二〇〇〇年と昨年の十月を比べると、十万世帯から十九万六千世帯と約二倍に上がっています。さらに一事業所当たりの製造品出荷高が、もちろん全国も下がっているかもしれませんが、全国順位を見ると、一九九〇年代末で全国三十四位が、これ、〇七年の数字ですけれども、全国で四十五位に後退しているということもあります。
 さらに、東京都の世論調査などでも、多くの都民の方々が生活が苦しくなったという声を強めていることは、もう否めない事実です。私はやはり、こうしたことも改めて明確にとらえて、東京のあるべき施策の方向性というものを検討することが、今、求められているというふうに思います。
 しかし、昨年策定された実行プログラム二〇一一、三カ年の総事業費は一兆九千二百万円が示されておりますけれども、そのうちの四割を占めるのが「三環状道路により東京が生まれ変わる」の七千九百五十億円、約四割ですね。他方、少子高齢社会関係の事業費は約一割というふうにとどまっております。
 こうした都政の基本方向そのものを、私は改めて転換すべきだということを主張して、次に予算に関連して、築地地区を中心とした将来のまちづくりについて若干、質問させていただきます。
 知事本局の来年度予算で、政策の立案の中に、築地地区を中心とした将来のまちづくりの検討として、たしか三千万円が新たに計上されております。
 そこで伺いますけれども、これは少なくとも局要求の段階では拝見することはできませんでした。なぜこれが新たに入ったのか、知事からの指示なのか、お答えください。

○野村政策部長 知事本局の予算要求原案を公表いたしました後、都として築地市場の豊洲への移転を進めることを決断いたしました。
 このような状況を踏まえ、築地地区を中心とした将来のまちづくりの検討については東京のまちづくりとしても大きな課題であり、知事査定において来年度予算原案に計上したものでございます。

○吉田委員 改めてお伺いしますけれども、その設置の理由、そして今後どのように検討を進めていくのか。あるいはどのような組織をもって検討するのか。
 そして非常に疑問なのは、築地地区を中心としたという記述となっています。すなわち跡地だけではないという意味だと思うんですが、この、中心としたというふうな記述、一体どの程度の範囲を調査検討対象として進めようとしているのか、ご説明をお願いいたします。

○野村政策部長 築地というまちは、都心や銀座に隣接し、都市機能が集積しているなど、極めて高いポテンシャルを有しており、まちづくりという視点から今後の東京を考える上で重要なエリアであることから、築地地区を中心とした将来のまちづくりについて検討することといたしました。
 検討に当たりましては、築地地区のにぎわいや独特の伝統文化といった特質をどのように引き継ぎ発展させていくかという観点にも立って、関係各局で広く連携した組織を組みまして、取り組んでいく考えでございます。
 対象の範囲でございますけれども、来年度以降、今後検討していくことになります。

○吉田委員 具体的な答弁にはなっておりませんけれども、いずれにしても築地市場の東京ガス跡地への移転の背景に、率直にいわせていただければ、こうした移転後の大規模開発的な意図があるということが逆に浮き彫りになった印象を持ちます。
 都民からも議会からも、汚染された東京ガス工場跡地への批判が強い中で、移転を既定事実であるかのように進めて、こうした計画の策定を進めるということはもう断固反対であるということを表明して、私の質問を終わります。

○高倉委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高倉委員長 異議なしと認め、予算案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で知事本局関係を終わります。

○高倉委員長 これより総務局関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査及び報告事項の質疑を行います。
 第一号議案、平成二十三年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、総務局所管分、第二号議案、第四号議案、第二十九号議案から第三十七号議案まで、第九十五号議案、第九十六号議案及び報告事項、平成二十三年度都区財政調整の概要についてを一括して議題といたします。
 本案及び本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○醍醐総務部長 二月四日の当委員会におきまして要求のございました資料について、ご説明申し上げます。
 要求のございました資料は二件でございます。
 恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます総務委員会要求資料の一ページをお開き願います。1、条例別・任命権者別職員定数の推移でございます。
 各年度、四月一日現在の職員定数につきまして、条例別、任命権者別に、平成十一年度から平成二十三年度までの推移を掲げてございます。
 恐れ入ります。その裏側になりますが、二ページをお開きください。2、給与改定の推移でございます。
 東京都人事委員会勧告における各年の公民較差、それから特別給支給月数及び勧告実施に伴う平均年収の増減につきまして、平成十一年から平成二十二年までの推移を掲げてございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○高倉委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、本案及び本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○吉田委員 それでは、私は二つの問題について質問をさせていただきます。
 第一に、小笠原諸島の振興について、第二に、いわゆる定数条例の改定についてです。
 まず、小笠原諸島の振興についてです。
 先日、村議会議員の方々がそろって来庁されて要望書を提出され、その際、直接話を聞かせていただきました。この機会に、その幾つかの課題に絞って質問をいたします。
 まず前提としてお伺いしたいんですけれども、小笠原諸島の地理的、自然的重要性について、都としての基本的認識及び小笠原振興開発計画の意義、国と都の役割についてお答えをお願いいたします。

○高木多摩島しょ振興担当部長 小笠原諸島は島の成立以来、一度も大陸と陸続きになったことがない海洋島で、多くの固有種、希少種が、生息、生育するとともに、特異な地質、地形を有するなど、世界的にも貴重でかけがえのない自然の宝庫でございます。また、小笠原諸島の存在により、我が国の排他的経済水域の約三割という広大な海域を確保しており、国益を維持する上でも重要な役割を担っております。
 小笠原諸島振興開発計画は、このような小笠原の特性を踏まえ、その振興開発の方向性を示したものであり、小笠原諸島振興開発特別措置法の規定により国が定める基本方針に基づき、都が小笠原村の意見をできる限り反映させ、策定したものでございます。

○吉田委員 それでは、この振興開発計画の個別課題について何点かお伺いいたします。
 まず、航空路開設についてです。
 都はこの問題で、協議会そしてPI評価委員会を設けていますが、村議会からは、実現可能な航空路計画案を早急に提示してPI協議会に反映されるようとの要望を寄せられております。こうした要望に対し、都はどのように対応するのか、しているのか、ご答弁をお願いいたします。

○高木多摩島しょ振興担当部長 小笠原航空路については、平成二十年に都と小笠原村で構成する小笠原航空路協議会を設置し、航空路開設についての検討を行っております。
 航空路開設に当たっては、自然環境への影響を初め、費用対効果、運航採算性、安全性の確保などさまざまな課題があり、現在、航空路協議会におきまして、硫黄島活用案、水上航空機案、洲崎地区活用案の三案を中心に、こうした課題の整理を行っております。
 引き続き、実現可能な航空路案の取りまとめに向けた検討を進め、航空路開設に必要な手続であるPIの実施に向けて取り組んでまいります。

○吉田委員 村が実施した世論調査でも、環境を守るという条件つきも含めて、七割の島民が航空路の開設を要望しているという状況だと思います。しかも、航空路開設はこれまで長い年月が経過し、都が計画を出しては、結果的には挫折するということが繰り返されてきました。関係者の中では、一体いつになったらという思いが募るのは当然のことだと思います。
 新たな航空路協議会が発足して、既に三年が経過していると思います。環境調査など、もちろん一定の時間を要するのは当然なことです。それだけに、三案というふうにいわれましたけれども、その三案についての調査は同時並行的に進めるなど力を注いで、提案に向けて、一体いつごろの目安で提案をすることができるのかということはぜひ示して村の協力を求める、そういうことを改めて要望したいと思います。
 次に、関係者の皆さんから不安として挙げられたのが、定期航路、船の更新問題です。小笠原航路は本土と小笠原諸島を結ぶ唯一の公共交通手段ですけれども、船舶の老朽化が進行しています。父島、母島の間もそうです。それぞれの就航年数と、更新に向けての都の考え方についてご答弁をお願いいたします。

○高木多摩島しょ振興担当部長 小笠原航路につきましては、東京-父島間には、「おがさわら丸」が、父島-母島間には、「ははじま丸」が運航しており、それぞれ小笠原海運株式会社、伊豆諸島開発株式会社が保有、管理しております。
 現在の「おがさわら丸」は平成九年三月に就航してから現在十四年経過しており、「ははじま丸」は平成三年六月に就航してから二十年経過しております。
 今後、船舶の更新の検討を行うに当たっては、船舶の使用年数や国の補助制度の動向などを踏まえ、航路事業者や小笠原村を初めとする関係者とともに、十分に協議を行っていく必要があると考えております。
 小笠原航路は、小笠原諸島唯一の交通手段であり、村民生活の安定と産業振興を図るため、都は引き続きその維持、確保に努めてまいります。

○吉田委員 「ははじま丸」は既に二十年が経過ということになれば、もう更新は目前の課題に迫っているというふうに思います。これも決して一朝一夕で更新ができるものではなく、それだけに島民の皆さんは、どうなるのかという不安を抱えていらっしゃいます。ぜひ早目に、都としてどのように対応、支援していくのかということを、関係機関と協議を進めていただきたいというふうに思います。
 次に、振興開発計画の中で、保健衛生施設、社会福祉施設の整備に関して、医療と福祉の複合施設の整備と、医師、看護師などの管理運営体制の整備が掲げられています。そこで、医師、看護師などの現状と都の対応について、ご答弁をお願いいたします。

○高木多摩島しょ振興担当部長 今年度、小笠原村が、診療所と有料老人ホームの機能を備えた複合施設を整備いたしました。診療所は昨年五月に開所しており、有料老人ホームは今月中旬に開所する予定でございます。
 村の複合施設において、医療、介護に従事する職員は、医師三名、看護師十名、介護員七名などであり、このうち欠員が生じている介護員などについても、昨年来、村が積極的に募集活動をした結果、おおむね充足できる見込みであると聞いております。
 なお、医療従事者の確保が困難な島しょ地域に対しては、都の福祉保健局において、大学病院等の協力による医師の派遣などにより支援しております。

○吉田委員 質問の直前に私が直接問い合わせたところでは、医師は現在二名、ただ、三名のめどはついていると。しかし看護師、助産師は欠員である、募集をしているというご説明を受けました。
 直接的には福祉保健局等が所管をすることかと思いますけれども、村任せにしないで、都と一致してつくった計画ですから、ぜひ、支援をお願いしたいということを述べておきます。
 次に、世界自然遺産への登録問題ですけれども、登録を待ち焦がれているかと思います。同時に心配されるのは、登録された後の対応ということについても、非常に大きな課題ではないかという声を聞きました。
 この点で、小笠原振興開発計画ではどのような位置づけとなって取り組もうとしているのか、ご答弁をお願いいたします。

○高木多摩島しょ振興担当部長 小笠原諸島振興開発計画では、小笠原の魅力を高め、全世界に発信していくために、自然環境の一体的な保全に努め、世界自然遺産の登録に向けた取り組みを着実に進めるとしております。
 世界自然遺産登録後には、東京都版エコツーリズムのルールに基づく利用の徹底や、利用マナーの向上等に取り組むことにより、自然環境の保全を図っていくこととしております。

○吉田委員 小笠原諸島振興の最後に、観光と物産普及にかかわって質問いたします。
 観光のPRやあるいは物産の普及という点で、都としてどのように対応されているのか、また、いこうとしているのか、お伺いしたいと思います。
 全国の道府県などのアンテナショップというんですかね、物産のお店が新宿にも幾つかありますけれども、そういうところがPRという場としても非常に重要な役割を果たしているという印象を持ちますけれども、そういう点での都としての対応についてご答弁をお願いいたします。

○高木多摩島しょ振興担当部長 現在、都と島しょ九町村が共同で設立した東京都島しょ振興公社におきまして、竹芝客船ターミナル内にあるアンテナショップ、東京愛らんどを運営し、島しょ地域の特産品の展示販売を行っており、このほか都庁第一本庁舎一階の東京地域特産品売店においても、島しょ地域の物産を展示販売しております。
 また、島しょ地域の物産については、公社の特産品カタログや民間事業者のネットショップを活用した通信販売も行っております。
 さらに、島しょ町村と都の共催により隔年で行うイベント、島じまんを竹芝で開催したり、年二回程度、新宿駅西口広場を利用した愛らんどフェアの開催を都が後援するなど、島しょ地域の観光や物産のPRに努めております。

○吉田委員 以上で小笠原諸島関係は終わりますけれども、小笠原を含めて、ぜひ島しょ振興のためにご努力をしていただきたいということを私からも述べておきます。
 次に、職員定数条例の一部改定が提案されておりますけれども、これに関連して、この間の定数の変化、推移を中心に何点かお伺いさせていただきます。
 実行プログラムでは、全国で最も厳しい人員削減、十年間で二万三千五百二十五人の削減ということが成果として強調され、石原知事も、人員削減を誇るかのような削減を繰り返してきました。しかし、人員削減は単に事業の効率化ということにとどまらず、事業の廃止、縮小、結果的には都民サービスの後退と一体となっているということを指摘せざるを得ません。
 そこでお伺いしますけれども、この間の経過から見て、定数はどのように削減されてきたのか。私は、主に事業の廃止や縮小、事業の民間委託、民間移譲等によるもの、さらに非常勤等に職員を置きかえるという結果ではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○中嶋人事部長 都の事業は、基本的に都民の税金で賄われており、常に最少の経費で最大の効果を発揮することが求められております。
 このため、都は個々の職務内容や業務量等を十分に勘案するとともに、事業の動向を踏まえた上で、職員定数を削減すべきところは削減し、一方で、重要施策への対応など増員すべきところは増員することで、効率的な執行体制の構築に努めてまいりました。
 こうした定数管理における具体的な職員定数の主な削減事由としましては、事業の廃止や縮小、事業の委託化のほか、業務の減少や効率化、また非常勤職員の活用も含めた業務の見直しなどがございます。

○吉田委員 そこで、少し具体的な話に入っていきたいと思いますけれども、知事部局等で見ると、一九九九年度と二〇一一年度を比べますと約二万人減少、率にすると四三%の減少というふうになっています。
 もちろんその中では、清掃事業の特別区への移管というのが比重的には大きいことは承知しておりますけれども、定数減のこの間の主な理由をご説明お願いいたします。

○中嶋人事部長 平成十一年度以降の定数削減の主な理由につきましては、清掃事業の特別区への移管による減が約八千名、都立四大学等の独立行政法人化や、都立病院を初めとした都立施設の財団法人への移管による減が約四千名、このほかに、事務事業の見直しや業務委託等による減が約七千名となっております。

○吉田委員 重ねて伺いますけれども、定数減の要素について説明していただきましたが、次に局別に見たときにどうなのかということを見たいんですけれども、残念ながら局は変遷がありますから、きれいな形で変化を見ることはできません。
 そこで、行政分野別に見た場合の、削減の大きな分野、その結果ということでご答弁お願いいたします。

○中嶋人事部長 知事部局等におきましては、この間の局の変遷等がありますので単純に比較することはできませんが、行政分野別で見ますと、削減数の多い部門としましては、先ほどご答弁いたしました清掃事業の特別区への移管等を実施した清掃部門、また都立病院等の公社移管や、老人医療センターの独立行政法人化等を実施しました福祉医療部門、また多摩都市整備本部などの組織の統廃合や、動物園、都立公園の指定管理者導入などを実施いたしました、いわゆるハード系の都市建設部門などが挙げられます。

○吉田委員 清掃部門を除けば、定数の削減の一番大きかったのが福祉医療部門だというふうに思います。
 そこでお伺いしたいんですけれども、全体の定数減と、さらにこの内訳なんですが、本庁と事業所で見ると、福祉医療部門ではどのように推移をしているのか、お答えください。

○中嶋人事部長 福祉医療部門の定数の推移として見てみますと、平成十一年度の定数が一万四千四百三十五名、うち本庁の定数が千二百四十七名、事業所の定数が一万三千百八十八名です。
 次に、平成二十三年度の福祉医療部門の定数が一万六百八十名、うち本庁の定数が千二百五十名、事業所の定数が九千四百三十名です。
 この間の定数の推移は、福祉医療部門全体で三千七百五十五名の減、うち本庁で三名の増、事業所で三千七百五十八名の減となっております。
 これらの削減事由の主なものは、都立病院等施設の保健医療公社への移管や、社会福祉事業団への委託化、民間団体への移管、独立行政法人化などでございます。
 こうした見直しは、個々の事業の特性などを踏まえつつ、公民の役割分担等について十分検討いたしまして、効率的な執行体制の確保と都民サービスの向上を図るため監理団体の活用などによるアウトソーシングなどを進めた結果でございまして、その内容は妥当であるというふうに考えております。

○吉田委員 あえて妥当であると考えていますという答弁がつきましたけれども、事業所というのは直接的に都民サービスを担っている現場ですよね。もちろんその中には移管等もありますけれども、移管自身も、私はやはり、事業が継続されているからよしということは到底いえないと思います。
 やはり、都が責任を持って運営をするという責任の後退があるということを指摘せざるを得ませんし、同時に、移管ではなく施設の廃止ということも、この中に含まれているということを見なければなりません。
 例えば私が調べた中では、都立養護老人ホームはかつて五カ所、千五百人の定員を確保していましたが、四カ所が廃止されて、今は一カ所のみです。
 さらに、児童施設では成東児童保健院の廃止、障害者施設では用賀技能開発学院の廃止等々の施設の廃止が少なからずあって、事業所定員の三千七百五十八人もの減の中に含まれているということを見ておく必要があると思います。
 次に産業労働局は、これは局として変遷は確認することができますので比較できると思いますが、産業労働局の場合、一九九九年度と二〇一一年度で、私の計算では約九百人減少していると思いますが、全体、本庁、そして事業所というふうに見たときに、どのように変化をしているのか、ご答弁をお願いします。

○中嶋人事部長 産業労働局の職員定数につきましては、平成十一年度の産業労働局の前身であります労働経済局の定数が二千百二名、うち本庁の定数が五百八十名、事業所の定数が千五百二十二名でございます。
 平成二十三年度の産業労働局の定数は千二百十二名となる見込みであり、うち本庁の定数が四百七十八名、事業所の定数が七百三十四名です。
 この間の定数の推移を見てみますと、局全体で八百九十名の減、うち本庁で百二名の減、事業所で七百八十八名の減となっております。
 これらの削減事由の主なものとしましては、産業技術研究所の独立行政法人化や、農業試験場等の財団法人への委託化、また、経済事務所などの組織の統廃合によるものでございます。
 こうした見直しにつきましては、先ほどの福祉医療部門でもご答弁申し上げましたが、個々の事業の特性などを踏まえつつ、公民の役割分担等について十分検討いたしまして、効率的な執行体制の確保や都民サービスの向上を図るために監理団体の活用等によるアウトソーシングなどを進めた結果でございますので、その内容は私どもとして妥当であるというふうに考えております。

○吉田委員 この点についても改めて産業労働局の事業概要などを見比べてみましたけれども、単に移管だけではなく、例えば、経営指導、相談事業を担ってきた商工指導所は完全に廃止されましたし、労働研究所、さらに技術専門学校の指導員のレベルアップのための機関であった職業能力開発研修所も廃止されています。
 こうした実態は、改めて、人員削減が都民のための事業所を廃止、縮小し、後退させているということを示しているというふうに思います。
 知事は、もう重ね重ね、東京都政の強みとして現場を持っているということを何度強調されたでしょうか。しかし、石原知事のもとでこの現場が次々と切り離され、後退させられている。その結果、都民サービスの後退につながっているんだということを私は指摘せざるを得ません。
 今回の条例定数改定でも、改めて、引き続き定数の削減が提案されていますけれども、こうした人員削減で都民サービスを結果的に後退させるということはあってはならないということを述べて、私の質問を終わります。

○西崎委員 私は、都におけるワークライフバランスの取り組みについて伺いたいと思います。とりわけ社会的要請の高い子育て支援を中心に、まず何点かお伺いします。
 ここ数年、ワークライフバランスという言葉がよく聞かれるようになってまいりました。ようやく社会全体に、国や自治体のみならず一般の企業も含めて、ワークライフバランス、すなわち仕事と生活の調和の重要性がやっと認知されつつあるのではないかと考えています。
 しかしながら、まだまだこの理念を実際に取り入れている企業は少なく、理念はわかっていても、実際に実行に移すのはなかなか難しいと考えている経営者の方も多いと思います。
 女性の社会参加が活発になり、今では勤労者世帯の過半数が共働き世帯になるなど、私たちの生き方、働き方、その前提となる価値観も多様化している一方で、働き方や子育て支援などをめぐる社会基盤は必ずしもこうした変化に柔軟に対応しているとはいえない状況だと思います。また、職場や家庭、地域では、男女の固定的な役割分担意識が根強く残っているのが実態ではないでしょうか。
 都では、全国の自治体に先駆けて、男女平等参画基本条例を制定されました。そこでは、労働の分野における男女共同参画の視点が掲げられ、具体的な行動計画の中で、ワークライフバランスについても中心的に取り組むことが明記され、長時間労働の削減や、育児、介護休暇の取得促進など、社会全体で働き方を変えていくことによって、だれもが希望する形で仕事と生活の調和が図れるようにしようとするものです。
 都はこうした行動計画に基づき、都内事業者に対してワークライフバランスの重要性、必要性の普及啓発に努められているわけですが、都みずからも、職員との関係では一人の事業主として、ある意味、企業をリードしていく立場から積極的な取り組みを行っていくべきと考えています。
 そこでまずお伺いしますが、職員の子育て支援について、現在どのような取り組みを行っているのかお聞かせください。

○内藤労務担当部長 都では平成十七年三月に、職員の仕事と子育ての両立を支援するための行動計画といたしまして、東京都職員次世代育成支援プランを策定してございます。
 現在、このプランに基づきまして、各局各職場に対しまして、子育て支援に対する意識改革、より効率的な仕事の進め方を促すとともに、職員が育児休業や出産支援休暇、子どもの看護休暇などさまざまな支援制度を効果的に活用できるよう、各職場に両立支援アドバイザーを選任し、適宜相談等に応じるなど、利用しやすい環境整備にも努めているところでございます。
 また平成二十年七月には、育児休業法の一部改正を踏まえまして、職員が職場を離れることなく長期間にわたる育児と仕事の両立を可能とするため、新たに育児短時間勤務制度を導入したところでございます。さらに昨年七月には、この制度の実効性を一層高めるため、取得要件を一部緩和いたしまして、配偶者が仕事についていない場合などにおいても制度を利用できるようにしたところでございます。

○西崎委員 国の制度改正に合わせまして、子育てを支援する働き方の環境整備に積極的に取り組んできたことは評価いたしますが、制度があっても、それを利用できなければ意味がないと思います。
 ワークライフバランスの推進役である都みずからは、ただいまご紹介いただいたようにさまざまな取り組みを行っているわけですが、それらの施策の中で、主な制度の利用実績というか、実際の活用実態はどのようになっているのか、お聞かせください。

○内藤労務担当部長 平成二十一年度におきます主な制度の取得実績といたしましては、例えば、女性職員の育児休業取得率は対象者の九四・二%と、ほぼ一〇〇%に近い状況に達してございます。また、男性職員の出産支援休暇の取得率も八〇%を超えるなど、着実に取り組みの成果が上がっているものと認識しております。
 ただ一方、男性職員の育児休業の取得率につきましては一・四%、育児短時間勤務につきましては、制度導入後間もないということもございまして、男女合わせた職員全体の取得率は一・九%にとどまっている状況でございます。

○西崎委員 昨年の六月には改正育児・介護休業法が施行されまして、父親が積極的に子育てに参加できるよう、育児休業の要件が緩和されました。その影響もありまして、昨年、流行語大賞を取りましたイクメンという言葉がはやりましたけれども、マスコミ等でも、子育てに取り組む若いお父さんの奮闘ぶりを特集する機会もふえているような気がいたします。
 生活者ネットワークが数年前に、子育てをしている人たちにアンケート調査をしましたところ、一番要望が高かったのが男性の子育てへの参加でした。しかしながら、企業においても、まだまだ男性の育児休暇の取得率は、やはり一%程度と非常に低いのが実情です。
 その背景には、当事者の男性自身の意識や時間の使い方が大きく影響しているのでしょうけれども、例えば職場の上司の理解が得られないこと、休暇をとることで職場の同僚に迷惑をかけないこととか、キャリアアップやスキルアップが中断してしまわないかということ、さらに人事考課などにマイナス査定をされやしないかという不安から、なかなか取得に踏み切れない方が多いと思います。
 先日、国際フォーラムで開催されましたワークライフバランスフェスタ東京二〇一一、このことは総括質疑でも取り上げましたけれども、見学したときには、スーツ姿の女性とかあるいは男性が大勢参加されておりまして、これからのビジネスを成功させるという視点からも、ワークライフバランスはキーワードではないかという認識を強くしたところです。
 そこでお伺いしますが、都でも男性職員の育児休業は一%程度という状況とのことですが、実際に取得された方の反応、あるいは実際に育児を経験して得られたものとか、そういった声はどのようになっているのか、把握されている範囲で構いませんのでお聞かせください。

○内藤労務担当部長 現在、次世代育成支援プランに基づきまして、毎年定期的に行います各局代表者との意見交換会を通じ、制度の活用状況や、職員の意見、要望を把握しているところでございます。
 また、実際に育児休業を取得した職員の育児体験談を募集いたしまして、メールマガジン等を活用して各局各職場に周知するなど、仕事と子育ての両立に向けた意識啓発にも努めているところでございます。
 育児体験談の中にある男性職員の声を拾ってみますと、当初は職場への影響や実際に子育てができるのかなど、不安もあったようでございますが、取得後の感想といたしましては、自分も少しは成長できたかと思う、また休業中の経験を生かしてワークライフバランスを心がけていきたいなど、子育てが自分にとってよい経験となったとする意見が数多く見受けられているところでございます。

○西崎委員 実際に取得された職員の方の感想としては、総じて有意義であったということかと思います。
 子育て参加を希望する男性自身も、職場に迷惑をかけずに仕事と子育てを両立する方法がわからないために、参加しないケースも多いと思います。
 先日のワークライフバランスフェスタで講演しました東レ研究所の渥美さんは、みずから育児休暇を取得して子育てを経験されたんですけれども、この方のお話を聞きますと、最初お子さんを連れて公園デビューに行きましたら、近所の奥さんたちから、あの人は失業中じゃないのかとかいろいろうわさを立てられたそうですけれども、今まで気づかなかった生活の中での経験が、仕事に復帰したときに生かされるという話をしておりました。仕事にも好影響を与えるものだということを、実際に制度を利用した職員が、それをみずからの体験談を通じて広く職場全体に伝えていくことが、最も効果的な普及啓発策ではないかと思います。
 それでも、育児休業といえども一定期間職場や仕事から離れるわけですから、キャリアアップがおくれてしまうのではないかというような、さまざまな不安はやはりあると思います。
 そこでお伺いしますが、一定期間職場を離れることに対して、または復帰に向けて、何か組織的な支援を行っているのでしょうか。お聞かせください。

○内藤労務担当部長 都では、まず各職場に、子育て支援制度全般に精通いたしました職員を両立支援アドバイザーとして選任し、制度に関するさまざまな疑問や、制度利用に当たっての不安に対しまして、的確な助言や相談ができる体制を整えてございます。
 その上で、育児休業等の取得により職場から長期間離れてしまう職員に対しましては、上司や両立支援アドバイザー等が毎月一回程度電話やメールで職場の状況などを連絡する、マンスリーコールを実施しているところでございます。
 また、今年度から、新たに外部講師も活用した育休復帰支援講座を開催し、復帰後の仕事と子育てを両立するための時間活用術や、復帰に当たっての心構えなどを学べる機会を設けたところでございます。

○西崎委員 今のお話ですと、定期的に職場や仕事の状況について上司や同僚から直接話が受けられるというのは、職場を離れているということに対する不安解消には効果的なものと思います。
 それから、育児休業中は当然育児に専念するわけですが、一定期間まとまった時間があるわけですから、職員自身もみずから不安を解消するという意味で、育児の合間を有効に活用しながら、例えばさまざまな自己啓発にも積極的に取り組むなどの意識もあってよいのではないかと思います。
 今後とも、制度が一層実効性あるものとなるように、その支援をぜひともお願いしたいと思います。
 次に、ワークライフバランスを推進する上での、もう一つの課題が介護問題だと思います。
 実際に要介護状態の方のいるご家族の状況はまさに千差万別であり、介護は子育てと違って、どのくらいの期間、介護を必要とするのか予測がつかないといわれています。企業のトップでさえ妻の介護のために大変な思いをされたり、仕事をやめなければならない事態にまで追い込まれることもあり、働きながら介護を行うというのは本当に大変なことだと思います。
 その意味でも、介護家族を抱えている職員に対して、仕事の両立が図れるような制度的支援が極めて重要であることはいうまでもありません。
 そこでお伺いしますが、現在、職員の介護支援対策としてどのような仕組みが整備されているのか、また、その利用実績についてお聞かせください。

○内藤労務担当部長 都では平成七年四月に、職員が比較的長期間にわたり家族の介護を必要とする場合に備えまして、介護休暇制度を導入いたしました。
 平成二十一年度における介護休暇の取得実績は、男性職員が八十五名、女性職員が二百五十三名となってございます。
 利用状況につきまして、ここ数年の推移を見ますと、ちょうど五年前に当たります平成十七年度と比較して、取得実績は約四割増加しており、家族の介護を必要とする職員に対しまして、この介護休暇制度は着実に浸透してきているものと認識してございます。
 また昨年七月には、育児・介護休業法の改正を受けまして、一時的に介護を行う必要が生じた場合に取得できる短期の介護休暇制度を新たに導入したところであり、引き続き利用状況等を適宜把握しながら、制度全体の普及に努めてまいりたいと考えております。

○西崎委員 都の職員数から見れば、まだ実績としてはそれほど多くないかもしれませんが、今後高齢化がますます進行していく中で、介護家族を抱え、制度を利用する職員の需要は高まっていくものと推測します。子育て支援と同様に、介護支援は、ワークライフバランスを実現していく上でかぎを握るものだと思います。今後の支援策の実効性がさらに高まるよう期待しています。
 最後にもなりますが、私は、ワークライフバランスの実現には二つの側面があると考えています。
 その一つは、先ほどから質疑にありましたように、使用者側が行うべき支援策をいかに実効性のあるものにしていくかということ、もう一つは、みずからも職業人として自立していくことだと思っております。
 一人一人がみずからのライフステージで、だれもが経験する可能性のあるさまざまな課題にどうやって対応していくのか。そのために、職業生活の入り口から、職業人としての素養やスキルアップに努め、時間を有効活用していくという、まさにみずからをマネージメントする力を備えていくことも大切だと思います。
 今後、都においても、こうしたワークライフバランスがきちんと根づき、ほかの模範となることを期待して、質問を終わります。

○高倉委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高倉委員長 異議なしと認め、予算案、付託議案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で総務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時四十一分散会

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